平成17年03月01日中野区議会予算特別委員会 平成17年3月1日予算特別委員会(第4日) 1.平成17年(2005年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  い で い  良  輔         2番  伊  東  し ん じ
  3番  佐  野  れ い じ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か         6番  酒  井  た く や
  7番  奥  田  け ん じ         8番  近  藤  さ え 子
  9番  小  堤    勇         10番  大  内  し ん ご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原    宏          14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子      16番  平  島  好  人
 17番  む と う  有  子        18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋  ち あ き        24番  市  川  み の る
 25番  岡  本  い さ お        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひ ろ こ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  し ほ 子        32番  若  林  ふくぞう
 33番  篠     国  昭        34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済 三 郎
 39番  藤  本  やすたみ      40番  昆     ま さ 子
 41番  江  田  と お る       42番  池  田  一  雄
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
 1.出席説明員
 中野区長       田中 大輔
 助役          内田 司郎
 収入役         山岸 隆一
 教育長         沼口 昌弘
 区長室長       田辺 裕子
 経営改革担当課長              合川  昭
 経営改革推進担当課長          経営改革担当課長兼務
 危機管理担当課長 経営改革担当課長兼務
 政策計画担当課長 鈴木 由美子
 政策担当課長    政策計画担当課長兼務
 計画担当課長    川崎  亨
 まちづくり総合調整担当部長       那須井 幸一
 まちづくり総合調整担当参事       まちづくり総合調整担当部長兼務
 まちづくり総合調整担当課長       中野駅周辺整備担当課長兼務
 総務担当参事    橋本 美文
 広聴広報担当課長 鈴木 郁也
 平和人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
 平和担当課長    広聴広報担当課長兼務
 人権担当課長    広聴広報担当課長兼務
 財務担当課長    村木  誠
 営繕担当課長    秋元 順一
 人事担当課長    長田 久雄
 情報化推進担当参事            鈴木 勝明
 防災担当課長    納谷 光和
 税務担当課長    若槻 磐雄
 区民生活部長    本橋 一夫
 区民生活部経営担当参事         西條 十喜和
 地域活動担当参事 区民生活部経営担当参事兼務
 南中野地域センター所長         中村 正博
 弥生地域センター所長           南中野地域センター所長兼務
 東部地域センター所長           柿内 良之
 鍋横地域センター所長           南中野地域センター所長兼務
 桃園地域センター所長           東部地域センター所長兼務
 昭和地域センター所長           蛭間 浩之
 東中野地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 上高田地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 新井地域センター所長           東部地域センター所長兼務
 江古田地域センター所長         安部 秀康
 沼袋地域センター所長           江古田地域センター所長兼務
 野方地域センター所長           江古田地域センター所長兼務
 大和地域センター所長           大橋 雄治
 鷺宮地域センター所長           大和地域センター所長兼務
 上鷺宮地域センター所長         大和地域センター所長兼務
 戸籍住民担当課長 登  弘毅
 産業振興担当課長 高橋 信一
 地域生活支援担当課長          産業振興担当課長兼務
 みどりと環境担当参事           区民生活部長兼務
 清掃事務所長    遠山 幸雄
 子ども家庭部長   柳澤 一平
 子ども家庭部経営担当課長        竹内 沖司
 子育て支援担当課長            新井 一成
 子ども健康担当課長大久保 仁恵
 中部保健福祉センター所長        瀬田 敏幸
 北部保健福祉センター所長        中部保健福祉センター所長兼務
 南部保健福祉センター所長        佐々木 美枝子
 鷺宮保健福祉センター所長        石崎 泰江
 保育サービス担当課長           榎本 良男
 子ども育成担当課長小平 基晴
 男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
 保健福祉部長    菅野 泰一
 保健所長       清水 裕幸
 保健福祉部経営担当課長         寺嶋 誠一郎
 保健予防担当参事 保健所長兼務
 結核予防担当参事 保健所長兼務
 衛生環境担当課長 遠藤 由紀夫
 生活衛生担当課長 衛生環境担当課長兼務
 健康づくり担当課長 今  恵里
 保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
 高齢福祉担当課長 冨永  清
 障害福祉担当課長 田中 政之
 生活援護担当課長 浅野  昭
 保険医療担当課長 奥山  功
 介護保険担当課長 藤井 康弘
 都市整備部長    石井 正行
 都市整備部経営担当参事         服部 敏信
 都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
 土木担当課長    尾﨑  孝
 交通安全対策担当課長          上村 晃一
 公園緑地担当課長 斎木 正雄
 建築・住宅担当参事佐藤 幸一
 地区整備担当課長 岩井 克英
 地域まちづくり担当課長          地区整備担当課長兼務
 中野駅周辺整備担当課長         豊川 士朗
 副収入役       村田  宏
 教育委員会事務局次長          金野  晃
 教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 教育委員会担当参事            教育委員会事務局次長兼務
 教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 教育改革担当課長 小谷松 弘市
 学校教育担当課長 篠原 文彦
 学校教育管理担当課長          学校教育担当課長兼務
 学校健康推進担当課長          学校教育担当課長兼務
 指導室長       小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼  弘
 生涯学習推進担当参事          生涯学習担当参事兼務
 生涯学習施設担当参事          生涯学習担当参事兼務
 知的資産担当参事(中央図書館長)   石﨑 新一
 選挙管理委員会事務局長         山下 清超
 監査事務局長    細木 博雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長       正木 洋介
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記        黒田 佳代子
 書  記        巣山 和孝
 書  記        永田 純一
 書  記        荒井  勉
 書  記        廣地  毅
 書  記        西田  健
 書  記        岩浅 英樹
 書  記        鳥居  誠
 書  記        杉本 兼太郎
 書  記        松本 桂治
 


      午前10時00分開議
○平島委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
 1点目は、本日の委員会運営についてであります。
 昨日の委員会は、江田とおる委員の質疑の途中で審査を終了いたしました。そこで本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目に江田とおる委員、2番目に高橋ちあき委員、3番目に佐伯利昭委員、4番目に奥田けんじ委員の順序で4名の質疑を行うことを確認いたしました。
 また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
 2点目は、資料要求の訂正についてであります。
 お手元に配付いたしました予算特別委員会資料要求一覧(訂正分)として記載されておりますとおり、資料要求することを確認いたしました。
 3点目は、資料要求の差しかえについてであります。
 既に配付してあります区民分科会関係5番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。
 なお、資料要求の追加分などについては、理事会で確認されたものをその都度全体会の席上で配付し、さらに追加、訂正を経た最終的な資料要求一覧表を予算特別委員会の最終日に席上配付することとし、会議録の巻末にも資料として添付すること、最終的な内容のすべての資料と最終的な資料要求一覧をCD-Rにより各会派に配付することを確認いたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
 それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
 江田とおる委員、お願いいたします。
○江田委員 おはようございます。それでは、昨日に続きまして、残り時間の範囲で質問を続行させていただきます。
 任期付短時間勤務職員制度の導入についてお聞きいたします。
 任期付短時間勤務職員制度の導入が行われました。今定例会の初日、先議で行われて、私ども共産党議員団は反対をし、本会議場で討論をさせていただきましたけれども、多数で可決をされております。本来、23区の人事・任用に関することは、区長会と特区連の統一交渉事項になっております。しかし、この短時間勤務職員制度については妥結に至りませんでした。一たん破棄をされたわけですが、中野区はこのルールを破って議会に上程をする、こういうことを行ったわけですが、なぜこのようなことになったのですか、まず答弁をいただきます。
○長田人事担当課長 任期付短時間勤務職員制度の導入に当たりましては、16年度給与改定統一交渉の中で、区長会として特区連に対して提案をしたということ、先ほど委員の御指摘のとおりでございます。私どもとしては、誠意を持ってこの制度の導入について組合と特区連と協議をさせていただきましたが、組合としてはこの制度導入そのものが受け入れがたいということでございました。そういう状態にございましたので、やむなく区長会側から提案を取り下げるという形式、手続としてはとりましたけれども、最終的に廃案ということで、統一交渉の俎上からは外すという取り扱いをさせていただいた次第です。
 その後、区長会においては再び意思統一をいたしまして、この事項については統一交渉事項から外すと、各区において協議すべき事項として定めるということを決めております。これに基づきまして、中野区としての判断をさせていただいたものでございます。
○江田委員 それでは、いつの区長会でそういう確認をされたんですか。
○長田人事担当課長 統一交渉の経緯について区長会に報告があった時点で、従来から中野区が持っておりましたこの任用、勤務形態の多様化の問題意識については区長会で一定の表明をさせていただいております。その後、1月の区長会で最終的に各区事項化するということについての意思統一をしているところでございます。
○江田委員 ですから、それはいつの日に確定をしたんですか。
○長田人事担当課長 最終的に各区事項化するということの区長会の合意は1月14日というふうに聞いております。
○江田委員 あなた方が労働組合に提案したのは1月12日ですよね。つまり、区長会でそういう了解はなしに、あなた方は先にもうその準備をして、中野区だけはこれをどうしてもやらせてもらいたいと、これでいくんだという意思を固めていて、労働組合との折衝はもう既に提案をして既に始めると。で、これを何とか認めてほしいというふうに持っていったのが1月14日の区長会でしょう。そういう流れだと思いますが、いかがですか。
○長田人事担当課長 先ほど御説明をさせていただきましたように、まず統一交渉事項として誠意を持った協議をしております。その結果が成就しなかったという事実がございます。これを踏まえて区長会として、ないしは中野区としてどのような対応をすべきかということについて、それぞれの判断をしたということでございます。
○江田委員 先ほどお聞きしましたように、あなた方は労働組合に提案したのはもう既に12日に提案をしている。で、区長会に了解を取りつけたのは14日だと。これをまず否定なさらなかったので、それは確認しておきます。
 それで、なぜ中野区だけが、23区の中で他の22区はこういうことはしなかったんですが、なぜ中野区だけがこのルール破りをすることになったんですか。
○長田人事担当課長 公務能率の向上を図るという命題にどのようにこたえていくか、これについては日々私どもも研究をし、具体策について検討をしていかなければならないことでございます。この任期付短時間勤務職員制度については、16年度の人事委員会の報告、意見の中で、今後のあるべき方向ということで、特別区としても積極的に任用、勤務形態の多様化に対応すべきものとして検討するようにという意見が付されております。私どもとしては、先ほど申しましたように、執行体制をどういうふうに充実していくかという観点から、かねてより検討をしてまいりましたので、ぜひこの内容を17年度当初から導入をしたいというふうに考えていたところでございます。
○江田委員 昨年、16年11月24日、東京都、これは特別区人事委員会ですね。ここから文書が出ております。これは中野区の特例パートで働いていた方々が非常勤職員として採用されるようにしてほしいと、それを求めるものだったと思うんですが、これに対して11月24日付で人事委員会の判定が出ております。この内容について御紹介ください。簡単で結構です。
○長田人事担当課長 まず、要求の内容でございますが、保育園において任用されている臨時職員から、いわゆる特例パートは臨時職員の内容に該当しないので、これを承認を人事委員会が取り消すべきであるということがまず1点。もう1点は、地方公務員法第3条3項3号に規定する非常勤職員として対応すべきであるという、この2点の要求を臨時職員から人事委員会に措置要求として出されたものでございます。これに対して人事委員会は、内容としては要求はいずれも却下すると、そういう判定を下しておるものでございます。
○江田委員 求めは確かに却下されました。しかし、この中には極めて重要なことが書いてあります。その部分は今御紹介いただけなかったので、私の方から紹介いたしますが、平成9年3月18日、職員の臨時的任用に関する規則にもって充てる職は、短時間または季節的業務に従事する職とする、これが平成9年に出されたものですね。したがって、中野区が使っている特例パートについては、1年以内に廃止される職には該当しないと。つまり、臨時職員として採用するには1年以内に廃止されるような臨時的な職でなければならない。だけども、特例パートはそういう職には該当しないので、臨時職員に任用することの承認は行っていないというのがこれの中で言われていることですね。これはどういう意味なのか、解説していただけますか。
○長田人事担当課長 人事委員会を設置する地方公共団体において臨時的任用を行う場合には、人事委員会の規則によって基準を定め、承認を得ると、そういう手続が地方公務員法に規定されてございます。これに沿った手続を既に、委員御紹介のとおり、中野区長を含む23区の特別区長は平成9年にこの承認を得ているところでございます。その内容としては……。
○江田委員 簡単でいいですよ。
○長田人事担当課長 短期間、または季節的業務に従事する者ということで承認を受けております。私どもとしては、この職にあるものとして保育園の臨時的任用も行ってきているという認識を持っています。人事委員会の文書の中で、記述として特例パートについて記述がございますが、これは人事委員会としては個別にそういうものを承認をしていないということで、とりわけこのことについて判断したものではないと、そういうように私は認識しております。
○江田委員 それはあなたの認識であって、人事委員会の認識は、中野区のやり方は脱法的なやり方ですと、改めなさいというのがここで言われている中身ですよ。だから、あなた方はこれに対して何らかの対応をしなければならなくなった。しかし、昨年既に非常勤の職員は廃止をしてしまった。職を廃止してしまった。他区は特例パートの方々を非常勤として扱っているから、ここで言われているような、人事委員会で言われているような問題を起こさなかったけれども、中野区は非常勤にしないで脱法的な疑似臨職、臨時職員に似せた疑似臨職として扱ってきたためにこういう判定が出てしまった。だから、あなた方自身は、区自身は何らかの対応をせざるを得なくなってきた。これが一番の原因だというふうに私は思っております。だから、区長会と特区連の間では話がつかなくて、廃棄された、廃案になった任期付短時間勤務職員制度、中野区だけは強行せざるを得なかった、これがこの裏にある事実ではないかと思いますが、いかがですか。
○長田人事担当課長 先ほども御答弁させていただきましたが、執行体制の充実をどのように図っていくかということは日々私どもが責務として果たしていかなければならないことでございます。昨年、16年の8月1日に施行されました地方公務員に関する任期付の採用の法律、一部改正でこれが拡大されたわけでございますが、この施行を得て、改めてこの法律の実施の中で中野区としてどういった執行体制がとれるのか、そういった観点から考え、議会に御提案をさせていただいたものでございます。
○江田委員 そういうふうにおっしゃるんですけれども、そうしますと、特別区、23区の労働組合、特区連と区長会の間で話し合いをして、統一交渉として妥結をして人事・任用制度については適用していくと、新たな制度を導入していくと、これが本来の筋ですよね。だけど、中野区の場合は、中野区独自の判断で、特区連と区長会の間で話し合いがつかなかったものでも、中野区独自の判断でこれからは次々にやっていけるんだということに聞こえるんですが、そういう意味ですか。
○長田人事担当課長 区長会と特区連との関係につきましては、各区事項化する。各区において協議をするということで、この合意形成について今努力をしている過程にございます。
 それから、内容的な御説明を若干させていただきますと、非常勤職員等につきましては、もとより統一交渉事項から外されてございます。今回なぜ統一交渉の俎上に上げたかと申しますと、一般職の職の導入に係ること、勤務条件に係ることということで統一交渉の項目に該当するものとして俎上に上げさせていただいたわけですが、その職員の導入につきましては、個々各区の事情によるところが大変大きい、そういう要素が大きい。そういう意味で、区長会においてはやはり各区の事情において判断すべきものだという、そういう意思統一がされたものと認識しております。
○江田委員 区長会は、私は区長会は各区事項にしたというふうには聞いていないんですが、区長会はそうしたとしても、もう一方の労働組合はそういうふうになっていないわけでしょう。そういうことでよろしいというふうになっていないわけですから、それをあなた方は一方的にやっているという認識は、そのことは何ら変わらないわけですね。
 それで今、臨職だけではなくて一般職にもこの問題は波及してくるというふうに言われました。そのとおりなんですよね。今回あなた方が、中野区が適用しようとしているのは、聞くところでは保育園の特例パート、それから、小・中学校に配置されている障害児の介助員、この二つの職の方に適用するというふうに聞いております。しかし、この制度は幅広くどこの職場にも適用される制度ですよね。そこら辺の問題が何ら解決されていない。そこに特区連と区長会の間で解決し得なかった、時間的に解決し得なかった最大の問題があるわけです。中野区においてもこれを導入すれば、区役所の中で、庁内でこの任期付短時間勤務職員をどう使っていくのかという問題が当然議論の俎上にのってくる。しかし、そういうものはすべてにおいて、問題になっている保育園の特例パートと、それから前々から問題だと言われていた小・中学校の障害児の介助員、この二つだけに適用するというふうにしているわけですが、なぜこの二つだけで適用して強行するというふうにしたんですか。
○長田人事担当課長 まず、委員の御指摘の中で、一般職に影響があるからという御指摘がございました。私の答弁は、この任期付短時間勤務職員制度は一般職の一類型の職であるので、一般職に係るさまざまな勤務条件等については統一交渉事項であるので、任期付短時間勤務職員制度の導入については俎上に上げなければならないと、そういうことだったということを御説明させていただいた次第でございます。
 それから、続きまして業務の適用についてでございますが、この法令の趣旨からすれば、サービスの拡充をして区民のサービスを向上していくと、そのことを維持していくということに今回の改正の主眼があるわけでございます。そういった観点から、まず適用すべき業務を検討した場合に、この保育園における、例えば延長保育等の体制を充実していくというようなこと、直接区民のサービスの拡充に係るものとして判断をしたものでございます。
○江田委員 時間がなくなってきましたので、最後に結論をお聞きしたいんですが、私ども、そういう環境が何ら整備されないままに中野だけが、23区の中で中野だけがこれを強行するということについては非常に大きな問題を持っていると思います。しかし、既にこの条例は多数で可決をされました。4月1日から採用されるということになっております。
 そこで、現時点での最大の問題は何かということですが、今あなた方が臨時職員として特例パートの方々を繰り返し採用してきたわけですね。切りかえ、切りかえで採用してきたんですが、そういう方々がこの制度の導入でどうなるのかというのが今の時点での最大の問題です。つまり雇用問題です。私は、この制度が導入されることによって、新たに首切り、雇用どめ、こういうことが起きるということは絶対避けなければならない。既に非常勤の方々を雇用どめにしたことによって、中野区は裁判になっておりまして、被告の立場に立たされております。再びこういう事態が中野区で起きるということは、私はもう本当に耐えがたいことだというふうに思います。
 まして、今、解雇されて復職を求めて頑張っている方々は、既に収入の道を断たれて、その中でいろんな方々に支えられながらこの裁判闘争を闘っております。こういうことが再びこの制度で中野区に起きてくる、こういうことは絶対避けなければならないというふうに思っております。その点で、雇用については万全を期してほしい。これまで問題なく切りかえで採用してこられた方々については、新しい制度の導入においても引き続き雇用できるように、最大の配慮をすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○長田人事担当課長 雇用問題への配慮は必要なことだと考えております。当該の職員の人たちに対しては誠意を持って対応していきたいと考えております。
○江田委員 再び同じ解雇という問題が出ないように、誠意を持って最大の努力をしていただきたいということを申し上げて、この項については質問を終わります。
 それで、最後時間がなくなってしまいました。区長におわびをしたいと思います。実は憲法問題で区長のお考えをお聞きしたいということで通告をさせていただきました。私の問題意識は、区長が憲法9条2項については変えてもいいんではないかというふうに発言をしておられるわけですが、このことについての区長のお考えを少しお聞きしたいというふうに思っておりました。
 それで、ことしは憲法問題が大きな争点として論戦が展開をされるという状況になっております。もう一方、憲法を守りたい、守らなければならないという人たちの国内での運動も大きな広がりを見せておりまして、まさにこれからの日本の方向を決める論戦、論争が、激しい論戦が展開される、そういう年になってくるというふうに思っております。
 私自身は法律論、憲法論とちょっと離れまして、国際的な今の流れですね。今まではひとり強かったアメリカに対して、国連が非常に大きなウエートを占めてきている問題とか、それから、スマトラ沖地震では全世界からああいう協力体制が組まれて、最初はアメリカが中核部隊をつくって事に当たりたいと言ったけれども、国連がそれを抑えて、アメリカも含む全体で支援体制を組む、そういう流れが大きくできてくるとか、あるいは、昨年はアジアで国際会議が開かれました。国の代表と政党の代表、与野党問わず代表が集まる北京会議というのが開かれまして、ここで平和共存の意思が確認される、そういう大きな国際的な流れがあります。
 そういう中で、私はぜひ、中野は憲法擁護・非核都市の宣言をしている区として、国内の問題だけではなくて、世界的な立場から、今の大きな流れの中から区長は物事を見ていただきたいと、そういう趣旨のことで少し質問をさせていただきたいというふうに思っておりましたが、通告しておりましたので、区長もその準備をしておられたと思うんですが、大変時間がなくなって申しわけありません。改めて時間をとっていただいて、議論の場をつくらせていただきたいと思います。
 最後に、教育委員会に一言だけ要望を申し上げます。
 実は私ども共産党議員団として毎回、少人数学級を実現するための要望を東京都に上げるべきだ、このことを繰り返し繰り返し要望してまいりました。今定例会でも来住議員がその質問をさせていただきました。ところで、先日23日、衆議院の文化委員会というところで、日本共産党の石井郁子議員が30人学級に踏み出すべきだ、こういう質問をしております。これに対して中山文部科学相はこのような答弁をしました。「集団的な行動などを学ぶには、ある程度の数が必要ではないかという認識だったが、大臣になってあちこち回ると、現場の先生から、昔に比べて今の子どもは手がかかるんだな、などの声を聞く。教師をしていた妹からも、兄さん、それは違うよ。もう少し減らさないと先生方も大変だと言われた。少しでも少人数、クラスの人数を減らす方にいかないといけないと思っている」、これが大臣答弁として出てまいりました。まだまだ東京都の壁が厚くて、皆さんの考えも、東京都の壁を見るたびに思考停止の状態になってしまうのかもしれませんけれども、大きく状態は変わってきている。このことをぜひ認識をして事に当たっていただきたいという要望を申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で江田とおる委員の質疑を終了いたします。
 次に、高橋ちあき委員、お願いいたします。
○高橋委員 おはようございます。毎回毎回この予算の総括や決算の総括におきましては、心臓がどきどきしちゃうぐらいなんですけれども、初めに、予算の本年度、17年度のこの予算特別委員会がどういうものであるか、何を質疑しなくてはいけないかということを私たち特別委員会の委員はきちんと頭に置いて、行政を問う前にみずから律して質問をしていかなくてはならないなということをきのうつくづく思いましたので、その立場から質問をさせていただきます。
 私は質問通告が1番が行政運営、そして2番、自治基本条例、3番、次世代育成支援計画について、4番、その他となっておりますけれども、その他のところから質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、その他の一つといたしまして、いよいよ3月、4月は卒業式とか入学式のシーズンになります。そして、子どもたちにとっては新たなるスタートをするための卒業式、そしてまた入学式は新たなる門出の、そういう式典だと思っております。その式典に際しまして、中野区の教育委員会は学校等にどのような指導をなさっていらっしゃるんでしょうか、お伺いをいたします。
○小林指導室長 各学校におきましては、学習指導要領に基づき、児童・生徒に国旗・国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育成していくことが重要でございます。教育委員会では、各学校の卒業式や入学式などにおいて、国旗の掲揚と国歌の斉唱が適正に実施されるよう、校長会等を通じて指導を行っているところでございます。
○高橋委員 毎年この時期になりますと、さまざま新聞や報道がございますけれども、きちんとした指導をしていただきまして、子どもたちにとって思い出深い式典になれればいいなと思っております。そしてまた参列する私たちも、その式典にのっとって子どもたちのお祝いをしなくてはならないというふうに考えておりますので、教育委員会は大変でしょうけれども、持続的に指導をしていっていただければと思います。この項はそれだけで結構でございます。
 次に、もう一つその他の中におきまして、経営改革指針についてお願いをしてございますので、これの質問に入らせていただきます。
 区政改革について、我が会派の斉藤(金)先輩議員が一般質問をいたしました。そして、区政改革を中心に、区民のための改革について、区長が取り組んでいる改革が目標どおり機能していないのではないか、かえってマイナス方向に動いているのではないかとの危惧から質問をしたのですけれども、区長のお答えは、事業部制を初めとする組織改革はこれから実のあるものにしていくというものであったように記憶しております。指摘されたことも、提案したことも問題ないと改革に自信を示されていたように思います。私は、区長のこの自信がかえって職員とのギャップを生まなければよいがと心配しているところであります。その思いがありますので、まず財政運営より先に経営改革指針についてお尋ねをさせていただきます。
 経営改革指針は、平成15年と16年の2カ年の区政運営のため定められておりました。この指針によって、区政の構造改革を強化・加速し、平成17年度からスタートする10か年計画の基礎をしっかりと固めたいと区長はお述べになっていらっしゃいます。
 まず、組織階層の簡素化についてお伺いをさせていただきますが、指針には、区を迅速かつ効率的に区民ニーズにこたえる組織にする。また、職員の能力を十分に発揮できる環境にする。そのため、16年度は課を単位とした職員配置を変更し、担当別による柔軟な部内組織を導入するということになっております。これに従いまして、16年度、いわゆる課をなくすということが行われたと思います。
 ここで何点か確認をさせていただきたいんですけれども、課をなくすということの目的と願いは一体何だったんでしょうか。
○合川経営改革担当課長 課をなくすということの目的でございますが、今、委員御指摘のとおり、区の組織の簡素化を図って、意思決定手続の簡素化によりまして、迅速かつ効率的に区民ニーズにこたえる区政運営ができる組織とすること。また、権限委譲ですとか、責任の明確化を進めまして、個々の職員の能力を十分に発揮できる、こういった環境を整えることで、区民サービスの向上を図る、こういった組織にするということでございます。
○高橋委員 では、そのために具体的に何を実施されていったんでしょうか。
○合川経営改革担当課長 課を廃止することによりまして、職員の所属を部単位といたしまして、部長の権限で配置を決められるようにしたこと。また、目標と成果による区政運営によりまして、組織目標と個人目標を連携させることによりまして、個人の能力が組織の成果に結びつくような、そんな仕組みを整えました。また、組織運営の基本ルールでございます意思決定手続におきまして、権限を現場に近い方向に委譲し、組織の簡素化を図ったというものでございます。
○高橋委員 それでは、それによって本当に指針に掲げたような成果が出ているとお考えなんでしょうか。具体的に教えていただければと思います。
○合川経営改革担当課長 課を廃止いたしまして組織の中心の執行体制から、事業目的と成果を重視した執行体制に改めまして、効率的、効果的な執行体制にしたものでございます。その結果、区民サービスの向上を目指した職員間での議論が活性化をしたというふうに考えてございます。また、厳しい経営環境の中で経営資源に関する権限を拡充した各事業部が具体的な区民サービスを向上させることも一つの成果ということになります。また、例えば子ども関連施策の窓口を総合化したということなどは、子ども家庭部が顧客視点に立った改革の例だというふうに認識をしてございます。
○高橋委員 今いろいろと説明をしていただきましたけれども、私は16年度のこの組織改正は、残念ながら見せかけだけだったような感じがしてなりません。課長の名称を担当課長にしました、規則を改正しましたとか、いろいろ指針にあるような迅速かつ効率的に区民ニーズにこたえる組織になった。職員の能力が十分に発揮できる環境が整ったとは決して思えないんですが、目的とするところ、実施すべきところがちょっと違っているんじゃないかなというふうに思います。本来、課をなくそうとしたのは、従来の課という枠の中で職員がとらわれていた古い意識、これを変えようとしたんではなかったんでしょうか。つまり、課ができれば課の仕事が決められます。課に割り振られた仕事をやっていれば十分だというような思いになったり、課長が一番偉いのだから、課長の言うことに従っていれば悩まないで済むとか、そういう固定的従来型の職員意識を変えようとしていたんではないでしょうか。本当のねらいは私はここだったと思いますけれども、私の認識は間違っていますでしょうか。
○合川経営改革担当課長 御指摘のとおり、職員の意識改革ということは、経営改革におきまして最も大切なことの一つというふうに認識をしてございます。予算ですとか、人事ですとか、意思決定など、区政運営全体の枠組みを変え、組織運営の基本ルールを定めることが不可欠であると判断をして今回の組織改正を行ったということでございます。
○高橋委員 大変失礼な言い方になるかもしれませんけれども、指示を待っている人たちばかりで困っちゃうって嘆いていらっしゃった方もいたような気もいたしますし、一方では職員から、中身も見ないで判を押しちゃうとか、そういうふうにお話を聞いたこともございます。こういう状況を変えなければいけないのだと私は思うんですけれども、そのために組織改正がどうあるべきだというふうなことだったと思います。課長名を担当課長名にしたって、課を分野と呼んだって、混乱するだけだったんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 先ほどお話をさせていただきましたように、今回の組織改正、事業部間の目標を定めてこれを達成する、あらかじめ部門に与えられた経営資源を有効的に活用する、こういったことで組織全体の活性化を図るというような目的でございます。単に器を変えるということではなくて、こういった目的達成のための組織改正だということを一人ひとりの職員が認識をし、そのために仕事をしていくということが大切であるというふうに考えてございます。
○高橋委員 それでは、職員の能力を十分に発揮させましょうという環境づくりのために何かやっていること、またはやろうとしていることがあれば教えてください。
○合川経営改革担当課長 先ほど申しましたように、課を廃止する。こういった職員が属する組織の単位を大きくすることによって、係や課を単位とした役割分担を超えた働き方ができるようにしたものでございます。部における効果的な職員配置ですとか、人材育成とあわせて、経験ですとか育成、こういった能力が発揮される、こういったことが図られるものというふうに考えてございます。目標と成果による区政運営によりまして、組織目標と個人目標を連携させ、職員が能力を十分に発揮できるようにしたもの、職員のやる気を引き出し、職員の能力が十分発揮できるようにしたものというふうに考えてございます。
○高橋委員 やっぱり、改正をして目に見えるものがないと納得ができないというふうに思うんですよね。目指すべき本当のねらいを実現するためには、適切なことだったとは私にはとても思えないんです。私たちがわからないんですから、なおさら区民の皆さんだってわからないと思います。区長は、何事においても計画とか実施、評価、改善とおっしゃっていることが多いと思いますけれども、16年度の組織改正をいつ総合的に評価して改善していくのかということを教えていただければと思います。
○合川経営改革担当課長 16年度組織改正、先ほどお話をしたように、人事、予算、意思決定のルール、あるいは統括管理者ですとか執行責任者の名称の変更など、広範囲にわたるものでございました。すべて完全に理想どおり進行しているというふうには認識をしてございません。組織編成や、それに基づく仕事の進め方につきましては、区民サービス提供の基本となるものでございまして、現場の状況を踏まえ、適宜検証を行いながら見直しを行いたいというふうに考えてございます。
○高橋委員 いまだに私も用があるときに電話をかけようと思うと、組織の電話表を見ながら、何々のだれだれって。即名前が出てこない。その部署の課長じゃなくて何だっけというようなことから今も始まっているわけです。それで、私だけかもしれませんけれども、なおさら、検証していきますとおっしゃっておりますけれども、私たちよりか区民の皆さんにより一層わかる組織改革をし、そして内部が向上するような改革をしていかなくてはいけないと私は思っております。そこの点のお答えは結構でございます。
 そして、この中野区の経営改革指針の中にたくさんのことがいろいろ書かれているんですけれども、これを一つひとつ2年間のうちにどこまできちんと把握できたのかというようなこと、資料でも出していただいておりますけれども、何点か、確認をする意味で伺わせていただきます。
 まず、顧客満足度の向上で、おもてなし運動というものを作成していたようですが、成果が見えているのでしょうか。先日、ある区民から、区役所の窓口に行ったところ、職員が横を向いており、自分に気づいてくれなかった。なぜ客の方を向いていないのかしら。おもてなしと言いながら、客の方を向いていないレイアウトはいかがなものなんでしょうねというようなお話がございました。その後私も庁舎内を見回ったところ、レイアウトが縦配置になって、声をかけなければお客様の方に職員が来ないというようなレイアウトがありました。これはちょっといかがなものかなと思っております。一番区民の皆さんが窓口に行かれるようなところは、庁舎内のレイアウト、おもてなしの観点から抜本的に見直すことが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 おもてなし運動は、各職場を基本に実践プランを策定しているところでございます。そういったところで現在のところ、一つの課題に対して横断的な取り組みをするというところまでは至っておりません。レイアウトを抜本的に見直すということは、構造的な問題、あるいは経費の問題等、検討しなければいけない多くの課題があるというふうに認識をしてございます。それらの課題の整理をしながら、レイアウトについても考えてみたいというふうに思ってございます。
○高橋委員 やはり、先ほども職員の能力が十分に発揮でき、そして区民ニーズに合うっていっても、ちっともそういうところはなっていないんじゃないかなというふうに思います。これからレイアウトを考える上でも、職員の皆さんだけでは無理があれば、民間の方のお力をかりて、いかに区民の皆さんに適切なレイアウトになるかという、そういうお話だって聞いてもいいんではないかなというふうに思います。そして、いわゆる庁舎内ではいろいろな場所、税務分野、保険分野などでも個人情報が飛び交っている部署もあると思います。こういうものに対してでもきちんと、だれが来ても個人情報が漏洩しないようなものにしていかなくてはいけないと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○合川経営改革担当課長 ただいま委員御指摘いただいた税務分野、あるいは保険医療分野にとどまらず、個人情報を適切に管理する、これは区の重要な責務というふうに考えてございます。実践プランは各分野で検討をし、策定をしているものということでございますが、今後見直し、改善していく上で、個人情報の保護の視点を十分踏まえながら、プランの更新もできるものというふうに考えてございます。受付、あるいは相談窓口が狭いために、話の内容が隣の人に聞かれるのではないかというような不快な思いをされている方もいらっしゃることと思います。構造的な問題は別にして、職員がこれらを理解し、配慮、注意することも大切なことというふうに思いますので、工夫をしていきたいというふうに考えてございます。
○高橋委員 ぜひ、次回お伺いするときは、その工夫の結果がきちんと報告できるようにしていただきたいと思います。
 次に、前回もお伺いいたしましたが、職員白書の作成はどのようになっているんでしょうか。決算のときにお伺いしたときは、現在作成中ですという御答弁だったように思います。
○長田人事担当課長 今、編集の最終段階に入っておりまして、3月中に議会に御報告できるように努力をしたいと考えております。
○高橋委員 この改革指針の中には15年度作成となっているわけです。それで現在作成中で、3月ってもう今月、きょうから3月でございます。ですから、再三申しておりますように、できれば--また3月中にできませんでしたなんていうことはないでしょうね。
○長田人事担当課長 公務員制度改革の大きな動きがあるということを念頭に置きまして、15年度、最終的な作成を見送った次第でございます。その後さまざまな観点から検討いたしまして、3月中には議会の方に御報告をしたいというふうに考えております。
○高橋委員 これだけやっていますと、時間もありますので。2カ年の計画の中身でございますから、ぜひ報告できるようにお願いしたいと思います。
 次に、土地と施設の有効利用というところでは、施設配置の見直しの結果に基づく売却候補地の検討となっておりますけれども、これはいかがになっているんでしょうか。
○川崎計画担当課長 お答えをいたします。中野区の土地・施設の活用につきましては、このたび検討を進めております基本構想10か年計画の検討内容の一つといたしまして、施設配置の基本方針というのを今年度当初にお示しをしたところでございます。その中では、施設建設が凍結をした土地、あるいはまた今後、施設配置の見直しにより生じてきます土地について、可能な限り保有をしながら活用を図りたいということで、現在検討を進めているところでございます。その中で将来的に活用の見込みのない土地については、売却も視野に入れた検討を進めるということでございます。
 では具体的にどこが売却対象となるかにつきましては、現在、全体の施設配置の調整をしているところでございます。その結果が出たところで、具体的にこの施設ということでお示しをしたいというふうに考えておりますが、その経営改革指針の中に載っております上野原スポーツ、そういう施設につきましては、現在具体的な調整をしておりますので、その点につきましては所管からお答えをしたいと思います。
○村木財務担当課長 上野原の用地につきましてお答えを申し上げます。
 昨年の6月に上野原町、これは現在、秋山村と合併をいたしまして上野原市となってございますが、区として神奈川県企業庁に当該用地を売却したい意向を伝えまして、了解を得てございます。同年の8月、神奈川県企業庁は、この上野原の土地を土砂のしゅんせつ事業のため取得したいので、買う方向で調整に入っていると、このように表明をいたしました。しかしながら、この神奈川県企業庁のしゅんせつ事業は、水道事業者であります横浜市、川崎市、横須賀市からの委託事業のため、いわゆる用地を売却するということになれば多額の用地費が必要といったようなことから、調整に時間がかかるということで、売却までにはなおもう少し時間を要するものと思われます。
 一方、中野区と神奈川県企業庁、上野原町との間の13年度から17年度までの協定によりまして、17年度まではしゅんせつ土砂を受け入れるということにしておりますので、売却は早くて18年度以降ということになると思います。なるべく早く売却ができるように、これからも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○高橋委員 上野原は、区長が--こういうことを言ったら失礼かもしれませんけれども、知らないうちに売っちゃうんだというようなお話をしていましてね。私たちも知らないうちに、ああ、上野原は売られてしまうんだ、計画は中止になっちゃったんだなというときもあったような気がいたしますけれども、それを言ったのでも2年も前のことでございまして、18年にならないとどうなるかわからないというふうなこと。それから、上野原だけではなくて、ここに掲げてあります凍結した建設計画の今後ということで、産業情報センター、それから南部区民ホール、上鷺宮五丁目冒険遊び場、平和資料館等々、こんなにあります。また施設配置、それから見直しは、地域センター、高齢者福祉センター、児童館、保育園、保健福祉センター、区立小・中学校、区立幼稚園、図書館と、ざっとこんなにたくさん載っているわけですよ。それを2カ年でやりますというのが、この経営改革指針だったと思います。
 ですので私は、この経営改革指針を作成して一層強力に進めていきますと、行財政5か年計画よりも一層進めていきますと言っていたんですから、よっぽど強力的に進んできたんだなというふうな思いでいたんですけれども、今の御答弁を聞いておりますと、多々さまざまにほかのことも進んでいないように思いますけれども、いかがでしょうか。
○川崎計画担当課長 今、委員御指摘のとおり、経営改革指針では15年度中に施設配置についても議論の素材を供したいというようなことで書いてあるところでございますが、先ほど申し上げましたように、その内容につきましては、16年度当初ということでずれ込んでおります。今現在、その施設について具体的にどのような配置というところにお示しをできる段階になっていないということについては申しわけなく思いますが、現在、区の施設全体につきまして見直し、この見直しに当たりましては、当然、現在区が抱えている施設数、これについては維持ができないというその前提のもとに厳しく見直しをし、そして、先ほど土地の売却というようなことも申し上げましたが、当然、今後の財政需要にこたえていく、新たな財政需要にこたえていくという意味では、その売却についても積極的な活用を図っていくということを考えていきたいと思っております。
○高橋委員 それでは、この経営改革指針は基本構想と10か年計画の基礎を確実に固められなかったという理解でよろしいですか。
○川崎計画担当課長 この経営改革指針に基づきまして、その後、現在の基本構想・10か年計画の検討に入っているということでございます。その意味で、検討の礎となる方向性ということについては、この経営改革指針でお示しをしたものを今着実に進めているということで御理解をいただければと思います。
○高橋委員 はい、結構でございます。本当に大変なことはよくわかっておりますけれども、こうやって掲げておしまいということにならないようにしてもらいたいと思います。
 それでは、財政運営についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 17年度の予算は、住民税の減税補てん債の借りかえ分を相殺すると、16年度比5.5%、45億660万円余もの実質増となっております。中野区の財政は特別区税、特別区交付金、地方譲与税、利子割交付金などその他の歳入、いわゆる一般財源は651億249万円ですが、17年度も財政調整基金の繰り入れを10億642万円余行っているように伺っています。16年度も8億円以上の繰り入れを行っており、財政調整基金からの繰り入れが経常化しているように思います。年度間の財政調整を図り、財政の健全な運営のための基金が経常的に繰り入れられては、10か年計画の新たな取り組みはおぼつかないものではないでしょうか。10か年計画で想定されている事業は、特定財源よりも一般財源に左右される事業ばかりだと思います。予算の内示を受けたときに、あわせて財政運営の考え方が示されたように思いますが、この考え方によると、税源移譲が行われる19年度以降、初めて財政調整基金を経常的に使わずに済む財源確保ができると思いますが、いかがなんでしょうか。
○村木財務担当課長 内示の際にお示しをしました財政運営の考え方の中で想定をいたしました歳入の見込み、これにつきましては、幾つかの試算の条件に基づくものではございますけれども、足元の17年度を見ますと、一般財源が635億6,700万円で、これに財源対策として財調基金の取り崩し分、これを加えて651億余ということで17年度予算の一般財源になっております。18年度もほぼ同額と見込んでおりますので、お尋ねのとおり、税源移譲が行われます平成19年度以降、初めて財源対策を行わない状況になると想定はしてございます。
 しかしながら、この想定では税源移譲されます住民税の徴収額、調定額ではなくて、実徴収額を現時点で40億円程度と見込んでおりまして、この中には将来の例えば学校の改築や大規模改修を初めといたしまして、その需要に合わせて、これまで臨時的に交付されておりました国庫補助金、これもこの三位一体改革の中では、例えば改築期間を50年とした場合に、その50分の1ずつが毎年算入されてくるといったような考え方になるであろうと、このように想定をしてございます。したがいまして、それぞれの基金に計画的な積み立てを行うなどの措置を講じておきませんと、将来の需要にたえられない、こたえられない結果となり、区の財政を危機的状況に導くことにもなりかねないと、このように考えております。
 そういう意味で、19年度以降の一般財源想定額、ごらんいただきますとわかりますように、670億程度というふうにしてございますけれども、これをすべて、その年度その年度、単年度予算に計上し、事業展開できるということで支出に充ててしまうと、事業支出に充ててしまうということは考えられない。なぜならば、中野区の財政体力をこの一般財源ベースで見た場合には、現時点では、私どもは大体630億円程度ではないかというふうに考えておりますので、このいわゆる税源移譲に基づいて徴収される住民税の一部、これについてはしっかりと長期的に、計画的に積み立てを行って、その後の需要にこたえるとともに、私どもの中野区の財務体力に見合った事務事業の見直し等々を行って、一般財源に対して毎年、財政調整基金を取り崩さなければ予算が組めないといったような状況は避けるべきだと、このように考えております。
○高橋委員 今いろいろお話いただきましたけれども、本当に基金を積み立てていかなくては大変なんだなというふうに思っております。また一方では、財政の構造改革には時代の変化に即して区の施策の範囲及び水準を見直すと言われるように、すべての事業について、聖域なしに見直すことが必要だと思います。
 昨年9月に区長が示した平成17年度中野区予算編成方針によりますと、16年度から事業部制を取り入れ、これは先ほど私もいろいろと聞かせていただきましたけれども、部長がみずからの権限と責任により予算を調整することにし、17年度は経常経費と政策経費の別なく、一般財源を配分したようであります。このことは結果的に多くの問題を残した手法ではなかったかと思います。
 昨年9月に予算編成、事務処理方針として示されました予算見積書の作成に沿ってお伺いをしていきます。また、事業部制ということから、各部からお答えをいただきたいと思いますので、お願いいたします。
 まず、子ども家庭部にお伺いをいたします。
 予算審査をするに当たって、既に役割を終えた事業や創設時の必要性が薄れた事業はなかったのでしょうか。また、費用対効果の観点から、施策の規模、水準、手法の見直しの必要のある事業はありませんでしたか。例えばファミリーサポートセンター事業は会員数を成果指標に挙げておりますけれども、この事業のアウトカウントは言えないのではないでしょうか。その意味で、もしかしたら見直しが必要ではなかったんではないかなというふうに思います。もし見直しをすべき事務事業がなければ、18年度以降、余り経費の削減が期待できないように思いますが、いかがでしょうか。
○柳澤子ども家庭部長 お答え申し上げます。子ども家庭部、17年度に向けては人材育成支援の計画もつくりましたので、そういう意味で、かなり部の事業について精査をいたしました。その結果、廃止ということになりましたのは、延長保育ヘルパー事業を廃止いたしました。そのほか、各事業について執行のあり方、つまり経費の削減を含めてかなりの議論をいたしました。その中で具体的に申し上げますと、例えば乳幼児健康診査などにつきましては、健診体制の事後処理を含めた勤務効率化、配置見直しが可能ということで、約196万2,000円を減してございますし、幼稚園、児童館の運営につきましても、光熱水費等を再精査いたしまして、416万7,000円を減してございます。
 なお、後の方で御質問がありました行政評価も含めた中での指標の問題はございます。ファミリーサポートセンターにつきましては、御指摘のような指標を使っていまして、評価の中では特に問題にはされていませんが、私たちも今議員のおっしゃったような視点からの指標は大事だと思っていますので、今後について適切な指標を探していきたいというふうに考えてございます。以上です。
○高橋委員 子ども家庭部は、後ほど伺います次世代育成支援行動計画ですか、これの中にさまざまなことをうたっておりますけれども、余りにも大きく手法を広げますと、大変なことにならないかなというふうに私は思います。
 では、次に区民生活部にお伺いをいたします。
 類似事業の整理という視点からの見直しはどのように行ったんでしょうか。例えば創業支援セミナーと創業支援相談、診断事業は一つにあわせて、発展性のある事業の展開を考えていってはどうかなと思ったりもいたします。創業支援事業の目標に、中野区が目指す良好な創業環境を有するとあることからすると、経理、税務の知識や販売戦略についての支援だけではなく、創業意欲をかき立てる特許情報などのいわゆる創業の契機となる情報や、創業を望んでいる障害者への情報提供など、幅広い事業とすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○本橋区民生活部長 お答えをいたします。創業支援の関係でのお尋ねがございましたが、創業支援セミナーにつきましては、創業を考えている準備段階の方ないしは創業間もない方々を対象にしての、グループでといいましょうか、講義形式での対応をしております。それに対しまして、創業相談等につきましては、具体的に融資ですとか、創業に関する課題についての専門家、これは中小企業診断士を中心としての個別の相談を受けているというような形で、それぞれ違いがございます。ただ、創業という一連の流れの中の事業ということで、相互に連携をとった形での運営をというふうに考えているところでございます。
 また、見直し等々の問題の中では、例えば役割を終えたという点ではシェモア仙石、これを区の事業としてではなくて、施設を貸し付けての民営化にしたり、あるいはまたIT活用地域活性化事業、これがなかなか年度内に事業を立ち上げるということでの補助制度という仕組みに難しさがあったかなということで、ビジネスコンテストに切りかえるなど、それぞれ内容を点検しながら予算を組んでいるところでございます。
○高橋委員 中身が違うといっても、区民の皆さんから見れば同じような感覚にとらわれる事業がたくさんあると思いますので、そこのところはよく連携をとってやっていただければと思います。
 また、シェモアも4月からは民間になるということで、うちの会派の人たちもシェモアに行ってきたようでありますけれども、4月からまたどのようになるかねということで、行ってみなくてはというふうには私たちも思っているところでございます。
 次に、障害者の創業支援というのはどこの部で検討するようなことになっているんでしょうか。
○本橋区民生活部長 障害者の方々につきましても、例えば障害者の方、あるいは支援者を中心として、コミュニティレストランなどをつくっている例なども他の区市などではございます。障害者の創業支援につきましても、一般的な創業支援と同様に産業振興分野が担当するということで、私どもの所管になっております。
 なお、障害者の創業ということでの専門的な観点からの対応が必要な部分もありますので、これらにつきましては保健福祉部と連携をとりながら支援をしていきたいと考えております。
○高橋委員 ぜひ、保健福祉部は障害者の生活支援等も見ていらっしゃいますので、創業支援と生活支援をあわせて両方が相互に支援できるような形をとっていっていただければと思います。
 今、具体的に検討をしているようなものというのはあるんでしょうか、何かそういうもので。
○本橋区民生活部長 障害者の方々の創業ということに限定しますと、特にそこの部分ではございませんで、一般的に他のいろいろな、さまざまな創業関係の支援ということで考えておりますが、先ほどちょっと御紹介いたしましたけど、他の自治体などはコミュニティレストランとか、そういうのがあります。いわゆるコミュニティビジネスなどが比較的創業にふさわしいのかなということで、そちらのコミュニティビジネスに関しましては私どもも力を入れながら対応、支援をしていきたいというふうに思っております。
○高橋委員 ぜひ検討していっていただければと思います。
 先ほど、財務担当課長からいろいろとお話を、お答えをいただいたところでございますけれども、一つの例といたしまして、都市整備部にお伺いをしたいんですけれども、16年度に金額の大きな予算の流用があったものがあれば、お答えをしていただきたいんですけど。
○石井都市整備部長 お答えをいたします。都市整備部門で1月末までに行いました大きな流用、100万円以上の流用でございますが、件数は9件ございました。金額につきましては、4,200万円余りというところでございます。一番大きな理由ですが、街路灯、それから橋梁の欄干なども腐食がございまして、これを緊急に修繕をしようということのために補修費を充ててございます。
○高橋委員 先ほど、村木財務担当課長から、区全体の財政運営という観点から予算をチェックする仕組みが必要ということをお伺いしたので、今、例として聞いているんですけれども、この流用はどなたが判断されるんでしょうか。
○石井都市整備部長 区の予算事務規則に基づきまして、私が判断をしたものでございます。
○高橋委員 それでは、議決予算と実行予算という言葉を部長は御存じだと思うんですけれども、簡単に教えていただければと思います。
○石井都市整備部長 我々こう考えてございますが、議決予算と申しますのは、区長が議会に提出をいたしました予算案が議会の議決を経まして成立をしたという予算というふうに考えてございます。また、議決予算は本来そのまま執行することが基本原則というところでございますが、実際には各種の事情によりまして、議決した議会の意思に反しない、そういった範囲でこれに変更を加えた予算の執行計画を策定することがございます。これを実行予算というふうに呼んでおるわけでございます。例えば、財政運営上の理由などから、歳出予算の配当を保留したり、また、区民生活に影響を及ぼすおそれがあるため緊急に対応しなければならない経費を流用等で措置をしたりといったような予算の執行計画が実行予算であるというふうに認識をしておるところでございます。
○高橋委員 何で聞くかといいますと、費目の流用は自治法230条によれば、歳出予算のある費目について、議決科目については原則として禁止されています。議決科目は項までです。ですから、各項の予算は執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより流用できるとなっておりまして、議会軽視にならぬよう議会の関与が必要とされています。しかし、予算の執行科目と言われる目、節は執行機関が執行過程においてさまざまの変化に即応して変更することが認められているように聞いています。だからといって、いたずらに変更することは、予算それ自体を混乱させることになると思っています。
 私が心配しているのは、目、節に余裕を持った予算を編成することによって、事務事業が予算の議決後、執行段階で自由に変わってしまうのではないかということが心配なんです。悪く言えば、予算への議会の関与を軽視しているように思えてならないんですけれども、これはいつから各部長の判断による流用を認めたのでしょうか。その理由をお願いします。
○村木財務担当課長 各部長の判断によります予算の流用を認めましたのは、平成15年度からでございます。14年度までは、予算の流用につきましては財政担当部長への協議を必要としてございました。施策展開の組織単位でございます部がみずからの判断で効率的に予算執行ができるよう、平成16年度のいわゆる事業部制導入を見据えまして、予算執行に係る権限を15年度から各部長に委譲をしたものでございます。
○高橋委員 そうすると、各部の部長は大変に責任が重くなるという理解でよろしいんでしょうか。
○村木財務担当課長 事業部制の趣旨、目的、そして実際の実行という中では、今委員がおっしゃったとおりでございます。
○高橋委員 大変責任が大きくなってきて、大変皆さん御苦労かなとは思いますけれども、次に、もっともっと大変な部署にいらっしゃると思います保健福祉部にお伺いをいたします。
 我が会派の市川議員が平成15年、第1回定例会でお伺いをいたしましたけれども、一般会計から国民健康保険特別会計への繰出金について、改めてお伺いをさせていただきます。国民健康保険事業への一般会計からの繰出金の算定根拠を教えていただければと思います。
○奥山保険医療担当課長 繰出金の算定内容でございますが、平成17年度の繰出金の内容につきましては、保険料の減額などの負担軽減に伴う費用、これが7億4,100万円余、国保の特別会計、職員給与費の繰入金、これが8億7,400万円余、出産育児一時金繰入金が1億2,800万余、その他の繰出金といたしまして、これは財源不足額に相当する部分でございますが、特別区の共通保険料の高額療養費未算定分に相当する額が4億2,900万余、それと同じく特別区の共通基準によります保険料減額の1割上乗せ負担分が9,600万、保険料の収納不足額に相当する額が22億5,500万余、その他、葬祭費、審査支払手数料等がございまして、2億3,700万余、この合計額がその他繰出金として30億1,800万余となってございます。これらの繰り入れの根拠につきましては、国民健康保険法、また国通知等で示されているところでございます。
○高橋委員 内容を教えてくれと言ったんではなくて、一般会計からどうして繰り出さなくちゃいけないか、その根拠を教えてというふうに聞いたつもりなんですけど。
○奥山保険医療担当課長 先ほど申し上げましたように、保険料の算定、また保険料の収入不足、また給与費、そういったことが国保会計の中で負担することになってございますので、算出を組んでございますので、その分については一般財源を充てるということで、国保法、国民健康保険法等にのっとりまして繰り出しをしているということでございます。
○高橋委員 要するに、保険料の収納率を上げることが繰出金を減少させると理解をしていいんですか。
○奥山保険医療担当課長 医療費と関係するわけでございますが、医療費が毎年、高齢化等に伴いまして伸びてございます。保険料の収納不足額が医療費の歳出との関係で国保会計に非常に大きな影響を及ぼすことになります。そういったことから、収納率の向上が繰出金の増を抑える大きな要因になるものと認識してございます。
○高橋委員 繰出金が多くない方が、それはそれにこしたことはないんです。ですから、その点につきましてお伺いいたしますけれども、行財政5か年計画で立ててありました目標、収納率というのはどうなっているんでしょうかね。5か年計画といいますと、17年度までであったように思いますけれども、いかがなんでございましょうか。
○奥山保険医療担当課長 現年分についてお答え申し上げますが、平成13年度が89.5%、14年度と15年度、同じでございますが、90.5%、16年度が91%、17年度が91.5%となってございます。
○高橋委員 そうしますと、この収納率が現状のままでいくと、年々繰出金がふえ続けちゃうということになりますよね。そんなに大幅に上がっているというわけではないんですから。こういった状況というのは、財政改革の足かせになっちゃうんじゃないかなと思うんですけれども、どう思っていらっしゃいますでしょうか。
○奥山保険医療担当課長 先ほども申し上げましたけど、年々医療費の支出が増大する中で、保険料収入の伸びがなければ一般財源を充当せざるを得ないという状況にございます。このため、収納率が現状のまま推移することによりまして、財政改革にも悪影響を及ぼすということになると認識してございます。
○高橋委員 いわゆる事情はいろいろございますから、皆さんそれぞれ頑張っているんだとは思うんですけれども、その足かせにならないように取り組んでいるわけですよね。その取り組みということについて、いろいろとどういう取り組みをしたのかということをここで教えていただければありがたいんですけど。
○奥山保険医療担当課長 徴収対策といたしましては、平成16年度からはコンビニ収納を開始いたしてございます。また、それ以外の徴収対策といたしましては、従前から督促、また文書、電話、訪問によります催告、また呼び出しによります納付の交渉、財産調査、差し押さえといった滞納処分、また長期の滞納者への保険証の資格証、短期証の交付、こういったことを実施してございます。
 これらについては特に16年度におきましては、督促の時期を納期の翌々月から翌月に1カ月早める。また特別訪問催告、これは休日にやってございますが、これは回数をふやす、そういったことで対策を強化しているところでございます。
○高橋委員 個々のことはほかの委員の方々も伺っていますし、私も決算でも伺いましたけれども、徴収体制が悪いとかいいとかじゃないんですけれども、強化をするために組織の中において、より一層どのように取り組んでいたのかということを教えていただければと思うんです。コンビニ徴収とか、そういうのはもういろいろ皆さんの御質疑の中でお答えされて聞いておりますので、一体、部で今後どのように取り組んでいかなくてはいけないんだというような意識を持って取り組まれているかということをお伺いしたいんですけれども。
○奥山保険医療担当課長 この国民健康保険料の収納率アップが国保の最大の課題ということで、部の大きな課題として位置付けてございます。その中で、この徴収体制もそうでございますが、さまざまな対策の効果的な実施というようなことで、来年度におきましては電話催告システムの導入なども考えているところでございます。できるだけ効率的に成果が上がるような対策の実施を考えていきたいというふうに思ってございます。
○高橋委員 ぜひ努力をされて頑張っていっていただきたいと思います。毎回、御答弁の中身が同じですと、どうなのかなということも思いますので、ぜひ力強く進んでいってもらいたいと思います。
 今は国民健康保険事業の特別会計の質問ですから、ちょっと趣旨が違ってしまうかと思いますけれども、一つだけお伺いしたいことがございます。
 予算編成の原則の一つに、予算統一の原則というのがあると思います。予算がますます複雑化しつつある区政運営の内容を表現するものである以上、その理解と執行を容易にするには、収入、支出の分類が統一的観点から系統的に総合調整されていること、また収入の確保、支出の目的が一義的に理解できるように表記される必要があるというものですが、予算説明書補助資料で見る限り、この原則を外しまして、皆増皆減してまで款とか項の変更の必要性があったのか、私は疑問に思います。なぜ総務費を国保運営費に変えたのでしょうか。目の設置だけで十分だったと思います。また、保険給付費を款、項だけの変更をしたんでしょうか。内示の段階でも説明がなかったように思いますけれども、どういうことなんでしょうか。
○奥山保険医療担当課長 この国保会計の予算の組み方でございますが、平成16年度までは国の事業勘定に合わせてこの予算科目を設定してございました。ただ、これが区政の目標体系、目標によります区政の推進ということで、区政目標の体系化を図りましたが、それとの整合がしていないという部分がございましたので、平成17年度の予算編成に当たりまして、国などの科目の設定にも配慮しながら、区政目標体系と整合した科目設定に変更したということで今回、皆増皆減というようなことで表示させていただいている部分の変更が生じたということでございます。
○高橋委員 説明を聞いてもよく理解できないんですけれども、これ以上聞いていても、私も理解力が不足しておりますから、理解できないんですけれど、また詳しく後ほど聞きにまいりますので、説明していただければと思います。ありがとうございます。
 次に、生活保護についてお伺いをしたいと思います。
 都政新報にちょっと記事が載っていたんですけれども、「生活保護の受給世帯数が昨年10月に全国で100万世帯を超えた。15日に発表された昨年11月の速報値でも引き続き100万世帯を超えている。95年までは減少していた被保護世帯数だが、01年から02年にかけて6万世帯増、02年から03年は7万世帯増という急速な伸びを示している」というふうにいろいろ書いてありまして、それで、もう一つ気になるのは、「20代、30代の受給者が急速にふえていることだ。都内で見ると、受給者数全体に対する割合は8.9%と高くないが、この10年間の伸びは2.38倍で、全体数の伸び1.83倍を上回っている。若者の失業率が高どまりしていることがここにも影響しているのだろう。都の幹部職員にも、将来を担う世代で受給者が急増していることは、日本や東京の未来を考えると怖いことだとの心配の声が多い」というふうな記事が都政新報に載っていたわけでありますけれども、今、中野区の現状をどう受けとめていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。中野区の生活保護の現状についてでございますが、最近5年間では、被保護者が年平均5.5%の増加を示してございます。その原因として考えられることは、まず、高齢あるいは病気による失職、あるいは収入減、それによって生活困難に陥った方が多いということです。それから、あと就労形態の変化というものも背景にあると思っております。また、先ほど御指摘のあった若い方の増加ですが、中野区の場合はそれほど、先ほど御指摘のあったほど多くはありませんが、一定の割合で20代、30代の方、特に心の病を抱えた方の生活保護受給が最近ふえている状況でございます。
○高橋委員 そうすると、資料もいただいておりますけれども、これは本当に生活保護費、扶助費については余り支給しちゃいけないよとも言えませんし、さまざまな方たちの状況を考えて審査して、吟味しながらというか審査して、その方たちに扶助費を支給していらっしゃるのかと思いますけれども、今伺うと、20代、30代の心の病の方が多いというふうに聞いたのにはちょっとびっくりをいたしました。
 それで、中野区において保護することに当たりまして、審査内容とか、いろいろ審査が23区違うのかとか、私も内容がよくわからないので教えていただきたいんです。審査内容のこと、それから見直しなどを検討していらっしゃるのかどうか、お伺いをいたします。
○浅野生活援護担当課長 生活保護を受けるに当たりましては、まず生活保護の申請というものをしていただきまして、それに伴いまして中野区では中野区の職員が審査をするような過程をとっております。生活保護法において、第28条、第29条の規定がございまして、そこにおいて生活保護の申請をした方につきましては、必要な調査を行う、あるいは本人の同意を得て金融機関等への照会を行うということが定められております。
 具体的にどういうふうな項目をどういうふうな内容でやるかにつきましては、国からいろいろ方法等について細かく規定されておりまして、私どもはそれに従って正確に調査をいたして生活保護の決定をしているという次第でございます。したがいまして、区として何か独自に判断基準を設けているということは原則としては行ってございません。
○高橋委員 はい、わかりました。では、保護している方の状況とか、どのような形で把握されていらっしゃるんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 生活保護を受けるに至った方につきましては、私ども、定期的な訪問を行ってございます。訪問につきましては、その方の世帯に応じまして5段階の訪問類型を設けていまして、一番頻度が高いのは1カ月に1回、一番頻度が低いのは1年に1回というようなレベルで訪問してございます。訪問につきましては、その世帯の抱える問題につきまして、例えば生活の状況、療養の状況、就労の状況等を本人、生活保護を受けている方からお聞きして、必要な助言、指導を行っている次第でございます。
○高橋委員 それでは適切な助言、指導というようなことはどなたがされていらっしゃるのか。また、どれくらいの保護の方をお一人で指導されているというか、適切な指導をされていらっしゃるんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 今、定期的な訪問調査を行うのはいわゆる地区担当員、一般的にケースワーカーと言われていますが、そういう職員が担当してございます。現在、生活援護分野におきましては44名の職員がその仕事に携わっておりまして、1月現在では、1人平均90世帯程度を担当しております。
○高橋委員 1人で90世帯も持っているというのも、これもまた大変だなというふうに思いますけれども、その多くの方のいろいろな御指導や相談に乗っていらっしゃるケースワーカーさんたちは、デリケートな問題ですけれども、就業に対しての指導とかもされていらっしゃるんですか。
○浅野生活援護担当課長 生活保護制度の目的には、最低生活を保障することと、もう一つ、自立の助長を図るということが制度の大きな柱でございます。したがいまして、生活保護を受けている方につきまして、特に就労の可能性のある方については就労指導を行うということは原則でございます。区では現在、稼働年齢層の方の中で就労の可能性のある方を選びまして、継続的な就労指導を行うようにしてございます。ただ、全く元気な方というわけではございませんので、嘱託医等の意見を聞きまして、その方が就労ができる状態であるのか、どの程度の就労だったら可能なのかを御意見をいただきながら、その方に合った就労指導をしている状態でございます。
 就労指導につきまして、御本人から定期的な報告をいただきますと同時に、こちらからも、例えば求人情報の提供ですとか、場合によってはハローワークへの同行などを行ってございます。
 また、国の方では来年度からハローワークの方に生活保護受給者を対象としました就労支援コーディネーターなどを新設すると。そういうことで就労指導を強化していくというふうな方針を打ち出しております。したがいまして、私どもとしましては、来年度からそういう制度を大いに活用して自立を進めていきたいと考えております。
○高橋委員 就労というか、自立をお勧めするのも大変かなと思いますけれども、そのような場合の比率というのは現状どのような感じになっているんですか。
○浅野生活援護担当課長 現在、生活保護を受けながら仕事をしている方は、大体500人程度おります。今、保護を受けている方は5,000人ほどですので、約1割。その中で大体500人の中で1割程度の方が就労収入が保護費を上回って、世帯として自立をしていっている次第です。非常に比率が低いんですが、その原因としましては、働いている方の中に高齢者の方とか、あるいは傷病を抱えながら働いていて、フルタイムはなかなか難しいという方もいらっしゃいます。また、4人以上の世帯ですと、なかなか就労収入だけでは保護費を上回ることができないという状況で、保護が続いているという状況でございます。
○高橋委員 大変現状は、本当にいろいろな事情があるんだなというふうに思いますけれども、毎年毎年、いただいた資料の数を見ましても、どこの区でもふえ続けているような感じがいたします。この扶助費について、中野区としては今後どのような対応をしていくつもりなんでしょうか。それから、将来どのような展望を考えているのか。また、国の三位一体の改革を見据えながら、今から検討に入っていらっしゃるんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 生活保護制度のあり方につきましては、国の社会保障審議会の中で生活保護制度のあり方に関する専門委員会というのが設けられまして、これは平成15年8月から検討を始めまして、昨年の12月に提言を出しております。それを受けまして、平成17年度から厚生労働省の方も生活保護基準の見直しでありますとか、自立支援の強化というような対策を打ち出してございます。特に自立支援につきましては、国の方が自立支援プログラムを各受給者にプログラムを設けて、それに沿った就労指導、あるいは、自立といいましても就労だけではなくて、地域社会で充実して生活できるような支援を含めてというふうな幅広い自立の考え方を示しておりますが、そういったものを打ち出してきておりますので、そういった動向をにらみながら、区として適切な指導をしていきたいというふうに考えてございます。
 三位一体改革につきましても、生活保護の補助金に関する議論につきましては、昨年の11月に政府・与党の合意事項によりまして、地方団体の関係者も含めながら、ことしの秋に向けて結論を出していくというふうな合意内容が打ち出されておりますが、今のところまだ具体的な動きというのがないというふうに聞いてございます。三位一体改革がもし仮に実現された場合には、やはり、かなり地方の負担も大きくなります。ただ、生活保護制度というのはいろんな制度の最後のとりでというふうな位置付けでありますので、やはり、いわゆる低所得者対策といいましょうか、そういったもの全体の充実というのがますます必要になってくるんではないかなというふうに考えてございます。
○高橋委員 本当に、最後のとりでと課長がおっしゃいましたけれども、デリケートな問題でもあります。さまざまな制度を活用しながらも、やはり中野区としてもどうしていったらいいかということを、待っていないで今から大いに検討をしていかなくてはならないと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、介護保険制度についてお伺いをさせていただきます。
 現在、国においては平成18年度、制度改正を控えた介護保険制度について、さまざまな検討が行われていっておりまして、各新聞紙上でその活字を見ない日がないくらいであります。中でも、給付の抑制、介護予防といった話題について、毎日のようにいろいろ報道されているわけでありますけれども、先日、皆さんも御存じかと思いますけれども、「ガイアの夜明け」という番組がありまして、これで草津町の取り組みが紹介をされておりました。私もそれを見られなかったので、ビデオを撮っておきまして、後で見たんですけれども、不正請求の防止とか、そして給付抑制につながる取り組みのことがその番組の中で紹介をされていたわけであります。一度ごらんになりたい方は、手元にございますので、ぜひお目通しいただければと思いますけれども、さまざまに取り組みとか、それから不正請求があった現場の話とかが取材されておりました。
 介護保険事業所から派遣されるヘルパーさんが利用者宅に訪問したとき、行き帰りにカードをカードリーダーに通して、言うなれば中野区職員の出退勤の打刻のようなものですね。カードをカードリーダーに読み込ますことによって、ヘルパーさんがどれぐらいの時間サービスを提供したかということがすぐにわかるシステムがこの町で取り組まれているということであります。そのシステムを導入したことによりまして、草津町では大幅に介護保険の給付が減って、介護保険財政に大変助かったというような内容の報道であったんですね。
 そこでお尋ねをしますけれども、中野区は不正請求防止に対する対策を何か行っているんでしょうか。
○藤井介護保険担当課長 お答えします。不正請求についての中野区の取り組みといたしましては、介護給付費の通知を利用者に対して送りまして、個々の利用状況とともに自己負担金等の確認をしていただいています。それによって不正請求の発見につなげるとともに、事業者の方にも、みずから点検を行い、適正な給付を行うようにという指導をしています。
 なお、17年度からは給付内容を分析し、特異的な傾向を示している事業者の給付内容の調査、指導等を行っていく予定でいます。
○高橋委員 そうですね。本当にいろいろと、私も番組を見まして、ああ、こういうふうにできちゃうんだというふうなこともありまして、びっくりいたしました。やっぱりきちんと対応していかないと、くぐり抜ける部分はたくさんあるように感じ取れます。
 介護保険の財政をより安定的に運営するためには、今現在、中野区が何か行っていらっしゃるんでしょうか。具体的にございましたら教えていただきたいと思います。
○藤井介護保険担当課長 介護保険財政をより安定的に運営していくためには、保険料の徴収を確保するということと同時に、自立支援という介護保険法の基本理念に基づいてサービスが適正に提供される、サービスが適正に利用されるということが重要であると認識しています。そのため、介護サービスの利用者に対して、介護保険で利用できるサービスの範囲、使い方などについて周知を図ると同時に、介護サービス事業者に対しては、給付事務説明会ですとか、ケアプランの指導者研修等を通じて適正なケアプラン作成を促し、これにより適正な介護サービスの提供を行えるように努めています。
○高橋委員 適正なというふうな言葉ですけれども、それを判断するというのは、適正であるか適正でないかという判断はかなり難しいかなって思います。そして、中野区はこの草津町のように、やってみようかなっていうふうに考えたことはございますでしょうか。
○藤井介護保険担当課長 先ほど御紹介のありました草津町の取り組みですけれども、こちらの方で草津町に聞きましたところ、現在、草津町では居宅サービスの利用者は80人ほどということで、ホームヘルプを利用されている方50人に対して、予算がほぼ1,000万程度かかっているということがあります。中野区は居宅サービス利用者が6,000人ほどいますので、同様の対策をとるというのは、ちょっと費用対効果の点から難しいかなというふうに考えています。
○高橋委員 人数比率が全然違うとは思いますけれども、いわゆるチェックができるようなという言い方は失礼かもしれませんけれども、不正に対応できるような施策は考えていかなくてはいけないかなというふうには思っております。
 平成18年度に改正される介護保険制度に対する庁内での対応状況について、具体的にあれば教えていただきたいんですけれども。
○藤井介護保険担当課長 制度改正につきまして、法案が出ましたけれども、現在では政省令等で細かく規定するところについては不明な状態です。ただ、区としましては、現在わかっている重要な課題である日常生活圏域ですとか、地域包括支援センター、あるいは介護予防ですとか、高齢者虐待などについて、保健福祉部内に担当課長をリーダーとして検討会を設置して、部内で検討を開始したところです。今後、部内検討結果を介護保険運営協議会や保健福祉審議会にお示しし、そこで議論をしていただき、その議論を踏まえ、広く区民に意見を聞きながら、平成17年度中に新しい介護保険事業計画ですとか、保健福祉総合推進計画として取りまとめたいと考えています。
○高橋委員 では、平成17年度中には必ずお示しをしていただけるという理解でよろしいですか。
○藤井介護保険担当課長 18年4月からの次期介護保険事業計画については、17年度中に取りまとめます。
○高橋委員 ほかに、区内事業者に対して行政、保険者として十分な説明を行うべきと考えているんですけれども、事業者に対してはどのようなことを行っていく予定なのか、教えていただければと思います。
○藤井介護保険担当課長 制度改正について、事業者に対して事業者連絡協議会を通じて通知するということもありますし、当然、制度の内容が決まったときには説明会等を行う。また、いろいろな資料を送付するということを予定しています。現在も随時わかったことについては通知等示したり、研修等でお話をしているところです。
○高橋委員 今の課長がお答えしている事業者運営協議会というのは、区の中にあるんですか、それとも23区の運営協議会なんでしょうか。
○藤井介護保険担当課長 介護サービス事業者連絡協議会です。中野区の事業者の自主的な団体です。
○高橋委員 そうすると、私もこの事業者連絡協議会というのは余り内容を存じていないんですけれども、どのような活動をされていらっしゃるんですか。教えていただければと思います。
○藤井介護保険担当課長 毎月、運営委員会を開いています。そのほか活動としましては、全体研修会を開き、また介護支援専門委員部会、訪問介護部会、通所介護部会、広報部会という四つの部会で、継続的にサービス内容の改善のための情報の交換ですとか、質の向上のための研修等を行っています。また、このほか事業ガイドブックの監修、配布協力ですとか、あるいは今年度中にホームページを立ち上げて、いろんな情報の提供をしていくというふうに聞いています。
○高橋委員 そうすると、活動的に開いていらっしゃるという理解をしてよろしいんでしょうかね。ここに行政もかかわっていらっしゃるわけですよね。
○藤井介護保険担当課長 この介護サービス事業者連絡協議会の設立までの間は区が事務局として支援してきましたが、設立時からは側面の支援という形で、直接この事業者連絡協議会の中に入るという形はとっていません。
○高橋委員 では、今後この協議会に対して、区はどういうふうにしていこうとか考えていらっしゃるんでしょうか。
○藤井介護保険担当課長 今後も、事業者連絡協議会のサービスの質の向上に向けた自主的な活動を側面から支援していこうと考えています。
○高橋委員 それは、従来立ち上げからそういうふうにしてきたことだと思うんですけれども、この連絡協議会というのもきちんと活動されているということですので、ここもやっぱり介護保険制度の中においては大事な役割を担っている協議会だと思います。ですから、中野区もきちんと把握をされてかかわっていくべきではないかなというふうに私は思います。
 また社会福祉協議会に対しましても、ちょっと話は変わりますけれども、さまざまな補助金を打ち切っていくと聞いておりますけれども、社会福祉協議会が今後進むべき方向性についてどのように考えているのか、教えていただきたいんですけれども。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 お答えいたします。社会福祉協議会の経営につきましては、独立した団体として基本的には法人自身が決定されるというふうに考えております。しかし、運営費の大半は区からの補助金、あるいは委託料で占められておりますので、区財政の厳しい現在の状況に照らしまして、社会福祉協議会に対しましては事業の見直しとか、スリム化など、一層の経営改革ということを求めているところでございます。
○高橋委員 その間いろいろ協議とかされてきてらっしゃるわけですよね。今後もされていくわけですか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 これまでも協議を重ねておりましたが、一層の経営改革を進めるということで、区と社会福祉協議会の間でいろいろ新たに設けて、引き続き検討していくというふうに考えております。
○高橋委員 さまざま、保健福祉分野におきましては課題がたくさんあると思います。統括的に、最後に部長から、今後の課題においてどのように考えていらっしゃるか、御答弁をお願いしたいと思います。
○菅野保健福祉部長 保健福祉部の保健福祉費の状況でございますけれども、一般財源の非常な増加によりまして、区財政におきます影響というのが非常に大きくなっているというようなことが現状でございます。一つは、御質問にございました国保、それから介護保険などにつきましては、やはり制度の問題がございまして、そういう中で区の持ち出し分といいますか、これがどうしても全体の伸びとかにつれまして伸びてくるという状況がございます。こうしたものにつきましては、いろいろと制度改正、あるいは法案の改正、こういうものが予定されておりまして、こういう中で区として必要な意見を国等に上げていくということが必要だろうと思っております。
 それに加えまして、区独自でできること、例えば、国保でありますれば保険料の徴収努力ですね。それから介護保険でありますれば、介護予防などによります保険総額の抑制など、区で独自にできることにつきましては、今後十分努力してまいりたいというふうに考えております。それから生活保護につきましても、先ほど課長の方からお話がございましたように、今般、国の方で制度そのものの見直しを始めております。区といたしましては、こういった方向に沿いました新たな展開に向けまして、区としての体制を整え、こうした一般財源の抑制等につきましても十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○高橋委員 区の予算の一番重要なところを担っているような部であると思っておりますので、今部長がおっしゃったように、本当にきちんと取り組んでいっていただきたいと思います。
 るる事業部制に基づく予算編成について、一つひとつ伺わせていただきましたけれども、この事業部制に基づく予算の編成にはプラスとマイナス面があるように私は感じ取れます。予算とか定数とか人事権などを各部に配分いたしまして、部の経営を進める上で効果的に投入、活用するという事業部制の考え方は、制度のプラス面ばかりに着目しているように思えてなりません。区長は事業部制が経過する中で、マイナス面について気づいた点はなかったんでしょうか。事業部制をより効果的に機能させるために何を改善していかなくてはいけないかと思っていらっしゃいますか。
○田中区長 お答えします。事業部制の実施とあわせて組織のフラット化とか、それから権限を現場へ委譲するというようなことをやっているわけであります。ということは、事業部制を導入しても、それぞれの担当が縦割りの意識で、自分の仕事のことだけを考えていればよいという意識がそのまま残ってしまったのでは、結果としてそれぞれの事業がその事業をふやす、少しでも新しいことをするというようなことに目を奪われがちで、結果として全体の経費の膨張を招いてしまうと、こういうおそれがあるということは実際にあると思っております。そうならないようにするためには、各部長が経営者として部全体の事業をきちっと全体を把握しているということ、それから、それぞれの担当が目標としているということをきちっと把握をして、それらを全体統合する視点で経営に当たるということが大事だと思っております。また、その部長を補佐する経営幹部が、部長ときちんと連携をとってそうした経営を行うということも大変大事なことだと思っております。
 あわせて、部長が歳出の面ばかりではなく、歳入の面にきちんと目を向けて、歳入も管理し、歳出も管理することが経営なんだという意識を持つということも大変重要なことだというふうに思っております。そうした経営を行っていくという全体の流れを、例えば事業評価を統一的な観点で行うとか、評価に基づく改善を各部がきちんと行っているかといった改善の全体の進行といったものをうまく管理をするであるとか、そういった全体的な配慮もまた必要であるというふうに考えているところであります。
○高橋委員 区長がおっしゃってくださいましたけれども、やはり最大の責任者である部長が歳入歳出をきちんと把握しなければならないということは大事だと思います。そして、責任の部署にありながら、皆さんとは連携をとっていかなくてはいけないということは、それはまさしくそうなんですけれども、私はここを見ておりましても、本当にそうなのかなというところがありまして、ちょっと心配でございます。
 事業部制においても、やはりきちんと統括できるところが1カ所きちんとないといけないと思います。本来であれば、それが区長室であるのではないかなと思いますけれども、今のところそのような感じも受け取れません。ぜひとも、事業部制であっても統括できる部署はきちんと明示できるようにしていった方が私はいいと思います。
 以上で、財政運営については終わりにさせていただきます。
○平島委員長 高橋委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。午後1時まで休憩いたします。
 委員会を休憩いたします。
      午前11時57分休憩

      午後1時00分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 質疑に入る前に、追加資料及び差しかえ資料の配付について申し上げます。
 要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり1件の資料が追加提出されております。また、午前中に御了承いただきました区民分科会関係5番の差しかえ資料を配付いたしましたので、御確認ください。したがいまして、これまで要求いたしました資料はすべて提出されたことになります。資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。
 それでは、質疑を続行いたします。高橋委員、お願いいたします。
○高橋委員 それでは、皆様お昼も召し上がられて、充足しているところでございましょうけれども、寝ないでおつき合いいただければと思います。残り30分、若干急ぎ足でやらせていただきたいと思いますけれども、次の項の自治基本条例についてお伺いをさせていただきます。
 1月26日に、このように大々的に臨時号で「自治と参加の発展をめざして」というような区報が出たわけでございますけれども、この、自治の原則があるべきである区民の意思に基づく区政運営を行うというようなことについては、そのとおりであるかなと思いますけれども、区長の思いだけが先行しているのではないかなという疑問がございます。区民、議会に十分に説明できる内容にはなっていないんじゃないのかしらというようなことがございまして、何点かお伺いをさせていただきます。
 まず、今なぜ条例を制定しなくてはならないんでしょうか。大綱の前文には、「中野区は、区民、区議会及び区長がそれぞれの役割を果たしながら、区民の最大の幸福を実現する地域社会の形成に向け努力していきます」とあります。これまでも努力してきた、これからも努力するんですという意味でしょうか。あるいは、これまで中野の自治は大変になっていなかった、区民の思いを届ける手だてもなかった。あるいは、私たち議会は極めて怠慢だった、区長の独断が目に余ったなど、何か大きな問題があって、「努力していきます」と宣言しなければならないのでしょうか。中野区における望ましい地域社会形成についての現状をどう認識されていらっしゃるのか、まずお伺いをいたします。
○鈴木政策計画担当課長 お答えいたします。自治基本条例をつくる背景というようなことのお尋ねかというふうに思いますが、今日、少子・高齢化でありますとか、さまざまな社会状況が変化しております。人口構成の変化によって、地域で抱えている公共的な問題の大きさといいますか、重みがますます増してくるだろうというふうなことは承知しているところでございます。そういった地域の問題を解決するのは、全国一律同じようなやり方ではなくて、自治体ごとにやはりそのニーズに合った方策を考えていかなければならないというふうに、今まで以上にそういった取り組みが求められてくるというふうに考えています。
 これまでも中野区においてはそういった視点での議会、また執行機関も含めた取り組みがなされているわけですけれども、とりわけ地方分権、そういった方向の中で、ますます責任が増してくる自治体のあり方としては、今まで以上の努力、そういったものが必要ではないかというふうなことから、そういうような記述をさせていただいているわけでございます。
○高橋委員 それぞれの役割、地方自治体の役割が違うのは当たり前だと思いますけれども、何か理解できないところがたくさんあります。そして、この大綱の中に幾つか「信託」という表現が出ております。基本原則の項に、「区民は、法律に定められた手続により選ばれた区長に信託するとともに、行政運営への参加及び監視により、信託した目的を実現する」とあります。何を区長に信託するのか、よくわかりません。信託の目的は何だったのかも理解できません。区長の役割の項では、「区長は、区民の信託にこたえ、区政の代表者として、公正かつ誠実な行政運営を行う」とあります。ここでは、信託を先ほどのところと違う意味に使っているように感じ取られますけれども、どうしてこんなに信託、信託と使わなければならないのか、私には理解できないところであります。
 選挙で選ばれた区長は最高責任者として公正に行政運営を行うのは当然のことだと思います。わざわざ「信託にこたえ」を入れているのはなぜなんでしょうか。この意味を教えていただければと思います。
○鈴木政策計画担当課長 自治体を運営していく、その長が運営をする、その根拠をそこでは述べさせていただいているというふうに考えています。要するに住民の選挙によって選ばれた。それは議員についても同じであろうというふうに思いますけれども、区長もそういった手続で選ばれて、その選ばれることは自治体の行政運営について一定のものを負託をするというふうなことで使わせていただいております。大綱の中で示させていただいている「信託」は、意味を違えているというふうなことではないというふうに思ってございます。
○高橋委員 この信託という言葉も大変重い言葉だと思います。条例の中でこのようにいろいろとお使いになるというのは、私にはやっぱり理解ができないかなというふうに思います。
 次に、基本原則というところがありまして、この基本原則の3は、「区は、区民の自治の営みを基本に区政を運営する」とあります。前文では、「区政は、区民の意思に基づく決定と運営が基本となります」と述べていらっしゃいます。そうすると、区民の自治の営みは区民の意思と同義になり、てんでんばらばら、多様な区民の意思があること、それ自体が自治の営みなのかなというふうに思ってなりません。自治の営みとは区民の意思に基づく決定まで指すのでしょうか。この箇所についても理解できないようなところです。大変あいまいな表現かなと思いますけど、いかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 自治の基本原則の3番目で言っております「区民の自治の営み」というふうな表現を使わせていただいています。これは、さまざまな地域の中では、区民が主体的に自分たちの地域の問題を解決していこうというような取り組みが行われているわけでございまして、そういったことがそもそも自治の営みそのものではないかというふうな認識であります。そういう区民の営み、それは一定の区民の意思を反映した共同行動であるというふうに理解してございまして、そういったものをやはりベースに、中野区政全体の中でも、そういう取り組みを尊重していかなければならない。そういったものを基本に区政を運営していくというふうなことの原則について触れさせていただいているところでございます。
○高橋委員 そうすると、さまざまなものを尊重しなくてはならないということは、すごく大変なことだなと思います。
 そして、次に基本原則5に「区民の活動主体と区は、安心していきいきと暮らせる地域社会をつくるため、対等の関係で協力し合う」とあります。活動主体とはどういう人のことをあらわしているのか。対等であるというのはどういう立場で、あるいはどういう場合にとか、条件が必要になってくるような気もしてなりません。どういう意味なんですか、御説明をしていただければと思います。
○鈴木政策計画担当課長 基本原則の5番目で言っている区民の活動主体、これはやはりさまざま、今申し上げましたようにそれぞれ目的を持って活動している実態、そういう団体、グループ、そういったものがあるわけでございます。それぞれ目的を持っておりますけれども、その目的が区の目指す目的と一定同じ、同じ目的を持っている、あるいは重なる、そういうような範囲において、お互い協力をして、その目的のためにそれぞれの行動を対等の関係で実現していくべきではないかということをここでは申し上げてございます。対等ということですから、どちらが上になるとか下になるとかということではなくて、それぞれの団体の独自性を尊重した協力関係にあるべきだというふうなことで使わせていただいております。
○高橋委員 対等という言葉も、理解の仕方によっては非常に難しい言葉になるような気がするんですよね。だから、区はそういうふうにお考えになって使っていらっしゃるというんですから、それはそれとしまして。次に執行機関の役割の項、1では、「執行機関は、区民の参加の権利を保障しなければならない」とありますが、現在、区民の参加が十分に行われていないのかどうかというのが疑問であります。どういうことで、保障をしなければならないというような表現になっているんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 自治基本条例は、これからの自治体運営の基本的な事項を定めたり、また、それに必要な参加の仕組み、手続について盛り込みたいというふうに考えております。したがいまして、今現在、区が全く参加の仕組みを持っていないというわけではございませんけれども、昨日も御答弁させていただきましたが、区民から見てどういったものが用意されているのかというのがわかりやすく整理されていることが必要だろう。それも一定の法規性を持ったものに書き込まれることによって保障されるというようなことから、自治基本条例の中でそういったものについて明確にしていこうというふうなことを考えているところでございます。
○高橋委員 明確にしていこうということですけれども、保障しなければならないというようなこの義務規定になっているのが、何か私は行政手法、手続法などの法律などによっても整合性がとれているのかどうかということが心配でなりません。また、同じ項の4では、「執行機関は、区民の権利及び利益を保護しなければならない」とあります。権利と義務は多岐にわたるだけでなく、その範囲や正当性などをめぐっていろんな立場、考えからさまざまに主張がありまして、取り扱いの難しい概念だと思っているんですけれども、こんなに簡単に言い切っちゃっていいんだろうかというような思いがあるんですけれども、どうでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 そこについても、区政運営の基本というところの姿勢、スタンスを申し述べているわけでございまして、行政として、やはり区民が持っている権利の保障、それから個人の人格の尊重でありますとか、そういったものをそこのところでは記述しているというふうに私どもは考えております。
○高橋委員 では、区民の参加の手続についてのところでお伺いをいたします。共同提案ということは陳情とどう違うのかなというふうに思うんですけれども、個別意見の提出と、今ある区民の声とどう違うんだろうかというのがはっきりわかりません。それで、適切な形態及び方法とはどういうものなのかもわかりません。今までいろいろお答えを聞いている中に、私は、区民は区が示したものに参加しない限り、参加していないんじゃないのというふうに認識されちゃうんじゃないかなというのが心配でならないんですけれども、いかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 区政にどう参加するかというような、参加の意識は非常に人によってさまざまあるかなというふうに思っております。今回、条例の中で一定の手続としてお示しするものだけではもちろんありませんで、日常的にやはり気がついたときに区民が何か声を出せる、あるいはいろいろな要望活動というものもあるかと思いますけれども、それも人によっては参加の意識でなさっているというふうに理解しております。
 共同提案についての御発言をいただきましたけれども、単なる陳情というのはこういう状態をこういうふうにしてほしいというような多くは願望、要望を出されることが多いわけでございますが、共同提案というのは区民の視点で、区民のニーズに沿った、例えば施策をこういうふうにつくりたい、具体的な建設的な提案をこの項では期待したいというふうなところで、一定の要件を備えた手続を用意してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○高橋委員 きのう、たしか大内委員もこの項の質問をされて、ある新聞の記事の内容を御紹介していたと思いますけれども、この区民参加、いわゆる区民が参加するということの手続においては、大変難しいところがたくさんあると思うんですね。それで、昨日の質問の中には、抜粋して小学校からというようなところを大内議員がお話しになったと思いますけれども、いま一度復習いたしますと、小学校から本当は直接民主主義が望ましいが、物理的に難しいから、かわりに間接民主主義があると教えられているからだというさまざまに文章がありまして、こうした考えは人民主義というイデオロギーにとらわれているというような紹介があったと思います。そして一般の人たちは安全保障や国のエネルギー政策などについて、細かなところまで考えて判断する材料がない。こうした問題を中長期的に見て高い視点から判断する役割を背負っているのが住民の代表。だから、議会にしろ、市長にしろ、住民の代表というのは、住民の意見を直接反映するためのものではないというようなこともこの記事に載っているんですけれども、今お答えをいただきましたら、いろいろな意見を出していく手だてにしたいというようなことがありますけれども、その枠組みをつくって提案していくということにおいては、じゃあ、私たち議会は一体何をやるんだいというような思いになってしまうんです。そういうところはどのようにお考えになっているのでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 さまざまな意見をいただきながら施策形成をしていくわけでございますが、それが具体的な制度、あるいは施策になるときには議会の御審議をいただく。予算というふうな形で議論して御審議をいただき、決定をいただくということでございますので、30万区民の視点からそういった判断がなされるだろうというふうに私どもは承知しております。
○高橋委員 区民参加の手続なんですけれども、地域協定というものもいろいろと参加の手続の中にうたってありますけれども、この地域協定の地域ということはどのような意味合いなんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 地域協定で自分たちがどういった地域のルールをつくろうかという、そのルールの内容によって、やはり地域というのはいろいろな形になるだろうというふうに思っております。内容におおむね合意、ほとんどの人の合意がなければ成立しないということですから、そういった範囲の中で決められていくものというふうに考えております。
○高橋委員 お答えを聞いているうちにどんどんちょっと理解ができなくなってくるんですけれども、いわゆる中野区においては区民の参加の条例というのが歴史が古くて、でも、なおかつそれがよいと言われた時点で実行したんだけれども、それはよくないよというようなことで、きのうも大泉委員が触れていたかと思いますけれども、準公選であったりとか、その多くの経験を踏まえている区だというふうに思っているんです。それにおいて、なおかつこの自治基本条例において、こういう大事なところの条例をつくろうなんていうことを考えていながら、中身が全くあいまいでありまして、地域に出て説明するときに一体どういうふうな説明をするのかなというのが大変心配でなりません。その点について、経験を生かしてこういうふうにつくっていらっしゃるんだと思うんですけれども、現在どのような理解でこの自治基本条例をつくろうとしていらっしゃるんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 これからの分権時代にたえ得る自治体としての形をつくっていく一つのこれは取り組みであるというふうに認識しております。その中では、やはり中野でなかったらば体験できてこなかったさまざまなそういったこれまでの営み、そういったものを踏まえて、条例の中ではいろいろ慎重な部分は慎重にというふうなことで私どもは準備をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋委員 この中において、まだまだ納得できないというか、理解できないことがたくさんあるんですけれども、住区協議会につきましてもばっさりと区長は、それは要らないというような感じの、あたかももう住区協議会は要らないんですよというような施政方針の中でもうたっておりますけれども、私は、きのうどなたかがおっしゃっていましたけれども、切るに当たってもきちんと手続をとっていかなくてはいけないんじゃないかなというふうに思います。
 それで、この条例を作成しようとしているに当たりまして、私たち中野区民にこの自治基本条例をつくりますから、どうかこの条例にのっとってくださいということをおっしゃりたいんでしょうけれども、それでは逆にお伺いいたしますけれども、理事者の皆様方の中で、中野区民というのは何人いらっしゃるんでしょうかね。
○平島委員長 お答えできますか。
○高橋委員 その場で結構でございますから、中野区民である理事者の方、ちょっと挙手していただければと思いますけれども。
         〔挙手〕
○高橋委員 これは、何ていいましょうか、私たちのこの中野区に対しまして、理事者の皆様方はこういう条例をつくりますよ、一生懸命中野区民のためにつくりますよといって考えてくださっていると思いますけれども、実際にこの条例に縛られるのは私たちと数名の理事者の方たち、そして区民ですよね。まあ、縛られるという言い方は大変失礼でしょうけれども。そして全く関係ない他地域に住んでいらっしゃる理事者の皆様が、まあ、できちゃっていいんじゃないのなんていうふうに思っている人はいないかもしれませんけれども、私から言わせてみれば、随分余計なお世話じゃないのというふうに言いたいと思います。だったら、皆さんが中野区に異動されてきて、この条例をきちんと守っていただければなというか、この条例にのっとった手続で区民参加をするなりとか、いろいろなことをしていってもらいたいかなというふうに、ずっとこれを読んでおりまして、そのような思いがふつふつと沸いてきてしまいましたので、質問項目の通告の中身にはないことを伺っておりますけれども、実際、課長どう思いますか。
○鈴木政策計画担当課長 中野区民ではございません。ただし、中野区の自治体で働く職員といたしまして、この条例というのはやはり区民の参加を一定の仕組みとして保障することを明らかにしていきますので、それは私どもここで働く職員にとっては、ある面、厳しい状況になるというふうに思っております。そういって区民のお示しした手続にきちっとこたえることによって、やはり施策のレベルアップ、あるいは私どもの仕事の効率化、そういったものをあわせて責務として果たしていかなければならないというふうに認識をしてございます。
○高橋委員 私の認識は、この自治基本条例がなくても、中野区30万区民、赤ちゃんから御高齢の方々までが何らかの形にとらわれずに参加しているんだというふうな認識でいるわけですよ。ですから、町会であろうと、または子育てしている方であれば、子どもを育てながらPTAとかいろんな組織、または子ども会、それ以外にさまざまな活動をされている、自主的な活動をされている方がいらっしゃるんですよね。その方たちが自分たちの考えで行動をして、区民の思い、気持ちを持って中野区の中で活動しているわけですよ。だから、何もこういう条例がなくたって活動はできるんであって、提案もできるんであって、まして私たち議員は多くの30万区民の投票権を持っている方たちから選んでいただいてここに来させていただいているわけです。その人たちの思いをすべてかなえることはできないけれども、よし悪しを判断しながらこういう活動をしているんだって私は思っておりますので、この自治基本条例の中にうたってある内容は、今すぐに理解をしろと言われても、多分に理解することは難しいと思っておりますので、これはお答えは結構でございますので、私の思いだけを理解していただければと思います。
 そして一つだけ、この項の最後に区長に確認といいましょうか、教えていただきたいことがございます。私は、この自治基本条例を勉強していくに当たりまして、今何でこういうことが出てきたんだろうというようなことで、いろいろと勉強会にも参加してまいりましたけれども、ある団体でローカル・マニフェスト推進首長連盟というものがあるということを知りました。そこに我が区の区長も加盟しているということを伺いまして、ああ、そういうところで勉強されているんだと。すごいなというふうに思ったんですけれども、このマニフェストの首長連盟というものはどういうものなのか教えていただければと思います。
○田中区長 ローカル・マニフェスト推進首長連盟というのが、この2月4日に発足をしたところであります。私も加盟をしております。加盟したんですけれども、2月4日の結成大会にも行っておりませんし、まだ、ここで勉強したということは全くございません。どういう趣旨かということですけれども、地方選挙、とりわけ首長の選挙ですけれども、あいまいな公約とか、公約を余り掲げずに人物本位といったような選び方ではなくて、数値目標とか、達成期限とか、そういったようなことを明らかにするマニフェスト、国政の方では政権公約というふうに言っていると思いますけれども、これの地方版ということでローカル・マニフェスト、こういうものを明確に掲げて有権者に選択をしていただく、そういう形の選挙になっていくことが地方自治の発展とか、日本の民主主義の発展に資するんではないかという考え方の首長が集まって連盟をつくろうという呼びかけだったというふうに理解をしております。
 県知事レベルで言いますと、知事会の会長になった麻生さんとか、選挙で麻生さんに負けた増田さんとか、そういった方も含めて全体、市町村長も含めて、およそ180数名の首長が参加をしているというふうに聞いております。
○高橋委員 時間も残り少なくなってまいりましたので、もう1項目残っておりますから、端的にお伺いいたしますけれども、ローカル・マニフェスト、いわゆる国政とは違う地方分権を目指したそういう政権公約を目指していくというような内容だということがわかりました。しかし、やはりそれは目標数値を目指していくのは当たり前のことでありますけれども、それにのっとって行政運営をしていくとなると、かなりローカルの部分では追いついていかない部分もあるかなというふうには思います。その思いが区民と相まってどんどんかけ離れていったりしますと、このローカル・マニフェストを推進していらっしゃる首長さんたちの思いはどんどん市民、区民から離れていってしまうんではないかなというふうな思いを感じ取りました。区長がいろいろお勉強されているということもわかりましたけれども、私たちも、この自治基本条例においては早急に提案するものではないというような思いがあります。今後ももっと検討していっていただければと思います。
 そして、先ほど紹介した新聞の中に載っているんですけれども、かつての残像が今の世の中にも残っているというような文章からつづっていきまして、住民参加、それから区民の参加の手続の中の最終のまとめが書いてあるように思いますけれども、住民投票を定着させて、次々とテーマを拡大する。住民を政治に参加させているという気分にさせて、巧みに区民を動かし、社会主義の目的を達成する。そうしていつの間にか権力を握る。これが独裁者の典型的なやり方だというようなところにたどり着いているんですけれども、区長はそういうことにならないとは思いますけれども、今のことを聞いておりますと、多分に危ない点はあるかなというのが私は感じ取られましたので、そのようなことにならないように、きちんと進めていっていただければと思います。
 これはまた隣の会派の伊藤(正)議員もおやりになるということですから、この項は終わらせていただきます。
 それでは、次世代育成について、若干はしょってやらせていただきます。
 先ほど子ども家庭部長がおっしゃっておりました、次世代育成支援行動計画に取り組んでおりまして、今定例会には上げたいという話がございました。そして、この行動計画においても、このようななかの区報におきまして、すばらしく大々的に発表されております。最近、中野区も発表するのがすごく早くなりまして、随分PRも早目にやってくれて大々的になったななんて思っておりますけれども、決して嫌みで言っているわけではございません。計画の案を見ましたけれども、取り組みの内容を見ていきますと、多方面にわたって書かれておりまして、これからの子どもの育成支援に基本的にどのように分析をして、どのような方向にしたいのかが大変わかりにくくなっておりまして、どういう感じでまとめていったのか、そこのところをお伺いいたします。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 次世代の行動計画の内容につきましては、次世代育成支援対策推進法というもので一定の定めがございます。すなわち地域における子育ての支援、母性並びに幼児の健康の確保及び推進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備ですとか、それから子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な住環境の確保、それから職業生活と家庭生活との両立その他、このようにされておりまして、大変、本来多方面にわたる取り組みを求められているものでございます。私ども、子育て支援ということについてはやはり総合的、いろんな観点からの取り組みが必要だと思っておりまして、内容においてもこのような、今御指摘のあったような内容になったものでございます。
○高橋委員 これは法律が定められて、各所でやってくださいということになって立てているんだと思うんですけれども、この中野区がうたっている家庭、学校、地域、事業者など多くの関連者が連携していかなければいけない。そして10年後、この連携をどのようにしていくのかというようなことがあるんでしょうけれども、この連携というのははるか昔から言われておりまして、今さら言っていることじゃないような気がいたします。ですから、このような文面から入っていきますと、全くこの冊子が絵にかいたもちになってしまうんじゃないかなという心配があります。そして、この中に及んでは、少子・高齢化の時代に、地域には元気な高齢者の方も大変多いわけでありまして、我が会派の斉藤(金)先輩が活力ある長寿社会ということを強調いたしまして、高齢者を含めた地域住民や地域団体の活動を視野に入れた計画にしなければ、時代に合わないのではないかというふうに私は思います。世田谷のこの計画には、そういうものがきちんとうたってあるんですけど、中野はなぜうたっていないんでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 地域を挙げての子どもの健全育成といったものにつきましては、やはり大変長い間の継続した取り組みというのは必要なんだろうというふうに思ってございます。私ども、それをこれまでの取り組みも含めて大切にしていかなければならないというふうに思っております。この行動計画の中でも、子どもと、子どもを育てる家庭を地域全体で支援していきますということを取り組みの視点としてきちんと明確にお示しをしているところでございます。高齢者を含めた地域の皆さんのそういった活動に多くを期待するとともに、そういった活動がより一層活発に行われるような環境をつくるといったことが行政としても大切な役割であるというふうに認識をしております。
○高橋委員 課長の声がちょっと小さいので、何をおっしゃっているかよくわからないんですけれども、この世田谷の冊子はごらんになっていると思うんですけれども、世田谷で--他区のことを余り言うとあれなんですけれども、世田谷区子ども計画(素案)というのが16年の9月に出ているわけですよ。今何年ですか。17年ですよね。16年の9月に出ていまして、ここに社会環境基盤整備というふうに載っておりまして、意識づくり、そして何点か書いてありまして、その中には、高齢者を含めた地域住民や民間団体の活動支援、そして、これから質問しようと思っております企業に対するこういう意識づくりというのも載っているんですね。でも、中野区は企業に対しての取り組み、または企業に何かをしてもらいたい、また企業とともに何かをやろうということが載っていないように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 企業に対する取り組みといたしましては、例えば事業所に対して男女平等を推進していくという啓発といったような事業を載せております。また、この子育て支援というのは当然に企業も含めてのものでございますので、今後私ども、そうした企業も含めて皆さん方に対する子育てをより一層進めていくような環境づくりのための啓発といったようなことについても取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋委員 今、課長の御答弁に、企業に男女雇用のという、そういう答えを言われちゃうとすごい頭にきちゃうんですけれども、それは男性、女性がいるんですから当たり前でしょう。企業に男女の比率とか、そんなこと何で言われなくちゃいけないんだってまた言われますよ、そういうことを言っていると。いろいろと男女の比率とかは関係なく、企業には企業の思いがあるでしょうし、中野区には中野区の思いがあるじゃないですか、子育て支援に対する。その思いを相まうところで協力し合いましょうとか、そういう働きかけをしないんですか。そして、お互いに頑張りましょう。この中野区で育っていく子どもたち、中野区で子育てをする親の皆さん、中野区で子どもに携わっている多くの人たちに何かやっぱり支援をして頑張りましょうという、そういう働きかけはしないんですか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 法に基づいて、300人以上の従業員のいらっしゃる企業には同様の計画の策定義務がございます。そうした企業に対しては、私ども、もう既に働きかけを行っているところでございます。次世代の計画というのは、これから17年度を初年度として、10年間の取り組みでございますので、その策定義務のあるなしにかかわらず、それぞれの事業所において積極的な取り組みが行われるような啓発ですとか、また私どもができるということがあれば、そういったことも御支援ですとか、連携といったようなことについても今後考えてまいりたいというふうに考えております。
○高橋委員 その10年間、5年、5年で計画を見直していくというようなことも書いてあったように思いますけれども、文章で差し上げたりとかそういうことではなくて、この計画にのっとった支援、行動計画にのっとった企業との連絡協議会とか、地域との連絡の何かの会とか、働きかけをするのはやっぱり行政だと思います。ですから、それを頭に踏まえて行動計画をつくっていってもらえればと思います。
 では、一番身近な企業体でありますこの区役所自体は計画を持たないでよろしいんでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 次世代の育成支援対策推進法では、地方公共団体の事業主として、いわゆる特定事業主行動計画というのを定めることというふうにされております。そうしたことから、中野区もその策定義務を負っているものでございます。現在この中野区の特定事業主行動計画につきましては、私ども各部が入った検討会で検討をしておりまして、総務部が中心になって、ただいま取りまとめの作業を進めているところでございます。
○高橋委員 総務部がまとめているわけですね。子ども家庭部ではなくて、総務部がやっているわけですか。では、総務部からお答えをしていただきたいんですけど。
○長田人事担当課長 お答えをいたします。現在、4月1日の計画施行に向けて庁内で委員会、PT組織を設置いたしまして検討をしているところでございます。
○高橋委員 検討しているところでございますって言うんですけど、検討結果はいつごろ教えていただけるんでしょうかね。
○長田人事担当課長 今、鋭意策定に向けて努力をしているところでございますので、先ほど御答弁させていただきましたように、計画自体の策定としては4月1日を目指しておりますので、策定後できるだけ速やかに議会にも御報告を申し上げたいと考えております。
○高橋委員 じゃあ、ぜひ策定後速やかに報告ができるように進めていっていただきたいと思います。
 それで、大変時間が押して、伊東しんじ委員に悪いので、なるべく簡潔にお伺いをいたしますけれども、この中野区の行動計画の案の中に、教育委員会の事業も入っているような気がしてなりません。そして、この教育委員会が担当している学校再編とか、そういうのがうたってあるんですけれども、これはこの次世代支援行動計画になるんでしょうか。そういう理解でいいんですか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 先ほども御紹介をいたしましたけれども、この次世代育成支援対策推進法の中で、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備といったようなこともございます。当然にそういったことから、今回の学校の再編といったようなことについても、その重要な具体的な取り組みの一つであるというふうに私ども考えておりまして、計画の中に取り入れたものでございます。
○高橋委員 学校再編は、それは全庁的に皆さんが考えて取り組んでいかなくちゃいけないと思うんですけれども、本当に失礼な言い方なんですけれども、連携をとってもらいたいときに連携をとってくれなくて、別にそこまで入り込まなくていいというときに入り込んでいるような気がしてならないんです。学校再編は、これは教育委員会がきちんと計画を立ち上げて、それに伴って財政をつくっていって、そして中野区全体で立ち上げていくということですよね。だったら、子ども家庭部は子どもの学校教育の環境整備とか、そういうふうな形で表現をした方がいいんじゃないんですか。そうすると、何か子ども家庭部が学校再編するのというふうな感じにとられがちではないかなというふうに思います。だから、いつもお願いしているんですけれども、きちんと連携をとるところはとってください。そして、わかりづらくなるような表現はやめていただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 この次世代の計画というのは、子ども家庭部だけの取り組みについての事業化をしているわけではございません。区全体として、子育て・子育ち支援についてのさまざまな事業について盛り込んでおるものでございまして、教育委員会のそういった事業取り組みについても、子どもにとって重要なものであれば、それはこの計画の中にも取り入れるというふうに考えて策定したものでございます。
○高橋委員 そういうお答えをいただきますと、また反論したくなっちゃうんですけれども、子ども家庭部だけじゃないという割には、子ども家庭部だけのことしか載っていなかったりとかいう、そういう思いがするんですよ。子ども家庭部がつくっているんだけれども、全体的のことを計画に入れるわけですよね。そうしたら、なぜさっき私がお尋ねしたように、区民生活部に関係するようなこととか、それから保健福祉部に関係するようなこととか、そういうことが入っているんでしたら、教育委員会がなぜ入っているのということは聞きませんけれども、そのようなことが変に誤解されるから気をつけてくださいねとお願いしているわけでありますので、今後、これは案ですから、策定に当たってはきちんと全庁的に取り組んでいるんだということがわかるようなものにつくり上げていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それで、もう時間も12分も過ぎてしまいましたので、この次世代育成支援行動計画は、これからこの中野にとっての10年間、大変大事な計画になると思うんです。それがまたまた10か年計画と一緒の計画の行動になるというようなことを聞いたんですけれども、たまたま10か年計画と一緒の年度だったのか、それとも、本当は行動計画は別にしたいけれども、10か年計画があるから、それに合わせますって、どういう理解をしたらいいんですか。この法律がもっと先に施行されていれば、もっと早目につくらなくちゃいけなかったというような理解をしていいのか、それとも、うちのこの10か年計画に合わせてこの行動計画も立てるんですって、そういう理解でいいのか、どうなんでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 ただいまのお尋ねですけれども、もし法律がもっと早い時期に策定を義務付けるということであれば、それは当然にそれに従った時期に策定をしなければいけなかったというものでございます。今回この法は、16年度中に、17年度を初年度とする計画を策定するようにというふうに義務付けを行いましたので、この時期の策定になったということでございます。
○高橋委員 そうすると、いわゆる10か年計画と同じ時期になるので、10か年計画に合わせていこうというふうに考えているという理解でいいんですか。基本構想の。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 お答えがあれですが、この次世代の計画につきましては、ただいま申し上げましたとおり、今年度中に策定をいたします。ということでよろしいでしょうか。
○高橋委員 5年、5年の10年計画ですよね、これも。それで、区が考えている基本構想及び10か年計画も10年ですよね。それに、ここの文章を最初見ますと、「新しい中野をつくる10か年計画」と整合性がある計画となるものですというふうに書いてあるんですよ、今後策定する。だから、そういう意味で何かわけのわからないような動きになっているのかなって思っているんですけど、そうじゃないんですかということを伺ったわけであります。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 これから策定をいたします基本構想、それから10か年計画の中にも、いわゆる次世代育成支援、要は子育て・子育ちに対する支援の内容も当然に計画化してくることになります。そうした意味では、この次世代育成支援の行動計画と掲げた内容について、基本的には私ども、その10か年計画の中に盛り込んでいきたいというふうに思っているところでございますが、もし10か年計画策定の中で修正すべき点が出てくれば、それに従って10か年計画の方で修正をした内容にしていくというふうな考えでございます。
○高橋委員 やっぱり一番この中野で生まれ育っていく子どもたちにとって、この10か年計画って大事な計画だと思います。ですから、あいまいな言葉、または新規拡充とかいろいろたくさん載っておりますけれども、財政に見合った、中野区に合った行動計画にしていっていただきながら、将来、夢のある子どもたちが育つような行動計画を考えてもらいたいと思います。
 ほかにまだまだあるんですけれども、以上で結構でございます。
 一応、すべての私の質問を終わらせていただきますけれども、いろいろと御答弁を伺っていても、やはりいろいろな御答弁がすべて10か年計画に持ち込まれていくとか、はっきりとした絵が見えないというところばかりなような気がいたしました。今、中野にとっては財政基盤をしっかりさせることが大変な時期ではないかと思っています。そして、目先の新しいものばかりを掲げるのではなくて、確実に、これから春が来るんだというように区民の皆さんに話せるようにならなくてはいけないんではないかと思っております。今まで中野の再生のために多くの理解ある区民の皆さんは、血の出る思いで中野区に協力をしてきたと思います。ですから、区民の皆さんに胸を張ってきちんと伝えられるように、努力を今後も一層重ねていただきまして、最後に区長から何か御答弁がございましたらお願いいたします。
○田中区長 今、基本構想を策定して、その基本構想に基づいてそれを実現していくための10か年の道のりをつくるということが、本当に区民の皆さんに対しても胸を張って説明ができるような区政をつくっていく基礎になるというふうに考えているところであります。10か年計画については、基本構想を受けてから、これから先の具体的な検討になっていきますけれども、この秋ぐらいには形をきちっとつくりたいというふうに思っておりますし、そこまでのまた議論も大切にしていきたいというふうに思っておりますので、御協力をお願いしたいというところであります。
○高橋委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 どうも御清聴ありがとうございました。
○平島委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了いたします。
 3番目に、佐伯利昭委員、お願いします。
○佐伯委員 民主クラブ、佐伯でございます。私は、昨日の大内議員のように前の日に質問ができ上がってというような余裕がなくて、先般の国会における麻生総務大臣の御答弁のように、試験前にならないと勉強をしないという方のタイプでございますので、つい先ほどまで資料と原稿との突き合わせをしておりましたので、ところどころでお聞き苦しい点があるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
 その麻生総務大臣の御発言でございますけれども、試験前にならないと勉強をしない。大変率直なお話だったと思います。私たちが麻生総務大臣といいますと、日ごろ大変怖い顔で答弁をしたり、質問者にやじを飛ばしたりということで大変厳しい方だなと思っていたんですけど、思わぬ一面を見て印象が変わりました。政権準備党がこんな他党の大臣を持ち上げていても仕方がないんですけれども、やはり議会というもの、わかりやすい言葉で親しみやすい言葉で端的に、率直にやりとりをするということが大事だと思います。本日の質問の中でも、職員の制度をめぐる問題につきましては厳しいこともあるかもしれませんけれども、言いわけをせずにしっかりと端的に御答弁をいただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 これまでこの総括質疑で提案したこと、議会の中で議論をしたこと、田中区長には取り上げていただいたこと、幾つもありました。昨年、とりわけ特定地域除外型超不公平施策という言葉で言いました高齢者の方のいきいき入浴サービスでございますけれども、担当課長の御努力で、練馬のおふろ屋さんに御協力をいただいて実施ができるということになりました。地域は大変喜んでおります。自治体DNAの話をしたときに、できることから始めるのではなく、できるという強い信念を持って仕事に当たってくださいということをお願いしたわけでありますけれども、ほかの区の施設を使って、しかも年度の途中から区民のためにこういう施策を行うということ、本当に地域にとりましてはありがたいことだと思います。
 その自治体DNAも、昨年お話をさせていただいた三重県名張市のシチズンズチャーター制度につきましても、パブリックニューマネジメントの実践ということで、区長にはいろいろお話をさせていただきました。今、全国の自治体では競うように成果主義とか、顧客満足度とか、民間志向の施策を進め、当区でもこうした取り組みがあるわけですけれども、できれば私といたしましては、田中区長ならではのオリジナルブランド、そういったものが欲しいということで、区長が2年目を迎えたときの一般質問で、キャッチフレーズ、キャッチコピーを考えてみてはいかがと提案をさせていただきました。そのときの答弁で、今後、基本構想改定の作業の中で、区民全体の思いを反映した将来像という形でキャッチフレーズに結びつけたいと答弁をいただきましたが、区民の皆さんとの議論はこうした言葉、キャッチフレーズに結びついたのでしょうか。
○川崎計画担当課長 お答えをいたします。現在、新しい中野区の基本構想策定ということで進めております。この間の議論で浮かび上がってきたこと、今キャッチフレーズ、一言で中野のまちの魅力を語るにはということの御質問かと思いますけれども、その検討の中で浮かび上がってきましたのは、30万区民が暮らすこの中野のまち、ここには多様な魅力があると。なかなか一言では言いあらわせないものがあるのではないかということです。
 世論調査などを見ますと、中野区の魅力ということでは、やはり通学・通勤に便利だという生活の便利さもあります。また緑という点では、中野区全体では緑が少ないんですけれども、やはり江古田ですとか鷺宮の方に行くと、まちの人は緑が多いのは魅力だというふうに言われるように、さまざままちの魅力があるのではないかというふうに考えております。
 また、あわせまして浮かんできていますのが、人々がお互いに支え合って、力を合わせて豊かな地域社会をつくっていく、そんなことが大事だろうというようなことで、そういった意味で今回、中野区、新しい中野の基本構想の将来像には、「多彩なまちの魅力と支えあう区民の力」という言葉をタイトルといいますか、キャッチフレーズで、そういったところでございます。
 他の都市などを見ますと、歴史ですとか自然を添えて、例えば藤沢市なんかですと、「湘南の海にひらかれた生涯都市藤沢」なんていうようなネーミングをしているところもあるんですけれども、こんなことも御紹介をしながら、区民の意見交換では、先ほど申し上げたようなタイトルを今回考えておりますということで申し上げてきました。そういった中で、先ほど申し上げたような視点については御賛同いただけるのではないかというふうに考えております。
○佐伯委員 例えば杉並なんかは「アニメのまち・杉並」とか、そのまちがこれからどういうふうな、自分のところのまちをどういうふうなまちに持っていこうかという思いを込めて、
(「お笑いのまち」と呼ぶ者あり)
 今、お笑いのまちという声もありましたが、中野にはたくさんのお笑い芸人も住んでいるわけですけれども、そういったことでこの中野区のこれから、それこそ将来像を語るわけですから、どういうまちにしたいという思いの中でそういうキャッチコピーみたいなのは浮かばなかったのでしょうか。
○川崎計画担当課長 今、他区の例もお話がありました。中野区について、さまざま表現をされています。最近では「演劇のまち」なんていうような言われ方もされているようですけれども、よそから見るとそういう見方もあるのかなというふうに思っています。その中で、一言で中野のまち、将来どういうふうにしたいのかということで言いますと、先ほど申し上げましたように、中野区の多様な魅力、この多彩な魅力を伸ばし、そしてまた人々が支え合っていく、本当に豊かな地域社会をつくっていくんだ、そういった言葉を言いあらわすということで、先ほど申し上げたことで現在は考えているところでございます。
○佐伯委員 例えば、中野の場合には沖縄料理店が多かったりとか、駅前でエイサーの練習をしていたりとか、私も地元でエイサーを踊らせていただいたりしているんですけれども、そういったものもいろいろと考えながら、これからの……。一言で中野といえば、今地方へ行くと、「あのサンプラザがある中野ですか」とか、そういうことを言われますけれども、中野というとすぐこれが浮かぶというようなそういったキャッチコピー、ぜひこの基本構想を考えていく中で、この先またいろいろ御検討いただきたいと思いますけれども。
 ところで、これまで中野は、「ともにつくる人間のまち中野」という言葉、これを庁舎から掲げたりとか、封筒に刷ったりしていましたけれども、「ともにつくる人間のまち中野」というと、犬とか猫はどうしてくれるんだという話にもなりかねないわけですけれども、この言葉というのはこれからも使われていくんでしょうか。
○川崎計画担当課長 今、御紹介があった言葉、これについて、現行基本構想はその理念としているというふうにありますけれども、この考え方そのものについては否定をすべきことではないというふうに考えております。また、その言葉の使われてきた経緯をたどってみますと、この現行の基本構想が制定をされる前から使われてきておりまして、今委員からも御紹介がありましたように、さまざまなところでその言葉を使ってきたということで、区民の間でもなかなかなじみの深い言葉であるかと思いますので、その言葉を今後どうするかということについては、いましばらく考えてみたいというふうに思います。
○佐伯委員 わかりました。
 次に、区民参加について、昨日からいろいろ議論になっているところですけれども、区長は、「手ごたえのある区民参加」という言葉を使われていました。区として今、区民に対して手ごたえというのは感じていらっしゃるでしょうか。
○田中区長 手ごたえのある区民参加というのは、参加をした区民にとって、参加をしたことの手ごたえが感じられるというようなことを表現していたわけですけれども、参加の機会がきちんと保障されていたり、その意見を--参加というのは自分の見解を表明したりするということだと思いますけれども、それが反映されたりとか、反映されなかったとしても、きちんと、されない理由が説明されたりという、応答責任が果たされているというような、そういうことを通じて実現する手ごたえというものがあるのではないかというふうに思ってやっているところであります。私自身は、区民の皆さんが本当に手ごたえを感じて参加していただけているかどうかということについては、必ずしも自分として判断できる状態ではなかなかないというふうに思っています。
 といいますのは、自分の思うとおりにならないと参加じゃないというふうに感じる方も結構いらっしゃるわけでありまして、参加というものの物の見方とか、参加って一体どういうことをすることが保障していることになるんだろうかとか、そういったようなことの共通理解というものをつくり出していくことが大事なのかなというふうに思っているところであります。
○佐伯委員 今、実際区民の方がどういうふうに感じているのかなというお話もありましたけれども、総務の資料77、基本構想等に関する地域意見交換会の参加者数、地域センター別に出していただきました。検討素材2のころから比べて、ことしに入って始まった素案の説明会ですけれども、桃園地域センターでは2人、私の参加しました上鷺宮地域センター、これは私も含めて7人というような、また、4人というところもあります。最初のころに比べて大分参加者が減ってきたなという印象は否めないわけですけれども、これについてはどのように分析をされているでしょう。
○川崎計画担当課長 お答えをします。基本構想の意見交換、今委員から数字の御紹介がありましたけれども、確かに素案の段階では一けたという会場もございました。全体では141人ということで、その前の検討素材の3、4のときには300人を超える御参加をいただいたということがあります。そういった意味では半分近くということでございますが、その一因としては、一つには今申し上げましたように、その前の段階で回を重ね、4回目の意見交換会ということ。そしてまた、今回は素案の前文を区報に掲載して、区民の皆様にお知らせをしたということで、その内容を見てこれまでのさまざまいただいた意見の反映状況などを見て、改めて意見交換に足を運ばなくてもいいというふうに判断をされた方もいる。そんなことも一因ではないかというふうに考えております。
○佐伯委員 それでもう一つ、同じく総務の資料76、区長との対話集会の実施状況も出していただきました。この対話集会が始まったころ、これも私、参加させていただいたんですけれども、鷺宮地域センターで行われた自由討議のとき、もうそれこそ3階の会議室から区民があふれるばかり参加をしていろいろな意見を述べておられました。ところが、これについてもやはりどんどん参加者が減ってきて、16年度になりましては、もう本当に5人なんていうときもあるという状況になってきてしまっていますけれども、これについてはどのように分析をされているでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 お答えいたします。初年度は、前にも御答弁させていただきましたけれども、首長がかわったということでさまざまな御参加をいただいた年でありました。次年度、15年もいろいろなテーマを設定しながら実施してきたところでございます。そういったことを通じまして、身近な場で区からの折々の情報提供と、それに基づく区長と区民との対話、そういった議論の場がつくり出せてきたかなというふうに思っております。ただ、平成16年度につきましては、現在2月末まで22回を実施しているわけでございますけれども、随分とテーマを置いた、フリーテーマじゃなくて、テーマを設定したのが18回行っています。ですから、そのテーマだと参加しないかなというような選択をされた方も多いかなというふうに思います。
 また一方、基本構想の素案の意見交換会というのも並行して5月、7月、10月、そんなことをいっぱいやってきましたので、区民にとっては、そちらに出て区長とのやりとりもできたというようなことがあったのではないかというふうに分析してございます。
○佐伯委員 確かに、いろいろと理由を考えれば理由がついてくるでしょうけれども、参加をする方が減ってきているということ、これは否定できない事実だと思います。また私、区民参加、これは大事なことで、これも否定するつもりはありません。今、自治基本条例のことが議会でも問題になっています。議論になっています。もちろん自治基本条例をつくること、これも私は否定するつもりはありませんけれども、今、区民の間でこれに書かれているようなこと、こうしたことをやっていこうという機運が盛り上がっているのかということをもう一度考えてみたいなと思います。
 たまたま、かつてこれ、元助役の中村武さんが昭和50年当時ですか、上鷺宮区民館の第1号の館長になったときのことを書いた、何かの冊子に寄稿した文章でしょうけれども、見つかりました。そのときの地域の盛り上がりというのは、区民館開館の前々日の夜、三々五々連れ立った人影が区民館に入っていく。7時過ぎ、18畳の和室二つをぶち抜いた部屋に、浴衣がけの人、晩酌をやってきたのか、赤ら顔の人--僕じゃないですよ、晩酌やってきたといっても。がやがやぺちゃくちゃしゃべっている。上鷺宮環境整備計画協議会が開かれたのであると。会長もふろ上がりのスタイルで座っている。岡崎区民部長、懐かしい方ですね。八木計画課長、赤坂主査など、協議会に呼ばれた区の担当者の顔も見える。しかし、汗くさい昼間のにおいを身につけたままである。
 いろんな意見が出ています。協議会が計画した区民センター、公園、道路はどのように進んでいるのか。これは後ほどのバス路線の問題のときにもお話ししなくてはいけないことだと思いますけれども。区民館は見られるとおりにある。四つの公園は一つを残して完成した。残りも造成に入るばかりである。道路は用地買収のみが進められているが、一部は来年度以降になる見通しである。杉並木はどうするか。いろんなことが話し合われているわけです。
 これを見ていると、住民参加というものの息吹というのを非常に感じるわけなんです。自然とこういうふうに盛り上がってきたということが感じられるわけなんですけれども、やはり区民参加とか、そういったものというのは上から言われて、上から押しつけられてやることじゃなくて、住民が自発的にやっていく。もちろん、そういう環境づくりの一つとして、条例をつくることも大切なことだと思いますけれども、そのほか、なぜこういう議論が生まれたかというと、区民館という一つの箱があったからなんです。そこでいろんなことを考え、今地域センターをいろいろどうしよう、こうしようという議論も出ていますけれども、こういう一つの箱ができたことをきっかけに、こういう地域の議論ができてきたという現実があるわけですけれども、実際、先ほど住民参加、区民参加の機運が盛り上がっているかなんていうことを言ってしまいましたけれども、こういったものをどんどんと活性化していくために、区として何か環境づくりというものはお考えなんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 自治基本条例で大切に基本としているのは、先ほど来御答弁させていただきましたが、地域の方々による自分たちの問題解決の営み、そういったことを基本にしております。それはもう既にさまざまなところで自主的に行われているというような機運はあるというふうに理解しております。また、基本構想の策定に当たってもワークショップを設定したというようなこともありまして、そこでやはりこれからの中野のことについて考えようというような方々の機運があってお集まりいただいたというふうに考えております。引き続き、こういった条例を提案させていきつつも、今後もそういった中野の自治、中野の区政運営の発展、そういったことを目指した区としての働きかけ、そういったものは必要だなというふうに認識してございます。
○佐伯委員 今、区長と語る会や基本構想の説明会の参加者の減少からこうした質問をさせていただいたわけですけれども、先ほども区長がおっしゃいましたように、いろんな人が来て話を聞かないと参加した気にならないと。確かに区民の間にはそういう感覚というのはあると思います。100人参加をすれば、その中から意見、話を聞ける人、それを取り入れられる人の意見というのは大体10人ぐらいだと思うんですよね。そうすると、残りの90人の人っていうのは、何だ、何を言っても聞いてくれないじゃないかといって離れていってしまう部分もあるのかもしれないんですけれども、一方、昨日、大内委員の質疑にもありましたけれども、こうした場所、そういったところにも出てこられない人、そういう人がやっぱりたくさんいるわけですね。昼間働いているから昼間の会は出られない、子どもがいるから夜の会は出られない、そういう人だってやはり意見を持っているわけです。そういった人の意見というのもしっかりと区政の中に生かしていかなくてはいけないわけですけれども、そういった中で我々議員というのは、日ごろからそういった皆さんの意見を聞き、地域の問題とか、自分たちの周りの皆さんの声とかを議会の中で行政に対して訴えかけてきたと。だからこそ、この議会制民主主義というのはできて、政党政治が成り立って、それが長年引き続いてきていたのではないかと思います。
 今回、基本構想、中野駅周辺・警察大学校跡地の整備計画など、余りにも間口を広げ過ぎて、それで収拾がつかなくなって時間がかかり過ぎて、計画発表はおくれおくれになってしまったという、そういう印象が否めません。もっと議会や議員の議論というものを大切にすべきだと思いますし、もしこの条例が議会の権能を弱めるような条例になってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 情報提供しながら、参加というのも一定大事にしながらも、必要な時期に適切な判断を区はしていかなければならないと思っています。その判断したことをまた議会にお諮りして、区の総意として決定していただく、そういうような手続が必要。そういう認識のもとに自治基本条例は、行政運営のあり方、参加の手続について決めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 日本国憲法では、国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関ということが書いてあるわけです。この条例では、区議会を重要な機関というふうに位置付けるようでありますけれども、区政に関する最高の意思決定機関とか、唯一の条例制定機関という認識にちょっと薄いような気がするんですけど、その点についてはいかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 そういう認識を持って、議会についても、この自治基本条例の中に一定の規定をさせていただいておるところでございます。
○佐伯委員 なぜこういう話になるかといいますと、先般の区長の施政方針説明ですけれども、その途中で、「区議会及び区民の皆さんとともに中野駅周辺まちづくりに粘り強く取り組んでまいりたいと思います」。区議会と区民というのを同列に書いているんですよね。やっぱり区民論議を踏まえて議会で議論とか。これ同列に考えていたら、それこそ説明会とか、審議会とかで言ったことが議会の意思以上に反映してしまうんじゃないか、そういうような印象を持ってしまうんですけれども、そういった点で、区議会及び区民とか、こういう表現というのは私は余りよくないんじゃないかなと思うんですけど、いかがですか。
○鈴木政策計画担当課長 議員の皆さんと区民の方が同列であるというふうなことの認識は持ってございません。やはりそういった手続を経て代表として議会で活動なさっているということでございますので、同列でというふうな意識でここに記述したということではないというふうに認識してございます。
○佐伯委員 まさに区議会議員というのは1,500人とか2,000人とか、それ以上の区民の信託を得て--先ほど信託という言葉がありましたけれども、信託を得てこの場に出てきているわけです。ですから、発言一つひとつについても責任を持って、そして説明をして、訴えをして、そしてその結果をまた、支援をしてくれた皆さんにお答えを返していかなくてはいけないという重要な立場にあるわけなんです。それだけに、繰り返しになりますけれども、もっともっと議会での議論、こういったものを大切にしてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 今後もそういった点に十分留意しながら対応させていただきたいというふうに思っております。
○佐伯委員 じゃあ、自治基本条例、もう一回繰り返しになりますけれども、この自治基本条例というものが決して議会の権能を弱めるとかそういったものではなく、議会は議会としてきっちりと、当たり前のことですけれども、むしろ行政側が出してくる条例の中で、議会はこうであらなきゃいけないみたいなことが書いてあるということ自体私は、やはり議会の独立性というのかな、それを侵しているような気もするんです。やっぱり別機関ですから、そこはきっちりと考えながら取り組んでいただきたいと思いますので、お答えは結構です。よろしくお願いします。
 次に、住民投票についてお伺いをします。
 この自治基本条例の中では住民投票についても触れられているようですけれども、区が想定する住民投票が行われる場合というのはどういう事例が考えられるでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 にわかに想定というのは難しいと思っています。非常に区の存立基盤そのものが危ぶまれる状況になった。例えば合併であるとか、あるいは名称の変更でありますとか、区画の変更とか、そういったことを私どもとしては想定できるかなというふうに考えております。
○佐伯委員 確かに、住民投票制度をつくったからといって、軽々にこれが行われるようなことであってはならないと思いますし、今言われましたように合併とか、原発の誘致とか、そういったこの先の--先日、南セントレア市なんていうことでいろいろ議論になっていた町もあったようですけれども、その町の存亡といいますか、これからの将来、白黒はっきりつけなきゃいけない、そういったことに限られてくると思います。
 実はこれ、まだかつて工藤泰治さんが御存命だったころにいろいろなところへ連れていっていただきまして、たまたま非核ネットワークの札幌大会で会った新潟県巻町の議員さんから譲っていただいた本なんですけれども、この住民投票、原発の誘致をめぐって住民投票が行われました。その間の経緯、もうずっと記録集になっているんですけど、本当に読んでいると物すごい、もちろん住民もそうですけれども、行政側も物すごいパワーというのかな、労力が必要になってくるんです。ですから、この住民投票というもの、制度自体、これは必要になってくる場合もあると思いますけれども、ぜひ先ほど課長が言われましたように、その運営につきましては、自治体の存亡にかかわるような問題、そういったことで考えていってもらいたいと思います。
 ところで、住民投票の場合、我々の政治選挙ですと公職選挙法とか、そういったものの制約を受けて行われるわけですけれども、この住民投票というのは何か法律的な縛りというのはあるんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 いわゆる公職選挙法の適用がないということですので、法律というところでは適用されるものはないというふうに考えております。
○佐伯委員 そうしますと、ポスターとかビラとかが無制限にはられたりとか、極端な話、買収なんていうのも可能になってくるんですか。
○鈴木政策計画担当課長 住民投票、個別は条例をつくってその中でいろいろ決めていくことになろうかと思いますけれども、ただ一般的にやはり買収でありますとか、あるいは一定の考えを強要するような、そういった運動ですとかそういったもの、公序良俗の中の範囲で、決してそういったことはあってはいけないというふうに考えてございます。
○佐伯委員 考えていても、実際に法には触れなくなっちゃうわけでしょう。そうすると、場合によってはこれ、民意がねじ曲げられてしまう可能性というのはないですか。
○鈴木政策計画担当課長 実際にやるというような条例が決まりましたら、やはりそれをどういうふうな制限をするのかというのは、当然その規則等々の中で実施に当たっての取り決めをしていくものというふうに考えてございます。また、その民意がねじ曲げられないように、区民が適切な判断ができるような必要十分な情報、公平公正にのっとった情報を行政は提供していかなきゃいけないというふうに考えてございます。
○佐伯委員 わかりました。いずれにせよ、慎重の上にも慎重に対応していかなくてはいけない問題だと思います。
 次に、住民投票に要する経費についてお伺いしたいと思うんですけれども、例えば区全体を対象とした選挙、区長選挙にかかる経費というのはどのくらいになっているんでしょうか。
○山下選挙管理委員会事務局長 平成14年の区長選挙の例で申しますと、8,100万円余りになってございます。
○佐伯委員 8,100万円。そうしますと、政治選挙と違いますから、掲示板とかポスターとか公選はがきとか、そういったものはないと思いますけれども、逆に区が、行政側が提供しなきゃいけない資料をつくったりとかということで、経費というのはかなりかかるというようなことも聞いております。推測で結構ですので、この区長選挙等の経費から見て、中野区で住民投票をやるとしたら大体幾らぐらいかかると想定されるでしょう。
○鈴木政策計画担当課長 詳細についてはなかなか難しいんですけれども、今8,100万円からそういった一定の諸経費を引くと、6,000万円ぐらいというのが一つの数字として出てくるところでございます。
○佐伯委員 ありがとうございます。6,000万円というと、当区にとりましてはかなりのウエートを占める予算となると思いますので、これもまた一つ念頭に置いていただきたいと思います。
 住民投票については結構です。ありがとうございます。
 次に、区長対話集会についても一つ提案をしたいと思います。これまで区長は公約を誠実に実行して、月2回ずついろんな地域を周りながら対話集会を行ってきました。しかし、先ほど申しました参加者の減少についてもそうですが、その運営、内容からもそろそろ見直す時期ではないでしょうか。確かに当区がやったことにより、すぐ、うちはお隣に練馬の掲示板があるんですけれども、練馬の区長さんも同じようにやっています。今度、この間、西東京市で市長になった坂口さんも学校単位で車座集会をやるんだというようなことも。そういった直接対話というのは確かにいろいろ広がってきているわけですけれども、やはりこれも長年やっていますと、いろんな制度と同じで制度疲労というのかな、起こしてくる部分もあると思うので、早目にギアチェンジをした方がいいんじゃないかなと思います。いつ行っても同じ参加の人の意見発表会みたいなところもないではないというような印象も受けています。
 ですから、この際、いついつやるから住民の皆さん集まってくださいという待っている形ではなくて、昨年、酒井議員と一緒に提案したように出前トークみたいな形で、住民の皆さんが何人集まるから、じゃあ、区長さん来てくださいとか、そもそも区が広聴広報分野でやっている対話集会というのはそういうシステムで行われていたと思うんですけれども、これについてまだまだ区民の皆さんの中で知らない方も多いわけで、今度は逆に、こういうのをやるから来てくださいというような呼びかけをいただくような、そういうタイプに切りかえていく必要もあるんじゃないかなと思います。そういったことで青少年との対話とか、中学校なんかへ行って中学生の声、特に今、学校の再編の問題なんかあるわけですから、そういったものを聞いてみたらいいんじゃないかなと思うんですけれども、この運営について、ひとつまた工夫をしていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 月2回、地域センター等々回って行っていることとは別に、実は昨年の8月以降、試験的にというわけではないんですが、ふらっとトークといいますか、庁舎の中で区長が来客の方にちょっと意見を、お話をというようなことで、1階で2回ばかりやったことがございます。そういったことも今後組み入れながら、より今まで参加できにくいような方たちと対話ができるような方法を考えてまいりたいというふうに思っております。
○佐伯委員 わかりました。ぜひ、せっかくの機会ですから、いろんなところで区長自身御意見を聞く機会というのを、余り広げ過ぎないでやっていただけたらなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、民意のはかり方についてお伺いをしたいと思います。
 区では例年、区民世論調査というものが行われ、議会にもその報告がされます。先日も冊子が送られてきました。そして昨年は、おもてなし運動の一環として、おもてなしアンケートというものが行われました。ここに昨年の10月15日の総務委員会の資料があります。いろいろな項目が書いてあり、回答をいただいているわけですけれども、その回答例として、よい、少しよい、普通、少し不満、とても不満とあるんですけれども、ここで言うところの普通というのは何を基準に、どういうことで普通ということになるんでしょうか。
○合川経営改革担当課長 普通という基準でございますけれども、これは区民の方々が現状を許容できる範囲というふうに考えてございます。
○佐伯委員 この項目の中で、特に、「身だしなみはいかがでしたか」ということで、よいが45%、少しよいが15%、普通が33%。背広を着てネクタイをしていれば、これは普通ですよね。もう少し何かこれ表現の仕方、もう少し工夫があっていいと思うんですけど、この辺はいかがですか。
○合川経営改革担当課長 区の仕事というのは多岐にわたっておりまして、その業務を執行する上で業務を行いやすい服装ということで職務を行ってございます。そういった意味で、一律に服装を定めるということはできないということで、身だしなみという設問にいたしました。そのために、背広とネクタイにつきましては、その職場によって、よいというふうに思われるところと、また、普通だというふうに思われるところと、評価が分かれるかなというふうに思ってございます。その「普通」を「よい」にしていくためには、背広、ネクタイのほかに、例えば態度ですとか雰囲気等、こういったものが加わるものというふうに考えてございます。
○佐伯委員 いや、違うんですよ。態度とか言葉遣いは別の項目にあるんです。独立して、身だしなみはいかがでしたかという項目があるので、これをよいとか、悪いとか、普通とかという表現ってなかなか難しいんじゃないかなと思うんですけれども。先ほど課長の方からありましたその分析についても、よい、少しよい、普通を含めた肯定的な回答が85%から95%となっているとしていますけれども、よりよきサービスを求める区の姿勢として、普通というのは合格点になるんでしょうか。
○合川経営改革担当課長 おもてなしアンケートにつきましては、区民の方々が区役所をどのように見て、どのように感じているのかということを知るために行ったものでございます。普通を肯定的な意見という大きなくくりの中で含めましたけれども、この普通をよいと少しよいというような、そういった持っていくための改善をしていく部分だというふうに考えてございます。そのために、顧客満足向上を目指す視点から、普通は合格点ということではなくて、改善していくべき視点というふうにとらえたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 そのために、私は普通というのは必要ないんじゃないかなという気もするんですけれども、この民意のはかり方といいますか、アンケート調査のとり方というのもいろいろ工夫が必要だと思います。
 実は先般、久し振りにお寿司なんかとったんですけれども、お寿司屋さんがアンケートを持ってきました。味はどうかとか、届け出の態度はどうかということで、5段階に分かれていて、感動、合格、よいでしょう、もう一歩、まだまだと、こういう5段階に分かれているんです。これが非常に採点する方としても興味深く、よい、少しよい、普通なんて書いてあるよりも、いいですよね。要は答えやすいですよね。しかも、これも民間の努力というんでしょうか、アンケート用紙が伝票か何かでぺろっと来ちゃえば捨てちゃうでしょうけれども、これ現物じゃないですけれども、現物持ってきちゃうと怒られちゃいますから、こういう板に載っかってくるんですよね。そうすると、これもおけと一緒に返さなきゃいけないから、ついアンケートを書いちゃうというような、こういう仕組みも出前のおすし屋さんなんかはやっているというような状況もあります。ぜひ区の方も工夫をしていただきたいと思いますけど。
 もう一つ、これはたとえとして違うかもしれませんけれども、昔、プロボクシングというのは5点法で採点をしていたと思いました。ですから、よっぽどそのラウンド、差がつかないと5、4になったりとか、ダウンをすれば5、3になったりするわけですけれども。試合の途中までリードしていると、終盤になるともう判定で勝っているなと思うと、最後はクリンチばっかりして試合がおもしろくなくなっちゃうということで10点法が採用されて、そのラウンド、ラウンドでどっちか優勢な方に点差をつけようという試みがされてきて、そうするともうみんな、そのラウンド少しでも、特にラウンドの最後の30秒ぐらいになると、懸命になってジャッジにいい印象を与えようとして、ラッシュを始めるわけですね。そういう取り組みもあって、ボクシングもおもしろくなってきたというようなこともあったと思うんですけれども、こうしたアンケートも、こういったことをやることによって職員が奮い立つような、そしてまた区民の方も関心を持ってこういったアンケートに取り組めるような。先ほどの感動とか、合格とか、よいでしょうとかというのは、これ役所がやるようなことじゃないと言われるかもしれませんけれども、かつて福岡の自治体DNAの話をしたときに、Aというのは遊び心ですということ。区民とともに楽しい。行革というのはもう疫病神のようなもので、じっと我慢して耐えている。それが行革だけども、そういったものを逆手にとって、遊び心を持って区民とともに楽しく仕事をしようよという、そういう発想があったと思うので、こういう工夫というのは次回アンケートをとるときにはぜひお願いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 当然そのアンケートをとるときには、区民の方々が積極的に協力をしていただくというような視点、十分大事な部分だというふうに考えてございますので、さまざまな工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 どうもありがとうございました。ぜひお願いをします。
 次に、サンプラザ問題についてお聞きをしたいと思います。このサンプラザ、議会でもかなり長い時間をかけて議論をしてきました。我が会派は総務委員が総務委員長ということでなかなか質問する場面もなかったと思います。本会議等では藤本議員、いろいろ御質問をさせていただきましたけれども、幾つか細かな点について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この中野サンプラザの買収に当たって、どなたか民間の金融機関でありますとか、証券会社等へ研修に行くなり、レクチャーを受けるなど、そういったことというのはされたんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 お答えをいたします。担当がそういった民間のところへ研修に行ったというようなことはございません。
○佐伯委員 よく民間、民間と言われますので、民間へ行っていろいろなレクチャー等を受けて、この仕組みというのがどうなってくるものかというものをぜひ研究をしていただきたかったなというのが今の思いなんですけれども。そもそも融資や出資の枠組みが変わってしまったこと、その報告がなかったことが問題になっていますけれども、担当の部署では、資本金3億円の会社がおいそれと52億円の融資、これを受けられるとお考えだったんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 サンプラザ取得に当たって、スキームづくりにつきましては民間へ職員は派遣はいたしませんでしたけれども、業務支援ということで、そういった専門のコンサルテーションを受けながら枠組みを構築してきたというような経緯がございます。そういった中で、区の損失補償がなかなか難しいというところでは、一定のハードルの高さ、融資のハードルの高さはあるだろうというふうなことも想定の中には入ってございました。
○佐伯委員 損失補償についてはこちらからやめたんですか、融資団からいいと言われたんですか。
○鈴木政策計画担当課長 この事業を募集する募集要項の中で、区としてはそういったことをしませんということの意思を明確に伝えて募集に入ったところでございます。
○佐伯委員 そうしますと、今言われたコンサルタントですか、日建設計でしたっけ。契約する前に、52億の融資は難しいとか、別の資金繰りを考えなきゃいけないというようなアドバイスというのはなかったんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 いろいろな事業者が想定できるわけでありまして、自分のところでそういった資金調達ができるというような事業者、そういったことも想定されましたので、にわかに全面的に52億が調達できないというふうな結論には至らなかったということでございます。
○佐伯委員 いや、違います。当然この会社、今回立ち上がりましたまちづくり中野21ですか、応募して、5社が手を挙げてきて、それで、このまちづくり21をつくったわけですよね。それで、その今回できた資本金3億円の会社について、52億の融資が受けられないんじゃないか。別の会社が入ってきて云々じゃなくて、この会社自身、今回つくったこの会社が今のこの形態でつくったのでは、52億の融資は難しいんじゃないかということというアドバイスはなかったんですか。
○鈴木政策計画担当課長 5グループが新たに運営会社をつくりました。融資あるいは資金調達の責務を負うのは事業者でございます。まちづくり中野21というのは、新たに中野サンプラザの所有者になるということで、実質的に所有会社であるまちづくり中野21が借金を負うという、そういう構図になるというふうに理解をして、御質問をいただいているというふうに思いますけれども、そういった中でやはり運営会社の、新たにつくる運営会社でございますので、会社の与信力、あるいは三セクも全く初めてつくるわけですので、与信力で資金調達をするということはなかなか難しい。また三セクの、総務省の指針の方にも、そういった与信力で資金調達をするのではなくて、プロジェクト、運営の収益によってきちっと返していけるような、そういう枠組みをつくりなさいというような指導があります。今回私どももそういった枠組みを十分踏まえまして資金調達については考えてきたというふうに思ってございます。
○佐伯委員 そうしますと、平たく言っちゃいますけれども、融資が受けられないんじゃないかということをわかっていて議会に報告もしなかったのか、それとも、増資なんか大した問題じゃないんだという認識で議会に報告しなかったのか。わからなかったのか、わかっていたけれども、大した問題じゃないからという認識だったから報告をしなかったのか。それともまたほかの理由があったのか、それはいかがですか。
○鈴木政策計画担当課長 これにつきましては、事業者が決定して、その段階で新たに資金調達の見通しがついたというところの御報告をいただいたところでは、融資でいくというふうなことで私どもも想定してございました。
○佐伯委員 資金調達の見通しがついて融資でいくということになったわけですよね。ところが、それができなかったわけですよね。その辺というのはちょっとつじつまが合わないんじゃないですか。
 それで、例えば1月11日の総務委員会の助役の答弁では、非常に認識が甘かったと。正直なところ、実は枠組みが変わる。こうしたことをしなきゃいけないという、そういう想定はなかったというふうに、私自身はなかったというようなお答えをされているようですけども、一方でコンサルタントの方からは、枠組みできないかもしれないということは聞いていたわけでしょう。そういったことというのは全然なかったんですか。
○鈴木政策計画担当課長 一定、資金調達については、お金の借り方にやはり敏感にならなきゃいけないということもございますし、安易に第三セクターが大きな借金を負うことの社会的な批判も、また一定の指針というものの遵守をしなければいけないという立場もございます。そういうことから、いろいろあるだろうけれども、全体的には資金調達はハードルは高いというような認識を持ってございました。
○佐伯委員 ハードルは高いって、ハードルは高いけれども、融資できるって見ていたんですか。
○鈴木政策計画担当課長 はい、そのとおりでございます。
○佐伯委員 やはり、それはもう認識の誤りとしか言いようがないと思いますけれども、結局、一連のことというのはそもそも、報告をしなかったということもこれはまずいことだと思いますけれども、こういう枠組みが変わったということで当初の説明から全く違ったことになってしまった。本来、区が取れるべき、取れると。残余財産処分をした後にいただけるはずだった分というのは大幅に減ってしまったというところでは、これは説明が違ったとか、そうは思っていなかったとか、そういう問題じゃなくて、これは相当重大な問題だと思うんですよね。ですから、もう既にこういった状況で、買収も終わって運営も始まってしまっていますから、今さら。
 先般、斉藤(金)委員の方から、出資金を引き揚げたらというようなお誘いもありましたけれども、我々としてはやはりそういう気持ちはあります。こんな状況の中で、このままずるずる運営していっていいのかという気もありますけれども、だけども、走り始めてしまったこと。今後は間違いのないようにぜひ、特に取締役であります助役さんには頑張っていただきたいと思うんですけれども。
 ところで、区がこれまで議決権が3分の2以上あるから大丈夫、大丈夫と言ってきました。しかし、株主総会の議決権があるといいましても、株主総会の議長というのはだれがやるんですか。
○鈴木政策計画担当課長 所有会社である中野まちづくり21の代表取締役でございます。
○佐伯委員 昨年、私は区長に代表取締役をやったらということをお誘いをかけましたけれども、やらないということで、これは突っぱねられてしまったわけでありますけれども、3分の2の議決権があるといっても、やっぱり議長さんの運営次第では、なかなか思うに任せない部分というのは株主総会って出てくるとは思いませんか。
○鈴木政策計画担当課長 取締役がまちづくり中野21には3人ございます。その中の1人が区から派遣している助役でございます。大きいことは取締役会の中でいろいろ議論され、それを株主総会で諮ろうというふうな段取りになるというふうに承知してございます。本来、取締役会で決められるような重要な事項について、中野区が所有しております甲種株式の中の権限の中でほとんどの議決権を有しているというふうなことで、私どもは区のこのまちづくり中野21、所有会社における議決権の一定の利、優位性、それについて確保されているというふうに御説明をさせていただいているところでございます。
○佐伯委員 その問題はまた後ほど、これからのまちづくりのところでお聞きしたいと思いますけれども、運営会社が5社から8社にふえた。これについてもお聞きします。後から加わった株式会社モック、株式会社エーティーティー総研、それぞれ、これらにつきましてはサンプラの事業運営に少なからずの関係があるものと思います。ところが、この株式会社ニナファームジャポンというのは、健康食品とか化粧品とかを扱っている会社なんですけれども、この会社、サンプラの運営とはどういうような関係になるんでしょう。
○鈴木政策計画担当課長 現在の運営内容だけに限らないと思うんですけれども、新しい運営会社は新たな顧客層の拡大、そういったことも経営戦略としては打ち出しております。この会社は非常に通信販売というところで、そういう意味ではちょっと違った、ほかの株主とは違った業態での実績があるというふうなことで、広く顧客層の拡大というところで寄与するというふうなことも伺っていますし、今後はイベントなどでもそういった部分に参画してくるというふうに伺っているところでございます。
○佐伯委員 それで、ちょっとこの会社についてお聞きしたいんですけれども、ホームページで会社概要を見せていただきました。代表取締役社長・小林弘志さんという方になっておりまして、そして、この基本協定遵守に関する誓約書にも小林弘志さんという方が代表取締役で判を押されています。一方、基本協定参加等同意書というのがありまして、ここに役員構成ということで後ろの方に名前が連ねられているんですけれども、この運営会社ですね。取締役として、株式会社ニナファームジャポン代表取締役ということで、大島浩道さんという方が書かれておりますけれども、こちらでは小林さんが代表取締役なんですけれども、大島さんも代表取締役ということで、代表取締役が複数いらっしゃるということでよろしいんですか。
○鈴木政策計画担当課長 はい、そのとおりでございます。
○佐伯委員 わかりました。
 次に、先ほど言いました10年後のまちづくりに寄与というところでお聞きをしたいんですけれども、「事業に関する協定書」で、10年後に向けて、その3年前から2012年5月末日までに運営会社は、再整備等の計画(基本構想)を作成するとあるわけですけれども、その中で、所有会社は劣後レンダーと十分な協議を行った上で、再整備等の計画を策定するということで、ここでも劣後レンダー、いわゆる金融屋さんですよね。ここと十分な協議を行わなきゃいけないということが書かれているんですけれども、金融団の方の意向というのはどのくらい影響してくるんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 金融団は、再整備に移る前に貸した資金についての返済、それがきちっとされているかどうかに関心があるわけでございます。したがいまして、その計画内容がそういったものの回収ができるかどうかというようなことを協議しながら進めていくというふうに私どもは理解してございます。
○佐伯委員 ということは、貸したお金が返ってきているか、あるいは約束された融資の配当がちゃんと出ているかということが先になって、ここで読む限りは、再整備の計画ということに対しての十分な協議ということとしか読み取れないんですけれども、劣後レンダー、金融団側というのは、まず自分の方のお金を取ってから考えるという、そういうことでいいんですか。
○鈴木政策計画担当課長 「事業に関する協定書」の第1条では、区がそもそも中野サンプラザを取得して再整備につなげるという、そういった公共目的を関係する金融団、それから事業者みんなが理解して、そのために協力をするよということでこの事業は進んでございます。ただし、お金のことでございますので、貸したものについては、それについてはきちっと取れる、採算の見込みがあるということについて、金融団は非常に関心を持ってございますが、全体の計画、中野区として公共性のある駅前のにぎわいを実現する計画づくり、そのことをやはり金融団も、それから事業者も、ともに実現に向けて努力をしていくというのが協定書の第1条の中に確認されているというふうに思ってございます。
○佐伯委員 その協力する云々という話がありますけれども、区の意思と金融団の意思というのは必ず一致をするんですか。
○鈴木政策計画担当課長 区が目指したいまちづくりを実現するというようなところでは一致すると思いますけれども、お金を借りている、貸している、第三セクターというのは出資していますけれども、所有会社と金融団では、そういう意味では最後のところでは、やはり貸したものは返していただくといったところで、契約をきちっと履行してもらうというふうな関係になると思います。
○佐伯委員 私はそれだけではないと思いますよ。この事業協定書を読むと、再整備の事業者ができると。「金融団の選定した再整備等事業者の候補者の再整備等計画がまちづくり整備の観点から好ましくないと判断した場合には、区の指名する者に本件不動産を譲渡し」、区は金融団が指定する業者であるとか、その計画が区が納得できるものではない可能性というのを想定してこの協定書を結んでいるんですけれども、そのあたりはいかがですか。必ず一致するんですか。
○鈴木政策計画担当課長 計画をつくってくるというのは運営会社、それから所有会社がそれを認めて、区にこういうふうな計画でというのを提出するというような役割、流れになっているというふうに思います。基本的にそれにのっとって運営会社がその計画を実施する事業者を募集するというふうなことでございます。そこまで順調にいけばというふうなことで、あと、今委員御指摘なのは、それがうまくいかなかった場合というふうなことでのお話だというふうに思ってございます。そういった場合には、運営事業者にかわって金融団がそういった事業者を連れてくることができるよというふうに規定しております。連れてきた者が区としてはなかなか承諾できないということであれば、区の指名するそういったところにやることができる、そういうような規定になっているというふうに理解してございます。
○佐伯委員 区の指名するというと、これ、区自身も含むということなんですけれども、区が10年後に52億でこれを買い取れるということは、まず可能性としては薄いと思います。区の指名すると言いますけれども、指名する業者がいないという、区が思うようなことをやってくれる事業者がいない可能性もあるんじゃないですか。
〔「52億じゃないよ。時価だよ」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員 まあ、時価ですけれども。区が思うような、区が想定する事業というのをやってくれる業者が必ずいるとお考えですか。
○鈴木政策計画担当課長 今から、いるかいないかというのはなかなか言い切れないというふうに思います。さまざま、この中野駅周辺をめぐる状況、今後も大きく変わっていくということが想定されますので、そういった中で、やはり適切にそういった事業者が登場してくる可能性も大きいというふうに思ってございます。
○佐伯委員 いずれにしましても、余り期待ばかりしてやっていても。民間を活用してとか、民間の資金を活用してとか言いますけれども、民間というのは勝負をかけてきていますから、何のためにやるのかといったら、やっぱり営利を目的として。それも当然のことだと思いますよ。一生懸命利益を上げていただいて税金を払っていただかないと困るわけですから。ですから、そういう思いでやってきていますから、やはりこちらサイドとしてもそれなりにきっちりと対等にこの運営、経営をしていけるという体制というのをつくっていかなくてはいけないと思いますので、いろいろ申し上げましたけれども、ぜひその辺、区民や、もちろん議会に対してですけれども、何か不信感を抱かせないような、そういう今後の事業運営というものをぜひお願いをしたいと思います。ありがとうございます。
 次に、この項で負担と給付について、端的に幾つかお聞きをしたいと思います。
 コスト意識という言葉がよく使われます。今回は、その事業を行うのに1人幾らかかるのかという資料を幾つか出していただきました。例えば厚生の資料55、学童クラブ児童1人に対する区支出金。平成15年度で月4万4,000円ということですと、年間52万8,000円になります。厚生の19、保育園児1人に対する区の支出。公立のゼロ歳児だと年間474万円になります。厚生の資料20でも、幼稚園児に対しての負担を出してもらいました。このほかにも、議会の資料じゃないですけれども、担当のところからのメモとして、福祉住宅の1軒当たりの支出額というものも出していただきました。
 何でこんな質問をするかといいますと、例えば私立幼稚園の関係の皆さんと懇談などをすると、公私の格差、これについて、自分たち私立幼稚園の保護者が払っている税金も使って、公立の保護者は恩恵を受けているんだと。確かにおっしゃるとおりだと思います。ですから、例えば保育園なんかの場合には待機児というのがたくさんいるわけですよね。待機児の親、保護者の方が払う税金でもって年間474万円の保育が行われているという現状があるわけです。例えば、もう一つ福祉住宅だって、野方苑なんていうのはもうまさに立派じゃないですか。一方で、そこに入りたくても入れないで細々と暮らしている人がいる、こういう現状があるわけです。まさに天国と地獄の差があるわけです。これは余り、どうしろと言っても仕方がないことなのかもしれませんけども、こういう現状があるということについて、区の率直な御意見、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○合川経営改革担当課長 区民の方々に対して、一定のルールに従った公平なサービスを提供し、それに見合う負担をお願いするというのが行政の原則であるというふうに思います。一定の例えば定員のもとに、一定の条件のもとでは、行政サービスを受けられる方と、あるいはその行政サービスを受けられない方がある、こういったことがあるということはやむを得ない部分があるのかなというふうに考えてございます。区は一定の基準のサービスを提供する、確保するために、今委員の挙げられました学童保育ですとか、あるいは保育所、こういったことについて、待機児の解消等、さらなる努力を行っていくというようなところでございます。
○佐伯委員 最近よく出る話で、先ほども生活保護の話なんかがありましたけれども、国民年金だけをもらっている、受給している人よりも生活保護者の給付の額の方が高いとか、そういう話というのは今ちまたにいろいろと蔓延しているわけなんですけれども、こういったことになってくると、まさに納税意欲というのは失われてくるでしょうし、公平性というものをもっときちっと保っていかなくてはいけないと思うんですけれども、そういった中で、先ほど待機児の問題とか、お金を払っても、税金を払っていても給付、恩恵が受けられないという人、そういった皆さんのお金も使っていろんな事業が行われているということをお話しましたけれども、やはりコスト意識、何か行政にしてみれば、最小の経費で最大の効果を上げるということで、より幅広くサービスの提供をしようということで民間に委託をしたり、民営化をして努力をしているわけですよ。ところが一方で、恩恵をいっぱい受けている人が、それは反対とか。でも、実際に民営化して、図書館だってよくなったわけでしょう。保育園だって、延長保育とかできるようになってきて、サービスが向上しているわけじゃないですか。だからこそ私は大事なことは、コスト意識を住民の皆さんにもきっちり持っていただくということだと思います。
 練馬で昨年、財政白書を出しました。当区もかつて出しましたけれども、その内容というのを区報にも掲載をしました。一つのサービスに幾らお金がかかるのかということをきっちりと区民の皆さんに知らせているんです。今言いました学童クラブなんかでも、1人当たり月額4万3,572円、やっぱり同じぐらいの金額になってくると思います。私立保育園の補助とか、認証保育所だったらどうだとか、こういうのをきっちり出しているんですよね。やっぱり民間委託とか民営化ということをしていく上に当たってサービスの拡充を図っていく。そういったことをしっかりと理解をしてもらうためには、きちんとこういったことを区民の皆さんの前に公開をして、こうすれば、まあ、はっきり言って、そのサービスを受けている人と受けていない人だったら、受けていない人の方が絶対圧倒的に多いわけですから、だから、こういった数字というのはきちっと公表していくべきではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 現在、行政評価におきまして事業単位の、対象事業当たりのコストですとか、それから事務事業、あるいは施策、こういった区民1人当たりのコストを算出して公表をしてございます。区の仕事の効率性を評価する場合に、区民1人当たりのコスト、あるいは事業の対象単位当たりのコストを算出するということは大変重要なことだというふうに考えてございます。今後十分に仕事の効率性を評価し、改善していくためには、こういった行政評価等の仕組みを使って、区民1人当たりのコスト等についても十分公表できるように検討していきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 ところで、ちょっとこれは通告していないんですけれども、率直なお考えをお聞かせいただきたいと思いますけれども、経費の削減とサービスの向上のため、民間に任せることは民間に任せると、そういったことをよく区は言われますよね。経費も削減される、サービスも向上する、民間だと。じゃあ、お役所がやっていたことというのは何なんだろうって、区民の皆さんから言われるんですけれども、これはどういうふうに御説明されますか。
○合川経営改革担当課長 区役所という、公務員というそういった制度の中で一定のいろいろな限界があるということは否めないというふうに考えてございます。そういったものをさらに民間に委託をしたり、ゆだねたりするということで、そういったサービスの向上を図れるということもあろうかというふうに考えてございますので、そういったことで民間に委託をしたり、それから、経費の節減を図ったりというようなことで行政を進めているというところでございます。
○佐伯委員 ありがとうございました。今の質問は、後ほど職員の制度のところの公務労働の特質というところでちょっと大事な話になってきますので、よろしくお願いします。
 3時前にあと2問だけやらせてください。職員数の削減について伺います。
 施設の民営化、民間委託ということで、これまで主に庁舎外のところから職員の削減というのはしてきたことが多かったと思うんですけれども、今回は地域センターから人を引き揚げるということで、これは我が会派でも特別委員会でもいろいろ意見を述べさせていただいておりますし、私自身も疑問を持っているところです。住民票などの交付業務などを集約してしまうということですが、4カ所ですか、してしまうということですけれども、これはやはり地域間格差につながってくることなんじゃないかなと思います。先ほど基本構想の説明会、上鷺宮の説明会で出た話なんですけれども、地域センターをなくすのにバスを走らせるのかというような、こんな話まで出ました。本当に厳しい指摘だと思います。区民というのはそういうふうに見えちゃうんですよ。
 ところで、この地域センターの問題ですけど、来年度予算の補助資料、ここの138ページで目標として、「区民は、住居に比較的近いところで各種証明書交付や届け出の窓口サービスが受けられるように」ということが掲げられているわけなんですけれども、今、区がやろうとしていることはこの目標に反するのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 お答えいたします。この趣旨につきましてでございますが、これはできるだけ区役所の本庁舎に行かなくても、できるだけ近くのところでそういったサービスが受けられるというような趣旨だというふうに考えておるわけでございますけれども、今回、窓口事務の集約に当たりましては、できるだけ区民の皆さんに御不便をおかけしないような配置を考えていきたいというふうに考えてございますので、この趣旨に大幅に反するというふうには考えてはおりません。
○佐伯委員 大幅に反するとは考えていないということで、小幅にはやっぱり反するのではないかなと思いますけれども、例えば、今申しましたけれども、出先の機関一つ、人を引き揚げちゃってということは大変簡単なことですよ。だけど、もうちょっと見直すべきところというのはこの庁舎内の中にでもあるんじゃないか。そういったことをして、せめて今、地域センターでの住民票のサービス、もちろんいろんな登録なんかは引っ越してきたときとか、1回ですからいいですけれども、せめて住民票とか、印鑑証明とかというのは身近なところでとれる機能というのは生かしてほしいなと思うわけなんですけれども、この間、新聞の折り込みを見ていてびっくりしたんですけれども、豊島区役所での一般事務、地元の皆さん、お待ちしていますということで、こういった新聞広告に募集が出ていました。豊島区役所の中で各種申請書の入力、出力業務、書類整理及び電話対応業務、こういうのを人材派遣会社に業務委託しているんですね、豊島区というのは。何年か前までは区が直接アルバイトを雇ってやっていたけれども、なかなか人材の確保ができないんでこういう制度に切りかえたということをお聞きしまた。
 中野区でも、直接住民の皆さんと面と向かって対応するところではないこういった部署というのは、こういう業務委託等して、逆に地域センターのように地域の皆さんと直接対話をしたりしなきゃいけないところというのは残していく、こういう考え方というのも職員削減の中ではあっていいんじゃないかなと思うんですけど、いかがでしょうか。
○登戸籍住民担当課長 お答えします。中野区でも、いわゆる戸籍住民分野窓口でございますけれども、入力業務の一部につきましては従来から委託というか、人材派遣を活用しております。また、この4月からは出力業務、証明書の発行等の作業につきましても人材派遣会社の人の活用というのを進める考えでございます。
○佐伯委員 わかりました。ぜひそういったことを活用しながら、地域の窓口であります地域センターのことについてもこれからいろいろ御検討いただければなと思います。
○平島委員長 佐伯委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。3時20分まで休憩いたします。
 委員会を休憩いたします。
      午後3時02分休憩

      午後3時22分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。佐伯委員、お願いいたします。
○佐伯委員 次に、職員に関する制度についてお伺いします。
 これは昨年の第3回定例会で、本会議で私が病気休暇、病気休職の問題、酒井議員が成績特別昇給の問題を取り上げました。
 まず、成績特別昇給から伺います。あのとき酒井議員が特別昇給の面積率22%、つまり3カ月短縮が20%、6カ月短縮が1%で計22%、これが上限だったものが、規定が変わって上限が面積率40%となってしまったが、当時はまだ中野は22%の適用になっている。その後はどうなったんでしょうか。
○長田人事担当課長 16年度の成績特別昇給の実施に当たりましては、面積率40%で実施をしてございます。
○佐伯委員 22%だったものを面積率40%にしたということですね、16年度。
 では、区長にお聞きしますけど、申しわけありません。区長は昨年の本会議答弁で、「職員に関する制度については、区民の納得の得られるものでなくてはならない」と述べていますけれども、この22%が40%になったこと、区民は本当に納得してくれるとお思いでしょうか。
○田中区長 40%も全体としての上限ということでありまして、その40%をどういうふうに割り振るかというところも、またそれぞれの区の判断の仕方になっていると思います。中野区として、職員が意欲を持って成果を上げたときに報いられる仕組みとして、この制度を活用していくという考え方については、区民の皆様にぜひ御理解をいただきたいと思っています。ただ、大変難しいというか、特別な公務員の世界の話みたいなこともありますので、直ちに御理解をいただくというのはなかなか難しいのかなというふうには考えておりますけれども、区として、40%何が何でも全部使わなければいけないと思っているわけでもありませんし、また、職員が意欲を持って働くための仕掛けはその一方で必要だということも思っておりますので、その辺を十分に御説明すれば御理解が得られるものというふうに思っております。
○佐伯委員 職員課長、では40%の内訳をちょっと教えてください、16年度。
○長田人事担当課長 16年度の面積率40%での実施の付与率の内容でございます。12カ月短縮が付与率1%、6カ月短縮が付与率8%、3カ月短縮が付与率20%、以上でございます。
○佐伯委員 その3カ月短縮の20%というのが変わっていないわけですよね。本来の趣旨から言えば、特に成績良好な者に対してきっちりと手当をしていくという趣旨で設けられている制度だと思うんですけれども、3カ月短縮が依然として20%、500何人いるんでしょうか。そういう状況になっていると思うんですけれども、これも先般、酒井議員の方の質問から明快な答弁をいただいていないので、改めてお聞きしますけれども、成績が特に良好な職員というのは、具体的にどういったものが挙げられるんでしょうか。
○長田人事担当課長 まず、16年度の御質問がございましたので、16年度についての成績特別昇給についての付与率について御説明いたしましたが、これについては私ども計画を持っておりまして、16年度、経過措置としてそのような、先ほど申し上げました付与率で実施をいたしました。17年度、本則と、今後こういう形で実施をするということで、12カ月短縮を2.5%、6カ月短縮を10%、3カ月短縮を同じく10%で実施するということで計画を立案しているものでございます。
 続きまして、成績の考え方でございますが、それぞれ組織の成果に寄与した、貢献したその内容に着目して、12カ月短縮、6カ月短縮、3カ月短縮を実施してまいります。その成績の内容ということになるわけでございますが、それぞれの部で1次評定者、2次評定者、担当課長等、それから部長の判断、それぞれの成績の内容を吟味いたしまして、評定を実施いたします。これによって成績の評定を実施をしていくという形でございます。
 幾つか類型化して御説明をさせていただきますと、12カ月短縮、成績の顕著な者につきましては、例えば区政の主要な計画立案、または主要な事業の推進に関し中心的な役割を果たし成果を上げた者と、こういうような者がやはり12カ月短縮に相当する者というふうに考えてございます。
○佐伯委員 それは想定の上ででしょう。こういったことをやったら。区政の中心的な事業、中心的な役割云々と言われたって、まあ、12短というのは今回非常に少ないので、これというと特定されてしまうと思いますので、ここでお聞きしませんけれども、3短に関しては20%もいるわけですから、どういったことをやったのが3短になったという明確なものが欲しいんですよ。そうしないとやっぱり区民の間では、順番に20%を5年ごとに回っているのかなというふうに見えちゃうんですけれども、12短と6短に関しては特定されてしまう可能性がありますので、あえてお聞きしませんけれども、3短になった者、事例として、人事課長だったら10個ぐらいぱっと言えるでしょう。
○長田人事担当課長 先ほど申しましたように、個々の組織で1次評定、2次評定によって吟味をし決定をしていくと。推薦の決定を各部ではするという段階を踏むわけですが、してまいります。そういう意味で申し上げますと、3カ月短縮の場合には、それぞれ施策のレベルないしは事業メニューのレベルでそれぞれのチームの中の、ないしは施策の範囲の中での役割を十分果たして事業の成果を上げた者、ないしは他のメンバーに対しての調整、協力等もきちっと果たして事業の推進を確実にした者、そういった者が3カ月短縮の該当になるというふうに考えております。
○佐伯委員 役割を十分に果たして成果を上げるなんて、これは当たり前のことでしょう、仕事していたら。どう考えたって、こんなの当たり前のことですよ。
 どちらかというと、やはり明確な基準がないままに運営されているなというような印象がないでもないんですけれども、この12カ月短縮を取り入れる根拠となった2002年の10月3日の人事委員会勧告における意見ですよね。これ、現行の成績特別昇給制度については、国や他の地方自治体の動向を踏まえ、短縮月数の拡大等とともに適切な運用を行うことにより、職員の勤労意欲の向上に資するよう一層活用していくことがあるというわけですけれども、ここで短縮月数の拡大というのはあるんですけれども、面積率を拡大なんていうのはどこにも書いていないんですよね。だから12短ができたわけですよね。短縮月数の拡大をしたから。何でこの12短ができることによって面積率まで拡大しちゃったんですか。
○長田人事担当課長 確かに、平成14年度の人事委員会の意見の中で付されました成績主義の推進ということに関しては、短縮月数の拡大の必要性については述べてございます。それは委員御指摘のとおりでございます。これを踏まえて、実際に成績特別昇給を実施するに対してさまざまな観点から検討しなければならない。そういう中で面積率の拡大等、それから短縮月数の区分等につきましても、あわせて区長会において検討したものでございます。
○佐伯委員 いずれにしましても、総務の資料79ですけれども、どう見ても平成11年から15年度、これは決算のときに酒井議員の方で質疑してもらいましたけど、より鮮明に皆さんにわかっていただくように、こうして数字を出してもらって、こうやってこういう運用はされているんだということを明らかにしていただいたわけですけれども、面積率の拡大というのは、そうしますと、この人事委員会勧告に直接に触れていない区長会側の独自の判断ということになるわけですか。
○長田人事担当課長 成績特別昇給を実施するに対して必要な原資等を考えて配慮しなければなりませんので、こういった観点から区長会の判断があったということでございます。
○佐伯委員 私はこれは区長会の拡大解釈だと思いますよ。そこで、特別区人事委員会から意見がついたわけですけど、この3人の委員というのはどういう方なんでしょうか。
○長田人事担当課長 人事委員会の委員は地方公務員法第9条第2項の規定によりまして、人格が高潔で地方自治の本旨及び民主的で……。
○佐伯委員 何をやって、どういう人がなったかということです。
○長田人事担当課長 失礼いたしました。現在の委員の構成ですが、もと北区の区長、それから前人事院総裁、それから、現の高島屋特別顧問の3名の方でございます。
○佐伯委員 そうすると、高島屋の顧問の方というのは民間の方ですね、完全に。
○長田人事担当課長 そのとおりでございます。
○佐伯委員 私は今お聞きして、北区の区長さんが入っていて、この人が今トップでやっているんじゃないかと思うんですけれども、「適切な運用を行うことにより」ということをあえてこの北区の元区長さんが言っているということは、これは現状として適切な運営が行われていなかったから、あえてこういった意見をつけたというふうには考えられないですか。
○長田人事担当課長 特別区全体に対する特別区人事委員会の意見でございます。そういう意味で、こういった意見が付された背景としては、特別区全体の状況の中での状況の把握ということでございますが、年功的または順番で付与していくというような、本来の制度の趣旨から離れた運用がなされていたということが人事委員会の認識にあったのではないかというふうには考えております。ただ、中野区としては従前より勤務評定を厳格に実施しておりますので、そのような運用自体ないというふうに認識をしております。
○佐伯委員 厳格な運用をしていて、こういう総務の資料の79のような毎年毎年、3短は20%、6短は1%、毎年こういう最高限度、職員の数がふえようが減ろうが、こういうふうな数字が出てきているということは、私は決して厳格でないとは思いますけれども。
 それと一方、今人事課長の御説明でも職員の士気向上とかそういったこと、成績主義の導入とかということを言われているわけですけれども、一方で、千代田の区職労のホームページからいただいたんですけれども、千代田区では12短の導入と3短の廃止を当局側が提案をしたと。そういったことに対して区職労の見解、「成績特別昇給制度は、『成績』という基準の不明確な点で昇給者を決定するという問題点を持っている制度であるが」、不明確な点でということをみずから認めているわけですよね。で、「職員間の差別、選別、競争、職員の管理強化が強まるような制度拡充に反対。制度の拡充に当たっては、賃金がマイナスの状況のもと、全組合員の賃金水準の改善につなげる」。結局、制度は成績主義とかそういったことじゃなくて、みんなが給料が上がればいいんだ、そういう制度なんだという考えなんですよ。「12月短縮枠を導入することについては、3月枠及び6月枠が大きく圧迫されることになり、さらに公務労働の職務実態としては、職員間の協力・協調で業務運営がなされていることから見送りとするよう主張し、粘り強く交渉を進めてきた」ということで、当区の組合の皆さんと中野区当局とのやりとりというのは我々知り得ぬところですけれども、少なくとも千代田の組合、恐らく上部団体は一緒だと思うんですけれども、皆さんが成績主義、こういったものによって職員の士気向上ですか、成績主義でどんどんやる人にはやってもらおうという、支払い側はそういう意思を持っていても、受ける側はこういうふうに、競争なんかとんでもない。もうみんなの給料が上がるようにするんだ、こういうふうな認識でこの制度というのが運用されているわけですよ。これは余り好ましいことじゃないんじゃないですか。やはり労使協調してこの制度について適切な運用ができるよう、そういうような話し合いこそ大切なところなんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 委員御指摘のとおり、成績主義の推進を図っていく上でさまざまな課題があるというふうに認識をしてございます。その中で、まず職員団体との関係ということでございますが、これにつきましては、15年度、16年度、引き続き誠意を持って職員団体との協議を重ねてきております。その成果として、先ほど御説明をさせていただきました16年度の経過措置及び17年度の本則としての付与率を決定した経緯がございます。そういった協議を進めていく中で、私どもは区政改革の推進、そのことを具体的に人事制度の中でどのように反映をしていく必要があるのかということについては粘り強く協議をしてございます。本年度、16年度からは区政改革の基本となります目標と成果による区政運営を具体化するための目標と成果による管理を一般職員にまで導入をいたしまして、人事評価についての科学的な方法についての確立についても、これからより一層コードを高めていくように努力をしてまいっております。そういう中で、職員の納得性といったものも高めることによって、最終的には努力した者にきちんと報いる、そういう組織づくりを形成していきたいと考えております。
○佐伯委員 ぜひお願いしたいと思うんですけど、今のお話を聞いていると、粘り強く交渉してきたって、何かこの成績特別昇給を実施する方がお願いしているみたいで、もうちょっと交渉の仕方というのはあるんじゃないかなと思いますけれども、ぜひ粘り強くも結構なんですけれども、その辺をきちっと考えながらやっていただきたいと思うんですけど。
 既に昨年の酒井議員との議論の中ではいろんな事例も出されていたようですけれども、墨田区でも、これは平成16年度の予算に対して議会側から附帯意見として、職員の特別昇給及び特殊勤務手当については、今後とも区民の理解が得られるとともに、より一層、時代に合った制度となるよう速やかに見直すことという意見がつけられまして、墨田区では全体の付与率が19%ですね。12カ月短縮1%、6カ月短縮18%、3カ月短縮に至ってはゼロと。3カ月短縮はなしにしてしまった。より成績主義を強めていくと。職員の士気向上、意欲向上というのはやっぱりこういうことだと思うんです。
 だから、今お話を聞きましたけれども、3短というのはまだ10%ですか。こういったものについてももうちょっと御検討いただきたいと思いますし、制度全体のことを考えながら適切な運用というものをしていただきたいと思います。本当に一生懸命やった職員に対して手厚くやっていくということ、特に民間のようにボーナスの1割アップとか、そういったことはできない公務員の制度の中で、やはりこういう制度というのは適切に運用されていかなくてはいけないのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 引き続きまして、病気休暇、病気休職制度について伺います。
 こんな制度があることというのは多くの区民の方は知らなかったと思います。これについては地域にニュースを配らせていただいたり、CTNの私の議会放送を見ていただいた方から、こんなことがあったのかということで一様の声が、怒りの声というか驚きの声が上がりました。さらに、その中の区長の答弁の中で、こうした制度がある背景には、公務労働の特質がある。先ほど合川課長と公務労働についての話、若干触れましたけれども、公務労働の特質があるからという、そういう答弁がありました。公務労働の特質というのは一体どういうことなんでしょうか。
○長田人事担当課長 一言で申し上げますと、全体の奉仕者であると、そういうところに公務労働の特質があるというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ところが、今民間に任せることは民間に任せるということでどんどん区の仕事というのを、できることは民間に任せているわけですよね。そうすると、同じ仕事をやっていても、公務員は全体の奉仕者で民間の人は全体の奉仕者じゃなくてということになるわけですか。
○長田人事担当課長 民間の場合には、それぞれの企業の社会的な役割等がございますが、いずれにいたしましても、企業の目的を達成するためにそれぞれ経営資源を駆使して、最大の効率を目指していくと、そういう働き方をしているものというふうに考えてございます。一方、地方公務員等、公務員につきましては公益の追求ということで、例えば地方公共団体に勤める職員につきましては、当該地方公共団体の住民の福祉の増進のために職務に専念すると、そういう特質があるというものでございます。
○佐伯委員 でも、例えば学校給食、考えてくださいよ。やっている仕事、一緒ですよ。民間委託された学校で調理される方も、公務員の調理される方も一緒ですよ。片やサービスの提供で公共性があるとか、こっちは公共性がないとか、そういった問題じゃないと思うんですよね。だから、こっちは特質があるから、だからこういう手厚い制度があるんだということというのは、私は成り立たないと思いますけれども。同じことをやっていて片方は特質があって、片方は特質がないというのは成り立たないと思いますけど、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 先ほどから御説明させていただいているところと重なるところがあって恐縮でございますが、住民の福祉の増進に当たっては、特定の者に偏らない。だれに対しても公平にサービスを提供するというところがその内容としてございます。そういう観点から、私ども地方公共団体に勤める職員としては、職務専念義務等一定の義務を負いながら、また、労働基本権については一定の制限を受けながら、勤務条件等についての代償措置として、条例で勤務時間等について定めをしていただいているところがございます。そういう観点から、住民の方には納得をしていただきながら、私どもの勤務条件については一つひとつ積み上げてきたと、そのように理解をしております。
○佐伯委員 ちょっと今のも納得できないですね。特定に偏らない。じゃあ、学校給食でみんな公平に給食を配るけれども、民間の業者さんというのは、この子は気に食わないから、おかずが少なくて、この子はちょっといい子だから、こんなことやっていいんですか。
○長田人事担当課長 先ほど申し上げましたのは、私どもが負っている住民に対する責務を御説明させていただいたところでございます。一方、企業の方たちがその労働に従事する場合には、企業として受託者からその業務を受託し、それをその契約の範囲内において実現すると、そういう範囲内で働いているものでございますので、その点の違いがあるということでございます。
○佐伯委員 いずれにしても、ちょっとこの半年間100%給料が出て、2年間80%が保障されるなんていうのは、まさに民間では考えられないことですよ。それで、労働基本権の一定の制限という話がありましたけれども、今、労働基本権なんか民間の会社だってそんなに威張ってストライキなんかできる会社ないですよ。そんなことやっていたらつぶれちゃう時代ですよ。そういう中で、公務員のこういった既得権だけがいつまでもいつまでも残されているということに私たちは納得できないんです。もしあれだったら、さっきのアンケートじゃないですけれども、区民の皆さんにアンケートとってみたらいかがですか。公務員にはこういう制度があります。休んでいても180日間給料がもらえます。こういう、やはり民間との比較、民間がどうとか、民間を活用してとかというんだったら、やはりそういう条件だってこれから考えていかなくてはいけないわけですよ。
 もう一つ、総務の資料78ですけれども、病気休暇、病気休職者、昨年度までの10年間を出していただきました。職員数が減ってきているということは、総務の資料2にもあります。例えば平成7年と平成15年では500人以上職員数が減っています。ところが平成7年の病気休暇は20人だったのに対して、平成15年は病欠が30人とはね上がっています。こういったことについてはどういうふうに分析されているんでしょう。
○長田人事担当課長 まず、社会一般の傾向として、例えばメンタルヘルスでの対応が必要になってくるような状況があるというふうに考えております。そういう中に、やはり公務労働に従事する職員についても同じような状況がまずあると思います。
 それから、公務労働のその内容がより高度に、専門的に内容が分化していく。高度な要求水準になってくるということから、そういった面でメンタルの問題を持つ職員がいたり、ないしは、その他の病気に至る職員がいると、そういうような状況があるのではないかと分析をしております。
○佐伯委員 私は、そうとばかりは思いませんよ。やはり少々判断が甘くなっているんじゃないかなというような気がします。というのは、これ職員報ですよね。ことし1月、広報課でつくられたゲノムというものですか。これで平成16年度、今年度の新入職員にアンケートをしました。「公務員になってよかったと思えることは」ということで、複数回答をいただいております。1、休みやすい、27%です。2番目が精神的に成長したというのが18%。第3位が収入が安定した。ああ、違う。その前に、親が安心したというのがありますね。こういうもんなんですよ。だから、いろいろなことをおっしゃいますけれども、本心というのは、よかったということは休みやすいということなんです。その背景にこういう制度があるんですよ。やっぱりそういったことをきっちり考えていかないと、民間との比較、民間等を考えていくんだったら、やはりこういったことというのはきちっと、民間の会社で、例えば銀行にしたって証券会社にしたって、入ってよかったことは何だと思いますかって、休みやすいって、そうは答えないですよ、普通。そこをきっちりやはり考えていただきたいと思います。
 次に、有給休暇についても伺います。有給休暇、やむを得ない事由があった場合、有給休暇の届け出を事後でもよいとされています。きのうも江田さんとの議論の中で、さかのぼっての適用というのがありましたけれども、事後というのは最長どのくらいの期間を想定されているんでしょうか。
○長田人事担当課長 あくまで原則は事前に請求するということでございます。病気、災害その他やむを得ない事情の場合に初めて、例外的に事後の請求が認められるというものでございます。これが条例及びその施行規則の定めた基準、考え方でございます。これを具体化する上では、私どもは、さっき申し上げました病気、その他やむを得ない事情、個々の状況に照らして個々に判断をしていかなければならないと考えております。
○佐伯委員 個々に判断といっても、やっぱり最高どのくらいが限度というのは定めをしておいた方がいいんじゃないですか。
○長田人事担当課長 条例及び施行規則の考え方、先ほど御説明をいたしました。そこについて、また新たな基準を設けるということは、これの考え方の修正になろうかというふうに考えております。あくまで原則を踏まえつつ個別事情、個々に判断をしていくというふうに運用をしていきたいと考えております。
○佐伯委員 この項、最後の質問になりますけれども、先ほども言いましたようにその制度、区長はこうした制度、区民に理解が得られるように努力をする。そういう制度でなくてはいけないということを本会議でもお述べになりました。不断の改善に努めると、私がやると力強く述べられ、これはテレビをごらんになった方もぜひお願いしたいと。なぜ先ほどアンケート云々と言ったかといいますと、やはり区長が区民の理解を得られるものでなくてはいけないと言っている以上は、やはり区民の意向がどういうところにあるのか。恐らく、対話集会でもいろんな意見が出ていると思いますよ。いろんな声が飛んでいると思います。そういった中に職員の皆さんの制度についてのいろんな意見というのが出ていると思います。だからこそ、区民の皆さんの理解を得られなくてはいけないという御認識に区長も立っていらっしゃるんだと思うんですけれども。
 では、ああいう答弁をいただいた後で区長自身、何か具体的なお考え、これからこうしていこうとか、あるいは区長会などで、こういうのはおかしいから、こういう制度はおかしいから、改善していこうと、そういう行動というのは今起こされているのでしょうか。
○長田人事担当課長 人事制度については人事担当課長の会議体、総務部長の会議体、助役の会議体、区長の区長会という会議体で、それぞれ常に問題意識を持って協議をしているところでございます。前回の本会議の御質問をお受けいたしまして、私ども服務規律、服務上の問題を生じるようなことがないようにということで、それぞれ先ほど御提起をいただきました病気休暇、病気休職等についての適用につきましても十分意を用いて、厳密にその制度の趣旨に合ったように運用していくようにしていかなければならないと考えております。それ以外に服務規律を徹底するという意味では、出退勤管理を徹底する意味で、関係の規定の整備をいたしましたり、それから職員の服務環境を整備するという意味で、服務の手引等の増改定をいたしましたり、そういった形で、中野区の職員の服務規律が徹底するようにと、そういう不断の努力をしているところでございます。
○佐伯委員 ありがとうございました。ぜひ区民の皆さんの納得のいけるような制度というものに運用もしていっていただきたいと思いますので、お願いします。
 時間がなくなってしまいましたので、ちょっと通告の順番を変えて、できる問題をやっていきたいと思います。
 防災問題についてお聞きをいたします。
 昨今、防災に対する関心、大変高まってきているようですけれども、中野区の災害対策本部が設置されたとき、そういう図というんですか、防災で決められております。ここでは本部長が区長ということになっていまして、助役、収入役、教育長が副部長ということになっていますけれども、この副部長について、副本部長についての序列というのはできているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 お答えいたします。災害対策本部の体制は、災害対策本部条例及び同施行規則で定めております。その中で、本部長の代理としての副本部長の順序は、助役、収入役、教育長、このようになってございます。
○佐伯委員 わかりました。
 それで、震災は昼間起こるとは限りません。先ほどの質問でも、中野区に住んでいる方、管理職の方どれだけいますかといったら、本当に数えるぐらいしかいなかったわけで、やはり万一の場合、皆さんが中野にいないときに災害が起こったときの体制というのをしっかりともう一つ確立をしておかなくてはいけないと思うんですけれども、区内の管理職での対応、そういう組織体制というのはできているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 やはり発災初期の災害対策本部の体制が極めて重要でございます。そのために、中野区内及び近接に居住する管理職員10人で緊急災害対策本部長室というのを定めております。このときには、区長が不在、あるいは副本部長が不在のときに順序、代行順を定めております。例示すれば、区長・本部長、それから副本部長がいないときには、第1順位は総務部長、属人的には石神総務部長、第2順位は石井都市整備部長、第3順位は私、納谷防災担当課長。以下、この10人の順序を定めて、きちんと対応ができるような体制をとっているところでございます。
○佐伯委員 わかりました。
 次に、広域避難場所についてお聞きしたいと思いますけれども、広域避難場所における1人当たりの必要面責を1平方メートルとしている根拠というのは何なんでしょうか。
○納谷防災担当課長 広域避難場所の指定は、東京都震災対策条例に基づきまして東京都知事が指定、告示しているところでございます。この指定に際しての考え方を東京都が幾つか示している中に、1人1平米の空間を確保することということを示しております。これが東京都震災対策条例に基づく根拠、このように考えております。
○佐伯委員 地域防災計画、別冊資料を見ますと、残念ながら公社鷺宮西住宅、これは白鷺、上鷺宮の方の避難するところですね。東大附属、これは南台、弥生町。都立武蔵丘高校一帯、これは鷺宮、上鷺宮の皆さんが避難をするところですけれども、こういったところでは実際に1平米確保されていないところがあるわけですけれども、こういった点については今後どのようにしていくとお考えでしょうか。
○納谷防災担当課長 現実には1人1平米が確保されていない広域避難場所が、今委員の御紹介にありましたように、現状ではございます。これは近距離避難を優先し、指定したために、現状ではこのような状況になってございます。例えば武蔵丘高校の例をとれば、この指定に際して隣接の公園、あるいは四谷商業等を取り込んだ広い指定ということで東京とも話を行いました。周辺の市街地の不燃化の促進に伴って、例えばそういうことも取り込んだ拡幅というんですか、拡充も多分将来は可能だと思います。また、今後多くの広域避難場所で周辺市街地の不燃化等は当然、徐々にではございますが、進むと思われます。このようなこともありまして、当然収容人数は拡充する。このようなことで、対応は一部の地域では十分できるのかなというふうに考えてございます。
○佐伯委員 そうしますと、そういった方法で1平米は確保していけるというふうに考えていいわけですか。
○納谷防災担当課長 先ほど申し上げましたように広域避難場所のその地域事情によりますけれども、隣接する用地があるところ、また周辺の不燃化が進むところ、この辺の状況で収容人口をふやすことができるというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひ、これは大事な問題ですので、積極的に御検討いただきたいと思いますけれども。
 ところで、現在、特別委員会なんかでも話題になっている警大跡地周辺の件についてなんですけれども、ここで見ますと、この一帯の皆さんの避難場所というのは、中野区役所一帯ということになっていますけれども、この9万7,000人の収容を想定している広域避難場所というのはどの範囲になるんでしょうか。
○納谷防災担当課長 警察大学校跡地を含みます中野区役所一帯の広域避難場所の指定の区域は、手ぶりが入っちゃいますけど、まず警大跡地一帯、それから中央中学校から野方警察、このけやき通り、つまり体育館の前の道路まで。また、そこからNTTのビル、線路。また、この区役所の側を申しますと、区役所、それからサンプラザ、それから北口の広場一帯、自転車駐車場がございますけれども、一帯、このような一帯となっているところでございます。
○佐伯委員 わかりました。そういった広い範囲のところで空間を利用して、そこが広域避難場所になるという認識となると思うんですけれども。
 もう1点、広域避難場所に一時避難をして、その避難所に移って実際に何日か避難生活というのを送るという形になってくると思うんですけれども、さきの中越地震では、3,000人集まった小千谷の体育館で、朝食を配るだけで1時間半かかったというようなことも紹介をされていました。具体的に区として避難場所、1週間になるか10日になるかわかりませんけれども、避難場所として利用できる一つの単位というのは、大体何人ぐらいまでが限界とお考えでしょうか。
○納谷防災担当課長 ただいまの御質問、確認をさせていただきたいんですけど、いわゆる小・中学校の50カ所の避難所と考えてよろしいでしょうか。小・中学校を避難所として指定しておりますが、今委員が御指摘のように適切な救援、あるいは支援ができるような収容人員が何人かということで避難所の収容人員を設定しているところではございません。なお例示すれば、避難所の収容人員は少ないところで500人、多いところで1,500人ほどございます。この避難所の運営に関しましては、防災会、区の職員、あるいはそこの施設管理者が運営することになっております。特に大事なのは防災会、区民の方々が中心となって協力して、またボランティアの支援を受けながら、安全あるいは安心な避難生活を送る、これが基本だろうというふうに考えております。
○佐伯委員 つまり、広域避難場所というのは一時的に広域避難場所に避難してくるけれども、地元の学校なりなんなりでその後は救援を待って、それで生活を送るということになるということでいいわけですね。
○納谷防災担当課長 あくまで広域避難場所は、周辺地域に大火、火災の延焼拡大があったとき一時的に避難する場所です。あとの避難生活は避難所で送ることになってございます。
○佐伯委員 わかりました。
 昨年、地域の防災訓練が上鷺宮二丁目集会室で行われまして、その際、消防署の方から、新青梅街道の環七方面から来て中杉通りまではそれなりの高層のビルがあるので、防火壁となって安心なんだけれども、それ以西というのは高いビルが余りないので、ちょっとこれ延焼防止ということでは不安があるんだというようなことを説明の中でされていましたけれども、高層ビルというのは延焼防止のための防火壁として有効なものとなると考えていいんでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 震災時の防火対策については、さまざまな専門的なお立場もありますが、私の方からは都市計画の関係の立場からお答え申し上げます。
 東京都が平成16年3月に震災の予防、震災時の被害拡大を防ぐために、都市の構造の改善に関する施策を推進するために、防災都市づくり推進計画をまとめてございます。そこの中で、今、委員指摘の延焼遮断帯の整備という項がありまして、そこの中で二つ挙げてございます。幹線道路沿道部分の防火地域の指定、また都市計画道路の整備と連携しながら、沿道の建築物の不燃化、そういったものを進める必要があるということでしてございます。こうしたことからも、幹線道路沿いの高層ビルのいわば連担ですね。連担というところで、耐火建築物について指摘のされてございます延焼遮断帯の機能が大変高いと認識してございます。
○佐伯委員 じゃあ、一般的な議論としてお聞かせいただきたいんですけれども、道路沿いは延焼遮断帯として高層ビルが有効ということなんですけれども、そのほか一般的な論理として、高層ビルというのは延焼防止のための遮断帯としては有効なものと考えていいんでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 今御説明していますように、いわば前面の幹線道路の幅員といいますか、あるいは、いわゆる都市計画道路の整備、それとあわせまして沿道の不燃化、それが大変肝要と考えてございます。したがって、ある一定の高さのビルの連担、連続性、それが周辺の火災を守る、そういった機能があろうと考えてございます。
○佐伯委員 ありがとうございます。いずれにしても、道路に面していないと高層ビルというのは建てられないですから、それが延焼防止のための有効なものであるということがわかりました。
 次に、仮設住宅についてお聞きします。仮設住宅が建てられる条件というのはどういったものになるんでしょうか。
○納谷防災担当課長 仮設住宅の用地については、あらかじめ選定し、地域防災計画の中で指定することになってございます。そういう意味での条件といえば、例えば接道状況、それから、その用地の中に建物が建てられるかどうかの整備状況、周辺のライフラインの状況、また、その用地が他の例えば避難所等の利用計画があるかないか。つまり、あってはなりませんので。避難所等の利用計画があるかないか、そういう有無の状況、これらを踏まえて現在制定し、指定しているところでございます。
○佐伯委員 現在、区内に予定されている仮設住宅建設可能な数というのは幾つぐらいになっているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 現在の地域防災計画では19カ所を指定しております。この19カ所の合計面積が約5万5,000平米。ですから、戸数にしますと約1,000戸の仮設住宅の建設が可能かと考えております。
○佐伯委員 今回の被害想定などを見ましても、到底これでは足りないと思いますけれども、それ以外の部分についてはどのように手当てをしていくおつもりなんでしょうか。
○納谷防災担当課長 仮設住宅の建設は、特に23区内の中にあっては深刻、重要な課題であると認識しております。仮設住宅については、東京都内ではなかなか区の行政区域内で、自分の区域内で賄うというのは極めて困難であるというふうに考えております。特にこの仮設住宅の建設は東京都の役割となっております。したがいまして、東京都が各区市町村間でその用地を融通し合うというようなことで全体的な調整を行うということになります。中野区も多分に震災で仮設住宅が必要なときは、他の行政区域にその用地を求めざるを得ない、このような状況にあるかというふうに考えてございます。
○佐伯委員 確かに、他の行政区域に用地を求めるということも必要なことかもしれませんけれども、今回の中越地震などを見ましても、もしかしたら、区からも派遣されて現地をごらんになった方もいらっしゃるようですけれども、ちょっと手を加えればそこに住めるという家があったと思います。ことしは阪神・淡路大震災10年ということで、まちの復興もかなり進んできましたけれども、皆さん一様に言われることは、今まで一緒に住んでいた人、お隣同士が一緒に住めなくなってしまった、そういった話というのをよく聞きます。やはり震災が起こったとき、心のケアというのは日ごろ一緒に住んでいた人、お隣同士で住んでいた人がそこでまたしばらく住むことができれば、大きな心のケアになってくると思うんですよね。
 そういったことで、区として震災後にちょっと手を加えれば住める家、そういったものをきちんと補修、補強していけるという体制をつくっていけないかなと考えました。この地域防災計画の別冊を見て、いろんなところと協定を結んでいますけれども、建物の応急措置、応急復旧という点についての協定というのがないのが残念だなと思うんですけれども、そういったことで、例えば毎週金曜日、1階で増改築相談をやっている区内の建設組合、五つですか、六つの組合の方がいらっしゃると思います。こういったところと震災時の応急手当てというんですか、住宅の補強、そういったことをできる手当て、そういう協定というのをこれから考えていくことはできないでしょうか。
○納谷防災担当課長 被災住宅の応急修理は、今委員の方から御紹介いただいたように極めて重要な対策だというふうに思っております。この対策も東京都が中心になって進める対策ではございますが、中野区域の中にもこの仕組みを推進するそういう資金づくりというのは重要だなというふうに考えております。現在、建築組合の団体等との話し合いを、例えば組合から応急資機材の提供を受けるというようなことも含め、応急修理の点も含めましていろいろ話し合いをしているところでございます。今後こういう団体との話し合いをより進め、その中で調整し、その協定については検討していきたい、このように考えてございます。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 それともう一つ、中野区災害弔慰金の支給等に関する条例では、被災家屋等の修復に関し融資制度が規定されていますけれども、その金利が3%ということで、今の時代から考えると大変高金利になっています。これは国の基準があるのかもしれませんけれども、やはりそういう被害に遭って本当に困っているときです。こういったものを金利の引き下げ、自治体として法律上の縛りがあるんだったら、法改正のそういう要求を出していくとか、そういった動き。3%というのは、やはりいかに考えても高いですよ。気の毒ですよ。こういったことというのは考えられないでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。災害弔慰金の支給に関する条例につきましては、国の災害弔慰金の支給に関する法律第10条によりまして、災害援護資金貸付利息が3%というふうに決められております。したがいまして、私どもの条例もそれに基づいて定めておりますので、今の段階では、独自で金利を引き下げるというふうなことはちょっと難しいかと思われます。ただ国の方に、委員御指摘のような点もございますので、金利を引き下げる意向とか、そういうのがないかどうかを確認した上で対応を考えてまいりたいと思っています。
○佐伯委員 ありがとうございました。
 時間が来てしまいました。バス交通網の問題も質問する予定でしたけれども、申しわけありません、いろいろ準備していただいて。これは私は建設委員ですので、建設委員会の方で議論をさせていただきたいと思います。外郭団体の問題につきましても、いろいろと調査していただいた理事者の皆様方には御迷惑をおかけしましたけれども、私の質問はこれにて終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で佐伯利昭委員の質疑を終了いたします。
 次に、奥田けんじ委員、お願いいたします。
○奥田委員 2005年度予算特別委員会に当たりまして、質疑させていただきます。
 冒頭に当たりまして、昨年の第4回の定例議会の一般質問の中で、支援費にかかります項で、私の中では、障害者の立場に立って支援費事業がよりよいものになっていく、そういったものを目指した意図のもとで質問させていただいたものであったわけですが、特定の利用者や事業者に対して発言したもの、そういった意図のものではございません。そして、何よりも行政として中野区が支援費事業の本来あるべき姿、これをただしていくんだ、こういった思いでの質問をさせていただきました。
 ただし、その中で1点、訂正がございます。本来であれば、電子メールという表現をするべきところを、電話という表現をしてしまいました。これに関しましては訂正させていただきます。それから、本来のこうした私の意図するところがなかなか伝わりにくい表現があったことに関しまして、おわび申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 昨年は非常に災いの年というふうに言われております。世界的にも災いの年、スマトラ沖地震であるとか、日本におきましても数多くの地震があったわけです。そして、中野区においてはどうかというふうなことを考えますと、私は人災の年であったんではないかな、こんなふうに思っています。その代表例として、タイムカードの不正の打刻の問題があったんじゃないかというふうに思っております。そういった意味で、まずは危機管理についてということで、タイムカードの不正の問題について質問させていただきたいと思います。
 まず、他の委員の指摘にもあったことなんですが、被害自体が、これは金額を確定して終わるものではないというふうに私は考えております。本来であれば、行政としてあってはならないこと。先ほどの佐伯委員の質疑の中でもありましたが、行政としての特殊性ですね。公務員としての特殊性があるならば、こんなことは絶対あっちゃいけない。にもかかわらず、こういったことが起こった。これを行政として重く受けとめなければならない、私はこのように考えております。そういった意味では、何よりも全体、つまり、この場合で言えば中野区の区民の方に対してということになると思うんですが、区民の信頼を大きく損なってしまったこと、これが何よりも大きな損害だというふうに私は考えております。不信感から住民税などの不払いが発生する、こういった可能性もございます。あるいは、今中野区に住んでいらっしゃる区民の方が、こんな中野区では信頼できないからということで引っ越してしまわれるかもしれません。将来の区民を、将来、本当は中野区に住もうと思っていたんですが、こんなことをやっているんじゃ、中野区を選ぶことはできない、そう思われてしまう可能性だってあるわけです。
 あるいは、この中野区の組織の中のことを考えてみましょう。職員のモラル、士気の低下、これにつながるんではないでしょうか。中野区として、不適正な処理、こういった表現を行っております。不適正なのか不正なのか、これに関して水かけ論をいたしても仕方ないというふうに私は思っておりますが、実際に行われた処理の不自然さから、区民、職員が勧告されている打刻問題が不正な処理であると考えても、私は不思議ではないというふうに思います。
 区長に質問させていただきます。このことに関しまして、中野区の責任者である区長はどのように考えられますでしょうか。
○田中区長 まず、その住民監査請求の発端となった不適正な処理ということですけれども、大変重篤な病気の職員が休んでいるといったような異例の事態に当たっての事務処理、これを行っていく上での不適正な取り扱いであった、こういうふうに私は認識をしているところであります。
○奥田委員 これに関しましては水かけ論になってしまいますので、これ以上は追及いたしません。しかし、不正打刻を行った当事者が現に非常に高いポジションのままであり、わずか10分の1カ月という減給のみなわけですね。そういった意味では、職員の間でモラルの低下、士気の低下、これにつながってくるということが懸念されます。
 そこでお伺いさせていただきます。職員に、この事態に対する十分な説明というのはこれまでなされてきているんでしょうか。
○長田人事担当課長 まず、不適正な処理を行った職員及びその職員を管理監督すべき職員に対しましては、それぞれ厳正な処分が下されております。この内容につきましては、全職員に注意を喚起するために、庁議においてその内容を報告させていただいております。その際、区長から特に部長等に指示がありまして、職員に対してこの内容を十分に説明するようにということの特別な指示が出されております。そういう意味で、全組織挙げてこの問題を教訓としてとらえて、服務規律等について改めて体制を整えるということについては、十分職員に対しても徹底されているものと考えているところでございます。
○奥田委員 徹底されているものというふうにおっしゃっているんですが、徹底されたかどうかというところの確認というのはとられていないんですか。
○長田人事担当課長 私どもは、それぞれ訓令ないしは上司の指揮監督のもとで仕事をしているわけでございますので、そういう日々の業務の中でそれぞれ管理監督の責にある者がその状況をつぶさに把握をしている。そういう意味から、現在、問題状況はないというふうに考えております。
○奥田委員 指揮命令系統が正常に働いているということであれば、ちゃんと上から伝達することが下まで伝わっているということなんだと思いますが、この場合、非常に異例なケースです。現場に立たれている職員の皆さんが果たしてどういう思いを持っているのかというのを実際につかまえていく作業、どうなのかというのを聞いていく作業が本来必要になってくるんじゃないかと私は思います。
 これに関してはお答えは結構ですが、そういった状況の中で、実際に現場に入っている職員の皆さんがどういった状況になっているのか、私は確認していく必要があるんじゃないかというふうに思っております。区民に対して現場で接するわけですから、区民に納得が得られているかどうか、非常に不安な思いの中でやっているわけです。例えば、先ほど申し上げましたような住民税等の支払い業務、これに当たっている場合、拒否反応を示される、こんなことだってあり得るわけです。例えば、NHKの公金の横領事件では、一連の不祥事を理由とした受信料の支払いの拒否、保留件数が1月末の時点で39万7,000件。その影響で、05年度末の受信料収入は、何と04年度に比べて72億円の減収になったわけです。こういった事態を中野区の場合で考えたときに、ただでさえ税収がなかなか上がってこない、こういった状況です。国保に至ってはなかなか目標とした数字に届いてこない。督促をやってもうまくいかない。ただ単に、社会情勢が厳しい、それだけの状況でしょうか。ひょっとしたら、その背景にこういったことが理由の中の一つにあるのかもしれません。
 そこで、こういった現場に出られている職員の方に、この事態に際して、このような料金に対しての不払いや拒否などの事態が発生していないかどうか、こういったことに関して確認をさせていただきたい、そのように思っております。こういった中野区の公金横領不正事件を理由に、例えば地域センターにおいて利用料の支払いの拒否、こういうようなことがされた場合、担当の地域センターの方はどういう形で説明されるわけでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 お答えいたします。今、利用料というお話がございましたけれども、地域センターの使用料と申しますと、集会室のことかと思いますけれども、集会室の利用料につきましては前払いでございますので、この集会室の使用料を払われないと使用承認ができないということで、基本的には拒否ということはないのかなというふうに考えてございますけれども、今回の問題につきましては、信頼回復の努力をしているところであるというふうなことをお話しさせていただきたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 地域センターに関しては、必ずしも利用料というところで、個室の利用に限りませんよね。例えば印鑑証明であるとか、その他の書類をとるというようなことも可能なわけです。実際にとった後で支払い拒否というようなこともあり得ると思うんですが、それはさておきまして、その他の業務、何よりも公金に関しての徴収、ここで非常に不安な状況が生まれるんではないかというふうに思っております。例えば税金の徴収に当たる、そういった現場で、この公金横領を理由に支払いを拒否される、こんな事態が発生したときにどのような形で説明されるんでしょうか。
○若槻税務担当課長 現在のところ、区民の方からそういった苦情等は一切ございません。区税の賦課徴収は地方税法、区条例等に明確に規定されているところでございますので、仮にも納税についてちゅうちょされている方がいるとすれば、今回の問題とは切り離してお支払いいただくよう御理解を得る必要があるというふうに考えてございます。
○奥田委員 それはそうなんですが、実際にそういう立場をとらなければならないにもかかわらず、嫌だと言われたときにどうするかという話です。これはNHKの問題と一緒ですから。
○若槻税務担当課長 今申し上げましたとおり、税は税の問題としてお支払いいただくということでございますので、仮に納税を拒否するというようなことがあれば、それは厳正に対応していくということになろうかと思います。
○奥田委員 現場に出られた立場としては、どんなに区民の方にこういう形で詰め寄られましても、そのような形で対応せざるを得ない。これはもう当然のことなんですが、私は、例えば区長がおもてなし運動という形で、区民の皆さんに満足していただけるかどうか、こういった運動をされていると思いますが、その前に、区長に対して区民の皆さんがどのように思っているのか、果たして不信感が募っているんではないか。確かに税金はもう払わなければならないという形ですから、嫌だとかそういう話ではないとおっしゃるかもしれません。しかし、それが行政に対しての不信感が増長するという形につながっているんではないか、このような不安も覚えるわけです。
 そういう意味では、私は先ほどの佐伯委員のアンケートという話ではありませんけれども、中野区あるいは中野区長に対しての支持率の調査、こういったことを検討されてもいいんじゃないかと思います。いかがでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 区政世論調査につきましては、区政の重要課題に対しまして、区民の意識、要望などを把握いたしまして、今後の区政運営の基礎資料とするために行っているものでございます。世論調査を行うに当たりましては、目的が明確になっていなければいけないというふうに考えております。支持率といった政治的な問題、例えばなじみ深いものとしては内閣支持率、こういったものがございますけれども、こういった調査につきましてはマスコミなどが実施しているもので、国がみずから調査するといったようなことは行ってございません。したがいまして、区長の支持率を問うことにつきましては、区の実施する世論調査にはなじまないと、このように考えております。
○奥田委員 この場合、もちろん自分で自分のことを調査するというところでなじまないかもしれませんが、これは同じなんですよ。おもてなしで、実際におもてなしの心が届いているかどうか、これを確認していくのは当たり前のことです。区長として、区の全体のサービスが区民に届いているかどうか、これを何らかの形でつかまえていく、こういう努力をされてはどうかという形でこういった提案をさせていただいたわけです。
 これに関して今後、今回まだ当該の事件が発生してから決算をまだ迎えておりませんので、公金の収納率が今後どうなってくるのか、まだ確かめることはできませんので、今後の推移を見守る必要があると思います。そういった意味で、現在の段階で公金の収納状況、わかっている範囲で結構です。今ほとんどわからない状況かと思いますが、わかっている範囲で、何か変化が見えていればお伝えください。
○若槻税務担当課長 税につきましては、毎月ごとに集計をとっているわけでございますが、現状で申し上げますと、昨年の同月比よりも若干上回った収納率を示してございます。
○奥田委員 督促等されているということで、若干上回っている月もあったということなんですが、本来であれば、若干でとどまらないだけの職員の皆さんの督促の努力があったかもしれない。そういったことも考慮していただきたいと思います。これは確かに、今回どれぐらい上がったか下がったかということではなくて、実際に起こったことをどれだけ中野区として厳粛に受けとめているのか、これが区長として求められていることだと思います。
 最後に区長にお伺いいたします。監査委員から、被害額の確定をするように、こういった勧告が出されております。区長として、区の被害額、これは有形無形のものさまざまあると思います。実際にお金が出たかどうか、現在出たかどうか、現在までに出たかどうか、そういうことだけではなくて、今後どういった損失の可能性があるのか、そういったところまで視野に入れた区長としての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○田中区長 給与支払いに関して損害は発生しなかったというふうに明らかにしているところであります。そのほか、測定ができないような計算といったようなことについては、する考えがありません。
○奥田委員 これ以上申し上げても仕方がありませんので、次の項に質問を移らせていただきます。
 危機管理に関しまして、二つ目の震災対策についてお伺いいたします。
 中央防災会議が、首都圏の首都直下型の地震が発生した場合の被害想定というのを算出いたしました。避難所の収容能力でありますとか、帰宅困難者の発生状況、食料の備蓄、さまざまなことを今後、中野区として検討していく必要があるわけです。しかし、その中でも、私は10年前の阪神・淡路大震災のことを考えますと、老朽化した木造住宅の耐震化、これに関しての重点的な作業というのが行われる必要があるだろう、そのように考えております。といいますのも、阪神・淡路大震災では、約6,000人の死者のうち、84%が建物・家屋の倒壊による圧死だったということ、この事実を厳粛に受けとめるべきだと思います。老朽化した木造住宅の耐震化の今中野区の現状、どのような形で耐震化が進められているのか。そして戸数がどうなっているのか。賃貸の戸数、そして持ち家の比率、こういったものを含めてお答えいただきたいと思います。
○佐藤建築・住宅担当参事 お答えいたします。現在の耐震対策という中で前提がございます。今年度の推計でございますが、区内には昭和56年の新耐震基準以前に建てられました木造の住宅が約3万棟ございます。このうち新耐震基準を満たしている住宅が約3,000棟でございますので、耐震性を確保しなければいけない住宅が約2万7,000棟ございます。
 一方、補強工事ではなく建てかえの促進によりまして耐震性を確保する住宅、これが年間700棟程度ございます。10年間で7,000棟になりますので、これを引いた2万棟がございます。この2万棟のうちでも、法に適合しないで建てかえができないとか、老朽化が著しくて補強が困難だという住宅が約2割ございます。4,000棟程度あると思われております。この数も引きました約1万6,000棟について、耐震補強工事を進める必要があると考えております。
 持ち家と借家の比率でございますが、棟別数での統計資料がございません。このため世帯数の比率のデータがございます。平成10年の住宅・土地統計調査におきましては、持ち家で30.5%、民営借家が60.2%、その他の公営借家等が9.3%となっております。
○奥田委員 そうしますと、持ち家率というのは約30%ということですから、それ以外という考え方で言えば、残り7割ぐらいは借家ということでよろしいんですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 あくまで世帯数でございますが、そういう割合でおります。
○奥田委員 今、借家の割合が非常に多いという実態が明らかになったわけですけれども、私も木造家屋の借家に住んでいる1人なんですけれども、2004年の11月21日の区報の2面、こちらの記事になるわけですが、「ご自宅の耐震化を支援します」という形で書かれております。これはもう震災対策の特集号に近いような号だったと思うんですが、これを見ておりますと、借家人の立場で何ができるのかというところがなかなか見えてこないところがあるんですね。実際には、つぶさに見てみますと、窓口の相談が受けられる。高齢であった場合には、家具の転倒防止などが受けられるということはあるんですが、基本的には、例えば耐震の改修工事に関しては、「土地・建物を担保として」という表現が出てきたり、建てかえの助成に関しても、「次のアからウを満たす建築主の方に」というような形で、いずれにしても、土地あるいは建物の権利者に対して、所有者に対しての発信という色が濃いように思うんですね。そういう意味では、例えば借家人の立場でこういった区報を見たときに、ああ、自分は関係ないんじゃないかというふうに感じてしまう、そんな危険があるんじゃないかというふうに私は感じているんですが、いかがですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 借家人、それから共同住宅にお住まいの方は建物を所有していないという関係で、耐震診断、それから耐震補強工事についてはみずから実施するということはできません。このため、耐震化支援事業を強く意識していない状況にあることがあります。区では、建物所有者の了解を得ることを前提に、そういった借家人、それから共同住宅の簡易の耐震診断、これは無料で実施しております。そういう意味で、居住している建物の安全を確認することは重要でございますので、今後、区報等で借家人等につきましても、耐震化支援事業の周知等、工夫してまいりたいと思います。
 それから、地域に出向いて耐震相談を実施するということも今検討しておりますので、その際にそういった借家人、共同住宅の方へのPRも図っていきたいと考えております。
○奥田委員 実際には、こういった倒壊による圧死をされるような危険性が高い実態を抱えている区民の方というのは、借家人、いわゆる賃貸に住まわれている方の割合の方が実際は高いわけですから、そういった方が区報などを見たときに、あ、自分だったらこういう動き方をすればいいのだ、こういう情報をとればいいんだ、困ったときにはこういう動き方だというのがなるべくわかるようにですね。権利者が例えば区外に住んでいたときには、こういった情報に関しては無関心になる可能性が非常に高いわけですから、非常に差し迫った立場にいらっしゃる方に対して情報が届きやすいような発信の仕方をぜひ考えていただきたいというふうに思います。
 そうした中で、じゃあ、実際にそういった借家人の立場で、現に地震が起ころうとしている、そういった状況に何らかの備えをしなければならない。これは中野区として考えていかなければならないことだと思います。そうした中で、私、静岡県である取り組みというのを見つけました。静岡県で、東海の直下型の地震を想定した何らかの対策をする、このコンテストを行ったんですね。その中で、さまざまなアイデアが県民の方から寄せられた。その中の大賞というのを受賞されたのが、防災ベッドというアイデアです。これは建物自体は建てかえることはできない。しかし、その中で仮に倒壊、圧死になったときに、何らかの逃げられるスペースを倒壊した建物の中に確保していこう、そういう意図で考えられたものだそうです。
 これが、例えば静岡という土地柄で、あるいは場所が中野区に比べて広い賃貸借の物件が多いかもしれない。そういうことを考えれば、すぐに中野区に適用できるということはないかもしれませんが、一部、中野区でもこれが適用できる可能性は恐らくあると思います。現に近隣の自治体で昨年の9月に、世田谷区民の皆さんへということで、防災ベッドのあっせんを世田谷区は始めております。これ、同じような静岡のアイデアをそのまま世田谷区民の皆さんに生かしていこうという、そういうアイデアなんですね。ぜひ中野区としても同じような、まあ、多少大きいことは大きいんですね。中野区の賃貸の物件に必ずしも合うかどうかわかりませんが、こういったものを紹介できれば命を助けられるかもしれない、こういったことがあればぜひ考えていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○佐藤建築・住宅担当参事 共同住宅にお住まいの方、また借家人につきましても、耐震化支援事業の周知が重要でございます。そういった耐震相談にも積極的に応じられるよう工夫してまいりたいと思います。あわせまして建物所有者に対しましても、不動産業者を通じまして、耐震化事業への関心を高めるよう指導していきたいと考えております。
 今御紹介がありました区民からのアイデア募集につきましては、そういった他自治体の事例を参考に研究しますとともに、そういった情報交換を図って取り組んでまいりたいと思います。
○奥田委員 質問の前に答えも出ていただいたようなんですが、これに関して、世田谷区ではあっせんはされているんですが、助成まではされていないようです。中野区として助成まで検討される価値はあると思うんですが、いかがでしょうか。
○佐藤建築・住宅担当参事 済みません。今の御質問ですが、その助成の内容を言っていただければと思うんですが。
○奥田委員 それは個別に私が言わなければ考えられないとはとても思えないんですが、例えば金額的な助成であるとか、組み立て等にも費用がかかるようですから、そういったことに関しての助成などいろいろ考えられると思います。それはもし検討可能であれば個別でぜひ考えてください。
 次の質問、もう既に答えていただいているんですが、これに関しては、こういったことが中野区で、先ほど申し上げたように、ちょっと大きいかもしれないということで、必ずしも中野区に適用し切れないかもしれないということを考えて、中野区でアイデアを募ったらどうだというようなことを質問しようと思ったんですが、既に答えていただいていますが、改めて端的にお願いします。
○佐藤建築・住宅担当参事 失礼いたしました。先ほどの防災ベッドの事例という御紹介がございまして、その辺を勘違いして御答弁申し上げてしまいました。そういったことを含めまして、そういった事例を参考にしまして、今後検討してまいりたいと思います。
○奥田委員 ただ、こういったことを考える際に、中野区単独でそういったアイデア募集ということになりますと、なかなかコストもかかりますし、アイデアも、30万が少ないというわけではないですが、限られてくるという実態もあると思います。そうしたときに、近隣の自治体との広域的な連携というのもぜひ考えていただきたいと思います。豊島区であるとか、杉並区といったような近隣の自治体は同じような住宅事情を抱えている実態もございます。そういったところと協力をしながら、アイデアを何倍にも膨らませながら、コストを抑えて、アイデアを何倍にもしながらという協力体制を考えていくことも重要かと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤建築・住宅担当参事 先ほどのアイデア募集、それから支援策、そういうものを含めまして、まだ我々としては事例等もしっかりつかんでおりませんので、そういった事例をそういった自治体から聞きまして、そういった意味では情報交換を図りながら検討してまいりたいと思います。
○奥田委員 この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、ビジネス区報について質問をさせていただきます。
 中野区で区民参加という言葉が使われて久しいんですけれども、実感として手ごたえのある区民参加が実現されているというふうになかなか思えてこないんですね。そういった中で、実態としてどうなんでしょうか。手ごたえのある区民参加が実現されているかどうか。例えば区長との対話集会、この集まりの状況というのは一体どうなっていますでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 平成16年度の対話集会にお集まりいただいた方々の人数でございますけれども、多いところでは60名、それから、先ほどの佐伯委員の御質問にもございましたけれども、少ないときには5名、そういったようなばらつきはある状況でございます。
○奥田委員 その中で、なかなか新しい顔が見えてこないというようなことがあるんではないかと私は思っているんですが、具体的にだれがいらっしゃってということまでは捕捉されていないと思いますが、実感ベースで結構ですけれども、そういった中で新しい顔ぶれがどんどんふえてきているというような実感はございますでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 何回もお見えになっていらっしゃる区民もいると同時に、また新しく初めて参加するというような方も確実にお見えになっていることも事実でございます。
○奥田委員 本来であれば、参加されている数というのはどんどんふえてくるというようなのが理想かもしれません。あるいは、固定的な方を含めて着実にふえていくのがいいのかもしれませんが、いずれにしましても、区民参加を実現していく中で、新しい方に情報を届けていくということが非常に重要なんだろうというふうに私は思っております。そういったときに、今中野区として情報発信しているもの、その中心というのはやはり区報だと思うんですね。その区報の発信の状況というのをまず確認させていただきたいと思います。主な広報媒体、恐らく区報が中心になっているというふうに私は思っておりますけれども、主な広報媒体の状況というのをまずお伝えいただきたいと思います。
○鈴木広聴広報担当課長 区報の発行に関してでございますけれども、区報は現在、月3回、年間36回発行しております。発行部数は1回あたり13万部でございます。予算的には、平成17年度当初予算のベースで申しますと、5,592万7,000円が区報に関する経費でございます。これは広報予算全体に占める割合といたしましては74.6%、約4分の3ということでございます。
○奥田委員 やはり広報活動の中で4分の3もの費用を占めているのが区報ということなんですけれども、その中心的な広報活動の媒体である区報の効果の測定というのは今されていますでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 我々の実感といたしまして、最近なかなか新聞をとらない世帯、あるいは新聞に入って届いても、なかなか読んでいただけない方々がふえているのではないかなというふうに推測してございます。効果というお話でございましたけれども、そういったところで、参考までに2003年の区政世論調査の中に、区政情報を入手できていますかと、そういったような設問がございまして、その中では、おおむね入手できるという方も含めまして、45.1%の方が区政情報を手に入れることができていると、そういうお答えでございました。
○奥田委員 ちなみに、その世論調査というのはどういった方に向けて発信されているものですか。
○鈴木広聴広報担当課長 これは毎年、区民1,300人を対象にやっているものでございます。
○奥田委員 それは無作為に選出された方ですか。
○鈴木広聴広報担当課長 無作為抽出でやっております。
○奥田委員 45.1%ということですから、半分に届かない数という。これが区報に対してということではないですけれども、区の情報に対してということですから、必ずしも高い数字じゃないというふうに私は思うんですが、一つ考えていただきたいのが、区民のとらえ方として、私たち、行政であるとか、中野区政に携わっておりますと、中野区民は区民という側面でとらえがちになってくると思います。これは当然私たちの立場としてはそうなんですが、一方で、多くの方は仕事を持っております。つまり働く身、サラリーマンであったりビジネスマン等いろいろな表現がございますけれども、働く立場という意識でいる。そういった区民の方が多くいらっしゃるわけです。
 現に、まず確認させていただきたいんですけれども、中野区でいわゆるビジネスマンであるとかビジネスパーソン、勤労者と言われるような立場の方というのは大体、世帯の中で何割ぐらいいらっしゃいますでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 申しわけございません。手元に詳しい資料はないんですけれども、中野はどういったまちかということで問われますと、よく「サラリーマンと学生が多いまち」というような答えが返ってくる。そういうような状態もございますので、勤労者がかなり多いんじゃないかなというふうに思っています。
○奥田委員 そうですね。実態として、具体的な数字によらなくても、中野区に多くの勤労者の方がいらっしゃるというのは確かなことだと思います。そうした中で、私の実感としてもそうなんですが、私もサラリーマン時代に実際に広報というものを新聞に折り込みされているのを見てはおりましたけれども、実際につぶさに内容を細かく読むというようなことはなかなかしなかったといいますか、できなかったといいますか、意識することが難しかったというのが実感です。それはなぜかというと、自分は働いている立場で、24時間のうち大多数が仕事のことを考えていることが多いわけです。残業も含めて、非常に仕事のことで頭をいっぱいにさせられていることが多い中で、しかも新聞の中に折り込まれていると、まず新聞というその日のニュースというのをとらなければならない。そういった中で、どうしても区民である、市民であるという、そういった意識が薄らいでいるんですね。そういうときに区報が入ってきてもなかなか、私は区民だから、その情報をとりたいというふうに考えることが難しい、そんな実感を持ったのを覚えております。
 先日、こういったある講習会に参加させていただきました。高度な情報処理に関する講習会だったわけですが、参加者の多くはサラリーマンや自営業者の方、20代から50代ぐらいのビジネスパーソンの方が中心だったわけですけれども、そういった方の集まりの中で、彼らがビジネスパーソンであると同時に、市民である。これは当然のことなんですが、彼らにそういった市民としての意識が日常あるかどうかということを多くの方に聞いてみたんです。そうしましたら、これは私からすれば確かに驚きではないんですが、政治の立場に立ってみたり、あるいは行政の立場に立ったときに、驚く答えなのではないかというふうに思います。それは、広報もほとんど見たことがない。中野区であれば、区報なんかほとんど見たことがないという方が大半でした。一部、NPOなどの活動をされていた方が、唯一、区報はたまに見ることがあるよというふうにおっしゃっていただけるだけで、ほとんどの方が区報は見たことがない。新聞に折り込まれていても、自分に関係のある情報がそこに載っているというのを思いつきもしないというようなことをおっしゃっていました。自治体に対する期待というのが非常に低くなっているのが現状だというのが、その中で私が非常に強く感じたことです。
 しかし私が、実は多くの自治体というのは非常に今頑張っていて、さまざまなことをしているんだということを幾つかの例をとって紹介させていただいたんです。そうしたら、多くの方がびっくりされました。自治体がそこまでやっているのか、そんなことを期待できるのかという驚きの声が非常に多かったんです。
 例えば、ことし図書館の事業で新しい取り組みが行われると思います。図書館長にお伺いしたいんですが、ことし新たに図書館の業務として取り組まれることがあると思いますが、具体的に説明していただけますでしょうか。
○石﨑知的資産担当参事 お答えいたします。7月からインターネットによる蔵書の予約を開始する予定でございます。また、あわせて商用のデータベース、これを拡充する予定でございます。
○奥田委員 私としては文教委員会にも属しておりますので、驚きの内容ではないんですが、実際にその会合には中野区民の方もいらっしゃいましたが、非常に驚かれるんですね。まさか行政がそんなサービスをできるはずがないというふうに思っていらっしゃるんです。つまり、例えばなかの区報にそういった情報が載っても、最初からそんなことがあり得るはずがないというふうに思っていらっしゃる方が非常に多いとすれば、発信しても届かないんですね。そうしたときに彼らに、本来は区民であり市民である彼らに届けなければいけない。そのためにどういうことを考えるべきなのか。
 一つのアイデアとして、これは参考にしていただければと思うんですが、彼らは日常、例えば新聞をとるときなどは、ビジネスということに非常に敏感になっております。なかの区報では、10代の方に向けた情報発信であるとか、教育の当事者の方、あるいは教育に関心をお持ちの方に対して特別な号を、あるいは特別な欄を設けて情報発信されておると思います。それと同じような形で、日ごろビジネスをやっているんだというふうに思っていて、区民だ、市民だという意識が薄くなっている方に対して、ビジネスをやっているあなたにも役に立つ情報が載っていますよという意味で、ビジネス区報という形の情報発信をされてはどうか、こういった形で私は考えているわけです。何もその中で、今まで載せていなかったような情報を載せたらどうか、こういう提案ではありません。新たな予算をつけて、何か目新しいことをやったらどうか、そういう提案ではありません。日ごろ、本来は中野区民、市民であったにもかかわらず、それをうっかり仕事にかまけて忘れてしまっていた。その彼らに思い出していただくために強く訴える、訴求するためのキーワードが必要なんです。だからこそ、そういったビジネス区報と名前を打つだけで、彼らは反応するわけです。私も恐らくなかの区報にビジネス区報と載っていれば、何だろうと思います。
 私がこの講習会で多くのビジネスマンに提案させていただいたときに、例えば、あなたの住んでいる自治体の広報に、ビジネス区報とか、ビジネス市報という形で載ったらどうですかというふうにお聞きしました。多くの方が、それは何だろうと思う、目を通す、こうおっしゃっていました。そういうことなんです。つまり、自分には関係ないと最初から思っている方に対しては、幾らお金をかけて情報発信しても届きません。逆に、自分がビジネスマンだと思っている、そういう方に対して、ビジネスの情報ですという形で名前をつけて発信するだけで、例えば先ほど図書館長に紹介していただきました、インターネットで本の予約ができる。9時まで図書館があいていて、仕事が終わってから取りに行けばいい。こういう状況が、例えばビジネス書、ベストセラーばっかりではございません。コトラーであるとか、さまざまなビジネス書の名著、ベストセラーがございます。最新のものが20冊、30冊、それは本屋に任せたらいいんです。図書館には図書館のできることがあって、市民の皆さんが、ビジネスマンの皆さんが期待している以上のことが中野にできるんだということをぜひビジネス区報という形で彼らに気づかせる、気づいていただける、そんな情報発信を検討していただけないでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 これまで区報の読者ではなかった区民の皆様方に対しまして、区報を手にとって読んでいただけますよう、いろいろな工夫を行っていくことが大切だと、このように考えております。そのための一つの御提案として受けとめました。今後の検討の参考とさせていただきたいというふうに思っております。
○奥田委員 ぜひ、この問題は、今どうして市民が行政に無関心なのか、投票率がなかなか上がってこないのか、この答えを探る大きなヒントになると私は思っています。ですから、このビジネス区報という提案をただの広報媒体を活性化させるという視点だけではなくて、将来的に、例えば団塊の世代が今後引退されるときに、行政として中野区が強力な戦力にしていかなければならない、そういった人材になるわけですから、彼らにビジネスというキーワードで、中野区民に、ビジネスマンから中野区民に戻っていただける、そんなきっかけづくりにもなっていただきたいですし、今、低投票率になっていて、なかなか有権者の方の顔が見えてこない、そんなことが言われて久しいわけですけれども、そういった状況も、彼らが敏感になっているところに飛び込んでいくことで初めてきっかけをつかむことができるんじゃないか、そんなことを考えております。そういったことを含めて、ぜひ広聴広報分野を皮切りとして、全庁的な形で相手の懐に飛び込んでいくような、そういった視点を持って考えていただきたいと思います。
 この項、以上で終わります。
○平島委員長 奥田委員の質疑の途中でございますが、ここで委員会を休憩して理事会を開会したいと思います。
 委員会を暫時休憩いたします。
      午後4時57分休憩

      午後4時59分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 初めに、ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
 理事会においては、本日は終了するとの確認をいたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は3月2日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
 以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
       午後4時59分