平成16年10月15日中野区議会文教委員会(第3回定例会)
平成16年10月15日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成16年10月15日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成16年10月15日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時05分
○閉会 午後4時31分
○出席委員(9名)
岡本 いさお委員長
小堤 勇副委員長
奥田 けんじ委員
高橋 ちあき委員
小串 まさのり委員
飯島 きんいち委員
篠 国昭委員
藤本 やすたみ委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 沼口 昌弘
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長)石﨑 新一
○事務局職員
書記 荒井 勉
書記 岩浅 英樹
○委員長署名
○審査日程
議案
第51号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に 関する条例の一部を改正する条例
陳情
〔新規付託分〕
第28号陳情 教育基本法の改悪反対の意見書を提出することについて
第29号陳情 「日の丸・君が代」の押し付けに反対することについて
第38号陳情 中学校障害学級の増設を早期に実現することについて
〔継続審査分〕
第22号陳情 娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害について
所管事項の報告
1 教育施設のアスベスト対策について (教育経営担当)
2 (仮称)中野区教育ビジョンについて (教育改革担当)
委員長
それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時05分)
本定例会における委員会の審査の割り振りについて御協議したいので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時05分)
委員長
では、委員会を開催いたします。
(午後1時06分)
本定例会における委員会の審査日程についてお諮りいたします。(資料1)
1日目は議案の審査と新規陳情3件、継続陳情1件の審査と所管事項の報告の2番までを、2日目は所管事項の報告の3番以降をできるところまでを行い、3日目は残りの所管事項の報告以下を行いたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
また、3時近くになりましたら休憩をとりたいと思います。
それでは、議案の審査を行います。
第51号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。
本件について理事者から説明を求めます。
篠原学校教育担当課長
それでは、ただいま上程されました第51号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由、改正内容を説明をいたします。
これは、国におきます公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行に伴いまして所要の規定を改める必要がありますことから御提案するものでございます。
最初に、お手元に新旧対照表をごらんいただきたいと思います。(資料2)
第3条第3項でございますが、公務災害が発生したときに、主として学校医の扶養を受けていました親族に対しまして、学校医の扶養基礎額に扶養手当額から算出いたしました扶養加算額の改正をするものでございます。
改正は、下記の第1号に該当するもの、これは(1)でございますが、その加算額を534円から517円に、また第1号に該当するものなく第2号に該当するもの、(2)でございますが、そのものがいる場合につきましては、一人につきまして534円を517円に改めるものでございます。
次に、第11条第2項、介護補償の月額の改定でございます。介護に要する費用を支出いたしまして、介護を受けた日があるときの補償の上限額を、第1号の常時介護を受けている場合においては10万6,100円から10万4,970円に、第2号の常時介護を受けている場合において、親族などに介護を受けたときの額を5万7,570円から5万6,950円に、また第3号の介護保障にかかわる障害が別に定めます随時介護を要する場合の額を、これは次のページになりますが、5万3,050円から5万2,490円に、さらに第4号でございます。随時介護を受けている場合において、親族などに介護を受けたときの額を2万8,790円から2万8,480円に改めるものでございます。
続きまして、第3条の別表に定めます休業、障害、遺族補償などを行う際の算定基礎となります補償基礎額の改定でございます。恐れ入りますが、最終ページをごらんいただきたいと思います。最終ページの別紙1でございます。下段が現行の日額の補償基礎額でございまして、経験年数ごとに金額が定められております。この金額につきましては、東京都が定めます医療職の給料表から算出されておりまして、ごらんのように改正案は減額をされております。これは昨年の東京都の人事委員会の勧告によりまして、都が定めます医療職の給料表が減額改定されたこと、これに伴いまして東京都につきましても医療職の給料表が減額改定されておりますので、こういったような改正が行われるものでございます。
なお、1枚前のページにお戻りいただきまして、附則でございますが、附則におきまして、この条例の施行日は公布の日から施行することと定めております。この条例の施行日以後に支給すべき事由が生じた公務災害補償、並びに施行日以前に支給するべき事由が生じた傷病補償年金、障害補償年金、遺族補償年金で施行の日の以後に支給すべきものに適用いたしまして、遡及はしないといったような内容でございます。施行の日以前に支給すべき事由が生じた公務災害補償については従前の例によるということを定めたものでございます。
以上でございますが、よろしく御審議の上、御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
委員長
これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時12分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時12分)
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、質疑を終結いたします。
次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
意見がなければ、意見の開陳を終結いたします。
次に、討論を行います。討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
討論がなければ、討論を終結いたします。
これより本件に対する採決を行います。
お諮りいたします。
第51号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例を原案のとおり可決すべきものに決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上で第51号議案の審査を終了いたします。
次に、陳情の審査を行います。
初めに、第28号陳情、教育基本法の改悪反対の意見書を提出することについてを議題に供します。
本陳情は新規付託のため書記に朗読させます。
〔陳情文書表朗読〕
委員長
これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
江田委員
この陳情は、国会でこれから論議をされる問題でありますので、当委員会で区教育委員会にいろいろとお聞きをしても、なかなか質疑が成り立たないという側面があるので、とてもやりにくいんですが、ただ、中身については、私どもは、この陳情文と同じような問題認識をしております。
そこで、わかる範囲で結構なんですが、教育基本法の問題について、既に中教審の答申が、中間報告でしたか、出されておりますが、現状どのようになっているか、わかる範囲でお答えいただきたいんです。
金野教育委員会事務局次長
教育基本法については、これから国会で論議が行われるというように認識をしております。現在のところ、私ども中教審の答申ということで情報を得ているということですが、そこでは教育基本法改正の必要性、あるいは改正の視点というようなことで、現行法の理念のうち、個人の尊厳や人格の完成、平和的な国家及び社会の形成者などは今後も大切ということを示した上で、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成を目指す観点から、新しい原則や理念を明確にする必要があるため改正をするという内容の答申になってございます。
江田委員
これについては、国、あるいは東京都からのいろいろなこれに関連する情報提供、あるいはこれから中野の場合は教育行政ビジョンが議論されるわけですが、それらに関して何らかの情報提供みたいなものはあるんですか。
金野教育委員会事務局次長
一般的に公表されているもの以外に、特に情報、詳細な内容というものは来ておりません。
委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時19分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時21分)
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、質疑を終結いたします。
次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
意見がなければ、意見の開陳を終結いたします。
討論はありませんか。
江田委員
これから本陳情で言われております教育基本法の改悪問題が国会で議論をされることになります。憲法問題と絡みまして、この教育基本法をどのように扱うかというのが、これからの日本の政治の方向を決める上で極めて重大な要素となってきております。私ども教育基本法の精神が国及び地方自治体の中で、これを貫くために努力をされていれば、子どもたちの教育がこれほど重大な事態を迎えることはなかったという立場でおります。そういう意味で、教育基本法の精神を今後ともしっかり行政の中に生かしていく、そのことこそが求められていると思っておりますので、そういう立場で本陳情に賛成の討論を行いたいと思います。
なお、詳細については、本会議で行いたいと思います。
委員長
他に討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、討論を終結いたします。
これより本件に対する採決を行います。
お諮りします。
第28号陳情、教育基本法の改悪反対の意見書を提出することについてを採択すべきものと決することに賛成の委員の挙手をお願いいたします。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手少数、よって本件は不採択とすべきものと決しました。
以上で第28号陳情についての審査を終了いたします。
次に、第29号陳情、「日の丸、君が代」の押し付けに反対することについてを議題に供します。
本陳情は新規付託のため書記に朗読させます。
〔陳情文書表朗読〕
委員長
これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
江田委員
今、29号陳情を読み上げられましたけれども、このような陳情が出るということ自体、数年前はとても考えられませんでした。そういう意味で本当にここ数年の特に東京都教育委員会のこの問題に対する対応については異常なものを感じております。
そこで、中野における現状について少しお聞きしたいのですが、今、東京都教育委員会の主催で研修がことし行われました。この研修を受けた中野区の職員というのはいるのでしょうか。
小林指導室長
国旗、国歌の取り扱いにかかわるそうした研修を受けたものは、中野区の教職員ではおりません。
江田委員
特に都立高校に対して、これは都教委が直接的な指導権限を持っていますので、さまざまな指導がなされました。これにかかわって区教育委員会に対しての都教委からの指導はどういうものがあったか、教えてください。
小林指導室長
東京都教育委員会が直轄校である都立学校に対して、式典等における国旗・国歌の取り扱いについては、文書で発送したと。これについて、参考として各地教委、私どもの方にその文書が送られてきております。各地域では、それぞれの実態に応じて適正に国旗・国歌の指導を進めていくというふうなことで、中野区でも行っているという状況でございます。
江田委員
中野区では、現実にはどのような指導を教育委員会は行っているのでしょうか。東京都の場合、特別に東京都教育委員会から職員を派遣して、実際に君が代の斉唱がどのように行われているか、国旗掲揚がどのように行われているか、こういったことがすべてチェックされると。それから卒業式の会場では、一人一人の先生方のいすが特定されていて、その人に座っている人がどの先生で、その先生がどういう態度でいるかということを全部東京都から派遣された職員がチェックするという、そういうことが行われたというふうに聞いておりますが、区の教育委員会では、そこら辺の対応についてはどのような対応でしたか。
小林指導室長
区立学校における卒業式、入学式等における国旗・国歌の取り扱いについては、基本的には式場内に国旗が掲揚され、さらに国歌が斉唱されるというような点での調査をしております。しかし、都教委からは、もう少し細かな、例えば正面に掲示しているかどうか、その他の幾つかの調査が来ておりますので、これは口頭で報告をしていただいておりますけれども、そのままそれを集計して都教委に報告しているということです。区内においては、学習指導要領に基づいて国旗・国歌の指導を適正に実施するようにということで、区内の学校に指導を徹底しているというところでございます。
江田委員
その後、都教委から区教委に対して、卒業式、あるいは入学式に当たっての調査、そういったものは、入学式後、改めて来ているということはありませんか。
小林指導室長
入学式、卒業式当日に報告を電話でいたしますが、それ以外の調査はございません。
江田委員
それからこれは区教委で直接の対応でないので答えられるかどうかわからないんですが、都立高校を中心に数百名の先生方の研修が行われたというふうに聞いております。これらはどのくらいの先生方の研修が行われ、どういう内容で行われたのか、そこら辺についてもし承知していたらお願いします。
小林指導室長
この研修の内容につきましては、東京都教育委員会が、今、委員からの御指摘のとおり主催をして実施しておりますので、内容についての詳細は、私どもはつかんでおりません。
飯島委員
主旨が二つありますけれども、当区において、いわゆる陳情の主旨のごとき、あるいは理由に書いてあるがごとき強制というのは行われているのでしょうか。
小林指導室長
国旗・国歌の取り扱いでございますけれども、これについては、国際化の進展の激しい今日の社会において、学校教育において、社会の中で尊敬される、または信頼される日本人の自覚を培うために、自国や他国の国歌を尊重する態度を育成していくということで、学習指導要領に基づき指導しているところでございまして、強制ではございません。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時33分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時34分)
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、質疑を終結いたします。
意見の開陳を行います。
奥田委員
本陳情に関しまして、先ほど指導室長の御答弁では、強制というところが行われていないということでおっしゃっていただいたと思うんですが、あくまでも文言上の強制がないということであって、実際上、教育指導要領等で半強制といいますか、従わなかった場合に何らかの強制力に近いものが実際の教育現場ではあるという形で聞いております。
それからもう1点、理由の中で外交問題に触れている点がございますけれども、外交問題が必ずしもこの件にかかわってくるかどうかというところには多少問題があると思いますけれども、全体の趣旨として、本来、教育委員会及び教育の現場が政治であるとか、そういったものから独立して指導されるべきものであるという趣旨をこの方はおっしゃっているというふうに私は受けとめておりますので、そういったところも踏まえて採択という方向で考えていきたいと思っております。
委員長
ほかに意見はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、意見の開陳を終結いたします。
次に、討論を行います。
江田委員
ただいま上程されております29号陳情に関して簡単に討論を行いたいと思います。
先ほど28号陳情で教育基本法の改悪反対の意見書がかかりました。現在の日の丸・君が代、あるいはこれらの問題に関しては、教育基本法の問題、あるいは憲法を変えるという問題と一体の関係になってきております。この問題がこういう形で当委員会にかかってくるということ自体が本当に残念なことでありますけれども、ここ数年の今の国の政治の流れ、これが色濃く反映をしてきているということを痛感いたします。日の丸・君が代、こうしたものが押し付けられて、既に東京都教育委員会が指導権限を持っている都立高校では、400数十名の教員がこれによって何らかの処罰を受け、研修を受けるという事態になっております。それから採用が予定されていた教員が起立をしなかったということで再雇用を取り消される、あるいは処分によって退職金が減らされる、そういったことも既に起きてきておりまして、これは単なる表面上の問題ではなくて、人間の内心の自由から経済的、実利的な問題にまで大変な被害をもたらす事態になってきております。こういったことが教育の場で一つ一つ権力によって調査をされ、従わなければ処罰を受けるという、こういう事態が起きているということが、今の特に東京都の教育の現場で起きていることに、本当に怒りと悲しみを覚えるものです。こういった趣旨を、現状を受けて、東京都に対して、あるいは国に対して意見書を提出してほしいという陳情ですので、これについては、私たちは全面的に賛成をし、そうした努力を中野区の議会として行うのは当然であろうというふうに思います。そういうことを申し上げて、討論にしたいと思います。
なお、本会議で詳細については討論を行いたいと思います。
委員長
他に討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
討論がなければ、討論を終結いたします。
これより本件に対する採決を行います。
お諮りいたします。
第29号陳情、「日の丸・君が代」の押し付けに反対することについてを採択すべきものと決することに賛成の委員の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手少数、よって本件は不採択とすべきものと決しました。
以上で第29号陳情についての審査を終了いたします。
次に、第38号陳情、中学校障害学級の増設を早期実現することについてを議題に供します。
本陳情は新規付託のため書記に朗読させます。
〔陳情文書表朗読〕
委員長
休憩をさせていただきます。
(午後1時44分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時55分)
これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
飯島委員
この件は、小学校に障害学級を設置した。我々もいつも思うんですけれども、中学校には、なかなか、ほかの部分もそうでしたけれども、整備されていない。今日こういうふうに中学校の方に目が向きつつあるわけですが、この件については、教育委員会としてはどんなふうな御検討をされているんですか。
篠原学校教育担当課長
中学校の知的障害学級の増設の件については、現状のところ2校で充足をしていると考えてございますが、今、国の方で、中教審の方で特別支援教育の議論がされております。今年度中には最終報告が出されるというふうな状況になっておりまして、来年度、法改正に向けた取り組みがされるという状況になっておりますので、それとの整合性を図って、今後新たな学校再編計画、そういったものも考慮しながら検討しているところでございます。
飯島委員
具体的にどういうことになるんでしょうか。我々はそういう流れは踏まえた上で、なおかつそういう特別支援教室、あるいは特別支援教育が実効的に効果を持ちながら実際にやっていけるようになるには、それなりのノウハウとそういうことに長けた先生とか、そういう対応とか、広くいえば、そういうことがよく理解される地域とかということが必要だということになってくると、小学校に今あって、その流れ、動向を勘案して、それとの整合性を図るという一つの考えとしてはあるんだけれども、同時に同じように教育にかかわる力は準備しておく必要もあるのではないかということからすると、小学校に設置して、中学校、要するに卒業されるわけですから、だんだん、当然一つの流れとして考えておいた方がいいだろうし、必ずしも国の検討の動向とそれが全く対立するものではないだろうし、教員の皆さんの経験を含めていただくという意味でも必要なのではないか。小学校だけで特別支援しているわけではありませんから、小・中ということになると、どちらかといえば、中野の中学校では、障害学級に携わって云々というのは非常に少なかったわけですから、そうするとそういう経験のある先生が少ないということになってしまうし、そういう取り組みがあってもいいのではないかと思うんですけれども、その辺はどうですか。
篠原学校教育担当課長
私どもの方も、かなり二中、四中では遠距離通学をしている生徒を承知しております。今後、特別支援教室というものが各学校に整備されたときに、そこでどういった指導がされるのか、あと校内体制がどうとれるのか、現状ではLD、ADHD、それから高機能自閉症のお子さんをそこで指導するということになっておりますが、実際に知的障害のある生徒についても、そこで見る可能性もまだあります。ですから、国の動向、そういった動きを少し注意しながら、そういった遠距離通学の生徒の対応については、今後、検討しなければならないとは考えております。
飯島委員
一番最後におっしゃった通学距離にかかわること、もちろん、これから学校再編の問題も出てくるわけですけれども、しかしそれにしても、そういう中にあっても、なおかつ今の中学校における障害学級で通ってくるということになると、数がふえるわけではありませんから、再編というのは、だから、そうすると考えなければならない大きな要素になってくるということは事実だと、こういう認識であるということ、それから場合によっては、特別支援教室をもちろん置くんだけれども、同時にそこだけでは何とも、そこは本来、国が想定していたり、文科省が想定したりしているのは、LDとか、今おっしゃったような、そういう部分での対応方が非常に強いわけですから、そうだとすると、いわゆる固定学級でやってきた障害学級にかかわる多様化だって、それと同時に必要とされる可能性もあると、可能性は否定できないという気はするんですけれども、その辺はどうか。
篠原学校教育担当課長
昨年出されました最終報告の中で、東京都の特別支援教育の中には、特別支援教室はタイプを三つに分けて、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプという形で示されてございます。Aタイプが今言われますような固定学級、二中、四中にあるような固定学級です。それからBタイプと呼ばれるのが、専門的な設備が整った、例えば視覚障害とか難聴児、そういった児童・生徒のための支援教室、それからCというものが各学校に置かれると思われるLD、ADHDのお子さんを指導する場ということになっております。これにつきましては、東京都もその計画を確定したわけではなくて、今、国の中教審の動きを見てございまして、中教審の検討結果によっては、そのA、B、Cができるかどうか、それについても今、東京都も待っているような状況でございますので、私どももそういった部分の動きを注意深く見ながら検討も続けていきたいと考えております。
高橋委員
関連してなんですけれども、今、動向を見ながらというお話でしたけれども、まだまだ確定的な話ではないわけですね。そうすると、陳情の主旨の文章の中にも、今3年生でいるお子さんが卒業するまでには何とか考えてもらいたいということで平成20年になっていると思うんですけれども、その期間の中には、そういう特別支援教室の実際のあり方みたいなものが立ち上がってくるんでしょうか。
篠原学校教育担当課長
国の今の中教審の検討では、今年度中に特別支援教育の考え方を確定いたしまして、来年度、学校教育法の改正を行うという動きで進んでいるようでございます。最終的には、18年、もしくは19年には、そういった計画がスタートをするだろうと考えておりまして、20年4月という陳情主旨にございますが、このころまでにはある一定の考え方は十分お示しはできるんではないかと考えております。
高橋委員
一つ確認して、教えておいていただきたいんですけれども、特別支援教室が各学校にできた場合には、障害学級をダブって置くことができるのかできないのか、もうそういう学級ではなくて特別支援学級でAとかBとかCという種類になるという理解でいいんですか。
篠原学校教育担当課長
東京都の最終報告におきましては、現在のところA、B、Cという特別支援教室を置くという形で報告がされております。それについては、その計画が確定したわけではなくて、国の法改正の内容によっては別のものに変わる可能性もまだございますので、固定学級と特別支援教室が併設されるかどうかということについては、まだ今の段階でははっきりとは申し上げられないという状況です。
小堤委員
私は、この陳情を真摯に見まして、例えば今のしらさぎ学級の児童たちは、障害の特性や実態を考えたときに、少人数で構成された同じレベルのグループ、クラスで健常児との交流を深めた方が効果的であり、偏見や疎外感から免れる、よりよい中学校生活が期待できますと、このとおりだと思うんですね。そういう点で、特別支援教育についても、陳情者の方々もいろいろと研究されていると思うんですけれども、その研究の中でも、そういう障害のある子どもたちだけのクラス、通常、そこで学んで、生活して、そして機会あるごとに通常クラスの児童との交流ということがいいと思うんですね。
それから、こういう障害学級は現在、小学校で4校で61人在籍ですね。中学校は2校で26人在籍しているんですね。年度によって卒業生が違いますけれども、単純に平均して判断すると、小学校は6学年で中学校は3学年ですから、例えば小学校は61人在籍していますから、この半分の30人か31人が中学の通級学級に通うんですけれども、現在26名ですね。だから、四、五人少ないのも、この子どもたちは、本当は通学可能ならばそういう学級に行きたいんだけれども、遠いために、どうなんですか、普通のクラスとか、ほかに在籍しているとか、そういう事例というのはこの間にあるんですか。
篠原学校教育担当課長
小学校の障害学級から中学校の障害学級に上がる例がほとんどでございますが、何人かは中学校から中野養護等に行く生徒もございます。
小堤委員
私は、保護者の皆さんの安定した学校生活を中学校でも実現させたい、そのためには、やはり通学可能な中学校にそういう障害学級を新設するということはもう切なる要望だと思うんですよね。ぜひこの陳情にこたえていただきたいと思いますけれども、その点でお伺いしたいと思います。
篠原学校教育担当課長
私どもも、より近くの学校で安心して通えることが一番重要だと考えております。ただ、今、先ほどから申し上げていますように、今、国、それから東京都で特別支援教育の動きがございまして、その計画内容がはっきりしないという状況が今ありますので、そういうものをもう少し注視して、そういった遠距離通学児童・生徒の対応についてを今後検討してまいりたいと考えております。
小堤委員
陳情者から休憩中に具体的に地図が配られて、このまま四中に通うようになると、近い方でも通学路で3点何キロといいまして、遠い方だと5点何キロと、大変な通学時間だと思うんですね。私も実は白鷺三丁目で、西中野小学校より、こちらからいえばもっと遠い方に住んでいるものですから、自転車でこちらに来ているんですね。25分かかります。雨が降るとまた大変なんです。雨の降るときはバスか電車で区役所へ来るんですけれども、特に朝は渋滞で時間がはっきりしないんですね。どうしてもかっぱをかぶってこちらに来ますけれども、生徒の場合は通学時間が長いとなると大変だと思うんですよ。こうしたことを考えましても、今逆に学校再編で、中学校10もあるのを逆に7つに減らすと、このことだけでも保護者の皆さんは大変心配だと思うんですよ。こういう点から、障害教育は、こういう学校再編問題だとか今出た特別支援教室等々で後退させない、何らかの手を打って前進させるという方向で、ぜひ区の方のそういう決意みたいなものを再度聞きたいんですけれども。
篠原学校教育担当課長
やはり教育はそれぞれ皆さん均等に公平に与えられるものだというふうに考えております。そういった中で、今、委員御指摘のようなことも十分に念頭に置きながら、そういった方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
江田委員
特別支援教室の問題が出てきた際、東京都の教育委員会が説明会を開きましたね。あのとき課長も参加をして、たしか司会か何かやっておられましたけれども、23区の側では、あの問題についての都教委に対しての意見具申みたいなことは、あのときはしたんでしたか。
篠原学校教育担当課長
教育長会を通じまして、特別支援教育の実施に当たっては、保護者等に十分に理解を得るようにというふうな趣旨の要望を出してございます。
江田委員
先ほど都も、今の段階としてA、B、Cの三つぐらいに分けた対応策が検討されているというお話でしたが、これらの検討過程に23区側から意見を出したり、あるいは都教委の方から意見を求められたりとか、そういったことというのはあるんですか。
篠原学校教育担当課長
学務課長会、あるいは指導室長会からも代表で検討委員が出ておりますので、そういった中で意見等を十分に申し上げているというふうな状況でございます。
江田委員
それで、そこでのどういう見解を持っておられるのかということなんですが、一番心配だったのは、特別支援教室ということで各学校にそういうものが置かれる、一面はLD、ADHDのお子さんがそれぞれの一番近い学校でそういう機会が保障される、一面では裾野が広がるといいますか、そういう前進面はあるけれども、同時に固定学級を必要としているお子さん、いろいろな障害を持ったお子さんが特別支援教室という形でばらまかれてしまう、そのことによって本来保障されるべき教育の機会が逆に失われてしまうということが大変危惧されておりまして、そこら辺では区の教育委員会も同じような心配をなさっていたと思うんですね。そこら辺については、現在どういう立場で検討がなされているのか、わかりましたらお答えいただきたいんです。
篠原学校教育担当課長
東京都におきましては、ことしの7月に、16年度からスタートしまして、東京都の養護学校の方、都立学校の特別支援の取り組みについては事務決定を今いたしまして、年次計画で進められております。区市町村の公立学校に関する部分につきましては、東京都も国の法改正の動きを見ながら、再度それについては実施計画をつくるというふうなことになっておりまして、現在のところ、その検討はストップをしているような状況です。
篠委員
文教委員会で視察に行ったときに中学校も行きましたね。あれは特別支援学級でしたか。
篠原学校教育担当課長
あれはたしか豊玉二中でございまして、情緒障害学級、要するに九中をつくるときに、事前に視察に行っていただいたものでございます。
篠委員
西中野は大変学校が全体で盛り上げていただいているというお話をいただいているんですけれども、レベルが中学になって、二中、四中、この状況はどんな状況なんですか。
篠原学校教育担当課長
まず第二中学校でございますが、本年度2学級ございまして、生徒が12人でございます。四中でございますけれども、こちらも2学級ございまして、生徒が14人という状況になってございます。
篠委員
人数というよりも、大分人間的にお互いに成長になって、こういうところに配慮しているとか、今さっき西中野の例を申し上げたのは、学校全体で、校長先生の指導力もしっかりしているということなんでしょうけれども、学校全体で子どもたちを盛り上げるという、ただだんだんと年を重ねて大学ぐらいになってみんなで盛り上げるといったって、だんだん盛り上がらなくなったりと、いろいろとありますね。中学のときは、何か視察に行ったときには、いろいろな質問が出た中で、かなりいろいろな配慮をしていたように思うんですけれども、二中、四中については、みんな普通の学級に行っている子たちと一緒になって行動をとるような雰囲気の場面があるのか、そういう意味の現状をという意味です。
篠原学校教育担当課長
二中におきましても、四中におきましても、通常学級の生徒とは十分に交流もしておりますし、行事も同じように参加をしているような状況でございます。ですから、お互いに支え合ってともに生きていくというふうな体制が十分にとれているという状況でございます。
篠委員
確認ですけれども、特別支援教室というのは、行く行くはそっちが主流になって、二中、四中のような従来どおりの流れというのがなくなるという方向というとらえ方をしているんですか。
篠原学校教育担当課長
東京都の最終報告によりますと、現在のところは固定学級は残す、それに各学校に特別支援教室をつくるという状況で、今はその段階でストップをしております。ですから、今後は国の法改正の動きを見ながら、それがどうなってくるかについては、今後、東京都と区市町村でいろいろと話し合っていくことになると思います。
沼口教育長
特別支援教育の流れは、今、委員がおっしゃったように、最終的なねらいは各学校の中に、すべての障害児が地域の中にある学校に通える子どもはそこの学校でということだと思います、ねらいは。ただ、そういう中で、先ほどからも議論が出ていますように、今ある、例えば知的障害児のための固定学級というのがあります。そこに通って勉強している、そういう学級はどうしても必要ではないか、要するに普通の学校へ行って、特別支援教室で週何時間か授業を受けるのではなかなか難しいという声があって、我々も東京都の方も、そういう制度の理想はわかるけれども、なかなか現実は難しいのではないかという話はしているわけです。そういう中で、東京都が今打ち出しているのは、先ほどから課長が申し上げていますように、A、B、Cの三つのタイプがあるんですね。固定学級みたいなものは、当分の間は認めざるを得ないのではないかという考えに立っているようです。それから通級が通う学校、そういうものもある程度は認めざるを得ない。それから今、国が考えているような各学校に特別支援教室を置いていくというふうなことを考えているんですけれども、ただこれから国の方の中教審でもこの議論がされていまして、多分今年度いっぱいで結論が出て、来年度が法改正に入ると思います。そういう中で、東京都も国の影響はどうしても受けますので、そういう中でどういう形の特別支援教室ができていくかというのは、今のところはっきりはしていないのが正直なところです。ですから、我々の感触では、今あるそういう固定学級、それをいきなりなくしてしまえという話にはならないだろうと。ですから、今までずっと障害学級については、長い年月をかけてやってきたものがありますから、それをいきなりがらっと変えて、ある年、すべての統合的な教育をやるんだというようなことには多分ならないで、現状はある程度、追認していくような形になるのではないかと思うんですけれども、ただ難しいのは、こうやって新たにつくるといったときに、これはまた別問題になる可能性があるんですね。要するに目指す方向とは逆の方向に今度は動きますので、そういうものを東京都が認めてくれるかどうかという問題もあります。今はそういうことは全然こちらからも投げかけていませんし、そういう議論にもなっていないんですけれども、今あるものは認めていくけれども、新たにつくるものは難しいという判断になってきますと、例えば教員の配置なんかは、当然、学級をつくると東京都から教員が配置されますので、そういうことができないと、幾ら施設だけつくっても教育者がいないということになりますので、その辺は十分に慎重に対応しないと、簡単に、では、すぐつくりますとかというわけにはなかなかいけない問題かと判断しているわけです。
篠委員
私もそういう推測の理解をしていたんですが、ただ、通級学級、まだ法改正後の動きをしっかり見定めないとわからないと思うんですけれども、各学校にというお言葉を課長は使われましたけれども、それは間違いないんですね。
篠原学校教育担当課長
通常学級に在籍をするLD、ADHD、それから後期の自閉症の指導については、これまでは九中のような情緒障害学級の方で通級をして行っていたわけですけれども、週に1回や2回、それを今度は各学校に置かれます特別支援教室、そこに一定の時間、専門教諭が来まして、そこで指導をするという方向が今、東京都の最終報告で出されております。そういった考え方に基づいた御説明を先ほどいたしました。
篠委員
西中野につくり上げたときには、要するに予算も何がしかいただけるという流れの上での話だったと思うんですけれども、実際に幾らかかって、東京都から幾らいただいて、中野区から幾らの持ち出しだったんですか。
篠原学校教育担当課長
西中野につきましては、施設改修費が約900万円程度でございまして、あと備品、消耗品類が400から500万円近くかかっていますので、大体1,500万円近くかかっております。ことしの5月に開級しました第九中学校につきましては、繰越明許させていただきまして、その額が約1,400万円ということで、大体その程度の予算が必要になります。ただ、予算的な補助は東京都からはもらっておりません。あと教員の配置でございますが、教員につきましては、1学級の場合については2名、2学級の場合については3名という教員の配置になります。
篠委員
これはこの陳情と直接関係ないかもしれないんですけれども、教育長のおっしゃった流れの中で、養護学校というのはどういう位置を占めるというふうに、これも法改正を見ないとわからないということでなくて、東京都の見解でもわかれば教えていただきたい。
篠原学校教育担当課長
養護学校につきましては、東京都の最終報告でいいますと、特別支援学校というような位置付けになりまして、7月14日に示されました東京都の行政計画によりますと、今後、養護学校は、いろいろな障害のある児童・生徒に対応するような学校にしていくというような位置付けになってございます。
小串委員
今までの議論の中で、確認をしたいんですけれども、篠委員の方は、つまり国の動向というものが、特別支援教室に関する、それがはっきりした段階で、この陳情の主旨のところに平成20年4月とありますね、それがはっきりした段階でも、これを仮に進めるとしても可能だというようなニュアンスの答弁を聞いたような気がしているんですよ。一方、教育長の方は、仮にうちの区がその前に、この陳情の主旨に沿った形で進めたとしても、東京都の方の支援が受けられるかどうかは、そこがはっきりしないと不安だというようなお話だったと思うんですけれども、その辺のところがどうも、どっちなのかというのが、もう1回確認をしたいんです。
要するに、今、篠委員の質疑に対して、教員の配置の問題だけですね、東京都なりの支援というのは。1,500万円だったかな、中学の方はもうちょっと高かったか、同じぐらいですね、1,500万円というのは区の費用なわけだから、いずれにしたって、そこのところは時期に関係なく支援を受けられないわけでしょう。そうすると、その辺との関係で先にやってしまうと教員の配置をしてくれないような状況が生まれてしまうというふうに感じたんですけれども、そこをはっきりさせておきたいので。
篠原学校教育担当課長
東京都の最終報告では、まだ固定学級をなくすという方向は示してございません。ですから、現段階では、新たに施設を増やすということであれば、東京都は恐らく同意をせざるを得ない状況にあると思います。当区の場合につきましては、学校再編計画を今策定中でございますので、そうした意味では、そういった動向も見ながら、特別支援教育の動きも注視をして十分に検討していく必要があるだろうというふうには考えております。
沼口教育長
私が先ほど申し上げましたのは、今の段階で、そういうことは相談もまだしていないので、どういう話し合いになるかわからないということであります。そういう可能性というのは、東京都もこれからの固定学級をどういう形で残していくのか、要するに今までのものは多分残していくのではないかと私は判断しているんですけれども、これから新しくつくるものをどんどんと認めていくようなことを、今の段階で本当に言ってくれるかどうか、その辺は聞いてみないとわからないと思うんです、この辺は。その辺を議論しなければいけないこと、それから我々が一昨年、既に小学校については、通学距離の問題もあって、現在これをつくるまでに3校しかなかったわけですね。それを6校にしたいという計画を出して1校つくって4校にしたわけです。そのときに中学校の方も検討しましたけれども、そのときは2校で現状のままで行こうという確認は一応してあるわけです。そういう障害児教育のあり方についての検討の結論も出ているわけです。もしやるとすると、中学校がいいのか、小学校をつくるべきなのか、またそういう議論もしてみないと最終的な結論も出せないということで、いずれにしても、特別支援教育のあり方を見ないと、そう簡単に動きはできないという趣旨で申し上げました。
小串委員
それで、もう1回確認なんですけれども、最初に僕はこういう理解をしていたという部分のところなんですけれども、十分に東京都の方の方針が見えてきた段階で、こういうことも可能だということならば、対応は可能だという理解でいいですか。
篠原学校教育担当課長
将来的に特別支援教室Aという形で、固定級が今後残る、それを今後ふやしていくという東京都の方針があれば、今、委員がおっしゃったように、今後そういった取り組みは十分に可能だと考えております。
小串委員
別の観点なんですけれども、支援教室の関係はあれなんですけれども、統廃合の方は今どうなっていましたか。
小谷松教育改革担当課長
統廃合といいますか、再編計画、これは現在、策定準備を進めてきちんとやっておりますけれども、当然その中でも、障害学級、既存のものにつきましては、配慮をした上で、その計画の中に組み込んでやってございます。
小串委員
その案が出ていないのでわからないんだけれども、要するに現在ある障害学級のある学校は、要するに当然残るということを今おっしゃったんですか。
小谷松教育改革担当課長
現在のところで残るといいますか、既存のものにつきましては、再編計画の中できちんと、そこの学校に残る、あるいは何らかの形で再編計画で統廃合等々あるといった場合につきましても、きちんと手当てをしたということでございます。
小串委員
要するに、それがはっきりしないとよくわからないんですけれども、こちらに戻るんですけれども、当然、統廃合ということが、案というものが示されてくれば、いろいろとはっきりするんでしょうけれども、その場合に、当然、通学距離の関係というものは、今よりも延びる、単純に減っていくわけだから延びるということは、そうなってくるんでしょうけれども、その辺の考え方、一般的なお子さんの場合と障害者学級に通われているお子さんの場合の考え方というのは、ある程度、示されておりましたか。あるいは、どういうような想定のもとに行っているんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
通学距離の問題ですけれども、これは再編の考え方の中であらかじめお示ししてあった部分がございますけれども、その中では、通常学級の子どもたちに対する一般的な基準ということでございますけれども、ただ、障害学級の場合につきましても、先ほど申しましたとおり、再編後にありましても、きちんと現状、具体的にどこの学校ということではありませんけれども、必ずもとの学校ないしは周辺の学校ということで、きちんと通学の距離、これについては判断の上、計画の方を固めてございます。
小串委員
固まっているわけね。要するに、その辺のところ、例えば中学校なら今何キロエリアで想定しているという部分が当然ありますね、現在の段階ですよ。それを統廃合後にはこのように広くなる場合があるとすると、歩いて通える距離であるか、あるいはやはりどうしても自転車を使わなければならないような状況になってしまうのか、そういうような議論というのは当然されていると思うんですよ、案は示されなくたって。そういうところも含めてお聞きしたんですけれども、どうなんですか。
沼口教育長
障害学級については、現状ある規模、それについては確保するということで行っております。
小串委員
だから、自転車の方はどうなっているのか。
沼口教育長
距離が極端に遠くなったりするということはないと、そのように考えております。
小串委員
それは一般の子どもの話ですから、直接的にきょうのことで聞いたわけではないんですけれども、非常にわかりやすい、こちらで、落としていただいて非常にわかりやすいんですが、二中と四中に通われているお子さんの状況、これは西中野のお子さんのことに関してですから、あるいは他の小学校との兼ね合いで、同じような資料というのはお持ちなんでしょうか。もしわかれば、先ほどちらっと、これより距離の離れているようなお話もありましたけれども、もうちょっと詳しく説明していただけますか。
篠原学校教育担当課長
現状の中学校でございましたら、このような白図に落とし込みまして、一番遠い方というのは、私の方で承知をしてございます。一番遠い方で申し上げますと、二中に通われている方で江原三丁目から、地下鉄の大江戸線に乗りまして、中野坂上から中野新橋というふうな電車通学をしているのが一番最長だと認識しております。
小串委員
これも参考までにお聞きしたいんですけれども、バスを回すとか、そういうケースもあろうかと思うんですけれども、その辺の議論というか、現状も含めて説明していただけますか。
篠原学校教育担当課長
バスを回すことについては、現在考えてございません。十一中、後は丸山小学校にあります肢体不自由児学級につきましては、一般の公共輸送機関を使うことが困難でございますので、そこにつきましてはバスを用意してございます。ただ、知的障害、情緒障害の児童・生徒につきましては、一般の公共輸送機関を使用することが十分に可能ですし、そういったことも訓練の一つになりますので、そういったバスは用意をしないというようなことで考えております。
小串委員
最後に確認だけしたいんですけれども、先ほど、支援教室に関しては、そういうスケジュールで出てくると。統廃合なんていうのは、近いうちにという話なんですけれども、これの状況はどうなんですか。この定例会中に何かの関係で示されるとかなんとかということはあるんですか。
小谷松教育改革担当課長
再編案でございますけれども、冒頭、委員長の方からも3日間の割り振りの中でお話をされましたけれども、2日目にご報告を予定させていただいてございます。
委員長
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後2時36分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後2時51分)
お諮りします。
第38号陳情、中学校障害学級の増設を早期実現することについては、閉会中も継続審査すべきものと決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ございませんので、さよう決定します。
以上で第38号陳情の審査を終了します。
ここで休憩を入れたいと思います。
(午後2時52分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時11分)
継続審査分の陳情の審査を行います。
第22号陳情、娘の編入額不許可及び第四中学校焼却炉による煙害についてを議題に供します。
陳情者が見えておりますので、休憩をいたしまして、補足説明をしたいという申し出がございますので、受けたいと思いますが、大変申しわけないんですが、できるだけ簡潔に補足説明をしていただければありがたいんですが、よろしくお願いいたします。
委員会を暫時休憩いたします。
(午後3時12分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時16分)
本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後3時16分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時19分)
お諮りします。
休憩中に確認しましたとおり、第22号陳情、娘の編入額不許可及び第四中学校焼却炉による煙害については、本日のところ保留と決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
以上で第22号陳情についての本日の審査を終了します。
次に、所管事項の報告を受けたいと思います。
1番、教育施設のアスベスト対策についての報告を求めます。
金野教育委員会事務局次長
教育施設のアスベスト対策について御報告いたします。
今回、改めて区の施設全体についてアスベストの使用状況等の調査を行いまして、対応、それから現状について把握をいたしました。この内容につきましては、この議会中の総務委員会の方に営繕担当から全体としては報告をされるということになってございます。私どもとしては教育施設についてこの委員会に御報告申し上げたいと思ってございます。
資料をごらんください。(資料3)
まずアスベストでございますが、既にご承知かと思いますが、アスベストは広く建築資材として使われてきましたが、人体に健康上の影響があるということから、順次製造の禁止、あるいは使用の制限という形で通達が出されたり、規制がかかってまいりました。
(2)から区としての対応でございます。区としては、昭和56年以前に建築された施設のうち、吹き付けアスベストの飛散が心配される、また健康上の影響が危惧されるという場所については、速やかに補修や封じ込め等のアスベスト飛散防止のための措置を講じてまいりました。これはこれまで調査をして対応してきたということでございます。
ただ、今回、(3)ですが、行いましたのは、その後の経過があって、また劣化が進んだものもあるということ、それから当時の調査について改めて図面や現状を含めまして全体的な調査を行ったというものでございます。今回は改めて昭和56年以前に建築されたすべての区施設について実態調査ということで行いました。昨年度から今年度にかけて調査をして終了したところでございます。
(4)が今後の対応でございますが、今回の調査を踏まえして、アスベスト含有材を使用している教育施設というものについて、実態調査結果を踏まえて対策を講じていくということにしております。それから昭和56年以降に建築したものについては、吹き付けアスベストというものは使われておりませんが、建材の中には、一部アスベストが許容の範囲内で使用されているというものもある可能性がありますので、調査を継続するということにしております。
それでは、調査の結果と今後の対応を申し上げます。真ん中以降の表をごらんください。
アスベスト含有材が発見された施設名称、そう大きな部署でないものもございますが、細かなところまで今回は全部点検しましたので、このとおり8カ所にわたって、教育施設についてアスベストの含有材が発見されました。
一番上が九中でプール倉庫の屋根材でございます。一部損傷、けば立っているという状況がありますので、飛散の心配があるということから、今年度対応して封じ込め、囲い込み等をしたいと思っております。
それから次の二つ目、軽井沢少年自然の家ですが、ボイラー室の壁、天井に吹き付けがございました。これについても一部損傷があって飛散の心配があるということですので、予算的には来年度対応ということで行いたいと思っております。
そのほか、ここにありますように、あと6カ所ほど、吹き付け、あるいは張り付け、張り付けというのは含有材を張り付けているということですが、こういう形のアスベスト材がございましたが、現状では固着安定していて飛散の心配はございません。ただし、これらについても、今後経年劣化してくるという可能性がありますので、経過を観察した上で準備手順を踏んで、封じ込め、囲い込み、あるいは除去という形でアスベストの危険をなくしていきたいと考えてございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
江田委員
九中と軽井沢少年自然の家の工事費というのはどの程度かかるものですか。
金野教育委員会事務局次長
まだ細かい見積を取っておりませんが、大体九中で200万円程度、軽井沢少年自然の家で800万円程度かかるかなと、今大ざっぱですが、見込んでおります。
江田委員
飛散の心配があるというところは、いずれにしても早急に対応しなければならないと思うんですが、九中は16年度対応ですから早急にやられるんだと思うんですが、いつごろになるのか。それから軽井沢の場合、ボイラー室ということなんですが、これはどの程度利用しているものなのか、常にここにどなたかが出入りしているということであれば、前倒し、16年度対応ということも考えなければならないと思うんですが、そこら辺はどういう状況ですか。
金野教育委員会事務局次長
まず九中につきましては、現在準備をしておりまして、なるべく早い時期に行いたいと思っております。それから軽井沢少年自然の家ですが、これは厨房のボイラー室で、ボイラー室の中ということですので、判定結果としては、これから衝撃などがあると飛散のおそれがあるという状況でございます。現にそう多くの人が常時出入りするという場所ではございませんが、これについても対応したいということでございます。
江田委員
これは外から操作をするようになっているんですか。要するに、ボイラー室の中に常時人が出入りするような状況なのか、外からスイッチを入れればボイラーに火がついてというような形で、中に入らないで済むような状態なのか、そこら辺の状況を知りたいんです。
金野教育委員会事務局次長
従業員が1日2回程度入るような使い方をしているということでございます。
江田委員
一部損傷ありということですけれども、程度が心配なんですけれども、要するに一時期、アスベスト問題が社会的な大問題になって、区も総点検をして相当な予算をつぎ込んでやりましたよね。しかも、それからずっと年数がたっているわけですから、場合によっては相当の劣化ということが心配されるわけですが、そこら辺の状況をもう少し説明いただけませんか。
金野教育委員会事務局次長
これにつきましては、ランクを東京都の基準に従って見ているわけでございますが、その中で一部損傷で飛散の心配があるというのは、けば立っているとか、一部に亀裂があるとか、そういうものについて危険があるという判断をしているものでございます。現在のところ、直ちに、多くの人の使用があるとか、そういうものとは考えておりませんが、いずれにしても、これについては現状で問題があるという判断をしているところでございます。
江田委員
状況がよくわからないんですが、いずれにしても、社会的に大問題になって、工事現場等でこのことが原因でさまざまな健康障害から死に至る、そういう問題まで引き起こした、そういう経過がありますので、よく、これについては見ていただいて、必要なものであれば前倒しも含めて検討していただきたいと思います。
それから、この下なんですが、はりに吹き付けとか、天井に吹き付けとか、そういうふうに書いてありますが、これはむき出しの状態なんですか、それともきちんと他の部分で覆われている、要するに利用者が直接アスベストの含まれている面と接することがない状態なのかどうか、そこら辺はどうなんですか。
金野教育委員会事務局次長
これについては、囲い込み、あるいは封じ込めという形がまだされていないで、空気面に出ているというところでございます。これについては、今現在、調査をした結果、状態が安定していて、今の段階では劣化、損傷は進んでいない、アスベストの飛散のおそれは今のところはない、ただ今後、劣化をしたり、あるいは壊れてくるという場合は危険があるということでございます。
江田委員
せっかくこういう調査をされたわけですが、これが生きるように、ぜひ計画をよく見ていただいて、場合によっては囲い込みなどが必要になってくる場合もあろうかと思いますが、そこら辺は万全を期していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
小串委員
記憶が定かでないので教えてもらいたいんですけれども、そもそも再点検をするようになったきっかけは何でしたか。何か新聞、ニュースか何かでちらっと見て、そういう事件だか事故があって、再点検をするようになったのではないかというふうに記憶をしているんですが、それが1点。
これは教育施設ということですけれども、当然、区の全体の中のこれは一部ということなんでしょうか、教育施設だけ見直しをしたということなんでしょうか。
先ほど700万円だとか800万円だという話がありましたけれども、それは全部区の財政で措置をしなければいけないものでしょうか。
その3点だけ教えてください。
金野教育委員会事務局次長
まず今回の調査ですが、教育施設だけではなくて、区全体の施設について調査をしております。ですから、そのほかの教育施設以外については総務委員会の方に報告を申し上げているところでございます。
それからきっかけですが、ほかの区でたまたまアスベストの使用の施設が出て問題になったということもございまして、そういうことも一つのきっかけとして取り組んだということでございます。
それから費用ですが、今のところ、これについて補助金等というものについては特にないと思っていますので、区の負担でやるということで考えております。
委員長
ほかに。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、質疑がなければ、以上で1番目の報告を終了いたします。
2番目、(仮称)中野区教育ビジョンについての報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
それでは、中野区教育ビジョンにつきまして御報告をさせていただきたいと思います。
お手元に配付してございます資料に従いまして御説明申し上げます。(資料4)
教育ビジョンでございますけれども、これにつきましては、素案ということで昨年12月に御報告をさせていただきました。その際は教育行政ビジョンということで御報告をさせていただいたところでございます。昨年12月に素案を出して以来、PTAであるとか、幼稚園の関係者、あるいは青少年委員であるとか、さまざまな皆様方と意見交換の場などを持ちながらやってまいりました。そういった中で、当委員会におきましてもそうでございましたけれども、行政という言葉、やはりここから来るイメージと申しますか、中野区としての教育をトータルにとらえるというところに行政という言葉をつけるのはいかがなものかということで、それにつきましては、関係団体の方からもいろいろな意見をいただいたところでございます。これを教育委員会の中でいろいろと議論いたしまして、家庭も地域もすべてトータルにとらえた上で、中野の将来の教育の全体像を展望するということから、行政という文字を取りまして、中野区教育ビジョンということで、改めて教育委員会でも確認を行ってございます。
また、表紙のところに(仮称)ということで、「可能性を伸ばし、未来を切り拓く中野の教育」となってございます。このビジョンの策定に当たりましては、よりこのビジョンの内容を的確に表現し、アピールするような、そういった副題をつけようということで、現時点におきましてはまだ仮称でございますが、こういった名称をつけてございます。
それから本日お示ししてございます検討資料ということでございますが、現在、教育委員会の中でもビジョンの議論を進めているところでございますが、ちょうど現時点での教育委員会の到達地点というところでございますので、検討資料ということでお示しをさせていただきました。
それでは、ページに従いまして中身の方を順次御説明させていただきたいと思います。
まず1ページでございます。中野区教育ビジョン策定の趣旨というところでございます。これはビジョンの策定を行います背景、あるいは策定の動機等々につきまして、こちらの方でまとめてございます。21世紀を迎えまして、さまざまな社会情勢の変化は教育環境にも大きな影響を及ぼしてございます。そのような中で、教育委員会では、長期的な展望に立って、積極的に時代の変化に対応した教育改革に取り組んでいくということが求められております。そのようなことから教育委員会としまして教育ビジョンを策定し、これからの中野区が目指すべき教育の方向性を定めたというものでございます。
それからページを繰りまして、2ページの方、こちらで教育理念と目指す人間像ということで掲げてございます。前に素案の形でお示しをしましたときには、教育理念ということで2点の理念を表示させていただきましたが、その後、いろいろと教育委員会の中でも議論をいたしまして、具体的に教育理念を追求する過程の中で目指す人間像というものも同時に明らかにしていく必要があるということで、教育理念と目指す人間像というものもあわせて策定することといたしました。教育理念につきましては、前に御報告申し上げた素案の段階と同様、この2点でございますが、新たに4点の人間像というものを具体的な形でこちらの方に掲げてございます。一つが「生命を尊重し、やさしさや思いやりの心を持つ人」、2点目が「コミュニケーション能力を高め、豊かな人間関係をつくる人」、そして「自ら考え、創意工夫し課題を解決する人」、そして「自らの健康や体力の増進を図る人」ということで、具体的な4点の目指す人間像を掲げまして、これから中野区の中で教育を展開していくに当たりまして、こういった人間像というものを目線に入れながら、さまざまな教育行政、そしてまた地域、家庭における教育の展開というものを考えていきたいと思ってございます。
それから3ページでございますが、こちらがこのビジョンの全体をあらわします構造図となってございます。ごらんのとおり真ん中に教育理念と目指す人間像を置きまして、その回りに、家庭、学校、地域というそれを取り巻くさまざまな役割を持つポジションといいますか、そういったものを配置してございます。それから中ほど、下の方には、幼児期、学齢期、そして区民、これは生涯にわたるというところでございますけれども、そういった人生のライフステージに対応いたしましたビジョンの展開の時間軸といいますか、そういったものもこちらの方に示してございます。こういったライフステージごと、またそれぞれの地域の中での役割といったものを立体的にあらわしまして、これからの教育行政を支えていくということで、一つの図にまとめたものでございます。
それから4ページ、5ページをお開きいただきたいと思います。ただいま申し上げました教育理念と目指す人間像、これを具体的に実現していくための目標というものにつきまして8点掲げてございます。これの中に、目標の設定につきましては、先ほど申しましたライフステージの流れを念頭に置きながら八つの区分に仕分けるとともに、また個々の目標につきましては、それぞれ家庭、地域、行政、学校という役割につきまして、相互の連携などを明らかにしながら各目標の内容につきまして記載を行ってございます。5ページのところに、理念、人間像と目標の関係について図であらわしてございます。このうち目標の1につきましては、ライフステージの幼児期に対応するものでございます。また、2から4につきましては、学齢期に相当する部分でございます。それから5から7の目標につきましては、これは生涯学習と申しますか、区民の生涯にわたっての教育の目標ということで、そして最後の8番目につきましては、これはそれらを支えます教育行政についての目標でございます。
それでは、各目標ごとに順次、御説明申し上げたいと思います。
まず6ページ、7ページでございます。これは幼児期に対応いたします目標1ということで、人格形成の基礎となる幼児期の教育が充実し、子どもたちがすくすくと育っているという目標を掲げてございます。幼児におけます教育につきましては、体験的な活動を通して社会性の芽生えを培うとともに、自然など身近な事象への興味、関心、自発性豊かな完成などを育む上で極めて重要な意義を持っているということで、基本的な幼児期の目標の認識を示してございます。そういった中で、子育てにつきましても、地域を含めた社会全体で支えるという認識のもとに、必要な支援に取り組んでいく必要があるということ、またそのためにも子どもたちが充実した時間を過ごし、適切な教育が受けられるよう、幼児教育の環境整備に取り組んでいくということを明らかにしてございます。
関連いたしますいろいろなデータ等につきまして、それぞれの各目標ごとにこちらの中に掲載をしてございます。それぞれ御参照いただきたいと思います。また、右側のページにつきましては、そういった目標に対します取り組みの方法ということで、家庭、地域、それから学校、行政というそれぞれのポジションの中で行うべき取り組みの方向というものも具体的な形で明らかにしてございます。例えば、家庭では、あいさつや我慢すること、決まりを守ることなど基本的な生活習慣をきちんと教えるといったようなこと、あるいは行政、学校の役割ということでは、幼稚園、保育園などの幼児関連施設が連携して、すべての子どもたちが同じ中野の子どもとして適切な幼児教育を受けられるようにするといったような、こういった取り組みの方向につきまして、それぞれの役割ごとに具体的な形で掲載をしてございます。
それから8ページ、9ページでございます。こちらからは学齢期に相当する目標になってまいります。まず目標2でございますが、地域が誇れる魅力ある学校づくりが進み、子どもたちは生き生きと学んでいるということで、この目標につきましては、学校教育全体の基盤づくりということでの目標を掲げてございます。学校は、適正な集団での活動を通して、子どもたちに確かな学力、豊かな心、健康、体力などを確実に身につけ、自立した人間の育成を目指す教育の場ですという学校教育に対します基本的な認識をもちまして、創意工夫を生かした特色ある教育活動の展開に努め、また地域に根ざした学校にしていかなければならないといったこと、また最後に、安全対策ということにつきましても大変重要な課題となってきてございます。この部分につきましても、一層、充実、対策を進めるということにつきましても、言及をしてございます。
同様、こういった目標に対する取り組みの方向につきましては、それぞれ各家庭、地域、行政、学校といったそれぞれのところの役割における方向を記載してございます。
次に、10ページ、11ページでございます。こちらは同様、学齢期の目標でございますが、子どもたち一人ひとりが意欲的に学び、基礎、基本を身につけ、個性や可能性を伸ばしている、ここのところでは主に学力を中心とした記述となってございます。教育委員会では、学力を単なる知識の量ではなく、基礎的、基本的な知識や技能はもとより、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力までも含めたものとしてとらえる、そして学校教育の重要な役割は、その基礎となる力を育成すること、学力に対します基本的な認識を示した上で、より一層の教育環境の整備を図っていくことが必要であり、少人数学習であるとか、教員の授業力向上などに努める必要があるというふうに記載をしてございます。
それから12ページ、13ページに移ります。こちらも同様、学齢期についての目標でございます。子どもたちは、健康の大切さを理解し、心身ともにたくましく育っているということで、ここは主に健康、体力についての目標ということで掲げてございます。何よりも子どもたちが健全に成長するためには、心身を健康に保ち、体力を高めることが重要であるといったようなことから、子どもたちの基本的な生活習慣の確立、あるいは健康の保持、増進に努めることが重要であるということで、またさらに中野区の特徴的なことについて申しますと、非常に子どもたちの体力が衰えていると申しますか、非常に全国平均、都平均などを下回るような状況から、体力増強についてもしっかりと取り組んでいく必要があるということで、この中で目標としてもしっかりと記載をさせていただきました。
それから14ページ、15ページになります。ここからは、どちらかといいますと主に生涯を通しての目標といったところに入ってまいります。目標5でございますが、人権尊重の理念が広く社会に定着し、子どもたちの豊かな人間性、社会性が育っているということで、人権、あるいは子どもの徳育といったものに焦点を合わせまして、この中で目標を定めてございます。すべての人が自分をかけがえのない存在であると認識するとともに、自他の生命や人権を尊重し、あらゆる偏見や差別をなくそうとする心を広く社会に定着することが強く求められていますといったことで、子どもたちに対する社会的な基本のルール、マナーといったもの、あるいは規範意識、そういったものをしっかりと育成していく必要があり、また自然との触れ合いということも大変重要な課題であるということで記載をさせていただいてございます。
それから16ページ、17ページでございます。こちらも生涯にわたる目標ということで、目標の6でございますが、地域における学習やスポーツが活発に行われ、活動を通しての社会参加が進んでいるということで、生涯学習、区民のスポーツ活動につきましての記載を行ってございます。学習・スポーツ活動は新たな学びを楽しむことや地域での交流を深めるなど、人生に生きがいと潤いを与え、充実した生活を送っていく上に欠かせないものとなっていますといったことで、生涯学習、それからスポーツ活動といったものが非常に重要な役割を果たしてきているということでございます。そのためには、施設整備を図っていく、あるいは区民みずからが、その管理運営などにも参画をしていく、そしてまた地域の図書館の充実も図っていくといったようなことが課題としてあるということで、目標として掲げてございます。
それから18ページ、19ページをごらんいただきたいと思います。こちらも、ライフステージといたしましては、区民の生涯にわたる分野でございますけれども、目標7、子どもから高齢者まですべての区民が地域の文化や芸術に親しみ、生活の質を高めているということで、ここの目標におきましては、区民の文化・芸術活動に焦点を当てた目標として掲げてございます。文化、芸術を創造、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは人々の変わらない願いですということで、これからの社会、特に文化・芸術活動というものは重要な役割を担っていくと思ってございます。そのためには、一層の文化財の保存であるとか、文化・芸術活動の支援、そしてまたそれに区民が参加していくことに対する援助、サポートといったものがますます重要になってくる、またそのための活動の機会や場の充実というものも求められているということで、この目標の中に書き込みをしてございます。
それから20ページ、21ページにありますが、こちらが最後の目標、8番目の目標でございますが、そういった幼児期、学齢期、また生涯にわたります、さまざまな区民の目標を達成するための基礎、基盤となります教育行政につきまして、こちらでつめてございます。目標の8といたしまして、主体的な教育行政が行われ、充実した教育環境の中で学ぶことができるということで、そのためには、教育委員会は多様化するニーズに適切に対応しながら教育行政を展開し、区民が安心して充実した教育環境の中で学ぶことができるようにしていく必要があるといったことを受けまして、区民の参加、評価を受け、信頼される教育行政に取り組んでいくことが重要である。そしてまた、そのための、ためにといいますか、区民の教育の基盤であります小・中学校の再編を推進する、あるいは学校教育にとって欠かすことのできない人材であります教職員の資質の能力を高めていく、そういったことなどがこの中で目標として掲げてございます。
以上、大変雑駁でございますが、現時点におけます教育委員会での教育ビジョンの検討過程ということで、検討資料として御報告をさせていただきました。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
高橋委員
今、聞いていて、これは教育ビジョンなのか、何なのかと、何となく理解しがたいのかなと思いまして、教育ビジョン、ビジョンそのものの内容は、こういうものでいいのでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
今、策定を目指しております教育ビジョンにつきましては、中野区の教育というものをトータルにとらえまして、長期的な展望の中で、これから取り組んでいくべき課題というものを明らかにしていくということで、それぞれ今お話ししたとおり、ライフステージごとにいろいろな目標を立てまして、その目標を実現していくために、区内にございます家庭であるとか、地域、学校、行政といったものがどういった役割を果たしていくべきなのか、そういったものを明らかにするということで、ビジョンというものを策定に向けて教育委員会の中で論議を続けているというところでございます。
高橋委員
私が今、説明を受けていて感じ取れたのは、中野の教育ビジョンは、教育というものではなくて、どういう子どもたちをつくり上げるかということしか頭に入ってこなかったんですけれども、そして説明を聞いていると、家庭では、地域では、学校ではといろいろと分野に分かれているんですけれども、教育委員会が家庭のことまで言ってしまっていいのかとか、教育委員会は一体何をやりたいのかというのがビジョンなのではないかと思うんですけれども、何か聞いていると、つかみどころがないというか、何が言いたいのかという感じなんです。大変失礼なことだとは思うんですけれども、例えば他区なんかを見てみますと、教育を変えていこう、ビジョンをつくって変えていこうというようなところで、わかる授業の基礎、基本の徹底とか、国際理解教育の推進とか、情報教育の推進、または最後に教えるプロとしての教師の育成とか、そういうものが載っているのに、うちは何を目指して、とりあえずビジョンを書いているんだろうという、私のイメージと少し違ってしまっているところがあるので、根本的に人づくり、要するに子どもたちをすばらしい子に育てたいという思いでビジョンをつくられているのか、そのために家庭や地域や行政があるのか、そういうスタンスでいるのか、それとも別に教育委員会としてのきちんとした仕事を立ち上げているわけではなくて、本当に目指す人間像だけのビジョンなのかというところを、いま一度確認したいんですけれども。
小谷松教育改革担当課長
今、ほかの自治体の例などもお持ちになりましていらっしゃいましたけれども、策定をしておりますビジョン、これにつきましては、基本的には、将来を展望した理念というものを明らかにする。具体的なビジョンに描く将来像を実現していくための計画というものにつきましては、またこれをベースといたしまして、個々の具体的な施策といったものは、教育委員会としての10カ年計画といったような形で明らかにしてまいりたいと思ってございます。ビジョンとして描いているものにつきましては、中野の教育をトータルとしてとらえ、行政だけに限定しない、広く地域や家庭なども含めた、その中でトータルとして子どもたちをどういうふうに育てていったらいいのか、あるいは中野のまちでどういった生涯にわたる教育活動を展開していったらいいのか、そういった理念と申しますか、方向性をきちんと形づくるといいますか、そういった中でビジョンというものを策定しているところでございます。具体的なものにつきましては、先ほど申しましたとおり、これをベースといたしまして、今後、計画と具体的な実行プログラムという形で策定の方を進めてまいりたいと思っております。
高橋委員
きょう説明を受けて、頭の中で描いていたものと少し違っているというところがたくさんありまして、まだまだ聞きたいんですけれども、今すぐにというわけにはいかないというか、何かすごく私は納得のできないところがたくさんあるんですけれども、少し時間をいただければ、また次のときに機会を設けていただければと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
江田委員
最初に、これは今後どういうふうに経過をたどって策定ということになっていくんですか。今後のタイムスケジュールです。
小谷松教育改革担当課長
教育ビジョンにつきましては、基本的には区の基本構想、10か年計画、そういった策定というものをある程度、意識しながら、教育委員会としてのビジョンの策定、またそれをベースといたしました基本的な計画、それをつくってまいりたいと思ってございます。具体的には、基本構想というものが、一応今の予定でありますけれども、年末ぐらいに素案を出して、来年の1定に議会に提出されるという見込みがございますけれども、そういったスケジュールに合わせながら、教育ビジョンというものも、教育委員会の方でしっかり議論し、大体基本構想に少しおくれるようなタイミングになるかと思いますけれども、教育委員会として決定をしてまいりたい、そういうふうに思ってございます。
江田委員
それは年度内ということですか、今考えておられるスケジュールは。
小谷松教育改革担当課長
大体そのころを目途というふうに考えてございます。
江田委員
それから、これは区長部局との関係はどういうふうになっているんですか。あくまでも教育委員会の内部での検討ということなのか、区長部局も含めた合同の検討がなされたのか、そこら辺はどうですか。
小谷松教育改革担当課長
このビジョンの策定につきましては、教育委員会を主体としまして、教育委員会の中で論議を重ねてやっているというものでございます。ただ、素案などを策定したときには、逆の関係になりますけれども、基本構想の構想審議会の中に一定の情報提供などもさせていただいたこともございました。現時点におきましては、このビジョンの策定につきましては、教育委員会を主体に論議を重ねているという状況でございます。
江田委員
実は前回、これの御報告をいただいたとき、私自身の意見を申し上げるべきだったというふうに今思うんですが、最初、教育行政ビジョンとしてお出しになりましたね。それに対して、単なる行政ビジョンではないだろう、もっと中野区の教育トータルを見据えたビジョンとしてつくっていくべきではないか、そういう意見も出ておりました。実は、これができて、見て、余計そう感じるんですが、あくまでも、これは教育行政の責任といいますか、教育行政の守備範囲のところでつくられているものであって、そういう意味からいえば、タイトルをどうするかというのは別にして、性格的には教育行政ビジョン、教育行政としては今後、中野区民に対して、子どもに対して、どういう責任を果たしていくのか、そういうところが中心にやはり書かれているものであって、性格としては教育行政ビジョンではないか、そういう印象を非常に持っております。まして、教育委員会の内部で主体的に検討してきたということであれば、そこら辺の乗りといいますか、そこら辺が非常に大事ではないかと思っております。そういう意味で、前回そういうことを議論されたときに、私自身の考えを述べるべきだったと思うんですが、そこら辺については、どのように考えておられるか。先ほど少し議論の経過を説明いただきましたけれども、もう一度お聞きしておきたいんですが。
小谷松教育改革担当課長
確かに、当初におきましては、教育行政ビジョンということで検討を始めました。ただ、その議論の過程の中で、やはり中野の教育の将来像を展望するに当たっては、行政という狭い枠組みの中だけで見ているということではなくて、もっと教育というものをトータルにとらえる中で、さまざまな多様な役割、多様な位置と申しますか、視点の中からビジョンというものを構築していく必要があろうということで、行政に限定したものではないということで、その部分を標題の方から削除いたしまして、教育ビジョンということで、現在、策定に向けた議論を進めているところでございます。
江田委員
教育という場合、特に最近は非常に幅広くとらえられていまして、かつては社会教育、生涯学習は教育行政の分野、そういうとらえ方がされていましたが、今はもっと広くとらえられていますよね。ですから、当然、女性問題から高齢者の問題まで含めましてあるわけで、そういう意味では、教育行政の範囲を越えた、もっと幅広い、まして家庭教育、子どもの育ちの問題まで入ってきますとさらに広がっていくわけでありまして、そこら辺を今回の教育ビジョンがどの範囲をエリアにしているのか、そこら辺が非常に、これを読んだ限りは、もっと狭い分野、教育行政の分野をカバーしているんだなという印象を強く持ちます。これはこれでおつくりになったわけですから、扱い、中野区教育ビジョンとなっておりますが、ここら辺の表現について、もう少しいい知恵が出ないものか、少し検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
それで、いただいたばかりで全体をとても見る時間はないんですが、1ページについてだけ質問をしておきたいと思います。
ここでは、ちょうど真ん中あたりです、「さらに、社会教育においては、創造力と活力にあふれた豊かな人間形成に努めたいとの区民の願いに応えることや、地域社会の発展に欠かせない区民の生涯の学習を支援していくことが望まれています」ということで、先ほど申し上げたことと関連するんですが、教育行政だけではなくて、区長部局が担当しているさまざまな分野のことも当然含まれているわけですね。さらに、五、六行下で、「本教育ビジョンでは、生涯にわたる教育の全体像を示すことにより学校教育の課題も明らかにするという観点で、子どもから高齢者までのライフステージを貫く教育や云々」ということで、相当幅広く書いてあります。ここら辺をカバーしていくということになりますと、もっと幅広い視点が議論をされなければならなかったのではないかという気もするんですが、そこら辺はどうでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
教育ビジョンの中で、守備範囲といったらおかしいんですけれども、学校教育、それから生涯学習にわたる非常に幅広い、およそ教育委員会といたしましてかかわりのある部分については、すべてこの中で一定の将来展望を示していきたいと思っております。もちろん、いろいろなテーマによりましては、教育委員会という守備範囲に限定されないものも出てくると思いますし、そういった部分もいろいろと関連を持ちながら、全体として中野区の教育の方向をしっかりと示していきたいと思ってございます。そういった形で、今教育委員会の中で議論を進めているという状況でございます。
江田委員
これは平成4年につくられた、ふれあい、生きがい、学びあい、生涯学習キャンパス都市中野の創造、こういう文書がありますよね。実際の編集をされたのは社会教育課が編集をしたわけですけれども、中野区という発表ですね。神山区長が冒頭にあいさつ文を書いておられるんですが、教育行政としての守備範囲でこれを書いているということであれば、教育行政ビジョンと銘打つかどうかは別として、やはり教育行政の範囲だろうし、もっと幅広いということであれば、逆に教育行政ではなくて、中野区の教育ビジョンというふうになれば、むしろ中野区という発表、そういう感じになってくるのではないかということを、さっきから疑問に思って質問しているんですが、これについては、ぜひ少し整理をしていただきたいというふうに思います。
それから、少し細かいことで申しわけないんですが、同じ1ページの下から9行目、「学校教育を中心とする子どもへの教育は」というふうに書いてあるんですが、これは子どもの教育はという場合と子どもへの教育はというふうに使い分けておられるんだと思うんですが、これはどういう意味になるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
この部分、学校教育を中心とする子どもへの教育はということで、表現の問題ということかと思いますけれども、基本的にここの部分、学校教育、それの中心というものは、やはり子どもというものをどういうふうに育てていくのか、どういった将来に向けての、この後で人間像という言葉が出てまいりますけれども、子どもを育てたい、その子どもの将来像というものをきちんと描きながら、その中で進めていくということで、それが学校教育の一番根幹となる部分であり、重要となる部分であるという認識の中で、文章表現上の問題は少しあるかもしれませんけれども、そういった認識の中で学校教育というものをとらえながら、あわせて生涯にわたる教育の展開というものも中にあわせながら、全体としての教育ビジョンというものを構築していくという考え方の中で、この部分を考えているというところでございます。
江田委員
私の印象なんですけれども、子どもへの教育はというふうになりますけれども、別の表現をすれば、子どもに施す教育は、そういう印象にとれるような気がするんですよ。実際の教育は、教育に携わる先生方と子どもとの間で、お互いのコミュニケーション、あるいはお互いの合意が成立する中で教育というものが成立していくんでしょうから、一方的に施すもの、子どもへの教育ではなくて、やはりこれは子どもの教育ということではないかと思います。これについてもぜひ御検討いただきたいと思います。
それから、最後にしますが、2ページで目指す人間像ということで4点出てきます。それぞれ具体的なものは別として、中野区が目指す人間像ということをわざわざここに書き込む必要があるのか、その必然性が余りよくわからないんですね。では、どういうことかというと、では、新宿区の目指す人間像とか、渋谷が目指す人間像、杉並が目指す人間像、そういうものが一々違うのかという、へ理屈めくんですが、そういう意味で、教育理念というのは、中野区の教育行政として、こういう理念を持って臨みたい、それはあってしかるべきのように思うんですが、中野区が目指す人間像となってしまいますと、何か本来の人間の一人ひとりの人生、人格を中野区だけに狭く、中野区ではこういう人間像を目指すんだという狭い範囲にとらえてしまうのではないか。本来の人間というのは、もっと幅広いものだし、豊かなものだし、一行政区で行政区の目指す人間像がそれぞれ違うということは、私はあり得ないだろうと思うんですね。これはたしか初めて入ってきたように思うんですが、なぜ必然性があるのか、そのことをお聞きしておきたいんです。
小谷松教育改革担当課長
今回、目指す人間像というものを初めて明らかにさせていただいたところでございますけれども、教育というものはやはり人でございます。どういう人づくりを目指すのか、そしてその人がどういう形で社会の中で活動していくのか、まさに人というものが本当に教育というものの基本でございます。そういう意味で、理念を掲げていくと同時に、どういった人づくりを目指すのかというものもきちんと明らかにすることは大切だと思ってございます。ここに4点ほど挙げてございます。確かに今、委員のおっしゃったとおり、人間、いろいろな多様な面がございます。単純に切って割って出てくるというようなものではない、いろいろな多様な面を持っていると思います。しかしながら、中野区としてきちんと将来を目指して展望する中で、教育行政、あるいはトータルな教育活動をしていく中においては、そこに一定の中野区としての人間といいますか、一つの目指す方向というものもきちんと明らかにしていく必要があると思ってございます。それがすべてをあらわすというものでは決してございませんけれども、しかしながら、その中で、いろいろな人間の多様性の中でも、中野区としては、特にこういった部分について着目しながら、そういった部分をできるだけ引き上げ伸ばしていきたい、そういった形での人間像ということで、ここに4点、一つの形として掲示したというものでございます。
江田委員
私は納得ができません。中野区の特性とか、中野区の歴史とか、伝統とか、そういったものはいろいろとありますから、そういうものが教育の中できちんと受け継がれていくという意味での中野区らしさとか、そういうものはあり得るだろうと思うんですが、それぞれ行政区で別の人間像がある、そういうこと自体、やはり納得ができません。ぜひ検討していただきたいと思います。
最後、これはほかのところでもたびたび問題になるんですが、それぞれのページでグラフが出ています。このグラフが、なぜこういうものがふさわしいのかということが全然納得できないんですね。例えば10ページ、子どもたち一人ひとりが意欲的に学び、基礎、基本を身につけというところがあるんですが、日本の子どもたち15歳の学習時間というのが出ていまして、日本は7位となっているんですが、ギリシャが1位ということになっているんですが、一体これは区民の感覚に合っているんだろうか。これだけ日本の子どもたちが塾通い等で夜遅くまで勉強に追われている、学校における勉強だけではなくて、それ以外の勉強等でも追われている、そういうことが大きな問題になっている中で、これはどれだけの説得力を持つんだろうかとか、それぞれに感ずるところはあるんですが、例えば一番最後の20ページ、21ページで、教育委員会協議会開会回数、傍聴者数の推移、それから教育委員会ホームページへのアクセス件数、こういったものが出ているんですが、教育行政がこのように努力をして区民にも開かれているということだったらとてもよくわかるんですけれども、主体的に教育行政が行われ、充実した教育環境の中で学ぶことができるということの何かのバックデータとして、これはどういう意味を持つんだろうか、ちょっと見ただけでも非常に疑問に思うんですが、このページだけお答えいただきたいんです。どうしてこういうグラフになっているんですか。
小谷松教育改革担当課長
今回、検討資料の中に、それぞれ各目標の表現されているものにつきまして、できるだけビジュアルな形で、印象としてとらえることができるような形で、こういったデータというものもあわせて掲載をいたしました。また、そういった目標の作成に当たりましては、きちんと現状を進行している中、あるいは将来の予測の中できちんとデータ的な裏付けというものも非常に重要な部分でございますので、もちろん、いろいろな活用するべきデータというのは、いろいろとあるかと思いますけれども、現時点でこれら目標として掲げたある部分につきまして、一定の関連を有するものということで掲載をしたところでございます。たまたま20ページ、21ページでございますけれども、教育委員会の開催回数と傍聴者数の推移、それからホームページへのアクセス件数ということで、できるだけ、中野区の教育委員会、他区と比較してといってはあれですけれども、非常に活発な活動をしてございますし、また開かれた中で教育委員会の活動というものを行ってございます。そういった一つの客観的なデータということで、どのくらいの方が教育委員会に傍聴に実際にやってきているのか、あるいは教育委員会の活動がどのくらい行われているのかといったようなこと、それからまた情報を発信し、それを区民の方々と共有するということも、教育行政を進める上におきましては非常に重要なものでございます。そういった意味で、一つの客観的なデータということで、ホームページへのアクセス件数ということで、ここに掲げたものでございます。確かに、いろいろな目標をあらわすデータというものは数多くあろうかと思います。そういった中で、現時点ではこういったデータを掲載してございますけれども、またこれからいろいろな検討の中で、こういったものにつきましても、いろいろな精査をしてまいりたいと思ってございます。
江田委員
もう随分長い間検討しておられるわけですから、相当これはこれで検討した結果、こういうグラフが使われているんだろうと思うんですが、目標とデータが持つ意味とが、私から言わせれば全然合っていない、合致していないと思うんですよ。こういうものも含めて、こういうものを出すのであれば、なるほど主体的な教育行政が行われ、充実した教育環境が進んできているんだなと、そういうものが理解できる資料を出していただきたいと思います。
きょういただいただけで中身を全然まだ見ていません。目につくところだけをばっと追っただけですので、改めて質問させていただきたいと思うんですが、ぜひ検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。
篠委員
大分手を入れられたのはわかるんですが、やはり格調高いので、具体的に目標と直に結びつけるときに、例えば小学校の校長先生たちとお話しする会を持つと、家庭教育がまるでできていなくて、その流れを受けて1年生に入ってこられて、我々ができる必死の努力というのは、手助けしてくれる、地域の人でもいい、教育者でもいい、人がほしいという状況に追い込まれるとか、ものすごい生々しい現状分析をするんですね。そうしますと、区民も簡単に話に参加できるんですが、例えば3ページを見ても、文句のつけようのない文言がつながるんですが、これを目標設定に返還するときに、例えば自己実現て何だという一番難しいところに飛ばれてしまったりする可能性がある、自己実現とは何か。これを説明しなさいなんて、だれもわからないままにというようなものが、もっと本当に中野区の現状を改革して、学校教育だけを視野に入れていない、一生を通してのビジョンを言っていらっしゃるのはよくわかりますので、それはそれでいいんですが、目標設定にしろ、そういった認識の中で書かれたのはよくわかるんですが、区民が参加しやすい言葉使いというのがなかなか少ない。
そして、中野の教育、行政だけで骨を折ってしまうのか、では30万区民は手を汚さずで、行政の目標設定と進捗状況を見ているのか、その状況では全然改善できなかったという長い歴史を持っているわけだから、区民にもやってもらえることはやってもらって、中野の学校教育を含めた生涯学習を構築しようと、あなた方は義務は何もありませんという図式とかどうやっても出てこない。議員立法で子ども育成条例でもつくれば、家庭は何々すべきであるというような激しい文言に近いことは確かに盛れますけれども、行政が出してくる目標設定、あるいは問題認識というのは、我々が一人で骨折ってしまうからということになるわけです。地域におろしていくと、地協懇でも、何も解決しません、家庭、地域、学校の本当の協力以外は何も、一歩たりとも解決されない。しっかり問題認識を提供してくるわけです。それにどういうふうにこたえていくかというのを出していかなければ、やはり幾ら文章のうまい人が文章を練ったところで、あなた方は何もしないでいいという姿勢以外に貫けないのではないか。進捗状況といっても、区民が協力しているんだか、していないんだかわからないという図式しかとれないのではないか。そういう意味では、学校評価制度のもう少し理解ある人たちが大抵だいたいよいに丸をつけるところではないところへの切り込みとか、いろいろとあるとは思うんですけれども、そういったところを大変心配するんですけれども、それについてお答えいただけますか。
小谷松教育改革担当課長
今、委員の方からお話がございましたとおり、いろいろな教育をめぐる問題というものにつきましては、それが学校の中だけで解決ができる、完結するものだとか、家庭の中だけで、あるいは地域の中だけというものではないと思います。いろいろいな面がある。ある部分においては学校が、ある部分においては家庭の努力というものが求められる。そういった非常に多様な面というものがあるかと思います。今回、教育ビジョンにおきましても、これまで行政ビジョンとしていたものを教育ビジョンということで、よりトータルな形で、家庭も、そしてまた地域も、学校も、行政も含めて取り組んでいくべき諸課題、それらに対しての取り組みというものを明らかにしていくということで、今回策定しているところでございます。したがいまして、当然、家庭の中でも一定の役割、果たすべきものというものをきちんと明らかにした上で、もちろん、当然これは行政がみずからに課す課題というものとは根本的に違うわけでございますけれども、しかしながら、やはり家庭の中でも、地域の中でも、果たすべき役割というものが当然あるんだということで、今回この中で、取り組みの方向として明らかにしてきたところでございます。そういう意味で、家庭、地域、学校、行政というものがトータルに、いろいろなそれぞれの役割を果たしながら、中野区としての教育の展望を切り開いていくということを、このビジョンの中で明らかにしてまいりたい、そのように思ってございます。
篠委員
生易しいことではないのはよくわかるんです。例えば、我々会派で行った松山市なんかも、子ども育成条例、男女共同参画条例なんかもあそこはきちんと出しているんですけれども、子ども育成条例、教育基本法の松山版みたいなものをつくって出したんですね。あれがもう大変な反対運動というか、やはり家庭の協力を求めた場合に、どうしても、私のところのプライバシーを侵害するのかという壁にぶつかってしまう。もう子どもは殺される寸前になっても警察も手が出せないというような、出さなければいけない場合もあるのにというような状況、そういう世の中の流れの中で子どもを育て上げるというところまで我々は追い込まれていますから、だからぎりぎり限度、行政の力だけではない、課長は家庭にも義務を課すんだと、課せるわけがないけれども、課せるわけがある行動はとれるかどうかという取り組みがビジョンを立ち上げて、それでよしではなくて、必要だと思っておるんですけれども、何かいい方法はありますか。
小谷松教育改革担当課長
今、松山市ですか、そういった例などもお話にございました。確かに、先ほども少し申しましたけれども、行政みずからがみずからの目標を掲げ、課題を掲げて、そこに具体的な実行計画をつくるということと違いまして、家庭なり地域というものに対して、ここでは一定の役割というものを表現すると、おのずとその性格は異なるところかと思います。しかしながら、いろいろな教育の諸課題というものにつきましては、それが単独である一つの局面の中で解決できるとかというものではなくて、多様な面を持っているということについては、しっかりとこのビジョンの中でも、また家庭や地域の役割というものをきちんと明らかにしていくことも非常に大切なものだというふうに思っております。そういったものをベースとしながら、行政みずからが行うべき課題というものもおのずと構築できると思っております。
篠委員
いずれにしましても、家庭だとか、会社だとか、社会だとかというのは、権利の主張し合いでは成り立たない場所なわけです。そういったものを見ますと、だれでもわかって、野球にしたって、おれにもピッチャーになる権利があるとか、全員がやってしまったら野球もできないわけで、これはやはりそれぞれが自分の立場、持ち分を全うしてこそ、ものすごい力になるわけで、ところが、目標設定の中で進捗状況を見る段になると、人権尊重がなされている、そういった問題、要するにそういう条例が生きた形でしか目標設定をしてこない、またこなかったという教育委員会の過去もあるわけです。ですから、そういう意味においては、目標設定をさらに細かくつくる段で大変工夫をしていただきたいということを要望しておきます。
委員長
ほかに質疑はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
休憩いたします。
(午後4時30分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後4時31分)
教育ビジョンについての報告の途中ですが、本日のところは終了いたしまして、また次の委員会、月曜日に質疑を受けたいと思います。
委員、理事者の皆さんから、特に発言はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、次回の委員会は10月18日、月曜日、午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の文教委員会を散会いたします。
(午後4時31分)