平成15年09月22日中野区議会本会議(第3回定例会)

1.平成15年(2003年)9月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  高  橋  ちあき        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(0名)
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  金 野   晃      政策担当課長   鈴 木 由美子
 総 務 部 長  石 神 正 義      総 務 課 長  田 辺 裕 子
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      地域センター部長 柳 澤 一 平
 環 境 部 長  寺 部 守 芳      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり調整担当部長 那須井 幸 一   教育委員会事務局次長 山 下 清 超
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)9月22日午後1時開議)
日程第1
 認定第1号 平成14年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

      午後1時01分開議
議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 9月19日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 酒 井 たくや
 1 退職時における名誉昇給について
  (1)職員の意識改革の観点から
  (2)人事考課について
 2 防犯、防災について
  (1)耐震診断、耐震補強について
  (2)自主防災意識の向上と地域の防災ネットワークづくりについて
  (3)安全、安心まちづくり条例について
 3 その他

議長(山崎芳夫) 最初に、酒井たくや議員。
     〔酒井たくや議員登壇〕
6番(酒井たくや) 4月の区議会議員選挙で区民の皆さんの温かい御支援をいただき、中野区議会に議席を与えていただきました。若輩者ではありますが、区民の皆さんの期待にこたえられるよう、区民の立場に立って、中野区政改革のため、精いっぱい議会活動に取り組んでまいりたいと思います。
 それでは、平成15年度第3回定例会に当たり、民主クラブの立場に立ちまして、質問をさせていただきます。
 初質問で非常に緊張しております。うまく質問することができないかもしれません。それに加え、関西なまりがあり聞きづらいところがあると思いますが、区長はじめ理事者の皆様の誠意ある御答弁を期待して、質問に入ります。
 まず、冒頭に、ことしは異常気象で大変残暑が厳しい中、田中区長はじめ区の職員の皆さんも、額に汗して一生懸命業務に励んでいらっしゃる姿に、私はまずもって敬意を表するものであります。
 一昨日、「構造改革なくして景気回復なし」と訴え続けておられる小泉総裁が再選されました。まさしく日本国全体が構造改革・行政改革の流れの中にあります。民間企業はリストラ・倒産・失業の時代。中野区におきましても、行財政改革に鋭意取り組んでいらっしゃると思いますが、本日は、まず第1番目に人件費、特に職員の皆さんの退職時における名誉昇給制度について、一般区民の視点に立ってお尋ねいたしたいと思います。
 既に斉藤高輝議員が質問されており、重なる部分もあると思いますが、私なりの論点から質問させていただきます。
 名誉昇給とは、戦後間もないころから始められている制度で、区職員が退職される際、基本給を自動的に引き上げ、退職金を増額する仕組みです。実は、私は、こんな制度があることすら知りませんでした。先日、ある民間の会社員の方にこのお話をいたしましたところ、全く御存じない。そして、驚きとともに「なぜこんな制度があるのか」と逆にお尋ねになられたほどでした。この方同様、多くの中野区民の皆さんが、この名誉昇給について御存じないと思います。この制度の意義は何か、どういう根拠に基づいて運用されているのかをお答えいただきたいと思います。
 間近の例で、中野区における平成14年度の退職者は105名でした。うち86名の方が名誉昇給をお受けになりました。総額3,200万円、お一人当たり37万円になります。多い方は104万円上積みされているようです。退職される日のたった1日で、今後業務に従事されない方がこんなにも増額されているのです。民間企業は、退職金どころかボーナスも支給されない。あるいは、給与の昇給さえも据え置かれ、将来に対する不安が蔓延しています。これが民間企業の実態です。退職金の官と民との格差は300万円。民間準拠の原理を掲げる地方公務員法に反し、官と民の均衡を著しく欠く格差の原因の一つとなっているのが、この名誉昇給です。中野区民の皆さんは、この制度を御存じなのでしょうか。もし御存じだったら、どう思われますでしょうか。「なるほど。あれほど区民のために頑張っていただいているのだから、当然だ」と思われる区民の方が何人いらっしゃるでしょうか。制度の運用規定に「功績顕著な者が対象である」とするならば、平成14年度の退職者105名のうち、名誉昇給された86名の方の何が功績顕著なのかを区民に公表されるべきです。この3,200万円は区民の血税であることを考えれば、当然のことと言えるでしょう。一つひとつの支出を区民が納得しない制度であれば、速やかに区民の常識にあわせた改革を行うべきです。これが行財政改革です。区民の皆さんと同じ痛みを共有しなければなりません。日本人特有の「ほかもやっていることだから」では、慣例となったお手盛り制度とされてもいたし方ありません。つつがなく仕事をしてさえいれば、問題さえ起こさなければいいという、そういった職場をつくってきた原因の一つがこの制度であります。この名誉昇給制度は、区民感情からすれば、即刻廃止すべきだという声が聞こえてきそうですが、そこは職員の皆さんの将来に対するやる気を喚起するという意味からも、制度を改善していく必要があるのではないでしょうか。
 私は、お金の問題ではなく、意識の問題だと思います。もちろん、お金の問題も大切ですが、制度が人をつくります。意識改革により、サービスの向上となり、行政改革ができるはずです。そして、真に功績顕著な職員のみを昇給し、区民の皆さんの御理解を得られるような制度となるよう、改善していかなければなりません。実際に、区長は、8月6日の東部地域センターで行われた「区民と区長の対話集会」と先日の答弁で、「名誉昇給は見直していく必要がある」とおっしゃられました。世田谷区は対象を1割に絞り、5,000万円から300万円に削減しました。また、豊島区は、殉職などを除き全廃すると発表されました。今後、全国的に見直しが検討される制度のようですが、中野区ではほかの区に先んじて、より速やかに見直しを取り組まれんことを希望します。このようなほかの自治体の動向を受け、区長はどのように見直していくおつもりなのか、具体的にお聞かせください。
 私は、常々こう考えます。人には結果の平等ではなく、機会の平等があると。人には平等にチャンスが与えられるべきで、平等に与えられた機会の中で努力をした人は報われていくべきであるし、努力を怠る人は報われない。結果は平等ではないと。だれにでも頑張ることができる機会を与えて、皆さんが切磋琢磨し、意欲を持って区民の皆様のためによりよき行政サービスに邁進されん姿こそ肝要ではないかと考えます。
 第2に、防犯・防災についてお尋ねします。
 私は、防犯と防災は共通するものと認識しております。東京都では、「安全安心まちづくり条例」が施行されました。中野区議会も平成14年第4回定例会で「安全・安心中野区づくりに関する条例」が賛成多数で可決されましたが、都と連携をとり合い、中野区も防犯・防災に努めていかなければなりません。この安全安心条例の制度を区として進められているのでしょうか。また、進められているのであれば、いつごろ条例案を制定する予定があるのか、お聞かせください。
 それから、防犯面でお尋ねしたいことは、かつて安全大国と言われた日本は、殺人、強盗、放火等の凶悪犯罪が増加し、数年前では想像できない犯罪が多発しています。刑法犯の検挙率は20.8%となり、日本の安全神話は完全に崩壊しました。安全は国の基。国民の安全を確保することは、最大の福祉であります。
 例えば、世界的犯罪都市だったニューヨークは、ジュリアーニ市長のもと、有名な「割れ窓理論」により犯罪を激減させました。これは、石で割られた窓をそのまま放置しておくとだれも関心を持っていないと考え、次は扉を壊し、結局は建物全部を占拠し、崩壊させてしまいます。すなわち、軽微な犯罪でも放置しておくと結局は凶悪犯罪へと発展するという考えです。きれいなまちほど犯罪は犯しづらく、まちの美化と徹底した軽犯罪の取り締まりにより、ニューヨークは目に見えて安全なまちへと変貌しました。また、札幌市すすき野では、違法駐車を厳しく取り締まり、犯罪を激減させた例がありますが、中野区としてはこのような政策をお考えなのでしょうか。お聞かせください。
 次に、防災についてお尋ねします。
 政府の防災中央会議専門調査会は、東海・東南海・南海の三つの地震が同時発生した場合の被害の推定結果を公表しました。揺れの被害も、津波の被害も国内最大級で、死者は最悪で2万8,000人、経済的な被害は最大81兆円に達すると言われています。中野区に目を向けますと、マグニチュード6クラスの東京直下型地震は約100年サイクルで発生しており、前回は1894年に発生しました。既に100年を超えている今日、いつ発生しても不思議ではない状態にあり、また、一部研究者の観測データによると、東京周辺関東地域の一部に地形的ゆがみが生じており、警戒態勢危険度100%の状況下に中野区はさらされているといっても過言ではありません。7月の宮城県北部地震では、震度6でも幸い死者は出ませんでしたが、都市構造が複雑化している東京では、甚大な被害をもたらすことは間違いありません。この事実をトップである区長はどのように認識されているのか、お聞かせください。
 それから、私のふるさと淡路島は、8年前に阪神・淡路大震災を被災しました。私の友人の親は、建物の倒壊で亡くなりました。二度とこのようなことが起こらぬよう、災害に備える必要があります。6,433名もの尊い犠牲を出し、10兆円もの経済被害をもたらした阪神・淡路大震災は、犠牲者の92%が15分以内で死亡、そして90%の方が自宅で建物の倒壊や家具の転倒により亡くなりました。従来、地震は2次災害の火災が一番恐ろしいと言われておりましたが、今では建物の倒壊が一番危険であり、耐震補強の必要性が問われております。世界の地震の10分の1が起こっている地震大国日本ですが、住宅の耐震診断への支援制度のある自治体は全国で3割程度にとどまっており、さらに耐震改修の支援制度を持つ自治体は約15%です。昭和56年に建築基準法の構造計算が変更され、それ以前の旧基準の建築物は震災時に非常に危険と言われています。旧基準の建築物は中野区に約7万3,780棟もあり、これは全体の49%になります。人口密度が日本一であり、住宅の密集地が多い中野区では見過ごせない事実だと思いますが、区長はこの現状をどのようにお考えなのか、先ほどの質問とあわせてお聞かせください。
 東海地震のおそれがある静岡県下の20市は、すべて診断改修支援制度を行っており、東京23区に関しては14の自治体が耐震診断の助成を行っています。しかし、この制度はなかなか機能しておりません。中野区でも平成9年、10年、11年と耐震診断の助成を行っておりましたが、3年間で17件しか利用されず、そして財政難のため頓挫してしまいました。この現状を踏まえると、ただこの制度をつくるのではなく、何らかの工夫が必要であります。中野区では、実効性のあるこの制度の構築をどのようにお考えなのか、お聞かせください。
 次に、地域の防災ネットワークづくりについてお尋ねします。
 災害時に機能しなければいけない消防団は、献身と奉仕の心に燃え、さまざまな地域の事情や特色、環境のもとで区民の皆さんの命・財産・暮らしを守るため、日夜奮闘されています。中野区消防団には437名の方が所属し、50歳から60歳の方が約半分を占めております。
 しかし、中野区の人口分布図を見ますと、25歳から29歳の人口が一番多く、続きまして30歳から34歳の人口となります。この若年層20歳・30歳台の層を消防団に確保することにより、より地域ぐるみで防災組織が機能していくはずです。阪神・淡路大震災を被災した淡路島の洲本市消防団は、20歳から30歳台が全体の約8割を占めております。地域性もあるのでしょうが、行政としても地域住民で構成されている消防団の活性化、そして若年層の確保は必要であります。もちろん、中野区で団員の装備品、また消防団活動に関する支援をされているのは認識しておりますが、消防団員の確保を消防署・消防団任せにするのではなく、中野区も区報等で募集をする方法もあるのではないでしょうか。その具体策について何かお考えなのか、お聞かせください。
 次に、自己防災意識の向上についてお尋ねしたいのですが、ハードウェアである耐震診断や消防団の活性化が充実していても、ソフトウェアである防災意識の形成ができなければ、どうにもなりません。意識の改革にはお金が余りかからず、まず一番に取り組めることです。私は、2月20日の野方地域センターで行われました防災講習会に参加し、災害図上訓練(DIG)を体験しました。このDIGとは、地図の上に透明のビニールシートをかぶせ、油性のペンで色を分け、避難場所、幹線道路、狭隘道路、河川等を書き込み、防災マップを作成するものです。そして、地域の防災上の長所・短所を理解することにより、災害救援活動のイメージトレーニングができます。自主防災意識がはぐくまれ、地域の防災ネットワークづくりの強化に役立ち、消防団にも若年層を確保することができます。「自分のまちは自分たちで守る」となるのではないでしょうか。
 例えば、このDIGを学校教育の中で導入を図ってみるのはいかがでしょうか。また、町会等の地域ぐるみで老若男女が参加していくことにより、より充実した地域ネットワークが構築されます。隣にはだれが住んでいるかわからないコンクリートジャングル・東京ですが、顔見知りのコミュニティ、これを強化していかなければいけません。人と人とのつながり、きずなが最高の防犯・防災へとつながるのではないでしょうか。
 最後に、その他としまして、病後児保育、平日・準夜間子ども救急診療の周知についてお尋ねします。
 6月2日より始動した病後児保育。共働きの御家庭がふえていらっしゃる中、この仕組みはすばらしい制度だと思います。しかし、先日、子育て中の区民の方とお話ししたところ、この制度を知らないと言われました。5月18日の区報で案内され、保育所、保育園などで個別に資料を配付し、上々の登録件数だと聞いておりますが、実際に知らない区民の方もおられます。また、平日・準夜間子ども救急診療も、中野医師会がアンケートをとったところ、60人中28%の方しか御存じないという結果でした。区民の皆さんにこのすばらしい制度を知って利用していただくためにも、区報、ホームページだけでなく、例えば乳幼児の健診時に案内用紙をお渡しするなどはいかがでしょうか。また、ほかに具体的広報策をお考えであれば、お聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。皆さん御静聴ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
 私の方からは、防災に関連して幾つかの御質問にお答えをいたします。
 まず、東京直下型地震はいつ発生しても不思議ではない状況であると。この現状に対する認識という御質問でありました。
 御質問にあったとおり、東京都を含みます南関東直下型地震、これは発生の切迫性が言われて久しいわけであります。これは、私どもの意識ではついつい風化してしまうといったようなことも起こりがちなわけですけれども、むしろ時間の経過とともに発生の危険性が高まっているというふうに考えてもよい問題だと考えております。いつ地震が起きてもおかしくない状況にあるという認識は、常に持たなければならないというふうに考えております。
 中野区民の生命と財産を守る上から、私はもとより職員全員が常に危機意識を持ち、いざというときには迅速に対応できるよう、日ごろから取り組んでいるところであります。地震による被害の拡大を防いで最小限にとどめる応急対策とともに、耐震補強等の被害を少なくする事前の対策が区民の生命を守る観点から重要であり、今後力を入れて取り組む課題である、こう考えています。
 耐震診断・耐震補強について、阪神大震災での家屋の倒壊でありますとか、家具の下敷き、そうしたことによる死者の方が圧倒的な多数であったといったようなこと。このことから、新たな対策を考えなければいけないといったようなことについては、私が常日ごろから皆さんに申し上げているところでありまして、酒井議員の認識と一致をしているというふうに考えております。そういう意味で、新しい制度を現在検討しているところであります。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、名誉昇給についての御質問と、防犯・防災対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、名誉昇給でございますが、名誉昇給の意義でございます。これは、自らの命を省みず職務を遂行したなどというような顕著な功績、また区政に対する多年の功績に報いるということからあるものでございます。この根拠規程になるものは、特別区の人事委員会規則、初任給・昇格及び昇給等に関する規則でございますが、この規定に基づきまして、区長が職員の名誉昇給等に関する基準について定めまして、この人事委員会の承認を得て、現在実施しているところでございます。
 しかし、先ほど御質問にもありましたけれども、退職者のほぼ全員が一律に名誉昇給するというような状況につきましては問題があるというふうに認識してございます。今後、適用者を真に功績顕著な者に限るというようなことを検討いたしまして、区民の理解を得られるような仕組みになるよう、早急に見直しをしていきたいと考えてございます。
 次に、安全安心まちづくりについての御質問でございました。札幌市やニューヨーク市での事例を御紹介いただきましたが、防犯には区民一人ひとりの防犯意識の向上、また啓発、こういったことが必要だというふうに思っております。地域組織による防犯パトロールなどの実施は有効な施策だというふうに考えてございます。中野区の地域の特性を踏まえた実効性のある防犯対策、これを現在条例の検討をしているわけでございます。これまでも関係機関と意見交換を行ってきてございますが、今年度中の条例制定に向けて準備を進めているところでございます。
 次に、消防団員の確保ということでございます。これまでも区報の掲載、また現在、防災課の窓口にパンフレット等を置いてございますが、これだけではなく、区といたしましても、消防署、消防団と連携して、さらに消防団員の確保に取り組んでいく所存でございます。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、防災図上訓練についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 学校で児童・生徒は社会科の時間、あるいは総合的な学習の時間などにおいて地域の歴史や自然などを学習する中で、地域の実態等に応じた防災にかかわる事柄も学んでいるところでございます。御指摘がございました防災図上訓練についてでございますが、各学校ではまだ十分な情報を周知されていないというような面もございます。教育委員会といたしまして、学習方法の一つとして今後研究をしてまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 病後児保育、それから小児救急医療などのPRにつきましてお答えいたします。
 病後児保育につきましては、区報、ホームページなどのほか、保育園、それから保育室などに在籍中の4歳未満児の保護者2,000人に利用案内を配付しております。また、乳幼児健診等につきましての中ではまだ配付しておりませんので、今後配付していきたいと思っております。
 それから、小児救急医療でございますが、これにつきましても区報、ホームページに掲載したほか、保健福祉センターにパンフレットを用意いたしまして、母子手帳交付時とか乳幼児健診のときに配付しているところでございます。
 こうした区の持っています特徴的な子育て支援事業につきまして、おっしゃるように十分にPRいたしまして利用していただくということにつきましては、区といたしましても力を入れて、努力してまいりたいと、このように考えております。
     〔酒井たくや議員登壇〕
6番(酒井たくや) 再質問させていただきます。
 まず、先ほど私は名誉昇給をどのように見直していくのか、具体的に、区長にお聞かせくださいとお願いしましたので、区長にお答えいただきたいんですが、その中で、先ほどの回答の方で、特別区人事委員会の承認を得た基準に基づき処理をするとおっしゃっておりましたが、こちらの方に「特別区職員の任用及び給与等に係る共通基準の範囲」の用紙があるんですが、給与の昇給のところを見てみますと「名誉昇給を除く」とあります。すなわち、各自治体でこの名誉昇給は運営することができるんだと思います。ほかの自治体--豊島区は全廃しました。そして、世田谷区は5,000万円から300万円に見直すと発表しております。それを受けまして、何とか区長に、マニフェストではありませんが、数値、そしていつまでというのを入れていただいて、答弁いただきたいと思います。中野区の見識が問われると思いますので、どうかよろしくお願いします。
 以上で再質問を終わります。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 人事委員会の基準にあるかのようなお受けとめであったと思いましたが、答弁申し上げたのは、人事委員会規則の第32条、33条の規定に基づいて区長が定めると、この名誉昇給についての基準を定めるということを申し上げております。特別区人事委員会のかかわりは、区長が定めて、人事委員会の承認を得るという形の決まり方であります。当然、今回、先ほどの総務部長からの答弁にもありましたように、ほぼ全員が一律に昇給するような状況については改善をしなければならないという認識に立っておりますので、改善に向けての検討を行っているところであります。これは、毎年の対応ということでありますので、現在検討を行っているということは、今年度末の退職者に対する適用も含めて検討しているということであります。
     〔酒井たくや議員登壇〕
6番(酒井たくや) 再々質問させていただきます。
 具体的な数字で何とかおっしゃっていただきたいんですが、例えば、豊島区は殉職を除き全廃、世田谷区は5,000万円から300万円に削減し、対象は10%に絞ると発表しております。区長は、8月6日に、区民と区長との対話集会で見直すとお話しになられました。それからもう1か月半ぐらいたっているんでしょうか。その中で、具体的な数字をお考えなのではないでしょうか。
 それから、いつまでに見直せば今年度に間に合うのかも最後にお答えください。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再々質問にお答えをいたします。
 数字については、検討しているというふうに申し上げましたので、引き続き検討させていただきたいと思っております。
 今年度末の退職者については、これは退職時の退職金の支給に関することでありますので、退職金の支給が発生するまでに取り扱いを定めればよいというふうに理解をしております。
議長(山崎芳夫) 以上で、酒井たくや議員の質問は終わります。

  中野区議会議員 近 藤 さえ子
 1 中野区が歩む道
  (1)サンプラザ問題について
  (2)シャトルバスについて
  (3)子どもたちの教育の充実について
 2 その他

議長(山崎芳夫) 次に、近藤さえ子議員。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
8番(近藤さえ子) 初めて質問させていただきます。
 私が区議会議員になって早くも5か月目、職員の皆様にはとても親切にしていただき、感謝しております。議員の方も、会派が違い、意見の対立はあっても、区民のためによいことをしていきたい気持ちは同じです。私の至らぬ点にも親切に声をかけてくださり、ありがたく思っています。無所属の新人ですので、私がどのような立場で区議会議員になったかということを最初に少しお話しさせていただきたいと思います。
 私は、中野区で子育てをしている普通の主婦でした。サラリーマンの夫と二人の子どもの4人家族です。父と、転倒骨折してから介護保険を受ける母--彼女は今、リハビリで入院中ですが--と同居しています。他の家庭と少し違う点があるとすれば、父・近藤正二が半世紀近くもの間、区議会議員として活動してきたことです。近藤正二は11期にわたり中野区議会議員を務めてまいりました。長い間皆さんに大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。
 父の活動を見ながら育った私は、毎日の暮らしの中で、住民と区政を自然に意識するようになりました。近年、中野区は財政難から住民へのサービスをカットしてきました。子育ての予算もカットされました。保育園の民営化、子どもたちの卒業アルバムの補助金カット、卒業証書の筒の廃止、修学旅行の補助金カット、それら一つずつはささいなことではないかと言われるかもしれません。しかし、子育てをする親にとっては、直接生活にかかわる問題です。
 今、長引く経済不況の中、サラリーマンの給料は上がらず、一方、教育費はふえ続けています。これまで専業主婦でいた人たちも、家計のために次々働きに出ています。私たち母親は口々に「ひどいわね」と話してきましたが、核家族の生活が多い中、学校の話題はなかなか外に広がりませんでした。一昨年の交通安全指導員、いわゆる「みどりのおばさん」廃止も、まさに子育て予算のカットでした。財政難で職員を削減するという方向自体には私は賛成です。でも、区は代替案もなしに子どもの安全を守る仕事を放棄したのです。これには、私たち母親は黙っていられませんでした。中野通りなど、通学路の危険箇所の多い地域のお母さんたちが中心となり、中野区内の各所で「みどりのおばさん」廃止反対の署名、反対陳情活動が起こりました。この「みどりのおばさん」廃止反対の陳情をきっかけに、多くのお母さんたちから声が上がりました。「私たちの必要とするところに税金は使われず、一体どこに使われるの」、「私たちは毎日仕事、子育て、家事に追われ、区政のことなど真剣に考えたことはなかった。でも、まじめに税金を払って、受けたいサービスが受けられず、子どもたちの代にまで借金を残すような区なら引っ越すしかない。近藤さん、中野区がどんなふうに動いているのか、よーく見てきて私たちに説明して」、そんな子育て中野の声が、近藤さえ子を区議会に送り出してくれたのです。
 私には、私を応援してくれる区民と同じ目線で生活していること、中野区の歴史を生活の中で見てきたこと以外に力はありませんが、中野区が、暮らしてよかった、また帰ってきたい区になるためにどうすればいいか、皆さんと議論を重ねていきたいと思います。
 前置きが長くなりましたが、本題に入らせていただきます。至らぬ点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。また、間違っている部分がございましたら、何なりと御指摘をいただき、御説明を受けたいと思います。
 私は、今、中野区にある三つの問題をテーマに、中野区がこれからどんな道を歩いていくのかということを質問させていただきます。
 まず、サンプラザ問題について。定例会1日目にも4人の議員の方が質問され、多少重なる質問もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 昨日のなかの区報にも「サンプラザ 来年度取得へ向けて協議を進めています」と1面に基本的な条件などの説明が書いてありました。私は、財政難で区民の生活予算を削り続ける中野区が、具体的な運営方法も決まらぬまま、莫大なリスクを背負ってサンプラザを買い取ることに反対の立場で質問をいたします。
 2003年5月4日付なかの区報には、「みなさんのご意見を踏まえて、サンプラザ取得に向けて交渉へ」との見出しが大きく出ていました。この「みなさん」は一体どこの皆さんなのでしょう。私は不審に思いました。私の周囲には、サンプラザ取得に賛成する方はほとんどいません。そこで、私個人で「皆さんの御意見をお寄せください」と申したところ、以下のような区民の意見が集まってきました。一部を御紹介したいと思います。
 「中野区のサンプラザ取得に反対します。まず、この施設を買い取ることで区の赤字が増大し、区民の負担になることは火を見るより明らかです。これまでの区の動きを見ても、取得後の中野区がサンプラザ内部の合理化などできるはずはありません」、「民間の競争入札に任せるべきです。民間が手を挙げないという物件なら、採算の見込みが全くないことを意味します」、「中野サンプラザ購入に反対します。財政状況の極めて悪い中野区にさらに赤字を加えるなどもってのほかです。たしか、以前、山梨県上野原町あたりに運動場を買って借金を残したのではないでしょうか。当時の賛成者はどうなっているのですか」、「購入後、第三セクターで運営する方法は、寄り合い世帯のため責任関係があいまいになり、他の自治体の事例を見てもほとんど失敗し、結局自治体のお荷物になっている」、「サンプラザ内の経営合理化を進める意欲と能力が、果たして中野区にあるか疑問です。まず、中野区本体の人件費削減・合理化を行うのが先決ではないでしょうか」、「知人が自宅を改築する間、サンプラザのホテルに長期宿泊を希望したところ、「日曜日から木曜日はいいが、金曜日・土曜日はいっぱいなので一たん出てくれ」と言われました。聞くと、金曜日・土曜日は翌日にゴルフに行く役人が宿泊するということ。これが、勤労者のための施設だったはずのサンプラザの現在の経営実態です。こんな施設を区民の税金を投じて維持することに反対です」。
 また、次のような意見もありました。「サンプラザホール部分は音響効果のよい施設であることは定評がある。この部分を生かして、それ以外を公共住宅に改築するなり、中野区の市街地開発事業に生かすことはできないか」、「どうしても購入するならば、少しでも赤字補てんを考えなくてはならない。例えば、以下の資金をキープする。区長300万円、購入に賛成した関係部長100万円、賛成した関係課長50万円、賛成した関係補佐30万円、購入に賛成した区議会議員200万円。赤字の足しにはならないが、無責任な買い取りのブレーキとなるのではないか」、このような区民の意見が私には寄せられました。
 なぜ、この巨大施設を取得額52億という借金をしてまで、急いで購入しなくてはならないのでしょう。何度お尋ねしても、区の見解は「将来の中野のまちづくりに必要だから」、「駅前の土地が必要だから」、「中野区のシンボルだから」とおっしゃいます。いろいろお聞きしたいことがありますので、よろしくお願いいたします。
 サンプラザは、将来の中野のまちづくりにどうしても欠かせないので購入を決められたことは間違いないですね。それは、どんなまちづくりなのですか。かねてから、中野区周辺のまちづくり計画は膨大な時間とお金をかけて続けられてきました。途中、清掃工場建設予定が中止になり、情勢は変化し、計画自体が宙に浮いた状態になってきました。ここに来て、サンプラザ取得を決めてしまってから、区は取ってつけたようにまちづくり計画の見直しを打ち出し、9月3日、「中野区周辺まちづくり調査検討委員会」を発足し、来年3月までに計画案をまとめるということですが、これまで長い時間をかけてできなかった計画案が、そんなに短い時間でできるものなのでしょうか。そこまでサンプラザにこだわり、サンプラザの土地がどうしても必要である計画とは、具体的にどんなまちづくりを描いていらっしゃるのか教えてください。
 もし、サンプラザを中野区ではなく民間が購入した場合、そのまちづくりはできなくなってしまうものなのですか。今、中野区でやろうとしていることは不動産業の仕事で、行政機関の仕事ではないと思います。サンプラザの土地を民間企業が入手しても、中野区の玄関にふさわしい形の運営や開発をしていくように、行政として話し合いをすることは幾らでもできるのではありませんか。財政難という理由で、中野区は館山健康学園など必要な福祉施設を売りに出しながら、どうして具体的な目的がないサンプラザを買う必要があるのでしょうか。もっとも、今後10年間サンプラザの現行の運営を維持するという条件で、民間企業は手を挙げるでしょうか。サンプラザを区が購入しなかった場合のまちづくりは検討されましたか。中野のまちづくり計画の図面ができ上がり、その中心にあるサンプラザはこのような機能を持ち、大切な中野区民の財産になるという計画が描かれているのであれば話は少し変わりますが、それらの具体的な計画がないところでまちづくりに必要だとサンプラザだけを買い取る意味が私にはわかりません。具体的な長期ビジョンもなしに、52億の3分の2という借金だけを区民に押しつけるのは、余りにも無責任です。購入に関するすべての費用を合計し、区民一人当たりの税金負担は幾らになるのかも明記していただき、区民の意見をきちんと聞きたいと思います。
 また、第三セクターを設立して購入し、運営を任せ、民間に賃貸するということですが、これまでの例を見ても、さまざまな自治体が第三セクターでつくった巨大施設でうまく経営が成り立つものはまずありません。逆に、第三セクターの成立のために新規人員が新たに発生します。サンプラザを運営したいと具体的にどこかの民間企業が手を挙げているのでしょうか。例えば、小田原市が同じ雇用能力開発機構から8億5,000万円で買い取った「スパウザ小田原」(1998年総工費455億円建設)は、ホテルチェーンの英ヒルトン・インターナショナル(ヒルトンホテル)が健康重視のリゾートホテルとして運営することで、8月26日、小田原市と協定を結びました。運営受託期間は来年2月から5月で、5年ごとに更新します。ヒルトンは年間施設使用料4億3,000万円を小田原市に払うという契約です。自治体は、このようにきちんとした運営の方向性を、責任を持って示していくべきです。具体的なまちづくり計画も、サンプラザの経営計画も持たないまま、漠然とした方向性や可能性だけでサンプラザ購入に踏み切るのは、中野区史上大失策となった上野原に匹敵する無策としか思えません。
 私の父・近藤正二が議員生活最後の質問で上野原問題の責任を追求したとき、区長は「そのときは状況がわからなかった」と答弁されました。上野原を買うことの危険性を知っている方はたくさんいましたが、耳を傾けられなかったのではないでしょうか。さきに述べたサンプラザ購入反対意見にもありましたが、国民は上野原問題をしっかり記憶しております。第三セクターが買うにせよ、いずれ区民の負担で後始末することにはなりませんか。
 区長は、スーパーなどで「私が自信を持って作りました」と書いてある野菜などをごらんになったことがありますか。つくった方の写真が張ってあります。自分の作品に自信を持ち、責任の所在がはっきりしています。サンプラザを中心とした中野区のまちづくりは、区長にとって自信を持って区民に表示できるものなのですか。サンプラザの計画が失敗に終わったとき、区長はどのような責任をとられるのでしょうか。「その当時はわからなかった」では済まされません。特に、今回は金額が大きいので、もし失敗すれば中野区は倒産します。お答えください。
 2点目に、シャトルバスについてです。
 最初に、私の勉強不足で、「シャトルバス」という表現は正しくありませんでした。私が申し上げたかったのは、いわゆる「コミュニティバス」と言われる、各停留所にとまる狭い地域を走るバスのことです。
 このバスの件では、以前から先輩議員が取り組まれています。私と同じ地域でも、藤本議員が昨年の定例会でこのバスの件を質問されています。また、同期の小堤議員も、前回の定例会で質問されています。多くの議員の方の長年の懸案になっています。それなのに、コミュニティバスはなぜいまだ実現しないのでしょう。
 30年前、上鷺地区の住民から、西武線との間をつなぐコミュニティバスの強い要望があったと聞いています。その時点では、一方通行の道路が多く乗り入れる路線がない新青梅街道を混雑時に通過するのは無理といった理由で、実現は不可能だったそうです。今は、どういう状況なのでしょうか。どういう検討がなされているのでしょうか。
 今、武蔵野市の「ムーバス」を初めとして、杉並区の「すぎ丸」、千代田区の福祉バスなど、いろいろな問題をクリアして各自治体がコミュニティバスを実現し、利用者に喜ばれています。例えば、お隣の杉並区です。これまで交通の便のなかった阿佐ヶ谷と浜田山の全長4キロを結ぶバスです。平成12年、2,000万円の赤字でスタートしましたが、平成14年には赤字は800万円になりました。大人も子どもも1回100円、京王バスが運行しています。杉並区の職員にこの「すぎ丸」のバスのことを尋ねると、「もちろん赤字ですよ。でも、区民に喜ばれていますよ。それに、みんなこのバスが必要なんですよ」と明るい返事が帰ってきました。練馬区のコミュニティバスは、2台走っていましたが、地下鉄ができたために1台になりました。平成14年度には区が約1,500万円負担しています。千代田区には、福祉の「かざぐるま」というバスがあります。このバスは、福祉施設や区役所などの公共のポイントにとまる福祉のバスなのですが、一般の人も乗ることができます。私が訪ねたとき、福祉バスの職員が、「あ、また新しいバスができたんですよ。新聞にも出ていますよ」と、うれしそうに語っていました。都内のコミュニティバスの優等生、武蔵野の「ムーバス」は、平成7年にスタートしましたが、平成10年には865万円の黒字を出しています。運転手は、バス会社を定年退職された嘱託運転手。このバスは、吉祥寺周辺への車の乗り入れを減らす効果もありますが、やはり住宅地の高齢者に喜ばれているようです。
 このように、他の自治体では、交通の専門家、国土交通省、警察と協力し合って協議を重ね、住民のための足を確保しているのに、中野区ではなぜこういう取り組みができないのかお尋ねします。
 今、中野区は江古田の森福祉施設と防災公園をつくろうとしています。この地域がとても交通の便の悪い場所であることは皆さん御存じだと思います。ここへの足は、中野駅から練馬や中村橋、江古田駅に行くバスしかないのです。一番近い西武新宿線の各駅からも、足がないのです。現在でも、この周囲に路上駐車が絶えません。近隣の住民はとても、迷惑をしています。江古田の森ができたときには、この江古田の地域はたくさんの人が中野各所から訪れることになります。駐車場の完備はもちろんですが、公共の交通手段をふやすことが必要だと思います。
 また、この地区には、現在幾つもの病院があります。西武線沿線に住む患者さんの多くは沼袋駅でおりて、1キロ強の道のりを歩いて病院に行かれます。元気な人間にとっては1キロの道のりは何でもないかもしれませんが、病院へ行かれるのは、具合の悪い方か高齢者です。病人が晴れた日で、体調のよいときにしか病院に行けないという事実が現に発生しています。病院の先生に伺ったところ、実際に野方駅を利用していた高齢者の患者さんは、この病院が余りにも不便なので、電車に乗る時間は長くても清瀬の病院の方が行きやすいと病院を変えられたそうです。江古田の森は区民の大事な税金を使ってつくる、大がかりな保健施設と公園です。そこに行く区民の足がないのでは、話になりません。江古田の森の整備とともに、区民の皆さんが利用できる西武線各沿線と江古田の森を結ぶコミュニティバス路線の整備を希望します。
 関東バスの責任者によると、大久保の社会保険中央病院と小滝橋、東中野を結ぶバスを3台出していて、1日300人程度が利用している。運営の赤字部分は、新宿区が補てんしているそうです。このように、バス会社にも実績があります。この関東バスの方は、以前交通対策課にいらっしゃった田中区長とコミュニティバスを考えることを喜ばれていました。このバスの件で、区の交通対策課の職員と話をしました。交通対策課の主な仕事は、交通安全と自転車撤去、そしてコミュニティバスの件とのことです。自転車撤去の仕事は、想像しただけでもさぞストレスがたまる仕事でしょう。夢のあるコミュニティバスづくりに取り組まれてはいかがですか。どんな路線なら実現可能でしょうか。どんなバスだったらいいでしょうか。ミニバス、ワゴンタクシー、どんなデザインで、どんな名前をつけますか。お金はなくても知恵を絞って、区民の足を確保したいと思います。区民にも、職員にも、夢を与える仕事をしましょう。
 杉並区のすぎ丸君のチラシでは、山田区長が笑顔で、「さあ、皆さん。私と一緒にすぎ丸に乗って、さわやかな杉並のまちに出かけましょう」と言っています。中野区も楽しいコミュニティバスをつくりましょう。職員がみずからまちに出て、コミュニティバスで各種相談を受けたり、議会の様子をビデオで流したり、中野区のお店を紹介したり、用がなくてももう一度乗りたくなるようなバスをつくって、田中区長の笑顔を載せたパンフレットに「さあ、さわやかな中野のまちに出かけましょう」と出しましょう。区長はいかがお考えですか。
 3番目は、学校教育の充実についてです。
 学習補助指導員、これは学校の中で先生をアシスタントしたり、子どもたちの生活や学習を見守る仕事です。私は、この学習補助指導員の全公立学校への配置を希望いたします。
 少子化が叫ばれ、確かに子どもたちの数は減っていますが、公共の学校教育現場は、現在とても複雑になっています。現在、子どもたちが置かれている状況は、一人ずつ違います。たっぷりと時間と手間をかけて育てられている子ども、朝夕の食事さえもきちんと与えられず、ほうっておかれる子ども、おけいこ事で忙しくて友人と遊ぶことを知らない子ども、発散し切れないほど元気いっぱいの子ども、日本以外の国籍の親を持つ子ども、ADHD(注意欠陥多動)やLD(学習障害)と病名をつけられた子ども、子どもたちの個性が余りにも多様化しています。学校の先生は、そんな個性的な子どもたちを相手に、毎日一生懸命取り組んでいらっしゃいますが、学校内ではいろいろな事態が発生します。私自身経験し、これまで幾つも見てきたことですが、小学校1年生の段階で授業が成り立たないことも珍しくありません。授業中に座っていることができない、外に出ていってしまう、授業中に大きな声を出す、そんな子どもがクラスに数人いると、先生は授業をしたくてもできません。あるいは、構わず授業を優先すると、そんな子どもたちをほうっておくことになります。これは、決して特別な事態ではないのです。初めてそんな授業風景を見て、保護者の方は唖然としています。安心した預けたはずの学校で、子どもたちは勉強するどころではないのです。「荒れているクラスをどうしたらいいの」と私にも相談が寄せられます。保護者と学校との話し合いを持ち、学校はいろいろな方法を試みて、落ちつかせようとします。それでもなかなか事態は収拾に向かいません。
 つい最近も、ある小学校で「学級崩壊なのでは」とお母さんたちが不安に思っている現場に教育委員会の方が行き、お母さんたちとひざを交えてクラス向上の考えの話し合いが行われました。職員が地域に出て行き、何が問題で、区は何をしたらいいのか。現場を見て、保護者と先生と話し合うことはとても大切です。大変ありがたいと思っています。けれど、うまい解決策がすぐにあるわけではないのです。問題は、再び学校内の解決に求められます。先生方は外部関係者に相談した分、さらに大きい責任感を抱え、負担はふえます。保護者の不安は消えません。学校の中、先生と子ども、その中に先生とは別の子どもを見守る大人の目が必要だと思います。それが学習補助指導員です。
 現在、中野区では、小・中学校合わせて14校でこの学級補助指導員を配置しています。これは、都の教育委員会のモデル事業として派遣されているもので、チームティーチングや少人数指導の学習指導補助、さらに学校行事や生活指導の補助を目的とします。もちろん、学級補助指導員がいれば急に学校がよくなり、荒れたクラスがなくなるというものではありません。教育問題の解決には、時間と費用が必要です。すぐに解決できるものではありませんが、この先進的な試みをぜひ発展させて、学習補助指導員のモデル自治体となるのはいかがでしょうか。
 台東区では、ことしから独自の「大学生が先生」(学習支援学生派遣)事業をスタートさせました。8小学校、1中学校でそれぞれ実施を開始します。今後、教員養成系の大学と連携し、インターシップ契約を結ぶなど、学生の単位習得の対象にしてもらう事業につなげたいとのことです。八王子市では、昨年度から教師を目指す若者にアシスタントティーチャー実習講座が始められました。教員免許を持ち、教員採用試験突破を目指す人たちが、現場で体験を積むことができます。実習者は派遣校でチームティーチングなどを実習し、指導を受けた後、学習活動指導部補助者になります。報酬は、国の緊急雇用対策事業による補助金から支払われます。若者の雇用対策とともに、子どもたちを支える若い力を活用しようという内容です。台東区も、八王子市も、どちらもまだ始まったばかりの試みです。しかし、学校に、教育にかかわりたいやる気のある若者を採用して、子どもたちと一緒に教育現場で活躍してもらうことは、子どもたちにとって体でぶつかってくれる大人の存在を知る機会であり、高齢化した学校に新しい風を入れることにもなるでしょう。
 中野区の公立の小学校29校、中学校14校のうち、学習補助指導員が配置されている学校は14校しかありません。子どもたちをしっかり見守る大人の目をふやすためにも、現場の先生方をサポートするためにも、子どもたちが学校できちんと勉強できる時間の充実を図るためにも、全校に学習指導補助員の配置を希望いたします。
 中野区では、ことし、中・小全学校にクーラーがつき、学校の耐震補強も進んでいます。しかし、ソフト面での取り組みは、まだまだおくれていると感じます。子どもたちが少しでもよい環境で勉強し、成長できるように、公立学校のソフト面の充実を考えていくことが大切だと思います。
 最後に、その他の項で図書館の問題について質問させていただきます。
 中野区では、図書館運営も見直しが進められ、来年3月で現在図書館に勤務されている非常勤職員が廃止され、外部委託されると伺っています。中野区にこれまで図書館運営協議会という会があり、2年前の春、利用者調査を行い、検討し、中野区の図書館について次の提言をしていました。1、区民が利用しやすい図書館に。2、十分な資料費を。3、司書の比率を高め、職員の専門性を高める方策を。4、他の組織や機関との連携を。5、区民の図書館を支える意思にこたえる。6、ITの導入を推進するとともに、弱者への配慮を。7、中野区図書館運営協議会の存続を。このように、住民と行政の両方が自分たちの図書館を大切に育ててきたという内容でした。
 しかし、残念ながら、現実には区の図書館はこれらの提言と反対の方向に向かっているように思われます。図書館運営協議会も昨年廃止され、図書館は利用区民に何も知らされないまま外部に委託されてしまいます。
 戦後58年を経て、さまざまな法律制度が改変され続けてきた中、図書館法は守られ、地方自治法第2条第3項の中に図書館は位置付けられています。図書館の空間は、区民の知識・文化の向上の場であり、共通のかけがえのない財産であり、最も多くの区民に利用されている施設です。「文化の中野区」を築いてきた図書館を守っていくことは、地方自治体の責任です。
 図書館の利用者は年々ふえ、その重要性は高まっています。9月19日、文部科学省の「平成14年度社会教育調査中間報告」で、「2001年度全国の図書館で貸し出された本の数は、過去最高を更新した。中でも、小学生は一人当たり年17.1冊を借りているという計算になる」という内容が発表され、少子化で子どもたちの数が減っているのに、利用数がふえているのです。漫画しか読まないと指摘されている子どもたちは、実際にはかなり積極的に本を読んでいるのではないかと分析します。また、高齢化社会を迎え、地区の図書館は、これから新たな時間ができた方々にとって、コンピュータでIT情報を閲覧したり、各自のライフワークに関する書籍を求めたり、地域人間の交流を持つ中で欲しい情報を入手できる、最も身近で利便性のある大切な地域施設となっていくものと思われます。
 中野区の厳しい財政状況を考え、私はむだな経費削減には賛成です。けれど、時間をかけて蓄積してきた文化的なものは、一度なくしてしまったら二度と蓄積できないことになってしまうのも確かです。安易に知識や経験の豊富な非常勤職員をやめさせ、外部に任せることは、中野区にとって大きな損失になりませんか。効率優先を重視する余り、図書館本来の意義が犠牲になりませんか。私は大変危惧しております。図書館を外部に委託されることに対して、区長はどのようなビジョンをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。どのような外部機関に、どういう方法で委託されるのでしょうか。今後の図書館のあり方をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。決して、効率優先というものではない、新しい地域図書館のあり方をこの中野区から提案していけるような、図書館運営の見直しをお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 近藤議員の質問にお答えをいたします。
 私からは、サンプラザの問題についてお答えをさせていただきます。
 まず、どういういきさつでサンプラザを購入することを区の意識として持つようになったかということでありますけれども、これは昨年の8月末に、国が特殊法人の改革を行うという中で、特殊法人が持っております勤労福祉施設について、もう廃止するということを決めたわけであります。廃止に当たって、地元の自治体に購入しないかということを申し入れてきたということになります。そういったことを受けて、中野サンプラザがこれまで地域の中で果たしてきた役割、まちのにぎわい、あるいは地域の活性化、そのシンボルとして果たしてきた役割、これからも期待していくべき役割、それから今後のまちづくりの問題、そうしたことを総合的に勘案しながら判断をするということで、昨年度、3月には区民の皆さんに区報が御意見を求める。また、区民対話集会を数次にわたって開催をする。また、さまざまな形で御意見をお聞きするという中で、中野サンプラザの購入の必要性について認識をしたということであります。
 まちづくりの中心として、また、にぎわいの中心として必要である。これからも中野区にあり続けてほしいということと同時に、そのことが区の財政負担になる。こういう形では購入するべきでないという考え方に基づいて、この4月以降、区としては基本的に購入の方向で、そして区の財政負担をもたらさないような運営の方法で運営をするということについて、雇用能力開発機構と協議をしながら、区としての検討を進めてきている、そういうところであります。
 そういう意味で、中野サンプラザが必要だという認識については、区民の皆さんからも幅広く御意見をお伺いし、私として判断をしたところであります。
 次に、どういうまちづくりを考えているのか、あるいは、サンプラザが民間の土地だった場合に、区のまちづくり上、支障があるのかということであります。
 あれだけのまとまった広さの土地、あれが民間の、全く区が関与できない形で所有されていた場合に、区が、区全体として整合性のあるまちづくりの中で、あの地域のまちづくりを考えていこうというふうにした場合には、私は大変困難になってくるだろうと思っております。当然、中野区が関与できる形でのまちづくりのあり方と、中野駅のまちづくりというのは、北口の広場の問題でありますとか、この区役所、また警察大学校の跡地といった北口一帯の問題。さらに、中野五丁目、南口、幅広く中野駅周辺全体を視野に入れたまちづくりを考えていかなければならないということでありまして、その最も中心的なポイントであるサンプラザ、このことをまちづくりの中での視野に入れるということで、まちづくりの可能性が大きく広がったと、このように考えているわけであります。
 サンプラザを運営する民間企業はあるのかというようなことでありますが、この間、どういう形で運営ができるのかといったようなことを検討していく中で、民間の企業などからも提案・意見の募集など、参考として行ったりしているところであります。そうした中で、一定の感触は得ているということであります。
 今後とも、サンプラザをどう取得をするのか。そして、まちづくりの中でどう生かしていくのか。これについては、区民の皆さん、あるいは議会の皆様と一緒に議論をしながら、よりよい取得のあり方、あるいはその後の運営のあり方といったものを目指してまいりたい、このように考えております。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、コミュニティバスにつきましての御質問にお答えをさせていただきます。
 鷺宮、上鷺宮地域のバス交通につきましては、これまでバス事業者やタクシー事業者に具体的な検討依頼をしてきたところでございますけれども、その運行経費に対して多額の財政的な支援をしなければ実現が難しいということから、これまで実施を見送ってきた経緯がございます。今後も引き続いて、前例にとらわれず、いろいろな手段を追求してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、江古田の森につきましては、一般の路線バスのルート変更によりまして、バス停留所を設置する方向で現在バス事業者と調整を進めておるところでございます。
 しかしながら、江古田の森に設置されます保健福祉施設で予定をしている内容でございますが、入所施設とデイサービス施設でございます。デイサービス施設につきましては、送迎バスというような送迎サービスを考えているということもございまして、現在のところ、新たな交通手段の導入は考えていないというところでございます。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、教育の充実についてのお尋ね、それから図書館についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 まず、学習指導補助員についてお尋ねがございました。
 区内の学校では、東京都の措置を受けまして、少人数指導、あるいはチームティーチングというきめ細かな学習を進めるための措置が昨今ふえてきております。これに加えまして、区が独自に図書館指導員でありますとか、あるいは心の教室相談員といった人員を配置するなど、人的な措置についても充実を心がけている経緯がございます。
 こうした中で、学習指導補助員につきまして、きめ細かな学習指導や課題のある児童・生徒への対応などをねらいとしまして、国の補助制度を活用して配置をした経緯がございます。また、御質問の中で議員が触れておりましたけれども、都の指定を受けまして、ティーチングアシスタント制度--これは、学生のボランティアを学校に受け入れるという仕組みでございますが、こういったことも取り組みを始めたところでございます。
 こういう状況がございますので、今後、全体の状況を踏まえ、それからこの学習指導補助員の成果というようなことを踏まえ、さらに財政の状況も十分に見きわめて検討していきたいと、そういった気持ちでございます。
 次は、図書館についてでございます。区長にというお尋ねでございましたが、図書館は教育委員会の所管でございますので、私の方からお答えをさせていただきます。
 まず、教育委員会では、図書館について、人々の読書や調査研究などのニーズにこたえて、知的な満足度を高めたり、あるいは区民の知る権利や学習する権利を保障する役割--これは基本的な役割ですが、こういったものを持っていると考えております。また、加えまして、情報技術を活用した情報発信機能をあわせ持つ。さらに、子どもたちが読み聞かせなどによって本を読むことの楽しさに目覚めたり、あるいは利用者の心にゆとりをはぐくむなど、区民が精神的に豊かになれる空間でもありたいと、そういう願いを持ってございます。
 そういったことを踏まえながら委託を検討しているわけでございますが、そのねらいといたしまして、経験のある人材を抱えている委託先を選定することによりまして、専門性を確保すること。あるいは、コストの負担を伴わずに開館日をふやすなど、利用者ニーズの充実に対応していきたい。そういったことを考えているところでございます。また、きっちりとしました仕様書を示すなどによりまして、質の低下は招かず、区が最終的には責任を負うような形で運営については対応していきたいというふうに思っております。
 他区の例を見ましても、委託後の図書館運営について、多くの区民の方が評価をされているという例もありますので、私どもはその点で心配はないと、そういうふうに考えているところです。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
8番(近藤さえ子) サンプラザの件なんですけれど、何かとても不思議なんですけれど、先ほども申したように、私のところには反対の意見ばかり来て、区長のところには賛成の意見がほとんど来ているという、その状態もとても不思議で、まずサンプラザを買うことから始まっているというところがとても不思議です。買わないという選択を検討しましたかということを私はお尋ねしたつもりだったんですけれど、その答えがないということと、あと、責任はだれがとるんですか。この事業が失敗したとき、膨大に膨れた借金はだれが払うんですか。これは、今本当に一生懸命勉強している私たち、子どもたちがその借金を払うのか、だれが払うんですか。そこを教えていただきたいと思います。
 あともう1点、江古田の森のコミュニティバスなんですけれど、送迎だけではだめなんですね。送迎というのは、その関係者しか乗れなくて、お見舞いに行く人とか、例えば江古田の森の防災公園に全部車で来られたら大変なことになると思います。今でも駐車場でもない路上にばあっと止まっていますけれど、あそこに防災公園に向かっての人たちが集まったら大変なことになると思います。送迎だけではない、きちんとした足が欲しいと思います。
 以上2点、よろしくお願いします。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えします。
 サンプラザの関連で、近藤議員のお聞きになっている区民の御意見は反対ばかりで、私が聞いているのは賛成ばかりのようだということでありましたが、区に寄せられました御意見の中には、取得ということについて反対をされる御意見もあれば、ぜひ進めてほしいという御意見もある、多様な御意見が寄せられたというふうに思っております。全体の印象としては、やはり購入するべきだという御意見が大勢を占めているというふうに私自身は判断をしております。
 その意味で、反対をされる御意見というのも、反対の理由、また心配をされている内容、さまざまあるわけでありまして、そうした中でも一番大きいのが、それを購入することによって、区が新たな財政負担を継続的に行わなければならなくなること。それが今の中野区の財政状況の中で、あっていいことなのかといったようなお立場からの御意見はたくさんございました。これは、結論として反対とおっしゃる方も、結論として賛成とおっしゃる方も、一様に皆さんが心配をされていることでありまして、私といたしましても、最もこの点について留意をしなければならないというふうに考えているところであります。
 そうした意味で、取得をしたとしても、区が一般財源からの投入を経常的に行わなければならないような枠組みでない取得・運営のあり方といったようなことを今検討しているところであります。
 それから、買わない選択肢を考えたのか、考えなかったのかということでありますが、買うべきか、買わないべきかということで検討した以上、買わない選択肢も当然検討したわけであります。その結果が、現在のような考え方に至っているということでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えを申し上げます。
 先ほど御答弁いたしましたように、一般のバス路線のルート変更、これはじかにあそこの新しくできました道路、ここを通って運行するよう現在調整を進めているということでございまして、公園の利用者につきましては、その一般のバスルートを御利用いただきたいというふうに考えてございます。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
8番(近藤さえ子) もう一つ、責任はだれがとるのですかということをちょっとお尋ねしたと思うんですけれど、次の世代の子どもたちがとっていくのか、失敗したときにだれがとるのか、教えてください。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 責任の話でありますが、先ほど申し上げましたように、さまざまな御意見を勘案して、私は私としての判断をしたということであります。私が判断をしていることの責任は、政治的には私の責任であると、このように考えております。
 しかし、実際に財政的な負担を伴う、また議決を伴う契約をするといったようなことも当然出てくるわけでありますので、それは区としての決定・決断を求めていくということになりますので、そういう意味で区としての決定・決断において、誤ることのないような準備をしていかなければいけない、このように考えております。
議長(山崎芳夫) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時25分休憩

      午後2時46分開議
副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 持続可能な区政への転換について
  (1)縦割り行政からの脱却について
  (2)持続可能な財政運営について
  (3)公共の新たな担い手との関わりについて
 2 保健と福祉と医療の連携について
 3 支援費制度について
  (1)情報提供について
  (2)苦情処理の仕組みについて
  (3)困難ケース対応のヘルパー養成について
  (4)その他
 4 DV防止について
  (1)DV被害者の支援について
  (2)DV法見直しについて
 5 公的書類からの不要な性別欄の削除について
 6 これからの図書館について
 7 持続可能な中野駅周辺まちづくりについて
 8 中野区ホームページのさらなる充実について
 9 その他

副議長(やながわ妙子) 一般質問を続行いたします。
 佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
29番(佐藤ひろこ) 第3回定例会に当たり、一般質問いたします。
 持続可能な区政への転換について、お伺いいたします。
 田中区長就任1年を過ぎて、徹底した情報公開や基本構想策定における区民参加など、着実に新たな区政へ向けての基盤をつくりつつあると私は思っております。あしたの子どもたちにつながる地域社会をつくっていくために、これからが本番です。持続可能な区政への転換をしっかり果たしていくための改革に本格的に取り組まなければいけません。そのためにも、田中区長の目指す改革に対する区民の共感と協働をしっかり得ていく取り組みが大切になってきます。
 「持続可能」という言葉は、1992年に開かれた地球サミットから世界に発信されました。「人類は、持続可能な開発という関心の中心に位置すること」を第一原則とする「環境と開発に関するリオ宣言」が採択され、地球環境を破壊し、地球資源を枯渇させつつある開発のやり方を改めることが宣言されました。我が国では、2000年の環境基本計画で「持続可能な社会」という言葉が盛り込まれ、主に環境問題で目指すべき社会を提示してきました。今や環境問題だけではなく、経済問題でも目指すべきあり方を示した言葉となっています。経済成長だけを追い求めてきた私たちは、気がつけば地球環境の破壊に突き進んでいます。次の世代にどうやってこの地球環境、そして安心して暮らせる社会を継続的に残していくのか考えたときに、いつまでも私たちの世代だけで資源を使い尽くしていいわけはありません。
 「ダウンサイジングにっぽん--少子高齢化の衝撃」というタイトルで、朝日新聞に記事がときどき連載されています。この衝撃は、あらゆる分野に今後広がっていくでしょう。だからこそ、この衝撃を受けとめられる社会の仕組みに私たちは変えていかなければならないと思います。この中野でも、少子・高齢化が急速に進んでいます。次の世代が働き手になっていくときには、今よりも生産年齢人口は減り続けます。中野区の生産人口年齢比率は、10年前から年々減少し続けています。中野区の特殊出生率も年々低下し続け、全国平均をはるかに下回る0.77%。年少人口の構成比率も年々低下し、ことし1月で9.2%。高齢者人口の構成比率は逆に年々上昇し続け、ほぼ倍の18.2%。人口減の世代が、少ない税収で、私たち団塊の世代を含むたくさんの高齢者世代を支えなければならなくなる時代が、あと10年後以降には確実にやってきます。今のままで支え切れるのでしょうか。このままの区政のあり方を続けるのであれば、大幅な増税でもしない限り、無理ではないでしょうか。次の世代は、その負担に耐え切れるでしょうか。だから、区政運営のあり方を今変え、次の世代に持続可能な区政を手渡していく必要があると思います。少ない人口でも、少ない税金でも支えられる区政に変えていくことが、これから超高齢社会に突入する私たちも安心して暮らせることになるのだと思います。税金を使い尽くし、次の世代の税金まで食べてしまうやり方、それが今のやり方です。それで維持してきた今までの区政運営のあり方を見直すことが、子どもたちの世代に対する私たちの責務だと考えます。
 先日の斉藤金造議員の質問に対し、区長は「持続可能な地域社会をつくっていくこと」だと、スローガンについて聞かれたときに答弁されておりました。これからの社会のあり方を的確にとらえていらっしゃると思いました。区長は、持続可能な地域社会を目指すための区政の転換についてどのように考えられているのか、お聞かせください。
 次に、縦割り行政からの脱却について、お伺いいたします。
 区長になる前、田中区長は、区民との地域ごとの対話集会を開いておりました。そこで、区の職員バッシングを随分受けておりました。旧態依然とした区役所の組織が、大変問題になっておりました。そのときに、田中区長は、あの職員をやめさせるべきだ、この職員を異動させるべきだということに答えて、「人間というのは、伸ばせばだれだって伸びます。だから、人材配置の適材適所が大事です。私はもっと部長さんに人事権を与え、職員の能力を引き出していく方法を考えたい」と答えておりました。縦割りを廃してフラットな組織に。三重県へ視察に参りました私も、そのことをおととしの決算議会で主張いたしました。職員組織との協働による行政のシステム改革。従来の指揮命令による縦割りの管理ではなく、現場をよく知る職員にできる限り仕事を任せるエンパワーメントを重視する。権限を大幅に現場に移譲していく。縦割り行政を破る自己決定・自己責任の体制確立を目指す改革。これが三重県の改革でした。役所のための組織ではなく、区民のための組織をつくる、区民のためにしっかり働ける組織にしていくことが目的です。中野区も現在、組織のフラット化を検討しているとお伺いしております。どのような組織を目指しているのか、区民にとってのメリットは何か、お伺いいたします。
 お互いに、区民も職員も意識を変えるのは並大抵のことではありません。職員にこれから目指すべき区政のあり方に共感を持ってもらうことが、何よりも大切です。そのためには、徹底した議論が欠かせません。三重県のその当時の北川知事のお話で、私が最も印象に残ったのは、職員と何回も泊り込みで徹底的に議論したという話です。しつこいほど議論が重ねられてきたという話です。区長は、職員との議論をどのように展開されているのでしょうか。しっかり理解がされているのでしょうか。お伺いいたします。
 また、今回の改革が23区の人事任用のあり方とどう整合性をとっていくのか、お伺いいたします。
 昨年6月、名札の着用などさまざまな、いわゆる「見た目の改革」について述べさせていただきました。その中で、見た目の改革は進んできていると思います。これからさらに意識の改革、中身の改革へ向けて、取り組みを始めていかなければならないところだと思います。中身の意識改革に向けて、どのような取り組みをさらに始められているのか、お伺いいたします。
 2番目に、持続可能な財政運営についてお伺いいたします。
 昨年度決算に基づいて、先日、何人かの議員の方が今後の財政の見通しの厳しさについて質疑をされました。大変厳しい、現在でも厳しい、あるいはこれからもずっと厳しくなるであろう財政事情についての御答弁がありました。厳しいから次の世代に負担を先送りし、基金を使い果たし、借金を積み重ねてきたこれまでのやり方でした。私たちは負担に耐え切れないぐらい、次の世代にも及ぶ負担を今やしてしまっております。これから先行き厳しい時代だからこそ、次の世代が負担にならないように、必要な基金を積み立てていく必要があると思います。次の世代に負担を先送りしないために、どのような財政運営上の対応策が必要か、お伺いいたします。必要な基金、財政調整基金や減債基金などの積み立て目標期間と目標額についてはどのように考えられているのか、お伺いいたします。
 また、現在、厳しい財政状況ではありますけれども、その目標額に達成させるために毎年どのくらいの額、あるいは割合を積み立てていく必要があるのか、お伺いいたします。それが今後、子どもたちの世代に続く持続可能な財政運営をつくっていくもとになることだと私は思っております。
 3番目に、公共の新たな担い手とのかかわりについて、お伺いいたします。
 やはり三重県の改革を学びに行ったときに、全国に先駆けて導入された「事務事業評価システム」、「組織運営改革」とともに、全国に先駆けて1997年に「NPO担当」を設置したのが三重県でした。NPOとの協働を三重県は改革の大きな柱に位置付けられていたこと、これに大変私は興味を引かれました。行政内部の改革もさることながら、市民との行政改革を行ってきたことに、三重県の改革の本旨があると思います。それ以降、全国各地でNPOと行政との協働の取り組みがさまざまな形で試みられています。千葉県がことし「地方自治体のNPO支援策等に関する実態調査」を、NPO法をつくる発信源となったシーズ(市民活動を支える制度をつくる会)に委託してまとめました。人口2万人以上の全国自治体を対象に実施したもので、最新のNPO施策の調査として大変参考になります。多分、中野区も答えていらっしゃるでしょうから、担当の方にはその結果の冊子が渡っていると思います。十分熟読して、これからの中野の政策に役立てていただきたいと思います。
 まだどこの自治体も、またNPO自身も、一体協働とはどういうことなのか、試行錯誤の状態にあると言えます。共通認識になってきたのは、公共を市民とともにつくり出す時代に転換させていかなければならないということです。中野区は、NPO施策では大変おくれをとっていると思います。だけども、挽回できるチャンスでもあると思います。他の自治体の先行事例、いいところ、悪いところ、さまざま学びながら、今後さらに発展して進んでいく考え方や事例をつくり出していこうではありませんか。
 そこで、お伺いいたします。
 前回、第2回定例会で、はっとり議員の「NPOについて、どのような位置付けを考えているのか」という質問に対し、「NPOや自主団体の公共性・公益性のある活動は、中野のまちを豊かにしていく上で欠かせない力である。これまでの調査をもとに、各団体へヒアリングをして、これからの支援、あるいは協力のあり方というのを検討している」と答弁されました。現在、NPO団体へ実際にお出かけになってのヒアリングを終えていらっしゃるところだろうと思います。それを終えて、活動の現状と協働のあり方と課題についてどのように把握されたのか、お伺いいたします。
 これからのNPO施策について、さまざまな自治体がとっております。その中で、場の提供、場のコーディネートというものがあります。ただの施設貸しや施設転用の発想ではなく、これからの区政のあり方、区民サービスをどのように展開するのか、検討すべきと私も第1回定例会で質問をいたしました。それに対して、「NPOの活動がより活発化するための支援策の一つといたしまして、場の提供が必要ということは十分感じている。今後15年度中に策定するNPO・自主団体支援方針の中で具体的に明らかにしたい」と御答弁されておりました。新しい公共の担い手との関係は、支援という関係ではなくなりつつあります。今や、協働の関係をどうつくっていくのかが求められております。支援の指針ということですけれども、これからは「NPOとの協働の指針」と考え方も発展させていかないと、中野区で指針ができたころには、もうそれが既に時代おくれのものとなってしまいます。今年度中に策定ということでしたが、現在検討されている方針には、どのような内容を盛り込む予定なのか、その柱についてお伺いいたします。
 大変試行錯誤の状態にあるNPOと行政との協働。先進的な事例はどんなものがあるのかと、一番参考にされているという世田谷区に、はっとり議員と一緒に訪問いたしました。私たちの協働とは何か、なぜ協働をするのかという質問に対して、担当職員の方が「市民参加型の行政をつくる、新しい公共をつくる行政改革である」と、協働について大変熱意のこもったレクチャーをしてくださいました。世田谷区は、市民活動団体を新しい公共を進めるパートナーとして位置付け、団体の自主性・自発性を尊重しながらの支援を行っています。税金を使ってきた、そういう補助金のやり方ではなくて、税金を使わず、税金のかわりに--税金は行政に納めます。そのかわりに、区民の寄附金、こんな目的で使ってほしいという区民の寄附金で成り立たせております。世田谷区地域保健福祉等推進基金、これを区民の寄附金によって成り立たせ、これを活用し、寄附者の意向により保健福祉活動だけではなくて、さまざまな公益的市民活動に対する支援に活用しております。今年度は団体の立ち上げ期の基盤整備を目的とした市民活動立ち上げ助成事業、大体が自立するために必要な支援を目的とした自立促進支援事業、区と団体が協働連携して取り組む協働事業--この協働事業は、NPOと一緒にやりたい事業を区役所内で募集し、委託という関係ではなくて、対等の協定書を結んで行う事業だそうです。今年度は既に募集を終え、外国人が暮らしやすい環境づくりプロジェクトなど、決定されていったということです。税金を使わず、市民や企業の寄附金を使ったNPO支援をコーディネートしていく自治体がふえてまいりました。中野区としてはどのように検討されているのか、お伺いいたします。
 世田谷区はこういったさまざまな補助制度、支援策を使って、たくさんのNPO、市民活動団体が立ち上がっております。
 次に、港区の廃校になった中学校をNPOの協働事業所として有償で提供している「みなとNPOハウス」がオープンして1年になりました。世田谷区にお伺いしたときに、世田谷区は「港区のような事務所貸しは一般区民が集う場にはならないので、世田谷区では一般区民が自由に出入りができるNPOセンター、支援ではないNPOセンターをつくりたい」とおっしゃっておりました。しかし、港区はこの1年、地の利のよさを生かし、また全国でも余り取り組みがなかったせいもあり、全国組織のNPOを港区に集める、そういった効果をつくり上げました。先日、やながわ議員初め公明党の会派の方3人とはっとり議員と私とで、廃園になった区立幼稚園を活用した新たな子育て支援事業「みなと子育てサポートハウス あい・ぽーと」の開所式に行ってきました。そうそうたる方々のあいさつはさながらミニシンポジウムのようで、全国のモデルになる新しい事業を区民の力で育てていこうとする熱意が伺えました。あい・ぽーとはNPOハウスに事務所がある日本子どもNPOセンターが受託しております。また、そのときにいただいた「港区子育てハンドブック」、これはやはりみなとNPOハウスに事務所を置く全国NPO組織「子ども劇場全国センター」が編集を受託しております。場所を貸し出すことによって集めたNPOの力を、地域事業の展開に港区はしっかり生かされていることを感じました。すぐれたNPOを誘致する、人材を集める、NPOの知恵と力を地域に生かす、地域の活性化をつくり出すためにも、中野区も地の利のよさでは港区には負けていないと思います。中野区版NPOハウスを中野駅周辺の公共施設の空きスペースを活用してつくってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、保健と福祉と医療の連携について、お伺いいたします。
 ちょうど介護保険が始まった4年前、歩けなくなった義理の母と同居を始めました。勉強のためにとケアプランを自分自身でつくりながら、介護保険の仕組みを体験してまいりました。いろいろ問題点はありますが、在宅介護サービスに支えられながら、仕事を続けてくることができました。2か月前、母は手術をして、人工肛門をつけました。そのときに医者から、「たとえ安定した状態になったとしても、果たして在宅で可能ですか」と問われました。医療的ケアが必要となってしまえば、私が仕事をしている状態では、在宅生活に戻すのは無理だと、そのとき思いました。
 医療的ケアを必要とする方の在宅生活は、介護職が医療的ケアをできない状況の中で、家族介護が前提になります。だからこそ、福祉と医療をつなぐ保健の役割は大切だと思いました。保健師さんのアドバイスを受けながら、毎日人工呼吸器の音を聞きながら、医療的なケアを受けながら在宅生活をされている方々を支える仕組みづくりの大切さについて、考えてまいりました。
 本当にこれから保健と福祉と医療の連携が大切になるときに、実は保健福祉センターのあり方をまた変えようとされている考えが聞こえてまいりました。この地域保健福祉センター構想については、地域で保健と福祉の相談窓口、そして医療を結びつけた、そういった地域の支援の窓口を置くべきであるとずっと質問してきて、そのことを区にも提案してまいりました。さまざまな変節がありました。やっと2カ所に保健福祉センター、中部と北部ができたと思ったら、またそれを変えていく。そして、保健福祉相談所にしたのが2年前でした。そして、この4月から、その保健福祉相談所を保健福祉センターと名前を変えて、やっと何年間か質問してまいりました地域保健福祉センター構想を名前だけ、名称だけは実現できた形の地域保健福祉センター4カ所ができ上がったわけです。この4月に名称を変えたばかりなのに、もうその組織を変える話をされているというのは、一体どういうことなのでしょうか。もし、何らかの事情で組織を変える話が必要なのであるならば、なぜ、この4月にできたばかりの保健福祉総合推進計画をつくるときに検討されなかったのか。4月に4カ所と区民の方に示した後に、また来年度変えようとされている。4カ所を変えるだけではなくて、保健所の数そのものを減らそうとされている。南部はなくなる。あるいは、鷺宮もなくなる。子ども・子育て中心の保健所、高齢者・障害者中心の保健所になる案もあると聞きました。地域に保健と福祉の相談体制をつくっていこうというのが、今までの考え方でした。その考え方をどう変えようとされているのでしょうか。本来、必要である地域での保健と福祉と医療の連携体制、相談体制をどうつくろうと考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 医療との連携を図るためには、保健師さんの存在は大変重要です。保健師さんの役割についても、見直しがされているとお伺いいたしました。中野区は、現在、地区担当の保健師さんを置いている仕事のやり方をとっております。赤ちゃんからお年寄りまで、その地区の保健師さんが各家庭をしっかり見て歩くという体制がとられていると聞いております。このやり方を変える。母子中心の保健師さんを置く。そのために保健師さんの数はふやせない。数がふやせないから、少ない数の中で運営していくためにはどうすればいいかということで、保健所の数そのものを見直していこうという考え方もそこから出てきたのではないかと思いますが、数はふやせない。それはそうだと思います。それでは、どんな形でその保健師さんの仕事がもっと地域に根づくようにしていくのか。それをしっかり考えていただきたいと思います。
 今、医療のケアが最も必要とされている方は、精神障害者の方、難病の患者の方です。その方たちは、医療との間をつなぐ保健師さんの役割が何よりも重要になってまいります。そんな中、中野は担当別にしないということで、専任の精神障害者のための保健師さん、難病担当の保健師さんを置いてきませんでした。しかし、これから医療との連携、ますます必要になってまいります。在宅で暮らす人たちも大変ふえてきております。その中で、精神障害者の方のため、難病患者の方のための担当の保健師さんを置くべきであろうと思いますが、いかがお考えでしょうか。その上で、地域担当の保健師さんの仕事をしっかりやっていく体制がつくれるのかどうなのか。区民のための保健師の仕事が十分果たせるように、どうすればいいと考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 この9月に、ヘルパー講習会に行ってまいりました。筋ジストロフィーの患者の親として、地域で難病患者の在宅療養を支えるために「地域ケア研究所」を立ち上げた方からの講義を受けました。保健と福祉と医療の連携のお話は、これからの連携のあり方を指し示すもので、大変参考になりました。
 ところが、これだけ長年にわたって保健と福祉と医療の連携が言われながら、なぜ私たちが満足のいくようにできないのか。このことが問いかけられました。「そこには「何のための連携なのか」ということが抜けているからだ。職員のための連携ではなくて、利用者のための連携だという視点が抜けているからだ」とおっしゃっておりました。「連携の中に市民が入らなければならない。市民活動が入らなければならない。それで初めて連携というのがつながるのだ。公的サービスができない限界を超えるのは陳情活動ではなくて、市民でつくり出すしかない。だから、自分はNPOをつくって活動を始めた。保健と福祉と医療と市民の連携をつくり出そうとしてきた」、そういうお話を聞いてまいりました。連携の中に市民、利用者が入っていない。そういう体制は中野区にもないでしょうか。目の前が開けた思いでした。中野区でも利用者や区民団体との連携をしっかりつくり出すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 3番目に支援費制度についてお伺いたします。
 まず、情報提供について。
 第1回定例会において、利用者の選択と自己決定を柱にした支援費制度が始まるに当たり、利用者にしっかりと情報提供してほしいと質問をしてまいりました。区は「障害者みずからが選択するためには、情報の提供が非常に大事になってくる。窓口の相談だけではなくて、区報、インターネットをはじめ、さまざまな方法によりサービス情報や事業者情報などの必要な情報提供を行っていきたい」とあの当時御答弁されておりましたが、必要な情報提供が満足いくようにされておりません。
 世田谷区のホームページをぜひごらんになっていただきたいと思います。「支援費制度」というふうに入れてクリックしますと、支援費制度を世田谷区でサービス提供している事業者のことが詳しくリストアップされてきます。事業者一つひとつのところもクリックすれば、その事業者情報がより詳しく掲載されております。しかし、中野区では、窓口で事業者を教えてほしいと聞くと、「ここから探してください」と、東京都のホームページからコピーしたたくさんの事業者リストが渡されます。利用者は、その事業者に片っ端から電話して頼むわけですが、実際に書いてあってもそのサービス提供ができていないところが多く、できているところを見つけるのは大変なことです。「支援費が決定されてもどこに頼んでいいのかわからない」、「都の情報をそのまま渡されても、中野区民が利用できる情報になっていない」、「従来利用していたサービスの移行手続だけで、さらに使えるサービスの情報提供がなかったので知らなかった」などの声が出ております。これが利用者に必要な情報を満足に提供されている状態と言えるのでしょうか。
 この質問項目を出した後に、数日前、やっと中野区のホームページに東京都の事業者情報が載りました。喜んでクリックしてみたら、それは東京都全体の事業者情報でした。やっと事業者情報が載った。でも、これだけでは当事者、利用者は使えません。本当に中野区内で使える事業者なのか、どんなホームヘルプをやっているのか。障害者のホールヘルプは四つに細かく分かれております。日常生活支援、身体介護、移動介護、やっている、やらない、さまざまございます。そこまできちんと情報提供することが支援費制度を本当にその利用者が選択し、決めていくことができる支援費制度に育て上げていく基盤ではないでしょうか。利用者が選ぶことができる情報を、しおりやホームページできちんと提供すべきです。お考えをお伺いいたします。
 次に、苦情処理の仕組みについてお伺いいたします。
 「障害者福祉のしおり」の「福祉についての苦情」の欄には、「区の福祉サービスについての苦情は福祉オンブズマンへ」と書いてあるだけです。しかし、福祉サービスのほとんどを、支援費制度もそうですが、民間事業者がサービス提供をやるようになりました。ところが、今、中野区の福祉オンブズマンでは、その苦情を民間事業者だから扱うことができません。そして、ほかに扱えるところの情報すら中野区のホームページはおろか、このしおりにも記されておりません。情報提供の仕方として、大変不十分です。
 6月議会で高倉議員が、練馬区の仕組みを例に引いて、中野区でも苦情に基づき、民間事業者にも調査、勧告、意見表明などができる福祉オンブズマンにすべきだと質問いたしました。これに対して、区の答弁は「現在、社会福祉協議会が窓口になって、介護サービス事業者連絡協議会の中に苦情処理機関を設置することを検討している。オンブズマンの仕組みを拡大することは現在のところ考えない」と答弁しています。この答弁をどれだけ私は聞いてきたでしょうか。4年間ずっとこの答弁を繰り返し、そして実際には民間事業者のサービスがほとんどである介護保険の苦情や、4月から始まった支援費制度の苦情を引き受けるところが用意されていない状態ではありませんか。
 先日、世田谷区、板橋区に行ってまいりました。どちらの区も、民間事業者にも調査、勧告、意見表明などができる福祉オンブズマンの制度化をしております。世田谷区は、保健福祉サービス苦情審査会を設置し、保健福祉サービスや介護保険サービス、支援費サービスの苦情申し立てを公平・中立な立場で調査し、その解決に向け、意見をしっかり述べる福祉オンブズマンの制度をつくっております。板橋区も同じでした。板橋区保健福祉オンブズマン制度をつくり、--これは中野区に調査に来て、中野区の事例をしっかり参考にして立ち上げられたということです--介護保険サービスや支援費サービスの苦情解決にもしっかり当たっております。
 先日、ある区民の方が、ニコニコ事業団に対する支援費制度にかかわる苦情を福祉オンブズマンに申し立てたところ、「民間事業者だから」と福祉オンブズマンでは取り上げられませんでした。外郭団体の福祉サービスの苦情すら扱えない状態なのです。じゃあ、どこに苦情を申し立てればいいのか。中野区では、それを紹介するところもありません。それで、民間の事業者に聞き、そして東京都社会福祉協議会福祉サービス適正化委員会があることを知り、東京都の社協にまで申し立てをいたしました。ニコニコ事業団に対して、運営内容の改善の申し入れが東京都の社協の適正化委員会からされることになります。身近な区内の、それも区の外郭団体が起こしたことなのに、中野区がその苦情を取り上げる仕組みをつくらなかったために、東京都の社協から改善が申し入れられるという事態になってしまいました。昨年末出された保健福祉審議会の「中野区保健福祉総合推進計画策定に当たっての基本的な考え方の答申」の中には、「区民にとって最も身近な区において迅速に苦情が解決されることが望ましく、そのための仕組みを構築する必要がある」と書かれております。民間事業者にオンブズマン制度の適用が中野区ではなぜできないのか。介護保険が始まったときから既に問題になっていたのに、なぜつくっていないのか、お伺いいたします。
 どうしてもオンブズマン制度をつくれないというのであれば、どんな方法で、いつまでにつくるのか。もう既に4年もおくれております。支援費制度が始まって、もう半年もたちました。苦情を受け付けられないこの事態に、至急、具体的に取り組むよう、答弁をお願いいたします。
 また、保育サービスにおいても言えます。公立保育園の苦情は福祉オンブズマンが対応しますが、民営化園はどうするのかと昨年、第1回定例会でお伺いしましたときに、「苦情解決のための第三者機関の設置を選考の基準として考えている」と答弁されていました。第三者機関の設置はできているのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、困難ケース対応のヘルパーの養成について、お伺いいたします。
 支援費の居宅サービスを行うヘルパーが大幅に不足しております。東京都のリストでは、居宅サービスができるヘルパー事業者がたくさんあります。それを区は見ていらっしゃって、たくさんあるんだなと思っていらっしゃると思いますが、現実にはほとんど障害者のヘルプをできる方たちが用意されていない事業者がほとんどです。支援費の支給決定を受けても、ヘルパーを見つけることが大変困難な状態です。介護保険事業者のヘルパー資格を持つ方々は、単価が低い上に多様な介護が要求される日常生活支援を引き受けたがりません。移動介護は、ヘルパー2級資格があってもできません。そのための研修を受ける必要があるのです。その研修は、東京都ではまだ始まっておりません。その中で、実績のあるNPOなどが活動している区では、行政と一緒になってヘルパーの養成に取り組んでおります。
 先日、練馬区の支援を受けて、練馬区内の民間団体の主催で、難病の医療的ケアにも携わることができるヘルパーの養成講座が開かれました。こういった養成講座を民間団体が主催したのは、全国でも初めてではないかということです。もちろん、23区では初めてです。この後、実習を受け、日常生活支援と全身性障害者の移動介護のヘルパーの資格を取得することができます。私も受講してまいりました。丸二日間、朝から夕方まで、さまざなま立場の講師陣によって講義が行われ、公開で行われたので、たくさんの参観者が詰めかけていました。私にとってはこれからの支援費制度のあり方を考える上で、大変参考になりました。
 中野区では、日常生活支援や移動介護ができるみなしヘルパーへの移行措置が不十分だったために、重度の全身性障害者の日常生活支援と移動介護のヘルパーの不足が特に深刻です。練馬区では予算がついているために、民間団体が養成講座を実施しやすい状態にあります。中野区でも、養成講座支援のための予算があればベストですが、予算がなくても、中野区が東京都に申請をして、民間団体が行う養成講座を公認していただければ、中野区にもどんどんヘルパーをふやすことができます。民間ができないところを区が行い、区ができないところを民間が行う、まさにNPOとの協働でヘルパー養成を実現することができるのではないでしょうか。早急に取り組みを検討するべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、DV防止について、お伺いいたします。
 DV被害者の支援についてお伺いいたします。
 女性会館での「女性の生き方なんでも相談」は、女性に対する暴力で相談に来るケースは年々ふえております。また、生活援護課の婦人相談でも、DVに関する相談は大変多く、2001年度388件、2002年度339件、そのうち緊急一時保護のケースは年々ふえていて、2001年度18件、2002年度28件となっております。ことしは8月中旬の時点で、既に18件になっているそうです。経済的支援や精神的なケアを必要とするケースもふえてきており、婦人相談員が保健福祉部の中でケースワーカーや保健師と絶えず連携をとりながら、被害者のサポートをしております。
 DV被害者が最初に駆け込むことが多い医療機関、警察などとの連携も欠かせません。さまざまな部署の機能と専門性を相互に連携して生かすことで、被害者を総合的にサポートできるのだと考えます。
 そこで、お伺いいたします。
 関係機関が連携しながら、その連携の一つのかなめとなるDV被害者・加害者に対応するための基本的な事項を書いたしおりを一緒に作成してはどうでしょうか。今、DV被害者に対する対応マニュアルが区の相談窓口に携わる職員には配られておりますけれども、まず駆け込む医療機関、あるいは民間のNPO団体などには、その資料はマル秘ということで、もちろんそういう情報も入っているからということですが、配られておりません。相談に当たられている方たち、地域の方たちに配れる、そういったしおりを作成してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 DV法が始まった当初は、DVが犯罪であることを広報するポスターがあちらこちらに張りめぐらされておりました。今現在、目にすることが少なくなっております。しかし、DVが犯罪であるということをしっかり訴えていく必要があると思います。再度、区民への周知を、ポスターをつくり、図ってはどうでしょうか。
 次に、DVに関する区の相談窓口の紹介、女性会館と生活援護課などがあるわけですけれども、区のしおり、あるいはホームページでしっかりと積極的になされておりません。他区のホームページを見ますと、関係機関の相談窓口等も全部記載された上での情報提供がされております。ぜひ検討されるべきだと思います。いかがお考えでしょうか。
 次に、DV法見直しについてお伺いいたします。
 DV防止法改正へ向けての議論が進んでおります。私も参加している「身近に起こる女性への暴力を考える会」では、医療機関へのアンケート調査から見えてきた課題について、参議院内の超党派でつくっております「DV法見直しに関するプロジェクトチーム」に要望書を提出してまいりました。配偶者等からの暴力により、受診や診断書が必要なのに、本人が医療費を払えない場合、医療費を助成する仕組みをつくることを求めた提案がその中の一つです。都道府県に対するDV法見直しに関する意見の調査も行われております。都を通して区にも意見を求められたと思いますが、区としては主にどのような意見・要望を出されたのか、お伺いいたします。
 次に、DVやストーカー被害者の住民票の閲覧・交付制限についてお伺いいたします。
 被害者の住民基本台帳を加害者が閲覧することを制限できるように規定を整備すべきであるという意見も、都道府県の調査で出てきておりました。総務省は8月31日、DVやストーカー被害者の住民票が加害者を含む第三者に閲覧や交付されないよう制限する条例や要綱などの制定を自治体に要請する方針を決めたそうです。既に中野区ではストーカー規制法の制定を受けて、昨年、「ストーカー行為等の被害者に対する支援に関する住民基本台帳事務取扱基準」を定めて対応しております。対象者にDV防止法に基づく保護命令を受けた被害者を含み、改めてこの基準を要綱、または条例によりきちんと位置付けて、区民にわかるように示してはどうかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、公的書類からの不要な性別欄の削除についてお伺いいたします。
 心と体の性が食い違うことに苦しむ性同一性障害は、世界保健機構も認める医療疾患です。日本では、主要な医療機関でその診断を受けた人は、これまでのべ2,200人、潜在的には7万人の当事者がいると言われております。この7月国会において「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が成立し、法に定める要件を備えた性同一性障害者は、性別の取り扱いの変更請求をすることが可能となりました。心の性に従い生活する当事者の多くが、生活実態と公的書類上の性別が異なることから、印鑑登録証明書の性別欄など、当事者の商行為を難しくするなど、さまざまな困難に直面しております。性同一性障害のほかインターセックスなど、明確に男女に分けられない人々も存在します。区としても、その人権に配慮する取り組みが求められていると考えます。
 自治体が管理するさまざまな行政書式において、不要な性別欄を削除する動きが新座市、草加市、市川市などの全国の自治体で起こっております。草加市も、第1回定例会で申請書の見直しを行う条例を制定いたしました。草加市印鑑条例において、証明事項から性別を省く見直しも行いました。先日訪問しました世田谷区でも、可能な限り申請書等の不要な性別欄を削除するために、状況把握のための全庁的洗い出し作業が行われ、先日、調査結果が出されました。300調査し、削除可が171、不可が129で、現在見直しに向けて検討しているところだそうです。印鑑登録証明書とその申請用紙や投票整理券からの性別欄の削除、印鑑条例の改正に向けてさまざまな自治体が取り組みを始めております。中野区でも既に調査と見直しをされているそうですが、結果はいかがでしたでしょうか。印鑑条例の改正については、現在どのように検討されているのか、お伺いいたします。
 次に、これからの図書館についてお伺いいたします。
 区は、経営改革指針で、来年度から図書館業務を民間委託することを決めております。そして、この6月、教育委員会は「図書館の機能、サービスのあり方について」の案を提案いたしました。その中で、図書館のあるべき姿が余り描けていないと思います。基幹的な業務を除く図書館業務の委託化を来年度から実施し、人件費を節減し、図書の購入費やITへの対応などに活用していくことが必要だというふうには書かれておりますけれども、財政面からの運営方法の転換だけで、区民にとってよりよい図書館サービスのあり方は今後どうあるべきかというビジョンについては、十分検討されていないように思います。21世紀の図書館をどう描き、市民がどうかかわっていくのか、その中の行政の役割はどうあるべきなのか、きちんと考えなければならない大事なときに来ているのではないでしょうか。「図書館の機能、サービスのあり方について」の案を出すに当たって、どのような調査・検討をされてきたのか、お伺いいたします。利用者だけではなくて、区民一般にも意見を聞いたのでしょうか。アンケートはされましたか。図書館運営協議会、社会教育委員の会議で議論はされたのでしょうか。また、その結果は、今回の教育委員会の案の中にはどのように生かされているのでしょうか。
 先日、地域歴史資料のデジタル化などに取り組むNPO地域資料デジタル研究会理事長の小林是綱さんの講演を聞きました。山梨県石和町立図書館長をされていたこともあり、これからの時代を見据えた図書館のあり方を提言している方です。「市民の、市民による、市民のためのデジタルアーカイブ」の実践を通して、地域社会の文化・学習の活動に貢献しようとNPOを設立され、来年度、山中湖でNPOが運営する新しいスタイルの公共図書館「情報創造館」を開設する準備を進めていらっしゃいます。21世紀のこれからの図書館のあり方について、示唆に富んださまざまな提案があり、大変参考になりました。
 中野区に全部当てはめることはできないと思いますが、しかし、バブルの時代の図書館サービス、図書館の建設ラッシュで行われてきた、そういった図書館のあり方。21世紀の図書館機能は、読書館と情報センターに分化していくのではないかということも提案の中にあります。これからの図書館のあり方を財政面だけではなくて、これから区民がどんな図書館を必要としているのかについて、きちんと考えていただきたいと思います。これからの人々が図書館に求めるものは何なのか、どんな図書館が必要とされているのか、これからの図書館の考え方について調査・研究をもっと深め、あるべき方向についてしっかり議論をし、その目的に照らして最も適切な運営方法を考えるべきではないでしょうか。教育委員会の今回の案では、その点が不十分だと思います。21世紀の図書館のあり方を住民参加できちんと議論し、考え方を出すべきだと思いますが、どう考えられているのか、お伺いいたします。
 中野区図書館運営協議会があります。これは、どのような目的と役割を持っているのでしょうか。現在、どのような状態にあるのでしょうか。中野区図書館運営協議会は、図書館のあり方を議論・提案し、図書館運営についての評価・チェックを行う住民参加の機関として、きちんと常設で機能させるべきではないでしょうか。これから委託を行っていくという考え方に立つのであれば、市民が参加してきちんとチェックを行う、そういった運営協議会の設置がぜひとも必要だと思います。また、区民の苦情や要望を受け付ける窓口、わかりやすく設置してほしいと思います。いかがお考えでしょうか。
 私は、図書館の安易な民間委託は進めるべきではないと第1回定例会で質問してまいりました。安上がりを求めた安易な委託に走らず、区民にとって充実したこれからの図書館のあり方をしっかり検討し、運営の担い手を改めて考えていただきたいと思います。安心できる中身を検討していただきたいと思います。NPOなど、新しい公共サービスの担い手も出てまいりました。図書館運営の担い手として視野に入れていくべきだと思いますが、どのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。
 次に、持続可能な中野駅周辺まちづくりについてお伺いいたします。
 清掃工場建設計画が中止になり、警察病院の計画以外はすべて見直すことになりました。しかし、本来、一番大きな目的は、防災スペースの確保、防災公園、緑のオープンスペースの確保だったと思います。それは、しっかりと中心に位置付けたまちづくりのあり方を目標とされるのでしょうか。先月、区が行われましたアイデア募集でも、楽しい公園や森、オープンスペース、緑でグレードアップ、都立公園をという意見がありました。区はどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 持続可能な、つまり次の世代に負担を先送りしない形での整備をしていく方法はあるのでしょうか。清掃工場建設を前提として、そのスペースを使っての防災公園のあり方を今までの計画の中では考えてきました。その清掃工場がなくなった今、区の財政負担を軽減する方法で整備していくやり方を考えるべきだと思います。どのような方法を区は現在考えられているのでしょうか。お伺いいたします。
 「持続可能なまちづくり」、これはアイデア募集にも出ていたスローガンの一つです。こういう観点を、中野駅周辺のまちづくりの基本的な考え方の中にぜひ位置付けていただきたいと思います。今の私たちが使うまちではなくて、10年後、20年後の区民に負の遺産とならないまちづくり。人口減でも、税収減でも維持できるまちづくりのあり方を想定すべきだと思います。どうお考えになっているのか、お伺いいたします。
 次に、中野サンプラザ取得についてお伺いいたします。
 区が、10年前、山梨県にスポーツ施設用地を購入したとき、私は税金のむだ遣いだと大反対してまいりました。今回のサンプラザ取得を、区は上野原の問題と同じ道を走っているのではないかと心配される御意見もあります。しかし、私が上野原に反対してきたのは、区外の土地にまで手を出すことはない。それも、必要かどうかわからない、区民が使うかどうかわからないところに、たとえ11億で買ったとしても、その後100億もの予算をつぎ込む、そういうことに反対をしてまいりました。サンプラザが上野原と違うのは、中野区のど真ん中、駅前の一番区民が行き交う土地だということです。だれもがそこを避けて通れない土地です。中野区と関係のない企業が取得した場合と、中野区が株主のセクターが取得した場合と、区民にとってどういったメリットとデメリットがあるのかしっかり検討し、税金のむだ遣いにはならない、次の世代の負の遺産にはならないという説明が果たされなければなりません。その説明がまだ十分されているとは思えません。サンプラザ取得の新聞記事を読んだ区民の方々から、「中野区は財政難なのに大丈夫なの」という声が聞こえます。この心配の声にしっかり説明ができるように、財政負担を持ち越さない手法をしっかり確認していただきたいと思います。このサンプラザの用地が次の世代にとって大きなお荷物となるのか、それとも民間事業者に渡したのとは違う形で、次の世代がしっかりその土地に関与していく、意見を言っていくことができる財産となるのか、その判断が問われていると思います。私は、ぜひ財産としていく方向の検討をしっかりしていただきたいと要望させていただきます。お考えをお伺いいたします。
 次に、中野区ホームページのさらなる充実についてお伺いいたします。
 区のホームページが果たす役割は、どんどん大きくなってきております。中野区のホームページは、凝ったつくりではありませんが、大変わかりやすい表示になっています。30万区民の自治体のホームページを外部に委託せず、実は一人の担当職員の方の手により、たった15万円ほどの予算で運営されていることを聞き、この努力は本当にすごいと思いました。今現在、アンケートをとっておりますが、区民からの意見はどのように寄せられているのでしょうか。
 これからさらにホームページにおける情報提供が必要だと思います。先ほど、支援費制度の質問の中でも要望させていただきました。世田谷区は事業部ごとにホームページの担当者を置き、そこで最新情報をどんどん更新しているそうです。ですから、新しい情報をどんどん、その部の目でつくっていくことができるわけです。また、世田谷区のホームページでは、保育園の情報も充実しております。選択の時代というならば、区民が選べる情報が総合的に提供されなければならないと思います。公立保育園だけではなくて、民間の私立保育園、認証保育園、さまざまな形態の保育園の情報もぜひ区のホームページに載せるべきです。NPOの紹介を行っている区もありました。また、女性会館のホームページをつくり、情報コーナーの図書の検索ができる区もあります。中野区は、来年4月から事業部制をしいていくということです。事業部ごとにホームページをつくる方法で内容の充実を図ってはどうかと思いますが、ホームページのさらなる充実のためにはどのように検討されているのでしょうか。お伺いいたします。
 その他のところで1点お伺いいたします。
 中野区非常勤職員賃金差別裁判の和解についてです。
 3年にわたる中野区非常勤職員賃金差別裁判が和解で解決を見ました。この裁判は、地方自治体で働く非常勤職員の一人であった原告が、職の廃止による退職後、賃金の均等待遇と間接差別の是正を求めて中野区を提訴したものでした。和解内容が、個別原告の問題に押しとどめられ、女性が9割を占めているという公務パートの間接性差別性については言及されておらず、大変残念です。しかし、少なくとも裁判所が均等処遇・均等待遇に言及した点で、均等待遇原則が日本でも控除として認められる方向性を展望できた和解条項であると思います。和解条項で、被告・区は「現行法制度の限界や問題点を真摯に受けとめる」、「区は均等処遇に努めてきたが、なお、原告の賃金額について、原告の指摘する類似常勤職員との均等待遇の要請に添えなかった部分があるところを認める」、「原告は金額の請求を放棄する」ということが確認されました。区は、現行法制度の限界や問題点をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、均等待遇のあり方についてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 先ほども引用させていただきましたが、区長は、区長になられる前の区民との最初の地域集会をやったときに、財政難について、こうおっしゃっています。財政難でサービスを切られてきたことについてですが、「時間をかけて区民とともに考えていかなければならなかったのに、行革課長としてそれをやってこなかったことが今の結果です。予算がないのでどうしようもないと言い、議論ができない状態でいろいろな予算を切ってしまった。これからも、何でも予算がつけられるわけではないのですが、できないことはなぜできないかを説明します。区民の方に納得してもらうようにする、そのことが私のメリットです」と区長は最初の地域集会でおっしゃっていました。予算策定に当たる中、初心を忘れず、しっかり議論の確保と説明責任が果たせるよう、持続可能な区政への転換に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 私の方からは、質問の冒頭でありました持続可能な区政への転換についてという点と、それからサンプラザの関連についてお答えをさせていただきます。
 まず、持続可能な区政への転換についてということで、どのように持続可能な区政ということを考えているのかといったようなことについての御質問がありました。今日の大きな社会・経済の変化の中にあって、みんなが安心して住み続けられる持続可能な地域社会を形成していくこと。このことが持続可能な社会をつくっていく、そういう問題として私たちみんなに突きつけられている時代だというふうに思っています。それを支える仕組みをつくって、区民の意思・自己統治に基づいて運営をされるのが持続可能な区政運営である、そんなふうに考えています。
 そうした区政の中では、財政的な持続可能性も当然必要なわけであります。入ってこないお金をあてにして、できないサービスを行政が何でもふやしてしまう。今あることは何でも大切だから、決して変えることはできない。そんなことが持続可能性を持たない区政になってしまうということは明らかだと思っています。さまざまな施策面でも、持続可能性を軸に再構築が必要になってきていると、こんなふうに思っています。
 持続可能な地域社会をつくっていく政策、それは例えば、環境面での持続可能性でありますとか、ある程度の経済的な安定、反映も必要だというふうに思っています。当然、少子化対策も必要でありますし、だれもが自己実現をする中での互いの自立を前提としつつ、区民相互の支え合いによって高齢者や障害者が安心して生活できることも必要だというふうに考えています。それらをこれからの新しい社会の枠組みの中で可能としていける行政と地域社会のあり方を目指していきたい、このように考えています。
 続いて、縦割り行政からの脱却についてということで、三重県のフラット組織を目指すといっていることなどを例に挙げまして、中野区の考え方についてお尋ねがありました。フラットな組織というのは、縦割りでなく、かつ現場に権限が移譲されていて、区民と接する、区民に一番近い現場での判断ができるような、現場への権限移譲が進んだ、結果として意思決定過程が短くなっている、そんな組織をイメージをしているところです。三重県などの例も当然参考にしながら、他の自治体での例をさまざまに参考にしながらやっているわけですけれども、中野区はこれまで中野区が持ってきました組織のあり方、仕事の進め方を踏まえての改革ということになりますので、やはり中野区には中野らしいあり方というものを追求しなければならないだろうと思っています。
 区民にとって、こういう組織はどういうメリットがあるのかといった御質問もありました。組織が区民から見てわかりやすくなるということ、これまでのピラミッド組織、上意下達のピラミッド組織ではなく、区民と接しているところが一番最初に物事を判断できる、逆のピラミッド組織というようなことが例えとしては言えるのではないかというふうに思っています。組織が区民から見てわかりやすくなること、区民に近いところで判断をし、仕事を実施できるようにすること。そして、そのことが区民にとって、またサービスの顧客にとって、お客様にとっての価値をしっかりと目標として掲げる。その成果を目指す。そして、それが評価をし、またさらに改善につながっていく。そんな組織になることを目指しているわけであります。
 それから、この組織改革、あるいは行政全体の組み立て、この改革について、職員との議論はどうなっているのかといったようなことであります。
 今回行っております組織の改革、仕事の進め方の改革、これらはすべて従前の考え方から見れば大きな変更になるというふうにも取れるところですが、職員にとっては本来行うべき使命、やってきた仕事をどうよい形で進めていくかということでは変わるところがあるわけではありません。当然ながら、そうした意味で職員の間でいろいろな議論が出るという状態は当然のことだと思っております。これからも庁内で議論を進めていきますし、今後も職員ともさまざまな機会を通じて議論を進めていきたいと思っています。
 それから、縦割り行政からの脱却ということで、新しい人事、あるいは組織のあり方をつくっていくとすると、23区の従来の制度とのあり方はどうなるのかということですけれども、あくまでも今回行う組織改革については、公的に決まっております人事任用制度と整合した内容で進めていきたいというふうに思っています。
 それから、職員の意識改革で、名札でありますとか接客六つの約束等の外見上の改革はやってきたけれども、本当の中身の改革だと思う。どういう取り組みかということですが、名札は必ずしも外見だけの改革だというふうに思っているわけではありません。区民に対して、名前と顔と責任を持って仕事をする、そういう仕事のあり方の改革であります。また、電話で名乗る、あるいはわかりやすく説明する、親身になって話を伺う、そうしたことはすべて区民の価値、これを第一に考える職員の仕事の進め方という意味では、外見の改革ではなく、中身の改革だ、そんなふうに考えております。そうした中身の改革をさらに進めていくのが区政運営全体の改革であるというふうに考え、推し進めているところであります。
 それから、中野サンプラザの取得ですけれども、取得が負の遺産とならないように進めるべきだというお話でありました。持続可能な区政、持続可能なまちづくりという意味では、中野区のまちの中に、地域社会の中に一定の経済的な反映、そうしたことももたらしていくことが必要だというふうに考えています。そういう意味も含めて、中野駅の一番一等地という言い方がいいのかわかりませんけれども、中野駅前の最も重要なポイントである中野サンプラザの土地がこれからのまちづくりにとって重要な意味を持つこと。そして、そのまちを区の意思がきちんと通せる、区の意思をきちんと働かせることが可能な形でのまちづくりの中で活用していくということが、これからの中野区にとって大変重要だという認識から、そういった面からも中野サンプラザの取得については考えているところです。
 当然、サンプラザの取得によって、経常的な財源がどんどんつぎ込まれているような構造になることがないようにということについては、一定の見通しも持っている中での準備を進めているわけでありまして、当然、財政負担が、あるいは運営の失敗が区民にとっての負の遺産とならないように準備を進めていくこと。これについては、私どもといたしましても、徹底した留意をしているというところであります。
    〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 私からは、持続可能な区政への転換についての中の公共の新たな担い手とのかかわりについて、NPOや自主団体に関する御質問にお答えいたします。
 まず、NPO、自主団体、こういった団体の考え方ということでございますが、これからの社会、公共的な役割を行政だけが担うのではなくて、新たな支え合いの仕組みや担い手が必要だと。これは、持続可能な地域社会をつくっていくためにも必要なことだという考え方に立って進めております。この間、各団体にヒアリング等を行ってきましたが、そうした中からもNPO、あるいは自主団体というものは公共性・公益性のある活動を展開する自立した主体であり、中野のまちに欠かせない力であるという認識を持ってきたところでございます。
 また、NPOに対する支援の指針はいつつくるのか、どういう内容の指針をつくるのかというお尋ねでございます。
 この指針につきましては、これからさらに団体や区民との意見交換や議論を踏まえまして、年内に案を策定し、今年度中に方針を定めるという予定でございます。方針の中身ですが、支援の対象、どういった役割を期待し、どういった支援をするのかというようなことですとか、具体的な支援の内容などについて記述する予定で進めております。
 また、世田谷の例、あるいは港区の例などをお引きになりまして、中野区としてもこういう手法を検討してはどうかというお尋ねでございます。ほかの先進的な区の例なども参考にした上で、中野区の実情に合った形の手法を考えていきたいというふうに思っております。
 公共施設の空きスペースの活用なども検討してはどうかというお尋ねでございます。こういったことにつきましても、どういった形で活動の場を生み出すのか。さまざまな工夫をして、検討していきたいというように考えております。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、持続可能な財政運営について、またホームページの充実、それから損害賠償請求訴訟についての和解、この件についてお答えいたします。
 まず、持続可能な財政運営についてでございます。現在も財政改革、財政の構造改革、この取り組みの道半ばにあるところでございます。そういう中でも区民税、財政調整交付金、こういったものが非常に景気の影響を受けて減ってきているという中でございます。そういう中で、職員数の削減や施策の見直し・工夫、経費の縮減、これはこれまでもやっておりますが、さらに一層さまざまな視点からそういったことを行っていきたい。また、中・長期的な財政見通し、これを踏まえて構造改革を計画的に行っていく必要があるというふうに思ってございます。
 その中で、質問の中でもございましたが、基金の積み立てということがございます。安定的な財政運営を行うためには、景気の変動に対応するための財政調整基金であるとか、また施設を建設するための基金であるとか、起債をしたその返還をするための基金、こういったものが着実に積み立てられる必要があるというふうに思ってございます。
 特に、財政調整基金の中では、平成19年度から急増します退職手当、これに対応する基金の積み立ては必要というふうに考えてございます。また、減債基金につきましても、いわゆる縁故債、これは10年満期一括償還ということで起債をしてございますが、それに対する対応も必要というふうに考えてございます。そういったことを計画的に行っていかなければいけないのではないか。現在、来年度予算を組むに当たりまして、そういったことを含めて検討しているところでございます。
 次に、ホームページの充実ですが、今後、ますますIT社会が進行するということになりますと、区の広報媒体としてのホームページの重要性は高まるというふうに思っております。現在では、知りたい情報がなかなか探せない、掲載が遅い、表現がわかりにくい、バリアフリーという点で配慮がもっと必要という意見をいただいておりますし、こういった多くの課題があるということは認識してございます。早急に改善の必要があるというふうに思っております。
 この9月中に、利用者の立場から区の区報全体をチェックする委員会を設置することにしてございます。この委員会の提言や、これまでも区民からいただいている意見、またこれからもいただくわけですが、区民からの御意見を踏まえて、年内にも広報戦略の改善案をまとめる予定でございます。その上で、ホームページについても、来年度に向けてリニューアルに取り組んでいきたいというふうに思っております。また、その中で、事業部ごとの運営についても検討していきたいというふうに思っております。
 次に、元非常勤の方から提起された損害賠償請求訴訟についての和解に関する御質問でございます。これまでもそうですが、この訴訟の中でも主張してきたわけですが、現行法制度内での範囲内では「可能な限り」ということで、常勤職員との均衡処遇に努めてきたところでございます。しかし、昨今の中では労働基準法であるとか、パート労働法の改正等がございます。そういった動向を見ながら、今後とも引き続き均衡処遇に努めていきたいというふうに思っております。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 私からは、保健と福祉と医療の連携について、それから支援費制度につきまして、幾つかの御質問にお答えいたします。
 まず、保健と福祉と医療の連携について、保健福祉センターの見直しについてどのようなことで考えているのかという御質問でございます。保健福祉のより効果的な連携体制を構築して、全体としてよりよいサービスを提供できる執行体制を目指しまして、今、組織改正に取り組んでいるところでございます。区民の期待にこたえられるような組織にしてまいりたいということで検討しているところでございます。
 続きまして、保健師につきまして、難病や精神の専門保健師というように特化をしたらどうかというお尋ねでございました。区といたしましては、保健師活動につきましては、地区担当制により総合的に実施するのが基本だというふうに考えております。保健師につきましては、研修などを通じまして、各分野について専門知識を習得しておりまして、精神保健福祉士の有資格者も多数ございます。専門相談事業につきましても実施しておりまして、現時点では難病・精神につきまして専門化をするというような考えはございません。
 それから、民間の機関でありますとか、利用者との連携についてどうするかという御質問がございました。これにつきましては、区といたしましては、支援を要します高齢者や障害者につきまして、保健・福祉・医療が連携をとりながら相談・援助を行うということにつきましては非常に重要なことでございまして、現在、在宅介護支援センター、それから保健福祉センターなどを中心に地域ケア体制を構築しておりまして、その中で地域支援会議、それから研修会などを通じまして、民間の事業者を含めまして連携体制を充実しているところでございます。
 また、患者や家族などを含めた連携について、これからいろいろその連携のあり方につきましても検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、支援費につきまして幾つか御質問がございましたが、1点目といたしまして、ホームページの御質問がございました。事業者の情報につきまして、ホームページ等でわかりやすくできないかという御質問でございましたが、社会福祉医療事業団とか東京都のホームページで、かなり支援費事業者の情報につきましては詳しく載っております。世田谷区のように独自にということではなく、この社会福祉医療事業団や東京都のホームページの利用をきちんとすれば、中野区におきます事業者の状況につきましてもわかるようになっておりますので、区といたしましては、中野区のホームページの中にそれらとリンクを張ることとか、そうした情報の検索方法でありますとか、そういうことについて記載する等いたしまして、利用者にとってわかりやすい情報提供に努めてまいりたいと思っております。
 それから、苦情処理の仕組みでございます。オンブズマンをなぜ使えないのかというような御質問でございます。民間サービスの苦情に関する第三者機関につきましては、事業者みずからが設けることが基本と考えておりまして、区といたしましてもその取り組みを促す責任があるというふうに考えています。介護保険サービスにつきましては、介護サービス事業者連絡協議会みずからが苦情処理機関を設けまして、社会福祉協議会がその事務局となる方向で、平成16年度からそうした体制ができるように検討しているところでございます。当然、支援費もその苦情処理機関の中で対応していただくということで考えておりまして、民間福祉サービス全般にわたって苦情処理が行えるようなものにしていきたいと。それについて、区としてきちんと支援をしながらやっていきたいというふうに考えているところです。
 それから、困難ケース対応のヘルパー養成について、民間でやっている団体との協働をしたらどうかということでございました。障害者の団体やNPO等がそうした活動をする上で、どんな支援が必要なのか、検討してまいりたいというふうに考えております。
  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 私の方からは苦情処理の仕組みですとか、DV防止の関係で5点ほどお答え申し上げます。
 まず、私立保育園の苦情処理について、その対応ができているのかという御質問でございました。
 国の方では福祉サービスに関する苦情解決の仕組みにつきましては指針を出していまして、事業者に第三者委員の設置を求めているというのが基本的な考えです。区は、民営化園の事業者募集に際しましては、苦情への的確な対応を求めておりまして、今年度開園いたしました私立保育園2園の事業者は、それぞれ苦情解決のための第三者委員を選任しております。
 それから、それ以外の既存の私立保育園3園につきましても、平成13年度からそれぞれ第三者委員を選任し、苦情対応の仕組みを整備しているところでございます。
 次に、DV被害者の支援について、関係機関や区民団体、NPOへのしおり等を作成してはどうかということでございました。
 DV被害者の救済のためには、救済にかかわるさまざまな関係機関や団体がより一層連携することが大切であると考えておりまして、これからの適切な情報提供の工夫につきましては、努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、DV防止について、区民への啓発に引き続き努めるべきである。また、DV相談窓口を区のしおりやホームページできちんと紹介してはという御質問でした。
 毎年11月には国が、男女共同参画推進本部が主催します「女性に対する暴力をなくす運動」というものを行っています。その際、区におきましてもポスターの掲示やパンフレットの配付などを行っているわけですが、今年度はさらにパネル展示や講演会の実施などを予定しておりまして、女性に対する暴力の防止の啓発にさらに努めてまいりたいというふうに思ってございます。
 DV相談窓口は、現在もホームページと区のしおりに掲載しておりますが、今後さらにわかりやすい内容になるよう、工夫に努めたいというふうに考えております。
 次に、DV防止法の改正作業が進められているが、区としてはどのような意見を出したのかという御質問でございました。
 DV防止法の見直しに向けた意見については、本年2月に東京都から調査がございました。これに回答したところでございます。主な内容でございますが、暴力の概念を身体的暴力だけではなく、精神的暴力にも拡大すること。また、法命令の対象をDV被害者だけでなく、被害を受けるおそれのある子どもや親族へ拡大すること。また、保護施設等の入所期間を延長することなどを見直しに向けた意見として回答してございます。
 それから、公的書類におけます不要な性別記載欄の調査をしたということだが、この結果はどうかという御質問でございました。
 性別記載欄のある申請書、証明書等について、その見直しの可否について、本年7月に点検をしたところでございます。性別記載のある申請書等の総数は218件でございました。そのうち、見直しが可能は判断したものが92件でございます。見直しが困難としたものは126件でした。その理由といたしましては、法令の規定によるものが78件と最も多かったところでございます。
    〔区民部長本橋一夫登壇〕
区民部長(本橋一夫) 私からは、DVやストーカー被害にかかる住民票の写しの交付の取り扱い、それと印鑑の登録や証明におきます性別記載についての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、住民票の写しの交付の取り扱いについてですが、ストーカー被害者等への支援の一つといたしまして、区では平成14年度から事務処理基準を設けまして、本人の申し出を警察所長等が相当と認めた場合などにつきましては、第三者からの住民票の写しの交付申請等に際しまして、申請者の本人確認などを厳格に審査するということで取り扱いをしております。近年、DV等、家庭内暴力が社会的な問題となっておりますことから、この事務処理基準による運営状況などを点検しながら、条例または規則による規定整備を検討しているところでございます。
 次に、印鑑の登録や証明におきます性別記載についてであります。印鑑登録証明書は、契約の締結や融資などを受ける際、居住や本人の意思確認等のために用いられることが多いわけですが、性別の表示は不可欠な記載とは考えられません。そこで、印鑑登録の事項につきましては条例で定めているということでありますので、現在、性別記載を削除するための条例改正を検討しており、できるだけ早く提案をしたいと考えております。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 図書館についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 教育委員会では、図書館につきまして、先ほどもお答えさせていただきましたが、人々の読書や調査・研究などのニーズにこたえて、知的な満足度を高めたり、区民の知る権利、学ぶ権利を保障する役割を持つ。あるいは、地域の文化をはぐくむ、そういった教養の空間としての役割などを持っていく。さらに、ITを使っての情報発信の役目を持つというようなことを基本として据えているところでございます。こうしたことを先ほど御指摘のございました図書館のあり方でも触れているところでございまして、施設の再編や今後の運営のあり方等について、基本的な考え方を整理した、そういう段階でございます。
 この図書館のあり方の案でございますが、これは広く議論を行っていただくための素材を区民の皆様に提供する目的でまとめたものでございまして、今後、図書館運営協議会や社会教育委員の会議などはもとよりですが、さまざまな区民の皆様の御意見をいただきながら、具体的な方策なども含めて検討してまいりたいと、そういうふうに考えているところでございます。
 それから、図書館運営協議会についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、昨年10月に第7期が終了しまして、ことし9月に入りまして第8期の運営協議会を発足させたところでございます。その役目といたしまして、図書館サービス向上のために、図書館行政、それから図書館運営について御協議いただき、教育委員会に対して御意見をいただくと、そういう役割を担っていただいているところでございます。今後、委託ということが行われた際にも、そうした役目は引き続き期待をしていきたいと思っております。
 ただ、議員が御指摘になりましたその評価やチェックということを行う機関とは考えておりませんで、その点は御了解をいただきたいと思います。
 また、図書館に対しての苦情・要望についてでございますが、委託を行った際には受託者にも対応をさせるということがございます。また、中央図書館に窓口を設けるなどしまして、対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは中野駅周辺のまちづくりについての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、オープンスペースを確保した、また持続可能なまちづくりを進めていくべきとのお尋ねでございます。中野駅周辺のまちづくりにつきましては、幅広く駅周辺を視野に入れ、区民の快適な生活、都市活動、産業の振興に向けた検討を行っているところでございます。良好な都市景観の形成、安全、憩いや安らぎのための公園など、オープンスペースの確保につきましても配慮いたしまして、中野駅周辺のまちづくりが東京の再生に貢献でき、しかも持続的発展も可能なまちづくりとなるよう努めてまいります。
 次に、区の財政負担を軽減する方法で整備をとのお尋ねでございますけれども、まちづくりの財源といたしましては、国や東京都などの補助金、それから起債などがあるわけでございますが、どのような事業手法を選択するかによりまして、さまざま考えられるわけでございます。当まちづくりの基盤整備に当たりましては、開発者負担を追求するなど、できる限り区の財政負担を軽減できる方法で検討してまいりたいと考えてございます。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
29番(佐藤ひろこ) 1点、お答えができなかったのか、なかったのかわからないんですが、図書館運営のこれからの担い手というところで、どのようなお考えを持っていらっしゃるのかお伺いしたところのお答えがなかったかなというふうに思いましたのが1点と、それと、オンブズマンです。ずっと同じ答えを繰り返されていると思います。16年度から事業者協議会でやりますと。やっとやるのかなという感じでしょうけれども、もう4年間もそれをできない状態で来てしまっている。本当にオンブズマンの機能が果たせるものなのかどうか。先ほど例に挙げました保育園なども、じゃあ、その保育園の法人が第三者機関をお願いしているということでしょうけれども、苦情解決を本当にしていくためには、もう一つ、法人に申し立てるのではなくて、やっているところに申し立てに行くのではなくて、別の機関がやはりないといけないと思います。そういう意味では、苦情解決の仕組みぐらいは区がしっかりとしっかりとやる方向を目指すべきだと思いますが、なぜオンブズマンをやっていかないのか。事業者がやるべきことだとおっしゃいましたけれども、なかなか事業者がやるだけでは第三者性、それから区民の信頼度が果たせないところをどうもう一つフォローしていくのかということが今求められていると思います。その辺でのお考えをお伺いいたします。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) オンブズマンが必ずしもできないというわけではなく、できないことはないとは思います。やっている区もございますし。ただ、私どもといたしましては、基本的には第三者機関というのは、事業者そのものが持つ方がやはりきちんと機能するだろうというふうに考えています。その場合に、おっしゃるように、その内容が、内実が伴わなければならないということでさまざまな検討をしてまいりましたが、今までなぜできなかったかということでいけば、区がつくってくれといって、その具体的な、どういうことで区は支援ができる、あるいはどこまでやるということについてなかなか示し切れなかったために進んでこなかったということがあると思うんですけれども、我々といたしましては、来年度に向けまして、社会福祉協議会にきちんとしたその事務局を担ってもらい、その体制も区が、例えばオンブズマンでありますような第三者的な人をきちんと置いた形での審査機関というものを、社協が事務局になってそういうものをつくってもらうということについてきちんと支援する。財政的な支援を含めて支援するということでお話をしておりますので、そういう中でこの制度につきましてできてくるだろうというふうに考えているところでございます。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 大変失礼をいたしました。答弁が一つ漏れてしまったようでございます。
 図書館を委託する際の対象ということでございますが、一般の事業者のほかに、その対象としてNPOも視野に入れて考えてまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
副議長(やながわ妙子) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。
 この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 中野区議会議員 高 倉 良 生
 1 区政運営について
 2 協働の推進について
 3 環境教育について
 4 退職金について
 5 子育て支援について
 6 こどもの安全について
 7 住民基本台帳等について
 8 東中野駅周辺の整備について
 9 障害者の情報縁について
 10 その他

副議長(やながわ妙子) 次に、高倉良生議員。
     〔高倉良生議員登壇〕
14番(高倉良生) 公明党の高倉良生でございます。質問に入ります。
 初めに、区政運営について伺います。
 私が初当選した4年前、中野区の財政状況は待ったなしの厳しい状況にありました。区政の将来に責任を持つ一人として、私は区民から厳しい御意見をいただくことも覚悟の上で、行財政改革の推進に取り組んでまいりました。
 昨年、新しい田中区長が就任いたしました。就任後の議会では、行財政5か年計画に対する区長の認識などをめぐって厳しい議論がありました。区長は、5か年計画そのものは否定されず、むしろ「考え方そのものは継承しなければならない」とお答えになっています。19日の本会議で、会派の斉藤高輝議員が財政事情について質問しました。区長は、「就任前の中野区政は財政的な行き詰まりから政策的な停滞が広がり、区政の構造そのものを改革していくという取り組みは手をつけられずにいた」という趣旨の答弁をされました。私は、その時期、行財政改革について、避けて通れない区政の最重要課題として真剣に取り組みました。区民も身を削ってそれに協力してくれたと思っています。職員も努力をいたしました。区長も当時は行財政改革課長として取り組んできたのではないでしょうか。「取り組みは手をつけられずにいた」というのは、どういう認識で区長はお答えになられたのか、お聞かせください。
 私は、昨年の第3回定例会で、区長の言われる「2年かけて基本構想と10か年の基本計画を策定する」ということに対し、「策定までの2年間の区政運営の方針や具体策をはっきりと示すべきだ」と質問をいたしました。その後、区長は2年間の方針として、「経営改革の指針」を策定されました。「経営改革の指針」で、区長は「中野区の行財政改革は、行財政5か年計画によるほか、この経営改革指針で一層強力に進めていく」とし、15年度、16年度の財政フレームも明記しています。ここでは、財政収支見通しは歳入歳出の差し引きがゼロになっております。その3か月前に区が出した「財政白書」の財政見通しでは、15年度、16年度については、歳入歳出の差はそれぞれマイナスになっています。このように違いがあるのはなぜなのか、お答えください。
 一層の行財政計画を進める結果、経営改革指針に示されているような財政収支見通しになるとすれば、平成15年度の財政収支は現実に経営改革指針に明記されているような姿になるとお考えでしょうか。また、平成16年度は財源不足には陥らない見通しであるということでしょうか。区長の認識をお聞かせください。
 経営改革指針に示されているような財政収支見通しのとおりにならないとすれば、この2年間の区政運営の方向性を定めた経営改革指針は既に見直しをしなければならないようなものになっているということにもなると思います。どうお考えになっているのか、見解をお聞かせください。
 斉藤高輝議員は、財政再建と新たな基本計画の関係をただしました。区は、それに対し、「経営改革指針の中で一層の行革を進めているが、16年度までに完了する見通しは立っていない」と答弁し、「基本構想や基本計画では、将来の区政、地域社会のあるべき姿を描き、その実現に向け、財政構造改革の工程を明示する」との考えを示しました。16年度に財政再建が完了しないとすれば、いつまで厳しい状況が続くのでしょうか。言葉を変えれば、区民はいつまで耐えればいいのでしょうか。財政が厳しい、厳しいと言い続けながら、10か年の基本計画を進めるおつもりでしょうか。お考えをお聞かせください。
 区の答弁のように、基本構想や基本計画の中で財政構造改革の工程を明示するとすると、新しい基本計画は財政再建計画的なものになるとの印象も持ちます。当初の区長の発言などから、明るい未来計画だと区民が思っていたものから、印象の違ったものになるということにもなります。あるいは、10か年の基本計画とは別に、財政再建のプランをあわせてお示しになるということでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
 8月26日の庁議の概要によれば、「平成16年度の歳入について極めて厳しい状況が予想される」として、「削減可能な事項については積極的に提案すること」などの報告が区長室からあったようです。こうした方針について、私は、五月雨式的な印象をぬぐい切れません。実際に仕事をする職員、協力してくれている区民が不安になってしまうのではないでしょうか。きちんとした姿なり、工程表なりを先に示すのが順序ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
 このほど区長は、区の施策全体の見直しや組織のあり方を見直す方針を打ち出しました。「2年かけて」と言われていた中にあって、急に施策全体の見直しを打ち出してきた真意は何なのでしょうか。お聞かせください。基本構想や基本計画が策定されるまでの臨時的な対応なのか、それとも今後の骨格になる見直しなのか、お答えをいただきたいと思います。
 区長就任後、この1年余りは、2年後、2年後といって、ある面では区長の考える政策がはっきりとした形で示されず、議会でのかみ合った議論が難しい状況があったとの印象を強くしております。区政の最重要課題である財政の建て直しについて、区長からいつまでに、このような姿になるよう、責任を持って完了させるというような提示がないように私は思います。区長は、1期目の任期が終わる平成18年度の段階での行財政改革の姿を議会でも検証できるよう示すべきだと考えます。できなければ、区長としての責任をとるぐらいの決意が私は必要だと思います。区長のお考えをお聞きします。
 次に、パブリックコメント制度について伺います。
 この制度は、区の重要な意思決定に際して区民の参加を保証するものとされています。大事な区民の権利を定めるものだと思います。このパブリックコメント制度について、区長はなぜ条例ではなく要綱で定めたのでしょうか。区民に権利を付与するという内容の重要さから見て、要綱で定めるというのは何か軽い印象を感じてしまいます。区民の大事な権利にかかわるものですから、議会の審議にさらし、丁寧な手続を経た条例で定めるべき内容ではないかと思います。要綱で定めた理由をお答えください。
 次に、上野原のスポーツ・学習施設について伺います。
 区長は公約の中で、上野原の用地について売却をお約束になっていたと思います。現在、この件に対する取り組みはどのようになっているのでしょうか。売却できる見込みはあるのか、ないのか、お答えください。もし、売却できない場合はどうするつもりなのか、お考えをお聞かせください。
 この項の最後に、区政の課題の中で1点伺います。
 中野区障害者福祉事業団、いわゆるニコニコ事業団については、かねてから法人化を目指したいという強い要望があります。区長も御承知と思います。ニコニコ事業団は、ジョブコーチによる障害者就労を拡大する取り組みにも力を注いできています。私は、予算特別委員会の総括質疑で、事業団におけるジョブコーチを充実するよう強く要請もしてまいりました。最近では、区内の民間事業者の中に、独自にジョブコーチを養成し、ニコニコ事業団と連携をとって障害者の就労を図っていこうという動きが出てきております。こうした新しい試みを推進していく場合に、ニコニコ事業団の法人化は欠かすことできないと思います。区長は、ニコニコ事業団の法人化をいつまでにやっていただきたいと思われるのでしょうか。支援策とあわせて、お考えをお聞きします。
 法人化については、社会福祉法人を目指す方向のように伺っておりますが、就労支援の取り組みを考えますと、最初から第一種の社会福祉法人を目指すべきだと思います。二種からとは考えておられないと思いますが、お考えをお聞きいたします。
 また、民間事業者の中で新たな動きが出てきている障害者就労支援について、区としてどのような対応をされようとしているのかお考えを伺い、この項の質問を終わります。
 次に、協働の推進について伺います。この件については、先ほど佐藤議員からも質問がございました。
 私は、先日、広島県本郷町の子ども図書館を見てまいりました。町立の図書館ですが、運営は民間の自主団体の皆さんが携わっていました。真新しい木の香が漂う図書館には、町外からも親子が訪れるそうで、予算が限られる中、民間の皆さんが生き生きと仕事をしておりました。
 宮城県古川市にも足を運び、民間との協働の取り組みを見てまいりました。吉野作造の故郷である同市には、立派な「吉野作造記念館」があります。市がNPOに運営の一切を委託していました。館長さんの熱心な説明を聞き、使命感を持って運営に取り組んでいる様子が伝わってきました。
 今月14日には、港区が日本子どもNPOセンターに委託してスタートした子育て広場「あい・ぽーと」のオープニングセレモニーにも行ってまいりました。子育て広場の活動を全国に発信したいとの運営者のお話に、協働の大きな可能性をひしひしと感じて帰ってまいりました。
 中野区は、今年度、女性会館の保育室を使い、NPOの協力を得て、子育てサポートルームをスタートさせました。実施回数は十分ではないと思いますが、私も子育て中のお母さん方から、たくさんの問い合わせを受けました。こうした取り組みへのニーズが高いことを感じております。このような子育て広場が、コンビニの数を超えるぐらい、地域に展開されればと願っております。
 これからの時代、行政が何から何まで、直接みずからの手で事業を展開することは難しい状況があります。その一方で、少子・高齢社会への対応など、住民の新しいニーズはますますふえてきております。また、行政が行っていることと民間が行っていることのすき間にあって、実現に至らなかったサービスもあります。これらに対応していくために、中野区は、区民との協働の視点に立って、新しい公共の担い手となるNPOや自主団体の皆さんとさらに協力関係を強めていくことが望まれています。私は既に何度か本会議でこの問題を取り上げましたが、NPOや自主団体との協働や支援について、改めて区の取り組みを伺います。
 第1に、区の組織体制です。区は、地域センター部の所管から区長室に所管を移しました。私どもは区の中枢部に置くことも提案をいたしましたので、それについては評価をいたします。しかし、残念ながら、具体的に何をしているのか、全く見えてまいりません。私たちは、NPOや自主団体との協働を進めていくための専管組織として、NPO支援室とか協働推進室など、はっきりと区民にもわかるような組織体制を訴えてまいりました。区長は現在の体制で十分とお考えでしょうか。
 また、NPOみずからが運営するNPO支援センターのようなものも必要だと思います。区長お考えをお聞かせください。
 現在、区とNPOや自主団体との協働という範疇で行われている事業数はどれくらいあり、平成15年度の予算では総額で幾らぐらいになっているのでしょうか。そのうち、田中区長が就任されてから新たにスタートしたものは幾つぐらいあるのか、お答えください。
 区長は、NPO活動を支援する条例の制定を目指す方針を示しております。しかし、区として具体的にNPOや自主団体の皆さんとどのような協働を実施しようとしているのか、よくわかりません。私たちは、協働の指針あるいはガイドラインを早急に策定すべきだと提案をしてまいりました。中野区は現在、協働の指針の策定作業を進めているようですが、先ほど指針については答弁がありました。基本構想の全面改定や基本計画策定の流れの中で、私は今後、NPOや自主団体の皆さんと中野区がどのような施策を、いつまでに、どう協働して実施しようとしているのかをはっきりさせてほしいと思います。また、民間の企業や専門学校なども含めた協働のあり方なども明確にすべきだと思います。そのために、中野区として協働を推進する全体計画のようなものが必要だと考えますが、いかがでしょうか。事業の企画・立案の団体からNPOや自主団体の皆さんがかかわり、柔軟な発想や新しい提案をどんどん受け入れていく方策も検討する必要があると思います。あわせて区長の見解を伺います。
 先日、小規模保育園協会の皆さんと懇談する機会があり、その中で、NPO活動についてのお話がありました。自分たちでNPOを立ち上げ、子育てについて地域のために活動していこうと頑張っている様子をお聞きしました。その中で強い要望があったのは、活動する場の問題でした。「学校の空き教室でもいい。どこか場を提供していただけるところがあれば、新しい子育て支援の活動に全力で取り組めるのですが」と熱っぽく語っておりました。場を提供していくことは、活動を進めていくために極めて大切であり、私たちも強く取り組みを求めてまいりました。区長は場の提供についてどのように考えているのでしょうか。具体的な案をお持ちなら、お考えをお聞かせください。
 昨年の第4回定例会で、私たちの会派の質問に対し、NPOへの立ち上げ支援を検討するとの明解な区の考えが示されています。この支援策についてはどう実施するのでしょうか。既に検討は煮詰まっていると思います。区長のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、環境教育について質問します。
 先日、同僚議員が北区における環境事業を視察してきました。区民が楽しみながら自然環境への理解を深めるために、区立清水公園内に「自然ふれあい情報館」を平成6年4月に開設したそうです。そこでは、自然環境に興味を持ってもらうため、数々の教室が開催され、昨年度だけで子ども環境教室を25回開催しています。また、ホタル復活事業も実施し、毎年数十匹から200匹程度が自然発生し、観察会では毎年2,000人もの参加があるそうです。この情報館の運営は、NPOに年間1,000万円で委託し、非常勤1名、常勤2名で運営を行っているとのことでした。区の環境課長は、バードウオッチングの長い経験を持ち、区内の魚や生物、昆虫の調査を初め、長い間ホタルの養殖の研究にも取り組んできたそうでございます。「北区の昆虫」、「北区の小動物」というカラーの図鑑も出版しておりました。
 環境教育は、自分たちが住んでいる身近な場所で、体験を通して自然や生態を学び、それらの調査などから課題を見出し、環境を大切にする心、環境に対する理解を学ぶために極めて大事だと思います。身近な場所、ふだん気づかなかったことに五感を研ぎ澄ますことを教え、学び合うことが環境教育の原点であろうと思います。
 中野区でも、各学校において先生方や子どもたちがさまざまに工夫して環境教育・環境学習に取り組んでこられたことを承知しております。私たちが提案をし、推進してまいりましたビオトープづくりも徐々にふえてきているとお聞きをしております。中野区はこれまで、自然環境や生物の生息調査を実施してきたことはあるのでしょうか。あったとすれば、それを学校での環境教育にどう生かしてきたのか、お聞かせください。
 北区で行われている環境講座は、中野区のNPOが担当しているともお聞きをしました。長い期間専門的に研究されてきた方や団体の活用は、中野区の環境教育に欠かせないと思います。北区のようにエキスパート職員を配置することは無理があろうかと思いますが、環境や生態系についての専門家やNPOとの連携・協働で環境教育の充実を図ってはいかがでしょうか。お考えをお聞きします。
 環境教室の充実につながる今後の調査・研究を推進するために、センター的な場も必要になると思います。自然環境教育室とか、自然環境実習室というような機能を持つ拠点です。例えば、平和の森の管理棟の中にセンター的な機能を持たせてはいかがでしょうか。持続して効果的に運営するには、NPOの力を活用することも必要だと思います。私たちの会派がかねてから提案をしているホタルの生息の研究も行うことができると思います。区長の見解を伺って、この項の質問を終わります。
 次に、退職金について伺います。
 会派の斉藤高輝議員が、通勤手当や職員の退職金の名誉昇給についてお聞きしました。6か月定期に切りかえることによって、財政効果のある額が約6,000万円に上るという事実に驚きを禁じ得ません。斉藤高輝議員や、先ほど酒井議員が指摘した職員の退職手当の名誉昇給について、区長の前向きの答弁については評価をいたします。ただ、今年度発生する退職者から見直しを実施するのかどうか、再度はっきりとお答えをいただきたいと思います。そのためには、どういう工程の手続になるのか、明確なお答えをいただきたいと思います。
 次に、区長の退職金について伺います。
 首長の退職金が高いとの声が根強く住民の中にあります。中野区長は、1期4年務めますと、およそ1,600万円の退職金が支給されることとなっております。1年間にすると約400万円になりますけれども、これについて区長はどうお思いになっているのでしょうか。お聞かせください。
 「厳しい財政事情」という言葉を中野区はこれまでさまざまな場面で使ってまいりました。もちろん、そうした現実の姿があったからにほかなりません。そのたびに、区民にも協力を求めてきたのかこのところ区政の現状であると思います。首長の退職金は、選挙で選ばれ、職員のトップに立って激務をこなすことに対する、いわばねぎらいの意味を込めたものだと思います。住民が心から区長の仕事に対して労をねぎらい、納得できる額を支給する仕組み、時代に合った制度でなければならないと思います。
 私たち公明党が政党として初めて国民に提示したマニフェスト原案では、「地方自治体の首長等の退職金制度を見直し、廃止または縮減を目指す」としております。中野区はこれまで、区長の退職金については減らす取り組みをしてまいりました。平成12年12月から14年6月までは、時限的にさらに減額もされております。しかし、もう一段の踏み込みをする必要があるのではないでしょうか。区長のお考えを伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 私は前回の第2回定例会で、乳幼児医療費の無料化をさらに拡充して、小学校児童の入院費を対象にしてはどうかという質問をしました。健康保険法の改正によって、3歳未満の子どもの自己負担割合が3割から2割に引き下げられました。区の試算では、年間7,200万円の財政負担軽減効果があると区側からお聞きをしたからです。残念ながら、区側の答弁は大変消極的なものでした。北区は来年度から入院医療費について、小学生まで拡大し、自己負担分の費用を区が助成する方針を決めたそうです。若いファミリー層の定住をねらった取り組みでございます。中野区は、一人の女性が一生の間に産む子どもの数が極めて低い現状です。安心して子育てのできる環境づくりは、今後の区政の大きな課題であることは間違いありません。中野区の乳幼児医療費無料化は、所得制限なしで小学校入学前まで拡大したことについて、区の取り組みを私は評価しております。子育て中の若いお父さん、お母さん方も大変喜んでおります。子どもの医療費が家計に影響を及ぼし、入院ともなれば大きな不安があります。私はこの際、乳幼児医療費無料化の拡充という視点ではなく、中野区として新たに児童・生徒が対象となる医療費負担軽減策を検討すべきだと考えます。中野区児童医療費助成制度、あるいは中野子ども安心医療助成制度といった新しい対応です。不安の大きい入院を対象にするなど、検討する余地があろうと思います。北区の児童数は、中野区よりもやや多い1万2,000人となっています。新しい取り組みの予算は、年間4,000万円とお聞きしております。児童・生徒を持つ家庭の医療費負担の軽減、子どもの入院などに対する不安を考慮した新たな医療費助成の創設は、今後必要な取り組みだと思います。区長、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
 次世代支援対策推進法に沿って、中野区は数値目標を持った次世代支援の行動計画を策定しなければなりません。私は、行動計画を検討する中で、子どもの医療費助成について十分検討してほしいと思います。あわせて見解を伺います。
 区は、この行動計画の策定に当たって、小学生までの子どもを持つ保護者へのニーズ調査を予定しているようです。大きな関心のある子どもの医療費負担の問題について、的確に区民のニーズを把握できるよう、工夫すべきであることを強く要望いたしておきます。
 また、次世代支援の行動計画の策定については、区役所内部のメンバーだけでなく、外部の専門家や現場で子育て支援に取り組んでいる方々に加わっていただき、斬新な提言をどんどん出してもらってはいかがでしょうか。区長のお考えをお聞きします。
 この項に関し、養育家庭の体験を語る会の開催についてお聞きします。
 「里親」といった方がわかりやすいと思いますが、何らかの理由で親に育ててもらうことのできない子どもを預かり、本当の親と同じように子どもを育てる養育家庭を担っている方が中野区にもいらっしゃいます。私は、会派の先輩とともに、中野区内の2軒の養育家庭に直接お話を伺いに行ってまいりました。そのうち1軒は、障害を持つお子さんを小さなときから預かって、育てている御夫婦でした。特別な気負いもなく、「子どもが好きなので」とおっしゃる御夫婦の静かな語り口に、子育ての喜びから苦しみまでが凝縮されておりました。子育てで悩む若いお母さん、お父さん方にもぜひ聞いてほしいお話だと思いました。
 養育家庭の取り組みは、現在東京都が行っていますが、なかなか理解や普及が進まないようです。中野区には子ども家庭支援センターがあり、現在は児童相談所との連携も密になっております。現在、児童相談所の役割が改めて検討されている中で、区としての新たな取り組みが求められる時代になってきています。中野の子どもは、中野区が責任を持って育てるという思いに立つとき、養育家庭への理解を進める取り組みを中野区としても検討することが必要ではないでしょうか。
 会派のやながわ議員が大阪市の「子育ていろいろ相談センター」を訪れました。催しの資料の中に「子育ての極意」と題する、養育家庭の方による体験談大会を開催する内容がありました。板橋区の方でも開催するとお聞きしております。中野区で、子育て支援の視点から、養育家庭の方による体験を語る会を開催してはいかがでしょうかと改めて御提案をいたします。実施に向けてどう検討をされているのでしょうか。お聞かせください。
 次に、子どもの安全について伺います。
 このところ、児童・生徒が下校途中などに行方不明になったり、さらわれたりする事件が相次いで報道されています。先日、私の近所で、小学生の女の子が男の人に追いかけられるということもありました。大事には至りませんでしたが、中野においても子どもを取り巻く環境に心配な部分があると思います。子どもたちの登下校時の安全について、学校はPTAや警察などとどのような協議をし、どのような安全策を講じているのでしょうか。お聞かせください。
 通学に限らず、放課後に児童館に出かけたりするときの行き帰り、塾の行き帰り、土曜や日曜日など、心配な部分があります。最近は空き巣なども後を絶たず、地域の治安対策や安全対策の強化を求める声が強く出ております。千葉県九十九里町では、児童にホイッスルを持たせ、ホイッスルが鳴ったときに近所の人に協力してもらえるよう、徹底をしているそうです。このホイッスルは1個100円か200円ぐらいだそうです。登下校のときなど、万一の備えとして子どもたちに携帯させる検討をしてみてはいかがでしょうか。教育委員会のお考えをお聞きします。
 子どもの安全について、私はできることから一つずつ取り組んでいくことが大切だと思います。地域の総合的な安全対策を推進するための条例の策定準備を進めていると思いますが、子どもの安全にかかわることについて、どのような検討がされているのか、お聞きをいたします。
 次に、住民基本台帳等について伺います。この項は、さきに佐藤議員から質問がありましたので、簡潔に伺います。
 先日、DVに悩む方から相談がありました。住まいを次々と変えざるを得ない中で、住民票を通じて住んでいるところがわかってしまうのではないかとの不安にかられておりました。中野区は、ストーカー被害者への対応策として、内部的な事務取扱基準で住民票を閲覧できないようにしているとお聞きしております。DV防止法やストーカー規制法などが整備される中で、自治事務の位置付けにある住民票の閲覧については、条例ではっきりと公開の制限を打ち出してもよいのではないかと思います。実効性がある条例によらず、内部的な事務処理として対応している理由は何なのか、お答えをいただきたいと思います。
 中野区として、DVやストーカー被害者の住民票の閲覧や写しの交付を制限する、独自の条例を制定すべきと思います。改めて見解を伺います。
 次に、性同一性障害の問題についてお伺いします。
 この問題については、国会で公明党の浜四津敏子参議院議員などが中心となり、法整備を進めてきた課題でもあります。テレビドラマの「金八先生」でも話題を呼びましたけれども、性同一性障害に悩む方々がいらっしゃいます。性同一性障害とは、心の性と体の性が一致しない病気というように一般的には言われておるようです。
 行政が発行する各種証明書等に不必要な性別の記載があるために、不利益、差別、不自由、苦痛をこうむらざるを得ない性同一性障害の方々からの訴えがあります。当事者にとっては、切実な問題であろうと思います。選挙の投票入場券のはがきにも性別の記載があります。中野区選挙管理委員会では、公職選挙法施行規則によって、入場券により投票録に男女別集計を記載しております。私たちの要望等により、人権への深い配慮から、次回の選挙からは性別表示については記号に変えるなどして男女別集計を行い、入場券への性別の記載は削除する方針とお聞きしております。区の発行する証明書の中に印鑑証明がありますが、そこには性別の記載があるものの、相応の根拠があるようには思いません。中野区は、こうした印鑑証明など、公的書類の中にある性別記載について、見直し可能なものが先ほど92件あるとのことですが、削除するとすれば、具体的にどれとどれか、またいつから実施をするのか、お聞きをしておきます。
 次に、公的個人認証制度について伺います。
 住民基本台帳ネットワークが本格稼働し、住民基本台帳カードが発行できるようになる中で、電子自治体の基盤となる「公的個人認証制度」が来年から全国の自治体で始まる方向になっています。公的個人認証制度は、これまでの行政窓口における運転免許証や印鑑登録にかわる本人の確認の手段として、オンライン申請手続をする際に本人確認をする仕組みでございます。来年の1月以降、住民が区市町村に出向いて住民基本台帳カードに個人認証のためのデータを読み込んでもらうことで利用できるようです。名古屋国税局管内では、来年2月から国税の電子申告がスタートするそうです。各自治体も、3月以降、住民票の写しの発行請求が始まると聞いております。
 中野区は、住基ネットの第2次稼働の時期が他の自治体よりも2か月ほどおくれます。具体的にいつごろから公的個人認証サービスが受けられるようになるのでしょうか。また、一人当たりの利用料の見通しは幾らになるのか、お答えください。
 公的個人認証サービスが実施されると、自宅で行政サービスのオンライン申請が可能になり、利便性が向上します。住民票写しの発行申請のほか、さらにどのような利用が可能になるのか、お聞かせください。
 住民票の写しの申請はオンラインでできても、自分で取りに行かねばなりません。私たちの身近なところにあるコンビニなどをサービスポイントと位置付け、夜間でも受け取れるような仕組みを検討してはどうかと思います。見解を伺って、この項の質問を終わります。
 次に、東中野駅周辺における整備について伺います。
 東中野駅前を通る山手通りでは、地下で首都高速中央環状新宿線の建設が進められております。この建設に伴って、沿線には換気所が設置され、東中野駅の近くにもその一つが設置されることになっています。私は、会派の飯島議員とともに地元の皆さんからの要望を丁寧にお聞きしながら、これまで東京都や首都高速道路公団に対し、自動車の排気ガスを浄化する装置の設置や巨大な換気塔のあり方の見直しを一貫して訴えてまいりました。この7月も飯島議員、そして橋本辰二郎都議会議員とともに、都や公団に対し、排気ガスを浄化する装置を道路開通までに間に合うよう実用化を急ぐこと。そして、そうした装置の設置を前提としない状況の中で計画された換気塔については計画を見直すよう、改めて強く要請をいたしてまいりました。公団からは、「見直しも含めて検討する」との御返事をいただいております。その後、公団から、排気ガスを浄化する装置の導入に向け、予算の要求をする旨の回答をいただいたところです。また、防音ハウスを設置しての工事についても、夜間は行わないようにすることなどを住民の皆さんと公団に対して要望をしたところでございます。
 中野区に対しては、従来から地元住民の皆さんの強い要望を踏まえて、まちの景観にも配慮して、換気塔計画の見直しを都や公団に求めるべきだと要望してまいりました。現在の状況を区もしっかりと把握をし、改めて換気塔のあり方について都や公団と協議をしてほしいと思います。区の取り組みを伺います。
 次に、東中野駅前広場について伺います。
 山手通りのJRの橋のかけかえが終わった後、現在道路が迂回している土台の部分を利用して、東中野駅前広場が整備されることになっております。この広場の計画実現へのスケジュール、工事費、区の負担などはどのようになっているのでしょうか。また、地元の住民の皆さんや商店街などの御意見を計画に十分反映させるための体制についてもあわせて伺います。
 この駅前広場については、計画では東中野駅の駅舎に接する形にはなっていませんが、駅舎にくっつける計画にすべきだとの住民の要望があります。区長は、対話集会の場で、こうした要望に対して前向きに取り組んでいく旨のお答えをしております。東中野駅前広場については駅舎に接する形になるよう、計画の見直しを検討すべきと思います。そのために区は、JRなど関係機関と定期的に検討する窓口、協議の場をしっかりと設ける必要があると思います。見解を伺います。
 山手通りのJRの橋のかけかえ工事に伴って、車道や横断歩道周辺の様子が目まぐるしく変わっております。通行する住民の皆さんからは、信号待ちする部分が狭くて危ないなど、危険を指摘する声が上がっています。安全対策について、区はどのような取り組みをしていらっしゃるのか、お答えください。
 第2回定例会で、私は、落合駅周辺の放置自転車対策を取り上げ、前向きの御答弁をいただきました。東中野駅周辺の放置自転車対策に関しても、駐輪場のない新宿寄りの駅周辺の対策について、区に要望を行ってきたところです。
 現在、東中野駅周辺にある駐輪場の稼働率はどのような状況になっているのでしょうか。日野市では、駅前に自転車を放置する人を誘導する「通勤通学用自転車サポートシステム」を実施するとお聞きしておりますけれども、自転車の撤去以外、何か新たな取り組みの検討は行われているのでしょうか。お聞きします。
 また、新宿駅寄りの放置自転車対策の一環として、駐輪場の設置を十分考え、検討すべきだと思います。区の見解を伺います。
 次に、障害者の情報縁について伺います。
 区内の視覚障害者の方から、私どもに要望が寄せられました。その中からほんの少しだけ、その方の思いを紹介したいと思います。
 「この社会は、当たり前ですが、晴眼者を対象に成り立っており、ほとんどが文字情報です。そのため、我々視覚障害者は、ふだんの生活においてさまざまな困難を抱えております。しかし私は、たとえ目が見えなくても、自分でできることは自分でするべきだし、自分で動く努力をすべきだと思うのです。そのためには、パソコンはとても便利かつ必要不可欠なものであり、また、それ以上のものになると思うのです。パソコンに音声ソフトを組み込むことによって、手紙(電子メール)のやりとりが容易になります。コミュニケーション手段の乏しい視覚障害者にとって、点字を使わずに手紙が出せる。つまり、晴眼者、家族、友人、恋人などに手紙を出せるようになるということは、何ものにもかえがたい喜びとなるのです。今まで利用不可能だった文字情報を利用することができるようになるのです。これは、視覚障害者の自立を助けるとともに、心の視野を大きく広げ、さらなる向上心を生むのではないでしょうか。障害者として、パソコンは道具ではなく、体の一部となり、視覚障害者にとっては目になるのです」。以上、要望の一部ですが、御紹介させていただきました。
 このほど、総務省の「高齢者・障害者による情報通信技術活用の推進に関する研究会」が報告書をまとめました。この研究会には、視覚・聴覚・肢体障害者の皆さんも参加をしております。報告書では、情報通信技術の利用でつくられる「情報縁」が高齢者や障害者の社会参加を促進するとしています。地縁とか血縁という言葉がありますが、情報を仲立ちとする縁、つまり情報縁は、インターネットや電子メールを通じてできる人と人とのつながりを指しております。
 区長は、電子自治体の推進に積極的であると私は思っておりますけれども、区民の情報縁はその大事な基盤になると思います。障害を持つ区民にとって、情報通信技術は自立を助ける大きなサポート機能を果たすと思います。その環境を使いこなしていくきっかけづくりとして、これまでも取り組んできたパソコン講座の充実を推進しつつ、意欲のある障害者の方々に自分でパソコンを購入する際に補助を行ってはどうかと思います。区長の見解を伺います。
 また、障害者に限らず、いつでも、どこでも、区民が情報縁を広げられる取り組みとして、区役所や中央図書館、あるいは公共の場における無線LANの設置を進めてはどうかと思います。お考えを伺って、私の質問を終わります。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 高倉議員の質問にお答えをいたします。
 私の方からは、区政運営について幾つかの御質問、それから退職手当についてお答えをさせていただきます。
 まず、区政運営について、行財政5か年計画を実施したとということで、私がせんだっての答弁の中で、「就任前の中野区政は、財政的な行き詰まりから政策的な停滞が広がり、区政の構造そのものを改革していくという取り組みは手をつけられずにいた」という趣旨の答弁をしたことにつきましての幾つかの御質問であります。
 御質問の中でありましたように、行財政5か年計画の実施に当たって、また行財政改革の推進に当たって、区民も、職員も、また多くの議員の皆さんも御協力をいただき、大変お力をいただいているということについては、私も十分に認識をしているところであります。
 行財政5か年計画は、財源不足が見込まれていた中で、職員数の削減でありますとか施策の見直しをして、財政的な危機を回避する取り組みを行ったものであります。先ほども言いましたように、この中で区民や関係者の御協力と努力をいただいたことについては十分に認識をして、受けとめているわけであります。
 しかし、真の行財政改革というのは、既存の施策の縮小や削減、そうしたものだけにとどまっていてはならないわけであります。将来を見据えて、新たな社会に向かって、持続可能な行政のあり方を構築していくものでなければならない、そんなふうに考えております。そういった意味で、行財政5か年計画では、区政の将来の姿を描くことには不足をしていたというふうな認識を持っております。そうした意味から、区政の構造そのものを改革していくという取り組みについての言及したものであります。区民にとっての価値という視点から、区政のあり方自体を改革していかなければならない、そんなように考えているわけであります。
 また、経営計画指針に関連して、15、16年度の財政収支の見通しは、経営改革指針では差し引きゼロだけれども、その3か月前の財政白書ではマイナスになっていたはずだと。この3か月の差はどのようなものなのかといったような御質問でありました。
 財政白書での財政収支見通しの試算の条件は、予算編成開始時期の9月、このころに平成14年度予算をベースに13年度決算やその時点での状況変化の要因を盛り込んで推計をしたものであります。また、財政調整基金の活用など、いわゆる財源対策をその時点では見ていないわけでありますので、財源不足が生じた形のものというふうな見通しとなっております。一方、経営改革指針の方は、財政収支見通しについては、1月に編成しました平成15年度の予算案と、それをベースにしました平成16年度の推計でありまして、財政調整基金の活用などの財源対策を講じて、歳入歳出の収支差をゼロというふうにしたものであります。
 このように、両者は作成の時期と見積もり制度の差、財源対策の有無、こうしたことによって違いが出た、そのように御理解をいただきたいと思います。
 それで、一層の行財政改革を進める結果として、経営改革指針に示されているような財政収支見通しになるということだとするならば、平成15年度の財政収支見通しは経営改革指針に明記されているような姿なのか。また、16年度については、財源不足はないのかといったようなことについての認識をただしたいという御質問でありました。
 平成15年度については、低迷する景気の影響などによりまして、一般財源であります特別区税、特別交付金、利子割交付金などが当初予算より落ち込むことが現時点で予想をされているということであります。経営改革指針で示した財政収支見通しを比べて、厳しい状況であると認識をしています。現在の経済環境からは、今後も一般財源の減少傾向が続くと予測をされることから、平成16年についても予断を許さない状況というふうに認識をしています。
 続いての質問で、もし経営改革指針に示されているような見通しにならないのだとすれば、経営改革指針そのものの見直しをしなければならないものなのかという御質問でありました。
 経営改革指針で付しました財政見通しは、区税等の歳入を15年度と16年度で同額と見込むなど、一定の条件のもとで示したものであります。一定の条件を設定して想定する財政見通しが年度間の社会・経済環境の変動の影響を受けること、これはやむを得ないと私は考えています。各年度の予算編成の段階で現実対応のための調整を行うということは、こうした指針の中ではあらかじめ想定されているというふうに考えています。経営改革指針は、新しい経営のあり方を明確にして、区政運営の改革を進めるための指針でありまして、財政運営の基本的な考え方も含めて見直しは考えておりません。
 それから、区政運営に関連して、16年度に財政再建が完了しないというせんだっての答弁もしましたので、それに関連して、だとすれば、いつまで厳しい状況が続くのか、区民はいつまで耐えればいいのかといったようなことで御質問がありました。また、基本構想や基本計画の中で財政構造改革の工程を明示するとすると、新しい基本計画は、財政再建計画的なものになるではないか。当初の私の発言などから、明るい未来計画だと思っていたものが、印象が違ってくるのではないかといったようなことについて御質問がありました。
 少子・高齢化による人口減や人口構成の変化、また産業の成熟化など、日本の経済社会の動向を見るとき、中野区のみならず自治体の行財政がこれまであった形のままで持続できるとは考えられないわけであります。これまでの行政が変わっていくことに対して、「耐える」という発想ではなく、時代の変化に即応した新しい地域社会や行政のあり方をともにつくり出していただくということを区民の皆さんに提起していきたいと考えているものであります。「(仮称)新しい中野をつくる10か年計画」は、当初から財政的な裏付けのある、実現可能性のあるものを目指すとともに、財政再建のための道筋を明らかにすること、これを大きな要素と考えて策定作業に取り組んできました。基本構想審議会でありますとか、区民ワークショップにおきましても、検討に当たっては財政白書や施設白書などで明らかな区の現状を踏まえた検討を進めていただいているところであります。行財政の構造改革を進めながら、区民のための施策を重点化し、民間や区民の皆さんと力を合わせて、地域を豊かにしていくことがこれからの行政の役割であるというふうに考えております。
 それから、10か年の基本計画と別に財政再建のプランをあわせて示せばというお尋ねでありましたけれども、10か年計画の中では財政再建のための取り組みも盛り込むことになりますので、計画とは別に財政再建プランを策定する考えはありません。
 それから、区政運営に関連して、8月26日の庁議で、平成16年度の歳入見通しが厳しいので削減可能な事項を提案するようにという指示をしていて、これでは五月雨的なものであって、職員や区民が不安になる。明確な姿、工程表を示すべきではないかという御質問がありました。また、もう一つ、区の施策全体の見直しや組織のあり方を見直すということをやっているわけですが、2年かけて基本構想や10か年計画が策定されるという中にあって、それまでの臨時的な対応なのか、それとも今後の骨格となる見通しなのかというお尋ねでありました。
 まず、26日の庁議の指示については、来年度に向けた事業・組織の再構築の検討に当たっての指示であります。新たに加える要素と削減する要素をトータルにとらえなければ再構築にはならないわけであります。庁内の作業については、今後もさまざまな曲折を経ることは当然やむを得ないと考えています。しかし、区民の皆さんに対しては、庁内作業でまとめた上で明確なものをお示ししていきたい、そう考えています。
 行政担当者として、基本構想や計画のある、なしにかかわらず、長期的なビジョンや目標を持って明確に示すことは当然必要なことだというふうに考えています。2年かけて基本構想や計画をつくっている間だとしても、行政担当者としては当然長期的なビジョンを持ち、実現するべき目標を持つ。それに向けて組織が全力を挙げて機能するということが当然必要なことだというふうに考えています。現在は、区政の目標を明確にして、それを的確に実現できる組織をつくることを目指して、仕事や組織の見直しを行っているところであります。
 また、施策の見直しに関連しては、どんなときでも常に意識されなければならないというふうに考えています。現今の変化の激しい時代ではなおさらだというふうな認識を持っているところであります。行政運営のあり方を計画、実施、評価、改善というサイクルの中で常にレベルアップできる経営体質をつくり出していく。このために、区政の目標体系をきちんと整理し、それに対する評価、また組織づくりというものを整合させていきたいという取り組みとして行っているわけであります。
 現在検討しております行政の目標、これについては、基本構想検討に当たっての区の立場を示すものでもあります。基本構想の内容と整合していくことは当然必要でありまして、結果として基本構想策定がなったとき、それにあわせて必要な修正も当然行わなければならないというふうに考えております。
 それから、区政の最重要課題であります財政の建て直し、これを18年度までの任期の中で行財政改革の姿を議会でも検証できるように示さなければならない。できなければ、責任をとるべきだという御質問でありました。
 任期中に財政再建と新たな姿をつくり出すために、基本構想と10か年計画を策定し、その歩みを軌道に乗せるということを私は公約して、選挙を戦い、今そのための仕事を進めているところでございます。その新たな区政の姿をつくること、これについて私は私の責任として全うしていきたいというふうに考えております。
 それから、名誉昇給の見直しをいつまでにするのかという御質問がございました。現時点では、今年度中を目途に見直しの内容を具体化していきたいというふうに考えております。
 それから、区長の退職金が高いのではないかという住民の声があるということでの考え方という御質問でありました。さまざまな見方はあろうかというふうには思っております。中野区長の退職手当については、23区の中で支給率、支給額ともに一番下であります。今のところ、減額する考えは持っておりません。これについては、区長職への人材確保という観点からも考えていかなければならない問題でありまして、私は妥当な制度だというふうに考えております。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、区政運営の御質問の中で、パブリックコメント制度、また上野原の用地売却、そのほか公的個人認証について、また公共無線LANの整備についての御質問にお答えいたします。
 まず、パブリックコメント制度でございますが、この制度につきましては、条例化をして、ちゃんとした区民の権利として認めていくことが必要ということは、私どももそういう認識でございます。この条例化につきましては、これまでもお答えしていますように、自治基本条例の中で具体的にこの位置付けをしていきたいというふうに考えてございます。それまでの間につきましては、さまざまな手続、また行政側がこれに対していろいろな情報を提供していくということの中で、いろいろな実例を積み重ねて、より実効性のある仕組みということで、自治基本条例の制定を待たず、先行して要綱という形で実施したものでございます。
 また、上野原の用地の売却の取り組みでございますが、この施設につきましては、正式に計画を廃止したということがございます。この方針について、上野原町にお示しをいたしました。用地については、現在売却の方向を検討してございます。売却するに当たりましては、上野原町の協力が不可欠でございます。現在、廃止に伴いまして、上野原町と水道負担金の問題、しゅんせつ土砂の受け入れの問題、地元住民への説明等の問題、こういった諸問題について町と協議をしている段階でございます。今後とも町の協力を得て、売却へ向けて努力をしていきたいというふうに思ってございます。
 また、公的個人認証に伴う申請のどんなサービスが今後考えられるかという話でございますが、先ほど高倉議員の方から言われましたように、所得税の確定申告、これが具体的に今取り組まれておりますが、区といたしましては、この申請につきまして、税証明、また児童手当の申請、各種医療助成の給付申請、こういったものを対象に検討しているところでございます。
 また、公共無線LANでございますが、公共無線LANの整備につきましては、プロバイダー事業者の動向などを把握しながら、可能性を検討していきたいというふうに思ってございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 私からは、ニコニコ事業団の法人化、それから入院時医療費助成につきましての拡大の件、それから障害者の情報縁につきまして、お答えいたします。
 まず、ニコニコ事業団の法人化でございますけれども、社会福祉法人の設立要件の見直しや支援費制度の導入など、ここ数年で事業団を取り巻く環境は多く変化しております。それらの状況を踏まえまして、事業団につきましては、自立して、継続した事業が行える、そうした法人にならなければいけないというふうに考えております。したがいまして、所管庁でございますとも東京都とも事前相談を行っているところでございますけれども、今後の取り組みにつきましては、事業団自身の意向を確認いたしまして、法人化に向けまして引き続き支援を行っていきます。
 社会福祉法人として考えてございますが、一種、二種という社会福祉事業がございます。ただ、第一種社会福祉事業というのは、障害者の関係でいきますと、施設運営ということでございまして、ニコニコ事業団が当面目指すべき方向ではないということで、現在のところは第二種事業を行う法人ということで検討しているところでございます。
 続きまして、区内民間事業者の中にジョブコーチを養成いたしまして、ニコニコ事業団と連携して、障害者の雇用・就労を図っていこうという動きが出ているというお話でございました。そうした動きにつきましては、若干聞いてございますけれども、具体的には承知してございませんので、十分情報収集に努めてまいりたいというふうに思います。
 それから、入院時医療費の助成につきまして、小学生まで拡大すべきではないかといった質問がございました。区といたしましては、昨年度、就学前までの乳幼児医療費助成の所得制限につきまして撤廃したところでございます。まず、この制度の周知と定着を図っていくことが肝要と考えております。現在のところ、対象年齢の拡大ということまでは考えてございません。
 それから、障害者の情報縁ということで、パソコンの購入助成、それから講座の充実というようなお話がございました。
 昨年8月、日常生活用具給付事業が開設されてまして、上肢障害または言語と上肢の重複障害を有する方につきまして、一定の要件のもとに、それまではワードプロセッサーだったものがパーソナルコンピュータの給付に変わりました。また、東京都障害者情報バリアフリー化支援5か年事業が昨年1月から実施されておりまして、これは先ほどお話がございました視覚障害者、または上肢障害を有する方に、一定の要件のもとに情報機器の使用に必要となる音声化ソフトや大型キーボードなどの周辺機器の助成が開始されております。区といたしましては、障害を持つ方々につきましては、これらの制度の利用を勧めるとともに、国の緊急地域雇用創出特別補助金を活用いたしましたIT講習会を開催するなど、障害者の自立と社会参加を一層支援していきたいというふうに考えております。
    〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 私の方からは、協働の推進について、NPO支援に関連する一連の御質問にお答えいたします。
 まず、NPO支援の専管組織についてのお尋ねでございます。NPO支援室といった専管組織を置いてはどうかという御質問でございます。
 専管組織として従来型の縦割りの組織をつくるという形は、今検討しております縦割りを廃するという組織の考え方に照らすとなじまないということから、専管の支援室等を設けるという考え方はございません。しかしながら、NPO支援は大きな課題というように認識してございますので、組織的にも重要な位置付けをして、きちんと対応してまいりたいというように考えております。
 次に、NPO支援センター、NPOみずからが運営するNPO支援センターの設置が必要と思うがどうかというようなことでございます。NPO自身によるNPOの支援というのは、大変有効な方法だと思いますし、また本来あるべき姿というようにも考えております。NPOへの具体的な支援内容につきましては、現在一定の方針をまとめるという作業をしておりますので、その中でさらに検討していきたいというふうに思っております。区がそうしたことにどのようにかかわるべきか。また、NPOの自主性、自立性の尊重という観点からどのように考えるべきかということで、検討しております。
 次に、NPOとの協働の実績についてのお尋ねでございます。どの程度の事業がNPOや自主団体との協働でされているのかということでございます。
 これにつきましては、13年度に調査をした経過がございます。その段階では、委託や共催、あるいは事業協力などによって実施しているものが77事業ありました。これはなかなか、どこまでが協力として区分するかということは明確ではございませんが、77事業というような調査の経過がございます。
 それから、田中区長になって、新しくNPOや自主団体との協働ということはどういうことかということでございますが、桃園地域センター分室の管理運営委託、あるいは痴呆性高齢者グループホームにおける協力、それから御質問にもありましたが、子育てサポートルームの運営等を実施してございます。この協力というものを含めますと、予算額が幾らになるかということはなかなか出しがたいということから、算出はしてございません。
 それから、NPOや自主団体とどういう協働を実施しようとしているか、ガイドラインを示すかということでございますが、先ほどお答えしましたように、年内に一定の方針をまとめると。そして、年度内に指針、方針として定めるということで準備をしているところでございます。
 それに関連しまして、NPOや自主団体と区がどのような施策をどうするかということをきちんとした計画、あるいは基本構想や基本計画策定の中で明確にするとともに、協働を推進する基本計画が必要というような御質問でございます。
 NPOや自主団体と区の関係、またそれぞれの役割については、御質問のとおり、基本構想や基本計画の中でも重要な部分であり、明確にしていく必要があるというふうに考えております。行政が行う支援につきましては、今年度中に策定する支援方針の中で大枠の考え方を示す。そして、全体の考え方、あり方については、改めて基本構想や基本計画の中で明確にするというようなことで考えているところでございます。
 また、NPO等が事業の企画・立案の段階からかかわって、柔軟な発想や新しい提案を受け入れるというような方策を検討してはどうかという御質問でございます。分野や事業の目的によっては、行政の事業の企画・立案といったものにNPOや自主団体の提案を生かすという場面は大いにあるというように考えております。
 また、NPOへの活動の場の提供の御質問でございます。場の提供について、具体的な案があれば示せというような御質問でございます。
 活動をする場の提供につきましては、現在施設配置の見直しの中でさまざまな工夫をしながら、どういった形でそういう活動の場を生み出すかということを検討しているところでございます。
 最後でございますが、NPOへの立ち上げ支援策について、4定で立ち上げ支援を検討すると。現在の検討はどういうふうに固まったかというような御質問でございます。御指摘のとおり、NPOが自立した活動を安定的に行っていけるようになるまでの時期、立ち上げの時期に支援を行うことが有効であるというような考え方を持っております。その支援の内容につきまして、現在、指針等の検討とあわせまして、NPOの自立性、継続性の確立をどうするかという形で、慎重に検討しているというところでございます。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
環境部長(寺部守芳) 環境教育についての最初の御質問にお答えをいたします。
 自然環境や生物の生息調査についてでございますが、区民の環境モニターが平成7年から11年にかけまして、野鳥やセミなどの生息調査を行っております。また、ツバメの営巣調査につきましても、平成12年から毎年行っているところでございます。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 環境教育についてと子どもの安全についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 まず、環境教育についてでございますが、学校では地域の実態などを生かしながら、それぞれの教員が工夫を凝らして、教科や総合的な学習の時間の中で環境教育を実施してございます。生息調査の一環としまして、ツバメの営巣調査をしている学校がございます。ここでは、ただいま環境部長からお答えをしましたその結果なども、その教育の中で役立てているところでございます。こうした取り組みをさらに充実させ、継続していくために、地域や関係機関等と積極的に連携・協力していくことが一層重要であると、そういう認識を持ってございます。
 それから、子どもの安全についてでございますが、中野、野方両警察署、警察署ごとにでございますけれども、学校警察連絡協議会という組織を設けまして、年に5回程度、打ち合わせ会を行っております。ここで安全問題についての情報交換などを行っているところでございます。
 また、PTA連合会とも定期的に意見交換の場を設けまして、さまざまな情報交換を行うほか、学校においても保護者会などで登下校時の安全について話し合いを行っている状況がございます。
 ホイッスルについてのお尋ねがございましたが、これにつきましては、警察署の意見なども聞きながら、その効果や使用方法などを検討していきたいと考えてございます。
 子どもの安全については、年内を目途に地域生活の安全にかかわる庁内の課長会において、具体的な対策案の検討を進めているところでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、環境教育の中の平和の森の管理棟を学習の場にしてはどうかという御質問と、東中野駅周辺整備の御質問についてお答えをしたいと思います。
 まず、平和の森公園事務所でございますが、現在、公園管理の施設として、また平和資料室としても使用しているところでございます。自然に関します学習の場につきましては、今後、そのあり方や必要性も含めまして、総合的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、東中野駅周辺の整備につきましての御質問でございますが、まず、換気塔の規模の縮小につきましてでございます。この問題につきましては、除じん装置、脱硝装置の導入とあわせて、平成2年8月の中央環状新宿線の土地計画決定以降、東京都、それから首都高速道路公団等の関係機関に対しまして、重ねて要望をしてきたところでございますが、今般、脱硝装置の実用化のめどが立ったということから、換気塔につきましては、さらに沿道住民の生活環境や都市景観に配慮するよう、都や公団と協議を重ねてまいりたいと思います。
 次に、東中野駅前広場事業でございますけれども、環状6号線拡幅事業と整合をとりつつ、整備を進めていく必要があるということでございます。現時点のスケジュールでございますけれども、環状6号線の拡幅事業が平成18年度末の事業完了予定ということでございまして、その後、この駅前広場に着手をいたしまして、平成20年度完成を目指したいというふうに考えてございます。
 それから、工事費につきましてでございますが、今後精査をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、地元調整につきましては、本年10月をめどに、来月になりますけれども、町会、自治会、住区協議会、近隣区民等によります検討会を設置する方向で現在進めておるという状況でございます。
 次に、山手通り、中央環状新宿線の整備が進んでいるけれども、横断歩道の形状が目まぐるしく変わっていると。工事の安全対策について、区はどのように対応しているのかという御質問でございます。
 山手通りのJRの橋のかけかえ工事は、交通車両、車を迂回させながら工事を行っているということから、どうしても工程ごとに横断歩道等の位置を変更しながら進めざるを得ないという状況にございます。そのため、区といたしましては、工事の安全対策について、地域住民に工事内容の周知を図り、安全策や交通整理要員等を十分配置するよう指導するとともに、交通規制や横断歩道についても、交通管理者及び消防署等と十分な協議を行い、対策を講じるよう、指導しているところでございます。
 それから、東中野駅周辺にございます自転車駐車場の稼働率はどうなっているのかという御質問と、それから放置自転車の撤去以外に何か新たな取り組みの検討は行っているのか。それから、新宿寄り、日本閣側になりますが、こちらの放置自転車が多いということなんだけれども、区は対策をどのように考えているのかということでございました。
 東中野駅周辺の自転車駐車場の稼働率でございますが、東中野駅地下自転車駐車場が60数%でございます。また、東中野南自転車駐車場が30%となってございます。いずれも以前かなりこの数字が悪かったわけでございますが、3年前と比較いたしますと、現在2倍以上の利用率ということで、高くなってございます。
 それから、東中野駅周辺の放置自転車対策といたしましては、平成14年度には警察署と連携をして、放置自転車クリーンキャンペーンの実施など、マナーの啓発の教科を図る一方で、15年度につきましては、緊急地域雇用対策を活用いたしまして、自転車放置防止指導員を2名配置するなどの措置を行っているところでございます。
 今後も引き続き効果的な方策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、東中野駅の新宿寄りの放置自転車でございますが、現在、自転車駐車場がないため、自転車駐車場を設置してほしいという声が区の方にも届いてございます。これにつきましては、課題というふうに認識をしてございまして、ただ現在適地がないということで、今後検討してまいりたいと考えてございます。
  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 私からは、子育て支援等3点についてお答え申し上げます。
 まず、次世代育成支援の行動計画の策定に当たって、外部の専門家の方や現場で子育て支援に取り組んでいる方々に加わっていただいて、提言をどんどん出してもらったらどうかというものでございました。次世代育成支援対策の推進法に基づく行動計画の策定でございますが、これに当たっては、住民の意見を反映させるための必要な措置を講ずるべきだということが法で規定をされてございます。そういうことを踏まえまして、区としてもさまざまな方法で、幅広い区民の意見の反映に努めたいというふうに考えているところでございます。
 次に、子育て支援の視点から、養育家庭の体験講演会を実施してはどうかという御提案でございました。養育家庭の体験講演会につきましては、11月11日に東京都福祉局と共催で開催する予定でございます。養育家庭の皆さんの体験発表は、養育家庭の普及・啓発の契機であるとともに、先ほど申し上げました子育て体験者からの子育て中の親への貴重な体験談の提供の機会でもあると考えていまして、子育て中の方々に参加してもらえるような、適切な周知に努めたいというふうに考えてございます。
 それから、性別記載の見直しが可能なもののうち、削除を行うのはどれとどれか。また、その時期はいつかという御質問でございました。本年7月に行った申請書、証明書等の性別記載の点検・見直しの結果、可能と判断したものはすべてについて改善を行うこととしておりまして、来年の4月を目途に実施していきたいというふうに考えてございます。
    〔区民部長本橋一夫登壇〕
区民部長(本橋一夫) 私からは、住民基本台帳等についての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、ストーカー被害者などの住民票の写しの取り扱いにつきまして、事務処理基準で対応した理由は何かとのお尋ねでございます。
 ストーカー被害にはさまざまなケースが想定されるため、条例化するには具体的な事項について厳密な検証が必要であると考えました。一方、被害者保護のための対応につきましては、早急に講じなければならないということから、窓口での試行的な取り組みとしてスタートしたものでございます。DV、いわゆる家庭内暴力も深刻な社会問題となっておりますので、この事務処理基準による運用状況などを点検しながら、条例もしくは規則による規定整備を検討しているところでございます。
 次に、印鑑証明の性別記載についてでございます。印鑑証明での性別の表示は不可欠な記載ではないと考えておりまして、現在、条例改正の検討を進めております。
 次に、公的個人認証についてのお尋ねでございます。
 公的個人認証サービスの施行につきましては、今後、政令で定める日からということになっております。現在のところ、この政令は定められておりません。この間、東京都からは、仕組みや運用などについての説明があり、その中で実施に向けたテストを12月に行い、本格稼働は平成16年1月ごろになるだろうとの情報を得ております。
 次に、手数料についてですが、公的個人認証サービスにおきます電子証明等の発行業務は、東京都が所管することになっております。このため、手数料の額につきましては都条例で定められるものですが、現時点ではまだ未定とのことであります。
 次に、電子申請をいたしました証明書等の受け渡しについてのサービスポイントについてのお尋ねがございました。
 住民票の写しの交付につきましては、現在、本庁舎では夜間受付窓口--これは宿直ですが、あるいは第2、第4火曜日の午後7時まで窓口の夜間延長、それから第3日曜日の休日窓口でも対応しているところでございます。コンビニでの交付につきましては、受け渡しに当たっての本人確認、委託費や配達に要する経費などの問題とともに、地域センターなど区施設におきます証明書の自動交付機の配置などの課題も含めて検討してまいりたいと考えております。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 先ほど、東中野駅周辺整備につきましての御質問の中で、駅前広場と東中野駅舎がつながらないかということでの御質問がございました。これについて答弁が漏れてございましたので、大変失礼をいたしました。
 この駅前広場と駅舎の空間につきましては、区としても課題として認識をしてございます。これまでもJRに対しまして、空間の整備について打診をしてまいりました。これにつきましては、今後もなお実現に向けて粘り強く働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
     〔高倉良生議員登壇〕
14番(高倉良生) 時間も大分経過をいたしておりますので、簡単に再質問させていただきます。
 先ほど、区政運営のところで、区長さん初め区の方の答弁がございましたけれども、平成16年度の財政収支の見通しについても、現在の経営改革指針よりも厳しい、こういうようなお話がありました。ただ、その程度の見通しとの差はあらかじめ想定をされていることだと、こういう趣旨のお話があったわけです。それで、行財政5か年計画は多分、御答弁のニュアンスでは、もうほとんど意識をされていないのかなという感じがしておりまして、区長も前の答弁で5か年計画は3年目以降のいわゆる行革の見通しが余りはっきりしていないと、こういう答弁もあったかと思いますが、先ほどの御答弁の中で、新しい10か年の計画をつくっていく中で、財政再建のための道筋を明らかにしていくと、こういうお話があって、その前の御答弁の中では「真の行財政改革」なんていう言葉も出てまいりました。
 そこでちょっと、私も今回質問で、自分でよく整理できなくて質問してしまった面が仮にあったかもわかりません。この2年間、大変厳しい状況の中で、15年、16年、やっていくわけですが、その指針は経営改革指針ということなんだと思うんですが、その経営改革指針がありながら、なおかつ16年度はとても厳しい。こういうことなんですね。そうすると、15年、16年は、その場その場で対応していかざるを得ないのかなと、こういう印象がありますが、さらに17年度以降は、この財政再建のための道筋も明らかにした10か年計画と。そういう意味では、財政再建計画もかなりしっかりと組み込まれた計画なのかもしれませんが、この道筋ということを言うと、私きょうもお聞きしたんですが、具体的に区長が想定されて、いつごろまでに中野区というのはこの財政の大変厳しい状況から抜け出せるのかという、そういうお聞きの仕方がいいのかどうかわかりませんが、そういうところについての区長の見通しというんですか、認識を改めてお聞きしておきたいと思うんです。道筋を明らかにするということになりますと、10年かけて財政再建をなし遂げるのか、あるいはそれ以上時間をかけての道筋なのか、それもよくはっきりしないわけなんですね。現在の区政の最重要課題は、だれがどう考えても、財政の建て直しというのは最重要課題、その一つであることは間違いありませんので、その辺のところをもう一度ちょっとお聞かせいただければと思います。
 それから、もう一つ、ニコニコ事業団の法人化のお話をしました。先ほど、第二種からのというお話がありました。そこでちょっとお聞きをしたいんですが、今、障害者の就労支援のお話を私質問で取り上げたんですが、例えばこの第二種の法人化の場合に、障害者の就労支援というのが公益事業が可能なんですか。仮に、可能でないとすると、法人化した後、就労支援事業というのは一体どうなってしまうんでしょうか。つまり、法人の方ではできない。そうすると、別な任意団体か何かがあってするということになるのでしょうか。もし、そうであるとすれば、就労支援の事業というのが、むしろ後退をしてしまうんではないかという危険性というか、そういう懸念が私は感じられるわけです。そういう意味で、この一種からというような質問をいたしました。そこのところの見解をお聞かせいただければと思います。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをします。
 財政再建の道筋ということで、例えば10か年計画を策定するとしたところで、いつの時点で財政再建がなるのかというような御質問でありました。
 10か年計画の中では、財政再建のためには区の事業のあり方を変えていくということも当然盛り込まなければならないわけであります。そういう中で、人件費を初めとする経常収支比率がどう減っていくのかといった、財政の規模を小さくしながらも、新しい時代に対応する仕事のやり方といったようなことを記述しながら、財政再建の一つの要素を組み立てていくということになります。
 そのほかに、もう一方では、学校でありますとか、さまざまあります施設の老朽化、これに伴う施設の維持補修でありますとか、建てかえでありますとか、そういったようなことにも経費の支出を予定しなければならないわけであります。これらについても、今の形のものをそのままに維持し続けるというようなことでは、財政再建の成り立たない状況にもなってきているということも含めて、施設のあり方全体を見直していくということになるわけであります。
 この施設の建てかえといったようなことまでスパンに入れていきますと、この10か年の間で完全にその計画が成り立って、10年後に財政がこのような形で好転しているといったところまで、しっかりその数字をあらわすといったようなところまでの成果にはならないかもしれないと思っております。しかし、この10か年の計画で、どういう道筋で再建をしていくのかと。10か年後にもこういう計画をするといったようなことも展望した上で、10か年の中で再建に至る道筋を明らかにしていきたいというふうに考えているものでございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) ニコニコ事業団の法人化の件で、社会福祉法人になる場合に、第二種社会福祉事業を行う場合、どういった要件があるかなんですけれども、基本的に就労支援事業と併用できるかということになりますと、就労支援事業につきましては、公益事業として行えるということになります。ただし、あくまでも、社会福祉法人の場合、社会福祉事業がある一定以上の割合を占めていなければならないということで、基本的には50%以上でなければならないということでありますけれども、そういう中で、経過的には、最初の段階では社会福祉事業しか行えない団体というようなこともあり得ますので、その辺については、1年目には社会福祉法人と任意団体が並立するというようなこともあり得るというふうに、都との協議の中、事前指導の中では聞いております。
 いずれにいたしましても、我々といたしまして、今ニコニコ事業団がやっております就労支援事業はそのまま引き続き行えて、将来的にも社会福祉事業と就労支援事業は並立して行えるというような団体の運営を図っていくということで、これから指導・支援してまいりたいと、このように考えております。
副議長(やながわ妙子) 以上で、高倉良生議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議は、これをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、9月24日、午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日は、これをもって延会いたします。
      午後5時59分延会