平成15年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)

1.平成15年(2003年)11月27日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  伸       12番  きたごう  秀  文
 13番  高  橋  ちあき        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       25番  岡  本  いさお 
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる 
 42番  池  田  一  雄

1.欠席議員
      な  し

1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  金 野   晃      政策担当課長   鈴 木 由美子
 総 務 部 長  石 神 正 義      総 務 課 長  田 辺 裕 子
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      地域センター部長 柳 澤 一 平
 環 境 部 長  寺 部 守 芳      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり調整担当部長 那須井 幸 一   教育委員会事務局次長 山 下 清 超
 選挙管理委員会委員長
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)11月27日午後1時開議)
日程第1 第58号議案 中野区組織条例の一部を改正する条例

      午後1時02分開議
議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 平 島 好 人
 1 NPOに対する区の考え方について
 2 道路交通対策について
  (1)放置自転車対策の今後について
  (2)「自転車運転に関する問題」について
  (3)その他
 3 学習環境衛生検査について
 4 SARS対策関連について
 5 IT推進の現状について
 6 その他

議長(山崎芳夫) 最初に、平島好人議員。
      〔平島好人議員登壇〕
16番(平島好人) 平成15年第4回定例会におきまして、一般質問をさせていただきます。
 通告順に従いましてお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、NPOに対する区の考え方についてからお伺いいたします。
 御存じのとおり、NPOとは、ノン・プロフィット・オーガニゼーション、直訳しますと非営利組織ですが、民間公益組織とも民間非営利組織とも訳され、利潤追求や利益配分を行わず、自主的・自発的に活動する営利を目的としない組織・団体の総称であります。ボランティアグループや団体、市民団体、社団法人、財団法人、社会福祉法人など公益法人の一部や、協同組合までも含むという概念、時として非営利の活動を行う営利法人をも含む民間の立場で社会的なサービスを提供したり、社会問題を解決するために活動する団体としても解釈すると聞き及んでおります。
 このように、諸外国を含め、日本におけるNPOの価値観については、さまざまな考え方がございます。私たちの社会におきましては、その認識についてまちまちであるように思うことがしばしばあります。現状におきましては、その数や活動実態がなかなか把握できない理由として、「NPO」という言葉の示す範囲の認識が人により異なり、活動分野、法人種別、団体の財政規模などNPOを示す指標がさまざまである上、多くのNPOは法人格を持たない任意団体として活動しているケースが多いということも考えられます。さきに挙げた社団法人、財団法人、社会福祉法人も民間のスタンスで活動しておれば、NPOとして考えられるなど判断が難しいとも言えます。
 2000年11月現在、経済企画庁、現内閣府の調査によりますと、市民活動団体、これはNPO法人と任意団体の総称でありますが、全国で約8万8,000団体あると発表され、NPOの一部であるNPO法人だけでも、毎月約100数十団体がNPO団体として認証されております。この中野区におきましても、100を超えるとのお話が先日の質問の中でもありました。また、活動の範囲も、特定の地域に限定したものから、全国、海外に及ぶものまでございます。さらに、制度改革を取り組むなど、社会的な問題を解決するために活動する団体もあります。
 これは特定非営利活動促進法第2条に定められる定義に示されるところの1、保健・医療または福祉の増進を図る活動、2、社会教育の推進を図る活動、3、まちづくりの推進を図る活動、4、学術・文化・芸術またはスポーツの振興を図る活動、5、環境の保全を図る活動、6、災害救援活動、7、地域安全活動、8、人権の擁護または平和の推進を図る活動、9、国際協力の活動、10、男女共同参画社会の形成の促進を図る活動、11、子どもの健全育成を図る活動、12、情報化社会の発展を図る活動、13、科学技術の振興を図る活動、14、経済活動の活性化を図る活動、15、職業能力の開発または雇用機会の拡充を支援する活動、16、消費者の保護を図る活動、17、前各号に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の活動となっており、このように非常に広範囲となっていることもその理由であると考えられます。これらの活動内容の広さは、現在のNPOの重要かつ社会的役割として欠かせないものであることを示していると言えるかもしれません。
 これまで御説明したとおり、さまざまな形式や役割を持ったNPOが既に活躍しております。これからの社会に対しても大きな助けであると同時に、重い責任を担うようになってまいりました。また、そのことにより、多くの事業について運営方法に幅が広がってきたという側面もあります。
 中野区といたしましても、第3回定例会一般質問の図書館業務移管に関する答弁等の中でもありますように、NPOも対象として検討しているとのお答えを初め、多方面にわたり、これからの区政運営の一助として期待、検討してところであると思われます。私といたしましても、以前にNPO支援について質疑させていただきましたこともあり、また、協働という観点からも多方面での活躍を期待しているところであります。しかしながら、その肝心のNPOに対する考え方、認識についてが実に多様であると感じております。
 そこで、幾つかの点で中野区としての見解及び認識についてお伺いしたいと思います。
 初めに、NPOの位置付けについてお伺いいたします。
 これについては、区民への運営責任のあり方という意味合いからも明確にすべきと考えております。中野区の業務の一環をお任せするということからも、当然一定の見解があると思うのですが、一口にNPOと申しましても、その実態はといいますと、いわゆるボランティア的な性格から派生したもの、民間企業からその色合いを変えたもの、または何らかの理由でNPOという形式をとっているものなど、社会的な団体から、語弊があるかもしれませんが、内容の不明確な団体まで、実に多様多彩であります。
 そのような中、あるNPOでは、その仕事の受注のため、同じ業界の退職者が集まって設立し、対外的には受け口は変わりましたが、業務内容の変化に乏しく、そのことでよい方向に向かうなら望ましいことですが、残念ながら本来の期待すべき委託結果とは言えないと評価を受けているというお話をお伺いしたこともございます。
 また、行政とNPOの関係につきましては、大きく三つのケースが考えられるとお聞きいたしました。一つには、イベントや講座の開催など、行政とNPOが対等な立場で共同事業を行うものであり、例えば行政が資金・場所を、NPOが企画やボランティアなどを提供する共催という関係。二つには、行政がある程度やり方を決め、NPOに事業や調査を委託する、例えば市民公益活動団体等に関する調査研究、リサイクル事業等の推進、市民が利用する施設の運営を行う委託という関係、三つには、ある特定事業をNPOが主体性によって行う場合に、その費用の一部を公的な資金で支援する補助金や助成金という関係。いずれの場合にも情報公開の仕組み確立や事業単位での成果を確認することなどが必要であり、行政やNPO、時によっては民間企業との共同事業はそれぞれの立場や違いを理解、尊重した上で、それぞれが単独で行うより共同することでより成果を上げることが考えられる場合に行うべきであると考えております。もちろんそのような状況を踏まえて、中野区としては、そのような多くの中から選択するわけですが、その基準はどのようになっているのでしょうか。単に手を挙げた中から選ぶのでしょうか。ともすると、NPOを活用すること自体に目が向いてしまい、行うべき本質が失われるのではないかとの心配もあります。一部におきましては、実態の伴わないNPOがトラブルを起こしたというお話をお伺いしたこともございます。
 つい先ごろ、11月5日の話ではありますが、業務妨害でNPO幹部が逮捕されたという記事がありました。御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、概略を申しますと、2000年6月設立、2001年3月に内閣府から認証されたNPO法人が、環境汚染調査の目的と称し、賛助金名目の年会費20万円で賛助企業を募り、建設会社などから合計約5,000万円を集めていたということであります。記事内容によりますと、2001年12月ごろ、同会に入会を拒否した江戸川区の大手産業廃棄物処理業者に対して、業者が契約していた建設会社など9社に建設残土を不法投棄しているなどと虚偽情報を流し、約700万円の損害を与えたということで、偽計業務妨害容疑で逮捕されたとのことです。
 この事件は極端な事例かもしれませんが、このようなことが起こった場合、その事件の内容によっては、社会に対して貢献度の高いNPO団体までが誤解されるようなことも懸念されます。そのような事態にならないように細心の配慮が必要であることは言うまでもありません。
 これから区行政等に大きな活躍が期待されるNPOでありますから、当区といたしましても、確固たる信念のもと、協働の成果を上げていってもらいたいと思いますが、どのようにお考えか、お聞かせください。
 当該NPO団体の経験や実績、さまざまな角度から、その業務に携わっていただく判断をすると思うのですが、その判断はどのように、どこの部署で、またはどなたが行うのでしょうか。専門的な知識を持つ団体であれば、それに関連する部署となるかもしれませんが、適切な該当部署がない場合の判断はどうするのか、また、そのようなときの判断基準はいかがになるのか、お伺いいたします。
 中野区としてのNPOに対する考え方、期待する内容、そして今後どのように協働のあり方を考えていくのか、あわせて現在のお考えをお聞かせください。
 2点目に、道路交通対策についてから何点かお伺いいたします。
 初めに、放置自転車対策の今後についてお伺いいたします。
 御承知のとおり、現在の中野駅周辺を初めとした放置自転車については、違反自転車の即時撤去など毅然とした中野区の対応が功を奏し、他の自治体からも視察に来るなど、数年前と比べても隔世の感があると言ってもよいくらい、目に見えるほどの成果を上げていると言えると思います。先日もある駅ビルにある交番の警察官の方と話をする機会があり、その際にも参考に中野区の放置自転車対策等についてのその方法を問われたこともありました。他の自治体でも同様の方法で成果を上げているということもお聞きしております。
 しかし、周知のとおり、現在の本施策につきましては、緊急地域雇用創出事業費などを使って財源としており、これについても平成16年度までとの期限つきであります。せっかく区内外からの高い評価を得ている事業でありますから、できる限り今の状態を維持、さらにはより改善したいと考えるのは私だけではないと思います。もしもこの施策が何らかの理由で終わってしまった場合、いかがなるのでしょうか。恐らくまたもとのように高齢者や障害をお持ちの方にとって歩きづらい環境に戻ってしまうのではないか、再び放置自転車であふれてしまうのではないか、このようなことを大変危惧しております。北口の臨時駐輪場を初め、定点となる駐輪場のさらなる周知や理解を広めるために、また、新たに利用転換可能な場所の確保を図るなどの必要があるなら行うなど、今後の方針について早期に策定する必要を感じております。
 そこでお伺いいたしますが、今後の中野区としての考え方、プランはどのようになっているのでしょうか。または、財源問題を含め、本施策を継続していくのか、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
 次に、自転車運転に関する問題についてお伺いいたします。
 近年、道路交通の中で自転車の乗り方、使い方が重要な課題となっております。さきにお伺いいたしました放置自転車についてももちろんですが、ここでは主に利用方法について述べさせていただきます。
 ある機会に「日本の自転車運転の問題点」という大阪大学名誉教授の方の寄稿文を読ませていただきました。その中になるほどと思われる幾つかの点がありましたので、関連してお伺いいたします。
 その寄稿文の中では、今の自転車利用に関する問題点が述べられており、その一部を御紹介いたしますと、1、一時停止標識は自転車に関係ないと考え、一時停止・安全確認を行わない。2、自転車歩道通行可の標識がある歩道以外は歩道を通行してはならないが、どの歩道でも通行してよいように考えている。3、自転車歩道通行可の歩道でも、歩道の車道寄りを徐行、そして歩行者の通行を妨げるおそれのあるときは一時停止すると規定されているが、ベルを鳴らして歩行者をどけようとする。4、適切な場所に好き勝手な形で駐輪し、歩行者の通行の大きな障害となっている。そのほかに信号無視、無灯火運転、合図不履行などが一般化していると指摘しています。そして、車道での自転車の無謀な運転、これは自転車の運転者のみならず、歩行者や自転車運転者にも大変危険であり、身近でよく見かけることと言えます。
 また、逆の視点の自転車を利用する立場から、道路交通法を参考にしての意見の集計というデータを調べてみますと、1、歩道上の通行可標識の設置は連続性がなく、ほとんど無意味、原則があるのか。2、自転車専用道路が少ない上、歩道は狭く、車道は危ない。結局、適当に走ることになる。自動車運転手は自転車は歩道を走るものと思っている。3、自転車走行が法律のすき間に位置している感じがする。など、このような意見も参考にして、現実的に判断するならば、その地域の道路事情により考える余地もあることも事実と言えるかもしれません。しかし、国民の大多数が運転免許を所持している今日、自転車運転から原動機付自転車、自動車とその段階を踏みやすい現状を考えたとき、その出発点とも言える段階での道路交通法軽視・無視は、その将来において大きな問題を内包しているのではないでしょうか。
 自転車そのものは、そもそも歩くことから発展している感覚から来ているのではないでしょうか。また、これまでの日本の自転車政策では、自転車は基本的に歩道を走るとされてきたことも大きいのではないか。自転車自体は自動車とオートバイと同じ車両であり、道路交通法の適用を受ける乗り物であるということの認識がなされていないということも、この問題の根本にあるのではないでしょうか。
 前出の教授によりますと、日本の自転車教育の現場においては、交通安全教育の通弊で、必要なことを広く浅く教え、操作技術訓練が優先して、運転の本質であり、交通ルールの本質である使用すべき空間・優先権の観念などの教育は深く認識させるに至らず、その結果、学校等で学んだこととおよそ異なる乗り方がまかり通る社会に出た後、すぐに同化されてしまい、場合によってはたちまち問題行動を身につけるケースが多く、緊張感のない、気楽な運転行動になりやすいと警告しています。
 これに対して、例えばドイツのそれでは、自転車教育は自分で運転する乗り物の第一歩と位置付け、走行する空間概念及び歩行者や他の車両との関係で生じる優先関係などについても厳しく教え、これらの教育を小学4年生の段階で徹底して行っております。また、危険予知に関することも取り上げられ、どのような状況の中で危険が存在するかについても学習がなされるとのことであります。
 このようなやり方は大きな成果を上げているとお聞きいたしました。これらの考え方は、必ずしもそのまま日本に当てはまるかどうかは、当該地域やその他の事情により異なるかもしれませんが、いわゆるモラルの教育という観点から考えた場合、一考の価値があると考えております。私自身、日本における空間概念、優先観念の教育については疑問を持っておりますので、どの空間を利用してよいのか、利用してはならないのかを明確にしなければならないと考えております。
 このままでは、せっかく整備した駐輪場や、これからつくられていくであろう自転車道など有効な活用が難しいのではないか。さらにこれからの自転車関連行政を考えた場合にどうなのか。単に物理的対処ではなく、教育的観点からの施策が、さきの放置自転車問題も含め重要な要素であると考えますが、いかがでしょうか。
 中野区のこれからの方針及び自転車の運転に関連した教育に対する見解、考え方、学校などの教育現場での今のあり方、乗り方教室などの実施状況やその内容についての区のお考えをお聞かせください。
 その他として、この項の最後に1点、お伺いいたします。
 前出の自転車運転に関する問題に多少関連いたしますが、電柱等の地中化についてお伺いいたします。
 ただでさえ限られた空間である道路をより有効に活用するためには、いろいろな手法を考え、実行する必要があるということは言うまでもないと思います。その一つの可能性として、現在のお考えをお伺いいたします。地域の事情や工事の困難度、何よりも財政事情もあり、なかなか実行することは難しいのかもしれませんが、これからの都市計画や防災の観点に大きく寄与し、美観的にも少なからず影響を与えると考えられますので、それらを踏まえた上でお伺いいたします。電柱等の地中化について、これからの目指す方向性や考え方をお聞かせください。
 以上でこの項の質問は終わりにいたします。
 3番目に、学校環境衛生検査についてお伺いいたします。
 先ごろ、区内神明小学校他1校におきまして、耐震補強工事が行われ、それに伴う臨時検査を8月25日及び9月14日の2回、また、定期検査を9月14日に実施いたしました。その中で、詳細は省略いたしますが、パッシブサンプリング法という採取方法を用いた結果、8月28日付の室内空気環境測定結果報告書には、検査対象である揮発性有機化合物が検出され、そのうち、ホルムアルデヒドでは、建築基準値である室内濃度指針値100に対して、普通教室3教室ではそれぞれ210、218、192、廊下では168、また同様にトルエンでは、260に対して、普通教師3教室ではそれぞれ670、581、565、廊下では687という高い数値を検出したとのことであります。その指針値というのは、「人が、その化学物質に示された濃度以下の暴露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろうとの判断により設定された値」の上限値であり、その数値を大きく上回る検査結果を受け、当該小学校ではホルムアルデヒド及びトルエンについては指針値を超えているので、その原因究明と室内の換気励行を行い、当面、当該クラスについては他の教室に移動したとの連絡が学校長から保護者あてに報告された旨お伺いしております。
 さらに、同報告書の中では、測定されたホルムアルデヒドは今回の耐震等の工事の材料だけではなく、以前の工事材料からもかなりの量が発生しているものと考えられる。残念なことではあるが、このような空気環境がこれまでも長年続いてきたものであり、今後もかなり長期にわたって続いていくものと思われるとあります。このような状況について、中野区は御存じだったのでしょうか、まずお伺いしたいと思います。また、他校についてはいかがなのか、今回は耐震補強工事の機会に判明したのですが、報告書にあるとおりならば、過去にも疑わしき環境があったとも考えられますので、区としてはどのように把握されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 文部科学省からの通知である「学校環境衛生の基準の留意事項について」によると、新築・改築・改修等にかかわる項目では、「基準値を超えた場合の措置についても取り決めておき、濃度測定には乾燥期間を十分に確保した上で行うなど適切な対応に配慮」とあります。とするならば、なぜこのような検査結果が出たのか。さらに他の同省からの通知である「学校における室内空気汚染対策について」の中の適切な工期の設定に関して、工事の発注の際には、十分な養生及び乾燥のための期間が確保されるよう適切な工期の設定に配慮するとあります。当該学校では、その後の10月中旬に行われた再検査では、それぞれ指針値以内という結果が得られました。とすると、なぜこのような結果になったのか。区としては、工事期間や工期についての配慮に問題はなかったのかと思わざるを得ません。そのことについて、どのような対応をされたのか、お伺いいたします。
 この種の問題は、今後、国や東京都からの指示を待つのではなく、自立した自治体として積極的に問題を指摘し、率先して改善に努めるようにすべきものと考えますが、区の姿勢についてお伺いして、この項の質問を終わります。
 4点目に、SARS対策関連についてお伺いいたします。
 本年春、世界的に「重症急性呼吸器症候群」、いわゆるSARSが世界的に猛威を振るいました。現在余り話題にはなっておりませんが、一定の封じ込めが功を奏したとの判断がされたように報道されておりますが、実際はウイルスそのものの有効な処置方法が発見されたわけではなく、気候や各国の封じ込め政策等の努力、その他の要因で一時的に鎮静化しただけと聞いております。
 さきに開かれました11月17日の厚生委員会でも御報告あったとおり、以前から冬季には再発するのではとの懸念があるようです。インフルエンザの流行の時期とも重なり、より一層の対処の難しさと混乱が予想されることは御報告のとおりであると思います。それを受けて、御報告内容にある非流行時警戒システム「東京SARSアラート」の導入など、検査・防疫体制について御努力されていることと存じます。この「東京SARSアラート」の内容の概略は、「SARS非流行時においても、過去の感染地域からの帰国者や病院内での治療従事者等からのSARS症例に疑似する患者の発生時にウイルス検査や家族等接触者の検査を実施することで、都内における患者発生を迅速・的確に把握するシステムを確立する」とあります。これは対人に対する検査・防疫の体制であり、このようなシステムが効果的に機能すれば、一定の安心感が得られるのではないかと思います。
 しかし、このほど、あるニュースが10月30日でしたか、報道されました。これは、これまでの感染ルートに加え、新たにペットから人への感染の可能性が指摘されたということです。これは、オランダのエラスムス医療センターが確認し、イギリスの科学誌ネイチャーに発表されたものであり、これまで感染ルートと指摘されたハクビシンなどの一部の動物ではなく、猫やフェレットなどの一般的なペット動物に容易に感染することが判明したとのことです。
 ペットを飼う方が多くなった昨今においては、その情報がひとり歩きしたり、間違ったうわさが広まったり、いたずらな混乱を招かないよう、事前の調査、情報収集のもと、必要な準備があればするべきと考えますが、今の時点ではあくまでも可能性ということでありますが、現在何か報告や通達があるのか、中野区としての何かの準備を進めているのか、お伺いいたします。
 11月5日から輸入感染症に対する危機管理強化を柱とした「改正感染症法」が施行されましたが、共同通信などの報道機関によると、24道府県では感染症指定医療機関の整備にめどが立っていないとのことです。中野区としてはどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。また、宮崎県のシーガイヤなどではSARS患者発生に備えて訓練を実施したとのことですが、各自治体や団体では緊急に対応すべく動き出しているようです。もし中野区において何らかの事態が起こった場合の対処について、そして、国や東京都の連携についてもあわせてお伺いし、この項の質問を終わります。
 5点目に、IT推進の現状についてお伺いいたします。ここでは特に統合型GISを中心にお伺いいたします。
 電子区役所実現3か年プログラムの中で出されました統合型GISや他のところで「バリアフリー電子マップ」という言葉がありました。お伺いいたしましたところ、現在まで国からの明確な内容、方向性が示されていないということでしたので、中野区の期待する青写真といいますか、お考えをお伺いいたします。
 まず、バリアフリー電子マップについてですが、担当課である保健福祉課にお伺いいたしましたところ、現在内容を検討するに当たり考えられているものには、バリアフリー施設の案内図であるとか、その他には、神奈川県厚木市の例を参考にして、区民からの意見箱と申しますか、そのような方法からシステムの内容について要望、意見を収集し、取り入れていくことなども検討しているとお伺いしました。このいわゆる「意見箱」はどのような内容なのでしょうか。収集した区民の皆様の御意見をどのように活用、反映の方法及び情報保護の方法などお考えかをお聞かせください。
 サービス内容はこれからの検討により決定していくということになると思いますので、ここではそのサービスの提供の方法について現在考えられているお考えについてお伺いいたします。例えば、インターネット等を利用する方法なのか、各地域センター等に何らかの端末を設置して行うのか、さらに、それぞれについて使用方法が難しいのではであるとか、障害者の方へのサービスの提供の方法など、いろいろと使い勝手については難しい問題があると思いますが、いかがでしょうか。
 また、バリアフリー電子マップは、統合型GISに内包する方向性で検討中とお伺いいたしましたが、これまでのそれに準ずる内容、例えば防災関連についてや、公共施設の一連などの案内、これまでのインターネット等を活用したサービス提供など、中野区にはこれまで同様の内容の既存システムはなかったのでしょうか。これまでのシステムなどでは汎用性がないというのでしょうか。そして、導入することでどのようなサービスの内容及び作業効率の向上が期待されているのか、財政的負担はどの程度予想されているのか、それぞれについてお伺いいたします。さらに、これからの計画行政にどのように寄与していくのか、お聞かせください。 
 これに関連するかどうかはわかりませんが、以前、庁内LANに大容量ケーブルを導入するに当たり、その規模の適合性についてお伺いしたことがあります。このシステムは同ケーブルを使用するのでしょうか。それとも新たなネットワークを構築するのでしょうか。同ケーブルを使用するにしても、しないにしても、これらのケーブルは住民基本台帳ネットワークとは別系統とお伺いしておりますので、その仕様内容によっては、情報保護について中野区独自のセキュリティシステムが必要になるかと思われますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 最後に、その他として2点お伺いいたします。
 1点目は、11月17日の厚生委員会等に御報告のありました高齢者見守り支援ネットワーク「元気でねっと」についてお伺いいたします。
 高齢者が住みなれた地域で安心して自立生活が継続できるように支援するという目的のもと実施されるということですが、その目指すところや効果、その方向性についてはよいと思うのですが、幾つかの疑問点がありますので、お伺いいたします。
 まず、見守り対象者についてですが、希望する65歳以上のひとり暮らし、または65歳以上のみの世帯の高齢者となっておりますが、希望されない方についてはどうなっているのでしょうか。また、希望されるであろう人数をどの程度と考えているのでしょうか。他の類似施策の例から推測すると、初めから手を挙げることの難しさも予想されておりますので、行政の自己満足とならないよう、今後の希望者啓発をいかがするのか、お伺いいたします。また、現在考えられている協力員、協力機関でカバーできる人数と予想されているのでしょうか。その協力員についても、民生委員及び一般公募者、町会、自治会、老人クラブ等を想定しているようですが、例えば町会など特定の団体に大きな負担がかかるようなことになるのではないかと懸念されます。協力機関についても、郵便局や新聞販売所などが考えられているようですが、昨今の集合住宅の状況を見てみますと、ポストなどは1か所に集中していることが多く、管理人がいるところではまとめて清掃を行うところもあり、不在か否かの確認が難しいことも予想されます。最近では多くなっているオートロック世帯に対する考えも必要でしょう。また、少ない戸数のところでは、1棟に1世帯というところもあるなど、協力機関のあり方については、例えばマンション等の管理組合などに一定の協力をお願いするなど、もう少し広く考えた方がよいのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
 以上、煩雑ではありますが、数点についてお伺いいたします。
 2点目に子どもの連れ去り未遂事件に関連してお伺いいたします。
 さきに岡本議員の質問に対する答弁にもありましたが、若干の異なる内容がありますので、改めてお伺いいたします。
 このところ、連れ去り、拉致などのニュースが定例番組のように頻繁に報道され、大きな社会問題となっております。先ごろ、中野区にとって無視することのできない事件、子どもの連れ去り未遂事件が起こりました。既に新聞等で報道されておりますので、御存じのこととは思いますが、お隣の杉並区において、9月30日及び今月の11日に発生した事件であります。幸い一緒にいた児童が防犯ブザーを所持しており、おかげで難を免れたとのことであります。杉並区では、その対応策として早速、区内幼稚園、保育園の年長児童から中学3年生までの区内在住か区内に通学している児童・生徒全員に防犯ブザーの無料貸与を行うこと、及び防犯ブザーの使用方法などを指導する安全教室を開催することなどを決定したとのことです。同じく隣接区である渋谷区でも、2001年9月に既に区内小・中学校に通う児童・生徒約7,000人に配っているようですが、それに対して中野区での対応はというと、一部のことかもしれませんが、今月の事件発生から10日以上過ぎたにもかかわらず、警察からの連絡が伝えられているのみであり、学校等から何の注意の呼びかけもないということで、保護者の方から不安の声をお聞きいたしました。事件が起こってからでは遅いのですから、保護者等に対しての情報開示はもちろん、さきにも質問のありました防犯ブザーの配布については検討中とのことでありましたが、改めてお願いし、また、防犯連絡ネットワークの構築や警察と連携、協力し、安全教室や防犯訓練などを早急に行ってほしいと考えますが、中野区のお考えはいかがでしょうか、前向きな検討をお願いしたいと思います。
 以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。これからの自治体運営について、区民の皆様が少しでも安心して暮らせるような御答弁をお願いいたします。
 ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 平島議員の質問にお答えいたします。
 私の方からは、NPOに関する幾つかの御質問にお答えすることといたします。
 まず、NPOの位置付けについて、NPOの活動が活発になって、さまざまな取り組みが行われていると、そういう中でさまざまな団体がある状況もあるといったような御指摘、NPOと関係を結ぶ際の選択基準、また、NPOに何を期待し、どのように今後の協働のあり方を考えていくのかといったような質問でありました。
 法に基づく特定非営利法人であるNPOは、非営利の市民団体として民間の立場で公益活動を行える法人であります。広義にとらえて、法人格がない団体を見ても、非営利の市民による公益活動ということで概括できるというふうに考えています。市民が行う公益活動ということで、これまでになかった新しい視点から豊かな価値あるサービスが提供される可能性を持っていると期待しているところであります。
 NPOは、自主・自立の団体でありますので、NPOとの関係においては、行政を担う機関としての区と対等・協力の関係を築いていただきたい、こういうふうに思っております。
 NPOと区との関係のあり方としては、幾つか場合があるだろうというふうに思っています。まず一つは、委託先としてNPOに事業を実施してもらうといった場合であります。また、NPOが行う活動の公益性に対して支援を行っていく場合というのがもう一つ考えられるだろうというふうに思っています。この場合の支援のあり方について、さまざまな方策が考えられたり、また、選定の方法あるいは情報公開、基準、そうしたことについて今後整理が必要になってくるだろうと、このように考えているわけであります。もう一つの場合としては、NPOと区が共通している公益を実現するという共通の目的のもとに、協力をして事業を行う場合、共催事業などの実施があるだろうというふうに思っているわけですが、大きく分けてこうした三つの場合が考えられるだろうというふうに考えています。
 NPOに区の事業を委託する場合には、当然それぞれの部署が事業ごとに的確性を判断して決定していくことになるというふうに考えています。NPOの活動の公益性に対して支援を行う場合の支援のあり方について、基本的な視点についてはただいま申し上げたようなところですが、さらに具体的な考え方等についても、より検討していかなければならない、そういう段階だというふうに考えています。
 いずれにいたしましても、これらの考え方について、今年度策定予定のNPOへの支援方針の中で具体化して示してまいりたい、こう考えているところであります。
 私の方からは以上であります。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、道路交通対策につきましての3点の御質問にお答えさせていただきます。
 まず初めに、放置自転車対策の今後についてという御質問でございました。
 現在、放置自転車台数、13年度と比較いたしますと、中野駅につきましては10分の1、東中野駅では4分の1になっておりまして、大幅に改善をしておるところでございます。一定の成果を上げているということでございます。
 平成17年度以降の対応ということでございますが、我々といたしましては、せっかく減ってきている放置自転車の数がふえないよう、自転車対策業務の委託内容の見直しなど、さまざまな工夫を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、自転車の運転に関する問題でございます。
 交通安全教育の一環として、各小学校では毎年PTA、それから、警察署、自転車商協同組合、これらの協力を得まして、自転車の安全点検や乗り方指導などを行っているところでございます。その際、自転車は交通事故の被害者になるというだけではなくて、乗り方によっては加害者になるということなどを指導しているところでございます。最近は特に高齢者の自転車乗用中の交通事故が増加していることから、東京都や警察署などと連携を図りながら、子どもだけでなく、大人に対しましても交通法規の啓発とともに、夜間の自転車ライトの点灯、反射材の活用、目立つ服装の着用などといったようなことを推進しているところでございます。
 それから、電線等の地中化につきましての御質問でございました。
 電線類の地中化を実施するに当たりましては、一定の歩道の幅員、それから、地域の合意、占用企業の協力、さらに大きなところでは相当の事業費が必要となるということでございます。このようなことから、地中化につきましては、国の補助を受けなければ実施がかなり難しい状況にあるということでございます。国の財政難もあり、難しいところではございますけれども、三位一体改革、これらの動向を見ながら実現を図ってまいりたいというように考えてございます。
  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、学校環境衛生検査についてのお尋ね、それから、子どもの連れ去りについてのお尋ねにお答えさせていただきます。
 この夏、区立の二つの学校で耐震補強工事を行ったわけでございます。その際に検査をいたしましたところ、指針値を超えるトルエンとホルムアルデヒドが検出されました。また、これとは別に、すべての学校で定期検査を行いましたが、ここからはホルムアルデヒドが検出されてございます。教室内の合板製の机やいす、あるいは掲示板などからホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が発生することは以前から指摘されておりまして、私どもも承知をしております。しかし、その測定した値が、文部科学省が新たに定めた指針値を超えるということは、今回の測定で初めて判明したところでございます。また、工事に伴って測定しましたトルエンについては、これは神明小学校の例でございますけれども、検査の前日と当日において外壁の補修工事を施工しております。このため、外壁工事で使いましたトルエンが室内に流れ込んで指針値を超えたものでありまして、日の経過に伴って検出されなくなったという経緯がございます。時期の設定については今後注意を払っていく必要があるというふうに考えてございます。
 これに対しての対応といたしまして、庁内に設置しましたシックハウス対策会議の中で、子どもが利用する施設については、適時室内空気の環境測定を行うということ、また、換気の励行を義務付けるということを区として定めてございます。今後も文部科学省が推奨する年1回の定期検査のほか、適宜測定を行うとともに、換気の励行や必要に応じて換気装置を設けるというようなきめ細かな対応をしていきたいと考えております。
 なお、10月28日に行いました再検査では、ホルムアルデヒドの室内濃度は指針値を大幅に下回ってございます。これはすべての学校でそういう結果になってございます。
 それから、子どもの連れ去りについてでございますが、区では事件や事故等に関する情報は各学校、幼稚園、保育園等に設けられております連絡体制を通じて、速やかに保護者や地域に提供することにしてございます。また、その際に子どもの安全確保に必要な御協力についても依頼させていただいております。
 警察署を初め関係機関と区、区立学校、幼稚園、保育園との間には、情報交換を初めとする連絡体制ができております。今後、警察や地域の御協力を得るなどして、具体的事例をもとにした安全教室や防犯教室の実施を各学校、幼稚園に指導徹底していきたい、そういうふうに考えているところでございます。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 私からは、SARS対策関連についての幾つかの御質問にお答え申し上げます。
 まず、答弁の順序が議員の御質問と多少相前後いたしますことをあらかじめお断り申し上げて、御了承いただければと思っております。
 最近の研究で、猫も含め、人からペットへ、あるいはペットから人へSARSが感染するのではないかという指摘があるということで、このような情報がひとり歩きし、いたずらに混乱することのないような対応を考えているかという御質問でございました。
 これまでの調査研究で、特に中国産の野生動物でございますハクビシン等は、SARS感染の危険性のあることがかなり前から指摘されてございます。こうしたことから、国は現在、感染症法に基づき、こうした動物の輸入を全面的に禁止してございます。また、議員御指摘のように、今回の感染症法の改正では、動物由来感染症対策の強化が図られたところでございます。具体的に申し上げますと、獣医師が感染症に罹患した動物を発見した場合、届け出を義務化する責務規定や、あるいは動物業者が動物を輸入する場合、感染症のない証明書を添付するなどのいわゆる届け出制度が新たに創設されておりまして、動物由来感染症への対応が強化されてございます。
 本区といたしましても、法改正のこういった趣旨を十分に踏まえまして、関係団体とも連携、協力しながら、動物由来感染症としての性格を有しますSARSについて、区民に対して適切な情報提供に努めてまいりたいと、こういうふうに思ってございます。
 次に、都が提唱してございます「東京SARSアラート」の区の主体的なかかわり方や、あるいは万が一SARS患者が発生した場合に、区民への周知なども含めて、区はどのような計画を持ち、適切な対応を図っていくかという御質問でございました。
 我が国は、今現在、SARS非流行地域でございます。これはSARSが発生したときからずっとそうでございます。また、7月5日には、世界から感染地域が消失してございます。したがって、非流行時ということで判断されます。こうした非流行時、非流行地域で患者発生を迅速に把握する方法といたしまして、都は先ほどの「東京SARSアラート」を実施することとしてございます。これは患者発生を迅速に把握し、的確に対応するという趣旨でございます。具体的には、議員御指摘のように、過去の感染地域からの帰国者でSARSを否定できない者や、あるいは医療従事者等からのSARS症状を呈する者が同一医療機関で2名以上発生した場合などに速やかにウイルス検査や家族などの接触調査を実施するということでございます。もしウイルス検査が陽性になった場合、患者発生ということになりまして、本区の場合は区長を本部長といたしました健康危機管理対策本部のもとに、保健所長を隊長とするSARS対応組織が編成され、都や国との十分な連携、協議のもと、区の責務でございます指定医療機関への患者移送、疫学調査、消毒、こういったものの速やかな実施を行うということになってございます。さらに、報道機関への公表でございますけれども、これは都が国や私どもと十分調整をして行うということになってございます。もしこの中で区民への周知が必要となった場合には、まず速やかに保健所に保健福祉センターにおける相談体制の充実を図ります。さらには、患者の人権を十分に配慮しながら、さまざまなメディアを通じて、適切な情報提供に努めていく、こういった段取りになってございます。
 最後でございますが、感染症指定医療機関等への整備について、中野区においてはどうなっているかという御質問でございましたが、都内には現在SARSの入院治療を行う指定医療機関が5病院ございます。さらに、外来診療を受け持つ協力医療機関としては22施設ございます。こうした状況の中で、都は冬季に向けて協力医療機関、いわゆる外来診療の初期診療体制の充実を図るために、協力医療機関の拡充を図ってございます。中野区におきましても、一医療機関が協力医療機関として今後認定される予定となってございます。こういった点で体制整備が着実に図られると認識してございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、IT推進の現状についてということで、統合型GISについての御質問にお答えいたします。
 地図を使った電子情報といたしましては、現在、区内の公共施設案内図の提供、また、都市計画概要図等の情報提供を行っているところでございます。これまで目的ごとに個別に作成しておりました地図でございます。そういうことから、地図の関連情報を総括した汎用的なシステムによる総合的な情報提供ということにはなってございません。個別な情報をそれぞれ提供しているという状況になってございます。
 統合型GISの導入をした場合の効果ということでいえば、今までばらばらにしておりました情報が統一した地図上に地域の情報を表示するということで提供できますので、区民にとってはわかりやすく使いやすい情報になるというふうに考えてございます。また、行政にとりましても、統合型GISということになれば、有益な情報システムであるというふうに考えてございます。
 こういったことについての構築ですが、財政負担もあるということから、費用対効果を十分に勘案した上で、システム構築を考えていきたいというふうに思っております。また、バリアフリー電子マップについてもこの中で検討していきたいというふうに考えてございます。
 また、統合型GISと庁内LANとの関係でございますが、既に整備してございます庁内LANのネットワークにつきましては、今後こうした地図情報等のやりとりにも対応できるだけの容量を用意しているものでございます。また、情報安全保護のためのセキュリティシステムでございますが、庁内LANを活用するさまざまなシステムにも対応できるように現在整備してございます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 来年度実施予定の高齢者見守り支援ネットワーク「元気でねっと」に関します幾つかの質問にお答えいたします。
 まず、見守り対象者について、希望しない人はどうするのかということでございますが、必要な方には手を挙げていただきたいということで、本事業のPRにつきましては積極的に行いまして、対象となる多くの方に申請していただけるよう努力をいたします。
 次に、希望する人数につきまして、どの程度と考えているかということでございますが、この推計はなかなか難しいというふうに考えていますが、できるだけ必要な方には手を挙げていただきたいということで、希望者数をカバーできる協力員につきまして、その確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、協力員につきまして、特定の団体に負担がかからないのかという質問ですが、無理なくできる範囲で幅広くお願いしたいと考えておりまして、特定の方々への負担が出ないように考えてまいりたいと思います。
 協力機関につきまして、マンション等の管理組合などにも要請したらどうかということですが、そういった面でいろいろな方に協力してもらいたという中で、管理組合等への働きかけにつきましても検討してまいりたいと思います。
      〔平島好人議員登壇〕
16番(平島好人) 1点だけ確認という意味でお伺いしたいんですが、放置自転車対策の今後についてのところで、委託内容の見直しというふうな御答弁をいただきましたが、これは継続をするという前提の見直しというお話でよろしいんでしょうか。それを確認したいと思います。
 あと、済みません、もう一つありました。今の答弁のありました協力員の確保に努めると言いますけれども、具体的に難しいというふうに思うわけですから聞いているのであって、当たり前のことですから、それをどのように今後考えていくのかということをちょっとお伺いしているので、もう一度御答弁をお願いいたします。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えさせていただきます。
 現在行っております放置自転車対策、自転車対策業務のすべての中での委託内容、ほかに撤去に要していた委託費用、これらを総合的に見直しまして、緊急雇用地域対策の補助金が16年度限りでなくなるわけですけれども、なくなった後の対策といたしまして、委託内容を見直し、先ほど言いましたような振り向け方を変えまして、対応を考えていきたいということでございまして、この制度を続けていくということではございません。それにかわる対応を新たに考えてまいりたいということでございます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) まず、「元気でねっと」の希望者ですけれども、先ほど言いましたように、たくさん出ていただきたいというふうに考えているわけですが、その方々を見守る協力員をそれだけ確保しなければなりません。私どもといたしましては、民生委員の方々には声をかけまして、全員一応なっていただきたいというふうにお願いしてございます。さらに、町会の方々にもお願いしておりまして、なるべく近所の方に声をかけて協力員になっていただくよう推薦いただくというふうに考えております。さらに、地域にボランティアグループとかございます。あるいはNPOですとか、さまざまな活動団体がございますので、そうした福祉の関連の方々につきましても声をかけまして、なるべく多くの方が御近所のひとり暮らしの高齢者を見守るような協力員として手を挙げていただくということにつきまして、お願いできるような体制をとっていただくということをお願いしているところでございます。
 いずれにいたしましても、そういう面でいけば、区民の方の善意が頼りでございますので、私どももお願いする中で、たくさんの方に手を挙げていただきたいというふうに考えているところでございます。
議長(山崎芳夫) 以上で平島好人議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 むとう 有 子
 1 学校給食について
 2 学校選択制について
 3 清掃事業について
 4 その他

議長(山崎芳夫) 次に、むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
17番(むとう有子) 区民の皆様の小さな声を区政に届けていきたい、そんな思いで質疑をさせていただきます。
 まず最初に、学校給食についてお尋ねいたします。
 青少年による凶悪事件が多発する昨今、食生活がキレやすさや暴力に深く関係していることが指摘されています。食事がわりにスナック菓子やジュースを多量に摂取すると、そこに含まれている糖分が急激に吸収され、血液中のブドウ糖、いわゆる血糖値が急上昇します。すると、高過ぎる血糖値を急いで下げようと、すい臓からインシュリンが過剰に分泌され、今度は血液中からブドウ糖がどんどんと取り込まれ、血糖値が急激に下がってしまい、低下したまま上がらない低血糖症になってしまいます。このようにブドウ糖の量が下がり、不足すると、脳の機能低下し、ぽおっとした状態になります。すると、今度は血糖値を上げようとアドレナリンが分泌され、血糖値が再び上昇し始めます。このアドレナリンには、攻撃ホルモンの作用があり、人を攻撃的にし、いわゆるキレる行動を誘発します。
 また、インスタント食品や加工品のほとんどのものに保存料として食品添加物の燐酸塩が含まれています。この燐酸塩は細胞の新生に必要な亜鉛の働きを阻害します。亜鉛はカルシウムを運ぶ働きがあるので、亜鉛不足がカルシウム不足を引き起し、このカルシウム不足がいらいらの原因と言われています。
 このようにスナック菓子やジュース、インスタント食品や加工品を多く食べていると、キレる暴力的な子どもをつくることになってしまいます。子どもたちをこのような食環境に放置している私たち大人は、私自身も含めて、これまで学校教育の中で十分な食教育を受けてきていません。言いかえれば、日本の教育の中では食教育がなおざりにされ、そのことが保護者を通して子どもたちに悪影響を及ぼしているのです。
 10年ほど前、ある国立大学生がカップラーメンばかり食べて死亡したという考えられないような事故があったように記憶しています。満腹感のみを求め、栄養についての知識が欠如していたようです。私は、二人の子どもを産み育てた母親としての体験から、食教育の重要性を認識し、学校教育の中で教育の一環と位置付けられている給食を通して、食教育の充実を訴えてまいりました。大変遅まきながら、文部科学大臣が「食教育は学校教育の中でしっかりやる必要があり、学校給食制度と一体となって進めていくときだ」とのコメントを発し、食育の推進に向け、(仮称)栄養教諭を全校配置したいとの考えを表明しました。
 さて、中野区では、多数の保護者からの要望で、1992年度に都費での学校栄養職員未配置校21校に各1名ずつ区費で臨時職員として栄養士を配置し、栄養士の全校配置が実現しました。そして、4年後の1996年に非常職員へと身分が切りかえられました。非常勤とはいえ、都費の常勤栄養士と連携して、その職能を十分に発揮し、調理職員との協働により、中野の給食の質を維持し、さらに発展させてまいりました。
 現在、非常勤の栄養士は25名おられ、1年ごとの契約とはいえ、平均勤続年数は5.5年と継続して勤務している方が大多数です。ところが、中野区は、この非常勤栄養士25名を解雇し、栄養業務を民間委託する方針を示しています。
 私は、栄養業務を民間委託すべきではないと思っておりますが、栄養業務を民間委託するのであれば、少なくとも調理業務を民間委託したときと同様に、区民に十分説明し、区民の意見を聞くべきだと思います。この件に関して、区としてはどのような方法で説明責任を果たすおつもりなのか、お答えください。
 11月16日付「教育だよりなかの」の中で、中野区としても生きる力としての食育の重要性の認識を示しています。国は、今後、学校栄養士を活用し、栄養教諭を創設しようとする動きの中で、「今現在、学校栄養士は全国で1万人程度であり、学校数から見れば不足しており、課題があるが、当面配置が可能な学校から始めることになり、数値目標を上げ、全校配置を促進すべき」との考え方を示しています。そのような動きの中で、中野区が既に栄養士の全校配置をしているのは先進的だったと言えるでしょう。
 ところが、国がやっと重い腰を上げようとしているときに、区はそれに逆行しようとしています。中野区は、現在その職責をしっかり果たしている非常勤栄養士を解雇してしまうのでなく、今ある人材を有効に生かし、栄養教諭へと活用することを検討すべきではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。
 1998年9月より区財政の悪化を理由に、調理業務の民間委託が始まりました。当時、私は、調理職員の技能を生かし、栄養職員とともに学校給食制度と一体となった食育を学校教育の中で実現していくために、調理業務の民間委託に反対をいたしました。調理業務の民間委託だけでは、業者は人件費のピンはね分しか利潤が出ません。そこで、さらに利潤を上げるために、うるさいことを言う公務員の栄養士も民間に委託し、さらには食材の調達も民間にという流れになることを懸念しておりました。中野区には、都・区採用の栄養士がいるから給食の質は落ちない、内容も変わらないと当時は区民に説明をされていました。裏を返せば、都・区採用でない民間の栄養士だと給食の質が落ち、内容も変わるとの解釈もできます。区の計画どおりに進めば、来年度は民間の栄養士と民間調理会社の学校が存在することになるのでしょうか。これは調理業務委託をするときに区民に説明していたことと大きく違うことになります。
 公には出てきませんが、栄養士は調理室の中で業者が何をやっているのか不安で目が離せないとか、さらに、手の込んだ献立や中野区独自の手づくりに対応し切れず、一品減らしたりとか、あるいは人手が必要なので、委託料の値上げを要求されたり、また、業者が変更されたり、パートが全員やめて、チーフが解雇になった業者がいたり、さらに、給食時間に間に合わず、栄養士が入って急場をしのいだなど、多くの問題があったことが少しずつ漏れ聞こえてきています。
 しかし、これらの問題は、これまで栄養士が頑張って乗り切っておりました。全校調理業務委託をしている台東区でさえも、栄養士は委託せず、都・区採用の栄養士が配置されています。23区で栄養士を民間委託している区はありません。つまり、やむなく調理業務は委託しても、栄養士による質の維持は各区頑張っているということではないでしょうか。
 また、文部科学省によれば、全国で栄養士の民間委託は例がないそうです。さらに、設置者である教育委員会が民間栄養士と民間調理員との仲介者となり、栄養士が調理員に直接指示することは法的にはできないという問題点があるので、栄養士の民間委託は好ましくないと私の電話取材で文部科学省の方は答えられております。
 また、民民同士だと一体どうなるのでしょうか。公務員の栄養士と民間の調理員という立場の違いがあってこそ、よい意味での緊張感が生まれ、これまで中野区の給食水準を維持することができていたのではないでしょうか。この点についての区の認識をお答えください。あわせて、実際の指示、命令は法的にはどのようなシステムになるのでしょうか、お答えください。
 都・区の栄養士は、職員室や事務室に席を置いておりますが、委託会社の栄養士と学校の関係はどのようになると想定しているのでしょうか、お答えください。このまま年間5校ずつ調理業務委託を進めれば、4年後にはすべてが委託校となります。果たしてそれでよいのでしょうか。
 委託会社の調理と直営調理には本質的な違いがあります。委託会社は当然利潤を求めて給食をつくります。これに対して、直営の調理員は利潤を求める必要はなく、食事本来の安全で安心な給食を求めての調理に徹することができます。区は、調理委託をする際に区民に対して給食の質も内容も変わらないと約束しているので、業者との委託契約交渉の中で直営調理の給食と同質の品質のものをつくることを要求していると伺っています。それを実現させるために、これまで中野の給食を知り尽くしている栄養士が指示、監督、指導をしてきたのです。その栄養士まで民間委託とは何をか言わんやです。つまり、直営調理が存続する限り、委託会社は品質を落とすことができません。現在の直営調理は子どもたちにおいしくて、安全で安心な給食を提供する調理の基準であり、この基準を下げさせないための防波堤とも言えます。直営校があるからこそ、委託会社の利潤追求による給食の変質の歯どめにもなっているわけです。中野区から直営校が消えたら、かわって全面的に登場する基準は、利潤追求です。すべてが委託校となった自治体では、受託会社の利潤追求原理に基づく給食の変質の事例を耳にします。
 中野区では、調理員が加わり、学校安全衛生委員会が10年ほど前に発足し、学校給食労働安全衛生マニュアルを作成しています。さらに、調理員がプロジェクトチームをつくり、新たな中野方式の学校給食実現に向けての提案がまとめ上げられています。いずれを読んでみましても、調理員の確かな知識と料理のプロとしての技術力を確認することができます。この方々の技能を生かさなければと思うのは、私だけではないはずです。
 調理職員がおられる限り、直営調理を存続し、学校給食はこうあるべきとの基準を常に提示し、中野の給食調理のリーダーシップをとり続ける必要があると考えます。そのために直営と委託を併存し、互いによりよい給食となるよう競合し合うあり方へと区の考え方を変更すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 調理業務、栄養業務委託はすべて財政難からスタートしており、よりよい学校給食へという発展的な考え方に基づくものではありません。このたびの栄養業務の民間委託も、現実にはコストは今以上にかかると伺っています。給食調理の民間委託による明らかな財政削減効果は見えていません。真に財政削減を言うのであれば、今いる正規の調理員2名にアルバイトを5人配した体制にすれば、現委託料の半額以下となるそうです。このようなあり方も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 調理職員の技能を生かさず、公務主事などへの職種転換は全くおろかな人事と言わざるを得ません。職員が持っている技能を生かすことが区民サービスにもつながるのです。今後の国の動向も踏まえ、むしろ先取りする取り組みとして、栄養職員や調理職員の技能を十二分に生かし、学校給食制度と一体となって食教育の実践に取り組んでいただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。あわせて、今後学校給食の果たす役割とあり方について、区の認識をお聞かせください。
 次に、学校選択制についてお尋ねいたします。
 そもそも学区制度は、1、特定の学校の生徒集中に伴う選抜の実施と学校格差を防ぐ、2、受験戦争の低年齢化の激化を防ぐ、3、施設や設備や教職員数等の不均衡を是正する、などの目的でつくられました。すなわち、子どもの教育を受ける権利を具体的に保障し、教育の普及や機会均等を図るために、そして、実際の学校運営には教育条件を計画的に整備することが求められているために、かつその学校が居住区であることで、子どもの成長、発達に及ぼす地域の教育力が期待できるところに学区の存在意義があります。
 学校選択の自由化は、以上の観点から見た場合、数多くの問題点を抱えています。学校選択制が実施されたら、保護者はどのような基準で学校を選ぶでしょうか。主に三つが重要だと考えられています。1、特色性の基準、2、安全性の基準、3、序列性の基準です。
 第1の特色性の基準とは、特定の明確な理念や好みに基づいて学校を選ぶということですが、この基準で学校を選ぶ保護者が少なからずいるであろうことは想像にかたくありません。しかし、シュタイナー教育のような特別の理念に基づく学校や体験学習や作業教育を重視する学校などは、それなりに意味ある特色のある学校と言えましょうが、そうした学校を多くの保護者が好んで選ぶとは考えにくいでしょう。
 そもそも特色ある学校といっても、小・中学校段階の教育では、多様なタイプの特色を出すことはほとんど不可能に近いと考えられます。というのは、現代社会における小・中学校の教育は、共通基礎教育を基本としていて、上の学校への準備教育として位置付けられているからです。これは必ずしも学習指導要領によって基本的な枠組みが規定されているからだけではありません。それは知識社会と言われる現代産業社会の知と労働の構造的なあり方と学校社会、学歴社会の構造に根差すものであり、さらには小・中・高・大、そして大学院と連なる教育システムの構造に根差すものです。このような構造が続く限り、小・中学校の教育は基礎教育、準備教育という性質をまぬがれることはあり得ず、したがって、どのような特色もその基礎教育、準備教育という構造的要請を満たしていないと感じられるとき、多くの保護者がそれを好んで選ぶということはあり得ないでしょう。
 そこでお尋ねします。学校選択制で期待される効果として挙げておられる特色ある教育活動が促進されるとありますが、具体的にどのような形が考えられているのか、イメージで結構ですので、お示しください。
 さて、第2の安全性の基準は、荒れている学校やいじめが頻発している学校、教師の体罰が横行している学校には多くの保護者は行かせたいとは思いません。言いかえれば、この基準は特定の学校を避ける理由となります。選択制になればほぼ確実に嫌われる学校が出てくると言われています。この基準は、特定の嫌われる学校を孤立化し、学校の序列化の基盤となります。さらに、社会的にネガティブな特徴も嫌われる隠れた理由になる可能性も否定できません。例えば、外国人の子どもが多いとか、社会的差別が学校選択を規定するようになり、それが子どもたちと学校を差別化し、分断することになりかねません。さらには、そのようにして学校に持ち込まれた差別と分断は、社会生活における差別と分断を助長するでしょう。
 このような懸念についての区の認識と今述べました現象が顕在化した場合、いかなる対処をなさるおつもりか、あわせてお聞かせください。
 第3の序列性の基準は、いい学校に行かせたいという親の願いに対応するもので、例えば、いい先生がいらしていてとか、受験指導が充実しているとか、有名高校に進学する子どもが多いとか、さまざまな理由で他の学校と比べて評価するということです。これは明らかに学校を序列づけることになります。
 以上のように考えてみますと、実際の選択の基準として重視されるのは、安全性の基準と序列性の基準であると予測されます。その結果、ほとんど間違いなく学校が序列化されることになるでしょう。だとすれば、1980年代以降、高校、大学の序列格差や過熱化した受験戦争や学歴社会を批判して進めてきた改革は一体何だったのでしょうか。一方で高校以上の格差や序列とそれに基づく受験戦争が教育と子どもの生活をゆがめていると批判してきたのに、もう一方で小・中学校段階から学校間の序列や格差を生み出す可能性の大きい改革をどうして正当化できるのでしょうか。全く不可解です。
 そこでお尋ねしますが、予想される学校間序列化に対し、どのような認識をお持ちでしょうか、お答えください。
 ともあれ、序列格差の現実化という循環の中で学校選びが行われるようになり、特定校への集中と選抜の必要性が加わると、どのような選抜方法が採用されるにしても、どの学校に入学できるかをめぐる競争が小・中学校でも起こることになり、教育の機会の地域差となってあらわれることにもなります。こうした地域差は教育機会の平等という基本理念に反するものです。
 さらに、安全性や序列性の基準による選択が広がれば、必然的なだめな学校とみなされる学校が出現します。こうした評価は一度多くの人に認知されると、それを覆すことは難しくなります。だめな学校というレッテルが定着すると、単に学校がレッテル化されるだけではなく、その学校に通う子どもそのもののレッテルを意識せざるを得なくなります。自分たちの学校はだめな学校だと考える子どもを生む、それでも選択制が好ましいとどれだけの人が言えるでしょうか。
 加えて、「問題児の追放」の問題が懸念されます。90年代にラディカルな教育改革が進められたイギリスでは、保護者の学校選択行動が活発化し、学校は自分の学校を選んでもらえるようさまざまな対策が講じられ、その最も確実な方法の一つとして、「問題児の追放」が行われるようになりました。類似の問題は、学校選択制を採用したアメリカやフランスを初め、欧米諸国でも見られています。荒れている学校、学習環境のよくない学校に子どもを行かせたくないと多くの保護者が思います。そうした思いにこたえるためにも環境を整え、学業成績を上げるためにも問題児を追放するという方法が多くの学校で採用されるようになりました。
 みずから選んだのだから、その選択に責任を持たなければならない、学校の方針に従わなければならない、それができないなら別の学校に行けばよいという論理が正当化されることになります。選択制が普及すれば、日本もそうならないという保障はありません。日本の公教育がこれまですぐれていた美徳として維持してきた、すべての子どもを受け入れ、等しくケアするという構えを変えていくことになるかもしれないおそれを選択制は抱えています。
 以上、さまざまな視点から学校選択制の問題点を指摘いたしました。私は、現在中野区が実施している指定校変更制度の承認基準の緩和対応にとどめ、すべての公教育が充実し、どこもよい学校ですから安心して地域の学校に入学してくださいと言える中野区の学校改善を進めるべきであると考え、選択制について再考を求めますが、私が指摘した問題点を踏まえ、区の見解をお聞かせください。
 次に、清掃事業についてお尋ねいたします。
 23区は、長年の悲願として自治権拡充と基礎的自治体となることを強く求めてきました。その結果、2000年4月に都区制度改革が実現し、清掃事業が東京都から各23区に移管され、既に3年8か月が経過しました。再三申し上げているように、収集・運搬は各区、中間処理は清掃一部事務組合、各区の調整は清掃協議会、最終処分場は東京都と責任の所在が見えにくく、わかりにくい形で清掃事業が行われており、清掃事業には課題が山積しています。
 とにもかくにも事業は移管されましたが、職員の身分は東京都からの派遣職員となっており、中野区清掃事務所に勤務する大多数の職員の人事制度や給与制度などについては、東京都の制度が適用されています。この都派遣職員が区職員に身分切りかえがされる2006年4月1日まで余すところ2年余りとなりました。派遣期間中の欠員補充は各区が勤務条件を整備するための準備期間を考慮し、3年間は区が決めた補充数に基づいて都が採用した職員を区に派遣していましたが、今年度2003年4月1日以降は、整備されるはずの新しい勤務条件で区職員の採用が行われ、区固有の清掃事業に従事する職員が誕生し、名実ともに清掃事業が特別区の事業としてスタートするはずでした。
 しかし、残念ながら、職員の勤務条件等の課題について整備が進まないため、どこの区でも清掃職員の新規採用を見合わせ、欠員のまま新年度がスタートした区も幾つかあるようです。新規採用がなされなかったために、欠員のまま新年度がスタートした区は、臨時職員や不安定雇用の派遣職員で欠員を無理やり埋め合わせたり、無理な作業計画が組まれたりと混乱が生じているようです。また、品川区においては、区の現業職員からの異動が実施されましたが、勤務条件等が未解決なままでの異動だったため、同じ仕事をしながら処遇の格差が生じてしまっているようです。
 今年度の中野区については、計画上の欠員にはならなかったそうですが、来年度は定年退職者などによる欠員が生じないのでしょうか。欠員が生じるにもかかわらず、正規職員による補充がなされず、臨時職員や派遣職員による補充あるいは区の現業職員からの異動となると、同じ作業に従事しながら、賃金・処遇が違うことになります。そういった事態は大きな人権問題となります。こういったことからも一刻も早い人事給与制度などの勤務条件の策定が求められています。
 勤務条件整備は早い段階から言われていたはずです。23区はこの3年間一体何をしていたのでしょうか。第3回定例会である区の区長さんが、ある区議の質疑に対し、「実は眠っていました。何もやっていない。したがって、今年度の4月、どのような区の職員として採用するかが決められなかった。」と本音の答弁をなさったそうです。あれだけ自治権拡充を、さらに身近な自治体できめ細かな清掃事業をと声高に叫んでいたにもかかわらず、本気で清掃事業に取り組んでいなかったと言えます。
 10月16日の区長会総会で、清掃事業に従事する職員の勤務条件等の課題について、早急に検討し、対応を急ぐ必要があることがやっと確認されたと聞いておりますが、残念ながら、11月の区長会総会では、具体的な中身の結論を得るには至らなかったようです。こういった重要な課題についていまだに結論を出せない区長会の不見識、無責任さを指摘せざるを得ません。
 身近な行政である清掃事業の第一線で多くの職員が奮闘しています。例えば、お年寄りや体の不自由な方への訪問収集や各戸収集、運び出し収集、区民の方との直接的な対話を交えながら、ごみの分別や収集曜日を守ることへの協力を呼びかける触れ合い指導、小学校へ職員を派遣しての環境学習の実施等々です。その職員の皆さんが安心して身分移管される2006年度を迎えられるように、また、来年度こそ区独自に清掃事業に従事する正規職員を補充できるように、勤務条件整備の早期解決を求めます。
 昨今の極端なコスト主義による現業切り捨て、民間委託などを清掃事業に機械的に導入することは、東京都時代からの今日まで営々と築き上げてきた事業水準を低下させることになりかねません。かつて、アイドルのごみ袋が破られ、プライバシーが週刊誌に流出した事件があったように、日々の生活から排出される家庭ごみは、個々の生活が見えてしまう個人情報が詰まっています。この点からも、守秘義務が課せられている公務員が収集することの安心感があります。
 先ほど例として挙げた訪問収集やふれあい指導も、尋ねてくる職員が公務員だからこそ区民も安心して任せることができるし、安心して対話もできるのです。他区の事例ですが、高齢者訪問収集の安否確認で倒れていた老人を救ったり、作業中に火災を発見し、幼い命を救ったことなど、数え切れない事例があるそうです。区民生活の中で、清掃行政と職員の存在はますます大きな存在になっているのではないでしょうか。環境学習も好評を得ているようで、清掃事務所には多くの子どもたちからお礼の手紙が届いているそうです。
 ややもすると、清掃事業はごみを収集するだけの単純労務と思われがちですが、ごみを収集するだけではなく、どこの町のどの集積所がどういう状態になっているかなどを熟知した正規職員でなければ、行政として責任ある清掃事業は成り立たないのではないでしょうか。正確な知識や情報を持って区民が対応できる人材は、仕事を通してはぐくまれるのだと思います。ごみの資源化率を上げ、ごみゼロ中野を目指すためには、区民にごみになるものを買わない生活のあり方のアドバイスやさらなるごみの分別指導等が必要であり、清掃職員の能力を十二分に生かし、ごみ問題、環境問題のリーダーシップをとる職員集団となることを期待しています。
 清掃業務は、他の現業職種と比較しても勤務実態は厳しいものと言えます。土曜日、祝日はもちろん、区によっては日曜日も、雨の日も、雪の日も、35度の真夏日でも、氷点下の真冬でも、天候のいかんにかかわらず、1年じゅう屋外で交通量の多い路上での労働です。危険な職業とされる警察や消防より、死亡事故も含め、公務災害発生率は非常に高いのが実態です。大都市問題としてのごみ問題という側面や、チームワークで行われる業務の困難性や特殊性も無視することはできません。また、残念なことですが、清掃業務に対する社会的な職業差別もまだ存在するようです。
 このように清掃は、区にとって、これまでにない現業職種と言えますので、新しい勤務条件整備が必要です。職員の処遇については、「区移管に先立ち、清掃事業の特別区への移管にかかわる覚書」に基づき、移管する場合の職員の勤務条件等については、移管に際して処遇総体の低下を招かないことが確認されているようです。これまでの数々の約束ごとや都区合意事項などを精査し、明らかにしていただき、一刻も早い解決を求めます。
 清掃事業は、生活・暮らしに不可分なごみ・資源を通じて、区民と行政が直接触れ合う身近な行政です。清掃事業の公共性を守り、区民のための政策を示すという将来展望を区は表明すべきです。
 2004年度こそ区が責任を持って欠員に対する補充が行われるように、また、現在の都からの派遣職員が身分移管される2006年4月1日を安心して迎えられ、中野区の職員として自信を持って清掃事業を担える状況をつくるために、勤務条件整備、いわゆる2003年度問題、2006年度問題の早期解決に向けて、田中区長は区長会の先頭に立ち、積極的で真摯な対応をされることを大いに期待するものです。区長のお考えをお聞かせください。あわせて、区長会の検討状況もお聞かせください。
 「特別区長会自治研究会第2分科会報告」という今後の特別区における安定的な中間処理のあり方の研究が11月14日、区長総会において、区長会の方針とすることが確認されました。区長会は非公開のため、どのような議論がなされているのか知るすべがありませんので、お尋ねいたしますが、それによると、2006年4月1日以降も当分の間、東京二十三区清掃一部事務組合による共同処理と決められたようです。清掃工場は23区共有の施設として運営すべきと考えていますので、基本的には一致しますが、新たな共同処理として広域連合は検討されたのでしょうか。その際、一部事務組合と広域連合のメリット、デメリットなどはどのように判断されたのでしょうか、お答えください。
 清掃一部事務組合の改善の一つに徹底した情報公開の推進が挙げられておりますが、実際にどこまでの情報をどのように公開していくおつもりなのか、検討結果をお答えください。また、清掃工場運営のアウトソーシングの推進が示されております。むだを省くことは大切ですが、経費節減を全面に出した民間委託は危険きわまりない結果となることは、大阪府の能勢町の事例からも明らかです。技術を持ったエンジニアを派遣してもらうためには、それなりの人件費がかかります。経費を抑えるために下請けのさらに下請けの何の技術もない人が派遣された結果、取り返しのつかないダイオキシン汚染をもたらしました。アウトソーシングをしている工場の実態調査をどこまでなされた上でこの方針を確認したのでしょうか、お答えください。
 経費を抑えるために民間委託を進め、その結果、常識では考えられない事故を起こしたり、事故隠しが大きな社会問題となっている昨今、情報公開とアウトソーシングをどのように検討されたのか、お答えください。
 その他で1点お尋ねいたします。
 ここのところ盛んに民間でできることは民間にという視点が全面に打ち出されております。今回私が質問いたしました学校給食、清掃、さらに図書館や保育園などが挙げられております。当然法的なことは踏まえ、公の機関がなさなければならないことと民間にゆだねることとの見きわめはどのようになっているのか、区の判断基準をお答えください。
 以上で質疑はすべて終了いたします。いずれの質疑も区が進めようとしている方向性とは違った角度からの質疑ですが、誠意あるわかりやすい御答弁となるようよろしくお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。
 私の方からは清掃事業について、それから、その他ということでお答えさせていただきます。
 2003年度から職員採用を区が行うことになっているということでの条件整備、まだできていないではないかと、どう考えるか、どういう議論がされているかといったような御質問でありました。御質問をお聞きしながら、清掃の労働組合の方がさまざま主張していた内容について、私としても議員の意見を聞きながら勉強させていただいたというふうに認識しています。
 清掃事業に従事している都からの派遣職員と区の現業職員とに適用されている処遇に係る制度、これについて格差があるということは区長会でも共通の認識としているところであります。この格差をどのような考え方で調整していくのか、できるだけ早期に結論が出せるよう今、議論を進めているところであります。
 それから、中間処理のあり方に対する区長会での検討状況というようなことであります。
 一つは、一部事務組合の継続運営ということになった、このことについて、広域連合との比較などどう検討したかという御質問でありました。
 今回、区長会では、特別区における安定的な中間処理のあり方についてということで、これまで一部事務組合の運営で対応してきた経過、実績を踏まえて、区長会の方針として確認したところであります。アウトソーシングあるいは情報公開のあり方、そうしたことについては、今後検討しながら、しっかり実現していく課題ということで整理をしたものでありまして、今後さらに十分検討していきたいというふうに考えております。
 それから、その他のところで、民間でできることは民間でという考え方について、判断基準等あるのかというような御質問でありました。
 行政が行っていることは、いずれにしても公共の利益の実現、公共性の事業であります。その公益の実現という具体的な作用について、行政の組織が行ったとしても、民間の組織が行ったとしても、その作用の実現ということは可能なわけであります。その中での公益性をどのように担保していくかというのが行政にとって重要な働きであるというふうに考えているわけであります。したがいまして、行政が行っても、民間が行っても同じように公益性が担保されるということを前提とするならば、より効率的に行われるためには、民間ができることは行政は行わないという考え方が正しいのではないかと、私はこのように判断をしているところであります。
  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、学校給食についてのお尋ねと、それから、学校選択制についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
 まず、学校給食について、でございますが、今回私どもが予定してございます栄養業務の委託ということでございますけれども、給食を実施する責任は当然区が負う、それから日々の給食については学校長の監督のもとで実施するということが前提になってございまして、このうちで非常勤の栄養士が担っております業務を委託するということでございます。これは、民間でできるサービスは積極的に民間活力を活用していくという方針に基づき、なおかつ、私どもいろいろ検討しまして、こうしたことを実施して、対応が十分できるという判断のもとに行うということでございます。
 現在、非常勤の栄養士が行っております業務を委託した場合に、勤務日数等の関係で、今まで対応のできない部分のあった食指導なども時間が十分にとれるというような効果もございます。こうしたことから、質の低下にはならないというふうに考えてございます。また、実施に当たっては、今後、保護者、PTAに十分御説明するということは当然でございますが、区民の皆様への説明の機会も設けていきたいというふうに思っております。
 それから、御質問の中で、調理業務を請け負う者と栄養業務を請け負う者との関係はというお尋ねがございましたが、調理委託業者は調理指示書あるいは献立表に基づいて調理業務を行うということがその役目でございます。これに対して、栄養業務の受託者は、給食調理の業務がきっちり行われているかどうかという進行管理を主に行っていくものでございます。なお、調理業者に対する指示が必要な場合には、学校長から受託業者の責任者を通してそうした指示を行っていくことになります。
 また、席はどこに置くのかというようなお話ございましたけれども、これは学校側とこれから詰めていくことになりますけれども、さまざまな事務等も行っていただくという必要もございます。できるだけ事務室の中などで仕事をしていただけるように調整をしていきたいというふうに考えております。
 それから、食指導の重要性ということがございました。私どももその重要性は当然十分に認識しているところでございます。その中で、栄養教諭というようなお話も触れていらっしゃいましたけれども、これは現在国の審議会で検討されている事項でございますが、設置が望ましいというようなお話が聞こえてきております。しかし、全校に配置されるのかどうか、あるいは財源はどうするのかというような全体像は全く明らかにされていない状況でございます。
 それから、現在の委託をしている業務と直営で行っております給食調理の業務を併存させてはという御質問がございましたけれども、これにつきましては、これまでの実績の中で調理業務の委託による利点は明らかになっているというふうに認識してございます。このため、直営校を残すという考えは持ってございません。
 それから、給食の果たす役割についてはどう考えるかというお尋ねがございました。これにつきましては、児童・生徒に対して、日常生活における食事について正しい理解あるいは望ましい習慣を養うということ、それから、食生活や栄養の改善あるいは健康の増進を図るというようなこと、さらには学校生活を豊かにする食事を提供するというような役割があると考えているところでございます。
 それから、次は、学校選択制について、でございます。
 現在、教育委員会で考えております選択制でございますが、学区域は残しつつ、学区域の中にあります学校はもとより、現在通っていただく学校ということですが、学区域の外の学校もあわせて選べることができるようにしていきたい、そういうことでございます。当然学区内にお住まいのお子さんが優先されるわけで、施設の関係などもありますので、定員を設けるということになります。希望が集中をした場合には、公平性を確保するために抽選をするというようなことを考えているわけでございます。こうしたことを前提といたしまして、教育委員会では、教育内容の充実や質の向上あるいは特色ある教育活動の推進、学校の活性化などに効果があるというふうに考えまして、学校選択制の導入に関しての案を取りまとめたわけでございます。今後この案を区民の皆様にお示しして、御意見を伺った上で最終的な判断をしたいというふうに考えております。
 御質問の中で、特色ある教育活動とはどういうものかというお尋ねがございました。これについては、各校の教育目標を達成するために、各学校の伝統でありますとか、立地しております地域性あるいは児童・生徒の実態などに基づいて、各学校が持っております特性でありますとかよさを生かして、創意工夫のもとで行う教育活動というふうに考えてございます。こうした特色のある活動を積極的に取り組むということを通して、当然各学校の間に違いが出てくるというふうに思っております。しかし、これは各学校が持つ個性に磨きをかけることだというふうに認識しておりまして、序列化というようなことにはならない、あるいはそういうこととは違うというふうに思っているわけでございます。
 また、御質問の中で、選択の際にさまざま懸念があるという御指摘がありましたけれども、今後、教育委員会としましては、保護者や子どもたちの選択の参考にするために、これまで以上に学校についての情報を的確に提供させていただきたいというふうに思っております。言葉は悪いですけれども、そうした懸念をされるような、例えばうわさということで選択することのないような呼びかけもあわせてさせていただきたい、そういうふうに思っているわけでございます。
     〔むとう有子議員登壇〕
17番(むとう有子) 再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、学校給食についてのところで、栄養士も民間委託、調理師も民間委託となったときの法的な指示、命令系統がどうなっていくかというところの御答弁がなかったように思います。文部科学省の話によりますと、教育委員会が栄養士の民間委託会社と契約し、そして、教育委員会が調理業務の民間委託会社と契約を結ぶわけですから、それぞれ教育委員会との契約関係になっていきますから、直接的に民間の栄養士と民間の調理員さんが言葉を交わすというようなことは契約上違法であるというお話を伺っておりますけれども、その辺について区はどういうふうに認識されているのかという点と、実際問題、どういう命令指示システムをつくっていこうとしているのかというところをわかりやすくお答えしていただきたいと思います。
 それから、その他のところで、民間に任せるところは民間にというところで、区としての判断基準が何なのかということを質疑したんですけれども、区長の御答弁の中で、公益性を担保できれば民間にという御答弁だったかと思うんですけれども、公益性が担保できるかできないかというあたりが判断基準になるかと思うんですけれども、その際の判断基準についてわかりやすく御答弁していただきたいと思います。
 以上2点、お願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
 民間にゆだねること、その公益性をどう担保するのかということについての御質問だというふうに思います。公益性を担保するということについて、民がサービスを提供したとしても、行政がサービスを提供したとしても、そこが公益にかなったものであるかどうかというのは、常に客観的な判断基準で判断をされていかなければならないだろうというふうに思っているわけであります。民が提供する公共サービスについて、例えば運営の基準というものがきちんとできている、あるいはその基準にかなっているかどうか、これをきちんと見きわめる仕組みができている、また、運営をされている状況についての情報公開が十分になされている、あるいはサービスを受ける側からの苦情、不服といったようなことについての処理の仕組みがきちんと設けられている、そういったようなことが公益性を担保していく仕組みとして重要になっていくのではないかというふうに思っています。そうした公益性を担保する仕組みについて行政がしっかりと仕組みをつくって、それを守っていくということが必要だというふうに思っているわけであります。
  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 再質問にお答えさせていただきます。
 民間の調理業者と栄養業務を行う業者との法的な関係というお尋ねでございますが、先ほどもお答えさせていただいたように、調理業者は調理業務を行うわけでございます。その調理業務の進行管理をする役目を栄養業者が担うということになります。そうした関係をそれぞれの契約の際に仕様の中でうたうということになるかと思いますが、調理業者に対しては、栄養業者の進行管理に従うようにと、そういうことになるかと思っております。
 先ほど学校長を通してというふうにお話ししましたけれども、これも命令というようなことで行う場合にはそういうことになるとは思いますけれども、言葉を交わすことができないというようなことはないだろうと思っておりまして、実際の場面の中では当然やりとりもしますし、必要な助言あるいは指示というようなこともあるだろうというふうに思っているわけでございます。
議長(山崎芳夫) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時04分休憩

      午後3時23分開議
副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 「官から民へ」の施策の展開について
 2 基本構想策定について
 3 区民参加についての手続き条例について
 4 外郭団体の見直しについて
 5 保育サービスの拡充について
 6 女性のためのシェルターの支援について
 7 緑の保全について
 8 その他

副議長(やながわ妙子) 佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
29番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり、一般質問させていただきます。
 まず最初に、「官から民へ」の施策の展開についてお伺いいたします。
 「官から民へ」という言葉が今あちこちで言われております。しかし、総論賛成、各論反対で、具体的な事業を官から民へ移行させようとするとき、それは官、すなわち公務員でやるべき仕事ではないかという意見が出てきます。何を官でやるべきで、何を民でやるべきなのか、領域の仕分けの合意ができていないのではないかと思います。区民集会などでも官の批判がされます。お役所仕事で効率が悪い、人件費をかけ過ぎている、民間の方がサービスがよいとか、しかし、民間に移行しようとすると、行政責任を放棄するのか、福祉や教育を切り捨てるのか、民間ではサービス低下になるなどの反対意見が渦巻きます。
 官も民も悪いとなると、一体教育や福祉などの公共サービスはどこが担うのがいいのでしょうか。官への非難の中心は、税金を投入した分だけの効率のよいサービスが行われていない、民への移行の非難の中心は公的責任がとれないのではないかということではないかと思います。それぞれ非難をし合っているだけでは前へ進めません。
 公共サービスは官だけが担うものではないことは、もう明白です。学校も福祉施設も保育園も、もともと民の力でつくられ、今でも教育や福祉を支える原動力は民の力です。官と民が力を合わせて公共サービスを支えるためには、それぞれが担う公共サービスの領域をどう設定するのか、それぞれのよさを生かし合う役割分担をどうするのか、また、住民がその公共サービスに意見が言えたりチェックできたりする参加の仕組みはあるのか、運営などの情報開示はできているのかなどの議論と合意づくりが必要だと思います。
 何冊か読んだ本の中で目にとまったのが、「小さな政府、大きな市民自治」という言葉でした。中野区としては、これを目指すべきだと考えます。民、すなわち企業も民間非営利法人も市民もそこに含まれる概念です。民が公共サービスで力が発揮できる仕組みや制度を公平に平等につくっていくことがこれからの官、すなわち公務員の重要な役目だと思います。
 中野区は経営改革指針で「公共的な事業は行政が独占的に担うのではなく、民間の活動を活発化することにより、効果的かつ柔軟な区民サービスを提供していくことができる。民間の活力を生かした施策展開を進め、民間事業者やNPO法人等に区の業務を委託、移管していく」と方針を出しています。
 中野区が目指すべき姿への共通の認識が必要です。今、官から民へという事業展開の中で、さまざま区民の方からの御意見が沸騰しているところです。区長は、選挙に当たり、「官から民への大転換」をキャッチフレーズで掲げてきました。何のために官から民へを目指すのか、わかりやすい区長のお考えをお伺いいたします。
 そして、この経営改革指針の答申に対する合意づくり、具体的な施策や事業での展開方法などについて、区民とともに議論できる場が基本構想審議会とワークショップです。こういう中野区政を目指すんだということについて合意はできているのでしょうか。官と民の領域、役割分担について、また、展開していくための情報開示、チェックの仕組みについて、具体的にどのような議論がされているのか、お伺いいたします。
 既に市民やNPOで行っているサービスを公共サービスとして支援し、市民の力を生かす仕組みをつくってはいかがでしょうか。以前はっとり議員も質問したことがありますが、我孫子市をはじめいくつかの自治体で行われているように、従来の補助金をゼロベースにし、改めて審査の基準や選定の理由を透明にし、自治体の職員がメンバーに入らない第三者による審査会を設け、公募による補助金制度をつくり、広く市民の力を生かしてはいかがかと思います。御意見をお伺いいたします。
 保健福祉にかかわる分野で特にNPOを含む非営利の民間法人が多様な事業を展開しています。ホームページでクリックしてみましたけれども、現在登録されているNPO法人で医療の分野、福祉の分野で活動する法人、本当にたくさんございます。その力を積極的に取り入れ、保健福祉にかかわるサービスを多様で豊かに膨らますことができると思います。
 例えば、小規模作業所などが障害者の地域自立生活を支えています。そこに保健福祉の相談機能、在宅サービスのコーディネート機能を委託し、利用者に近い場所で広く相談や在宅支援が受けられるようにしてはどうでしょうか。精神障害者の地域生活支援に取り組んでいる小規模作業所に自立支援の事業を担ってもらう、また、難病患者の支援をしているNPOに在宅生活支援や相談事業を担ってもらう施策の展開ができるのではないかと思います。民間法人の専門性を生かした保健福祉サービスの拠点づくりを考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 指定管理者制度の導入について議論されているところです。昨日も答弁にありましたように、保育園だけに当てはまる制度ではありません。すべての公共施設の管理運営が対象となります。既に委託している施設は条例改正が必要になると思いますし、区内の公共施設の管理運営をどこが担えば効率的で適切な住民サービスが展開できるのか、総合的に検討する必要があると思います。
 中野区は、今回保育園の管理運営だけの条例改正を提案していますが、自治体によっては総合的な指定管理者制度導入のための条例を制定するところもあります。中野区ではどのような方向で指定管理者制度の導入の検討をしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 「官から民へ」の動きが強まるのは、公務員の働きかたの限界も原因だと思います。国においては、地方公務員法の改正が予定されていますが、そのスケジュールについてはいまだ定かではありません。公務員の働き方の改善も多様なサービスが展開できる改善も必要だと思います。経営改革指針で「職場ごとの業務実態に見合った勤務時間を設定するなど柔軟な勤務体制を確立する。また、フレックスタイム制や裁量労働制、短時間公務員制度などについて、公務員制度改革の方向を見ながら、導入に向けた調査研究を行う」としています。それぞれどのような働き方なのか、現在どのような検討状況なのか、お伺いいたします。
 また、職員に関する情報を明らかにするため、(仮称)中野区職員白書を作成することが15年度の目標です。どうなっているのでしょうか。昨年の6月定例会で、人材育成計画の策定をとの質問に対して、「人材育成の方針につきましては、今年度内の策定をめどに検討していることにしております。職員参加で検討し、職員の提案や発想なども組み入れる形を考えております」と答弁されていますが、今年度というのは昨年度におっしゃっていたので、昨年度まだ示されておりません。人材育成計画は現在どうなっているのか、お伺いいたします。
 今回、図書館、学校給食の栄養士、保育園の非常勤保育士の職の廃止が問題になっております。常勤職員が柔軟な働き方ができない部分を中野区は非常勤職員を配置することによって補ってきました。常勤職員に比べ、はるかに不安定な身分の中で、非常勤職員の方々はその専門性を生かして熱心に仕事をされています。その仕事ぶりを私は評価するべきだと思います。いかがでしょうか。事業の運営方法の変更により、職を廃止してしまうだけではなくて、経験を積んだ人材を生かすことにより、運営方法が違っても住民サービスが豊かになると思います。非常勤職員の方々の経験や知識を生かす移行の仕方を要望いたします。
 次に、基本構想策定についてお伺いいたします。
 10月29日に行われた「基本構想を描く区民ワークショップ」の全体会を傍聴いたしました。12月3日の中間報告に向けて、各分科会らの発表は、8か月間の議論の熱意と苦労が伝わってきました。区民ワークショップも幾つか傍聴させていただきましたが、区政の課題について熱心にやりとりがされておりました。メールマガジンからも区民ワークショップの様子や審議会の様子が伝えられております。台風の日もめげず、何回も集まり、議論されているということです。それぞれの立場で言いたいことを出し合ってきたけれども、どうこれから合意をつくっていくのか、これからが肝心との印象を持ちました。このことに区民ワークショップのメンバーの方たちも気づき、どうすればいいのか模索中です。
 「持続可能な活力あるまちづくり」を担当している第1分野のワークショップでは、全体として共通の現状認識を持つには至っていないということです。例えば容積率のあるべき姿について、過大な床面積供給の抑止を図るか、定住人口をふやすために拡大していくかの意見が分かれているとか、この中で共有できる持続可能な仕組みを見出すために議論が重ねられています。「新しい自治のあり方」を考えている第4分野のワークショップでは、共通概念として、「小さな区役所」と「地域ガバメント」が提案されています。教育や福祉の分科会ワークショップで議論されていることと今後どうかみ合わせ、区政の方向性をつくっていくのかが大きな課題だろうと思います。
 基本構想審議会も傍聴しました。傍聴した場面だけでは判断はできないと思いますが、率直なところ、これで今年度末審議会の答申が出せるのかなという不安を持ちました。それぞれの立場を、思いを言い合うだけで課題の抽出がされていない、課題に沿った資料やデータが十分提示されていない、議論の仕方が押さえられていない、また、学識経験者の有効な活用がされていないなど、課題について集中的に深い議論がされているように見受けられなかったからです。
 例えば、ちょうど傍聴したときに学校の選択制導入の問題が議論されていました。審議会で個別課題に時間をかけていることをもどかしくも思いましたが、審議会ではPTA代表の方々から「団体としては現時点での選択制導入に反対である」との意見が出ていました。教育委員会は、選択制の導入に向けての案を提案しているところです。審議会の答申も出ていないのに先に区から提案されたのでは、基本構想の議論に参加している区民をないがしろにしているのではないかという声も出ています。といって、答申が出るまで区は何も考えないということでは区政も進みません。区の今現在の考え方をきちっと提案し、審議会の中での考え方ときちっと議論し合うことが必要だと思います。
 先日、「協働のための人財養成講座」に参加いたしました。職員研修として、NPO団体の方の研修としても位置付けられているものです。区民、職員、NPO団体の人たち、職員も児童館の職員の方から部長まで出席して、対等に議論し合えたこと、議論はどういうルールで行えばよいかを知ることができたとても貴重な体験でした。ワークショップのメンバーも参加していて、ワークショップや審議会でなぜ深まった議論ができないのか、お互いに言いたいことを言うだけに終わってしまっているのか、合意がなかなかつくれないのか、議論の仕方、順序、ルールがなかったんだという疑問が解けたようでした。これからの市民社会を開く参加のデザイン、講師の方はそうおっしゃっていました。その参加のデザインの重要性を知ることができました。
 走りながら考えているのが今の中野区の現状です。とにかく踏み出してみないと、議論も中野のあすも切り開けない状態です。だからこそ、こういった研修で得たものが審議会やワークショップの議論に生かされていくことが必要です。一定の方向だけで行き詰まらないように、さまざまな研修の場、議論の場がいい方向で響き合っていくことを期待いたします。
 議論に必要な資料やデータの十分な提供はされているのでしょうか。まだまだ合意に達しない課題がたくさんあると思います。例えば、最初に質問しましたように、民への移行の仕方、行政が行う仕事の領域は何か、移行をどう図るべきなのか、課題を抽出し、優先順位を決めて議論すべきだと思います。課題についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
 行政側がもっと考えていることを提案する、投げかける、そしてせっかくの区民参加の場ですから、行政の考え方をワークショップや審議会でたたいていただくことが必要ではないでしょうか。しっかり向き合い、議論を進める必要がありますが、いかがでしょうか。
 21世紀の中野を考え実践する職員プロジェクトチームのまとめ、基本構想改定に向けた提案書が7月の末に出ております。職員の方たちのやる気と知恵の結晶だと私は読ませていただいて思いました。区民参加の仕組みにも、中野区希望選択制度を導入するとか、なかなか興味のある提案もされております。この中で提案されていることをどう現在の議論の中に生かされていくのか、お伺いいたします。
 職員の方たちは提案のまとめに当たってこう述べております。「私たち職員も、従来型の行政の役割や行政運営のあり方をベースに物事を考えるのではなくて、新たな時代の要請に合った仕組みをつくり出すことが求められている。これまで培ってきた既成の理念、価値観、原理、原則、制度をゼロベースから問い直し、先見性を持って自己変革していかなければならない。まさに前例踏襲から前人未到へ、確かな一歩を踏み出さなければならない」という決意を述べていらっしゃいます。すばらしいこの提案書づくりの中で、私は職員の方たちがしっかり育成されている、頑張っているということを実感することができました。
 これからの基本構想の議論のポイント、方向性について、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 3番目に、区民参加についての手続き条例についてお伺いいたします。
 先ほど述べました「協働のための人財養成講座」の中で、市民参加について講師の方が書いていらっしゃる資料ですけれども、「最近は市民参加ばやりで、どのように市民参加を進めるのかの方法を検討せずに、市民参加を実施すること自体を目的化し、市民参加の実践やワークショップをすることに力を入れる傾向があります。しかし、市民参加はともかくやればいいというものではなく、方法論がきちんと検討され、確立されていることが不可欠です」、私もしみじみそう思いました。それでこのたび区民参加の手続を定める条例づくり、約束ごとづくり、ルールづくりが必要だということで質問させていただきます。
 経営改革指針の「手ごたえのある区民参加」の項で、「基本構想策定の過程において、幅広い区民論議を踏まえた上で、自治と区民参加の基本理念を明確にした自治基本条例を制定する」と目標が掲げられております。来年度、中野の自治や区民参加に関する基本理念の検討をし、自治基本条例を制定するとなっております。ここで基本理念の検討となっておりますが、理念ももちろん重要ですが、この間の行政の動き、市民の動きを見ていますと、理念だけではなくて、具体的な参加の手続を定めた条例が必要ではないかと思います。
 「協働のための人財養成講座」では、理想的な市民参加だと思う政策決定手続を五、六人ずつが四つのグループに分かれて考え合いました。住民の意見を聞く、議会の意見を聞く、関係職員との調整をするなど10枚ぐらいのカードが用意されていて、それを自分が理想だと思う市民参加の順番に並べかえるというふうなことでした。みんな我こそは市民参加を一番大切に思っていると自負しておりますので、それぞれが一生懸命取り組んだわけです。私は、区民部長さんと一緒のグループに所属しておりました。でき上がってみると、それぞれの立っている立場とか、職業とか仕事とかによって、市民参加のあり方についての考え方がいろいろ違うんだ、同じように大事だと思っている方たちとも違うんだということが、実際にでき上がった四つのグループの流れが全部違っていたということでわかりました。
 言うは易く、つくり上げるのは大変難しいということを実感いたしました。どういう手続をとれば区民参加が実現していることになるのか、徹底して考え合い、それを手続として定めていくことが重要だと考えました。
 区長は、武蔵野市民だったときに市民参加条例づくりと直接請求運動に市民として携わっていらっしゃったとお聞きしております。その市民参加条例が条例ウェブで紹介されております。武蔵野市では残念ながら否決されましたが、その後、あちこちの自治体で制定されるようになりました。市民参加の概念が当時とは違ってきていると思います。当時も現在のほとんども、市民参加は意見聴取という参加の手法です。しかし、今要求されている市民参加は、住民の力が生かされる住民参加です。住民によるコントロールができているのか、行政の仕事を市民がやる仕組みができているのかなどの手続や仕組みを定めることが必要です。意見を聞かれるだけの住民ではなくて、公共サービスを行う共同事業者としての住民、すなわち公共サービスの担い手としての住民参加のあり方、仕事の分かち合い方のルールまで踏み込んだ時代を見通した条例をつくらなければならないときだと思います。基本だけではなくて、手続を同時に盛り込んだ総合的な自治条例を検討されてはいかがでしょうか。また、この条例を検討するための方法についてはどのように考えられているのか、お伺いいたします。
 職員の方の提案書にも入っていたんですけれども、全国住民サービス番付というものが日本経済新聞社から出ております。もちろんごらんになっている方も多いと思います。職員提案の中でここで上位に中野区が入るということを目指すんだということも示されておりましたので、私も買わせていただいて、中野区がどこかに入っていないかなと思って見ました。大変行き詰まりの状態だから入っていないと思ったんですけれども、しっかり幾つかの項目で入っておりました。
 まず、一番高かったのが6番目に入っている項目、少子化対策です。所得税、30万世帯の認可保育所の月額保育料が全国の自治体の中で上から6番目に安いという中野区としてランクされておりました。それから、透明度の上位に入っております。中野区は全国自治体の中で透明度は20位というふうにランクされております。これは昨年度の調査です。行政改革度の総合ランキングでも100位以内に入っております。95番目という結果が出ております。また2年ごとにこの調査がされることなので、2年後にはさらに上位になることを期待させていただいておりますが、これの中の外郭団体の見直しについてという項目も入っておりました。それについてはやはりまだピックアップされていないです。
 4番目に、外郭団体の見直しについてお伺いいたします。
 宮城県は、常に新しい福祉の方向性を示してきた自治体です。この10月末、宮城県の浅野知事は、障害者自立支援を拡充、効率化するために、県の福祉事業団と県の社会福祉協議会を2005年度までに統合すると表明しました。宮城県福祉事業団は、障害者の主に入所更生施設を運営してきた団体です。昨年11月、「施設解体みやぎ宣言」を発表し、障害者を施設から地域へ移行していく方針を示し、全国のトップ記事になりました。この統合は、県出資の公社や第三セクターの合理化を図るために策定された公社等外郭団体改革計画に載っております。
 中野区は障害者事業団の法人化を検討されておりますが、これからの地域福祉のあり方を考えたときに、宮城県のように、安定的に供給される福祉サービスとして自立していけるように、社会福祉協議会との統合も視野に入れて検討するべきではないかと思いました。これは区内の障害のある当事者の方からもそういう御意見が寄せられております。宮城県だけではなくて、横浜市などの外郭団体の見直しを進めている他の自治体でも、障害者事業団と社会福祉協議会との統合が図られつつあります。中野区も統合を視野に入れて、障害者事業団の法人化を考えなければ、次の時代に対応できる組織にならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 住民サービスの拡大と効率化のために各自治体は外郭団体の見直しに取り組んでおります。中野区も経営改革指針で、「現在の社会情勢を踏まえ、外郭団体の運営状況や機能の観点から見直しを行い、自立性を高めて設置目的に沿った運営を引き続き行うものと、役割や機能、運営を抜本的に見直すものを明確に示す」と四つの外郭団体、勤労者サービスセンター、中小企業退職共済会、福祉サービス事業団、文スポ公社の見直しを打ち出しています。しかし、まだ見直し策について明確に示されておりません。現在どのような検討状況なのか、お伺いいたします。
 外郭団体として取り上げているのは中野区では4団体しか対象にしておりません。しかし、横浜市では55団体、神戸市では49団体を外郭団体として改革計画を進めております。もちろん行政の規模に大きな差がありますから、一緒ということではないでしょうが、中野区では範囲に入れていない社会福祉協議会や土地開発公社、ケーブルテレビ会社なども範囲に入っております。外郭団体の区分けの仕方、まず自治体が出資金を出している、職員の派遣またはもと職員がいるなど、人的、資金的及び業務内容において極めて強い関連性を有する法人または団体というふうに位置付けております。そういう基準に合わせると、中野区の外郭団体の現在の数は幾つでしょうか。外郭団体に再就職していらっしゃる区の退職者の数は何人でしょうか。債務保証額や出資金の総額は幾らでしょうか。
 外郭団体の改革に向けて、各外郭団体自身による経営改革計画の策定、団体役員や事務局責任者への民間人材の活用、市民ニーズに対応し、民間事業者への委託、NPOとの協働を進めるなど、各自治体の改革計画が図られております。
 特に経営外部評価をやっている自治体の事例に注目いたしました。例えば、神戸市は民間の専門家による神戸市外郭団体経営評価委員制度を設置し、すべての外郭団体を対象として経営状況等を調査し、経営面での評価、助言、提案を行う制度を設けました。その評価委員会の報告で、民間企業と比較すると、経営者としての認識が甘く、経営責任が明確になっていない。2番目、取締役会・理事会が報告中心となり、議論が活発に行われていない、3番目、固有職員の給与制度が市に準拠、類似した年功序列制度を基本としているなど、たくさんの指摘がありました。
 企業統治(ガバナンス)・説明責任(アカウンタビリティー)・情報開示(ディスクロージャー)の強化を目指すことが重要であると助言されております。中野区でも外郭団体の経営を外部評価できる仕組みが必要だと思いますが、お考えをお伺いいたします。
 また、その前に、積極的な情報提供が必要です。区のホームページに外郭団体の経営状況、改善計画、進捗状況などの公表をすべきではないでしょうか。横浜市では重点改革項目として、外郭団体の自主的・自立的経営の促進を掲げ、整理・統合・あり方の検討の推進、特定協約団体マネジメントサイクルの導入を行い、外郭団体年度別アクションプラン、整理・統合・あり方などを検討する36団体についてホームページで公開しております。外郭団体の改革の進め方を明確にするために、区民によく見えるように、外郭団体の改革計画を来年度策定すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、保育サービスの拡充についてお伺いいたします。
 11月10日に来年度から民間委託する保育園が2園発表されました。保育サービスを拡充するために民間の力が必要なのはわかるが、来年の4月からでは話が余りにも急過ぎるとの声をいただいております。一方、時代が変わってきたなと思うのは、民間の方がサービスもいいので、質のよい民間で運営する認可保育園を待ち望んでいるという声をこれから入ろうとする方からいただいているということです。コンビチャチャがやっている認証保育園、ここに通われている方なんかは特にそう思われていて、次の保育園を民間でやる保育園を望まれているというお声もいただきました。保育サービスの時間や子どもたちへの対応のよさなど、民間社会福祉法人はもとより、株式会社も頑張っているという評価が先行自治体での評判あるいは先行して民営化されている保育園での評判もあり、そうしたところから区民の方々の認識も変わってきているのではないでしょうか。もちろん私も認識を改めてまいりました。
 中野区は経営改革指針で、「区立保育園については、区民の多様なニーズにこたえた必要な保育サービスの供給を確保することを基本的な視点として民営化を推進する。今後の区内の保育環境のあり方や区立保育園の委託・民営化について区の考え方を示す」と、保育に関する基本計画の策定を目標として掲げております。とするならば、民営化の推進が目標なのに、なぜ急に民間委託の手法をとったのでしょうか。それから、保育に関する基本計画策定を今年度行うと掲げていますが、計画案も示されておりません。区立保育園の委託・民営化についての区の考え方を示すとも言っておりますが、考え方も示されておりません。次世代育成支援対策推進法の制定もあり、それを踏まえた上でもう一度計画策定に踏み出すということでしょうが、個別の保育園を民間委託する話だけでは先が見えません。どう考えているのか、保育園に関する考え方はきちんと示すべきではないでしょうか、お考えをお伺いいたします。
 「保育園ガイド東京」、これですけれども、女性会館まつりのときに、情報図書室を発展させる会の方たちが展示していらっしゃいました。ここに区内の保育園が紹介されております。中野区内の保育園も区立保育園のほか私立保育園、認証保育園、小規模保育園などが紹介されております。しかし、中野区の全部の保育園が載っていない。例えば渋谷とかは全部の保育園を載せているところもある。つまり区がこういう情報を提供してくださいというふうにここの会社から聞かれたときに、情報提供をしていない。だから、情報提供した保育園だけが載っている。例えばこの間、やながわ議員と一緒に港区に行ってきました。その中で、港子育てハンドブックというものをいただきました。この中に保育園の情報をすべて含めて、子育て関係に関する情報を港区は民間のNPOと一緒につくっております。中野区で例えばこういう冊子がつくれれば私は一番いいと思いますが、積極的にどんな保育園があるのか、保育園の中身はどんなものなのかということをきちっと区民の皆様に情報提供していく手だてをあらゆる機会に講じるべきではないかと私は思います。
 中野区では、きのうの大内議員の質問への答弁でもお答えされていましたように、公立保育園よりも私立保育園で緊急一時保育、産休明け、延長保育など多様な保育への対応が進められてきたということです。三鷹市など他の自治体では、夜10時までの保育を実施している認可園がありますが、中野区の認可保育園で一番長い保育は夜の8時15分までです。夜間や休日の保育を6カ所の認証保育園と6カ所の認可外保育園が行っています。その中で夜の11時までの保育をやっている無認可の二つの保育園にお邪魔しました。どちらも現在は定員いっぱい状態、一つはもと看護婦さんがマンションの一室で始めた保育園、夜働かざるを得ない看護士さんやお店をやっている人が利用しているそうです。東京都が年に1回監査に入り、厳しくチェックされるそうですが、1円も補助金が行政から出されているわけではなく、かといって、保育料を高くすることもできないので、ほとんど自分の人件費は出ない状態で運営されています。赤字がどんどんふえる、しかし、必要とする方があとを絶たないのでやめられない。時間外に預けざるを得ない親子の生活を支えなければいけないという熱意にあふれたお話をされました。
 一つは、区内のベビーホテルで働いていて、余りにも劣悪な保育環境で過ごされている子どもたちを見てきて、もっとよい保育環境の中で子どもたちを育てたいと自分で小さな保育園を始めることにした園長さんでした。わずかに基準が届かないところがあるので、認証保育園にもならないので、1円も行政からの補助金はありません。雇っている保母さんの人件費が何とか出せるだけで、自分の人件費もほとんど出せない。でも、両保育園とも通っているのはほとんど中野区民の子どもたち、小規模保育園として行政の支援の仕組みの中に入れることが何とかできないのでしょうか。そこに子どもを通わせている親は働いていて中野区に税金を納めております。しかし、自分の子どもの保育には1円も税金で支えられていないことになります。保育の基盤整備がほとんど公立保育園に税金の配分としても集中している状態では、公平さを欠くのではないでしょうか。
 認可保育園では、時間外保育や産休明け保育などが不十分なために、認証保育の基準に当てはまらない無認可保育園に通う子どもたち、行政サービスの全く管轄外に長く置かれたままになっております。
 子どもへの虐待が後を絶たず、家庭の機能が弱まっていることが社会問題として顕在化されている現在、家庭支援、子育て支援は待ったなしです。保育を必要とするすべての子どもたちを視野に入れ、どの子もいい保育環境が享受できるように、親の選択の自由を実現できるように、多様な保育サービスの基盤整備、拡充策を早急に図らなければならないのではないでしょうか。認可保育園や認証保育園でのサービスの拡充とともに、認可外保育園の支援を図っていく必要があります。基準に満たないからと言っているだけでは、そこに通う子どもたちの問題は解決しません。現在認可外で行われている保育サービスを支えるための基準づくりや仕組みづくりに取り組むべきだと思います。情報公開がきちっとされていること、サービスのチェックの仕組みがきちっとあること、苦情への対応がされていることを協定事項として支援できる仕組みがつくれないのでしょうか。多様な保育の拡充、支援にどう取り組まれていくのか、お伺いいたします。
 厚生労働省調査では、今年度4月1日で中野区の待機児童は58人でした。現在は何人いるのでしょうか。その解消の方法とスケジュールを現在どのように考えているのか、お伺いいたします。
 6番目に、女性のためのシェルターの支援についてお伺いいたします。
 11月1日、2日と石川県で行われた「全国シェルターシンポジウム石川2003」の分科会、「医療機関との連携」のパネラーとして参加してまいりました。DVの被害女性と子どもを支援する各地のシェルターが連携してつくっている全国女性シェルター・ネットが主催で、北海道から沖縄まで各地の民間シェルターを立ち上げているグループが集まり、行政関係者も含めて600人以上の参加者で会場の熱気に圧倒されました。
 詳しい御報告は省かせていただきますが、来年は鳥取県での開催になります。鳥取県では、片山知事にかわってから男女平等施策に力が入れられているそうです。この9月議会では、補正予算でDV被害者を支援するための被害者自立アパート家賃補助や入院に係る個室使用の補助制度などが新たにつくられたそうです。東京都ではこういった事業には取り組んでいらっしゃらないのではないかと思います。生活援護課で扱っている緊急一時保護は全体として増加傾向です。中野区は、シェルターの現状と課題についてどのように考えられているのでしょうか。今後、区としてどのようなことに取り組もうと考えているのか、お伺いいたします。
 最後に、緑の保全についてお伺いいたします。
 江古田の森保健福祉施設整備と警察大学跡地整備、これから進行する大規模敷地の整備に当たって、緑を重視する基本姿勢を確認させていただきます。
 江古田の森保健福祉施設整備の事業者募集に当たって、区のホームページに事業者募集の業務要求水準書などが公開されております。しかし、10月20日、公開された数日後、事業者説明会の後に要求水準書などが突然一部変更になりました。新旧対照表もホームページに変更ということで載っております。どこが変わったのかというところですけれども、比べてみると、主に樹木の保全という言葉が削除されております。
 福祉施設づくりと緑の保全は対立する概念ではなくて、どう調和した整備を行うかが大切です。可能な限り既存の樹木を生かした設計をするということで、既存の樹木の保全という基本姿勢、基本方針にも盛り込まれていると思います。安易に変更するのではなくて、大切にすべきだと思います。公開されて間もなく、大切な基本方針にかかわる部分をなぜ急に変更されたのか、お伺いいたします。あるいは変更する必要があったのか、お伺いいたします。
 保健福祉施設の中身について、従来型の収容施設ではなく、これからの地域自立生活を支える機能を持つこと、施設から地域への流れに逆行しないように、グループホームやケア付住宅の提案も範囲に含めるようにと質問してまいりました。東京都の新たな地域福祉の方針を受けて、江古田の森の導入施設も地域福祉を支える機能が重視される方向性が示されております。どのようなことが示されているのか、お伺いいたします。
 警察大学校跡地整備に当たっても、「賑わいの心」という言葉が説明の中で先行しております。中野駅周辺は「賑わいの心」と都市計画マスタープランでも位置付けられておりますが、警察大学跡地は、都市計画マスタープランでその跡地のほとんどは「みどりの軸」という位置付けがされております。それを踏まえた計画策定に当たるべきです。緑を大切にしてほしいという願いは、都市に住んでいるからこそ自然を求める気持ちが強くなってきているのではないでしょうか。
 先日、私たち市民自治が呼びかけて行いました意見交換会で共通した意見として出ていたのは、緑を保全した形でのまちづくり、住民が行き交う場所としての提案でした。昨年、区民からの提案コンクールを行った警察大学跡地に夢を託す連絡会が先ほど作品群の傾向を分析し、まとめました。その中で作品群における提案内容の全体的傾向のまとめの中でも、環境負荷低減、循環型社会形成の寄与が一番多く、そしてその次がコミュニケーションの活性化・交流感度ということでした。
 今まで区民には開かれていなかった陸軍中野学校、そして、警察大学校という土地をこれから区民生活を支える機能を持つ地域に、区民が行き交う場所に開いていくチャンスです。そのためにも、区民の気持ちをそこにつなぐことができる「みどりの軸」というマスタープランを基本とすべきではないでしょうか。改めて確認させていただきますが、いかがお考えでしょうか。
 先日、ハンセン病国立療養所の多摩全生園を訪問いたしました。アニメ映画監督の宮崎駿さんも呼びかけ人となり、市民の寄附を集めて、全生園の史跡建造物と樹木を残す「人権の森」構想が進んでおります。
 宮崎駿監督の「もののけ姫」というアニメは、私が大好きな映画の一つです。もののけ姫制作中に宮崎監督は多摩全生園を何度も散歩されたそうです。もののけ姫に、昔で言うらい病の方たちが働く描写があります。自然を守る象徴としてのもののけ姫、そのもののけ姫が闘う相手であるもう一人の姫は、山を切り開き、鉄鉱石を加工する、今で言う工場をつくり、病む人たちも含めて人々が働く場、生きる場、生活する場をつくってきました。その対立軸を実はその映画の中で描いているのではないと私は改めて思いました。どちらが正しいとも間違いとも言えないと思います。宮崎監督は、二人の姫の生き方、価値観を描くことを通して、人間と自然の融合という永遠のテーマを訴えたかったのではないかと思います。
 この中野の町で、私たち人間の生活と自然が融合できるまちづくりを目指した取り組みを期待いたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。
 私の方からは、「官から民へ」の施策の展開についてということ、それから、基本構想に関連してお答えさせていただきます。
 まず「官から民へ」の施策の展開についてというところで、御質問の冒頭でありました官から民への転換、私が選挙の際にスローガンとして使っていた「官から民への大転換」という言葉を引いての御質問であります。そこで私がイメージしていた、思い描いていたことについて少しお話しさせていただきます。
 官から民へといったときの官ということには、融通のきかない、効率の悪い、あるいは不透明な、一方的な、一方通行といったようなイメージが込められているというふうに思っています。それは、例えばお上という言葉で表現されていたり、あるいは逆の角度から言えば、何でも行政に任せておけば安心だといったようなことも逆の方から見たお上意識というようなことにもつながってくるだろうというふうに思っています。そうしたことから、民、すなわち柔軟で効率的、そして自由な、あるいは市民参加、情報公開といったような、市民という言葉でイメージするような自治分権意識といったことをイメージしていたわけであります。官から民への大転換が重要だといったことの中には、経済の拡大が見込めない一方で、少子・高齢化で公共のニーズがふえていくこれからの社会にあっては、どんどん少なくなっていく公共の資源を互いに最大限に活用しながら支え合っていく、それが持続可能な社会の仕組みになっていくということの認識でありました。
 市民の力、市民の活動によって取り組むことが可能な課題もたくさんあるわけでありまして、そうした市民の力で時代を切り開いていくことか必要だというふうに考えたわけであります。そういう意味で、行政と市民の関係を変えていくことが重要だというふうに思っていたわけでありますが、もともと行政は市民、納税者のものなわけですが、官、民といったような言葉に代表されるような意識の枠づけの中では、行政の限界は私たちの限界だというふうになかなか思えない時代が続いていたと思います。行政は行政で、何かを自分たちの力とは関係なく行政に何かを期待する、行政に何かを求めるといった時代が続いていたというふうに思います。そういう意味では、行政の限界が私たちの限界と市民が本当に思えるような行政と市民の関係が必要だというふうに思っています。その市民と行政の関係の一体感というのが、やはり参加や情報公開、そして自治という中で見えてくるだろうというふうに考えているわけであります。そうした意味で、委員の引用された小さな政府、大きな市民自治という考え方には、私も同感をしているところであります。
 また、市民参加の条例に関連して触れられた点のことで、市民参加のあり方、意味といったようなことについての内容がありました。
 市民参加については、私は2種類あるだろうというふうに思っています。一つは、意思形成や行政の決定に参加をしていくということ、それから、もう一つは、地域の公共的な利益のための働き手として参加していくということ、これら両方が相まってきちんと機能していく中で、地域の自己統治というものが生まれてくるのではないかというふうに考えているわけであります。そうした観点から、自治基本条例の考え方、また、NPOなどの自主活動に対する支援の考え方、これらを固めていきたいというふうに思っています。
 それから、「官から民へ」の施策の展開についての中で、今後、非常勤職員の働く場所が委託になっていくという中で、働く場所がなくなっていくということについて、非常勤職員の働きをどう評価しているのかといった御趣旨の質問がありました。
 これまで非常勤職員の職については、区が事業を執行する上で必要な専門性あるいは知識、技能などを活用するために設けてきたものであります。そうした中で非常勤職員の皆さんについては、期待していた役割を十分に果たしていただいたというふうに認識しているところでございます。こうした方々の知識、技能、経験といったようなことがこれからも地域の資産として、人的な資源として活用できるような状況に結びついていくことが望ましいというふうに思っているわけであります。
 それから、基本構想の策定についてさまざまな御意見がありました。
 基本構想の策定に関連しては、区長室長の方からも答弁をする予定でありますが、現在、基本構想の議論については、審議会においても、ワークショップにおいても、議論の途中というふうに思っています。10年後、実現可能な将来の姿をこれまでの前例にとらわれず考えていかなければいけないといったようなテーマについて、それぞれの場面で皆さんが大変御苦労しながら議論されているというふうに思っております。区の組織におきましても、基本構想の策定本部会議を立ち上げているところでありまして、職員PTの結果や、あるいは基本構想の審議会で議論されている内容、ワークショップでの内容、そして、これまで区が目標と成果の管理をつくっていくために構築してきた区政の目標の体系、そうしたことを考えあわせながら議論をしているところであります。今後、区民の皆さんの議論の場合も、区としての考え方、そして適切な資料の提供に努めていきたい、こう考えているところであります。
 私からは以上であります。その他につきましては、それぞれ担当の部長の方からお答えをさせていただきます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私からは、「官から民へ」の施策の展開についての質問の幾つか、基本構想策定についての質問の幾つか、それから、自治基本条例の御質問、外郭団体の見直しについての質問の大部分についてお答えいたします。
 まず、「官から民へ」の施策の展開の中で、基本構想の審議会等の議論で、官から民への移行の仕組みづくりに関して、情報開示やチェックの仕組みについて具体的な議論がされているのか、また、官から民への移行について合意できる場である基本構想審議会あるいはワークショップでの議論はどうなっているのかというお尋ねがございました。
 現在のところ、公共サービスのあり方、官から民へということに関連するような事項につきましては、基本構想審議会や区民ワークショップでも主要なテーマの一つとなってございます。その中では、行政だけに公共をゆだねるということではなくて、区民、地域団体、事業者が共同して、知恵や力を出し合う仕組みはどうしたらいいだろうかというような議論が一つされております。また、「小さな区役所」の実現を目指して、区の役割を見直し、地域や公社などに仕事を分散化していくことはどうだろうかというようなことが議論されている段階でございます。
 情報開示あるいはチェックの仕組みというような具体的な議論という御質問でございますが、これについては、私の方ではまだ余り具体的な中身、十分な議論には入っていないというように承知しております。
 次に、我孫子市の例を引いて、公募制補助金制度のようなものをつくってはどうかというようなことでございます。
 民間の活力、市民の力を生かしていくということに関して、NPOや自主団体が行う公益的な活動について、一定の条件のもとで支援をするということが考えられるわけでございます。当然補助金ということも考える範囲に入ってくるかと思いますが、こうした活動に補助金を出す場合、公平性や客観性などを確保するために、第三者を交えて判断する場を設けたというのが我孫子市の例と思っております。こうした例を参考に検討していきたいというように考えております。
 次に、官から民へに関して、指定管理者制度について、どういうような形でやるのか、また、総合的な指定管理者制度の条例等をつくるというようなこともあるがどうかということでございます。
 指定管理者制度、保育園につきましては、考え方をお示ししているところですが、ゼロホールや体育館など、既に委託しております文化・スポーツ施設については、指定管理者制度に移行するという方向で考えてございます。その他の施設についても、それぞれ施設の状況、また、置かれている位置付けが違いますので、検討した上で、指定管理者制度の趣旨に沿うものについては活用していきたいというように考えております。
 それから、次に、基本構想策定についての御質問にお答えいたします。
 まず、職員PTのまとめは、審議会やワークショップの場でどんなように生かされているのかというお尋ねでございます。
 職員PTの提案、かなり内容の濃い提案が出されたわけでございますが、審議会やワークショップの議論の素材として提出しておりまして、それぞれの議論の中で生かされているというように考えております。ワークショップの各分科会には職員PTのメンバーだった職員の有志が参加して、区民と一緒に論議をしております。そういった中では提案の内容も含めて議論されているという状況でございます。
 それから、基本構想審議会の議論の方向性について御意見をいただきました。これから議論の方向性はどのように考えていくのかという御質問でございます。
 基本構想審議会は、今後、御質問の中にもございましたが、12月4日に予定されている区民ワークショップの中間提案を受けまして、基本的な理念、10年後の将来像について描き出す作業を進めていく予定でございます。答申の起草につきましても、委員が分担してつくっていこうというような方向が決まってきまして、これからは基本構想の内容の具体的な検討に入っていく段階だというように考えております。これから年度末までしっかりと進めていっていただきたいと、また、必要な資料の提供等をしていきたい。区長からもお答えいたしましたように、区の考え方につきましても、これからの議論に資するように示していきたいというように考えております。
 次に、区民参加についての手続条例について、自治基本条例の検討についての御質問がございました。自治基本条例の内容について、単なる理念ではない内実を入れるべきではないかという御質問でございます。それからまた、審議会を設置して行うのかということでございます。
 (仮称)中野区自治基本条例、これは来年度、本格的な検討をしたいと考えておりまして、基本構想の検討の経過、その成果を踏まえて、来年度には審議会を設置したいというように考えております。区民及び学識経験者で構成する審議会を来年度には設置して、そこで検討していきたいというように考えております。
 この中野区自治基本条例ですが、当然基本理念だけではなくて、区民参加の仕組み、あるいは区長からも申し上げました地域の自治、自己統治というような考え方についても検討して盛り込む条例という方向で考えております。区民参加の方針、手法、こういった内容を条例に入れていくのかということにつきましては、審議会の中で検討していただきたいというように考えております。
 次に、外郭団体についての見直しでございます。私の方はニコニコ事業団以外のほかの外郭団体の御質問についてお答えいたします。
 まず、経営改革指針でお示しした四つの外郭団体について、現在どのような検討状況かというような御質問でございます。
 経営改革指針で示した方針に基づいて、各団体ごとに見直しの検討をしております。四つについてそれぞれ申し上げますと、まず、福祉サービス事業団については、介護保険サービス事業についての区からの委託というようなやり方ではなく、自立した社会福祉法人として自主事業するという方向で進めております。自立化の歩みが着実に踏み出されている状況でございます。中小企業退職金共済会でございますが、中小企業退職金共済につきましては、準備金の不足から制度の存続も危ぶまれる状況でございます。これに対応するため、中小企業退職金制度のあり方等検討会を設置いたしまして、破綻回避のための具体的な方策を検討しているところでございます。勤労者サービスセンターについても、これまでの検討を踏まえて、あり方についての検討会というものをさらに発足させてやっていく予定でございます。文化・スポーツ振興公社については、公社のあり方、公社事業の見直しを検討してきておりまして、近く方針のまとめを行うということにしております。
 次に、外郭団体の数は幾つかというような御質問でございます。
 外郭団体、御質問の中では出資をしている、あるいは職員を派遣している関連の強いものという大変幅広い御指摘でございましたが、出資ということで申し上げますと、区内の団体で区が大半を出資しているというようなものは、今申し上げましたものに加えて、土地開発公社を含めて5団体、さらに一部であれ出資しているということであれば、株式会社のシティテレビ中野を含めて6団体ということになります。そのほか出資だけということで申し上げますと、例えば暴力団追放運動推進都民センターのように、他の自治体と共同して出資をしているというものが幾つかございます。これらは区が中心になっているものというわけではございませんので、区の外郭団体というような言い方はなかなか難しいのかなというふうに思っております。今申し上げました区が出資している区内の団体のうち、区の職員の退職したOBが採用されている団体は4団体、先ほど検討の中で申し上げました4団体でございます。ここには区の職員、OB合わせて15人が採用されているという状況でございます。
 次に、債務保証額や補助金の総額は幾らかということでございます。
 土地開発公社につきましては、金融機関から借り入れた額及び利子相当額に対して債務保証をしております。土地開発公社の金融機関からの借入額、14年度末で137億4,700万円余りとなっております。また、土地開発公社を含めたところで補助金等を出しておりますが、これらについては、今申し上げた団体の補助金としては、平成15年度予算で8億4,540万3,000円ということになっております。
 次に、外郭団体の見直しについて幾つか御指摘がございました。まず、外部の専門家による経営の評価をする仕組みが必要であるというような御質問でございます。
 御質問のとおり、外郭団体の経営についても外部の評価が必要というように考えております。外郭団体についても、外部による経営を評価する仕組みについて検討を促してまいりたいというように思います。
 次に、外郭団体の経営状況あるいは改善計画、その進捗状況などを公表すべきではないか、また、ホームページに掲載してはどうかというようなことでございます。
 外郭団体の経営状況については、議会等にも報告されているという形になっております。この内容をホームページに掲載するということについても検討してみたいというように考えます。
 また、外郭団体の改革の進め方、全体について、区民によくわかるように、外郭団体の改革計画というようなものを策定してはどうかという御質問でございます。
 外郭団体の見直しは、先ほど申し上げましたように、経営改革指針の方向に沿って進めており、方針を定めて順次実施をしていくということにしてございます。したがいまして、各団体ごとに改革の計画をつくっていくということにしておりまして、その計画をつくっているところでございます。
 私の方からは以上でございます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) まず、「官から民へ」の施策の展開についてということで、精神保健福祉相談などを小規模作業所に担ってもらったらどうかというような御提案でございました。
 精神障害者に関する相談につきましては、保健福祉センターのほか、スマイル社会復帰センターにあります精神障害者地域生活支援センターで行ってございます。区といたしましては、精神障害者に対する相談支援体制の充実が必要だと考えておりまして、今後、小規模作業所に相談の場としての機能を担ってもらうことを含めまして、地域の社会資源の活用について検討してまいりたいと思います。
 続きまして、外郭団体の見直しのうち、ニコニコ事業団を社会福祉協議会と統合してはどうかという提案がございました。
 障害者福祉事業団の法人化につきましては、区と事業団が合同で検討会を設置いたしまして、検討を進めてきました。その結果、同法人の現状、法人設立要件が全体に緩和されていること、それから、支援費制度が導入されたことなど社会環境の変化を踏まえますと、社会福祉事業を経営する独立した社会福祉法人を障害者福祉事業団とすることが適当であるとの結論となりました。先日報告書をまとめたところでございます。
 現在、区と事業団の間で、その具体化に向けまして、最終的な協議を行っております。そういう状況でございます。なお、社会福祉協議会との統合につきましても、一つの選択肢として検討いたしましたが、社会福祉協議会につきましては、サービス提供を主とした団体ではないことから、両者の統合は適当ではないという結論になった経緯がございます。
 それから、緑の保全につきまして、江古田の森の保健福祉施設整備の中で、樹木の保全につきましての質問でございました。
 変更前は、原則的に既存樹木は保全してほしいという表現をしてございましたが、この敷地には北側に樹木がかなりございますため、このままの表現では十分な設計が難しくなることも考えられることから、施設整備に支障のある樹木、あるいは安全上、管理上の問題のある樹木につきましては、移植または伐採することができるというふうに変更いたしました。この変更でございますが、区民にとってできるだけよい施設をつくりたいと考えてのものでございます。
 それから、障害者施設の部分で、地域とのつながりを踏まえた事業計画をということでございました。
 確かに障害者の入所施設と申しましても、これからは地域復帰とか、地域との関係というのが非常に大事でございます。したがいまして、地域、家族とのつながりを考えた事業計画をつくること、在宅障害者の地域生活支援といたしまして、短期入所事業、デイサービス事業を実施することなどの内容を求めているところでございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、「官から民へ」の施策の展開についての質問の中で、職員の働き方の改善ということから、経営改革指針で示された項目の検討状況、また、職員白書、人材育成計画の進捗状況についての御質問にお答えさせていただきます。
 現在、経営改革指針で示されましたさまざまな項目につきましては、できるところから取り組むということでやってございます。その中では、条例に規定されております8時半から5時15分までという勤務時間を、職場の仕事の内容や勤務実態に合わせて、必要な職場については勤務時間の割り振りを変更するというような柔軟な勤務体制づくりに努めているところでございます。また、裁量労働制であるとか、短時間公務員制度、こういったことについては、制度改正を要するということから、さらなる検討と関係機関に対する働きかけをしていきたいということで考えてございます。
 また、職員白書につきましては、現在、作業を進めておりまして、年度内発行を目途に取り組んでいるところでございます。
 人材育成でございますが、16年度に事業部制を導入することになります。そのことに伴いまして、各部の目標達成に必要な人材を各部の責任で育成する体制の整備とともに、育成に向けての全庁的な整備体制に取り組んでいるところでございます。
   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) まず、保育サービスの拡充に関するところからお答えしたいと思っています。
 なぜ急に民間委託の手法をとったのかという御質問でした。それから、個別の民間委託の話だけではなく、保育に関する考え方を示すべきではないかという御質問でございました。
 産休明け保育や延長保育の区民ニーズが高いことから、早急にサービスの拡充の必要があると判断いたしまして、16年度より多様な運営主体が参入できる指定管理者制度による運営委託の導入を考えたものでございます。また、保育につきまして、多様なニーズにこたえていくことが差し迫った課題でございます。可能なことには順次着手してまいります。また、今後とも民間活力を活用しながら、産休明け保育や園長保育、休日保育、病後児保育、一時保育などの区民ニーズに迅速かつ的確に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、認可外保育園に通う子どもたちが行政サービスの外に置かれているのではないかという御質問、それから、待機児は現在何人で、その解消方法等はどうかという御質問でございました。
 認可保育所であろうと、認可外保育所であろうと、これを利用するのは中野の子どもたちであり、保護者でございます。どの子も安心できる環境で育てられることが大切であると考えておりまして、認可外保育所に対する区のかかわり方については、今後の検討課題としてまいりたいというふうに考えてございます。待機児童につきましては、10月1日現在で104名となってございます。待機児童の解消につきましては、認可保育所の定員の弾力化に伴う定数増、それから、認証保育所を整備するなどの方法で対応していきたいというふうに考えております。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 警察大学校跡地の緑の保全についての御質問にお答えさせていただきます。
 警察大学校跡地等中野駅周辺のまちづくりにおきましては、「賑わいの心」としての整備にあわせまして、公園やオープンスペースの創出をいたしまして、魅力ある都市を形成していく視点も重要であると考えておりまして、緑につきましては、可能なものは保全しつつ、公園やオープンスペースを中心に新たな緑の創出にも努め、環境に配慮したまちづくりを目指してまいります。
   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 大変失礼いたしました。シェルターに関するお答えをつい忘れてしまいました。
 区民の利用に供している女性のシェルターの現状と課題は何か、それから、今後区として取り組めることは何かという御質問でございました。
 現在、女性の緊急一時保護を行う機関といたしましては、都の女性センターがございます。また、センターを利用できない場合には民間のシェルターを利用しているというのが現状でございまして、中野区における緊急一時保護者数は平成13年度で37件、平成14年度で57件となっております。現状においては、この施設の利用によりまして対応ができているということでございます。女性相談センターの緊急一時保護につきましては、原則2週間の利用となっているんですが、特にDV被害者については2週間でみずからの問題を整理したり、今後の生活について方向を定めることが困難であることから、これが課題の一つであると認識しているところでございまして、DV防止法の改正に向けた東京都からの意見聴取の際に期間の延長について要望しているところでございます。
 それから、公的シェルターの整備や民間シェルターへの支援は、DV防止法上、基本的には都の役割というふうに認識しているところでございますが、被害者保護の観点から一層の広域的整備を強化すべきであると考えてございまして、全国市長会として国に対し、広域緊急一時保護施設の整備及び民間シェルター等への財政支援を要望しているところでございます。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
29番(佐藤ひろこ) 幾つか再質問させていただきます。
 最後におっしゃったシェルターの支援のところで、区として東京都の仕事、役割ということで、さまざまなことを要望していると。本当にしっかり要望していただきたいと思います。要望の中でも幾つかおっしゃったんですが、例えば具体的に昨年、被害女性を緊急一時保護とか、病院とか、いろいろと手だてを尽くしたにもかかわらず、最後は夫に殺されてしまったという事件が中野区内で起きました。さまざまな状況の中で、DV被害とアルコール中毒が一緒になっているという事例の場合に、例えばそれを扱っていくような施設がない、シェルターがないとかという課題が、たしか中野区のそういった取り組みの中から出されていたと思います。そういったことに関して、シェルターに対しての問題点もお感じになっていると思いますので、そのことを1点おっしゃっていただければと思います。
 それと、あと、最後におっしゃったところからなんですけれども、緑の保全のところで、江古田の森保健福祉施設整備のところです。先ほどおっしゃった解釈というのは、既に最初の事業者の水準表にも施設をつくっていくのに支障があれば、伐採、移植はやむを得ないという表現できちっと記述されていた。つまり解釈の問題できちっとできるはずです。何が何でも、建物を曲げてまで樹木を保全するというんじゃなくて、いい建物をつくっていく、本当にそのとおりだと思います。そのためには伐採とか移植はいいというふうな記述がされていたにもかかわらず、既に事業者にはホームページで出しているにもかかわらず、水準表をわざわざそうしたということは、区民の方から見ると、今まで大事にしてきた緑の保全を軽く見ているんじゃないかという不安が出てくるわけです。やはりそこの姿勢はきちっと示されるべきだと思います。水準表を書きかえた根拠を示していただきたいと思います。
 それから、先ほど警察大学校跡地整備についてお聞きしたのは、警察大学校跡地のほとんどはみどりの軸という位置付けが都市計画マスタープランでされている、そこをきちっと重視していただきたいということを聞いたわけです。お答えの中で、みどりの軸という言葉が全然なかった。これからいいまちづくりをしていこうというときには、何を機軸に据えて行政が取り組もうとしているのかということを区民の方に示していく。それは何もすべてを完全に保全するということを言っているわけではなくて、いいまちづくりをしていくために大事にすべきところ、そして、つくっていくべきところをきちっと議論していこうという姿勢を示していく。これから環境が重視されてまいります中でみどりの軸を大切にしていくということをきちっとおっしゃっていただきたいと思います。
 それから、ニコニコ事業団と社協の統合のところ、一度議論は出てきたけれども、それはもうなくなってしまったということで、事業団としても法人化が決まったということですが、社協との統合についてはどんなふうに議論されて、いつ結論を出されたのか、お伺いいたします。
 それと、職員の働き方のところで、これについては非常勤の廃止の問題もあって、区長が公約として掲げてきたことではないか、一体どうなっているのかという御質問をいただいているところです。短時間公務員制度、これはもちろん国の制度の変わり方がしっかりされていかないとできないということもあると思いますが、国の制度改正がなかなか進んでいかない現状に対して、区としてどのように要望を上げていらっしゃるのか、再度お伺いいたします。
 それと、保育園の問題のところです。認可外の保育園に対しては今後検討してまいりますと、早急に急がれる問題に対して現在対応しているのが、認可外の報告です。ですから、支援も早急に検討される必要があると思いますけれども、いつまでに検討されるのか、お伺いいたします。それと、ただ2園を委託しますよと言っているんじゃなくて、多分今お答えした中で考え方を示したということでしょうけれども、そうじゃなくて、区民の方に、区としてはこんなふうにこれからの保育園の運営ついて、あるいは保育園のあり方について、計画までつくるということは先延ばしにされましたけれども、考え方をきちっと示すことは必要だろうと思いますが、それはいつ示されるのか、お伺いいたします。
副議長(やながわ妙子) この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) まず、シェルターの問題に絡みまして、中野区での痛ましい事件の話でございました。アルコール依存症が絡んでいる中で、シェルター利用についての要件とか基準による問題があったのかなと思っていますし、もしそういうことでございましたら、私の方といたしましては、都にシェルターの利用の基準要件等についての問題点を指摘しながら、要望もしていきたいというふうに考えてございます。
 それから、認可外の子どもたちへの区のかかわり方、援助の話でございますが、いつまでということでございますが、具体的にいつまでということではなくて、できる限り早急に対応するということで御理解いただきたいと思います。
 それから、考え方をどう示すのか、どこで示すのかというお話でした。今後、区民全体に対する民間委託の説明会もございますし、各園での説明会もございますし、そういう場を通じまして、2園と保育園全体に対する区の現在の考え方についてはお示ししていきたいというふうに考えております。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) それでは、警大跡地の緑の保全についての再質問についてお答えさせていただきたいと思います。
 みどりの機軸ということでございましたけれども、緑は大切なものであるという認識は当然しております。現在、将来のよりよい町をつくるということで、調査検討委員会をやっているわけであります。そういった中でみどりの機軸についても、そのほかのいろいろな機能とあわせまして検討されていくものと考えております。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) まず、江古田の森の要求水準表に変更前にも伐採または移植できるような記述があったではないかという御質問でございました。
 変更前の要求水準書には、1点目は原則的に既存樹木は保全することとすると、ただし、既存樹木のうち立ち枯れしているもの、あるいは本施設利用者や公園利用者に対し、安全性、管理上支障を来す樹木については伐採または移植できるというふうに書いてございまして、この表現では施設を設計する方が、施設の大きさを変えるために樹木の伐採をできるということにとれるかどうかという解釈の中では、極めてあいまいであるということから、先ほど御説明しましたように、原則としてという言葉を取りまして、設計上支障のある場合にはという表現に改めさせていただいたということでございます。
 次に、ニコニコ事業団、障害者福祉事業団を社会福祉協議会と統合することは難しいという議論をいつしたかということでございます。
 この検討会につきましては、今年春ごろから夏ごろにかけまして検討いたしました。その中で検討したことでございますが、ニコニコ事業団がなぜ普通の社会福祉法人を目指すかということでございますけれども、支援費制度ができまして、社会福祉法人としての基盤がかなり確立できるようになったこと、それから、さっきちょっと説明しましたが、国の通知等が変わりまして、支援費事業を中心とした中で、今、ニコニコ事業団がやっています就労支援事業につきましても、社会福祉事業として認められるようになってきたということから、このことが可能になったということでございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 職員の働き方の改善についての再質問にお答えさせていただきます。
 先ほど答弁いたしましたように、今の制度ではできない部分を法制度等を改正することについて、さらに検討と関係機関に対する働きかけということで具体的にはどうかということでございました。
 この制度の改正につきましては、中野区単独ではなかなか動かないものがございます。そういうことから、例えば制度改正でも、人事委員会の中で規則を新たにつくることによってできるもの、それから、国の方に法制度として改正してもらうものがあるということで、さらに検討しているということで言いましたが、この検討とあわせて、各区の状況を把握して、23区力を合わせてやっていけるように今、事務レベルで情報交換をしながら、また、改正の方向について働きかけを行っているということでございます。それぞれいろいろな形で課題を抱えているということで、中野区とすべて同じような形での課題ではないわけですが、こういった制度改正についての働きかけを行っていきたいというふうに考えて、今動いているところでございます。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
29番(佐藤ひろこ) まちづくり調整担当部長、みどりの機軸じゃないです。みどりの軸というのは、都市計画マスタープランにきちっと定められております。この間いろいろな場所で部長の発言をお聞きしていると、都市計画マスタープランをつくられたときにいらっしゃらなくたって、そういう仕事についていらっしゃるわけですから、それをきちっと読み込んで、中野としてどういうことが大切にうたわれているのかというのを把握していただきたいと思います。そういった答弁は出てこないんじゃないですか。もう一度お聞きいたします。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 再々質問にお答えさせていただきますけれども、まちづくりを考えていく上において、区民の多くの皆さんが参画してつくられた都市計画マスタープランをきちんと読み込んで、きちんと解釈して、まちづくりに当たっていくということを心がけているつもりでございます。しかしながら、将来の町を現在検討委員会で多くの区民の方々、学経と考えているところでございまして、御指摘の点も踏まえながら、よりよい、区民に貢献できる町をつくっていきたいというふうに思っております。前提として都市計画マスタープランに御指摘の点が書かれていることについては、十分承知をしてございます。
副議長(やながわ妙子) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 江 口 済三郎
 1 国際交流協会の支援について
 2 屋上緑化のPRについて
 3 まちづくりについて
  (1)地下鉄丸ノ内線のバリアフリーについて
  (2)青梅街道の立体交差事業について
  (3)新設バス路線について
 4 ドッグラン設置について
 5 歩きたばこの規制について
 6 選挙管理委員会の対応について
 7 鍋横高齢者福祉住宅建設計画について
 8 議会のテレビ放映に対する区の対応について
 9 その他

副議長(やながわ妙子) 次に、江口済三郎議員。
     〔江口済三郎議員登壇〕
38番(江口済三郎) 平成15年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場で質問をさせていただきます。
 この度は選挙管理委員会の委員長の出席をいただきまして、大変にありがとうございます。
 初めに、中野区国際交流協会の支援について伺います。
 昨日も若手のいでい議員がこの問題を質問していただきました。私なりに質問をさせていただきたいと思っております。
 中野区におきましても、ここ数年、外国の方の人口は横ばいになっておりますが、国際化の波は大きくなってきております。中野区国際交流協会は、1980年(平成元年)6月に任意団体として設立されました。1991年(平成3年)2月に財団法人として、地域レベルでの国際交流の活動の充実を図ってきました。しかし、財政の悪化から、2000年、基金の回収が行われ、任意団体として今日まで来ております。この間、区は補助金の交付団体としての活動援助を変わりなくしていただいております。組織も職員の派遣も行い、理事会、評議員会を構成し、運営がされております。私も本年から評議員として参加させていただいております。
 協会の活動は、北京市西城区の交流、中野区・ウェリントン友好子ども交流を行ってまいりました。さらに、国際交流の集い、各種語学講座等々の事業が行われております。会員の方々のボランティアによる協力によって、国際交流や友好促進が進められてきております。これからも協会の存在は重要になってまいります。ますます充実、発展をさせていかなければならないと考えております。
 そこで伺います。今後、区は協会に対してどのように支援をしていくのか、お聞かせください。外国との交流や国際化は拡大していくことと考えられます。さらに、地域レベルの交流もふえていくことは当然視野に入れていかなければなりません。
 昨日も答弁されておりましたが、一例を紹介しますと、外国籍の子どもが区立小・中学校へ入学することが多くなってきているとも聞いております。教育委員会での日本語講座と協会での講座と双方が支援しているのが実情です。今までは業界が行う交流・支援、協会が独自に支援を行ったり、委託のような事業を行ったりしております。今後も民間レベルの交流を進めるということは当然であります。行政は自治体レベルの交流を行うと昨日は答弁されておりました。しかし、国際交流に関しましては、行政とのかかわり合いがあればこそ、民間の力が出せると私は思っております。
 このたび組織改正が予定され、国際交流の担当を置くようですが、きちっと官と民との立て分けをして国際交流を充実させていくべきと考えております。その場合、交流協会との連携がしっかりとできる双方の体制をつくり、充実、発展させていくことが必要です。今後の区の方針をお答えください。
 次に、屋上緑化のPRについて伺います。
 公明党は緑化推進を積極的に行ってまいりました。ヒートアイランド対策として、屋上緑化の効果については一定の評価が定まってまいりました。15年第1回定例会におきまして、同僚こしみず議員からも、屋上緑化推進の質問をしております。その中で、屋上緑化の助成制度の創設が提案され、来年度から実施が進められるところであります。
 そこで、芝生の緑化について今回伺います。
 近年、芝生の養成が研究、開発されてきております。ただ、メーカーによってはさまざまな育成方法がとられております。家屋のつくり等で、どのような育成方法が適しているのか、メンテナンス等、素人ではわかりにくいのが実情です。区においても、メーカーを指定することは適当ではないと考えます。さらに、パンフレット等だけでは芝の緑化推進は難しいことだと思います。
 芝生は大変だとのイメージがありますが、最近では芝生の育成は手軽にできると聞いております。実際に自分で確かめることが一番と考えております。そうなりますと、養成現場に行かなければなりません。身近に気軽に出向く場があれば有効です。そこで、区が場所を提供し、芝生の展示場が設置されれば、直接各メーカーからの説明も受けることができますし、PRも兼ねることができます。区内のメーカーを中心に、さまざまな芝生の育成方法を展示し、土曜・日曜を中心に区民の皆さんに見ていただくことが緑化推進につながると考えております。場所は、一例として区役所総合窓口の屋上等を利用し、何か月先の育成状況を見ることができたり、育成の仕方やメンテナンス等、それぞれの方が自分に適した方法を確認することができると思います。ぜひ展示場を設置し、緑化推進を進めていただきたいと思いますが、区のお考えをお答えください。
 次に、まちづくりについて3点伺います。
 1点目は、地下鉄丸ノ内線のバリアフリー化でございます。
 昨年の4定でも質問させていただきました。その後、区や営団との話し合いも進めてまいりました。バリアフリー化への努力はしているようですが、利用者の立場になっていないように思います。新中野駅の杉山公園口や中野新橋駅の駅舎改良の際にエレベーター計画が報告されておりますが、利用者の多くは各ホームへのエスカレーターでの移動を希望しているわけであります。営団は厳しいと答えております。理由の一つに、都の安全条例に適合しないと言われております。それでは将来にわたってバリアフリー化の実現は不可能になります。
 バリアフリー化のためには、営団に任せるだけではなく、区も知恵を出し、積極的に行動していただきたい。条例の改正等を働きかけるなど、区のリードで対策を考えていかなければ実現できないと思います。今後の対応をお答えください。
 2点目は、青梅街道の立体交差事業について伺います。
 昨日、これもいでい議員から横断歩道の存続の質問がありました。当然のことと思います。私は、立体化の疑問を質問させていただきます。
 東京都より(仮称)淀橋交差点の立体事業の概要が発表されました。地元説明は12月3日、十中で行われます。この計画は、放射第24号線、いわゆる青梅街道と新たに交差する放射第6号線の下り車線を立体化し、交通渋滞の緩和を図るためと言われております。位置は、青梅街道成子天神下交差点から坂上交差点の手前約百二、三十メートルまでの520メートル、放射第6号線は410メートルの計画事業となっております。
 上り車線は青梅街道と放射第6号線に交通量が分散されるため、渋滞の解消につながると考えられます。そこで、下りの立体化に関しましては、降りてから坂上交差点まで約百二、三十メートルの距離しかありません。都の計画ですと、交差点まで4車線にして、環六を右折する車線を2車線にふやすことによって渋滞の解消ができると計画されております。果たしてそうでしょうか。現状は、天神下から坂上まで信号機は3か所設置されております。それこそ立体化し、ストレートに坂上交差点まで流せば、ますます渋滞するのではないでしょうか。それよりも、バイパスのように環六をまたぎ、西側まで延ばす方がより効果が期待できるのではないでしょうか。青梅街道は、環六から西側の拡幅工事は始まっておりませんので、立体化の幅員がとれないことが理由ならば、将来を見込んで立体化の延長ができる計画にすることを提案させていただきます。区のお考えをお答えください。
 まちづくりの項の最後に、南台から中野新橋通りを経由して中野駅を巡回するバス路線の事業計画が本年議会に報告されました。計画は、15年に事業認可の申請、16年に運行する予定でありました。新バス停の調整のために関係住民の協力で計画が進行中と思っておりました。ところが、最近、他地域で始めたバス路線が赤字のため、この計画も中止するとの情報を聞かされました。まだ営業も開始していないうちから中止するとは考えられません。中野新橋通りのバス路線の復活は、地元住民が長い間待望してまいりました。運行を楽しみにしております。現在の進捗状況を区はどのように把握されているのか、お答えください。
 次に、ドッグランについて伺います。
 この質問も昨年4定でも質問させていただきました。当時、土木担当部長の答弁は、「東京都や区の状況を十分検証しながら、適地があるかどうかも含めまして、区内における犬の遊び場のあり方について検討していきたいと考えているところでございます」と答えられました。1年がたちました。まず検討結果をお答えください。
 この項の質問は、答弁によっては総括質疑で行いたいと思っておりますが、今回は基本的なことを質問させていただきます。
 昭和35年に中野区立公園条例が施行されましたが、公園条例では犬の立入禁止に関する条項は何条何項に書かれておりますか。犬の立ち入りは、平和の森と北江古田公園の一部以外は禁止されておりますが、他の小動物は立入禁止ではありません。理由をお答えください。
 区は、ドッグランの設置は必要と考えているのか、もし必要と考えているならば、広さや運営方法の考えがあれば、お答えください。
 この項の最後に、平和の森に試行的に開設されましたが、専用の水飲み場も設置されていない広場が、人と動物の調和のとれた共生社会の実現なのか、動物愛護条例の意義をお伝えし、この項の質問を終わります。
 次に、歩きたばこの規制について伺います。
 たばこを吸う私が質問するわけですので、しっかりとお答えいただきたいと思っております。
 中野区では、平成10年9月、中野区吸い殻・空き缶等の散乱防止に関する条例が制定され、11年1月1日から施行されております。間もなく5年を迎えます。他の自治体においても、いわゆるポイ捨て条例などで良好な生活環境を目指し、懸命に取り組んできましたが、罰則を伴わない条例のもとで、人々のモラルに訴えてきたわけですが、ほとんど効果がなかったと聞き及んでおります。中野区ではどうだったのか、お答えください。
 一方、ポイ捨ての前に歩きたばこの問題が取り上げられております。歩きたばこは他人への迷惑である以上に、衣服の焼け焦げややけどなどの危険性があります。特に小さな子どもや車いすの方にとっては大変危険であります。たばこを吸う側がその迷惑や危険を認識していないことが少なくありません。マナーやモラルに期待しながら、町の環境をよくしていくことは大事ですが、非常に厳しく、道徳心に頼ることはもはや限界に来ていると考えます。
 昨日もテレビで千代田区の取り組みを紹介しておりました。各課の職員が携わり、ポイ捨ての吸い殻は見事に減少しておりました。さまざまな困難がありますが、中野区も実施の時期が来たと思います。周知期間も必要になりますが、ポイ捨て条例を改正し、環境条例として罰則つきルールを設け、区民の声にこたえていくことが大切なことと考えておりますが、お答えください。
 なお、あわせて、禁止区域を中野駅周辺から始めてはと提案させていただきます。
 次に、選挙管理委員会の対応について伺います。
 昨年の4定で質問した際、諏佐前選挙管理委員会委員長からいただいた答弁によりますと、「選挙管理委員会の仕事は有権者の投票権を断固守ることが中心」とお答えになりました。しかし、公職選挙法第6条には、「総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村管理委員会は、選挙が公明且つ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない。」とされております。この6条に対する選挙委員会の解釈を説明してください。
 次に、4月に行われました区議会議員選挙について伺います。
 区民等から選挙違反行為等と思われる通報が選挙管理委員会にあったと思われます。その内容を教えてください。それから、処置はどのように取り扱ったのか、その結果もあわせて教えてください。また、選挙期間中に違反行為等の通報があった場合、その処置は事務局が行うのか、選挙管理委員会が行うのか、具体的にお答えください。
 選挙管理委員が選挙期間中、常勤されていないと思います。今述べた問題の処置はどのように行われているのか、お答えください。
 私は、当然委員は選挙期間中、交代でも常勤して諸問題に対処しなければならないと考えておりますが、いかがですか、お答えください。
 次に、このたびの区議選では1票差での当落がありました。現在訴訟中ですが、高裁の決定が支持された場合、中野区選挙管理委員会の責任は考えているのか、お答えください。
 次に、供託金の返還について伺います。
 開票翌日には当選証書も付与されました。訴訟も選挙無効の訴えではなかったと思います。法定得票者には速やかに返還すべきであったと考えますが、お答えください。
 次に、このたびの衆議院選挙に際して2点お聞きします。
 1点は、不在者投票の際、2枚の投票用紙と国民審査が渡されます。職員から口頭説明があるようですが、すべて1か所で記載しなければなりません。緊張から記入の際に迷う方がいるようです。通常の投票のように1回1回渡し投票する方法を行うべきと考えますが、お答えください。
 この項の最後に、投票所の投票箱について伺います。
 他の選管が行っているように、投票箱の上に選挙区、比例区等の名札を置いて投票者に見えるようにしていただくことはできないのでしょうか。今までの区の選管の取り扱いは、箱の横に張り紙がしてあるだけです。投票する際見にくいとの声が寄せられております。来年、参議院選挙が行われます。改善していただきたいと思いますが、お答えください。
 次に、高齢者・障害者福祉住宅について伺います。
 質問項目に障害者が抜けておりまして、失礼いたしました。
 鍋横にデイサービスセンターと高齢者・障害者福祉住宅の整備計画が行財政5か年計画で事業化する予定でしたが、3定の伊藤委員の質問に、土地の形状の改善で平成19年開設と計画変更がされました。この土地は、旧国鉄学生寮の跡地を購入いたしました。当初は近隣より市街地再開発の話が持ち込まれ、コンサルタントの派遣もされて、何度か話し合いが行われましたが、まとまりませんでした。約8割の地権者が賛成していたようですが、一部の地権者と区との信頼関係がなくなり、話が進まなくなったと聞いております。その後、区単独で建設計画を進める予定が、財政難によって更地の状態が続きました。その後、西側の一部を追加購入して現在に至っております。
 そこで伺います。規模はともかく、当初計画はとっくにできていたのではないでしょうか。再開発を断念した後、区はほとんど行動しなかったと思います。高齢者にとっては1年1年がどれほど大切か、本当にわかっているのでしょうか。17年から19年に開設が変更になりました。それだけで済む問題でしょうか。今までの計画が実行されなかった責任も明確にされておりません。さらに、地域にも購入してからの正確な経過は報告されておりません。この際きちっと説明責任をされて事業に取りかかるべきだと思います。区の考えをお答えください。
 次に、議会のテレビ放映に対する区の対応について簡単に伺います。
 来年度から本会議のテレビ放映が行われることが内定しております。個人的には全世帯が5チャンネルを見られるまでは反対でした。しかし、区民は議会情報を待望しております。
 そこで伺います。ケーブルを自費で引かなければならない世帯に対してはどのような対応をとられるのか、お答えください。
 最後に、その他として3点伺います。
 中野区は、災害救助犬協会に救助犬の訓練施設として江古田の森の施設を開放して支援をしております。中野区で発足した協会には、当初、谷戸運動公園や上野原を利用して認定審査が行われてきました。江古田の森施設は、常設のおかげで多くの認定犬が誕生し、いざというときの出動体制が整いつつあると聞いております。
 救助犬は常時訓練が必要です。江古田の森の施設が大変に役に立っております。しかし、本年で使用ができなくなります。代替地が必要になります。協会の努力だけでは確保ができません。区の支援がなければ続けることが難しくなります。ぜひ関係機関に働きかけていただき、訓練の継続ができる場所の確保に努力していただきたいと思いますが、お答えください。
 次に、パスポートの交付事務について伺います。
 本来国の事務であるパスポートの交付は、現在、都道府県が代行して行っています。しかし、中野からいちいち都庁まで行って手続するのは大変面倒です。身近な区役所で交付できないのか、パスポートの申請をしたことのある人なら誰でもが感じることだと思います。パスポートの交付事務を希望する区市町村に委託できるようにする「旅券法改正案」が来年の通常国会に提出される動きがあるようですが、区は承知しているでしょうか。区民も強く望んでいることであり、来年、法改正の可能性があるとすれば、中野区としてパスポート交付に必要な体制の整備について、今から研究しておく必要があると思います。区のお考えを伺います。
 最後に、区内の道路状況が悪くなってきております。財政状況もありますが、今後の計画をお伺いし、すべての質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 江口議員の御質問にお答えいたします。
 私の方からは、国際交流協会の支援についてと歩きたばこの規制についてということでお答えさせていただきます。
 国際交流協会、区はどのように支援をしていくつもりなのか、また、今後どういうふうに連携をとりながら充実、発展させる考えなのかといったような御質問でありました。
 昨日も担当部長の方からお答えしておりますけれども、区としては、地域における国際交流が区民による自主的な活動で行われることが望ましいというふうに考えております。住民同士の交流と同時に、それを支えるにはやはり団体としての自治体間の交流といったようなことも重要だというふうに考えております。市民同士の交流を支える団体間の交流といったようなことも区の仕事として、区の中にきちんとした役割を位置付け、仕事をしていきたいというふうに思っているところであります。そうした区の活動と国際交流協会の活動とが連携を保ちながら、市民レベルでの国際交流を進めていくことになっていくというふうに思っております。
 また、国際交流協会の意義といたしましては、すべての区民が国際交流をしたいというふうに思ったときに、きちんと集まってそこを拠点に幅広い区民が国際交流ができるセンターがあるということの意義が大きいというふうに思っております。そうした市民の交流センターとしての国際交流協会というものと、行政の自治体としての交流といったようなものの有機的な結びつきという側面からも連携をさらに強めていきたいというふうに思っているところであります。
 それから、歩きたばこの規制であります。
 まず、散乱防止に関する条例の評価も含めてということでありますが、最近携帯用の灰皿を使用する喫煙者が確実にふえているというような傾向から、ポイ捨て防止に一定の効果はあったというふうには思っているところであります。しかし、一方で、歩行喫煙禁止を求める声が増えているというのも私も実感しているところであります。
 現行の吸い殻・空き缶等の散乱防止条例を環境美化等の観点から見直しを行い、歩行喫煙の規制も含めて検討していきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。
  〔選挙管理委員会委員長岡山茂雄登壇〕
選挙管理委員会委員長(岡山茂雄) 江口議員の選挙管理委員会の対応についての御質問にお答 えいたします。
 まず最初に、公職選挙法第第6条に対する選挙管理委員会の解釈についての御質問でございます。
 選挙は、民主主義の基盤をなすものであり、選挙が公正に行われなければ、その健全な発展を期することができません。選挙管理委員会は、選挙が選挙人の自由な意思によって、公正かつ適正に行われることを確保するため、投開票制度を初め、あらゆる点でその実現を果たさなければなりません。また、有権者の政治意識の向上によって、民主主義が達成されます本条は、選挙管理委員会としても常時国民の政治意識の高揚に努めるべきことを明らかにしたものであると解釈しております。
 次に、ことし4月の区議会議員選挙について、でございます。
 選挙運動についての苦情や通報の主なものは、違反ポスターの掲示、選挙事務所看板の掲示位置、候補者氏名を表示したのぼり旗の使用等に関するものがあり、選挙管理委員会としては、その都度取締期間であり、警察署に通報しているところでございます。ただ、その行為が選挙違反に該当するかどうかの判断は警察が行うところであり、警察署が結果について選挙管理委員会に対し報告する義務はないわけですが、対応の経過について連絡を受けている事例もございます。
 なお、違反ポスターにつきましては、撤去命令を出すとともに、選挙事務所に対し、撤去方の要請をしているところでございます。警察署への通報等の措置は、選挙管理委員会の書記として事務局の職員が対応しております。また、選挙期間中の選挙管理委員会はおおむね1日置きに開催しており、緊急時の対応もできる体制をとっておりますので、委員会を開いて判断を必要とする問題があれば、直ちに対応してございます。
 次に、選挙訴訟についての中野区選管の責任について、でございます。
 平成15年11月11日に東京高等裁判所の判決が出されたところでありますが、係争中の事案であることから、中野区選挙管理委員会としては見守っているところでございます。今回の訴訟は、1票の判断が異なったものであり、選挙の管理執行上瑕疵があったとは言えないと認識しており、責任問題は発生しないと考えております。
 次に、区議会議員選挙の供託金ですが、返還請求については、公職選挙法施行例第93条第2項により、選挙及び当選の効力が確定した後、返還請求することができるとなっており、当選訴訟が提起されている場合には、当確争訟の当事者はもちろん、それ以外の者も判決が確定するまでの間は請求することができません。今回の場合は、異議申し立てに係る区選管の決定、審査申し立てに係る東京都選管の裁決、高等裁判所への訴状等を慎重に検討したところ、争訟によって影響を受ける心配が全くないと断定できることから、選挙長が判断し、供託物を返還したものであり、返還すべき時期は適切であったと思っております。
 次は、今回の選挙、衆議院議員選挙についての不在者投票でございます。
 不在者投票場所は、限られたスペースの中で用紙交付、記載及び投票を行っているところでございます。今回の選挙のように、複数種類の投票のときには、選挙人一人ひとりに丁寧に説明し、かつ記載台にもそれぞれの選挙の種類の色見本を置くなどして、選挙人が間違えることのないように対応してきたところでございます。投票日当日の投票所を全く同じような方法にするには、施設、人的な面から難しいところでございますが、今後とも選挙人にわかりやすく投票できるように工夫、改善してまいりたいと考えております。
 なお、次回の選挙からは期日前投票制度となり、直接選挙人に投票用紙を交付し、投票してもらうことになるため、現在の不在者投票よりもわかりやすくなると考えております。
 最後に、投票箱の表示についての御質問ですが、今後は複数種類の投票の場合、選挙人にわかりやすく投票できるように対応してまいりたいと考えております。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私から、屋上緑化のPRを初め、数点の御質問にお答えさせていただきます。
 屋上緑化の推進に当たりましては、わかりやすい屋上緑化の仕組み、それから、育成方法、工法などを区民にPRすることが重要であるというふうに考えております。御提案の1階の区役所総合窓口の屋上につきましては、現に一部緑化をしてございます。今後、芝生や他の種類も含めた展示場となるかどうかは別にしましても、そのような考えのもとに可能性を追求してまいりたいと思っております。
 それから、まちづくりについての地下鉄丸ノ内線のバリアフリー化についての御質問がございました。
 駅におきます垂直移動のバリアフリーにつきましては、東京都の福祉のまちづくりの条例では、車いす使用者、視覚障害者等が支障なく利用できるよう、緩やかなスロープもしくはエレベーターの設置を原則としているところでございます。エスカレーターにつきましては、エレベーターを設置することが困難な駅について認めているところでございます。ただ、現状を見ますと、御質問の趣旨は理解できますので、各駅によって制約条件も異なっております。エレベーター、エスカレーターのいずれかを前提とした検討ということでは難しいところがございますけれども、バリアフリーの促進に向けて必要な働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、青梅街道の立体交差事業についての御質問がございました。
 立体交差の延長により渋滞緩和の効果が期待できるということで、青梅街道を計画幅員まで拡幅したといたしましても、右折、左折のレーンが確保できないということから、東京都の検討では困難であるというふうに聞いております。中野坂上交差点付近の渋滞につきましては、区も東京都も課題というふうに認識しております。そういうことから、東京都に対しまして、区といたしましては今後も働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、新設のバス路線の御質問がございました。
 京王バスから、中野区の南部地域の新路線につきましては、平成16年度下期に運行開始する方向で検討しているというふうに聞いてございます。区といたしましても、円滑な運行開始ができるよう協力をしてまいりたいというように考えてございます。
 それから、ドッグランについても御質問がございました。
 ドッグランは、近隣の方々と利用者双方が納得できる場所に設けることが必要であるというふうに考えてございます。区の公園はほとんどが住宅に近接してございます。この面から、適当な場所を選定することがなかなか難しい状況にはございます。それから、犬を特定した禁止条項ということで御質問がございました。
 条例上は犬を特定した禁止条項があるわけではございません。中野区立公園条例の第3条10項に他人に迷惑を及ぼす行為、それから、同じく11項で公園の管理に支障のある行為、これらをもとに飼い主に注意を喚起しているというところでございます。実際に開園当初から犬の立ち入りを禁止したケースは少ないわけでございます。ですが、開園後に引き綱を放すことの危険性、それから、子どもの恐怖感、ふんの後始末、鳴き声など、さまざまな苦情や事故例があり、その結果としまして、犬の看板を設置したものが大部分ということでございます。また、犬以外の飼い主がいる小動物でこれまでは苦情が寄せられることはないということから、他人には迷惑が及ばず、管理上も支障がないので、特にこれまでのところでは禁止をしていないということでございます。
 また、犬が人々の生活の中に定着をしている状況から、ドッグランが都市の中で必要とされる施設になりつつあるというふうに考えてございます。ドッグランの必要面積につきましては、周辺の環境条件、それから、利用者数から一概に言うことはできませんけれども、区が想定している面積としましては、1,000平米程度ということでございます。また、運営につきましては、利用者によることが望ましいのではないかというふうに考えてございます。また、平和の森にございます犬の広場、これは暫定的ということで設けさせていただいてございますので、近くにトイレはあるものの、確かに水飲み等の不便はあろうかというふうに考えてございまして、そういう意味から、できるだけ早い時期にドッグランの整備に努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、鍋横の高齢者・障害者福祉住宅建設計画でございますが、本町四丁目の区有地と隣地を活用した建物敷地の共同化について、区としても努力をしてきたわけでございますが、結果的には合意に至らなかったということでございます。このため、区としては、独自で建設する方策を検討してまいりました。その後、行財政5か年計画におきまして、福祉住宅の開設を平成17年度とするよう位置付けてきたところでございます。また、交通管理者、警察になりますけれども、との協議の中で事業用地の車の出入り口を確保する必要が生じたことなどもございまして、当初計画が遅れてきているということでございます。いずれにいたしましても、遅れたということにつきましては、おわびを申し上げなければならないというふうに考えてございます。
 現在、隣接する民有地の確保、用地交換なども含めて、平成19年度の開設を目指して準備を進めているところでございます。土地の交渉経過を見ながら、地域への十分な説明をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 最後になりますけれども、区道の傷みが目立つという御質問でございました。
 区道の舗装改良につきましては、今年度、職員による区道全路線の調査を行ってございます。路面の損傷の程度、それから、交通量の状況などを勘案し、今後計画的に進めていく考えでございます。道路状況に応じて舗装改良の工法をこれまでいろいろと工夫もしながらやってまいりました。整備面積の確保とともに、区民の生活道路としての安全性を今後とも確保してまいりたいというふうに考えてございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、CTNに加入する際の自己負担に対する対応策という御質問にお答えさせていただきます。
 CTNの放送を受信するために必要となります屋内改修については、加入者の資産価値を高める改修であることから、受益者負担として自己負担となっているところでございます。この自己負担に関しましては、CTN事業であるということから、区が直接何らかの対策を行うということはできませんが、屋内回収費でも少しでも圧縮するなど、企業努力については、CTNに求めていきたいというふうに考えてございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私からは、災害救助犬教会の活動場所についてのお尋ねにお答えいたします。
 江古田の森での災害救助犬協会の活動につきましては、江古田の森の施設建設までの期間ということで、暫定的に御使用いただいてきたものでございます。代替地を確保するよう働きかけをしてはどうかということでございますが、直ちにそうした使い方のできる場所を見つけるということは困難であると思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
     〔区民部長本橋一夫登壇〕
区民部長(本橋一夫) 私からは、旅券法改正の動きと区の対応についての御質問にお答えさせていただきます。
 新聞報道等によりますと、パスポートの交付事務につきまして、希望する区市町村でも実施できるように、議員立法による旅券法改正の動きがあるとのことでございますが、詳細についてはまだ承知してはおりません。区といたしましては、今後、改正案の内容や国会等の動向を見定めながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
     〔江口済三郎議員登壇〕
38番(江口済三郎) 時間もあれですから、簡単に再質問をさせていただきますが、3点ほど。
 まず、選管の委員長、大変お忙しい中来ていただきましたし、なかなかこういうチャンスはないので再質問を。
 幾つかあるんですけれども、今回は一つだけにしておきますが、6条に対する先ほどの解釈、私が読み上げました前半の考え方、選挙が公平かつ適正にとか、政治常識の向上云々ということは、そのとおりの解釈をしていただきました。それから、ずっと来て、選挙の投票方法、そこまではそのままの解釈ですが、その次が一切触れていないのは、選挙違反その他の選挙に関する必要と認める事項を選挙人に周知させなければならないということが最後に2項目あるんですね。このことについて、もう一度見解をお答え願ればと思っております。
 それから、もう一つは、先ほどのドッグランのことで、中野区立公園条例についてお聞きしました。どこの公園に行っても、ボールもそうなんですが、野球もそうですし、犬の立入禁止という看板がほとんどついております。聞くところによりますと、今の答弁でも、当初はそういう計画はなかったけれども、住民からそういう声があったからつけたということですけれども、お子さんだとか近隣から言わせると、中野の公園は禁止禁止の札しかないんというんです。やっていいということは何も書いていないということなんですが、3条の10項でしたっけ、迷惑行為ということで、そのことを簡単に扱っていいのかと。例えば今、確かに犬の問題というのは、虐待だとか、非常に大きな社会問題になっている部分もあります。しかし、仲間同士で訓練をして、犬のしつけというものも大事になっておりますし、また、動物愛護条例の中では、きちっと飼い主の責務がうたわれております。大変おとなしい犬もいるわけで、すべての犬に迷惑ということでこの条項を適用するのは私はおかしいのではないかというふうに思いますので、この辺はどう考えるのかもう一度お聞きしたいと。
 それから、先ほど大変冷たいお答えが災害救助犬協会の跡地の問題がありました。確かにNPOの任意団体ですから、区としては直接関係ないというふうに思います。しかし、私は、本会議場で御質問したように、中野区で発足した日本災害救助犬協会は、阪神・淡路大震災のときに設立した高橋さんが何としても救助犬をつくるべきだということからスタートして、御本人はお亡くなりになってしまいましたけれども、その遺志を継いで皆さんが今やっているわけですが、これは私たちにとっても、いざというときには大変必要だということで、ボランティアで訓練をしてやってきた。もちろん中野区は全面的に今まで協力してくれたわけですが、今の答弁ですと、当面考えないということではなくて、江古田の森の整備計画で暫定使用ということは協会の方たちは十分にわかっているわけですから、もう使えませんよということを区が宣言していることもわかっております。そういう中で、もう少し前向きに、じゃあ、どこかないだろうかと。例えば中野区では非常に難しいけれども、近隣区でそういうことができないかとか、そういうことも考えていくのが本来の支援のあり方だと思うんですね。ですから、最悪の場合、協会の人たちが中野区民の出動はしませんよと、あるいは東京都の関係の形で今動いています。中野区と協定を結べって、中野区は協定を一切結んでいません。中野区が出動しても、東京都の消防庁だとか防災関係の要請がない限り、救助犬の出動はできないようになっているわけです。ですから、中野区は東京都を通じたりしなければいけない。他の区、港区では協定しているところがありまして、いざというときに出動できるようになっているんですけれども、これは私が質問しても、中野区では、東京都がやっているから構わないということでやっているわけなので、やってみて努力してできないというのはわかるんですけれども、今の答弁からすると、ないんだからしようがないという形では、せっかくこれだけ今認定犬がふえてきて、私たちのためにということでやってくれているわけですから、再度答弁をお願いします。
 再質問はしませんので、しっかりとこの三つにはお答え願いたいと思います。
  〔選挙管理委員会委員長岡山茂雄登壇〕
選挙管理委員会委員長(岡山茂雄) 江口議員の再質問に答えさせていただきたいと思います。
 今御質問の件は、最初の質問でございます。6条の中に、選挙に際しましては、投票の方法、選挙違反、その他の選挙に関し、必要と認める事項を選挙人に周知させなければならないということだと思います。私ども選挙管理委員会といたしましては、今まで選挙違反に関することといたしましては、例えば寄附行為の禁止等、これはパンフレット、また区報等に載せてまいりましたし、選挙のたびにこのような違反が行われないようにということで、管理委員会としましても、随時研究をしている段階でございますが、多くの区民の方に投票をしていただく上で、また、公正な選挙を行っていただくということを絶えず認識しているわけでございます。
 選挙が行われるたびに選挙違反の事例が出てまいります。まことに悲しいことだと思っていますし、今後例えば区議会議員選挙の前には立候補説明会とかいうことがあるわけでございますが、そういうときにぜひとも議会の先生方に御出席いただくような形にしまして、正しい選挙のあり方を一緒に御理解いただくような場をまた設けていかなければいけないのかなとは思っておる次第でございます。
 それにしましても、選挙管理委員会の責務を誠に感じておる次第でございます。今後とも公正な選挙が行われますよう、しっかり頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 公園の犬の件で再質問いただきました。
 すべての犬に禁止をするということについては、おかしいのではないかという御質問でございました。この問題につきましては、これまでも長い間いろいろと議論されてきております。お飼いになっている方々の御意見では、うちの犬は大丈夫だというお気持ちで連れて公園に入られるわけですけれども、嫌いな方もいらっしゃったり、そういう中では判断がなかなか難しいというふうには感じております。犬を飼われている方のマナーとその他の利用者の方のそれぞれの合意がないと、簡単に禁止を解くというのは難しい状況にあろうかと思います。大きな犬、小さな犬ということもございますけれども、そういう区分けが難しいところもございます。これらにつきましても、これから飼われている方々のマナーの向上も期待できるかなというふうに思っております。したがって、明日すぐにというわけにもいきませんけれども、検討の課題であるというふうに認識をさせていただきたいと思います。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 災害救助犬協会の活動場所についての再質問にお答えいたします。
 災害救助犬及び災害救助犬を育成している協会の活動につきましては、大変意義深い活動でございますし、また、中野区内でさまざまな形で広がりを持っているということ、十分認識してございます。先ほど申し上げましたように、区内で直ちにほかの場所ということは大変困難な状況だとは思っておりますが、どういった形で応援ができるのか、関係する機関、消防庁などとも話し合うなど、どんなことができるか、努力をしてまいりたいと思います。
副議長(やながわ妙子) 以上で江口済三郎議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、あす午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後5時55分散会