平成15年02月20日中野区議会本会議(第1回定例会)

1.平成15年(2003年)2月20日、中野区議会本会議場において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行       23番  若  林  ふくぞう

 24番  古  木  謙市郎        25番   欠      員

26番  斉  藤  金  造       27番  斉  藤  高  輝

28番  大  泉  正  勝       29番  柿  沼  秀  光

30番  木  村  勝  昭       31番  細  野  たいじ

32番  岩  永  しほ子        33番  昆     まさ子

34番  小  池  ひろし        35番  岩  田  みつる

36番  伊  藤  岩  男       37番  西  村  孝  雄

38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ

40番  川  上     進       41番  近  藤  正  二

42番  江  田     徹       43番  小  池  一  雄

44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員

 22番  樋  口  きこう

1.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎

 収  入  役  藤 原 惠 一      教  育  長  沼 口 昌 弘

 政策経営部長   渡 辺 征 夫      総 務 部 長  山 岸 隆 一

 区 民 部 長  鈴 木 勝 明      地域センター部長 柳 澤 一 平

 環 境 部 長  西 條 十喜和      保健福祉部    石 神 正 義

 保健担当部長   青 山 キヨミ      都市整備部長   石 井 正 行

 土木担当部長   那須井 幸 一      教育委員会事務局次長 山 下 清 超

 企 画 課 長  金 野   晃      総 務 課 長  田 辺 祐 子

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    佐 藤 栄 時

 議事調査担当係長 栗 原   望      書     記  大 谷 良 二

 書     記  大 石 紀 久      書     記  巣 山 和 孝

 書     記  永 田 純 一      書     記  長 崎 武 史

 書     記  松 原 弘 宜      書     記  西 田   健

 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  飯 田 浩 一

 書     記  佐 藤 雅 俊      書     記  松 本 桂 治

 書     記  吉 田 哲 郎

 

 議事日程(平成15年(2000年)2月20日午後1時開議)

日程第1 第5号議案 平成15年度中野区一般会計予算

 

      午後1時02分開議

○議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、一般質問一覧表のとおり、古木謙市郎議員、大泉正勝議員、池田一雄議員、佐伯利昭議員、こしみず敏明議員、来住和行議員、佐藤ひろこ議員、近藤正二議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 

 中野区議会議員 古 木 謙 市 郎

 1 平成15年度予算について

 2 用途地域の見直しについて

 3 中野区テレビ電波障害対策制度について

 4 教育行政について

 5 組織モラルと内部告発制度について

 6 その他

 

○議長(斉藤金造) 最初に、古木謙市郎議員。

     〔古木謙市郎議員登壇〕

○24番(古木謙市郎) 質問の前に一言お礼を申し上げさせていただきます。

 私は、今議会終了をもって、16年間お世話になった中野区議会、並びに同僚の区議会議員とあと2か月余で別れを告げることになります。同僚議員には大変お世話になりました。感謝でいっぱいであります。

 私は、区議会議員に立候補したときから、70歳を過ぎたら区議会には出ないと公言したり、また議員として専ら住民の手足になるよう信念を一途に貫くことができましたことは、本当に各議員の理解の賜物と感謝を申し上げます。

 したがいまして、きょうの質問は、私にとりましては最後の質問となります。御静聴をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。

 それでは、質問させていただきます。

 平成15年度第1回中野区議会定例会にあたりまして、自由民主党一議員の立場から数点質問させていただきたいと思います。

 質問は通告順にさせていただきます。

 質問に入ります。

 初めに、平成15年度予算についてお伺いいたします。

 15年度の一般会計予算額は880億5,100万円、前年度に比べ12億5,500万円、1.4パーセント増加し、11年ぶりにプラス予算となりました。歳出の内訳を見ますと、人件費や公債費など義務的経費が減少し、投資的経費が大幅に増えるというように、予算の姿としては随分よくなったように見えます。

 一方、歳入を見ると、区税や特別区交付金など一般財源は2億5,000万円余り、0.4パーセント減少しており、財政調整基金から5億6,000万円を繰り入れ、土地売却で4億円を見込むなどして財源を確保し、何とかつじつまを合わせているように見えます。区財政はよくなっているのか、それとも相当厳しいままなのか、よくわかりません。

 そこで、まず区は、区財政の現状と見通しについてどう考えているのか、伺います。

 人件費については、11億8,000万円余り、3.8パーセント減少しました。毎年、職員数を削減している効果があらわれてきているようです。また、14年度の人事委員会勧告に基づくマイナス改定も影響しているようです。中野区の人件費比率は、13年度決算では23区中3番目の33.3パーセントで、12年度の1位、36.58パーセントから大分改善しています。13、14年度と職員数を大幅に減らしているわけですから、今後も人件費の減少、人件費比率の改善が進むものと思いますが、見通しはどうでしょうか、伺います。

 次に、公債費について伺います。15年度は公債費が10億円近く減少しました。これは最近、起債を抑制していることによるものです。ところで、区は土地開発公社経営健全化対策に基づき、13年度に27億円、14年度25億円、15年度は江古田の森保健福祉施設を含め61億円、16年度、17年度にも数十億円の土地を買い戻すことにしています。さらに、14年度最終補正予算では、北部防災公園用地50億円を買い取ることになり、この償還が始まると公債費が大幅に増加すると思われますが、区財政を圧迫することはないのでしょうか。公債費比率の今後の見通しなど、具体的に数字を示して説明してください。

 次に、15年度予算に反映した事業についてお伺いします。

 今は深刻な不況で、区内の自営業者は大変な思いをして事業を経営しています。区内の中小事業者から、物が売れない、資金繰りが苦しい、先の見通しが立たない、このままでは廃業に追い込まれてしまうといった話を聞かない日はありません。区民の生活基盤が危うくなっているのです。区長は重点施策の1つに産業振興を挙げられていますが、これは、こうした時期だからこそ真っ先に取り組むべき課題だということを認識しているからだと思います。区としてできる対策は限度があるかもしれませんが、とにかく今は区内産業の支援、振興に特に力を注ぐ必要があります。区民は期待しているのです。やるだけのことはやってほしいと思います。中野区は住宅都市だから産業は二の次ということはないと思いますが、これまでの区政では、産業政策にもう一つ力が入っていなかったと感じます。15年度予算では、産業活性化調査会の設置や創業支援資金などの新規事業は見られるものの即効的、あるいは根本的な新たな取り組みは示されていせん。区は現在の状況に対応した区内業者の支援や今後の区内産業振興策についてどのように考えているのか、見解をお聞かせください。

 また、現在、基本構想の改定に取り組んでいるわけですが、新しい基本構想には、区内産業の発展、振興、新規産業の育成などについて十分に書き込むべきと思います。現基本構想は、中小企業の役割には言及していますが、産業の振興、町の賑わいというような表現はありません。これは中野区が独立した自治体として発展していくためには、産業を発展させ、豊かで賑わいのある町にしていくというような視点が必要であります。基本構想の改定は、基本構想審議会が中心になって検討していることは承知していますが、区として、この点について認識しているか、伺います。

 次に、まちづくりについて、中野駅周辺のまちづくり検討、西武新宿線踏切渋滞解消に向けた検討、東中野駅前広場整備に伴う交通実態調査などが予算化されています。こうした将来のまちづくりの核となることに積極的に取り組む姿勢については評価したいと思います。特に中野駅周辺は、ここ10数年余り発展が見られず、中央線の沿線の新宿、荻窪、吉祥寺などに買物客を奪われ続けています。かつては若者の街として賑わっていた時期もありましたが、どちらかというと高齢者が目立つ街になっています。中野駅周辺の元気のなさが中野区全体の沈静化につながっています。中央線の特別快速が今、中野駅に停車していますが、このままでは通過することになってしまうのではないでしょうか。今回、予算化されている中野駅周辺のまちづくり検討は、警察大学校移転跡地、中野駅北口広場、サンプラザ、中野区役所、中野駅南口市街地などを含む中野駅周辺における総合的なまちづくりを検討すると説明されています。中野駅周辺のまちづくりについては、過去に何回か委託調査を行っていますが、それが生かされていないまま今日に至っていることは事実であります。今回の調査はそのようなことがないようにしっかりと取り組んでもらいたいとお願いをしておきます。

 その上で伺いますが、この調査は具体的にどのようなことを行うのでしょうか。中野駅周辺の範囲をどのようなことを行うのでしょうか。中野駅周辺の範囲はどのあたりまでを考えているのでしょうか。また、既に作成されている警察大学校跡地土地利用転換計画との関係はどうなんでしょうか。さらに、中心市街地として、集客力を持ち、賑わいのあるまちづくり、産業の発展という視点を当然視野に入れていると思いますが、いかがでしょうか。

 ついでに施設数の見直しについて何点か質問をします。

 昨年の9月、中野区施設白書が出されました。この白書では、中野区は施設数が多く、したがって施設に配置する職員数も多いこと、また施設が古くなって改修、改築経費が今後20年間で78億円という膨大なものになることなどが述べられています。これはあくまでも20年間の経費で、20年経ったその後には、さらに改修、改築経費が膨らむと考えられます。仮に780億円を20年で割ると毎年平均39億円の改修、改築のための予算を組む必要があります。15年度予算での改修経費は8億円弱であります。中野区が現在、施設数を今後も維持していくことは、このこと一つをとってみても不可能であります。中野区の財政力から見て、区が持てる施設数には限界があるということを認識する必要があります。

 そこで、施設を統廃合することによって減らしていく必要があります。教育施設については、後で教育行政で質問するとして、地域センターについて伺います。

 中野区には15の地域センターがあり、集会室の貸し出しのほか、住民票の交付を初め、あらゆる窓口事務を行っています。そのため地域センターに多くの職員が配置されています。そこで、これらの人件費削減に向かって住民サービスを落とすことなく効率運営を目指し、住民票、印鑑証明の交付は自動交付機に切りかえ、エリアの見直し、適正配置を前進させることであると思いますが、区としては、このことについてどう考えているのか、見解を伺います。

 他の施設についても、現在の数を維持していけるとは到底思えません。思い切って統廃合を進め、不用となった用地は売却し、施設の改築必要とするぐらいのことをやらない限り、これからの展望は開けないと思います。

 最後に、施設数の見直しについて、基本的認識と今後、このことにどのように取り組んでいくのかについて、区長の見解をお聞かせください。

 2番は、用途地域地区の一斉見直しについて質問をしますが、私が16年にわたり都市計画審議会で気づいた点を質問させていただきます。

 昨年は、都市計画法を初めとして建築基準法、ハートビル法、これは身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律です、省エネ法、エネルギーの使用の合理化に関する法律などの改正が交付され、都市計画法及び建築基準法の改正については、今年1月、ハートビル法と省エネ法については、この4月に施行されると聞いております。さらに、都市の骨格を形成する上での最も重要な土地利用のあり方を定める用途地区の見直し作業が昨年から開始され、本年7月までには、中野区の案を策定し、東京都へ送付しなければならないという重要な年であります。いわば21世紀の中野区の都市計画の行方を定める重要な年になると申し上げても過言ではないのであります。

 そこで、お伺いいたします。

 まず最初に、今回の用途地域地区の見直しに当たり、中野区はどのようなコンセプトのもとに中野区の土地利用を定めていこうとしているのか、それをまず明らかにしていただきたいと思います。

 現在、見直し作業を進めている都市計画審議会は、地区計画の議論をしておりますが、地区計画は地域の問題解決に向けて地域ルールを定めるために導入するものであり、中野区全体の土地利用の問題に関することは、今回の一斉見直しを考えた対応を図る必要があるのではないかと考えます。

 このたび作成された中野区経営改革指針の中では、平成15、16年度に優先的に取り組むべき事項として30万都市中野にふさわしい産業活性化がうたわれています。中野区は、これまで住宅都市を標榜する余り、都市計画の中では産業に目を向けてこなかったことが指摘されています。中野区の総面積の約8割が住居系の用途地域で占められている土地利用の状況から見ても、それは明らかであります。都市の発展は、居住機能に加えて商業や工業の産業機能のバランスのよい配置があって初めて実現するものであります。中野区の土地利用はこの点が欠けていると言っても過言ではありません。経営改革指針でいう産業活性化の実現に向けて、都市計画、すなわち土地利用の面からまず対応する必要があるのではないでしょうか。この問題は地域レベルで解決する問題ではありません。地区計画導入の議論だけでは解決しない問題であり、中野区全体の問題として今回の一斉見直しの中で対応すべき問題と考えます。区のお考えをお聞きいたします。

 今、私は、中野区は住宅都市を標榜してきたと申し上げました。しかし、住宅地の中でも実は大きな問題を抱えております。それは、このたびの東京都議会の中でも質疑が行われておりましたが、これからますます需要が高まると思われる2世帯住宅の建築問題であります。医療技術の進展により日本は加速度的に高齢社会の道を突き進んでおります。このことは中野区としても例外ではありません。そこで問題となるのが高齢者の在宅介護の問題です。環境の変化に伴う高齢者の身体へのダメージは相当なものがあると聞いております。住み慣れた場所で生活を続けたいとする区民の切なる願いを実現するのには、現在住んでいる場所で2世帯、3世帯住宅を建築し、そこに生涯、住み続けることではないでしょうか。ところが、現実的には容積率等の都市計画の制約もあり、区民の切なる願いを困難にしています。この問題についても、地域の問題ではなく、今回の一斉見直しの中で解決を図るべき問題ではないかと考えますが、いかがでしょうか、区の見解をお伺いします。

 用途地域の見直し作業は、現在、区の見直し素案が作成され、今後、説明会を開催し、素案に対する区民の皆さんの御意見、御要望をお聞きすると伺っております。区民の皆さんと御意見、御要望は、生活者の立場から絞り出され、生の声として今後、検討される中野区原案の作成に向けて十分に反映されるのでしょうか。区民要望等に対する中野区のスタンスをお聞きします。

 この項の最後の質問となりますが、地区計画導入についてお聞きします。中野区では、地区計画を積極的に導入し、その中で都市計画、土地利用についても定めていくとの方針を示しております。この導入にあたりましては、先ほど申し上げたように、地域の問題として地区計画で解決すべきこと、中野区全体を視野に入れて解決しなければならないことを選別し、慎重に対応する必要があります。何もかも地区計画を導入すれば解決するという安易な考え方は危険です。過去に導入した平和の森や南台四丁目地区の地区計画では、何年も月日と膨大な人手を費やして、ようやくその作成にこぎ着けたと伺っております。このことは地区計画導入が容易でないことを教えているわけであります。

 そこで、伺います。今回の見直しに当たり、用途地域地区の見直しを今後、地区計画の策定の中で検討するという、その考え方を変更するつもりはないのでしょうか。また、考え方を変えないとする場合、どのような地域に、どのような体制で、どのような手順をもって地域合意を図り、地区計画の都市計画決定を進めていこうとしているのか、より具体的に区の取り組み方をお知らせください。また、その取り組みに対する区の決意を述べてください。

 冒頭にも申し上げましたように、用途地区の指定は中野区の都市としての骨格を形成する重要な土地利用計画であり、その一方で、区民の主権を制限し、個人の財産にも大きな影響を及ぼす大切な都市計画であります。今回の見直しが21世紀の中野区にとって、またそこに住もうとする区民にとって意義のある都市計画の見直しになることをお願いいたしまして、この項の質問を終わりたいと思います。

 中野区のテレビ電波受信障害対策制度についてお尋ねをいたします。

 中野区では、昭和40年代後半から、新宿新都心に建設された超高層ビル群により広い範囲にわたり受信障害が発生しました。受信障害の解消を求める区民の声は極めて強く、一大運動となり、区に対して苦情、要望が寄せられました。また、区議会では、度重なる請願、陳情を受けて真剣に論議し、受信障害の原因にとどまらず、国や東京都などの関係機関へ働きかけを行ってきました。私もその当時は障害を受ける地域住民の代表者として、受信障害解消に向けて率先して運動の先頭に立ち、行動を起こしてまいりました。このような運動が功を奏し、原因者である新宿の超高層ビル群、この略称をSKKといいますが、SKKによって受信障害の防除施設、すなわち受信障害対策用のケーブルが敷設され、住民の念願であった電波障害のないテレビ放送の視聴が可能となったという経緯があります。SKKにおける受信障害対策が先例となり、それ以降、中野区内に受信障害を発生させる建築物については、それぞれ障害の原因者である建築主がみずからの責任と費用負担によって受信障害対策用のケーブルを敷設し、受信障害対策が行われるようになりました。

 しかし、60年代前後から区内外の中高層建築物がふえ、受信障害の原因者を特定することが困難な複合的な障害が発生するに至り、問題の開設が非常に難しくなりました。

 そこで、中野区では、受信障害の抜本的解消を図るため、平成2年から平成4年にかけて、国や都を初め関係機関の支援を受け、受信障害状況の総合的な調査を行い、その報告をもとに、平成4年4月、受信障害対策を併用した都市型ケーブルテレビ事業の実施を決定し、きょうまでその事業の推進を図ってきています。

 都市型ケーブルテレビ事業は、一つは、都市化の急激な進展によりますます悪化するテレビ受信障害の抜本的解消を果たす、二つは、情報化社会に対する都市基盤整備の柱として、区内全域のネットワークを構築し、区民に密着した情報を提供する、三つ目は、多チャンネルによる放送サービスを鮮明な映像で提供し、双方向機能を活用して、将来には区民みずからが情報発信に参加するまちづくりを可能とするなどといった中野区における地域情報の基幹メディアとして大きな意義を持つものであるとの考えで、これまで区においてさまざまな支援を行ってきたと思います。

 ところで、都市型ケーブルテレビ事業の事業主体である株式会社シティーテレビ中野、略してCTNといいますが、このCTNも設立以来9年が経過、区の電波障害対策制度に基づく負担金収入のほか、放送や通信サービスの利用者も一定の水準に上り、また昨年には株式交換によりまして、ケーブルテレビ事業連合会社JCNの傘下に入り、ここにきてようやくCTNの経営基盤が強化、安定化してきたと感じております。さらに、CTNのケーブル利用世帯は、10月末現在、加入可能世帯の約57パーセント、約8万6,500世帯に上っていると聞いております。このことを別な角度から見ますと、複合的な電波障害に悩まされている世帯については、ほぼ全世帯がCTNに加入し、電波障害が解消されていると推測され、今後、電波障害が発生するものについては、原因となる建築物等が特定できるケースがほとんどではないかと思われます。中野区の電波障害対策制度は、先ほど申し上げましたように、受信障害の原因者を特定することが困難、すなわち原因者に対する対策も求められない複合的な障害について、都市型ケーブルテレビ事業に加入していただくことで、その解消を図ることが大きな目的の一つであります。

 以上のことを考え合わせますと、区行政が電波障害対策制度を創設し、都市型ケーブルテレビ事業を推進してきたという一定の役割を果たしたのではないかと思います。今後、発生する電波障害については、行政のかかわりがなくとも、民間企業ベースでその解決が図られるのではないかと考えますが、区長はいかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 また、都市型ケーブルテレビ事業のもう一つの目的として、情報化社会に対する都市基盤整備に柱として、区内全員のネットワークを構築し、区民に密着した情報を提供するとうたっていますが、住民には知識が行き渡っていない。

 ところで、中野区には、新宿新都心の超高層ビル群や都庁などの建築主等が独自に実施する規模の大きな受信障害対策があるが、これらの対策が行われている地域では、ケーブルの伝送容量の違い等により、区で推進しているCATVの放送内容、情報に格差が生じていることは御承知でしょうか。このため、中野区では、これらの大企業の既存受信障害対策を都市型ケーブルテレビ事業に移管することにより、地域間の情報格差の早期解消に取り組まれているところであります。その成果として、新宿新都心の超高層ビル群、いわばSKK及び東京都が実施する受信障害対策は、それぞれ平成12年度、平成13年度に移管が終わり、残る大規模な既存受信障害対策について、今後、施設設置者への働きかけを行っていく必要があると思いますが、現在の経済状況の中では、施設設置者の経営事情も相当厳しく、移設への協力は非常に困難であると聞き及んでおります。ここでのポイントは、移管に伴い施設設置者が拠出する負担金がネックになっているようですが、このキーを握るのは、やはり有線放送事業者であるCTNではないでしょうか。そうした意味で既存受信障害対策の早期移管を実現するためには、行政はCTNに行い指導を行い、また必要に応じて支援を行う必要があると考えます。先ほど申しましたように、CTNに対する行政の関与は、電波障害から情報化へシフトさせていくべきであると考えますが、区長はこのことについてどのようにお考えでしょうか。

 電波障害対策の項の最後として、CTNが加入者から徴収している月額500円の基本施設料について区長のお考えをお伺いしたいと思います。

 中野区の電波障害対策制度では、原因者が特定できる地域の方や特定できない地域の方にかかわらず、CTNに加入する場合には、最低でも月額500円の基本施設利用料をCTNへ払わなければならないこととなります。これは区内のどのような地域にお住まいの方であっても、皆等しく費用負担をしていただくという制度の基本理念に基づき、CTNが契約約款に定めているところであります。

 さて、ここで問題となりますが、制度が創設される以前の電波障害対策は、原因者である建築主等の負担原則により、難視聴用のケーブル設備が原因者により整備され、被害者である住民の方々が一切の負担なしに対策が講じられるのが通例であったことです。ところが、近年、区内に発生する電波障害を原因者がCTNのケーブルで解消する場合は、障害を受ける区民であっても、宅内の工事費用と基本施設利用料の負担が伴うことから、費用負担についてなかなか納得してもらえないケースもあると聞き及びます。また、既に電波障害対策の移管が行われたSKK地域や東京都庁地域の区民の方々、合計で約3万5,000世帯の基本施設利用料について、現在は経過措置として5年間の無料期間中ですが、この期間がSKKは平成18年3月に、都庁は平成18年9月にそれぞれ満了となることから、基本施設利用料の負担については、今後大きな問題となることは当然に予想されるところであります。

 そこで、先ほどのお尋ねと関連があるとは思いますが、CTNによる再送信サービスを50パーセント以上の区民が受けているという状況にある中で、行政が制度としてCTNを支援するということではなく、電波障害を受けている区民の方々の費用負担を軽減するという観点から、基本施設利用料については行政が負担するという考え方はとれないものでしょうか。ことしの12月ごろから地上波のデジタル放送も開始され、2011年には現在の地上アナログ放送を終了するという背景も考え合わせ、経費負担の具体的な方法や期間などについては、今後、詳細な検討が必要になると思いますが、電波障害に対する行政の役割を明確にすることで、区民のCTNの加入を促進し、これがひいては中野区の地域情報化を推進することにもつながるものと考えます。この点について区長のお考えをお聞かせください。

 続いて、教育行政について質問します。

 まず初めに、新しい教育課程の取り組み実績について伺います。

 平成14年度は、小・中学校の教育内容が大きく変わりました。新しい教育課程が完全実施され、また完全5日制に移行しました。そのねらいは、みずからが考え、みずからが学ぶことのできる力、生きる力と言われているものですが、これを子どもたち一人ひとりに身につけさせること、また学校生活にゆとりを取り戻し、子どもたちが家庭や地域で過ごす機会をふやすことだとされています。全体として授業時間が減る中で、総合的な学習の時間などの新しい取り組みも行われました。各学校は数年前から試行や準備をしてきたようですが、本格的に取り組むことになっての1年間、各学校の教育活動や子どもたちの様子はどうだったのでしょうか。ねらいに沿った成果を上げることができたのでしょうか。

 そこで、伺います。平成14年度の各学校の取り組みや実施や成果はどのようなものであったのか、また今後の課題はどのようなものか、教育委員会のお考えをお聞かせください。

 次に、区立学校の統廃合問題について伺います。

 この問題は、もう何年も前から課題とされ、審議会まで設けて検討されました。しかし、区民にわかりやすい結論が見えず、憶測や混乱さえ生んでおりました。

 そのような中で、ことしに入り、教育委員会で統廃合についてかなり踏み込んだ内容の報告がされたという話を伺っております。

 そこで伺いますが、この報告はどういう意味を持つものでしょうか。また、区民の目には、これまでずっと先延ばしにされてきた問題が前触れもなくいきなり取り上げられたという印象をぬぐえないのですが、この時期に報告された事情は何かあるのでしょうか。

 また、田中区長は、昨年6月に就任以来、区の持っている施設の配置や運営などについて白紙の状態から見直す必要があると常々おっしゃっていますが、そのことと学校の統廃合問題等をどのように結びつけて考えたらよいのでしょうか。

 私は、子どもの数が減っている現実を踏まえれば、学校の統廃合は避けられないと考える一人であります。その一方、学校というのは子どもたちの教育環境として基本の中の基本です。この問題を進めるには、保護者、学校関係者はもちろん、広範囲な区民による十分な議論と何より子どもたちにとって一層充実した教育環境を用意するものだという視点が不可欠であります。

 そこで伺いますが、区ではこの問題をどのように進めていくお考えでしょうか。また、統廃合を行うとした場合、いつごろまでにその見通しを区民に示すお考えでしょうか。

 次に、学校選択制について伺います。

 保護者や子どもたち自身が通う学校を選択できる仕組みを取り入れる自治体がふえています。私の周囲でも、友達と一緒に同じ学校へ進みたいとか、希望の部活動があるからという理由で学校を選びたいという声も聞きます。別の立場から、統廃合を進めるのに選択制の導入は有効だというようなことをおっしゃる区民もいます。有効かどうかは置くとして、統廃合問題と選択制とが大変関連の深い事柄であることは確かです。

 中野区では、通学校指定を事情によって弾力的に変更することを行っておりますが、本格的な選択制を取り入れることについてずっと慎重な姿勢をとってきたように受けとめています。時代は確実に変わってきています。積極姿勢に転じてもよいのではないかと思うのですが、お考えをお聞かせください。

 関連で、中高一貫教育についても伺っておきます。

 東京都が都立高校改革の一環として中高一貫校の設置計画を発表しました。区内では富士高校が対象とされました。教育委員会では、この問題をどのように受けとめ、今後どう対応する考えなのか、お聞かせください。

 次に、学校冷房化と関連する問題について伺います。

 平成15年度予算案の中で小・中学校の冷房化に必要な経費が計上されました。これで、子どもたちが室温が30度にも上がるという暑さの中でも勉強に励むことができると喜んでおります。また、私の印象では、田中区長は学校の冷房化について随分逡巡されていたように受けとめておりましたので、全校一斉に取り組むという計画内容を聞き、大英断を下されたと感じた次第であります。せっかく御英断をいただいたのですから、夏の暑さに間に合うように急いで工事を進めていただきたいと思います。

 ところで、区長の逡巡が環境に負荷を与えることを心配してのことだと伺いました。もっともなことだと思います。

 そこで伺いますが、負荷を軽減するため機器の選択や学校での利用に当たって何か基準を設けたり工夫を行うお考えはあるのでしょうか。さらに、区長は、環境教育に積極的に取り組むよう教育委員会に求メートルとおっしゃっています。私たちは、便利さを追求する余り地球環境に負荷を与えていることに余りにもむちんちゃくになり過ぎていたと思います。まず私たち大人が日ごろの暮らしを省みるとともに、子どもたちにも環境への関心を深めてもらう必要があります。教育委員会では、区長の要求にこたえてどのように取り組むお考えか、お聞かせください。

 この項の最後に、幼稚園と保育園の一元化問題について伺います。

 幾つかの区では、幼稚園と保育園を一体化した施設が開設されるようになりました。片や文部科学省、片や厚生労働省と所管官庁が違うという理由によって、同じ年代の幼児が通う場所でありながら別々の施設になっている不都合が解消されました。以前から問題が指摘されながら、国の法制度が障害になって解決が難しいと言われておりましたが、関係者の工夫や努力次第で解決の糸口があることが示されたわけです。現在、教育委員会では、区立幼稚園のあり方や廃止の見直しが検討されているようですし、保育園についても見直しの対象にされていると承知しています。

 そこで伺います。この機会にぜひ一元化について検討を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、組織モラルと内部告発について質問させていただきます。

 中野区は、来年度から職場における不正について区職員から内部告発があった場合の取り扱いは、告発者の保護などを定メートル公益通報対応制度をスタートさせると、本年2月に策定した中野区経営改革指針の中でうたっています。全国の市町村では、四條畷市が要綱で、滋賀県の近江八幡市が法令遵守制度として条例で定めているが、現実的には難しいといっています。そこで、昨今の社会情勢の中から内部告発制度の背景を追ってみたいと思います。

 原子力発電にかかわる偽造報告は、原子力が劇薬であるという本質をすっかり忘却し、巨大なボイラーぐらいにしか感じていない様子であります。この認識不足は、プルトニウム、もんじゅの件もあり、日本の電力事情に多くの問題をもたらしています。また、狂牛病問題に端を発した商品産地の意図的な偽表示は、ほかの商品の同様な偽表示があることが表面化しました。だまし続け、菌型インフルエンザが猛威をふるい蔓延しているようであります。企業倫理の欠如にも目を見張るものがあります。私たちの生活は、よかれあしかれ企業文明とともにあります。この文明が歪んだり泥まみれになったとき、私たちの生活基盤は汚染され、生命の尊厳さも飲み込んでしまうかと危惧いたします。こうした状況に歯どめをかけ、未然に防ごうとする試みも始められております。社外重役を積極的に導入し、経営責任をチェックする仕組みを設け、また社内の内部告発を奨励、保護し、不正や不祥事発見の契機にしようとする企業も出現しておることは御承知と思います。しかし、人をだまし、欺いてまでして利潤の最優先、財政運営最優先が許されるべきものでないことは雪印乳業の例を見れば明らかであります。不正防止の方法として内部告発、汚くいえば密告によって食いとめようとする発想についてでありますが、かつての独占的権力者が常套手段とする抑圧システムの根幹は監視と密告であります。半世紀前のことを決して忘れ去ってはなりません。一面だけでなく、反作用の大きさに注意をしなければならないと考えます。

 以上、申し上げた状況を念頭に置いていただき、区長にお答えいただきたくお尋ねをいたします。

 区民の暮らしと安全を守る立場にある区長として、現今の企業モラルのあり方についてお考えをお聞かせください。また、不正表示について、消費者団体やNPOと連携してモニターしてはいかがでしょうか、お聞きします。

 次に、不正や不祥事の予防策として内部告発を制度化することについてお尋ねします。中野区では公益通報対応制度を平成15年度に導入していますが、どのような効果を期待しているのか、お考えをお聞かせください。

 この項の最後になりますが、組織のモラル低下は、権限と責任が曖昧で、だれも責任を問われないような組織運営に原因があるのではないかと考えられます。区長が就任されて以来、現在の区組織は元気はつらつとしており、ただいま申し上げたモラル低下の要因は見当たらないとお考えでしょうか所見をお尋ねいたします。

 以上でこの項の質問は終わります。

 その他の項で質問をさせていただきます。

 難病患者福祉手当の対象疾病廃止に関しての質問を行います。

 中野区は昨年10月、難病患者福祉手当の支給対象疾病のうち慢性肝炎及び肝硬変・ヘパトームの2疾病について廃止したが、私の後援者にも患者さんがおり、対象となる患者さんは区内に約750人いると聞いております。難病がゆえに精神的、経済的に負担が大きく、この手当では、こうした負担軽減を図り、療養を容易にするために実施してきたものであると思います。

 一つ目は、区は慢性肝炎及び肝硬変・ヘパトームの2疾病を支給対象から除いたのはどのような理由なのか、伺いたいと思います。

 中野区は、この手当の取り扱いについては、当事者である患者、家族や区民との間で意見交換を行い、意見要望等を踏まえ、本年3月まで経過措置を設けることとしたことは評価しています。

 二つ目は、この経過措置について、本年4月以降の取り扱いをどう考えているのか。難病という疾病の特性を踏まえ、必要な経過措置を講じてもらいたいと思います。対象となる患者さんにきちんと理解していただくことは欠かせないところであると思います。

 三つ目は、情報提供や説明を行ってきたと思うが、さまざまな負担を抱える患者の皆さんに対する周知については、区は今後どのように考えているのか、伺いたいと思います。

 患者や家族は、経済的な負担のほか、疾病そのものや自分の健康に対する不安があるのではないかと思うのです。

 四つ目は、こうした不安の解消や医療的な相談などについて、どこで対応してもらえるのか、伺います。

 以上でこの質問を終わります。

 その他の項の2で、スポーツ施設についてお尋ねします。

 中野区内には、青少年が遊ぶ多目的広場や野球場の不足で困っているとスポーツマンからよく言われます。そこで、区長は昨年の選挙のとき、上野原スポーツ・学習施設は要らない、箱もの計画の廃止の公約をされましたが、確かにバブルの崩壊後、財政の悪化や少子化問題で状況は変化してきているので理解はできます。しかし、では、上野原に代わる野球やスポーツのできる施設をどう考えているのでしょうか。練馬区や杉並区のように、中野区は大人や子どもが伸び伸びと遊べるスポーツ施設をどこに求め、どこにつくるのか、区長のお考えをお聞かせください。

 これで私の質問を終わります。長時間にわたり御清聴ありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 古木議員の御質問にお答えいたします。

 私の方からは、予算についての何点かの御質問、また組織モラル、内部告発制度といった御質問、上野原の施設廃止の問題、こうしたことにお答えをさせていただきます。

 まず、平成15年度の予算についてであります。

 予算そのものの姿としては、幾分よくなったようにも見えるけれども、財政は依然厳しいように思えるという御指摘でございます。区長として区財政の現状、見通しをどう考えているのかというお尋ねでございました。

 区の財政状況は依然として厳しい、これはまさに御指摘のとおりであります。我が国は低成長の状況が定着をしております。今後とも区税でありますとか、財政調整における特別区交付金、こうした一般財源は横ばい、ないしは減少傾向が続くというふうに考えざるを得ないと思っています。こうした状況に合わせて、これからの中野区、中野の地域社会、これを将来にわたって持続可能な区政というものをつくっていくためには、職員数の削減でありますとか、また事務事業、そして施設配置の見直し、そうしたさまざまな面での行財政の改革を進めていかなければならない、このように考えております。

 次に、施設の見直しについての基本的な認識とこのことにどのように取り組んでいくか、区長の見解をという御質問でございました。

 今後、先ほども言いましたように、持続可能な地域社会をつくっていく、その上で限りある財源を有効に生かしていかなければならないわけであります。そうした立場に立つとき、23区の中でも、やはり相対的に多い施設の数というのは、るる御指摘があったとおりであります。こうした施設の見直しというものは絶対に欠かすことのできない要素になると考えております。私は、中野区にとって、どういう施設が、どういうサービスが、どの程度必要なのかといったようなことについては、今、一たんゼロベースに戻して、全くないものと考えて何が必要なのか、中野区の地域社会の中で何を用意していくべきなのかという議論をしていきたいというふうに考えているわけであります。基本構想の改定、その議論に当たって、そうしたゼロベースからの議論というものができればよいのではないかと考えているわけであります。

 そうした上で必要な機能をどう確保していくかということになるわけでありまして、その確保のためには、限りある資源を当然活用しなければならないというわけであります。そこで起きてくるのが現在の施設の統廃合でありますとか、運営を民間活力を生かした形に転換していくとか、運営の変更という問題であります。こうしたことを視野に入れながら、基本構想策定の中で区民論議をしっかりしていただき、私どもとしても検討をしてまいりたい、そのように考えております。

 それから組織のモラル、また内部告発制度についてという御質問でありました。

 現在の区の組織、元気はつらつとしていてモラル低下の要因は見当たらないと考えているのかという御質問でございます。私は、必ずしも元気はつらつとしている、モラル低下の要因が全くないというふうに考えているわけではありません。区の組織は、やはりこれまで一定の停滞や閉塞感といったようなものに支配をされていた部分があるというのは否定できないと思っています。そうした停滞や閉塞を一掃して、潜在的な職員の能力を最大限活用するために改革を進めてきたというふうに考えています。例えば、接客に当たっての六つの約束でありますとか、それから名札を改善するといったようなことについては、職員が誇りを持ってみずからの責任で仕事をしていくといったような意識改革のための第1歩として行ったものであります。今後、組織のフラット化でありますとか、それぞれの組織、職員にできるだけ権限を委譲していく、またそうした仕事をしていく中で、顧客満足度、区民の満足度の向上を最重要視する組織運営を図るといったようなことを通じまして、職員が自信を持って仕事ができるように、意識と行動様式の改革に取り組んでいきたい、そのように考えております。

 なお、公益通報対応の制度ですけれども、密告の奨励といったような御見解があったかのように思いました。私は必ずしもそう考えているのではなくて、職員が誇りを持って、中野区は公正な仕事を公正な区の組織で行っているというふうに自信を持って区民の皆さんと対応していく上での必要な制度と考えているところでございます。

 それから、上野原の施設建設計画の廃止に関連して、野球やスポーツのできる施設をどう考えているのかということでございます。

 区民が、野球でありますとか、サッカーでありますとか、そうしたスポーツのできる場の確保というのは、やはり大きな課題であるというふうに認識をしています。この課題につきましては、大変難しい大きな課題でありますが、これにつきましては、これからの基本構想の検討の中において、区の施設全体のあり方を考える、そうした区民論議を予定しているわけでありますので、そうした論議の中で行っていきたい、検討していきたいというふうに考えております。

 私からは以上でございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは、平成15年度予算につきまして3点お答えさせていただきます。

 最初に、人件費の減少の見通しでございます。既に経営改革指針でお示ししてございますように、これからも職員数の削減を進めまして、平成17年度には、おおむね2,800人を目標といたしまして人件費の減少に努めてまいります。人件費比率につきましても改善していくものと考えております。

 次に、公債費比率の今後の見通しでございますが、平成13年度以降につきまして、土地開発公社経営健全化計画に基づきまして公社保有地の買い取りを進めております。また、(仮称)北部防災公園用地の買収などにより起債額が増加していることは確かでございます。これらを見込んだ今後の公債費比率につきましては、これまでの起債抑制の効果もございまして、今後10年間は10パーセント前後で推移するものと考えております。

 次に、地域センターエリアの見直しとか適正配置、あるいは自動交付機の導入、そういった点についてのお尋ねでございますが、地域センターにつきましても、基本構想の検討に合わせまして、区立施設全体の配置運営見直しの中で検討することとしております。地域センターの配置やエリアについても論議していくことになると、そのように考えております。また、住民票の写しなど諸証明の自動交付機につきましては、今後の電子申請の対応や夜間休日窓口の充実とあわせまして、設置について検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

    〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 私からは、平成15年度予算についてから2点、さらに組織のモラルと内部告発制度について、区民の暮らしと安全を守る立場からについてお答えいたします。

 まず初めに、今後の区内産業振興についてどのように考えているのかという御質問がございました。

 この点につきましては、議員のお話にありましたように、長引く不況で区内の中小企業や商店は大変厳しい状況にあるということ、また時代が大きく変化する中で、中野の町を元気にし、区民の暮らしを豊かにするためには、区内産業の活性化は欠かせません。30万都市中野にふさわしい産業振興に取り組むことは、区政にとって特に重要な課題でございます。このため15年度は中小企業向けの緊急景気対策特別資金の融資斡旋を引き続き実施するほか、特に創業、転業に意欲的な個人や法人を支援する事業を重点的に進めてまいります。例えば、新規事業として、公募などにより選定した空き店舗活用の創業計画に対し、店舗賃借料の補助や新設する創業支援特別資金の斡旋を行うことを予定しております。また、有識者による産業まちづくり調査会を設置し、区内産業の新たな発展とこれに関するまちづくりの方向を明らかにしていきたいと考えています。

 これに関連して、基本構想に関する御質問がございました。基本構想に盛り込むべき内容につきましては、中野区基本構想審議会へ諮問を行う際、今申し上げたような考えをお伝えする予定でございます。

 次に、不祥事を起こした企業モラルについて御質問がございました。

 昨今の企業の不祥事は、利益だけを優先し、企業の負っている社会的責任や守るべき規範について無自覚になってしまった結果が国民の信頼を失い、社会不安を招くことにつながったもので、基本的な経営理念、経営体質に問題があるのではないかと、そんなふうに考えております。

 また、さらに不正表示についてモニターしたらどうかというお話がございました。この点につきまして、不正表示に係るモニター制度は、東京都消費生活条例に基づく消費生活調査員制度として本年度から発足しております。中野区からも、消費者団体の推薦で、今年度は12名の調査員が委嘱されています。都内全域では500名の方々が調査員として監視活動に当たっております。調査内容ですが、3点ございまして、不当景品類及び不当表示法に基づく不当表示の調査というのが1点、2点目に農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法に基づく品質表示の調査でございます。3点目には計量法に基づく計量調査、こんなふうなことを行っております。

 以上でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私からは、平成15年度予算についてのうち、まず中野駅周辺まちづくり調査についての御質問にお答えをさせていただきます。

 平成15年度に予定をしております中野駅周辺まちづくり調査につきましては、既存の構想や計画の課題、成果等を整理した上で、中野区都市計画マスタープランで目指しております賑わいの心を構成する中野駅周辺の今後のまちづくりの方向性、また課題、それから実現可能性のある整備手法、都市計画のあり方といったようなことなどにつきまして検討をしたいというふうに考えております。

 それから調査の範囲でございますが、北口広場から中野サンプラザ、区役所、警察大学校等移転跡地を中心とした北口周辺及び南口の住宅供給公社住宅、これらを含む中野駅周辺一体を対象と考えております。

 住機能に加えまして、働き、学び、楽しむといったような機能を備えた魅力ある多機能都市を目指すなど、まちの活性化や産業振興も視野に入れ、必要な都市機能や施設機能につきまして調査をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、用途地域の見直しにつきましての御質問ですが、今回の見直しにつきましては、都市計画マスタープランに定めております土地利用方針、それから東京都が今回示しました用途地域等に関する指定方針及び指定基準といったようなことを踏まえつつ見直しに当たっておるというところでございます。

 御質問の中に産業の活性化という面からの土地利用をどうするんだというような御質問、それから2世帯、3世帯住宅の建築が可能となるように、そういった問題を解決すべきであるが、どうかというような御質問がございました。

 産業を活性化し、町の活気や魅力を高めるためには、地域の特性に応じた土地の高度利用も必要であるところですが、そのためには地域全体の合意も欠かせないというふうに考えておるところでございます。これからの方向といたしましては、昨年、法改正によります新たな都市計画の民間提案制度など、こういった民間事業者の創意工夫を生かしたまちづくりを進めてまいりたいというふうにも考えてございます。2世帯、3世帯住宅の建築が可能となるようにするためには土地の高度利用が必要であります。しかしながら、現在でも前面道路の幅員などの問題から住宅地は指定容積率の70パーセント前後しか使い切れていないのが実情でございます。したがいまして、地区計画等で道路基盤整備、こういったことを図る中で、容積率等の問題につきましても検討をしていく必要があるというふうに考えてございます。

 次に、見直し素案についての説明会で出された意見の反映、取り組みの決意、それから今後どのような地域に、どのような体制と手順で進めていくのかというような御質問がございました。

 見直し素案につきましては、いただいた区民の意見、要望について、整理、取りまとめをした上で、4月以降の都市計画審議会で御審議をいただく予定でございます。

 地区計画、この制度でございますが、住民の意見を反映しながら地区レベルできめ細かい計画と建築規制によりまして良好なまちづくりを進めるものでございます。住民合意の地域まちづくりの手法としましては、この制度の活用が有効であるというふうに考えておるところでございます。東京都も、今回の見直し方針の中で、用途地域等の変更に当たりましては、地域の特性に応じた目指すべき市街地像を実現するため、必要な事項を原則として地区計画に定めるということとしております。地区計画原則化を打ち出しておるわけでございますが、これを踏まえて今回の見直しに当たりたいというふうに考えております。今後の取り組みといたしましては、特に木造地域密集地域、これらを中心に不燃化促進や防災機能の向上と緑化などを内容とします地区計画の導入を進めてまいりたい、またそのための体制も整えて、地元に積極的に入っていく予定でございます。

 以上でございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、中野区のテレビ電波障害対策制度につきまして、3点についてお答えいたします。

 第1点目につきましては、行政としての電波障害対策としては一定の役割を果たしたと思うので、今後は行政の関与はなしに民間ベースでできるのではないかということでございます。

 この制度により区内に発生する複合的な電波障害につきましては、ほぼ解消が図られ、電波障害対策としての一定の役割は果たしてきたものと考えてございます。ただ、今後、区内の電波障害が完全に解消できる状況になるまでは、現在の中野区テレビジョン放送の受信障害の解消に関する条例に基づく電波障害対策制度は維持していく必要があるものと考えているところでございます。

 次に、既存電障対策の移管を早期に実現するために行政はCTNに対する支援を電波障害から情報化へシフトすべきではないのかという質問でございます。

 都市型ケーブルテレビ事業につきましては、その当初から電波障害対策であると同時に、地域情報化の核になる可能性を持つものとして推進してきたところでございます。このため既存電障対策の移管につきましては、都庁電障地域を初め順次移管を進めてまいりました。残る既存電障対策の移管につきましても、現在は制度の指定実施機関でございますTCVと指定放送事業者でございますCTNが建築主と交渉をしておるところでございます。区もその交渉の推移を見守りながら側面から支援を行っているところでございます。

 次に、3点目のCTNの基本利用料を行政が負担するという考えはとれないかという質問でございます。

 電波障害対策制度は、条例におきまして建築主、区民、放送事業者、区などの関係者が公平に責任を分担することを基本理念としているところでございます。この基本理念に基づきまして、利用者である区民の方々には、アンテナ等の受信施設の維持管理に必要な費用相当分を利用料として御負担いただいているものでございます。区としては、関係者に対して、制度の推進に必要な指導、協力要請に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 私からは、教育行政の御質問のうち2点についてお答え申し上げます。

 まず新教育課程の実績、それから課題ということに関連しての質問でございます。

 今年度から新教育課程の実施が始まったわけですけれども、これは体験活動を重視し、課題発見、それから解決能力、それを伸ばしまして、生きる力を育むことをねらいとしております。学校と地域社会との交流、児童・生徒の奉仕活動や社会体験活動の増加などによりまして、学校が活性化してきていると受けとめております。とりわけ総合的な学習の時間という新しい取り組み、これにつきましては、外部の人材活用といたしまして地域の力などを取り入れるなどして、国際理解教育や福祉、環境教育など、各学校や児童・生徒の実態、特色を生かした内容で実施してございます。その結果、自分で課題を見つけ、自分で解決するということが多くなってきたと思っております。今後、さらに子どもたちの学ぶ意欲や基礎学力の定着、向上を図っていくために、少人数学習などの指導方法の工夫、改善はもとより、教師の資質向上など総合的に取り組んでいく必要があると考えています。

 次に、中高一貫教育に関する御質問でございます。

 東京都教育委員会の方で昨年10月に都立高校の新配置計画を発表したわけでございますが、その中で現在の富士高校の場所に平成22年度に中高一貫の6年生の学校を設置する計画が明らかになっています。東京都の方では、都立の中高一貫校は、中等教育の複線化を進め、都民のニーズにこたえていくものと、そのようにしております。私といたしましても、中野区内にこのような公立の中高一貫校ができることは、児童及び保護者の選択肢を広げるだけでなくて、区内の小・中学校の教育、これを活性化させる意味もあるのではないかと、そのように考えています。

 中高一貫教育につきましては、現在、適正配置との関連で、教育委員会といたしましても、都立高校と区立中学の緩やかな連携も含めまして議論を進めておりますので、その結果を踏まえ、対応していきいたと、そのように考えてございます。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、教育行政についての残りの御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、学校の統廃合の問題についてお尋ねがございました。

 今回の報告でございますが、これは学校の適正配置のあり方について事務局職員が行った検討を教育委員会に報告したものでございます。これは教育委員会で論議をする上でのたたき台としての意味を持っているものでございます。この報告に基づいて既に議論が始まっているところでございます。教育委員会では、こうした議論を重ねてまいりますけれども、今後、区といたしましては、基本構想の改定、あるいは(仮称)新しい中野をつくる10か年計画の策定にあわせて、広範な区民論議を重ねながら、すべての施設のあり方などを見直すこととされているところでございます。

 それから次は選択制のお尋ねでございますが、学校選択制につきましても教育委員会の中で議論がされているところでございまして、そこでは特色ある学校づくりや学校の活性化という視点から積極的に意見が出されているところでございます。

 次に、冷房化のお尋ねがございました。夜間電力を利用する氷蓄熱方式、あるいは熱効率のよいガスヒートポンプ方式を採用していきいたというふうに考えてございます。また、扇風機を併用しまして教室内の温度にむらがないよう、そういうことによりまして効率を上げることも考えているところでございます。また、運用につきましては、冷房の設定温度でありますとか、動かす時間についても基準を定めて対応していきたいと考えております。

 これとの関連で、環境教育についてのお尋ねもございました。

 区立学校の冷房化は、生活が便利で快適になることがいかに環境に負荷を与えることになるか、そういったことを学ぶ絶好の機会というふうに考えているところでございます。学校教育のすべての分野におきまして環境教育を推進してまいりたいと考えております。具体的には、各学校で環境についての調べ学習を基本にしまして、エネルギー消費と地球温暖化の関係を学んだり、例えば我が校の省エネ作戦というような銘を打ちまして、子どもたちみずからがかかわる環境にやさしい学校づくりの取り組みなどを、それぞれの学校の特色を生かしながら進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 幼稚園と保育園の一元化問題についての御質問でございました。

 幼稚園と保育園には多くの共通点が認められるわけでございますが、保育園における幼児教育の充実、また幼稚園における預かり時間の延長、これが区民ニーズとなっているという認識しているところでございます。その意味から幼保の一元化は、子どもが安心して産み育てられる施策の中でも重要なものというふうに考えているところでございます。同じ中野の子どもたちが基本的に同質のサービスが受けられることを視野に入れながら、教育委員会とも協力して幼保一元化に向けて検討を進めていきたいというふうに考えてございます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、難病患者の福祉手当の御質問に対してお答えさせていただきます。

 まず慢性肝炎、肝硬変・ヘパトームが支給対象から除かれた理由は何かということでございます。

 東京都は、慢性肝炎及び肝硬変・ヘパトームにつきましては、原因が不明、治療方法が未確定であるという難病の定義に当てはまらなくなったということから、昨年10月1日より東京都難病医療助成の対象から除外いたしたところでございます。中野区におきましても、同じように難病患者に対する福祉手当の対象を持っているわけでございますけれども、都にあわせまして、この対象から除外したところでございます。

 また、経過措置として、現在、これまで福祉手当を受けていた方に対しての措置をとっていたわけですけれども、昨年10月1日から3月まで、これまで御説明したように経過措置ということでやっておりました。また、4月1日以降でございますけれども、経過措置期間を4月から17年9月までの手当について支給するということで期間を設けたいというふうに思っております。

 また、対象者でございますけれども、現在、経過措置の対象になっている方全員が対象になるということでございます。

 また、手当額の考え方ですけれども、15年4月以降の手当額につきましては、段階的に手当を減額しながら進めていきたいというふうに思っております。

 また、患者に対して、どう周知していくのかということでございますけれども、これは経過措置の対象者、現在、手当を受けている方全員に対して個別に通知を差し上げたいというふうに思っております。

 次に、今回、難病から外された方の不安の解消や医療的な相談をどこで受けるのかということでございます。この相談につきましては、保健福祉センター、南部、北部、鷺宮保健相談所の医師、保健師が随時相談を受けることということにしてございます。また、継続的な相談が必要な方であるとか、訪問が必要というような方がいらっしゃいますけれども、そういう方につきましては、地区の担当保健師が主治医と連携しながら訪問を含メートル対応で不安の解消を現在図っているところでございます。

 以上でございます。

○議長(斉藤金造) 以上で古木謙市郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 泉 正 勝

 1 施政方針説明について

 2 ほたるの里事業について

 3 苦情処理機関について

 4 その他

   (1)電障対策と電話の区内内線化について

   (2)安心カードの発行について

   (3)その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、大泉正勝議員。

    〔28番大泉正勝議員登壇〕

○28番(大泉正勝) 平成15年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。

 最初に、施政方針説明について区長の発言に従い伺ってまいります。

 「はじめに」の項から伺います。

 ここでは、イラク問題と日本国内の問題について評論家的に幾つかの認識を示されています。そのうち日本の経済社会の現状について「過去の常識にこたえる形での回復はあり得ない」と断言をされています。政府は経済問題についてさまざまな角度から方策を示しており、やがて効果があらわれるとする見方もあるようであります。しかし、それでもなお区長は回復はあり得ないとお述べになるには、相当の自信とそれを裏付ける根拠があっての発言かと思えます。なぜ回復しないか及び区長の考える処方せんは何かについてお答えをいただきたいと思います。

 次に、同じ箇所に、改革の方途として「古い枠組みの中で生かされることのなかった潜在的な力を呼び覚まし、手をつけずにいた課題に立ち向かう必要」を強調されています。少し抽象的過ぎる気がしないではありません。生かされることのなかった潜在的な力とは何を指しているのでしょうか。また、立ち向かわなければならない手をつけずにいた課題とは何なのか。それぞれ具体的に御説明いただくと同時に、それに対し御自身でどのような解決策をお持ちなのか、あるいは考えていらっしゃるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

 次に、区長は「私たちの生き方、社会の価値といった基本的枠組みから新たな姿を描き出していくことが求められている」と述べ、この項を結んでいますが、区長が語る結びの言葉としては何のことかよく理解できません。私たちの生き方には30万通り、すなわち区民の数だけあります。社会の価値というとき、それこそ無数にあります。そこから新たな姿を描き出すとは何をしたいのか。新たな枠組みをつくりたいのか。また、その方策を考えた上でのご発言なのか。新たな改革をするための論理の前提としての御発言なのか、行政体の長としては余りにも茫漠としている感がいたします。中野区の区政の改革には、もう抽象的な意見を述べ合っている時間はないと私は認識をしています。何をお述べになりたいのか、少し明確にお答えいただきたいと思います。

 方針説明の次の就任以来の取り組みに関しましては、その他の項で一つだけ取り上げますので、ここでは省略いたします。

 次に、経営改革と経営改革指針について項を起こしてお述べになっております。経営改革指針については、我が党の主張を取り入れていただき、緊急に策定されたことを評価をいたしておきます。いわゆる指針の内容については幾つか気にかかる点がありますので、伺っておきます。

 初めに、施設配置、運営の見直しについて指針に示しました。「区の組織において検討してきた施設の現状と課題を整理し、15年度の早い時期に区民に示していく」としております。中野区は昨年の9月に施設白書を出しました。白書の目的は、中野区の施設の現状と将来の財政需要などを明らかにするためとしています。そして基本構想等の策定検討にあわせ、施設のあり方や適正な配置などを区民参加で考えていく際の資料として活用するというものであります。主な内容として、今後20年間の施設改修、改築に要する経費は総額で781億円と推計をしております。予想されていたとはいえ、ある面では衝撃的な数字です。

 そこで伺います。経営改革指針で示された15年度の早い時期に区民に示すものは、この白書を指すのでしょうか、またそれはいつごろと考えているのでしょうか、理由とあわせお答えいただきたいと思います。

 次に、改革指針は、現状と課題を整理する施設として地域センター以下が挙がっております。このことについて、教育関係の小・中学校、幼稚園、図書館などのある施設について、廃校、廃園、廃館が決まったかのようにうわさが先行して、一部の区民に心配と混乱があります。そして区としての一部にもならない検討段階の論議が全体の論議かのように受けとめられてもいます。区長はこのことをどうとらえているのか、またどう認識されているのか、伺っておきたいと思います。

 うわさに関連して、東中野幼稚園の廃園について、議会内の色分けが明らかになったかのような言い方をする向きもあるようです。公明党と自民党は東中野幼稚園の廃園に賛成している。次の選挙にはこれを踏まえていきましょうというような、かなり角度をもった話も出ていると聞き及んでおります。公明党議員団の名誉にかかわることでもあり、議員団の態度を述べておきます。公明党議員団は、東中野幼稚園の廃止は絶対に反対です。この時期にあえて明確にしておきます。

 次に、経営改革指針では、基本的な視点として六つの視点を挙げています。そのうちの一つに市場競争原理の活用が述べられています。区政運営の視点として言っていることは理解しつつも、少し違和感があります。区が運営する事業でサービス提供を競い合う事業とは何を指すのでしょうか。行政の運営は、一体的、独占的に事業運営されていると認識をしていますが、今までサービスの提供主体が幾つもあったということなのでしょうか。また、民間業者と区と競争しろと言っているのでしょうか。また、指針は、行政内部の改革指針と理解をしていますが、「事業や業務の実施運営に当たってサービス提供主体間の競い合いによってサービス全体の質や効率の向上を図る」とは何を想定して記述したものでしょうか、区長の見解を伺います。

 次に、基本構想の改定とまちづくりの課題の項中、サンプラザ問題についてお伺いをいたします。私どもは、このことについては、譲渡の申し入れを受けた方がいいと考えております。区長は「取得による過大な財政負担は許されません」と述べましたが、常識以前の話です。機構、国側への回答の期限も延びたところでもあり、協議には万全を期していただきたいと思っております。過大な財政負担は許さないとの当たり前の決意ではなく、区のすべての能力を傾け、一銭たりとも区民の税金を使わない方策を探ってみせるというぐらいの柔軟かつ強固な決意でこの問題に対処してほしいと思っております。中野区にとって夢のある課題になるよう最善の努力を期待いたします。区長の見解をお伺いいたします。

 次に、サンプラザ問題に関連して、区長は「現在、将来の展望や総合的な計画を描くことができていない中野駅周辺のまちづくりについて、この際、改めて調査研究する」として1,500万円を予算計上いたしました。この周辺地域については、既に将来の展望や総合的な計画を描くために何回も調査研究が行われてまいりました。それらの総額は幾らになり、どのような行政効果があったと検証しているのでしょうか。反省点はなかったのでしょうか。調査研究の手法に問題はなかったのでしょうか。委託した会社などに課題はなかったのでしょうか、などの総括はどうされたのでしょうか。それがあっての予算計上かと思われますので、お答えいただきたいと思います。過去の調査は誤りであったため、今回やり直すのか、それとも補充調査なのか、単にサンプラザの所有権の移転程度の理由で同じ調査を繰り返すほど区の財政は豊かでありません。相当の理由があるものと思われます。明快な説明と区長の答弁を求メートルいと思います。

 次に、施政方針説明の15年度予算の項について2点だけ伺います。

 初めに、委託化及び民営化の問題について概括的にお伺いいたします。

 ここでは、幾つかの施設についての委託化、民営化を図ることを述べています。委託化、民営化について、区は五月雨式に提案するのではなく、全体像と基本方針をまず示すべきではないでしょうか。それがないと、区民の間には混乱や不安が広がりかねません。結果として理解を得ることが困難になります。委託、民営化の計画をはっきり示し、区民論議の資料としたらと考えております。さらに、もっと区民参加を進めるおつもりなら、委託化計画をつくる段階から区民とともにつくり上げたらいかがでしょうか。そして区長が考える10年計画、私の主張する5年計画に反映してはどうでしょうか。これ以上の民営化は必要ないのか、あるいは2,800人の職員で事業を展開するためには、さらに民営化などを進める必要があるのか、その基本方針、あるいは計画が示されないと行政の安定性を欠くことになり、区民に不安を与えることになりかねません。区長の御見解を伺いたいと思います。

 2点目は、教室の冷房化と環境教育についてお伺いいたします。

 この時期、議員団はほとんど町の中におります。毎日、区民との意見交換の機会を持たせていただいております。冷房化の話がよく出されます。予算化されたことをみんな喜んでいらっしゃいます。その中で環境問題の話題にもなります。区長は「冷房の導入に当たっては、あわせて地球環境問題についての教育をすべての小・中学校で強化します」とお述べになりました。全く賛成です。このことについては、区長の対話集会でも特別な教育の機会を設ける必要がある旨の話をしています。現状の環境教育について、その内容とその教育効果についてお答えいただくとともに、特別な教育の機会とはどのようなイメージを持って語られたのか、具体的な方策をお考えでしたらお答えいただきたいと思います。

 次に、5か年計画では財政効果を示しました。それを強化したと位置付けている改革指針では数字が示されていません。指針は計画ではない。したがって数字は記載していないとのお考えと思われますが、5年計画に比べた場合の財政効果は幾らと算定されているのか。15、16年度及びその合計についてお答えいただきたいと思います。

 次に、西武新宿線踏切の立体交差化について簡略に触れておきます。この課題は解決まで長い時間を要すると予想されます。しかし、区民にとっては切実で解決の急がれる課題でもあります。東京都と西武鉄道の検討による4案についての区長の評価と何らかの解決策をお持ちかどうか、御答弁いただきたいと思います。地元の野方周辺の方々の中には、地下化により仮に野方駅付近で地上に出るとしたら、その際、環七などを利用して、年来の希望である駅の北口を開設してほしいとの意見も出されているようです。これから区長は4案について地域で説明するとしていますが、いつごろまでに成案を得、解決をいつまでにとお考えなのか、さきの質問とあわせお答えいただきたいと思います。

 次に、平和に関する課題についてお伺いいたします。

 特に平和資料館の建設計画の廃止についてお伺いいたします。

 経営改革指針により、この計画は凍結されたまま廃止が決定されました。施政方針説明では、「平和への願いをいま一度強く訴えるとともに、各国の外交努力と人類の英知に望みを託したいと思います」と述べました。この言葉と「改革指針の資料館の建設は廃止します」という文言を並べて読むと、平和への願いをいま一度強く訴えるとともに、各国の外交努力と人類の英知に望みを託したいと思う。したがって平和資料館計画は廃止しますということになります。根底に評論家的な発想が横たわっている感があります。昨年の定例会で区長は、「平和の創造に向けて区民の意思を発信し、市民の連帯を一層推進します」とお述べになりました。短い時間の間になぜこうも変わってしまうのでしょうか。中野区の平和事業の後退が言われ出しています。平和に関する思いはだれも変わりません。行政は思いだけでなく、区民に姿勢として示すことが求められます。資料館の建設については、今までさまざまな区民論議がなされてきました。区も会議体を設置して検討し、報告書まで提出されています。それを今般、何の区民論議も経ずに計画の廃止を決定しました。他の凍結事業については、区民論議を行っていくとするものが多く見られます。ばっさりと廃止をされた理由について、区民論議にさらさない理由とあわせてお答えいただきたいと思います。

 方針説明では、経営改革指針は「中野から新しい改革の息吹を発信していくもの」としています。発信する改革の息吹とは平和資料館の計画廃止のことかとうがってしまいます。平和資料館の計画について区長の基本的な御認識と御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、ほたるの里事業について伺います。質問は1点のみであります。

 我が党としても何度か本会議などで取り上げてきた課題でもあります。岡本議員の質問に対して区は、研究するとまではお答えいただいている問題でもあります。平和の森公園の一角にほたるの里をつくり出す努力をしてみないかという単純な課題です。孔子は「流れ清ければ以て我が冠を洗い、流れ汚れば以て我が足を洗う」と言ったそうですが、我がふるさとの中野区の川は足すら洗えません。そのイメージを改革しようという課題です。平和の森公園は、過去にあった施設などの様子から区にとっては平和を考える場所として極めてふさわしいと思っています。その一角には風情のある区画があります。区長が施政方針で述べたような時代であればなおのこと、子どもたちとともに地球環境を学び、平和の尊さを学び合う場の創出をすべきではないでしょうか。我が党は環境問題の一つとして緑の戦略を提唱しております。その中に、小鳥や昆虫、小動物が生息できる公園や自然の植物が観察できるような自然公園を設置することをうたいました。ほたるの里の創造は、平和事業と区長も強調する環境教育とを融合させる事業にもなり得ると考えています。夏のひととき、ほたるの舞うのを眺めながら平和に思いをいたし、地球環境の保全から創出に思いをいたすよすがとできないものでしょうか。環境行政と平和行政のシンボルの事業ともなり得ると思っています。中野区をふるさととする人々にとって、心からそう感じられる中野にしていただきたいと思っています。この事業の成功は、23区の中で中野区を名誉ある地位に押し上げ、特徴のある、心安らぐイメージの区になり得る事業だとも思っております。困難なことは理解をいたしております。あちらこちらで難渋しているのも承知しています。しかし、区を挙げて取り組めば不可能も可能になることもあります。取り組んでみてはいかがでしょうか。だめな理由ばかり思い描くのではなく、その先の成功したときの喜びを考えてみてはいかがでしょうか。平和資料館の計画廃止にかわる、新たな時代が要請する方策ともなり得るとも思います。この項に限っては、今までどう研究してきたのかなどとやぼな質問はいたしません。区長の御所見を伺うのみで、この項の質問は終わります。

 次に、苦情処理機関の問題については、事情により割愛をいたします。ただ、一言だけ述べさせていただきたいと思います。

 これは介護保険制度の中で残された課題でもあります。そして今般、支援費制度が導入され、利用者の権利擁護の仕組みとして整備のおくれが目立っているところでもあります。その解決策として福祉オンブズマンの制度を活用できないかという問題であります。過去の質問に対しまして、区は検討するとの答弁を繰り返していました。一体いつまで待たせるのかなと思っております。昨年、私どもはしびれをきらし、いわゆるオンブズマン条例の改正案を当局に提示をしました。それに対し現局からは、介護保険サービス等に係る利用者支援についてと題する回答の文書が示されました。その内容を取り上げ、ここで一つひとつ反論をしたいところですが、詮のないところでもあり、時期を図って条例案を表に出し、提案したいと思います。

 その他の項についてお伺いをいたします。

 電波障害対策と区内の電話内線化について簡略にお伺いいたします。

 初めが電障対策についてであります。

 中野区内の電波障害対策は、15万世帯のうち、あと10パーセントほどが残っているとされています。この残りの部分についてどのような課題が残っているのでしょうか。また、区として、それにどう対処し、解決しようとしているのでしょうか。これから進めなければならない情報施策のネックになりかねませんので、明快にお答えいただきたいと思います。

 次に、区内の電話内線化について伺っておきます。

 CTNの回線整備は区民の税金を使って実施してきました。整備の当初の目的は、先ほどありましたように電波障害対策にありました。したがいまして、次はそれを広く区民の利益になるよう多面的な利用を図るべきではないかと考えています。CTNは既に高速インターネット接続事業を展開し、さらに回線を活用して、電話事業を実施するため、この4月からテストを行うと聞いております。CTNのケーブル回線を活用すれば、区内の電話がただでかけられるようになると考えられます。区長がお述べになった改革の利益は、区民すべてがとの方向にも合致すると思います。CTNの取り組みの状況と区はCTNに対し働きかけをされてはどうかと思いますが、御所見を伺っておきます。

 最後に、安心カードの発行についてお伺いいたします。

 この課題は、我が党の同僚議員から、身分証明的な面から、あるいは健康カード的側面などから要望し、実施について強く求めてきたところでもあります。ことし8月25日から住基ネットに関連して、希望する方に住民基本台帳カードの発行ができるようになります。これに関して区は歳出で2,200万円の予算を計上しています。住基ネット関連というと直ちに政治的なムードになってしまう向きもありますが、質問は住基ネットの切断などの問題と異なるレベルの課題として取り上げましたので、御答弁もそれを御理解の上、お願いをいたしておきます。

 住民基本台帳カードには、ICチップが格納され、メモリーの容量は新聞紙1.3面分に相当する量が書き込めるとされています。法律では、本人確認情報及びセキュリティー関係など以外のほかのあいている領域についての利用は、条例を定め、区が独自にサービス提供を行えるとされています。また、書き込む内容については、自身の判断によって自由に選択できるともされています。総務省は、カードの独自利用の例として、公共交通機関の利用に係るサービス、病院の診察券等として利用するサービス、地域通貨、電子福祉チケット等に係るサービス、公共料金などの決済に係るサービス、高齢者等の緊急通報を行うサービス、介護保険の資格確認などを行うサービス、災害時などにおいて避難者情報の登録、避難場所の検索を行うサービス、公共施設の空き紹介、予約などを行うサービス、その他、医療、保健、商店街での利用などを合わせて15例を挙げています。そして身分証明書としても使えるとされています。使いようによっては、使い勝手のいいものになるかもしれません。区は、このカードの空き領域について何に使おうとされているのか、また何を入れようとされているのでしょうか、検討されているとすれば、その状況について、されていないとすれば、組織を立ち上げるなどして検討してはどうでしょうか、お答えください。また、このカードに身分証の役割を持たせることを考えていいのではと思いますが、御見解を伺います。カードは希望により写真付きのものを交付できるようですが、手数料は幾らに設定されようとしているのでしょうか。また、手数料については、65歳以上は無料で交付するなどの措置を講じられないものでしょうか。また、カードの名称は決定しているのでしょうか。この際、区民が喜ぶネーミングも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上、まとめてお伺いして、この項の質問を終わり、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大泉議員の御質問にお答えをいたします。

 私からは施政方針説明について何点かお答えをいたします。また、ほたるの里事業についての御質問にもお答えをさせていただきます。

 まず、施政方針説明についてであります。

 区長は今の経済社会の現状について、過去の常識に答える形での回復はあり得ないと断言をしていると、なぜ回復しないと思うのか、自身や裏付け、根拠があるのかといったような御質問でありました。

 過去の常識に答える形での回復はあり得ないと申し上げたわけであります。過去の常識にとらわれない新しい改革を行うことによって、日本の経済社会の回復というものが目指されているのだという認識をしているわけであります。人口減少時代に入っていくということ、また少子高齢化になって就労人口が減少していくこと、また産業の成熟化に伴いまして20世紀型の工業化による経済成長、こうしたものは見込めなくなった、これが今の日本の状況だというふうに考えています。そして今の経済状況を考えますと、膨大な不良債権、国内の産業の空洞化、それから財政赤字の累積、こうしたようなことが景気の回復力をかなり低下をさせているわけであります。こうした状況ということについては、先ほど言いましたように、さまざまな場面での構造改革、これを進めていかなければ、円滑な経済の再生は見込めないというふうに考えているわけであります。旧来型の公共事業の増加といったような、そういう従来の手法による回復といったようなことも難しいのではないか、そのような認識に基づいての発言であります。

 そして次に、改革の方向として古い枠組みの中で生かされることのなかった潜在的な力を呼び覚ますといったようなことで、潜在的な力とは何か、また手をつけずにいた課題とは何か、これについて具体的に説明をするようにということでありました。

 潜在的な力といったときに念頭にありましたのは、分権によって生み出されていく地域の力、地域や自治体の力ということが一つあります。また、規制が緩められて高まっていく民間の力、企業も含めて民間の力ということであります。その中には、新しい活動の場を見出したNPOや民間団体の力ということも入っていると思います。また、地域社会の中に埋もれている人材、こうしたものも潜在的な力というふうにとらえるべきだと思っています。

 手をつけずにいた課題と言ったときに念頭に置いていましたのは、規制緩和のおくれとか、あるいはさまざな分野における既得権に見直し、また硬直的な財政政策を続けてきた結果によるさまざまな弊害、こうした日本社会の直面している構造的な問題のことを考えているわけであります。これらは、いずれも産業構造の改革、あるいは地球環境、私たちが安心して暮らし続けることのできる持続可能な社会をつくるために挑戦をしていくべきさまざまな諸問題であるというふうに考えているわけであります。

 それから私たちの生き方、社会の価値観といった基本的な枠組みから新たな姿を描き出していくことが求められている、何のことかよくわからん、漠然としているという御指摘でありました。具体的にどういう方策を考えているのか、何をしていくことを目指しているのか、示すべきではないかといったような御質問だったように思います。

 総じて持続可能な地域社会をつくっていくということが、私たちがこれから目指していく生き方だというふうに考えているわけであります。それを具体的にどういうふうにしていくのかというところで、考え方といたしましては、一つは性別や年齢にかかわらず、だれもが個性や能力を発揮して、広い意味での就労でありますとか社会貢献ができる、そんなことがあるのではないかというふうに考えています。具体的な内容としては、男女共同参画の推進でありますとか、それからワークシェアリング、高齢者の地域参加や健康づくり、そうした幅広い分野での取り組みになってあらわれていくべきものというふうに考えています。それから基本的な枠組みから新たな姿というところでは、環境に配慮した暮らしや地域社会、そうしたようなことが持続可能な地域社会をつくるという中で目指されていくこと、そうしたことがあるのではないかというふうに考えています。立ち向かっていく姿勢の問題としてでありますが、官の優位ではなく、民の活力を重視すること、それから中央集権ではなく分権と自立を求めていくこと、そうしたようなことを通じて私たちの生き方や社会の価値観をどのように変えていくのか、そうしたようなことについて論議が必要な時代になってきているという認識を示したつもりでございます。

 それからサンプラザについてです。

 サンプラザについては、譲渡の申し入れを受けた方がいいと。一銭たりとも区民の税金を使わない方策を探ってみせるぐらいの覚悟を示せということでありました。

 私も、中野サンプラザにつきましては、中野区のシンボル的な施設でありますし、中野駅周辺の賑わいの中心でもあるということであります。このことについては何度も区民対話集会などの場で表明をしてきたところであります。そうした重要なポイント、本当に賑わいの心としてこれから大事になってくる中野サンプラザでありますので、区がかかわった形で取得をするという方向での検討を行っているわけであります。そうした検討を行うに当たっての考え方の一つとして、やはり今回のサンプラザの譲渡の問題については、国の特殊法人改革の一環として出されたものであります。区が仮に取得をするといたしましても、行政改革の観点から、運営については民営化と運営改善による独立採算化、これができる形でなければならないというふうに考えているわけであります。これらを踏まえながら、譲渡の条件について、さらに協議を行っていきたい、このように考えています。

 それから、平和資料館の建設計画について廃止をしたということであります。この施設建設の計画につきましては、区の施設全般について、ゼロベースで、どういう機能や施設が必要なのかといったようなことを議論していく中での一つテーマとして議論がされていくものというふうに考えています。現在の財政状況等を勘案いたしまして、当面、平和資料の収集、展示については、新たに建物をつくるという方法ではないさまざまな工夫をしていきたいというふうに考えています。例えば、今年度の取り組みでいいますと、全地域センターで地域平和パネル展というものを開催しましたり、ふれあいの家や児童館を使って地域平和トークを行ったり、またホームぺージの中にバーチャル平和資料館を置くといった工夫もいたしました。区役所の区民ホールとか、中野駅のガード下、夢通りギャラリーで展示も行ったといったようなことも工夫をしてきているところであります。これらのほかに広島原爆被爆展、平和作品展といった催しも実施をして、かなりの区民の来場も得ているといったようなことであります。こうした平和への取り組みについては、これからも着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、ほたるの里事業についてという御提案であります。

 ほたるの里事業、つらつら御提案をお聞きいたしまして、大変、自然再生、あるいは平和についての姿勢といったようなものについても組み合わせた形での区のシンボル的な事業としての御提案でありまして、夢のある御提案だというふうに伺ったところであります。しかし、ホタルの生息や繁殖のためには、清流をつくって、水辺、その水辺の中にカワニナが繁殖できる、そのカワニナが繁殖するために植物が繁殖できるといった環境をつくり出す非常に難しい部分があるわけでありまして、中野処理場における下水の高度処理の実施時期がまだはっきり定まっていないといったようなこともあります。できない利用を挙げつらうなということでありましたけれども、今の段階では、なかなか実現に向けての具体的な検討というところまではお答えしにくい課題であるというふうに考えています。今後とも情報の収集には努めてまいりたい、そのように考えています。

 私からは以上でございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは、施政方針説明について4点、その他で1点、計5点についてお答えさせていただきます。

 まず施政方針説明の中で、経営改革指針で施設の配置、運営の見直しについて、区民にお示しするのは施設白書がそれを指すのかというようなお尋ねでございますが、御質問にもございましたように、昨年、作成しました施設白書につきましては、今後の区立施設のあり方を考えるために、施設の現状と将来の維持改修などに係る財政需要を試算したものでございます。今後、基本構想改定の中で区民の皆さんに議論していただく施設配置見直しにつきまして、施設白書も含めまして、どういう形で素材として提供していくか、どういった形で取りまとめてお示しするのがいいのかどうか、現在、検討しているところでございます。

 次に、市場競争原理の活用について、どういったことを想定しているのかでございます。

 これまで主に行政が提供してきましたサービスが、民間企業やNPOなどさまざまな主体によって供給されるようになってきております。例えば、介護サービスや保健、保育などがそういった分野であると考えております。こうした分野では、効率性やサービスの質を競い合う状況が生まれていると、そのように考えております。市場競争原理の活用によりまして、顧客の満足度の向上、区民サービスの向上を図っていきたいと考えているところでございます。

 次に、施設の委託化、民営化でございますが、区民とともに計画をつくったらどうかというお尋ねてございます。

 区といたしましては、以前から民間の力を生かして、サービスの向上を図り、施設の民営化や委託化に積極的に取り組んできているところでございます。これらにつきましては、利用者を初めとした区民の理解を得て実施しているものでございます。今後、施設につきましての委託、民営化についても、区民論議の素材の一つとなると考えておりますので、区としての考え方をお示ししていきたいと、そのように思っております。

 また、経営改革指針の財政効果についてのお尋ねでございます。

 私どもはきちんとした積算をしているということではございませんが、行財政5か年計画の計画数値と経営改革指針のもとで編成しました15年度予算とを行政改革部分について比較いたしますと、大まかに約5億円の財政効果が生じるのではないかと、そのようにとらえております。

 その他の中で、CTN回線を利用した電話サービスの提供についてのお尋ねがございました。

 インターネット通信の関連技術を活用しまして、いわゆるIP電話サービスについて幾つかの事業者から発表されております。IP電話につきましては、毎月の基本料さえ払えば、同一の事業者のサービスを利用するもの同士が電話を無料でかけられるというのが最大のメリットになっておりますので、CTNもIP電話への参入を検討していると聞いております。区といたしましても、CTNの経営に参画している立場から、この事業計画の促進について必要な働きかけをしてまいりたいと、そのように考えております。

 以上でございます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 私からは、小・中学校、幼稚園、図書館の適正配置について、既に決まったかのようなうわさが先行していることについての御質問にお答え申し上げます。

 今回の小・中学校、幼稚園、それから図書館にかかわる配置や運営のあり方については、教育委員会が今後の教育行政を進める上で議論するたたき台として事務局から報告を受けたものでございます。そういう位置付けでございまして、教育委員会の議論もまだ終わってございません。教育委員会の議論は、原則として公開で行われておりますし、また傍聴者に資料が提供されることもありますので、誤解を受けないように、例えば報告書自体に、幼稚園の場合ですと、幼保一元化の問題もありますので、区長部局との調整が必要である、そういうことも述べられておりますし、学校の適正配置では、本文の中にも、報告書の位置付けについて書いてございます。そういうこともございまして、区民に情報提供する際にも十分に注意して説明しているところでございます。計画として決まったかのようなことが言われているとすると大変遺憾だと、そのように感じております。

 教育委員会といたしましては、事務局の報告を受け、現在、議論しておりますけれども、基本構想の改定に際して幅広い区民論議を行う、その素材として考え方を整理すべく、現在、協議している段階でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私からは、中野駅周辺のまちづくりの調査研究と西武新宿線の踏切の立体交差、この御質問にお答えをさせていただきます。

 まず中野駅周辺のまちづくりの調査研究でございますが、これにつきましては、昭和62年以降、中野駅周辺整備のほか警察大学校等移転跡地土地利用転換や北口広場整備、それから南口市街地整備に関しまして、あわせて約4億6,000万円で、専門性を有するコンサルタント等に調査委託を行ってまいりました。また、あわせて検討委員会等の運営を行ってきたところでございます。しかしながら、社会経済状況の変化や財政状況などから事業として結実しなかったことにつきましては、大変遺憾なことと思っておるところでございます。15年度の調査は、これまでの調査を整理した上で、サンプラザを含む中野駅周辺一体の今後のまちづくりの方向性、課題、あるいは実現可能性のある整備手法等といったようなものにつきまして、町の活性化や産業振興、こういったことも視野に入れながら検討を行う予定でございます。

 それから立体化の御質問でございますが、東京都から提示されました4案のうち、中野通りをアンダーパスという形の案でございますが、これにつきましては、過去に検討をした経緯もございます。これについては難しいものというふうに考えております。地下につきましては、現在の駅や線路敷の部分を活用して環境をよくしていくまちづくりができるなどメリットが多いというふうに考えてございます。また、環状7号線から西側部分に触れられておりませんけれども、これにつきましては、4案にこだわらずに論議していきたいというふうに考えてございます。

 駅周辺を中心としましたまちづくりの方向につきましては、できるだけ早期に取りまとめるとともに、踏切渋滞解消に向けた取り組みを着実に進めてまいります。

 以上でございます。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、冷房化と環境教育に関する御質問にお答えをさせていただきます。

 まず環境教育の現状についてでございますが、これにつきましては、子どもとともにビオトープや自然教材園づくりを行うなど、すべての小・中学校が現在取り組んでございます。この中で、沼袋小学校や中野神明小学校、また中野富士見中学校などは、環境のための地球観測プログラム推進校、あるいは省エネルギー教育推進モデル校というような国の指定を受けまして、かなり充実した環境教育を展開しているところでございます。こうした取り組みを行うことで、子どもたちは身の回りの環境に対してみずから課題意識を持ち、また少しでもみずからの力で解決を図るための具体的な実践を行うというようなことを通しまして、人や物や自然に対する思いやり、それから社会環境、自然環境を大切にする心や態度を育てることにつながっていくものと考えているところでございます。

 また、区長が特別な教育の機会を設けるというふうにお話をされてございます。その具体的な方策についてですけれども、今回の区立学校の冷房化は、生活が便利で快適になるということは、同時に環境に負荷を与えることだと、そういうことを子どもたちが理解をする上で大変よい機会だというふうに受けとめているわけでございます。この機会をとらえまして、具体的には、各学校で、調べ学習を基本としまして、エネルギーの消費と地球温暖化の関係でありますとか、あるいは子どもたち自身が環境にやさしい学校づくりに何か取り組みはできないか、そういったことを進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、電障対策と電話の区内内線化についてのうち、区内の電障対策について、残されている課題についてでございます。

 電障対策制度によりまして、区内に発生する複合的な電波障害につきましてはほぼ解消が図られ、区の電波障害対策としての一体の役割は果たしたというふうに考えているところでございます。今後、区内の電波障害が完全に解消できる状況になるまでは、現在の中野区テレビジョン放送の受信障害の解消に関する条例に基づく電波障害対策制度は維持していく必要があるというふうに考えてございます。現在は既存電障対策の移管を進めることが課題になってございまして、これまで都庁やSKKなどの電障地域につきまして順次移管を実現してきたところでございます。残る既存電障対策の移管につきまして、指定実施機関のTCVと指定放送事業者のCTNが建築主と交渉しているところでございますが、区におきましても、その交渉の推移を見守りながら側面から支援を行っていく考えでございます。

    〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 安心カードの発行についてお答えいたします。

 住民基本台帳カードに関する御質問でございました。住民基本台帳カードは、当面、法で定められた範囲での利用を考えております。

 条例によるカードの活用につきましては、制度及び技術的な動向に関して情報収集を行い、研究してまいります。運転免許証やパスポートを持っていない区民の身分証としての利用ができないかについては、これまで検討してまいりました。総務省では近く、身分証としての利用等を含んだカードに関する省令を出す予定と聞いております。お尋ねにありましたような名称や件名表示などについては、省令が明らかになったところで具体的に検討する予定でございます。カードの交付手数料につきましては、今後検討することとしております。

 以上でございます。

     〔大泉正勝議員登壇〕

○28番(大泉正勝) 再質問を、時間を気にしながら行わせていただきます。

 全体的な感想を言って恐縮なんですが、答えとしては、僕は20年議員をやっていますけれども、一番程度の低いというか、レベルの低いというか、一言で言えば何も答えていないという感じがいたします。何もです。質問をそのままもう一遍繰り返す、施政方針をもう一遍そのまま繰り返す、こういうことだったというふうに認識をいたしておりますので、本当は、できれば聞いたことをもう一度全部答えてくれと言いたくなるんですが、時間がないからやめまして、わかりやすいのからいきますが、電障対策については進まない理由を聞いたんです。それをお答えください。

 それからカードについては、法に定められた範囲の活用を考えているということなんですが、法に定められているというのは、条例で定めれば使っていいですよというふうに法に定められているわけだから、そういうことも入るんですかということを聞いたんですが、その辺はどうなんでしょうか。それから省令が明らかになってからやるというんですが、中野区はいつもそういうことを言って、いつも後手後手に回っているんです。多分、住基ネットの政治的なモードから頭が切りかわらないんだと思うんですが、一方で予算だけとっておいて、2,200万円もとっておいて、それで何も検討しないかのような御答弁はいかがかと思いますので、もう一度、やりたいと思いますとか、やりたいんですけれども、いろいろと問題がありましてとか、では、その問題は何なんですということをきちんとわかるようにお答えをいただきたいと思います。区民の皆さんがすごく喜ぶ話ですので、もう一度きちんと御答弁いただければと思います。

 それから平和資料館ですが、区長が考えていた平和資料館というのはどういうものだったのかという御認識を伺ったんです。したがって、その認識のもと、これは要らなくなったんですと、こういうふうにしないとつじつまが合わないわけです、説明するのに。したがって、その基本的な認識を伺いたいんです。お願いします。

 それから委託化の問題ですが、これは何もお答えにならないんですが、区としての考え方、区民の素材に提供すると、こう言っているんですけれども、そういうことを聞いているのではなくて、計画化するのかしないのかということを聞いているんです。きちんとした方がいいですよ、区民に理解を得るためには、最初にきちんとしておいた方がわかりやすいですよということを申し上げたので、それをおつくりになるのか、つくらないのかということを聞いたんですが、よろしくお願いいたします。

 これはあんまり言いたくないんですが、中野駅周辺のまちづくり調査、部長は過去の成果を整理した上でとおっしゃっていますが、私どもは成果は何もなかったと、こういうふうにも思っているんですが、それで4億4,000万円もお使いになったと、これはこれでそれぞれの時代の状況があって、そうなったから、それはそれで理解するんですが、成果を整理した上で取りまとめる、それを1,500万円も使ってまたやる必要はあるんですかということを、これこれ、しかじか、かくかくですので、したがって1,500万円使ってでもやりたいんですと、もしくはやらなければならないんですということを、もう一度きちんと確信を持って御説明をいただきたいというふうに思います。

 とりあえず、それだけ、よろしくお願いいたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大泉議員の再質問にお答えをいたします。

 まず平和資料館の基本認識というところです。

 平和について区民がさまざまな場面で平和という考え方に触れたり、区の中にあるさまざまな平和についての事跡、資料といったようなことに触れていくというようなことは大変重要なことだというふうに考えているわけであります。そうしたものを平和資料館という形で箱もの、施設として整備をするということと、また平和資料館を中心に平和についての取り組みを行って、区民みんなで平和について考えていく機会をつくっていくといったようなことが組み合わされて平和資料館という構想になっていく、そんなふうに考えているわけであります。しかし、今、平和資料館だけではなく、多くの新しい施設建設といったようなことについては、区政全体の財政、どうつくっていくのかという中での検討をしなければ、なかなか新しい展望は見出せない現状になっているというふうに考えているわけであります。したがいまして、平和資料館という施設の建設ということについて、どう考えていくかについても、施設についてゼロベースからみんなで検討していくという中での一つのテーマとして検討がされていくものというふうに私は考えているわけであります。

 それから委託化、民営化等について、しっかり計画をした方がいいという御指摘、御提案であります。このことについては、私は全くそのとおりだというふうに考えております。委託をしたり民営化をしたりというのは、単に委託化、民営化という単語にとらわれる話ではなくて、これからの行政サービスのあり方をどう多様で豊かな形で提供できるようにしていくのか、そして行政がその中で区民のためにどれだけ豊かなサービスを用意していけるのか、いろいろな提供手段を通じながら、どれだけ豊かなサービスを用意していくのかという大きな大切な考え方であるというふうに考えております。そういう意味で、委託化や民営化という手法について、どう考えて、どう進めようとしていくのかというようなことについては、基本構想の議論でありますとか、あるいは新しい10か年の計画でありますとか、そうした中ではしっかり位置付けていかなければならないものというふうに考えております。

 私からは以上でございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、既存の電障対策の移管が進まない理由でございますが、これにつきましては、建築主であります原因者の方に負担金をお願いすることになっておるわけでございますが、この条件が基準とはなかなか折り合わない状況が続いてございまして、そのようなところで進まない一つの理由がございます。今後、この問題についても、CTNとも十分に協議しながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えをさせていただきます。

 中野駅周辺、特にサンプラザにつきましては、区長から答弁しておりますように、今後の行方にもかかわるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、取得いかんにかかわらず、将来の中野のまちにとりまして、中野駅を中心とした位置付けからしますと大きな影響が出るだろうというふうに考えております。将来の土地利用等も考えるときに、今、この時期に将来を見据えてもろもろの面から検討が必要であろうということから、今回の調査ということになったものでございます。

    〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 先ほどの住基カードの件に関しまして再質問にお答えいたします。

 法に定められた範囲ということで、ちょっと言葉が足らなくて申しわけございませんでしたが、住基法に関する部分の基本的な利用という範囲で当面は利用を開始するということを考えているものです。それから条例で定める活用に関しましては、今後の課題としていろいろと研究していかなければいけないという趣旨で、制度面等について情報収集して検討してまいりたいと、そういうお答えをしたものです。

 身分証につきましては、先ほど申し上げましたように、以前から区でも活用について検討してまいりました。国に都を通じまして照会を出しまして、その答えが今回の省令として返ってくるということを聞いておるものです。でありますので、検討するというのは、省令に入った部分を活用して、いかにしたらいい身分証というものができ上がるかと、そういう意味で検討したいということで申し上げたものでございます。

 以上でございます。

     〔大泉正勝議員登壇〕

○28番(大泉正勝) もう一度だけチャンスを生かさせていただきます。

 平和資料館、こだわるわけではないんですが、区長、違うんです。もう論理というか、理屈というか、全然合っていないんです。施設をゼロベースで見直す中で、資料館が必要だったらつくりますよということをおっしゃりたいんだと思うんですが、だったら計画をそのまま残しておけばいいではないですかということで申し上げているんです、計画ですから、お金がかかるわけではないんです。計画はあるんですから、建物をどうこうしてしまう、計画、言ってみればペーパーですから、あるだけなんです。それを外してしまう、廃止してしまうというのは、ちょっと穏やかではないんではないですか。したがって、区長としては、資料館というものは、これは必要ないんだなというふうに思っていらっしゃるのかなというふうにちょっと僕は思ったものですから、だったら、私は資料館は必要ないと思っていますという認識を示していただければいいんです。そうでないと、理屈が全然合っていないということになると思いますので、もう一度お答えいただきたいと思います。計画、金はかからないんです、全然。よろしくお願いいたします。それが要するに区の姿勢だということを先ほどから申し上げているわけであります。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 平和資料館の計画はどう評価しているのかということであります。計画があるということは、施設を建設するという意思を持ち続けることにほかならないわけであります。今の計画に基づいて施設が建設できる財政状況であるかどうかといったようなことを総合的に判断いたしまして、あの計画については残念ながら放棄をせざるを得ないというふうに考えております。平和についての取り組みについてはしっかりやっていきたいというふうに思っています。

 また、ゼロベースで検討する中で、中野区の中に用意をしておくべき機能、あるいは施設として平和資料館という問題が浮かび上がってくるということがあれば、私としてもそうした検討をしていきたいというふうに考えているわけであります。

○議長(斉藤金造) 以上で大泉正勝議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後3時29分休憩

 

      午後3時47分開議

 

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 池 田 一 雄

 1 区長の施政方針について

 2 2003年度予算案について

 3 中野区経営改革指針について

 4 中野サンプラザについて

 5 障害児学級及び養護学校の児童生徒の放課後対策について

 6 その他

 

○議長(斉藤金造) 池田一雄議員。

     〔池田一雄議員登壇〕

○43番(池田一雄) 2003年第1回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表し一般質問を行います。

 最初に、施政方針説明についてお尋ねします。

 施政方針の内容は、予算や経営改革指針とも密接なつながりをもって展開をされておりますので、それぞれ最も関係深い項で施政方針の中身についても触れるようにしたいと思います。したがって、ここでは平和の問題についてお尋ねをいたします。

 区長は、イラクとの戦争について触れ、「我が国は憲法によって国際紛争の解決手段として武力を用いることをみずからに禁じ、戦争を放棄しています。中野区はその理念に基づいて憲法擁護非核都市の宣言を行って、広く世界に平和と連帯を呼びかけています」と述べています。

 国連安保理事会では、イラクに対する査察を継続することを主張し、アメリカのイラクへの戦争を起こすことに反対をする意見が圧倒的です。にもかかわらず、アメリカはイラクに対し単独でも戦争をしかけるとの態度を崩していません。この14日、15日には、世界的規模で戦争反対のデモ、集会が行われ、世界の平和を愛する人々の意思が示されました。ロンドン200万人、マドリード200万人、バルセロナ150万人、ローマ300万人、ニューヨーク50万人、ベルリン50万人など驚異的な大集会となっています。

 このような情勢のもとで小泉首相は、状況を見て日本として判断すると言いながら、米国の戦争計画を後押しする立場から、安保理諸国に働きかけをしています。それだけにとどまらず、19日には政府代表が国連安保理事会の会合で査察の継続の有効性に疑問が生じているとして、新たな断固たる安保理決議が必要だとアメリカの代弁者の役割を果たすまでに至っています。

 区長は、憲法擁護・非核都市宣言条例を持つ自治体の首長として、各国の外交努力と人類の英知に望みを託すだけでなく、小泉首相がアメリカにしたがってイラク攻撃を支援するかのような行動をやめるよう政府に申し入れるべきです。お答えください。

 平和の問題について関連し、平和資料館についても一言触れます。

 ゼロかありかで資料館計画を廃止してしまうのは、結局、今後の論議をやりにくくするものとなります。従来計画について、どの規模ならやれる見込みがあるのか、検討が行われるべきです。資料館の政策的位置付けは、憲法擁護・非核自治体の宣言をした中野区としては特別の重みを持っているのであります。

 さて、田中区長が初めて編成した2003年度予算案についてお伺いをしていきます。

 まず一般会計についてお尋ねします。

 区の施策に何を望むかの問いに対し、区の世論調査においていつもトップを占めるのは高齢者福祉施策の充実です。今後も高齢者人口がふえ続けていくことを考えると、極めて重要な施策であります。したがって、この分野での区民要求にいかにこたえていくかということは政策の要となります。江古田の森保健福祉施設建設用地の買い取り予算が計上され、4年後の開設に向けて、いよいよ建設への動きが始まりました。長年の区民の願いが現実のものとなってきました。我が党は、国立中野療養所の移転問題が出た当初から、地域の皆さんや医療、福祉関係者の皆さんとともに保健福祉施設建設のために運動を進めてきました。住民の皆さんは、シンポジウムを開いたり、区議会にも陳情などでの働きかけを積極的に行って問題提起をしてきました。困難な財政状況のもとでの非常に大きな施設でありますから、現状ではPFI方式という手法をとらざるを得ません。実際、今まで全国各地で実施されてきたPFI事業には、いろいろと問題を指摘されているものがあります。ただ、江古田の森保健福祉施設の場合は、それが全国初めてのPFIによる保健福祉施設建設であり、事業体の主体が社会福祉法人という他とは異なった点があり、これから起きる可能性のある諸問題について十分に留意し、慎重に進めていけば、区民の期待に立派にこたえられるものとなると思います。

 考えられる諸問題については、昨年の第3回定例会で同僚の議員から提起をしておりますが、ここでは特に住民の意向を建設とその後の運営にどう生かしていくかの問題について再度触れておきます。

 この問題については、政府のPFIに関する諸文書でも十分に触れられていません。それだけに理事者の皆さんの決意と工夫が必要とされる分野であります。事業契約を取り交わす際には、具体的な住民参加の仕組みが提起され、契約条項に盛り込まれるよう努力をしていただきたいと思いますが、現在までの検討状況と今後の取り組みについてお答えください。

 昨年の第4回定例会では、牛崎議員が熊本市の介護保険について紹介し、自立支援事業の充実ぶりについて触れました。その柱になっていたのが、市内37か所に、まさに張りめぐらされているかのような在宅介護支援センターの存在でした。今回、このセンターを2か所ふやし9か所とすることは、よりきめ細かな介護保険事業を進める上で前進です。しかし、面積が15.7平方キロという狭い中野区であってもまだまだ不足です。さらなる見直しが今後求められると思いますが、見解をお聞かせください。

 小・中学校の教育環境を改善させる点で来年度予算では大きな進展であります。区長、教育委員会関係理事者、職員の努力を多としたいと思います。

 まず小・中学校普通教室の冷房化です。この課題については、当議員団は一昨年から本会議で取り上げ、提起してきました。急速なヒートアイランド現象の進行によって耐えがたい教室の温度上昇に対し、教職員、PTA連合会の皆さん、そして何よりも子どもたちから冷房化の声が巻き起こりました。国会では、井上美代参議院議員の提起により、国も冷房化のための補助金をつけることが決まりました。これらのことが契機となって、昨年の議会では各会派からも冷房化の声が上がっていたところであります。

 昨年の第4回定例会では、当議員団は400を超える教室への冷房機設置については、区内中小業者への仕事確保の視点から発注についての工夫を求めました。そのときに紹介しました品川区の契約状況が発表されています。それによれば、対象522教室への空調設備投資をレンタル方式契約とし、四つのブロックに分けた分割発注で、区内業者を入れたジョイントベンチャー方式としています。昨日の委員会質疑では、一括で機器レンタル、設置工事、メンテナンス契約の方向で検討しているようですが、設置やメンテなどについては、ぜひ工夫して区内中小業者の仕事確保につながるよう努力を望みたいと思います。これから一斉に行われていくであろう23区の学校冷房化では、区内業者重視の傾向は強まっていくであろうと思います。お答えください。

 学校校舎の耐震補強について、子どもたちの安全確保と非常の際の避難場所として使える建物として早急な補強工事が求められていたものです。これで一応阪神・淡路大震災クラスでも建物が崩壊する危険性はなくなったわけです。しかし、より安全性を求めるならば、教育委員会の報告でも指摘をされているように、さらに必要な補強工事が求められるわけですが、これについてはどう進めるつもりですか、お答えください。

 修理の必要な校舎の問題についても、当議員団はたびたび指摘をしてまいりました。また、PTA連合会からも厳しい要求が出されていたところであり、このたびの予算で延べ23校、計7億円余の維持補修費が計上されたことを評価します。学校・幼稚園施設整備検討委員会報告でも挙げられているトイレ補修などの課題についても、今後速やかに検討されるべきだと思いますが、お答えください。

 知的障害学級の増設は、保護者の皆さんから焦眉の課題として要望され続けてこられた問題です。大和学級が都教育委員会の基準から見てもはるかに大きな規模となってしまい、子どもたちへの指導が十分に行き届かなくなる問題も起きかねない状況でありましただけに、登校時間に長い時間がかかる問題も同時に解消させることのできる区内北西部への増設は、保護者の皆さんの期待にこたえるものとなりました。ただ、教育委員会が2003年度当初からの開設を目指して十分な準備をしていれば、それが可能な状況も開けていただけに残念です。これを教訓とし、今後の障害者教育の課題に臨んでいただきたいと思います。

 現在、残された課題としては、より障害の状況に応じたきめ細かい指導を進めていくために、教員配置や教育環境の上で有利な1校2学級体制をさらに進めるべきだと思いますが、そのための手だてをどうとっていかれるのか、お答えください。

 情緒障害児の増加もつとに指摘をされている状況から、情緒障害児学級の増設は保護者の皆さんから歓迎されるものであります。

 また、心の教室相談員を小学校にも配置することは、不登校対策問題で一定の前進だと考えます。

 さらに、社会教育の分野では、図書館運営での改善が行われました。図書館蔵書購入費は毎年削減され続け、ついには10年間で7割も減らされてきた現状を当議員団は明らかにし、増額を要求してきましたが、2003年度は前年度比1,200万円の増と計上されました。図書館利用者や図書館職員からも増額が強く要望されていたことですので、この措置は喜ばれることでしょう。

 区民の行政満足度調査の中でも高位にランクされているのは図書館行政です。とりわけ蔵書の充実はその中心問題です。中央図書館などは、日曜日などいっぱいの人で埋まっています。比較的低い予算規模で効果の高い事業が展開できるのが図書館行政の特徴です。1,200万円ふえたといっても、1人当たり図書購入費では23区最低であることは変わりがないようですから、利用者の期待にこたえられる蔵書体制と図書館運営についての考え方をお答えください。

 アメリカでは、マンモグラフィーでの検査実績が上がって乳がんでの死亡率が減っていると聞きます。日本における乳がん患者の年齢分布は、45歳をピークとして山型に広がっています。したがって、今回のマンモグラフィー検査の対象年齢を50歳から46歳に引き下げたことは、極めて高い効果を発揮するものと思われます。また、35歳の分布率が50歳と同じことを見ると、今後さらに引き下げ、35歳からの検査を受ける体制をぜひつくってほしいと思います。そのためには機器の増設を含メートル体制整備が必要と思われますが、いかがでしょうか、お答えください。

 さて、このように区民の願いに沿った予算計上が見られる一方、2003年度予算では看過できない事業予算が計上されています。

 まず中野駅周辺のまちづくり問題が挙げられます。

 区長は、施政方針説明の中で、基本構想の改定とまちづくりの課題及び15年度予算の説明の中と二度にわたって触れるなど、とりわけ重視されているようです。これには中野サンプラザ購入問題も含まれますが、これについては別に触れることにします。

 中野駅周辺まちづくりの問題は、この10年をとってみても実に今回が3回目の登場です。つくっては壊し、つくっては壊しで、この計画づくりだけで大変な税金の浪費をしています。まず1988年から3か年かけてつくった長期計画では、中野駅周辺整備計画に10年間で1,300億円の事業費を見込みました。そして先行的事業として北口広場整備を実施することになり、この関連の計画づくりに1億3,000万円を使いましたが、いつの間にかこの計画は中止され、そのことについての総括さえきちんと行われないまま税金のむだ遣いだけが残りました。そんな経過をたどってきたにもかかわらず、1,500万円もの予算をつけて再び中野駅周辺再開発を浮上させようとすることは、またもや税金のむだ遣いとなるのではないでしょうか。

 住民基本台帳ネットワークを切断した決断を我が党は大いに評価したところであります。ところが、2003年度予算では、「今後、安全が確認できるようになった場合、住基ネットへ再接続ができるようシステム改修などの関連予算を予算計上しています」と施政方針でも区長は述べています。区長は切断した理由を3点挙げております。第1は個人情報保護に関する法制が未整備であること、第2が個人情報の取り扱い上のセキュリティーに不安が残ること、第3に個人情報保護に関する基本法が成立していない状況のもとで行うべき個人情報の保護への配慮に欠ける点があることです。しかし、今回7,700万円の予算で住基ネット再接続の準備を進めるのは、区長として再接続に値する状況が開けたとの確証を得られているのですか。どんな確証を得られたのか、お聞きします。

 また、区長は、住民に対しても、稼働の前提は個人情報保護法に限らず個人情報保護システムが確立することであり、地方自治情報センターから提供される機関、組織での安全性が確保され、そこに区として関与できなければ、住基ネットを再開することはないと明言し、本会議でも息高く同様な答弁をされていました。ところが、個人情報保護に関する環境が特に変わったとも思えないのに接続の準備をするとは一体どういうことでしょうか。杉並区、国分寺市、国立市など、現在ネットとの接続を切っている自治体では関連予算を計上していないと聞きます。当然の措置であります。田中区長の今回の行為は、住基ネットを批判する区民からは背信行為と厳しく批判されています。お答えください。

 一般会計、歳入に関してお聞きします。

 2003年度一般会計総額は888億5,100万円と11年ぶりに前年をわずかに上回ったものとなりましたが、区長が施政方針で述べられているように、経済情勢が好転したものによるものではありません。都区財調交付金は274億4,000万円と前年比1億1,600万円を計上しています。しかし、都区財調当初見込みでは、交付金総額では前年度対比で147億円減の7,642億円となっています。今年度、中野区分交付率の3.5パーセントを乗すると267億円となり、予算案の数字とは数億円の差があります。特別交付金を例年1億円のところ2003年度予算は5億円見込んでいますが、特別交付金は本来、交付が保証されたものではなく不安定なものです。歳入欠陥の生ずるおそれはありませんか。

 また、都が固定資産税を減免したことにより調整三税が減りました。特別区側は事前に協議がなく実施する際は、都の負担と責任において実施するべきだと迫りましたが、結局、不足分は区市町村振興基金からの貸し付けで賄うことになり、償還分を都区財調で翌年の基準財政需要額として算定するといういつもの方法で処理することになりました。また、この間、事務事業の移管で幾つかのものが特別区に移管されましたが、財源がついてこないものがあり、それらも財調の需要額算定ということになっています。財政調整率を52パーセントで固定したまま次から次へと需要額に参入すれば、当然のことながら財源が足りなくなってきますから、算定改善という触れ込みで他の分野での需要額を絞り込むということが行われます。2002年度では129億円、203年度では238億円という巨額の数字になっています。しかし、これらについては、都区の合意が必要です。このことについて区長は区長会でどのような態度をとられたのでしょうか、お聞きします。

 次に、経営改革指針についてお伺いします。

 区長は、施政方針において、経営改革指針について、2か年に行うべきことを示したと述べ、その内容は内部改革、組織と職員のあり方や区政運営の執行方法についての改革、あるいは2か年に優先的に取り組む区政の重点課題について示したと言われました。ところが、それにはとどまらない内容を指針は持っています。深く区民の暮らしにかかわる事業にまで分け入って、市場原理に任せて施策の質を低下させたり、施策そのものを大幅に削減したり、事業費縮減を目的とした統廃合を進めようとしたりと、まさに自治体リストラを全面的に進行することをねらっているように伺えます。

 指針の冒頭に経営改革の基本的視点を掲げていますが、これとよく似た文書が既に7年前の1996年12月に発表されています。経済団体連合会の提言、「財政民主主義の確立と納税に値する国家を目指して」です。指針のいうところの権限の移譲や市場競争原理の活用と同じようなことを、この提言では次のように述べています。「官民の役割分担を明らかにし、できる限り市場原理に委ねるという原則に立って」いくことを求めています。そしてそれらの目的については、「国、地方を通じた規制撤廃、緩和、行政改革、歳出の抜本的見直し等により効率的で小さな政府を実現し、民間が十分に活躍できる環境を整備することで企業の国際競争力を向上させ、新産業、新事業創出への道を開くことができる」とあけすけにその意図を語っています。ここには憲法で保障された国民の生存権、幸福権、環境権などは認めないとの強い姿勢が伺えます。中野区の指針も同じことを地方自治体の視点から進めているように見えます。

 このような自治体をつくるためには、経団連の提言は「民間以上に効率性による検証が必要であり、そのためには財務関係に加えて企業会計に見られるような管理会計的手法の導入が有用である」と指摘しています。この関連でいえば、行政評価の目的は住民サービス切り下げと職員犠牲の自治体リストラ、行政改革を推進するための手段です。行政側がABCのランク付けの評価をして施策の存続まで記述をするなどは全く誤りです。外部評価で識者に任せても、それでも住民は置き去りです。これらのことから見えてくるのは、自治体を利益を上げることを唯一最大の目標とする営利企業と同列のものと見て、専ら福祉や暮らしに対しては効率性を優先し、しかし自治体の大型投資で企業の利益につながる大規模公共事業と見れば、幾らでも税金を投入するといった説明のつかないやり方が横行しています。

 指針では、民間企業の経営手法を職員に学ばせるためニューパブリックマネージメント研修を関連する研修と組み合わせて進め、自治体の営利企業化を進行させようとしています。また、顧客満足度向上が基本的指針に第1に挙げられていますが、これも企業ベースの考え方であって、区が必要とする課題についての調査が主体で、福祉や教育など住民にとってどうしても必要な公共的仕事について、その実態をつかむのではなく、顧客である区民の満足度、意識をとらえることを重点にしているので、新たな行政需要や実際に困っている弱者の言い分を捕捉することはできません。

 このような立場で書かれている基本的な視点を住民の立場からチェックして言えることは、住民の暮らしを守る自治体本来の仕事を最優先で取り組む自治体らしい自治体をつくるのではなく、企業の論理で仕事の進め方を固め、極力、福祉や教育、暮らしの予算は削減し、一方、中野区の都市基盤づくりへの取り組みは強力に進めていこうとする経営改革指針の全体像が伺えるのです。

 それでは、具体的な項目についてお聞きしていきます。

 図書館業務の委託についての問題です。指針では、2004年には図書館業務への民間委託導入を課題にしながら、同時に施設配置、運営の見直しの項で図書館を対象に掲げ、実際には3館廃館を目指す具体的計画のアドバルーンを上げて区民論議を誘導しようとしています。統廃合についての具体論は、いずれ基本構想審議会で行われるのでしょうが、それまでに論議のレールを敷いてしまうこのやり方は、区民の意思を基礎から把握することが求められる住民参加とは異なるのではないでしょうか、お答えください。

 小・中学校の統廃合問題では、実際には既に教育委員会から区立学校適正配置検討プロジェクトチーム報告が提出されて、適正配置審議会答申とはかけ離れた立場で計画を進める準備にかかっています。後ほどこのことについては来住議員が詳しくお尋ねします。

 これらのことからいえるのは、指針は指し示す方向を明らかにするという体裁をとりながら、事実は教育委員会事務局案で具体的な統廃合案を示し、一定の方向に世論誘導を行っていることです。区内の施設配置については、3年の期間をかけて論議した適正配置審議会の答申には目もくれず、一番予算が少なくて済むやり方をつくり出すため、事務局がデスクワークを行い、それを資料として公開する、答申に基づく計画は一切示さない、これは図書館統廃合と同じようなやり方に見えます。いかがでしょうか。

 さて、予算のところでも触れましたが、指針として提起した最重要な問題が中野駅周辺再開発です。この2か年で優先的に取り組むべき事項は何か明らかになったのは、1月14日の総務委員会が初めてです。それまでにいろいろとお聞きしましたが、はっきりしませんでした。そして発表されたのが再開発ですから、これにはびっくりしました。突然そのようなビッグプロジェクトについての課題がなぜ急に出てくるのか。これは明らかにサンプラザ売却と強い関係を持っていると考えられます。

 そこで、施政方針とも関連してお聞きします。

 サンプラザ売却の問題は、警察大学校等跡地利用の中野駅北口広場整備などと合わせた幅広い視点で考えなければならないまちづくりの課題を浮き彫りにすることになりました。現在、将来の展望や総合的な計画を描くことのできていない中野駅周辺のまちづくりについて、この際、改めて調査研究を行うことにしましたと区長は施政方針で述べています。

 そこで、お聞きします。1987年以来、中野駅周辺まちづくり計画や警察大学校等移転跡地土地利用転換計画を2億3,000万円もの経費を使ってつくり、この数字については先ほど4億6,000万円というふうに出たんですが、今まで出ている予特や決特の資料を合計しても3億8,000万円にしかならないんですね。隠された資料がまだあるようでありますので、今回すべて明らかにせよという資料要求をしておりますので、この4億6,000万円という数字が出る一覧表を出していただきたいということをあえてここで申し上げておきます。

 2億3,000万円もの経費を使ってつくり、政府に既に提出をしておりますけれども、この見通しはどうなるのでしょうか。

 私は、今までに明らかにされている区長の話や経営改革指針から考えると、従来の計画を大幅に上回るような大規模駅前再開発を構想しているのではないかという疑問が拭えません。そうだとすれば、これまでの失敗をまた繰り返すことになる可能性が強いし、もし本当に実行するといったことになれば、今、区民が求めているのは、大規模な公共事業投資はやめて、緑と地球環境を守るための積極的な施策の展開ということを期待していると思うのですが、それを裏切るものと言わざるを得ません。従来の計画と異なる計画をまたつくるのでしょうか、お聞きします。

 西武新宿線との立体交差化問題も中野区全体に影響する事柄です。既に昨年の第4回定例会で当議員団として指摘をしておりますが、都と西武鉄道が出した4案には大きな問題があります。まず中野通り以外の区内で交差する他の主要幹線の渋滞を緩和するのには、全くこの案は寄与しないことです。さらに、アンダーパス方式など、既に住民から採用を拒否された方法や高架方式など全く可能性のないことがわかっているものなどを盛り込んでいることです。今回、当議員団が以前から提案をしていた中野区を入れた区、都、西武三者での検討会がつくられます。今度の検討会では、過去のむだを繰り返さず、区民の要求をしっかり受けとメートル運営をしていただきたいと思います。そのためには、次の諸点についてあらかじめ明らかにして望むべきだと思います。第1に西武鉄道の鉄道事業者としての社会的責任を明確にすること、第2に道路アンダーパス案など住民からはっきりした回答が出ている方式については再び取り上げるようなことはしないこと、これは先ほど答弁をいただいて、これはなしになったようであります。第3に現在の地下化案についての問題点を明らかにすること、第4に都市計画決定済みの地下急行線の先行実施についても正式に検討課題に入れることです。これらについての見解をお聞きします。

 サンプラザ購入問題についてお聞きします。

 区長は「サンプラザは中野の町の賑わいの中心ともいえるシンボル的な施設です。また、中野駅前にあって町の玄関口に当たる大規模な用地は、将来のまちづくりを考えたときに極めて重要です」と述べています。ですから、中野区報でも取得からおおむね10年後には、中野駅周辺のまちづくりのために用地を活用することを想定していると書いているわけです。

 サンプラザを中野区で買っておいた方がよいと考えている区民は、サンプラザが貴乃花と同じように全国に名を知られている、中野のシンボル的な建物だからという理由を挙げる方が多いようです。サンプラザの役割から考えれば、まさにそのとおりです。大ホールで行われるコンサートには全国からファンが押しかけてきます。結婚式場の利用者もかなりの広範囲な地域の人たちです。全国勤労青少年会館として実施している各種事業も対象は首都圏全体に広がっています。建物は中野のシンボル的なもので、かつ中身は広域的な事業です。そういう大事な役割を果たしている建物だから、民間には渡さないで中野区が取得し、今までと同じように全国の勤労青少年の夢を育てる場所としてずっと運営してほしいと考えているのではないでしょうか。区が取得して早くも10年後には20億円もかかる取り壊し費用をかけて更地にし、再開発の種地に供すればよいと考えている区民はそう多くはいないでしょう。厚生労働省の基本的な立場は、143名の正規職員全員の再雇用であって、それはゆずれない原則だと聞いております。となれば、中野区は赤字覚悟で10年間サンプラザを維持し、期限が来たら、さっさと壊して再開発に取りかかるというのでは、余りにも区民の期待とはかけ離れてしまうのではないかと考えます。区長は中野区が自治体としては恐らく全国で初めになるかもしれない政府外郭団体職員のリストラに、間接的であれ、関係するというおそれや第3セクターであっても今後の維持管理に大きなリスクが生まれる可能性を持つサンプラザの購入は相当慎重に対応しなければならないと思いますが、お答えください。

 障害児学級や養護学校生徒の放課後対策についてお聞きします。

 先月31日、杉並区南荻窪の「やぎのサンダル」という名前の障害児のための学童クラブを視察してきました。正確には、放課後だけではなくて学校休業日の子どものケアもやっているクラブです。「やぎのサンダル」と同系列の「ほうかごくらぶコブタの家・ネコのトランク」の概要には次のような説明があります。「小学校時代、学童クラブに入っていた障害児が中学校に行くと急に留守番ができるようになるわけではなく、生活上、仕事をやめるわけにもいかず困っていた。そこで、ちょうど閉鎖して3年目であいていたコブタの家保育園のあった一軒家を借りて、学校の放課後と休日にケアの必要な子どもたちを預かるようになった。このように最初は母親の就労保障が目的であったが、仕事を持たない母親でも、障害児がいる家庭は全く大変で、たとえ週1回でも預かってほしいという人がどんどんふえていった」とあります。そして、その活動内容を「養護学校、障害学級、普通学級から、また養護学校のバス停から子どもを迎える、そのとき1人で通所できるように練習する子もいる」と紹介しています。「やぎのサンダル」で説明を受けていますと、専従の職員が養護学校のバス停に子どもを迎えにいって一緒に帰ってきました。かなりの重度の子どもに見えました。通所してくる子どもたちは小学生から高校生までとさまざまです。

 杉並区には、このような民間の施設か7か所あるそうです。これに対し、杉並区は地域デイサービス事業として規模の大きさに準じて補助金を支給しています。「やぎのサンダル」は通所者数が週5日で8人以上、専任職員2人の基準1の施設で、758万7,000円の補助金を受けていました。施設は住宅街の中の一軒家で、家賃は別途支給されます。既にこの事業が始まって杉並区では7年が過ぎています。

 今、中野区内でも、このようなクラブが欲しいという保護者の皆さんを中心とした運動が始まっています。小学校の障害学級に通う子どもたちでは、放課後学童クラブに通う子どもたちが既に50人を超していますが、中学の障害学級や養護学校の中等部に通う子どもたちの放課後の居場所はありません。専門技術を持っていて有利な就職ができる保護者の方でも、仕方なくパート、アルバイトで時間の工面をつけて子どもを迎えにいっているとか、母子世帯の場合などでは、やむなく生活保護を受けるなどといった対応をとらざるを得ない状況です。とりわけ、養護学校に通う比較的重い障害児の放課後対策のため現在、近くの地域センターの一室を週1回借りて、保護者やボランティアの方たちの協力を得て放課後クラブを試行していますが、なかなか大変なようです。「やぎのサンダル」の職員も言っておりましたが、給料が安いのが問題だが、といってボランティアではとても続かない仕事だそうです。できれば国の施策で取り上げてほしい。少なくとも自治体が真正面から取り組んでほしいとのことでした。中野区では、まず杉並区クラスの施設の立ち上げが求められます。家を借りる家賃だけ区が負担して、活動はボランティアなどにやってもらうなどともし考えているようでしたら、それは余りにもこの事業について知らないこととなります。既に保護者の皆さん方の声は区に届けられています。ことし、年度途中からでも実施すべきだと思います。施設がオープンするまでは、希望する障害児の学童クラブの枠を拡大して受け入れられるようにすべきだと思いますが、お答えください。

 最後に、その他の項で1点、お聞きします。

 警視庁宿舎等の取り壊し問題についてお伺いします。

 先だって警視庁及び取り壊し現場責任者に対し、余りにもひどい工事の騒音、振動、埃などについて、住民の皆さんが改善方申し入れを行いました。当時は折からの北風に乗って、埃の被害は、地元の中野四丁目はもちろん高円寺南、北の方面にも飛び散り、後で警視庁の職員が謝って歩いたと聞いています。ここに至るまでも、1号館から5号館の基礎取り壊し問題で住民の皆さんは大変苦労されて、自分たちだけで解決するためにいろいろな努力をされています。そんな中で、皆さんからは、区は何の協力もしてくれないとの声があります。同じ都の事業でも、環七シールド工事には、野方地域センターの職員や建設部が毎回の地元説明会にも、また見学会のお世話にも、工事に伴うトラックの交通問題や騒音、振動などについても、住民に助言をしたり、都に注文をつける際にもいろいろと手助けをするなど、いろいろな役割を果たしています。同じような条件の警視庁取り壊し工事については、なぜ相談に乗ってあげないのでしょうか。今後どのようなかかわり方ができますか、お答えください。

 以上で私の質問を終わります。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 池田議員の御質問にお答えをいたします。

 私の方からは、施政方針説明についての御質問、それから予算に関連する御質問にお答えをさせていただきます。

 まず施政方針について、憲法擁護・非核都市宣言をしている自治体の首長として戦争をやめるようブッシュに働きかけることを小泉首相に対して申し入れるべきだと思うが、どうかというお尋ねでありました。

 核兵器を初めとする大量破壊兵器の廃絶というのは人類共通の願いであります。それを実現する努力を人類挙げてしていかなければならないというふうに考えています。しかし、その手段として戦争に訴えるというのは、これはやはり最悪の選択であるというふうに考えているところであります。憲法擁護・非核都市の首長としては、さまざまな機会を通して区民の平和への意思というものを表明していきたいというふうに考えています。

 しかし、外交ということにつきましては、これは専ら国の責任で行われていることでありまして、首相の行動に関しまして、自治体の長として、その具体的手法について直接申し入れをするといったような立場にはないと考えています。

 それから予算案についてであります。

 都区財調に関連をいたしまして、調整率を52パーセントで固定している、これはそういう仕組みになっているわけでありますけれども、全体の収入が減っていく中で、区の方に配分をされます調整額、交付額も削減をされたと。削減に当たって都区財調の協議が行われて都区合意がなされたと。このことについて区長としては区長会でどのような態度をとったのかと、そういった御質問でありました。

 15年度については、固定資産税の減収などから調整額は1.9パーセント程度減少する見込みとなりました。昨今の経済状況等から考えまして、財調財源もこういった形で減少していくというのはやむを得ない、そういう動向であろうというふうに考えているわけであります。財調の協議でありますので、まず全体としてどれだけの量があるのかということに基づいて、それをどう配分していくかという協議になるわけであります。そうした中でさまざまな努力を都区、あるいは区間、相互に議論をし合いながら協議を進めてきて、今日の協議が成立をしたということでございます。15年度の財調協議に当たりましては、算定項目と今申し上げたようなさまざまな調整を行って、最終的に区長会において、この内容で了承をしたということであります。

 私からは以上でございます。

    〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 私からは、2003年度予算のうち住民基本台帳ネットワークに関する質問にお答えいたします。

 議員のお話にありましたように、中野区では昨年9月から住民基本台帳ネットワークを切断しております。その後、国の機関等における安全対策などを確認するため、国等が講じている措置や検討状況など情報収集に努めております。しかし、現時点では再接続できると判断する状態にはなっておりません。区としては、これまでも申し上げておりますとおり、切断理由で示した安全対策に対する懸念が解消されれば再接続することとしております。区長が施政方針説明の中で申し上げましたように、再接続が可能になった場合に備えて、2次稼働に向けた予算措置を含む必要な準備を進めることとしたものでございます。

 以上でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 中野駅周辺のまちづくりにつきましてお答えを申し上げます。

 これまでも御答弁申し上げておるところでございますけれども、今回の調査につきましては、これまでの調査の成果ということでは、先ほど御答弁をしましたように、実現には至っていないということでございました。今回はサンプラザを中心とした将来のまちづくり、こういったものへの影響、既につくって国の方に提出もしてございます警大跡地の転換計画案、これらへの影響が大きいということで、今回このような調査をしていきたいということですが、警大跡地につきましても、現在、国と調整をしてございます。国の意向としては、我々が考えているもろもろの公共施設の多くの内容につきまして、果たして処分が可能かどうかというような点では懸念を示しているところでございます。それと清掃工場の建設の見通しなどの課題もございます。したがいまして、すべてが現在の計画のまま進めるということは難しいのかなというふうな認識をしておるところでございます。

 また、今回の調査につきましては、産業振興、民間とのパートナーシップによる実現の可能性といったようなことも中心に据えながら調査検討をしてまいりたいということでございます。

 それから西武線の御質問がございました。

 西武鉄道の社会的責任ということでございますが、現在、都市計画決定上は地下の急行線、これがまだ生きておりまして、我々もこれがまだ前提という形にせざるを得ないということでございます。ただ、現在の都市計画されております地下急行線の内容としましては、なかなか停車駅も少ない、地上には緩行線がずっと残っていくというものでございます。したがいまして、あくまでも南北の町の一体化、あるいは敷地の有効活用、まちづくりといったような点におきましては、いろいろと支障が生じてくるという内容となってございます。したがいまして、東京都、西武鉄道、中野区の三者でつくりました西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会といったようなものを立ち上げました。この検討会の中で今後の新たな地下案なり、あるいはその他の方法ということで、まちづくり、渋滞対策といったようなことについて検討を進めていくというようなことになってございます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、江古田の森の整備についての御質問、また児童・生徒の放課後対策、これについてお答えさせていただきます。

 まず江古田の森整備に当たってPFIの事業計画を取り交わすに当たっては、住民参加の仕組みを契約条項に盛り込むように努力してほしいということについてでございます。

 江古田の森の保健福祉施設整備につきましては、民間事業者のノウハウを最大限に生かすPFI事業で行うということで進めているわけでございます。ここで建設する特別養護老人ホーム、老人保健施設、障害者施設などにつきましては、国が示す施設及び運営に関する基準に基づいて整備するものでございます。事業者が建設するに当たりましては、住民の意見を十分に聞くことは求めていきたいと考えてございます。しかし、このことを契約条項に盛り込むということについては考えてございません。

 なお、施設の運営に当たってのサービス水準の監視、こういったことにつきましては、区が行うということになりますので、住民参加の方途を考えていきたいというふうに考えてございます。

 次に、児童・生徒の放課後対策でございます。

 障害のある中学生を学童クラブに入れるということにつきましては、学童クラブの低学年児との関係から非常に困難ではないかというふうに考えてございます。そういう中で現在、早急の課題になっております障害のある中高生が安心して放課後を過ごすことができる居場所づくり、これは早急に解決しなければいけないというふうに考えてございます。現在、保護者の自主的な活動によります取り組みの提案等も受けております。適切な場所を早急に確保していくことを考えてございます。また、そのために現在、保護者との話し合いも継続的に行っているところでございます。早急な解決をしていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

   〔保健担当部長青山キヨミ登壇〕

○保健担当部長(青山キヨミ) 私からは、まず在宅介護支援センターについての御質問にお答えいたします。

 介護保険制度の発足以来、在宅介護支援センターは、要介護者への支援の推進が中心課題でしたが、3年が経過し、介護予防プランの作成など高齢者が介護を要する状態にならず、自立して生活の質を確保していける体制づくりが求められるようになりました。今回、こうした機能の充実とあわせて箇所数を7か所から9か所にふやし、基幹型在宅介護支援センターの機能をも充実することにより体制の拡充を図ることができると考えております。

 次に、乳がん検診体制の整備についてですが、指触診検査単独の乳がん検診に比べまして、マンモグラフィーを併用した場合にがんは発見率、救命率が高いことから、平成12年度より50歳以上の偶数年齢の方を対象にマンモグラフィー検査を導入いたしました。乳がんの若い年齢層への拡大が見られることから、平成15年度よりマンモグラフィーの対象者を46歳以上の偶数年齢に引き下げて、受診者の拡大を図っていく予定です。その後についても検診体制を工夫しながら対応を検討してまいります。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 学校冷房化に際して業者への発注についてお尋ねがありました。

 今回の学校冷房化は、区立小・中学校の普通教室426教室を冷房化するもので、規模が大きく、6月半ばに稼働することを目指して短期間に実施する事業であります。設置のコストや効率性の面から10年間のリース方式を考えています。また、以後の保守管理を含めて考えますと一括発注が適していると考えているところですが、発注の方法につきましては、ジョイントベンチャー方式などが予定工期の中でできるかどうか、検討してみます。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 教育行政に関しまして何点かお尋ねがございましたので、お答えをさせていただきます。

 まず学校校舎の耐震補強についてでございます。

 緊急に補強が必要なCランクの学校、17校ございましたが、この校舎の補強工事につきましては、優先度が高いという判断をいたしまして計画的に進めてきてございます。平成15年度に中野神明小学校と北原小学校を実施いたしますと、それですべて完了することになります。Bランクの学校については、21校ございますけれども、補強することが望ましいというふうには考えておりますが、今後、区全体の施設の見直しが行われ、再編ということが出てくるかと思います。さらに、国の補助金の動向や区の財政状況なども総合的に勘案して対応を定めていく必要があると考えているところでございます。

 それから施設検討委員会の報告についてのお尋ねがございまして、この中てトイレの補修などの課題を指摘しているところでございますけれども、これについては、報告にありますとおり、例えば壁掛け型の古いタイプの男子小便器をストール型にかえるというようなことや換気設備を条件の悪い場合に整備をするというような、そういった改善を当面は進めていくことを考えているところでございます。

 それから、知的障害学級の整備についての御質問がございました。

 教育委員会といたしましては、今後の障害学級のあり方としまして、小学校の知的障害学級を現在の3校から将来的には6校に増設することが必要と考えているところでございます。その実現に向けて努力をしていきたいと考えているところでございます。

 それから図書館の図書購入費についてのお尋ねでございます。

 区の財政状況等から図書購入費を削減してまいりましたが、15年度に向けては一定の増額を図ったところでございます。今後の図書資料の購入に当たりましては、区民の調査研究や教養の向上というような、そういうことに資するという図書館の使命を踏まえまして、適切な選定を行うというようなことを図っていきたいと考えてございます。

 それから施設の配置、あるいは運営についての見直しについて事務局での検討を進めてまいりましたが、それについてのお尋ねがございまして、これにつきましては、図書館、あるいは学校の御指摘がございましたけれども、事務局でこれを検討いたしましたのは、今後の教育行政を進める上で必要な教育委員会の議論、ここにたたき台を提供するために行ってまいったわけでございます。教育委員会では、事務局からの報告を受けまして、今後、予定をされております基本構想改定の際の幅広い区民論議に素材となる考え方を整理するために協議を現在、重ねているというところでございます。また、こうした方法は決して区民論議を誘導するということで行っているものではないと認識をしているところでございます。

 以上でございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは2点、御答弁させていただきます。

 1点目は、15年度予算案の中の特別交付金についてでございますが、特別交付金の交付実績につきましては、13年度が5億円余、12年度は10億円余でございまして、15年度予算につきましては、この交付実績を参考に見込んだものでございまして、予算額は確保できると考えているところでございます。

 次に、中野サンプラザにつきまして、雇用の問題で仮に中野の条件で取得する場合にリストラが関係してくる、慎重に検討すべきではないかというお尋ねでございます。

 行財政改革の中で非効率なものを改めたり、事業を時代に合ったものに再構築していく、そういったことの重要性は国も地方も同じであると考えております。サンプラザの採算のとれる運営のためには、人件費を相当圧縮しなければならないと考えております。仮に区が購入する場合にあっても、職員の雇用確保は、区の責任というよりも、雇用能力開発機構が対応すべき事柄であると、そのように認識しているところでございます。そういったことを基本にして現在、雇用能力開発機構と協議を続けているところでございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、警察大学校跡地の宿舎の取り壊し工事に伴う苦情相談についてでございます。

 建築物の解体工事につきましては、騒音規制法、振動規制法、東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例等によりまして各種規制を受ける場合がございます。当該建築物の解体工事に関しましては、区は施行主から法令に基づく届け出を受けまして、現場調査の上、必要な指導を行ったところでございます。近隣住民から作業に伴います苦情相談がございました場合は、その都度、調査いたしまして、規制基準に適合している場合でも、できるだけ迷惑にならないように工事を進めるよう、施行主、建築業者に指導しているところでございます。今後も引き続き苦情相談がございました場合には、そういった対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(斉藤金造) この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

     〔池田一雄議員登壇〕

○43番(池田一雄) 私も、大泉議員のように、後が気になりますけれども、大分気になる答弁がございますので、再質問させていただきます。

 まず最初に、小泉首相にイラク問題で申し入れをすることについてでありますけれども、外交は国の責任だと区長はおっしゃいました。そうしますと、従来、中野区が一貫して、アメリカであれ、ロシアであれ、どこであれ、地下核実験等を行った際には厳しく申し入れをしております。今の状況のもとでの地下核実験というのは、世界の非核の方向というものを裏切るような極めて重大な政治問題、外交問題なわけです。これについては田中区長になってからも何回か私はやっているように記憶しているんですけれども、そうすると、核実験に反対し、それを抑制するようにたしかブッシュ大統領に申し入れをしていますよね、ブッシュ大統領に申し入れするのはいいけれども、小泉首相に憲法擁護・非核平和の条例を持つ中野区として、あの条例の中には世界に訴えとか、そういう趣旨の文句もありますよね。そういう条例がありながら、それについては、これは外交問題だというふうに色分けをするのは、何としても納得がいかないですね。色分けできないのではないですか。もう一度お答えください。

 それから小・中学校の冷房機の設置については、ぜひ検討していただきたいですね。きのうの総務委員会では、課長の答弁では、何か荒川区のことが出ましたけれども、私は荒川区のことを調べておりませんが、品川区はレンタル方式で中野と同じなんですよ、中身はね。いろいろと議会からの要望もあって、また区内業者の現状をかんがみて、そういう方法を考え出したわけですから、品川はそういう地場の工場が多いところなんでしょうけれども、日ごろ、そういう点では配慮していたというふうになりますけれども、中野についても、そういう業者がいないところまでやれとは言っていないんですよ。やれる範囲でやはりやってほしいと思いますね。目黒区では、一括である企業にやらせたら、その企業の下請に冷房機設置の技術を持たない企業があって、そういうところまでむりやりやらせて技術上の不備が出てきたということが指摘されていますから、そんなことになっては困りますけれども、中野区内で既に登録をしている空調関係の業者が何社あるか知りませんけれども、相当あると思うんですよ。そういう人たちのところに十分に仕事が回るような配慮、そういう検討をぜひしていただきたいというふうに思います。

 それから住基ネットの問題でありますが、これは区民部長がここへ出てきて答弁されるというのはおかしいですよね。私の質問自身も、田中区長が大上段に振りかぶってやったわけですから、区長の決断でやられたわけでしょう。トップダウンで検討の作業が進められて、区長の決断でやられたことについて、何で区民部長が答弁するんですか。やはり区長みずからが私は答弁してほしいというふうに思いますね。

 さっきの区民部長の答弁も全然納得いかないですね。再接続できる条件には至っていないというんでしょう。それで再接続の準備を進めますって、全然これは答弁になっていませんね。もう一度、区長からお願いします。

 それから再開発の問題ですけれども、これも今まで2億3,000万円だか、4億6,000万円だか、詳しい数字、どちらが本当なのかよくわかりませんけれども、大変な金をやって進めてきたけれども、これまでの成果につきましては実現に至っていないわけでしょう。現在、計画への影響が社会変化の情勢で大きいというわけでしょう。したがって、現在の計画を変えるというんだから、政府にせっかく出してある警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案ももうだめだということになりますよね、さっきの答弁ですと。ですから、私もそういう感じがするので、1,500万円という頭出しの予算が2003年度では行われているけれども、過去の失敗を省みずまちづくりの事業をやるのですかということをお聞きしているわけです。

 とりあえず、そのところをお答えください。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) お答えをいたします。

 まず、首相に申し入れをするかしないかという話であります。

 さきに御答弁をいたしましたように、私は憲法擁護・非核宣言都市の首長として区民の声を機会をとらえながら常に発信をしていきたいというふうに申し上げました。そうした区民の意思を受けて区民の声を発信するということで、地下核実験等についての申し入れを行ってきたところであります。一方、国の外交は、当然、国の責任において行われることであります。そこでの個々の方針等について、ああするべき、こうするべきといったようなことについて、自治体の長として直接首相に申し入れをする立場ではないというふうに申し上げました。

 それから住基ネットについて、区長が考えたことだからすべて区長が答弁するべきだという御指摘がありました。私は、仕事については、組織、あるいはそれぞれの職員に必要な権限を委譲しながら進めていくことが重要であるというふうに考えております。そういう意味で、それぞれの担当の責任者からの答弁を責任を持ってさせていただいております。

 住基ネットについてでありますが、これも従来から申し上げておりますように、接続の条件が整ったならば接続をするという考え方で中野区はやっているわけであります。接続の条件が仮に整ったときに、接続がおくれたために区民に不利益が生じるといったようなこともあってはならないというふうに考えているわけであります。

 それから中野駅周辺に関連する調査の予算ということであります。

 過去に調査を行い、さまざまな形での計画をつくってまいったということは事実なわけであります。しかし、それらの計画が現実にそのまま実施できない状況にあるといったようなことについては、先ほど都市整備部長の大泉議員への答弁にもありましたように、遺憾であることは本当にそのとおりでありますが、しかし今、中野区が駅周辺に関して幾つか持っている計画、それをそのまま実行できる状況でないというのは、さまざまな社会経済状況、また中野区の財政状況、それらから勘案いたしますと、できないことも明らかになわけであります。しかし、過去に行ってまいりました調査は、全くそのままむだになるというわけではないのでありまして、さまざまな調査の結果、得られた成果といったようなものを整理しながら、全体的に整合性のある新しい計画になるよう調査をしていきたい、このように考えているわけであります。

     〔池田一雄議員登壇〕

○43番(池田一雄) 再々質問をさせていただきます。

 区民の声を発信するということで、核実験についてはアメリカ大統領に対して抗議を申し入れているけれども、今のイラクの戦争の危機については、これは外交問題だから発信しないんだということは、これは全然区別がつかないですね。いずれも外交問題であり、区民の声であり、片一方が外交問題でないということは通じないと思います。

 大体イラク問題については、新聞の世論調査によると国民の7割が日本でも反対をしているという結果が出ています。中野区においても、もし中野区民の世論調査をやれば、大多数の区民が反対していると思うんですよ。そういう区民の声というものを、憲法擁護・非核都市の平和条例を持った中野区として、その区長や議員というものは条例に規制されるわけですから、条例の精神に基づいて、小泉首相であれ、ブッシュ大統領であれ、あなた方、戦争を起こさないでくださいということを発信するのは区民の意思ではないでしょうか。もう一度お答えいただきたいと思います。

 それから住基ネットについては、先ほど部長も答弁をされたように、再接続の可能性というのは全く生まれていないんですよね。だから、今ネットとの接続をしている杉並区も、杉並区は直接確かめましたけれども、減額を2002年度の補正予算でやっています。通知をする必要がなくなってしまったから郵便代なんかを減額して、2003年度については、何か本当の事務的な、基本的な、保守的なわずかな予算だけを上程していて、杉並の場合には何億円にもなるようですけれども、それについては一切上程をしていないと。それについて、杉並区長は、そういう条件が生まれていないし、急速にそういう状況が生まれるとは思えないということを言っているようです。これは非常にビッグプロジェクトでありますから、急にそういう準備ができるなんてことは考えられないわけですよ。区長は、個人情報の保護の技術的なセキュリティーの問題についても触れられていましたね。この回線が物理的に別個の回線で個人情報が送られるのではなくて、IPVPMというインターネット上の仮想の回線で送られるわけですね。それについては多くの専門家が、幾ら丈夫な暗号をかけていても、それは必ず破られるということを言っているわけですけれども、それについてさえも、政府がそれでは物理的な1本の回線でやるというふうなことは全く発表しておりません。また、そういうふうにやるかもしれないという気配さえも見えておりません。ですから、あわてて中野区が準備をしなければいけないというような状況はないわけです。そういう現実を見ないで、おくれたときには区民に迷惑をかけるなどといっても、これは極めて説得力が低いのではないかというふうに思います。

 それから中野区の駅周辺の再開発でありますけれども、これは今まで4億6,000万円ですか、お金をかけてつくったのは、そんな簡単につくったわけではないわけですね。1991年の第一次長期計画の際にも3年から4年かけているわけです。それから1999年の第二次長期計画の際にも、これは事業化の予算というのは余り使われなかったと思うんですが、その際にも立派な本が出されておりますけれども、これも一次計画がだめだということがわかって、すぐにローリングが始まっていますから、3年ぐらいをやはりかけて準備をしているわけです。どんなに時間をかけて準備をしてみても、第一次長期計画では、さっきも紹介しましたように1,300億円、中野区全体のまちづくりの計画では、たしか長期計画全体の6割ぐらいを占める4,000億円だか5,000億円だかといった途方もない数字を出しているわけですから、土台そういうことを進めるということが無理な話なんですね。今度の話も、経済情勢が変わった、あるいは都市再生特別措置法でもって非常に規制緩和がなされている。1ヘクタール以上の特区をつくることも、この中野の駅前再開発では可能かもしれない、いろいろな条件の変化は確かにありますよ。条件が変化したから、たちまちそれに合わせてやってみるといっても、その基礎がもともとない中野区でやれるという見込みがない、これは結局、過去の2回、この10年間だけの2回の過ちと同じように、また途中で挫折をするというのがせいぜいの結果だというふうに私は思いますので、こういうむだな予算を上程をするということはぜひやめていただきたいということをお聞きしているわけです。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 先ほど来申し上げていますけれども、地下核実験の声明、区民の意を呈しての長としての声明ということと池田議員が御提案になった首相に対してこうした行動をするようにという申し入れは、全く私は意味が違うと考えています。今回のイラクの問題において、国際間の問題について、武力を用いるのではなく、平和的な外交努力によって解決をするべきだという区民の意思、私はあるだろうと信じております。そうした区民の意思に基づいて平和的な解決を望んでいるということを所信表明の中でも申し上げたところであります。

 それから住基ネットのことでありますが、住基ネットについては、先ほど接続できるような条件には到底ならないだろうという見解をお示しになられたわけであります。御意見として伺っておきたいと思います。私の見解といたしましては、条件が整った場合に、区民に迷惑がかからないようにという準備をするのは、首長として当然のことであると考えているわけであります。杉並区の判断や他区の判断は、それぞれ自治体でございますので、それぞれの考えがあろうというふうに思っております。

 それから中野駅周辺の計画についての御意見であります。結局、調査を何度やっても実際に事業化は無理だったんだから、中野区は、そういうできないことは調査をするべきではないといったような、取りようによっては大変後ろ向きな御発言のように私は受けとめました。これまで調査をして事業化に結びつかなかったから、中野駅周辺が実現できる計画もないままこれから先もずっと推移していいというふうに、私は中野区民のために、そして中野区のために決して思わないわけであります。

 以上でございます。

○議長(斉藤金造) 以上で池田一雄議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭

 1 施政方針説明について

   (1)区長の政治姿勢

   (2)経営改革と経営改革指針

   (3)中野サンプラザ問題

   (4)西武新宿線踏切問題と中杉通りの拡幅

   (5)平成15年度(2003年度)予算

 2 建築行政について

   (1)用途地域の見直しと建ぺい率、容積率

   (2)住宅系建築物の容積率を緩和する制度

   (3)東京のしゃれた街並みづくり推進条例

 3 教育行政について

   (1)スポーツ振興くじ助成金

   (2)中学校部活外部指導員の身分

 4 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、佐伯利昭議員。

     〔佐伯利昭議員登壇〕

○7番(佐伯利昭) 2003年、平成15年第1回定例会にあたり一般質問をいたします。

 私にとりましては、田中区長誕生後、初めての本会議での一般質問であり、また今期最後の定例会質問でもありますので、これまで積み残した課題などについてお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。

 なお、通告してあります東京のしゃれた街並みづくり推進条例につきましては、都合により割愛いたします。

 さて、田中区長就任から8カ月が経過しました。23区最悪と言われた財政状況、遅れていた改革への取り組みなど、さまざまな課題を抱える中、区長自身が直接、区民と語る月2回の対話集会などは、区民からの評判はよいようです。

 区長は、施政方針説明において、「私は区長に就任して以来、情報の徹底した公開と区民との対話を進めることに努め、積極的な改革を行ってきました。取り組める改革は直ちに実現を図りましたし、区政の課題についても、先送りすることなく解決に取り組んできました」と述べられていますが、御自身、これまでの区政運営について自己採点するならば、100満点で何点ぐらいがつけられるとお考えでしょうか。

 さて、区長と語る会で、参加された方々から、ここでの意見はどう区政に反映されるのか、自分の意見はどのように他の区民に知らされるのか、他の地域ではどんなことが話題になっているかといった話をよく耳にします。現在は区のホームページで公表されていますが、さらに広く区民に知らせることも必要かと思います。当面、もう少し区民への公開方法を工夫すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。とりわけ各地域での特有な話題などは、問題意識を区民が共有するために必要と思いますが、いかがでしょうか。

 施政方針説明では、もう一つ、「官による管理と規制から民の自由で豊かな活動へ」という大胆な表現がされています。区役所生活25年としていた区長から見れば、非常に思い切った発言だと思います。官から民への仕事の移行、民間でできる仕事は民間に任せることは時代の流れであり、そうしたことが低迷する日本経済に刺激を与えることとなることは間違いありません。

 そこで伺いますが、この言葉は区長自身のこれまでの区役所生活から感じていたものなのか、この言葉の意味するところをわかりやすく説明をしてください。

 経営改革指針について伺います。

 基本構想の改定、新しい10カ年計画の策定までの期間に行政みずからができる改革の取り組みとして、中野区経営改革指針が策定されました。区民の満足度の向上を重視し、接客六つの約束の趣旨に沿って、各課の所管業務に応じた接客改善策を検討し、実施するとしていますが、昨年9月から始まった接客六つの約束においても、例えば電話に出たら名前を名乗る、民間会社なら当たり前のことが役所では行われてきていなかった。現在に至っても徹底している課はあるものの実行できていない職員もいるようです。去る2月12日の新聞紙上に4月1日からスタートする郵政公社の広告が掲載されました。その見出しとして「言うのは簡単、実行しなくちゃね」とありました。まさにそのとおりだと思います。ことしの予算編成では、区長が直接、担当職員から説明を受ける機会を設けたということで、職員に電話をすることも多かったと思いますが、区長、助役は庁内に電話をかけて相手が名前を名乗らなかったらしっかり注意をしていますか。一度掲げたテーマですので徹底して実行させるべきです。また、こうしたことについて、きちんとできているかどうか、お客様である区民の皆さんに評価してもらう必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 今、紹介しました12日付新聞の日本郵政公社の広告は、新しい郵政のスローガンを紹介したものでした。真っ向サービス、これがスローガンだそうです。私たちも最近、郵便局の本局に行ったときなど、はっきり接客態度が変わっているのを実感します。完全民営化までは時間がかかるものの、小泉総理いわく、その一里塚というだけで、これだけ職員の意識が変わるのかと驚くべきところです。行政は最大のサービス業とする区長としても、区役所という官の組織の中から意識改革を図っていこうとする姿勢は目に見えてきました。さらにそれを進めるため職員から接客向上の提案を募集するに当たっては、まず初めに職員が一丸となって取り組めるスローガンを募集し、中野区接客向上スローガンを決めてみてはいかがでしょうか。

 私が昨年の決算特別委員会で紹介した福岡市の自治体DNA改革、DNA2002計画では、職員がさまざまな改革の成果を披露するDNAどんたく、これは博多どんたくから引用されたものですが、そうした幹部と職員が書類上だけでなく直接その成果を評価し合える機会を設け、士気の向上を図っています。また、区内にある社会福祉法人・武蔵野療園では、これまでの既得権、前例踏襲にとらわれない経営改革を目指し、ミッション、法人の使命、ビジョン、将来の希望する姿、バリュー、考え方、価値観、スコアカード、鍵となる成果領域、指標、戦略課題、戦略的取り組み課題の五つからなる法人変革プロジェクトが立ち上げられ、その開始を告げるキックオフ大会が昨年10月開催されました。

 改革は区長一人ではできません。また、幹部職員だけでもできません。全職員が一丸となって経営改革を進めていくためには、そのスタートを告げる一つのイベントを行い、区民に対しても、中野区が変わろうとしている姿勢をアピールすべきと思いますが、いかがでしょうか。

 経営改革指針では、外郭団体の見直しも掲げています。外郭団体につきましては、昨年9月の決算特別委員会で、常務理事、事務局長等の役職が区役所幹部OBで占められていることを指摘し、その採用に当たっても、特定の採用試験などはないという総務部長の答弁に、まさに天下りではないかと主張いたしました。これに対して職員課長から「今のところ行政経験を生かしていただきたいということでやっているので、指摘は的を得たところもあるが、現在は検討をしていない」と答弁があったのに対し、区長からは「民間の経営感覚を生かし、効率的事業執行を目指す外郭団体であるという趣旨を考えれば、民間からの登用も考えていく必要があるのではないかと考える」という答弁がありました。今、全国の自治体で第三セクターなどに民間の優秀な経営的視点を持った人物を招き、経営改革に取り組んでいる例が多くあります。長野県の信濃鉄道では、今や格安海外旅行では群を抜くHISから役員を登用、またたく間に経営改善が行われたことは有名な話です。職員課長が生かしてほしいと述べた行政経験こそ、官による管理と規制、まさに改革を妨げる抵抗勢力となっていくのです。区設立法人も経営感覚という視点で民間の経営能力のある人材を登用すべきです。

 そこで、今回、外郭団体の役割、機能、運営を抜本的に見直すという中で、これら常務理事、事務局長などの採用についても見直しが行われているのかどうかをお答えください。

 あわせて、現在、空席となっているシルバー人材センターの事務局長を今後どうするのか。まさか、この3月の退職を待って、また区幹部職員を当て込むのであれば、まさに選挙の際、許さないと言っていた官の勝手と言われても仕方がないことと思います。見解をお伺いします。

 さらに、外郭団体の固有職員の採用方法についても御説明いただきたいと思います。

 昨年8月、突然、売却を持ちかけられた中野サンプラザですが、当初、ぜひ買うべきだという声が大きかった区民の声も、所有する雇用能力開発機構、運営する勤労者福祉振興財団の実態がテレビ、新聞、雑誌で明らかになるにつけ、区民の中にも怒りの声が沸き起こっています。雇用保険の財源を使い、全国に次々と施設をつくり、官僚を天下りさせ、経営が成り立たなくなったら二束三文で地元自治体に払い下げる。区長は、今回の譲渡は国の行政改革の取り組みと言っておられますが、私は実際には国の不良資産の処理、失政のツケを自治体に押しつけようとしているに過ぎないと思います。おまけに今、民間では倒産、リストラの嵐が吹き荒れ、失業者が増大し、雇用保険支払いの財源すら枯渇しようというときに、希望する職員はすべて採用することを売却条件にしたり、交渉条件等について公表しないように区に求めるなど、国の勝手さばかりが目につきます。これまでの経営実態が明らかになれば、国民の大きな批判の声が巻き起こるのは間違いなし、国民のわからないうちに始末をしてしまえば、後は野となれ山となれ、これでは雇用保険を支払い続けてきた善良な労働者は納得できません。去る13日、区役所7階で行われた区長と語る会で、区民からの質問に対し、区長は「今騒がれているようなことは、区がとやかく言うべき問題ではない」と答えられましたが、区長はこれまでの官僚主導型で行われてきた放漫な政策に対してきちんとみずからの意見を述べるべきです。また、本来であれば、こうした交渉は売り手側が積極的に情報の公開をするべきなのに、それを口どめしてきた役所特有の秘密主義の中から交渉が進めば、区民の不信はさらに深まります。今回のサンプラザ問題を初めとする雇用能力開発機構をめぐる一連の問題は、これまでの官僚天国の日本型社会構造を変えていく大きなきっかけにもしなくてはいけません。これまでの経営実態、どうすれば経営が成り立つのか、さらにアスベストのことなどについて、しっかり情報を公開した上で区民の論議にかけるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに、現在示されている条件、希望する職員143人の完全雇用については、いかなる別途条件がつこうとも認めないこと、これをここでぜひ確約していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 もう1点、区長はサンプラザを区の賑わいの中心、集客能力ある施設と言われますが、何かイベントがあるたびに気になるのが北口からサンプラザ入口までずらりと並んだダフ屋です。この問題は数年前、小串議員が指摘をされていましたが、改善されないばかりか、その数はふえるばかりです。区がかかわる施設となれば十分な対応が必要です。取得に向けては、こうした点につきましても事前に対策を考慮いただけることを希望します。

 次に、西武新宿線の踏切問題について伺います。

 昨年10月、西武鉄道と東京都から出された西武新宿線踏切対策協議会の四つの案は、いずれも環7から東部分についての対策のみであり、区内北西部住民にとりましては到底容認できるものではありません。区長自身も、みずからの選挙の際、駅頭に立ち、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の踏切の状況については目の当たりにして、その深刻さを感じたはずです。とりわけ中杉通りは緊急自動車の通行もしばしばあるわけですが、仮に踏切渋滞の情報が事前に入ったとしても、野方消防署鷺宮出張所から出動した緊急自動車が踏切を避け、立体交差部分に逃げようとすれば、東は環状7号線、西は井荻の環状8号線部分までありません。緊急自動車がボトルネックという踏切で長時間の足どめをくえば、区民の生命、財産にかかわる問題です。来年度予算では、区が主体的に東京都、西武鉄道を巻き込んだ踏切対策の検討協議会を立ち上げるための予算が計上され、幅広く検討を開始するとのことですが、決してこの四つの案にこだわらない検討をすること、先ほども答弁がありましたけれども、改めて確約をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。同じ西武鉄道でも、並行して走る池袋線は、既に桜台、練馬、鷹ノ台間が高架化され、さらにこのたびこの区間の副々線工事も完了します。区として、意気込み、姿勢が試されるときだと思います。

 次に、中杉通りの拡張問題についてお聞きします。

 中杉通りについては、阿佐ケ谷から北へ向かい、中野と杉並のほぼ区境の部分までは沿道の買収が進み、拡張工事に向けての準備が整いつつあります。しかしながら、中野区に入った途端、全く手つかずの状態で、地域からは今後この道路はどうなるかとの話題が耐えません。かつてはバイパス計画などもあったようですが、中野区として今後どのように進めていくつもりなのか、見解をお聞かせください。沿道を買収した杉並の部分が長期間放置され、それが中野の側が進まないからなどと言われないように、区はしっかりとした方針を打ち出すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、建築行政について伺います。

 現在、用途地域の見直し作業が行われており、この23日の区報で素案が公表されるとのことです。私はこの4年間、区内北部にかけられている土地区画整理事業を施行すべき地域という都市計画、それに伴う極めて厳しい建ぺい率、容積率の緩和に向け提案を続けてまいりました。そして昨年3月には、この区域の市街化整備のためのガイドラインが東京都都市計画局から示され、昨年9月の決算特別委員会総括質疑で、都市計画課長から「まずこのガイドラインにつきまして地元の方々に御説明を行いたいと考えております」との答弁をいただきました。この答弁後、地元には、いつ、どのような説明がされたのか。そして地元からはどのような意見が出たのかもお答えいただければと思います。

 また、区内のこの地域がガイドラインに適合するものかとの検討も行うとのことでしたが、検討の結果、どのような結論になったのでしょうか。

 低容積率が指定された住宅地の用途地域の見直しについては、先ほど古木議員からもお話がありましたように、12日の都議会本会議での代表質問でも自民党の議員さんから質問が出されています。「低容積率が指定された住宅地の用途地域の見直しについて、区部の木造密集地域等は、敷地も狭く2世帯住宅の確保が困難であるため、容積率150%、建ぺい率100%へ見直すべき」との質問に対し、都市計画局長から「これらの地域は敷地が狭小であるため2世帯住宅などゆとりある住居を実現していくためには、容積率150%などの指定も必要であると考える。地域の特性に応じ敷地の細分化の防止など、住環境確保の措置を講じながら適正な指定に努めてまいりたい」との答弁があり、また「多摩地域及び周辺区部においては、低容積率が指定されているが、ゆとりある住宅地を形成する観点から容積率100%、建ぺい率50%に見直すべきと考えるが、都はどのような方針で臨むのか」との質問に、同じく都市計画局長から「低容積率の住宅地においては、ミニ開発を防止するため敷地面積の最低限度を定めることにより容積率100%、建ぺい率50%へ見直すことが可能である。地域の特性や整備の状況等を踏まえ、適切な見直しが図られるよう、区、市、町と十分に連携を図ってまいりたい」と積極的な答弁がされています。さらに、「在宅介護や2世帯住宅や3世帯住宅、これは先ほどの古木議員の質問にもありましたけれども、という社会的な要請もあり、今後の地域福祉の重要性をかんがみれば、用途地域など都市計画の対応が必要と考えるが」との質問に対しては、石原知事自身から「多世代同居は世代間の触れ合いなど失われつつある家族の絆を回復する。高齢社会に対応して2世帯住宅などへの建てかえが可能となるゆとりある住宅地の再生は重要。そのため地域福祉の充実に向けてさまざまな施策を展開していく必要があり、用途地域の見直しもその一つ」との答弁がされています。都のこうした積極的な姿勢を踏まえ、在宅介護、2世帯住宅という時代の要請の観点からも、低容積率、低建ぺい率の緩和に向け区として主体的に投げかけをしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 昨年7月12日、建築基準法が改正され、住宅系建築物の容積率を緩和する制度が創設されました。この制度は、第1種住居地域などにある住宅系建築物の容積率を許可に寄らず建築確認により住宅割合に応じて1.5倍まで緩和するものです。そして、この制度を適用できる地域については、東京都は区、市、町と協議、調整を行い、可能な地域を指定するとしておりますが、中野区としてこの制度を利用していく計画があるのかどうか、見解をお聞きいたします。

 最後に、教育問題についてお伺いします。

 中学校の部活については、学校の小規模化に伴う教員数減から顧問不足による廃部、休部が後を絶たないようです。こうした状況を少しでも克服するために外部指導員制度が設けられています。しかし、外部指導員も、その地位、身分というものが不明確であり、特に年度末になると予定の時間数は消化したので、来月からお金が支払えるかどうかわかりませんと言われるケースまで出てきています。しかし、だからといって、今までチームづくりをしてきた指導者が、では、今日で辞めますということにはならないでしょうが、万一、年度途中で指導員が手を引くということになれば、生徒たちに与える影響は大きいものとなるでしょう。外部指導員の身分というものは極めて不安定なものになっています。区として、地域に住んでいるさまざまな才能を持っている人を発掘しようとしても、この条件では到底無理です。外部指導員導入の趣旨から、これらの皆さんの身分についてしっかりと位置付ける必要があると思いますが、現在はどのような扱いになっているのでしょうか。また、体育系の部活では事故やけがというものはつきものです。不安定な身分であればこそ、事故の場合の責任問題などは心配なところです。例えば、外部指導員が指導中に不幸にして事故が起きてしまった場合、その責任はどうなるのでしょうか。

 現在、区内の中学校では、規模、部活の数にかかわらず一律年200時間という規定が設けられています。私はこの時間数自体、極めて不十分なものと考えます。そうした中、今年度は学校間の調整もあったようですが、時間数の増加は今後の課題にするにしても、当面、生徒数、部活数、前年度実績等を考慮して、学校ごとの時間数を割り振るべきと思いますが、いかがでしょうか。

 私は、昨年9月の決算特別委員会総括質疑で国が提唱する総合型地域スポーツクラブの創設について提案をしました。学校の部活動に限界が見えてきたならば、一日も早くその創設を手掛けるべきです。昨年2月に出された生涯学習課からの社会教育事業の再編に向けてという報告でも「区民がスポーツ活動を推進する報告として、国が推進するNPOの運営による総合型地域スポーツクラブの実現を目指し、学校の部活動と社会体育の融合を視野に入れつつ条件整備などの検討を進める」とあります。教育委員会では、これについての検討会を立ち上げ、一歩踏み出すのかと思っていました。しかし、その運営資金となるtoto、スポーツ振興くじからの助成金は今年度も中野区は申請が出されておりません。一体この検討会は何を検討しているのか、いつまで検討をしているのか、現在の検討状況について御説明ください。

 また、この助成金の申請については、区のスポーツ振興計画が必要とされています。働き盛り世代、若者など納税者世代が中野に住みたいと思う環境を整えるためには、スポーツの振興は欠かせないものであり、スポーツ振興計画の策定は急務だと考えます。これについての現在の検討状況、いつまでにこれをつくるのか、明確にお示しください。

 さて、スポーツ振興について最大の課題は、グランドや体育館、施設の問題だと思います。経営改革指針の中で凍結した施設建設計画の今後の部分で、「上野原スポーツ・学習施設については、計画廃止の方向を示す。計画廃止に伴い用地は売却を検討する。スポーツの場の確保については、区の施設全体のあり方の検討の中で区民論議を行っていく」としています。折しも現在、区内の学校の再配置の議論が始まろうとしていますが、その再配置に当たっては、ただ統廃合だけの話を先行させるのではなく、時代のニーズにあわせた新しい施設づくり、例えば学校の跡地をナイター設備や芝生の総合グラウンドにするなど、区民に夢とロマンを与える計画として示すべきです。そしてその財源としてスポーツ振興くじからの助成金が用意されているのです。

 けさの朝日新聞都内版には、町田市のtotoの助成金を使ったNPO法人町田市総合スポーツクラブの話題が掲載されていました。ここでは、ラグビー日本代表の向井昭吾監督や東芝府中の元選手などを講師やコーチに招くなど魅力的取り組みがされています。待っていても何も変わりません。考えているだけでは何も進みません。区民のスポーツ振興のため、区として前向き、積極的な提案が示されることを期待して、私の一般質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐伯議員の御質問にお答えをします。

 私の方からは、施政方針説明についての2点と中野サンプラザに関連する内容にお答えをいたします。

 まず政治姿勢というところで、就任後8カ月の動きを自分で採点して何点つけられるかといったような御質問でありました。

 情報公開を徹底していく、また区民との対話を進めていくといったようなことについては、一生懸命努めてきたわけでありまして、区民から一定の評価はいただいているというふうに考えています。また、経営改革指針も策定をいたしましたので、区民の声を聞きつつ一層強力に進めていきたい、そう考えています。採点ということにつきましては、改革について本格的にようやく始動したところということもありまして、自分としてかなりの手ごたえを感じているといったようなところにとどめさせていただきたいというふうに思っております。

 それから、官による管理と規制から民の自由で豊かな活動へといったようなことで、どういうことを意味しているのか。とりわけ私自身の公務員としての経験との関連でどのように考えているのかといったような質問がありました。

 一般論として従来の行政による事業実施でありますとか、民間に対する指導や規制といったようなことが資源配分を硬直化したり、新しい状況への対応がおくれるといったようなこと、そういった非効率とか顧客満足度の観点が欠如するといったようなことに陥って、結果として社会全体の活力を阻害してきたということがあると思っています。そうしたところから、構造的な改革をやっていくというところで、管理や規制は極力減らしながら、民間ができることは民間へという視点が必要となってきたと考えています。地域社会にありましても、行政が独占をしていた分野で積極的に企業やNPOや住民団体、こうした民間の活動が広がっていくということでありまして、行政はパートナーとして協働をしながら区民が必要とするサービスが提供されていく姿を目指すべきだというふうに考えているわけであります。こうしたことを私自身の発想となっていく上で私がこれまで持ってきました25年間の公務員としての経験というものは、いい意味でも悪い意味でも公務員としての経験が働いているというふうに考えています。25年、公務員として仕事をしてくる中では、これまでの行政のあり方、公務員の仕事のあり方といったようなものについての欠点も十分に承知をしてきたつもりでありますし、また公務員がやることの意味、公務員が公務員として仕事を行うことの意味といったようなことについても自覚をしてきたというふうに考えております。そうしたことを総合的に考えた上で、官による管理と規制から民の自由で豊かな活動へということが重要だと思うに至ったわけであります。

 それから中野サンプラザ問題に関連をいたしまして、今、問題になっているような雇用能力開発機構がやってきたことというようなことについて、しっかり区民に説明をするべきではないかという御意見であります。今回のサンプラザ譲渡の問題は、そもそも、国全体で必要となっているところの特殊法人改革、これを進める中での一環として出てきたものということでございますので、特殊法人改革が目指しているもの、改革しなければならなかった特殊法人のあり方といったようなことについても、私自身、認識をしなければならないと思っていますし、交渉についての御説明との関連で、どういう経過での譲渡申し入れであるかといったようなことについて、特殊法人改革の一環ということについては説明をしていかなければならないというふうに思っています。仮に区がサンプラザを取得するにいたしましても、当然、行政改革の観点から、サンプラザの運営については、民営化と運営改善、人件費の削減も当然含めますが、運営改善による独立採算化が欠かせないというふうに考えているわけであります。こうした考えに基づいて、区民にしっかり情報提供をしながら、区民の意見をお聞きしながら、国や雇用能力開発機構との協議を引き続き行っていきたいというふうに思っております。

 私からは以上であります。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは、区民と区長の対話集会、もう少し区民に広く公表する工夫ができないかという御質問にお答えさせていただきます。

 対話集会の会議要録につきましては、ホームページへ掲載するほか、手にとって閲覧ができるように区政資料センター、各地域センター、各図書館に備えてございます。今後、区報でも開催のお知らせとあわせまして、対話集会の特集記事を載せるなど工夫してまいりたいと思います。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕     

○総務部長(山岸隆一) まず、接客向上の視点から何点か御質問がありました。

 まず電話の応対が徹底していない部署がある、そのようなところへの指導についてですけれども、職員が電話応対の際に所属と氏名を名乗るということはかなり定着してきていると思っておりますけれども、区長と区民との対話などでは、御指摘のような意見もあったというようなことも聞いております。私としても、さらに所属長を通じて職員を日常的に指導していく必要があると思っております。また、接客サービス全般につきまして区民アンケートを実施するなど顧客満足度向上に努力してまいりたいと思っております。また、提案募集やスローガンの募集につきましては、既に接客向上に取り組んでいるところですが、一層、向上に向けての提案募集、スローガン募集も考えているところです。また、こういう接客向上や組織、職員活性化は全庁を挙げて取り組むべきものと考えております。改革が進むようなさまざまな工夫を検討していきたいと思っております。

 もう一点、外郭団体の経営改革についてお尋ねがございました。

 外郭団体の改革につきましては、役割や組織のあり方について幅広く見直しが必要と思っております。シルバー人材センターの人事のことでございますけれども、事務局長の後任につきましては、あらかじめ区退職者に限定することではなく、適材適所で考えていきたいと思います。また、外郭団体の固有一般職員の採用につきましては、外郭団体の判断で実施すべきものでございますが、区として職員の補助金などを支出している場合が多くございます。効率的な経営に照らして必要な措置をとるよう働きかけをこれまでと同じように行っていきたいと思っております。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 西武新宿線の踏切問題、それから中杉通りの拡幅についての御質問にお答えを申し上げます。

 まず西武新宿線の踏切問題、これにつきましては、先ほども御答弁をさせていただきました。検討会におきましては、都から提示をされました4案にこだわらずに、中野区内の西武新宿線沿線のまちづくりの推進及び踏切対策に関する具体的な検討ということで行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、都市計画道路の整備につきましては、現在、東京都と特別区で次の整備計画策定に向けまして検討をしておるところでございます。中杉通りにつきましては、杉並区境まで整備が進み、区として整備が必要な路線であると考えております。その実現に向けまして都に働きかけを行いながら、地元との話し合いを進めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、建築行政についてでございます。

 東京都から示された土地区画整理事業、これを実施すべき区域のガイドラインについて、上鷺地域において地元説明を行ったということでございますが、どのように行ったか。あるいはガイドラインについての区の検討結果、どうだったか。それから2世帯住宅などゆとりのある住居を実現するためには、容積率等の緩和も必要であるといったような御質問でございますが、上鷺宮の土地区画整理事業を施行すべき区域につきましては、以前から建ぺい率、容積率等の緩和要望があるということにつきましては十分に認識をしておるということでございます。

 東京都のガイドラインにつきましては、一定の基準により土地区画整理事業を地区計画など他の整備手法に変更できるように道筋を示したものでございます。本年2月以降、地元への説明を始め、今後さらに行ってまいりたいというふうに考えております。区といたしましては、ガイドラインに基づく整備手法の変更についての調査を行い、地区計画への変更が可能であるというふうに判断をしておるところでございます。今後はガイドラインに基づきまして地区計画の導入を図っていく考えでございますが、御指摘の用途地域等の見直しにつきましても、この中で検討していくこととし、積極的に地域に働きかけていく予定でございます。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、部活動の外部指導員についてのお尋ねと、それから総合型地域スポーツクラブについてのお尋ねにお答えをさせていただきます。

 まず外部指導員についてでございますが、これは学校教育活動の一環として行われております部活動の指導業務を学校長が協力者に有償で指導の依頼を行っているものでございます。また、部活動中の事故については、基本的には外部指導員ではなく学校教育活動の一環として学校が対応するものであるという認識を持っております。しかし、場合によっては外部指導員個人が責めを負う場合も想定されますので、そうしたことのないような対応を学校や教育委員会が今後、適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから外部指導員にかかる予算措置についてのお尋ねがございました。

 現在は外部指導員が指導する回数に上限を設けてそれぞれの学校に予算措置をしているところでございます。その理由は、部の数や部活動の開催の回数、あるいは外部指導員の数などが学校によりましてまちまちということがございます。また、必ずしも学校の規模に応じて予算を割り振るということも実情に即しているとはいえないというような考えもございます。こうしたことから平成14年度につきましては、年度当初に各学校からの需要調査をもとにしまして、各校の年間見込みの数の提示を求めたほかに、10月と1月の2回に、可能な限り必要に応じた割り振りに努める、学校間の調整を行ったところでございます。15年度につきましても、今年度に比べ1校当たり20回分の予算増を図りたいと考えてございますが、きめ細かな調整もあわせて行っていきたいと考えてございます。

 それから総合型地域スポーツクラブの検討状況でございます。昨年の7月に検討会を設置いたしまして、区内のスポーツの現状と課題を整理するとともに、中野区にふさわしい総合型地域スポーツクラブのあり方でありますとか、あるいは推進方策などについて検討を進めているところでございます。スポーツ振興計画についてでございます。これにつきましては、区における今後のスポーツ施策の基本的な考え方や方向を明らかにするためにも課題であると認識をしてございます。総合型地域スポーツクラブの具体化とあわせて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 スポーツの場の確保をどうするかというお尋ねがございました。

 これにつきましては、特に屋外スポーツ施設などについては、区民のニーズに必ずしも十分にこたえられる状況にはないという認識を持ってございます。今後、学校の統廃合が進んだ場合には、その跡地の利用は有効な確保策の一つというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 先ほど建築行政につきましての住宅系建築物の容積率の緩和、これにつきましての御質問がございました。

 この制度は特定行政庁が都市計画審議会の議を経まして適用区域及び緩和の限度を指定容積率の1.5倍以下の範囲で指定することができるということとしたものでございます。この場合の特定行政庁は東京都でございます。都では当面、都心等4区の一部を1.1倍から1.2倍の範囲で緩和するほかは、1.0倍の数値を採用するということになったものでございます。したがいまして、23区のほぼ全域について実質的緩和は行わないということでございます。区といたしましては、この制度が周辺環境に与える影響も大きいことから、今後のまちづくり全体の中で議論をしてまいりたいというふうに考えております。

○議長(斉藤金造) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後5時51分休憩

 

      午後6時07分開議

 

○副議長(飯島きんいち) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 こしみず 敏 明

 1 江古田の森整備について

 2 コミュニティーゾーン整備事業について

 3 屋上緑化の具体的取り組みについて

 4 インフルエンザ予防接種事業について

 5 その他

 

○副議長(飯島きんいち) こしみず敏明議員。

    〔こしみず敏明議員登壇〕

○16番(こしみず敏明) 平成15年第1回定例会に当たり公明党議員団の立場から区長、並びに理事者の皆さんに質問をいたします。

 初めに、江古田の森整備について伺います。

 この件については、施政方針説明でもありましたが、PFIの手法で整備することになっていますが、事務レベルでは、厚生労働省との詰めも終わって準備が着々と進んでおりますが、初めての事業手法でもあり、思わぬ事態などもないとは言えません。各自治体のPFI事業でも、ときとして実施方針の変更等の事例もあります。一方では、介護需要に対応したサービス基盤の整備という次元からは、計画上のつじつまは合わせているとはいえ、基盤整備のおくれは否定できないと思います。現在、示されている事業スケジュールは、その意味でぎりぎりではないでしょうか。おくれることのないように万全の体制で臨むことが必要だと思いますが、区としてはどのように考えているのか、伺います。

 あわせて、スケジュールのおくれが出ないようにするために、検討していることはどのようなことなのか、具体的な考えがあれば示してほしいのですが、いかがでしょうか。

 公明党東京都本部で昨年実施したアンケート調査では、在宅ケアを支えるサービス基盤の充実が最も多く選択されていました。今後の介護基盤の方向を考えますと、在宅を支えるサービス基盤の整備、特に地域ケアというような考え方がこれからは重要になると思いますが、区長の見解を伺います。

 次に、在宅ケアを支えるサービスとして重要な位置付けにあるのが老人保健施設と並んでショートステイということは識者の指摘するところです。しかし、現実には、この整備、充実がおくれているのが現状です。区内にショートステイの施設が少ないという量の問題と2か月前から利用受け付けをする現在の運営のあり方という質的な問題があるようです。今回、江古田の森では、区内初の老人保健施設の整備が目指されていて、この点は評価しておりますが、ショートステイについては、どのような量の確保が目指されているのか、伺います。

 また、老人保健施設の中のショートステイは、空きベッドで対応となっておりますが、老人保健施設でのショートステイの運用についてはどのように考えているのでしょうか。空きベッド対応となったこととあわせてお答えください。

 次に、現在のショートステイ事業の運用について伺います。現在は利用日の2か月前の初日から利用予約を受け入れておりますが、おおむね受け付け初日に満床となるため、緊急時の利用者には不都合となっております。あわせて、キャンセルが出たときの対応などでも議論の余地があると思います。ショートステイ事業の運営について、この際、利用者の視点に立って見直しをしていくべきと思いますが、何か検討していることがあればお答えください。

 次に、特別養護老人ホームについては、入所利用者のプライバシーと快適な生活環境などに配慮した居室の個室化が課題となっております。江古田の森に整備を予定している特別養護老人ホームについては、個室・ユニットケアに対応する施設として整備をするべきと思いますが、区としてはどのように考えているのか、お答えください。

 さらに、リハビリ事業についても、健康維持の上からは大事になってまいります。中野区らしい新しい地域での機能リハビリにつなげるような工夫が必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 区民の要望にこたえるハード、ソフトの整備と速やかな事業実施を強く要望して、この項の質問を終わります。

 次に、コミュニティゾーン整備事業について伺います。

 バリアフリーのまちづくりへの気運が各自治体の間で高まってきています。高齢社会への取り組みは、介護基盤の整備にとどまらず、総合的なまちづくりの次元での取り組みが必要とされます。最近、まちを歩いていて気になることがあると同僚の飯島議員から言われて、私もそうだと思い当たったことがあります。それは午前中等、高齢者との2人連れで歩いている人が多くなってきたということです。そのうちの1人は、様子からするとヘルパーさんのようです。介助しての散歩のようです。また、車いすでの散歩をする方もふえてまいりました。高齢者の人や車いすの人が安心して地域を歩いて暮らせることは、今後の高齢社会に対応した中野区のまちづくりに当たって重要な視点だと思います。特に歩道の安全な段差の解消と住宅地域の生活道路への通過交通の規制が課題だと思います。そこで、飯島議員と2人で藤沢市にコミュニティゾーン整備事業について昨年末に視察に行ってまいりました。ここはいち早く通過交通の問題に対処するためのコミュニティゾーン整備事業に取り組んだ先進自治体として三鷹市等と並んでよく知られた自治体です。とりわけワークショップ方式での取り組みで知られています。歩道の切り下げ等の従来方式での段差解消は、かえって傾斜がきつくなって車いす等では危険だという指摘があります。藤沢市の場合は、この対策として、コロンブスの卵ですが、歩道を切り下げるのではなく、車道を上げて段差を解消しています。これが車にとっては一種のハンプの役目も果たして速度を落とさせる効果を持つと同時に、歩道切り下げがないために安定した歩行や車いすの通行が可能になっています。その境目は幾分傾斜していますが、そこにゴムの材質の気のつく仕掛けがある等よくできていました。

 そこで伺います。中野区としても、今後のバリアフリーのまちづくりにあっては、歩道整備の手法としてこのような方式を取り入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺うとともに今後の取り組みについてお答えください。

 次に、住宅地域の生活道路への通過交通の規制の問題について伺います。

 最近では抜け道マップなども出版されているなど、考え込んでしまいます。しかし、歩行者の自宅からの交通事故、距離別事故件数は、警察庁交通局交通規制課によれば、住宅周辺500メートル以内で5割が発生しており、特に高齢者の場合は自宅周辺500メートルで発生する死傷事故は6割を占めています。交通管理者としても、住居系地区における交通の安全を緊急に確保する必要があるとの認識を示しております。中野区も第7次中野区交通安全計画において分野別の施策として地域幹線道路の整備を挙げ、「住宅地への通過交通の進入を防ぎ、住環境を向上させるとともに、安全で快適な歩行空間を確保する」ための道路整備を掲げています。また、道路交通秩序の維持として、交通規制の項では、路線・地域対策として「幹線等の道路に囲まれた地域内の道路について、ゾーン全体にわたる交通規制の見直しや交通安全施設の整備により通過交通を抑制したり、歩行者と車両を分離する等の対策を実施して交通事故防止対策を個別に実施する」と述べていますが、この記述は、文字どおりコミュニティゾーン整備事業を意味しています。

 そこで、第7次中野区交通安全計画にも示されているコミュニティゾーン整備事業を今後のまちづくりの観点からも取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。特に通過交通に悩まされている地域に中央一から三丁目があります。これは大久保通りが環状6号線山手通りを右折できないことが原因で、住宅地域への通過交通の侵入を追認するような交通管理になっていることで増幅されてきました。しかし、大久保通り宮下交差点は、今回、平成16年度を目途に右折レーンが整備されることになり、このゾーンの交通規制を見直し、歩行者の安全を確保するための対策を実施するまたとないチャンスが来ています。

 そこで伺います。この際、このゾーンについてコミュニティゾーン整備事業の取り組み地域として指定するなどして、交通安全の確保策を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。実施への取り組みを強く求めつつ御見解を伺います。

 手法としては、ワークショップ方式やその他の先進地域のやり方を参考に、中野区らしい地域の実情に合った方式で取り組むべきだと考えますが、特に大事なことは、交通管理者を明確に取り込んで検討すべきです。これからの中野区の都市基盤整備の中で、高齢社会に対応した安全なまちをつくる観点からも重要な施策分野ではないかと思いますが、この点についての区長のお考えを伺い、この項の質問を終わります。

 次に、屋上緑化の具体的取り組みについて伺います。

 ヒートアイランド対策としての屋上緑化の効果については一定の評価が定まりつつあり、自治体としての助成制度も実施が拡大してきています。この問題については、平成14年度の第3回定例会において同僚の斉藤高輝議員から質問をいたしました。答弁は「重要な施策課題として認識している」ものの何らの具体的取り組みは示されませんでした。我が会派としては、15年度予算の要求項目として屋上緑化の助成制度の創設を求メートルところですが、残念ながら当初予算には盛り込めませんでした。しかし、年々東京の気候は過酷になってきており、冬、寒い分、夏は酷暑が想定されます。屋上緑化への取り組みはますます重要になってきています。

 そこで、中野区としての屋上緑化への具体的な取り組みについて質問をいたします。

 なお、答弁は具体的に取り組む所管の理事者にお願いいたします。

 まず屋上緑化の義務付けについて伺います。既に何らかの義務付けを条例や指導要綱で行っている区及び予定している区、現行の緑化基準への屋上緑化の参入を行っている区は18区に達しています。時期未定の具体的取り組みのない区は中野区を入れて5区となってしまいました。

 そこで伺います。中野区として屋上緑化についての基準を定めるなど、何らかの義務付けへの取り組みについては、どのようにお考えになっているのでしょうか。具体的なスケジュールをお持ちになっているのでしょうか。私は、15年度中には基準の策定を行うべきだと考えますが、現在の状況についてお答えいただくとともに、今後の取り組みについてもお示しいただきたいと思います。

 この点が明確にならない限り、公共施設の屋上緑化は進まないと思います。環境問題への取り組みを重要視している田中区長と認識していますが、具体的取り組みでそれをお示しください。

 次に、屋上緑化の助成制度等の創設について伺います。

 現在、助成制度等のない区は、私が調べた段階では10区でした。15年度になるとさらに少なくなっているかもしれません。この助成制度について、中野区では制度創設への意向を持っているのでしょうか。もし持っているのであれば、いつごろを目途にお考えになっているでしょうか、伺います。

 さらに、予算的制約がないものとして住宅金融公庫の「地方公共団体施策住宅特別加算制度」を活用している世田谷区の例等もあります。この加算制度は、自治体が独自に政策誘導するべき住宅を「住宅整備方針」に定め、誘導内容について住宅金融公庫と協議確認書を締結することにより、当該住宅を取得する区民が住宅金融公庫から特別加算での割増融資を受けられるものです。屋上緑化に取り組む区の総合的な姿勢を示すものとしては、予算措置を伴わないものであることから取り組みやすいものでもあります。さらに、住宅やまちづくりについてのプランを既に持っており、望ましい住宅についても一定の考え方を示しているはずです。タイプとしては、自然条件対応型とか、まちづくり推進型等があるようですが、自治体独自の適用基準を持つということでは、今後のローカルオプティマム、地域としての最適を求める地方分権の流れからも望ましい方向と考えられます。中野区として、この加算制度の活用で屋上緑化推進を環境問題やまちづくりと連動させて総合的に取り組む姿勢を示すことは極めて大事な政策分野ではないでしょうか。早急な取り組みを求めるものですが、いかがでしょうか、お考えを伺い、この項の質問を終わります。

 次に、インフルエンザ予防接種事業について伺います。

 昨年末から本年にかけてインフルエンザが猛威を奮っていることが新聞等でも報道されています。インフルエンザが原因と見られる高齢者の死亡も発生していることが厚生労働省の研究班により把握されていますが、それにも増して小児の死亡事例は昨年を上回るペースになっていることが厚労省の調査で判明しています。平成13年11月に「予防接種法の一部を改正する法律」が施行され、これにより高齢者に対するインフルエンザ予防接種が法律に基づいて一部公費負担で実施されることとなりました。

 そこで伺います。今冬の高齢者のインフルエンザ予防接種はどの程度の事業実績があったのでしょうか。また、それによる効果はどの程度になっているのでしょうか。現在、把握しているデータで結構ですから、お答えください。新年度は、このような実績に基づいて、この事業の実績が図られているのでしょうか、お答えください。

 現実には、予防接種の効果はかなりの程度あったのではないかということを知り合いのドクターから聞いております。高齢者のインフルエンザ予防接種は、法律によれば二類疾病に分類されています。これは一類疾病が集団予防を目的に比重を置いて予防接種を行う疾病であるのに対して、二類疾病は個人予防に比重を置く疾病であり、努力義務を課すものではないとされています。平成6年の法改正に当たっては、インフルエンザワクチンが個人の発症防止、重症化防止の効果はあるものの流行措置の効果が明確でなかったことから法の対象疾患から削除されました。13年の法改正に当たっては、個人の重症化、死亡を防ぐことを主たる目的としてインフルエンザを二類疾病に位置付けたわけですが、そうだとすると、高齢者に加えて未就学児も、その死亡事例の多さからは、対象に加えてしかるべきではないでしょうか。対象者は予防接種法施行令によって規定されていますので、この改正が必要なことは承知をしています。また、予防接種による健康被害の救済についても法に基づくことが必要なことも理解しています。しかし、それまでの間、未就学児の予防接種について、区としても何らかの対応を図るべきではないかと思いますが、中野区の御見解を伺い、この項の質問を終わります。

 その他の項で1点伺います。

 現在、私立幼稚園保護者補助については、区財政も厳しい中、維持継続をされ、保護者の方々も不況が長引く折から、若い世帯の負担軽減として喜んでいる方の声を数多く聞いております。現在の支給は各年度の10月と3月の2回となっていますが、これを年4回、四半期ごとに支給するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。現下の経済状況を考えますと、6か月に1回から3か月に1回とすることで、より負担感の軽減が図れると思います。

 仄聞するところでは、私立幼稚園側の事務処理の問題や教育委員会としての事務処理体制など課題は多いようです。

 しかし、区長も昨日の施政方針説明の中で、経営改革と経営改革指針について触れ、「区政がなぜあるのかという原点から行政の役割を考え、区の仕事を新しい経営の視点で見直していくことをすべての職員に求めていきたいと考えます」として、「顧客、すなわち区民の満足度優先の視点に立って」と強調しています。そこで、区民サービスの交渉という視点から取り組みを検討すべきと思いますが、教育委員会としてはいかがお考えでしょうか。当局の英断を強く求めて、この項の質問を終わります。

 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) こしみず議員の御質問にお答えをいたします。

 私の方からは、江古田の森の整備について何点か、その他お答えをさせていただきます。

 まず江古田の森整備でございますが、これについては、介護福祉の基盤を整備するという上では大変重要な意味を持っている施設建設であるというふうに考えております。大変新しい取り組み、新しい手法でありますPFI事業でありますので、これが万全にかつスケジュールのおくれがないように進められるようにということで、適切な体制や手続のもと着実に進めていくよう心がけているところであります。事業を円滑に進めていくという上では、国や都との補助金協議、あるいは医師会など関係機関との協力体制づくりといったようなこと、これを着実、適切に進めていかなければいけないということで、これらの体制にもしっかり意を用いているところであります。

 それから今後の介護基盤を整備していくということの中では、在宅サービスが重要であるという御指摘がありました。施設から在宅へといったような考え方の流れは、これからの介護を考える上で重要な流れになってきているというふうに考えているわけであります。江古田の森におきましても、入所施設のほかに在宅支援のための通所介護、通所リハビリテーションでありますとか、それから短期入所施設を整備するという計画であります。また、在宅施設の一つに分類をされるグループホームのような地域自立型の施設に対するバックアップ機能といったようなことにも配慮をしていくことが重要であるというふうに考えているわけであります。

 それから特別養護老人ホームについて国の考え方が変わってきているという御指摘がありました。特別養護老人ホームをいわゆる収容型の施設入所の場と考える、そういう考え方から暮らしの場という考え方に変えていこうという方向であるというふうに承知をしているわけであります。これについて、中野区としても当然対応していこうということでありまして、こうした流れに合わせまして完全個室化、そしてユニットケア化ということで整備を進めている、そういった考え方で整備を進めているところであります。

 それからバリアフリーの観点も含めまして、生活道路、生活圏域における交通安全についての御質問と御提案がありました。

 コミュニティゾーンの考え方は、交通管理者との調整の中でやっていかなければならないということでありまして、非常に道路が狭く、また通過交通も複雑に入り組んでいる中野区では、なかなか難しいわけでありますが、区民の生活にとって交通安全とか、またバリアフリーの考え方は非常に重要ということを認識しているわけでありまして、道路環境の整備、また交通管理上のさまざまな対策といったようなことを講じながら進めていきたいというふうに考えているところであります。

 私からは以上でございます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、江古田の森整備についての質問のうち2点についてお答えさせていただきます。

 まずショートステイに関する問題でございました。

 現在、短期入所・ショートステイにつきましては、区民の利用希望に供給が追いついていないという状況でございます。江古田の森では、特別養護老人ホームにつきましては、20床の占用床を併設する計画でございます。また、老人保健施設につきましては、空きベッド利用で20床以上を確保する計画としているところでございます。

 そこで、なぜ老健施設のショートは空きベッド対応かということでございますけれども、老人保健施設は原則といたしまして3か月間を限度として必要な看護や介護、リハビリ、こういったことを行う施設でございます。いわゆる家庭復帰を目指した中間施設という位置付けになってございます。こういった利用から比較的、利用者の回転も早いために、ショートステイという利用につきましても、通常の運営の中に組み込んで実施されているため、空きベッド利用で対応することとしたものでございます。

 また、短期入所の介護施設の利用についての御指摘がありました。

 短期入所の生活介護につきましては、利用日の2か月前の初日から利用受け付けをするということから、すぐに満床になってしまって、その他の利用ができないということがあります。利用方法の改善については、運営協議会等についても大分指摘をされて、現在、検討に入っているところでございますけれども、先ほどありましたキャンセル対応なども含メートル受け付け方法などの見直しを早急に行いまして、緊急対応が可能となるように、関係機関、関係者と協議をしていきたいと思っております。

 次に、リハビリに関する御質問にお答えさせていただきます。

 江古田の森では、老人保健施設でのリハビリ機能を充実させていきたいというふうに考えてございます。また、リハビリ機能につきましては、入所者だけではなくて、在宅生活継続に向けた通所リハビリの充実も図っていきたいというふうに考えてございます。また、訪問リハビリにつきましても、需要にこたえられるようなサービスの供給体制の推進、こういうことに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 私からは、コミュニティゾーン整備と屋上緑化について御答弁を申し上げます。

 まずコミュニティゾーン整備事業について3点ほどお尋ねがございました。

 まず御指摘の中央一、二、三丁目地域でございますけれども、この地域は、先ほど区長からの答弁がございましたとおり、この地域につきましても、道路の幅員が狭いなどコミュニティゾーンを形成する事業を適用することは難しい状況にあると考えているところでございます。そこで、今後とも道路整備や管理に当たりましては、創意工夫をしながら段差を解消することや、また通過交通対策などを行うなどいたしていきたいと考えているところでございます。

 また、バリアフリーのまちづくりということでございますけれども、だれもが快適に自由に行動できるよう移動の利便性や安全性向上の促進を図るため、バリアフリーのまちづくりは重要な施策であると認識しているところでございます。このため交通バリア法に基づく中野区交通バリアフリー推進構想の策定に向けて取り組んでいるところでございます。

 次に、屋上緑化の取り組みについて3点ほどお尋ねがございました。

 屋上緑化の推進につきましては、そのあり方や助成制度、指導策などを検討していくこととしております。

 また、義務付けについての御指摘がございましたけれども、これにつきましては、東京都の基準との関係や他区の考え方も参考にしながら慎重な検討が必要であると考えております。

 また、御指摘の地方公共団体施策住宅特別加算制度についてでございますけれども、これにつきましても活用ができるよう検討してまいります。

 以上でございます。

   〔保健担当部長青山キヨミ登壇〕

○保健担当部長(青山キヨミ) 私からはインフルエンザの予防接種についてお答えいたします。

 ことしの冬の高齢者のインフルエンザ予防接種の実績は、1月末分までの集計で2万人弱であり、対象者の約36パーセントが接種しております。昨年同時期の接種率は18.5パーセントですので、その2倍となっております。約7割の入所者が予防接種を受けている区内の高齢者入所施設からの報告では、インフルエンザ患者は1名と少なく、予防接種の効果があると考えております。新年度予算は13年度実績にことしの冬の状況を勘案し計上しております。御指摘のように平成13年の法改正で、高齢者についてはその効果を評価し法の対象としましたが、小児については有効性等に関する調査研究に基づいて早急に検討することとされました。未就学児について、死亡や重篤な後遺症を残すインフルエンザ脳症についての調査が現在行われており、予防接種によるメリットと副作用などのデメリットについての評価作業が始まっておりますので、動向を見守ってまいります。

 インフルエンザの予防は、予防接種だけでなく、うがいや手洗い、マスクの着用、室内の換気などの日常的な注意が大切であり、また治療薬の開発に伴い早期発見・早期治療が有効となっております。区としましては、予防接種の勧奨や相談とあわせまして、こうした知識や区内の流行状況などの情報提供を早期に行うなど総合的に取り組んでおります。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私立幼稚園保護者補助金の支給方法についてのお尋ねにお答えをいたします。

 この補助金の交付に当たりましては、私立幼稚園に通園している事実を確認する必要があることから、私立幼稚園に保護者に補助金関係の資料配付から申請書の取りまとめ、さらには在園をする事実の証明まで、そういった手続をお願いしております。区といたしましても、申請の都度、住民情報とのチェックを行いまして、児童台帳の作成や更新を行っているところでございます。また、中野区では、この事業に所得制限を取り入れておりませんので、1回当たり3,000件の申請がございます。現在は補助金の手続依頼から振り込みまでの一連の事務処理に約2か月半を要している状況がございます。当面、こうした事務処理方法や執行体制から交付回数を4回にふやすということは難しいというような判断をしてございます。ただ、サービスの向上という観点から何らかの方策がないか、研究はさせていただきたいというふうに思います。

 よろしくお願いをいたします。

    〔こしみず敏明議員登壇〕

○16番(こしみず敏明) 1点だけ再質問をさせていただきます。

 特に屋上緑化につきましては、慎重に検討したいと、全然前向きな答弁が出てこないんですが、これはまた別のところでしっかりやっていきたいと思います。

 1点は、先ほど答弁をいただきましたけれども、コミュニティゾーンの整備事業の中で、今後とも道路整備に当たっては創意工夫しながらバリアフリーのまちづくりに努めていきたいというようなお答えだと思うんですけれども、その中の創意工夫ということを、これは交通規制などの方法で安心して歩けるまちづくりを進めていくということでよろしいのでしょうか。そこら辺をもう一回、答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 再質問にお答えをさせていただきます。

 創意工夫というのは、基本的にバリアフリーのまちづくりのためにいろいろな工夫をしていきたいということでございまして、安心して通行ができるようなことをいろいろと考えていきたいということでございます。

    〔こしみず敏明議員登壇〕

○16番(こしみず敏明) 創意工夫ということは、今、部長の言ったことは具体性が何もないではないですか。僕が聞いたのは、これは交通規制などの方法で安心して歩けるまちづくりを進めていくということなんですかと聞いたんです。そのままオウム返しに創意工夫云々と言われたって、こっちはどう受けていいのかわかりませんので、もう一度はっきり言ってください。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 失礼しました。ただいまの質問にお答えさせていただきますけれども、一つは交通規制、例えば幅員が狭い道路でございますので、時速30キロメートル以下にするとか、また段差解消もいろいろな工夫の仕方があると思います。歩道の方、車道の方、いろいろな工夫を、現在、実際にまちが形成されておりますので、そういった状況を踏まえながら工夫をしていきたいということでございまして、全体のコミュニティゾーンの事業の中には、一方通行というような交通規制の方法もございます。狭いところでは、車道をむしろ狭くして、歩道を広げたりとか、そういった方法もあるわけでございます。それからハンプという方法もございますけれども、実際にどれを適用できるかは、なかなか難しい問題もあると思います。この地域は幅員が4メートルから5メートルでございますので、そういったことでいろいろと検討をさせていただきたいと思っております。

○副議長(飯島きんいち) 以上でこしみず敏明議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(飯島きんいち) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後6時47分延会