平成27年06月25日中野区議会本会議(第2回定例会) 平成26年07月01日第2回定例会(第3日)

.平成27年(2015年)6月25日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  大 野 貴 子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  福 島 ル ミ      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成27年(2015年)6月25日午後1時開議)

日程第1 第47号議案 中野区基本構想審議会条例を廃止する条例

 

午後1時00分開議

○副議長(白井ひでふみ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 木 村 広 一

 1 行政報告について

  (1)地域支えあいの推進について

  (2)真正面から出生率の向上に取り組むことについて

  (3)オリンピック・パラリンピックで作り出すレガシーについて

  (4)その他

 2 公園利用について

 3 医療費適正化について

 4 教育の課題について

 5 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 最初に、木村広一議員。

〔木村広一議員登壇〕

○4番(木村広一) 平成27年第2回定例会におきまして、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。

 初めに、行政報告の地域支えあいの推進のうち、地域包括ケアシステムについて伺います。

 中野区において、平成28年度から介護予防・日常生活支援総合事業がスタートする予定です。特に要支援者の訪問介護、通所介護の総合事業への移行は喫緊の課題としてしっかりと取り組んで行かなくてはいけません。それと同時に、生活支援・介護予防サービスを担う地域のボランティア、NPO、民間企業などの多様な主体、高齢者の社会参加などによる地域住民の参加をいかに充実、強化していくかが課題であります。

 平成26年7月に厚生労働省が示した介護予防・日常生活支援総合事業ガイドラインでは、生活支援・介護予防サービスの充実に向け、ボランティアなどの生活支援の担い手の養成、発掘などの地域資源の開発やそのネットワーク化などを行う生活支援コーディネ―ター、協議体の配置を介護保険法の地域支援事業に位置付けています。多様な取り組みを充実させるために不可欠な生活支援コーディネ―ターを区、各すこやかに設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、設置するだけでなく、都が行う研修への派遣など、スキルアップや活動支援を区が責任を持って取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、同ガイドラインの中には、介護予防での新たな仕組みとして介護予防手帳の活用があります。介護予防手帳とは、総合事業を受ける人に対して、介護予防マネジメントを手がける地域包括支援センターなどから交付され、現段階で想定されているのは、地域包括支援センターによる心身の状況や状態を維持・改善するためのアドバイス、必要な支援・サービス、到達すべき短期・長期目標などを記入するというものです。その上で、本人がいつでも手帳の記載内容を確認することで本人のセルフケアマネジメントを促すとしています。また、サービス提供者が手帳内容を確認しながらサービスを実施し、その内容を記録することにより、サービスにかかわる支援者間、本人・家族の間での情報共有を図るという狙いもあります。さらには、サービスを受けていなくても、セルフケアの記載欄を設けることで本人自身のセルフマネジメントによって介護予防を継続するツールともなります。総合事業推進、高齢者のセルフマネジメントを推進するために中野区版介護予防手帳を導入してはいかがでしょうか。伺います。

 また、将来的には、すこやか圏域ごとで圏域の情報を掲載したオリジナル手帳の作成やスマートフォンでの管理も検討してはいかがでしょうか。伺います。

 次に、高齢者施設トイレについて伺います。

 区内には18の高齢者施設がありますが、洋式化率は72.6%で、約30%は依然和式トイレとなっています。中には和式トイレのほうが多い施設もあり、洋式でも男女兼用となっているのが6施設あります。足腰の弱っている高齢者にとって和式トイレの使用は困難であり、特に女性にとっては快適に使える状況ではない施設もあります。高齢者施設は地域ケアの拠点として今後ますます重要となると思いますが、トイレの洋式化、また女性へ配慮した設備を計画的に進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、真正面から出生率の向上に取り組むことのうち、保育園の充実について伺います。

 中野区は、待機児童の解消に向けて、毎年ごとに保育需要の地域バランスや年齢枠の確保の見込みを立て、保育の需要と供給を見通して認可保育所の整備や認証保育所などの誘致を図ってきており、我が会派としても区の対応を評価してきたところです。しかしながら、ことしも待機児童が解消されない事態となりました。4月1日現在では待機児童数が172人となり、前年度の待機児童数241人に比べれば69名減少しましたが、ゼロ歳児から2歳児までの待機児童が多く、中でも1歳児が86人と際立って多いと伺っています。来年度は、これらの利用状況をもとに待機児童解消のために賃貸物件型などの認可保育所の誘致策を行い、当初予算での認可保育所5施設、小規模保育施設2施設、その上に認可保育所2施設を追加して補正予算を組み、定員も全体で504人増加させるとのことです。区としても、来年度で待機児童は解消できるとの強い決意と自信を持って今回の補正予算に臨まれたと伺っています。

 待機児童という喫緊の課題解決の一方で、現状の保育園の施設面についても改善が求められます。賃貸物件型の保育園は園庭を持たずに近隣公園を活用していますが、利活用においての課題の解決、施設のセキュリティー対策の強化など、より安全・安心で快適な保育園を目指すべきです。そこで、保育園施設の質的な向上を図るために施設面での施策が早急に必要と考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 次に、保育士の確保と支援について伺います。

 保育の問題において、認可保育所を核とした定員拡大とあわせて保育士の人材確保も重要な課題です。私も、保育園を運営している方から保育士の確保が困難であるという悲鳴にも聞こえる要望をいただいています。区では、認可保育施設だけでなく、認証保育所、認可外保育施設を含んだ区内全ての保育施設での保育士の必要な人数、そして確保状況をしっかりと掌握し、対策を検討すべきと考えます。

 国では、待機児童解消加速化プランにおける40万人の保育の量の拡大に伴い、必要となる保育士の確保を図るための取り組みを推進し、平成29年度末までに国全体として46万3,000人の保育士を確保することを目標としています。その中で新たに確保が必要と推定される6万9,000人の保育士確保のために、平成27年1月に保育士確保プランを策定しました。これらのプランや都の補助制度を活用して、他区では、区内で働く保育士の家賃を補助する事業、また賃金を上乗せする支援事業をスタートしています。中野区においても補助制度を活用し、保育士確保に苦慮している新設園をはじめ、既存園に対しての支援を行い、保育士確保を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 子ども・子育て支援新制度では、教育・保育施設を対象とする施設型給付・委託費に加え、区市町村による認可事業として地域型保育事業を児童福祉法に位置付けた上で地域型保育給付の対象とし、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みとすることにしています。その中で、自宅などに保育士などが訪問して児童の保育を行う居宅訪問型保育事業があります。そのうち、重症心身障害児や医療ケアの必要な子どもを対象とした居宅訪問型保育事業もスタートしています。障害児の保育の受け皿づくりは不足し、医療面での支援が必要な障害児を受け入れる保育所は少ない状況です。この障害児在宅訪問保育事業は既に新宿区、豊島区でも始まっており、中野区でも推進すべきと考えますが、準備状況はいかがでしょうか。伺います。

 また、保育施設に在籍している児童が病気などで保育施設に行けないときに民間のベビーシッターが訪問した場合、その費用の一部を助成している自治体があります。病児・病後児保育のニーズは女性の社会進出とともに高まる一方です。区では、病児にはファミリー・サポート事業、病後児には2カ所の病後児施設がありますが、働く親が子育てしやすい環境をつくるために、ベビーシッターが居宅に訪問した場合の訪問型病児・病後児保育利用料助成制度を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、オリンピック・パラリンピックでつくり出すレガシーとして、都市観光施策について伺います。

 日経新聞6月10日に、「イングレス」という地理情報ゲームで中野区での名所めぐりを検討しているとの記事が掲載されていました。イングレスとは、全世界で1,100万人のプレイヤーがスマートフォンを片手に実際に町を歩きながら遊ぶ、AR(拡張現実)陣取りゲームです。多くのエージェントに地域や商店街などを訪れていただき、街を練り歩いていただくことで商店街の活性化や都市観光の振興にもつながることが期待できるそうです。大人数が集団戦を繰り広げることになり、ことし3月に京都で行われたイングレスのイベントには国内外から5,600人以上が参加したとのことです。記事でさまざまな企画が検討されているとありましたが、現在どのような段階なのか。また、10月のなかのまちめぐり博覧会でスタートをするとのことでしたが、イングレスの効果はどのように試算をしているのか、伺います。

 また、先行して実施をしている自治体では、ゆかりのある人物や物を全面に出し、オリジナルのメダルやグッズを作成し、啓発に取り組んでいます。中野区では、漫画やアニメなどの、ほかにはないサブカルチャーがあります。そういったアニメコンテンツなどのソフトな資源を活用し、オリジナルグッズを作成してはいかがでしょうか。伺います。

 イングレスは、東京オリンピック・パラリンピックに向けての集客力を高める効果も考えられます。外国人誘致も明確に視野に入れながら、ゲームにおいてもスポットにおいても外国語表記の充実を図ってはいかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。

 次に、公園の活用について伺います。

 昨年の小・中学校体力調査においても、握力やボール投げは小・中学校男女全ての学年で中野スタンダードを下回り、東京都平均よりも年々差が開く傾向にあり、大きな課題とされています。私も小学生の子どもを持つ親として体力調査の結果には不安を感じますし、体力向上を図るにしても子どもの遊び場の少なさを日常から感じています。例えば、区内では小学生でもキャッチボールができる公園はほとんどありません。それでも、子どもたちは親や近隣の方に怒られながらも、道路や狭いスペースでキャッチボールをしているところをよく見かけます。議会においても何度か要望されていますが、キャッチボールを含め、のびのびと球技ができるネットフェンスを中小規模の既存の公園に整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、犬の同行入園について伺います。

 平成20年3月、中野区ペットとの共生を考える懇談会では、中野区におけるペットとの共生のための提言を作成しました。現在、区に登録されている犬は9,759頭であり、平成19年当時の8,095頭より増加し、ペットはより身近な存在となっています。提言の中では、犬を連れての既存公園の立ち入りについて、一定規模以上の公園に限定、条件をつけての利用者登録証を発行、小便用の柱と水飲み用の水栓整備、利用時間の制限、マナー教室受講の義務付けなどの課題を解決し、犬の散歩をする際の休憩場所や愛犬家同士の語らいの場所を求める声に応えることを提案しています。特に条件をつけての利用者登録証を発行し、早朝や夕方などの公園を利用する方の少ない時間帯での同行入園は近隣の方の理解を得やすいと考えます。既存の中小規模公園においても犬の同行入園ができる公園整備を検討すべきと考えます。その第一歩として、まずは同行入園のルールづくりをし、モデルケースとなる公園を指定して検証してみてはいかがでしょうか。伺います。

 我が会派、平山議員のことし第1回定例会総括質疑でも、特色のある公園づくりを目指した公園再生・改修整備計画の策定を要望しました。今年度改定する公園施設長寿命化計画とあわせて策定するとの答弁でした。その中で、ぜひ地域の特色ある公園づくりを着実に進めていただきたいことを願って、この項の質問を終わります。

 次に、医療費適正化について伺います。

 現在、国においては、医療費の適正化を図るため、ジェネリック医薬品の促進についてさまざまな検討がされております。ジェネリック医薬品の促進については、我が会派から差額通知制度を提案するなど、推進を要望してまいりました。区では、平成25年よりジェネリック医薬品の差額通知制度を導入し、ジェネリック医薬品の推進を進めてまいりました。制度を導入して2年がたちましたが、国民健康保険でジェネリック医薬品に切りかえた場合の推定効果額、またジェネリック医薬品がない薬剤を除いた使用率を伺います。

 厚生労働省では、生活保護費削減に向け、今年度より地方自治体へ生活保護ジェネリック使用割合を75%以上に引き上げを要請しています。基準に満たない場合は後発医薬品使用促進計画の策定を促しています。医療費の適正化を推進するために受給者に対しても理解を進め、使用割合を上げていくべきと考えますが、現在の区の使用割合はどれくらいなのか、使用促進計画の策定を検討していくのか、伺います。

 また、国民健康保険制度では、国のロードマップでは17年度までに60%以上の使用率を目指すとしていたところを、厚生労働大臣は5月26日の経済財政諮問会議で、2016年度末までに後発品の数量シェアを60%以上、2020年度末までに80%以上との目標を示しました。国の目標を待つまでもなく、医療費の適正化のためにはジェネリック医薬品の使用率の向上は不可欠です。差額通知の頻度、対象者数の再検討、また対象者の近隣にあるジェネリック医薬品を扱っている薬局名とその住所を差額通知で掲載するなど工夫をし、差額通知の効果をさらに高め、使用率向上を推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 平成25年6月の閣議決定、「日本再興戦略」では、全ての健康保険組合が平成26年度中にデータヘルス計画を策定し、平成27年度から計画を実施するよう支援するとしています。23区でも数区が今年度よりデータヘルス計画もしくは医療費適正化計画を策定し、医療費適正化をさまざまな事業を統合して計画的に推進しています。これまでも何度かデータヘルス計画について提案をさせていただきましたが、区としても医療費適正化に向けた計画を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。

 次に、教育の課題について。まず、学習支援事業について伺います。

 今年度よりスタートした学習支援事業が大変関心を集め、定員を超える多くの応募があったとお聞きしています。小学生110名、中学生40名の定員に対し何人の応募があったのか、伺います。

 先日も、応募したが抽せんに外れ、利用ができなかったとの保護者の方からの声を伺いました。そもそもこの事業は、生活援護分野の事業として、親の収入によって子どもの教育の機会を狭めることのないよう、利用者負担なしで授業を週2回受け、都立高校への受験を目指すということを目的としています。大変充実した内容に多くの方が利用を望み、結果として利用できない方が発生しました。高校受験は本当に大切な機会であります。今回の結果を踏まえ、事業の拡充をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、今回の応募結果について、教育委員会ではどのように受けとめられたのか。また、学習支援の機会を求める児童・生徒に対し、今後どのように対応されるのか、伺います。

 次に、不登校対策について伺います。

 今年度より適応指導教室のあり方を改め、臨床心理士、教育経験者、スクールソーシャルワーカーでチームをつくり、学校を巡回し、登校しぶりや別室登校をしている児童・生徒の相談・指導を行うとともに、家庭へも支援をすることで不登校の未然防止、学校復帰につなげる対策を強化していくこととしています。不登校にはさまざまな原因があり、学校だけ家庭だけで解決できない場合も多く、巡回支援チームによる包括的な取り組みは大いに期待するところです。

 今月1日、西東京市では、昨年7月に中学2年生の男子生徒が継父に虐待を受け自殺した事件の検証報告書を発表。正当な理由がなく、連続欠席している児童・生徒への対応として、児童・生徒の不自然な欠席が3日続いた場合、5日目までに直接会って確認するなどの西東京ルールを定めました。中野区でも今回の取り組みを機に中野ルールを定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、さまざまなケースに対応できるように、不登校をはじめ、虐待や子どもの貧困対策等も視野に入れた巡回支援事業とすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 最後に、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について伺います。

 本年4月30日、文部科学省は、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を関係機関に送付しました。これを受け、中野区では6月の定例校長会で各校に周知を図ったとのことです。区としても、学校における支援体制、医療機関との連携などについて、具体的にはどう推進されるのか、伺います。

 また、対象の児童・生徒の悩みや不安に寄り添い、支援することはもとより、重要なことは教員をはじめとする学校関係者、保護者、児童・生徒の理解を深めるための人権教育の推進であると考えます。全ての小・中学校で人権教育が根付いていくことが重要であると考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺い、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 木村議員の御質問にお答えをいたします。

 生活支援コーディネ―ターの配置についてであります。国は、生活支援・介護予防サービスを充実させる取り組みとして、生活支援コーディネ―ター、地域支え合い推進員ということになりますが、この配置を推奨し、その役割を基盤整備のための資源開発やネットワークの構築、ニーズとサービス提供主体とのマッチング等としているわけであります。区におきましては、各生活圏域に設置をしているすこやか福祉センターの果たすべき役割、機能の一つがこれに当たると考えております。今後、都が実施することになる人材養成研修等を積極的に活用するなど、必要となる人材の確保とスキルアップに取り組んでまいりたいと考えております。

 介護予防手帳の導入をという御質問でした。高齢者が日常生活上の情報を記録することはさまざまに有益なことであると考えております。どのような形でそれを実施していくかということについて、介護予防手帳といった考え方も含めて、今後考えていきたいと考えております。その中では、スマートフォンの活用などについても、他自治体の導入事例なども含め、参考としながら検討していきたいと考えております。

 それから、高齢者施設のトイレの洋式化についてであります。高齢者施設の利用者の実態から考えましてもトイレの洋式化というのは課題と考えております。和式トイレにつきましては、引き続き洋式化に取り組んでまいります。

 保育園施設の質的向上についてであります。安全で安心な保育園施設の維持管理については、子ども・子育て支援新制度における基本的な給付費・委託費の中に施設管理費や補修費といった項目が算定をされているほか、保育所に対しましては、保育事業の充実について区で加算をしているところでありまして、適切な施設の維持管理が行われるよう、区としても状況把握や働きかけに努めていきたいと考えております。

 固有の園庭のない保育施設が公園を屋外活動として利用する場合については、保育園担当と公園担当が情報を共有し、必要な屋外活動が行えるよう連携をしっかりと行ってまいります。

 保育士の確保策についてであります。保育士確保対策としては、区内保育事業者を支援して就職説明会を行っておりますほか、ハローワークと共催の就職説明会を増加させるなど、積極的に保育士確保に向けて対応を図っていきたいと考えております。また、引き続き東京都主催の就職説明会への協力を行い、あらゆる機会を通じて保育士の確保を進めてまいりたいと考えております。

 保育士の処遇改善については、保育園運営費に当たる給付費の増加のほか、保育士のキャリアアップに伴う補助を予定しており、今後、保育士確保に向け、処遇の改善が図られる予定であります。

 保育士の家賃補助制度につきましては、基本となる国と都の補助が平成25年度以降の借り上げ施設であることや次年度以降の実施が不透明であるなど課題もありますことから、近隣区の動向を見ながら、保育士の確保に本当に効果があるのかどうか、事業者の意向も踏まえて、さらに検討を行ってまいります。

 居宅型保育事業についてであります。中野区子ども・子育て支援事業計画において、障害、疾病等の理由で集団保育が困難な乳幼児に対して居宅訪問型保育事業により保育サービスの提供を進めることとしております。現在、居宅訪問型保育事業の開始に向けて事業者とヒアリングを行うなど検討を行っているところであります。

 訪問型病児・病後児保育利用料助成制度についてであります。病児・病後児の保育については、社会福祉協議会への委託によるファミリー・サポート事業として各家庭を訪問して預かりを行っているほか、専用室を設けた保育園と乳児院の2施設において病後児保育を実施しているところであります。ファミリー・サポート事業で病児・病後児対応を実施していない自治体では民間のベビーシッター利用について助成をしているところがあると承知をしているところでありますが、中野区といたしましては、ファミリー・サポート事業を基本として改善や充実を図り、より多くの区民に利用していただけるよう検討していきたいと考えております。

 イングレスの活用についてであります。イングレスは、GPS機能と地図情報を利用したスマートフォンゲームでありまして、自治体の一部ではまち歩き観光への活用が図られております。現在、ゲーム内の電子スタンプラリー機能を活用して、ユーザーが地域の観光資源を回遊できるまち歩きコースを中野区公式ミッションとしてゲーム内に設定することを検討しております。こうしたことに加え、今年度のなかのまちめぐり博覧会でイングレス関連イベントを開催したり、観光ホームページ等で周知、PRを検討しているところであります。これらにより、イングレスを通じた集客や区の知名度、イメージ向上効果もあると考えているところであります。

 イングレスによるアニメコンテンツの活用についてであります。イングレスと区の特色でありますアニメ、漫画等関連コンテンツとの連携により、漫画、アニメ、ゲーム世代など、若年層への周知に向けた相乗効果も考えられるところであります。さまざまなイベントが行われる状況を今後も注視していきたいと考えております。

 外国語表示の充実についてであります。イングレスの活用を行うとすれば、ゲーム内の地点の説明に外国語表記を加え、かつその地点に対応する現実の場所でも同じ外国語表示を設置するなど、外国人対応を充実させることについても検討していきたいと考えております。

 それから、球技ができる公園についてであります。公園に球技ができる広場を設置する場合には、近隣への影響や他の利用者の安全確保などに十分配慮をしなければなりません。提案にあるような、全面をネットフェンスで覆い、球技ができる公園の整備等につきましては、特色のある公園づくりや配置のあり方なども含め、公園の再整備の中で検討してまいりたいと考えております。

 犬の同行入園についてであります。区では、これまでも犬の同行入園については中野区ペット等の共生を考える懇談会からの提言を受け、ペット等飼養に関する条例の提案を行ったところです。条例では、基本的なルールの順守を求め、マナーの向上を目指して地域住民の相互理解を進め、区の役割と責任を明らかにすることとしておりました。それを踏まえて、公園等における犬の同行入園についても一定のルールや仕組みを構築することを考えておりましたが、条例が成立しなかったこともあり、動きがとまっているといった状況にあります。条例がない状態でも提言の趣旨は生かされていくべきだと考えております。改めて公園への犬の同行入園等の環境整備のあり方について検討をしてまいります。

 私からは以上です。その他はそれぞれ担当からお答えをさせていただきます。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学習支援事業につきまして、学習支援の機会を求める児童・生徒への対応の御質問でした。児童・生徒の学習意欲を大切にしながら、全ての小・中学校におきまして、放課後や長期休業日を活用して一人ひとりの状況に対応した補充的な学習の機会を設定したり、家庭学習の取り組みを推進したりするなどして対応してございます。今後もこの取り組みの充実を図っていく考えでございます。御質問の中にございました今年度より始まりました学習支援事業との連携もとっていきたいというふうに考えております。

 次に、不登校児童・生徒への対応です。不登校児童・生徒への中野区ルールを定めるべきではないかということでした。基本的には学校は1日の欠席であっても家庭と連絡をとり合うなどして対応しているところでございますが、欠席が3日以上続いた場合は児童・生徒の実情に応じて家庭訪問等をして状況を確認することとしております。今後もこの徹底を図ってまいります。

 次に、不登校児童・生徒への巡回支援事業についてです。現在は不登校児童・生徒への支援として適応指導事業を実施してございますが、今後は不登校状態にある児童・生徒や不登校状態になるおそれのある児童・生徒に対して巡回を行い、一人ひとりの状況に応じた支援の方法を講じていくようにする考えでございます。また、その中で家庭への支援も視野に入れ、虐待等については関係機関と連携を進め、適切に対応できるようにしてまいります。

 続きまして、性同一性障害についての御質問です。性同一性障害に係る児童・生徒への学校の対応といたしましては、当該児童・生徒及び保護者の意向を十分踏まえつつ、組織的な相談体制やサポートの体制を整えていくことが重要であると考えています。さらに、こうした配慮や支援を行うに当たりましては医療機関と連携しつつ進めることが重要でございますので、今後、専門的医療機関等についての情報提供に努めてまいります。

 また、性同一性障害に係る人権教育の充実についてです。教育委員会といたしましては、これまでも各学校における人権教育の充実を目指して、東京都人権施策推進指針に示された人権課題等を取り上げた教員研修を行ったり指導資料の作成を行ったりしているところでございます。今後も性同一性障害を含めて人権課題への対応への充実を図ってまいります。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、医療費適正化についての御質問のうち、2点についてお答えをいたします。

 まず、国民健康保険のジェネリック医薬品の使用率等についてでございます。ジェネリック医薬品を使用することによる年間の効果額は、差額通知事業を開始する直前の平成25年4月時点と比較して、平成25年度は約1,500万円、平成26年度は約7,000万円と推計しております。また、後発医薬品がないものを除いた使用率は、平成27年3月時点で43.1%でございます。

 次に、ジェネリック医薬品利用差額通知の工夫についてでございます。現在は、血圧降下剤や糖尿病用剤など、継続的に使用される医薬品の処方を受けている被保険者に通知の対象を絞って実施しております。通知の回数や対象者の見直しなど、差額通知の効果を高める工夫につきましては費用対効果等を踏まえて検討していきたいと考えております。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、医療費適正化と学習支援事業に関連して3点の御質問にお答えをいたします。

 まず、生活保護受給者のジェネリック医薬品の使用割合についてでございます。平成26年6月時点で、生活保護受給者の数量ベースの後発医薬品割合は62.2%でございます。また、区は現在、生活保護受給者を対象とする後発医薬品使用促進計画の策定に向け、検討を進めております。

 次に、2点目といたしまして、データヘルス計画の策定についてでございます。データヘルス計画につきましては、データを活用して科学的にアプローチすることで事業の実効性を高めていくことが大変重要でございまして、中野区第二期特定健康診査等実施計画などとの整合を図るとともに、検診データや医療情報などを踏まえつつ、策定を進めていきたいと考えてございます。

 3点目といたしまして、今年度よりスタートした学習支援事業についてでございます。学習支援事業に関しましては、申し込み期限までに小学生は96名の応募があり、全員が支援対象者となりました。中学生は184名の応募があり、定員40名としていたため、抽せんにより支援対象者を選定いたしました。低所得世帯を対象とした学習支援事業は大切な取り組みであると考えてございます。今年度の事業成果を踏まえ、より一層効果的な支援が行えるように拡充を含め検討してまいります。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で木村広一議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 広 川 まさのり

 1 子どもの貧困対策について

 2 子ども施策の拡充について

  (1)保育園について

  (2)児童館について

  (3)学童クラブについて

  (4)その他

 3 バス停の屋根設置について

 4 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

○19番(広川まさのり) 2015年第2回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 まず初めに、子どもの貧困対策についてお伺いします。

 日本では、子どもの貧困問題が深刻化しています。厚生労働省の調べによれば、子どもの貧困率は過去最悪の16.3%に上り、国民の平均的な所得の半分に満たない世帯で暮らしている17歳以下の子どもが全国で約325万人あまり、6人に1人が貧困に該当しています。日本の場合、政府からの子育て世帯への援助が限られており、生活保護など公的扶助の捕捉率も他の先進国に比べて低いという状況があります。現在、中野区においては、国民健康保険料や保育料の値上げなど、さらに子どもの貧困を助長させるような状況と言わざるを得ません。また、3年間で段階的に行われている生活保護基準の引き下げに連動した就学援助基準の引き下げにより、区内では150人が非認定となっており、最終的には200人程度が就学援助を受けられなくなります。区は現在、就学援助の引き下げによる補助の打ち切りに対し経過措置を行っています。貧困の深刻化が進む中で、来年度以降もこの経過措置を継続すべきと考えます。認識をお伺いします。

 また、一昨年、子どもの貧困対策法が成立しました。子どもは将来を担う社会のかなめであり、深刻化する貧困の連鎖を食いとめなければならないという理念が広がり、施行されたものです。この法律の基本理念には、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを掲げ、この基本理念に沿って地方自治体は子どもの貧困対策を総合的に策定・実施しなければならないと義務付けています。しかし、安倍政権が策定した政策大綱は実効性に乏しく、改善・充実を求める声が上がっており、自治体独自の努力も始まっています。足立区は、子どもの貧困対策に取り組む専門の部署を設けて早期発見・早期支援に乗り出しました。妊婦が母子手帳を受け取る際に提出する妊娠届出書にパートナーとの関係や生活費などで困っていないかを記入する欄を設け、子どもが生まれる前から貧困につながるリスクを見つける取り組みを行っています。また、区内全ての小学校で1年生の全児童を対象に健康状態や生活習慣、保護者の経済状況を総合的に調査しています。その結果を踏まえた上で同一児童を対象とした追跡調査も検討されております。経済格差が進む今、子どもたちの実態を解明することが重要です。中野区においても、切れ目のない子どもの貧困対策に取り組む上で、こういった専門の部署を設け、子どもの貧困問題に向き合うべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

 次に、寡婦(夫)控除のみなし適用についてお聞きします。

 現在、日本のひとり親家庭では貧困率が5割を超え、2人に1人が貧困状態にあります。これは先進国の中では最悪の水準です。日本のひとり親家庭の特徴は、就労率が高いにもかかわらず、貧困の状態だということです。子どもの貧困対策を考えるとき、ひとり親家庭への公的支援は中心的な課題です。さらに、婚姻歴のないひとり親家庭は税法上の寡婦(夫)控除の適用がないことから、区の保育料など一部の使用料について負担軽減の措置が受けられず、婚姻歴のあるひとり親家庭と同様のサービスを受けていても現状では利用者負担に差が生じています。現在、全国の自治体で保育園や幼稚園の保育料、学童クラブの利用料、住宅使用料などにおける寡婦(夫)控除のみなし適用の実施が進んでいます。ことし、第1回定例会におきまして、中野区においても寡婦(夫)控除のみなし適用をできるだけ早期に実施していくとのことでありましたので、この間検討はされてきたと考えます。いつからの実施となるのか、伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、子ども施策の拡充について伺います。

 まず、保育園について伺います。

 今年度より子ども・子育て支援新制度が始まりましたが、児童福祉法第24条第1項で実施責任は地方自治体にあることは変わっていません。その中で、多くの保護者が都の認可園を希望しながら不承諾になっているという状況があります。新制度のもとで保護者の入園希望がどの程度実際に反映されているのかという実態を調査する体制をつくり、本格的に保育施設の拡充に努めるべきだと考えます。現在、中野区において都の認可園に入れなかった児童数、いわゆる旧定義での待機児童数をお聞きします。

 また、子ども・子育て支援新制度のもとで、4月の段階で0歳から2歳児のみを対象にした保育施設に通う児童数は320人程度となっています。こうした保育施設にいる児童は、3歳になると保育環境を新たに見つけなければなりません。区は連携施設の設定や利用調整の加算により保育の継続を確保するとのことですが、出生数がふえ、さらに女性の就労がふえる中で、今後は3歳以降の受け皿がさらに不足することが考えられます。3歳になり保育施設を利用できなくなるという3歳の壁を生まないための対策に早急に取り組んでいくべきだと考えます。見解をお伺いします。

 続きまして、保育園の拡充について伺います。

 この間、保育園に子どもを預ける保護者に聞き取りを行う中で、家庭的保育事業や小規模保育事業に子どもを預ける保護者からは、遊具や園庭といった施設が充実している保育園への転園を希望しているという声が多く聞かれました。また、認証保育園を利用する保護者からも同様の声が聞かれます。中野区にはかつて41園の公立保育園がありました。これは保育所をつくってほしいという保護者の声に区が応えて拡充してきたものです。しかし、保育園適正配置計画や中野区財政健全化計画、そして10か年計画などのもとで廃園や民営化、民間委託が相次ぎ、公立保育園は現在16園となっております。待機児童の解消や保育の質の確保が求められる中で、子育て支援のかなめとなる公立保育園の廃園、民営化をこれ以上進めるべきではないと考えます。また、区は、中野区子ども・子育て支援事業計画の中で「子どもたちがのびのびと健やかに成長し、子どもを育てる喜びを感じながら、安心して子育てができるまち」を基本理念に掲げています。であるならば、子どもが安心して走り回れる園庭があり、資格を持った職員に見守られ、手づくりの給食を食べる、そういった子どもが育つ上で当たり前の健やかに育つ権利は保障すべきと考えます。区は、国有地、都有地、区有施設の活用などで、今多くの保護者が求めている都の認可園の拡充を進めるべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

 次に、児童館について伺います。

 中野区は、これまで8館の児童館を廃止し、さらにこれから11館の廃止を予定しております。児童館は乳幼児親子をはじめとした子どもたちの貴重な居場所です。私の子どもは1歳5カ月になるまで保育園に入れず、雨の日でも安心して走り回れる児童館を毎日のように利用しておりました。在宅の乳幼児親子にとっては、母親のストレス軽減、子どもの運動不足の解消、母親同士のつながりという点でも子育てにとってかけがえのない役割を果たしています。小学生には放課後や学校休業日の地域の遊び場としてキッズ・プラザには担えない役割を果たしています。さらには、地域のさまざまな団体と子どもを中心としたイベントが行われています。児童館がなくなることで、長い期間をかけて構築してきた地域活動や子育てネットワークの拠点が失われてしまうという職員の声もあります。児童館は地域の魅力です。

 そこで、お伺いします。これ以上児童館は廃止すべきではありません。答弁を求めます。

 次に、学童クラブについて伺います。

 学童クラブは、保護者が仕事や病気、看護などのため、放課後に家庭で保護を受けられない小学生にとって安心して遊ぶことのできる日常生活の場です。現在、核家族化や共働き家庭の増加などにより希望者はふえ続けているのに対し、整備が追いついていないことで学童クラブの待機児童は増加傾向にあります。中野区は、平成22年から平成26年の間にゼロ歳から5歳の未就学児の人口が1,200人増加しています。一方、少子化等を理由に数年間でさらなる小学校の統廃合を行う計画です。それに伴い、併設の学童クラブも統廃合されるというところもあります。今後、さらに学童クラブの待機児童は深刻になっていくことは明らかです。現在、区内の学童クラブで待機児童が発生している施設数と待機児童数を伺います。

 また、今年度、4カ所の学童クラブが民設民営で開設予定でしたが、実際には2カ所しか開設に至っていません。こういった事態を繰り返さないためにも、学童クラブの増設は区が責任を持って行い、待機児童の解消に取り組むべきです。今年度、子どもが学童クラブの待機児童になったというお母さんからは、仕事をやめるわけにはいかず、子どもの意見も尊重しながら新たに習い事を幾つかふやし放課後の時間を埋めたが、月謝が家計を圧迫しているという話がありました。ここでも子どもの貧困と連鎖的につながる事態を生み出しています。今後、さらに待機児童数はふえる傾向にあります。区長は、行政報告の中で女性が働き続けられる環境づくりということを述べられておられます。人口の流動性が高く、合計特殊出生率も全国で最も低いグループに属する中野区として、必要なのは子どもを育てながら安心して働き続けられる自治体にすることではないでしょうか。これ以上の学童クラブの待機児童を生み出さないために、民間ではなく区が責任を持って国有地、都有地、区有施設を活用するなど、早急な対応をすべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

 次に、バス停の屋根、いわゆる上屋の設置についてお伺いします。

 バス業界からの要望を受け、都はこの春から都内の歩道において広告つきのバス停が設置できる条件を緩和しました。これにより上屋のあるバス停の設置が進むことが考えられます。上屋の製造、設置、清掃やメンテナンスは民間の広告企業が請け負うことになります。新しい広告つきバス停は、風防の役割を果たします。また、時刻表の文字を大きくしたり、太陽電池やLEDによる省エネタイプの照明を採用したりと、利用者の利便性や環境に配慮したものとなっております。バス停の充実はこれまでも多くの利用者が求めてきました。かつて、山手通りのバス停の上屋、ベンチ設置において、道路の拡幅工事に伴い、山手通りの問題に取り組む住民の皆さんが都に要求し、バス協会など関係者と協議して設置したという経過があります。設置が進めば、雨天の乗り降りの安全性が向上することや待ち時間に日差しをしのげるなど、高齢者にとっても利用しやすくなります。こういったバス停の上屋の必要性を区としてどのようにお考えでしょうか。認識を伺います。

 山手通りの成願寺前バス停や方南通りの南台交差点バス停など、このたびの基準緩和を機にバス会社が広告つきの上屋を設置できることとなるバス停は区内に数多くあります。もちろん、道路管理者として道路の安全性の確保などにより、どこでも可能とはならないでしょう。しかし、利用者の立場に立って、区としてバス会社を含めた関係機関に区内のバス停の上屋設置を要望すべきと考えます。見解をお聞きします。

 その他の項で1点、南部防災公園工事の安全対策について伺います。

 現在、南台一丁目において防災公園が整備中です。南半分の公園部分が第1期工事で完了し、28年2月までに北半分の運動広場の整備を完了する予定となっております。第1期工事で完成している公園において、現在も高い工事用仮囲いが設置されています。公園の南西の角が交差点になっており、角の部分には透明なアクリル板が施されておりますが、範囲が狭く、見通しも良好だとは言えません。実際に自転車同士の接触なども起こっており、地域の皆さんからは危険だという声が上がっています。これから第2期工事が始まるに当たり、交差点に接する工事用仮囲いにおいて、視認性確保と歩行者の安全性の向上のために隅切り部分を拡張するといった対策を区として事業者に要望することを求めます。見解をお聞きしまして、全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 広川議員の御質問にお答えをいたします。

 子どもの貧困対策についてであります。専門的な部署を設置して対応を図ってはどうかということであります。子どもの貧困対策については、各事業を所管する部署が主体となって連携をとりながら取り組んできているところであります。組織のあり方について変更する予定はありません。

 寡婦(夫)控除のみなし適用についてであります。いわゆる寡婦(夫)控除のみなし適用の実施については、関係部署におきまして検討・調整を行っているところでありまして、今年度中の実施を目途に準備を進めております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 就学援助の経過措置についての御質問です。就学援助の経過措置は、昨年度から3年間にわたって実施しているものでございまして、来年度までの実施が決まってございます。その後の経過措置につきましては、現時点では考えてございません。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子ども施策の充実の御質問のうち、保育園についてお答えをいたします。

 まず初めに、いわゆる旧定義の待機児童数についてでございます。待機児童数につきましては、厚生労働省の通知に基づきまして区市町村が定義を決め、把握をしているところでございます。区としましては、この定義で政策判断を行っておりまして、旧定義という概念自体用いていないところでございます。

 この4月から始まった子ども・子育て支援新制度では、施設体系が再編をされまして、保育所、認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業等が認可保育施設となったところでございます。なお、この4月に保育の利用希望をして、入所相当と判断されても認可保育施設に入所できなかった児童の数は522人で、以上の施設に入れなかった児童から認証保育所に入所した児童数等を除いた待機児童数は172人となってございます。

 次に、保育施設整備につきましての御質問でございます。区はさまざまな保育ニーズに対応するため、区有施設を活用した保育所整備や小規模保育事業、民間保育所の誘致など多様な対策を講じているところでございます。小規模保育事業等を利用する子どもの3歳以降の保育施設につきましては、現在、区が連携施設の確保に向け調整を進めているところでございます。また、公有地等の活用につきましてはさまざまな角度から検討をしておりまして、今後とも確保に努めてまいりたいと考えてございます。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、まず児童館についての御質問にお答えをいたします。児童館につきましては、学年を超えて交流し、安全に安心して過ごせる遊び場でございますキッズ・プラザの小学校内への開設にあわせまして順次廃止することとしてございます。また、乳幼児親子の居場所につきましては、中野区子ども・子育て支援事業計画に基づきまして地域子育て支援拠点事業として整備を進める予定でございます。

 続きまして、学童クラブの待機児ということでございました。近隣の民設学童クラブを利用することなく、当該学童クラブでの利用を待機している児童数は4月1日現在で10カ所、73名となってございます。人数が多い学童クラブは、桃花学童クラブが29名、平和の森学童クラブが16名、桃園学童クラブと若宮学童クラブがそれぞれ6名という状況になってございます。

 続きまして、民間学童クラブについての御質問です。保育時間の延長など、今後も多様化し、増加する学童保育ニーズに的確に対応していくには民設学童クラブの設置は不可欠であるというふうに考えてございます。設置場所につきましては、民間施設や公的なストックなど、さまざまな資源の活用を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、バス停の屋根設置についての御質問にお答えをいたします。バス停に屋根、上屋を設置するためには歩道上に一定程度の幅員が必要であり、必ずしも全てのバス停に設置できるというものではございません。その必要性や設置の判断につきましては、交通管理者との協議に基づいてバス事業者がするものと考えております。区といたしましては、道路管理者の立場で、中野区道路占用許可基準に基づいて協議があれば対応しているところでございます。

 次に、(仮称)南部防災公園の工事用仮囲いについての御質問がございました。仮囲いは、道路区域にはみ出しているわけではなく、工事の安全確保にも必要でございます。交差点部分につきましては、クリアパネルを使用するなどして歩行者の安全にも一定の配慮をしており、仮囲いの移設を求めることは考えていないところでございます。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で広川まさのり議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 中 村 延 子

 1 避難所運営について

  (1)災害時の妊産婦への対応について

  (2)ペットの同行避難について

  (3)その他

 2 災害時の情報受発信について

  (1)情報発信について

  (2)安否確認メールについて

  (3)その他

 3 がん対策について

  (1)受診率向上施策について

  (2)受動喫煙防止について

  (3)その他

 4 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 次に、中村延子議員。

〔中村延子議員登壇〕

○16番(中村延子) 平成27年第2回定例会に当たり、民主党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。その他はございません。

 まず、避難所運営について伺います。

 昨年の御嶽山の噴火や、ことし5月に入ってからは箱根山などの火山活動が活発化し、噴火警戒レベルが引き上げられています。6月16日と19日には浅間山が小規模な噴火、5月29日に爆発的な噴火が起きた鹿児島県の口永良部島では、6月18日、19日に再び噴火が起き、島民全員が避難生活を強いられています。また、5月24日には埼玉県北部を震源とするマグニチュード5.6、最大震度5弱の地震や、5月30日には小笠原諸島沖を震源とするマグニチュード8.1、最大震度5強の地震が起きました。中野区でも震度4及び震度3を観測しました。30年以内に首都直下型地震が起きると言われておりますが、最近の火山活動の活発化や大きな地震の頻度を見ても、いつ起こるかわからない地震や災害への対策は急務です。

 その中で、まずは災害時の妊産婦支援についてお聞きいたします。

 災害時要援護者として高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦が挙げられていますが、妊婦や乳幼児を抱えるお母さんへの対策が十分に検討され、対策がとられているとは言いがたい状況です。中野区でも地域防災計画の災害時要援護者として妊産婦の記載はあるものの、具体的な対策はとられていません。

 平成27年第1回定例会予算総括質疑で、我が会派の森議員からの質問に、避難所の対応での男女別々のスペース確保、乳児の粉乳やおむつの備蓄、二次避難所での対応などがあり、個々の要望については十分な配慮がなされるように取り組みたいとの御答弁がありました。災害時の妊産婦に対し、具体的に支援体制を整える必要があると考えますが、区の考えをお聞かせください。

 過去のデータによれば、被災した母子に適切な処置をしないと乳児の死亡率が高まることが報告されています。妊婦はけがや病気がなくても妊娠しているというだけでリスクがあり、東日本大震災の際には、特に目立った外傷がなかった妊婦が数日後に流産してしまったケースもあったそうです。

 また、東北大学の調査によると、被災地で産後うつ病の女性がふえ、専門家によるケアが必要な産後うつが強く疑われる母親は21.5%、津波被害を受けたと答えた母親に限ると28.7%、実家も含めて避難が必要だった母親も23.9%に上り、津波被害がなかったと答えた方々でも18.1%の疑いがあり、通常よりも高い割合であったことが明らかになりました。妊産婦は、災害弱者の中でも特に災害による影響を受けやすく、リスクも高い、そして医療との連携が早期に必要になる存在であるという認識に立った対応が必要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 文京区では、平成24年9月に区内の跡見学園女子大学と災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互協力の協定を締結されました。内容としては、学校施設の一部を母子専用の救護所として提供するというもので、スペースとしてはキャンパス内のワンフロア約1,400平米で、150名程度の受け入れが可能、医療スペース、相談スペース、子どもの遊び場スペース、感染症などの隔離スペースなども想定し、平成25年から文京区と大学共同での訓練も実施されています。中野区にも薬学部がある帝京平成大学をはじめ、子どもを専門とする学校など、同様の協定を締結し得る学校が存在します。災害時の妊産婦支援に向け、また二次避難所設置なども含め、中野区でもこのような協定を検討していくべきと考えますが、いかがですか。御見解をお伺いします。

 次に、ペットの同行避難について伺います。

 中野区地域防災計画第39次修正の中で、ペットの同行避難が明記され、また平成25年6月には、環境省が災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを作成し、全国の自治体に配付をしました。中野区内には指定避難所が49カ所ありますが、その中でペットの同行避難を受け入れている避難所は何箇所あるのでしょうか。お答えください。

 ここで言われるペットとは、屋外スペースにいても支障がないペットを指し、地域防災計画の中にも犬や猫、鳥などと明記をされています。地域によっては多くの方がペットを飼っていらっしゃるところもあります。避難所へのペットの同行避難は、原則自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られているとはいえ、木密地域などでは避難所で受け入れることができるペットよりも多くの同行避難も考えられます。各避難所での受け入れ可能数は把握しているのでしょうか。また、実際のペット数や避難所へ同行避難が必要になり得るペット数はそれぞれの避難所で把握しているのでしょうか。あわせてお答えください。

 区の総合防災訓練でもペットの同行避難訓練も行われているところです。情報をきちっと把握しなければ災害時に混乱を来す可能性が大きいと考えられます。動物愛護や被災者である飼い主のメンタル面でのサポートなどペットの果たす役割も大きい中、情報の把握、区民への啓発を徹底していただくことを要望し、次の質問に移ります。

 次に、災害時の情報受発信について伺います。

 まず、災害時の情報発信について伺います。

 東日本大震災以降、多くの同僚議員から災害時の情報発信としてSNSを利用すべきとの質問が出ており、中野区はツイッターの利用を平成23年10月末から開始しました。区長はたびたび答弁で、ツイッターからの発信は原則防災や災害に関する情報のみに限るとおっしゃっています。先般、埼玉県北部を震源とした地震では中野区で震度4を観測しました。その際、中野区の公式ツイッターでは何の情報発信もされていません。一方で、地震について一切の発信をしなかったのにもかかわらず、5月27日に発令された光化学スモッグ注意報に関しては発信をされています。これまでに中野区公式ツイッターで発信された内容を見てみると、光化学スモッグ、台風、大雪などになっています。2012年には、選挙の情報や振り込め詐欺の情報、事業内容の見直しなども発信をされています。最近では、5月27日の前の発信は昨年10月の台風情報となっていますが、5月12日に日本に上陸した台風6号については注意喚起などの発信はされていません。中野区が公式に発信をしているツイッターの発信基準はどうなっているのでしょうか。お答えください。

 現在、中野区公式ツイッターのプロフィールには、広報担当の公式ツイッターであり、政策室広報担当が運用をしていると明記をされています。一方で、中野区はツイッター利用を災害時のみとしてきました。これまでの御答弁のように、災害時のみに情報発信するのであれば、防災担当が運用をし、ツイッターのアカウント名も防災担当にし、プロフィールにもそのように明記するべきではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。

 他の近隣自治体は、広報担当が運用をしているところが多く、また防災情報以外にも多くの発信をされています。防災情報のみを発信しているのにもかかわらず、広報担当が運用しているというわかりにくさはフォロワー離れになりかねないと考えます。本来はツイッターの性質上、平時から発信をしていないことにはフォロワー数もふえず、必要なときに必要なところに情報が届かないおそれがあります。災害時に備えるため、平時から発信しフォロワー数をふやす対策が必要だと申し添え、次の質問に移ります。

 次に、安否確認メールについて伺います。

 5月30日、小笠原諸島沖の地震発生時、災害対応する区の職員の一部や区議会議員、一部の医療関係者を対象とした安否確認メールが送信されました。私もメールを受け取った1人です。今回受け取ったメールは開けたものの、メールに張られていたリンクを開き安否確認及び参集の可否を登録するページが開けず、登録することができませんでした。実際に大きな地震が起きていたら、必要な機能が果たせず大きな問題になっていたことが予想されます。今回安否確認メールが機能しなかった原因はどのように分析されているのでしょうか。また、今後はどのように改善をしていく予定なのか、お答えください。

 この安否確認メールは、東京都内で震度5強以上の地震が起きた際に発信され、初動態勢に必要な職員などを参集する目的で利用されています。今回は、東京都でも小笠原諸島で最大震度5強が観測され、中野区では震度3でした。しかしながら、今後いつ起こるかわからない首都直下地震で確実にこの機能が果たされるため、原因の究明と改善が必要不可欠であり、早急な対応が求められます。

 次に、がん対策について伺います。

 その中で、まず、検診受診率向上施策についてお聞きいたします。

 昭和56年から日本人の死因のトップはがんであり、生涯2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんでお亡くなりになります。最近も多くの芸能人ががんにより亡くなられ、話題となりました。我が国では、平成18年にがん対策基本法が成立し、施行されてから来年で10年を迎えます。その中で、がんの早期発見のためにがん検診の受診率目標を50%と定めてきましたが、実際はその数字にはほど遠いのが現状です。早期発見・早期治療のためには受診率向上が非常に重要です。

 中野区では、平成26年度から20歳から40歳までの子宮頸がん検診の未受診者に対する受診勧奨を始めました。帝京平成大学の学生と連携し、作成した勧奨はがきを送付したところ、大きな反響があったとのことでした。恐らく受診率向上にも大きな貢献をしたと考えられます。今年度は加えて40歳から60歳を対象とした乳がん検診未受診者に対する受診勧奨を実施する予定となっています。これまでもたびたび受診勧奨の効果を訴えてまいりましたが、非常に効果のある施策だと考えています。平成26年度から開始した、この未受診者に対する受診勧奨施策について、区の評価を教えてください。

 子宮頸がんや乳がんの女性特有のがんのように個別の受診勧奨は受診率向上には効果が高く、これからも続けていくべき施策だと強く考えています。受診率向上によりがんを早期発見することは医療費の抑制にもつながります。一方で、日本人男性のがん罹患が一番多いのは胃がんで、続いて肺がんとなっています。昨年の決算特別委員会総括質疑で質問をした際、検診率向上のために、現在受診勧奨を行っているがん検診以外にも広げていくべきと申し上げました。胃がん検診ではハイリスク検診の導入を、大腸がん検診では特定健診の際に申し込みを一括して受けることによる簡易化を図っているところです。引き続き精度の高いがん検診を行っていくべきと考えます。また、受診勧奨施策を広げていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 検診受診率を少しでも上げていくためにはさまざまなハードルを下げていくことがとても重要です。例えば、検診申し込みの簡略化や女性特有のがん検診においては女性医師のいる病院の公表、働く世代が受けやすい土・日、休日や夜間などの時間帯に受診できる医療施設など、これからも取り組んで行っていただきたいと申し添え、次の質問に移ります。

 次に、がん対策の中で受動喫煙防止について伺います。

 本年6月1日に、厚生労働省主催でがんサミットが行われました。その中で、塩崎恭久厚生労働大臣はがん対策加速化プランを年内に策定すると発表をされました。そのがん対策加速化プランの柱の一つには受動喫煙防止が含まれています。発がんのリスクとして遺伝や加齢などは制御不可能ですが、制御可能な発がんリスクとしては喫煙が挙げられることは周知の事実です。非喫煙者と比べると喫煙者のがん死亡率は、喉頭がんで5.5倍、肺がんで4.8倍、食道がんで3.4倍となっています。また、非喫煙者でも、夫が喫煙している妻の肺がんの危険性は夫が吸わない場合と比べると、以前吸っていたで1.5倍、1日に20本未満で1.7倍、夫が1日に20本以上たばこを吸う場合は2.2倍になると、受動喫煙の場合もデータでもあらわれているところです。

 中野区では、5月31日の世界禁煙デーにあわせ、本庁舎の外壁に「未成年者の喫煙を防止しましょう」という横断幕を掲出しているほか、中野駅前での街頭キャンペーンで関係団体の方々と一緒に啓発用のティッシュを配っていると、昨年決算特別委員会で御答弁されていました。中野区においては、たばこ税は貴重な財源であり、税収は平成25年度決算で22億7,000万円ありましたが、一方で目に見えない支出もふえていると思われます。国民健康保険におけるたばこが一要因である病気の保険料から、たばこが原因の火事による損失、そして本人だけではなく周りの人への健康被害まで多岐にわたります。国立がん研究センターによりますと、たばこによる医療費は1.8兆円、社会的損失は4.3兆円と試算され、一方でたばこによる税収は2.1兆円となっています。

 現在のところ、中野区では、路上喫煙に関して千代田区のように過料を徴収する条例にはなってはおらず、分煙のあり方やたばこ税と禁煙推進の相反する事業の同時進行など、今後検討を進めていかなくてはならない課題が山積みであります。しかし、自分で判断をして避けることが可能でも、子どもはそうはいきません。その中でも、少なくとも子どもについては何らかの対処をしなくてはいけないのではないでしょうか。例えば、子どもたちが日ごろから利用している公園にも大人たちの喫煙所と化している場所もあります。公園は憩いの場であるという観点からは喫煙できる場所にするべきだという意見もありますが、年齢が低いほど血清ニコチン濃度は高くなる傾向があり、子どもは成人よりも高度に環境たばこの煙にさらされていることが示されています。血液以外でも、尿、唾液、毛髪にも発がん物質を含むたばこ特異的な成分が非喫煙者からも検出されている、この状況を把握しながら自治体として放置するべきではないと考えます。子どもたちが利用する公園などに関しては禁煙にするべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、喫煙後に子どもを抱っこしたり会話をする喫煙者の息からも有毒物質が出続けるとも言われています。喫煙した親の服についた煙が影響を与える場合もある、このようなことから喫煙者の親から子への影響があることもわかっています。中野区ではすこやか福祉センターにて行われている乳幼児健診の際、問診票の中で、家族の中にたばこを吸う人はいるかという質問があり、はいとの回答があった方に対しては分煙・禁煙指導をしているとのことですが、出産前から保護者への啓発をするべきと考えます。ことしから産前・産後サポート事業が始まっていますが、その中でも子どもの保護者や妊婦に対する禁煙指導にも力を入れていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 受動喫煙防止を進めるに当たっては、子どものころからの予防教育も重要と考えます。現在、中野区の小・中学校では、小学校で一、二時間、中学校でも1時間から2時間程度、受動喫煙や喫煙の健康への影響などを学んでいます。諸外国では教育の中でたばこやアルコールは麻薬と同列に扱われ、中毒性の有無や健康被害などを教育しています。確かにアルコールもたばこも合法であり、日本ではいわゆる麻薬と呼ばれる薬物とは別物であることは事実ですが、たばこ・アルコールと麻薬を分けて教えることにより安易に喫煙を始めてしまうことも事実だと思います。

 5年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック開催も禁煙を考えるべき契機です。IOCが1988年以来オリンピック大会における禁煙方針を採択し、また2010年にはWHOとたばこのないオリンピックをめざす協定にも調印しています。東京都でも2020年オリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙防止条例を施行する必要性があるとも言われています。こういった状況も踏まえ、小・中学校でもこれまで以上に徹底した教育を進めていく必要があると考えますが、御見解をお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 中村議員の御質問にお答えをいたします。

 災害時の避難所運営に関連する御質問です。妊産婦への支援体制の整備についてということです。授乳スペース、男女別の更衣場所、男女別の物干し場を明示した避難所運営マニュアルの改定を進めるなど、性別を踏まえた具体的な配慮を推進しているところであります。今後も避難所運営会議などにおいて具体的な配慮を記載した避難所運営マニュアルの整備を進めてまいります。

 被災した妊産婦の産後うつ病の対策についてであります。中野区地域防災計画では、中野区医師会を中心とした医療救護班を編成し、助産救護を含む医療救護活動を行うこととしております。さらに、避難住民の健康状態の把握に努めるとともに、精神的動揺等に対するケアとして巡回精神相談チームを編成することとしているところであります。

 帝京平成大学など、妊産婦支援のための協定を大学等と締結するべきであるといった御質問でありました。要配慮者は、高齢者、障害者、難病患者、乳幼児、そして妊産婦、また時により外国人など、配慮すべき事項についても多岐にわたるため総合的に取り組んでいく必要があると考えております。妊産婦への配慮の充実についてもそうした中で検討をしていきたいと考えております。

 それから、ペットの同行避難についてであります。ペット同行避難が可能な避難所数ですが、現在ある49の避難所中、ペット同行避難の受け入れを避難所運営マニュアルに定めているところは45カ所であります。

 避難所におけるペットの受け入れ想定数はどのぐらいと考えているかというところです。避難所におきましては校庭の一部等を利用してペットを受け入れることとしておりますが、避難所に受け入れるペットについては犬を主に想定しております。犬の受け入れ想定数については、区内の畜犬登録数が9,759頭でありますので、避難率を勘案するとおよそ1,500頭ぐらいになるのではないかと推定をしているところであります。

 私からは以上です。そのほかは担当のほうからお答えをさせていただきます。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 受動喫煙防止につきまして、小・中学校における受動喫煙防止のための教育の徹底ということです。受動喫煙防止につきましては、現在小学校体育科の保健領域において指導してございます。また、喫煙が健康に及ぼす影響につきましては小・中学校で指導しております。今後も学習指導要領に基づいて適切に対応し、指導してまいります。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、災害時のツイッターによる情報発信についてお答えいたします。

 災害が発生したときに、区民生活に影響を及ぼし、緊急に情報提供すべき事態が起きたと区が判断した際に発信しているところでございます。最近の例で言えば、御指摘があったとおり、台風発生によります区立学校の休校情報や光化学スモッグ注意報の発令時などがございます。現在のところ、ツイッターの発信についての明確な基準は設けていませんが、今後検討していきたいと考えます。

 災害時のツイッターの運用についてでございます。広報担当は災害時の緊急時におきましても情報発信を担っているところでございまして、どのような情報をどうやって区民に伝えるかを判断しているところでございます。今後も広報が担当すべきと考えているところでございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、安否確認メールについての御質問と公園の喫煙の御質問についてお答えをいたします。

 まず、5月30日に発生した地震において安否登録ができなかった理由とその改善策についてでございます。一斉防災情報伝達収集システムについては業者委託により運用しております。今回の地震につきましては、中野区は震度3でございましたが、小笠原諸島で震度5強を観測したため、区を含む都内全ての顧客に安否確認メールが配信されました。加えて、サーバーダウンを防ぐ対策として安否登録の同時アクセス数に上限を設けていたため、65分にわたってつながりづらい状態になったものでございます。委託業者に改善を求めたところ、同時アクセス数上限値を2倍に、サーバーの処理能力を25%増強するとともに、今後も負荷に応じて臨時にサーバーを増強する仕組みの導入を検討するなど、改善を図るようにしたところでございます。

 次に、公園内の喫煙についての御質問がございました。公園利用者の年齢や利用目的は多岐にわたっていることから、現在区立公園を禁煙としておらず、現状では喫煙をする方のマナーによるところでございます。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、がん対策のうち、受診率向上施策に関連した御質問にお答えをいたします。

 26年度の子宮頸がん検診受診勧奨につきましては、区民からのお問い合わせも多く、若年層の受診者数もふえ、一定の効果があったと考えております。

 現在、国は、胃がん検診の対象年齢の見直し等、がん検診の実施方法について検討を行っております。その動向を注視しつつ、他のがん検診の受診勧奨につきましても勧奨する年齢層や勧奨方法など、今後検討してまいります。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) がん対策のうち、産前産後の禁煙啓発についてという御質問でございます。これまで区では、母子健康手帳交付時やこんにちは赤ちゃん学級の参加者に対しまして、妊婦の喫煙や受動喫煙のリスクに関して啓発を行ってまいりました。今後、産前産後サポート事業の中でも同様に喫煙防止の啓発を工夫してまいりたいというふうに思ってございます。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で中村延子議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時26分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 伊 東 しんじ

 1 区内駅周辺等まちづくりについて

  (1)西武新宿線沿線まちづくりについて

  (2)区内交通網整備について

  (3)その他

 2 保育所整備について

 3 棟方志功展について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 伊東しんじ議員。

〔伊東しんじ議員登壇〕

○23番(伊東しんじ) 平成27年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問させていただきます。

 質問項目は、1、区内駅周辺等まちづくりについてのうち、(1)西武新宿線沿線まちづくりについて、(2)区内交通網整備について、2、保育所整備について、3、棟方志功展について、その他はございません。

 22期中野区議会では、近い将来に向け、集中的に調査・検討すべき区の課題について三つの特別委員会を設置いたしました。その一つが区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会です。この特別委員会は、交通結節点である区内各駅の周辺まちづくりが中野駅周辺に比べおくれている点、それらを結ぶ道路等都市基盤整備や交通ネットワークの改善が求められている点が指摘され、これにより委員会が設置されました。そうした観点から最初の質問をさせていただきます。

 最初に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。

 新井薬師前並びに沼袋駅周辺のそれぞれのまちづくり検討会が西武新宿線連続立体交差事業や関連する道路等整備を機に、住民主体で地区をより魅力的で活力があり、安全なまちにするためのまちづくり方針、目標を2年以上にわたり検討し、その成果を駅周辺地区まちづくり構想として、3月、区に提出いたしました。このまちづくり検討会と地区まちづくり構想について伺います。

 区が定める地区まちづくり条例には、まちづくりに取り組む団体とその団体がまとめる構想の登録制度があります。構想の登録要件には、対象区域の住民等の多数の賛同を得ていることを示す書類提出が求められております。この住民合意の定量化は非常にハードルが高く、今回提出された構想は登録に至っているのでしょうか。また、構想の登録がない場合、その後の区のまちづくり支援のあり方が気になります。そこで、この二つの駅周辺地区まちづくり検討会の団体登録と、提出のあった地区まちづくり構想の登録の有無と、登録によるその後の効果について、伺います。

 次に、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)について伺います。

 区は、まちづくり検討会から提出された構想を受け、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地区編を発表し、意見交換会を都合4回開催いたしました。素案内容はおおむね地区まちづくり構想の提案に基づくものの、補助第220号線の整備と沿道建物の不燃化・耐震化の促進、補助第220号線の整備にあわせた街区再編、交流拠点としての機能の充実と街区の再編、生活拠点としての機能の充実と街区の再編、環状の地区内道路の形成といった踏み込んだ記載もあります。こうした記載は少なからず地域に波紋を投げかけておりますが、意見交換会での参加者の反応はどうだったのかを伺います。

 続いて、方針(素案)に盛り込まれた補助第220号線整備について幾つか伺います。

 補助第220号線は、十貫坂上交差点から新青梅街道に至る3.5キロ、計画幅員は11から16メートルで、昭和41年都市計画決定、その後2度の見直し・検証においてその都度必要性が確認されてきました。区間のうち、十貫坂上交差点─青梅街道間は施工済み、青梅街道─早稲田通り間は、平成16年、東京都の区部における都市計画道路の整備方針、第三次事業化計画優先整備路線に指定されました。この事業着手目標年次は平成27年度ですが、当該区間の事業進捗状況について御答弁をお願いいたします。

 次に、同路線の早稲田通り─新青梅街道間1.6キロについてお尋ねいたします。

 この区間は第三次事業化計画優先整備路線の指定もなく、現道のない上高田の住宅地を貫くため、地域では事業化されないとの声がいまだ多くあります。西武新宿線連続立体交差化事業に伴い区は同区間の事業化を目指す中、その取り組みが区民へ十分浸透せず、結果、さきのような声が生じていると感じております。そこで、区の同区間の事業化の意思を確認させていただきます。

 あわせて、現在、都が策定中の東京都における都市計画道路の整備方針第四次事業化計画の内容とその進捗について伺います。

 さらに、その検討体制に位置付けられている特別区検討会での中野区の取り組み、主張について伺います。

 関連して、第四次事業化計画優先整備路線の指定による効果並びに影響について伺います。

 都市計画道路の事業化には、関係権利者への補償も含め多額の財源が必要となり、その一部に国並びに東京都の補助金や交付金が充てられます。優先整備路線の指定により整備プランの明確化が求められる一方、整備財源にこうした補助金等を確実に盛り込めると考えます。そこで、優先整備路線の指定による効果について、具体的な御答弁をお願いいたします。

 次に、指定による都市計画施設区域内での資産活用について伺います。

 都市計画道路の区域内では、都市計画法第53条、第54条により一定の建築制限があります。長期間事業化されない都市計画道路の場合、こうした制限に対し、地権者及び周辺住民等が生活設計を立てにくい、長期間にわたり土地を有効活用できないなどの指摘がありました。こうした指摘に、都は、昭和56年以降、都市計画道路の当該区間の事業の施行が近い将来に見込まれていないことのほか、地域、階数、構造等の要件を満たし、かつ当該建築物が市街地開発事業等の支障とならない場合に限り建築制限の緩和を行ってまいりました。第三次事業化計画ではこの緩和基準は一部拡大とともに継承され、優先整備路線を、施行が近い将来に見込まれていない都市計画道路から除外することが示されました。そこで、都の言う、近い将来の事業実施見込みの期間について都市計画道路事業化計画以外に特段の定めがあるのかを伺います。

 また、補助第220号線の同区間が第四次事業化計画優先整備路線に指定された場合の建築許可基準の緩和の変更についても御答弁をお願いいたします。

 次に、同区間の整備方針、概要、スケジュールについて伺います。

 都市計画施設の事業化には住民の理解、関係権利者の協力が不可欠である一方、これらの方々の暮らしに大きな影響を及ぼし、場合によっては生活を脅かすことから、さまざまな不安、憶測を伴うことがあります。事業への理解、協力を得ながら、不安の払しょく、関係者の生活の再建への準備等に資するため、早期のスケジュール、補償の内容の公表が必要と考えます。現に当該区間でも、さきの「事業化されない」のほかに、「交通量がふえ、地域が分断され、住環境が壊される」、「補償が十分でない」との声が多くあります。原因は、同区間の整備の方針、概要、スケジュール、補償内容がいまだ示されていないこと、また沿線まちづくり整備方針(素案)で、哲学堂─門前通りの安全な歩行空間確保のため、交通負荷の一部を同区間が分担するとの記載も交通量の増加を想像させています。こうした声を踏まえ、区は丁寧な説明により不安、憶測の解消にスピード感を持って取り組むべきと考えます。

 そこで最初に、同路線の位置付け、整備方針について伺います。

 区は、これまで同路線を延焼遮断帯の形成、避難場所並びに交通結節点へのアクセスの向上、交通処理機能の確保を担う補助幹線道路と位置付けてきました。また、都は、同路線を第三次事業化計画で地域ネットワークを形成する幹線道路と位置付け、さらに防災都市づくり推進計画で一般延焼遮断帯に位置付けています。こうした位置付けに変更がないのか、それに基づく整備方針について説明を求めます。

 あわせて、第一期工区の事業認可取得が迫る中、整備の概要、いわゆる道路構造についても説明をお願いいたします。

 続いて、同区間の整備スケジュールについて伺います。

 これまで区は、同区間を3期に分けること、27年度に第1期の事業認可取得を表明していますが、それぞれの工区の範囲、整備スケジュールは示していません。工区の明確化と事業認可取得の時期やその後の整備目標年次を含めた整備スケジュールについて早期に表明すべきと考えます。御答弁をお願いいたします。

 続いて、関係権利者への補償内容のPRについて伺います。

 これまで中野区は、都市計画事業に係る土地取得の際の評価や物件補償について積極的に広報してきておりません。東京都や幾つかの自治体では、基準に基づく評価、補償について資料、ホームページを用意し、積極的な説明に努めております。個別具体の補償内容は別にしても、一般的な基準を説明する資料提供やPRを行うことは事業推進の一助になると考えます。広報を積極的に行うべきと考え、御答弁をお願いいたします。

 続いて、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。

 補助第220号線の同区間整備は、概成道路のない区間を含むことから、道路整備に合わせた沿道のまちづくりも重要な都市計画事業となり今後進められることとなります。その際、さきに伺った路線の位置付け、整備方針は沿道のまちづくりに大きく関係することとなると思います。そこで、中野区は沿道地域のまちづくりについてどのように進めるのか、想定される手法について、都市計画法に基づく市街地開発事業、地区計画メニュー等、具体的な御答弁をお願いいたします。

 次に、区内交通網整備について伺います。

 区内公共交通は、東西方向に比して南北方向の充足率が低く、バス路線はJR中央線で分断されるという課題を抱え、区民の利便性を損なっております。今後、区役所、体育館が移転・再整備されると、移転先と交通結節点を結ぶ公共交通、あるいは西武新宿線連続立体交差化に伴う広域的な交通網といった検討が必要になると考えます。また、西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転についても検討の重要な要素になろうかと考えます。現状課題克服並びにまちづくりの推進等に合わせた区内全域を視野に入れた体系的な交通網に関する調査・検討について、現時点でのお考えを伺います。

 特に補助第220号線の整備は、JRガード下の改良により脆弱な南北軸を補完し、公共交通空白地帯の解消、沿道施設利用の利便性向上につながると考えます。特に第九中学校跡地の活用を考えたとき、こうした道路整備は大きな鍵となります。区のお考えを伺います。

 この項の最後に、西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転の今後の進め方について伺います。

 国の諮問機関である交通政策審議会が、平成27年度、新たな答申に向けたヒアリングに対し都がまとめる要望路線に、中野区としてどのように対応するのかについて伺います。

 また、この事業の推進に向け、区は都市鉄道利便増進事業の活用を検討されていますが、この事業の内容、効果について説明を求めます。

 続いて、保育所整備について伺います。

 27年度は、マイナンバー制度、地域包括ケア体制、子ども・子育て支援新システムと、未来社会に向けた新制度がスタートします。国だけでなく自治体においても少子・高齢社会への対応が急務で、とりわけ少子化対策は日本を挙げて取り組まなければならないと区長も行政報告の中で発言されておりましたが、私も全く同感です。

 そんな中、先日、厚生労働省による2014年の人口動態統計による合計特殊出生率1.42、9年ぶりの低下の報道がありました。一方、中野区の合計特殊出生率に目を転ずると、その値は全国値から大きく下がり、都全体に比べても0.2ポイントほど低い0.9人台となっていることから、区長の真正面から出生率向上に取り組むという姿勢を大いに評価いたします。

 そこで、その取り組みについて、1点お聞きします。

 少子化の要因はさまざまありますが、一つに未婚化、晩婚化があります。こうした対策も必要と考えます。幸い中野区は他に比べ、20歳代、30歳代人口が多いとされています。こうした世代の出会い、結婚の機会をふやす取り組みも必要ではないでしょうか。お考えをお聞きします。

 さて、区の平成27年度予算では、待機児対策として、認可保育所5施設と小規模保育事業2施設を新たに誘致し、定員372名の増を目指し、さらに2施設分の補正予算が今定例会に上程されました。施設整備は基準の緩和により賃貸物件への施設設置が可能になった反面、他の自治体では認可手続と事業の進捗にそごが生じたり、建物の改修が障害になったりと、開設に至らない例があると聞きます。また、中野区においても、土地所有者が遊休地を活用し保育所整備を目指す際も、施設整備費の分担で土地所有者と保育事業者との調整が整わず、事業化を見合わせる例があると聞いています。こうした課題のほか、保育ニーズの低年齢児への偏り、将来、少子化により保育ニーズ減少時の施設のあり方等の課題もあります。これら課題への対応策として、建物の構造体と内・外装、設備を分離し、設計整備するスケルトン・インフィル方式が有効と考えます。この方式は土地所有者の初期投資を抑え、結果として、事業者のランニングコストを圧縮し経営の安定化に資するとともに、将来保育ニーズが減少した場合の用途変更をも容易にしております。区として土地所有者や保育事業者から相談等を受けた際、こうした調整手法の情報提供で施設整備に資するとともにリスク分散の利点を伝えることも可能と考えます。御答弁をお願いいたします。

 質問の最後に、棟方志功展についてお伺いいたします。

 棟方志功生誕110年のことし、東北復興大祭典の開催時期にあわせ、10月22日から28日、交流連携協定を締結した青森市や民間篤志家の協力による棟方志功展が開催されます。内容の充実と盛況を期待するところであります。しかし、事業期間までまだ間があるためか、現時点で効果的なPRは行われておりません。先日の出展資料の募集に関するホームページへの記載も短期間で終了してしまいました。私は、ホームページへの長期的掲載や関連サイトによるリンク、フェイスブック等の活用による波及効果を上手に組み合わせれば、費用もかからず、効果的PRが可能と考えます。その際、PR画像に棟方志功画伯の作品を効果的に活用し、視覚に訴えるデザインを繰り返し使用することがより効果的と考えます。事業期間までまだ4カ月ありますのでこうした広報戦略をしっかりと練り事業の成功を期するとともに、あわせて中野のシティーセールスの一助とすべきではないでしょうか。区の御見解をお聞きし、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えをいたします。

 西武新宿線沿線まちづくりでのまちづくり団体及びまちづくり構想の登録に関連する御質問がありました。

 沼袋駅周辺地区まちづくり検討会につきましては、平成25年9月に地区まちづくり条例に基づく地区まちづくり団体として登録をされたところです。このまちづくり検討会、沼袋駅周辺地区まちづくり検討会では、平成27年2月にまちづくり構想としての登録申請をしていただいたところであります。しかしながら、このまちづくり構想については、範囲も広く、大変内容が幅広く渡っているということでありまして、住民の合意を得る範囲が広いというようなことからなかなか登録というところまでは至らないという状況でございます。しかしながら、区としては、登録はされていないとしても、区とこのまちづくり検討会がともに検討してきた結果としての構想、これについてはともに推進をしていくという、そういった区の意思を明らかにしていくという意味で、沼袋駅周辺地区まちづくりに関する協定書をこの検討会と交わしたところであります。そうした協定書に基づいて、区としてもこの沼袋駅周辺地区まちづくり検討会の構想を生かしたまちづくりを進めていきたいと思っております。

 新井薬師前駅の検討会については、こうした協定書等の取り交わしはしておりませんけれども、内容としては、沼袋駅周辺と同様に区もともに検討してきた成果としての構想をいただいているところで、同じようにこの構想を尊重してまちづくりをしていくということであります。

 それから、両駅のまちづくり整備方針の素案に対する意見交換会についてであります。5月14日から4日間にわたって意見交換会を行い、意見書も含め多くの御意見をいただきました。意見交換会の中では、このまちづくり整備方針(素案)の内容を受けとめた上での御意見が多かったと、こんなふうに感じております。主な意見の内容としては、生活再建を考えるためには都市計画道路の整備スケジュールを示してほしいと、こういったような御意見もあったところであります。

 それから、220号線の事業進捗状況についてであります。都市計画道路補助第220号線における東京都の第三次事業化計画優先整備路線の指定部分、これのうち、早稲田通りとの交差点から南の約120メートルの区間について、区としては、昨年度、事業化に必要な用地測量作業を実施いたしました。今年度については、この区間において事業認可申請に向けて関係機関との協議等を進めているところであります。この優先整備路線として指定されている部分、他の区間につきましても順次事業化を検討していくという予定となっております。

 それから、現在東京都が特別区や多摩地区の市町と連携しながら策定を進めております、東京における都市計画道路の整備方針、これの第四次計画であります。この整備方針には、現行の第三次事業化計画終了後の第四次事業化計画が含まれております。現在、策定作業の中間まとめが公表されております。現在の道路整備を取り巻く社会状況の把握と都市計画道路の現状及び課題、道路整備の理念と基本目標、それから将来都市計画道路ネットワークの検証、あるいは優先整備路線の選定などについて一定の考え方が示されたところであります。この中間まとめに沿って、本年度末には優先整備路線の選定などが行われて、この整備方針が取りまとめられる、そうした予定になっております。区としては、今後、補助第220号線の整備推進を含め、区内で必要な優先整備路線の選定について東京都と協議を進めてまいります。

 優先整備路線に指定されるとどのような効果があるかということです。優先整備路線に指定された区間につきましては、都道である場合には東京都による早期の事業化が図られます。また、区が整備事業を実施する場合にも、優先整備路線に指定されているということで早期に着手すべきということが明確化されておりますから、優先的に事業認可を取得することが容易となってくるということであります。そして、街路事業として事業認可を取得することによって国費や都市計画交付金等による財源が着実に担保されると、このようなことになるわけであります。

 それから、都市計画道路区域内の建築制限についてであります。都市計画道路の区域内に建築をする際は特定行政庁の許可が必要であります。原則としては2階建て以下のみ許可をされるところですが、当面事業化の見込みがない区間については階数の制限を緩和できるということが都市計画法で定められているところです。東京都内では、現在、第三次事業化計画の優先整備路線、これに指定された区間については、事業化の見込みがある区間として階数制限の緩和規定が適用されずに2階建てまでの建築許可となっております。これ以外の区間については、事業見込みの期間についての規定はなく、緩和規定が適用され3階建てまでの建築が許可をされているということであります。したがいまして、第三次事業化優先路線の区間というのが事業化の見込みのある区間となっているということになるわけであります。第四次事業化計画における優先整備路線に指定された場合の建築制限の取り扱いについては、現在のところは未定でありますが、第三次路線については今述べたような取り扱いであったということであります。

 それから、220号線の整備についてであります。補助第220号線については、東京都の防災都市づくり推進計画におきまして一般延焼遮断帯として位置付けられております。現在、工事が進められている連続立体交差事業の効果を高める、その交差する道路を整備するということで連続立体交差事業の効果が高まるということがあるわけで、この効果を高めるためにも整備をしていくというものであります。整備につきましては、早稲田通りから新青梅街道までの未整備区間を3期に分けて整備することを想定しております。第1期は、鉄道交差部の約90メートルを対象としております。今年度中に事業認可を取得して、おおむね平成33年度ごろまでの整備を目指してまいります。第2期としては、鉄道南側から早稲田通りまでの区間として、おおむね平成30年度ごろの事業化を目指してまいります。第3期は、鉄道北側から新青梅街道までとしておりまして、おおむね平成37年度ごろの事業化を目指しているところであります。

 道路の構造といった御質問もありましたが、道路の断面構成等につきましては、沿道のまちづくり等との関連もありますので、今後まちづくりを検討する中であわせて検討をしてまいりたいと、このように考えております。

 それから、道路整備に関する補償に関連してであります。道路整備の区域に係る関係権利者に対しましては、土地・建物のほか、移転補償、借家人補償、それから営業補償などを行うことになります。そこで一般的な補償内容について、関係権利者が安心して事業に協力いただけるように、ホームページなど、工夫をしながらこれから広報に努めてまいりたい、このように考えております。

 それから、補助第220号線の沿道のまちづくりについてであります。現時点では、沿道の不燃化・耐震化など、周辺地区の防災性の向上を図るため、地区計画の導入や不燃化促進事業等の手法を想定しているところであります。

 それから、体系的区内交通網の調査・検討についてということであります。今後さまざまな形でまちづくりが進展をしてまいります。補助第220号線であるとか、あるいは中杉通りなど、都市計画道路の整備も進んでいくといったようなことも想定されております。そうした道路、鉄道等の整備の状況、さらには少子・高齢化等の社会状況の変化を踏まえて、道路及び交通の体系的なあり方並びに必要な対策については検討をしていきたいと、このように考えております。

 それから、補助第220号線の整備とJRガード下の改良についてであります。早稲田通りから大久保通りの間の補助第220号線の整備、これは区内交通網の整備の上で大変大きな意味を持つ、このように考えております。そして、その整備に当たってこのJRガード下の改良、これは大きな車が通行できるというようになるということがあるわけで、この改良がポイントになるということについて十分に認識をしているというところであります。

 それから、西武新宿線と地下鉄東西線の相互直通運転に関連して交通政策審議会に東京都が行う要望路線に関する質問がありました。西武新宿線の沿線区市に対して働きかけを実施してまいりましたが、それぞれの区・市、さまざまな状況、さまざまな要望を抱えているという中で、実際には協調体制の構築には至らなかったところであります。したがいまして、国や東京都、鉄道事業者への具体的な働きかけについては今後の課題となってきているところであります。

 この相互直通の実現に向けて想定をするというか、検討をしている都市鉄道利便増進事業の内容・効果についての御質問であります。都市鉄道利便増進事業は、鉄道の利便性向上を目的に、鉄道事業者のみでは費用負担が大きくて施設整備の実現が難しい場合に行うものとしてつくられた事業であります。この事業における支援のスキームは、関係自治体で構成する第三セクター等の公的主体が施設整備を行って、その施設を借りて営業する鉄道事業者が整備主体に対して使用料を支払う方式、これを通称上下分離方式というような言い方をしております。あわせて、整備費用のうち、国が3分の1、地方自治体が3分の1を負担する財政上の支援やトンネルや駅施設等に税制特例を措置する税制上の支援などがあるわけであります。この事業の適用事例としては、相模鉄道とJRや東急電鉄との連絡線整備による速達性の向上や、阪神電鉄神戸三宮駅での駅内外の一体的整備による移動の円滑化などの事例があるというところであります。

 続きまして、少子化に関連して結婚の機会の取り組みについての御質問がありました。6月22日に閣議決定された国の少子化社会対策白書においては、25歳から39歳の未婚率は男女ともに引き続き上昇をしており、男性の35歳から39歳で35.6%、女性で23.1%となっております。さらに、生涯未婚率も30年前と比較すると大きく上昇しているとのことであります。このような状況を踏まえると、御質問にあったとおり、20代から30代への何らかの取り組みが少子化対策において必要になると考えているところであります。区といたしましては、商店街などさまざまな民間の力と連携して多様な若者同士が出会う機会づくりなどを考えていきたいと考えております。

 それから、保育所の整備に関連して、土地所有者や保育事業者、それぞれの負担を軽減していくというような意味で、スケルトン・インフィル方式での実績を広めていくことが重要ではないかという御質問でありました。保育所整備におけるスケルトン・インフィル方式については、現在のところ、事例がなかなか見つからない状況ではありまして、実際に整備をしたという実例としては把握をできておりませんが、御質問にあったように一定の効果が期待できるということでもありますので、今後さらに普及について調査・研究を深めてまいりたいと、このように思っております。

 それから、棟方志功展の効果的なPRについてであります。棟方志功展については、現在、青森市、それから青森県と市が協力をして設置している棟方志功記念館、こちらと貸借をする作品について詳細を検討して作品を受け入れる準備をしているところであります。記念展にふさわしく、青森市がことしの夏に行う記念の作品展などとの連携をしながら、ふさわしい作品を貸借できるように協議を進めているというところであります。今後、にぎわいフェスタ、東北復興大祭典、それからなかのまちめぐり博覧会の各イベント実施にかかわる広報などにおいて、棟方志功展についても十分周知を図っていく、そうした予定となっております。それから、ないせすネット、区報、ホームページなどを含めて、より効果的なPRについてさらに検討をしていきたいと、このように考えております。

 中野のシティーセールスにつきましては、棟方志功をはじめ、中野に由来のある文化人などの足跡を計画的に紹介するなど、今後とも充実を図ってまいりたい、このように考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 日 野 たかし

 1 AEDの設置について

 2 防災対策について

 3 南中野地域のまちづくりについて

  (1)防災公園について

  (2)高齢者施設計画について

 4 子どもの読書推進について

 5 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、日野たかし議員。

〔日野たかし議員登壇〕

○3番(日野たかし) 平成27年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 このたびの区議会議員選挙で初当選をさせていただきました、日野たかしです。選挙期間に地域の皆様よりいただいた御意見、御要望をもとに、また私自身、子育て世代の1人として何点か質問をさせていただきます。

 質問項目は通告のとおりで、1、AEDの設置について、2、防災対策について、3、南中野地域のまちづくりについて、4、子どもの読書推進についての順で行います。その他の質問はありません。

 初めに、中野区内に設置されているAEDについてお伺いいたします。

 自動体外式除細動器、いわゆるAEDの普及率は年々増加し、中野区としても、区民活動センター、すこやか福祉センター、高齢者福祉センター、図書館、小・中学校、幼稚園、保育園等の公共施設への設置を進めてきました。これ以外にも医療機関や東京都が管轄する消防や警察の施設等にもAEDは設置されています。

 平成25年の中野区内での救急出動件数を調べてみましたら1万6,953件あり、このうち、心肺停止での救急出動件数は260件ありました。2日に1件以上、心肺停止での救急出動があることになります。東京消防庁の集計では、急病に対する都民の応急手当でAEDが使用された割合はわずか0.15%にとどまっているのが現状とのことです。このことから、AEDの設置・普及に対して、実情はまだそれほど効果的に使用されていないように思われます。心肺停止の場合、1分1秒でも早い蘇生処置を行うことが人命救助の最も重要な対応と考えます。また、中野区や東京都が設置したAEDについては、区民がいざというときに使用できるように環境づくりをしていく必要があると考えます。しかし、私の住んでいる南台地域では、どこにAEDが設置されているかわかるものがありません。まず、区民が使用できるAEDがどこに設置されているかを把握し、区民に周知する必要があると考えます。

 そこで、中野区が管理するAEDと、警察や消防、医療機関や民間の商業施設等に協力要請を行い、区民が必要とする場合に使用可能なAEDの調査を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 区では、AEDが区役所、保育園などの子ども施設、小・中学校、すこやか福祉センターや区民活動センター等に設置されていますが、各分野で管理されているため管理方法やルールなども統一されていません。そこで、AEDの設置場所や管理ルール、区民への周知について一元管理を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 現在、区の公共施設に設置されているAEDは、職員が滞在している業務時間内でなければ基本的に使用することはできません。現在、中野区で24時間AEDを使用できる施設は、消防署、警察署、病院などごく一部の施設に限られており、また、区内に160近くあるコンビニを調べたところ、AED設置は確認できませんでした。全国では24時間AEDが利用できる自治体が幾つかあります。そこでは、24時間営業しているコンビニやファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどと自治体が設置の規約について協定書を交わしてAEDを設置しています。中野区でも、24時間AEDがすぐ利用できる場所の確保を行ってはいかがでしょうか。区内でAEDが利用できる地域が偏らないよう、コンビニやファミリーレストラン等の24時間業務を行っている施設と中野区が提携して、必要な場所にAEDを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 先月、5月19日には、上高田区民活動センター前で倒れていた男性を救命措置を行い救ったことで、4名の方が東京消防庁から感謝状を受けました。4人で手分けして119番通報し、AEDを取りに行き、AEDを使用した救命措置を行ったところ、男性は呼吸を再開し、命を取りとめました。この4名の方は、救命講習を受講していたので手順が頭に入っていたとのことでした。4人の方の迅速な行動と機転、そして日ごろの講習による成果があらわれたすばらしい救命活動であったと称賛いたします。

 心肺停止となった人の救助を行う場合、少しでも早い段階で応急手当てをすることが命を左右する大きな要因となります。AEDの普及とともに欠かせないものが、救助する側がAEDを使うための救命講習であると思います。東京都としては、各消防署にて都民向けの救命講習を行っています。中野区でも中野消防署と野方消防署において定期的に区民が受講できる救命講習が行われておりますが、より身近な場所で講習の機会を設けてはいかがでしょうか。例えば、すこやか福祉センターや区民活動センターなどでのAEDを使用した救命講習を行うよう検討してはいかがでしょうか。伺います。

 区民が緊急時に誰でもAEDを使用できるような環境づくりを行うことと、自治体と区民の努力により1人でも多くの人命救助が行われていくことを願い、この項の質問を終わります。

 次に、防災対策の項目から大規模災害時の区の対策について伺います。

 大規模災害時にどうしたら多くの区民の命が救えるか、この区民の命を守るということは区議会議員として最も大切な使命の一つであると思っています。

 中野区は、国土交通省が指定する「地震時等に著しく危険な密集市街地」9地区152ヘクタールを抱える火災延焼による危険性が高い地域です。平成25年に中央防災会議で最終報告された首都直下地震による火災被害の想定は、最大で焼失棟数約41万棟、死者約1万6,000人とされています。大地震で発生した火災のうち、電気に起因する火災は、阪神・淡路大震災で約61%、東日本大震災で約65%という報告が出ています。特に、阪神・淡路大震災では、停電後、通電状態となった際に電気を原因とする火災が相次いで発生しました。こうした通電火災を減少させるために、阪神・淡路大震災以降、地震の揺れを感知し、電力供給を遮断する機器である感震ブレーカーの普及が提唱されてきました。

 本年3月に見直された首都直下地震緊急対策推進基本計画では、大規模地震発生時における通電火災対策を含む電気に起因する出火の防止を図るため、感震ブレーカー等の普及を加速させる。特に危険性の高い木造住宅密集市街地については集中的な取り組みを行うとし、その具体的目標を延焼のおそれのある密集市街地における普及率25%を目指すとしています。昨年12月の内閣府世論調査による感震ブレーカー設置率は全国で6.6%であり、急速な普及を目指すことがうかがえます。木密地域を抱える中野区も、火災抑制につながる現在有効な手段である感震ブレーカーについて、今後、普及を目指すべきと考えます。そこで、木密地域への感震ブレーカーの普及について何点か伺います。

 全国の設置率は6.6%との結果でしたが、区内の特に地震時等に著しく危険な密集市街地においてはどの程度設置されているのでしょうか。出火及び延焼の危険の高い住宅での感震ブレーカー設置について、現状把握のための調査を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 普及について、区としての目標を定めるつもりはあるのでしょうか。現状を把握した上で具体的目標を設定すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 普及のためには啓蒙のみならず、設置助成も見据えた積極的な推進策が必要と考えます。例えば、現在、都の不燃化特区に指定され、不燃化のまちづくりを行っている地域に対して感震ブレーカー普及促進のモデルとなる取り組みを行ってはいかがでしょうか。伺います。

 次に、高齢者を火災から守る対策について伺います。

 東京消防庁では、高齢者や身体の不自由な方がお住まいの住宅で火災が発生したときに、自動的に東京消防庁へ通報される火災安全システム事業を実施しており、中野区では65歳以上のみ世帯で防火的配慮が必要な方へ自己負担1万5,000円から1万6,000円程度でNTT回線の固定電話がある家庭のみ設置ができるようになっております。東京都火災予防条例の改正により、平成22年4月1日から全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務化され、これにより中野区では火災安全システムの申請件数が減少し、平成26年度には設置について見直しがなされました。しかし、過去10年間、住宅火災による高齢者の死亡件数は横ばい状態にあり、平成25年度は住宅火災による高齢者の死者の割合が68%で過去最悪の結果となりました。さらに、ひとり暮らし及び出火時に1人でいた高齢者の死者の割合については年々増加傾向にあり、平成25年度は78%になったという調査結果が出ています。住宅火災による高齢者の死者の割合が高い理由としては、火災の発見のおくれ、避難のおくれが挙げられており、東京消防庁も火災の自動通報は早期の消火、救出に役立つとしています。今後、高齢化により認知症の方の割合もふえることを考えると、自動通報サービスについて対象の拡大も含めた新たな取り組みが必要ではないでしょうか。特に木密地域を抱える中野区にあっては火災延焼等の二次被害を防ぐことも重要です。

 杉並区では、東京消防庁方式の火災安全システムとは別に、緊急通報システムのサービスメニューの拡大によって普及率を上げています。杉並区の平成24年時点の火災安全システム設置数は43件でしたが、翌年度から緊急通報システムのメニューに火災時の自動通報を加えることで加入者が急増し、平成26年時点では設置数が1,440件となっています。利用者の費用負担も以前の緊急通報システム料金と変わらないことが普及促進の要因ともなっています。中野区も、現行の緊急通報システムのサービス内容に火災センターによる自動通報サービスを加え、新たなサービスとして普及を促進してはいかがでしょうか。伺います。

 また、緊急通報システムでは、利用者から通報があった場合、もしくは生活リズムセンサーに反応がない場合に、区が委託している民間警備会社から警備員が駆けつけるようになっています。このときに警備員がAEDを携帯して利用者のもとに伺うようにすると、さらに救命効果が上がると思いますが、区として検討してはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、南中野地域のまちづくりの項目から南中野地域の防災公園について伺います。

 都市計画に基づき、現在、弥生町六丁目公園基本計画(案)が策定されております。公園整備のテーマには、「災害活動拠点となるオープンスペースの確保」、「四季の変化を楽しみながら憩い、安らぎ、健康を育む森」、「自然とふれあい遊びながら子供たちの健康を育む空間」、「地域の活性化とにぎわいを創出する広場・施設」とあります。地域の皆さんからは、どんな公園になるのだろうか、地域の方々が親しみやすい公園や特色ある公園になってほしいとのお声をいただいています。また、防災機能を兼ね備えた安心・安全を供給する公園にとの声も強くあり、ぜひとも地域のための公園として計画を進めていただきたいと願います。公園整備のテーマに、災害活動拠点となるオープンスペースの確保とありますが、本公園を中野区として防災公園に位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 弥生町六丁目公園や南部防災公園については、日ごろ地域住民が四季の変化を楽しみながら憩い、安らげる場となるよう、春には桜が満開となるような公園、また四季ごとの観賞用の花の整備を進めていってはいかがでしょうか。伺います。

 弥生町六丁目の住民説明会の意見では、子どもや高齢者だけが利用する公園というだけではなく、中間年齢層も利用できる公園にとのお声もあったとのことです。その上で弥生町六丁目公園には、子どもたちの健康を育み、かつ大人もスポーツとして楽しめる公園、今まで中野にはなかったような独創性あふれる大規模なアスレチック等を備えるなど、近隣住民だけではなく幅広い地域の人が遊びに来るような、地域活性化にもつながる特色ある公園としてはいかがでしょうか。伺います。

 弥生町六丁目公園計画(案)には、今後、整備・運営・管理について民間活用の検討も行うとありますが、民間活用によりどのようなことが期待できるのか、伺います。

 現在、中野駅周辺では、サンプラザ前や四季の森公園を利用した多くのイベントが開催されております。これからできる大規模公園でも活発にイベントが行えるような公園管理を行っていただきたいと思います。例えば、防災公園として災害時の状況を想定し、実際にテントを張って公園に宿泊し、かまどベンチで炊飯を行うなど、避難後の訓練体験ができる災害訓練キャンプの実施を行うなど、民間の活用により多様なイベント事業も可能性が広がるのか、伺います。

 次に、弥生町六丁目での東京都住宅供給公社の跡地を活用した高齢者施設の計画について伺います。

 これは、やながわ前区議が地域の方のお声を聞く中で取り組んできた地域の課題です。特に私の住む南中野地域で不足していた特別養護老人ホームや江古田の森に次ぐ介護老人保健施設、通所リハビリテーションなどは高齢化の進む中野にとっても必要な施設であると考えます。

 平成27年第1回定例会の厚生委員会で、旧広町住宅の活用について口頭での報告がありました。それによれば、「特別養護老人ホーム及び短期入所生活介護が80人程度、介護老人保健施設が60人程度、通所リハビリテーション、この三つが必須事業。そのほか、運営事業者の提案による居宅サービス等も可ということで、定期巡回随時対応型訪問介護・看護等が例示され、貸付期間50年の定期借地権の設定で公募がされております」とのことです。この公募に至る経緯と現状についてお答えください。

 先日、日本創生会議が、今後、東京圏は急速に高齢化し、後期高齢者は10年で175万人増という報告を行いました。また、団塊の世代が大量に高齢化する2020年には高齢化率は26%を超える予測もあります。これから地域包括ケアシステムを構築するに当たって、機能訓練の必要な方や要介護者に対して、南部広町住宅跡地の介護施設やリハビリテーション施設などを含め、介護老人保健施設がある介護複合施設は地域の拠点ともなるので連携構築をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 また、こうした施設を単に介護施設として運営するのではなく、入居者と地域住民が交流できる地域の憩いの場となるように区としても支援してはいかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。

 次に、中野区の子どもの読書推進について伺います。

 中野区には、中央図書館と地域の図書館合わせて97万冊以上の図書が所蔵されています。利用者数も年間で延べ60万人ほどになります。平成25年4月には指定管理者による業務が開始され、図書館サービスの向上や運営業務の効率化が行われてきました。こうした区の施策、指定管理者による努力もあり、読書の環境はよくなってきていると思いますが、さらに図書館利用者をふやすための工夫が必要ではないでしょうか。今、幾つかの自治体でも読書率向上に向けた施策が行われています。例えば、埼玉県の鴻巣市では、読書通帳という、借りた本の履歴が残る通帳を図書館で導入したところ、この通帳をきっかけに児童の本を借りる割合がふえ、さらには大人や御年配の利用者もふえ、結果として、全体の来館者数がふえたとのことです。また、子どもたちが楽しんで読書をする習慣を身につけることで学習能力の底上げにもつながると思います。区としても、さらに子どもに読書の習慣が自然とつくように読書通帳の導入を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 中央図書館や地域図書館では、おはなしかい、工作、企画展示など、小さいお子さんが楽しめる企画も開催されており、子ども向けのイベントは充実した内容になっていると感じました。ここで別の角度へ視点を向けると、子どもたちにとって魅力的な図書館である一方で、小さいお子さんを連れたお母さんや保護者の方が御自分の本を探したい場合に、他の利用者の方もいるため、お子さん連れのままでは大人向けの本のエリアにはなかなか歩きづらいとの声もあります。例えば、1週間のうちのどこかの曜日、どこかの時間帯は、図書館全館で小さいお子さんをお連れのお母さん、お父さんがさらに図書館を使いやすく利用できるよう、赤ちゃん連れオーケータイムという時間帯をつくってはいかがでしょうか。この時間帯には、例えば、館内に周知するとともに、BGMを流して、赤ちゃんや小さいお子さんを連れていても気にせず図書館を利用できるよう工夫をしてはいかがでしょうか。伺います。

 次に、ブックスタートについて提案を含め、質問いたします。

 気が休まることのない子育ての中で、1冊の絵本を通して、大人にとっても心安らぐ子育ての時間を自然につくり出していく、その一つの方法としてブックスタートが全国で行われています。ブックスタートは、2000年に杉並区で試験実施以来、公明党も推進し、現在では全国918市区町村でブックスタート事業が行われています。これは全国市区町村の52%に当たります。ブックスタートは、赤ちゃんに言葉を覚えさせるのが目的なのではなく、絵本を通して赤ちゃんとお母さんのコミュニケーションを応援する子育て支援の一環です。

 先日、NPO法人ブックスタートへ視察に伺ってきました。ここでは、ブックスタート実施地域の活動充実のための支援を行っており、各地の取り組みを説明していただきました。全国の自治体では、赤ちゃんの受診率が高い3か月健診から6か月健診時に図書館、福祉センター、子育て支援課、住民ボランティアの方などが連携して事業を運営し、赤ちゃんに絵本や図書バッグのセットを渡しています。手渡すときもただ渡すのではなく、実際にボランティアの方が赤ちゃんに読み聞かせて、赤ちゃんに楽しい体験とともに手渡すのだそうです。また、健診に来られなかった家庭には保健師が足を運んでブックスタートのセットを届ける自治体もあります。虐待予防のためにも未受診者のフォローが欠かせない時代ですが、絵本を間に挟むことで保護者ともコミュニケーションがとりやすくなるようです。ブックスタートは目に見える子育て支援です。自治体と地域住民やボランティアが一体となって子育てを応援することは育児をする保護者にとって大きな支えになると思います。中野区でも健診時などにぜひブックスタートの実施を検討してはいかがでしょうか。お伺いし、以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 日野議員の御質問にお答えをいたします。

 AEDの設置に関連してであります。区内でどのような場所にAEDが設置をされているのか、そうしたことについて調査をしてみたらどうかということであります。必要な調査だと思います。今後、調査をしてまいります。

 それから、管理方法やルールなども統一化をされていたほうがいいだろうということであります。中野区の救急医療体制の向上を図り、安心して住み続けられるまちづくりを推進するという観点から、AEDが利用しやすいものとなるよう、管理や運用ルールの統一化を図っていきたいというふうに思っております。

 それから、区のホームページなどでの設置施設マップですけれども、紙媒体での配布についても今後検討してまいります。

 それから、24時間型の業務施設との連携で24時間使えるAEDの設置を検討してはどうかという御質問でありました。民間施設などについては、設置そのものは区みずからの努力で設置をしていただくよう働きかけをしているところですが、そうした区有施設以外への設置、これを24時間、どう利用しやすい形で整備をしていくかといったようなことについて検討をしていきたいというふうに思います。できるだけ多くの区民が緊急時にAEDを利用できるよう、AEDに関する普及啓発、それからご提案のあった消防署などの協力をいただいた地域での救命講習の実施などについても消防署などと協議をしながら進めてまいりたい、こう思っております。

 それから、木造住宅密集地域の感震ブレーカーの設置率の調査に関連しての御質問であります。感震ブレーカーについて、経済産業省が東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の住民にアンケート調査をしたところ、感震ブレーカーを知らないと回答した人の割合が71.4%だったということであります。このことから、まずは普及促進の取り組みについて検討をしていきたいと考えております。設置状況に関する調査については、普及の状況を見ながら実施をする必要があるかどうか検討していきたいと、こう考えております。

 それから、普及率の目標設定です。国は、首都直下地震緊急対策推進基本計画の中で、今後10年間で延焼のおそれのある密集市街地における普及率25%を目指すことを具体的目標の一つとして設定しているところであります。こうしたことから、区としても普及策のあり方を検討していきたいと考えておりますが、現時点においては、区としての独自の目標を設定する、そこまでには至っていないと考えているところであります。

 それから、不燃化特区をモデル地区にした感震ブレーカーの普及推進についてという御質問であります。国は感震ブレーカーの普及について、特に危険性の高い木造住宅密集市街地について集中的な取り組みを行うというふうにしているところであります。区といたしましても、区が事業を実施している不燃化特区を含め、区内に幅広く存在している木造住宅密集地域等における普及促進の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。

 それから、緊急通報の仕組みを使った火災安全の強化についてであります。単身高齢者や高齢者のみ世帯を火災から守るために緊急通報システムを活用する、このことについては今後検討してまいります。

 また、非常の場合に駆けつける民間事業者にAEDを携帯してもらうかということについては、その効果なども含め研究を行ってまいりたいと、このように考えております。

 私からは以上です。そのほかは担当のほうからお答えいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 子どもの読書推進について。初めに、読書通帳の導入についての御質問です。中央図書館では、夏休みに図書館探検隊の事業を実施しております。昨年からこの一環として、読んだ本のタイトル、作者名、貸出日、感想を記入できる、図書館探検隊ノートを配付しておりまして、こうした取り組みを拡充してまいりたい、このように考えております。

 次に、赤ちゃん連れ利用の促進についてです。図書館では、乳幼児親子を対象としたおはなしかい、絵本講座など、子どもの年齢にふさわしい事業を開催するなど、乳幼児親子の利用を促す取り組みを行ってございます。今後も乳幼児親子がいつでも気兼ねなく図書館を利用できるよう、周知啓発を図ってまいりたいと考えています。赤ちゃん連れの御両親が一般の図書の書架も御利用できるような配慮も工夫していきたいというふうに思っております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、南中野地域のまちづくりについてのうち、防災公園についての御質問にお答えをいたします。

 まず、(仮称)弥生町六丁目公園を防災公園に位置付けることについてでございます。(仮称)弥生町六丁目公園につきましては、広域避難場所、コーシャハイム中野弥生町、立正佼成会大聖堂一帯の核となる災害発生時の広域避難の拠点となる公園であり、整備に当たっては防災機能も配慮していきたいと考えております。

 次に、(仮称)弥生町六丁目公園、(仮称)南部防災公園に四季ごとに観賞できる花の整備についての御質問がございました。(仮称)弥生町六丁目公園につきましては、四季の変化を楽しみながら憩い、安らぎ、健康を育む森の創出を公園のテーマの一つとしており、基本計画を策定する中で検討してまいります。また、(仮称)南部防災公園につきましては、四季ごとに花が楽しめるように植栽を計画し施工する予定でございます。

 次に、(仮称)弥生町六丁目公園を特色ある公園とすることについての御質問がございました。当該公園は、「自然とふれあい遊びながら子どもたちの健康を育む空間の創出」や「地域の活性化とにぎわいを創出する広場・施設の整備」などを公園の整備テーマとしており、基本計画を策定する中で御提案の件についても検討していきたいと考えております。

 次に、公園の整備、運営、管理の民間活用の検討についてでございます。民間事業者の持つノウハウを取り入れることにより、地域の活性化のためのイベント開催、また区民が安心して利用できるような運営管理の仕組みづくりができるのではないかと考えているところでございます。

 最後に、災害時の訓練体験などのイベント開催についての御質問がございました。(仮称)弥生町六丁目公園につきましては、訓練体験も含めた多様なイベント利用についても検討をしていきたいと、そのように考えているところでございます。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、南中野地域のまちづくりについてのうち、高齢者施設計画に関連した3点の御質問にお答えをいたします。

 まず、広町住宅用地活用公募事業の経緯と現状についてでございます。東京都住宅供給公社から平成26年8月29日付で広町住宅用地の活用について区に意見照会がございました。区では、それを踏まえまして意見集約し、検討した結果、平成26年9月11日付で、特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設の用地として活用いただくよう、東京都住宅供給公社へ回答をいたしました。その後、東京都住宅供給公社は、平成27年3月6日、事業者公募要領を発表いたしまして、特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設が募集事業の必須事業となりました。現在は応募期間が終わりまして事業者選定の段階となり、本年7月中旬以降に東京都住宅供給公社により事業者が選定される見込みでございます。

 2点目といたしまして、介護保険施設の地域との連携についてでございます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、入居者の方のみならず、在宅で介護を受けている方々を支援する役割も担っております。併設の通所・訪問事業とあわせまして地域と連携したきめの細かい地域包括ケアの構築に役立ててまいりたいと考えております。

 3点目といたしまして、介護保険施設の地域との連携についてでございます。区では、これまでも特別養護老人ホームなどの介護施設を整備する際は地域交流スペースを設けるよう誘導してきており、区としても引き続き支援していきたいと考えております。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 乳幼児期における読み聞かせ、ブックスタートの御質問でございました。乳児期からの本の読み聞かせは親子のコミュニケーションを育む手段として有効であるというふうに認識してございます。子育てひろば等においては、既にボランティアによる読み聞かせの取り組みが行われておりますが、今後、産後サポート事業等におきましても、ボランティアの協力を得るなど工夫を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(北原ともあき) 以上で日野たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 い さ 哲 郎

 1 若い世代の労働実態について

 2 旧桃丘小学校跡地の利用について

 3 中野区立学校教科用図書の採択について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○20番(いさ哲郎) 2015年第2回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 まず最初に、若い世代の労働実態について、4点お伺いします。

 第1に、若者を大量に採用し使い捨てるように扱う、ブラック企業が社会問題化したことを受け、4月17日、青少年雇用促進法が超党派で参院を通過しました。今、若年層が経験しているブラック企業の実態は壮絶です。休暇や休日もない長時間過密労働、サービス残業、セクハラやパワハラ、働き過ぎて心や体を壊す、そしてその先には過労死や過労自殺があります。この国の働かせ方が総じて異常であることは疑いようがありません。

 中野区で日本共産党として行ってきた独自の調査でも、中野区内の青年からさまざまな違法労働の実態を聞き取ることができました。酒類量販店に勤めていた青年は、ボージョレーヌーボーなど季節販売品の売れ残りを買い取りさせられていました。運送会社に勤めているという青年は、賃金支払いの先送りや会社車両のガソリン代自腹などの条件に耐えながら5年以上も勤めてきたのに、会社の計画倒産のために通告なしの急な首切りに遭っていました。こういったブラックな働き方は今日では学生のアルバイトにまで広がっており、ブラック企業に続きブラックバイトという言葉まで登場しました。

 ことしの3月31日には、四季の森にある明治大学の構内において、「ブラックバイトにつぶされないために」という企画があり、私も参加してまいりましたが、この企画の場で学生アルバイトの驚くべき労働実態が報告されました。講義中でも試験中でも電話で呼び出され、顧客対応しなければいけない。1日5時間という契約なのに11時間もシフトを入れられる。テスト前だからと断ったのに週6日、7日という無理なシフトを組まれる。やめたいと申し出たら、次の採用の広告費などの名目で100万円以上の請求が来た。さんざん残業をさせておきながら、残業代は出せないからとお店の商品が現物で支給されるなどなど。学生のブラックバイトでは、その本分である学業に多大な支障を来し、場合によっては学業を断念せざるを得なくなるようなケースもあります。このことは社会全体にとって大きな損失です。中野区としてもブラック企業問題、違法労働問題についての対策を講じる必要があるのではないでしょうか。お答えください。

 第2に、神奈川県では、県、神奈川労働局、経済団体、労働団体が連名により、『「若者の使い捨て」撲滅かながわ宣言』というものを出し、『「若者の使い捨て」対策を実施します!』という積極的なウェブサイトを作成しています。若者の使い捨て・職場のパワハラに対する電話とメールの受付を設置、労働相談会や講演会、セミナーなどの啓発活動など、極めて具体的な対策を講じています。また、簡単な労働法規の解説のほか、県の労働相談窓口等を掲載した「若者が安心して働き続けるために」というリーフレット、若者の使い捨ての典型的な事例や関連する労働法規等をわかりやすく解説したリーフレットなどもサイト上にアップしています。県内の労働センターのリンクや電話番号もすぐ見てわかる場所に掲載されています。

 先日の都議会でも、ブラック企業、ブラックバイトの問題について質問された舛添都知事は、学生が法令に反した労働条件での勤務を強いられ、学業に支障を来すことはゆゆしき事態だと答弁し、トラブル解決や啓発活動を進めるという認識を初めて示しました。国も東京都も若年層の違法労働について動き出しています。中野区としても若い世代の違法労働対策に特化したウェブサイトを作成すべきと考えます。答弁を求めます。

 第3に、現在、中野区のウェブサイト「ぐっJOBなかの」の中には就職にかかわる情報が日々掲載されています。このサイトの利用・運用規約というページには、その第4条に、法令等に違反し、または違反するおそれのある行為があったときは登録を削除する、また登録を受けようとする情報が事実と異なるときには登録を削除するという文言があります。つまり、違法労働行為があった場合には登録を削除するということになります。また、募集と契約内容が違うとなると労働基準法違反が疑われ、登録削除ということになります。しかし、幾ら違法があったら登録削除などといっても、違法があった場合にどこに連絡すればいいのか、その連絡先などの記載もありません。そもそも何が労働基準法違反なのかを判断する方法がない、相談する先もわからないというのが現状ではないでしょうか。このサイトの規約にもかかわる問題ですから、違法な行為、登録情報と提示内容が違うような場合の連絡先・相談先をきちんと案内するようなコーナーをサイト内に作成すべきと考えます。他区においても東京都労働相談情報センターのリンク先と電話番号をページ内に記載するということは既に幾つかの自治体で行っています。中野区ウェブサイトの改善を求めます。お答えください。

 第4に、ポケット労働法についてお聞きします。

 東京都の作成しているポケット労働法を中野区において積極的に活用すべきと考えます。B6版132ページの小冊子ですが、労働法に関してコンパクトにまとめてあります。若い人たちは残念ながら労働法そのものをきちんと学ぶ機会にも恵まれていません。労働法を知っていただく機会として、このポケット労働法を成人式において新成人に配布してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 また、区内の高校、大学、専門学校に呼びかけ、学校の図書館や学生課へ配布し、学生課とも共同して学生への告知をすることは基礎自治体の責任の範囲でできることではないでしょうか。お答えください。

 以上でこの項の質問を終了します。

 次に、中野三丁目地区のまちづくり及び桃丘小学校跡地の活用について、2点お聞きします。

 第1に、この地域は再開発の計画において、線路をまたぐ南北自由通路のおり口として南口広場ができ、そこから小学校跡地にかけて再開発が検討されてきました。この桃丘小学校跡地はUR都市開発機構に売却が済んでいますが、この件では少なくない住民の方から疑問や不満の声が上がっています。

 都市計画法第18条第2項には、市町村の都市計画マスタープランについて基本的な方針を定める際には、公聴会開催など、住民の意見を反映させる必要な措置を講じるものとしています。これは中野区の自治基本条例にも、その第14条において住民の参加について規定していることに反映されています。そして、マスタープランそのものにも見直しは区民と行政の協働により見直すと明記されています。住民参加が前提となっています。

 この中野三丁目地域では、本年3月下旬に付近の住民の皆さんが集まって自主的な話し合いの場が持たれましたが、その中で事前の説明がないという意見が散見されました。実際には2月20日には区による説明会が開催されてはいましたが、この説明会の開催自体の告知についてはホームページ上と広報のみであり、十分に周知されたとは言いがたいのではないでしょうか。住民の皆さんへの十分な説明、配慮がないまま、この地域の再開発が進んでしまっているということはないでしょうか。今後は、そのような話し合いの場を設けるに当たり、告知の方法を改善すべきと考えます。町会や商店会へは個別に知らせる、区のお知らせ板に掲示をする、町会の掲示板への掲示をお願いするなどによって、より多くの区民の皆さんにお知らせしていくことができると考えますが、この件についてお答えください。

 第2に、その話し合いの場で出てきた意見、そして私自身が地域で聞き取りをし、また地域の方々から直接いただいた要望の中で多かったのは大きく2点です。一つは避難所が遠くなって困るということ、もう一つは何らかの公共施設をつくってほしいということです。避難所については、中野三丁目の地域については桃花小学校へと変更になっています。しかし、線路に近い地域に住んでいる高齢者や障害を持った方などはいざというときに桃花小学校まで避難するのは現実には困難です。また、中野三丁目地域には公共の施設がありませんから、区有地があるならばお年寄りが集まる場所、子どもが安心して過ごせる場所をつくってほしかったという声は当然です。このような住民要求について、聞きっぱなし、聞いて終わりにするのでなく、きちんとしんしゃく検討するような積極的な話し合いの場を設けるべきです。防災という観点からは、例えば、緊急時のトイレの開放、食糧や防災グッズの備蓄など、何らかの防災機能を持たせるということ、公共の施設という観点からは、例えば、コミュニティーセンター、コミュニティーカフェなど、公共性の高い施設を建物の一部に設けさせること、これらを前提として中野区、UR、住民の皆さんの三者での話し合いを継続すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、中学校の教科書採択について、2点お聞きします。

 第1に、この4月、中学校教科書の検定結果が公表されました。9教科15種目104点の教科書が検定合格ということで、この採択について8月いっぱいまでに行われることになっています。

 昨年の法改正で教育委員会制度が変わり、首長が総合教育会議という常設の機関を設けることが義務付けられ、そこで教育方針として大綱を作成しなければいけないとなりました。このことをもって、首長の権限で教科書を採択させる道が開けたというように喧伝する団体もあるようですが、そうではないはずです。文部科学省は、教科書採択は教育委員会の専権事項であり、総合教育会議の協議題になじまないとしています。また、国会では、文部科学省初等中等教育局長が、教科書採択の方針は首長の権限にかかわらない事項である。仮に大綱に教科書採択の方針が記載されたとしても、教育委員会には尊重する義務はないと答弁しています。つまり、法改正があっても教科書採択の権限についてはこれまでと変更がなく、総合教育会議や大綱で教科書採択について協議の議題とすべきではないと理解をしていますが、見解をお伺いします。

 2点目です。本年4月に文部科学省が出した採択についての通知の冒頭部には、教科書採択に当たり、責任を負っているのは教育委員会だと明記されています。同時に、その教育委員会の判断のためには綿密な調査・研究に基づいて行われなければいけないと書いてあります。基づいてというのは、綿密な調査・研究なしにはやっていけないという強い言い回しです。その綿密な調査・研究の中心になるのは、政府答弁では教員となっています。また、限られた時間の中で教育委員が104点の教科書を全て読み、比較検討するというのは物理的にも困難です。教科ごとの専門の教員がそれを担うというのが実態としてもふさわしいということになります。

 中野区においては、教育委員会が学識経験者、教諭、保護者などで構成される中学校教科用図書選定調査委員会に調査を依頼する。そして、教科ごとに校長、副校長、教員6名からなる調査研究会を設けて、それぞれ調査依頼をする。そして、その報告が上がっていくという仕組みになっています。綿密な調査・研究に相当する仕組みがこの中野区で担保されているということになります。最終的に、教科書採択の判断をするのは教育委員会ですが、その判断のためには教科ごとの調査研究会と中学校教科用図書選定調査委員会の報告が重要であり、それをしっかり踏まえた採択でなければならないと認識していますが、この件についてお答えください。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いさ議員の御質問にお答えをいたします。

 若い世代の労働実態についてという御質問であります。若者の使い捨て対策という言葉についての御質問でありました。労働相談については東京労働局などを御案内しておりまして、区が独自に実施をすることは考えておりません。区の就労・求人支援サイト「ぐっJOBなかの」の上では、国の相談事業であります労働条件相談ホットラインの案内ページにリンクを張ってありまして、そちらを開けるようにしているというところであります。

 また、ポケット労働法についての御提案がありました。この「ぐっJOBなかの」でポケット労働法についてもリンクを張っているところであります。成人のつどい等での配布の考えはありません。

 私からは以上です。その他はそれぞれ担当のほうからお答えいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教科書採択に伴う調査・研究等の手続についてです。教科書採択に伴う調査・研究に際しては、学識経験者、区民、教員等で構成する選定調査委員会等を設置し、公正・公平に教科書の調査・研究を行ってございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 旧桃丘小学校跡地の利用に関する御質問についてお答えをいたします。

 まず、区報及び区ホームページによる説明会の開催についての御質問がございました。平成27年2月10日開催の中野三丁目地区のまちづくり及び桃丘小学校跡地の活用についての地域説明会につきましては、各戸配付されている区報で開催を案内するとともに、1月20日より中野区のホームページで案内をしたところでございます。広く区民に周知すべき説明会については同様の取り扱いとしているところでございます。

 次に、旧桃丘小学校施設への地域の声の反映についての御質問がございました。桃丘小学校跡地は、UR都市機構による土地区画整理事業と土地有効利用事業によって活用するということを決めているものでございます。そのため、UR都市機構に跡地を譲渡したものでございます。区画整理によって土地の形状等は大きく変更するものでございます。面積の一定部分は広場や道路に置きかわります。残余の面積については、UR都市機構がよりよいまちづくりに向け活用することとなっているものでございます。その際、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して協議することとなっているものでございます。UR都市機構は事業採算性なども踏まえて用途を判断するということになります。区としては、議会や区民の意見なども踏まえてUR都市機構と協議をしてまいります。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、教科書採択を総合教育会議の議題とするのかといった御質問にお答えをいたします。教科書を選ぶ際の基本的な考え方や方針などについて、総合教育会議の協議題とすることは考えられるところでございますが、教科書採択そのものに総合教育会議がかかわることはないと考えてございます。

○議長(北原ともあき) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時27分延会