平成15年09月19日中野区議会本会議(第3回定例会)

1.平成15年(2003年)9月19日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 14番  高  倉  良  生       15番  やながわ  妙  子
 16番  平  島  好  人       17番  むとう   有  子
 18番  はっとり  幸  子       19番  長  沢  和  彦
 20番  か  せ  次  郎       21番  山  崎  芳  夫
 22番  小  串  まさのり       23番  若  林  ふくぞう
 24番  市  川  みのる        25番  岡  本  いさお 
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ 
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子 
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる 
 42番  池  田  一  雄          
1.欠席議員(1名)
 13番  高  橋  ちあき
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  金 野   晃       政策担当課長   鈴 木 由美子
 総 務 部 長  石 神 正 義      総 務 課 長  田 辺 裕 子
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      地域センター部長 柳 澤 一 平
 環 境 部 長  寺 部 守 芳      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり調整担当部長 那須井 幸 一   教育委員会事務局次長  山 下 清 超   
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 書     記  大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)9月19日午後1時開議)
日程第1 認定第1号 平成14年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     午後1時01分開会
議長(山崎芳夫) ただいまから平成15年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
 3番佐野れいじ議員、40番昆まさ子議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は本日から10月22日までの34日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんのでさよう決定いたします。
 この際申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、斉藤高輝議員、伊藤正信議員、池田一雄議員、斉藤金造議員、酒井たくや議員、近藤さえ子議員、佐藤ひろこ議員、高倉良生議員、かせ次郎議員、伊東しんじ議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 斉 藤 高 輝
 1 区の財政事情について
 2 未収金対策について
 3 中野駅周辺のまちづくりについて
 4 住民基本台帳のカードについて
 5 1人ぐらしの高齢者の安否確認について
 6 職員の民間企業への派遣研修について
 7 通勤手当について
 8 自主団体やNPO支援について
 9 自然エネルギーの利用について
 10 がん検診について
 11 その他

議長(山崎芳夫) 最初に斉藤高輝議員。
     〔斉藤高輝議員登壇〕
37番(斉藤高輝) 2003年(平成15年)第3回定例会に公明党議員の一員として、当面する区政の問題や施策の進め方など質問させていただくに当たり、区長並びに理事者の希望あふれる建設的な答弁をよろしくお願いをいたします。
 初めに中野区の財政事情について伺います。
 平成14年度決算書からは財政指標を見ますと、実質収支は9億7,000万円余、実質収支比率は1.6%で、3%から5%が財政の望ましい実質収支比率とされている値から大きく落ち込んでいます。
 また単年度収支は、中野区政始まって以来の29億5,400万円余の赤字になっております。
 また財政の弾力性を見る経常収支比率は89.9%となり、70%から80%が適正とされているので、この水準を大きく超えております。
 さらに人件費率は31.9%で、依然として23区の中で人件費率が極めて高い区となっています。
こうした数字を取り出すことができる、14年度の決算ですが、区の財政状況に対する区長の認識を初めに伺っておきたいと思います。
 次に、区長就任1年3か月を経た今日と就任前と何が変わり、何が変わりつつあり、そして何をどうすればいいという確信を持つに至ったものがあれば、お答えをいただきたいと思います。
 この8月には、今年度の都区財政調整の当初予算が示されましたが、中野区では、当初予算額と比較して11億円余の減額となっています。そこで、今年度も財政計画について、この事態に対し、どのような手法を用いて、11億円の減額を飲み込んでいくのかお聞きします。
 また、16年度の予算については、さらに厳しい一般財源不足が見込まれているようです。このような状況の中で、どのように予算を編成していくつもりなのでしょうか。現時点でのお考えを伺います。
 この項の最後に、財政再建と新たな基本計画との関係について伺っておきます。
 新たな基本構想策定まで財政再建を実現する、もしくは確固たる筋道を立てることは必須だと思います。それを抜きにして、区長の言う財源の裏づけを持った計画を立てるというのは、セーフティーネットのない空中で綱渡りをするような、危険で不安定この上ない計画になると思います。
 そこで伺いますが、財政再建の方策と新たな基本計画との関係をどう考えているのかを伺って、この項の質問は終わります。
 次に、未収金対策について伺います。
 区民から当区の財政の厳しい中、住民税滞納者の問題が話題になります。現在の巨額な累積滞納額を区報等を見て、なぜ今まで放置していたのか、確かにサラリーマンのように、給与所得者で給料の中から自動的に徴収されている区民にとっては、一般財源の歳入は年々減少する中、払える能力があるのに払わない区民がいるのは、不公平な税徴収になってしまうと、そんな意見が出てくるわけであります。
 当区も税の公平な負担の観点で、毅然とした取り組みをしていただきたい。監査の意見書の中でも、歳入の面では土地売却など臨時的な財源対策を講じられたが、歳入の根幹である特別区税は、徴税努力にもかかわらず、予算計上額に達することはできなかったとありますが、毎年同じ文章ですが、監査事務局からはもっと厳しく指摘してほしいと思います。
 私は、平成12年の第3回定例会で歳入に対する心構えについて伺いました。それは、特別区民税、国民健康保険料、各種貸付金などの未収金対策について質問いたしました。今後も徴収に努力していくとの答弁はもう結構ということで、私は税収納向上対策推進会議のようなものを設置し、目標を設置して、区の総力を挙げて滞納解消に取り組んだらどうか提案をいたしました。担当部長からは、特に税収向上については、平成12年度から「税収確保3か年計画」を作成し、税収確保に取り組んでいくと答弁がありました。
 そこでこの「税収確保3か年計画」の現状と課題について伺いたいと思います。
 第1点は、現年分を翌年度に繰り越さないために税収確保に努めるとありますが、その取り組みと成果についてお聞きします。
 第2点は、少額案件の整理を強化するため、特別対策期間を設置し、納税職員一丸となって取り組むとしておりますが、滞納繰り越し分の成果をお聞きしたいと思います。
 第3点は、滞納額100万円以上の滞納者に対しての処理方針など、実施の方法についてお聞きします。参考のために申しますが、高額案件について八王子市の市長と助役も期間中に率先して激務の合間を縫って、大口滞納者宅を回り、評判がよかったと聞いております。
 関連して、もう1点、国民健康保険料、保育料についても未収納金の取り組みの現状もお聞かせください。
 この項の質問は終わります。
 次に、中野駅周辺のまちづくりについて2点質問させていただきます。
 まず第1点目の中野サンプラザについて、これは4点について伺います。
 第1点は、区は中野サンプラザ取得後の事業運営スキームの検討及び賃貸先などを予定する事業者選定にかかる調査の委託を行うため、この定例会に補正予算を計上しておりますが、調査の目的を失することのないような委託をしていただきたいと思います。
 サンプラザがこの時期を逸したら二度と取得することができない物件であるということは承知しておりますが、今回の調査の内容を見るとき、「上野原スポーツ学習施設」の二の舞となることのないように、複数の機関に委託を行って、それぞれの調査結果を十分に比較検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2点は、「区が3分の2以上を出資して設立する第三セクターに取得させる」という青写真を描いており、設立の出資は7億程度と考えているようですが、果たしてこれが画餅に帰さないという保証はどこにあるのでしょうか。設立した第三セクターは、もちろん自己資本で土地と建物を取得するだけの資本を持ち合わせてはいないわけであります。取得するには銀行などの民間資金の借り入れが必要であり、その際には、区が損失保証をつけることを考えているようですが、10年で採算がとれなかった場合、これが区の借金となって返ってくるおそれはないのか、お聞きをしたいと思います。
 第3点は、区が出資して設立するとはいっても、第三セクターは単なる法人にしかすぎず、税制上の優遇措置が何かあるわけではない。このことから、取得に際して、所有権移転にかかる登録免許税、不動産取得税、あるいは固定資産税や都市計画税などの公租公課が毎年課せられることとなります。サンプラザの運営は民間企業に行わせるとはいえ、公租公課の納付義務は不動産の所有者である第三セクターにあると思いますが、当然のことながら算定していると思いますが、現在の段階で近傍地からの推測ではどのぐらいの額になると概算しているのか、お聞きをしたいと思います。
 第4点は、現今の中野区の財政状況を概観すれば、設立する第三セクターが取得するとはいえ、50億余りの買い物は、それ相当のリスクと背中合わせと言っても過言ではなく、これがために30万区民の生活や「あすの中野かくあるべし」と区民との第一線で働いている職員士気に影を落とすことのないよう、また区長は裸の王様となることのないよう己を律して決断すべきであります。全責任は区長だと思います。区長はこのことについて、どのような決意をお持ちか、お聞かせください。
 もう1点は、警察大学校跡地利用について伺いたいと思います。
 中野駅周辺のまちづくりについては、当該地区に計画されていた清掃工場も中止となり、隣接する中野サンプラザの売却問題も一定の方向が出されるに至っております。そこで、中野区は警察大学校等跡地の土地利用計画の見直しを行い、今年度末を目途に新たな中野駅周辺の基本構想をつくるべく「中野駅周辺まちづくり調査検討委員会」を設置し、調査・検討が進められております。
 中野区では、これまで平成2年の「中野駅周辺地区整備構想」、平成13年度の「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」等、幾度なく構想や計画案を作成してきましたが、実現に至った案とはなっていない状況でございます。本当に区民にも迷惑をかけてきたことだと思います。区民の快適な生活や都市活動、中野の産業活性化のためにも、区内に残った希有な規模を有する警大跡地等を活用し、早期にまちづくりを実施していくべきであります。このためには、まちづくりを実効性あるものにしていく必要があり、実現可能性を十分見きわめたしっかりとした資金計画の作成と事業スケジュールの設定が肝要であると考えております。
 そこで伺いますが、今回、見直された警察大学校等跡地の土地利用計画を含めた中野駅周辺まちづくりは、どのような財源対策を前提として、道路、公園等の都市基盤施設を整備していくのか。また、今年度末には計画素案を策定した後の事業スケジュールはどのように考えているのかを伺いまして、この項の質問は終わります。
 次に、住民基本台帳カードについて伺います。
 この質問は、我が会派からも何人か伺っておりますが、私からも何点か質問させていただきます。
 9月7日の中野区報によると、住基ネット再接続の作業を8月13日から開始し、9月16日からは本人確認情報を利用したサービスが受けられ、住民基本台帳カードの交付などの2次サービスの開始は10月下旬ごろになると伺っております。
 間もなくこの住基カードが誕生するわけですが、写真つきの住民基本台帳カードについては、身分証明書として、役所関係はもとより、金融機関などでも利用できるということでありますが、この点、運転免許証やパスポートを持たない人にとっては期待している区民がいるのではないかと推察しております。
 そこで何点か伺いますが、第1点はカードの発行手数料について、第2次稼働がスタートしている自治体は、500円、700円、また1,000円というところもあるそうですが、当区は500円で決まったと考えてよろしいのでしょうか。
 第2点は、高齢者についてカード発行手数料を減免することを検討しているのかについても伺いたいと思います。
 第3点は、もし高校生クラスの年齢からカードの申請があった場合にはどのように対応するのか。
 第4点は、住基カードは磁気カードに比べ、記憶容量が断然大きいICカードですが、その容量が大きい点を生かした多目的利用についての検討はしているのか。例えば住基カードに図書館の利用者証や印鑑登録証を相乗りすることなどしているのか、伺います。
 第5点は、住基カードを利用した住民票などの証明を発行する自動交付機の設置は考えているのか、伺います。
 第6点は、住基カードがあれば、転入転出の手続が簡便にとれたり、住所地以外で住民票の写しの交付が容易に受けられることなどから事務の効率化も進み、人員を再配置したり、削減につながるという利点もあると思っておりますが、区の担当者は、この利点についてどのようにお考えなのか伺います。
 次に関連して、この住民票の閲覧について伺っておきたいと思います。
 最近、この住民票の閲覧をさせないでくださいという苦情が多くなってきたと思っております。
 住民基本台帳法は、住所・氏名・生年月日・性別の4情報について「だれでも市町村長に対し、閲覧を請求することができる」と定めております。このようなことから、ダイレクトメールの発送や世論調査などに利用されることが多いと言われております。中野区の閲覧件数は年間7,000件と聞いておりますが、個人の意思に反して郵送されるダイレクトメールの業者へ情報流出され、勝手に使われる危険などという域ははるかに超えてしまっていると思います。このような迷惑な閲覧であることに対して住民から批判が多くなるわけであります。
 当区として、この住民基本台帳法第11条第1項の住民基本台帳の閲覧に対し、どのような検討をしているのか。また、住民票閲覧手数料について、他区と比較して実態はどうなっているのか、御説明をいただきたいと思います。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、1人ぐらしの高齢者の安否確認対策について伺います。
 最近、内閣府は1人ぐらしの高齢者に関する意識調査を発表しました。一部紹介しますと、今後の生活について7割が1人ぐらしでいいと回答する一方、将来の生活に対して6割が「不安を抱いている」と答えております。そこで考えられることは、1人ぐらしの高齢者がひっそりと死んでいるという痛ましい悲劇がしばしばあることは御承知のとおりです。
 死因を見ますと、心不全・脳出血・心臓・血管系のようですが、これは御近所つき合いの薄さが感じられております。死後、発見まで1週間あるいは1か月以上の高齢者も多いようです。この問題は、区としてもいろいろな形で検討してきていることと思いますが、いま一つ成果が出ていないのが実情ではないかと思っております。
 他の自治体では、例えば1人ぐらしの高齢者の生活状況を郵便局外務職員に確認してもらう。またガスの使用量などを通じて見守り活動を行う。また、都内のある地域では、地域見守り協力員が見守り、支えていく。また、インターネット対応電話機のメール機能を使って、毎朝安否確認をしております。
 当区の人口の中でも単身所帯が多いわけですが、高齢化も進んでいるわけでございます。1人ぐらしの高齢者の健康や生活について不安が増大しております。私たちもこの1人ぐらしの高齢者に対し、ときどき、窓やカーテンなどの戸締まり、郵便ポストの状況を外から見守っているのが実情であります。1人ぐらしの高齢者が地域で孤立化することなく、安心して暮らせるよう、お互いに支え合っていく、生き生きとした地域社会のネットワークづくりが必要になってきていると思います。
 そこで、この安否確認が可能なシステム導入についてどのような取り組みを考えているのか、お聞きいたします。
 この項の質問はこれで終わります。
 次に、職員の民間企業への派遣研修について5点質問いたします。
 第1点は、昨年も実施した民間企業への派遣研修をイトーヨーカドー武蔵境店において、8月上旬に実施したようですが、このねらいは何か。また、派遣研修先が昨年と同じ会社である理由についても伺っておきます。
 第2点は、イトーヨーカドーで武蔵境店のような大規模小売店舗における研修を通して、今後の区政運営に当たって住民サービスの面でどのような期待をし、また生かしていこうとしているのか伺います。
 第3点は、派遣する職員の人選について、どのような基準で行っているのか。今回は区長室の部課長級の職員2人を含んで派遣されたようでありますが、職員に派遣研修の意義を理解させるような工夫も大切ではないか、これも伺っておきます。
 第4点は、来年度以降も同様の派遣研修を考えているのか。考えているとすれば、大規模小売店以外の業種への派遣を視野に入れてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 第5点目には、長年議論されてきた清掃工場建設も中止となった今日、ごみ減量について、より議論が高まることは容易に予想されてきております。聞くところによれば、区内の企業系のごみの分別について区役所がワーストワンであるとか。そこで、業種を問わず、全ての職員が何らかの形でごみ回収業務に携わるような研修の実施を提案したいと思います。これまでの体験的なものではなく、全職員が業種を問わず、ごみ回収業務の研修に参加すべきと考えますが、これについてはいかがでしょうか。
 この項はこれで終わります。
 次に、職員の通勤手当について伺わさせていただきます。
 長引く不況の中で、企業も一般家庭でも知恵を絞って経費節減に努力しているわけであります。行政についても庶民感覚とかけ離れた「官民格差」は、国民の税金ということを考えると是正すべきであります。
 例えば、こういうことがありました。この質問項目の通勤定期券代、民間企業なら割引率の高い6か月定期が当たり前なのに、信じられないことですが、国家公務員は割高な1か月単位の定期券代が支払われております。これを6か月定期に切りかえたらどうなるのか、JRの割引率を基準に試算してみたところ、年間で約75億円も通勤手当代が削減できることがわかったということであります。
 今、この説明した内容は、公明党の参議院議員の山下さんが決算委員会で指摘されたわけでございますが、その質問に対する答弁は、小泉総理大臣でございました。小泉さんの答弁は「今、初めて伺った。これは検討に値する、なぜ今までできなかったのか」と驚いたということであります。
 そこで当区の職員の通勤手当について伺わさせていただきますが、第1点は、職員には、1か月定期券の相当額を支給しておりますが、現在、通勤に鉄道、バス等を利用している職員数、そして通勤手当支給額はどのくらい支払われているのか。また、自転車等を利用して手当が支給されている職員数と額はどのくらいあるのか伺います。
 もう1点は、1か月定期券を6か月定期券に切りかえた場合に、財政削減効果、どのくらいになるのか、これもお伺いさせていただきます。
 第4点は、この長引く不況の中で、役所ももっと節約できるのではないでしょうかと思いますが、今後のあり方に対する区長の所見も伺っておきたいと思います。
 こうしたこの手当に関連して、今度は職員の退職手当についても伺っておきます。
 職員の退職金に関しては、退職時に基本給を引き上げて上積みする名誉昇給制度が23区共通の規定としてあり、2号昇給までできるとされております。
 名誉昇給による退職金の増額分は平成14年度で総額3,226万円余、平均額で37万円余、最高額では104万円余となっております。
 この名誉昇給は、人事委員会が定めた基準のとおりで、公務上の殉職や公務災害による場合、また功績顕著な公務員に対するものとしての意味はあろうかと思います。しかし、定年退職のほとんどが2号昇給というのが実情であるとすれば、区民感情にもそぐわない制度だとも言えます。中野区として名誉昇給制度の運用の現状と、今後のあり方に対する区長の所見をお聞きします。
 もう1点は、調整手当についても伺います。
 ことしの人事院勧告では、国家公務員に対し、月給に上乗せ支給している、この調整手当を抜本的に見直す方針を決めたわけですが、地方に勤務する国家公務員の給与が、その地域の水準を上回っているとの批判を考慮したとも言われておりますが、そこで、現在中野区では支給されている、この調整手当の目的と内容と支給人数及び総額はどのくらいになるのかお聞きします。
 中野区は、この調整手当についてどのように考え、取り組まれようとするのか、お伺いをいたします。
 この項の3点の質問は以上で終わります。
 次に、自主団体やNPO支援について伺います。この項目は1年前の第3回定例会でも伺っておりますが、再度お聞きいたします。
 区長は、地域センター等を利用して月2回「区長と語る会」を実施してまいりました。その中で、自主団体やNPOがこれから地域に果たす役割を重視し、行政としても何らかな支援を行うとして「新たな支え合いの地域社会をつくるため、幅広い区民の力を生かしていきたいと思います」と「そのためには自主団体やNPOなど区民による公益活動やボランティア活動を地域の中で生かし支援します」と区民に表明をしているわけですけれども、またことし2月策定しました「中野区経営改革指針」の中でも「区民の自主的活動への発展の支援」として、15年度のNPO・自主団体支援方針の策定として、16年度に「支援条例制定」を掲げております。そこで、この支援条例及び関連質問をさせていただきますが、そのまず第1点としまして、この支援条例制定に向けての検討組織、また対象団体や財政援助等の支援内容について現段階での検討の進捗状況はどうなっているのか、伺います。
 第2点は、地域でNPO等が福祉の分野を初めとして地域センターを利用するなどして、さまざまな活動をしております。行政が支援できる部分として、場の提供、情報の収集と提供、財政支援があると考えていますが、特にNPO等がひとり立ちする初期には財政的側面からの支援が重要となってまいります。財政的に苦しい状況にある中野区としては、どのような財政的支援を考えているのか、伺います。
 「中野区経営改革指針」では、NPO等が利用できる融資制度の実施をうたっておりますが、内容はどのようなものか、伺います。
 第3点としまして、町会等の自主団体の新たな支援策について伺います。新たなこの自主団体やNPO支援も大切でありますが、これまで中野区政や地域に多大な貢献をしてきている町会等の自主団体との関係も、これまで同様大切であります。NPO等の支援に合わせて、これらの団体の新たな支援を考えるつもりなのか伺います。
 この質問は以上で終わります。
 次に、自然エネルギーの利用について伺います。
 ことしの夏の電力不足対策として、東電から地方自治体にも節電協力要請があったと思います。その要請を受けて、中野区も全庁的な対策を行ったと聞いております。今回は冷夏の影響もあり、大事に至らなかったが、節電は夏冬にかかわらず、1年じゅう心がけなければならない問題であります。環境問題の点からも、これから太陽エネルギーや風力発電の利用を区として広く区民に呼びかけていくべきではないでしょうか。
 それでは、以下3点についてお尋ねいたします。
 まず第1点は、8月20日の日本経済新聞に「家庭向け太陽光発電」に杉並区が費用補助を行う記事がありました。この記事によれば、40万円を限度に15件に補助をする。新エネルギー財団の補助金と合わせれば、総経費の3割を補助金で賄えるとのことであります。区としても何らかの行動を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 第2点は、8月15日の日本経済新聞に、厚木駅の繁華街に「厚木なかちょう通り」商店街の街路灯のうち、12基は太陽光と風力発電を蓄電した電力とのことであります。環境に配慮した特色ある商店街の一例であります。個人への直接補助が困難であるならば、商店街への助成という形で援助はできないでしょうか。
 第3点は、今年度、区長は区内の小中学校に対し冷房機を設置いたしました。都会特有のヒートアイランド対策の一環としての学習環境改善は評価できると思いますが、設置したクーラーの補助力として太陽・風力発電の利用を考えてはどうでしょうか。太陽や風力の加減によって電力が変動する太陽・風力発電を学校に設置することにより、児童生徒はより自然を意識するようになるのではないかと思います。環境教育としても有効ではないかと思います。区として御見解と今後の対応についてお伺いいたします。
 この項の質問は終わります。
 次に、がん検診について質問いたします。
 3点質問する予定でありましたが、次の2点は、肺がん検診の見直しとがん検診の実施とともに、がんの手術後、何年生存したかについての2点は取り下げます。
 それでは残りの1点について質問いたしますが、前立腺がんの検診について伺います。
 私は、平成10年第2回定例会で前立腺がん検診について質問させていただきました。その時の担当部長は女性ということもあって、今まで理解していない答弁のような気がいたしました。前立腺がんは男性特有のがんです。「高齢者がん」とも言われ、60歳以上の高齢者で占められております。自覚症状がなく、症状が出たときには、既にがんはかなり進行し、手術ができない高齢者も見かけることもあります。血液で調べるPSA、いわゆる前立腺特異抗原は、前立腺にがんができると、そこだけにある特異たんぱくが血液中に漏れ出してくる性質を利用した検査だということであります。
 都内での前立腺がんの検診を実施している区は、中央区、目黒区、葛飾区、板橋区、墨田区、江戸川区の6区で、また現在検討しているのは3区とあると伺っております。中野区でもがん対策の一環として実施したらどうでしょうか。
 もう1点は、この前立腺がんは、これまでのところ、まだわかっていないところもあるようですが、しかし、早期に発見して治療すれば治すことのできるがんとも言われております。そこで、前立腺がんの健康講座等を開き、区も積極的に援護してはいかがでしょうか。
 この項の質問は終わります。
 では最後のその他の項に入りますが、防犯対策について伺います。
 今まで我が国は治安がいいということで安心して暮らしたこともありました。ところが、現在、犯罪件数が多くなり、特に重要犯罪としての殺人、強盗、連続放火、ピッキングというように凶悪化し、加えて外国人犯罪が増加してきております。
 窃盗犯では、自転車泥棒とひったくりが多発してきております。野方警察署の地域課で発行している「交番便り」という新聞があります。その新聞の中で、野方署管内で7月24日現在の侵入盗とひったくりの発生件数が紹介をしております。ことし発生したこの侵入被害は218件あると、そして地域では野方地域方面が一番犯罪が多いということが、この数字に出ているわけでございます。内訳は、ひったくりが10件、侵入盗が29件と、この両方ともに野方地域が一番犯罪が多い地域ということで防犯体制の徹底を再確認しております。
 そこで質問させていただきますが、第1点は、中野区の増加している犯罪の傾向と内容について、どのような防犯意識の啓蒙に取り組んできたのか伺います。
 第2点は、防犯は警察にだけお願いするのは無理であります。地域の皆さんが一緒に力を合わせて明るいまちづくりに取り組む必要があります。そういう中で、とりわけ急激に増加しておりますのが、路上強盗、ひったくりのたぐいの街頭犯罪であります。もう一つは、家に侵入してくる窃盗、強盗とが治安を悪くしているのではないでしょうか。
 そこで、犯罪が発生しにくい環境整備を進めなければなりません。現時点の犯罪の傾向と内容についてお伺いいたします。
 我が党の杉並区の議員に伺ったところ、犯罪抑止のために「安全パトロール隊」を発足し、区から委託を受けた警備会社の警備員を中心に構成し、犯罪抑止のために呼びかけながら巡回するとのことです。確かに犯罪をパトロールによって抑えることが一番重要な防犯体制だと思います。
 そこで当区として地域と連携した防犯抑止のために具体的にどのような検討をしているのか、また役所の中ではどこの部が中心になって進めていくのか。そこで当区としても財政的支援を含めて、民間ボランティア、地域の中での防犯ボランティア組織を育成し、パトロールを強化してはどうでしょうか。犯罪者への警告をしていくことも大切であります。地域パトロールについて区はどのように考えているかも伺っておきます。
 もう1点は、都議会で「安全・安心まちづくり条例」が賛成多数で可決され、10月1日から施行されるようですが、都の関係者に効果のある防犯設備はあるのかと伺ったところ、注目を集めているのがスーパー防犯灯で、通常は普通の街灯ですが、ボタンを押すとカメラとマイクのスイッチが入り、警察署とつながるということであります。監視カメラが周辺の映像を撮影し、警察に送るハイテクな設備だと説明をしていただきました。
 このスーパー防犯灯設置については、各政党からもいろいろな意見があったようですが、被害の未然防止を図るために開発された通報装置ですが、中野区はこのスーパー防犯灯について、地域の安全のために区内に設置することに対し検討しているのか、また中野区が管理しております公共施設等についても、防犯上の安全点検を積極的に取り組むべきだと考えておりますけれども、御所見を伺っておきたいと思います。
 次に、その他の最後になりますが、平和の森公園内にドッグラン、犬の広場とか訳されておりますけれども、区の御努力もあり実現してきました。その周辺には明かりがないということで、ぜひ街灯の設置を考えていただきたいという声が多くなってまいりましたので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 斉藤高輝議員の御質問にお答えをいたします。
 私の方からは区の財政状況、またサンプラザの問題、それから中野駅周辺のまちづくりに関連してのサンプラザの問題、それから通勤手当に関連しての幾つかの問題にお答えをさせていただきます。
 まず区の財政事情についての質問であります。
 財政の弾力性を見る経常収支比率が89.9%、また人件費比率も31.9%、依然として23区の中でも極めて高い水準にあるといったようなこと、御指摘をいただきまして、このような14年度の決算状況についての認識をという御質問でありました。
 経常収支比率については、依然として高い水準にあるということはそのとおりであります。人件費を中心として削減に努めているところでありますけれども、特別区交付金などの経常的な歳入、これが非常に落ち込んだというようなことが大きな要因となりまして、区の財政状況を厳しくしているということであります。
 こういった傾向は、年度によって多少の変動はあるものの、大きな流れとしては変わらないというふうに私は認識しなければならないというふうに思っております。区税や特別交付金などの一般財源は、今後も大きな伸びは見込めないということでありまして、今まで以上に経常収支については縮減をする、そして弾力性のある財政構造への転換を図っていくということで、将来の新しい地域社会、中野区をつくっていくということに対応できるような区政の形をつくっていかなければならないというふうに思っているところであります。
 続きまして、財政状況に関連して、区長に就任してから1年3か月がたったと、就任前と現在とどう変わったのかと、それからどうしていけばいいのかといったようなことについての考えをという御質問でありました。
 就任前の中野区政、これについては財政的な行き詰まりといったようなことから政策的にも停滞をしていたというふうに認識をしています。そして、区政の構造そのものを改革をしていくというようなことについての取り組みはなかなか手をつけられずにいたわけであります。現在は財政構造の改革について一定の道筋をつけながら、将来の社会のあり方を見通した行政の形をつくり出していく、そのための努力をしていると、こう考えています。組織においての仕事の進め方や職員の意識、これにつきましても、区民にとってのサービス、区民にとっての価値をいかにして実現していくかという目標を正しくとらえまして、それぞれの担当している中での達成度合いと成果を評価しながら進めていくと、こういう考え方に基づいて全体的に改革を進めてきたところであります。
 とはいいながら、改革はまだまだ端緒についたところということでありますので、一層構造改革を進めていかなければならない、こう考えております。
 サンプラザの取得についての御質問のうちの幾つかにお答えをします。
 第三セクターは金融機関からの借り入れによって賄うと、10年間で採算がとれなかった場合、区が借金として負担する可能性があるのかといったようなことであります。借り入れに際して区が金融機関との融資条件などの話し合いの中で損失保証をつけることはあり得るというふうに考えております。しかし、この第三セクターというのは10年間で解散をするといったような性格のものというふうには考えておりません。雇用・能力開発機構側の提示条件であります、10年間は現在のような形で運営してほしいという、そういう期間が終了した以降の時点で建てかえを行うといったような場合にあっても、中野駅周辺のにぎわいの中心として、より有効にサンプラザの建物や用地あるいは事業の実績、知名度、こうしたものを活用していくことになるわけであります。第三セクターは将来にわたってサンプラザを活用しながら、まちづくりの役割を担うものでありまして、10年間での採算を考えているものではありません。
 それから、第三セクターが取得することになるとはいえ、今の中野区の厳しい財政状況を考えれば、50数億の買い物というのは大変リスクが大きいと、30万区民の生活への影響といったようなことを考え、第一線で働く職員の士気を考え、区長がおのれを律して決断すべきであるという御意見でありました。まさにおっしゃるとおりであります。
 サンプラザの取得、このことは中野区のまちづくりにとって非常に重要な意味を持つというふうに考えております。30万区民の、この中野区の将来の反映、にぎわい、そして区民の生活や福祉、そうしたことにつながっていくまちづくりの非常に重要な核になっていくものであります。責任をもって、このサンプラザの取得が中野区のまちづくりの大きな一歩となって中野区を魅力あるまちにしていくよう全力を尽くしていく、そのような所存であります。
 それから通勤手当に関連をして幾つかの御質問がありました。
 通勤手当、現在のあり方、長引く不況の中で区役所ももっと節約をすることができるのではないかと、今後どうするのかといったような御質問でした。
 実は通勤手当、これについては23区の間でつくっております特別区人事委員会で定めている事項によって支給をしているものであります。1区単独の判断での対応というのがなかなか難しいわけであります。そうしたようなこともあり、通勤手当というのは実費弁償的な性格を有する手当でありますので、個々の職員の通勤手当の認定に当たって最も経済的かつ合理的な経路を決定するという厳正な運用に努めていくことが、まず何よりも大切であるというふうに考えております。
 今後のあり方については、23区の中での議論も含め、中野区としてしっかり問題意識を持ってまいりたいというふうに思っております。
 それから退職時の名誉昇給の問題であります。定年退職者のほとんどが2号昇給といったようなこと、区民感情にそぐわないではないかという御質問であります。
 私としてもそのように考えているところであります。この名誉昇給制度についても、特別区人事委員会の承認を得た基準に基づいて処理をしてきたところでありますけれども、御指摘のありましたように、退職者のほぼ全員が一律に昇給するといったような問題点は認識をしなければならないと思っております。今後、適用者を真に功績顕著なものに限るなど、区民の理解が得られるような仕組みに見直していきたい、こう考えております。
 私からは以上でございます。その他の御質問につきましては、それぞれ担当の各部長よりお答えをいたします。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは区の財政事情について、また職員の民間派遣研修について、また通勤手当、防犯対策についてお答えさせていただきます。
 まず区の財政状況でございます。
 この8月に都区財調整の当初算定が発表されました。中野区は予算額と比較して11億円ほどの減額になったわけでございます。それに対して、今年度の財政計画、どうするのかということでございます。今回、算定されました結果でございますが、さらに財調財源に100億ほどの算定残が現在残っている状況にございます。この算定残につきましては再算定ということがあるわけですが、まだ算定されていない特別交付金を合わせて、中野区で取得できるものについては、さらに努力をして確保していきたいというふうに考えてございます。
 また歳出抑制ということで現在行っている事業執行に当たっても、より一層の経費節減を行っていきたいというふうに考えてございます。また、歳入面での努力でございますが、特別区税を初めといたしまして、区の努力、職員の努力によって増収が見込める収入につきましては、できる限り予算額で終わるということではなくて、とるものはとっていくということで努力していきたいというふうに考えてございます。
 また、さらに16年度の予算編成についての財源不足の見込みについて御質問がございました。確かに区長が言いましたように、現在も財政再建、この真っただ中にあるわけでございます。そうした中で歳入増が見込まれないという中では、予算編成についてさまざまな工夫は必要だというふうに考えてございます。来年度に当たりましては、事業部制の導入を考えております。また、こういったことを踏まえまして、各部に一般財源を配分しまして、各部長は区長の指示のもとに配分された一般財源の範囲内で、みずからの権限と責任によりまして、予算を調整する過程の中で、事業の適正な見直しを行うということで削減に努めていきたいというふうに考えてございます。
 次に、職員の民間派遣研修についてでございます。
 御質問にもありましたように、昨年から民間企業への派遣研修を行っております。この民間企業への派遣研修の目的でございますが、民間企業活動を現場で実際に体験するということによりまして、経営感覚、コスト感覚を身につけていただきたいということから、そういった目的に沿いまして、こういう活動を行っておるわけでございます。また実際のお客さんと接客をするということから、言葉ではなく、実態としての接客マナーであるとか、職場の中でミーティングをやるとか、そういった実態を経験してもらうことによりまして、必要なコミュニケーション、またお客様の苦情に対する対応であるとか、提案に対する対応を具体的に現場で実践してもらうということで、区政運営の現場でも生かせる点があるというふうに考えて行っているわけでございます。
 昨年度につきましては、イトーヨーカドー赤羽店で実習を行ったところでございますが、イトーヨーカドーの経営理念というところを見ますと、顧客主義、現場への権限移譲、こういったことを行っておりまして、現在、区が取り組んでおります構造改革を進めるに当たっては、多くの学ぶ点があるということから、今年度も同じ企業を選定いたしまして研修を行ったところでございます。
 また、この派遣する職員の人選についてでございますが、昨年度につきましては、係長、課長、部長という形で、各職層に対して枠を設けて実施をしたところでございますが、今年度は広く、希望する職員を募りました。志望動機や所属長の意見をつけて応募してもらいまして、総合的に審査して決定したところでございます。
 また、この研修につきましては、個々が研修しただけで終わるのではなくて、職場に反映してもらうということから報告会の実施、また庁内LANなどでそれぞれ報告を公開するということで啓発に努めているところでございます。
 また、来年度以降の民間派遣の研修でございますが、来年度以降も率先して実施していきたいというふうに考えております。今年度まで行っておりました小売業以外でも、今年の6月から検討し、ここで実施してきました、信用金庫など金融機関への長期間の派遣、その他のことにつきましても、中野区の経営にとってプラスになる点については、率先して民間に派遣するということをしていきたいというふうに思っております。
 具体的には、現在、さらに幅を広げて考えておりますのは、他自治体、先進自治体への派遣、また社会福祉法人やNPO、こういった活動を実際に経験してもらうということで考えております。また、2、3日の体験研修ではなくて、実際にそこの中に入って、長い期間経験を積んで、経営感覚をさらに磨いてもらうというような形でのことを考えておるところでございます。
 さらに、現在行っているごみ回収への研修でございます。現在も実施しているところでございますが、さらに今後も引き続き継続していきたいというふうに考えてございます。
 ごみ収集体験の研修は、ごみ問題について職員の意識を高めることができるということで貴重な研修だというふうに考えております。こうした体験を通して、先ほど区のごみ収集について非常に悪いというふうにありましたが、ごみ分別の徹底を図るということにしていきたいというふうに考えてございます。
 次に、通勤手当についてでございます。
 今回の人事委員会の勧告で1か月ずつ支払いをしていた通勤定期につきまして、6か月まとめて一括支給という形に変更ができることになったわけでございますが、これが同じように、まだ特別区については人事院勧告ありませんが、国と同様になった場合ということでございますが、これで計算してみますと、1人当たり約2万円が年間節約されます。全体でいいますと、現在14年度段階で支給されている職員は2,416人ですから、年間で節減額が5,930万ほど見込まれるということでございます。ちなみに手当額は年間4億2,652万円でございます。
 申しわけありません、今言いましたのは、通勤手当全部ですね、バスだとか、電車だとか、そういったものを全部合わせて2,416人ということでございます。また、自転車等を利用して、手当が支給されている職員数でございますが、14年度では319人で手当額は1,066万円でございます。
 次に、調整手当の見直しについてでございます。また、その支給されている手当の内容と支給人員、総額は幾らかということでございます。
 給料につきましては、公務員としての労務提供の対価という性格を持ちまして、仕事の性格上、全国標準を想定して定められているものでございます。調整手当は、その自治体の所在地の特性、勤務地の物価等を考慮して、生活実態を保障するためのものというふうになってございます。平成14年度では、支給されている職員は3,068人で、手当額は年間16億2,308万円でございます。
 次に防犯対策でございます。
 区内の防犯対策の犯罪傾向ということでございますが、区内の犯罪件数につきましては、平成13年度の8,100件から14年度、この1年間でございますが、6,740件と減少してきております。しかし、先ほどありましたように、侵入盗につきましては、平成10年の600件余りから近年は800件という形で大幅な増加が見られるという状況にございます。こういった多発、全体に件数は減っていますが、犯罪傾向が偏ってきているということを認識しているところでございます。
 区といたしましては、区民や地域から犯罪情報が入り次第、必要に応じて、その地域の関係団体や地域の情報を提供するということ、また警察署にパトロール等の強化を要請しているところでございます。
 また、この防犯対策についてでございますが、御質問にありましたようにパトロールなどによる地域巡回、または防犯ボランティアの育成、スーパー防犯灯などに対する犯罪を抑止する効果でございますが、さまざま経験しているところから聞きますと、それなりの意義があるというふうに聞いてございます。また、それは必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 区民団体や関係団体と協議しながら、中野区の地域特性を、先ほど言いましたように犯罪の傾向等も配慮しました、地域特性を踏まえた実効性のある防犯への取り組みをしたいというふうに考えてございます。
 また、中野野方警察署と現在話し合いをしているところでございますが、地域の安全点検、東京都が条例をつくりましたが、そうした方面によりまして、そういった警察署と連携をとりまして、これは樹木が繁っているところで危険があるところであるとか、若者がいるところであるとか、そういったところを警察署の職員の目線で指摘してもらって、一覧を作成し、対応していくというものでございますが、そういう対応を早期に実施していきたいというふうに考えております。
 また、区が管理する施設の防犯上の点検についても、今後早急に行っていきたいというふうに考えてございます。
 防犯対策につきましては、総務部が中心に対応しているところでございます。さらに具体的な対策について庁内挙げて検討していきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私の方からは財政再建と基本計画についての関係、それからサンプラザに関する御質問、それから自主団体やNPO支援についての検討状況等についてお答えいたします。
 まず財政再建についてのお尋ねでございます。新たな基本構想策定までの間に財政再建を実現する、もしくはきちんとした道筋を立てなければならないというようなことでございます。また、その財政再建の方策等、これから策定する新たな基本計画との関係についてのお尋ねでございます。
 現在、経営改革指針に基づきまして、しっかりとした財政基盤を構築するための一層の行財政改革を進めているところでございます。しかしながら、16年度に予定しております基本構想策定までの間に財政再建を完了するというような見通しは立ってございません。したがいまして、これからもこうした道筋をしっかりとたどっていく必要があるというように思ってございます。
 したがいまして、基本構想、基本計画の中では将来の区政、地域社会のあるべき姿を描き、その実現に向けた姿を示すことにしておりますけれども、財政構造改革の道筋についても、その中で合わせて明らかにしていく必要があると、そのように考えてございます。
 次に、中野サンプラザについて、調査委託経費のお話と、それから公租公課、税の問題についての御質問にお答えいたします。
 サンプラザの取得に関する調査を予定しているわけでございますが、どういう形で調査をするかということに関して、複数の機関に調査を委託してはどうかというようなお尋ねでございます。今回予定しております調査につきましては、雇用能力開発機構との譲渡に関する協議が進んだという状況を踏まえまして、取得後の事業運営スキームなどの検討を行うために予定しているものでございます。この調査の中では、取得の枠組み、取得後の運営の枠組みと、それぞれ明らかにしていきたいというように思ってございます。
 調査委託、複数でというようなお尋ねでございますが、1社を想定しております。しかしながら、業者を選定するに当たっては、プロポーザルを行い、ノウハウがある業者など、十分に比較検討して選んでいきたいというように考えております。
 次に、中野サンプラザに関して、取得時の登録免許税、不動産取得税、それから取得後の固定資産税、都市計画税などについてのお尋ねでございます。
 この第三セクター、株式会社を想定しておりますので、税制上の特段の優遇はないというように想定しております。登録免許税については1%で1億2,000万円程度、不動産取得税は3%で3億6,000万円程度、合計で約4億8,000万円程度になるというように見込んでございます。これは購入時の取得に関する税の負担ということでございます。また、取得後につきまして、固定資産税、都市計画税がかかってくるわけでございますが、現にかかっている金額から見ますと、年に2億円弱の固定資産税及び都市計画税がかかるものというふうに想定しております。この負担につきましては運営の枠組みの中で見込んでいくということにしてございます。
 次に、自主団体やNPOの支援についてのお尋ねでございます。
 NPO自主団体支援方針の策定を今年度、来年度、16年度には支援の条例の制定ということでやっているということでございます。この自主団体の支援ということにつきましては、まず大きな考え方といたしまして、持続可能な地域社会をつくっていくためには公共的な役割を行政だけが担うのではなくて、新たな支え合いの仕組みや担い手が必要であるという考えに立っているものでございます。現在の検討は、区長室を中心に行ってございまして、NPO法人を中心にヒアリングや意見交換を行っております。また、9月27日にはNPOや自主団体活動への理解を深め、区との関係やまた役割について考えるためのフォーラムを実施するということにしております。今後もそういう論議を行っていきたいというふうに思っています。
 こうした区民との意見交換あるいは議論を通して、さらに検討を進めまして、年内には支援の対象や具体的な支援内容について盛り込んだ、支援の方針案というものを策定したいというように考えております。
 支援条例につきましては、今年度に策定を予定する方針の内容を踏まえまして、来年度、これは自治基本条例の検討等と合わせて、どういった内容にすべきか考え、つくっていきたいというように思ってございます。
 次に、NPO等について、ひとり立ちする時期、財政的支援が重要ではないかと、どのような支援をするのか、また融資制度について、経営改革審で述べているが、どうなっているのかというような御質問でございます。
 NPOの支援に当たっては、NPOが事業の自立性、継続性をいかに確立していくかということが重要だというように考えております。単なる財政支援を行うということだけでは、事業の自立につながるということは困難でございますので、具体的な支援を行うに際して、その範囲や対象をどうするかと、慎重に検討しているところでございます。
 また融資についてでございますが、NPO法人への融資につきましては、民間の金融機関がNPOへの融資制度を始める動きもございます。そういった動きに注目して、さらに検討したいと、検討を継続しているという状況でございます。
 また、NPOに関しまして、町会と自主団体への支援策をどう考えるかというようなお尋ねでございます。町会を初めとする地域の自主的な団体は、地域の中でさまざまな公益的な取り組みを行い、中野のまちづくりに大きく貢献をしていただいている、町会、自治会についてはそういった存在であるというように認識しております。今回の自主団体への支援を検討している中では、こうした団体も視野に入れて検討を行っているところでございます。
 私の方からは以上でございます。
    〔区民部長本橋一夫登壇〕
区民部長(本橋一夫) 私からは未収金対策、住民基本台帳カード、そして自然エネルギーを利用した商店街街路灯についての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず未収金対策についてであります。
 税収確保3か年計画に基づいての現年度分収納のための取り組みと、その成果についてのお尋ねがありました。平成13年度、14年度の2年間の時限的措置として、滞納対策担当課長と現年納税係をおきまして、現年課税分及び高額分の滞納整理を所管させて、現年課税分を中心とした納税部門の強化を図りまして、臨戸徴収などに取り組んでまいりました。
 その結果といたしましては、現年度課税分につきましては目標収納率の98%には達しませんでしたが、各年度それぞれ0.2%ずつ向上しております。14年度は97.2%収納率になっております。
 次に少額案件についての対応でございます。特別税収確保対策といたしまして、平成14年度の4月から12月にかけまして、現年度課税分と滞納繰越分の10万円以下の未納者に対しまして、一斉催告、臨戸徴収調査を行いまして、未収金の圧縮に努めてまいりました。
 現年度分を中心に収納金の圧縮に努めておりますけれども、滞納繰越分につきましては、14年度決算では収入未済額が28億9,196万円となりまして、前年度比で2億344万円の減となっております。
 次に、滞納額100万円以上の高額案件の処理についてのお尋ねでございます。これにつきましては、特に専門性の高い税務知識や経験が必要とされ、事務処理にも時間がかかります。そこで、高額滞納案件につきましては、平成10年度に特別整理係を設置いたしました。また、平成11年度からは国税局並びに都主税局のOB2名を特別区税滞納整理推進員として配置いたしまして、積極的に整理強化を図ってまいりました。平成14年度に不動産公売を視野に入れた納税交渉も進めまして、公売に至る前の段階で、約1,200万円の納付がありました。自主納付に至らなかったものにつきまして、1件公売を実施いたしました。その結果、延滞金を含めまして、約840万円強の収納を得ております。
 次に、国民健康保険料にかかる未収金についてのお尋ねであります。収納率の実績は、13年度が86.3%、14年度が86.5%で、前年度より少しずつ向上しているものの、行財政5か年計画で示されました収納目標率には及びませんでした。このように目標を達成できなかった原因といたしましては、長引く不況によりまして、納付困難な加入者が増加したことなどがその一因と考えられます。
 具体的な未収金対策といたしましては、保険料収納特別月間を設定して納付交渉の実施をする、また短期保険証を発行する、財産の差し押さえや換価処分を実施する、口座振替の勧奨をするなどに取り組んでおります。今後とも国民健康保険料の収納確保に向けてさまざまな工夫を講じてまいりたいと存じます。
 保育料の未納金につきましてのお尋ねがございました。あわせて私の方からお答えをさせていただきます。
 保育料につきましては、平成12年から督促、催告書を保育園に送付いたしまして、園長が直接滞納者に手渡しし、納付を促すことにしております。また、保育園においても、保育料の徴収ができるようにしております。これによりまして、平成14年度の現年度分対調定収入率は99.5%でありまして、未収率は0.5%という状況にございます。
 次に、住民基本台帳カードについての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず住民基本台帳カードの交付手数料についてですが、国が示しました手数料の考え方や、他の自治体の状況などを総合的に勘案いたしまして、500円程度が適当だと考えております。
 また、顔写真つきの住基カードは公的な身分証明書の機能も持っております。高齢者層の方々が取得しやすくし、またカードの普及を促して、これからのIT社会になじんでいただけるように、手数料の減額を検討しているところでございます。
 未成年者がカードの交付を受けようとする場合ですが、15歳未満の区民の方につきましては、法定代理人が申請することになりますが、高校生以上であれば本人が申請を行うことができます。
 次に、住基カードの多目的利用についてのお尋ねであります。
 住基カードは安全性にすぐれたICチップが組み込まれておりますので、区民の利便性の向上や行政の効率化を図るためのさまざまな活用が考えられます。今後、個人情報の保護に十分配慮しながら、多目的な利用を図ってまいりたいと考えております。住基カードの多目的利用の一つといたしまして、証明書の自動交付機への対応も検討してまいりたいと存じます。
 この住基カードが幅広く利用されるようになれば、区の窓口事務の処理も効率化、省力化が図られるということで、その効果として、職員の削減等についても可能になってくるものと考えております。
 次に、ダイレクトメールの事業者などによる住民基本台帳リストの大量閲覧についてですが、現時点では、住民基本台帳法の規定との兼ね合いで、区が独自に制限規定を設けることは難しいと考えております。現行の閲覧制度につきまして、全国の自治体で構成されている全国連合戸籍事務協議会から国に対しまして、プライバシー保護の観点から、大量閲覧については公共目的に限るよう制度の見直しを求めているところであります。
 閲覧手数料につきまして、現在、区では閲覧時間30分につき1,000円と手数料を時間制で取っております。他区でもほぼ同様の対応ということが多いという状況にございます。
 最後に自然エネルギーを利用した街路灯の問題であります。
 御紹介のありました太陽光や風力発電を活用する、ハイブリット街路灯の設置につきましては、設置経費が1基、約350万ほどということで、通常の街路灯の6倍ほどの額になっております。このように多額の経費がかかることから、実施につきましては十分な研究が必要であるというふうに考えているところでございます。
 以上であります。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは中野駅周辺まちづくりについての2点の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず基盤整備の財源対策についてでございます。中野駅周辺のまちづくりにつきましては、現在、財政制度等の事業手法も含め、区民や学識経験者等からなる中野駅周辺まちづくり調査検討委員会で検討をいたしてございます。
 詳細は、この検討結果を待つことになるわけでございますが、いずれにいたしましても、まちづくりの財源といたしまして、国、都などの補助金、それから開発者負担金、起債などございますが、選択する事業手法によりまして、さまざま考えられるわけでございます。今回の中野駅周辺のまちづくりにおきましても、道路ですとか、公園といった都市基盤施設の整備が不可欠でございます。これらの整備につきましては、開発者による負担を追求していきたいというふうに考えておりまして、できる限り区も財政負担を軽減できる方向での検討をいたしてまいります。
 次に、計画素案策定後のスケジュールについてでございますけれども、本年度末を目途にいたしまして、この中野駅周辺まちづくりの計画素案をまとめました後、区民の皆様の意見をさらに反映をした上で、区としての計画案をまとめていきたいと考えているところでございます。その後、早い段階に事業化を図るべき地区につきましては、関係機関と調整の上、早期に都市計画決定の手続に着手いたしまして、事業の実現を目指していきたいと考えているところでございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 私からは1人ぐらし高齢者の安否確認及びがん検診につきまして、お答えいたします。
 まず、1人ぐらし高齢者の安否確認のシステムでございますけれども、都会の中で1人ぐらしの高齢者が孤独死するなど、大変痛ましい、事件といいますか、事故が最近ふえているということは確かでございまして、区といたしましても何らかの形でシステム化を図り、地域の中で見つけ出すとか、助けるとかというシステムについて、早期につくりたいということで検討してまいりました。
 1人ぐらしで不安のある高齢者に対しまして、初めに対象となる方を把握するとともに、日常的に見守り、それから声かけをしてもらう、協力員とか協力機関につきまして募集いたしまして、それらの方々をマッチングすることによりまして、異常に気づくシステムづくりを今年度から取り組むということで、ただいま準備を進めております。
 そういうことで、その内容につきましてはこれからまたさらに報告させていただきますけれども、今年度中にこのシステムを完成いたしまして、来年度からはきちんとそのシステムが働くようになるということで準備を進めているところでございます。
 続きまして、がん検診のうち前立腺がんにつきまして御質問がございました。
 前立腺がんにつきましては、検査法といたしまして、少量の血液によるものが可能となりまして、早期発見、早期治療が図られるようになりました。この検査法につきましては、その有効性、それからその見つかった後の治療法の選択肢などにつきまして、なお、検証が必要だというふうに考えておりまして、この実施につきましては、引き続き検討させていただきたいというふうに考えております。
 それから、前立腺がんを知ってもらうために、健康講座等で取り上げたらどうかという御質問がございました。これにつきましては、今年度の健康講座で取り上げてみたいというふうに考えております。
 以上でございます。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
環境部長(寺部守芳) 自然エネルギーの利用につきましてのお尋ねの第1点目についてお答えをいたします。
 家庭向け太陽光発電のほか、家庭用の燃料電池の実用化などの報道もありまして、自然エネルギーの利用促進は地球温暖化防止の観点から有効であると考えております。区としての取り組みにつきましては、今後十分検討してまいりたいと考えております。
 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは自然エネルギーの利用についてのお尋ねのうちで、小中学校への発電装置の利用についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 今年度、環境教育の一環として、自然エネルギーを利用した発電の仕組みなどについて子どもたちに知ってもらうために沼袋小学校で試行として、風力と太陽光発電装置の設置を予定しているところでございます。ただ、これは出力が大変小さいということで、冷房機を動かすことは難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは最後の質問にございました平和の森公園の犬の広場周辺、この辺が暗いという御質問がございました。
 犬の広場周辺の樹木につきましては、葉が茂り過ぎた状態であったことから、剪定を行い、見通しや明るさの改善を図ってきたところでございます。現在のこの犬の広場につきましては、位置が近所の住宅と比較的近いこともございまして、近隣の方々からの犬の鳴き声の苦情も多くございます。そこで、場所の移動も検討しているところでございます。
 以上でございます。
     〔斉藤高輝議員登壇〕
37番(斉藤高輝) それでは再質問させていただきますけれども、その中で1点だけですけれども、この職員の通勤手当、区長はこれは単独でできないとおっしゃっていますけれども、そうかもしれませんけれども、ここ何十年間、職員の方がこの1か月定期券ですよね、今、言ったように、これを1か月が6か月になりましたら5,900万円のお金が浮くと、これだけのお金を今まで何も考えなかったこと自体が、本当に無責任だと思いますよ。これだけの大勢の理事者がいて、なぜこのことを発言しなかったということですよ。これは職員の皆さんが、今、普通の会社で言えば大変だということで、定期券がもらえない会社がありますけれども、区の職員は別に1か月になっても6か月分になっても、別に自分が負担するのじゃないわけです。そういう意味の中で、皆さんがこれについて無視してきたということですよね。
 今、全国でもどこでも全部数字が出ています。この間も大阪の枚方市に行ったら、あそこは1億8,000万円のお金が削減控除しました。地方というのは車を利用しますから、そのガソリン代が本当に高かったわけです。それを見直したら、1億8,000万円、電車と自動車とバイクと、そして皆さんが利用している方もいるかわかりませんけれども、自転車、それをうまく計算しましたら、1億8,000万円が枚方市は浮かんだわけですよね。
 これだけ地方でも、また東京でもいろいろな検討している中で、やっと中野区が5,900万円だというのは本当に驚きます。今まで中野区もこの行政5か年計画の中でも、いろいろな面で縮小したり、見直してきたわけです。だから、この約6,000万円あったら何かに使えるわけですよ。なぜこれを今までやらなかったこと自体が問題だと思うんですよ。それについて、区長にもう一度答弁してもらいたいと思いますけれども、区長でも、今、自転車に乗って通勤しているわけですね。年間2,600円だと思いますけれども、皆さん、自転車の方は、5キロ未満だったら、2,600円をいただいているわけです。そういう中で、全部、これからは見直せば、いろいろな面で削減はできるわけですから、そういう意味でこの通勤手当については、全力で取り組んでいただきたいと思います。中野区でできないなら、さっき言ったように、23区の中の先頭を切って、これは進めていただきたいと思っております。
 そして、もしこれがスムーズに動き出しましたら、この見直しに当たって、いろいろな課題があると思いますけれども、その中で、この通勤手当の支給方法というものについて、よく労使交渉というのが話題になって、そこでちょっとストップするようですけれども、その点については全力で、この労使の皆さんとは話し合いをして決めていただきたいと思うんです。これがいつまでも、こんなような状況だったら、中野区は何をやっているかというわけですね。中野区は、東京の中でも大変厳しい区でありながら、約6,000万円のお金を、このままお金が浮いてくるのに、何もやらないで来たということ自体が問題でありますので、ぜひもう一度、区長の答弁をお願い申し上げます。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
 23区の人事委員会での事項、あるいは他の自治会や国と同じ状況であったと言いながら、これまでこういった事態、実態がそのままになっていたということについては、御指摘のとおり、私も大変遺憾に思っております。
 人事委員会での取り扱いということになりますが、23区の区長会などの中で、中野区としてしっかりこの問題の改善を主張をしてまいりたい、このように考えております。
議長(山崎芳夫) 以上で斉藤高輝議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 藤 正 信
 1 区長の政治姿勢について
 2 サンプラザ取得について
 3 清掃事業について
 4 障害福祉施設について
 5 その他

議長(山崎芳夫) 次に、伊藤正信議員。
     〔伊藤正信議員登壇〕
11番(伊藤正信) 平成15年第3回定例会に当たり自由民主党・民社クラブを代表しまして、一般質問をさせていただきます。
 まず最初に区長の政治姿勢について伺います。区長が就任されて1年3か月が経過いたしました。その間、区長は行政改革、組織改正、職員の意識改革と区役所内部の改革に力を入れているように思います。しかし、区民に直接関係があると思われる具体的な施策がいまだに示されていないと思います。
 区民は直接自分たちの生活にかかわる施策展開を望んでいるのですが、そういった要望をすると、基本構想を今つくっているから、それまで待ってほしいというようなお話を区長はされています。
 区長の任期は8年ではなく4年であります。もう既に残すところ3年を切ってしまったわけですから、基本構想を待っていたら何の結果も出ないのではないでしょうか。基本構想や10か年計画をつくった後は知りませんということでは無責任だと思います。
 財政状況を好転させるための施策展開についても何も示されていません。基本構想をつくってから具体的な施策を示すとして、基本構想の策定を盾に具体的な施策を出していかない、行政の内部構造をいじってばかりでは一応区民から選ばれた行政の長としての責務を果たしていないと思いますが、区長はどのように考えているのでしょうか、お答えください。
 次に、田中区長になってから片仮名が多いような感じがします。組織改正も予定されているようですが、職員をマネージャーと呼ぶということのようですが、ただでさえ組織改正が多く、区民だけでなく職員の方々も混乱されているようですが、わかりやすい組織、わかりやすい呼び方というものも念頭に考えていかれてはいかがでしょうか。区長の考えをお聞かせください。
 次に、先日、ある区民の方から、区役所の窓口を一元化してほしいというお話がありました。毎年のように組織改正が行われ、どこに相談に行ってよいのかわからない。しかも、窓口があっちだこっちだと、また、話を聞く担当者もかわるので同じような話をしなければならない、何度もさせられるということです。別に1日がかりで区役所に来ているわけではないので、高齢者なら高齢者の窓口を一元化するといった工夫をしてほしいという意見です。
 高齢者にかかわる窓口はすべて1階に移す、わかりやすい場所に移し、ありとあらゆる相談を受けるようにする、高齢者は今後ますますふえるので、さまざまなデータを蓄積し、いつでも誰でもそのデータを提供することができる体制をとる、そういった具体的な動きをすることが区民感覚を持った行政運営ではないでしょうか。区長はどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、区長の考えた職員に対する約束事項について、きちんと守られているのか、検証されているのでしょうか。先日、ある課長に電話をする機会がありましたが、課長でさえも名前を言わないことがありました。そうすると、職員もそうなのかなと思います。そうなると、さらに区長の考えがきちんと職員の隅々まで行き渡っているのか、疑問に思います。
 リーダーというのは、部下の心を引きつけるために、よくやったものにはよくやったと、そうでないものには何が原因があるのか追及をし、改善策を見出し、指導していくことが必要だと思います。そして、部下と一丸となって区民に安心して中野で暮らしてもらうために、さまざまな事業を展開していくべきではないでしょうか。
 区民にとって必要なサービスは何か、そしてサービスをもっといい方法で提供していくために、どのようなことが必要で、どうしていったらよいと考えているのか、区長の考えを具体的にお聞かせください。
 次に、サンプラザ取得についてお伺いをいたします。
 この質問は、先ほども斉藤高輝議員、そして第2回定例会で我が会派の大内議員も質問いたしましたが、その後、雇用・能力開発機構との協議が進められ、先日の総務委員会でも報告がありました。取得するという内容でしたが、今回の補正予算でも、取得の調査費用として1,382万2,000円を計上しております。そこで何点かお伺いをいたします。
 来年度予算編成でも数十億足りない状況があると聞いておりますが、区民サービスを削ってまで財源を確保していかなければならない区政の本体自体が危ない中、区が3分の2以上出資して設立する第三セクターをつくる、その費用は、先ほどは斉藤高輝議員は7億と言っていましたが、私が伺っている範囲では4億から5億と聞いております。区民サービスを削ってまで取得する意義はあるのでしょうか、区長の考えをお聞かせください。
 「第三セクターが地方の自治体であちらこちらで失敗をしております。そんな状況がある中、行政が民間でできるものには手を出すな」といった区民の意見もありました。しかし、第三セクターが行政的な発想で運営するのではなく、民間への運営委託によって効率的に運営するから大丈夫だといった答えでした。本当に大丈夫であるとお考えなのでしょうか、これまでの検討経過と合わせてその自信のほどをお聞かせください。
 中野サンプラザの運営は民間企業に行わせるとしておりますが、受託事業者の当てはあるのでしょうか。10年後には取り壊すかもしれない施設の運営を受ける事業者というものは、私は余り想定できないと思います。そういった事業者当たりを非公式でもつけているのでしょうか、お答えください。
 また運営事業者の募集について、どのような方法をとられる予定なのかについても具体的にお答えください。
 また、運営するに当たり、区民の中では中野サンプラザは中野区が取得するのだから公共施設と思い、中野区民であるならば各施設を利用した場合の料金の減免があのではないかと思っている方もいるようです。その点はどうでしょうか、お聞かせください。
 10年後、まちづくりのために中野サンプラザを取り壊した場合、先ほども申し上げましたように、設立した第三セクターは解消するのでしょうか。中野サンプラザの職員のうち、雇用を希望する者を運営する民間企業に雇用させるとしていますが、中野サンプラザが取り壊されてしまった場合、雇用された職員の身分はどんな扱いとなっていくのでしょうか。建物がなくなるのだから職員も必要なくなるわけですから、区が壊すといった時点で、その職員たちの身分もなくなると思いますが、区の考えをお聞かせください
 また、決して区のお荷物にはならない、上野原などの計画倒れになった施設とは違うといったことで結論を出されたと思いますが、中野サンプラザを取得するに当たり、田中区長の決意と熱意をお聞かせください。
 次に、清掃事業についてお伺いいたします。
 7月16日に開催された区長会総会で、特別区における一般廃棄物の中間処理について、3項目の方針を決定しました。
 その内容は「23区は工場のある区もない区も相互に協調・連携し、全体の責任として特別区の区域から排除される一般廃棄物の安定的な中間処理体制を確保することを確認する」ことと「その上で、ごみ量の減少、危機的な財政状況、中間処理をめぐる諸課題等の状況変化を踏まえるならば、今新たな清掃工場の必要性はない。そこで清掃一部事務組合に対しては、この視点に立って施設整備計画の見直しに取り組むよう回答する」そして「今後の特別区における中間処理のあり方については、94年の協議案にとらわれることなく、改めて区長会で協議することとする」の3項目です。
 これは自区内処理の原則に基づいた自己完結型の清掃事業を目指す、これまでの路線の変化を意味するものと考えます。
 そこで質問いたしますが、この決定に対して区長はどのようにお考えなのでしょうか、見解をお示しください。
 この決定によって中野区における清掃事業はどのように変わっていくのでしょうか、その見通しについてお答えください。
 また、その中で、区民の役割や協力といったことについても、どのようにお考えなのか、具体的にお答えください。
 私は、この決定によって中野区の清掃事業が大きく転換する必要があると考えております。他区の工場に持ち込むごみの量をさらに減らしていくための努力が必要と考えております。
 そのためにはリサイクルの推進であります。リサイクルの推進のために、各自治体では多品目にわたって分別を行っております。
 水俣市では、平成5年から、全国に先駆けて、ごみの分別収集を行ってきました。現在では、びんだけで6種類、合計21種類の分別をステーション方式で行っております。その他、生ごみも堆肥化しており、毎日多くの行政担当者やまちづくり団体などが視察に訪れ、最近では教育旅行の一環として、全国各地から修学旅行生が水俣市を訪れるようになったそうです。また、青森県弘前市では、12品目の分別をしているということです。
 区長は、中野区でこのようなごみの分別について、今後どのように進めていこうと考えているのでしょうか。また、容器・包装リサイクル法を初め、リサイクル関連法について改正等の要望をしていると聞いておりますが、その内容はどのようなものでしょうか、お答えください。
 先般、御覧になった方もいらっしゃると思いますが、去る5月にNHKで放映された番組「難問解決ご近所の底力」に私が住んでいる中野区本町四丁目の宮里町会の方々が、カラス対策というテーマで出演をされました。この番組は、身近なトラブルや切実に悩む地域の問題を皆さんと一緒になって解決していく番組です。清掃車が収集に来る前の集積所のごみに群がるカラスの現状や被害に遭った事例の紹介がされました。
 カラスは、とても頭のよい鳥として定評があるようです。体全体に占める脳の割合、これは脳化指数といいますが、ハトは0.04、犬は0.14、カラスは0.16だそうです。犬よりも頭がいいということです。その後、この番組の中で、全国から妙案を集めて3つの例が紹介されました。
 1つ目は、ハイパー防鳥ネットといって、ネットに厚手の透明なビニールシートを安全ピンでとめて、集積所のごみを覆う方法。2つ目は、荒されないごみ袋として、新聞折込の広告用紙をごみ袋の中の内側にすき間なく巻きつけ、生ごみが見えなくする方法。3つ目は、マナーアップ作戦として、ごみ集積所を細かく分散して、ごみ出しの日には10人で2人1組になって清掃協力員として集積所を巡回し、マナーの悪い人には優しく注意をするというまちぐるみで行うカラス対策が紹介されました。
 この3つの妙案を専門家が点数をつけて、それを参考にして、これから町会さんが取り組む対策を皆さんで決めてもらい、その結果、手始めにごみが乱雑している巨大集積所を分散し、さらにハイパー防鳥ネットを導入するという意欲的な決断を出されました。この番組の収録は4月だったそうです。
 そして、先ほど申し上げた方法で取り組みましたが、集積所を分散したため、この私の住んでいるまちは大変狭い道路が多くて、普通の2トン車、清掃車が入れないことろがほとんどです。町会の代表の方々が清掃事務所に出向き、小型の清掃車の収集を依頼し、導入していただいたようです。そして、以前よりもごみ出しのマナーもよくなり、カラスの被害も減り、大分改善されたそうです。こうした地域の方々の努力の賜物だと私は思っております。ごみを出す側の区民の意識と協力も大変重要なことだと考えます。
 今後の中野の清掃事業のあり方を区と地域が一体となって、真剣に取り組んでいくことが早急な課題だと思っております。
 清掃事業の改革に期待をして、この質問を終わります。
 次に、障害福祉施設についてお伺いをいたします。
 この4月からノーマライゼーションの考え方に基づき、障害者支援制度が導入され、新たな枠組みでのサービス提供が始まりました。しかしながら、今後のニーズを考えると、在宅サービスの充実とともに、施設の整備が急務であると考えております。
 区は、この3月に保健福祉総合推進計画を策定いたしましたが、この中で知的障害者の通所更生施設を2004年以降の早い時期に整備することとしています。そこでお伺いいたしますが、このような施設を早急に整備しなければならない理由についてお答えください。
 障害者や保護者からも早期の整備を求める声が上がっており、早急な取り組みが必要と思います。また、整備に当たっては地元近隣への十分な説明が必要であると思いますが、これらの点を踏まえて現在の取り組み状況についてお答えください。
 また、これは要望も含めてということになりますが、緊急に整備が必要であると私は考えておりますので、ぜひ地元近隣の御理解を得て、できるだけ早期に実現できるように最大限の努力を払ってほしいと考えておりますが、決意のほどをお伺いいたします。
 次に、本町四丁目、デイサービスセンター・福祉住宅整備についてお尋ねします。
 2002年12月にオープンした野方六丁目高齢者福祉住宅の応募状況を見ると、20人募集したところ445人の区民が応募しております。本当に多くの高齢者が住宅に困窮しており、切実な状況がうかがいとれます。これからの住宅施設は、安心して住みなれた地域で生活できる高齢者や障害者に配慮した構造と設備を備えた住宅を確保する必要があります。また、高齢者人口が増加するにつれて、要介護高齢者も今後急増することが予想されますが、今、中野区の高齢者人口は、第2期中野区介護保険事業計画によれば、2003年度で約5万5,000人、2007年度には5万8,000人を超えると予想しております。
 多くの高齢者が望む、住みなれた地域で介護が必要になっても住み続けられる、長く暮らしていける状況を区は確保しなければなりません。既にお住まいの住宅を改修して、要介護状態になったときでも住み続けられる家づくりも大切なことと考えています。そのための相談業務についても、区は積極的に取り組むべきと考えております。
 介護保険制度の在宅サービスの一つであります通所介護施設、いわゆるデイサービスセンターの整備は要介護高齢者等の在宅生活を支える上でも緊急の課題であります。
 中野区行財政5か年計画では、デイサービスセンターと高齢者・障害者福祉住宅を整備する計画でありましたが、現在もその考えは継続しているのでしょうか。また、整備がおくれているようですが、開設の時期はいつごろになるのか、運営事業者の選定はどのように行うのか、できれば区内業者の育成の観点からも、区内事業者から優先して選考すべきと考えておりますが、今後の整備スケジュールなどと合わせて今後の見通しについてお聞かせください。さらに不足しているショートステイの対応についても積極的にこの施設に導入するよう考えていかれてはと思いますがどうでしょうか。
 その他の項目で1点、中野区の道路についてお伺いいたします。
 現在、中野区の区道は100%舗装が完了しております。しかし、近年、区財政が逼迫していることから、投資的経費は大幅に減少し、これに伴い、道路改良のための事業費も減少しております。現在では、5年前の事業費と比較して半分程度となっております。
 このような中で、当然道路の維持補修についても影響が出ていると思います。先日、ある会合で中野区の道路は隣接区と比べて傷みが目立ち、整備が必要との声も聞きました。道路は区民にとって大切な都市施設であります。区としても道路の維持補修について、道路調査を行い、計画的に改良していく必要があると考えます。道路整備の取り組みについて、区の考え方を最後にお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
    〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 伊藤議員の質問にお答えをします。
 私からは政治姿勢の問題、サンプラザの取得の関係、それから清掃事業に関する質問などにお答えをさせていただきます。
 まず政治姿勢に関連しての幾つかの御質問です。一番最初の部分、組織あるいは内部改革の取り組みを進めているというところのようだが、区民に対して具体的な施策、そういった新しい展開がよく見えないというような御質問でありました。
 現在、行財政の構造改革を抜本的に進めるということをやっております一方で、行政の本来の役目であります、そうした行財政の構造改革の目的であります住民に対して価値のあるサービスを提供していく、新しい地域社会のあるべき姿を追求していくといったようなことで施策の展開についても、新たな展開を図っていきたいということで、例えば今年度の予算におきまして、子育て支援をめぐる幾つかの対策、これまでなかったような、家庭機能が弱体化しているといったところに着目をした新しいサービスを考えるでありますとか、産業活性化のための施策、中野区という地域が持続可能な発展性、あるいは持続可能な地域社会として成り立っていくための産業活性化のための幾つかの施策でありますとか、環境問題の関連でいいますと、施行を始めました容器リサイクル法に伴うプラスチック容器の分別回収のモデル事業でありますとか、さまざま重点的にこれからの必要な施策について取り組んできたというところで認識をしております。
 現在、編成中の平成16年度の予算についても、こうした問題に引き続き重点的に取り組んでいきたいと考えております。施策についてのアピールが弱いという指摘でありますので、しっかり受けとめ、取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それから組織改正に関連をしまして、私が区長になってからさまざまな場面で使う言葉に片仮名が多いというような御指摘でありました。内部改革というのは、現在のいろいろな意味での経営改革あるいは自治体の取り組み、海外の取り組みも含めてさまざまな取り組みを取り入れながら検討しているところであります。そうした場面で、しばしば片仮名を使った概念を用いるというようなこともあるわけでありますが、区民に対して理解を求めていく、あるいは区の組織内部でしっかり安定した制度、考え方に定着をさせていくというところでは、当然、そうした片仮名用語を多用するといったようなことはするべきではありません。だれでもわかる、本当に平易で簡潔な言葉で表現をしていくことが大事だというふうに思っております。
 組織改正の中で、やはり区民からわかりやすい内容にすることが第1ではないかといったようなことでありますので、組織についても、区が目指しております目的、区民に対して、どういうことを提供していくのか、子育て支援あるいは区民生活全体の繁栄、発展、活性化といったようなこと、また都市整備、それから保健・福祉、さまざまに区民から見て、目的の部署が理解がすぐできるというようなことが望ましいというような観点からの組織整備を行っておりますとともに、組織の中で働く職員の働き方につきましても、区民に近いところで仕事に成果が上がるように、現場重視で分権型の事業部制度というものを考えているところであります。
 それから高齢者などの窓口を1階に集中させるといった窓口を一元化する工夫は考えるべきでないかという御提案もありました。これについても、私どももそうした問題意識を持っているところです。窓口につきましても事業内容や受付内容をわかりやすく工夫をするということ、それ以外にも一本化できる仕事のやり方といったようなことについて、そうするように工夫をしていきたいと思っております。
 それから区長としてのリーダーシップ、職員の意識改革、組織全体を動かしていく上での意識改革をどう考えているかといったようなことでありました。例えとして、一つは6つの約束ということで、電話をとっても名乗らない職員がいたというような御指摘もあったところです。全体としてかなり改善されてきているというふうには思っておりますし、一定の評価もいただいておりますが、まだまだ全体に完全に行えているという状況ではないことは私も承知をしているところです。職員の働き方全体、意識全体の改革ということの中で前に進めていきたいと思っております。
 内容的に、御質問の中で幾つか触れていただいたんですけれども、これからの組織のあり方、働き方のあり方としては、現場主義で成果を出した職員がそれを評価される、成果がしっかり評価をされて、そして、それが処遇に反映されるといったようなことを通じて、本当にやりがいがあるという職場にしなければならないというふうに思っています。
 また、その成果を図るというときの基準、考え方もしっかり統一しておかなければならないというふうに思っています。これも御質問の中にありましたけれども、やはり価値の基準は、何よりも区民、区民にとって価値のあるサービスを実現できたかどうか、区民にとって高い価値を生み出しているかどうかということであります。そうした価値観をしっかりと一つにまとめて、一つの目的を持った事業部、そうした事業部が互いに競争し合いながら成果を出していくといったような体制をつくりながら、職員が本当に働きやすい、意欲をもって働ける職場づくりをしていきたいというふうに思っております。
 それからサンプラザの取得についての御質問でありました。
 50数億の取得だと、そのための出資金も数億を想定しているといったような御質問でした。区民サービスを削ってまで取得する意義は何かというような御質問でありました。
 まずサンプラザの取得については、中野の町を今まで以上に活性化をするということ、また将来のまちづくりに生かしていく、これが目的だということはこれまでにも申し上げてきたところです。サンプラザを取得するための第三セクターの出資金については、こうした目的を達成するためのものでありまして、区の将来を見据えた積極的な意義を持っているというふうに思っています。
 しかし、その出資の財源、これにつきましては、そうした長期的な効果ということを勘案するわけでありますから、基金の活用なども考えていきたいと思っております。その出資のために区民サービスを削るといったようなことはしないということです。出資の金額についてですが、現在は未確定でありますので、今後の検討の中で精査をしていきたいと、こう考えています。
 それから、第三セクターの失敗が各地で相次いでいる、行政が民間でできるものに手を出すのかといったような御批判もあるといったようなことが指摘されました。民間への運営委託によって、効率的に運営できるのかどうかといったようなことです。民ができることを官が行わないというのは、これからの行政、社会のあり方で第1のことだと私は思っております。そういう意味で、サンプラザは区の施設として運営するという性質のものではないというふうに考えているわけであります。民間の力でスムーズに運営ができるように、第三セクターをつくって対応していきたいと考えているわけであります。事業者の適切なノウハウと経営改善の努力、これがありますれば、十分運営が可能だと私は考えております。
 それからサンプラザの運営を引き受ける事業者がいるのかどうかと、10年後に取り壊す予定の施設を引き受けるような事業者がいるのかというような御質問でした。この10年間という問題ですが、雇用・能力開発機構側の提示条件でありますのが10年間以上運営するということです。10年間以上運営するという期間が終了した以降、建てかえを行う場合もあるわけであります。そうした場合に、中野駅周辺のにぎわいの中心として、より有効にサンプラザの建物でありますとか、用地、事業の実績、知名度などを活用することになるわけです。運営事業者についても、そうしたまちづくりの中でも継続的に役割を果たしていただきたいというふうに考えております。
 運営事業者の選定に当たっても、そうした視点から検討しているところでありまして、さまざま情報収集をしている中では十分可能性があると考えております。
 それからサンプラザの取り壊し、10年後という御質問ですが、まちづくりのためにサンプラザを取り壊す場合、第三セクターは解散するのか、また、その際、事業者に雇われていることになる旧サンプラザ職員の身分についての御質問もありました。
 建てかえることになった場合でも、先ほどの御質問にもお答えいたしましたように、第三セクターについてはサンプラザを活用したまちづくりの中で引き続き役割を果たしていくわけであります。それから民間事業者に雇用されることになるとなった旧サンプラザの職員の皆さんにつきましては、その時点では、その民間事業者の従業員でありますので、そちらの方の労使関係の問題になるというふうに私は考えております。
 それから取得に当たっての決意ということです。上野原スポーツ・学習施設の教訓を忘れずに取得に当たってのしっかりした決意を聞きたいということでありました。
 これも先ほどの御質問にもお答えをいたしましたように、中野をより多くの人が集う魅力のあるまち、また一層活気のあるまちにしていくということが、これからの中野区にとって本当に欠かせない、重要な課題だというふうに私は思っております。そういう意味で、中野サンプラザを活用して、中野サンプラザがだれもが利用でき、そして、それが地域の活性化にもつながる、中野駅周辺全体のにぎわいに資する施設となるというふうに適切に運用を行っていきたいというふうに思っております。
 それから清掃事業についての御質問であります。今回、中野区の中に清掃工場を建設しないということが決まった中で、清掃事業のあり方が大きく変わっていくと、どう考えているか、今回、この清掃工場の計画が変更されたということを、私がどう評価しているかといったようなことも含めての御質問でありました。
 今回の計画の変更については、23区内で発生するごみ量、この処理能力が一定の余力も含めて、現在ある清掃工場の中で処理可能になったという事態でありますとか、財政的な環境あるいは国の方からも言われております、補助金交付が難しい、そうした状況での清掃工場、そうしたさまざまな状況を考えますと、今回の計画変更については、清掃事業の観点から見ても私はやむを得ない、妥当な判断であったというふうに考えております。
 そうした計画変更後の中野区の役割といったようなことですが、清掃事業のあり方そのものは変わっていくわけですけれども、清掃工場の所在しない区であったとしても、23区の清掃事業において、何らかの役割を果たしていかなければならないということは、これからも変わりのないところであります。中野区なりの役割の果たし方というものを、しっかりと見据えて対応していかなければならないというふうに考えております。
 また、そうした役割を果たす一方で、中野区といたしましては、ごみの発生抑制ですとか、それから再使用、再生利用、そうしたことを図りながら、他区に率先したごみ減量を図るということを通じて、将来の清掃事業のあり方をしっかり追求をしていくということが大切であると考えております。
 そうした意味で、御質問の中で、区民の皆さんの取り組みの大切さということを指摘していただいたわけですけれども、まさにそのとおりでありまして、ごみの減量ということについては、多くの区民の参加と協力、区民の皆さんが当事者としてしっかり清掃問題に取り組んでいただく、リサイクルを推進していただくということが大切である、そのことが欠かせないと考えているわけであります。
 私からの答弁は以上でございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私からはサンプラザの取得に関連して、2つの点で御質問にお答えいたします。
 まず、これから取得をして運営をしていくというときに、運営事業者の募集、どのような方法によるのかというようなことでございます。
 これからサンプラザの取得、運営、どんなような枠組みで行うかというような検討を行っていくわけでございますが、その検討がまとまった段階で運営の事業者をプロポーザルの方式で公募したいというように思ってございます。その選定委員会をつくり、区の方でつくった選定委員会によって、その応募してきた事業者から、どこに運営をお願いしたらいいかと、そういう順位を決めていきたいというように思ってございます。
 またもう1点、サンプラザの施設につきまして、中野区民の利用に当たり、利用料の減免というようなことがあるのかというようなお尋ねでございます。
 サンプラザは民間の企業者が独立採算のもとで運営するような形の施設というふうに考えております。先ほど、区長がお答えいたしましたとおり、区立の施設にするという考えではございませんで、多くの人がやって来る、多くの方が中野の町にやって来るというような形の現在の運営を継続することが、中野のまちのにぎわいにつながるような形だというように考えております。したがいまして、区民にも同じ条件で御利用いただきたいと、そういう形になるだろうというように考えております。
 以上でございます。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
環境部長(寺部守芳) 清掃事業に関する質問のうちのリサイクルの推進につきましてのお尋ねにお答えをいたします。
 ごみ減量のためにリサイクル可能なものにつきましては、区民の力と御理解をいただきながら分別回収を進めてまいりたいと考えております。
 当面、中野区としては、不燃ごみの4分の1ほどを占めております、プラスチック製容器や包装の分別回収を行ってまいります。
 それからリサイクル関連法に関する要望についてでございます。特別区も参加しております全国都市清掃会議や大都市清掃事業協議会を通じまして、容器包装の発生抑制と事業者、消費者、市町村の役割分担の適正化、特に製造者の責任の拡大を図るための容器・包装リサイクル法の改正、また対象器具の拡大や不法投棄防止のための家電リサイクル法の改正などがございます。
 以上でございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 知的障害者通所更生施設並びに本町四丁目の福祉住宅・デイサービスセンター、施設の質問につきましてお答えいたします。
 まず知的障害者通所更生施設の緊急に整備しなければならない理由ということでございますけれども、中野区内に今、いわゆる通所の知的障害者更生施設のうち、いわゆる重度の知的障害者にかかります生活実習所という施設でございますが、2施設ございまして定員が80名でございます。77人が通所しておりまして、来年度には養護学校の卒業者などが決まっておりますので、その定員を上回るという利用が見込まれております。さらに、ここ数年たちまして、平成22年度ごろには30人を超える利用者の増が見込まれております。
 そういう中で、こういった重度の知的障害者に対します地域生活基盤を整備いたしまして、在宅で生活できるようなことを保障する、こうした需要にこたえる施策の展開が求められているところでございます。
 今、現在、取り組み状況ということのお尋ねでございますけれども、そういうことで新しい施設につきまして、整備につきまして検討しているところでございます。送迎に必要な道路づけ、それから日照、形状など、建設のしやすさなどを考慮いたしまして、適地を求めているというところでございました。
 現在、適地を絞りまして、実際に地元に対する説明、それから意見交換などを行っているところでございます。今後とも十分、この内容に必要性について説明をいたしまして、理解を得ていきたいということでやっているところでございます。
 この施設でございますが、先ほど言いましたように、早晩定員が足りなくなりまして、緊急に整備をする必要があるということで、平成18年度の開設を目指しまして、その実現に向けまして今後努力していくということでやっているところでございます。
 続きまして、本町四丁目の福祉住宅、それからデイサービスセンターの施設の現在の取り組み状況、失礼しました、中野区行財政5か年計画での考えについて、こういった施設の整備の考えが変わりがないかという質問がございました。
 区といたしまして、当初の方針どおり、野方六丁目の施設と同様の手法で、建物買い取り償還方式によりまして、デイサービスセンターと高齢者・障害者福祉住宅を整備するという考えで進めてまいる所存でございます。
 現在、この土地につきまして、いろいろ土地形状につきまして、このまま整備するのではなく、形状を改善いたしまして、それから整備したいということで、土地の所有者、近隣の土地の所有者などと交渉をしていきたいということを考えております。
 こうした土地形状の改善、それから実際に先ほど言いました野方六丁目と同様の手法でやるための事業者の選定、それからその後、建物を建てる事業者のほかに、デイサービスセンターをやっていただく事業者の選定などを経まして、17、18年度と設計工事というようなことを行った後に19年度の開設ということで準備を進めてまいるということで考えているところでございます。
 先ほど、区内業者を選定についてできないかというようなお話がございましたけれども、いわゆるデイサービス事業者につきまして、どういった事業者を選定するかというような選定方法につきまして、今後区といたしまして、いろいろと検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上です。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からはその他の項の中野区の道路の維持補修についての御質問にお答えをいたします。
 中野区の道路の舗装改良につきましては、職員が路面の調査などを行い、優先順位をつけながら、道路改良工事を実施しているところでございます。また、限られた予算の中で、舗装の打ちかえ工法の工夫、こういったことを図りながら維持補修をしてございます。
 今後とも厳しい財政状況が予想されるわけでございますけれども、交通の状況、それから舗装の耐用年数といったようなことを考えながら、着実な整備を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
議長(山崎芳夫) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時17分休憩

      午後3時41分開議
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。

中野区議会議員 池 田 一 雄
 1 東京都「第2次財政再建推進プラン」について
 2 2002年度決算について
 3 平和問題について
 4 中野駅周辺まちづくりとサンプラザ問題について
 5 住民基本台帳ネットワーク問題について
 6 西武線踏切渋滞解消問題について
 7 震災対策について
 8 その他

議長(山崎芳夫) 次に、池田一雄議員。
     〔池田一雄議員登壇〕
42番(池田一雄) 2003年第3回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して一般質問を行います。
 最初に、東京都が6月に発表した「途半ばにある財政再建」に基づいて、この10月にも策定しようとしている「第2次財政再建推進プラン」についてお聞きします。
 「途半ばにある財政再建」では、私学助成や区市町村補助などの予算が「高どまり」しているとする一方、予算の小さな「少額補助」まで見直しを行うことを示唆するものとなっています。そのために、都は733項目にわたる補助金について調査を行いましたが、その中には特別区への補助金が多数含まれています。「途半ば」では「区市町村に対する補助金」の項目で「補助の相手先別に見ると、区市町村に対する補助が4,017億円で最も大きい」と特徴づけています。そして、区市町村補助については「聖域なしの見直し」をすることを明らかにしています。このような見直しが実施されることになれば、23区の区民サービスと、区財政に大きな影響を与えることは火を見るよりも明らかであります。都が挙げた733項目の補助金のうち、中野区に関係するものは91項目、その合計は実に58億円にもなります。これが全部なくなるわけではありませんが、恐るべき数字です。
 また、都区財調の算定にも関連する市町村補助金の見直しによっては、都区財調交付金にも影響が及ぶことが想定されると区長会事務局も考えています。加えて、都市計画交付金についても名指しで見直しを宣言していますが、本来基礎的自治体の税収である財源であり、特別区が従来から増額を求めていることも承知で、カットしようなどということは認められません。
 日本共産党は、東京都が「住民の福祉の増進」の精神に立ち返り、区民の暮らしと区財政に重大な影響を及ぼす「第2次財政再建推進プラン」の策定を断念させるための共同を、8月28日に区長会に申し入れしたところです。対応した鎌形事務局長は「従来から、地方分権の立場から都区の役割分担については議論を尽くして決着を見てきており、補助金問題などについては十分に議論を尽くすよう求めているし、今後も求めていく」と答えています。都に対する働きかけや区長会が一致して取り組むための意見具申など区長の多面的な努力を求めたいと思いますが、見解をお聞きします。
 2002年度平成14年度決算についてお伺いします。
 この決算では、行財政5か年計画の第2年度として、初年度での暮らし、福祉、教育など、20億円に上る事業の廃止削減に加えて、就学旅行費の補助の廃止、中野授産場の廃止などに踏み切って、区民負担は一層強まりました。民生費、教育費へのしわ寄せは特にひどく、民生費と教育費の合計額が歳出総額に占める割合は、00年度が56.0%、01年度53.7%、02年度49.5%と、前年度との比較でも4.2%も低くなってしまいました。
 行財政5か年計画の2か年度にわたり、区民の反対を押し切っての断行は、区民生活の少なくない分野で大きな障害が起きています。高齢者福祉手当、障害者福祉手当、難病福祉手当、原爆被爆者見舞金などのカット、生活保護世帯への区単事業廃止などは、区民の生活に直接影響を与えています。青年館の廃止は、青年の活動の場を奪い、地域活動推進員の廃止は、住民の地域活動の推進にブレーキとなっています。学校開放協力員の制度改悪は、学校で遊ぶ魅力を子どもから奪い、小学校卒業アルバム代、中学校修学旅行費交通費への補助廃止は父母負担を増大させています。文化スポーツ振興公社補助、図書館図書購入費削減などは、文化事業への参加を希薄化させるなど、育児・保育、教育、保健・福祉、青年、高齢者、障害者、住民活動、文化・スポーツなど区民生活にかかわりあいのある、あらゆる分野での施策の後退が見られました。
 例えば教育費では、前年比6億7,000万円の減で、特に小学校費、中学校費合わせて3億9,100万円も減っています。問題なのは、教育費全体の執行率が、歳出全体の執行率96.7%より2.2%低い中で、小学校費・中学校費はさらに低く92%台しかないことです。予算を少なくした上に執行抑制をかけているのではとの疑念を持ちます。
 3万人にも上る自殺者のうち、リストラや経営不振を原因とした自殺者が8,000人も占めているといった異常な社会のもとで、幾らかでも区民の負担を減らし、精神的な支えにもなっていた諸施策を次々とつぶしてきたことが、区民としての人権意識さえ切りはいできたということに思いを寄せてください。今の時代に、かわいい子どものためにとはいえ、7万円や8万円もの修学旅行のための臨時出費をひねり出すことが、親にとってどれほど大変なことかに気を配ってください。
 こういう中で、02年度は当初予算に計上されていた繰入金7億3,000万円を財源更正し、基金に27億円を積み立て、10億円の黒字を出しました。都合44億円の剰余をつくり出したことになります。基金繰り入れだけを見ても、行財政5か年計画初年度の01年10月補正の17億円から、03年3月、02年度最終補正の7億円まで、通算1年半で56億円も積み立てたことになります。地方自治法第1条の2「住民の福祉の増進を図ることの基本」を投げ捨て、住民施策の相次ぐ切り捨てを断行し、それが今の世では当然といった論理をばらまいて、近い将来の箱物に備えるといったやり方は、必ずや区民の厳しい批判を浴びるでありましょう。弱いものいじめの歳出削減の結果生み出された、区民のために使われなければならなかった税金をため込み、箱物に備えるやり方を、区長は今後も続けるお考えですか、見解をお聞きします。
 一方、歳入の面では、財調交付金が前年比29億円も減りました。小泉政権の「構造改革路線」がいかに誤りであり、景気を一層落ち込ませているかということが、ここでも明らかです。
 しかし、都区財政調整交付金の調整率を、区長会が一致して要求していた、最低56%の調整率で実現していれば、数億円の差は出ていたのではないかと推測されます。05年の再交渉の時期を目前に、都区間の具体的な事務レベルでの協議は既に始まっていますが、このような都交付金の実態の中で、区長は政治家として特別区財政を守るための行動を、直ちに都に向けて行うべきではないでしょうか。都を相手の歳入確保についてどのような気概を持って臨まれるのか、お伺いします。
 次に、平和問題について区長の見解をお聞きします。
 8月6日、7日と開かれた広島、長崎両市の被爆記念式典における、それぞれの市長による平和宣言は、式典参加の被爆者を初め、多くの人々の共感を得るものでありました。世界と日本の現状を正確に分析し、平和を願う諸国民の立場に立ち、自国の政府に対しても、アメリカに対しても、率直な意見を述べるものとなっていました。したがって、それはアメリカのイラクに対する先制攻撃が始まる前、世界130カ国もの政府が、アメリカの一国覇権主義による、その無法行為に対し、国連史上初めて、反対の立場を表明していたことと合致するものであります。
 広島市長は、平和宣言の中で「この戦争は、国連査察の継続による平和的解決を望んだ世界の声をよそに始められ、罪のない多くの女性や子ども、老人を殺し、自然を破壊し、何十億年も拭えぬ放射能汚染をもたらしました、開戦の口実だった大量破壊兵器もいまだに見つかっていません」と述べて、アメリカの不当無法な戦争を非難し、被爆のまちの市長として劣化ウラン弾などによる放射能汚染についても厳しい批判の目を向けています。
 ところで、田中区長は、私の第1回定例会の質問に対し、アメリカのイラク攻撃については外交問題であるから、首相の行動などについては申し入れするような立場にはないと答弁されました。これが2月20日のことでありました。しかし、4月3日には、小泉首相どころか、ブッシュ大統領に対して緊急声明を送りつけました。定例会答弁とは異なった行動をされたわけですが、外交問題でも積極的に発言をされるということは、私も要望していたところですから、このこと自体は評価できることです。
 しかし、問題はその中身です。区長は、その声明の中で「国連決議が誠実に履行されないことが原因であり、イラク政府の対応がただされなければならないのは当然と考えます」と、アメリカが先制攻撃をしかけたのは、イラク側に非があるのだからやむを得ないとの立場をとっていました。これではアメリカの先制攻撃を容認することになってしまいます。国連の査察委員会は、それまでの調査で、大量破壊兵器の存在は薄いと見られることを発表していました。査察そのものも、イラク側が当初に比べて極めて協力的になっていたことから、もう3か月あれば全て終了させることができると発表していたのです。
 この国連による査察継続の方針は、圧倒的な加盟国に支持され、政治的にアメリカは孤立し、窮地に陥っていたにもかかわらず、アメリカがすべて正しいとの強硬姿勢を崩さず、先制攻撃に突入していったのです。問題は、アメリカのこの行動がイラクのみにかかわらず、アメリカがならず者国家と規定する他の国々に対しても、先制攻撃を行う可能性のあることを、国防戦略方針の中で明らかにしていることです。そういうアメリカの無法な行動を容認することが、世界平和にとって、どれほど危険なことであるかは明らかではありませんか。
 アメリカ国内でも9・11を迎えてブッシュ大統領の危険な行動を真っ向から批判をする世論が強まり、上院議員の中でも批判が広がっていると伝えられています。世界中の人民と大多数の政府がアメリカを批判している、そのさなかに、あなたの声明は結果的にアメリカの先制攻撃の立場を是認していたといって過言ではありません。
 我が国元首である小泉首相も、アメリカの言いなりに、イラクに駐留するアメリカ軍支援の自衛隊派兵法を、与党の国会強行採決という暴挙によって決め、アメリカの強い指導に従い、今、早期に派兵を実行しようと機会をねらっています。これらは明らかに憲法9条をふみにじるものです。
 国連加盟国191カ国のうち130カ国もの政府が戦争に反対したのは、国連史上初めてのことでありました。国連憲章に基づく行動こそ平和を守る最も有効な方法であることを70%以上もの国々が支持したのです。区長の声明は、これらの世界の良識と相反するわけですが、今でもその考えはお変わりありませんか。さらに、自衛隊のイラク派兵については、憲法の平和条項と中野区の憲法擁護・非核都市の宣言の立場に立って考えたとき、どのように判断されますか。区長の見解をお聞きします。
 平和、平和と叫ぶことはだれでもできます。最も声高に平和を叫んでいたのは、平和を破壊してきた張本人のブッシュ大統領です。だから今、平和を主張するとき、最も留意しなければならないのは、平和の国際秩序を守るということです。国連憲章に定められた平和の秩序、すなわちどの国にも他国を侵略する戦争や先制攻撃の戦争は許されない、ある国が軍事行動をとる権利を持つのは、侵略を受けたときの自衛の行動と、世界平和のため安保理事会が決定した軍事行動のときだけだということです。これらは、国連憲章第1条目的や、第6章紛争の平和的解決に具体化されていますが、区長はこの国連憲章にのっとった平和的解決の道についてどう考えられますか、お尋ねします。
 中野駅周辺まちづくりとサンプラザ問題についてお聞きします。
 今、東京では都市再生という名の大規模再開発が嵐のごとく吹き荒れています。東京、大阪、名古屋などの大都市での都市再生は2001年小泉首相を本部長として発足した都市再生本部の指導のもとに行われているものです。都市再生の目的は、国際競争力のある世界都市を形成するための基盤整備を行うとともに、民間投資を引き出し構造改革を進めるといったものです。そのために、企業の要望をすべて取り入れる形で、再開発法や建築基準法などの制度を聖域なく緩和し、改革を進めるというのです。基盤整備の重点は拠点空港の整備や拠点港湾の整備、環状高速道路体系の整備といった10兆円を超すような公共事業が中心でありますが、同時に拠点型再開発の基盤整備も重視しています。警察大学跡地整備の面積とほぼ似かよった31ヘクタールの汐留シオサイトの民間投資は建設費だけでも4,000億円以上に上りますが、基盤整備として東京都も1,463億円の税金を使っています。
 さて、今までの中野駅周辺再開発構想では、警察大学跡地や区役所周辺などは、主に公共施設中心でありました。学校や福祉施設、文化施設、スポーツ施設、公園、区役所といったものでした。ところが、今進めようとしている中野駅周辺まちづくりでは、区役所周辺を「にぎわいの心」と据え、今進められている東京の都市再生のような再開発を中野でも進めよう、職・住・遊一体化複合超高層ビル群と形容されているような、都市再生が目指すまちづくりを進めようといった道へ踏み出しているのではありませんか。
 先日、当議員団は04年度第1次予算要望書を区長に手渡しました。そのときに区長から出た話は、従来の商工業者を大事にすることも重要だが、新しい事業者を入れることもさらに重要だ、都区財調財源がもっと集まるような都市に変えなければならないといった構想が語られました。既にそのための区外事業者、大手の上場企業だそうでありますが、中野への参入の意思を問うアンケート調査を進めることが、区民委員会で報告されています。また、まちづくり調査検討委員会における新都市建設公社の報告では、東京のセンターコアに隣接する中野駅周辺には、医療・教育・業務機能など、新たな都市機能を集積させ、確実な交通処理とまちづくりの実現に対応した基盤整備を、駅周辺地区の整備方向とすることが打ち出されていますか、これも都市再生の流れに沿ったものと私には見えます。
 都市再生法に基づき緊急整備地域に指定されれば、建築基準法、都市計画法、用途規制、容積率規制、高さ規制などが実質的に取り払われます。一般的に都市計画の手続をする場合、都市計画の素案作成から、都市計画事業認可を得るまで法律では最短2年と8か月要しますが、緊急整備地域の場合は事業認可まで、わずか6か月で済んでしまいます。このようなやり方で進めれば、区民の意向をくみ上げるなどといったことは大変難しくなってしまいます。
 さらに、民間活力を引き出すことが中心の都市再生ではありますが、大規模な再開発には、公共施設整備、基盤整備が伴います。中野区の莫大な財政負担が不可避的に発生します。91年の長期計画でさえ中野駅周辺地区整備の計画事業費として1,300億円を計上していましたから、今度はそれにとどまらないでしょう。
 新宿地域では極めて広範囲かつ大規模な再開発が進行し、計画されています。既に一段落した新宿駅南口、西新宿六丁目地区、進行中の北新宿地区、西新宿三丁目地区など、嵐のような勢いで進んでいます。わずか3.数キロの距離にある全国的に見ても有数の商業業務地区と競い合って、中野に勝ち目があるとは思えません。中野駅周辺には、住宅のまちにふさわしいまちづくりが求められています。かつて議会に出された陳情が構想していた「豊かな緑と水辺の公園のまち」や、我が党が一貫して訴えている「緑と広場の避難場所」などを目指すまちづくりこそ、中野の特徴を打ち出したものになると私は考えます。少なくない自治体が、今、緊急整備地域に便乗して、市街地再開発事業を進めようとしているとの報告がされています。中野駅周辺再開発もそれをねらっているのではないかと、先日も中警特で私は質問しました。理事者からは、そんなことは考えていないという答弁でした。同じ質問を区長にもさせていただきます。お答えください。
 さて、これらの関連でサンプラザ取得問題が重要な課題となってきました。共産党区議団は、サンプラザ問題について、ことし3月には厚生労働大臣に対し、売却方針を再検討することを申し入れ、それでもあくまで譲渡するという場合でも、青少年対策事業を継続させ、中野区に対しては現行使用継続を前提とした負担付贈与方式とするなど、中野区に財政負担を押しつけないことを申し入れてきました。同時に、区に対しても申し入れの内容を紹介し、区としても国に対し、同様な態度をとるように申し入れました。ところが、区長はこのような考え方には目も向けず、買収まっしぐらで進めて今日に至っています。サンプラザを取得する理由は、区報でも区民対話集会の区長の発言からも、10年後の再開発の種地にするということが唯一最大のものです。したがって、区民がなれ親しんできたサンプラザをずっと残していこうとか、そこで行われている勤労青少年へのさまざまな事業を、この10年も大事にしていこうとかの視点が全く見えません。
 10年間の運営についても不透明です。東京建物による従業員を4割削減させるといったよいとこ取りの試算でさえも、10年たっても第三セクターに40億円もの借入額が残るといったありさまです。サンプラザの収入の半分を占めていた結婚式も、98年に比べて02年は4割も減る、最高時に比べると現在は3分の1だそうですけれども、といった状況のもとで、黒字を出すことは極めて難しいとの指摘もあります。区長は第三セクターに任すから安心だといった、何の根拠もない言行を繰り返しています。全国的に見ても、この手の第三セクターで、文化施設や観光施設の運営に失敗したところが山ほどあることが報道されてきました。買収することを決めながら、第三セクターの運営の確実さについては、具体的には何も区民に説明しないで、ただ大丈夫と言っても信用できません。
 結局のところ、どんな事態になっても、時価のおよそ半分の50億円で買えれば、見通しが狂ってたとえ赤字を出しても、100億円で売れば何とかなるとの打算を持っているのではありませんか。区の考え方の中で「将来、再開発などまちづくりの用地として活用する際に、その事業の中で回収することは十分可能と考えている」と説明していることにも、そのことはあらわれています。
 降ってわいたような話に急いで飛びつき、10年間維持するための十分な検証もなく、どんな活用をするかについて煮詰めもなく、国が放棄する事業のしりぬぐいをすることになるのに、買うことだけを先に決めるといった乱暴なやり方に、多くの区民が眉をひそめています。区長選挙で、もう箱物はやらないといった約束はどうしたのかと区民に問われて「私が批判したのは、財政力もないのに実現できそうもない施設を持とうとしたことだった」と答えていますが、再開発用地を買うような財政力はついたとでも言うのでありましょうか。サンプラザ買収については元に戻して、厚労省との再交渉を行うべきです。見解をお聞きします。
 中野駅周辺再開発のための調査検討委員会の作業が始まりました。また、警察大学跡地土地利用転換計画の最も中心的な施設計画の一つであった焼却型清掃工場が計画中止となる中でも、中野駅周辺まちづくりの一端を占める地区幹線道路の都市計画化は実施されるという、ちぐはぐな現状も呈しています。専ら清掃工場への搬出入を、地区幹線道路の主体的な役割として設計されたはずなのに、肝心な清掃工場が中止となっても、とってつけたような理由で計画道路の正当性を主張し、都市計画決定を強行するのは、区民にとって納得のいかないものであります。
 さて、清掃工場が中止となって警察大学跡地の利用計画の中心が喪失したということから、改めて計画を区民参加のもとで練り直すのは当然でしょう。したがって、再検討に当たっては、従来以上の十分な区民の参加が保証されなければなりません。この10数年来、清掃工場が計画の中核となっていたものがなくなってしまったのですから、次に一体何をつくるのかということに最大の関心を持っている該当地域の住民はもちろんのこと、今までの計画づくりに参画してきた多くの区民の皆さんの参加が必須のはずであります。
 ところが、9月3日に第1回目の会議を行ったまちづくり調査検討委員会は、公募5名の区民を入れて町会代表の皆さんも含め、わずか13名にしかすぎません。それに対して、再開発を専門とする官僚・学者・機関などの代表が14人です。人数的にはほぼ同じでも、再開発をなりわいとしている皆さんばかりですから、持っている情報量や専門知識には大きな格差があります。
 中野駅周辺のまちづくりで従来進められてきた区民参加は、今進められているような不十分なやり方とは違います。90年11月に策定された「中野駅周辺地区整備構想」に基づき、翌91年7月に入沢恒氏を会長とした「中野駅周辺地区土地利用計画区民会議」が発足しました。翌92年5月に至る10か月間にわたって当該地域住民を含めた区民39名及び区議4名、学識経験者5名の参加で検討が進められました。その提言に基づき、その後3か月間は、町会、住区協議会、地域住民などを対象に延べ9回の説明会が開かれています。その後、区民の声を十分取り入れた上で、区、東京都、警視庁、学識経験者等で構成される「土地利用転換事業検討連絡会」が発足し、ここで初めて専門家の計画立案の作業が始まったのでした。
 これら過去の計画策定の経過と比べて、今進めているまちづくり計画策定のスケジュールとその内容には大きな問題点があると言わざるを得ません。12日に開かれた駅周辺・警大跡地特別委員会では恐るべき拙速スケジュールが報告されました。確かに、既に警察大学等が移転を終わっている今の時期と、その前の90年代とを同じ条件だとして比較することは少々無理があるかもしれませんが、それを考慮に入れた上でも、わずか半年でまちづくり計画素案を作成し、2004年度中には都市計画の手続にまで入っていくというスケジュールは信じられないようなスピードです。しかも検討委員会の開催数は、わずか4回というありさまです。これでは、さきに紹介した都市再生緊急整備地域の手続事例と同じになってしまうではありませんか。
 さらに問題なのは、これらの計画の策定期日を、来年12月に制定を予定している基本構想と10か年計画に時期を合わせているということです。現にまちづくり検討委員会の冒頭、調査検討委員長は早い段階で事業化をと区長に言われているのでとあいさつで述べています。責任者の口から区長の意図があけすけに語られています。全ての計画を遅滞なく速やかに仕上げるために、みずから約束した手ごたえのある区民参加の方式も投げ捨て、ただただ計画策定にまっしぐらというのでは、区長選挙での「警察大学校跡地利用計画を区民参加で見直す」との約束に反するのではありませんか。
 特別委員会で、まちづくり部長は、住民の意向は今までにも十分とらえてきたので、期間が短くても問題は起きないといった趣旨の答弁をしていましたが、それこそひとりよがりというものです。メールで意見を聞いているから十分というものではありません。これだけ重要な中野区の基本問題については、それなりの組織と時間が必要です。まちづくり調査検討委員会の検討結果やそれに基づく計画素案の作成には十分な時間をかけ、その結果についても区民参加のもと十分な議論ができる体制をつくることを求めます。答弁を求めます。
 住民基本台帳ネットワーク問題についてお聞きします。
 昨年9月、区長が住基ネットへの接続を切断したことを我が党は勇気ある決断として評価しました。住基ネットを批判する多くの区民からも歓迎されました。区長コメントで「住基ネットの稼働の前提として、万全な個人情報の保護措置がなされることが必要である」とし「区民の個人情報が確実に保護されることが十分に確認できず、したがって区民のプライバシーが侵害されるおそれが払拭できません」と判断し、切断したものでした。このコメントは主に住民基本台帳法上の個人情報保護の仕組みや、保護されるとすれば、その法的措置の有効性などについて触れられているもののようでありますが、その後の区条例の内容などからいって、技術的セキュリティーについても配慮していることは明らかです。
 区長は、個人情報保護関連5法の成立、国の保護対策、区条例の制定をもって、再接続の条件は整ったとして、ことし8月再接続を行いました。しかし、再接続のコメントで上げられている項目が実施されることで「万全な個人情報の保護措置がなされ」たでありましょうか。
 区長は、昨年8月14日付の総務大臣に対する照会状で「名寄せなどによる情報の一括管理も禁止されているものと理解しています。こうした禁止行為が行われることを防ぐために、具体的にどのような対応策がとられているのでしょうか」と聞いていますが、それはどう保証されたのでしょうか。国の行政機関が一度受け取った個人情報を蓄積し、名寄せ行為する場合でも、それが行政上必要なものであると主務大臣が判断すれば、違法ではないことに行政機関個人情報保護法では規定されています。際限なくそういう判断がされるおそれがあるではありませんか。また、自治情報センターから国の行政機関が個人情報を受け取る際のアクセスログは備えることになっていますが、行政機関にはアクセスログは設置されませんので、行政機関同士の情報のやりとりについては何の記録も残りません。したがって、行政機関は、証拠を残すことなく、半ば自由に名寄せなどの事務を行うことができます。第2次稼働が発動された8月25日付の日本弁護士連合会の声明で「この間に、個人情報保護法や行政機関個人情報保護法などが成立したものの、繰り返して指摘してきたように、個人情報の保護法制としてはまだまだ不十分なものである。特に住民票コードによって多くの個人情報が名寄せされる危険性が高まり、そのチェックシステムすら欠いたままであるため、国民のプライバシーが侵害される危険性は高い」と批判をしているところです。
 これらのことは、私が何度も区民委員会で指摘してきたことです。こういう危険には目をつぶってしまうのですか、見解をお聞きします。
 システム上のセキュリティーの脆弱性についても、引き続いて指摘されています。8月に世界を席巻したブラスターは都庁や世田谷区などを初めとした自治体ネットワークにも感染しました。総務大臣が国会答弁でたびたび「住基ネットは、全地方自治体と地方自治情報センターを結ぶ、閉じた専用回線です」と答弁してきました。ASAHIパソコンというコンピューター専門誌は、最新号でこの問題を取り上げ、「この自信に満ちた発言を聞けば、普通の国民は、住基ネットは専用の回線が引かれ、インターネットなど外部ネットワークなどとは一切接続がないと思うだろう。インターネットに接続されていなければ、悪質なハッカーが外部から侵入する危険性はほとんどなくなる。これが住基ネットの安全性の有力な証拠だった。だが、それは違った」と指摘し、続けて「つまり、住基ネットは独立したネットワークだという総務省の説明は、ファイアーウオールとVPNの技術を使った仮想的なものだったということがわかる。そもそも物理的に分離されていることと、仮想的に分離されていることは全く違う。物理的に分離されているのなら、そこから侵入されることはないが、仮想的な分離の場合は、ファイアーウオールやVPN技術の堅牢さと、クラッカーの腕の勝負になる。設定の間違いなど人為的ミスも起こり得る」と、住基ネットワークの脆弱性を説明しています。このことも何度も議会で指摘をされていることです。しかも、その上、総務省の発表によれば、全国で813自治体が住基ネットと庁内LANを、ファイアーウオールを介して接続しているということも、このほどわかりました。総務省は、この危険極まりないネット接続も承認しています。こんな状態でも、万全な個人情報の保護措置がなされたと区長はお考えですか、お伺いします。
 昨年、法律施行に抵抗してまで、住基ネットを切断した、同じ区長の判断かと思われるぐらい、今回の再接続に当たっての姿勢は腰砕けのものでありました。官から民への大転換を呼号し、中央集権から地方分権へ、古い政治にノーをつきつけ、100%市民派の勢いは一体どこへ行ったのでしょうか。
 区長は、住基ネットそのものには反対でないと、たびたび意思表示されていますが、それは現在の本人確認情報のみ取り扱う住基ネットのことでしょうか。今後、住基ネットの取り扱い情報が拡大をされる、あるいはこのネットに乗せて、さまざまな個人情報がやりとりされるといったことに対しては既に電子政府という構想で国が明らかにしているところでありますが、そういう点についてはどうお考えか、所見をお尋ねします。
 西武線踏切渋滞解消問題についてお聞きします。
 区長は、区民との対話集会の中で、西武線渋滞解消問題で質問をされ、解決までには20年30年かかるといって、区民を失望させたと聞いています。これは中野区が西武線の立体交差化と駅周辺を中心とした沿線まちづくりをセットにして、同時に進めようと考えていることから起きてきます。沿線まちづくり事業をセットにして進めることは、事業期間を長期なものにしてしまうこと、私たちは昨年の本会議質問の中で指摘してきました。既に、中野区は都庁に行って沼袋駅周辺再開発についての事前調査を行っているようですが、区内全域にわたる西武線との立体化を、全ての駅周辺再開発とセットにしてやるということにでもなれば、そのための住民合意を得て都市計画事業として実施するまでには、それこそ20年30年かかってしまうことは十分考えられます。また、再開発の基盤整備には莫大な区の財政負担がのしかかり、その意味でも長期化が避けられません。
 大体、建運協定に基づく連続立体交差事業は、沿線まちづくりを義務化していません。この建運協定の第1条目的には「この協定は、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関し、事業の施工方法、費用負担方法、その他必要な事項を定めることにより、連続立体交差化を促進し、もって都市交通の安全化と円滑化を図り、都市の健全な発展に寄与することを目的とする」とあるように、専ら立体化の促進を図ることを目的としているのです。確かに西武鉄道や都市再生に熱心な東京都は、同時に駅周辺再開発を進めたいでしょうが、都議会に提出された6万9,000人の町会連合会の請願書にもあるように、区民が望んでいるのは、一日も早い渋滞解消であって、まちづくり再開発ではありません。我が党は、この7月、国土交通省との協議を行いましたが、国も東京都から出される連続立体化都市計画が、立体化事業のみの場合でも、国として費用の負担は行うと回答しています。既に、建運協定による立体交差化事業は、全国的にかなりの事業が行われていますが、西武池袋線桜台付近連続交差化事業や仙石線仙台地区連続立体交差化事業のように、立体化のみで行われているところもあります。既に、立体化とまちづくり調査委託事業や、年度内4回程度の3者協議を持つ予定のようですか、中野区として今後の方針を抜本的に再検討し、3者検討会には、まちづくりを排したこの提案を持ち込むべきだと思います。所見を伺います。
 最後に、震災対策について伺います。
 東北地方を連続して震度6の地震が3回も襲うなど、日本列島は地震の平穏期から活動期に入ったと言われています。特に、東京都地下の活断層による直下型地震はいつ起きてもおかしくないといずれの専門家も強調しています。地震が起きた後の対策は不十分ではあっても、それなりに体制が準備されていますが、予防策といったものは非常に不十分であります。とりわけ、阪神淡路の大震災で倒壊した建物による死者が、全体の9割を占めていたということがわかっていながら、当区では1970年、昭和45年以前の耐震性の低い老朽家屋が3万500件も存在しています。東京都による震災被害予測では、中野区内での死者は516人と推定をされています。したがって、建物倒壊を予防することは犠牲者を出さない最大の対策になります。しかし、それについての区の施策は極めて不十分です。
 そこで、まず危ない建物にお住まいになっている区民が、そのことをはっきり認識しなければなりません。ところが、そのために役に立つ建物の耐震診断で、現在、区が取り組んでいるのは、区民が自分で行う自己診断だけです。素人にはなかなか難しいもので、一般的ではありません。これでは住宅の危険性を具体的に知ってもらうことにはつながりません。横浜市では年間2,000件を目標に、市内の建築士組合の協力を得て、1件当たり2万6,000円の比較的低い予算で、無料の耐震診断を実施しています。既に1万1,700件の診断が行われていると聞きます。いろいろなやり方を工夫して、無料の耐震診断を実施すべきです。建設委員会においても、補助制度の検討を求める陳情が趣旨採択されました。無視できない区民の声ととるべきです。御答弁ください。
 さらに、診断と連結した建物耐震補強策が取り組まれなければ意味がありません。今、国立科学博物館で公開されている、ザ・地震展において、先日、国土交通省に後援によるシンポジウムが開かれ、従来の耐震補強工事から見れば、大変安い価格での工法がNPOから紹介されました。問題はこれらの工法が信頼に値するものなのか、いっとき見られたような施工後に事前説明よりも高額な工事費を吹っかけられるといったような不安はないのかといったことについての区民の不安に、区としてこたえられなければなりません。つまり区の責任で紹介できる仕組みをつくる必要があります。区民が安心して工事を依頼できる状況をつくらなければなりません。審査中の第26号陳情の第1項でも「信頼性を確保する仕組みづくり」を提起していますが、私の考え方についても同じです。
 このことは、どこの自治体でも取り組まなければならない仕事でしょうから、共同で取り組み、国に対し、技術的な協力を要請するなど、新しい工法の検証と認証制度のようなものへの取り組みが急がれています。今、国は個人財産には補償をしないという従来の大原則を変更し、鳥取県が先鞭をつけた個人の住宅再建支援の事業を来年度から行うことになりました。そのため、さまざまな工法についての検討も始まるようです。中野区としても真剣に取り組まなければならない時期となっています。耐震工法の積極的紹介と補助制度の検討をすべきです。お答えください。
 最後に家具転倒防止についてお聞きします。以前にもこの問題での提起をしましたが、特に高齢者世帯などでは対策は進んでいないようです。ボランティアなどの協力も得て、倒壊防止工作隊みたいなものを呼びかけて、高齢者、障害者などの世帯を対象とした無料転倒防止施策を進めていただきたいが、いかがでしょうか。
 これらのことを実際的に進めるためには、現在の組織体制での取り組みでは全く不十分です。建築課が仕事の合間にやるといったことでは進みません。専管部署をつくって精力的に検討を行うことが、いつ起きてもおかしくない大地震への備えです。あわせてお答えください。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 池田議員の御質問にお答えをします。
 私の方からは、東京都の第2次財政再建推進プランまた2002年の決算について、平和の問題、さらに住民基本台帳ネットワークの問題、こうしたことについてお答えをさせていただきます。
 まず東京都の第2次財政再建推進プラン、この検討の内容について、東京都に適切な働きかけをするようにというような御質問の趣旨だったと承りました。
 7月に区長会として東京都に16年度に向けた要望を行っております。その際に、都市計画交付金、これについて、市町村目的税としての都市計画税の趣旨を踏まえて、適正な取り扱いをするように強く申し入れをしたところです。そのほか、現在の財政状況にあっても、都として区に対する適切な財政対応を図るように、所要の事項についてもさまざま申し入れをしているところであります。
 都の財政も厳しい状況にあることは理解をする必要があるというふうに思っております。しかし、特別区に対して財政難に名をかりて不当な財政負担を強いるといったようなことがないように、第2次財政再建推進プランの策定経過に注目をしていきたいというふうに思っています。
 それから決算の中での財調交付金の問題であります。財調をめぐる協議、東京都との間で政治家としてしっかり主張をするべきだということであります。地方自治法の趣旨を踏まえた都区の役割分担の原則、それから都の行う大都市事務の考え方、財源配分のあり方、そうした課題について、現在、都区検討会で検討しております。区に必要な財源を確保するための主張ということについては、機会あるごとに行っておるわけでありまして、区長会などとも諮りながら、今後とも積極的に主張をしていきたいというふうに思っています。
 それから平和の問題についてであります。
 4月3日の区長名での緊急声明についての御質問でありました。私どもが声明をした内容とお受けとめとはかなり印象が違っているかのようにお聞きをいたしました。
 イラクの立場を擁護しなかったというようなことから、何かアメリカ、イギリスを擁護したというようなお受けとめの御質問でもあったように思いましたけれども、この緊急声明は読んでいただければわかるとおり、戦争当事国であるアメリカ、イギリス、イラクの3カ国に対して声明文を送付したものであります。決してイラクのみを非難する、またアメリカを擁護する、そういったものではございません。国連憲章に基づいて、国連を中心とする協議と話し合いによって、世界の平和の実現に向けて努力をする、そうした立場からの緊急声明を行ったものであります。
 なお、自衛隊の派遣についての御質問もあったようですけれども、法の趣旨に沿って行われるものというふうに考えております。
 住民基本台帳ネットワークの問題についての御質問であります。
 まず保護対策は万全だと考えているのかという御質問であります。
 まず一つ、個人情報保護5法の成立というのは、住基ネットのセキュリティー対策の上で、大きな前進と受けとめています。行政機関個人情報保護法の成立などによりまして、行政機関が取り扱う個人情報の取り扱い方等についての原則、そうしたものが定められているわけであります。また、これまで区として国等に対してさまざまに働きかけをしてきたこと、それから個人情報の保護措置を確認するための照会、そうしたようなことによって保護対策が着実に整備をしてきたというふうに私は考えております。
 また、国の対応などでとらえ切れない事項について、区独自に本人確認情報を保護するための条例も制定をしたわけであります。
 こうした状況を総合的に判断をしまして、現時点でとり得る対策、運用するために、安全を守りながら運用するための基本的な仕組み、これが十分になったと判断をしたわけであります。
 それから住基ネットの有用性を言っているけれども、どういうことなのかというような御質問もありました。
 基本的に、住民基本台帳のネットワーク化によりまして、全国共通の本人確認のシステムが整ったわけであります。住基ネットでは利用できる個人情報というのは法律で具体的に規定をされています。住基ネットの本人確認情報を法律で定めている以外の目的に利用することはできません。法律違反で名寄せをするといったような取り扱いがあった場合には、行政機関個人情報保護法あるいは改正住基法そのものによっての罰則規定なども設けられているわけであります。
 また、近く施行が予定をされております。公的個人認証サービスによって、インターネットでの行政機関への各種申請、届け出などが可能になります。この公的個人認証サービスについても、本人確認のために、住民基本台帳ネットワークでの情報を利用するといったようなことが想定をされているわけであります。
 こうしたことによって、住民の利便性が大幅に向上したり、あるいは良質な行政サービスの提供、あるいは行政の効率化が推進されるものというふうに考えております。
 住基ネットはIT社会、これからのIT社会、インターネットの進んでいく社会の中で行われる市民活動において、的確な本人確認、これを行うことによって、個人の権利を守っていく、そうした重要な仕組みであるというふうに考えております。そうした意味で、これからのIT社会の推進を支える基盤となる有用なシステムだという評価をしているところであります。
 私からは以上でございます。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは財調基金の積み立てまたは取り崩しについての御質問にお答えいたします。
 14年度に27億円の財政調整基金を積み立てられたことということで積み立てた原因となる事例を幾つか御説明願いましたが、今回、積み立てられた理由といたしましては、行財政の改革の成果、これはあるわけですが、13年度の一時的な景気の回復、これがありました。そのことによりまして、特別区交付金、地方消費税交付金が非常に伸びました。また、用地売却ということで、5か年計画の中で示した内容がございましたが、その後、それが予定より進んだということ、そういったことを合わせまして、その結果として13年度の実質収支が39億円生じたということから、14年度に27億円の財調基金を積み立てたというものでございます。
 また財調基金の積み立てというのは、黙って積み立てるわけではなくて、目的を持って積み立てるというものでございます。また、その目的によって崩すということを行うものでございますが、財調基金への積み立ては、年度間の財源調整、これは年ごとに税収が上がったり下がったりする、そのことによって住民サービスに直接影響しないように、安定的に運営するという年度間調整を図るためのほか、施設の老朽化、こういったことによる改修経費等を安定的に行っていくというもの。また、定年退職者の急増による退職金などによって収入に対する負担を多くするということではなくて、安定的なサービスを行うということ、また一時的に多額の財政を必要とする、そういった要因が出てきた場合、こういったことに備えていくものでございます。そういう中で適切な取り崩しを行っていくというものでございます。
 以上でございます。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは中野駅周辺のまちづくり、それから西武線の踏切問題について御答弁を申し上げます。
 まず1点目でございますけれども、中野駅周辺のまちづくりは、政府が進めている都市再生と一致するというか、そういった趣旨だったと思いますけれども、都市再生というのは言うまでもございませんけれども、都市について失った魅力ですとか国際競争力を取り戻して、近年の社会経済状況の変化に対応できるよう再生していこうとするものでございまして、中野といたしましても、都市の魅力の向上、都市機能の高度化、居住環境の向上、産業振興などを図っていく必要があるものだというふうに認識をしているところでございます。
 中野駅周辺を「にぎわいの心」中野の顔として整備していきたいと、このように考えているわけでございまして、現在、調査検討委員会を設置して、検討中でございますけれども、都市再生という観点も不可欠かと考えてございます。
 次に、区民参加、中野の駅周辺まちづくりの区民参加についての御質問でございますけれども、これは御質問の中にございましたけれども、この検討の中心となっております中野駅周辺まちづくり調査検討委員会、こういうものを設置しているわけでございますけれども、20何名の委員のうち、公募委員5名を含みまして13名の区民が参画をしております。その中には、近隣の町会、商店街の関係者も含まれているわけでございます。
 また、この本件まちづくりでございますけれども、全区的な規模を持つものであるということでございまして、この調査検討委員会につきましては、どなたでも傍聴ができるというようなことに心がけているわけでございます。また、7月の区報では区民のアイデア、それから意見等も募集をしているところであります。
 また、年末を目途に、このまちづくり計画素案、中間のまとめをしたいと、まとめを行っていきたいと考えているところでございますけれども、これにつきましても広く区民の意見をお聞きすべく、シンポジウム等開催する予定でございます。その後も区民の意見をお聞きしながら、区の計画案としてまとめていきたい。
 それから平成16年度以降、2004年度以降でございますけれども、都市計画区域での手続、これは必要に応じて順次やっていくわけでございますけれども、それについても計画案につきまして、区民の皆様に説明会、それから縦覧等の実施も行っていくということで、これにつきましては意見書も提出できるというようなことで、このようにした手続をとってまいりたいと考えているところでございまして、区民参加も十分担保されていると考えているところでございます。
 それから次の西武新宿線の踏み切り関係でございますけれども、沿線のまちづくりとは別に地下の鉄道の連続立体化のみを早期に進めるべきという御質問だったと思います。
 沿線のまちづくりを行うことによって、西武新宿線の踏切対策が私どもはおくれるものではないと思っているところでございます。また、踏切対策のいかんにかかわらず、沿線のまちづくり、地域のまちづくりというものは、地域環境の改善、それから防災性の向上、商店街の振興といった観点からも大変重要なものであると認識をしているところでございます。
 そもそも連続立体交差事業は、まちづくりの一環として実施されるものでございまして、全国で年間20件ほどの補助の申請があると聞いておりますけれども、採択は2、3件というような状況でございます。事業の採択に際しましては、法的には沿線のまちづくりが条件として定められていないということでございますけれども、沿線まちづくりがなされなければ、連続立体交差事業の採択はあり得ないというふうに認識をしてございます。
 以上でございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私からはサンプラザの譲渡に関する御質問についてお答えいたします。
 まずサンプラザの取得の目的、10年後のまちづくりの種地にするというだけではないかというような御質問でございます。
 サンプラザを区が関与する形で取得をするということによって、まずサンプラザが持つ人が集い、にぎわうといった機能が継続できるという意義があるというように考えております。また、サンプラザ、10年後に全くその機能が失われるということではなくて、10年後以降、いずれかの時点で建てかえるという場合にあっても、何らかの形で中野駅周辺まちづくりの全体の中で生かしていく、「にぎわいの心」としての役割が一層高まるようにサンプラザの存在というものを活用していくという考えでございます。
 また、現在の機能、勤労者福祉施設としての機能を前提に無償の譲渡ということを国に求めるべきであるというような御指摘でございます。この機能のうち、相談センターや図書館というものについては、国の事業として行われておりましたが、国の方では継続しないという考えであるというように聞いてございます。
 また、今回の譲渡、昨年8月以降、さまざまな協議をしておりましたが、譲渡の考え方というのは国の大きな方針のもとに進められております。その方針の考え方、これまでの協議の経過から、区が無償でというような話をしても、その無償で話がまとまるというような可能性はないというように考えております。現在の協議の到達点を踏まえて進めていきたいというように考えております。
 以上でございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは震災対策につきましての御質問にお答えをさせていただきます。
 木造建築物等の耐震性の確保につきましては、中野にとって特に防災まちづくりの重要な要素であろうというふうに考えております。何点か御提案がございましたけれども、区は現在、家具の転倒防止、これも御提案ございましたけれども、転倒防止なども、こういったことも含めまして、木造住宅の耐震診断や耐震補強のための新たな支援制度を具体的に検討をしているところでございます。またその推進体制でございますけれども、民間との連携も視野に入れたことを考えているということでございます。
議長(山崎芳夫) この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
     〔池田一雄議員登壇〕
42番(池田一雄) 再質問をいたします。
 まず第2次財政再建推進プランですが、区長は財調問題については、区長会の中で今までも頑張ってきたし、今後も主張していきたいというふうに、かなり明確におっしゃっていただきましたが、この第2次財政再建推進プランについては、7月に16年度の予算要望をしたと、しかし、このこと自体については注目をしていきたいというふうにおっしゃっただけのように私には聞こえたんですが、こういう非常に特別区財政に対して、都市計画交付金ももちろんですけれども、特別財政全般に非常に大きな影響を及ぼす、この問題について、もう一度、区長個人として、あるいは区長会への働きかけ、東京都への提起などについて、具体的にどのように取り組まれるのか、もう一度お伺いします。
 それから平和問題ですが、4月3日に区長が声明を出されたときは、ちょうど区議選の直前でしたし、私はつまらないことを言うもんだというふうに思ったんですが、本会議での質問でもないかなというふうに思っていたんです。ところが、8月の長崎、広島のそれぞれの市長の声明を読みまして、余りの落差に本当にびっくりしたんですね。
 さっきは広島市長の平和宣言を紹介しましたけれども、長崎市長も「そのような中で、ことし3月米英両国は、イクラの大量破壊兵器保有を理由に、国連の決議を得ることなく、先制攻撃による戦争を強行し、兵士のほか、多数の民間人が犠牲となりました。国際協調による平和的解決を求める私たちの訴えや世界的な反戦運動の高まりにもかかわらず、戦争を阻止できなかったことは無念でなりません」というふうに声明を出されているわけですよ。あのときは、まさに全世界中、50万以上のデモ行進で戦争に反対をした都市というのは、世界で20以上に上るわけですね。まさに世界中が反対をしている、イラクの大量破壊兵器があるからという、そういう理由での戦争はまかりならぬという声が圧倒的だったわけですよ、先ほども紹介したように。
 ところが、区長の4月3日声明というのは、イラクがそういうことを、国連の取り決めに反してやっているからしようがないんだというふうな書き方をしているわけで、これは大変な問題だなということを私はこの長崎と広島の市長の声明を読んで思ったんです。
 だって、区長はこう言っているでしょう、「確かに開戦となり、現在の状況を迎えてしまいました」と「国連決議が誠実に履行されないことが原因であり」と、これはだれのことを言っているんですか、一体。国連決議が誠実に履行されないというのはアメリカのことを言っているんですか、そうじゃないでしょう、これはイラクのことを言っているわけでしょう。「イラク政府の対応がただされなければならないのは当然と考えます」と言っているじゃないですか。当時の国連安保理事会全体の動きとしては、このイラク政府が国連の査察に協力をして、査察委員会そのものも3か月間で、あとすべての査察が終わるという日程案を、国連安保理事会に出していた。そういう状況の中で、それらを一切無視して、アメリカが先制攻撃を行ったわけでしょう。
 そういう状況から見て、この「国連決議が誠実に履行されないことが原因であり」と、イラク攻められたって当然だと、そういう声明じゃないですか、もう一回答えてください。
 それから、住基ネットの問題ですが、私が質問したことに答えていただいていないわけですね。今までの本会議答弁の繰り返しにしかすぎませんでした。具体的に今、専門家から、まず技術上のネットの脆弱性というのが具体的に指摘をされているわけですよね。現に、都庁で200台、世田谷で400台、ウイルスが入っちゃったわけでしょう。あんなの大したウイルスじゃないですよね。そういうブラスターなるウイルスが入っちゃったと、もう技術的に危険だという状況がはっきりしているじゃないですか。きょうの新聞によると世田谷区のブラスター侵入は、ある職員が自分のパソコンを電話回線インターネットに切りかえて、そこで感染したのを、また庁内LANにつないだということによって感染したというふうに原因が明らかになったというふうに新聞報道がありましたけれども、そういう人為的なミスというのは、今後もたくさん出てくるわけです。
 特に、3,200もの自治体が、このインネーネットと住基ネットにかかわっているわけで、それに従事した職員がすべて専門家ではないわけですね。何も知らない人だっているわけです、わずかな研修しか受けていない職員だっているわけですよ。そういう人為的なミスによる、万全な個人情報の保護措置がどこかで侵されるという危険性はずっとある。しかも、その上に、ファイアウオールなんていうのは、これはあって安心というものじゃありません。ファイアウオールがなければならないというのは、今や常識ですけれども、そのファイアウオールが破られて、アメリカの国防総省には、かつて潜り込まれて、データが破壊をされたということだってあったじゃありませんか。そういう状況、システム上の危険性というのが指摘をされているわけですよ。そのことについてはどうお考えなんですか、それで万全な安全確保がとられたんですかということをお聞きしているわけですし、それから何か目的外利用があった場合は、法律で罰せられるとありましたけれども、行政機関に関する個人情報保護法をもっとよく読んでください。あそこには目的外利用の場合でも、主務大臣がよしとした場合には、それは自由にできるということになっているんです。そういう意味では野放図です。
 だから、さっきも言ったように、日本弁護士連合会は極めて危険だという声明を出しているわけですよ。そういう危険性というのは、全く関連5法の中でも改善をされていない、つまり万全な個人情報の保護の体制にはなっていないわけですから、そういう状況があるにもかかわらず、区長はそれを万全な保護体制がとられているというふうにお考えになるんですか、もう一度お聞きをします。
 それから、このまちづくりについては、都市再生をお認めになりましたよね。私は庁議の報告を読んだときに、これは間違いなく、都市再生を進めているなというふうに確信を持ったんですが、こう書いてあるんですね。「また中野の新たな発展の可能性のみならず、東京の再生に寄与するプロジェクトに位置付けられる計画づくりを目指す」というふうに、これは8月19日の庁議の概要報告に載っているんですね。しかも、中野駅周辺まちづくり検討調査会の今後の予定の中で、早期に事業化を図るべき地区については、都市計画手続を開始し、事業実現を目指すと、さっき部長も同じような答弁をされましたけれども、となりますと、もう粗雑な住民参加、超スピードの検討期間ということで、何が何でも計画さえつくっちゃって、あとはもうじゃんじゃかやるんだと、都市再生の整備地域に適用されれば、今もう自治体からどんどん申請が出ていますから、それにすれば、6か月でできるんだということを本格的にやろうとされているということを宣言されたのではないかというふうに私はとりましたけれども、そういう確認でよろしいでしょうか。
 それから西武立体化問題でありますが、これは採択はあり得ないというふうに非常に自信たっぷりにお答えになりましたけれども、採択があり得ないかどうかという最も肝心な決め手は、その地方自治体が東京都を巻き込んで、まちづくりを附帯しない立体化事業という計画をつくるという、その姿勢ですよ、そこにあるんですよ。それがなしに、考えてもいないのに採択はあり得ないなんて、そういうふうにおっしゃるのは、全く何というか、20年30年でも区民は我慢しなさいということを押しつけているように聞こえますが、いかがですか。
 それからサンプラザの問題ですが、サンプラザは、これは先ほど伊藤議員も非常に不安な状況があるんじゃないかという指摘をされましたけれども、10年間、中野区が三セクで運営を続けられるかどうかということだって非常に心配なわけですよね。ましてや、先ほどの答弁では、運営にかかわる三セクが、そのまま再開発の三セクにもかわっていくみたいなことをおっしゃっていましたけれども、そんなことってあり得るんでしょうか。そんな三セクというのは、余り聞いたことがありませんけれども、そういう三セクを含めて、10年間サンプラザを運営保持し、赤字を出さないで、引っ張っていくということは、極めて困難な状況だというふうに多くの皆さんがおっしゃっていますし、私もそう思いますけれども、その辺は極めて楽観的な見方をされている。その楽観的な基礎には、いざとなれば100億でやれば何とかなるさというのが根底にあるんじゃないんですかというふうに私はさっき指摘をしたんですけれども、そういうことはないんでしょうか。
 しかも、人が集い、にぎわうことが継続することができるというふうにおっしゃいますが、それは中野区だけがやれることなんでしょうか、中野区でないところだって、10年間はそういうことをやりなさいと、ホールとホテルと宴会は続けなさいということを、国側は条件をつけているわけでありますから、それはどこがやっても、そういうことはできるんじゃないですか。中野区でないとできないというふうにおっしゃるんでしょうか。
 以上お聞きします。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 まず第2次財政再建プランの話ですが、姿勢がよくわからないということでしたけれども、私が申し上げたのは、都の財政も厳しい状況にある、このことは当然理解しなければならないというふうに思っていますと、この認識はまず申し上げました。その上で、特別区に対して、財政難に名をかりて不当な財政負担を強いるようなことのないよう、第2次財政再建推進プランの策定経過には注目をしていきたいというふうに申し上げたところです。
 そうしたことが起きるような場合には、当然区として必要な行動をとるわけであります。
 それからイラクの問題であります。大変つまらない発言だったと、つまらない表明であったという評価でありました。池田議員が同じ御意見の方を評価し、池田議員と異なる意見のものに対して評価をしないということなのかなというふうに思ったわけであります。
 私は、イラクが悪いと、そしてアメリカがいいといったような表明をした覚えは全くございません。その過程で国連決議をイラクが誠実に遵守しなかった、それまでの長い間の積み重ねでそういうことが積み重ねられてきた結果として、あの時点での事態があったということであります。
 決して、だから、あの時点でのアメリカ、イギリスを含む戦争が起きてしまうという行動について是認をしたり擁護をしたりしたものでないというのは、声明文を読んでいただければ、どなたでもおわかりになることだというふうに思っております。
 それから住民基本台帳ネットワークシステムに関連をいたしまして、ブラスターウイルスが入り込まれている例があるではないか、あるいはファイアウオールはあっても決して安心なものではない、それから人為的なミスの可能性、こうしたことまで指摘をされたわけであります。
 技術的に、どんどん技術が進歩発展をしていくという中で完全なものがあり得ないというのは、それは当然だろうというふうに思っています。そうした技術的なことの限界というのは、人間の社会でありますから、どんな安全管理の面でもあるわけであります。そうした中での安全管理というのは、一つは法律的な、社会的な制度の問題として守られなければならないということであります。一言で言えば、犯罪をすることが引き合わないといったような社会的な仕組み、制度をつくり出していくということはまず一つの基本だろうというふうに思っております。
 物理的なセキュリティー対策、これも当然に行われなければならないわけであります。最新のウイルスに対抗するような対策を講じるといったようなことについても、セキュリティー基準でしっかりと位置づけられているわけでありまして、それについて、すべての自治体がしっかり守って運用していくということが基本だろうと、私は思っております。
 それから、住基ネットを流れております本人確認情報の目的外利用、これに関する処罰のことを行政機関個人情報保護法に書かれていないというふうにおっしゃったわけでありますが、住基ネットを流れております本人確認情報に関する罰則規定というのは改正住基法にあるものであります。
 行政機関個人情報保護法で律せられるべきは、本来、多様な目的で収集される行政機関の保有する情報に関してのことでありまして、それを主務大臣の判断が当然恣意的であって、主務大臣の判断にゆだねられているから、一切信用できないという考え方には、私は立たないわけであります。
 ということでありまして、私からの答弁は以上でございます。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 中野駅周辺まちづくりの都市再生に関する再質問、それから西武新宿線に関する再質問にお答えをさせていただきます。
 都市再生でございますけれども、先ほども述べましたので繰り返しませんけれども、その意義は非常に大きなものがあると思います。もちろん御指摘のように、再開発ビルを建てるというのもそのメニューの中にありますし、それから木密の解消、オープンスペースの確保などというのも、都市再生の中にはうたわれているわけでございます。そういったことで、都市再生の意義は大きなものがあろうかと思います。もちろん、都市再生特別措置法の適用を受けるかどうかというのは、また別の問題でございます。これについては、まだ十分な検討をしてございません。今後、調査検討委員会等の中で議論されていくものとも考えております。そういった意向を踏まえながら対応していきたいと思っています。
 いずれにしましても、区民の意見等を十分伺いながらまちづくりを進めていきたいと思っております。区民の生活ですとか、都市活動に大きく貢献するまちづくりであるというふうに認識をしているところでございます。
 もう一つの西武新宿線の件でございますけれども、まちづくりがないと採択されないと断言したという御指摘でございますけれども、これはまさしく採択がされないと考えております。やはり国費を出す、採択をして国費を出すということは、その費用に見合った効果というものが期待されているわけでございまして、まちづくりに対する効果というのも当然採択の要素となってくると考えているところであります。
 しかしながら、そもそもやはり採択、このまちづくりでございます、採択の以前としてまちづくりでございますけれども、これも繰り返しになりますけれども、やはり地域にとって大変重要な課題だと思っております。このまちづくりによって、踏切対策と並行して行っていくわけでございますから、おくれるというようなことはございません。むしろ採択されないことによって、この事業の実現が危ぶまれるというようなことになっては、私どもとしては本意ではないというふうに考えております。
 以上でございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) サンプラザについての再質問にお答えいたします。
 まず10年間運営をきちんと赤字を出さずに続けられるのかと、大変不安があるのではないかというようなことでございます。
 これまでサンプラザの現状の経営データなどを見ながら、私どもさまざまな予備的な調査をしてきたわけでございますが、その中で、サンプラザが経営的に全く成り立たないような施設だと、赤字が必須の施設であるというようには全く考えてございません。民間のノウハウ、それから経営努力というような形で運営をしていけば、十分に黒字の施設であるというように考えております。
 したがいまして、赤字になっても用地の売却を前提にして大丈夫だというような考え方はとってございません。
 また、民間が取得しても同じように、10年間は現在のサンプラザは残るんだから、中野区だけができるという話ではないのではないかというようなお話でございます。確かに国の方では、仮に中野区が譲渡を受けないという場合にあっても、同じような条件で民間に譲渡を考えたいというようなことは言っておりました。しかしながら、仮に経営的に非常に大きな収益が上がるというような形でなければ、全く減額がないと、中野区の場合は5割の減額という話で来ていますが、減額がないという条件のもとで、民間がそうした条件をのんで取得をするかどうかというのは、私ども全くわからない条件だったというふうに思っております。そうした場合、別な形での売却、つまりそういった条件によらない売却という可能性も大きくあったのではないかというように受けとってございます。
 以上でございます。
     〔池田一雄議員登壇〕
42番(池田一雄) 区長の答弁で、答弁漏れがありましたね。国連憲章第1条目的や第6章紛争の平和解決に具体化されている、この平和の国際秩序を守るといった体制、これは今、本当にたくさんの国々と人民に支持をされているわけですが、それについてどう考えられますかということをお聞きをしております。これについてはお答えをいただいておりません。
 それから自衛隊の派遣については、先ほどの答弁では法の趣旨に沿って行われるものと思いますという答弁でありましたが、憲法9条第1項第2項及び中野区の平和の基本に関する条例の立場を十分踏まえての見解なのでしょうか、もう一度お聞きをしたいと思います。
 それからネットのことなんですが、区民委員会でも理事者の方、たびたびおっしゃるんですよね。技術というのは万全ということがないと、何かミスがあって、万全でなくて事故が起きることがあるんだと、たびたびおっしゃっているんですけれども、それで万全なんでしょうかね。万全でないと言っておいて、万全だというのは、これは全くおかしいと思うんですね。しかも、この万全でないのは、住基ネットが日本国中一元化されているというところから、非常に大きな問題として出てくるわけですよ。そういう点について、全然考慮しないで万全と言ったのだというならば、それは区長のそういう範囲内での当時の所信ということになるのかもしれませんが、しかし、聞いた方の区民は、万全の保護対策というんだから万全だろうと、だれだって思うんじゃないですか。
 そういうことからいえば、これは単なる行き違いということではなくて、区長はあそこで格好いいことを見せたけれども、結局は国の方針に賛成なんだということになっちゃうんじゃありませんか。それがもしお答えがあれば、答えていただきたいと思います。
 以上です。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再々質問にお答えをいたします。
 まずつまらない声明だったと言われたイラクに関する声明の問題であります。あくまでも30万区民の自治体の長として、30万区民の意を呈しての宣言をしなければならない立場で、私は重い気持ちで声明をしているわけであります。
 当然、声明の中にはっきり示しているように、国連を中心とする協議と話し合いによって平和の実現を図られたいと、国連憲章の精神に基づいて申し上げていることは当然であります。
 イラクを非難したといったような趣旨での御質問もございましたけれども、池田委員の認識とは、当時のイラク政府は違っていたようでありまして、イラク大使館の方から感謝のメッセージが私の方に届いておりました。
 それから、住民基本台帳ネットワークの問題であります。万全でなくていいのかという御質問がありました。万全というのは、物理的にどこにも絶対に穴がない万全というのは、社会的な制度である以上、あり得ないんだということであります。社会的な制度として、法律的な枠組み、また運用上の仕組み、そうしたことの中で、制度が万全につくられていること、このことが大切なわけであります。
 以上が私の認識でございます。
議長(山崎芳夫) 以上で池田一雄議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 斉 藤 金 造
 1 区政運営について
 2 財政運営について
 3 区民参加と区民との協働について
 4 まちづくりとサンプラザの取得について
 5 清掃事業並びに警察大学校等跡地土地利用転換計画の見直しについて
 6 危機管理について
 7 羽田空港・横田基地の空港化について
 8 その他

議長(山崎芳夫) 次に、斉藤金造議員。
     〔斉藤金造議員登壇〕
35番(斉藤金造) 皆様お疲れさまなので、なるべく手っ取り早くやりたいと思いますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。
 TOKYO自民党の立場から質問をさせていただきます。
 私は、さまざまな分野での規制緩和の広がりや地方分権が本格的な議論の俎上にあることと、区民の好転しない社会、経済状況への不満の高まり、そして区長が変わったことなどを契機に、今こそ区役所だけでなく、地域も含め、将来を見据えた構造改革に取り組む時期だと考えています。
 そのためには、区長の果たす役割が非常に重要だと思っています。そこで、私は、今の区政の状況を踏まえて区長の政治姿勢、課題への取り組みの考え方をお聞きいたします。区長みずからがみずからの言葉でわかりやすくお答えしていただけるようお願いをいたします。
 まず区長の区政運営に当たっての基本的な考え方をお聞きいたします。
 初めに区長の区政運営への取り組みの姿勢についてお伺いいたします。よいか悪いかは評価は別として、小泉首相のイメージは、首相自身がよく使う「構造改革なくして景気回復なし」「郵政公社、道路公団の民営化」の言葉どおり、構造改革、民営化と言えば小泉首相というぐらい国民に浸透しています。
 また、石原都知事は、外形標準課税の導入やディーゼル車規制対策、認証保育園制度の新設、新銀行の創設構想などへの取り組みに強いリーダーシップを発揮し、東京から日本を変えると公約したとおりのイメージを、都民だけでなく国民に持たせています。
 こうしたイメージが今やお2人のキャッチフレーズとなり、みずからも積極的に使っています。私は、首相が政策と結びついたキャッチフレーズを持つことは政治家として大事なことだと思います。そこでお伺いします。田中区長はみずからのキャッチフレーズをどのように考えられているのか、お聞かせください。
 続いてお伺いいたします。
 利便性の高い中野のまちは、かつて経済の高度成長の受け皿として、宅地化が無計画に進み、今では中野の持つ利便性という特性を使い切ってしまい、個別の努力では緑豊かな居住環境は望めなくなってきました。だからこそ、今、区民が目標を共通にして、個々の力を合わせ、中野のまちを住みよいまちにしていかなければならないと思っています。そのために、行政中野区の調整力の発揮が求められているのです。
 中野のまちをどんなまちにしていこうか、もっと議論していく場が必要です。基本構想の議論をしていますが、我々には何も見えてきません。参加できる人は限られています。時間がない人、うまく自分の考えが表現できない人、インターネットなどの情報入手の手段を持たない人、地域でのコミュニケーション手段のない人など、住んでいる周辺環境にいろいろ意見があっても言えない人が多くいます。これらは、生活に密着した課題の解決すべき将来像を共有する状況がつくられてこなかったからだと思います。
 区長は、住民との対話を行っています。これは区政を区民に近づける方法として反対するものではありません。しかし、区政の担い手は区長だけではありません。多くの職員がいます。なぜ優秀な職員が地域に積極的に出ていかないのか、お客様と区民を呼ぶことが区政改革の第一歩ということであれば、次の取り組みを示さなくてはなりません。職員が中野のまちの将来を真剣に考え、区民とともにまちづくりに取り組めるよう行動することを考える必要があります。区長は、積極的に地域に職員を出すべきです。
 区長は、職員に積極的に地域に出て、中野の将来について議論をしてもらいたい、そして区政に反映してもらいたいと多分答えるでしょう。私は、言葉だけでは納得できません。そのための取り組み指針を示していただきたいと考えます。1年3か月ほどの区長の区政運営を見ると、区長の考えが職員に伝わっているようにはなかなか見えません。基本構想の策定、10か年計画の策定、フラット化と組織の改正、事業部制の導入、行政評価の実施、保育園・図書館の民営化、非常勤職員の廃止、ゼロベースからの施設配置の見直し、公益通報制度の実施、パブリックコメントの実施、矢継ぎ早に出される取り組みは問題なく進んでいるのでしょうか。ひいき目に見ても進んでいるようには見えません。区民、職員との情報の共有化は本当に行っていますか。区議会への情報提供も十分だとお考えでしょうか。
 今の区政は多くの課題を抱えています。どの課題も先送りできるものではありません。しかし、課題解決に取り組むためには目指す方向、将来像が見えなくてはなりません。区議会も区政運営に当たっては重要な役割を持っています。そのためには、区長の区政運営に対する考えを示していただきたいと思います。議会や住民への情報提供は結果の説明ではないはずです。このところの議会への情報提供を見ても、結果の説明でしかないように思います。先日の総務委員会への報告はそのことを示したよい例だと思います。サンプラザ取得にかかわる報告は、交渉状況の報告なのか、今後の交渉に当たっての区の方針なのかわかりませんでした。さらに、このことを複雑にし、理解不能にしたのが、調査費についての説明です。買うための調査なのか、買った後のための調査なのか、何のために説明したのか全くもってわからないものでした。組織改正についても同様でした。何のために、なぜ今組織を変えるのか、説明されませんでした。この質疑の経緯からは、基本構想の改定のために、なぜ区民による審議会を設置しているのかさえわからなくなってしまいました。
 これは部課長が区長と情報を共有していないことが原因であるように思います。何のためにサンプラザを取得し、組織を改革するのか、部課長が理解をしていないように思われますが、区長は部課長と十分な論議をしているのでしょうか。どうも区長のひとり相撲に見えてしようがないのですが、これは私の思い過ごしでしょうか。
 区民も、議会も、職員も中野のまちの将来を議論し、形の見えるものにしていく重要な転機を、しっかりと受けとめ、地に足のついた活動をしなくてはなりません。そのためには区長がパフォーマンスするのではなく、みずからの考えを抽象的ではなく、はっきりと説明すべきだと思います。
 そこでまず、区長が今区民のために取り組むべき課題をどうとらえているのか、またそのために何をしようとしているのかをお聞かせください。
 次に、区長の財政運営についてお伺いいたします。
 都では、平成14年度普通会計決算を発表し、経済状況を反映して企業の収益が悪化し、法人2税の大幅な減収が続くなど、財政状況は一層厳しくなっていると説明しています。補助金の見直しや都区の役割の見直し、人件費の削減など厳しい財政再建の取り組みを行ってきた都でさえ、その取り組みが環境変化に追いついていかないと言われ、16年度予算の編成に合わせ、さらに厳しい第2次財政再建推進プランの策定を急いでいるということです。
 中野区の財政状況はどのようになっているのでしょうか。都の発表による14年度の普通会計決算を見ると、中野区の決算は、23区平均に比べ、実質収支比率は2分の1以下、経常収支比率、公債費比率ともに大幅に上回るなど、財政の硬直化は改善するどころか悪化しています。
 先日の総務委員会の報告では、今年度の財調の算定が予算に比べ11億円ほど減収となっているとの説明を受けました。算定残が100億円ほどあるとのことですが、幾ら欲目に見ても予算額の収入確保は難しいと思います。区民税も当初調定額が予算での調定見込みに比べ数億円ベースで下回っていると聞いています。加えて、土地売却による財産収入も厳しいのではないかと思います。とすると、15年度は、今回の第1次補正予算とは性質の異なる財源構成による補正、いわゆる歳入減への財源対策のための補正を考えなければならないような、非常に逼迫した財政状況ではないかと思いますが、これは心配のし過ぎでしょうか。私は、景気の変動を受けやすい区民税や財調を主要な収入源としている区財政は非常に厳しい状況にあると思います。こうした状況にあっても区民にとって必要な財政支出はしなくてはなりません。
 そこで区長の考えをお聞きいたします。区長はこれから策定する10か年計画は財政計画に裏打ちされた計画と説明されていますが、計画を策定するまでの間、現在抱えている財政問題に対して、どう対処していくのでしょうか。区長の財政運営に対する考えをお聞かせください。
 また、区長は、財政健全化の一つとして、保育園や図書館、学校給食について民間の活力を活用していくと民営化を打ち出していますが、区長の考える民営化により、どのようなサービスが提供されるのでしょうか。また、行政では解決できない課題が民間の力により解決すると考えているのか、お聞かせください。私は、今まで区が行ってきたサービスの提供を民営化したら、すべてうまくいくとは考えておりません。民営化は行政対民間企業という社会構造を前提にしていますが、もう一つ、区民にゆだねるという構造を忘れてはならないと思います。行政と民間企業、区民それぞれが分担することによって質の高いサービスと効率的な財政運営が可能になるのだと考えております。区長も地域や住民の団体、NPOなどについて評価し、行政との役割分担をお考えのようですが、行政と民間企業、区民の役割分担についてもお聞かせください。
 次に、区長の区民参加、区民との協働について、お考えをお聞きいたします。
 区政運営の課題の一つに、施策の決定過程や事業の実施の評価が不透明だという点が上げられます。しかし、情報公開を積極的に行っている、行政評価を全事業について行い結果については公表し、区民の意見についてもしっかりと聞き、施策に反映していく、パブリックコメント制度も導入すると、既に課題への取り組みは進んでいると区長は説明されておりますが、本当にこれで十分なのでしょうか。確かに情報公開は進んできていますが、区民にとって必要な情報が適時、適切に公開されているのでしょうか。
 区民はいきなり生のデータを見せられても、理解できる人はそうはいません。区民には生の情報をある程度読み解いて、あるいは読み砕いて、これはこういう意味だというように絵解きをしてくれるナビゲーター、すなわち解説者が必要なのです。情報公開制度は知りたい情報はいつでもどうぞという仕組みですが、解説をしてくれる仕組みではありません。そのために区の政策や施策に関心を持つ区民は、公開された情報を読み取れる一部の人になってしまっているのが実情ではないでしょうか。施策の決定過程を知り、なぜ施策がつくられたのか、事業は目的を達成したのかの評価ができなければ、参加や協働への意欲もわきません。ですから、あなたの意見を施策、事業に反映しますと区民参加の仕組みを用意しても、意見を言う人は非常に少ないのが実態でしょう。また、施策の決定過程では区民の生活実感の持てる単位での議論が必要だと考えます。そういうことから、施策や事業について、区民の理解を得てもらうための、よい意味での情報加工や説明のできるナビゲーター、解説者の育成が必要だと思います。これには、まず職員がその役割を担うべきだと考えますが、区長の考えをお聞かせください。また、審議会や委員会によく学識経験者が調整役、まとめ役としてメンバーになっていますが、学識経験者は必ずしも区民の生活感覚を持っているとは言えません。その意味でナビゲーターの荷を担うのには私は疑問を持っています。あわせて区長の考えをお聞かせください。
 まちづくりとサンプラザの取得について区長の考えをお聞きいたします。これは簡単にいたします。
 区長はサンプラザの取得理由は10年後のまちづくりの種地とするためと説明していますが、そうすると、この10年間は現状のまま何も変わらないということになるのでしょうか。サンプラザは中野のシンボルとして非常に大きな役割を担ってきました。しかし、まちの経済には余り寄与してきていません。中野駅とサンプラザの間を行き来するだけの来客者が多く、商店街の活性化にとって役割を果たしてきてはいません。これは、昭和40年代のまちづくりが箱もの主導であったからです。敷地と建物の関係だけで、また、日照権という環境のあり方を十分議論せずに、時間をかけないまちづくりを行ってきたつけが回ってきたのです。10年後のまちづくりには十分な議論を行う時間がありますが、サンプラザを取得した後の10年間の地域活性化への活用策が示されなければなりません。現代は10年もあればまちの様相が一変してしまいます。行政の力は知れています。土地建物の所有者はどんどん変わり、まちづくりの阻害要因がどんどんふえてきます。こうしたまちの変化を見据えると、地域や関係者により話し合ってつくられる10年間のサンプラザの活用策は、阻害要因をふやさない重要な役割を持つと思います。
 そこで区長のまちづくりへの思いと、サンプラザの活用策へのお考えをお聞かせください。
 次に、清掃事業についてお尋ねいたします。
 本年7月16日に特別区長会総会において「特別区における一般廃棄物の中間処理について」の確認が行われ、中野区を含む新規の清掃工場の必要性はなく、東京23区清掃一部事務組合に対して、施設整備計画の見直しに取り組むよう回答すると結論が出されました。8月には清掃一部事務組合の評議会において、中野・新宿・荒川地区清掃工場の建設を削除する施設整備計画の変更を決定いたしました。
 そこで、今後の清掃事業についてお尋ねいたします。国の補助金等の財政上の問題はありますが、今までの方針とは一変した結論と思われます。その背景を簡単にお答えください。あわせて、一部事務組合の今後のあり方、清掃自区内処理の原則が壊れましたが、中野区の今後の清掃事業の進め方、取り組み等をどう他区から理解を得、また区民に対しての中野区の立場をどう説明していくのかをお答えください。
 次に、清掃一部事務組合1,500人余の職員の皆さんの専門的な、例えば工場建設・管理事務・ごみ処理・し尿処理等、知識及び経験を今後の清掃事業にも十分活用していくことが肝心と思われますし、将来この専門的な分野の新たな職員の育成も円滑な清掃事業の運営には重要な課題と思われますが、区長のお考えがあればお聞かせください。
 続いて、現在清掃事業にかかわる職員、収集・運搬職員は、区の職員と都から派遣の職員、これは都からの派遣の職員ですね、清掃一組、これは区から清掃一組に派遣している、可燃ごみの処理や不燃ごみの処理、粗大ごみの処理、焼却灰等の溶融、産業廃棄物等の受け入れ等々、それとごみの最終処分という、これは東京都の環境局の職員ということの3本立てとなっておりますが、平成18年度より、都から派遣されている職員、区を経由している派遣されている職員などの清掃一組の職員は名実ともに区の職員となる予定と伺っております。現在は都の給与体系で行われております。これらの職員の身分、給与体系等は今後どのように、東京都、一部事務組合、清掃労組と交渉をしていくのか、お答えをお願いいたします。
 また、清掃一部事務組合については、(仮称)自治会館の床面積配分では、自治会館建設スケジュールと関連諸課題等の対応について平成12年11月の区長会、議長会で了承され、3,500平米を確保されておりますが、今回の結果が出ても変更がないということは、最初から清掃一組ということが結論が出ていたのかというような何か釈然としないような気がいたします。この間、区長会の論議がよく見えてこないのであります。区長はこういうことに対してどのように考えられているのかお聞かせをください。
 続いて、警察大学校跡地に計画していた中野区清掃工場計画の中止が最終的に確定したのに伴い、警察大学校跡地を中心としたまちづくりに大きな影響があると考えますので、区長の姿勢や考え方をお尋ねいたします。
 まず、平成13年6月に策定した「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」では、跡地に導入を予定した中心的な施設は、清掃工場、警察病院及び防災公園であり、このうち清掃工場が中止になった現在、警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案そのものの見直しを含め、新たに計画を策定していく必要がありますが、新たな展開についてお伺いをいたします。
 次に、「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」は、その策定から2年余りが経過し、実現に向けて動き出したのは、6月の国有財産関東地方審議会において、売り払いが適当と認められた東京警察病院及び都市計画決定が了承された道路だけであります。
 跡地の地主である財務省は、財政融資資金からの借入金により、警察大学校等の施設の移転整備を実施し、跡地の処分をもって借入金を償還する仕組みを採用しております。日々金利負担が生じていることから、早急に跡地を売却する必要があるとのことであります。
 このような背景において、まちづくりに責任がある地元自治体である区は、早期に計画の見直しを行い、区民に提示すべきであると考えます。今後の予定をお尋ねいたします。
 あわせて先ほど述べたとおり、財務省は早期の跡地処分を考えており、その意向を無視して、警察大学校等新たな跡地の計画づくりを行うことはできません。また、跡地の開発を進めるためには、用途地域地区等の都市計画の変更が不可欠であり、多くの都市計画決定権限を有する東京都と十分な協議や調整が必要であります。
 今後、跡地の土地利用計画の変更に当たり、財務省や都とどのような姿勢で交渉を行っていくつもりなのかをお尋ねいたします。
 また、区では、跡地に近接する中野サンプラザの取得について、雇用・能力開発機構との基本的な合意をしつつあるとも聞いています。サンプラザ用地を将来のまちづくり用地として活用していくことも含め、中野駅周辺まちづくりを調査検討するため「中野駅周辺まちづくり調査検討委員会」を9月3日に立ち上げたとのことであります。
 これまでの跡地の計画では、都市生活が生み出すごみを処理するという都市生活を陰で支える施設である清掃工場が大きなウエートを占めていましたが、これが不要となった以上、警察大学校等跡地の開発だけを考えるというわけには行かなくなります。中野の中心街である中野駅周辺のまちづくりに対する考え方をも大きく変えることになります。清掃工場中止による中野駅周辺まちづくりに対する影響についてお伺いをいたします。
 区では、どのような展望をもって中野駅周辺まちづくりに向けた計画づくりを行うつもりなのかを伺い、この項のまとめといたします。
 次に、危機管理についてお尋ねをいたします。
 先ほど池田議員も地震のことを質問されておりましたが、本年7月26日午前0時13分ころ、宮城県北部において、マグニチュード5.5、最大震度「6弱」の大きな地震が観測されました。続いて、7時13分には「6強」、午後4時56分にも「6弱」と連続して地震が起きました。
 そこで暮らす人々は、いかに不安のなかで過ごされていたのか、またそれぞれの地震に遭遇した、それぞれの自治体の職員の皆さんはどのように対処していられたのか、また、市長さんを始めとする職員の対応は十分だったのかなどなど深く考えさせられました。
 実際、近年起きた事件、事故、災害を上げても、米国での平成13年9月11日に発生した同時多発テロ事件を筆頭に、平成7年1月17日には「阪神淡路大震災」、平成7年3月20日にはオウムによる「地下鉄サリン事件」、平成8年12月17日には「在ペルー日本大使公邸占拠事件」、平成10年8月31日には「北朝鮮のテポドンミサイル発射事件」、平成11年9月30日には「東海村JOC核燃料加工事故」、平成12年3月31日には「北海道の有珠山の噴火」、平成12年6月26日には、東京における一連の「三宅島の噴火」と枚挙にいとまがないほど重要な災害事故が発生しております。
 次に、企業等の不祥事を上げますと、O157事件、BSE問題、食品表示偽装事件、無許可食品添加物使用事件等々、企業責任、経営責任が問われるような不祥事も多発しております。そこでは必ず自治体の行政責任も問われてまいります。
 危機発生の際には、政治はもちろん、関係自治体に迅速な対応が求められています。区長も御存知のように、政府や自治体は、住民の生命、身体及び財産を保護する責任を負っているからです。
 危機にあっては、自治体職員の存在そのものが問われます。職員一人ひとりの日ごろの能力の全てが白日のもとにさらされ、試されます。しかも、その危機は、現代では、自然災害や大事故に限らず、ときには組織から発生する諸問題による危機であったりいたします。ですから、危機管理に対する対処方法を磨くということは、中野区の職員として重要なことだと思われます。
 いつ何時、中野区にも地震を始めとする災害、テロ事件が発生しないという保障はありません。そこでお尋ねをいたします。
 危機対処の対策は素早く対応ができるのでしょうか。迅速・的確な対応を十分検討されておられるのでしょうか。スムーズなトップダウン体制の構築がなされているのでしょうか、お聞かせください。あわせて組織のトップや幹部の危機管理意識もお尋ねいたします。さらに、近隣区との協調・連携が必要だと思われますが、どのように図られているのでしょうか。あわせて東京都・国との危機に対する協調・連携もどのように考えられているのかをお伺いをいたします。
 最後になりますが、日ごろの警察・消防との綿密な打ち合わせ、協力体制は十分に行われているのかをお伺いいたします。
 次に、羽田空港、横田基地についてお伺いいたします。
 私の友人と海外旅行の話をしていたとき、友人が、羽田空港が本当の意味で国際化をすれば、本当に東京も便利になるのになあと言っておりました。また東京都が「魅力ある都市に必要な条件」について、あるアンケート調査をしたところ、第1位は「便利な国際空港がある」という答えだったそうです。ロンドンやパリが、それぞれ年間1,000万人、クアラルンプールが740万人の外国人観光客を迎えているのに、東京はたった300万人にも達していないのは、空港の不便さが原因の一つであり、首都圏の人々もその不便を我慢しています。例えば成田空港をヨーロッパ、中近東、アメリカ方面、羽田空港から韓国、台湾、中国、東南アジア方面というように分ければ本当に便利だと思います。
 東西を通じて各国、各都市が今、空港機能の向上に躍起となっているのは、情報化時代を迎えて、国際的な人と物の移動が飛躍的に増大し、幾らインターネットが発達していても、いや、それが発達すればするほど、人と物が移動するからであります。ともかく、首都圏には成田に2本、羽田に3本、横田に1本と計6本の滑走路があります。羽田の再拡張が現に本格的に動き出しております。これを加えると、計7本です。これらのインフラを大事に使っていくべきだと思います。国内での航空路線の乗客数の多い順に並べてみても、1位が羽田・札幌間、2位が羽田・福岡間、3位が羽田・伊丹間などなど、11位までが羽田発であります。やっと12位に名古屋・福岡便が顔を出すという程度であります。
 都の都市計画局、港湾局の資料によれば、東京港における港湾機能と廃棄物処理場の機能などを確保しながら、羽田空港の4本目の滑走路の16年度の着手し、国家プロジェクトとして一日も早く完成させ、国際定期便の就航を推進するとあります。
 そこでお尋ねいたしますが、空港整備の意義、羽田空港の国際化について、23区と都が共通の認識を持ち、推進することが重要と思われますが、区長のお考えをお聞かせください。
 羽田の整備が順調に進んで、4本目の滑走路を持つと、年間40万回の離発着が可能となり、成田の16万回と合わせて56万回となります。これでもまだニューヨーク3空港の104万回には遠く及びません。そこで横田の4,000メートルの滑走路が使われたらなというふうに思います。
 確かに「横田には騒音問題」があるという指摘がありますが、しかし、今日の民間航空機の技術革新は目覚ましく、軍用機に比べてはるかに騒音が小さくなっております。ですから、パリのド・ゴール空港では都心から25キロと近いのに24時間運用しているそうです。
 横田にとって民間機は静かなだけではなく、都の試算では民間機を飛ばすことによって、直接的な経済効果が年間1,380億円、雇用創出が8,300人と見込まれています。さらに、大きいのは、周辺地域全体が「空港がある都市」という位置付けによって飛躍的に発展すると見込まれています。
 横田空港の交通アクセスは既に整っており、基地より歩いて5分の拝島駅は、JRの青梅線、五日市線、八高線、そして西武拝島線の接続駅であります。中野駅よりオレンジの特別快速電車で41分、450円で行きます。中野区からは西武新宿線、JR中央線と本当に便利で近い空港になると思います。そこで区長にお尋ねをいたします。
 区長も積極的に石原都知事とスクラムを組んで、民間空港としての推進を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 また、中野のまちづくりにも大きくかかわる問題と思われますが、お考えをお聞かせください。最後に区民の皆様にも、便利で活気が出ると思いますが、いかがお考えでしょうか。
 最後に、三木元首相が現日テレの橋本五郎解説委員との現役記者時代に話されたことを紹介します。三木元首相は、小派閥の首相だったこともあり、党内基盤は弱く、自民党内での理解、協力をお願いするとき、正面切ってのひざ詰め談判ではなく、横に座ってスキンシップを大事にして、相手の太ももをなでながら、こうして欲しい、こう考えているんだから協力してくれと、実際、橋本解説委員の太ももをなでながら話してくれたということです。大変上手なもみ方だったということでありますが、この方法が、一番相手の協力を得やすいし、角も立たない方法だし、区長も職員に、区民の皆さんにもいろいろな理解、協力を得るときには、正面切ってばかりではなく、こんな方法も考えてみてはと思いますが、感想をお聞かせいただければありがたいと思います。
 以上で私の質問は終わります。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 斉藤議員の御質問にお答えをいたします。
 私からはかなりたくさんお答えをいたします。
 政治家としての、区長の、私のキャッチフレーズということであります。私は区長として大きな転換期にあるこの時代の自治体を運営していくということであります。新しい区政の姿をつくるということで、根本的に変えていかなければならないということで積極的な改革に努めているつもりであります。
 新しい区政の姿というのは、これからの経済、社会の動向、私たちの日本の社会の動向等々を考えますと、自治と地域社会の今後のあり方といったようなものを、しっかり展望した上で、実現可能な目標を持って示していかなければならない、つまりキャッチフレーズとして意識したことがあるわけではありませんが、持続可能な区政と地域社会をつくっていくということが、大きな目標だと考えているわけであります。この持続可能ということは、私たちの社会そのものが一定の繁栄のもとに支え合い、心の豊かな生活を過ごしていけることだと。そんなことを考えなければいけないわけでありまして、環境の問題、あるいは高齢者など支援が必要な方に対する支援が持続的に行えるということ、また市民生活が持続的に行える産業基盤も整備されていかなければならないということ、また少子化といったことにも対応していかなければならないと、そうした地域社会を、住民自身の自己統治によって運営をしていくということも大切なことだというふうに考えております。
 それら合わせて実現していく中で持続可能な区政と地域社会をつくっていくこと、これが大きな目標になるだろうと、こう考えているわけであります。
 それから中野のまちの将来像を区民の皆さんと共有するために、職員が地域に出て、区民とともにまちづくりに取り組むことが大事であると、そういったようなことをもっと進めていくべきではないかと、また区民、職員との情報の共有化、また区議会への情報提供、さまざまな事例も挙げて、不十分であったといったような御指摘もいただきました。
 職員には、機会があるごとに、区民の声をよく聞き区民とともに考えることの重要性を指示しているわけであります。区政情報の公開を徹底するということ、また議会に対してもこれまで以上に情報をしっかり提供して連携していくということ、そうしたことの重要性をこれからも強調していきたいと思っております。
 それから区政の目指すべき方向、将来像、その中で区長が何をしようとしているのか、それがよく見えないといったようなことが御質問の中にありました。
 区民の皆さんに対してわかりやすい目標をお示しするということ、それは基本構想の策定を待つまでもなく、私が今、区政運営を行っている上で、何を目指していくべきなのかといったようなことについて、区民の皆さんにはっきりと目標をお示しするということ、そして、職員もその目標を明確にとらえて一丸となって、その目標の実現のために成果を上げる区政をつくっていく、そのことを目指していきたいというふうに思っているわけであります。
 そのための重要な取り組みとしては、抜本的な改革、また持続可能な地域社会をつくっていくといったようなことでお話をしたところであります。
 それから財政運営の問題であります。
 10か年計画を財政計画に裏打ちされた計画というふうに言っているわけでありますが、その計画を策定するまでの間、現在抱えている財政問題に対してどう対処していくのかといった御質問がありました。その中では、実質収支の問題あるいは今後の財政見通し、さまざまな御意見があったわけであります。そうしたことを私としても同様の問題意識でとらえているわけでありまして、経営改革指針を昨年策定致しました。その中で職員数の削減、施策の見直し、また工夫によって経費の縮減を図っているところであります。また、財政運営に当たっては、中長期の財政見通しを踏まえるということと、それから財政体質の構造改革、これは仕事の見直し、組織の見直し、そうしたことの中で進めていくわけですけれども、これを進めていかなければならないということであります。
 基本構想の策定、これを待つまでもなく、先立って取り組むべき課題については、こうした構造改革を踏まえながら、執行上の工夫、財源配分の調整を行いながら重点的に予算化をしていきたい、このように考えているわけであります。
 それから民間活力の活用についてということでの御質問がありました。行政と民間、区民との役割分担についての考えをということです。民営化あるいは委託化によって、保育園などでは産休明け保育や延長保育の拡充、こういったことが幅広く実現できるようになってきていると考えています。また、学校給食などでは、献立の種類がふえるといったような形で、サービスが充実向上しているということもあるように考えています。
 民営化や民間委託というのは、サービスの質や、あるいは効率性を向上すると同時に、個々のニーズに柔軟にこたえるということも可能にする手法だと考えているわけであります。
 事業の委託というわけではありませんが、今年度から区民の団体の皆さんに、女性会館を利用しての子育て事業として、子育てサポートルームを始めていただきました。こういったことが非常に大きな反響を得ている、好評をいただいているといったようなことからも、そうしたことがわかると思っているわけであります。
 先ほどの御質問にもお答えした中で申し上げましたが、民ができることは官がやらない、これがこれからの社会のあり方の中では重要なことだと思っております。個人、家族、あるいは地域社会、自治体、国といった、さまざまなレベルで自立するべきコミュニティというものは存在するわけであります。それぞれの段階で自立をし、そして、そのコミュニティがどうしてもできないことについて、その上のレベルのコミュニティが補完をしていく、そうした形の中で効率的な行政あるいは豊かな社会をつくっていく、そのことがこれからの行政と市民、民間の関係の基礎になっていくのではないかと考えております。
 それから区民参加と区民との協働についてというところであります。
 情報公開は進んでいるけれども、本当に区民が理解しやすく、受けとめられる情報として提供されているかどうか疑問だといったようなことでありました。その生のデータを読み解く解説者役として、職員がしっかり機能するべきだという御質問でありました。
 まさに私も同様の考え方を持っているところであります。単にデータをお示しするだけでは、行政としての責任を果たしたことにはならないと思っております。そうしたデータに基づいて行政がどういう方向を向こうとしているのか、区民の皆さんに対してどういう価値を実現する行政活動をしようとしているのか、そうしたことを区民の言葉でわかりやすく語れる力を、職員につけていくことが必要であると考えているところであります。
 それから審議会や委員会によく学識経験者がまとめ役としてメンバーになっていると、必ずしもその任を担うことに万全の信頼がおけるわけではないのではないかといったような趣旨の御質問でありました。審議会等におきましても、やはり御質問の中にもありましたように、区民の生活感覚で議論をしていただくということが何より大事だと思っております。しかし、さまざまな立場の意見が出てくるという場合には、やはり中立的な立場で調整する必要も出てくるわけでありまして、学識経験者にはそうした役割を担っていただくことがしばしばあるということであります。そうした役割をしっかり踏まえた上で、審議会などでの人選は、適切に行っていきたいと思っております。
 それから、サンプラザに関連いたしまして、まちづくりへの思い、またサンプラザ活用策への考え方ということです。特にサンプラザは、これまでにぎわいの中心として確かに機能してきたけれども、接している商店街、そしてまちの活性化という意味では本当に機能してきたかどうかという疑問については、私もやはりそのような考え方を持っているところであります。サンプラザのお客さんは、ともすれば電車で来て、駅からサンプラザに来て、またサンプラザから真っすぐ駅に向かって中野を通り過ぎてしまうというようなこともしばしばあったし、言われてきたわけであります。
 こうしたサンプラザが単に独立した施設としてしか運用されてこなかった、これまでの運営のあり方といったようなものについても、それこそ民間の知恵で、利用者のニーズ、あるいは地域のニーズとしっかり結びつけながら、施設を繁栄させていく、そうした知恵で運営をしていくということがこれからのまちづくり、まちの繁栄にも寄与していくだろうと私は考えているわけであります。
 それから清掃事業、警察大学校等跡地利用の転換計画の関連で御質問がありました。施設建設計画の変更、つまり新規の清掃工場の必要がないという結論が出た、その背景についての御質問であります。
 これは言うまでもなく、23区全体でのごみがだんだん減ってきている。これは経済的な動向の影響もありましょうし、リサイクルを進めてきている、23区の区民全体がごみを減らすという意識を少しずつ定着させてきているといったようなこともあるだろうというふうに思っております。
 そうした動向の中で、今後の中間処理の展望を見たとき、一定の余力を持ちながらも、十分発生するごみを処理し切れるという見通しが立った。先ほども申し上げましたが、今となりましては清掃工場を新たにつくらない、そのとき問題になっておりました3工場をつくらないという判断をしたことは、妥当な判断だったと思っております。23区の中でも既に清掃工場がある区、あるいは最近清掃工場を地区内に建設をした区、さまざまな立場の区がありながらも、最終的に結論としては異論なく、この計画の廃止と、また計画の廃止に伴う、これまでの自区内処理をめぐる23区の考え方の変更、そうしたことについてはほぼ異論なく同意がされたわけであります。
 当然、そうした考え方の変更に伴って、これからの清掃事業のあり方、23区の清掃事業のあり方というのは、区長会の中でも、また一組の方でも議論していかなければならない課題でありますが、中野区といたしましては、清掃工場が所在している区、そうした他区の理解を得るためにも23区の清掃工場において、必要な役割、これを積極的に担っていかなければならないと考えております。
 また、その一方で、ごみの発生抑制でありますとか、再使用、再生利用、そうしたことを他区に先駆けて取り組み、他区に率先してごみ減量を進めていかなければならないと考えているわけであります。この清掃工場の所在しない中野区ということを、多くの区民の皆さんに理解をしていただくということ、そして30万区民それぞれが、この問題の当事者として、しっかりと事に当たっていただく、そうした意識、環境の醸成ということが、何よりの課題になってくるだろうと考えているわけであります。
 それから自治会館の床面積の問題が御質問の中で出てまいりました。3,500平米を一部事務組合の面積として確保されていると、このことが12年の段階で決まっているということで、一部事務組合は、そのままずっと存在し続けるような前提になっているのではないかといったようなことも含めての御質問だったような形で私としては受けとめました。
 必ずしも、一部事務組合の今後については、これからの議論の中での変動要素はあるるわけですが、この間、少なくとも私が関与してから以降は、議長会の中で、自治会館の床面積の問題、あるいは一部事務組合の今後のあり方といったようなことについて話題となったことはないわけであります。今回の計画変更を受け、清掃事業全体の考え方についての検討が必要になったということの中で、一部事務組合についても整理がされてくると考えているところであります。
 その議論の推移によっては、自治会館の中での機能、面積といったようなことについての変更も生じる場合があるかというようなことだと理解をしております。
 それから、清掃工場の建設計画の中止に伴います警察大学校跡地を中心としたまちづくりについての姿勢、考え方という御質問でありました。
 土地利用転換計画案の見直しを含めて、新たな計画をつくるということで、新たな展開をどう考えているかということであります。言うまでもなく、今まで申し上げてきたように、清掃工場の計画の中止、またサンプラザの取得、こうしたことが大きな要因となりまして、中野駅周辺を取り巻く、まちづくりの情勢は大きく変化をしているわけであります。
 この変化をきっかけに、中野駅周辺全体を視野に入れた新しいまちづくり計画をつくっていくということが、現実の課題となったわけでもありますし、必要なことだと考えているわけであります。
 警察大学校跡地、それから中野駅から北口広場、サンプラザ、区役所、そして住宅供給公社の中野住宅等の南口、それらを含めた中野駅周辺全体のまちづくり計画ということについて、区民の皆さんの御意見も聞きながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
 それから危機管理についての御質問がありました。
 自然災害あるいは大規模事故の発生、そうしたことはもとより、あらゆる危機に対して区長がトップとして明確な方針を示す、そして危機に当たっての対応策を組織全体が常に共有しているということが必要であります。特に、幹部職員については、危機に対する強力なリーダーシップが欠かせない、このように考えています。
 どのような事態にも対応できるように、組織的に、日常からリスクの点検や対応策の整備、また事が生じた場合に、区民生活や区民の生命、財産を守るということを最優先に、迅速かつ的確に対処できる体制の構築を図っているところであります。
 当然でありますが、近隣区や東京都、また警察、消防など、関係の機関とは、日ごろから情報の伝達が円滑に行えるよう、連絡、協力を密にしているところであります。
 それから羽田空港、横田基地の問題が出てまいりました。
 羽田空港については、区民の利便性、また首都圏全体の経済の活性化を考えた場合、国際空港化を含めて羽田空港のさらなる整備というのは必要であるというふうに考えております。
 また、横田基地の空港化についてですが、都心と多摩部を結ぶ、新たな人や物の流れが生まれることになりまして、ひいては中野区の活性化につながる可能性があるというふうにも考えているものでございます。
 この問題、地元の自治体の考え方、さまざまな関係者の考え方もございますので、そうした認識を踏まえながら、今後の動向を検討してまいりたい、このように考えております。
 また、最後に、元三木総理のコミュニケーション術についての御指摘がありました。
 私も、単に理屈や議論だけで、コミュニケーションが図れるわけではない、人が動くものではない、そうしたことは十分に理解をしなければならないというふうに思っております。いろいろな形でのコミュニケーション、どこで自分の本音を伝えるのか、またどこで相手の本音をとらえるのかといったようなことが、我々行政を担当するもの、あるいは区長という立場にとって非常に重要であるということでございます。御紹介されました事例なども参考にしながら、さらに研さんに努めてまいりたいというふうに思っております。
 私からは以上でございます。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは清掃一部事務組合に籍を置く職員の活用ですね、経験、知識の活用、また身分切りかえに当たっての関係機関との交渉、これについてお答えさせていただきます。
 清掃一部事務組合に籍を置く職員、中でも特に専門技術系の職員の知識、経験というものは、これまで23区の中では得られない内容でございます。そういった経験がなかったということから得られていないわけですが、こういった知識、経験が生かされなければ、今後の清掃事業について、非常に23区ではマイナスになるというふうに考えてございます。
 そういった意味から18年度の身分切りかえを控えて、今後も十二分活用していく必要があるという形で認識してございますし、今後、交渉していきたいと考えてございます。
 また、清掃工場に勤務することとなる、新たな職員についても、早期にその専門性を習得させる、または育成していかなければならないというふうに考えてございます。
 今年度ですが、今年度は16年度に向けての職員の採用がございますが、その中で、特別区人事委員会が一定の技術職員について、これは特に清掃の職員でございますが、民間の経験者、この方を採用するということで予定してございます。
 そういったことによりまして、斉藤議員が言われるように、そういった技術を持った職員を活用していくということに対して、大事にしていきたいというふうに考えてございます。
 また、18年度の身分切りかえを控えまして、特別区では、区長会、それから特別区職員団体連合会、清掃労組、これが交渉に入ったところでございます。
 いずれにしても、この問題については、23区全体にかかわる問題でございます。中野区としては交渉の進展を見ながら、必要な都度、区長会に働きかけ、清掃事業が滞ることのないような対応をしていきたいというふうに考えてございます。
 よろしく御了解いただきたいと思います。以上でございます。
           〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは警大跡地等中野駅周辺まちづくりに関する御質問にお答えをさせていただきます。
 まず土地利用計画の早期の見直しを行って区民に提示すべきと、今後の予定はということでございますけれども、中野駅周辺のまちづくりにつきましては、区民や学識経験者のほか、関係行政機関の職員から構成されます、中野駅周辺まちづくり調査検討委員会を設置したところでございまして、調査検討を進めてございます。本年内を目途にいたしまして、まちづくり計画素案、中間のまとめを行いまして、区民にお示しをした上で、広く区民の意見を聞かせていただくためのシンポジウム等を実施していきたいと考えているところでございます。その後、本年度末を目途に基本構想等の策定等の調整も図りながら、中野駅周辺まちづくり計画素案を策定し、公表をしていく予定でございます。
 次に、財務省や都とどのような姿勢で交渉していくのかという件でございますけれども、中野駅周辺のまちづくりにつきましては、跡地の所有者でございます財務省、それから都市計画を所管しております東京都の協力も必要でございます。区といたしましても、常時緊密な情報交換に努めているところでございます。また、当調査検討委員会にも財務省それから東京都の職員も参加をしてございます。まちづくり計画が適切にまとまるように努力していきたいと思っております。
 次に、清掃工場中止による影響と、どのような展望をもって計画づくりを行うつもりかという点でございますけれども、清掃工場の中止によりまして、これまでのまちづくり計画は全体的に見直さなければならなくなったわけでございます。このため、幅広く中野駅周辺全体を視野に入れ、区民の生活や都市活動の向上、それから産業の振興等に向けた検討を行っていくこととしてございます。中野の新たな発展の可能性のみならず、東京の再生に寄与できる可能性も展望し、計画づくりに取り組んでまいります。
 以上であります。
議長(山崎芳夫) 以上で斉藤金造議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、9月22日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後6時19分延会