中野区議会環境対策特別委員会〔平成20年2月4日〕
環境対策特別委員会会議記録
○開会日 平成20年2月4日
○場所 中野区議会第2委員会室
○開会 午後1時01分
○閉会 午後2時56分
○出席委員(14名)
小堤 勇委員長
南 かつひこ副委員長
平山 英明委員
つぼい えみ委員
いでい 良輔委員
のづ 恵子委員
奥田 けんじ委員
牛崎 のり子委員
伊藤 正信委員
むとう 有子委員
篠 国昭委員
市川 みのる委員
岡本 いさお委員
来住 和行委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
財産管理担当課長 豊川 士朗
経営室特命担当課長 篠原 文彦
評価・改善推進担当課長 田中 政之
区民生活部長 大沼 弘
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 橋本 美文
清掃事務所長 齋木 正雄
都市整備部長 石井 正行
公園・道路担当課長 安部 秀康
教育委員会事務局次長 竹内 沖司
○事務局職員
書記 松本 桂治
書記 丸尾 明美
○委員長署名
審査日程
○議題
省エネルギー推進及び自然エネルギー活用について
ごみ発生抑制及び資源化推進について
都市緑化推進について
○所管事項の報告
1 中野区環境基本計画(素案)について(環境と暮らし担当)
○その他
委員長
定足数に達しましたので、環境対策特別委員会を開会します。
(午後1時01分)
本日の審査については、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ございませんので、そのように進めます。
なお、本日は5時を目途に進めたいと思います。また、3時を過ぎるようなら適宜休憩を入れたいと思います。御協力よろしくお願いいたします。
それでは、議題に入ります。
省エネルギー推進及び自然エネルギー活用について、ごみ発生抑制及び資源化推進について、及び都市緑化推進についてを一括して議題に供します。
所管事項の報告を受けます。
1番、中野区環境基本計画(素案)について。
納谷環境と暮らし担当課長
では、中野区環境基本計画の素案について御報告いたします。
平成13年度に策定しました中野区環境基本計画を改定するため、このたび計画の素案を取りまとめました。御報告させていただきます。ごらんのように、お手元に素案の概要と本冊が配付してございます。(資料2)この場では素案の概要で説明をさせていただきたいと思っております。
では、早速ですが、「中野区環境基本計画(素案)概要」をごらんいただきたいと思います。
まず、第1章、計画の基本的な考え方でございます。
計画改定の背景でございます。中野区では、「新しい中野をつくる10か年計画」の「地球温暖化防止戦略」、これをさらに発展させ、区民・事業者・区が共有する明確な目標に向かって取組みを進めるため、基本計画の改定を行うものでございます。
2の基本計画改定の考え方でございます。地球温暖化対策を中心に、重点的に取り組むテーマを明確にすること、新たな環境の創造に向けチャレンジする姿勢を掲げること、区民・事業者・区が一体となって取り組む施策としくみを構築すること、また数値目標や指標を設け進行管理を行うなどの考え方を持って改定を行うものでございます。
3番目、計画の位置付けでございます。この基本計画は、区政全体の環境に関する指針でございます。また、みどりの基本計画及び一般廃棄物処理基本計画をリードする計画であるとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地域推進計画となるものでございます。
4点目、計画の期間でございます。この基本計画の計画期間は平成20年度から29年度までの10カ年とします。また、3年間の具体的な取組みを明らかにしました「アクションプログラム」を示してございます。このアクションプログラムは3年ごとに見直しを行います。また、その際、基本計画自身の見直しの必要がある場合はあわせて必要な修正を行うものでございます。
では、第2章、環境の現状と課題でございます。
まず、中野区の二酸化炭素排出量でございます。中野区の二酸化炭素排出量は平成16(2004)年度で94万4,000トン、これは1990年、いわゆる京都議定書の基準年より13%増加しております。排出量の割合は、家庭部門が45.4%、業務部門が28.2%という割合になってございます。家庭部門と業務部門の排出量で約7割が電気の使用によるものでございます。また、特に、家庭やオフィスなどの電気使用量の削減を中心とした、この削減の取組みを進めることが重要だというふうに考えてございます。
では、次ページをおめくりいただきたいと思います。
次に、地球温暖化の現状認識と主な課題といたしまして、地球規模の温暖化の現状に触れてございます。これは気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの第4次評価報告書におきましては、温室効果ガスの増加は人間の活動に伴うものということでほぼ断定されております。また、今後20年から30年の間に、まさにこの期間の取組みが極めて重要であり、地球規模で緊急に取り組む必要があるとされてございます。
(2)でございます。日本の二酸化炭素排出の現状と課題でございます。日本で排出される二酸化炭素の量は12億9,300万トンとなっております。これは京都議定書の基準年でございます1990年度より排出量が約13%増加しております。また、この中では、特に産業部門が減少しておりますが、民生業務部門が44.6%、民生家庭部門が36.7%の増加となってございます。
3番目、国、都における地球温暖化対策の動向でございます。
まず、国の動向でございます。国では、2005年に「京都議定書目標達成計画」を策定し、平成22年度を目標年度として削減目標6%を達成するための取組みを推進してございます。また、平成17年度の日本の温室効果ガスの排出量は13億6,000万トンとなっております。基準年の排出量を上回って目標達成が極めて困難というふうに国では判断し、新たな目標達成計画の策定を予定しているところでございます。
(2)東京都の動向でございます。東京都では、平成18年に「東京都再生可能エネルギー戦略」を策定し、再生可能エネルギーの割合を高める施策を講じております。また、平成19年には「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を開始してございます。2020年までに2000年比25%の削減目標を設定してございます。また、来年度、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の改正を行い、事業所の排出量の総量削減あるいは排出量を取引するしくみなど、新たな制度の導入を予定しているところでございます。
3ページをごらんいただきたいと思います。ここからが計画の本体でございます。
第3章、環境像と目標達成までの方策でございます。
まず、中野区のめざす環境像といたしまして、「脱温暖化の取組みが根付いた エコシティなかの」と定めました。目指すべきまちの姿を「一人ひとりが地球的視野に立って環境を考え行動し、環境をより良くしながら、地域経済が健全に発展し、だれもがやすらぎを感じる真に豊かな持続可能な活力あるまち」といたしました。この環境像を目指し、次に、二酸化炭素の削減目標と四つのプロジェクトを定めました。
まず、二酸化炭素の削減目標でございます。平成29(2017)年度に中野区内から排出される二酸化炭素の排出量を平成16(2004)年度比10%、約9万トン削減することを目指すといたしました。この表は部門別の二酸化炭素排出量の削減目標量でございます。
3ページの下段でございますが、四つのプロジェクトと重点的に取り組む事業、いわゆるアクションプログラムでございます。この基本計画で掲げます、先ほど申し上げました、環境像の実現に向け、四つのプロジェクトを定めました。この中で、特に重点的に取り組む事業の3年間の具体的な取組みの手だてやスケジュールをアクションプログラムとして示してございます。
次のページをごらんいただきたいと思います。
このページ全体が「四つのプロジェクトと重点的に取り組む事業《アクションプログラム》」、計画の全体像でございます。
一番左側が環境像でございます。
次が、四つのプロジェクトでございます。1番目が「環境エネルギープロジェクト」、2番目が「みどりを守り、自然を活かすプロジェクト」、3番目が「環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクト」、4番目が「区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクト」でございます。
それで、右のほうは、それぞれのプロジェクトの取組みの方向とアクションプログラムを示してございます。例えば、環境エネルギープロジェクトでは、1-1といたしまして「自然エネルギーの利用を進めます」、また、2といたしまして「エネルギー消費の少ない暮らしや事業活動を実現します」、3といたしまして「環境に配慮した自動車利用や運転の普及を進めます」ということで、プロジェクトにそれぞれ取組みの方向を定めてございます。
また、その右側には、そのプロジェクトの特に重点的に取り組む事業、いわゆるアクションプログラムを示してございます。太陽光発電機器、あるいは里・まち連携による区民風車、また省エネ家電の買い替え、あるいはエコドライブ、クリーンエネルギー自動車の普及、これらを定めました。
ごらんのように、1から4までそれぞれのプロジェクトに取組みの方向及びアクションプログラムといたしまして1から14、一番下は「中野区役所・二酸化炭素排出ゼロを目指します」のアクションプログラムを定めたものでございます。それぞれはまた、以降の説明で触れていきたいと思います。
なお、それぞれのプロジェクトの中にある下段に――一番上段でございますが、環境エネルギープロジェクト、「【約83,100t-CO2】」となっていますのは、CO2をこのプロジェクトでこれだけ削減するという目標量でございます。
では、5ページをごらんいただきたいと思います。
この計画推進のためには、施策の実効性を確保する、あるいはエンジンとなる仕組みが必要でございます。そのために、「エコシティなかの」をつくるためのしくみづくりとして(1)、(2)を定めたものでございます。
(1)は、地球温暖化防止のための基本理念などを定めた条例の整備でございます。主な内容といたしまして、基本理念、長期的な目標、あるいは責務、事業所の二酸化炭素削減の計画書制度、あるいは建築物環境配慮計画書制度、これらを想定してございます。
(2)といたしまして、連携・協働のしくみでございます。この計画を進めるためには幅広い区民団体あるいは事業者団体、環境NPO、個人、事業者などにより組織します、仮称でございますが、「なかの地球温暖化対策地域協議会」を設置したいと思ってございます。この組織が中核となって、区民事業者の取組みを推進することとしてございます。
4番目が計画の進行管理のしくみづくりでございます。
1点目といたしまして、区の組織横断的な推進体制の設置でございます。区長を本部長とし、区を横断する組織として「エコシティなかの推進本部」を設置し、取り組むこととしたいと思ってございます。
2番目といたしまして、PDCAによる計画管理。PDCAサイクルにより進捗状況を管理し、結果を公表していきたいと思ってございます。
では、ここからが四つのプロジェクトと重点的に取り組む事業、アクションプログラムの内容でございます。
まず1点目、「環境エネルギープロジェクト」でございます。
このプロジェクトの目指す目標でございます。「環境負荷の少ないエネルギーの効率的な利用が進んだまち」、多くの区民、事業者が省エネルギーに取り組み、エネルギーを効率的に使うライフスタイルが定着する。また、住宅等の省エネ性能が向上し、エネルギーのグリーン購入が盛んに行われ、屋上には太陽光パネルなどが設置されるなど、自然の光や風、熱を活用していますという姿を描きました。
その下のフレームは指標項目、例えば、区内の太陽光発電の設置件数等を示してございます。29年度には区内には4,000件の太陽光発電機器を設置していくというものでございます。
次ページをおめくりいただきたいと思います。
取組みの方向でございます。「自然エネルギーの利用を進めます」では、住宅・事業所への自然エネルギーの設置、あるいは区施設への自然エネルギー設備の設置、また地方と連携した区民風車等の設置、これらがございます。
また、2番目の「エネルギー消費の少ない暮らしや事業活動」では、省エネルギーの取組みの推進、あるいは省エネ家電の普及、建築物の省エネ性能の向上でございます。
3点目の「環境に配慮した自動車利用や運転の普及」では、超低公害車やクリーンエネルギー自動車の普及、あるいは貨物輸送の効率化、エコドライブの普及などでございます。
それで、この環境エネルギープロジェクトの特に重点的に取り組む事項としてアクションプログラムとして定めました。
まず1点目が、「太陽光発電機器・太陽熱温水器の設置を進めます」でございます。これは「目標達成の姿」をごらんいただきたいと思うんですけれども、平成29年度には、区内小中学校全校、区有施設に太陽光発電機を設置すること。また、住宅等の10%以上に太陽光発電機などが設置されている、これらを目標達成の姿としてとらえていきたいと思ってございます。その下段のフレームは、アクションプログラムは3年間でございますので、3年間の数値目標でございます。
次に、7ページをごらんいただきたいと思います。
太陽光発電機器等の普及の「主な取組みとスケジュール」のフレーム、3年間のスケジュールでございます。
次に、マル2、「里・まち連携で区民風車の建設を進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、里・まち連携により区民風車が3基整備されているとしたものでございます。次は、3年間の数値目標、3年後の平成22年には基本設計を実施していきたいと思ってございます。次は、主な取組みとスケジュールでございます。
次に、マル3でございます。「省エネ家電・高効率機器への買い替えを進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、省エネ型の家電あるいは事務機器、照明などの買い替えが進んでいますを目指すこととしました。次のフレームは3年間の数値目標でございます。
次に、8ページをごらんいただきたいと思います。
省エネ家電等の普及の主な取組みとスケジュールでございます。省エネ家電の情報提供にとどまらず、特に白熱球の一掃キャンペーンを展開していきたいと思っているところでございます。
マル4、「エコドライブを広めクリーンエネルギー自動車の普及を進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、区内自動車保有者の80%以上がエコドライブ、またアイドリングストップを実践していること。また、クリーンエネルギー自動車が広く普及していることを目指すものでございます。次が3年間の数値目標、エコドライブの普及率等でございます。また次には、主な取組みとスケジュールといたしまして、情報提供あるいは講習会の開催などのスケジュールを掲載いたしました。
次に、二つ目のプロジェクトでございます。「みどりを守り自然を活かすプロジェクト」でございます。
このプロジェクトの目指す目標は、「みどり豊かで自然を活かす取組みが進んだまち」でございます。その内容は、区民、事業者が身近なみどりを主体的に守り育てている。また、公共施設や街路に質の高いみどりがあふれ、区内や地方のみどりを再生する取組みに参加している、このような姿を目指すものでございます。
9ページをごらんいただきたいと思います。
次は、指標項目として、区内小中学校の芝生化を挙げてございます。
次は、取組みの方向として、「今あるみどりを守り育てます」、これが一つでございます。取組みの柱は、既存の樹木・樹林等の保全の推進。また、公園、公共施設等のみどりの適正な維持管理でございます。
2点目が、「みどりを増やしみどりをつなぎます」でございます。この取組みの柱は、公園や道路など公共空間の質の高いみどりの整備、身近なみどりを増やす取組み、あるいは建築時の緑化の推進でございます。
3点目が、「自然を維持・再生する取組みを進めます」でございます。これはビオトープづくりの推進、あるいは里地・里山の保全・復活の推進でございます。
それで、みどりの部分の重点事業、いわゆるアクションプログラムがマル5としてございます。――これは連番で打ってございますので、ここでは5番目ということになります。「みどりのカーテンづくりを進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、家庭や事業所にみどりのカーテンの取組みが広がっていること。さらに、公共施設にみどりのカーテンが普及していることとしたものでございます。下段が3年間の数値目標、小中学校など公共施設への導入件数でございます。次の10ページの上段は、みどりのカーテンの主な取組みとスケジュールでございます。みどりのカーテンガイドブックの作成、あるいはコンテストの実施などを掲載してございます。
マル6、「屋上緑化を増やします」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、区内の住宅や事業所に屋上緑化が広まり、さらに全小中学校で屋上緑化を行うとしました。3年間の数値目標は、屋上緑化の小中学校への設置件数。次の主な取組みとスケジュールは、それぞれの導入のスケジュールでございます。
マル7でございます。「小中学校の校庭芝生化を進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、全小中学校の校庭が芝生化しているとしたものでございます。向こう3年間の導入件数を数値目標として掲げさせていただきました。次の11ページの上段は、これの主な取組みとスケジュールでございます。
次に、三つ目のプロジェクトでございます。「環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクト」でございます。
このプロジェクトの目指す目標は「環境に配慮した快適な暮らしが営まれているまち」としたものでございます。その姿は、区民や事業者が環境に関する情報を積極的に収集する、またさまざまな機会に学習している。また、ごみの発生やエネルギーの消費の抑制、公共交通機関の活用、あるいは環境に配慮した消費行動など、環境に配慮した快適な暮らしを営んでいる、そういう姿を目指すものでございます。主な指標項目として、ごみの排出量を掲げてございます。
この取組みの方向でございます。1点目が、「ごみの発生を抑制し資源化を推進します」でございます。取組みの柱は、3Rを推進するための情報提供と普及啓発、あるいは効率的な資源回収のしくみの構築、また生ごみの堆肥化の調査・検討でございます。
2点目が、「安全で楽しく歩け、公共交通の利用しやすいまちをつくります」でございます。取組みの柱は、歩きやすく魅力的な歩行者空間の創出、あるいは自転車利用の環境整備、利用の適正化、公共交通の情報提供の促進、またコミュニティーバスなど利用しやすい公共交通の整備でございます。
次は、12ページをお開きいただきたいと思います。
3番目の取組みの方向でございます。「環境に配慮した暮らしの輪を広げます」でございます。
(1)は、環境情報を整備し提供します。柱は、様々な環境情報の収集・提供、情報提供のためのホームページの作成でございます。
次に、「環境を考え行動する人の輪を広げます」でございます。この柱は、区民・事業者の自主的な環境教育・学習の支援、あるいは地域や学校、職場など様々な場面での環境教育・学習の推進とその担い手の育成、また3点目は環境基金の創設やエコポイントのしくみづくり、4点目がなかのエコチャレンジの推進としたものでございます。
このプロジェクトの重点事業でございます、アクションプログラムでございます。マル8、「ごみの発生を抑制し、効率的な資源回収を進めます」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、区民一人あたりのごみの排出量が平成17年度比50%以上削減され、資源化率は50%以上となっていることを目指すものでございます。3年間の数値目標と、一番下段が主な取組みとスケジュールでございます。ペットボトルの拠点回収、あるいはプラスチック製容器包装の全区展開などをここで掲載してございます。
13ページをごらんいただきたいと思います。
マル9、アクションプログラムの一つでございます「公共交通の利用を促進します」でございます。
目標達成の姿は、平成29年度には、区内自動車保有者の多くが、過度な自動車の利用を控えていることを目指すところでございます。3年間の数値目標は、「なかのん」の乗車人員数を挙げました。また、主な取組みとスケジュールをその下段に示してございます。
次のマル10、「環境情報の提供と地域の環境教育・学習の輪を広げます」でございます。
この目標達成の姿は、環境情報のホームページなどにより、区民、事業者に環境情報や環境教育、あるいは環境の学習プログラムの提供が行われている。また、町会・自治会、学校あるいは区民グループ等での研修などで、地域の様々な場面で地球温暖化防止の取組みや参加・体験型の環境教育・学習が(仮称)なかの地球温暖化対策地域協議会を中心として行われていることを目指すものでございます。次に、下段は取組みのスケジュールでございます。
次は、マル11でございます。「なかのエコチャレンジを進めます」でございます。
目標達成の姿は、多くの区民、事業者が、なかのエコチャレンジなどの取組みを通じて、省エネ型のライフスタイルを実践しているとしたものでございます。取組みのスケジュールでは、エコチャレンジシートを作成し、コンテストを実施するなど、省エネ型のライフスタイルに向けた普及・啓発に取り組んでいくというものでございます。
マル12でございます。「環境配慮基金を創設します」でございます。
目標達成の姿は、環境配慮基金をもとに区民や事業者の地球温暖化防止に貢献する取組みの支援が活発に行われ、基金の活用が進んでいるという姿を目標としたいと思ってございます。取組みのスケジュールでございますが、基金の整備及び運用等の検討を踏まえて、平成22年度から運用を開始していきたいと思っているところでございます。
次、13番目、「環境配慮行動に対するエコポイントのしくみをつくります」でございます。
目標達成の姿を、省エネの取組みあるいは環境活動への参加など、環境に配慮した行動を行った人が得たエコポイントが公共交通や商店街、これらなどで活用され、人々の環境に配慮した行動を促す動機付けとなっているというものを目標達成の姿にしたいと思ってございます。下段は、取組みのスケジュールでございます。この3年間で調査・研究を進めていきたいと思ってございます。
四つ目のプロジェクトでございます。区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクトでございます。
このプロジェクトの目指す目標でございます。区役所が率先して二酸化炭素排出ゼロをめざす、こういう区役所を目指していきたいと思っているところでございます。その姿は、環境マネジメントシステムの適切な運用などによる徹底した省エネ、また太陽光発電など自然エネルギー装置の導入、電力のグリーン購入、これらをもって区役所本庁舎の活動から排出される二酸化炭素をゼロにするとともに、区役所全体の活動から排出される二酸化炭素のゼロを目指していきたい、このように考えているところでございます。
取組みの方向でございます。
まず1点目は、「エネルギーの効率的な利用を徹底します」でございます。区有施設に環境マネジメントシステムを導入する、次に、施設を省エネ性能の高い施設に転換するでございます。
次、 2番目でございます。「自然エネルギーやみどりを積極的に区施設に導入します」でございます。その柱は、小中学校などの区施設に太陽光発電機器を設置すること、区民風車の建設を進めること、電力のグリーン購入を進めること、また校庭の芝生化、屋上緑化、みどりのカーテンを進めることでございます。
区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクトの主な取組みのアクションプログラムでございます。マル14、「中野区役所・二酸化炭素排出ゼロをめざします」でございます。
この姿は、平成29年度には、区役所本庁舎の二酸化炭素排出量がゼロとなり、さらに区役所全体の排出量ゼロを目指した取組みが進んでいる、そういう姿を目指していきたいと思ってございます。
最後、16ページでございますが、3年間の数値目標と取組みのスケジュールをここに掲げました。小中学校への太陽光発電機器あるいは校庭の芝生化、みどりのカーテン、屋上緑化などは再掲で重複してございます。また、その他、電力のグリーン購入等を進めていく、その取組みのスケジュールは下段にあるとおりでございます。
以上、大変簡単でございますが、概要版の説明を終わらせていただきます。
それで、ちなみに本編にさらっと触れていきたいと思っています。本編のほうをごらんいただければと思います。本編のポイントとなるところを若干補足いたします。
まず、3ページをごらんいただきたいと思います。
計画の位置付けで図で示してございます。「環境基本計画の位置付け」、並びに、4ページでは、基本計画の計画の期間、適用期間とアクションプログラムの関係を示させていただいております。
次の5ページをお開きいただきたいと思います。
5ページでは、中野区の二酸化炭素排出量の推移を示してございます。また、中野区の二酸化炭素排出の特性を示すために、全国、東京都あるいは他の自治体との表の比較を行ってございます。
また、6ページの下段では、それぞれ家庭部門、業務部門の二酸化炭素排出の原因となる電力、ガス等の構成を示した図を掲載してございます。
それから、少しお飛びいただきまして、23ページ、24ページをお開き願いたいと思います。
ここでは、「エコシティなかの」をつくるためのしくみづくりの2番目の「連携・協働のしくみ」といたしまして、仮称でございますが、なかの地球温暖化対策地域協議会組織のイメージをここで示させていただいてございます。また、23ページ及び24ページで、そのしくみの考え方とイメージを示させていただいております
また次に、26ページをお開きいただきたいと思います。
ここでは、「エコシティなかの推進本部」、並びにこの計画の進行管理、「PDCAによる計画の進行管理のしくみ」のイメージを掲載いたしてございます。
それで、次ページ以降は、先ほど説明してきました四つのプロジェクトとそれぞれアクションプログラムの詳細を記載してございます。これはごらんいただければと思います。
以上で、この報告を終わらせていただきます。
委員長
御苦労さまでした。
それでは、ただいまの報告について質疑はありませんか。
岡本委員
大変重要な環境基本計画が出たことは大いに評価をしたいと思いますので、何点か基本的な質問をさせていただきます。
一つは、平成13年度につくられた基本計画に対して、今いろいろと細かい説明があったわけですが、一言で言うと、どの部分が大きく変わったのか、また今後どのような方向へこの計画がシフトしていくかということが第1点です。
全部まとめて聞いてしまいます。
二つ目が、目標値が書いてあるわけですが、アクションプログラムを使ってそれを達成しようということなんですが、京都議定書での目標についても、国でもできないので下方修正するようなことも今御説明があったとおりですが、例えば、区役所のCO2を排出ゼロということをいいますと、普通の発想ではとてもできる代物じゃないと思うんです。電気を使っていること自体がもうCO2を発生しているわけですから、そういうことを含めて、目標値にゼロということはすばらしいことなんですが、その辺が本当に達成できるような見込みをきちっと計画ができているのかどうか。
3点目は、大変これは計画を進めるに当たっては大きな財源が必要とするわけですが、その辺の見通しはどのように計画されているのか。詳しいことは所管じゃないかと思いますが、その辺、3点についてお聞きしたいと思います。
納谷環境と暮らし担当課長
平成13年度に策定しました中野区環境基本計画、中野区環境基本条例に基づいて初めて策定したものでございます。その中ではいろんな環境問題すべてをとらえ、それに対する取り組みの方向等を示してございます。それで、いわゆる地球温暖化はごく一部の計画でございまして、大気汚染の問題なり、あるいは環境美化の問題なり、いろんな環境問題を取り上げて計画したところでございます。
ただ現状は、今、環境で何が緊急に取り組むべき課題かということを考えたとき、やはり地球温暖化防止、これを切り口として環境問題に取り組むことが、ひいては中野区環境全体の質が上がる、そういう計画になるという判断をしたものでございます。そのため、今回の計画では、特に地球温暖化対策を中心に二酸化炭素の排出削減、これを切り口として環境全体にアプローチをしていこうとしたことでございます。
また、加えて、前の計画では進行管理が明確でございませんでした。そのため、この計画では、庁内の横断的な組織「エコシティなかの推進本部」というものをつくりまして、全庁的な体制で取り組むとともに、PDCAサイクルをきちっと組み込んで、評価改善を行って、この計画の進行管理を行うことにしたものでございます。
また、3点目は、先ほど説明しましたアクションプログラムでございます。従来の基本計画は基本的な考え方を示すにとどまった計画でございますが、今回はそれに加えて3年間の実行計画をあわせて示し、特に区民・事業者と力を合わせて取り組む施策が多うございます。その意味で区民・事業者の方に十分理解・納得ができるような計画にするということで、細かい、いわゆる実施の手順までを示した、そういう計画にしたということが大きな特徴というふうに考えてございます。
それで、2点目の目標値の御質問でございます。これは区役所の目標値、区役所をゼロにするという御質問というふうにとらえてお答えさせていただきますが、確かに区役所の二酸化炭素排出量では、電気を例にとれば330万キロワットぐらい区役所全体で使っております。それで、区役所全体の二酸化炭素をゼロにするのは極めて困難というふうに我々も思っております。ただ、区役所の本庁舎、このぐらいの規模であれば、今後10年間の中で、例えば、自然エネルギーの取り組み、効果は少ないですけど、みどりの取り組み、あるいは環境マネジメントシステムの取り組みで達成は図れるものと思っております。ただ、具体的な――つまり、太陽光をするなり、省エネの徹底をするのだけでは到底足りません。その足りない部分は、例えば、電力のグリーン購入なり、あるいは環境価値、いわゆる自然エネルギーを購入することによる環境価値の購入により、いわゆる排出権取引に近い考え方、あるいはカーボンオフセットに近い考え方でございますが、そういうものを相当程度導入しなければ到達できないだろうと思っています。ですから、多くは排出権取引、あるいはカーボンオフセットなりの取り組みが主要になりますが、やはり自然エネルギーの導入なり、環境マネジメントシステムの導入、こういうものの徹底を図ることによって、先ほど言いました、カーボンオフセット等の考え方も入れて目標の達成を目指していきたい、このように考えております。
それで、財源でございますが、アクションプログラムで示したものは具体的に数の目標を持っております。今後については、一定程度の財源の考え方は持っているのでございますが、向こう10年間の全体の現在の財源のトータルの考え方は特に今のところ整理はしてございません。
岡本委員
わかりました。
それで、先ほどの御説明の中にも、CO2の排出はむしろこういう区の施設よりも区民の中での排出量の割合が多いということを考えますと、区民の中に活動を推進する、何かそういうプロジェクトも必要ではないかなという感じはしております。その点どうなっているかで1点。
それから、今、カーボンオフセットの話が出ましたけど、この計画にはその言葉がないんですが、そういういろんな方法を、あるいはエネルギーを別なクリーンエネルギーに変えるということをもって区役所のCO2の排出をゼロにという考え方というのはわかったんですが、具体的に、そういう今のカーボンオフセット等については、さらにアクションプログラムの中で細かく示されるということなのでしょうか、その点。
納谷環境と暮らし担当課長
まず、区民と事業者との関係でございます。特に、この地球温暖化対策、御説明の中でも、また前の委員会の中でも報告させていただきました、民生家庭・民生業務の排出量が極めて多いのが中野区の特徴でございます。そういう意味で、区民の方、事業者の方の協力、あるいは協力というよりも、区民の方、事業者の方が主体的に取り組まなければこの目標は達成できないだろうというふうに考えております。そのために、先ほどもちょっと御案内しましたが、23ページ、24ページに、環境基本計画の連携・協働のしくみづくりを示してございます。まさに、委員のほうからも御質問ございました、いわゆる区民・事業者の主体的な組織、ここが将来活発に動くことによって、行政だけが旗を振るんじゃなくて、区民・事業者の主体的な取り組みをいかに向上させるかという、組織づくりにかかっていると思っています。この組織をいかに私どもも区民・事業者と力を合わせてつくっていくかということがやはりキーポイントというふうに認識してございます。
それからもう1点、カーボンオフセットの件でございますが、現在、カーボンオフセットを民間ベースで行っているところも実際ございますが、まだ、要するに、国全体でオーソライズされた制度ではございません。そのため、現在、国でカーボンオフセットの指針づくりをしているやに聞いております。また、その方向が出されたかもわかりません。
それで、今後、きちっと認証というんですか、いわゆるカーボンオフセットはお金を払って環境改善に資するというような、そういう考え方ですから、例えば、お金がきちっと本当に自然エネルギーに使われているかとか、あるいは緑の保全に使われるかという、そういう認証が必要です、つまり確認が。ですから、そのためには公的な一定の認証制度が必要だろうというふうに考えてございます。今、国が指針づくりを進めており、また、その方向が多分出される時期だと思っておりますので、中野区もそれを見きわめて、今後の計画の修正なり、そういう中で盛り込んでいけたらというふうに思っているところでございます。
来住委員
基本計画(素案)の21ページ、先ほど概要のところでも一言ありましたけれども、いわゆる地球温暖化防止のための条例ですね。ここで、21ページでその考え方が示されていますけれども、条例でどう定めていくかと。いわゆる地球温暖化防止に対する区の責任、そして区民や事業者の役割等々がここでは当然示されてくるというふうに思うんですけれども、条例の制定についてのスケジュールも含めて、どのようなことが盛り込まれるのか、もうちょっと詳しくお聞きしたいんですが。
納谷環境と暮らし担当課長
基本計画は、区民・事業者とともにつくられるものといっても、やはり行政が一定の主体を持ってつくっているものでございます。それと違って、条例は議会の承認を得て、やはり地域の総意としてつくられるもの、そういうものの整理だと思ってございます。そういう意味で、中野区が中野区を挙げてこの地球温暖化に取り組むという決意を明らかにする。10年間にとどまらず、もっと長期的な目標を持って。それで、先ほど委員からも御質問がありました、それぞれ、区民・事業者・区がどういう責務を果たしていくのかというものをより明確にしていきたいと思っております。
また、説明の中でも申し上げました、いろんな仕組みを今後つくって推進するためにはその実効性の担保が必要でございます。実効性がなければ絵に描いたもちになりかねません。そういう意味で、この条例の中でそういうさまざまな制度をきちっと盛り込んでいって規定をしていきたい、そのように考えているところでございます。
来住委員
非常に大事な条例の中身になってくるんだろうというふうに思います。今、あちこちで言われているのは、千代田区の条例が話題にもなっているようですけれども、そういう中で、二酸化炭素の具体的な数値目標などもそこに落とし込んで、区としての目標を明確にするというようなことがやられているようです。
それで、きょう報告ありましたが、数値の目標の問題なんですけれども、まず、先ほどおっしゃった中野区の実態というと、2004年度で1990年を基準にすると、概要の1ページの下のほうになりますが、13%の増加というふうになっています。それで、23区でどうなのかというところの数値をもうちょっとわかれば教えていただけますか。
納谷環境と暮らし担当課長
各区の状況をつぶさには、特に正確に把握していませんが、おおむね10%を超える増加傾向にあるというふうに認識してございます。
来住委員
そうすると、23区平均からすると、中野区は13%でちょっと高いという、そういう認識でよろしいんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
平均的なところにあるというふうに考えてございます。
来住委員
それを前提にして、今後、削減目標をどうしていくかということになっていくんだと思うんですが、京都議定書などでは6%の増でしたか、ちょっと数値があれですけれども、中野区としては、3ページに紹介されました括弧の中の削減目標ということで、「平成16(2004)年度の排出量と比較して約10%削減することをめざします。」ということですね。それで、この10%というものは、何をどういう根拠に10%が出てくるのかというのをまずちょっと教えていただけますか。
納谷環境と暮らし担当課長
CO2削減に向けては区として、区の独自対策――独自対策というか、区民・事業者の方々と一緒に取り組む対策、あるいは国の対策を補強する対策等々ございます。これらの施策一つひとつの削減量を積み上げた、いわゆる実現可能な事業とか施策を立て、その削減量を積み上げた結果、10%というよりも9万トンの削減を得ることができたわけです。この9万トンが、2004年度の994万4,000トンの10%に当たるということでございます。それで、この10%の一つひとつは、重複しますが、この10年間のそれぞれの取り組みの削減量の結果として得られた数字をもとにしているというものでございます。
来住委員
ちょっとよくわからないのは、1990年の基準値からすると13%増加をしていると。それで、これは平成16年でしたよね、この13%というのは2004年度ということだと思うんですが。既に90年を基準にすると13%増加をしているにもかかわらず、当面の10カ年の削減目標が10%ということですと、それでいいのかなというふうにも考えざるを得ないんですけれども、どうなんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
ちょっと数字の説明をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、国が持っています1990年度比6%、目標の最終年度は2012年度。つまり、1990年度の排出量を、2005年度に立てました京都議定書目標達成計画、「目達計画」と呼んでいますけれども、ここで立てたのは、1990年度から6%、2012年度までに減らしますということでございます。
それで、この6%は何かといいますと、まず、温室効果ガスの寄与分がマイナス0.5%でございます。それから、森林吸収源がマイナス3.9%、それから京都メカニズム、いわゆる国際的な排出権取引がマイナス1.9%ということでございます。ですから、そのほとんどが森林吸収源と京都メカニズムに頼っている計画なんです。実質的に温室効果ガスは0.5%しか減らさないという、逆に言えば、そういう計画になっています。温室効果ガスの中でも二酸化炭素に限っていえば、例えば、民生家庭ですと6%の増に抑える、民生業務ですと15%の増に抑えるという計画になってございます。ですから、繰り返しますが、この6%の内訳のもうほとんどが森林吸収源と京都メカニズムに頼った計画というふうになっております。ですから、平成12年度には、国の考えでは家庭部門6%の増加はやむを得ないだろう――こういう言い方はちょっと適切かどうかは別にしまして。民生業務は15%の増加まではやむを得ないだろう、そこまで抑えるのが精いっぱいだ、こういう計画です。
それに対しまして私どもは、1990年度でいきますと、この2004年度比10%という数字は2%の増ということになります。ですから、国の計画からも特段低い数字ということでは考えておりません。また、現在の、日本を初め、国際的な考え方では、2020年度までに減少傾向に転じさせていきたいというのが一つの方向でございます。ですから、とにかく増加を極力抑える、減少に転じさせるというのが今大きな考え方の底流になってございます。そういう中で、私どもは10年後に10%の削減というのは決して低い数字だというふうには認識してございません。
来住委員
よく勉強してみたいと思いますけれども、例えば、千代田区などはたしか中期目標で25%の削減というような報道もありましたので、中期と短期と、そういう目標設定が段階的にやはりスパンをある程度考えながら目標を設定し、それを検証していくというような、そういうことが実効性を担保していくには極めて――その目標設定は数字で終わるわけじゃありませんから、やはりそれがどう達成できるかということを考えるならば、もう少し中期、短期的なものも含めて達成していく目標というものを設定していくのも一つの方法ではないかというふうに考えますし、そういう意味では、日本全体は東欧などに比べると削減というよりむしろふえているという状況もありますから、そういう中での中野区のこの段階での設定数値というのはやはりそういうことも含めて、積極的な数値目標をきちんと持ってほしいというものとあわせて、そういう中期・短期的な目標も必要ではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
一つに、千代田区の例が今、御提示ございました。千代田区では確かに2020年度に25%の削減という目標を立てました。条例の中で設けてございます。千代田区の特性は、民生業務部門がもう7割以上、つまりもうほとんど事業所です。ですから、事業所の改善を進めることによって、極めて計画的、かつ実効性が高いということで立てた目標でございます。
それで、中野区は逆にやはり家庭が多うございます。家庭の取り組みはやはり長い目で見たライフスタイルの転換、一人ひとりの行動の転換が重要になってございます。
そういう意味でお答えをさせていただきますが、この計画、10年間というスパンは長いという、いわゆる二酸化炭素の削減にとってはこれが中・短期的な目標であろうというふうに我々は思っています。それで、やはり長期的な目標は条例を整備する。先ほど委員のほうからも御質問がございました、条例の整備の中で長期的な目標を持つべきだろうというふうに考えております。
それで、ちなみに、現在、国では新たな京都議定書の達成目標計画を策定中でございます。それら、国、都の動きを見ながら、より削減率の高い長期的な目標を持って取り組むというのはそういう条例の整備の中で考えていくべきじゃないかというふうに思っているところでございます。
のづ委員
プロジェクトの中で、みどりを守り活かすというのがありますけれども、校庭の芝生化とか屋上とか、広い範囲でやるときに水やりという問題が出てくると思うんですが、その辺を自力でやるのか電力でやるのとありますけれども、その辺の電力使用というのはどういうふうに考えて、その計画の中にも、ちょっと細かく見ていないんですが、入っているんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
屋上緑化の例をとります。確かに水やりが必要でございます、現在の工法ですと。ただ、最近、私どももまだきちんと調査・研究したわけでございませんが、メンテナンスフリーとまではいかなくても、いわゆる頻繁な水やりをやらなくてもいい、あるいはそんな電気はかからないというような、新しい工法に基づいた屋上緑化も出てきているようです。そのために屋上緑化には一定のちょっと時間をいただいてきちっと、そういう委員の御指摘があるように、屋上緑化をするためにまた無駄なエネルギーを使ったんじゃこれは本末転倒ですので、あるいはメンテナンスの問題、あるいは芝生でいえば地域とのかかわりの問題もございます、これはみどりのカーテンもそうですが。その辺を十分考えながら計画の実現を図っていきたいと思っております。
のづ委員
屋上緑化については、この間、環境リサイクルプラザの中でそういうものがあるということを発言された方がいらっしゃるので、新しい工法として確かにあると思うんですけど、逆に芝生のほうが水やりとかというのにかなりの水を使うということで、どこかで、逆に言うと、芝生の緑化をやめてくれという話もあったようなので、その辺のところの考慮をよろしくお願いしたいと思います。
委員長
今のは要望でよろしいんですか。
のづ委員
はい。
むとう委員
この基本計画の素案は中野区の環境と暮らし担当だけでつくられたものなんですか。こういう計画ができると、これにかかわった方々がいつもこういうものの後ろにずらっとお名前が並んだりというものを目にする機会が多いんですけど、これはもう担当だけでつくられたものなんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
この環境基本計画は、まず、環境審議会に諮問し、そこから答申を得て、その答申をもとに私どもが計画化しているものでございます。また、計画に当たっては、環境問題、これは全庁的に係る問題ですので、まず、庁内調査を経て計画を図っているものでございます。
むとう委員
比較が今もう手元にないのでわからないんですが、答申を受けた、その答申内容は大体この素案に網羅されているというふうに思ってよろしいんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
答申のポイントは、重点的に取り組む事項として一つは地球温暖化を示されておりました。また、数値目標を持つこと。それから、やはりPDCAによる計画の進行管理、あるいは区民・事業者のそういう取り組みの組織づくりなど、答申のポイントは当然この計画の中に生かされているというふうに考えてございます。
むとう委員
これを本当に実現していくには、先ほど岡本委員からもあったように、相当の財政的な裏づけがないとなかなかできないことも多いのかなというふうに思うわけです。ここの中で示されている、特に環境に配慮した電気製品などを購入するとか、一区民としてできること、家庭からの電力消費を抑えていくというあたりで家電製品は配慮したものを購入していくということになるかと思うのですが、電気をこまめに消す程度のことで追いつかない数値だと思います。そうなったときにやっぱり今だとそういう配慮した製品とそうじゃない製品とで、物にもよりますけど、相当値段の差がありますよね。だから、その辺は、一区民としてはそういうものを買いたいと思っても、現実的にやっぱり経済的な優遇策を講じてあげないと、いいとは頭でわかっても現実問題としてなかなかそういった製品を買い切れないというのが現状かと思うんですけれども、その辺のものを財政的な裏づけ、環境にいいものを買えば区がそれだけ補助しますとか、そういうようなことも考えられているんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
区としては、例えば、区民、事業者の方がおうちの家電製品を買うときに財政的な支援をするかといったら、そういうつもりはございません。ただ、私どもは環境情報に、例えば、ホームページをつくるなり、あるいは家電業界と連携をとる。いわゆる区民・事業者の方の、知識といったら大変失礼ですけれども、本当に知らない方がいっぱいいらっしゃる。
先ほど、白熱球もちょっと御紹介しましたけれども、白熱球から蛍光型へ取りかえるだけで3年間で5,000円とか違ってくるわけです。ですから、そのときに高い買い物でも、長期的にいえばこれだけお得ですよとか、いわゆる区民・事業者の方のもっともっとこの環境問題に対する認識と、それから環境に配慮した製品への知識をより向上させるような、そういう啓発が一番大事だろうと。やはりそのためには、区民・事業者がつくるそういう組織、そういうところとも一緒になって、広く地域の中へのそういう啓発をやっぱり展開していく。日常生活の中でのこういうものを買えば、こういう環境へのメリットがあるとともに家計も潤えますよとか、そういう話をきちっとさせていただきたいと思っております。
むとう委員
日本がなかなかエコ製品の電化製品が普及しないというのはやっぱり経済的なものが大きいかと思うんですけれども、たしかドイツだったかな、ちょっともう忘れてしまったんですけど、国を挙げて推進するために、家電メーカーと協力をして、エコ製品のものを買うとそこにシールかなんかはってあって、それではがきを出して国のほうに申請すればお金が返ってくるみたいな、国を挙げてこういうことをしているところがやっぱりあるわけですよね。やっぱりそれくらいのことをしていかないと、これは区独自にというのはなかなか厳しいものがあるかと思いますけれども、日本がやっぱりそういう電化製品が普及していかないのはそれだけ力を入れてこなかったというものも大きいのかなというふうに思ったりもしています。だから、何らかの誘導策というものを。頭の理論だけで「長い目で見れば光熱水費が安くなりますよ」と言っても、目先の金額に今のところあまりにも差があるので、なかなか手が出ないという実態ももうちょっと何か考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに私は思っています。
あと、ここの中でお金に関する部分だと「環境配慮基金を創設します」というあたりが、活動については基金で何か活動ができるのかなというふうには思える、これぐらいが出てきている具体的なお金の面のことなんですけれども、ここに区民風車の利益などをかなり当て込んでいるようなんですが、それで区民風車をこれからつくっていくということなんですけれども、大体これでどれぐらい基金に積み立てる利益を想定しているものなんですか。風車1基で幾らお金がかかって、利益というものはどれぐらい上がるというふうに計算されているのか、その辺の金額的な数字がわかれば参考までに教えてください。
納谷環境と暮らし担当課長
まず初めに、お断りしておきたいんですけれども、区民風車がどのような形で運営し、どのようないわゆる収支になるかというのはまさにこれから来年度予算を出させていただきますが、来年度基本プランあるいは調査に取りかかる、その中で明らかにしていくつもりでございます。ただ、今これからお答えしますのは、ごく基本的な認識であくまでアバウトな数字でございます。
私どもが今想定していますのは、2,000キロワットを3基建てたいと思っております。それで、1基のいわゆる建設費用は、あくまでこれは今までの例とか国の資料によりますけれども、1基約5億円かかるというものでございます。ただし、風車を建設しますと売電なりができます。その売電収益が1年間に約2,000万円以上は上がるというふうに――ごめんなさい。売電による収支、収益でなく収支、いわゆる電気を売って、いろんなメンテナンス費用とかいろんな費用がかかります。全体の収支が約2,000万円ちょっとあるのかなというふうに思っております。これはあくまでも概算です。それが約12年あるいは13年でもう元が取れるというふうに考えてございます。それで、トータルとして基本的な運営の期限は17年ほどを考えてございます。これは既に国のほうでさまざまなシミュレーションなり、実際の風車実例を踏まえた収益の計算をやってございます。そういうところから我々が概算として今把握している数字でございます。
むとう委員
環境配慮基金というのは大体基金総額をどれぐらいと考えているんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
環境配慮基金は、環境に関する活動とか、いわゆる地球温暖化という、二酸化炭素削減に資する設備、それらの助成も考えてございます。ただ、今、どういうものに対して助成をしていこうかとかいう、具体論はこれから進めていきたいと思っています。例えば、太陽光発電の助成もあるんじゃないかと思っております。また、当然、環境活動に対する活動支援の助成もございます。そういう、どういう事業を対象に、またどういう活動を対象に、またどの程度、どういう方法でというのはこれから、この計画がスタートしたその直後から、環境配慮基金の仕組み、内容については検討を進めていきたいと思っております。
むとう委員
私が今お尋ねしたのは、基金のトータル金額をどれぐらいで考えているんですかという質問をしたんですけど。
納谷環境と暮らし担当課長
すみません。いわゆる対象とか助成の規模等をまだ明確にしておりません。これから検討して、規模もその中で出していきたいと思っております。今、出しているのは、環境基金をつくって活動を支援する、あるいは二酸化炭素を削減する設備等への助成も考えていきたい、こういう考え方を持っているところでございます。
むとう委員
それで、その基金の金額ですけれども、今考えているところは、風車の利益と、それから区民・事業者の寄附しか書いていないんですが、これは区がお金を出すという形は考えてはいないんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
区でも一定の財政への負担は必要だろうと思います。ただ、やはり環境活動に対する、そういう支援は、例えば、風車で得た利益でもって環境活動を支援する、まさにそういう仕組みが区民の環境への行動認識を高めることになるんじゃないかと思っております。
牛崎委員
たくさんお聞きしたいことがある中で何点か教えていただきたいんですが、概要のほうの15ページ、ここに「区有施設に環境マネジメントシステムを導入します。」ということなんですが、このことをもう少し具体的に教えていただきたいということと、それから、その下の4-2のところの「校庭の芝生化、屋上緑化、みどりのカーテンを進めます。」とありますね。それで、このみどりのカーテンというのは、私の認識ではつる性の植物を上から垂らすのか下から持ち上げるのかわからないけど、結果的にはそういうグリーンでカーテンになるようなということの認識でよろしいんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
区の施設に環境マネジメントシステムを導入するというのは、まず、現在、区庁舎にISO14001を導入しております。このように区の各施設に環境マネジメントシステムの仕組みを入れようということでございます。そこにはISO14001をまさか全部に入れるということではないというふうに考えております。施設の規模、あるいは従事している職員の数とか建物、それぞれ特性がございます。私どもはISO14001に準じて、その施設に合ったような仕組みをそれぞれの施設で導入する、できれば可能な施設はどんどん導入していく、そういう方向を考えてございます。
それで、もう一つのみどりのカーテンでございますが、これはつる性のゴーヤとかヘチマを、地面に植えるかあるいはプランターに植えるかは別にしまして、例えば、教室の窓際にそれをずっと並べる。そういうことによって、いわゆる室内の冷房の省エネ、あるいは子どもに対する教育、いわゆる植えつけから収穫までの教育とか、さまざまな効果を期待しているところでございます。
牛崎委員
みどりのカーテンのことで、ちょっと思いつきみたいで申しわけないんですが、これから先、もっともっと具体的にしていくためにはいろいろな御提案があるかというふうに思うんですが、例えば、子どもたちに環境教育という形で接するために、種から子どもたちに植えさせて、それを学校だとか公園だとかいろいろなところに植えて、実際に参加をするというような形をとったらいいんじゃないかなというふうに思いますが、そういう可能性も検討していただけますか。
竹内教育委員会事務局次長
学校における環境教育の取り組みということでお答えをさせていただきます。当然にいろんな形で、今、委員から御提案があったようなことも含めて考えていきたいというふうには思っております。
牛崎委員
もう1点なんですが、9ページの2-2「みどりを増やしみどりをつなぎます」というところに、「身近なみどりを増やす取組みの推進」と「住宅やマンション等の建設時の緑化の推進」とありますね。それで、もっともっと前には垣根を植物に変えるということで助成をしていたんですけれども、そういうことを復活させるということも含んでいるのかなということと、それから、住宅やマンション等の建設時の緑化の推進というのは、たしかこれは建てる建物の大きさによって緑化が義務付けられていたかと思うんですが、ちょっとできたら具体的にそのことも教えてください。
安部公園・道路担当課長
身近なみどりを増やす取組みの推進ということで、住宅やマンション等の建築時の緑化の推進でございますけれども、先ほどの生け垣についての助成は現在も続けております。ちょっと今、手元に数字が出てきませんけれども、生け垣をつくっていただいて、それで適切に管理していただいているものについては、申請していただければ区として助成をするということを進めておりまして、ただ、生け垣がついていた建物が例えばマンションになるとか、そういうようなことでなかなかふえないというような状況はあるんですが、年に何件か、やはり申請は来まして、それに対して助成をしているという状況でございます。
あとは、建築物に関する緑化ですけれども、これについては、東京都の場合ですと、敷地面積1,000平米以上の建物について緑化の基準がありまして、緑化をしてもらうというふうになっております。それで、中野区の場合には、この19年度に条例を改正いたしまして、200平米以上の建物について屋上緑化とか周辺の緑化を進めるように指導しておりまして、今年度、屋上の緑化について、6件で256平米ほど、今、指導しているところでございます。ただ、当初の予定ではもうちょっといくのかなと思ったんですけど、御存じのとおり、最近ちょっと建物の建築数も少ないというようなこともあって、19年度の12月現在でそのような数字でございます。
牛崎委員
これは意見なんですけれども、今後――まだこの素案の計画のほうを全部見させていただいているわけではないんですが、事業者と区民と区が連携して取り組んでいくということは大事なことだというふうに思うんですが、もう少し区民の果たすべき役割とやれること、それから事業者の果たす責任と役割、区の役割というようなことがもうちょっと踏み込んだ形で整理されて御提案していただけるといいかなというふうに思いますので、要望として述べておきたいと思います。
奥田委員
まず、先ほど少しタイトルについての御説明があったかと思うんですが、「中野区環境基本計画」という環境全般についての基本計画というスタイルをとられている中で、中身については、重点的に喫緊の課題である温暖化対策といいますか、CO2の排出抑制に対しての計画を中心にまとめたというお話ではあったんですけれども、そうはいってもタイトルが「環境基本計画」となっておりまして、中に公害であるとか、近隣公害、大気汚染の問題とかいった部分も実際には触れられておりまして、このタイトルから受け取る範囲ではCO2の削減とか温暖化対策の基本計画ではないというふうな受け取り方ができると思うんですね。それに対して、CO2削減というところに重きを置かれているのはわかるんですが、環境全般についての基本計画というタイトルに対しての書き込みが、項目として最初に冒頭の説明のところだけで大気についてとか近隣の公害について触れているだけで、実際のアクションなり目標については一切記述がないということについてはタイトルとの一貫性といいますか、このあたりの整理がちょっとよくわからないんですけれども、そのあたりをまず教えていただけますでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
環境問題全般が環境基本計画かというのは考え方がいろいろあるところだと思います。ただ、私ども、今、この時期に「環境基本計画」と銘打って出す計画であるからには、今一番最優先で取り組む課題は何かというものにやはり着目したところでございます。やはり地球温暖化という防止の取り組みはまさに今の環境の基本的な取り組むべき大きな事項だろうというふうに考えているところです。また、地球温暖化防止に取り組むことによって、区民のライフスタイルあるいは事業者の事業活動が転換するということは、これはまた全体的な環境のレベルアップにもつながる、一つ大きな切り口として地球温暖化問題をこの環境基本計画のベースに据えたと、こんな考え方で、ネーミングがこれはふさわしくないというと大変苦しいんですけれども、やはり今この時期に出す計画としては、私どもは適切ではないかというふうに考えているところでございます。
奥田委員
素案の3ページの図を見ますと、「環境基本計画の位置付け」とありまして、「基本構想」から「10か年計画」と来て、環境基本条例を踏まえたものであると、あるいは温暖化対策の推進に関する法律を踏まえたものであると。左から延びている温暖化対策についてというものは非常に適切なものだとは思うんですが、中野区の環境基本条例については温暖化の問題に特化した条例ではないはずですし、みどりの基本計画という部分であれば、緑化ということとCO2の削減というものは、効果としてはそれほど大きいものではありませんけれども、ある程度の関連性があるということで理解はできるんですが、廃棄物の処理基本計画について、こちらでも数千トン単位の削減というような表現ではあることはあるんですが、やはり全体として基本条例からの基本計画という理解をしたときには何か課題として非常に大きいですし、喫緊のものだという意味では理解はできるんですけれども、冒頭の現状の課題認識等で項目として現に挙げていらっしゃるわけですね。「現状と課題」というところで、7ページ、8ページにかけて、現に基本計画に据える際の課題として認識をされているわけなんですが、その現状を踏まえてといった次の項で、突然、「したがって、温暖化対策である。その対策は……」という形で進んでいってしまうと非常に違和感があるといいますか、であれば、現状認識として、認識の据え方がある程度力点を置いた書き方になっているというようなことがあれば理解できるんですね。例えば、大項目で「温暖化対策」、「その他の環境について」というような形で項目があって、温暖化対策の中でさまざまな項があります。その他の温暖化対策以外のもので、大気であるとか近隣公害であるとかというようなものがありますというような、ある程度整理があった上で、それで温暖化について重点的にページを割かれて、その他については、具体的な取り組みについては今後検討するのかわかりませんけれども、ある程度の配慮はした上での記述というものが可能ではないかなというふうに思うんですね。
そういった意味でいいますと、こだわっているわけではありませんけれども、タイトルの、やはり「環境基本計画」というふうに銘打って、なおかつ、その環境問題ととらえた上での現状と課題は、やはり7ページ、8ページでいろいろ出てきている部分が妥当だろうというふうに思うんですね。その意味でいうと、やはり整理としておかしいんじゃないかとどうしても思えてしまうんですが、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
今回の基本計画の策定の趣旨は先ほど御答弁させていただきました。それを踏まえても、確かに、今、委員がおっしゃるような、これは区民・事業者の方が読んでも本当にきちんと理解していただかなくちゃいけませんので、意見として受けとめさせていただきたいと思います。
奥田委員
よろしくお願いします。
それで、その上で、まずは拝見させていただきますと、今回の主立った目標といいますか、掲げたもので、やはり世界的にIPCCの報告でもCO2を削減しなければならないというのがゴールだということが明確にされたわけですから、それに対して何が効果的なのかというところにフォーカスしていくことが肝要かなというふうに思います。
その中で、削減の目標というものを拝見させていただきますと、一番大きいところが、1番の環境エネルギープロジェクト、ここがもうほとんど大部分なんですね。その他のところは啓発活動のような意味合いの部分が非常に大きくて、9万トン削減に対して、1番のところで8万3,000トンの削減ということですから、もう基本的にはここの成否が全体の成否にかかわるというようなことですね。ほかのところを、例えば、10%余分に削減しようが、20%失敗してしまおうが、ここの1番のところの成否で全体の計画の成否が決まってしまうといっても過言ではないというふうに思います。その他の部分については、こうした1番の部分の結果を実際に得るために、いかに市民の皆さんに対しての啓発、事業者も含めての啓発をするかというところが意味合いだというふうに思うんですね。
その中で気になるのが、「省エネ家電・高効率機器への買い替えを進めます」と、これが一番最大の項目になっております。それで、例えば、具体的なアクションとして白熱球から蛍光灯への切りかえというようなものもあるんですが、これはキャンペーンをするということで、ただ旗を振っているという状況でうまくいかなかったというような状況になると、この計画全体、ほかがいかに頑張ろうともだめになってしまう、達成不可能というような状況に恐らくなると思うんですね。
例えば、先日の「クローズアップ現代」かなんか、NHKの特集でやっておりましたが、ロンドンでの取り組みで、市全体で白熱球から取りかえる際に全額助成をするというような取り組みを報じていたと思うんですけれども、そういう形で、短期的には高くつくけれども、長期的には市民の御立場でも安くつくんですよ、経済的なんですよという啓発をされるということで、一定程度の成果はあると思うんですが、ここがこけてしまうとこの計画全体がこけてしまうというような意味を重く考えますと、この交換促進キャンペーンについては、ほかの項目とは力点として全然重みが違って、必ず買いかえを一定程度進めていただかなければならないというような内容になってくるだろうというふうに思うんですが、まず、この一掃キャンペーンでどれぐらいの削減を目標とされているのか。そして、ここはもうこけるわけにいかない内容ですから、どのように具体的に変えていただくということを想定されているのか、この2点を教えていただけますか。
納谷環境と暮らし担当課長
白熱球の一掃キャンペーンによって、トータル、最終的に平成27年度でございますが、約1万トン近い削減を考えてございます。
それで、この方途としましては、現在の白熱球は大分買いかえが進みつつあって、約2割近いお宅で白熱球から蛍光型、蛍光ランプへということで、その速度を一層加速する必要があろうかと思っています。そういう意味では、やはり家電販売店、あるいは先ほど申しました区民・事業者との連携組織、こういうところもフルに活用して連携・協働してキャンペーンを展開していくことが必要だろうと思います。
ただ、委員のほうから御質問がありました、いわゆるインセンティブがないとなりません。そこらはこれから家電販売店等と十分協議しながら、どういう事業が効果的にできるかというものはまだまだ工夫の余地はあろうかと思いますけれども、そういう業界との連携・協働、あるいは使う区民の方との連携・協働でもってこれを進めていきたいというふうに考えてございます。
奥田委員
インセンティブ等も含めて、ここはもう1万トンですから全体の中の1割以上を占めるわけですから、ここはもう確実に達成できるようなしつらえをぜひ考えていただきたいと思います。
それで、このアクションステップ、具体的には三つ書かれておりますけれども、その他の部分がややあいまいで、残りの3万トン近くですね、2万8,000トンの削減が具体的にどのようにされてくるのか。意識が変わることで減ってくるというようなことではなかなかこれだけのボリューム感が想定しづらい内容になっているんですね。白熱球を取りかえるというのは具体的なアクションですから、この数字についても達成できれば説得力のある数字にはなっているんですが、その他の部分は啓発という内容が基本的なもので具体的に見えてきていないというふうに思うんですけれども、その他の部分も具体的に何かが何かに変わるような形で削減されるという内容になってくるんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
この環境によるプロジェクトの全体像をちょっと概括させていただきますと、まず、自然エネルギーの導入で約1万トン近い削減があるというふうに考えております。また、省エネ家電の買い替え、この措置によっても1万トン以上の削減。それから、エコドライブあるいはアイドリングストップ、またクリーンエネルギー自動車あるいは低燃費自動車、いわゆる超低公害車等への買い替え、これによっても1万トン以上の削減というふうに積み上げてございます。もろもろを積み上げてこの環境エネルギープロジェクトの削減量が出ているところでございます。それぞれ普及・啓発部分もありますし、実際的に設備を整備して削減をするというような事業も中には入ってございます。
奥田委員
ちょっとよくわからなかったんですけれども、1番の環境エネルギープロジェクトの中の、今申し上げているのが、マル3、「省エネ家電・高効率機器への買い替えを進めます」というところで3万8,000トンなんですよね。ですから、この中で、エコドライブ等は自然エネルギーについてもかかわってこないと思うんですが、要するに、この中では具体的に見えているのは1万トンしかないと思うんですけれども、その他のところの数字をお願いします。
納谷環境と暮らし担当課長
失礼いたしました。ここでは、まず、白熱球が約1万1,000トン、それから家電の買い替えによって1万トンでございます。それから、ここには事業所の高効率機器への買い替えあるいは高断熱住宅への建てかえ、こういうものを含む、そのあたりで1万数千トンでございます。ですから、大きく、この三つでもって3万8,000トンというふうに考えていただければと思います。
奥田委員
お伺いすると、やはりここは項目として非常に大きいにもかかわらず、市民の方とか事業所の方の行動に非常に依存している内容になっているんですね。ここの部分で、それぞれ1万ずつの削減に対して具体的には啓発活動ですよ、キャンペーンですよという形だけでは、例えば、ごみ削減の「1日100グラム削減しましょうキャンペーン」みたいなものをやられていると思うんですけれども、あれと同じで、目標に対して投げかけの数字自体は出ますが、市民の皆さんが具体的に動くか動かないかというところで、動かなければこれはほとんど掲げただけで意味のない数字になってしまいます。ここの項目は非常に大きいわけですから、ぜひここについては――その他は啓発的な意味も非常に大きいですから踏み込んだところまでは要求いたしませんけれども、少なくともこの1番のところのマル3、マル4のところについては具体的にないと、インセンティブも含めて。あめかむちかという話はありますけれども、インセンティブに限ったものではありませんね。先ほどのロンドンの事例でいえば、公共交通に関しては渋滞税のようなものも課しているというような話もありますし、東京都でも炭素税に近いようなものも検討されているというようなことでありますから、行政として区民の皆さんに具体的に何かアクションを起こしていただくための、ただの啓発ということではなくて具体的に動いていただける何かがこの中で見えてこないと、これまでの掲げただけで残念ながら達成できていないような従来型のものとほとんど違いがありませんので、そのあたりを踏まえて、ここの二つの項目、3番、4番、ぜひ改めてもう少し詰めていただきたいというのがお願いでございます。
委員長
今のは要望ですか。
奥田委員
はい。それで、3番についてもそうなんですが、4番も、先ほどエコドライブとかアイドリングストップで1万トンというお話もありましたが、これも、やってくださいと、事業所で練習しますという話で、具体的に1万トン削減というのは、逆に急ブレーキ、急発進を無意識のうちにやってしまったという話と全く違いがないと。それは気持ちの持ちようでやったという話だけでは、先ほどの1日100グラムごみ削減と言っても減らないのと同じで、エコドライブ、気をつけましょうだけでは実際には減らないわけですね。そこのあたりの単なる必要な目標数の掲げ方だけではなくて、じゃあどうしたらエコドライブなりアイドリングストップで具体的にどう減るのかという、何かつくり込みがないとここは動かないと思います。ここをしつこく申し上げているのは項目として非常に大きいからです。計画の中の非常に大きい部分の中でここがあいまいですと、ほかが幾ら頑張ってもむなしい努力になってしまいますから、そういう意味でここの3番、4番については具体的に取り組める何かをぜひ示していただきたいのと、実際に数値目標についても、この二つの具体的なアクションのステップそれぞれについて、何をやってどれぐらいのCO2削減をするというところまでちゃんとつながった目標をそれぞれに置いてほしいんですね。ここはほかの項目と違って非常に大きいですから、大項目というふうに位置付けてもいいぐらい重要な部分なんです。そういう意味でいうと、アクションのステップごとに目標があって、それぞれがどれぐらいずつCO2削減できるかというところまで落とし込んでもいいぐらいのボリューム感です。その他のところはもう本当に10トンとか20トンとかいうようなボリューム感で全然比較にならないわけですから、ここをぜひ具体的に踏み込んでやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
私ども、委員御指摘のように、やはり実現可能性に着目しているところでございます。実現可能性のない計画はやはり絵に描いたもちというか、旧態依然の計画になってしまいます。そういう意味でそれぞれに、そのためにアクションプログラムというものをお示しし、取り組みを示しているわけですけれども、まだ、例えばインセンティブの付与だとか、先ほど申し上げたように工夫する余地はあろうかなと思います。今、委員の御質問あるいは御指摘を受け、ここにどのような工夫が加えられるか、十分検討させていただきたいと思います。
奥田委員
最後に、1点教えていただきたいのがごみの発生抑制のところなんですけれども、位置付けとしては「CO2の削減」という位置付けで書かれているんですが、どういう形でこれはCO2の削減につながってくるのかというのがやはり見えづらい状況なんです。例えば、数値目標があって、排出量自体が若干減る中で資源化率が上がってくるということで、結果としてCO2の削減になるという文脈だとは思うんですが、具体的にどのような流れがあって削減につながってくるのかというところを教えていただけますでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
ごみの排出量の削減は、まさにごみ量を50%以下にするという目標量から算出したものでございます。いわゆる現状のごみ量から焼却処分をするごみの量が半減する、これをもとに二酸化炭素の排出量の削減量を求めたものでございます。
奥田委員
要するに、燃やさなくなる分、CO2の削減につながるという理解でよろしいですか。
納谷環境と暮らし担当課長
はい、そのとおりでございます。
いでい委員
本題に入る前に、ISO14001についてちょっと教えていただけますか。
田中評価・改善推進担当課長
基本計画の素案の83ページに「用語集」というものがございまして、ここにも……。
いでい委員
それはわかるんだけど、それをどうやって取得していけばいいのかとか、取得していったら何年に更新が幾らかかるとか、メリットやデメリットはどうなっているのか。用語集に書いてあるものはよくわかっているんですけど。
田中評価・改善推進担当課長
中野区は昨年の3月に認証取得をしたわけでございますけれども、これは国際基準でございますので国際基準が定める要求項目というものがございます。こういったような要求項目をクリアする形でのシステムを構築するということでございまして、これが審査機関によってクリアされていれば認証をいただけると、こういうものでございます。
それで、中野区の例で申し上げますと、昨年3月に認証取得をいたしまして、今、1年目ということで取り組んでいるわけでございますけど、1年に1回定期審査というものがございます。それで、3年後に更新審査、もう一度新しく審査をするというのがございます。
そういったシステムの中で我々は今動いているわけでございますけれども、メリットといいますか、こういった基準に沿って環境行動をすることによって、組織的に、それから効率的にそういった取り組みができるということでございます。そのシステムに沿って取り組んでいけば、一定程度PDCAサイクルにのっとった評価をし、改善ができるというものでございます。
デメリットというものがもし――あるかどうかわかりませんけれども、あるとすれば、定期的な審査機関に対する審査料がやるごとにかかるということがございます。その点については外部の専門機関から適切なアドバイスをいただけると、もし違った方向でやっていれば正しい御指摘をいただけるということもございますので、あながちデメリットとも言えないかなと思いますけれども、そういったようなことがございまして、現在、そういったことで取り組んでいるということでございます。
いでい委員
費用は。
田中評価・改善推進担当課長
年1回の定期審査については大体60万円ほどでございまして、更新審査のときには、まだ3年後の話ですのであれですけれども、百七、八十万円ぐらいかかるんじゃなかろうか、そのように考えてございます。
いでい委員
ありがとうございました。まず、なぜISOのことを先に伺ったのかといいますと、今回、環境基本計画(素案)が出てきたということは大変すばらしいことだなと思って評価しています。それに伴って素案の内容等を見ていきますと、見方によっては住みづらくなっていくのかな、だんだん首を絞められながら、真綿で首を絞まるように生きていかなきゃいけないかなと思う人も逆にいると思うんですよね。そうすると、そのインセンティブというものがやっぱり必要になってくると思うんですよ。
例えば、中野区が環境基本計画ということでほかよりも厳しくやっていますよ。そのかわり、環境に関係する企業を誘致するときに――今、区長が盛んに勧誘して歩くんだとかそんなことを言っていますが、環境に対する取り組みをしている企業に対してはこれぐらいのインセンティブがありますよ。例えば、ISOの1年間の年間の審査料とか更新料に対して補助を出せるとか、また、企業の中の働いている方が何かの環境に対する資格を取るときの勉強会や講習会を中野区が開催することができるですとか、そういったことをやっていくのも必要なんじゃないかなと思うんです。今、こうやって環境に対して厳しくやっていくんだと言えば、逃げていく企業はあっても、中野区でじゃあ仕事を始めようよと思う人たちは多くいないと思うんですよね。中野区が本当に持続可能で、10年後――環境に対するものは科学の進歩と一緒で日に日によくなったり変わっていくことも多いと思うんですけど、10年後の掲げた目標に対して達成は難しいと思うんですよ。それならば、新たに中野区にたくさん企業を誘致して、中野区としてのブランドづくりにもこれはつながるんじゃないかなと思っているんです。この環境基本計画ができても、ただ、中野区内の方、事業者の方にアピールするだけで、「こうしてください、ああしてください」というだけで、やっぱり財政的な負担とかそういったことも、岡本委員が御質問されたように、まだちょっとはっきり見えない。また、実現が不可能に近づいていってしまうかもしれないものですから、新たにそういう企業に対するインセンティブみたいなものも必要じゃないかと思うんですけど、そういった取り組みについてはいかがでしょうか。
大沼区民生活部長
確かに環境に配慮したということは、ある意味ではコストはかかるかと思います。ただ、今、世の中の大きな流れとしては、やはり環境とともに共生するというんですか、環境を取り込んだ企業活動が大きな世の中の社会の支持を得るという形になっています。例えば、トヨタ自動車もホンダもそうなんですけれども、やはり先駆けて環境に配慮した技術開発して、世界をリードしていく、そういったものが企業価値を高めて、さらに発展していくというような流れになっています。
ですから、中野区も、環境に配慮した生活が一つの大きな世の中の動きだと、そういったことが区民生活、ライフスタイルが浸透することが、今で言う先端、はやりの生活スタイルだというような意識行動が中野区全体でとり行われている。そういったものが中野区全体のブランド力を高め、さらに中野区で企業活動をやっているよといったことがやっぱり問われているのかなと思っています。
ですから、今回、我々は――環境基本計画そのものは73%が民生家庭部門・業務部門で、まさしく中野区はコンパクトシティになっています。そういったものをさらに取り組んでいくということが今回の基本計画の骨子になっております。先ほど奥田委員のほうからの、具体的な施策を提示しなきゃならないというのもまさにそのとおりだと思います。それと、やはり我々も産業活動におかれましても環境に配慮した行動が企業の価値を高めていくんだというような大きな流れを支持していきたいと思います。ただ、具体的なインセンティブについては今後検討していかなきゃならないと思いますけれども、それは環境基本条例をつくる中で、皆さんと議会の意見を聞きながらどういったものがいいかというものを考えていくべきかと思っております。
いでい委員
これを機会に中野区のブランド力、世界じゅうから中野区といえば「フィギュアを買いに来るまち」だとか、日本じゅうでいえば「お笑い芸人がよく住んでいるまち」だとか、いろいろあると思うんですけど、ここで今、環境基本計画をという新たな要素を一つ掲げて、中野区というものをもっと東京じゅう、日本じゅうに発信していくべきいいものになると思うんですよね。それにはあとはもう営業というか、こういう取り組みをやっています。それで、日本じゅうからいろいろな方々が視察に来たり、環境の人たちが「どこで会社をやっているんですか」と言えば、「中野区に本社があるんですよ」と言うと、「おお、あの中野区で厳しい審査をクリアしてやっているんですね」ということで、逆にいいイメージが広まるような中野区のブランドイメージの展開も一緒にこれは考えていっていただきたいなと思っています。これは要望ですのでよろしくお願いします。
篠委員
質問というほどじゃないんですけど、12日、13日の意見交換会はもう知らせてあるんでしたか。
納谷環境と暮らし担当課長
すみません。先ほど、報告の中で御報告漏れがありましたので、今、篠委員の御質問をちょっとおかりして、ここで御報告させていただきます。
一番初めの資料の1枚ものでございます。3番目、今後のスケジュールがございます。簡単に説明させていただきます。
2月12日、13日、来週でございますが、意見交換会を開催したいと思っております。これは2月5日号の区報でお知らせしてございます。よろしくお願いいたします。
12日は午後、13日は午後と夜間で、計3回実施する予定でございます。
また、今回の議会の御意見、また、区民との意見交換会を踏まえて、3月の半ばごろを目途にもう一度案の調整をさせていただきたいと思っております。それを踏まえて、この委員会に報告を再度またさせていただきます。その上で、計画案といたしましてパブリックコメントを実施し、計画の策定予定を4月下旬としているところでございます。
すみません。御報告が漏れまして、おわび申し上げます。
篠委員
そのときにどの資料を使われるんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
ただいまの委員会に御報告いたしました概要版を使って御説明させていただく予定でございます。
篠委員
そこに興味を持っていらしてくださる方には問題ないのかもしれないんですが、だんだんにこれは条例の後、町会・自治会・学校・区民をぐるっと巻き込んだ行動になってくる際に、やはりこの分厚いままの資料はなかなか難しいと思うので。そうしますと、かなり年配の方も、「エコチャレンジだ、エコポイントだ、ビオトープづくりだ」と言われても、「何か難しいことを言っていらっしゃいますね」ぐらいの受けとめ方をされるおそれは重々にありますので、いでい委員からISO14001はこれぐらいは大体わかるというお話もありましたが、この中の幾つかは最低限度つけるような説明の体制をとらないとなかなか引き込んでいけないんじゃないかと思うんですけど。
納谷環境と暮らし担当課長
確かに委員の御指摘のような状況もあるかと思います。概要版にも、もう一度ちょっと中身を精査しまして、用語の説明をつけたいと思っております。
篠委員
直接関係ないんですが、私、何回か質問させていただいて、石井部長からはお答えもいただいたこともあるんですが、税制との関係で、ここの開発についてもそうだったのかもしれないんですが、議会と相談しながら着々と進めた、そして開発を進めたという経緯がありますが、相続税だとか、あるいは保護樹林なんていうのは中野区は実際に関係しているんですが、国では税制で環境問題と連動した動きが少しはあるのか。要するに、根こそぎ更地にして対応しなきゃいけないという――都市部だけに限った体制なのかもしれないんですが、よくぞここまで小さなうちが跡地に3軒建ったというような行動を何十年と積み重ねているわけですよね。それで、やれ、みどりだなんだと言っても、一番肝心なことには手をつけていないように思えてならないんですが、そういったかけらも国の流れの中に感じられないような気がするんですが、部長、いかがでございますか。
石井都市整備部長
たしかこれは過去にも区長会要望だったかと思いますが、都あるいは国への要望と、毎年それまでの成果とそれから新たな年度への要望ということで取りまとめた冊子をもとに各委員会等で御報告もさせていただいております。たしかその中にも1項目掲げまして、要望もしてきた経緯もございます。ただ、残念ながらなかなかガードがかたいといいますか、その壁がなかなか崩していけないという状況でございます。
それで、たしか練馬区さんもあるまとまった敷地の樹林があったわけですが、そこを区が買い上げるという形で保存といいますか、保全をしているというようなことがございました。それで、そこへ今御指摘の税制のいろんな対応の中で減免等の措置が可能であれば、それが対象となって、また樹林も残して、更地にしない形で次の相続される方が引き継ぐとかいろいろな方法もあろうかと思いますが、なかなか現実的には税制との関係でいきますと、先ほど言いましたように、かなり難しいという状況がございます。
それで、私どもも、中野区の状況を考えますと、一応保護樹木ですとか樹林といったような視点もございますけれども、これが一たん相続という段階になりますと、なかなかそれを制度のない中で継続をした形で樹林地あるいは樹木を残していくというのが難しい状況に現在あるということで、区にとりましてもこれはもう御指摘がありましたように、課題、かなりこれからみどりの基本計画を考えていく中では大きな問題であろうというふうには思っておりますし、また、いろんな機会をとらえて、その実現を目指して取り組んでいきたいなというふうには思っております。なかなか壁が厚いなというところはございます。
奥田委員
すみません。質問漏れで、先ほどの質問の中で、1番のところが実際の削減の主立ったところであるようなところは既に指摘をさせていただいたところなんですけれども、じゃあほかの部分は何なのかというところになると思うんですが、先ほども少し申し上げましたけれども、啓発の部分というか意識改革の部分が非常に大きいだろうというふうに思います。それで、意識改革が達成されている状況が十分区民の間で浸透している状況があれば、具体的にこういう形で1番の部分で削減をしていく、大きな実をとっていくときにも実践の効果を上げるときに達成しやすくなると、土壌づくりの取り組みであるというような言いかえもできるであろうというふうに思うんですね。
そんな中で、目標の置き方なんですけれども、1番の部分については実際に実をとっていく部分ですから、具体的に何万トン削減していくと、その際には何万トン削減するためにはどういう行動がどれだけの数されているというような形で、削減に対しての行動というものが当然目標になってくるというふうに思うんですが、一方ほかの、例えば、「みどりを守り自然を活かすプロジェクト」などというような項目あるいは4に関しては、削減の量自体は非常に少ないわけですね。そのほかについても数十トンというような形で、啓発的な意味合いの強い部分があるものについて同じように削減の数量目標を立てていたのでは、CO2の削減というような意味においては実はあまり効果がないというふうに思うんですね。力点として、ここは啓発、意識改革という部分についての効果を十分意識した目標設定にされないと、実は1番の部分について、例えば、エコドライビングであるとか、そういった実施の際の効果に大きく影響してくる部分だろうというふうに思っておりますので、例えば、2番なんかですと総量で73トンなわけですね、けたが二けた違うと。3番についても一けた違うという中で、例えば、3番であれば、エコチャレンジをしている世帯の数に対して目標数値を置くというようなことであれば、浸透率というような形で、啓発がどれぐらい浸透しているかというような形の目標設定ができるわけです。それで、結果的に数量的なCO2の削減ということは当然求めていくわけですけれども、2番、3番についてはどれくらい普及・啓発、浸透しているかということに目標を置いて、結果としてCO2も削減になっているというような、力点を1番とは少し変えた形で設定していくことが肝要ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
例をとれば、なかのエコチャレンジについてはなかなか数量的な把握は難しいわけです、削減効果として。区民の本当の家庭の中の一つの行動でどれだけ削減目標を持つかという、いろいろ議論がありました。ただ、今、委員御指摘のように、削減の効果はなくともどのぐらい浸透しているか、いわゆるどのぐらい広まっているか。どのぐらい区民の方が理解され、また意識改革につながっていくかというものを何らかの数量的な目標は設けても、やはり区民の方に説明する際にもわかりやすいかなというふうには今感じているところでございます。その辺の御意見を踏まえて、またこの素案をもとにいろいろ工夫できるところは工夫していきたいと思っております。
来住委員
数量的な目標を掲げるというのは極めて大事ですから、そこは大事にしていただきたいと思います。
その上でなんですが、例えば、太陽光発電・太陽熱温水器については具体的な数値、削減目標が、6ページですけれども、5,200トンということに据えられています。太陽光発電機の設置がたしか目標数値が4,000だったと思うんですが、それを達成する上での、7ページのアクションの内容というものがスケジュールが示されているんですが、これでいきますと、今年度、平成20年度から太陽光発電機の、また温水器の情報提供の推進というものが始まります。しかし、発電機などの設置支援というのは、平成22年ですから2年後ということになるわけですよね。しかも、情報は今年度から提供するけれども、相談窓口の準備・開設というのはこれでいくと1年後ということになっていますよね。それで、数値目標を掲げ、しかも台数まで10年後の目標を掲げているにしては、要するに、地球温暖化防止の対策はもう緊急なわけですね。本当に緊急性が求められているわけで、そういう意味では区の責任と区の役割の部分で、こういう準備は必要ですけれども、ちょっとのんびりし過ぎているんではないかと思うんですよ。それで、もちろん設置支援という中には予算を伴うもろもろの補助制度、また、例えば減税といいますか、そういう措置もあるかもしれません。要するに、区民の皆さんがかなり高価だと言われる発電機の機器の設置というものに踏み出すには、先ほどからもありますように、やはり誘導する支援が必要だと思うんですね。その検討は必要だとしてもやはり目標数値、しかも今やるべき温暖化防止の緊急性からするならば、あまりにもこの実施、設置支援の時期が2年後という点では、これはちょっと幾ら何でも問題じゃないですかというような、今これを見ながら――今見たものですから、先ほどの説明の中にないので。例えば、千代田区などはもう今年度から、1月から条例が発動されていますよね、目標数値を掲げて、区の役割をはっきりさせて。そういう点ではちょっとこれじゃテンポが遅いんじゃないですか。
納谷環境と暮らし担当課長
来年度から早々に情報提供の推進ということでスケジュールになっております。また、それを踏まえて、相談窓口の準備開設となっております。この辺の相談窓口はやはり私ども行政というより専門機関あるいはNPO等の活動で図っていきたいと思っていることも含めて、ちょっと1年間準備もした上でというふうに考えております。確かに若干スピード感がないなという御指摘を受ければ、そういう面もあるかもわかりません。この辺のスケジュールの調整は、委員の御指摘を踏まえて、また再度考えてみたいと思います。
ただ、設置支援につきましては、現在、東京都あるいは国が改めて、東京都の例をとりますと、来年度あるいは再来年に向けて太陽光発電機の新たな財政支援の仕組みを構築しようとしております。その辺も見きわめて、中野区も環境配慮基金を22年度というふうにしておりますので、そういう総合的な中でこういう判断をさせていただいたものです。ですから、この計画自体は3年間で見直すといいますけれども、私どもの計画の基本は毎年PDCAで見直して、できるものは早期に着手するというのが基本的な考えでございます。ですから、このスケジュールがもしかしたら早まるかもわかりませんし、状況によっては延びるということもあるかもわかりません。ただ、私どもは、今回の環境基本計画で示しました施策は毎年きちっと評価あるいは改善をして、できることは早急に着手する、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思っております。
委員長
ほかに質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告を終了いたします。
その他、所管事項の報告はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で所管事項の報告を終了いたします。
次に、審査日程のその他ですが、各委員、理事者から何か発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、次回の日程について協議いただくため、委員会を暫時休憩いたします。
(午後2時55分)
委員長
委員会を再開します。
(午後2時55分)
ただいま休憩中に御確認いただきましたとおり、次回は、第1回定例会中とし、何か緊急の案件が生じた場合は正・副委員長が相談の上、招集することで御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上で本日予定した日程はすべて終了しますが、各委員、理事者から何か発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、本日の環境対策特別委員会を散会いたします。どうも御苦労さまでした。
(午後2時56分)