1.平成27年(2015年)6月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たかし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎
21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる
29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男
31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 英 直 彦 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 竹 内 沖 司
都市政策推進室長 長 田 久 雄 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行
地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸
保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞
都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一
経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 堀 越 恵美子
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 東 利司雄 書 記 大 野 貴 子
書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人
書 記 井 田 裕 之 書 記 田 中 寛
書 記 福 島 ル ミ 書 記 遠 藤 良 太
書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成27年(2015年)6月24日午後1時開議)
日程第1 第47号議案 中野区基本構想審議会条例を廃止する条例
午後1時00分開議
○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、南かつひこ議員、浦野さとみ議員、森たかゆき議員、内川和久議員、木村広一議員、広川まさのり議員、中村延子議員、伊東しんじ議員、日野たかし議員、いさ哲郎議員、篠国昭議員、佐野れいじ議員、高橋かずちか議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、細野かよ子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 中野区の主要施設である区役所・体育館・中野サンプラザ等について
2 地域包括ケアシステム構築について
3 「東北復興大祭典なかの2015」について
4 その他
〇議長(北原ともあき) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○34番(大内しんご) 平成27年6月24日、中野区議会第2回定例会、改選後初めての定例会におきまして、自由民主党の立場から質問をいたします。
改選後、初めての議会ですので、一言御挨拶をさせていただきます。
4月の中野区議会議員選挙におきまして、区民の皆様から自民党に対し多くの御支持、御支援をいただきましたことを御礼申し上げます。今回、新人2人を含め、16人が公認候補として選挙に挑みましたが、残念ながら3人の同志が当選まで届きませんでした。しかし、13人の当選を果たし、引き続き中野区議会において第一党の責任ある立場を得ることができました。これはまさしく自由民主党における区民の期待が大きいと認識いたしました。私たち自由民主党議員団は、中野区において責任ある立場として行政の政策にはっきりと物を申していく、批判だけをして何も責任をとらない政党とは一線を画し、区民からの意見をしっかりと受けとめて区政に生かしてまいります。決して区政に対し批判だけをするのではなく、むしろ責任ある立場として区民からの批判をしっかり受けとめ、これからの任期4年間、区政を正してまいります。
中野区は、新たな中野区の姿を実現するための基本構想の改定や新10か年計画の策定など、将来の中野のまちの基礎を決めていく重要な4年間になります。新中野区役所、新体育館、中野サンプラザを含めた中野駅周辺のまちづくり、中野駅西側自由通路の駅ビルの建築、西武新宿線の立体交差化事業の推進、弥生町国家公務員宿舎の跡につくる清掃車庫など、課題が山積みであります。
自由民主党議員団、責任を持ってこれらの計画を遅らせることなく、着実に進めていくことが最も大切な仕事であると考えております。今後とも皆様の御理解と御支援を賜り、目標実現のため邁進していく決意であります。よろしくお願いを申し上げます。
それでは、質問に入ります。
最初に、中野区の主要施設である区役所・体育館・中野サンプラザ等について質問いたします。
区長は、行政報告の中で、世界に類を見ない急速な高齢化の進行と生産年齢人口の減少に直面している中にあって、どうしても避けられない医療・介護等社会保障や子育て支援の経費の増加に対応していくことが必要であると述べ、そのためには国民負担の増加と社会保障費支出の削減、その負担を可能にする経済成長の3点を実現できる社会をつくり出していくことが必要と述べています。
私は、社会保障費の支出の増加に対しては、区内経済をさらに活性化させることによって、その負担に耐えうる税収の拡大を図ることが必要であり、社会保障費を減少させる手段としては、高齢者の健康寿命を少しでも長くするスポーツ等の取り組みをさらに充実させることも必要であると考えております。
また、これらの社会保障費の増加とともに、区有施設の維持管理についても今後の財政上の課題になることは明らかであります。区は、昨年9月に発表した中野区施設白書において、建設後40年以上経過した建物は、全施設の延べ床面積のうち約50%となっており、今後順次建てかえの時期を迎えるとしています。区は長期的、効率的に資産を管理していく視点から、計画的に施設更新や長寿命化を進める必要があるとし、公共施設総合管理計画の策定に取り組むとしています。施設の更新経費は、今後40年間で年平均55.5億円が必要になると試算されております。その財源の確保と経費の削減が必要とも聞いております。区役所、体育館においても例外でなく、いずれ施設更新の時期を迎えることになります。そこで、中野区の主要施設である区役所、体育館、中野サンプラザ等についてお聞きをします。
まず基本ですが、区役所について、現在の区役所は建設後何年が経過しているのでしょうか。さらに、築年数から言って一般的な建てかえの時期はいつごろが想定されているのか、お聞きをいたします。
施設を建てかえるか否かの判断に当たっては、今後の長期的なスパンでの維持管理費も想定し、ライフサイクルコスト・生涯費用を精査した上で将来の区民に対して大きなツケを残さない施設管理が必要となります。そこで、今後現区役所を継続して維持していくこととした場合、将来負担をする必要のある改修経費はどのぐらいになることが予測されるのか。また、現在の区役所を今後も使い続ける場合に、施設の構造上の課題は何があるのかをお伺いします。
区長は行政報告の中で、区のサービスはマイナンバー制度の普及など、ICTの活用によって定期的かつ大量に行うサービスについては電子的な手続を充実させ、きめ細かく総合的に相談支援するサービスは対面型、出前型の対応を実現していくとして、新しい行政サービスの形を十分取り組んで区役所づくりを進めると述べています。
今後、このような時代のニーズに合った区民サービスの提供を行っていくに当たり、現在の区役所を改修し、対応することができるものなのでしょうか。現区役所の機能面の課題についてお伺いをいたします。
現在の中野区役所庁舎は、昭和40年代初めに23特別区の中では比較的早い時期に、当時は近代的な庁舎として建設されましたが、その後、他区の庁舎は順次建てかえられ、豊島区が建てかえを最近完了した現在においては、逆に古いほうの部類に入る庁舎となっています。同時期に建設された渋谷区についても、建てかえの検討を進められていると聞いております。区はこのような他の自治体の状況についてどのように捉えているのか、お聞きをいたします。
区役所の建てかえを検討するに当たっては、体育館の建てかえも併せて財源をどのように確保していくかについても重要な課題となります。区はこれまで、現区役所とサンプラザ跡を再開発することによってその財源を生み出すと言ってきていますが、どのような形で新区役所の財源を生み出していくのでしょうか。区役所・サンプラザ地区の再整備に当たっては、2グループの事業構築パートナーが選定されましたが、現在どのような提案がなされ、事業構築パートナーをどのように活用して開発を進めていこうとしているのかについても併せてお答えください。
この区役所・サンプラザ地区の開発をはじめ、中野駅地区第2期整備として、これに先立って中野駅西側南北自由通路及び橋上駅舎の整備が進められ、また、南口においては中野二丁目、三丁目地区の再開発事業が進むなど、これからの数年間で中野駅周辺がさらに大きく変貌していくことになります。区はこの再開発によるにぎわいの創出を核として、これを区内全域に広げ、さらなる経済の活性化をつくり出し、活力ある中野のまちをつくっていくことが必要です。その進捗状況について幾つか確認をしていきたいと思います。
まず、西側南北自由通路、橋上駅舎ですが、昨年度、鉄道事業者と基本協定・基本設計協定が締結されました。今後の事業の進め方についてどのようになるのか、お伺いをいたします。
また、中野駅南口のまちづくりのうち、中野駅三丁目駅直近地区についてですが、土地区画整理事業を都市計画決定し、UR施工で進められることとなっています。今後どのようなスケジュールで事業を進められるのでしょうか、お聞きをいたします。
また、中野二丁目の再開発事業についてですが、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体施行で昨年度末に都市計画決定がなされました。これについても今後の進め方についてお伺いいたします。
さらに、区はこれからの開発に当たり、現在名乗りを上げている国家戦略特区制度を活用し、さらなる効果を高めようとしています。具体的にどのように活用していくことを考えているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、中野体育館について質問いたします。
区長は行政報告の中で、東京オリンピック・パラリンピックを契機として区民のスポーツ活動を盛り上げていかなければならないとし、増加していくスポーツ需要に応える受け皿の整備を急ぐ必要があると述べています。高齢化社会が進展する中にあって、スポーツに親しむ区民を増加させ、区民の健康づくりへの意欲を高めていくことは極めて重要であります。
中野区にはこれまで、思いっきりスポーツを楽しめる場所が不足しておりました。近年では、白鷺せせらぎ公園多目的運動場の開設や(仮称)本町五丁目公園の運動広場の計画など、少しずつではありますが、スポーツに親しむ場が増加してきているところです。わが会派のいでい議員が、平成27年第1回定例会の一般質問でも述べております。また、舛添都知事も述べているとおり、東京オリンピック・パラリンピックによってさまざまなレガシーをつくり出し、未来に引き継いでいくことが必要です。この機会にスポーツに取り組む区民をさらにふやしていくための本格的なスポーツが楽しめる受け皿を用意する必要があると思います。
現在の中野体育館は、昭和45年の開館以来、多くの区民に親しまれてきました。しかしながら、開館から既に45年を経過していることから、施設の老朽化は否めず、今後維持補修の費用や設備の更新費用などが大きくのしかかってくることが想定されます。さらに、施設の機能面においても、バリアフリーへの対応が十分でないことや、観客席が狭小であるなど、現在の区民が求めるさまざまなスポーツニーズには十分に応えられなくなっている点が指摘されています。こうした状況から言えば、建てかえを検討する時期に来ていることは十分に理解ができるところであります。そこで伺います。体育館の築年数から言って、一般的に更新する時期としてはいつぐらいが想定されるのでしょうか。また、現体育館を今後も継続して維持していくと仮定した場合、将来にわたる改修経費はどのぐらいになることが想定されるのか、現在の体育館を使い続ける場合に、施設の構造上の課題がまた出てくると思いますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
また改めて、今後のスポーツニーズに応えていくための現在の体育館の機能として、何が今後課題となっていくのかについてもお伺いをいたします。
区は、このような状況を踏まえて屋内スポーツ、屋外スポーツがセットで行える総合的なスポーツ拠点が必要であるとし、大規模な敷地を持ち、現にスポーツで活用されている平和の森公園内に設置を検討していくため、今年度については基本構想、基本計画を策定する調査委託を予算計上しているところです。さきに行われた報告では、今後計画を検討していくというもので、平和の森公園内の体育館の位置など、具体的な施設の配置については何ら示されていないと認識しています。
そこでお伺いしますが、現在の検討状況はどのようになっているのでしょうか、お尋ねをいたします。
一部の区民の間では、平和の森公園の体育館移設検討の発表がなされた後、芝生広場に体育館が移設し、芝生広場がなくなってしまうのではないかという声があります。実際は、芝生の地下構造部分は下水処理施設であって、建築物を建てるには制限があり、とても体育館を建設することはできないのは区議会議員として当然の認識だと思います。確認の意味で、そのような検討も行っているのでしょうか。併せてお聞きいたします。
また、芝生広場には陸上競技トラックを設置するとの話も聞き及んでおります。そうすると、現在の芝生広場の使い方が失われてしまうことになるのでしょうか。また、現在でもこの芝生広場の周りのジョギングや、芝生広場で体を動かすなど、健康づくりに活用されている公園ですが、そのような使い方も変わってしまうのでしょうか、お聞きをいたします。
平和の森公園は、災害時の広域避難場所としてオープンスペースが確保されています。体育館の建設によってオープンスペースが減り、避難場所機能が減少してしまうのではないかという声が聞こえてきます。確かに、新たな体育館を公園内に建設すれば、公園の空地面積は狭くなるかもしれません。しかし、平和の森公園にはいまだ未開発の用地が1ヘクタール残されており、私はむしろ未完成の下水道施設が完成した後に、その上部を公園として開園した最終形では、新体育館が移転されたとしても現状よりもオープンスペースが広くなり、公園として有効に活用できると考えますが、いかがでしょうか。お聞きをいたします。
区は、第1回定例会で平和の森公園への体育館移設と全体改修の検討を進めると報告しましたが、その後何ら情報提供がなされていないことが、区民のさまざまな憶測や誤解を生んでいるのではないかと考えております。今後はそのようなことのないよう、区民に対して適時適切な情報提供を行うべきであると考えます。区の見解をお聞きいたします。
2番目に、地域包括ケアシステム構築についてお聞きします。
ことし3月に決定された健康福祉総合推進計画2015を開いてみると、第1部、「計画の理念と基本目標」の中で、第1章「健康福祉都市なかの」の理念と基本目標に次いで、第2章を「中野区が目指す包括的な地域ケアの将来像」とする地域包括ケアシステムが取り上げられているのが目につきました。第1章の内容は3年前の計画と同じように感じましたが、今回第2章が新たにつけ加わりました。第2部の個別の施策の展開の前の総論として、新たにつけ加えられているところからすると、推進計画全体にとって重要なものと位置付けられると思います。「地域包括ケアシステム」という言葉は、近年よく聞く言葉でありますが、推進計画を読んでも、わかったような、わからないようなはっきりしないところがあります。そこで、基本的な認識について3点確認をさせていただきます。
最初に、地域包括ケアシステムの内容についてお聞きをします。
推進計画に描かれた中野区が目指す包括的な地域ケアの将来像の図を見ると、支援が必要な区民を中心にして、医療や町会、障害者団体などさまざまな関係者が取り巻き、その取り巻いたところにはさまざまな事業らしき言葉が書かれています。福祉・介護サービスの部分だけでも介護保険、障害福祉、保育、生活保護などと書かれ、その他権利擁護や子育て支援など、多岐にわたる事業が挙げられています。最後には、「地域包括ケアシステムの構築は、多くの幅広い施策に関連する区全体の取り組みです」とも書かれています。まるで区の仕事全てが地域包括ケアシステムの対象のような書き方でありますが、逆に言うと、地域包括ケアシステムとは、個々の事業を言うのではないとも思えます。そのような理解でよろしいのでしょうか。区の個々の事業を言うのではないとすれば、区が構築しようとしている地域包括ケアシステムとは、どのようなものなのかをお聞きします。
2番目に、地域支えあい、在宅医療介護連携の取り組みと地域包括ケアシステムについてお聞きをいたします。
地域包括ケアシステムについて、区長は今回の行政報告でも触れられています。行政報告では、中野区ならではの地域包括ケアシステムの構築について、地域の支えあいの仕組みの強化などの課題を踏まえ、医療・介護・福祉の専門的な機能と、町会・自治会を中心とする幅広い区民の公益的活動とその連携が求められるとの認識が示されています。この連携は、地域包括ケアシステムを構築するのに重要な要素になると思いますが、どのように進めていく予定なのでしょうか、お尋ねをいたします。
3番目に、すこやか福祉センターの役割についてお聞きをいたします。
重要な取り組みとされる地域包括ケアシステムの構築を、実際に誰が中心になって進めていくのでしょうか。推進計画の図では、すこやか福祉センターが日常生活圏域の基軸として支援が必要な区民を相談・コーディネートする役割を持つように描かれています。この図に書かれた役割からは、すこやか福祉センターは地域事務所のような手続のための便利窓口ではないように思われます。すこやか福祉センターが地域において果たす相談・コーディネートの役割は、現在どの程度果たせているのでしょうか。今後検討されている役割を十分に果たすためには、さまざまな強化が必要ではないかと思われますが、どのようなお考えなのかをお聞きします。推進計画全体にとって重要な地域包括ケアシステムの構築が着実に進められ、区全体に大きな果実を生むことを期待しております。
3番目に、「東北復興大祭典なかの2015」について質問いたします。
2011年3月11日に東日本大震災が発災し、6月11日で既に4年3カ月もの時間が経過しました。今、被災地では徐々に復興が進み、都市の基盤整備などの道筋が見えてきているようですが、いまだ仮設住宅にお住まいの被災者の方々は相当数いらっしゃると聞いております。復興住宅の建設や震災で地盤沈下した土地のかさ上げなど、国の全面的な支援によりかなり整備されてきているようですが、被災地に置かれている被災者の方々の生活や農水産物の風評被害など、いまだ解決しなければならない課題が山積しているようです。
区では、震災の翌年の2012年度から東京青森県人会と共催をし、東北復興大祭典を実施してまいりました。そして、東北復興祈念展を通じて被災地の復興の現状の紹介や中野区民への復興を忘れないといったアピールを発信するなど、被災地や東北地方の復興、地域振興に大きく寄与してきたものと評価しているところです。
そこで、これまで3回にわたり東北復興大祭典を実施してきましたが、区長としてこの3回のお祭りについてどのように評価をし、そしてどのような成果があったのかをお聞きいたします。
私ども区議会議員も、第1回目の大祭典から積極的に協力をし、特に第2回目からは東北復興やねぶた振興に関する議員連盟を立ち上げ、ねぶたの運行や祭りのPR、物販への参加など、超党派の議員で祭りを盛り上げてまいりました。今期22期区議会においても同様の議員連盟を立ち上げる予定ですが、前期よりも一層取り組みを強化し、大祭典を盛り上げていく中で被災地や東北地方の復興・振興に力を尽くす所存であります。
そこでお伺いいたしますが、第2回、そして第3回の祭りでは、昨年連携交流都市の締結をした青森市の御協力を得てねぶたの運行を行ってきましたが、ことしも同様の規模で運行するのかお聞きをいたします。
また、来年度以降についても大祭典を実施し、ねぶたを運行するお考えがあるならば、将来的に中野の主要な祭りに位置付け、高円寺の阿波踊り、阿佐ヶ谷の七夕祭りと並び、中野といえばねぶた祭りと言っていただけるような祭りにするべきだと思います。ぜひ今年度の祭りは昨年度よりさらに魅力的で、集客力のあるイベントとして実施し、震災復興に向けてアピール力をさらに高め、しっかりとしたメッセージ性のある事業として末永く実施していただくことを期待し、区の見解をお聞きいたします。
その他で1点、ハクビシンの対策についてお聞きをいたします。
最近、区内では野生動物であるハクビシンを見かけたという声を聞くようになりました。中には、ハクビシンが天井裏に住みつき、走り回って大きな音を立てるなどの被害もあったと聞きます。区に連絡しても、直接捕獲する事業・制度がなく、許可業者の団体を紹介され、結局は業者に依頼し、自費で捕獲せざるを得なかったと聞いております。
そこで質問いたします。区民生活への影響の重大性から、昨年度途中に新たに開始した区4区を含め、合計8区で既に捕獲事業を実施していると聞いています。中野区でも実際の被害が出ております。個人で駆除ができない以上、区民の生活環境の確保の観点から、具体的な対策を早急に行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。お聞きをいたします。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。
まず、現在の区役所の状況についてということであります。
区役所本庁舎は昭和43年9月に竣工し、本年で47年が経過することになります。一般に固定資産税法上の耐用年数は50年とされています。また、持続可能な施設運営のために、中野区施設白書では、大規模改修を行った上で60年で建物の更新をすることとしているところでありまして、建てかえの時期に来ているものと考えております。
仮に今後、現区役所を継続して維持していくというふうにした場合の経費と課題についてということであります。
今後15年程度区役所を使用するということになりますと、施設白書で想定する大規模改修に要する経費、これを当てはめてみて算出してみると、約70億円かかることになります。また、現区役所は平成25年度に耐震補強工事を実施し、構造耐震指標であるIs値については0.75となっております。したがいまして、倒壊する可能性の低い建物となっているところではありますが、国土交通省の技術基準の中で、災害応急活動に必要な施設庁舎等の構造耐震指標は、Is値で0.9以上の耐震性を求めているところであります。したがいまして、通常の耐震補強ではこの0.9以上というのが実現できないというのが現在の区役所の庁舎ということになっているわけであります。
それから、現区役所における新しい時代のニーズに合ったサービスを提供していく上での課題ということですけれども、時代のニーズに合った区民サービスの提供を進めるに当たって、ワンストップ型の総合相談窓口の設置でありますとか夜間休日窓口の拡充など、現区役所におきましては施設構造上での限界があると考えているところであります。
他区の建てかえが進み、古い部類に入ってきたというようなことでの他区の建てかえ状況についてのお尋ねもありました。
豊島区や渋谷区においては、ワンストップ窓口の設置など、区民サービスの向上や災害時における事業継続性の確保などを目指して建てかえを進めている、このように認識をしております。他の自治体の新庁舎整備についても調査・研究をし、十分に参考にしていきたいと考えております。
現区役所とサンプラザの跡、これを将来的に再開発するわけでありますが、この事業構築パートナーの活用についての御質問がありました。
区役所・サンプラザ地区再整備は、中野駅直近の将来においても中野の顔となる地区であります。この地区の整備でありまして、中野のまちの活力を牽引できるまちづくりを目指していかなければならない、こう考えております。また、再整備事業は民間の開発によって実現したいと考えております。そのためには、区が求める公共・公益的機能を取り込んだ上でさらに成り立つ民間の事業スキームを構築していかなければなりません。
また、再整備によって新庁舎整備の財源確保をすることも区としては譲れない大きな条件と考えてもいるところであります。そうした形で成り立つ民間の事業スキームを構築していかなければならないということでありまして、現在構築の検討を進めている再整備実施方針は、そうした民間の実施事業者に対して求めるべき導入機能や規模、そして実施の条件となる事業スキームなどを盛り込んでいくところであります。
事業構築パートナーの活用につきましては、この再整備実施方針を策定するに当たって民間の発想力や技術力、あるいは開発のノウハウなどをあらかじめ取り込むことによって地域のポテンシャルを最大限に引き出すとともに、事業実施段階におけるリスクをできる限り抑制する、このためのものと考えております。現在は選定時点の提案をもとに、国際的なビジネス拠点としての機能展開の可能性、ホール、コンベンションやオープンスペースにおけるにぎわいの創出の可能性など、両グループから提示されているところでありまして、今後さらなる提案を期待しているところであります。
南北通路、橋上駅舎の今後の進め方であります。今年度内に基本設計を終了し、その後実施設計協定を締結して実施設計を行うというところであります。実施設計については、平成28年度内に終了し、その後工事施行協定を締結して工事に着手をいたします。平成32年の東京オリンピックまでに西口開設をするということを目指しているわけであります。
それから、中野三丁目地区土地区画整理事業のスケジュールについてであります。
現在、施工者であるUR都市機構が7月中の事業認可に向けて手続きを進めているところであります。今年度は事業認可後、法に定める土地区画整理審議会を設立し、地権者の土地を入れかえる仮換地の指定を行うとしているところであります。平成32年の西側南北通路と西側南北通路の南側受け口となる駅前広場の同時完成を目指して事業を進めていくということになっております。
それから、中野二丁目における再開発、土地区画整理事業、その一体的施行についての今後のスケジュールであります。
本年3月に都市計画決定をしました中野二丁目におきます土地区画整理事業及び市街地再開発事業につきましては、現在それぞれの法律に基づいて、準備組合において組合設立認可に向けた手続を進めているところであります。一体的施行については、土地区画整理事業の施行区域内に市街地再開発事業区を定め、土地区画整理事業によって地権者の土地を入れかえて市街地再開発事業に参加する事業区へ集約をして市街地再開発事業を施行するものであります。そのため、制度上土地区画整理事業を先行して進める必要があるため、本年度、27年度ですけれども、本年度に組合設立認可、仮換地指定を行い、事業を進めていくという予定となっております。整備の展開といたしましては、平成28年度から公社中野住宅の建設工事に入り、同公社中野住宅の完成後に再開発事業の建設工事を行う予定でありまして、平成33年度の完成を目指しているところであります。最後に、南口駅前広場の拡張整備を行い、事業完了までにはおおむね10年程度を見込んでいるところであります。
国家戦略特区の活用についてであります。
国家戦略特区については、先般行われた東京圏区域会議におきまして、東京都から国に対して都内全地域の区域指定の要請がなされたところであります。国もこれを了承して、秋ごろに政令によって指定される見込みとなりました。これは全都が指定することになったわけでありまして、全都が指定されることによって、都内での地域間競争、これがより厳しいものとなっていくというふうに認識をしております。現在、他の地域に先駆けてグローバル都市の形成に向けた戦略の検討を進めているところでありまして、今後の経済活性化や持続可能な都市づくりに向けた道筋やなすべきこと、これらを明確にしてまいります。その上で特区における規制緩和策の積極的活用とともに、さらなる規制緩和の提案を投げかけていきたいと考えております。
次に、中野体育館に関する御質問であります。体育館をこのまま維持していく場合の経費と課題についての御質問がありました。
中野体育館につきましては、昭和45年に竣工し、本年で45年が経過することとなります。区役所のときにも申し上げましたが、一般に固定資産税法上の耐用年数は50年とされております。また、持続可能な施設運営のため、中野区施設白書では大規模改修を行った上で60年で更新をすることとしております。したがいまして、これも建てかえの時期に来ているものと考えております。今後仮に15年程度体育館を使用することとなりますと、この大規模改修が必要となるというわけでありまして、施設白書で想定しているこの大規模改修に要する経費で算出をいたしますと、約12億円必要ということになります。
また、アリーナの空調が要望されているところでありますが、既存施設に設置をするには、機械の設置スペースの確保が困難でありまして、このアリーナの空調というのは、大規模改修によっても構造上難しいと判断をしているところでもあります。
現在の体育館の機能として何が課題となるかということですが、施設の老朽化やバリアフリー対策、それからアリーナにおける音響なども大変苦情が多いところでもあります。また、先ほどの空調機の問題、それから駐車場、駐輪場の充実など、区民が快適にスポーツに親しむための環境整備が課題となっているところであります。
オリンピック・パラリンピックを見据えたスポーツ機運の高まりに応えるため、区民スポーツ大会等を円滑に実施できる面数の確保、また、複数の試合が同時に行われる副競技場(サブアリーナ)の設置など、スポーツ機能のさらなる充実が求められていると考えております。
体育館の位置についての検討状況であります。現在のところ、スポーツ機能の拡充を進めることと、それから公園のさらなる機能の向上を踏まえて、平和の森公園全体の再整備の基本的な考え方について本定例会中の委員会で報告を行いたいと考えております。その考え方に基づいて整備構想、整備基本計画の策定を進め、具体的な施設配置計画案を策定することとしております。
それから、芝生広場に体育館を立地することはあり得るのか、ないだろうとは思うがという御質問でありました。
平和の森公園の芝生広場の地下は、御指摘があったように東京都下水道局の処理施設となっておりまして、上部の加重の制限があります。したがいまして、恒久的な建築物の建設は難しく、この場所での体育館の整備は検討しておりません。
また、芝生広場に陸上競技トラックを設置することによる影響についての御質問がありました。
平和の森公園は、スポーツニーズの増加を踏まえてスポーツ機能の充実と併せて既存の公園機能も充実するように整備計画を考えているところであります。芝生広場については、現在子どもたちの遊び場やジョギング、軽スポーツ等に利用されているところです。陸上トラックを配置した場合であっても、これらの利用と十分に両立できるよう考えていきたいと考えております。
それから、避難場所についてであります。
平和の森公園一帯は、広域避難場所として指定をされております。大規模災害時には大勢の人々が避難してくることが予想されています。未完成部分の下水道施設の上部約1ヘクタールが利用可能となった際には、そのオープンスペースを有効に活用し、より充実した公園整備ができるものと考えております。また、大規模な屋内空間を整備することにより、防災機能が向上することが想定されるところであります。
それから、第1回定例会からまだ情報提供がない、区民に対する情報提供についての御質問がありました。
第1回定例会で報告をさせていただいた後、必要な検討を行っております。その到達点を踏まえ、今議会におきまして公園全体及び体育館整備の基本的な考え方について最新の考え方を報告させていただくこととしているところであります。適時適切な情報提供をこれからも行い、理解を得ながら計画を進めてまいりたいと考えております。
次に、地域包括ケアシステム構築についての御質問であります。
地域包括ケアシステムというのは、特定の事業を指すものではないと考えております。区としては、地域包括ケアシステムを全ての世代がその能力に応じて支えあい、誰もが住みなれた地域で、必要な人は適切な支援を受けながらも安心して暮らし続けられる、そうした地域社会づくりと捉えているところであります。
地域の公益的活動と医療介護の専門的機能の連携についてであります。
中野区では、国の動きに先んじて地域住民主体による見守り・支えあい活動の取り組みと医療・介護の多職種連携による在宅療養の支援体制強化に取り組んでまいりました。今後はこうした蓄積を生かしながら個々の高齢者への支援の充実と、そのための基盤整備などについて各生活圏域や全区的な範囲での検討を深め、課題の解決やネットワークの強化を図ることで地域包括ケアの体制を構築していく予定であります。
すこやか福祉センターの役割と機能の強化について。
すこやか福祉センターは、高齢者、障害者、子育て支援のワンストップの総合相談支援とサービス提供の拠点として設置をしております。今後の後期高齢者人口の増加傾向を踏まえると、さらに支援の強化が必要であり、専門職種の活用方法や人員、組織のあり方などを見直し、すこやか福祉センターの機能充実が必要となってまいります。さらに、すこやか福祉センターだけでなく、本庁におけるバックアップ機能も充実をして、地域において必要となるコーディネートの力を確保していきたいと考えております。
次に、東北復興大祭典についての御質問であります。
平成24年度から開催を始めた東北復興大祭典は、回数を重ねるごとに参加者がふえ、東日本大震災により被災した岩手県、宮城県及び福島県の復興協働推進に加え、東北各県の産業経済活性化等の地域振興の推進など、より多くの人々に被災地東北に関する復興のメッセージを伝えることができたと考えております。
また、この祭典を契機に、相互の連携・交流を重ねてきた青森市との交流連携協定も締結をすることができました。さらに、今年度は東北六魂祭への東京23区の協賛が実現をしたわけですが、これも中野区と青森市の東北復興大祭典などを通じた交流がきっかけとなったものであり、大きな成果があったと考えているところであります。
ねぶたの運行について。
ねぶたの運行は、今回も行うこととしております。具体的な内容については実行委員会で検討していくことになりますが、基本的には昨年度と同等の規模で実施していく考えであります。
今後の大祭典についてであります。
「東北復興大祭典なかの」は、継続的に東北の復興を祈念するという趣旨で今後とも実施をしていく考えであります。そして、この祭典が中野区を代表するようなイベントとして定着していくよう、さらに魅力と集客力のあるものにしていきたいと考えております。
最後に、ハクビシンの捕獲、駆除についてであります。
ハクビシンの被害は、天井裏で駆け回る騒音、ふん尿による悪臭、菜園等の野菜や果実の食い荒らしだけでなく、ハクビシンが媒介するノミ、ダニの被害も懸念されるところであります。また、近隣区などではアライグマの目撃情報や被害相談もふえているところであります。これまで区ではハクビシン等の目撃情報は寄せられていましたが、深刻な被害事例がほとんどなかったところから、特別の対策は講じてきませんでした。しかしながら、今年度に入って被害相談がふえている状況であります。こうした状況を踏まえ、区民の良好な生活、衛生環境を保全する必要があることから、区としても早急にアライグマも含めたハクビシン等の対策を講じていく必要があると考えており、適切に対応していきたいと考えております。
○議長(北原ともあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 南 かつひこ
1 行政報告について
(1)「中野区基本構想」及び「新しい中野をつくる10か年計画」の策定について
(2)区役所・体育館整備について
(3)西武新宿線沿線まちづくりについて
(4)施設配置について
(5)マイナンバー制度について
(6)その他
2 学校再編計画について
3 プレミアム商品券について
4 成年後見制度の充実について
5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、南かつひこ議員。
〔南かつひこ議員登壇〕
〇25番(南かつひこ) 平成27年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。
質問を行う前に、この4月、中野区議会議員選挙におきましては、私ども公明党9名全員当選をさせていただくことができました。区民の皆様からの付託にしっかりお応えできるよう、今後の中野区のさまざまな課題に真剣に取り組んでまいる決意でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
それでは、質問に入ります。
まず初めに、行政報告について伺います。最初に(1)として「中野区基本構想」及び「新しい中野をつくる10か年計画」の策定について伺います。
中野区基本構想は、当初は10年前の平成17年3月に制定され、5年後の平成22年2月に改定されました。さらに5年が経過する中で、中野区を取り巻く環境が大きく変化してきており、区は中野区基本構想審議会の答申を受けて、議論を深めて策定へと進めることになっていきますが、基本構想を改正するに当たっての意義付けをどのように考えているのか。また、どのようなことを重要視されたものにしていくのか、区の見解を伺います。
中野区基本構想を実現するための総合計画である現行の10か年計画では、計画の整備時期を四つのステップで示していますが、中野駅地区第2期整備や西武新宿線連続立体交差事業、弥生町三丁目周辺地区の木密地域不燃化10年プロジェクト、区役所整備など、平成32年度までに整備することになってきます。このように最初の5年間にさまざまな重要な事業が集中してくることを考えれば、新しい10か年計画では1年ごとの年次計画を立ててスケジュール化を図るとともに、財政フレームについても同様に具体的な計画を反映させるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に(2)として区役所・体育館整備について伺います。
ことしの第1回定例会での我が会派の白井議員の「区の施設配置計画について」の質問の中で、新しい中野体育館を建てた上で、新しい区役所を現在の中野体育館に改築する計画について、中野体育館の移転先を問うたことに対して、区長は新しい中野体育館は平和の森公園での建てかえを検討していると明確に答弁されました。また、3月9日の建設委員会では「新区役所・新体育館の整備について」の所管報告の中で、新区役所及び新体育館についての想定スケジュールが示されておりますが、基本構想及び基本計画策定に向けた条例改正も含め、具体的な手続上のスケジュールはどのように考えているのかを伺います。
次に、財政面についてでありますが、通常、区役所の建てかえでは国や都の補助はほとんどなく、全て一般財源によらなければなりません。その分区民に対しては、その財政的な裏付けをしっかりと説明すべきであります。また、体育館の建てかえについても最大限に財政措置をとらなくてはなりません。新区役所及び新体育館の整備での財政面での担保をどのように考えているのか伺います。
整備に関する基本的な方針での想定スケジュールでは、新区役所と新体育館の工事期間には1年以上の重なりがあるため、区民にとっては体育館の閉鎖期間が1年以上となり、その間には使用できないことになってしまいます。新区役所と新体育館の整備については、財政面や建築コストの変動を考慮した上で、体育館の閉鎖期間の不安要素を解消するためにも、整備手法についてタイムラグを解消できるように検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
平成27年度一般会計第1次補正予算の中で、平和の森公園改修検討するための予算が計上されており、平和の森公園を総合スポーツ施設に改修するための基本構想及び基本計画の策定及び東京都への都施設改修へ向けた調査が実施されることになっています。策定に当たっては、まず第1に、区立公園では唯一「平和」を冠した公園であることから、平和の意義付けを踏まえた内容であること、第2に、さらなる防災機能を兼ね備えること、第3に、これまでと同様に緑の豊かで子どもたちを含め、区民の憩いの場が提供できる公園であることを盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
また、平和の森公園は下水処理場の上部活用をした公園であり、約1ヘクタールの未開園部分が残っている状態です。未開園部分の整備が早期に実現できるよう東京都へ要望すべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
現在、東京五輪開催に向けて建築業界では人手不足や資材の高騰が震災復興による状況にさらに拍車をかけるなど、深刻な課題が増していく中で、平和の森公園改修のための調査結果をもとに、体育館をどのように整備していく考えなのかをお伺いいたします。
次に(3)として、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。
中井駅から野方駅間の西武新宿線連続立体交差事業は、区画街路第3号線及び区画街路第4号線とともに平成23年8月に都市計画決定がなされ、平成26年1月から工事が着手となりました。西武新宿線連続立体交差事業の進捗とともに重要になってくるのが、駅周辺のまちづくりであります。区画街路第3号線を擁する新井薬師前駅周辺のまちづくりでは、ことしの3月9日の建設委員会で区が示した西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)の中で、補助第220号線の整備のことが明記されました。補助第220号線は、昭和41年に都市計画決定がなされて以来、これまで何十年と動きがなかっただけに、当該エリアの区民の方々からは、今さら何をという声も聞こえてきております。それだけに、補助第220号線の整備を含めた駅周辺のまちづくりを進めるに当たっては、住民の不安を解消していくためにも素早い情報提供をするとともに、区としての整備手法など、どのような段取りで進めて行かれるのか、区の見解を伺います。
区画街路4号線の整備を伴う沼袋駅周辺のまちづくりでは、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)の中で、新たな顔となる駅前の拠点空間を創出するため、建物の共同化や再開発等による街区の再編と駅周辺の回遊性を高める環状交通ネットワークがループ道路としてイラストで示されました。駅前の共同化や再開発事業を行うことで駅前開発が沼袋駅前のシンボル的な拠点空間にすることはもちろんのこと、沼袋バス通り商店街の北側への影響を加味した連続的で一体感のあるまちづくりを整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
また、区画街路第4号線沿道については、沿道と一体的なまちづくりと統一感のある街並みを形成するためのルールづくりを推進していくと示されています。沿道と一体的なまちづくりでは、建物の共同化をはじめ、狭小の残地を活用したまちづくりを推進すべきと考えるとともに、統一感のある町並みを形成するためのルールづくりとして、地区計画も視野に入れて区画街路第4号線沿道の整備をすべきと考えますが、区の見解を伺います。
沼袋駅周辺のまちづくりを推進するに当たって、区画街路第4号線沿道の整備と駅前の共同化及び再開発事業を核としながらも、東西方向を視野に入れた防災力の強化が重要となってきます。建物の不燃化率の向上や耐震化の整備を核としたまちづくりが重要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
区画街路第4号線沿道の地権者にとっては、いつどのようなスケジュールで整備がされるのかが明示されていないことが一番の不安なところであります。今後の生活再建をするに当たっては、スケジュールをいち早く知ることが生活設計を明確にする唯一の手段であります。整備方針(素案)から今定例会での建設委員会で整備方針(案)として提案されることとなり、秋ごろには整備方針が策定される予定ですが、整備方針策定時には区画街路第4号線の事業化を含めたスケジュールを明示すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
沼袋駅の南側には妙正寺川に至る2,800平米の交通広場が計画されていますが、西武新宿線連続立体交差事業の完成に合わせて整備を進めていくのか、また、新道橋から平和の森公園に至る77メートルの地区集散道路第3号の整備も進めていくのか、区の見解を伺います。
野方駅以西につきましては、野方駅から井荻駅間が連続立体交差事業の事業候補区間に位置付けられていますが、事業化に大きく前進させるためにも、各駅周辺のまちづくり勉強会の活発な推進を図るとともに、今後の進め方についてどのようにされていくのかを伺います。
西武新宿線と東京メトロ東西線との相互直通運転について伺います。
平成26年第4回定例会の一般質問で私はこのことを取り上げた際に、区長は「西武新宿線沿線の広範囲の自治体の住民の利便性向上に資することから、今後沿線自治体と連携した関係各方面への働きかけ方などについて検討していく」との答弁をされました。また、ことしの3月9日の建設委員会でも所管からの報告があったところですが、事業計画の検討をはじめ、鉄道事業者及び東京都との調整、国との調整など、現在の進捗状況を伺います。
次に(4)として施設配置について伺います。
10か年計画第2次では、整備時期のステップ4で旧沼袋小学校の跡地に北部すこやか福祉センターとスポーツ・コミュニティプラザを整備して地域スポーツクラブを併設させる計画となっております。子育て世帯や高齢者にとっては場所的にわかりづらく、交通機関の利便性にも不便さがあり、アクセス的な課題があります。現在、西武新宿線連続立体地下化事業が2020年度を完成目標として昨年の1月より工事が開始されており、沼袋駅の南側に同時並行して駅前広場の整備が計画されております。地下化事業が完成したときには、沼袋駅も新たな駅ビルが建つと予想されております。また、平和の森公園改修に向けた基本構想及び基本計画策定の中で、新体育館の整備が盛り込まれれば、体育館の整備計画も進展していくことになってきます。区民の利便性や財政面での課題を考慮する中で、沼袋駅南側の再開発と併せてすこやか福祉センターやスポーツ・コミュニティプラザの施設配置や地域スポーツクラブの機能を移行するための配置の見直しも検討していくことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に(5)としてマイナンバー制度について伺います。
来年1月から社会保障と税の共通番号制度、つまりマイナンバー制度が始まります。マイナンバー制度は、国民一人ひとりに12桁の個人番号が通知され、所得や年金受給額などの情報を効率的かつ正確に名寄せをして関係機関との連携を正確に図れるようにするもので、社会保障、税、災害対策での行政手続に必要になってきます。マイナンバー制度の来年1月からの運用開始を前に、内閣府がことしの1月に行った世論調査では「制度を知らない」との回答が70%を超えており、情報漏洩に不安を訴える回答も約30%あったとあります。
中野区でも同様のような状況にあると考えますが、制度内容を知らない区民が多い中で、ことしの10月から住民票を有する全ての区民にマイナンバーが通知されることになり、区への問い合わせが殺到し、制度運営にも支障を来すことにもなりかねません。制度を円滑にスタートさせるためにも生活の利便性向上につながる点を区民の皆様に周知して、制度開始の意義を十分に理解していただくように努めなくてはなりません。区報やホームページなどでの周知を図ることはもとより、中野区独自でのコールセンターの設置も必要と考えますが、区の見解を伺います。
区民からの制度内容に関する問い合わせに十分に対応できるように職員の養成も必要であると考えます。また、外部からの知識人などの専門家の配置も必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
今月2日には、新聞やテレビの報道で年金情報流出問題が取り上げられたところであります。これは日本年金機構の職員の端末がサイバー攻撃を受け、約125万件の年金情報が外部に流出し、年金加入者の基礎年金番号、氏名、生年月日、住所を含む個人情報が流出した問題です。年金情報が流出した一番の原因は、年金情報を記録する基幹システムの情報を共有フォルダやパソコンに保存していたことが問題であり、人的要素にあったと考えられます。今回の年金情報流出問題で、来年1月から運用開始されるマイナンバー制度にも不安の声が挙がってきております。この不安を解消するためには、十分なセキュリティー対策が必要であります。マイナンバー制度の開始に向けて国でのセキュリティー対策はどのようになっているのかを伺います。
また、マイナンバー制度の運用時に区としてもセキュリティー対策の適切な対応を徹底する必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
これまで住基カードについては身分証明などの目的で活用されてきましたが、マイナンバー制度では行政手続を行う際に必要となるもので、住基カードとマイナンバーカードではその活用手段が大きく違ってきます。マイナンバー運用開始後、住基カードからマイナンバーカードへの切りかえはどのように行っていくのか伺います。
次に(6)のその他で1点伺います。
行政報告で区長は、地方との連携による相互発展に触れて、地方自治体の連携・交流を進めてきた中で、今後は長期滞在、2地域居住や移住など相互の地域活性化と発展につながるような交流の進化を目指すと示されました。豊島区では、今月4日に民間の有識者団体である「日本創生会議」の提言を受けて秩父市への移住促進のために同市との協議を開始しました。豊島区では、将来的な介護施設の不足による介護難民の発生が予想されており、深刻な事態になる前に西武線でつながっている姉妹都市の秩父市を移住先として薦めることにしています。豊島区では、介護難民の解消と交通の利便性を重視して2地域居住や移住の構想を打ち出していますが、中野区としてはどのようなコンセプトで交流の進化を図っていくのか、区の見解を伺います。
また、高齢者にとっては長期滞在や2地域居住において医療・福祉等の環境整備が必要となってきます。連携・交流先の自治体と中野区で相互の環境整備が重要になってくると考えますが、いかがでしょうか。伺ってこの項の質問を終わります。
次に、学校再編について伺います。
前期の再編計画の中で、平成23年4月に野方小学校と沼袋小学校が統合して、野方小学校の位置で平和の森小学校として開校しました。統合計画を進めるに当たっては、当初に区の方針として隣接する法務省矯正研修所東京支所等が立川基地跡地地区に移転することが決まっておりました。そのために統合新校の位置を法務省矯正研修所東京支所等の跡地に決めて、用地の購入後に新校舎建設して現在の平和の森小学校を移転させる計画でありました。一方、法務省の計画では、当初は平成25年度までに立川基地跡地地区に(仮称)国際法務総合センターを建設する予定でしたが、建設予定地に絶滅危惧種であるオオタカが生息していることが判明し、営巣期を考慮したことから、移転計画が平成28年度になったと聞き及んでいるところです。その後の(仮称)国際法務総合センターの移転スケジュールを伺うとともに、このことで平和の森小学校の移転計画はどのようになっているのか、現状をお伺いいたします。
また、キッズプラザや学童クラブの平和の森小学校での開設、それに伴う野方児童館の廃止など、平和の森小学校の移転計画が当初計画どおりに進まないことで10か年計画第2次における施設配置にも影響が出てきておりますが、これらの付随する課題に対してどのように進めていくお考えなのか伺って、この項の質問を終わります。
次に、プレミアム商品券について伺います。
このたび、区内商業の活性や区内消費を促すためにプレミアムつき商品券の事業がスタートいたしました。これは国の交付金である地域活性化・地域住民等緊急支援事業と東京都の補助金となる地域消費喚起特別支援事業を活用して、20%のプレミアムがつくというもので、中野区商店街振興組合連合会が発行主体となって「なかのわくわく商品券」との名称で実施されているところです。今月の18日からは、プレミアムつき商品券の子育て世帯向け先行販売が実施されました。対象世帯では、あらかじめ郵送された案内ハガキを持って区内郵便局でハガキと引きかえに7月16日の一般販売が開始されるまでの期間に優先的に購入することができるというものです。子育て世帯向け先行販売は開始して1週間にも満たないところですが、現在のところプレミアム商品券の販売実績は6月18日、19日の2日間で4,500冊と出だしは好調と聞いており、これからさらなる消費喚起に期待ができるところであります。
このたびのプレミアムつき商品券の発行事業は、前回の平成21年度のプレミアムつき商品券事業の実施時の反省点を改善して、子育て世帯の先行販売や区内郵便局を活用した販売所の拡充など、さまざまな課題に取り組んだところです。課題の一つに、プレミアムつき商品券の取り扱い店の拡充がありました。今回の取り扱い店の目標を2,500店舗として、通常の商品券取扱店約1,000店舗に加え、未取扱店や大型店でも取り扱えるように対策を行ったところですが、現状では約1,200店舗と目標より大幅に伸び悩んだ結果となりました。このことについて区はどのように分析をされているのか伺います。
今回のプレミアムつき商品券の実施に当たって、実施した自治体で問題となっているのが、プレミアムつき商品券のネットオークションなどによる転売問題です。内閣官房「まち・ひと・しごと創生本部事務局」によると、既に販売がされた自治体でも転売が確認されており、通達を出して転売の防止策をとるよう求めています。中野区においても、金券ショップなどへの取り扱いを自粛するよう呼びかけをするなど、転売できないような取り組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
今回のプレミアムつき商品券の事業は、消費喚起につなぐ大きな起爆剤となるとは思いますが、さらに大事なことは、その後の継続的な消費の誘導策であり、継続的な商店街の活性化であると思いますが、区としての見解を伺ってこの項の質問を終わります。
最後に、成年後見制度の充実について伺います。
初めに、市民後見人の養成について伺います。
中野区では、平成25年度までは東京都で実施していた社会貢献型後見人の養成講座を活用して市民後見人の養成を行っていました。しかし、東京都での養成講座は平成25年度をもって廃止となり、その後の対応は各自治体に委ねられる形となりましたが、すぐには各自治体での市民後見人の養成が整わないことから、平成26年度単年度に限っては東京都社会福祉協議会が受け皿となって市民後見人の養成講座を行いました。
これまで中野区では、東京都の市民後見人養成講座を活用して17名の受講修了者から区長申し立てのあった事案において3名の受講修了者を受任させています。さらに9名の方が資質を備えており、次期受任候補者として養成しているとのことです。次期受任候補者を養成するに当たっては、市民後見人の受任に向けた段階として、しっかりとした準備も必要になると考えますが、区としてどのような対応をされているのか伺います。
平成27年度は東京都社会福祉協議会でも養成講座の未実施が決定となり、中野区としての対応が迫られることになりましたが、今後ますます市民後見人の養成の必要性が高まってくる状況においては、区としての市民後見人の養成の仕組みづくりを早急に解決しなければなりません。生涯学習的な講座では市民後見人の養成につながりにくいことから、その場合には東京都の補助金確保も困難になる可能性もあります。実質的な養成につながる仕組みをつくるとともに、区独自では予算面などで難しい状況を考えれば、市民後見人の養成講座を隣接区との合同での開催を積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
現在、中野区福祉協議会では、区長申し立てによる3名の方の法人後見を受任していますが、多様化する後見ニーズに対して専門職の後見人が受任するケースにも限界が生じてきております。このような状況に対応するための手段の一つとして、法人後見が重要となってくると考えます。昨年の予算特別委員会の総括質疑で法人後見の必要性から、千葉県社会福祉協議会が作成した法人後見マニュアルを取り上げ、区としても作成すべきとの提案に対して、マニュアルの提供も含めた支援策につきまして社会福祉協議会と相談しながら検討していきたいとの答弁をいただきましたが、現在の検討状況を伺います。
現在、中野区には法人後見を担うNPO法人はありません。今後の区としての成年後見制度の施策展開として、法人後見の充実を図るとともに、中野区全体の成年後見制度の裾野を広げる手だてとして、NPO法人の設立に向けた支援策などの充実を図っていく必要があると考えます。他の自治体でのNPO法人の成功事例などの講演会や講座を開催するなどして、そこで集まった方々のグループづくりの橋渡しをしたり、NPO法人の設立への支援をしたりなど、充実を図る施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺って私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
〇区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えいたします。
基本構想改定の意義についてということであります。
10年を単位として大きなPDCAサイクルを動かしていく、その根幹にありますのが基本構想というふうに認識をしております。そしてそれを実施していく計画が10か年計画ということであります。10年を単位としてこうした大きなサイクルを回していくということで、基本構想は10年で改定、その中間年である5年については、状況の変化に対応する小規模な見直しというようなことを位置付けているところであります。したがいまして、今回の改定がまさに10年を経て根本的に全面改定を行うという、予定の改定に当たっているということであります。誰もが中野のまちに魅力を感じ、安心して住み続けられるよう、住民に身近な最初の政府として将来を見据えた適切なビジョンを描いて区独自の政策を打ち出して実行していくため、基本構想の改定を進めているところであります。
10か年計画の年次計画化ということであります。
新しい中野をつくる10か年計画、この新しい10か年計画におきましても、基本構想を踏まえて目標を設定し、その実現に向けた取り組みの道筋を示すものというふうにしていくわけであります。総合的な計画の中に年次を明示して盛り込むと、ともすれば事業が硬直的になって自己目的化されて、財政の規模を考えない計画運営になったり、必要性が薄れた事業がそのまま行われたりといったような、そうした弊害が見られるところであります。そうしたことから、中野区ではこの10か年計画について目標を明示しておきながら、実際必要に応じて事業を柔軟に実施して、その途中の成果を評価をしながら、より効果的な取り組みに高めていくといった考え方をとっているところであります。
一方、各種のプロジェクトで最終的な年次を見定めたプロジェクトというのが幾つか出てくるわけでありまして、そうしたプロジェクトがしっかりと年次ごとに着実に推進していくよう、プロジェクト管理の中で年次的な進行管理はしっかり行っていきたいというふうに考えております。
それから、新区役所、新体育館の建設のスケジュールについてであります。
区役所につきましては、今年度第3回定例会におきまして整備基本構想の素案を御報告させていただき、後、区民意見交換会を開催する予定となっております。その後、第4回定例会において整備基本構想の案を報告し、当該案についてのパブリックコメントを実施していきたいと考えております。来年の第1回定例会においては、整備基本構想策定の御報告と中野区役所の位置の変更に関する条例案、こうしたものを提案していきたいと考えております。来年度は整備基本計画を策定し、設計に着手いたします。平成30年度には工事着手をして、平成32年度中の竣工を目指しているというものであります。体育館につきましては、今年度整備構想、整備基本計画、来年度に設計を行い、29年度から工事着手をして平成31年度中の完成を目指しているところであります。
新区役所、体育館建設の整備財源の確保についてであります。
新区役所整備に当たっては、民間の力も活用しながら現区役所敷地の資産価値を最大限に活用して財源としていきたいと考えているところであります。体育館につきましては、これを公園施設と位置付けることで都市公園事業としての国費補助など、できる限りの財源確保を目指していきたいと考えております。
体育館建設のスケジュールであります。
現時点での体育館の建設スケジュールによりますと、現体育館撤去と新体育館開設の間に1年間体育館が閉鎖をすることになるわけであります。新区役所につきましては、地域の防災機能や区民サービスの機能の向上を図るため、早期に整備する必要があるものであります。こうしたことのため、新区役所の着工をできるだけ早くしていきたいということで、急いでいるところであります。
体育館の閉鎖期間につきましては、大変御迷惑をおかけすることとはなりますが、他の施設の活用などを含めながら、御利用者の皆様の理解を何とか進めていきたいというふうに考えております。
それから、平和の森公園の既存のコンセプトの継承ということについてであります。
平和の森公園についての再整備に当たりましては、スポーツのニーズの高まりに応える機能を整備すること。また、公園の既存機能である防災機能を高めることや、区民の憩いの場としての機能の充実を図ること。また、平和の象徴として区民に受けとめられている意義などを踏まえて整備計画を策定することを考えているところであります。
それから、平和の森公園の下水処理施設の未整備部分の早期開設についてであります。
本件につきましては、これまでも中野区は東京都下水道局に対して早期の施設全面完成を要望してきているところであります。今後も引き続き働きかけを続けてまいりたいと考えております。
平和の森公園の今後の対応ということであります。
今年度整備構想・整備基本計画の策定を行うということでありますが、そうした構想や計画を検討する中では、東京オリンピック・パラリンピック開催の前に施設整備が完了できるように工程を的確に定めてまいりたいと考えております。
それから、次は西武新宿線沿線のまちづくりについての質問であります。補助220号線の整備についてであります。
補助第220号線は、中野区の南北の交通ネットワークを強化する大きな意義があると同時に、連続立体交差事業の交差道路として整備をすることで、連続立体交差事業の効果を最大限に発揮させることができる。また、地域の防災性向上にも大きく寄与できるということで、整備が不可欠の事業と考えております。したがいまして、整備を着実に推進してまいります。今後、事業を進めるに当たりましては、事業の段階に応じて説明会を開催するなど、地域や関係権利者の理解が得られるよう努めてまいります。
それから、沼袋駅周辺のまちづくりについてであります。
沼袋バス通り沿道の商店街は、当該地域におけるコミュニティの核として寄与している重要なものと認識をしております。一方、沼袋駅前周辺は歩行者や自動車が錯綜していることや、古い低層の建物が多く、駅前でありながら土地の高度利用が十分に進んでいない地域でもあります。このため、区画街路4号線の道路整備に合わせて沿道商店街のにぎわいの再生や、新たな顔となる駅前の拠点空間の創出によってよりよいまちづくりを進め、新たなにぎわいを一体的に創出していく必要があると考えております。
残地活用と共同化について。建物の共同化等のまちづくり手法は、道路整備によって生じる沿道残地を有効活用する上で極めて効果的であります。昨年2月に沿道敷地の関係権利者等に対して行った意向把握調査では、道路整備に合わせて残地を活用した土地の成形化や建物の共同化等を望む関係権利者の声もありました。区としては、関係権利者の生活再建を円滑にするためにも、こうした声を積極的に受けとめていくことが必要と考えております。今後も関係権利者の意向を確認しながら、道路整備に合わせて沿道の一体的なまちづくりについて取り組んでいきたいと考えております。
区画街路4号線沿道の統一感あるまちづくりについてということであります。
区画街路4号線沿道のにぎわいを再生する上では、道路の拡幅整備に合わせて統一感ある町並みを形成する必要があると考えており、このためには新たなまちづくりのルールが必要となります。区としては、区画街路4号線の事業化により、沿道建物の建てかえ更新が始まる前に地域の方々等の御意見を聞きながら、新たな沿道のまちづくりのルールづくりを進めてまいります。地区計画についてそれらを実現する手法の一つである、こう考えているところであります。
それから、沼袋駅周辺の防災まちづくりについての御質問もありました。
沼袋駅周辺地域は、木造住宅が密集していることや、4メートル以下の狭隘な細街路が多いことなどから消防活動困難区域があるなど、防災上の課題を抱えているところです。このため、延焼遮断機能や避難路としての効果も期待される区画街路第4号線の整備を進めるとともに、これを補完する地区内避難路の確保等、地域全体の防災性を高める方策などについて調査研究をしていきたいと考えております。
4号線の事業化スケジュールについて。
区画街路4号線の整備については、昨年2月に区が沿道敷地の関係権利者等に対して実施した意向把握調査の中でも、補償額の内容や事業化の見通し等を求める意見が多く出されているところです。また、先般行った西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)に対する意見交換会等でも同様の意見をいただいております。区としては、平成27年度中に事業認可を取得していきたいと考えております。
交通広場と地区集散道路第3号線の先行整備についてであります。
駅前交通広場は、そこにつながるアクセス道路の整備と相まって、鉄道とバス、タクシーなどの乗りかえの利便性の向上や地域交流の場として重要な役割を果たす都市施設であります。御指摘の点を踏まえて、駅前交通広場の整備と併せて地区集散道路第3号の早期整備に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、今後の野方以西のまちづくりの進め方についての御質問もありました。
まずは、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟による決起大会を開催し、国や東京都に要請活動を行って野方から井荻駅間の連続立体交差化の早期実現を目指してまいります。また、こうした連続立体交差の実現に向けて、野方駅以西のまちづくりの検討の熟度を高めていくことも連続立体交差化を実現するための大きな要素となってまいります。したがいまして、まちづくりの機運を醸成するため、地域住民全体のまちづくり検討組織を野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の駅ごとに立ち上げ、その活動を区が支援してまいります。
相互直通運転に関する進行状況についてであります。
相互直通運転に関する検討は、運輸政策研究機構が平成18年度に行った既存の鉄道都市ネットワークの改良による速達性向上施策に関する調査をもとにした中野区単独での研究内容となっております。また、西武新宿線の沿線区市に対して働きかけを実施してまいりましたが、協調体制を構築するまでには至っておりません。したがいまして、国や東京都、鉄道事業者への具体的な働きかけについては、今後の課題となっております。
区画街路第4号線の事業化のスケジュールについての答弁の中で、間違って申し上げたようですので訂正をさせていただきます。区画街路4号線の事業認可取得に関連して、先ほど私は平成27年度中というふうに申し上げたということであります。これは、正しくは平成28年度中と御答弁申し上げるべきものでありました。訂正をさせていただきます。
次に、新体育館と北部すこやか福祉センター等についてであります。
体育館は、区民のスポーツ大会等に活用するための施設であることから、スポーツ・コミュニティプラザとは基本的な事業内容が異なるものと考えております。また、公園施設として体育館を建設するため、建築面積などの制約があり、他の要素を取り込んだ体育館を建設するというのはなかなか難しいと考えております。また、沼袋駅前の開発につきましては、これから構想していく段階であり、区がその中に直接加わるということについては、現在は検討していないということであります。
私からは以上です。その他はそれぞれの担当のほうからお答えをさせていただきます。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 平和の森小学校の移転計画についてお答えをいたします。
矯正研修所の移転時期は、法務省より平成29年度中に移転する旨の回答は得てございますが、具体的な時期が示されてございません。移転完了後、敷地は財務省に引き継がれ、財務省が売却先を決定することとなっています。区としては引き続き法務省、財務省と調整の場を設定して情報収集に努めてまいります。しかし、平和の森小学校の移転につきましては、現在のところ計画どおり実施する予定でございます。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、マイナンバー制度に関する御質問のうち2点についてお答えをいたします。
まず、区独自のコールセンターの設置等についてでございます。
今後区報でマイナンバー制度の特集号を組むほか、ホームページ、ポスター等で周知を図ってまいります。また、本年10月から中野区独自のコールセンターを開設し、通知カード、個人番号カードに係る区民からの問い合わせに対応いたします。
次に、住基カードから個人番号カードへの切りかえについてでございます。
個人番号カードの利便性について区報、ホームページ等によりPRすることに加え、既に住基カードを利用している区民の方に個別に通知するなど、積極的に切りかえの促進を図ってまいります。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、マイナンバーの職員養成とセキュリティー、また地方との連携についてお答えいたします。
初めに、マイナンバーの職員の養成についてでございますが、マイナンバー制度や個人番号の適切な取り扱いに関する職員向けの手引の作成や説明会の開催などによりまして、マイナンバーを利用する職員が適切な対応を図れるよう、徹底していきたいと考えます。
また、セキュリティー対策でございます。マイナンバー制度において国が講じておりますセキュリティー対策としては、個人情報の分散管理や専用回線と暗号化による通信等のシステム面での対策のほか、個人番号の収集、保管等は法で定められた事務に限られることや、違反した場合の罰則の強化など、制度面での対策を講じています。また、個人情報の漏洩等のリスクを分析し、軽減するための措置を講ずることについての評価書を作成いたしまして、大規模な事務等については第三者の点検を受けるという、いわゆる特定個人情報保護評価を実施しているところでございます。区といたしましても、情報安全対策基準や実施手順の徹底を図り、マイナンバー制度の運用に当たっても十分なセキュリティー対策を実施していきたいと考えてございます。
次に、地方との連携のコンセプトについてでございます。介護施設を他自治体に求めても、直ちには多くの利用者の実現は図れないと考えてございます。介護が必要になる以前から幅広く住民同志の交流を深めることが現実的であると考えてございます。区は、これまで田村市との姉妹提携、なかの里・まち連携での5自治体との交流、青森市との交流、復興への協働を進めています4自治体との連携などを進めてきたところであり、これらの連携自治体との交流を深め、長期滞在、2地域居住、移住など、相互の地域活性化と発展につながるような段階的な交流の進化を目指していきたいと考えてございます。
次に、連携におけます高齢者のための環境整備についてでございます。
高齢者が移住等により豊かな暮らしを実現するためには、文化的、健康的な生活基盤、安心できるコミュニティ、医療・福祉サービスの整備等が必要であり、国におきましても、日本版CCRC構想といった考え方が提唱されているところでございます。そうした方策の一つの考え方として、地方と都市との住民双方にとってよりよい暮らしの実現という観点から、連携自治体との情報交換を進めてまいりたいと考えてございます。いずれにしても、幅広い住民同士の具体的な交流や生活文化的な親和性が基盤にならないと実現しないと考えてございます。現在行ってございます地域連携を基礎に、可能性を見出していけるか検討してまいりたいと考えます。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 平和の森小学校移転に関連しまして、これに付随するキッズプラザ等の配置についてという御質問がございました。
キッズプラザと学童クラブにつきましては、平和の森小学校の新校舎の建設に伴い、小学校内に整備・開設する計画に変更はございません。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) プレミアム商品券に関する3点の御質問にお答えをいたします。
まず、取り扱い店舗数についてでございます。プレミアム商品券の取り扱い店舗は、平成21年度事業では約2,000店舗あったことや、今回の20%のプレミアム率にかかる大型チェーン店、店舗等の新規参入などを鑑み、おおむね2,500を目標としたところでございます。区商連未加盟の店舗に向けた周知やチェーン店での本部の許可等に時間を要している面もございますが、大型店は平成21年度に比べて伸びており、今後も取り扱い店舗は増加していくものと考えているところでございます。
転売防止策についてでございます。
販売を先行している自治体において、一部ネットオークション等への出品が確認されている状況であり、購入や消費機会の平等、公平担保の観点からは、一部の者による規定数を超えた大量購入、転売は好ましいものではないというふうに考えております。一方、国の指針では新たな立法が必要であるなど、転売そのものを禁止とすることは困難であるとしており、画一的な規制は難しいものと考えております。今後販売状況や取り扱い店での利用、ネットオークションでの出品等を見極めつつ、発行主体である区商連と協議し、商品券の適切な利用に関する広報、周知などの対応を図っていきたいと考えているところでございます。
最後に、継続的な商店街の活性化策についてでございます。今回の事業により、プレミアム商品券の取り扱い店となって新たに区商連加盟となった店舗は、大型店を含め現時点で200以上あり、消費者の利便性はもとより、商店街運営基盤の強化につながったものと考えているところでございます。今後、オリンピック・パラリンピックに向けた観光施策との連携や他の自治体事例紹介、国や都の助成制度の活用に関する情報提供に加え、区商連との継続的な協議を通じて区民の暮らしの利便性の向上やコミュニティの核としての機能の強化など、さまざまな商店街の充実に向けた方策を検討してまいります。
〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕
○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、成年後見制度に関連した御質問にお答えをいたします。
まず、社会貢献型後見人の育成について、講習受講後から受任までの期間のフォローの取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。
講習修了者は、後見人等を受任するまでの期間、中野区社会福祉協議会と連携いたしまして後見人らの業務を学ぶ講座への受講や、生活支援員としての登録をした上で認知症高齢者、知的障害や精神障害のある方への日常生活支援の実務を行うなど、受任に向けた取り組みを行っています。
また、養成講座の隣接区との共同開催についての御提案がございました。現在、区による養成講座の開催を予定しているところでございますが、効果的な講習内容や他自治体の状況、また、講習修了者への十分な支援の方法など、中野区社会福祉協議会と共同して今後検討していきたいと考えてございます。
次に、法人後見への支援についてのお尋ねがございました。
法人後見の育成につきましては、マニュアルの整備を含めまして、引き続き中野区社会福祉協議会と協議を進め、支援策を検討してまいります。現在は、法人後見を行うNPOづくりなどにつきまして相談があった場合は、法人後見としての実績のある社会福祉協議会における取り組みを御案内しているところでございます。当面は中野区社会福祉協議会へ委託してございます成年後見センターを中心といたしまして、NPOづくりの支援相談なども含めまして各種支援事業の充実、拡充に向けて取り組んでいく考えでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 浦 野 さとみ
1 区長の政治姿勢について
(1)安全保障関連法案等について
(2)行政報告について
(3)基金の活用について
(4)その他
2 平和の森公園内への新体育館建設計画について
3 新井薬師前駅周辺のまちづくりについて
4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、浦野さとみ議員。
〔浦野さとみ議員登壇〕
○31番(浦野さとみ) 2015年第2回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他の項はありません。
質問に先立ちまして、4月の区議会議員選挙では、日本共産党議員団7名全員議会へと送っていただきました。一つひとつの公約の実現に向けて、区民の皆さんと一緒に力を尽くしていく決意です。
それでは、質問に移ります。
初めに、区長の政治姿勢について。
まず初めに、安全保障関連法案等についてお伺いいたします。
今、国会では集団的自衛権行使容認を柱とした昨年の閣議決定を具体化するための「安全保障関連法案」の審議が行われています。この法案は、これまでの憲法解釈を根底から覆すもので、この間の国会審議からもこの法案の危険な中身がますます明らかになっています。加えて、政府自身が法案の提出根拠すらまともに説明できない状態ともなっています。
この法案は「日本が攻撃されていないのに、アメリカの起こす戦争にいつでもどこでも参加、支援することができる」「アメリカが無法な攻撃をしても、自衛隊が戦闘地域まで行って弾薬や武器の輸出などの軍事支援をすることができる」「攻撃を受ければ武力の行使も可能となる」まさに「戦争法案」であり、憲法9条を根底から壊すものです。
世論調査でも、6割近い方が反対をし、8割を超える方が「今国会での成立はすべきではない」と全国各地で抗議の声が上がり、連日のように抗議行動が行われています。6月4日の衆議院憲法審査会では、参考人の憲法学者3氏全員が本法案について「憲法に違反する」との認識を表明しました。また、一昨日の衆議院安保法制特別委員会参考人質疑でも、内閣の憲法解釈の中心を担った元法制局長官も憲法違反と主張するなど、本法案の違憲性がますます明白になりました。さらには、憲法学や政治学以外の方からも声が上がり、「安全保障関連法案に反対する学者の会」のアピールに賛同する学者・研究者は、本日の9時時点で6,600人を超えたとのことです。憲法違反・立憲主義にも反するこの法案は、撤回・廃案する以外にないと考えます。本法案に対する区長の見解を伺います。
ことしは戦後70年になります。憲法擁護非核都市である中野区の区長として、戦争法案の法制化に反対の意思を示してください。併せて伺います。
次に、横田基地へのオスプレイ配備について伺います。
先月の12日、日米政府は、米軍横田基地に垂直離着陸機CV22オスプレイ10機を配備すると発表しました。2017年後半までに3機を、2021年までに7機を追加配備するとしています。海兵隊所属のMV22オスプレイは既に沖縄に配備されていますが、空軍所属のCV22オスプレイの配備は日本で初めてとなります。このCV22は、特殊作戦機として使用されており、横田基地が特殊作戦機部隊の拠点になる可能性すらあります。米軍専用の横田空域は、1都8県にまたがり、日本の人口の3分の1を占める首都圏上空一帯が訓練空域として危険にさらされることになり、この中野区内の空も通ることになります。この配備計画発表後、ハワイにてMV22オスプレイ墜落事故が起きましたが、CV22オスプレイの事故率は、このMV22の7倍近くに達するという数字もあります。区民の安全を守る立場から、横田基地へのオスプレイ配備計画は撤回するよう国に求めるべきと考えます。見解を伺います。
この項の最後に、労働者派遣法の改正について伺います。
この法案は、派遣は臨時的、一時的業務に限るという大原則を担保する派遣制限を取り外し、人を入れかえれば永久に派遣労働を使い続けられる内容であり、「正社員ゼロ」「生涯ハケン」法案とも言うべき内容です。全国52の弁護士会のうち、41弁護士会から反対する会長声明や意見書が出されています。派遣可能期間を撤廃すれば、正社員から派遣への置きかえが大規模に進む可能性があり、また、派遣労働の常用化が進めば、雇用の不安定化・低賃金化がもたらされることは明らかです。加えて「残業代ゼロ」制度などを創設する労働時間法制の規制緩和も行われれば、長期過重労働を助長することにつながります。現在でも指摘されている貧困と格差がさらに拡大し、固定化する危険も大きくなります。先週19日に審議が不十分な中、衆議院厚生労働委員会と本会議で強行採決がされ、これから参議院での審議が始まります。若い方が置かれている就労の実態等については、あす、いさ区議が具体的に取り上げる予定ですが、こうした労働法制の問題について区長の見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、行政報告について伺います。
区長は、一昨日の行政報告の中で「経済は長期間の低迷を余儀なくされています」と触れ、「最近は国の経済政策効果もあり、緩やかな回復基調にあるとされる状況とはなっていますが、全体として新たな経済成長の軌道を描き出すことはできていません」と述べています。
先週18日に厚生労働省が発表した4月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金指数は前年同月比で0.1%減と、24カ月連続のマイナスとなりました。日本経済はさらに深刻さを増しています。先日、区内で数十年飲食店を営んできた50代の方から「何とかこの間自転車操業でお店を続けてきたが、この二、三年は売り上げも落ち、借金をしないと商売が続けられない状態となった。今月末でお店を閉じるしかなく、来月からの生活をどうしたらよいか」との相談が寄せられました。区民の暮らし向きや中小経営の御商売の状況がよくなっているとは決して言えない状況です。これまで区長は、アベノミクスへの評価を示していましたが、現在も同じような評価をされているのでしょうか。経済全体を立て直し、財政再建を進めていくためには、何よりも個人消費をふやし、中小企業応援の施策への転換が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
次に、今年度から開始を予定しているマイナンバー制度について伺います。
ことし10月から、住民票を持つ全員に生涯変わらない番号を割り振り、来年1月から税・社会保障分野で国が管理を強めるこの制度については「プライバシーの問題はもちろん、この制度の目的が社会保障削減にあること、情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなること、一度漏れた情報は流通・売買され、取り返しがつかなくなること」などを指摘してきました。この期間、日本年金機構で100万件を超える年金の個人情報が流出する問題が起きました。国の公的機関からこれだけの個人情報が流出した前例はなく、NHKの世論調査でも76%の方が情報流出と悪用に不安を感じると回答をするなど、多くの方が不安を感じています。年金機構だけの問題だけでなく、厚生労働省が手だてを講じていなかったこと、流出が発覚した意向の対応についても次々とその問題が明らかになりました。マイナンバーが対象とする個人情報は、医療保険だけでも9,000万人を超えることになります。年金情報流出の検証も対策も進んでいない中での本制度施行は、あまりにもリスクが大きいのではないでしょうか。国に対してマイナンバー制度は中止すべきこと、少なくとも実施の時期を見送るべきであることを求めるべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、基金の活用について伺います。
今年度の財政運営の考え方によれば、昨年度末の基金残高が511億円であり、さらに今年度末にはプラス12億円の523億円に積み上がる見込みとなっています。この年度当初からも、財政調整基金16億円を積み増ししています。この期間、「財政非常事態」として、月にわずか5,000円の障害者第二種手当の削減や区内4カ所の高齢者福祉センターを廃止するなどしてきましたが、こうした基金残高を見ると、お金がないわけではないということがはっきりしています。先ほども少し触れたように、区民の暮らしや御商売が大変な今、財政調整基金等を活用し、切実な願いに応えるべきと考えます。以下、4点について伺います。
国民健康保険料の通知書が先週半ばから各世帯へ届きました。前年度比で平均で年間3,000円強の値上げとなり、通知が届いた方からは「毎年の値上げで、もうこれ以上の負担は耐えられない」などの声も寄せられました。区へもそういった電話が入っていると伺っています。今、国民健康保険料は約3世帯に1世帯が滞納し、払いたくても払えない状況が続いています。一般会計からの繰入金をもっとふやすなどして、保険料を抑えることが必要ではないでしょうか。
2点目、区立小・中学校の特別教室の完全冷房化を早期に進めていくことについて伺います。
区では、今年度中に小学校の「図工室」・中学校の「理科室」については設置を完了させる予定です。しかし、小学校では「理科室と家庭科室」が、中学校では「美術室・技術室・家庭科室」については未設置が多く残されています。夏の気温は35度を超え、やぶ蚊や周辺への騒音対策等で窓が開けられずに、季節によってはとても厳しい状況下で授業が行われていると伺っています。猛暑が続くような最近の気候では、集中力の低下や熱中症なども懸念されます。生徒がよりよい環境で学べるようにするためにも、特別教室の完全冷房化をという声は毎年中学校PTA連合会からも要望として出されています。
今月の15日、東京都は各区市町村教育委員会教育長宛てに「公立学校施設冷房化支援特別事業実施要項の一部改正について」という通知を出しました。この中では、支援対象教室の拡大が示され、本制度の活用で特別教室の冷房化をと示されています。支援対象教室には「理科室、家庭科室、調理室、被服室、図工室、美術室及び技術室またはそれに準じた教室」が加えられました。ぜひこの制度も活用しながら、また基金も積極的に活用しながら、区立小・中学校特別教室の冷房化を一気に進めていくべきではないでしょうか。答弁を求めます。
防災について2点伺います。
ことしは阪神・淡路大震災から20年、東日本大震災から4年となりました。最近も全国的に大きな地震が相次いでおり、首都圏でも大きな揺れを感じる地震もありました。住宅や建物が密集している都内においては、建物の耐震化や出火防止という予防対策をさらに重視していくことが求められます。国はことし3月に「首都直下地震緊急対策推進基本計画」を改定し、住宅等の耐震化や家具の固定化についても具体的な目標率を定めました。特に、生命、財産にかかわる被害の軽減に大きく関係する住宅や多数の方が利用する建築物の耐震化率は、5年後の平成32年までに全国で95%を目指すとしています。区では、住宅の耐震化促進事業として耐震診断や建てかえなどの支援は行っていますが、住宅の耐震補強工事助成など、事業全体の拡充を行って区内における住宅の耐震化を進めていくべきではないでしょうか。見解を伺います。
もう1点、地震の際に自動的に電気を遮断する感震ブレーカーの普及について伺います。
さきに述べた国の基本計画の中で、地震に伴う火災対策として、電気に起因する出火の防止が極めて重要とし、延焼のおそれのある危険な特定地域では、感震ブレーカーの普及率25%を目指すという具体的数値目標が初めて示されました。昨年の第3回定例会決算特別委員会総括質疑において、当区議団としても感震ブレーカーについて普及促進や区としての補助制度検討について取り上げてきました。区としても「都の対応を見ながら検討していきたい」との答弁がありました。今回の国のこうした方針も受け、区としても普及啓発や設置促進のための対策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求め、この項の質問を終わります。
次に、平和の森公園内への新体育館建設計画について伺います。
第1回定例会において「新区役所・新体育館の整備について」報告がされました。これまで四季の都市(まち)区域3区有地を候補として進められてきた新区役所・新体育館の配置について、新区役所についてはこれまでの方針どおり、一方、新体育館については平和の森公園内に整備するものとして検討を進めたいとの内容でした。新体育館については、2019年度(平成31年度)中の竣工というかなり過密で強引なスケジュールまで示され、そのため今年度中に基本構想・基本計画を進めるための補正予算4,000万円が計上されるという事態になりました。そこで、以下7点について伺います。
当初、体育館の配置については「旧九中(旧中野中)跡地」で検討を進めると説明がされてきました。しかし、その計画が現在の体育館と体育館南側にある駐輪場を含めた「区域3区有地」へと変更されました。この「区域3区有地」に変更になった理由については、「防災の観点からも一定規模の屋内空間がこの場所に必要である」との説明がされてきました。改めて確認をしますが、体育館の配置が「旧九中(旧中野中)」でなくなった理由をお答えください。
今述べた理由から、体育館の配置については「区域3区有地」での検討がこの期間行われてきましたが、今回「四季の都市(まち)の中にある事業者や大学等の議論が進む中で、体育館がこの四季の都市(まち)になくても一定規模の屋内空間が構築されるということが確認できた」ということで、再再度の変更となりました。あまりにもその時々の区の都合で説明をしているように思えてなりません。では「区域3区有地」でそもそも想定していた「一定規模の屋内空間」とはどの程度なのか。また、四季の都市にある事業者・大学等で「一定規模の屋内空間が構築されることが確認できた」というのは、どの程度なのかについて併せて具体的にお答えください。
3点目、新体育館の規模について伺います。
体育館の規模については、本格的なスポーツが行える施設としても検討していくことが明らかになりました。規模について考え方が示されたのは今回が初めてとなります。そもそも区域3区有地で検討していた体育館の規模と、平和の森公園内で検討していく体育館の規模について違いがあるのでしょうか。そして、その規模とはどの程度を想定しているのか伺います。
今回、こういった規模での体育館を建設するに当たり、平和の森公園以外の場所は検討をされていません。なぜほかの場所の検討がされていないのか、その理由も併せてお答えください。
4点目、防災面について触れます。
江東区の白髭防災団地、杉並区の蚕糸の森公園、そして中野区の平和の森公園などを手がけてこられ、戦後の都市防災において中心的役割を果たしてきた防災の専門家である村上處直先生によれば「人間は空間があってこそ生存可能」と、災害とオープンスペースについて述べられています。平和の森公園周囲の大きな木々は、防火林としての役割も果たしています。区民の方からは「仮にこの公園内に体育館が建設された場合、防火樹林としてのこうした木々が伐採されるのではないか」との声も出されています。仮にこの公園内に体育館が建設された場合、現在の緑が、大きな木々が伐採されることにはならないのでしょうか、伺います。
5点目、現在の平和の森公園に対する区の認識について伺います。
この公園は、自由に使える区内最大規模の草地広場があり、子どもが自由に駆け回る、家族でゆっくりくつろげる場としても大変に多くの方に親しまれています。また、広場の周囲はジョギングやウオーキングなどで幅広い層の方が利用しています。この緑豊かで「自由」に「いつでも」出入りできる大きな広場があることが、この公園の最大の魅力という声も多く耳にします。こうした利用をされている現在の平和の森公園について、どう認識をされているのか伺います。
6点目、今回、この計画はまだ具体的な図面などは示されていません。しかし、ある区民の方から「新体育館の場所は、現在少年野球場がある場所に建設され、体育館の延べ床面積は1万平方メートルで、地上3階・地下1階となるようだ。現在の草地広場に公式の300メートルトラックを設置するような具体的な図面が掲載されているチラシがポストに入っていた」との情報が寄せられました。議会にも報告をされていない、ましてや図面なども出されていないにもかかわらず、なぜこうした具体的な情報が出ているのでしょうか。これは事実なのか伺います。
最後に、今回の計画はあまりにも区民を無視したものとなっていることを改めて指摘をいたします。
そもそもこの場所は中野刑務所があった場所ですが、当時、刑務所の移転のための大きな運動があり、さらにこの跡地に緑の広場と避難場所をつくろうと、幅広い区民の皆さん、中野区、中野区議会が一体となって、長年の運動の結果、現在に至っています。何度にもわたる区民大会、国や都への陳情・要請、さらには「緑の広場と避難場所」を基本とする跡地利用に関する諸問題を協議し、区民の合意の形成に資するために「中野刑務所跡地利用を考える区民協議会」が設置され、その中でも繰り返しの話し合いがされたということをお聞きしました。こうした歴史と経過がある公園に突如体育館建設をというのは、これまでの歴史と経過をも無視するものにはならないでしょうか。
1978年(昭和53年)12月23日付で当時の新井沼袋野方地域の町会・自治会長さんが連名で当時の大内区長宛てに出された「中野刑務所跡地利用計画に関する要望書」には「中野区が買収する約3分の1の敷地は区民の憩いの公園とし、いかなる理由があっても公園に付随する以外の施設は絶対に建設しないこと」と書かれています。そもそもこの場所に構造物を持ってくること自体が認められないのではないでしょうか。この点についての見解と、こうした歴史と経過についてはどう認識をされているのでしょうか、答弁を求めます。
体育館自体の建てかえは、老朽化の面などからも必要なものと考えており、新体育館建設自体を否定しているわけではありません。しかし、どういった規模にしていくのか、体育館のあり方、その配置場所については区民参加で検討していくことが何よりも大切と考えます。今回、こうした議論なしに突然としてこうした歴史と経過がある平和の森公園内に新体育館建設計画が出されたこと、何よりもその発端として、まだ使える区役所・サンプラザの一体開発計画に押される形で今回の計画が出てきていること、こんなにも大事なことを区民には知らせずに、計画を推し進めようとする区のやり方は間違っています。その点を踏まえ、本計画は一旦白紙にすべきことを申し添え、この項の質問を終わります。
最後に、新井薬師前駅周辺のまちづくりについて伺います。
先月の5月中旬に「新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地区に関する西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)」に対して、住民の皆さんとの意見交換会が開催されました。計4回行われ、延べ140人が参加されたとのことです。ことし3月に、約2年間の議論を踏まえて地元地域の「まちづくり検討会」で取りまとめられた「まちづくり構想」が提案され、それを受けての今回の素案であると認識しています。しかし、地元地域からは「まちづくり検討会での意見が反映されていない」「まちづくり検討会では議論していない補助220号線についての報告が中心だった」「意見交換会においても説明が不十分だった」などの意見も寄せられています。
第1回定例会、私の予算特別委員会総括質疑の中において、「まちづくり検討会で取りまとめられた構想が提案された以降も、区や西武鉄道などの情報もきちんと住民へ開示していくこと、区民の声をしっかり反映させて区民の合意のもと進めていくことが大前提である」ことを指摘し、この際、副参事からも「地域住民の要望を踏まえて進めてまいりたいと考えており、適宜情報発信、意見を収集する機会を設けていく」との答弁がありました。そこで伺います。今後、まちづくり全体を進めていく上で、意見交換会で出された意見も含め、引き続き住民の声を丁寧に聞きながら、きちんと合意のもとで進めていくべきと考えますが、そのことについての認識を伺います。
都市計画道路補助220号線について2点伺います。
補助220号線は、本町四丁目の十貫坂上交差点を起点とし、松が丘一丁目の新青梅街道までを結ぶ線となります。このうち、早稲田通りから新青梅街道までの約1.6キロメートルについて、一昨年度と昨年度の2年間で現況測量が行われていますが、補助220号線は約50年前の都市計画決定であり、この計画すら知らない方も多くいます。この線上には住宅も多く、上高田三丁目には「たきび」の歌発祥の地が、また、上高田五丁目には上高田小学校や上高田児童館などとも一部重なるものとなっており、住民の方からは不安の声を多く伺っています。仮にこの計画を実施する場合、どれだけの世帯の立ち退きが生じることになるのか、伺います。
区は、西武新宿線地下化に合わせて鉄道交差区間の約90メートル部分から順次事業化を進めていきたいとしていますが、近隣住民からは「自分の家がその線上に該当するのか」「工事期間やスケジュールはどうなっているのか」などの声が聞かれています。この約90メートル部分においての立ち退きが想定される建物数はどの程度なのか、工期の具体的なスケジュールはどう計画しているのか、併せて答弁を求めます。
どのような場合においても、まちづくりはそこに住み・暮らす「地域住民の合意」が何よりの大前提です。区民への丁寧な情報提供、住民との合意形成のもとで行っていくことを改めて申し添え、全ての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 浦野議員の御質問にお答えをいたします。
安全保障関連法案に対する見解をと、こういう御質問でありました。
安全保障政策は国の重要な責務であり、安全保障の確立にかかわる法整備は国会で行われるべきことであります。政府と国会において責任を持って立法し、その執行を行うというものだと考えております。憲法判断につきましては、司法の役割であるというふうに考えております。
オスプレイの配備・運用についての見解を求めるという御質問がありました。
オスプレイの配備・運用については国防の問題であるため、区として見解を述べる立場にはありません。
それから、労働者派遣法案に対する区の見解をという御質問でありました。
改正が予定されている本法案は、派遣労働者の一層の雇用の安定、保護を図るため、労働者派遣事業の許可制や正社員化を含むキャリアアップ、雇用継続を推進するためのものと認識しております。この改正によって、派遣元は派遣労働者に対する計画的な教育訓練や派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供などの雇用を継続するための措置が義務付けられるものであります。低賃金の拡大や残業代ゼロで長時間労働が加速するといったこととは考えておりません。
アベノミクスについての評価をということであります。
政府による金融政策や財政政策によって着実に雇用の改善や所得の上昇傾向につながっております。3期ぶりの成長となった内閣府の10月から12月に引き続き、1月から3月の速報値では実質1.0%の成長となり、景気回復は引き続き緩やかに進んでいるわけであります。政府による金融政策や財政政策の成果があらわれている、この認識に変化はありません。今後の持続的な経済成長を達成するためには、経済成長戦略の力強い推進が不可欠であります。区においても経済成長戦略を契機として、個人消費の増加や中小企業の振興をさらに進められるよう、施策の展開を進めたいと考えております。
マイナンバー制度を中止する、あるいは延期をするといった要求をするべきだという御質問であります。
年金情報の漏えい事件については、日本年金機構の職員が外部からの不審な電子メールを開封したことにより、日本年金機構のシステムに不正アクセスが行われた結果生じたものであり、マイナンバー制度とは関係のないことと考えております。
マイナンバー制度については、個人情報の分散管理や専用回線と暗号化による通信等のシステム面での対策のほか、個人番号の収集・保管等は法で定められた事務に限られることや、違反した場合の罰則の強化等の制度面での対策が講じられているところであります。また、個人情報の漏えい等のリスクを分析し、軽減するための措置を講ずることについて評価書を作成し、大規模な事務等については第三者の点検も受けるという、いわゆる特定個人情報保護評価も実施をしているところであります。国に対しましては、個人情報保護に関して万全の措置を講じていることを国民に丁寧に説明すること、また、マイナンバー制度の導入を予定どおり確実に実施することについて全国市長会を通じて求めているところであります。
私からは以上です。その他はそれぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 特別教室の冷房化についてお答えをいたします。
特別教室の冷房化については、これまでも計画的に整備を進めてございます。冷房未実施の特別教室につきましても、国や都の補助金などを活用し、引き続き計画的に整備してまいります。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、基金の活用についての御質問のうち、繰入金の増額による国民健康保険料の引き下げについてお答えをいたします。
国民健康保険料を引き下げるために一般会計からの繰入金を増額することは、国民健康保険の被保険者以外の区民に負担を求めることになるため、公平性の観点から適切でないと考えております。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、耐震補強工事の補助についての御質問にお答えをいたします。
区は、個人の財産形成につながることになる耐震改修には補助しないことを原則としております。なお、耐震化の促進策につきましては、現在東京都が閣議決定を踏まえまして耐震促進計画の見直し等の検討を進めていると聞いております。今後区としても東京都の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
次に、感震ブレーカー普及促進についての御質問でございます。
国においては、首都直下地震緊急対策推進基本計画の中で、電気に起因する火災を防止するため、感震ブレーカー等の普及を加速する取り組みを行うことが示されております。引き続き国や都などの動向を見ながら普及促進について検討してまいりたいと考えております。
次に、平和の森公園の樹木についてでございます。平和の森公園の整備につきましては、今後整備構想、整備基本計画を策定する中で施設の内容、配置を検討していくことになります。整備に当たっては、防災上や区民の憩いの場としての機能が高まるよう公園全体を再整備していきたいと考えており、樹木につきましても十分に配慮して進めてまいりたいと考えております。
平和の森公園の草地広場の利用についてでございます。草地広場につきましては、広々としたオープンスペースであり、区民の憩いの場やジョギングなど、さまざまに利用されていることは十分認識しているところでございます。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 中野四季の都市(まち)区域3での新体育館検討理由についての御質問にお答えいたします。
東日本大震災の経験を踏まえ、中野四季の都市(まち)を含む中野区役所一帯の防災拠点機能について、新たな観点から拡充をしていくこととしたものでございます。オープンスペースに接した一定規模の屋内空間を確保することにより、防災機能の向上を図るため、区域3区有地を新体育館の建設候補地として検討してきたところでございます。
次に、中野四季の都市(まち)の屋内防災空間についてお答えをいたします。
新たに開校した大学や民間事業者との連携により、帰宅困難者の受け入れや備蓄物資の保管場所確保など、一定規模の屋内空間による防災機能の拡充を図っているものでございます。防災機能の拡充に係る中野四季の都市(まち)の民間事業者との協力連携については、協定により担保しているところでございます。
〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕
○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、新体育館の規模、また建設場所の理由についての御質問にお答えをいたします。
現在の中野体育館を建てかえするに当たっては、施設の老朽化やバリアフリー対策など、区民が快適にスポーツに親しむための環境整備を行うほかに、さらなるスポーツ機能の充実を目指しております。規模といたしましては、区民スポーツ大会等が円滑に実施できる程度を想定してございまして、今後整備構想、基本計画を策定していく過程でさまざまな可能性について検討し、決定してまいりたいと考えております。区民のスポーツへの参加を高めていくためには、体育館とともに屋外スポーツ施設機能を併せ持つことが効果的であるとの考えに至りまして、これが実現できる大規模な敷地面積を持ち、かつ区内から一定のアクセスのよさを備えた場所としては、平和の森公園が最適な条件を備えていることから選定したものでございます。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、体育館の建設計画の情報発信と平和の森公園の過去の経緯についてお答えいたします。
初めに、体育館の建設計画の情報発信でございますが、チラシにつきましては区が関与しているものでもございませんし、承知しているものでもございません。
次に平和の森公園の過去の経緯についてでございます。平和の森公園の整備計画につきましては、スポーツニーズの高まりを踏まえてスポーツ機能の充実を図るとともに、全体を再整備することによって、既存機能でございます防災機能、区民の憩いの場の機能、平和の継承を向上させることを考えてございます。体育館につきましては、公園施設であり、中野刑務所跡地利用を考える区民協議会の報告とも一致していると考えてございます。御質問のような懸念はないと考えています。
〔西武新宿線沿線まちづくり担当部長角秀行登壇〕
○西武新宿線沿線まちづくり担当部長(角秀行) 私からは、新井薬師前駅周辺のまちづくりについてお答えさせていただきます。
まず、まちづくりの進め方についてでございます。まちづくりを進めていく上で、段階に応じて説明会を開催するなど、地域や関係権利者の理解が得られるよう努めております。
次に、補助第220号の整備につきまして、中野区内の早稲田通りから新青梅街道までの区間で対象となる建物については、約90軒です。関係権利者の全体数につきましては、事業の段階に応じて今後調査の上、把握していきます。
補助第220号の鉄道交差部の整備についてでございます。補助第220号の鉄道交差部については、今年度事業化する予定です。なお、事業区間内で対象となる建物数は8軒でございます。
○議長(北原ともあき) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時22分休憩
午後3時41分開議
○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 行政報告について
(1)自治制度について
(2)中野区基本構想の改定について
(3)子育て支援について
(4)ICT活用と個人情報保護について
(5)その他
2 家庭ごみ有料化について
3 その他
○議長(北原ともあき) 森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○27番(森たかゆき) 平成27年第2回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。
質問に先立ちまして、行われました中野区議会議員選挙について一言申し上げます。
私ども民主党議員団、公認候補5人全員の当選をさせていただきました。区民の皆様からいただいた負託に応えられるよう、厳しく行政運営をチェックしていくとともに、あらゆる区政の課題に対して建設的な政策提案を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。
それでは、質問に入ります。
初めに1、行政報告について、(1)自治制度についてで、まずは議会と執行機関の関係について区長の見解を伺います。
区長は、先日行われた大阪都構想に関する集会に登壇をされ、特別区の公選の区長として自分がやってきたこと、やらなかったことについてさまざまお話をされておりましたが、その際、自分の判断としてやらなかったこととして挙げたものの中に、給食食材の放射能検査が含まれておりました。これは、福島第一原発事故を受けて区民から実施を求める陳情が出され、それを議会が趣旨採択しているものであります。このとき挙げられていた他の項目はともかく、こうした経緯のある給食食材の放射能検査を「自分の判断としてやらなかった」とする発言は、当時区議会でこの陳情の採択に賛成した1人として受け入れがたいものがあります。行政報告の冒頭で区長が述べられた、議会と執行機関の関係について特に異論があるものではございませんけれども、こうした発言を聞きますと、区長が議会の判断・決定の重みについて実際どのように認識しているのか疑念を持たざるを得ません。こういった疑念にどのようにお答えになるか、見解を伺います。
もう1点、大阪都構想に関連して伺います。
先月17日、大阪都構想の是非を問う住民投票が行われ、僅差で否決という結果になりました。都構想は現在の大阪市を五つの特別区に分割するものであり、自治制度のありようを問うものでありました。しかし、この構想に賛成される方々の意見の中には、経済成長に資するといったような理由で肯定するような見解が散見されました。多くが五つの特別区が競い合うことによって、それが経済発展につながるのだ、こういったような意見だったというふうに認識しております。大阪都構想を主導した当の橋下徹氏が知事をされていた時代の大阪府の自治制度研究会が「経済と大都市制度の因果関係を明確に立証することは困難である。大阪の停滞はむしろ運用面での特殊性に起因することが大きい」と結論付けていたことを考えると、とても奇妙な話ではありますが、結局投票が行われるまでこうした議論が行われておりました。
理論上で考えても、都区制度の特徴である都区財政調整制度は、通常の市であれば当該自治体の収入になる税を一度都に集めた後、その一部を区域内の自治体に再配分する仕組みであり、競争を促すというよりは、むしろ区域内の自治体の役割分担を促す制度ではないかというふうにも理解ができます。23区を見ても、千代田区や港区のようにビジネスエリアとして発展してきた区域もあれば、中野区や杉並区のように住宅都市として発展してきた区域もあります。大阪都構想の是非は結論が出ましたけれども、東京の都区制度改革の議論はこれからも続けていかなければいけません。その際、自治制度と経済の関係をどう理解するかというのは一つの大きなポイントになるのではないかと考えます。そこで伺います。区長は大阪都構想について「ぜひ実現していただきたい」と述べておられましたが、自治制度と経済の関係についてどのような見解をお持ちなのか伺います。
自治制度についてもう1点伺います。
区長は行政報告の中で「今後はいや応なく本格的な自治体行政の時代がやってくると思っています」と述べられました。私もそうなるべきであると考えますが、しかし実際には法人住民税の一部国税化等、それに逆行するような動きも見られます。また、地方交付税の不交付団体であること、都区財政調整制度があることなどによって区の歳入歳出が大きく影響を受ける、こういったこともあります。こうしたことが続きますと、現場でさまざまな工夫を行い、歳出の削減に努めている職員のモチベーションを奪ってしまうのではないか、こうしたことも懸念がされるところです。本格的な自治体行政の時代の実現には、自分たちの努力がしっかりと税収増や歳出減につながる、そうした税体系の実現が不可欠です。これまでもそうした制度の実現に向けて努力されてきたところとは思いますが、あらためて各地方の自立につながる税体系の実現を国に向けて主張していくよう求めたいと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
続いて、中野区基本構想の改定についてお伺いします。
基本構想の改定に向けた議論が進んでいます。そこで改めて現行の基本構想と先日提出されました基本構想審議会の答申を熟読いたしましたが、どうしても総花的な印象が拭えません。基本構想の性質上、区政の課題、取り組みについて網羅的に記載しなければいけない、そのことは理解をします。しかし一方で、基本構想は中野区の行政運営の基本の基本になる計画であります。改定に当たっては、これからの中野区がどういったまちを目指していくのかが区民にわかりやすく伝わる、そういった明確な方向性、メッセージ性を打ち出すことも必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、そのためにも目指すまちの姿について単なる並列ではなくて、優先順位づけを行っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。この点についても見解を伺います。
区は、ICT・コンテンツ産業やライフサポート産業をターゲットとして産業振興施策を進めています。一方で、現行の基本構想にも審議会の答申にも「小さな区役所」ということが書かれております。今後の議論次第ではありますが、現時点ではこの「小さな区役所」という方針は今後も踏襲をされていくんだろうというふうに思っております。この「小さな区役所」という言葉は、明らかに「小さな政府」の区役所版ですが、その根本にあるのは、民間にできることは民間に任せる、公は市場に口出しをするべきではない、こういった発想です。そういった観点から考えたときに、現在の中野区の産業振興施策は市場に口を出し過ぎているのではないでしょうか。基本構想改定に当たっては、この「小さな区役所」という方針と産業振興施策のあり方について区の役割はどこにあるのか、区は何をどこまでやるべきなのか、何ができて何ができないのか、こうしたあたりの考え方を再整理するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
続いて、子育て支援についてお伺いいたします。
区長は、行政報告の中で「合計特殊出生率が全国で最も低いグループに属する中野区として、出生率向上の具体的な取り組みをしていかなければいけない」と出生率向上に向けた取り組みを進める決意を述べられました。そのことは歓迎したいと思うのですが、一方で具体的な目標を設定するかどうかという点については明言がされませんでした。また「出生率向上へと目標を明確化して取り組みを進めるためには、これまでにない創意工夫が必要です」とも述べられております。「先に目標を設定して、それを達成するためにさまざま創意工夫をしていく」、こういうことならば理解できるのですが、「目標を明確化し、取り組みを進めるために創意工夫が必要だ」というのでは、順序が逆なような気もして、区長がここで具体的に何をおっしゃろうとしたのか、この発言だけでは理解しかねます。発言の趣旨をもう少し詳細に御説明いただきたいというふうに思います。
いずれにいたしましても、出生率の向上を一つの課題として取り組みを進めていくということにはなろうかと思います。出生率向上を実現するためには創意工夫ももちろん必要ですが、まずはなぜこれだけ今の出生率が低いのか、その要因の分析が必要不可欠です。もちろんさまざまな要因があると思いますが、一つ指摘できるのは、夫婦の「理想の子どもの数」と「実際の子どもの数」のギャップです。
2010年に実施された第14回出生動向基本調査によりますと、夫婦が理想と考える子どもの数は?4人に対して、完結出生児数(夫婦の最終的な子どもの数)は1.96人にとどまっています。前定例会の予算特別委員会でも申し上げましたが、出生率向上の取り組みは、戦前のような「産めよふやせよ」になってはいけません。個人や家族で「子どもは産まない」、こうした選択をする、そのこと自体は尊重されるべきであります。その上で「産みたいと思っていても、さまざまな要因があって産めない」方がいらっしゃる、そういった方々への支援を行うべきである、このことは再度申し上げておきたいというふうに思います。
さて、この第14回出生動向基本調査は「予定子ども数が理想子ども数を下回る理由」についても聞いており「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」という回答が全世代で最も多くなっております。特に若い世代ほど割合が高く、30歳未満では80%を超えています。こうした子育てに関する金銭的な不安感が生じる背景には、相応の理由もあります。例えば、文部科学省のホームページに掲載されている教育段階別の在学者1人当たりの公財政教育支出の日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの5カ国比較を見てみると、日本は全教育段階で5カ国中最下位となっています。特に就学前段階に至っては、4位のドイツ、約4,100ドルに対して日本、約2,140ドルとダブルスコアに近い差をつけられています。子育てにかかる費用の公的支出割合の増加が必要ではないでしょうか。
多様化するライフスタイルへの対応も求められます。「標準世帯」という考え方があります。例えば、生活保護制度においては「33歳、29歳、4歳」の3人世帯が標準世帯とされています。年金制度では「夫が平均的収入で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世帯」が標準世帯とされております。一方、厚生労働省の国民生活基礎調査によると「ひとり親と未婚の子のみの世帯」は平成4年から平成23年の間に57万世帯から87万世帯、構成割合で見ると3.8%から7.4%へと増加しています。共働きの増加も進んでおり、平成25年には専業主婦世帯745万世帯、構成割合14.9%に対して、共働き世帯1,065万世帯、構成割合21.3%となっております。働き方の多様化も進んでおり、女性に比べ正規雇用の多かった男性でも非正規雇用がふえ、20代前半では36.1%、20代後半でも18.8%となっています。もはや正社員の男性と専業主婦の女性、そこに子どもが2人か3人、こういった「家族」の何となくのイメージというものは、実際の家族の姿から大きく乖離をしてきているところであります。
少子化の国際比較の研究では、今世紀に入ったあたりから、伝統的な家族感の強い国々のほうが、そうでない国に比べてより少子化が進んでいる、こういった傾向も指摘をされています。ひとり親家庭、婚外子、さらには同性カップルなども含めて、家族の多様化を前提として支援策を見直していく、こういったことも考えるべきではないでしょうか。
このように出生率の向上に向けた取り組みを進める、そのように言っても、さまざまな考え方、そして具体的な施策が考えられます。そこでお伺いをいたしますが、区としては出生率向上に向けてどういった施策が必要だと考えられているのでしょうか。見解を伺います。
続いて、子どもの貧困対策についてお伺いをいたします。
昨年7月の厚生労働省の発表によると「子どもの貧困率」は16.3%と過去最悪を更新してしまいました。特にひとり親家庭の状況は深刻です。こちらは2009年の厚労省のデータですが「子どもがいる現役世帯で大人が1人の世帯の貧困率」は58.7%とOECD諸国中、日本が最も高くなっています。一昨年、議員立法で「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立して、昨年8月には「子どもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定されました。しかし、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏は「いざ大綱に予算をつけるという段階になって、政府は及び腰になっている。特に食や医療サービスといった子どもの基本ニーズに直結する経済的支援についてはほとんど拡充されていない」と指摘をされています。
本年4月には安倍総理が官邸に経済界や労働界の代表などを招き、国民運動を展開し、子どもの貧困対策を進める、このように宣言をいたしました。民間から資金を集めて基金をつくり、学習や生活の支援を行う団体に対して助成を行うほか、すぐれた活動を総理大臣が表彰するとしています。民間の資金を活用するというこの手法そのものを否定するものではありませんが、しかし、子どもの貧困対策というのは本来、税を投入して行うべき課題の最たるものではないかというふうに思います。
自治体レベルでのさまざまな取り組みも始まっております。23区で見ますと、今年度を「子どもの貧困対策元年」と位置付け、専門部署を設置し、小学校1年生がいる家庭約5,300世帯を対象にかなり踏み込んだ実態調査を行う足立区の取り組みが目を引きます。中野区議会においても、これまで多くの同僚議員から子どもの貧困対策に関する質問がされてきました。一方で、今回の行政報告にしても、全定例会の所信表明にしても、区長が御自身で率先してこの問題に言及されることはなく、区長がどのような問題意識をお持ちなのかなかなか見えてきません。そこで伺います。子どもの貧困の現状とその対策の必要についてどのように認識されていて、またどのような対応を進めていくつもりなのか、お伺いをいたします。
この項の最後に、中野区特定事業主行動計画に関連してお伺いをいたします。
行政報告にもあったとおり、区はこの計画の中で「子どもの出生時における父親の出産支援休暇及び育児参加休暇の取得率を100%とする」という目標を掲げました。昨今の風潮を考えると「公務員を甘やかすな」というような声もどこかから聞こえてきそうではありますが、民間に対してワークライフバランスの実現や男性の育児参加を促していくに当たって、先ず隗より始めよということで、事業主としての区が率先してこうして目標を掲げたことは評価したいと思います。問題はそれをどう実現するかであります。同計画の記載によると、平成26年に父親となった職員12名のうち、出産支援休暇は全員が取得したが、育児参加休暇については3人の取得にとどまったとのことです。育児参加休暇の全員取得実現には、計画の中にある相談窓口設置や関係制度の周知に加え、同休暇の位置付けの見直しも必要ではないでしょうか。具体的には、育児参加休暇は「とれるもの」「とってもいいもの」ではなく「とるべきもの」であり「とらない職員がいる職場は、人事担当から所属長に注意が入る」こういった位置付けにしていく。100%実現をするにはこうしたことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
いずれにしましても、父親も育児参加のために休暇をとる、これが当然の社会の実現に向けて積極的な取り組みを進めていただきたい、このように思います。
続いて、ICT活用と個人情報保護についてお伺いをいたします。
区長は行政報告の中で、マイナンバー制度によって積極的なサービス提供が可能になること、行政手続の大部分が区役所に来ずとも自宅やコンビニでできるようになることなどを挙げ、同制度に対する期待を述べるとともに、積極活用の姿勢を示されました。一方、民間の間には同制度のセキュリティー、情報流出リスクに対する不安も存在します。特に日本年金機構からの年金情報流出事件以降、そうした不安はますます強くなっており、参議院内閣委員会での関連法案の採決が先送りされるなどの影響も出ております。私自身、マイナンバー制度の活用に期待したい一方で、甘利担当大臣が「マイナンバーにはファイアウオールがあるから大丈夫だ」といった趣旨の発言をされるのを聞いたりすると、極めて重要であるはずのセキュリティー対策が、根本がよくわかっていない人たちによって進められているのではないか、こういった疑念も感じてしまいます。区長にはマイナンバー制度について期待を語るだけではなく、こうした不安についても応えていっていただきたいと思いますが、セキュリティーに対する不安が区民の間にあることについて区長はどのように認識をされていて、どのように応えていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
職員に対する研修・教育についてもお伺いをいたします。
これまでも中野区では職員に対してICT・情報管理に関する教育・研修を実施してきているところと思いますが、マイナンバー制度の開始に当たって、改めて情報教育訓練を実施する必要があるのではないでしょうか。そういった予定はございますでしょうか、お伺いをいたします。
今回の日本年金機構からの情報流出事件は非常に規模が大きく、その分社会的な注目も集めておりますが、残念ながら公的機関による情報流出事故の発生はそう珍しいものでもありません。情報セキュリティーの専門ニュースメディアである「Security NEXT」のまとめによると、今月だけでも南陽市、つくば市、船橋市、大阪市、台東区、大田区などで情報流出事故が発生しています。こうした情報流出事故が起こると、その都度マニュアルの整備などが行われ対策がとられますが、それも時間が経つと形骸化されていってしまいます。だからといって、全てをシステム的に対処しようとするとそれ相応のコストもかかりますし、また、業務上必要なデータのやりとりができなくなるなど、業務の効率性にも影響を及ぼします。日々の朝礼で情報安全対策の話題を挙げたり、セキュリティー事故のニュースを共有したりするなど、アナログ的な部分も含めて情報管理の仕組みづくりを改めて考えていくべきと思いますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
次に、大きな2番、家庭ごみの有料化についてお伺いをいたします。
昨年2月の区民委員会に提出された資料「ごみ減量と資源化推進の今後の進め方について」によりますと、家庭ごみ有料化については、今月中に「家庭ごみにおける費用負担の導入に係る素案」が提出される予定とのことです。今後については、この素案を見てから改めて議論をしたいというふうに思いますが、今回はこれまでの検討の経緯や区の基本的な姿勢、考え方などについてお伺いをいたします。
私は、平成22年第3回定例会で行った区議会議員になって初めての一般質問でこの問題を取り上げました。その時点で、平成20年8月に第3期中野区廃棄物減量等推進審議会が家庭ごみ有料化に関する答申を出してから2年がたっていましたが、私が取り上げた不法投棄への対応、金銭的・時間的な収集コストの増加、区境への対応等の問題点については「御指摘の点について課題、懸念があるということは認識している。どのような対応ができるかも含めて十分検討していく」と言うのみで、全く具体的な答弁はありませんでした。
さて、それからさらに5年近くがたちました。ようやく素案が出てくる予定とのことですが、そもそもこれだけ検討に時間がかかる、このこと自体が現在の中野区で家庭ごみ有料化を進めることに無理がある、こうしたことを示しているのではないかと感じます。そこでお伺いをしますが、これだけ家庭ごみ有料化方針に検討に時間がかかっているのはなぜなのでしょうか、お伺いをいたします。
区は、家庭ごみ有料化を進める理由として「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」に定められた「平成31年度までに平成16年度比でごみ量を半減させる」、この目標の達成が難しくなっている、このことに加えて「費用負担の公平化」といったことにも触れられています。要するに、努力してごみを減らしている人とそうでない人の費用負担が同じなのはおかしい、こういったロジックであります。一般論としては理解できなくもないですが、例えば我が家の場合、昨年子どもが産まれてからごみの量が格段にふえました。特におむつなどは努力して減らせるものではありません。これは介護が必要な御家族がいらっしゃるような御家庭でも事情は一緒なのかなというふうに思います。家庭ごみ有料化は、本来社会的に配慮の必要な世帯にとってより重い負担になってしまうのではないかということが危惧されます。こうした点について区としてはどのように考えているのでしょうか。御答弁ください。
現在、中野区のごみ処理費用は、税の中で賄われています。平成24年度では区民1人当たり1万2,000円弱の費用がかかっているとのことですが、家庭ごみ有料化をすると費用の二重取りになるのではないかと思われます。家庭ごみ有料化を行うのであれば、二重取りにならないよう、その分の税負担を軽減すべき、こうした議論もあります。この費用の二重取りという問題については、平成19年ごろの段階で既に区の論点整理の中に含まれておりますが、現時点で区はどのようにこの問題について認識されているのでしょうか。お伺いをいたします。
ここまで家庭ごみ有料化の政策的な面についてお伺いしましたが、最後に手続的な部分についてもお伺いをいたします。
今回の行政報告について、区長は家庭ごみ有料化について一切言及をされておりません。本年第1回定例会の所信表明においても「ごみの適正排出や資源化などの取り組みを強化する」とはおっしゃいましたが、やはり家庭ごみ有料化については触れられておりません。さかのぼって昨年行われた区長選挙における区長の選挙公報などを確認いたしましたが、そこにも家庭ごみ有料化に関する記載を見つけることはできませんでした。要するに、区長は家庭ごみ有料化を公約にもしていなければ、御自身の口でも説明をされておりません。家庭ごみ有料化は当然区民に新しい費用負担をお願いする、こういう話でありますが、区民に新たな費用負担を求めようとする首長のとるべき態度だとはとても思えません。なぜ公約とされなかったのか。なぜ所信表明や行政報告で言及されないのか。区民に正面からその是非を問うことができない、説明をすることができない、こうしたことなのであれば、家庭ごみ有料化の方針は一旦撤回するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。この点をお伺いしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
〇区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えをいたします。
まず、議会と執行機関の関係ということで、陳情が採択されたにもかかわらず、実施をしていない施策があるといったことについての御質問でありました。私としましては、行政報告で述べたとおり、議会との適切な緊張関係を保ちながら良好な意思疎通のもと、最大限の協力関係を築き上げていくことが中野区の発展と区民の幸福につながると、このように考えているところであります。
なお、陳情が採択された場合であっても、財政的な観点やあるいは政策方針といった考え方などから、内容によっては応えられないことも当然あるわけであります。二元代表制の地方自治のもと、議会と長はそれぞれに政治的なプロセス、選挙で選ばれておりますから、それぞれに政策的な考え方というものがあるということ、このことはまず踏まえていただかなければならないと、このように思っております。
それから、特別区制度と経済発展の関係性といったようなことでの御質問がありました。大阪都構想の関連の御質問ということであります。
大阪都構想につきましては、大阪都構想で提案されている特別区の制度のあり方、そうしたものが児童相談所の事務であるとか、あるいは教員の人事権といったようなことについて特別区側に付与するという組み立てになっていること。また、特別区側の所要財源、こうしたものをきちんと事務経費を積み上げて積算した上で、七十数%が市の財政のうち特別区側に譲られるべき財源というふうに計算されていること、こうしたことが現在私どもが持っております東京の特別区の制度よりも進んだ考え方になっているということを評価して、それを評価することがまた東京の特別区制度を前進・発展させる上で意味があるという考え方から発言をさせていただいたところであります。御質問にあったような経済発展につながるような競争が特別区間で生じるか否かといったようなことについては、どういう議論があったかも承知をしておりませんし、大阪の5区、23区に比べると極めて均質性の高い5区と東京23区、この違いを比較して議論をするということについては、あまり意味がないのではないかというふうに思っているわけであります。
それから、法人住民税の一部国税化についてであります。
法人住民税市町村分の一部を国税化する動きにつきましては、地方分権の進展に逆行し、地方自治の本旨に反するものと考えております。特別区は、平成27年度についても国に対し、地方自治体の財政格差の是正については法人住民税の一部国税化等地方固有の税を財源調整に用いることなく、国の責任において必要な措置を行うよう要望しているところであります。消費税10%の段階では、この国税化をさらに進めるとされているところでありまして、国に対して特別区、各区議会、また東京都一丸となって今後とも強く主張していきたいと考えているところでありまして、議会の皆様におかれましても御協力をお願い申し上げるところであります。
それから、基本構想検討の中で、将来の中野区の方向性、まちの目指す姿に優先順位をつけるべきではないかと、こういった御質問です。
今後の少子高齢化、人口減少社会において持続可能な地域社会を築いていくためには、地域経済の活性化、子育て支援、それから高齢者や障害者の支援、社会インフラの更新の備えなど、山積する課題に区がみずからの責任と創意工夫で取り組んでいかなければならないわけであります。基本構想の改定に当たっては、そうした課題に対応するために将来の中野の目指すべき将来像とまちの姿をしっかり議論しながら方向性を明確にしていきたいと考えております。さまざまな課題に対して総合的な行政を進めていく地方自治体の行政にあって、その基本構想の審議会の答申が総花的であると言ってしまっては、議論が始まらないと私は思います。目指すまちの姿はそれぞれ単独に成立するものではなく、相互の関連性の中で実現をしていくものであり、優先順位づけをするといった問題とは異なるのではないかというのが私の考えであります。
産業振興における区の役割ということであります。
民間でできることは民間に任せる、このことは私も森議員と同じ考え方であります。しかし、全国どこをとっても人口30万の中核都市、そこで経済政策、産業振興を主たる政策と考えていない自治体はほとんどないのではないかというふうに思います。中野もやはり独立したまちとして、自治体としてまちの発展を考えていく以上、産業振興についてもこれからもしっかりと配慮をしていく必要があるだろう、このように思っております。
ICT・コンテンツ産業、関連産業及びライフサポート関連産業は、今後の区のコミュニティの成り立ちや区民の暮らしが向上していく上からも重要なものと考えているところであります。民間活動に対して過大な干渉をするつもりは当然ありませんが、区としてできる範囲の政策は行うべきであり、一定の効果も期待できると考えているところであります。
出生率の向上についてであります。
出生率の向上については、出産から育児まで切れ目のない相談支援など、子どもを産み育てるための支援や出産後でも女性が働き続けられる環境づくりとして、保育の充実などの子育て支援、さらにはファミリー世帯が住み続けられる環境整備などなど必要であると考えております。出生率の数値目標につきましては、国の「まち・ひと・しごと総合戦略」の中で数値目標を設定しているところでもあり、区としても目標を持つことについて検討していきたいと考えております。
子どもの貧困対策について。
子どもの将来が生まれた環境によって左右されることのないように、就学援助や所得に応じた減免措置などを行い、必要な支援やサービスが受けられるようにしているところであります。中でも教育支援については、一人ひとりの学ぶ意欲や能力を最大限伸ばして夢や可能性に挑戦することで豊かな人生の実現や社会を支える人材育成にもつながる大きな意義を持つものと考えております。子どもの教育は学校教育が基本であり、小学校高学年では学習意欲の向上や学習習慣の定着、中学校では学力の向上による高校進学を目指した取り組みなどが課題であることから、区では平成27年4月から低所得世帯の小学5、6年生及び中学生を対象に学習支援事業を開始したところであります。また、保育園の保育料や子育てサービスの利用料などについて、保護者の所得に応じた設定とするなど、所得の低い家庭への配慮をしてきているところであり、今後ともこうした対策を総合的に進めてまいります。
特定事業主行動計画の目標達成についてであります。
各所属長が、職員が父親になることがわかったとき、あるいは出産支援休暇が提出されたときには、男性職員のための子育て休暇の手引を配付して、取得できる休暇の周知や説明を行うこととしております。また、所属長は男性職員も配偶者の出産と同時に育児がスタートできるよう、出産支援休暇、育児参加休暇について全日取得されるよう調整し、その結果を人事担当へ報告するなど、組織全体で目標達成に向けて取り組んでまいります。
私からは以上です。そのほかはそれぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、ICT活用と個人情報保護についてお答えいたします。
初めに、個人情報漏洩に対する区民の不安への対応についてでございます。
年金情報の漏洩事件により、マイナンバー制度についての報道があったことは認識してございます。マイナンバー制度にはさまざまな個人情報保護措置が講じられているところでございます。そのことを区民に正確に伝えてその不安を払拭し、制度導入によるサービス向上が遅延することのないよう、着実に準備を進めていくことが必要であると考えてございます。
次に、ICTに関する研修や教育についてでございます。
ICTに関する研修として、情報セキュリティー対策やネットワーク等についてこれまでも民間企業等の研修を活用して実施しているところでございます。マイナンバー制度の開始に向けて制度の趣旨の理解と個人情報の適正な管理を徹底するために、個人情報を取り扱う担当者の役割とアクセス権限の明確化や個人番号の収集や保管、提供の制限などについて、マイナンバーを取り扱う全ての職員を対象として研修や説明会を実施し、周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。
最後に、情報管理の仕組みづくりについてでございます。
ICTは日進月歩であるため、サイバー攻撃の手口や対策は日に日に高度化、複雑化してございます。タイムリーに適切な対応を行っていくために、内閣サイバーセキュリティーセンターや地方自治体情報システム機構と連携した対応を行っているところでございます。情報安全対策基準や実施手順等の運用については、各所属における自己点検や外部監査を定期的に実施することにより徹底してまいりたいと思っております。さらに、各職場における情報安全対策を徹底していくために、他の自治体や国の機関等で情報安全に関する事件や事故が起きた場合などに注意喚起の情報や必要な対策など庁内情報システムの新着情報に掲載するなどして、職員に周知対応を図ってまいりたいと考えます。
〔環境部長戸辺眞登壇〕
○環境部長(戸辺眞) 私からは、家庭ごみの有料化につきましてお答えさせていただきます。
最初に、検討に時間のかかっている理由についてです。
家庭ごみの費用負担制度は、広く区民に負担をお願いする新たな制度であることから、さまざまな角度から慎重に検討する必要がございます。また、家庭ごみの費用負担制度を導入するためには、制度導入に合わせて事業系ごみの適正排出、集積場の適正化のための施策、新たな資源回収の実施も含めた資源化の推進等、さまざまな課題に取り組む必要がございます。そうした制度導入に係る施策の検討、実施も併せ行っているところでございまして、一定の時間を要しているところでございます。
次に、おむつ等の減量努力が困難なものの取り扱いについての御質問でございます。
家庭ごみにおける費用負担の対象には、災害やボランティア清掃活動により生じたごみなど費用負担の対象とするには適当でないもののほか、乳幼児や高齢者のおむつのようにごみ減量努力が困難なものについても想定できるところでございます。手数料を免除するという考え方も含め、今後の検討の中で十分整理をしてまいりたいと思います。
次に、税の二重取りにはならないのかという御質問でございます。
昭和41年の金沢地裁判決では、家庭ごみの処理は自治体の責務ではあるが、一方で家庭ごみの処理を求める区民サービスの提供であり、そのサービスの量、つまりごみの排出量に応じて区民から手数料を徴収することは地方自治法の定める手数料の規定に適合しているということでございます。国もこの点については同様の見解を示してございます。区においても、家庭ごみの処理において区民の排出量に応じた負担を求めることは負担の公平性を確保するものでございまして、税の二重取りの批判には当たらないと判断しているところでございます。
なお、ことしの1月に環境省が発表いたしました平成25年度の一般廃棄物の排出量及び処理状況等によりますと、全国1,742自治体の約63%に当たる1,099の自治体が家庭ごみの費用負担制度を既に導入している。また、東京都市区町村清掃事業年報によりますと、東京都においては平成25年度現在、24の自治体が既に導入しているということでございます。
最後に、首長の立場からの説明が必要ではないのかという御質問でございます。
家庭ごみの費用負担につきましては、現在基本となる考え方をまとめるため、検討を行っているところでございます。自治基本条例では広く区民に義務を課し、または権利を制限する条例の制定、改廃については、意見交換会、パブリックコメント等の区民参加の手続を経ることとなってございます。家庭ごみ費用負担制度は区民の暮らしに大きな影響を及ぼすものでございまして、当然この自治基本条例の区民参加手続を経る案件と考えてございます。考え方をまとめた段階で区民に対しては十分説明をして、御意見なども聞いてまいりたいと考えてございます。
○議長(北原ともあき) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 川 和 久
1 マイナンバー制度について
2 感震ブレーカーの普及について
3 選挙教育について
4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、内川和久議員。
〔内川和久議員登壇〕
○12番(内川和久) 平成27年第2回定例会において、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。質問は通告どおり、4番その他はございません。
それでは1番、マイナンバー制度についてお伺いをいたします。公明党の南議員も先ほど質問されておりましたけれども、私からも改めて質問をさせていただきます。
日本に住む全ての人の個人情報の管理が大きく変わる共通番号マイナンバー制度が、ことしの10月にスタートを迎えます。所得や年金支給額、住民登録、健康保険、介護保険、公営住宅の賃貸などといった個人の情報は、現在所管する公的機関で別々に管理されていますが、それらの情報を一人ひとりの国民に一つずつ付番される12桁の番号で結びつけます。基本的に出生時から死亡時まで変更されない数字であります。マイナンバーを利用するメリットとして、来年1月から導入される個人番号カードが公的な身分証明書がわりに使うことができるとのことですが、いまだ国民の認知度は低いままで、企業としても何も対応していないケースが従業員20人以下の企業で現在8割にものぼっているそうです。将来的に利用できる範囲が拡大して利便性が増すとの期待もありますが、幾つか課題も取り上げられています。そこで幾つかお聞きします。
まず、ことし1月に内閣府が実施した世論調査では、制度の内容を知っていると答えた人は28.3%にとどまったそうです。昨今報道等で取り上げられることが多くなりましたが、この制度の認知度が低い現状を区としてはどのように捉えているのでしょうか。世田谷区では、全国自治体に先駆けてコールセンターを開設するなど、対応の準備を進めておりますが、中野区として今後の認知度アップに向けどのように周知していくのか、スケジュールも含め、お答えください。
次に、2017年7月からは、自治体同士での情報照会が始まるとのことです。例えば、児童手当を申請する場合、これまでは引っ越し前の役所で所得証明書を取得し、それを持って転居先の役所に申請しなければなりませんでしたが、マイナンバーの情報照会が始まれば、窓口で番号カードを示すだけで所得の照会ができ、1カ所で手続が完了するようになるとのことです。このように、自治体同士での情報照会で利便性は格段にアップしますが、社会保障分野や税分野、災害対策分野のさまざまな事務でマイナンバーが利用されることとなり、マイナンバー制度の影響が広範囲に及ぶことから、自治体においては全庁的な体制整備を行う必要があります。中野区では、2013年12月に策定したマイナンバーの利用方針に基づいてマイナンバー推進事務局会議を設置したと聞いていますが、これまでどのように全庁の調整などに取り組んできたのか、お聞かせください。
次に、マイナンバーの通知カードが10月に区民の方々の手元に届きますと、個人番号カードの申請が郵送でできるようになるそうです。通知カードが宛て先不明で戻ったものや、DV被害など住所を明らかにできない人への通知についてどのように対応していくのか、お聞かせください。そして、来年1月から個人番号カードの交付が始まりますが、交付開始当初は窓口に混雑が生じないか懸念されます。希望者はすぐに個人番号カードを手に入れることができるのでしょうか。区としてどのぐらいのペースで個人番号カードの普及が進んでいくと見込んで、その交付に向けた準備をどのように行っているのでしょうか、お聞かせください。
次に、マイナンバー制度の効果として、社会保障や税に関する手続について、添付書類が減少することによって国民の利便性の向上や行政の効率化が期待されています。また、所得の正確な把握によって適正・公正な課税がなされるとともに、社会保障の不正受給が防止されて公平・公正な社会の実現が図られると言われています。一方で、こうした効果は必ずしも区民にとってメリットが実感しやすいものではないようにも感じます。普及率が伸びなかった住民基本台帳カードの二の舞にならぬよう、これらの効果のほかに区民にとってもっと実感しやすいさらなるサービス向上は予定されているのでしょうか。区民にとってのメリットをお聞かせください。
次に、マイナンバーは条例で定めることによって自治体独自の事務にも利用することができるようですが、中野区では区独自の事務にマイナンバーを利用する予定はあるのでしょうか。また、ある場合にはどのような利用を想定しているのか、検討状況をお聞かせください。
次に2番、感震ブレーカーの普及についてお伺いいたします。
5月31日に起きた小笠原諸島を震源地としたマグニチュード8.1の地震は記憶に新しいところです。地震の長期予測を行う国の地震調査委員会は、30年以内に70%の確率でマグニチュード7級の首都直下地震が起こるとしています。最悪で約2万3,000人と想定される首都直下地震の死者を半減させるために、政府は首都の弱点である木造住宅密集地域での火災をいかに抑えるか、具体的な目標と対策をこのたび打ち出しました。そして、その切り札の一つとされているのが「感震ブレーカー」です。これは、揺れを感知して自動的に電気の供給を遮断する仕組みです。電気による出火を防ぐためには、避難時にブレーカーを遮断することが効果的ですが、大地震発生時にとっさにそのような行動が取れない場合の出火を防ぐ有効的な手段であります。内閣府では、今後10年で設置率25%以上、8,000人超の死者減を目指しています。東日本大震災でも、電気が原因の火災は60%以上だったそうです。木密地域を多く抱える中野区としても、建物の耐震化とともに火災の発生を抑える取り組みが必要と考えます。そこで幾つか質問をさせていただきます。
一昨年、東京都が地震に関する地域危険度測定調査結果を公表しました。これは、地震に関する危険性を町丁目ごとに測定して5段階にランクづけしたもので、おおむね5年ごとに調査をしていて、今回は第7回目とのことです。今回の調査結果には、これまでの火災危険度、建物倒壊危険度に加えて道路の整備状況による災害時の活動困難さを考慮した危険度も加えられたと聞いています。実際に中野区内の地域危険度はどのようになっていて、区としてはそれに対してどのような対策を考えているのかお聞かせください。
また、これとは別に東京都が木造密集地域を指定しているとも聞いています。中野区内における木造密集地域の指定状況はどのようになっていて、区としてはそれに対してどのような対策を考えているのか、併せてお答えください。
次に、過去の大地震では白熱電球に可燃物が落下して出火した事例や、倒れかかったものが電気ストーブのスイッチを押してしまい、出火した事例などが報告をされています。感震ブレーカーはこういった火災を防ぐために有効とされています。また、さきにも述べましたが、住民がブレーカーを遮断することができない場合も効果的と考えられています。感震ブレーカーの効果について、区はどのように考えているのかお聞かせください。
また、内閣府世論調査によりますと、感震ブレーカーを設置していると回答した人の割合は約6.6%と非常に低くなっています。この理由として、感震ブレーカーの認知不足に加え、設置費用などが考えられます。感震ブレーカーについて区民に正確な情報を伝え、普及を促していくことが必要と考えますが、区のお考えをお聞かせください。
また、横浜市では平成25年度から感震ブレーカーの設置費用を補助しており、昨年度は422件補助したそうです。さらに墨田区、品川区、足立区の3区では、補助制度を設けるか現在検討中だとのことです。木密地域を多く抱える中野区としても、感震ブレーカーの普及に向けた取り組みが必要と考えますが、補助制度も含め、区のお考えをお聞かせください。
次に3番、選挙教育についてお伺いいたします。
選挙は国民が政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会であります。その制度の中で、選挙権年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案がこのたび可決成立をいたしました。昭和20年に25歳以上から20歳以上に変更されて以来70年ぶりの見直しで、来年の夏以降に選挙権年齢が18歳以上となる見通しですが、60歳代の半分にも満たないという若年層の投票率の低さが課題となっております。今回の制度改正で、新たに18歳、19歳の約240万人が有権者となりますが、この若年層の投票率アップにもつながると期待されている「選挙教育」についてお伺いいたします。
ことし4月に施行された中野区議会議員選挙の投票率は、4年前に比べると0.22%増の40.44%となっています。選挙管理委員会としては、さまざまな方策で投票率のアップに尽力されていると思いますが、教育現場においても子どもたちに早い段階で政治に興味を持ってもらい、若年層の投票率アップにつなげることができないものでしょうか。
義務教育では、自立した社会人の育成が目標であると理解しております。そのためには、公民的資質を養うことが大変重要であると考えます。公民的資質とは、個人の尊厳と人権尊重の意義、特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識し、民主主義に関する理解を深め、国民主権を担う公民として必要な基礎的な教養であります。そして、民主政治の意義や個人と社会とのかかわりについて理解し、個人を取り巻く社会の諸問題に着目し、みずからが考えようとする態度が身についていることであると考えます。しかし、実際には20代の投票率が低く、その要因として、選挙が身近でないことが挙げられます。投票と生活の関連性がわからないとか、投票の仕組みがわからないなど、「選挙」が身近に感じられていないのではないでしょうか。政治や選挙を実際に体感することで主権者としての意識を養うことが必要と考えます。
選挙権年齢が1969年に21歳から18歳以上に引き下げられたイギリスでは、総選挙に合わせ、各地の高校など約400校で生徒による「模擬選挙」が活発に行われているそうです。これは「選挙教育」の一環で、全土で約25万人の生徒が参加します。実在する政党の候補者役を生徒が務め、政党のマニフェストを読み込み選挙戦を展開するそうです。その他、実際に行われている総選挙の候補者との対話を行っている学校もあると聞いています。「教育の政治的中立性」は保たなければなりませんが、日本の教育も実情に合わせながら、より具体的な取り組みが必要ではないでしょうか。そこでお聞きします。投票しやすい選挙制度の確立も当然必要ですが、さきに述べたように、公民的資質を身につけるために学校教育ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。お答えください。
次に、日本ではしばし政治や法律などの仕組み等を学ぶことに重点が置かれているように思われますが、未来の主権者を育てていくためには、義務教育において選挙をより身近に感じる具体的な参加型の取り組みに目を向ける必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で全ての質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
〇区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。
まず、マイナンバー制度の周知について。
これまでもテレビCMや新聞、雑誌を通じた政府広報や国のホームページのほか、区としても区報や区のホームページなどで周知を図ってきたところでありますが、まだまだ区民や事業者の認知度は低い状況であるというふうに承知をしております。国のポスターやパンフレットを区としても今月中に公共施設に置いて掲示等を行うほか、商工団体を通じて区内事業者にパンフレットを配付する予定であります。また、10月の通知カードの発送や来年1月の個人番号カードの交付開始の時期に合わせて区報にマイナンバーの特集記事を掲載していくほか、区のホームページの内容をさらに充実させてまいります。
また、本年10月から中野区独自のコールセンターを開設して、通知カードや個人番号カードにかかわる区民からのお問い合わせに対応してまいります。
全庁的な体制整備についてであります。
区では、マイナンバー利用方針の具体化と全庁的な推進を図るため、平成25年12月から関係の副参事が連携調整をとるための体制をつくり、個人番号を利用する事務の特定やシステムの改修、特定個人情報保護評価の実施基準、広報スケジュール、サービス向上策などについて、番号法のスケジュールに合わせて全庁的に検討を進めてきているところであります。
通知カードの返戻対応について等であります。
DV被害者などを保護するため、本人の申し出によって必要な支援の措置を行っているところであります。通知カードにつきましても、送付先の配慮が必要な場合には本人の意思に基づいて個別に対応することとなります。また、宛て先不明で返戻された通知カードは、実態調査や本人などからの連絡により正しい住所が判明した場合、随時再送することとなります。
個人番号カードの交付の準備についてであります。
個人番号カードの交付は、窓口の混雑が生じないように予約制を導入したいと考えております。中野区では、1カ月で5,000枚の交付を予定しております。平成30年度末に約7割の交付となると想定をしているところであります。平成28年1月からのこの個人番号カードの交付に向けて、必要な窓口体制の整備や交付事務を確実に処理するための業務委託などの準備を行っているところであります。
マイナンバーによる区民サービスの向上についてであります。
平成29年1月から、マイナポータルという個人用のサイトがインターネット上に開設される予定であります。区民が受けることのできる行政サービスや制度改正等のさまざまな情報をインターネットを通じて行政機関からお知らせすることができるようになります。また、将来的には引っ越し等のライフイベントの際に行政機関や民間企業で必要になるさまざまな手続を電子申請で一括して行うことができるワンストップサービスが進むものと考えております。これらの制度の実現が具体化するにつれ、区民サービスの利便性も高まり、区民の実感も高まるものと考えております。
マイナンバーの区独自利用についての検討状況であります。
社会保障、地方税、防災に関する事務のうち、番号法の規定によりマイナンバーを利用できる事務の上乗せや対象の拡大に該当する事務については、条例に定めることで自治体独自にマイナンバーを利用して他の自治体等との情報連携を図ることができるわけであります。現在のところ、児童育成手当や障害者福祉手当、就学援助など、独自利用の対象となる事務を選定しているところでありまして、今後条例化に向けて区民との意見交換会やパブリックコメントなどを実施していく予定であります。
私からは以上です。そのほかは担当のほうからお答えいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 選挙教育につきまして、公民的資質を育てるための学校教育での取り組みについての御質問がございました。
学校におきましては、主に社会科の学習の中で平和で民主的な国家、社会の形成者としての必要な公民的資質の基礎を養うことを目的として、小学校では第6学年で「暮らしと政治のかかわり」として政治の働きや国民主権、選挙制度等について学習をしてございます。また、中学校では第3学年の公民的分野で国民の権利としての参政権や選挙権、民主主義の仕組みについて学習をしてございます。
続きまして、選挙をより身近に感じる具体的な参加型の取り組みについての御質問です。
現在も選挙管理委員会の協力を得て生徒会選挙の際に実際の選挙で使用する記載台や投票箱を使って投票を行ってございます。また、選挙の大切さや1票の重みなどについての講座も行ってございます。今後も関係部署と連携し、こうした取り組みをさらに拡充しながら公民的資質の向上を図っていく考えでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、感震ブレーカーの普及についての御質問にお答えをいたします。
まず、区内の地域危険度とその対策についての御質問でございます。
東京都が一昨年公表した地震に関する地域危険度測定結果につきまして、地域の揺れによる建物の倒壊する危険性の度合い及び火災の延焼により被害を受ける度合いをまとめた地域の危険度である総合危険度では、総体的に最も危険度が高いランク5の町丁目は区内にはなく、その次に危険度が高いランク4は1町丁目でございました。大部分の町丁目の危険度は、ランク2及びランク3となっております。
また、今回の測定結果で新たに加わった災害時活動困難度を考慮した総合危険度につきましては、区内にはランク5の町丁目はなく、ランク4が18町丁目であったほか、大半がランク2及びランク3となっております。区では、これら地域危険度の指定状況も踏まえながら、木造住宅密集地域における道路整備、建物の耐震化や不燃化を進めるとともに、公園などのオープンスペースの創出や避難場所の確保、地域の防災力向上など、多角的に取り組んでいるところでございます。
続きまして、木造密集地域とその対策についての御質問でございます。
東京都の防災都市づくり推進計画では、地域危険度が高く、首都直下地震による大きな被害が予想されている木造住宅密集地域を山手線外周部を中心に広範に指定しております。具体的には、老朽木造建物の割合が高く、平均不燃領域率が低い区域を整備地域として指定するとともに、整備地域のうち、基盤整備の重点化等により早期に防災性の向上を図るべき地域を重点整備地域として指定しております。区内では、南台、上高田、新井、沼袋、野方、白鷺及び大和町の一部もしくは全部の地域で整備地域として指定され、南台及び弥生町の一部が重点整備地域として指定されております。区ではこれらの地域について、南台や新井などでは地区計画を定めて防災まちづくりに取り組んでおり、大和町や弥生町では木密地域不燃化10年プロジェクトの不燃化特区の指定による防災まちづくりの推進により、まちの防災性向上に取り組んでおります。さらに今後、計画的に面的な不燃化を促進するよう検討しているところでございます。
次に、感震ブレーカーの効果についての御質問でございます。
平成26年3月の中央防災会議において、感震ブレーカー等の設置により電気関係の火災が防止されることなどで焼失棟数が約5割減少することとしております。平成27年3月に公表された内閣府の大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書においても、地震発生時に不在の場合や地震発生後の電気器具の安全確認ができない状態の場合に、感震ブレーカー等は有効な手段であると記載されております。これらのことから、感震ブレーカーには電気関係の火災を防止する効果があるものと考えているところでございます。
次に、感震ブレーカーの普及についての御質問でございます。
国においては、首都直下地震緊急対策推進基本計画、その中で電気に起因する火災を防止するため、感震ブレーカー等の普及を加速させる取り組みを行うことが示されております。引き続き国や都などの動向を見ながら普及促進について検討してまいりたいと考えております。
最後に、感震ブレーカーの補助制度についてでございます。
国は、先ほど申し上げました推進基本計画の中で、延焼のおそれのある密集市街地における感震ブレーカー等の普及率25%を目指すとしていることから、まずは感震ブレーカー等の周知及び普及促進について検討し、取り組んでまいりたいと、そのように考えております。感震ブレーカーの普及促進を図るための補助制度などにつきましては、国や都、他自治体の取り組みを調査しながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(北原ともあき) 以上で内川和久議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時52分延会