平成26年02月20日中野区議会本会議(第1回定例会) 25.09.12 中野区議会第3回定例会(第3号)

.平成26年(2014年)2月20日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       41番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司       経 営 室 長  川 崎   亨

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  永 見 英 光      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  竹 内 賢 三

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成26年(2014年)2月20日午後1時開会)

日程第1 第6号議案 平成26年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開会

○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 大和町地域のまちづくりについて

 2 今後の野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅のまちづくりについて

 3 沼袋第4号踏切の廃止に伴う影響について

 4 旧第六中学校跡地及び周辺の整備について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 最初に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 平成26年2月20日、中野区議会第1回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。

 最初に、大和町地域のまちづくりについて質問をいたします。

 先日の震災対策特別委員会において、大和町地域のほぼ真ん中を南北に縦断する大和町中央通りの左右両側のおおむね30メートルの範囲で区が実施した沿道意向調査の結果についての報告がありました。調査結果からは、住みやすさや利便性に対する評価は高いが、地震や火災時の安全性に対する評価は著しく低く、消防車などの緊急車両が進入しやすく、安全に避難できる道路への改革や建物の不燃化、耐震化を進めるべきとの回答が全体の9割近くにも及んでおり、災害に強いまちづくりへの関心の高さがうかがえるものとなっています。また、建物の構造や築年数を建築所有者に聞いたところ、回答者の約6割が木造の建物に住み、その築年数は30年を超えるものがおおむね半数を超えているなど、木造の建物の老朽化が進んでいる状況も明らかになっています。

 このような調査が進む中、地域では、区と地域住民とが協働して災害に強いまちづくりを検討するための大和町まちづくりの会がつくられて、先日も私も参加しましたが、地域の危険箇所などを見て回るまち歩きなどを含め、精力的に話し合いの回数が重ねられています。

 一方、東京都も、昨年12月に大和町中央通りの拡幅事業に係る事業認可を国から取得し、1月23日には、拡幅線にかかる土地・建物所有者や居住者を対象に、補償内容や今後の補償交渉などのスケジュールについて説明する用地説明会を啓明小学校で実施しました。

 このように、大和町については、調査も進み、区も、東京都も、今までにないスピード感を持って取り組んでいるように感じます。このような動きに対して、地域にお住いの方々は、期待を寄せる声もありますが、やはりこの先どのように進んでいくのか不安に思っている方も少なからずいるのではないかと思います。

 そこで、今後どのように進んでいくのか、まず、大和町地域のまちづくりの検討状況、大和町まちづくりの会での話し合いの状況やその話し合いの結果などをどのように地域に説明していくのか、また、今後区は大和町のまちづくりをどのように展開させていこうと考えているのか、お伺いします。

 次に、東京都の用地説明会に出席した方々からは、今後の補償交渉などのスケジュールについての質問が多く出されたと聞いております。やはり今後どのように道路拡幅が進むのか、関心の的となっています。そこで、大和町中央通りの拡幅事業に係る東京都の今後のスケジュールについてですが、ここ数カ月の動きと、そして、その先、年単位の動きに分けてお伺いをいたします。

 2番目に、連続立体交差事業に向けて、今後の野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて質問します。

 昨年12月、東京都、西武鉄道、中野区が主催して、西武新宿線の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の工事説明会が平和の森小学校と上高田小学校で開催されました。2日間で約400名を超す沿線住民の方々が師走の忙しい時期にもかかわらず参加されたことは、連立事業に対する沿線地域の方々の期待の大きさを示すものであり、一日も早い事業の完成が望まれると感じました。

 この中井駅から野方駅間の事業進捗に併せて、連続立体交差化の事業候補区間に位置付けられている野方駅以西から井荻駅までの区間についても、沿線地域の方々は、切れ目なく一日でも早く連続立体交差事業が実現できることを待ち望んでいます。

 そこで、野方駅以西の連続立体交差事業の事業効果を高めるため、中野区では、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の駅前広場の整備や駅周辺のまちづくりを推進していく必要があります。中野区が平成21年11月に策定した西武新宿線沿線まちづくりの計画の中では、新井薬師前駅、沼袋駅、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の沿線5駅の駅周辺の魅力化や駅前の交通利便性の向上、災害に強い市街地の改善等のまちづくりの方針が示されています。

 このうち沼袋駅や新井薬師前駅周辺地区では、このまちづくり計画を受けて平成24年度から地域の検討組織が立ち上がり、区も支援しながら両駅周辺のまちづくりの検討を具体的に進めており、早ければ平成26年度にはまちづくりの目標や方策についての提案をまとめる予定であると聞いております。今後、野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺地区についても、先行する沼袋駅と新井薬師前駅周辺地区と同様に、具体的にまちづくりを検討していく段階に来ていると思います。来年度以降の野方駅以西のまちづくりを区としてどのように進めていくのか、お伺いいたします。

 3番目に、西武線連続立体交差事業による沼袋第4号踏切の廃止に伴う影響について質問いたします。

 現在の中野駅から野方駅間の連続立体交差事業が完成した場合、野方駅手前に位置する野方三丁目と野方四丁目を結ぶ沼袋第4号踏切は、掘り割り区間に位置するため廃止されることになり、平面での横断ができなくなる可能性があると聞いています。しかし、この踏切は、鉄道で分断されている当該地域の南北方向の交通を処理する大変重要な役割を担っています。

 これを裏づけるデータとして、昨年12月に区が実施した沼袋第4号踏切を横断する交通量の調査結果を見ると、12時間当たり、歩行者が650人、自転車が約2,000台、自動車は約660台と、日常的にかなり利用されていることがわかりました。このまま何の対策もせずに野方三丁目と四丁目を結ぶ沼袋第4号踏切を廃止した場合、通勤や通学、業務等で日ごろから利用している地域の方々の利便性が大きく損なわれることは明らかです。事業者である東京都や西武鉄道に強く対策を求めるべきと考えます。区の今後の対応についてお伺いいたします。

 また、このことで大きく関係する地元町会等に説明がまだなされておりません。今後どのように対処されていくのかも併せてお伺いいたします。

 4番目に、旧第六中学校跡地周辺の整備について質問します。

 昨年9月、東京都が公表した第7回の地震に関する地域危険度測定調査によりますと、旧第六中学校跡地のある野方三丁目は、大地震が発生した際の火災危険度がランク4、これは、5段階評価で危険が高いほうから2番目であることを示しており、さらに、野方三丁目の南側に隣接する野方二丁目は、この火災危険度が最も高いランク5となっております。そして、今回の地域危険度測定調査で新たに加わった指標である災害時活動困難度を考慮した火災危険度、これは、道路の未整備などによる災害時の避難、救援活動が困難になる状況を加味した火災危険度ですが、この指標の野方二丁目の危険度ランクは、一番危険度が高いランク5、都内5,133町丁目の中での危険度は第29位と、都内でも危険度の高い地区として位置付けられました。

 このように、旧第六中学校跡地の周辺の地域は、特に大地震が発生した際の火災の発生や延焼拡大、それに伴う避難の困難など危険性が懸念される地域となっており、地域の安全性確保に向けた具体的な取り組みが早急に必要となっています。

 一方、現在野方三丁目に位置する校舎等の解体等も終了して遊休地となっている旧第六中学校跡地について、東京都は、中野区に対して、隣接する都立中野工業高校の校舎建てかえに伴う拡張用地として取得する意向を示しています。そこで、この機会に、旧第六中学校跡地の東京都への売却と併せて、土地の一部を活用して、周辺の地域の安全性確保に区として取り組む必要があります。

 そこで質問いたします。

 東京都が旧六中跡地を取得することは決定したのか、また、決定したのであれば、いつごろ取得する予定なのかをお伺いいたします。

 次に、現在旧六中跡地の北西の角の部分では、中野区が防災広場の整備を始めました。この防災広場の部分を除いた旧六中跡地について、東京都が取得する場合には、中野区と東京都で十分に協議をして、その一部を中野区が道路の整備などに活用し、地域の災害時の安全性確保に備えるべきであると考えます。区の見解をお伺いいたします。

 さらに、この旧第六中跡地の周囲の道路を整備する考えを当然持っていると思いますが、どのようなスケジュールで整備することになるのか、お伺いします。

 中野区では、区内の多くの部分を占める木造住宅密集地域の防災性向上が大きな課題となっています。弥生町三丁目周辺地区や大和町における不燃化特区指定による防災まちづくりの推進など部分的に着手した地域もありますが、いまだ手がつけられていない地域も多くあります。旧第六中学校跡地周辺の地区でも、今回のような機会を捉えて、早急に防災性向上に取り組むことを強く求めておきます。

 その他で1点、質問をいたします。

 技能労働者への適切な賃金水準の確保に向けた取り組みについてです。

 この件については、自由民主党議員団では2月10日に田中区長に要望書を出しているところですが、この場で改めてお聞きいたします。

 国は、1月30日に、本年2月から適用する公共工事設計労務単価、いわゆる新労務単価を決定し、公表するとともに、地方自治体に対しても、速やかな適用を求めています。今回の引き上げは、本年度当初の労務単価と比べ、全国平均で7.1%となっており、平成24年度の労務単価と新労務単価を比べると、全国平均で23.2%の上昇となっています。このような労務単価の大幅な引き上げは、技能労働者の確保、育成に適切な賃金水準の確保が極めて重要であるとの認識に基づくものです。

 中野区では、昨年の労務単価引き上げの際にも、国の要請に応えるべく、他区に先駆けて特例措置を講ずるなど積極的に対応されてきました。今回においても、速やかに新労務単価を適用し、工事の品質確保に必要な費用を適切に見込んだ価格での契約を通じて、技能労働者等への適切な水準の賃金の支払い等を促進されるよう対応するべきと考えます。区の対応をお聞きいたしまして、全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 大和町地域のまちづくりについてであります。大和町のまちづくりの会での話し合いの状況等についての御質問でありました。大和町まちづくりの会では、地域の現状把握や勉強会、まち歩きなどを経て、現在大和町中央通り沿道を出発点とする大和町全体のまちづくりの方向性について検討を進めており、その結果を踏まえ、区として建物の不燃化、共同化の促進や避難道路の整備、地区計画の策定などの基本方針をまちづくり方針(素案)として取りまとめる予定であります。まちづくり方針(素案)については、地域全体を対象に説明会を開催し、地域の御意見をいただき、さらに、まちづくりの会においてより具体的な検討を進めていただく、そうした考えであります。大和町中央通りの沿道地区につきましては、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく不燃化特区の指定を受けて、沿道30メートルへの不燃化建てかえ助成の導入や共同化の誘導などを実施していく予定としております。さらに、大和町地域全体についての地区計画の策定や木密事業の導入により、災害に強く、安心して住み続けられるまちの実現を目指してまちづくりを進めていく考えであります。

 大和町中央通りの拡幅に係るスケジュールについての御質問でありました。大和町中央通りにつきましては、昨年12月、施行者である東京都が国土交通省から都市計画事業の認可を取得しております。事業期間については、平成32年3月末までとされております。7年間で、25年度が初年度とすると、7年間ということであります。東京都が1月に開催した用地説明会の中で、敷地及び建物の調査を実施し、その結果をもとに、おおむね3カ月から4カ月程度かけて補償額の算定を行う、このように説明をしております。また、補償額の算定後、権利者へ個別に補償額を提示し、4年程度で用地取得を進め、その後、道路整備を行っていきたい、このように聞いております。

 野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅のまちづくりについてであります。連続立体交差事業は、鉄道の立体化によって都市交通を円滑化するだけでなく、駅前広場や交差道路の基盤整備、駅周辺のまちづくりを一体的に推進することで、地域の発展に極めて高い効果が期待できる事業であります。このため、野方以西の連続立体交差事業の推進と併せて、沿線の野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺の地域についても、一層のまちづくりの機運を醸成しながら、沿線のまちづくり計画を具体化していくことが必要となってまいります。連続立体交差事業の早期実現のためにも、地域でまちづくりの機運が高まっていくということが大変重要なことだと考えているところであります。区といたしましては、来年度、都立家政駅、鷺ノ宮駅の駅前広場等の交通基盤やまちづくりについて調査検討を進めるとともに、区が支援し、地元住民が主体的にまちづくりについて検討してきたその実績を踏まえて、今後、さらに地元町会や商店街を中心とする検討を具体的に進めることができるよう働きかけてまいりたいと考えております。

 沼袋4号踏切の廃止に伴う影響についてであります。連続立体交差事業の掘り割り区間にある沼袋4号踏切につきましては、工事の完成後は廃止をされるわけであります。となりますと、現在の箇所での平面での横断ができなくなるということであります。しかし、この横断道路は、地域内の南北方向の交通を円滑に処理する上で大変重要な役割を担っております。御質問にあったとおりであります。連続立体交差事業の完成後も、現在の交通を処理する何らかの対策が必要となる、こう考えております。このため、東京都及び西武鉄道と具体的な対応策について協議をしていきたい、こう考えております。また、その協議と併せて、今後、地元町会等へもそうした状況について御説明する機会をつくっていきたい、こう思っております。

 旧第六中学校跡地の売却の予定についてであります。この売却については、東京都の平成26年度予算案の中に、旧第六中学校跡地、この跡地の購入経費が盛り込まれた、このように聞いております。予算成立後に、売買契約の締結に向けて、東京都と周辺道路の整備内容や土地面積の確定など具体的協議を行っていくことになります。したがいまして、契約の具体的な時期、これについては、今のところまだ未定というふうに御承知おきいいただきたいと思います。

 それから、この旧第六中学校跡地の活用についてであります。区では、旧第六中学校跡地の売却の機会を踏まえて、跡地の一部を活用して跡地外周部分の道路拡幅や新設を行い、地域の大地震の際などの安全確保につなげていきたい、こう考えているところであります。道路の整備や新設の時期といたしましては、平成26年度に地域への説明や関係機関との調整を行って、平成27年度以降、順次整備することを想定しております。

 それから、新労務単価の適用についての御質問であります。昨年と同様に、早急に国の新労務単価の適用に準じた措置を講じるとともに、必要な予算措置を講じていく予定であります。

 以上です。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 再質問、1点、確認をさせていただきます。

 第六中学校の跡地のことなんですけれども、隣接する中野工業高校が取得するということで、平成26年度の東京都のほうでそういった意向があると私たちの持っている情報では承知しております。それに基づいて、中野区が東京都に第六中学校を売却するに当たり、まず、周辺道路を中野区の土地として確保する、要するに東京都の中野工業高校に売却をしないで、周辺道路は中野区が区道として整備をするということは当然考えているのかということをもう一度確認の意味で1点、それと、あと、27年度以降とおっしゃったんですけれども、そうすると、来年度売却することはできるんですか。要するに、道路をつくってから売却というと、27年度以降になっちゃうんですね。じゃなくて、道路の境界線なり何なりを確定して、もう26年度中に売却して、残った部分について、区道を27年度以降に整備するということなのか。私が思ったのは、先に中野区が区道を整備して、それから東京都に区道以外のところを売却していく考えなのかなと思ったので、ちょっともう一度そこのところを、順番がはっきりしなかったので、お伺いしたいと思います。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 東京都の26年度予算の中に盛り込まれたということですので、私どもとしては、中野工業高校の校地拡張用地ということだと思いますけれども、26年度に売却をとにかく行いたい、このように考えております。26年度中に、売却手続する一方で、売却手続等も併せて、道路の区域などをきちっと確定した上で、売却する土地の区画なども明確にして、それで売却手続を行うということであります。その後、工事を済ませてからではなくて、売却の手続をする一方で、道路の工事を27年度以降行いたい、こういったような考え方であります。

○議長(伊東しんじ) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 税徴収の改善策について

 2 老朽化した区有施設の再生について

 3 人事について

 4 都市・建築・防災行政について

 5 教育行政について

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○5番(小林ぜんいち) 平成26年第1回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問項目は通告のとおりで、6、その他で国際交流についてお伺いいたします。

 初めに、1、税徴収の改善策についてお伺いいたします。

 景気回復がまだ感じられず、仕事や生活環境の変化から区民税や国民健康保険料の支払いが滞り、相談を受けるケースが少なからずあります。こうした中で、区民サービスの充実に向け、区は、財政強化に併せ、区の自前の収入である区民税や国民健康保険料をはじめとした歳入確保に全力を挙げて取り組んでいかなければなりません。

 昨年度、中野区の区民税の徴収率と収納順位は、23区中22位と聞きます。区は、区民税及び国民健康保険料の滞納対策として、去る1月19日、管理職と1・2年目職員などが約170名で滞納者宅を臨戸訪問しました。約2,950件訪問し、当日の収納は、約140件、340万円ほどと聞いています。北風の強く吹く寒い日に、大変に御苦労さまでした。

 東京都の主税局や他の自治体では、郵送による通知を、封を切らない滞納者もいるため、滞納者への対応策として、通知の出し方にも変化をつけたり、企業や雇用する側に対する税の納付を促すなど積極的に工夫し、取り組んでいます。区の国保では、自動電話催告システムを導入し、収納率向上に向けて取り組みを行っています。また、介護保険や後期高齢者の収納率は、口座からの引き落としやペイジー、口座振替受け付けサービスなどの取り組みにより、収納率は高く推移しています。

 区民税の収納率を向上させ、23区中の順位を上げていくためにも、さまざまな取り組みを分析し、納付目標や具体的な方策を掲げ、取り組むべきと考えます。今後区としてどのような対策を講じていくのか、見解をお伺いします。

 また、納税の仕組みや重要性を区民に広く理解してもらうための広報や、学校、企業などでの教育も大切です。とりわけ学校において税の重要性の学習を行うことは効果的であると考えます。義務教育時代から税に関する意識高揚を図る観点から、さらに知恵と工夫を凝らした学習を行うべきと考えますが、併せて区の見解をお伺いいたします。

 次に、2、老朽化した区有施設の再生についてお伺いいたします。

 平成20年に作成された施設白書によると、この時点で、築30年以上の区有施設は135施設、50.2%であり、既に改修時期に達している施設や早急な建築計画を検討する必要がある施設が相当数存在しているとあります。

 区は、平成17年に作成し、22年に改定した新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の見直しを行うため、平成26年度予算に計上しています。平成20年の施設白書は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)策定に当たって基礎資料とするため、取りまとめを行ったと聞きます。10か年計画の見直しの前提として、施設白書を先に改定する必要があるのではないでしょうか。

 また、平成20年の施設白書には、今後の施設運営のあるべき姿として、区施設の保全に当たって、従来の事後処理的な方法を見直し、より効果的でライフサイクルコストの提言を可能にする視点で長期保全計画を策定する必要があり、ファシリティーマネジメント手法を用いた策定展開が課題であると記載されています。増大する修繕、改築、改修を円滑に進める財源確保をするとともに、学校再編に伴う跡地利用を有効に活用し、今後を見据えたまちづくりや住環境の整備と併せて行っていく必要があると考えます。施設白書改定も含め、見解をお伺いいたします。

 その上で、発想の大きな転換と、官民が連携し、新たな思考で対応すべきと考えます。区有施設の総合的な施設マネジメントの視点が大切で、官民の連携を深め、一層の民間活力や資金の導入を進めることが必要と考えます。従来の事業は、一般財源と起債、補助金でしたが、今後の官民連携として、出資とファンドと融資も一つの選択肢としていくべきではないでしょうか。施設整備や施設運営において今まで以上に民間活力を導入し、発想を大きく、新しく変えることによって、区の財政負担を抑え、地域経済の活性化や新しい公共空間の創出ができると考えます。

 そのため、行政経営のための戦略を立てて、区有施設の長期包括マネジメント委託、PPP方式、PFI方式やSPC、特定目的会社方式などで優秀な区内業者も入れながら大胆に取り組んではいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 今後は区庁舎や区有施設の更新も計画されており、区民が直接利用できる複合型の施設などを計画することによって財政負担を軽減すると考えます。中野区は中野区らしい手法がありますが、新潟県長岡市庁舎、茨城県土浦市庁舎、豊島区庁舎の企画例などを参考に計画を進めてはいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 VFMによる総合的な区有施設の運営、施設更新のあり方、中野区の老朽化する区有施設の再生に向け、発想の転換を行い、今後の年度負担が大きくのしかからない計画をつくり、将来への更新ビジョンを示すべきであると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 この項を終わります。

 次に、3、人事についてお伺いいたします。

 今後、施設の老朽化への対応や学校再編に伴う施設の大規模改修、改築の時期を迎え、また、これらの施設関連業務に加え、西武新宿線沿線まちづくりや防災まちづくりなど仕事量はさらにふえると考えます。区は、これまで土木や建築などの技術職について、少数精鋭で仕事を担ってきていると思います。これから、10年、20年先を見据えた計画的な人材確保が喫緊の課題であると考えます。区として優秀な人材確保について現在どのように取り組んでいるのでしょうか、お伺いいたします。

 私は、今まで以上に職員一人ひとりの力を発揮させることが必要であり、そのための職員の能力開発の重要性が高まってきていると考えます。また、委託が進むと、指導監督する人材まで委託することになってしまいます。業務の効率化だけでなく、業務の委託化によって、職員が指導監督できるスキルの継承を今から行うべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 さらに、事務の執行に当たり、効率的な執行となるよう、全職員に財政感覚を持ち合わせるよう研さんも必要となります。そこで、私は、庁内で検定などの制度を設け、学習する力、新たな課題への対応をする力を養えるよう新しい能力開発を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 次に、4、都市・建築・防災行政についてお伺いいたします。

 初めに、1、民間建築物の防災性能向上についてお伺いいたします。

 中野区の木造集合住宅の割合は戸数の27%を占め、23区全体の木造集合住宅の平均14%よりも10ポイント以上高く、しかも、区内の道路の約半数は42条2項道路で、延べ長さは約300キロにもなります。このことから、中野区が木造集合住宅のまちであり、中野区のまちづくりの最大の課題は、木密地域の安全確保であると考えます。

 一方、非木造の集合住宅、マンションの割合は全戸数の52%と、木造集合住宅の約2倍を有しています。したがって、木密地域のまちづくりと併せて、非木造の集合住宅、マンションについても、その安全確保など、同時進行的に取り組まなければならないと考えます。

 中野区の住まいのあり方は、このような住環境の課題に対して具体的な住宅政策を展開していくための計画として、平成5年3月に中野区住宅マスタープランが策定されました。その後も同じく平成5年に中野区における住宅まちづくりの基本に関する条例が制定され、区民、事業者、区がそれぞれの役割に応じて協働しながら住宅政策を展開することとされました。中野区住宅マスタープランは、その後、平成13年に第2次、平成21年に第3次として作成され、現在に至っています。この中野区住宅マスタープランで示されてきた基本理念に、「多様な世代が安心して快適に暮らせる 活力と魅力にみちたまち・中野」とありますが、基本理念に沿った政策展開は十分に行われてきたのでしょうか、また、基本理念にある中野の魅力とは何でしょうか、見解をお伺いいたします。

 今急がれる震災に対し、耐震診断などが適切に行われ、安全に安心して住み続けられる集合住宅、マンションはどのくらいあるのか区は把握されているのでしょうか、お伺いいたします。

 大震災が発生した後も引き続き自宅のマンションに住み続けられるということは、避難しなくともよいということであり、避難所に避難する人の数がそれだけ減少します。避難所での負担が少なくなり、避難者の避難所での生活環境も向上します。つまり、マンションの防災性能向上は、地域の防災力向上につながります。

 私は、かねてより集合住宅の防災性能向上が地域の防災力向上に不可欠であると言い続けてきました。マンションの防災性能向上に向けた有効な手法に、自治体によるマンションの認定制度があります。この制度は、自治体が決めた一定の防災基準を満たした集合住宅を防災力強化マンションなどとして認定し、ハード、ソフト両面から災害に強い住宅を誘導する制度です。

 例えば大阪市では、この制度で民間金融機関が低金利で融資を行っています。また、墨田区では、保育所機能などを有する従来の子育て型認定に加え、備蓄倉庫の設置や予備電源の確保などの基準を満たす防災型の認定も創設しています。さらに、品川区では、集合住宅と協定を結び、避難者の一時待機施設として地域住民を受け入れる制度があります。

 各地域とも行政の原資はほぼゼロ、建て主、事業者の負担で行っています。建て主、事業者は、行政からの付加価値をつけることで価値も上がり、中野区内のマンションNPOの立場からも賛成と聞きます。

 中野区のこれからの都市計画、まちづくりの観点からも、高齢者社会、共助社会のあり方として、民間建築物の防災性能向上を誘導する良質なマンション認定制度をまず設けるべきと考えます。区の見解をお伺いいたします。

 次に、2、集合住宅・マンション行政についてお伺いいたします。

 今、集合住宅、マンションの維持管理、維持保全計画に関心が高まっています。中野区内のように人口密度の高いまちに区民が安全、快適に暮らすため、有力な手段の一つがマンションです。区内のマンションの戸数がこれだけふえ、今後減ることは考えられない現状を踏まえると、中野区のマンションに対する考え方や施策の方向性をもっと明確に打ち出すべきと考えます。また、木造住宅密集地区のまちづくりの考え方はある程度示されているので、マンションに対する考え方も同程度以上示されるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 老朽化が進み、空き室が目立ち始め、高齢者がふえ、改修が進まないなどの課題と、管理組合の機能が不十分なマンションが多い中、民間の建物ではありますが、マンション支援は住宅政策で大きな課題と考えます。中野区は、他区に先んじてマンション支援の制度構築へ向けて進むべきではないでしょうか。私有財産の課題という側面もありますが、個々のマンションの主体的な取り組みを前提とした支援に今こそ行政がしっかり取り組むべきではないでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 次に、貯留槽設置による雨水抑制対策についてお伺いいたします。

 昨年8月12日の豪雨で1時間当たり80ミリを超えるゲリラ豪雨があり、中央二丁目大久保通り付近では、床上浸水の被害も出ました。過去にも道路冠水や浸水が発生している地域で、東京都は、平成24年度、大久保通り沿いの地下に約5,000立米の貯留管を整備していました。

 都の雨水抑制・水害対策として新しい貯留管が整備されたばかりの地域で浸水被害が発生した問題に対し、私は、高倉都議会議員と連携をとり、応急的な対策を求めました。都下水道局は、中野区と連携し、雨水ますのふたを格子状のグレーチング蓋に取りかえ、取りつけ管の新設などの対策を昨年10月までに行いました。

 今後ますますゲリラ豪雨などの気象予想もあり、被害が頻繁に起こることも考えられます。区のできる雨水流出抑制について、以下3点、お伺いいたします。

 初めに、区は、要綱で定めて、敷地面積300平米規模の建築計画について、雨水流出抑制施設の設置を求めています。この規模の縮小を行ってはいかがでしょうか。

 次に、住宅建設に家庭でも雨水抑制のできる貯留槽、タンクの設置を考えていくべきではないでしょうか。また、設置の義務付けや補助の検討も行ってはいかがでしょうか。

 また、建築を伴わない公園や駐車場における浸透施設の設置について、改善策を講じてはいかがでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 次に、施設計画での使用材料見直しについてお伺いいたします。

 今後増加する区有施設計画や学校建築での材料仕様の見直しや、使い方、構造の検討を行ってはいかがでしょうか。学校の防火シャッターは安全対策を講じる通達があり、閉鎖作動時の危険防止機能である安全装置を下部に改修し、設置する、塗るだけでも効果のある断熱塗料、薄型で屋上や壁面にも施工できる芝生、水道蛇口に節水蛇口、節水こま、非構造部材には新たな技術による落下防止機材などがあります。

 また、今後計画する比較的小規模な区有施設を木造による計画を考えてはいかがでしょうか。鉄筋コンクリート造と比較した耐久性などの検討も必要かと思いますが、木造耐火構造による建設工事で、鉄筋やコンクリート、基礎工事などの経費削減につながります。学校や区庁舎は80年からもつと言われる鉄骨・鉄筋コンクリート造などと考えても、小規模な施設に導入を検討してはいかがでしょうか。材料仕様の見直しや使い方、構造の検討により、費用対効果、財政削減効果も大きい使用材料の見直しについて、区の見解をお伺いいたします。

 この項の最後に、災害・防災対策についてお伺いいたします。

 平成23年3月11日の東日本大震災から間もなく3年がたとうとしています。震災復興のため、中野区は、現在、まだ爪痕の残る石巻市、岩沼市、東松島市と亘理町の4市町へ計11の職員を派遣しています。しかし、派遣先の市町とは災害協定が結ばれていません。なぜでしょうか。防災・災害対策の上で、4市町の派遣協定とともに、災害協定を結ぶべきではないでしょうか。また、東北復興大祭典ねぶたで交流のある青森県や青森市、宮城県とも災害協定を結んではいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 区内の防災対策として、平成24年第1回定例会より質問、提案してきましたスタンドパイプが、今年度115防災会中11の防災会に配備され、従来から実施してきた軽可搬ポンプによる初期消火活動に加え、地域防災力の向上に寄与しています。

 中野区は木密地域も多く、昨年東京都が公表した地震に関する地域危険度測定調査結果でも、特に災害時活動困難度を考慮した火災危険度は高い傾向にあります。今後発生すると言われている首都直下型地震などに備え、地域の防災力強化を図る一つとして、初期消火活動に役立つスタンドパイプを配備されていない町会、防災会への配備を積極的に行うべきではないでしょうか、見解をお伺いいたします。

 また、区は、応急給水用資機材とセットになっているスタンドパイプも12の避難所となる学校に配備しました。これは、みずから応急給水を行うことによる避難所機能強化だけでなく、初期消火による火災による被害の抑制や、場合により、避難所を守ることにもつながります。避難所などへの今後の配置計画について区の見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 5、教育行政についてお伺いいたします。

 初めに、1、給食の残菜削減と食育についてお伺いいたします。

 初めに、「静けさを 大事にできる 君となら 何でもできる 気がした真夏」、この句は、皇居で1月15日に開かれた歌会始の儀で選ばれ、披露された歌です。詠んだ方は、樋口盛一さん、29歳、会社員、江古田小学校を平成7年に卒業された方です。小学校6年生のとき、岩井での思い出で、皆がにぎやかに駆け回る中で、とある少女が目にとまった、その少女の芯の強さを純粋な気持ちで表現した歌だそうです。区はどのような感想をお持ちでしょうか、お伺いいたします。

 小学校・中学校時代の生活は、心を育てる上でも、体を育てる上でも、教育環境の中でとても大事な時期に当たると考えます。区内小・中学校には2校に1校の栄養士がおり、各校ごとに給食の内容と献立を、アレルギーへの配慮とともに、工夫してつくっています。また、食育の推進として、学校行事で食育事業などの支援も行っています。しかし、現状を見ると、特に中学校では残菜が多く、調査の一つに、御飯や麺、牛乳やおかずで1割を超える残食の結果もあります。

 文部科学省でも残菜削減や食育に取り組み、足立区や葛飾区では、日本一おいしい給食や食育推進事業を行っています。足立区では、その結果、5年で残菜量が約34トンの減少につながったと聞きます。

 学校給食を通して、食育教育、ただ単に残さない、食べるというのではなく、もったいない心を育てる、食は人を育んでいる、食が乱れると生活が乱れがちになります。そこで、人間教育とともに、もう一度食育について、身近な課題として教育を行うべきと考えます。いかがでしょうか、御見解をお伺いいたします。

 また、学校だけでなく、家庭で食卓を囲み、食のあり方を考える時間を持つべきではないでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 次に、学校の給水設備についてお伺いいたします。

 今、東京の水がおいしい、他の天然水と区別がつかないほど、ペットボトルの天然水と飲み比べてもわからないほどおいしいと言われています。区内の学校では、現在、水道管から直結給水が2校で行われています。また、今年4月から中野中学校の新校舎にも設けられます。学校の飲み水を直結給水化することで、児童・生徒が蛇口から出るおいしい水や冷たい水を実感できます。

 現在の給水管のほかに新たな給水管で直結給水を行い、受水槽を経由しない東京のおいしい水を学校に供給してはいかがでしょうか。防災拠点、避難所としての受水槽はそのまま併用して活用できる利点もあります。見解をお伺いいたします。

 都水道局は、この直結水道計画に対し一部負担事業を設けていますので、これを活用し、今後、新築、改築、改修などを行う学校に直結給水設備を設けるべきではないでしょうか、区の見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 次に、6、その他として、国際交流についてお伺いいたします。

 初めに、自治体の国際交流についてお伺いいたします。

 区長は、施政方針の中で、他のアジアの国をはじめ多様な国々とさらに交流を深めていくことも重要と述べています。現在日本は東アジア諸国と厳しい緊張関係が続いていること、危惧を感じているのは、私一人ではないと思います。この危機的状況を回避していく一助として、各国の都市と姉妹協定を結んでいる自治体同士の協力関係を一層強化していくことだと考えます。

 現在、日本と韓国との間には151、日本と中国の間には354、中国と韓国の間には149もの姉妹交流が結ばれています。この中で、中野区は、韓国はソウル特別市陽川区、中国は北京市西城区との交流締結をしています。昨年は、陽川区の議会や行政、民間を含めた訪問団が2回、中野区に来ています。会うたびごとに友好の深さが増している事実は、誰もが認めています。こうした自治体間の交流という点と点を結び、行動の連帯の線を国家の垣根を越えて構築していくことがこれからの交流の大事な視点となると考えます。

 最近、さまざまな分野で注目を集めているレジリエンスは、アンドリュー・ゾッリとアン・マリー・ヒーリーの著書、「レジリエンス 復活力」によりますと、社会を回復する力との意味合いがあり、また、防災などに対して抵抗力を強め、復興に向けて回復力を高めることを重視する考えで、被災したときはお互いさまという国と国との垣根を越えた同苦と連帯の地平を開くものにほかなりません。

 韓国ソウル特別市陽川区は、低地で、水害のおそれもある地域です。さまざまな災害に対し、防災、減災の観点から、韓国ソウル特別市陽川区、そして、中国北京市西城区と中野区が国を越えた3国復興レジリエンス協定とも言える災害協定を結んではいかがでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 中野区が日本と韓国、中国の地方自治体の姉妹交流を基軸にしたレジリエンスの強化に積極的に取り組み、国内だけでなく、外国の都市と心配し合うところから、災害時に相身互いで支援してきた精神を礎に、さらに交流を深めるべきです。また、平成26年度は、中野区から積極的に青年や女性、子どもたちを交流団として行くべきと考えます。区長の見解をお伺いいたします。

 最後に、新たな国際交流についてお伺いいたします。

 区内には、1月1日現在で、外国の方が101カ国、1万949人住んでいます。実に31人に1人が外国人、また、世帯で18世帯に1世帯の割合に相当します。そこで、国際交流の一つとして、食文化交流を通じ、中野で国際B級グルメ大会、踊りや音楽など国際交流を中野四季の森周辺で開催し、国際色豊かなまちづくりを行ってはいかがでしょうか。また、ユネスコの無形文化遺産の一つに選ばれた和食文化のブームも起こってきています。各国の食文化を通じた交流イベント、区民と外国人のきっかけづくりとして楽しんでいただくには最適と考えます。区民をはじめ児童・生徒も参加できるよう呼びかけてはいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 また、区長との懇談会や意見交換を機会に広報するなど、国際化に向け、気運の醸成を図ってはいかがでしょうか、区長の御見解をお伺いし、私の全ての質問を終了いたします。大変にありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えいたします。

 税徴収の改善策についてであります。区民税における徴収対策についてということであります。中野区の収納率の順位が23区中22位、大変申しわけない結果になっているというふうに私も認識をしているところであります。今年度は、全庁挙げての臨戸徴収強化対策のほかに、収納率の上位の区、これらの視察を行ってまいりました。これは前からやっているんですけれども。この収納率上位の区の取り組みを積極的に取り入れていこうということで、さまざまな工夫を行っております。この一つとして、今年度は、勤務先への給与照会を徹底して行うなどの取り組みを実施してまいりました。また、こうした取り組みに加えまして、平成26年度には、新たな対策として、督促状や催告書の送付直後に、送りましたよ、開封してくださいという開封を促すはがき、これを送るというようなことを行いますほか、封筒の色を目立つ色にするなどさまざまな対策を強化して、23区の中での順位についても上昇できるように取り組みを強めていきたい、このように考えております。

 施設白書の改定と将来を見据えた施設方針についてということであります。施設の長寿命化や改築に関連して、中長期的な方針をつくっていく必要があると考えております。この今後の施設のあり方の検討に当たっては、御質問の中にもありましたファシリティーマネジメントの考え方であるとか学校跡地の有効活用、財源対策などなど、さまざまな要素を十分斟酌して行っていくという考え方であります。

 それから、区有施設の改修、改築における公民の連携、民間のさまざまなノウハウを活用するということについてであります。老朽化した区有施設の改修や改築を進めていくに当たっては、行政のみの財政力やマンパワー、ノウハウだけで対応していくことばかりでなく、民間の資金や経営ノウハウを活用して行政と民間が連携して対応していく、このことが有効であり、検討していく必要があると考えているところでございます。今後、区有施設の改築や長寿命化についての計画を策定するに当たっては、公民連携の手法を取り入れていくことができないか具体的に検討していきたい、こう考えております。

 それから、区の庁舎ですけれども、複合型の施設によって財政負担を軽減することもできるのではないか、こういった御質問でありました。考え方として、確かに最近例も見られますし、検討が必要な考え方だというふうに思っております。しかしながら、区の本庁舎について申し上げますと、現在建てかえ移転の対象として検討している区域におきましては、土浦とか豊島区のような商業施設や民間施設との複合施設、これは、面積などの関係ですね、こういったことから難しいというふうに考えております。他の施設などもこれから考えていくわけですので、検討していくに値することかと考えております。

 それから、財源の確保と将来を見据えた施設方針についてであります。バリュー・フォー・マネー、VFMを例示していただいたわけですけれども、投資の効果を定量的、定性的に捕捉して改修、改築などの計画を策定していくことは大変大切なことであると考えておりまして、VFMの前例などについて参考としていきたい、このように考えております。

 それから、人事、人材養成について、優秀な人材確保についての御質問がありました。中野区の職員採用は、特別区人事委員会が23区合同で採用試験を行い、その合格者の中から各区に提示される制度となっております。受験者が希望する区に優先的に提示されるということになりますので、中野区の知名度や魅力を高めて成績優秀者を確保していく取り組みが重要ということになっております。このため、23区合同の説明会や区独自の説明会を開催して、中野区での仕事のやりがいや区独自の人材育成について熱意を持って説明し、公務員希望者が中野区を志望するよう積極的にPRをしているところであります。このことによりまして、中野区を志望する志望者がふえてきておりまして、ここ数年、区に提示される受験者は、ほぼ全員が中野区を第1志望としている志望者であります。

 技術職員の能力開発についての御質問もありました。現在、施設の建設、改修を担当する技術職員は、建築、電気、機械設備、造園の各職種において、1級建築士をはじめ第3種電気主任技術者、建築設備士、1級造園施工管理技士などの有資格者がそれぞれ半数以上おりまして、職場風土としても、若い職員が資格取得を目指して努力しているところであります。日常的な業務におきましても、設計段階での図面や積算のチェックの仕方、改修工程時期における確認すべき視点の伝授など、経験者から若手職員への技術の伝承、これも行っているところであります。したがいまして、将来の業務の委託拡大といったようなことにも十分対応できる、このように考えております。

 それから、検定制度など新しい人材育成についての御質問もありました。来年度から、東京大学産学連携本部と、それから、政策研究大学院大学へ職員を1名ずつ研修派遣して、1年間、本格的に調査研究をさせる予定であります。日常の業務では身につけられない体系的な知識や最先端の現場研修などの経験を積ませることを目的としておりまして、将来は、政策を牽引できる職員に育成をしていきたい、こう考えております。東京大学産学連携本部では地域振興に向けて産学公連携を推進する人材の育成を、また、政策研究大学院大学では地域のまちづくりを担う人材の育成を、それぞれ目的としたプログラムを受講する予定、こうなっております。また、来年度から、職員の実務能力向上のために、文書、会計、予算、契約などで新たに検定制度を設けて、職員が継続的に学習をし、職務に必要な力をつけることができるよう取り組みを始めることとしております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校における税の学習についての御質問がございました。学校における税についての学習は、児童・生徒に対して、将来の納税者としての自覚を育てるという点で重要でございます。学校におきましては、これまでも税に関する作文の指導や社会科の授業に税務署員や税理士等を外部講師として招いての租税教室を行っており、今後も学習指導要領の内容に照らして、適切に実施してまいります。

 次に、給食の食品ロスゼロと食育についての御質問です。まず、歌会始の儀で選ばれた歌に対しての感想ということです。皇居における歌会始の儀に選ばれた歌が中野区民によるものであり、中野の小学校時代の思い出がもとになっているということは、大変名誉なことであり、喜ばしいことだというふうに考えております。

 また、食育を身近な課題として教育をすべきではないかということです。学校教育におきましては、児童・生徒に生きる力を育てることが大きな目標です。食についての学習を通して、児童・生徒が自分自身の食生活を振り返り、望ましい食習慣や栄養摂取について実践しようとする自己管理能力を育てることは大変重要であるというふうに考えております。また、学校において食育を推進するに当たりましては、家庭や地域との連携は不可欠です。例えば学校公開におきまして食育の授業を保護者や地域の方に見てもらうなどして学校の取り組みを発信するなど、今後も啓発に努めてまいります。

 次に、水道の直結給水についてです。水飲栓直結給水にすることは、安全でおいしい水を子どもたちに提供できるというふうに考えております。また、学校は避難所になっていることから、既存の貯水槽をそのまま残し、トイレの洗浄等に使うことは必要だというふうに考えております。御質問にもありました東京都の一部負担事業は平成28年度までのモデル事業でございますが、新築、改築、改修などを行う場合には、この事業を活用して、水飲栓直結給水も検討していきたいというふうに考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、都市・建築・防災行政についての御質問にお答えいたします。

 まず、住宅マスタープランにおける中野の魅力についてでございます。中野区における住宅政策は、第3次中野区住宅マスタープランを基本として、必要な施策展開に取り組んでいるところでございます。これまでの住まいに関する中野の魅力とは、都心に近く、生活や交通の利便性が高いことでありました。住宅マスタープランの基本理念にうたわれた中野の魅力とは、それに加えて、安全で快適に暮らせること、コミュニティが活性化して、にぎわいあふれるまちに暮らせることであり、その実現に向けて、施策を展開すべきものであるとしているところであります。

 次に、耐震診断済みの集合住宅等の把握についての御質問でございます。平成25年度末の集合住宅等の建物の耐震化率の推計値は、約88%と見込んでいるところでございます。

 次に、マンションの防災性能認定制度についての御質問がございました。他の自治体でのさまざまな取り組みについて調査研究し、今後、中野区の施策展開の参考にしてまいりたいと考えているところでございます。

 集合住宅・マンション行政の施策の方向や支援についての御質問がございました。建築後相当の年数を経たマンションが適切な管理が行われずに放置されると、所有者みずからの居住環境の低下のみならず、周辺の住環境や都市環境の低下など深刻な問題を引き起こす可能性があることを区としても認識しております。区のマンション政策の方向性としては、マンションストックの良好な管理に資する多様な支援に取り組む旨、住宅マスタープランに示しているところでございますが、具体的には、専門家による無料相談の実施、耐震診断等に対する助成などを行っているほか、東京都などもさまざまな支援を行っております。また、区では、すまいのしおり(分譲マンション編)を発行して、分譲マンション管理組合支援に関する総合的な情報提供を行っております。今後ともより効果的なマンション支援に取り組んでまいります。

 次に、雨水流出抑制施設の対象施設の規模縮小についてでございます。区では、敷地面積300平方メートル以上の民間施設に対し、雨水流出抑制施設を設置するよう指導に努めております。敷地面積を300平方メートル未満にも対象を拡大した場合には、主に個人住宅が対象となり、当該施設を設置することに伴う建築主個人の負担が増加することになります。対象施設の規模縮小につきましては、個人の費用負担や効果の検証、また、当該施設の設置促進に向けたインセンティブのあり方など、さまざまな観点、方策を調査研究していくことが必要だと考えております。

 次に、貯留タンク設置による雨水抑制についてでございます。貯留タンクは、降雨によってたまった雨水を水まきに利用するなど利水が主となる施設であることから、これまで設置を指導する施設対象にしてこなかったところでございます。しかし、東京都では来年度から自治体が実施する貯留タンクの設置助成への一部補助を検討していることから、他の自治体の実施状況等を検証し、今後の検討材料とさせていただきたいと考えております。

 次に、公園や駐車場の透水施設設置についてでございます。公園では、建築が伴わない場合についても透水管を設置するなど、雨水の流出を抑制するよう努めております。駐車場につきましては、駐車場法に基づき、500平方メートル以上の駐車場設置につきましては区に届け出義務があるため、雨水流出抑制に係る要綱を改定し、当該施設を設置するよう改善を図りたいと考えております。

 次に、職員派遣をしている被災地等との災害協定についてでございます。職員派遣を行っている4市町はいまだ復興途上ということもあり、災害時の相互応援は締結しておりませんが、今後、復興の状況と各自治体の意向等を考慮して、検討してまいりたいと考えております。また、宮城県、青森県、青森市等、交流のある自治体との災害時における協定でございますが、交流を深めながら、実効性等を確認して検討していきたい、そのように考えているところでございます。

 次に、防災会へのスタンドパイプの配備でございます。試行的に11地域の防災会に配備したスタンドパイプは、効果的な初期消火用の資機材であると考えられることから、来年度からは、本格的に導入することとし、本年度に公表された地震に関する地域危険度測定調査(第7回)の結果を考慮した上で、3年間で配備を行っていく予定でございます。

 次に、応急給水用スタンドパイプの避難所等への配備でございます。東京都から貸与される初期消火資機材を含んだ応急給水用のスタンドパイプにつきましては、本年度から3年間で63台が貸与される予定であり、来年度はまだ配備していない拠点医療救護所となる避難所、その防災訓練の実施地域等を中心に、東京都からの配備数を勘案して決定していきたい、そのように考えております。

〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 施設整備における使用材料等の選択についてお答えいたします。

 区は、これまでも区有施設等の新設や改修に当たりましては、安全性や経済性はもちろんのこと、省エネルギーやCO2削減効果の高い材料や機器、工法等を採用するよう努めてきており、今後もこれを継続してまいります。

 なお、木造耐火構造の建物につきましては、今後研究していきたいと考えております。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 国際交流についての御質問にお答えいたします。

 まず、災害協定をということでございますが、西城区、陽川区ともに、防災、減災の観点からの情報交換をできるところから行っていきたいと考えております。

 それから、交流団の派遣についての御質問にお答えいたします。

 陽川区とは、行政交流の積み重ねをしながら、次の段階として、民間交流をどのような形で行っていくかを協議しているところでございます。一方、西城区とは、長年にわたる行政交流のほか、民間交流としては、少年野球団の派遣と受け入れが既に行われているところでございます。平成26年度に新たな派遣を予定しておりませんが、姉妹都市間の民間交流について、新たな機運があれば、区としても協力していきたいと考えております。

 次に、中野四季の都市(まち)での交流イベントについてです。現在のところ、御指摘のような食をテーマとした国際交流のイベントが商工団体や大学等の連携により検討されていると聞いております。区としては、直接イベントを開催することは考えてございませんが、御指摘のような民間交流の機会があれば、広報等、可能な範囲内で支援をしてまいりたいと考えております。

 それから、次に、外国人との意見交換についての御質問がございました。昨年12月、明治大学国際日本語学部主催の多文化共生フォーラムに区長がパネリストの1人として参加し、その際、外国人留学生、在住者の方の御意見を聞く機会に恵まれ、地域における多文化共生の重要性を改めて感じたところでございます。区在住の外国人の方と区長との懇談会の機会などを検討していきたいと考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 岩 永 しほ子

 1 区の組織と職員2000人体制について

 2 産業振興と商店街振興について

 3 教育行政について

  (1)学校施設・設備の充実について

  (2)教育委員会と教育長について

  (3)特別支援教育について

  (4)小中連携教育について

  (5)図書館施策について

  (6)その他

 4 弥生町防災まちづくりについて

  (1)弥生町三丁目のまちづくりについて

  (2)(仮称)南部防災公園整備について

  (3)その他

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、岩永しほ子議員。

〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2014年第1回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団の立場から質問を行います。

 最初に、区の組織と職員2,000人体制についてお尋ねします。

 区長は、職員2,000人体制を1年前倒しし、2015年度には実現できる見通しを立てた上で、施政方針において、「新たな職員定数の考え方を示す時期」と述べられました。

 しかし、職員を削減し続ける中で、看過できない問題が出現しています。例えば区がまとめている「人事行政の運営等の状況の公表」によって職員の状況変化を比べてみましたが、1人当たりの有給休暇取得日数は、2010年度15日、11年度14.8日、12年度14.2日とだんだん減っています。また、セクシャルハラスメント等に関する相談、苦情では、人間関係相談が1件、8件、11件と増える中で、それまでになかったパワハラ相談も6件となっています。さらに、懲戒処分では、停職、戒告1人ずつが減給、戒告2人ずつとなり、12年度分では、停職が1、減給が1、戒告が2の4人となっています。3カ年の比較では、職員が減る中で状況が悪くなっていることがうかがえます。その理由をどのように分析していますか、お聞きします。

 2,000人の中には、週4日の短時間再任用を0.8人分として換算し、職員数に算入しています。新たに今年度末から定年退職する職員を対象に週5日勤務のフルタイム職の再任用が導入され、1人の職員として算入されます。採用は、退職時と同じ職種で、退職前の職級以下の級となり、人件費は3割以上安くなるとの見込みです。職員数に占める再任用短時間職員割合を2011年度と13年度で比較すると、事務職では5%が7%台に、保育士では0.3%が1.1%へ、児童指導では約2倍の3.2%へと増加しています。区民ニーズに応える仕事への意欲低下、職場の活性化の喪失など、正規職員を減らして起きる弊害はいろんな部署で起きているのではありませんか。

 保育士を例にして見た場合、退職者が多いのに採用ゼロの年が続き、再任用短時間職員の割合が高くなっている上、フルタイム再任用職を活用した場合、経験があるからいいとも言っておれず、子どもと一緒に体を動かして遊ぶなどの活動に応えられるでしょうか。若手、中堅、ベテランとそろっているからこそ子どもの成長に責任が果たせる保育ができるのですから、新規採用などの対策を立てるべきです。お答えください。

 新年度は、都市観光推進の部署を新たに設置し、ポストも増やすなど、中野駅周辺開発に伴う組織は、職員体制をさらにきめ細かく強化しています。一方、区民にわかりやすく、迅速な対応が求められる子育て支援は、学童クラブやキッズ・プラザを民間委託して、所管を子ども分野から分割するなど配慮に欠けています。

 窓口業務の民間委託は、国保に続き、介護保険でも実施しようとしています。窓口業務は、加入や受給にもつながる一連の業務であり、職員の判断が求められる場合、そこに違法な指揮命令関係が生じ、偽装請負がつくり出されます。それを避けようとすれば、事業者任せになります。自治体の偽装請負は、政府が違法行為の是正を指導しなければならないほど深刻です。人件費が減ったように見えても委託などの物件費が増え、そこでは官制ワーキングプアが生み出されています。

 職員は、全体の奉仕者として、みずからの判断と責任において職務を誠実に管理し、執行する義務を負っていますから、職員を減らし、安上がりの民間委託を増大することは、区民のためになりません。また、大震災で被災した東北の自治体は職員不足で復興対策に遅れが生じる事態となり、いざというときに職員がいなければ、事態打開が遅れる深刻さを示しています。自治体本来の役割を発揮した住民の福祉の増進に取り組むために、2,000人以下の体制にすることは改めるべきです。お答えください。

 次に、産業振興と商店街振興についてお尋ねします。

 2011年、全国の全税目における新規発生滞納額の53%が消費税となっています。食品店など10円規模で競争している事業者にとって、消費税増税3%は、価格に転嫁できなければ身銭を切って納税することになり、住民税や他の税への滞納へとつながり、事業の継続、生活の維持ができなくなるおそれがあります。消費税増税は中止すべきです。

 こうした中、区内の産業や商店街振興は、地域経済を疲弊させないためどのように対策を進めるのかが喫緊の課題となっています。区は、指定管理者で運営する産業振興センターに経営相談や勤労者の福祉増進の取り組みを任せます。また、産業経済融資を業務委託するとのことです。指定管理者となる特定の民間企業が勤労者の福祉増進を勤労者の立場で行えるのか、経営相談や融資などを中立、公平に行えるのか、情報漏洩対策と点検は実効性のあるものとなるのかなど、懸念されます。どのように確保するのか、お聞きします。

 中小企業憲章は、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」とうたっています。区が策定した産業振興ビジョンでも、「区民の地域での生活を直接間接にわたって支えている中小の事業所の持続的な活性化が今後とも重要」と述べています。東日本大震災で大手スーパーの閉店が相次ぐ中、「中小企業にとって地域は生命線、中小企業振興と豊かな地域をつくることは密接不可分の課題」との理念を持つ、中小企業家同友会の会員が経営する地元スーパーは、社員が自主的判断で開店し、生活物資を提供、地域の人の命と生活を守ったと報道されました。災害時などは、区内の事業者も同様でしょう。

 ところが、経営者や商店街から、仕事がない、売り上げが伸びない、店舗廃業で会員が減る、街路灯維持や電気代の負担が深刻などの声が出ていることは承知していると思います。区は、中野駅周辺に人が集まるにぎわい創出を推進していますが、区内各地域の商店街に人が動いていくように区全体の計画をつくることが必要です。

 例えば川島商店街や中野新橋商店街につながる地域では、地下鉄丸の内線中野新橋駅舎改善、南部高齢者会館循環バスの増発、新たに本郷通りにバス運行と、住民要望が実現してきました。その機会と商店街の特性を生かして人が来るようにするなど、商店街だけでなく、区を挙げた振興策が欠かせません。区は、産業ビジョンにおいて区内産業、商店街の振興を掲げています。各商店街の特性を生かした誘導など、区商連をはじめ産学官の協働による振興策の具体化を求めます。また、産業と商店街の振興策をそれぞれに図るだけでなく、災害対応なども視野に入れ、連携することで振興が図られるよう検討することも重要です。見解をお聞きします。

 次に、教育行政について、最初に、学校の施設、設備の充実についてお尋ねします。

 教育委員会は、今年度から3カ年で、小学校の図工室、中学校の理科室の冷房化を実施しています。新年度に実施予定の学校を除いた未実施校は、小学校で3校、中学校で3校になります。教育環境の学校間格差をつくらないために、2015年度に予定している残りの学校も新年度で実施すべきです。お答えください。

 次に、教育委員会と教育長についてお尋ねします。

 安倍内閣は、2011年に大津で起きたいじめによる中学生の自殺をきっかけに、地方自治体の教育委員会制度改革に着手しました。教育委員会を教育行政の執行機関であることは変えず、教育委員長と教育長のポストを統合した常勤の代表教育委員を新設、首長に任命・罷免権を与える方向と報道されています。これでは、首長に追随することにつながり、首長から独立して教育行政を決める現行制度を形骸化させ、教育委員会の政治的中立性が確保できるのかという指摘があります。

 教育委員会制度は、戦前の軍国主義教育に対する反省から、首長から独立し、合議体で教育行政をコントロールしてきました。地方教育行政の組織及び運営に関する法律、以下「地教行法」と言いますが、第24条には、長の職務権限は、教育財産の取得や処分、予算執行などに限定され、教育内容に踏み込まないようになっているのもそのためです。教育委員会に必要なことは、子どもの権利を最優先にした活動ができるよう教育委員会を活性化することであり、そのための機能強化や必要な財政措置です。見解をお聞きします。

 教育長と教育委員会の権限関係は、地教行法の第17条に、「教育長は、教育委員会の指揮監督の下に…(中略)…事務をつかさどる」と規定されています。また、同法第26条では、規則で定めることにより教育委員会の権限に属する一部を教育長に委任できることになっており、中野区の規則でも、教育に関する事務の管理及び執行の基本的な方針を除外した上で、委任の内容が細かく規定されています。教育内容に関する執行は教育委員会の指揮監督がなければならず、教育長が専行してはならないということではありませんか。見解をお聞きします。

 2012年第3回定例本会議において、小・中学校に日の丸の常時掲揚を求めた請願は、賛否同数となり、議長の裁決という事態でした。そして、国旗の常時掲揚に関する教育委員会の見解は、中野区において適正に執行されており、教育委員会としての措置をとることはないというものです。

 ところが、昨年12月の教育委員会において、当日の議題や報告事項として示さないまま、掲揚塔の整備状況を事務局が報告し、教育長が授業日には掲揚を要請すると発言しました。委員からは質問や異論が出て、教育委員会として協議がないまま、教育長は校長会に要請しました。国旗掲揚は学習指導要領に則って行われている教育課程の編成に関することです。事の経過が示す教育長の行為は、教育に関する事務の管理及び執行の基本的な方針内容を侵害し、委任されている内容にも反します。見解をお聞きします。

 次に、特別支援教育についてお尋ねします。

 2012年12月、文科省特別支援教育課は、公立小・中学校を対象に行った通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する調査結果を報告しました。結果は、学習面または行動面で著しい困難を示し、発達障害の可能性がある特別な教育的支援を必要とする児童・生徒の割合は、6.5%でした。調査の協力者会議は、それ以外にも何らかの困難を示していると教員が捉えている児童・生徒がいると考察しています。そして、国や教育委員会に対し、通級学級による指導を引き続き充実させる必要があること、在籍校での指導の機会を増やす環境整備、教育委員会と教員と心理学の専門家や医師などによる専門家チームの設置を求めています。

 中野区は、この調査に先立ち、同年1月に、区立小・中学校における特別支援教育推進のための方針を策定し、知的・発達障害などが増加すると推計しました。実際、情緒障害児は、小中とも推計値を上回っています。区の情緒障害等における通級指導学級は、上高田小、若宮小、塔山小に加え、2015年4月には本郷小学校に開設する予定です。保護者や教師から、通級指導学級の必要性が強調されています。先日区内において開かれた東京の障害児教育を充実発展させる会でも、通常学級から通級指導学級に移行した男子中学生の親子が通級指導学級で子どもが成長できたと発言されました。

 教育委員会は、全小・中学校に設置する特別支援教室の運営と通級指導学級を拠点にした巡回指導などの重層的な支援体制を確立し、2015年度から実施するための検討をしています。東京都においても、特別支援教育推進の第3次支援計画の具体化を検討していますが、拠点となる通級指導学級のあり方や巡回指導体制、特別支援教室も含めた職員配置などがどうなるのか、関係者に不安が広がっています。今後の特別支援教育について、学校現場や保護者からの意見を聞きながら進めること、また、教員配置など今より後退することがないよう、都の教育委員会に要望すべきです。お答えください。

 先の協力者会議は、望ましい教育的支援ができるよう配慮する必要があると指摘しています。教育委員会は、情緒障害等の通級指導学級に介助員を配置しています。新年度には、通級学級で成果を上げている介助員を引き上げ、通常学級への対応にしようとしています。これでは、通級指導学級の児童・生徒や保護者に不安を与えるだけで、乱暴な進め方です。引き続きの対応を求めます。また、通常学級に配置する介助員は複数配置するよう介助員を増やすべきです。お答えください。

 次に、小中連携教育についてお尋ねします。

 教育委員会は、小中の教員が同一の視点及び重点を踏まえた指導をそれぞれ連携して行うことにしています。直接子どもと接し、現状や課題を知り、教育に生かすことを理由に、本来の担当教員がいるにもかかわらず、中学校の教師が小学校6年生の授業に出かけ、小学校の教師が中学校の授業にかかわる体制づくりを進めています。担任がいなくなった教室の子どもたちはどうなるのか、教科ごとに教える中学校に小学校の教員が対応できるのか、行き来する移動は授業時間内であり、支障はないのかなど問題となります。そもそも教師の行き来を柱にした連携のあり方を7年間かけて進めても、教師の負担は大きく、子どもたちにとっても最善の教育なのかという本質が問われます。七中校区をモデルにしていますが、その検証も明らかではありません。連携教育の目的を果たすには、今でも子どもと向き合う時間が必要な教師と子どもにしわ寄せをするのではなく、必要な体制を確保すべきです。お答えください。

 図書館サービスについてお尋ねします。

 指定管理者にCCCを導入した佐賀県武雄図書館を視察しました。入り口付近はTSUTAYAのスペースで埋まり、蔦谷書店に公立図書館を併設した様子でした。機能としては、希望する書籍は窓口でリクエストして持ってきてもらうか、検索機を活用して探します。見つかっても図書に手が届かない高さの書架や利用者が入り込めないスペースの開架書架があった場合、子どもも大人も、スタッフを呼んで手に入れます。関係書籍などを探すのも、スタッフを呼ぶことになります。児童や市民目線の公立図書館とは言いがたいものでした。ちなみに避難通路が確保できず、建築上の不備も見られました。

 図書館への指定管理者制度導入に当たっては、国会では「なじまない」との決議があります。問題の焦点は、個人情報管理、図書館の自由閲覧の侵害、レファレンス軽視と公立図書館としての機能の縮小です。

 中野区でも、新年度から図書館担当分野がなくなり、教育経営担当分野の業務の一つになり、図書館機能がさらに縮小する懸念があります。また、図書資料購入費や区民意向調査など全てを指定管理者に一括したものになっているため、事業者への評価が教育委員会の専門的視点から適切に行えるのかが問われています。図書館の機能が発揮され、中野区の図書館を支える人が育つ場でしょうか。見解をお聞きします。

 図書館への図書予約は、インターネット活用か、図書館に行くかであり、電話予約は受けていません。そのため、インターネットを利用しない人は、予約と受け取りのため、図書館に2度、足を運ぶことになります。区民から電話予約の要望がありますが、聞き間違いや本人確認などのために、図書館に行き、予約カードに記載するよう区民に求めています。障害者や歩行困難な高齢者への無料宅配サービスがあることや、希望する人には有料の宅配サービスがあることをもっと周知することはもちろんのこと、予約に必要な内容を記入した用紙を図書館窓口において配布し、電話やファクスでの受付を実施すること、また、高齢者無料宅配の条件を緩和するなど図書館に1度行けばよいようにすべきです。お答えください。

 最後に、弥生町防災まちづくりについてお尋ねします。

 弥生町周辺の防災まちづくりは、三丁目周辺を都の不燃化特区と指定し、南台一丁目では、公園整備に取り組んでいます。弥生町三丁目のまちづくりについて、区は、都営川島町アパート跡地と周辺の避難路整備に向けて、新設道路を指定する計画です。予定図によれば、立ち退き、建て替えなどが必要になる住宅があり、権利者への個別説明を実施しているとのことです。

 これまでも、関係住民への対応については、強権的にならないよう求めてきました。具体的な対策をすることになるわけですが、高齢者などが多く、生活再建に必要な土地や家屋の確保、財政的なことなど、それぞれの不安に応えられる相談体制をとり、補償などに取り組むべきです。

 また、昨年12月に、跡地の共同取得や活用などの支援事項を盛り込んだ支援要請をUR都市機構に行ったとの報告もあります。コアとなる跡地の取得と活用方法、住民への対応など、今後区と都市機構はどのように事業を進めるのか、2点についてお答えください。

 (仮称)南部防災公園の整備についてお尋ねします。

 当初20基と説明されていたマンホール型トイレの設置数は14基となり、住民からも不足ではないかとの声があります。区の見解は、広域避難場所なので、東大附属学校や周辺施設のトイレを活用するとのことですが、8,200人以上が避難するとの見込みですから、住民の不安を減らすよう、確保数を増やす必要があります。見解をお聞きします。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えいたします。

 区の組織と2,000人体制について、職員数の削減と働く環境の状況についてということです。年次有給休暇の取得日数はわずかに減少しておりますが、子育てや介護に関する休暇制度が整備されておりまして、これらを利用していることも年休減少の理由の一つとして考えられるのではないかと考えています。パワー・ハラスメント、いわゆるパワハラですけれども、これにつきましては、平成24年6月に、職場におけるパワー・ハラスメントの防止に関する基本方針を策定し、相談しやすい体制としたことから、軽微なものも含め、相談件数が増加しているものと考えております。毎年度懲戒処分者が発生しているということは誠に遺憾でありますけれども、このことは、職員2,000人体制の構築が影響しているものとは考えておりません。

 それから、保育園職員の採用についてであります。保育園の民営化を計画的に進めてきております。職員の採用は、これらの施設運営と職員の退職状況等を勘案しながら決定をしてまいります。再任用職員の採用にあたりましては、健康診断及び面接によって職務の遂行に必要な能力の保持を確認することとしておりまして、運営に支障を生じることはないものと考えております。

 それから、職員削減が区民サービスの低下を招くので、見直すべきという御意見であります。民間委託や業務の効率化によって区民サービスの向上と人員削減を進めてきております。施設の管理運営を民間に担わせるということで、そのノウハウを活用して、開設時間の延長などサービスの向上を図ることができていると考えております。今後とも必要な職員数は確保してまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育行政についての御質問にお答えいたします。

 初めに、学校施設、設備についての御質問です。特別教室の冷房化につきましては、耐震改修や防水改修など他の工事との調整の中で計画的に進めているものでございます。一斉に整備することは難しいと考えています。

 次に、教育委員会制度改革についてです。教育委員会制度改革につきましては、昨年来、国の教育再生実行会議や中央教育審議会で議論されてきており、現在、法制化に向けた検討が行われているものと承知をしております。引き続き国の動向を見守ってまいります。

 地教行法における教育長の職務についてです。地方教育行政の組織及び運営に関する法律のもとでは、教育長は教育委員会の指揮監督のもとで教育に関する具体的事務を執行するものでございまして、法律に基づき、職務を執行するものと理解をしております。

 小・中学校の国旗掲揚です。国旗の常時掲揚は、国旗の理解とこれを尊重する態度を養い、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた国民を育成するなどの教育的効果がございます。これは、関係法令や学習指導要領等に則ったものであるということで理解をしております。このことにつきまして小・中学校に要請するに当たりまして教育委員会に報告したものであり、適切な対応であったと考えております。

 次に、特別支援教育についてです。

 初めに、特別支援教室の設置等です。特別支援教室の設置等につきましては、学校長を構成員に含めた特別支援教育検討会を設置して検討を行っております。小学校PTA連合会などの意見も聞きながら、平成26年度中に考え方を取りまとめる予定でございます。また、巡回指導に当たる教員の配置につきましては、現在、東京都がモデル事業を実施する中で、必要な人数を検討していると聞いております。

 介助員の通常学級への配置についてです。年々増加している通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童への対応が喫緊の課題となっており、今回、介助員の配置の考え方を整理し、通級指導学級に配置している介助員を各小学校に1名ずつ配置をすることとしたものでございます。なお、情緒障害等の通級指導学級におきましては、学級担任による児童への個別の対応は十分に可能となってございます。

 小中連携教育の乗り入れ指導についてです。今年度から実施している小中連携教育において、乗り入れ指導は、その具体的な方策の一つであり、来年度から導入することを考えております。小・中学校の教員が相互に乗り入れて授業を行う乗り入れ指導は、教員の指導観や授業観を変えることで、それぞれの教員の授業力の向上、よりわかりやすい授業につながり、ひいては児童・生徒の学力の向上に効果があると考えております。

 図書館施策についてです。図書館の指定管理者の導入については、区が定めた基本方針や仕様等に基づき、公立図書館業務を実施してございます。また、職員体制につきましては、能力や業務水準の向上を図るための研修も継続的に実施されております。このことから、適切に運営されているものと考えてございます。

 最後に、健常な高齢者への図書予約の受付です。区の図書館は、本年度から、開館日の拡大、開館時間の延長が図られており、より身近で利用しやすい環境となってございます。図書館に出向く事が困難な障害者や高齢者には、無料宅配サービスを実施しているところでございます。そのほかの特別のサービスの提供については、考えてございません。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 産業振興と商店街振興の御質問についてお答えいたします。

 まず、産業振興センターに関する融資あっせん委託の情報管理についてでございます。区の融資あっせん業務については、産業振興センターで一体的に行うことが利用者の利便性向上に資することから、同センターの指定管理者に委託することとしております。この業務も含め、産業振興センターの管理運営にあたっては、公の業務としての公正・中立性の確保や、企業や個人の情報管理等について万全を期すことは当然であるというふうに考えてございます。区としては、契約等に必要な規定を盛り込み、その履行もしっかりと確認しながら、産業振興センターの目的である産業振興や勤労者の福祉向上に資するよう、指定管理者の適正な業務執行を確保していく考えでございます。

 次に、商店街振興策についてでございます。地域社会、地域経済の活性化においては、等しく地域経済基盤を形成している地域産業と商店街の振興を一体的に図っていくことが重要だと考えてございます。産業振興ビジョンでは中小企業振興の戦略の一つとして商店街振興を位置付けており、地域のにぎわい創出や安全、安心など、コミュニティを支える商店街の必要性、存在性の発揮に向け、さまざまな業種、業態の連携、交流の場の設定、各種助成制度や先進事例の紹介などの情報提供を通じて適切に支援していく考えでございます。また、区内地域商業への誘導については、都市観光ビジョンに示す観光資源の発掘、開発、観光受け入れ体制の整備、情報発信による来街者誘致の取り組みを産学公の連携・協議体制により推進し、観光消費による経済効果や交流促進による社会効果など、地域全体の活性化を目指していく考えでございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、弥生町防災まちづくりについての御質問にお答えいたします。

 震災避難道路の沿道地区への対応についての御質問でございます。避難道路の整備に際しては、各権利者の事情や要望等を十分に伺い、生活再建についても代替地の準備や適切な補償を含め、丁寧に対応していきたいと考えております。

 次に、UR都市機構への支援要請についてでございますが、コア事業である都営川島町アパート跡地の活用につきましては、区は、跡地のうち道路・公園相当分を取得し、新設避難道路や防災機能を備えた公園を整備いたしたいと考えております。UR都市機構には、跡地の区との共同取得、跡地活用による代替地等の整備と運用、区が行う避難道路整備に伴う権利者交渉への積極的支援、また、区の要請による代替地を種地とした無接道敷地や行きどまり道路等の解消などを行ってもらい、区と協働で弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりを効果的、集中的に進めていく予定でございます。

 (仮称)南部防災公園の災害用マンホールトイレの数についてでございます。広域避難場所の避難計画人口が基本計画策定時の9,900人から8,225人に減少したため、マンホールトイレの数を見直ししました。また、この広域避難場所に必要な基数をこの公園だけで用意するのではなく、東大附属中等教育学校も含め、全体で確保するという考え方から、学校のトイレや備蓄している災害用トイレ14基、公園の常設トイレ4基を除いた数を公園分のマンホールトイレ基数としたものでございます。

 以上でございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時49分休憩

 

午後3時10分開議

○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭

 1 区長の政治姿勢について

  (1)多選について

  (2)政治団体について

  (3)その他

 2 中野駅北口バス停について

 3 スポーツの場の提供について

  (1)選挙前日の小学校の球技開放について

  (2)年末年始の小学校球技開放について

  (3)年末年始の平和の森公園少年スポーツ広場の団体利用について

 4 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 佐伯利昭議員。

〔佐伯利昭議員登壇〕

○38番(佐伯利昭) 2014年、平成26年第1回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。

 田中区長の3期目の任期が間もなく終わろうとしています。この間の区長自身の政治姿勢には大きな変化があったことは、多くの区民、職員が感じることです。区長は、就任直後の平成14年第2回定例会の所信表明演説で、「区長という職は、重い責任と権限を伴うものであり、一人の人間が長い間その職にあり続けた場合は、惰性に流れたり、政策に片寄りやゆがみができてくるなど弊害を生じることになると認識しています」と述べています。今でもこの認識に変わりはないか、もし変わったとするならば、その理由をお尋ねします。

 また、当時の朝日新聞によれば、当選直後の会見で、区長は、うそ隠しのない議論し合える区を一緒につくっていきたいと述べています。この12年間、区長の任期は2期8年と言って選挙戦を戦ったこと、最近では、旧東中野小学校跡地の問題など有権者に対してうそや隠し事はなかったと胸を張って言えるのか、お答えください。

 多選を批判し、その弊害を避けるため、区長は、自治基本条例の中に多選自粛の項目を設け、区議会に提案し、平成17年3月議決、同4月施行されました。平成18年6月、区長の2度目の選挙の際の田中候補の確認団体である元気な中野をつくる区民の会、法定ビラ1号には、中野区における区民参加と自治の基本を定める自治基本条例を制定しました、区の意思決定の過程での情報提供の義務、区民の参加の機会の保障、決定についての説明責任などを義務付けたほか、区長は3期を超えて在任しないよう努めるものとして、多選の弊害を防止する項目も含まれていますと記載されています。今もその考えに変わりはないか、また、それを誠実に実行するつもりはないのか、お尋ねします。

 私は、昨年の決算特別委員会の総括質疑で、この多選自粛の規定について、なぜ単独の条例とするのではなく、自治基本条例に盛り込んだのかと質問をしました。担当副参事からは、「自治基本条例というものは中野区の自治の基本原則を示す条例である」、「区長の在任期間が長期にわたることのないように努めるという条項を盛り込んだということは、その自治の基本原則を定めるということの中に入れ込むということの意義を定めたものということで」あるとの答弁がありました。区長は連続して3期を超えないよう努めるということは中野の自治の基本原則と理解してよいのか、確認をします。

 さて、この多選自粛を定めた自治基本条例の次の項では、「前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈はしてはならない」とあります。区長は、この項を根拠に単純に3期を超えることも許されるとお考えのようですが、それは誤った理解です。区長は、所信表明で、立候補の自由を制限するものではないと言っていますが、条例は直接そうは言っていません。ここで注目をしなくてはいけないのは、条文の中の表現で、立候補の自由を妨げるものではないではなく、「立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない」としていることです。これは、憲法や公職選挙法との関係から、違法性を排除しつつも、この前項をより実効性のあるものとしようとした立法上の知恵と努力の結果であり、条例の目的は、あくまで弊害を防ぐため、多選を禁止しようとするものであったと理解します。

 区長自身も、最初の選挙の際の確認団体、区民参加で区政を変える会の法定ビラ1号では、多選禁止条例を制定しますとし、また、3度目の選挙における確認団体、元気な中野をつくる区民の会の法定ビラ1号では、2期8年間の区政改革として区長在任を3期までとする多選制限の項目を定めましたとし、選挙公報でも、区長在任を3期までとする多選制限と掲げました。ここであえて自粛ではなく制限という表現としたことは、条例を提案した際の区長の認識も、あくまで多選禁止だったのではないでしょうか。条例制定時、あなたが制限しようとしたのは、立候補の自由を妨げることではなく、3期を超えて立候補することだったことはこれらの書面から明らかだと思いますが、いかがでしょうか。

 それとも、区長自身が多選自粛の次の項に「立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない」という項目を入れた目的は、初めは多選禁止の認識はあったものの、万一途中で気が変わったときの担保として入れたのか、あるいはこの多選自粛については当時全国的な議論があった中で、パフォーマンスとして条例に盛り込み、多選自粛など初めから守る気などなかったからこの項目を入れたのか、お答えください。

 さらに気になるのは、所信表明で、3期を超えて在任しないよう努力するべき規定は重いものの、一方で、区民の皆様からいただいた要請も重いものだったと述べ、その区民の要請を優先しようとしていることです。議会で議決した条例に定められていることより、その時々の一部の区民の声が優位になるならば、条例など要らないのではないですか。それならば、正々堂々、この条例を廃止する条例改正を提案して、議会の審査を受けてから臨むべきではないですか。昨年の決算特別委員会の質疑の中でも、区は、この項目についてはパブリックコメントの必要はないとの認識を示しているのですから、すぐにでもこの条項の廃止は提案できるはずです。なぜそうした手続をとらないのか、この条項が持つ意義をどう捉えているのか、改めてお聞きします。

 さて、区長は、平成23年第2回定例会の行政報告において、民主党政権に対し、「もはや17兆円という莫大な財源が予算の見直し・組みかえだけで右から左に生まれてくるといったデマゴギーに基づいて数々のバラマキ政策を約束して成立した政権が、そのまま継続するなどということはあり得ないし、許されません」と述べました。デマゴギーとは、ドイツ語で、政治的な意図を持って意図的に流すうそのこと、ウィキペディアではそう説明されています。だとすれば、あなたが選挙中に声高らかに言っていた区長の任期は2期8年も、区長在任期間を3期までとする多選制限も、まさにデマゴギーだったのではないですか。そうした主張で有権者の関心を集め、支持を得た、他人に対しては許さずとしていたものを自分の発言の誤りは認めない、それがあなたの政治姿勢なのですか、はっきりとお答えください。

 次に、区長の政治団体について伺います。

 区長の3度目の選挙が行われた平成22年6月当時、区長周辺には、三つの政治団体がありました。このうち区長自身が代表を務める資金管理団体自治体政策研究会は、選挙前の5月、区内の二つの団体からそれぞれ100万円と20万円の寄附を受け、それはそのまま選挙の確認団体となった元気な中野をつくる区民の会に寄附され、選挙の際の街宣車のレンタル代や法定ビラの作成代などに使われています。

 寄附自体は法に基づいたものですから、それ自体を問題にする気はありませんが、問題は、区長の政治姿勢です。このたびの猪瀬直樹元東京都知事のいわゆる5,000万円問題でも、何の見返りも求めずに5,000万円もの金をただで貸してくれる人はいないだろうという意見が大勢でした。区長選挙レベルで1団体から100万円の寄附は、決して少ない金額ではありません。かつてしがらみを断つという志を持ち、その地位についた区長がこうした寄附を受け、その資金で選挙を行うことは、大きな政治姿勢の変化なのではないでしょうか。これまでも言われてきたように、区長というのは、大きな権限を持っています。そうした座にある人が区に利害関係のある団体から寄附を受けることは、議員が寄附をもらうのと全く意味が違います。むしろ私は、もう一つの政治団体、田中大輔後援会の収支報告に記載された、本来5万円以下なので、個別に記載する必要はないのにもかかわらず、律儀に記載されている個人の1,000円、2,000円の寄附、こうした浄財に支えてもらうのが本来の田中区長の政治姿勢だったのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 権腐十年という言葉があります。これは、ある格言で、権力は10年もたてば腐敗するという意味です。絶大な権力を握る自治体の長は、期数を重ねるほど弊害を招く可能性は高まります。

 昨年3期目の任期満了を迎えた阿部孝夫川崎市長は、みずからが提案をした多選自粛条例により、10月の市長選挙への立候補を見送り、退任しました。紆余曲折はありましたが、結果的に、自身の政治姿勢を貫きました。多選自粛の条例はないものの、ことし行われる市長選挙に4度目の立候補はせず、引退を表明した和歌山市の大橋健一市長は、みずからのホームページで、やっぱり首長の多選はよくないという思いである、このところ、2年後の国体まではぜひやってもらわんととか、4選でも、5選でも頑張ってほしいという声をよく聞くようになり、市民から絶対あるはずの、12年でも長い、そろそろかわったほうがええでという声は届かなくなっている、それ自体が多選の弊害だと思う、本人に向かって、市長、もうそろそろやめたほうがええでというのは相当勇気の要ることで、表面上は激励しつつも、内心はそろそろと思っている人もいるのではないかと思うと述べています。さらに、もちろんやり残したこともいっぱいある、南海トラフの地震など、自然災害に対する備えは幾らやっても完璧となることはない、行政というのは、仕事の性格上、いつやめてもやり残しがあるのはやむを得ないことで、今のみずからの役割は未来への橋渡しだとし、後進に道を譲ることとしました。こうした姿勢が民主主義を育て、次の時代をつくるのです。私は、今の田中区長には、和歌山市長が言うもうそろそろかわったほうがええでという声が耳に入らなくなっているのではないか、そんな弊害が出ているのではないかとお見受けします。所感をお聞かせください。

 区長の在任期間が長くなるにつれ、区民の区政への関心が低くなります。それは、対話集会の参加者の減少に顕著にあらわれています。区は、人数の問題ではなく、少ない人数で中身の濃い議論ができると言いますが、それは言いわけにすぎません。むしろ目玉政策として掲げた月2回の対話集会も、今ではそのテーマすら示せず、自由討議とすることがふえている状況ではないですか。また、その開催結果の要録のホームページへの掲載も、1年以上おくれている状態です。まさにこれは区長が1期目の所信表明で危惧した一人の人間が長い期間その職にあり続けた場合に起こる惰性にほかならないのではないでしょうか。

 多選による災害の弊害は、その弊害が起きていることを本人が気がつかないこと、さらには、気づいてもそれを認めようとしないことだと思います。周囲から立候補を望む声がある、道半ばのことがある、これは、多選をかわすためによく使われる言葉です。しかし、こうしたことに惑わされることなく多選による弊害を防ぐという決意のあらわれがこの条例だったはずです。この条例が自粛を求めているのは、在任期間が連続して3期を超えないようとすることです。道半ばの仕事がある、立候補を望む声があるならば、条例にのっとり、1期休んで、4年後に立候補するのがこの条例をつくった政治家としてのけじめだと思いますが、いかがでしょうか。

 そして、この項の最後に、あなたが万一連続4期目の選挙に立候補した場合、同様の自粛条例を持つ他の自治体にどのような影響を与えると考えているか、お聞かせください。

 次に、中野駅北口のバス停の問題について伺います。

 中野駅北口バス停は、かつて北口駅前30メートルにあったものが、平成24年春から中野駅周辺整備期間中、仮設として約200メートル離れた危険な勾配上に配置され、最下段と上部バス停までの高低差は5メートルほどあります。道路交通法において新設バス停については坂道への設置は認められませんが、仮バス停ということでの運用がされ、2年弱経過した現在も、根本的な対策は何一つとられていません。バス停一つの間隔は250メートル前後であることを勘案すると、駅からおりた高齢者や交通弱者がバスの乗り場まで坂道を停留所一つ分歩かなくてはいけない状態になっています。こうした状況について区はどのようにお考えなのでしょうか。

 また、現状について、直接乗務員に苦情を言う利用者もいるとのことですが、区にはどのような声が届いているのでしょうか。

 さらに、駅からバス停の位置を視認しづらく、乗車場所が乗客にわかりにくいなどの理由もあり、バス利用者は減り、バス事業者は大幅な減収になったということです。また、多くのバスの便が利用する1番乗り場は、1分間隔の発車ダイヤもあるため、停留所でのバスの混雑が慢性化し、現場の乗務員はトイレに行くのもままならないことがある状況です。

 こうしたことから、昨年、中野駅と上鷺宮を結ぶかつての通称「なかのん」が大幅な減便になった際にも、減便の理由として中野駅周辺整備のおくれによる影響が各停留所に掲示され、このままの状態が続けば、さらなる減便の可能性も示唆されました。

 そこでお聞きしますが、このバス停の問題について、バス事業者とは今日までどのような協議がされているのでしょうか。

 また、坂道にある仮のバス停について、警察からはどのような指示を受けているのでしょうか。

 このままの状況を北口改札が開設される平成32年まで6年以上も続けることは、利便性、安全性から好ましいことではありません。当面、現在使用されていないサンプラザ南側の新北口広場予定地に暫定的に移すなど、対策を講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、青少年へのスポーツの場の提供について伺います。

 通告しました選挙前日における学校の球技開放については別の機会に伺います。

 まず、年末年始の球技開放について伺います。

 昨年暮れからことしの年始にかけては、曜日の関係で、12月28日から1月5日まで、区役所が閉庁となりました。そうした中で、12月28日、1月4日、1月5日の球技開放が中止となりました。もとより球技開放は土曜日、日曜日に行われているもので、通常の役所でいうところの12月29日から1月3日のいわゆる正月休み以外は解放されるべきものだと思います。なぜこの3日間が開放中止になったのか、理由をお聞かせください。

 こうして球技開放を休止しているにもかかわらず、学校内のキッズ・プラザは土曜日に実施されています。キッズ・プラザで利用可能ならば、球技開放は十分可能だと考えます。今後の改善を求めますが、いかがでしょうか。

 最後に、平和の森少年スポーツ広場について伺います。

 健康福祉部学習スポーツ担当発行の冊子「中野の生涯学習・スポーツガイド」によれば、この広場の年末年始の休場日は12月28日から1月4日までとなっています。ところが、ここもまた1月5日の団体利用を休止しています。本来休みは4日までなのにもかかわらず、5日まで団体利用を休止した理由をお聞かせください。

 こうした状況を見るにつけ、中野区は子どもたちに少しでも多くスポーツのできる機会を与えようという意気込みが感じられません。オリンピック、パラリンピックの東京開催が決まった今、アスリートづくりを目指し、積極的な場の提供が行われることを要望し、質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐伯議員の御質問にお答えいたします。

 まず多選の弊害についてということであります。平成14年第2回定例会所信表明で述べた区長の職についての認識に変わりはなく、そこで述べた弊害が生じることのないよう、日々努めてきているところであります。

 また、初当選時の新聞のインタビューを引用されての御質問について、うそや隠し事のない区政をつくるとの考えに変わりはありません。

 それから、自治基本条例の規定について、この多選自粛の項目を設けたことについて、今も考えに変わりはないのかといったようなこと、また、それから、3期を超えて在任しないように努めるということが中野の自治の基本原則と理解してよいのかということであります。まず、基本原則のほうのお話ですけれども、自治基本条例にある以上、基本原則の一つだ、このように考えております。第7条については、3項から成り、3項全体を見て判断するというのは、これは当然のことだと思います。

 それで、前段のほうですけれども、この自治基本条例の多選自粛の項目についてであります。期数を区切って首長の交代を求めるということは、多選によって自治体の行政が停滞あるいは偏ったものになるという弊害を回避するためには、一定の有効性があるという考えは変わりません。しかし、区政課題が現実に動いている中で、区政の継続か、一新かという選択そのものを排除するかのような予断を規定に持つことは、逆に活力ある区政運営の妨げになる場合もあるというのが現時点での私の認識であります。候補者がビジョンを明確に示して選挙戦が行われ、区民がそれを判断する、その結果の区政運営を踏まえ、成果の評価と次なる目標について、選挙で主権者の判断を仰ぐというのが民主主義の王道であり、区政の停滞や偏りの弊害を防ぐことにもつながる、さらに、二元代表制のもとで首長を監視、牽制し、政策を議論して、活力ある区政をリードする議会の働きについての自分自身の認識も、条例提案をした時点では必ずしも十分でなかったように考えております。これらは、言うまでもなく、条例制定時から指摘されていた問題でありました。当時の区政の状況や多くの自治体で行われていたさまざまな議論などから、区政の停滞の一因が多選にあるということに強くとらわれ、判断をしていたと考えております。結果として、立場を変えることについてのそしりは甘んじて受けなければならない、こう考えているものであります。

 それから、条例を提案した際の認識は、自粛ではなく、あくまでも多選禁止だったと考えるけれどもどうだろうか、こういう御質問であります。条例は、提案した条文のとおりの認識でありました。

 それから、最初から守る気はなかったんじゃないかという御質問でありました。守る気のない条例を提案することはないのでありまして、条文に即して解釈をしております。

 次に、条例の改正手続をとるべきではないかといった御質問がありました。一連の経過に対するけじめとして、また、自治のあるべき姿により近づけていくという観点から、自治基本条例における多選自粛規定のあり方について、何らかの対応を考えたいと考えています。

 デマゴギーのお話がありました。区政の歩みをとめることなく、道半ばの仕事を責任を持って全うすることこそ、これまでともに区政を支えてきてくれた多くの区民の皆様に対する責任として最も重要だと考えているということであります。

 それから、政治団体がいただいた寄附のことについての御質問がありました。こうしたことによって私が政治姿勢の変化をしたというような御指摘でありましたけれども、政治姿勢が変化したという認識はありません。

 それから、和歌山市長さんですね、もうそろそろかわったほうがええでという声が耳に入らなくなっているのではないかというような御質問でありました。区民の皆様からそれこそさまざまな声をいただき、それに耳を傾け、熟慮した結果の判断であります。

 多選による緩みについて、対話集会の参加者が減少していることについては、毎月2回、11年にわたって実施して、対話も進んでいるというようなことから、一定程度いた仕方ない面があると考えております。無作為抽出での御案内を送付した会を設けるなど、また、出向いての対話の機会も設けているなど、工夫もしているところであります。より多くの区民の皆さんに区政への関心を持っていただくための方策について、今後もさまざまな工夫をしていきたい、こう思っております。

 それから、連続して3期を超えないようにするということだから、1期休んで4年後に立候補するべきではないかというようなことでありました。区政の歩みをとめるべきではなく、引き続き区政に責任を果たすことこそ最も誠実な対応である、このように考えております。

 それから、4期目の選挙に立候補した場合、同様の自粛規定を持つ自治体にどのような影響を与えると考えているのか、こういった御質問でありました。それぞれの自治体、また、それぞれの首長が判断することだと考えております。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅北口バス停についての御質問にお答えいたします。

 まず、駅前から離れたバス停についての御質問がございました。中野駅北口駅前の広場内にあった旧バス停は、バス利用者が車道を横断する必要があったことなど、安全性に問題があり、バリアフリーにも対応できなかったものでございます。現在のバス停でございますが、従前に比較すると、駅北口から遠くなったということはございますが、安全性やユニバーサルデザインに配慮した施設となっているものでございます。現在のバス停の位置は、あくまでも将来の新北口駅前広場整備に向けた暫定配置であり、新北口駅前広場整備の後は、駅直近のバス停としてさらに安全性やユニバーサルデザインにも配慮した配置とする計画でございます。

 次に、バス停が遠くなったことについての区民の声があったかという御質問でございます。区に対しては、第1期整備直後には、バス停が移設された場所がわかりづらい、以前よりも駅北口から遠くて乗りかえに不便になったなどの意見が幾つか寄せられたことがございますが、その後、このことに関する苦情はほとんど入ってございません。

 次に、バス停の移設に関してのバス事業者との協議、それから、警察からの指導等についての御質問がございました。現在のバス停については、新北口駅前広場整備の間の暫定配置として事前にバス事業者及び警察に了解をいただいた上で整備したものでございます。

 最後に、暫定的な改善措置についての御質問がございました。新北口駅前広場整備の後は、駅直近の安全性やユニバーサルデザインに配慮したバス停として再配置する計画でございます。新北口駅前広場整備完了に至るまでの段階での暫定的な対応につきましては、今後の整備工程等を踏まえ、検討していきたいと考えております。

〔健康福祉部長野村健樹登壇〕

○健康福祉部長(野村健樹) 年末年始の球技開放についての御質問でございます。本年度の小学校校庭球技開放事業につきましては、過去の利用実績を勘案いたしまして、年末年始に連続いたします土曜、日曜につきましては、開放を休止することといたしたものでございます。しかしながら、本来の開放日でございました12月28日、1月4日、5日の土、日につきましては、その後、幾つかの団体から御利用の要望の声が寄せられたということもございます。来年度につきましては、実施する方向で検討させていただきます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、平和の森公園少年スポーツ広場における年末年始の団体利用についての御質問にお答えいたします。

 日曜日や祝日など小・中学校が休みの日は、団体利用の日に割り当てております。ただし、年末年始の休場日、12月28日から1月4日を除いて冬休み期間中の日曜日に当たった日は、親子や子ども同士で自由に利用できるよう、一般開放日の運用日としてきたところでございます。このため、ことしの1月5日日曜日についても、同様の取り扱いをしたところでございます。少年スポーツ広場の利用につきましては、よりわかりやすい案内に努めてまいりたい、そのように考えております。

〔佐伯利昭議員登壇〕

○38番(佐伯利昭) すみません。1問だけ再質問させていただきます。

 当選直後の朝日新聞の会見で、うそ、隠し事のない議論し合える区を一緒につくっていきたいと述べたということで、これまでうそ、隠し事はなかったと胸を張って言えるのかとお聞きしたんですけれども、うそ、隠し事のない区政をつくる考えには変わりないというような御答弁でしたので、これまでうそ、隠し事はなかったと胸を張って言えるのかという質問だったので、再度御答弁をお願いします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 御指摘されたようなうそ、隠し事をしたというつもりはございません。

○副議長(やながわ妙子) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 川 直 行

 1 区長の所信表明について

 2 交通安全対策について

 3 防災対策について

  (1)初期消火について

  (2)災害医療救護訓練について

 4 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、石川直行議員。

〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 平成26年第1回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 昨年9月にオリンピック・パラリンピック開催が東京に決定され、おもてなしという言葉が流行語大賞にもなり、一気に日本の伝統文化と日本人の心をあらわした言葉として注目を集めました。このおもてなしは、区長が初めて当選された2年後の平成16年から、おもてなし運動として区民サービスの向上に資してきました。いわば元祖おもてなしとしてどのような考えをお持ちでしょうか。

 さて、このおもてなし運動の基本理念は、「職員の主体的な取り組みによって、組織及び職員を活性化し、中野区に関わる一人ひとりにとって満足度の高い区役所をつくります」とされており、平成25年には、第11期を迎えております。

 昨年、平成25年第1回定例会での一般質問でも、「職員一人ひとりの根底からの意識改革を行うべき」との問いに、区長は、「目標を明確にしながら、職場全員で取り組む」、「事業の実施だけではなく、日々仕事の意義を見失わず業務を進め、改善に取り組んでいく」、「こうした改革を地道にこれからも取り組んでいく」と答弁されていますが、まだまだ不十分であると考えます。施政方針説明の中でも、PDCAサイクルを通し、区職員の意識をさらに向上させることについては述べられておりません。このおもてなし運動についてどのように分析され、来年度予算案に関し、どのようにおもてなし運動を反映させたのか、お伺いいたします。

 区長は、施政方針説明で、11年間を振り返り、分野別に成果と課題を述べております。また、区政改革として、PDCAの経営サイクルを導入し、区民サービスの確保に努めてきたとしています。厳しい財政状況と伸び続ける扶助費のはざまの中、それぞれに工夫を凝らした区政運営であり、みんなの党としても、予算案ほか議論を尽くして賛成の立場で区政を支えてきたと自負しておりますが、区民サービスの確保に努めてきたとの総括に対して、一言申しつけさせていただきます。

 区民サービスの確保に努めてきた11年間を振り返り、残された任期と、その後の大きな課題に対して、単に区民サービスの確保を目指すのではなく、今まで以上の区民サービスの向上を追求するべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、交通安全対策についてお伺いいたします。

 昨年、第2回、第3回定例会において質問させていただきました自転車による交通事故対策に関し、先般、中野警察署長、副署長、交通課長と中野警察署管内の交通事故全般について協議させていただきました。ことしに入り、自転車による事故件数が増加している中、区議会議員、また、一区民として取り組んできた、みんなが住み続けたいまちとして安全、安心なまちづくりを目指し、子どもたちを絶対に加害者にしない対策が喫緊の課題であると再認識しました。中野警察署としても、交通事故全般の対策として、集中的に事故が発生している現場に関し、原因がどこにあるのか改めて精査していく必要があるとおっしゃっていました。

 現在交通安全対策の一環として中野区が行っている看板やカーブミラーの設置または道路上のペイント等は、都市基盤部が所管し、地域住民からの要望を受け、現場確認をして、必要性が認められれば優先順位をつけながら設置しているものと認識をしております。一方、交通事故多発地点や交通事故の要因、そして、その対策については、警察署が把握しているものと考えます。しかしながら、現在、中野、野方両警察署との定期的な情報交換や交通事故多発地点のミラー看板設置等についての助言等は行われておりません。今後、警察署との連携、情報交換は必要不可欠であり、定期的な情報交換などの協議の場が必要であると考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 次に、防災対策についてお伺いいたします。

 近年注目を集めているスタンドパイプは消火栓に直結して水圧によって消火するものであり、平成25年度には、区内火災危険度が5と判定されている11地区に該当する防災会に配備されました。また、新たに第7回地震に関する地域危険度調査が示され、この危険度に基づき配備していくものと理解をしておりますが、順次各防災会に対してスタンドパイプの配布を積極的に推進していただくことを要望いたしますが、いかがでしょうか。また、防災会が独自に設置する場合の助成制度等の検討も必要であると考えますが、いかがでしょうか、御見解をお伺いいたします。

 区は、今年度中に中野区地域防災地図を作成する際、消火栓の位置を地図上に表示するということですが、消火栓と同様の構造で機能を持ち合わせている排水栓についてはどのような取り扱いをするのでしょうか、お伺いいたします。

 また、中野区内にこの排水栓は幾つあるのでしょうか。

 この排水栓は、木造住宅密集地域、狭隘道路での初期消火に活用するため、東京都水道局と東京消防庁が平成24年度に覚書を締結し、消火栓と同様に消防水利として使用することが可能となりました。排水栓の活用は裏路地消火として期待が高まっており、排水栓の増設も行われていると聞いております。さらに、排水栓より口径が異なる簡易排水栓の把握は中野区としてされているのでしょうか、お伺いいたします。

 この簡易排水栓は、都内に約4,600ありますが、開栓の器具が異なる、水道管の口径が細い等の理由で消防水利として使用できないとの理由から、順次正規の排水栓に交換していくとしています。中野区として新たな排水栓の設置要請や簡易排水栓の交換等の要請を水道局に対してするべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 また、東京都公衆浴場業環境衛生同業組合中野支部と締結をしている災害時における給水協力に関する協定書では、「浴場の揚水施設がり災せず、かつ送電が確保されている場合に限り、給水協力を行うものとする」となっていますが、初期消火体制の確立を図るためにも、停電時での供給も視野に入れ、自家発電設備に対する政策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。

 次に、災害医療救護訓練についてお伺いいたします。

 昨年11月24日に、桃園第二小学校にて、災害医療訓練が実施されました。災害医療救護訓練実行委員会委員長として参加、見学をさせていただき、改めて災害時の迅速な対応が必要であると痛感し、応急救護、医療救護の重要性を再認識しました。この災害医療救護訓練の目的として、地域住民の防災力向上と地域防災住民組織と医師会をはじめとする関係団体との相互協力体制の確立を図るとしています。この災害医療救護訓練は、昨年の開催で11回目を迎えたと承知しております。

 そこでお伺いいたします。

 災害時には、医療救護所を中野区内15カ所の避難所に開設するものと理解しますが、この15ある避難所運営管理マニュアルにトリアージ等をする場所を指定している避難所は何カ所あるのでしょうか。

 また、避難所運営本部に医師会をはじめとする4師会から役員として入っている避難所は何カ所あるのでしょうか。

 関係団体との相互協力体制を図るのであれば、平常時よりの会議等を通じてお互いの理解と信頼関係を構築することが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 残念なことに、桃園第二小学校避難所運営会議の中で、拠点医療救護についての議論は8年間の間1回もありませんでした。今後、避難所運営会議で避難所開設時に想定される運営については、それぞれの関係団体と忌憚のない意見交換が必要であると考えます。中野区としての御見解をお伺いして、全ての質問を終了させていただきます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えいたします。

 おもてなしが注目を集めたということでの御質問でありました。中野区のおもてなし運動は、顧客志向を前提とした区政目標を実現するために、職場発信で区民目線からサービスの改善を進める運動として取り組んでいるところでありまして、単なる接遇改善、そうしたことだけを進めるという運動ではありません。中野区としては、この10年間、区役所のサービス向上運動としておもてなし運動を進めてきておりまして、区民のために最大の心遣いで価値あるサービスを提供することを追求して、各職場が毎年、計画、実践、改善を繰り返しているところであります。おもてなしという言葉が注目される中にあって、中野区の取り組み、これは、よくはなってきておりますけれども、決して満足していいということではないというふうに思っておりますので、さらに向上できるように取り組んでまいりたい、このように思っております。

 おもてなし運動が予算編成の中でどのように反映されているのかということです。各部、各職場においては、新年度の予算の検討に当たって、これまでのおもてなし運動の取り組みを踏まえて、来年度の事業や業務内容を考えてきているところであります。顧客満足度の高いサービス、これをつくり上げていくという上で、おもてなし運動の成果というものをしっかりと事業の改善に生かしていきたい、このように考えております。

 それから、今まで以上の区民サービスの向上を追求するべきではないかという御指摘でありました。全くそのとおりだというふうに思っております。11年間、さまざまな取り組みを行ってまいりまして、一定の成果を上げることができたとは考えておりますけれども、現状に満足することなく、より一層の区民サービスの向上、これを目指すことが肝要である、このように考えております。

 それから、防災会へのスタンドパイプの配備についてであります。区は、本年度のスタンドパイプの試行的配備について検証した結果、一定の有効性があるとの結果を得たことによって、初期消火資機材の充実強化として、スタンドパイプの整備について、全防災会へ3カ年で配備をする予定になっております。区が主体的に配備をすることとしておりまして、現在は、助成については考えておりません。

 それから、排水栓についてであります。消防水利として指定されている排水栓については、地図上に表示をして、有効に活用できるように工夫をしたいというふうに考えております。

 区内の排水栓の数ですが、8カ所であります。このうち消防水利として指定されているものは5カ所であります。区内の簡易排水栓の数ですが、これは、約250カ所あります。簡易排水栓は、消防水利ではないため、正確に位置等は把握していないのが現状ということであります。

 排水栓の設置をふやすとか、あるいは簡易排水栓から排水栓への交換をするといったようなことにつきまして、消防水利の設置状況について、消防署に確認をした上で、必要な部分について対応を図ってまいりたい、このように考えております。

 それから、公衆浴場に対する自家発電設備であります。初期消火、応急給水ともに期待されている公衆浴場でありますが、電源については、東京都の被害想定によれば、17.7%が停電により電力を失うと想定をしているところでありまして、一定の電源確保というものはできるというふうに考えております。そこで、使用可能な場合に活用するという意味での協定を締結しているところでありますけれども、電源について、予備の発電機を区が備蓄するといったようなことも検討をしていきたい、このように考えます。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、交通安全対策についての御質問にお答えいたします。

 交通啓発看板やカーブミラーの設置、また、道路上のペイント等につきましては、安全確保の緊急性があるため、各警察署と協議しながら対応しております。

 警察署との定期的な情報交換につきましては、現在、生活安全関連の案件を中心に、月1回、連絡会議を開催しているところであります。今後ともこの会議体を活用し、交通対策の連携を強めるとともに、情報交換をさらに深めていきたいと考えております。

 次に、拠点医療救護所のトリアージ場所等の指定についての御質問でございます。拠点医療救護所でトリアージを行う場所等につきましては、明確に定めていない状況でございます。今後整理していきたいと考えております。

 次に、拠点医療救護所における医師会等関係団体との事前連携につきましての御質問でございます。避難所運営本部に医師会、薬剤師会等4師会から役員として参画する体制にはなっておりません。4師会とは、避難所運営会議等で意見交換を行うなど、連携を深める機会を設けてまいりたいと考えております。

○副議長(やながわ妙子) 以上で石川直行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 平成26年度予算について

 2 指定管理者制度について

 3 ごみの不法投棄対策について

 4 地域支えあいと民生委員制度について

 5 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) 平成26年第1回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から、通告順に従いまして一般質問をいたします。

 まず初めに、平成26年度予算について質問いたします。

 昨日の我が会派のいでい幹事長ともちょっと重なるところもありますけれども、私なりに質問をさせていただきます。

 平成26年度予算(案)では、一般会計の予算規模が1,206億8,000万円あまりで、前年度に比べ、36億4,000万円あまり、3.1%の増となっております。これは、4年連続で前年度予算の規模を上回るものとなっています。区長の施政方針説明に一部触れられておりますが、前年度予算と比べ、36億4,000万円あまり、3.1%の増と大幅な増額となったのは、どのような要因によるものでしょうか、具体的にお答えください。

 また、施政方針説明では、「区の基幹収入である特別区税と特別区交付金は、あわせて33億円の増を見込んだ」とあります。特に特別区民税については収納率向上対策を策定し、その取り組みを進めており、26年度は、3カ年の対策期間の最終年度に当たります。26年度予算では増収を見込んだとのことですが、この収納率向上対策の効果は、具体的にあらわれていると考えてよいのでしょうか。また、収納率向上対策で掲げた目標は、達成できるのでしょうか。目標体制に向けた具体的な取り組みを含め、お答えください。

 特別区税の一つである特別区たばこ税も、前年度予算に比べ、1億2,000万円あまり、5.8%ふえていると聞いております。中野駅周辺のまちづくりなどにより昼間人口がふえたことも増収の一つの要因ではないかと考えております。区が積極的に進めているまちづくりの効果によってファミリー世帯や昼間人口がふえ、特別区民税や特別区たばこ税の税負担の構造に変化が起きているのではないでしょうか。区としてどのように分析しているのか、御見解をお聞かせください。

 また、特別区交付金も大幅にふえておりますが、どのような要因によるのでしょうか、御見解をお聞かせください。

 一方で、歳出では、義務的経費である人件費と公債費は減少しておりますが、扶助費は引き続き増加しています。人件費は減少し、26年度予算では6億7,000万円、3.1%の減となっておりますが、25年度予算が8億1,000万円あまり、3.8%の減であったことと比べると、その減少幅は少なくなっていると言えます。さらに、27年度には、区が目標とする職員2,000人体制が実現し、人件費の削減効果もなくなります。区長は、施政方針説明において、「新たな職員定数の考え方を示す時期に来ています」と述べておりますが、今後どのようにしていくおつもりなのか、御見解を伺います。

 扶助費の抑制も大きな課題となっています。26年度予算では、生活保護費や保育経費などの扶助費が10億2,000万円あまり、3.3%増と依然として大幅な伸びを示しております。生活保護費では、生活保護受給者の自立支援対策としての就労意欲喚起事業や財産管理支援プログラムの拡充、ジェネリック医薬品の使用促進などに取り組み、生活保護費の抑制につなげていくと聞いています。

 そこで伺います。

 これらの取り組みではどの程度の扶助費抑制の効果が得られると考えているのでしょうか。これまでの取り組みの成果と併せてお答えください。

 また、26年度の予算規模が大きくなった一つの要因に、4月からの消費税増税の影響を緩和するため、子育て世帯と住民税非課税世帯に対し、子育て臨時給付金及び臨時福祉給付金を支給するための経費が盛り込まれていると聞いております。消費税増税の影響を緩和するため、区民の手元にできるだけ早く届くようにすることが重要であると思います。消費税税率の引き上げは4月から始まりますが、この二つの給付金はいつから広報や手続が始まるのでしょうか。そして、いつ区民に給付金が支給されるのでしょうか、具体的な内容とスケジュールをお聞かせください。

 区長は、施政方針説明の中で、インフラ資産の適正管理に触れられ、「道路・橋梁等のインフラ資産の維持更新については、将来負担を的確に把握し、効率的・効果的に整備を進める」としております。26年度予算を見ると、橋梁については、25年度に橋梁長寿命化計画を作成しており、その具体化を図るための設計や工事の予算が計上されています。一方、道路については、道路附属物点検調査や路面性状調査に関する経費、さらには、修繕計画を策定するための経費が計上されています。こうしたインフラ資産は区民の安全性を確保する観点からこれまでも適正に管理されてきたと考えますが、なぜ道路附属物点検調査や路面性状調査など大規模な調査が必要なのでしょうか。また、現状ではインフラ資産の安全性はどのように管理されているのでしょうか、具体的にお聞かせください。

 さらに、調査結果を踏まえ、修繕計画を策定していくとなっておりますが、インフラ資産の具体的な修繕はいつまでに完成させるおつもりか、その目標とするところをお聞かせください。

 この項の最後に、財政調整基金からの繰り入れについてお聞きいたします。

 平成26年度予算においては、財政調整基金の年度間調整分からの繰り入れとして14億円あまりが計上されています。この財政調整基金からの繰り入れは、区が設定する基準となる一般財源規模と歳出の一般財源充当事業費の差であると考えられます。つまり、いまだ区が目標とするいわゆる基準となる一般財源規模を14億円あまり超過していることになります。

 そこで伺います。

 この基準を超過している約14億円あまりは、27年度以降、削減に取り組まなければならないと考えますが、いかがでしょうか。必要な区民サービスはしっかりと提供しながら、効果の薄れた事業は徹底的に見直ししていくことが必要と考えます。区長はどのように対応されるおつもりなのか、御見解をお聞かせください。

 次に、指定管理者制度について伺います。

 公の施設の管理を行う方策として従来の管理委託方式にかわって指定管理者制度が取り入れられたのは、平成15年の地方自治法の改正によって管理の代行が可能となりました。以来、10年あまりが過ぎ、中野区でも、かなりの施設がこの方式で管理されております。指定管理者に委ねられた施設の状況を見ると、課題も散見されているようであります。また、この制度の趣旨や望ましい運営方法等に対する理解が必ずしも十分でないようにも見えますので、そこで、この制度の運用を中心に、何点かにわたって伺います。

 まず、確認のために伺いますが、中野区ではいつからこの方式を取り入れられたのか、その狙いや目的、導入の方針はどのようなものなのか、伺います。

 また、現在はどのくらいの施設が指定管理者の手に委ねられているのか、新年度、新たにこの方式に切りかえる予定のものがあれば、それも併せてお示しください。

 指定管理者制度には、民間事業者に公の仕事の一端を委ねるさまざまな工夫がされています。施設の使用許可や料金徴収という本来は行政が行うべきとされている権限の行使が認められていること、条例の範囲内で区の承認を前提に利用料金を多様に決められるようになったこと、また、徴収した利用料金を事業者の収入にできること、経営と雇用の安定を確保するために複数年期間の指定を可能にしたことなどがあります。これは、専門性を持つ事業者に効率的な施設管理を任せる上から欠かせないものと言えます。識者の中ではこうした制度上の利点を生かし切っていないという指摘もあるようですが、中野区ではこれらの利点を生かし切った運営が行われているのか、伺います。

 さらに、指定管理者制度を適用すると全ての業務を民間事業者に任せなければならないという多くの自治体関係者の思い込みによって、最適で効率的な管理運営の実現が阻まれているとの指摘もあります。施設の物理的・技術的管理は指定管理者に一括して委ね、一方、その施設を活用して行われる事業や活動は、場合によっては、直営のままであったり、地域の自主活動を取り込んでみたりと、さまざまな組み合わせによって、施設の設置目的を最大限実現するための最適な方法を探すことが可能だということであります。区ではこれまでこうした発想に立って指定管理者制度の導入を検討したことがあるのか、伺います。

 さらに、指定管理者制度の特徴の一つは、リスク負担の考え方が取り入れられたことだと言われております。その説明に当たって、補修、修繕の経費を自治体と指定管理者とのどちらが分担するのかというような事例が紹介されていることが多いが、最終的には、事故や災害が起きた際に、過失致死傷罪などの刑事責任を誰が負うのかという指摘もあります。直営の場合は事故が起こった際の最終責任は自治体と担当職員が負わなければならないのに対して、指定管理者制度には、自治体と事業者との間で取り交わす協定の内容いかんによって、責任のあり方が変わってくるということであります。中野区ではリスク分担についてどのような考え方や方針で対応してきていたのか、伺います。

 事業者の経営努力や創意工夫を引き出す上からも、事業者が生み出した収益の取り扱いも課題であります。特に株式会社の場合、適正な利益は事業存続の基盤であるし、利益を生まない事業に取り組むことは株主の利益に反するという見方もあります。区ではこの点についてどのように考えているのか、また、掘り下げた検討を行っていくのか、伺います。

 指定管理者の事業実績についても伺います。

 そもそも公の施設の管理運営にとって最も大切なことは、区民の税金で建設、運営されている施設を安全、安心な環境のもと、最大限に活用することだと考えます。そのためにも、事業者の実績に対して、利用者のメリットをより大きくするのに役立つような適正な評価が行われる必要があります。先駆的な試みとして、福祉サービス第三者評価にならったような制度を立ち上げた自治体もあると聞いています。そうした取り組みなども参考にしつつ検討を進めるべきと考えますが、御所見を伺います。

 これまでお尋ねしてきたことからは、区政運営の上で、指定管理者制度を積極的に、かつ有効に生かしていくために欠かせない、区として当然の持つべき統一的な基準の中身になるのではないかと思います。指定管理者制度で運営されている施設では、施設修繕に当たって、50万円以下は指定管理者、50万円以上は区と、50万円という金額を境に行われているところが多いと聞いております。しかし、その役割分担は、施設ごとに異なっております。区でもそうした認識を持って統一した基準やガイドラインを設けるために検討組織を立ち上げているとのことでありますが、残念ながら、その成果がまとまったという報告は受けておりません。文化施設では、ここ数年、毎年のように改修工事を行っております。その工事期間中は、指定管理者に対し、休業補償が支払われております。他の自治体では、指定管理者の切りかえ時に長期休業として大規模改修工事等を行うことで、休業補償といった無駄な支出を省いているところもあると聞いております。区もこのように対応すべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。

 施設も、古くなれば、修繕や大規模改修工事もふえます。施設全体の再配置計画、長期保全計画や長寿命化計画などがないと、不必要な経費もかさむだけです。また、指定管理者の実績だけが先行する現状をただ見ているわけにはいきません。区では今後どのように取り組んでいく考えなのかを、工程を含めてお示しいただきたいと思います。

 新しい制度を積極的に活用することは大事なことでありますけれども、その際には、制度を生かすための工夫や努力が欠かせないと思います。早急な取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、ごみの不法投棄対策について伺います。

 全国的に、テレビや冷蔵庫などのリサイクル家電を中心に、不法投棄がふえています。不法投棄とは、家電等の粗大ごみや家庭ごみ、事業活動に伴って生じたごみなどを不法に山林、河川、道路、公園、他人の土地などに捨てる行為を不法投棄というようです。たばこの吸い殻や空き缶をポイ捨てすることなども、法律の解釈から言えば不法投棄に当たります。不法投棄は、悪質な犯罪であります。廃棄物の処理及び清掃に関する法律により、処罰されます。5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、さらに、法人であれば1億円以下の罰金という重い処罰が科せられます。私の住んでいる地域でも、悪質な不法投棄が後を絶えず、良好な環境が損なわれ、生活環境に影響を及ぼしています。

 そこで、何点か伺います。

 区の公園や道路、ごみ集積所など不法投棄がよく行われる場所では昨年度の1年間に不法投棄がどのくらい発生し、その処分にどの程度の経費がかかっているのか、区として把握している現状を伺います。

 また、不法投棄を未然に防ぐために、現在、環境パトロールや警察署などの関係機関と連携して取り組んでいると思いますが、具体的にどのような取り組みなのか、お答えください。

 さて、千葉市では、環境事業者や町内自治会、廃棄物適正化推進委員が連携して行う監視パトロールのほか、365日、委託業者による監視パトロールを行うなど、特に悪質な事案については、一定期間、当該のごみ集積所付近にとどまって監視を行っているようです。また、不適正排出ごみに対する指導の強化では、環境事業者によるルール違反ごみの調査を拡大するとともに、一部地域では、調査業務を委託して、効率的かつ効果的なごみ分別・排出指導を行っております。また、昨年の6月から、不法投棄が懸念されているごみ収集所を対象に、町内自治会などへ監視カメラやセンサーライトなどの貸し出しを行い、さらに対策強化に取り組んでおります。中野区でも、平成26年度からごみ集積所に監視カメラの設置を検討しているようですが、どのように運用し、今後、不法投棄対策の強化として取り組んでいくのか、伺います。

 次に、地域支えあいと民生委員制度について伺います。

 民生委員さんは、地域住民の身近な相談相手として、生活の中で困っていることや子育て、介護などの福祉に関する悩みについて相談を受け、住民と行政や専門機関をつなぐパイプ役として活動をしています。昨今、中野区でも、高齢化が進み、民生委員さんの相談支援活動範囲も多岐にわたっております。昨年12月1日付で一斉に改選されました。今月の区報にも2回に分けて地区別に民生委員、児童委員の名簿が掲載されておりますが、定員306名に対して、地域によっては、欠員が生じているところもあります。地域を取りまとめている町会、自治会の方々も、民生委員の役割をその活動内容を十分に理解し、適任者を探し出すことが大変困難になっているとも聞いております。

 そこで伺います。

 現状を区としてはどのように考えているのか、また、欠員が生じている地域の対応はどのようにしているのでしょうか、伺います。

 民生委員法により定められ、社会奉仕の精神を持って常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めることを任務とされておりますし、身分としては、地方公務員で、非常勤の特別職ではありますが、無報酬の地域ボランティアであります。行動・活動費として年間10万円程度、月にして9,000円弱の額が支給されていると聞いておりますが、複雑なケースに対応して、結果的に民生委員の方々が自腹を切って対応したという話も聞いております。月に1万円にも満たない活動費では、十分な活動ができないと考えられます。説明のつく活動費については考えてみてはいかがでしょうか、伺います。

 次に、支えあい活動について伺います。

 昨年11月に、地域における見守り・支えあい活動事例集が取りまとめられました。名簿の提供を受けていない町会、自治会も取材されたと聞いております。見守り活動の取り組みを通じて町会として改めて地域の状況をよく確認できたことが大きな成果があったことや、災害時の見守りをどうするかや、何かあったときの親族への連絡先がわからない人がいるなど困ったことや課題も多くあるようでございます。この活動の事例集は、今後の新しく活動を始める団体としても、大変参考になることだと思います。この取材を通じて、区としての考えを伺います。

 また、今後、どのように継続されて行われるのか伺いまして、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。

 26年度予算について、前年度に比べて総額が伸びている、この理由、要因等についてであります。生活保護費などの扶助費の伸びや臨時福祉給付金及び子育て臨時給付金の支給に伴う補助費の臨時的な増加、さらに、防災公園用地の取得、区有施設の耐震改修、すこやか福祉センターの整備など、財源を確保した上で計画的に予算化をしたことなどによりまして、増額になったというものであります。

 収納率の目標達成に向けた取り組みについてということであります。区民税の収納率向上に向けては、今年度も全庁挙げた臨戸徴収強化対策を実施したほか、差し押さえの徹底を図るなど、さまざまな滞納対策を進めているところであります。こうした取り組みによって、平成26年1月末現在の収納率は、現年分でプラス0.5ポイント、滞納繰越分でプラス1.0ポイントと、前年度を上回っております。このため、平成25年度決算見込みでは目標としている数値をほぼ達成できる見込みであり、滞納対策の効果は徐々にあらわれつつある状況となっております。収納率向上対策の最終年度となる平成26年度の目標達成に向けては、新たに督促状や催告状の送付直後に開封を促すはがきを送付するほか、他区でも効果を上げている勤務先への連絡や給与の差し押さえなどの取り組みを徹底しながら、滞納対策を強化し、目標達成に向けてさらなる努力を重ねてまいりたいと考えております。

 区民税、たばこ税の税負担構造の変化についてであります。平成26年度予算における納税義務者数は、平成25年度の決算見込みと比べ、約1,300人程度ふえると想定をしております。これは、区内人口のうち主に40歳から50歳前半の層が増加傾向にあることが要因であります。昨今の区内における新築マンションや戸建て分譲住宅等への転入が一因であろうかと考えております。一方、たばこ税につきましてですが、売り渡し本数は毎年減少傾向にありますが、これは、全国的な販売本数との比較においては、中野区の減少幅は小さいものとなっております。これは、区内における昼間人口の増加が一因ではないかと分析をしております。

 特別区交付金の増の要因についてであります。特別区交付金の財源であります固定資産税及び市町村民税法人分について、いずれも伸びを見込んでおりまして、23区全体の交付金総額が前年度比較で約698億円、7.7%増の9,811億7,000万円となっております。これをもとに、特別区交付金は、都市計画事業の進展による財産費の増加分を加え、前年度比較で25億2,000万円、8.1%増の337億円を見込んだことによるものであります。

 新たな職員定数の考え方についてであります。本定例会で、2,000人体制にかわる新たな職員定数の考え方をお示ししたいと考えております。その中には、まちづくりの進捗などの長期的な視点を持った採用計画や少数精鋭の組織を成り立たせるための人材育成、組織と職員配置のあり方などについて、基本的な考え方を盛り込んでまいります。

 生活保護における自立支援対策の効果、この効果額についてであります。就労支援対策では、平成24年度から本年1月までの期間に340人の被保護者の就職が実現して、3,700万円程度の扶助費削減効果がありました。平成26年度は、この取り組みに加えて、すぐには就職に結びつかない対象者に対して、就業訓練を含めた意欲喚起や就職後の定着支援などを行うことによって就職決定者をふやし、さらに1,700万円程度の削減を図りたいと考えております。また、24年度から始めましたジェネリック医薬品の利用促進の取り組み、これでは、2年間でおよそ1,000万円の削減効果があったと見込んでおります。26年度には、さらにきめ細かな指導助言を行うことによりまして、単年度で900万円程度の効果を上げたいと考えております。なお、財産管理支援プログラムにつきましては、住宅費の振り込みなど被保護者本人による家計管理が難しくなった方への代行支援策であり、扶助費抑制を直接の目的としたものとはなっておりません。今後も被保護者の早期自立と保護の適正化に努め、扶助費の抑制を図ってまいりたいと考えております。

 子育て臨時給付金及び臨時福祉給付金についてであります。具体的なスケジュールについては現在鋭意検討を行っているところでありますが、区民への広報につきましては、区報やケーブルテレビなどを使って、詐欺行為、これも心配されているところですので、詐欺行為への注意喚起なども含め、4月から行っていく予定であります。また、児童手当の現況届や住民税の当初賦課決定の時期であります6月以降に速やかに対象となる可能性のある方へ申請書を送付して、受け付けを開始する予定であります。申請受け付け後、審査終了分について、これは、できるだけ早く支給できるよう準備を進めているところであります。

 道路附属物点検調査や路面性状調査の必要性についてであります。平成24年に起きました笹子トンネル天井板落下事故をきっかけに、道路やその附属施設の安全性の問題がクローズアップされたところです。このため、現在、国の通知に基づいて、道路施設の点検調査を道路ストック総点検として進めているところであります。区におきましても、高度経済成長期に整備した道路は30年以上経過し、総点検が急務の課題となっていることから、大規模な調査を実施するものであります。道路やその附属施設等のインフラ資産につきましては、日常の道路パトロールや定期点検等により、安全性の確保、これは行っておりますので、御理解いただきたいと思います。

 インフラ資産の修繕完了時期という御質問がありました。具体的な修繕の時期については、道路附属物点検調査や路面性状調査の結果を踏まえて、修繕計画の中でそれぞれお示しをするわけであります。修繕計画策定後には、その計画に基づいてそれぞれのインフラ資産の修繕サイクルによって修繕を実施していくことになります。長期間にわたって最適なサイクルで修繕を行って、それをサイクルとして動かしていくということになりますので、いつ完了というわけではなくて、適切に修繕を繰り返していく、こういったようなことになると考えております。

 それから、基準となる一般財源規模を超える歳出への対応ということであります。今後も基準となる一般財源規模をベースに、厳格な財政規律を保持しながら持続可能な財政運営を行っていくことが重要である、こう考えているところであります。そのためには、区政運営のPDCAサイクルをしっかりと機能させ、事業内容や経費の徹底した見直しのほか、財源の確保や負担の公平化、職員数など引き続き全ての事業について検証、見直しを行いながら、歳出について、基準となる一般財源規模を平成30年度までにほぼ達成できるよう取り組みを進めていくこととしているところであります。

 それから、指定管理者制度についての御質問です。指定管理者制度の導入方針であります。中野区では、区立施設の管理運営について、民間のノウハウを活用することによって効率的かつ効果的にサービスの向上を図ることを目的として、平成16年4月から指定管理者制度を導入しております。指定管理者制度の導入施設でありますが、現在、中野区の施設の中で同制度を導入しているのは、スポーツ施設や文化施設、保育園や障害者福祉施設などが33施設、区営住宅や福祉住宅などが33棟であります。平成26年度から導入する予定の施設は、産業振興センター、療育センター「アポロ園」、重度重複障害児通所支援施設、知的発達等障害児通所支援施設、弥生福祉作業所、(仮称)中部地域スポーツ施設の6施設となっております。

 指定管理者制度の利点を生かした運営についてであります。指定管理者制度の運営に当たっては、それぞれの施設の特性に合わせて指定管理者に施設の使用許可を行わせているほか、施設の利用料金を指定管理者の収入として収受させ、施設の管理運営にかかわる経費に充てることや、施設の特性に応じて指定期間を3年から10年の間で指定し、安定した経営を確保するなど、制度のメリットを十分生かした運営を行うよう努めているところであります。

 指定管理者の業務の範囲について一考を要するのではないか、こういったようなことでありました。従来指定管理を行うに当たっては、施設を一括して管理運営させることが最も効率的、効果的であるとの判断に基づいて行ってきました。しかし、施設によっては、一部直営であったり、住民の自主活動に委ねることなども可能であり、そうすることがより効率的、効果的であると認められる場合には、実現に向けて検討していきたいと考えております。

 それから、区と指定管理者のリスク分担についてであります。指定管理者の管理に落ち度があったため利用者に損害が生じた場合には、民法に基づく損害賠償請求を指定管理者に対して行うことができます。施設の設置管理について、通常有すべき安全性が欠けていたことが原因で利用者に損害が生じた場合や、指定管理業務の執行に当たっての指定管理者の行為が原因で利用者に損害が生じた場合には、施設の設置者として、区は、国家賠償法に基づく賠償責任を負うことになります。区が国家賠償法に基づく損害賠償を行った場合に、指定管理者にその責任がある場合は、区が指定管理者に対して求償をすることができるということであります。

 それから、指定管理者の適正な利益、マージンについてであります。指定管理者が経営努力や創意工夫によって生み出すマージンは、指定管理者がより効率的、効果的に業務を行い、積極的にサービスの質と量を向上させていくためのインセンティブになるものと考えております。指定管理料の積算については、選定に当たって金額の提案を求めて、それに基づいて行っているものであります。その金額に適正なマージンが含まれているというふうに考えております。

 指定管理者の評価についてです。指定管理者制度における評価の仕組みは、指定管理者がPDCAサイクルにより、業務の効率化やサービスの質と量の向上、利用者に対する透明性の向上などを図っていく上で有効なものと考えております。現状でも福祉サービス第三者評価を受けている指定管理者もありますが、統一的な評価の仕組みや考え方について検討したいと考えております。

 それから、指定管理者施設の修繕についてであります。大規模修繕については区が行い、日常的な施設管理運営の中で起こる小破修繕については指定管理者が対応することとしております。この大規模と小破修繕の境目についてですが、施設の規模や特性などによって適正な金額の判定が難しいことから、統一的な基準額を定めるには至っていないということであります。

 それから、指定管理施設を長期間利用できなくなるような大規模な工事等を行う場合には、工事の時期と指定期間を長期的に見定め、計画的に実施することによって、休業補償を支払う必要、こうしたことが生じないようにできないか、これは検討してまいりたいと思っております。

 それから、施設の再配置計画等についてであります。今後の行財政運営に当たっては、施設の長期保全計画が欠かせないものになるため、区有施設の現状について整理し、中長期的な視点から、施設の長寿命化や施設の再配置等、区有施設全体についてのあり方をできる限り早く検討してまいりたいと思っております。

 それから、ごみの不法投棄についての御質問がありました。ごみの不法投棄の件数と経費、防止対策、監視カメラの運用などについてであります。平成24年度に区が対応した不法投棄ごみは、道路で494件、公園では531件、ごみ集積所では3,534件ありました。また、この処分にかかった経費は、道路、公園全体では、撤去作業及び処分委託費の合計で1,100万円ほどでありました。また、ごみ集積所では、テレビなどの特定の処理が必要なものが499件あり、150万円ほどの処理費用を要しました。

 不法投棄を防止する対策としては、道路、公園では、不法投棄された場所への巡回パトロール、不法投棄が多い場所には警告表示版を設置するなどを行っております。ごみ集積所では、不法投棄ごみへの警告シールの貼付、警告看板の取りつけ、職員による巡回指導などを行っております。また、特に悪質な場合、警察署へ通報し、不法投棄の未然防止に取り組んでいるところであります。

 監視カメラにつきましては、26年度に20台購入をして、不適正排出や不法投棄を抑止するため、継続的指導を行っても改善の難しい集積所に一定期間取りつけ、排出状況の改善に伴い順次移設するなど、適正排出への誘導のために活用してまいりたい、このように考えております。

 私からは以上です。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、地域支えあいと民生委員制度に関連いたします御質問にお答えいたします。

 まず、民生委員の欠員等についての御質問でございますが、高齢化がさらに進む中で、民生委員の役割というものがますます重要になってきていると受けとめてございます。昨年12月1日の一斉改選におきましては、町会、自治会の御協力によりまして、適任の方を推薦することができてございます。また、本年2月1日現在でございますが、定員306名中21名の欠員が生じてございます。既に民生・児童委員推薦会を開催いたしまして、一斉改選後の欠員の補充にも努めているところでございます。欠員が生じている地域への対応でございますが、地区民生・児童委員協議会会長、または、隣接する地区を担当する民生委員の方々によりまして、相談等の対応をしているところでございます。

 次に民生委員の活動費についてのお尋ねでございました。民生委員法によりまして、民生委員は無報酬と位置付けられてございます。ただ、交通費等の活動の実費につきましては、東京都要綱の基準とほぼ同等の額を支給してございます。都の要綱に準じて現在支給しているところでございますが、今後、民生委員の方々から活動の実態など御意見を伺いながら、必要であれば検討していきたいと考えております。

 最後に、地域における見守り・支えあい活動事例集に関してでございます。地域での支えあい活動は、町会、自治会をはじめといたしまして、主体的に取り組んでいただいてございます。他の団体の取り組みを知ることはとても有意義であると認識してございます。今後、地域での事例発表会の開催をはじめ事例集も適宜追加、また、更新などを重ねながら、新たな取り組みや継続した活動の成果などを紹介することで、地域における見守り・支えあい活動をさらに推進していきたいと考えております。

○副議長(やながわ妙子) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 木 村 広 一

 1 地域包括ケアシステムについて

 2 介護と仕事の両立について

 3 レセプトの活用について

 4 通学路安全点検について

 5 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、木村広一議員。

〔木村広一議員登壇〕

○3番(木村広一) 平成26年第1回定例会におきまして、公明党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告のとおりで、最後のその他で(仮称)本町二丁目公園について伺います。

 初めに、地域包括ケアシステムについて伺います。

 地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、高齢者が認知症や重度の要介護状態になっても可能な限り住みなれた地域で暮らせるよう、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援を一体で支える体制のことです。政府は、平成27年度に策定される第6期介護保険事業計画においては、在宅医療介護連携等の取り組みを本格化していくものとし、2025年までのサービス、給付、保険料の水準も推計、記載することとし、中長期的な視野に立った施策の展開を図ることを求めています。

 そこで伺います。

 中野区の現在の高齢化の状況と2025年の人口構成、高齢化率、後期高齢者の比率、また、介護サービスを受ける比率をどのように推定しているか、伺います。

 次に、医療、介護の連携について伺います。

 地域包括ケアシステムの最大のポイントは、医療と介護の連携にあります。入院から在宅への移行、在宅しながらの治療、そして、看取りまでを含め、切れ目なくサービスと情報がスムーズに連携がとれることにより、住みなれた地域での人生の最期までの生活が可能となります。中野区においては、個々の介護サービスに必要な医療との連携はありますが、施策として医療と介護の連携がとれているとは言えない状況です。他区では、医療と介護の連携を目的とした定期的な会議の設置、また、介護医療連携共通シート導入など具体的な連携を進めています。

 そこで伺います。

 区は、今後の医療と介護の連携をどのように考えているのでしょうか。また、第6次介護保険事業計画においては、定期的な会議の設置、介護医療連携共通シート導入など具体的な医療と介護の連携を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、日常生活圏域ニーズ調査について伺います。

 地域包括ケアシステム構築に当たり、介護事業計画策定のための介護ニーズ調査など、地域の実態を把握することは最も重要です。計画策定に必要な高齢福祉・介護保険サービス意向調査は3年ごとに行われ、来年度に実施予定となっております。前回の平成23年の意向調査は、潜在的な介護者の推計を主眼とし、主に介護ニーズの量の掌握を目的としていました。一方で、地域包括ケアシステム構築には、介護の量的分析のみならず、質的な分析とともに、地域の課題と地域資源の発掘が必要となってきます。

 そこで伺います。

 毎年行われる保健福祉に関する意識調査も活用しながら、医療と介護の連携に特化した項目、また、クロス集計を活用した地域ごとの課題の摘出など、医療や地域を意識した意向調査、意識調査を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、地域資源の発掘として、地域包括支援センター、社会福祉協議会などから情報をまとめるなど、NPO、ボランティアなどのインフォーマルサービスの担い手を掌握すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 最後に、地域包括ケアシステムを支える担い手について伺います。

 区が策定する「(仮称)ライフサポート関連産業振興プログラム」と地域包括ケアシステムとの連携について伺います。

 現在、中野区産業振興審議会ライフサポート部会では、プログラムに盛り込むべき事項について審議されています。ライフサポート部会では、中野区として優先的、重点的に取り組む領域、分野を考え、その領域におけるサービスなどをビジネス化することが検討されています。ライフサポート関連産業における現状、課題、ニーズなどの調査によれば、高齢者を対象とした「日常生活支援」、「生きがい・社会参加」、「安全・安心」、「健康・介護予防」の領域は、十分に区内のニーズがあり、ビジネスモデルとして成り立つのではないかと考えます。今後、地域包括ケアシステムの担い手としてライフサポートビジネスは十分可能性があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、単身世帯などが増加し、軽度の支援を必要とする高齢者が増加する中で、多様な生活支援サービスを提供することが必要です。その担い手の一つとして、元気な高齢者の社会参加が重要となってきます。これは、支える側の増加になりますが、高齢者の介護予防、生きがいづくりや孤立化の阻止にもつながります。今後、そういった活動をさらに増加するために、介護保険の地域支援事業として、制度的にボランティア活動のコーディネーターの配置、ボランティア活動費を補助するなど、さまざまな支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺い、この項の質問を終わります。

 次に、介護と仕事の両立について伺います。

 近年、家族の介護や看護のために離職する介護離職が問題となっています。総務省が昨年7月に発表した就業構造基本調査によると、介護離職を余儀なくされる人は毎年10万人に上っていると見られ、40歳から50歳前後の働き世代の介護離職が増加しています。

 介護離職の問題として、離職により収入が途絶え、さらに介護費用の負担が重なるなど経済的に追い込まれるケースも少なくありません。介護離職は、働く側だけでなく、管理職の世代を失うなど企業にとっても大きな損失となり、雇用保険や年金などの社会保障制度にも影響が及ぶことが懸念されています。

 こういった中、両立支援やワーク・ライフ・バランスの取り組みの中で、企業の関心は、子育てから介護へと広がってきています。

 そこで伺います。

 中野区におけるワーク・ライフ・バランスはこれまで子育て対策が主流でしたが、介護離職が問題になりつつある中で、介護と仕事の両立支援をより強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 区のワーク・ライフ・バランスの取り組みの一つとして、ホームページによる区内事業者の両立支援の取り組み事例の紹介が挙げられます。しかしながら、事例紹介は、24年は5回でしたが、25年度以降は1回と、そのほとんどが子育て支援でもありますし、また、区内事業に限定した事例紹介ですと、内容的にも、回数的にも限界があると感じます。東京都では、ワーク・ライフ・バランスの推進事例を紹介していますが、ある企業では、介護と仕事の社内調査をし、その深刻な状況を受け、社内でセミナーの開催、待遇改善、相談窓口設置など具体的な取り組みが行われています。介護と仕事の両立の取り組みはまだ少ないと思われるため、中野区の事例にこだわることなく、区外を含めた効果的な事例を紹介してはいかがでしょうか、伺います。

 介護と仕事の両立に関して、相談窓口や対策方法などを紙媒体で紹介しているようですが、より効果があると思われるホームページでは紹介されていません。東京都では、介護を含むワーク・ライフ・バランス推進の無料専門家派遣事業、その推進のための企業への助成金、生活のための融資制度、相談窓口事業などを実施しています。介護と仕事の両立に関して区のホームページですぐに検索、アクセスできるようにページを構成し、東京都の事業をわかりやすく紹介してはいかがでしょうか。また、先ほど区のライフサポートビジネス振興において、介護にかかわる支援も可能と思いますが、そういった区の支援情報も併せて紹介してはいかがでしょうか、伺います。

 次に、「まず隗より始めよ」のとおり、区職員の介護と仕事の両立について伺います。

 区職員の介護を理由とした休暇取得は、有給休暇も活用しているとは思いますが、平成24年度では2,168人職員がいる中で、介護のための休暇をとった人が4%弱であり、2,000人体制に向け平均年齢が上がっている状況で、介護に必要な休暇がとれているのか、疑問が残る数字です。潜在的に介護に悩む職員は少なくないと思われ、実際に介護離職した職員もいると伺っています。

 そこで伺います。

 介護に関する不安や実態を掌握するために、全庁的にアンケートを実施してはいかがでしょうか、伺います。

 また、より休暇制度を利用しやすくするためには、意識改革、職場の雰囲気づくりが必要です。特に管理職以上が重要と思いますが、職員に介護と仕事の認識を深めるため、セミナーの開催などさまざまな機会を検討してはいかがでしょうか。また、個別の介護に関する相談に対応するために、相談体制の構築を検討してはいかがでしょうか、伺い、この項の質問を終わります。

 次に、レセプトの活用について伺います。

 昨年6月に閣議決定された日本再興戦略において、「国民の健康寿命の延伸」というテーマの中で、予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとして、データヘルス計画の策定が盛り込まれています。このレセプトデータを分析、整理するいわゆる「レセプトの見える化」を進めることにより、さまざまな医療費適正化への施策が可能となります。

 荒川区では、レセプトデータ活用を業務委託し、医療費分析、糖尿病重症化予防、ジェネリック医薬品差額通知書発送を行いました。この事業は、費用対効果の見える保健事業として、医療費の適正化を目指しています。この荒川区の事業規模は、中野で既に実施している差額通知事業を除き、約1,200万円となり、都の調整交付金など約600万円の補助を受けているそうです。その補助金は被保険者数に応じているため、中野区の場合は、上限が約800万円になります。補助金が活用でき、費用対効果が望める事業でもありますので、中野区においても医療費適正化のため、積極的にレセプト活用をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、KDB、国保データベースシステムについて伺います。

 KDBシステムとは、国保連合会が管理するレセプトを含む給付情報から統計情報を作成するとともに、保険者からの委託を受けて、個人の健康に関するデータを作成するシステムです。それにより、医療・介護関連情報の「見える化」を推進し、それぞれの地域の課題を明確にし、効果的な保健事業の実施、見直しを可能にし、地域の特性に合った地域包括ケアシステムの構築にも活用が期待されています。区では、KDBシステムの活用をどのように考えているのか、伺います。

 最後に、健康保険協会との連携について伺います。

 協会けんぽの東京支部が中野セントラルパークサウスに事務所を移転しました。協会けんぽでは、世田谷区と葛飾区との覚書を交わし、区に対して区内に在住する加入者の健康状況の把握や情報の提供を行っているとのことです。区では、その情報を活用し、区民の健康づくりの促進に取り組むとともに、健保加入者の被扶養者を対象とした特定健診を支援しています。中野区の事業者はほとんどが中小企業であり、加入者は約3万人と言われています。

 そこで伺います。

 中野区においても、協会けんぽと連携し、情報共有や区の健康施策の活用アピールなどを検討してはいかがでしょうか、伺い、この項の質問を終わります。

 次に、通学路安全点検について伺います。

 教育委員会は、昨年度、小学校、PTA、警察署、道路管理者が合同で区立小学校25校の危険箇所の現地点検、いわゆる通学路合同点検を実施しました。その点検では、355カ所の危険箇所が抽出され、382件のハード面での対策メニューを作成しました。そのうち区が所管する対策は276件、警察署が85件、三建が21件であり、区の対策として、昨年度約2,500万円の補正予算を組んで迅速に対応いたしました。警察署、三建の対策は、土木工事などで予算を組み、今年度対応する対策もあったと伺っています。

 そこで伺います。

 警察署、三建を含め、大規模な工事や協議、調整に時間を要するとしていた箇所の進捗状況はどうなっているのでしょうか、伺います。

 また、対策案は学校ごとに全てホームページで公表していますが、区としても迅速に補正を組んで実施した事業でもありますので、合同点検の対策結果を最終的に区民に公表すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、今後の合同点検について伺います。

 文部科学省は、昨年12月6日、国土交通省、警察庁と連携し、通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取り組みの推進について関係機関に通知をしました。その通知では、昨年8月時点での状況を調査した通学路合同点検に関するアンケートの結果を発表しました。今年度の点検の結果は、実施または予定ありの学校が全国で約65%になっています。アンケートには、今後の定期的な合同点検に関する計画の策定状況についての質問もあり、例えば隣接区では、新宿区、練馬区、豊島区は既に計画を作成済み、板橋区は作成予定と回答しています。しかし、中野区は、平成25年度の合同点検は未実施、計画は策定しないと回答しています。そういった状況を受け、文部科学省は、推進体制の構築のため、「合同点検の実施方針」、「通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針」の二つの策定、その地域への公表を促しています。

 そこで伺います。

 教育委員会も、「合同点検の実施方針」、「通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針」を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、土曜日の通学路の安全確保について伺います。

 中野区では、全区立小学校が第2土曜日に学校開放を中心として授業が行われております。しかし、通学路のスクールゾーンの交通規制は平日のみとなっており、土曜日は車両が進入してきます。月1回の土曜日の通学では、車両も、土曜日に生徒が通学しているという認識はほとんどありません。私の家の前も交通規制が行われ、土曜日には地元の方がボランティアで注意を呼びかけますが、規制がない状態なので、よく言い争いになると言っていました。

 そこで伺います。

 土曜授業への通学について、通学路の考え方は平日と同様の考え方でしょうか。同様の考え方であるならば、平日と同じ安全確保のための対策を講じることは教育委員会の責務と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、教育委員会では、第2土曜日の通学路の交通規制を、先月、中野警察署、野方警察署に要望しましたが、規制実現の見通しが立っていません。現在、土曜授業は23区全てで行われており、東京都全体の問題でもありますので、都教育委員会に強く要望すべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、地域の方や車両使用の方などに、中野区では第2土曜日は通学の日ということを認識してもらうことも必要です。小学校関係者でなければほとんど認識されておりません。学校ごとでの地域へのさまざまな告知はもちろんですが、区報やホームページでの定期的なお知らせ、また、区のツイッターで前日にお知らせをするなど、区全体としての告知を検討してはいかがでしょうか、伺い、この項の質問を終わります。

 最後に、(仮称)本町二丁目公園について伺います。

 先日の2月13日に行われた区長記者会見で、(仮称)本町二丁目公園、(仮称)本町五丁目公園の今後の予定が発表されました。その予定から見ますと、(仮称)本町二丁目公園は平成27年度以降は暫定利用の閉鎖、また、(仮称)本町五丁目公園は平成26年度に暫定利用閉鎖となっており、平成27年度に(仮称)本町五丁目公園が開設するまでは、平成27年度中に両公園の閉鎖期間が重なる可能性があります。両公園は、徒歩で10分かからず、一方が閉鎖されていれば、もう一方を利用する可能性が高い位置にあります。本町地域は、町別では区内で最も人口が多く、弥生町からの利用者もあり、両公園が同時に閉鎖された場合、地域での公園事情は著しく悪化します。現在の計画は年度の予定を示したものであり、具体的に計画を立てる段階で両公園の封鎖期間が重ならないようにすべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺い、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 木村議員の御質問にお答えいたします。

 地域包括ケアシステムについての御質問であります。安心して住み続けられる地域をつくっていくという上で、この地域包括ケアシステム、大変大事なキーワードになってきている、そういった認識を持っております。

 介護保険事業計画における将来推計についてであります。本年1月現在での高齢化率は20.6%でありますが、このうち過半が後期高齢者でありまして、後期高齢者比率は、10.4%となっております。介護保険サービスの利用率、これは、前期の高齢者では4.4%ですが、後期高齢者では、3分の1がサービスを利用しているという状況にあります。国の推計では、2025年には、都内の後期高齢者数が2010年度比で1.6倍となるとされております。区として持っております将来推計、これは、今後計画を策定する中では改めて精査をいたしますけれども、現在の持っている推計の中では、1.35倍程度になるだろう、こんなふうに推計をしているところであります。

 地域包括ケアシステムの最大のポイント、医療、介護の連携であるという御質問であります。誰もが住みなれた地域で暮らすためには、医療の問題は欠かせないわけであります。現在、医師会や介護事業者などの協力を得て、在宅療養推進協議会を設置し、その中で、介護医療連携シートなど在宅療養者に対する連携した支援のための具体策についても検討を行っているところであります。次期介護保険事業計画の策定に当たっては、在宅療養にかかわる実態や課題の把握、情報共有、また、関係者のネットワークのあり方などの検討を進め、地域包括ケアシステムの体制づくりを進めていきたいと考えております。

 ニーズ調査についてであります。介護保険事業計画策定のために実施するニーズ調査では、地域包括ケアシステムの構築の視点など今後の課題を踏まえて調査内容を工夫して実施したい、こう考えております。また、介護保険サービス以外のインフォーマルサービスや幅広くライフサポートビジネスの現状など地域の社会資源を把握していくことも今後の課題として認識をしているところでありまして、その手法について検討していきたいと考えております。

 ライフサポートビジネスの関連についてであります。少子高齢化の進展等に伴って、日常生活や健康面などの不安や不便などを解消したいといったニーズの拡大、多様化が見込まれております。ライフサポート関連産業は、こうしたニーズに応えて、介護、福祉、医療をはじめ安心、見守りや代行、送迎などのサービスを提供する産業として、昨年度に策定した産業振興ビジョンにおいて重点的に進行していくこととしたものであります。ニーズに応じたサービスの選択肢をふやし、供給量を満たしていくためには、公共セクターやコミュニティなどに加えて、民間セクターがその役割を広げ、それぞれが有機的に連携していくことが必要であります。この点から、ライフサポートビジネスを展開する民間事業者も地域包括ケアシステムの一翼を担う存在であると考えております。

 元気な高齢者のボランティア活動についてであります。介護や生活支援などさまざまなボランティア活動の場面で高齢者自身が地域社会に参加し、貢献できることの重要性は、区としても認識をしております。これまでも、生涯大学の取り組みや社会福祉協議会への支援、公益活動助成など積極的に推進を図っているところであります。なお、生活支援や介護予防のためのコーディネーターのあり方については、介護保険における地域支援事業の今後のあり方検討の中で考えていきたいと考えております。

 介護と仕事の両立についての御質問がありました。介護と仕事の両立への支援の強化についてであります。介護施設への入所が難しい中、仕事と介護の両立のためには、通所を中心に、訪問や泊まりを組み合わせる小規模多機能居宅介護サービスや24時間対応の定期巡回随時対応型サービスなど高齢者の在宅生活を支えるサービスを個々の状況に応じて適切に利用することが必要であると考えておりまして、区としてその普及に努めていきたいと考えております。一方で、職場における介護できる環境づくりも大切であります。介護休業や介護休暇がしっかりと取得できる状況をつくっていかなければならない、このように考えております。このため、区では、中野区男女共同参画センターが発行しております情報誌「アンサンブル」において介護を抱える方の生き方をテーマにした内容を掲載しているほか、商工会議所を通じて企業への参加を呼びかけ、仕事や生活との両立についての講座を開催しているところであります。今後も相談支援が行える状況を整備するとともに、ワーク・ライフ・バランスにかかわるさまざまな情報を提供していきたいと考えております。

 企業の取り組みへの支援についてであります。ワーク・ライフ・バランスの推進に当たっては、各企業の理解、主体的な取り組みが必要であり、取り組み方の参考となるよう、区内事業者の取り組み事例についてホームページに掲載をして、啓発を図ってきたところであります。区内の優良事例の掘り起こしが難しい状況にある、これは御質問のとおりでもあります。今後は、区外の優良な取り組みについても積極的に掲載をして、情報提供を進めたい、このように思っております。

 また、東京都の取り組みの情報提供についてであります。情報が区内の事業者全体に行き届くようホームページへの掲載方法を工夫するとともに、東京都の支援制度や介護に係る支援サービスの情報を紹介するなど内容の充実を図ってまいりたいと考えております。

 それから、職員の家族介護についての御質問がありました。実態把握のための職員アンケートを実施してはどうか、こういうことであります。定期的に職員は管理職が面接を行っております。そうした面接の中で、さまざまな生活上の、仕事と生活のかかわりといったようなことについても聞き取りを行っているところであります。そうした内容から、アンケートよりも、もう少し具体的に、かつ詳しく状況を把握しているもの、このように理解をしております。それで、介護を必要とする家族がいる職員につきましては、介護休暇制度があって、職員に周知を行っております。短期の休暇を利用するのか、あるいは長期の休暇を選択するのか、これは、職員個人の判断となります。

 また、セミナー、相談等でありますが、特別区職員互助組合では、介護講座を職員向けに年間6回開催しております。その中で、介護保険制度やサービスの利用法等についても情報提供を行っております。また、特別区職員相談室が専門機関に委託して実施している24時間電話健康相談サービスでも、介護に関する相談を受けることが可能となっております。こうしたことについての一層の周知も進めてまいりたいと思います。

 それから、レセプトの活用についてという御質問がありました。区民の健康づくりの政策を進めていく上で、このレセプトデータの活用、これもまた大変重要なことになってくるというふうに思っております。国民健康保険のレセプト情報を活用した医療費の適正化に関する取り組みとしては、平成25年度よりジェネリック医薬品の差額通知事業を開始しております。今後は、荒川区の取り組みなども参考にしながら、生活習慣病予防などの視点から、レセプト情報の活用について積極的に検討していきたいと考えております。

 それから、国保データベースシステムは、平成27年度からの本稼働と聞いております。国民健康保険団体連合会への費用負担額やシステム機能の詳細がまだ示されておりません。現在のところ、この開発の動向を注視しております。

 全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽの東京支部における区内加入者数、それから、国民健康保険、それから、後期高齢者医療、これらは区が所管しておりますが、この被保険者数を合計すると、区民の半数を超える規模となります。このため、協会けんぽ東京支部と区が連携することにより、区民の健康情報のより正確な把握や健康施策の効果的な推進などが可能になると考えられます。今後、区といたしましても、世田谷区や葛飾区の例を参考にしながら、連携協力を進める方向で検討してまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 通学路安全点検についての御質問にお答えいたします。

 改善結果の公表についてです。平成24年度に実施した通学路緊急合同点検では、交通管理者、道路管理者、教育委員会事務局、小学校、PTAが協議調整し、264カ所の対策箇所について、382件の対策案を取りまとめました。このうち264カ所の対策箇所のうち平成25年度末までに対策が完了する範囲は、254カ所となってございます。残る10カ所につきましても、26年度に6カ所、27年度以降に4カ所の対策を行う予定でございます。御質問にもございましたように、現在、学校ごとの対策箇所は区ホームページで掲載をしているところでございます。今後の改善結果につきまして、適宜公表していく考えでございます。

 今後の安全点検の実施方針についてです。昨年度の合同点検は、国から警察署、区教育委員会、道路管理者等に一斉に合同点検を行うよう依頼があり、実施したものでございます。今後、学校、PTAから通学路点検の実施要望があった場合には、教育委員会事務局が中心となって、警察署等と調整をして点検を行っていく考えです。通学路の安全点検につきましては、文部省発行の通学路の設定と安全確保に示されている基準のもとに行ってまいります。

 授業日である第2土曜日の通学路の安全対策についてです。区立小・中学校では、平成23年度から毎月第2土曜日に授業を行ってございます。通学路を通る児童の安全確保対策につきましては、昨年7月に制定した「中野区立小学校の通学路の設定に関する基準」に基づきまして、教育委員会と各小学校が保護者や関係機関と連絡を図りながら安全点検に向けた取り組みを行うこととしてございます。

 土曜日の交通規制についてです。現在授業日としている第2土曜日の交通規制につきましては、昨年から、中野警察署、野方警察署と相談し、交通規制の実施を要請してきているところでございます。その結果を踏まえ、今後の対応を検討していきたいというふうに考えております。

 それから、第2土曜日の通学路の安全確保の告知です。第2土曜日の授業日における児童・生徒の安全確保を呼びかけるために、これまでも、教育だよりやホームページでお知らせをしているところです。今後、ツイッターやフェイスブックなどを含め、効果的な方法について検討していきたいというふうに考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、(仮称)本町二丁目公園についての御質問にお答えいたします。

 公園の本格整備により公園予定地を閉鎖することは、工事を安全に進めるために必要なことでございます。(仮称)本町二丁目公園予定地において、基本計画や設計等に先立ち地下埋設物調査や地盤改良工事などを実施する場合には、当該予定地の閉鎖期間と(仮称)本町五丁目公園予定地の閉鎖期間が一時的に重なることもあると思いますが、計画段階で配慮してまいりたいと考えております。

○副議長(やながわ妙子) 以上で木村広一議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時19分延会