平成17年06月10日中野区議会文教委員会(第2回定例会) 平成17年6月10日文教委員会

中野区議会文教委員会〔平成17年6月10日〕

文教委員会会議記録

○開会日 平成17年6月10日

○場所  中野区議会第5委員会室

○開会  午後1時02分

○閉会  午後3時13分

○出席委員(9名)
 飯島 きんいち委員長
 酒井 たくや副委員長
 北原 奉昭委員
 久保 りか委員
 はっとり 幸子委員
 小串 まさのり委員
 篠 国昭委員
 昆 まさ子委員
 江田 とおる委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 教育長 沼口 昌弘
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 村木 誠
 教育改革担当課長 小谷松 弘市
 学校教育担当課長 相澤 明郎
 指導室長 小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼 弘
 生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長 細木 博雄

○事務局職員
 書記 岩浅 英樹
 書記 鳥居 誠

○委員長署名


審査日程
○所管事務継続調査について
○その他
 1)東京都が実施した「平成16年度 児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について


委員長
それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元の審査日程(案)(資料1)に沿い審査を進めたいと思いますが、これに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めます。
 なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をよろしくお願いします。
 それでは、教育委員の方との懇談会を行いたいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時02分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後2時36分)

 次に、閉会中の当委員会の所管事務継続調査についてお諮りいたします。
 お手元に配付の文書(資料2)に記載された事項について、引き続き閉会中も調査を要するものと決することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
 議題のその他に入ります。
 委員の皆さんからは特に何かありますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、理事者から。
小林指導室長
 東京都が実施いたしました、平成16年度の児童・生徒の学力向上を図るための調査の結果が、昨日東京都教育委員会からプレス発表されまして、本日朝刊でも一部報道されておりましたので、このことにつきましては、東京都の状況、中野区の全体の状況について御報告を申し上げたいと思っておりますが。
委員長
 何か資料はございますか。
小林指導室長
 それでは、今、配付をさせていただきたいと。
委員長
 はい、資料配付してよろしいでしょうか。配付してください。

〔資料配付〕

委員長
 それでは、指導室長、お願いいたします。
小林指導室長
 それでは、東京都が実施した平成16年度の児童・生徒の学力向上を図るための調査でございますが、この実施につきましては、平成17年1月18日に行ったものでございます。対象は、昨年度の小学校5年生、一応悉皆調査ということで、全員が対象になっております。それから、中学校の2年生、昨年度の2年生ということでございます。この2学年で行われました。
 なお、小学校についてはこれが第1回目、中学校についてはこれが第2回目ということでございます。
 なお、中野区の受検の割合につきましては、小学校は約98%、中学校は94%、受検をしてございます。
 この調査の教科でございますが、お手元にございますA3判の資料(資料3)で、上に四つ、下に五つ、都合九つの帯がございますけれども、上の四つが小学校の、順番に国語、社会、算数、理科ということでお示ししてございます。少し間があいて、中学校の国語、社会、数学、理科、英語という5教科でございます。
 この調査でございますけれども、一つ例をとってお話しいたしますと、2番目の帯、小学校の社会科を例にとらせていただきますと、この全体の一番右の方に観点別結果というのがございますけれども、これが関心・意欲・態度が一つ、思考・判断が一つ、資料活用技能・表現というのが一つ、それから知識・理解が一つ、都合四つの観点がございます。これは、学習を進めていく上での具体的な手だてというか、ジャンルに分けて、具体的にこうした社会科の力をつけていこうというものです。この観点は、国語が五つで、残りの教科は全部四つとなっております。
 さらに、社会科の左の方から見ていただきますと、5年生の中の社会科で、どのあたりを出題したかということで、これはいわゆる領域でございますが、まず地域社会に関しての出題、それから次に真ん中が我が国の食料生産についての出題、そして3番目に我が国の工業生産と、これは、例えばほかに水産業であるとか、貿易であるとか、さまざま5年生で学習する領域はあるわけでございますが、すべてを限られた45分という時間ではできませんので、こうした領域から問題を、先ほど申し上げた四つの観点に振り分けて出題をしたということでございます。
 1問1問の通過率が、ここに出ております。全体を見てまいりますと、国語に関しては、一部新聞報道でもございましたように、言語事項と言われる部分、いわゆる語彙、言葉のさまざまな知識・理解的なことが、やはり課題があると。さらには、小学校の社会科を見てみますと、地域学習の中でも資料活用に関して一部課題が見られる。また、算数に関しては図形、理科に関しては表というふうになっておりますが、これは表現--実験・観察の技能・表現ですが、このあたりに課題が見受けられ、大体全都的な数字も中野区の数字もほぼ一致しておりまして、こういった点に、今、私が申し上げたようなところに課題を見出すことができます。
 さらに、同じく中学校では、国語では読むこと、また社会科では地理的な分野に関する知識・理解、そして数学では図形、理科では理科に関する知識・理解、また英語では書くことや、一部読むことに関しても課題が見受けられるところでございます。
 各学校におきましては、それぞれ後日、各学校のこうした細かな数値がまいりまして、各学校はそれぞれ自校や中野区全体や東京都全体の数値を見ながら、自校での指導にどこに課題があるのか、そして児童・生徒にどういった特性があるのか、こういったことをしっかり見きわめまして、一人ひとりの子どもたちに対してはその子の今後の学ぶべきアドバイスを、指導をしていく手がかりにしていく。さらには、学校にとりましては、こうしたそれぞれの観点ごとや領域ごとを見きわめて、指導の充実、改善に役立てていくということで、今後生かしてまいりたいと思っております。
 なお、御案内のとおり、本区では4月に本区独自の学力調査、2回目を実施しておりまして、現在その集計を進めておりますので、またこの結果が出た段階で、区の状況もあわせてお知らせいたしまして、区の学力調査、そしてこの一部ではございますが、東京都が実施した調査の結果を生かして、今後の学力向上に向けての取り組みを一層膨らませていきたいというふうに考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
小串委員
 今、学校にはそういう情報提供をして、学校の中で生かしていくという話でしたよね。個人に対してはどういうふうになりますか。
小林指導室長
 個人に対しても、それぞれ自分が、いわゆる個表のような形で、その問題をクリアできたかどうかということについての結果表をお渡しするようにしてございます。これは、都教委の方から学校に対して送られてきて、学校が、ただ単に子どもたちに配るのではなくて、一律配るのではなくて、面接等をしてそれをお返しするというような、そんなようなことで学校に指導、助言しているところでございます。
小串委員
 そうすると、ちょっとくどいようですが、確認になりますけれども、学校では、個々の子どもの情報について、それをもとにして親子面談をして、そこで子ども個別の、このデータを参考にしてそういう今後の教育に生かしていくというふうに理解してよろしいですか。
小林指導室長
 親子面談が実施されるかどうかということは、また学校長の判断ということになりますが、教育委員会としては、校長会を通じて、例えば親子面談等を通じて、これは学年による発達段階もさまざまあります。また、学校の指導計画、そういったものもありますので、どのような形で返すかはそれぞれの学校の独自の判断ということになろうかと思いますが、いずれにしても、今、委員御指摘のような、例えば親子の面接をしながら戻すとか、または、いわゆる保護者と教師の二者面談みたいな形で返すケースもございますし、その辺の細かなところは学校に任せると。ただ、一律に配っておしまいと、そういうような形にはしないようにということで、昨年来指導しているところでございます。
小串委員
 二者であろうが、三者であろうが、その辺のところは別に問わないんですけれども、やはりせっかくやったこのデータを生かしてもらわないと意味がないと思うので、それをお願いしたいと思うんですけれども、これだけざっと見て聞いても、わかりませんよね、我々もね。しかし、あえてこれだけの資料で言わせていただくと、今御説明にもありましたけれども、小学校では理科以外は平均よりやや上ということですよね。理科と、中学校は全教科、平均より下ということですね。これを、やはり深刻に受けとめなければいけないと私は思うんですよ、率直にね。これはあくまでもデータですから、それだけのことだというんじゃなくして、全東京都レベルでやったデータがこれなわけですから、これをやはり深刻に受けとめなければ私はいけないと思うんだけれども、その辺、今の室長の説明では客観的に物を言っているだけという気がするんですけれども、基本的に、小学校の国語、社会、算数に関してはやや平均より上ということですけれども、小学校では理科が下、それと中学は全教科が平均以下というのは、何らかのやはり問題があるという認識を持たなければいけないと思うんですけれども、いかがですか。
小林指導室長
 今、各教科の全体の平均に関してのお話がございまして、委員御指摘のとおり、深刻に受けとめる部分というのは当然私どもも考えております。ただし、平均を上回ったからそれでいいかというと、逆に言うと楽観もできないという部分があると思います。
 私どもとしては、もちろん平均を上回るということは極めて重要なことだというふうにとらえておりますが、それにも増して、それぞれの領域や、また観点ごとに、どこが学校の指導の課題があるのか、また、今後どういう取り組みをすべきか、そのあたりをしっかりと、まさにこの数値を真摯に受けとめて活用していくことが重要であると、そういった点では、各学校がホームページ等も含めて、それぞれ今後の指導のあり方について、具体的にそれを説明責任を果たしながら実践をしていくということが重要だと思っておりますので、十分この数値は真摯に受けとめて生かしてまいりたいというふうに思っております。
小串委員
 本当にその言葉だけじゃなくて、やはりそういう受けとめ方をしなければいけないと思うんですよ。平均以上ならいいというものでもないけれども、以下じゃ、なおさらいいわけないんだから、それで、何か今、北原委員から聞いたら、新聞には行政区単位の評価みたいのが出ていたというんだけれども、それは我々に配ってくれないんですか。
小林指導室長
 都教委は、都全体の情報を持っておりますので、プレス発表しておりますけれども、私どもの方には中野区のこうした数値が来ておりますので、それぞれの各区市のものに関しては都教委が全部説明責任を果たしているという状況がございますので、私どもとして今こちらに来たもの、要するに自区のものですね。中野区のものと東京都全体のものを持ち合わせておりますので、それをここでお示ししたということでございます。
小串委員
 その資料は持ち合わせていないということですか。持ち合わせにないんですか、本当ですか。
小林指導室長
 後で送られてくると思いますが、とりあえず速報値でございますので、正式なものが、これが後で全体のものが送られてくると思います。
小串委員
 やはり、それは委員会の資料としても大変重要だと思うんですね。聞くと、千代田が1位だとかって言っていましたけれども、千代田が1位にはこういう理由があるのかなと。杉並が3位ですか、隣の区であるにもかかわらず、杉並の方が成績がよくて、中野が低いというのは一体どういうことかとかね。そういうことをやはり考えなければいけないですよね。当然、その資料は配られるんですか、委員会に。
小林指導室長
 これについては、都教委と協議して、そのあたりのところをどのような形で開いていくかということは、持っているデータについては別に隠すべきものではございませんので、都教委と協議して必要なものに関してはお示ししたいというふうに思います。
小串委員
 最後にします。そういう情報は、やはり我々に伝えてほしいと思いますので、ぜひそのような形をお願いしたいということで、要望だけして終わっておきます。
昆委員
 これ、小学校は1回やって、中学は2回目ということなんですけれども、中野区独自で行った学力調査もございましたよね、昨年。その中野独自でやった学力調査の結果を踏まえて、区としてはどういう分析をしたかというのは、以前の文教委員会に御報告されているようですけれども、その時点で学力の向上等に対しての、それぞれの学校等に教育委員会としてどういうお話といいますか、改善点というか、そういうものはされたのでしょうか。
小林指導室長
 区全体のことに関しては、議会はもとより、区の教育だよりその他でお示しをしてございます。それから、各学校の取り組みについては、それぞれ学校が学校だより、またホームページ等を使って説明責任を果たすということで指導をしております。
 現在も、そういった改善に向けての実践をしているところでございますので、それぞれの学校でそうしたものを進めているというような状況がございます。
昆委員
 それぞれの学校で改善等を進めるということなんですけれども、実際に東京都が実施した学力調査の結果もこういう形で示されていて、さらに4月にまた学力調査をされましたよね。そういうのを総合的に見て、どういう形で教育委員会として取り組まれるのかという考え方はあるんでしょうか。
小林指導室長
 一つは、それぞれの学校がその後の指導の改善、充実をどのように果たしていくかということでございます。さらには、今後の区教委としてのどのような取り組みをしていくかということの一つの基礎的なデータとして役立てていきたいというように考えております。
昆委員
 基礎的なデータとして活用していく、役立てていきたいということはよくわかるんですけれども、そういう学力調査をたびたびされて、実施されて、その結果が出されて、やはりどこを改善していくか、どこをどういうふうに全体で上げていくかというふうなことになるのかなと思うんですけれども、そのときに、教育委員会と現場ですよね。それぞれの各学校との話し合いをするのか、中野区全体の学校現場といいますか、そういう人たちのところとの話し合いを持っていかれるのか、その辺の考え方はお持ちなんですか。
小林指導室長
 まずは、第一義的には、学校がどのようにこれを生かしていくかということは第1番に考えていきたいと思います。
 さらに、それに基づいて、幅広くいろいろな御意見を吸収しながら、その後の取り組みについては決めていくというのが段階だというふうに考えております。
久保委員
 済みません、この見方なんですけれども、これは点数なんでしょうか、平均というのは。
小林指導室長
 これは、1問1問について、これだけの者がクリアしたということでございますので、実質的にはそれだけの点数というふうに考えていただいて結構だと思います。
久保委員
 パーセンテージみたいなことでしょうか。到達とか、要するに100点満点でいったらとかいう見方でいいんですか。100%として85.2%できているとか、そういうことですか。
小林指導室長
 国語の一番最初の問題であれば、85.2、また87.1の者がクリアしたというふうに考えていただいて結構でございます。
久保委員
 そうやって見ると、教科によって非常にばらつきがあるんだなと、平均自体が四十幾つとかというものもあったりということで、これは中野だけではなくて、全体的にこういう結果が出ているんだろうなと思うんですね。極端に都の方が90だったりすることに対して、中野が50だったり60だったりというようなことはないなと思って、ある意味安心してみたりもしたんですけれども、今後、この学校ごとの調査の結果というのが出てくるわけですよね。今はまだ学校単位の結果というのは、室長のもとにはないんでしょうか。
小林指導室長
 学校ごとのものはまだございません。今後は、それぞれ学校に対して、それぞれ自校の結果についてお伝えしていくと、これは昨年もそのような形で進めてきております。
久保委員
 室長のもとには、全校の結果というのは当然出されたものが、室長の手元を通ってから各学校に行くわけですよね。
 ということは、平均ですからね、極めて高い、もしかしたら東京都一の学校が中野にもあるかもしれないし、逆に東京都で一番低い結果を持っている学校が中野にもあるかもしれないと、そういうことは含まれているんだろうと思うんですね。そういうことがもしあったとした場合に、学校に対する指導というのが非常に必要になってくるのではないかと思うんですけれど。
小林指導室長
 一番大切なのは、平均点で物を言うことも重要ではあると思うんですが、問題なのは、その平均点が問題の難易度によって非常に高いか低いかというのはさまざまございます。したがって、平均点で語りますと、クリアしても、それは十分満足してないというケースもありますし、クリアしてなくても、ある程度学習指導要領の目標には到達しているというような見方もできます。
 もちろん、今御指摘のような、極めて高い、極めて低いという、そういったものはそれぞれの観点ごとに出てまいりますので、その内容に対してそれぞれ指導していくと。例えば、あるA校に関してはこういった点が非常に優れている、それからB校に関してはあるこういった点が劣っているということがあれば、やはりそこで実際に来年度の、例えば教育課程の編成の際にも、また場合によっては今年度中においても、それぞれ具体的な指導や助言をしていくということは、私どもとしてはしていきたいし、またこれまでもしてきたところでございます。
久保委員
 学校ごともあらわれることもですけれども、個人においても非常にそれは、学校単位に結果が返るということは、個人差というのも出てくるんだと思うんですね。そういった部分では、どのような指導をなさるんでしょうか。
小林指導室長
 これはまさに、個々に応じてそれぞれ学級担任等を通して、また教科担任の場合もありますけれども、その子の特性に応じて、言ってみればかなりクリアしている子どもも、さらに発展的な学習に取り組ませていく必要性もあるわけです。逆に、もっともっと基礎、基本を徹底的に身につけさせなければいけないケースもありますので、個々に応じて、それは個に応じたきめ細かな指導を進めていく中で、そうしたものを生かしていきたいというふうに思っております。
久保委員
 例えば、理由が明らかになる場合もあると思うんですよ。どうしてここの分野だけ非常に低かったかといったら、行事などで授業の時間が足りなくて、学校全体で勉強することができなかったという場合もあるかもしれないし、教員の資質と、今盛んに言われていますけれども、明らかにそういう部分でここは引っ掛かったということもあらわれてくると思うんですね。そういう中において、学校の中では対応できかねる状況があるというふうに判断された場合は、どうされますか。
小林指導室長
 今、御指摘の点は、学校行事等でそういったものを取り扱えなかったということは、むしろ論外でありまして、そういったことがあってはならない、授業時数の確保をしっかりと進めていかなければなりません。また、学校で教員の指導力にかかわってこういったような事態が起きた場合を想定し、実は午前中の教育委員会でも話題が出ましたが、それぞれ小学校、中学校別に教科ごとの研究会というものが設けられておりますので、そういった教科ごとの研究会に対しても、こうした結果を真摯に受けとめて、今後の指導の改善を果たせるような、そういう取り組みを進めてもらいたいという、区教委からの指導や助言を強めていきたいというふうに思っております。
久保委員
 中身はまだ明らかではないなと思っています、これはあくまで平均ですので。ただ、やはりプレス発表などがあった場合というのは、ランク付けがされてしまうというのは事実ですので、やはり中野が上位にあったとか、中野区の教育力が劣っているのではないかとか、そういったことというのは非常にうわさにはなっていくんだろうなと思いますね。これは保護者の中でもそういううわさにはなっていくだろうと。これでは、中野の教育力というのは落ちているわけだから、私立に行かせた方がいいとか、他区に行かせた方がいいとかというようなこともいろいろ、また今後学校再編などもある中で、そういうこともうわさには上っていくと思います。
 そういった点で、単なるプレス発表だけではなくて、きちんとした中野区の中の分析結果というのを、これは保護者とか、また学校に対して出すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
小林指導室長
 この点につきましては、都教委からさらに詳細なデータが送られてきた段階で検討してみたいと思います。
 さらに、本区で独自で調査をしておりますので、そちらの方が本区としてはさらに詳細な分析も必要だと思いますので、それとあわせて、この結果も生かしていければというふうに今考えているところでございます。
江田委員
 基本的な見方だけ、2点お聞きしたいんですが、一つは中学校の国語を例にとりますと、平均でいいますと、読むことというのが落ちている、低いですよね。こういう場合は、さっきの設問の難易度が当然関係してくるわけですけれども、こういう形で出てくると、ここが低いというふうに目が行くんですが、それはどういう関係で見たらいいのかというのが、まずとりあえず第1点。
小林指導室長
 これは、今、委員御指摘のとおり、この1問だけで判断できるかということがあろうかと思います。したがいまして、この読むこと、ここで言えば観点別でも、いわゆる読む能力、こういったものがさまざまな角度で出題されておりますので、複数問の問題の分析をした上で、それぞれ、答えには正解と、それからかなり正解に近い、そういう答えもありますし、いわゆる誤答分析などもしていく必要があるわけで、さまざまな形でこれを、ただ単に低いから、短絡的に低いからこういうふうにするというものではなくて、さまざま問題を見ながら、さらには領域によって変わってくるケースもございますので、それは慎重に見取っていかなければいけないというふうに思っています。
 ただ、数値的にやはり低いものに関しては、問題の難易度もありますけれども、先ほどの御指摘のとおり、厳然として真摯に受けとめなければいけないという側面もありますので、その辺のところはしっかりと、できる限り詳細な分析を進めていくことが必要だというふうに思います。
江田委員
 もう1点、同じ中学校国語で、一番右側に観点別結果というのがありますね。この観点別結果というところにも、関心、話す、書く、読むという、これがあるんですが、その左側の話すこと、書くこと、読むこと、言語事項という、これとの関係はどういうふうに見たらよろしいんですか。
小林指導室長
 右側の観点は、国語の教科全体を通して、関心・意欲・態度、話す、書く、読むということですが、左側に関しては、その時々に国語でもさまざまな長文の読解であるとか、詩の読解であるとか、いろいろなジャンルがございますので、そこら辺の縦糸と横糸というふうに考えていただければいいと思います。
 ただ、国語は比較的このものが一致をするところなんです。ところが、教科によって、社会科などはこれが完全に、領域的に見ると地理とか歴史とかというのがありますので、縦糸と横糸がはっきり分かれるわけなんですね。
 あと、言語関係、英語なども、比較的観点別とこの領域が似たものになっていくということなんです。
 ですから、そういった共通をしている、右側の観点別は教科全体を通してのというふうに考えていただければありがたいかというふうに思います。
江田委員
 そうすると、全体で参考にすべき数字というのは、むしろこの観点別結果というところの方が重要になってくるという、総体的な関係ですけれども、そういう見方も成り立つということですか。
小林指導室長
 総体的に見た場合には、今、御指摘のとおりであります。しかしながら、学校が実際に日ごろの指導に役立てるという場合には、左側のそれぞれの個別具体的な観点を十分見ていかなければならないと。
 先ほど来、順位ということが盛んに、当然人間の心理として周りと比べてどうかということをどうしても見てしまうわけですが、小学校の国語だけをとっても、順位と言われてもこの表からは39通りの順位がつけられるわけなんです。したがいまして、それをただ丸めて、国語全体の平均での順位付けを見たというのが、果たしてそれが正当かどうかということです。
 私が学校によく説明するのは、あなたの体は80点ですと言われても、何のことだかよくわからない。あなたの心臓のこの部分はこうですと、あなたの心臓のこの部分というのは、この中の読むことの(4)のこれですよと、分析的に見ていかないと、具体的に学校は説明責任を果たせませんし、具体的な指導ができないということです。これまでの総体評価というのは、ある意味では順位で並べて、そこで終わってたんですね。したがって、その後どうするかという手だてが十分示されなかったとうことで、新しい評価が導入されたわけです。したがって、このように一見わかりづらいものではありますけれども、それぞれ個別具体的に観点というものを細かく示して、子どもに学びのアドバイスもできるような形で、こうした評価が導入されておりますので、そのあたりを御理解いただければありがたいというふうに思います。
北原委員
 中学は、昨年に引き続いて2回目ということだったですね、前年度に。それで、1点だけお聞きしたいんですけれども、前年度に比較して、もし感想があったらお聞きしたいんですが。
小林指導室長
 前年度に比べて、まだ細かく比較検討しておりませんが、数値的には落ちております。これは、一応新聞報道にもそのような、ごく一面的な見方で全体が落ちているというふうな報道がございますけれども、しかしながら、都教委のプレス発表の際にも、問題の出題傾向が一昨年の試験と去年の試験とで違うので、比較にはならないというようなコメントも出ておりますので、ただ数値的には下がっているというのは事実でございます。
委員長
 他に御質疑ございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
なければ、以上で本報告について終了いたします。
 次回の日程等について協議をしたいので、委員会を暫時休憩をいたします。

(午後3時07分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時12分)

休憩中に御協議いただきましたように、文教委員会の地方行政都市視察については今年度も実施の方向でいろいろ準備をさせていただきます。御希望のテーマ、視察先等については、事務局に7月11日までにというか、概ねこの辺をめどに御希望をお申し出いただければと思っております。
 なお、当面予定は3定終了後から4定までの間というふうにさせていただきたいと思います。
 それから、次回の文教委員会の日程についてですが、7月11日月曜日午後1時から、当委員会室において開会をするということです。それから、あと7月28日午後1時からから、同じように当委員会室で開会をさせていただくということで、よろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 それでは、御異議ございませんので、そのようにさせていただきます。
 以上で予定した日程はすべて終了いたします。
 改めて委員の皆さんから何か、ございませんね。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 理事者の皆さんからもありませんね。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 それでは、以上で文教委員会を散会いたします。御苦労さまでした。

(午後3時13分)