平成16年03月01日中野区議会予算特別委員会
平成16年3月1日予算特別委員会(第3日)
1.平成16年(2004年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 いでい 良 輔 |
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2番 伊 東 しんじ |
3番 佐 野 れいじ |
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4番 北 原 奉 昭 |
5番 久 保 り か |
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6番 酒 井 たくや |
7番 奥 田 けんじ |
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8番 近 藤 さえ子 |
9番 小 堤 勇 |
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10番 大 内 しんご |
11番 伊 藤 正 信 |
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12番 きたごう 秀 文
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13番 高 橋 ちあき |
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14番 高 倉 良 生
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15番 やながわ 妙 子 |
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16番 平 島 好 人 |
17番 むとう 有 子 |
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18番 はっとり 幸 子 |
19番 長 沢 和 彦 |
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20番 か せ 次 郎 |
21番 山 崎 芳 夫 |
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22番 小 串 まさのり |
23番 若 林 ふくぞう |
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24番 市 川 みのる |
25番 岡 本 いさお |
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26番 こしみず 敏 明 |
27番 飯 島 きんいち |
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28番 佐 伯 利 昭 |
29番 佐 藤 ひろ子 |
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30番 来 住 和 行 |
31番 岩 永 しほ子 |
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32番 篠 国 昭 |
33番 柿 沼 秀 光 |
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34番 伊 藤 岩 男 |
35番 斉 藤 金 造 |
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36番 大 泉 正 勝 |
37番 斉 藤 高 輝
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38番 江 口 済三郎 |
39番 藤 本 やすたみ |
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40番 昆 まさ子 |
41番 江 田 とおる |
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42番 池 田 一 雄 |
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 |
田中 大輔 |
助役 |
内田 司郎 |
収入役 |
山岸 隆一 |
教育長 |
沼口 昌弘 |
区長室長 |
金野 晃 |
政策担当課長 |
鈴木 由美子 |
基本構想担当課長 |
合川 昭 |
経営改革推進担当課長 |
長田 久雄 |
総務部長 |
石神 正義 |
総務部参事(特命担当) |
鈴木 勝明 |
総務部参事(特命担当) |
西條 十喜和 |
総務課長 |
田辺 裕子 |
財務課長 |
村木 誠 |
人事課長 |
寺島 誠一郎 |
広聴広報課長 |
鈴木 郁也 |
IT推進課長 |
瀬田 敏幸 |
営繕課長 |
佐藤 幸一 |
防災課長 |
納谷 光和 |
区民部長 |
本橋 一夫 |
区民課長 |
橋本 美文 |
税務課長 |
若槻 盤雄 |
国民健康保険課長 |
区民部長事務取扱 |
産業振興課長 |
高橋 信一 |
地域センター部長 |
柳澤 一平 |
調整課長 |
大沼 弘 |
女性・青少年課長 |
竹内 沖司 |
保育課長 |
榎本 良男 |
南中野地域センター所長 |
鍋横地域センター所長兼務 |
弥生地域センター所長 |
東部地域センター所長兼務 |
東部地域センター所長 |
中村 正博 |
鍋横地域センター所長 |
斎木 正雄 |
桃園地域センター所長 |
中野 多希子 |
昭和地域センター所長 |
蛭間 浩之 |
東中野地域センター所長 |
昭和地域センター所長兼務 |
上高田地域センター所長 |
新井 一成 |
新井地域センター所長 |
上高田地域センター所長兼務 |
江古田地域センター所長 |
安部 秀康 |
沼袋地域センター所長 |
江古田地域センター所長兼務 |
野方地域センター所長 |
大和地域センター所長兼務 |
大和地域センター所長 |
浅野 昭 |
鷺宮地域センター所長 |
豊川 士郎 |
上鷺宮地域センター所長 |
鷺宮地域センター所長兼務 |
環境部長 |
寺部 守芳 |
環境消費生活課長 |
環境部長事務取扱 |
資源循環推進課長 |
大杉 規子 |
清掃事務所長 |
遠山 幸雄 |
保健福祉部長 |
菅野 泰一 |
保健所長 |
清水 裕幸 |
保健福祉課長 |
川崎 亨 |
生活援護課長 |
中澤 知子 |
高齢福祉課長 |
冨永 清 |
障害福祉課長 |
田中 政之 |
介護保険課長 |
岩井 克英 |
障害者福祉会館長 |
保健福祉部長事務取扱 |
健康推進課長 |
今 恵里 |
生活衛生課長 |
小谷松 弘市 |
保健予防課長 |
保健所長事務取扱 |
中部保健福祉センター所長 |
城所 敏英 |
北部保健福祉センター所長 |
石崎 泰江 |
南部保健福祉センター所長 |
佐々木 美枝子 |
鷺宮保健福祉センター所長 |
沼田 久美子 |
都市整備部長 |
石井 正行 |
まちづくり調整担当部長 |
那須井 幸一 |
都市計画課長 |
服部 敏信 |
まちづくり課長 |
久保田 浩二 |
住宅課長 |
高野 佑二 |
指導課長 |
遠藤 由紀夫 |
建築課長 |
秋元 順一 |
道路課長 |
尾崎 孝 |
交通対策課長 |
登 弘毅 |
公園緑地課長 |
大谷 則章 |
副収入役 |
村田 宏 |
教育委員会事務局次長 |
山下 清超 |
庶務課長 |
佐藤 栄時 |
教育改革推進担当課長 |
教育委員会事務局次長事務取扱 |
学校教育課長 |
篠原 文彦 |
指導室長 |
小林 福太郎 |
生涯学習課長 |
奥山 功 |
中央図書館長 |
石崎 新一 |
選挙管理委員会事務局長 |
荒畑 正子 |
監査事務局長 |
細木 博雄 |
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 |
正木 洋介 |
事務局次長 |
飯塚 太郎 |
議事調査担当係長 |
大谷 良二 |
書 記 |
黒田 佳代子 |
書 記 |
巣山 和孝 |
書 記 |
永田 純一 |
書 記 |
長崎 武史 |
書 記 |
荒井 勉 |
書 記 |
西田 健 |
書 記 |
岩浅 英樹 |
書 記 |
鳥居 誠 |
書 記 |
佐藤 雅俊 |
書 記 |
松本 桂治 |
書 記 |
吉田 哲郎 |
○委員長署名
午前10時01分開議
○平島委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
それでは、本日の委員会運営を確認いたします。
既に2月26日の理事会で協議し、全体会で御確認いただいておりますが、念のため、改めて確認をさせていただきます。
本日は、統括質疑の1日目となります。1番目に、高倉良生委員、2番目に、伊藤正信委員、3番目に、池田一雄委員の順序で、3名の質疑を行います。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等につきましては、既に御確認いただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。
本日の運営は、以上のとおりであります。
なお、お手元に総括質疑一覧を配付してございますので、参考にしていただきたいと思います。
次に、要求資料の配付について申し上げます。
2月26日の委員会で要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり、要求した173件のうち171件の資料が提出されておりますので、御確認ください。
資料作成に当たられた職員の皆様、本当にありがとうございました。残りの資料につきましては、理事者も鋭意作成努力しておりますので、御了承いただきたいと思います。
それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、理事者にお願いがございます。答弁される理事者におかれましては、委員長席から職名が判別できない場合がありますので、答弁前に大きな声で職名を述べていただくようお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。 高倉良生委員、お願いします。
○高倉委員 皆さんおはようございます。公明党議員団の高倉良生でございます。私が予算の総括質疑に立たせていただきますのは4年ぶり2度目ということになります。何か甲子園の高校野球の出場みたいな感じですけれども、2度目ですから、大体はビギナーのような形ですし、高校野球でいえば初出場に近いと、このような感じでありまして、今こうして立っていますけれども、足もやや震えておりまして、原稿を持つ手も震えないようにと手を押さえたり何かしています。どうぞ簡明な御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
最初に、平成16年度予算編成と区政の課題についてお伺いいたします。
まず、事業部制についてお伺いいたします。
施政方針の中で事業部制の成果は16年度予算編成にあらわれていると、このように区長さんはおっしゃっておられるわけですけれども、具体的にどういう効果があったのか、教えていただきたいと思います。
○村木財務課長 平成16年度の予算編成にあらわれました事業部制による具体的な効果といたしましては、人件費から物件費への切りかえによります人件費の縮減とサービスの向上、例えば図書館業務の一部委託化による人件費の縮減と開館日、開館時間の拡大、図書購入費の増加など、それから経費をふやさずにサービスの向上を、また経費を削減しつつサービスの維持を図ったこと、例えば委託により生み出されました職員を活用した区立保育園での延長保育実施園の拡充、それから経費を最小限に抑えながら、区役所の窓口時間の延長を隔週の第2・第4火曜日から毎週に拡充したこと、そして区民の利便性の向上のため、子ども相談相談窓口の設置を図ったことなどでございます。
こうした効果を含めまして、各部が配分された一般財源枠に基づき、執行上のさまざまな工夫や見直しを行い、65の新規拡充事業を予算化したということでございます。
○高倉委員 今、幾つか例を挙げていただきましたけれども、今のお答えで、このままこの先に進もうかなとも思ったんですが、今のお答えの中で、例えば指定管理者制度のお話なんかが出てきておりまして、こういうものが事業部制の成果であると、このようにおっしゃったわけなんですけれども、例えば指定管理者制度を保育園の運営委託ということで、そちらの方に活用したと、こういう方向性というのは、むしろ私なんかの印象では、区長さんの方のお考えというか、そういう意向の方が強かったのでないかという感じがしているんですけれども、事業部制ということになれば、各事業部それぞれの工夫とか、あるいは創意発案と、こういうようなものがより全面に出てくるのかなと、こういう感じもしたんですけれども、その辺のところはどうお考えになりますか。
○村木財務課長 例えば、保育園にかかわりましては、当初は独立行政法人といったような形で検討を進めておりましたけれども、法改正等があって、この指定管理者制度というものが非常に有効に機能するといったような判断が、これは区長サイド、それから事業部サイド、両方から出てまいりまして、それを調整した結果、このような形で今回予算化を図っているといったような、一つの例として申し上げておきたいと思います。
○高倉委員 今、全体的なお話もありましたけれども、この事業部制の効果ということについて、事業部の方から幾つか具体的な現場といいますか、それぞれ各事業部の工夫等々のお話をお聞きしたいと思います。今回、各事業部が配分された一般財源枠に基づいて、執行上のさまざまな工夫や見直しを行って、65の新規拡充事業を予算化したと、このようにおっしゃっていらっしゃいます。
まず、そのことについて、各部の取り組みをお聞きしたいと思いますけれども、区民生活部門で工夫や見直しの成果があらわれている、こういう取り組みをできれば一、二、ご紹介いただきたいと思います。
○本橋区民部長 区民生活部門につきまして、産業振興を例に紹介させていただきます。産業融資では、これまで各種の融資事業がありましたが、趣旨や対象が類似しているものもございました。融資メニューを点検、整理いたしまして、その一方で事業者支援の効果が上がるよう、融資対象者や支援内容を改善しております。また、これから重点を置いていこうと考えております創業支援の事業メニューにつきましても、充実させるとともに、事業者が必要としている情報を整理して、利用しやすい形で提供できるように、データベースづくりなどの新規事業にも取り組んでおります。
これらは、いずれも施策目標の実現について、担当職員から、あるいは職場討議の中から出てまいりました具体的な提案をもとに事業化したものでございます。
○高倉委員 今、産業振興課の御紹介がありました。では、産業振興課の所管の課長さんにお聞きしたいんですけれども、どのような工夫とか見直しを行ったのか、事業部制を前提にした予算編成の過程で、職員の意識変化、あるいは新しい発想というものが具体的にどう生かされたのかと、こういうお話を紹介していただければと思います。
○高橋産業振興課長 産業振興課では、職員が事業所に出向き、お客様の声を聞くことを通じて、発想に基づく事業の改善に取り組んできているところでございます。平成15年度の具体例としましては、従来の緊急景気特別対策融資が前年の売り上げ減少を要件としておりました。しかし、資金調達環境が厳しくなる中で、融資の対象は売り上げ減少の事業所に限定すべきではないという職員の声に基づき、前年の売り上げ減少をこの要件から外しました。その結果、年2回の募集とも二、三日で募集枠がオーバーになるなど、お客様の評判もすこぶるよい結果となり、平成16年度も継続して行うこととなりました。このように、職員の創意工夫が生かされ、事業が評価されることは、職員の意欲の掘り起こしにもつながり、また事業者のニーズに対応した事業化が図れるものと思っております。
平成16年度の予算につきましては、創業支援の融資では、事業主が区民である場合のさらなる優遇金利の設定を行いました。また、創業相談では、創業の専門相談日の設定や創業1年後のフォローアップの診断を実施するなど、職員提案を事業につなげたところでございます。
今回の事業部制の導入は、事業の効率的執行と事業結果について、厳しく評価される部分はございますが、職員の創意工夫がより一層図れる環境になるものと思っております。
○高倉委員 ただいま職員の声に基づいて緊急景気対策融資の前年の売り上げ減少という要件を外したと、こういうお話がありました。従来は、なかなかそういう形での柔軟な施策の展開というのがもしかすると難しかったのかなと、そういうようなお話だったかもしれません。
今のお話を承った上でお聞きしたいんですけれども、最近、鳥インフルエンザがあちこちで発生しておりまして、いろいろな影響が出てきていると思います。例えば、新聞報道によりますと、お隣の練馬区では利子補給をすると。中小企業が金融機関から融資を受ける際に、区が利子補給する。鳥インフルエンザの影響で経営に打撃を受けた場合に備えてこういうことをすると。対象は畜産食料品製造業、食肉卸売業、食肉小売業、飲食店、こういう4種を対象に、最近3カ月の売上高が前年同期比で減少している中小企業、こういうことを条件にやるそうなんです。今回の事業部制の利点を生かすならば、まさに職員の発想ですとか、あるいは課長さんのさらに柔軟な発想等々によって、即座にこういうような対応も可能なのかなと考えてしまうんですね、私なんか。練馬区の経済課の方は、早目に支援体制を整えることでと、たくさんの問題が起こってきたからやったというのではなくて、早目に先を読んでやったと言うんですけれども、どうですか、こういうような鳥インフルエンザの問題に関して、被害を受けている企業、こういうことを考えたときに、何か考えていることがございますか。
○高橋産業振興課長 現在のところ、影響を受けている事業者からの声はまだ聞いておりません。しかしながら、東京信用保証協会では、都の特別の窓口を設けて都の融資の紹介を行ったりしております。区の場合に、今後影響を受けるような場合がありましたら、即座に別途、特別融資枠の発動を考えたいと思っております。
○高倉委員 次に、今回、子ども家庭部門が新しい事業部として非常に注目されるということだと思いますけれども、それでは、子ども家庭部門で同じように事業部制の成果がどのようにあったのか、まず教えていただきたいと思います。
○柳澤地域センター部長 子ども家庭部も事業部として、来年度に向けて重点と考えたものを二つほど御紹介したいと思います。
まず、子育て支援機能の強化というのを考えております。部内はもちろん、関係機関とのネットワークを形成しまして、潜在的な子育ての悩みですとか、不安の発見に努める、そして関係機関を含めた多角的な対応を視野に入れまして、その迅速な解決を図っていきたいというのが一つでございます。
次に、子ども総合相談窓口の設置を行います。子ども家庭部が取り扱う事務やサービスの利用申請ですとか、子どもと家庭のあらゆる相談に応じる窓口を設置いたしまして、ワンストップのサービスで区民のサービス向上を図っていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今、御紹介があったうちの子ども総合相談窓口、これが事業部制の成果の一つとして御紹介がありました。こういった施策について、では具体的にさらにどういう工夫があったのかということを所管の課長さんにお伺いしたいと思います。
○竹内女性・青少年課長 ただいま部長から御紹介いたしましたものの一つとして、まず子育て支援機能の強化につきましては、子ども家庭支援センターに保健師、保育士等の3名の専門職員を新たに配置して、相談ばかりでなく、関係機関とのネットワークによる虐待等の早期発見と適切な対応の充実を図ることといたしました。このような専門職員の新たな配置につきましては、事業部としての独自の考え方に基づきまして、部内人員配置の工夫により実現できるものでございまして、事業部制が導入されたことの大きなメリットの一つであると考えてございます。
それから、子ども総合相談窓口につきましては、従来の組織のありようのもとではなかなかつくり得なかったものであるというふうに考えてございます。課という垣根を取り払い、複数の統括管理者が管理するさまざまな仕事を区民の利便性という視点から選択し、一つの窓口として対応を行うものでございます。これによりまして、区民の皆さんはこれまでであれば、課ごと、種ごとにそれぞれ別の窓口に行かなければならなかったものを子ども関係の各種手続については、基本的にすべてこの窓口で移動することなく済ませることができるようになるものでございます。円滑な窓口の運営に向けて、関係職員が創意工夫を凝らしているところでございます。
○高倉委員 今、子ども総合相談窓口のお話がありました。従来はつくり得なかったことが事業部制によってこういうことができるようになったというお話がありました。一つだけお伺いしておきたいんですけれども、子ども総合相談窓口はどこにつくられるんですか。例えば、区役所の1階なのか、2階なのか、3階なのか、あるいは予算説明資料を見ると、発券機を置くとかこういう話が書かれていたりとかするものですから、多分、いらっしゃる方は子ども連れでいらっしゃると思うんです。そういうときに、子どもさんを連れたお母さんが待っている体制とか、あるいはベビーカーの置き場所とか、そういう細かいことを教えていただけますか。
○竹内女性・青少年課長 窓口は本庁舎の3階、北東側につくる予定でございます。当然、待ち合いスペース、子どもさんを連れていらっしゃることが想定されますので、子どもさんが一時的に遊べるようなスペースを確保したいというふうに考えてございます。
○高倉委員 もう少しいろいろお聞きしたいところですけれども、次に移りまして、この事業部制について、その基本となるのは、目標と成果による区政運営であると、このようなことをおっしゃられているわけですが、多分、この成果ということを考えたときに、職員の意識改革とかやる気というようなところと非常に関連がある部分だと思うんです。そういう意味でいえば、事業部制でやった成果をどう評価していくのかと、こういうことが大変大事になってくるんだと思います。評価ということは、事業の評価もあれば、人の評価ということも当然考えられるわけです。私は、この事業部制について、岐阜県の大垣市に行きまして、その取り組みも聞いてまいりましたけれども、こちらの方では、その事業部制の結果を期末手当みたいなところに反映させることも検討していると、そういうふうにもお聞きしているわけですけれども、この事業部制において、人の面での評価というのを中野区としてはどのように考えているのかお聞きしたいと思います。
○寺嶋人事課長 15年度におきましては、管理職については目標による管理を実施いたしまして、勤勉手当について成績率を導入いたしました。6月と12月において、各人の評価に応じて処遇したところでございます。
16年度から、目標による管理を全職員に広げる予定でございますが、一般職員の御指摘のような勤勉職員への成績率の反映は、現行では制度化されていないというところもありまして、特別昇給、あるいは昇任・昇格などに反映させていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今、15年度の話がありましたけれども、経営改革指針を見ると、15年度は加点主義に基づく目標による管理の一部実施と、こういうものが一つあるほかに、部下が上司を評定する制度実施、表彰制度の実施と15年度にあるんです。これは実施されたんですか。
○寺嶋人事課長 部下が上司を評定する制度及び表彰制度につきましては、申しわけないんですが、検討を重ねており、まだ実施には至ってございません。
○高倉委員 そうすると、この経営改革指針を見ると、加点主義に基づく目標による管理の全体的実施を16年度にすると、このようにあるわけですけれども、15年度にできなかったものも含めて16年度にやるんですか。もう16年度は目の前ですけれども。そして、この事業部制というのが既にスタートしているわけですけれども、こういう人の評価の面というのを16年度どうするのか、具体的に決めていないんですか。
○寺嶋人事課長 先ほども少し申し上げましたが、目標による管理、自分の目標を職員がまず掲げて、それを上司と相談して今年度の目標を出すと。その目標は期末においてどのように達成されたかということを全職員について導入したい、それを評価の基本にしたいと考えてございます。
それから、お尋ねの部下が上司を評定する制度及び表彰制度につきましては、もちろん16年度中に実施する予定でございます。
○高倉委員 本当に職員のやる気とか意識改革というものを引き出すとすれば、例えば事業部制なんていうのは、会社でいえば本当に営業部門みたいなお話だと思うんです。そこで本当に職員のやる気とか意識変革、こういうものをし出すとすれば、例えば頑張った人は頑張った人なりに評価をする、こういうことがきちんとしていなければ、なかなか難しいのではないかなと私は思ったりするんです。例えば、会社には社長賞みたいなところを設けている会社があるんです。例えば区長賞とか、あるいは事業部制になっていますから、各事業部の事業部長賞、こういうようなものを設けてみてはいかがですか。
○寺嶋人事課長 職員に対する表彰制度につきましては、現在のところは永年勤続とかそういうことしかございません。成果を挙げた職員に対する評価の一つとして、お尋ねのような区長賞、あるいは事業部長賞などというのは、表彰の一つの考え方として意味のあるものであるというふうに考えてございます。今後、検討していきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今、頑張った人の話をしたわけですが、もう一方、頑張れなかった人というのも、もしかするといるのかもしれませんよね。そうすると、頑張れなかった人はどうするんですか。どうもしないということになれば、頑張らなくても大丈夫なのかなと、こういうようなことがあると思うんです。これは、むしろ従来の公務員の皆さんのよく指摘される悪い部分、こういうようなところだと思うんですが、よく頑張った人はそういう目に見える形で評価をする。ところが、目標を掲げて、達成できなかった、それはいろいろな事情はあるかもわかりませんけれども、そういう人についてはどうするんですか。
○寺嶋人事課長 まずもって、それは上司の指導によるところが大きいということでございますので、上司がまず指導いたします。なおかつできないという場合には、やはり特別昇給がなかなか受けられないとか、あるいは人事配置上の配慮をすると、このようなことを考えてございます。
○高倉委員 次に移らせていただきます、大分時間も経過をいたしましたので。
行政改革との関連のお話ですけれども、文京区なんかでは、財政課による事前の査定を廃止したことによって、19億円もの削減効果があったと、このように発表しているそうなんです。今回の中野の事業部制による削減効果、これはいろいろな見方はあろうかと思いますけれども、例えば事業部でそれぞれ創意工夫をして削減できたと。これはそちらで出されている数字の3億6,000万円余ということでよろしいですか。
○村木財務課長 平成16年度の予算編成で、ただいま文京区では19億円の削減効果といったようなお話を御紹介いただきましたが、内容がどういうものかということにつきましては、私ども確認しておりませんので、これを単純に中野区に当てはめて比較することはできませんが、財務課による査定を行わず、各部長の権限と責任において予算を調整するという16年度予算の編成におけます事業部制の導入の趣旨から申し上げれば、3億6,000万円余、いわゆる財政運営の考え方の中でお示しした数値がこれに当てはまる、このように考えております。
○高倉委員 そうした努力があったということは、私も一定の評価は申し上げたいと、そのように思っております。文京区との比較というのは、単純に比較はできないということは私も承知しているつもりでお聞きかせただきました。
この行財政の改革につながるむだの廃止と、こういうことでいえば、私たちの会派の斉藤(高)議員、そして私もですが、昨年の本会議で職員の通勤手当の改善の提案、あるいは職員の退職に当たっての名誉昇給の廃止の提案、こういうことをさせていただいて、実施したことについては評価いたしたいと思いますけれども、最終的に両方で幾らぐらい効果があったんですか。
○村木財務課長 職員の通勤手当にかかわる、定期にかかわる手当の支給方法を1カ月から6カ月へ変更したこと、これでいわゆる予算原案の段階では5,000万円、それから名誉昇給の廃止によりまして2,500万円余、合わせて7,500万円余の削減効果を見込みましたけれども、実際にはこれよりもふえる、9,000万円程度の効果はあるだろうというふうに考えております。
○高倉委員 9,000万円、私たちが最初お聞きしていた数字よりももっとすごい数字になっている、1億円近くと、大変な、特に通勤定期なんていうものについては、明らかなむだだと思うんです。こういうような全体にかかわるようなことというのを事業部制、部を超えたものというような感じもするんですけれども、そういうようなむだの削減、こういうものは事業部制の中では可能なんですか。
○長田経営改革推進担当課長 区政運営全体に関します調整ということでございますが、これはやはり区政全体の中で調整を行っていくものでございます。事業部制の導入後も、部を越えた改革につきましては、区長の政策判断でこれを行っていくと、そういう考えでございます。
○高倉委員 この行革のことの最後に、行財政の改革については、5か年計画が平成17年度で終了するわけですけれども、区長は本会議でも財政の大変厳しい危機的な状況が続いていると、こういうご認識を示されております。今後、この行財政の改革をどういうふうに進めていくのか、こういうことについて、今、事業部制の手法を取り入れてやっていらっしゃるわけですが、事業部制というものを中心としてこの行革を進めていくのか、あるいはそれともこれから発表される基本構想、そして10か年の計画の中にきちんとした行財政の改革のプラン、こういったものをはめ込んでいくつもりなのか、ここのところの考え方をお聞きしたいと思います。
○長田経営改革推進担当課長 今後の行財政の改革は、事業部を中心に目標達成をいかに効率的、効果的に行うかという改革と区全体としての運営の改善を図る改革と、双方によって進めてまいりたいというふうに考えております。10か年の計画では、財政再建の道筋を示すことが必要であり、行財政改革の内容を10か年計画の中で明らかにしてまいりたいと考えているところでございます。
○高倉委員 次に、この項の中で指定管理者制度についてお伺いしたいと思います。
指定管理者制度が設けられたことで、従来の管理委託については、3年以内に指定管理者制度に移行するか、あるいは直営に戻していくか、このどちらかをとることになるわけですけれども、中野区にはこういう管理委託というのは幾つぐらいあるものなんでしょうか。そして、その代表的なものとしてはどういうものがあるんでしょうか。
○鈴木政策担当課長 3年以内に指定管理者に移行するか、あるいは直営に戻すかという判断をしなければならない施設は、施設の設置条例で管理委託を規定している施設でございます。代表的なものとしては、勤労福祉会館、社会福祉会館、それからもみじ山文化センター、野方区民ホール等々、全部で17施設ございます。
○高倉委員 これは北海道の北見市の例ですけれども、私はホームページを見て、へえと思ったんですが、この1月から2月にかけて、公の施設を管理運営する指定管理者の募集が載っておりました。一覧がずっと載っているんです。長いものですから、私も思わずずっと見てしまったんですが、全部で39施設に対して指定管理者の募集をしていました。地区住民センターとかコミュニティプラザ、総合福祉会館、高齢者文化館、あと公園とか温水プール、体育センター、いろいろなものがあって、39もずらずらと並んでおりました。
今後、今17カ所というお話がありましたけれども、区民にはもう既に周知されているというおつもりなんですか。つもりというか、そういうふうな御認識なんですか。私は早くきちんと情報提供をするべきだと思うんですが、いかがですか。
○鈴木政策担当課長 十分な周知というところでは、まだ至っていないというふうに考えております。
○高倉委員 十分な周知をちゃんとしないと大変ですよ、また。本当に。3年以内にというのは、ある意味では決められていることですから、どっちにするにしても、こういうものは早く区民に情報提供しなければいけないと思いますよ。そこで起こってくる議論はきちんと受けとめてやっていかなければいけないのではないかなと、こういう気がいたします。
今、いろいろと例が幾つか挙げられましたけれども、文化・スポーツ振興公社、例えばこういうところがやっている管理委託についても対象になってくるんだと思うんですが、もしこの文・スポ公社が指定管理者になれないと、こういう場合はどうなってしまうんですか。
○奥山生涯学習課長 文化・スポーツ振興公社につきましては、区の文化スポーツ施設の管理運営、またその施設において実施する文化スポーツ事業としまして、区民の文化スポーツの振興のために設立された法人でございます。こうしたことから、公社が指定管理者になれない場合には、公社の存立そのものが問われるような、非常に厳しい事態になるものというふうに考えてございます。
○高倉委員 非常に厳しい事態が3年ぐらい先にあるわけではないですか。本当に大変な問題だと思いますよ。真剣に考えていかなければいけないと思います。いろいろとお聞きしたいんですが、時間が予定よりも少し過ぎてしまっておりますので、さらに進みますけれども、図書館業務の一部を民間に委託するということになっていますが、図書館業務に指定管理者制度というのは適用できるんですか。
○石﨑中央図書館長 お答えいたします。地方自治法上はすべての公の施設が対象となっております。しかしながら、個別法である図書館法が優先的に適用されまして、館長の設置義務が課せられております。そのため、現状では直ちに指定管理者制度の導入というのは困難であるというふうに思っているところでございます。
○高倉委員 指定管理者制度の最後の質問にいたしますが、先ほど挙げられた17の施設というんでしょうか、それ以外で何か具体的に区で検討されているようなことがあるとすれば、ここでお話しいただきたいことと、そうしたものも含めて、今後、区として指定管理者制度の活用についてどういう考えであるのか、具体的にどこをどうするのか、こういうことを早く提示していただければと思いますけれども、御見解を伺います。
○鈴木政策担当課長 現在、管理委託をとっていない施設につきましても、区は民間でできることは民間に任せて、区民サービスの向上、それから効果的、効率的な施設運営を図っていく、そういう観点から、小さな区役所で豊かなサービスの創出、そういったものを考えてまいります。そういった観点から、施設の運営につきましても、民営化、それから指定管理者制度の導入、そういったことのメリットを十分考え合わせて選びとっていかなければいけないというふうに考えております。区全体の施設につきましては、区立施設の配置のあり方というところで配置のみならず、運営主体についても考えてまいりたいと思いまして、10か年計画の中でそういったものについてはお示ししてまいりたいというふうに考えております。
○高倉委員 次に、経営改革指針とNPOや自主団体の活動支援についてお伺いしたいんですけれども、経営改革指針の中にNPOや自主団体への支援というのがきちんと盛り込まれております。15年度の中には、NPO・自主団体支援方針の策定と、こういうものがあるんです。また、16年度にはNPO・自主団体に関する支援条例の制定と、こうあるんですけれども、おくれているのではないんですか。方針というのは間もなく出されるというんですが、今定例会でちゃんとしたものが出るんですか。それと、16年度は条例制定ということでしたが、多分、16年度ではなくて、その次の17年度のような気がいたしますけれども、これはどういう理由なんですか。
○鈴木政策担当課長 NPO・自主団体の支援につきましては、公益サービスの担い手についての考え方でありますとか、あるいは区民の主体的な活動の発展、そういったものの大きな論点の中で方向づけを行っていかなければいけないというふうに考えておりまして、そういった点で時間をいただいている、時間を要しているというふうな理由がございます。また、このNPOの支援のあり方については、情報の公開とか透明性を確保しながら、NPO・自主団体の自主性を確保できるような環境の整備を図っていきたいというふうに考えています。
また、現在も11月からこうしたNPO・自主団体の方々との意見交換なども踏まえて、公共的なサービスの担い手の活動がさらに発展するよう、今、区としても検討を詰めているところでございます。
○高倉委員 このNPOや自主団体の支援というのは、区長さんが当選された後、大事な施策の柱として打ち出されていたはずですよね。これがこういうふうにおくれているということは、私たちとしてもいろいろな提案をしてきた立場から、どうしてかなと思うと同時に、何をしているのかなと、こういう気持ちでおります。区長さんいかがですか、このことについてどうお考えになっていますか。
○田中区長 なるべく早く形にあらわさなければいけないというふうには考えているところでございまして、時間を要しているということについては大変申しわけない気持ちをしているところであります。しかしながら、この問題というのは、新しいこれからの社会における市民の活動のあり方、あるいは地域社会をどうみんなが支え、構成していくのかという根本的な社会のあり方といったようなことへの考察、検討を踏まえたものであらねばならないというふうに思っております。そういう意味で、検討のスケールが少しずつ大きくなってきているといったようなことから、検討課題が検討するにつれて横に広がっていったといったようなこともあって現在のような状態になっているということを御理解いただければというふうに思っております。
○高倉委員 大変大事なこれからの取り組みですから、そういうことはよく理解できるつもりでおりますけれども、完全な形を整えてからというのではなくて、できるところからでもやれるものはやって、その姿勢は示すべきだと思うんですよね。
それで、一つお聞きしたいのは、こういうNPOや自主団体の活動を推進していくためのセクションというんですか、支援室とか推進室とか、こういうきちんとした、区民から見ても目に見えるようなものというのはつくらないんでしょうか。例えば、これからNPO、さまざまな団体がいろいろなことを立ち上げするという、その立ち上げのところの局面においては、行政としても支援していくということが大変大事になってくるんだと思うんです。こういう支援室とか推進室、こういうようなものはつくらないんですか。
○鈴木政策担当課長 中野区が事業部制といった組織を選択したことによりまして、そういった考え方と専管組織ということがなじまないというふうに考えておりまして、NPOの推進のための専管組織というのをつくる予定ではございません。ただし、全庁的に進めなければならない問題でありまして、16年度、引き続き区長室で担当して、総合的、全庁的な対応が進むようにしてまいりたいというふうに考えております。
○高倉委員 今つくる考えはないということでしたけれども、何かそういうスタンスがこういう課題に対する取り組みを遅らせているような気もしないではありません。本当に目に見える形できちんと取り組んでいただきたいと、このように思いますけれども、このNPOや自主団体への財政的なサポートというのは、早急な取り組みが求められていると思います。NPOへの融資制度をつくると、こういうことも16年度課題になっておりました、経営改革指針の中にありますけれども。これは予算に盛り込まれていますか。
○高橋産業振興課長 NPOへの融資については、現在の産業経済融資制度の中では、対応することは非常に難しく、予算化には至っておりません。しかしながら、利子補給など支援策については、現在、具体的に検討中でございます。
○高倉委員 今、利子補給の話が出ました。私、この後、利子補給の話をしようと思っていましたが、今、検討されていると、そういうことでしたので、ぜひ頑張っていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
16年度、融資制度の実施というふうに経営改革指針にもありましたので、何とか利用しやすい制度をつくっていただければなと、そう思うと同時に、利子補給についても早急な実現を御要望したいと思います。
このことに関連しますが、NPOや自主団体への支援、支援という言葉は多分ふさわしくないとは思っていますが、そういう言葉を使わせていただきますけれども、例えばコンペ方式みたいな感じで、こういう団体からいろいろ提案してもらって、すばらしい提案をしたNPOや自主団体に対して資金援助していくと、こういうような方法もあるのではないかと思いますが、これを実施するような考えはございますか。
○鈴木政策担当課長 現在検討している中には、NPOや自主団体がみずからいろいろ公共的、公益的な事業を企画して、そういった企画の御提案をいただいて、それに対して審査をし、事業補助をする、そういった仕組みも検討の中に入っているところでございます。
○高倉委員 そうすると、これは実施したいということですか。いつごろおやりになるんですか。
○鈴木政策担当課長 なかなか仕組みも新たなもので検討を十分したいというふうに考えております。16年度中というのは少し厳しいかなというふうに考えております。
○高倉委員 ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
それから、このNPO・自主団体に対する場の提供のことなんですが、平成15年第4回定例会で我が会派の岡本議員の質問に対しまして、区の施設も含めて検討する、こういう答弁がございました。その後、どういうふうに検討されておりますか。
○鈴木政策担当課長 NPOの方々が求めているのは、本当に相互に交流や情報交換ができる、そういった研修もできるような場が欲しいというような声については、十分承知しております。現在、区の既存の施設の活用も含めて、そういった場の提供について検討してございます。
○高倉委員 そうすると、16年度には、何か具体的な案なり、考え方なりが出てきたときには、実施するということですか。
○鈴木政策担当課長 先ほどの答弁の中にも施設配置のあり方について、ことしは大きく基本的な考え方をお示しするというふうに予定してございます。そういった動きと関連しまして、この拠点となるべきような施設についてのめどが立ちましたら、年度の途中でもなるべく急いで提供してまいりたいというふうに考えております。
○高倉委員 よろしくお願いします。
今後、区として大変大事なテーマとして協働推進していくと、こういう方向性ですけれども、私は思うんですけれども、いろいろな市民の方、区民の方、こういうことをしたいなと頑張っていらっしゃいますよね。行政の方にも協力したいな、あるいは一緒にやりたいなと、いろいろな思いがあると思うんです。そういうときに、行政の方が、ではこういうことをしてほしいなとか、あるいは率直に何を思っているのかと、意思疎通なんかを図っていくことが当然必要だと思っています。そういう意味では、大きな話になるかもわかりませんけれども、区として協働推進していくための基本的な計画みたいなものをきちんとお示しになって、そういういろいろな思いのある区民の方、こういう方との意思疎通を図っていくべきだと、このようにも思いますけれども、これはいかがでしょうか。
○鈴木政策担当課長 これからの新しい公共的なサービスの担い手になる方たちとの十分な意思の疎通を図っていかなければならないということについては、全く同感でございます。現在おくれておりますけれども、支援の方針の中には、そういった基本的な区の考え方、姿勢についてもお示しする予定でございます。
○高倉委員 今回の施政方針の中で区長さんは、自治基本条例の項目を立てまして、その中で区民の公益活動を支え、振興するための新たな仕組みを構築すると、このようにおっしゃっています。予算の説明補助資料80ページを見ると、下の方にNPO・自主団体活動の推進の仕組みづくりとありまして、「(仮称)NPO・自主団体支援条例」の制定に向けて、(仮称)自治基本条例審議会において検討を行うとあるんです。自治基本条例の審議をするこの審議会の中で、NPO・自主団体の支援条例を検討してもらうということなんですが、本会議でも我が党の大泉議員がお聞きしましたけれども、そうすると、自治基本条例というのは、それぞれ制定されているところでいろいろな特徴とか特色があるんだと思うんですけれども、中野区の場合は、この自治基本条例の大事な柱として、いわゆるこういうNPOや自主団体への支援、あるいは協働みたいなことを一つの特徴としてきっちりと盛り込んでいくと、こういうお考えなんですか。
○合川基本構想担当課長 自治基本条例は、中野の自治、あるいは住民参加の理念や手続を定めるものでございまして、その中では住民の自治活動支援についての基本的なあり方についても検討する予定でございます。予算説明補助資料には、NPO支援のあり方についての検討手法の説明として、自治基本条例の審議会でも扱うということを付記したものでございます。
○高倉委員 わかりづらい御説明だったような気もしますが、ここはこれで終わりにしておきます。
次に、人件費についてお伺いしたいと思っています。
現在、職員の削減計画については、行財政5か年計画による平成17年度までのもの、そして経営改革指針ではさらに上乗せをして、17年度末で2,804名にするとなっております。現在、その見通しはどうなっておりますか。
○長田経営改革推進担当課長 職員数の削減は順調に進んでおりまして、17年度当初の職員数の目標は達成する見込みでございます。
○高倉委員 さらに、この職員数について、区は、あるいは区長さんはというんでしょうか、2,000人規模にすると、こういう考え方を示しております。現状から見て、大変踏み込んだ内容と、このように受けとめるわけですけれども、財調の算定の職員数からいっても、かなり少ない職員数になるわけですけれども、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○長田経営改革推進担当課長 財政再建を実現し、区民により価値のあるサービスを提供していくためには、簡素で効率的な組織にする必要がございます。行政と民間の役割分担や民間活力の活用をさらに進め、少数精鋭の職員体制を目指していきたいというふうに考えているところでございます。現在、職員が行っている業務を抜本的に見直すなど、2,000人規模の職員体制を念頭に検討を進めてまいる考え方でございます。
○高倉委員 2,000人規模ということになりますと、17年度末の見通しから見ても、さらに800人ぐらい削減するということなんですが、多分、そんなに余っているということではないんだと思うんですが、考え方として、例えば2,000人規模というのが2,000人だとして、差の800は、今のサービスをしていくために、言葉は悪くて申しわけないんですが、余分な職員の方がいらっしゃるのは、例えばどれくらいで、あとは民間の力を使ってと、こういうようなことなのかもしれませんけれども、その辺はどうなんですか。どういうふうに受けとめたらいいんでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 職員数といいますのは、業務に対応して必要な数が配置されているということでございます。先ほども御説明させていただきましたが、行政と民間の役割分担をしていくという中で、区の業務の範囲といったものが大きく見直される契機がございます。それから、区の役割の範囲の中でも、執行方法の見直しということで直営の体制、つまり区の職員が直接携わるのではなくて、委託するような形で職員の削減を図るといった方法もあるというふうに考えているところでございます。
○高倉委員 この2,000人規模への削減ということの達成の時期をお聞きしたいと思います。それから、多分、退職不補充という形で推進されると思いますけれども、長い間続けていけば、やはり職員の世代構成にアンバランスというのが出てくる可能性があると思います。極端な言い方をすれば、若い世代の職員が非常に少なくなってしまう、こういうような心配もあるわけですけれども、今後の持続可能な中野の行政ということを考えたときに、若くて優秀な職員というのはきちんと育てておく必要があると、こういうふうに思うんですけれども、そこら辺の考え方をお聞かせください。
○長田経営改革推進担当課長 職員数の削減を進めるためには、手法としては退職不補充を続けるということを基本に据えたいというふうに考えております。ただ、一定数の採用は着実に実行してまいりたいというふうに考えてございます。組織と職員の活性化を持続して、継続して取り組むとともに、権限移譲を図りながら、若手の職員の能力、それから意欲を引き出すように組織をつくり上げていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
○高倉委員 次に、今回新しくできる子ども家庭部門にかかわりまして、子ども施策のことについて一つお聞きしておきたいと思います。
既に、いろいろ新聞報道なんかでもあるわけですけれども、東京23区の中の動きとしても、子ども施策への取り組みが大変顕著になっていて、それがニュースになっております。千代田区では、小学校6年まで児童手当を拡充するとか、品川では小学生医療証を発行して、小学生への医療費無料化を進めるとか、港区でも小学生への医療費を助成するとか、北区なんかでは中学生まで所得制限なしで入院費を助成するとか、こういうさまざまな取り組みがありますよね。私も本会議の場で、従来、乳幼児医療費無料化があるわけですけれども、小学生、中学生となると、これは乳幼児ではなくて、まさに新たな子ども医療の助成制度というんですか、新しい制度を創設するというか、そういう考え方があってもいいのではないかという思いで質問をこれまでもさせていただいておりますけれども、こうした子ども医療助成制度、こういうものを中野区は導入する考えはないんですか。実施する考えというか。今回、新しい子ども家庭部門ができて、先ほどいろいろ工夫があったと。いろいろなことのお話を聞きました。確かに新規事業もいろいろあるんですけれども、もう一歩パンチがないというんですか、目玉となるようなものがないような気持ちもいたしておりますけれども、こういう小学生や中学生を対象にした、場合によっては入院費ということでもいいかもわかりませんが、新たな子ども医療助成制度、こういったものを区としてやってみるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○今健康推進課長 子ども医療助成は、子育て支援の一つであるというふうに認識しております。乳幼児医療助成は、都の補助を受けて実施しておりますが、子ども医療費助成についての都の動向は、現在のところ定かでございません。実施には小学生の入院時医療助成だけでもおよそ5,200万円の経費を要するというふうな試算をいたしておりまして、今後、区の財政状況を勘案しながら、都の動向等を把握して研究してまいりたいと考えております。
○高倉委員 今、検討というふうなお話もありましたけれども、やる方向で検討するということですか、そうすると。
○今健康推進課長 そうではなくて、子育て支援の中でさまざまな子育て支援策というのは考えられると思うんですけれども、実際には財政負担が伴うものであって、検討は慎重であらねばならないというふうに考えております。今後、子育て支援のさまざまな施策の中で、十分検討していきたいという趣旨でございます。
○高倉委員 今の最初の、そういうことではなくてと聞いてしまうと、やらないということではないですか。納得できないんです、そういう答弁では。
○田中区長 医療費の助成も子育ての支援のためのさまざまな方策の一つであるという認識は持っております。医療費の助成というのは、では具体的にどういうことかというと、経済的な負担の軽減の方策であるということだろうと思います。経済的な負担の軽減をする対象として、どういう方が適切であるのか、また、そこに対する資源の投入が全体としてどれだけの効果をもたらすのか、子育て支援全体に対してですね。そういったようなことを総合的に判断しなければならないというふうに考えております。実は品川区長とお話をしまして、品川区は今回の対策をするのに、ざっと積算したところで年間に5億円ぐらい経費がかかるというようなお話をされておられました。大変ですねと言ったら、品川の場合には500億円ぐらい基金があって、そうした中から政策的な、長期的な政策として判断したといったようなことがありました。中野に基金がないからそういうことを言うわけではありませんけれども、一定の財政負担といったようなものを大きく伴うものでもありますから、子育て支援全体の方策の中で、最も効果的な対策を講じていくのにはどうしたらいいのかというところから検討してまいりたいというふうに思っているわけであります。
○高倉委員 いろいろなことを言われて、ずっと聞いてみると、余りやる気がないのではないかなというふうにどうしても聞こえてしまうんです。今、お金のお話がありましたけれども、先ほど今課長さんの方からは小学生を対象にした、これは入院だと思いますけれども、5,200万円、大変なお金だと思いますよ。品川の場合は、全部の医療費が無料化だからそういうすごいお金になっているんだと思うんですが、さっき私たちが提案した通勤手当のこと、名誉昇給のことで9,000万円という話もありましたよね。私たちは、こういう提案だって実はしているわけですよ、財源のことを言われるけれども。私は思うんですけれども、こういうむだを区は省きました、縮減しましたと。この分をこういう子育てに回しておりますと、こういう説明はできないんですか。
○田中区長 わかりやすくそういう御説明をするということも必要だろうというふうに思っています。全体として省くべきむだは徹底的に省いていく、気がついたむだはその場でただしていくということも必要でありますし、取り組まなければならないというふうに判断した施策には、直ちに取り組んでいくということでありまして、それぞれについてきちんと御説明していきたいというふうに思っております。
○高倉委員 御検討という話もありましたので、今後の課題としてしっかりと検討を行っていただきたいと、このように思います。
もう一つ、この子どものことについては、不妊治療のことについてお伺いしたいと思います。
国の方で新年度の予算案の中で、この不妊治療の経済的負担に対する助成というのが盛り込まれました。私たち公明党としても、これは強く推進を求めてきたものでありますが、本会議で私がこの問題を取り上げたときに、中野区としての独自の取り組みと、こういうことを申し上げたときに、国の動向を見ていくと、こういう御答弁がありました。その後、どういうふうにお考えになっていますでしょうか。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 精神的並びに経済的な負担の多い不妊治療に対しまして、国が2分の1、都が2分の1ということで補助が制度化されたことは朗報と思っております。事業に対しての区の役割ということは、まだはっきりしておりませんが、事業運営が円滑に行われるように協力していきたいと思っております。
○高倉委員 さっき子ども医療のところで大声を張り上げて、私も疲れてしまったんですが、本来、特殊合計出生率でしょうか、中野区は極めて低いですよね。本当は中野区が先にこういう取り組みをされて国の方を動かしていくぐらいの、本当はそういう話だと思うんです。国の方が本気でもってこういう少子化に対してこういう具体的な取り組みをする、こういうことが示されてきているわけですけれども、中野区として、ああ、よかった、よかったと言っているのではなくて、そういう国の取り組みの上で、さらに中野区としては、全国平均からいっても、とても子どもが少ないわけですから、そういう取り組みが必要だと思うんです。どうですか、もう一度お聞きします。
○沼田鷺宮保健福祉センター所長 助成の拡大・上乗せというようなお話だとは思うんですが、本事業については、来年度、国で開始されますので、執行状況の実態を見極めることが先決だと思いますので、16年度の実施状況を見て、制度の改革・改善が必要であるとか、そういうことでありましたらば、また国等に要望するなど、必要な対応をしていきたいと考えております。また、経済的な負担のみでなくて、不妊に悩む夫婦にとっては、精神的、心理的、そのような負担もすごく大きいと考えますので、正確な情報の提供とか、また精神的なサポート、カウンセリング体制なども考えていきたいと思っております。
○高倉委員 次に進みます。私立幼稚園の保護者負担補助については、私たち、復活要求で強く増額を申し入れました。今後の課題として検討すべきだと思いますが、いかがですか。
○篠原学校教育課長 この補助金につきましては、行財政5か年計画の中で見直しがされまして、平成13年度から、当時、月額1万円だったものが現在の8,500円に見直しをされたものでございます。この補助金の増額につきましては、先ほど区長から答弁がありましたが、子育て支援施策全体の検討の中で行っていくものだというふうに考えてございます。
○高倉委員 この子どものところで、最後の質問にいたします。今回、子ども家庭部門、今度新しく子ども家庭部になりますけれども、子ども施策全体にかかわる区のいろいろなものを集めたわけですけれども、今後、子ども施策にかかわる区の基本的な姿勢、方針というものを明確にしていくためにも、基本的な子ども施策を推進するための条例というものも必要かなと思います。金沢市なんかでも、こういう子ども条例というものをつくっておりますが、こういうお考えはありますか。
○竹内女性・青少年課長 子ども施策の基本的姿勢ですとか、行政等の責務の役割といったことにつきましては、10か年計画とともに策定いたします次世代育成の行動計画の中で明らかにして、実施していくものというふうに考えてございます。現時点で、金沢市のような子ども条例といったようなものを制定する考えはございません。
○高倉委員 この後、区立施設の配置のことをお聞きするつもりでおりましたが、割愛させていただきます。
この項の最後に、健康づくりについてお伺いしておきたいと思います。
更年期の症状に悩む女性の方が大変ふえていると、こういうふうに伺っております。最近は、20代から30代の若い女性の更年期、若年更年期が問題になっていると、このようにもお聞きしておりますが、晩婚化とか栄養のバランスの崩れ、仕事のストレス、さまざまなことが影響しているようです。知り合いの人が土曜日に婦人科に行ったら、若い女性でいっぱいだったと、こういうことも聞いたりなんかしております。女性特有の症状ということもありますので、病院に行くようなことをためらう傾向というのがあるというふうにも聞いておりますけれども、最近はこういう女性のために、女性専門外来、専用外来とも言いますが、こういうものを置く病院が出てきておりますけれども、中野区を含む医療圏に、この女性専門外来というのはあるんでしょうか。
○今健康推進課長 性差を考慮した医療としての女性専門外来は、区の西部保健医療圏内では東京女子医大に女性障害健康センターとして設置されております。また、中野区内にも個人医院では行っているところがございます。
○高倉委員 女性が元気だと、町も大変元気になると思います。しかしながら、一番元気であるべきときに更年期で悩むことが多いと、こういうことでございまして、女性の健康を守る立場からこういう専門外来というのが注目を集めていると思います。公明党としても、全国でこの専門外来を積極的に設置を進めているところです。
東京警察病院でも、この女性専門外来の取り組みが既に進められていると、このように伺っておりますけれども、今度、中野区に開設予定の警察病院、ここにもぜひとも女性専門外来がきちんと設置されていけば、中野区としても初めての本格的な女性専用外来になるのではないかと、このように思うわけですけれども、警察病院の方にしっかりとお願いしていただけますか。
○川崎保健福祉課長 現在、東京警察病院では、昨年1月に女性専門外来を設けたということでございます。今、平成19年度の中野区移転に向けて、医師会を初め、関係機関とともに協議しているところでございますが、その場におきましても、この専門女性外来の継続につきましては要望していきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今、警察病院のことを出しましたので、小児救急、これも強く訴えてまいりました、こういう機能を持つようにということで。これは、今どういう協議になっておりますか。
○川崎保健福祉課長 この問題につきましても、現在協議を進めているところでございますが、病院側の方からは、小児科医師の確保など課題が多く、なかなか実現は難しいというふうな見解が示されておりますが、なお引き続き検討を進めるということでございますので、区といたしましても、引き続き要望していきたいと、そのような状況でございます。
○高倉委員 最後に、男性の更年期についてお伺いしておきたいと思います。
最近、男性の更年期というのが取り上げられているんですね。アジアの諸外国では、この研究が大変活発だと、こういうふうに聞いております。先日、ある雑誌を見たら、医療法人医新会の理事長の横山博美さんという方が、男性の更年期とはこういう症状なんですよとわかりやすく書いていました。ちょっと紹介したいと思いますが、休みになると出かけようともせず、家でごろごろすると。だるそうで元気がなく、小声で話す。電話のベルが鳴っても出たがらない。同じ服装をして着がえたがらない。入浴も面倒くさそうな感じに見える。テレビやラジオの音をうるさがる。夜、眠りが浅いか、途中の目覚めが多い。不安そうで、すぐいらいらする。うつっぽくなり、月曜日になると仕事を休みがちになる。顔がほてり、手足が冷たい。寝汗をかく。肩こりがひどい。こうした精神・自律神経系の症状の方に、尿が近くなったり、性欲が落ちて、数カ月から数年間、性生活がない、セックスレスの状態、あるいはEDが生じるのも男性更年期の最も特徴的な症状であると。
今、聞いていただいて、随分当てはまってしまったななんて思う人がいるかもわかりませんが、ではこれは本当に病気なのかなんていうことをすぐわかるかどうかという問題も多分あるんだと思うんです。こういうことについて、大変大事な課題のような気もしますので、例えば今、女性外患の方でメンタルヘルスケアなんていう名前でうつに関する男性、そして女性、両方のバージョンの講座があったりします。
こういう形で、更年期についての講座、あるいは勉強会を開いたり、また生活習慣病への対応みたいに、早期の発見とか相談を行っていくための対応、こういうことを考えていくつもりはありませんか。
○今健康推進課長 男性も50代から60代にかけて、男性ホルモンの分泌が緩やかに減少することから、今御指摘のような症状が引き起こされるというふうに言われております。これらにつきましては、個人差も大きいんですけれども、食事、運動、睡眠といった日常生活の改善が予防上、非常に重要だというふうにされております。したがいまして、これは本当に健康づくりの課題というふうに認識いたしまして、各種事業ですとか健診の機会などを利用して、基本的な知識の周知を働きかけるなどの対応を工夫してまいりたいと思います。
講座等につきましては、南部の保健福祉センター所長よりお答えいたします。
○佐々木南部保健福祉センター所長 うつを初めとするストレス関連病予防事業については、2003年度の保健福祉部の重点課題研究の一つです。まず予防とか触発という意味では、ストレス自己チェック表というものをつくりまして、3,000部印刷いたしました。この自己チェック表は、働き盛りの人に対するうつ対策をメインにしていまして、食品関係の研修会、あるいは先ほどからお話がある女性会館でのうつ病講演会、それから勤労者の健康審査、これは中部及び北部保健福祉センターで行っていますが、こういうときに労働者の方にお配りしております。
それから、うつに対する講演会ですけれども、実は地域保健と職域保健の情報交換会がこの1月にありまして、そこで中小企業の経営者にターゲットを置いた講演会、心の健康づくりに関する講演会を開こうということが、メンバーである商工会議所の中野支部と共同で4月に開催する予定であります。
○高倉委員 以上で、16年度予算編成と区政の課題についてを終了させていただきます。
次に、安全対策についてお伺いいたしたいと思います。
最初に、子どもの安全について伺いますけれども、今回、子どもたちがいろいろ連れ去られそうになったり、道で傷つけられそうになったりと、こういうような物騒な事件が相次いでいる中で、中野区としても小・中学校のすべての子どもさんたちにブザーを配布すると、こういうようなことを決めていただいたこと、大変評価いたしたいと思います。
私たちも予算要望の中で、この小・中学校へのブザーの配布ということについては強く要望させていただいておりましたので、これは大変歓迎したい、このように思っております。
これが、見えないと思いますが、ブザーの見本なんです。こういうようなものということです。お借りしてきました。
これが全体で何個ぐらいなんですか。そして、例えば1個幾らぐらいになるんでしょうか。それから、私立の学校の子どもさんたちにはどういうふうに配られるんでしょうか。その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○田辺総務課長 ただいま御紹介いただきました防犯ブザーでございますが、これにつきましては、現在、契約して発注しておりまして、来年度、新学期早々に各小・中学校に配布したいと思っております。
数でございますが、区立の小・中学校に約1万5,500個、それから私立等に通われているお子さんに対しましては2,500個、そのほか、音を地域の方にも周知したいというふうに思いまして、地域の団体等に1,700個余を配布する予定でございまして、全体で1万9,750個の購入予定でございます。
1個当たりは240円余りでございます。
そういうことでございます。
○高倉委員 1万9,750個配布していただけると。1個240円、とても安いですね。多分、市販されているものはもっと高いんでしょうけれども、たくさん買うことでこういう金額になっているんだと思います。
これを配った上で、今後これをどう活用していくかということが大変大事になってくると思います。今、地域の方にも1,700個配るというお話でしたね。これが鳴っても、何の音なのかなというのでは困るわけですよね。そういう意味では、本当にしっかりと地域の方々にもお知らせいただきたいと思います。
この音をお聞きになったことがない方ももしかするといらっしゃるかもしれません。1回だけ、短時間にしますので、委員長にお願いしたいんですが、よろしいですか。
○平島委員長 今、委員の申し出がありましたように、防犯ブザー、鳴らしてみてよろしいでしょうか。
〔「ピピピ・・・」というブザーの音あり〕
○高倉委員 120デシベルだそうですので。後ろの方、聞こえましたでしょうか。大体こういう音ですね。うちにある違うものもこういう音がしておりますので、大体同じような音だと思います。
今後、これとあわせて、子どもさんたちへの安全教育をしっかりとしないと、配ったはいいけれども、家にずっと置きっ放しとか、こういうことが一番困るわけで、ちゃんとした安全教育、実際どう使うのか、それから地域の方々へ、特に通学路とか、通学路だけではありませんけれども、そういうところへの徹底も必要だと思うんです。場合によっては、日を決めて一斉に鳴らしてみるとか、こういうようなことがあっても、アピールになるかもわかりませんけれども、そこら辺、今後どうしていきたいのか、どうしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
○田辺総務課長 この防犯ブザーの配布に当たりましては、警察に御協力をいただきまして、各小学校、中学校で防犯教室といったもの、具体的に子どもたちが身を守る方法などを協力して講習していただきたいと思っております。また、あわせまして地域の方々にもこうした防犯教室に参加していただくとか、先ほど申しましたように、地域にお配りする中で、子どもたちがこの防犯ブザーを使った場合に対応する協力要請等もしていきたいというふうに思っております。
○高倉委員 よろしくお願いいたします。
次に、高齢者の安全についてお伺いしたいと思います。
先日、私は大変関心が深い話なので、この子どもさんたちへのブザーのことを街頭でお話ししていたんです。そうしたら、向こうからおばあちゃんが歩いてきまして、私にもブザーがもらえるのと。どこでもらえるのと、こう言われたものですから、私もちょっと詰まってしまって、どうお答えしたらいいかなんて思ってしまったんですけれども、高齢者の方も道を歩いていてバッグをひったくられるとか、こういうようなことがあるというふうにお聞きしておりますけれども、高齢者の安全のためにも、こういうブザーというのは有効だと思いませんか。
○田辺総務課長 今御紹介いただきました防犯ブザーにつきましては、子どもたちがランドセルですとか、それからかばん等に装着するということで有効だというふうに聞いております。高齢者の場合につきましては、ひったくり等が多いというふうにも聞いておりますので、子どもたちの使っている様子なども見ながら、今後検証していきたいというふうに思っております。
○高倉委員 ぜひ地域センターとか、高齢者会館なんかを使って、高齢者の希望する方に防犯ブザーを配るようなことを区で考えてみたらどうなんですか。あわせて、高齢者会館とかに、地域センターもそうですが、防犯コーナーみたいなものを設けて、こういうグッズを展示したり、触ったりとか、そういうことがあわせてできるようなことを考える、こういう取り組みは非常に効果があるのではないかなと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○田辺総務課長 高齢者への防犯ブザーの配布といったことにつきましては、今お話ししましたように、子どもたちの使われ方というふうなことも検証した上で、その導入について検討していきたいというふうに考えております。
○大沼調整課長 高齢者の安全確保のためには、身近な施設での、例えば地域センター、高齢者会館での防犯に関する情報、あるいは防犯グッズの展示、防犯グッズの使用の体験などは大変重要なことと考えています。地域センターは、いろいろな利用法があるわけですけれども、工夫して防犯コーナー的なものを考えていきたいと思います。また、高齢者会館なんですけれども、かなり狭いスペースなものですから、本当にここは防犯コーナー的なものを、机の上に防犯グッズとか情報に関するものなどを展示しまして、防犯コーナー的なものを工夫して考えていきたい、そのように考えてございます。
○高倉委員 次に、学校の安全についてお伺いしたいと思います。
ことし1月20日に文部科学省から学校安全緊急アピールというものが出ていると思います。こういうアピールの内容のことについて、16年度予算に何か反映されているのか、あるいは東京都の新規の事業として、セーフティ教室というものがありますけれども、こういうものへの取り組み、このことについてお伺いしたいと思います。
○小林指導室長 学校安全緊急アピールの趣旨を受けまして、特別の予算は組んでございませんけれども、平成16年度より区立全小・中学校におきまして、所管の警察署や、また家庭・地域と連携してセーフティ教室を実施する予定でございます。また、来年度は教員向けの防犯対策にかかわる安全指導研修会を実施する予定でございます。
そのほか、区立小・中学校、幼稚園では、日常的に安全点検を行いますとともに、年間計画を立て、毎月、安全指導を行っているところでございます。
○高倉委員 私も先日、学校を訪れまして、校長先生からこういう安全の取り組みについていろいろお話を聞いてまいりました。それぞれ各学校で真剣に取り組んでいらっしゃいました。ある学校の校長先生なんかは、剣道の有段者で、校長室に木刀がありました。こういうのは怖いですよね、本当にね。だから、多分近寄らないんだと思うんです。そういうところで不法侵入者が木刀で袋ただきにあったなんていうニュースが流れると、非常に抑止力になるのかななんて思ったりいたしますけれども、それは冗談として、学校のいろいろな対策があると思います。既にいろいろな議論があると思います。今、学校110番というものが、警察にすぐ通報できるものがそれぞれ職員室にあるそうですけれども、各教室で何かあったときに、そこまでリレーをしてくるのがどうなのかなと、こういう課題があろうかと思います。各教室に内線電話を設置して、緊急のときにボタンを押すと全館放送に切りかわるなんていうシステムも可能だというふうに聞いております。この辺のところについて、何かお考えがありますか。
○小林指導室長 平成13年度に全教員に配布したホイッスル、また各学校では防犯ブザーをそれぞれ購入いたしまして、各教室、または全教職員に配布して、不審者が侵入した際、その連絡方法の一つとして用いているところでございます。不審者侵入の対応では、校内の警察署等との連絡体制が重要でございまして、各学校では防犯マニュアルを作成し、日ごろより警察署と連携した避難訓練等を実施しております。
○高倉委員 通学路の安全ということですけれども、少し前になりますけれども、千葉県の方に思いやり信号という信号の調査に行ってきたことがあります。そのときに、千葉の方では学校の通学路、学校が掌握している安全情報と警察にあるいろいろなそういう犯罪の情報を組み合わせて安全マップをつくっていると、こういうようなお話をいただきました。警察との連携というのは大変大事だと思いますけれども、どうお考えになっていますか。
○小林指導室長 地域や学校の実態に応じまして、警察やPTAと連携して、学区内を常に点検いたしまして、学校ごとの通学路安全マップを作成しているところでございます。各学校では、作成した通学路安全マップを全家庭に配布したり、また保護者会、新入生説明会等の際に活用したりして、保護者への意識啓発を図っております。また、実態に即した児童・生徒の安全指導に活用されているところでございます。
○高倉委員 最近、中野警察署の方で犯罪情報を携帯に送信していると。これは議会でも御紹介がありました。いろいろな情報が今流れてきております。中野署の方では、先週からは中野治安速報というのをやって、電話番号は5330-2360だそうですけれども、ここに電話すると犯罪情報というんですか、これが流れてくると。私もさっき質問の前に電話してみましたら、きのう、本町六丁目で空き巣が1件あったと。午後5時半から11時の間にベランダの窓ガラスを割って侵入したと。必ず補助錠をかけてくださいと、こういうようなことが入っておりました。本当に、地域でこういう情報を共有することは大事だと思います。
品川区なんかの方では、子どもが危険な目に遭ったときに、ボタンを押すとすぐその場がわかるような、そういうようなシステムも開発中だと聞きましたけれども、本会議でもありましたので、また繰り返しになりますけれども、こういう情報共有についての取り組みをお聞かせ願いたいと思います。
○田辺総務課長 今御提案がありました警察と区、あるいは学校等の教育機関との情報の共有ということでございますが、中野警察の取り組みも御紹介いただいておりますが、犯罪が発生した場合につきまして、区にインターネットで御連絡いただいて、それを区がホームページで送信するといったようなことも検討しておりまして、より一層、情報共有に努めていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 学校のことについて、もう1点だけお伺いします。
文部科学省が平成16年度に登下校時や校内の見回りを行う地域ボランティア、スクールヘルパーというのを奨励する方針だと伺っていますが、中野区はこれにどう取り組むんでしょうか。
○小林指導室長 学校では、授業公開や学校行事の際の安全管理にPTAの協力をいただいているとともに、保護者や地域の方々の来校時には、校内巡視の役割をしていただくようにお願いしているところでございます。また、地区教育懇談会等のさまざまな機会を利用いたしまして、学区内の安全確保についての協力をお願いするとともに、外から学校の敷地内の安全を見守っていただく協力も要請しております。防犯の面だけでなく、学校に対する地域の方々の支援を今後さらにふやしていくことを検討してまいりたいと思います。
○高倉委員 次に、地域の安全について簡単にお聞きしておきたいと思います。
中野区の16年度の新規事業として実施する地域安全点検パトロール等の防犯活動支援、これは具体的に何団体ぐらい予定しているんでしょうか。また、チョッキやジャケットを配布するというんですが、デザインとか名前は統一するんでしょうか。統一した方が中野区で一斉にやっているなんていう感じもしないでもないんですが、この辺はどうされるんでしょうか。
○田辺総務課長 防犯活動の支援ということでございますが、予算上は1団体15万円を上限といたしまして、16団体程度を予定しておりますが、団体への支援ということでは、多少余裕がある、それ以上の団体にお配りすることもできるかというふうに考えております。
また、支援の内容でございますが、今御紹介がありましたチョッキ等でございますが、御提案のように、区内でパトロール活動を周知するといった意味からも、統一的なデザインの方がいい、名前等につきましても団体の名前を入れるといったようなことを考えております。
○高倉委員 こうした防犯活動は大変大事な取り組みだと思います。新年度は、支援する団体の数はそんなに多くないなという印象を持ちましたけれども、今後、これを大きく拡大していくような、そういうお考えがあるんでしょうか。
○田辺総務課長 引き続き地域の方々にこうした防犯活動について周知徹底を図っていきたいと思いますし、16団体ということではなく、多くの団体にこうした活動に取り組んでいただければというふうに思っております。
○高倉委員 安全対策の最後に、スーパー防犯灯の設置についてお伺いいたします。
現在、このスーパー防犯灯なんていうのが注目を集めている一つですが、この設置は区内で進んでいるんでしょうか。私が住んでいるところのすぐそばに、上高田四丁目という地域がありまして、都営住宅があるんです。都営住宅といっても、高いのではなくて、木造の平屋1階建てです。大分取り壊されておりますけれども、あのあたりが大変寂しいところなんですね、防犯灯はそれなりについておりますけれども。例えば、ここにスーパー防犯灯のようなものを設置すると、こういうようなことを関係機関に働きかけをしていただけませんか。
○尾﨑道路課長 スーパー防犯灯のお尋ねでございます。スーパー防犯灯は、防犯カメラのついた緊急通報装置があるものでございまして、ボタンを押すと警察官と通話ができる機能を備えております。現在、幾つかの区で警視庁がモデル的に設置しております。警察へのホットラインであるため、警視庁が設置し、運用しておりまして、区独自に設置するものではございません。
御指摘の上高田四丁目の都営住宅につきましては、今後、建てかえも予定されておりますので、その計画の推移を見ながら、今後、地域の要望があり、地域としても合意があれば庁内で検討し、警察と協議してまいりたいと考えております。
○高倉委員 次に、介護保険についてお伺いいたします。
最初に、サービス利用者への情報提供、事業者へのチェック等々についてお伺いしたいと思います。
最近、こういう「トゥモロー」という雑誌というんでしょうか、情報誌というんでしょうか、発行されております。区内にも介護保険課の前のところに置いてありましたね。この中身をいろいろ見てみると、事業の細かな情報が書かれています。「ハートページ」というのが一つありましたけれども、あれよりもさらに詳しく書かれています。特に私がいいなと思ったのは、サービスの特色なんていうのがありまして、例えばある事業者はこういうふうに書いてあります。「NHK制作ドラマ、介護ビジネスの取材協力事業所」と、こんなことも書いてあるんです。こういうものが書いてあると、利用者が選ぶときには大変参考になりますよね。今までこういう情報が多分不足していたのではないかなと思いまして、こういう情報誌、そして情報誌の中にまず事業者の自己評価、こういうものを入れてはどうですかということをかつて提案させていただきました。大変いい内容だと思います。
私は、さらに利用者評価なんかもやっていくべきではないかということを、前にうちの会派で申し上げたことがありますけれども、この利用者評価については、最近ホテルなんかをインターネットで検索した際に、掲示板に利用者の声が載っているんです。ああいうところに、かつて火事がありましたなんてあると、とても泊まれないという感じなんですよ。反対に、非常によかったと書いてあれば、安心して選べるわけです。
そういう「トゥモロー」なんですけれども、今、介護認定を受けた区民には、その存在はお知らせしているんでしょうか。また、新規の認定の方だけにでもお配りしてはどうかなとも思うんですが、いかがですか。
○岩井介護保険課長 御指摘の事業者名簿でございますけれども、区の窓口で配布しているわけでございます。これまでは区報に掲載しておりましたけれども、これからは要介護認定の結果通知の中で周知を図っていきたいというふうに考えております。
また、新規の認定者に対してもお配りするということでございますけれども、直接送付するということは郵送料の問題などもございますので、直ちに実施するということは難しいと考えておりますけれども、何らかの方法で認定者の手元に届くというような工夫をしていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 先ほど紹介しましたように、利用者の声の欄があるんですね。きちんとあるんです、欄が。ところが、ずっと見ていくと、一つも書いていないんですよ。一つぐらいあるのかな。ちょっとないような気もするんですけれども、ぜひこういう利用者の声の欄、欄がせっかくありますから、入れるように関係者、発行元でもいいですし、事業者でも結構ですけれども、働きかけをしていただきたいと思いますが、どうですか。
○岩井介護保険課長 サービス利用者の生の声は、他の利用者がサービスを選択する上での重要な判断要素になるわけでございます。御指摘の事業者名簿の発行元に対しまして、今回の議会での議論の内容を伝えていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 それから、サービス事業者への対応についてお伺いしたいんですけれども、事業者が適正なサービスを提供しているかとか、あるいは報酬の請求が適正であるかとか、こういったチェック、あるいは何か問題があったとき、問題が指摘されたとき、事業者に対するチェック、これはどうなっておりますか。
○岩井介護保険課長 区民の方から利用者負担額などについて苦情があった場合には、介護保険法23条に基づきまして、事業者からサービス提供表などの関係書類の提出を求めまして、サービス実績などを確認しているところでございます。
○高倉委員 保険者としての中野区に、こういう事業者をチェックするためにどういう権限があるのかというのをお聞きしたいのと、16年度には介護通知のはがきとかでいろいろなチェックもされると聞いていますけれども、保険者として責任ある調査権を持てるような条例をつくるとか、こういうお考えはありますか。
○岩井介護保険課長 ただいま答弁申し上げましたけれども、関係書類の提出を求めまして、状況を把握するという役割がございます。また、区の条例ということでございますけれども、調査権、立入調査権などについては都道府県の権限とされております。そういう意味では、区の条例で設置するということは難しいと考えております。
○高倉委員 事業者連絡協議会というのがございますけれども、そのことについてお伺いいたします。
中野区の介護サービス事業者の連絡協議会については、さまざまな活動もしていると伺っておりますけれども、サービスの向上を図る上では、ケアマネジャーとかヘルパーさんのスキルアップ研修というのが非常に大事だというふうに思っておりますけれども、これはどれぐらい実施されてきたものなんですか。御承知ですか。
○岩井介護保険課長 平成15年度におきまして、事業者協議会を行いましたケアマネジャーとヘルパーを対象とした研修でございます。これは、痴呆性高齢者の介護の仕方であるとか、成年後見制度、また第三者評価制度などについて、延べ9回実施したというふうに聞いております。
○高倉委員 現在、この事業者連絡協議会の活動ということを考えたときに、今、事務局は社協がやっていらっしゃるというふうにお伺いしておりますけれども、この体制に、適当な言葉が見つからないんですが、無理というのはないんでしょうか。例えば、港区の方では、NPOに事務局の仕事を任せてしまっていると、こういうようなこともありますし、場合によっては、連絡協議会それ自体を法人化してしまうとか、こういうようなことをする中で、さらに活発な事業が展開できるのではないかなという気がいたしますけれども、こういうことを連絡協議会の方にお話をしていくつもりはありませんか。
○岩井介護保険課長 各事業者の、御指摘がございましたようにサービス水準の向上であるとか、事業者からの連携を図っていくためには、事業者協議会の各会員が主体的にその運営にかかわることが必要だろうと思います。毎月、協議会の役員会が開催されておりますけれども、その役員会では、当面は社会福祉協議会に事務局を担ってもらうという必要があるけれども、今後の方向としては、法人化を図っていくべきではないかと、そのような議論がされているというふうに聞いております。
○高倉委員 次に、介護予防の充実についてお伺いいたします。
介護予防については、当議員団としても今後の大事な方向性として、そういう観点から取り組みを強く求めてきたところでございます。平成16年度で終わるゴールドプラン21の後の新たなプラン策定の方向を検討するために、厚生労働省の局長の私的研究会として設置された高齢者介護研究会、こういうところが昨年6月に報告を出しております。既にお読みになっていらっしゃると思いますけれども、その中で介護予防、あるいはリハビリテーションを勧める視点というのが盛り込まれております。また、東京都においても、介護保険の施行後5年を目途とする制度の見直しに向けて、東京の高齢者介護を目指す10の目標と、こういうものを盛り込んだ案が出されておりまして、この中でも介護予防が大変重要な柱に位置付けられております。
中野区として、このほどというか、今回というか、効果ある介護予防メニュー及び関係機関連携のあり方等調査研究事業と、とても長い、今、読みづらかったんですが、こういう事業を打ち出しまして、取り組みを始められたところというふうにお聞きしておりますけれども、私どもも積極的に介護予防を推進すべきというふうに訴えてきた立場から、この取り組みについては歓迎したいと思います。
今申し上げた調査・研究事業の中に、モデル事業をして、そして検討会でもってさらにそれを素材にさまざまな検討をするということになっておりますが、三つのモデル事業が示されております。民間フィットネス施設における体操プログラムを主体とした高齢者の筋力トレーニング及び運動指導師を他のモデル事業へ派遣する事業、これが一つです。二つ目に、高齢者福祉センター、高齢者在宅サービスセンターにおけるマシンを利用した要介護高齢者を含む筋力トレーニング事業、そして三つ目がNPO法人が町会所有施設を利用して行う痴呆予防ミニデイ事業と、こういう三つが今回モデル事業としてあるわけですけれども、三つのうち二つが、これを読むと筋力トレーニングに偏っているかななんていう気もするんですけれども、この三つにしている理由をお聞かせください。
○城所中部保健福祉センター所長 介護予防メニュー等の調査・研究事業の中でのモデル事業について、筋力トレーニングについて二つあるということでございますが、筋力アップが介護予防につながっていくということはいろいろな研究成果等がございます。その中で今回は、一つ目は民間フィットネス施設でというものですけれども、これは直接マシン等は使わないで、体操等によって行うもの、また対象者は介護状態になっていない方というものでございます。2番目の方は、実際に東京都の老人総合研究所で開発されたマシンを導入いたしまして、対象者は高齢者福祉センター、あるいは高齢者在宅サービスセンターを利用されている方で、虚弱ないし要介護状態になった方、これらに対する実際の事業として展開するものです。
○高倉委員 私は先日、当会派の飯島議員、やながわ議員、久保議員とともに、葛飾区のパワーリハビリの取り組みを見てまいりました。また、さらに私は、京都府の精華町に行ってまいりまして、介護予防事業、若返り元気塾と、こういったところも調査に行ってまいりました。葛飾の方の事業は、要介護者を対象にしたものでした。京都府精華町の方は、むしろ元気な高齢者を対象にした事業でありました。京都府の精華町の方は、健康チェックとかウオーキング、転倒予防体操、体力測定、水中運動、音楽療法プログラムと、いろいろなことに取り組んでいらっしゃいました。平成16年度にはマージャン教室もやると、こんなようなこともお聞きして、私また、へえと思ったんです。
私は、要介護者をこういう介護予防事業の対象にするということも大事ですし、さらに介護の認定を受けていない、いわゆる元気なお年寄りというんですか、その中に虚弱なお年寄りもいらっしゃると思いますけれども、こういう人を対象にする予防事業、どちらも大切だなと思いますけれども、中野区としては今後、介護予防を進めていくに当たって、どういうふうに軸足を置いていくというか、対象者ということについて、どういうふうにお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のように、両方とも重要だと考えております。特に、お元気な方がさらにそれを継続するという点も重要だと考えております。来年度から高齢者会館が保健福祉部門の方の所管になるということも含めて、高齢者の健康づくりということは、イコール介護予防の取り組みという視点から、積極的な取り組みをしていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今回の16年度の予算の中には、予算の補助説明資料222ページですけれども、介護予防教室の事業と、こういうものが盛り込まれております。内容を見ると、転倒予防の視点からの事業と、こういうものも入っているわけですけれども、これは従来から実施している事業の拡充でしょうか。それから、この事業の効果というのは検証することにしているんでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 この事業の眼目の一つは、骨密度の測定を入れているところです。骨密度相談につきましては、今年度まで四つの保健福祉センターで実施しておりますが、これにつきまして、来年度からの持ち運び可能な超音波の骨密度測定器を導入することによって、高齢者会館で実施すると。そこの中で転倒予防教室をして、より充実させていきたいというふうに考えております。また、実施後、3カ月後等にもう1回行うことによって評価をしていきたいというふうに考えております。
○高倉委員 先ほど御紹介しました中野区の介護予防メニューの調査・研究事業、この検討会に東京都老人総合研究所、介護予防緊急対策室長の大渕修一さんという方が入っていらっしゃいますね。その大渕さんという方が中心になって著したというんですか、「介護予防完全マニュアル」という本があるとお聞きしまして、電話したら、翌日送ってきてくれました。もちろん無料ではありません。ちゃんとお金は払いました。これを時間がなかったんですけれども、中身をよく読ませていただきました。介護予防のメニューが大変詳しく書かれておりました。この中にあったのは、大きく分けて、おたっしゃ21健診というのが一つあるんです。それから転倒予防プログラム、地域型痴呆予防、高齢者筋力向上トレーニングと、こういう内容で、事細かに実施するための、まさにマニュアルですね。非常にわかりやすく書かれております。
そうすると、今回、この中野区で検討会にこういう本を著されている方が入っていらっしゃいますので、例えばここに載っているような、今、四つぐらい申し上げましたけれども、こういうような介護予防メニューというのを今後、中野区として用意したいと、あるいはそういう方向であると、こういうことをお考えになっていると、そのように考えてよろしいですか。
○城所中部保健福祉センター所長 この検討会を通じて、そういったことを反映できたらと考えております。
○高倉委員 この介護予防メニューの中に、痴呆予防というのがあります。今回、先ほど紹介した三つのモデル事業の中でも、一つ取り組むようなことになっておりますけれども、世田谷区の方では、痴呆性発症遅延活動ということで、高齢者が有酸素運動を中心として運動プログラムとパソコンを使ったミニコミ誌づくり、余暇活動プログラムなどを実施していると。今後、32グループぐらいの活動を目指していると、こういうようなお話を聞きました。
また、先ほど言った、私が調査に行った京都府の精華町でも、ここでは静岡県の岡部町の例を参考に、新年度から新たな痴呆予防に力を入れていきたいと、こういうようなお話を聞いてきたところです。今後、この痴呆予防については、介護予防の中でも大変大事なメニューになってくると思います。本格的な取り組みが望まれているところだと思いますけれども、ぜひ中野区としても他の自治体の参考になるような事業展開をしていただくように望みたいんですけれども、意欲をお聞かせ願えますか。
○城所中部保健福祉センター所長 現状でも、要介護高齢者の方の御相談等でも、この痴呆の問題というのは非常に難しい事例として、困難事例として挙がっております。そういう意味でも、痴呆予防の取り組みというのは非常に重要だと考えております。また、これは高齢者の方がいろいろな形で活発に、生き生きと活動することが予防につながっているというふうに思いますので、今回のモデル事業の成果も踏まえて、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○高倉委員 一つ、御提案しておきたいと思います。音楽療法のことなんです。先ほど、京都の精華町でも取り入れているというお話をさせていただきましたけれども、この音楽療法については、私も区の職員の方とともに23区の中の高齢者の介護施設に行きまして、その状況を見させていただきました。1時間ぐらいすると、だんだん目の輝きが変わってくるようなことを目の当たりにさせていただきました。この音楽療法は、痴呆の予防にも大変有効という説もお聞きしておりまして、ぜひとも今後、中野区として介護予防のメニューの中に取り入れていっていただきたいと、このように思うんですけれども、介護予防メニュー等調査研究事業の検討会の議題に乗せていただくことはできませんか。
○城所中部保健福祉センター所長 音楽療法について、区内のボランティアの方の活動があるというふうにも伺っております。そういう意味では、今回の検討会においても、社会資源の活用というところで、そういった地域でのボランティアの方々の活動をどういうふうに取り入れていくのか、その点についても検討していきたいと思っております。
○高倉委員 ぜひ今回、高齢者、あるいは介護の施策については高齢者会館等を活用していろいろやっていかれるとお聞きしておりますから、こういう音楽療法についてもそういう場とか、仕組みづくりを考えていただければと思います。
最後に、この介護予防については、今後の中野区として、介護予防を進めていくための推進計画、あるいは推進プラン、こういうものをつくるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○川崎保健福祉課長 いわゆる介護予防につきましては、今御議論がありましたように、社会参加ですとか生きがいづくり、健康づくりという幅広いものを含んでおりますので、そういった意味で、その課題ですとか、取り組むべき事業、これについてわかりやすく示す必要があろうかと思っています。その意味で、昨年策定いたしました中野区保健福祉総合推進計画がその計画として位置付けられているわけなんですけれども、ただ、その中でいわゆる介護予防というくくり、見え方がいま一つ明確ではないというふうな御意見もありますので、中野区保健福祉総合推進計画を改定するに当たりまして、いわゆる介護予防の視点を明確に打ち出していきたいというふうに考えております。
○高倉委員 次に、小規模多機能型のサービス拠点についてお伺いしたいと思います。
先ほど紹介しました高齢者介護研究会、この報告の中でも、今後の方向として、小規模多機能サービス拠点の整備と、こういうことが言及されております。日中の通いですとか、一時的な宿泊、あるいは緊急時や夜間の訪問サービス、まさに切れ目のないサービスを一体的、複合的に提供する拠点であると。今後の在宅介護等々も考えたときに、中野区としては早急に取り組んでいくべき課題であると、このように思っております。ぜひできるところから、多分、国の方からもどんどんこういう方向が今後出てくると思いますけれども、中野区としてできるところから取り組んでみてはどうかと思うんです。16年度に、本町四丁目に高齢者福祉住宅デイサービスセンターと、こういう予算が盛り込まれておりますけれども、例えば、ここでこの小規模多機能型のサービス拠点の機能の一部でも持たせると、こういうことも可能ではないかと思うんですけれども、これはいかがですか。
○冨永高齢福祉課長 本町四丁目の整備基本方針でございますけれども、デイサービスセンターと福祉住宅を建設するということでございます。現在、19年度に向けて準備しているところでございます。今、御提案の小規模多機能のサービス、一部でもということでございましたが、現在、介護保険制度の位置付けがきちんとされているわけではございませんで、現在、国の段階で介護保険制度の見直しの中で論議されている事柄でございます。今後、方向としてはそういう方向だろうと。高齢者のケアにつきましては、そういう方向を目指すというふうに区も考えてございますので、できるところから、本町四丁目につきましては、今年度、民間事業者の選定というプログラムを組んでございますので、企画提案という形での選定作業に入るわけでございます。そういった選定作業の中で検討、一部機能が具体的に取り込めるかどうか、国の動向を見極めながら検討してまいりたいというふうに思います。
○高倉委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
この項の最後に、高齢者の見守り支援について、緊急通報システムの話をまずさせていただきたいと思います。
現在、一人住まいの高齢者の方から、緊急時の通報システムを望む声が強いわけですけれども、大変制約が大きいと思います。予算説明書の補助資料に、ここの中で民間緊急通報システム委託料とありますけれども、これも制約があるのかなと思いますけれども、今までの制約と同じでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 これにつきましては、消防庁の直轄のものに関しましては、協力員が2名必要でございましたが、民間機関に関しましては、協力員が必要ございません。
○高倉委員 やはり大変制約が多くて、利用したいという気持ちがあっても、なかなか利用できない、こういう状況が本当にあるんだと思います。確かに、緊急時ということを考えたときに、それはそれで大事なんですけれども、高齢者の場合は、例えば何かあったときに、すぐ相談できるとか、お話ができるとか、こういうことも非常に大事だと思うんです。先日、新聞の川柳に、「お茶よりも 一声ほしい 甥一人」と、こういう川柳があって、へえとまた思ったんですが、年をとると、本当に不安というのはあると思うんです。ですから、万が一、命に及ぶようなときは、それはそうですけれども、それ以外でも、何か相談したい、お話をしたい、こういう意味での見守りシステムと、こういうことを考えなければいけないのではないかと思っています。
なかなか全部を行政がやっていくということは難しいんだと思っておりますけれども、民間の事業者の中にいろいろなサービスをやっているところがございます。ここに、「高齢者の安否見守りサービス」ということで、高齢者生活センターというところが出している冊子があります。こういうところを見ると、例えば安全センターなんていうところでは、主に一人暮らしの高齢者を対象にしたサービスと。利用者がペンダント型無線機のボタンを押すことでセンターに通報する、通報には資格者が駆けつけたり、あるいは相談する。こういうようなことも書かれております。
ぜひとも、今後、こういう見守りということについては大変大事な取り組みになってくると思いますので、民間の力も十分に活用しながら、広く区民が選択できるような、そういう体制をとっていただけないかと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 委員御指摘のように、民間のさまざまなサービスが出てきております。緊急時への対応、あるいは相談を受けるといったことも民間サービスの中で行われてきております。それらの活用につきましては、利用面について、区としてどのように手当していくのか等、検討が必要かと思います。今後、こういった民間サービスの活用について、検討していきたいと考えております。
○高倉委員 ぜひその検討の過程の中で、こういうものを活用する際に、設置費用ですとか、あるいはランニングコスト、こういった部分の、区民がさらに使いやすいような助成の措置、こういうものを十分に検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○城所中部保健福祉センター所長 今後の検討課題だと考えております。
○平島委員長 高倉委員の質疑の途中ですが、ここで一たん休憩にしたいと思います。
午後1時まで休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後 1時00分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○高倉委員 午前中に引き続き質疑をさせていただきます。
なお、今回の総括質疑から時間制の試行ということがございまして、私も午前中、熱が入ってしまった部分もありまして、なかなか時間が延びております。予定していた中で、中野駅周辺の整備についてと障害者施策については、また次の機会にしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
教育行政について伺います。
先日、第3回の学校ビオトープの全国コンクールの発表会というものがございました。実は平成14年の第4回定例会でも会派のやながわ議員が学校ビオトープづくりについて、これを推進するように提案したところでございます。このビオトープと申しますのは、自然生態系の一つのユニットをつくっていくと、こういうことなんですけれども、私たちは年次計画で学校にビオトープづくりを進めている新潟市を以前見てきたことがございました。校庭の一角に児童も協力して設置したビオトープがございまして、なかなか見事な内容でした。トンボとかいろいろな昆虫がどこからともなく来て、実は住み着くようになったんです、こんなようなお話も聞いたところです。その後、この中野区内でも学校ビオトープの設置校がふえていると思いますけれども、現状はどこまで進んでいるのか、お伺いしたいと思います。
○佐藤庶務課長 ビオトープの実施校でございますけれども、平成13年度、小学校は7校、中学校は2校でございましたけれども、15年度に至りまして、小学校が15校、中学校が2校、計17校となってございます。
○高倉委員 随分進んできていると思いますけれども、ぜひビオトープの参考例とか、あるいは子どもや教師、またその親を含めた地域の人々が力を合わせてビオトープづくりに取り組めるような情報を集めて、例えば学校ビオトープづくりのプログラム、こういうようなものをつくってはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤庶務課長 ビオトープにつきましては、生物の生態や環境などの関係を知ることや環境教育でも大切な教材の一つと考えております。各学校がさまざまな工夫をいたしまして取り組んでございます。そういった点で、しばらく学校の状況を見ながら、学校の取り組みを支援してまいりたいと思っております。
○高倉委員 よろしくお願いいたします。
次に、ビオトープに関連しまして、(仮称)北部防災公園の設置が予定されていて、16年度は実施設計と調査などの予算が計上されておりますけれども、ここには当該用地を保全し、広域避難場所としての機能を有し、自然に親しむ公園として整備すると、このようなことが述べられておりますけれども、自然に親しむ公園の内容として、ビオトープもつくっていくというようなお考えがあるようですけれども、この点について区のお考えをお聞かせください。
○大谷公園緑地課長 (仮称)北部防災公園につきましては、公園の計画用地の中に池状のもの、ビオトープと称するものを計画しているところでございます。
○高倉委員 あわせて、例えば公園の中に設置される管理施設のようなものが予定されているかもしれませんが、そういったところに環境教育の機能というものを持たせるようなお考えはありませんでしょうか。
○大谷公園緑地課長 この公園は、豊かな自然全体が自然環境教育のフィールドでありまして、管理施設にはその拠点となる機能を持たせたいと考えているところでございます。
○高倉委員 この自然の生態系のユニットを再現するという、このビオトープづくりですけれども、まさに自然の復活というものの取り組みだと思います。中野の環境を守るという意味での今後のシンボル的な取り組みにもなろうかと思っております。
そうしたビオトープを全体的にネットワークで結んでいくということは、生き物が飛び交って、かつて中野の町で生育していた木や草花が戻ってくると、まさにふるさと中野を実現することにつながる、そういった取り組みでもあろうかと私たちは思っております。ぜひ本格的なビオトープの設置計画、こういったものを考えるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大谷公園緑地課長 16年度に調査・検討の結果によって、どのような配置、あるいは推進方法が望まれるか等を含めまして、検討してまいりたいと考えております。
○高倉委員 今回の本会議でも、我が会派の大泉議員や、またTOKYO自民党の伊東議員の方からホタルの復活に関する質問が相次ぎました。ホタルは自然生態系復活の象徴とも言える、そういう生き物だと考えます。区長は、御答弁の中で、ポロリというか、余りこういう表現もよくありませんが、中野のホタルの里構想なんていうフレーズをちょっと使われましたね。別に、それを推進するという意味で使ったのではないとは思うんですが、それを聞いて、非常に夢がある話だなと感心した次第なんです。たまたま区長の口から出た中野ホタルの里構想、これをできれば推進していけないかななんて思っているんですが、平和の森公園だけでなく、発想をさらに広く広げて、ぜひこうした中野のホタルの里構想と、こういったものに取り組んでみるお考えはありませんでしょうか。区長のお考えをお聞きしたいと思います。
○田中区長 どうしてホタルの里という言葉になったのかは、今のところ判然としない部分があるんですけれども、いずれにいたしましても、自然の生態系が再現されるというようなことは、実現できれば大変いいことだというふうに思ってもおります。また、そういう可能性というんでしょうか、区内のどこでだったらどういうふうにできるのかといったようなことを追求していくということについて、やぶさかではございません。できるだけ財政的なこと、全体的な区政運営ということを視野に入れながら取り組みができるようであれば、取り組みをしていきたいという立場で考えております。
○高倉委員 次に、学校の緑化の一環として、木の植樹のことでお伺いいたします。
千葉県市川市は、学校緑化計画というものをつくって、学校の緑化を進めているというふうに聞いております。市の目標の基準である30%に達するまで校庭への植樹を推進していると、こういうようなことなんです。特にユニークなのは、実のなる木を植樹していると。例えば、あんずですとかリンゴ、梅、柿、みかんと、何か随分、聞いて驚いたんですけれども、そうした木をいろいろ植えているそうなんです。こういう実のなる木は、子どもたちがいわゆる四季の変化を感じる、あるいは命を感じると、こういう意味では格好の環境教育の材料にもなるのではないかと、このように思います。ストレートなお聞きの仕方で申しわけないんですが、中野区で学校緑化に向けて、この実のなる木の植樹というものに取り組んでみるようなお考えはありませんでしょうか。
○佐藤庶務課長 今、高倉委員から御提案ございましたけれども、その実のなる木でございますけれども、学校におきましては、既に柿、梅、あんずなど実のなる木について、多くの学校で植樹してございます。さらには、学校・幼稚園等におきましては、東京都の苗木生産供給事業というものを活用いたしまして、毎年度、学校等の要望をお伺いしまして、15年度につきましてはブルーベリー等の実のなる木を植樹するような形で進めております。今後とも、そのような事業を活用しながら緑化に努めてまいりたいと思っております。
○高倉委員 今、既に進めているところもあるというお話を伺いました。ぜひそうしたものも含めて、中野区としても学校の緑化計画のようなものを定めて、そして推進すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤庶務課長 学校緑化計画でございますけれども、これまで中野といたしましては、学校施設の接道部の緑化、そういったものに取り組んでまいりました。また、今年度につきましては、床の温度調節、またヒートアイランドの対応ということで、小学校3校に屋上の緑化を試行したところでございます。このような効果を検証しながら、今御提案の緑化計画等も、学校再編等もございますので、そういったものを見据えながら研究してまいりたいと思っております。
○高倉委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
この学校の緑化の中で、最後に校庭の芝生化のことをお伺いしたいと思います。
議会でも藤本議員を初め、しばしば取り上げられている問題であろうと思いますけれども、学校の芝生化について、例えば中野区で平均的な校庭の広さを持つ小学校、1校当たりどれぐらいの整備費用、あるいはランニングコストがかかるというふうにお考えになっているんでしょうか。
○佐藤庶務課長 平均的なということでございますけれども、近隣の区の整備状況等も参考にいたしまして、約2,500平米ほどの芝生化をいたしたと仮定いたしましたところ、大体3,200万円余の金額がかかります。なお、ランニングコストにつきましても、270万円余がかかるのではなかろうかと思っております。
○高倉委員 先ほど市川市のお話、実のなる木の植樹のお話をしましたけれども、この市川市の小学校で芝生化を進めております。千葉大学の大学院、自然科学研究科の浅野義人先生という方がいらっしゃるんですが、この方がこの芝生化を研究し、市川とか水戸の方の幼稚園だそうですけれども、実証的にやっていらっしゃるんだそうです。この浅野先生の発想なんですけれども、芝生というと、例えばゴルフ場のグリーンみたいなすごいものを思い浮かべてしまうんですけれども、わかりやすい言葉で言うと原っぱみたいな雰囲気の芝生なんだそうです。
いろいろと難しい研究の成果みたいなものがここにあって、ぜひ御紹介もしたいところですけれども、簡単に言いますと、学校の芝生を考えたときに、一つは土壌を工夫するということ、それから夏芝と冬芝を混植というんでしょうか、混ぜて植えていくということ、それから芝生の刈り込みを少し高く刈っていくんだそうです。実際、アメリカの小・中学校、高校なんかでは、5センチから7センチぐらい、かなり高刈りの管理、そういう管理をされているそうなんです。そういうようなさまざまな工夫を凝らしますと、市川市の南新居浜小学校のケースで言うと、施工費用が、これは聞いたところなんですが、1平方メートル当たり7,000円から9,000円と。維持管理も年間5万円から10万円という、大変大幅なコストダウンが図られていると、このようなことをお聞きしております。
浅野先生の詳細な研究のレポートもあるわけですけれども、恐らく学校の緑化の中で校庭の芝生化を考えていったときに、当然、設置費用とかランニングコストが非常にかかるということが大変大きなネックになっているとは思うんですけれども、こういう例を参考にしてみれば、意外に普及が図れるような、課題解決になる糸口がこの中から見つかるのではないかなと、そのように思いますけれども、いかがでしょうか。ぜひ研究していただいて、今後の芝生化の展開に当たって、いい材料にしていただければなと、このように思うんです。子どもたちが裸足で駆け回れる校庭の芝生化というのは、教育の上でも非常に効果があるのではないかと思います。また、学校と地域と結ぶ上でも、そういうコミュニケーションの場としても、まさに学校の風景を一変させると、こういうようなことも期待できると思うんです。
いかがでしょうか、私、長くお話をしましたけれども、教育委員会として、例えばこういう例も参考にして、今後の実現に向けた努力をしていく、このような考えはございますか。
○佐藤庶務課長 今、御提案のございました市川市の取り組みの状況、そういったものも検討の材料に入れまして、16年度、学校・幼稚園施設整備検討委員会におきまして、その方向性等を検討してまいりたいと思っております。今、御提案いただきました件も十分視野に置きながらやってまいりたいと思います。
○高倉委員 次に、東中野駅周辺の整備の問題についてお伺いいたします。
この件につきましては、既に区長さん、そしてまた議長さんあてに地域の住民の方々からも御要望が出されております。今回は、この東中野の駅前広場の整備についてだけお伺いしておきたいと思います。
現在、環六の整備が行われておりまして、それに伴って橋のかけかえがあり、そしてその土台が今後、駅前広場になっていくということなんですけれども、この計画決定から随分年月が経過しているんだと思います。住民の皆さんの意識もさまざまな変化をしてきているというふうにも思います。
まずお聞きしたいのは、この駅前広場が、東中野駅側なんですけれども、そちら側の駅舎と直接接していなくて、間に20数メートルの空白があるというんでしょうか、そういう構造になっているんですが、駅前広場というと、やはり駅舎にそのままぴたっとくっついているというのが駅前広場かなという感じがするんですけれども、私も以前、本会議でこの問題を取り上げさせていただきましたが、区もそういう角度での検討ももしかするとされているのではないかなとも思いますけれども、これはいかがでしょうか。区としてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○服部都市計画課長 広場と駅舎との接続の必要性、今、委員の方で20メートル程度あいているといいますか、約25メートル程度あいてございまして、大体600平米程度の軌道上に空間があく予定でございます。その必要性については、区といたしましても課題として認識してございます。昨年度より、この駅舎との接続につきまして、空間利用も含めてJR東日本と現在も協議を行っている最中でございます。
○高倉委員 広場の機能のあり方についても、交通機能ということを重視したロータリー的な広場、こういうことをむしろ区の方は考えていらっしゃるかもしれません。住民の皆さんの方からは、むしろ人を優先にした広場にできないんでしょうかと、こういう御要望が非常に強いと思っております。なかなか限られたスペースですから、どうしていくかというのは難しい課題であろうかと思っておりますけれども、この駅舎にくっつく形にした場合、広場というのも、大きさもまた大分広がると思うんですけれども、そういう中で、人を優先するという意味での広場のあり方、この辺のことについて、住民の皆さんの御要望を受けとめていくような、こういうようなお考えというのは、区の方ではお持ちでしょうか。
○服部都市計画課長 先ほど委員の方から駅舎との間に一定の距離があるというところで、それとあわせてという御質問でございますが、区といたしましては、環状六号線の桜川橋のかけかえに伴います仮設の桟橋を活用する形で駅前広場を整備いたします。それと先ほど私が冒頭にお答えしましたJRに対しましての空間の取り扱い、それはまた別途、鋭意協議をさせてもらってございます。
なお、今の委員の前者の方の御質問でございますが、当然、大きな都市計画決定後、相当時間もあいていますし、大きな環境の変化、12号線の導入といいますか、そういうこともありますけれども、駅前におけます安全かつ円滑な交通の確保、また交通機関の相互利用の乗り継ぎの利便性の向上などを目的といたします交通広場と、今委員の方で御紹介いただきました歩行者広場との効果的な、あるいは調和がとれた広場の配置を考えていきたい、そう思っております。
○高倉委員 例えば、そうした場合に、駅前広場の計画をもし見直すとしたらば、それについてはどういう手続が必要なのかとか、あるいは場合によっては、新しい計画をそこにつけ加えていくとか、こういったこともあろうと思いますけれども、その辺の手続的なこととかということについては、どのようにお考えになっていますか。
○服部都市計画課長 この駅前広場、都市計画法では交通広場と言ってございます。これは古く、昭和32年4月に、当時は東京都が事業主体でございました。それで昭和32年4月に東京都が都市計画決定してございます。したがって、そういったさまざまな状況が変われば、都市計画の決定の変更を行っていく、それが前提でございます。
○高倉委員 この件は終了したいと思います。
最後に、その他で二つだけ伺っておきます。
一つは、子どもの学習室についてなんですけれども、先日、こういうお話を聞きました。ZERO西館に青少年コーナーというのがあるんですが、ある中学生のお子さんが1年間、毎日毎日、夜9時45分まで通い詰めて、そこで必死になって勉強したというんです。その結果として、国立の学校に受かったと。それで親御さんがとても喜んでいるんだそうです。非常に寒い中、頑張ったと。頑張って、青少年コーナーみたいなところがあったので合格できましたと、非常に感謝していたということを耳にいたしました。
本来は、勉強する場としての準備ということではきっとなかったんだとは思うんですが、利用が自由だということで勉強もできたんだと思います。そのお子さんの話によると、ほかにも毎日、勉強しに来る子がいたと言うんです。お互いにホッカイロを四つも五つもポケットに入れて、励まし合って頑張ってきたと、こういうことだそうです。その子の家は、なかなか自分の家でゆっくりと勉強できないという、こういう事情もあったということなんですけれども、友達なんかも、もっと近くにこういう場所があれば、どんなに助かるんでしょうかねと、こういうことを言っておりました。
中野区内には、図書館ですとか地域センターとか高齢者会館とか、いろいろ各地域に、児童館なんかもそうなんでしょうけれども、いろいろありますけれども、よく私も質問を受けたりします。受験生を抱えているんですけれども、勉強できる場がないんでしょうかねと、こういうことをよくお聞きします。大変難しいことは承知の上でお聞きしますけれども、中野としてこういう公共の施設の場で、そういう勉強の意欲に燃えた子どもたちが勉強できる場というのを何か確保していただけませんか。そういうお考えはありませんか。
○奥山生涯学習課長 中野ZEROの西館にございます青少年コーナーでございますが、これは既存の1階のロビーがございまして、そこを活用いたしまして、趣旨としましては青少年の交流、そういったスペースに使っていただくということで平成14年度に設置したものでございます。実際には、いろいろ子どもたちが休日とか放課後などに、今委員から御紹介があったような勉強などもグループでやったり、一人でやったりとかされている光景もございます。また、子どもたち同士でいろいろな会話をしたりとか、そういった文化センターを利用するような子どもたちが一つの居場所みたいな形で使っている状況もございます。
こういったものを他の施設にもう少し設置してはどうかというふうな御趣旨かと思いますが、一つに、こういったスペースが確保できるかということがあろうかと思います。西館の場合には、たまたまロビーを活用できたということがございます。もう一つ、施設の管理運営上の問題が生じないかというふうなこともあろうかと思います。西館の場合には、警備等もしっかりできていますので、そういった面で、使われ方についても適切な使われ方がされているというふうなこともございます。
そういったこともございますので、こういった青少年の交流などのスペースについては、そういったことも含めて検討してみたいというふうに考えてございます。
○高倉委員 ぜひよろしくお願いいたします。今いろいろたくさん聞きまして、一体、何をおっしゃったのか、なかなかつかめなかった部分はありますが、時間もありません、また御質問すると時間が超過してしまいますので、最後の質問にさせていただきます。
最後に、国際交流のことについてお伺いしたいと思います。
昨年11月に、お隣の韓国のテグ市南区の職員が中野区を視察に訪れたと、このようにお聞きしております。中野区のどういうところに関心を持って視察に来られたのかと、こういうことをお聞きしたいのと、それから田中区長との懇談もその中であったと、このようにも聞いております。向こうの方々が中野に関心を持って来られたということ自体、既に一つの交流だというふうにも思うんですけれども、こういう機会をとらえていくことは、お隣の国との新たな交流のきっかけにもなるというふうにも思っております。まず、区長さんのお考えをお聞きしたいと思います。
○田中区長 テグ市の南区役所の職員の皆さんがさまざまな、東京都内の別の場所も視察されるという中の一環として区役所を訪れられまして、私も懇談をさせていただきました。日本と韓国は行政の組織や仕組みが割合似ているんだなというふうに思ったんですけれども、同じような感覚で区の組織や区の仕事のことをとらえているんだなというような実感を持ったところであります。韓国と日本との友好交流ということなんですけれども、今、一部の報道では、日本と韓国の間の自由貿易協定のような協議なども始まっているというような報道もあったり、日本と韓国との国際的な協調関係といったようなことがこれからの東アジアの平和と安定、あるいは両国の反映という上からも、大変重要な時期になっていくだろうというふうに私は考えております。
そういう意味でも、市民レベルでの両国の交流というようなことを深めていくというのは、これから先の社会のことを考えましても、大変意味の大きいものなのではないかというふうに思っております。
○高倉委員 昨年は、韓国のテレビドラマの「冬のソナタ」というのがNHKのBSで放送されまして、大変な感動というんでしょうか、ブームを呼んだんですね。私、実際に放映されたときと、それから年末に再放送があったんですが、見逃してしまいましたので、こういうDVDを借りて見ました。オリジナルは、1回70分ぐらいなんです。それが計20回あるんです。私、オリジナルの方を見たんですけれども、とても時間がかかりました、20回ですから。NHKで放映されたのは1回60分ぐらいで20回だそうですけれども、すごく時間がかかるんです。通常、私だったら20回も見ないで、3回ぐらい見たら大体終わってしまうんですが、この私でさえ、最後まで手に汗を握って見てしまったというぐらいなので、とてもすごいんだと思います。
この「冬のソナタ」を見たことによって、韓国が好きになったとか、ハングルの勉強を始めたと、こういうような方もいらっしゃるというふうに聞いています。私はこの韓国と日本の間に、さっき区長も行政の面でお話をされましたが、文化の面で大変共感できる部分が非常に多いと、こういうことのあらわれの一つかなと、このように思っているんです。
このことを質問の通告をした際に、国際交流を担当している総務課長もこれを見たとおっしゃいますので、せっかくですから見た感想をお聞かせいただければと思います。
○田辺総務課長 「冬のソナタ」でございますが、とてもきれいで、とてもロマンチックなドラマだったというふうに思っています。韓国の方は、日本人と姿形はとてもよく似ておられますけれども、文化とか習慣とか家族関係が微妙に違っているようなところもありまして、近い国ではあっても、韓国について私たちが知らないことというのは非常に多いなというふうな印象を持ちました。
○高倉委員 先ほど区長さんの方からお考えをお伺いしてしまいましたけれども、私は一昨年の本会議でも、当時はサッカーのワールドカップがあったときでしたら、そういう機会もとらえて御提案というか、質問をさせていただきましたけれども、世界のいろいろな国と交流していくことは本当に大事なことだと思います。どうしてなんていっても、すぐお隣ですから、きょうは時間がありませんから、いろいろ申し上げるあれはありませんが、朝鮮半島というのは、かつて日本が文化の面でいろいろな恩恵を被ったという古い歴史もあろうかと思っていますし、まさにお隣ということで親しく交流していくということは大変自然というか、当然なことであろうというふうに思っています。
ぜひいろいろなことを考えていただくと同時に、できれば将来のことも考えまして、子どもさんたちの、子どもたち同士の交流なんていうことも検討していたただければと思っております。最後にこのことをお伺いして、私の質問を終了したいと思います。
○沼口教育長 21世紀、国際社会を生きる子どもたちにとって、広い視野で物事を考え、そして外国の文化を理解して、かつそれを尊重していくという、こういう態度を育てることは非常に大切だと思います。お隣の韓国、今は本当に、文化も韓国からこちらの方にどんどん入ってきていますし、日本の文化も徐々に韓国の方にも開かれてきている、そういう中にあります。本当に似ている文化こそ、非常に理解しにくいという面もありますので、これから学校でも、あるいは子どもレベルでも、いろいろとできる方法はあると思いますけれども、持続できる方法、負担のかからない方法で長くやっていける交流、そういうものを考えていきたいと思っています。
○平島委員長 以上で、高倉良生委員の質疑を終了いたします。
それでは、2番目に伊藤正信委員、お願いいたします。
○伊藤(正)委員 2番バッターとして、自由民主党・民社クラブの立場で質問させていただきます。
今回から時間制を導入されたという、試行ですけれども、私に充てていただいた時間は120分、2時間、私どもの会派はこの後、小串まさのり委員と大内しんご委員、総括質疑の一覧表、大内「じんご」となっているんですけれども、「しんご」の間違いですから、よろしくお願いします。私のだけかなと思ったら、隣のしんごさん本人の総括一覧表も「じんご」となっていましたので、あらかじめ御報告させていただきます。
区長の施政方針説明についてお伺いいたします。
1ページ目から、「はじめに」ということで、東西冷戦の終結から10年余りを経た今日、国際間の紛争は民族宗教問題を強く内包するということから、2ページにかけて、我が国の置かれている状況などを区長は話されております。「国際平和の実現に向け、地域の中から着実に声を上げ続けていきたいと考えております」と述べておりますが、16年度、区長は具体的に何か行動を起こすつもりなのでしょうか、具体的な施策について、何かあったらお述べください。
○田中区長 区民とともに平和の声を上げていくために、平和の意義を普及する事業といたしまして、平和パネル展や平和の集いの実施、また平和の資料室の運営、また平和関係のパネルやビデオなどの貸し出し、また区内の平和関係遺跡のマップみたいなものの配布、その他史跡への説明板の設置などの事業も行っていきたいというふうに考えているところであります。
○伊藤(正)委員 21世紀は国際平和的なことが課題になっているかと思います。そういった意味で、どんどん区長さん、前向きに国際的な平和を目指して訴え続けていただきたいと思っております。
それから、先ほども高倉委員が事業部制で何度か取り上げて質疑をいたしましたけれども、10ページの説明の中で、「16年度予算は景気低迷のトンネルから完全に抜け出せない我が国の経済状況から」と、こう云々書いています。また、下段の文ですけれども、「今回の予算編成は、事業部制を前提とし、平成14年度の決算額をベースに配分した」とされております。「一般財源額に基づいていることが特徴です」と。「各部門の長が執行上のさまざまな工夫や見直しを行い、予算枠が縮小する中にあっても、新規事業や拡充事業の創出に積極的に努めた」と述べられておりますけれども、各部門の長が大変限られた予算の枠の中で、独自に新規事業を計画して区長査定に臨んでも、ゼロ査定になった事業もあるのではないかと思います。そのようなことをやっては、やはり部長を初め、職員の士気の低下につながると思うんですが、権限を移譲するという区長の姿勢は評価したいと思うんですけれども、言葉ばかりだけではだめだと思います。そういった意味で、きちんと権限を移譲し、各部門の独自性を発揮させるべきだと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 部が現場の職員の創意工夫を生かして予算編成案を作成することができるように、権限の移譲を進めてまいりました。事業を執行する部が予算案を責任を持ってつくることにより、より高い区民サービスを提供することができるというふうに考えているものでございます。区全体の調整のためには、やはり区長としての判断が必要だと、このように考えているところでございます。
○伊藤(正)委員 この件については、また財政の方でお伺いいたしますけれども、次に、12ページから、「子育てに関しては、世代や従来の行政分野を超えた幅広い体系的な取り組みが必要です」と書かれております。下段の方に行きますと、「子育てと仕事の両立を支援するため、区立保育園のうち、宮園保育園と宮の台保育園の2園については、御承知のとおり指定管理者制度を活用して産休明け保育や延長保育を行うほか、休日保育や年末、緊急保育など多様な保育サービスの充実に努めます」と。「さらに、延長保育を実施する区立保育園を9園から15園に大幅に拡大する」と述べておりますけれども、この子育てと仕事の両立を支援するということは、保育園の環境整備だけではなくて、住宅施策も必要であると私は思っております。区長は、住宅施策についてどのように考えているか、また区として、子育てと住環境についてどのように考えておりますか。いわゆるファミリー世帯の層の入れるマンションなんか、やはり少ないと思うんですけれども、今後の展開について、考えていることを具体的に教えてください。
○高野住宅課長 ファミリー層の定住化に向けた住宅施策についてのお尋ねでございます。区内で安心して子育てができるように、ファミリー層を支援するために、平成6年度から区民住宅というものを中野区としては運営してございます。この区民住宅につきましては、委員おっしゃるような子育て期の世帯で、18歳未満の子どもがいらっしゃいます3人以上の住宅にお困りの世帯に関しまして、家賃助成等も含めまして、民間の良質な賃貸住宅を提供することといたしまして、区が借り上げて御提供申し上げているというようなことでございます。
また、これと似たような住宅ですが、東京都の住宅供給公社の方でも都民住宅というものを提供して運営してございます。
なお、東京都では都民住宅方式に変わる住宅といたしまして、このたび都市型民間賃貸住宅制度というものを創設するということを聞いてございます。また、この中身について、今後しっかりと確認しながら検討していきたいと思っております。
さらに、区内の都営住宅ですとか、住宅供給公社、こういった住宅の建てかえ時につきましては、ファミリー世帯が十分に生活できますような良質な住宅を供給するように要望していきたい、かように思ってございます。
○伊藤(正)委員 この施政方針説明の最後に、区長の思いというのはさまざま、いろいろあると思うんです。区長さんが就任されて、ことし2年目、6月で1期の半分を折り返しする時点になっておりますけれども、その思いに対して職員の皆さんが必ずしも十分理解し、行動しているとは、私にはなかなか見えません。16年度の大きな変化が職員に影響を与え、悪い意味で言うと、その反動がやはり区民に行くのではないかと、そういう変化が危惧されておりますけれども、そうならないためにも、そうしないためにも、区長の決意を改めてお伺いいたします。
○田中区長 改革でありますから、そう簡単に全部うまく行くというのでは、改革する必要もないわけでありまして、一定の時間がかかる、不断の取り組みが必要だ、そして改革をリードする立場の人間としては、特段の決意と意気込みが必要だということで思っているわけであります。特段の決意を持ちながらも、やはり改革というのはシステムとして合理的に持続可能なシステムづくりという中でなされていかなければならないということもありますし、システムを担うそれぞれの職員の意識改革が進むように職員に対する十分な情報提供でありますとか、私自身の思い、そうしたものを職員と分かち合うということが重要だというふうに思っております。職員と直接話す機会などもできるだけ多くつくるようにしていきたいというふうに、日ごろ心がけて実践しているところでもありますけれども、今後ともそうしたことに努めていきたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 区長をサポートする助役としては、どのようにお考えでしょうか。御答弁いただけますか。
○内田助役 現在、区において進めております区政改革、端的に言えば区役所改革、これはこれまで取り組んでこなかった職員にとって、私自身もそうですが、職員にとっても初めて取り組むような課題がかなりございます。そうしたことについて、区長の方針のもと、その理解に努めながら、具体的な仕組みづくりに取り組んできておるところでございます。組織、そして区政を推進するための幾つかのシステム、徐々に形をなしてきているわけでございます。その円滑な運用に向けて、今、庁内挙げて詳細な仕組みやルールを整える等、努力してきているところでございますけれども、先ほど区長からも申し上げましたように、区長、そして私どもも、直接職員と会話を交わしながら、お互いの理解を深めながら、何とか新年度に向けて新しい仕組みが円滑に動くように、さらに努力を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○伊藤(正)委員 16年度予算の枠をつくるに当たって、やはり事業部制の導入が大きな目玉だと思うんですけれども、次の財政について、施政方針説明と関連しますけれども、2月26日の予算総括の説明で、財務課長から当初予算案の概要の説明をいただきましたけれども、財政課長からは16年度予算の特徴や各会計予算の歳入歳出の状況について、主な新規拡充、見直し事業などを織り交ぜながら説明をいただきました。その際、ここにあります当初予算案の概要の12ページ以降、「各部門別予算編成の概要と平成16年度予算の主な事業等は、事業部制の導入に伴い、基本的に各部の長がみずからの権限と責任において調整したものであり、予算特別委員会・分科会で御活用ください」との説明がありました。この事業部制の導入により、ここが従来の総括説明とは違うのかなと、幾分か物足りなさを感じながら聞かせていただきましたけれども、この際なので、事業部制の導入によって、各部門の長がみずから調整した施策、事務事業について、先ほども申し上げましたように、14年度決算額をベースに財務課から示された一般財源フレームをもとにしつつ、各部の工夫によって一般財源を生み出すためにどのような見直しを行われたのか、その上に立って、どのような新規拡充事業を予算化してきたのでしょうか。
総括説明では、トータル65の新規拡充事業を予算化できたと説明されております。このことについて、16年度から導入される事業部制のもと、今回の予算を調整した各部門の長、総務部は管理部門ですから、区民生活部、子ども家庭部、保健福祉部、都市整備部及び教育委員会の事務局の長の方々にそれぞれお尋ねしたいと思います。その当時ですから、今で言う区民部長、子ども家庭部は地域センター部長だと思います。それから保健福祉部長、都市整備部長、教育委員会事務局次長にそれぞれ御答弁いただきたいのですが、その際、各部門の目標を簡潔にわかりやすく説明した上で、その目標を達成するためにどのような工夫をなされたかを含めて、トータル的にお答えいただけますか。
まずは、区民部長さんからお願いします。
○本橋区民部長 区民生活部では、区民の日常生活や地域活動にかかわる幅広い領域を所管いたしますが、部門の目標といたしましては、活動と実りある地域、円滑な社会生活を支える個人の登録と証明、豊かで活力ある区内産業、生活者が自立して生き生きと暮らす町、緑の豊かさが感じられる環境にやさしい町、ごみゼロを目指す町を目指しております。
予算編成に当たりましては、これまでの事務事業を点検し、例えば施設の管理運営経費の精査などコストの削減を図るとともに、類似した事業の見直し・整理なども行いました。一方、新規拡充事業ですが、例えば産業振興の分野では、産業融資の対象拡充など、あるいは創業支援の経営診断に創業1年後のフォローアップ診断を加えるなどの事業拡充を図るとともに、新規事業として事業者や創業を計画している人に実際に役立つ情報提供のためのデータベースの整備を予算化いたしました。
また、緑環境の分野では、カラス被害防止のため、一般家庭の庭木につくられたカラスの巣の撤去の予算措置を、ごみ分野では資源として活用できるものは資源として回収し、ごみとしての排出を抑制するという趣旨で、プラスチック製容器包装の回収事業を拡充事業として盛り込んでおります。
なお、これら大きな拡充新規事業などについては、14年度決算ベースとまた別に、政策的な経費ということでこちらの方で案をつくり、区長のプレゼンテーションで審査をしながら、予算全体の中で割り振りされたというものでございます。
○伊藤(正)委員 次に、地域センター部長、お願いします。
○柳澤地域センター部長 幾つか御質問ございました。まず、財源の見直しの視点からどうかというお話がございまして、財源に関しましては、各部の工夫ですが、子ども家庭部は民間活力を活用できるものについてはそれを活用するとともに、効率性の視点から各事業の見直しを行ってきたところです。
そして、部門の目標等その達成のための工夫はどうかという御質問でございました。各部門の目標を示して、その達成のための工夫ということなんですが、子ども家庭部の目標でございますが、子育ての支援と男女共同参画の推進というのが大きな二つの目標でございます。子ども虐待に代表されるように、子ども家庭についてさまざまな問題が発生しております。特に、子どもを育てる基盤としての家庭が今、その機能を十分果たせなくなっているというふうに言われたりしています。そのため、子育て支援機能の強化と子ども総合相談窓口を進めるとともに、家庭の養育能力が低下していることの一つの理由として今言われておりますのは、父親の子育てへのかかわりがどうも不十分ではないかという指摘があります。むしろ、仕事があってかかわれないというのが今の社会の中の現状ではないかとは思うんですが、そうしたことを踏まえて、その働き方にもさまざまな議論があるところでございます。家庭での役割分担、これは父親と母親がどう子育てにかかわっていくかというようなことを含めて、全体としての男女共同参画の推進を進める部の立場といたしまして、この視点から男女の働き方を含めたワークシェアリングのあり方についても検討することが重要と考えていまして、ワークシェアリング検討会の設置という施策も行うということにしております。
○伊藤(正)委員 続いて、保健福祉部長、お願いします。
○菅野保健福祉部長 保健福祉部の目標といたしましては、区民の健康と福祉の充実ということになります。16年度予算の工夫でございますけれども、財源の確保という意味では、東中野在宅サービスセンターの民営化とか、福祉サービス事業団、障害者福祉事業団等、外郭団体につきまして経営健全化をしてもらい、財源の確保を図る、あるいは知的障害者グループホーム運営助成につきまして、制度の見直しを行う等、それから成人健診につきまして、医師会の協力を得ながら単価の引き下げを行うなどによりまして、財源の確保を図っております。
先ほども言いました目標の中で、もう少し詳しく申し上げますと、一つは介護保険や支援費の基盤整備ということがあります。これも財源の足りない中で民間活力を活用した基盤整備というものを進めました。それから、福祉サービスを必要とする方の権利擁護につきまして、そういった方々の権利を守るための施策と充実というものが必要だということがございました。
さらには、介護予防、健康づくり支援につきまして、区民みずからがそういったことができるような基盤づくりを行うということ、もう一つは健康機器の管理でございますとか、リスクマネジメントにつきまして、足りない分を強化すると、そういったことを課題といたしました。そのための新規事業・拡充事業といたしましては、痴呆性高齢者グループホームの建設費補助、それから江古田の森保健福祉施設整備の予算の拡充、それから本町四丁目デイサービスセンターの整備などにつきまして、新規事業として入れたところでございます。
権利擁護といたしましては、(仮称)権利擁護センターの設置、成年後見制度の普及などにつきまして予算化いたしました。
介護予防と健康づくり、さらには高齢者のそういった支援という意味では、元気でネット、高齢者見守り支援ネットワークでございますとか、高齢者会館の民間委託などによりまして、介護予防の推進を図るというふうなことにつきまして事業化を図ったところでございます。
○伊藤(正)委員 続いて、都市整備部長、お願いします。
○石井都市整備部長 都市整備部門でございますが、我が部は道路・河川、それから公園を快適に保ち、交通環境の整備とあわせまして、災害に強い安全なまちづくり、また区民生活の向上と地域産業の活性化につながる都市基盤づくりを推進していくということを目標にしてございます。事業の見直しでございますが、これにつきましては、従前にも増して事業の緊急度、また費用対効果等の視点から絞り込みを行ったところでございます。また、その事業内容における予算見積もりの精査にも努めてきたところでございます。
財源の工夫でございますが、多額の経費を要しますまちづくり事業の事業用地の購入等につきましては、国や都の支出金を充てるなど制度の活用を図るとともに、道路占用料、また自転車の登録手数料の改定などを行いまして、歳入の確保を図ったところでございます。
そのような工夫の中で実施を予定しております主な事業でございますが、木造住宅等耐震性確保支援事業、中野駅周辺まちづくり計画策定、西武新宿線立体交差化沿線まちづくり基本構想、主なところはそのようなところでございます。
なお、平成16年度の予算では、道路・橋梁など維持改修費が減少してございます。今後、この道路改良等が年度の予算規模による影響を受けずに、計画的に推進できるよう基金の積立、運用計画を平成16年度に検討を行って、ぜひ実現していきたいというふうに考えておるところでございます。
○伊藤(正)委員 続いて、教育委員会事務局次長、お願いします。
○山下教育委員会事務局次長 教育委員会でございます。私どもは、教育目標に掲げております趣旨を部門の将来目標というふうにしてございます。具体的には、子どもたちが健やかに成長するというようなこと、あるいは区民一人ひとりが豊かな地域社会づくりに貢献されることを支援するというようなことをうたってございます。これを実現するために、さまざまな工夫・努力をさせていただきましたが、大きなところでは、事業の委託化を進めまして人件費の削減を図ったというのがございます。また、文化・スポーツ振興公社への人件費の補助でありますとか、施設管理の委託内容の見直し、それから事業の効率的な執行によります経費の節減、さらには光熱水費などの維持管理経費の節減というようなことをさせていただいております。
こうした上で、私ども日常的な経費の見直しの中では、一つは心の教室相談員の小学校全校配置、地域型スポーツクラブの検討経費、あるいは教育行政ビジョンの検討経費などを捻出してございます。また、図書購入費についても、その人件費の節減分を振り向けるというふうなことをしてございます。
なお、そうしたことの一環で、全体として、委員会として区長に予算の財源についてお願いした上で、達成しているものとしましては、学力調査でありますとか、選択制の準備経費でありますとか、さまざまな障害児学級の建設というようなところ、あるいは栄養士の業務委託にかかる経費などについて措置をしているところでございます。
○伊藤(正)委員 ありがとうございました。それぞれ事業部制について、各部長から御説明をいただいたんですけれども、区長として、今これをどのように受けとめたのか、またこれまで区長はこうした各部門の目標の上に立つ区政全体の目標については、何かはっきりお示しいただいたという記憶がないものですから、この際、この場で改めて区政全体の目標についてお示しいただきたいと思います。
○田中区長 各部長が今申し上げた各部の目標ということでありますが、各部の目標については、それぞれ部が所管する事業の項目名を挙げて、それを強力に推進するとか、何々を進めるとかという、そういうことで目標設定をするのではなくて、そういうことになりますと、ただ頑張りますということが目標になってしまいますので、そういうことではなくて、各部が目指すべき将来の姿、つくっていくべき中野区の将来の姿をきちんと掲げて、さらにそれがどのように進んでいくかという成果の指標、達成指標も含めて目標をつくっていくというようなことでやってまいりました。各部において、目標をつくるという作業を行い、私とも十分に調整した上で各部の目標をつくってきたところであります。そうした目標に基づいて今回16年度予算を編成したということで、各部の取り組み、各部の工夫といったようなことについて、先ほど各部の部長から申し上げたところであります。
では、それ全体を踏まえて、中野区としては一体何を目指すべきだと思っているのかというようなお尋ねでありました。これについては、所信表明、施政方針説明でも何度か触れさせていただいているところですけれども、やはり今の日本の社会全体が大きな改革をしなければならない、大きな節目にあるという認識を持っているところであります。具体的に言いますと、今後の経済成長というものがなかなか見込めない、マイナス成長、あるいは低成長、成長分野がなかなか確立できていないといったような中で、その日本社会の公共政策を支える財源や財政の構造がどうなっているかというと、40兆円の税収しかない中で80兆円の財政を組んでいる。そうした財政の中で、国の支出に依存しながら各自治体が大変苦しい、持続できないような財政運営を行っているという形になっているわけであります。日本経済がきちんと成長できる分野を確立していくということ、また財政部門が歳入と歳出が均衡のとれた形になっていくということ、そういうことを実現するためには、よほど大きな社会全体の変革、改革がなければできないだろうと。持続可能な日本の社会というものは描いていけないだろうというふうに考えております。
そうした方向の中で、中野区という町が、中野区という地域社会、コミュニティが持続可能な町、区民が安心して今の時代なりの、私たち中野区民なりの豊かさを、あるいは個性を発揮しながら新しい社会を享受できるようにしていくためには、さまざまな改革をしていかなければならない。その結果として、今回の施政方針説明の中では、「全体としては人材、保健福祉、地球環境、経済財政基盤などさまざまな要素が適切に作用し合うことで、持続可能で活力のある中野の町をつくる」といったようなことを申し上げたところであります。持続可能で活力のある町・中野の中で区民一人ひとりが生きがいを持った暮らしを送っていくというのがこれからの区政の目標であろうかというふうに思っているところであります。
○伊藤(正)委員 今御説明があったように、中野区の財政が現在でも大変厳しい状況であるというのは、私も認識しておりますし、またこれから将来を見据えた行財政の改革をどんどん進めていって、どんな状況や環境にも耐え得る強固な柔軟な財政基盤を築いていただきたいと思っております。
この項の質問は終わります。
続いて、地域防災と危機管理体制についてお伺いいたします。
最近、東海地震、東南海地震、南海地震の発生の危惧がとみに高くなった報道や東海地域の地震対策の強化策の報道がたびたび見られております。これら東海地震の発生確率は、あと30年以内に50%と言われており、また識者によっては80から90%も言われております。
私たちが暮らすこの東京はどうでしょうか。関東大震災クラスの地震は、時間的に数十年から100年という猶予があるにしても、東京の直下を襲う南関東直下型地震の切迫性は声高く言われ続けております。茨城県や千葉県でたびたび起きている小規模も地震も、この直下型地震の前触れではないかと言われております。
直下型地震は、関東大震災級の海溝型地震よりマグニチュードは小さいものの、東京の真下で起きるため、その被害は甚大になることが予想されております。今、この直下型地震が襲ってきた場合、この中野区で中野地域防災計画の被害想定によると、1,700棟の建物が倒壊・半壊し、1万8,000棟の建物が焼失し、区内の25%以上が焼けてしまうことになります。また、亡くなる方は500人以上に上ることが想定されます。改めて、これらの区民が受ける被害の大きさを考えると、震災対策の重要性を強く認識せざるを得ません。
災害というと、地震とか水害に目を奪われそうですが、大規模な事件、事故への対応も忘れてはなりません。昨年暮れには、イラク人道復興支援特別措置法に基づく基本計画が閣議決定され、1月には、また2月にもイラクの復興支援のため、自衛隊が派遣されました。自衛隊は、イラクの人々の生活を支援するために活動しているところですが、この問題に派生して、国際的にテロの発生の危惧が高まっており、国内のテロの発生も懸念されております。
テロといえば、皆さんも記憶があると思いますけれども、平成13年9月11日にニューヨークなどで起きた同時多発テロの痛ましさを、今16年ですから、もう2年半ぐらい前になると思いますけれども、まだまだ記憶にあると思います。テロは許さざるべき犯罪行為であります。我が国でも、同時多発テロやイラク人道復興支援の実施に伴い、NBCテロ災害対策室を設けるなど体制の強化を図っているところです。
この中野区は、テロとは関係ないと思ってはならないと思います。日本国内で標的になる可能性は、この東京が一番高いでしょう。また、平成13年9月の新宿区歌舞伎町の雑居ビル、これはたしか9月1日、テロの10日ぐらい前だと思いますけれども、雑居ビル火災や最近の住宅地内の工場等の大火災の発生も忘れることはできません。
私たちが住む中野区は、人口や住宅、商店街の密集地域です。一度、大規模な火災や事故が起きると、その被害は大変大きいものになると思っております。先ほど紹介しましたが、地震が起きたときには、中野区の4分の1が火災の延焼拡大により焼失されると言われております。このときの出火件数は、東京都の調査報告書によりますと、たかだかと言うと表現は適切ではないと思いますけれども、たかだか14件だそうです。いかに延焼拡大を防ぐための初動期の体制が重要かと思っております。
先月も私が住む本町四丁目で火災がありました。街頭消火器などを使い、初期のうちに消火したこともあって大事には至らなかったんですけれども、また先月の2月は中野区内で大変火災が多く発生されたと聞いております。中野四丁目でも野方五丁目でも、家屋が全焼した火災があったと聞いております。地震や火災、また事故は起きないことにこしたことはありませんけれども、しかし、必ず起きるものとして備えを速やかにしなければならないと強く思います。
区では今、先ほども都市整備部長が申し上げました木造建築物の耐震補強の支援策に取り組もうとしております。確かに建物の倒壊から人命を守る上で、建物の耐震補強の施策は大いに評価できる取り組みだと思いますが、被害を受けない取り組みとともに、被害に見舞われた場合の被害をいかに最小限に食いとめるかの取り組みもまた劣らず重要だと思います。
このような視点から、地域の防災体制と区の災害などに対する危機管理についてお伺いします。
まず、地域の初期消火体制について、火災の延焼を食いとめることは、先ほど申し上げましたように、震災時はもとより、日常の火災においても大切です。そのため、区では街頭消火器を初め、軽可搬消火ポンプなどを地域に配備しております。その一つに、初期消火に欠かせない防火水槽があります。区は、公園等に5トンの防火水槽を設置しておりますが、改めてその設置の目的と状況をお聞かせください。
○納谷防災課長 5トンの防火水槽でございますが、主に軽可搬消火ポンプの消火用水といたしまして、消防署の消防水利の空白地域、また特に火災危険度が高い地域を重点に、防災会の活動拠点等に整備してきたところでございます。現在までに計53基の整備を終えているところでございます。
○伊藤(正)委員 では、消防署管内の消防水利を補完するということもあると思いますが、消防署においては、区内の消防水利の整備状況はどのようにとらえているのでしょうか。満たしているのか、あるいは満たしていないのか、どうでしょうか。
○納谷防災課長 いわゆる消防水利と申しますのは、主に100トン槽、40トン槽を指して申し上げております。中野区内、どこの地域でも同じですけれども、250メートルメッシュに区切りまして、その250メートルメッシュ内に40トン槽、あるいは100トン槽がどのように整備されているかということで、その消防水利の充足状況をあらわしております。中野区では、中野消防署、また野方消防署、両管内ともほぼ100%に近い充足率になっているということでございます。
○伊藤(正)委員 大きな防火水槽を含めるとそのような状況になるんでしょうけれども、主に防災会の地域の方が軽可搬消火ポンプで簡素に使えるためには、小規模の防火水槽も地域内に多くあった方がよいのではないでしょうか。火災はどこで発生するか、あらかじめ特定できないものですから、設置数は限界があるにしても、地域状況に応じた創設が必要だと思いますが、どうでしょうか。
○納谷防災課長 地域に配備しています軽可搬消火ポンプのためには、きめの細かい消火用水、消防水利の配置も必要だと思います。5トン槽の使用等も申し上げましたが、軽可搬消火ポンプは40トン槽、あるいは100トン槽でも使えます。また、私どもそのために、消防署とは別に区としましても30トン槽、40トン槽の整備にも努めてきました。
また、加えまして、災害時にはどこでも消防水利がすぐ確保できるように、道路等にある消火栓もこの軽可搬消火ポンプで使えますように接続金具器具、アタッチメントと称していますけれども、そのようなものも配備済みでございます。加えまして、先ほど御答弁いたしました消防水利の状況等から、当面、新規の整備は考えていないというところでございます。
○伊藤(正)委員 現在のところは、新規の整備は考えていないということなんですけれども、今後の整備の考え方をお持ちでしたら聞かせていただきたいんですけれども、各防災会に軽可搬消火ポンプが配備されています。時々、軽可搬消火ポンプを使い、消火訓練をしますけれども、小型プールにためた水で訓練するときが多いんですけれども、実際に防火水槽を使うことはなかなかないんですね。そこで、使う制約でもあるんでしょうか。現実に設置されている防火水槽を使用した訓練の方が実際に向けての効果は大きいと思います。防災会の訓練には、積極的に防火水槽を使った訓練を指導されてみてはいかがでしょうか、お伺いします。
○納谷防災課長 整備につきましては、現在、新規の整備は考えていないということでございます。火災危険度、これは5年ごとに東京都が見直しております。中野区でも、5年ごとに火災危険度は変わってきております。そのような状況を踏まえて、より適切な配置というものを考えていかなくてはならない。そのときには、公園の新規整備、あるいは公共施設の整備改修、あるいは消防署の消防水利の整備、それらとも連携を図って、必要性を十分検討した上で取り組んでいくべきものであろうというふうに考えております。
また、防災会の消防水利の使用ですけれども、特に制約はございません。あえて申し上げれば、使った水は水道代として私どもが負担するということになろうかと思います。しかし、日常的に消防水利を使って訓練するのは、実際のときに大いに効果があるだろう、また訓練に際しても、地域の方がその消防水利の設置場所等を十分に把握できる、使い方も把握できるということで、望ましい方向だと考えております。そういうところで、防災会にもそのような訓練を積極的に働きかけていきたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 では、今御答弁いただいたように、今後の地域の状況に応じた創設や訓練への活用取り組みを期待しております。
次に、区の災害に対する危機管理の体制について伺いますけれども、先ほど質問した防火水槽などをハードとすると、ソフトは個々の、また組織的な防災行動力になると思います。区は、盛んに防災対策の基本は自助、共助、公助にあるとし、区民に対して自助、共助に基づいた防災行動力の向上を呼びかけ、自主的な訓練の実施を働きかけております。確かに、地域社会の中では、何事にも自助、共助は大切ですし、ましてや防災においては、一人ひとりの取り組み、そして地域の中の協力体制が欠かせません。しかし、自助、共助、公助は独立したものではないと思います。それぞれが力をつけて、連携して、初めて地域全体の防災力が高まると思います。
この点から、中野区という行政組織自身も防災行動力を身につけ、高める努力が求められていると思います。また、行動力を向上させるには、ふだんからの災害に対する意識、認識を組織的に高めることも大切です。いわゆる日常の区自身の災害などの危機管理の体制が重要だと私は思っております。
そこで、区は現在、組織の再編に取り組んでおりますけれども、先ほど来からお話ししておりますように、事業部制への移行や階層のフラット化など、組織が本当に大きく変わろうとしております。このように区の組織が大きく変わろうとしている中にあって、災害などに対する体制は盤石でなければいけないと思います。災害はいつ起きるかわかりません。災害は待ってくれません。災害に対する体制は、常に整えておかなくてはなりません。危機管理の体制は、ある意味では通常の組織より大変大切なことだと思っております。たしか災害時の災害対策本部長は、区長であると思いますけれども、ここで特に区長の災害に対する組織整備について、基本的な認識をお聞かせいただけますか。
○田中区長 災害対策ということでの御質問ですけれども、御質問の中にもありましたように、今日の私たちの社会では、災害もさまざまな種類の災害が想定されるわけであります。地震災害もそうでありましょうし、テロなどによって起きるような予想できない災害といったようなこともあるわけであります。そうした災害に当たって、被害の拡大を防いだり、被害を終わらせるといったようなことを行うのが危機管理という営みでありまして、危機管理については、区の中の組織のさまざまな部分、部門が取り組むべき役割を担っているところであります。そうしたさまざまな部門が一たん事があったときに、機動的に全庁的な体制をつくって、効果的に行動ができるという体制をつくるのが危機管理体制であるというふうに考えております。
そういう意味での災害対策本部ということで、いろいろな種類の災害に対応できるような本部体制をつくっていきたいということで、今準備をしているところであります。
○伊藤(正)委員 16年度に区の組織は整備した、しかし、災害の組織はこれからでは困ります。今、どのように取り組んでいるのかをお伺いしたいんですけれども、いつでもきちんと対応できる組織整備をしていくことが必要だと思いますけれども、ぜひお願いしたいと思います。
では、災害対策の組織はつくりました、それだけでは危機管理とは言えません。トレーニングが必要です。訓練なくしては、いざというときに的確な対応がとれないと思います。区では、現在どのような災害時の職員の訓練を行っているのでしょうか、お伺いいたします。
○納谷防災課長 職員のみの訓練と職員が区民の方々と一体となっている訓練がございますので、両方申し上げさせていただきます。
まず洪水等に対する風水害訓練、それから地震災害に対します総合防災訓練、また災害時の医療救護活動の実践をいたします災害医療救護訓練、これは毎年行っているところでございます。加えまして、二、三年ごとに職員の緊急時の参集訓練を実施している、このような内容でございます。
○伊藤(正)委員 今お話があったように、訓練は大変大事だと思っております。災害時に行動力が発揮できるのも訓練があるからこそだと思っております。平成16年度の予算説明書補助資料に、新規事業として図上訓練という項目がありますよね。これはどのような訓練を考えているのか、図を使って行う訓練かなとは想像しますが、具体的に何を目的にどのような内容かお聞かせください。
また、これにかかる経費はどのぐらいなのでしょうか、お伺いします。
○納谷防災課長 図上訓練と申しますのは、私ども災害対策の要員があらかじめといいますか、まさにそのときにさまざまな状況を付与されまして、付与というのは与えられたと。その与えられた状況を即座に分析し、判断し、対応方針、あるいは具体的対策を決定する、まさに意思決定訓練とも言えるものでございます。今考えていますのは、来年度災対組織の主要な組織及び幹部職員を対象として実施していきたいというふうに思っているわけでございますが、この訓練、先ほど申し上げましたように、従来はあらかじめシナリオをつくりまして、そのシナリオどおりにいかにやるか、行動を確認するかというのが要点でした。今回予定しています図上訓練、まさに震災時に合わせた、事前に知らされていない、与えられた状況をいかに分析し、判断し、実行に移すかということが重点で、極めて実践的な訓練であるというふうに考えているところでございます。
経費の方は、私ども防災課が訓練設計を自前でします。そのために20万円程度で済むというふうに考えております。
○伊藤(正)委員 今、20万円程度とお答えいただきましたけれども、大変経費的にも安くできて、また御答弁いただいたように効果があるものだなと感じております。そして、公助としての力を大いに発揮していただくためにも、16年度の図上訓練は、自前での初めての取り組みということでしょうから、先々の充実を図ってほしいと思います。また、できましたら消防などの関係機関にも協力を得て取り組んでいくことも大切ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○納谷防災課長 図上訓練、私ども初めての取り組みでございます。今後、ノウハウの収集、蓄積をきちんと行って、委員御指摘のように年々充実させていきたいというふうに考えております。
また、実際の災害時には関係機関、特に消防・警察との連携が大切だと思います。図上訓練、可能な範囲内で消防・警察への連携協力をあおいでいきたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤(正)委員 では、冒頭に御紹介いたしましたように、今、地域社会は災害にとどまらず、さまざまな事件や事故への対応、対処が大きな課題になっております。地震、洪水、火災、大規模事故、テロ、SARS、鳥インフルエンザ、重大犯罪など、区民の安全を脅かす問題は枚挙にいとまがありません。区民の生命や財産を守る上では、どのような災害などに対しても迅速に、また適切な対処が望まれます。これらはすべて区民の安全を脅かす危機と言っていいでしょう。この危機にいかに対処するかを前もって定めておくことが危機管理になると思います。
区は、今このような状況をどのように認識し、またどのように対処しているのかお伺いいたします。
○田辺総務課長 今いろいろ御紹介がありました区民の生命等に対します大きな影響を及ぼします災害やテロ、重大な事件や事故、いわゆる危機につきましては、区民の生命・財産を守る上で、従来にも増して的確な対応・取り組みが求められているというふうに認識しております。そのため、区全体といたしまして、危機に関する情報を収集・共有いたしまして、速やかに対処方針を定め、対応がとれるよう、区長を座長といたします危機管理等対策会議を設置いたしまして対応しているところでございます。
具体的な対応につきましては、この本部での調整によりまして、事柄によって災害対策本部、または健康危機管理対策会議、そのほかの対応ということで体制をとることとしております。
○伊藤(正)委員 今回の区の組織整備を見ても、危機管理を行う専管部門は見当たりません。次の次に質問があるように、治安対策、安全・安心まちづくりをやらせてもらうんですけれども、今はたしか総務課が所管しているんだろうと思います。災害は防災課、SARS・鳥は保健所となっているようでしょうけれども、危機はありとあらゆるものが対象となり、予測できないものがかなり多いと思います。今、答弁にあった危機管理等対策会議は、あくまで会議体です。日常的に所管があるものも不明なものも含めて、全体を調整する専管部門が必要だと思います。また、危機管理の専門家の育成も重要な課題だと思います。危険・危機が足元に忍び寄っているのに気づかないでいること、これが最大の危機であろうと先人は言っております。
今、速やかに危機管理に人材の投資をすることを求められていると思います。東京都では、防犯対策の強化に竹花豊さんを副知事に置いて、次の次ですか、治安対策でも詳しく申し上げたいんですけれども、また総務局に局長級の危機管理官を置いております。
どちらかの区でも、たしか危機管理課というものを設けているかと思うんですが、この危機管理は区政全体の問題であると。区民の命と財産に直結する問題です。中野区においても、今回の組織の整備に合わせ、危機管理を担当する専管組織をつくり、区民にきちんと姿勢を示すべきだと思いますが、区はどのように考えられておりますか。
○長田経営改革推進担当課長 中野区でも4月からの組織整備に合わせ、危機管理担当については組織的に明示するよう検討を進めているところでございます。
○伊藤(正)委員 では、専管の組織をつくるということでよろしいんでしょうか。
○長田経営改革推進担当課長 そのとおりでございます。そういう方向で検討を進めているところでございます。
○伊藤(正)委員 ぜひ専門の課をつくっていただいて、区民の自助、共助も重要ですけれども、基本的に行政がやらなければならないことがいっぱいあります。これからも災害など地域の安全を守るため、区が一丸となって取り組んでいただくことをお願いして、この項の質問は終わります。
恐らく3時で休憩が入ると思いますので、質問項目の順番を変えさせていただいて、治安対策、安全・安心まちづくりについて伺います。
今、防災対策のことをお伺いしたんですけれども、幾らか関連するかと思いますが、さきの本会議でも我が会派のきたごう議員が一般質問でしたんですけれども、治安対策の問題、安全・安心まちづくりについてお伺いします。
相次いで発生する凶悪事件や身近で起きる窃盗事件などの頻発に、多くの都民や中野区民は一体いつの間にこんな国になってしまったのかと暗たんたる気持ちに襲われています。確かに、警視庁の留置場の収容者は、定員をはるかに超え、最近ではそのうち外国人が約4割を占めるなど、かつてない異常な状態になっております。
このような治安悪化の要因は、外国人による犯罪の増加、少年事件の多発、地域社会における犯罪抑止機能の低下等にありますが、警察を初め、多くの関係者の努力にもかかわらず、現在では犯罪情勢の悪化を食いとめるには至っておりません。東京都では、石原都知事が元警視庁長官官房付の竹花豊さん、先ほども申し上げました副知事を迎え入れて、本部長とする治安対策の中核となる緊急治安対策本部を設立いたしました。この竹花豊さん、実は先月の2月11日に私ども自由民主党の区議会議員全員協議会という研修会がありました、箱根で。そのときの講師として、竹花豊さん、1時間ほど講演をいただいて、いろいろ都内に関する治安の悪化、また対策なども勉強してまいりました。
この竹花豊さんは、昭和24年、兵庫県に生まれて、今現在55歳ですかね。東京大学法学部を卒業され、48年に警察庁に入庁されました。いわゆるキャリアですよね。平成6年に大分県警の本部長をされ、平成13年に広島県警の本部長をされ、昨年、警察庁の長官官房付になって、去年6月、東京都の副知事に就任されました。大分、石原慎太郎さんもこの治安問題に力を入れて取り組んでいるようですけれども、昨年10月1日に東京都も安全・安心まちづくり条例を制定いたしました。
中野区でも、昨年のたしか第1回定例会だったと思いますけれども、安全・安心まちづくり条例の制定に向けての陳情が総務委員会で採択されました。今回、この第1回定例会で議案が提出されておりますけれども、そこで何点かお伺いしますが、現在、23区で見ますと、こういった生活安全条例を制定している区は何区あるのでしょうか。
○田辺総務課長 私どもが承知している限り、16区というふうに承知しております。
○伊藤(正)委員 16区というと、もちろん中野区は入っていませんよね、第1回定例会で条例をつくりますから。そうすると、第1回定例会でつくられるほかの区は御存じでしょうか。
○田辺総務課長 中野区だけというふうに承知しております。
○伊藤(正)委員 警視庁全体で見ると、平成14年に30万2,000件、検挙率が25%ですけれども、中野区内で認知されている犯罪は、たしか平成13年が8,100件余り、平成14年が6,700件余り、若干減っておりますけれども、15年の都内と中野区内の犯罪発生状況、おわかりでしたら教えてください。また、23区では何番目なんでしょうか、教えてください。
○田辺総務課長 平成15年の東京都内での犯罪の発生件数でございますが、総数が29万9,000件余りでございまして、平成14年の総数が30万2,000件余でございますので、多少減少しているというふうに聞いております。
また、中野区内の発生状況は6,850件と、昨年に比べまして100件ほど増加しております。
また、中野区の発生のどのくらいの、何番目かというふうな御質問でございますが、警察から伺ったところによりますと、平成15年は17番目というふうに聞いております。
○伊藤(正)委員 私の知る範囲では、都内で治安というか、こういう犯罪件数が多いのは、江戸川区が一番多いらしいんです。続いて足立、そしてお隣の新宿、恐らく歌舞伎町なんかでいろいろな事件が発生されていると思うんですけれども、そういった意味で見ますと、23区の中では、17番目ということはまあまあ、治安がそんなに悪い方ではないかなと思いますが、お隣の杉並区では三つの警察署があります。杉並署、高井戸署、荻窪署の犯罪発生状況によると、これは空き巣に限ればなんですけれども、昨年の発生件数が前年から522件少ない1,186件と、約3割減ったそうです。この犯罪の総件数というのは1万752件、いわゆる空き巣以外の犯罪ですよね。全体としても3.3%減にとどまっておりますけれども、今申し上げたように、空き巣の被害が3割減ったということは、地域パトロール、住民パトロール、自主団体パトロール等による効果があらわれているんだろうと言われております。このことについて、区としてどのように受けとめておりますか。また、その考えをお伺いします。
○田辺総務課長 今、杉並区の例の御紹介がありましたけれども、これにつきましては新聞等で情報を得ております。また、御紹介がありましたように、地域のパトロールというふうなことにつきましては、地域全体でいろいろ注意を払っているというようなことで、特に空き巣等につきましては効果があるというふうに私どもも認識しております。
○伊藤(正)委員 杉並区で私の調べたところによると、多分まだふえているんだと思いますけれども、私の知る範囲では、22団体の地域パトロール、自主パトロール団体があると聞いております。例えば、阿佐ヶ谷中学校おやじの会とかご近所つきあい広め隊、ご近所つきあい広め隊の会員は何と180名いるそうです。防犯この町清め隊、それから走るママチャリ・パトロール隊とか、ユニークな名前で活動している団体もあります。ちょっと調べてみたら、中野区も幾つかございまして、区商連第七ブロック、恐らくサンモール、ブロードウェイ、あの先の繁華街の商店街だと思いますけれども、それから幸せ着物着付けサークル、これは防犯とどういう関係があるのかわかりませんけれども、世代間交流「夢のかけ橋」、中野警備業協議会ボランティア、野方少年柔剣道父母会パトロール隊と、私の知る範囲では5団体あるんですが、区内で既に住民パトロールを実施している団体等について、今、私が申し上げました以外にも把握されておりますか。
○田辺総務課長 具体的に私どもでその団体の方たちとコンタクトしているというふうなことはございませんが、警察の方々からのお話等を伺いますと、今、御紹介がありました団体のほかに、PTA等でもパトロールをされている例があるというふうに聞いております。
○伊藤(正)委員 先ほども高倉委員が防犯ブザーのお話、私、実は初めて見たんですけれども、今回というか、16年度予算では、地域の生活安全のために400万円計上されておりますけれども、その内容を教えていただけますか。
○田辺総務課長 内訳でございますが、平成17年度、再来年度に区立小学校に入学する1年生用の防犯ブザー、また同じく平成17年度中に中野区に転入するお子さんたちへの防犯ブザーといたしまして3,000個の購入経費が約150万円、また防犯パトロール団体への活動支援といたしまして、資機材等の提供ということで250万円余を見込み、合計が400万円ということでございます。
○伊藤(正)委員 各区の取り組み、新聞紙上なんかで報道されておりますけれども、自主防犯団体への助成金を出している区というのは結構あるんですけれども、先ほど杉並区の例を申し上げましたが、団体への助成金として、先ほど高倉委員とのやりとりで1団体15万円というお話を聞きました。杉並区では1団体10万円、70団体分の700万円を16年度予算案に計上したと聞いております。中野区でも、今後このように地域パトロール、自主団体に対しての助成金を含めた資機材等の提供をふやしていく考えはないのでしょうか、お伺いいたします。
○田辺総務課長 先ほども申し上げましたように、パトロールは地域の中で防犯の効果があるというふうにも聞いておりますので、16年度、今回新しく事業を進めるわけでございますが、こうした結果等も十分踏まえまして、今後検討していきたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 ぜひお願いしたいんですけれども、自主パトロールだけではなくて、防犯カメラの設置の取り組みについても、他の区では区立施設、小・中学校、保育園、児童館に防犯カメラを設置しております。そして、障害者施設にはセンサーカメラの設置をされている区もあるようです。また、商店街への防犯カメラの設置にも助成金を出しておりますが、たしかサンモール商店街なんかはカメラを設置していると思うんですが、区としてそのカメラの設置の台数というか、何か把握しておりますか。また、その設置に関して、どのような取り組みでなさっているのか、おわかりでしたら教えてください。
○田辺総務課長 商店街等で設置しております防犯カメラにつきましては、独自で事業を行っているというふうに承知しておりまして、区として実態等については承知しておりません。
○伊藤(正)委員 今後、商店街や私立幼稚園、区立施設だけではなくて、民間等にも防犯カメラ設置に助成金を出すという考えはないんでしょうか。
○田辺総務課長 防犯カメラの効果につきましては、いろいろ実践例があるというふうに聞いておりますが、防犯カメラにつきましては、プライバシーなどの問題、また中野区として新宿区ですとか、渋谷区などの繁華街といった状況ではないというふうなこともありますので、助成の範囲にするかどうか、あるいは今回、東京都で16年度から補助制度をつくるというふうにも聞いておりますが、こうした動向等も踏まえながら、今後の検討課題としていきたいというふうに考えております。
○伊藤(正)委員 空き巣の犯罪、先ほども例を申し上げましたけれども、ピッキング対策として、かぎを取りかえたり、新たに取りつけたりする場合にも補助金を出している区があるんです。その限度額5,000円をずっと出していたんですけれども、今回、5,000円を1万円に引き上げたというのが渋谷区であります。渋谷区では、このようにカメラの設置やピッキング対策に対して、治安の対策のために何と8,800万円を16年度予算に計上しております。渋谷区さんは、結構財政豊かな区でもありますし、中野区では今後、安全・安心まちづくりの条例を制定した上で、先ほどから私申し上げていた他区の例を参考にしながら、治安対策の予算を大幅にとは言いたいんですけれども、拡充するつもりはないのでしょうか、お尋ねいたします。
○田辺総務課長 さまざまな区でその地域に合った特性の対応をしているというふうには承知しております。今回、私どもでは条例をお願いしておりますが、それをきっかけといたしまして、今回、防犯ブザーとパトロール団体への資機材の支援ということで取り組みを始めさせていただいているところでございます。何度も申しますけれども、その実績等を見ながら、今後どういう方向で対応していったらいいかというふうなことについて、今後研究していきたいというふうに思います。
○伊藤(正)委員 先ほど高倉委員がスーパー防犯灯のお話をされて、私も実は質問要項に書いていたんですけれども、これを御存じですかということをお伺いするつもりだったんですけれども、調べて御存じらしいので、スーパー防犯灯、これは警視庁のホームページに載っておりまして、この質問をつくるに当たって、私、ホームページを見ましたらスーパー防犯灯と子ども緊急通報装置というのが載っております。先ほど道路課長も答弁いただいたんですけれども、世田谷区の上祖師谷地区に19基、杉並区の浜田山地区にも19基、江戸川区の清新町地区にも19基、これは3種類あるんですけれども、今言ったのがスーパー防犯灯1号というんだそうです。墨田区の東向島地区に19基、江東区など5基、武蔵村山市緑が丘地区に5基、これは恐らく警視庁のモデル設置だと思いますけれども、地域住民の皆さんが安全に安心して暮らせるまちづくり施策の一環として、事件・事故などが発生したときに緊急通報ボタンを押すと、インターホンで警察官と双方に通話ができるスーパー防犯灯、これは結構な値段がすると思うんですが、その設置をするのに、主に道路とか、公園に整備されているらしいんです。
そこで伺いますけれども、警視庁が積極的に設置しているのか、それとも各区が要請して設置してもらうのか、おわかりでしたらシステムを教えてください。
○尾崎道路課長 スーパー防犯灯の設置の経緯でございますけれども、スーパー防犯灯、都内では5区1市6地区が設置されているわけです。すべてではございませんけれども、一応幾つかの区に当たってみましたけれども、警視庁が各自治体に依頼して設置してきたものであるというような内容でございました。
○伊藤(正)委員 そうしますと、中野区に要請はなかったんでしょうか。
○尾崎道路課長 中野区には要請がございません。
○伊藤(正)委員 このスーパー防犯灯だとか、子ども緊急通報装置、これがついている地域というのは、住んでいる住民の方、また地域の方なんか、ここはそんなに治安が悪いのか、この地域はちょっとという、そういう面もあるんですけれども、そういった意味で、これから中野区に必要なところというのはございますでしょうか。
○尾崎道路課長 現在つけているのは、警視庁としましてはモデル的にというようなお話でございますけれども、中野区で設置すべき箇所というのは、現在のところ考えておりませんし、警察の方に問い合わせても、そういうところはないようでございます。
○伊藤(正)委員 それは、何か調査検討なんかされたんですか。
○尾崎道路課長 私どもの方で、例えば一般的に設置の要請があったときにどうするのかということで警察の方に問い合わせたことがございます。犯罪の発生状況等を勘案し、またかなり高額のものでございますから、予算措置の問題があるのでというようなことでいろいろとお話をされておりました。
○伊藤(正)委員 本来なら、こういうものがついているというのは、私は治安が一番悪いんだろうと思っておりますし、本当はなければない方がいいんです。ただ、それだけに、中野区も他区と、この間、本会議で区長さんが御答弁いただいたように、他区が治安対策に力を入れていれば、どんどん弱いところに犯罪が起きる、これはむしろ私もそう思います。そういった意味でも、なるべく皆さんと検討していただいて、設置する状況なんかも考えて、先ほど高倉委員が上高田の方へと申し上げましたけれども、その辺をぜひ検討していただきたいと思っております。
そして、小・中学校に対して、今回、防犯ブザーを配布することとしておりますが、その他、子どもたちを犯罪から守るために、教育委員会としてはどのような取り組みをされているのか伺います。
先月も、2月21日の土曜日に、桃園第二小学校付近において小学生が自転車に乗った不審者にひわいな言葉をかけられた事件があったそうです。学校の連絡体制や情報提供におくれがあったということも聞いております。きたごう議員も触れておりましたけれども、携帯電話への一斉メール送信の仕組みの制度を導入するなど、速やかに連絡できる体制をつくるべきではないかと思いますが、何か検討しておりますか、伺います。
○小林指導室長 防犯ブザー以外の防犯対策といたしましては、平成16年度より全区の小・中学校におきまして、所管の警察署や家庭・地域と連携いたしまして、セーフティ教室を実施する予定でございます。また、あわせまして、教員向けの防犯対策にかかわる安全指導の研修会を実施する予定でございます。
また、携帯電話への一斉送信につきましては、経費も必要なことから、その効果や他区の実績などを踏まえて検討してまいりたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 ぜひ子どもたちの安全を守るためにも、進めていただきたいと思っております。
先ほど冒頭で申し上げましたように、警視庁の留置場の収容者の約4割を外国人が占めていると申し上げました。昨年の外国人検挙率も、警視庁管内で8,000人と言われております。いわゆる不法滞在者が多いわけです。我が国に不法滞在する外国人は、過去10年間における50万人近いものに対して退去強制の実施に取り組んだにもかかわらず、いまだ推計で半分の25万人に上っており、その約半数が首都東京にとどまっていると推計されております。
外国人の犯罪として多いのは、中国人が52%だそうです。これは主に空き巣のピッキングが多いそうです。それから、韓国人がすりだそうです。イラン人が薬物だそうです。ちゃんと統計が出ているそうです。これは竹花さんが勉強会でお話になった。ですから、国によって犯罪の種類も違うわけですけれども、当然、中野区にも不法滞在されている外国人はいると思いますが、なかなか中野区で不法滞在が何名というのは把握できないかもしれませんが、警視庁全体の検挙人員の中の外国人の比率などがおわかりでしたら教えてください。
○田辺総務課長 警察からいただいたデータでございますが、平成14年で警視庁全体の全検挙人員は6万4,000人余りでございまして、そのうち来日外国人の検挙人員は5,700人余り、割合といたしましては9%というふうに伺っております。
○伊藤(正)委員 東京都安全・安心まちづくり協議会というのがあるんですけれども、私も調べましたが、この協議会は東京都、警視庁、特別区長会など行政が7団体、東京都町会連合会など都民や地域団体より26団体、事業者団体等が27団体で構成されておりますけれども、会長は石原慎太郎都知事、会長代行は警視総監、副会長は竹花さんを初めとする若干名いるそうです。この協議会では、どのような協議がなされているか伺います。
○田辺総務課長 この協議会、昨年10月10日に第1回が設置されたというふうに聞いておりまして、東京都民や東京都を訪れる方々が安全で安心に暮らせるよう、そうしたまちづくりに関する広報普及、また自主的な防犯活動の促進、各団体の情報交換などを目的として設置されたというふうに聞いております。第1回目は、学識経験者の講演会等を中心に会合がなされたというふうに聞いております。
○伊藤(正)委員 済みません、3時ですけれども、もう少しこの項、二、三分で終わりますので、続けさせていただきたいと思いますが、中野区でも中野・野方両警察が合同で中野区安全・安心まちづくり協議会というものを設置したと聞いておりますが、どのような構成で、どのような協議がなされているのか、おわかりでしたら教えてください。
○田辺総務課長 御紹介のありました中野区安全・安心まちづくり協議会でございますが、これは今お話のように両警察が合同で設置しているもので、両警察の防犯協会会長、それから小・中学校PTA連合会の会長、サンモール商店街会長、鷺宮連合町会長、コンビニ防犯協会会長、野方母の会、それから両警察の署長、区からは私、総務課長と調整課長、庶務課長の13名で構成しております。
○伊藤(正)委員 今回、安全・安心まちづくり条例を制定するに当たり、私は地域の安全は警察にお願いしていればよいという時代ではないと思っております。ほとんどの区民は、安全で安心してこの町で暮らしたいと願っております。行政、住民も積極的に防犯活動にかかわり、安心と安全を取り戻さなくてはならないと思います。
区の積極的な取り組みについて、区長のお考えを最後にお伺いいたします。
○田中区長 今、区民の多くの皆さんにお聞きしますと、防犯、生活安全ということについての関心、また区への要望というのが強いということを実感しているところであります。日ごろ、両警察、あるいは区民の皆さんの団体との連携もとるように心がけているところでありまして、今回の条例をお願いしている、条例制定を機に、さらにこの取り組みを強めていきたいというふうに思っております。
○平島委員長 伊藤(正)委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
3時25分まで休憩いたします。
午後3時03分休憩
午後3時27分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○伊藤(正)委員 休み時間、5分過ぎまして申しわけございません。残り時間30分なので、残りの二項目をやりたいと思います。
教育問題、学校選択制について伺います。
昨年10月に小学校並びに中学校のPTA連合会から、学校選択制に関する質問書が提出されていると聞きました。その具体的な質問内容について、お伺いいたします。
○山下教育委員会事務局次長 小・中のPTA連合会とは意見交換を交わしておりますが、その際に質問をいただいたわけでございます。その内容は、学校の再編の具体的な案を示してから選択制に取り組むべきではないか、なぜこの時期に急いで導入を決めなければいけないのか、現行の指定校の変更制度を拡大することで対応できないのかというような内容でございました。
○伊藤(正)委員 私が聞き及んでいる限りでは、小・中学校のPTA連合会、そして校長会でもこの学校選択制の導入にもろ手を上げて賛成しているような状況ではないと思いました。そこで、教育委員会としてはどのように把握されておりますか。
○山下教育委員会事務局次長 PTA連合会とは、何度にもわたって意見交換をさせていただきました。そういう中で、仕組みそのものに反対ということではなくて、導入を急ぐべきでないということが基本的な立場だというふうに受けとめているところでございます。また、校長会についても、その仕組みに対してというより、これを取り入れた場合にさまざまな影響が出てくるのではないかというような懸念がありまして、そのことに十分対応してほしいというような、そういう趣旨でいろいろと私どもに意見を言ってきているというふうに受けとめております。特に校長会については、いろいろなやりとりの中で、私どもがどういうことでこれを入れるのかということについての理解は得ているというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 我が会派としては、必ずしもこの学校選択制については反対するものではないんですけれども、例えば小学校について、通学距離などを考慮して、近接校から選択することになっているようです。しかしながら、小学校1年生にこの制度を適用させるには、いささか無理があるのかなと思っております。事情があって指定校以外の学校に行かなければならない場合は、指定校変更の制度を活用すればよいと思いますが、どのように考えておりますか。
○山下教育委員会事務局次長 自由に学校を選びたいという御希望が寄せられておりまして、これにおこたえしていきたいというのが一つの考え方でございます。また、通学距離の問題でございますけれども、多少遠くても希望する学校に行きたいのか、あるいは近接する学校に行くかというところを自由に選べる、そういう仕組みをとりたいということで、通学に無理があるという判断を保護者がされた場合には、当然、指定校はそのまま残るわけでございますので、そちらへ最優先で通学ができる、無理やり選択するという、そういうことを求める制度ではないというふうに理解してございます。
○伊藤(正)委員 先ほども治安対策の問題で取り上げましたけれども、現在、児童・生徒が通学時に襲われている事件が大変多く多発している中、学校は自由に選べますが、その通学に当たっては保護者の責任であるといった制度は問題があると思います。そのことについて、教育委員会ではどのような議論をされているか、教えてください。
○山下教育委員会事務局次長 子どもの安全を全体として守っていく、確保するということの大事さは、委員会でも常に議論がされているところでございます。ただ、これまでも指定校変更に当たって、お一人お一人のお子さんの通学について、特別な対応が必要だという場合については、保護者の責任でその対応をお願いしてきている経緯がございます。選択制についても、基本的にはそうした考え方で保護者の対応をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤(正)委員 各小学校のPTAは、それぞれ児童の通学の際に、先ほども御答弁がありましたが、PTAの方々が当番で安全誘導を行っております。学校を取り巻く地域の関係が学校選択制の導入により、希薄になっていくのではないかといったことが危惧されていると思います。
そこで、地域に開かれた学校を標榜していることと矛盾していないかなと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○山下教育委員会事務局次長 私どもがこの学校選択制を導入するねらいの一つとしまして、学校がこれまで以上にさまざまな努力をしていただいて、地域に親しまれ、支持される学校づくりを促す、そういった一つのきっかけにしたいというふうに考えてございます。こうしたことで、学校がさまざまな努力を、地域の皆様にそうした姿勢を見せることで、当然、地域との結びつきは今まで以上に強まるのではないかというふうに思っておりますし、また通学区域の指定は従来どおり行っていきますので、そうした努力を通して、多くのお子さんが地元の学校を選択する、結果としてそこを選んでいただくということになれば一番いいのではないかと、そういうふうにも思っているところでございます。
○伊藤(正)委員 多くの子どもは、地域の学校に通うと思うんですけれども、何人かの子どもは別の地域の学校に行くことによって、地域の友人関係が損なわれたり、保護者も地域の行事に参加しなくなる可能性があるのではないかと思っております。現に、小学校から私学に通わせている家庭では、地域の行事に参加しなかったり、保護者間の交流も少ないと思います。学校選択制により、同様なことを助長する結果になりませんか、お伺いします。
○山下教育委員会事務局次長 区民の暮らし方ですとか、地域とのかかわりというものは、相当多様化していきているというふうに私ども受けとめております。学校との関係についても、既に指定校変更を利用される方が相当の割合に達しているというふうなこともございまして、選択制を導入したことだけが学校と地域との関係が今までと変わってくるということに、そういう要素になっていくというふうには思っておりません。ただ、週休2日制が実施されて、子どもたちが地域に戻って暮らす時間もふえてきてございますし、学校が地域社会の中で区民の皆さんが活動する核となる施設の一つであるということは変わっておりませんので、そういう意味で、私どももさまざまな工夫・努力によりまして、地域と家庭・学校の一層の連携強化というようなことについては、努力してまいりたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 ある区では、恐らく江東区だと思うんですけれども、問題がある生徒が通っている中学校の希望する生徒が激減し、逆にその問題がある生徒の仲間が集まって、結果的に生徒の管理が困難な学校ができてしまって、その対応に大変苦労しているという話も聞いておりますが、その辺は心配ないのでしょうか、お伺いいたします。
○山下教育委員会事務局次長 現在もそうでございますけれども、公立の学校は子どもさんをすべて受け入れるということが前提で運営してございます。また、そうした義務を負っております。どのようなお子さんが見えても、よりよい学校づくりを進める義務を私どもも学校の教職員も負っているわけで、その点については今後ともそうした努力をしていきたいというふうに思っております。
また、選択制を取り入れた際に、保護者の皆様には学校を選ぶということはどういうことなのかということを十分に考えていただく、あるいは選んだ学校をぜひよりよいものにしていこうという、そういうお気持ちを持っていただくような働きかけもしてまいりたいというふうに存じております。
○伊藤(正)委員 これからもいろいろ教育委員会などで議論されていくことだろうと思いますが、とにかく通われている子どもたち、保護者、PTA連合会の理解をいただいて、私どもは先ほども申し上げましたように、必ずしも反対する制度ではありませんので、これからもよい方向へ向けていただくようお願いいたします。
次に、自転車対策について伺います。
ここ数年、中野区内の放置自転車の状況が改善されてきておりますけれども、放置自転車が一番多かったときと比べて、具体的にどの程度改善されてきたのか、数字がおわかりでしたら教えてください。
○登交通対策課長 放置自転車が区内で一番悪かったころといいますと、昭和62年から平成8年、約10年間にわたりまして駅前放置自転車の区内全体の台数が1万台以上というところでございました。特に平成4・5年は1万3,000台から4,000台という状況でございました。その後、減少傾向にございまして、現在2,000数百台という状況でございます。したがいまして、ピーク時と比べますと4分の1程度になっております。
○伊藤(正)委員 今、御答弁があったように、2,000数百台、4分の1、10年前よりも放置自転車が減ったということなんですけれども、自転車対策の成果が上がってきていることは確かですよね。施策を評価する場合は、時系列で10年前よりも増えたとか、減ったとかというだけではなくて、例えば23区の他の区と比較してどうかなと思うんです。そういう視点も重要だと思いますが、そこで他の区と比較して、中野区は放置自転車が多いのか少ないのか、その辺おわかりでしたら教えてください。
○登交通対策課長 確かに、ほかの区もこの10年間、かなり自転車対策に力を入れていますので、全体的に減っていることは事実でございます。中野区につきましては、例えば昭和62年、中野駅が都内のワースト1位という状況でございました。それが平成14年は89位ということで、大分改善されております。また、区内全体の状況がいいか悪いか、なかなか難しいんですけれども、東京都の方で区ごとの放置率というものを発表しています。放置自転車放置率という数字を発表しておりまして、それによりますと、平成6年ですと、23区中、中野区は18位となっていまして、かなり悪い状況でございました。ところが、平成14年、東京都の発表ですと7位ということですので、10年間で大分改善が進んできたという数字が出ております。
○伊藤(正)委員 ちょうど10年前は、たしか田中区長が交通対策課長だったころだと思うんですけれども、平成5年から7年でしたか、放置自転車がピークのときだったわけですよね。誤解のないように言いますと、田中交通対策課長が担当したころから放置自転車がどんどん減ってきているんだろうと思うんです。どういう対策が一番効果を発揮したのか、教えてください。
○登交通対策課長 基本的には、そのころから区内の駅に自転車駐車場が次第に整備されてきたということが一番だろうと思います。それにあわせまして、放置自転車の撤去を強化してきたということでも放置自転車が減少したというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 先ほどの御答弁で、中野駅がワーストワンと言いましたけれども、台数は何台ぐらいだったんでしょうか。もう一度、繰り返し聞きたいんですけれども。
○登交通対策課長 当時、昭和60年、ワースト1位のときは約4,000台の放置自転車がありました。
○伊藤(正)委員 今、中野駅周辺に毎日いらっしゃる方、あの方は職員の方でしたか。
○登交通対策課長 中野駅周辺で放置自転車の警告札を貼ったりとか、駐輪場への誘導を行っているのはシルバー人材センターの方と、それから緊急雇用対策ですけれども、ガードマン会社の方が従事しておられます。
○伊藤(正)委員 以前は、そういった意味で中野区内で放置自転車が多い駅といえば、JR中野駅と東中野駅でしたが、現在はどの駅が一番、放置自転車が悪い状態になっているのか、把握されていましたら教えてください。
○登交通対策課長 現在、中野区内で放置自転車が一番多い駅といいますのは、新中野駅でございます。昨年10月の調査ですけれども、午前10時ごろで約700台の放置自転車がございました。
○伊藤(正)委員 丸ノ内線の新中野駅、実は私、この地元なんですけれども、入り口が4カ所ありまして、両方の出入口、歩けないような状態なんですね。そこで、この質問を取り上げさせていただいたんですけれども、他の駅が改善されたのに比べて、本当に青梅街道沿いの歩道両側ですよね、大変多い放置自転車、今700台と申されましたけれども、先ほども課長が駐輪場の整備が一番の自転車対策だということで、たしか新中野駅は駐輪場が近隣にはないんですよね。しかし、財政難の折ですから、今から区が土地を買って駐輪場にしようという、こういう時代でもないんですけれども、例えば旧中野消防署跡地、今、区が取得して駐車場に貸しておりますけれども、あそこなんかはどうなのかなと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○登交通対策課長 新中野駅周辺の放置自転車の解消のためには、やはり自転車駐車場はどうしても必要だろうと思います。しかしながら、なかなかあの辺に適地がないということでございます。確かに中野消防署跡地というものはございますけれども、直ちに使えるかどうかという問題がございます。そういった土地も含めまして、区が持っている土地、それから民間で持っている民有地の借り上げで駐輪場ができないかとか、あるいは、今後ですと民営駐輪場の可能性、そういったことも含めまして、先ほどの委員御提案の土地も含めまして、いろいろ検討していく必要はあるだろうというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 地域の方々とは何か検討委員会みたいなことでお話をされたことはありますか。
○登交通対策課長 たしか2年ぐらい前だったと思いますけれども、地域の方とは中野通りの杉山公園前の歩道に自転車置き場、暫定ですけれども、できないかどうかという提案をこちらの方からしたことがあります。ただ、地域の方は、あそこですと100台程度しか置けないと。それよりも、まず必要なのは本格的な駐輪場だと。本格的駐輪場をつくって、なおかつ足りないということであれば歩道というのはやむを得ないかなと。いきなり最初から歩道はどうかと言われても、賛成できないという御意見でした。これは地元町会の役員さんの圧倒的多数の御意見でしたので、それも一理あるかなと思いまして、その件につきましては、その後こちらからは提起しておりませんけれども、考えとしましては、やはり本格的駐輪場を民営か区営かはともかくとしまして、必要だという認識でおります。
○伊藤(正)委員 旧中野消防署跡地も、実は駅に対してはちょっと距離があると思うんですよね。中野区の駐輪場全体を見ますと、中野駅なんかは本当に目の前に駐輪場があって、課長とも取材をして、こんな近くにあるのは珍しいというお話もいただきました。中野区全体が駅に近い場所にあるだけに、例えば今申し上げましたように、新中野駅なんかは100メートル離れているぐらいでかなり遠いという印象を受けます。本来ならば、近くに土地があって、区が先行して駐輪場にすればいいんですけれども、なかなかそうもいかないだろうと思います。ぜひともこの旧中野消防署跡地、今、駐車場に、区が民間に貸しているんだと思いますけれども、結構この駐車場も年間幾らか、上がりというんでしょうか、利益を生んでいるということも聞いております。駐輪場にすると、利益を生むのはなかなか難しいだろうと思うんですけれども、とにかく放置自転車が多いということは、駐輪場がないから多いんだと思うんです。ぜひともこの消防署跡地を検討していただいて、地域の方々が理解できるように進めていただきたいと思っております。
自転車問題に関連して、もう一つお尋ねしたいんですが、北朝鮮船舶の入港問題が最近話題になっておりますが、テレビに映し出されている北朝鮮の貨物船に中古の自転車が山積みされているのを目にいたします。北朝鮮、結構いろいろ問題が取り上げられておりますけれども、あの中に自治体が撤去した自転車が含まれているのではないかと思いますが、例えば中野区で撤去した自転車も北朝鮮に送られているのかどうか、その辺の情報をお持ちでしたらお伺いいたします。
○登交通対策課長 中野区は23区で唯一なんですけれども、古物商に大量に売却しております。撤去して引き取りのない自転車ですけれども、昨年ですと約1万台程度売却しております。古物商の方は、それをどこに持っていくかということでございますけれども、かなり輸出しております。輸出先というのは、香港、ベトナム、フィリピン、こういったところに輸出されているということだそうです。
今、御指摘ありました北朝鮮貨物船なんですけれども、関西の自治体の場合は、ほとんどが売却が主流です、引き取りのない自転車につきましては。一般には、関西の自治体のものというふうに言われております。
○伊藤(正)委員 そこで、27日の都政新報に、放置自転車、23区の返還率は56.8%と。自転車の売却、撤去後の扱いに苦慮、業者に売却する自治体もということで、よく読みますと、登課長の談話も入っていますけれども、この辺詳しく教えていただけますか。お願いします。
○登交通対策課長 いずれの自治体も撤去した自転車、引き取りに来られない方がかなりいますので、その処分に苦慮しているという状況はございます。都政新報の記事にも書いてありますように、関西の方は比較的、大阪市、神戸市といった大きいところは全量古物商に売却というのが一般的でございます。東京は、売却が非常に少ないという状況がございます。その中で、中野区とか一部の自治体は売却を数年前から始めたという状況で、それによって、わずかでございますけれども、従来ですと、こちらからお金を払って処分していたというものがその分がなくなったと。わずかながらではございますけれども、収入もあるということで、少しは財源確保に寄与できるのかなということで、こういう方式を進めたというものでございます。
○伊藤(正)委員 自転車対策については、以上で質問を終わりますけれども、とにかく区民に詳しく説明して、駐輪場対策に力を入れていただきたいと思っています。
そして、その他で伺いますけれども、あと残り5分なんですけれども、今回、先ほども申し上げましたように、時間制の試行、第2回定例会より時間制を取り上げて、今回は一般質問、そして総括質疑、試行状態でありますけれども、一般質問の状況なんかも見ますと、やはり限られた時間で皆さん配慮して、また理事者側の方の答弁も大分気を使っていただいている。私ども自由民主党の立場でいいますと、前々からこの時間制を、自由民主党・民主クラブとしてもそうですけれども、前の会派のときから、自由民主党の立場としても時間制を取り上げるよう常々申し上げてきました。この間の一般質問、3日間、最初の日は先議があって、5時20分ごろ終わったんでしょうか。2日目、3日目と5時前に終わっている状態で、前から見れば、大変スムーズに本会議運営、そしてまたきょうは総括質疑の1日目ですけれども、この4日間、恐らく時間どおりに皆さん苦慮して配慮していくんだろうと思いますが、その辺からいうと、議会側が示した内容ですけれども、理事者側として、この時間制を取り上げていった経緯、その辺、みずからの仕事に対しての時間の余裕なんかもめどがたって、本会議運営ほか、総括質疑運営ほか、大変いいことだなと思っているのではないかと思います。その辺を含めて、区長、最後に時間制についてどうなのか、お伺いいたします。
○田中区長 円滑で民主的な議会運営のために、議会の皆様が御努力をなさっていることでありまして、大変すばらしいことだというふうに思っております。我々理事者側といたしましても、そういう意味では時間がここからここまでというふうに一定決まってくるということによって、仕事の予定がたちやすいといったようなことがあるのは伊藤(正)委員のおっしゃったとおりであります。それは、あくまでも派生して出てきた我々にとってのよかった点ということであります。我々といたしましても、手際よくわかりやすい答弁に努めながら、ともにすばらしい議会運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
○伊藤(正)委員 ありがとうございました。これで私の質問を終わります。
○平島委員長 以上で、伊藤正信委員の質疑を終了いたします。
3番目に、池田一雄委員、お願いいたします。
○池田委員 日本共産党区議団の立場で、区長並びに理事者の皆さんに総括質疑を行わせていただきます。
まず最初に、区長の所信表明説明について、施政方針説明についてお伺いいたします。
イラク問題と憲法問題について伺います。
戦後初めて戦争状態の国、イラクでありますが、本格的に装甲車などで武装した自衛隊を派兵するという、日本の歴史を大きく転換させる、そういう道に踏み出しながら、小泉首相は国民への説明責任を果たそうという姿勢が全くないと言ってよいと思います。派兵の既成事実をつくることを目指している現状からは、重大な問題が引き起こされる可能性があります。
第1に、世界の平和との矛盾であります。米英がイラク戦争の最大の大義としておりました大量破壊兵器が見つからなかった。ブッシュ大統領自身もそのことを問い詰められて、認めざるを得ないという状況になりました。うそが戦争の始まりだったということです。この戦争で犠牲になったイラクの民間人は、低く見積もっても1万人を超えるのではないかというふうに報道されておりますけれども、イラク戦争はまさに大義などなく、国連憲章を踏みにじった侵略戦争であったということが世界の大多数の政府や国民から指摘されているところであります。
その戦争が占領という形で現在でも続いているわけです。そういうところに自衛隊を派兵するということは、まさに侵略戦争への加担であって、国連憲章に基づく平和のルール、平和を取り戻すための国連憲章に定められた精神、こういうものへの挑戦ではないかというふうに思うんですが、区長にお伺いいたします。
○田中区長 法律に基づいて、国会の承認を減るという手続を経て政府が判断したことであります。自治体を代表する立場の長として、政府といい、自治体といい、ともに法人であり、独立した機関でありますから、そうした機関の権限の属することについて、見解を申し述べるということについては慎重でありたいというふうに思っているところであります。
○池田委員 本会議でもそういう答弁をされているわけですが、しかし、事態は深刻です。日本国憲法との矛盾も大変強まっております。国会での論戦で、イラクに派遣された自衛隊は、法的にも占領軍としての地位が保障される。また、占領軍の指揮下に置かれる。米軍の軍事作戦の支援など占領支配の一翼を担う。川から水をくんで浄水することよりも、米軍の物資を運ぶことの方がお金がかかるのではないですかね。こういうことを今も現に進めようとしている本格的な段階に入ったわけです。しかし、こういう状況を憲法では占領への参加を交戦権の禁止、武力の行使としてかたく禁止しております。占領とは戦争状態が続いていることであって、占領に参加するということは戦争の一方の当事者になることだからであります。これは明らかに憲法違反と考えますが、再度、区長のお考えをお聞きします。
○田中区長 法律は国会が憲法に基づいて議決したものであるというふうに考えております。
○池田委員 何か非常に簡単な答弁でありますけれども、憲法については、区長はお考えになっていないということなんでしょうね。憲法9条は、日本国民の宝であります。そこには、あの悲惨な15年間にわたる戦争、満州事変、1931年から太平洋戦争終結、1945年に至るまで、日本に侵略された国々の人民と国土の被害、否も応もなく駆り出されて戦わされた日本の青年の悲劇、その結果、残された多くの遺族と原爆や空襲で死んでいった多くの日本国民の反省と決意、為政者によってなされたこの戦争を二度と繰り返させてはならないとの反省と決意が込められてつくられたのが日本国憲法であり、第9条ではないでしょうか。この憲法を時代おくれなどと言う人がおりますが、それは世界を見ていない話です。
ハーグにおける1999年の世界市民平和会議では、各国の議会に憲法9条のように戦争放棄を採択することを呼びかける行動指針が打ち出されました。また、2000年の国際ミレニアムフォーラムの報告書でも、日本憲法の9条のような戦争放棄の規定を世界各国の憲法にも取り入れるべきだということが言われるぐらいに、憲法9条に光が当てられている方向に時代が変わってきております。そういう時代の変化こそ見るべきでありまして、それを見ないで、アメリカから言われるままに憲法を投げ捨て、アメリカのイラク先制攻撃、侵略戦争を一緒にやるような日本にすることは絶対に避けるべきだと考えております。
中野区における平和行政の基本に関する条例では、その第2条、中野区は世界の平和を求める区民の意思を表明した憲法擁護・非核都市の宣言の精神に基づき、憲法の非核都市宣言の中身、今お尋ねしていることからの関連でいえば、こういうところが当たると思います。「私たちの憲法は、暮らしを守り、自由を守り、恒久の平和を誓う。私たちは、この憲法を大事にし、世界じゅうの人々と手をつなぎ」という箇所になると思います。「この宣言に基づき、日本国憲法の基本理念である恒久平和の実現に努めるとともに、区民が平和で安全な環境のもとに、人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求できるよう、平和行政を推進するものとする」というのが、これが中野のあの分厚い条例集のトップに書かれているわけですよ。基本条例ですよね。このような明確な条例があり、その規範には、区長はもちろんのこと、議員やすべての職員も守らなければならないはずです。条例と区長のとられている態度との関係をどう説明されますか。
○田中区長 条例に基づいて、平和のためのさまざまな行政活動を行っているというところであります。
○池田委員 この条例、今も読み上げましたように、「日本国憲法の基本理念である恒久平和の実現に努めるとともに、区民が平和で安全な環境のもとに、人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求できるよう、平和行政を推進するものとする」ということが今、区長の言った一言で集約されるというふうにお考えになるならば、余りにもこの基本条例の根本精神を読み取っていないというふうに指摘をして、次に移ってまいります。
日本経済との関連で、区民の暮らしについてお聞きします。
昨年の元旦、日本経団連は恒例のビジョンを発表して、その中で、旧来の財界は一言で言うとメイド・イン・ジャパンの体制であった、これからはメイド・バイ・ジャパンの体制だと宣言しました。つまり、メイド・インとは輸出中心の産業構造体制からメイド・バイ、すなわち多国籍企業型の産業構造体制に切りかえるという宣言です。実際は、その前から切りかわってはいたんですけれども、改めて財界としての国民に対する宣言を行ったということだと思います。
多国籍企業型の産業構造改革というのは、どういう形で国内に経済的な状況としてあらわれたか、それは国内的には内需不足の形であらわれております。それはそうですよ。大企業が外国にどんどん移り、下請企業は淘汰され、リストラが大はやりし、賃金が下げられるということになれば、内需が下がるのは当然なわけですから、その解決を市場原理を活用した構造改革路線を持って進めているのが現在の政治であります。弱肉強食の淘汰がすごい勢いで進められています。聖域なき構造改革は、あらゆる形で国民に襲いかかっております。
中野区の特別区民税納税義務者の給料は、一人当たり平均で、5年前に比べて20万円6,743円も落ち込んでおります。12で割って、1カ月当たり1万7,200円も水準が減っているということです。区内の事業所数は、この5年間で692カ所減って、4年間で256件の倒産があって、負債総額は1,978億円に至っております。1件当たり7億7,000万円の負債ですね。区内の完全失業者数も毎年1万人を上下しておりまして、減っておりません。そういうもとで、悲しい自殺が98年から急増し、5年間で中野区内で323人の方がみずから命を絶っています。
三位一体政策は、自治体財源の国からの移管をうたいながら、その実、構造改革路線のもとに自治体と国民に負担を押しつけてくるものであって、今申し上げた区民の暮らしの実態をさらに引き下げる方向に働くものになるという可能性が非常に強いものであります。
そこでお聞きします。国が当初持ち出してまいりました生活保護費国庫負担金の負担率見直しによる国庫支出金の減額は217億円と言われまして、特別区長会でも緊急要望を出そうかというところになりましたし、全国6団体もこれに対しては激しく抵抗したわけでありまして、今回、国は結局あきらめました。しかし、これは再来年度以降出すということを言っております。
去年12月12日に政府・与党間での了解事項というものがありまして、生活保護負担金の見直しは平成17年度に実施するということになっているわけです。こういう状況のもとで、どういうふうにこれを予測されておりますか。
○村木財務課長 17年度以降に生活保護国庫負担金にかかわる影響額といたしましては、年間で約5億円ほどというふうに見込んでおります。
○池田委員 大変な金額だと思います。直接、来年度、16年度で影響の一番大きいのは、公立保育所運営費補助金、あるいは民間社会福祉サービス推進費の一般財源化であると思うんですが、これはそれぞれどの程度を見込まれておりますか。
○村木財務課長 保育所負担金にかかわりましては、国庫の影響額が約4億8,000万円ほど、それからこれに付随いたしまして東京都負担分がございますので、これが約2億4,000万円ほど、それから地域家庭教育力の活性化推進費補助金というふうに読み取ったんですが、これが250万円ほどということになっております。
○池田委員 23区の場合は、これが一番大きな影響だと思うんですが、今答弁の数字、5億円を上回るわけですよね。民間保育所の負担は、今後とも引き続き国が責任を行うものとするという、これも了解事項が結ばれているんですが、公立か私立かの差はあっても、事業の主体は中野区にあるんです。保育所のある自治体が実施主体でありますから、実施主体が変わらないのに、なぜ民間の保育所の運営費は国が負担し、公立保育所は全額地方負担とするのか、整合性を見出すことができません。このように、国庫補助負担金の廃止・縮減は、中身の検討のない小泉首相の1兆円削減発言に合わせた、いわば数合わせといったものであります。公立保育所運営費は、全国では1,700億円もの財源化になります。国の保育への責任が後退し、自治体の財政負担が一層増すことになるものであります。
区長は施政方針説明の中で、三位一体改革を自治体に権限強化をもたらすので、何か補助金交付金の削減があってもやむを得ないかのような発言をされているというふうに私は受けとめましたが、そのことについてお聞きします。
○田中区長 三位一体改革は、自治体に権限を移譲するとともに、厳しい経営努力を求めるものになるだろうというような認識を私は施政方針説明の中で申し上げたつもりであります。何度も申し上げておりますように、日本社会全体が、国でいえば40兆円の税収に対して80兆円の財政規模をつくってしまっている、そうした国の資質を大幅に当てにしながら地方自治体の多くは運営している、そういう中で、歳出と歳入の規模が最終的には一致していくと。そのためには、財政構造の改革もありましょうし、一定の経済成長といったようなこともやらなければならないんだろうというふうに思います。全体として、そういう方向を目指して改革していかなければ、我が国はもうやっていけない、国も自治体もやっていけないようになってしまうんだろうと、私は心配しているところであります。
そうした意味で、三位一体改革というのも言われているところでありまして、改革はしていかなければならないだろうと思っております。しかし、今の国が進めている三位一体改革だけで何か新しい国のあり方、自治体のあり方の正しい展望といったようなものが見えているかというと、必ずしもそうではないだろうというふうに思っているわけであります。
そういう意味では、三位一体改革ということが本当に完結的に成功する改革としてやっていけるのかというと、まだこれだけではうまくいかないのではないかというふうに思っています。そういう意味で、施政方針説明の中でも触れましたけれども、道州制の導入といった、さらに大きく踏み込んだ、国全体の形を変えるような、そうした改革の議論にまで進んでいるんだというふうに事態を認識しているところであります。
○池田委員 先日、衆議院の予算委員会で三位一体化により、小樽市では差し引き12億円、小樽市というのは人口が14万6,000人で、一般会計が660億円の自治体なんですが、差し引き12億円ものマイナスに直面しているという事実を我が党が取り上げ、総務省を追求しました。麻生大臣は、そのことは事前にわかっていたと答弁いたしまして、自治体に対する深刻な状況を与えることを最初から認めているわけであります。
こうやって国民の暮らし、自治体の財政、こういう関連予算は切りまくりながら、ミサイル防衛関連予算1,000億円、これを含んだ防衛費は4兆9,000億円、全然減らないですよ。公共事業費のつけ回しである国債費が17兆5,700億円、何とか改革とかと言っていますけれども、一向に改革されないままむだな道路に1兆9,000億円、空港・港湾に1,700億円などと、次第に地方から大都市圏に比重を移しながら、多国籍企業が求める国家予算にシフトしてきております。
構造改革路線では、国民需要を引き上げることができません。国民の需要を引き上げるためには、内需構成そのものを従来の公共民間投資主導のものから公共民間消費主導のものに切りかえる、つまり国民生活福祉充実型の内需構造に転換しなければ、今の路線では全く期待できません。三位一体路線に従っていたのでは、自治体にとっても、住民にとっても、未来はないということを申し上げて、次に移らせていただきます。
時間制ですから、私の持ち分は、きょうの分はあと45分ですね。そこで、若干、順番を変えさせていただきまして、教育委員の公募についてお聞きします。
新年度予算で、教育委員推薦の予算が58万7,000円計上されております。教育委員候補者を公募し、教育委員選任の参考にするというふうに説明されておりますが、どのような方式が考えられているのでしょうか。
○田辺総務課長 区長が教育委員を選任するに当たりまして、広く人材を得ようということで、教育委員会の候補者になりたい、なろうという方を広く区民の中から公募いたしまして、その方に御意見等を書いていただき、一定期間までに区に登録していただく、そうした方々の意見を意見発表会という形で、公開の場で聴取する場を設け、それを区長の選任の参考にしていくといったようなことを今考えております。
○池田委員 現在、中野区教育委員候補者区民推薦制度要綱がありますけれども、この要綱はどういうふうになるんでしょうか。
○田辺総務課長 この要綱につきましては、全部改正といいますか、新しい要綱を設定する、策定するということになるというふうに考えております。
○池田委員 全部改正というのは、廃止ということですよね。かつて中野区は、教育への住民参加を目指しまして、教育委員候補者選びの区民投票、いわゆる教育委員準公選が過去4回行われました。1994年、平成6年1月にこの区民投票条例が議会の多数で廃止されました。そこで、議会は同年3月に区民投票にかわる新たな区民参加の制度をつくるため、教育委員候補者選定過程並びに教育行政等における区民参加に関する調査特別委員会を設置いたしまして、約1年間、21回にわたって委員会を開いて、検討を重ねてきましたけれども、この経過についてはもちろん御承知ですね。
○田辺総務課長 承知しております。
○池田委員 一方、行政は同年、1994年5月、当時の兼子仁都立大教授、神田修山梨学院大学教授、このお二人は準公選のときからずっとかかわってこられた方ですが、そのほかにも樋口恵子さんなど、7人の学者、弁護士、ジャーナリストを専門委員に委嘱して、教育委員候補者選びをめぐる区民参加のあり方の調査・研究を行いました。
専門委員は9月に中間報告をまとめまして、これは区報で大分大きく報道されているんですよね。ここに小さなコピーがありますけれども、2回にわたって出ていますよね。この中間報告をシンポジウムや15の地域センターすべてで区民説明会を持って説明し、さらに議会の特別委員会にも先生方が出席して、説明と意見交換を行いました。
その上で、翌年、1995年1月に教育行政への区民参加の原則と教育委員候補者選びへの新たな仕組みについてを専門委員報告として区長に提出しました。その中心をなすものは、1番目に教育行政への区民参加条例の制定、これは今でもありますよね、もちろん。2番目に、教育委員候補者を区民が推薦する制度の実施でありました。区と教育委員会は、この議会の論議と専門委員報告をベースに置きながら、96年、平成8年3月に中野区教育委員候補者区民推薦制度要綱を制定いたしました。さらに、97年、平成9年3月には中野区教育行政における区民参加に関する条例を制定したわけです。
こういう経過に関する認識については、いかがですか。
○田辺総務課長 今、委員から御紹介がありました経過については承知しております。
○池田委員 こういうふうに現在の教育委員の区民推薦は、長い準公選以来の区民運動の歴史と、廃止された後でもこの運動の精神を盛り込んだ制度として残そうというふうに専門委員や議会が1年以上かけて論議をし、それをあなた方がおまとめになって出された要綱、そういう成果が込められている要綱ですよね。したがいまして、同じ要綱であっても、区長がぱぱっとつくった要綱とはわけが違うわけです。10何年かの中野区民の汗と苦労がにじみ込んだ要綱ですよ。区民方式を公募方式に変えることについて、なぜ区民と議会の意見を聞こうとしないのですか。
○田辺総務課長 教育委員の選任の事務につきましては、区長の事務ということで、教育委員の選任に当たりましては、先ほど申し上げましたように、広く人材を募集するという意味で今回公募というようなことを検討しているものでございます。実施に当たりましては、区民の方々にも十分承知していきたいと思いますし、議会の方にも御相談したいというふうに思っております。
○池田委員 ですから、実施のことを聞いているわけではないんですよ。あなたさっき、今の要綱を全廃するとおっしゃったでしょう。こういう歴史がある要綱を全廃するとき、なぜ議会や区民の意見をただの一言も聞かないでこういうことを打ち出してくるんですかということをお聞きしています。
○田辺総務課長 今の要綱につきましても、区長が教育委員を選任するに当たりましての手続の要綱でございますので、私どもといたしましては、今回公募というようなことにつきまして、新しい手続を定めたいというふうに思っております。
○池田委員 それはわかっているんですよ、出してきているんですから。だから、なぜ出すに当たってこれだけ、今るる経過を述べましたから繰り返しませんけれども、区民の願いが込められてつくられてきた、そういう経過を持つ要綱をぱっと捨ててしまうというのはどういうことなんですかということをお聞きしているんです。
○田辺総務課長 教育に関します議論につきましては、十分これからも区民の中でご議論いただくというようなことについては、私どもも検討していきたいというふうに思っておりますが、これにつきましては、教育委員の候補者につきましては、区長の事務というふうに認識しております。
○池田委員 中野区教育行政における区民参加に関する条例の第1条、目的ですけれども、ここには、「中野区の教育の分野における区民の意思が教育行政に適切に反映されるべきであるとの認識に基づいて、教育行政を推進するに当たって区民参加の原則を確認し」と目的にあるんですよね。この第1条と現要綱というのは対をなしているものですよ。発行されたのもほとんど同じ時期ですから。そういう大事な要綱なわけですよ。それを、今の要綱を全部廃止します、新しい要項をつくります、つくったところで区民の皆さん方の意見をよく聞きます、それではまるで逆ではないですか。
○田辺総務課長 先ほども申し上げましたけれども、教育行政に対する区民の参加というのは引き続き推進していかなければいけないと思いますし、地域の中で教育の論議は十分盛んに行っていただきたいというふうにも思っておりますが、その条例と教育委候補者を選任いたします手続につきましては、別物で要綱で定めていくものというふうに考えております。
○池田委員 この区民推薦要綱なんですけれども、ここには、第6条に教育フォーラムを開催することになっていまして、その教育フォーラムの内容について、「教育フォーラムは教育の現状や課題、教育委員会への期待、望ましい教育委員像など、教育に関して区民が自由に論議する場となっている」というふうに、まさに区民の中野の教育行政に関して、具体的に発露する場がこれにセットされているんです、この要綱には。フォーラムという形で。非常に大事な要項ですよ。それを全部なくしてしまうんでしょう。それで、他薦自薦でもって出てきた人の意見を聞くというのでは、これとまるっきり違うではないですか。やはり区民の声が直接教育行政に関して届くという場もセットされてこの要綱というのは推薦と一体となってつくられているものなわけですから、その辺を大事だというふうにお思いになりませんか。
○田辺総務課長 教育に関する議論の場は、現在でもさまざまな場で行われているというふうに認識しておりますし、私どもも今後とも推進していきたいというふうに考えております。
○池田委員 それならば、こういう重大な内容を含んでいる要項を何で廃止してしまうんですか。その理由は何ですか。
○田辺総務課長 今の教育の議論につきましては、要綱によらなくても、事実上いろいろな場でやられている、そうした自然の発露といいますか、区民の中での自由な議論というのが大事だというふうに考えております。
○池田委員 そうすると、あなたはこの要綱に書かれているさまざまなフォーラムを含めての制度というのは、中野区にとって必要のないものだというふうに思われているわけですか。
○田中区長 今ある要綱については、お話にありましたような経過を踏まえたもので、大切なものだという認識をしております。この要綱というのは、教育委員を選任するという区長の権限を行使するに当たっての区長の教育委員の選任の仕方について定めているものでありまして、私といたしましてどういう選任のやり方をするのかということを私なりに考えて、それに合わせた要綱をこれからつくっていきたいというふうに思っているわけであります。
○池田委員 区長は、先ほど私が言ったように、こうやって歴史があってつくられたこの要綱を廃止するのに当たって、何の相談もされなかったですよね。それについてはどうなんですか。
○田中区長 総務課長が御説明しましたように、実際に選任の具体的な手続をつくっていく過程では、区民の皆さんに御説明をしたり、議会から御意見をお聞きしたりということは行うつもりでおります。しかしながら、どういう形で選任するべきなのかといったようなことについて、決めるということについては、これは私がやらなければ制度の趣旨に合わないのではないかというふうに思っているわけであります。
○池田委員 そんなことをお聞きしているのではありません。現在あるこの要綱、これは単なる推薦の中身だけではないんですよ。この参加条例に基づいて、区民が中野の教育行政にさまざまな意見を出す、そういう過程をきちんと踏んだ要綱ですよ。そこには区民の教育行政に関する長い歴史、議会の参与が含まれているんですよ。それを廃止するときに、なぜ区民の意見を聞かないのですかということをお聞きしているんです。
○田中区長 教育に区民の意見をできるだけ取り入れていく、教育行政に区民参加の機会をつくっていくというのは、教育行政の区民参加の条例というものがあるわけであります。私自身は、教育に限らず、行政さまざまな分野で区民の声を聞きながら、区民の参加を得ながら進めていきたいというふうに思っているわけであります。その進めるやり方について、要綱というのは区長がみずからの事務を行うに当たっての区の組織内部の内部規範として定めるものでありますので、私の考え方で定めていきたいというふうに思っているわけであります。
○池田委員 これ以上やりとりしませんけれども、要するに区長は、要綱をつくることが区長に権限が任されていることであって、そこにどんなに区民や議会が関与してつくられた要綱であろうと私の一存でできるものだと、今こういう答弁をされたというふうに私はお聞きしました。答弁は結構です。
○平島委員長 今の意見について、区長の発言ですが、これは皆様に判断を伺いたいんですが、内容について区長の答弁を求めることでよろしいですね。
○田中区長 要綱の制定といったようなことにかかわらず、区長の責任で行うさまざまな行為について、区民の皆さんから御意見をお聞きしたり、議会の御意見をお聞きする、また必要なことは議会でも御議論いただくといった姿勢に何の変わりもあるものではありません。しかし、区長の権限に属することについて、区長の権限として責任持って行使するというのは、私のとるべき立場であるというふうに思っております。
○池田委員 そういう独断的な態度をとられているんだということです。最初からの論議を聞いている良識ある区民の方は、区長の態度が筋が通らないものだというふうな認識をされているというふうに思います。
それでは、次に、警察大学等跡地利用計画とまちづくりについてをお聞きしたいと思います。
1月18日に開かれたまちづくり調査検討委員会のフォーラムで、かなり鮮明に出てきた、あの会場での状況というのは、中間のまとめに対して異論を持つ区民が多いということ、しかし、舞台に出た発言者は全員賛成組でつくられているんですね、検討委員会の中の。批判的な意見を発表している委員というのは、舞台にも上がれないと。会場からの意見にも指されないというふうな状況でありました。
なぜ、今までの検討委員会の中の議論をあのフォーラムの中でも区民にしっかりと示す、そういう方法をとられなかったんですか。
○久保田まちづくり課長 フォーラムにつきましては、3回目の検討委員会で一定のまとめをしたというものにつきまして区民の方々の参加するフォーラムの中で御議論いただこうということでお示ししたものというふうに我々は認識しているところでございます。
○池田委員 最後に会場から発言された商店街の代表として、検討委員も進められている方からは、委員会は毎回新都市建設公社のスライド説明が1時間もやられて、自分たちが意見を言う時間が限られていると。内容も公社の事務局案で引っ張られているといった意見が出されましたよね。私も今まで検討委員会を傍聴したり、1回だけだったんですが、議会に出された議事録を読んでみたりしても、そういう感じが否めないんですよね。大体、一つのテーマについて、きちんと論議するということがないですよね。どんどん流れていく。結局、結果としては最初に発表された新都市建設公社の案が余り改変されることなく、確かに検討委員の意見というのはずらずらと出されるんだけれども、事務局案そのものについては、この間のフォーラムで事務局が発表しましたけれども、最初出たものと余り変わらない、そういう形で残ってしまうんですね。こんなに不十分な消化の状態のまま取りまとめに入るというのは、余りにも早過ぎるのではないでしょうか。
当日、会場でももっとゆっくりやってほしいと。私たちの意見を聞いてほしいという意見が相当たくさん出されましたよね。財務省も、一般的には早く早くと言っておりますけれども、せんだって、財務省に、関東財務局ではなくて本庁に伺って、その点を確かめてまいりましたけれども、一般論としては早くとは言いますけれども、いついつまでにというふうに時期を切って中野区に計画を立ててくださいというようなことは申し上げておりませんと財務省も言っているわけです。何でそんなに急ぐんですか、これだけ区民からいろいろな意見が出ているのに。
○久保田まちづくり課長 まず財務省から我々が聞いております話でございますけれども、施設の移転から既に3年近くたっておるわけでございます。その移転に要する費用というのは、先行的に借り入れをしまして、借り入れする関係から処分がおくれればおくれるほど金利の負担が毎年発生しているというような中で、できるだけ早期に処分したいというような話を伺っておりますし、この話につきましては、第1回のまちづくり調査検討委員会の中でも財務省から示されたというようなものでございます。
確かに、いつまでというようなことはありませんけれども、そういう金利負担を払う中では、やはり早期に処分したいというようなことがございますので、そういったことにも配慮しなければいけないと思います。もちろん、区としては移転して3年近く過ぎているという中で、区民の生活ですとか都市活動、それから中野への来訪者、こういった方々のためにも良好な町の実現というのは、早期にすべきことだろうというふうに考えております。時間をかければいいというものではございませんし、一定の時間の中でまちづくりの調査をして、計画を検討しなければならないというふうに我々としては思っているところでございます。そういったことから、早期の計画づくりということをやっていきたいというふうに考えております。
○池田委員 今の長い答弁を一言で言えば、国が急いでいるから早くしたいんだということになってしまいますよ。さっき言ったように、国はいついつまでにとは言っていないんですよ。これだけいろいろな意見が出ているんですから、もっとじっくりやるべきですよ。区長は、2002年2月18日、区民参加で中野を変える会で、「行財政5か年計画は区民に示し、議論する期間がほとんどありませんでした。本来、数年かけて議論するべきことをたった1年間で、しかもその責任をあいまいにしたまま決めようとしたからです」と批判しているんですよね。行財政5か年計画も確かに大事な計画です。1年で取りまとめたのは、私も早いと思います。
この跡地利用の計画も大変重要な計画です。これは昨年、さっき3年とおっしゃったけれども、焼却型の清掃工場をつくらないと出たのは去年ですからね。去年8月ですから。それからわずか6カ月ぐらいで実質的な中間まとめをして、いや4月で、最終の取りまとめ案まで6カ月ぐらいで決めてしまおうというのは、これでは幾ら何でも区民の声は入らないですよ。区民の皆さん方がこの問題について、十分知っているかといえば、まだ知っていません。それはやはり宣伝が足りないし、みんな毎日毎日コンピュータでホームページを見ているほど暇がないからですよ。まだ知らないんですよ。しかし、そういう中で事の重大性に気がついた区民の皆さん方が声を上げ始めたのが4カ月かかっているわけです。なぜもっと広く区民の声を聞こうとしないんですか。
○久保田まちづくり課長 もちろん今までもホームページだけではなくて、区報に掲載して、意見の募集をかけたりとか、いろいろなことで我々としては情報の提供に努めてきたところでございます。もちろん、先ほどありました検討委員会の中でも多くの区民の方の参加をいただいているところでございまして、その中で、例えば警大跡地だけではなくて、当然、中野には狭隘道路の整備だとかいろいろな問題があるので、そういったことはどうかというようなことで、その次の委員会では、そういったことについても御説明、御議論をいただいているというような中で、活発な御議論をいただいているというふうに我々としては思っているところでございます。あくまで、これは調査の中で行うということですので、素案ということでは、まだ区の案になっているわけではございません。今後、来年度は区の案とするべく、区民の意見ですとか要望等をいただく場というものももちろん設定していって、区の案としてまとめていきたいというふうに考えているところでございます。
○池田委員 今の狭隘道路の件も、そこの町会長さんが言われている意見ですが、それは今の中間のまとめにはほとんど反映されていないですよ。あの方は、周辺の不燃化を進めるためにここを使うべきだという提案をされているんですよね。だから、全然反映されていないんですよ。焼却型の清掃工場の計画が廃止されましたが、それにかわって、資源循環型の工場などをつくるといった約束はしておりませんが、区民としては、ごみを他区で焼却してもらうのだから、ほかの処理について他区に協力できるような施設を考えた方がよいのではないかという意見が結構あるんですよね、町を歩きますと。その問題については、ではどうするのかというようなことについては、全然、検討委員会での議論をした形跡がありません。議論しましたか。
○久保田まちづくり課長 もちろん焼却型の工場が中止になったということが大きな要因でございますので、工場そのものをどうするかというようなことの議論というのは、特にございません。
○池田委員 そういう経過ですよね。現計画の最大の目玉は、緑や公園の少ない中野区で4ヘクタールという防災公園を中野駅の近くにつくるということですよ。そういう方向でずっと今まで進んできて、いわばそれはこの周辺の区民を含めて合意ができているという内容だと思うんですよね。それが、この間のフォーラムで事務局の新都市建設公社の専務理事だか理事長だかの報告だと、1ヘクタールか2ヘクタールくらいの防災的機能を持つ広場に変わってしまっているんですよね。4ヘクタールの防災公園というのがなくなってしまっているわけですよ。議事録を読みますと、検討委員会の中でも大規模な公園をと望む声は区民の委員の中から出ているわけですよね、何回も何回も。ところが、そういうのは完全にネグられているんです。
そういう中で、区はこの4ヘクタールの防災公園を何とかして残そうというふうにいろいろ頭を働かせる努力をするといった形跡が全く見えない。開発者負担行為で行くんだから、1ヘクタールか2ヘクタールでやむを得ないと。議会が提案した都市基盤整備公団の防災街区公園ですか、ああいう方式についても、ほとんどこういう中で、この検討委員会の中で討論されている気配はないんですよね。毎回、六本木だ、汐留だ、品川だ、大崎だ、五反田だと、そういうところの絵がじゃかじゃか出てくるわけでしょう。今、都市再生で進めている緊急整備地区ですか、そういう物すごい巨大再開発の絵ばかりですよ、出てくるのは。4ヘクタールは一体どうしてしまったんですか。
○久保田まちづくり課長 13年度に策定いたしました土地利用転換計画案につきましては、既に国、それから東京都、杉並区の了解を得まして、警察病院が既に進出の決定をしておりますし、都市計画決定いたしました区画街路、これ以外については防災公園も含めた見直しを行っているというような状況でございます。清掃工場が中止されたというようなことから、公共施設中心の計画を見直さなければいけないというような状況の中で、区の財政の状況も踏まえて、先ほど委員が発言されました開発者負担による都市基盤施設、特に公園の整備といったものを想定しているというところでございます。
もちろん跡地には、公園だけではなくて、公園の周りにあります新規の導入施設、それを考えているわけでございますけれども、その中にも当然、オープンスペースをもちろん公園と一体的に確保していきたいというふうに考えているところでございます。また、周辺、跡地だけではなくて、区役所等も含めて、広域避難場所に指定されている関係から、全体として、警察病院も来ることですし、そういったところと連携をとって、必要な防災機能を十分確保していきたいというふうに考えているところでございます。
もちろん公園を4ヘクタールなり、それ以上というようなことも考えではあるかと思いますけれども、防災機能を高めるには、空地だけではなくて、周りに不燃の建物で囲った安全性の高い空間といったものが必要になるというふうに考えておりますので、先ほど言いました公園、それから空地、それから建物というようなものに囲まれた中で防災機能を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
○池田委員 どの程度あなた方が科学的に検討されているのかというのが大変疑問なんです。この警大跡地を取り囲む周辺、東側はまあまあですけれども、南も北も西側もほとんど木造地域ですよ。そういう木造密集地域のままにして、不完全な防災的機能を持つと称する広場で超高層のビル群をつくると、震災時には火炎旋風を惹起させまして、逃げ込んだ人々は関東大震災のときの陸軍被服所跡地のようになると、これは私も直感的にそういう感じがしていたんですが、汐留シオサイトの風のシミュレーションを直接手がけた専門家がそう言っているんですよ。指摘しているんですよ。あそこは人の死体の山になると。そういうことなんかは全然お考えになっていないですか。
まちづくり部長は、ある住民説明会の中で、防災公園のことを聞かれまして、防災というと周りの不燃化とか、警察大学跡地全体で不燃化を考えていかなければならなくなる、杉並区民もここに避難してくることになるのだから、杉並区ももう少し考えてくれないとと発言しているんですよね。ですから、いわゆる防災公園にすると、事業規模も大きくなって、周りのことも考えなくてはいけないし、そうなると年数もかかるでしょうし、それだったら手軽なこの開発者負担行為による都市再生方式になるのか、今、企業も自由にできますから都市再開発にするのか、その辺はわかりませんけれども、そういう方向に逃げてしまおうという発言の意図だったのではないかというふうに感じました。本当に防災のことを考えていらっしゃいますか。周りの不燃化はどうするんですか。
○久保田まちづくり課長 区で進めております平和の森公園の周辺の整備については、当然、防災公園の周りについては建物を不燃化しなければいけないということは、事業を進めているところでございます。もちろん警察大学校跡地についてもそういったことで、将来的には既成市街地についても不燃化といったものをやっていかなければならないというふうに我々思っておりますが、やはりやるにはかなり時間がかかるであろうということから、少なくとも跡地の中については、空間の周りを不燃化した建物で囲むような安全性の高いものをつくっていかなければならないだろうというようなことで、全体を考えてそのような発言をされたというふう認識しております。
○池田委員 1ヘクタールぐらいの公園では、とても防災公園の機能は果たせないですね。それは世間の常識ではないですか。防災科学に関係されている皆さん方は、みんなそうおっしゃっていますよ。1ヘクタールって、ほんのわずかな面積ですよ。皆さん方が開発者負担で区の出費は極力少なくと言っても、東京の都市再生プログラムに寄与するとか、東京の西の玄関にするなどと答弁されていますよね。そう言って進められたのでは、多くの区民がいろいろな意味での犠牲に結局はなるというふうに思うんです。これだけ地球環境の保護が言われて、都市の緑化が叫ばれているときに、巨大な超高層ビルを木造住宅に囲まれているこの地域に建ち上げれば、大変な事態が起きることは間違いないですよ。自動車が集中し、交通災害が発生し、自動車の排気ガスで大気汚染が進み、部分的人口集中によるさまざまな大都市問題が引き起こされるというふうに、それをみんな受けとめるのは中野区民ですよ。周りの住民の方がそういうものを、全部そういう負担を負わなければならない。
私は、今進めているこういうやり方ではなくて、例えば吉祥寺の井の頭公園、あそこは吉祥寺の駅に近くて、随分人も集めています。私も子どもが小さいときは、あそこの動物園に何回も行きました、安いしね。そういう駅のすぐそばに大きな公園がある、そういう新しい顔を追求した方がいいのではないでしょうか。中野駅をおりると森があるというのは、新しい都市の顔として極めてアピール度が強くて、新しい区民と都民の憩いの場として引きつけられる場所になるというふうに思います。緑と広場の避難場所をつくるべきだという声を強く希望いたしまして、この質問を終わります。
次に、福祉タクシーについてお聞きします。
まず、福祉タクシー券を使える福祉タクシー事業の概要について、簡単にお話しください。
○田中障害福祉課長 福祉タクシー事業でございますけれども、この事業は外出困難な障害者に対しまして、福祉タクシーの利用券を交付することによりまして、生活の利便と生活圏の拡大を図ることを目的とした事業でございます。
○池田委員 これは業者が決まっていますよね、現在。ところが、それ以外の業者で、NPO法人で難病患者の移送を行っている団体がありまして、この方たちは現在、福祉タクシー券の交換に中野区が応じてもらえないと言っておりますけれども、それはどうしてですか。
○田中障害福祉課長 現在の福祉タクシー事業実施要綱でございますけれども、この2条の中で、この事業はタクシー事業者との契約に行うという規定がございます。ここでいうタクシー事業者でございますけれども、道路運送法第4条の1の規定によりますいわゆるタクシー事業者の免許を取得した法人のことでございます。
○池田委員 そういう免許がないから認められないということなんですけれども、練馬区では同じNPO法人の福祉タクシー券の交換をやっているそうなんです。直接、問い合わせをしましたけれども、特に要綱というのはないらしくて、部長がやれということでやっているそうですけれども、一方で、この問題が全国的にも大変大きくなってまいりまして、厚生労働省と国土交通省との間で検討が進みまして、NPO法人などが条件つきで自家用自動車によって有償の運送を行うことができるようにしようとの方向性が打ち出されたわけです。読売新聞か何かに出たわけですが、このことについては御存じですか。
○田中障害福祉課長 国土交通省・厚生労働省が共同で検討し、現在、中間整理案をつくりまして交渉しているということについて承知しております。
○池田委員 新聞報道だけでなくて、現在パブリックコメントが行われているんですね。厚生労働省のホームページを探しましたら出てきました。ここでは、かなりまとまりつつはあるようなんですが、NPO法人についてはこう言っているんです。「NPO等の非営利事業者については、構造改革特別区域における措置として実施され、本年度内--と言うんですから3月までですよね--に予定されているNPOによるボランティア輸送としての有償運送可能化事業の全国実施(セダン型等の一般車両の使用について特定の地域において行う措置を含む)により、道路運送法第80条第1項の許可により対応できることとする」というふうにありますけれども、これはどういうことですか。
○田中障害福祉課長 現在は、自家用車での有償運送というのは禁止されてございます。これができるためには、いわゆるタクシー事業免許が必要なわけでございますけれども、このほかに公共の福祉のためにやむを得ないと判断された場合にはできるという規定がございますので、今回の規制緩和は、この規定を緩和する形によりまして、NPO法人にもこういった法的に可能な道を開くと、こういう内容でございます。
○池田委員 そうしますと、このパブリックコメントの締め切りがわずかで、恐らく3月末ぐらいまでには何らかの方向性を出すと思うんですが、これがうまくいったとき、その場合、中野区は要綱を改定して対応するということになるんですか。
○田中障害福祉課長 現在は、タクシー事業者と契約するという形になってございますので、そういった暁には、この対象事業者を拡大する必要がございますので、要綱の改正が必要である、そのように考えてございます。
○池田委員 国の方針が出ましたら、直ちに対処してほしいと思うんですが、これも具体的に話があったのはNPO法人難病何とかかんとかというところなんですけれども、難病の方を運ばれている法人ですよね。正式名称はありますよ、資料は。難病者移送サービスネットワークというんですね。こういうのは、ほかにもたくさんあろうかと思うんです。そういう団体、NPOなどに対するPRというのか、お知らせというのか、そういうものはどういうふうにされる予定ですか。
○田中障害福祉課長 ただいま委員からも御紹介いただきましたように、既に申し出を受けているところもございます。それから、申し出は現在ございませんけれども、区内の中ではそういった事業を行っている事業者もあろうかと思いますので、そういった人たちに対しますこの情報提供、あるいは説明を行っていきたいと、そのように考えてございます。
○池田委員 ぜひ国の方針が出た暁には、敏速に対応していただきたいということを望みまして、この質問を終わります。
○平島委員長 池田一雄委員の質疑の途中ではございますが、ここで委員会を休憩して理事会を開会したいと思います。委員会を暫時休憩いたします。
午後4時58分休憩
午後5時02分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
初めに、ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
理事会においては、池田委員の質疑の途中ではありますが、本日は終了し、あす続きを行うとの確認をいたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
以上で本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は3月2日火曜日、午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後5時02分散会