平成23年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成23年第1回定例会本会議第2日(2月22日)
1.平成23年(2011年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 森 たかゆき 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 林 まさみ
17番 の づ 恵 子 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 きたごう 秀 文 24番 伊 藤 正 信
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 高 橋 ちあき
33番 山 崎 芳 夫 34番 市 川 みのる
35番 斉 藤 金 造 36番 篠 国 昭
37番 岡 本 いさお 38番 飯 島 謹 一
39番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 阪 井 清 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
管理会計室長 尾 﨑 孝 区民生活部長 鈴 木 由美子
子ども家庭部長 長 田 久 雄 保健福祉部長 田 中 政 之
保 健 所 長 田 原 なるみ 都市整備部長 服 部 敏 信
まちづくり推進室長 遠 藤 由紀夫 教育委員会事務局次長 合 川 昭
政策室副参事(企画調整担当)小 田 文 子 経営室副参事(経営担当)篠 原 文 彦
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 石 濱 良 行
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 荒 井 勉
書 記 河 村 孝 雄 書 記 菅 野 多身子
書 記 東 利司雄 書 記 丸 尾 明 美
書 記 土 屋 佳代子 書 記 鳥 居 誠
書 記 細 川 道 明 書 記 鈴 木 均
書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成23年(2011年)2月22日午後1時開議)
日程第1 第7号議案 平成23年度中野区一般会計予算
午後1時00分開議
○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、いでい良輔議員、白井秀史議員、来住和行議員、森たかゆき議員、伊東しんじ議員、岡本いさお議員、かせ次郎議員、大内しんご議員、久保りか議員、内川和久議員、吉原宏議員、佐藤ひろこ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 いでい 良 輔
1 区長の施政方針説明について
2 区内産業の育成と中野区経済の発展について
3 その他
○議長(伊藤正信) 最初に、いでい良輔議員。
〔いでい良輔議員登壇〕
○10番(いでい良輔) 平成23年第1回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。
私の質問は、通告のとおり、1番、区長の施政方針説明について、2番、区内産業の育成と中野区経済の発展について、3番、その他の項で、(仮称)区民活動センターについての3点、伺います。
区長はじめ理事者の皆様には、明快な御答弁をお願いいたします。
初めに、1番、区長の施政方針説明についてお伺いをいたします。
方針説明でも触れられておりましたが、我が国の経済は、円高に加え、デフレの出口も見えず、中長期的な面で見ても景気の回復は望めそうもありませんとしています。その上、現民主党政権が人気取り政策の子ども手当の財源のため、国債を乱発し、区長の説明でもあったように、赤字国債を増大させた結果、我が国の国債の格付まで落とし、我が国の国際競争力を著しく損ねたものであると言わざるを得ません。特に、GDP、国内総生産では、長年世界第2位であった地位を隣国の中国に明け渡すなど、現政権の無策がここにあらわれたもので、国民として決して看過できるものではありません。このまま現民主党政権が続けば、国際社会での日本経済の信頼は地に落ち、日本売りが加速し、デフレスパイラルが加速するとまで言われております。
また、子ども手当の地方負担について、さまざまな課題が浮き上がっております。この子ども手当の問題については、我が会派の伊東しんじ議員とライフワークとして取り組まれている吉原宏議員から質問がありますので、私は課題の指摘のみにとどめさせていただきます。
2月15日付の読売新聞に、「子ども手当、負担拒否」「バラマキ混乱、地方反発」「法案不成立の準備も」という見出しで、子ども手当の地方負担に関する記事がありました。記事では、読売新聞社の全国調査で、2県63市町村が財源の負担を拒否しているとの内容で、東京都内では国分寺市のみが拒否を表明しています。この調査がどのように行われたのか、23区にも同様の調査があったのかはわかりませんが、区長の施政方針説明では、「今回、子ども手当は3歳未満の子どものいる世帯に対する支給額を月2万円に引き上げることが閣議決定されている。今回の23年度予算案では、さまざまな意味で疑義の多いこの子ども手当について、このまま拡大され、なし崩し的に地方負担も固定されることになってはならないという観点から、今回の拡大部分は予算化を保留した」と述べています。これはある意味で、子ども手当の地方負担を区長は拒否しているとも考えられますが、予算化を保留したこと自体、良識ある判断であったと考えております。
読売新聞で、唯一東京都内で地方負担を拒否している国分寺市の星野信夫市長は、2005年6月の2期目の市長選挙では、自由民主党と民主党の推薦を受けて当選をした市長ですが、結果的に現政権に反旗をかざす結果になっております。星野市長は、「手当を貯金する世帯もあり、現物給付の政策自体に疑問がある」として、地方負担を拒否しています。
我が会派としては、子ども手当については、その制度そのものを見直すべきであるという姿勢に変わりはありませんが、もし仮に政府が子ども手当を継続するならば、増額する部分も含め、民主党のマニフェストどおり全額国費で負担するべきであると考えております。
田中区長も、子ども手当の拡大部分だけでなく、本来負担する必要のない費用について、地方負担の拒否の姿勢をはっきりと明言していただきたいと思います。
さて、施政方針説明の「分権自治の推進に向けて」という項目でも触れられておりましたが、政府の地域主権改革についてお伺いをいたします。
この政府が言う地域主権改革とは、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることができる活気に満ちた地域社会をつくっていくことを目指すとして、国が地方に優越する上下の関係から、対等なパートナーシップの関係へと転換すること、そして明治時代以来の中央集権体質から脱却し、国のあり方を大きく転換していくとしています。
区長の施政方針でも、耳ざわりのよさの中に実現不可能な理念で国民を引きつけようとする悪しきポピュリズムを感じるとしていますが、ポピュリズム──斉藤金造先生のために日本語で言えば、悪しき人民主義とでも言うのでしょうか、一面大変過激な表現ですが、この実現不可能な理念とした具体的な内容をお答えください。
さて、政府は、この地域主権改革の検討のため、平成21年11月の閣議決定に基づき、内閣府に地域主権戦略会議を設置し、ことし1月までに11回の会議を開催しています。この会議の構成は、菅総理を議長とし、内閣府特命担当大臣、財務大臣、内閣官房長官、国家戦略担当大臣ほか、大学教授4人、地方からは、地方六団体の代表として埼玉県知事、大阪府知事、北九州市長が含まれております。この地方六団体、全国の知事会、都道府県議長会、全国市長会、全国市議会議長会、町村長会、町村議会議長会からは、昨年10月に、今後の地域主権改革の推進等について意見が提出されています。この内容は、区長は、全国市長会を通じてよく御存じのことと思いますが、全11項目にわたり意見が述べられております。
地域主権関連3法案の早期成立については、昨年の通常国会で継続審査となり、昨秋の臨時国会では審議もされず、不成立になりました。政府は、その法案について、本気で成立させようとしたのか、逆に言えば、やる気のなさを感じております。その背景となるのは、やはり地方税制改革と基礎的自治体への権限の移譲が大きな足かせになっているのではないかと危惧をしています。
地方税制改革では、国と地方の税配分の問題や地方消費税の充実、そして権限移譲に関しては、権限の移譲に伴う財源や人の移譲など、超えなければならないハードルは大変高いものであります。私は、現政権下における国政の混乱を中野区に持ち込ませないということが我々に課せられた使命、そして果たさなければならない責任であると考えております。
区長は、特別区長会副会長でもありますので、国の今後の地域主権改革についてどのようにお考えなのか、またどう向き合っていくのか、お考えをお聞きいたします。
次に、2番、区内産業の育成と中野区経済の発展について伺います。
私は、昨年の第3回定例会一般質問において、自由民主党議員団の立場で区内産業の活性化について質問をさせていただきました。その中で、工事請負に関する入札に区内優先枠の設定を行ってはどうかと提案をさせていただきました。事業者が不況にあえいでいる現在、他の区では、一定額未満の工事案件については、区外事業者を入札に参加させておりません。また一方では、区外事業者を排除していない中野区では、総合評価方式による区内業者の加点といっても確実に受注できるとは限らないという点を踏まえ、中野区でも区内優先枠の設定を行ってはどうかという質問でした。
この質問に対し、区長から、工事請負に関する入札においては、総合評価制度の中で区内事業者に加点しており、建築、土木など、おおむね区内事業者が受注しているとの現況を御説明いただいた上で、現下の厳しい経済状況の中で、区内事業者の受注機会確保のため、総合評価方式一般競争入札を基本としつつ、入札参加資格の地域要件等を付した制限つき一般競争入札の時限的活用などについて検討していきたい旨の力強い御答弁をいただきました。
そこでお伺いしますが、制限つき一般競争入札に関するその後の検討状況はどうなっているのでしょうか。私は、23年度当初より即刻導入して、区内産業の育成と中野区内経済発展のために取り組まれることを強く望みます。いつからスタートするのか、また、対象となる工事、期間等について、現状認識を踏まえた上で、基本的考え方、方向性についてお答えください。
次に、3番、その他の項で、来年度7月より(仮称)区民活動センターに転換された後の住民票などの各種証明書等の交付についてお伺いいたします。
区は、地域センターが区民活動センターに転換された後と仮定したときに、平成24年2月の住民票や印鑑登録証明書のコンビニ交付までの間、転換後の区民活動センターにおいて区民への証明書の交付を行うとしています。しかしながら、その交付方法は、区民が前日の午前中までに区役所に電話で申し込みをし、翌日の午後2時から午後4時の間に区民が希望する区民活動センターで受け取る方式になると聞いております。現在は、それぞれ最寄りの地域センターで、平日であれば即日で各種証明書の交付が受けられたわけですが、区が考えている交付方法では、大幅なサービスの低下になり、区民の利便性は大きく後退いたします。地域センターから地域事務所、地域活動センターへの転換については、さまざまな意見や議論があり、我が会派としては、一つひとつ丁寧に議論を重ねて整理していくことが大切だと感じております。この証明書等発行もその一つであり、仮に転換するならば、せめて平成24年2月のコンビニ交付の開始までは、現在の地域センターで行っているサービスを維持させるべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
以上で、私のすべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えをいたします。
まず、地域主権改革についての御質問であります。
所信表明でもお話をさせていただいたとおり、私は、地域主権という政府の言葉の選び方、またそこにあらわれた理念というものに疑問を感じているところであります。主権というのは、国民に存すると、日本国憲法が定めるとおり、国を単位に考えるべき事柄であります。社会保障や医療制度など、国民全体にかかわる相互扶助、また犯罪から国民生活を守る法規範、あるいは国土防衛、そうした国の結びつきを形づくっている基本的なこと、こうしたことは国が責任を持って担わなければ、国家の解体につながりかねない、こういうことであります。例えば地域主権で、地域が国と対等の決定権を有するというふうに考えるのであれば、沖縄で普天間基地の県内移設などは絶対に成り立たないわけであります。そうした国民国家としての結びつきと独立、その上に立って地方分権、国の形、国の中の社会のあり方というものをしっかりと議論をしていくべきだと、このように考えているわけであります。
地域主権という、地域にお任せしますよという、包括的にそう言えば、人の耳に耳ざわりがよくなるだろう、そういう考え方で、実際にそうしたならば国家がやっていけなくなることはわかり切っている、そうしたことを言っている、そうした考え方というか、そうした傾向についてポピュリズム、大衆迎合主義というようなことを私は感じているわけであります。
地方分権、私どもは、地方分権として補完性の原理に基づく国の責務、セーフティネットとして定める基準を守った上で、地方がみずからの地域に責任を持ち、都市地域間競争を盛んに行っていくことによって、住民にとっての価値や満足度が高まり、国全体の活力が高まると、このように主張してまいりました。そうした考え方に基づいて、これからもしっかりと地方分権の推進を進めていきたい、こう考えております。
区長としても、また特別区長会の一員としても、地方分権の推進につきましては、これまでも意見を申し述べてきたところでありまして、今後とも住民みずからが、みずからの判断と責任において地域の諸課題に取り組んでいくことができる真の分権型社会を実現させることができるように取り組んでまいりたい、こう考えております。
続きまして、制限つき一般競争入札の検討状況についてであります。
契約に関連しましては、例えば建設工事のうち、建築については、21年度は91.7%、22年度は95.5%が区内の事業者が受注しました。同様に、土木は、21年度100%、22年度93.3%、造園については、21、22年度とも100%と、基本的には区内事業者の方が受注をしてきているところであります。
しかしながら、現在の厳しい経済状況というようなことを勘案しての御提案もあるわけであります。中野区では、公正公平な競争性を確保しつつ、工事請負にかかわる総合評価方式の中で、区内事業者への評価点を加点いたしてまいりました。また、中間前払い金制度による中小業者の支援など、区内経済環境に配慮した対策も講じてまいりました。こうしたことを踏まえても、さらに区内事業者のほとんどが景気に左右されやすい中小企業であるというようなことから、入札契約制度上の観点から、さらなる支援が必要な状況となっている、このような認識であります。
こうした現状認識のもと、緊急経済対策として、談合などの不正防止にも十分配慮をした上で、区内事業者が優先的に受注できるよう、本年4月以降に公告する案件から、建築、土木、電気、造園など、工事種別ごとに原則1年間の時限的措置として、制限つき一般競争入札の導入を検討しているところであります。対象となる工事の予定価格を含めた基本的考え方を今定例会中に御報告をしたい、こう考えております。
また、(仮称)区民活動センター開設後の諸証明の取次サービス、このことについてであります。
現在、これまで区が御説明をしてまいりました区の想定での各種証明の取り次ぎにつきましては、配属予定の職員が平日の午後2時から4時まで交付事務を行うというようなことで考えてまいりました。このことについて、議会をはじめ地域の町会・自治会などからも、サービス低下が大きいのではないか、こういった御意見をいただいてきたところであります。それらを踏まえまして、移行時の影響を軽減するため、転換後の(仮称)区民活動センターにこれまでのような端末機を設置し続けるということはできませんが、ことし7月から来年のコンビニ交付の開始までの間、地域事務所のほうから職員を毎日派遣をして、ファクスを活用して、住民票と印鑑登録証明書については、これまでと同様に即日で証明書の交付ができるよう体制を整えることとしていきたいと考えているところであります。
私からは以上であります。
○議長(伊藤正信) 以上でいでい良輔議員の質問は終わります。
中野区議会議員 白 井 秀 史
1 「エコ・支えあい・商店街」の3ポイント制度について
2 高齢者等の見守り支援のための緊急通報システムについて
3 CO2削減と節税に寄与する街路灯のLED化について
4 健康・生きがい戦略について
(1)生活習慣病(糖尿病)対策について
(2)病院を活用した休日診療について
(3)がん対策について
5 待機児対策について
6 その他
○議長(伊藤正信) 次に、白井秀史議員。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 平成23年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行わせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
昨日、区長が施政方針で述べられていたとおり、我が国は今後、超高齢社会の到来、人口減少社会等、社会構造の劇的な変化を迎え、その変化はそのまま区民の生活の上に大きな影響を及ぼすこととなります。こうした社会構造の変化に対して、的確に対応する区政、政策が望まれています。今後の変化に対しても、安心して住み続けられるまち中野を目指して、このたび公明党議員団として取り組むべき政策をまとめた「公明・中野ビジョン」を策定いたしました。今回は、区長の施政方針と照らし合わせ、公明ビジョンの幾つかを織り交ぜながら質問をさせていただきます。
初めに、「エコ・支えあい・商店街」の3ポイント制度についてお伺いします。
施政方針において、「まちの活性化と支えあいの地域社会」との小題のもと、23年度の中野区の区政運営を四つの戦略別に述べられました。中でも、重点プロジェクトである「エコ・支えあい・商店街」の3ポイント制度は、横断的な政策であり、また施政方針のウエートから見ても、まさにポイントであると伺いました。
また、平成23年度の当初予算案のプレス発表用資料においても、特出しの表記があり、その後の新聞各紙の取り扱いの大きさから見ても、3ポイント制度、特に支えあいポイントの注目度が高いことが伺えます。「エコ・支えあい・商店街」のそれぞれのポイント制度自体を個別に実施する他の自治体はありますが、これらを相互に結びつけた制度を実施している自治体はまだないと思われます。
そこで、あえて多岐にわたる検討が必要な制度設計の「エコ・支えあい・商店街」のポイント制度を結びつけた理由は何か、また、各ポイントの結びつきによるどのような効果を目指したものか、制度概要とともにお伺いをいたします。
また、この制度のポイントを「地域通貨への取り組み」としても述べられました。まずはポイントシールと台紙から成る制度を検討されているとお聞きしますが、展望として、地域通貨を試行するのであれば、「エコ・支えあい・商店街」、それぞれのポイント制度間でポイントの交換を可能にして流通を目指すべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。
また、ポイントの交換できるものは金券等が主体となっていますが、例えば税や保険料等への支払い等、他の利用も検討すべきでないかと考えます。最終的には、ICカードによる電子ポイント制度への移行を視野に入れて検討されているのか、制度の展望をお伺いいたします。
次に、個別のポイント制度についてお伺いします。
エコポイント制度のポイント交換時は、エコイベント等を除き、電気、ガスの使用料を1年間積算してポイントに交換すると想定されておられますが、マインドを喚起する意味でも期間の短縮が必要ではないかと考えますが、お伺いをいたします。
エコポイントの財源として、環境リサイクルプラザの使用料や、区が負担している維持管理経費、また街路灯のLED化による削減費用等を環境基金に積み上げ、運用資金の一部にすると聞きます。この費用を活用してのエコポイントによるCO2の削減効果の積算を幾らと考えているのか、お伺いをいたします。
新10か年計画には、CO2削減の区の目標設定を平成31年度、2019年までに平成17年度比15%としていますが、現行の環境基本計画に沿うアクションプランと一致していません。アクションプランが本年3月までの期間設定であるため改定が必要ですが、改定時期はいつごろになるのか。またその際、現政府のCO2削減目標である2020年までに1990年度比で25%削減、2005年比で33.3%削減とする目標を反映させる予定なのか、お伺いをいたします。
一方、区は、事業者としての義務を負います。区のCO2削減義務は、計画策定や報告の義務はあるものの、削減目標の実施自体は努力義務となります。区は、計画目標の達成のため、着実に取り組む姿勢が問われていると考えますが、御見解をお伺いいたします。
次に、商店街ポイント・お買い物ポイントについてお伺いをいたします。
各商店によるポイントシールの買い取りを想定していると聞きます。また、シールの製作費も加えての値段設定を検討中であるとも聞きますが、商店街ポイント、またはお買い物ポイント制度は、他の2制度と異なり、継続的な一般財源の投入をしない制度設計を考えているととらえてよいのか、お伺いをいたします。
次に、支えあいポイント制度についてお伺いをいたします。
支える側の人数をいかに確保することができるか、新たな支え手の掘り起こしが制度の肝要となると考えます。そのために、どのような支える行動を幾らのポイントと設定するのかが重要となりますが、現在の検討状況をお伺いいたします。
詳細な制度の質疑は別途行うとして、支えあいの制度設計こそが十分な検討が必要であると考えます。的確な制度構築を最優先しての事業実施を求めますが、御見解をお伺いいたします。
高齢者の生活を見守り、支えあうことを支援するこの制度は、確かに必要であると考えます。しかし、この制度のみでは、年をとっても住み続けられる、暮らし続けられる支援というには足りず、別角度からの支援が必要ではないかと考えます。
そこで次の項に移り、高齢者の見守り支援のための緊急通報システムについてお伺いをいたします。
我が国は、今後10年から20年先、世界各国がどこも経験したことのない高齢社会の到来となり、その高齢化の社会変化の速さも、どこの国も経験したことのないペースで進むと言われています。およそ人口の4割から5割が高齢世代となり、都市部においてはなお顕著となるとの想定を説く資料は、枚挙にいとまがないほどあふれています。だからこそ今、高齢社会に対応する政策を的確に積み上げていく必要性に迫られていると考えます。見守り・支えあいは本当に大事な政策のキーワードとなります。昨年は、無縁社会という言葉がクローズアップされた年となりました。現代社会の側面である地域社会のつながりであるコミュニティの希薄さをとらえての表現ですが、区が思考する支えあいのボランティアを推進するためのポイント制度は、この課題への挑戦であり、非常に難しい制度設計が必要でありながらも、大事な政策であるとの認識は一致します。しかし、高齢者の生活を24時間、365日支える体制、支えが必要なときに適時サポート体制が組める制度を構築するには、不十分です。
そこで、高齢者の方が住みなれた地域で安心して暮らし続けるために、現在区が行っている緊急通報システムの拡充が必要であると考えます。緊急通報システムとは、利用者が首に下げたペンダントのボタンを押すと、電話回線を通じて民間の受信センターへ自動的に通報され、通報を受けたセンターは利用者に確認の電話をします。利用者が電話に出られないときは、すぐに救急車等の出動を要請するとともに、民間事業者が利用者宅に急行する制度です。利用できる対象者の条件は、現在,心臓病など発作性の慢性疾患のある高齢者、または身体障害者手帳1、2級等ですが、この要件を緩和して、広く高齢者の方が利用できるように制度設計を再構築する必要があるとの提案を行ってきたところですが、区の検討状況をお伺いいたします。
また、事業を行う上で必要な財源確保の観点から、都のシルバー交番制度の活用が考えられます。さまざまな前提条件があり、都の制度の改定が必要であると考えているところですが、シルバー交番制度を各自治体が活用しやすい制度に改めるよう、区から申し入れるべきであると述べてきました。その後の状況をお伺いいたします。
次に、CO2削減と節税に寄与する街路灯のLED化についてお伺いをいたします。
一般家庭においても、蛍光灯にかわり新しい明かり、LED(発光ダイオード)が普及し始めています。蛍光灯の寿命がおおむね2年と言われる中、LEDは10年と長寿命です。また、電気代も蛍光灯に比べて、LEDは5割から6割抑制することができるとも言われています。公明党として、街路灯をLEDへと転換することを提案してきたところですが、21年度より区は私道、区道を含めたすべての街路灯、約1万6,000基をLEDに転換することに取り組んでいます。22年度末段階では、約4,000基の取りかえが終了する予定ですが、LED街路灯の転換についての進捗状況と、他区との比較において中野区はどのような状況にあるのか、お伺いをいたします。
新10か年計画では、交換の期間を10年としていましたが、区は事業を前倒しして、5年間で転換を目指しているところです。23年度末の取りかえ完了を見越したとき、24年、25年の2年間で残りの6割、約9,000基の転換に取り組むこととなりますが、今後の見通しについてお伺いをいたします。
街路灯をLEDへと転換することにより削減される費用についてお伺いをいたします。
街路灯1万6,000基をすべて転換した際、電気代は幾ら削減される試算をされているのか、お伺いをいたします。
また、蛍光灯2年、水銀灯3年の耐用年数と言われる中、10年のLEDはこの間の交換費用が削減されることとなります。おおむね幾らの交換費用の削減が可能となるのか、試算をお伺いいたします。
他方、LEDは購入時の値段が蛍光灯に比べ割高となっています。また、現在の街路灯である蛍光灯の照明器具本体の劣化が進んでいるため、今回はランプと本体の双方を交換しています。初期投資であるイニシャルコストがさらに高くなっているところですが、民間企業で言う削減費用による初期投資が回収される時期はいつごろになるのか、分岐点をお伺いいたします。
この項の最後に、街路灯のLEDへの転換によりCO2の削減効果はどのくらいの試算となるのか、お伺いをいたします。
次に、健康生きがい戦略について、三つのテーマから伺います。
初めに、生活習慣病(糖尿病対策)についてお伺いいたします。
厚生労働省の糖尿病を重点調査項目とした「平成19年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人、約890万人。糖尿病の可能性が否定できない人、約1,320万人。合計約2,210万人が糖尿病の可能性があるとの報告があります。また、40歳以上の3人に1人が、糖尿病かその予備軍とも言われています。同報告書では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況についても調査報告が併記されています。40歳から74歳で見ると、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームが強く疑われる人、または予備軍であると考えられる人となっています。
現行の医療制度について重ねて述べます。平成25年度より長寿医療制度の支援金が20年度と比べて特定健診受診率、特定保健指導の実施率、その後の改善数値を評価することにより、保険者である各自治体に支援金の付加、または軽減がされることとなっています。付加と軽減の幅は、最大20%が予定されており、そのまま国民健康保険料に反映されることとなります。保険者である各自治体の取り組みが問われているところですが、区は23年度より糖尿病対策に積極的に取り組むとしています。このたびの新規事業である糖尿病対策の概要を伺うとともに、これらを見越しての一貫した政策実施であるととらえてよいのか、お伺いをいたします。
特定保健指導の3分類のうち、情報提供を除いた動機づけ支援、積極的支援の二つの分類が対象となりますが、この糖尿病対策で二つの分類の改善目標をどのように設定されるのか、お伺いをいたします。
40歳から74歳までの特定健診の受診率と保健指導の実施率が評価の対象ですが、20年度と21年度の現状の各数値状況をお伺いします。
また、さらなる改善への対策が必要であるとも考えますが、御見解をお伺いいたします。
次に、病院を活用した休日診療についてお伺いをいたします。
病院を活用した固定式休日診療体制を、公明党として提案してきたところです。現行の輪番制の休日診療体制を支える医療機関の減少に伴い、休日診療体制の維持が困難となってきている状況があります。区民の側にとっては、病院を固定式に活用することにより、休日開業の病院を探すことなく診療機器の充実した診療を受けることができます。さらに、入院等の2次救急診療にも対応可能となります。この新たな休日診療体制を23年度実施に向けて医師会等と交渉を重ねてこられたとお伺いしますが、これまでの交渉や検討の状況をお伺いいたします。
また、引き続きの力強い交渉も今後も望みますが、区の御見解をお伺いいたします。
次に、がん対策についてお伺いいたします。
現在は、「日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡している」と厚生労働省や国立がんセンターの資料等には記されています。糖尿病と同じくがんもまさに国民病と言えます。40歳を超えた時点でがんの死亡率は上昇し始めますが、年齢が高いほどがんにかかるリスクも高くなり、体力等の問題も合わせて死亡リスクもふえます。死亡率そのものは上昇傾向にありますが、年齢の構成率を調整した年齢調整死亡率を見ると、がんの死亡率はほぼ横ばいの傾向と言えます。がんによる死亡率が増加していることは事実ですが、医学の対処できないがんが急増しているわけではなく、高齢化により日本人全体としてのリスクが高まっているのが現状です。
一方、「がんの2015年問題」という言葉があります。2015年には、3人に2人ががんにかかり、2人に1人ががんで亡くなると厚生労働省の資料、「がん生存者の社会的適応に関する研究」報告書にはあります。どの部位のがんの罹患が多いか、年齢別による変化を見ると、男性では、40歳以上で消化器系のがんの罹患が多くを占め、70歳以上ではその割合が減少し、前立腺がんと肺がんの割合が増加します。女性では、40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんの罹患が多くを占めますが、高齢になるほどその割合は減少し、消化器系のがんと肺がんの割合が増加します。これらのすべてのがんを早期発見のためのがん検診としてスクリーニングすることは難しいですが、いわゆる肺がん、胃がん、大腸がんの三大がんの検診の実施に力点を置くことは非常に高い効果が望めます。これまで三大がんのそれぞれのハイリスクの年齢を照準に、がん検診受診の無料クーポン券を配布する制度の導入を求めてきたところですが、現在の検討状況をお伺いいたします。
次に、待機児対策についてお伺いいたします。
区は、これまで待機児対策として、平成26年度までに待機児のゼロを目指し、区立園の民営化による定員増を柱に取り組んできましたが、急激に増加した待機児に対しての対応策が追いつかない状況にあります。背景として、20年度のリーマンショックによる世界同時不況に始まり、政府の経済政策のおくれも相まって、夫の失業や収入低下を補うために乳幼児を抱える母親たちがパートやアルバイトで働かざるを得ない状況になっていることは明らかです。中野区のみならず全国的な課題であり、本来、国レベルでの全体政策が求められますが、区独自の対応策が急がれるところです。
区は、昨年の8月に「今後の保育需要と対応方針について」をまとめたところです。20年度以降の21年、22年を比較して、待機児対策は改善している状況にあるのか、また他区との比較も加えてお伺いをいたします。
さらに、本年、23年は、現段階でどのような状況にあるのかもお伺いをいたします。
「今後の保育需要と対応方針について」は、23年度以降の各年度においての保育需要を算定し、必要な見直しを行うとしていますが、更新の必要性に迫られている状況にあるのか、お伺いをいたします。
過日の2月15日、JR東日本は、(仮称)東中野駅西口駅ビルの建設についてプレス発表を行いました。この駅ビルの中に子育て支援施設を開設するとの発表がありました。駅ビルの開業時期は明年夏を予定しており、駅広場の入り口の地盤の完成よりも先行しての開業となります。子どもの送り迎えを仕事の通勤と同時にできる利便性は大きな魅力となる(仮称)駅ナカ保育園の開設をこれまで訴えてきたところですので、大いに賛同いたしますが、子育て支援施設と述べてはいますが、保育園との発表はまだありません。保育園の開設に向け、区の保育計画に加えるとともに、早期の開設への支援を望みますが、御見解をお伺いいたします。
都は、昨年末、「東京都子育て世代向け優良賃貸住宅助成事業の実施方針」を策定いたしました。自宅のある集合住宅に設置される保育園等は、さらに利便性と安全性が向上する施設となります。施設誘致のためにはさまざまな対策が必要となりますが、区として活用を検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
今後、整備が進められる中野駅周辺の再開発や西武新宿線の地下化に伴うまちづくり等の中で、駅ナカ保育施設等や集合住宅に設置される保育施設等の誘致、開設をまちづくり計画の中で一体的に検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
最後に、その他として1項目お伺いをいたします。
平成23年度から谷戸小学校の改築、耐震補強工事が予定されていますが、この際に、地域からの長年の要望である体育館へのエレベーター設置工事を行うべきと考えますが、御見解を伺い、すべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。
まず、三つのポイント制度の概要等についての御質問です。
環境負荷軽減のためのエコポイント、地域支えあいの普及、ネットワークの構築のための地域支えあいポイント、それから地域商業活性化のためのお買い物ポイント、それぞれの取り組みを推進支援していくために三つのポイント制度を導入していきたいと考えているところです。
区民の皆様には、それぞれの取り組みに応じて交付される各ポイントシールを共通の台紙に張りつけて、どのポイントも同じシールでためることができるという形で、ためたポイントを区へ申請することによって金券であるとか、あるいは抽せんによって商品と交換をするといったようなことができるようにしていきたい、こう考えております。
エコポイント、地域支えあいポイント、お買い物ポイントという三つのポイントを結びつけて連携させることによって、相乗的に参加者をふやすということ、また区民の活動領域を広げて、各活動を活性化させるということ、そうしたことを通じて、中野という地域のつながり、区民同士の結びつきであるとか、相互の協力関係の機運、そうしたものを高めるということから、中野のまち全体の活性化になり、区独自の新しい暮らしの価値創造に向けた区民の行動を支援する仕組みとして機能することができるのではないか、こう考えているところであります。
それから、ICカードの導入など、最終的なこのポイント制度の進化の形などについても御質問をいただきました。将来的には、たまったポイントをそのまま商店で使っていただくことであるとか、区立施設の使用料や区民税の支払い等に充てるといったようなことなども可能にできるようにしていきたいと考えております。また、そういった多様な利用の仕方を可能にしていくということも考えていきますと、ICカードへの移行、電子化というのでしょうか、そうしたことも今後実現に向けて検討していく必要がある、こう考えております。
それから、エコポイントについて、電気、ガスの使用料を1年間積算するのがなかなか長過ぎるのではないか、こういうことなんですが、エネルギー消費は夏場とか冬場とか、季節変動があることがありまして、なかなか途中で期間を短縮するというのが難しいかなと、こう思っております。しかしながら、エントリーしている家庭については、完全に区として掌握できているわけですから、定期的な通知ですとか、あるいは啓発グッズなどのそうした手段、それからイベントの御案内、さまざまな形で飽きずに取り組んでいただけるように機運を盛り上げていきたい、こう考えております。
それから、エコポイントで見込めるCO2の削減効果がどのぐらいと考えているかということであります。
特に、最初のころになりますと、どのぐらい普及できるかということによりますので、なかなか見込みは立てにくいのでありますけれども、初年度には数百件規模の参加を期待しているところです。例えば冷暖房温度の控え目な設定などの省エネ行動、また太陽光や太陽熱利用設備の導入など、さまざまな標準的な取り組みがされたと想定した場合には、200トンから300トンのCO2削減効果に上るのではないかといったような推計を一応しているところであります。
それから、アクションプログラムのCO2削減目標についての御質問であります。
新しい中野をつくる10か年計画、この第2次におきまして、平成31年度、2019年度ですけれども、それまでに平成2年度比で約6%、平成17年度比では約15%、重さにして13.9万トンですけれども、削減する目標を定めたところであります。これの着実な達成に向けたアクションプログラムの改定について、今年度、22年度末までに行うこととしているところであります。
それから、区の事業者としての義務、取り組み姿勢についての御質問がありました。
区として、エネルギーの使用の合理化に関する法律で義務付けられた中長期計画を策定して、省エネ法の努力義務でありますエネルギー使用にかかわる原単位で年平均1%以上の削減を目標として、CO2の低減を図った取り組みを進めているところであります。この目標を達成するために、設備の運用や保守、設備の更新等、具体的に省エネルギーを実践しているところでありまして、今後とも取り組みを継続してまいりたいと思っております。
それから、お買い物ポイントについてであります。
お買い物ポイントについては、区民が手軽にポイントをためられる環境を整えるとともに、そうした動きを区内商業の活性化に結びつけていくという方策として考えているところであります。お買い物ポイント制度については、周知や事業の運営管理そのものに関する経費については、当初は区が負担をしたいと考えております。それで、お買い物ポイントのポイントシールについては、区が発行をして、各商店がシート単位で購入していただいて発行をしていただく。で、消費者の方が集めて、区に持ってきていただいて交換をする、こういった仕組みであります。各商店が区からポイントシールを購入する際の価格については、ポイントの表示相当額に対して、印刷料金等の諸経費を上乗せするというふうに考えております。このお買い物ポイントについて、さまざまな活用の方法が考えられると思いますので、新たな顧客拡大のチャンスとしてとらえて、さまざまに活用してもらいたい、こう考えております。
それから、支えあいポイントについての御質問であります。
支えあいポイントにつきまして、標準的なポイントの算定のあり方等について、区として現時点で検討している内容もありますけれども、実際に地域で活動していただく町会・自治会をはじめとした皆さんの御意見も十分に伺いながら設定をしていきたいと、こう考えております。今後、的確な制度設計をしていくことが何より重要と考えておりますので、十分に検討しながら、慎重に制度設計を行ってまいります。
それから、高齢者見守り支援のための緊急通報システム、これが非常に重要ではないか、幅広く利用、普及するべきではないか、こういった御意見であります。
区といたしましても、高齢者などの方々が安心して住みなれた地域で暮らしていくためには、24時間、365日対応する手段として、緊急通報システムは有効だと考えております。今後、区の財政負担や制度のあり方などもしっかりと勘案をしながら、拡充の方向で考えてまいりたいと思っております。
シルバー交番制度についてですが、現在のところは都の要綱上、委託による見守りの実施と緊急通報システムのセットの補助となっております。その運用につきまして、区としては柔軟な運用を求めて、自治体が使いやすいような制度のあり方にしていただくよう、今後とも引き続き要綱の運用について協議をしていきたいと、こう考えているところであります。
それから、LEDの転換についてであります。
転換の進捗状況です。中野の街路灯のLED化につきましては、平成21年度から開始しました。区が管理をしている街路灯全体の本数1万6,000基のうち、平成22年度末時点で3,990基がLED化、完了いたしました。進捗率は約25%です。これ、23区でどのように進捗しているかと、こういうふうに言いますと、平成23年の2月時点では、街路灯のLED化を本格的に導入している区は中野区以外には4区あるところです。試験的に実施している区は12区ありまして、導入していない区も6区あります。23区で全体でLED化された本数ですけれども、23年の2月時点、ことしの2月時点で約7,000基となっています。中野区が設置したのは3,990基ですから、中野区1区で23区全体の約6割に及んでいると、現在はそういう状況であります。
それから、LED化の完了見通しです。街路灯のLED化については、新しい中野をつくる10か年計画によって、当初10年間と予定しておりましたが、経済対策としての意味もあったり、あるいは国の社会資本整備総合交付金の活用も見込めるなどのことがありまして、21年度から25年度の5か年計画で前倒しして整備を進めようとしているところであります。今後とも確実にこれを進めていきたいと考えております。
導入の効果についてであります。電気代についてですが、電気代は、原油の価格とか円相場などによって、電気料というものがかなり大幅に変動してしまいます。平成16年から20年度までの年間実績で、最低が7,600万円だった年もあり、最大では1億200万円の年もあると、こういう状況でした。こういった上下はありますが、在来型の街路灯に比べて、電気代はLEDの場合半減すると、このように考えております。また、年間の維持管理経費はおよそ7,000万円かかっております。その中で、従来から使用している蛍光灯ですと、おおむね2年に1回、水銀灯ではおおむね4年に1回のランプの取りかえを行っております。LEDのほうは、単価は高いのですが、耐用年数が長いということを勘案いたしますと、おおむね60%は維持管理経費が削減される見通しというふうになっております。
街路灯のLED化が平成25年度末にすべて完了したという場合につきまして、いろいろさまざまな要因を加味いたしましてシミュレーションしてみますと、区が投資した累計額と削減の累計額とがおおむね平成29年度ごろにはバランスが均衡するということになりまして、それ以降は削減額が上回っていく見通しになっております。
CO2の削減効果です。消費電力をベースにして、街路灯のすべてをLED化した場合、CO2の発生抑制効果はおよそ年間1,000トンになると、こう見込んでおります。ちなみに年間1,000トンというのは、一般家庭200世帯分の年間排出量に相当するものであります。
私からは以上です。そのほかは、それぞれ担当の部長のほうからお答えいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 谷戸小学校体育館へのエレベーターの設置についてお答えいたします。
エレベーターにつきましては、校舎の改築、耐震補強工事と合わせて設置できないか検討をしております。その時期ですが、谷戸小学校の校舎改築、耐震補強工事の期間中は校庭が使用できなくなるため、校舎の工事期間中、体育館の使用を確保する必要がございます。したがいまして、体育館棟へのエレベーターの設置工事は、校舎の改築、耐震補強工事の終了後に行う方向で検討しております。
〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、健康・生きがい戦略についての御質問にお答えをいたします。
まず、糖尿病対策の取り組み内容と改善目標についてでございます。
平成23年度から実施する糖尿病対策は、各種健診により把握された糖尿病のハイリスク者に対しまして、食生活の改善指導や運動、身体活動の実技指導を行うものでございます。南北それぞれ1カ所ずつ会場を確保いたしまして、週1回、3カ月間、1コース12回で行うこととしております。現在、糖尿病対策による具体的な目標値の設定はしてございませんが、各種健診の数値、あるいは生活習慣病の改善につながり、高齢者支援金の算定にもいい影響を与えるものと考えているところでございます。
次に、国保特定健診及び特定保健指導の受診率についてでございます。
受診率につきましては、特定健診は、平成20年度は40.6%、平成21年度は40.2%でございました。また、特定保健指導につきましては、平成20年度は1月から開所をしたということで、3.7%にとどまってございますけれども、平成21年度は18.4%でございました。国保特定健診につきましては、全員に受診票を発送するほか、未受診者に対して10月から11月にかけて受診勧奨通知を送付しているところでございます。また、特定保健指導につきましても、該当者全員に利用券を送付するほか、1カ月経過しても申し込みのない方には、利用勧奨通知を送付しているところでございます。今後、受診率向上に向けた有効な対策については検討してまいりたいと考えてございます。
次に、病院を活用した休日診療についてでございます。
病院の診療室を活用した固定式の休日診療所の設置につきましては、医師会の提案内容も参考にしながら協議を進めてきたところでございます。安定した地域医療環境を確保するため、固定式休日診療所の開設は必要と考えておりまして、実施要件について引き続き医師会と協議を継続していきたいと考えているところでございます。
最後に、がん対策についてでございます。
肺がん、胃がん、大腸がんの無料検診の実施につきましては、経費の一部を自己負担することにより、健康意識の向上が期待できるということと考えてございます。また、財政の非常に厳しい現時点では、無料クーポンは考えていないところでございます。
以上でございます。
〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、待機児対策についての御質問のうち、3点についてお答えをさせていただきます。
まず、待機児対策の改善状況についてでございます。
区は、平成20年度以降、さまざまな手法によりまして保育サービスの定員増を図っており、平成21年度から平成22年4月1日にかけましては318人の増員を行っているものでございます。この定員増は、就学前人口に対する比率で見ますと、平成21年度から平成22年度までに東京都平均では1.0%の増加に対し、中野区はこれを上回る2.5%の増加となっているものでございます。これにより、一定の待機児状況の改善は図られたというふうに認識をしているところでございます。
区は、平成23年4月における保育園待機状況の解消に向け対策を進めているところでございますが、その詳細については4月を待たないと判明しないという状況でございます。
続きまして、保育計画の見直しについての御質問にお答えをさせていただきます。
今後の保育需要と対応方針につきましては、保育需要の拡大に対し、昨年8月時点での状況を踏まえて、今後の需要について一定の推計を行い、対応策の方針を示したものでございます。平成23年度の状況は、現在のところ判明をしてございませんが、推計と実数に差が生じたときは必要な修正を行っていきたいと考えているところでございます。
3点目でございますが、いわゆる駅ナカ保育園の開設支援につきましては、民間事業者による保育施設の開設について後押しをしているところでございまして、駅ナカ保育園につきましても可能な条件であれば支援をすることができるというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、東京都の子育て世帯向け優良賃貸住宅助成事業の活用につきましての御質問にお答え申し上げます。
東京都が国の制度を活用し、子どもの安全の確保や子育ての支援施設の併設に配慮した世帯向けの民間賃貸住宅を供給するためモデル事業の募集を行ってございます。これは民間賃貸住宅と保育所、学童クラブ、子育て支援サービスを提供する施設を併設する場合におきまして、計画の策定費と建設費の補助をするものでございます。こうしたモデル事業の推移を十分把握した上で、その成果について検証を行い、区としての対応を考えてまいります。
以上でございます。
〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、待機児対策につきまして、その保育施設の誘致とまちづくり計画に関する御質問についてお答えいたします。
駅ナカ保育施設や集合住宅に併設される保育施設等につきましては、まちづくりの観点から一体的に検討していくべき事項であると考えております。
以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で白井秀史議員の質問は終わります。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢と2011年度予算案について
(1)施政方針について
(2)区役所移転建て替え問題について
(3)予算案について
2 認可保育園の増設で待機児を解消することについて
(1)待機児対策の抜本的見直しについて
(2)「子ども・子育て新システム」の問題について
3 介護保険と高齢者福祉について
(1)介護保険制度の改定について
(2)高齢者福祉について
4 教育行政について
(1)少人数学級と学校統廃合について
(2)学校施設の整備について
5 山手通りの環境と安全対策について
6 東中野駅東口のエスカレーター・エレベーターの設置について
7 その他
○議長(伊藤正信) 次に、来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) 2011年第1回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。
まず、区長の施政方針について。
区長は、「社会保障制度を将来にわたって安定的なものとして設計し直すためには、増税の必要性は私も認めるべきだと思います」と述べ、増税と社会保障などの給付と負担のバランスを言いつつ、「規制緩和や企業の税負担の軽減」の主張をしています。現政権のもと開かれている社会保障改革集中検討会議で、経済同友会は、財源をすべて消費税とする年金制度を提案し、企業負担のある厚生年金制度をなくそうとしています。医療の3割を本人負担とする高齢者医療制度まで要求しています。民主党政権が突き進む増税路線こそ、財界の要求による大企業の法人税減税の穴埋めです。区長は、民主党政権をばらまきと声高に批判していますが、よって立つ足場は民主党政権と同じではありませんか。
区民への増税を前提とする立場をとる以上、区長が現政権を批判することはできません。区民の暮らしを守るべき区長は、新たな区民負担に毅然と立ち向かう姿勢こそ求められます。住民の福祉の増進を図ることを基本とした地方自治法第1条に立って区政運営に当たるべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、区役所移転建てかえ問題についてお聞きします。
昨年10月に実施した日本共産党区議団の区民アンケートでは、区役所の移転に反対は70%でした。移転建てかえは、区民の合意は得られていません。中野区役所は、耐震上も特段に問題のない庁舎であります。中野区庁舎より古い渋谷区、品川区などでも耐震補強で、建てかえをしないで使用する方針です。中野区は、区役所移転先用地の費用36億円を土地開発公社に対する債務保証と移転先解体費用の3,800万円を補正で予算計上しています。まだ使える区役所をなぜ移転建てかえるのか。その理由は、中野サンプラザ、区役所地区一体の開発の種地とするためです。移転建てかえの建設費用は、ほぼ全額中野区負担となります。区民に建設費の見込みも示さず用地取得に走るのでは、区民は納得できません。区役所移転建てかえ建設費にどれだけ見込んでいるのか、お答えください。
区役所の移転建てかえよりも、先送りした第四中学校、第五中学校、大和小学校などの区立小・中学校の耐震改修を優先実施し、児童の命を守るべきです。認可保育所の増設で保育園待機児を解消する。1,200人も待機している特養ホームを増設すること、これが区民が望んでいることです。区役所移転建てかえは無駄遣いと、区民の批判は免れません。区役所移転建てかえはやめるべきです。答弁を求めます。
予算についてお聞きします。
中野区の新年度予算案は、一般会計総額で史上最高の1,113億円となっています。区民の要望でもあった子宮頸がん予防ワクチン、小児肺炎球菌ワクチン接種や区立保育室の開設などは評価できます。しかし、区民が区民施策充実の実感を持てるものとはなっていません。その特徴は、基金を349億円も残しながら、借金と特定財源に依存する予算となっています。昨年に比べ、169%増の89億円余となった投資的経費、中野駅周辺まちづくりの19億円余、警大跡地道路整備10億4,000万円、東中野駅西口4億3,000万円など、駅周辺開発中心型予算となっているのが特徴です。
中野駅周辺の本格的な開発にいよいよ乗り出します。そこでお聞きします。2015年完了予定の第2期整備、2018年完了予定の第3期整備は、それぞれの事業費は幾らになるのか、答弁を求めます。
予算案が区民の所得減少、自殺者の増加、失業、倒産などの苦しい区民の暮らしの実態と向き合ったものとなっていないことです。中野区だけが実施していない木造住宅への耐震補強工事への助成制度をつくるとともに、全国180を超える自治体に広がった住宅リフォーム助成制度、大きな経済効果を発揮し、地域を元気にする暮らし応援のこの助成制度の実施を求めます。
いまだ23区で中野区だけが区民に負担を強いている後期高齢者健診、国保特定健診の500円の費用負担、2,250万円の予算で無料にできます。加えて、がん検診の費用も無料化し、検診の目的である早期発見、早期治療の効果をより高めることです。答弁を求めます。
青年をめぐる雇用状況は深刻です。区も就職説明会の回数をふやすなどしてきました。足立区では、正社員を目指す青年を対象に、社会人の基礎力向上や面接対策の集中セミナーと合同面接会をセットで実施しています。中野区の就職面接会の充実を求めます。
雇用促進の事業を展開する上で、専門の分野がどうしても必要です。足立区が雇用専門家を設置しているように、中野区も緊急雇用創出補助を活用するなどして専門の分野を設置してみてはどうでしょうか。
次に、認可園の増設で待機児童を解消することについてお聞きします。
待機児童対策の抜本的な見直しについて。
認可保育所に入れない待機児は、全国で過去最高の2万6,000人を超え、潜在的な入所希望者を含めると100万人とも言われています。中野区においても、1月の待機者は476人にもなっています。この責任は、政府が認可保育所をふやさず、待機児対策として保育所定員の弾力化で定員枠を超えた児童の詰め込みに終始し、公的責任を果たしてこなかったことにあります。中野区も定員の弾力化等で、認可園全体でこの1年で63人も定員を超えて受け入れてきました。待機児がふえる中、区立園の廃止、建てかえ民営化、認可園の定員を超えての詰め込み、認証園の設置等で待機児対策を乗り切ろうとしました。しかし、株式会社認証園ハッピースマイルの2カ月での倒産、認証園誘致も区の計画ほど参入が見込めなくなっています。結局、廃園した東中野保育園を認可園の分園として再開、中部保健福祉センター跡での4月からの区立保育室をオープンし、新年度には区立弥生保育園の分園を開設します。待機児対策の目玉としてきた民間任せでは、待機児対策が立ち行かないばかりか、認可園の定員の弾力化も既に限界ではありませんか。
品川、練馬、江東、荒川、世田谷区などでは、新年度に認可保育所を増設誘致します。中野区も、これまでの待機児対策を抜本的に見直さざるを得ません。認可園の増設で待機児を解消すべきです。答弁を求めます。
今後も保育園需要はふえていきます。これまでの対応は場当たり的と言わざるを得ません。待機児解消に南江古田など耐震改修を行い、区立園として存続する一方、既に廃園になっている旧西中野、桃が丘仮園舎、住吉保育園などの有効活用を進めることです。分園方式を活用することも一つの選択肢です。答弁を求めます。
廃園となった区立住吉保育園は、当面母子施設として貸し出すことになっており、その後において保育園としての活用は可能です。地域でも保育園活用の署名運動が取り組まれています。これらに加え、さらに未利用国有地を活用するなど、区が責任を持って待機児対策に取り組むべきではありませんか。お答えください。
子ども・子育てシステム導入の問題についてお聞きします。
政府は、今、待機児増にかこつけ、子ども・子育て新システム導入を2013年から実施する方向です。これまでは保育水準を確保するため、職員数、設備、施設の基準を国が定めていました。この基準をなくし、自治体は要保育度を認定するだけで、保護者は自分で指定事業者を探す直接契約制にしてしまうというものです。私立保育園の経営者をはじめ、保育園関係者の声を聞かず、財界の要求につき従って保育を営利企業の金もうけの対象とすることにあります。これでは保育料も現在の応能負担から、認証園と同じよう、所得に関係なく応益負担となり、重いものとなります。新システムは保育制度を根底から壊すことになります。区の見解をお聞きします。
次に、介護保険と高齢者福祉についてお聞きします。
介護保険導入から10年、これまで私たちは制度の抜本的見直しを求め、国庫負担の増額、低所得者への保険料、利用料の軽減、減免制度などを繰り返し求めてきました。第5期介護保険事業計画に当たり、保健福祉審議会が発足し、介護保険部会で検討することとなっています。そこで、4点についてお聞きします。
重い費用負担が原因で必要な介護サービスが受けられない、認定制度や支給限度額などの制約で必要なサービスを受けられないなどを、保険者として区が直接実態を調査し、その調査をもとに次の事業計画を議論、検討すべきではないでしょうか。郵送による返信記入方式での実態把握では、正確なニーズがつかみ切れないではありませんか。直接面談方式による調査をすべきです。
第2に、保険料について、今回の計画検討に当たっては、第4期計画で8億円を取り崩す予定が給付費の支出が下回ったことから、介護給付費準備基金残高はさらに積み増しし、16億円余となっています。基金を活用し、保険料の引き下げをすべきです。段階区分もさらにふやすべきです。特に、低所得者には減額制度拡充による軽減対策を検討することを求めます。
第3に、施設整備のおくれは、依然として介護の負担が家族にのしかかっており、ショートステイなどの入所施設の増を図る上でも、計画未達成となっている中南部地域に100床の特養ホームの整備計画を早急に達成することが必要です。
東中野五丁目区有地を活用しての50床の特養ホームが2013年4月に開設されますが、特養ホーム、老健施設の数は現在23区の中では、その数は下位の22位です。国・都・区有地を積極的に生かして南部地域への特養ホームの建設を具体化し、実現することを求めます。
介護保険の最後に、現行の制度では、要支援と認定された方は全国一律の基準で介護保険のサービスを原則1割負担の利用料で受けられます。厚労省が今国会に提出予定の介護保険法改定案では、要支援と認定された方は、保険サービスの対象外とするかどうかは市町村で判断し、保険外サービスとして実施されている地域支援事業に組み込む案となっています。要支援の認定者は、区内で約3,200人、何らかのサービスを利用している人は7割の2,200人です。これらの方々がヘルパーによる生活援助などの現行の保険サービスを取り上げられることになり、保険給付が切り下げられることになりかねません。中野区も、国の動向を見るでは済まされません。国分寺市では、保険料の負担増抑制のための国庫負担の増、軽度者への保険給付の継続など、介護実態を踏まえ、要望書を提出しています。区として、国に対して意見を出すべきです。答弁を求めます。
高齢者福祉についてお聞きします。
中野区においては、在宅における区独自の高齢者福祉のサービスが実施されていません。現在、おむつサービス、火災安全システム、三療サービスなどの8事業が実施されていますが、いずれも東京都事業をやっているにすぎません。高齢者福祉の充実のためには、介護保険以外の選択メニューを準備することです。渋谷区で始まったホームヘルパー派遣事業も実施の区がふえています。中野区もホームヘルパーの派遣事業に乗り出すべきではないでしょうか。高齢者がいつまでも元気に地域の中で自立できるよう支援していくには、まず高齢者の実態把握がどうしても必要です。
中野区も区の責任において、例えば介護保険の要介護認定を受けていながら介護保険サービスを利用していない方、介護保険の要介護認定を受けていない高齢者のうち、2年以上医療及び区民健診を受けていない方、対象を明確にし、直接訪問面接による調査を求めます。
また、熱中症対策についても、高齢者訪問調査での危険度の高い区民の実態把握と注意喚起、さらには区有施設の活用で対応していくことなども具体的に検討すべきではありませんか。お答えください。
次に、教育行政についてお聞きします。
少人数学級の学校統廃合について。
政府は、今春から公立小学校の35人学級に向け、小1について、現行の40人から35人に引き下げる改正案を閣議決定しました。改正案の附則には、小2から中3までも順次、基準改定を検討すると明記しています。
少人数学級の教育的効果は歴然であり、長年の国民的運動で31年ぶりでの引き下げとなります。東京都が実施した昨春の40人学級から39人学級で、区内で小学校3学級、中学校1学級がふえることになりました。今回の35人学級は、中野区の学級編制にこの4月どのように影響するのか、お聞きします。
新宿区では、小学校2校を統合するかしないかの検討協議会で、1月20日、区教委の代表が、「子どもの数が増加傾向にあること、35人学級が実施されれば施設面からいって物理的に無理でないか。統合を見送って、地域と教育委員会が協力して子どもをふやすために努力していく」との発言もあり、統合計画を見送りの方向に踏み出したとの報道がありました。
中野区は、05年に作成した統廃合計画の中期・後期計画を変えないで実施するとし、そのスケジュールを3月までに出すと言っていました。明確な理由は示さず、公表を先送りしています。どこでどのように検討しているのか、区民関係者に検討状況をなぜ公開しないのか。加速する少人数学級の新しい流れを考えるならば、少人数を指導する場合の教室や普通教室そのものが不足することは明確ではありませんか。まず、中期・後期計画を撤回すべきです。お答えください。
学校施設の整備についてお聞きします。
桃園第二小学校は、ことし創立90周年を迎えます。児童数の増加で、体育館に併設の高齢者在宅サービスセンターを閉所し、教室の増に備えます。昨年11月に桃園第二小学校の施設の改善について、PTAより要望書が議会に出されました。学校は、本校舎と体育館棟は道路をまたぐ構造となっているために、雨の日など大変な思いを児童はしています。増設する教室に雨の中を給食ワゴン車で本校舎から運ぶことにもなります。安全対策上からも、雨よけ設置要望にこたえるべきではありませんか、お答えください。
谷戸小学校の耐震建てかえによって、長期間の工事となります。授業への影響を最小限にとどめる努力を求めるとともに、学校、地域からの長年の要望であります地下体育館へのエレベーターの設置をこの工事にあわせて実現すべきと考えますが、お答えください。
次に、山手通りの環境と安全対策についてお聞きします。
山手通りの中野区間の街路整備は、この3月で完了となります。この間、計画は大幅に変更され、6車線計画を4車線とし、中央分離帯を縮小、歩道を5メートルから10メートルに広げ、自転車帯の設置などの改善が行われました。地下高速道路の排気ガス対策も換気所に脱硝装置を設置し、二酸化窒素等の除去をするとともに、換気塔の大きさ、排気塔の高さを縮小し、地域にとって負担を軽減するものにできました。
整備は進みましたが、自転車と歩行者を区別する標識が認識されず、危険な状態も発生しています。標識はありますが、役割を果たしていません。自転車と歩行者を区別できる標識等の対策を求めるべきではないでしょうか、伺います。
また、一部に歩道の改善すべき段差の箇所や民地と道路との段差による雨水対策なども残されており、中野区間の全体を区として調査し、問題箇所の改善を3月までに解決するよう東京都に求めるべきです。
私は、昨年の9月15日の本会議で、東中野換気所の2本の換気塔の上部に排ガスによるすすが付着していることを指摘しました。首都高によると、調査の結果、8月の猛暑で地下トンネル内の排気機能システムの設計ミスにより、1日約7万台の排ガスを処理せず、生の状態で40日間も換気塔から排出していたとのことです。この事故を指摘するまで隠していたことも問題です。
首都高は、毎月、排ガス処理のデータ数値をホームページ上で換気所ごとに公開しています。昨年10月には、トラブルが発生した東中野喚起所の8月のデータは公開表示されていません。今回、データの開示を求めたところ、通常稼動と変わらない除去率の数値を入れ込んで発表しています。これはデータのねつ造です。毎月公開されている数値のデータそのものが疑わしくなります。東京都と首都高の管理責任を明らかにさせるべきです。事故の発生について、当該自治体に報告させることも求めるべきではありませんか、お答えください。
換気所の排気ガス処理状況や装置の稼動状況は、首都高から一方的に発表される情報のみです。これまで私は区に対し、排ガス処理数値をリアルタイムでだれでも確認できるように要求すべきだと求めました。しかし、その必要性を区は否定し続けています。首都高が40日間も事故を放置し、隠し、データを操作し、ねつ造してきたことが明らかになった以上、中野区は首都高の言いなりにならず、リアルタイムでの除去率提示、公開を要求すべきです。答弁を求めます。
最後に、東中野の東口エスカレーター・エレベーターの設置についてお聞きします。
これまで東口利用の地域住民、商店街、老人クラブの方々とJR東中野に要望署名を提出してきました。さらに、地域の「住みよい東中野をつくる会」の皆さんが早期に東口のバリアフリーを求める要請行動を行っています。中野区は、東口エスカレーター・エレベーターの設置については、「JR東日本に対し、区として今後とも要請を続けていきたい」とのことでした。どのように行動されたのか、お聞きします。
東口改札口までは道路から34段上り、さらに34段の駅階段で、合計68段上って改札口です。06年交通量調査で、駅利用者の数は、エスカレーターのある西口南側の利用者が8,300人であるのに対し、東口は南北合わせて1万7,400人の利用者です。東口へのエスカレーター・エレベーターの設置を求める根拠は整っています。JRが設置する気になりさえすれば、改札からホームまでのエスカレーター・エレベーターの設置は先行してできるはずです。また、ホームのベンチも、西口側には2カ所設置されていますが、東口、すなわち新宿寄りには、ホームにベンチさえ設置されていません。あわせて東口のバリアフリー対策を強く求めるべきです。答弁を求め、すべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。
社会保障制度を将来にわたって安定的なものとして設計をしっかりとつくり直していく、そのためには増税についても、さまざまな方策の一つとして増税についても必要性を認めるべきだ、このような考え方を私は持っております。そういったことについて、けしからんというような御発言でありましたけれども、高齢化を迎えて、国でかかっていく社会保障の経費というのは刻々とふえ続けているわけであります。ふえる経費をどうしていくのか、そのことについてきちんとしたお考えをお示しになるべきではないかと、こう思うわけです。企業からとればいいというようなこともあったようにちょっと聞こえましたけれども、企業がたくさん税金を負担すれば、それは勤労者の給料が下がる、あるいは物価が上がる、あるいは企業は資本で動いていきますから、外国に逃げていってしまう、そうしたことにつながるわけであります。仮に企業が負担をしたとしても、いずれそれは国民経済全体の中で日本国民が負担をしなければならない、そのことには違いがないのでありまして、給付に対して必要な負担を確保するべき方策として、何らかの形で税、保険料などをふやしていく、このことが必要になるということについては、この議会の中でも多くの方はやむを得ないとお考えになっているのではないかと、私は思っているわけであります。将来にわたって安定的な社会保障制度を構築することこそが、住民の福祉の増進を図ることにつながる、そのように私は考えているわけであります。
区役所の移転建てかえ問題についてであります。
区庁舎移転の検討を進めている段階でありまして、現時点では庁舎建設の想定額についてはお答えできません。
区庁舎の移転建てかえ計画につきましては、新しい中野をつくる10か年計画に基づき、区役所、サンプラザ地区を広域的な集客力を備えたまちの顔として整備することとあわせて、着実に進めていかなければならない、こう考えております。
中野駅地区の第2期、第3期の整備費用の見込みについてであります。
中野駅地区整備については、その内容、時期、整備手法などを検討しているところでありまして、想定事業費については、整備の内容を明らかにする中でお示しをしていくべきと考えております。
それから、木造住宅の耐震改修工事助成、リフォーム助成についてであります。
木造住宅の耐震改修工事に関しては、耐震補強設計費及び工事監理に要した費用について5万円の助成を行っております。補強工事費用そのものの助成は考えておりません。
住宅リフォーム助成については、住宅の改修を行う際に、資金の調達が困難な方に対して、民間金融機関の融資のあっせんを行っており、特に耐震改修にかかる住宅リフォームへの助成は考えておりません。
それから、国保特定健診や後期高齢者健診、がん検診の無料化についてであります。
区の健診を受ける人と受けない人との負担の公平性や、経費の一部を自己負担することにより健康意識の向上を図るといったようなことなどから、一定の負担をお願いしているところであります。国保特定健診、後期高齢者健診及びがん検診を無料にする考えはありません。
それから、青年の雇用促進についてであります。
若者の就労雇用を確保するためには、区内の雇用を生み出すための産業の活性化が大切だと、こう考えております。区としては、そのためのハードとソフトの整備をさらに進めていく考えであります。現在、実施をしておりますハローワーク新宿、杉並区との共催による合同就職面接会の内容の充実も図ってまいります。専管組織を設置する考えはありません。
それから、認可保育園の増設で待機児を解消するべきだと、このような御質問であります。
区立保育室事業や区立認可分園計画については、待機児童の緊急対策として3年から5年程度の期間限定で実施するものでありまして、恒久的な認可施設の増設として実施するものではありません。認可保育所の保育定員の増につきましても、保育需要の増加に対して、既存認可保育園を最大限活用する必要があることから、児童福祉法で定められた面積基準の範囲内で、一時的な対策として実施をしているところであります。今後の対策においても、区立保育園の建てかえ民営化による定員拡大を機軸とし、保育需要の推移を踏まえ、年度ごとの需要に見合う保育サービスを認証保育所や家庭福祉員、幼稚園預かり保育など、多様な施策によって提供してまいりたいと考えております。
それから、空き施設等を活用した認可園の増設についての御質問であります。
廃園された保育園等は、新しい中野をつくる10か年計画において、今後の活用を計画化されている施設や耐震性が低いなどの問題がある施設でありまして、今後とも保育園としての活用は考えておりません。
旧住吉保育園につきましては、小規模多機能型居宅介護施設等に活用されることになっておりまして、保育園施設として活用する考えはありません。
それから、内閣府の少子化社会対策会議で出されました子ども・子育て新システム制度案要綱についての御質問であります。
これについて、現在検討中であると聞いております。対策会議の考え方を政府がどのように受けとめているかは定かでありません。また、この間の政府・与党の動向などから見て、現時点でこの制度案要綱について正面から受けとめてコメントする意義はないのではないかと、こう考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教育行政につきまして、35人学級の学級編制への影響の御質問がございました。
小学校1学年で35人学級編制が実施された場合、学校によっては学級数が増加する可能性があると考えてございます。
次に、これに伴いまして、学校再編計画の中止についての御質問がございました。
これからの中野の教育検討会議であった報告への取り組み、児童・生徒数等の推移の調査など、教育委員会事務局でその検討を現在行っているところでございます。また、前期の統合校でアンケートを実施するなど、現在その検証に向けた事務を進めているところでございまして、その結果につきましては、23年度にも御報告をしたいというふうに考えております。また、学校行事などの集団活動の活性化や多様な子ども同士の触れ合いによる社会性をはぐくむには、一定の集団規模を確保することが必要であり、したがいまして、中・後期の再編計画について検討を中止する考えはございません。
次に、桃園第二小学校PTAの御要望につきまして御質問がございました。
桃園第二小学校のPTAから要望がございました雨よけの設置につきましては、直ちに対応することは難しいと考えてございます。
最後に、谷戸小学校体育館へのエレベーターの設置でございます。
体育館棟へのエレベーターの設置工事につきましては、校舎の改築、耐震補強工事の終了後に行う方向で検討してございます。
〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、介護保険と高齢者福祉についての幾つかの御質問にお答えをいたします。
初めに、介護保険制度の改定についての御質問にお答えをいたします。
まず、介護保険事業計画に係る実態把握調査についてでございます。
今回実施する調査は、要介護、要支援認定者等の保健福祉や介護保険のサービスの利用状況や今後の利用意向等から、区全体のサービスの必要量を把握するために行うものでございます。調査を効率的に行うことも必要でございまして、訪問による方式で実施することは考えてございません。
次に、介護保険料の設定についてでございます。
介護給付費準備基金は、保険給付に要する費用に不足が生じた場合に、当該不足の財源に充てることで保険料と給付のバランスを保つためのものでございます。また、保険料の所得段階区分につきましては、第4期介護保険計画におきまして、第3期の8段階から12段階に大きく段階をふやし、低所得者の保険料負担の軽減を図っているところでございます。また、減額制度については、現行制度を維持していきたいと考えているところでございます。具体的には、第6期中野区保健福祉審議会の審議内容や答申を踏まえて判断をしたいと考えているところでございます。
次に、特養ホームの整備についてでございます。
第4期介護保険事業計画におきましては、中南部に100床を整備することとしておりまして、現在、中部圏域におきまして50床の整備が具体化したところでございます。引き続き整備の可能性について追求してまいりたいと考えてございます。
次に、総合サービスの導入についてでございます。
介護保険制度の見直しで国が提案している保険者の判断による予防給付と生活支援サービスの総合的な実施を可能とする仕組みにつきましては、制度改正に関する説明会もこれからでございまして、詳細が不明でございます。詳細な内容を把握した上で、保健福祉審議会の審議も踏まえながら検討していきたいと考えているところでございます。
それから、高齢者福祉についての御質問にお答えをいたします。
まず、高齢者の訪問調査についてでございます。
区は、行政としての責任と役割を果たすため、すこやか福祉センターを区内4カ所に展開をし、福祉に関する総合相談や包括ケア等、職員が地域に積極的に出て、地域の実態把握を行うアウトリーチの福祉を展開していく考え方でございます。
最後に、区の独自のホームヘルプサービスとそれから熱中症対策についてお答えをいたします。
高齢者等へのホームヘルプサービスにつきましては、区の補助事業として社会福祉協議会でほほえみサービスや高齢者困りごと支援などのサービスを行っているところでございます。したがって、区が直接ホームヘルプサービスを実施する予定はございません。
高齢者の実態把握につきましては、毎年民生児童委員によるひとり暮らし高齢者等確認調査で実施をしているところでございます。今後は、すこやか福祉センターにおきましても、実態把握のための訪問調査を実施していく予定でございます。
熱中症への注意喚起につきましては、民生児童委員の訪問の際や高齢者の集まりなどでチラシを配布するなど、機会をとらえて訴えていきたいと考えてございます。
また、夏季の日中につきましては、高齢者会館などへの来館を積極的に呼びかけたいと考えてございますが、開館時間以外の対応につきましては、人的配置の問題もございますので難しいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、山手通りの環境と安全対策及び東中野東口のエレベーター・エスカレーター設置につきましての御質問にお答え申し上げます。
まず初めに、山手通りの自転車通行に関しましての御質問でございます。
山手通りにおきましては、自転車に対する路面表示などの追加対策が行われてございます。東京都におきましても、安全対策につきまして十分配慮が行われているものと承知しておりまして、区がそうした対応、当然の取り組みに対しまして特段の要望をすることは考えてございません。
また、民地との段差と舗装につきましての御質問でございます。
山手通りにつきましては、現在工事期間中でございまして、事業者でございます東京都が当然に対応すべきものと考えてございます。そうした段差の問題、情報や要望等が区に提供されれば、都に伝えてまいります。
次に、東中野駅東口のエスカレーター・エレベーターの設置についての御質問でございます。
東中野駅西口整備の協議とあわせまして、東口のバリアフリー化につきましてこれまでも要請してきたところでございますが、駅の構造や地形などもありまして、現時点では整備が難しいと承知してございます。
以上でございます。
〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、東中野換気塔の測定データの提供を求めることについてお答えいたします。
二酸化窒素などの測定データは、適宜首都高のホームページで公表されているところでございます。また、御質問にありました件につきましても、首都高から連絡を受けているところであり、原因につきましても、昨年夏の猛暑のため換気システムの運転能力を高めたところ、非常用運転の稼働域に達してしまって、除去装置を通らない排気が起こったためとの説明を受けたところです。非常用の経路は、通常時運転に加えて稼働するシステムであるため、通常時の経路に当たる除去装置を経た換気のデータ測定は可能であったため、後日ホームページにデータ掲載をしたということでございます。
区は、首都高からこうしたことが、同じことが起こらないようにする非常停止の対策が講じられた報告を受けておりますけれども、今後とも管理に万全を期すよう、改めて求めたところでございます。
また、測定データにつきましては、実測値の1日平均値を算出するなどの必要がありまして、リアルタイムでの公表はできないということもあり、区としてはこうしたことを求める考えはないということでございます。
以上です。
○議長(伊藤正信) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時48分休憩
午後3時10分開議
○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。
議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 区職員の再就職について
2 未収金対策について
3 ハイティーン会議について
4 その他
○議長(伊藤正信) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○7番(森たかゆき) 平成23年第1回定例会におきまして、民主クラブの立場から一般質問をいたします。
質問は、1、区職員の再就職について、2、未収金対策について、3、ハイティーン会議について、4、その他では、日中独居の方への対応についてと契約の基本方針についての2点です。順にお伺いをいたしますが、その前に、昨日の区長の施政方針説明に関連して少々申し上げます。
昨日の施政方針説明の中で、区長は、愛知県で行われたトリプル選挙の結果について、「危険の萌芽」という表現で懸念を示されました。私もその懸念については理解をするところでありますが、しかし、地方政治の場にある人間としては、それを主導した人間のポピュリズム的手法を非難するだけではいけないと考えております。なぜならば、その方の主張が住民から圧倒的に評価をされた、これは紛れもない事実だからであります。その圧倒的な支持の背景には何があるのか、ここを考えなければいけません。
私自身は、その背景には、これまでの政治、行政に対する根強い不信、不満があると思っております。これは2009年8月の衆議院議員総選挙の場合も同じでした。2009年9月16日に発表された鳩山内閣の基本方針は、この総選挙の結果を「国民の政治へのやり切れないような不信感、従来型の政治行政の機能不全への失望とそれに対する強い怒り」によるものであるとの考えを示しています。政権交代から1年半が経過した今、民主党政権は大変厳しい御批判をいただいておりますが、私は、その原因もまた総選挙の際にお約束をした従来型の政治、行政からの転換が十分に行われていないと見られている、このことにあると受けとめております。
今、政治、行政といった「公」をほぼ独占的に担ってきた人たちに対する不信不満が高まる一方、企業の社会的責任が問われ始めたり、市民のNPO活動が広がりを見せたりと、「公」の新しい担い手があらわれ始めています。最近では、収益の確保と社会問題の解決を両立させることを目指す社会的企業、社会起業家という存在も注目を集めています。これからの時代、政治や行政は、こうした新しい公共の担い手たちとその提供する価値を比較されることになります。そして、その比較の土台に上がるためには、まずもって国民の間に広がっている政治、行政への根強い不信感を払拭しなければいけません。
私は、地方政治の場においては、議会と行政が緊張関係を保ちつつ、協働できる部分は協働しながら、また競争するべき部分は競争しながら、住民からの信頼の回復を目指さなければいけないと考えております。
今回の一般質問においては、私は計五つのテーマを取り上げますが、その背後には、信頼回復という一つの大きなテーマがあります。各テーマへの回答から、区が信頼回復についてどのように考えているのか、それが明らかになるようなテーマ、質問を選択したつもりでございます。区長、理事者の皆様におかれましては、そのことを念頭に入れつつ、真摯な御答弁をいただきたいと思っております。
それでは、区職員の再就職についてお伺いをいたします。
中野区では、平成18年に「中野区職員の民間企業等への再就職に関する要綱」を定めています。これはいわゆる天下りを自粛させるものとして高く評価するべき取り組みです。しかし、この要綱がつくられた半年後、今回取り上げるもう一つの要綱、「中野区が人材支援を行う法人等への中野区職員の再就職に関する要綱」がつくられました。民主クラブといたしましては、この要綱について、天下りの抜け道をつくるものであり認められない、廃止をするべきであると主張をしてまいりました。しかし、実際には、廃止をするどころか、2度の改正を経て、対象法人が3団体から5団体にふえております。そのことを踏まえ、この二つの要綱の運用状況についてお伺いをいたします。
まずは、「中野区職員の民間企業等への再就職に関する要綱」についてです。
現在、当要綱の定めに従ってホームページで公開されている「中野区を退職した職員の再就職の状況の公表について」という記事の最終更新日が2009年12月となっています。当要綱の第9条では、1年に1回は更新をすると定めておりますが、前回の更新から1年以上が過ぎております。これは、この1年間には要綱に定める公表するべきケースがなかったと理解してよろしいのでしょうか。
また、もし該当のケースがなかったとしても、1年に1度公表すると定められているにもかかわらず、何の更新もされなければ、区民から疑念を持たれる可能性もあります。公表を忘れていたという過去の経緯なども考えると、該当のケースがなければないで、「該当なし」というような公表もするべきではないでしょうか。見解をお伺いします。
続いて、「中野区が人材支援を行う法人等への中野区職員の再就職に関する要綱」についてお伺いします。
まず、当要綱の施行後、要綱中に定められた各団体に再就職した方の人数と時期を教えてください。
続いて、2度にわたる改正により、対象法人が3から5にふえた点についてお伺いをいたします。
2009年9月の決算特別委員会の我が会派佐伯議員の質疑の中で、最初の三つの法人を指定した理由として、「これまで人材支援をしておりますし、これからも区が区政目標を実現するために積極的に人材支援を行う法人ということで指定いたしました」との答弁がありました。逆に申しますと、この時点では、この3法人以外は、「区が区政目標を実現するために積極的に人材支援を行う法人」には当てはまらないと判断されたのではないのでしょうか。後から追加された二つの法人について、最初に対象となっていなかったにもかかわらず、その後対象となった理由をお聞かせください。
さらに、当要綱の中で使用されている「紹介」という言葉についてお伺いします。
国においても、東京都においても、天下りをめぐる議論の際には、必ずといっていいほど、行政側から、「あっせんはしていないが、問い合わせがあれば紹介をしている」、このような説明がなされます。私には、この「あっせん」と「紹介」の違いが何度聞いても理解できません。「あっせん」と「紹介」は何が違うのでしょうか。御説明を願います。
続いて、こちらも当要綱の中で使用されている「区政目標」という言葉についてお伺いをいたします。
区の目標体系には、さまざまなレベルでの目標が定められておりますが、要綱の中の区政目標とは、どのレベルの目標のことを指すのでしょうか。
実際の目標の文言を見ると、上位の目標である部門の目標などはかなり抽象的に書かれております。これも区政目標に含まれるとすると、「区が区政目標を実現するために積極的に人材支援を行う法人」に該当する法人は無制限に広がってしまうように思いますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。
当要綱中に現在記載されている五つの団体と区政目標の関係についてもお伺いをいたします。
五つの団体について、それぞれどの団体がどの区政目標に合致するのでしょうか。人材紹介により、区政目標が具体的に実現した事例があれば、あわせて御答弁ください。
この項の最後に、もう1点お伺いをいたします。
先ほども申しましたとおり、我々民主クラブといたしまして、この要綱は天下りの抜け道をつくるものであると認識をしております。そしてまた、2度の改正で対象法人をふやしている、この点につきましては、天下りの抜け道の拡幅工事、3車線から5車線にふやしちゃった、場当たり的に天下り隠しをしている、このように考えています。区民の方から見ても、結局中野区は天下りを容認しているのかと見られてしまうのではないでしょうか。区としては、天下りではなく、単なる紹介であるという認識なのでしょうが、こうした紹介を行うことが、区民に区政に対する疑念を持たれてしまう原因となるのではないかと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
続いて、2、未収金対策についてお伺いをいたします。
未収金対策については、これまでも再三議論となっており、民主クラブといたしましても、議会や予算要望の中で対策を求めてまいりました。平成21年度決算における収入未済額約74億円、不納欠損額約14億円という、金額の大きさはもちろん、負担の公平さ、特に給料から天引きで支払いをしている会社員の方から見た場合の不公平感という観点から見ましても、未収金対策は強力に進めていかなければいけません。
そこで、まずは昨年の第4回定例会において成立した中野区組織条例の一部を改正する条例について関連してお伺いいたします。
私ども民主クラブは、この条例に定められた組織変更は拙速であると考え、反対をいたしましたが、成立した条例について、今からあれこれと申し上げるつもりはございません。しかし、現在議論されている内容に関する部分で見過ごせない点がございますので、質疑をさせていただきます。
この組織改正条例において、税、国保、介護保険の担当が区民サービス管理部にまとめられることとなりますが、一方で、未収金対策の部署は経営室の担当となります。所管の部署が分かれてしまうことで、組織的な、効果的な未収金対策が可能なのか、疑念があります。未収金対策の具体的な方法については、現在検討中であるとのことですが、本来ならば対策の方針を定めてから、それを効果的に実現するためにはどういった組織体制をつくるべきか、こういう検討がなされるべきであると考えますが、今回はこれとは逆で、組織が決まってから対策を考えるという順になっております。どうしてこのような順番になったのでしょうか。我々が指摘した拙速さがここにもあらわれているのではないかと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
続いて、徴収業務に当たる職員の育成についてお伺いをいたします。
未収金対策を進めるに当たっては、組織体制とあわせて徴収ノウハウの蓄積や人材の育成も非常に大切であると思いますが、現在、区ではどのような取り組みをされているのでしょうか。徴収吏員の育成には、数年単位での時間がかかるとも聞いております。徴収吏員として一人前になった職員がその直後に異動してしまえば、せっかく育成した能力が存分に生かされないこととなってしまいます。こうしたことがないよう、人事異動上の配慮はされているのでしょうか。お聞かせください。
さらに、臨戸徴収についてお伺いをいたします。
昨年行われた臨戸徴収の結果について、委員会等で何度か御報告をいただいておりますが、いずれも担当職員さんの負担に比べて効果が薄いのではないかと受けとめております。区では、臨戸徴収の結果をどのように分析されているのでしょうか。
また、本来そもそも払うべきものを払わない人に対して、こちらから出向いてお支払いをお願いする、この点についても違和感がありますが、来年度も実施をする予定なのでしょうか。お聞かせください。
この項の最後に、滞納整理支援システムについてお伺いをいたします。
滞納整理支援システムは、当初の予定からおくれて、昨年の11月末、ようやく稼働をいたしました。実際に収納率向上につながる成果が出てくるのはこれからだと認識しておりますが、現場の職員さんの事務負担軽減の部分については、既に効果を発揮しているともお伺いをしております。
この点を踏まえてお伺いをいたします。
昨年の本会議で、滞納整理支援システムについて、介護保険料を含む国民健康保険料についても導入を検討するとの答弁がありましたが、来年度予算には予算の計上がされていないようです。これは予算全体の中で今回こうした判断が下されたというだけであって、国民健康保険分野の滞納整理支援システムの導入については引き続き検討していくという理解でよろしいのでしょうか。職員さんの負担軽減、収納率向上の観点から、ぜひとも導入に向けての検討を進めていただきたいと思っております。見解をお聞かせください。
続きまして、3、中野区ハイティーン会議についてお伺いいたします。
先月、1月30日、2010年度中野区ハイティーン会議が開催されました。ハイティーン会議とは、区のホームページの説明によると、「中学生・高校生世代が毎日の生活の中で気になっていることや疑問に思うことの中からテーマを設け、必要に応じて関係する機関への取材なども交えながら解決策を導き出す子どもたちの会議であり、最後の会では、話し合った内容を区民、区長、教育長に報告する」という催しです。
今回は、テーマが、東京都青少年健全育成条例ということもあってか、多くの一般の方も来場されておられました。私も当日出席をさせていただきましたが、そうした中でも堂々と発表、意見交換を行う13人の中高生の姿に、非常に感銘を受けました。区長、教育長もお忙しい中、意見交換会の最後まで出席をされていて、参加した生徒さんにも、一般参加者の方にも大変貴重な機会となったのではないかと思います。
お聞きしたところによりますと、この13人の中高生は、この日のために7カ月前から準備を始めていたとのことです。担当職員の皆様においては、さまざまな御苦労や休日出勤などの御負担もあったかと思いますが、大変すばらしい取り組みであり、今後ともぜひとも継続していっていただきたいと感じました。
しかし、そうした中でも課題もありました。13人の参加者の中に、区立中学校の生徒が1人もいなかったのです。過去3年間の参加状況を見ても、延べ40人に対して、区立中学校の生徒の参加は2人のみだそうです。当日、教育長からこのことに対して「残念だ」という趣旨の発言もあったかと思いますが、改めまして区としてのこの状況に対する見解をお伺いいたします。
区立中学校の生徒が集まらない理由を区としてどのようにお考えでしょうか。このイベントの告知はホームページ、区報でも行っているとのことですが、私はやはり学校内での先生から生徒への直接的な声かけが一番効果的なのではないかと思います。その点で、参加者の多い学校と区立中学校の間での差はないのでしょうか。
こうしたイベントは、無理やり参加してもらうというよりは、自主的に参加をしてこそ意義のあるものだと思いますが、区立中学校の生徒の中にも、何となく興味があって、少しのきっかけがあれば参加していたというような子もいるのではないでしょうか。せっかくの取り組みなのですから、そうした生徒の背中をちょっと押してあげられるような周知、声かけをしていくべきだと思います。
時期の問題についてもお伺いをいたします。
本年度のハイティーン会議は、1月の実施でした。区立中学校の3年生にとっては、受験シーズンとかぶっているのではないでしょうか。彼らの参加へのハードルを下げるためにも、実施時期をずらすようなことは考えられないでしょうか。お聞かせください。
ここまで、周知方法、実施時期といった、ややテクニカルな部分についてお伺いをいたしましたが、私は、もしかしたらもう少し本質的な理由があるのではないかという懸念も持っております。それは区立と私立での教育格差が生じていないか、こういうことです。今回も、当初は区立中学校の生徒さんも参加されていたと聞いております。今回の個別の事情については把握をいたしておりませんが、このことが区立の子が私立の子についていけなくなってしまっている、このことを示しているのであれば問題です。一般的な話としても、公立と私立の格差が問われている中ですので、この点に関連して質疑をさせていただきます。
私が見る限り、今回参加されていた生徒たちが、あの場で発揮していた能力は、そのままビジネスの現場でも求められるものです。2007年から2009年の間に実施された全国学力テストの結果を見ると、私立中学校の生徒の成績のほうが公立中学校の成績に比べてかなり高いことがあらわれていますが、もしこうした数字にあらわれる学力のみならず、ビジネスの現場で生かされるような、このような能力についても、区立の生徒と私立の生徒の間で差がついているとすると、私立に通わせることのできる親の子とそうでない子の間で、親の所得格差が子の教育格差となり、そして将来の所得格差となってしまう、こうしたことが懸念をされます。こうした私の懸念は杞憂でしょうか。
中野区教育ビジョンでは、一人ひとりの可能性を伸ばし、未来を切り開く力をはぐくむという教育理念が掲げられております。今回参加した生徒たちは、まさしくこの未来を切り開く力を身につけ、発表の場でその能力を存分に発揮していました。こうした力は、一朝一夕に身につくものではないと思い、会の終了後、参加者にお話を聞いたところ、学校の中で日常的にグループワーク、ディスカッション、研究発表のようなことをしているそうです。この点、公立中学校においては、こうした授業は行われているのでしょうか。行われているとすれば、その成果をどのように考えていますでしょうか、お答えください。
続きまして、4、その他の1項目め、いわゆる日中独居の方への対応についてお伺いをいたします。
先日、区民の方から、「自分は息子と2人暮らしだが、息子は仕事が忙しく、実質ひとり暮らしのようなものだ。しかし、民生委員さんはひとり暮らしの友人のところにはよく顔を出すようだが、私のところにはなかなか来てくれない」という御相談を受けました。こうした方は、いわゆる日中独居として介護の現場などでも問題となっております。2010年12月には、介護保険サービス利用について、厚生労働省から「同居家族がいるからという理由のみで介護サービスの給付可否を判断してはいけない」という内容の通知が出されるなど、公的な対応も進められております。
そこで、お伺いをいたします。現在、中野区では、地域支えあいネットワークの構築を進めておりますが、この中で、日中独居の方はどのように位置付けられているのでしょうか。基本的な考え方をお聞かせください。
日中独居の方の中には、支えあいネットワークの中で言う「支援を必要とされる者」に必ずしも当てはまらない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうした方については、現在の構想の中で考えると、御自身で手挙げをしていただく、こういうことになるかと思いますが、日常生活の中で不安を感じておられる方がこうしたルールを知らないということがないよう、場合によっては地域の方の御協力も得ながら、直接対象者に周知、働きかけできるようにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。
最後に、4、その他の2項目め、中野区入札・契約制度改革基本方針についてお伺いをいたします。
中野区は、入札・契約事務の透明性、公平性、効率性の確保を目的とし、2007年12月に中野区入札・契約制度改革基本方針を定めました。こうした基本方針を定めることは大変良いことであると考えますが、実際の運用を見ると疑問に思う点もありますので、質疑をさせていただきます。
まずは、中部すこやか福祉センターの整備に関連してお伺いをいたします。
中部すこやか福祉センターの整備は、中野区で初めてプロポーザル・デザインビルド方式を採用しました。基本方針では、この方式の導入に当たっては、学識経験者などの第三者を加えた(仮称)工事技術提案審査選考委員会を設置することとされております。しかし、中部すこやか福祉センター整備に当たっては、この機関は設置されなかったとのことです。保健福祉部からは、「初めてのケースだったので設置をしなかった」との説明がありましたが、理由にはなりません。
そこでお伺いをいたしますが、この中野区入札・契約制度改革基本方針は、入札・契約に当たってどの程度尊重されるべきものと位置付けられているのでしょうか。
せっかく基本方針をつくったのであれば、まずはそれに従ってやってみる、そして問題が発生するようであれば、それを考慮して、基本方針のほうの見直しも進めていく、こうしたPDCAサイクルを回していくためにも、むしろ初めてのケースだったからこそ、基本方針に従った対応をとるべきだったのではないでしょうか、お聞かせください。
また、今後、区内3カ所にすこやか福祉センターが設置されることとなっておりますが、このすこやか福祉センターの整備をはじめ、今後のプロポーザル・デザインビルド方式を採用する場合には、基本方針に従って、第三者機関を設置するのでしょうか、お伺いをいたします。
最後に、随意契約の位置付けについてお伺いをいたします。
中野区入札・契約制度改革基本方針は、透明性、公平性、効率性の確保を図ることを基本的な考えとしています。この考え方からすると、透明性に難があり、官製談合の温床ともなってきた随意契約はできる限り廃していかなければいけません。現在の基本方針の中では、システム調達についての記載の部分で、「安易な随意契約は抑制をする」との記載があります。これはシステム調達については、その特性上、随意契約が発生しやすいためにあえて記載をしているという理解でよろしいのでしょうか。
主要施策の成果の中でも、全契約の中での随意契約の割合を下げていく、こういう目標も定められております。そのことを考えても、区として随意契約は全体的に抑制するべきであると認識しているのでしょうか。
この点を確認させていただきまして、私の質問は終了とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 森たかゆき議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、ハイティーン会議につきまして、区立中学校におけます周知と意見表明、グループ活動の実態についての御質問にお答えをいたします。
区立中学校では、ポスターの掲示やパンフレットの配布に当たって、教員に共通に理解を図った上で、生徒に趣旨の説明を行い、周知に努めているところでございます。また、グループ活動や研究発表会は、区立中学校でも日常的に取り組んでいるところでございます。内容的には、国語や社会科に調べ学習の発表会を実施したり、総合的な学習の時間に職場体験や宿泊学習等のグループ活動を実施したりしているところでございます。自己の考えを発表する機会としては、人権にかかわる意見発表会や英語でのスピーチ発表会、英語演劇、模擬裁判等を区立中学校合同で、または各学校で工夫しながら実施しているところでございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 区職員の再就職についてお答えをいたします。
初めに、再就職の公表についてでございますが、現在、ホームページで公表している報告以降に、新たに区に報告されたものはございません。中野区職員の民間企業等への再就職に関する要綱では、退職後2年間に、在職中の勤務に密接に関連する民間企業等へ再就職した場合に報告するよう要請しているところでございますが、報告がない場合にも、1年に1度その旨を公表していくこととしたいと考えております。
次に、人材支援要綱による再就職についてのことでございます。
中野区が人材支援を行う法人等への中野区職員の再就職に関する要綱による紹介に基づき再就職をした退職職員でございますが、中野区社会福祉協議会へは2008年4月に1名、中野区シルバー人材センターへは2009年4月に1名、中野区障害者福祉事業団へは3名で、2007年4月に1名、2008年4月に1名、2010年4月に1名でございます。また、中野区福祉サービス事業団へは2010年8月に1名となっております。
2010年に二つの団体を対象に加えましたのは、両者がともに区政目標を実現するために欠かせない取り組みを行っているということでございます。
次に、「紹介」と「あっせん」の言葉の違いについての御質問がございましたが、一般的に、「あっせん」という言葉からは、行政の監督、指導などの権限を背景に特定の人を団体等に送り込むといったとらえ方をされるものだと思いますが、区が行っている要綱による「紹介」は、あくまでも団体からの人材に関する情報提供の要請があったときに行うものであり、「あっせん」には当たらないと考えております。
国におきましても、天下りに関する公式見解の中で、あっせんを受けずに再就職をした場合には天下りに該当しないというような見解が示されているところでございます。
次に、再就職と区政目標についてでございますが、部門、分野、施策といった区政目標全体をこれは指すものでございます。対象となる法人等は、その活動が区政目標の実現に大きく寄与することが前提であり、区政目標と照らしながら判断をしているものでございます。
現在、人材支援を行っている法人は、それぞれの団体が設立の目的に沿った活動を通じて福祉の向上など区政目標に貢献し、その実現につながっていると考えております。
この要綱は、区民から職員の再就職に関して誤解を受けることのないよう、公民の癒着の批判を受けることのないよう制定をしたものでございます。
次に、未収金対策のうち、人材育成と人事異動についてお答えを申し上げます。
人事異動につきましては、人材育成の視点と組織力の強化の視点から行っているものでございます。税や保険料の徴収など、専門的な知識、経験が求められる職務については、それに精通した職員を育成し、活用していくことが必要であると考えております。
次に、その他の項で、契約に関する御質問にお答えをいたします。
初めに、入札・契約制度改革基本方針の位置付けでございます。
入札・契約制度改革基本方針、平成19年12月に定めたものでございますが、これは総合評価制度の導入をはじめとした入札・契約事務のさらなる改革に取り組み、より高い透明性、公正性、効率性の確保を図るための区の基本方針でございます。今後整備する施設にこうした効果が期待できるか否か、案件ごとに見きわめながら、導入の可否を検討していきますが、第三者による提案審査へのかかわり方についても、その中で考えていきたいというふうに考えております。
次に、随意契約の問題でございます。
自治体の契約は、地方自治法の規定によりまして、一般競争入札を原則としており、指名競争入札や随意契約は、政令で定める場合に該当するときに限り認められております。これを受けまして、中野区におきましても、契約事務規則や中野区企画提案公募型事業者選定施行要領の中で、随意契約によることができる場合を定めております。また、特に業者指定による特命随意契約につきましては、法的な要請や契約の性質、その他の事情により、特定の事業者でなければ契約の業務を履行できないなど、真に契約の相手方を特定する必要がある場合に限定をしているところでございます。
私からは以上でございます。
〔管理会計室長尾﨑孝登壇〕
○管理会計室長(尾﨑孝) 私からは、未収金対策についての御質問にお答えいたします。
まず、未収金対策と組織改正についてでございます。
今回の組織改正は、目標体系等の見直しの中で検討した結果であり、未収金対策、債権管理を効率的、効果的に行うという視点からも検証をしております。区民サービスに直結する戸籍住民、税務、保健医療、介護などの分野を区民サービス管理部に配置し、特別区民税や国民健康保険料などの徴収に当たっても、相互の連携を強化できる組織体制としたものでございます。また、未収金対策や債権管理の全体方針、全庁的な連携調整及び進行管理は、経営室経理分野が所掌し、経営本部体制の中で推進していくこととしているところでございます。
次に、税務及び国民健康保険の徴収を担当する職員の育成についてでございます。
徴収を担当する職員につきましては、年間研修計画に基づきまして、経験年数に応じた内容の実務研修を通年で行っているところでございます。また、関係機関が実施する専門研修にも積極的に参加するとともに、日常業務を行う際にも、ベテラン職員が新任職員に対して実地で指導を行い、ノウハウの継承と知識、能力の向上に努めているところでございます。
次に、全庁一斉臨戸徴収についてでございます。
全庁一斉臨戸徴収につきましては、特別区民税、国民健康保険料、合計で、当日470万円を超える実績がございました。特別区民税で申し上げれば、今回の全庁一斉臨戸徴収は、例年実施している管理職臨戸徴収の約2倍の人員体制で臨み、さらに約1カ月後、臨戸徴収対象ケースの納付状況を調査したところ、納付された総額は、管理職臨戸徴収の場合の約3倍の実績があったものでございます。
また、今回の全庁一斉臨戸徴収では、徴収体験を通して区民生活を知り、コスト意識を高めるためなど、職員育成の機会として採用1、2年目の職員を従事させましたが、実施後のアンケート調査では、多くの職員が臨戸徴収の意義、目的の理解を深めたことがうかがわれ、職員の意識改革の契機となったと認識しております。全庁一斉臨戸徴収は、十分な成果があったと認識しております。来年度につきましては、さらに拡大して実施する予定でございます。
最後に、滞納整理支援システムの活用についてでございます。
特別区民税の滞納整理支援システムにつきましては、財産調査や滞納処分の文書を自動で作成したり、滞納者との交渉記録をシステムに直接入力して、情報共有を容易にしたりするなど、事務の効率化に活用しております。今後は、滞納整理業務の進行管理をさらに徹底するために活用してまいりたいと考えております。
国民健康保険料の滞納整理支援システムにつきましても、収入率向上のために必要だと考えておりまして、住民情報系システムを含めた全体最適化を図る中で、導入について検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、ハイティーン会議の御質問のうち、区立中学生の参加の少ない原因について及び発表会の開催時期についての2点の御質問についてお答えをさせていただきます。
区立中学校に対しましても、私立校、国立校、都立校に対するのと同じ形で呼びかけを行っているところではございますが、1月実施というこの時期につきましては、受験を控えているということから参加しづらい面もあるという意見があるというふうに聞いているところでございます。
このハイティーン会議の発表会の時期でございますが、昨年までは3月に実施を行ってございました。今年度は参加者の意向を踏まえまして、1月に実施をするというふうに変更を加えたところでございますが、来年度の開催につきましては、さらに改善を加えたいと考えてございます。区立の中学生の参加の視点も含めまして、開催日を決めていきたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、日中独居となる高齢者の対応について、御質問にお答えをいたします。
現在、民生委員が必要に応じて訪問を行ってございまして、独居、非独居の区別はしてございませんが、区からの依頼によりまして、毎年70歳以上の独居高齢者、75歳以上の高齢者のみの世帯についての実態調査を年1回行っているところでございます。日中独居高齢者だけの数につきましては、把握はしてございません。
それから、支えあいネットワークとの関連での御質問でございます。
地域支えあい活動は、地域で支援を必要とする方を対象としておりまして、日中独居など、日常生活に不安がある世帯なども対象となると考えてございます。また、地域支えあい活動の広報の一環といたしまして、区報や地域ニュース、その他関係団体での説明など、機会をとらえて十分な広報活動を行っていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔森たかゆき議員登壇〕
○7番(森たかゆき) 再就職に関連して、1点だけ再質問をさせていただきます。
人材支援のほうの要綱の五つの団体と区政目標の関連についてのところで、五つの団体についてそれぞれどの団体がどの区政目標に合致するのか、具体的にお聞きをしたつもりだったんですが、御答弁がありませんでした。
さらに、人材紹介により区政目標が具体的に実現した事例、ここの説明もなかったわけですが、この辺、説明がなかったということは、人材紹介によって具体的に区政目標が実現した事例はないと考えてよろしいんでしょうか、確認させてください。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 再質問にお答えをいたします。
先ほどの答弁の中で、私は例示的に区民の福祉向上など、区政目標に貢献をされている団体ということを例示的に申し上げましたが、個別的に申し上げれば、改めて申し上げるまでもないかと思いますが、例えば、社会福祉協議会であれば、地域福祉を担う、支えあう区民という区政目標に合致をしてきますし、シルバー人材センターで言えば、就労支援や勤労者の能力向上という、それぞれ個々団体ごとに、先ほど申し上げましたように、その活動を通じて区政目標実現に貢献をしていただいているというふうに考えております。
そして、そこに人材を区として求められて御紹介をしたということでございます。そこでその人材が各団体の中で力を発揮することによって、その活動の内容も高まり、ひいては区政目標、中野区が目指す区民の皆さんの暮らしの向上といった、大きな区政目標に貢献していただいているものと考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊 東 しんじ
1 中野サンプラザを所有する「まちづくり中野21」の経営安定化と再整備に資する取り組みに
ついて
2 「子ども手当」について
3 待機児童対策について
4 名誉区民の顕彰について
5 その他
○議長(伊藤正信) 次に、伊東しんじ議員。
〔伊東しんじ議員登壇〕
○11番(伊東しんじ) 平成23年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問をさせていただきます。
質問項目は、中野サンプラザを所有する株式会社まちづくり中野21の経営安定化と再整備に資する取り組みについて、2、「子ども手当」について、3、待機児童対策について、4、名誉区民の顕彰について、その他といたしまして2点、地域センターを区民活動センターに転換するスケジュールについてと、平成5年決定された西武新宿線の複々線化の都市計画についてお伺いいたします。
最初に、中野サンプラザを所有する株式会社まちづくり中野21の経営安定化と再整備に資する取り組みについてお伺いいたします。
これについては、平成20年の第3回定例会決算特別委員会において詳しく質問させていただきました。区は、民間企業グループとの共同出資によって、株式会社まちづくり中野21を設立し、平成16年11月に中野サンプラザを取得、平成16年12月から旧運営会社による運営が始まりました。その後、株式会社まちづくり中野21は、民間企業グループにより構成されていた旧運営会社の事業撤退により、区は株式会社まちづくり中野21の議決権株式をすべて取得し、完全子会社となった新運営会社に中野サンプラザを運営させることとなりました。
しかし、その資本変更の際も、サンプラザの土地建物取得のため、融資にかわり発行されたA・B種優先株の解消はされませんでした。このA・B種優先株は、前述の目的で都市再生プライベート・メザニン・ファンド、通称都市再生ファンドに対し、A種優先株15億円、B種優先株2.7億円が発行されました。また、この増資に伴い、株式会社まちづくり中野21は、同ファンドから当初金利2.85%で13.4億円の融資も受けました。問題は、このA・B種優先株の配当条件で、A種優先株は10年償還で、その間、15億円に対し、毎年9%の配当を約束、B種優先株は、毎年の配当は実態としてないかわりに、残余財産に対し15%の配当は約束されておりました。まちづくり中野21の経営に、このことは重くのしかかっておりました。
15億円の9%は1億3,500万円、中野サンプラザの賃料収入以外に収入のない株式会社まちづくり中野21にとって、毎年1億3,500万円もの配当を実行できるはずもなく、未配当分は累積され、10年後に一括配当される仕組みになっていました。こうした厳しい配当条件の付されたA・B種優先株は、早期に解消されるべきでしたが、都市再生ファンドとの契約により、容易に解消されてきませんでした。
容易に解消されなかった理由は、都市再生ファンドの仕組みにあります。都市再生プライベート・メザニン・ファンド、いわゆる都市再生ファンドは、日本政策投資銀行と野村ホールディングスが自己資本とともに機関投資家より集めた資金を運用し、都市再生の目的に合致した事業にメザニンファイナンスを行い、そのリターンを投資家に還元する不動産投資信託のようなものです。不動産投資信託は、不動産の運用を目的に設立された特定目的会社に対し投資し、その権利は特定目的会社のみに遡及し、仮に事業が失敗しても特定目的会社に出資する会社、団体に対し権利を遡及できない、中リスクのファイナンスで、それに比例し、配当も中程度見込まれ、一般的な配当は年利換算で4から6%と言われています。
A・B種優先株は、こうした性質上、損失補償を行わないとしてきた中野区にとってありがたい反面、ある程度の配当はせざるを得なかい状況に立たされました。しかし、ある程度の配当といっても、9%の配当はあまりにも高額であったために、我が会派としても、リファイナンスを求めてまいりました。しかし、ファンドの性格上、機関投資家から集めた資金へ一定程度の配当が担保されないと解消しづらい構造であったため、現在まで解消に至っていません。あれから2年が経過し、事業も通算で6年経過した今、改めて私はこのA・B種優先株のリファイナンスについてお伺いしたいと思います。
その理由として、A種優先株の累積配当は、未配当分を含め8億1,000万円に及んでいます。この額は、15億円を10年間運用したとして、年間利回りで5.4%に相当します。A・B種優先株合わせて17.7億円を運用したとしても、4.5%の平均利回りに相当し、ファンドへの機関投資家への配当として一定の水準に達したと考えるからです。もちろんリファイナンスに際しては、都市再生ファンドからの融資分の残額も同時に繰り上げ返済が求められるかもしれません。しかし、今後もA種優先株への9%の配当が続き、さらに償還時、B種優先株による残余財産の15%の配当を考えれば、2億円以上の経費節減につながるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。その後、中野区は株式会社まちづくり中野21を通じ、都市再生ファンドにA・B種優先株の解消の交渉を行ってきたのでしょうか。その経過と、現時点での成果についてお伺いいたします。
あわせて、リファイナンスによる効果と、リファイナンスを行う場合の克服すべき課題、手続等がありましたら、御答弁をお願いいたします。
いずれにしても、株式会社まちづくり中野21の資本改善強化が再整備に際し有利に働くことは間違いのない事実です。また、このことは、大きく区民への利益につながってまいります。ぜひとも前向きな御答弁をお願いいたしまして、この項の質問を終わります。
続いて、子ども手当についてお伺いいたします。
一昨年の衆議院総選挙において、現在の政権与党である民主党はマニフェストを掲げ、国民との約束として勝利し、現在に至っています。このマニフェストを実現には、毎年16.8兆円の恒久的な財源を必要とし、これを総予算の効率化、無駄の削減、不要不急の事業の根絶で賄うとしていました。しかし、実はマニフェストでは、こうした恒久的な政策の財源の3割、5兆円を埋蔵金、政府保有資産の売却といった1度しか活用できない税外収入を見込んでいました。さらに、マニフェストでは、租税特例措置の見直し、個人所得税の配偶者控除、扶養控除の廃止といった、実質的増税を財源に充てるとしておりました。その額は2.7兆円。しかし、現実は、公言してきた無駄の削減、事業見直しも思うようにはかどらず、次々とマニフェストの実施を見送る始末。結果からすると、民主党のマニフェストの実現には、増税か国債の発行にその多くを頼らざるを得ず、案の定、赤字国債の発行はふえ、同時に財政再建の方向性さえも具体的に示さない政府・政権に対し、アメリカの格付会社は格下げを発表しました。
そうした状況下、民主党は、財源の当てのない子ども手当を22年度、実施に踏み切りました。給付額はマニフェストの半分の1万3,000円。しかも、全額国庫負担としてきた方針を一転、財源不足を補うため、児童手当法を存続させ、その上に子ども手当法を重ね、手当の一部を地方、事業主に負担させ国庫負担を軽減するという、まことに奇異な手法を用い、体裁を繕いました。もちろん政府はマニフェストどおり、国庫負担分の財源として所得税の年少扶養控除を廃止し、23年度からは一定水準以上の所得層に対し、成人扶養控除も廃止するとともに、マニフェストには記されていなかった住民税の年少扶養控除、成人扶養控除の廃止も行います。
さらに、政府は、23年度、3歳未満の子どもを持つ世帯に1人当たり7,000円の増額をすると発表しています。そもそもこの7,000円の増額も年少扶養控除廃止による実質増税で、半額支給のままでは減収家庭が生じることを取り繕うための方策でしかありません。また、地方負担についても、住民税の扶養控除廃止により地方税収が上がるのだからと、地方負担の継続を求める始末です。
結局のところ、民主党政権は、みずから汗をかくことなく、増税によるばらまきを地方自治体を巻き込んで進めようとしていると断じざるを得ません。今国会では、こうした子ども手当に対する批判、追及に対し、首相はもちろん、関係閣僚の答弁は混迷をきわめる一方で、財源の地方負担存続の有無や、はたまた消費税による財源措置など、発言がなされてはすぐに訂正される事態を招いています。
さらに、政府の迷走ぶりは、子ども・子育て新システムなるものを打ち出し、包括交付金により現金給付、現物給付を地方裁量にゆだね、子ども手当給付額さえ地方裁量とする方向を打ち出す始末です。
このように、地方主権を叫びながら、政権をとるためだけに耳ざわりのよい政策を掲げ、政権をとった後は無策ぶりを取り繕うため、地方に負担を押しつけようとする民主党政権に対し、地方自治体の反発は必至で、多くの自治体が子ども手当の地方負担分を拒否し、予算に地方負担分計上を見送る事態が生じています。また、実質児童手当の廃止により、自治体によっては児童手当の支給に必要な所得を把握するシステム自体に手を加えてしまって、仮に子ども手当が廃止され、児童手当が復活しても、給付のためにさらなる経費が必要とされる自治体もあるとの声が聞こえてきております。
そこで、お伺いいたします。まず、民主党政権が昨年打ち出した、子ども・子育て新システムの現物給付、現金給付の地方自治体裁量についての区長の御見解をお尋ねいたします。
また、区長は、かねがね民主党政権の政策について批判されており、子ども手当についても、「制度の即刻廃止、行うのであれば全額国庫負担とすべし」と発言されてきました。こうした御発言を踏まえ、中野区の23年度予算案における子ども手当地方負担分の扱いについて、毅然たる態度をすべきと考えます。御答弁をお願いいたします。
あわせ、子ども手当が廃止され、児童手当が復活した場合、中野区においては、新たな経費負担なく従前の児童手当給付のためのシステムに切りかえることができるか否かについてお尋ねいたします。
続いて、待機児童対策についてお伺いいたします。
保育需要の増加に比して供給が追いつかない状況で、待機児童の増加が続いています。中野区は基本計画で、保育園の建てかえに合わせた定員の拡大や認証保育所の新規開設の支援、家庭福祉員の充実などにより、保育所の待機児ゼロを実現し維持するとしています。
そこで、待機児童解消施策のうち、今回は家庭福祉員についてお伺いいたします。
私は、子育てや定年で職から離れた保育士、幼稚園教諭、学校教諭など、潜在的な家庭福祉員の有資格者は多いと考えます。また、時間のある高齢者には子どもとともに触れ合いを求める方もたくさんいらっしゃいます。こうした方々がいる一方で、現実には、家庭福祉員の拡充は思うように進んでいません。理由として、居宅に保育専用室を設けたり、家庭福祉員の休養が得にくかったり、緊急の事態への対応に不安があるなどの課題があると想像できます。
そこで最初に、区はこうした課題をどのように認識していらっしゃるのか、お伺いいたします。
次いで、さきの定例会における我が会派篠国昭議員の質問に対し、家庭福祉員確保の対策として、複数の家庭福祉員が自宅ではない場所で保育を行う仕組みなど、新しい形態についても検討を行っていきたいとの答弁をいただいております。
そこで提案し、質問をいたします。中野区は、子育て、保健福祉、支えあいの地域拠点として、相談支援のほか、各種事業やサービスの提供を行うすこやか福祉センターを区内4カ所に展開する方針で、既に中部すこやか福祉センターが仲町小学校跡地に整備開設されました。このすこやか福祉センターでは、子どもと子育て家庭の支援の一環として、育児、しつけ、発育発達、健康など、子どもと子育てに関する相談、子育てサービスの受け付け・案内、妊娠期から子どもの成長に合わせた講座の開設、乳幼児健診、家庭訪問、乳幼児親子の居場所、交流のための子育て広場の提供を行っています。こうした子どもと子育ての総合サービスを行うすこやか福祉センターにおいて、複数の家庭福祉員による保育サービスが提供できるようになれば、家庭福祉員にとって大きな安心材料となり、事業への参画が容易になると考えます。同時に、保育をお願いする保護者にとっても相談や手続が同じ施設で受けられ、大変安心できるのではないでしょうか。また、相談や手続、子育て広場を利用しに訪れる利用者に対して、一時保育サービスを提供できるように工夫すれば、さらに多くの区民に喜ばれることと思います。区のお考えをお聞きします。
こうしたすこやか福祉センターやNPOなどのバックアップ体制が一定程度満たされている施設における団体保育の場合、それに従事する家庭福祉員については資格要件の緩和を検討されてはいかがかと考えます。区のお考えをお聞きいたします。
この項の最後に、関連して上高田児童館についてお伺いいたします。
児童館については、U18プラザ・キッズプラザの整備にあわせ、利活用の方針が示されています。その中で、上高田児童館については、上高田小学校へのキッズプラザ開設後、同施設の利活用等の方針が示されておりません。もともと児童館施設は、学童クラブの利用に供するため、育成室及び屋外の遊び場が具備されており、保育施設としても容易に活用ができると考えます。この際、上高田児童館施設など、区の遊休施設を家庭福祉員、NPOなどの協力を得て、保育サービス、乳幼児親子、子どもの居場所として活用できるよう検討を始めたらいかがでしょうか。区の御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
次は、名誉区民の顕彰についてお伺いいたします。
中野区では、毎年自治の発展や福祉の向上などに尽力された方々を区政功労者として表彰しており、昨年は10月29日に28名の方が受賞の栄に浴されました。この区政功労者の表彰について、これを規定しますのが中野区表彰条例で、目的、対象となる業績、表彰候補者の推薦から決定の方法などについて、この条例並びに施行規則、事務取扱要綱に規定され、これに基づき、毎年多くの方が受賞されているところです。
そこでまず、その概要についてお伺いいたします。
受賞された方々の区民の皆さんへの広報についてでございますが、私の知るところでは、区報において業績の区分、種別、氏名、住所の発表はされていますが、その業績の詳細については記載されておらず、広報に欠けるのではないかと感じているところです。区報紙面の都合上、業績の詳報が難しいことは承知しておりますが、せめて1月間程度、庁舎1階ロビーにパネル展示するなどの工夫があってしかるべきかと感じます。区のお考えをお伺いいたします。
続いて、お伺いするのは、こうした区政功労賞とは異なり、文化、スポーツ、芸術や学術、経済など、日本あるいは世界で活躍され、貢献された中野区ゆかりの方への表彰についてお伺いいたします。
平成20年北京オリンピックで金メダルを獲得した女子ソフトボールチームの活躍は、まだ記憶に新しいものがあります。その日本代表メンバーで、区内に本社のある不動産関係の会社のソフトボール部に所属した2選手が帰国後来庁し、区長から表彰状が贈られました。
また、平成14年に自然発生したニュートリノの観測に世界で初めて成功した業績で、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東大特別栄誉教授が東大での研究時代中野区に在住しており、受賞を機に区内で講演会が催されるということもありました。こうした中野区にゆかりがあり、日本、世界に対し多大な業績を残した方を表彰する明確な基準が中野区にあるのでしょうか。
他の自治体では、名誉区民、あるいは名誉市民といった、表彰制度がございます。私が調べましたところでも、23区中16区において、名誉区民を顕彰しています。
中野区においても、名誉区民顕彰制度を設け、長く記録にとどめ、同時にその業績を広く周知することや講演をいただくことで区民、青少年の励みや目標となるのではないでしょうか。区のお考えをお聞きします。
その他といたしまして、まず地域センターを区民活動センターに転換するスケジュールについてお伺いいたします。
区は、ことし7月、地域センターを(仮称)区民活動センターに転換するとし、本定例会に条例案の提出が予定されております。この条例案が可決された後、運営委員会並びに事務局、民間事業者の執務空間の整備スケジュールをお示しください。また、転換後の集会室貸し出し手続などの利用団体への周知や公益団体の活動支援方法の意見聴取、協議などのスケジュールをお示しください。
続いて、平成5年決定された西武新宿線の複々線化の都市計画についてお伺いいたします。
同線の連続立体交差化計画が着実に進捗する中で、依然として西武新宿線の複々線化の都市計画は存在し続けております。特に、新井薬師前駅周辺では、両都市計画は計画線にずれが生じてきており、今後のまちづくりに影響が出ることも考えられます。現時点で、同線の複々線化都市計画の東京都の見解についてお伺いいたします。
以上をもちましてすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えをいたします。
まず、中野サンプラザのリファイナンスについての御質問であります。
今回、進めようとしておりますリファイナンスについては、現金融団からの融資及びA種、B種の優先株を清算をして、そのための資金として新たな融資を受けるというものであります。将来の再整備に向けてリファイナンスを実施することが、株式会社まちづくり中野21における経営上の重要な課題と認識をしておりまして、金融団との調整を進めてまいりました。平成20年に本事業の仕組みを変更し、区の関与が大幅に強まった、このことから、金融団との調整が進展をして、本年3月末を目途にリファイナンスを実施できる環境が整ったものであります。
リファイナンスによります効果は、資金調達コストが軽減され、株式会社まちづくり中野21の財務体力が向上すること、また資金調達に伴う制約事項が減少し、将来の再整備に向けて、機動性や柔軟性が増すことなどであります。今回のリファイナンスに伴いまして、A種、B種優先株の規定を削除するなど、まちづくり中野21の定款変更を行うこととしておりまして、そのために必要な関連議案を今定例会に提案したいと考えているところであります。
それから、子ども・子育て新システムの地方裁量に関する見解についての御質問もありました。
この子ども・子育て新システムは、昨年6月に内閣府の少子化社会対策会議で、子ども・子育て新システム制度案要綱で決定をされて、平成25年度の制度化を目指して、現在検討中であると、このように聞いているところであります。大変さまざまな影響を伴う、幾つもの事業や地方にも絡む大変大がかりな制度ということになるわけでありまして、このような制度が現在の政府の状況の中でできるのかということについて、私は少なからず疑問を持っているところでありまして、そういう考え方からすれば、そういう現状からすれば、現時点でこの制度案の要綱について正面から受けとめてコメントする意義はないのではないか、このように考えております。
それから、子ども手当の地方負担分についてであります。
何度も申し上げましたように、子ども手当については、私は即刻廃止するべき政策だと、このように考えております。国は、児童手当の仕組みを無理やり横引きをいたしまして、子ども手当の地方負担分を一方的に決めてきたわけであります。23年度予算におきましては、現行の制度の範囲内で予算計上を行ったところであります。これについては、既に支給が行われたもの、これについて、中野区民だけが他の自治体の住民に比べて損をするというか、不利益な取り扱いになるということを避けるという意味から予算計上は行ったところであります。しかしながら、財源の問題、地方負担の問題について、このことを指して容認しているかのようにとられるということは極めて心外でありまして、適切な態度表明を行っていきたい、こう考えております。
仮に子ども手当が廃止されて児童手当が復活するということになった場合でありますけれども、システムの改修経費のほか人件費など、これはかなり相当な負担になると、こう考えております。また、システムを改めてセットアップしたり認定作業などを行うという準備のために2、3カ月は必要になるということでありますので、6月の支給が極めて困難になるということであります。
それから、保育の待機児対策についての問題であります。家庭福祉員事業の課題についてということです。
区は、区民の多様な保育ニーズにこたえる多様な保育形態をつくる観点から、家庭福祉員の充実を進めているところでありますが、御質問の中であったような幾つかの課題がありまして、担い手の確保が難しいという状況にあることを認識しているわけであります。この改善のために、家庭福祉員の休暇の際、区立保育園での代替の保育を行うことでありますとか、区立保育園と日常的な連携、連絡をとり、不安感の解消を図るなどの対応を始めたところであります。また、一定の研修事項を条件として、保育士などの資格がない一般家庭の方についても、家庭福祉員として認定できる仕組みにしたところであります。
家庭福祉員の資格要件としては、現在62歳までとなっております。この年齢拡大なども含め、多くの方が働きやすくなるよう検討していきたい、こう考えております。施設面におきましても、自宅以外の場所で実施しやすい仕組みを検討するなど、より取り組みやすい制度としていく必要があると考えております。
すこやか福祉センター等におきます家庭福祉員事業などの実施についての御質問であります。さきにも申し上げましたように、自宅以外の場所で複数の家庭福祉員が事業実施することは、増員の手段の一つとして有効だと認識をしております。事業を実施するとなった場合には、通常3人のところ、これより多くの子どもたちを日常的に預かることになるわけでありまして、安全性の確保等の課題もあると考えておりまして、今後検討を進めたい、こう思っております。
中部すこやか福祉センターにつきましては、一定の改修を行うことで可能性はありますが、供給側の実現可能性やニーズの有無なども検証が必要でありまして、今後の課題としてまいります。
資格要件の緩和につきましては、先ほども申し上げましたように、一定の研修事項によって一般家庭の方についても家庭福祉員に認定できることになっております。子どもの健全な発達を支援するためには一定の研修ということについては確保していきたいと、こう考えております。
それから、上高田児童館跡施設を活用した家庭福祉員事業等の実施についての御質問がありました。上高田児童館に限らず、区有施設全体の中で区の必要なニーズを満たすように考えてきております。子ども施策につきましても、必要な施設については全体の中で確保をしてまいりたいと、このように思っております。各地域ごとに需要の状況なども異なっておりますことから、そうしたことを全体的に勘案をして、上高田児童館跡施設などについても検討していきたい、こう考えております。
私からは以上であります。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 名誉区民の顕彰につきましてお答えをいたします。
初めに、区表彰の概要と広報の工夫についてでございますが、区の表彰は、区の自治の発展に特に貢献した方並びに区民の生活と文化の向上に特に功労があった方の事績をたたえることを目的として実施をしております。表彰には、毎年10月下旬に行う定期表彰と、それとは別に年間を通じて随時行う随時表彰とがございまして、定期表彰は、7月初旬から8月初旬までに各部から候補者の推薦を得て、9月上旬に表彰審査会を開催し、表彰状、感謝状の受賞者を決定しております。随時表彰は、定期表彰以外の時期の推薦に応じて随時行っているものでございます。
表彰を受けた方々につきましては、区報により広く区民の皆様にお知らせをしているところでございますが、御指摘のように、情報量が限られておりますので、今後区のホームページなども活用し、業績についても御紹介できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
そして、名誉区民顕彰でございますが、現在、区はその制度を持っておりませんが、名誉区民顕彰にふさわしい事例が出てきたときに区として対応できるよう研究をしていきたいと考えております。
以上でございます。
〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、区民活動センターへの転換スケジュールについてお答えいたします。
今定例会で、区民活動センターにつきましては関連条例を提案させていただいているところでございますけれども、この条例に御賛同いただきましたならば、速やかにさまざまな準備のスケジュールに入りたいというふうに考えております。
まず、区民活動センター運営委員会の事務局と民間事業者の執務室の整備に関してですけれども、これは地域センターを利用なさる区民の方々にできる限り支障を来さないように留意しながら、転換前の6月、それから7月の早い時期を中心に行う予定でございます。また、集会室の貸し出し手続などに関するお知らせにつきましては、区報や地域ニュース、ホームページ、ポスター、チラシ、またそういった媒体を使いながら、さまざまな会合の場を活用しまして、十分な周知、PRに努めていきたいというふうに考えてございます。
5月ごろからは集会室の利用者、また公益活動などを行っている地域の団体の皆様方をはじめ、広く区民の方々を対象に地域説明会や意見交換会の場を設けまして、区民活動センターへの転換の理解を深めていく予定でございます。
以上です。
〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 西武新宿線の都市計画についての都の見解についてお答え申し上げます。
西武新宿線で既に決定されている都市計画でございますけれども、輸送力の増強などの目的で、西武新宿駅から上石神井駅間の在来線の直下に地下線を新たに建設する計画でございます。この計画につきまして、都に確認したところ、西武鉄道では、平成7年に乗降客の減少等を理由に事業の延期を発表しておりますが、今後の輸送需要の動向を見ながら、その実施時期について判断していくこととなるとの回答でございました。
○議長(伊藤正信) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 岡 本 いさお
1 行政改革について
(1)行政革新プランについて
(2)勤勉手当について
(3)その他
2 地域支えあいネットワーク事業について
(1)ボランティアの組織づくりについて
(2)コーディネーターについて
(3)その他
3 国際交流について
(1)ソウル特別市陽川区との交流について
(2)区の窓口設置について
(3)その他
4 その他
(1)子育て支援について
(2)障害者が安心して住める住宅について
(3)その他
○議長(伊藤正信) 次に、岡本いさお議員。
〔岡本いさお議員登壇〕
○37番(岡本いさお) 平成23年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
1番目に、区の行政改革について伺います。
初めに、行政革新プランについて伺います。
これまで中野区は、計画を制定するたびに戦略やプランを策定して、具体的に取り組んできました。第1次の新しい中野をつくる10か年計画については、中野区行政革新5か年プランを策定して推進してきました。昨年3月に10か年計画第2次を制定しましたが、その際、新たに行政革新5か年プランを策定されなかったのはどのような理由からでしょうか、伺います。
この行政革新プランについては、21年度の決算資料にも進捗状況一覧が示されています。その資料に示されていないもので、プランには行政改革の大事な視点や目標が示されていますので、そのことについて3点伺います。
初めに、業務改善です。「透明性を高め、公正さを保ち、説明責任を果たす区政運営を実現します」としています。しかし、事業や手続で区民への説明が十分にされていないため、いまだに不満や苦情が後を絶ちません。これまで透明性を高めることと説明責任をどのように改善されてきたのでしょうか、伺います。
次に、「民間から人材登用を行い、組織の能力を時代に合ったものに適応させる」とあります。民間から人材登用の実態とその評価を伺います。
私は、もっと積極的に民間からの人材登用を図るべきだと思います。今後の民間人活用の計画をお聞かせ願います。
次に、「仕事の成果が処遇に反映される人事制度を確立し、職員の意欲や能力を引き出します」とあります。そのことについて伺います。
昨年12月、中野区人事行政の運営状況に関する条例に基づき、人事行政の運営等の状況を公表しました。勤務評定を実施し、業務評定へ反映させるため、管理職については平成15年度からチャレンジシートを、一般職員については平成16年度から目標管理シートを導入して、5段階相対評価を行っています。評定結果を管理職は勤勉手当の5段階、一般職員は昇級区分及び勤勉手当の5段階の成績率に反映させています。中野区は、勤務評定が期末の支給に反映されてきましたが、これまでどのように改善されてきたのでしょうか、伺います。
次に、評価方式について伺います。
評価を5段階相対評価方式で行っていますが、成績率を相対的に割り振る形になり、その結果、他人と比較する評価にならざるを得ません。絶対評価ではなく、相対評価をされている理由をお聞かせ願います。
次に、5段階評価で、期末に支給される支給率について伺います。
支給率が最上位、上位、中位、下位、最下位となっていますが、管理職、係長級のそれぞれの人数をお聞かせください。
次に、平成22年12月に支給された期末手当と勤勉手当とを合わせた全支給率にどの程度差が出ていたのかを調べてみました。管理職で評価が最上位は全支給率で5%アップ、最下位は4%ダウン、係長級の最上位は2%アップ、最下位は2%ダウンとなっています。中野区は、23区の統一基準の枠いっぱいの支給率を使っていますが、それでも民間レベルから言って格差は少な過ぎると思いますが、お考えを伺います。
次に、勤勉手当について伺います。
昨年の第1回定例会の予算総括質疑でも、勤勉手当について質疑をさせていただきました。中野区は、人事委員会勧告に従って、期末手当と勤勉手当の割合は23区統一した配分で、病気休暇などを除けば、すべての職員が期末手当と勤勉手当が支給されています。それは期末手当と勤勉手当を合わせた金額が民間のいわゆるボーナス支給額とレベルを合わせている関係と、人事委員会勧告を受けて23区統一している仕組みから、この勤勉手当を区独自で増減できない仕組みになっています。しかし、一般区民は、勤勉手当の名称から言って、勤務評定によって勤勉手当に個人差が明らかに生じていると思っています。勤勉とは、広辞苑によれば、「仕事や勉強に一心に励むこと」となっています。仕事に一心に励む人もそうでない人も一律に支給されているこの勤勉手当は、誤解を招くおそれがあると思いますが、どのようにお考えでしょうか、伺います。
例えば、期末に支給される手当は、期末手当などに一本化する、その上で各区の評価方式に従って勤勉手当の枠組みや成績率を自由に決められるようにすれば誤解を生じないだけでなく、文字どおり意欲や能力が勤勉手当として明確に反映されると思いますが、いかがでしょうか。
もし、区長もそのようなお考えであれば、区長会等で一般区民にも理解しやすい公務員の期末手当の支給体系の検討を行うよう提案してはいかがでしょうか。あわせてお考えを伺い、この項の質問を終わります。
2番目に、地域支えあいネットワーク事業について伺います。
これから実施しようとする地域支えあいネットワーク事業は、人のきずなが希薄になった今日の社会において、地域で顔が見え、人と人が心のきずなをしっかり結んでいけるようになる、極めて重要な事業であると理解しています。この事業の成否が、中野に住みたい、住んでよかった、住み続けたいと言える地域社会になるかどうかの分岐点になるとさえ思っています。
マーチン・ルーサー・キング博士は、かつて「世界の家」というイメージを通して、人々が民族や人種や文化の違いを乗り越えて、同じ地球に生きる隣人として生きていくことの重要性を訴えました。私は地域支えあいは、この「世界の家」のイメージが「地域の家」に変わるものではないかと思います。つまり、地域に住む人々が「地域の家」の中で、住民同士が地域という一つの共同体で互いの存在を大切にしながら、ともに支えあって暮らし、人と人のきずなを深めていくのが地域支えあいの取り組みだと考えています。
そのような立場から質問をいたします。
まず、支援する側のボランティアの組織づくりについて伺います。
私は、支えあいネットワークの単位は、区民活動センター単位よりもっと狭い、町会・自治会ではないかと思います。さらに狭いエリアで、顔の見える支えあいネットワーク事業が推進されれば、効果的な支えあいができるのではないかと思っています。地域のあらゆる関係機関に働きかけ、ボランティアの方も御近所、支援を受ける方も御近所という関係が望ましいのではないかと思います。
また、エリアを一律に決めずに、柔軟性を持たせることも必要だと思いますが、ネットワークのエリアをどのようにお考えでしょうか、伺います。
元気でネットの教訓を生かし、支援するボランティアを増す手だてが必要です。区民活動センターに配置される担当職員を中心に、改めて地域の特徴を掌握し、町会、民生委員だけでなく、関係機関、例えば商店、企業、学校、幼稚園、保育園、医療機関、配達を伴う事業者などの情報を収集し、既に支援をしている関係者も含めてどのような支援の協力ができるかの検討を十分に時間をかけて行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
また、区は、支えあいネットワーク会議を区民活動センター単位で行うとしていますが、会議の形をつくることが先行しないようにする配慮が必要だと思います。情報交換や協議の場所は、区民活動センターにとどまらず、地域の喫茶店、空き店舗、商店街の広場、米屋さん、酒屋さんなど、コミュニティが成り立つ場所を活用して、座談会形式で小回りのきく、顔の見える協議を行うようにしてはどうでしょうか、伺います。
次に、今後、区民活動センターに配置される職員について伺います。
支えあいネットワーク事業は、町会、民生委員だけでなく、あらゆる団体、機関、企業、さらに個々の人々を結びつけ、協力し合い、事業を進めるためのコーディネート役が必要です。配置される職員は、地域支えあいネットワークを円滑に推進するため、地域のコーディネーターという位置付けをすべきではないでしょうか、お考えを伺います。
その意味で、職員の使命は重大です。大きな力が発揮できるよう、職員の研修などを行って配置してはいかがでしょうか、伺います。
地域支えあいネットワーク事業は、地域ごとに取り組みが異なり、また推進する方法も、その地域独自の方法が生まれてくると思います。したがって、支えあい推進のマニュアルは区で統一的につくるのではなく、地域に配置された職員を中心につくることがポイントであると考えますが、いかがでしょうか。
この項の最後に、高齢者等の名簿作成について伺います。
私は、個人情報の提供については、先に情報提供ありきではなく、できれば情報提供なしで進めるべきで、必要やむを得ない場合にのみ提供するという方針で進めるべきだと指摘してまいりました。2月10日付の朝日新聞には、中野区は「見守り活動を強化するため、高齢者などの住所、氏名、年齢、性別を記した名簿を本人の同意を得て作成する」との記事が掲載されました。この記事を見た区民は、本人の同意が大前提で名簿を作成すると理解しています。しかし、区は、町会等から名簿の提出依頼があった地域の70歳以上の単身の者と75歳以上のみの世帯全員に通知し、その中で登録の拒否を申し出た方の個人情報は削除して名簿を提供するとしています。つまり返事を出さない方は同意したとみなして、名簿へ登載される仕組みです。少し乱暴な扱いで、禍根を残すおそれがあると思います。高齢者になると、郵便物に目を通さない方も少なくありません。したがって、通知の表などに、「返信がない方は名簿へ登載されます」など、大きくわかりやすい表示をするとともに、返信の来ない方については、再度お知らせするくらいの丁寧な扱いをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。お考えを伺って、この項の質問を終わります。
3番目に、国際交流事業について伺います。
昨年11月8日、中野区は、大韓民国ソウル特別市陽川区との姉妹都市関係を締結しました。文化の大恩人の国の都市との締結を長く願ってきた一人として、高く評価したいと思います。さらに、23年度の予算に北京西城区友好区関係締結25周年記念行事とあわせて、陽川区との交流事業に2,100万円余が計上されたことも大いに評価したいと思います。23年度は陽川区と本格的に交流が開始する交流元年となります。末永く実りある交流が続けられるため、何点か伺いたいと思います。
11月に取り交わした陽川区との議定書には、積極的、持続的な交流と友情を深めるよう努めるなどの基本が合意されています。また、区長は、施政方針説明の中で、「草の根の市民や自治体同士が顔の見える関係で交流を深め、相互理解と協力の関係を発展させていくことは極めて重要であると考えます」と期待し、決意も述べています。全く同感です。私は、お互いに深い信頼と尊敬を持って、隣国としての共通の基盤に立ち、その上で、それぞれの違いや異なるものから学び合うことが交流の原点となると思っています。そして、交流を通して、異文化への敬意をはぐくむようになってほしいと願っています。
まず、区民への周知について伺います。
まだ陽川区と姉妹都市関係が締結したことを知っている区民はほとんどいないのが実情です。区報やホームページを活用して、改めて周知することは当然として、庁舎の1階などの目につくところに、中野区と友好関係のある都市をパネルで展示して、来庁者にも広く周知してはいかがでしょうか、伺います。
次に、窓口の設置について伺います。
韓国は、すぐお隣の国です。中野区と陽川区との交流について、区民の関心は高く、さまざま期待していると思います。今後、問い合わせや交流に関する提案等が多く寄せられると予測されますので、その窓口の設置が必要ではないかと思います。陽川区との交流の窓口を国際交流協会に設置してはいかがでしょうか。その際、区民の目につくような窓口にすべきだと思いますが、お考えを伺います。
さらに、交流は、区民レベルでの交流が大事です。国際交流協会として、陽川区との交流を推進する民間ボランティア組織を立ち上げるため、サポートするとともに、交流のあり方を検討するコーディネート役を担ってはいかがでしょうか、伺います。
次に、交流に向けての国際交流協会の取り組みとして、ハングル講座の夜間、土日講座を新たに開催するなどして、仕事を持っている方にも学べるようにしてはいかがでしょうか、伺います。
私は、区としても、自治体間交流のあり方を検討するPTを立ち上げるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
今後、友好交流については、民間団体との連携が必要だと思いますが、中野区としてどのように取り組んでいくのか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
最後に、その他として、2点伺います。
初めに、子育て支援のうち、親子で3人乗り自転車のレンタル制度について伺います。
幼児2人を同乗させ、安全基準を満たした親子での自転車3人乗りについては、平成21年7月より合法化されました。しかし、適合する自転車はフレーム構造、スタンドの安定性やブレーキ性能の強化のため重く、高価となります。電動アシストなしでも4万円から7万円します。しかし、重量があるため、電動アシストつきを希望する方も多く、その場合、10万円を超えてしまい、若い夫婦には大きな経済的負担となります。中野区として、親子での自転車安全運転を推進するため、規格に合った3人乗り自転車を普及する必要があります。しかし、子どもの成長が早く、利用期間が限定されることも普及に結びつかないのが実情です。
そこで、3人乗り自転車を中野区が購入管理して、レンタル制度を実施してはいかがでしょうか、お考えを伺います。
次に、駅周辺の自転車駐車場でのベビーカーの一時貸し出しについて伺います。
幼児を連れて鉄道を利用し、買い物や催し会に出かける場合、自転車で駅近くの駐輪場に向かい、駐輪場から幼児を連れて鉄道を利用する際、ベビーカーがあれば本当に便利で安心だとの声を聞いています。駅周辺の自転車駐車場でベビーカーの一時貸し出しを検討してはいかがでしょうか、お考えを伺います。
最後に、障害者が安心して住める住宅について伺います。
私の近所に住む、2人とも聴覚障害者の御夫婦から、アパート探しに何日も不動産とアパートを探し回り、80軒目にやっと決まったことを涙して訴えられました。福祉住宅も大勢の方が入居待ちの状態です。都営住宅、区営住宅も抽せんではなかなか入れません。障害者の方が何十軒も探し回らなくてもよいように、アパート探しのため、1軒の不動産を訪ねれば区内の住宅情報が入手できるようになっていれば安心です。また、障害者が住める住宅情報を提供できるように、不動産協会とも連携して実施してはいかがでしょうか。
さらに、現在、民間のアパートに空きが出ている状況もあり、民間のアパートを改修して障害者が住める住宅の提供ができるような支援策を検討してはいかがでしょうか。お考えを伺って、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岡本議員の御質問にお答えをいたします。
行政革新プランについての御質問がありました。
中野区行政革新5か年プランに掲げた取り組みは、目標と成果による区政経営などを掲げて、大部分が既に制度化されております。第2次10か年計画の中でも、取り組みを進めているものもありまして、あえて新たな行政革新プランの策定は行わなかったものであります。
三つ例を挙げて、どういった取り組みが進んでいるかという御質問もありました。事業や手続に関する透明性の確保と説明責任について、まだ区民の中でも不満や苦情が後を立たないといったようなことの御質問でありました。区といたしましては、顧客視点での業務改善を進めているところでありまして、窓口等での来庁者からのアンケート結果を見ますと、少なくとも窓口における対応については、改善が進んでいるという数字が出ているところであります。しかしながら、窓口や事業現場での説明や情報提供が十分でない、そういったようなことから、御指摘のような苦情もあるということもありまして、さらに業務改善の取り組みを強化していかなければならない、こう考えております。
透明性の確保や説明責任については、例えば区が区民生活に影響のあるような事業や計画を行う場合には、案の段階で区民に説明会を行ったり、区報などで案を発表する。そうしたことの結果、区民の意見を踏まえて、さらに計画を練って計画をつくっていく、そうした区民への情報提供や意見交換の仕組みを機能させてきているといったようなことも御理解いただければと思っております。
それから、民間からの人材登用についてですが、民間からの任期つき職員の採用ということで、幹部職員について、公園道路の分野に1人、まちづくりの分野に2人、現在、民間からの人材を登用いたしております。また、経験者採用の制度を積極的活用しておりまして、平成20年度から事務系で19名、技術系で15名の採用を行ってまいりました。民間で培ってきた経験を生かすとともに、民間経験者ならではの発想を組織にもたらせることによって効果を上げていると認識をしているところであります。今後とも、民間からの人材登用を図ってまいります。
それから、正確なコストや標準的な作業手段を把握することにより、効率の観点と民間の比較や競争が可能な形での業務改善プランをつくると、このようなことでの御質問がありました。これについては、業務の洗い出しと民間との競争が可能な形ということで、市場化テストなども想定をしていたものでありますけれども、指定管理者制度の定着や業務の委託化の促進など、民間にできることは民間に任せるという民間活力の活用が着実に進んできているということでありまして、一定の成果を上げていると、このように考えております。
なお、活動基準、原価計算の手法を取り入れながら、民間との原価比較を取り入れるといったような分析を行うこととしておりましたけれども、これについて、具体的には進展をしていないという状況であります。今後、事業改善を進める上で必要な視点でもありまして、改めて取り組みを強化していきたいと考えております。
それから、勤勉手当についての御質問がありました。
勤務評定の勤勉手当への反映につきましては、管理職については平成14年度から、一般職員については平成18年度から成績率を実施しております。この勤務評定の最上位、上位への配分原資とする一律拠出について、平成20年度から管理職が2%、係長級が1%を導入しております。平成22年度からは、行政系の主任主事及び技能系の技能主任以上の職員に対して0.5%で導入をしております。勤勉手当総体の支給総額を変えずに勤務評定の結果を勤勉手当に反映させるためには、上位、下位などに一定の割合を定める相対評価によることが適切と判断したことから、相対評価で行っているところであります。
その実績であります。平成22年12月支給におきます成績段階の内訳については、管理職75名のうち、最上位は8名、上位は14名、中位は37名、下位は16名、最下位はゼロでありました。係長級については、531名のうち、最上位は86名、上位は52名、中位は393名、下位及び最下位はゼロであります。
民間の調査機関などの結果、さまざまに見ておりますと、公務員のこうした成績率の反映度合いというものは、やはり民間に比べて小さいというふうに思わざるを得ないと感じております。勤務評定結果の反映につきましては、引き続き研究をしてまいりたいと思っております。
それから、勤勉手当が一律支給されることについてであります。
勤勉手当の成績率について、先ほど言いましたように、22年6月支給分からは、行政系の主任主事、技能系の技能主任以上にも適用するなど、制度を見直しながら少しずつ成績率を上げてきたと、こういう経過ではあります。さらに、平成24年度からは、勤勉手当の算定基礎額から扶養手当を控除しまして、その相当額を最上位、上位者への配分原資とするなど、上位者と下位者の差を広げてきているところであります。このように努力をしてきているところではありますが、これからも成果を上げた者とそうでない者との間で適正に評価、成果が反映される仕組みが構築されるよう、検討に努めてまいります。
地域支えあいネットワーク事業に関連しての御質問であります。
支えあいの活動範囲、ボランティアをふやす手だて等についての御質問がありました。地域支えあいの具体的な活動は、町会・自治会の単位を基本として考えているところであります。さまざまな連携も含めて、より大きい単位で日常生活圏域を保健福祉センター単位というような形で考えたところでありますけれども、具体的には、一つは町会・自治会が基本的な単位になるだろうと考えております。また、顔と顔の見える距離、いわゆる御近所づき合いがその出発点になることでもありまして、日常の活動エリアということについては柔軟にとらえていく必要がある、こう考えております。
それから、区民活動センターに配置される職員についての御質問もありました。
区民活動センターに配置される職員については、地域情報の収集提供、連絡調整などの役割を持っております。その中で、人的資源の情報把握やネットワーク化を進めることによって、地域支えあい活動に結びつけていくことを考えております。
また、基本となる会議体としてのネットワーク会議につきましては、区民活動センター単位で設けたいと考えております。一方、地域で行われるさまざまな活動を進めていく上では、その活動実態に応じて、多種多様に情報交換をしたり、あるいは連携をする、そうした場が必要でありまして、そうしたさまざまな活動者相互の情報交換の場についても、区として留意しながら働きかけを行っていきたい、こう考えております。
それから、区民活動センターに配置される職員については、支えあい活動を進めるための地域への働きかけや調整を担うという役割を明確に持たせる考えであります。また、そのための研修についても、必要に応じて実施をしてまいります。
また、支えあい活動のマニュアルにつきましては、一定程度のひな形は区のほうで用意をする、その予定でおりますけれども、実際の活動の必要に応じて、それぞれ地域が独自のものを整備していくことが望ましい、こう考えております。
それから、提供する場合の名簿、調整をするときの名簿登載の周知についての御質問もありました。
名簿作成時の周知につきましては、支援を必要とする区民の方が対象であることもありまして、通知のタイミング、あるいは内容、御返答の受け取り方などにつきまして、十分に配慮を行ってまいります。
それから、ソウル特別市陽川区との交流についての御質問がありました。
区と友好関係にあります北京市西城区並びにソウル特別市陽川区の2区については、締結の議定書の内容や当該区の概要をホームページで紹介をしているところであります。来庁者、また区民の皆さんへの周知方法につきまして、庁舎内でのパネル展示も含め、その方法を今後考えてまいります。
国際交流協会につきましてですが、国際交流協会は、中野区における民間交流を推進する窓口としての役割を担っております。西城区だけではなく、陽川区との交流においても、民間レベルでの交流促進についてさまざまな取り組みが行われるよう、協会を支援してまいります。
国際交流協会のハングル講座ですが、協会の自主事業として、現在、春と秋の平日午前中に開催をしております。より多くの区民が受講することが可能となるような、講座の開催方法についての検討を協会に働きかけてまいりたいと思います。
それから、自治体間交流の検討PTをも立ち上げてはどうかと、こういう御質問でありました。
自治体間交流については、訪問時期や受け入れ体制をはじめ、相手先自治体のさまざまな事情に配慮しつつ、意見交換や各種調整を重ねながら進めているところであります。そうした自治体間交流につきまして、現在、平和人権国際化分野が担当として推進をしているところであります。交流のあり方、庁内のさまざまな仕事でどういう交流が可能か等の検討につきまして、必要に応じて、庁内各セクションが協力をしながら準備を行っているというところであります。
それから、民間団体との連携であります。
これまでの経緯も踏まえて、一昨年派遣をしました区民調査団の構成団体、これらの団体の皆様を中心に連携を図り、その連携の輪をさらに広げていきながら、友好関係のより一層の発展に向けて取り組んでまいりたい、こう考えております。
私からは以上です。
〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、子育て支援に関する2点の御質問についてお答えをさせていただきます。
まず、子育て支援に関しての3人乗り自転車のレンタルについての御質問がございました。
区民の皆様の移動については、さまざまな手段がございます。それぞれ区民の方が一定の移動方法を選択しているという現状がございますので、3人乗り自転車だけ助成の対象とするということについては、現在のところ適当であるというふうには考えてございません。
それから、2点目でございますが、ベビーカーの貸し出しについての御質問がございました。
ベビーカーは、折り畳み可能な形状のものが現在普及をしてございまして、バスや電車など公共交通機関への持ち込みが可能になってございます。周囲の乗車客の理解も進んでいるというところでございます。駅周辺の商業施設には、子どもを乗せることができるショッピングカートがあると同様に、行楽地においても貸し出し用のベビーカーが常備されているところも多くなっているという現状がございます。こうしたことから、貸し出しにつきましては、そのニーズと現状を十分に踏まえた上で考えていきたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、障害者等に対します民間賃貸住宅の情報提供につきましての御質問にお答え申し上げます。
区では、平成21年度から高齢者、障害者など、御自分で民間賃貸住宅を探すことが困難な方を対象に、区内の不動産団体の協力、区内157店ございます。その協力を得まして、民間賃貸住宅の情報提供を行ってございます。しかしながら、まだまだ情報提供が十分とは言えませんので、今後とも不動産団体との連携を密にして、適切に情報提供に取り組んでまいります。
続きまして、障害者向けの住宅の提供にかかわります支援という御質問でございます。
区は、高齢者、障害者が住み続けられますように、バリアフリーに配慮した民間賃貸住宅が整備され、こうした方の入居が制限されることがないようにしていくことが必要と考えてございます。今ある制度として、住宅金融支援機構がバリアフリー対応賃貸住宅の融資を行っておりまして、こうした既存制度の周知を行って進めていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で岡本いさお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 か せ 次 郎
1 国民健康保険料の引き上げを行わないことについて
2 中野駅周辺の開発計画について
3 地域センターの窓口業務の継続について
4 環境リサイクルプラザの問題について
5 西武新宿線の地下化工事に伴う諸問題と沿線・駅舎の安全対策について
6 その他
(1)安心して歩ける桃園川緑道について
(2)その他
○議長(伊藤正信) 次に、かせ次郎議員。
〔かせ次郎議員登壇〕
○31番(かせ次郎) 2011年第1回定例会に当たりまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
まず最初に、国民健康保険料の引き上げを行わないことについて伺います。
中野区は4月から国保料の大幅な引き上げを実施しようとしております。今回の改定は、これまでの値上げに加え、住民税方式を旧ただし書き方式に改めるというもので、扶養控除や社会保険控除、障害者控除などが考慮されなくなるために、低所得者をねらい撃ちにした改悪となっています。例えば年金受給者で年収200万円の2人世帯では1.57倍の10万円、65歳未満の給与所得の2人世帯では1.66倍の15万円、年収250万円の4人世帯では1.76倍の22万円にもなります。経過措置がとられたとしても、2年間だけで、年金生活者で年収200万円の2人世帯では9,100円の引き上げとなり、大幅な値上げには変わりありません。
そこで伺います。今度の保険料の改定でどれだけの引き上げになるのか、22年度と旧ただし書きへの移行後の平均と値上げされる世帯数の割合はどうなっているのかを伺います。
先だって、中野社会保障推進協議会と区との対話集会に参加させていただきました。会場からは、「今でも保険料が高過ぎる。今度の改定では、年金の1カ月分の値上げだ。これでは払っていけない」、こういった悲痛な叫びがありました。議会資料でも、保険料の収納率が年々悪化し、07年から09年の3年間に10万円未満が76.0%から70.7%に、10万円から20万円が81.7%から75.2%と、低所得層ほど収納率は落ちております。また、09年度の全体の収納率は81.1%で、23区の中で18位です。これは中野区は低所得層が多く、払いたくても払えない区民が多いということを示しているのではないでしょうか。
政府、厚労省は異例の通達を出しました。「国保財政の一般財源の繰り入れは控え、保険料で賄え」と言っています。このようなことでは、際限ない保険料の引き上げになってしまいます。保険料の滞納者には容赦ない取り立てや差し押さえまで行われ、制裁として保険証の取り上げまで起こっています。これではだれでも必要な医療が受けられるとする国民皆保険の制度は成り立ちません。国保料の改定は、国民生活に直結する大問題です。そのために板橋区や世田谷区、荒川区などでは、国保運営協議会に議会代表や公募区民の参加もあり、議会にも資料が出され、詳細な報告がされています。
ところが、1月26日の厚生委員会では、他の区で報告されているような保険料改定の詳細な資料も、「確定していない資料を公表すると混乱する」という理由で示されませんでした。しかも、区民への説明は、条例案が可決され、被保険者に通知が出された後、5月に地域説明会を実施するということですが、これでは「お上の決定には黙って従え」ということになるのではないでしょうか。
区は、国や都と共同して、区民の健康で文化的な生活を保障する義務があります。そのために、国民健康保険の保険料の引き上げを抑えるために、国保財政への一般財源の繰り入れを行ってきました。また、我が党議員団は、「国庫負担の割合を国に求めるべきだ」とただしてきましたが、区長の見解は、「負担を税に転嫁するもの」というものでした。しかし、開発事業では、「国や都の補助金を活用する」では道理が足りません。国や都に対し、公費負担の割合をふやし、保険料の引き上げを抑えるべきです。また、今回の保険料の引き上げは、一般会計からの繰り入れをふやしてでもやめるべきです。あわせてお答えください。
2番目に、中野区周辺の開発計画について伺います。
まず、中野サンプラザと区役所の一体整備についてであります。これまでの区の説明では、2012年までに再整備等の計画案を作成することになっています。そもそもこの計画は、区役所の移転改築を前提にしたものです。この地区の再整備にとどまらず、当然、新区庁舎の移転改築費用をどうするのかの検討がなされなければなりません。区役所の移転改築との関係はどうなっているのかを伺います。
昨年3月に示された「再整備の考え方」では、サンプラザの建物を残し、スーパーリフォームする案から、区役所、サンプラザ敷地一体開発による超高層ビルを建てる計画まで、四つの案が提案されています。しかし、財源はどうなるかについては、明確な説明がありません。この点についても、あわせて伺います。
2番目に、庁舎移転用地の活用について伺います。
中央中学校南側の公務員宿舎用地0.5ヘクタールが新たな公園用地として活用されれば、1.5ヘクタールの公園面積が2ヘクタールに拡大し、防災機能が改善され、学校の教育環境が向上することは、区民と結んだ運動の成果だと評価しています。しかし、10万人の避難場所の主要な施設となる防災公園としては、まだまだ不十分です。もしも区立体育館南側の0.4ヘクタールを新たな公園用地とすることができれば、高層ビルに囲まれた中庭のような公園が、けやき通りに面した公園となり、景観上も防災公園としての機能も改善されます。この際、区役所移転を中止し、公園として整備すべきです。答弁を求めます。
次に、囲町地区の行きどまり道路の解消について伺います。
警察大学校等跡地の整備が進む中で、囲町地区の動きは見えていません。整備地区の区画道路の整備は進んでいますが、新設道路と囲町の居住地区の間には緑地帯が設けられ、生活道路と接続していません。住民からは、「長い間の願いであった行きどまり道路の解消はどうなるのか」といった不安の声が上がっています。こういった問題について、住民の要望にこたえ、個別的な対応も含め、改善の方策をとるべきです。答弁を求めます。
3番目に、地域センターの窓口業務について伺います。
7月には地域センターが廃止され、(仮称)区民活動センターに転換されようとしています。しかし、いまだに区民の理解と合意は得られているとは思えません。特に、地域事務所の併設となる南中野、東部、江古田、野方、鷺宮以外の区民活動センターでは、地域センターで行われていた窓口業務が廃止され、住民票や印鑑証明、納税証明などの諸証明の交付などが受けられなくなります。区は、コンビニに交付機を置き、24時間対応できるのでサービスが充実すると言っていますけれども、しかし、高齢者にとってなじみにくいのがIT機器です。「これでは機械に弱い年寄りを除外するものだ」との怒りの声も聞こえます。また、「コンビニがない地域はどうするのか」、こういった声もあります。こういった声にどうこたえるのか、お聞きします。
スケジュールを見てみますと、2月から東部、桃園、新井、薬師の4地域で先行実施し、7月には残りの地域についても一斉に転換が図られるとしています。しかし、コンビニでの諸証明書の交付業務の開始は来年の2月ということです。この間はどうするつもりですか。
また、このような見通しの立たない計画で、どれだけの区民が納得できるでしょうか。引き続き15カ所の地域センターでの窓口業務を継続すべきです。答弁を求めます。
4番目に、環境リサイクルプラザの継続について伺います。
消費者センターと環境リサイクルプラザは、「区民のリサイクル活動を支えるため、区民みずからが環境や資源問題を考え、交流し、活動できる場」として1997年に開設されたものです。しかし、区は、利用率が低いことを理由に、昨年の第4回定例会で消費者センターを廃止し、中野区役所1階ロビーの一角に消費生活センターを開設しました。ここでは、消費生活の苦情相談を受け付けるもので、これまでのような区民の活動を支える場も機能もありません。こうした消費者団体の活動をどうするのか、その対案は全く示されていません。
しかも、環境リサイクルプラザについても、7月には「機能転換」の名のもとに、会館の管理運営を民間事業者に丸投げし、企業活動の場として提供しようとしています。1月17日の利用者の説明会では、「6月末をもって環境事業者への民間貸し付けになるので、区民の利用はできなくなる」と一方的な通告がされ、活動の場を失う利用者団体は途方にくれています。中野区の消費者運動は、30年の歴史があり、この間、区の積極的な支援のもとで、大きな成果を上げてきました。今度の区の処置は、区民を「2階に上げてはしごを外す」に等しいひどい仕打ちです。
環境リサイクルプラザは、約50の団体が登録し、環境消費者活動の拠点として利用しています。いずれも専用の会館があればこそ、全区的な課題や専門的な課題に継続的に取り組むことができました。例えば布のリサイクルに取り組む「かおり会」では、古布の裂き織りを3台の織機を使って活動しています。織機は畳、1畳ほどの大きさで、簡単に移動はできません。また、廃食油から石けんをつくっている「せっけんの輪」では、石けん製造機、粉砕機は、大きくて重く、移動は困難、石けん製造に使う苛性ソーダは危険物で、専用の保管庫が必要、廃油のろ過には1カ月かかる、こういうことです。
こういった活動は、区民活動センターでできるとは、到底思えません。やみくもに利用者団体を追い出し、せっかく根づいた区民運動をつぶすようなことがあってはなりません。そのためには、環境リサイクルプラザに区民活動のできる場を引き続き確保すべきです。答弁を求めます。
五つ目に、西武新宿線の地下化工事に伴う諸問題と沿線駅舎の安全対策について伺います。
1月24日、我が党区議団は、西武新宿線各駅の利用者の会の皆さんと西武鉄道本社に出向き、西武新宿線の地下化工事に伴う諸問題と、沿線駅舎の安全対策について申し入れを行ってきました。この項の質問は、中でも緊急かつ重要な問題について絞ってお尋ねをします。
まず、ホームドアの設置についてであります。
1月16日、JR山手線の目白駅で、全盲の男性がホームから転落し、亡くなる事故がありました。相次ぐホームからの転落事故に、国土交通省も動き出し、2月9日には、JR東日本、JR東海、東京メトロ、京王電鉄、西武鉄道など、15事業主が出席するホームドア整備促進に関する第1回検討会が開かれました。JR山手線では、2017年度まで全駅にホームドアを設置するという予定であり、今後は全国の駅に波及する方向です。
申し入れでは、駅のホーム改修に合わせ設置するのはもちろんのこと、各駅のホームにホームドアを設置するよう求めました。中野区でも、西武鉄道に働きかけるとともに、JR中野駅や東中野駅についても設置を求めるべきです。答弁を求めます。
次に、新井薬師前駅の工事に伴う立ち退き問題についてお伺いをします。
昨年の第4回定例会では、同僚の牛崎議員が西武新宿線新井薬師前駅の地下化工事に伴う諸問題について伺いました。その後、周辺住民の皆さんの思いが申し入れ活動で語られておりますので、区の対応を求めてまいります。
まず、工事の影響を最小限に抑える工法と設計にしてほしいという要望です。線路の位置の変更は少なくしてほしい。工事が完成した後には、地権者として住み続けられるような計画にしてほしい。線路敷の活用では、緑のオープンスペースとして整備してほしいなどの要望が出ています。このような要望にどうこたえるのか、答弁を求めます。
3番目に、新井薬師前駅の開かずの踏切問題について伺います。
連続立体交差化が実現するのは、まだまだ先のことです。一方、待ったなしで改善が求められているのが、新井薬師前駅の踏切の安全問題です。昨年の第3回定例会での牛崎議員の総括質問で、「線路敷内での歩道幅を拡幅する件で西武鉄道と交渉している。問題になっているのは費用負担だ」といった内容の答弁でした。その後の交渉はどうなっているのでしょうか。危険な踏切をこれ以上放置するわけにはいきません。区の責任で改善を急ぐべきです。あわせてお聞きします。
4番目に、鷺ノ宮駅南口のエレベーターを設置することについて伺います。
既に鷺ノ宮駅北口とホーム、改札口との間ではエレベーターが設置されていますが、南口にはエレベーターがなく、利用者から何とかしてほしいという強い要望があります。西武鉄道は、設置場所がないことを理由にしています。しかし、駅南側には駐車場になっている民有地があり、この用地を取得できれば済む話です。区が用地を取得して貸与することも含め、利用者の要望にこたえるべきです。
最後に、その他として、安心して歩ける桃園川緑道にすることについて伺います。
今、「安心して歩ける桃園川緑道に」という声が地域で高まっています。中央四丁目の三味線橋付近の放置バイク問題では、さくを設けてもらい、現在のところ駐車しているバイクはありません。しかし、最近では、少し離れた場所に分散化されたようにも思われます。結局、規制だけでは根本的な解決ができないということになるのではないでしょうか。
放置バイク問題は、バイクの保管場所が不足していることが大きな原因です。公共のバイク駐輪場の設置や、集合住宅への附置義務の強化など、検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
桃園川は、しばしば氾濫を起こす暴れ川でした。そのため、河床を掘り下げ、ふたがけをして、下水道にされました。当初、上部は道路にする計画だったようですが、四季折々の花を植えた安心して歩ける緑道にしてほしいという運動が起こり、その成果が今日の桃園川緑道につながっています。それだけに住民の思いは深く、多くの人々に愛され、利用されています。
そこで、緑道利用者の声から、以下のような改善方を求めます。
まず、高齢者の方からの声です。緑道には、いすやベンチがない。花壇や手すりを利用しているが、何とかしてほしいとの要望です。立派なベンチを望んでいるのではなく、ちょっと一休みして、息を整えるといった程度のものなら工夫はできるはずです。
09年の第3回定例会での私の一般質問では、「調査検討していきたい」との答弁でした。その後どうなったのか、早急な改善を求めます。お答えください。
次に、中野三丁目から中央一丁目にわたる緑道の舗装の問題です。管理が不十分で、舗装がはがれたり、膨張して膨れ上がったりしている部分も散見します。管理を十分に、破損は直ちに修繕してほしいものです。また、タイルがかたく、雨の日には滑りやすく危険だという声もあります。滑りにくい舗装に変えるべきです。あわせてお答えください。
次に、プランターの問題です。
緑道に置かれたプランターは古く、ひび割れたり壊れたりしたものが多く見られます。見苦しいばかりか、高齢者がいすがわりにも使っているので危険でもあります。適宜更新するとともに、いすに置きかえるなどの工夫をすべきだと思います。答弁を求めます。
以上で私のすべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えをいたします。
国民健康保険料についての御質問であります。
平成23年国民健康保険料の料率算定では、1人当たりの保険料は平均9万3,105円から9万4,479円へと1,374円上がる見込みであります。中野区の想定では、約2万2,000世帯、32%程度の世帯で保険料が上がると見込んでおります。一方、1万5,000世帯、22%程度の世帯では保険料が下がると見込んでおります。
この決定についての御質問もありました。いわゆる旧ただし書き方式というのは、所得に応じて保険料を賦課するべきというやり方で、国全体でとっている方式であります。23区以外の大多数の自治体で、大多数の国民が旧ただし書き方式による国民健康保険料という形でサービスを受けている、こういうことであります。したがいまして、制度本来のあり方にしていくということで、23区の区長会でこのような決定を行いました。
国民健康保険料につきましては、23区の場合、23区が統一保険料として算定をしております。これに基づいて、各区が保険者として責任を持って運営をしております。この23区全体での決定、23区共通の保険料だということでありますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
4月に被保険者全世帯へ算定方式の移行についてお知らせ文を送付し、あわせて5月に地域説明会を行い、十分に周知をする予定であります。その後、6月に保険料の当初賦課通知を発送する、そのような予定となっております。
国や都に対して公費負担の割合をふやし、保険料の引き上げを抑えるよう求めるなど、保険料の引き上げはやめるべきと考えるがどうか、こういったような御質問がありました。
国の負担をふやすということは、その財源としての税金が必要ということになります。日本の国は、もう言うまでもなく、税収よりもはるかに多い赤字国債を出さないと財政が成り立たないような国であります。新たに税金による歳出をふやすということになれば、どのような対応が必要になるのか、おのずと税金を新たに国民に転嫁すると、このようなことになるわけであります。ふえ続ける社会保障負担について、自治体や国がどう分担していくのか、国民に対してどうお願いができるのか、給付と負担のバランスの中で国民的議論が必要だと、私は再三申し上げております。
それから、区役所、サンプラザ地区整備についての御質問であります。
区役所移転に当たりましては、現在の区役所敷地の資産価値を最大限活用していくこととしております。また、区役所、サンプラザ地区整備に必要な資金の調達につきましては、保有している土地の資産価値を最大限活用する方策を検討してまいります。
区役所の移転を取りやめるべきではないか、こういう御質問であります。
区庁舎の移転建てかえ計画につきましては、新しい中野をつくる10か年計画に基づき、区役所、サンプラザ地区を広域的な集客力を備えたまちの顔として整備することとあわせて、着実に進めていかなければならない、こう考えております。
それから、囲町の行きどまり道路についての問題であります。
囲町のまちづくりにおいて、この行きどまり道路の問題についても解消していくことが重要であり、今後囲町のまちづくりを積極的に進めていく中で解決を図っていくべき問題だと、こう考えております。23年度の予算案におきましても、囲町のまちづくりについて、所要の経費を計上し、地元のまちづくり協議会の支援を行うこととしております。
私からは以上です。
〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、地域センターの窓口業務と環境リサイクルプラザについてお答えいたします。
まず、コンビニエンスストアでの交付がお年寄りになじみにくいのではないかという御質問ですけれども、コンビニエンスストアにおけます証明書交付サービスは、コンビニエンスストアに設置してあります多機能端末から行政サービスを選択して、後は音声入りの画面操作に従って画面をタッチしていけば必要な証明書を受け取れるものという仕組みになってございます。既に導入している自治体に問い合わせても、操作方法についての苦情というのは寄せられていないというふうに聞いているところでございます。
また、証明書コンビニ交付サービスは、区外のコンビニエンスストアでも利用できることができます。また、コンビニ交付が利用可能な店舗は、中野区内だけでも38、また隣接の地域でも多数あるというふうに考えておりまして、区民の方々には、操作方法や利用可能な店舗についての御案内を丁寧に行って、不安の解消に努めていきたいというふうに考えてございます。
また、地域センターの窓口を継続すべきだという御質問ですけれども、今回、地域センターを(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所へ転換する目的といいますのは、基本構想で描く持続可能な地域社会を目指して、地域住民が主体となった地域自治、地域活動を推進すること、それと区民満足度の高い小さな区役所を実現することにあるというふうに考えてございます。来年2月には、今申し上げたコンビニエンスストアでの端末を活用した住民票と印鑑登録証明書の交付サービスを予定しておりまして、着実に効果的効率的な窓口サービスの提供に努めていきたいというふうに考えております。
また、7月から2月までの移行に当たりましては、先ほどいでい議員の御質問にもお答えしたとおり、即日で住民票、印鑑証明が発行できるように体制を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
環境リサイクルプラザにつきましては、区民の共通の財産である区の施設というのは、行政課題の遂行に資するため有効な活用が図られなければいけないというふうに考えてございます。今、地球温暖化防止対策を進めるためには、区民の方々のCO2削減の取り組みを促進することができる環境事業者などの民間活力を活用することが区としては重要かつ効果的であると考えております。区民の方々の活動の場は、地域センター、区民活動センター、区の集会室がたくさんございますので、そうした場を活用してもらいたいというふうに考えております。したがいまして、転換後の環境リサイクルプラザに区民活動の場を設けるということは考えてございません。
以上です。
〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、西武新宿線地下化にかかわります何点かの御質問と、その他の項の桃園川緑道にかかわります御質問等にお答え申し上げます。
まず、駅舎の安全対策の中で、ホームドアの設置でございました。
ホームドアの設置に関しましては、国土交通省で検討会が開催されまして、ことしの夏ごろを目途に整備促進に関する中間報告がされると聞いてございます。ホームドアの設置につきましては、検討会の結果を受けまして、各鉄道事業者が乗客の安全管理の面から優先順位をつけ、判断し、整備するものと考えてございます。したがいまして、現時点で区のほうから働きかけることは考えてございません。
また、鷺ノ宮駅南口にエレベーター設置という御質問がございました。
鷺ノ宮駅南口につきましては、バリアフリー整備が求められておりますが、敷地上の制約や構造上の問題がありまして、西武鉄道としては難しいと聞いてございます。現時点で西武鉄道側にさらに区として要望することは考えてございません。
さらに、新井薬師前駅の開かずの踏切の問題でございました。
踏切道の拡幅には、鉄道事業者の協力が不可欠でございます。これまで西武鉄道に対しまして、敷地内の遮断機等の移設に関する費用負担や拡幅整備に伴います一部鉄道用地の使用などについて協力を求めてまいりました。区といたしましては、連続立体交差化以前の現段階におきまして、取り組みが可能な踏切の安全対策を進めてきたところでございます。今後ともこうした対策を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、その他の項で、バイクの駐車場の整備と集合住宅の附置義務の関係の御質問がございました。バイク駐車場につきましては、バイクでの利用が想定される施設の設置者がバイク需要に見合った駐車場を設置すべきものと考えてございます。こうしたことから、区は民間のバイク駐車場の整備の促進に努めているとともに、規制、誘導など、国の積極的な施策展開についても求めるとともに、東京都整備保全公社の助成制度の積極的なPRを進め、整備を積み上げていきたいと考えてございます。
また、集合住宅へのバイク駐車場の附置義務でございますけれども、現在運用しております中野区共同住宅等建築指導要綱によりまして、原動機付自転車を含め、自転車等置場設置を指導しているところでございますが、区の住宅政策審議会の答申では、自動二輪車の駐車分も含め、自転車駐車場の附置義務強化を示してございまして、今後条例化に当たりましては、その方向で盛り込んでいきたいと考えてございます。
次に、桃園川緑道のいすやベンチの件の御質問でございます。
同緑道には、全体で35カ所のいすやベンチを設置してございます。これらのベンチにつきましては、緑道の幅員が狭く、利用者の声が民家まで届きまして近所迷惑にもなりやすいために、整備時点におきまして、地域での説明会とか、個別説明を行い、合意のもとに設置したものでございます。ここ数年、特にベンチやいすは、路上生活者の寝泊り、あるいは深夜たまり場になってございますので、そういった問題が顕在化してございます。このために新たないすやベンチの設置については、現段階では困難と考えてございます。
次に、緑道の舗装についてでございます。
主な舗装は、耐用年数や美観を重視してタイル張りにしてございますが、補修に努めてきてございますものの、竣工から15年以上経過しているところから、場所によりましては傷みが進んでいるところもございます。しかしながら、舗装材の大幅な変更は現段階で困難でございますが、将来、下水道の大規模改修に合わせまして、どのようなものが適しているかどうか検討していきたいと考えてございます。
最後でございます。緑道のプランターの関係の御質問がございました。
プランターにつきましては、主に放置自転車対策、あるいはバイク対策で置いているものでございます。維持管理に努めておりますが、ひび割れしているものにつきましては、順次取りかえてまいります。
いすやベンチにつきましては、先ほども御答弁させていただきましたけれども、路上生活者の寝泊まりとか、深夜のたまり場になっているという問題もありますので、プランターをいす等に置きかえることは困難であると考えてございます。
以上でございます。
○議長(伊藤正信) 答弁が残っておりますけれども、時間がオーバーしましたので、以上でかせ次郎議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後5時40分延会