平成17年03月03日中野区議会予算特別委員会
平成17年3月3日予算特別委員会(第6日)
1.平成17年(2005年)3月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 い で い 良 輔 2番 伊 東 し
ん じ
3番 佐 野 れ い じ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 た
く や
7番 奥 田 け ん じ 8番 近 藤 さ
え 子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 し
ん ご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 む と う 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 高 橋 ち あ き 24番 市 川 み
の る
25番 岡 本 い さ お 26番 こしみず 敏 明
27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭
29番 佐 藤 ひ ろ こ 30番 来 住 和 行
31番 岩 永 し ほ 子 32番 若 林 ふくぞう
33番 篠 国 昭 34番 伊 藤 岩 男
35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝
37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済
三 郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 ま さ
子
41番 江 田 と お る 42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 田辺 裕子
経営改革担当課長 合川 昭
経営改革推進担当課長 経営改革担当課長兼務
危機管理担当課長経営改革担当課長兼務
政策計画担当課長鈴木 由美子
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 川崎 亨
まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一
まちづくり総合調整担当参事 まちづくり総合調整担当部長兼務
まちづくり総合調整担当課長 中野駅周辺整備担当課長兼務
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長鈴木 郁也
平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 村木 誠
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当参事 鈴木 勝明
防災担当課長 納谷 光和
税務担当課長 若槻 磐雄
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当参事 西條 十喜和
地域活動担当参事区民生活部経営担当参事兼務
南中野地域センター所長 中村 正博
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長登 弘毅
産業振興担当課長高橋 信一
地域生活支援担当課長 産業振興担当課長兼務
みどりと環境担当参事 区民生活部長兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 柳澤 一平
子ども家庭部経営担当課長 竹内 沖司
子育て支援担当課長 新井 一成
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 佐々木 美枝子
鷺宮保健福祉センター所長 石崎 泰江
保育サービス担当課長 榎本 良男
子ども育成担当課長 小平 基晴
男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事 保健所長兼務
結核予防担当参事 保健所長兼務
衛生環境担当課長 遠藤 由紀夫
生活衛生担当課長 衛生環境担当課長兼務
健康づくり担当課長 今 恵里
保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当課長 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾﨑 孝
交通安全対策担当課長 上村 晃一
公園緑地担当課長 斎木 正雄
建築・住宅担当参事 佐藤 幸一
地区整備担当課長 岩井 克英
地域まちづくり担当課長 地区整備担当課長兼務
中野駅周辺整備担当課長 豊川 士朗
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一
選挙管理委員会事務局長 山下 清超
監査事務局長 細木 博雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 正木 洋介
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 巣山 和孝
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 岩浅 英樹
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
午前10時00分開議
○平島委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、昨日に御確認いただいたとおり、1番目に昆まさ子委員、2番目に伊東しんじ委員、3番目に飯島きんいち委員の順序で3名の質疑を行うことを確認いたしました。また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
2点目は、資料要求の差しかえについてであります。既に配付しております厚生分科会関係13番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ありますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営させていただくことに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を行います。
昆まさ子委員、お願いします。
○昆委員 おはようございます。総括質疑もきょうで最後の日となりました。トップバッターで質問をさせていただきますけれども、時間が限られております。質問自体も要領よく行いたいと思っておりますが、理事者の方々もそのところをよろしくお願いいたします。
それでは、まず質疑通告に従いまして、防災対策について伺います。
まず第1点に、南台、弥生町の防災まちづくりについて伺います。
南台一、二丁目地区は、平成7年、防災生活圏促進事業として地区内の建築物不燃化助成を行い、同時に12年に決定した国の木造住宅密集地域整備促進事業を取り入れ、建築物の不燃化、共同化促進、避難路やオープンスペースの確保を図るなど、住宅、市街地の災害に強い住環境づくりを進めると位置付けられている地区です。
まず初めに、この事業を始めるとき、地区施設及び地区防災施設の整備の方針について、住民にどのように説明をなされたのか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 防災圏促進事業は、平成7年度から導入したわけでございますけれども、その中では、地区防災道路を整備いたします。また、延焼遮断帯、広域避難活動拠点などを整備していきますという説明をしているところでございます。
○昆委員 区の都市計画マスタープラン作成に当たり、南中野でも地域で住民が参加し、現状や特性を調査、検討、議論を重ね、区に提案をいたしました。地区協議会の結果がまとめられております、この中には、東京大学附属中等教育学校一帯の広域避難場所としての利用性や安全性を高め、他方からのアプローチの確保や広域避難場所内に南部防災公園を整備すると掲げられています。このように住民参加で策定した都市計画マスタープランの中に反映された広域避難場所の防災制度を、なぜ04年中野区地域防災計画修正原案から削除したのか、伺います。
○納谷防災担当課長 私どもは、中野区内にあります広域避難場所、9カ所ございますが、すべての広域避難場所について防災機能を高めていくことが必要であると考えております。そこで、平成16年度の地域防災計画の修正案におきましては、すべての広域避難場所の防災機能を高めるという点で、一つひとつの個別の名称を取りまして、すべての広域避難場所を対象にした記述にしたものでございます。
○昆委員 中野区としては、東大附属中等教育学校一帯の広域避難場所内に防災広場を整備するということで、地域の住民の皆さん方にもずっと話をしてまいりました。
先月27日の日曜日ですけれども、南中野の防災訓練があの場所で行われました。炊き出し訓練等の内容で行われましたけれども、私も炊き出しの訓練の一員として町会の皆さん方とともに参加をいたしました。そのときに集まった人たちの中から、広域避難場所内に防災広場は、いつつくるんだろうか、また本当に震災になったときに、この町はどうなるんだろうかなど、いろいろな話がされておりました。
そういうことを考えましても、あの広域避難場所としての防災広場というのは、地域住民にとっても、震災、災害のときに、避難と命を守る場所として何としても必要な場所でございます。この整備について、区としてはこれからどのように位置付けていくおつもりなのか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 東大附属中等教育学校の中に防災公園を整備ということは、地区計画の中でも述べられております。また、この点については必要なことだろうと考えております。
○昆委員 そうしましたら、04年の中野区の地域防災計画の中から削除した、あの場所というのは、防災広場等の機能を持たせる、そういう整備を今後も区としてはきちんと位置付けて進めていくということでよろしいんですか。
○岩井地区整備担当課長 先ほど御答弁いたしましたが、その必要性は十分に認識しているところでございます。
○昆委員 住民の皆さん方も非常に期待をして、早期の実現を願っておりますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、次に木造住宅密集地区整備促進事業について伺います。
南台一、二丁目の整備計画について新年度に予算が計上されております。前年度比で見ますと3億9,500万円余の減になっていますが、どのような事業を実施するのか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 平成16年度に比べますと、ただいま御質問がございましたように、3億9,000万円余の減になっておりますけれども、これは平成16年度に東大西側道路の拡幅用地の取得が完了したことがその理由でございます。平成17年度の予算内容でございますが、道路用地取得経費約1億4,500万円余、また道路の拡幅整備が1億9,000万円余、そのほか木造賃貸住宅の建てかえ助成などを含めまして、合計でただいまございましたような約3億5,000万円余の予算を計上しているところでございます。
○昆委員 道路用地等に対しての予算が約1億6,000万円の増ということですけれども、増ということで、道路の整備の目標達成はどうなるのでしょうか。
○岩井地区整備担当課長 道路整備の進捗状況でございますが、地区計画に基づきます新設道路が一部開通しているところでございます。そのほか、これまでの実績では、拡幅整備が18件ございまして、道路の拡幅整備、また新設道路についても進んでいるというところでございます。
○昆委員 拡幅については、18件ということですが、先日の本会議等での議員の質問に区長は、一部の道路の新設もされていると述べられておりました。しかし、まだこの地域の防災まちづくりとしての道路整備というのは、新年度に1億9,000万円の予算を計上したとしても、まだまだ目標達成には時間がかかると見ております。それと同時に、この地域での不燃化住宅への建てかえが44件、地区計画に基づく建てかえが102件、不燃化率は約37%から41%に改善されたと伺っておりますけれども、しかしまだまだ防災まちづくりということでは、この地区の整備は続行しなければなりません。しかし、国や都の補助制度ということで、その期間があと3年余という期間になってきております。この3年余という期間の中で、防災まちづくりの整備目標はどこまで達成すると区はお考えなのでしょうか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 東大西側道路の拡幅整備でございますけれども、既に敷地内の樹木の移植等は完了しております。今後、電線類の地中化を含む整備を進めまして、平成19年度には供用を開始する予定でございます。また、新設道路や道路の拡幅につきましても、できる限り推進していきたいと考えております。
○昆委員 先ほども申し上げましたが、国や都の事業補助を受けている事業です。国が50%、都が25%、そして区が25%という財政負担をして進めている事業です。今後、国や都の財政補助の見通しはどのように見ていらっしゃるのか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 まちづくり事業の推進については、今後とも努力をしていきいたと考えております。また、その進捗状況などを踏まえまして、事業期間の延長と申しましょうか、国との補助などについては、さらに検討していきたいと考えております。
○昆委員 国の補助、都の補助がなければ、この事業は途中でどうなるんだ、そういう住民の不安もありますし、また防災まちづくりの点からいいましても、途中でやめるということはできないと思うんです。まだまだ時間はかかりますし、年数もかかります。そういう点からいきまして、国や都の補助をしっかりと受ける、そういう事業の継続を進めるということを、私は昨年の6月の本会議質問でも申し上げました。その点につきまして、国や都に対してのこの事業に対しての考え方というのは伺っているんでしょうか。
○岩井地区整備担当課長 さまざまな場で都と調整する機会がございます。そういう中で区としての進捗状況などをお話ししまして、東京都に情報提供しているところでございます。
○昆委員 今後とも国や都との協議、そして事業の継続を進められるような、そういう補助の申請といいますか、そういうものをきちんととっていただきたいと思います。
防災まちづくりは、そこに住んでいる住民合意を前提にして進まなければなりません。住民参加のまちづくりを支援していくためにも、この整備計画の進捗状況など、今後も区民の皆さん方に知らせていくことが大事ではないかと思っております。また、区の支援は、そのためにどのような努力をされるのか、その点について伺います。
○岩井地区整備担当課長 防災まちづくりの進捗状況について、区民の皆様にお知らせすることは非常に重要なことであろうと思っております。このたび南台一、二丁目、南台四丁目、また平和の森周辺地区の皆さん方に対しましては、まちづくりニュースを発行いたしまして戸別配布をしたところでございます。その中で具体的なまちづくりの進捗状況などをお知らせしたところでございます。今後とも機会をとらえまして、まちづくり事業の情報につきまして区民の皆様にお知らせをしていきたいと考えております。
○昆委員 よろしくお願いいたします。
次に、防災活動困難地域の防火水槽について伺います。
この地域は防火活動困難地域です。消防活動ができる道路整備や不燃化建てかえ事業も重要です。しかし、先ほどから述べているように、ハードのまちづくりは長期的な取り組みになります。木造住宅密集地域整備計画では、建物の不燃化や道路整備とポケットパークや街角防災水槽の設置など、きめ細かな取り組みが示されていました。防火水槽は5カ所ぐらいつくると言われておりました。しかし、この地域では、こういう防災・防火水槽の設置はいまだに実現しておりません。それはなぜでしょうか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 防災生活圏促進事業を導入した当初は、道路の新設であるとか拡幅整備に伴いまして残地などが発生した場合に、その場所の活動なども考えまして、このような計画をしたところでございます。また、調査によりますと、その地域の防火水槽の設置の必要性というものも考えられたところでございますが、中野消防署側で消防水利の増設なども図られてまいりまして、現在、管内の消防水利はおおむね充足しているということでございます。そのようなことも踏まえまして、これまで設置をしてこなかったということでございます。
○昆委員 当時、住民の皆さん方に、このまちづくりの説明をしたときに、パンフレットがあるんですけれども、こういうパンフレットです、その当時の防災まちづくりというパンフレットなんですが、この事業を進めるときに、住民の皆さん方に説明するときに使われたパンフレットなんです。ここの中には、先ほど申しました防災水槽等の設置ということで、非常にきめ細かな消火困難地域としてのまちづくりを進めると書かれております。それで、そのときには、雨水を5トン程度、地下のタンクにためて、手押しポンプでくみ出して災害時の初期消火用水として利用するとか、それから防災まちづくりのシンボルとして、地域のコミュニティの形成に役立てるということを言われていたんです。私も当時、墨田の防災まちづくりを勉強させていただきました。その内容も議会で質問させていただいておりますけれども、ああいう木造住宅の密集地域、消防車が入らないような消防活動困難地域というのは、身近なところに、初期消火等に使われる水の用意というのが非常に今、重要ではないかと思っております。それで、新設場所は、先ほどの答弁にありましたように、道路整備の拡幅に伴う残地だとか、共同化によるオープンスペース、民地の一部の取得などということで言われておりました。今、区が言われておりますように、この地域では、新設道路の設置に伴って設置可能な場所というのも出てきているのではないかと、私は現場を見て、いつもそのように思っております。そういうことの検討は、区はされているのでしょうか、伺います。
○岩井地区整備担当課長 まちづくり事業を進めている中で、残地というものも発生しているわけでございますが、その残地については、例えばほかの方の代替地という形で想定しているところが多々ございます。まちづくり事業を進める中では、そのような代替地も大変重要なことになるわけでございまして、そういうことも意識しながら、これからまちづくり事業を進めていきたいと考えております。
○昆委員 私はこのように防災水槽というものに非常にこだわって何度も質問をさせていただいているんですけれども、12月の中央防災会議の中間のまとめが報告され、東京西部直下地震の被害想定は、中野など木造住宅密集地域は、火災による焼失面積の拡大など、これまでの東京都の想定をはるかに超える20倍の1万棟、焼失面積はおよそ2.5倍の5万棟とも言われております。中野区では、大和町や南台の木造住宅密集地域が名指しで言われております。防火水槽は、南中野地域の都市計画マスタープランの地域協議の中で、雨水を利用して、天水槽等を活用した防災用水など、日常生活に取り入れることを考えていくことを区に提案しております。身近なところに防火水槽や天水槽の設置が必要ではないかと私は思っております。これはぜひ区としても今後検討していただきたいと思いますが、区の考えを伺います。
○岩井地区整備担当課長 まちづくり事業のこれからの進め方も含めてでございますけれども、先ほども御答弁させていただきましたが、消防水利の設置につきましては、おおむね管内では充足しているということでございます。その一方で、東大附属を含めます南台一、二丁目、特にその地域につきましては、狭隘道路であるとか、狭小な敷地が多いという状況でございます。そういう中で防災性の向上を図るという上では、まず道路整備、拡幅、新設道路の整備であるとか、建物の不燃化、共同化、これを第一義的に進めていきたいと考えております。
○昆委員 先ほども申し上げましたけれども、建てかえだとか道路の整備というのはとても重要なことです。そこがなされなければ、震災、災害のときに大変な状況になるということは重々承知しております。だから区も力を入れて整備を取り組んできたと思います。しかし、今、直下型の震災等の想定が出されていて、現状の中で、その道路がいつ完成するのか、木造住宅密集地域の建てかえが思うような形で完成するのかというときに、現状では、やはり防火水槽等のきめ細かなものも検討していくということが重要だと思っておりますので、ぜひ検討の方向で進めていただきたいと思っております。
次に、震災・防災対策について、家屋の倒壊防止対策について伺います。
区は、今年度から木造住宅等の耐震性確保に係る総合支援事業の実施をしています。まず現在の実施実績について伺います。
○佐藤建築・住宅担当参事 実施実績でございますが、2月末現在で御報告いたします。耐震診断の相談予約件数が332件ございました。この後、簡易耐震診断を実施しておりまして、その件数が254件でございます。この結果を受けまして、耐震診断士を派遣しておりまして、有料の方を含めまして85件ございました。現在、耐震診断の結果報告を受けておりまして、66件のうち耐震の補強工事を実施した件数が11件、工事に向けまして見積等、業者と打ち合わせ中が35件ございます。家具転倒防止器具取付工事申し込み件数は45件でありまして、このうち30件が実施済みでございます。
○昆委員 この問題は、これまで何人かの質疑の中でも出されております。それで、これまで区の無料耐震診断の対象となる木造住宅の推計なんですけれども、区の方では約2万7,000から3万棟と言われておりました。例えば1年間で700棟の建てかえをされる、そういう場合と建てかえ不能の建物、これが4,000棟、建てかえが700棟と区の答弁の中で出されておりましたけれども、これを引きますと今でも耐震補強を要する建物というのは、2万7,000棟と見たときでも約1万6,000棟ですね、この数が残るのではないかと思っております。
それで伺います。新年度は無料耐震診断の予算は何件分計上されているのでしょうか。
○佐藤建築・住宅担当参事 17年度予算では90件分を確保しております。
○昆委員 今年度の耐震診断は、4月から実施したところ、先着の50件はもうすぐに申し込みでいっぱいになってしまった。さらに20件追加をしたということです。今伺いましたら、さらにその後も申し込みが来ているということです。そうしますと、新年度の予算で90件を計上したということですけれども、震災に対する区民の関心も高まっている中で、90件の分の予算計上というのは少ないのではないかと私は思います。予算額を倍以上にして、区民の要望に今こたえるべきではないかと思いますが、区の考えを伺います。
○佐藤建築・住宅担当参事 今、委員からお話しありましたように、当初は50件ということで開始いたしました。その後、申し込みがふえてまいりまして、途中で20件追加いたしました。現段階では、有料も含めまして85件という実績でございますので、こういった今年度の実績を踏まえて予算要求をしているというところでございます。今後、17年度、申し込みを4月から受け付けますけれども、そういった申し込み状況に応じまして、今年度と同じように予算の範囲内で対応したいと思います。1件当たりの診断費用も、9万3,000円から19万6,000円と幅がございまして、それは、図面をお持ちの方、対象となる木造住宅の延べ床面積によって費用が違ってまいりますので、そういった状況があります。ですから、予算の範囲内でその辺の調整をしながら対応してまいりたいと思っております。
○昆委員 予算の範囲内というお話なんですけれども、今、やはり中越地震等の災害、それから中央防災会議の中間のまとめというものが示されて、非常に耐震についての区民の心配というのが大きくなっております。そういう中で、区民の皆さん方の命を守るということからいえば、予算計上というのは、もう少し幅を大きくして検討すべきと私は思っておりますので、その点について検討をしていただきたいと思います。
次に、耐震改修・補強工事について伺います。
これにつきましては、23区の例で御紹介をさせていただきます。23区の中で、台東区が65歳以上の高齢者、障害者の方の住宅に耐震予備調査の助成を5万円、それから本調査の診断費用は3万円を限度として助成しています。さらに、補強工事の助成は、補強工事費の2分の1、かつ5万円を限度として助成しています。どちらも助成金は、申請者が施工した事業者に払った後に助成をするという内容になっております。また、隣の杉並は、新年度の予算に耐震診断助成を1,000件分の3,500万円を計上し、また補強工事は500万円を計上したと聞いております。こういうことを聞きますと、中野区の今の取り組みの状況が、予算計上の内容がどうなんだろうかと思っております。耐震補強は、お金をかければ、それだけ安全性は高いと言われます。しかし、わずかなお金でも、それなりの補強ができる、家が壊れても、一気につぶれるのではなくて、避難するゆとりができる、命だけは助かるという補強工事が現実ではないかと思っております。地震に弱い家とは、揺れやすいとか、柱が細いとか、柱と梁の接合が不十分だとか、壁が少ないだとか、家の屋根の重さがあって、それが原因だとか、いろいろなことが言われております。したがって、柱や梁、壁の補強、瓦屋根をスレートにかえるだけで軽くなるとすれば、それは非常に大きな効果が出ると思うんですが、しかしこれらを全部やろうとすれば、大変なお金がかかりますが、例えば1万数千円の構造用合板を何枚か力のかかる壁に張り付けるだけでも、強度は大きく改善されると言われております。細い柱の周りを板囲いにする、柱と梁をL字金具や短冊金物で補強するといった方法もあります。既に民間の日本木造住宅診断補強事業者協同組合は、十分な耐震性の持つ安い方法を考案していると言われております。このような簡易な方法であれば、わずかな費用で屋根の倒壊から命を守る大きな効果が出るのではないでしょうか。区は、この際、耐震補強工事の助成制度を創設して、この方法などを検討し、取り入れたらどうかと思います。区の見解を伺います。
○佐藤建築・住宅担当参事 委員御指摘のように、耐震診断の結果を受けまして、補強工事を実施するということが耐震性を確保する意味で重要でございます。新耐震基準であります総合評点1以上に補強できることが一番望ましいわけでございますが、なかなか費用面でそこまでいけないという相談者の方もおられます。現在、耐震診断士が総合評点1以上とする補強の箇所を図面化して診断した後、示しております。区としましては、その図面等を使いまして、今御指摘があったような寝室とか居間などの部分的な補強も可能ということで提案し、相談に応じているところでございます。しかしながら、耐震補強工事など、みずからの財産と命を守る対策につきましては、基本的にはみずからの責任で対策をとっていただきたいと考えておりまして、公的に資金の助成を行うことは難しいと考えているところでございます。今、いろいろと事例がございましたように、費用の安い耐震補強の実施例等も今、まとめているところでございまして、こういった事例、施工例などを紹介するということで、相談内容の充実に努めていきたいという考えでございます。
○昆委員 先日、新聞報道に耐震補強等の対策をとるということが非常に重要だという記事が載っておりました。例えば、直下型等の震災が起きたときの経済効果を損ねるような、そういうものだとか、それから被害による損害といいますか、そういう額だとか、そういうものをたしか国の方の予算でいえば112兆円と新聞報道されたかと思います。それは国家予算の1.4倍もの被害を考えれば、公費をかけても耐震性を進める価値があるという、そういう朝日新聞の記事を見ました。
今、国や自治体は、震災等の被害が起きてからの支援に公費をかけるのか、それとも被害を最小限にするために公費をかけるのか、それを真剣に検討する時期ではないかと思っております。ぜひその点もしっかりと踏まえて、中野区は中野区らしく耐震診断、または補強工事等の予算の計上を見直していく、そういうことをぜひやっていただきたいということを、ここのところでは区の方に要求したいと思います。
次に、その他の項ですけれども、区の救援活動体制について伺います。
実は、これは朝日新聞の記事に大分前に載ったんですけれども、「中越の教訓 予算化」ということで豊島区の例を紹介している記事がございました。豊島区は昨年10月23日の中越地震の直後、飲料水だとか、アルファ米だとか、クラッカー、毛布などの物資をトラックに積んで、堀之内町というところに運んだ。そのときに、区の職員もその地域で活動してきた、その教訓から、区として救援体制を見直すという記事が載っておりました。一つには、今、中野区では震災等のときの協力協定を結んでいる自治体というのは、福島県の常葉町だけだと思っております。それは防災計画にも載っておりますから、一自治体だけですね。しかし、豊島区では、中越地震後、自治体間のネットワークをもう少し広げるということで、山形県とか、岩手県とか、岐阜県とか、群馬県とか、全国の10自治体と協定を締結しているけれども、それはいずれも2者間の協定となっている。それで、中越地震の反省点の一つ、2者間協定ではなく、締結自治体がネットワークした協定であれば、もっと災害支援ができたはず、締結自治体も複数の自治体と協定を締結しているため、大震災時に全国多くの自治体から災害支援を期待できると言われているんです。ですから、私はここで何を言いたいかといいますと、現在、中野区では、福島県の常葉町だけの締結になっておりますけれども、この際、協力提供する自治体をもう少し広げて、それでネットワーク化をして、そういう協力体制をつくっていく、そのことを検討すべきではないかと思っておりますが、その点については、どのように検討しているでしょうか。
○納谷防災担当課長 自治体間の災害時の支援協力につきましては、やはり救援、救護、あるいは日ごろから安心を持っていただくという意味で大変重要だと思っております。お話にありましたように、確かに中野区は現在、常葉町の一自治体との協定でございます。実は先日、昨年の新潟県の救援に向かいました小国町の町長が区長のところに救援の御礼に来たところでございます。その際に、小国町の町長と救援の話も出ておりました。このように小国町と友好関係、あるいは御縁のあるような自治体でなくては協力は生きないと思います。日ごろの自治体間のつながりの中で協定も生きてくると思いますので、友好関係のある自治体を中心に、協定の推進については積極的に取り組んでいきたい、またネットワークについては検討していきたい、このように考えております。
○昆委員 もう1点伺います。これは区の職員の救援体制といいますか、他の自治体に救援活動で行くときに、豊島区でも、例えばテントがなかったとか、そういうものを装備していなかったと言われているんです。しかし、被災地に行きますと、自分たちのことは自分たちの手で、寝る場所だとか、そういうものをつくらなければいけないということで、区の備蓄の中にテント等がなかったということも含めて、これからそういうものをきちんとそろえていきたいと豊島区などは言っておりますけれども、それについては、区は今どのような検討をされているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 他の自治体の救援体制につきましても、私どもの普段からの防災対策組織を持っております。この防災対策組織の中で救援体制を組むこととしております。確かにテント等の装備は用意しておりませんが、日々救援に向けての体制づくりについては、きちんと整備をしているつもりでございます。
○昆委員 今後もそういう支援活動に行かれる職員の皆さん方のことを考えて、足りない装備等は補充していく、また新たにそろえていく、そういうこともぜひやっていただきたいと思います。以上でこの項は終わります。
次に、介護サービスと基盤整備について伺います。
今、特別養護老人ホームの全国の待機者は、厚生労働省の調査によれば34万人と言われております。中野区の新年度予算で見ますと、特別養護老人ホームの待機者の数は1,200人となっております。昨年6月の待機者は約1,000人ということでしたが、増加している理由はどういうことなのでしょうか、伺います。
○冨永高齢福祉担当課長 特別養護老人ホームの増加要因でございますけれども、数年前に入所基準を見直しまして、今までは介護度1以上介護度5までの方々を入所基準の対象としていたわけですけれども、より緊急性があって必要性があるという方々を優先して入所決定しようという考え方に立ってございます。そういった中では、経済的な格安感というふうな理由等から、とりあえず予約的な申請をしようという数の中にも含まれてございまして、そういった意味では、真に必要な数の実態というのは、もう少し分析する必要があると思ってございます。
○昆委員 2月25日付の朝日新聞に「特養待機者ふえる中で」という見出しがついていまして、副見出しが「ひとり暮らし要介護5でも待機 母をいつか殴りそうだ」という記事が載っておりました。この記事を見ますと、27都道府県、13政令指定都市、東京23区を対象に朝日新聞社が電話調査した結果だと載っております。東京では10区で待機者が増加、1区で横ばい、3区がベッド数をふやしたけれども、待機者減には結び付かなかったとあります。中野区では、この記事によれば、1,273人、前年度より197人待機者がふえている。要介護の待機者は140人、そして、要介護の待機者について、ふえたのか、減ったのか、不明となっております。区は特別養護老人ホームの整備について、06年に江古田の森整備計画で100床、07年度には新規に社会福祉法人の誘致をして100床ふやし、730ベッドに整備するとこれまで言ってきました。江古田の森整備計画は実現に向けて進んでおります。しかし、07年に予定している新規の特別養護老人ホームの増設、これは今どのように検討されているんでしょうか、伺います。
○冨永高齢福祉担当課長 江古田の森は具体的な建設に向かって着々と建設が進んでいるということでございますけれども、残り100床につきましては、社会福祉法人が事業主体になるということでございますけれども、社会福祉法人の事業参入について、現在のところ見通しは立ってございません。
○昆委員 この記事の中には、待機をされている家族の方たちの思いが幾つか掲載されております。この福祉部門で働いている男性団体職員の方の例を見ますと、この男性は、福祉部門で働いておりますので、介護にはなれている。だが、母は失禁後の着がえを嫌がり謝意も示してくれない。かっとなり母を押さえる手がわなわな震える、いつか殴ってしまいそうだ。昨秋、特養ホームに申し込んだが、待機中だ。それからまた、別な例ですと、福島県のリンゴ農家の女性、56歳、夫は61歳、夫61歳の母親で90歳の方の介護をしている方です。義母は認知症で要介護3だった。部屋で排泄、窓の錠を壊して外出する、息子の顔は忘れて、嫁は忘れず、昔と同じ言葉で叱る。近所の特養ホームの待機者が100人を切ったと聞き、02年夏、申し込んだ。しかし、それもまだまだ入れないという状況です。こういう事例というのは、私の身の回りにもたくさんおります。それは本当に事情を知るものでなければ、家族の心の傷みといいますか、介護する側、介護される側、その方の気持ちは本当にわかりません。私が知っている方は、例えば息子さんとお母さんの二人暮らしで、お母さんはもう90歳です。息子さんももう60近い方、もともと親子二人で生活している方ですけれども、息子さんは車の運転の仕事をして、夜も夜勤の仕事があります。そういう中で90歳のお母さんは、本当に息子さんのいない間にどうなるんだろうかという状況なんですけれども、それでも介護認定は低くて、なかなかいろいろなところのサービスを利用する、そういうこともままならない。それでお母さん自身は、息子にこれ以上、心配をかけたくないから特別養護をと言われますけれども、もちろん介護度が低いということで対象になりません。しかし、いずれはそういう方も特別養護老人ホームの入所しかないという状況です。そういう方たちが今、中野の中にはたくさんいらっしゃるのではないですか。そういう人たちの実態を区はどのようにつかんでいらっしゃるのか、その辺についてお聞かせください。
○冨永高齢福祉担当課長 ただいま委員から御指摘がありました現実の把握につきましては、さまざまな、ケアマネジャー等々から私ども行政も状況を収集して把握していると思っています。特別養護老人ホームは、従来の大規模入所施設ということで今まで中野区もつくってまいりましたけれども、今、90歳の親子の御家庭の御紹介もございました。そういった意味では、これからは、日中の通いだとか、一時宿泊施設だとか、夜間緊急時の訪問サービス、居宅系のそういった施設、そういったものについてのいわゆる小規模多機能みたいな拠点整備をする必要があると認識してございます。
○昆委員 国も自治体も今、特別養護老人ホーム等の増設ということでいいますと、基盤整備を進めると保険料が高くなる、そういうことで基盤整備がなかなか実現の方向に向かっておりません。国や東京都の整備や運営のための補助削減が基盤整備をおくらせているのではないでしょうか。その点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○冨永高齢福祉担当課長 結果として、今回、介護保険制度の大幅な見直し、5年たったら見直しをするという附帯意見に基づきまして見直し作業をしている、法案が出たところでございますけれども、今までのままの介護保険制度であったならば、制度の維持が難しく、持続できる介護保険制度という大きな視点で今、制度の改革案が出てございます。そういった意味では、結果として新予防給付を創設するなり、そういったことによりまして健康寿命を長くする、結果、介護保険給付が抑えられ、保険料にも、値上げ、値上げという傾向ではなくて、一定の圧縮ができるということでございまして、介護保険の負担、介護保険料を抑えるために入所施設を見直すということではないかと思っております。
○昆委員 新予防給付のことは、きょうはここでは述べません。そこにもいろいろな問題がございます。入所から在宅へという国の方針が示されて、それで在宅、在宅というふうになりまして、新介護予防制度というのも事業として進めると言われておりますが、ただ、私は、この場で言いたいのは、特別養護老人ホームは、それはそれなりに必要なんです。それは確実に高齢化社会ということを言いますけれども、そのときに必要な方、入りたくなくても、しかし今の実際の生活を見たときに、家族に対して、これ以上、迷惑はかけられないとか、それからそこしかないとか、そういう思いの方がいっぱいいるわけですから、そういう点からいいますと、例えば国の参酌基準、整備率目安ということですけれども、これは、国は高齢者人口に対して1.50%、東京都も整備目標をそれに合わせて、07年の整備目標を1.51%にしております。この指標を超えますと、待機者がどんなにいても、国や東京都は整備のための補助金を支出しない、区は国の参酌基準について変えていく、また変えなければならない、またこのあり方がおかしい、そういうふうには思いませんでしょうか、伺います。
○冨永高齢福祉担当課長 第2期介護保険事業計画の策定の中では、確かに1.50という参酌標準が国から示されているところであります。しかし、これから特別養護老人ホーム1.50の整備率の目標を達成すれば、それで待機者が解決するということではないだろうと思っておりますけれども、今後の整備の目標、目指すべきところにつきましては、入所施設と自立支援、在宅支援という中で、その辺は福祉と介護の基盤整備の目指すべき方向、考え方を明らかにしているところでございます。先ほど言いましたように、今後は点から面へという整備計画をつくるべきだと考えております。
したがって、生活圏域の単位で、中野区で幾つかのエリアを組んで、その中で地方自治体が柔軟な対応をできるということで、生活圏域を一つの単位として整備目標をつくり、そしてその中でどういう施設をつくっていくのかということでございます。例えば、小規模特養を面積整備の中の一つの重要な施設にする、小規模多機能の拠点サービスをする、グループホームも、その中の施設の一つのネットワークとしての施設にするということでございますので、そういった意味では、地方自治体、中野区が今後、点から面へという整備方針を、介護保険事業計画の中で、介護保険運営協議会の議論を経ながらまとめていきたいと考えてございます。
○昆委員 確かに、この後、質問いたしますけれども、小規模多機能施設、そういうものも必要です。しかし、特別養護老人ホーム等の基盤整備というのは、やはり区として掲げている目標にしっかりと実現できるような、そういう形で努力していく、その検討をしていただきたいということを、ここでは申し上げたいと思います。
時間がどんどん進みますので、次に進みます。
次に、小規模多機能施設について伺います。
今、御答弁でも出されておりますが、厚生労働省は06年度に在宅支援として臨時宿泊できる小規模多機能型居宅介護ということで、随時利用できる夜間対応型訪問介護の創設をすると示しております。区は昨年6月、議会で南中野に特別養護老人ホームの検討を求めたところ、小規模多機能施設の検討をするとの答弁がされております。今、国が示している施設というのは、区が検討している小規模多機能施設と合致するのでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 具体的に設備の基準だとか、人的配置、設立に当たっての支援、運営についての基本方針等は、まだ示されていない、現時点では。国の考えている小規模多機能の役割、機能、このことについて、中野区としても、そのような機能、目的が必要であると考えております。
○昆委員 実は、私、2月3日、大雪の中、新潟の長岡のサポートセンターナガタという小規模多機能センターを岩永議員と一緒に視察してまいりました。運営は社会福祉法人長岡福祉協会というところで、震災後に長岡の駅の近くに仮設住宅の介護サービスセンターを開設している法人です。このサポートセンターなんですけれども、365日、24時間体制です。通所介護、居宅介護、訪問介護、在宅介護サービスセンター、配食サービスなどを行っていました。また、一時保護の機能も持たせていました。ここには8室の居住住宅が敷地の中にあって、このサポートセンターのサービスを利用して暮らしていました。居宅住宅の中で在宅介護の拠点としての機能を果たしているサポートセンターだと見てまいりました。高齢になっても、地域で暮らせる拠点をつくることは、在宅介護を支える重要な考えです。区も検討をされていると思いますが、今どのような進捗状況にあるのか伺います。
○冨永高齢福祉担当課長 現在の関係課長、実務者レベルで合同の内部の検討会、いわゆるPTを発足させて、今後、生活圏域というものの設定、その中で整備量、種類だとか整備目標を決めるということがございまして、そのことについて、国は直接地方自治体に交付金という形で出てくるということなので、そういった意味では、その整備量を設けますと、整備量を超えるものについては規制もできるという仕組みになってございます。まだまだ不明な点がたくさんあるわけですけれども、検討を始めたというところでございます。
○昆委員 特別養護老人ホームの整備は計画どおりに進めること、そして在宅生活を支えるサポートセンター、小規模多機能施設の実現に向けて、区の一層の努力を求めて、この項を終わります。
次に、交通バリアフリー整備について伺います。
これも03年の第3回定例会で質問をさせていただきました。歩道の安全整備ということで、放置自転車対策などを取り上げさせていただきました。このときは新中野駅の放置自転車について取り上げましたけれども、今、新中野駅の放置自転車の台数はどのぐらいになっているのか、伺います。
○上村交通安全対策担当課長 平成16年10月下旬の平日の台数で576台と認識してございます。
○昆委員 576台、これも中野区内ではまだまだ1番、悪い意味で1番ということです、非常に多くの放置自転車が解決されていないという駅でございます。これまでも区は、鉄道事業者との協議を進めると言ってまいりましたけれども、今、協議はどのように進められておりますか。
○上村交通安全対策担当課長 東京地下鉄株式会社につきましては、中野区自転車等駐車対策協議会のメンバーでございまして、平成9年の総合計画の策定、また平成14年の答申の策定の過程でも申し入れ、みずから駐車場を設置していただきたい、鉄道事業者の責務として行っていただきたいという話はしてきてございます。ただ、現行自転車法においても、自治体の求めがあった場合には、その提供に応じるという努力義務になってございまして、そういう経過から、結果的には、中野富士見町駅につきましては、東京地下鉄の所有する用地の一部を提供いただき、駐車場開設できたわけですけれども、新中野駅につきましては、あの付近の地上部分に東京地下鉄の所有する土地がないとの理由から、現実のところこたえられていないということでございます。引き続き鉄道事業者に対しましては、みずから駐輪場の設置について努めるべきであることを協力に要請してまいりたいと考えております。
○昆委員 新中野駅は、バリアフリーに基づいてエレベーターの設置が完成しようとしております。あの駅を利用する高齢者とか障害者の方たちが非常に便利になります。しかし、駅のそばの歩道があのように放置自転車でいっぱいだということであれば、それは歩行者の安全を守るということには決して成り得ない状況です。事業者には努力義務と言われておりますけれども、区はこれまで国の法改正を求めるだとか、鉄道事業者の協力を求めるだとか、さまざまな御答弁をされておりますけれども、しかしあの駅の現状を解決するためには、もう少し区として、事業者なり国の法律改正に向けた取り組みだとか、そういうものをきちんとやらなければ、バリアフリー法に基づく歩行者の安全等を守るということにはならないと思いますので、これもぜひ取り組むように強く求めておきます。
それから次に、バリアフリー実態調査に基づいて、新年度予算に歩道のバリアフリー整備事業の経費が計上されております。この事業の内容はどういうものなのでしょうか、伺います。
○尾﨑土木担当課長 平成17年度予算に交通バリアフリー整備予算として計上している内容でございますけれども、重点整備地区となる新中野駅周辺の青梅街道、鍋屋横町交差点から十貫坂上交差点までの鍋横商店街の区道につきまして、歩道の段差解消、視聴覚障害者用の誘導ブロック設置、そういったことをするための整備経費でございます。
○昆委員 私も歩道の安全ということで区に求めてまいりましたので、歩道の整備等をされるということは、それは本当にうれしく思っております。しかし、御承知のように、あの地域の歩道というのは、2メートル未満ですね。車いすがすれ違えない、そういう歩道になっております。段差もあります。そこの整備ということなんですが、現実に歩道の整備をされても、例えば商店の品物だとか、看板だとか、いろいろな障害物がそのまま現状と同じような形で置かれていくということがあったならば、それはバリアフリーの整備をしても、歩行者の安全を確保する町にはならないと思うんです。ですから、その対策、その努力というのは、区はどういうふうに考えておられるのか、伺います。
○尾﨑土木担当課長 おっしゃるとおり、バリアフリーの整備をしても、歩道上に看板や商品台、あるいは放置自転車等がございますと、高齢者の方や障害者の方だけでなく、一般の方にも安全でスムーズな交通の妨げになると考えております。そこで、私どもは日常的にパトロールを実施しておりますが、それ以外でも、これは地域での取り組みでございますが、幾つかの商店街、あるいは地域の皆さんと共同して、そのような違反広告物や放置自転車の撤去を行っているところでございます。新中野地区においても、通行しやすい環境が維持できるように、地元の方の協力を得ながら対応してまいりたいと思っております。
○昆委員 ぜひ区の努力と区民の協力体制を求められるような取り組みをしていただきたいと思います。
時間がございませんので、次に移ります。
交差点の障害者誘導ブロックについては、この際、割愛をさせていただきまして、バス停の上屋、屋根とベンチの設置について1点伺います。
これは昨日の質疑等でも出されておりましたけれども、南中野の方は京王バスの路線です。住民の方から歩道の上に設置される上屋、屋根、これを付けてもらいたいところが何カ所もありまして、調査もいたしました。高齢者の方や障害者の方が、屋根のあるバス停、それからベンチのあるバス停をと望んでおります。事業者は、歩道の幅が3メートル以上なければならないとか、計画が全域なのでなかなかとりかかれないとか、いろいろなことを言っておりますけれども、私は、バリアフリー整備という観点からいいましても、こういう事業者等に対して、区民の要望にこたえられるような努力をしていただくということを、ぜひ区の方からも伝えて協議をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 昨日もバス停の上屋のお話が出ましたけれども、もう一度、上屋についてお話ししたいと思います。設置については、バス事業者からの申請に基づきまして道路管理者が許可するものでございます。許可基準は、東京都、中野区も同じでございまして、設置する歩道の幅員が原則3メートル以上あることが条件でございますけれども、それ以外に、例えば福祉施設、あるいは病院などの付近のバス停につきましては、交通上、支障がないという場合は2.5メートル以上でも設置できるという内容になっております。バス事業者も、最近では、設置コストといったものがございまして、上屋を設置していないようでございますけれども、歩道の許可基準といったものがあり、また利用者、地域からの要請があれば、区としても区民の要望をバス事業者に伝えていきたいと考えているところでございます。
○昆委員 ぜひ努力をしていただきたいと思います。この項は終わります。
次に、学校施設維持・補修について伺います。時間もありませんので、まとめてお聞きいたします。新年度の維持・補修費は、保護者や学校関係者の要望が反映されて増額予算になっております。ただ、文教7の資料を見ますと、施設整備の未実行校の状況が示されておりまして、そこには、木床改修は小学校8校、中学校1校残っているという資料が示されております。この中に中学校は富士見中学校の木床改修が挙げられておりますが、これは既に何年も前に木床の改修をしてほしいという要望が関係者から出されていたところではありませんか。それがいまだに未改修になっているということは、一体どういうことなのかと思います。さらに、ほかの学校につきましても、PTA連合会等からの要望を見ますと、サッシの改修、屋上からの雨漏り、トイレの改修など、もうたくさんの要望が出されております。それで、文教2の資料を見ますと、施設整備検討委員会の年度別検討経過という資料がございますけれども、02年度は維持・補修の今後の課題について検討されていますが、その検討内容は、どのようなもので、その結果、どういう改善計画を示しているのか伺います。
○金野教育委員会事務局次長 学校施設の維持・補修につきましては、子どもの安全・衛生面に重点を置きまして、順次、傷みの程度、また必要性を判断しながら工事を実施しているところでございます。御質問の床の問題なども、まだ改修が必要で全部の学校はできていないわけでございますが、床の傷みの状況など実際に程度の判断をしながら順次実施しているところでございます。また、学校施設の改修の考え方、検討でございますが、施設整備の検討委員会では、現状やどういう課題があるかということを02年度に検討いたしましたが、具体的な改修計画、考え方を取りまとめるまでの検討には、そのときは至っておりません。現在、必要性、年次による順次の更新ということを行いながら進めているところでございます。
○昆委員 私は第七中学校の屋上からの雨漏りがするということで現場も見せていただきました。特に雪の日などは、校舎の中に水漏れがして、それがコンピュータ室に入らないかということで学校の先生がとても心配しておりました。そういう大規模改修ということにはなるんでしょうけれども、しかしコンピュータ室などに水が漏れた方が、よりその被害は大きいものがあるんではないでしょうか。それからまた特別教室等に対する冷暖房の取り付けなどというのも、現状からいきまして、とても大事なことになっております。昨年の夏は猛暑でしたけれども、理科の特別教室が40度以上にもなって、子どもたちの理科の授業ができなかったということも聞きました。それは1校だけではないと思います。そういう現状を見たときに、出されている要望をいつの時点までに、どれだけ整備していくのか、そういう計画を示していくということがとても大事になっているのではないかと思いますけれども、今後の維持・補修計画は今どのような検討と計画をされているのか、手短にお答えいただけますでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 雨漏りなどについては、雨漏りが実際に起こった、また起こりそうなところについては、随時、緊急の対応をしてやっているほか、全体的な屋上の改修など、順次、必要な学校から何校かずつやっているということでございます。また、特別教室の冷房化ですが、これは学校からも要望が出ているところでございますけれども、普通教室のように使用頻度が少ないということもございまして、現状さまざまな条件から考えますと設置に踏み切ることは難しいと思っております。これからの維持・補修につきまして、一定の設備ごとの更新年数の考え方を持っておりまして、また実際の傷みの現状などを判断しながら進めています。今後も適切に進めていきたい、またその中で計画的に取り組むものについても検討していきたいと考えております。
○昆委員 子どもたちの学校施設、非常にたくさんの補修、修繕等の箇所が出ていて、なかなか大変なことだと思いますけれども、しかし中野区は学校再編等の計画を示していますが、区民からは、そういう計画を示しながら、学校施設がどういうふうに改善されるのか、教育内容がどう変わるのか、よくなるのか、そこのところが全く見えないという声も聞かれます。ぜひ学校施設整備については、しっかりと今後取り組んでいただきたいということを申し上げて、この項を終わります。
最後になります。住区協議会について伺います。
区長は、今回の所信表明で次のように述べております。「住区協議会は、地域の多様な団体や個人など幅広い地域の住民が地域の共通の課題について自由に話し合う協議の場として多くの成果を挙げてきました。しかし、20年余の経過の中で、メンバーの固定化や認知度の悩みといったこともあり、結果としてだれもが認め、有効に機能する地域全体の合意の場とは成り得なかったという現実を私は直視すべきであろうと考えます。地域の全体の合意を確定していく手続や制度の裏付けを持たなかったこともその一因でありましょう」と言っておりますが、区長は成果と問題点を勝手に判断なさっているのではないかと思います。議会でも、地域センターの廃止という考え方が示され、地域センターと住区協議会構想について、議会からも厳しい意見が出されているではありませんか。区もそのことを認めていましたけれども、このような一方的な判断はどのような経過でなされているのか、伺います。
○本橋区民生活部長 住区協議会は、各地域での活動がそれぞれ異なりますけれども、20年余にわたりまして、地域の課題について、さまざまな地域の団体、グループの方々が同じテーブルで課題について検討してきたということについての評価を区長はしているところでございます。ただ、区として見ますと、それぞれの地域ごとの差はありますけれども、総体として見たときに、区が事務局として対応してきたということから、微妙に区の意見が住区の活動等に影響してきたということは否めないところがあります。そういう意味におきまして、住区協議会への区のかかわり方を見直そうと考えたものでございます。そのことを今回の所信表明により改めて明らかにしたものでございます。
○昆委員 時間がありませんので、なかなかこちらの思いをこの場で十分に語ることはできませんけれども、所信表明の続きで、区長はこのようにも述べられております。「区は住区協議会をあたかも唯一の地域合意形成の場として位置付け、さまざまな区政課題を住区協議会に投げかけ、そこでの話し合いの結果を地域全体の合意として取り扱ってきた実態があったことは否めません。区が事務局として関与してきた結果、区の意思が微妙に影響するなど、本来の住民参加のあり方を損ねてきたことも反省すべき点です」と言われておりますが、確かに区は、住区協議会を住民参加や地域の合意を得たという手段や隠れみのに使ってきたという実態があるのではないでしょうか。しかし、それは住区協議会の問題ではなく、区自身が反省し、改善していくべき問題だったはずです。後段で事務局が関与してきたことが問題であったかのように言っても、もともと住区協議会は地域センターと一体の構想としてつくられたものであって、センター職員が協力するのは当たり前のことではありませんでしたか。センター職員と住区協議会のメンバーが協力し合うことで地域の問題を協議し、よりよい方向での合意をつくることが求められていたのではないでしょうか。その点について伺います。手短にお願いします。
○本橋区民生活部長 住区協議会を地域の合意形成の場として、15の地域での合意をもって区民の方々の合意という構成をしてきたというところについての反省がございます。これからの取り組みといたしましては、さらに住民自治をしっかりと進めていくためには、参加の仕組みとして、今議会でも提案を予定しておりますけれども、自治基本条例のように、さまざまな段階で区政への意見が取り入れられるようにして、もちろん地域の意見も含め、またさまざまな方々が意見を寄せられる、それらが区政に反映させられるような仕組みをしていくということを目指しながら、住民自治の推進を図っていきたいと考えているものでございます。
○昆委員 田中区長が当選された、その年の決算特別委員会で、当時、我が党の議員であった小沢哲雄委員の質問に対して、区長は次のように答弁をされております。「地域センター・住区協議会構想というのは、参加の仕組みとして地域住民に根付いておりまして、今後とも推進していくべきものと考えております。住区協議会は、参加の区政の中で一つの機軸として今後とも側面的な支援を行っていきたい」と述べております。それから住区協議会を語るときに、92年に地域センター部で発行しております「地域協議会の発展を目指して」という冊子ですけれども、22ページの終わりのところでは、「完成された住民自治というものはどこにもない。地・住構想は住民の区政への参加を日常的に保障しようという制度であり、住民自治をより一層、実らせるものにしようという息の長い壮大な実践である。住区協議会が意義あるものとなるかどうかは、基本的に区と民のともに考え、協働していこうとするまちづくりの情熱にかかっていると思う。憂慮するのは、区みずからが住区協議会が生かそうとしないときであろう」と言われているんです。これまで区がとってきた姿勢と現時点で区がとっている姿勢は余りにも違い過ぎるではありませんか。そのことについてどのようにお考えなのか、お聞きいたします。
○本橋区民生活部長 さまざまな地域の方々が住区協議会で活動されてきたことは事実でありますが、一方で、この間の地域のいろいろな課題を見ますと、15の地域センターのエリアに限らず、例えば西武新宿線の問題であり、あるいは山手通りの問題であり、それぞれの地域にまたがった問題などもあります。地域ごとの課題、議案に応じた形でのさまざまな検討の場というものがあってしかるべきであろうと考えているところでございます。また、区といたしましても、区の職員が住区協議会の事務局という形でかかわってくるのではなくて、住民の方々の自主性を尊重した活動に発展していくということが望ましいだろう、そのために(仮称)区民活動センターの運営委員会というものを設けられればと思っておりますけれども、そういう中には、事務局機能も持ったスタッフを運営委員会の中で雇用できる、スタッフを確保できるような工夫をしていきたいと考えているところでございます。
○昆委員 確かに、住区協議会だけではなくて、さまざまな活動される自主的な住民の地域の課題を議論するということはされてまいりました。しかし、実際に住区協議会の活動状況を見ますと、それに勝るような、勝るという言い方はおかしいですけれども、もう本当に感心するような、いろいろな取り組みをやってきているではありませんか。環境問題、教育問題、福祉の問題、まちづくりの問題、身近な地域の暮らしの中から出されている、そういう問題を個別的に、小委員会などを持って、住区協議会が粘り強く、長年、そういう活動を地域に展開してきたということは、中野の中で非常に大きな宝だと思います。今、検討されている10か年計画は、地域センターの廃止が盛り込まれている。地域センター・住区協議会構想のこれまでの総括もなく、それぞれの住区協議会の意見を聞くこともなく、一方的に廃止しようとしているものではありませんか。区は、住区協議会が自主的に活動するなら、どうぞ、そういう姿勢が事実上、地域センターと一緒に廃止するものだと思います。結局、地域センターを廃止し、町会や自治会などの団体を中心に運営委員会をつくって、そこに管理を任せるという安上がりな方法をとろうとするために、住区協議会に対する区としてのけじめを一方的にするものではありませんか。区はこれまで自治基本条例で新たな住民参加の仕組みを示すと言ってきましたけれども、区民や議会が納得できるものは何ら示されていないではありませんか。これまで言ってきたことと今やろうとしていることは、余りにも違い過ぎるではありませんか。余りに無責任なやり方だと私は思います。そのことについてお答えください。
○本橋区民生活部長 今回の自治基本条例におきましては、政策形成、いろいろな計画づくりのあらゆる場面において、あらゆる段階において区民の方々が意見を述べられるような、またそういう仕組みを制度的に保障していくということで考えているところでございます。住区協議会につきましても、これまでの成果も生かしながら、また地域の方々が自主的に運営できるように、そしてそれを支える運営委員会の中にもそういうスタッフも置けるようにしてありますので、地域の方々の発想がもっと生かされるようにと思っているところでございます。
○昆委員 今、御答弁された地域の活動を支えるスタッフを位置付けると言われておりますけれども、それは全くこれまでの地域センター、または住区協議会の活動を支えていくという考え方とは違うと私は思います。それは、例えば地域センターを運営していく人たちにとって、それを協力していくといいますか、運営にかかわる職員を一人配置するという取り組みだけになってしまうのではないかと思いますけれども、これ以上、質問はいたしません。しかし、どちらにしても、20数年の住区協議会の発展を、さらに区はどういう形で発展させていくかという考えも示さないで、一方的に住区協議会を廃止するということが、区民からも、また議会の中でもいろいろな議論が出ておりますので、私は納得できないやり方だと思います。そのことを申し上げて、すべての質問を終わります。
○平島委員長 以上で昆まさ子委員の質疑を終了いたします。
次に、伊東しんじ委員、お願いいたします。
○伊東委員 TOKYO自民党中野区議団の立場で総括質疑をさせていただきます。初めての総括質疑で大変緊張いたしております。うまく質疑内容が皆様に伝わるか、そして遺漏はないか、心配しておりますけれども、至らぬ点がございましたらばご容赦いただきたいと、先にお断り申し上げておきます。
それでは、通告の順番に従いまして進めさせていただきます。
最初に、1番目、情報化推進について伺いたいと思います。
昨年来、報道をにぎわわせているところのソフトバンク、楽天、ライブドアといったような情報産業台頭が目覚ましいものです。そして今、時代は情報の多様化、目まぐるしい変化への対応、そして区民の各種申請、情報取得の利便性向上が求められています。また、職員の削減、情報資源の共有による効率的な区政運営が重要になってくると考え、そうした流れの中で、区は2001年から2003年、電子区役所実現への3カ年への取り組みを先行して取りまとめるといたしまして、電子区役所実現3カ年プログラムを策定したところでしたが、その内容、成果についてお伺いいたしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 電子区役所実現3カ年プログラム、これでございますけれども、導入しようとしているシステム、さらに基盤整備ということ、進捗状況がどうなっているかということでお答えいたします。
導入システムにつきましては、この表でいきますと電子申請がございます。これはことしの1月から稼働しております。その次に住基ネット、個人認証というのがあります。これも既に稼働済みです。マルチペイメント・システムの導入というのがございます。これにつきましては、準備を進めておりまして、18年度中には活用できるようにしたいと考えております。それから文書管理システムにつきましては、既に稼働済み、財務会計システムにつきましては、この4月から大どころのところが稼働して、残りが17年度中に終了するという予定になっております。庶務システムは既に稼働しております。電子決裁システムも稼働中でございます。総合行政ネットワーク、これはLG1というものですが、これも既に稼働しております。ホームページの拡充、これは現在も進めておりまして、年度内には終了する予定でございます。危機管理ネットワークシステムにつきましては、旧防災情報システム部分につきましては既に終了しております。それからあと総合GISというのがございますが、これは検討中でございますが、現在、検討が中断しております。あと基盤整備につきましては、円滑な外部接続、これは既に終了しております。プライバシーの保護、これもこの4月に改正条例が施行されるということで終了しております。それからデジタル・デバイドの対応、これにつきましては、区民開放用の端末、いわゆるインターネットのホームページにアクセスできる端末というのを配置しております。外注ルールの確立につきましては、契約部分までは終わっておりますが、それ以降の部分についてはまだ終わっておりません。区役所1の整備、これは終了しております。セキュリティポリシーの整備も終了しております。情報人材育成につきましては、3年目になるわけですけれども、計画的な育成というところについてはまだ手がついておりません。その次の地域インフラネットにつきましては既に完成しております。あと学校LANの整備という項目がございますが、これはまだ手がついておりません。もう1点、情報センターの整備というのも構想にありますが、これも手がついておりません。
○伊東委員 ありがとうございました。
ただいまの御答弁の中で、一つだけ具体的なことについてお伺いしたいと思います。
今の御紹介の中でありました総合行政ネットワーク・LG1についてですが、このシステム自体はどういうものでしょうか。17年度予算(案)に関しましても、回線使用料というものが計上されておりますが、その点について説明をお願いいたします。
○鈴木情報化推進担当参事 LG1につきましては、全国の自治体をネットワークしているシステムでございます。このネットを通じて自治体間の情報のやりとりをする、通知文であるとか、依頼文であるとか、その他もろもろのものに関してやりとりをするというシステムでございます。先ほど申し上げました電子申請とか、将来、導入するマルチペイメントにつきましても、この回線を利用して実施しようと考えておるものです。ケーブルという面でいきますと、NTTの光ケーブルを利用して行っているものです。
○伊東委員 ただいまNTTの光ケーブルというお話ですけれども、このケーブルは専用線ですか。
○鈴木情報化推進担当参事 光ケーブルで、専用線ではございませんで、IPVPNでしたか、要するにインターネット・プロトコルによるものでございます。
○伊東委員 要はすみ分けということですね、同一の回線を利用した、わかりました。
今、電子区役所実現3カ年プログラムの結果と成果を御報告いただきましたが、2004年度以降も、区民サービスの向上、行政事務の効率化に向けたたゆまぬ改善努力が図られる必要があり、そのために電子区役所推進本部会議が継続設置され、2005年度も予算計上されていると認識しております。
そこでお尋ねしますが、全庁的な共通な課題の解決に向け、有用な電気区役所推進本部会議の設置目的の再確認、それから構成、開催頻度についてお聞きしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 電子区役所実現3カ年プログラムに基づきます電子区役所推進本部につきましては、15年度末で終了といいますか、廃止になっております。05年度の予算に計上しております電子区役所推進本部会議につきましては、05年度に策定予定の10か年計画に整合のとれた情報化推進計画を策定したいということで、再度、設置するものです。構成につきましては、旧本部会議と同じでして、四役、各部長、教育委員会事務局次長、区議会事務局長、選管事務局長を構成員としております。それから開催の頻度ということですが、計画策定までに3回ないし4回を再開したいと考えております。
○伊東委員 今の御説明ですと、計画策定までに3ないし4回ということですと、10か年計画の策定がなった後は、本部会議の継続は考えていらっしゃらないということですか。
○鈴木情報化推進担当参事 10か年計画策定後、この会をどうしていくかということにつきましては、計画の中で、計画を推進するための会議体というものをその中に組み込んでいきたい、旧3カ年プログラムでも同様でございましたけれども、新しくできた計画の中で推進母体となる会議体というものを設定していきたいと考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。
ぜひとも、時代の流れは目まぐるしく変わっております。情報化の変化に追いつけるように区の体制もしっかりと整えていただきたいと思います。
今、お話のありました推進本部会議で持ち上げられた内容について確認しようと思ったんですけれども、これは05年度からということですので、この項の質問は省略させていただきます。
続きまして、システムだけでは語りが欠けたと申しますか、人材の育成というのが大変重要なことだと思っております。毎年、IT研修を実施して人材育成に努めるとしておりますが、これまでの研修履修者は何人ぐらいに上りますか、また研修内容はどのようなものか、お尋ねしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 職員の研修でございます。これにつきましては、財政健全化計画で一度中断になっておりまして、3年ほど前から再開したものです。平成14年度から今年度までの受講者は130人ほどでございます。コースにつきましては、済みません、手元に資料がないんですが、基本的には地方自治情報センター、ソフトウエアの開発業者、総務省等の研修に出ておりまして、中央電算関係の研修について59人受講しております。それ以外のIT関係ということで70人ほど受講しております。
○伊東委員 今の話ですと、履修された方は、今後のシステムの構築について中核を成していくような人材に育っているものと認識しております。履修された方が電子区役所の推進の一助になるように、どのように各部署に配置されているのか、また職務内容についてお聞きしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 受講につきましては、先ほど、まだ計画的な実施がされていないということを申し上げました。私どもの分野といいますか、配属になった職員を養成するということ、各分野でコンピュータ関係の事務がございます。そういった関係の担当になった職員を養成するという形で、今は言ってみれば対症療法といいますか、そんな運営をしております。ただ、私どもの職場で何年間か経験した職員というのは、各分野で新しい電算関係の業務を考えているところでは、非常に引く手あまたといいますか、ぜひ送り込んでほしいという要望も出ております。
○伊東委員 有用な人材活用を求めまして、ただいまの質問は終わらさせていただきます。
続きまして、電子区役所実現3カ年プログラムの進捗において敷設が完了しているとされているイントラネットについて伺いたいと思います。
地域イントラネットの設備概要について説明をお願いしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 お手元に総務74という資料があると思います。これで説明させていただきます。
回線の種別は光ファイバーの専用回線です。布設長といいますか、このケーブルが布設されている距離は、区内に88.1キロメートルにわたっている。また、布設につきましては、光アクセススイッチ装置というものを設置しておるところが16カ所、本庁と15の地域センターでございます。それから光ブランチスイッチという装置を設置しているところが122カ所ございます。光アクセススイッチ間の通信速度については1ギガビットでございます。それから光ブランチスイッチと光アクセススイッチ間の通信速度は100メガビットでございます。回線使用料につきましては、月額599万円、約600万円ほどとなっております。
○伊東委員 お聞きしました内容ですと、大変高規格な回線ということで理解できるところですけれども、ただいまCTNの方に回線使用料という形で毎月払っているということですが、布設に当たりましては、中野区が布設計画を立てCTNに要望したものなのでしょうか、あるいはCTNの方から回線の布設計画を提示され、それを区が受け入れた形になっているものでしょうか、お伺いします。
○鈴木情報化推進担当参事 区では、先ほど申し上げましたように、区役所1という基盤を整備するという計画がございました。この中で、どういう回線を活用していくのかということで、NTT、CTN等のケーブルを比較しまして、CTNのケーブルを採用したものでございます。
○伊東委員 今の御答弁ですとちょっとはっきりしませんけれども、そういたしますと、光ケーブルに対しまして、中野区が支払っています月々599万円というものは、今の感想で結構ですけれども、高額かどうか、この辺に関しましては非常に専門的なものですので、この規格に対する対価として599万円というものが効果なるものかどうか、御感想をお聞きしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 通信ケーブルの価格につきましては、我々も非常にわかりにくいということがございます。ただ、例えばインターネット接続をしておりますテプコヒカリという回線がございます。これが10メガビットの回線で約月額30万円という価格でございます。そういう面では、CTNのケーブルは安いのかというのが私の感想でございます。
○伊東委員 今後、回線使用料の精査を求めまして、次に移らさせていただきます。
高規格ケーブルの布設に関しまして、現在、どのような利用がなされているか、簡単で結構です、お聞かせください。
○鈴木情報化推進担当参事 先ほど申し上げました区役所1という形の利用をしております。簡単に申し上げますと、区内の151カ所の施設を結びまして、そこでの情報のやりとりをしております。庁内情報ネットワークというシステムをこの上で稼働しておりまして、その中で、いわゆるグループウエア、文書管理、財務会計、庶務システムというものが動いております。さらに、防災関係では、河川水位情報とか高所カメラの情報等を、それは制約した中では、活用しているという内容でございます。
○伊東委員 ありがとうございます。最後の方で防災関係にも活用されているというお話でしたけれども、発災時に高規格ケーブルが寸断することなく活用が図られればと考えております。災害時に寸断が懸念されるわけですけれども、現在のケーブル布設に関しては、一説によりますとつり型の布設ということで、その途中、1カ所が寸断すると、それ以降にぶらさがっている施設は回線が途絶えると聞いております。本来でしたらば、こういう施設はループ型の布設があってしかるべきだと思いますけれども、その辺は事実でしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 一度、そういう事故が起こりまして、ちょっとつながらなかったというケースがございました。実は、これは先ほど申し上げました光アクセススイッチ装置が故障したために起きたもので、この装置が生きている限りは、光ケーブルが切断されても迂回ルートが確保されていると聞いております。形式としますと、C型のリング構成という配線だと確認いたしました。
○伊東委員 大変専門的な用語が出てまいりまして、私も理解に苦しむところではありますけれども、ぜひとも今後、災害時の活用を、本部会議、その後の10か年計画に位置付けられる協議体の中で考えていっていただけたらと思います。
次に移らさせていただきたいと思います。
次いで、17年度予算(案)に見る情報化推進事業費についてお尋ねしたいと思います。本年1月25日より電子申請サービスが始まったわけですけれども、17年度予算(案)、電子申請、電子調達システムの運用についてお聞きします。その支出について、共同運営サービス提供とありますが、内容、性格はどのようなものでしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 これは共同運営センターを活用しまして事業を行うものです。内容としましては、電子申請の受け付け、区から申請書の処理状況の発信、電子調達の絡みで業者登録、入札情報の提供、まだ実施しておりませんが、電子入札といったサービスがございます。
○伊東委員 電子申請につきましては、本来、住基カードと公的認証サービスを受けなければ活用できないと区のホームページの方にも書かれておりますけれども、住基カードの普及率というのが、今回の資料にもありますけれども、その辺をお聞きしたかったんですけれども、時間が難しいそうなので割愛させていただきますけれども、中野区では電子申請として、10個のサービスを現時点で提供されております。隣接の杉並区は三つのサービスということでサービス格差があるわけですけれども、これはどのようにサービス内容を決めるのか、そして共同運営サービス提供にかかわる経費にどのようにサービス数が反映するのか、お聞きしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 提供するサービス内容といいますか、申請の種別につきましては、各自治体が判断することになっております。ただ、各自治体がそう簡単にはいかないだろうということで、昨年、14項目だったと思いますけれども、手続について標準的なものをつくりまして、各自治体で使えるものは使ってほしいという形のものがございました。中野区では、それに連動したものとして九つの手続を採用しまして、つい最近、親子農園の申し込みに関しまして電子申請が利用できるようにしたというものです。手続の数が利用料金にどう反映するかという点につきましては、一定の契約による委託料を支払っております。言ってみれば使い放題、何種類やっても同額であるというやり方になっております。
○伊東委員 電子申請サービスというものは、なかなか忙しくて、庁舎の方、あるいは地域センターの方に赴く時間がとりにくい方が、自宅から申請ができるというサービスだと思うんですけれども、このサービスを受けるに当たっては、やはり住基カードの普及というものが大変肝要だと思っております。住基カードの普及について積極的な取り組みを期待したいところです。
ただいまのお話にありましたサービス提供委託についてなんですけれども、これは東京都の自治体が運営する東京電子自治体運営協議会というところが実際のサービス提供を、実際のサービス提供は委託業者なんですけれども、委託業者のシステム運営についての入札結果というものが東京都のホームページの方に出ております。結果としては、7,794万円という数字ということなんですけれども、それに対しまして中野区が毎年、支払っております提供料963万円余、単純に23区を掛けると膨大な落札価格との差が生じてくるんですけれども、その辺はどういう理由でしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 東京都のホームページに表示されている価格に7,700万円というのがございます。これにつきましては、このシステムが5.33年で入札といいますか、プロポーザルを行ったというものでして、0.33年分の価格が7,700万円であるという形で、16年度分の経費はこれですという表示がしてございます。それに見合う分としましては、中野区分は158万円ほどでございます。来年度以降、平年度化されるわけですが、その分の使用料が1年間に808万円ほど、システム全体での使用料というのが約4億円ということになっております。
○伊東委員 昨日の新聞報道にもございましたけれども、会計検査院決算確認システム運用業務委託費2億4,000万円、これが一般競争入札に切りかえることによりまして約30分の1以下の730万円で済むという報道もございました。多分にサービス提供にかかわる経費というものも、中野区単独ではなく、23区の自治体が共同して精査する必要がある項目ではないか、ぜひともその辺はぬかりなくしっかりとやっていただきたいと、区民の大切な税金をお預かりしている立場として、お願い申し上げます。
○平島委員長 伊東委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで休憩いたします。
委員会を休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後1時00分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。午前中に御了承いただきました厚生分科会関係13番の差しかえ資料を配付いたしましたので、御確認ください。
それでは、質疑を続行いたします。
○伊東委員 質疑を続けさせていただきます。時間の関係で多少質疑を割愛させていただくかもしれません。よろしくお願い申し上げます。
続きまして、デジタル・デバイド、情報格差の是正に対する取り組みについて伺いたいと思います。
世にはSPコードというものがございます。具体的には、マイクロソフトワードの文章を記号化することによって、800字の原稿をわずか一点数センチの四角の中に、二次元コードという意味ですが、というものに収めるものなんですけれども、それは特殊な装置を使うことにより、800字の原稿が音声によって聞き取ることができるというシステムなんですけれども、17年度採択に向けて、国連の障害者権利条約及び日本の障害者基本法の法改正にかんがみて、健常者との情報格差の解消が必要になってくると考えております。今御紹介しましたSPコードの公的印刷物への導入は、そういう意味で非常に重要だと思っております。中野区においては、現時点でSPコードの導入の事例はありますでしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 SPコードにつきましては、視力障害者向けに非常に有効なものだということで活用が始められております。中野区でも障害者福祉のしおりというのがございまして、それに刷り込んで利用しております。事例は1件だけです。
○伊東委員 ただいま御紹介しましたSPコードにつきましては、民間では全国銀行協会や電気事業連合会、日本保険薬局協会、鉄道事業者等が採用しているという事例があるんですが、活用によりまして視覚障害者だけではなく、高齢者に対しても情報格差の是正につながると考えますが、いかがでしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 確かにバリアフリー化という面では、いろいろな活用ができるのではないかと思っております。現在、バリアフリー化という面では、区のホームページにつきましてバリアフリー化を進めております。それ以降のバリアフリー化の推進という面では、ただいま御提案のありましたような方向も検討の一つとして加えていきたいと思っております。
○伊東委員 今お話の中にホームページというお話もありましたけれども、人によりましては、ホームページ自体が情報格差だという発想もございます。その辺は留意していただけたらと思います。
SPコードに関しましては、さらに利用法を工夫することによりまして、幼児教育ですとか、知的障害者のための教育、あるいは情報提供に活用できるのではないかと考えております。そういったことも踏まえまして、今後、自治体として積極的に取り組んでいただけたらと思っております。御答弁は結構です。
続きまして、e文書法の施行に関してお尋ねしたいと思います。この4月からe文書法の施行が始まるわけですけれども、e文書法と申しますのは、今までペーパー媒体だった文書の保管等を電磁記録によって変えることが可能とする、要するに法的にそれを認めるという法律で、対象としては、主に民間、企業ということで認識しているところですけれども、区役所を初めとする役所内には、さまざまな貴重な情報がペーパー媒体としてまだ存在していると思うんですけれども、区としてe文書法をにらんだ対応はいかがでしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 e文書法につきまして、今、委員からございましたように、地方自治体等は対象になってございません。個別の法律で定めるという形になっております。ただ、そういった電子文書の保存という意味では、区にとっても利用できる範囲がいろいろとあるのではないかと考えております。中野区では、文書管理システムを導入するときに電子文書の原本性をどう確保していくんだという議論もございました。そういう中で、現在の文書管理システムでは、原本保管サーバというのを設置しまして、メールの送受信、さらには決定文書の保管をそのサーバにしてございます。簡単にいえば、そこの文書はいじれないといいますか、そういう状態で現在は管理しております。さらに、これから電子化が進みますと、紙文書で来るものをどうするんだということにつきましては、17年度中にPDFサーバのようなものを用いて、そういうものに保管するのか、それに代替するような新しいソフトウエアがあったら、そういうものを採用するのかということで、いずれにしても、17年度中に採用するということで検討中でございます。あと各省の省令が出ておりませんので、どんな形でのものがe文書法で規制されるかわかりませんけれども、そういう中に採用できるものがあったら、積極的に対応していきたいと考えております。
○伊東委員 内容としてはわかりました。いずれにしましても、電磁記録化がなされたとしましても、ある意味、ペーパー媒体での文書の保管というのが残ってくると思います。今後とも区民の貴重な個人情報が含まれているものですので、その扱いについては慎重にお願いしたいと思います。
今言ったようなことを踏まえまして、今後、体制整備を進める立場で、情報化の推進、あるいは安全対策について所見をお伺いしたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 情報安全対策につきましては、現在、制度的にいいますと情報安全対策基本方針とか、情報安全基準、さらには情報安全対策実施手順というものを設けまして、これに従って情報安全の対策を実施しているところです。さらに、それを確保するために情報安全対策委員会というものも設置しております。それに加えて外部監査人によるシステム監査ということも実施しております。そういうことで、全体をまとめますリーダーといいますか、区長がCIOといっておりますけれども、最高情報統括責任者という立場に立って全体を指導しております。
○伊東委員 もろもろの方針、あるいは基準等を設けていただいて、さらには安全対策委員会も設置していただいている、それらすべてを統括されているのが苦情という御紹介がございました。区長にCIOとしての立場をとられてくる御意見をお答え願いたいと思います。
○田中区長 紙ベースの情報と電子文書のデータの情報が現在、混在している、この状況は当分続くと思うんですけれども、これは仕事を行う職員の事務処理におきましても、そうしたことが混在をしていたり、これまでの流れを別な形で引き継いでいかなければいけなかったりと、かなり煩雑な状況を呈しているというのも事実でありまして、情報管理といいますか、そういったことに対するさまざまな基準、体制といったことに対し職員が周知するということ、また日常の取り扱いの手順をしっかりと心得て、それをきちんと履行できるという日常の体制から何か起きたときのマネジメント、そうしたところまで全体的にしっかりと構築して、これを運用していくことが非常に重要だと思っておりますので、心して努めてまいりたいと思います。
○伊東委員 ありがとうございました。情報に関して統括される立場として、区全体を統括される立場として、今後とも確固たる運営方針を期待するところであります。
続きまして、通告の2番目、防災対策について伺いたいと思います。
基本構想では、10年後に実現する町の姿として、道路や公園などの都市基盤が整備され、景観に配慮した災害に強い町になっているですとか、区内各所で建築物の耐震性の向上や防災体制の整備、備蓄物資の確保が進み、町の防災機能が高まっているとありますが、ここで言っているところの防災体制の整備というのはどのような内容なのでしょうか。
○納谷防災担当課長 防災体制の整備についてお答えいたします。
ここで言う防災体制の整備というのは、主に柱でいえば、一つは情報、次に人、組織、また防災関連施設、この三つに大別できるかと思います。情報といえば防災システムの整備、また人、組織でいえば災害対策組織の整備、あるいは防災関係機関との連携の強化、また施設でいえば、例えば避難所等の整備、これらの機能、あるいは施設が適切にきちんと整備され、また維持され、日々向上している、このような10年後の姿を描いたものでございます。
○伊東委員 区長に、基本構想に盛り込むべき防災の確固たる姿勢を示していただきたかったところなんですけれども、一般質問でも防災に関する質問がございましたし、その場で区長のお考えもお聞きしておりますので、今回は省略させていただきたいと思います。
次いで、防災関係機関についての役割、指揮・命令系統について伺いたいと思います。東京都、中野区、それから消防、警察等々のことについてお話を願えたらと思います。
○納谷防災担当課長 まず関係機関、災害対策関係機関の関係でございますが、まず東京都と中野区の間でいえば、それぞれ災害が発生した場合には災害対策本部を設置します。災害対策本部の間には、指揮・命令系統は存在しません。東京都は区市町村の総合応援と全体調整を担うということになっています。災害対策基本法では、中野区、つまり区長が区民の生命、財産、この安全を確保するということが一義的に定められておりまして、応急対策に当たることになっています。ただし、本会議の中でも御答弁いたしましたように、応急対策も一定規模以上の災害の場合には災害救助法が適用されます。災害救助法というのは、国の責任において実施されるものでございます。国の責任において実施され、なおかつ東京都は国の一機関として、またその活動を担わせる。なおかつ区はまた東京都を補助する立場としての活動に当たる、このような中で指示系統が生じてくると考えております。
○伊東委員 承知いたしました。大災害でなければ、区の責任において的確な指示、あるいは行動を起こすということと受け取りました。
続いて、お聞きしたいのは、その前に、中野区等区内の防災機関のことについて余り触れられていなかったんですけれども、それについては、私の方からもさきの一般質問でお聞きしたところであります。ただし、これが地域防災計画の方にはっきりとした記載がございません。今後はしっかりと盛り込んでいただけたらと。
なおかつ防災マニュアルの携帯版のような、常に携行できるようなものを工夫していただけたら、より一層区民への通知につながるのではないかと思って、要望いたしておきます。
それから先日、高橋委員の質疑の中で、中野区にお住まいの区民の方が少ない、災害時にはそれらの方が駆けつけて災害本部を設置する--10人でしたか--というようなお話だったんですけれども、割合は、先日は手を挙げていただきましたけれども、実際に中野区にお住まいの職員というのは、どれくらいいらっしゃるんでしょうか。
○長田人事担当課長 中野区在住の職員数は、総数で683人でございます。職員全体の約24%に該当いたします。内訳でございますが、管理職は8名で、管理職総数の約11%でございます。一般職員は657人で、一般職員総数の約24%でございます。
○伊東委員 なかなか職員にここに住めということを命じることは困難かもしれません。ただし、自治体としての責任のある取り組みというのは、積極的に今後、不断に続けていただけたらと思っております。
それで、今の現状を踏まえまして、また防災対策について話を戻させていただきたいんですけれども、それらの区外に住まれる職員の方も含めて、最初に参集訓練というものを行ったことはございますでしょうか。
○納谷防災担当課長 参集訓練は平成14年に実施したところでございます。
○伊東委員 14年に行った訓練の結果について、また今後の訓練をどのように考えていらっしゃるのか、あわせてお聞きしたいと思います。
○納谷防災担当課長 その際の訓練には、1,000人以上の職員を対象にして実施しました。おおむね30分で5割以上、また1時間で8割程度の参集は得られたところでございます。このような参集状況ですので、災害時には若干割合が落ちるかと思いますけれども、一定の組織的な活動ができる職員の確保はできるものと考えております。また、今後、参集訓練の実施についての御質問ですが、できましたら来年度には取り組んでいきたいと考えております。
○伊東委員 訓練はあくまでも訓練でして、今のお話でもありましたように、若干のおくれが出るだろうということも想定されます。また、訓練の方法自体も、これからも工夫されることを期待しております。
続きまして、災害時に非常に職員の参集がおくれたり、区民の自助、共助の取り組みに、なかなかそれでは賄えない部分というのが多々あろうかと思います。それでボランティアというものの存在が大切になってくるんだと思うんですけれども、実際に阪神・淡路大震災、あるいは新潟県中越地震においてもボランティアセンターが設けられて、多くのボランティアが参画されているわけですけれども、中野区は災害時のボランティアの受け入れ等についてはどのような体制をとられているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 ボランティアの受け入れ体制は、地域防災計画の中で定めているところでございます。まず社会福祉協議会のボランティアセンターが窓口となりまして、災害時にはボランティア本部を社会福祉協議会、スマイル中野ですか、そこにボランティア本部を設置することとしております。そこをボランティアの活動の拠点といたしまして、ボランティア本部がボランティアの受け入れ、活動調整、あるいは東京都のボランティア活動支援センター等との連携を図りながら、なおかつ私ども災害対策本部とも連携を図りながら、ボランティアの全体調整を行っていくという仕組みになってございます。
○伊東委員 今、体制としては整備されているというお話ですけれども、やはり実態に即した活動展開というものに臨まれるべきだと思います。今のお話ですと、ボランティアセンターは社会福祉協議会が運営されるということなんですけれども、さきに例を挙げました災害時のボランティアセンターの検証、あるいは視察というものについて、社会福祉協議会としてそういうものを行ったことがあるのかどうか、区の知り得る範囲で結構です、お答え願えたらと思います。
○納谷防災担当課長 ボランティア受け入れ体制は、社会福祉協議会ボランティアセンターと私ども中野区が同じような役割を持っていると思います。そういう点でいえば、区と社会福祉協議会ボランティアセンターの中できちんとした訓練は、今まで行われていなかったというのが実情でございます。大変残念なことでございます。現在、社会福祉協議会の中で、ボランティアの受け入れ体制、あるいは活動調整について、見直し、マニュアルの整備に取り組んでいるやに聞いております。今後、このような中で、ボランティアの確実な受け入れ体制に向けての取り組みを進めていきたいと考えております。
○伊東委員 ありがとうございました。ボランティアについては、これで終わらさせていただきます。
続きまして、災害情報システムについて伺いたいと思います。
さきの一般質問でも、ちらっと、あるいは総括質疑でも御答弁いただいております。一斉防災情報伝達推進システムですが、ある程度、概要は書かれたもの、また細かい点につきましては、別途お聞きできたらと思っておりますけれども、いろいろな方にメールを送信する、それで情報を知らせ、なおかつ指示も出すということで認識しております。それが500名だと思ったんですけれども、我々議員もその中の一部として、情報の伝達、あるいは指示を受けるという立場になるかと聞いております。
システム自体としては、非常に簡便で、なおかつ有意義なシステムだと思っておりますけれども、それを活用しての今後の訓練については、どう考えていらっしゃいますでしょうか。
○納谷防災担当課長 システムを導入しても、本当に災害時に活用できなければ、宝の持ち腐れというんですか、大変もったいないことですので、導入後、なるべく早い機会に対象者の方、私ども幹部職員、区議の皆様方、その他、医療関係等、そういう対象者でございますが、なれていただくためにも、模擬訓練みたいなものをなるべく早く実施していきたいと考えております。
○伊東委員 ぜひとも私も参加してみたいと思っております。メールを使っての情報送信ということですと、現実にはメールはすぐに転送できるというものも考えられます。ですから、その辺もよく踏まえて、これからいいシステムに構築していっていただけたらと期待しております。
続いて、現在の災害情報、防災情報のシステムの概要についてお聞きしたいと思います。
先日、私の方で防災センターをちらっと見させていただいたんですけれども、そこに備えられている機器としては古い、見劣りするなというものを感じたんですけれども、現状はどうなっていますでしょうか。資料もいただいていますけれども、御説明いただけたらと思います。
○納谷防災担当課長 防災センターには、防災無線システム、あるいは地震計システム、高所カメラシステム、また河川情報システム、気象情報システム、これらのシステムが入っております。特に防災無線システムについては、導入年度が大変古いということもあり、老朽化が進んでいるのが現状でございます。そのために、我々は定期的にきちんと点検、補修をし、本年度も相当の経費をかけまして、新たな防災無線システムの転換まで十分に使用できるよう、きちんと機能するように、このような対応をしているところでございます。
○伊東委員 今、御紹介がありましたように、古いものでは昭和50年代という話ですから、これからはデジタル無線という考え方も導入され、平成23年からですか、たしかデジタル化が義務付けられるのではないかと思っております。その辺を踏まえて、肝心な部分です、先ほどの地域イントラネットというものもありますけれども、一義的には防災無線というものを確保していかなければならなくなると思います。その辺についての強い意思の確認をさせていただけたらと思います。
○納谷防災担当課長 今、御紹介がありましたデジタル無線でございますが、これは電波法の改正により平成23年度から地域防災無線はデジタル化にしなければならないという規定になっております。これに向けて、私どもとしては、平成22年度までにデジタル化への転換を図っていこうと検討しているところでございます。検討に当たりましては、デジタル無線の多重性というんですか、例えば映像を扱える、ファクスも扱える、庁舎内の内線ともリンクできる、その他、電子情報もやりとりできる、活用の方途がものすごく広うございます。こういう点を踏まえまして、防災だけではなくて区全体の中での活用も考えられることから、じっくり時間をかけて、それの検討、研究をし、また導入に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○伊東委員 防災センターにつきましては、中野駅周辺まちづくりの中でも新たに防災センターの位置付けが明示されております。さらに、デジタル無線というシステムなんかも立ち上がってきますと、なおかつさらに情報の多様化というのが想定されると思います。現実に小田原市なんかですと、防災システムを構築するに当たりまして、いろいろな知恵を集めまして700万円程度でシステムを構築したという事例もございますので、その辺も踏まえまして、お金をかければいいものができるというのではなく、いろいろと工夫していただけたらと考えております。
今、防災無線がダウンしたらという話をしましたけれども、何につけても電源確保というものが重要と考えます。無停電対策については、斉藤委員の方から一般質問の方で確認させていただきましたので、ただ、そのときの話ですと、無停電対策の対応時間というのが非常に短い、1日持たないような御説明だったと思うんですけれども、それをもっと長くできるような取り組みについてお伺いできたらと思います。
○納谷防災担当課長 私ども防災センターの電源のバックアップとして、区庁舎の発動発電機と東京都の発動発電機がございます。区庁舎の発動発電機については、確かに1日という時間は持たないというところでございます。燃料の確保については、私どもは災害時の協定を石油業者と結んでおります。このようなところから迅速に燃料を確保して、停電時にもきちんと対応できるようにしていきたいと思っていますし、今後もきちんと協力関係を維持していきたいと思っています。
○伊東委員 ありがとうございます。
さらに、質疑を続けるに当たりまして、先ほど御紹介しました小田原市の事例だったと思うんですけれども、避難場所にあります、具体的には学校なんですけれども、そこにありますパソコン教室のパソコンを避難者情報の入力に役立てる、それもボランティアの方の御協力をいただいてデータ入力をするということが一部で、インターネット上で報告がなされておりますけれども、中野区でも、小・中学校にパソコン教室というのがございます。台数もそれなりのものが用意されているんですけれども、それを災害時に活用する方策についてお伺いしたいと思います。区のお考えをお聞かせ願えたらと思います。
○納谷防災担当課長 災害時のパソコンの活用につきましては、現在も庁内LANを用いて、風水害等の災害時に活用しているところでございます。学校にも庁内LANが行っていますので、今後、地震災害時の庁内LANの活用の検討を急ぎたいと思っております。また、学校のパソコン教室のパソコンについては、ネットワーク化がされていないという問題があります。また、ほかにさまざまな利用上の勝手の問題があります。これは教育委員会とも十分に話し合いながら、今後の研究課題にさせていただきたいと考えております。
○伊東委員 ネットワーク化については、ぜひ取り組んでいただけたらと思います。なおかつ垣根を越えて、教育委員会と十分に協議して、あらゆる中野区の持っているものをうまく活用するという姿勢を忘れないでいただけたらと思っております。
以上で防災に関する質問を終わりたいと思います。いずれにしましても、区民の財産、生命を守るという姿勢を強く貫いていただけたらと思って、この項の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、通告3番目、教育行政について伺いたいと思います。
一般質問、あるいは総括質疑でも取り上げられておりましたけれども、大阪の寝屋川でしたか、小学校に不審者が入って教職員の殺傷事件というのがありました。中野区でもいち早く刺股、警棒、催涙スプレーの配布を決めていただいたところですけれども、主な目的についてお伺いできたらと思います。
○篠原学校教育担当課長 警棒や刺股の配備の目的でございますが、これは危害を加えるおそれがある侵入者から教職員が児童・生徒の安全確保を第一優先として行動する中で、侵入者を威嚇、もしくは教職員の身を守るといったことから配備をしたものでございます。決して侵入者を制圧するものではないということでございます。
○伊東委員 にわかに侵入者が入ってきた場合、パニック状態になる、それらの器具の扱いについては、十分な訓練等が期待されるところですけれども、その辺はいかが考えていらっしゃいますでしょうか。
○篠原学校教育担当課長 警棒や刺股が納品されたら、直ちに中野・野方両警察の協力を得まして、教職員に対して使用方法の研修といいますか、訓練を行うことになってございます。
○伊東委員 今後、その訓練等を見守ってまいりたいと思います。久保委員ですか、入られる前の対策というのが重要だと、確かにそれが第一義であると思いますけれども、入られた後の対策も十分に講じていただけたらと思います。
ただ、この配備についてなんですけれども、中野区の小・中学校、幼稚園だけの配備となっているんでしょうか。児童館、保育園、私立の幼稚園等もございますけれども、その辺についてどう考えていらっしゃいますでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 区立、私立を含めました保育園、幼稚園、そして児童館には、催涙スプレーを配布し、職員に常時携帯をさせたいと考えてございます。区立施設につきましては、こうした新たな安全対策に加えまして、従来から行っております門扉の施錠なども、施設の安全点検の実施ですとか、マニュアルに基づきます訓練の実施などについてもしっかりと取り組んでいく考えでございます。また、私立の施設におきます児童の安全の確保といったことにつきましては、基本的には各施設管理者の責任で行われるべきものと考えておりますけれども、各施設において、今回、配布いたしますものなどを活用していただいて、より一層の安全確保に万全を期していただくよう徹底を図る考えでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。今のようなことに関しましても、教育委員会、子ども家庭部という二つの部署にまたがって質問しなければならないという事態は、余り芳しくないのではないかと思っております。危機管理については、一義的に区長の直属の組織で迅速に的確に対応するべきだと思うところですけれども、その辺のお考えについて、区長はどうお考えでしょうか。
○田中区長 来年度におきましては、危機管理担当を区長室に置きまして、全体的な危機管理の体制を整備するということで行っているわけであります。これは全庁的な体制をとっているということでありますが、災害の方になりますと総務部が災害体制をとる、また健康危機管理ということになると保健衛生部がとるといったようなことで、中心は一つなんですけれども、幾つか体制が事態に応じて分かれているといった形になっております。これについて、防犯的な面も含めて、全体的に危機管理ということをもう少し幅広く取り扱えるようにということで、危機管理担当と災害担当を合わせたような担当を総務部の中に設けるということで今考えているところであります。
○伊東委員 よくわかりました。実際の事例に即して動くことはもちろんですけれども、それを統括する部分というのは重要だと思います。その辺を積極的に取り組んでいただけたらと思っております。
区長は、常々公私格差というものがなく、そして子どもは常に平等であるということを申されているわけですから、まして中野区の次代を担う子どもたちの安全に対して、これからも力強く対策を取り組んでいただけたらと要望しておきます。
あと幼保一元化についてお伺いしたいところなんですけれども、時間の方が厳しいんで、割愛させていただきます。もし時間が後で余るようでしたらお聞きするやもしれませんけれども、取材に来ていただいた理事の方には申しわけございません。
公教育のやり方についてお伺いしたいと思います。
中野区では、国の施策を受けまして中野区次世代育成支援行動計画というものを、子ども家庭部を中心に策定されると思うんですけれども、あるいは教育ビジョンというものもさきに発表されている、と認識しているところですけれども、幼稚園、あるいは保育園から小・中、公教育の部分についての一貫性というものについて伺いたいと思います。私が保護者の方にお聞きするには、やはり小学校に上がってきた時点で、幼稚園、保育園の子どもさんの資質の違いが見られるということなんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。幼稚園、保育園の先生方、あるいは小学校の先生方と中学校の先生方の連絡体制については今どのようになっていますでしょうか。
○小林指導室長 中野区におきましては、昭和37年から保育園と幼稚園と小学校との連絡協議会が行われておりまして、私立幼稚園も含めて、就学前教育のあり方等について、保育や事業を通して研究や協議を行っているところでございます。また、交流につきましては、小学校の授業や行事に園児が参加するなど、学校の指導計画に基づき子どもたちの交流も行われているところでございます。
○伊東委員 幼保の連絡協議会というものがある、それをうまく活用していただけたらと思っております。先ほど言いましたように、保護者の方、学校の先生にもお聞きするんですけれども、給食の事例一つ取り上げましても、保育園というのは、保育園において給食がありますけれども、幼稚園はお弁当ということで、そこからも違いが出てくる。あるいは、幼稚園、保育園の中でも、もうその年齢にして既にいじめがあって、いじめとまではいかないのかもしれませんけれども、あのお子さんが行くとなったらば、うちは別の小学校に行かせたいという事実もございます。これはたしかかどうかわかりませんけれども、上高田小学校でも17年度の入学児童が減少しているという具体的な話も漏れ聞こえてきます。そういうことを踏まえて、ぜひとも連携の強化をお願いしたいと思っております。そういった意味でも、小学校、中学校の公立離れという問題が大きいと思うんですけれども、教育委員会としては、公教育を離れていってしまうということについて、どのように認識をされていますでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 公立離れということでございます。確かに昨今、私立、特に中学校への進学児童が多くなっている現状というものがございます。ただ、中野区もそうですし、今全国的に教育改革ということで、学力の向上ということを中心にいろいろな取り組みを行ってございます。中野区におきましても、学校再編、先ほど委員おっしゃいましたけれども、教育ビジョンの策定などを通しまして、全体として中野区の公教育の向上を図るということから、区立学校の魅力を高め、教育改革を推進しながら、私立に負けないといったらおかしいですけれども、あえて区立の学校を選んでいただけるような、そういう保護者の方々に選ばれる学校というものをつくってまいりたいと思っております。
○伊東委員 さまざまな取り組みを期待するところですけれども、具体的に今、公立の小・中学校、あるいは高校においても、一貫教育というものが取りざたされております。小・中一貫教育についてお伺いしたいと思うんですけれども、中野区としては、今、警大等跡地周辺の中央中学校を一貫教育にするというお話もあるわけですけれども、どのような教育効果があると考えていらっしゃいますでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 小・中一貫教育につきましては、9年間を通して弾力的な教育課程の編成ができ、学校の実態を生かした特色ある教育活動が可能になるといった長所が考えられております。また、小・中学校の教員がそれぞれのよさを生かした指導方法を工夫でき、子どもたちは教科の実態に合った柔軟な指導が可能になるという点もございまして、一貫教育につきまして教育委員会としても今後、検討してまいりたいと思ってございます。
○伊東委員 続きまして、中・高一貫について伺うわけですけれども、中野区内においては、平成22年度、富士高校が東京都の方針で中・高が連携型の一貫になるのか、どうなるのかわからないんですけれども、そういう話も聞いております。先行事例としては、17年度からは台東区の白鴎高校ですか、併設校としてスタートするわけですけれども、先日の報道によりますと、定員160人に対して応募者数が2,113人、倍率13倍という出願があったと報道されていましたけれども、こうしたように、今、保護者が望んでいく教育ニーズは小・中一貫、あるいは中・高一貫の教育ではないかと考えているわけです。これが公立で行われて、中野区民の子どもさんを持たれる方なんかには、広がりを期待している部分があるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか、教育委員会としては、そういうニーズの把握というのはなされているんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 今のニーズの把握ということですけれども、統計的なデータということでは、把握はしてございません。ただ、学校再編などの意見交換会を通じまして、区民の方々からの発言などもございまして、小・中一貫教育に対する関心があるということにつきましては、教育委員会としても認識してございます。
○伊東委員 併設校でしたらば、富士高に限らず、区内にも工業高校ですとか、あるわけですから、中野区として区立の中学校と都立の高校と連携を深めていくということを、これから東京都に強く求めていくべきではないかという気はするんですけれども、その辺のお考えについてお聞かせ願えないでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 現在でも、区立中学の一部におきましては、特別活動などにおきまして都立高校と交流を図っているといったところもございます。今、委員がおっしゃいました連携型の一貫教育につきましては、都立高校と地元の公立中学が一貫したテーマで選択教科を開設したり、あるいは高校の専門的な施設、設備を活用した授業を、中・高の教員が協力しながら中学生に実施したりという形で、研究校ということで、ほかの区での実践事例などもございますが、中野区といたしましても、こういったことを参考に研究をしてまいりたいと思っております。
○伊東委員 ありがとうございます。
続いて、2学期制についてお伺いしたいと思います。
17年度、試行校として、中学校1校、小学校2校が試行校に指定されているわけですけれども、私の子どもも試行校の一つ、第五中学校に通っているわけですけれども、17年度、入学される予定のお子さんが減りました。先ほどの話と関連してくるんですけれども、私立の中・高一貫がここへ来てすごく数もふえてきて、保護者としては、高校のときにまた受験があるよりは、特に女性のお子さんなどは、私立の中・高校一貫教育がなされるところに行きたいということもあるのかなという気もしないでもないですけれども、2学期制導入による児童数減少というのも、考えられなくはないのかと思うわけで、区は試行校だというお話をしているわけですけれども、先日の久保委員の質疑の御答弁にもありましたように、学力の低下があってしまってはしようがない、学力を向上させるために2学期制を試行するんだという御答弁だったと思うんですけれども、では、2学期制を試行するに当たって、具体的に学力をどう向上させるか、単元ごとの小テストというお話も紹介されていましたけれども、その辺は試行校において現実として指導されていく予定なんでしょうか。試行校ですから、いろいろな取り組みをされるべきではないかと思うんです、学力向上に向けて、その辺はどう考えていらっしゃいますか。
○小谷松教育改革担当課長 2学期制を導入することによりまして、基本的にはいくばくかの授業時数というものがゆとりをもってつくることができます。今、委員の方で第五中学校というお話がございましたけれども、来年度、その第五中学校が2学期制の試行校ということで実施を予定しているわけでございますけれども、学校の試算では、年間約30数時間から40数時間、若干学年によって異なるわけですけれども、ある一定の時間のゆとりを生じることができる、そういったものを活用しながら、これまでただ授業ということで教えていた部分、時間がないといった部分につきましても、反復をしながら、基礎、基本というものを教え込む、あるいはより発展した授業というものの展開も可能である、そういう意味では、学校自身がいろいろな工夫をしながら、子どもたちにきちんとした形で学力をつけていくということも可能になってまいります。それからまた一方で、高校の受験等に向けて2学期制を導入することによって不利になるのではないかといった保護者の方からの声などもありますけれども、ただ、その部分につきましては、一昨日の都政新報に出ておりましたけれども、既に都内におきましても、半数近い区が何らかの形で2学期制を導入してございます。完全実施をしている区、足立区ですけれども、来年からさらに3区が完全実施をするといったことで、また試行を含めますと、約半数近い区がそういった形で導入を進めてございます。そういう意味では、東京都の方でも、何らかの形でそういった高校入試の対応というものについても考えていかざるを得ないし、また高校入試についていえば、来年度から2学期制を実施いたします第五中学校でも、定期テストについては、あえて年5回という形で実施を予定しておるところでございますし、それぞれいろいな工夫を凝らしながら、2学期制の長所、メリットというものを最大限に出しながら実施を見込んでいるということもございますので、そういったものも十分に試行を通して検証を踏まえて拡大を図っていきたいと思っております。
○伊東委員 今のお話を聞いていると、何となく向こう岸の火事という答弁にも聞き取れた気がするんですけれども、実際に学校に通っている子どもたちは1年1年が貴重です。小学校6年、あるいは中学校3年、1年が貴重ですが、試行校だからというのではなく、全体的な取り組みとして真剣に取り組んでいただけたらと思っております。今、御紹介ありましたように、既に幾つもの検証がなされているわけです、他区で。中野区の17年度の実績を踏まえて、18年度以降どうするか考えていく、それではまるで試行校はモルモットになってしまうのではないか、区として、教育委員会として、しっかりとした確固たる方針を持って取り組んでいただけたら、私の考えとしては、既にそういう検証はあるのだから、18年度から全校実施に向けて、真剣に詳細まで組み立てていく、さらに全校実施後もさらなる改善を検証していくということが必要ではないかと考えております。その辺を強く要望して、2学期制については終えたいと思います。
先ほど御紹介しましたように、学力低下による公立校離れも懸念されるところですけれども、現実に教員の配置のあり方というのが問題ではないかと思っております。何年か前に、ある学校なんかは先生が1校にとどまっている期間が、3.5年ぐらいではないかと聞きました。そんなことでは、そこに子どもたちを預ける親としては、一貫教育なんてものは無理なんではないかと思うわけで、その辺は東京都のシステムということもあるんでしょうけれども、中野区としてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
○小林指導室長 中野区内の公立学校の教員の勤務年数についてでございますけれども、教員歴10年以上の同一校の平均在職年数は、中学校においては4.5年、小学校では4.04年となっております。ただし、住居等の関係で1、2年で異動する教員もおりますので、実際には5年から7年ぐらい在職する教員が多くいるというのが現状でございます。
○伊東委員 小学校でいえば6年間、子どもが通うわけですから、その辺の安定した採用というのを望むということで、やはり優秀な人材の確保というのが大切だと思います。その辺を強く東京都の方に求めていっていただけたらと思っております。御答弁は結構です。ありがとうございます。
いずれにしましても、公立校で学ぶことの大切さというのがございます。公立校で学べば、いつかは、そこで学んだ子どもたちが大人になったとき、また地域に力を還元してくれる、これはうちの会派の斉藤金造先生も強く言っているところです。ぜひとも公立校の復権を強く望みまして、教育行政についての質問を終わらさせていただきたいと思います。
4番目、中野駅周辺まちづくりについてお伺いしたいと思います。
ことしに入りまして計画素案が発表されました。自治体として、一つのまちづくりは、単にその街区だけのまちづくりであってはならないと思うんですけれども、広域的な視野から目標とする事業手法に至るまで責任ある行動というのが求められるわけですけれども、今回、警察大学校の跡地について民間活力の導入ということが言われております。区民はその辺に強い不安を抱いているわけですけれども、まちづくりに関して中野区はどういうスタンスで臨まれるか、ここで再確認したいと思います。よろしくお願いします。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 中野駅周辺のまちづくりは、ただいま委員御指摘のとおり、単に中野駅周辺の街区を整備することだけが目的ではございません。中野駅周辺を中野の真の顔として再生することにより、中野の町全体に活力と魅力をもたらし、持続可能なまち中野を実現するものであって、非常に重要な事業であるという認識をしてございます。その中でも、特に警察大学校等移転跡地のまちづくりにおきましては、土地利用を行う主体は、主に民間ではございますけれども、区としては、まちづくりの到達点を明らかにしまして、土地利用の規制、誘導を効果的、積極的に行うことにより、総合的かつ計画的なまちづくりを進める責務があると考えております。具体的には、例えば開発者負担により道路や公園を整備するに当たりましても、事業手法として、区画整理、あるいは開発許可、そういったものに関しましても中野区に許可権限がございます。あるいは地区計画を定める際にも、中野区が決定に関与することができます。このように区として主体的にかかわるしっかりとした枠組みが現在、存在しているわけでございます。こういったことから、現在、検討中の中野駅周辺まちづくり計画において、そのような状況を踏まえながら町の将来像を明らかにしたいと考えてございます。
○伊東委員 今後とも中野区が責任ある立場でまちづくりに関与していくということで、それは了解いたしました。
では、プロセスについて伺いたいと思います。この後、計画案から計画、そして計画方針の策定、地区整備計画というような段取りになるかと思うんですけれども、払い下げは、たしか方針の後という、この間の御説明だったと思うんです。では、いつの段階で具体的な規制の網がかけられるのか。方針というのは、あくまでも方針ですから、具体的な数字というのはあらわしにくいのではないかと思うんですけれども、払い下げ前にそういうものが具体的に提示できないんだったら、区として、ますます民間活力の導入によって、区の方針というのがないがしろにされていってしまうのではないかと懸念されるわけですけれども、うまく計画されるんでしょうか。その辺はいつの段階、要するに払い下げ前にしっかりとしたものを中野区は示す用意があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 財務省が警大等跡地の土地を処分する際、地区計画の方針として決定した事項をベースに財務省が売却条件を定めるということになるわけでございますが、その際にはより具体的な内容をできるだけ示し、売却することになることが想定されます。この点について今後、財務省との打ち合わせをしていきたいと考えてございます。
○伊東委員 今の御答弁ですと、財務省とこれから打ち合わせということなんですけれども、そうしますと、次に発表されます計画案では、その辺はまだ盛り込めないということでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 計画案に盛り込む内容をベースに今後、地区計画の方針を決定いたしまして、それをもとに売却をするわけでございますが、それに関して、もう少し詳しい内容を表現したいと考えてございます。
○伊東委員 まだ具体的な区民と開発の責任を司る区との情報の共有というか、イメージの共有というものが現段階ではなされないような気がしております。広域避難場所一つとりましても、広さがとりざたされております。防災公園の広さについても、特別委員会で19件、またさらに追加された、陳情が、というような話も聞いております。ぜひともその辺は具体的な話をお聞かせ願えたらと思います。広域避難場所についても、杉並区民も心配しておりますし、中央線以南、あのガードというのは、構造的には古いものですから、大規模災害のときには、あそこがつぶれて完全に避難圏域が南北に寸断される可能性だってあるわけですから、その辺、現時点でのことで結構です、区の想定されるもの、建物の高さというものも含めてお聞かせ願えたらと思っております。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 現在の想定でございますが、例えば土地の高度利用に関して申し上げますと、現在、警大跡地及びその周辺の例えば容積率の指定でございますが、跡地については、ほとんどが200%の想定となってございますが、一部400%、600%という指定がございます。これも一つの想定といたしましては、平均で400%程度の指定が可能ではないかと考えてございます。それから広域避難場所のあり方でございますけれども、現在の想定では、再開発促進区の地区計画を定めまして、適切に規制、誘導することによりまして、将来の人口増加を見込んだ避難に有効な面積を確保できると考えてございます。
なお、広域避難場所の初期の役割は、市街地が大規模な火災に見舞われたときに一時的に避難する場所でございまして、地震災害の場合には、時間の経過とともに救援、救護、復旧活動などに使用されることになりますけれども、これらの機能は、広域避難場所としての役割というよりは、オープンスペースの活用としての利用でございます。それから先ほど委員御指摘のガードの件でございます。委員御指摘の内容につきましては、重要な指摘であると考えてございます。しかし、広域避難場所に関しましては、東京都が指定するということでありますので、あくまでも現在は現在の避難場所の枠組み、その中で検討しているという状況でございます。
○伊東委員 確かに広域避難場所については東京都の所管ですけれども、今までの御発言をるる承っておりますと、東京都の方としては、「中野区さん、しっかりとした案を持ってきてほしい」という発言も多々ございました。ですから、そういう部分に関しては、東京都の所管だからということではなく、中野区としてはこう考える、こういう町をつくっていきたいんだという確たるものを示していただけたら、それにはやはり区民の賛同もいただかなければならないと思っておりますので、賛同をいただくために具体的なイメージが共有できるようなものを早い段階で示していただけたらと思っております。ハードなものについては、それぐらいにさせていただきます。
逆に、今度はソフトの面について伺いたいと思うんですけれども、我が会派としましても、昨年10月、まちづくりの提案というものを出させていただきました。21世紀のまちづくりということで、持続可能なまちづくり、参加のまちづくり、それから環境に配慮したまちづくり、3本の柱の提案を出させていただいたんですけれども、まちづくりには、定量化できないものが多々ございます。今回の区の発表の素案につきましても、そのような定量化できない姿勢というのが伺えるんですけれども、それをどのように今後、担保していくか、その仕組みをどう考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
例えば、回遊性の確保、これは敷地を幾つもまたぐわけですし、あるいは環境に配慮する、エコビルですとか、グリーンビルという表現もありますし、自然と緑の活用ということもあるわけですけれども、跡地に関していえば、民間に払い下げられた時点で担保できませんと言われたら、今までの議論は何だったのかということになりますので、その辺をどう今後、考えていかれるのか。そして、素案に盛り込まれた案をどう担保していくか、そこに周辺住民、議会がどう関与していくか、その辺について区の考えをお示し願えたらと思います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 中野駅周辺まちづくりにおきましては、環境との調和を図りながらにぎわいをもたらす町にしたいと考えております。そのためには、御指摘の景観や緑化、あるいはエコシティの形成、そういったことなど、まちづくり計画を取りまとめた後に順次、具体的に検討すべき事項であると考えてございます。また、近年、注目されております防犯対策についてでございますが、まちづくりの観点から取り組むべき事項であると考えてございます。しかし、とりわけ最も重要なのは、委員御指摘のとおり、中野駅周辺の町全体の回遊性の確保ということであると認識をしております。回遊性の確保のために、これはハード面の整備となりますけれども、快適な遊歩道や歩道の整備、それから道路を安全に横断できる施設の整備、さらには中野駅の東西南北をつなぐ歩行者導線の整備、それから跡地西側の立地予定であります大学との連携などなどによりまして、中野駅周辺の町全体の回遊性を強化し、このことにより既存の商店街などのさらなる活気をもたらすことがぜひとも必要であると考えております。このことにつきましては、まちづくり計画にも明示をしたいと考えてございます。
なお、今後、これらソフト・ハード施策の立案及び実施に当たりましては、そのときどきに応じまして議会での御議論を初め区民の意見などもいただきながら進めていきたいと考えてございます。
○伊東委員 ありがとうございます。今までソフト面、ハード面について区のお考えを聞いてきたところですけれども、建築の中でよく言われますのは、建物というのは、完成してしまった瞬間から崩壊が始まるという例えがあります。まちづくりについても同じことが言えるのではないか。町は、つくって、開発が整ってしまったらば、それで終わりというものではないと思います。それをどう経営していくかという考え方が大切であります。それを素案の中でも、TMO・タウンマネジメントという考え方で示しているんですけれども、タウンマネジメントについて区の考えをお聞かせ願います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 委員御指摘のTMOでございますけれども、タウンマネジメント・オーガニゼーション、すなわち町の運営組織とでもいうべきものでございまして、地区外で生み出されました収益や情報、これを住民や企業みずからが有効に活用しましてまちづくりを行う組織のことでございます。東京でも汐留などにおきまして実際に例がございます。このTMOは、地元企業や商店会、そういったものによりまして運営される事例が多く、街並みの活性化や町のイメージアップのために、町の清掃や美化活動、イベントの企画・運営、その他まちづくり活動への参画などが行われてございます。今後、中野駅周辺まちづくりにおきましては、中野の活力及び魅力の向上、持続可能な町の実現のために、TMOの活用につきましても今後、検討する必要があるものと認識をしてございます。
○伊東委員 ありがとうございます。汐留というお話も出ましたけれども、汐留でも負担者自治という考え方がございます。タウンマネジメントに参画する人たちは、あるいは事業者は、一定の負担を払って、そこで自治を進めていくという考え方です。そういう新しい考え方も、これからのまちづくり、そして町の維持には必要なことかと考えますので、ぜひともその辺もしっかり区の立場として、自治体の立場として指導するとともに、自治体といえども、その一つに参画する、防災公園をつくったらば、つくりっ放しで、区の税金でその整備を続けていくということだけではなく、タウンマネジメントに参画して一緒になって公園を維持していくという考え方もあってもいいのかと思っております。
最後になってしまいそうです。先日、江田委員の方から杉並区のことについて御所見がありました。藤本議員ですか、杉並区の、決特で質問されたようなんですけれども、山田区長に対する質疑の答弁の中で、土地利用転換計画案というのが基本だという発言もありました。ただし、それを策定するに当たって、それなりのプロセスを踏んできた、変更があるんだったらば、またそれなりのプロセスをしてほしい、要するに確たる説明を求めたいというような発言がなされていたと思います。区長にお聞きしたいんですけれども、中野区としては、杉並区に対して、土地利用転換計画案にかえて、今度の計画が中野区の考えです、中野区独自の手法を採用して、区は責任を持って広域避難場所等も確保していきますという説明をするべきではないか。さらには、広域避難場所ができた暁には、周辺の不燃化促進、防災街区整備も必要だ。中野区、杉並区が歩調を合わせ、共同でその辺の整備を進めていくべきだ。それについては、杉並にしっかりとした要望をしていくことが肝要かと思います。区長に、まず杉並区に対してしっかり今後、説明をするか、そして要望する部分は要望していくのか、その辺の考えをお聞きしたいと思います。
○田中区長 杉並区との関係で言いますと、出発点になりますのが土地利用転換計画案ということは間違いないことだと思っております。中野区は中野区としてあそこの土地をどういうふうにしていきたいという考え方を持って土地利用転換計画案に合意をした。杉並区には杉並区なりの考えがあって合意をしたということであります。したがいまして、中野区が、また状況が変わって別の考え方を今組み立てているんだということであれば、その考え方に基づいて、土地利用転換計画案で合意したことの内容で変更するべき点があれば、そのことをお互いにきちんと協議しながらすり合わせをしていくということが大事だと思っております。そういう意味で、担当者レベルでの連絡、情報提供については、これまでも適切にやってきていると私は思っておりますけれども、今後ともこれをきちんと密にやっていきながら、必要に応じて山田区長ともきちんと私自身がお話をするということも含めて、杉並区ときちんとした連携をとっていきたいと思っております。
また、防災まちづくりということについても、防災のための空間を私どもとしてはしっかり確保すくということであります。そしてその空間をより安全なものにしていく、杉並区高円寺北一丁目側の住民の安全を確保するということのためには、杉並地域の不燃化まちづくりといったことについても、我々の整備と歩調を合わせて取り組んでいただきたいということを、私どもとしても申し述べていきたいと考えているところであります。
○伊東委員 いよいよ時間になってしまいました。その他としまして、サンプラの問題、それから出退勤の不正打刻について、時間がありましたらば質問したいところだったんですけれども、時間がどうやらないようです。その二つの事項は、いずれにしましても、区民、民間の感覚からすれば、今回、区がとった行為というのは承服しかねるものであります。ましてや、サンプラに関しては、民間の手法、株式会社という手法を採用したのですから、結論としては、やはり民間の手法に準じた、そのときどきの判断がされるべきだったと私は思います。これからでも遅くない部分があるかもしれません。ぜひともその辺は真剣に取り組んでいただけるようにお願いしまして、総括質疑を終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了いたします。
次に、飯島きんいち委員、お願いいたします。
○飯島委員 公明党議員団の飯島でございます。今回の総括質疑は、このグラフがテーマのすべてでございます。小さくて見にくいですから、後で控え室に来ていただければございます。詳細な説明は、後ほど質疑の際にさせていただきたいと思います。
それでは、職人とか、語り部とか、いろいろと使われておりますが、質問を始めさせていただきます。
初めに、質疑の通告に従って、前立腺がんの検診の質問をさせていただきます。
中野区の保健福祉総合推進計画の時期の見直しはいつですか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 平成17年度に見直し作業をいたしまして、平成18年度を初年度とする計画として改定を行う予定でございます。
○飯島委員 厚労省のがん検診を初め、健診事業の見直しなど、この動きはあるんでしょうか。あるとすれば、時期はいつごろですか。
○今健康づくり担当課長 二つございます。現在、国では介護保険法や老人保健法の見直しが行われておりまして、健診事業に関しても見直されると聞いてございます。区の健診事業も、これらの法改正の状況を踏まえて変更を行うことになると考えていますが、現時点で内容は定かではございません。それからもう一つ、がん検診については、国のがん検診に関する検討会が検診ごとに順次見直しを進めております。それに従って基準等の改定が行われておりまして、2004年に乳がん検診、子宮がん検診の新たな指針が出されました。その後、大腸がん検診についての見直しを行っていると聞いておりますが、今後の予定等については示されてございません。
○飯島委員 19年度中に開設が予定されております東京警察病院、この診療科目に泌尿器科はありますか。
○今健康づくり担当課長 設置される予定と聞いております。
○飯島委員 検診の見直し云々については、先ほどお答えいただきました。
それでは、前立腺がんの検査の方法としてPSA方式というのがありまして、これは血液中に前立腺の特異抗原ができることの測定の方法であります。これについての厚労省の評価が出るのはいつごろだと思われていますか。
○今健康づくり担当課長 厚労省のがん検診評価委員会の報告の中では、PSA検査に関する評価は保留とされております。保留というのは、現段階では、検診による死亡率減少効果を判定する適切な根拠となる研究や報告が見られないという中身でございます。その後の評価の見直しの予定については、まだ不明でございます。
○飯島委員 前立腺のがんは、欧米風の食生活の進展、それから団塊の世代が高齢期に入ってくる高齢社会の進行のため今後、増加が予想されている、いわゆる生活習慣病のジャンルに数えられる、そういうがんではないかと思いますが、その辺はどうですか。
○今健康づくり担当課長 確かに前立腺がんはふえてございます。ただ、前立腺がんの場合には、高齢者に多くて進行が遅いということが特徴になってございます。45歳以下の場合には非常にまれだと。50を過ぎたぐらいからだんだん年齢を追うごとに対数的に増加すると言われております。そういう進行の遅いがんということで、ある意味では無症状の方が多く、そういうことで特長を持ったがんでございます。
○飯島委員 僕が聞いているのは、生活習慣病のジャンルに数えられるがんですか。なぜそんなことを聞いたかといいますと、中野区保健福祉総合推進計画の中でさまざまに取り上げられているライフステージの対応方の中に、食生活、その他、いわゆる生活習慣病にかかわる問題の対策、それから50代から非常にふえてくる、団塊の世代は50代に入っています、私もそうですけれども、こういう世代の人たちがそういう時期に差しかかりつつある。こういう時期で、今後、見直しをされる中でも、生活習慣病に対する対応方をどうするか、これは一つの見直しの視点になるわけです。そうすると、前立腺のがんも、そういう中では、これまでは非常に数が少なかったということですが、国の統計によれば、死因の統計では食道がんにほぼ並びつつある、そういう数字に非常に近くなってくる、こういう事例があるわけです。そういう数字にだんだんなってきている。そうすると、それは無視できないがんであるわけです。厚労省の評価はまだ決まっていないということなんですが、これから評価が決まることで、例えば財政上の利益というのはあるんですか。
○今健康づくり担当課長 がん検診は一般財源化されていますので、財源上の利益というのはございません。
○飯島委員 したがって、厚労省の評価が定まろうと定まるまいと、お金の問題という意味では何らプラスもマイナスもない。これまで3回ほど我が党の斉藤議員が本会議で質問をされました、前立腺がんにかかわる検診に項目をとるべきだろう、その際の御答弁でできませんという御答弁の根拠は、一つは厚労省の評価が定まっていないからだ。ところが、評価が定まろうと定まるまいと、基本的にPSAという方式は、泌尿器のお医者さんに行けば進められます。我々のような男性で50代を超えてきて、排尿困難、その他の問題のある人については、必ず1回受けた方がいいです。したがって、抗体ができることによって前立腺の肥大と類似の状況はあるにせよ、一定の効果がある方法であることは間違いないし、そういうことを採用している自治体が既に特別区でも9区ある、こういうことが一つあります。
それからもう一つは、先ほど東京警察病院に泌尿器科があるかないかお伺いしたのは、実はもう一つ、できませんよという理由の一つは、区内、泌尿器科のそういう医療機関、つまり発見されても治療する場所がないからなんだ、こういうのがお断りになってきた二つの理由なんですよ。だけど、この二つの理由のうち、区内に医療機関の整備は19年度中に東京警察病院ができて泌尿器科ができますから、これはできる。それからもう一つは、評価が定まる、定まらないというのは、財政上の問題は何らないとすれば、私はこの際、19年度中にできるわけですから、20年から本格稼働する、そうすると19年度の試行実施、20年の実施という予定で、保健福祉総合推進計画の見直しを来年度するわけですから、10か年計画もつくられるわけですから、ちょうどタイミング的にも符合するし、平成19年度とか20年度から一斉に団塊の世代が定年になってしまうんですね。ですから、この前後からやるんならやっておかないと、課題としては大きなものになるでしょう。来年度からやりなさいと私は言っているんではない。そういうタイミングが、今、19年度に向かって集中しているんですから、計画をおつくりになる際に、前立腺がんの検診についても、希望する方にやるというのでもいいんですよ。希望するんですから、一部自己負担があってもいいんですよ。そういう形で検討をされたらいかがかなと思いますが、どうですか。
○今健康づくり担当課長 医療環境という点では、確かに一定の前進が見られることになると思ってございます。ただ、新たながん検診の導入に当たっては、そのがんは、早期発見が可能なこと、要医療者を発見した場合の治療方法が確立されていること、それから集団に対して行う妥当性、信頼性等が必要だと考えてございます。それからもう一つ、費用効果も重要な要素と考えてございます。そういう意味で、前立腺がんを死亡原因とする死亡者数は増加しておりますが、これが後期高齢者に多く、進行の遅いがんであるということから、自覚症状が出た段階での医療ということも可能な、そういう性格のがんだということでございます。現在、基本健診等の健診制度の見直しが多く予定されております。そのことから、今の段階で個別の検診についての結論を出すことは非常に厳しいと考えてございます。検診見直しの動向、これは国の動向等、全体を踏まえながら、十分に見きわめながら、その中で課題を精査していきたいと考えてございます。
○飯島委員 そうやっていつまでも言っていると、もう検討が終わって方向性が出たときには、計画を変更する時期ではないかもしれないんですよ。だから私は申し上げているんであって、タイミングを失したんでは何の意味もないんです。ときの利益というのはあるわけですから。ぜひそういう点でしっかりとしたかかわりをお願いしたい。区長はにこにこして見ていらっしゃいますが、もういよいよ我々は同じような世代に差しかかりつつあるんです。どうですか、この際、基本計画の中でこういう問題もきちんと取り上げていく、このことの必要性は感じるんですが、区長はいかがお考えですか。
○田中区長 PSA検査については、前から関心は持っていたところであります。ただ、検診の事業として取り入れるについては、ただいま担当課長が申し上げたような一定の基準における検討というものをしっかりと踏まえなければいけないということで、検討してまいりたいと思っております。
○飯島委員 お互いにあらぬ疑いがかからないように、検査はしておいた方がいいという気がいたします。
次に、公衆浴場と震災対策について伺います。
先般来、内閣府の被害想定の話が出てきております。よく皆さんは被害想定を引用されるんですが、実は内閣府は被害想定結果を踏まえた首都直下地震対策の検討例という対策方についてもデータを出しているんですね。そこにはいろいろな取り組み方が書いてありまして、一番最初に、直接的な被害の予防対策、建築物の耐震化対策、住宅、企業、オフィス、公的建築物となっています。あるいは、延焼遮断帯や沿道建物の不燃化の対策、インフラ、ライフラインの耐震化、災害路の整備、水路の復活等々が書かれているわけであります。
突然、話が飛んで恐縮ですが、17年度の予算(案)を見させていただきましたら、新規事業として、はつらつ体操が開始され、これを公衆浴場で実施するとなっております。42カ所での実施となっておりますけれども、これは区内の公衆浴場すべてで実施するという意味ですか。
○冨永高齢福祉担当課長 区内には現在41カ所の公衆浴場がございます。区内全部の41カ所と、もう1カ所、最近、新たに協力していただきました練馬区の公衆浴場を合わせて42カ所で実施するものでございます。
○飯島委員 区の事業を行うわけであります。公衆浴場の耐震能力は確かめてありますか。
○佐藤建築・住宅担当参事 公衆浴場の耐震性についての現状把握はしておりません。新耐震基準が適用されます昭和56年以降に建築されたものは、今御紹介がございました42施設のうち9施設がございます。
○飯島委員 はつらつ体操は、今後の時代状況を考えると非常に大事な要素ですし、中野の町の中の資源を活用すること、これも非常に大事なことだと思っております。ただし、区の事業を実施する場所の耐震性について把握されていないというのはいかがなものかと思います。特に浴場ですから、広い空間が要るということで、あまり柱がないんです。それから屋根が重い。そういう構造上の耐震性についての問題があります。事業実施中に震災が起きたらということを考えると、事業を実施する場所の安全性の問題、こういうことはやはり一度御確認をされた方がいいのかなと思うんですが、いかがですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 公衆浴場につきましては、建築物の耐震改修の促進に関する法律によりまして、東京都の規定の中で、階数3以上、かつ1,000平米以上の建築物を特定建築物としております。区内の公衆浴場を調べますと、東京都の規定によります規模の基準以下となっておりまして、特定建築物の対象外ということでございますので、特定建築物としての指導自体はございませんけれども、一般的な建築物という中にも、実は認定制度というのがございます。認定制度につきましては、さまざまな特例がございます。例えば、耐震診断を実施した後に耐震改修計画を策定しまして、区の認定を受けていただくということができます。この認定を受けていただきますと、建築確認の特例としまして、大規模な修繕、模様替えの建築確認申請が不要になります。それから既存不的確建築物の規制緩和、耐火建築物の制限緩和もございます。改修工事の助成、補助はございませんけれども、貸し付けの特例の支援融資としまして日本政策投資銀行からの融資を受けることができます。さらに、この融資を受けた場合、東京都の非住宅の耐震改修工事の助成、それから利子補給も受けられます。それから税制につきましても、所得税、法人税の特別償還が得られます。こういった制度を建物所有者に紹介して、ぜひPR等も図っていきたいと考えているところでございます。
○飯島委員 いずれにしても、建築物の耐震改修の促進に関する法律の中の認定制度では、東京都は3階以上、かつ1,000平米以上で特定建築物となり、全ての公衆浴場が対象になるわけではない。中野区には、残念ながら3階建ての公衆浴場とか、1,000平米を超える浴場というのはないんだろうと思うんですね。ですから、そういう認定制度がもっと使いやすくないといけない。それに、耐震計画をつくることに関しても、いろいろと御相談はあるんだろうと思うんです。ですから、ぜひそういうことについても、公衆浴場組合の方とよくお話をされる。こういうことは大事だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
その他に、公衆浴場とは災害時の給水協定を結んでいると思いましたけれども、この協定の第5条の規定というのは、どういう内容ですか。
○納谷防災担当課長 給水協定の第5条は、浴場側の協力について定めているものでございまして、浴場の揚水施設が罹災しない、あるいは送電が確保されている場合には、飲料水として浴場の水を災害時に供給するというものでございます。
○飯島委員 だから、揚水施設が壊れない限りは生きている協定だということですね。だけど、よく考えてみると、揚水施設が壊れない、あるいは送電が可能であればいいですよ。しかし、電気が来ていないような事態を想定して、どうするかと考えているわけです。
中野区内に41カ所、飲料水が確保されている場所が現にあり、そして、そこにはその水をくみ上げるだけの能力がある。給水については、給水車で取りにいけるかもしれませんが、道路がふさがっていたら、そんなことはすぐにはできません。身近にあるそういう資源をいざというときにどれぐらい生かしていけるのか、生きた状態にさせていくのかというのが、これからの災害時の緊急の課題になるんではないでしょうか。そういう点について実際にどうなのか。協定の中では、区は、給水管をおふろ屋さんにあげるということになっていますね。皆さんは区からいただいた給水管について大事にされている。だけど、それが生かされるためには、揚水用の装置と電力が必要なんですね。それをどう確保していくのか。また、もっと言えば、被災生活が始まったときに、多くの人たちがおふろに入れるということは非常に大事なことなんです。しかもそれが地域の中に存在している、それだけでも復興への気持ちが出てくるんですよ。そういう視点で考えると、公衆浴場での事業云々という問題だけではなくて、いざというときのライフスペースとして、そこにある水という資源、飲料水の場合もあるし、生活用水の場合もありますけれども、そういうものをしっかりと確保できるような公衆浴場とのかかわり方を考えることが必要ではありませんか。いつ直下型の地震が起きるかわかりません。この給水協定は平成3年度に結ばれています。もう10数年前の協定ですから、さらにその辺を細かく詰めて、そういう体制に一つひとつ備えていく、そういう具体的な対策が必要ではありませんか。いかがですか。
○納谷防災担当課長 確かに浴場は地域の中の給水元として貴重な存在でございます。特に災害時は、今、委員の方からお話がありましたように、飲料水のみならず、浴場本来の目的として、被災者のためにものすごく活用されると思っております。例えば、揚水施設、送電が切れた場合の対応策など、これらについて、先ほど耐震性の問題がありましたけれども、これらとともに連携をとって、十分に浴場組合等と話し合いを進めていきたいと考えております。
○飯島委員 ぜひ強力に進めてください。よろしくお願いします。
それでは、次に景観法と電線類の地中化について伺います。
景観法は昨年12月に施行されました。景観法の景観行政団体というのがありまして、政令指定都市と中核市は自動的になります。その他の市町村については、都道府県と協議をして、都道府県の承認を得て、景観行政団体になることができるとなっています。中野区は景観行政団体になる意向をお持ちですか。
○服部都市整備部経営担当参事 今、委員御紹介の景観法でございます。景観の形成の促進を促すための法でございます。昨年12月に施行されてございますが、まだ一部残ってございまして、景観地区等の規定に関しますものにつきましては、公布後1年内の施行ということでございまして、本年5月、もしくは6月ごろと聞いてございます。したがって、区といたしましては、こういった景観法にかかわります情報の収集や分析、また東京都などの検討状況を努めているところでございまして、そういったことを踏まえて、景観行政団体を目指した検討を行っていきたいと思ってございます。
○飯島委員 なぜそう申し上げるかというと、実は、先ほどもバリアフリーの整備の質問もございましたけれども、景観法の景観行政団体になると景観計画というのをつくることができるんです。それ以外のところではつくることはできないんですが、景観計画を定めると、その中にいろいろなものを、重点の景観上、必要なものとして定めることができます。そのうちの一つに、景観重要公共施設を定めることができるとなっています。景観重要公共施設というと何かというと、公園ももちろんそうですけれども、道路も入るんですね。道路も景観重要公共施設というふうに、景観計画をつくった中で、地区を定めて、その中のこの道路は景観重要公共施設なんだと決めると、実は共同溝を設置する法律があります。共同溝を設置する特別措置法があるんですが、共同溝設置の特別措置法は、もうごく幹線の交通が非常にもうたくさんあって、交通状況を改善するために指定するという指定要件が非常に厳格にできているんですが、景観法に基づく景観行政団体になって、景観計画を定めて、その中で景観重要公共施設というふうにこの道路をしますと、これが共同溝設置の特措法の特例として指定かできてしまうんです。指定ができてしまうと、国が共同溝を設置する費用の2分の1を負担するということになります。ですから、今後、いわゆるバリアフリーの町づくりで、電線の地中化を進めていく、面的にそれをやろうと思ったら、景観行政団体になって、景観計画としてそれを定めて、ここの道路はそうなんですよというと、道路管理者はその計画に沿って仕事をしなければならない。まして区道ならば、区が景観行政団体ならば、自分のところの道路ですから、その道路をやるときに、本来、指定がなければ全額、中野区なら中野区の負担になるんだけれども、共同溝設置の特措法の特例になれば2分の1は国負担になります。そういう方法があるので、今後の中野のまちづくり、特にバリアフリーの重点地域の指定なんて、これからつくるわけですから、それをおやりになろうとしたら、ぜひ景観行政団体になる、このことを目指して事務的な準備を進めるべきだと私は思うので、お尋ねをしました。そういうことを踏まえて、もう一度、担当参事の御決意を伺いたいと思います。
○服部都市整備部経営担当参事 先ほども御答弁させてもらってございますけれども、本年5月、6月に景観法の全体の施行がされます。そういったことも含めて、また東京都の検討状況を踏まえて、区としても、今、委員が御紹介いただきました景観法の景観行政団体になるメリットは相当ございます。そういったこともとらえまして、今後、その上で景観行政団体に向けた、あるいはそれを目指しました検討を行っていきたいと思ってございます。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いします。細かいろいろいなことについては、機会を改めてまた伺いますので、よろしくお願いします。
次に、中野駅周辺まちづくりと都市計画マスタープランについてお伺いをいたします。
二つほどございます。
先般の特別委員会の中で、ある委員の方が、確かな記憶という発言をされながら、都市計画マスタープランの中に、警大跡地の中には4ヘクタールという具体的な数字を記載した防災公園の確保というのがあるはずだ、こういうことを服部参事とやりとりをしておりました。私、その委員と同じように、その現場に都市計画マスタープランを持っておりませんでしたので、後で帰って読みました。ついている付属の資料というのも全部読み返しました。どこにも4ヘクタールという数字はないんです。都市計画マスタープランの中には4ヘクタールという警大等の跡地にかかわって防災公園の具体的な数字はあるんですか、ないんですか。
○服部都市整備部経営担当参事 都市計画マスタープランでは、今、委員御紹介の防災公園に関しまして、具体的な数字を記載してございません。
○飯島委員 委員の記憶違いということになるんだろうと思います。
それで、改定云々のお話が出ていました。それは特別委員会で伺うチャンスもあるでしょうから、もう1点、議会側のそういう記憶違いというか、誤りを指摘するだけでは不公平ですから、もう一つ、行政の側の用意した素案の誤りについても指摘をしておきたいと思います。
都市計画マスタープランは、非常によくできているプランだと共産党の皆さんはおっしゃっていて、出てきたときもそんなふうに言っていたかなって思ったりなんかするんですが、これは協議会の委員に伊東しんじさんというお名前を発見いたしまして、これはひょっとしたらTOKYO自民党の伊東さんなのかなと思っております。つくった御本人が一言も言われないので、ちょっとさびしいなと思っておりましたけれども、そういうものです。
これによると、警大等について、桃園地域でもいろいろとやっておりますし、にぎわいの整備ということで指摘があります。警察大学校等の移転した後の跡地についての記述は確定したものがあります。にぎわいの心のところは、どういう記述かというと、JR中野駅周辺におけるにぎわいの心の整備・育成に配慮しつつ、周辺地域や関連機関などの詳細な土地利用転換計画を定めようと言っていて、なおかつここに導入するものについては、教育機関の整備とか、区が考えているような内容に極めて近いことを言っているんですが、警大等跡地の中ににぎわいの心を育成するとは一言も言っていないんですね、これは。素案の9ページに、にぎわいの心の育成というところに、警察大学校跡地にさまざまな業種、業態の企業進出が行われ、情報と知識の共有や云々かんぬんと書いてあります。中野区の産業の活性化を推進する、これは都市計画審議会の際に、私が、これはちょっと違うんではないですかと御指摘をいたしました。那須井さんの方は違う、豊川さんの方は、何かちょっとわからない答弁をしておりましたけれども、改めてお伺いします。素案のこの部分は、警大跡地ではなくて、JR中野駅周辺にさまざまなと、こういうふうに、多分文字を間違えたのか、あるいはわざと知っていて書いたとすれば、罪は重いわけですけれども、これはもう訂正をされるということですから、それぞれいろいろなことで説明をされている際には、訂正をしたもので説明をされているんでしょうし、もしされていないとすれば、早急にされた方がいいですし、それから区のホームページにこのPDFは入っていますから、それもお直しになっておいた方が無用な誤解を避ける意味で、その方が正しいスタイルですし、指摘をされて誤りを認めたんなら、すぐお直しになった方がいいと思いますが、いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 ただいま委員御指摘の素案の当該部分の表現でございますけれども、警大跡地でも一定のそういった産業、そういったものが立地することは想定をしておりますが、確かに表現上は警大跡地だけに限定するということで読み取れます。したがいまして、今後、案にするときに表現を工夫したいと考えてございます。
○飯島委員 課長はまだ相変わらず未練を持っているようですが、担当部長が、那須井さんがそこは間違いですと言ったんですから、それはもう素直に言われた方がいいなと思います。
それで、課長が出てきましたから、私は課長の御答弁に関連して伺いますが、課長のきのうのお答えだと、囲町公園の都市計画決定の変更によって真ん中にこれを移動する、開発者負担で1ヘクタールの用地を確保して、これを1.5ヘクタールの公園にする、こういうお答えでしたよね。だけど、私がこの前、区長に質問をしました、決算特別委員会のときの区長のお答えはこういうお答えですよ。警察大学校の跡地においては、おおむね3から4ヘクタール程度の避難所、有効な空地を確保するというのが最も優先されている前提の一つというふうに我々はとられているところです。その中でも、区も一定の土地の取得をして公園を整備することがなければ、3から4ヘクタールの避難所、有効な空地を確保することは難しかろうというふうに考えているところでありますと。区長は国庫負担導入云々ということもあると。ところが、この前の課長の御答弁だと、開発者負担で1ヘクタールが出て、0.5ヘクタールはここにあったものが向こうに移るだけだと。どこに区が土地を取得するとか、国庫負担の導入とかとはあるんですか。したがって、0.5もあやしい数字なんですが、江口議員が本会議で質問したのは、もっと区が主体的に0.5ヘクタールと、さらにそれを合わせて1.5ヘクタールぐらいはまず取得して、0.5ヘクタールの公開空地と合わせて2ヘクタールぐらいになる、それならわかりますよ。でも、1ヘクタールを開発者負担で出すんなら、区が1ヘクタール、もしくは0.5ヘクタールを出したって2ヘクタールになるではないですか。そういうことが可能なんだから、しかも区長がそのときの想定されていたのは、そうやって区が取得するということで、囲町公園の場所を動かすということではないだろうと思いましたよ、ちょっと用地の確保については認識が違うんではありませんか、御答弁の性格からいって。もし変えるのなら、変えるだけのきちんとした御説明を、うちの大泉幹事長が説明責任ということを言っておりましたけれども、そういうところがいろいろなところで欠けているのではないかと思うんですけれども、いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 警大跡地中央に設ける予定の防災公園につきましては、今、委員御指摘のとおり、合計1.5ヘクタール、内訳といたしましては、囲町公園0.5ヘクタールの移設、並びに1.0ヘクタールの開発者負担による公園という想定をしてございます。ただ、1.0ヘクタールの開発者負担につきまして、これは中野区も開発者の一員でございます。すなわち、中野区としても、警大跡地で一部用地を取得しまして公共施設をつくるということから区も一定の負担がございます。そういった意味からは、区も開発者としての立場から用地を負担するということはございます。そういったことも含めまして、1.0ヘクタールを開発者負担として整備して、0.5ヘクタールの囲町公園と合わせて1.5ヘクタールの防災公園を整備するという内容でございます。
○飯島委員 優秀だけれども、無能という言い方をしていた長崎の某参事官を思い出しますけれども、答弁で何でもつじつまが最後に合ってしまうということなんだそうですよ、それは。区も開発者なんですね。区が開発者負担なんですね。では、1ヘクタールのうちのどれがどうだというのは、後で調べてもらいます。もう時間がありませんから。
今おっしゃった囲町公園の都市計画上の位置の変更、これは私も決算特別委員会のときにお話ししました。こういう案もあるのではないのか、いつだったか、もっと前だったかもしれません、それは、実は財務省から提案された案ではないですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 囲町公園の移設に関しましては、財務省の方から、このような事例も考えられるので、検討してみてはどうかというお話がございました。
○飯島委員 そうなんですよね。私はそれを知らないものだから、財務省と同じようなことを言ってしまったと後で反省を少ししたんですけれども、なぜ財務省がそう言ったかというと、ここを換えると財務省に少しメリットがある。だって、公園を向こうに移して、ここをどうするんだということになるわけでしょう。ここも一体の問題として跡地処分を考えたときに、財務省に利益があるという説もあるらしいではないですか。それはどうなんですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 もし囲町公園を跡地中央に移設するということになりますと、囲町公園の部分も含めて財務省は恐らく処分するということになろうかと思います。そういった面が財務省のメリットではないかと考えられます。
○飯島委員 それだけではなくて、土地の値段が違うから、要するに高く売れてしまうという話のようですけれども、私はそうではないんだろうと思うんです。財務省は何と言っているかというと、囲町公園と税務署の位置を跡地の中に持ってきて、公園移転跡地と税務署跡地は処分対象地とすることを計画の中で検討してほしい、ここは課長がおっしゃった、そのとおりですね。公園の位置を変更した方が、中央部分に公園の規模を大きくとれるためメリットがあるのではないか。つまり、等価交換だったら値段の差ですよ。だけど、値段を一定とすれば、囲町公園は0.5ヘクタールではありません、0.53ヘクタール、正確には0.526ヘクタール、この約0.53ヘクタールの用地を中央に持っていったら、どのぐらいの広さになるのか。これを1回計算すると、防災公園を区の負担、開発者の負担したって、今の1.5ヘクタールなんかよりも、そんなに苦労しなくたって2ヘクタールになるんではありませんか。そういう計算を一度おやりになったらどうでしょうか。
○石井都市整備部長 ただいまの御質問でございますが、我々がいろいろと財務省とのやりとりの中で、囲町公園は囲町公園として話の中では残しておいたいわけです。一方で、そのほかに一定の公園を確保するにはどうするかという議論の中で、一定の公園に囲町公園をまとめて移動して、つまりくっつけた形でいけば大きな公園が実現するだろうというお話でございます。
○飯島委員 今、解釈についていろいろとやるつもりはありません。私は、区の負担を最小限にして、なおかつ最大に用地を確保できる方法を考えたときに、今お示しをいただいた、説明されていることだけではない、そういう要素があるでしょう、このことを申し上げたかったんです。区民の皆さんはなるべく広い公園になった方がいい。さまざまな開発行為とのバランスをとった上で、なおかつ余地があるとすれば、そういう努力をされるに理事者の皆さんもやぶさかではないでしょうと思って申し上げたんです。いたずらに、この問題でデッドになっていることは、区民にとってはマイナスなんです、さまざまな状況を考えたら。安全な町をつくるという意味からいえば、区民コンセンサスをどうつくって事業に着手していくのか、そういうことが非常に大事な時期なんですよ。思い込みとか、記憶とかなんとかで物を言っている段階ではないんです。ですから、私は申し上げたんです。ぜひ十分な対応方をお願いしておきます。お答えは結構です。
○平島委員長 飯島委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。午後3時15分まで休憩いたします。委員会を休憩いたします。
午後2時55分休憩
午後3時16分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○飯島委員 次に、中高年の就労支援事業についてお尋ねをいたします。
16年の決算特別委員会では、若者の雇用対策、就労対策について、担当の部長から大変意欲的なお答えをいただきました。今年度はいわゆるセミナーをおやりになるということなんですが、担当の課長さんもその後、大変な努力をされまして、いろいろな取り組みをされていると伺っておりますし、非常な努力をされていらっしゃる、大変感謝をいたしているところでございます。
それで、次の課題は、中高年の就労支援については、どうしていけばいいのか、ここが非常に大きな課題であります。先ほどお見せしたものも、実はそういう意味もあることなんですが、これについてはどのようにお考えになっておりますか。
○高橋産業振興担当課長 総務省が発表したことし1月の完全失業者数は20カ月連続で減少となってきております。しかしながら、産業構造の変化や技術革新に伴い、企業内の配転や企業の再生など、離職した中高年の再就職は大変厳しい状況になっております。中野、杉並、新宿の部分のハローワークの調査によりますと、平均求人の倍率でございますが、全年齢平均が1.8%に対して、中高年、55歳以上は0.7%という厳しい状況にございます。働く意欲や知識、経験がありながら再就職ができない中高年の就労支援については、区としても効果的な取り組み方法を検討したいと考えております。
○飯島委員 そこで、御提案を含めてお尋ねしますけれども、東京都にアクティブシニア就業支援事業というのがありまして、中高年の就労支援をやっております。品川等が有名なところでありますし、新宿にもございました。現在12区市でいわゆるアクティブシニア事業をやっていらっしゃいます。17年度、東京都の予算を見ますと19地区を対象になっているので、中野も手を挙げれば、これに当たるのかなという気がします。先ほど課長がおっしゃったように、中高年の方のキャリアを生かした、そしてなおかつ年齢的には年金受給までの間のつなぎや何かの意味もあるかもしれませんし、年金を受給された以降、一部余裕を持って生き生きと生きていくという意味でも、こういう仕事をやり続けることというのは大事ですし、同時に地域でそういうことをやることが、いわば今まで企業戦士として自宅と職場の間を往復していた人たちが、新しい時代、地域の中で生きていく、そういう大事なきっかけにもなっていく、さまざまな意味合いを持っていると思いますので、ぜひ東京都のアクティブシニア事業等の活用、これで、社会福祉協議会やシルバー人材センターとの絡みも出てきますが、そういうところとのネットワークをつくりながら、ちょうど18年度から10か年計画が始まるというんならタイミングもいいわけですから、中高年の就労支援事業を17年度中に御検討されて、取り組み方を強力に進めてはいかがかと思いますが、どうですか。
○高橋産業振興担当課長 御質問のアクティブシニア支援事業でございますが、別名はつらつ高齢者就業機会創出支援事業でございます。これは地域のおおむね55歳以上の方を対象に無料職業紹介事業を行う公益法人等に補助する、区市町村に対して東京都が経費の一部を補助する制度でございます。中高年の方の支援事業として、この制度を活用することについては、実施主体になる団体や場所、対象年齢をどうするかという形の部分がございまして、十分に検討した上で考えていきたいと思っております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。
いよいよお待ちかねの、こういう表をつくらせていただきました。これは何かといいますと、見にくいから、そんなものをつくっても何もならないよと怒られてしまうんですけれども、三つ、系列1、系列2、系列3、ブルーと赤と黄色となっています。青が10年前の中野区の人口分布です。赤が平成17年1月1日の人口分布です。黄色が皆さんおつくりになっている、基本構想等々で使っている人口の10年後の予測の数字です。こっち側が若い人、こっち側が年配の人、こういう構造です。中野区は実は二つの山を持ってまいりました。一つは若い10代、20代の人たちの人口の山が一つあります。それから真ん中より向かって右側ですが、ここに団塊の世代の山がある、こういう人口構造を持ってまいりました。10年間の間に5歳、若い方から年配の方に人口の山が動いてきたというのが現状です。したがって、きのう佐伯さんが中野区のキャッチフレーズのお話をしましたが、かつて中野は青春のまち中野だったんです。現在は中年のまち中野になる。黄色の10年後の数字はたそがれのまち中野、そういう感じもある。見ていただくとわかるのは何かというと、実は人口の山が低くなっている。つまり人が減っているということです。それからだんだん山の左側は谷になっていますけれども、急激に減っていて、ここにボリュームがあるということを意味しています。これはだんだん動いてきて減りつつある、こういうことが中野区の今後の動きとしてほぼ間違いないだろうという予測として語られていますし、それから数字、データをいじくってくると、どうしてもこういうことになってきます。このことが前提で行財政の改革というのは実は取り組まれていかなければならない。中野区が今後、活力を持っていくためには、今までと同じように、青春のまち中野の時代と同じように若い人たちが入ってくる、社会動態で流入を図れる町になるか、あるいは30代から上、40代、50代を中心とする、そうした人たちが生き生き、はつらつ、元気に生きていけて、なおかつ担税力を持ち得るかどうか。高齢者の層というのは確実に上がっています。若い人たちの層というのは確実に下がっています。こういう中野としては動かしがたい人口の構造を前提にしないと今後の町は考えられない。行財政の問題も、実はそういうことを踏まえて考えていかなければならない。したがって、中高年、特に団塊の世代、これまでややもすると日の当たることの少なかった男性を忘れないで対応していただきたいというのが一つの今回のテーマです。
もう一つは、斉藤金造議員も本会議でおっしゃっていて、私もそうだと思っております。ですから、あえてこういうことを取り上げさせていただきます。
それで、新しく総務の資料をつくっていただきました。81と82であります。これは国民健康保険特別会計に一般会計から幾らお金をつぎ込んでいるのか。つまり、国保会計というのは、本来特別会計なので独立採算的にその中で完結しなければいけない会計の性格を持っていますが、しかし実態としてはそうなっていない。どれぐらいそうなっていないかについては、今度は新しく資料にグラフをつけてもらいました。こういう絵で見ると非常にわかりやすい。81の資料は一般財源中に占める国保会計に繰り出している、一般会計から出しているお金の推移の予算と決算の数値であります。これで見ると10%に近づきつつある。82の方のグラフを見ていただきますが、今度は国保会計の中で一般会計からもらっている繰入金がどうなっているのか、予算、決算の推移を見ていただければと思います。これでいうと、片一方の一財のウエートでは10%に近づきつつある。国保の中では20%のウエートをそれが占めようとしている、これが見てとれるわけでありまして、実は中野の財政の問題の大きな課題の一つは、一般会計から特別会計への繰り出し、この問題について、どう考え、どう対処していけるのか、こういうことではないかと私は考えているんですが、財務担当課長はどうお考えになっていらっしゃいますか。
○村木財務担当課長 ただいま御紹介がありましたように、国保会計によります一般会計の負担が特にここ数年、急激に大きくなっているといったことが、一般会計そのものに対する負担増となりまして、我々としては非常に危惧をしております。
○飯島委員 危惧をしておりますと言ったって、危惧しているだけでは困ってしまうので、総務資料83というのは、予算編成における一般財源限度額、つまり各事業部ごとに、どのように限度額をもって一般財源を割り振っているかということをやっているわけです。これを見ると、裏に17年度のがありまして、これが一番、財政方としてはきちんとした考え方によってつくられているものだと思いますが、要求調整額とかとあって、結局、要求限度額との差を見てもそう大してない、言われるままにお金を配っているのかなということはないわけですが、そう表では見えてしまう。特にわからないのは、財源対策分というのがありまして、財源対策というのは内訳が出ています。これは親切な表なので、これを見ると、財源対策をやっているところの一般財源の財源対策は何かといったら、国保繰出金、老健繰出金、介護繰出金、生活保護補助費、支援費、こうなっているわけでありまして、もうほとんど繰出金の財源対策になっている。一般財源の中において最初から繰出金で財源対策をしているというのは、どういう意味ですか。
○村木財務担当課長 ただいまの総務83の部分ですけれども、この経費につきましては、義務的経費のうち扶助費及び繰出金に当たるもの、今御紹介のありましたとおりでございます。特に保健福祉部の経費17億8,500万円余につきましては、ただいま御紹介ありました資料下段、財源対策の内訳のとおり、特別会計への繰出金、生保等、これらの増加に対応する経費として財源対策を行ったものでございまして、各部は財源対策分を含め一般財源要求限度額の範囲内で予算要求を行ったものでございます。
○飯島委員 最初から財源対策をしてしまって、後でまた財源対策がまた出てくるんですね、繰出金だか繰入金と。これは先般来、収納率云々の問題もありますが、最初から当初予算から財源対策が含まれてしまっている。もうこれ以上はお金が入ってこないので、何とかしてくださいみたいな話になっているんですね。
一昨日でしたか、国保担当課長は、法律で定められた繰入金の計上であるということをおっしゃっていました。国民健康保険法第72条の何項の規定ですか。
○村木財務担当課長 第72条の2でございます。
○飯島委員 何で財担課長が答えたのかよくわからないんですけれども、ここには何があるかというと、これはいわゆる中野区として国民健康保険料の減免その他の措置をしたものの分を繰入金で見なさいという規定ではないんですか。
○村木財務担当課長 いわゆる基盤安定繰入金でございます。
○飯島委員 それ以外の繰入金の規定というのは、実は国民健康保険の保険者の予算編成に当たってという通知が厚労省から来ていて、この中に書いてあるんですね。もう何を当て込むのかという話になりますと、今おっしゃったように、保険基盤安定繰入金、これにはアとイとありまして、それから安定化計画にかかわる基準超過費の負担額、これがある場合は予算編成において留意をしなさい、それから事務費、中野区は名前を変えてしまって総務費にしてしまいましたけれども、人件費等も見なさい、それから出産育児一時金にかかわる一般会計の繰入金については、出産育児一時金の額の3分の2、これに出産見込み件数を乗じて算出する、全体の額の3分の2で繰入金を計上しなさい、こうなっていますね。それ以外の繰入金は通知の中ではありますか。
○村木財務担当課長 その通知の中に、実は赤字保険者に関する事項というものがございまして、16年度に赤字を生じることが見込まれる保険者は、17年度において赤字を解消することとし、その解消財源を明確にした計画を策定の上、必要な額を確実に計上されたいことという項があります。
○飯島委員 中野区の国民健康保険は赤字会計なんですか。
○村木財務担当課長 一般会計から法定負担分を合わせまして、厚生労働省通知で定めている内容のものを繰り入れてもなお、そういう意味では財源が不足するという状況になっているということでございます。
○飯島委員 だから、赤字なんですね。うちの特別会計が赤字だったなんて話は、どこでもそういう説明を聞いた記憶がないような気がしますね。赤字なんですね。
○村木財務担当課長 赤字です。
○飯島委員 したがって、ここにあるように、その解消財源を明確にした計画、これを策定の上、必要な額を確実に計上されたい、この明確にした計画とは一体どのようなものですか。
○奥山保険医療担当課長 国民健康保険の財源については、国の通知がございますが、特別区の対応についての御説明をさせていただきたいと思います。
○飯島委員 計画について聞いているんです。
○奥山保険医療担当課長 計画については、具体的な赤字額についての計画というものは定めてございません。
○飯島委員 定めていないのに、その他の繰入金を繰り入れることができるんですか。厚労省の通知はこう書いてあるんですよ。平成17年度において赤字を解消することとし、その解消財源を明確にした計画を策定の上、必要な額を確実に計上されたい。このとおりやっていれば、どこかの年度で赤字は解消されているはずなんですね。そういうことになれば、法定繰入金以外の繰入金を計上する必要は生じてこないということになるんではないでしょうか。
○奥山保険医療担当課長 国保財政についての特別区の仕組みと申しますか、これについて御説明させていただきたいと思いますが、財政のことに関係しますので。国民健康保険制度については、まず保険料、23区統一保険料方式ということでやってございます。特別区保険料方式とさらに給付等についても共通基準を持ってございまして、これらについて基準に沿って各区で対応するということで申し合わせているところでございます。それらの財源等につきましては、都区財調の仕組みの中で、不足額等について、各区の被保険者の所得階層の違いだとか、そういったギャップを埋めるということで、統一保険料方式を採用することによって生じるギャップ、これを埋めるということで、都区財調制度におけます財政調整の仕組みをつくっているところでございます。そういったことで、全国的な仕組みとは若干違った事業の運営形態になっているということでございます。
○飯島委員 そのことと赤字解消計画をつくらないということは別ですよ。現に赤字解消計画を策定している保険者は、同計画に基づく平成15年度の解消計画の実施状況を再検討し、予定どおり赤字が解消されていない場合にあっては、その原因を究明するとともに計画全体の見直しを行い、その上で具体的かつ実行可能な計画を策定の上、必要な額を確実に計上されたいと、こうなっているんですね。いたずらに計上が許されているわけではなくて、おのずから、その中には赤字解消のための取り組み、その他についての対応方がある、我々議会についても、中野区の国民健康保険事業特別会計は赤字ですという前提のもとで、この予算が組まれ、事業が執行されているということが十分に認識されて、この予算案は審議されるということがなかったら、あなたがおっしゃるように、法律で定められた繰入金を繰り入れているだけですということでは済まないのではないですか。まして、一般財源の1割にも到達しようか、国保会計自体でいえば2割にもなろうかという投入がなければ赤字、要するにバランスした予算が編成できないということになってくると、一体どういう問題があるんでしょうかということになってくる。
非常に僕が疑問に思うのは、例えば当初予算歳入説明の382ページには、国保会計で出産育児一時金等の繰入金があります。これは支給総額の3分の2を繰入金と書いてある。これはそのとおりにやっているんです。ところが、よく見ると、予算説明書の296ページの出産育児諸費という中には、出産育児一時金に対応した3分の2の繰入金だけではなくて、すべての費用が繰入金で賄われているんですね。全額ですよ。総額が繰入金になっているんです。片一方の歳入の部分は、出産育児一時金に対応する繰入金として、3分の2の計上なんです。こういう通知が定めている、あるいは想定しているような予算の編成だとすると、3分の2は一般会計からの繰入金、3分の1はおのずからその他の財源を考えるということが前提だから、3分の2を繰入金で計上しなさいとなっているんではないですか。それがこの通知の想定しているところではないかと思うんです。そうでないと、わざわざ3分の2を計上して、3分の1はその他の繰入金、みんな繰入金ではないですか。結局、最終的にはそういう財源になるとしても、そういうことを前提に国保の会計が組み立てられている、そういう厳しい状況にあるんだということを認識して予算案を審査するのと、単純に法令で決められているものをそのまま組んでやっていますというのでは、全然意味が違うと思うんです。そういう点をどのようにお考えですか。
○奥山保険医療担当課長 確かに、おっしゃられるように、繰出金47億6,000万円の内訳としましては、法定といいますか、国の通知に基づくもので算定しているものと、その他繰出金、この中については、先ほど申し上げましたような特別区の統一保険料方式、また給付等に関する共通基準方式、これに基づく不足額、こういったもの等を計上してあるところでございます。そういったことで、予算の内訳の書き方についてわかりづらい点があろうかということについては、ちょっと課題かと思っております。
○飯島委員 書き方の問題ではないんですよ。編成する際の哲学の問題、あるいは事務規則上の問題、両方のものを含んでいる。
では歳出の方で伺いますけれども、例えば保健事業費というのがあるんですね。いつも保健事業費を計上していますよ。700万円だったかな。これはどういうふうな通知になっているかというと、保健事業費は被保険者の健康の保持・増進を図ることにより、国民健康保険財政の健全化が期待される重要な事務事業経費です。そうですよね。お元気になる、健康になることによって医者にかかることが少なくなって、医療費の抑制というんでしょうか、適正化が図られる、こういうことを想定した保健事業なんでしょう。平成16年7月30日、厚生労働省告示第307号、告示とは法律ですよ。これをもって国民健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針が公表され、同8月1日より施行されているところであるが、この指針は医療費の大きな割合を占める生活習慣病を予防し、将来的に医療費の伸びを抑制していくため、保険者における健康づくり等の保健事業が重要となっていることを踏まえ、保険者における効果的な保健事業のあり方について示したものである。それで、なお保健事業費が保険料収入の1%に満たない市町村にあっては1%以上の確保に努められたい、こういう通知なんですよ。保険料の1%の保険事業をやりなさい。しかも、保健事業は、生活習慣病を予防し云々となっているとすれば、保険料の1%があったら前立腺のがんの検診なんかはすぐにできてしまいますよ。そういう予防事業を、いわゆる保健事業をやりなさい。中野区は幾ら使いましたという通知しかしていないではないですか。1%に及ぶような額ではありませんよ。国保財政の健全化を考えたら、こうしたところにどう取り組んでいくんだ、そういうことだって、単に財政上の問題ではない、事業実施上の問題として取り組まなければならないことではありませんか。
そこでお尋ねしますが、特別会計は今、事業部の中の担当課で所管することになっているようでありますけれども、特別会計を合わせると1,500億円、ほぼ一般会計に匹敵する特別会計のあり方が果たしてこのままでいいとお考えですか。
○村木財務担当課長 現在の区政目標体系におけます事業部制及び組織体系上、特別会計も一般会計と同様に主管部長が責任を持った予算編成に当たるべきと私どもは考えております。
○飯島委員 主管部長というのは、事業部の部長ではなくて、財政にかかわる部長さんなんですか。どっちなんですか。
○村木財務担当課長 事業部長のことでございます。
○飯島委員 ただ、中野区の体制では、予算編成における役割、重点事業等についての区長調整とか各部フレームの中での予算案の作成とか、起債計画については、総務部担当部門は区全体の予算編成方針の決定、区全体のフレームの決定、各部への予算のフレーム枠の提示となっていますね。最終的な調整はやる。だけど、全体のフレームを提示する際の問題として、あたかも一般会計から当然のごとき繰入金を前提としなければならないような、区全体のフレームを考えることは、そういう財政状況にある、そういう事業状況にあることについて、今後どうするのかということが事業部門でできる仕事ではないんではないですか。むしろ全体のフレームの設定という本来、総務部が仕切らなければならない、そういう仕事の一つではないかと私は思うんです。本来的には、これだけ巨大になった200億円を超えるような国民健康保険事業特別会計なんていうのは、しかもその中の2割は一般会計と完全にリンクしているんですよ。そうしたら、全体のフレーム調整の枠に入ってくるんではないでしょうか。どうですか。
○村木財務担当課長 基本的な考え方は、先ほど申し上げたとおりでございますが、私どもは、いわゆる区財政運営の全体を見渡す中で、そうした意味では、何らかのチェック、こういったものがきちんと果たせるような役割を持つべきだと考えます。
○飯島委員 事業部制の仕切りはあろうかと思いますが、しかしこれが絶対ではないんですよ。より効率的、より効果的に仕事ができる体制であるとするならば、そういう部分についての微調整、見直しは当然のことだと思いますので、ちゅうちょされない方がいいと思います。
今後の問題については、分科会でいろいろと御質問される方もいらっしゃるでしょうから、この程度にしてそちらに譲ります。非常に今のやり方では問題が多い、このことはあえて指摘をさせていただきます。
次に、公営住宅のストック総合活用計画というのができました。この中に中野区の持っている区営住宅についての今後の取り組みについてたくさん重要なことが書いてございます。その中で特に私が取り上げたいと思っているのは、建てかえを計画している新井住宅、こういうのがございます。またこういうのを出したんですが、全然見えないですね、小さくて、申しわけありません。これを拡大するほどの財政的な余裕がありませんでしたので、新井住宅というのは、実はここに一つとここに一つの土地があるんです。ここに今2軒の区営住宅が建っているんです。妙正寺川のそばにあるところですから御承知だと思います。もう1個の広い方、これは800平米、こっち側が250平米です。800と200で1,000ちょっとあるんですね。ここは容積が200%のところです。中高層住宅になるのかな。今、ここはどういうふうになっているかというと、家が2軒、木造の家が建っているというところです。これを建て直すという計画があります。私も現場を見てまいりました。片一方の狭いところには家が建っているんです。広い方はどうなっているかというと、ここに、もらったときの建物譲与契約書というのがありまして、ここにはこの敷地は20年間、住宅で使う用地と書いてある。ところが、そこには何とカーブミラーが五、六本と、土のうみたいなものがあったかな、いろいろな資材が置いてありました。住宅にかかわる資材なのかと思ったんですけれども、そうともとれない資材が置いてあるんですね。住宅用地なんだけれども、区の土木関係の資材置場になっている場所が現にあります。こういう使い方というのは、東京都が知らなければいいのかなと思ったり何かしているのかどうかわかりませんけれども、かつて昔、上鷺宮の方に公園がありまして、私も大泉さんと一緒に見にいったら、そこの公園も資材置場になっていました。当時の土木担当の部長さんは、公園です、公園には資材置場が必要ですとおっしゃっていました。私は資材置場だけの公園ですかと言ったら、それでも公園で言っていましたけれども、こっち側に住宅が建ったらいいんですけれども、建て直しについて、今、現に物が置いてある敷地を使って計画をするようなストック活用計画のように読めるんですが、そういうことですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 公営住宅のストック活用計画の中では、新井住宅につきましては、その用地を使いまして建てかえをする計画でございます。
○飯島委員 建てかえになるということになりますと、30数戸と書いてありましたから、あそこは容積率200%ですから、建ぺい率50%として、建てようと思えば4階建てが建つというようなところですよね。ソーシャルミックスというんですから、区営住宅2戸とそれ以外にはその他の組み合わせ、高齢者だけではなくて、世帯主、それこそ子育て支援住宅であってもいいわけですけれども、そういうものとか、いろいろソーシャルミックスで建て直しの可能性がある。中野区の住宅政策にとって新しい可能性を広く一番有望な場所ですね、これは、そういう意味では。問題は、私はなぜこれを取り上げているかというと、財源をどうするのか、建て直しということになりますと、これは相当の財源が要ります。しようがないから、ストック活用計画の中では何と書いてあるかというと、10か年計画の後期に位置付けて云々、10か年計画の後期に位置付けるということは、意識はしますが、やりませんよというのにほとんど等しい、前期5年の中にあって初めて財源、その他の対応があって事業が動いていくわけであります。なぜそうなっているかというと、多分、これは私の想定ですけれども、財源の手当てがちょっと難しいかなと思っていらっしゃるのかもしれません。建て直しに関して、財務方、あるいは財政方と財源の問題について打ち合わせをしたことがありますか。
○佐藤建築・住宅担当参事 現在、事業手法につきましては、区有地を有効活用しながら、定期借地権制度を含めました民間の資金活用型の事業手法の採用を検討しておりまして、建設費等、こういった財源が区財政に直接大きな影響を与えない方法を今、検討中でございます。
○飯島委員 もう一つ、地域住宅交付金というのが考えられているんです、国土交通省で。平成17年度の予算が580億円です。これは何かというと、今までの公営住宅の建て直しとか、改良のもろもろの補助金を一本に束ねて、使い勝手を向上するために、地方の自主性、裁量制を向上させて、年度間の流用も自由ですよというものです。どんなものに使えるかというと、公営住宅、高齢者向け優良賃貸住宅の整備、既設公営住宅の改善、不良住宅地区の改良、密集住宅市街地の整備、関連公共施設の整備など、こうなっているんですね。これは既存の補助対象事業です。地方公共団体独自の提案による地域の住宅政策実施に必要な事業等ということで、民間住宅の耐震改修建てかえ、公営住宅等と社会福祉施設等の一体的整備、住宅相談、住宅情報提供にも使ってよろしいとなっております。これは多分、交付金事業ですから、国の指針が決まる、国の指針を踏まえた計画をつくるところから始まる、まちづくり交付金と同じスタイルだと思います。
今中野区にとってはまちづくりの課題は非常にたくさんあります。特に安全な町をつくろうとか、住宅の課題というのは中野にとって永遠に課題ですよ。こういうことについて、国交省の側でいいと言っているんだから、本当にどうなのかということはありますけれども、それにしても、こういう交付金制度ができる。当然、ストック総合活用計画だけではなくて、ぜひ10か年の基本計画を策定する中で、私は中野の住宅政策、新しい時代を見据えた安全な町をつくっていく、こういう視点に立った計画もおつくりになって、活用できる交付金があるのなら、これも活用して整備方を進める、それが今取り得る、中野として動かせる範囲の話ではないかと思うんですが、お考えはいかがですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 今、御紹介ありましたように、地域住宅交付金につきましては、地方公共団体がまず地域の住宅計画を策定しまして、これに基づいて実施されます事業の費用に充当される際に交付されるということになっておりますので、現在その準備を進めているところでございます。
○飯島委員 住宅マスタープランの改定ではだめなんですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 地域住宅計画はおおむね5年程度の期間としておりまして、内容としましては、今、御紹介ありました住宅マスタープラン、住宅計画部分をイメージしております。
○飯島委員 ちょうど5年ですから、区長、よかったですね。この基本計画、10か年計画にぴったりですよ。ぜひ新しい中野区の住宅政策、かつて私たちも中野区住宅政策中間のまとめというのを前区長さんに提案いたしました。そこからいわゆる借り上げ方式等々が始まっていったという流れがあります。再び中野の住宅政策の元年のつもりで、ぜひお取り組みを、これは要望しておきますので、ありがとうございました。
この質問の最後に、先ほどお示しをしたグラフのことに立ち返りたいと思いますが、何を申し上げたかったかというと、心ある自治体は今、人口減少ということに対して、もう強烈な意識を持って対応いたしております。いわゆるダウンサイジングをどう行っていけばいいのか、こういうことでございました。先般も奥田委員の質問がございました。奥田さんの言葉がちょっと足りなかったのかもしれないが、彼はこういうことも多分、言いたかったのではなかったかなと思っております。これは脱おんぶにだっこ、職員参加型による情報化の推進という長崎県の取り組みのペーパーでございます。私たちは、同僚の久保さん、そしてこしみずさんと一緒に長崎県に行きました。担当の参事官、この方は日本総研から来た民間の人で、1年契約です。毎年毎年契約更新をされてくる。とても仕事に見合ったお金をもらっているとは言えないと言っていました。
お話を伺っていて僕はびっくりしたのは、何かというと、このペーパーの中に、いわゆるIT丸投げにかかわることについてどう対応してきたか、どう変えてきたかと書いてあるんです。この中に最初の方に人口推移が入っている。長崎県としてこの先、どういう人口の推移になっていくのかということを大前提に、どう物を考えていけばいいのかということから出てきているんですね。中野区も、これまで職員の500人の削減、それも退職不補充でやってくるということがありました。だけど、これはあるところまでは確かに効果があった。ところが、今どうなっているかというと、人件費は減るんです。しかし、物件費は上がる。人から物へと財政、歳出の構造が変わったにすぎなくなってしまっている。したがって効果が非常に薄れてきているというのが現実のようでございました。そういうことを担当の参事官の方もおっしゃっていました。
何をしたかというと、現実に人件費を物件費に移すんではなくて、今の仕事のやり方を見直していく、そこで奥田さんが言い忘れていたことは何かというと、中央電算装置が汎用型になっています、今、ITゼネコンと言われる大手の汎用機をつくっているメーカーの独占市場になっているわけです。その汎用機をやめて小型サーバーにかえていこう。もう日本全国、準備に入っている一覧があって、ばたばたとついている。ほとんどのところがその準備をやっている。その中でどうやって行政としてのダウンサイジングを行っていくのかということに取り組んでいるということでございます。
中野区でも、本当に真剣に、先ほどもお示ししたように、この10年でも、ダウンサイジングというか、人口減少の影響と人口構造の変化は避けられないという前提にありますから、今までのような行財政の取り組みで進むとは到底思えません。したがって、中央電算装置にかかわるような部分とか、巨額の投資を要求している部分については、やり方の見直し、そういうことをしていく必要があると思います。
予算説明書の107ページに情報化推進というのがありまして、ここに中央電算システムの運用再構築検討というのがあります。これは中央電子計算組織本体とその周辺云々かんぬんと書いてあって、入力データとあるんですが、これを見てもわかるように、お金がかかっているのは本体の賃借料や保守料ではないんです。区長もよくごらんになればわかりますが、中央電子計算組織周辺系及び関連機器の賃借料と保守料が4億円なんです。全体経費の5億円のうちの4億円は、本体ではなくて周辺のリースと保守料なんですね。ですから、この辺に汎用機から小型サーバーに変えていくことによって生み出されてくる余裕というのはかなりのものがあるのではないかと長崎の担当の参事官は言っていました。長崎でこのくらいですから、中野ではもう少しあるんではないかとおっしゃっていたぐらいでありまして、その辺にやはり切り込みを入れていかなければならない。先ほど伊東委員もおっしゃっていましたけれども、一つひとつ見ていかなければならない、精査しなければならないことというのは、実はこういうところにまだ残されている、しかもそれを可能にするだけの技術の進歩、こういうことが起きてきているということであります。
ですから、そういうことを背景にした取り組みをぜひ進めていかれた方がいいのではないか。なぜかというと、毎年ほぼ同じ5億円前後、もっと昔は6億円ぐらいあったんですけれども、それが中央電算に係る当初予算としてずっと計上されています。その中で中枢を占めているのは同じ項目です。どうして毎年、そんなに高いのということになるわけでありまして、ぜひその辺に対するチェックを入れていく必要があるのではないか。では、中央電算でどこの事業なのかわかりませんけれども、財務担当の村木さんのところのかかわる部がお持ちになっている可能性もあるし、区長周辺のフロアのところにあるんではありませんか。みずからの足元にまだまだ絞るべき場所がある、こういう気がしてなりませんけれども、区長、いかがお考えですか。
○田中区長 中野区の中央電算組織というのは、他の自治体に先駆けて開発をされたということで、経歴が非常に長いものですから、なかなか根本的にシステムを変えがたいという流れで来ていたように私は感じています。そろそろ委員が言われたようなことを本気で検討しなければいけない時期に来ているのではないかという認識を持っております。
○飯島委員 ぜひ、そういう意味では、どういうところに、どういう行革の余地があるのかわかりません。10か年計画をおつくりになる際には、行財政の正しい取り組みの仕方、どのように財源を生み出していくのか、歳入確保と同時に、現実の歳出カットを真剣に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、ぜひ10か年の基本計画と同時に、その期間に合わせた新しい中野区としての行財政改革、特に財政面から再びどのような取り組みをしていかなければならないのか、そういうことの計画もあわせて、合わせ技2点セットでお示しをしていただくことが必要ではないか、こんなふうに考えています。それが本当に基本構想を理解してもらって区民の皆さんにきちんと説明ができる、そういうバックグラウンドになるのではないかと私は思っております。ぜひそういう取り組み方をお願いしたいと思いますが、まず担当課長さん、いかがですか。
○村木財務担当課長 既に財政運営の考え方、粗いものではございますけれども、お示しをしてございます。ただ、この中では、歳入については、17年度から5カ年、歳出については一切お示しをしてございません、具体的な内容等につきましては。これを発展させる形で、私どもといたしましては、きちんとした10か年にあわせた財政運営の考え方をお示ししていきたいと考えております。
○飯島委員 最後に、区長にはもう伺っておりますから、重ねては伺いません。本来、担当される部長がお休みですので、かわって助役に、ぜひ御決意と今後の説明方についても万全を期したいという旨の御発言があれば、ぜひお聞かせをいただきたいと思いますので。
○内田助役 ただいまいただきました御質疑において、さらに本会議、一般質問から予算特別委員会にかけて、基本構想、10か年策定と財政運営の問題について御指摘をいただきました。御質疑を伺いながら、改めて新たな行財政改革の必要を痛感いたしました。新たな中野をつくるための基本構想、これから御審議をいただきますけれども、これが順調にスタートし、中野区がそれに向かって全力を挙げて取り組めるように、そのためにもしっかりとした行財政改革の考え方、そして計画をつくっていかなければならない、そのために十分に努力をしてまいりたいと思います。
○飯島委員 ありがとうございました。ぜひ中野区民の幸せのために全力で区長さんを先頭で取り組んでいただきたい、重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わります。御静聴ありがとうございました。
○平島委員長 以上で飯島きんいち議員の質疑を終了いたします。
以上で総括質疑はすべて終了いたしました。
なお、ここで委員長から委員各位にお願いがございます。御承知のとおり、明日3月4日金曜日から各分科会に分かれて審査を行うことになります。
したがいまして、会場設営の関係上、御持参されている資料等につきましては、机の中のものを含めすべてお持ち帰りいただくようお願い申し上げます。
次回の委員会は3月10日木曜日、午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
午後4時05分散会