平成22年03月15日中野区議会厚生委員会(第1回定例会)
平成22年03月15日厚生委員会
中野区議会厚生委員会〔平成22年3月15日〕
厚生委員会会議記録
○開会日 平成22年3月15日
○場所 中野区議会第3委員会室
○開会 午後1時00分
○閉会 午後5時01分
○出席委員(8名)
長沢 和彦委員長
内川 和久副委員長
伊東 しんじ委員
奥田 けんじ委員
かせ 次郎委員
山崎 芳夫委員
岡本 いさお委員
佐藤 ひろこ委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
子ども家庭部長 竹内 沖司
子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 町田 睦子
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 田原 なるみ
保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
保健福祉部副参事(保健予防担当) 山川 博之
保健福祉部副参事(生活衛生担当) 古屋 勉
保健福祉部参事(健康推進担当) 岩井 克英
保健福祉部副参事(福祉推進担当) 伊東 知秀
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長 大橋 雄治
南部保健福祉センター所長 高里 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ
保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子
保健福祉部副参事(保険医療担当) 柿内 良之
保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄
○事務局職員
書記 菅野 多身子
書記 鳥居 誠
○委員長署名
審査日程
○議案
第20号議案 中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例
第21号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について
第22号議案 東京都後期高齢者医療広域連合の葬祭費に関する事務の受託について
○請願
〔継続審査分〕
(21)第6号請願 食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本的改正を求める意見書の提出について
○所管事項の報告
7 (仮称)中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例についてのパブリック・コメント手続実施結果について(生活衛生担当)
1 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」の策定について(子ども家庭部・保健福祉部)
2 平成22年度の組織編成について(子ども家庭部・保健福祉部)
3 (仮称)仲町すこやか福祉センターについて(案)(子ども家庭部経営担当・保健福祉部経営担当)
委員長
それでは、定足数に達しましたので、ただいまから厚生委員会を開会します。
(午後1時00分)
本定例会における委員会審査の進め方について協議したいので、委員会を休憩します。
(午後1時00分)
委員長
それでは、委員会を再開します。
(午後1時00分)
本定例会における委員会の審査日程についてお諮りします。(資料1)
1日目は、議案審査の後、請願審査を行い、その後、所管事項の報告のできるところまで、2日目は、所管事項の報告の残りの審査を行い、3日目は、審査の状況を見ながら改めてお諮りしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
なお、審査に当たっては、3時ごろに休憩を入れ、5時を目途に進めてまいりたいと思いますので、よろしく御協力をお願いします。
議事に入ります。
第20号議案、中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例を議題に供します。
先ほど休憩中に御協議いただきましたとおり、本件に関連した所管事項の報告を先に受けたいと思いますので、本議案を一たん保留としたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、第20号議案を一たん保留とします。
それでは、本議案に関連する所管事項の報告を受けたいと思います。
皆さんのところに、黄色の付箋のついた資料が関連する所管事項でございますので、そちらの報告をお願いいたします。
(仮称)中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例についてのパブリック・コメント手続実施結果についての報告を求めます。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
まず先に、(仮称)中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例についてのパブリック・コメント手続実施結果について、概要を御報告します。(資料2)
このパブリックコメントは、昨年12月21日からことし1月15日まで意見募集を実施いたしました。
また、3番に記載がありますように、意見の提出者数は団体を含めて全体で14人でした。前回、1月29日の厚生委員会では13人というふうに報告しておりましたが、その後、精査した結果、14人ということで、数に変更がございました。おわびし、訂正させていただきます。
さて、提出された意見の概要とそれに対する区の考え方についてごらんください。
各項目ごとに、左側には提出された意見の概要を掲げ、それに対応して区の考え方を右側に示してございます。
お手数ですが、1枚目をめくっていただいて、2ページ、3ページのほうをごらんください。
この中で、4番、7番、9番、10番のように、いわゆる動物愛護法の規定を踏まえた意見提出が多くありました。区の考え方としましては、この条例は、動物愛護法を踏まえた上で住民間の相互理解を広げ、良好な生活環境との調和や地域社会で動物の飼養等を受け入れていく社会を築くことを考え方の基本にしていることを明記してございます。
また、5番のように、カラスへの給餌に関し地域で問題になっていることから、カラスやハトの給餌制限について、条例の目的に入れてほしいなどの意見がございます。区の考え方としましては、この条例ではカラスやハトなどへの対応もしている旨、示しております。
また、6番のように、飼い主のいない猫の問題につきまして、条例で取り上げられたりすることは活動がやりにくくなるということで、かえって住民間の対立を招くなどを理由としまして、反対の意向に基づく御意見が随所にございます。区の考え方としましては、飼い主のいない動物に対し保護や世話をする方々にも周辺の生活環境への配慮をお願いしていく必要がありますので、飼い主のいない動物に関しても条例で定めていく考え方をお示ししてございます。
次に、4ページの項目1-2、用語の定義についてごらんください。ここでは、「飼養等」の文言につきまして御意見がありました。区の考え方としましては、周辺の生活環境への配慮は、飼い主に対してだけでなくて、飼い主のいない動物に対し保護や世話をしている方にも求めておりますので、「飼養等」という用語を定義しているところでございます。
次に、項目1-3、区の責務です。ここでも、動物愛護法の規定などの比較で、このような規定は条例で定めなくても対応できることを理由に削除するべきであるとの意見が散見しております。区の考え方としましては、区の責務を明らかにしていくことは、動物の飼養等を受け入れていく地域社会を築いていくために欠かせないものであることを明らかにしております。
次に、6ページのほうをごらんください。
1-4の区民の責務でございますが、虐待を防止するような地域ぐるみの取り組みや条例の理念を示すべきであるなどの御意見がございます。
以下、項目2-1、7ページの項目2-2、2-3などは、犬や猫など飼い主の遵守事項についての御意見でございます。条例に反対だけの御意見ではなくて、近隣へ迷惑防止の努力規定を追加すべきであることや具体的な犬の鳴き声による被害防止のため早急に条例制定を求める意見などがございます。
次に、8ページのほうをごらんください。
項目2-4の飼い主のいない動物の保護等に関する遵守事項についてです。ここでは、周辺の生活環境への配慮の努力義務は飼い主としての責任を押しつけるものである、したがって削除するべきであるとの御意見がございます。
次に、項目2-5、周辺の生活環境を損なう行為の制限についてです。ここでは、動物の飼養等にかかわらず環境問題など他の一般的な迷惑行為全体について防止する条例などを定めていくべきであるとの考え方から、この規定は削除するべきだとの御意見がございます。区の考え方としましては、この条例は、動物に着目して、動物をめぐる諸問題の解決を図っていくため、条例を制定していくものであるとの考え方をお示ししてございます。
以下、9ページの項目3-1、協議のあっせん、項目3-3、勧告及び命令、10ページの項目5、罰則からその他事項についての12ページまで、御意見と区の考え方をお示ししてございます。重複する部分がございますので、恐縮ですが、後ほど御確認いただければと思います。
最後に、13ページのほうをお開きください。
5番の提出された意見により修正した箇所とその理由をごらんください。
パブリックコメントによって提出された御意見を踏まえて、パブリックコメントの案を修正した取り扱いをしたものがございます。2カ所でございます。
一つは、罰則の構成要件になる行為を規則に委任すべきではないとの御意見に基づきまして、周辺の生活環境が損なわれている事態について、条例案の第2条の定義の中に明記したものでございます。
また、二つ目としましては、生活環境の悪化が明確ではないとの御意見に基づきまして、条例案の第2条の定義の中で、ここのページの、13ページのNo.2に記載がありますように、①から③の内容を明記してございます。
以上、条例に関するパブリックコメントの実施結果につきまして御報告いたしました。
なお、このパブリックコメントの結果につきましては、3月18日から区のホームページに掲載し、また区政資料センター、地域センター、図書館、保健所の窓口におきまして閲覧できる形で公表し、また区報においても周知してまいります。
パブリックコメント実施結果につきましては以上でございます。
委員長
ただいま傍聴の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
傍聴者の方へのお願いですが、本日、多数の方が傍聴にお見えになっておりますので、席を譲り合って傍聴いただくようお願いいたします。
それでは、ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
岡本委員
8ページの項目2-4のNo.1、「動物の保護や世話を行う者に対し、「動物の所有または占有」と同等の権利義務を与える権限は区にないため、全文削除すべき」ということに関連してですが、動物の愛護及び管理に関する法律、それと東京都の動物の愛護及び管理に関する条例にも、飼い主の責務は述べていますけど、飼い主のいない動物へ給餌している者に対する責務は扱っていません。中野区が飼い主のいない動物に給餌している人に規制や責務を負わせるとした根拠は何か教えてください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
飼い主の方につきましては、当然に周辺の生活環境を損なわないように注意する義務がありますけども、飼い主のいない動物について給餌をする、保護や世話を行うという場合につきましても、周辺のお住まいの方々に対して生活環境を損なうような事態を招くようなことはしないように、招かないように、いろいろと注意しなければならない、一般的には注意義務があるという考え方でございます。
岡本委員
私は、根拠を聞いていますので、一般的な話じゃなくて、どこどこの法によってこれは――動物の愛護及び管理に関する法律とか東京都の条例には明らかに飼い主のいる動物にしか責務とか規制をかけていないのに、中野区が条例でそこに規制や、あるいは責務を与える根拠はどこから来ているのかということを聞いているので、一般的な話ではなくて、そこをしっかり答えてください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
私ども区の考え方としましては、飼い主のいる動物にかかわらず、飼い主のいない動物につきましても、保護や世話をする場合については、区民の皆さんのそれぞれのお互いの理解、相互理解というものが必要であるというふうに考えております。
強いて申し上げてしまうと、他人に迷惑をかけてはいけないという民法でいえば不法行為ですか、そういうふうな形で相手方に精神的な損害とか物理的な損害とか、そういうものは起こしてはいけないと、発生させてはいけないという、そういうような規定に基づきますけども、ただ、そこまで行かなくても、やはり中野区としましては、動物をめぐっていろんな問題がありますので、そういう問題についてはお互いに相互理解に基づいて注意をしていく。そういう中で、動物の飼養、あるいは保護や世話というものが皆さんに受け入れてもらえるような社会にしていきたい。そういうことで条例の中でルール化を目指しているものでございます。
岡本委員
根拠でも何でもない話だと思います。動物の愛護及び管理に関する法律や東京都の条例では、飼い主のいる動物、飼い主に対して規制をかけたり責務を与えているので、あえて飼い主のいない動物――特に猫に当たる場合が多いでしょうが、その場合には、都も国も、それから各区で行っているそういうルールとかいう中には、えさやりのことについての取り扱いは十分慎重な扱いをして、そしてルールや東京都のガイドラインに従ってそういうえさやりが間違ったえさやりにならないように、区、地域や、あるいは活動されているボランティアの方と一緒になってそういう取り組みをしているのに、中野区だけが条例でそれを縛るというのは、本当に地域の中でせっかく猫の好きな人と嫌いな人が地域猫として取り組もうしているところにも大きな溝を与えてしまう、亀裂を生ずることになるということで、私どももこの意見を述べた方と全く同じ気持ちでありますが、つまり動物の愛護及び管理に関する法律を逸脱した中野区の条例になるというふうに理解をしていいんですか。
金野保健福祉部長
お尋ねの第8条の規定は、飼い主のいない動物の保護や世話を行う、それに起因する悪臭や騒音等により周辺の生活環境を損なわないように配慮してくださいと、配慮しなければならないと、そういう規定でございます。これについては、こういう法律上の義務や縛りはありませんので、この条例でこういう配慮をしなければならないという定めを置くものでございます。
なお、ここでは、この条例の中では、区の責務としてさまざまな施策の努力義務などを定めておりますが、こういったものも同じように法律上、自治体がやらなければならないというものばかりではなくて、この条例で区の責務として定める、こうしたことによって全体としてこの動物の愛護と周辺環境の調和とを守っていこうと、そういう趣旨の条例としてつくったものでございます。
岡本委員
後で条例のところで詳しく触れたいと思いますが、区として条例で進めようという考え方はわからないではないんですが、地域でこういう地域活動として地域コミュニティとかまちづくりを進める上で、例えば飼い主のいない猫に対する考え方はもう賛否が真っ二つに割れている中で、それを一つの考え方にまとめようということは条例でやるべきものではないということを申し添えて、後の条例のところで質問をしたいと思っています。
委員長
他に質疑はございませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告については終了します。
それでは、先ほど一たん保留としました第20号議案を改めて議題に供します。
理事者の補足説明を求めます。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
引き続き、第20号議案、中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例につきまして、お手元の補足資料、副題として「パブリックコメントの結果をふまえた検討結果」とあります資料(資料3)を使用して御説明申し上げます。
この条例案は、全体の考え方や主要な項目につきましては、昨年12月の当厚生委員会のほうで御報告しておりますパブリックコメント案を踏まえて確定したものでございます。
区では、これまでの議会での御指摘やパブリックコメントの結果を踏まえて条例案を検討しましたが、その結果、パブリックコメント案と異なることとなった点がございますので、その点を中心にして御説明申し上げます。
まず、議案の第2条の定義の第3号のほうをごらんください。
周辺の生活環境が損なわれている事態について、その事態を判断するための内容を条例の中で具体的に示すことといたしました。パブリックコメント案の段階では、周辺の生活環境が損なわれている場合の状況につきましては規則の中で定めることとしておりましたが、パブリックコメントの意見も踏まえて検討の結果、条例の中に明記することとしたものでございます。あわせて、この周辺の生活環境が損なわれている事態の内容につきましても、勧告や命令につながっていく場合がありますので、第2条第3号に示してありますように、具体的に示すことといたしました。
その内容につきましては、周辺の生活環境が損なわれている事態として、議案の第3号の片仮名のアからオまでのいずれかに該当する場合について、周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ、当該支障が複数の周辺住民から区長に対する苦情の申し出等により周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる事態といたしました。
そして、具体的な周辺の生活環境が損なわれている事態としましては、アとして、「動物の飼養又は飼い主のいない動物への給餌に伴い頻繁に発生する動物の鳴き声やその他の音」。イとして、「動物の飼養又は給餌に伴うえさの残さ又は動物のふん尿その他の汚物の不適切な処理又は放置」。ウとして、「動物の飼養又は給餌を行う場所又はその周辺地域に飛散する動物の毛又は羽毛」。エとして、「動物の飼養又は給餌により発生する多数のねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物」。最後に、オとして、「給餌により集まる動物によって生じる周辺住民の生命、身体又は財産に対する危険」。以上、これらが周辺の生活環境が損なわれている事態としてその内容を具体的にお示ししたものでございます。
次に、補足資料の表面の3番をごらんください。
下のほうですが、罰則規定の整理について御説明申し上げます。
さきのパブリックコメント案では、犬のふんの放置を禁止する考え方をとっておりましたが、犬のふんの放置であっても、ただいま御説明しましたように、周辺の生活環境が損なわれるような日常生活に著しい支障を及ぼす事態と重複する部分がございますので、犬のふんの放置につきましては、それだけを単独で規定するということはしないことといたしました。
次に、補足資料の裏面をごらんください。
4番の法令上の表現や用語の使い方について明確にしたものがございます。
まず、議案の第5条の飼い主の遵守事項についての第2項、第3項です。動物の終生飼養義務や動物の遺棄を禁止する規定についてですが、終生飼養義務は、本来、動物の所有者に課すべきものですので、動物の遺棄とは分けて規定することといたしました。
次に、補足資料、(2)の周辺の生活環境を損なう行為の制限についてですが、議案の「第4章
指導、勧告及び命令」の章の中の第11条に規定しましたように、周辺の生活環境を損なう行為の制限の規定は、勧告及び命令の手続の中であわせて規定することといたしました。
また、補足資料の(2)の②の制限の内容ですが、パブリックコメント案の段階では、動物の飼養等を行う者に対し、原因となる行為を中止しなければならないという規定にしておりましたが、議案の第11条第1項では、区長は、周辺の生活環境が損なわれている事態を生じさせている者に対して、期限を定めてその事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができるというように表現を修正いたしました。
また、補足資料の(2)の③ですが、周辺の生活環境が損なわれている事態を生じさせている者に対し、勧告や命令、場合によっては命令違反に対し罰則を適用していくことがありますので、その原因行為につきましては明確に、かつ限定していく必要がございます。そこで、さきのパブリックコメント案では「動物の飼養等」としていた文言を「動物の飼養又は給餌」として、「等」から「又は給餌」に用語を変更いたしました。
次に、補足資料の4の(3)その他をごらんください。
以上の変更以外に部分的に表現や用語を変更したものがございます。
まず、議案の第1条の目的ですが、その第1条の4行目から5行目にかけまして、「動物を愛護する精神の涵養に資するとともに」という表現を加えました。
また、第3条の区の責務では、その第4号で、これまでは飼い主のいない動物の繁殖防止に関して「活動に対する支援」という表現にしておりましたが、これを「繁殖防止を促進するための事業の実施」に変更いたしました。
また、第6条の犬の飼い主の遵守事項では、第1項の本文において、「公共の場所」という表記を「道路、通路、公園、広場その他の公共の場所」として、より具体的な表記に変更いたしました。
さらに、第8条の飼い主のいない動物の保護又は世話を行う者の遵守事項では、周辺の生活環境を損なう状態として「悪臭や騒音等」の文言を加えて、よりわかりやすい表記にしました。
最後になりますが、補足資料の一番下です。5番の施行の時期についてです。
議案における附則では、この条例の施行時期としまして、平成22年4月1日としております。
また、罰則規定の適用時期につきましては、同じく附則の中で平成22年10月1日、すなわち6カ月間の周知期間を設けることとしております。
以上で、パブリックコメント案から変更になった事項を中心に議案の説明をさせていただきました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
委員長
これより本件に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
岡本委員
もう1年半ぐらいになるんですかね、この条例が提案されてから。これまでも委員会を開くごとに文言の修正をやって、そのタイトルも変わったり、それから目的も変わったりしてきていますけど、根本的には、私ども、三つの点、この条例には問題があるとしています。
一つは、条例のつくり方。要するに、飼い主のいる動物、飼い主のいない動物、また動物愛護法にない動物、それから災害時のこと等、そういうつくりの問題。
二つ目は、規制の問題。きょう、丁寧にこれを読ませてもらいましたら、このものだけでもいろんな矛盾点が結構ありました。
それから、三つ目は、罰則の問題ですね。これは前からこの委員会でこの罰則ということが、本当に間違ったえさやり等で迷惑をこうむっている人がたくさんいる、何とかしなきゃいけないという、これはもう私どもも全く同感でございますが、そのために後々、活動している人、地域でこれから取り組んでそういう地域のまちづくりや、あるいは地域として地域猫として取り組んでいく上に大きな支障を来すという、この3点が私ども、この条例に対する問題があると思っています。
最初に、罰則のことは前からずっと言ってきましたので、条例のつくりとか、それからこの規定の問題について少し触れていきたいと思います。
その前に、既にさまざまな国の法律や条例や基準等が東京都とか、示されているわけですが、中野区としてそれらの法律や条例とどのような取り組みをされてきたのか、もう一度伺いたいと思っております。
例えば動物の愛護及び管理に関する法律、東京都動物の愛護及び管理に関する条例、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準、犬の鑑札や狂犬病予防、さらに鳥獣保護法など、たくさんもう既に施行されている条例等々があるわけです。これらの法律などに対して中野区として何ができて何ができなかったのかを明らかにすべきではないでしょうか。なぜできなかったかについて反省もし、できなかった理由はどこにあるのか分析をされているのでしょうか、まずそこをお伺いしたいと思います。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
私ども、保健所のほうでは、動物愛護法などに基づきましていろいろな苦情対応をしてまいりました。そういう中から、皆さんがお互いに適正に飼養ができるようなお願いを現場に赴いて、あるいは電話等で指導、お願い等をしてきたところでございます。
また、先ほど御指摘がありました狂犬病予防法とか、そういうものにつきましても、区としては、登録いただいている方々に対して狂犬病予防の注射を毎年4月に御通知して、そして獣医師会とも連携して、そこで集団で会場を確保して注射して、そういう事業も実施してまいりました。そういうことを中心に保健所としてしなければならないことにつきましては実施してきたところでございます。
また、今回、できないという御指摘がございますけども、私どもとしましては、この条例の中で今後取り組むべき、あるいは積極的に施策として展開していかなければならないということで、幾つかの重点的なものを、施策を、その根拠というのを条例案のほうに盛り込んでございます。今後はこういうものに基づきまして積極的な施策展開を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
岡本委員
動物の愛護及び管理に関する条例の中には、飼い主の責務として大変厳しい罰則まであるわけですよね。そういうことについて、啓発とか、指導とか、チラシをつくる。それをまたいろんな形で、区報を通して周知をする等々のそういう姿が、私は中野区の担当されている方の、あるいは区の全体の姿勢が見えていないから言っているので、担当分野としてはそれなりにやってきたとしても、しかし、いろんな今、東京都のそういう指針等にも、あるいは国の指針でも、各自治体がそういう特に飼い主のいない猫についてのガイドラインとかルールをしっかりつくって活動家を中心として周知徹底するようにというふうにかなり書いてあることについて、私どもが見る限り、中野区は非常に取り組みが弱いというか、極端な話がやってこなかったんじゃないかというふうな思いでいるんですが、その辺はいかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
東京都が実施しています飼い主のいない猫等を減らしていくためのプログラムというのがございます。共生支援事業というふうに言っていますけども、こういうものにつきましても、中野区は、これまで地域からモデル地域としてほしいということにつきましては、町会のほうと一緒にお話を聞いたりして東京都のほうにはそういう推奨をする、推薦をする、そういうような活動、支援というものをやってまいりました。
また、先ほどちょっと御指摘がありましたけども、犬や猫をはじめとしたそういう動物の適正飼養に関して、区報はもちろんのこと、ホームページなどでもきちんと周知のほうは尽くしております。御参考に申し上げます。
岡本委員
私は、本当に精いっぱい地域の方、あるいは活動されている方と区が一体となってここまで進んだ、なおさらもう一歩進めたいという形で条例が出てくるのであれば条例の意味もあるんですが、どうも条例ができたら何でもやれるんだというのは、僕は今までやってこなかったことがこれでやれるとは思っておりません。
それで、今回出された条例についてちょっと基本的なことを質問したいと思うんですが、まず、この提案の理由ですね、最初の。ここを見ますと、「区及び区民の責務、動物の飼養等を行う者の遵守事項、動物の飼養等に関する争いを解決するための協議のあっせん等を定める必要がある。」と、これが提案理由なんですね、この条例の。具体的には、飼い主のいない猫の給餌に関する争いのことを言っているんだと思うんですが、そのことはこの条例の9条で「当事者の協議による争いの解決のためのあっせんを行う」ということを示していることに当たっているんだろうと思うんですが、しかし、解決の手順や道筋がここに示されているわけじゃありませんし、もう既に先ほどから何度も出ている東京都の「飼い主のいない猫」との共生をめざす街ガイドブック、解決ABCを着実に推進すれば、これ以上の解決の道筋はないと思いますが、いかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
東京都のガイドラインに従ってそういう飼い主のいない猫に関しては進めていくという考え方ももちろんございます。私どももそれでもちろん展開してきたと思います。ただし、ガイドラインではやはりなかなか十分な内容ではないというふうに私どもは考えています。
一つは、いろんな周辺環境への配慮をお願いする――これは義務ですから、義務を課したり、あるいは給餌等の権利を制限したりというようなことにつきましては、ガイドラインではなかなか不十分であると。やはり条例できちんとそういうものは、条例でなければ定めることができません。
また、私ども、委員が最初言われましたように、この提案理由ですけども、飼い主のいない猫の問題に限ってこれを提案しているわけでは全くございません。動物をめぐっては、中野区内、いろんな問題がございます。災害時の問題、犬との公園への同行入園の問題、あるいは飼い主のいない動物、猫以外の動物についての上記をした給餌によって地域の住民の皆さんが大変困っている日常生活にあると。そういうものを何とかしたいという、こういう問題を、あるいは課題を解決させていかなきゃならない。そのためにこの条例を提案させていただいているものでございます。
岡本委員
その道筋があっせんをする、協議体をつくるだけで解決するようなものではないと思いますし、具体的にそういう東京都のガイドライン等にはその道筋がきちっとできているわけですから、区は、これは中途半端だと言う前に、これをおやりになって、そしてどこが課題なのか見つけて、先ほど言いましたように何が問題なのかというのをきちっと分析した上で進めないと、中野区の条例だけが一番すぐれているみたいな話になって、本当に納得できないことになるおそれがないかと心配をしています。
それで、「争いを解決するため」と提案理由にあるんですが、第1条の目的をよく読むと、争いを解決するような文言、記述はないんですよね。提案理由に示してあることと条例の目的が、目的にそれを示していないということです。
それで、この提案理由と目的がちぐはぐになってはいませんか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
この目的の中では、最初に考え方を示したときには、「迷惑防止」ということが入っていました。しかし、いろいろな御意見、御指摘等を踏まえた上で、ここはやはり動物愛護ということを区としてもきちんと推進していかなきゃいけないと。あるいは、動物を、ペットを飼っている、あるいはペットじゃなくてそういう飼い主のいない動物の保護や世話をしている方々についても理解を示していかなきゃいけない。そういうことを地域社会で受け入れていけるような、そんな中野区にしていこうということで、この目的の中には争い事解決ということはありません。
ただし、条例は全体のほうでちょっとお読み解きいただきたいんですが、私ども、やはり現実問題としまして、地域ではいろんな問題や対立があるというのは聞いていますし、実際そういう事実も把握しております。
私どもとしましては、区の責務にもありますように、きちんと普及啓発、あるいはそういう活動についても周知して区民の皆さんに理解いただく。そしてまた、活動されている方に対しても、いろいろなさっき委員が申し上げられたようなガイドラインを定めて、そういうもので適正に飼養等を行っていただく。そしてまた、本来、問題や課題については地域のほうで自主的に解決されていくのが理想ですけども、なかなかそうは、当事者間でなかなか解決できない状況もあると思います。そういうときには、この第9条にございますように、私ども区としましては、当事者間が相互の理解をさらに促進できるように、そういうことで協議の場をあっせんしていきたい。設けて地域で課題解決していくための支援などを行っていきたいという、そういう仕組みがございます。
この辺の内容全体の中から争い事についても解決させていくという流れといいますか仕組み、この辺をどうか御理解いただきたいと思います。
岡本委員
でしたら、提案理由のほうでそういう目的に合った提案をすべきであって、提案理由のほうでは二本立てになっているわけですね、動物愛護に関するものと、それからそういう争いを解決すると。目的もやっぱり合わせないと、何か提案理由と目的が違うことを言っているようになってしまいますよ。
もう一つ言うと、このタイトルが「適正な管理に関する条例」とありますけど、この中、どう丁寧に読んでも、どの条項を読んでも、管理に関する、そういう条例の中に盛り込む文言が全くといってないんですが、それはどうしてなんですかね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
適正な管理の部分につきましては、第5条の飼い主の遵守事項、ここは一般的な飼い主さんに対してこういう形で少なくとも管理をお願いしたいという内容でございます。また、第6条は、犬の飼い主の方への管理していただきたい事項です。また、第7条のほうは、猫の飼い主の方への管理面でお願いしていきたい事項になっております。また、第8条のほうは、管理ではございませんけども、飼い主のいない動物に対しても、保護や世話をされている方に対しても、飼い主と同じようにそういう保護や世話をするときには周辺への配慮というのをお願いしたい。これも考えてみれば一つは管理面かとは思います。その時点だけではございますけども、そういうことで気をつけていただきたいということで、決して管理の面がこの条例全体で反映していないというものではないというふうに私どもは認識しております。
岡本委員
タイトルが「管理に関する条例」というふうになっているんですから、それが明確になるような条項にすべきですよ。それも管理という考え方で述べていますというんじゃなくて、タイトルがそうなっているんですから、やっぱり地域動物という管理の仕方もあれば、いろいろ――特に飼い主のいない猫についてはどこの区でもやっぱり地域問題として管理をしようという方向になっているのに対して、この条例を見る限り、そういう方向にはなっていないということを指摘しておきます。
それから、一番大事な点を指摘しますと、第2条の定義のことでございますが、動物に対する定義が示されていません。この条例ではどのような動物について扱っているのかというのが全く不明です。これは重大な欠陥ではないかと思っています。
極端な例を言いますと、ワシントン条約に違反している動物だってこの条例に示された動物の中に含まれているのですねと言われて、言いわけが立ちますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
動物愛護法を例にとっても、動物というものについては条文によっていろいろと形が変わっています。それと同じように、いろんな局面がございますので、私どもの条例のほうでは、あくまでその場での問題ですよね。そういうところに着目して問題解決していくための条例でございますので、動物等について特に固めたような定義はしておりません。
岡本委員
だって、これ、動物の愛護の促進、適正に関する条例ですよ。動物という定義が先にあって、それから飼い主とか飼養等とか、それから周辺の環境を損なっている事態ということに定義がなっていくんじゃないですか。常識でそういう私が質問したワシントン条約に違反している動物は入りませんよと言っているんだろうと思いますけども、規定がない、定義がない限り、そういうふうに言われてしまいますけど、そこはどういうふうに区は考えているんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
例えばそういう法で捕獲するのが禁じられている動物に対して上記をしたような給餌を行うということがやっぱり考えられます。現にカラスとかドバトとか、そういうものもいわゆる鳥獣保護法のほうで対象になっている動物というふうに認識しておりますけども、そういう動物であったって、やはり現実問題としてそういうものに対して上記をしたようなそういう給餌等によって近隣の皆さんが周辺の生活環境が損なわれて非常に困っているという現実があれば、その部分に着目して問題解決を図らなきゃならないということでございます。そういう意味で、この動物なら対象である、この動物は除外されるというようなことは、この条例では考えておりません。
岡本委員
中野区の考えている動物というのは、もうありとあらゆる動物を考えているということでいいんですか。例えば今言ったように、そういう飼っちゃいけない動物も対象になっているんですというふうに今、そういう答えになったと私は認識したんですけども、そうですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
ただ、現実問題としまして、そういう捕獲してはいけない動物に給餌、世話をしたりということは実際問題難しいと思います。また、そういういろんな条約で規制があるような動物についても、現実問題としては実際に捕獲して自分でペットで飼うとか、そういうものはできない話だということは当然だと考えています。
ただし、この条例の中で特に動物というのを例えば昆虫にしても節足動物してもすべて矛盾しないように、範囲につきましては精査した上で限定しないでも条例として通用できるということで、検証した上で提案しているものでございます。
岡本委員
ですから、区が考えている動物というのを明記すればいいんですよ、何もこれだけに決まったものじゃなければ。そういうことを質問しないとわからないような条例なんですよ。だから、中野区が考えている条例は、例えばすべての動物だというなら、すべての動物を対象にしていますとか。そうしないと、まさか違反した動物を飼育するようなことまで区は踏み込むようなことは考えていないでしょうと、区民の方はそう思ってしまうじゃないですか。どうして、そういう限定していないなら限定していないというふうなことをやっぱり定義で示すのが定義じゃないんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
条例の最初のほうで定義、設けてございます。この定義というのは、あくまでこの条例を規定していく上で言葉の意味を明らかにしているものでございます。
動物の定義については、特に一般的な動物という考え方で、それ以上定義する必要はないということで、あえて定義はしてございません。
岡本委員
このいわゆる条例のつくりですけども、要するに飼い主のいる動物とか飼い主のいない動物、災害時の避難所における動物の保護などに関すること、それからカラス等、愛護動物でない動物を扱っている。これらを一つの条例として盛り込んで、これを動物の愛護の促進云々とした条例には無理があると思いますが、いかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
私ども、周辺環境を損なう事態というものについては、予防的にそういうものは保全してきたりとか、そういうことがございますので、特にこの条例を施行していく上に当たって今、委員が指摘されたような無理はないというふうに考えています。
岡本委員
要するに中途半端になっているんですよ、みんな。例えば災害時の避難所における動物の保護などに関することについては、平成18年10月31日に出された環境省告示第140号には、災害時対策には、地震等の緊急災害時における動物の対応について述べられておりまして、地域防災計画等に動物の取り扱いについて明確化を図ることが述べられております。
この条例では「避難所その他の条件を整備する」としていますが、それでは中途半端ですし、しかも、保健所だけが所管する分野ではないと思います。地域防災計画に明確にすべきものであって、この条例にちょこっと一、二行で入れるようなものではないと思いますが、いかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
防災計画は、中野区がいろんな意味で全体的に防災にどうやって取り組んでいくかということで計画しているものであって、これは、私どもが提案していますこの条例のほうで区の責務として第3条の第1項の第2号にのせてあります内容は、あくまで動物に着目して、その動物をいかに保護し、救護し、あるいは避難させていくかということについて、そういう問題をどうやって解決させていこうかということで、区の責務としてこれには責任持って取り組んでいくんだという姿勢をここに出しているものでございます。
各避難所、区内に50カ所ありますけども、そういう避難所でも具体的にどういうふうにペット等が避難した場合には安全を確保したらいいかということについては、今後それぞれの避難所で検討いただくわけですけども、そういうものについても区としてもガイドライン的なものを定めていかなきゃならない。それには私どもが責任を持ってこういうところにもいろんな、獣医師会の防災担当の獣医師の方ともいろいろと相談しながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。
岡本委員
避難所だけの問題ではないんですよね。残された動物の問題、逆に動物から危害を加えられる問題等もあるわけですよ。そういうことを考えると、この避難所の問題、そこの整備をするだけで動物愛護のあれが守られるというものではないわけですよ、防災計画の中にはきちっとそういうことを盛り込むようになっているわけですから。ですから、中途半端なんですよ。
副参事は、この条例の中に盛り込むことによって動物の愛護が守られるという話をしていますけど、そこは全く保健所だけでやる問題ではないということを指摘しておきます。
それから、この議会というか、中野区議会としても昨年の初めに全会一致で採択した不妊・去勢手術のことについて伺いたいと思います。
条例の第3条4には、「飼い主のいない動物の繁殖の防止を促進する」としていますと。飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の助成については、23区中、実施している20区は条例ではなくて要綱等で決めていますね。それから、残りの江戸川、葛飾、中野ですけど、江戸川も葛飾も条例ではやらないと聞いています。中野だけが条例でなければできないということはないと思います。助成は急ぐべきだと思いますが、ですから、条例ではなしで23区中22区が――あと2区が残っていますけど、条例でやらないとしているのに中野だけ条例でやるという、そこがいつも私どもはよくわからないし、早急にしなきゃいけないということですから、いろんな方法を使って助成をすべきだと思います。
それから、あわせて、中野区は助成するとなっていますけど、幾らの額で、その頭数も一応今から想定されている頭数があるんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
中野区は、不妊・去勢手術の助成事業をしていかないとは言っていなくて、あくまで条例できちんと公金支出の根拠を定めていきたい。それに基づいて要綱等を定めて、そして具体的に事業の内容を具体化していくということで考えています。
予算内容につきまして、何頭、あるいはどのくらいの規模でということにつきましては、現在は検討の段階でございます。
岡本委員
他区を見ると雄は1万円ぐらい、雌は1万7,000円とか、あるいは新宿でも雄は5,000円で、雌は9,000円ですか、という助成になっていますが、その辺も条例を決めてからということではなくて、もう既に昨年の早い段階で議会としては助成すべきと全会一致で決まっているわけですから、だから、全然やるんだかやらないかみたいな、やらないとは言っていませんなんてちょっととぼけた話になっちゃっているのは本当はけしからんと思っていますが、中野区だけがなぜ条例でやるかということが何度も聞いてもわからないんです。23区中、条例でなければこの不妊・去勢手術の助成制度はできないと言っている。じゃあ、ほかの区はいいかげんなことをやっているわけですか。そんなことはないと思いますけどね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
いろんな施策につきましては、この条例に基づいてきちんとやっていきたいと思うんですが、事業については、やはりきちんと継続して行っていく、あるいは安定的に行っていきたい。そういうことで、要綱のレベルと、やっぱり条例できちんと位置付けをして全体的にそういう不幸な猫をふやしていかないという、繁殖を防止していくんだという、そのための事業を実施していくんだという、その姿勢の違いは、私どもとしては条例の中できちんとあらわしていきたいというふうに考えています。
岡本委員
条例がいろいろ問題あるわけですよ、私どもが見る限りね。また、活動されている方も、この条例に対して私が知る限り賛成しているグループや団体は一つもないわけですよ。条例を出すべきじゃないというふうに皆さんおっしゃっているのに、条例できちっとやりたいという区の考え方と、やっぱり地域のことをあまりにも知らな過ぎると私は思っています。
ですから、議会で不妊・去勢手術を早急にやるような結論が出ているんですから、条例じゃなくても、切り離しても、あるいはまたそこだけ別な条例にしてもいいし、そうでなくて、ほかの区は何度も言うようにきちっとやって、しかも、地域猫という活動も、あるいはルールやガイドラインを使って本当に新宿とか千代田区なんかは苦情がどんどん減っているわけですよね。中野区だけが苦情がふえているというのが、本当に真摯になってこのことを受けとめないと、条例ができたらもうこれで中野のそういう問題は解決するというふうに思っておったら大間違いだと思いますが、いかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
私ども、不妊・去勢手術に関して申し上げると、お金だけ支出すればいいという考え方じゃなくて、あくまで、地域でいろんな飼い主のいない猫について問題が出ている。それについては、区としてはきちんと普及啓発を行い、そういう活動を知らない方々に対してもきちんと理解をしていただく。そういう中から区民相互がこういう飼い主のいない動物の、猫の活動についてもさらに理解が進み、活動が広がっていく。そういうふうに、あるいはそういう活動に従事している方々がさらにふえて、あるいは育成されていく。そういうことを目指して一体的にこの辺は考えているところでございます。
そういう意味で、単に条例でそういう支出の根拠だというのではなくて、実はそういう繁殖防止に向けた事業というのを全体として実施していきたい。トータルで、そういう飼い主のいない猫の活動をしている方々も皆さんに理解されているように、皆さんから御支援いただけるような、そんな形を目指していきたいというふうに考えているところでございます。
岡本委員
なぜ飼い主のいない猫がふえたかというところの入り口をしっかり指導してこなかったその原因がこういう飼い主のいない猫がふえたことになっているわけです。そうはいっても、現実にいるわけですから。飼い主のいない猫を減らすためには不妊・去勢手術が大きな効果を及ぼすわけですから、だから、大上段に構えてそういう動物の愛護法から不妊・去勢手術のほうまでという、そういう段階ではないと思います。
これも平行線になるから、もう時間があれですが、最後の罰則のことについてちょっと確認したいと。
この規定の問題とも絡むんですけど、要するに条例という体裁の中にえさやりというところにピンポイントで、そこだけ焦点を当てているところに、非常に私はこの条例が今後のそういう地域の活動をする上で問題になって、先ほど報告の中でも指摘させていただきましたけど、猫、特に猫のえさについては、嫌いな人、好きな人が真っ二つに割れているわけです。それを、例えば罰則を規定すると、正しいえさやりをしておっても、えさのやり方がまずいんじゃないかとか、あるいは鳴き声を上げたのはえさをやった人の責任だみたいなことで、地域の方が本当に歩み寄って地域猫として地域のそういうコミュニティを推進しようという人たちまでも疑心暗鬼になって、そういうことに、条例という大きなものの中に活動のピンポイントだけを取り上げているということに、非常にこの条例の座りが悪いと思いますし、そして、罰則を与えるということがやっぱりひとり歩きをして、迷惑防止条例であるとか、罰則が決められた条例だから、だからえさやりはだめなんだというふうに、幾ら区の方が丁寧に説明してもそこだけはひとり歩きしてしまいますよ。本当に迷惑防止条例の中にそのえさやりというのがくくられているやり方としては一つの例えば荒川区のようなやり方になりますけど、中野の場合は愛護の中にそれを入れていくということの規定や条例のつくりに問題があるわけです。
罰則のことについては今までたくさん質問をさせていただいて、地域コミュニティが崩れる、そしてまた地域の取り組みが阻害されるという条例になるということで、私どもは出すべきでないということを申し上げて、長々と私一人で質問してしまいましたけど、私の質問を終わります。
かせ委員
詳細な質疑をしていただきまして、大分理解が深まったわけですけれども、私のほうから、それにのっとって幾つかお聞きしたいと思います。
今の議論の中で言われておりましたけれども、中野区だけが特異的に条例をもって、条例でこういった動物に対する規制をかけていくということです。
それで、今言われたことですが、猫などの飼育に対して啓発したりとか、それから地域で活動する人たちの活動を支援したり、育成したりというようなことを言われていました。単にお金の問題ではないということですけれども、これは条例をつくらなければできないことなんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
飼い主のいない猫の活動を支援していくということにつきましては、確かにガイドラインなどでやっているという例はたくさんあります。ただ、私どもとしましては、もう少しきちんとした対応、地域においても――地域の方々もいろんな問題が、対立等がある中で解決にいろいろ努力されている。区としても、きちんといろんな問題があればそれは放置せずに、解決困難であれば一緒に踏み込んでしていく。そういう仕組みを、流れといいますか、ものをきちんと条例の中で示すということに意義があるというふうに考えています。
かせ委員
私の質問に全然答えていないんですよ。だから、条例がなければできないのかと言っているんです。だから、条例をつくってきちっとやりたいというのは先ほどからもうさんざん聞いておりますので、それはいいんですよ。中野区の考えとしては、条例をつくってこれをきちっとやりたいと言っている。だけれども、東京23区の中で実施している20区は条例を持たないで要綱でやっているわけでしょう。要綱でやっている区もあるんですよ。中野区は条例じゃないとできないんですかと聞いているんです。やりたいんじゃなくて、できないんですかと、そこを聞いている。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
中野区の場合には、周辺住民の生活を守っていく、周辺の生活環境が損なわれている事態、こういうものを発生しないようにしていかなきゃならない。そのために権利を制限し、あるいは義務を課しているような条項もございます。こういうものはガイドラインなどではできません。要綱でもできません。条例でないと権利を制限し、あるいは義務を課すということはできません。したがって、そういうことを申し上げてしまうともう条例しかないという話になってしまいます。
ただ、私どもとしましては、あくまで地域における活動をされている方、そしてまた周辺でそういうことで迷惑だと言っている方々、そういう人たちが相互にお互いのことが理解できるような地域社会にしていくんだということから、全体でこの条例というのは考えているものでございます。そういうことで、第4条にも記載がありますように、区民の皆さんにもそれぞれ、動物の飼養等を行う者とそうでない人たちもお互いに理解を深めるようなお願いというものをここでしていることだし、また、目的の第1条のほうでも、そういう方々それぞれがお互いに相互理解をどう支援していただき、そういう動物の飼養等を受け入れていく地域社会を築いていく、そういうものを目指してございます。ガイドラインとか要綱レベルでは、こういうところまで踏み込んで規定していくことはなかなか難しいかと思います。
かせ委員
じゃあ、具体的にお聞きしますけれども、今、権利や義務を規制する、そのためには条例が必要なんだというふうにお答えになったと思うんですね。じゃあ、その権利や義務を規制するというのはどういうことですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
権利は規制し、義務は課すという話なんですけども、例えば第8条を見ていただきますと、これは飼い主のいない動物に対して保護や世話を行う方々に対する規制義務になります。周辺の生活環境を損なわないように配慮しなければなりません。つまり、こういう義務というものはなかなか要綱などではできないものであって、条例でないとこういう規定は設けられない、そういう意味でございます。
かせ委員
8条に書かれている「当該動物の保護又は世話に起因する悪臭や騒音等により周辺の生活環境を損なわないよう配慮しなければならない」、これは動物を飼う者として当然のモラルでしょう。これは権利の規制でも何でもないですよ。当たり前のことじゃないですか。これが権利の制限や規制になるんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
第8条は、飼い主のいない動物に対して保護や世話をする場合を言っています。今、委員が言った飼い主のいる場合につきましては第5条のほうで規定しています。
かせ委員
飼い主のいない動物も同じでしょうよ。だって、飼い主のいないものに対してもちゃんとモラルを持って、それできちっとルールに基づいて給餌もするし、そういったところが垂れ流しなんですよ。じゃあ、ほかの自治体はどうですか、こういうものは盛り込まれていないんですか。条例がなければ盛り込めないふうになっていますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
中野区では……(「じゃないの。そっちの言い分はわかっている」と呼ぶ者あり)ほかの自治体では、特にこういう規定は、ガイドライン等で示している例があるかもわかりませんが、あくまで飼い主のいない動物に対しても保護や世話をする場合には飼い主と同じようなお願いというのは、そのときについてはお願いをする、周辺環境への影響ということについては配慮していただきたいということで、そこの点だけは一応義務としてお願いしております。
かせ委員
全然説得力ないですよ。それは当たり前の話なんですよ、ちゃんとお世話するというのは。それは条例がなくてもできるんですよ、そんなのは。じゃあ、条例がなきゃできないのはどこなんですか、本当のことを言って。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
今の御指摘ですけども、当たり前とはいえど、これがなかなかできていない現実があるからこそ、いろんな各地域で問題が起きているわけでございます。定義の第3にも書いてありますように、周辺の生活環境が損なわれているという事態というものがあってはならないわけなので、そういうものが発生しないように未然に防止していく意味でこちらのほうは規定しているものでございまして、中野区としましては、そうならないように普及啓発とか、あるいは対立等があった場合には協議のあっせん等をしていくと、そんなような仕組みを設けているものでございます。
かせ委員
そういったことは当たり前のことですし、それは条例の必要性はないと思います。これは言っているだけの話で、これはもうルール、あるいは要綱で十分足りることだと思うんですよ。
ただ、条例がないとできないのはやっぱり罰則なんですよ。要綱で罰則を規定することはできますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
できません。
かせ委員
条例が必要なのはそこじゃないんですか。罰則を設けるために条例が必要なんですよ。そうじゃないですか。違うと言えますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
何度も申し上げていますように、罰則は、あくまでこれはルールがあって、そしてそれを担保していくために最終的に定めているものでありまして、私どもは罰則を適用していくためにこの条例を施行していきたい、それを目的として条例で施策を展開していきたいとは全く考えていません。
かせ委員
それでは、罰則規定を削除することは可能ですね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
ルールを定めております。そして、それを、義務をきちんと、法規範でございますので、その規範をきちんと担保していく意味では罰則が必要だというふうに考えております。
かせ委員
何のかんの言っても、やっぱり罰則を設けるために条例化しなきゃいけないんですよ。
それで、そういうことがどういうことになるかということをちょっと具体的、条文上で確認していきたいんですけれども、先ほど目的のところでもちょっとおかしいんじゃないかというふうに言われていましたけれども、私も全くそのとおりだと思います。
それと、この中で、いわゆる生活環境が損なわれている事態というのがあるんですよね。これは先ほどの説明では単独的には見ないということですけれども、結局は、日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ複数の住民から区長に対する苦情申請が出ているものですよね。それで、それが地域共通の認識になっているということで規定されているわけですけれども、結局は、いろいろな問題があったときに、とにかくうるさくてしようがないということで区に苦情を言ったり、それをあっせん、誘導するようなものですよ。
本来そういうものではなくて、こういう動物に対する愛護の問題なんていうのは地域の皆さんの中で解決すべき問題が多いんですよ。そういうふうにすることによってやっぱり円満に解決できる。地域のルールもつくられるということなんですよ。専らこういうことで区に言って問題化させていくということで、私はこれで問題解決にならない。逆にいろんな問題、大がかりな、大げさな問題になるというふうに私は思うんですけれども、どうですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
委員、御心配されています、そういう地域における地域住民の間での反目などがあるんじゃないかということだと思いますが、そうであるときは、まさにこの議案で第9条で言っています協議のあっせんというところを適用していくべき場面なんだろうと思います。地域で当事者間では解決できない――本来こういう問題は地域で自主的に解決されることが望ましいと考えますが、しかし、なかなかそれができない実態があります。そういう事態のときには、区が当事者の間に入って、当事者の相互の理解が深まるように協議のあっせんをしていく。そういう中で地域の課題が解決していくように区としても働きかけをしていきたいというふうに考えているものでございます。
かせ委員
そういうあたりもあるんだろうと思うんだけれども、逆の面も心配されるということです。だから、これは条例でこういうものを定めるということよりも、やっぱりこういうふうにいきましょうよと、中野ルールとかなんとかということでやったほうが穏便ですよ。こういうものは条例でなじまないかなというふうに思います。
それと、「飼い主の遵守事項」なんと書いてあるんですよ。このことによりましても、これもやっぱりルールの問題でしょう。それで、特に「共同住宅の特性に配慮」云々なんて、共同住宅で動物を飼っちゃいけないような――とり方によってはよ。そういう文言があるわけですよ。こういうものも確かにいろいろあるんですよ。好きな人も嫌いな人もいるし、住宅によってはいろんな条件もある。だけど、そういったものは住民の中でルールを決めればいいわけですから、あえてこういう問題まで条文の中へどんどん、より具体的にというとより難しくしちゃうんですよ。わかりやすくと書くと、よけい矛盾を大きくしてしまうんですよ。こういうものはあまり条文、いっぱい書かないで、やっぱり地域の皆さんでルールをつくってやっていきましょうということのほうが問題は解決しやすいんじゃないですか。これは大きなお世話だというふうに私は思っちゃうわけですけど。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
確かに住民の皆さんが自主的にそういうルールを定めて、マンションとか、アパートとか、あるいは地域のそういう中で皆さんが注意し合えば本当に理想的な解決だと思います。ただし、保健所のほうには毎年相当数の苦情等が来ております。そしてまた、他人とはいえ近所だからこそ問題解決できないということで苦情が保健所に寄せられるという現実がございます。
私どもとしましては、この条例の中に規定しています遵守事項というのは、本当に必要な最低限の内容にしております。これだけは守っていただきたいということでございます。
第1項のほうで共同住宅のことが挙げられましたけども、中野区の特性というところで、やはり区内にはそういうところが非常に多くなっていて、それが原因で苦情につながっているところもございます。そういうことで、特に地域需要なども加味してここでは第1項のほうで共同住宅のことも特性に配慮してほしいということで挙げております。
また、終生飼養義務であるとか、あるいは遺棄をしてはいけないとか、こういうことは最低限守っていただきたいことでございます。
そしてまた、今現在飼い主のいない猫が問題となっていますけども、先ほども委員方から指摘がありましたように、この問題というのはやはり動物の遺棄ということが原因になっております。ですから、こういう遺棄を防止していくためにも、最低限このルールだけは、こういうルールは条例の中には盛り込んでいきたいということで、必要なものに限ってこの中には入れているという趣旨でございます。
かせ委員
だから、今言っているんだけど、非常に矛盾しているんですよね。ルールと一方でおっしゃる。ルールを条例に入れると言う。ルールと条例はどう違うんですか。ちょっと説明して。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
ルールというのは、約束事ということで、住民の皆さんがそれぞれ相互に約束すればいいんですけども、なかなかそれが難しいということで、区全体で区民皆さんが合意をしていく、そういう意味で、合意事項ということで条例という形にしていきたいということでございます。
かせ委員
条例というのは縛りなんですよ。ルールというのは約束事なんですよ。だから、構成員で自分たちで決めることができるんです。ところが、条例というのは上から縛りつけちゃうわけですよ。そこに根本的な違いがある。だから、ルールを条例化するということは、これはおかしいんですよ。だから、条例というのは、守らなきゃならない最低限のことは条例で定める、これはあり得る。最低限のことというのは何なのかというと、マナーとか、ルールとか、それを定めることじゃないですよ。それはマナーやルールでやるべきなんですよ。
だから、先ほどおっしゃったけれども、保健所にもいっぱい相談事が来る。それに対応する。これは保健所として当たり前のことでしょう。地域の衛生であるとか環境であるとか、そういったものにこたえて、こうしましょう、ああしましょうといろいろ相談に乗って、お知恵を出してあげたり、それから話し合いの場を設けるというのは、これは条例があろうとなかろうと役所として、保健所として当然やらなきゃいけないことでしょう。条例がなきゃできないですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
まず最初に、「ルール」という言葉でございますけども、私の言葉の説明がちょっと不足しているかと思います。確かにいわゆる約束事、当事者間の約束事であれば、そういうのは条例でわざわざ規定する内容でないかと思いますけども、この条例の内容というのは、あくまでもそういう当事者間の約束事になるような、そういう内容ではないと思います。終生飼養義務を課すとか、あるいは遺棄してはいけないということは約束でないと思います。
それから、保健所の対応でございますけども、もちろん保健所としてはいろんな苦情にすべてきちんとこたえております。ただし、そういうトラブルとか苦情とかを現場に赴いていろいろと調べてみると、それはここに書かれてあるような条項にあるようなことをきちんと守っていただければ発生しないようなことが多いわけでございます。したがって、条例でこういう重要な事項については規定していく必要があるというふうに区としては今考えております。
かせ委員
先ほど守らなきゃならないこととして、生涯動物を飼養する義務であるとか、遺棄しちゃいけない義務、これは当然のことですよね。だから、これは条例があろうとなかろうと動物愛護法で規定されていることですよね。これはもう罰則がついていますよ。だから、それは中野区で条例をつくらなくてもできることなんですよ。わかっていますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
それは十分承知した上で規定しております。なぜかといいますと、前のパブリックコメント案のときにも説明にございますように、動物愛護法等で規定されることにつきましても、やはり中野区としてこれは重要な事項であるということについては再度ここで規定して、そして区民の皆さんに御理解、あるいは知っていただきたいということで挙げているものでございます。決して法律で規定してあることを条例でまた規定してあっても、これは違法でも何でもございません。
かせ委員
殊さらやらなきゃいけないということで今挙げたわけですよ。だから、動物、遺棄しちゃいけないとかなんとかというのは、これは動物愛護法で決められていますからね。これは中野区でやらんでも、これはきちっと規制をかけられるわけですよ。だから、それが条例の原因にはならないということですよ。
結局、先ほどから言っているんだけれども、罰則というのは条例がないとできないんですよ。それだけなんですよ。ほかは全部、要綱だって、ルールの啓発であったって、やり方はいろいろありますよ。それから、先ほどあったように、不妊・去勢の助成であるとか、そういったものは、ほかの区と同じようにこれは要綱で実施することだってできるわけですから。
だから、そういうことで、あえてこの条例をつくる意味は全くないということと、これからつくることによってやっぱりいろんな矛盾が出てくるというふうに私は思います。そのことを指摘して、答弁はいいです。
奥田委員
私としましては、既に案の段階から多くの指摘はさせていただいていて、その改善が十分されていないまま条例の最終的な形として議案として出されてしまったということについては、少し残念だなという思いは持っております。
まず、かせ委員が最初に質問された項目で、条例の全体の議論に話が移ってしまって最終的な確認が少しあいまいになったところを確認させていただきたいんですが、不妊・去勢手術の助成については、条例を制定した後にやっていきたいという思いのことではなくて、条例がなければこの助成ができないのかという質問があって、そこについて明確にお答えになっていらっしゃらないと思いますので、そこについてまずできるできないということについては、端的で結構ですので、しっかりとそこをお答えいただく必要があると思うんですよ。
何を言いたいかというと、議会の側で既にやるべき方向性として出して、これ、条例でももちろんできますけども、要綱でもできるという考えのもとで、行政の側から当然にそういった要綱が早い段階で出されるものという期待を持って我々は待っているわけですよ。ところが、いつまでたっても条例がないと進めないというふうにおっしゃっているのは、議会側の意思を殊さらに無視しているというふうにしか理解できないんですよ。条例がなければできないということであれば一定の理解はできますけれども、そこを特段先行させて要綱だけつくるということはできるわけでしょう。条例がなければできないなのか、要綱のみでできるのか、端的にお答えください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
中野区としましては、条例という形で明確にした上で不妊・去勢手術助成事業は事業化していくということでございます。
委員長
ちょっと休憩しますね。
(午後2時22分)
委員長
委員会を再開します。
(午後2時22分)
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
不妊・去勢手術の助成事業は、条例がなくてもできるものではございます。ただし、区としては条例で事業化していくものでございます。
奥田委員
ずっと指摘をしてまいりまして、この条例が議案になって初めてですよ、それができるとお認めになったのが。わかりますか。区民の方への説明もそこの部分をあいまいに回答されて、あたかも条例がなければそこができないかのような――どういう表現をされているかわかりませんけれども、そういった受けとめになるかのような説明をされていて、他区でできるのにどうしてということで、非常に不満の声や不安の声が上がっているんですよ。それは、議会でもやろうと言っていて、他区でもできているのに、どうして中野区だけはできないんだろうということで、不安が広がっている原因をおつくりになっていると言っても過言じゃないんですよ。
今のお答えだって、極めてクリアに限定的にお伺いしたにもかかわらず、最終的にこの委員会をとめなきゃいけないぐらいの指摘をして初めてお認めになるというのが、じゃあ、我々が審査した陳情の意思決定についてはどういうお考えなのかということをやはり確認せざるを得なくなるんですよ。どう思われているんですか、委員会での意思、議会での意思については関係ないとお考えなんでしょうか。お答えください。
金野保健福祉部長
陳情が採択されているということで、この不妊助成については実施すべきであるという基本的な考え方については受けとめております。ただ、予算化につきましては、施策全体の判断、優先順位の判断ということで、区としての予算編成の判断で現在は新年度予算の中には入っていないという状況でございます。
奥田委員
部長がおっしゃったまさに優先順位じゃないですか。条例、これ、どれだけたなざらしにしているんですか。委員会とか議会での方向性、全然だめだということで、これ、たなざらしになっているわけですよ。既に議会としてやるべきという方向が出たものと一向に方向性が定まらない条例をセットにしていることで、区民の思いと議会の思いを無視していることになりませんか。それが優先順位を間違っている判断だとは思われませんか。いかがですか。
金野保健福祉部長
やるべきだということと、実際に予算化をして事業を始めるということについては、決して同じではございませんので、私どもとしましては、今、そういう判断をとっているということでございます。
奥田委員
整理すると、条例がなくても助成をする要綱はつくれる。一方で、条例については中身の精査がうまくいっていなくてこの間ずっとたなざらしで推移しているわけですね。結論が出ないままで来ている。ここ、ぜひ、行政の側で要綱を制定して先行して実施することができるお立場なんですよ。議会の意思を受けてやるべきだと考えていて、条例、すぐ通りそうですか。全然通らなくて、タイトルまで変えている状況じゃないですか。なかなか通らないというのはもうわかっていて、この間、優先課題である要綱をつくって予算を計上すればできるものについて、しかも、金額的にもあなた方がやられている流用の範囲の中で十分に計上できる金額じゃないですか。これ言ったら申しわけないかもしれないけども、現にそういう規模感のものについて優先順位を落としているんですよ。そのことについて区民の方が納得する説明をしなければ、これ、強引に仮に通していく方向だとすれば、区民不在ですよ。議会も不在と言わざるを得ない。ぜひそのあたり、どうお考えになっているのか、お答えください。
金野保健福祉部長
条例を提案して本日審査をいただいておりますので、区としてはこの条例で定めた上で実施をしていきたいと、そうした考え方をお示ししているものでございます。
奥田委員
まあ、この方向の議論のやりとりの中で改善を求めて、なかなか改善されてこないということで、大変な失望を持って本日質問に臨ませていただいているわけです。その中でも私は、こうしたコミュニティの中で紛争になりかねない、対立を生むような原因になる内容については、なるたけ事前の問題解決ができる仕組みづくりに努めるべきだということを申し上げました。
この条例は、基本的に、既に問題が発生して、その事後の問題の対応についてどうしようかということばかりなんですよ。要するに、どういう方向性でコミュニティの形成をしていけば、例えば動物の飼養について考え方をつくっていけば対立が生まれにくいのか、あるいは合意形成がしやすいのか、そのための道具立てとして、例えば不妊・去勢の助成があれば、そういう方向性の保護であればいいんだなという合意形成のための道具になるんですよ。事前の措置なんですよ。もめごとが生まれなくなるための措置としてやっていこうという方向性なんですね。
一方で、ここに書かれているのは事後的ですよ。既に問題が出て、だれがいい、だれが悪いということになって、「あっせん」というふうに書いていただきましたが、これ、事前にもめごとが大きくならないように何をやればいいのかということを話し合うためのあっせんであるべきで、もう対立が生まれて、おまえがいいの悪いのとなってから間に入ったって、もうそれは大ごとですよ。しかも、それについて罰金があるのかないのかというところでの議論になってしまったら、それはむしろ対立を助長する内容になっていると言われても否定できないんですよ。
私がこの条例を最終的に出す前に何とか事前の合意形成ができるものとして条例化の前にできることを全部やってから、本当にこういう事後的な処理、あるいは制限的なものというのを設けるべきかどうかの判断の前にそれをやるべきじゃないかということを再三御指摘申し上げたことについては、どのように御検討されたのでしょうか。
金野保健福祉部長
この条例、先ほどから全体の説明をしておりますが、動物の飼養と動物愛護、それからそれを受け入れる地域社会づくりということで、理念、それから区の責務、また飼い主や世話をする人の責務などを定めておりまして、こうしたものすべて事後的なものではございませんで、事前にそうしたことをした上で、問題が生じた場合は事後的な対応も定めているというものだというふうに理解しております。
伊東委員
大分条例ということで内容も整理されているのかなと思いますけれど、まず大きく変わった点についてお伺いしますけれど、第2条(3)のアからオ、周辺環境に著しい支障を及ぼすと認められる事態という部分、5項目挙げていただきました。こうした問題というのは、かねてより区のほうに苦情という形で上がってきていると思いますけれど、こうした課題についての今までの区の対処について、どのように対処されてこられたのか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
ここの周辺の生活環境が損なわれている事態で挙げていますアからオまでなんですけども、これはかなり重たい事態というふうに認識しています。私ども、保健所のほうの対応では、えさを放置しているとか、あるいはふん尿等でにおいで困っている、そのレベルでございまして、そういう場合には現地のほうに赴いて原因者にお話を聞いて、そして適正に行っていただくような内容で指導させていただいているということでございます。
伊東委員
今のお話の中で「指導」ということだったんですけれど、その指導という部分については、基づく法、あるいは条例は、何によってそういう指導を行ってきたんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
特にこれまでは根拠というのがなく、指導といってもむしろお願いをしていく、そういうふうなレベルでございます。この条例では、今度は指導という根拠を設けている、そういう状況でございます。
伊東委員
今まで私もいろいろな御相談を受けてきた中で、今、各委員、質疑される中では飼い主のいない猫ということで割と注目されているようですけれど、ハト、あるいはカラス、それから自分で飼っているペットに対する問題というものも多々声を寄せられまして、そのたびに区のほうに御相談申し上げますと、区のほうではそれを指導していくための根拠がないということで、東京都のほうの所管になりますというようなお話も何度かいただいております。そうした意味では、指導、最後のほうはお願いというお話になりましたけれど、そうしたことの限界があるのかなと。幾らこちらでお願いしても、それが最終的にその方の合意・納得が得られない場合はどうされてきたんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
いろんなケースがございまして、なかなか解決できないというものも確かにございます。そういうものについても、何度も原因者に対しては、そういう皆さんに迷惑をかけるようなことについては是正していただくように繰り返しお願いをしているというような実態でございます。
伊東委員
ほかの委員の方が質問されていまして、この定められた5項目、こういうものが具体的に上がってきた場合に手続としましては、やはりしっかりとここに、条例の中に盛り込まれている第3章の部分、協議のあっせんというところですね、9条、10条、11条、こうしたものにのっとって進められていくのかと思うんですけれど、最終的に今お話が出ています罰則規定、13条があることによって区民の間でのトラブルを助長するのではないかという懸念もあるわけですけれど、その前の時点の、要するに指導、勧告、命令と行く前、さらには協議ですか――まず9条の協議のあっせんから始まりまして、10条の指導、順番に行きますと勧告及び命令、この段階まででどれほど区は本腰を入れて取り組んでいくか。要するに、伝家の宝刀、罰則規定を使わないように――ほとんどの条例がそうなんですね。罰則規定が盛り込まれてもなかなかそこまで至るということはない。私はそういうふうに感じているんですけれど、これを定めることによってどれほど区が責務を負うことになりますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
今、委員、御指摘がありましたけども、その流れに行く前に、区の責務としまして、第3条の第1項第5号にございますけども、まずは、今までお願いでやっていましたけども、こういうものについては動物の飼養等を行う者に対して指導ですよね。ここに書いてあります、指導、あるいはその他の必要な措置ということでまずは進めてまいります。そして、それでも難しいときには――通常ですと、ここで、このような重たい事態、周辺の生活環境を損なうような事態というのには発展しないと思います。ただし、中にこういう事態があれば次の第10条に基づく指導ということを行い、そしてその指導をしても話が理解してもらえない、是正してもらえないという場合に初めて勧告ということを行っていくと。勧告してもだめだというときに初めて命令となりますから、その命令に違反するというのは本当に確信犯であって、まずそういうことは基本的に私どもはないというふうには考えています。ただし、やはりルールですので、命令違反がございましたときのことを考えて、それを担保する意味で、法規範としてその実効性を担保するために罰則という第13条を設けているということでございます。委員御指摘のとおり、いわゆる伝家の宝刀ということだと思います。
伊東委員
それでは、またちょっと質問を変えさせてもらいますけど、第3条、区の責務について触れられております。これ、5項目ありますけれど、これはこの条例が定められることによって区の取り組みの姿勢というのが大変問われる内容だと思うんですね。
(4)、これは話題に上っております不妊・去勢の費用助成も含まれる、またそうした――まあ、公益活動に資する皆さんの取り組み、動物に関してのことですね。そうしたものについても広い意味では対象事業として支援していくというような御答弁を先ほどいただいたような気がするんですけど、飼い主のいない猫を面倒見てくださっている方々に対する支援も含まれるというような御答弁だったと思うんですけど、それは広い意味ですと別に飼い主のいない猫を保護している方々、団体の支援だけとは限らないと思うんですね、ここに書かれているのは。猫とは限らない。そういうことになるかと思うんですけれど、その辺についてもうちょっと詳しく御説明をお願いします。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
もちろん猫だけには限らないものでございます。ただし、これに関しましては、やはり今、ペットとの共生を考える懇談会でも指摘がありましたように、飼い主のいない猫につきましては非常に地域でも問題になっていますので、特に中心になるのはやはり飼い主のいない猫の繁殖防止にあるかと思います。
そしてまた、支援でございますけども、不妊・去勢の手術の助成に限らず、そういう地域における取り組みがございます。そういう取り組みが地域の中で対立を招かないような形で、皆さんそれぞれ相互に理解し合えるように普及啓発であるとか、あるいは場合によってはできるだけ事後の大きな問題になる前に区もかかわって一緒にそういう地域の課題に取り組めるような、そういうような協議のあっせん等ですか、をしていきたい。
また、やっぱり地域でいろんな活動をされている団体の皆さん、あるいはNPOの皆さん、いろんな情報をお持ちでございますので、そういう情報を区のほうでもいろいろと一緒に収集しながら問題解決に当たっていきたい。
そんな形で、トータルでこの飼い主のいない猫の問題については対策として取り組んでいきたいというふうに考えています。
伊東委員
同じく第3条についてお伺いします。
これは部長に御答弁いただけるとありがたいんですけれど、(1)、これは飼い犬の散歩、運動に関する施設等の環境整備。これは犬を飼われている方等、常々、公園に立ち入りが制限されているですとか、運動ができるドッグランのようなものが必要じゃないかという声も区民の方から寄せられてきているということがあって、それについて触れられているんだと思います。
(2)、これについても、中野区内で同行避難というようなことが既に取り組みとして始められています。一方で、震災の際にペットを飼っている方が避難所へ避難することを制限される。そのために避難所での生活ができないというような事態もかつてあったやに聞いております。
そうしたもの、大きな二つの課題について、これは真剣にこれから中野区は取り組んでいくという宣言というような位置付けになるのかなと。非常にこれは重いものを条例の中にしっかりと盛り込んだな。これからの施策展開の中でこれを一つひとつ解決するために毎年どういうふうに取り組んでいるのか、どういうふうに進捗があるのかと、これを聞いていかなければならないことだと思う。また、御報告いただかないとしようがないかなという気がするんですけれど、この点について、区の姿勢、これをもう一度はっきりと御報告いただきたいと思います。
金野保健福祉部長
区の責務のまず犬を安全に散歩、運動させることができるような施設その他の環境ですが、これについては、公園の担当のほうともいろいろ協議をした上でこうした文章に整理してきたものでございます。考え方といたしましては、飼い犬をなかなか運動させる場所が中野区内に見当たらないということから、現在かなり厳しく制限しております公園への立ち入り、これについては一定の条件のもとに解除していこうと。例えば登録制ですとか、また指導員等の体制とか、そういうことも含めて考えていこうという方向で、この条例の規定を踏まえて進めていけるというような考え方を持っております。また、ドッグランは、公園の大きさなどにもよっていろいろと直ちにできるかどうかわかりませんが、可能であれば施設的な整備も検討したいと考えております。
次に、災害時の同行避難の話ですが、委員の御指摘にありましたように、中越地震では避難所に一緒に入れないために車などで生活をしてエコノミー症候群で体を壊してしまうというような事件が随分起こりました。現在、避難所の一部についてきちんとしたルールのもとに犬等を同行して避難して、そこで保護するというようなことで、これは避難所の訓練でも既に一部試行的にやっておりますし、また獣医師会とも話し合っておりますので、この避難についても動物と一緒に暮らしていく地域社会では大変大きな要素ということで、しっかりやっていきたいと考えております。
伊東委員
今の2点について、これはかねがねそういう声が上がっていたと。それに向けて区がこれから考え方を整理し、取り組んでいこうという御意思を固められたようなんですけれど、これについてもやはり区民の皆さんのコンセンサス、合意をしっかり取りつけないと、より広い意味の問題に広がりかねないという部分がありますので、今るる御報告いただいたようなものについても、もっと早くから周知して、合意を取りつけた上で内容を整理していかないといけないかなと思いますけれど、いかがですか。
金野保健福祉部長
条例においては、一般的な規定という形にならざるを得ませんが、具体的な施策としての推進については、現在進めている検討をさらに進めて、こういった方向で動物のいろんな課題を地域の中で解決できるようにということで取り組んでいきたいと思います。
伊東委員
同じく3条の(3)、これ、「適正な飼養等に関する啓発及び区民の理解の促進に必要な事業を実施する」とされておりますけれど、先日議決されました22年度予算について、たしかこれに関連した予算が措置されていたと思いますけど、それについてはいかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
これにつきましては、条例制定されて、それに基づいて適正な飼養を推進していくための内容についてのルールを守ったり、あるいはマナーを向上させる、そういう意味でのポスターをつくるとか、そういうような費用としては確保しているところでございます。
伊東委員
最後にさせていただきます。
この条例の最後、附則の部分に、4月1日より施行、そして第13条の規定は10月1日、約半年おくれての施行ということで、この13条については要するに罰則規定ですね。この罰則規定が半年後に施行されると。この間は、区は何をどのように対応されていくのか、それについてお伺いします。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
4月1日からすべて全部施行というふうになりますと、そういうものについて実は罰則適用とかということは非常に大変なことだと思います。私どもとしましては、条例が施行された場合については、その内容について区報やホームページ等できちんと周知をして、まずは適正な飼養のルール等を守っていただくということで内容を周知し、また、条例の内容についても、指導や勧告等の手続についても、同時に区報等で周知していきたいというふうに考えています。
伊東委員
半年の期限が切られているわけです。いずれにしましても、先ほどの3条の(3)、普及啓発、今まで中野区が積極的にこうした問題について取り組んでこなかった部分も含めまして、この半年間が条例が可決された場合は大変重要な部分になるかと思います。その辺は十分踏まえられているんですね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
もちろんきちんと条例の内容につきましては周知して、まず基本的にいろんなマナーやルールについて守っていただくようにし、そしてまたいろんな――飼い主のいない猫の活動もそうですけども、そういう活動についても理解を促していくというようなことは、あわせてしていきたいというふうに思います。
佐藤委員
この前のときにパブリックコメントについてお伺いしました。パブリックコメントというのは、区民の方たちの意見をきちっと聞いて取り入れていく、最後に取り入れるべきものがあれば取り入れていくという作業で、それについてちょっと区の認識が非常にちゃんと認識されていなかったんじゃないかということで質問させていただいたんですけれども、今回、パブリックコメント手続の結果についてというのが出されて、さっきのところで質問すればよかったんでしょうけれども、以前、この前の委員会でも言ったかと思うんですけれども、要するに条例提案の前に出せないのか。確かにパブリックコメント条例の手続を見ると、別にそれは条例提案のどれほど前だとかということは手続上は入って、条例には明記はされていないと。ただ、パブリックコメントは条例を出すよりもかなり前にやるようにというふうな規定だけでしたよね。その結果の報告はいつやれというのは特には明記がされていなかったのですが、今回も御意見がすごく多いと。
今、ほかの委員の方たちの御意見を聞きながらざっと目を通すわけですよね。今回はパブリックコメントの中の特に2カ所について、このパブリックコメント案の条例よりも、例えば第2条のところをどんな事態なのかということを細かく規定されて、私たちがいただいていた案よりはいってみれば大きく内容、その中身が変わるものになったわけですよね。それが同時に出される。こちらとしては参考になる意見を勘案する間もなく同時に出されてくるというのは、やはり改めていただく必要があるんじゃないかと、今回のこの状況を見て思ったんですよね。
ほとんど例えば意見が寄せられていなかったりした状況であるならば、まあ、同時に提案、提出するということもあり得るでしょうけれども、これだけの意見が寄せられていて、それも条例にいわゆる勘案された御意見もしっかり寄せられているという状況であれば、やっぱりこのパブリックコメントの結果というものは条例提案よりも前にちゃんと議会に示していただいて、少なくとも議員がそれを勘案しながらこの条例提案、次に提案された条例案というものを考えられる素材にしていただきたいというふうに思うんですけれども、大体が同時に出される場合が多いんですが、先に出していただきたい。特にこういう場合は先に出していただきたかったと、後になってしまったんですけども、思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。
金野保健福祉部長
パブリックコメントは、私どもの考え方では、最終的に区の案について住民の意見を聞く、最終段階の手続というように思っております。その上で必要なことがあったらもちろん修正もしますし、内容を改めるということも含めて意見を聞くというものだというふうに思っています。
そして、そのパブコメの結果についてどのように整理するのかということで、ここに区の考え方とか修正点とか示してございますが、その修正点が区の考えとして固まったことをもって最終の案、ないし計画であれば決定ができるということになりますので、もうパブコメの結果、区の考え方をお示しできるときは既に区の考え方として確定したという段階でございますので、その確定まで待たずに先に説明しろということですと、パブコメについての区の考え方については未整理のまま、まだ考え方としてお示しできない形でせざるを得ないということもあるかと思いますので、なかなか事前に期間をあけるということは難しいかなというふうに思っております。
佐藤委員
条例をつくる経過の中でこれについては勘案していこうというふうなお考えが定まっていくわけですから、その定まったところで事前に出すことは、私は可能だと思いますので、今後、事前に出すようなことを検討していただきたいと思います。
それと、先ほど提案理由のところを含めて質疑の中でおっしゃったと思いますけれども、もう一度確認いたしますが、愛護の促進、それとあと区民の方の争いを解決していくということで、「動物の飼養等に関する争いを解決するための協議のあっせん等」というのが条例の目的のもう一つとして盛り込まれている、提案理由としても盛り込まれているわけですけれども、その争いの解決というのは、本来は区民の方たち同士できちっとなさるのが理想であるということをおっしゃったと思いますけれども、もう一度確認いたしますが、理想である形というのは、本来、区民の方たち同士での解決であるということでよろしいんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
地域でいろんな活動をしている中で、やり方とか、内容についてお互いに意見が異なるとか、対立になるというようなことについては、基本的には行政ではなくて、地域の問題ですので、地域で解決していただくのが基本だというふうに考えています。また、区の立場としましては、仲裁するというのではなくて、あくまでそういうものを解決していけるように支援をしていく立場というふうに考えています。
佐藤委員
今おっしゃったように、区民の方たちのお互いの争い事、特にペットに関して、あるいはペット以外の動物に関してのさまざまな争い事というのも、基本的には区民同士の話し合いの中で解決していくのが基本であろうということというのは、私もそのとおりだと思います。しかし、都会の中でお隣に、どこにだれが住んでいるのか非常にわからない状況の中でトラブルが多いというのも、特に都会の中だからこそありがちなことであって、それに対する苦情がたくさん寄せられていて、それを整理していくためにいわゆる法律というか区の法律である条例をかぶせて、それについて区が権限を持ってやっていこうということでの条例ということでやろうということをお決めになったんだろうというふうには思うところですけれども、動物については、本当に人間の情としていろんな感情がまじり合うものですね。だからこそすごく難しい、取り扱いが非常に難しいということは、これは前から私がこの委員会でもずっと言ってきたところです。だからこそ、むしろお互いの区民同士の話し合いを支援する形でやらなければならないというふうなこともこの委員会の中でも言ってきたところです。
先ほどもパブリックコメントの中でも、9ページのところに、提出された意見の中のお一つに、地域の問題を地域の人が解決する区民の協働は既に動いている。区はその動きをサポートするべきであると、新たな条例をつくるべきではないというふうな御意見が書かれておりまして、私もやはりそのとおりだなというふうに思います。
先日、私の地域でもいわゆるかわいそうな猫がふえないようにしていくという取り組みをされている方たちと、それから地域のいわゆる町会の役員の方たちとの話し合う場がありました。最初は迷惑だな、こんなの大変だなというふうに思ったことも、やはり話し合いの中でお互いに理解が進んでいくんだ。だれもが猫をただひたすらふやすだけにえさをやっているんじゃないかという誤解だってある人だって、それはいます。だけども、いや、そうじゃないんですよ、かわいそうな猫をふやさないために、そういう猫を減らすためにこういう活動をやっているんですということによって、やっぱり町会の方たちも、これは地域の問題なんだ、地域の環境問題なんだという御理解をするところまで1時間余りの話で行ったということも、私もそばでお聞きしていて、あ、やっぱりこれなんだな、住民同士の取り組みというのはこういうことから始まるんだなというふうに思いました。
そういう住民の取り組みがないところ、全然芽生えていなくて、みんなが気持ちがぎすぎすしちゃって争いばかり起こっているところであれば、確かに条例でばしっと規制してその迷惑を、迷惑だらけだったらそれを取り締まるということだってあるかもわかりません。しかし、その話し合いの取り組みが今地域で町会の方たちを巻き込んであちこちで生まれ出しているということもその場で確認しました。一つ、二つのグループだったのかなと思ったら、そうじゃなくて、いろんな地域でそのグループが生まれ出していて、そしてそのグループの中だけで好きや嫌いやというのでやっているんじゃなくて、本当に地域の方たちがどうやったら猫の嫌いな方も動物が嫌いな方も迷惑をしている方も住み心地のいいまちになるのかどうなのかという1点で一緒に話し合いましょう、地域の町会とかで活動されている方と一緒に話し合いましょうということで、町会によってはそういうところを支援し始めた町会も生まれてきている。これが私は地域づくりの原点だなと思いました。
じゃあ、そういう地域づくりが芽生えているのであれば、やっぱり条例から入るんじゃなくて、その地域の方たちのそういう地域の環境をよくしていこうというふうな思いで一致する方たちの活動を支援していく方向でまず始めるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
今、委員のお話を聞いていまして、本当にそれは理想的な地域におけるペットにまつわる、あるいは飼い主のいない動物に関係する問題の解決方法として理想的な姿だと思います。私ども、そういう話し合いが中野区内各地域で行われるように、町会や自治会にもこういう取り組みについては私どものほうから周知し、理解を促していくということか必要だと思っています。
ただし、これはまた具体的な取り組みでございまして、私ども、現在のところ中野区として考えているのは、そういう飼い主のいない動物をふやさない、繁殖を防止していくんだという一つの施策として位置付けをして、そしてそれを具体的にどうやって取り組んでいくかというところで、例えば普及啓発を行う、不妊・去勢手術を実施していく、あるいは地域で問題があれば区もその協議にかかわっていくその根拠を設けていくということで、全体を一つの仕組みとして条例の中で位置付けをしていきたい。それによっていろんな動物の問題を解決させていく。飼い主のいない猫はその一つであるということでございます。そういうことで、条例で制定していく必要があるというふうに私どもは考えています。
佐藤委員
理想だとおっしゃいました。本当にそのとおりなんですけども、ただの理想、飾っておく理想じゃなくて、そういう形を今区民の方たちが実践し始めているんですよね。私、これがポイントだと思うんですよ。それをだれもやっていなくて、みんな文句ばかり言っている、そういう地域社会であれば、もう一斉にがんとやりますよということで解決しなければならないでしょう。だけど、そうじゃなくて、文句ばかり言っているんじゃなくて、本当にどんなふうにお互いに地域が住みよいまちになるかというのを地域の人たちが考えようとしている、話し合おうとしている、そういう姿があちこちに、今地域の方たちの手でつくられ始めているときに、私はまずそこをサポートすることから始めたほうが絶対いい中野のまちづくりになるというふうに思いました。
そこには区の職員の方たちはいません。あちこち聞いても、区の職員の方たちがいるんじゃなくて、例えば勉強会が行われていても、ほかの自治体に携わる職員の方が来て、こんなふうなことをやればいいですよ、こんなふうなことでやりましょうということを呼びかけされているんですよね。それもすごく残念に思いました。中野の地域で別に条例を持っていないまちの職員の方たちが中野の区民の方たちのグループに来て、こうやればいいんじゃないですか、こんなふうにすればお互いに迷惑のかからないまちづくりができますよというふうにおっしゃれるんですよ。
だから、あ、これは条例が先じゃない、そうじゃない形を――区民の方たちのお互いの地域での話し合いをしっかりとサポートしていくことが幾らでもできるし、今そういう芽が区民の方たちにあるわけですから、それを私はぜひ、その方たちと連携して一緒にいいまちづくりのつくり方をしていく。今、本当にチャンスだと思います。ぜひそれで頑張っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
中野区としましては、職員がそういうところで一緒に事業を行っていくということもきちんと、責任を持って事業は継続して行うとか、あるいは体制がないとかお金がないとかを理由にして安定的に事業ができないとかという事態にならないようにしていく。そのためには法規的にもきちんと根拠を定めた上で取り組んでいきたい。これが区としての考え方になっております。
まちづくりというのは、住民の皆さんが自主的にそうやって行われるということがもちろんでございますけども、例えばその地域で一生懸命猫のお世話をしていた方が引っ越しされてしまった。そうしたときに、中心になった方がいなくなったことによってその事業がストップしてしまっては、やっぱり残念でございます。行政としては、そこのところもきちんと繁殖防止に向けて事業を続けていきたい、取り組みをきちんとやっていきたいということで、そのためにはやはりきちんと条例の中で位置付けをさせていただきたいというふうに考えています。
委員長
ちょっとすみませんね。質疑の途中ですが、委員会を暫時休憩します。
(午後3時05分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後3時34分)
休憩前に引き続き、質疑を行います。
本件に対する質疑はございませんか。
佐藤委員
すみません。1点だけですが、3条の区の責務のところにあります「動物の適正な飼養等に関する啓発及び区民の理解の促進に必要な事業を実施する」というのは、既に予算にも計上されていますし、別に条例の規定がなくてもこれはやるということでよろしいんですよね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
必要な普及啓発事業というのは、条例に基づけば、これに基づいた新たな展開ということでやっていく啓発もございますし、予算計上にありますように必要な普及啓発、これまで行ってきたものと同じようにやらなきゃならない普及啓発については、その予算の範囲内で行っていくということでございます。
佐藤委員
たしか予算の分科会のところでも、例えばいわゆる遺棄とか、それからさまざまなことをやらないようにと、絶対やらないようにというふうなプレートについては作成して、それを公園等に出していくということとかおっしゃっていたと思いますけれども、その普及啓発についてはきちっと従来よりも強化してやっていただくということでよろしいですよね。先ほど御答弁があったので、よろしくお願いいたします。
山崎委員
私が去年厚生委員会の委員になってからほぼ1年、全体としては1年半ということで、きょうを迎えておりますが、その間、さまざまな議論がありまして、私も勉強させていただき、また地域の皆さんからもいろんな御意見をいただき、自民党議員団としても地域に――町会、たくさんおりますから、そうした方々の御意見を聞いて、この条例の審査に当たっているわけでございますが、今回、この委員会でこの条例案の質疑をするに当たって、私は3点、いろんなことがありましたけれども、大きく分けて3点の議論があったんだろうと、こう思うんですよ。
一つは、飼い主のいない猫の対応方についての議論がほとんどであった。その対応方については、ルールを守らないという方々については、罰則規定がけしからんと。条例で罰則を規定する。逆に言えば、条例化の目的は罰則を目的としているんじゃないのか。あとのことはガイドラインでできる、ルールづくりでできるのに、わざわざ条例化をした理由の一つは、罰則を入れたいがゆえだったのではないのかというのが一つの理由だと思います。
それから、これももう一つ、きょう出ましたけれども、不妊だとか去勢だという手術についての公金の支出について、条例化しなければできないのか、要綱規定ではできないのかというような――条例ですることに反対か賛成か僕はわかりませんが、条例規定しなくてもガイドラインでできないのかというのが一つあったかに思います。この部分については、区の思いは別にして、条例化しなくてもできるんだと、こういうお答えを一ついただいたんだろうなと思います。
それから、もう一つ大切なことは、これは岡本委員も前々回ぐらいまでかなり御主張なさっていたと思いますが、この条例ができることによって――条例の目的は私たちと一緒なんですね。地域で暮らす区民の思いと一緒。飼い主がいようとなかろうと、そうした動物、あるいはペットたちが共存できる社会を。だから、それを条例をつくることによってうまくいかせるという考え方が皆さんの考え方。一方で、条例化ということをすると、それがもとで地域の皆さんは争い事がより条例がないときよりも多くなってしまうのではないかと。
私は、きょうの議論はこんなふうな三つだったと思いますが、いかがでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
まず、三つ今ポイントを御指摘いただきました。確かにきょうの論点はそこの点にあると思います。
山崎委員
まず、ここで違っちゃうと困るので、確認をして三つだったということで、認識は一緒だったと思いますが、その中で、罰則規定については条例しかできませんけれども、先ほども古屋副参事がおっしゃっていたように、そこまでに至る条例を運用する中で最悪のケースとして確かに罰則というのはございますが、その前に何とか食いとめたいというような仕掛け、あるいは仕組みがこの条例の中には私は入っているんだろうなということがうちの伊東委員の質疑でわかりました。
それから、要綱規定で公金を支出すると、他区はほとんどこうでありますが、逆な言い方をすれば、条例で規定をするほうがよりスマートで、税金を、区民の人たちのものを使うわけですから、より議会のある意味でチェックがきくんだと。要綱じゃききませんからね。勝手に変えられちゃったらそれでおしまいですが、条例ですと、条例案、改正案、改廃含めて、議会に示さなきゃならんと。こういう意味においては、まんざら私は公金支出において条例を否定するものではないな。
残るは、条例があると――地域の住民の人たちがみずから話し合って解決するのが一番なんだ、先ほども佐藤委員がおっしゃっていましたけど、このことに条例があるとよくないんだというような意見が僕は多く出ていたと思います。私はそういう人たちの意見の交換の場や私の住んでいる地域でそうした人たちの活動を拝見したことがございませんが、個人に戻りますと、言うはやすく行うはがたしなんですね。非常に飼い主のいない猫や犬についての苦情、表に出てくる部分だけじゃございません。
私ごと、本当に申し上げるのは恥ずかしいけれども、うちの病院の前に毎日犬のふんや猫の尿が毎日されます。どんなに迷惑ですと書いてあっても、守っていただけません。ましてや、それが地域の人が飼われている、飼い主のいない猫じゃない、いる猫がやっていたとする。あるいは、飼い主が連れてきてうちの花壇に毎回ふんをさせて帰る。これは地域の人たちで本当に解決できる問題なんだろうか。人間関係にまで及ぶ、あるいは社会的な問題まで発展をする、本当に難しい問題なんですよ。地域の人たちは絶対僕はこれは解決できない。ある意味では、話し合いに応じてくださいぐらいのことは言えるかもしれない、区はね。しかし、そこから先は何にもできない。
ということであるとすると、今度の条例案は区の責務がしっかり書かれていると。区の責務、条例で規定されちゃうんだからね。これは条例違反になっちゃうわけですから、住民同士のトラブルがそのトラブルでおさまらなかった場合は、区の責務においてそうしたトラブルを解決していただける条例なんだと、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
住民の間でそういう自主的に解決ができない困難な場合、相互の理解が促進できないような場合については、区が積極的にかかわって問題の解決に当たっていくという仕組みを入れているものでございます。
山崎委員
具体的に古屋副参事、区がかかわって積極的に解決していくというのは、これは大きな問題を解決するしかないんです。この条例には事後の処理しか書いていないじゃないかとおっしゃっていた人がいるけど、そんなことはないんです。事前の対応方もこの条例には含まれている、入っている。そういうことが起こらないように――これ、だって、区の責務というのはそういうことが書いてあるんでしょう。飼い主が犬に適切に散歩、運動させると、こういう環境を整備するんだと。こういうことですので、言いかえれば、ドッグラン等々、区が責務を負って条例上ちゃんとやりますよと約束をするということに僕は読みかえているんですが、そうじゃないんでしょうか。
金野保健福祉部長
この区の責務の規定でございますが、当然、条例ができるということになりますれば、法令に基づく義務的な対応として区としてはやる責任が非常に大きくなると思っております。
山崎委員
さっきの話に戻しますけど、当事者間で犬のふん、それも難しいんです、うちの私有地に入ってくるから。道路じゃないんです、うちの花壇の中でされますから。なかなかこれは難しいんですが、そうした問題を解決するのは、根本的にそういう施設をちゃんとつくってくれることしかないんですよ。うちの前でやめてください。当事者間でいろいろ話をして、隣のうちではいいのかと。これは部長、解決にならないんです。共存する社会というのはそんなに簡単にできないんです。中野区民が、近隣の人も、犬を飼われている人も、相互の理解がないと根本的な解決はできない。だからこそ僕は条例が必要なんだと思うの。
総論賛成、各論反対なんですよ。どこか公園をつくって、ドッグランをつくる。地域の人たちが集まっただけで、近隣だけの損得の話をしたら、これはまとまらないんですよ。全体としてそういう社会環境をつくるかどうかという議論を区が主導を持ってやらなかったらどこにもできないですよ。ドッグランなんてどこにもできない。地域はみんな嫌だからね。それじゃあならないと思いますが、部長はそういうふうにお答えいただいたので、前向きなお考えがあると思いますが。
もう1点聞かせていただきますが、この条例が通らなかったら、避妊・去勢、どうしますか。
金野保健福祉部長
現在のところ、条例を提案申し上げておりますので、この条例を根拠にして実施をしたいという考えでございますので、条例が、もし私どもの提案が通らないということになれば、また改めてどうするかを検討することになると思います。
山崎委員
それはそれで非常に区議会も、この条例の一部に入ったその一部については区議会も認めてほしいということで全会一致で出しているわけですよ。しかし、それが入った条例が否決をされるということで、皆さん側からすると全体が通らない。全体の中にはそうした部分も、区議会から要望されたものも入っていたということで、なかなか難しいと、こういうようなことなんだろうと思います。しかし、それ以上のことをここで議論をしても始まりませんので、そういう意味では反対の方々の意見をかなり今回については取り入れて明文化して出されたと、こう思ってよろしいですね。
金野保健福祉部長
私どもといたしましては、1年半、足かけ2年近くいろいろ考え方から御議論いただきましたので、その点で懸念のあるところについて直せるところは直してまいりました。その結果、私どもの考え方といたしましては、今地域でいろんな活動をしている方がやりにくくなるというようなことではなくて、むしろ啓発を区がしっかりやる、また不妊手術等への支援も行う、協議のあっせんもするということで、より活動しやすくなる環境が生まれるような形になっているものというふうに思っております。
委員長
他に質疑はございませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいので、委員会を暫時休憩します。
(午後3時48分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時50分)
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、質疑を終結します。
次に、意見の開陳を行います。
意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、意見の開陳を終結します。
次に、討論を行います。
討論はありませんか。
岡本委員
これまで約2年にわたってこの条例の提案を受けて、私ども、質疑をさせていただきまして、これまで、先ほども言いましたように、もう何度も何度も中身もタイトルも、それから目的も変わってきまして、しかし、相変わらず私どもが懸念をしておりました、特に苦情が多い、猫のえさやりが多いので、そこに、猫のえさやりのことに集中した質疑になったわけですが、こういう猫のえさやりについて、中野区だけに限らず、東京都も20年ほど前から猫の苦情で大変に苦慮している――ほかの区も同じですが、そういう中で、えさやりのことについては賛否が二つに分かれておりますので、どういう形でこれをやったらいいのかというのを東京都もそうですし、ほかの区も悩んでおりまして、例えば東京都の例を示しますと、地域住民と行政とボランティアの3者でこの地域猫として適正に管理をしていくという、こういう結論で、まずそういう協議や話し合いをする場を3者がきちっとやって取り組もうというふうに結論を出していますし、例えば何区か御紹介しますと、これは港区でございますが、港区の場合は、地域における飼い主のいない猫の適正な管理を進めていますと、こういうふうな言い方をしています。それから、これは世田谷区ですが、えさやりを禁止ししたり、えさやりの人を排除したりすることは、隠れたえさやりや感情的な問題に発展します。猫の情報をもらうなどして信頼関係を築き、ルールに従って猫の管理の一たんを担ってもらうなど、協力・協調していきましょうという形で、まずきちっと地域の問題を3者が絡んで解決していこうということが一番解決の早道であり、解決するんだという方法で来ておりますので、そこに罰則とか条例とかという形ではなくて、まずルールづくり、ガイドラインをしっかり持って、それを繰り返し繰り返し徹底することでえさやりのマナーがしっかりわかるようになり、そして地域で飼い主のいない猫をなくす。
こういう活動が今ほかの区でも中野区でも進んできている中、私もいろんな方から、地域でも見ておりますが、そういう活動こそ一番進めるべきで、条例でもって――迷惑をかけることに私は賛成しているのではなくて、とんでもないと思うんです。とんでもないと思うけども、それを、迷惑をかけることはいけないよ、あるいは複数の方がそれを認めた場合にはやめさせるとかという形で条例はなっておりますが、これは例えば猫の嫌いな人から見たら、これを猫えさやり禁止条例だとか、罰則条例だと言って、本当にきちっと管理している人まで条例によって地域活動が、あるいは地域猫の管理が阻害されるようなことになる。これは避けなければならないということで、条例としてすべきではないということを主張してまいりました。
それが第1点ですが、そのほかこの条例のつくりとして、私どもが見てもいろんな愛護動物にかかわらないものまでまた一緒にする、先ほど言いましたように災害時の扱い、あるいは不妊・去勢の問題等、この条例でなくて、あるいは条例でやるならきちっとそれだけに絞ってやるようなことにするやり方もあるのに、特に第2条のアからオに対しては、これはとりようによってはどうにでもこの条例がひとり歩きしてしまうということを懸念しておりまして、まずこの条例を出す前に区が取り組むべきことはたくさんあるでしょう。それをまずやって、そして条例ということについてどうかということをやらないと、私から言わせれば、区はあまり対応していないのに、条例さえあればこれからきちっとできると言うのは、私はそんなことはないのではないかという思いをしています。
いずれにしても、この条例によって、本当にボランティアとして一生懸命やっている方、また地域でも取り組みをこれからしようとする人にとって、この条例があればより進展するのではなくて、逆行する方向に私はなるという、またうちの会派としてもそういう観点から、この条例は出すべきではない、反対ということで、討論とさせていただきます。
かせ委員
日本共産党議員団の立場から、本条例に対する反対討論を行います。
詳細にわたっては本会議でもやりたいと思いますので、今回は簡単に。
まず、この条例は、動物愛護という言葉は使っておりますけれども、動物愛護ということではなくて、逆に地域等で地域猫をいろいろお世話したり、かわいそうな猫たちを助けるというようなさまざまな運動があるわけですけれども、そういった善意の活動さえも場合によってはこれは迷惑行為として罰則の対象とするというようなものです。
もともと動物愛護法というのは、動物を愛護するというのが目的です。ですから、動物愛護で罰則がついておりますけれども、その罰則は、動物を虐待したり、動物を遺棄したり、こういう者に対して、これはいけませんよということなわけです。ところが、この条例については、その罰則、そもそもの動物愛護の精神から外れて、専らそういう活動に対する規制を設けるということです。
それで、私は、いろいろ質問された中で重要なことがわかりました。いわゆるここに書かれているモラルであるとか、それからルールであるとか、そういったものに対しては、これは理想的であると言うけれども、実はそういった問題については条例をつくらなくてもできることです。そして、できないということは、これは、罰則を設けるということは、条例をつくらなければできないということです。つまり、この条例の主な目的は、罰則を設けるためにつくるということにほかなりません。
また、理由としているものとして、去勢手術等に対する助成ということですけれども、これまでの議論の中で明らかなように、23区の中で既に22区が独自の要綱等によって不妊・去勢手術の助成をしているという状況があります。つまり、そういったところでは条例を何もつくらなくてもできるんだ、このことも明らかになりました。つまり、この去勢・不妊手術については既に全会一致で可決されているものですから、そういったものについては、こういうものを理由にして先延ばしするのではなくて、まずは中野区についても、最後になるんじゃなくて、やっぱり21番目、少なくとも21番、22番目にこの去勢・不妊手術、これは助成すべきであったと思います。それが殊さらに条例の原因になるということについては、私ども、筋違いだというふうに思います。
したがいまして、この条例をつくる必要は全くありませんし、よって、この条例については反対します。
以上です。
委員長
他に討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、討論を終結します。
これより本件について挙手により採決を行います。
お諮りします。
第20号議案、中野区動物の愛護の促進及び適正な管理に関する条例を原案どおり可決すべきものと決することに賛成の委員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手少数。よって、本件は否決すべきものと決しました。
以上で第20号議案の審査を終了します。
次に、第21号議案、東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について、第22号議案、東京都後期高齢者医療広域連合の葬祭費に関する事務の受託についての2件を一括して議題に供します。
本件について、理事者から補足説明を求めます。
柿内保健福祉部副参事(保険医療担当)
それではまず、第21号議案、東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について、補足説明いたします。
今回の規約の変更につきましては、後期高齢者医療の保険料に関しまして、保険料の軽減にかかる経費を各区市町村の一般財源から分賦金として支弁することのためのものでございます。
分賦金につきましては、まず審査支払手数料相当額、次に財政安定化基金拠出金相当額、また保険料未収金補填分相当額、さらに保険料所得割額減額分相当額、新たに加わりました葬祭費相当額を加えまして、それぞれの金額を各区市町村の一般財源で充当することにつきまして、平成22年度と23年度の2年間の時限措置として、規約の附則に規定するものでございます。
なお、実施時期につきましては、平成22年4月1日でございます。
引き続きまして、第22号議案、東京都後期高齢者医療広域連合の葬祭費に関する事務の受託について、補足説明いたします。
東京都後期高齢者医療広域連合が東京都後期高齢者医療広域連合の医療に関する条例で規定いたしました後期高齢者医療給付の葬祭費に関する事務につきまして、地方自治法第252条の14に基づきまして、事務の受託を行うものでございます。
東京都後期高齢者医療広域連合と中野区との間における葬祭費の事務委託に関する規約につきましては、まず第1条では、中野区後期高齢者医療に関する条例に規定いたします被保険者の死亡に関して葬祭費事務を委託することを定めております。
第2条では、委託事務の管理、執行につきまして、広域連合条例等の規定によるものとすることなどを定めております。
第3条では、経費の支弁につきまして、経費の額及び交付の時期は、協議して別に定めるということを規定してございます。
第4条では、広域連合条例等の改正等の場合の措置につきまして、東京都後期高齢者医療広域連合より中野区へあらかじめ通知することを定めております。
第5条では、事務の調整につきまして、規約に定めるもののほか、必要な事項、または疑義が生じた場合につきましては、時には協議して別に定めることとしております。
なお、実施時期につきましては、平成22年4月1日から施行いたします。
本件につきましては、平成22年1月29日に開催されました東京都後期高齢者医療広域連合議会において議決されたものでございます。
以上、雑駁でございますが、御説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
委員長
これより本件に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、休憩して取り扱いを協議したいので、委員会を暫時休憩します。
(午後4時04分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後4時06分)
質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、質疑を終結します。
次に、意見の開陳を行います。
意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、意見の開陳を終結します。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、討論を終結します。
これより本件について採決を行います。
お諮りします。
第21号議案、東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更についてを原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決します。
以上で第21号議案の審査を終了します。
続いて、お諮りします。
第22号議案、東京都後期高齢者医療広域連合の葬祭費に関する事務の受託について、原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決します。
以上で第22号議案の審査を終了します。
次に、請願の審査を行います。
平成21年第6号請願、食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本的改正を求める意見書の提出についてを議題に供します。
これより本件に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩します。
(午後4時06分)
委員長
委員会を再開します。
(午後4時08分)
お諮りします。
第6号請願、食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本的改正を求める意見書の提出についてを閉会中も継続審査すべきものと決するに賛成の委員は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手多数。よって、本件は継続審査すべきものと決しました。
以上で第6号請願についての本日の審査を終了します。
次に、所管事項の報告を受けたいと思います。
1番、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」の策定についての報告を求めます。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
それでは、新しい中野をつくる10か年計画の策定について御報告いたします。(資料4)
まず、1番でございますが、10か年計画の本冊子につきましては別添1ということで、お手元に別添1のとじた冊子、本冊子がございます。
2番目に、新しい中野をつくる10か年計画の第2次案に関しまして、パブリックコメント手続を行い、その実施結果についてでございます。同計画案をもとに2月8日から3月1日までにわたりパブリックコメント手続を行いました。結果につきましては、お手元の別添2により取りまとめてございますので、ごらんください。別添の2でございます。
まず、意見募集は今申し上げた期間でございまして、2番に、意見の提出者でございますが、全体としまして12名、電子メール、ファクシミリ、郵送等でございます。
それから、3番目に、具体的に出されました意見の概要と区の考え方につきましては、10か年計画の各領域ごと、その他という形でまとめてございます。全部で38項目ございました。
1ページのところにございます領域Iにつきましては11項目。順番にNo.が振ってございますが、左側が提出された意見の概要、右側に区の考え方を要約してまとめてございます。
おめくりいただきまして、2ページの下でございます。領域II、ここは主に子ども家庭部所管が中心でございますが、「自立してともに成長する人づくり」についてにつきましては、13項目にわたりまして御意見を賜ってございます。
それから、4ページに参りまして、4ページの(3)が領域IVとなってございます。実は領域IIIというところがございますが、領域IIIにつきましては、保健福祉部の所管が主な部分になりますが、今回、パブリックコメントでの意見はございませんでした。領域IVでございますが、(3)ということで、ごらんのように2項目。
それから、第4章で「持続可能な行財政運営のために」の部分に関連した御意見が2項目。
それから、参考資料としてつけた部分の関連で5項目。
最後に、その他ということで、計画全体にかかわる部分ですとかを取りまとめた部分、その他ということで5項目まとめてございます。
次に、変更点でございます。変更点につきましては全部で6カ所ございますが、お手元の別添3の資料をごらんください。1枚、裏表になってございます。No.1、2とございまして、全体で、裏、2ページまで、6項目ございます。
まず、No.1でございますが、今回、先ほど御報告いたしました別添2のパブリックコメント手続に寄せられた意見のうち、No.18の部分、第2章のところに小中一貫校を検討していく旨の記載をされているものが第3章に記述がないという意見を受けまして、今回、第2章の内容を第3章に加えることとしたものでございます。具体的には、別添3のNo.1の右側に下線部で引いたところ、「全校で連携教育の標準的な方法を定めていきます。」以下、アンダーラインのところを肉づけしてございます。
それから、No.2でございますが、ページで申しますと本冊子の203ページになります。ここでは、左側で新たに実現する施設等の欄の中に特別養護老人ホーム、東中野5-17の用地の民間活力の活用についての記述がございませんでした。ここの部分につきましては205ページに記載がございましたが、203ページへの記載漏れがあったということで、盛り込んだものでございます。
次に、No.3、2ページの上になります。本冊子の205ページになります。これにつきましては、10か年計画の第2次における部分におきまして、今後活用する用地のそれぞれの所在地のところに現在目的ということで記載がございます。そして、この目的部分につきましては重複して記載ということで、混乱を避けるために、所在地についてはあくまでも――右側でございますが、所在地の地番のみ、活用方法とステップのところでそれぞれの目的、用途に合わせた形で整理をさせていただきました。お手元の別添3の資料では「(略)」となってございますが、本冊子の205ページのところに――ちょっとおめくりいただければと思いますが、205ページに今申し上げました今後活用する用地の所在地と活用方法、ステップについて、それぞれ整理をされてございますので、こういう形での整理ということになってございます。その点でございます。
それから、4番目でございますが、これにつきましては、206ページ、参考資料の2、③、売却予定等の欄でございます。あさひ保育園と昭和保育園の欄につきまして、廃止理由等で同様の記載になってございますので、ここは事務的に一つの項目として整理をしたものでございます。内容的な部分については変更はございません。
それから、No.5でございますが、206ページになります。同様に参考資料2の10年後の施設配置、③、売却予定等でございます。この中で、丸山児童館と鷺宮児童館につきまして、計画案の段階では「キッズ・プラザの整備及び地域子ども家庭支援センターの(仮称)すこやか福祉センター移転に伴い、廃止」ということを記載してございました。この地域子ども家庭支援センターでございますが、前回の当委員会、1月末に開かれました委員会におきまして、この4月をめどに現在地区内4カ所にある保健福祉センター内に現在四つの児童館に併設してございます地域子ども家庭支援センターを移転しまして整備することを進めてございますので、それを受けまして、10か年の中では、右にございますように、他の児童館同様、「キッズ・プラザの整備に伴い廃止」というところに項目をまとめて整理をしたものでございます。
最後になります。No.6、ページとしましては223ページでございます。参考資料の4といたしまして、これまで10か年計画等にかかりました策定までの経過について追加して―― 一番最後のページになりますが、追加をいたしまして、経緯について、20年8月11日からの取り組み等について簡単に記載したものでございます。
それで、最初のほうに戻っていただきまして、なお、今後につきましては、議会報告後に、区報では4月5日号で区民のほうに周知を図るということで予定してございます。また、ホームページについても同様でございます。
以上、雑駁ですが、御報告とさせていただきます。
委員長
ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告について終了します。
次に、2番、平成22年度の組織編成についての報告を求めます。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
それでは、平成22年度の組織編成につきまして、これは保健福祉部と子ども家庭部それぞれございますが、全体的な部分を含めまして若干御報告をさせていただきます。(資料5)
本報告につきましては、22年度の区全体の組織編成につきまして、この資料でお示しをさせていただいております。横組みのものでございます。当委員会所管部分を中心にそれぞれの部より御報告をさせていただきます。
まず、子ども家庭部所管組織でございます。
おめくりいただきまして、3ページから4ページにかけて入ってございます。
これ、見方でございますが、左側が22年度、新しい新年度、それから右側が現行年度、21年度の対比となってございます。22年度につきましては、網かけになっているところが変更箇所でございます。
変更区分といたしましては、子ども家庭部は全体を大きく再編することといたしました。
今回の再編のねらい、目的につきましては、子どもと家庭をめぐる地域、区民へのさまざまな支援の推進につきまして、部内各分野のより効果的な施策等を図るとともに、一方で、今後の地域子育て拠点の機軸となる地域子ども家庭支援センター機能の充実強化を図った点でございます。
再編の変更点といたしまして大きく4点ございます。
まず、第1点目でございます。4ページの右上、21年度のところでございますが、分野のところにこれまで子ども健康分野と出産・育児支援分野の二つの分野がございましたが、この二つの分野を廃止させていただきます。それに伴いまして、3ページのほうになりますが、3ページの現行右にございます子育て支援分野のところを、新たな枠組みといたしまして、左側、網かけのところ、子育て支援分野と、新設となります地域子ども家庭支援分野、この二つの分野に再編をさせていただきます。
第2点目でございます。新設いたしました地域子ども家庭支援分野のもとに、統括管理者といたしまして地域子ども家庭支援担当と中部・北部・南部・鷺宮の四つの地域子ども家庭支援センター所長ポストを新設いたします。3ページの左の網かけのところでございます。なお、これまで、現行でございますが、右側にごらんいただきますように、地域子ども家庭支援センター所長は、同センターを設置していました執行責任者、係長級の児童館長がそれぞれ兼務をする形で設けてきました。また、統括管理者ポストとしての地域子ども家庭支援センター担当につきましては、これまで2カ所ずつを二人の統括管理者が兼務をしてきました。今回、それぞれのセンターに所長を設けるということが2点目でございます。
第3点目でございます。これは4ページの先ほどの右上の子ども健康分野の部分でございますが、子ども健康分野として所管していました、4ページ右側にございます執行責任者の欄に三つございます子ども医療担当、療育センターアポロ園長、発達支援ネットワーク構築担当、この三つの執行責任者ポストにつきましては、恐れ入ります、3ページの左側、子育て支援分野の執行責任者欄の上から6番目以降、この欄の下から三つということになりますが、3項目、子ども健康担当、発達支援担当、療育センターアポロ園長、この三つのところに組みかえをし、移管をし、新たな子育て支援分野へ統合させていただいております。
最後、第4点目でございます。4ページの右上、中段にございます出産・育児支援分野にございました出産・育児支援担当につきましては、これまで4カ所の保健福祉センター所長が保健福祉部所管の地域保健福祉分野とともに兼務で所管をしてまいりました。22年度からはこの4カ所の新たな地域子ども家庭支援センター所長のもとに――また3ページの左側になるわけですが、各それぞれの四つのところに出産・育児支援担当として地域子ども家庭支援センターに所管がえをいたします。また、それぞれの地域子ども家庭支援センターのもとに執行責任者ポストといたしまして新たに地域子ども家庭支援担当を設けますとともに、各児童館長、それからふれあいの家館長、U18プラザ館長、各キッズ・プラザ所長、各学童クラブ所長につきましては、それぞれの地域の施設配置に応じまして、兼務も含めまして、執行責任者ポストを設けていきます。
以上が子ども家庭部所管分に係る再編による変更内容の補足説明とさせていただきます。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
引き続きまして、4ページ、保健福祉部の来年度の組織でございます。
保健福祉部につきましては、大きな変更ということではございません。
1点目が、4ページの一番最下段、地域保健福祉分野でございます。こちらの現在「支えあい支援担当」といったポストにつきまして、新年度につきましては「支えあい推進担当」というふうに名称を変更させていただきます。内容といたしましては、地域のこの支え合い活動を側面から支援するというよりは、保健福祉センターの職員が主体的にかかわりを持ちながら地域の支え合いを進めていくといったようなことでの名称変更でございます。
次に、5ページ、障害福祉分野でございます。ここでも二つ名称変更を行わせていただきました。1点目が、現在「障害福祉サービス担当」という名称になってございますが、より内容がわかりやすいようにということで「自立支援給付」、自立支援法の事務を所管しているんだといったこと、それからこの給付について管理を行っているんだといったようなことが一目瞭然わかるような形での名称変更でございます。もう1点が、「障害者施設担当」というポストでございましたけれども、これを「障害者施設整備担当」という名称に変更させていただきます。その下に障害者施設運営担当というふうにございますが、こちらの運営担当のほうは主に区立施設についての運営を所管しています。施設整備につきましては、民間の施設も含めて、今後の施設の整備について所管をしているというものでございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告について終了します。
次に、3番、(仮称)仲町すこやか福祉センターについて(案)の報告を求めます。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
引き続きまして、お手元の資料に基づきまして御報告をいたします。(資料6)
この(仮称)仲町すこやか福祉センターでございますが、7月の開設を予定してございます。第2回定例会におきまして、この設置、運営にかかわります根拠規定の整備のための条例案を御審議いただく予定で現在事務を進めているところでございます。今回、その条例の中で盛り込むべき設置目的ですとかといったような内容について中心に御報告を差し上げます。
この(仮称)仲町すこやか福祉センターでございますが、子ども家庭部、保健福祉部、両部の共通した事業所とした位置付けでございます。
まず、1点目の設置目的でございますが、子どもから高齢者、障害者、それから一般区民、それぞれの方々が地域で安心して暮らしていけるような、そういったことを目的にいたしまして、サービスの総合的な提供、総合的な相談体制を備える、さらには公私にわたるさまざまなサービス、これを包括的に提供していくといった地域拠点として設置をしていくというものでございます。
なお、正式な名称といたしまして、ただいま仮称になってございますが、その条例を御提案する際には中部すこやか福祉センターといったようなことで現在内部で検討をしてございます。
利用時間でございます。相談等のサービス提供時間につきましては、この表の利用時間のところにございますように、平日、月曜日から金曜日につきましては夜7時までのオープン、開設を予定してございます。利用できない日につきましては、日曜日、それから休日、年末年始というところでございます。さらに、このすこやかに整備をいたします会議室、こちらにつきましては、年末年始以外すべて朝の9時から夜の10時まで御利用いただけるような形で運営をしていきたいというふうに考えてございます。
なお、この会議室につきましては、目的外の利用といったようなことも、本来目的に支障のない範囲で利用が可能な形で提供していこうというふうに考えてございます。
主な機能でございますが、まずはワンストップの総合相談といったところでございます。子どもの発達相談、育児相談から、高齢者、障害者、あるいは難病患者、こういった方々への保健福祉サービスのための相談、それから健康増進に関する相談、医療系・福祉系、こういったところの民間相談機関などの領域を越えて連携して総合的な相談をワンストップで提供していこうということで考えてございます。また、必要に応じましては地域内でのアウトリーチの機能を強化するということで、御自宅に出向いての相談といったことも考えてございます。さらには、全庁的に今進めております24時間365日、この体制ということでございまして、窓口の開設時間の延長拡大のほかに、夜間の緊急の電話対応、これについても対応できる体制をしいていくということで計画をしてございます。
3番目が、包括的な地域ケアというところでございます。さまざまサービスがございます。子育て支援のサービス、介護予防のサービス、介護保険サービス、それから福祉サービス、保健サービス、こういったものを地域で適切に提供するために、保健・福祉・医療、こういったところの連携をとりながら提供をしていくというものでございます。さらに、先ほども申し上げましたけれども、こちらのすこやか福祉センターの職員が中心となりまして、町会・自治会等の地域の方々との連携による支えあいネットワーク、これの構築を目指していくというものでございます。
裏面に参りまして、サービスのための申請ですとか、あるいは届け出、こういったものの受け付けを行わせていただくと。母子手帳の交付、福祉タクシー券の交付、こういったことから、介護認定の申請ですとか、一時保育、こういったものの利用のための手続をこの地域拠点で受け付けを行っていく。
それから、5番目といたしまして、子育て支援でございます。乳幼児健診、それから両親学級、こういったものと同時に、子育ての仲間づくりですとか、それから子育てひろば事業、こういったものを運営してまいります。
最後に、区民の健康づくり支援というところでございますが、地域スポーツクラブと連携をいたしまして、例えばハイリスク層へのアプローチといったようなところ、介護予防の事業、こういったものを展開いたします。さらに、こころの悩み相談、あるいは精神障害者のためのデイケア、こういった事業についても展開を行っていくというところでございます。
4番目の開設日でございますが、条例の施行日として想定をしてございますが、現時点では7月26日の月曜日、この日からオープンをしようというふうに考えてございます。
今後の予定でございますが、年度が明けまして、5月の末には改修工事を終了いたします。第2回定例会で関係規定の整備をお願いすると。7月の下旬に開所式を予定してございます。
6番につきましては、参考でございますが、この併設施設といたしまして地域スポーツクラブ、こちらの開設を予定しておりますが、こちらにつきましては平成23年の1月を予定してございます。それから、翌々年度になりますが、23年度の4月、この時期に精神障害者社会復帰センター、これを現在のスマイルなかののほうから移転をいたしまして、法内の施設といたしまして運営を開始いたします。
7番目、区全体への展開のところでございますが、仲町を皮切りに、今後、先ほど御説明をいたしました第2次の10か年計画に基づきまして、区内4カ所にこのすこやか福祉センターを整備していく予定でございます。
あわせまして、その後についております別紙1から別紙3、施設の概要、配置図をつけてございます。
別紙1でございますが、これは1階部分でございます。
左側から地域スポーツクラブ、それから真ん中の旧校舎を使いまして地域支えあい交流ゾーンというような性質の施設展開。右側が総合相談支援ゾーンということで、子育てから、高齢者、障害者、こういったものの相談を受け付けるスペースでございます。
なお、バリアフリー化を図ります関係で、ちょっとわかりにくくて申しわけございませんが、この右側の「総合相談窓口」と書かれている大きなくくりがございますが、その前にエレベーターを1基配置をいたします。もう一つエレベーターがこの図の左上、「EV1ホール」というふうに書いてあります。エレベーターホールといったところのその右隣の小さな四角ですが、こちらに2基目のエレベーターを設置いたします。
さらに、その上ですが、防災倉庫でございます。これを1階のこの位置に配置をして防災機能の拠点として機能させるというところでございます。
なお、この施設内にトイレが5カ所ございますが、すべてのトイレが車いす対応でございます。
別紙2に参りまして、これが2階部分の平面図でございます。
右側が乳幼児健診で使う子育て支援ゾーンとなってございますが、右側の校舎部分が乳幼児健診等の指導室、健診室でございます。それから、その上の部分に子育てひろばですとか一時保育の部屋を、スペースを確保してございます。
なお、この2階部分からは、子育てひろば、一時保育室の上、校舎の外になりますが、避難用の滑り台、「滑り台」というふうに書かれてございます。避難経路として、こちらの部分、それから会議室ゾーンの「中会議室」と書かれている部分からグラウンドのほうへ避難袋というんでしょうか、で避難できるような設備を設けてございます。
別紙3に参りまして、この部分が精神障害者社会復帰センター、23年4月の開設予定でございますが、中央校舎部分が全体的にこの作業の施設となってございます。右側の校舎の屋上になりますが、旧室外プールのあった部分につきまして、この社会復帰の訓練の一環といたしまして、菜園等の活用を計画してございます。さらに、中央部分の校舎の右半分ぐらいが、廊下が、外壁が後退してございます。こちらにつきましては、日影の関係で旧の3階部分、これを撤去し日陰についての規制をクリアするように改修を進めているものでございます。
雑駁でございますが、すこやか福祉センターについて御報告いたします。
委員長
ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
佐藤委員
この施設の図面の中で、自主グループが借りたりできるところというのはどこになるんですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
一般的な施設の貸し出しにつきましては、「会議室」と書かれている部分、それから1階部分ですと「多目的室」と書かれている部分でございますが、「小会議室」、「多目的室」、2階部分に行きまして「大会議室」、「中会議室」という名称になっている部分が一般的な貸し出しに対応する部分でございます。
佐藤委員
すこやか福祉センターということで、子ども家庭支援センターとか、障害者の相談窓口もあるということで、障害者とか子どもたちのいわゆる自主グループ活動がしやすいのかなという期待があって、かねがねそういうふうな障害を持つ人たちとか、あるいは子どもたちが使えるようなところというふうなことでの床材とか、そういうものの工夫もお願いしてきているところですけれども、そういうふうな感じで、いわゆる小さな子どもが寝っ転がったり、あるいは障害を持っている人が車いすからおりて、車いすも入れて寝っ転がれたりするような、そんなところになっている会議室、あるいはスペースでよろしいんですか。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
下がカーペット敷きで予定しているのは、別紙2の2階部分の子育てひろば、一時保育室等については現在そういった整備を考えております。
先ほどの貸し出しの関係でいいますと、ここは基本的には子育てひろばの事業を進めるという場が基本的な目的として使っていくということになりますが、先ほどのほかの会議室等とあわせて利用していないときに貸し出していくかにつきましては、さまざまなセキュリティーですとか、子どもの安全・安心というようなところの観点も含めまして、現在検討中でございまして、基本的にはそういった利用の部屋としてここの整備を今進めているところでございます。
佐藤委員
自由に借りられるところで、いわゆる自主グループが借りられるところで、そういった障害者の人とか子どもたちが使えるようなところというのはないんですか。ぜひ使えるように工夫していただきたいと思いますが、いかがですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
施設でございますので、事業の運営につきましてこの全体的な施設を利用していく。そういった事業のないときについては地域の団体等に御利用いただく。そういったところとしてこの多目的室ですとか会議室といったような名称のところを整備してございます。
なお、今、子ども家庭部のほうから御説明をいたしましたが、どういう形の運営になるかというところもございましょうが、「子育てひろば」と銘打っているような部分につきましては、床暖房ですとか、カーペットといったようなことでの施設整備を行ってございます。
そこの運営の中で、そういった自主グループの活用といったようなことも今後検討していくということになろうかと思ってございます。
佐藤委員
前から要望していましたので、ぜひ、子育てひろばといったら、常時そういうことを運営される方だけがお使いになると一般的な自主グループがここを使えなくなるし、でも、障害を持っている人とか子どもたちのグループの人たちがこういう相談場所があるから、じゃあ、ここがすごく使いやすいかなという期待もあるところですので、やっぱりほかの会議室も今から内装というのも大変でしょうけれども、工夫できれば、そういったカーペットとかなんか用意できますよね。それも申し上げていたところなんですけども、ぜひ工夫していただきたいと思います。そういう子どもたちとか連れた方たちも、あるいは障害を持っている方たちが過ごせるような、そういった場の提供ということでぜひ工夫していただきたいと思いますので、御要望申し上げます。
かせ委員
利用時間帯のところに触れるんですけれども、目的外利用ということが先ほどちょっとありましたけれども、どういうものを想定していますか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
基本的には、例えば地域センターの会議室におきましても目的内利用、目的外利用がございます。例えばこのすこやか福祉センターというのが地域の支え合いですとか福祉活動ですとか子育て支援ですとか、こういったことが本来的な目的になりますが、それ以外のところで、例えば仲町小学校のOBの同窓会の打ち合わせをしたいとか、そういったことでの御利用の申し込みがあれば目的外利用といったところでお申し込みをいただいて許可をするということになります。
かせ委員
かつて仲町小学校のときには学校と地域との関係、非常に良好な状況でして、それで、地域の子育て関係であるとか、いろんな地域活動、それからもちつきとか、さまざまな地域の行事なんかについては一緒に参加してやってくれたという、そういう土地柄なんですけれども、そういう今まで培われてきた地域のコミュニティというところではいかがなものでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
例えばのお話でございますが、盆踊りを町会、子ども会が行うとか、そういったことにつきましては、このグラウンド部分も含めまして最優先で御利用いただけるようなことで、それについては地域の方々とはお話し合いをしてございます。
かせ委員
わかりました。
それと、最初にちょっと私のところに声がかかったんですけれども、実は工事のことなんですが、工事時間の延長ということが町会のほうに来たということですね。そこをお聞きしたいんですが、御存じですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
今週からでしょうか、ちょっと工事の終了時間というのを延長させていただくということで、町会にも御相談をし、取りかかっているかというふうに思ってございます。かなりタイトなスケジュールの中でこの整備工事を進めてまいりましたが、さまざま事情もございまして、少々工事が立て込んできているという関係で、騒音の出る工事については今までどおりの工事時間の中で、午後6時までですか、ということで、ただ、室内の内装工事等につきましては、午後7時までだったというふうに承知してございますが、延長させていただくということで御了解をいただいております。
かせ委員
地域の皆さんの協力がなければできないことで、当初は何か8時まで延長してくれという話があったようですけれども、それは協議の中で今のようなことになったというふうに私も聞いています。
それで、その理由、今、工期がおくれているということですけれども、ちょっと心配があるんですよね。その原因が何だったんだろうか。私もあそこのところをよく通って、すぐ近所に私のうちがあるのでのぞくんですけれども、例えばかつての壁をかなり大胆に取っ払ってしまってかなりの工事をやられているんですけれども、そういうことの影響、あるいは構造的なことに問題があったのかなと心配になってしまったんですが、その辺、いかがですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
その構造上の耐震壁を入れるといったようなことでの補強工事については順調に進んでございます。問題になりましたのは、やはり築年数のたった校舎の改修ということで、当初見込んでいなかった手当てが必要な部分というのが新たに発見をされて、その手当てをするといったようなことで時間ロスがあると。具体的に申し上げますと、例えば環境に影響があるということではないんですが、昔、学校時代にだるまストーブとかの集合煙突を使っての暖房をとっていた。そこの内部を壊してみたところ、アスベストを含むスレート、こういったものが出てきたということで、それについて撤去をし、廃棄をするというようなことで、若干工事をストップして対応するといったところで細々工期的に押している状態が出てきたということでございます。
かせ委員
非常に重要なことなんですよね。だから、工事をしてみたらアスベストがあったと。だから、昔ですからブリキの煙突、ずっと床をはがして、そのために耐熱用のアスベストかなんかをまいたりなんかしたんだろうと思うんですけど――そういうことでしょう。でも、この問題というのは簡単な問題じゃないんですよね。本来からいえば、アスベストの問題だったらずっと委員会にも報告があったし、それで、私が聞いて初めてそれがわかったということなんですよ。こういう対応でよろしいんですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
今回の場合のこのアスベストにつきましては、安定して飛散をするものではないということで、環境部局ですとかと協議の上、単純に処理をできるもののアスベストだということでございますので、改まってこの委員会のほうに御報告ということはしておりません。
かせ委員
本来、少なくとも区の施設ですよね、まだ売っ払っているわけじゃないんだから。そういうところでのそういう問題があったときには報告するのがルールだったんじゃないでしょうかね。だから、それはやるべきだと思います。
それと、同様の問題というのは今後も出てくるというふうに思うんですね。ですから、それについてはしっかりと計画、見据えてやっていくべきだというふうに思います。どうですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
私どもの判断といたしまして、今回のこのアスベストの問題につきましては、かなり安定的な、こういったPタイルの中に含まれているようなアスベストと同じようなものというふうな認識でございますので、改まっての御報告ということはしてございませんが、今後、これからもさまざま問題が起きてまいりますかもしれませんので、その折には慎重に対応させていただきたいと思います。
伊東委員
新しい施設、新しい体制で執行されるということなんですけど、この執行体制についてはまだこの資料だけではちょっとわかりづらいのかなと。先ほどの組織編成のところについての担当の方が張りつかれるということなんですけど、区の職員がどういう体制でここの運営に携わっていくのか、また民間等の方々はどういう体制で携わっていくのかというのが、これは口頭じゃちょっとわかりづらいと思いますので、次回、もうちょっと詳細な資料をいただけたらと思うんですけれど。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
それでは、次回、新しいこの仲町すこやかで想定されます組織体制、それから職員数、こういったものについても資料を御提供したいというふうに思ってございます。
伊東委員
あと1点。この施設については、すこやか福祉センターと、それから地域スポーツクラブ、中野区でいずれにしても初めての取り組みということなんですけれど、敷地外からこの建物に対してのアプローチ――ちょっとこの地域に明るくないもので、どこを通ってどういうふうにそれぞれのスペースに利用者が行かれるのかな。心配していますのは、地域スポーツクラブがあるということで、校庭で球技等を行うことも当然あるかと思います。そうした場合に、乳母車を、ベビーカーを押されている方々に対して、多分、このロビー1だとかロビー2、これ、校庭側を通るんだと、場合によっては飛んできたボールがそれらに当たってしまって事故につながらないとも限らない。そういう対策は講じられているのかどうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
申しわけございませんでした。先ほどのこの別紙1の図面で参りますと、すこやか福祉センターを御利用いただく方については、東側からお入りいただいて、このロビーに入っていただくという形になります。それから、スポーツクラブを御利用の方については、西側からお入りいただいて、御利用いただくという形になります。
このグラウンド部分でございますが、防球ネットをつけまして、球が外へ飛び出さないような構造にしてございます。その防球ネットの周りを高齢者の方々が散歩といいましょうか、歩行訓練ができるような遊歩道といいましょうか、という形で整備をさせていただきます。
車についての駐車台数はほとんどない。障害者用の車の駐車場を二、三台確保するだけですが、自転車駐輪スペースにつきましては、かなりこの中に整備をさせていただきますので、スポーツクラブを御利用の方々等についても錯綜することがないような形でこの動線については考えてございます。
伊東委員
地域支えあい交流ゾーンなんですけれど、これ、会議室等がこの上部にありますけれど、会議室等は遅い時間まで――平日は10時までですか、ちょっとその辺の資料の見方がおかしい。あ、日曜から土曜日、10時まで。そうすると、その部分を夜間利用する場合に、窓口機能が閉まってしまう7時以降はどちらから出入りすることになるんですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
基本的には先ほどのロビー1のほうから出入りをしていただく形になってございます。夜間の会議室利用等のために警備員を配置し、利用の受け付けをする予定でございます。
失礼いたしました。訂正の声が後ろからかかりましたので。会議室の夜間の御利用につきましては、この備蓄倉庫のところのロビー3というところの出入口を御利用いただくという形で、障害がある方、車いすの方でもすぐエレベーターで2階まで行けるというような形になってございます。
伊東委員
最後にします。そうしますと、夜間の利用についてはロビー3のほうから入って、廊下を伝いまして、途中にある警備室のほうで夜間の警備を管理しているという形になるんですね。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
日中も、それから夜間につきましても、こちらの警備室のほうに会議室の御利用についての受け付け窓口を設ける予定でございます。
岡本委員
開所が7月で、地域スポーツクラブが来年の1月、それから精神障害者社会復帰センターが来年の4月ということでタイムラグがあるんですが、開所式までにスポーツクラブとか、それから精神障害者社会復帰センターはもう完全に整備ができ終わっているということでいいんでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
ハード面につきましては5月の末までにすべて整備を終了いたします。ただ、それぞれの施設の特有な備品類につきましては開設前の搬入ということもあろうかというふうに思います。
なお、開所式のあたりのところでは、内覧会というような形でも地域の方々にもごらんいただけるような機会を設定したいというふうに考えてございます。
岡本委員
こういう施設、人が出入りしていなかったり使っていないと傷みが激しかったり、かえって使わないほうが住宅でもそうですけど傷んだりするので、その間の要するに管理、それから変な方が侵入するようなことはないでしょうが、タイムラグがあるだけに何かその辺の警備のほうも含めて体制をちょっと心配するようなことを今やっているんですが、それは大丈夫なんですか。一方で大きな施設で、片方は人がいる。あと、スポーツクラブと、それから復帰センターのほうは人がいないという形になると、何となくそういう警備上の心配等も入るんですが、それは大丈夫ですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
学校時代につきましては、区画を区分するというような運営体制ではございませんでしたが、このすこやかの整備後につきましては、それぞれの区画について区分をし、施錠ができるような体制を考えてございます。
なお、施設内には防犯カメラ等も設置をいたしまして、この警備室ですべてを掌握できるような管理体制を考えてございます。
委員長
よろしいでしょうか。他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
先ほど伊東委員から要求がございました資料の取り扱いについて、委員会を休憩して協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後4時59分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後5時00分)
先ほど伊東委員から要求がございました資料、(仮称)仲町すこやか福祉センターの組織及び職員体制等につきましては、当委員会として資料要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定をいたします。
改めまして、他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、3番、(仮称)仲町すこやか福祉センターについての報告を終了します。
委員会を暫時休憩します。
(午後5時00分)
委員長
委員会を再開します。
(午後5時01分)
それでは、本日はここまでとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
次回の委員会は、あす3月16日火曜、午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告します。
以上で本日の日程は終了しますが、各委員、理事者から何か発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本日の厚生委員会を散会します。
(午後5時01分)