平成16年03月03日中野区議会予算特別委員会
平成16年3月3日予算特別委員会(第5日)
1.平成16年(2004年)3月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 いでい 良 輔 |
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2番 伊 東 しんじ |
3番 佐 野 れいじ |
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4番 北 原 奉 昭 |
5番 久 保 り か |
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6番 酒 井 たくや |
7番 奥 田 けんじ |
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8番 近 藤 さえ子 |
9番 小 堤 勇 |
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10番 大 内 しんご |
11番 伊 藤 正 信 |
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12番 きたごう 秀 文
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13番 高 橋 ちあき |
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14番 高 倉 良 生
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15番 やながわ 妙 子 |
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16番 平 島 好 人 |
17番 むとう 有 子 |
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18番 はっとり 幸 子 |
19番 長 沢 和 彦 |
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20番 か せ 次 郎 |
21番 山 崎 芳 夫 |
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22番 小 串 まさのり |
23番 若 林 ふくぞう |
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24番 市 川 みのる |
25番 岡 本 いさお |
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26番 こしみず 敏 明 |
27番 飯 島 きんいち |
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28番 佐 伯 利 昭 |
29番 佐 藤 ひろ子 |
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30番 来 住 和 行 |
31番 岩 永 しほ子 |
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32番 篠 国 昭 |
33番 柿 沼 秀 光 |
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34番 伊 藤 岩 男 |
35番 斉 藤 金 造 |
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36番 大 泉 正 勝 |
37番 斉 藤 高 輝
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38番 江 口 済三郎 |
39番 藤 本 やすたみ |
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40番 昆 まさ子 |
41番 江 田 とおる |
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42番 池 田 一 雄 |
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 |
田中 大輔 |
助役 |
内田 司郎 |
収入役 |
山岸 隆一 |
教育長 |
沼口 昌弘 |
区長室長 |
金野 晃 |
政策担当課長 |
鈴木 由美子 |
基本構想担当課長 |
合川 昭 |
経営改革推進担当課長 |
長田 久雄 |
総務部長 |
石神 正義 |
総務部参事(特命担当) |
鈴木 勝明 |
総務部参事(特命担当) |
西條 十喜和 |
総務課長 |
田辺 裕子 |
財務課長 |
村木 誠 |
人事課長 |
寺島 誠一郎 |
広聴広報課長 |
鈴木 郁也 |
IT推進課長 |
瀬田 敏幸 |
営繕課長 |
佐藤 幸一 |
防災課長 |
納谷 光和 |
区民部長 |
本橋 一夫 |
区民課長 |
橋本 美文 |
税務課長 |
若槻 盤雄 |
国民健康保険課長 |
区民部長事務取扱 |
産業振興課長 |
高橋 信一 |
地域センター部長 |
柳澤 一平 |
調整課長 |
大沼 弘 |
女性・青少年課長 |
竹内 沖司 |
保育課長 |
榎本 良男 |
南中野地域センター所長 |
鍋横地域センター所長兼務 |
弥生地域センター所長 |
東部地域センター所長兼務 |
東部地域センター所長 |
中村 正博 |
鍋横地域センター所長 |
斎木 正雄 |
桃園地域センター所長 |
中野 多希子 |
昭和地域センター所長 |
蛭間 浩之 |
東中野地域センター所長 |
昭和地域センター所長兼務 |
上高田地域センター所長 |
新井 一成 |
新井地域センター所長 |
上高田地域センター所長兼務 |
江古田地域センター所長 |
安部 秀康 |
沼袋地域センター所長 |
江古田地域センター所長兼務 |
野方地域センター所長 |
大和地域センター所長兼務 |
大和地域センター所長 |
浅野 昭 |
鷺宮地域センター所長 |
豊川 士郎 |
上鷺宮地域センター所長 |
鷺宮地域センター所長兼務 |
環境部長 |
寺部 守芳 |
環境消費生活課長 |
環境部長事務取扱 |
資源循環推進課長 |
大杉 規子 |
清掃事務所長 |
遠山 幸雄 |
保健福祉部長 |
菅野 泰一 |
保健所長 |
清水 裕幸 |
保健福祉課長 |
川崎 亨 |
生活援護課長 |
中澤 知子 |
高齢福祉課長 |
冨永 清 |
障害福祉課長 |
田中 政之 |
介護保険課長 |
岩井 克英 |
障害者福祉会館長 |
保健福祉部長事務取扱 |
健康推進課長 |
今 恵里 |
生活衛生課長 |
小谷松 弘市 |
保健予防課長 |
保健所長事務取扱 |
中部保健福祉センター所長 |
城所 敏英 |
北部保健福祉センター所長 |
石崎 泰江 |
南部保健福祉センター所長 |
佐々木 美枝子 |
鷺宮保健福祉センター所長 |
沼田 久美子 |
都市整備部長 |
石井 正行 |
まちづくり調整担当部長 |
那須井 幸一 |
都市計画課長 |
服部 敏信 |
まちづくり課長 |
久保田 浩二 |
住宅課長 |
高野 佑二 |
指導課長 |
遠藤 由紀夫 |
建築課長 |
秋元 順一 |
道路課長 |
尾崎 孝 |
交通対策課長 |
登 弘毅 |
公園緑地課長 |
大谷 則章 |
副収入役 |
村田 宏 |
教育委員会事務局次長 |
山下 清超 |
庶務課長 |
佐藤 栄時 |
教育改革推進担当課長 |
教育委員会事務局次長事務取扱 |
学校教育課長 |
篠原 文彦 |
指導室長 |
小林 福太郎 |
生涯学習課長 |
奥山 功 |
中央図書館長 |
石崎 新一 |
選挙管理委員会事務局長 |
荒畑 正子 |
監査事務局長 |
細木 博雄 |
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 |
正木 洋介 |
事務局次長 |
飯塚 太郎 |
議事調査担当係長 |
大谷 良二 |
書 記 |
黒田 佳代子 |
書 記 |
巣山 和孝 |
書 記 |
永田 純一 |
書 記 |
長崎 武史 |
書 記 |
荒井 勉 |
書 記 |
西田 健 |
書 記 |
岩浅 英樹 |
書 記 |
鳥居 誠 |
書 記 |
佐藤 雅俊 |
書 記 |
松本 桂治 |
書 記 |
吉田 哲郎 |
午前10時00分開議
○平島委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれました理事会の報告をいたします。
1点目は、本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目に佐伯利昭委員、2番目にむとう有子委員、3番目に佐藤ひろこ委員、4番目に久保りか委員、5番目に小串まさのり委員の順序で、5名の総括質疑を行うことを確認いたしました。また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
2点目は、資料要求の追加についてであります。お手元に配付いたしました予算特別委員会資料要求一覧(追加分)として記載されております資料要求をすることを確認いたしました。
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
◆文教分科会関係
38 区立文教関連施設(幼稚園、小・中学校、その他)のURLとメールアドレス一覧(平成16(2004)年2月末現在) <無>
○平島委員長 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございますでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、そのように運営させていただきます。
なお、追加の資料要求の締め切りについては、念のため申し上げます。本日の委員会終了後に開かれます理事会が資料要求の整理を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合は、本日の午後1時までに提出をお願いいたします。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
佐伯利昭委員、お願いいたします。
○佐伯委員 おはようございます。きのうに引き続き質問をさせていただきます。時間が迫っていますので、多少早口になるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
シチズンズチャーター制度について、きのう幾つかお聞きをしました。その中で、区と区民の約束、制度、こういったものをつくっていくためには、やはり情報の共有、正しい情報を区民に伝えて、区民と区が共通の指針を持つことが大切だと思います。行政サービスというのは、住民の貴重な税金で賄われているもので、限られた財源を有効に活用するためには、施策を厳しく選択することや、行政サービスに制限を設けることも必要となることを区民に理解してもらうことも大事なことですし、こういったことを理解すること、区が置かれた立場を理解すること、これは逆に言えば、区民にとってもそれは義務だと思います。こういったことを自治基本条例等にも盛り込んでもらいたいと思いますし、何でもかんでも役所に要望や要求すること、これは自治ではありません。共通の指針を持ってお互いの立場を理解する。そういうことができるような努力をしてもらいたいと思います。
さらに区民の側に誤った情報を故意に流すことはフェアではないと思います。今回も、保育園の指定管理者制度についてさまざまな議論がありました。6万人も7万人も署名を集めたのにどうしてくれるんだという声もある一方、区民委員会でも議論になっておりましたけれども、区立保育園がなくなると。こういうようなチラシもまかれていました。
こういう情報というのは本当に恐ろしいもので、これはきのう紹介いたしました名張市の意見対応マニュアルなんですけれども、その中にサービスが伝説になるときということで、ベッチィ・サンダーさんという方が書いた本が紹介されております。不満がある人はそれを平均9人から10人に話す。13%の人は20人以上に話している。「区立保育園がなくなるんだってね」そういう話を平均9人から10人に話す。13%の人は20人以上にもそういうことを話してしまうわけです。
一方で、佐藤委員が討論の中でもありましたけれども、話せば理解してもらえる人、こういった方もいるんです。しかし、苦情が解決された場合、そのことは5人か6人にしか話さないんです。悪いことというのは、誤った情報でもどんどん多くの人に広めるけれども、それが解決されたときに、その半分ぐらいの人にしか話をしない。こういうのが実態だということが紹介をされています。
さらに今、インターネットなんていう手段でぼんぼんこういう情報が、誤っていようが正しかろうが広まっていく。先月もありました。佐賀県でここの銀行がいついつつぶれるよというメールを6件、携帯電話から流しただけで、もう翌日には何億というお金が引き出されると。こういうような状況も起こっているわけです。区として情報を共有できる、そういうシステム、制度を努力していくことと、誤った情報に対しては毅然とした態度、こういったものをとっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木政策担当課長 区政に関する情報提供というのは、まず正確に、そして早く、わかりやすく区民の方々に提供することが重要であるというふうに思っております。それは区報であるとかホームページに限らないで、職員一人ひとりが日常の仕事を通じて区民にきちんと説明をしていく。そういった仕事の仕方を区政全体の中で果たしていくことで、誤解を生じない、そういう基盤づくりがまず必要であるというふうに思っています。
あわせて、区は社会的責任とその公益、そういったものを一致させる、その役割を持つものでありますので、対立する意見を受けとめながら、その論点をきちっと明らかにして、それを調整する。そういうような役割がますます求められてくるというふうに思っております。そうした観点からも、区民が誤解を招いているならば、それをきちっと解いて、正確な情報を共有できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○佐伯委員 ありがとうございました。この共通の指針を持つ手だてとして、本会議で出前トーク、どんどん地域に出ていって、お話をしましょう、そういった制度をつくりましょう、こういったことを提案をさせていただきました。今でも対話集会でありますとか、さまざまな形で区民の皆様と対話をする機会というのは持っていると思います。
これまでやってきた区の説明会であるとか対話の制度、こういったことで、こういったものについて、本当にこのやり方でよかったのかなということも何回か目にしました。例えば都市計画課でやっている説明会、先般も東京都の都市計画道路の今後の整備計画、これについての説明会が鷺宮地域センターで行われました。30人ぐらいの人が集まったんですけれども、皆さん、中杉通りの問題を聞きたくて集まってきているわけなんです、夜。ところが、区の説明というのはもう最初から、パワーポイントというのですか、そういうのを使って、落合のところの交差点がどうしたとか、南の方がどうしたとか、こういう説明を延々とするわけなんです。私も一番後ろの席に座っていて、区民の皆さん、参加している皆さんがいらいらしているのが非常によくわかるんです。やはりその場、その場に合わせた説明会というのは必要だと思いますし、その説明の後に出された意見も、中杉通りに関することばかりでした。そういったことで、これは事例として挙げようと思ったんですけれども、こちらから言いっ放しですと、やはりフェアじゃありませんので、反論の機会としてぜひ都市計画課の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○服部都市計画課長 お答え申し上げます。
今の例示いただきましたこの説明会では、都市計画道路の整備方針案につきまして、基本的な考え方を説明することが必要がありました関係で、冒頭にきちんと説明をいたした経過がございます。したがって、説明会の前半の方では、区全体におけます整備の、あるいは都市計画道路の優先路線をこうして選定するという過程を説明させていただきました。今後、今、委員の方の御指摘もありますけれども、説明会の運営を工夫して、臨機応変、あるいは質疑応答の時間を十分配慮していきたい、そう考えております。
○佐伯委員 ありがとうございます。ぜひその地域、地域に合わせた、これはこの問題に限らず、まだ服部参事がこのセクションに来る前に、都市計画変更、用途地域の変更の問題で説明があったときに、地域の人はこの自分の地域の建ぺい率、容積率がどうなるのかなということを聞きたくて来ているのに、南台の東大附属の横がどうしたとか、そういった説明を延々とするわけですから、やはりそこで区民の不満というのは高まってくるわけですよね。ぜひそういったものを工夫してもらいたいと思いますし、またさらに、この出前トークに関して言えば、昨今の住民運動を見ていますと、説明が足りないとか、議論が十分尽くされていないとか、早過ぎるとか、いろいろな意見が出されていますけれども、ただ時間をかければいい問題ではないと思います。
埼玉県の上田知事は、ことしの年頭のあいさつ、これに当たりまして、三つのS、スピード、スマイル、スピリッツ。スピードが必要です。今、本当に差し迫った状況の中で早く行動していくことが必要です。スマイルも大切です。常に笑顔を持って接することも大切です。あとはスピリッツ、精神です。そういったものをきちっと持って新しい事業部制の中では、これは都市計画に限らずテーマを決めて、どんどん地域に出ていって、出前トーク以上に、それこそ押しかけトークみたいな形で、住民の皆さんとの対話を進めてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○服部都市計画課長 今の委員の方から御提案があったと認識いたしますけれども、地域のまちづくりにかかわります住民の方々との話し合い、対話集会、これは大変大事でございます。区といたしましても、そういったまちづくり勉強会をやってきてございますので、そういったものをタイムリーに行うことで対応していきたい、そう考えております。
○佐伯委員 ありがとうございました。ぜひこうしたことを進めていってもらいたいと思います。
シチズンズチャーター制度についての質問を終わりまして、次に保養施設について、シェモア仙石についてお伺いをいたします。
昨年12月、よりよい行政運営のためにということで、15年度の行政評価、外部評価が出されました。ずらっとさまざまな施策の評価をされているんですけれども、この中でどちらもCランク、二つの項目についてどちらもCランクだったのが、この区立保養所シェモア仙石について、これだけでした。この結果、担当課としてはどのように受けとめているでしょうか。
○高橋産業振興課長 お答えします。
大変厳しい評価結果であり、御指摘の点については真摯に受けとめ、今後の保養施設のあり方について検討する上で十分に参考にさせていただきたいと思っております。ただ、平成6年5月開設以来、約10年間、多くの区民の皆様に御利用いただいたという実績と、障害のある方に配慮された施設であるという点をもう少しかみ含んでいただいて、温かい評価をしてほしかったなと思っているところでございます。
○佐伯委員 これは別に産業振興課の責任でも何でもないわけですけれども、例えば来年度予算で見れば、利用者から受け取る利用料金収入が6,770万、一方で、支出が2億2,000万弱。区の持ち出しが1億4,000万円余りとなっています。つまり、利用者1人当たり1泊1万円に当たる金額の持ち出しがされているわけです。それで、今回出していただきました資料、区民の33、これを見ましても、利用率、90%を超えている月もありますけれども、低いところでは52%程度の月もあるわけです。結局、本当に限られた利用者に対する持ち出し、補助と言っていいかどうかわかりませんけれども、そういう状況にあります。必ずしもこれは区民に対して公平にサービスが提供されていない、こういう指摘もされていますけれども、この点についてはいかがお考えでしょう。
○高橋産業振興課長 御指摘のとおり、事業に要する経費と利用者からいただく使用料、その差額である区が負担する金額は、約1人1万円程度になりまして、利用されていない区民の方のことを考えますと、利用者のみへの高額補助と言われても、いたし方ない部分もあるのかなと思っております。
○佐伯委員 民間のホテルと同様に考えて、このシェモアを1室2人で利用すると1泊1万1,300円。これは3月の場合ですけれども、こういう料金になります。この料金というのは、今、民間のホテルなどと比べて高いと思いますか、安いと思いますか。また、4人以上で泊まれば格安になるんじゃないかというような、割安になるんじゃないかという話もありますけれども、かつて区政の世論調査で、シェモアに泊まった方が従業員から「ごゆっくりどうぞ」と言われた。しかし、10畳の部屋に5人も詰め込まれて、何がごゆっくりだと。そういうような意見も書いてあったわけなんですけれども、この値段設定というのはどのようにお考えでしょう。
○高橋産業振興課長 利用人数によって料金が異なるため、御指摘のとおり食事代を含めますと、2人で利用の場合1万1,300円という料金にはなります。4人利用の場合には1人7,800円となり、高齢者は減額を受けると5,800円となります。最近では、この金額を下回る料金で宿泊できる旅館とかホテルが多数あります。かかっている経費や、1部屋で2人という少人数で使うのと、その1部屋で多く使う人とか何かのバランスを考えますと、設備とかサービス内容を考えると、この金額は妥当ではないのかなと思っております。
○佐伯委員 1万円の、つまり持ち出し。1人1万円の持ち出しをするということは、つまり、2人で泊まると2万1,000幾らかかってしまっているわけですよね。2万1,300円かかってしまう。2万円以上かかる計算になりますけれども、なぜこんなにこの施設の場合には経費がかかってしまうんでしょう。
○高橋産業振興課長 このシェモア仙石は、客室が13室、定員65名と小さな設備でございます。しかしながら、サウナとかゆったりした浴室、障害者用の浴室など、比較的グレードの高い施設であるということと、定員の割には施設維持管理費がかかる部分がございます。また、斜面に宿泊棟と管理棟を配置しておりまして、その間をエレベーターで結んでいる部分があります。また、その離れた施設を管理するための人員の経費、今言ったようにエレベーターの設備経費も必要となっているため、このような金額になるものでございます。
○佐伯委員 部屋数も少ないし、比較的そういった点では割高になるというのが実態なのではないかと思いますけれども、シェモアの近く、民間のホテルを調べてみました。「ざぶん」という、こういう雑誌が出されているんですけれども、仙石原、シェモアの近くの花月園というホテルでは、四つの貸し切りぶろが無料、夕食は和食か洋食のフルコース、朝食は和洋30種のバイキング。これで9,800円です。同じく仙石原、リ・カーヴ箱根、ヒノキの内ぶろ、夕食は懐石プランか和洋中60種のバイキング、9,800円。同じく箱根、ハウエル、これは8,800円でシェモアと比べても大変割安になっています。今のシェモアと比べて、区民の皆さんにいろいろなニーズがあると思うんですけれども、同じところに、シェモアに何回も泊まるのがいいか、いろいろなホテルを利用するのがいいか。どっちが魅力的だと思いますか。
○高橋産業振興課長 シェモア仙石は、落ちついて泊まれてよいとか、料理がすばらしいとか、利用者の声も聞いております。稼働率を見ても76%とかなり利用されているのではないかと思っております。いろいろなニーズとかがあるかと思いますが、接客サービスを求めるのか、いろいろなニーズに対応できるのかとか、宿泊費の安さを求めるかというのは、区民の方の選択だと思っております。
○佐伯委員 こういった公的な区営の施設なんていうのは、例えばかつてあった来宮なんかの場合、本当に4,000円ぐらいで泊まれて、やはりある意味で区民というのは安さを求めている部分てあると思うんです。それでお金のある人は、ホテルおかだとか、富士屋ホテルとか、そういったものを利用したりもしてくると思うので、今回、外部評価の中で、本分野は今後、中野区が継続していく必要があるとは到底思えないというところまで厳しい評価を受けています。もちろん、今すぐ手放せとか、そういう話ではないんですけれども、こういった費用対効果とか、1人に持ち出されている金額とか、今の住民のニーズとか、そういったことを考えていけば、今、ほかの区においても保養所を廃止したり、板橋区では民間へ無償の貸与なども、こういったものを考えられているわけですけれども、今後のシェモアについても、ぜひこういった外部評価をもとに御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○高橋産業振興課長 シェモア仙石は、開設後10年とまだ比較的新しい施設でございます。また、施設内容もよい面もあり、また区民の方にも愛着を持って利用されている部分もございます。しかし、区の財政負担を抑えながら、利用者にも満足してもらえるような運営をしていく必要はあるかと思っております。行政評価の結果を踏まえながら、現在、施設の有効利用を図りながら、民間事業者の経営ノウハウを利用して、民営化も含めたさまざまな方策を検討しているところでございます。
○佐伯委員 ぜひさまざま区民のニーズに合わせた、そういった検討をそろそろ始めていただきたいと思いますので、これはよろしくお願いをいたします。
次に、清掃責任についてお聞きをいたします。
昨年9月から11月にかけまして、区内の2町会、私の住んでいる町会もだったんですけれども、ここでプラスチックの回収を行いました。建設の資料14、その数字が出されておりますけれども、実際この数字について区としてはどのような評価をされているでしょう。
○大杉資源循環推進課長 昨年9月から11月までの3カ月間、5,675世帯を対象に事業を行い、全部で29.7トンを回収し、圧縮梱包する施設で明らかに対象物でないものを除き、差し引き27.8トンを再商品化施設に搬入いたしました。地域の方々の御協力により初めての試行といたしましては良好な結果が得られたと思っております。
○佐伯委員 なかなかこれも地域に浸透するまでには2回、3回とかかりまして、私も自分で出した後にずっと町内を回ってみますと、それ用の黄色い袋にペットボトルがいっぱい詰め込んで置いてあったとか、そういった状況も見て、これはちょっと大変だなと思ったりもしたんですけれども、この結果を見る限り、93%が再商品化処理施設に搬入されたということで、地域としては非常に誇りに思える事業だったと思うんですけれども、実際に実施した地域の人のお話というのはお聞きになりましたでしょうか。
○大杉資源循環推進課長 事業終了後、約500世帯を対象にアンケート調査を行いました。過剰包装について考えさせられた、よい試みなので続けてほしいという声がある一方、分別や洗浄が面倒、わかりにくいといった声も寄せられたところでございます。
○佐伯委員 確かにわかりにくいといえばわかりにくいと思うんですけれども、実際に自分でやってみて思ったのは、これまで不燃として出して、それこそ海に埋め立てられていたようなものの、私の家でいえば、90%ぐらいプラスチック再生可能のそういう資源だったということがわかりました。区は、プラスチックのリサイクルの必要性、確かに発生抑制とか、そういったことも必要ですけれども、これだけ今、プラスチックが世の中には出回ってしまっています。ペットボトルなんかにしてもそうだと思うんです。今、国連の総会を見たって、国際会議を見たって、そこに置いてあるのはペットボトルです。つくってはいけない。そういう立場もあるかと思いますけれども、やはりある程度ここまで普及してきたら、それを再商品化する、リサイクルしていくという方向、頭をどんどん切りかえていく必要もあるんじゃないかなと思いますけれども、この辺の必要性についてはどうお考えでしょう。
○大杉資源循環推進課長 プラスチック製容器包装は、平成14年度に行いました調査でも不燃ごみの約3割を占めておりました。これをリサイクルすることは、ごみ減量のためには効果的であると考えております。
○佐伯委員 効果的というのはわかったんですけれども、その必要性。区の方向として、これはもう全然つくる方が悪いんだから、こういうものをつくってはいけないんだから、再処理すればどんどんつくられてしまうから、だから再処理しないんだという方向なのか。いや、これはもうここまで普及してきたんだったら、やはり再利用、再処理という方向を考えていかなければいけない。そういう立場なのか、どちらかということをお聞きをしているんですけれども。
○大杉資源循環推進課長 区といたしましては、プラスチックにつきましても、ごみ全体的にそうですけれども、まず発生抑制に努めたいとは思っておりますけれども、発生抑制ですべてが解決するとは思ってございませんので、出てしまったごみにつきましては、できる限り資源化を進めたいというふうに思っております。
○佐伯委員 その資源化を進める必要があるという認識、それは今そういうふうなお答えだったかと思うんですけれども、私たち会派で先日、立川のリサイクルセンターを視察をしてきました。多摩地域というのは、比較的こういったリサイクルというのを積極的にやっていて、施設もしっかり整ってやっているわけなんですけれども、そういった中で、この間、2町会で試行をしたときにも、運搬して、板橋の方で圧縮をしてもらって、それを新日鉄君津に持ち込んだというような経過があったわけですけれども、区としてこういった圧縮施設、こういったものを独自でつくっていく、そういうおつもりはないでしょうか。
○大杉資源循環推進課長 区としましても、圧縮梱包、一時保管のための施設を持つことは検討すべき課題と考えております。
○佐伯委員 検討すべき課題ということで、検討はいいんですけれども、つくっていくと。こういう施設をつくっていくというようなお気持ちというのは今のところいかがなんでしょうか。
○大杉資源循環推進課長 現在のところは検討課題と考えております。
○佐伯委員 これは本会議でもお話をさせていただきましたけれども、区として、焼却工場がなくなったと。つくらなくてよくなったということは、それはそれでよかったかもしれません。しかし、中野のごみがこれからどこで燃やしてもらえるのか、どこで処理してもらえるのか。もちろん区長会でそういった合意があったということもお聞きしました。しかし、区長会で合意があったにしても、かつての杉並・江東ごみ戦争を考えれば、住民が、そんな杉並の人が勝手なことを言うんだったら、夢の島に杉並のごみは置かせません。こうやってピケを張ったわけですよね。それと同じように中野が全然清掃の責任を負わないんだったら、区長会でそういう話があったって中野の清掃車は入れないぞと。そういうような運動だって起こってきてしまう可能性だってあります。だから、酒井議員が何度も、ごみを処理してもらえなくなったらどうなるんだ。そのための担保を私たちはとるべきじゃないかということを主張させていただきました。その一つの方法として、中野はこのプラスチックの分別処理、こういったものを進めていく。その部分は中野で引き受ける。だから、そのかわりに焼却のごみに関しては安定的な処理をしてもらう。そういうようなお互いの責任をしっかりと分担していくと。そういうことを中野区から発信していく。そういう必要もあると思いますけれども、いかがでしょうか。
○大杉資源循環推進課長 特別区における一般廃棄物の中間処理につきましては、区長会において、工場のある区もない区も相互に協調連携し、全体の責任として安定的な中間処理体制を確保することを申し合わせているところでございます。現在のところですと、他区のものを受け入れていくというような施設について考えてございませんで、今後、23区におきます清掃事業のアンバランスの是正につきましては、具体的な検討がなされていくと思っておりまして、その結果につきましては、適切に対処していきたいと思っております。
○佐伯委員 区長会での議論、確かに大事なことだと思います。しかし、こういった問題というのは、今、中野の場合には清掃・焼却工場がないという圧倒的な不利な状況にあるんです。確かに区長会でそういう申し合わせがあったにしても、住民が冗談じゃないよと言われてしまったら、いろいろな区の区長さんだって、困るわけです。やはり一つの担保というのは絶対とる必要があると思うんですよね。本当に大変な問題だと思います。3日も中野のごみ収集、ごみの処理が滞ったら、町の中じゅうごみだらけになってしまいます。そういったことが起こらないように当区から、中野区から発信をしていかないと、なかなかよその区から、中野区、これをやりなさいよということは言ってこないと思います。まずこちらから発信をすることが大事なんじゃないかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょう。
○大杉資源循環推進課長 他区に所在する施設でごみの中間処理を行う区として、一層のごみ減量に取り組む必要があると考えております。そのために容器包装プラスチックの分別事業等につきまして、来年度規模、期間を拡充して事業を実施して、今後の展開を検討してまいりたいと考えております。
○佐伯委員 細かい点につきましては分科会の方でまたお話をさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ区民が不安、このごみ処理というのは、もちろんごみゼロ、発生抑制、こういったことも必要ですけれども、必ずこれは処理をしなくてはいけないものですから、ぜひいろいろな御検討をしていただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、文化・スポーツ施設の今後の運営についてお聞きします。
これは初日に高倉委員も質問をされておりましたけれども、平成18年度から、こういった公共施設については、管理運営については直営、あるいは指定管理者、こういった制度に基づいて行われなくてはいけないと。こういう仕組みが変わってくるわけですけれども、基本的な点から聞きます。これまで中野区文化・スポーツ振興公社が管理運営してきた施設について、直営にするのか、指定管理者にするのか、これはどのようにお考えでしょう。
○奥山生涯学習課長 文化・スポーツ施設につきましては、これまでの経過、また効率的な管理の視点から考えまして、区が直営で行うのではなく、指定管理者制度に移行すべきであるというふうに考えてございます。
○佐伯委員 もちろんそうですよね。官から民へという動きの中で当然のことだと思いますけれども。それで、指定管理者を選ぶに当たって、今回、保育園の指定管理者を決めるに当たって行ったようなプロポーザルとか、そういった形で運営事業者を募集を行うんでしょうか。
○奥山生涯学習課長 この指定管理者制度を導入する際の一般的な指定の手続、また候補者選定の条件を定めます条例をこの定例会に提案する予定となってございます。この条例案におきましては、公募を前提としてございますので、特段の事情がない限り、これにのっとって手続をし、募集することになろうというふうに考えてございます。
○佐伯委員 現在のところ、恐らくいろいろな試算をしていると思いますけれども、株式会社などの民間で運営した場合と現状の文・スポで運営した場合、経費的にはどちらが安くつくんでしょうか。
○奥山生涯学習課長 現在段階では、厳密な経費の比較については行ってございませんので、明確にお答えしかねる状況になってございます。
○佐伯委員 事業者決定に当たっては選考委員会、そういったものというのをつくって、その中から検討されていくんでしょうか。
○奥山生涯学習課長 基本的には先ほどお答えしました指定管理者の指定手続に関します条例にのっとって処理していくこととなります。中野区におきましては、比較競争する場合には選定委員会を設置して選定するのが、これまでは一般的であったというふうに考えております。
○佐伯委員 これは高倉委員の質問にもあったんですけれども、大変なことになるというようなお答えだったかと思うんですけれども、文・スポが、今の中野区文化・スポーツ振興公社が受託できなかった場合、この文・スポというのは今後どういうふうになるんでしょうか。
○奥山生涯学習課長 文化・スポーツ振興公社は、区の文化・スポーツ施設の管理運営、それと、その施設で実施いたします文化・スポーツ事業を通しまして、区民の文化・スポーツを振興するために設立された法人でございます。施設管理のすべてが公社の事業でなくなった場合には、公社の存立そのものが問われるような事態になるものと考えてございます。
○佐伯委員 さまざまな状況はあるかと思いますけれども、やはりこれは今後、指定管理者を選ぶときに、確かにいろいろなかかわりがあるかと思いますけれども、文・スポを特段優先するとか、そういったことなく、公平公正な事業者選びを行ってもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○奥山生涯学習課長 この事業者選定に当たりましては、法改正の趣旨にのっとりまして、公平公正に行ってまいりたいと考えてございます。
○佐伯委員 できれば文・スポに関しても、今の定款の中では、中野区のスポーツ施設について云々と書いてあります。本当に文・スポが、今の中野区文化・スポーツ振興公社が民間の活力、そういったものを利用して、どんどん事業をやっていくんだということであれば、本当はこの中野区文化・スポーツ振興公社、定款を変えて、区のほかの施設のそういったものも受託できるぐらいの、そのぐらいの勢いを持ってもらいたいと思うんです。そういったことで、こういうことの定款変更等もしておいた方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○奥山生涯学習課長 公社の寄附行為の変更につきましては、委員御指摘のような考え方もあると思ってございますが、現在、公社のあり方について検討を進めているところでございまして、その結果を踏まえて、公社が検討していくべきことというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひよろしくお願いします。
生涯学習課長が今そちらにいらっしゃっていただいているので、その他についてお聞きしたいと思います。
学校体育館の利用について伺います。今、子どもたちにフットサル、室内のサッカーですね。これがすごい人気があります。いろいろな学校で今までやっていましたけれども、これが最近、区内の小・中学校の体育館で全面的に禁止になってしまいました。これはどういう理由なんでしょう。
○奥山生涯学習課長 このフットサルにつきましては、ちょっと経過を御説明いたしますと、学校の体育館には防護ネットが設置されてございません。ただ、区民の方々から利用の希望が寄せられるようになりましたので、学校と調整いたしまして、試行というような扱いで開放してきたという経過がございます。今、委員から、すべて禁止になったというお話でございますが、まだ現段階で4校、具体的には谷戸小、二中、八中、北中野中で開放している状況にございます。
○佐伯委員 どちらかというと、これは小学生の方に人気が高いんです。小学校では全然やらせていただいていない現状だと思うんですけれども、いかがですか。
○奥山生涯学習課長 小学校につきましては、谷戸小だけということになってございまして、ほかにも学校があったわけでございますが、そちらについてはちょっと設備の関係で支障があるというようなことで中止しているということになってございます。
○佐伯委員 これは設備の関係じゃないんですよ。学校によっては体育館に卒業製作が飾ってあるから、その卒業製作を壊しては大変だからフットサルをやってはいけないとか、そういう理由までつけているところがあるんですね。体育館というのは卒業製作を飾るところじゃないでしょう。まず、これは本末転倒ですよね。ぜひ、ことしはオリンピックがあって、きょうもサッカーの予選があるみたいですけれども、ますますこういった人気というのは高まってくると思います。私は少年野球の関係の方ですから、余りサッカーの人気が高まるとちょっとという思いもあるんですけれども、ですけれども、やはり子どもたちがこれだけ楽しくやっているわけですから、ぜひこういった体育館のフットサル利用、学校によっては床を張りかえたばかりだからだめとか、スポーツをやるためにつくったんでしょう。スポーツをやったら床が傷つくとか、床が傷むとか、だからやらせないというのは全くおかしな話だと思いますし、ぜひこのフットサルについて前向きで学校の方とも調整をしてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○奥山生涯学習課長 直ちに全校でということにつきましては、なかなか難しい状況もございますが、先ほど申し上げましたような試行の状況、また環境整備の状況なども踏まえながら対応を図っていきたいというふうに考えてございます。また、学校じゃないんですが、中野体育館、鷺宮体育館におきましても、従前は防護ネットがなかったわけでございますが、こういった子どもたちのそういったニーズにこたえるために整備をして、利用に開放しているというようなことで、これからも学校についてもできるだけそういった開放に努めてまいりたいと考えてございます。
○佐伯委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。
最後に、高齢者のいきいき入浴制度その他のところで質問したいと思います。
私は、この施策は地域型超不公平施策の代表だと思います。担当課では、区内、この施設の実質的適用外になっている地域があることを御存じでしょうか。
○冨永高齢福祉課長 鷺宮、あるいは上鷺宮地域につきましては、昔2カ所ほど公衆浴場がございましたけれども、なくなってから久しいということで、ない地域について承知してございます。
○佐伯委員 そうなんですよね。私が議員になって最初のときにも、今の保健福祉部長が高齢福祉課長だったときにお聞きをしました。実際、本当にこれは意地悪くというか、運悪くというか、区境のところに、久保委員のところも新青梅街道へ出てくるとすぐ、平和湯というすごいいいおふろ屋さんがあったり、うちの方も和倉温泉などというのがあったり、宴会場つきの、貫井にはそういったものがあったりするんですよ。だから、地域にしてみると、やはりこれは何とかしてほしいなという声が出ていますけれども、こういった点についてはどうお考えでしょう。
○冨永高齢福祉課長 中野区民の皆さん、任意の公衆浴場を1カ所選んでいただいて、登録制で公衆浴場の開放ということをやっているわけでございますけれども、不便で遠くてということで、実際には利用を控えているというふうなことも認識してございます。そういう意味では、このない地域につきまして、今後、隣接区等の公衆浴場が近くにあれば、そういったことのサービスの提供ができるのかどうか、具体的に可能性を追求してみたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひお願いします。これは本会議において今回この50円の負担をお願いするということで、いろいろな意見も出されておりました。しかし、一方で、50円出そうが100円出そうが行けない地域がある。こういったものを利用できない地域もあるんだと、区内には。そういったことをお考えいただいて、ぜひいろいろな方法を考えていただきたいと思います。
以上で私の質問は終わらせていただきますけれども、先ほど御紹介いたしました岐阜県の各務原市、それが紹介された三重県の開発研修センターが出している「地域政策」という本でした。その中で各務原市の職員の方、これが実際に書いていることなんですけれども、改善運動には、まずリーダーの存在が不可欠である。当市の場合、森市長の威勢のよさ、アイデアマンぶりは職員、市民にも広く知れ渡れているところであるが、強烈なリーダーシップを発揮するトップの存在が極めて重要な要素である。時にワンマンとやゆされもするが、窮状を最もよく理解し、かつ最も憂慮しているのは間違いなく市長その人である。もちろん、私もこの中野区内においては区長が一番こういった窮状を憂慮しているんだと思います。
さらに、この方が書いてあるのには、これまで幾つかのメディアで当市の改善運動が取り上げられてきたが、とりたてて自慢できるような成果が上がったわけではないし、仕組みとしても中途半端であったと思っている。ただ、どうやら我々は前に向かって進み始めたなという確かな感触はある。半ば半強制的なルールのもとで実施してきた改善運動であり、職員からの反発も多々あったが、運動が始まって2年と半年、少しずつではあるが、職員に自発的な改善の意識が芽生えてきたように感じられるというように書いてあります。きのうの区長の答弁でも、こういった今までやってきたことを変えていくためには、なかなかすぐにはできないんだ。この各務原市でも職員の方自身がこういったことを書いているわけなんです。
最後に一つ聞き漏らしたんですけれども、こういったことを今、区長が進めようとしているおもてなし運動ですか。こういったこと、これが浸透してくることが一つの中野区政改革にとっての前進であると思うし、私は成果だと思います。そういったことを共有するために何か区民、職員一体となった取り組み、そういった機会というのをつくれないでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 おもてなし運動の推進に当たりましては、その途中経過につきましても、ホームページ等で区民等の皆様に公表してまいります。その最終的な成果につきましては、来年の2月に区民の皆様も含めて、職員も含めまして発表会を開催することを予定しているところでございます。
○佐伯委員 どうもありがとうございました。ちょうど時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
次に、むとう有子委員、お願いいたします。
○むとう委員 区民の皆様から寄せられました御意見をもとに質疑させていただきたいと思います。時間的な制約もございますので、簡単で明瞭な御答弁をお願いしたいことと、機敏な対応をよろしくお願いいたします。
では、まず最初に、平和施策の推進についてお尋ねいたします。
日本国憲法は、多大な惨禍をもたらした侵略戦争と専制政治への反省のもとに定められ、正義と秩序を基調とする国際平和の希求と戦争の放棄が明記されております。2001年9月11日以降、私たちは、平和を構築することに武力がいかに無力であるかを目の当たりにしてきました。暴力の連鎖に陥っ世界の混迷は深まるばかりです。世界に先駆けて定められた平和憲法を守り、生活に生かすことこそ、今私たちに課せられた使命です。
中野区における平和行政の基本に関する条例は、世界の平和を求める区民の意思を表明し、恒久平和の実現に努めると述べ、そのために日本国憲法に規定する平和の意義の普及、平和に関する情報の収集及び提供を実施するとうたっています。1999年の第3回定例会の決算総括質疑においてもお尋ねいたしましたが、かくなる状況下ゆえ、あえて再度、平和の森公園事務所内にあります平和資料展示室についてお尋ねいたします。
平和資料展示室は、身近なところから平和を考える場として開設されました。この企画展示内容は、総務部広聴広報課が所管しているようですが、広聴広報課長は展示室に最近いらっしゃいましたでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 お答えいたします。
なるべく企画展示のあるときなどには行くようにしてございますけれども、ことしに入りましてはまだ行っておりません。
○むとう委員 ぜひ所管する課として行っていただきたいと思うんですけれども、5年前の質疑では、アンケート箱もアンケートを書く台もほこりだらけで、区民が平和を見つめ直す場所とは思いがたい場であることを指摘し、改善を求めました。私は先日久々に出かけてみました。アンケートを書いていこうと思ったのですが、相も変わらずほこりだらけで、なおかつ備えつけのボールペンは書けませんでした。瑣末なことですが、こんなことでよいのでしょうか。展示室の清掃管理はどのようになっているのでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 日常の清掃は広聴広報課の職員が庁舎から出向いてやっております。それから、床の清掃等につきましては、管理事務所と合わせて年10回ほどやっております。
○むとう委員 日常的な清掃は職員が出向いていくとおっしゃいましたけれども、毎日行かれてちゃんとお掃除されているんですか。どれだけの頻度で行かれているんでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 とても毎日は行けないということで、定期的に決めて行くようにしております。また、公園管理事務所の職員の方から汚れているよというような、そういうような情報をいただいた場合には、その都度行くようにしております。
○むとう委員 きちんと明瞭に答えてほしいんですけれども、定期的というのは一体どれぐらいなんですか。ほこりだらけでボールペンも書けないんですよ。それでいいんですか。時間がないからいいです、答弁は。
予算説明資料、補助資料91ページを見ると、平和の集いについては多少ながら予算もふえ、参加者の評価もよいようですが、展示室の運営費は年々減り、2004年度はわずか10万円です。1999年の私の質疑に対して、当時の企画課長は、財源も厳しくなっているが、平和については区として力を入れていかなければならない施策だと思っている。資料展示室を有意義なものにしていくよう、今後とも工夫してまいりたいとの御答弁でした。この4年間で何がどう工夫されたのか教えてください。
○鈴木広聴広報課長 まず予算につきましてですけれども、平和関連事業と、それから平和資料展示室と合わせて、平和に関する予算という形になってございます。確かに平和資料室の部分につきましては、15年度と比べて4万7,000円ほど減ってございますけれども、この減った部分は主に平和資料展示室の消耗品に関する部分ということでございまして、そうしたものにつきましては、平和関連事業の方で16年度は見ると、計上するという形で、そちらに振りかえているということで、見かけ上減っているということになっております。ただ、平和事業全体の16年度予算は161万円という形で、15年度と比べますと20万8,000円ほど増という形になっておりまして、平和事業に力を入れていくと。そういう区の姿勢には変わりはございません。
○むとう委員 4年間で工夫されたことは何なのかというふうに聞いているので、答弁がずれていると思いますので、しっかり私の聞いたことについて答えていただけるようにお願いしたいと思います。
この展示室の運営に行政だけでは行き詰まっているようにお見受けいたします。ボランティアの区民参加で展示室の運営委員会をつくってみてはともかつて提案いたしました。これに対し当時の企画課長は、区として行政として今後も運営していきたい。ただ、企画展示の中で区民参加のようなものを考えていくとの御答弁でした。区民参加による企画展示は何か実現されたのでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 企画展示の内容などにつきましては、今後、区内の平和団体、また区民の意見や要望等を踏まえて事業を行っていきたいというふうに考えております。
○むとう委員 私は、2004年度こそ積極的に運営委員会などを創設して、区民に運営をしていただくというお考えをしていただきたいというふうに思っているんですが、いかがでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 運営については区の責任でやっていきたいと思っておりますが、その企画展示の内容等につきましては、区民の意見等をお聞きいたしまして、工夫してまいりたいというふうに考えております。
○むとう委員 区民の責任でやっていかれるんだったら、それなりにしっかりやっていただきたいと思います。瑣末なボールペンが出ないなどということのないようにしていただきたいと思います。
東京新聞でも紹介されましたが、区の職員の方で休暇をとり、私費にてイラクに行かれた方がいらっしゃいます。例えばその方に御協力をいただき、タイムリーなイラクの写真展示を企画されてはどうでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 職員に限らず、よいものであれば、平和資料展示室の企画展示として活用してまいりたいというふうに考えております。
○むとう委員 身近なところでそういう方がいらっしゃいまして、タイムリーな写真もお持ちのようですので、ぜひ企画を計画していただけたらというふうに思います。
改めてお尋ねしますが、区としての平和の取り組み、さらに平和資料展示室についてどのような御認識をお持ちなのか、区長に答弁を求めます。
○田中区長 幅広い区民の意思を受けて、平和についての取り組みをする。平和に向けての声を上げていくというようなことは大変重要なことだというふうに思っております。特に東西冷戦時代のような状況下にある平和についての動き、考え方といったことと、先ほどお話にもありました9.11以降に象徴されているような今日の民族対立、あるいは宗教対立といったようなことを背景にしたさまざまな国際的な不安な情勢が起きているといったような、こうした時代状況の中では、さまざまな国の、あるいは民族の国民、民族相互の理解といったようなことを深めていくということの動きが非常に重要だというふうに思っております。そういう意味では、区の中での国際交流、国際理解といったようなことから、多くの国民、多くの民族の人々が互いに理解を深めていくといったような取り組みを強めていくことが重要なのではないかというふうに思っております。
○むとう委員 前回の質疑でもお願いいたしましたが、公園に遊びに来たらのぞいてみたくなる。さらには、わざわざ足を運びたくなる平和資料展示室となるよう、しっかりと取り組んでいただくことを重ね重ねお願いしたいと思います。
続きまして、(仮称)安全で安心なまちづくりを推進する条例についてお尋ねします。この条例は、まだ議案として提示されていないので、区報やパブリックコメントの実施、総務課で参考として公にしている案をもとに質疑いたします。
この条例については、12月21日号の区報にパブリックコメントを求める記事が載っていました。区民にとっては、お正月を挟む年末年始の気ぜわしい時期で、締め切りは1月9日でした。区がパブリックコメントの手続実施要綱を定めての初の実施でしたが、日程的な工夫が必要だったのではないかと思います。
さて、安全で安心なまちづくりは、防犯に対する一人ひとりの関心と対策、コミュニケーションが図れるお隣さん、御近所さんとのつながり、行政からの働きかけと支援が大切であることは言うまでもありません。そして、各自が安定した暮らしを営むことができる社会基盤が築かれていることが犯罪発生を抑えるかぎであると思われます。
この条例の立法事実として、中野区犯罪認知件数が10年前の1993年では7,231件、2001年には8,124件と増加していることを挙げています。ところが、中野野方警察署の調べによる資料を見ますと、翌2002年は6,759件と、1993年と比べて明らかに減少しています。区報にて2002年の資料を使わなかったのはなぜでしょうか。
○田辺総務課長 今、犯罪件数のデータの御紹介がございました。区報では紙面の関係もございまして、平成14年の資料は掲載をしておりませんが、パブリックコメントの中では平成14年の資料で御説明を申し上げております。
○むとう委員 ちゃんと書けば済むだけの話ですから、あえて2001年でやめなくたって、紙面の都合上、「2001年は8,124件と増加しています」という文言を、「2002年には6,759件と減少しています」と書くのに文字数に変化はないと思います。やはり作為的なものを私は感じますので、そういうごまかしはやめていただきたいと思います。いずれにいたしましても、認知件数においては立法事実は成り立っていないと私は思っています。
区は、犯罪検挙率は1993年の35%から2002年には26%に下がり、確実に区民の体感治安は悪化していますと言っています。果たして本当にそうでしょうか。龍谷大学法学部教授浜井浩一氏という方がおられます。専攻は犯罪学で、去年の4月まで法務省に勤務し、犯罪白書の執筆に携わっておられた方ですが、この方の講演会の記録によりますと、窃盗の認知件数が上がって、徐々に検挙率が落ちている節目は、警察の方針が変わったときだ。1986年に就任した刑事畑出身の金沢警察庁長官が従来の検挙率維持という指示を転換して、重要犯罪対策に精力を注ぐべきだと指示した。これにより1988年あたりから検挙率が著しく落ち始める。1992年に公安畑の木内長官が就任し、検挙率は治安のバロメーターだ、頑張れと指示をしたので、短い期間だったが一たんは検挙率が上がっている。このように検挙率、認知件数は警察の施策によって動いているのだそうです。区の示した1993年の35%という数字は、「頑張れ」が効いた数字と言えるでしょう。
さらに引用いたします。注意してもらいたいのは、窃盗犯の検挙人数が減っていないのに検挙件数が減っているということだ。1999年、桶川ストーカー事件をきっかけとして、被害者の申し出にきちんと対応しろという指示が出された。これによって警察の取り上げる事件数が急増し、警察が忙しくなり、検挙者の余罪調査に力を注がなくなった。検挙人数は落ちていないのに検挙件数が落ちているのはそのためだ。普通は、最低でも1人の窃盗犯が20件、場合によっては100件ぐらいやっている。だから、窃盗犯の検挙率の低下が全体の検挙率の低下に激しく影響しているのだそうです。つまり、以前は丹念に余罪をチェックしていたが、忙しくなってくると、50件立件して送検しようが、二、三件しようが、実際の判決には余り変わらないので、重要事件を二、三件送検して起訴してもらえばいい。残った時間は他の時間に振り向けようというのが実情のようです。
続けて引用します。警察の不祥事を契機として、2000年の警察改革で4種類の通達が出され、相談しやすい環境を整えた。その結果相談がふえて、警察窓口では前裁きできなくなり、事件として立件されていく。余罪調査も簡略化され、検挙率が下がっていく。これをマスコミが報道する。こうして安全神話が崩壊したという言説がもたらされ、外国人と少年をターゲットにして厳罰化が進められている。実際の殺人の認知件数は緩やかな減少傾向にあるのに、殺人に関する報道件数はどんどんと上昇している。
犯罪の不安を何によって感じるか調査してみると、54.1%と最も多かったのが「新聞やテレビの犯罪報道をよく見る」を挙げ、「少年による犯罪はふえたと思いますか」という質問に、「非常にふえている」と回答した人の比率では、「あなたの町では」が13.3%、「世の中全体では」が62.5%です。身近なところでは余り聞いたことがないが、報道を見ると少年犯罪がふえていると感じるということだ。現実の犯罪発生に関係なく、人々の間で犯罪が増加し、治安が悪化しているという言説が既定の事実として信じられ、犯罪不安が急速に高まっているような現象、つまりモラルパニックは社会が変革期を迎えているときに起きやすいと言われている。そういうときに誇張された犯罪統計が用いられることが多いのだそうです。
ちなみに、2003年版警察白書の警察安全相談件数の推移を見ますと、1999年まで約35万件未満ですが、2000年の警察改革以降、2000年は約74万件、2001年は約93万件、2002年は約106万件と、改革前の3倍強になっています。これは検挙率が下がっても、なるほどと思います。例えとして適切かどうかわかりませんが、100個の英単語を覚えよ。1時間後に試験をするというのが習慣だった試験が、突然300個の英単語を覚えよ。1時間後に試験をするに変更になって、正解率が下がったようなものです。中野区の数字の単純な比較はモラルパニックを冗長しているようなもので、現実から遊離した影におびえていると言えましょう。それゆえ、ここでも立法の事実根拠は希薄になると考えますが、いかがでしょうか。
○田辺総務課長 私どもが今回この条例を御提案申し上げようということでパブリックコメントを実施したわけでございますが、区報等でも御説明しておりますように、データだけで私どもはこの条例について制定しようということで考えたわけではございませんで、区民の方々のさまざまな声でありますとか、それから御紹介がありましたけれども、マスコミ等で話題にされているようなことについて、地域の中でも考えていく必要があるだろうというようなことで、さまざまな意見をもとに私どもでこうした判断をしたものでございます。
○むとう委員 条例の制定に至る背景として区が挙げている体感治安、つまり体が感じる治安とは一体何なのか御説明ください。確実に区民の体感治安は悪化しているとありますが、その根拠もお示しください。
○田辺総務課長 今も申し上げましたように区民の方々のさまざまなご意見ですとか、それから地域の方々や区の機関から寄せられます地域の犯罪といったことではありませんけれども、気をつけてほしいといったような連絡網等がございますが、そうしたものも多々ございまして、私どもとしてはやはり地域の皆さん方で守っていく、あるいは区としてもそうした活動を支援していくといった取り組みが必要だというふうに考えております。
○むとう委員 地域の皆様、一体何人からそういう御意見が寄せられているんでしょうか。すごくあいまいですね。はっきりと答えてください。
○田辺総務課長 具体的にデータは整理をして統計をとっているというわけではございませんが、教育委員会ですとか学校、それから地域センターの所管であります児童館、学童クラブ、あるいは地域の方々が連絡網等をつくっておりまして、そうした方々からの情報というのは確実にふえているという認識を持っておりますし、私どもがパブリックコメントを実施しました際に地域の方々にも御説明をいたしました。そうした中でもたくさんの声を寄せられております。
○むとう委員 地域の方々の御説明って地域の方々だけなんでしょうか。だれをもって地域の方とおっしゃるのか。区民全体に対する説明会というのをやっていませんよね。地域、地域って一体だれなのかというのを常々思うんですけれども、明確にしてください。
○田辺総務課長 私ども、今回説明会を地域センターの協力を得て行っておりますが、15の地域センターで町会、住区協議会、PTA、老人クラブ等、さまざまな団体でこうした条例の制定に関する説明会を行っております。
○むとう委員 それは説明会を実施するということで区報等に広く区民に一般に呼びかけられたものでしょうか。
○田辺総務課長 区報やパブリックコメント、ホームページ等で皆さん方に全体にお知らせするとともに、地域の会合等で折に触れてこうした説明を行っております。
○むとう委員 会合に出ない区民は知らないわけで、きちんと区報で、生活安全条例にかかわる説明会をいたしますということで、15の説明会で実施したということではないわけですね。
○田辺総務課長 私どもとしましては、地域の中で、さまざまな場所で皆さん方に知っていただくことが大事だというふうに考えまして、今回こうした取り組みを行っております。
○むとう委員 私が聞いているのは、区報でお知らせをしたんですかと聞いているんです。不特定多数の区民の方に目に触れるように、これまでさまざまな施策をつくるときに区報できちんと、いついつ、どこどこで、これについての説明会をいたします。どうぞ御参加くださいみたいなものが載っていますよね。このことに関して、私はそれを見かけた覚えがないんですけれども、私の勘違いでしょうか。載せたんですか。
○田辺総務課長 この生活安全に関します取り組みについては、条例をつくればいいというふうに考えているわけではございませんで、条例制定をきっかけに地域の方々が取り組んでいくといった取り組みが大事だというふうに思っておりまして、1回だけの説明会ということではなく、これからずっとこうした取り組みを続けていくことが大事だというふうに考えております。
○むとう委員 私が聞いたことに答えてほしいんです。区報に載せましたかと聞いていることに対して一言も答えがないですよね。私が聞いているのはその1点です。その1点答えてください。
○田辺総務課長 区報では、条例制定にかかわります区の今の取り組み状況を御説明しておりまして、この中で私どもが区民の方々に御説明したいということは尽くしているというふうに考えております。
○むとう委員 何回聞いても課長は答えてくれませんね。そうやってどうしてあいまいな答弁をするんですか。不特定多数の区民の方にちゃんと説明をするためには、きちんと区報で少なくとも書かなければいけない。特定の区民だけが集まる場で説明をしたって、それはやはり区民全体に対する説明というふうには私は思えません。そういうことではなく、きちんと区報で、少なくとも区政を伝える方法が大事な区報です。公平にあらゆる区民の方に読んでもらえる機会があるところで公に説明会を設定していただきたいというふうに思います。端的にわかりやすい答弁、聞いたことに対する答弁をお願いしたいと思います。
次に行きます。条例の中で区の施策の推進として、安全で安心な生活環境を阻害するおそれのある行為を防止するための指導等を挙げられておりますが、阻害するおそれのある行為というのは一体何なのか。
○田辺総務課長 条例案はこれから御提案をいたしますので、こうした御質問については条例審査の中で本来は御説明すべきものだというふうに考えておりますが、パブリックコメントの中でも御説明をしておりますので、参考までに申し上げますと、このおそれのある行為と申しますのは、パブリックコメントの中でも説明しておりますように、例えば街路灯が暗いであるとか、それから樹木が茂っていて、薄暗いところで犯罪が起こりやすいときに、そうしたことをおそれのある場合というふうなことで考えております。
○むとう委員 案が出てこない中でなかなかわからないんですけれども、とりあえずパブリックコメントなどで説明が書かれている範囲で私も聞いていますので、教えていただけたらと思うんですけれども、その際に指導等って書いてありますけれども、指導とは具体的に何をなさるのか。また、指導等の等というのは何を指しているのか、教えてください。
○田辺総務課長 行政手続法の第2条、第6条におきまして、行政機関がその任務または所掌事項の範囲内において一定の行政目的を実現するため、特定のものに一定の作為または不作為を求める指導、勧告、助言、その他の行為であって、処分に該当しないものと定義をされております。今、委員から資問がありました指導、勧告、助言と申しますのは、行政指導の一形態でございまして、相手方に法的な義務を課すものではなく、任意的な協力を求めるものというふうに考えております。
指導につきましては、一般に相手方に将来においてすべきこと、またはすべきでないことを指示し、相手方を一定の方向に導くものということで、これにつきましても法的な拘束ということではなく、任意的な協力を求めるものというふうに考えております。
○むとう委員 それから、共同住宅等について確認申請等をしようとする建築主に対し、その敷地を所管する、管轄する警察署長に意見を求めるよう助言とありますが、その手続のプロセスを教えてください。
○田辺総務課長 建築確認申請を出される際に、区として防犯の対策等について警察の方に御意見いただくことも大事だということで、今申し上げましたように、そうしたことを提案をしていくということでございます。
○むとう委員 具体的に手続を教えてほしいんですけれども、区民が確認申請を求めて区役所に来ますよね。そこの窓口でどういう手続になっていくんでしょうか。書類を持って警察に行って、図面を持っていって、それについて助言を具体的に求めて、はい、求めましたということで、また区役所に戻ってきて申請をするんでしょうか。その手続プロセスを教えてください。
○田辺総務課長 具体的には現在手続について検討しているところでございますが、窓口で職員が御説明をするというようなことだと思っております。
○むとう委員 窓口で区の職員が説明をするという説明の内容は、警察の方に行ってくださいという説明をするんですか。どういう説明のことを言っているんでしょうか。
○田辺総務課長 一定規模以上の住宅ですとか、それから商店等について、窓口で職員が、防犯上気になることであれば、警察に行って助言を求めたらどうかということを御説明するということでございます。
○むとう委員 説明を受けて、行きたくないということであれば、行かなくてもいいということでしょうか。警察署長の意見を求めなければ確認申請がおりないということでは当然ありませんよね。
○田辺総務課長 こうしたことにつきましては、条例の審査の中でお答えすべきことだというふうには思っておりますが、私どもとしては強制的にこうした御助言をするということは考えておりません。
○むとう委員 では次に、2003年10月に施行された東京都安全安心まちづくり条例があるにもかかわらず、都の条例を孫引きしたような区の条例を制定する必要性はどこにあるのでしょうか。また、都の条例と区の条例の関係性はどのように解釈すればよいのでしょうか。
○田辺総務課長 条例につきましては、憲法や地方自治法において自治体がその自治事務について法令の範囲内で条例を制定することができるというふうに規定をされておりますので、私どもといたしましては、区の事務について基本的な考え方を定めるものということで、区の独自でこの中野区の安心安全なまちづくりを推進するため、条例をつくるという考えでございます。
○むとう委員 東京都がつくった条例でも、市区町村にいろいろかかわってくる問題がありますよね。そのことと中野区の条例との関係性はどうなっていくんでしょうか。
○田辺総務課長 都条例で定められたことについては、その規定の範囲内で行っていくものというふうに考えております。
○むとう委員 ここで、防犯協会が生活安全条例の一つに挙げている兵庫県のまちづくり基本条例を少し紹介いたします。阪神・淡路大震災によって得た教訓をもとに、一人ひとりが地域社会の中で安全で安心して暮らすことができるまちづくりの必要性を改めて認識するとともに、被災地において広く芽生えた住民による自発的かつ自律的なまちづくりの取り組みに、これからの新しいまちづくりのあり方を見出すことができたと前文で述べ、第2章のまちづくり推進の基本理念の中に次の三つを挙げています。災害、犯罪及び事故から人々の安全の確保を図る暮らしを守る。バリアフリー、そして環境との調和に配慮した自然との共生です。また、施策の基本方向では、外国人との共生もうたわれています。ちなみに、区民10の資料によれば、中野区には71カ国1万1,422人の外国人の方が暮らしています。深刻な震災の被害の中で見出したのは、市民同士の監視や異端者の排除ではなく、共生やバリアフリーです。これこそ今、地方自治体が立脚すべき人間観であり、この視点からの条例づくりが重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○田辺総務課長 私どもも今、委員が御提案のあったような視点を持って、この条例の制定に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○むとう委員 では、ぜひそうしていただきたいというふうに思います。この条例の直接の審査は総務委員会になるんでしょうか。私、総務委員会にいないので、細かな審査はできないんですけれども、もっともっと部分的に質問したいこともあるんですけれども、時間の都合で割愛いたします。
最後に、私の方から、この条例の背後にあるものを指摘しておきたいと思います。
1994年の警察法改正で登場した警察庁生活安全局の活動や、各地での監視カメラ設置などに見られるように、行政警察の任務の無限拡大化、相互監視社会化、密告社会化、そして市民が警察活動の担い手になるといった特徴を持つ警察国家化がこの国でどんどんと進んでいます。生活安全条例もその一環です。しかし、それはあなたの安全を守りますという優しげなうたい文句で、日本国憲法第13条が保障するプライバシー権や、同21条が保障する表現の自由や結社の自由を縮減する方向で進められており、憲法上看過できない問題を抱えています。よって、地域の警察化をもたらし、市民社会の亀裂と市民の分断をもたらすこの条例は有害無益であると表明し、この項の質問を終わります。ありがとうございました。
次に、身の回りの有害化学物質を削減することについてお尋ねします。
化学物質は今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。私たちは生活の中で、合成洗剤や殺虫剤、防虫剤、つんとにおう塩素系漂白剤、家庭園芸で使用する除草剤など、多くの有害化学物質を使っています。最近では、家の中の化学物質が原因となって引き起こされるシックハウスや、中野区の学校でもあったシックスクールが問題となっています。一方、屋外でも、ゴルフ場の農薬、自動車の排気ガス、ごみ焼却場のダイオキシン、田や畑などの農薬散布など、枚挙にいとまがありません。国の推計では、私たちの家庭から約6万8,000トンもの有害化学物質が排出されているそうです。
このような生活環境の中で、花粉症やアトピー、アレルギー、化学物質過敏症などで苦しむ人がふえ続けています。そこで、身の回りの化学物質に関する不安を減らすためには、情報を入手して、現状を認識することがまずは第一歩と言えます。遅まきながら日本でも、1999年に特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、略して化学物質把握管理促進法が成立し、2002年から化学物質の排出量と移動量の情報公開がなされました。国際的にはPRTR法と呼ばれています。このような法律ができたのですから、区民の命と健康を守るために、区としてもこの法律を活用すべきではないでしょうか。中野区はこの法律をどのように活用していますか。また、活用する予定はありますか。例えば中野区における有害化学物質の排出量をお調べになりましたでしょうか、お答えください。
○寺部環境部長 ただいま御指摘の法律ができておりますが、現在、中野区としてこの法律に基づいた情報公開請求等はしておりません。活用はこれから考えてまいりたいと思っています。
○むとう委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思っています。エコケミストリー研究会という会が、横浜国立大学大学院浦野・亀屋研究室と共同で、この公開された膨大な全国のPRTR関連データを解析し、インターネットでわかりやすく情報提供しています。その中に非常に懸念すべき情報がありました。人に対する使用リスクスコア上位20の農薬の都内市区町村での使用リスクスコア順5位までのデータがあります。この使用リスクの高い20の農薬のうち、何と7物質において中野区が1位、さらに2物質が2位、そして1物質が4位となっています。リスクの高い農薬20のうちの10の農薬が中野区において多量に使用されているということです。リスクの内容は、発がん性の強い毒性が確認されているものがほとんどです。
データ作成者によれば、行政区域ごとにデータを作成した理由は、排出場所や使用場所に近い地域で最も悪影響を受けやすいこと、排出や使用の責任は本来、排出している事務所や住民等にあるが、これを調査、指導、管理するのは各地方自治体の責務であると考えたためだそうです。すなわち、悪影響を受けやすい排出源の所在する自治体が事業者や市民、NGOと協力して、地域住民が安全で安心できる環境をつくる必要があるのです。
区民の命と健康を守るために、中野区としてもPRTR法を活用して、国からもデータを入手して、中野区がどうしてリスクスコアが高いのか、原因の分析と検証をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○寺部環境部長 ただいま、エコケミストリー研究会の公表データをもとにのお尋ねでございますが、その前提となりますこの法律に基づくデータですが、一つは、事業者が国へ報告したもの。それからもう一つは、家庭、農業、自動車などからの年間排出量を国として推計したデータ、これを国は公表しているわけでございます。中野区が今の御指摘の上位に出ているというデータは、この研究会が国のデータを分析した結果出しているというものでございます。私どもといたしましては、この研究会の研究内容について十分検討した上で判断する必要があるというふうに思っております。
ちなみに、確かに順位としては高くなっておりますけれども、殺虫剤ですとか、除草剤ですとか、そういったものの排出量の推定でのデータだと思いますが、人口密度の高い区が上位になっております。中野とか豊島区が高いというデータもありますので、そういうことになっておりますので、そういったあたりもやはりよくこの研究会の研究については調査した上で判断した方がよろしいかと思っております。
○むとう委員 私はこの会のデータを検証しろと言っているわけではなくて、こういうデータを出しているところもあるので、中野区も国のPRTR法を活用して、独自に分析と検証をしてほしいということをお願いしているところです。
中野区保健福祉総合推進計画の中で、区民ニーズにこたえる検査の充実や健康機器管理体制の基礎となる検査技術力の確保等の施策の方向性が示され、検査対応項目を拡充し、区民が持ち込む食品依頼検査体制を充実します。さらに輸入食品の残留農薬、環境汚染物質などの検査、健康機器管理への迅速な対応ができる技術力を確保しますと記し、事業計画としても挙げられております。区は検査技術をお持ちの方が8人いらっしゃると伺っておりますが、この方々の職能を生かすべきです。これらの事業計画は、今回の予算のどこに反映されているのでしょうか。
それから、予算説明書の221ページと補助資料208ページに記されている環境公害費の環境調査は1,084万1,000円で、前年度と比較すると538万4,000円の減となっています。本来、保健福祉総合推進計画にのっとり拡充しなければならない事業内容を縮小したのでしょうか。その理由もお聞かせください。
○寺部環境部長 環境現況調査費の減の部分につきましては、私の方からお答えをいたします。
この理由でございますけれども、自動車騒音振動交通量の常時測定に係ることしの委託経費、これを実績値で考えまして、これを来年度予算に見込んだこと。それから、ことしは騒音測定器の購入をしておりますので、来年度これは必要ないということで、そういったことが減の理由として、来年度の予算に数字としてあらわれたものでございます。
○清水保健予防課長 保健福祉総合推進計画における機器にかかわる区民ニーズにこたえる検査の充実という点についてお答え申し上げますと、まず結論から申し上げれば、来年度予算への反映というのは現実的にはないということでございます。ただ、いわゆる試験検査の機器整備に関して申し上げれば、予算要求の時期に担当としてきちんと整理をして、一定の方向を考えてございます。それは、全部自前で検査機器を整備しながら、自前で試験検査をやるということは必ずしも効率的ではないし、稼働性の問題からもやはり問題があるだろうということで、今回については水道法の変更に基づく機器の整備ということが図られてございます。そういう意味で、委員御指摘の部分はないわけでございますが、ただ区民ニーズにこたえるべく、いわゆる都のかつての都衛研ですね。地方衛生研究所、これは非常に近うございます。それからもう1点は、民間の検査機関が極めて充実をしているところでございますので、この辺を御紹介申し上げて、一定の対応を図っているというところでございます。
それから、最後の御指摘でございます。いわゆる環境との関係の中での予算化ということでございますが、これは繰り返しになりますけれども、もともとそういう観点で予算化を考えてございましたので、特に私ども所管とすると、こういった考え方で予算化については今後も対応していきたいということでございまして、もともと委員御指摘のような考え方というのは、私どもは持っていないということをここで御報告させていただきたいと思います。
○むとう委員 私が指摘した考えというか、私が述べたのは、中野区保健福祉総合推進計画、中野区が2003年3月に出したものを引用しております。これは中野区の考えですよね。つまり、私の考えでなくて、中野区の考えです。やはり中野区がこういう計画を出している以上、計画が実現できるように努力をしていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。治安の視点は大切ですが、環境や食というすべての人間の生命維持に欠かせない点でも、安全で安心なまちづくりを推進していただきたいと思います。
次に、精神障害者の地域生活支援についてお尋ねします。
先日、2月24日の朝日新聞の声の欄に、「精神障害者にも救いが欲しい」という題で、職業上の支援や交通、医療福祉など、あらゆる面でほかの障害者と同じように保護されていない。人間として生きていくための権利さえ主張できない。難題に一緒に立ち向かってくれる人はいないだろうかという訴えが載っていました。
2002年第3回定例会、2003年第1回定例会で、私は、精神障害を持つ当事者の当事者による当事者のためのピアホームヘルプ事業を実現させてほしい。実現させてはどうか。そのためには、精神障害者を対象としたピアホームヘルプ養成研修2級課程を資格取得するための支援事業の実施を提案いたしました。それを受けてかどうかわかりませんけれども、精神障害者の方々の就労支援と、障害者が障害者の手助けをするピアサポートシステムの構築を目指し、社会福祉協議会主催のホームヘルパー3級養成講座へ5名の方を派遣し、見事に資格取得されたと伺っています。その5名の方々は資格取得後、それぞれ就労のステップを歩み出されたというふうに伺っています。これはとても大きな成果と思いますが、私が再三提案していますように、さらに精神障害者の就労機会や職種拡大に向け、保健福祉総合推進計画の新規事業としても挙げられている身体介護ができる2級資格取得への取り組み支援を2004年度には予算化してほしいんですが、いかがでしょうか。
○菅野保健福祉部長 精神障害者につきまして、今年度、3級ヘルパーの取得を御指摘のように5人していただきました。今後の進め方でございますけれども、区といたしましては、一般就労ということについてなかなかすぐには難しいということから、東京都の精神障害者社会適応訓練事業の対象として、こういった5人の方のうち何人かにつきまして、こういった訓練事業の対象となっていただきます事業所に就労ではないんですけれども、訓練として入っていただきまして、そういう中で実際の訓練を積んでいただくということを考えております。2004年の初めというんですかね、4月ごろからできればということで、今こういった準備を進めておりまして、そういうことを通じまして訓練を積んでいただいて、さらに社会復帰に向けましてステップを踏んでいただくというようなことを考えているところでございます。
○むとう委員 私がお尋ねしたのは、ステップを踏むために2級資格取得への取り組みを区が支援するつもりがあるかということを聞いているので、そこだけ1点明確に答えてください。時間がありません。
○菅野保健福祉部長 3級につきましてとっていただきまして、そういったステップを踏んでいただきますが、(「それはわかっています」と呼ぶ者あり)その後につきまして、2級が必要かどうかにつきまして、そういった状況を見きわめながら検討してまいりたいと思います。
○むとう委員 何度も何度もお尋ねしていて、2級については検討する、検討するってずっと言われているんです。いつまで検討するんでしょうか。3級をとって実績があるわけですから、今年度2級取得に向けて、検討ではなくて実現していただきたいと思います。
昨年12月に無所属の会で日本カルミック新木場事業所内の企業内授産を見学しました。障害者の方々が生き生きと仕事をしておられました。中野区障害者福祉事業団の職員の方々のなみなみならぬ御努力の大きな成果です。このような企業内授産、区内で実現できれば、障害のある方々の自立や大きな励みと前進になります。先ほどおっしゃいました障害者社会適応訓練事業の事業主を探すということも伺いましたので、引き続き就労支援策を充実していただきたいというふうに思います。
さらに単身で生活が困難な精神障害者に対し、地域社会における自立を推進するためのグループホームは、区内には1997年に民間団体の運営で開設しましたホームサラダが1カ所だけ、定員は5人だけです。2000年第3回定例会の私の決算総括質疑の中で、行財政5か年計画の推進事業として、2004年度にももう1カ所グループホームの増設を計画しており、検討中であると当時の健康推進課長は御答弁されております。行財政5か年計画が一体どうなってしまったのか知りませんけれども、2004年度の予算の中に予算化されているのでしょうか。保健福祉総合推進計画の中でも事業計画として挙げられておりますが、グループホームの二つ目、進捗状況を端的にお聞かせください。
○田中障害福祉課長 精神障害者のグループホームにつきましては、中野区の保健福祉総合推進計画で1カ所の増設を計画をしてございます。この具体化に当たりましては、精神障害者を含めます障害者全体のグループホームのあり方について検討することになってございまして、現在はその課題の整理、検討の方法などについて調整を行っているところでございます。できるだけ早く開設できますように努めていきたいと考えております。
○むとう委員 当初は2004年度開設予定だったわけですから、これもまたおくれているわけです。いつまでも検討ばかりではなくて、本当に必要とされている方がいっぱいいますので、さっさと実現していただきたいというふうに思います。
次に行きます。最後に清掃事業についてお尋ねします。
清掃工場の建設計画の見直しは区長会が検討されたようですし、今現在は24項目にわたる清掃事業に関する課題が助役会清掃事業検討部会で検討されていると伺っています。区長会も助役会も任意の会であり、区民も議員も傍聴できず、議事録も公開されません。そんなところで生活に一番密着している重要な清掃事業という課題が全くの密室で検討され、決定されています。何のために清掃事業が区に移管されたのか。区民も議員も検討に全く加われないところで清掃事業の根幹が決定されていく現在の仕組みを改める必要があると思います。清掃一部事務組合の改革が検討されているようですが、一組だけにとどまらず、23区の清掃事業をどうしていくのか。23区の区民にも見える形となるよう改善していただきたいと思います。区の見解をお聞かせください。
○大杉資源循環推進課長 清掃事業につきましては、都から移管を受けた経緯がございまして、各区が実施する事項と23区が共通して実施する事項がございます。このため、共同で実施する事項としまして、可燃ごみの焼却施設の整備及び管理運営、それ以外のごみ処理施設の整備及び管理運営を行うために東京23区清掃一部事務組合を共同処理のために設置しているところでございます。清掃工場の建設につきましては、23区の清掃事業のあり方に係る重要な案件であるところから、区長会での検討となったところでございます。現在行われております課題につきましても同様の考え方から、区長会及びそのもとに置かれております助役会で検討されているところでございます。区長会は、特別区に共通する課題についての連絡調整及び調査研究などを行うために組織されたところでございまして、公開とか傍聴とかになじまないものと考えております。
今後とも清掃事業に係る重要な方針の決定や課題検討の結果などにつきましては随時、議会及び区民に報告していきたいと考えております。
○むとう委員 しっかりと報告していただきたいと思います。やはり本当に密室で行われているということに大きな問題があると思いますので、これもあわせて改革をしていただきたいと思います。
私の質疑した課題が、さまざま何点か質疑させてもらいましたけれども、2004年度の区政に反映されることを願いまして、すべての質疑を終了いたします。ありがとうございました。
○平島委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了いたします。
次に、佐藤ひろこ委員、お願いいたします。
○佐藤委員 質問に入らせていただきます。
今回の質問のタイトルの幾つかは、来年度予算編成の大きな変化と特徴である再編された区の施策の目標を使ってみました。そして、何がどう改善され、今回の予算になったのかを見るために、前回の決算資料、決算のときにこの成果のところで既に今までのやり方と書き方が変わっていました。ここで施策の分野が目標によって分けられ、そこにきちっと施策の目標が書かれたということがありました。その目標に沿って、その事業が決算のときにどうだったかというふうに評価したところ、例えばこれから質問に入ります保健と福祉と医療の連携のところでは、目標に対してサービスが適切に行われたというふうな書き方に終始しておりました。つまり、指標がなかったわけです。今回の予算のところでは、目標に加え、今度はその指標が出てきたということがあります。
223ページを見ていただきたいんですけれども、目標と、そしてその事業に対しての成果の指標が今回のこの予算説明補助資料の中に書かれております。それは、昨年末出された外部行政評価委員によります行政評価報告書をもとにして、その目標、それから指標について、さらに改善がされたものだということです。今回、決算、そして行政評価報告書、それから予算説明補助資料を見比べて、目標と指標の設定がいかにこれからの区政の運営に対して大切なことかということがよくわかりました。
最初の質問のタイトルのワンストップの保健福祉相談は、223ページの保健・福祉・医療の円滑な連携による相談・援助の充実が施策の目標に掲げられているものです。施策の目標は、ワンストップで相談とサービス提供ができる場所として保健福祉センターが整備され、区民への認知度が上がり、保健・福祉・医療に関する相談・援助が受けやすいとなっております。区民の方々からいただく相談や苦情も、どこに相談していいかわからない、相談がたらい回しになるといったことが多く、相談するところが区民の方々に明確に伝わっている。たらい回しにせず、その窓口で総合的に相談に乗ることができるということは、施策の目標としては当然大事なことだと思います。しかし、何のための相談かという大切な目的が抜けていると思います。区民の方が必要としているサービスにきちんと結びつけることが相談・援助の目的として必要ではないでしょうか。仕事のための目標設定になっていないでしょうか。区民のための目標というものが目標設定の中から抜け落ちているところがあるのではないでしょうか。区民にとっての満足度を考える視点を持つべきだと思います。
外部評価委員会の評価結果で、成果指標が区民の視点からわかりにくい。何を目的で、だれをどのように支援するのかが不明確との指摘を受けております。今回の予算では、成果指標がこの項では改善されております。しかし、まだ十分ではありません。成果指標が不満足度ということから、支援事例の数ということ、これも保健師さんの活動でというところの支援事例の数ということになっております。ケースワーカーさんの数は、ではどうなのでしょうかとか、もっと指標のとり方がいろいろ工夫できるのではないかと思います。
サービスが利用できるまでに時間がかかったり、福祉サービスというのは利用者が大変その必要性を切実に感じていて、そしてその窓口にいらっしゃるものであるにもかかわらず、手続が大変複雑であったり、サービスが利用できるまでに時間がかかったり、そしてまた、せっかく窓口に行ったのに、あそこに行ってください、ここに行ってくださいとたらい回しになっていたりしております。相談・援助を改善する必要があります。利用者満足度アンケートを各窓口でとってみるなど、迅速に的確に相談・援助が行われたかどうか評価できる指標をさらに検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のように、この成果指標につきまして、現在のもので十分であるとは思っておりません。評価委員会のヒアリングにおきましても、こういった利用者の満足度について反映させてはどうかと。それは直接的に利用者に対するアンケートを行ったりと。そういった提案も受けております。今回、おもてなし運動の中でもそういったことを行うという提案もございますので、こういったアンケート結果等も反映できるように今後工夫してまいりたいと思っております。
○佐藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。また、行政評価報告書の中で外部委員の方から、精神障害者地域自立生活支援センターの一層の充実を期待したいとの評価結果もありました。障害者地域自立生活支援センターも含め、自立支援を行う生活支援センターの拡充策を検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○田中障害福祉課長 現在、国におきまして、支援費制度などの検討、議論が行われてございます。こうした動向も見ながら、どのような形で充実をしていったらいいのかというようなことについて検討してまいりたいと考えております。
○佐藤委員 ぜひ増やす方向で検討していただきたいと思います。
次に、保健福祉センターについてお伺いいたします。
四つの地域保健福祉センター構想については、ずっと質問してまいりました。痴呆性のお年寄りや難病の方や心の病を持つ方たちが地域でふえている中で、身近なところで保健と福祉と医療の連携した総合相談窓口が必要だと考えるからです。保健部門と福祉部門が統合され、保健福祉相談所が開設されて2年目の本年度、相談所が保健福祉センターと名称変更し、四つの保健福祉センターが実現した途端に、保健福祉センターの機能と配置の見直しを行おうとしていることが昨年秋伝えられました。施策目標に書かれているように、保健福祉センターの認知度が上がり、相談・援助が受けやすくなるという目標から遠のきます。いわゆるその施設の名前がどんどん変わったり、場所も位置も変わったり、既に在介センターで区民の方は戸惑いを覚えております。
資料で出していただきましたが、厚生18です。保健福祉センターにおける福祉相談件数のところで、一番多いのはもちろん中部保健福祉センター、北部保健福祉センターですが、南部保健福祉センターでも、鷺宮保健福祉センターでも利用者数はまだまだ多いところです。さらに充実した地域の保健と福祉と医療の連携した総合相談窓口が新たに提案されないと、なくすということの方向性はとれないと思います。区民の満足度向上ということが区政の目標なわけですから、在介支援センターや先ほど言いました自立生活支援センターも含めた総合的な相談窓口の機能や役割や配置について、区民がしっかり見える場所で、意見が言える場所でそういった検討会をつくって検討されてはいかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 施設配置に関しましては、現在、基本構想の策定に合わせて、そういう意味では区全体の施設配置につきまして、今後検討していくことになっております。委員御指摘の、そういう意味では保健福祉の相談窓口等につきましても、当然検討の俎上にはなるわけで、その場合に、御指摘の他の在宅介護支援センターであるとか、あるいは自立支援センター、そういった施設、あるいは今後、高齢者会館が保健福祉部門の所管になっていく。こういったことも含めまして、総合的に検討を進めていきたいと思います。そのための検討体制につきまして、保健福祉部門の中で検討体制はつくってまいります。委員御指摘のように、その中身につきまして、区民の皆様方にわかるように報告させていただくようにしたいと考えております。
○佐藤委員 ワンストップで相談とサービス提供ができるということが目標なわけですから、そういう相談の窓口のあり方について、しっかりとさらにサービスが向上するような形で検討をしていただきたいと思います。また、利用者に総合的に、では現在の保健福祉センター、あるいは在宅介護支援センターで情報が提供できているかというと、そういうふうでもないという御意見もいろいろ聞きます。関係機関をしっかりと支援できるようにするのが保健福祉センターの役目だと思います。そのためには、保健師、ケースワーカーがしっかりとさまざまな情報を持っていることが必要ですが、果たしてそういうことに積極的になられているのでしょうか。保健師、ケースワーカーさんが積極的にさまざま必要とされる研修にみずから参加することができる体制を整えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 現在でも必要な研修には極力参加するようにしておりますが、確かに現在、業務の関係で十分出てこられないといったところもございます。この点につきましては、職員のスキルアップというのは非常に重要な点だと考えておりますので、極力参加できるように努めたいと思っております。
○佐藤委員 次に、在宅介護支援センターについてお伺いいたします。
高齢者及びその家族などが困ったとき、いつでも気軽に在宅介護支援センターに相談し、区の必要なサービスを利用することによって、安心して地域で暮らすことができることがこの事業の目標として掲げられております。しかし、介護保険の申請ができても、さらにその後の福祉サービスについては申請できないというふうに断られたり、あっちに行ってくださいと言われたりというふうな苦情の声も聞きます。総合的な情報提供や相談にしっかり応じていただいているのかどうか。たらい回しになっているのかどうか。あまり民生委員の方々の評判もよくないというふうに聞いております。在宅介護支援センターは民間事業者に委託がされております。介護サービスを受けたければ、介護保険の申請・相談サービス提供がワンストップでできる、同じ民間事業者のケアプランをつくってくれる近くの居宅介護支援事業者にした方が早いし、そことどう中身が違うのか。在宅介護支援センターと中身が余り違わないということになります。何のための在宅介護支援センターなのか。さまざまな福祉サービスや支援の申請もできるようにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 在宅介護支援センターにつきましては、今年度から7カ所から9カ所に拡大し、そういう意味では地域における高齢者の総合的な相談の窓口として充実させていこうということで始めてきております。委員御指摘のような面につきましては、とても耳の痛いというか、不十分な点なんですけれども、この点につきましては極力、そのもとであります基幹型在宅介護支援センター、中部及び北部の保健福祉センターの方から指導を行っており、そういったことについては改善していくように日々努めております。
そういった苦情よりも、我々が一番現在課題と思っているのは、やはり認知度が足りないという点でございまして、そういう意味ではもっともっと在宅介護支援センターを活用していただきたい。そういう意味では、そういった悪い評判が立たないように努めてまいりたいと思います。
なお、在宅介護支援センターでは、他の高齢者に関する福祉サービスの申請は現在も受け付けております。その点につきましても、では直接ケースワーカーへのつなぎとか、その点についてもっと改善の余地があろうかと思いますので、その点はスムーズに進めていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 あらゆる申請にも、相談にも対応できるようにしていただきたいと思います。これからの高齢者介護における在宅介護支援センターのあり方についての中間報告が昨年、厚生労働省の委員会から出されました。委託先の在宅介護支援センターの運営が適切に行われていることを常に確認すべき行政責任を自治体は有している。在宅介護支援センターによるさまざまな活動を客観的に評価する基準を策定し、それに基づいて評価すべきであるという考え方が出されました。基幹型在宅介護支援センターを含めて、事業評価を実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のとおりで、そういう意味で委託元である区として、各在宅介護支援センターの委託内容がしっかり実施されているか。これにつきましては現在もチェックを行っておりますが、客観的な評価指標等、その辺は今後研究いたしまして、そういったものを取り入れて、しっかり評価できるように考えていきたいと思います。また、先ほど全体の方で御指摘がありましたように、利用者の満足度なり、そういったことも指標として取り入れていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 使いやすい支援費制度についてお伺いいたします。
240ページの難病患者とホームヘルプサービス、重度脳性麻痺者と介護員派遣制度が事業内容として含まれている障害者生活援助の目標は、障害者の日常生活を円滑にするために、障害者及びその家族が必要としている在宅福祉サービスを提供することを目標とすると書かれております。その隣の在宅支援の事業名のところの目標は、支援費制度として、障害者の割合を高めるとともに、ホームヘルプサービスの利用回数の増加を図ることを達成する支援費制度に関する情報をさまざまな機会に提供することを目標とする支援費の情報提供が主になっております。これはその後のページ、243ページの保健福祉制度のところでも、対象とする顧客、顧客という使い方、利用者はそういう使い方、さまざま出ておりますけれども、顧客という使い方でその支援費制度に関する情報を提供することを目標にすると書かれておりますけれども、これは支援費が始まったときなら、本当にその目標をしっかり掲げて徹底させることが必要ですけれども、始まって今現在求められているのは、そのサービスをきちっと必要な方に届かせることができているかどうかということを目標にすべきだと思います。それも利用者が必要なだけ素早くサービスが受けられているのかどうか。それが使いやすい支援費制度の条件だと思います。目標の設定の仕方をさらに区民の立場に踏み込んで、もう一度考えていただきたいと思います。
しかし、利用者数やサービス量がふえてくると財政問題が起こるということで、この新聞記事にもあります。障害者支援費制度の行方。膨らむ裁量、足りない予算。障害者みずから選ぶ福祉を掲げた支援費制度が始まったけれども、では、それに対して国の補助金は大幅に足りなくなりそうだ。自治体は予算確保を厚生労働省に求めているが、展望は見えてこない。これから障害者に必要なサービス提供がされない おそれがある。また、この中、障害者福祉に何が必要かということで、国会議員の討論、また各自治体の長の討論が介護保険の実態を探るというふうな新聞の記事が載りました。安易な統合は問題であると公明党の議員の方がおっしゃっていたり、また、税だけでは不安であるとある市長が言っていたり、当事者参加が鍵であると千葉県の知事が言っていたりということで、今さまざまな議論に入りかけている途上にあると思います。
施設から地域へという流れ、これは確実に根づいているところだろうと思います。支援費制度は障害者の社会参加を支えております。介護保険の支給量に条件や制限を設けるものではありません。介護保険と実態との議論の中でどこを一緒に考えるべきなのか、どこはきちっと障害者を支えるために守るべきなのか。そういうところも見据えていかなければならないと思います。何をどんなふうに構成するのか、どう生み出していくのかの議論を私はしっかり行っていくべきだと考えております。目標に基づいて今後ともサービス時間を制限せず、必要なだけサービスを提供するべきであると思いますが、お考えをお伺いいたします。
○城所中部保健福祉センター所長 現在の支援費の決定、これは中部保健福祉センター及び北部保健福祉センターで行っておりますが、これは申請に基づきまして、あと御本人の身体状況、あるいは生活状況、あるいは介護者等の支援の状況、これらを調査いたしまして、これらを総合的に勘案して、その方の必要量ということを判断し、決定していると。このやり方で現在行っております。そういう意味では必要に応じた量を決定していくと。こういうやり方で現在行っており、これで続けていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ぜひ必要なだけサービスを提供する方向で頑張っていただきたいと思います。目標や指標に必要とするサービス提供をすることを入れていく。平均利用時間数を指標に入れていくことが必要だということを言いましたけれども、これに関してはいかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のページ、現在では障害福祉課の所管、要するに決定した後の支出行為を行っていく、そういった部署及び、それから普及啓発を努める部署の目標設定、それから私どものように相談に乗っていく部分での目標、そしてその指標設定、これらは委員御指摘の部分もございますので、先ほども成果指標につきましては、利用者の満足といった視点も含めて、今後、この設定につきましては工夫してまいりたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ぜひ当事者の声を聞きながらの方向性をつくっていただきたいと思います。
○平島委員長 それでは、佐藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
午後1時まで休憩いたします。
委員会を休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後1時01分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。
要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり2件の資料が追加提出されておりますので、御承知おきください。なお、残りの資料につきましては、若干でありますけれども、理事者も鋭意努力しておりますので、御了承願いたいと思います。
それでは、質疑を続行いたします。佐藤ひろこ委員、お願いいたします。
○佐藤委員 権利擁護センターについてお伺いいたします。
サービス利用者の権利を守ることについてのところでは、外部評価結果は、高齢化に伴う増加に対して抜本的事業の企画が必要とされています。今回の予算案で出された権利擁護センターはそれにこたえるものにならなければならないと思います。権利擁護センターは新規事業となっていますが、地域福祉権利擁護事業や財産保全サービス事業、成年後見人制度個別相談会は従来から行っていたことです。予算案では新しく何か変わるのかが書かれておりません。今までの事業とどう違うのか御説明いただくとともに、これは社会福祉協議会の事業への補助金として出されております。社会福祉協議会の新規事業であります。その社会福祉協議会に権利擁護という仕事を任せればいいということでは済まないと思います。ケースワーカーの取り組みなど行政として権利擁護のために行う役割の強化策についても同時にお伺いいたします。
○川崎保健福祉課長 お答えいたします。
まず初めに、権利擁護センターの仕事でございますが、今、委員からお話がありましたように、これまで社会福祉協議会が実施をしていたものも含まれておりますけれども、これまで行っていました福祉サービスに関します総合相談を拡充することですとか、あるいは日常金銭管理について新たな取り組みをすること、そしてまた成年後見制度についての相談ですとか支援につきましても、新たな取り組みとして行うことでございます。
なお、この事業につきましては、社会福祉協議会に対する補助という形をとりますが、中野区としても権利擁護、これについては重要な課題であるということで、その一つの取り組みとして進めるものでございます。
そして、その権利擁護センターができたから、そこにすべてをゆだねるということではありませんで、区としてもこれまで行っておりました権利擁護の取り組み、保健福祉センターを中心とする相談事業など、こういったものについてはしっかり充実をしていきたいというふうに考えております。また、とりわけこの問題につきましては、何よりも職員の意識の向上、そしてまた知識を身につけるということが大切でございますので、そういった意味で権利擁護に関する職員研修などについても充実を図っていきたいというふうに考えております。ついせんだっても、成年後見に関する部内研修を実施をしましたところ、60人を超える職員が参加をしたということで、職員の意識も高まってきているものというふうに考えております。また、権利擁護センターが立ち上がった暁には、その日常的な連携、また定期的な情報交換の仕組み、これらについてもしっかり築いていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 権利擁護については、職員にしかできないことがあると思います。社協の職員と連携の上で、きちっと権利擁護のシステムが行えるようにしていただきたいと思います。
福祉サービスの苦情処理についてが新しくこの権利擁護センターにかかわる事業ですよね。先ほどおっしゃいましたか。社会福祉協議会が事務局となって、介護保険事業者が第三者機関を設置し、苦情処理に当たるということですけれども、事務局の担う役割、協議会が設置する第三者機関の役割は何でしょうか。協議会に加入していない事業者にも効力があるのでしょうか。対象となる事業者の範囲はどこまでなんでしょうか。どういった権限に基づいて勧告が出せるのでしょうか。どこまでの役割を担われるのか、お伺いいたします。
○川崎保健福祉課長 まず権利擁護センターの役割ということでございますけれども、その事業者協議会が設けます第三者的な苦情処理の機関、これについての窓口ということで、その事務局を担うということになります。権利擁護センターそのものが福祉サービスに関します総合的な苦情対応の機関ということでも機能していくわけですけれども、その事業者協議会が設けます第三者機関の事務局という役割を果たしていきます。そして、その事業者協議会に加入をしていない事業者のサービスに関する苦情が来た場合にどうするかということでございますけれども、これにつきましては基本的に事業者協議会の加入を促した上で、その対応を図っていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 保育サービスもそうですけれども、これから福祉サービスを民間で行うことが多くなる中で、民間で行う公共サービスが適切に公平に実施されているかどうか、区民に見えるようにしていくこと、区民が意見を言えるようにしていくこと、不適切、不当な扱いを受けたときに申し出がしやすいようにすることが必要です。関係機関の調整に当たったり、解決策を考えたりする身近な問題に対応するための、当事者同士のトラブルを解決するための橋渡しとしての役割が重要だと思います。それが権利擁護センターの役割の大きな一つではないかというふうに私は思います。
これは、北海道のNPOで行われております市民参加の苦情解決システムです。社協は公共的な色彩を持つ社会福祉法人ですけれども、そこがいわゆる市民参加の苦情解決システム的な役割を持っていく、市民オンブズマン的な役割に近い役割を持っていくことが必要だと考えます。区長も所信表明で、これからの時代の対応として、行政がサービスの質を監視したり、利用者からの苦情相談対応を確立する第三者評価の仕組みをつくることが行政にしかできない働きであるというふうに述べられております。それを的確に実施していきたいと述べられております。区民が不当な扱いを受けたときに、苦情処理をするシステム、装置としての行政介入の仕組みも用意することが必要だと思います。苦情解決のシステムと装置について、社協の行う権利擁護センター、そして行政の責任として行う苦情処理のシステム、総合的にどのように考えているのか、お伺いいたします。
○川崎保健福祉課長 今、御意見にありましたように社会福祉の基礎構造改革の中で、福祉サービスについてさまざまな事業者が参入できるような状況となっております。一方、それにあわせまして、福祉サービスを提供する側にしっかりした苦情の仕組みを設けるように、そういったことにも努力義務が課せられているところでございます。そういった意味で行政といたしましては、そういったサービス提供事業者に対して、一つは、苦情の処理の仕組みをしっかり築いていくこと、また、そこから得られたものをしっかりサービス向上に結びつけていく。そのような働きかけをしていくべきだというふうに考えております。また、行政といたしましても、各種法体系の中で指導権限などがございますので、そういったものについて適切にコーチをしていきたいというふうに考えています。
○佐藤委員 社協の事務局の役割ですよね。それが大変大きなものになると思います。その事務局の役割が、いわゆる市民オンブズマンに近い役割を持つと考えますので、それに対するサポート、人員配置のあり方もしっかりサポートしていただきたいと思いますと同時に、区のそれぞれの窓口にしっかりと苦情解決の担当者を置いて、そことの連携の上でやっていける体制を区の方でも、行政の方でもきちっとつくっていただきたいと、これは要望とさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、特別支援教育についてお伺いいたします。
ノートテークなど学習介助員についてお伺いいたします。分離教育から統合教育への世界的な流れを受けて、昨年12月、東京都の検討委員会は特別支援教育のあり方について最終報告を出しました。一人ひとりのニーズに応じた教育の展開を目指していくとなっております。通常の学級にいる間の支援策をもっと示す必要があると思います。特別な支援を必要とする子どもたちにトータルの支援を、中野区では介助員を自立支援として配置している、車いすのお子さんなどに対して配置している仕組みも持っております。聞こえにくいお子さんの場合、あるいは目の見えないお子さんの場合などについても、さまざまな介助を配置する仕組みも考えられてもいいと思います。耳の聞こえにくいお子さんの場合には、ノートテークなどもできるように、本人が必要に応じて選んで使えるさまざまな支援ができるようにするお考えはないか、お伺いいたします。
○篠原学校教育課長 お答え申し上げます。
現在、通常学級に在籍いたします高度難聴の児童・生徒に対しましては、校外学習、それからプール指導の際に安全確保のために介助員を配置していることがございます。今、御指摘のノートテークにつきましては、教員が黒板に書く板書が少ない教科がございます。そうした支援が必要になる場合もございますので、今後は現在配置されております学習指導補助員などを活用するなど、実態に即した対応をしていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ぜひ通常学級に通われている間も支援できるような仕組みを整えていただきたいと思います。
特別支援教育は、障害別に細かく子どもたちを分けていく考え方が払拭できないことについては、私は疑問を感じる立場ですが、地域の学校で個に応じた支援をしていこうという方向性については、ノーマライゼーションの観点から前進だと感じております。障害別に学級を設置していくやり方から、地域の学校で個別の必要性に応じて、本人と保護者の意思に基づき、専門家を派遣し、支援をしていくやり方、これを中野区で前倒しで始めてみてはいかがでしょうか。
○篠原学校教育課長 今、国や東京都におきまして、特別支援教育に向けた考え方が示されております。それを踏まえまして、区としても一定の考え方を整理する必要があるというふうに考えてございまして、その中で保護者や教員の意見を聞きながら検討をしていきたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 ぜひ専門家の派遣をその保護者や御本人の意思に基づきやっていく仕組みを考えていただきたいと思います。
次に、人間関係づくりの学習についてお伺いいたします。
先日、中野区医師会主催のコミュニケーションスキル研修会にはっとり議員と一緒に参加してまいりました。人間関係づくりを学ぶということで、鳥取県赤崎高校のレクリエーション指導授業に取り組む高塚教諭の授業を受けました。大変感動の体験でした。高校生に人のことだけを考えてみよう。相手のことだけを考えてみる。そういう体験をさせるために、保育園での実習、特別養護老人ホームでの実習をイベント的ではなくて、2年生から2年間、週1回2時間にわたる授業がずっと通常正規の授業の中に位置付けて行われてまいりました。その中で、高校生は保育園児とのかかわりから、人に役立っている自分を発見することができるという実践をお伺いしてきました。
これはその高塚先生がつくられた、自分を好きになっていく。自分の価値をその中で見つけていく。人のためになることが自分の価値である。保育園のお子さんを入浴させている3年生の男のお子さんです。保育園の先生から「おふろに入れてあげて」と言われて、思わず「マジですか」と言ってしまいました。最初は怖かったですよ。力も入ったし。それに、泣かれてしまってどうしようって。でも、だんだん普通の表情になってくれて、ほっとしました。本当にいい表情をしております。
これも男の子が保育園にいるお子さんをおんぶしております。こんなちっちゃい子をおんぶしたのは初めてでした。やわらかくて、ちょっと重くて、命の大切さを感じたかなという、そういった笑顔の瞬間でした。こういった中野区でも人間関係づくりの学習にぜひ取り組んでいただきたいと思います。まず先生方、教師の研修から、赤崎高校での取り組みを学んではいかがでしょうか、お伺いいたします。
○小林指導室長 区内の小・中学校におきましては、総合的な学習の時間等を通しまして、体験的な活動において人間関係を深めたり、課題を解決する力を高めたりするものを行っているところでございます。今後一層指導を充実させていくために、このような事例を参考にしながら教員研修を進めてまいりたいと思っております。
○佐藤委員 この高塚先生は主に医師会、全国の医師会に呼ばれて研修を重ねられております。お医者さんが患者さんに向かわれるときも、そういった対応も人間関係づくりということで大変参考になるということで取り組みが進められております。この赤崎高校は、このようなすばらしい取り組みを行っているにもかかわらず、小規模校ということで来年度で廃校になってしまいます。統廃合されてしまう学校です。ぜひ来年度中に何らかの形で、この中野区でも研修の実現に取り組んでいただきたいと思います。
次に、性教育の実践についてお伺いいたします。
教育委員でもいらっしゃる山田正興さんは小児科医、そして産婦人科医師です。そこのところに14歳、16歳の10代の女の子が妊娠を確かめに駆け込んでくるケースがふえてきたというお話を聞いて、「診療の中から見えてくる若者の性の問題」というタイトルで講演会を開かせていただきました。民生委員や人権擁護委員の方々もたくさん参加していただき、改めて性の問題を学ぶことができたと好評でした。専門家の立場から性に関してのきちっとしたお話が聞けたと思います。
山田医師が驚かれたのは、これほど性情報が氾濫しているのに、正しい性の知識を子どもたちが持っていないことでした。駆け込んでくる子どもたちが、自分は妊娠しないと思い込んでいるということ。山田医師は、小学校、中学生などに対して、性についての授業を現在行っている。相手を大事にする心を育てる授業を行っている。そのたくさんのパワーポイントの資料の中から何枚か御紹介いたします。
産婦人科医師として中高生へということで、これは超音波の胎児がこの中にいるよということ。赤ちゃんが欲しいということだけでなく、みんなの御両親のようにちゃんと育てる力を持つ大人になってほしい。
思春期の男女交際で大事なこと、人としても大事なこと、優しさと勇気であるということの中で、文科省エイズ教育推進地域事業に中野区も参加していらっしゃるということも報告されました。後で指導室長の方からぜひ御紹介をいただきたいと思います。小学校の教科書にもエイズについてこのように簡単に教えていて、その中で命、体、心を尊重し合う子どもの育成を行っているということなどがこの中で話されました。エイズ教育の状況について、また、これからその産婦人科の先生などの専門性を生かした形での性教育への取り組みを進めるのも一つの方法だと思います。今後どのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。
○小林指導室長 本区におきましては、平成14年度から文部科学省よりエイズ教育・性教育推進地域事業の指定を受けまして、推進校におきまして、性にかかわる指導の充実、方策を研究しているところでございます。今後はその成果を生かすとともに、医師会等との連携を深めるなどして指導の充実を図ってまいりたいと思っております。
○佐藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、順番を変えまして、区民の声を受けとめる区政についてお伺いいたします。
先ほど資料でやっと配られました中野区経営改革指針の進捗状況一覧表、この中で手ごたえのある区民参加という項目に当たると思います。手ごたえのある区民参加は現区政の柱となるところです。しかし、区民の声を聞いていないのではないか、区民の声が反映されていない、説明責任が果たされていないという声を大変聞きます。大変胸が痛むところです。では、その声自体はどうなのかということで、中野区の世論調査、先日出ました結果です。これは昨年の夏に行われたということですから、半年余り落差はありますけれども、「区民の意見や要望などが区政に反映されていると思うか」のところでは、「反映されている」「どちらかといえば反映されている」、合わせて肯定層が20.4%、「どちらかといえば反映されていない」「反映されていない」を合計した否定層は31.1%。「反映されていない」と否定層の方が多いという結果が出ました。
また、「区が区民の意見や要望などを聞く姿勢について、どのような点を最も改善する必要があるのか」という質問に対しては、「区民の意見や要望が区政にどのように反映されたのか結果の説明をしてほしい」が33.4%と最も多い結果が出ました。この結果の説明については、例えば区長と区民の対話集会なども一つひとつの質問についてホームページなどでも公表されておりますし、さまざま結果の説明について話されているはずであるにもかかわらずです。
それから、「区民が意見や要望を発言しやすくする工夫をしてほしい」これが18.5%でした。今まで区民の声を集める仕組みにプラスして、対話集会、またアイデア便など、区長に直接意見を届ける仕組みが新たに加わった。けれども、もっと工夫をしてほしいという声が届いているということです。ここのところで、御質問ではありませんけれども、障害者の方への配慮をしてほしいという御要望も先日、聴覚障害者の方たちからいただきました。要約筆記を入れたような、そういった配慮をした区民対話集会を設置してほしいという御要望もあるところです。
また、「意見や要望への迅速な回答をしてほしい」これが17.5%で、ほぼ同率で出ております。迅速な回答というところでは、1週間で回答するという目標を立てているということがこの予算の説明資料の89ページのところ、広聴のところですよね。成果指標の中に「区民の声を聞く」に1週間以内に対応できた割合ということで、その率を上げていこうということが成果指標で示されております。今まで以上に区民の声を反映させる窓口を設け、反映状況についても説明している資料を今回出していただきましたけれども、反映させているという状況なのに、なぜこうなってしまうのか。どう分析されているのか、お伺いいたします。
○鈴木広聴広報課長 この「あなたは、区民の意見や要望などが区政に反映されていると思いますか」こういう世論調査の問いに対しまして、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、肯定的なお答えが20.4%という形になっております。この数字が直感的な印象を述べているのか、あるいは御自身や身近な方の具体的な体験からの思いなのか、なかなかその辺、不明な点もございますけれども、もっと肯定的な感想をお持ちの区民をふやしていくことが大切だというふうに考えております。一つひとつの区民の皆様の御意見にきちんと、そして素早く対応していきながら、区民の意見をきちっと受けとめていく区政であるという評価を区民の皆様の間に広めていくことが大事だというふうに考えております。そのことが区政の信頼性を高めることにもつながっていくことだというふうに認識しております。
○佐藤委員 区民の声を反映する仕組みについて、PRが足りないのではないかと思います。パブリックコメント制度についても、昨年9月に実施されましたけれども、それが具体的な案件とともに発表されたのは12月になってからでした。もっとさまざまな区民参加の手法をPRすべきだと思います。それを柱にしている区政ですから、そこに対して重点を置くべきだと思いますが、いかがでしょうか。例えば、先ほどむとう委員からも御指摘がありましたけれども、パブリックコメントについては、要綱の中で、案件を公表した日からおおむね3週間としているにもかかわらず、安心安全まちづくり条例についてはわずか10日間という期間しかなかったという実態になっております。計画立案段階からの区政ということが望まれていて、パブリックコメントの要綱の13条では、計画立案段階からのパブリックコメントに準じた手続を行うように努めるものとするというふうに書かれております。今後、PRについて、また、これからパブリックコメントに対する取り組みについてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
○鈴木広聴広報課長 パブリックコメント手続は、区民意見を踏まえて区が意思決定を行うことによりまして、区民との協働による開かれた区政の推進を図ることを目的とした仕組みでございます。区といたしましては、区政への区民参加のための重要な仕組みと認識しております。パブリックコメント手続は、先ほど委員御指摘のとおり昨年9月からスタートいたしまして、これまで四つの案件について実施してきたところでございます。まだ件数が少ないこともございますし、そういった意味で区民に十分知られていない状況というのは確かだというふうに認識しております。
今後の周知につきましては、ホームページへの常時の掲載とともに、区報へ案件を公表する際に、パブリックコメント手続の概要についてもあわせてわかりやすく説明するように努めてまいりたいというふうに考えております。加えて、案件によっては関連施設でのポスターの掲示、あるいはチラシ等の配布などについても工夫していきたいというふうに思っております。
それから、13条という御指摘ございましたけれども、13条と申しますのは、特に区民等の提案等を取り入れる必要があるものについて、立案または検討の段階からパブリックコメント手続に準じた手続を行うよう努めると。そういった内容の条文でございますけれども、この条文につきましては、実際これまでこれに該当する案件はございませんでしたが、これから庁内各部に向けて16年度の広聴事項調査というものを行う予定でございます。その中でパブリックコメント案件についても調査を行うこととしておりまして、その際、13条に該当する案件につきましても、庁内にパブリックコメント制度上の仕組みであることを十分周知するとともに、13条の活用についても監視をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ホームページとか区報だけではなくて、常時、区民の方の目につくところ、いわゆる施設ですね。ポスターを配置したり、チラシを置いたりということで、区民参加の仕組みについてしっかりPR、そしてしっかり実施していただきたいと思います。
中野区では基本構想の改定が現在進められております。世論調査によりますと、「知らない」が67.5%、「知っている」が31%でした。区民の大きな構想、そしてこれからの計画です。また、自治基本条例についても区民の大多数に関心を持っていただかなくてはいけない大事な案件です。この前、はっとり議員の方からも質問がありましたけれども、大和市では、「大和市自治基本条例ただいま策定中」とか書いたものをいつもいつも目に触れる、こういったペーパー、封筒に書き込んでいる。一番大事な柱となることをいつもいつも区民の目に触れるところに書き込んでいて、でき上がってからじゃなくて、今、策定しているんだよ、その最中なんだよということをしっかり知っていただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○合川基本構想担当課長 基本構想改定につきましては、これまで区報、それからホームページ、それからメールマガジンの発行等、検討の状況につきましてPRまたは情報の提供をしてまいりました。また、3回の基本構想シンポジウム等を開催をいたしまして、多くの区民の方々が活発に論議ができるように工夫をしてまいりました。
自治基本条例につきましても、さまざまなそういった広報媒体を使いまして、PRをしていきたいというふうに思います。これからも基本構想改定、あるいは自治基本条例の制定につきましては、委員の御指摘も踏まえまして、さまざまに工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 もうあっちこっち目につくところには全部ポスターがぺたぺた張ってあるとか、手にするいろいろな区からのものには全部そういうふうに書き込んであるとかというぐらいの周知を区民の方に図るべきだと思います。それが市民を巻き込んでいくこれからの参加の手法、PIということもこの前、はっとり議員から取り上げてもらいましたけれども、そういうことだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、わかりやすく納得できる区政の目標と成果についてお伺いいたします。
今回の予算案の特徴は、先ほど申しましたように目標と成果指標がしっかり書かれていることです。目標を明確にし、来年度の到達点をはっきりさせる目標と成果による管理をはっきり打ち出した、中野区では初めての予算に踏み込んだことは大きく評価できると思います。全事業を見直し、目標によって組み立てていったこの間の職員の方たちの御努力、本当に大変なものがあったと思います。細かないろいろなことで、何をしているんだかわからない、先が見えないという中にあったことが、やっとどんどん日の目を見ていく状況に今あるのではないでしょうか。そしてさらに4月からは、組織自体を目標に合わせた体制にしていきます。さらに厳しい努力を重ねていかなければならないと思います。
市民参加型の行政評価を目指す工夫をぜひしていただきたいと思います。公募の委員を入れることには一歩踏み出しております。志木市はもっと公募を、全部公募でやっております。全部公募でできるのかなと言ったら、専門家を公募で入れているということをやっている。区民の意見を求める仕掛け、仕組みの工夫など、外部評価委員も指摘しておりますが、区民から意見をもらう場としてのフォーラムや説明会の開催、区報などで興味を引く公表の仕方、これからどのようなことを考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○長田経営改革推進担当課長 行政評価は、区民の視点で区の仕事を見直すものであり、評価結果に多くの区民が関心を持つことが重要であると考えてございます。これまで区報、ホームページに見やすさを工夫し、公表をしてきておりますが、区民の声を求める工夫など、さらに検討を重ねてまいります。
○佐藤委員 行政評価は、区の職員の意識啓発が目的ではありません。それは結果として出てきているものであって、本来は区民に行政を評価していただく。そして、区民の価値が実現する、そういう区政をつくっていくことに目標があると思います。日常的に区民の満足度調査、また窓口の利用者アンケート、インターネットを活用した投票システムなど、区民がかかわれる仕組みを実施してはいかがでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 行政評価の指標につきましては、行政活動の実績だけではなくて、区民の満足が図れるもの、そういったものを指標にとる努力をこれまでもしてきております。今後、各セクションでは、おもてなし運動推進とあわせまして、指標の中に区民満足度を取り入れていくこと、そして窓口での利用者アンケート等を実施していくことを計画しているところでございます。
○佐藤委員 区民の方が、区が目指す目標に向けてどのように成果を上げたか評価できるようにしていく。そういう意味で指標は区民にわかりやすいものに設定されている必要があると思います。この指標を考え出すのに本当に御苦労されていると思います。この予算書の中でも、この指標についてどうなんですか、この数字はどうなんですかと聞くと、なかなか答えられない、難しいという状況にある。この適切な指標を見つけていくことがこれから大切になってくると思いますが、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○長田経営改革推進担当課長 委員御指摘のように、区民の視点から成果指標を適切に設定することが行政評価の重要なポイントであるというふうに考えてございます。これまでの行政評価の経験を踏まえながら、外部評価委員の意見、指摘に謙虚に耳を傾け、それぞれ各部の現場で議論を重ねながら、改善にさらに努力をしてまいります。
○佐藤委員 適切な目標が設定されているのか、常に検討していってほしいと思います。目標を区民にしっかり伝えることも必要だと思います。せっかく各事業ごとにつくられた目標、これがいつも伝わるように区民へのそれぞれのセクションで出される配布物に、私たちはこういう目標で仕事をやっておりますと、常日ごろからそういうメッセージを入れ、自分もそのメッセージを見ながら、その目標に向かって仕事に当たる。区民にもその目標を伝えることができる。そういったことを考えられてはいかがかと思います。
○長田経営改革推進担当課長 目標を区民と共有することは非常に大切なことであるというふうに考えます。今後も効果的な方法を検討していきたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 行政評価の仕組みについて、中野区は要綱で定められております。これを条例に検討してはいかがでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 今後、自治基本条例を検討する中で、行政評価を含む区民との情報共有のあり方等について幅広く検討をしてまいる考えでございます。
○佐藤委員 ぜひ条例にしていただくように、入れていただくように御検討ください。
最後に、監査事務局が今回、外部評価委員の方からも御指摘がありましたけれども、行政評価の対象になっておりません。これを来年度は対象とされていくおつもりはあるのでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 これまでも監査事務局とは意見交換を重ねてまいりました。来年度につきましても、さらに意見交換をしながら検討をしてまいります。
○佐藤委員 ぜひ目標による管理は、監査事務局もその区役所の中で仕事をしている限りにおいては必要なことだと思います。すべての業務が行政評価の対象となるように御努力をしていただきたいと思います。
この間、行政評価について改めて勉強をさせていただきました。行政評価のホームページ、ごらんになっている方もいると思いますけれども、一番クリックされているところを見てみたときに、そこの中の言葉、書かれていた、いわゆるそのホームページをつくられた方が書かれていた言葉を読ませていただきます。
だれもが今の行政、仕事の進め方はおかしいと思っている。しかし、時は連綿と流れ、何も変わらない。問題意識があきらめに、そして文化につながっていく。横並びや前例踏襲の文化は多くのマイナスを生む。私は、行政や職員に経営やマネジメントの考え方を取り入れてもらうことを目指しているが、とても簡単に受け入れられることではない。今、流行のニューパブリックマネジメントも上辺の手法をまねているにすぎず、文化を変革するまでには至っていない。でも、プラス志向で考えてみよう。全国の先進事例を畳みかけるように見せ続けることで、また行政に合うシステムを提言し続けることで、きっと行政の価値観にも揺らぎが起こると信じている。最後に、私の好きな言葉を添えたい。思いはかなう。これは「プロジェクトX」にも出てきている言葉だと思います。
この方に質問があって、メールをさせていただきました。そのメールのお返事が返ってきて、本当にまた私、感動したんですけれども、この行政評価のホームページをつくられているのは、札幌市で14年間、現在も生活保護の職に携わっている職員の方でした。たまたま途中で4年間ほど行政評価の職に移られて、そして中で行政評価のすごさ、これこそ時代を、行政を変えていくものだということで研究を始めた方が、全国にいわゆる影響を与える、そういったホームページをつくられ、札幌市の一職員の方が、いわゆる全国を変えていく、そういった発信をなさっております。そういったお返事を見て、ああ、本当に一職員の方が地域から国を変えるということはこういうことなんだということを改めて感じさせていただきました。
中野区の職員の方たち、さまざまきっと有能なお力を持っていらっしゃる、思いも持っていらっしゃると思います。今あることの先が見えないということもあると思いますけれども、思いはかなうと思います。きっと地域で一つひとつやっていく実践が大きく国を変えていくことになると思いますので、ぜひ頑張っていただきたい。その言葉を申し添えて、終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
○平島委員長 以上で佐藤ひろこ委員の質疑を終了いたします。
次に、久保りか委員、お願いいたします。
○久保委員 平成16年第1回定例会に当たり総括質疑をさせていただきます。初めての質問で大変緊張しております。理事者の皆様には誠意あるわかりやすい御答弁をお願いいたしまして、質問に入らせていただきます。
まず初めに、上鷺宮地域のバス路線設置について伺います。
上鷺地域から中野駅周辺へのバスアクセスは、長年にわたっての地域からの要望であり、多くの先輩議員からも質問があったことは御承知のとおりです。平成19年開院予定である警察病院への上鷺宮、鷺宮からの直接アクセスの確保は区政の課題ではないのでしょうか。事業部制での事業の責任を持つ部の長として、この上鷺宮地域の区内アクセスの問題に対する認識を伺います。
○石井都市整備部長 区内南北それぞれ一部の地域から、この中野駅周辺への交通アクセスにつきましては、これまで区の長い間の懸案事項であります。南部地域につきましては既にめどが立ったところでございますけれども、この北部につきましては未解決という状況でございます。御指摘にように警察病院ができることによりまして、新たな需要も想定されるということがあろうと思っております。我々といたしましても、16年度中には、この北部地域についての一定のめどをつけてまいりたいというふうに考えてございます。そのような決意のもとに調査費を今回計上させていただいておるというところでございます。しっかり取り組んでまいりたい。
○久保委員 平成16年度補助資料によると、新規事業の想定メニューは、バス・タクシー事業者による運行調査ということですが、この調査の目的は何ですか。
○登交通対策課長 これは、バス・タクシー事業者による新たな路線の実現に向けた検討ということでございます。
○久保委員 上鷺宮地域では、住区協議会での検討の結果、地域の中をバスが走ることに対し反対の声や、いわゆるコミュニティバスのように地域を細々と走るバスは地域になじまないといった御意見があったというのは本当でしょうか。
○登交通対策課長 昭和57年でございますけれども、上鷺宮住区協議会で、バスが住宅地内に通るということにつきましては反対であるという結論を出しております。現に上鷺宮地域につきましては、かなり厳しい交通規制がございます。時間規制、それから車幅制限等がございます。ですから、今後、コミュニティバスの検討に当たりましても、一定の地元の調整というのが必要だろうと思っております。
○久保委員 大変厳しいというお言葉がございました。まず当面はバスのスタイルにはこだわらずに、本来の路線新設を考えてみてはいかがでしょうか。幹線道路を走るバスならば、シルバーパスも利用できます。警察病院を利用する高齢者の方にも喜ばれるのではないでしょうか。この際、新青梅街道のバス路線を実施して、警察病院など警大跡地施設や中野駅へのアクセス確保を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
○登交通対策課長 確かにこれまでのコミュニティバスの検討では住宅地内を通るということを想定しておりました。ただ今、委員おっしゃったようにバスのルートにつきましては、ただ幹線道路だけを通るとか、いろいろな形態、それからバスの車両の大きさにつきましてもいろいろな形態、こういったものを新しい視点で考えていきたいというふうに思っております。
○久保委員 ぜひ御検討ください。この路線バスに東京都高齢者生き生き事業への補助を使うことは可能でしょうか。
○登交通対策課長 断定はできませんけれども、高齢者生き生き事業の補助金、つまり、バスの導入時の車両購入費の一部、それから運行経費につきましては3年間の一部補助、これにつきましては恐らく対象になるだろうというように考えております。
○久保委員 警察病院に関連して伺います。警大跡地や中野駅周辺のまちづくりに対し、国土交通省が来年度創設予定のまちづくり交付金は活用の可能性はあるのでしょうか。
○服部都市計画課長 お答え申し上げます。
国では、来年度からまちづくりに関しまして、区市町村の裁量や権限の拡大をねらいといたしまして、交付金制度をつくる予定と聞いております。この制度は、これまでのいわば縦割といいますか、制度間の枠を超えまして、ハード面とソフト面をあわせまして、地域経済や地域社会の活性化を図るものでございまして、そういう認識してございます。区といたしましては、現在、都を通して入手いたしました交付金活用のイメージ、こういった活用があるというさまざまな具体例を検討してございまして、その中で駅へのアクセスの向上というところで、必要な基盤整備とあわせまして、循環バスの導入、またバス路線の再編が挙げられてございまして、こういったことの観点から、交付金活用の可能性を含めて検討していくべき、そう思っております。
○久保委員 しっかり活用の可能性を検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、中杉通りについて質問いたします。
東京都都市計画道路の中野区内第3次事業化計画優先整備路線として、中杉通り133号線区内全区間が挙げられています。平成16年3月下旬には整備方針決定をする予定のようですが、変更はないのでしょうか。パブリックコメントとして都民意見を聴取されたものはどのように生かされてくるのでしょうか。都市計画が発表され、38年の間に、その後、計画道路予定地の住民も住みかわり、地域の様子もさま変わりしています。住民の中には、計画道路の整備はもう行われないものと思い込み、移られてきた方もいると聞いています。38年間実行されずにいたこの計画が、事業化計画優先整備路線となることに対して戸惑いや、望ましくないという受けとめの方もいることについて、区としてはどのような対応を考えていますか。
○服部都市計画課長 何点か質問をいただきましたので、1点1点お答え申し上げます。
まず整備方針決定をするようだが、変更はないかどうかという御質問でございます。第3次事業化計画も含めまして、整備方針につきましては、これは東京都と特別区が共同して検討してまいりまして、本年3月中に公表する予定でございます。中杉通りにつきましては、自動車交通の円滑化、また防災性の向上など、いわば広域的課題の解決に資するものとして選定してございまして、優先整備路線として変更はないと考えてございます。なお、中杉通りにおきましては、東京都が事業主体でございますので、区といたしましては協力して一緒に取り組むものと考えてございます。
二つ目として、パブリックコメントの関係の御質問でありました。本年1月末を締め切りといたしまして、東京都がパブリックコメントを行ってございまして、そこでいただいた都民意見を参考にし、さらに検討を進めて、現在、最終的に整備方針を固めているところでございます。また今後、具体の事業を行う上で貴重な御意見として参考にしていきたい、そう考えてございます。
3点目として、さまざまな区民の方の不安といいますか、御意見に対する対応としての御質問でございました。都市計画道路におきまして、計画決定されていることにつきましては、近隣の住民の方々は当然ながら承知していると認識してございます。しかしながら、さまざまな御意見、あるいは住まいの不安といいますか、それは私どもの方にも届いてきてございます。こうした住民の方からの相談にきちんと対応するとともに、都と連携しながら必要な情報を提供していきたい、そう考えてございます。さらに今後、区といたしましては都と連携して、地元の方々との合意形成に努めるなど、理解と協力を図られますように努力していきたい、そう考えております。
○久保委員 具体的には立ち退きや計画用地内の保護樹林についても心配をされている住民の方がいます。この方たちを含め、3月の決定以降、説明会や地域の声を聞く会を行う予定はあるのでしょうか。
○服部都市計画課長 整備方針の決定をした段階、本年3月中以降でございますが、直ちに説明会等の開催は考えてございません。今後、都市計画道路の事業化を行う段階、その段階で用地買収や、今御指摘の保護樹林を含めた事業概要の御説明の会、また、きめ細かな情報提供を行っていきたいと思ってございまして、適切に住民の意見を反映させるように事業を行っていきたいと考えてございます。
○久保委員 この133号線が整備されることで、現在の中杉通りと合わせて2本の道路があることになります。この2本の道路に挟まれる住民の方や地域の人にとっては、旧道はもっと生活環境の改善につながる道路になってほしいと考えていると思いますが、都市計画が終わった後の現道のあり方について今から検討する必要があるのではないでしょうか。
○服部都市計画課長 道路ということにつきましては、都市の基盤でもございますので、交通、また空間、それから市街地の形成という観点から多様な機能を持ってございます。これらの機能を念頭に置きまして、今、委員の方の新しい道、新道の整備計画にあわせまして、現在の中杉通り、現道と申しますか、そのあり方につきましても検討する必要があると認識してございます。
○久保委員 例えば歩行者や車いす、お子さん連れの方が安心して利用できる歩行者、自転車の専用道路として歩いて暮らせるまちづくりのための道路整備や暮らしのゾーンとして整備すべきと提案いたしますが、いかがでしょうか。その際、電線類地中化や歩道の段差、道路の傾斜、勾配の改善をし、緑の散策道路や休みながら歩けるユニバーサルデザインの道路を検討してみてはいかがでしょう。
○服部都市計画課長 現在の中杉通り、今後の現道の機能につきましては、生活に密着した買い物道路とか散策路など、安心して歩ける空間という位置付けを十分検討できると考えてございます。今後、新道と現道の機能分担の中で検討できる大変意味のある提案と受けとめてございます。
○久保委員 その際に、現中杉通り沿いの住民の方の意見を聞き、ともにまちづくりに取り組むまちづくりの協議会などを設置してはいかがでしょうか。
○服部都市計画課長 先ほども委員の方から指摘されましたユニバーサルデザインということの関連でございますが、そういったユニバーサルデザインの理念を導入する場合におきましては、利用者の視点が大変重要と考えてございます。また、生活道路の位置付けからは、地域の視点が大変重要でございます。こうした観点から、何らかの形で地域住民の皆さんと検討を進めるべきと認識してございます。
○久保委員 ぜひとも住民の皆様の声を反映させていただきたいと思います。この12年間に整備するのか、着工かによっては、現在の中杉通りへの対応が違ってくると思います。地域住民にとっては、この数年間が大変長く感じられるのではないでしょうか。現在の中杉通り、西武線南側に関しては、中野バリアレポートには、歩道は有効幅員確保率や横断歩道部における歩道縁端の縦断勾配の急勾配率が区内でも高く、歩行空間の整備状況は低いと記されています。バリアフリーのまちづくり推進のための調査だったわけですから、133号線の整備があろうとなかろうと、当然改善されるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○服部都市計画課長 今、御指摘いただきました平成13年度に実施いたしました中野区のバリアフリー実態調査の結果におきましては、歩道部におけます車いすのすれ違いの可能有効幅員がとれないところが多くて、また、今御指摘のありました歩道の縦断方向の急勾配が指摘されてございました。区はこの結果を受けとめまして、道路管理者であります都と対応を検討しているところでございます。交通バリアフリーの観点から、引き続きまして、東京都とともに検討を重ねていきたいと考えてございます。
○久保委員 中野区内の東京都都市計画道路第3次事業化計画に挙がっている道路で、バイパスの予定なのは133号線だけではないでしょうか。優先整備路線なのか、着工路線なのかの採択次第で、現在の中杉通りへの改善対処も変わるのか、区のお考えを伺います。
○服部都市計画課長 今、委員の方からバイパスの関係の御質問が出ました。バイパスにつきましては、都市の中心市街地を避けて、通過交通を処理するという機能を持つ道路のことでございますので、この中杉通り、補助133号線につきましては、このような性格の道路じゃないと認識してございます。したがって、現在、道路がないところに新たに道路を整備するという路線として、今、委員からの補助133号線の南側でございますか、その部分が当たります。また、なお、中野区内におきましては、中野通りの新青梅街道と目白通りの区間、また警大跡地に計画しております区画街路1号及び2号が挙げられるものでございます。
なお、中杉通り、補助133号線につきましては、今後12年間に優先的に整備すべき路線として位置付けられてございます。今後、限られた財政的な枠の中で順次事業の着手を目指すことになりますけれども、区といたしましては、交通渋滞の解消、また踏み切りの安全対策の観点から、早期の着工を東京都に求めていきたい、そう考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、駐輪対策について伺います。
昨年、私は地域の方からの鷺宮駅前の駐輪対策と自転車駐車場をふやしてほしいという御要望をお聞きし、区長に鷺宮駅前駐輪整備に関する要望書をお届けいたしました。その中で、駅北側のみよし公園を駐輪場として見直すことはできないかという提案をさせていただきました。鷺宮駅北口は、西武鉄道所管の駐輪場、中野区所有の駐輪場がありますが、常に100%以上の利用であり、駅前には違法駐輪があふれています。一方、みよし公園は公園としての利用者がほとんどなく、公園周辺には自転車、オートバイなどの乗り捨てが目立ちます。昨年11月の鷺宮地域センターでの区長との対話集会で、駐輪場に関する区民の方からの御要望に対し、田中区長は、鷺宮駅北側のみよし公園を駐輪場に見直せないかと検討していますとお答えになっています。現在この計画は進行しているのでしょうか。
○登交通対策課長 鷺宮駅北側のみよし公園を駐輪場にということでございますけれども、現在、内部で検討を進めているところでございます。ただ、このみよし公園につきましては、もともと地元の方の要望でつくられた公園ということでありまして、地元の方々の理解と協力というのが不可欠だというように考えております。なお、鷺宮駅周辺の駐輪場につきましては、特に北側につきましては不足しているという状況でございます。新たな配置、鷺宮駅周辺全体の駐輪場の配置というのも考えていく必要があるだろうというように考えております。
○久保委員 現在公園として使用している土地を駐輪場として見直すということは可能なのでしょうか。
○登交通対策課長 一般論としましては、公園ということであれば、それを廃止して駐輪場にということは考えてはおりません。ただ、例えば公園の代替地が近くにあるとか、あるいはなおかつ地元の方もそういう意向だということであれば、可能となる場合もあるだろうと考えております。
○久保委員 例えばこのみよし公園を駐輪場として整備した場合、何台の自転車収容が可能でしょうか。
○登交通対策課長 現段階だと何台というのはなかなか難しいところでございますけれども、このみよし公園、約200平方メートルございます。土地の形状、それから植栽等ございますので、何とも言えませんけれども、百数十台程度は十分可能だろうというように思います。
○久保委員 駐輪場の整備運営を株式会社やNPOなどに任せることで、駐車料金を使用しての自転車放置対策が行われている事例もあります。こういった方法によるお考えはおありでしょうか。
○登交通対策課長 委員御指摘のように、最近は駐輪場の整備運営を専門とする民間業者というのもございます。区としましては、駐輪場が適正で効率的に整備運営できるということであれば、その事業主体というのは民間であっても構わないというように思っておりますので、必ずしも区立というだけではないだろうというように思っております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、次世代育成支援地域行動計画について質問させていただきます。
平成16年度、次世代育成支援地域行動計画が策定予定となっています。これは次世代育成支援対策推進法の制定により義務付けられたものです。次世代育成支援の柱の一つとして、子どもの健康・医療の問題は重要と考えますが、どうですか。
○竹内女性・青少年課長 委員、今御指摘のとおり、子どもの医療等についても反映するような形になっております。
○久保委員 既に本会議でも御答弁にありましたように、保育に関する基本計画もこの行動計画の中で明確に示されることと思います。しかし、保育行政について将来の事業計画、運営形態、サービスの内容などが明示されていないことが、区民の間に不安や混乱をもたらしていると思われます。したがって、区民の不安を解消するためにも保育行政にかかわる部分は先行して策定すべきではないでしょうか。
○榎本保育課長 お答えを申し上げます。
地域行動計画は、いろいろな計画の寄せ集めじゃなく、互いに関係し、体系付けられていなくてはいけないと思っております。そういった検討を十分に行う必要があることから、保育の部分のみ先行して策定することは適当じゃないと考えておりまして、まとめてお示しをしたいというふうに考えてございます。
○久保委員 16年度内に策定ということですが、計画を示されるのはいつごろでしょうか。17年度には新たな保育園の民営化などの計画はないものと思ってよいのでしょうか。
○榎本保育課長 地域行動計画につきましては、素案を8月ごろにはお示ししたいと考えてございます。また、民営化についてでございますが、17年度は既にあけぼの保育園と大和北保育園の事業者も決定しているところでございますが、この2園以外に17年度に新たな民設民営については考えてございません。
○久保委員 しっかり承りましたので、よろしくお願いいたします。行動計画では、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備の目標、実施時期も明らかにすることになっています。これは幼稚園も含めた計画ということになります。事業部制の導入に伴い、教育委員会所管であった幼稚園の事務事業は、子ども家庭部へ補助執行されることになっています。この組織編成の流れでは、保育園サイドに軸足を置いた幼保の一元化を考えているように受けとめられますが、幼保一元化の方向性については現在どのようにお考えになっていますか。
○竹内女性・青少年課長 これまで幾つかの自治体が行っております幼保一元化の取り組みにつきましては、現行の幼稚園の制度、それから保育園の制度のもとで、両施設の一体的運営を行うというものでございます。国においてこれまで幼稚園と保育園の制度統一について議論が行われてきておりますが、現時点における国の方向といたしましては、幼稚園と保育園の制度はそのまま残し、それとは別に就学前の教育、保育を一体としてとらえた一貫した総合施設を新たに設置可能にするというものでございます。中野区として一体的運営を図るという方向で行くのか、また新たな総合施設を考えていくのかについては、今後、区の子育て支援策を総合的に検討していく中で見きわめていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 厚生労働省では、保育所と幼稚園の機能を一体化した新しい総合施設を2006年度に創設することにしているようです。それに先駆けて、2005年度じゅうに全国約50カ所で試験事業を始める予定のようですが、この件については承知されていますか。また、第三施設ということで、民間にいわゆる第三施設とすることは可能でしょうか。
○竹内女性・青少年課長 ただいま委員から御指摘ございました国の動きでございますけれども、新聞報道の範囲内で承知してございます。
○久保委員 済みません。もう一つお答えいただきたいんですけれども、民間をこういったいわゆる第三施設とすることは可能かどうかということを伺っているんですが。
○竹内女性・青少年課長 失礼いたしました。これも新聞報道の範囲内でございますけれども、設置主体に制限を設けていないというふうに報道をされております。
○久保委員 区長にお伺いします。区民への説明責任を果たすためにも、保育基本計画や幼保一元化の考え方の部分などは先行して策定すべきと考えますが、区の幼保一元化のロードマップはどうなっていますでしょうか。幼保一元化の検討のためにも十分に時間をかけ、区民の方にも職員にも説明する時間が必要ですし、関係者の声をしっかり聴取し、納得のできる計画をするべきではないでしょうか。
○田中区長 直接的にその幼保一元化をした施設がいつできるのかとかといったようなことについてまでは、なかなか今度の10か年計画の中で計画的に示すというところまでは行きにくいんだろうと思っています。ただ、しかし、幼保一元化についてどういう方向性を出すべきなのかと。どういう方向で行くべきなのかといったようなことについては、今度の基本構想の中でしっかりした考え方を持ちたいと思っておりますし、それを受けて10か年計画の中でも、検討の手順でありますとか、形が明らかになってきた上での取り組みのあり方といったようなことについて示していきたいというふうに思っております。
○久保委員 しっかりとお示しいただきまして、説明責任を果たしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次世代育成支援対策推進法では、地域における子育ての支援も明らかにすることになっています。現在、児童館、ファミリーサポートセンター、子育てサポートルームなど、さまざまなスタイルで区民がかかわり、子育て支援を行っていることは資料からわかるとおりです。そこで、重要な拠点となる児童館の今後の役割についてはどのように位置付けていますか。
○大沼調整課長 これまでの子どもとのふれあいを大事にしながらも、家庭、地域での養育機能の援助、また地域社会に働きかけ、地域とともに健全育成を進めること、さらに子育て家庭の交流の場や情報提供など、子育て支援の強化が今後ますます児童館に求められてくるものと考えてございます。
○久保委員 学童クラブの委託なども計画にあるようですが、児童館そのものの運営をボランティア団体やNPOなどに委託していく計画など、これからの児童館のあり方の検討スケジュールはどうなっていますか。また、最近の区の説明のタイミングなどを考えると、スケジュールにゆとりを持った説明をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○大沼調整課長 児童館の運営にNPO、あるいは自主団体などの民間の活力を充実する視点というのは大変重要なことだと思っております。さきに区報でお知らせしました16年度重点事項については、学童クラブの民営化についてうたってございます。児童館についても、次世代育成支援地域行動計画の中で明らかにしていきたいと思います。それから、民営化の推進に当たっては十分な説明と論議をしてやっていきたい。というのは、その後の運営とか子育てにかかわっていただけるようなためにも十分時間をかけてやっていきたいと思ってございます。
○久保委員 地域の自主グループなどの子育て支援事業については、より地域性の強いものであり、身近な場所で実施することが必要だと思います。子育てサポートルーム事業を実施をしている女性会館に出向くのも大変という利用者の声も、上鷺宮、鷺宮ではございます。その意味で、今後の児童館で地域の協力員が一時保育や子育て相談を行う事業展開が求められると思いますが、いかがですか。
○大沼調整課長 先ほども御答弁しましたけれども、これからの児童館の役割については、やはり子育て支援を強化していくということが大事なことだと思います。こうした地域の方の子育て事業とか、あるいは相談などはやはり今後とも支援していくということは本当に大事なことだと思いますので、強力に進めていきたいと思ってございます。
○久保委員 ありがとうございます。病後児保育について伺います。
平成15年度から中野区はオディリアホームにおいて病後児保育の実施を始められましたが、現在の利用状況は、いただいた資料からわかりますが、利用数は少ないと思います。しかし、リピーターがいるということは、利用者側が満足もしくは必然性を感じているからではないでしょうか。病後児保育について、利用対象者に対し十分な説明はなされているのでしょうか。PRはどのように行っていますか。
○榎本保育課長 お答え申し上げます。
御指摘のように病後児保育につきましては、昨年6月からオディリアホームに委託をいたしまして、スタートいたしました。この際、区立、私立の認可保育園の保護者はもとより、認証保育所や家庭福祉員等の利用のゼロ歳から3歳の子どもを持つ保護者の方、約2,000名に事業案内をしたところでございます。その結果、16年2月現在、登録者数は263名に上ります。したがって、ある程度周知は行き渡っているものと考えているものでございます。ただ、しかし、新年度の新入の在園児保護者向けとして、また追って3月、今月ですが、3月28日の区報でのPRも予定しているところでございます。
○久保委員 PRが十分にできているのであれば、利用者の少ない原因というのは場所の問題なのではないでしょうか。現在実施箇所だけでは、中野の南部に居住する人や病後児保育が必要になったときには、病後児を連れて南台や弥生町から白鷺まで来ることは大変なリスクを負うことになると思います。少なくとも中南部の地域でも実施を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○榎本保育課長 ロケーションといいますか、地域的な偏りにつきましては認識しているところでございます。今後、実施場所につきましては嘱託医とも連携のとりやすい病院併設などを予定してございます。
○久保委員 ということは、病後児保育は中南部の方でも検討を行っていただけるということでしょうか。
○榎本保育課長 そのように考えてございます。
○久保委員 よろしくお願いいたします。
子育て支援機能の強化について伺います。
子育て支援機能の強化が新規事業メニューとして挙げられていますが、当然児童虐待への対応も視野に入れてのことと思います。ネットワークを形成することにより、児童虐待防止に対してどのような効果が期待されますか。
○竹内女性・青少年課長 ネットワークの効果につきましては、虐待等の早期発見と適切な対応をとることができるということであるというふうに考えてございます。すなわち、ネットワークによる情報の交換やノーハウの共有によりまして、各機関が虐待をより早い時期から把握することができるようになること。また、虐待のケースは複雑で困難なものがございまして、単独では対応がなかなか難しい場合が多いわけですが、ネットワークに参加するさまざまな機関がそれぞれの専門的観点からかかわることにより、総合的、多角的な判断が可能となり、結果としてより適切な対応となるものと考えてございます。
○久保委員 児童虐待の中でも保護者のネグレクトによる育児放棄は見つけ出しにくく、乳幼児を死に至らしめることさえあります。医療機関や保健福祉施設、学校、保育園、幼稚園などの連携を密にすることにより、こういった悩みを抱える保護者の早期発見が可能になると思います。特に乳幼児の健診時はネグレクトの早期発見の機会となると考えられます。ネグレクトの発見の意識を強めた対応をすべきではありませんか。具体的にはどのようなことを考えていますでしょうか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 現在、健診時には子どもの衣服の状態とか体の清潔度、また発育状態とか母子の密着度、ひいては口腔内の状態まで、親子の状態を保健師、医師、栄養士、歯科衛生士、保育士など、専門職がそれぞれの視点で見ておりまして、必要なケースには心理士、専門医につなぐなど、また保健師がかかわりを持っていくというようなことを行っています。そして、さらに強く虐待などが疑われるケースは、家庭支援センターと連絡をとりながらということで連携をしていっています。親子の小さな変化を見逃さないためのスタッフのスキルアップというところはとても大事なところだと思っておりますので、今後も情報交換とか研修などで力をつけていきたいと思っております。
○久保委員 例えば3カ月健診などに来ない人はどのくらいいるのでしょうか。保健福祉センターで健診を受けない人への対応はどのように行っていらっしゃいますか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 中野区の統計によりますと、平成14年度の乳児健診受診者は96.5%でした。そして、受けない方なんですが、受診日の翌月に予備日というのを設けているんですが、それにもいらっしゃらない方にははがきで、さらに次の月の受診日をお知らせして、受診の勧奨をしております。その後、経過が不明の方には電話をしたりとか、訪問したケースも若干ですが、あります。そして、未受診者の内訳はほとんどが転出者ということがありまして、他には病院で受けたとか、里帰りをして他の自治体で受けたとか、そのような方もいらっしゃいます。さらに、どこにも受診していない、あるいはどこともつながっていないというような親子はやはり問題を抱えているということが考えられますので、今後もリストをつくって全体把握を心がけていきたいと思っております。
○久保委員 ということは、ほぼ対象者100%掌握をされているということでしょうか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 ほぼ100%できていると思っております。
○久保委員 保健福祉センターでは、新生児訪問も行われています。電話をかけてから訪問されると伺いましたが、電話をかけても、そこで訪問を拒否されてしまう場合もあるのではないでしょうか。私は、この新生児訪問こそが実態把握や本当にコミュニケーションがとれる絶好の機会ではないかと思います。とにかく、まずは会えても会えなくても相手を訪ねてみるべきではないでしょうか。中野区で生まれた子は虐待などの悲しい目に遭わせない。子育てで悩む家庭を母子ともに救っていくという思いやる心があれば相手にも伝わっていくと思いますが、いかがでしょうか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 御指摘のようにこの時期に専門職が訪問して、必要な情報の提供とか精神的なサポートを提供できるということは大きな意味があると思っています。そして、現在は第1子の希望者と経産婦でも低体重児のお子さんを持っていらっしゃる方とか、あとはとても若いお母さんとか、高齢出産の方とか、いろいろな病気を持っていらっしゃる方とか、また多胎の方とか、そういう子育てが負担があるんじゃないかと思われる親子を中心に訪問しているのですが、今後は訪問可能な方にはすべて対象とするように検討していきたいと思っております。
○久保委員 ぜひとも本当にこれも100%訪問をしていただくぐらいの、そういうおつもりで頑張っていただきたいと思います。
子ども家庭専門相談員1名は非常勤ということですが、どのような勤務体制になっているのでしょうか。また、どのような専門性を持った相談員なんでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 子ども家庭専門相談員でございますが、月2日、1日4時間の勤務で、子どもの心理や行動特性等を的確に把握し、援助を行うことに適しております臨床心理士を考えてございます。予約制で直接区民の方からの御相談に対応したいというふうに考えてございます。
○久保委員 非常勤ということですから、なかなか大変な部分もあるんだと思いますが、平成16年度から子ども家庭支援センターの相談窓口に保健師が配属されるということですが、組織再編に対応した新しい配置であると思います。配置効果を高めるためにどのような工夫をしているでしょうか。非常勤の相談員のカバーが保健師で行えるのでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 臨床心理士による相談が必要な方につきましては、臨床心理士が行いますが、それ以外の相談につきましては、このたび配置をいたします専門職員がその専門性に応じて相談を行っていくということで考えてございます。また、これらの専門職員は相談ばかりではございませんで、保育園、学校、児童館など、さまざまな子ども関連機関との連携の充実ですとか、ケース対応にも従事するものでございまして、これにより子育て支援機能のより一層の強化を図るものというふうに考えてございます。
○久保委員 今回の新しい体制に大変期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。私は、自身の子育ての体験から、当時の保健所で母親学級を通して知り合った母親同士が子育ての悩みを話し合えたり、子どもを遊ばせたりする関係性をうまくつくっていけたことが、その後の子育ての中でも非常に役立ったと感じています。また、そのときかかわってもらった保健師さんとはいまだに交流を持っていますし、生まれた直後に訪問してもらい、励まされたり、褒めてもらったことで、その後、自信を持って子育てができたと感謝をしています。現在、孤独な環境で育児をしなくてはならないという悩みを抱えている人もいます。身近に相談できる人がいることで自信を持って育児に取り組めるように、子育ては楽しいと思えるような基盤づくりが大切であると思います。身近な行政サービスが大事です。担当する職員と利用者の間で上手にコミュニケーションをとるための工夫はなされていますか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 保育士は地域担当制をとっておりまして、相談者の住んでいる地域によって決まった保健師が対応することになっております。ですので、同じ保健師が継続的にその方に対応できるということでやっております。
そして二つ目は、健診などの事業の後にカンファレンスを行いまして、いろいろな職種からの情報が出てくるわけですが、その情報の共有を行って、その情報の共有をもとに両者へ多角的なアプローチをしたりというようなことでやっております。
○久保委員 このネットワークの中で連携を密にする必要性がある組織として学校、幼稚園の存在は大変大きなものです。区内小学校の校長先生からも、明らかに育児放棄ではないかと思われる家庭があっても、子どもは親をかばうので、そこから先に踏み込むことができない。保護者との連絡も非常にとりにくいという現状を話されていました。学校関係者と連携をとりながら、場合によっては協力して対応するための研修などを行うことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小林指導室長 学校の教師は常に子どもと接しているため、ネグレクトなど児童虐待を発見しやすい立場にございます。むしろ課題は、発見後の対応の仕方にございます。各学校が校内において生活指導連絡会や情報交換会などを持つなどをしております。なお一層の対応能力を高めるため、生活指導主任会等で事例をもとに児童虐待についての研修を充実してまいりたいと思います。さらに学校が疑問を持ったケースについては、子ども家庭支援センターや児童相談所、主任児童委員などと連携をとりながら判断し、対応を行ってまいりたいというふうに思います。
○久保委員 補助資料には、子ども虐待防止マニュアルの予算も計上されています。このマニュアルはどういった目的で、だれに向けて作成されているものでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 虐待の防止マニュアルでございますが、虐待の未然防止、それから早期発見、それから早期の適切な対応を図ることを目的に、子ども関係機関職員を対象として作成するものでございます。
○久保委員 この虐待防止マニュアルをもとに、しっかりとした関係機関に対する研修を行うべきではないでしょうか。子ども家庭支援センターの相談実績、在宅サービス事業実績によると、関係機関職員の相談者が14年度2,071人、15年度1,264人と非常に多いことがわかります。この関係機関職員こそがネットワークそのものと思いますし、子ども家庭支援センターの大きな実績ではないでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 これまで中野区の子ども家庭支援センターがネットワークを重視して運営を行ってきた結果であるというふうに考えてございます。来年度作成を予定しておりますマニュアルが子ども関係機関の職員の皆さんに活用され、虐待防止機能の強化につながりますよう努めていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 このマニュアルをもとに研修を行うべきではないかということを申し上げたんですが、その辺はいかがでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 一つには、マニュアルの作成自体に関係機関の職員の参加を得てつくってまいりたいというふうに考えてございます。それから、必要に応じまして、このマニュアルに従った研修といったようなものも実施をしていきたい。マニュアルに盛り込む内容にもよるかと思いますが、そうしたことにも努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○久保委員 ぜひしっかりとお願いいたします。
次に、介護予防事業について伺います。
今年度、モデル地区事業として、松が丘高齢者福祉センター、東中野高齢者在宅サービスセンターに筋肉向上トレーニングのマシンを設置されました。筋肉向上トレーニングは、介護予防や要介護の回復のために大変効果があることは、他地域では検証済みです。今後、この事業の拡大は予定されていますか。また、この事業は一般的にパワーリハビリと呼ばれていますが、中野らしいネーミングを検討してみてはいかがでしょうか。より親しんでもらうために利用者の方からも募集をしてみてはいかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター長 現在、松が丘と東中野をモデル地区として取り組んでおります。この事業は、高倉議員のときに御質問されましたが、介護予防メニュー等調査研究事業の一環として行います。そういう意味で、この事業の評価を通じまして、今後その成果を取り入れて介護予防事業に拡大していきたいと考えております。また、委員御指摘のネーミングのことでございますけれども、区民の方に親しまれるネーミングについて、今の御提案を受けまして、いろいろな方からの御意見をいただいて、ネーミングを決めたいというふうに考えております。
○久保委員 介護予防の視点から、第2回定例会でも提案をさせていただいております健康公園について伺います。3月28日に健康福祉都市宣言を発表する予定のようです。健康福祉都市宣言にあわせて、区内の公園の中から幾つかを選んで健康公園と位置付けてはいかがでしょうか。子どもだけでなく、大人も楽しめる健康増進のための運動ができるような健康遊具の設置をした健康公園とすることで、多くの方が手軽に運動することができます。現在、区内にはこういった公園が存在をしていますか。
○大谷公園緑地課長 お答えいたします。
これまで区では個性ある公園を目指しまして、公園整備を進めてきたところでございます。健康遊具につきましては、子どもから大人まで気軽に運動できるようにということで設置してきたところでございます。今後とも地域の要望等を踏まえまして、他の遊具も考慮する中で、できるだけ設置していく考えでございます。また、健康福祉都市宣言にあわせまして、健康公園の指定や表示等につきましては、今後、保健福祉部門と検討してまいりたいと考えております。
健康遊具を設置している公園は、区内で8公園でございます。主な公園といたしましては、平和の森公園に体をひねる運動遊具のツイストサークルを含めまして9種類ございます。弥生こぶし公園に背伸ばしベンチを含めて4種類ございます。上高田台公園に自転車こぎ運動のサイクルパワーを含めて3種類がございます。
○久保委員 こういった位置付けをした上で、看板などをこの公園の名前の横に「健康公園」とつけて、明言してはいかがでしょうか。
○大谷公園緑地課長 今後、この指定するかどうかの可能性も含めまして、指定するということでございましたら、福祉部門と今後相談してまいりたいと思っております。
○久保委員 元気でねっとについて伺います。
今年度拡充された事業である元気でねっとには、1,079万円の予算が計上をされています。この事業の協力員は無償のボランティアなのでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 現在考えておりますのは無償でございます。
○久保委員 協力員や地域関係者に地域通貨を発行し、公共施設の利用などに役立ててもらってはいかがでしょう。例えば鷺宮体育館プールや区営の駐輪場、駐車場、浴場組合と連携し、公衆浴場などはどうでしょうか。協力員に登録した際に地域通貨を渡されてはいかがでしょうか。
○川崎保健福祉課長 地域通貨につきましては、地域の振興でありますとか、支え合い活動の展開の一つの装置として全国的に取り組まれているところでございます。その意味で、この元気でねっとにも通じるものがございますけれども、これは地域福祉活動のあり方の基本にもかかわる問題でございますので、今後の重要な課題ということで研究をさせていただきたいというふうに思っております。
○久保委員 ぜひ前向きな御検討でお願いいたします。現在、高齢者への虐待が社会問題にもなっていますが、見守りの中で虐待に対する対応はどのように検討をされていますか。その中で、地域や行政との関係が閉ざされてしまっている高齢者の方とは今後どうやってかかわっていくおつもりでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 高齢者の虐待のことにつきましては、現在、在宅介護支援センターで行っております地域支援会議の中でもケース検討の中で出てきております。そういう意味で、いずれにしても、このことにつきましては、高齢者の虐待ということについての関係者、それから住民の方々の認知等も啓発等を行っていく必要があろうかと思います。この見守りの仕組みの中で、もしそういったことに気づいた場合には、この仕組みの中で連絡を受ける在宅介護支援センターに連絡をいただき、そして在宅介護支援センターとそのもとにあります基幹型在宅介護支援センター、私ども中部、北部の保健福祉センターの職員がそれに関与していこうというふうに考えております。
次に御質問の、地域や行政との関係が閉ざされてしまっている方へのアプローチと。これは非常に難しいと思いますが、間接的にも地域の方々からの情報等を得ました上では、工夫して実態把握等に在宅介護支援センター及び保健福祉センターの職員が当たりたいというふうに考えております。
○久保委員 本当にこういった地域や行政とのかかわりのない方、そういった方たちの発見がおくれるということがあると思いますので、十分にこれはかかわっていっていただきたいと思います。今回、新規事業のメニューにある高齢者緊急一時宿泊事業の対象者として、こういった虐待による緊急避難をしたい高齢者も対象とすべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 この事業の対象者は、火事や家庭の事情等で在宅での生活が困難であり、緊急な状態にある方を対象としておりますので、委員御指摘のようなケースもその対象になると思います。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、教育ビジョンについてお伺いいたします。
本会議での学力調査と選択制の関係に関する質問に対し、教育長は学力調査の結果も判断材料の一つとなっていくのではと思っていると答えられました。私は、学力調査を行うことは、子どもたちの学力の到達度を知る上で必要なことと感じています。しかし、義務教育の中で公立小・中学校において学力差があるとはどういうことなのでしょうか。学力調査の結果と学校評価とがなぜ結びつくのか、学校としての学力を調査するのか、教育力を調査するものなのか、あたかも学校間の学力に差が生じるというようなのは、学校に対する教育長の認識に問題があるのではないでしょうか。
○沼口教育長 学力調査を実施したからといって学校間に格差が出る、そういうものではないと思います。当然学校選択制が導入されれば、保護者や子どもたち、いろいろな情報で学校を選択することになると思います。その中の一つとして学力調査も行われていて、それが公表されるとすれば、当然選択肢の一つになるだろうということでお答え申し上げました。ただ、この学力調査は、それぞれの科目の学力の到達度、それを示していくものですから、それで子どもたちが自分たちのこれからの勉強に役立てる、あるいは学校とすれば指導に役立てる、教育委員会としては新たな施策に役立てる。そういう意味でやるものです。ですから、学校の序列化を目指すためにこれを公表するものではございませんので、公表の仕方には慎重な配慮が必要だと。そういう前提のもとで、保護者の方は当然選択肢の一つとして使うであろう。これはもう選択肢の一つとして使ってはいけないということは言えませんので、当然そういうことは考えられるという意味で認識を申し上げた次第です。
○久保委員 今のお答えですと、学力調査というのはあくまでも個人においての到達度を知る上のものであるということで、本当に先日のような御答弁ですと大変誤解を生む場合があると思いますので、十分に気をつけて配慮をしていただきたいと思います。
この教育ビジョンからは、中野区から世界に誇るような人材を輩出しようと、中野区の小・中学校を卒業したら自信を持ち、社会で活躍できる人材を育てるという教育委員会の教育に対する意欲とか、子どもたちをどう指導していくのかという決意を感じることができないのですが、どのような21世紀の人物を想定しているのでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 この中でわかりやすくお示しできていないかというふうにも思いますけれども、私どもは21世紀を支える人材のイメージとしまして、平和を愛し、自由をとうとぶということ。それから、規範意識の高い、そういった人物で、なおかつ地域社会や国際社会の中で、さまざまな形で貢献をしてもらえる。そうした人間になっていってほしいという考えを持ってございます。
○久保委員 十分にそういったことが理解できるような教育ビジョンにしていただきたいと思います。地域社会と学校との連携の強化も大切ですが、学校や先生の本来の役割が非常に希薄になっていると感じます。だれのための先生なのでしょう。教師が生き生きと張り合いを持ち、子どもたちを指導しているというような目標は加えられなくてよいのでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 学校の活動の中で、あるいは学校教育を支えるという点で、教師の果たす役割は大変大きなものだというふうに思っております。私どもは、そうしたことも含めて、教育を進める大きな基盤をどうやってつくるかということが一つの課題だというふうに理解をしておりまして、そうしたテーマの中で教師の役割や資質の向上、あるいはどうやって頑張ってもらうのかというようなところの問題意識を述べているつもりでございますけれども、こういった点についても足らない点もあろうかと思いますので、今後さらに詰めたい、そういうふうに思っております。
○久保委員 学校教育の活性化を目指し、京都市教育委員会では教員の人事異動についてフリーエージェント制度を来年度から導入するといいます。志望校を明記するのではなく、何がやりたいかを自己アピールするというものです。昨年12月に締め切り、幼稚園6人、小学校101人、中学校54人、高校17人がFA宣言を行ったそうです。教員のやる気を引き出す工夫が大切なのではないかと考えますが、何か具体的なことを検討はされてはいらっしゃいますでしょうか。
○小林指導室長 東京都の場合の教員の人事制度でございますけれども、これは、東京都は全都的に制度をつくっており、区が特別な仕組みを採用するということについては一定の限界がございます。しかしながら、学校教育は教員に負うところが大きく、教員の意欲、やる気を引き出すことの重要性は常に感じておるところでございます。今後、特に優れた指導力や特技を持つ教員につきましては、教育委員会として適切に評価し、その教師の意欲、やる気を引き出せるような方策を研究し、またそれを取り入れてまいりたいというふうに思っております。
○久保委員 大変今の言葉は学校の先生たちが聞いたら喜ばれることと思います。しっかりと意欲ややる気を引き出す、そういった教育委員会であっていただきたいと思います。
地域や家庭が連携を密にしながら、地域での教育力を高めていくことはもちろん大切なことです。地域には地域の役割があり、家庭には家庭の役割があるわけですから、それらの役割を明確にすべきではないでしょうか。例えば教育の原点である家庭において、子どもたちは家族とのふれあいを通じて基本的生活習慣を身につけているというのも、家庭、保護者は愛情と責任を持ち、子どもたちに基本的生活習慣を身につけさせているとしてはいけないのでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 学校と家庭と地域とそれぞれ異なった役割を持っているということ、また、これを混同してはいけないというような点は委員の御指摘のとおりだというふうに思っております。そうした中で、私ども家庭で子どもたちが豊かな愛情の中で安心感や安定感が与えられる。あるいは基本的な生活習慣が身につけられるというようなことを、これを教育を進める上での出発点だというふうにも考えておりまして、そういう趣旨のことを申し述べたいというふうに思っているわけでございます。
○久保委員 申し述べたいということは、教育の原点である家庭において、子どもたちは家族との触れ合いを通じて基本的生活習慣を身につけているというところにあらわれているとお考えでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 そのとおりでございます。そして、この表現については、状態をあらわすということを主眼に置いて行ってきておりますので、これについてももう少しいろいろな立場からの検討は必要かと思っておりますが、現時点ではそういう整理をさせていただいております。
○久保委員 わかりにくいと思いますので、この辺もしっかりと御検討いただきたいと思います。
地域の教育力が盛んに求められていますが、教育ビジョンの中で具体的にはどういったことが考えられていますか。土曜日に学校を開放し、地域の方やPTAが子どもたちの学習やスポーツの指導を行うということも他区では盛んに行われているようですが、中野区の現状はいかがでしょうか。都立日比谷高校のように隔週の土曜日に毎回卒業生がやってきて、学習や進学の相談に乗るサポートティーチャー制というものを行っている学校もありますが、こういったようなお考えはございますでしょうか。
○奥山生涯学習課長 地域の教育力についてでございますが、子どもを取り巻く状況が変化する中で、子どもたちの健やかな成長をはぐくんでいくためには、学校や家庭はもとより地域の中でさまざまなことを体験し、また人と触れ合うことで社会性や協調性、また思いやりの心などを養っていくことは大切と考えております。子どもたちにこうした機会や場を提供するために、区内においても現在さまざまな地域の育成団体等による活動が行われてございます。最近の新しい取り組みの例として御紹介いたしますと、第四中学校におきましては、区民によります学校開放の取り組み、また三中では、三中広場という取り組みが行われてございます。これは二つの取り組みとも、PTA、またそのOB、青少年委員、地区委員会、地協懇、それと地域ことぶき会とか、そういったさまざまな方々が参加する実行組織が設けられてございまして、土曜日または日曜日に学校施設を利用いたしまして、区民のボランティアによりまして、スポーツとか文化活動、また学習活動、そういったことの講座等の実施をしているところでございます。
○久保委員 ありがとうございます。地域が誇れる魅力ある学校づくりが進み、子どもたちは生き生きと学んでいるという教育目標があり、その中で各学校は地域や子ども、学校の実態に応じて創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進し、子どもたちが希望する学校で学ぶことを通して個性や可能性を伸ばしているとあります。ここで言う魅力ある学校づくりとはどのような学校でしょうか。特色ある学校とは別のものだと思いますが、違いはどのようなところにあるのでしょうか。
○小林指導室長 特色ある学校づくりは、教育目標を達成するための手段でありまして、それによってつくり上げられた学校全体に対する評価というものであるととらえております。
○久保委員 申しわけありません。今ちょっとわかりにくかったんですけれども、魅力と特色の違いはどのようなところにあるんでしょうか。
○小林指導室長 改めてお答えいたします。
魅力とは、地域とのかかわりを含めた学校運営のあり方、教育活動の内容、校風などについてそれぞれの学校を子ども、保護者、地域の方々から見たときの評価であるというふうにとらえております。なお、特色ある学校づくりは、今、先ほど申し上げましたように学校自体が行うことをどのように学校全体として評価していただくかということになろうかというふうに思っております。
○久保委員 選択制の中で特色ある学校づくりを推進するということが言われていますが、基礎学力を保障した上で特色ある学校ということが検討され、その後に選択制の実施があるのではないでしょうか。
○小林指導室長 公立学校におきましては、学習指導要領の内容を子どもたちに確実に定着させるという責任があり、それぞれの学校が努力しているところでございます。これとともに、それぞれの学校が目指す子ども像を実現するための特色ある学校づくりを推進していくことが求められているというふうにとらえられております。
○久保委員 ということは、しっかりとこの基礎学力も保障し、また特色ある学校づくりも推進をしていくということと受けとめてよろしいんでしょうか。
○小林指導室長 そのとおりでございます。基礎的な学力をしっかりと身につけ、さらに特色ある教育活動を推進していくということでございます。
○久保委員 今の時期に学校選択制を取り入れるのではなく、再編の道筋を示してから選択制を導入されてはいかがでしょうか。選択制という言葉がひとり歩きをして、中身の伴わないものになることを懸念をしております。友達関係や部活などの理由で学区域外の学校に行きたい児童には、現在の学区域を大幅に緩和するということで適用してはいかがでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 先ほどから御質問にもありますように、またお答えもしておりますけれども、特色ある学校づくりでありますとか、あるいは公立学校に対しての信頼を高めていくというような、そうした取り組みが今、急がれているというふうに思っております。この選択制はやはりそうしたことを学校に、あるいは私どもも含めてですけれども、促していくきっかけだというふうに理解をしているところでございます。
それから、学校再編との関係でございますが、この時期に学校再編も進めていくということになります。他の自治体の例などを見ますと、再編計画を発表した場合には、統合の対象になる学校については、いわば選択制と同じように通学する学校を選んでいくということができるような仕組みを取り入れることが求められてまいりまして、そういう意味ではこの時期にやはり選択制を取り入れていく必要があるのではないかという判断をしてございます。
○久保委員 特色とか信頼とか促すきっかけということは、選択制が促すきっかけであって、今現在はこういった中身が伴っていないということでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 そういうことではございませんけれども、これまで公立の学校というのは基本的な勉強をすべてのお子さんに等しく教えていくんだということで、均衡性ですとか平等だというようなことで、特色というようなことではない、そうした運営をずっとしてきているところがございます。そういったところがそれぞれの学校で校風を生かす、あるいは地域の特色を学校の運営にも反映をしていくというようなことが求められておるわけでございまして、そうしたことを今までなじみのないことを学校でやっていくということは、やはり何らかの仕組みを設けていく必要があるだろうと。そういう趣旨で言っております。そういった努力をみんなでやっていくということを、こうした取り組みを通してより加速をしていきたいという趣旨でございます。
○久保委員 そういった形をとらなくても、努力は十分していかなくてはいけないことだと思うんですけれども、この選択性はだれのための選択性なのでしょうか。子どもたちのためなのでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 当然子どもにとってプラスになるものでなければいけないというふうに思っています。努力をしなければならないという点は、そのとおりだというふうには思っております。一方で、こうした学校を選べる仕組みをやはり取り入れてほしいという、そういう御要望が寄せられておりまして、それについてお答えをする役目を我々も持っているというふうに考えておりますので、それは多くの方からかどうかは別としまして、現在の指定校の変更でも大勢の方がそれを使うということではなくて、やはり事情のある方が中心になっております。そういう意味では、そうした声にもお答えをする必要は私たちはあるというふうに思いますので、この時期にやりたいという趣旨でございます。
○久保委員 現在の指定校の変更ということでもし補えるのでしたら、選択制という形をとる必要はないのではないかと思うんですけれども。
○山下教育委員会事務局次長 中野の場合には、指定校変更はかなり弾力的に行ってきていまして、これを御利用になっている方も年々ふえている状況があります。これでさらに緩和をするということになれば、理由も問わないというようなことに恐らくなるんだと思うんですけれども、仕組みの位置付けがやはり違うというふうに私どもは理解しておりまして、指定校変更はあくまでお子さんや御家庭の個々の事情をしんしゃくをして、必要があるということを認めた上で、教育委員会がそれを認めるという、そういうことになります。ところが、選択制はすべての御家庭に、あるいはお子さんに対して選ぶ機会を保障するというんでしょうか。その上で、みずからの責任、判断で学校を選ぶというのはどういうことかということもよく考えていただいた上で、希望する学校を選んでいただくという、そういう仕組みでございますので、やはりその差は大きなものがあるという理解をしているところです。
○久保委員 多分ここのところでは、私はなかなか選択制の意義が理解をできないまま、次長の御答弁を伺うままかなと思いますので、次に進みます。
この中野区行政教育ビジョンは教育ビジョンではなく、行政の2文字が加わっています。なぜでしょうか。また、教育行政ビジョンと教育ビジョンの違いは何ですか。私は、行政的な手法を示すビジョンではなく、子どもたちのための教育ビジョンであるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 これも教育行政を進めるというようなことを当初念頭に置いておって、仮につけた名前ということでございます。名称、あるいは内容についてもまだまだ議論をしなければいけないというふうに思っておりますので、今いただいた御指摘なども踏まえた上で、さらに委員会の中で議論をしたい。そういうふうに思っております。
○久保委員 仮につけたということですけれども、やはりそこのところに思いがあらわれているのではないかなという気がしてなりません。しっかりと行政の手法と教育ビジョンとは分けて考えていただくということで御回答願いたいんですが。
○山下教育委員会事務局次長 御指摘を踏まえて対応させていただきたいというふうに思います。
○久保委員 私は区長の言われているゼロベースの発想に大変期待をしておりました。単なる統廃合計画ではなく、新しい中野の教育を目指した新たな学校づくり、どこかがなくなり、どこかが残るということではなく、例えば学校名なども一斉に変更をしてしまうといった計画をお出しになるお考えはおありでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 これは再編をどうやって進めていくかという中で、特に学校の名前というのは歴史なども踏まえたさまざまな経緯がございますので、どうした方法で新しいものを決めればいいのかというようなことは、十分に区民の皆さんに御論議をいただく必要があるというふうに思っております。
○久保委員 論議をいただく機会というのはどのように考えていらっしゃいますか。
○山下教育委員会事務局次長 今ここで直ちにこういう方法でということは申し上げられませんけれども、例えば名前について公募をするとか、いろいろな方法はあるんではないかというふうに思ってございます。
○久保委員 済みません。いろいろな方法のところは伺いたいんですけれども。
○山下教育委員会事務局次長 これについてもこれから十分研究してまいりたいというふうに思っております。
○久保委員 このことに対して区長のお考えを伺いたいと思います。区長、このゼロベースの発想の中での学校の再編、いかがお考えでしょうか。
○田中区長 ゼロベースというふうに申し上げているのは、学校のみならず今ある施設、このあり方、これまでの施設のあり方というものもゼロベースで考えましょうというようなことを言っています。その中では、やはり学校も今までのままの器の中に今までのままの形の学校が入っているということが、これから未来の学校にとっていいことなのかどうかということも含めて、単に再配置をするといったようなことだけではなくて、学校という器の中にどういう機能が入っているべきなのかといったようなことも含めて、そこでは地域の教育力と学校教育の教育力とがどういうふうに結びつけるような活動が可能なのかとか、子どもたちの日常生活の中での遊びや育ちといったようなことと、地域と学校、そういったことをどう結びつけていける機能が保障できるのかといった総合的な見地から学校ということについても考えていくべきだというふうに思っております。そういう意味では、学校の名前ということをおっしゃいましたけれども、学校そのものの観念、学校というものの観念というところから、やはり考えていくべきなのではないかというふうに思っております。
○平島委員長 久保委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
3時20分まで休憩いたします。
委員会を休憩いたします。
午後3時01分休憩
午後3時21分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり、1件の資料が追加提出されておりますので、御承知おきください。なお、残りの資料につきましては、若干でありますけれども、理事者も鋭意努力しておりますので、御了承をいただきたいと思います。
それでは、質疑を続行いたします。久保りか委員、お願いします。
○久保委員 区民サービスについて伺います。
区民サービス、顧客満足度を高めるために必要な取り組みを推進する視点から、行政情報へのアクセス改善にユニバーサルデザインの考えを取り入れることと、事業部制の導入に伴う保健福祉センターの相談業務、ケースレファレンスの水準の維持向上について質問いたします。
初めに、行政情報へのアクセス改善の問題について伺います。年齢や身体的条件などにより制限されない行政情報へのアクセスビリティの向上に対する政策の優先度が高まってきていることは、皆さんよく御承知のところです。だれにでも使えることがアクセスビリティの意味ですが、平成16年度予算では、中野区のホームページの充実として1,046万円が計上をされております。前年度はおよそ16万円でしたから、大幅な増額ということになりますが、経費内訳で前年度との違いは何ですか。
○鈴木広聴広報課長 16年度予算案では、15年度までの消耗品の費用とOA機器の賃借料に加えまして、利用者にとってわかりやすく利用しやすいホームページにリニューアルするための経費や、ホームページ作成管理ソフトの開発費を新たに計上したことから、1,000万円強の大幅増となったものでございます。
○久保委員 平成15年度から24年度を計画期間とする障害者基本計画、同基本計画に沿って、前期5年間の重点施策実施5か年計画が平成14年12月に策定されました。その中で、情報、コミュニケーションの分野として、行政情報についてホームページなどのバリアフリー化を推進することが挙げられています。これを受けて、国や自治体でもユニバーサルデザインに立ったホームページなどの作成が進められているところです。私は、中野区でも当然ユニバーサルデザインのホームページ作成を目指すべきだと考えています。16年度のホームページの充実事業は、その方向で取り組む予定になっていますか。
○鈴木広聴広報課長 現在でも中野区のホームページは、できるだけユニバーサルデザインに配慮してきているところでございますけれども、高齢者や障害者など、だれにでも使いやすいユニバーサルデザインの考え方は最優先事項として取り入れてまいりたいというふうに考えております。
○久保委員 だれにでもということですが、具体的な対応はどのようになっていますか。高齢者に対して、視覚障害者に対して、聴覚障害者に対して、また色覚異常に対してなど、現在検討している内容はどのようなものでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 高齢者や障害者など、それぞれの特性に応じた方策について検討しているところでございます。具体的には高齢者に対しましては、文字サイズが拡大できるような仕組みにできないかどうか、あるいは視覚障害者の方に対しましては、音声読み上げソフトを御使用の方が多いというふうに思われますので、そうした音声読み上げソフトへの対応の状況がやはり必要になってくるだろう。そういった点について検討しているところでございます。さらに聴覚障害者の方に対しましては、ファクス番号の掲載等、既に取り組んでいるものもございます。
以上でございます。
○久保委員 ホームページサポーターによる検証作業を行う予定のようですが、一般公募も結構ですけれども、障害者の方など、どのような人の検証がユニバーサルか、視点を明確にしてお願いすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 区民の皆様にお手伝いいただきながら、区民の皆様が使いやすいホームページの作成を目指していきたいというふうに思っております。その際に、障害者も含め、さまざまな方に御参加いただければというふうに考えております。
○久保委員 行政のホームページの充実では、積極的に職員がホームページに情報を公開することで説明責任を果たし、情報発信をしていくことの重要性が先進自治体での取り組みからもわかってきています。この点についての具体的な改善はどのようなものですか。
○鈴木広聴広報課長 ホームページに積極的に情報を掲載することで説明責任を果たし、区民と情報の共有を図っていくということは大変重要だというふうに考えております。ホームページの作成、管理ソフトを導入するとともに、文書作成の職員向けの研修、そういったことを行うことによりまして、ホームページ原稿作成の敷居を低くすることが大切だというふうに考えております。こうして職員一人ひとりが説明責任を果たしていくことの重要性を意識していくことに結びつくのではないかというふうに考えております。
○久保委員 これにより事業部ごとのホームページなどが作成されるようになるのでしょうか。
○鈴木広聴広報課長 現在のところ、事業部制導入に伴いまして、事業部ごとの独立したホームペーといったことは考えてございません。その理由でございますけれども、組織の縦割のページというのは、むしろ好ましくないというふうに考えております。ユーザーにとってわかりやすいホームページを構築するためには、逆に縦割ではなくて、組織横断的な発想が必要であるというふうに思っております。事業部ごとの独自性を発揮すべきもの、それはまた別途ホームページの中でも考えていくべきだとは思いますけれども、ホームページ自体は縦割ではなくて、横割のつくり方、そういったものが重要になってくるかなというふうに思っております。
○久保委員 状況の変化などに対応した情報戦略について新たに策定するようなことを昨年の決算特別委員会の同僚委員の質問にお答えになっていたような記憶があるのですが、中野区のホームページのアクセスビリティについては、その中で明確化されるのでしょうか。
○瀬田IT推進課長 現在は、中・長期の情報戦略ではなく、基本構想10か年計画をIT基盤の側面から支えるといった視点も踏まえまして、指針策定の方向で検討してございます。アクセスビリティにつきましては、ホームページに限らず、区政のさまざまなIT活用において十分に配慮していきたいと考えております。
○久保委員 ところで、広聴広報課長のメールアドレスはあるのでしょうか。IT推進課長のメールアドレスはあるのでしょうか。職員の皆さんのメールアドレスは必要ではないでしょうか。
○瀬田IT推進課長 私、そして広聴広報課長、あるいは課長のアドレスというのは現在持ってございません。ただし、課の代表アドレスというものを現在設けてございまして、組織内の運用ルールにより送受信を行っております。今後、事業部制の導入ですとか、組織のフラット化が進んでいく中で、あるいは区民と区とのコミュニケーション、情報共有をさらに進めていくという上で、メールは大変重要なツールの一つであると考えております。ただ、職員へのメールアドレスの付与のことですけれども、職員単位でメールアドレスを付与するということにつきましては、現時点では考えてございません。ウイルスの侵入ですとか、運用上のリスク管理の問題のほか、個人メールアドレスによる利用の範囲ですとか用途など、さらに検討が必要であるというふうに考えてございまして、現時点では付与するということは考えてございません。メールを介しました区民と区とのやりとりにつきましては、現行の運用ルールによる活用実績や、より円滑な処理、メール情報の取り扱いなど、区民の方から見た場合のアクセスニーズ、あるいは職員自身が業務上で使っていくメリット、それから組織運営上のルールといったもの、十分そういった効果を勘案した上で、付与の対象ですとか範囲、活用ルールについてさらに工夫、改善を図ってまいりたいと思っております。
○久保委員 先ほども佐藤委員の御質問の中でも、メールによるコミュニケーションの重要性というようなことが語られていたと思うんですけれども、早速、IT推進課長、広聴広報課長のメールアドレスを持たれてはいかがと思いますが。
○瀬田IT推進課長 管理職への個人のアドレス付与につきましては、業務上の付与効果というものが大変高いというふうには考えてございます。ことしの2月からではございますが、現在、管理職の自席の端末からインターネット経由のメール等につきましては、先ほど申し上げました課の代表アドレス、あるいは施設におかれましては、施設の代表アドレスを経由しまして、自席の課長、あるいは所長のところにメールの送信、それから受信といったことができる環境を整えてきてございます。当面は運用状況、十分現行の運用状況を見きわめた上で、付与していくという手だても含めまして、より効果的な活用を図ってまいりたいと考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
資料をつくっていただきました。ホームページに関する23区の費用、人員の実績です。これを見ての私の感想ですが、中野区ではホームページ作成に関する経常的な予算並びに人員とも、他区と比較して少ないとの印象を持ちました。その割には掲載情報量や更新頻度が多いのではないでしょうか。広聴広報課長はどういうふうに思われますか。
○鈴木広聴広報課長 確かに区によりまして、予算、人員のばらつきがあるなというふうに、私も率直なところ感じております。ちょっと自画自賛するわけじゃございませんが、その割に中野区といたしましては、ホームページの更新状況、あるいはアクセスビリティの面、そういった点で、手前みそですが、頑張っているかなという感じがいたします。
○久保委員 大変頑張っていただいていると思うんですが、今回また予算が1,000万以上も大幅にということでございますので、さらに頑張っていただきまして、23区一のホームページをつくっていただきたいと思いますけれども、そういった御決意を。
○鈴木広聴広報課長 アクセスビリティの面では、既に全国6位という、そういった評価もいただいているところでございます。なお一層、ホームページの充実に対しましては意を用いまして、全国一と申しますか、自治体としてトップレベルを目指していきたいというふうに考えております。
○久保委員 ホームページのシステムがよくなっても内容が充実されなければ何の意味もありません。また、どんなに大事な情報があっても、それにアクセスできなければ宝の持ち腐れです。中野区の情報は二つの視点で区民のために充実される必要があります。私は、行政の信頼と区民とのコラボレーション推進の上からは、行政の情報に対する姿勢は極めて重要だと思っています。そこで、今後の取り組み姿勢について区長にお伺いいたします。
○田中区長 これから、将来的にはインターネット上に区役所があるんだというような状況になっていかなければいけない状況だろうというふうに思っています。現実にある、物としての区役所というか、現物の区役所も日本で一番アクセスビリティが高くなりたいと思っておりますし、インターネット上の区役所も日本で一番アクセスビリティが高くなければいけないというふうに思っております。
経営改革の中で職員に、組織の中に潜り込んでしまった、組織の名をかりた仕事をする職員ではなくて、個人の名前と個性を持った仕事をする職員になってほしいということを言っております。そういう意味では、インターネット上の区役所であっても、メールアドレスを各個人が持っているとか、個人がさまざまな形で発信ができるというような状況をつくることは大切だというふうに思っております。また一方で、区役所という仕事の性質上、どうしても気にしなければいけないところが情報のセキュリティということでありますので、そうしたことを両方きちっと見ていきながら、着実に進めていきたいというふうに思っております。
○久保委員 次に、保健福祉相談事業について質問いたします。
現在、保健福祉センターのケースワーカーの配置は何人ですか。
○城所中部保健福祉センター所長 ケースワーカーにつきましては、中部保健福祉センター、北部保健福祉センターそれぞれ5名ずつでございます。
○久保委員 4センターのうち、中部と北部の2カ所だけにケースワーカーを配置している理由は何ですか。
○城所中部保健福祉センター所長 ケースワーカーの業務は、区の福祉サービス全般に対応しなければならないため、その判断の平準化を図るということも必要です。そのために一定程度の人数の中で常に相談しながら進める必要があると。そのために現在2カ所に5名ずつ集中して配置しておるところでございます。
○久保委員 ケースワーカーは専門職ではないと伺っていますが、高齢者、障害者、どちらの相談支援にも携わるのでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 ケースワーカーという職について、特に資格がないものですから、そういう意味ではそういった資格要件を持っての採用ということではございません。そういう意味では、区の職員がその職務に当たるという形になっておりますが、業務の性格上、非常に専門性の高いものだというふうに認識しております。
○久保委員 ケースカンファレンスの必要性は、相談・支援事業の専門的なサービスの質を維持するために必要ということになりますか。そのほかに研修などについてはどのようになされていらっしゃいますか。
○城所中部保健福祉センター所長 失礼しました。先ほどの質問で、高齢者、障害者の相談ということでございますが、高齢者と身体障害者につきましては同じケースワーカーが担当しております。知的障害者につきましては、知的障害者の専門の担当のケースワーカーを配置しております。
ケースカンファレンス等でございますけれども、まさにこの専門性を維持向上させるためには必要なことだろうと思っております。現在、中部と北部のケースワーカーの定期的な会合も行っております。また、東京都、あるいは特別区主催の研修につきましても、適宜参加させております。
○久保委員 ケースワーカーの仕事は、単純にコストパフォーマンスで図る効率性を重視する仕事ではなく、クオリティを重視した質の高いケースワーキングが顧客の満足度を高める性質のものと思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 御指摘のとおり質が非常に重要だと思います。なお、この質の判断ということも同時に難しい面があろうかと思います。やはり利用者の満足度という尺度を今後取り入れて判断していきたいと思いますが、その場合に即時的には必ずしも満足されないような問題が起こることもあろうかと思います。そういった中で質の判断の視点ということもさらに深めていきたいというふうに考えております。
○久保委員 この保健福祉相談事業では、ケースワーカーと並んで保健師の果たす役割が大きいと思います。平成14年度5,954件、平成15年度は見込みで6,500件、さらに16年度は6,800件と関係機関連絡件数の推移が見込まれています。保健師が保健福祉と子ども家庭の両方に分割される新組織で、これまでの機能が担保されるのでしょうか。そのための工夫が必要と思いますが、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 16年度から子ども家庭部門と保健福祉部門という形で分かれますが、四つの保健福祉センターでの実務上は共通して、それぞれの四つの保健福祉センターで行う体制をとりますので、そういう意味では実際的に御利用になられる区民に対するサービスの低下ということはないというふうに考えております。
○久保委員 十分に機能が担保されるということでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 さようでございます。
○久保委員 さらに、では質の向上を目指していただきたいと思います。
私は、構造改革の必要性は、必要なところに行政が持つ資源を有効に配分できるようにすることだと考えています。ヒューマンパワーの有効活用が求められます。多くの有能な人材が力を発揮できずにいるようなことがあっては、せっかくの事業部制も価値が半減してしまうのではないでしょうか。そこで、今後の需要にこたえられる相談・支援事業のあり方についてどのようにお考えか伺います。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のとおり、ますます区民からの需要、ニーズは高まっていると思います。特に高齢化の中で、高齢者施策等、非常にふえているという現状でございます。同時に、この間の介護保険制度、あるいは支援費制度、そういった制度の導入もありまして、そういう意味で民間の社会資源もいろいろな形でふえてきております。そういう意味では、区の職員自体は限られたマンパワーの中で行うわけですけれども、そういった力量を有効に活用していくためには、仕事の仕方自体もこういった民間社会資源をいろいろ活用し、またそれらをコーディネートしていく。そういった役割を担っていく必要があろうかと思います。また、そういった役割を担いながら、職員の有効活用を図っていきたいというふうに考えております。
○久保委員 しっかりと職員の方たちの力を引き出す工夫をしていただきたいと思いますが、その辺は何かお考えでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 具体的には、現在の例えば保健師の職務におきましても、直接の対人サービスの単なる担い手じゃなく、そこの中で制度的な新たな制度を生み出していく、そういったことを考えていくということを常に行ってきているものです。例えば一時代前の、そういう意味では訪問指導の中では訪問看護ということが役割として担われてきましたが、この辺はやはり訪問看護ステーションとか、そういった社会資源の発展の中で、今の役割はそういった訪問看護ステーションに結びつけていくとか、そういったところで担っております。そういう意味では、現在一番直接サービスにおいても重要になるのは、やはりいわゆる困難ケースと言われることの中で、そういう意味では痴呆の問題、それから先ほどの御質問にもありました高齢者の虐待の問題、あるいは子どもの中でも虐待の問題、そういったケースには直接携わると同時に、単に直接携わるだけではなくて、仕組みとしてネットワークづくりなり、そういったことも視野に入れた仕事をしていく。それを区の施策に反映させていく。そういった方向で取り組めるように努力したいと思います。
○久保委員 相談・支援の受け皿としての施設の改善も検討が必要です。北部保健福祉センターは老朽化が進んでいます。先日、私が訪問していた短時間の間にも、電動車いすの方、乳母車にお子さんを乗せてきている方が訪問をされていましたが、このまま保健福祉センターとして使用するためには、障害者用のトイレを設置する、事務所を1階に移す、玄関の急な勾配を直すなど、改善が必要と思います。今後何年間、保健福祉センターとして使用するのでしょうか。近くに障害者福祉会館での、そういったところでも実施の計画というのはあるのでしょうか。
○川崎保健福祉課長 北部保健福祉センターの施設の問題につきましては、部としても重要な課題としてとらえております。平成16年度に施設配置の計画をつくる予定でございますので、そのことについて明確にした上で、抜本的な改善方針を定めていきたいというふうに考えております。また、当然のことながら、日常的な安全確保というような点につきましては、しっかり修繕を行っていきたいというふうに考えております。
○久保委員 次に、協働の推進について伺います。
区民参加、区民との協働を考える上で、NPOとのかかわりは今後重要になってきます。NPO支援のうち財政支援の問題は最も大きな問題であると思っています。一方、区民の方からは納税に対する不満、不信すら出されています。自分たちの税金をもっと目に見える形で有効利用してもらいたいという方は少なくないはずです。むしろ、自分が支援をしたいと思う事業に直接寄附ができるのならと考えている方もいます。区民からの支援基金を受け付ける市民バンクを設置してはいかがでしょうか。
○鈴木政策担当課長 今、委員が御質問いただいた中に市民バンク、これは区民からの寄附を基金にということですので、区がその基金を設置するというふうに理解して、お答えをさせていただきます。
現在、市民バンクといいましても、民間レベルでそういった融資の制度があるというふうに聞いておりますので、確認をさせていただいて、お答えしたいと思います。NPOや自主団体の活動の側面支援としての財政支援は、非常に大事なことだなというふうには考えております。その一つの仕組みとして、区民からの寄附を有効に活用していく。区民だけでなくて民間の企業からの寄附も入れて、それを原資に活用するということは非常に効果の高い、もしかしたら有効な仕組みではないかなというふうに考えております。全体的な支援の中で、こういったこともどういうふうに中野らしさが出せるのかなというふうな視点から研究してまいりたいなというふうに考えております。
○久保委員 社会福祉事業や教育費、文化芸術振興、NPO法人にも適用する中野区応援バンクを設置するということはできないでしょうか。この支援基金を通じて、寄附を行う側にも何らかのメリットが必要です。杉並区では、所得税及び法人税の確定申告の際、控除の対象となります。これは田中区長の、一人ひとりの価値観や多様性を認めながら、皆が助け合い支え合う、区民みずからがつくる町、自助共助・公助の仕組みが区民みずからの参加と意思に基づいて形成、運営される町というお考えにもマッチしていると思いますが、いかがでしょうか。
○若槻税務課長 ただいま御質問の中で市民バンクというような表現がございました。中野区が設置する基金というふうにとらえた場合には、中野区に直接市民の方が寄附するということになると思いますので、その場合には住民税の控除が可能ではないかと思っております。
○久保委員 ぜひこれを進めていただきたいと思いますので、どうぞ御検討ください。よろしくお願いいたします。
区長は施政方針説明の中で、自治基本条例の制定について述べられました。自治と住民参加の理念と手続を定めるとともに、区民の公益活動を支え、振興するための新たな仕組みを構築されるということですから、当然区民との協働のあり方も条例では盛り込まれるのでしょうか。さらに単なる自治体の下請ではなく、ともに区政運営を担っていく行政パートナーとしての役割を明確にするべきです。その意味で、自治基本条例の中では、協働の理念について明確に示し、具体的にはNPO・自主団体支援条例で示すべきではないでしょうか。
○鈴木政策担当課長 今、委員がおっしゃったとおり、確かに住民との協力、連携のあり方、これからの中野の地域社会の仕組みを支える大きな柱になるというふうに考えております。そういった意味で、自治基本条例の中では、基本的な考え方をそこで議論して、具体的にはNPOとの協働、連携、そういったことを推進する条例というのが別個に、私どもとしては現在想定しているところでございます。
○久保委員 ということは、これは別にNPO・自主団体支援条例が策定されるというふうに思ってよろしいのでしょうか。
○鈴木政策担当課長 現在のところその予定でおります。
○久保委員 安心して協働作業を行えるNPOばかりとは限りません。アイデアを出し合い、お互いのモチベーションを効果的に発揮するためにも、事業の検討、立案段階からかかわっていくべきであると思いますが、いかがでしょうか。協働の推進を円滑に行っていくためにも行政、NPOとの調整役としての第三者による協働コーディネーターを置く必要があると思いますが、いかがでしょう。
○鈴木政策担当課長 区民の自主的な団体が活発になるようにいろいろな働きかけというのが必要だというふうに思っています。ただ、民間でできることは本当に民間にお任せしたいというふうに考えておりますので、そういった民のみずからの活動に対しては民間の方々がサポートをする。そういうふうな基本的な考え方を持ってございます。
○久保委員 私は、民間でできることは民間でというのは、そもそもそういった発想は当たり前だと思いますけれども、行政、NPOとの調整役としての、そういった第三者の協働コーディネーターのような、そういった立場を置く必要はないかということを御質問したんですが。
○鈴木政策担当課長 現在、支援のさまざまな方策を考えているんですけれども、そういったNPOの方々が活動の拠点となるような場づくりということを考えております。そこでの一つ機能として、そういったコーディネーターを置くということも視野に入れて検討しているところでございます。
○久保委員 ありがとうございました。
その他で1点伺います。財務課長から当該年度の一般財源に占める公債費の割合を10%未満とする公債費負担比率についての総括説明がありました。16年度予算案で具体的に示してください。
○村木財務課長 中野区で申し上げますところの公債費負担比率と申しますのは、一般財源総額に占める公債費、これには減債基金積立額を含みます。それから、減債基金繰入額と起債借換額を除く、その割合としてございます。したがいまして、この算出式でございますが、分子が公債費、元利償還金、それから減債基金積立額をプラスをいたしまして、ここから減債基金繰入額と起債借入額をマイナスをする。これが分子となります。それで分母が一般財源総額となります。16年度の予算案の数字で具体的にお示しをいたしますと、分子の公債費につきましては、用特会計の繰出金、これの区債元利分を含んで、元利償還金の128億7,467万1,000円プラス減債基金積立額9億4,134万円に減債基金繰入額はゼロ円でございますので、借り換えに伴う元金償還金73億8,280万円、これがマイナスとなりまして、その計64億3,321万1,000円、これが分子となります。分母の一般財源総額は622億1,621万4,000円となります。
○久保委員 16年度は10%未満になっているのでしょうか。
○村木財務課長 計算をいたしました結果、予算説明書補助資料の93ページをごらんをいただきたいと思いますが、こちらでは10.3%となっております。
○久保委員 これにより一般財源規模による起債額についての財政運営上のガイドラインが設けられたということでしょうか。
○村木財務課長 一定の基準となりますこうした数値を決めたことによりまして、起債額についての財政運営上のガイドラインになると考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
以上ですべての質疑を終わります。大変にありがとうございました。
○平島委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了いたします。
次に、小串まさのり委員、お願いいたします。
○小串委員 総括質疑をやらせていただきますけれども、ことしから時間制ということで、私なんか93分で、今、92分49秒ということなんですけれども、きょうは65分ぐらいですか、時間制になってから初めてという。私自身がですね。当たり前ですけれども、初めてということもありまして、どういう時間の配分で、きょう終わればいいなと思いながらも、あしたになってしまうかなと思いながら、心配をいたしております。その関係で、私の質問の届けをさせていただいたのが3点あります。その他はありませんので、2番から、ホームレスの問題から入らせていただいて、その次、3番に行って、1の(2)、最後に憲法のことは時間の許す限りたっぷりと区長とやらせていただきたいというようなローテーションで進めさせていただきたいというふうに思います。
まず最初の質問なんですが、ホームレスの問題についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
ここ最近ということに限ったことじゃないんですけれども、よく地域の方から、ホームレスの方が公園等に寝泊まりしている。実際にジャングルジムのところに洗濯物を干したり、あるいはベンチのところに私物、布団もあるし、ビニールシートでがばっと荷物を置いたり、ベンチも私物が置いてあって利用できないというようなことから、何とかならんものかという相談というのは非常によく受けます。これは最近に限ったことじゃなくて、議員になってから長い間こういうことで苦情を聞くことがあるんですけれども、恐らく区の方にもこの問題での相当の数の苦情が区民から寄せられているんではないかというふうに思います。そこで、改めて今回こういう機会をいただきましたので、このホームレスの問題についてちょっと皆さんとともに考えてみたいというふうに思っています。
まず最近の中野区のいわゆるホームレスの状況、これが今どうなっておりますでしょうか。人数だとか、また区の方にいろいろな苦情が寄せられていると思うんですね。そういうようなことを含めて、ちょっと状況をまず説明していただきたいと思います。
○大谷公園緑地課長 お答えいたします。
中野区内の公園のホームレスは、本年2月調査しました結果、26公園に48名ということを確認しております。苦情につきましては、26公園すべてにあるわけではありませんが、その内容としては、不快である、怖い、不衛生、寝泊まりをしている、昼間からアルコールを飲んでいる、子どもが嫌がる、ベンチに荷物を置くので使えない、話し声がうるさいなどでございます。一方では、気の毒であり、何とか救済できないかといった御意見も寄せられているところでございます。
○小串委員 それで私もきょう来るとき、ちょっと遠回りして、紅葉山公園の方を通ってきたんですね。私も子どもが小さいので、小学校1年生なんですが、休みのときなんか紅葉山公園に行ったり、あるいは近いので城山公園へ行くことがあるんですよ。そのときもそうだったんですが、けさも、あそこにベンチがあるんですね。御存じだと思いますが、紅葉山通りの東北東の方に入り口がありますね。正面の入り口、あそこを入って山を登ったところに丸いというか、テーブルでベンチが二つか三つあるんですね。そこにテントがあるんですよ。緑色の見事にテントになっているんですね。モンゴルのパオというんでしょうか。あんなような感じで、中には私物のコーヒーカップとか本だとか、そういうものが置いてありまして、そこを占拠されてしまっている状態なんですね。ですから、一般の人たちが本来利用するための施設であるにもかかわらず、我々、そういうふうに利用しようと思って行った人間は結局利用できないという状況がかなり長い間続いております。けさも見てきましたから、もしあれだったら帰り見てください。
あと、あそこに御承知のように機関車が置いてありますよね。子どもはああいう乗り物なんかが好きですから、あの周りで遊ぼうというふうになるんですが、あそこにも私物が、段ボールがばっと置いてあるんですよ。衣紋掛けがかかって洋服がかけられているんですね。そういう子どもたちが非常に遊びづらい状況になっているんですけれども、この紅葉山公園の状況というのはどうなっていますでしょうか。また、区はどういう対応をここに対してやられていますでしょうか。
○大谷公園緑地課長 あの紅葉山公園につきましては、公園とZEROホールを合わせまして、日によっても違いますが、6ないし10名程度のホームレスがいるという状況でございます。中野区文化・スポーツ振興公社や中野警察と連携をしながら、荷物を片づけるように指導したり、利用者の迷惑になる行為の注意などを行っているところでございます。その具体的な対応でございますが、紅葉山公園に限らず問題のある公園は週2回程度の頻度で巡回し、状況の確認や注意指導を行い、また福祉の相談窓口や自立支援の施設などの情報を伝えているところでございます。その中で特に苦情が多い公園や、トラブルを起こすなどの場合は、ほぼ毎日対応し、本人に健康上の緊急性が出た場合や、区民から苦情や通報があったときは即時に対応しているところでございます。特に問題が多いと思われる場合は、警察官の同行を求め出向くことがありますが、逆に警察から職員の同行の要請を受ける場合も多いところでございます。また、荷物の片付けを行う場合は、警察の立ち会いをお願いしているところでございます。
○小串委員 そういうことをやっておられるということなんだと思うんですね。何にもやっていないわけじゃないということなんですけれども、一向に改善の兆しは見えてこないんですね。一般区民からしますと。公園というのはみんなが利用をするための施設でなければならないわけですよね。それが一部の人たちのために利用できない、あるいは利用しにくい状況になっているということは、やはり改善をしなければいけないというのは当たり前のことだと思うんですけれども、今、課長さんが御説明していただいたように、いろいろとやっていただいているのは承知をいたしております。しかし、一向にそれが進んでいかない、改善されない。これはどのようなことが原因なのか。あるいはなぜそういういわゆるホームレス対策というものが進んでいかないのか。どのような認識をお持ちでしょうか。
○大谷公園緑地課長 ホームレスは、国による指導や本人の自発的な行動によりまして、自立支援センターに入所したり、生活保護の対象になるなど、ホームレスから抜け出すケースもあります。こうした部分では人数が若干減ってきているということも認められております。しかし、一方では、一時的に公園から退去しても、再度もとの公園に戻ったり、別の公園に移動を繰り返すなどのケースも多いところでございます。また、経済情勢が厳しい中、新たなホームレスになるものも生じていることから、根本的な問題の解決につながらないというのが現状でございます。今後とも公共施設の管理者として、福祉部門や地域、警察などとの連携を図り、迷惑行為の是正と適正な管理に努めてまいりたいと思っております。
○小串委員 そういうことで今後とも頑張っていただけるということでありまして、ぜひよろしくお願いをしたいと思うんですけれども、公園にはいろいろな看板が立っていますよね。資料をいただいて、要するにキャッチボールをやってはいけないとか、犬を入れてはいけないとか、ごみは持ち帰りましょうとかですね。私、ちょっと問題意識を持っていたものですから、いろいろな公園をちょっと見てみたんですよ。ここで寝泊まりしてはいけないと書いていないんですね。あるいは私物を置いてはいけないということも書いていないんですよ。書いていないということは、いいということ。だから、それが根拠になっているのかなと。ただ、一方で、もし地域の方で公園を利用して、夏に例えば防災のためにキャンプをやろうと。公園に勝手にキャンプをやった。多分すぐ飛んでくると思うんですよ。許可をとってくれ。でしょう。一方では許可をとれと言われ、一方では許可もないのにずっといると。その辺の矛盾を非常に感じてしようがないんですね。なぜ、例えば寝泊まりしてはいけないとか、私物を置くなとかという看板の設置すらできないんでしょうか。
○大谷公園緑地課長 確かに寝泊まり禁止の看板は出してございません。一般的な指示看板と異なりまして、表示内容がちょっと特異なものであるということと、看板による効果が考えにくいということで設置してこなかった経緯があるところでございます。しかし、他区の設置事例等を今後とも調査いたしまして、もしほかの区で実施例があるということであれば、そのような実施例を聞きながら、効果のほどを確かめる中で、区としても検討していきたいと考えております。
○小串委員 私、この前、さっきも子どもを連れて行ったと言いましたけれども、バザーで50円で子ども用のローラースケートを買ったんですよ。100円だったかな。最近のじゃなく、昔の我々がやったような。練習したいというので、紅葉山なんかいいんじゃないかと思って、行ったんですよね。やらせたの。あそこ、いいですよ。そうしたら、スケートボード禁止と書いてあったんだよね。あ、これはまずいなと思って、私はその場で、まずいからやめようと言って、やめたんですよ。いや、本当、本当。だから、看板の効果がないというけど、私のような人間ですらそういうふうに気づくんだから、看板の効果というのは絶対あるんですよ。どうですか、もう一回。
○大谷公園緑地課長 先ほども申しましたように23区の課長会でも余りこういう看板はないということも聞いていまして、再度詳しく調べたわけではないものですから、今後そういう設置事例があるということであれば、その辺の実情を聞きまして、その効果のほども確認しながら、区としても一つの方策として検討してみたいと思っております。
○小串委員 効果はあります。それと同時に、何も寝泊まり禁止とか、ストレートに書かなくたっていいんですよ。キャンプ禁止とか、そうやって工夫して知恵を働かせれば、いろいろな方法はあると思うんですよ。だから、そういうことをちょっと考えて、やはりだめなものはだめという指導をきちっとやっていただきたいというふうに思っています。
ちょっとさらになんですが、中野区で大きい公園。小さい公園は別としまして、大きな公園ということになりますと、平和の森、それと現在あるのは哲学堂公園だと思うんですね。ここのいわゆるホームレスの状況はどうなっておりますでしょうか。
○大谷公園緑地課長 平和の森公園のホームレスは、現在5名ほどいるということを確認しています。昼間は2名程度でございますが、夜に3名ほどふえているという実態でございます。ここには公園事務所があるということで、事務所職員がここ数カ月指導を行い、そのうち2人は立ち去りました。1名は生活保護を受給することになっていると聞いているところでございます。しかし、また新たに来た者もあるようでございます。哲学堂公園は夜間閉鎖であるということもありまして、現在のところ路上生活者はいないという状況でございます。
○小串委員 哲学堂公園は夜間入れませんからね。そういう理由からいないんだというふうに思います。今度新しく江古田の森に仮称北部防災公園ですか、これが新しく大きな公園として生まれますよね。こちらの方のいわゆるホームレス対策、これについてはどのような考えをお持ちでしょうか。
○大谷公園緑地課長 北部防災公園用地につきましては、昨年の3月ですか、区が取得したわけですけれども、厚生労働省が持っていた時代から、あそこの樹木、樹林の中に、日によって違いますが、二、三名いるということを確認しております。ほかの公園と同様な注意や指導を行っているところでございます。
それから、大規模な公園の開園、整備後の開園ということでございますけれども、当然ホームレスが居つく可能性はございます。そういうことから、現在は基本計画の段階ではございますが、一定の時期になりましたら、地域の方々と公園の安全性や利用等を話し合う場を設けまして、望ましい方法の検討をしていきたいと考えているところでございます。また、このような検討の場に警察が参加できないかどうかということを含めて相談していきたいと考えております。
○小串委員 いずれにしても、せっかく新しくいい公園ができるはずですから、そういう対策もしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っています。ありがとうございました。
次に、いわゆる普通の公園の管理運営というのは、たしか公園運営委員、協力員さんというのがやっているというふうになっていると思うんですけれども、これ全部の公園がそうなのかどうか、ちょっとよくわかりませんが、昭和地域センターなんかはそういう形でやっていると承知をしておりますけれども、この辺の公園の管理運営はどのような形でやられているのでしょうか。
○大沼調整課長 これまで公園運営委員会、あるいは公園協力会というのがあったわけなんですが、平成12年から方針を地域住民による自主管理にしていただこうということで、今現在、平成16年3月現在なんですけれども、15地域センター管内で約40数団体が自主管理を行っているところでございます。
○小串委員 自主管理、これは12年までということで、それはあれでしょう。補助金だか協力費ですか、そういうものがカットになって、そういう形になったというようなことだと思うんですけれども、全体を私、承知しているわけではありませんけれども、それは地域センターの中でそういう協力委員会みたいのができているわけで、各公園に対して1人、あなたはここの公園ですよという形でなっていると思うんですが、それで間違いないですね。
○大沼調整課長 以前は今言ったようなスタイルだったんですけれども、今、100前後あるわけなんですけれども、40数団体というのはやはり自主団体で管理運営を行っていただいてございます。その内容なんですけれども、花植えとか草取り、清掃、あるいは施設、遊具とかの点検、放置自転車とかバイクとかの区への連絡などが管理内容になってございます。
○小串委員 そういうことはそれであれなんですけれども、ホームレスだとか、あるいはそういう苦情が委員会の会議のときにかなり出ているというのを私、聞いているんですよ。今、課長さんは、ほかの花だとか、そういうことを言われましたけれども、実際にはそういう問題がいろいろ話し合われている。しかし、それは区の方に言って、区の方がやるという形になりますから、直接そういう方が、いわゆるホームレスの問題なんていうのは、ましてデリケートな問題ですから、なかなか取り組むということは難しい。それは承知をいたしております。ただ、例えば町会、私のところの町会では公園は、ちっちゃな町会ですから二つあります。いろいろなさまざまな行事で公園なんかを利用することは多いんですけれども、地域にそこに住んでいて、そこにある公園に対する非常に愛着はありますよね。ですから、町会の役員会なんかでホームレスのことが話題になったり、あるいは中には役員で、直接、「あんたはここにいてもらっちゃ困るから、ほかへ行ってくれ」という剛の者もいたり、現実にあるんですよ。それで本当にいなくなってしまったこともあるので、地域で愛情を持って公園を管理運営できる団体、町会が私は主たる団体だと思いますけれども、例えば町会なんかに管理を任せる。そこで、先ほどの看板のこともそうですけれども、ここについてはこういうような看板をつけたらどうかとか、そういうようなことも含めて、地域で任せるというのも一つの方法かなというふうに私は思っているんですけれども、どんなものでしょうかね。
○大沼調整課長 現にある地域センターの中には町会が自主的に、不定期ではあるんですけれども、清掃などが行われているところはございます。今後、住民が公共、あるいは公益的活動を担うということは大変重要なことでありますから、一つの中で、町会の中で、そういう自主的な公共的な団体をみずから行っていこうということでありましたなら、地域センターとともに、そういった働きかけというんですか、委託とかそういうことじゃなくて、みずから管理していくんだ、公益活動を担っていくんだというスタイルでしたら、いろいろ協力し合って、知恵を出し合って、管理運営に努めていくということも今後やっていかなければならないのかな、進めていかなければならないのかなと思っているところでございます。
○小串委員 ぜひそういうことも考えていただければなというふうに思います。ありがとうございました。
私は去年、おととしですかね、大阪に行ってきたんですよ。最近報道されておりました天王寺の方へちょっと行って、通天閣の方にちょっと遊びに行きまして、四天王寺に行きたかったんですよ。下町のちょっと情緒に触れたくて。子どもが小さくて、動物園があるものですから。四天王寺さんもお参りしたことがなかったので、そこに行きたかったので、そこの人に聞いたんですね。どうやったら四天王寺さんへ行けますかって。そうしたら、動物園の上に橋がありますから、この橋を渡ってずっと左の方に行くと、そこでカラオケをやっているところがありますから、そこを通って、その先にまた守衛さんがいますから、そこで聞いてくださいと、もう一回ね。何か変なことを言う人だなと思って、行ったんですよ。そうしたら、本当にすごいですね。この前、まさに大阪のテレビなんかでさんざっぱらやった、あそこです。すごいですよ。感動しますよ。本当にそこに家ができてしまっている。プレハブの家がばっと。そこで電気もそうだし、本当に生活ができてしまうようになってしまっているんです。
それと、新宿の中央公園ね。これは読売新聞の2004年2月18日版ですが、中央公園て、僕は都立公園かなと思ったら、これは区の方に移管された公園なんですね。これを読むと、多くのホームレスが生活している都庁そばの新宿中央公園について、新宿区は来年度、親子連れが安心して利用できるように整備を進めることを決めた。子ども用の遊び場に囲いを設け、管理人を配置する。新年度予算案に関連経費として3,500万円を計上。中山弘子区長は、ホームレス対策と並行させ、公園のにぎわいを取り戻したいと話している。これだけお金をかけてやらないとならない。ここは300人ぐらいいるそうです。こういう大げさなことにならないように、ひとつしっかり中野でもやっていただきたいと思っています。
一方、規制のことばかり言っても、この問題は解決しないというふうに思います。一方では、自立支援ということでの対応が重要であると思います。これも先日、川崎市でそういう施設をつくる上で、大変な思いをされている。その行政の方も趣旨として自立支援ということですから、きちっとやっていこうということでやっているわけですけれども、近隣の人たちにしてみれば、いろいろな思いが当然あるわけですから、ああいうような運動になってくるというのも全然理解できないわけではないんですけれども、一方、東京都では、これも新聞に出ておりましたが、ホームレス解消低額アパート、都が貸し付け、まず600から700室。これは都営住宅だとか民間のアパートですね。それの部屋を借り上げをして、そこにホームレスの人たちに入ってもらって、そういう形で自立を支援していこうということですね。月額3,000円ぐらいということで。これは東京都と23区と一体での事業でやっていこうということで、この合意がなったという記事でありますが、今までこの自立支援についてさまざまなことを行われてきたというふうに思いますけれども、どのようなことを今まで行ってきたのか。また、こういう都営住宅、あるいは民間のアパートということになりますれば、結局また近隣の方と、あるいはもうすぐ隣の方、あるいは同じ都営住宅の住民の方とトラブルが、これはまた当然予想されるわけなんですけれども、この辺についてもどう対応するつもりなのか。あわせて御答弁をお願いいたします。
○中澤生活援護課長 路上生活者対策につきましては、現在、都と23区共同の事業といたしまして、緊急一時保護センター、自立支援センター、それからグループホームという三つのステップからなる自立支援システムの構築に取り組んでいるところでございます。今現在で緊急一時保護センターは2カ所、それから自立支援センターは4カ所ございまして、まず緊急一時保護センターでは、そこに入っていただいて、心身の健康回復をしていただく。それと、そこで今後の処遇の方針を決めるということを行いまして、その後、第2ステップの自立支援センターの方に移行いたします。自立支援センターの中では、そこから出るときにアパート確保、あるいは住み込みによる就労自立を目指しまして、そこにいる間の生活指導、あるいは就労指導等を行って、自立に向けて支援しているというところでございます。なお、3ステップ目のグループホームでございますけれども、16年度中に事業開始の予定ということになっております。
それと今回、新聞で出ておりました都の方から打ち出された都営住宅、それから民間アパートを借り上げて利用していくということについてでございますけれども、実はこの点について、事業の詳細についてまだ十分詰めていないところなんです。それで、今後、都区間で協議していくということになると思うんですけれども、今、委員御指摘のような生活上のトラブル等を生じないような具体的な方法等をその中で十分詰めていきたいと、そういうふうに考えております。
○小串委員 ありがとうございました。もう結構です。いずれにしましても、ホームレスの問題というのは両面あると思うんですよ。その辺やはりしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っています。これは終わります。
次に、子育てと教育の問題についてお尋ねをしてまいります。
幼保の一元化のことについて、まず質問させていただきたいと思いますが、先ほど久保さんもこの問題、取り上げておられました。同じようなことになるかもしれませんけれども、私も一昨年の第4回定例会の一般質問でやらせていただいたこともあります。1年ちょっと経過をしておりますけれども、この幼保一元化の問題というのは、かなり全国的には進んできているなというのが実感であります。そのときたしか区長は、大変重要なことだと思うみたいなことは言ってもらったと思うんですけれども、この問題を質問させてもらおうと思って、いろいろ取材等に来ていただいてお話ししていると。何にもやってくれないのかなという思いも半分持ちつつ、なぜ必要かということを中心にちょっと御質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、これが日本経済新聞、2004年1月13日付の新聞であります。保育所、幼稚園の一体施設、モデル50カ所、2005年度に。厚労省方針受け入れ体制柔軟にと。厚生労働省は、子育てと仕事の両立を支援するために、保育所と幼稚園の機能を一体化した新型総合施設を2006年度に創設する。保育所、幼稚園の枠組みを超え、保育時間などで多様なメニューを用意。働く親などに選択肢を広げる。2005年度中に全国約50カ所で試験事業を始める。運営主体の制限もなくす方向で、企業の保育ビジネス参入にもつながりそうだというふうに書いてある記事がざっと入っているんですが、先ほどの久保さんの質問に対する答弁でも、事業主体はどういう形でもいいんだということと、まず保育所は保育所としていいんだということですね。先ほど答弁ありましたけれども、幼稚園は幼稚園としていいんだと。そのほかに幼保というものを設けていいんだと。こういう3本立てで行こうという、これは趣旨の記事だと思います。
これを踏まえて、私はちょっと、これも読売新聞なんですね。たまたまインターネットの記事検索というのがあって、500円なんですけれども、読売新聞は500円払っている。だけど、ほかはそんなあちこちできませんからね。お金がないから。なもので、読売が多いというのは御承知しておいてください。それはいいです。ジャイアンツファンということもあるんですが。
これは2003年12月9日付の読売新聞です。運営は高岡の学校法人に、福岡町開設予定の幼保一元化施設。これは富山県です。短いのでちょっと読ませてもらいますが、幼稚園と保育所の一体化事業に取り組んでいる福岡町は、8日開かれた町議会全員協議会で、新しくつくられる幼保一元化施設の運営主体を、運営主体ですよ。高岡市戸出石代、これは何と読むのか、地名なものでわからないですけれども、の学校法人高岡第一学園、学校法人ですよ、にする予定であることを明らかにした。町は、今年度中にも基本的事項について同学園と協定を締結したいとしている。町によると、新施設の場所は現在の山王幼稚園、これは町立だそうです。で、鉄骨造り平屋建てを改築し、その隣に鉄骨2階建ての建物を増築する計画。定員は160人で、2005年4月開設を目指す。延べ床面積は計約2,200平方メートルで、幼稚園児と保育所児童を年齢ごとに一緒に学ばせるための部屋が設けられる。ゼロ歳から1歳児の保育をするのも特徴だ。完成すれば県内で初の幼保一元化施設となる。この日提示された協定案には、町と学園が施設の整備費をともに出資することや、施設運営開始と同時に、町が施設や運動場の一部などを学園に譲渡することなど、6項目の基本的事項が盛り込まれている。
ここからが重要ですので聞いてください。福岡町には五つの町営幼稚園と二つの町営保育所があるが、保育所が満員状況の一方、幼稚園は定員割れの状態のため、町が幼保一元化へ乗り出した。私もちょっと電話をさせてもらいましたけれども、恐らく田舎の方だと思うんですね。幼稚園はやはり定数割れで、保育所の方はいっぱいだと、そういう状況だそうです。これはいわゆる町立の幼稚園の施設を改善をして、運営は学校法人、民間に任せる。だから、それは今度できたものはどういう施設なんですかといったら、全く民間の施設ということなんですね。ただ、保育所の場合には一体として処置をしていくということがあるので、その辺は今、詰めている最中だということなんですね。
私が電話をして、こちらに聞いて、施設の改善というのは町と学校法人との協議で、どうするかということを決めたということなんですけれども、そうはいっても私の思うところでは、幼保をやる上で一番ネックになるのは保育士さんと幼稚園の先生ね。この身分。保育所の方は保育士さんがやって、幼稚園の方は幼稚園の先生がやると。二重の配置をした場合には、人の配置というものがコスト的に見て非常に高くついてくると。効率よくいかないという部分があると思ったので、それをちょっと聞いてみたんですよ。
そうしたら、この町の教育委員会の方が、いや、うちの、うちのというのは町の職員ですよ。町の職員の人で保育所に勤めている人と幼稚園に勤めている人、両方資格を持っているというんですね。みんな持っているんだと。だから、そういうことに全然違和感ないんだ。でも、最初から持ってきているわけじゃないでしょう。ええ。でも途中でみんなとってもらっているんですよということなんですよ。両方持っているから、ことしは幼稚園、来年、保育園という異動も可能だ。そういうふうにやってきた。ただし、今度は、こちらの学校法人の方は私立ですから、そこの場合にも、この高岡学園というのは大学から幼稚園まで全部やっているそうなんですけれども、新しく採る人にはそういう両方持っている人を採用するか、あるいは一方の方でもその後もう一方の資格をとってもらうようにするから、何の問題もありませんと言うんです。私もこの中野で同じようなことをした場合に、それがやはり一番ネックかなと今まで思っていたんですよ。いとも簡単にこの町の人は、そんなのはへでもないということなんですね。だとすると、これは非常におもしろいことになっていくと思います。
これは記事を読みませんけれども、和歌山県の橋本に幼保一元化施設。大阪の福祉法人、来年4月にも開園。これは和歌山。これは福祉法人ですけれども、時間があれですから読みませんけれども。
そこで、中野区の場合の私立幼稚園、この私立幼稚園の状況というものを考えた場合に、少子化だとか最近の共働き世帯の増加など、そういうことが要因でピーク時に39園あったんですね。39園あったのが現在は22園しかない。幼稚園がですね。それだけ減っている。しかも、その22園も慢性的な定員割れの状況。こういう状況というのは続いてきているんですよ。ことしまた1園なくなるのかどうかというようなことが話題になるくらいの状況で、幼稚園経営をされている方は非常に大変な思いをされているというふうに聞いております。
そこで、先ほど言いましたけれども、先生方の資格、あるいは施設の改善ね。私立幼稚園が幼保一元化というものに踏み出そうとした場合に、その資格の問題、あるいは施設の問題、こういう問題がいろいろあると思うんですよ。いろいろあるかと思うけれども、まさに中野の私立幼稚園こそが、この幼保の一元化に私は取り組むべき課題だという意識を強く持ったのです。
例えば今、指定管理者制度等がありますけれども、仮に中野の保育所、保育園を幼稚園の機能を持たせようと。そういう意味での幼保一元化をしようとした場合に、この22園は恐らく全部つぶれるでしょうね。そうなった場合。だから、そうではなくして、むしろもともとある民間の施設、民間の教育機関ですから、ここを幼保ということで保育所機能も持ってもらうとなると、今まで指定管理者制度、あるいは区立の幼稚園だということで、あるいは私立の幼稚園も含めてやっていたものが、保育園、幼稚園、それと幼保、この3本立てで、今回もすったもんだありましたけれども、その中で今後、幼児教育というものが効率的に、そして充実をしてやっていくことが可能になるんじゃないかというふうに思っています。
そういう観点から具体的にちょっと質問をさせていただきますが、まず先ほど言いました身分の問題が非常に私は心配なんです。中野も区立の幼稚園がありますから、区立の幼稚園とまた私立幼稚園、この先生方で保育士の資格を持っている方、どれくらいおられるんでしょうか。まずちょっとお聞かせください。
○小林指導室長 中野区の公立幼稚園の教員につきましては、現在23名中10名が保育士の資格を持っております。ただし、私立幼稚園の教員の状況については現在把握しておりません。
○小串委員 公立幼稚園で23名中10名持っているというのは、私は今初めて聞きましたけれども、かなりウエートが高いなと。これに匹敵するぐらい私立の方も持っているとすると、かなりそういう趣旨から移行がやりやすいのかなという印象を受けましたけれども、いずれにしても、後ほどにしますけれども、それは調査をぜひお願いをいたしたいというふうに思います。
それで、要するに私立の幼稚園の先生が、公立でもいいですが、今は幼稚園の教諭の免許は持っているけれども、保育士の資格を持っていない場合ですね。この場合に、どのような形でやれば保育士の資格を取得することが可能なんでしょうか。
○榎本保育課長 お答えいたします。
保育士の資格の取得方法ですけれども、大きく分けて二つございます。厚生労働省の認定校ですね。保育士を養成する学校、保育課程を持つ大学、あるいは短大、専修学校、各種学校などで所定の単位を取得し、卒業するというような方法、それから都道府県知事が行う保育試験に、そういったことなしにいきなりといいますか、試験に受験して合格する。そういうようなことで、いずれかの方法でも保育資格証明書が交付されるというようなことでございます。
先ほどの大学、あるいは短大等で勉強してということでございますが、通常は高校卒業または同等以上の資格を有する者が18歳以上であって、児童福祉施設において2年以上そういった児童福祉に従事した者というようなことも可能でございます。
それから、都道府県知事が行う保育試験を受ける受験資格の方でございますが、こちらは大学または短大に2年以上在学して、この辺はちょっと私もよくわからないんですが、62単位以上修得した者ということでございます。
簡単ですが、以上でございます。
○小串委員 ありがとうございました。幼稚園の先生がということなので、要するに短大卒業仕様の資格を持っていて、なおかつ免許書を持っている方の場合ですから、どういうことが方法としてあるのかなというのを私も実は調べてみました。保育士の養成の学校に、結局、短大、あるいは大学を出ていても、専修学校なら専修学校で2年、夜間の場合3年ということですが、通わなければならないということがあるんですね。ここを卒業すれば、保育士の資格は試験を受けなくても免除になるということで、それはもらえるんですが、短縮期間がどうしてもないということなんですが、聞いてみたんですね、私。これは夜間なんですが、ここは非常に優秀なところらしいんですが、上智社会福祉専門学校保育士科、これは夜間です。ここが入学時には58万、次が48万、48万。3年、夜間ということです。昼間の場合には2年でいいということなんですが、夜間で3年かかる。この場合にはそういうことで、時間とちょっとお金もかかるのかなというふうに思うんですが、一方、先ほど保育課長がお話ししていただいた都道府県の東京都の試験、こちらの試験を目指すということになると、これはちょっとインターネットで出したんですが、これのための通信教育みたいな形で、これはユーキャンというテレビでよく宣伝しているところですが、これの実技技術ビデオCDつき保育士講座、これは受講料が4万7,000円で受けられるということですね。ただ、受講料ですから、必ず試験にパスするかどうかは勉強次第ということであります。
それで、先ほどちょっと答弁がなかったんですが、私が東京都にちょっと連絡をして聞いたところでは、こういう幼保の一元化の流れというものになっているので、来年から幼稚園の教員免許を持っている人には3科目免除になると。9科目受けなければいけないんだけれども、3科目が免除になるというふうになってくる。そういうことで国の方も多少規制緩和というか、優遇するような処置もとられているそうです。ただ、9科目のうち3科目である。では、6科目でいいんですかといったら、そうではないということなんですね。何か2科目あるうちの半分みたいなことなので、必ずしも9個のうちの引く3で6ということではないということなんですが、多少なりとも優遇をしてくれるという形にも来年からなっていくということでありました。
そこで、例えば私立幼稚園の先生が新たに保育士の資格をとるために、例えばですよ、区が支援をするようなことができないかとか、あるいは現在ある幼稚園をそういう形にしようとした場合には、施設の改善というのが必要になってきますから、これをどのような改善をしなければいけないかとか、そういうようなことがいろいろあるんですよ。だから、すぐに私はできるとは思いませんし、また、こういう認識を私立幼稚園関係者が現在お持ちかどうかも、私は別に連絡をとったわけではないので、わかりません。こういうことについても、やはり私立幼稚園の関係者といろいろと意見交換をしてもらいたいんですね。そういう中で、先ほど言いましたように保育園、幼稚園、それと幼保一元施設という中で、幼児教育を今後やっていくという形をぜひ一日も早く確立をしていただきたいというふうに思うんですけれども、まず幼稚園関係者の本当にそういう話し合いをぜひしてもらいたいと思うんですけれども、どうでしょうかね。
○篠原学校教育課長 お答えします。
まず前段の保育士の資格をとる場合、女性でございますが、個人がとる国家資格などにつきましては、本来、その個人がその費用を負担すべきであるというふうに考えてございます。それから、施設の改善の部分でございますが、現在、東京都の私学助成事業、こういったものがございまして、その中には幼保一元化を行う場合の施設整備費といったようなものは、現在のところ項目としてはございません。なお今後、区が、もしそういった私立幼稚園に幼保一元化をゆだねていくといったような方法を選択するということになれば、何らかの支援は今後必要になる場合もあるというふうには考えてございます。
それから、後段の私立幼稚園とのいろいろな連携でございますが、区立幼稚園と私立幼稚園につきましては、今、幼稚園連絡協議会を持っておりますので、そういった中で幼保一元化の問題については議論されてございます。ただ、私立幼稚園につきましては、ある部分、預かり保育ということで、実態的に一部、幼保一元化を図っているというような認識を持たれている園長先生もいらっしゃいますので、その辺、どういった形で今後進めていくかはまたいろいろな場面で協議をしてまいりたいと考えてございます。
○小串委員 それでは困るので、もうちょっと本格的に考えてもらいたいと思うんだけれども、現状はそうだということで理解をしておきます。るる私、ちょっと説明をさせていただきましたけれども、先ほどの久保さんの質問でもそうでしたけれども、この幼保というものも含めて、乳幼児、幼児教育というものを三通りでこれから考えていく時代になってくるのは間違いないと思うんです。これについて、今後やっていくとすれば、子ども家庭部が担うべき仕事ですよね。ここできちっとそういうことをどうするかということを真剣に議論をしてもらって、将来あるべき姿というのをきちっとビジョンを持ってもらいたいと思うんですけれども、部長さんに答弁してもらいたいんだけれども、部長はなり手が決まっているなら、その方に答弁していただければと思うんですが、任命される区長さん、ちょっと最後にお願いします。
○田中区長 預かり保育をやっている幼稚園があり、また保育園の中でも教育活動が行われていると。そのほかにもさまざまな形でお子さんを保育をしたり、教育をしたりするという、いろいろな営みが行われているわけですけれども、同じサービスを受けるのに全く違う基準で全く違う負担で、それぞれの資質が違うという、これがやはり一番よくないというふうに思っております。また、そういった制度の壁が分かれていることから、社会的な資源としても、一方では保育のサービスが不足をしている中で、一方では保育のサービスを充実したいと思っている幼稚園が、そちらの方がうまくいかないといったようなことになるのであれば、社会全体としての損失にもつながっていくということでありますので、幼保の一元化ということについてはきちんとした見方を持って、きちんと進めていかなければいけないということで、今回、子ども家庭部をつくるに当たっても、そうしたことを総合的に検討できるように、そしてきちんと前に進めていけるようにということで考えたところであります。
○小串委員 ぜひ私立幼稚園ということを念頭に置きながら、この問題に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。あと七、八分でありますので、ちょっとピッチを早めていきたいと思います。
次に、心の教室相談員とスクールカウンセラーについて、いろいろと用意はしてきたんですけれども、余り時間がないので、あと二つばかりやりたいと思います。あしたはあしたのものがあるので、きょうじゅうに済ませたいと思います。
心の教室相談員とスクールカウンセラー、こちらは平成14年に中学で全校配置が実現をいたしております。それによって不登校児童・生徒の数、13年度に比べると30人、劇的に減ってきたというようなことで、目に見える形であらわれてきたということで、私は高く評価をし、感謝をしているところです。
ただ、ちょっとお聞きしたいのは、いろいろ説明しようと思っていたんですけれども、説明は省きまして、このいわゆる心の教室相談員、今度、小学校でも全校配置をしていただくことになっておりますが、またスクールカウンセラーの方、これらの方々が、特に不登校などの問題について、具体的にどのような活動をしていただいているのか、また、どのような活躍を区として期待をしているのか、その辺、もうちょっとわかりやすく御説明していただきたいと思うんですけれども。
○小林指導室長 スクールカウンセラーにつきましては、臨床心理士の資格を有した専門的な立場から、生徒や保護者、教職員の相談や指導助言を行い、いじめや不登校など、さまざまな問題行動の未然防止、さらには解消に当たるとともに、学校における教育相談機能等の充実を図る。こういった役割を担っているところでございます。
一方、心の教室相談員は教職員以外の大人を配置し、児童等がさまざまな悩みなどを気楽に話せ、またストレスをやわらげ、安定した学校生活を送ることができるようにすることが主なねらいでございます。実際には臨床心理学を学んでいる学生や非常勤講師の経験者等を配置いたしまして、児童が親しみやすい相談員を配置し、業務を進めているというような状況でございます。
○小串委員 それで、小学校に来年度から心の教室相談員の方が全校配置されるということで、その方々の活躍に期待するところが大なんですけれども、室長は先日のNHKスペシャルをごらんになりましたでしょうか。がんになられて余命幾ばくもない校長先生が信念を持って、そこの学校の児童に対してさまざまな命の大切さを教える。その姿をNHKスペシャルの中で取り上げておられました。結局、ことし亡くなられたということで非常に私は感動を覚えて見させていただきました。やはり教師の果たすべき役割、大切なんだなというふうに実感をした次第であります。先生方があくまでもこういう不登校だとか心の問題にきちっと対応をした上で、心の教室相談員、あるいはスクールカウンセラーの方と連携をとりながら、いかに子どもたちのために頑張っていくかということだと思うんですね。そこについて教師の役割も含めて、今後どういう効果を期待をしているのか、改めて。
○小林指導室長 心の教室相談員につきましては、今年度、小学校3校で試行した結果、配置効果の一つとして、不登校児童が時々または毎日学校や教室へ来ることができるようになったことなどが配置したすべての学校でこうした効果が見られております。しかしながら、委員御指摘のとおり、こうした不登校等のさまざまな課題、問題解決の中心的な役割を担うのは教師でございます。心の教室相談員は、教師には相談しにくい事柄も含め、児童の相談を受け、問題の早期発見や教師に対する情報提供などを適切に行い、問題解決の糸口を見つけるなどの役割を果たすことを期待しているわけでございます。
○小串委員 もう1個と思いましたけれども、もう1個はちょっと無理なので、これを最後にしますので。
あしたも出てきますけれども、「読売ウイークリー」。これがいろいろおもしろいんです。不登校ランキングというのが出ているんですね。おもしろいといったら怒られてしまうけれども。あなたの町の教育が危ない。不登校ランキング。最近の学校は問題だらけだ。中でも親ならだれしも不安になるのは不登校問題。そこで、本誌は全国47都道府県と東京都内49市区における小・中学校の不登校比率を徹底調査してみた。その結果、地域によって不登校比率に大きな差があることがわかった。あなたが住む町の教育は本当に大丈夫。
東京都内49市区不登校ランキング。何と1位に輝いたのは昭島市であります。1位というのは褒められない1位ですからね。一番ベスト、比率が低いところが稲城市、23区で言いますと文京区ということで、これは市も入っていますけれども、49番中、中野区は26番だそうです。真ん中辺ということでありましたけれども、これなんか見ていると、ナンバー2が東大和市なんですね。ごめんなさい。ワースト2ですよ。ワースト2の東大和市は特に中学校で44.77人。これは1,000人に対する比率だそうです。で一番高くなっていると。全国や都全体で不登校者数が前年度より減ったにもかかわらず、同市は逆に増加した。このため、市議会の一般質問でも問題にされたというようなことで、スクールカウンセラーに任せてやっていたけれども、やはり不登校児の対応をカウンセラーに任せてしまう担任教師も見られたが云々。本年度はそうじゃなくて、担任の先生が一生懸命やってくれというようなことも書いてあります。
また、劇的に改善した板橋。板橋はワースト3だったんですって。それが見たら、ことしはワースト13番。順位を下げたということで、ここだけちょっと読ませていただきますが、自治体が対策に力を入れれば、不登校は減少する。板橋区は2000年度、都内市区で3位だった。これは悪い方からですよ。その結果が判明した翌年、石塚区長から号令がかかり、不登校ゼロ作戦が始まった。それによってかなり改善されたということで、やはり行政が力を入れればそうなるということは明らかであろうかと思います。
そこで、時間でありますので、この項で最後に、心の教室相談員の配置については、来年度からやっていただけるということですけれども、一方のスクールカウンセラー、これについての考えをお聞かせいただければと思います。
○小林指導室長 スクールカウンセラーは臨床心理士の資格を持っているということが要件でございます。このスクールカウンセラーについては、現状では人数が少ないこと、また経費の面でも心の教室相談員の数倍の経費が必要なことなど課題もあり、現段階では小学校への導入は難しい状況でございます。ただ、小学校におきましては、子どもの発達段階から親しみやすい人材の確保が重要な要件であり、そのためにも日数が多く勤務できる人材として心の教室相談員の配置を決めたというような経緯もございます。
○平島委員長 小串まさのり委員の質疑の途中ではございますが、ここで委員会を休憩し、理事会を開会したいと思います。
委員会を暫時休憩いたします。
午後5時01分休憩
午後5時05分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
初めに、ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
理事会におきましては、小串まさのり委員の質疑の途中ではありますが、本日は終了することとし、明日続きを行うとの確認をいたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
以上で本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は、3月4日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを、口頭をもって通告いたします。
開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後5時06分散会