平成21年03月13日中野区議会文教委員会(第1回定例会)
平成21年03月13日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成21年3月13日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成21年3月13日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時00分
○閉会 午後4時07分
○出席委員(8名)
牛崎 のり子委員長
佐伯 利昭副委員長
平山 英明委員
いながき じゅん子委員
いでい 良輔委員
伊東 しんじ委員
大内 しんご委員
江口 済三郎委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 菅野 泰一
教育委員会事務局次長(生涯学習担当参事兼務) 竹内 沖司
教育経営担当課長 小谷松 弘市
学校再編担当課長 青山 敬一郎
学校教育担当課長 寺嶋 誠一郎
指導室長 入野 貴美子
○事務局職員
書記 鳥居 誠
書記 松本 明彦
○委員長署名
審査日程
○議案
第35号議案 中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例
○所管事項の報告
1 平成21年度の組織編成について(教育経営担当)
2 採択された請願・陳情及び主な検討事項の処理状況について(教育経営担当)
3 統合新校開校に伴う保護者・教職員等の意見について(学校再編担当)
4 今後の学校評価の考え方について(指導室長)
5 平成20年度体力テストの結果と体力向上に向けた取り組みについて(指導室長)
委員長
定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時00分)
本定例会における審査日程について御協議をいただくために委員会を休憩いたします。
(午後1時00分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時00分)
本定例会における委員会の審査日程についてお諮りいたします。
本定例会では、常任委員会の日程が3日間設けられています。本委員会にはお手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり審査すべき案件がございます。休憩中に御確認いただきましたとおり、本日は初めに第35号議案について審査を行い、その後、所管事項の報告を5番までを目途として行い、2日は1日目に終わらなかった所管事項の報告を受け、その後、所管事務継続調査についてお諮りしたいと思います。3日目は進捗状況に応じて改めて相談したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査は5時を目途に進め、途中、3時になりましたら休憩を入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
議案の審査を行います。
第35号議案、中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例を議題に供します。
質疑に入る前に、理事者からの補足説明を受けたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
小谷松教育経営担当課長
それでは、第35号議案、中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例につきまして補足して御説明申し上げたいと思います。
今回の改正の内容でございますが、中野区立幼稚園の設置について規定をいたしてございます条例の第1条につきまして、中野区立みずのとう幼稚園及び中野区立やよい幼稚園の項を削るというものでございます。
改正の理由といたしましては、来年、平成22年4月に両園の土地建物を利用いたしまして、私立認定こども園を開設することに伴いまして、この二つの園を閉園する必要があることから、条例の改正をお願いするものでございます。
お手元のほうに新旧対照表(資料2)を用意をさせていただきました。ごらんいただきたいと思います。こちらにございますとおり、右側が現行の条例、そして左のほうが改正案となってございます。この第1条に、中野区に学校教育法第1条に定める幼稚園を次のとおり設置するということで、現在、かみさぎ幼稚園、ひがしなかの幼稚園、みずのとう幼稚園及びやよい幼稚園の4園を設置しているところでございますが、このうちのみずのとう幼稚園及びやよい幼稚園につきまして、改正案のとおり、この2園を削除するというものでございます。
なお、附則によりまして、この条例は平成22年4月1日から施行を予定しているものでございます。
この条例を認めていただきましたならば、転換に向けまして、区といたしましては区立幼稚園の廃止につきまして東京都への届け出、また、認定こども園を運営いたします事業者につきましては、認定こども園の認定に向けまして、4月に入りましたら早々に東京都のほうと事前協議を開始するというふうに聞いてございます。そのほか、転換に向けましての必要な改修工事、また、子育て支援事業といたしまして、運営事業者のほうに委託する、そのほか、現在両園に通園してございます子どもたちにつきましては、現在の予定でございますが、10月に入りましたら、認定子ども園への転換についての意向調査などを行って、円滑な転換を目指して準備のほうを進めてまいりたいと思ってございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
委員長
本件につきまして、質疑はありませんか。
伊東委員
今の説明の中で、事業者に運営を委託していくということをおっしゃっていた。冒頭には私立の認定子ども園というお話もあった。その使い方をはっきりしておかないとあれなんだけれども、委託ということになると、中野区が認定こども園をやってくださいよという形になるけれども、完全に土地建物を私立のほうに貸すという契約をして、完全に民営化ということなんでしょう。その辺だけ確認を。
小谷松教育経営担当課長
説明のほうが十分でございませんでした。平成22年の転換後につきまして、認定こども園は幼稚園機能、保育園機能をあわせ持って実施をするわけですが、あわせて子育て支援事業も実施するということとしてございます。転換後はもちろん、認定こども園の主催する子育て支援事業となるわけでございますが、21年度につきましては転換に向けてスムーズに移行するように、事業者が子育て支援事業を部分的に先取りしながらやるということで、その部分につきましては、まだ転換前でございますので、区のほうで具体的に親子登園事業であるとか、あるいは一時保育の事業、こういったものを区の事業として21年度について事業者に運営を委託するということになります。転換後はもちろん、当該事業者の事業として実施を図るというものでございます。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、質疑がなければ休憩をして取り扱いを協議したいと思います。
委員会を休憩いたします。
(午後1時04分)
委員長
委員会を再開します。
(午後1時04分)
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ質疑を終結します。
次に、意見の開陳はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ意見の開陳を終結します。
次に、討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ討論を終結いたします。
これより本件に対する採決を行います。
お諮りいたします。
第35号議案、中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例を原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議がありませんので、そのように決定いたします。
以上で、第35号議案の審査を終了いたします。
次に、所管事項の報告を受けたいと思います。
1番、平成21年度の組織編成についての報告を求めます。
小谷松教育経営担当課長
それでは、平成21年度の組織編成につきまして御報告をさせていただきたいと思います。
お手元のほうには全庁分の来年度の予定してございます組織編成につきましての資料(資料3)を御用意させていただきましたが、当委員会にかかる部分といたしましては、恐れ入ります、7ページをお開きいただきたいと思います。
7ページの中ほどでございますが、教育委員会事務局の組織編成が載ってございます。中野区の組織編成につきましては、事業部制を導入いたしまして、目標と成果による区政運営を行うため、区政目標体系に沿った組織の編成を行っているところでございます。
教育委員会の組織編成でございますが、20年度から21年度への変更につきましては、大きな変更はございません。ごらんのとおり、教育経営、学校教育及び生涯学習と3分野の体制につきましてはそのままでございます。また、それぞれに統括管理者を置くこととしてございます。
なお、執行責任者の欄をごらんいただきたいと思います。網かけの部分が変更になる部分でございます。学校教育担当のところでございますが、21年度のところでございますが、学校・地域連携担当、それから、生涯学習担当の生涯学習調整担当、この2カ所、名称変更ということで網かけをしてございます。これは今年度、学校・地域連携担当につきましては、企画・地域連携担当、それから、生涯学習調整担当につきましては、今年度は企画調整担当という名称でございました。ただ、その上もちょっとごらんいただきたいと思いますが、20年度のところでございます。教育経営のところにも企画財政担当ということで、3分野それぞれ企画という名称を冠に乗せてございます。こういったこと、ややこしいといいますか、誤解のあるところでございます。教育委員会全体としての企画調整機能につきましては、教育経営分野で担当してございます。そのようなことから、名称を改めて整理をいたしまして、よりわかりやすい形でそれぞれ学校教育につきましては学校・地域連携、生涯学習につきましては生涯学習調整担当ということで名称変更させていただくものでございます。
それから、学校教育の今年度のところで、就学担当がございます。こちらにつきましては、21年度、就学担当及び特別支援教育担当というふうに二つに執行責任者を分離することといたしてございます。これは、21年度から一つの施策につきまして複数の執行責任者を置くことができるという形で改正を、これは全庁的に行ってございます。それに対応いたしまして、より業務の執行体制の明確化、また、責任の所在等を明らかにしながら効率的な業務運営を図るため、現在の就学担当を就学担当並びに特別支援教育担当というふうに分離して事務の執行を図ってまいりたいと考えているものでございます。
来年度におきまして、教育委員会の組織編成についての改正点は以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
大内委員
指導室長のところは特に統括管理者とか執行責任者がいない。指導室長の仕事は、他の分野に比べて違うんですか。今までもないんだけど。
小谷松教育経営担当課長
組織上につきましては、指導室長は学校教育分野の執行責任者ということでございます。同じように、生涯学習分野でも中央図書館長が執行責任者になってございます。ただ、その職責、他の執行責任者に比べまして重いという部分がございまして、この部分につきましては管理職を充てているというものでございます。組織上につきましては、指導室長は執行責任者であるということになります。
ただ1点、この表のところで一番上に指導室長がもう一度出てまいります。これにつきましては、次長を補佐する職ということで、実は、教育委員会の組織といたしまして、次長のもとに次長を補佐する職を置くことができるという規定がございまして、指導室長は学校教育につきましての専門的な知識を有するということがございますので、指導室長につきましては執行責任者であると同時に、組織上の位置付けとしましては、あわせて次長の補佐をする職というふうに位置付けております。
大内委員
例えば、指導室長というのは何を――よくわからないんだけれども、何をしているところなの。要するに、学校をと言われるんだけれども、実質的に、ほかのは結構詳しく書いてあるんだけれども、指導室長の仕事自体、何をしているところなの。ちょっとこれだと読み取れないので。
小谷松教育経営担当課長
執行責任者は、それぞれ施策ごとに置くということになってございまして、具体的に指導室長が担任する施策と申しますのは、一人ひとりの児童・生徒に応じた学習指導、あるいは心をはぐくむ教育と相談、体力を高める学校体育といったような学校教育にかかわります内容につきまして、学校教育分野の中でも特にその部分についての施策を中心に担当するということとしてございます。
大内委員
そうすると、学校教育という分野もあるでしょう。そうすると、指導室長は学校教育分野に入るんじゃないのとか。わかっているようでよくわからないので、ちょっと確認をしておきたいので。
例えば、指導室長というのは専門家という位置付けでやっている。そうすると、指導室長というのは、各学校の校長先生、副校長先生といますよね。それとどういう関係になるんですか。要するに横並びなの。それとも上司になるの。
入野指導室長
私の部分に関しましては、大きく分けますと教育指導的な部分、私の下には統括指導主事以下、指導主事がおります部分と、それから、都とかかわります都費の任用管理という部分がございます。大きく分けると二つの仕事をしております。
お問い合わせの校長はこの中のどこに入るのかとなりますと、校長は一応課長級になるんじゃないかなというふうに思います、教育委員会の中の。ですので、どういうふうにとらえるというと、指導の責務としては、指導をすることになりますので、上下ということは、同じ課長級といえば課長級になるんですけれども、校長への指導や何かは全部私どもの仕事になりますので、そういう部分については、きっちりと仕事をしているという状況になります。
大内委員
じゃあ、指導主事というのは課長級なの。
入野指導室長
統括指導主事は課長級です。いわゆる学校に戻りますと校長級ですので、統括指導主事は課長級です。指導主事自体は違います。
大内委員
となると、役所では単純に係長クラスかもしれないけど、係長クラスが課長クラスの人を指導するの。
小谷松教育経営担当課長
確かに指導室長の位置付けは執行責任者となってございます。ただ、執行責任者には課長級も充てることができるし、また、部長級を充てることをできるし、係長級を充てることもできると。担当いたします業務の重責によりまして、それにふさわしい職の者を充てるということになってございます。したがって、指導室長を充てているということは、学校教育のいろいろな指導にかかわる部分、あるいは人事にかかわる部分といったようなことから、職としての内容が非常に重い部分がございます。そういったことから、執行責任者のところではございますが、管理職としての指導室長をそこに充てているというものでございます。
大内委員
指導室というと、教育委員会とかの条例か何かで指導室という名前は変更できないの。指導室長というと、何か指導していると思うじゃないですか。その中に指導主事だとかがいて、結局何の指導しているのかがよくわからないというか。
要は、中野区のほかの分野を見ていると、わかりやすくかどうかわからないけれども、変えているでしょう。指導室長のところだけこうやっていじくらないじゃないですか。何か、ここの部分は教育基本法とか、そういった何かで指導室長を置くだとか、そういった名目があるんですか。
小谷松教育経営担当課長
組織名称につきましては、基本的には当該自治体の裁量によるものでございます。
ただ、指導室、あるいは指導室長という名称につきましては、他の区、あるいは多摩の市町村も含めまして統一的にそういう呼び名でやってございます。指導室、あるいは指導課というような名前でやってございます。そういったことから、他の自治体との均衡を図るという意味におきましても、当区におきましても指導室長という名称で統一をさせていただいているところでございます。
大内委員
じゃあ、例えば他のところへ行くと、施設の担当の課長だとか、学校施設だとかいると思うんだけれども、うちはそういった名称が執行責任者にもないよね。どこかに入っている、これ。
小谷松教育経営担当課長
施設を担当いたしますのは、教育経営担当の中に執行責任者といたしまして施設担当の係長を置いてございます。
入野指導室長
指導主事という者自体が級ではございませんで、地方教育行政法で位置付けられておりまして、学校の教育活動について、学校長並びに教育活動について指導・助言するのが職務になっておりますので、指導主事と統括指導主事の区の中での役割というよりは、そういうものについては法で定められているという形になっています。指導室長はその限りではございません。
大内委員
指導室長はトップなんだけれども、各学校の校長先生は指導室の指導に従わなければいけないということなの。それとも従わなくてもいいの、わかりやすく言うと。
入野指導室長
教育活動というか、教育課程の運営については、その指導をすることが義務になっておりますので。ただし、編成権等々については学校のほうにございます。ですので、役割分担をしていく形になるというふうに思います。指導に従わなければいけない部分もございますし、学校長の判断でできる部分もあるというところでございます。
大内委員
その編成権というのがよくわからないんだけれども、従わなくてもいい部分というのは何なの。
入野指導室長
細かくいろいろ言っていく形になるかというふうに思いますけれども、一つひとつ。例えば、教育目標を決めるですとか、そういうものに関しては学校長の権限で決めることができるですとか、授業をどういうふうに運営していくかということも学校長の権限であるとか、そういう部分になっているかと思います。きちんと学校長の権限であると法的に決められている部分については、助言を受け入れるかどうかという部分については、一つひとつの問題になってくるかというふうに思います。
大内委員
そうすると、うまく使われる可能性があるのでね。これは学校の権限です、これは指導室長の権限です、それが明確ではないの。要は、指導室長、あるいは教育長の判断でそのときによって変わる可能性もあるということなの。どこまで指導室長というのは学校に指導できるのということをわかりやすく教えてください。
入野指導室長
細かいもの一つひとつを規定しているわけではありませんので、大きく権限になっているかと思います。今お話ししましたように、校長自体は学校の管理監督する部分の中に施設ですとか、教育活動の教育課程ですとか、それから人の部分もあります。そういうものを管理監督するというふうに明確に決められておりますので、その部分に属するものに関しては、全部校長の権限というふうになっていくと思います。
ですけれども、委員お話しのように、一つひとつによっては、状況がちょっと違ってくるかなというふうに思います。大きく法的に決められている部分はそういう部分でございます。
大内委員
だから、従わなきゃいけない部分はどこになるのと聞いているの。
入野指導室長
教育委員会が学校長のほうに権限を委譲している部分もございますので、そういう部分についてはもちろん学校長の部分でございますが、教育委員会が教育委員会として持っている部分はございますので、その部分については、要するに、細かい部分一つひとつということはないかと思います。
〔「学習指導要領は」と呼ぶ者あり〕
入野指導室長
学習指導要領は全員がのっとらなければいけませんので、学校長とは限りませんので、そういうお話でしょうか。
大内委員
従わなければいけないというのは、通常どういうところなのと。今のを聞いていると、どちらかというと、別に従わなくてもいいんだと、学校に権限を与えているんだということがあるんでしょう。だから、与えていない部分。指導室長はどういったところで自分の権限を使えるというか、できるの。言っている意味わからないですか。全部学校に与えていないんでしょう、与えている部分があるわけでしょう、与えていない部分はどこなんですか。
入野指導室長
どういうふうにお答えしたらいいか私も悩むところなんですが、区として全体的に取り組むというふうに結論が出ている部分がございますので、教育委員会としてこういうふうに取り組むと。そういう部分については、従っていただかなければいけない部分かなというふうに思っております。ですので、それにのっとって指導する。それから、区としてしっかりと、これは校長の権限でやってくださいと言っている部分もあるんです。そういう部分については、明らかに校長の権限でということでございます。
ただ、そういうものでは割り切れない部分というのが、どうしても学校教育の中には細かい部分が出てきますので、そういうものについては一つひとつ、そのものについての判断になってくるかというふうに思います。
大内委員
例えば、学校再編等のもろもろについては、教育委員会のほうで決めたことについては、指導室長から学校長等に言ってちゃんと言うことを聞くようにしなければいけないと、そういうことですか。そうではないの。
入野指導室長
学校再編について、学校教育の中身についてであれば私のところになるかと思いますけれども、再編自体は私の部分ではございませんので、そういう部分については再編のほうの担当課長のほうからお話をするか、場合によっては教育委員会としてお話をするという形になるかというふうに思います。
大内委員
だから、指導室長はどういう権限を持っているのと聞いているわけ。さっきから校長に委任している部分があると。何を委任、委任していない部分はどこなんですかと聞いているの。委任していると言っているでしょう、さっきから。細かいところはいいです。指導室長としての仕事の内容というのは何なんですか。あなたじゃなくて、指導主事もやっていることは同じなんですかと。わかりやすく、例えばこういったものだとか、何かないんですかと、そういうことを聞いている。じゃないと、いてもいなくてもいいんじゃないかという話になっちゃうよ、今のを聞いていると。
入野指導室長
いわゆる教育課程ですとか、指導主事については、教育課程ですとか学校の教育活動に関して専門的な知識を有する者ですので、その部分について、それを生かして指導・助言をするという形になっております。指導室長については、特に大きくそういう役割を書かれている部分はないかというふうに思います、法的にはです。それは、それぞれの区によっての役割になってくるかと思います。それは先ほど課長がお話しした部分に指導室長はなっているのかと思います。
指導室長の権限については、指導主事の役割と同じ部分ももちろん持っています。ですから、教育活動における部分についての指導・助言という部分は持っているというふうに思っております。
それから、一人ひとりの教員についての部分については、私、指導室長が担っている部分がございますので、教員の服務ですとか、指導力の部分ですとかという部分についての指導・助言は役割だというふうに心得ております。
大内委員
要は、ふだん何しているんですかと、もっとわかりやすく言うと。ふだん何しているの、あなたの仕事は。
竹内教育委員会事務局次長
基本的には、先ほど来お話ししているとおり、指導主事というのは地教行法に基づいて置いております。指導主事の束ねとして指導室長というのがいるわけでございます。もともと指導主事は何をやっているのかといえば、学習指導要領に基づく、それに沿った、各公立学校における教育がきちんと行われるということを全国一律、それがあまねく各公立学校に行われるようにしているわけでございまして、そういった面からの指導・助言というのが大きな役割として一つあるわけでございます。
それからもう一つが、都の兼務職員の人事・服務について総括的に指導室長がその役割を担っているということでございます。大きく言えばそういったことでございまして、そのために管理職としての、大変重い重責でございますので、指導室長という管理職を置いて、それに当たっているということでございます。
江口委員
今、関連で。私が何度も言っている、事業部制にしてからわけのわからない組織編成が行われているという感じがしているのは、ほかの部、課でもそうなんですけれども、特に教育委員会で、本来おかしいのは今出たように指導室というのは縦系列と言ってはおかしいけれども、系列から言えば、教育長、それから次長、その次が指導室長のはずなんですね。だから、この委員会の席でも本来は次長の隣が室長であって、今の仕事の内容からすれば、指導室は教育委員会の中でも別立ての組織化されているところで、ある程度専門性が問われているところというか、専門職を持っていないとならないという、経験ある人というか、そういうところなんですね。
そういう意味では、中野のこのやり方というのは、こうやって指導室というのは置いているんだけれども、例えば執行責任者に指導室長を置いたり、その上の統括の責任者で学校教育担当がいたり、わけのわからないような組織をつくっているわけですよ。区民からすれば、本当にこの担当、担当というのはさっぱりわからなくて、係長なのか課長級なのか、部長級なのか、さっぱりわからないんですね。ただ、あなたは執行責任者です。それは内部的にわかればいいことで、区民に対してはもっとわかりやすい名称を使ってほしいの。
それから、今言ったように、指導室は教育委員会の中でも独立機関だと私は思っているので、やっぱり指導室があって、そこに指導主事がいたりしてという形にして、それ以外に本来の事務系の人たちがつくという、それが本来の教育委員会の姿じゃないかと思うんですが、違うんですか、これ。
小谷松教育経営担当課長
お話としては大変よくわかります。ただ、区といたしましては、基本的には組織編成は中野区全体としての目標と成果による区政運営ということで、どのような目標を立てるのかと。その目標を実現するためにどういうふうな効率的な事務執行を行っていくかという、まず最初に、その目標によります体系がございます。すべて組織及び予算もそれに合わせて組み立てるということになってございます。
したがって、今お話がございました指導室の部分につきましても、今まで指導室、学務課というような形で分かれてございましたけれども、同じ学校教育の充実を図るということで、統一の目標である。その目標の中に、それぞれいろいろな施策体系があるということから1本にしまして、学校教育分野ということでそこに1人の統括管理者を置きまして、より具体的に教育内容の指導に当たる部分ということで、そこの施策体系のところに指導室長を置くというふうなことになってございます。区全体としては、そういう目標がまずあるというところから、組織をそれに合わせて設置をするというような体系になっているものでございます。
江口委員
だから大内委員みたいな質問が出るので、目標とすれば、別に指導室も目標と成果を挙げればいいのであって、何も問題ないでしょう。これはあえて、区長部局から言われた組織編成で、教育委員会が独自で考えた組織編成じゃないから私はそう言っているので、本来は、指導室というのは独立した機関でなければならないと私は思っているわけ。なぜかといったら、中立公平でなければならないという部分もあるし、教育基本法にのっとった形での動きもしなければならないという、非常にかなめになるわけです。それ以外の皆さんは、はっきり言って本当に事務局なんですよ。
そういう意味では、お手伝いをしていくという形であるわけですから、その辺はしっかりもとに戻して、今すぐ戻せとは言えないけれども、区民がわかりやすいような組織名にすると。例えば、統括責任者とか執行責任者とかというのはあなたたちがわかればいいので、区民がそんなのわからなくていいんですね。要は、どこへ行けば何ができるか、どこへ相談すれば、どこを訪ねれば何ができるかというのは区民がわかればいいんだけれども、さっぱり最近の組織編成は、組織表を見るたびにわからない。しおりを見ても、何とか担当と書いてあるだけでさっぱりわからない。そういうことじゃなくて、役所のイメージが新しい、古いじゃなくて、区民に密着した形でわかりやすい名称、特に教育委員会なんかは、指導室というのは保護者の人たちはみんな知っているわけですから、こういう形で独立という形で分野にあるんだったらば、これはあくまで独立の分野として、そこに統括責任者を置けないんだったら兼任するとか、執行責任者が置けないんだったら指導室長が兼任するとか、目標と成果というのは指導室で幾らでも出せるわけですよ。そういう形にしないとわかりにくいし、指導室の権限というのがだんだん薄れてしまうということになってしまう。形骸化させてはならないと思うんですね。教育委員会での事務局という扱いであっても、指導室だけは別個にしなければいけないという部分は、私は根強く持っている立場の1人としては、これ、どうなんですか。こんな形でおかしいですよ。分野の中に指導室があって、執行責任者が学校教育分野の中に、またそこに指導室長が執行責任者で入ってくるというんじゃなくて、指導室のすべての責任者は指導室長なんですよね。そういう形でこの分野に指導室があるんだったら、その分野を横にそのまま並行して、学校教育分野から指導室を外して独立させたらどうなんですか、違いますか。
小谷松教育経営担当課長
考え方としては大変よくわかります。ただ、区の一つの考え方といいますか、基本といたしまして、しっかりと目標と成果による区政を遂行していくんだということで、まずそこに区政目標体系を定めた上で、それに従う形で組織を編成するという原則のもとに行ってございます。学校教育の充実を図るという一つの大きな目標のもとに、これはその中でいろいろ指導室も含め、また、旧学務の部分も含め、同じ目標を目指して組織を編成するという形となってございます。その中でそれぞれの個々の施策を立てて、より具体的な形での執行責任者を充てるという形で取り組んでいるところでございます。
江口委員
そんなんだったら違うって。教育経営と学校経営というのは一緒なんだよ。生涯学習というのは別なんですよ、もともと教育委員会というのは。教育経営と学校教育は一緒なんですよ。そんなに簡素化したいんだったら、これ、一つにしちゃえばいいじゃないですか、学校教育のこと考えるんだから。一つにしたって全然問題なくて、執行責任者だけ多くすればいいわけでしょう。そのほうがスリム化されていいわけじゃないですか。
なぜかといえば、区民からすれば、学校のことは学校教育分野に尋ねれば全部わかると。生涯学習のことは生涯学習分野に尋ねれば全部わかるとなって、指導室の場合は、あくまで学校側との関係が圧倒的に多いわけでしょう、区民より。もちろん、間に区民が入る。それはなぜかというと、学校という言葉が入る。児童・生徒だって入るために、どうしてもそこに保護者という形が入ってくるから指導室が入るんだけれども、それは別に指導室が教育委員会の中の1分野であって、同じところなんだからもっとわかりやすいようにつくって、目標と成果なんか、どんな名前でやったって、出せといったら出さなければいけないんだから、今言っている説明じゃ私は納得いかないよ。
やっぱり目標と成果というのは、どんな名称だろうが何だろうが、出せといえば出せるんだから、自分たちはどういう目標にして、どういう成果を出しますということは、どんな名称だってできる。ただ、区民にわかりやすさということもこういう部分でつくっていかないと、だんだん区民は行政から遠のいて離れていく、身近に感じなくなる、そういう不安が出てくる。まして、議会と本当に組織編成で私は相談されたという記憶があんまりない。こういう報告だけでどんどん分野制だ、執行責任者だ何だって、どんどん今の体制で決められちゃうけれども、やっぱり両輪というんだったら議会の言い分も聞いて、区民にとっての区役所なんだから、区民のために奉仕するための公務員なんだから、区民のために名称を変えたり。この名称というのは皆さんあなたたちのため。区役所の職員のため。要は民間のやり方ですから、これ。
ですから、前にも言ったように、事業部制というのは松下が取り入れたけれども、大失敗して5年でやめちゃったわけですよね。そういうことがあって、確かに新しい感覚で取り入れるのはわかるけれども、区民になじまないものは避けるべきだし、まして教育委員会がそれに準じてやるということじゃなくて、もっとわかりやすくやってほしい。これは答えをもらっても同じなので、これだけ言っておきます。
それだったら、なぜスポーツ担当があるのに文化芸術担当がないんですか。生涯学習に入れる分野じゃないですよ、文化芸術というのは。どうしてそういう担当がないんですか。ここまで議会の中でどんどんそういう意見が出ていて、そういう執行責任者がいないんですよ。生涯学習担当の中に含まれちゃったんですよ。文化芸術というのは、もっと大きいものですよ。ところが、これが入っていないの。目標と成果の中には文化芸術があるんですよ、生涯学習の中に1行だけ。だけど、これほど重要なものが、まして中野の場合、教育の中野、文化の中野とずっと言われ続けた時代があった。そういう歴史を負っている区政の中で、文化芸術担当がないの、これは何でですか。
竹内教育委員会事務局次長
今、委員からお話のとおり、文化芸術につきましては、生涯学習支援なり、生涯学習調整という中で分担して担当しているということでございます。先ほど来御指摘のとおり、区政目標の立て方の問題もございますし、それはいろいろな立て方があるというふうに思ってございます。そうした中で、今こういう形で区政目標に合わせた組織というものをつくっているわけですけれども、これについては確かに委員おっしゃるとおり、常に区民の皆さんにわかりやすいということは大変重要なことでございますので、私どもも委員からいただいた御意見も踏まえて、今後の組織のあり方、また、目標体系の立て方については、鋭意改善といいますか、していかなくちゃいけないというふうに思っております。
江口委員
次長からそういう答弁いただいたからぜひこれは、教育委員会は、いつも言っているように区長部局とは違う、一つの独立した機関であるわけです。もちろん予算の執行権というのが区長にあるということは十二分にわかって質問しておりますけれども、できたら本当に区民にわかりやすい名称、区民の児童・生徒も非常に親しみやすい名称、そういう形で本当に細かくやってもらいたいし、例えば生涯学習とか学校の施設担当とか、昔、学校の開放なんてあったじゃないですか。これだとどこに何をしていいかさっぱりわからないんですよ、電話するときに区民は。我々議員がわからないんだから、失礼だけど区民は絶対ついてこられないと思う。そういうものをどんどんやることが本来すごい区だと、行政だと思われたら困るのね。だからぜひ、次の22年度ぐらいに、どこで組織編成をやるかわからないけど、考えるときは、教育委員会らしく区民にとって、特に児童・生徒、保護者にとってわかりやすい名称、いつもここへ電話すれば何らかの形でこたえてくれると、そういうふうなことをつくっていくことも行政の仕事だと私は思っているんです。自分たちだけが理解してやったって、わかりませんよ。分野とか統括責任者とか執行責任者って、我々議員だってわからないもの、何をやっているのか。じゃあ、例えば、執行責任者を議会に呼ぼうったって、呼べない場合があるんだよ、係長だと。わかりますでしょう。そういうことを議会軽視でやっているんですよ、行政は。今までは課長がいて、部長がいて、課長級がいて、部長級がいて議会と対等に委員会でやり合った。ところが、こうやって執行する責任者が議会にはいないんですよ。呼べないですよ。こんな矛盾したこともないのね。ぜひそういうことも含めて、私は議会の中でもちょっと、改善委員会も含めて言いますけれども、ぜひこれはお願いしたいというふうに思っています。これは要望です。
いながき委員
一つだけ確認させていただきたいんですけれども、現場の学校との連絡窓口というのはどなたがというか、課長なんでしょうか、指導室長なんでしょうか。例えば、学校の校長先生から何らか相談をしたいという場合に、どちらが窓口になっているんでしょうか。
小谷松教育経営担当課長
教育委員会全体として学校とかかわってございますので、今、委員のお尋ねにつきましては、それぞれ個々の状況によりまして、例えば施設について何か相談があるということであれば、教育経営担当の施設担当のほうで受けとめますし、あるいは教員の人事等ということであれば、指導室のほうで受けとめますし、特別支援教育に係る相談ということであれば、これは学校教育担当のほうで担当すると。教育委員会全体として学校といろいろな形でそれぞれのセクションごとに対応を図っているというものでございます。
いながき委員
特に現場の校長先生というのは割と孤独で、学校運営に関しても多々御苦労なさっているということで、そういった校長先生の思いなり悩みを受けとめて、しっかり相談に乗ってあげているということでよろしいんでしょうか、教育委員会は。
小谷松教育経営担当課長
そのとおりでございます。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、次に移ります。
2番、採択をされた請願・陳情及び主な検討事項の処理状況について。
小谷松教育経営担当課長
それでは、採択されました請願・陳情及び主な検討事項の処理状況につきまして御報告をさせていただきたいと思います。
まず、資料(資料4)の表のほうでございます。平成17年第144号から第154号陳情までの計11件の陳情でございますが、これは18年の1定におきまして採択されたものでございます。この陳情の趣旨といたしましては、区立幼稚園(みずのとう・やよい)の廃止については、地域保護者の合意なくして進めないでほしい。また、幼児総合施設の概要が明らかになるまで、園児募集を停止しないでほしいということでございますが、これは認定こども園の転換に向けまして、これまでも区、事業者、それから保護者によります三者協議会を設置し、円滑な転換に向けた話し合いなどを重ねてきてございます。その転換に向けては、園児の募集を継続しながら行うということでやってきているところでございます。これにつきましては、その処理状況にございますように、今定例会におきまして幼稚園条例の一部を改正する条例につきまして御審議をお願いしているものでございます。
それから、裏面のほうにまいります。まず、20年第17号陳情、これは昨年の3定におきまして採択をされたものでございます。区南部地域にある小学校に特別支援学級を早急に設置(整備)してほしいというものでございます。現在の処理状況といたしましては、地域バランスや通学距離等を勘案しまして、開設年度も含めて検討を行っているという状況でございます。
それから、文化芸術振興全般の検討についてということで、これは16年の3定のときに検討することとしたものでございます。区民の自主的な文化芸術活動に対する支援や活動場所となる文化施設の適切な提供など、区の文化芸術振興策全般の検討を進めるということで、これまでいろいろ検討を進めてきたところでございます。処理状況といたしましては、区の文化芸術振興に関する基本理念や基本的事項について引き続き検討を行うということで、現在検討を進めているところでございます。
それから、図書館サービスの充実ということで、これも同じように16年の3定で検討することとしたものでございます。検討の項目としては、一つは図書館サービスポイントしての公共施設の活用、それから、実費による郵送サービス、そして、駅での返却ボックス、コンビニでの受け渡しなどについての考え方を整理するというところでございます。
まず、一つ目としまして、公共施設の活用ということですが、これは区役所本庁舎設置に向けまして現在関係部署と調整を進めてきましたけれども、来年度、本庁舎にブックポストを設置することといたしました。
それから、郵送サービスの件ですが、現在、障害者サービスの一環として図書館資料を無料で宅配してございますが、障害者以外の実費によるサービスについては、現在検討を進めてございます。
それから、駅へのブックポストの設置ということで、これにつきましては管理上支障のない設置場所の選定や図書以外の投函などのいたずら防止策などについて検討する必要があることから、駅とも協議をしたいということで現在進めているところでございます。
処理状況については、以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
江口委員
16年の定例会の文化芸術振興というのは、我が党がずっと言い続けてきたことだと思うんですけれども、この21年で5年目に入るんですよね。何でお役所仕事と言っては大変失礼なんだけれども、こんなに5年もかかって、普通だったら毎年、今の検討状況はこうです、何年度の検討状況はこうです、何年度は何を検討しましたと区民に示すのが本来筋で、いつもこんなに間が空いても検討中、検討中ということを言っているわけですね。
区長部局が考えているのは、この間も新年度予算で発表になったように、私、それがだめだというんじゃなくて、お笑い系で人集めしようというだけのことで、本来そこはもちろん文化芸術の一つなんだけれども、私たちが言っているのはそうではなくて、本来言っている文化芸術振興をどうしていくのかと。中野の場合、そういう諸団体がありながら、なかなか結束、横との連絡がとれにくいという部分があったり、それから、集まる拠点等もできない部分もあったりということで、非常にそういう人たちが多い割には横との連携が悪過ぎるというぐらいのものがあるし、また、横の連携というのは、こういう人たちというのは非常に難しさもあるということも承知の上で言っているんですけれども、それは区が中心になってそういうことをやってくれていないものですから、各人がばらばらでやって、せっかくいいものを中野として発信できるものが何となく閉ざされているという感じがしているので、私たちはこれを積極的にやるべきだと言っているんですけれども、どうしてこれ、こんなに5年もかかって検討中という、本当に皆さん仕事をやっているんでしょうかね、この担当の人は。これは何年度までにやるという目標と成果にも出てこない。さっき言った目標と成果を出すための新しい組織体制ということをずっと分野制から言い続けているんだけれども、こういう検討中のものに対しては、そういうような目標が出てこないんですね。ですから外部評価の人たちも何も評価ができないという部分があるんだけれども、これはやっぱり検討中と出すなら、何年度は何を検討して今こうだというのを出すべきだと思うんだけど、いかがでしょうか。
竹内教育委員会事務局次長
特に文化芸術による中野の町の魅力づくり、それから、新しい出会いの場、若手の方が御活躍できるようにというところでは、魅力あるまちづくりという視点から、区長部局のほうで今取り組みを改めて始めているところでございます。これについては昨年度、そういった部分について区長部局で今後の桃が丘小の跡施設の活用等も含めてやっていきましょうということで、教育委員会との役割分担をしたということでございます。教育委員会といたしましては、本来の伝統文化、それから文化財、あとは今おっしゃったような芸術ですとか、そういった部分についての取り組みをやっていくということで、改めて特化したといいますか、やっていくということになっているわけでございます。
それぞれ私どもも、特に文化財関係についていろいろなことを考えておりまして、ずっと江口委員からも御指摘をされている文化芸術に携わっている方々の横のつながりですとか、それに対する区の支援という部分について、確かに言われているとおり明確なビジョンを持った取り組みというのができていないということについては確かでございまして、これについては私どもとしても取り組みについてしっかりとした考え、ビジョンを持っていかなくちゃいけないというふうに考えております。
ただ、今後のことといたしましては、教育ビジョン、第2次のものをつくっておりますので、そういった中では明確な方向というもの、また、5年間の取り組みといったものについても打ち出していければというふうに思っているところでございます。
江口委員
何度もそういう答えをいつもしてくれるんだけれども、5年間って、実際何やってきたんですか、そうすると。
竹内教育委員会事務局次長
具体的には、先ほど来申し上げているとおり、文化芸術の活性化という意味では、場の提供と情報の提供ということにとどまっているわけでございます。これはもうずっと御指摘をいただいているところでございますので、そこの部分では確かに取り組みとしては大変弱いというふうに反省をしているところでございます。
江口委員
ぜひこういう経過報告をされた以上、新年度に入りましたら、とりあえず文化芸術担当がいないので生涯学習担当でしょうから、そこで積極的に今後の中野区の文化芸術振興をどうしていくかと。文化財の保護とかそういうことは当然のことなので、当たり前でやらざるを得ないんですけれども、そうじゃなくて、市民活動の中でやっている文化芸術というものをどう高めていくかという、これはやっぱり中野区の価値観というかな、区の価値ということに非常に重要なの。なぜかというと、他の区は本当に文化芸術というのは条例までつくって、すごく力を入れている。中野区だけはやっていない。なぜかというと、そういう人材がいずれ離れてしまうんですね。中野区というのはそういうところなんだということをさせてはならないと思うんです。魅力ある町だとか、いろいろまちづくり言っているけれども、こういう人たちがいるということが一つの中野の象徴にならなければいけないので、ぜひこれは本当に21年度は積極的な進めをして、議会にも現在こんな進行中でやっているんだというぐらいの報告ができるようにしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
竹内教育委員会事務局次長
教育委員会としての取り組みについて、しっかりとした取り組みをしていきたいというふうに考えてございます。
伊東委員
14番の図書館サービスの充実についてですけれども、きょうは中央図書館長いらっしゃらないけれども、具体的に2番目の実費による郵送サービス、これなんかは障害者サービスとしては一部実施しているというわけですけれども、それ以外については検討中ということなんですけれども、先ほどの江口委員じゃないですけれども、これも丸4年は経過しているという中で、何がネックでできないのか。要するに課題があって、その課題を乗り越えればできるんだ、あるいは、単に実費の値段の設定の仕方でここまでやって、これだけの実費をいただいて、果たしてそのサービスが成立するかという話もあるでしょうから、十分検討はされてきていると思うので、その辺については今どういう状況なんですか。
竹内教育委員会事務局次長
今、後段の部分につきましては、それでも郵送で、実費を払ってでも受けたい方がいらっしゃれば、それはお支払いいただいて、御了解の上でお支払いいただくものですので、それ自体は大きな問題はないというふうに思っています。
今、障害者のサービスのほうの電子的な登録をしておりまして、それとその他の登録と別立てで登録をしております。そのシステムの上での登録方法について、障害者サービスのほうに乗せてしまうと、両方で登録してしまうことになるというような心配があってなかなかできなかったんですけれども、まずはマニュアルというか、機械的なことでなくても対応できるんじゃないかとか、そういったことで考えて、まずは始めてみて、本当に手作業ではできないのかとか、そんなことから始めてみていいんじゃないかということで今考えておりまして、できる限り早くこういったサービスをスタートできるようにということで進めているところでございます。
伊東委員
既に試験的に実施してみたいぐらいの線まではいっているという認識でいいんですか。
竹内教育委員会事務局次長
できる限り今のシステム、また今の人員対応の中でできることを、実際にできることを考えてやっていこうじゃないかということで考えておりますので、できる限り早くスタートが切れるようにしたいというふうに考えております。
伊東委員
それの決断を下すのはどこなんですか。中央図書館長が、とりあえず今の人員で区の財政的な負担もなく、人的な配置にも特に支障がないという見切りがついている、もう既にその辺は見切りがついているようなお話ですよね、今の中では。ですからその辺を、図書館長がやりたいといったときに、オーケーを出すのはどこなんですか。
竹内教育委員会事務局次長
基本的に図書館のサービスでございますので、図書館として判断をしていくということになるわけでございますけれども、教育委員会、私どもといたしましても、そういった一つでも利便性の高まることであるならば、そういった取り組みをしていく必要があるだろうと。もちろん実費の利用者負担というのはしていただかなくてはならないことですけれども、できる限りサービスの充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
伊東委員
実際に今、中央図書館長がいらっしゃらない中でのこうした質問でしようがないので、中央図書館長が復帰された時点でまた十分検討されて、区民のサービス向上につながることであれば、どんどん着手していってもいいんじゃないかと思いますので、よろしくお伝えください。
委員長
他に質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。
次に3番、統合新校開校に伴う保護者・教職員等の意見について。
青山学校再編担当課長
それでは、統合新校開校に伴う保護者・教職員等の意見についてということで、お手元の資料(資料5)をもとに御報告させていただきます。
まず、意見聴取の目的でございますが、桃花小学校と緑野中学校の開校につきましては、今後の学校再編をより円滑に進め、中期以降の学校再編計画改定の参考とするため、去る12月に平成20年度統合新校開校における検証についてということで、当委員会に御報告させていただいたところでございます。その際にいただいた御意見などを踏まえて、統合新校について保護者などの意見をとりまとめたものでございます。
なお、同様の意見が複数ある場合には、集約をしてございます。
次に、意見聴取の方法でございますが、まず、桃花小学校につきましては、学校行事の際の保護者の意見、それから学校評議員会における保護者や地域関係者の意見、それから、学校統合委員会の委員長・副委員長、これは統合対象校3校のそれぞれの地域関係者ということになっておりますが、こうした方々の意見、それから校長会の意見、それから統合対象校の周辺校の状況、具体的にはこれは仲町小学校から桃花小学校以外の学校、谷戸小学校、中野本郷小学校、桃園小学校に一定数の児童が指定校変更したという状況がございまして、そういった学校の状況についてでございます。その他、統合の家庭において寄せられたさまざまな意見をまとめたものでございます。
それから、緑野中学校につきましては、教育委員が学校訪問をした際に生徒と対話集会を行いまして、その際の生徒の意見、それから、学校が実施したアンケートにおける生徒の意見、それからPTA役員会における保護者の意見、それから、先ほどと同じく学校統合委員会の委員長・副委員長の意見、それから、学校及び校長会の意見、その他統合の過程において寄せられたさまざまな意見をまとめたものでございます。
次に、意見の内容でございますが、項目ごとにまとめてございまして、最初、(1)としまして児童・生徒の状況ということで、表の左側が桃花小学校、右側が緑野中学校ということでまとめてございます。
次に、2ページ目をごらんください。桃花小学校、緑野中学校ということでまとめてございまして、その下のところに教育委員会の見解という形で書いてございます。これにつきましては、この児童・生徒の状況という項目についての両校に関する意見を踏まえて教育委員会としての見解、どういうことかという形でまとめてございます。以下、同じような形のまとめ方でございます。
児童・生徒の状況につきましては、保護者や教員、そして何よりも子どもたち自身の努力や適応力により、統合後の児童・生徒の状況は、例えば子ども同士の関係ですとか、あるいは通学のことなど、非常に良好でございまして、また、人数がふえたことにより、例えば学習発表会ですとか体育祭など、学校の活動も活性化しているという状況がございます。
それから、その次の(2)の学校運営・施設等についてということでございます。
桃花小学校、緑野中学校、同じようにまとめてございますが、これにつきましては、教職員が意欲的に協力し合うことで学校運営が円滑に行われ、教員同士の授業公開など、授業力の向上も図られております。また、改修工事につきましては、議会等でもさまざま御意見を今までいただいているところでございますが、課題はございますが、整備が終わった施設については、おおむね好評をいただいているといった状況でございます。
それから、続きまして3ページ目の(3)保護者等の状況というところでございます。
これにつきましては、統合する前のそれぞれの学校の出身のお子さんの保護者同士のコミュニケーションを図るということについて、さらなる学校としての働きかけが必要であるという課題はございますが、統合後の保護者と学校との関係は良好であるといった状況でございます。
それから、次の(4)番、統合対象校の近隣の学校への影響ということでございます。
これにつきましては、緑野中学校の統合に当たりましては、近隣校への指定校変更というのが1件もございませんでしたので、桃花小学校についてのみの記載でございます。先ほど申し上げました谷戸小学校、中野本郷小学校、桃園小学校からそれぞれ聞き取った状況が書いてございます。これにつきましては、それぞれ一定数の児童の動きはございましたが、学校運営に対しては大きな影響はございませんでした。今後の学校再編におきましても、児童の指定校変更が見込まれる学校につきましては適切な情報提供を行い、早期に対応していく考えでございます。
ちなみに、今回統合いたします白桜小学校の関係で、東中野小学校から一定数の児童の移動が塔山小学校に移動するということで見込まれております。これにつきましては、早期から塔山小学校に対しても情報提供を行いまして、塔山小学校の新入生保護者会説明会とあわせまして、転入予定の保護者の方にも同様の説明を行ってございます。
続きまして、4ページ目をごらんください。(5)の生徒の意見というところでございます。
これにつきましては、桃花小学校につきましてはなかなか児童の声というのを直接聞き取るという形が難しかったものでございますから、緑野中学校のみということでこちらに書かせていただいております。これにつきましては、子どもたちは統合という機会を前向きにとらえておりまして、例えば学習ですとか友達づくりに非常に意欲的に取り組むなど、充実した学校生活を送っております。また、統合前の両校での生活を経験している上級生、特に3年生の新校に対する評価が高いということで、これは上のところにまとめてある意見の下のほうに、生徒に対するアンケートの結果というのが載ってございますが、この数値が2年生、3年生、特に3年生の数値、緑野中はよい学校だと思うといったようなことが3年生の評価が高いといったような状況がございます。
簡単ですが、御報告は以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
平山委員
これは前回検証結果ですか、統合の。出していただいて、そのときにいろいろ意見が出ましたけれども、そこの部分を踏まえて調査を行われたということなんですけれども、これはどういう位置付けの報告に当たるんですか。前期の学校再編の検証なんですか。そうではないんですよね。ただ意見があったと、意見をこういうふうに集めましたという理解でよろしいんですか。
青山学校再編担当課長
これにつきましては、前回検証結果を御報告させていただいてさまざまな御意見をいただきましたので、統合後、およそ1年たった時点で、いろいろな方々の御意見がどういったところかというところを補足の調査といいますか、そういう形でやらせていただいて、御報告させていただいているものでございます。
平山委員
じゃあ、検証結果は改めて出るという認識でよろしいんですか。
青山学校再編担当課長
20年度統合の検証というものにつきましては、12月に御報告させていただいたものが検証結果ということでとらえておりまして、ただ、御意見をさまざまいただいておりますので、それに対する補足という形で今回御報告させていただいているものでございます。
平山委員
あのときにいろいろな委員が、検証結果は不十分なんじゃないかというような話をされて、それを受けとめられたんだと思うんですけれども、これを受けて、改めて新たな意見があったわけですよね。改めて検証されないということになると、これは何なんですかね。こういう意見がありましたという御報告だけで、全く結果としては20年度の検証結果には反映されない内容だという理解でよろしいんですか。
青山学校再編担当課長
これを受けて、前回御報告した検証内容を修正するですとか、検証し直すという形では考えてございませんが、ただ、今回御報告させていただいたこのものにつきまして、本日また御意見等ちょうだいできましたら、今後の学校再編についてさまざま活用させていただきたいというふうに考えております。
平山委員
御意見をいただけたらじゃなくて、本来、こういう声を受けて教育委員会が検証すべきものなんじゃないかなと。それが教育委員会のお仕事なんじゃないんですか。だって、検証のために意見を集められたのかどうかわからないですけれども、要は、20年度の再編がどうだったのかという、さまざまな角度から調査をして、今後の再編に生かしていこうという趣旨で検証結果というのは出されたんですけれども、ちょっと内容的にもう少しいろいろな声を取り入れたほうがよかったんじゃないかなという御意見が前回の委員会で多かったと思うんですけれども、それでこれをとられたと。せっかくいろいろな方に御協力をいただいてとられたと。でも、これを検証しなかったら、これを教育委員会として改めて、この声も踏まえた上で検証しなかったら、あんまりこれの意味がなくなっちゃうんじゃないですかね。そんなことはないんですか。
青山学校再編担当課長
いろいろいただいている御意見については、こちらにつけさせていただいた教育委員会の見解というところで、それぞれいただいた御意見に対する評価というようなことは、教育委員会としての評価ということはまとめさせていただいているところでございます。そういった内容、それから、今回御報告させていただいて御意見がちょうだいできましたら、そういったものについては確実に生かしてまいりたいというふうに考えております。
平山委員
教育委員会の見解と全部ついておりますけれども、これはあくまでこういう御意見に対しての教育委員会の見解であって、決して検証と呼べるものではないのかなというふうに思うんですけれども、前期の検証、大事だということを私どもの会派、さんざん申し上げてまいりましたので、ぜひとも、せっかくこうやって御意見を新たに受けられたわけですから、しっかりと引き続き、しっかりとした形の検証をより行って、それが次の再編に向けて本当にいい結果になるようなものとしていただきたいなというふうに思っていますので、これで結構です。
江口委員
平山委員のあれじゃないんですけれども、私がいつも言っているように、ここに書いてある保護者・教職員の意見についてといっても、ほとんど校長会を通じて私は聞いているような気がしてならないんですね。一番の現場というのは、一番わかりやすいのは保護者と児童・生徒ですよね。それと、最も学校現場で接している教職員、その人たち全員に、それこそ教育委員会としてアンケートを出して、細々な形で意見を述べられるような形で、教育委員会が吸い上げると、校長が吸い上げるんじゃなくて。そういうようなことをやらないと、現場の先生の意見というのは、自分たちが統合される前の学校の状況と、新校という形で統合された学校の状況というのは一番よくわかるので、そういう生々しい本当の意見を私は吸い上げるべきだと思うんですけれども、それをやっていないでしょう。校長会を通じてもらっているんでしょう、教職員の意見は。
青山学校再編担当課長
今お話のように、校長会からも意見はいただいておりますが、あとは学校を通して教職員の意見の吸い上げというか、そういうのも、12月に御報告させていただいた際にそういった御指摘もいただきましたので、学校のほうに依頼して、そういう形の意見の吸い上げもやってございます。
ただ、今回御報告させていただくに当たりまして、教職員の児童・生徒の状況についてですとか、あるいは保護者の状況についてというようなことについては、ある程度掲載させていただいてございますが、例えば仕事の進め方等、教職員の努力や工夫があればある程度解決できるような内容、あるいは事務局との関係で協力し合ってやっていけば解決できるような内容につきましては、そういった意見を載せた場合に、区民の方からしますと、それはあなたたちの本来の仕事だろうというようなこともあるかと思いまして、そういった内部的に解決できるような課題については、こちらの御報告の中には載せていないといったようなことでございます。
江口委員
そうじゃなくて、そうやって意見が出て、それをすぐ改善できるということはいいんだけれども、要は、新校になってスタートしたときの現場の教職員、栄養士だとか学校事務だとか、そういうのもありますよね。委託している給食というさまざまな分野で、そんなに大勢の人間じゃないんだから、直、生の声を聞くだけのデータを集めるべきだと思うんです。学校を通じてというのは、学校長を通じてじゃ意見を言えないんですよ、学校の先生というのは。それはわかっているでしょう、学校長の権限というのは。だから、そうじゃなくて、さっき言った指導室の問題じゃないけど、別な権限で教育委員会としては今後の再編のための参考ということで、ぜひ意見を聞かせてほしいと。それは前向きな意見ですよ。そういう意味で、こうしてほしいとかという部分もありますよね。それで、事務的に解決できる意見は別に公表しなくてもいいわけで、本当に事務局としてはこれをやっていなかったなというような意見は、例えば施設の改善だって統合前にやってほしいなんていう意見が出ているわけでしょう、こうやって。そういうのも含めて全員に聞く、管理職、校長を通さないで教育委員会が直にやる、そういう意味で私は1回データをとるべきだと思うんですけれども。そのほうが正確なような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
青山教育再編担当課長
そういった点につきましては、今後やり方等含めて考えてまいりたいというふうに思います。
いながき委員
再編対象校の関係者の方から話を伺いますと、統合後の状況として、子どもたちは割とどこの出身とか関係なく、うまくすんなり、みんな仲よくではないですけれどもなじんでいるそうなんですけれども、保護者の皆様のほうは、それぞれの出身校でやってきたやり方とかに差があって、なかなか子どもたちのようにすんなり新しい学校のやり方にまとまらないという、御苦労なさっているというふうな話を、関係者が御苦労なさっているという話を聞いたんですけれども、ここにも教育委員会の見解としても、保護者同士のコミュニケーションを図るためにさらなる働きかけが必要であるというふうにあるんですけれども、具体的な対応策というのは何か考えていらっしゃるんでしょうか。
青山学校再編担当課長
今回御報告させていただいた内容としては、例えば、3年になる時点で統合した場合は、1年間のみのつき合いという形になるわけですので、何らか統合当初、あるいは統合前に学校としてそういった保護者同士のコミュニケーションを図る場を設けていく必要があるというふうに考えております。例えばそれ以外にPTA組織等の関係につきましても、統合前の早い時期に対象校のPTA相互で話し合って、新しい学校のPTA体制等を考えていくと。実際にどういうふうに運営していくかというのは、保護者の方々御自身でやっていくことなんですが、そういった課題があるという課題提起というのは学校、あるいは教育委員会のほうでやっていかなければならないというふうに考えております。
委員長
他に質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告について終了いたします。
次に、4番、今後の学校評価の考え方について。
入野指導室長
今後の学校評価の考え方についてということで御報告を申し上げます。(資料6)
国におきまして、平成19年に学校教育法の一部と同法の施行規則が改正されまして、学校評価の結果の公表をすることと、設置者への報告についての規定が設けられました。またあわせて、20年1月に文部科学省の「学校評価ガイドライン」が改定されまして、自己評価を行う上で、保護者や地域などの学校関係者による評価を活用することが明示されました。このたび、本ガイドラインに沿った学校評価を中野区立学校においても平成21年度から実施することにいたしましたので、御報告を申し上げたいというふうに思います。
学校評価のねらいとしましては、このたび、大きく二つ持ちました。今後の学校評価は、学校がみずから行う自己評価を充実することを中心に行っていくこと。その過程において、学校評価関係者による評価、先ほど言いましたように、保護者や地域の方などの学校関係者による評価を受けることが一つ。そして、学校自身が行う自己評価と、その学校関係者による評価の結果の透明性を高めること。そして、開示すること。そして、それを次年度の教育課程編成に生かしていくこと。
大きい二つ目としましては、教育委員会が各学校の自己評価、そしてその学校関係者による評価の結果を把握して、学校と課題を共有して学校に対する支援の充実のために生かしていくことということで、学校評価のねらいを改めて明確にいたしました。
今後の実施の方法の流れですが、1枚めくっていただきまして、3ページ目のイメージをごらんいただければというふうに思います。
縦に1年間の流れが書いてございますが、学校の中で行われる、今自己評価という話をしましたので、自己評価の部分を中心に充実をしていくということで、その中には学校の教職員等で行われる自己評価の部分、そして、保護者や地域の方にやっていただきます学校関係者によります評価の部分、そして、保護者、それから今までの学校評議員と保護者等の評価の部分というふうに分けてございます。
まず、(1)というところで、学校は年度当初に自分の学校の教育目標や指導の重点、達成目標、目標達成のための取り組む内容について説明を学校関係者、そして保護者にきちんと説明する形をとります。そして、学校関係者による評価委員会から意見を聴取するという形をとります。
真ん中の部分でございます。説明をして、ことしの取り組みについて学校関係者による評価委員会からもらうという流れがございます。そして、年間を通して授業公開や学校行事等の実施を行う中で、それぞれの個別の活動について評価を得ていくという過程をとりたいというふうに思います。必要に応じて学校関係者によって評価を受ける、保護者によって評価を受けるだけでなく、児童・生徒からも評価を受けていくという形になります。
そして、2学期制ですので、10月以降、前期が終わりましたところで、(3)のところでございますが、前期までの自己評価を行いまして、学校自体がそこまでの行事等についての自己評価を行いまして、評価委員会を開催いたしましてその結果について報告し、またさらに意見をいただくという段階をとりたいというふうに思います。
そして、(4)のところになりますが、今度は年度末に保護者等による学校アンケートを実施いたします。今現在行っております外部評価という言い方をしておりましたアンケートを、学校、保護者、それから学校評議員からいただいておりましたアンケートといいますか、外部評価をアンケートというふうに位置付けまして、そのアンケートを実施いたしまして、それの結果について集計・分析をしていくというところが12月、1月ぐらいの段階でございます。
そして、(5)の段階に移りますが、(5)に関しましては、保護者等による学校アンケートの結果を受けて、学校がさらに年間の自己評価を行います。その結果も受けて自己評価を行う。そして、その結果と自己評価の結果をさらに学校関係者による評価委員会にかけまして、意見・評価をいただいて年度の最後の自己評価結果としてまとめるという形。
まとまりました年度末の自己評価結果につきましては、教育委員会に提出するとともに、公表していくという形の流れにしてまいりたいというふうに思います。
大きく変わりますのは、先ほど来言っております学校関係者による評価という部分、評価委員会をつくるという部分が大きく変えていこうかと思っている部分でございまして、保護者や地域の方による学校関係者による評価委員会の委員は、2ページ目の(2)のところに整理してございますが、年度当初、年度途中、年度末の3回は実施していただきますし、この評価委員に関しましては、授業公開や学校行事への参観を多く取り組んでいただきたいというふうに思っております。その結果を学校に知らせていただくという形をとりたいというふうに思います。
学校関係者による評価という部分が、評価委員会を設立するという部分が新たな部分でございまして、この評価委員会については、学校が行います自己評価にも意見を申していくという部分、そして、改善のための意見も言っていくという役割を担ってもらうところでございます。
そして、教育委員会の役割としましては、現在行っております外部評価、今回になりますと、保護者等による学校アンケートという形になりますが、その部分についての共通項目を設定いたしまして、集計をいたしまして、今後の教育行政に活用するということが一つの役割でございます。
そして、最終的にもらいます各学校がまとめました自己評価結果の報告、そして、その内容を把握しまして、各学校と課題を共通に持ちまして支援に当たっていくということが大きく教育委員会の役割になってまいります。学校の教員が行う自己評価、そして、学校関係者による評価、そして、保護者、学校評議員等による評価、アンケート等を結びつけまして、学校の教育活動の評価という部分を充実していきたいというのが今後の学校評価の考え方でございます。流れ等をあわせて、雑駁でございますが、御報告を終わらせていただきます。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
大内委員
これ、いろいろ書いてあるんですけれども、例えば、評価委員会というのは何名ぐらいで構成されるんですか。
入野指導室長
まだ人数等についての細かい部分の決定をしてございませんけれども、今考えておりますのは、学校評議員の方も必要とあれば入っていただくし、要するに授業公開、学校行事等への参観が比較的容易にできる方で、地域、保護者の方から構成していこうかなというふうに思っております。
ただ、一人、二人では評価委員会になりませんので、人数はそのあたりを目途に考えていきたいなというふうに思っております。
大内委員
10人以内なんだろうけれども、この評価委員の委員長というのかな、だれがまとめる形になるんですか。
入野指導室長
その中での互選という形になってくるかと思いますけれども、特段に評価委員長をどういうふうにするというにはまだ決定はしてございません。
大内委員
だって、21年度から始めるんでしょう。きょう報告できなかったら、いつ報告するの。
入野指導室長
21年度から徐々に導入をしていこうというふうに考えておりますけれども、学校評価委員については、まだ細かいところについてはすり合わせをしているところではございません。学校の意見も今聞いているところでございまして、人数、そして評価委員長の決定については、今後決めてまいりたいというふうに思っております。基本的には、この委員の人たちの互選という形で。
大内委員
1ページ目の前提で、本ガイドラインに沿った学校評価を、中野区立学校においても平成21年度から実施すると。徐々に実施するとはどこにも書いていないんだけれども、そんな説明、何で急に入るの。
入野指導室長
失礼いたしました。基本的には21年度から実施をする方向で考えておりますが、まだ評価委員会をどういうふうにするかということについては、詳しくは決定したという形をとっておりませんので、徐々にという言い方をさせていただきました。
大内委員
学校評価委員に関しては徐々に、要は、21年度全校やるということでいいんですか。
入野指導室長
21年度から全校に入れていきたいというふうに考えております。
大内委員
いつごろ立ち上げる予定なんですか。
入野指導室長
私どもとしましては、ここに書いてございますように、年度当初には立ち上げられるようにしたいというふうに考えております。
大内委員
年度当初って、いつですか。
入野指導室長
5月のころには立ち上げられないと、このように動いていかないかなというふうには思っております。
大内委員
先ほど聞いたときに、これから検討していくとかと言って、間に合わないんじゃないの。もうちょっと具体的に、何名ぐらいの構成でとかということが、5月に立ち上げるんでしょう。じゃあ、次4月までにもう1回報告があるんですか。それとも――だって、4月っていったら、募集するわけでしょう、来月、5月に立ち上がるということは。そうでしょう。4月に立ち上がるのに、まだその辺の細かいこと決まっていないの。
入野指導室長
基本的には、私どもとしては、学校評議員をもとにというふうには考えております、今年度については。5月にということについては、間に合うというふうに考えておりますが。
大内委員
じゃあ、間に合うんだったら間に合わせてもらえばいいんだけれども、今、今度学校評議委員を中心にと。先ほどそういう説明はなかった。だからそこら辺が、決まっていることはちゃんと決まっていることで言えばいいんであって、隠す必要ないんだから、何かそういうふうに言われちゃうと。地域と言っても非常に微妙なものがあるし、具体的にどういった人、もっと言うと、この間も問題になっていたけれども、行政評価委員とか、ああいった公募でやったりとか、いろいろあるわけですよ。実際、あの指摘があっているかどうかというと、非常に微妙だもの。全部合っているわけではない。ちょっと、という指摘もある。そういった指摘を今度、学校評価委員の中でされた場合、学校はどうやって受けとめるのかなという、簡単に評価と言うけれども、この評価委員に例えば校長先生なり副校長先生が入るわけですか。
入野指導室長
ちょっと整理してお話しいたしますが、学校関係者によるというのは保護者、地域の方ですので、学校の校長並びに職員は委員会の中には入りません。そういう形になります。そして、地域、保護者などからというふうに限定をしましたのは、保護者、学校評議員による評価の反省の中で、学校評議員の評価の今までのあり方ですとか、いろいろお話がございましたので、今回については学校関係者による評価ということで、評議員の評価も加味できるような立場の人というふうに考えております。そして、今導入しやすい部分においては、とりあえずは地域、保護者などから構成すると書いてございますが、学校によっては学校評議員の方とダブる方が入るだろうなというふうに考えているということでお話ししました。全員が入るという形になりますと、委員のお話のように10人以内とするというふうに学校評議員はなっておりますので、少し多過ぎるかなという思いもございますし、場合によっては評議員の方の中ではこれだけの回数はちょっと無理だという方も現実問題としていらっしゃると思いますので、そういうことも加味して地域、保護者などから構成するという形にさせていただきました。
大内委員
学校評議員というのは何をやる人、学校評価委員は何をやる人、学校評議員の人とダブるということは別に問題ない。でも、学校評議員の人が学校評価委員に入ると、学校評議員の人に対しての評価もするの。それはないの。学校評議員というのは何をやるの。ちょっと整理して。
入野指導室長
当面の間、学校評議員は今までの役割から変えるということではございません。改めて要綱を見てみますと、校長の求めに応じて学校運営について意見を述べる、校長が定める様式により学校評価を行うほうの委員でございます。そして、今回の学校関係者による評価委員については、学校評議員自体を評価するわけじゃなくて、学校評議員が出した評価についても評価を行っていく立場になるかというふうに思っておりますし、その内容を加味して学校の中身の評価をしていくという立場になってくると思います。
場合によっては教育目標や経営方針、指導の重点、達成目標、方法等については、具体的な評価の仕方についても、アンケートの出し方等についても意見を出す立場になるかというふうに思いますし、学校がことしの重点と言ったものについては、重点的に1年間通して評価していただく立場になるというふうに思っております。
大内委員
まだちょっとよくわからない。学校評価委員というのは、そのたびに評価をしていく。要するに、1年間通した目標をやっている場合は、終わってから評価して指導したってだめなわけでしょう。途中でやるということ。前期、後期に分かれるのか、年4回かわからないけれども、そのたびに出されたものに対して評価をしていくと、そういうことなの。
入野指導室長
言葉が足りなくて申しわけありませんでした。先ほどの図でいうと、行事のたびにも御意見をいただく形になると思いますし、前期が終わった段階で学校が自分の中で評価をいたしますので、その段階でもまた評価をいただくと。年3回の会合の中で、大きく言いますと2回は評価していただく。さらに、途中においても意見をいただくという立場になると思います。
大内委員
じゃあ、この学校評価委員が学校に対していろいろ評価をすると、それについて学校は「いや、違うよ」と。「うちらがやっていることは合っているんだから、その評価の仕方が悪いんだ」というような判断をしても構わないの。
入野指導室長
それについては、ちゃんと説明をする必要があるかと思いますし、改善要求等が出た場合には、改善できるものは改善できるもので取り入れていくということ。改善できないなら、改善できない理由をきちんとお話ししていく形になると思います。ここでやり取りをしていただくという形になると思います。
大内委員
そういったやり取りはすべて公表されるの。
入野指導室長
結果については、公表していただく形になるかというふうに思います。ですので、やり取りの過程を全部というふうには今のところは考えてございませんが。
大内委員
じゃあ、学校評価委員でこういったことはしないほうがいいよと言った。でも、その土地の方が学校へ説明して、私はこういうことできないんですといった場合には、学校評価委員はしたほうがいいよと。結論はしない、それだけしか出てこないということ。
入野指導室長
こういう意見が出ましたけれども、こういう理由でこういう部分は取り入れることができなかったということはお話ししていかなければいけない、公表していかなければいけないかなというふうに思っております。
大内委員
となると、結局学校評価委員という方が評価しても、学校としてそれなりの理由があるに決まっているんだから、普通。じゃあ、学校評議員は何をするの。今聞いていくと、意見を求めるわけでしょう。学校評議員と重なっているというと非常に、例えば、学校を評価するにしても、学校評議員は学校長に言われたことに対してどういう答申を出したんだというか、話し合いをしたんだということにもなりませんか。そこら辺があんまり、どこまで役に立つのかなという。小・中学校全部でしょう。それぞれのところに全部指導室が担当で入ってやっても、また学校の先生が忙しくなるだけなんじゃないのかなという気もするんだけれども、大丈夫なんですか。
入野指導室長
基本的には、今までも学校は自己評価というのはやっているんです。学校評価委員による評価という部分はないんですけれども、この図でいいますと、一番左側の流れというのは、ある程度のものは学校がやってきております。その中に、今までいただいておりました保護者や学校評議員の外部評価ございましたね。それを取り入れて、フィードバックしてやっている学校と、そこまではいっていない学校とがございましたので、このたびは内部でそれをしっかりと位置付けることと、さらに今までやっていました自己評価を充実させるということ、そして、統一的に区内の学校は皆同じような方向でやってもらおうかなというふうなことで提案をしているということで、まとめますと、今までやっていました自己評価でございますので、忙しくなるという御意見でございますけれども、ありがたい御意見でございますけれども、そういう部分ではそれほどの段差はないというふうに思っております。
大内委員
じゃあ、これはどこが主導してやるの。今、指導室長がお話しになったけれども、指導室長が全部見るのは無理だから、指導主事だとかそういった人たちがそれぞれ指導というか、方針を出してやっていく形になるんですか。
入野指導室長
これにつきましては、それぞれの学校から出てもらいました校長及び教員、評価委員会とも相談をいたしまして原案を練りました。そして、教育委員会のほうの意見でそれに修正を加えて、今提案をさせていただいている流れをとっております。各学校のほうにはこれを周知いたしまして、各学校は基本的にこの流れに沿ってPDCAサイクルがやれるようにするのが今回の目的でございますが、その過程においては、指導主事が直接学校に入っての指導、それから出てきた結果についての指導についてもしていく形になるかというふうに思っております。
大内委員
学校指導主事が指導するって、先ほどもどういう権限があるのと言ったら、いや、ここからは学校の分野なんですよと、委任しているんだと。何の指導するのと。さっき言ったときに非常に明確じゃなかったのね、簡単に指導と言うけど。持っていけば、いや、これは学校の中の権限で、与えられたものだから、別に指導されても、私たちはこういうやり方なんですといわれたらおしまいなんじゃないの。
今までも自己評価してきたと言うけれども、自己評価は私たち1回も聞いたことないから、どんな自己評価をしているのか。その後、どのような対応しているのか全然聞いたことも何もないから、わからないんですよ。それを今度評価委員つくってやって、指導室がどうのこうのと。指導室は何やるのとさっき聞いたら、私はまだ何をしているのか非常にわかりづらかった。この自己評価するところは多分、各学校に委任している部分なんでしょう、学校長とかに預けている。それを何で指導できるんですかという話になるんじゃないの。本当に有効にするためには、もうちょっときっちりというか、わかりやすくしてくれないと、どの程度のことを評価するのかもわからない。体育祭がよかったとか、悪かったとか、そういったことをやるのか、あるいは、先ほど青山課長のほうから統合新校の評価が出ていたけれども、80何%、残りの16%の意見をどう吸い上げるのかとか、そういったことは非常にわからないんですよ。5月から始まるということだから、しっかりやっていただきたい。もうそれ以上言ってもわからない。答えられないでしょう。何を指導するの。最後にそれだけ。
入野指導室長
自己評価という部分については、必ずやったものについては、今までも御意見はいろいろな形でいただいていたと。行事ごとのアンケートなんかを書いていただくのも御意見としていただいて、行事の改善には学校も利用はしていたと。でも、それが明確ではなかったと。公表はされてきておりませんよね。おっしゃるとおりなんです。自己評価は公表する必要は全然ありませんでしたので、学校がいただいた意見をどのように活用していたかは、全然今まで明らかになってきておりません。ですので、もとへ戻りますけれども、その部分についてもしっかりと公表していってもらおうという部分を持っています。それが今回の一つの改善のポイントです。
指導主事の役割はということに関しては、先ほども法的には教育課程の指導・助言ができることになっていますので、これはまさに教育課程の運営の状況でございますよね。ですから、教育課程の運営の状況がどのようであったかについては、指導・助言できる立場におります。きっちりとした法的にも間違いがないし、我々に届けられております教育課程の運営についても間違いがないということについては、指導・助言がしっかりとできるようになっていますし、それがよりよい方向へ運営ができるようにということについては、指導・助言のできる立場を持っていますので、その都度、その都度入っていけるというふうに思っております。
自己評価の部分については、今まで表に出てきておりませんし、恐らくどの学校も評議員の方にもなかなかお話ししておりませんし、PTAの方にもお話ししてきていない部分ですし、もちろん教育委員会にも出す必要がなかったものですから、中でそれぞれが行ってきたというものをさらに透明性を増していこうというふうに今考えて取り組もうとしているところでございます。
大内委員
じゃあ、まず1点、指導・助言を聞かなかったらどうなんですかということが1点ね。あともう一つ、さっきPDCAサイクルと言ったけれども、ABCで評価するのか。あるいは言葉で評価するのか。もしそれがよくない場合はどうなっちゃうの。いい場合はいいよ。悪い場合はどういう、その場合も指導・助言して、学校の方で直らなくてもまた指導・助言するのでおしまいだったら、あんまりやる意味ないじゃん。自分たちがいいと思ってやっているだけなんだ。でも、周りから見たらよくないというだけで、それがどこまで効力があるの。
入野指導室長
今回の場合は、今までのような保護者や評議員によるアンケートの結果も出ます。それについてももちろんいただきますし、それから、それをもとにした自己評価の結果、それから評価委員会からもらった後の結果も私ども教育委員会がもらうということは、課題がより明らかになると思います。学校がどうとらえて、改善はこれは図らないという結論を出しているにしても、その評価の結果の中から学校が課題であろうという部分が明らかになると思いますので、その課題について、課題の改善ということで指導・助言ができるというふうに思っております。
ですから、結果として改善ができるというところまでいかせるのが我々の仕事ですけれども、それが常に次の年の4月から始まってというサイクルになってくるというふうに思っておりますが、その改善が図れるように指導・助言していくという形になっていくと思います。できないということではなくて、やっていかなければならない部分だろうと。
大内委員
だから、その指導・助言をしても、できない場合とかは何か処分したりするんですか。次の段階はあるんですか。ただ、それだと結局罰則規定がない、条例みたいなもので。要は、指導・助言したけれども直らない。直らない場合は、それなりの処置をとりますよというものがないと、一応形だけやったって、うちの学校はこれでいいんだと、校長先生がもしずっとそういう考え方でいたら、指導・助言したって聞かないでしょう。改善といったって、いや、私はこのやり方でいいと思って、委任された中で校長の権限でやっているんだということだったらどうなるんですか。役所でいうと、ABCの評価でCだとか何かだと、もう事業をやめるだとかいろいろな方針を出しちゃうけれども、この場合はそういうところまで力があるんですか。
入野指導室長
基本的には、処分の内容に当たるようなものの評価ではないと思っております、このことについては。教育課程が子どもにとっていいように運営できているかどうかの評価でございますので、処分に結びつくようなものはまた別個だというふうに思っておりますし、そういう事例が挙がればそういう部分で、別の方向になるかというふうに思っております。
基本的には、ABCで評価するということはアンケートによっていただきますけれども、評価委員会のほうでABCで評価が上がってくるということではなくて、一つのものに対しての充実度ですとか、達成度ということでのもので上がってくるかなというふうに思っています。
大内委員
今、達成度とかなんとかって、さっきの学校再編後のあれじゃないけれども、要はこれはできたか、これはできました、それしかないの。違うの。こういうことを改善していこうとか、そういう意見がないわけでしょう。学校評価制度というのは、達成度を調べるんじゃなくて、結果を求める、要するに問題点を浮き彫りにして、その次にどうするかということを考えるところであって、問題点を浮き彫りにするだけじゃない。それをどうやって解決するかというためにつくるわけでしょう。
いつもなんだけど、課題だけ取り上げる、もうそこで終わっちゃっている。その課題についてどう解決できたか、そういうことの評価がないわけ、そっちの評価がないわけよ。わかりますか。そういうことをきっちりやらないと、課題だけ出しても、その課題についてどうやってそれを解決していったか、その解決できた度合いがどうかということが大切なんじゃないのかなと思うんですけれども、どうですか。
入野指導室長
おっしゃるとおりでございまして、これは今のところサイクルが棒になってございますけれども、これ自体がまた次のところへ、改善案を立てたものが次の年にどうなっていったか、それをまた評価していただくという流れに当然なっていくかと思いますので、改善度合いですとか、改善したものがさらにどのようになっていくかというところも評価されていく中身になっていくかと思います。
教育委員会としては、もちろん課題が上がってきましたら、それに対して支援をしっかりとしていって、課題解決へ結びつけていくというところまで見守っていくということだと思います。
江口委員
指導室長、答えにくいかもしれないんですけれども、文部科学省が規定をしたからということでやらざるを得ない部分があるのかなと思うんですが、本来、評価というのは、単純な考え方でいけば保護者と学校とやれば済むことなので、そのためにPTA組織、教員まで入っておりますけれども、あれは完全な保護者会になっちゃっているんですけれども、本来は教職員も入ったPTAと言われているんだけれども、実際には活動自体は父兄という形になっているんですけれども、こことの連携さえやれば、こんなこと簡単にできると思うんですけれども、その辺はどういうふうに考えているんですか。
入野指導室長
もちろん、この学校関係者による評価の中にはPTAの方も入っていただいてということも考えておりますし、違う立場でさらに、ある意味地域の方も内部と言えば内部になるのかもしれませんが、保護者は内部に近いというふうに思いますので、少し学校よりは離れた地域の方も入っていただくということで充実を図っていくということが重要かなというふうに思っております。もちろん、PTAの中にそういう部分、地域の方の部分ですとか、PTAのOBの方の御意見というものもPTAを通じて入ってくるということであれば、またそれはそれでというふうには思っておりますが。
江口委員
なぜそういう質問をするかというと、本来は保護者と学校側がPTA活動の中だけじゃなくて、学校のこういう形での実際の評価に対してお願いするということで当然できることをあえてこうやって評価委員会というのをするのは、私は大変不自然だと思っている。なぜかというと中野は評議員会を設けて学校長がお願いすると。私もこれ、何度か質問しているけれども、本当に評議員の人が学校の中にいつもいらっしゃったり、いつも学校の状況を調べて、見て、学校長とやっているのかというと何となく疑問だし、予算1万円だよね。本当にボランティアでお願いしているということで、私としては、評議員の人が学校の中でどれだけのことをしているのかというのは疑問で、その総括も終わっていない中で評議員会を発展的な解消で兼ねていると言うけれども、もしこの評価委員会をつくるんだったら、評議員はもう要らないということでまずやるとか、そういうふうにしなければいけないということがまず1点。
もう1点は、このメンバーというのは本当に重要だと思います。学校というのは、そこの場にいないとわからないし、例えば運動会だとか体育祭、それから文化祭、学芸会、そういう問題というのは、その発表のときに見ても何も意味ないんですよ。意味ないといったらおかしいんだけれども、それは結果なんですね。運動会の前にどう児童・生徒と先生が接しているのか、どういう指導をしているのか、そのことを見られるチャンスというのは、父兄じゃなければないんですね、地域の人にはスケジュールがわからないので。そういうことを初めて見て、教員が児童・生徒に対する接し方はどうしているのかとか、教員の言葉遣いはこれでいいのかとか、児童・生徒の態度はこれでいいのかとか、そういうものが見えるのは、準備段階のときに初めて私は見えると思っているんですね。それを実際見られるのは、PTAの現場にいるときは見られたんだけれども、私たちもOBになっちゃうと見る機会というのはなくて、仕上がったところだけ見て、「ああ、すごいな」と思うんだけれども、その過程が全然わからないんです。文化祭もそうですね。
そういう意味で、何々発表会も含めて、公開授業もそうなんだけれども、公開授業とわかって先生は臨んでいるわけですから、立派な授業をするわけですよ。相当先生にとってはプレッシャーなようですけれども。その前の経過がどうであるかということで初めて本来その学校の評価ができるので、そういうことをやらなければ、私はこの評価の結果というのは意味がないと思うんですけれども、この2点、どうですか。
入野指導室長
最後の点はまさにそのとおりだと思いまして、過程を見せていく努力は学校はこれからもしていかなければいけないと思いますし、この評価委員に当たっていらっしゃる方々には特に過程を見せる工夫、直接見ていただくかは別としまして、その工夫をして評価をしていただくということが重要かなというふうに思っております。
学校評議員のあり方のほうについては、学校評議員が今までそういう、委員御指摘のようなことが再三お話に上がってまいりました。なかなか御自身もこういう活動に参加できないので、アンケートをとるとわからないという状況ですので、その中からも御協力をいただける方には評価委員のほうに入っていただく。見ていただける機会が少なくても、地域にいらっしゃる方ですので、評価をいただくのに価値があるというふうに思っておりますので、そういう方は評議員として意見をいただくという立場になっていただくというのがよろしいかなと。今のところはそういうふうに整理をしていこうというふうに思っています。いずれ学校評議員のほうについても、この評価のシステムが動き出しますと、あわせて検討していかなければいけない部分が出てくるかというふうにもとらえております。
江口委員
これは例えば新年度の年度当初からやらなければいけないという、別にこの年にやらなくてもいいんでしょう。なぜかといいますと、やっぱりもう少し、それこそ慎重に検討を加えてやりませんと、最近指導室、教育委員会全体もわかっているんだけれども、教員対保護者の問題というのは結構あるわけですね。それはどういう意味かというと、保護者の非常に不理解ということで、教員の指導に対する苦情だとか、それもごく一部の人だけが集中的にそういう動きをするとか、そういう声は中野じゃなくて、全体的に教育現場で起きていて、逆に言うと、言葉は悪いんですけれども、保護者対策という問題が起き上がっているというぐらい、本来そこには気を使わないで先生はいいんだけれども、教員というのはそこに気をつかわないと授業ができないという、そんな雰囲気も、これは全国的にそういう空気がどうもあるんですね。
そういう中で、人選で本当に公平中立な人、例えば男女の差、どうしても昼間だと女性ばかりになっちゃう可能性もあるけれども、しっかりした見識のある男性も入れたり、年齢層の問題。やっぱり、高齢になればなるほど教育を受けてきた立場が違うので、それから、若い層がどこまで参加できるか。そういうことをしっかり調査検討して、30代の人を入れる、40代の人を入れる、50代の人を入れるとか、そういう指針を出して、それから、本当に学校にいつでも来られる、なかなか今の状況は少ないので難しいんだけれども、そういう人に評価をしてもらわないと、OBも我が母校を全然関係ないのに評価されたらたまったもんじゃないよという気持ちにならないためには、やっぱりいつも学校には自由に出入りして、本当に子どもたちにも愛情持って接していく、そういう人たちを選ぶというのは、もう少し検討期間を入れて、いずれ学校長が選ぶんでしょう。学校長だって、来たばかりの学校長は、まるっきり地域のことをわかっていないんだから、そういうことも入れて学校を取り巻くPTA、OB、同窓会、それから地域、そういう人たちも入れて、どんなメンバーを構成すればできるんだろうかということまでやってからスタートした方がいいんじゃないかと思うんですが、違いますか。
入野指導室長
御意見はあるところかというふうに思っております。どちらかというと、私どもはきちんとしたシステムをまず確立していくことが大事かなというふうに思っておりまして、この評価委員の任期ということについては、評議員とはちょっと違いますので、ある意味そこの部分は改善をその都度加えていく形になるかなというふうに思っているところでございます。
この流れ自体は、非常に学校にとってはプラスになる流れだというふうに思っておりますので、できるだけ早い時期に取り入れていきたいなとは思っております。ただ、改善の余地は十分、その都度出てくるかなというふうに思っておりますので、固めずに、当面の間、学校関係者による評価はそのように考えておりますけれども、学校の部分については、改善を図っていく部分もその都度出てくるかなというふうには思っております。
江口委員
今、指導室長の言ったことと私は違って、こんな突然こういう形でいくと、結果いい、悪いはともかく、学校側としては相当なプレッシャーだと思うんですね。確かにそういう評価というのは、第三者機関の評価というのは、これからは開かれた学校ということで絶対必要なことは必要なんだけれども、そこに今、学校現場にいる方たちが即なじんでいるのかというと、私は決してそうじゃないと。やる以上は、お互いにいい学校をつくっていく。これから報告がある学力の問題や体力の問題、全部そこに含まれてくるわけですから、そういう意味ではやっぱり、しっかり1年ぐらいじっくり検討して、まず評議員会自体をもう1回総括していただいて、評価委員会をつくれば、私、最初言ったように評議員会なんか要らないと思っているので、そういう形での人選がきちんとできるというところからスタートさせると。
そういうふうにしないと、これは子どもたちにとっても大変な影響が出る。逆に言えば、学校の教職員にも大変な影響が出る。最終的にいい方向にまとまればいいけれども、こんなにぎくしゃくしなければいけないとか、こんなに窮屈な学校なのかと思われても困るし、子どもたちがいつも笑顔があり、そして、勉強には集中し、遊ぶときは一生懸命遊ぶ、本来の姿がある学校というものをつくっていくんでしょうから、そういう意味ではもう少し学校現場の教職員も含めて、この実体がわかるような形でやっていくほうが私は理想なのかなと。
なぜかというと、確かに今、教育委員会としては公開授業、公開授業とやたらに案内来ますけれども、学校の先生にとっては大変なプレッシャーです。プレッシャーというのは何かというと、公開授業のときは一生懸命やって、ほかは手を抜いているんじゃないかと思うぐらい、こういう言い方は失礼なんだけれども、そのぐらいに公開授業が多いんです。確かに校長先生は授業を担当していないから楽なんですよ。うちは公開授業をやっている学校だと。じゃあ、本人が担当してみろよと言ったら、多分やりたくないと言うと思うんだけれども、そのぐらいにプレッシャー。だけど、それはいいことなんですよ。いいことだけど、その形があまりにも負担にならないようにするための、次の手を打っているような形がとれていないんです。あくまで公開授業をふやしていけ、ふやしていけと。今、いろいろな形で私たち議員のところにも案内状をいただきます。これは大変だなと思うので、そういうのも1回、本当に総括しながらやっていったほうが、私はこれはいいのではないかと思うんだけれども、もう一度お答えください。
入野指導室長
今まで積み重ねてきたところもございますので、私どもといたしましては、このスタイルを無理がないような導入の仕方で考えていきたいなというふうに思っております。評価をいただきますものも、全般的にいただくというようになると大変なことにもなると思いますので、例えばことしの重点のものだけをそういうことでやっていくですとか、とりあえずの部分については、まずこのスタイルを次の段階では取り入れる時期に入ってきているかと思いますので、無理のない導入の仕方をしていきたいなというふうに考えております。
江口委員
どうして僕が言うかというと、この間もいながき委員が言っていたように、学校の先生というのはなかなかあいさつしてくれないんですよね。それは私、PTAの会長を通算5年やって経験したのは、最終的な答えは照れ屋だったということだけで、こちらがあいさつすればあいさつする。私はそのときに会長で、なぜ怒ったかというと、毎朝あいさつ運動という、校門に並んでおはようと言ってあいさつしないと、「何であいさつしないんだ」と指導している先生があいさつしないんですね。それを私がPTAの全体会でおかしいと言って、外部の人が来て、廊下ですれ違ったらあいさつしようと。子どもたちは必ずあいさつするよということから始まったら、最終的に先生が皆さんあいさつするようになって、父兄も非常に気持ちのいい学校だとなったんだけれども、そのぐらいに学校というのは非常に閉鎖的なところもあるんだけれども、これを今みたいにやっていきたいという指導室の気持ちはわかるんだけれども、それになじむだけの体制というのがまだできていないの。評議員会自体が私は納得いっていないから。これ自体を納得しないまま評価委員会までつくっちゃっていいのかという問題を含めて、この辺を整理してからやるべきだということで、指導室だけで答えられないんだから、そこの二人の偉い人、答えてあげないとかわいそうじゃん。
竹内教育委員会事務局次長
一つには、学校教育法の中でこの学校評価をやると、各学校についてやるということになっておりまして、しかもその方法については、文部科学省の方法に従えというようなことになっておりまして、その中で、そういった流れの中で文部科学省がガイドラインというものを出してきたという経緯があるわけです。ですから、基本的にはこれに従って学校評価というのをやらなければいけないということになっています。
ただ、それはそれぞれ幅のある部分もあるわけでございますので、それぞれの学校、また自治体に応じての幅というのがあるわけでございます。そこら辺については、この間、学校の職員も含めて検討会を設けて検討してきたところがございますので、今ここに達して、こういう形でというものについては、ある程度学校と意見交換をしてつくってきているものでございます。あとは、個々の学校によって実施の遅い、早い、密度の濃い、薄いというところは出てくるかと思いますけれども、そこはまずは無理のないような形でのスタートをしていきたいというふうに思っているところでございます。
確かに、江口委員から御指摘され、また、大内委員からも御指摘されたところでございますが、評価委員会と評議員会との関係ですとか、評議員の評価、総括というようなものをどうするのかというところは必要だと思っておりますので、そういったところについては、今後きちんと、私どもとしても見きわめていかなければいけないというふうに思っております。
江口委員
今次長が言ったように、私は一律に始めるんじゃなくて、本当に学校側として、我が地域として体制的にできるというところから、今までだって学校評価しているわけだから。ただ、これからは地域だとか保護者をさらに入れてということが追加されたということだから、それだって急激にすぐやりなさいと、もともと学校評価しているわけでしょう、教育委員会は。それをさらにもうちょっと開かれた形でやろうというんだから、その辺学校長と相談でオーケーしているというようだけれども、地域間だの格差というのはあるので、相当そういう人物がいて、評価委員だってプレッシャーですよ、これから。その学校に対して、あなたは評価委員として何をやったのと。ちっとも学校よくなっていないじゃないということでは困るので、それだけ責任も重大になるし、それこそ評議員じゃないけど、1万円の予算なんていう形じゃ無理よ、そんな気持ちじゃ。
やっぱり、本格的に学校を支えてもらう人たちの重要なご意見番という形で、さらに学校をサポートする、学校を良くするための評価という人を選ぶというのは、相当人選しないと難しいと思うので、その辺はぜひ慎重にやってほしいの。なぜかというと、これが動きだすと、何であの人が評価できるんだという問題が必ず出てくるんだよ、地域で。それは絶対避けなければいけないことなんですね。そういう意味で、本当に地域でもあの人だったら大丈夫だろうという声は、さっき言ったようなPTA、OB会、それから同窓会、そういう人たちが一番つかんでいることなんです。なぜかというと、地域の町会というのはそんなにそういうことはつかめないんですよ、人脈は。学校人脈はPTAとOBと同窓会なんです。そういう中での情報を学校長が入れて、「あの人だったら間違いないだろうな」という人たちを入れてスタートしなければいけないので、ぜひ慎重に取り組んで、一律すぐにスタートさせるということだけは避けてほしいなと、充実したところからやるということ、いかがですか。
竹内教育委員会事務局次長
基本的には21年度から実施したいということで考えております。そのための準備をしてきているし、実際にほぼこれに近い形で現実にやってきている学校もございます。
ただ、まさにどなたに評価をしていただくのかというのは大変重要なことでございまして、学校のことがよくわかっていただいている方、御理解をいただいている方に評価をしていただくべきだろうというふうに思っております。そうした意味では、適切な人選といいますか、そういったことについてはきちんと、適切な方にお願いするようなことを煮詰めていかなくちゃいけないというふうに考えております。
委員長
質疑の途中ですが、3時になりましたので、お諮りしたいことがありますので、休憩いたします。
(午後3時09分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時09分)
では、休憩をさせていただきます。
(午後3時09分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時20分)
先ほどの4番の今後の学校評価の考え方について、引き続いて質疑を行いたいと思います。
質疑ありませんか。
伊東委員
まず、1ページ目冒頭に書かれている文部科学省による「学校評価ガイドライン」、これについて、私なんか内容詳しいところを知らないんですけれども、これについては、大まかにどういうことが示されているんですか。
入野指導室長
これが実物でございまして、「学校評価ガイドライン」ということで出されております。学校評価の改めて目的ですとか、定義ですとか、そして今回の場合については、学校評価を自己評価と学校関係者評価というふうに改めてはっきりといたしまして、まとめたことによりますと、中身についてはここで自己評価を学校が行う上で、学校関係者による評価を入れなさい。それから、その後にはさらに発展しますと、まるっきりの第三者評価あたりも入れていくことということで、まだはっきりとした部分は第三者評価については述べられておりませんけれども、そのようなことが述べられているものでございます。
伊東委員
このことによる予算的な措置というのはあるんですか。
入野指導室長
今回についてはございません。
伊東委員
21年度予算については、この事業に関する予算というのはついていないように思うんですけれども、間違いないですか。
入野指導室長
はい、ついてございません。
伊東委員
そうすると、まるっきり予算のない中で評価委員をお願いして、徐々にその内容を充実させていきたいと、そうですよね。いきなり完成系を目指すことは無理だろうと考えているので、取り組み始めたいというようなこと、そういうニュアンスに受けとめられたんですけれども、この学校評価委員会の評価についてなんですけれども、自己評価に対する検証を行うのが目的なのか、評価委員による直接評価が目的なのか、二つともやるようなことを書かれているんですけれども、その辺がどうも今の段階ではあいまいなんですけれども、どうなんですか。
入野指導室長
お話しのように、2点の役割を果たしてもらおうかというふうに思っております。もちろん直接の評価もしていただく部分がありますし、さらに学校の評価に対しても意見を言う。教員自身の評価だけではなくて、保護者や評議員からいただいたアンケートをもとに、その評価に対しても意見を言うという立場にあると、その2点の評価をしていただく。
伊東委員
開催回数は3回ぐらいというような形になっていますけれども、実際に今おっしゃられているようなことを実行していくとなると、これは3回の開催ではとても、1回の会合という意味ではとても所期の目的は達成できないのではないのかなと。
今、中野区は外部評価、各事業における外部評価を行っていますけれども,あれは外部評価委員による各担当とのヒアリング等を行って、指標の設定の仕方だとか、事業の実施形態はどうというようなチェックを行うというのが中心なはずなんですけれども、そういう意味では、この学校評価についても、先生方へのヒアリングというものが必要になってくるのかということ。
それともう1点、みずからによる評価を行う際に、ここには2番の学校評価の実施方法の(1)の①、自校の教育方針や指導の重点、達成目標、目標達成のための取り組む内容について説明を行わなければならないということなんですけれども、これはよっぽどなれている方でないと、当初のこうした説明だけで実際にどういう取り組みがなされるかというのはなかなか検証しにくい。そのために行って見るだけでも、この目標がどこにどうつながっているのかというのは見えてきづらい部分があるんじゃないのかな。
私も学校評議員やらせていただいていて、先ほどの江口委員じゃないけれども、いろいろ御案内いただくんですけれども、その中には、年度当初にこういう目標に沿って学校運営を進めていきたい。そのためにはこういう事業展開をするということでいただくんですけれども、いざいただいた御案内と当初の目標、目的がどう結びついているのか、そう思った目で見ることがなかなかできないのが現実。ですから、こうした評価委員の方をお願いするのであったらば、その都度、その都度の目標に対しての取り組み方、今回見ていただきたいのがこの部分なんだと、より一層丁寧な説明というのが必要になってくるんじゃないのかなと思うんですね。そうした意味では、非常に学校のほうの負担も、教職員の負担もはるかにふえてくるんじゃないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
入野指導室長
1点目のみずからヒアリングや何かの必要はということでございますが、そこまでは考えてございません。2点目のお答えとも同じになるんですが、確かに目的と学校の教育は非常にわかりにくい部分がございまして、目標としている部分と、方法として行っている学校行事がぴたっと結びつくというふうに、もちろんそういうふうな説明もできていない部分もあるでしょうし、今までは一つの行事というのはたくさんの目標と接していますので、評価もしにくい部分もあったかと思います。ですので、そういう意味では、おわかりいただけるような工夫もしなければならないので、丁寧な説明もその工夫も必要だと思いますと同時に、評価していただくものをスリム化していく必要があるだろうなと思っています。すべてのものについて評価していただくということになると大変難しい状況が生まれると思いますので、今年度はここの部分でというような評価をいただくもののスリム化も出てくるかなというふうに思います。
それから、3回で足りるかという御意見でございますけれども、評価委員会としては3回の機会にその都度の資料についての評価をいただくということで3回と考えておりまして、その都度、その都度については、行事を見ていただくなり何なりしての部分については、回ではなくて、個人的に意見をいただいていくような形になるかなというふうに思っております。
伊東委員
そうですよね。先ほど目標を重点的に、スリム化をしていかなければ、とてもじゃないけれども、広範囲には評価しづらい部分もあるかと思うんです。それを行うことによって、それ以外の部分はどうなるのかなと。要するに自己評価、これは評価委員に評価していただきたい部分、コアと、それに派生してくる、どうしても学校運営上ほかにもこういうことはたくさんありますよと。そっちのほうが多いと思うんですけれども、それを自己評価なり何なり、どういうふうに仕分けして、実際には成果を上げていくかというのをよく考えないといけないのではないかと思うんですけれども、その辺はどうお考えになっているんですか。
入野指導室長
今までやっておりました、今回はアンケートという位置付けをされます保護者や学校評議員による評価は割と網羅して、ですので、どうしても項目が多くなってくるんだと思いますが、そのアンケート結果について御意見をいただいたりする部分については、広がった部分になるかというふうに思っています。
ただ、年度当初、どうしてもこれだけは学校も改善を図りたい部分もあるので評価していただきたいというものについては、コアとして残っていく。そこの兼ね合いで広がりも出るかなというふうには思っておりますが。
伊東委員
そのコアとする、仮に呼び方をコアとするとしましても、それ以外の部分というのはしっかりと自己評価は行って、それはこの評価委員会のほうに報告がなされるんですか。
入野指導室長
学校のほうの自己評価につきましては、やはり教育活動を広げた部分で、教職員がやる部分の自己評価については、全般の部分をとるという形になると思いますので、その結果については、見ていただく形になると思います。
伊東委員
いずれにしても、新しい制度の中で適正な評価のあり方というのが結果を左右するんじゃないのかなと思うんですね。的を射ていないような評価が行われてもしようがないし、あえて評価をいただくがために、恣意的に指標の設定を安易な部分に持っていってしまってもしようがないのかなという気がするので、いずれにしても評価を適正にしていただくのであれば、そのための情報提供をしっかりしていただく必要があると思う。
そういった意味では、まだ5月からという中で、その内容も十分各学校に浸透しているわけではないでしょうし、それに見合う人選ができるかどうかも確かではないという気がしていますので、試行的に実施するにしても改善を要する部分、それから、場合によっては予算的措置が必要な部分も出てくるやもしれませんので、その辺はしっかりと検証すると。同時に、私も屋上屋じゃないけれども、学校評議員というものと評価委員会というものを並立する必要はないんじゃないのかなという気はしておりますので、その辺もよく検討してください。
いながき委員
文教委員会、あるいは保護者に対して公表されるデータとされないデータというのをもう一度確認させていただきたいんですけれども、この学校関係者による意見、評価、そして保護者等に対するアンケート調査の結果というのは、文教委員会、あるいは保護者に対して公表されるんでしょうか。
入野指導室長
いわゆる保護者によるアンケート調査の部分については、今までもこちらでも報告しておりましたし、公表しております。これからもそこの部分については公表していくつもりでございます。全校の部分については教育委員会が、各学校の部分については各学校が公表していくという形をとりたいというふうに思います。
学校の最終的な評価の結果については、この図にも書いておりますように、学校便り等で学校が結果を御報告すると同時に、私ども教育委員会のほうへも上げてもらうというふうに考えております。
いながき委員
最終的に学校便り等で公表されるのは、この自己評価結果ということになるんですよね。
入野指導室長
はい、結果というのは、改善策等々も含めた結果ということで、公表してまいります。
いながき委員
この自己評価というのは、例えば人事評価なんかのときによく使われると思うんですね。本人の自己評価と周りの評価。それをあわせて、それを総合的に見てまた別の第三者が評価するというのが例えば人事評価なんかでは普通だと思うんですけれども、自己評価、学校関係者による意見、評価を取り入れたとしても、この自己評価が最終結果になるというのはちょっと不自然かなというか、公平ではないような気がするんですね。例えば、保護者や学校関係者による評価と学校との自己評価の間に大きな差が、先ほどの質問でも出てきましたけれども、大きな差があった場合どうするんですか。その差はだれがどう埋めるんですか。それを公平にジャッジする第三者が必要なんじゃないですかと思うんですね。
入野指導室長
先ほどもお話をしましたように、学校評価ガイドラインのほうについては、実は国のほうについては第三者評価も述べ始めております。ただ、大変教育現場に取り込むのは難しいということで、はっきりとしたものは今出てきていない状況にございます。いずれこれについても、この体制がしっかりと整った後にはそういう部分が検討されていく形になるかというふうに思っております。
いながき委員
基本的に自己評価をめちゃくちゃ悪く言う人だとか組織というのはあまりないと思いますし、例えば第三者ということでいえば、教育委員会というのは学校教育のプロというか、そういう識者が集まっていらっしゃるわけですよね。そういった教育委員会の委員の方々にジャッジしていただくとかという考え方もあると思うんですけれども、その辺についてはどうお考えですか。
入野指導室長
今までの外部評価と言われているものについても、教育委員会はジャッジという言い方がいいのかどうかわかりませんが、もちろんその結果についてはとらえて、評価をして課題を明らかにしてきているので、できているかというふうに思います。そして、教育委員会による学校に対する評価というのは、いわゆる内部が内部を評価している形になりますので、これから目指していく外部評価とはちょっと違ってくるものではないかというふうにとらえてはおります。
ただ、まだ外部評価については、繰り返しになりますけれども、大変教育については難しいと。専門性の問題ですとか、そういうことも出てきますので、非常に難しい状況がございますので、まだ国のほうについてもあきらかにしていない部分ではございます。
いながき委員
これまでの学校評価、例えば保護者に対するアンケート調査の結果というのは、各校ごとにはその学校の結果を別々に公表していたと思うんですけれども、こういった委員会に対してはそれを全部平均して、各校別の評価結果というのは出されていないと思うんですね。今回も学校別すべて、学校ごとに評価を公表するということは考えていらっしゃるんでしょうか、いないんでしょうか。
入野指導室長
基本的には、この学校評価というのは各校が改善に資するということが大きいことでございますので、各校ごとの改善を図るということを第一義としたいと思いますので、教育委員会としては全部の学校を並べて公表するということは考えておりません。
いながき委員
教育委員会って、すぐ学校ごとに公表するか否かという話になると、過度な競争をあおるというふうなお答えをなさるんですけれども、適切な競争というのも必要な部分、あると思うんですね。先ほどのPDCAサイクルのアクションを起こしてもらうためには、やっぱり各校ごとの結果を公表するというのは、アクションの部分に効果的につながる方法の一つではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
入野指導室長
過度な競争でなければ、学校においてもいい部分をもたらすとは考えております。その方法が全校を並べて公表することだというふうには私はとらえておりませんけれども、必要な部分は学校においても競争という部分はあるというふうには思っております。そして、学校ごとに公表することが学校の改善につながるかというと、そこについては、それよりはそれぞれの学校の中の評価を充実していくことだろうというふうに思っておりますし、この自己評価につきましては、先ほどもお話をしましたようにそれぞれ重点が違いますので、公表をしたにしても、同一にはならないかなというふうには思っておりますが。
いながき委員
今の御答弁ですと、学校評価、自己評価に対する質問項目が違うということですか、それぞれの重点項目が違うということは。区内統一の評価基準というか、そういった設問ではないということなんですか。
入野指導室長
先ほど来お話をしておりますように、教育目標も教育経営も教育方針もみんな学校違いますので、それに基づいての評価していただく形になりますので、そこについては学校ごとという形になります。
いでい委員
3点ほど伺います。1点目は、学校評価委員の人選についてですけれども、先ほど江口委員からありましたとおり、区でやっている行政評価、外部評価についてはさまざまな意見がありまして、その実態が見えていない方に評価されると、内部の方々も混乱するのじゃないかといった意見があったり、そういった冊子の中で違う意見が出てきたりということがありましたから、第三者機関に評価をお願いするということであっても、精通する方であったり、現場をよく知っている方、そういった方じゃないといけないというお話がありましたし、私も全く同感だと思っています。
人選については、先ほど江口委員からも御質問ありましたので伺いませんけれども、2点目に、目標ですよね。学校が自分のところで自己評価というところで、教育目標や経営方針、指導の重点、達成目標、具体的取り組みの決定ということをまず一番初めに行うんですけれども、目標の設定というか、多分数値で出してくるのかなと思いますが、その点、どうなんですかね。というのも、行政評価でいうと、目標というものが必ず年度当初にあって、それに対する達成率ということで評価の結果が出てくるわけですから、評価の仕方によっては数値化しなければいけないものだとか、そういったことがあると思うんですけれども、それについてどうお考えですか。
入野指導室長
1点目の件は、十分御意見を留意してやっていきたいというふうに思っております。
2点目でございますが、目標の設定については、学校においてはなかなか数値化できない目標もあるかというふうに思っております。ただ、数値化できるものについては、学校といえども数値化をして目標とする必要があるかなということで、学校のほうには話しているところでございます。
いでい委員
その数値化できるものというのは、どんなことが考えられますか。例えば区は、先日教育委員会の所管事項の報告の中で、生徒は顧客だという考え方があって、顧客満足度の向上みたいな形で数値を出していくのかなと思っていますけれども、数値化できる部分というのは、どのようなことを考えていますか。
入野指導室長
それぞれの学校の目標に合ったものになってきますので、何を指標にするかというのはそれぞれだと思いますが、例えば一つの取り組みに対する生徒の状況を資料とするのであれば、中学校であれば、今、中学生による評価をもらっているものもございますので、そういうものの数値の向上というのを一つの側面の目標にするということもできると思いますし、学力にかかわる調査をやっています。体力についても共通にやっていますので、それを学校の指標として伸ばしていくということを目標の一つにするということもあろうかというふうには思っております。
いでい委員
そうしますと、数値化できるもの、できないものということで、あとは学校別には目標が違うということでありますから、一概に学校評価されても教育委員会で、とりあえず学校評価が出たということだけで、次年度の教育課程への参考には、本当の参考になるぐらいで、教育委員会としては学校評価が出たことによってその学校の問題点ですとか、そういったものをとらえていくのがどうなんでしょう、難しいのかなと思いますけれども。
入野指導室長
具体的には、私どもはそういうようなデータは、今お話ししました学力にかかわる調査ですとか、体力にかかわる調査もございますし、もっと言いますと、先ほど来話題になっておりますが、指導主事といいますのは、教育課程の編成時にも相談にあずかっております。新しく次年度の教育課程を編成するときには必ず指導・助言をすることになっておりますし、それについては、いろいろな資料をもとにお話をさせていただくということを毎年繰り返しております。つまり、この自己評価が出てきましたらば、それの一つの資料になるかなと。今までは、授業時数のどのような確保ですとか、ことしの学習の状況の進みぐあいはどうかということで次年度の教育課程に対して助言を、来年度これでいいのかという助言をしてまいりましたけれども、これが今回は一つの材料になるかなというふうに思っております。
いでい委員
次の第3点目に移りますけれども、3点目はこれすべて、(5)自己評価の実施、次年度計画の作成というところで、学校評価結果の公表で学校便りなどということで公表されると思うんですけれども、この学校評価が学校便りなどに載ることによって、今、中野区の中でも相当数いる指定校変更だとか、そういったことにも影響が少なからず出るのではないかなと考えていますけれども、その影響についてどのようにお考えですか。
入野指導室長
基本的には、繰り返しになってしまいますが、それぞれの学校の状況での評価をいただいたものが出てきますので、一つのその学校を見る評価にはなるかというふうに思いますが、その学校すべてが比べられるという状況ではないというのがまず一つでございます。そして、指定校変更については、学校教育担当課長の方から。
寺嶋学校教育担当課長
評価、一概には、先ほどの話ですと、比べられる評価とは限らないということですが、指定校変更の点では、学校選択制をとってございませんので、こちらに行きたいというようなときにはなかなか変更は難しいということになっております。
いでい委員
指定校変更の話、ちょっと出ましたけれども、学校選択制をとっていないからそれは難しいというわけですが、今回の予特の資料の中でも数字で出てきましたけれども、相当多いですよね、指定校変更を行っている、学区域外から違う学校へ通っている子どもたち。できないとおっしゃいましたけれども、実際している人たちもいるわけですよ。できている現状があるからこそ多いわけであって、それは関係ないと僕は言い切れないんじゃないかなと思いますけれども。
寺嶋学校教育担当課長
割合は確かにある程度の割合がありまして、それがそういったような傾向があるのではないかというような御指摘があるということは存じておりますが、私どものスタンスとしては、指定校変更についてはある基準があって、それに合致しないと認めないということでございますので、そういったところで運営させていただいております。
いでい委員
合致する方が相当数いらっしゃるという、私は数字で読み取りましたけれども、私の質問の中で、まず第一に人選の話、第二に目標の設置、これ、評価ということでありますから、必ず目標に達する達成度ということで数字が出てくると思いますから、この目標設定が初めから甘ければ、必ずこれを達成したということでいい評価が出るのは当たり前なんですよ。それではやっぱりやる意味が全くないということですし、また、区でやっている行政評価については、行政評価をやって、自浄作用というか、そういったものを期待しているというのもあったりするんですが、職員同士の能力開発というか、コンピテンシーみたいなものにつながるものも結構重きを置いているような感じを僕は感じるんですよね。この教育委員会がやる学校評価についても、教職員の皆さんの能力開発のために行っていくんじゃないかなと思いますから、もし仮にというか、段階的にやっていく中では、学校評価の結果もやっぱり重視するようなことをやっていかなくちゃいけないんじゃないかなと思います。最後に、そのことについてはどうでしょうか。
入野指導室長
能力開発というお話でございますが、学校の改善の中にはもちろん教員の指導力という部分の向上というものも入ってくると思っておりますので、そういうものにつながっていく、つなげなければいけないというふうに思っております。そして、結果の重視ということについては、いただいたものについては真摯に受けとめていく必要があるというふうに思っておりますので、どのような結果についても重視していく、そして、本当の意味での学校改善につなげていくということが重要だというふうに思っております。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了いたします。
それでは、次に5番、平成20年度体力テストの結果と体力向上に向けた取り組みについて。
入野指導室長
平成20年度の体力テストの結果と体力向上に向けた取り組みについて御報告させていただきたいというふうに思います。(資料7)
体力テストの趣旨については、私ども中野区立の小・中学校において、その結果から個人、集団の体力の水準や傾向を把握することで、児童・生徒の実態に合った体力向上プログラムを策定して実施していくと、各学校が行っていくということを目的として行っております。
また、子どもたち個人については、自分自身の体力の現状やその伸びですとか、課題ですとかを把握しまして、自分に合った運動や運動遊びを楽しみながら、継続して実践力を育てる、生涯にわたる体力づくりに取り組む素地をつくっていきたいなというふうに思っております。
3点目としては、教育委員会はこの結果を施策や事業に生かしていくということで行ってございます。お話をしましたように、全小・中学生対象に行いました。
(2)に書いてございますように、行いました種目は、いわゆる体力テストと言われるものを行っております。実施時期は、昨年の5月から6月に行われました。
それでは、1枚めくっていただいて、その結果を見ながらというふうに思います。3ページになります。
(1)上段の小学校の部分につきましては、平成19年度と平成20年度の結果でございまして、これはどういうふうに比較をしているかといいますと、区の平均と都の平均を比較したものでございます。そして、(2)のほうは、以前にお話をしましたように、私ども目標値、中野スタンダードというふうに設定基準を設けておりますので、その通過率を平成19年度と20年度で比べたものでございます。
上段の部分の区の平均と都の平均の比較から少しお話をさせていただきますが、白丸が都の平均以上の結果を出したものでございまして、黒の三角の下向きのものは都の平均未満であったということの状況でございます。区平均が都平均を上回った項目、つまり、白の丸は19年度小・中合わせて96項目中の42項目で、およそ43%程度でございましたが、平成20年度におきましては、96項目中60項目になりまして、62%に増加をいたしました。
握力では、見ていただくとわかりますように、真っ白になっておりますので、ほぼ区の平均が都の平均をすべての学年で上回っている状況になっております。50メートル走や反復横跳びにおいても区の平均が都を上回る学年が多いという状況でございますが、立ち幅跳びや前屈については下回る学年がまだまだ多い状況になっているということがわかります。
下段にまいります。下段の中学校のほうでございますが、19年度の54項目中37項目、68%、中学校のほうが19年度も小学校よりも都の平均を上回っておりましたけれども、その状況でございました。20年度は54項目中45項目ということで83%が白くなったと、都の平均を上回っているという状況になっております。
男子の前屈とシャトルラン以外は、全体的に区平均が都の平均を上回ってきたという状況でございます。これが(1)の区と都の比較の状況でございます。
下のほうの、中野区がさらにスタンダードといって目標値を設定しました部分につきましては、小・中共通に見てまいりますが、目標値に達した項目は、19年度は全部合わせますと150項目ございますが、そのうち44項目の29%でございました。つまり、黒く塗っている部分なんですけれども、それが20年度には67項目の44%に増加してございます。どちらのほうから見ましても、この体力テストの結果だけを見ますと、上回ってきているということでございます。
つけ加えますが、スタンダードといいますのは、平成18年度に東京都の児童・生徒の体力テストにおいて、各学年の児童・生徒の70%が達成した数値を目標としておりますので、その数値を上回るかどうかということで設定をしたものでございます。
そして、両方比べてみてわかりますことは、実はこれだけの向上を1年間でしたのでございますけれども、課題としましては、上と下と、本来でしたら同じ項目の割合だけ伸びていなければいけないんですけれども、ソフトボール投げのように、見ていただきますと、上段ではほぼ真っ白になっておりまして平均値を上回っているんですが、その数値を見てみますと、分布を見てみますと、区平均が上位の児童・生徒が引き上げているということがわかるものもございます。特にソフトボール投げが顕著でございました。これについては、まだまだ下位の児童・生徒が十分に引き上がっている状況ではないということもわかってまいりました。そういうような課題もこの結果からわかったところでございます。反対に、握力や反復横跳びや50メートル走については、全体的に引き上がってきたという状況が読み取れる状況でございます。
この結果の活用でございますが、各小・中学校は児童・生徒の体力水準や傾向を把握しておりまして、体力向上プログラムのさらなる策定に役立てておりますし、教育委員会事務局としましては、この調査結果をもとに、先ほどお話ししました中野スタンダードの達成状況を把握いたしましたので、またその状況に合わせた、実際どういうような授業を強化していったらいいかということで、授業モデルづくりに生かしました。現実、昨年お話ししましたプログラムでは1事例だったと思いますけれども、15事例、こういう授業がいいのではないかというモデルづくりをしたところでございます。そのようなことで、今年度取り組んでまいりました。そして、今年度大きく子どもたちの体力を向上させるために、体力向上アシスタントを導入いたしまして、体力向上アシスタントによるフラッグフットボールの実践強化、それから、いろいろな競技、授業で行いますもののモデルとしての示範を通しての子どもたちの興味・関心の向上等で授業を行ってきたところでございます。
簡単でございますが、以上のような結果が出たところでございます。
資料の後ろのほうにつきましては、全部のもののデータでございまして、20年度の体力テストの結果を数値であらわしておりまして、網かけは区平均が都平均以上にいっているというものでございます。よろしくお願いしたいというふうに思います。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
平山委員
初めに、一つだけ確認なんですけれども、予算の審議の際に21年度の目標がちょっと、時期の関係で大分おかしなことになっていたような記憶があるんですが、この目標、立て直されたんですか。
入野指導室長
思ったよりも大変いい結果が出てしまいまして、目標を達成してしまいましたので、目標はさらに立て直していく考えでございます。
平山委員
これから立て直されるということですよね。一つだけ、細かい数字は20年度しかないのでわからないんですけれども、3ページなんですけれども、小学校1年生を見ると、19年度の小学生より20年度の小学生のほうが都平均を上回っている割合が倍ぐらいあって、しかも中野スタンダードの通過率も高いのかなと。体力テストって5月から6月ですよね。ということは、あんまり入ってそんなに間もないころにテストを受けたということなので、今年度の新入学生が基礎体力が高かったのか、それとも、東京都の平均を見たときに、他区での実施率が以前よりも変わったとか、そういったことは分析されていますか。
入野指導室長
特段大きく分析はちょっとできませんでした。ただ、昨年から本区内の幼児研究センターを中心に体力の向上へ研究もシフトしてきておりまして、私立の幼稚園ですとか、もちろん区立の幼稚園もそうなんですけれども、保育園のほうもそういうほうへシフトしてきた結果が出たとはまだ言えないと思うんですけれども、そういうことはございます。幼児期からの体力の低下というのはここ何年間か強く言われておりますので、そういう面ではちょっと違ってきているのかなと。ただ、結論的に申しますれば、これが分析できるだけの材料はございません。
平山委員
先ほど報告の中で、中野スタンダードの結果と都の結果とを見比べたときに見えてくることがあったような話もされていたので、東京都の結果ですので、平均だけじゃなくて、何か変化が合ったらぜひ、そのバックグラウンドを押さえておいていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
あと、1個だけ気になるんですけれども、中野スタンダード、19年と20年、50メートル走がほぼ達成できているんですけれども、これは別にスタンダードの設定が云々ということではないということでいいんですよね。
入野指導室長
抽出でやっておりました時代から見ても、走力は中野は比較的高かったというふうに思っております。スタンダードの設定が低いということではないと思います。ですので、走力が高い傾向にある――通過率も高いんですけれども――傾向にあるというのは中野区の特徴かなというふうに思っております。
大内委員
2ページ目の調査結果の活用というところなんだけれども、最初の丸の体力向上プログラムの策定に役立てると。二つ目の丸では体力向上のための授業モデルづくりに生かすと。これ、どこがどう違うの。
入野指導室長
本区の体力向上プログラムガイドラインは御報告させていただいたと思いますが、同じようなものを各学校がつくってございます。各学校がそれぞれの子どもたちの体力の状態をとらえて、同じように目標を策定してプログラムをつくっております。それに役立てるというのが一番の丸でございます。
2番目については、本区として三つの観点から中野スタンダードをつくっております。目標値を設定しているということでございまして、1点目は健康にかかわる部分、そして2点目が体力、身につけさせたい体力の部分、そして3点目は運動技能の部分ということで、目標値を設定しておりますので、それの達成状況を把握しまして……。
やはり、その達成状況によって授業も変えていかなければいけないということで、専門家の方のアドバイスも受けながら、通常の授業をこのようなモデルでやっていったらどうかということで、モデルをつくっていったということでございます。
伊東委員
この東京都の平均ですとかというものは、各学校にもいっているわけですよね。実施しているのは各学校ですから、当然比較はできるんでしょうけれども、まずその点について。
入野指導室長
そのとおりでございまして、東京都の平均、それから区の結果についても各学校にはいっているところでございます。
伊東委員
それと、区別の結果というのは、中野区の教育委員会は把握しているんですか。
入野指導室長
全国の体力テストを行いましたけれども、抽出の学年でございまして、本区のように全学年でやっているものはまずございません。それと同時に、各区別のものというのは入手ができませんので、してございません。
伊東委員
何でこんなことを聞いたかというと、地域性によって体力というのは明らかに違いが出てきているのは事実だと思うんですよね。そうした意味では、授業モデルを開発していく中で、他の自治体のこういう部分が結果として体力のこの部分の向上につながっているんだという分析は当然必要じゃないのかなと思うので、極力そういう部分は情報収集できるんだったらば実際に見に行くですとか、やっていただいたほうがよりいい成果につながるんじゃないかと思っておりますので、その辺はいかがでしょう。
入野指導室長
先ほどお話ししましたように、専門家のほうの御指導もいただいておりますので、いろいろな区、市、都道府県の実践等も指導の中には入れていただいておりますので、そういうものと比較してのモデルづくりには役立てております。今後ともアンテナを高くしてまいりたいというふうに思っております。
委員長
他にございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、本日はここまでとしたいと思いますが、これに御異議ありませんでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、本日の審査を終了します。
次回の委員会は、3月16日(月曜日)午後1時から当委員会室におきまして開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日予定した日程は終了いたしますが、委員、理事者から何か発言はございませんか。
大内委員
先日の予算委員会でも資料で出ていたんですけれども、各小・中学校の給食未納費についての資料が出ていました。各小・中学校の年度末に対して未納が出た場合、どういった処置をしているのかということを次回のときにでも報告していただきたいと思います。
委員長
それでは、そのようにお願いいたします。
ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本日の文教委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
(午後4時07分)