平成14年09月20日中野区議会本会議(第3回定例会)

1.平成14年(2002年)9月20日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

   1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

   3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

   5番  やながわ  妙  子       6番  鈴  木  光  子

   7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

   9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり

19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう

23番  若  林  ふくぞう       24番  古  木  謙市郎

25番    欠    員          26番  斉  藤  金  造

27番  斉  藤  高  輝       28番  大  泉  正  勝

29番  柿  沼  秀  光       30番  木  村  勝  昭

31番  細  野  たいじ        32番  岩  永  しほ子

33番  昆     まさ子        34番  小  池  ひろし

36番  伊  藤  岩  男       37番  西  村  孝  雄

38番  江  口  済三郎       39番  藤  本  やすたみ

40番  川  上     進       41番  近  藤  正  二

42番  江  田     徹       43番  池  田  一  雄

44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員(1名)

 35番  岩  田  みつる

1.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      収  入  役  藤 原 惠 一

 教  育  長  沼 口 昌 弘       政策経営部長   渡 辺 征 夫

 企 画 課 長  金 野   晃       総 務 部 長  山 岸 隆 一

 総 務 課 長  田 辺 裕 子       区 民 部 長  鈴 木 勝 明

 地域センター部長 柳 澤 一 平       環 境 部 長  西 條 十喜和

 保健福祉部長   石 神 正 義      保健担当部長   青 山 キヨミ

 都市整備部長   石 井 正 行      土木担当部長   那須井 幸 一

 教育委員会事務局次長 山 下 清 超

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  正 木 洋 介     事務局次長   佐 藤 栄 時

 書     記  大 谷 良 二      書     記  大 石 紀 久

 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一

 書     記  長 崎 武 史      書     記  松 原 弘 宜

 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹

 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 

 議事日程(平成14年(2002年)9月20日午前10時開議)

日程第1 認定第1号 平成13年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 

      午前10時02分開議

○議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、市川みのる議員、高倉良生議員、樋口きこう議員、佐藤ひろこ議員、藤本やすたみ議員、吉原宏議員、斉藤高輝議員、来住和行議員、はっとり幸子議員、鈴木光子議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 市 川 みのる

 1 区長の政治姿勢について

 2 その他

 

○議長(斉藤金造) 最初に、市川みのる議員。

     〔市川みのる議員登壇〕

○14番(市川みのる) 第3回定例会の初めに、自民党の立場から質問をさせていただく機会をいただきました。ちょうど時期的に北朝鮮に小泉総理が出向かれまして、国交正常化に向けて大きく進展を見せております。その中で、拉致問題の事実を知らされるたびに、亡くなられた8名の方の御冥福をただひたすらお祈り申し上げる次第でございますし、また昨日、きょうと新聞の報道を見ておりますと、外務省の情報提供のあり方などにつきましても、亡くなった方たちの御遺族の気持ちが大変動揺するような情報の提供のあり方というものがかいま見られております。官僚の体質というのか、役所の体質というのか、そういうものに対して改めて憤りを覚えている次第でもございます。

 けさの産経新聞のコラム欄に情の部分と理の部分について、この日朝国交正常化に向けての交渉の成果はそれぞれ評価されております。情の部分につきましては、やはり小泉首相がなぜ平壌宣言に署名したのかという怒りの声、これが情として表現されておりますが、私ども自由民主党議員団としましては、今回謝罪を引き出した小泉首相の交渉力を、もちろん我が党の総理として、総裁として大きく評価しているところでありますし、さらに核やミサイル開発にも一定の歯どめをかけた日朝首脳会談を実現した勇気と決断を是とする認識の理の部分の評価を我々の自由民主党議員団の見解として述べておきたいと思います。皆様方の御理解をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 改めまして、8名の犠牲者の方々の命をむだにしないように、国交正常化交渉に対して、日本政府は毅然とした態度で北朝鮮に接していくよう要望するものであります。北朝鮮、改めまして朝鮮民主主義人民共和国と接していくよう要望するものでございます。

 次に、きょう私がこの質問の場に立ちましたのは、前回も質問を、区長選挙の直後ということで、区長のリーダーシップと、それから住民参加のあり方を問うという立場から質問させていただきましたので、今回は控えておきましょうということであったわけですが、区長の決断における住基ネットの切断について、つい先日その決断を下された。それに対して、議会側に対しての説明の不備があったということで、大変議会側も混乱し、また機能が停止状態に陥っているといっても過言ではないと思います。この手続の不備については、区長も先般の全員協議会の席上で半ば認めていらっしゃるわけでございまして、今回の措置が緊急避難的なものだったという説明がありました。これをまず確認させることは一番大切なことだと思いますが、全員協議会の席上で私ども確認させていただいたというスタンスに立ちまして、若干我が党の議員団の見解を述べさせていただきたいと思います。

 質問はその後にゆっくり項目別にいたしますから、お書きとりいただきまして、答弁をいただければと思います。つまり、時間があれば議会に説明をし、協議した上で行うつもりだったということだと思うんですね。今後、議会と切断の可否について白紙に戻して集中協議を行うとか、またその議論の結果、区側も議会側も納得する条件下で、さらに先々再接続すべしとの討論になった場合には、再接続にも応じる用意があると私たちは思っております。もしその時点でそれに応じないなら、区議会と行政の役割は、先般私が第2回定例会で質問させていただいたときに、区長答弁の中にありましたが、区議会と行政の役割は、車の両輪のように一緒に区を運営していくという関係があるという区長の発言、また公式の答弁というのは、全く言葉に信を持たない発言ということになってしまうと思います。区長を応援した区議の皆さんというよりも、ある区議さんが切断大賛成の議論を展開しておりますが、前区長は神山区長でございますが、議会対応に対し説明義務を果たしていない決断に対し、最も不満を述べていた区議として、その議会の審議権と区行政への監視を行う議会機能を無視することは、私どもは明らかな自己矛盾を起こしているというふうに思いまして、昨日はその議論がありました。

 偏った対応を、広範なこの議会意見に対して、議会の審議権とか、それから区行政への監視を行うといった、今述べたようなことの中にある広範な議会意見に対し、区長はやはりそのような区議さんと同等に私どもとの相対し方をしているのか、偏った対応をするつもりなのか、この点については一度ただしておきたいと思いますので、後ほど答弁をいただきたいと思います。

 また、ある代議士も、これは民主党の代議士でございますけれども、今回の決断を応援していると聞いていますけれども、民主党系の中にも異論があるんじゃないかと、私は尋ねてみたいと思います。これは区長にじゃなくて、私どもがそう思っているということですね。民主党が応援した首長が皆ネット切断しているんだろうかということ。今党首戦をやっていますけれども、鳩山さんとか菅さんは「切れ」とまで言っているんだろうかといった疑問が私どもの中にございます。区民の中には、ほかの自治体の大多数と同様ならネット接続をしてもよいのではないかと。なぜ中野区だけ国に対抗する必要が、この問題に関してはないと考える区民も多くいるはずだということですね。ですから、ネット接続許諾派というんですか、接続してほしいというのか、そういう区民もいらっしゃるわけですから、そういう区民の声を集めてみるということも大事じゃないかと思います。これも後ほど見解を述べていただきたいと思います。

 それで、そのような我が党の一定の見解というか、スタンスに立った上で数項目、16項目ぐらいありますが、これを一つひとつお尋ねしていきますので、後ほどお答えいただきたいと思います。

 まず、11日、水曜日ですが、区長は突然住基ネットの切断の決断を発表されたわけです。この切断したことは法律違反にならないだろうかということです。住基ネット法の法律と、それから今継続審議になっている情報関連三法案の中にある個人情報保護法案との混同が最近マスコミ報道の中に大変甚だしい部分があると私どもは感じております。住基ネット法の一つの法律の中の手続に基づいた行政サービスの向上ということについて、これが法律違反にならないのだろうかお答えいただきたい。まずこれが1点です。

 住基ネットを切断したことは法律違反であると私たちは思うんですが、もし法律違反をすることであるならば自分だけで決めたのかと、だれかに相談したのでしょうかと、どのような方に相談したのかと、こういうことです。これについては、区長がこの間全員協議会でおっしゃったセキュリティー会議の構成メンバーと、その中のメンバーの議論の詳細をやはり議会側に提示するべきだと思います。それで、一体だれが切断を主張して、だれが切断反対を述べたか、これは大事なことだと思います。必ず切断反対を主張しているメンバーもいると私たちは考えております。もしそういうことがなかった、要するに顔が見えないということであるならば、これは大変危険な状態に区長みずからが陥っているわけですね。ですから、区の職員、役職を持っている管理職の皆さんが、また職員の皆さん、切断をこぞって支持したとはどうしても思えない節があるんです。この点についても1点触れておきますので、後ほどお答えいただければと思います。

 それから、続きまして、住基ネットを切断することのメリットとデメリット、これを明らかに、明確に、わかりやすく答えていただきたいと思います。それからその次に、住基ネットを接続していることのメリットとデメリットを明確に、わかりやすく答えていただきたいと思います。私たちは、住基ネットに接続していることのメリットを主張するわけですが、手元にある資料があるんです。これは、平成14年9月12日に総務局の行政部からいただいた資料なんです。総務局行政部ですから、東京都ですね。この中に、住民基本台帳ネットワークシステムのメリットについてというのがあります。まず1番は、住民票の写しの添付の省略があります。これが今大変騒がれていることです。それから2番に、住民票の写しの広域交付、これがあります。これも今騒がれていることでございますが、これは平成15年8月稼働予定です。3番、転入・転出手続の簡素化。これも平成15年8月稼働予定です、予定では。それから4番目に、住民基本台帳カードの交付があるんですね。これも来年の平成15年8月に稼働が予定されている、こうなっています。これをちょっとめくっていくと、住民基本台帳ネットワークシステムの展開というページがありまして、第1次稼働というところに、平成14年8月5日から平成15年3月、4月という日付を入れまして、これは本人の確認情報の提供または利用で、国の機関等で14の事務があるんです。それから、都道府県に25の事務があるんです。それから、市区町村に五つの事務があるんです。先ほど述べたもの以外というんですか。こういう展開をもう既に8月5日、第1次稼働を開始して、もちろんこれは国を挙げて動き始めているものに対しての切断ということの大きさというのを大変感じるわけです。それと同時に、私たちが日本の国民としてどの町に住んでいても同等の行政サービスを受けることの大切さというものをやはり大変重要視しているわけなんです。

 今、都庁の旅券課に行きますと、「杉並区と中野区の住民は」という非常に差別感を味わう表示があるんです。見てこられましたか。すごく差別感を感じると。地元の自民党都議会議員の方からそういう照会があったものですから、早速私たち見にいってきました。やはりそうなんです。弱ったなと。なぜメリットの部分があると思うことをもう少しわかっていただけなかったかなということなんです。

 次のお尋ねですが、住基ネットを切断したことによる区民の反応なんです。これはどうでしょうかと。これは先ほども述べましたけれども、賛成と反対があるんです。いわゆる接続許諾派というのか、接続をもう賛成している、接続したい、つないでほしいという区民もいるはずです。要するにこれの件数ですね。例えば賛成が何件、反対が何件、投書なり、声が寄せられていますよというものが、やっぱり正確に答えていただきたいということと、その内容について答えてほしいというのがあるんです。これはお答えできる範囲ということになりますか。

 それから次に、区長が施策を決定する際には、区民の意見を十分集約して決断すると日ごろから言われている。区民の意見はどのように聞いて、どういったプロセスを踏んで決断したのか、それをわかりやすく説明してほしいということです。それから、議会に相談したか、しないかというのは、この間の全員協議会の席上でお答えになっておるわけですが、本会議の席上で改めて、議会にはどのように相談されたのかお答えいただきたい。

 次に、いつ最終決断をしたのか。先ほど述べましたセキュリティー会議にかけて、最終的な決断は区長でありますから、さまざまな意見の集約をもって、区長がいつ決断したのか。その正確な日時、何月何日何曜日の何時というのをお答えいただきたい。これも全員協議会の席上で質問が出ているんですが、改めて本会議の質問として答弁をいただきたいと思います。

 それから、9月11日水曜日に記者会見をして発表しました。そして、区報はその翌々日にはもう配られているんです。余りにも手順が良すぎるんですよね。今度、自民党議員団が緊急アピールと称して、来週のXデー、新聞全紙に折り込みをするんですが、「自由民主」という我が党の機関紙の号外版ですが、このXデーまできょうから数えて、途中に連休が入るんですが、実はこの作業は、その原稿の材料をつくるのにおとといから始まったんです。おととい、きのう、きょうです。それで、24日、25日にようやく入るんです。これは、正直申しまして、自由民主党の東京都連の事務局で作業が進んでいるんです。原稿は私たちが出したんですよ、いいですね。東京都連がつくっているわけじゃないから、やはり私たちがつくった原稿ですが、作業はそうなんです。そうすると、そういう手順が余りにも短かすぎて、これは最初から切断ありきの手順で踏んでいかないと、この中野区報の全紙折り込みは間に合わないんじゃないのかと思うんですね。だから、最初から切断するつもりで、もう既に準備をしていたと。それを総務省からたまたま回答が来たので、その回答をたまたまの材料にして、12日稼働開始のその前の11日をねらったのかと、こういうふうに考えているわけです。その点についてお答えいただきたいと思います。

 次に、区民の代表である区議会議員には、この一件は十分な説明がされていなかったというのはもちろん全員協議会で指摘がありました。区長は、中野区議会をどういうふうに考えているのかというのがまたここで蒸し返しになっちゃうんです。ですから、私、第2回定例会で、「今区政をただす」という区議会だよりの中にも、特にこれだけは区議会事務局とよく相談した上で、この原稿だけは載せてくれと載せた原稿が、議会に対する理解と協力の内容を示せというものですね。区長は、所信表明の中にうたってあるんです。区議会議員、区民の理解と協力をお願いしますと。それで、その理解と協力の内容とは何なのかという質問を私はした。そのとき議会は、それから区長は車の両輪の関係である。それで、区が行おうとする行政の運営に関して、常に議会と情報発信、情報交換をしながら同じ判断の基盤に立ち、良好なコミュニケーションを保つことが必要であると、こういうふうに区長は答弁している。これは公式な答弁です。その面での理解と協力を求めるものであると、こういうふうになっていますね。そうすると、要するに区議会との関係ですが、これをどういうふうに考えているか、これがまたもとに戻っていっちゃうわけです。これをもう1回はっきりさせてほしい。これから議会とどのようにつき合っていこうと思っているのか。つき合っていこうというのは言い方が悪いんですが、どのような接し方をしていこうとされているのか、もう一度はっきりと答えてください。

 それから、中野区政を正しく前へ向けて運営するためには、きっと後の答弁で出るであろう議会も車の両輪として十分尊重していますというふうになると思うんですが、それは表面的には取り繕うものであって、やっていることといえば、実際には何の相談もなく1人で決断してしまうということであり、また十分な住民説明を行うなんてことは、これもやはり形骸化したことになってしまいがちなのか、そういう点を今、区長はどう考えていらっしゃるのかお答えが欲しい。これが1点です。

 それから、住基ネットの切断等重要な政策について、本来相談すべき助役もまだおりません。議会が反対したからではないんですね、御自分で提案もしないんです。どこかのホームページに「議会が反対するから助役が決まらない」と書いてあるんです。区長もたしか対話集会ですね、議会の抵抗に遭って助役がまだ決まらないというたぐいの発言をしたとか、しないとかというのがうちの議員団に入ってきたので、した? していない? まあ、信じましょう。となると、じゃあ、私たちはこれからかかってくるであろう人事案件かもしれませんが、なぜ助役、これは住基ネットの話と連結しているのでいたしますが、またなぜ助役を正式に提案してこないのか。それで、要するに区報できちんと区民に説明すべきじゃないのかと。それで、対話集会ではそういう誤解を受けている方がいらっしゃると伺っているんですね。その点、ちょっと区長の方ではっきりさせていただきまして、要するに区長がいつも言われている区民に対する説明責任をきちんと果たすということは何なのか。やはりもっとちゃんと説明責任というものを果たすべきではないのかということを触れておきたいと思いますので、これはお答えになれる範囲でお答えください。

 それから、新しい基本構想の話でございますが、これはつくろうとか、職員のPTとか、区民の組織、いわゆる区民会議ですね、これをつくろうということで伺っておりますけれども、本当はもう実は、こういうことが最近あったことで、区長はもう自分の手の中に新しい基本構想ができているんじゃないのかといったような、非常にうがった物の見方をする区民の皆さんも中にはいらっしゃる。そういうことは、じゃあ、私たちが正式な場で区長の答弁をいただいておきますのでということで、これをただしておきたいと。そういうことは、ちゃんと今後の相談があってからということになるんでしょうか、後でお答えください。

 それで、特定政党のありもしないことをでっち上げて、自分のホームページに載せるなんていう、言論の自由に対する解釈をはき違えている議員も我々良識のある中野区議会議員の中にもいらっしゃるようなんですが、区長も同じようにならないように冷静に行動してほしいと。これは要望です。

 それで、住基ネットを切断するような田中区長では、自治体のITの施策について、今後どうあるべきだと考えているのか、簡潔にわかりやすくお答えください。IT施策というのは、進めていこう、進めていこうとすれば、個人のプライバシーとか、個人情報というものが限りなくリンクしてくるものなんですね。ですから、そういうことについて簡潔にわかりやすく、IT推進担当課長まで設けているわけですから、わかりやすくお答えください。

 ここまでは区長に答弁をいただきたい、こういうことです。

 あと1点、その他の項でちょっと触れさせていただきたいのは、小中学校の普通教室への空調設備の導入なんです。先般中野区の中学校PTA連合会の懇談会が各会派とありました。懇談会があり、後に懇親会があったんですが、私はそれに出席しました。懇親会の方は私だけだったんですけれども、4会派ですか、当日お招きいただきました。やはりそこから出てきた重要な第一要望というのは、小中学校の普通教室への空調設備の導入でした。ここ数年大変暑い夏が続いておりますけれども、決して気持ちの問題だけではない。もうこれはヒートアイランド現象とも言われておると。それで、中P連の役員が、区長のところに空調設備の導入についてお邪魔したときに、区長は全校に空調設備を導入すると、ヒートアイランド現象をさらに引き出してしまうのでというようなことをおっしゃったんですか。それを非常に怒っておりまして、逆に言えば、子どもたちの、中学校なら中学校、小学校なら小学校の屋上に緑の空間をつくって、ヒートアイランド現象に対して、環境を保全するということはどういうことなのかということを教育の場面に織り込んでいくことのあり方というものを大分切々と説いていらっしゃる方がいらっしゃいました。それで、気持ちの問題だけではなくて、本当にヒートアイランド現象とも言われておりまして、特に都市部を中心にして高温化しています。それでは、小中学校はどうだろうかと、それを見ますと、全く同様の状況になっています。学校といえば、もう扇風機も、もちろんクーラーもなく、僕たちなんかは子どものときは下敷きでよくあおいでいたんです。それでも体操が終わって、次の時間割の半分ぐらいたつともう汗は引いて、また窓から涼しい風が入ってきたというようなのが実態だった。最も暑いときには夏休みがあって、学校の先生が軽井沢少年自然の家につれていってくれて、それから暑いときには岩井の臨海学園、最近臨海学園は余りやっていないようですけれども……。(「やっている」と呼ぶ者あり)やっていますか。その臨海学園に行ったり。僕らのときは常葉がなくて、箱根の仙石原の移動教室とか、そういう涼しいところに行って校外授業というのか、課外事業というのか、移動教室の時間を過ごしたものでした。

 それで、今実際のところ、そういうことをもう従来どおり繰り返しているだけでいいんだろうか。いわゆる授業を受ける教育設備の環境とか、自然現象に対しての移動教室や校外授業のあり方というのが今までどおり、従来どおりでそのままずっとスライドしてきているんじゃないのかと。やはり一番暑いときは休んでいるんだからそれでいいんだという問題でもなくて、もう正直申しまして、一番暑いのは夏休みに入る直前の方が暑いのではないか。まして梅雨どきになりますと湿気もありまして、大変つらい時期を迎えます。家庭においてはほとんどが空調設備はもう普及しているんですが、学校はそうではない。小中学校も、荒川区では既にかなりの率で導入していますと。だから、中野区も現状はどうなのかということを調査したことがあるんだろうかということをまず1点答えていただきたいと思います。

 それから、荒川区はもうかなりの率で導入していますから、かなり効果があったように伺っています。中野区では今後どのように考えているのか。先ほど申し上げましたエコ学習にもつながることも漏れ伺っておるんですけれども、いかがでしょうか、これはお答えいただきたい。

 それで、小中学校に空調設備を導入する場合は国の補助金があるというような報道を先般目にしました。補助金があると思いますけれども、それを活用して中野区でも積極的に導入することは考えられないでしょうか、これもお答えください。

 以上で私の質問は終わります。一つひとつの質問の中に私たちがどうしても伺いたいことを盛り込ませていただきましたので、誠意あるお答えをいただければと思います。どうも御清聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 市川議員の御質問にお答えいたします。

 まず、住基ネットの接続を切断するという判断を行政の判断としていたし方のない日程の中でいたしたと。しかしながら、その決断の過程において区議会の皆さんに対する十分な御説明あるいは議論をしていただく、そうした努力において、私として欠ける部分があったというふうに認識しているところでございます。この場をかりまして、おわびをさせていただきます。申しわけございませんでした。

 質問の内容でございます。区長の姿勢の問題といたしまして、区議会の議員の、それぞれの議員の皆さんと同じように、ひとしく接するという姿勢でやっているのかどうかという御質問が1点ございました。地方自治の中にあっての長と議会の関係というのは、国の議院内閣制のような制度とは異なっておりまして、与党・野党という、そうした区分けに基づいて、与党が政権に対して責任を持つといったような形で動いているものではないというふうに考えているものでございます。自治体の運営にありましては、長は常に議員の皆様お一人お一人と対等、同じように、同等に接しているということが最大、まず守られるべき原則であるというふうに私は申し上げているところでございます。

 それから、住基ネットの切断に関しまして、住基ネットを推進する、ネット賛成派の区民の方の声も集めるべきではないかという御意見がございました。住基ネットについてのお考えのいかんを問わず、この問題、区民の皆様お一人お一人の個人情報の保護にかかわることでございますので、当然住民基本台帳ネットワークの推進を図るべきだというお立場からの区民の皆様の声についても当然耳を傾ける。また、どうすれば声の少ない、どちらかというと声を出さないんだけれども、ネットを支持されているという方の存在というものを見逃してしまうということにならないようにしなければならないというふうに、私として心しなければならないと考えているところでございます。

 それから、11日に住基ネットの接続を切断しました。このことについて、法律違反に当たらないのかと、改正住民基本台帳法の法律違反にならないのかという御質問だったと思っています。これにつきましては、私は住民基本台帳法においても、住基ネットワークで自治体が個人情報の確保に対して適切な措置を講じなければならないということをはっきりとうたっております。そうしたことをとらえましても、今回の切断について、私は法律違反ではないというふうに考えているところでございます。

 それから、法律違反だとするならばだれに相談したのか、法律違反でないと思っていますけれども、相談をしたのは行政の中での担当部局のそれぞれの職員、またセキュリティー会議のメンバーなど、関連いたしておりますそれぞれの職員と十分に相談したというところでございます。その相談の前提に当たって、私ども常に区民の皆様の声を受けとめながら日ごろの判断をしているわけでございまして、日ごろ私どもが接しております区民の皆様から寄せられております声、その他判断の材料としてきたというところでございます。

 それから、セキュリティー会議のメンバーについてでございますが、このセキュリティー会議は、住民基本台帳ネットワークの運用について設けられているセキュリティー会議であります。メンバーといたしましては、担当であります区民部長、それから政策経営部長、総務部長、区民課長、情報システム課長、IT推進担当課長--IT推進課長は庁内のITシステムのセキュリティー全般について担当している課長でございます。これらがセキュリティー会議のメンバーでございます。協議の中で、だれがどういう種類の発言をしたかといったようなことにつきましては、区の組織の中での会議で検討しているところでございまして、さまざまな意見があり、さまざまに現在の状況、あるいは制度の趣旨等々、さまざまに議論しながら、最終的に結論を導いていったというふうに御理解をいただきたいと思っています。

 それから、切断のメリットとデメリットは何かということです。あわせて接続していることのメリットとデメリットという御質問もございました。裏腹の関係になっておりますので、あわせてお答えさせていただきます。住民基本台帳ネットワークシステムは、本人確認情報を国の事務等に提供することによって、国の事務が効率化されるというメリットがございます。それから、そうした事務への手続に当たって住民票の添付の必要がなくなるといったような便利さもございます。そうした便利さが接続を切断することによって享受できなくなるということが、切断する際のデメリットであるというふうに考えています。切断したメリット、これが私どもが最も判断する上で重要な要素と判断したわけでありますけれども、現在の個人情報保護法という個人情報保護のための基本的な法整備が十分でない中での稼働、こういう状況にあって、こういう状況だからこそ特段になされるべき個人情報保護のための配慮、これが欠けているといったようなことがまず明らかになっている状況、明らかだと私どもが判断した状況、そしてセキュリティーの対策、情報を受けた国の機関等における個人情報の安全確保策、これについての検討状況がいまだ不十分な点が見られたり、あるいは技術的なセキュリティー対策というのは、究極のところ私どもが実際に手にとって見たり、確認することのできない内容でございます。そうした意味で、自治体の側から国の機関等が行っているセキュリティー対策について確かめる手だてを設けるといったようなことが行われていないと、きちんと確保されていない。そうした状況の中で、個人情報の確実な保護というものについて十分な確信が得られない。個人情報が守り切れないというふうに判断しましたので、そうした意味で、そうした不安な状況の中に区民の個人情報を提供していくことをしなくなったと、せずにいるということが切断したことのメリットであるというふうに考えております。

 それから、国民として他の自治体、接続を継続している自治体と同等のサービスを受けることが重要なのではないか、当然の御意見であるというふうに思っております。しかし、この住民基本台帳ネットワークの事務というのは、基本的に自治事務でございます。各地方自治体が行う事務ということでございまして、それぞれの自治体の判断といったようなことも当然前提として動いていかなければならないというふうに考えているわけでございます。現在の時点では、例えば東京都の旅券課でパスポート申請の際に中野、杉並あるいは国分寺といったようなところが他の自治体と違う取り扱いになっているという御指摘がございました。旅券を持っている方が住所を変更した際に住民票の添付が必要でないという状況になるという、そのメリットが得られないということについて、そのほかにも当然住基ネットを前提とした手続等ではそうしたことが生じ得るわけでございます。そうした意味でのメリットが、今の状態では区民の皆様が得られないというようなことについては、できるだけ早い機会に改善できるように、住基ネットに私どもが安心して接続できるような環境となることを私どもも国に対して働きかけてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 それから、広域交付、それから転入手続の簡素化、それからICカードの導入、これらについても、私は住民の利便が増すことにつながっていくというふうに考えておりまして、2次稼働が来年の8月に予定されているところでございます。その2次稼働の時期までに私どもが安心して接続できるような環境となりますことを、先ほど申し上げましたとおり、私どもといたしましても国の方に働きかけをしてまいりたいと考えております。

 それから、区民の反応がどういう状況かということでございます。区に寄せられております反応について、後ほど政策経営部長の方から答弁をさせていただきます。

 それから、区民の意見を当然お聞きして、集約した上で決断したことだと思うということでございました。これについては、先ほども申し上げましたように、さまざまな場面でお聞きいたしております区民の皆さんの御意見、寄せられました御意見、そうしたようなことを私どもとして十分把握し、それについて認識した上で今回の決断に至ったというところでございます。

 それから、議会ではどう御議論いただいていたのかというところでございます。議会の区民委員会におきまして、今回、国の各機関等への情報提供に先立って安全確保策について照会いたしました。このことについて、区民委員会で報告させていただいているところでございます。そうした中で、十全な安全確保策が確認できないような場合に接続の切断も含む適切な処置をとるといったようなことについても、私どもとしての考え方をお示ししていたと考えているところでございます。いずれにいたしましても、そうした状況があったとしても、今回の決断に当たって、その決断そのものの時期に当たっての区議会への対応について不十分だった点を私ども認めざるを得ない、不十分だったというふうな認識を持っていることについては、先ほどおわび申し上げた趣旨のとおりでございます。

 それから、いつ最終決断をしたのかということでございます。9月10日の午前中に国の方から回答を受けました。それで、回答とあわせて担当者からの説明も受けました。そして、9月10日の午後から夜にかけてどう対応するかについて検討いたしました。それで、11日の午前にセキュリティー会議を再び開きまして、最終決断をするということについての議論をしたわけでございます。最終的に午前11時ぐらいだったと思いますけれども、ほぼ午前いっぱいかけて検討した上で決断したと、そうした流れになっております。

 それから、区報の発行につきましての経緯、時間的な経緯等につきましては、これも政策経営部長の方からお答えさせていただきます。

 それから、区議会との関係、車の両輪、それから同じ判断の基盤に立って区政について議論していくことが、車の両輪として自治を運営していく上で最も重要であるという認識を持っていることについて、全く変わっているものではございません。今回、住基ネットの切断に対して、行政の長の職務としてその職務を執行していく上での判断として、時間的な制約の中でやむを得ず行ったものでございますが、その中でも十分な努力をしなければいけなかったということについては、十分反省しなければならないと思っているわけでございますが、今後こうした対応の誤りを犯さないように区議会とも十分御相談をしながら、折々の判断、決断に当たっても十分な情報提供または御議論をいただく機会をつくるということに努めてまいりたいと思っております。

 それから、今回のようなやり方で続けていくと、何でも1人で決断することになりはしないかといったようなことでございますが、十分議論をした上で決断していかなければいけないということはもちろんそのとおりでございます。しかしながら、長として行政運営をしていく中で長が判断すると、政策決定あるいは折々の判断、決定の中で長が判断しなければならない場面というものも多々あるわけでございます。そうしたことと、きちんと議論をしながら判断していく判断形成の問題と、そうしたことを十分に自覚しながら、私として十分議論をしながら進める区政であり、かつ必要な判断、決断については時期を誤らず区政運営をきちんと行っていくということが必要であるというふうに思っております。そうした上での行政運営に努めていきたいということでございます。

 それから、助役が現在いないということで、今回の議会におきましても議案として追加提案させていただくといったようなことについてお願いしているところでございますが、提案していないのは、先ほど御指摘ありましたとおり、私の側からでございます。人事の案件でございますので、私が選任するということでございます。選任する、その内容が決まっていないので提案ができていないということでございますので、1日も早くそうした人選に努めてまいりたいというふうに思っております。

 それから、基本構想は私の頭の中ではもう新しいものができているんじゃないかといったようなことが寄せられているやの御質問でございました。基本構想の改定につきましては、私、21世紀に向けて新しい区政をつくり直すという意味での基本構想をもう一度改定しなければならない、財政再建と10年後の新しい区政の姿をつくり出したいということで皆様に申し上げているところでございますが、どういうものをどうつくっていくかといったようなことについて、区民参加で多くの方の議論を得ながら、また議会でも十分に議論していただいてというふうに申し上げているところでございまして、まだ私の中に何か新しいものができ上がっているといったようなことは全くございません。

 それから、ITの推進についてどう考えているのかと、特に個人情報保護との関係でただしたいという御質問でありました。これからの社会はネットワーク社会、ITの推進というものは欠かせないというふうに考えております。電子自治体の形成、電子政府あるいは電子取引などもこれから行われていくようになっていくような、そうしたIT社会の進展の中で、住基ネットのようなネットワークもインフラ、基盤的なネットワークとして重要なものであるというふうに私は認識しているところでございます。そうしたネットワーク社会を迎える時期であるからこそ、個人情報の保護について基本的な仕組みを国として、あるいは民間個人として守るべき個人情報の保護についての原則、本当にもととなる基本法の制定が欠かせないのではないか、IT社会を進めていく必要があるからこそ個人情報の保護について万全を期していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。

 学校の教室の問題、それから先ほど言いました区民の反応、区報のこと、それらについてはそれぞれ教育長、または政策経営部長の方からお答えいたします。

    〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは、切断につきましての区民の反応並びに区報発行についての経過につきましてお答えさせていただきます。

 最初に、切断につきましての区民の反応でございますが、大変恐縮でございます、9月18日午後5時現在までの集計でお答えさせていただきます。電話、メール、ファクス、手紙、そういったたぐいをすべて集計いたしておりまして、現在賛成につきましては218件、反対が22件、そういうようなことになっております。主な内容といたしましては、賛成のところでは、個人情報保護法が成立していないこと、住基ネットに安全性が担保されていないこと、個人情報の漏えいが起きた際の責任が不明確であること、国民総背番号制につながる懸念がある、そういったことが主な、代表的な理由でございます。反対の方では、行政サービスの向上のためには住基ネットは必須であるということと、住基ネットの問題点はかねてより指摘されていた、一度稼働して朝令暮改的に切断するのは安易である、社会には秩序が必要であり、切断はパフォーマンス的である、こういった理由が代表的なものでございます。

 次に、区報発行の経緯でございますが、切断について区民の皆さんにお知らせしましたのは9月15日号の区報でございます。区報の発行につきましては、通常は原稿を印刷会社に送りまして、1週間後に区役所に区報が納入されると、そういうような1週間の日数を必要としております。ですから、9月15日号につきましては、9月5日に原稿を印刷会社に送り、9月12日に区役所に納品されると、そういうような予定、これが通常の形でございます。9月15日号につきましては、これが9月12日ではなくて、9月13日金曜日に納品されて、結果的に1日おくれで9月15号ができ上がった、そういうような形になっております。9月5日には当初から考えておりました紙面で原稿を送っておりまして、それで作業が進められているわけでございましたが、9月9日になりまして、10日に国の方から回答書を持って説明に来るという、そういうような状況が判明いたしましたので、区報担当の方で、場合によって切断ということもあり得るということで、想定の予定原稿みたいなものを用意いたしました。これは全く想定でございますので、それが正確というようなことではないですが、私どもの仕事のあり方としてそういうようなことを想定した場合には、それに対する準備をしていたということでございます。これにつきまして、10日にそういうものを用意いたしまして、先ほど区長がお答えしましたように9月11日の午前に切断という判断が出たわけでございますので、それに基づきまして区報に載せるべき文書を作成したと。そのことによりまして、結果的に、最終的には職員が印刷会社に行き最終校正をする、そういう形をとったわけですが、これが通常ですと10日になっているわけですが、これを11日に繰り下げまして、11日の5時以降にきちんとした原稿を固めまして、それを紙面に反映させたということで、結果的に1日おくれで9月15日号の区報が納入されたと、そういうような経過でございます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 学校教室の冷房化についてでございます。中野区の小中学校の現状でございますけれども、音楽室あるいは図書室は100%冷房が入ってございますが、普通教室につきましては、小中あわせまして大体8%ぐらいということでございます。この教室内の温度調査につきましては、ことしの7月中旬から9月中旬にかけまして、授業中の室温を、特に暑い教室について測定してございます。結果は現在集計中でございますけれども、暑いところでは38度に達した学校もありまして、非常に教育環境は厳しいものであると、そのように思っています。教育委員もこの夏学校訪問をいたしました。また、小学校、中学校のPTA連合会からも教育委員会に強く要望されている課題だと、そのように思っています。来年度文部科学省におきましても、普通教室への空調設備に対する補助金制度の新設、それを検討しているという情報もございます。また、最近荒川区あるいは目黒区などで普通教室の全校冷房化、そういうものを実施している区もありますので、状況は変わってきているということでございます。こうしたことを踏まえまして、教育委員会といたしましては、教育環境整備の一環といたしまして、空調設備の設置を検討しているところでございます。

 なお、ヒートアイランド現象など、環境学習につきましては、当然学校緑化あるいはビオトープ、そういうものを通して、あるいは教科の中あるいは総合的な学習の時間の中で今後も学習を進めていくということでございます。

     〔市川みのる議員登壇〕

○14番(市川みのる) 答弁ありがとうございました。

 そうすると、個人情報保護法というのが成立すると接続を再開するということなのかなというような感じを抱いているんです。いわゆる個人情報保護法の条文が、区長のおっしゃるところの国に対してのセキュリティーの確保、自治体の側からそういうものを求めていくという範疇にすべておさまるものなのか、それともそれ以上のものであるのか。何かの尺度がなければ、再接続という問題については何ら、迷走を見るだけで具体的に先へは進んでいかないわけです。どこまで個人情報を保護することが、その担保とするものになるのか、その担保になり得るのか、そこのところを1点だけ触れておきますので、お願いします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 住基ネットの接続の切断をもう一度接続すると、そのときの条件の問題になってくるかと思っていますが、個人情報保護の基本的な法制が整備されているということが大前提になるだろうと私は考えております。しかし、何であれできていればいいというふうに判断することはできないというふうに考えております。国民の個人情報が何人であれ、いたずらに不正にアクセスされたり改ざんされたり、あるいは盗用されたりといったようなことが行われないといったようなことが法律として、法律的な仕組みとして基本的にきちんと担保されているということを、でき上がります法案などを見ながら私どもとしては十分判断していかなければならないというふうに思っております。

 法律のことだけではなく、これは実際に住基ネットの運用そのものの問題でもありますので、個人情報保護法が成立したとして、さらにネット運用の具体的な過程において十分に、私どもが今回申し上げているような疑問に十分にこたえていただけるような状況になっているかどうかということも、個人情報保護法の成立とあわせて見ていかなければならないというふうに思っているところでございます。

○議長(斉藤金造) 以上で市川みのる議員の質問は終わります。

 

中野区議会議員 高 倉 良 生

 1 区政運営について

 2 保育園の民営化について

 3 障害者福祉について

 4 介護保険について

 5 子ども読書の推進について

 6 子育て支援について

 7 国際交流について

 8 情報化について

 9 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、高倉良生議員。

      〔高倉良生議員登壇〕

○4番(高倉良生) 平成14年第3回定例会にあたり、公明党議員団の立場から質問いたします。

 去る17日、小泉首相と朝鮮民主主義人民共和国・北朝鮮の金正日総書記との首脳会談が開かれました。最大の懸案事項であった日本人拉致問題では大変に痛ましい結末が明らかにされました。御家族の心中を察すると本当に心が痛み、言葉がありません。これは断じて許されない行為であり、二度とこのようなことが起こらないよう厳重に抗議をするとともに、生存者の早期帰国、事実関係や責任問題の明確化、補償問題など、誠意ある対応を強く求めるものです。

 今回の会談では、国交正常化に向けての合意がなされました。重い扉を開かせた小泉首相の努力を評価いたします。私は、日朝国交正常化交渉は、北東アジアのみならず世界の緊張緩和と安定化のためにも進めねばならないと思います。しかし、課題は限りなくあります。特に国交正常化交渉の再開前に拉致問題の事実を解明することは不可欠であり、直ちに取り組むべきです。今回、外務省が拉致被害者の死亡日時を隠し立てようとしましたが、こうした姿勢は不信を増大させることにもなり、言語道断であります。日本政府として、合意に沿って早急に問題点の詰めを行い、きちんとした成果を示すよう強調し、一般質問に入らせていただきます。

 初めに、区政運営について伺います。区長は、第2回定例会で所信を表明されました。それに対し、我が党の岡本、西村両議員よりさまざまな角度から質問いたしました。細かな点をこの場で再度伺うつもりはありませんけれども、就任から3カ月余、いまだにはっきりしない点について幾つか伺いたいと思います。区長は、取り組みの柱として、中野区基本構想の改定と、それに基づく10年計画の策定を打ち出しました。神山区政の否定を掲げて当選したかに見える田中区長ではありますが、基本構想の改定は前区長も本会議で答弁されている事柄であり、特段真新しいものではありません。ただ、構想の有効期間を区切ったこと、財政計画的な発想を入れ込もうとしている点に新しさがあると言えば言えなくもないと思います。そして、構想に基づき10カ年の長期計画を同時につくるとされ、策定時期を2年後と発表しました。問題は、その策定までの2年間をどうするのかという点です。ここが全く見えてきません。この2年間、区長は一体どのように、また何に基づいて区政運営をするつもりなのでしょうか。この間のはっきりとした方針、具体的な施策、いわゆる羅針盤のようなものを持っているのでしょうか。

 区長は、在職期間を最長2期8年に限定されました。無事務め上げるとしても、初めの2年間はその4分の1に当たります。区政にとって1年1年が極めて大切な時期です。いろいろと質問しても、「2年後に策定する長期計画の中で明らかにする」などということになれば、重要課題を2年以上先送りしようとしていると言われても仕方がないと思います。この2年間を区長はどう位置付け、いかなる2年間であると認識しているのでしょうか。この2年間の区政運営の方針とあわせてお答えください。

 次に、行財政5か年計画に関して伺います。ことしの第2回定例会での区長答弁は、5か年計画策定のプロセスについて、否定的と受けとめられるものでした。だとすれば、5か年計画について何を否定し、何を継続して行おうとしているのでしょうか、お聞かせください。前定例会における我が党の西村議員に対する区長答弁によれば、基本構想を改定し、新たな基本計画と実施計画を定めるお考えのようですが、これは、これまでの中野区のとってきた手法、すなわち基本構想、長期計画、実施計画というシステム構造と何ら変わるものではありません。思い切ってその構造自体を変える考えはないのでしょうか、見解をお聞かせください。構造が変わらないとすれば、これまでとは何が違うのでしょうか。財政の裏付けがあるというようなことは違いではないと思います。財政見通しは、区長が変わっても見通しです。構想の期限を限ること以外に何が違うのかお答えいただきたいと思います。

 また、5か年計画について、「3年目以降の歳出削減策が明確でない」旨の答弁をしております。これは、策定当事者の反省を込めた答弁と受けとめましたけれども、それでは新たな計画策定までの間は現在の5か年計画で行くのかどうかはっきりしません。私はこの際、5か年計画の考え方を踏襲した上、新しい計画ができるまでの2年間のつなぎ計画的なものを提示されてはと思います。そこに5か年計画の残された部分を盛り込むほか、より踏み込んだ2年間の削減目標や、時代に合わせた新たな取り組みなども積極的に盛り込んではいかがでしょうか。例えば、良好な教育環境を整える方策の一つとして、区立小中学校全教室の冷房化や、ごみ減量化に有効な各戸収集のエリア拡大など、ぜひとも推進していただきたいと思います。お考えをお聞きします。

 次に、基本構想の改定について伺います。基本構想は、自治体にとって憲法にも相当すると言われます。すべての計画、施策展開の根本に位置するものです。改めて読み返してみましたが、平和、環境、情報化、人口構造の急変、都区制度などの変化といった時代の趨勢にマッチしない部分はあるにせよ、それなりの理念を感じさせる内容です。区長が目指している基本構想の改定は部分的なものなのか、それとも全体をそっくり変えて別なものにしようと考えているのか、お答えください。また、区民の意見を大事にされようとしているなら、基本構想改定の是非について、区長御自身の考え方を示した上で、区民にまずお聞きするところから始めるべきではないでしょうか、見解を伺います。

 区長は、改定のスケジュールについて2004年1月に原案をまとめ、同年6月に議決を経て制定するとしています。計画づくりの体制として、区民会議の設置を方針として掲げていますが、区民参加を言うならば、大事な改定案を全区民に問うようなことはされないのでしょうか。例えば、区民投票などの手だてもお考えなのかどうか伺います。

 改定に至る態勢の中で、区民参加、職員参加について詳しい方針を示されています。これは大切なことですけれども、区議会に対しては、「十分な情報提供、意見交換を図りながら検討を進めていく」としているだけです。これは具体的にどういうことを想定されているのでしょうか。地方自治法第2条第4項の規定により、議会は議決をする責任があることを考えれば、修正あるいは対案を出して、さらに一、二年かけて慎重にかつ真剣に議論することにもなりかねません。区議会との情報、意見交換とは具体的にどういうことか、区長の見解を伺います。

 この項の最後に、先般区長が切断した住民基本台帳ネットワークについて伺います。議会に一遍の知らせもなく切断されたわけですが、地方自治法第222条の趣旨から判断すると、最低でも議会に通告ぐらいされてもよかったのではないかと思います。現在の心境を伺ってこの項の質問を終わります。

 次に、保育園の民営化について伺います。行財政5か年計画では、保育園5園の民営化が計画されています。区長はこれを計画どおり進めるつもりなのか、あるいはそうでないのか、お考えをお聞かせください。計画どおり進めるなら、それは5か年計画の継続と考えていいのでしょうか。また、保育園の民営化は歳出削減のために行うのか、あるいは職員削減に対応して保育行政の水準維持のために行うのか等々、区長御自身の言葉で、計画推進についてその政策理念を語ってください。5園の民営化については、既に2園の運営主体が決まって準備が進められています。5園全体の民営化のタイムテーブルについて、区長は計画どおりに進んでいると考えているのでしょうか、その認識を伺います。

 最近、東京都が福祉事業者の補助について見直しの中間まとめを行いました。これについては都議会公明党としても、いち早く関係者との十分な話し合いなど、慎重な対応を求めたところです。この中には、新設保育園のB経費節減という課題があります。これは中野区が保育水準を維持しながら新しい民営化園を立ち上げていく上で避けて通れない問題だと思いますが、これについて区長はどのようにお考えになっているのでしょうか、伺います。この経費が削減されるなら、既に運営主体が決まっている2園についても経営は大変厳しいことになるでしょうし、これから運営主体を決定する残り3園についても大きなハードルになります。場合によっては、手を挙げる社会福祉法人が見つからないという事態さえ考えられます。よりよい保育水準を維持するためにも、民営化に当たって受け皿となる社会福祉法人が選択可能となるような政策が必要となると思いますがいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。また、事柄の趣旨からすれば、政策対応する場合、時限を区切ったサンセット方式も有力と思われます。区の見解を伺います。

 次に、認証保育園について伺います。都の制度を活用して、区内でも認証保育園への移行が進んでいます。認証保育園に対する補助は、現在前月実績に基づき毎月支給する形になっていますが、この手続は煩雑なのではないかと思います。これを改めて、前期、後期に分けて支給するなどの方策を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 この項の最後に、仮称中野区21世紀保育基本計画の策定を提案したいと思います。これまでも我が党の飯島議員から新・保育計画の策定が提案されていました。保育サービスの供給主体も多様化し、さらに少子化の進行の中で、保育需要やサービスメニューなどについても基本的なところから将来展望を持って検討するときが来ていると思います。基本構想について見直しをするのであれば、中野区の将来を担う子どもたちのことは重要な分野であり、男女共同参画の上からも保育サービスの提供は大事な問題であり、明確な将来展望を持たなければならない行政分野です。この際、公立、私立、認証など、供給主体のそれぞれの役割や担うべきサービス、待機児ゼロに向けた方策なども明確にした21世紀の新・保育基本計画を策定すべきだと思いますがいかがでしょうか、区長のお考えをお聞きします。

 次に障害者福祉について伺います。最近、私は障害を持つ人の御家族から相次いで御相談を受けました。ある方は、孫が養護学校を卒業し就職したが、人間関係などで長く続かず、仕事をやめて自宅にいる。仕事ができるところはないかと思うけれども、どう探していいかわからないという相談でした。また、ある方は、障害を持つ知り合いから障害年金のことを初めて聞き、申請書をもらって記入し、窓口へ持っていったが、こういう書き方ではだめだと言われた。どのようにしたらいいのかわからない、こういう相談でした。また、ある人は、精神障害のある家族がデイサービスを利用したいので区に連絡したが、対応した保健師の対応が悪く、いっそお隣の新宿にお願いしようかと思い詰めて相談してこられました。私は、そうした相談を受ける中で、地域で生活する障害者のさまざまな現実のニーズを十分把握できる体制にないのではないかと強く感じました。知的障害者について見ると、施設等に全くかかわっていない在宅の人は区内に380人ほどいらっしゃると聞いています。この方々の個別のニーズは十分掌握されているのでしょうか。

 先日、区内のある障害者施設の関係者と懇談する機会がありました。その方が強く望んでいたのは、障害者が住みなれた地域の中で生活していくために、一人ひとりの地域における人生設計を行い、支援する体制をしっかりつくってほしいということでした。そのために、地域で生活する障害者のニーズを日常的に拾い、それに対応するにはどうしたらいいか、常に心を砕くコーディネーター役が必要であると熱っぽく訴えておれらました。これまでの障害者福祉は、施設中心の考え方がありました。しかし、これからは障害者の人権をより一層尊重する必要があると思います。特に、住みなれた地域の中でいつまでも生活したいという願いは大変強いものがあります。そうした要望に的確にこたえていく支援体制が大切です。

 地域で生活する障害者のもとを常に歩いてニーズをとらえ、対応を考えるコーディネーター役は、障害者にとって地域の司令塔、キーパーソンになる役割だと言えます。同時に必要なことは、個々に全く違う障害者の要望を大きなテーブルに乗せて方策を検討することだと思います。行政の担当者、ケースワーカーにとどまらず、保健師、看護師、民生委員、施設職員、学校の先生等々、幅広いメンバーで構成する調整会議のような仕組みも必要です。このような事業については、障害者福祉に関する国のノーマライゼーション7カ年戦略の中でも位置付けられています。この10月から障害者の支援費制度移行に伴う申請が始まります。措置から契約へ移行する大きな構造改革の流れの中で、ケアマネジメント的な役割が大変大事になってきます。地域でそのような役割をも担えるのがコーディネーターの存在であると思います。新しい時代の流れの中で、地域における障害者への支援について、区はどのように考えているのでしょうか。地域の司令塔としてのコーディネーター役の仕組みについて、策定中の保健福祉総合推進計画に盛り込むべきだと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 障害者が地域で自立した生活を送るためには、ライフステージに応じた支援策が必要です。とりわけ親などがいなくなったときや突然養護ができなくなったときにどうするか、その不安をどう解消していくかは障害者福祉の大きな課題であると思います。8月18日付区報に、「知的障害のある方へ あなたに合った福祉サービス」という特集が載っておりました。これを読む限りでは、親がいなくなったときや養護ができなくなったときに、中野区ではどういうセーフティーネットが用意されているのか伝わってきませんでした。区内の施設に通っている障害者の親御さんは、親亡き後はたらい回しになっている現状がある。自分がいなくなったときに子どもはどうなってしまうのか。本当に人間らしい生き方ができるのかと大変心配しておられました。先日、私は横浜市に行ってきました。横浜市では、このような不安をなくし、安心を実現する対応として、後見的支援を要する障害者支援条例を制定し、ことし7月に施行しました。条例には、市が推進する施策として、(1)民法の規定による後見開始等に必要な支援、(2)障害者が地域において生活を営むための場や費用の確保、(3)障害者の資産の保全、活用のための助言、あっせん等々、6項目の具体策が盛り込まれています。平成14年度は、親が高齢または病弱で養護を続けることが困難になるおそれが差し迫っているケースを対象に、市民の協力を得た形での登録制度を立ち上げ、24時間対応する仕組みもスタートさせていました。市の担当者は、条例にすることで毎年の財政状況等に左右されない断固たる施策展開の決意を明らかにしたと語っておりました。グループホームも今後200を目標に充実させていくと語っていました。不安をなくし、安心を実現するためには、こうした明確な対応が必要だと痛感しました。

 保健福祉総合推進計画策定の中で、親がいなくなったときや養護できなくなったときの不安をなくすため、どのような施策を盛り込むつもりでしょうか。私は、場当たり的な計画では親の安心は得られないと思います。具体策や目標を明確にして、着実に実現を図るべきです。あわせて施策を推進するための条例制定等も考えてはどうかと思います。お考えを伺います。

 障害者が現在も、そして未来も自立して生き生きと生活していくためには、あらゆるライフステージにわたる対策が必要です。私は、中野区として障害者福祉のトータルプランを策定し、実現を目指すべきだと思います。これに対する区長のお考えを伺い、この項の質問を終わります。

 次に、介護保険について伺います。ことし3月、介護サービス事業者連絡協議会が設立されました。私は、サービスの質向上には不可欠の組織だと考えておりました。日常業務で多忙な中、設立に努力された事業者の皆様、そしてその支援に取り組んだ区の担当の方々に感謝したいと思います。現在までに178事業所が参加したと聞きました。これだけの数の事業者が参加しているわけですから、異業種間の交流などを通じ、中野ならではの特色を十分発揮できるのではないかと思います。区はどう考えているのか伺います。

 連絡協議会の中心となる事務局の体制、人の配置、場所、予算などはどのようになっているのでしょうか。また、事業者のための相談窓口などはできているのでしょうか、お答えください。事務局が十分な体制をとることができなければ、せっかくの連絡協議会が機能しなくなります。保険者として区の経費支援などは可能なのかどうか、お考えをお聞かせください。

 最近、ヘルパーを募集しても中野や新宿は応募が少ないと聞いています。区民に安心して介護を受けてもらうために必要なヘルパーを確保する方策を考えることは、保険者としての区の責務であると思います。連絡協議会では、法人化を検討されているのでしょうか。法人化してヘルパー養成などの事業展開をし、区も支援していくような形にすれば、ヘルパーの必要数も確保できることになります。いかがでしょうか、伺います。連絡協議会として、今後幅広い事業展開をしていく中で、私は事業者みずからのスキルアップ、とりわけサービス提供のかぎを握るケアマネジャー、またヘルパーの資質向上に向けた取り組みは大事だと思います。そのための研修の充実は、利用者のためのサービスの質向上策として区も支援すべき事業ではないでしょうか。研修内容をビデオにおさめ、事業者に配付すれば、効率的な活用も可能なはずです。ビデオライブラリー、CDライブラリーなどの設置を区で支援してはいかがでしょうか、伺います。

 苦情処理は、サービスの質向上のためには不可欠です。苦情は、利用者からのほか、事業者からもあると思います。区の窓口でも対応はしていると思いますけれども、連絡協議会にも苦情を受け付ける窓口の設置は考えられないのでしょうか。あわせて連絡協議会独自の苦情処理システムも考えれば、迅速な対応も可能です。見解を求めます。

 昨年の第4回定例会で、我が会派のやながわ議員が事業者自身の自己評価制度の実施を提案しました。これについて連絡協議会として今年度中にシステムを構築し、来年のハートページに掲載すると聞いています。評価には自己評価のほか、利用者評価、第三者評価があります。このうち第三者評価制度の実施については今後どうするのか、区の考えも含めてお聞かせください。

 この項の最後に、介護美容について伺います。人間は、幾つになっても、どのような状況になっても常に美しくありたいと思うものです。これは、生きる意欲や健康を維持する上からも大事なことであり、介護の面からも考えていく必要性もあろうかと思います。現在、全国で福祉美容あるいは介護美容の取り組みが広がっています。これについて、区は御存知でしょうか。福祉の面からだけではなく、介護保険の特別給付として施策を検討するお考えはないでしょうか。また、介護美容に取り組む美容師の育成支援を積極的に進めていくお考えはないか伺って、この項の質問を終わります。

 次に、子どもの読書推進について伺います。昨年、子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されました。それを記念するフォーラムが国会議事堂そばの憲政記念館で開催され、私も出席しました。ここでは、子ども読書の推進に並々ならぬ熱意を持つ各界の皆さんが熱っぽくその取り組みを語っていました。その中に鳥取県の教育委員の方がいて、全国をリードする朝の読書運動や心の触れ合う感動の図書館推進事業を紹介していました。私はぜひその取り組みを見てみたいと思い、鳥取にも行ってまいりました。県庁では、別の教育委員の方にお話を伺いました。その方は元県立図書館長で、大学で図書館関係の講義をされている教授でした。憲政記念館でお会いした教育委員は地元大手書店の経営者でしたから、読書の推進に非常に力を注いでいる姿がはっきりあらわれていました。私は、やはりトップの熱意が大事だと感じました。教育長の部屋も見せていただきました--これは鳥取の教育長でございます--が、県内各自治体の朝の読書運動の推進状況等を示すパネルが大きく壁に張られていました。10月に鳥取で開かれる第17回国民文化祭では、全国からイラスト、アイデア、作文を募り、こんな学校図書館あったらいいなという実物をつくって紹介するとも聞き、ぜひ見てみたいものだとと思いました。未来を担う子どもたちが本に親しめる環境づくりの大切さは、だれもが感じることだと思います。行政サイドで計画や施策を推進する場合、どこで差が出るかといえば、トップの熱意、我が区なら区長、教育長ではないかと思います。

 私は昨年の第3回定例会でも読書の推進を取り上げました。前区長からは、「相互の連携や情報機器の活用などを進めながら、区民が本に親しめる環境づくりを目指さねばいかんというふうに思っております」と、余り熱意が伝わらない答弁をいただきました。子どもの読書活動の推進に関する法律ができた今、区長と教育長は子どもの読書をどう推進しようと考えているのでしょうか。児童文学者を招いて、子ども読書フォーラムや読み聞かせフォーラムを開催するとか、読書に関する区民会議をつくって区民の意見を聞くとか、教育委員会で子どもの読書をテーマにした対話集会を開くとか、何か具体的にお考えになっていることはあるのでしょうか、お聞かせください。

 次に、子どもの読書推進基本計画について伺います。国は、このほど推進法に基づき、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定しました。推進法は、第9条に、「自治体として子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画を策定するよう努めねばならない」と明記しました。中野区でも、法律に基づき基本計画づくりの検討はされているのでしょうか。状況をお聞かせください。私は、子ども読書の推進のため、5年程度の具体的な施策展開を明らかにした基本計画を策定すべきだと思います。区のお考えをお聞かせください。

 策定に当たって、具体的な施策として、(1)朝の読書運動のさらなる推進、(2)ブックスタートをはじめ、幼児期から絵本や物語に親しむ活動の積極的な推進、(3)障害のある子どもたちの読書支援、(4)情報拠点としての学校図書館の充実と地域開放、(5)ボランティア活動の支援などを盛り込むべきだと思います。あわせてお考えをお聞かせください。

 ことし4月23日は、推進法で新たに制定された子ども読書の日でした。この日は、国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深め、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるために設けられたものです。そこで伺います。最初の子ども読書の日に中野区ではどのような取り組みがあったのでしょうか、具体的にお聞かせください。私は、この子ども読書の日を区民にもっとPRし、子ども読書の推進を積極的に図るきっかけにすべきだと思います。子ども読書フォーラムや朗読コンサートを大々的に開催するとか、絵本の読み聞かせを推進する講演会やリサイクルブックフェアを開催するとか、あるいは学校図書館指導員の皆さんを中心に理想の学校図書館を考える集いを開くなど、多くの区民が参加できる推進事業を実施すべきだと思います。また、年に1回だけでなく、毎月23日を中野の子ども読書推進の日にしてはいかがでしょうか、お考えをお聞きします。

 次に、学校図書館について伺います。私は、これからの学校図書館のあり方として、地域のサービスポイントとして地域に開かれた機能を持たせ、区立図書館を含めたネットワークをつくって、全体を地域の学び舎と位置付けていくべきだと思っております。その際、学校図書館指導員は、次世代の司書として、資料・情報収集のプロという役割のほかに、新たに地域の出会いをプロデュースする役割を持ち、地域の多彩な人材交流を推進する中で、子どもたちの読書活動を充実させてはどうかと考えます。お考えを伺います。

 この項の最後に、読書に関して、区民の読書環境の利便性をさらに向上させるために、駅や地域センターもサービスポイントと位置付け、区立図書館から借りた本の返却ボックスを設置できないでしょうか、伺います。

 次に、子育て支援について伺います。私は先日、これからお母さんになる妊娠中の方から、出産までの検診費用の相談を受けました。検診は保険診療外で1回の出費がかなりになります。無料検診はあるが、それ以外に何度か行こうとすると、その費用が大変なのです。そういう相談でございました。出産にあたり、中野区では私たち公明党の主張が反映され、国民健康保険から出産後直ちに35万円の一時金が出るようになっております。しかし、妊娠中の経済的な支援はありません。私は、子育てのセーフティーネットは、出産・育児だけでなく、妊娠中も含めたものでなければならないと思います。私は、先ごろ京都市の制度を調べてまいりました。京都市では、昨年11月から妊娠中の検診などを対象に医療機関での支払いを猶予し、出産一時金の中から市が医療機関に委任払いをする仕組みをスタートさせています。出産を控える若い夫婦にとって、検診費用は大きな負担でもあります。出産一時金を妊娠中でも使えるようにすることで家計が助かるケースもあると思います。京都市では、ことし3月まででも74件の利用があったとお聞きいたしました。中野区でも若い夫婦のためにこのような制度を実施してはいかがでしょうか。23区共通の仕組みの中で検討せざるを得ない状況があるならば、中野区が積極的に提案し、推進していただきたいと思います。お考えをお聞きします。

 次に、不妊治療について伺います。少子化対策の大事な課題として不妊の問題があります。最近、不妊に悩む人から相談を受けました。余りにも治療費がかかるため経済的に耐えられず、子どもを産むのをあらめたというものでした。身近な方でしたので、大変ショックでございました。子どもができない期間が2年以上の場合を不妊症としています。厚生労働省によれば、10組の夫婦のうち1組は不妊と言われており、全国で約28万5,000人が不妊治療を受けております。不妊治療には、さまざまな治療があります。排卵誘発剤などの薬物治療や卵管形成術などは保険が適用されます。しかし、有効な治療とされる人工受精や体外受精、顕微受精については保険が適用されません。それらの治療の平均費用は1回につき、人工授精が1万から5万円、体外受精が40万から50万円、顕微受精が40万から65万円と多額の治療費がかります。しかもこれらの治療は、複数回受けているのが現状です。旧厚生省研究班のアンケートでは、不妊治療に費やす期間は平均4.6年、4割は100万円以上の治療費がかかっています。若い夫婦にとって大変な経済的負担です。私が相談を受けた例は珍しくないことがわかります。

 そこで、伺います。中野区で現在不妊治療を受けている人はどのくらいいるのでしょうか。また、その治療費はどのくらいなのでしょうか。実態を把握してないのであれば、アンケート調査などを行ってはどうでしょうか、伺います。最近、不妊治療費を助成する自治体がふえてきました。ことし4月から新潟県上越市では2年間を限度として年8万円、排卵誘発治療など、保険適用となるものは自己負担分の3割を助成しています。石川県根上町では、不妊治療費支給事業として保険適用外に15万円まで支給しています。国にも動きがあるようですけれども、中野区として治療費の一部を助成するなど、子どもを望むカップルを支援できる制度をつくってはいかがでしょうか、区の見解を求め、この項の質問を終わります。

 次に、国際交流について伺います。ことしは日韓共催のワールドカップが開かれ、サポーター初め両国を相互に訪問する国民も多く、友好の雰囲気は大きく広がったと思います。私も、国立競技場で開催された同時中継の韓国ドイツ戦を見に行ってきました。新しい世紀に入り、日本は平和のネットワークを広げるためにアジアの国々ともっと交流を深めねばならないと思います。特に、お隣同士の韓国とは、地方レベル、市民レベルでも積極的に交流、対話の機会を広げる必要があると強く感じております。私は、韓国を訪問した折、水原というソウルに近い町で出会った年配の元国会議員の方と日韓交流について率直にお話をする機会がありました。また、ソウルを流れる漢江のほとりで、未来を担う若い中学生たちとも対話しました。日本と朝鮮半島、韓半島の間には過去の暗い歴史があります。しかし、友好の輪を広げたいという願いは互いに同じであることを改めて感じました。

 そこで、区長にお伺いします。中野区の長として日韓交流の促進についてどのようなお考えを持っておられるのでしょうか。私は、地方レベル、民間レベルの交流のキーワードは、文化、芸術、教育、平和ではないかと思います。特に、若い世代の交流は平和のネットワークをつくり、持続、発展させていくために非常に大事だと思います。小学生や中学生同士の交流などは、将来大きな実を結ぶと思います。あるいは21世紀は女性の世紀と言われておりますけれども、こうした女性という視点に立った交流の促進も大変大事だと考えております。地方レベルでの友好交流として取り組めることなど、具体的なお考えがあればお聞かせください。また、中国との交流については、これまでの西城区だけにとどまらず、より幅広い交流を検討されてはいかがでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。

 次に、情報化について伺います。私は、電話の通話料金は、将来無料あるいは幾ら使っても料金は一定という方向になるのではないかと思っております。インターネットを利用したIP電話と言われるものがあります。現在ブロードバンド電話というサービスも始まっておりますが、その電話同士は幾ら通話をしても通話料金はただです。大きなデータを容易に送ることができるブロードバンド環境が整ってくれば、このIP電話の普及が進んでくると思います。中野区の平成13年度事務監査では、区が保有する電話について、高度情報ネットワーク社会に対応した改善が強く求められているように思います。時代に則した電話機器について区はどう考えているのかお聞かせください。

 新聞報道によれば、東京都内のケーブルテレビ8社が、エリアで言うと、江戸川、北、墨田、台東、荒川、千代田、文京、江東、豊島、品川の10区でIP電話事業に向けた準備を始めたそうです。加入者同士の通話は無料となるサービスを早ければ来年4月からスタートさせるとのことで、8社に加入する約53万世帯が対象になるそうです。中野区にもケーブルテレビがあり、その回線環境が区内に張りめぐらされております。区は、地域情報化を進める中で、区内の通話をただにする、こうしたIP電話の普及促進は検討しているのでしょうか。せっかく優秀な人をIT推進課長に据えて、中野のIT化を推し進めようとされているわけですから、庁内だけでなく、区民にもメリットのある工夫を考えてはいかがでしょうか、見解を伺い、この項の質問を終わります。

 その他の項で一つ質問します。東中野五丁目の東中野地域センター等複合施設ですが、これについては地元の皆さんの要望も強く、ぜひ推進していただきたいと思います。その用地は、今、子どもたちの遊び場として、また高齢者の皆さんがゲートボールを楽しんだりして活用されていますが、下の通りから広場に至る道路が急な坂道になっております。雪が降ったときなど危ない状況にあります。安全な舗装など、改善を考えるべきではないでしょうか、お考えを伺って、私のすべての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高倉議員の御質問にお答えいたします。

 まず、基本構想策定に関連してでございます。基本構想策定に2年を要するということで、この2年間、計画策定だけに携わっていて重要課題を2年間以上先送りにしてしまうということになりはしないかといったような御質問でございました。さらにこの2年間について、5か年計画を踏まえた上で新しい計画ができるまでの間のつなぎ計画的なものをつくっていく必要があるのではないかといったような御提案もございました。この2年間については、これまでの今陥っている区政の停滞を一掃して、あしたの中野区の姿を区民とともにつくり上げていく時期だというふうに考えています。しかし、現在の財政状況、環境が激変していく、そうした中で中野区の行財政、現在も胸突き八丁というところであるわけでありまして、新たな計画をつくり上げるということとあわせて、改革をさらに進めて強固な財政基盤をつくっていかなければならない時期であるというふうにも考えております。課題を2年間先送りしていくというようなことは許されるわけでもありませんし、全く考えているわけでもございません。改革や重要課題には積極的に前倒しして取り組んでいくという方針でございます。そういう意味から、この2年間についても具体化すべきものについて、一定の指針、何らかの指針といったようなものをあらかじめ持っておくことが必要なのではないかと、私どもも認識しているところでございまして、取り組んでいきたいと思っております。

 それから、第2回定例会での私の答弁に関連いたしまして、5か年計画の策定のプロセスについて否定的だったが、5か年計画の何を否定して、何を継続するのかといったような御趣旨の御質問でございました。行財政5か年計画については、当面する歳出削減策を中心としたものでありました。したがって、将来の構想としては非常に弱いものであったというふうに申し上げたところです。また、策定に至るまでの過程で、策定の取り組みが余りにも遅かったということも含めて、情報提供や区民との議論が十分でなかったということを申し上げています。しかしながら、そのぎりぎりのところまで来て5か年計画で行った行財政の構造改革、構造的な改革といったようなことについては、財政状況、または今後の見通し等を考えますと、実施せざるを得なかったものだというふうに考えております。5か年計画で将来構想において不足する点、また新しい行財政の枠組みというようなことについて不足している点、これらについて新たな基本構想と計画策定の取り組みをもって対応していきたいと考えているところでございます。

 それから、計画と構想の構造についてであります。これまでの基本構想、長期計画、実施計画といったシステム構造と今考えていることが何ら変わるものではないのではないか、構造自体を変える必要があるのではないかという御質問でございました。当初は基本構想、長期計画、実施計画というような3層による計画体系を想定していたものでありますが、その後の検討によりまして、基本構想を改定して、その理念と10年後の中野の姿を実現するための基本計画として、計画期間10年間の、仮称新しい中野をつくる10か年計画を策定するとしております。したがいまして、基本構想改定後の中野区における計画体系は、基本構想と基本計画、この2層の構造となる、そういう形に想定しているところでございます。

 それから、計画と構造の問題として、どうなっても財政の見通しはだれが--区長であっても財政の見通しは見通しであると。では、構想の期限を区切るということ以外にこれまでとどういう違いがあるのかという御質問でございました。新しい基本構想におきましては、区と区民が共通に目指すことができる10年後の中野の姿を具体的な指標などを用いて明らかにしていくことを目指しております。また、基本構想と財政計画や事業計画を同じスパンでつくるということによりまして、構想実現の担保性が高まり、具体性を持ったものとなるというふうに考えているところでございます。

 それから、基本構想改定の是非について区民に問う考えはないのかといったようなこと、それから基本構想の改定は部分的なのか、それとも全体を変えるものなのかという御質問でございます。基本構想は、現在の基本構想に基づいて運営されてきました今の中野区政、当然これを踏まえていくわけでございますが、今回行う基本構想の改定は、全面改定を想定しているものでございます。改定をいたします基本構想については、計画的、総合的な行政運営を実現し得る、10年後の将来像を描く具体性を持ったものとしていきたいということでございます。この改定につきましては、私自身がかねて選挙の中でも訴えてきたことでもございまして、また区民との対話、さまざまな場面でもこうした方向について明らかにしてきたところでございます。区民の皆様に対しましては、改定の意味、そのあり方なども含めて議論をしていただくことが肝要であろうと思っています。

 それから、基本構想の改定に関して、区民投票のような手だてを考えているかどうかということでございます。区民投票につきましては、ある政策の是非を問うような単一の問題についての投票といったようなことがより適していると私は考えております。基本構想の改定にあたっては、広範な区民参加による検討組織を設けて検討していくということ、ITの活用、各地域での意見の交換、各団体からの意見をいただく、区報による意見聴取、さまざまの形で区民の皆さんのお知恵を集められる、そういう方策を得ていくことで区民の理解を得ていきたいというふうに考えております。そうした中で広範な区民の意見を反映させていくと、そして私の方で基本構想の案をつくり、議会の皆様に御提案申し上げ、議決していただくということが肝要であると思っております。

 基本構想の改定につきまして、議会とのかかわり、議会は議決の責任がある、当然そうした立場にあるわけでございますが、議会との情報提供、意見交換は具体的にどう考えているのかといったような御質問でございました。基本構想は議決事項でございますので、区民の意思、区の意思として決定する以上、議会の議決が必要でございます。そうした意味で、議会にはさまざまな段階でその検討の途中経過を適宜報告して御意見をいただくという中で案をつくっていくことが大事だと思っています。その議会に対する御報告の仕方につきましては、今後議会の皆様と十分相談させていただきながら、より適切な方法によって行ってまいりたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、長として責任をもって提案を行いまして、議決機関であります区議会の議決をいただいて、区民全体の基本構想という形にしていきたいと思っております。

 それから、住基ネットの切断について、議会に一遍に知らせもなく切断の挙に出たといったような御指摘でございました。行政としての判断、決定から実施までの間のより時間的な厳しい状況の中で決断をしたものでございますが、そうした中にあっても、議会に対して御説明をする努力が不十分であったということについて反省しているところでございまして、先ほどもおわび申し上げたところです。そうした私の反省を御理解いただければと思っております。

 それから、保育園の民営化に関連いたしまして、行財政5か年計画どおり保育園の民営化を進めるのかというお尋ねでございました。保育園の民営化については、現在5か年計画に基づいて軌道に乗って進んでいると認識しているところでございまして、計画どおり進めるということでございます。変更はございません。

 それから、保育園の民営化の考え方、理念について、歳出削減のためにやるのか、あるいは職員の削減に対応して保育行政の水準維持のために行うのかといったようなことを、私の言葉で理念を語ってほしいといったような御質問がございました。保育園の民営化につきましては、一つはやはり中野区財政再建に向けて行財政全体の構造を変えていかなければいけない、その中での人件費の削減、これが財政再建の中では最も大きい要素でございます。その人件費の削減と、それから多様で柔軟な保育サービスの実現ということを目指しているものでございまして、今後多種多様な運営主体によります民営化を視野に入れまして、保育行政の実施責任を持つ区といたしまして、その役割をきちんと果たしてまいりたいと考えております。

 それから、障害者福祉についてでございます。障害者の自立と社会参加に向けて、ライフステージの各段階に応じた総合的で体系的なプランを策定して実現を目指していくべきではないかというお尋ねでございました。現在策定いたしております保健福祉総合推進計画の中におきましては、あらゆる状態、あらゆる立場の方がそれぞれの現在の状況の中でそれぞれに生き生きと生きがいを持って生きていくことができる体制づくりが目指されているものでございます。障害者を含めました乳幼児期から後期高齢期に至りますライフステージに沿ったそれぞれの支援、保健福祉サービスの施策化について提案をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、子どもの読書の推進について、私また教育長はどう推進しようと考えているのかといった御質問でございました。読書でございますが、私どもは自由に生活をしていながらも、やはり自分が体験できるというものは限りがあるわけでございます。それに比べて読書の世界では、過去、現在、未来、ミクロの世界から宇宙の世界まで、本当に自由に体験することができる。その中で豊かな想像力、豊かな感性を育てていくことができる。それが読書であるというふうに考えております。そういう意味で、子どもたちの精神的な成長、発展に与える影響というのは非常に大きいと思っています。食べ物や運動が体の発達に必要であるように、読書が精神、情緒面の発達において不可欠なものであるというふうに私は認識しているところでございます。そういう意味で、子どもたちが読書に親しめるようさまざまな機会をとらえて働きかけを行うとともに、本を楽しみの一つとして手にとれるような環境の整備を図ってまいりたい、このように考えております。

 それから、国際交流の問題で、韓国との市民レベルでの交流を広げる具体的な努力をしてはどうかという御質問でございました。サッカーのワールドカップを契機に、日韓両国民の間でお互いに親しみが非常に増してきている状況であるというふうに、私自身も韓国の若者と日本の若者が一緒にサッカーを応援している、両国それぞれの国のチームを応援している、そんな光景を目にいたしまして、友好交流への雰囲気が大きく変わってきたというふうに認識しているところでございます。国際交流については、国際交流協会で行っている区民レベルでの交流を支援するということを中心として考えております。今後、韓国の方々との区民レベルの気運の高まりを見ながら、時代に則した交流の方策を考えていきたいというふうに考えております。また、中国との国際交流について、これまでの西城区だけにとどまらない幅広い交流を検討すべきでないかといったような御意見でございました。これにつきましても、そうした市民レベルでの交流を中心としまして、時代に則した交流の方策という中で考えて進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。その他の項につきましては、それぞれの所管の方からお答え申し上げます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 学校の教室冷房化についての御質問でございます。この夏は非常に暑い日が連日続いたわけでございますけれども、教室内の温度、体温を超えるような学校もございまして、緊急の課題だと認識してございます。教育委員会といたしましては、良好な教育環境整備の一環として、普通教室への空調設備の設置を検討しています。

 それから、子どもの読書に関する質問のうち、これをどう推進していくのかという点についてお答えいたします。子どもの読書活動につきましては、感性を磨き、表現力あるいは想像力を豊かにいたしまして、人生をより深く生きていく上で大切なことであると認識しています。そのために、子どもが自然に本と触れ合える機会をさまざまな形で提供していくことが大切だと考えています。区といたしましても、おはなし会、読み聞かせ会あるいは朝の読書活動、そういうことを伺っていますけれども、それだけでなく、保護者に対し読書の重要性についての理解を促してきているところでございます。この11月には、区民を対象に児童書講座を開催いたしまして、子どもの読書の重要性を啓発する予定になってございます。今後とも--対話集会というのはなかなか難しいわけでございますけれども、読書活動を普及していくために、さまざまな事業を工夫していきたいと、そのように考えてございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、ごみ減量に有効な各戸収集のエリア拡大の推進についてにお答えいたします。

 ごみの減量につきましては、20メートルに1カ所の集積所を設けて行うことを基本としているところでございますが、この例外といたしまして、ごみ出しマナーが非常に悪い集積所、あるいは狭隘道路の集積所などが各戸収集に移行する場合が、7月現在でございますが3,973カ所、全集積所は1万5,000ほどございますので、約26%ほどございます。それから、高齢者の訪問収集が、7月現在で113件でございます。こういった場合におきまして各戸収集を行っております。徐々に増加している傾向がございます。今回行います各戸収集モデル事業につきましては、カラス被害対策の一つの取り組みとして来月から江原二丁目地域で実施する予定でございますが、このエリアの拡大については考えていないところでございます。なお、この事業におきましては、ごみ出しマナーやごみ分別について個別に指導ができるということから、カラス被害の防止、ごみ出しマナーの向上、ごみ減量効果などを検証する予定でございます。この結果を今後のごみ収集事業にどのように反映するかにつきましては、作業効率への影響など、費用対効果の視点からも十分検討する必要があるというふうに考えているところでございます。

   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 保育園の民営化につきましては、何点かお答え申し上げます。

 対象5園の計画は順調に進んでいるのかという御質問でございました。旧上鷺宮保育園につきましては、「とちの木保育園」と名称が決まりまして、現在新しい園舎を建設中でございます。また、野方北保育園につきましては、保護者と事業者が入りまして、また区も加わりまして、三者が一体となって、引き継ぎ内容を詰めているところでございます。平成15年4月には2園とも私立保育園としてスタートを切る予定でございます。残り3園でございますが、今年度中に事業者を決定するため、保護者と募集要項などについて話し合いを進めておりまして、着実に進んでいるというところでございます。

 次に、B経費の問題でございます。東京都では、平成14年度から人件費における公私格差是正のための補助金でございます通称B経費を、新設の私立保育園には適用しないということを決定いたしました。こういう状況の中で、区といたしましては、よりよい保育水準の社会福祉法人が運営主体として参入できるよう配慮することは大変重要というふうに考えておりまして、社会福祉法人の経営を安定化させるための時限的な支援策を現在検討しているというところでございます。

 次に、認証保育所の補助方法についてでございます。認証保育所の補助につきましては、毎月の実績払いということになってございますが、この支払い方法につきまして、手続が煩雑であるというようなことを含めて、事業者の方々からの改善要望が出されているところでございます。支払方法の改善に向けて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 最後に、公立、私立、認証など、供給主体の役割を担うべきサービスを明確にした21世紀の新保育基本計画を作成すべきではないかという御質問でございます。平成16年度に区の基本構想、それから10か年計画を策定するわけですが、これとあわせまして、保育分野の個別計画を策定する予定でございます。

    〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、障害者福祉と介護保険についての御質問にお答えいたします。

 まず、障害者福祉に関連して、支援費制度に伴ってのコーディネーター的役割の仕組みづくりについての御質問でございます。障害者の自己決定に基づいた地域の生活を支えていくというこの仕組みは非常に大事だと思っております。特に、この支援費制度の中ではこういったことが制度化されていないわけでございますけれども、本人の状況、ニーズ、これに応じた相談、支援するケアマネジメントということが非常に大事だというふうに考えてございます。こうしたケアマネジメント体制づくりにつきましては、今現在検討しているところでございますけれども、24時間相談支援ができる仕組みづくり、または当事者を含め、関係者による調整の仕組みは大事だと、こういう仕組みを検討しているところでございます。今後検討いたしまして、この総合推進計画の中で反映していきたいと考えてございます。

 次に、障害者の親亡き後対策についての御質問でございました。現在、計画づくりの中では障害者のサービス基盤につきましては、入所施設基盤、日中の通所のための居宅生活基盤、またグループホームなどの地域自立基盤として体系的にしていこうと考えてございます。親亡き後対策につきましては、こうした施設の基盤や緊急時の対応を含めた在宅でのサービスを利用しながら自立生活が送れるような、障害者本人の状況や意向に基づいたサービスができるというようなことについて基盤整備に向けたことを検討してございます。これにつきましては、具体的に取り組めるような仕組みを計画の中で明確にしていきたいというふうに考えてございます。

 次に、介護保険に関連いたしまして、ことし3月に設立されました介護サービス事業者連絡協議会についての御質問にお答えいたします。他区ではケアマネジャーや介護サービス提供事業者といった方が集まった連絡会は開催されているようでございますけれども、中野区では、介護サービス提供事業者だけではなくて、建設会社、住宅改修事業者、コンピューターシステムの提供事業者、こういった方も参加しておりまして、異業種交流というような機能を有した形で会議が開かれております。その中では、例えば住宅改修研究部会というようなところでは、ケアマネジャーと住宅改修事業者等が一緒になって検討を進めているという状況にございます。中野区では、さらにこういった事業者がふえてくる、また事業者の種別の拡大も見込まれているという状況にございます。こういうことから、よりよい介護サービスの提供にこういったことがつながっていくというふうに考えてございます。

 次に、この連絡協議会の体制等についての御質問でございました。この3月に協議会が設置されまして、事務局につきましては社会福祉協議会が行っているところでございます。区では、特に予算措置はしてはございませんが、会議室の確保や情報の提供といった可能な支援について対応しているところでございます。また、事業者のための区の窓口でございますけれども、施設の整備など、事業者支援に関することについては介護支援課が行ってございます。また、事業者と利用者の調整に対する相談につきましては介護保険課が、また、ケアプラン作成に伴っての相談については在宅介護支援センターで行っているところでございます。区はこうした事業者協議会についての支援、介護サービスの円滑な実施、また充実に向けての支援策、これらを具体的に考えていきたいと考えてございます。

 次に、ヘルパーに関して、養成だとか、そういったことに関しての事業者協議会の法人化等についての御質問でございます。今、連絡協議会につきましては、このヘルパーの能力アップや養成といったことを行うために法人化が課題であるということで、運営委員会の中で具体的にどういうふうにしていくのかについて検討してございます。区といたしましては、こうした検討について側面から援助していくというふうに考えてございます。

 また、連絡協議会では、ビデオライブラリーなどの活動についても検討が行われております。さらに、ケアマネジャーやヘルパーの質の向上を図る研修なども実施しようということでやってございますけれども、こういったことについては積極的に支援してまいりたいと考えてございます。

 また、事業者連絡協議会における苦情処理のシステムについての御質問でございます。事業者につきましては、法令によりまして苦情処理が義務付けられております。こうした処理につきまして、協議会では窓口の共同設置が検討されております。この受ける苦情につきましては、利用者からの苦情と事業者からの苦情の対応が考えられております。協議会としてのこうした調査研究活動を区としても支援していく考え方でございます。

 次に、事業者自身の自己評価システムについて、また第三評価についての御質問でございます。今回の法律改正によりまして、事業者はサービス評価を行うことが義務付けられました。このサービス評価には、自己評価、利用者評価、第三者評価というのがございます。中野区と東京都ではこの第三者評価を実施することを推進しているところでございます。東京都は今年度中にこのサービス評価をするための評価機関の認証手続を進めてございます。また、評価委員の研修、それから第三者評価のモデル事業を行っているところでございます。また都では、この評価機関が行った評価結果を集約して、サービス事業者情報として公表することを検討してございます。区といたしましては、介護サービス事業者連絡協議会とも連携しながら、各事業者が積極的に第三者評価を受けるように働きかけをしていきたいと考えてございます。

 最後になりますが、介護美容についての御質問でございます。全国でさまざまな形で特別給付という形での取り組みが行われており、福祉サービスとして行われたりしていることは存じております。この介護サービスを介護保険のメニューに加える場合、特別給付として実施することになります。そうしますと、必要な財源は第1号被保険者の保険料を充てるということになります。現在、区では特別給付については、ショートステイサービス利用時における移送サービスを実施しているところでございます。新たな特別給付を実施するということになりますと、保険料にさらに上乗せされるということになるので、やはり慎重な検討が必要になるのではないかと思っております。今回の改定に伴う運営協議会の中では区民からの意見もございまして、介護美容ではございませんけれども、理容についてのサービスについて特別給付化はできないかという検討をしましたけれども、今回保険料へのはね返りが非常に大きい、また利用者が福祉サービスの中での実態としては低減していることから、少し時期尚早ではないかという結論をいただいております。今後さらに検討していきたいと思っております。また、美容師組合等が行います介護サービスにかかる研修につきましては、ここで研修された方の実習の場の提供、または職員を講師として派遣する、こういったことについて積極的に支援していきたいと考えてございます。

  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 子どもの読書の推進について、区長、教育長からお答えさせていただいたものの以外について、私の方からお答えさせていただきます。

 まず初めに、子どもの読書基本計画についてでございます。この推進法では、区は、国や都の計画を反映して基本的計画を策定するように努めなければならないとされてございます。今般国が計画を定めたことを受けまして、今後都が基本的計画を策定するものと考えられます。区では、東京都が計画を定めた段階でこの計画の策定に取り組みたいと考えているところでございます。また、さまざま御提案をいただきましたが、その趣旨につきましては、策定の際に十分参考にさせていただきたいと考えてございます。

 それから、子どもの読書の日についての取り組みのお尋ねでございます。4月23日が子どもの読書の日というふうに法律で決められてございますけれども、これにちなみまして、図書館では中高生を対象とする読み聞かせのための講座を開催したところでございます。その受講生がこの読書の日にちなみまして、小さなお子さんたちに対して児童書の読み聞かせを行い、大変盛況でございました。また、学校では4月23日に、朝礼におきまして校長先生から子どもの読書の意義、それから朝の読書についての大切さなどについてお話をしてございます。また、その23日の前後に読書週間を設け、あるいは「としょまつり」などの活動を行ったところでございます。

 それから、学校図書館のあり方についての御提案がございました。従前から図書館活動に熱心に取り組んできた、そういう歴史のある学校の中には、保護者や地域のボランティアの方々の協力を得まして、大きな成果を上げている例がございます。こうした事例なども参考にしながら、学校図書館や学校図書館指導員が地域との結びつきをさらに深めるためにはどのような方策や条件整備が必要かを探っていきたいと考えてございます。

 それから、最後に駅や地域センターなどへの返却ボックスの設置という御提案がございました。この返却ボックスを有効に機能させるには、回収体制を整備することが不可欠であると考えてございます。これには相応の財政負担が伴うということもございます。教育委員会といたしましては、御提案を含めまして、多角的に図書館のあり方を今後検討してまいりたいと思っているところでございます。

   〔保健担当部長青山キヨミ登壇〕

○保健担当部長(青山キヨミ) 私からは、不妊治療についての御質問にお答えいたします。平成10年度の厚生省研究班の調査によりますと、不妊治療を受けている女性患者は全国で約28万4,800人と推計しており、同報告から中野区の患者はおよそ700人と推測しております。この調査で、不妊治療の総額は50万円ぐらいの方が多いのですが、御指摘のように多額の費用がかかっている方々がおられます。区は現段階では治療費の助成について考えておりませんが、厚生労働省の「少子化社会を考える懇談会」でも、少子化対策として不妊への対応のあり方について検討しておりますので、国の動向を見守ってまいります。保健福祉センター、保健福祉相談所では、不妊専門相談センターや専門医療機関の紹介を行うことを含め、相談に応じながら、子どもを望むカップルを応援してまいります。

     〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 私からは、出産育児一時金の受領委任払い制度についてお答えいたします。中野区では、国民健康保険の出産育児一時金を退院時の支払いに間に合うよう、資金前渡等により即日お支払いしております。御提案の受任委託払い制度の実施に当たっては、御質問にもありましたように広域的な医療機関等の協力が必要でございます。この点から、他区等の状況を調査するなど、今後検討していきたいと考えています。

    〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 情報化についての御質問にお答えさせていただきます。お尋ねのIP電話の導入でございます。IP電話は最近実用化されたばかりでございますが、技術も急速に進歩しておりまして、一般電話との交信も含めた標準化も進んでいると、そのように認識しております。区の保有する電話、つまり庁内電話につきましては、IP電話が音声信号とデータ信号の通信回線を共有できるというようなこともございまして、導入しますと設備費と維持費の軽減ができるというメリットがございます。したがいまして、庁内LANの整備状況あるいは一般電話との相互通信の関係、機能や通話品質の確認をしながら今後導入を検討していきたいと考えております。

 また、区民の利用するIP電話につきましては、区内におきましては、御承知のように株式会社シティテレビ中野が高速の情報通信基盤の整備を進めておりますので、この基盤を活用して、区民のIP電話をはじめといたします新たな情報サービスを享受できるような対応を図るように、今後シティテレビ中野に働きかけていきたいと、そのように考えております。

    〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 東中野五丁目用地の道路についてお答えさせていただきます。この道路は区道でございまして、周辺の住宅などとの取り付けの関係がございまして、現状の勾配となっているものでございます。これまで滑りどめ舗装を採用することや、降雪時には周辺施設の利用の状況なども踏まえまして、除雪、凍結防止作業などで対応してきたところでございますが、舗装の一部などに老朽化してきた箇所もございます。そういったことで、安全確保の工夫など、改善の検討をしてまいります。

      〔高倉良生議員登壇〕

○4番(高倉良生) 簡単に再質問させていただきます。

 一つは、区長から御答弁をいただいたこの2年間の計画の問題でございますけれども、区長からは2年間の指針に取り組んでいきたいというような話がありましたが、非常に抽象的でよくわからない感じがしました。計画の構造についても、前定例会では三層構造、それがその後の検討によって二層構造に変わったと。非常に大事なことが、こんなにころころ変わっていいものかなというような思いも抱きました。ここでひとつちょっと確認しておきたいのは、この基本構想、基本計画が策定されるまでのこの2年間、区長としては、現在ある行財政5か年計画というものが--もちろんその中で継続するもの、否定するものがあるんでしょうが、実際に区政運営のベースというふうに考えていらっしゃるのかどうか、その点をひとつ確認しておきたいと思います。

 それから、ごみの各戸収集のモデル事業のお話、御答弁いただきました。エリア拡大は考えていないと、こうはっきりと言い切っていただいたわけですけれども、現在モデル事業を実施しているのは、一体何のためなんですか。多分モデル事業を検証するためにやるんでしょうが、その結果も出ていない中で、その担当の方が考えてもいないと、こんなはっきりとしたお答えをいただくというようなことは、私は到底納得できるものではありません。もう一度、モデル事業をしているわけですから、当然将来のことは検討するぐらい、少なくともそれぐらいの答弁を。私は、それで納得するかどうかはわかりませんが、それぐらいの答弁はいただいて当然だと思います。もう一度この点についてはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) この2年間の説明がやや抽象的だったといった御指摘がございました。新しい基本構想と計画を検討している2年間については、財政運営的には行財政5か年計画がベースになるわけでございます。しかし、5か年計画で人員の削減等々を想定しているわけでございますが、その具体的な方策については、5か年計画ではまだ明らかになっていない部分があるわけでございます。そうした意味で、人員削減の方策でありますとか、施設のあり方でありますとか、そういったようなことについて改革を進めていく、そのための具体的な指針はこの当面の2年間定める必要があるというふうに考えていることから、先ほどのような答弁となりました。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 先ほどお答えいたしましたモデル事業のエリア拡大のことでございますけれども、今回行います江原二丁目地域でのエリア拡大については考えていないというふうにお答えしたつもりでございます。先ほど申し上げましたように、十分検証を行いまして、費用対効果との視点も検討する必要があるということで、今後の問題についてはまだ決定しているわけではございません。

○議長(斉藤金造) 以上で高倉良生議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後0時23分休憩

 

      午後1時27分開議

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

中野区議会議員 樋 口 きこう

 1 住民基本台帳ネットワークへの対応について

 2 区長の政治姿勢について

 3 2001年度決算について

 4 基本構想の改定について

 5 その他

 

○議長(斉藤金造) 樋口きこう議員。

     〔樋口きこう議員登壇〕

○22番(樋口きこう) 2002年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問します。

 区長は、プライバシー保護が不十分だと判断し、住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)への接続を切りました。私たちは、この措置を歓迎します。知らない間に知らないところへ自分の情報が筒抜けというのが恐いとか、一人ひとりに11桁の番号をつけられ、いろんな情報が入れられる。ずっと監視されるみたいで気味が悪いとか、便利になると言うけれど、普通は住民票をとることなんてそんなにないなど、私が直接聞いただけでも区民の不安や疑問は吹き出しています。情報が一方的に使われても何も言えない。第一どう使われているかを知ることもできない。情報が漏れたり、悪用されたらどうするのか。区長が責任をとってくれるのかという指摘もありました。区が持っている個人情報の扱いについては、区と区長が重大な責任を負っています。区長はこのことをどう認識しているかお答えください。

 区は、3月末に情報安全対策基本方針、7月初めに同安全対策基準と実施手順を定め、8月5日からは住基ネット運用管理要綱を持ち、緊急時対応計画をつくって対処しています。今回の措置は、この線に沿って、住基ネットのセキュリティー統括責任者である区長が開いたセキュリティー会議の結果を踏まえてのことだといいます。しかし、このうち明らかにされているのは基本方針と要綱だけで、安全対策の基準と実施手順や緊急時対応計画は非公開、セキュリティー会議の内容も非公開です。区の個人情報保護条例は、情報の適正な管理、保護のため必要な措置を講じるという規定は設けていますが、どういう場合にどういう措置をとるかは記していません。

 杉並区は、住基プライバシー条例(住民基本台帳に係る個人情報保護に関する条例)を定め、その条文で、情報提供の停止を含めた措置を講じると明記しています。新宿区も、住民基本台帳基本条例を定める方針で、住基ネットの乱用などの危険があるときには情報提供を停止するということを記し、区長の権限で情報提供先の状況を直接調査するということも盛り込む予定です。狛江市は、個人情報保護条例の施行規則を改正し、不適切な取り扱いに対する措置について明確に規定するとともに、運用管理規程では、どんなときにどう対処するかを詳しく記しています。緊急時対応計画では、セキュリティー(安全性)を侵す不正や侵害のおそれについてレベル1から3まで区分し、それぞれ対応策や手順を明らかにしています。加えて、このほどこれらの対応を条例上の根拠をもって行えるようにするため、個人情報保護条例の改正案を議会に堤出しました。審議会の意見を聞いて情報提供の停止など必要な措置を講じることや、情報提供先に対して報告を求め、また調査することなどを条文に明記するという内容です。

 中野区は、対処方針をなぜ条例上で明記しないのでしょうか。緊急時対応計画などもすべて非公開でなくてよいはずです。区の対応をきちんと根拠を持ったものとし、またどのようなときにどのような措置をとるのかあらかじめはっきりとわかるようにしておくべきではありませんか。見解をお聞かせください。

 この件では、そもそも住基ネットをどう考えるかという問題があります。3点指摘します。

 第一は、プライバシー侵害、不正使用のおそれが否定できないということです。個人情報保護法もなく、安全確保策が不十分なまま政府は住基ネットを稼働しました。しかも専用回線だけでなく、フロッピーディスクや住基ネット以外のネットワークも使うといいます。専用回線自体、インターネットと同じ回線に電子的な処理を施すだけですから、ハッカーの侵入を防ぎ切れるものではありません。このような状態で、政府はさらに情報の利用を264事務にふやす方針まで打ち出しています。たった一つの番号でさまざまな情報が集まり、つながって行き交うようになれば、情報の流出、悪用の危険が広がるばかりです。ネットをたどっていけば、あれこれの個人情報を幾らでも引き出せるということにもなってしまいます。区長も言うとおり、現状では安全性を確かめる手だてがなく、どこまで情報が流れるかすらわかりません。ブレーキのない車が走っていくようなものです。もともと絶対安全なネットワークシステムなどあり得ないというのが常識ではありませんか。情報が集まれば集まるほど、被害が生じたとき深刻で大きな影響を及ぼします。ですから、コンピューターの世界では分散管理が基本となってきています。この際、政府に対し、住基ネットそのものの稼働を中止するよう働きかけるべきではありませんか、お答えください。

 第二に、何であれ個人情報保護法ができればよいのかという問題があります。政府の法案は、情報保護と称して報道やメディアを規制し、自由な言論、表現を脅かす一方、行政機関同士で情報を提供し合ったり、行政の判断で利用目的を変えることは簡単にできて、しかも目的外に使っても罰則がないなどの中身になっています。このため、多くの批判が寄せられ成立しませんでした。従来行政が無断で個人情報を結びつけることがあってはならないというのが大事な前提とされ、区の条例もそのことを重要な原則の一つとしています。プライバシーの権利は、自分の事情に立ち入らないでほしい、勝手に触れないでもらいたいといったことから芽生えました。しかし今日では、より積極的に自分の情報を自分でコントロールする権利、自己情報コントロール権として憲法13条、個人の尊重によって保障される人格権の一つとしてとらえられるようになっています。本人の同意もなく個人情報が集められ、いつ何に使われるのかもわからない、悪用されても是正を求めることもできないなどということが許されるはずがありません。今、コンピューターを利用したさまざまなネットワークがありますが、ネットに何をどこまで情報提供するかはそれぞれの利用者が決めています。便利である反面、そこでの情報のやりとりは容易に表に出やすく、利用者はそのことを承知でネットに加わるか、加わらないかを判断します。プライバシー権、自己情報コントロール権をきちんと踏まえるなら、情報ネットワークは本来任意で参加、不参加を選べるものであるべきです。IT社会、ネットワーク社会を不安なく築いていくためには当然ではありませんか。にもかかわらず、住基ネットのようなシステムを稼働するのであれば、個人情報の保護と安全確保をよほど綿密に徹底できるようにしなくてはとても通用しません。区長は、プライバシー権、自己情報コントロール権をどのようにとらえていますか。また、どんな法律がつくられ、どのような安全確保策がとられればよいと考えているのかお聞かせください。

 第三は、1億2,000万人もの国民すべてに番号をつけて、政府が一元的に把握、管理することに対し、国民の合意はないということです。生まれてから死ぬまで番号でもって管理され、監視され、統制されるようなことが認められるでしょうか。政府が情報を集め、それをもって個人の生活に干渉するなどということが許せるでしょうか。ドイツの憲法裁判所は、1985年、「個人を全人格的に管理することにつながる住民基本台帳番号制度は、憲法が保障する人格権を侵害」するとの違憲判決を下しています。日弁連(日本弁護士連合会)も、「生活全般について把握されるというような事態は憲法が想定していない状況」と指摘しています。送られてきた住民票コード通知票で、実際に自分につけられた番号を見ていたら何だかぞくぞくっとしたという方がいましたが、たくさんの人々が薄気味悪さを感じています。どう見ても国民的な合意はないと言わざるを得ません。

 政府は、来年8月には住基のICカードを発行する方針ですが、その際多くの機能を持ち、いろんなことに使えるカードにするという触れ込みで一層さまざまな情報を集めようとしています。政府による情報の集積、一元的把握、管理、監視、干渉、統制などをしやすくする意図がないとは言えません。行政、権力にとっては便利で都合がよくても、余りに問題が多く重大ではありませんか。区長は、住基ネット自体は否定しないと言いますが、改めて考えてみてください。見解を求めます。

 続いて、区長の政治姿勢、基本姿勢に関して伺います。区長は、区民の生の声を聞くことや直接議論することが重要だとして、積極的に地域に出向いています。区民と区が情報を共有できるようにしたい、説明責任を果たしたいとも強調しています。いずれも大事なことですが、肝心なのはその中身です。区長は、既に決まっていることが与条件(前提)になる、住民の参加は手続として必要だ、決断は区長が下し、説明はすると言います。しばしば意見はいろいろあるからなかなか一致しないものだとも述べています。これらだけを聞くと、幾ら徹底した議論を重ねても、既に決めたことは覆らない、住民が参加しても区や区長が事を決める途中の手続の一つにしかならないといった心配が生じます。波長の合うこと、都合のよいことには共感するが、そうでないことでは話し合おうとしなかったり、意見の一致は難しいといって済ませるのでは困ります。住民参加は、区民と区が一緒に考え、さまざまな意見をつき合わせ、練り上げ、全体としての総意をつくり出すところに真髄があるはずです。互いに違う考え方を聞いて思い直したり、新しい発想が生まれることもあります。意見が一致しないとすれば、だからこそ一層丁寧な取り組みが大切なのではありませんか。情報の提供や公開、共有にしても、物事を決めてしまう前に、あるいは一たん決めたことであっても改めて区民と区が同じ土俵で考えることに役立ってこそ生きてきます。説明責任(アカウンタビリティー)は、もともとはある結果についてなぜそうなったのか、納得のいく十分な説明が必要だという意味で、物事の結果に責任を負うという点に一番の意義があります。単に何を根拠にどう決めたかを説明するというだけでは、責任を果たすことにはなりません。住民参加、情報の提供や公開、共有、そして説明責任について、区長はどのようにとらえているのかお聞かせください。

 言葉や観念だけで先走ってほしくはないという点では、さらに気になることがあります。暮らしの現実をしっかり見ているかということです。総務省の家計調査を見ると、1995、96年と少し持ち直しかけていた勤労者世帯の実収入が97年以降再び落ち込むようになり、昨年はついにバブル崩壊後の最も低い水準に下がってしまったことがわかります。出口の見えない不況とリストラの横行で、中野でも倒産や店じまい、失業、就職難など、深刻さが増しています。区民の死亡原因で、自殺、殊に働き盛りの自殺がふえているという事実もあります。先日地域で、こんなことは余り言いたくないし、言えばかえってつらくなるけれど、言ってもどうにもならないけれど、ぎりぎりの生活になってきて、やり繰りで必死なんだよと言われました。対象を狭めたり、申請を抑える動きが強まる中でも、就学援助や生活保護受給者がふえるなど、暮らしが一段と厳しくなっていることは明らかではありませんか。

 内閣府の世論調査では、日常生活で悩みや不安を感じているという回答が6割を超え、健康上の心配とともに、老後の生活設計や今後の収入、資産の見通しを懸念する声が上がっています。実際に比較的ゆとりがあるように見える方が、生活設計がすっかり狂った、先行きが不安だと嘆いていました。医療、福祉や年金の改悪、世界でも例のない低金利などが区民をじわじわと苦しめています。こういうときこそ支えとなるのが社会保障ですが、政府は逆に医療、年金、介護、雇用保険での負担の増大と給付の削減など、国民に襲いかかるようなことをやろうとしています。中野で特に多いお年寄りだけの2人世帯の場合、年金を月22万円受けとっている家庭で、年間合計10万円を超える負担増、給付減となります。

 強い者が生き残るために、弱い者を平気で踏みつけにするやり方だと言わざるを得ません。8月末に開かれた大阪府医師会の代議員会は、医療改悪に抗議し、患者の負担増の撤回を求める決議を満場一致で採択しました。決議は、ただ財政収支のみを重視した法案成立は、国民の生命や健康に対する国の責任を放棄したものと言わざるを得ないと指摘しています。加えて構造改革の路線について、医療にも市場経済原理を導入し、自助・自立を口実に社会保障を切り捨てようとするもので、この方向が続くなら、生活不安、経済不安はさらに増大し、世界一の平均寿命、世界で最も低い乳幼児死亡率も水泡に帰すことは火を見るより明らかだと批判しています。区民の多くは、今まさしくこうした状況のもとにいます。高齢者や障害者、低所得者はとりわけ不安を募らせています。残念ながら区長は、こうした現状、暮らしの実態をどのように受けとめているのか、政府がやろうとしていることをどう見ているのか、区民、中でも弱い立場の区民をどう支えようとするのかなどについてはなかなか語りません。ぜひ考えをお聞かせください。

 社会保障の切り捨ては、政府だけでなく東京都もすごいことになっています。国と同様、大手ゼネコンや大企業には気前よく都市再生の名で1メートルに1億円もつぎ込む道路をつくり、超高層ビルをどんどん建てるといったばらまきを進めようとする一方、福祉はめった切りとしか言いようのない有様です。都立福祉施設の縮小、民営化を強行し、特養ホームなどへの補助を切ってきました。高齢者の福祉手当や医療費助成の廃止に向けた切り下げ、シルバーパスの全面有料化など、現金給付(公的扶助)を軒並みカットしてきました。先ごろとうとう都立施設から完全に撤退する、社会福祉法人への補助は廃止するということまで打ち出しました。中野区は、私立保育園をふやす方針ですが、関係する方は、都の補助がなくなったら経営が立ち行かなくなる、さもなければ子どもたちにしわ寄せが行くと不安にかられています。自治体の責任と役割をどう考えるのかということが問題ではないでしょうか。都の言い分は極めて勝手なものですが、区も同様の説明をすることがあります。都や区に共通する三つの傾向、論法を取り上げます。

 その一つは、企業的な発想、民間の経営手法を導入することが必要だ、効率や採算性を重視せよというもので、ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)、新しい公共経営として強調される場合もあります。私たちは、効率や採算を無視してよいなどとは言いません。しかし、狭い視野、短い期間だけで効果を見ようとしたり、平然と弱い者を置き去りにすることは、特に行政には許されないことです。新公共経営論のような考え方を機械的に当てはめるわけにはいかないでしょう。殊に子どもや高齢者、障害者にかかわる分野はすぐに結果が出るものでなく、目先の効率や採算だけではその値打ちははかれません。じっくりと手間ひまをかけてこそ本当の値打ちを発揮するのではありませんか。区長は、区の仕事のあり方、殊に子どもや高齢者、障害者にかかわる分野での効果や値打ちについてどうお考えでしょうか。

 二つ目は、官と民の役割分担、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)、官民提携などとも言います。実際には自治体が行ってきた仕事を次々と投げ出し、社福法人への支援も切って、行政はコーディネーターとして調整するだけでよいというものです。民間、特に非営利の社福法人などが果たす役割は大切ですが、そうであればあるほど公私格差是正措置を初め、しっかりと支えることが重要です。同時に、行政が福祉の仕事を直接実施、提供することが大事です。自治体が直接の仕事から手を引き、民間で競争すればよいなどと言って済ませられるものではありません。消費財などの商品やサービスであれば、需要と供給を通して量や質が適切なものとなることを期待できますし、提供する側もされる側もどちらも任意で行い、成功も失敗もあると言えます。しかし、福祉は市場に丸投げするわけにはいきません。失敗は許されません。量、質ともに必要な仕事が確実に行われるようにするのが自治体の義務ではありませんか。福祉の商品化、市場化は、利用者に自己責任を押しつけることにもなります。選ぶ福祉などと言いますが、一体どれだけの人が選択する余地があるでしょうか。どれだけの人が自分で全部責任を負えるでしょうか。区長は、福祉の仕事を区が直接実施、提供することの意義についてどのようにとらえていますか、見解を求めます。

 もう一つの言い分は、現金給付は時代おくれというもので、自助、自立という言い分とセットです。どうして、そんなふうに言えるでしょうか。歴史は、弱肉強食をそのままにしておいたら大変なことになるという経験を踏まえ、税や社会保障の仕組みで所得の再配分を行うという知恵を生み、根付かせ、発展させてきました。自助、自立がかなうようにするためにこそ直接の現物給付とともに、現金給付が欠かせません。最も大事な公費負担、公金支出の一つです。それぞれが払った税に見合う還元だけでよいなどとしたら、税の果たす大切な役割も社会保障も否定することになり、そもそも行政など要らないということになってしまいます。区長はこのことをどう考えているかお聞かせください。

 都は、以上のようなことを口実にして、既存の福祉の仕組みを根本から改めるなどと言っています。東京の福祉を根こそぎにし、独自に取り組んできた仕事を切り捨て、福祉を営利企業を中心とした市場競争に投げ込むものだと言わざるを得ません。大体まず採算を考える、仕事は民間に任せる、独自のことはやらないというのでは、自治体が自治体でなくなり、自治体そのものが営利企業になってしまうではありませんか。区長からも時折同じ発想がうかがえます。政府や都と同じことを言って、言うとおりにするだけだったら区が存在する意義がありません。地方自治法が言うように、住民の福祉の増進が、自治体の何よりもの務めです。暮らしを守り支える防波堤としての責任と役割を果たしてこそ、自治体らしい自治体と言えるのではありませんか。区長は、かつて区政全般を経営的視点から見直すと力説し、新たな施策展開が必要だと言って、区の仕事の縮小や廃止、区立施設の統廃合、民営化を進めようとしました。自治体の責任と役割をどのように考えているのかお答えください。

 次に、以上とも関連し、2001年度決算から見えてくることについて尋ねます。中野区も政府や都に同調し、すさまじいことをしてきました。当事者、関係者の声を聞かず、一方的に決めて強行するというやり方もそうですが、中身はなおさらです。政府や都が切れば区も切る、区の上乗せも切る、区独自のものも切るというもので、政府や都の福祉、教育切り捨てにあえぐ区民に追い打ちをかけました。その総仕上げとも言える行財政5か年計画の初年度、2001年度の決算は一段とひどい区政になっていたことを教えてくれます。一般会計の歳出総額は943億5,100万円で、財政調整基金に29億円余りも積み立てながら、なお純剰余金(実質収支)が39億3,400万円にもなりました。実質収支比率は一気に6.0%にまで跳ね上がっています。この剰余金の額は、89年度の39億9,900万円に次いで中野区の財政史上2番目に大きい額です。財政が大変だと言って切るだけ切って、区としては異例な額の剰余金を残したわけです。どこが打撃を受けたのでしょうか。

 民生費の歳出を見ると、前年度と比べて生活保護が3億4,100万円、国民健康保険と介護保険への繰出金が合わせて7億9,100万円もふえたにもかかわらず、総体では1億1,200万円減らしています。高齢者福祉費、障害者福祉費、児童福祉費、女性青少年費と、軒並み減らしたからです。国庫補助のない区の単独事業では、5億1,500万円もの減となっています。高齢者福祉手当カットで2億6,300万円、障害者福祉手当カットが3,800万円、難病患者福祉手当カットで8,600万円、ほかにも原爆被爆者見舞金が半減、生活保護世帯への区独自の支援策がすべて減と、切りまくった結果があらわれています。現金給付はまだまだ必要です。ひときわ苦しくなっている暮らしの現状を直視すれば、むしろ拡充すべきものではありませんか。例えば障害者福祉手当です。月2,750円の減額がぎりぎりの生活にはこたえます。その上重大なのは、行政や区民に応援されているという心の支え、安心を奪い、それどころか厄介者、お荷物扱いされているという思いにまで追い込んだことです。そこまで打ちのめす仕打ちとなったことがわかっていますか。当事者の思い、痛みに気持ちを寄せてください。福祉はお情けやお恵みでなく、人が人として生きていくための人権の保障だということを改めてよく考えるべきではありませんか。

 年々削ってきた教育費は、前年度からさらに9億3,600万円も減っています。学校交通安全指導員や学校開放協力員の廃止、学校事務職員や非常勤職員の削減、小学校の卒業アルバム代、中学校の修学旅行への補助廃止、青年館の廃止、図書館の図書購入費の半減などによるものです。学校営繕費は、非常通報体制の整備などがあって久々に9,300万円の増となりましたが、それでも前々年度の6割にさえ届きません。しかも依然として予算の未執行が多い。

 こうして民生費と教育費の合計が歳出総額に占める割合は、53.7%にまで落ち込んでしまいました。区長はこうした歳出削減についていたし方なかったと言っています。弱い者いじめとしか言いようのないことをやって、39億円を超える剰余金をつくったことを何ら間違ってはいなかったと言うのでしょうか。考えをお聞かせください。

 決算から何を教訓として引き出すかが重要です。区政の転換を訴えてきた区長の初めての予算編成方針に注目しました。しかし、将来の財政需要に備えることや歳出の抑制、経費の縮減などが強調され、これまでの区政のやり方を継承していく意向が色濃いものだと言わざるを得ません。財政状況が厳しくても区民への負担押しつけは何としても避ける、これが至上命題ではないのでしょうか。将来を見据えた行財政構造、体質の改善も大事ですが、今は区民の暮らしを支える緊急対応が求められているときです。間違っても基金への積み立てなどを優先して区民施策を後回しにするような予算編成はしないでください。特に高齢者、障害者、子ども、中小企業・業者にかかわる分野でこれ以上の後退、撤退は許されません。区長として、少なくとも次のような課題については必要な経費を確保するという姿勢を示すべきではありませんか。

 介護保険の見直しがあります。保険料や利用科の負担軽減策の充実がどうしても必要です。制度外の施策も重要です。支援費制度が始まりますが、障害者福祉の現状から後退することがあってはなりません。区が直接行う仕事が引き続き大事になります。たび重なる医療費値上げのもとで、この負担の軽減策も欠かせません。学校の維持補習、改修をきちんと進めることや普通教室の暑さ対策も急がれます。生業資金などの福祉資金や産業経済融資をもっと利用しやすいものにすることも強く求められています。区の仕事をどう見直すのかも大事な課題です。むだ遣いの点検、行政評価は、コストばかり優先するのでなく、区民の立場で行うようにしてください。区は、区民2人を加えた外部評価委員会を設ける方針ですが、福祉や教育にかかわる区民を初め、より広く、より多くの区民の意見を聞くことを求めます。区の仕事を区民が点検・評価する取り組みを急いで予算編成に生かしてください。

 歳入、財源の確保も極めて重要です。とりわけ財調(都区財政調整)交付金です。都が支出金として出すべきものが次々と財調に入ってきて、それでなくても低過ぎる調整率が一層引き下げられているのと同じです。早く改めなくてはなりません。まして大都市事務の扱いで都のごり押しを許すわけにはいきません。算定項目、算定基準のあり方も問題です。実際の需要に合わないため、ことしもまた算定残の名で132億円近くも取り置かれています。一方で、高齢者福祉費や児童福祉費の測定単位、単価などがまたひどくなるおそれがあります。開発優先の算入、福祉・教育切り下げの算定など、そのままにしておけますか。本腰を入れて根本からの切りかえを追求すべきです。区長の予算編成方針からは、行政マンとしてならともかくも、政治家としての構えが見えませんでした。自治体本来の役割を果たす決意で取り組んでください。改めて予算編成で最優先させるべきことが何であるか考えてください。見解を求めます。

 基本構想の改定について伺います。区長は、中野区基本構想について、理念は高く評価できるが、理念だけでなく現実的に達成する目標を持たせたい、実現性や計画性を重視した形のものに改定したい、10年程度のスパン、見通しを持ったものにしたいと述べています。果たして今の基本構想は、理念だけで実現性も見通しもないなどというものなのでしょうか。基本構想は、中野の憲法となるようにという考えに立ってつくられています。でき上がるまでには多くの区民と職員がかかわり、暮らしや区の状況など、調査活動も交え、丁寧に検討、意見交換を行いました。その上で分野ごとに現状と問題点、理念と基準、基本的方策を具体的に示した基本構想の基礎となる考え方をまとめています。この考え方をもとにしてできているのが基本構想です。区政の根本法規とも言えるもので、よほど誠実に向き合わなくてはならないものです。そのときどきの区長の思いで簡単に変えてよいものではないはずです。

 2年前にまとめられたばかりの都市マス(都市計画マスタープラン)は、このマスタープランの将来像はおおむね20年後を想定し、基本構想の実現を目指すとしています。区長の言う現実的に達成する目標を持った10年、あるいは20年といったスパン、見通しを持った計画の姿はこういったところにあります。中長期の基本計画や実施計画、都市マスなど分野ごとの個別計画という計画の体系及び年度ごとの予算編成、日々の区政運営などの大もとに位置するのが基本構想ではありませんか。理念とともにその具体化の道を指し示す根拠となっているからこそ中野の憲法なのではありませんか。基本構想そのものに期限を切った達成目標を持たせようとするなら、中長期の基本計画などと同様のものになってしまいます。今、区長は基本構想と基本計画の二層からなる計画体系にすると言っていますが、基本構想を計画体系の一部に組み入れるということは、つまり基本構想の憲法としての位置付けをなくすことになりはしませんでしょうか。伺います。区長は、憲法としての基本構想を廃止し、別の発想で別のものをつくろうとお考えなのでしょうか。憲法としての基本構想は要らないというのでしょうか。理念自体をどう見ているのかについてもお聞きします。

 基本構想は、子ども、女性、中小企業に働く人々、収入が十分でない区民、高齢者、障害者といった順序で書かれていることからもわかるように、何よりも弱い立場、小さな声への対応を重んじ、区民の権利を保障する見地を貫いています。また、すべての分野で施策の方向を示し、個別、具体的に区の責任と役割を明確にしています。もう一つ重要なこととして、単なる手続とは異なる参加の区政のとらえ方があります。「基本構想の基礎となる考え方」にあるように、自治体の行政は、住民の生活を守り向上させるために、地域の多様な実情に応じ、地域住民の意思に基づいて、住民の批判と監視のもとに行われなければならない、区政は、区民的合意を基礎として運営され、さらに幅広く区民参加を取り入れて自治の充実を図っていくというものです。どの分野についても区民の役割を記していますが、安上がりに行政の肩がわりをさせようといった発想とは無縁です。区民の権利の保障と住民自治を基本とする参加を根幹とし、区の責任と役割を明らかにして区政の指針とするよう求めているのが基本構想です。中野の憲法と言われるゆえん、重要なポイントの一つがここにあります。区長は、どういう理念をどう評価しているのかお聞かせください。

 区長は、財政的な裏付けを持たない基本構想に基づいて行政計画をつくったために、行政の役割や財政規模が常に拡大するなど、問題が生じたということも言います。本当にそうなのでしょうか。「基本構想の基礎となる考え方」にはこんな記述があります。「高度成長期には税の自然増収を背景に、住民からの要望を‘身近な政府'として受けとめ、可能な限り積極的に行政を展開してきた。そのため、次第に行政サービスと役所の組織がふくれ上がってきた」。むしろ区長の言う行政の役割や財政規模の拡大を大きな問題としてとらえたことこそが基本構想の特徴の一つではありませんか。だからこそ、「考え方」は次のようにも述べています。「区政は、区民生活を守り、それを向上させることを基本的目標としつつ、その規模は必要最小限にとどめ、経費が区民の負担するものであることを常に留意して、経費の節約と行政効率の向上を図ることが重要であり、財政は将来の経済的状況を的確に把握して、長期的見通しのもとで計画的に運営されなければならない」。基本構想本文は、結びのところで次のように言っています。「区は、長期的な財政見通しを立て、区政が取り組むべき課題と事業内容を明らかにした5か年程度の行政計画を策定し、目標に向かって逐次改定を加える。この計画は、区政運営の指針となる基本計画であると同時に、可能な限り実現性を確保した実施計画の性格をあわせ持つものである」。いかがでしょうか。憲法としての基本構想に財政的裏付けがないから問題が生じたわけではないでしょう。財政難を基本構想のせいにすることはできません。

 この点で問題なのは、1992年以降の10カ年計画(長期計画)です。それまでは、基本構想の言うように、基本計画と実施計画の性格をあわせ持つ5カ年程度の計画をつくり、逐次改定を加えて経済状況や財政事情の変化に対応していました。ところが、区は92年総額5,730億円余りという膨大な規模の10カ年計画を策定し、市街地再開発や大型公共事業など、大規模プロジェクトを計画全体の牽引車と位置付けてしまいました。過大な土地取得の問題も引き起こしました。バブル経済が崩壊し、まさに実現性も計画性も崩れ、見通しが立たなくなる中、97年に計画を改定したものの、また10カ年の計画とし、都市計画事業などに固執して、ますます財政を困難に陥らせたのです。基本構想から離れた計画、区政運営を推し進めたから財政難をひどくしたと言わざるを得ません。経済的状況をどう把握し、財政をどのように見通したのか、行政計画の立て方や区政運営の何が問題であったのかこそしっかり検証し、教訓とすべきではありませんか。見解をお聞かせください。

 基本構想が国に偏った財源配分や都と区の負担のあり方、財政調整制度の改善の重要性を述べて、国や都に対し制度の改正を求めるとしていることも大事です。区長は、財政的な枠組みを踏まえることを強調しますが、枠組みを改善するための取り組みをどう考えているのでしょうか。区民の立場で財政再建を考えるなら、この問題を避けてはならないはずです。財源が足りないのはなぜか、特に福祉や教育の分野で区に対する支出を政府や都がどんなに削っているかといったことを区民に知らせ、他区とも共同して政府、都に働きかける取り組みを強めるべきではないでしょうか、お答えください。

 区長は、新たな状況が生まれて基本構想をこのまま区政の指針とするには不十分な点が見られると言いますが、これも無理があります。例えば低成長経済を想定していなかったことを例に挙げていますが、そもそも高度成長期を終えて、低成長経済のもとで今後の行財政運営をどう考えるかということが制定時の重要な課題であったことは「基本構想基礎となる考え方」を見るとよくわかります。区長は、自立した住民活動の進展、行政と民間の役割分担の変化なども想定していなかったと言います。しかし、まちづくりや地域福祉、新しい地域社会、コミュニティーの創造など、市民活動の意義を高く評価したことこそ中野の基本構想の最大の特徴の一つで、制定当時多くの注目を集めたものです。また、子どもの権利擁護や男女共同参画社会、障害者の自立と社会参加なども、想定していなかった、新たな理念の登場としていますが、少し基本構想の本文及び「考え方」を開くだけで、例えば「どんなに幼い子どもであっても、彼らの人間としての基本的権利を侵すことは許されない」、あるいは「男女があらゆる分野に平等に参加する権利と責任がある」、「障害をもつ人が積極的に社会に参加し、自立して充実した生活を営むことができるように施策を総合的に進める」といった記述を見ることができます。ほかにも区長は、環境問題や少子高齢化、地方分権の進展など、あれこれの変化を挙げますが、これらにしても、その多くは字句どおりの表現や内容がないだけで、十分今日に通じる考え方が示されています。基本構想の意義をつかむならば、新たな状況を改定の理由とするには及びません。仮に不十分な点があっても、行政計画と日々の区政運営で対応できるではありませんか。考えをお聞かせください。

 このように、理由が薄弱でありながら基本構想を改定しようとするのはなぜでしょうか。気がかりなのは、10カ年の計画(基本計画)をあわせて策定する、行財政5か年計画にかわる本格的な区政の将来構想と計画を定めるなど、構想と計画を一体のものと位置付けていることです。区長は、行財政5か年計画について、将来の構想としては弱いと言いますが、この計画は、構想が弱いのではなく、前提とすべき基本構想を無視してつくられた点に大きな問題があります。とりわけ基本構想が、行政は住民が健康で文化的な生活を営むことができるようにすることを唯一最大の目標として、その持てる力を最大限発揮しなければならないとし、社会的に弱い立場の人の保護、救済などを区がみずからの責任において行うべき役割と強調している見地を顧みないで、区民への痛みの押しつけもいたし方ないとしたところに矛盾が生じたのではありませんか。区民の立場に立つならば、この計画を根本から見直し、基本構想を踏まえた計画をつくるべきでしょう。ところが区長は、構想が弱いと言います。計画がうまくいかないのは、構想に問題があるからだと考えているのでしょうか。

 区長は、基本構想には新たな理念で補強したり整理すべき点がある、施設の配置や新たな行政と民間の役割が記述されていないので明確に示す、青写真を描けるようにしたいと言っています。しかし、施設のことは、基本構想の随所で取り上げられ、本文の結びでも、「きめ細かな多目的の活用を検討し、施設のあり方と建設計画の見直しをする」と明記しています。役割については、先ほど紹介したとおり市民活動の意義に着目したことこそが基本構想の特徴で、さまざまな角度から記しています。これらに対し、記述されていない、明確に示すというのですから、現行の記述と内容を変えようとしていると受けとらざるを得ません。施設や役割の見直しは、まさに行財政5か年計画で問題となった点です。区民の中でもいろいろな意見がありましたが、区の仕事の縮小や廃止、施設の統廃合、民営化など、具体的な中身がわかってからは批判の声が強まりました。そこで、今度はまず新たな理念、青写真として施設や役割の見直しを示すというのでしょうか。理念や青写真だけでは具体的な直接の影響がはっきりせず、その是非はなかなか判断しづらいものです。

 区長は、施設や役割の見直しは、総論賛成、各論反対となりやすい。区の仕事を選別することが必要だが、それぞれ個々に意見を聞いていたら一致しないから、まず総論で合意を得て、その上で計画をつくりたいと述べています。個々の施設や施策のことをどう考えているのかと尋ねた区民に対し、そういう議論はしないとお答えになったそうですが、これでは不安になります。施設や役割など、実際にどうなるのかがわからない新たな理念、青写真、総論の段階で合意できても、具体的な計画を見て納得できないということがあるはずです。しかし、そのときには構想とセットだから各論反対は通らないということになってしまうのでしょうか。施設や役割などについて構想を改定し、その上で策定するという計画では、行財政5か年計画の問題点が装いを変えて再び出てくることが懸念されます。

 小中学校や図書館、保育園、児童館、学童クラブ、地域センターなどの統廃合や民営化を新たな理念のもとに、実は採算ばかり優先して推し進めるとしたら到底認められません。時代が変わったなどといって、福祉、教育施策の切り下げや打ち切りを合理化、正当化されては困ります。新たな理念、施設や役割など、どのようにお考えなのか、答弁を求めます。

 今の基本構想、中野の憲法としての基本構想がある限り、行財政5か年計画のような発想と中身は許されません。区長は、計画の邪魔にならないように、構想を計画と一体のものに変え、計画のための構想、計画に都合のよい構想にすることが必要になっているのではないでしょうか。だとしたら、本末転倒だと言わざるを得ません。基本構想の大切な理念を骨抜きにし、個別・具体的に示されている区の責任と役割までないがしろにするような改定だとしたら、全く不要です。時代がどう変わったとしても、区民の暮らしの実態がどうなっているのか、何が求められているのかを考えることが大事だという点は変わらないはずです。

 ここまでお尋ねしてきたことの締めくくりとして、区長は何を区政の原点だと考えているのか、見解を求め、質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 樋口議員の御質問にお答えいたします。

 まず、住民基本台帳ネットワークシステムの対応についてというところでございます。区が持っている個人情報の扱いについて、区や区長が重大な責任を負っている、このことについてどう認識しているかという御質問でございました。個人情報の保護は、区民の基本的人権の擁護と、それから区民から信頼される区政実現の基本でありまして、個人情報の収集、保管、利用に当たって適切な措置を講じることが区長としての責務であると認識しております。

 住民基本台帳ネットワークシステムそのものをどう考えるかということの中で、プライバシーの侵害や不正使用のおそれが否定できない、国に対して住基ネットの稼働の中止をするよう働きかけるべきではないかということでございます。住基ネットの稼働自体は、改正住基法が施行されまして、自治体の自治事務として運用されているというところでございます。今回の中野区の判断は、区の自治事務という立場から、区は区民の個人情報が侵される事態が生じる前に安全対策を求めるために切断したということでございます。

 区長は、プライバシー権自己コントロール権についてどのようにとらえているのか、またどういう法律がつくられて、どういう安全対策がとられればいいと考えているのかという御質問でございます。自己情報コントロール権というのは、個人情報保護の観点から自己の情報の流れをコントロールできるという欠くことのできない基本的人権であるというふうに認識しております。住基ネット、現在接続を切断しているわけですけれども、接続に当たっては、個人の権利、利益を十分に保護し得る、実効性を持った個人情報保護法の制定と、また国の機関での個人情報保護に対する十分な安全対策、またこの対策に関する確認措置、こういったことが本当に整っているということを私どもが確認することが重要であると考えています。

 それから、住基ネット自体は否定しないという私の考え方に対しまして、改めて見解を聞きたいということでありました。御質問の中で、住基ネットで番号をつけてあらゆる情報を管理しているかのような御質問が、内容があったかに聞こえたわけでありますが、改正住基法に基づく住基ネット自体は、コードをそれぞれの事務に対して本人確認のために用いるというだけの仕組みというふうに言われておりまして、必ずしも住基ネットがそのまま国民を一元的に情報管理するといったような仕組みであるというふうにはなっていないと理解しております。そうしたことになっていかないように、きちんと国民が監視していくことが重要であるというふうに思っております。そういう意味で、区民サービスの向上、それから行政の効率化のために住基ネットが有効なものだというふうに私自身が認識していることについては、午前中の答弁でも申し上げたとおりでございます。でありますからこそ、個人情報の保護措置が十分に講じられなければならないと考えているところでございます。

 それから、政治姿勢についてというところで、住民参加、情報公開、情報の提供、説明責任といったようなことについて、私の考えを質したいということでございました。私は、自治の原点は住民参加であると考えています。情報公開、提供を徹底すること、区民と区が情報を共有すること、そして意見を交換する場が用意されること、これが参加の前提だと考えています。参加の過程で区政の現状を区民と区が共有し、十分に意見交換を行って、合意を練り上げていくこと、これが大切だと考えています。その過程で住民の提案を入れたり、区の案を変えたりすることは当然あり得るわけであります。参加の結果が反映されることが私の考えています手ごたえのある参加につながる、そんなふうに考えています。しかし、参加した全員が完全に一致する合意が得られるばかりでない、これもまた参加、民主主義の避けて通れないことだと思っています。区長は行政運営の責任者でありますから、議論の結果を踏まえて、責任を持って決定しなければならない、そういう立場であります。その決定についてきちんと説明し、責任を負っていく、そういう立場にあると私は考えております。

 それから、私の政治姿勢に関連しまして、区民の暮らしの現実を見ていないというようなお話がございました。私は、地域に出まして、区民の皆さんとできるだけ対話をする機会を持とうとしております。そういう中で、区民の皆さんからさまざま生活実感、そうした声をお聞きしていると考えているところでございます。また、自治体の置かれている現状、財政状況、また施策の今後の考え方等々検討していく中で、区民の生活実感といったようなことについて、決して離れた立場に立ってはならないという立場で検討しているものでございます。区は、区民の暮らしを支えるために施策を推進している、そんな考えで区政を運営しているものでございます。

 福祉の改革について何点か御質問がございました。福祉の改革について、社会福祉の基礎構造改革については、社会経済の構造的な変化に対して必要なサービスを的確に提供できるように、社会福祉の新たな枠組みをつくり上げることだというふうに理解しています。このことを踏まえて、区では高齢者や障害者を初め、区民一人ひとりが地域で自立した生活を送ることができるよう、利用者の意向やニーズに沿った利用者本位の質の高い保健福祉サービスを提供するための体制の整備や施策づくりを行うことが大事だと考えています。

 福祉の市場化について否定的な御見解でありまして、区が福祉の仕事を直接提供することが大事なんだといったような御意見もあったようでございます。現在の市場に基づく経済社会の中で、福祉の仕事がそういった市場原理が一定働いていく中で提供されていく、といったようなことが福祉を向上させていくと、福祉で提供されるサービスの質を向上させていくという意味で、私は意味があることと考えているところでございます。行政として最低限の、あるいは必要なサービスの質の維持、そうしたことについてしっかりと行政としての立場から見ていく、コーディネートしていく、あるいは監視していく、そうした役割を十分果たしていくことが重要であると考えています。

 15年度の予算編成方針についてということでございます。幾つか御意見がございました。区の財政は依然として危機的な状況にあるわけでありまして、財政再建は区政の最重要の課題であります。財政破綻のツケを区民に回してしまう、このことが区民の生活を破壊してしまう、そういうことにもつながっていくわけであります。15年度の予算編成に当たりましては、職員数の削減や事業執行方法の工夫など、行財政の改革に取り組み、簡素で効率的な行財政運営を推進することとしています。また、こうした中にありましても、基本構想の改定に取り組みまして、行財政改革を進める上で先行して取り組むべき課題については重点的に予算化を図ることとしております。限りある財源を有効に活用して、新たな区政課題に取り組むためには、部に財源を配分するなど、組織の活性化を図りながら予算の編成をすることといたしております。区政の目的は、区民福祉の向上でありまして、予算はその具体化であります。財政再建なくして福祉の向上はあり得ない、このように考えています。区民にはこのことを十分説明し、理解をいただきながら区政を進めていきたい、このように考えています。

 基本構想の改定に関連いたしまして、何点か御質問がございました。基本構想は中野区の憲法であって、憲法だから基本構想を変えてはいけないといったような御質問だったように思います。基本構想というのは、中野区の将来像、将来のあるべき姿というのを描いている、そういうものであるという認識を持っています。その中で、よって立つべき理念等が語られている、あらわされている、その理念に基づいて将来の姿が描かれているということであると思っています。そういう意味で、憲法という最高法規は国民の権利義務の基本となるところを規定する最高法規としての法規範のことを憲法というふうに言っているわけでございまして、基本構想を中野区にとって最も守るべき考え方であるということから、例えて中野の憲法というふうに言う言い方は私十分に理解できるわけでありますが、それが基本構想は憲法だから変えてはいけないと、そういう議論には私はくみすることはできない立場であります。基本構想については、地方自治体が仕事を進めるために基本となる指針であります。どうした将来像を描いていくか、将来の姿を描くのが基本構想ということであります。現在の基本構想は、策定から20年以上たっております。新たな社会環境の変化を踏まえまして、幅広く区民参加を行いながら改定をしていくということを考えております。

 また、基本構想で掲げた理念をどう評価しているのかといったような御質問もございました。自主、参加、連帯で、ともにつくる人間のまち中野、こういったような理念で中野区の区政運営をリードしてきた、これが中野区の基本構想だと思っています。そういう意味で私はこの理念を高く評価しているものでございます。

 それから、基本構想が財政難の原因であるというような私の発言があったということで、そういう認識は改めるべきではないかといったようなことがございました。これまでの行政計画というものは、現在の基本構想、理念の部分が強調されている、そして目標年次がはっきりしていない。しかし、基本構想全体においては非常に幅広い分野で理想像が描かれている。そうした基本構想に基づいて計画を策定してまいりました。そうしたことから行政の役割や財政規模が拡大しがちだったというふうに私は考えているものでございます。ある部分で基本構想が財政運営について書き、あるいは区政が大きくならないようについて書きといったような正しい指摘をしてあっても、ほかの部分が誘導している大きな理念の方に引っ張られるという形で計画行政が行われてきている。そういう意味では、基本構想そのものが具体的に目指すべき姿としてしっかり描かれていないと、現実性を踏まえて描かれていないというところに私は問題があったと考えているわけでございます。基本構想策定の当時は、バブル経済、バブル経済の崩壊、こうしたことを経た今日のような右肩下がりの経済情勢、こうしたものは本当に全く想定していなかったわけであります。基本構想を今回改定するに当たっては、新たな時代の変化に柔軟に対応でき、財政状況を十分に踏まえた10年後の中野の姿を明らかにしてまいりたい、そのように考えています。

 それから、新たな理念、施設や役割についてどう考えているのかといったような御質問がございました。男女共同参画あるいはIT化の推進、地球環境の問題、少子高齢化、低成長、これは先の基本構想が策定された時期とはやはり新しい局面を迎えた、そうしたことでございます。そうした新しい時代に則した地域社会をつくり出していくための区民共通の理念を議論して見出していくことが必要だと考えています。そうした議論の中で、施設、サービスのあり方や区、区民、NPOを含む民間の役割などもより新しい時代に則した新しいあり方を探っていきたいと考えています。

 それから、基本構想の改定に関連して、財政的な枠組み、現在区が置かれている財政的な枠組みそのものの改善を取り組むべきだという御意見がありました。2000年4月に都区制度改革、地方分権一括法が施行されまして、区は基礎的自治体として位置づけられたわけであります。しかしながら、御指摘にもありましたように、財政調整制度の改善、税源移譲、こういった課題は残っているわけであります。国や都に対しまして行財政制度の改革を求めること、このことは非常に重要なことというふうに認識しているところでございまして、引き続き努力していきたい、そう思っています。

 それから、基本構想と計画を一体的なものに変える、それは計画に都合のよい構想にするつもりではないかといったような御指摘もありました。新しい基本構想で示される10年後に目指す中野の姿を受けて、これを実現するための行財政計画として、仮称ですが、新しい中野をつくる10カ年計画を策定するということであります。基本構想とそれを実現するための基本計画、これが区の計画体系の中心に具体性を持ってしっかりと位置付けられるということによりまして、新たな課題への対応を図ることができます。また、基礎的な地方自治体、公共団体として責任ある行政運営を展開することができるというふうに考えています。

 それから、区として果たすべき責任と役割、また何が区政の原点であるかといったようなことについての御質問がありました。計画的、総合的な行政運営を実現し得る、具体性を持った基本構想をつくり上げるとともに、到達目標を明らかにした基本計画を策定して、そのもとに区政運営を行うことが区長として果たすべき責任であると考えています。区政の原点というところについては、区民の人としての尊厳を守り、区民生活の福祉の実現を自治の力で果たしていくことである、そのように考えております。

 個人情報保護条例の関連、また2001年度決算の関連につきましては、それぞれ所管の部長の方からお答え申し上げます。

     〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 私からは、住民基本台帳ネットワークシステムの対応についての関連で、個人情報保護について、どのようなときどのような措置を講じるのか、条例に根拠を置くなど、あらかじめはっきりわかるようにすべきではないかというお尋ねがございました。個人情報保護条例は、区が収集、保管、利用するすべての個人情報の保護について規定したものでございます。また、情報安全対策基本方針及び情報安全対策基準を策定しまして、この中で個人情報を取り扱う情報システムの安全対策や緊急時対応を定めているところでございます。こうした内容を条例や規則で定めるかどうかにつきましては、今後の運用の中で検討していきます。

    〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 13年度決算、39億円の剰余金につきまして、行財政5か年計画で無理に削減した結果ではないか、そういったことについてお答えさせていただきます。行財政5か年計画による取り組みにつきましては、財政危機から脱却し、柔軟で弾力的な財政構造をつくるために必要不可欠なものであったと認識しております。13年度決算の剰余金につきましては、効率的な執行の努力と単年度要因による歳入増の結果でございまして、区財政の厳しい状況には変わりないと、そのように判断しているところでございます。

     〔樋口きこう議員登壇〕

○22番(樋口きこう) 何点か再質問いたします。まず、住基ネットに関してですけれども、政府は確かに一元的にすべてを把握管理していくような、いわゆる国民総背番号制のようなものではないという説明をしています。区長もそれをそのままおっしゃったように思うんですが、現実には先ほど指摘させていただいたように、幾らでも介入を許す仕組みにならざるを得ないと思っているわけです。個人情報保護法の成立について、なぜあれが成立しなかったかということも述べましたが、区長は先ほどの御答弁の中で、実効性を持った法律でなくてはならないというようなことをおっしゃられました。政府が提出した個人情報保護法案は実効性を持った法律というふうにお考えなのかどうかをお答えいただきたい。これが1点目です。

 それから、今、政策経営部長が御答弁してくださったんですけれども、区長の政治的な見解として、5か年計画による歳出削減は改めてお聞きしたわけですけれども、いたし方なかったと、間違っていなかったんだという御認識なのかということで、区長に御答弁をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

 それから、基本構想については、もうこれはきょうここで余り詳しくやるわけにはいかないと思うんですけれども、一つは情報提供、情報公開というようなことをおっしゃる割に、かなり情報としての示し方が一面的ではないかと言わざるを得ないんです。区長は区長の解釈、お考えがあるんだろうと思いますし、私どもは私どもの見解を述べるということはあるんですが、議決されているものですね、基本構想は。例えばきょうもそうでしたが、将来のあるべき姿を描いているものと認識しているという御答弁です。私は、将来のあるべき姿を描いているだけですかということで、相当具体的に、あるいはスパンは確かに書いていない、これはきょう--きょうというか、このところ区長は御説明を変えられましたけれども、前は30年ぐらいのスパンだということをおっしゃっていて、そんなことはどこにも書いていないではないかという指摘を受けて、このごろはスパンは想定していないというふうに言いかえておられるようですけれども、そういう意味での年次を切った将来目標が、これも先ほど御紹介したように、基本構想に基づいてしっかりとした計画でやりなさいというのが基本構想の考え方なわけです。だけれども、理念に向かって一つひとつ区の施策の方向、つまり区は何をすべきなのか、ちょっときょうは持ち合わせていませんけれども、かなり細かいことまでこういう仕事を進めていくべきだということを定めているわけです。それぞれに呼応するように区民の役割というのも書いてある。日本国憲法が最高法規である法規案である一つとして国民の権利と義務を規定しているんだとおっしゃられたけれども、中野の基本構想の場合も、中野区の将来像を出しているだけではなくて、それに向けて個々に一つひとつ、どういったことをしていく必要があるかというのが書いてあるわけです。

 そういったことは、やはり区長がおっしゃる以上、基本構想にはそういうことは書いていないかのように言われては困るので、その点どのように考えておられるかもお聞きしたいと思います。私は、憲法だから変えちゃならんという、そんな乱暴なことを言ったつもりはないんです。憲法という位置付けが理念をきちんと位置付けて、なおかつ今申し上げましたような区なり、区民なりの果たすべき責任と役割についても規定して、そこから外れる区政運営であっちゃいけませんよという規範的な性格を持った、憲法としての性格を持った基本構想になっているではないかと。区長のお話を聞いていると、限りなく基本計画と変わらない、基本計画の前にかなり長い前文がついているような、そういうニュアンスの基本構想にお変えになろうとしているんではないか。指標が入ってくる、達成目標が入ってくるなどと言うと、もう長期計画とどこが違うんだろうかという思いを強くしているので、憲法としての基本構想、従来のような発想の憲法としての基本構想はもう廃止するんだと、そういうような基本構想は要らないというふうにお考えなんですかとお聞きしたつもりなので、それについての御答弁がなかったと思うので、お答えください。

 それから、やはりお答えが十分いただけなかったと思われるところをお伺いします。一般的な社会福祉基礎構造改革のことだけを聞いたつもりはないのでして、NPM(新公共経営論)の採算、効率ということだけで当てはめてはまずい分野があるのではないかと。NPMみたいな発想を全部否定するつもりはありませんけれども、私はこういうふうにお聞きしているわけです。子どもだとか高齢者、障害者にかかわるような分野というのは、目先の採算や効率だけではなかなかその値打ちははかれないのではないか。とりわけ子どもにかかわる分野などというのは、20年後、30年後に効果が出てきたりということもあるわけで、こういう仕事についての効果や値打ちというものを区長はどう考えているかとお聞きしたつもりなので、それについてお答えいただきたい。

 それから、何から何まで全部区が仕事をしろと言っているつもりはないんですが、少なくとも区が直接提供することが必要な場面があるし、それにしかできない役割があるだろうと私は思っていますので、質問としては、区がそういう福祉の仕事を直接提供するということについて、区長はその意義をどうとらえているかを聞かせていただきたいとお聞きしたつもりです。

 もう一つ同じところでお聞きしました。現金給付が果たす役割、自助・自立ができるようにしていくためにもまだ今の時代必要ではないかと思っているんだがどうかということで、そういうことを要らないというふうになっていけば、行政による所得再配分機能みたいなものが、もう税だけでいいんだと、その税も怪しくなってきていますけれども、そういうことになりはしないかと思っているので、その点の区長の、これもやはり政治的な見解ということでお考えを聞かせていただきたいと思ってお尋ねしていますので、御答弁ください。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 個人情報保護法は、今、さきの国会において国が提出しております個人情報保護法案について、実効性があるかどうかという御質問でございました。全体として私は、この個人情報保護法案について各条項、逐次検討したというほどの検討をしているわけでもございませんが、現在の個人情報保護法に実効性があるかというと、やはり疑問を禁じ得ないというふうに思っている立場でございます。

 それから、行財政5か年計画による取り組みは正しかったのかどうか、13年度予算に関連してということであります。これは、何度かいろいろな場面でお答えしておりますように、いずれも現在の財政状況、危機的に陥っている財政状況の中で、今やらなければならない、やむを得ない取り組みであったというふうに考えております。それが部長の方の答弁にありました必要不可欠という認識と一致していると考えております。

 それから、基本構想のところで、30年スパンだったというふうに、私がほかの場所でというか、かつて申し上げていたことについては、私が確かに基本構想策定当時にこれは30年程度だという議論があったかのように思っておりましたので、そういうふうに申し上げていました。それについて、どこにも書いてないという御指摘、樋口議員などからもいただきまして、確かに年次を30年という記述がないということについて確認いたしました。問題は、年次を切っていないというところにあるわけであります。30年スパンというふうに切ってあるというふうに、スパンを見ているというふうに思っていたのですが、そうではなくて、むしろ年次を切っていない、規範的な年次を切っていない、そうした大きな目標だけがあらゆる分野について書いてあるというようなことが実現するべき将来像を描くという考え方として考えるべき基本構想とはちょっと違うつくり方になっているのではないかと考えています。今、私たちが必要な基本構想というのは、一定の年次スパンの上に、私たちがどういう地域社会を目指していくべきなのか、それを具体的に示すものであると考えているわけであります。

 それから、区が直接福祉のサービスを提供するということについてどう考えているかということでございます。区の仕事、行政の仕事は区民の福祉の実現にあるということは言うまでもないわけであります。その福祉の実現に向けてどういうサービスが用意されているかというのは、その時代時代によって違っているということも当然あるわけでございます。そうした時代状況の中で、区でなければ提供できないようなサービスについて当然区が提供していく、このことは必要だというふうに考えているわけであります。しかしながら、区以外の提供主体によって提供し得るサービス、これらについてさまざまな多様な提供主体から提供されていくということもこれからの福祉の実現にあっては必要なのではないか、そう考えているわけであります。

 それから、現金給付の問題であります。現金給付については、福祉的な支援の施策として一律的に現金給付をすることは施策効果として効率的でないということを申し上げてきました。支援を必要とされる方に具体的にその支援を提供するという形で福祉の施策を充実していくべき、そういう時期に来ているというふうに考えています。その時代時代によって、福祉として提供されるべきサービスが変わっている、少しずつ拡充されてきた、そういう中にあって、必要とされている支援を具体的な支援の形で提供していく、そういう福祉を充実していく時代に入っているのではないか。私はそう考えているわけであります。

     〔樋口きこう議員登壇〕

○22番(樋口きこう) もう一度だけ、また改めていろいろ機会はあると思いますが、先ほどお聞きしてまだお答えいただけなかったなという気がしたところです。子どもたちにかかわるような分野の仕事などの効果だとか、値打ちというものについて、時間がかかったり、手間がかかったりと、目先で見ればどう見ても採算性に合わないような、非効率だなと思えるような仕事が果たしている値打ちというものをどんなふうに考えているかというのをお聞きしたいので、是非お答えください。

 それから、また気になった御答弁で、中野区基本構想、大きな目標だけが書いてある、本当に基本構想をよくお読みになっていらっしゃるんだろうかと思いたくなるぐらいでして、むしろこんなに細かいことまで書くかというような、ごみ問題などは、今のごみ問題にも通じるようなことも含めて書かれていますし、例えば介護保険は、今実施されているわけですけれども、具体的な訪問介護の充実のようなことを取り組んでいく必要があるというようなことも書かれているわけですね。そういったものを前提にして、それを本当に具体的にするためにということで、個別の計画も立てられてきていると、私は理解しているわけです。だから、区長が正確な情報の共有ということであれば、基本構想にはこういうことも書かれているということを踏まえて御発言いただきたいと思うんです。それで、今も十分お答えいただけなかったように思うんですが、基本計画的な構想に変えてしまうおつもりなのかということで、その基本構想の憲法としての性格を引き続き維持させようというお気持ちがあるのか、ないのかということを聞いていますので、その点あわせてお聞きします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 子ども、高齢者など、福祉の分野あるいは介護、教育といったような分野で、手間ひま、効率ではかり切れないものをどう評価するのかという御質問でありました。そうした手間ひま、あるいは非効率、そういったようなもので一定の効率性の中に組み込み切れないものといったようなことが広域的な立場からどのように評価していくかということで、そのサービスのあり方が決まっていくと考えているわけであります。いずれにいたしましても、実際にサービスが提供される際には何らかの形で手間ひまの形で提供されるわけであります。そのことについて、採算性の合う部分と採算性の合わない部分について、公益的な立場からどういうふうに補っていくのかという形で進んでいると考えています。

 それから、基本構想を憲法という性格を持つものとするのか、しないのかというような御質問であったように伺いました。先ほど言いましたように、憲法という例えとしての憲法ということであるならば、私は一定の理念性というものを当然踏まえた基本構想でなければならないというふうに思っています。しかし、法規範としての憲法というようなことを直ちに持ってきて、憲法としての基本構想をつくるかというのは、私はちょっと基本構想という性格とは違う議論のような気がいたしているわけであります。

○議長(斉藤金造) 以上で樋口きこう議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ

 1 区長の政治姿勢について

 2 地域自立生活支援について

 3 住民基本台帳ネットワークシステムについて

 4 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、佐藤ひろこ議員。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○20番(佐藤ひろこ) 2002年度第3回定例議会におきまして、一般質問をさせていただきます。

 質問の前に、先日北朝鮮の拉致事件が明らかになりました。8人の方が亡くなられていたという事実、御家族の方はまだ事実として本当に認識したくないというお気持ちだと思いますが、大変驚き心が痛みます。一刻も早く正確な情報提供、そして原因の究明に政府が臨むことを私は希望いたします。

 一般質問に入らせていただきます。

 まず、区長の政治姿勢についてお伺いいたします。徹底した情報公開と説明責任を果たそうとしている宮城県と長野県に7月末に行ってまいりました。浅野史郎宮城県知事のお話は、情報公開と説明責任をどう実現してきたか、実感のこもったものでした。浅野知事は、長野県知事のように脱ダム宣言はしておりません。しかし、実はダム建設をしっかり中止しております。ダムの建設中止に抗議する住民と、質問者の手が挙がらなくなるまで何時間も長時間にわたって徹底的に議論した話は本当にすごいと思いました。宮城県は官官接待、食糧費の不適正支出問題以来、変わろうとする努力が続けられてきました。逃げたい、隠したい、ごまかしたいから、逃げられない、隠せない、ごまかせないことがわかり、逃げない、隠さない、ごまかさないが宮城県の情報公開の標語になりました。情報公開をやらないと我が身にはね返ってくる。真実を言い、真実を出す方がずっと楽だ、情報公開は自分たち自身を守ってくれるという認識が職員の方たちにも広がったということです。

 長野県は、田中康夫知事がちょうど失職中でした。失職中にもかかわらず、長野県治水・利水ダム等検討委員会が開かれておりました。検討委員会は、朝の10時から夕方6時ごろまで1日開かれておりまして、傍聴者が100人ぐらい入るホールで委員の方々の活発な質疑の中、熱心に行われておりました。傍聴も自由で、委員と同じ資料、本当に詳しい資料が傍聴者にもいつでも手にとれる状況の中にありました。検討途中の資料も傍聴者に配られておりました。検討委員会の議事録は、発言者の名前も入れて記録され、情報資料室にすべて整備してあります。情報公開度のすごさ、情報の共有の姿勢の徹底ぶりには大変驚きました。長野県知事は個性のとかく強い人ですので、知事の独走であるかのように見られますが、賛成、反対を含め、徹底した議論で政策が裏打ちされている現場を見て、これが長野県民にとって大きく変わってきた、県政が大きく変わってきたと評価されている長野県の姿勢なのだと感じることができました。

 宮城県、長野県とも、情報の共有と議論の中から行政と政治の改革を目指し、地方から本物の民主主義をつくり出そうとしている首長の姿勢、行政の動きがそこにありました。田中区長も徹底した情報公開と説明責任、区民参加、そして議論を通して中野区の改革を進めることを訴えてきました。最初にすぐ実行したのが、月2回の区民との対話の場でした。今まで計6回行われ、毎回たくさんの区民の方々が訪れ、いろいろな質問や要望を区長に投げかける場になっています。それに真剣に答える区長の姿勢は、意見の違いを超えて評価されていると感じました。そこで出された意見、区長の答えを区の施策に反映するために、区民対話担当を置いていらっしゃいます。現在どう機能しているのでしょうか。この間、6回行ってきた区長と語る会の成果、今後の課題などについて、現在のお考えをお伺いいたします。

 徹底した情報公開を進める一つとして、区長交際費の全面公開、また庁議の内容もホームページで知らせるなど、情報公開を進め、区政の透明度を高めようとされております。目的は、情報を共有することです。区民の視点に立った改革をつくり出すためにも、情報の共有は最も大切なことです。積極的に区民や議会への情報提供を進めるべきです。そういう姿勢が、まだまだ区役所全体に徹底していないのではないでしょうか。例えば今回多くの議員から指摘されている問題です。住民基本台帳ネットワークシステムについて、区長の説明が足りなかったのではないか。区長が総務大臣あてに送った照会文を議会には配付されておりませんでした。私は、新聞で見てから区民課に問い合わせ、その照会文を手にしまして、いろいろ御説明を聞きました。当然区民委員会にも全議員の方たちにも配られているものだとばかり思っておりましたけれども、それが配付されていなかった。区民委員会にも口頭での説明はあったということですが、文書においての説明がなかった。議会と情報を共有しようとする姿勢が弱いのではないかと思います。

 情報は、どれだけ出しても、それが個人情報でない限り出し過ぎることはないと思います。区政全体にかかわること、重要なことは、どの議員にも平等に情報提供をされるべきだと思います。また、区民が窓口で照会文が欲しいと言ったら、情報公開の手続を勧められたということがあったそうです。すぐに見せてもらえなかったりする、今ホームページに載せるのであれば、出したときになぜホームページに載せなかったのか。情報公開の手続をなぜしなくてはいけなかったのか。情報公開の手続が必要なのは、公開してよいかどうか相談しなければならないものに限り、当然公開するはずのものは区の方から積極的に区民や議会に情報提供をすべきです。その姿勢を区役所全体で共有するべきだと思います。区長は、今後どのように区民や議会との情報の共有を進めていくのか、お考えをお聞かせください。

 区長の考えていることがなかなか伝わらない、伝わったと思ったらいきなりトップダウンだという声も耳にします。例えば接客6つの約束がそうです。こんな小学生に言うようなものを区民の前に張り出すなんで恥ずかしい、形から入れと言われたが、人は気持ちから入るものだ。区民の方々の評判はいいようですが、職員の評判は余りよくないようです。接客6つの約束は、職員の方々で議論した結果ではなかったのでしょうか。9月から接客6つの約束が張り出され、素早く行動を起こされたことは評価いたします。住民サービス第一の区役所になるように、すぐ目に見える形での改革をしていこう、その意欲は買います。区民の方々からも今まで態度が悪かった区の職員が急に対応がよくなったがどうしたのか、丁寧になった、電話で名前をあちらから言うようになったと、大変好評の声を耳にいたします。私は、黄色い張り紙の標語がもっとかっこよくつくれなかったのかなと思いましたが、何よりも職員の方々がこれを議論していなくて、共有されていないかのようなさまざまな反応があることを残念に思いました。職員の方々自身の区民対応を改善する問題です。みずから議論しないでいいのでしょうか。これがよくないのなら、もっといいものをつくるように、これをたたき台に議論を進めるべきではないでしょうか。一定期間が経過したら職員の意見や感想を集約する改善案、提案を募集する、そしてよりいいものをつくっていってほしいと思います。区長は、職員の意識改革を区民参加で、職員が議論をしてつくっていく大切さを訴えておられました。どうしてこうなってしまったのか、これからどんなふうに職員との議論を活性化していくおつもりなのか、お考えをお伺いいたします。

 次に、地域自立生活支援についてお伺いいたします。先ほどの接客6つの約束の中に、1番に書かれていることが、「お客様とお呼びします」ということです。職場によってはお客様なんて呼べない、呼べないところもあるとさまざまな意見があるようです。ちょうど1年前、都立入所更生施設の園長から都の障害福祉部長になった方からの東京都の福祉改革についてのお話を伺う機会がありました。福祉の現場に異動する前は水道局にいたそうです。そこでは、水道利用者をお客様と呼ぶことが接遇のときだけでなく、会議のときにもそう呼ぶことが当たり前になっていたそうです。久しぶりに福祉の現場に戻ってきて驚いたのが、感覚のずれだったそうです。なぜ福祉の現場では、福祉サービスの利用者をお客様と呼べないのか、考えさせられたそうです。そのお話を聞いて私も考えさせられました。中野区でもこの機会に福祉サービスの利用者をお客様と呼べるのか、呼べないのか、ぜひ職員の方々で考えていただければと思います。これからは、福祉サービスの考え方を変えなければならないときです。利用者が主体であり、利用者が選択し、決定できる福祉サービスに変えていかなければいけないときだからです。

 障害福祉部長の最重度の障害者の方々の入所更生施設の園長時代のお話には共感できました。もしかしたら条件さえ整えられれば、その人なりの自立した暮らしができたのではないか、初めから自立は無理だとあきらめて、そういった援助をしてこなかったのではないか、こうした疑問や悩みを持ち、改革の必要性を現場の実態の中から感じてきたそうです。私は、30年前、学生時代、入所施設へ夏休み、冬休みのたびに泊まり込みで出かけておりました。そこでいろいろなことに出会ってまいりました。その中で大きな衝撃を受けたのが、都立府中療育センター、医療が必要な方が、本当に重たい障害の方が入られているところです。そこでの出来事でした。まちに出て暮らし、みんなと同じように自由に買い物をしたり、映画を見たりしたい。大変重い障害を持っている、入所されている方たちがまちに出て暮らすのだと動き始めたのです。そのときの出会いから、私はアパートからアパートへ泊まり込みで介助をして歩くようになりました。ヘルパー制度も何もなかった時代です。施設から在宅への流れを自分たちの力で切り開いていくしかなかったのです。都と交渉を重ね、重度脳性麻痺者等介護人派遣制度をつくりました。最初はボランティアで分け合うと100円にもならないお金でしたが、30年たった今では介護が仕事としてできる金額になりました。障害者対応の住宅もふえ、地域で介護者を使いながら自立生活をする人がふえてきました。施設から在宅への流れは、当事者の人たち自身がその声を受けとめる人たちと一緒に行政に働きかけつくってきたものです。そんな私にとって、入所施設は少なくしていくものであっても、これからつくるものであるとは考えていませんでした。

 江古田の森の保健福祉施設計画の案を見て大変驚きました。老人保健施設と特別養護老人ホーム、重度身体障害者療護施設、重度知的障害者更生施設、計画で提案されている計画案で提案されている施設は、すべて入所施設です。当初、障害者の施設は、ケア付き寮や生活寮といったいわゆるグループホーム型の在宅系の施設の計画がありました。それが急に入所系施設に変わっているのです。これは大きな方針の違いだと思います。入所施設がなぜ利用者に好まれていないのか。それを変えようとする動きがずっと30年来あったのか。それは入所施設では自由に外に出かけられないということです。施設の法の体系が違います。入所施設に入られている方は在宅系のサービスが使えない、通所施設にも通えない。基本的にその施設の中だけで日常生活を送ることになるのです。施設の利用者の尊厳や自由を保障するものにはなっていないのです。ですから、施設から在宅への流れが生まれてきたのです。

 中野区がモデルにしている練馬区にある特別養護老人ホーム併設の身体障害者療護施設を見学してまいりました。1年半前にできたばかりで、木の香が新しい広々とした建物です。療護施設は10部屋あり、全部個室で、自分の好きな家具などを持ち込んでよい、思わず施設のすばらしさには目が奪われる状態でした。しかし、面会に来ている家族の方や本人のお話をよくよく聞いてみると、やはり大きな変わらない悩みがありました。入所している方は、20代から40代の方が半数で、あとは50代の方が半数、趣味も施設内で行い、自由に外には出られない生活を送っています。施設の行事や家族やボランティアの人が来たときにだけ外に連れていってもらえる状態です。自由に今までどおりに通所施設に通いたい、外の障害者用のプールなどの教室に通いたい、そういう要望の人もいましたけれども、それが果たせない状況でした。施設にいる人には、生活実習所や福祉作業所へ通うことはできない上、ヘルパーなどの在宅サービスを使って自由に外出することもできません。だから、ケア付き住宅やグループホーム、在宅系のサービスが望まれているのです。

 これからは多様な在宅サービスを利用して、地域で生きられる仕組みをつくっていく時代です。重度の人は無理といいますが、実際に重度障害者のためのグループホームをお隣の新宿区は実現しております。新宿区にできた、これも1年半前にできました重度身体障害者グループホーム、あじさいホームを見学いたしました。新宿区の障害者団体が社会福祉法人をつくり運営しております。各自の障害に合わせた個室、24時間いつも職員が交代で配置されております。在宅のヘルパー制度を利用して、食事や掃除や入浴など、身の回りのことをやってもらいます。昼間は通所施設などに出かけ、休日は介助人派遣制度を利用して遊びに出かけます。何かあった場合は、連携している医療機関が24時間対応し、訪問医療、訪問介護を利用しております。あじさいホームよりもさらに重い障害を持つ人たちのためのグループホーム、ひまわりホームもただいま計画中だそうです。熱意と工夫があれば、重度の方々のためのグループホームも実現できるのだと実感いたしました。

 この試みがモデルになって、東京都では重度身体障害者グループホームのモデル補助制度ができ、これから12カ所で開設予定です。こういう社会的な状況、動きの中で5点お伺いいたします。

 江古田の森保健福祉施設整備計画案の説明会が3回持たれました。参加した当事者の方々、親の方々から出された意見は、グループホームをつくってほしいというものが多かったと聞いております。区民の意見を聞く場を持ったことを大事にするならば、整備計画案の中にその声を反映すべきではないでしょうか。入所施設でも、時代のニーズに合わせてグループホームを併設する法人がふえてきております。近くには東京コロニーの通所授産施設や沼袋の生活実習所もあります。通所が可能なグループホームを入所施設に併設する提案こそ時代のニーズも取り入れた提案だと思います。ぜひ検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 2番目に、中野区の保健福祉総合推進計画素案についてお伺いいたします。東京都の福祉改革推進プランは、利用者本位のサービスの徹底を目指す福祉改革です。先ほど樋口議員の方からもさまざまな御質問がありました、御疑問の声がありました。しかし、私はその理念の中に盛り込まれている施設から在宅へ、これは本当に私たちがつくってきた重要な理念だと思っております。その理念に基づき、改革の基本方針と目標を明らかにしたのが、ことし策定された福祉改革ステップ2です。重装備の施設偏重の画一的な福祉を改革し、地域のケア付き住まいを重視したきめ細かな福祉の実現を基本コンセプトの一つとし、地域生活移行支援事業の実施、生活寮や重度身体障害者グループホームの設置促進など、具体的な施策が示されています。このように、東京都は施設から在宅への転換を明確に図りつつあります。このたび出されました中野区保健福祉総合推進計画素案に、中野区の方向性として区民一人ひとりが心身ともに健やかで、個人としての尊厳が保たれながら自立した生活が営まれる町としての将来像と書かれております。施設から在宅へ、新しい福祉サービスの展開に向けての改革の理念をもっと明確にすべきだと思います。どのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。

 3番目に、早急なグループホームの設置についてお伺いいたします。重度障害者のケア付き寮やグループホームの要望は10年以上も前から出されており、既に親みずからが資金を出し合い運営しようとしているグループホームの動きがあるにもかかわらず、その支援や実現に向けて区は具体的な計画がないままの状態で来ました。ぜひ中野区保健福祉総合推進計画案に地域自立生活基盤整備として、グループホームやケア付き住宅の計画を早い時期に設置することを明記していただきたいと思います。具体的にはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

 4番目に、地域自立生活支援センターを早急に整備することについてお伺いいたします。支援費制度の導入を控えて、障害者の自立生活をコーディネートする障害者地域自立生活支援センターの整備がぜひとも早急に必要です。中野区には沼袋の障害者福祉会館にその支援センターの役割が、また東京都の補助金がそこに導入されて、その役割を担っておりますけれども、区の職員によるそういったサービスのコーディネートのあり方は大変限界を持っているという現状をさまざまに聞いております。何よりも御本人の生活に則した、一人ひとりの状況に則して、そのさまざまなサービスをきめ細かくコーディネートできる人が必要です。特に知的障害の方たちのための相談支援センターは早急に整備する必要があります。そして、さらに順次区内に幾つかの地域自立支援センターを民間法人などの力を生かしつくっていく計画をきちんと立てるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 これからの福祉のあり方、先ほどもいわゆる現金給付か、それとも現物給付かというところでの御議論がありました。私は、やはり与えられるだけの福祉、お金をもらうだけの福祉のあり方ではなくて、本当にその一人ひとりの尊厳、そして一人ひとりの自立を図るのであれば、ほかの人と同じように生活でき、そして所得が保証される仕組みの中できちんと負担を払って生活していく状態にしていくことこそがこれからの福祉に望まれることではないかと思います。そういう意味でいうと、所得の保障の一つとして、年金の充実ももとより必要ですが、就労支援と就労機会の拡大を図ることも地域生活を支援するために大変大切なことだと思います。それがまだまだ中野区では非常に弱いのが現状ではないでしょうか。先日、新宿区のリサイクル活動センターを見学してまいりました。このリサイクル活動センター、新宿区はやはり2年前に財政難でもう閉めよう、閉鎖しようと困っていたときに、障害者団体が手を挙げまして、ぜひそこの委託を受けたいということで運営委託がされて、現在に至っているというふうにお話を聞いてまいりました。新宿区障害者就労福祉センター、またの別名をチャレンジワークといいますが、チャレンジワークが新宿区から委託されて運営しております。障害者の就労支援を拡大していくために、1階が傘や洋服の修理をする日用品ホスピタル、2階が不要品の預かり販売をするもう一度クラブ、そしてさまざまな知的障害の方、精神障害の方、さまざまな障害をお持ちの方たちが交代で働いておりました。また、そのリサイクル品を持ち込むということになっておりまして、持ち込む方、また買いにくる方、たくさんの区民の方々が訪れる場にもなっております、交流の場にもなっております。まさに一石二鳥です。見学して、中野の環境リサイクルプラザ、1階のロビーが大変寂しい状況ですけれども、それを思い出しました。リサイクルプラザもこのようになればいいのかな、活気が出るのかなと思いました。

 中野にも、じゃあ委託を受けられる団体があるのか、思い当たったのがニコニコ事業団です。しかし、お話を聞いてみると、ニコニコ事業団は法人格を持っておらず、まだそのような力がないという状態でした。就労支援事業をより拡大させるためにも、ニコニコ事業団をどうしていくのか、早急に検討する必要があるのではないでしょうか。ニコニコ事業団は、財団法人などの法人格取得に向けて検討されていたときもありました。また、作業所や生活実習所を運営することによって法人格を取得することも考えられているようです。また、社会福祉協議会に合流、合併していくことも一つの方法ではないかとの意見もあります。社会福祉協議会に合併していくことによって、社会福祉法人格を取得したのと同じ状況となる上、障害者の就労支援という目的をより具体的に展開していきやすいのではないかという意見も聞かれました。ニコニコ事業団の今後について、どのようなやり方が本当の雇用支援事業拡大につながるのか、検討の場をぜひつくってはいかがかと思います。お考えをお伺いいたします。

 最後に、住民基本台帳ネットワークシステムについて簡単にお伺いいたします。もう何人かの方が質問しておりますし、重なる部分等もあるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

 8月14日、中野区長は総務大臣に住基ネットの安全確保策について照会状を出しました。国が住基情報を利用開始する前に回答してほしいというものです。その回答によって区民の個人情報を守れないと判断したとき、国が利用を開始する前に切断の決断もあり得ると、区長と語る会など、区民との対話の折に区長は述べておりました。住民基本台帳ネットワークシステムは個人の自己決定と自治体の自己決定が奪われていることが最大の問題点だと言われております。自分の情報は自分で守れる仕組み、自己情報のコントロール権が確立されている必要がありますが、その確立が大変不透明な状態であります。中野区は、11日に12日から情報提供が開始されるということで、11日に切断いたしました。しかし、総務省に問い合わせてみますと、既に不参加を表明しているはずの矢祭町、また杉並区や国分寺市、横浜市でも不参加の自治体のものだけをそこから参加させないで取り出すシステムにはなっていない、すべてそれまでの、8月5日からの更新情報は送っておりませんけれども、既にそれまでの間住基情報は、本人確認情報はすべての自治体が送っております。それがすべてシステム上は取り出すという状態の中では送り込まれるというシステムになっているというふうにお伺いいたしました。そういった状態こそ本当に自治体の意思や自己情報、また自治体が送り出した情報がどのようになっているのか、全くコントロールできない仕組みであることがわかりました。自治体が管理している個人情報の運用状況について、国に報告を求めたり、個人情報がどう保護されているかを確認したり、調査したり、また是正を求めたりする権限や仕組みが担保されておりません。区長としてもこのことを問題にしていらっしゃいますけれども、どのように担保されるべきだとお考えになっているのか、そして、この自治体の自己情報のコントロール権について、区長はどうお考えになっているのか、切断に当たっての理由を含めてお伺いいたします。

 先ほども樋口議員の方からも御質問がありました。自己情報のコントロール権、これも確立されていない状態です。自己情報のコントロール権が明記された個人情報保護法の制定が私も何よりも必要だと思います。先日、自己情報の開示請求をしていた私の住民票へのアクセスログが一部開示されました。自分が申請していたとき以外にも、第三者の申請による交付が何件もあり、第三者がだれであって、何の目的で私の住民票をとろうとしていたのか、それはまた個人情報ということで知ることが私にはできません。余りいい気持ちではありません。しかし、住基ネットに参加するか、参加しないかの以前に、現在の住民基本台帳法の中でも、第三者に私の住民票は幾らでも手にすることができる状態にあるわけです。その自己情報のコントロール権を現在の状態の中でもどうつくっていくのか、それも大きな課題であろうと思います。正規の申請についてもどんな第三者が私の情報にアクセスしたのかがわからない。また、今度は正規の申請じゃない不正ログのチェック、これはどのようにされているのでしょうか。不正ログとは、個人で行われるものだけではなくて、職員の興味本位の閲覧、また委託された業者が不正データ収集のためにアクセスした状態、それをチェックできる仕組みは中野区の中であるのでしょうか。茨木市は毎日アクセスログを市民課長と情報管理課長がチェックします。そこで不正ログが発見された場合、危険レベルに応じて関係職員が招集され、原因の究明、対策を行うそうです。中野区役所、地域センターでの不正ログのチェックはどのようにされているのかお伺いいたします。

 また、個人のデータに対するアクセスログの開示は、中野区ではできます。しかし、だれがアクセスしたかを知ることはできません。東京都、国はどうなっているのか調べてみました。東京都にお伺いすると、個人のアクセスログを開示することは想定していない仕組みになっているということでした。私の情報にいつだれがアクセスしたのか、私には確かめる仕組みにはなっていないのです。東京都に中野区が送った情報についてもそうです。アクセスした職員の側がいつ何の事務に使ったかという操作履歴はわかるようにログは残るそうです。しかし、本人の情報にだれがアクセスしたかは記録としては残りません。国においては、アクセスした記録は開示しなければならないという法律はないので、本人は知ることができないという状態です。一たん区の外に出されてしまった情報、個人が国に対してアクセスログを請求する方法、自己情報がどのように使われたか知ることはできません。自己情報コントロール権がない状態であります。そうなってしまわないように国民が監視していく必要がある。そのためには自分の情報がどのように使われているかを知らなければいけない。しかし、現在の仕組みの中でも知ることができない。それが住基のシステムが稼働したときの、私はこのシステムの最大の欠陥であると思います。区民一人ひとりの自己情報のコントロール権について、区長はどのような認識を持たれているのかお伺いいたします。

 8月5日以降区がそのまま稼働させている状態の中で、電話やメールで区民の方々からいろいろな質問を受けました。一番多かったのは、なぜそのまま参加しているのかということでしたけれども、次に多い苦情が、コード番号が配られたときです。なぜ世帯ごとなのかということでした。住民票のコード番号の通知を中野区は家族全員同じ封筒に入れて、世帯単位で発送しています。世帯主はほとんど夫の場合が多く、いろいろな家庭の事情から夫に番号を知られていることを不安に思っているという相談もありました。女性の自立という観点から、世帯単位から個人単位へという考え方をとるという要望が強くなっているときです。今後は個人単位で送るように検討すべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか。

 最後に、住民基本台帳の大量閲覧についてお伺いいたします。区民課の窓口では、毎日住民基本台帳を第三者がせっせと書き写している状態です。法律に基づいて、第三者が申請すればいつでも多くの区民の住民票を閲覧できる、本人確認の情報を閲覧できる状態です。片方で住基ネットでは、国は個人情報の保護に万全を期すと言っております。であれば、役所の窓口に申請すればできてしまう住民票の大量閲覧も規制できるように法律を変えるべきだと思います。自治体でも個人情報を守る立場から、大量閲覧に歯どめをかける方法を検討すべきと考えます。杉並区では、杉並区住民基本台帳にかかわる個人情報の保護に関する条例に基づき、ことしの4月から閲覧料を値上げいたしました。3月31日まで台帳1冊、約2,500人分ですが、当たり2,000円だったのを閲覧料1人当たり150円にいたしました。これで約52万の区民の台帳全部を閲覧するには、今までは約40万円でしたが、4月から7,000万円以上となり、閲覧する人数はぐっと減ったということです。中野区が自治体としてできる範囲で大量閲覧に歯どめをかける方法を検討すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 以上で、私の質問を終わらせていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 御質問にお答えいたします。

 まず一番最初に、区民参加の関連で、区民との対話、これまでの成果と課題についてといったような御質問がありました。対話集会でさまざまな御意見を直接お聞きしているという、これは非常にメリットが大きいことだと思っています。今のところ予想以上にたくさんの方が参加してくださって、非常に多くの御意見を寄せてくださっている、そういったようなことから、区民の区政に寄せる思いの強さ、そういったものを実感しているところです。そうした区民の実感を区全体として受けとめて、施策にスピーディーに反映していくということが大切だと考えています。すぐに対応できるようなものについては速やかに取り入れていくといったことをやっていきたいと思っています。また、その場でお答えできなかったような検討を要する課題、そういったようなことについては、その理由でありますとか、検討のスケジュール、そういったようなことも明らかにして、区民の皆さんに対する説明責任を果たせるようにといったような対応をしているところであります。

 それから、情報の共有についてというところであります。住基ネットの関連で、区民委員会で国に出した照会文書が資料として区民委員会で直接配付されなかったという御指摘がございました。大変遺憾なことであります。今後そういったことのないように努めてまいるつもりでございます。私は、手ごたえのある住民参加を進めていくということを標榜して区政を運営しているわけでありますので、情報公開、提供の徹底、それから区民と区が情報を共有するということは本当に重要である。かつそうした共有をした上での行政の説明責任ということについて強く遵守しているところであります。今後とも関係する区民団体あるいはさまざまな区民の皆さんとの話し合いの場をきちんとつくっていくというようなことを通じまして、幅広く区政情報の公開や共有化に努めてまいりたい、こう考えています。議会とも、先ほどの反省も踏まえ、情報の提供、共有に不備のないよう努めてまいりたい、そう考えております。

 それから、接客6つの約束ということで、職員に対して私が呼びかけたことについてのお尋ねがありました。今回の接客6つの約束というのは、最大のサービス業である区役所の職員として当然身につけていなければならないこと。これについてまず当たり前にやっていこうということを職員に呼びかけたものであります。これをきっかけに、それぞれの職員が接客のあり方、区民サービスの向上、あるいは区民サービスを第一に考える区政について、それぞれの職場で話し合いを進めていくということを期待しているものであります。そうした話し合いを進めて、職員の主体的な意識改革運動につながる、そうした引き金にしたいと思ったのが今回の接客6つの約束でございました。ぜひ成果についても御注目いただいて、御関心を寄せていただければと思っております。

 それから、住民基本台帳ネットワークシステムについて幾つか御質問をいただきました。まず、住基ネットを切断するに当たって、どこが問題だと考えたのかということについて御説明をさせていただきます。まず一つは、個人情報の取り扱い上のセキュリティに不安が残るというところであります。指定情報処理機関と国の機関等との情報交換に関しての安全確保策でまだ具体的に検討されていないことがあったり、あるいは安全確保策がどう講じられているかということについて確認をしたり、みずから調査を求めたりという手だてが用意されていないこと。こういったようなことがセキュリティに不安が残ると考えた理由であります。また、個人情報保護に関する基本法が成立していない、こういう状況のもとで行うべき特段の配慮というものが欠けていたということももう一つの大きな理由であります。

 るる御指摘がありましたように、本人確認情報がそれぞれの提供されていく事業の事務と結びつくことによって、個人情報として秘匿性の高い個人情報がどんどんできてくるわけであります。そうした情報が他のネットワークに接続することによりまして、情報の漏えいや改ざん、不正アクセスの可能性などが増加するわけですけれども、そのことに対して特段の配慮、現在、法が未整備だということを踏まえての特段の配慮がなかった。また、提供業務に委託や再委託が想定されているといったようなことについても、当然そうした場合には法的に特別な秘密遵守義務を負わない民間の方の不正アクセスの危険性も高まっていくわけであります。そうした点においても法未整備の現状での特段の配慮がとられているとは認められなかった。こうしたようなことから住基ネットの個人情報の取り扱いに当たって安全に自信を十分に持ち切れないというようなことで判断したわけであります。

 自治体がみずから国の機関に対して個人情報の取り扱いなどについて調査や報告を求められるようにするといったようなことが、現在どのような手だてがあるかというふうに申しますと、国の回答によりますと、区が東京都に対して個人情報の取り扱い方、セキュリティについて、東京都に対して調査や報告を要請し、これを受けた東京都が指定情報処理機関に要請する。指定情報処理機関では、その国の機関等と締結した協定書に基づいて本人確認情報の適切な管理のための措置の実施状況について報告を求める。こうした非常に間接的、しかも権利性の弱い仕組みしかないというようなことになっています。また、御指摘のありましたように、本人確認情報がいつ、どのような形でどこに提供されたかといったようなことについて、本人もあるいは自治体の側からも確かめる手だては用意されていないということであります。こうしたことから、情報の自己コントロール権について疑問であるといったような認識になってくるわけでありまして、自己情報のコントロール権について、これについては欠くことのできない基本的人権であるという立場から、今後住基ネットの対応についてもこうしたことを念頭に置きながら考えてまいりたい、そう考えているわけであります。

 それから、住民票コードの通知票が世帯単位で今回送られているわけですけれども、区民一人ひとりに送付すべきだと考えているけれどもどうかという御質問がございました。住民票コードにつきましては、現在の住基法によりますと、その世帯に属している方は、その世帯に属している住民票コードを閲覧することができる、そういう仕組みになっております。そうしたことから、この住民票コードについては、世帯の中で共有している、世帯の中で共通に知り合っているということが前提になっている、そういう仕組みであると理解しております。そういう中にありまして、たとえ個々に通知したとしても、知りたいと思った世帯員はその世帯に属する住民票をコード付きでとることによって知ることができるという状況でありますので、コード通知票を一人ひとり、個人別に送付するということの実益はない。また世帯単位で送るといったようなことにも一定の根拠はある、そう私は考えているものでございます。

 その他の御質問につきまして、保健福祉部長、また区民部長の方からお答えいたします。

    〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私から、地域自立生活支援についての幾つかの質問にお答えいたします。

 まず、江古田の森福祉施設についての方針案についての御質問でございました。私どもが地域に出まして、江古田の森への整備方針案、これについて説明をいたしてきました。この中で、私どもが説明の中で言いましたのは、江古田の森につくる施設だけを説明したために、全体の施設体系がわからなかった、これについては新たな話し合いの場を設けたいということをお話ししました。これをお話ししましたのは、江古田の森につくる入所施設、これだけではなくて、それに伴って地域自立ができるような住宅系の施設、こういったものも必要であると、こういうことについては全体の体系が見えない中で、江古田に全部をつくるということについての議論は十分できないということから、私どもは反省し、そのようなお話をいたしたところでございます。また、江古田につくる入所施設でございますけれども、私どもが新たな施設運営ということで、これからの障害者施設につきましては、障害者が地域に戻れるような施設運営を行っていくものであると、中間的な機能を持つものであるということでお話ししました。このことにつきましては、10年6月に厚生省令、これは法改正に伴いまして、身体障害者療護施設等の運営につきまして省令が出ましたけれども、この中ではこういった地域に戻るということから、居住、居宅に近い環境の中で地域や家庭を重視した運営を行うこと、また身体障害者居宅生活支援事業者等との密接な連携をとってそういった地域に戻るような運営を行うこと、こういうような指針が示されたところでございます。私どもはそういう形で運営を、ここに入れる施設については考えているということでございます。しかし、これは老人保健施設でも問題になっておりますけれども、次にみずからが住む場所がなければ、帰る場所がなければ絵にかいたもちになってしまうということになるわけでございます。このために、その受け皿として重度の障害者が地域における自立生活を助長するためのグループホーム等については整備する必要があると考えてございます。こういったことにつきましては、地域意見交換会等で出された意見をもとにしまして、現在方針案の検討をしているところでございます。

 また、グループホームについて、今回の推進計画の中できちんと打ち出してほしいということでございます。今言いましたように、高齢者や障害者の多くの方は今回のアンケート調査の中でも住みなれた地域でいつまでも自立した生活が送れる、こういったことを希望してございます。こういう中で、地域での自立生活を支援する基本として、在宅サービスの充実、また地域自立支援の基盤としてのグループホーム、こういった生活の場の確保について考えているところでございます。また、国の障害者計画でも、こういった整備計画をつくるに当たっては数値目標を明確にするようにということが出されております。今回の計画の中で具体的な整備目標等について設定していきたいということで検討しているところでございます。

 次に、障害者みずからが選択するということで、そういった支援するための生活支援センター、これは地域の拠点として早急に整備すべきではないかという御意見でございました。先ほども高倉議員の御質問にもお答えしましたように、障害者がいつでも相談でき、24時間緊急時に必要な対応ができる、こういった相談支援体制の整備が必要と考えてございます。こうした機能を持つ自立生活支援センターの早期の整備を考えているところでございます。区で行っております地域自立生活支援センターというのは、こういったことで言いますと、24時間型での限界があるということから、佐藤議員が御意見として言っておりました民間、または社会福祉法人等の力をかりながらこういった体制をつくっていきたいと考えております。

 次に、障害者の就労支援についての御質問でございました。現在いろいろな形で社会の経済環境が非常に悪くなっているということから、企業の経営悪化、こういったことからリストラが進んでおりまして、障害者もこの影響を受けていると、就労が非常にしにくい状況になっているということを認識してございます。こういう中で、障害者自身も働く場をやはり持たなければ自立したことにならない、これは佐藤議員と同じ考え方でございます。そういう中で、障害者の就労をどのように支えていくのかということでございますけれども、そういったことを考えていく、または検討していく場を調査または発掘していく、こういった役割につきましては、私どもは障害者福祉事業団、こういったところが一翼を担うべきではないかということで期待してございます。こういう中で、障害者のニーズを踏まえて、障害者福祉の充実と推進に貢献できるような事業団として、自主的で自立した活動が行えるよう、そんな法人になるように検討、支援をしているところでございます。この中では、理事会での話し合い、事務局と我々との論議、こういったことをやってございますけれども、さらに現状に合わせて、または条件に合わせてさまざまな検討の場面をつくりながら、法人化に対する支援をしていきたいというふうに考えてございます。

     〔区民部長鈴木勝明登壇〕

○区民部長(鈴木勝明) 住民基本台帳ネットワークシステムの中で2点についてお答えいたします。

 1点は、不正ログ、移動ログのチェック体制はどのようになっているのかという質問がございました。中野区で不正なデータ改ざんやシステムの障害対応に備えて、異動ログについては記録を残し、7年間保存してございます。ただ、先ほどお話にございました茨木市のような形で毎日チェックするというだけの量といいますか、非常に膨大な量がございます。そこで、中野区では、異動入力をした際に必ず入力内容が書面になって出てくると。それを第三者、別の人間がチェックすると、そういう形で不正のチェックといいますか、間違いのチェックをしております。

 それからもう1点、大量閲覧に歯どめをかけるべきではないかという御質問がございました。大量閲覧については、全国の自治体で構成しています全国戸籍事務協議会から国に対して、プライバシー保護の観点から、公共目的に限るように制度改正をすべきだと、こういう要望をしております。また、杉並区の例がございましたけれども、中野区でも大量閲覧を抑制する意味で、閲覧方法や手数料の設定について工夫をしております。先ほど1件150円というお話がございましたが、中野区の場合は、30分1,000円という形で、たくさん利用すれば時間が長くなる。その分は料金をいただきますという、そういう形での抑制をしております。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○20番(佐藤ひろこ) 伝えていなかったのか、それとも聞き忘れたのかあれですけれども、職員との議論というところは今後きちんとどうされていくのかということをお伺いいたします。

 それから、江古田の森での施設に関してですけれども、江古田の森は、要するに次に地域に出していく施設を別に地域の中にグループホームを展開するんだ、ずっと区はおっしゃっていますけれども、どうしてそういう仕分けをしちゃうのか、江古田の森の施設の中になぜそういった通所で通えるものを併設できないのか。やはりこれからの時代を見据えていくと、そういったことをせめて併設するという提案を区の方からそういった民間の法人等に向けて発信すべきであると思いますけれども、その辺はいかがお考えなのか。

 それから、もう一つお聞きしているんですけれども、お答えの中で明確じゃなかったんですが、その理念の部分です。東京都の福祉プランのことでも御説明したように、中野区が施設から在宅、それから利用者の自立の方向性を目指した福祉サービスに変えていくんだということの理念の出し方が明確じゃないんじゃないかと思います。それをもう少し明確にしていくための検討をぜひもう一工夫していただきたいと思うんですけれども、その辺についてのお答えがちょっとなかったか、弱かったかと思うんですが、いかがお考えなのかお伺いします。

 それから、就労支援のところですけれども、いつもニコニコ事業団を、これからちゃんとしていきますということで、かなりずるずる来ている状態です。明確にいつまでにきちっと、いろんな議論があります。いろんな議論を含めてちゃんとそれぞれのあり方のメリット、デメリットを含めてきちっと議論していくということを明確に打ち出していただくときじゃないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 職員との議論ということについてどう考えているかということでの再質問でございました。私は、区長になってから区民の皆さんと対話をするということ、あわせて多くの職員と対話をして、職員が持っている区民の声、現場でのさまざまなニーズ、そして職員がそこで蓄えてきた知恵、そういったようなことをこれからの区政運営の中で生かしていきたいというようなことで、それぞれの職場での職員との話し合い、あるいは夜、自由な時間になってからの自由に集まってもらっての話し合い、またさまざまな形で職員との話し合いをするということをやってきているところでございます。これからもそうした職員と直接話し合うこと、また施策提案、政策提案といったようなことを職員からも求めていく、また直接基本構想の策定に関連して職員がプロジェクトチームをつくって参加していく、職員参加をしていく、そうしたさまざまなチャンネルを通じて職員と議論をしながら、中野区の活性化、新しい区政をつくるということについて、職員と一緒にやっていきたいというふうに考えているところでございます。

    〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 江古田の森につくらないというお答えはしてございません。現在意見をもらったものを地域で、意見交換会等でもらった意見について方針案について検討しているということでお答えしたところでございます。

 また、改革の理念でございますけれども、今回の素案の中では、私どもではうたったつもりですけれども、十分ではないということでございますので、今後もこの素案をもとに意見交換をしていくわけですけれども、そういった意見を踏まえながら、はっきりわかる区の考え方を示していきたいというふうに思ってございます。

 また、障害者福祉事業団の法人化についてですけれども、先ほど言いましたように、法人になるための幾つかの課題について話し合いをしていくわけですけれども、やはり今言われますように、いつまでも話し合いではないとは考えてございます。ニコニコ事業団の理事会からもそういった提案をされてございますので、やはりある程度の期限を切りながら、検討の場面を多くしていきたいというふうに考えてございます。

○議長(斉藤金造) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後4時03分休憩

 

      午後4時24分開議

○副議長(飯島きんいち) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

中野区議会議員 藤 本 やすたみ

 1 区民憲章の制定について

 2 校庭整備について

  (1)芝生の校庭について

  (2)その他

 3 その他

 

○副議長(飯島きんいち) 藤本やすたみ議員。

     〔藤本やすたみ議員登壇〕

○39番(藤本やすたみ) 平成14年第3回定例会に当たりまして、民主クラブを代表して質問させていただきます。本来質問する予定はなかったんですけれども、11日の住基ネットの切断という事態が起こりまして、やはり何かしら質問する必要が生じてくるのではないかということで質問を出しておきました。この問題につきましては、もうさまざまに会派の各議員の方々、それぞれ意見を述べておりますし、私も全員協議会の中で意見を述べさせていただきましたので、質問という形ではなくして、やはり住基ネットの接続あるいは切断ということに関してはそれぞれ考え方、あるいは評価というものはあると思いますけれども、やはりこの問題はその対応というか、切断について本当に対議会との関係において、やはり区長が所信表明の中で、区民の信託にこたえるため、区議会との密接な連携のもと区政運営に全力を傾注したいと考えているということで、情報提供あるいは説明責任、そういったことを非常に大切に考えておられるということを述べられておりましたし、私自身もこの民主制度において議会の果たす役割というものは大変極めて大きいものがあり、まさに住民参加の最たるものであると思っております。そこで、住民を代表する議員で構成された議会における議論こそ最も重要なことではないか、そういった点で、それが今回の住基ネットの切断に関しては完全に欠落していたということでは、やはり切断ということで、対議会との信頼関係あるいは職員の方もやはり一様に驚いておりましたし、対職員との信頼関係あるいは区民とのそういった信頼、そういったものもやはり一方では大きく損ねてしまったのではないかということが考えられると思いますし、その点につきましては、区長も大変反省し、またおわびをしておられるということで、十分に留意して今後の区政運営に当たっていただきたいと思っております。

 それでは、質問に入りたいと思っております。

 まず第1に区民憲章、いわゆる市民憲章の制定についてということで質問させていただきます。まちづくり、そして都市計画を非常に熱心に研究されてきた私の知人、その方は長く中野に住んでいた方でありますけれども、その方から1冊の本が送られてまいりました。日本の市民憲章という本であります。その方とはかつてまちづくりや都市計画、あるいはそれに関連して市民憲章について語り合ったことがありますけれども、ようやくこういう形で一つの本をまとめましたということで送ってこられました。そこには、日本のまちづくりにおける市民憲章の意義というものが書かれておりまして、非常に詳しく日本の都市におけるそうした市民憲章というものをすべて資料としてつけ加えている大変貴重な本だと思っております。私たちはよく地方都市を視察に参りますけれども、その際に庁舎の前とか、そういったところでよくそこの都市の市民憲章を目にすることがあります。その都市やまちがどのようなまちづくりを目標としているか、非常にわかりやすい言葉で書かれてあります。大体5カ条とか、6カ条、大変に簡潔な形で書かれております。平成4年(1992年)に都市計画法の改定が行われて、市民が都市のマスタープランづくりに参画し得ることになりました。そこで、市民の市民による市民のためのまちづくりということが私たちも強く意識するようになりましたし、中野区もそういった意味ではかなり長い年月をかけて地域での議論を踏まえ、多くの区民の参加を得て都市計画マスタープランが平成13年3月策定されました。しかし、実際にプランはできましたけれども、区民の間に中野区が何を目標に、どのようなまちづくりをしていこうとしているのかというのはまだ余り明確に意識はされていないというのが実情ではないかと思っております。

 この市民憲章は、恐らく皆さん方も目にしていると思いますけれども、大変親しみやすい、また温かい日本語で簡潔に書かれております。そして、当然大人の市民を対象にしながら、しかし一方で小学生や中学生にも理解できるような表現でこの市民憲章は書かれてあります。ということで、表現が大変平易で、また簡潔であるといったことによって、この市民憲章というのはややもすると過少評価されてきたきらいがあるのではないか、この新しい時代を迎えた今日、まちづくりにおける市民憲章の持つ意味というのは大きな意味があるのではないかということで、この著者はその可能性を改めて評価すべきではないかと述べているわけであります。そこで、日本の市民憲章について、やはりこの本の中に書かれてあるんですけれども、平成14年、ことしの3月15日現在23区を含めて695の都市があるんですけれども、どれだけの市民憲章が制定されているかというと、615の都市において市民憲章あるいは区民憲章が制定されています。すなわち9割を超える都市が制定しているわけであります。23区においては6区ということで、他の都市に比べるとその比率は低いんですけれども、ここにやはり23区の持つ特性もあらわれているのかなという感じがします。我がまち、我が郷土という、そういう意識がなかなかこの都会の中に住んでいて持てないという、そういうものも市民憲章あるいは区民憲章の制定の比率の中にあらわれているのかと思います。

 今、大変議論にもなっておりますけれども、中野区は基本構想の改定作業に取り組もうとしております。23区の中でもかなり多くの区が既に改定しておりますし、まだ改定していない区というのはわずかの区で、今策定している区もあります。そういった意味では、時代の大きな変化に対応して基本構想を改定していくということは必要なことでもあろうと思っています。しかし、実際にはこの基本構想あるいは総合計画、区の都市計画マスタープラン等、さまざまな計画がありますけれども、区民の中にそれがどれだけ意識付けられているか、本当に自分たちのまちがどういうものを目標にしているかというのはなかなか日常生活の中では意識付けられていないのではないかと思っております。そういった意味では、中野区が目指すまちづくりや生活の目標というものを区民の中に意識していただく、区民が参加していく、そういった意味で区民憲章というものを制定するのは意味のあることではないかと考えております。そういった意味で、このたび基本構想の改定作業というか、策定作業に取り組まれるということでございますので、ぜひそういった区民憲章といったこともぜひ検討していただきたいと思いますので、区の御見解をお伺いしたいと思っています。

 続きまして、2番目の校庭整備の問題についてお尋ねしたいと思います。特に芝生の校庭ということで書いておりますけれども、先日、川上議員とともに杉並区の和泉小学校を視察してまいりました。以前にこの杉並の小学校で芝生の校庭ができたということでテレビ放映されておりまして、このふわふわとした緑の芝生の上で子どもたちが素足でとても楽しそうに遊んでいる姿が放映され、大変印象的でありました。一度訪ねてみようと思っておりましたけれども、なかなかその機会がなくて、夏休みが過ぎましたので、2学期に入ったら訪ねてみようということで先日伺ってまいりました。杉並区では、杉並区21世紀ビジョン、まさに基本構想なんですけれども、その中で、区の将来像を「区民が創る『みどりの都市』杉並」という中で、平成13年度から基本計画、実施計画ということで校庭の緑化を計画しております。そこで、校庭整備の芝生ということで、2校芝生にしませんかということで、十数校が手を挙げたそうですけれども、そのうち2校が校庭の芝生化に取り組むということになりました。大体費用的には約3,300万円の経費がかかるということで、国庫補助金が3分の1出ますので、その費用でこの芝生の校庭が実現できるということで、これは和泉小学校の方がかかった経費でありますけれども、校長先生からさまざまお話を伺ってまいりましたけれども、大変に参考になりました。

 まず第一に、やはり成功したのはすべての教職員が賛成してくれた。これが大変に緑の芝生の校庭をつくるのには大変大きな力になったということを述べております。そしてまた、学校、保護者、地域が一体となってこの和泉小学校の緑化に対するさまざまな活動を行うための組織として、和泉グリーンプロジェクトというのが、ある意味では自然発生的にできてきたということでございます。そして、校庭の整備がたしか10月から始まって、ことしの3月に実現したんですけれども、校庭整備はただ校庭ができるのを待っていたのではなくて、すべての児童あるいは教職員あるいは地域の人々がこの校庭整備にかかわり合いを持ってきた、そういう和泉グリーンプロジェクトをつくったということがやはり大変すばらしいことではなかったかと思っております。また、各教室では、1年生から6年生まで、この芝生の種から芽、そして芝生になる、プランターの中でそういう芝生を育てて、一緒に校庭の芝生が育っていくのを見守ってきたということで、校庭づくりに先生も保護者も子どもたちも大きなかかわり合いを持ってきたということで、芝生も、現在サッカーが盛んですのでそういう、鹿島アントラーズのサッカー場と同じような、大変いい芝生を3種類植えて、夏枯れとか、あるいは冬枯れとかそういったこともなく、常に緑の芝生の上で子どもか遊べるような、そういう整備をして、心がけているということでございました。

 それで、この完成した芝生開きの日が3月なんですけれども、ちょうどそのとき児童、生徒がやはり「和泉の芝生かかわり3か条」というのをこの芝生開きの会でつくっております。御紹介したいと思いますけれども、芝生と友達になろうということで、1、和泉の芝生は友達だ、大事に優しくふれあおう。2、芝生と仲よくするために、芝生の上でたくさん遊ぼう。3、芝生はみんなの宝物、心を込めて世話をしよう。これを子どもたちが自分たちで相談をしてつくり上げた芝生とのかかわり合いの3か条ということでございます。現在でもずっと、つくられてから校庭の芝生の手入れ、これはつくることよりも維持管理の方がなかなか大変でありまして、芝生の手入れについては、やはり生徒と先生、あるいは地域の方々が協力して芝刈りをしているということでございます。この芝生の芝刈りについて、あるいは芝生の校庭についての感想文がたくさんあるんですけれども、1、2御紹介させていただきますと、2年生の子どもの感想文なんですけれども、「1本1本がわたしたちと同じいのちをもっているんだからちいさな芝生だって大切にします」、「刈った芝生はまるで美容院に行ってかみのけを切ってもらった人のようだ。これからも1本1本やさしく育てようと思います」。こういった感想文というか、すべての児童がそのような気持ちの中でこの芝生の校庭と接しているということがよくあらわれていると思っております。

 この和泉小学校は、恐らくそういったことで多くの教育委員会の視察も来ていますし、地域の児童民生委員の方もやはり地域の学校ということで芝生の見学をしておりますが、15名の児童委員の方が来られて、感想文を15名すべての方が寄せられているという、その一つだけちょっと御紹介したいと思っております。「和泉小学校を見学し、人間が自然をこわしている現代生活の中、子供達が素足で跳びはねて遊べることは素晴らしいことです。財政の問題、地域との関わり、大変なこともあるでしょうが、自然の中で勉強が出来、芝生の1本1本の成長、命を感じとり、今日の社会生活では最高だと思います」。そのような感想文を寄せております。こういう形で今杉並は、これからも校庭の緑化計画というか、芝生の校庭をつくっていく計画を持っています。それぞれの学校がそれぞれの方法で、どういう形でというのは自由になっていると思いますけれども、選択の中で取り組んでいかれるということであります。

 ちょうど私も最初の選挙のときに、当時中野の小学校の校庭はほとんどアスファルトで固められていましたので、土の校庭にすべきではないかということを訴えて、議会の最初の演説では緑と土の校庭を実現すべきではないかということを提言させていただきました。その趣旨は今と同じように、子どもたちが伸び伸びと遊べる校庭、そしてまた都会の中で失われつつある自然を子どもたちの広場である校庭に取り戻すことが必要なのではないか。そのような趣旨で提言させていただきました。そして、当時教育委員会、それから文教委員会も熱心にこの提言を取り上げていただきまして、荒川区の小学校であるとか、あるいはお隣の杉並の小学校の校庭も視察に行ってまいりました。杉並は当時もうすべて土の校庭、いわゆるダストの校庭でありまして、ちょうど当時視察に行った小学校が和泉小学校だということで、ある意味ではちょっと偶然だったんですけれども、今芝生の校庭に生まれ変わっているということで、いずれにしても大変に維持管理というのは大変なんですけれども、しかしかえってその芝生の校庭をつくる中で地域が一体となって地域の中の学校、あるいは子どもたちも本当に自分たちの校庭を自分たち自身がつくっていく、だから大切にしようという、そういう意識が生まれてきているということで、大変すばらしいことではないかというふうに感じてまいりました。

 今、中野区は大変な財政難に陥っておりまして、なかなか校庭整備の問題に取り組むだけの余裕はないと思いますけれども、これから校舎の改築とか、あるいは校庭整備についてもこの芝生の校庭というのをやはり選択肢の一つとして考えて検討していいのではないかと思っておりますので、ぜひその御見解をお伺いしたいと思っております。

 今、東京都でもこの都市化の中での温暖化、あるいはビルの屋上の緑化等、いわゆるヒートアイランド化に対する対策も熱心に取り組んでいるわけでありますけれども、まずこういった子どもたちの広場の中でそういうことを実現していったらいいのではないかというふうに感じております。また、これについてのお答えはいいんですけれども、校庭だけではなくして、小さな子どもたちが遊ぶ保育園の園庭などにもこれはふさわしいのではないかなという感じを持っておりますので、その辺も御検討していただければと思っております。

 3番目に、その他の項で1点お尋ねしたいと思います。前回の質問のときにも、地域課題ということで、上鷺宮の足の確保ということでコミュニティーバスの質問をさせていただきました。また、野方駅北口の改札口の問題、これも本当に20年、30年という長い間の課題でありますので、また区の取り組み方についての御見解をお伺いし、そういった問題にも真剣に取り組んでいただけるという御答弁をいただきましたが、一つやはりこれも地域の課題であります、いわゆる水害対策でございますけれども、環七地下の貯水池の妙正寺川の立坑が先日完成いたしまして、これからシールドトンネルを掘っていくということで、工事の説明会が7月2日に行われました。あいにく私は出席することができなかったんですけれども、聞くところによりますと、説明会では、この妙正寺川の立坑のところに取水口がないという説明があったそうでありまして、出席されていた方々にとっては、これは驚きというか、そんなことはないと、当然妙正寺川の取水口は設けるべきだと、そういう説明を受けてきたと、従来立坑を掘るときにそういう説明を受けてきたのに、今の段階で取水口がない、あくまでもこれは神田川の貯水池であるというような説明がされていたので、かつての説明会と違うのではないかという意見が大分出たそうでございます。それについて、東京都も検討されるという御答弁はされていたようにもお聞きしておりますけれども、私も地元でありますので、記憶をたどって説明会にも当時出ておりましたし、この資料をもらいまして、都市計画決定のときにも、私も都市計画決定が平成2年、この第2期工事の都市計画がそういったことで、平成5年に事業承認というようなことで、その段階でも地域説明会が行われたという記憶がありまして、行政の方にもいろいろお尋ねしたんですけれども、ちょっとはっきりした返事がなかったので、私なりにちょっと都市計画決定の審議会の記録を調べたり、また区議会事務局の方に、大変忙しい中、たしかこのころだと思うんだけれどもということで、その資料を探していただきました。大分年月がたっていますけれども、見つけていただきました。

 それで、これは平成9年10月31日に野方の地域センターで説明会が開催されております。それで、そのことに先立って、平成9年10月22日の建設委員会で、この第2期工事概要についてということで説明をしている資料を見つけ出していただくことができました。この説明の資料の中には、第2期事業概要について発進の立坑に関しては1カ所、妙正寺川完成後、すなわちシールドトンネルが完成した後には妙正寺川から取水施設になるということが明確に書かれてありまして、図面にも落とされておりました。2番目には、妙正寺川発進立坑概要ということで、この立坑は野方五丁目から杉並区梅里一丁目に至る地下調節池を築造するための発進基地になるが、最終的には妙正寺川から取水施設として計画されているということが明確にこの資料にも書かれてあります。そういったことで、地域にも当然そういう説明がされたわけであります。この妙正寺川の立坑のところには、当時もバス通りでありまして、家がかなり、床屋さんもあった、電気屋さんもあったと思いますし、お医者さんもあったように思います。かなりの家が立ち退きを迫られて、しかし地域の水害対策に役立つならばということで、恐らく最終的には御理解をいただいたんだと思うんですけれども、この妙正寺川のいわゆる溢水対策に役立つということで地域の方々は理解していたわけでありますが、今回の説明はそれとかなり食い違った説明をされているということであります。

 今の東京の大都市における、あるいは東京における降雨の状況というのは大変、先ほどのヒートアイランド化と同じように、大変局地的な集中豪雨というのがあります。ですから、南の方で雨が局地的に降っていても北の方では降っていない、あるいは北部の方で降っていても南部ではそれほどでもないという状況があります。とすれば、これはよく大雨のときに防災センター等に行って、そういうものを見てもそういった傾向というのが非常に出ておりますし、最近でもやはり局地的な豪雨が出ると妙正寺川は本当に水面すれすれというか、川面すれすれまで水があふれる、あるいは溢水するということもありましたし、やはりそういったときに当然ながら妙正寺川方面でこの溢水、水害が出るというおそれのときには当然取水口を設けていって、やはりそれを活用すべきではないかというふうに思っております。

 かつては、もう何回も妙正寺川もあふれて、今でもやはり妙正寺川の川沿いに住んでいる人々は、大雨が降るとやはりなかなか眠れないという、そういう夜というか、そういう日を過ごしているわけであります。やはり区民が安心して暮らせるまちづくりというのは、区政の最重要課題の一つであると思います。そういった点では、本当に地域の区民に行政が当然そういう説明をしてきたということもありますし、また区民の安全というものを守っていくという意味でも、中野区としては区民の立場に立って東京都に妙正寺川の立坑のところに取水口を設置していくということを強く要望していくべきではないかと思っております。既にそういった形の中で地域からも要望が出ておりますので、取り組んでおられるかもしれませんけれども、再度そういったことを強く申し入れて、本当に区民がやはり安心して暮らせるようなまちづくりのためにぜひ頑張っていただきたいと思いますので、その区の取り組みについて御見解をお伺いしたいと思っております。

 以上で私の質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 私からは、区民憲章の制定についてということでお答え申し上げます。区民の幅広い参加を得て、区と区民が共通に目指すことのできる10年後の中野の姿を具体的に示すというのを基本構想で定めていきたいということでございます。その区民共通の目標というような意味において、みんなが唱えられる--唱えるという言い方はおかしいかもわかりませんけれども、みんなが認識することができる、わかりやすい言葉で、数カ条で表現されている自分たちのまちの望むべき姿、そういったようなものが区民憲章として制定されているといったようなことは、意義のあることだというふうに思っています。あることだけではなくて、その区民憲章をどういう形の言葉を選んでつくっていくかという議論の中からも、私たちの中野区に対する思いを確かめ合ったり、またお互いの願いといったようなものを確認し合ったりといったようなことができるかと思っています。そういう意味で、区民のまちに対する愛情を醸成したり、まちづくりへの参加意欲を喚起するといったようなこと、効果が考えられると思っております。そういう意味で、区民憲章ということについても、基本構想改定の検討を進めていく中で一緒に考えられることができないかということで検討してまいりたいと思っております。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 私の方からは、妙正寺川の治水対策についてお答えいたします。東京都の環七地下河川構想では、神田川など10河川の洪水を地下河川に合流させるということになっておりまして、妙正寺川からの取水も計画されております。しかしながら、御指摘のとおり現在工事中の環七地下調節池、これは第2期工事でございますけれども、この完成時点においては神田川と善福寺川からのみの洪水を取水することとされておりまして、妙正寺川からの取水について、区民からの強い要望がございます。区といたしましても、今後とも妙正寺川からの取水が早期に実現するよう東京都に強く要望してまいります。

  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、芝生の校庭についてのお尋ねにお答えさせていただきます。杉並区で校庭の芝生化を二つの学校で試行的に取り組んでいるということは承知してございます。校庭の芝生化につきましては、今、議員からるる御紹介もありましたが、自然に触れ合うことによるさまざまな教育効果などはもとより、ヒートアイランド現象の緩和であるとか、あるいは砂ぼこりを抑える効果なども期待できるところでございます。その一方で、維持管理の問題でありますとか、あるいはグラウンドの使用方法に制約が出るというような問題もございまして、これらは解決が必要だというふうに考えているところでございます。財政上の制約などもありまして、直ちにというわけにはまいりませんけれども、今後校庭の整備を実施する時期には整備手法の一つとしてぜひ検討していきたいと、そう考えているところでございます。

○副議長(飯島きんいち) 以上で藤本やすたみ議員の質問は終わります。

 

中野区議会議員 吉 原   宏

 1 区長の基本構想策定について

 2 支援費制度について

 3 マイクロバス又はコミュニティバスについて

 4 放置自転車について

 5 その他

 

○副議長(飯島きんいち) 次に、吉原宏議員。

      〔吉原宏議員登壇〕

○1番(吉原宏) それでは、一般質問を初めさせていただきます。

 通告の1番の区長の基本構想策定に関しましては、ほかの方々からも質問がございましたし、今定例会の総務委員会で質疑が醸し出される予定でございますので、今回は割愛させていただきまして、2番の支援費制度から質問させていただきます。

 支援費制度について、2003年度から実施が予定されている支援費制度とはどのようなものであるか、区民にわかりやすく説明してください。また、制度開始までのプロセスと進捗状況もあわせてお願いいたします。聞くところによりますと、事業の指定を受けようとする事業者が少ないというよりも、ほとんどないといった状況であると聞いております。区はこの状況と現状をどのように分析し、対応策を考えているのか答えてください。参加事業者が少なく、利用者に不都合が生じる場合も考えられます。このような場合には、どのように対処するつもりなのかもあわせてお願いいたします。

 支援費制度は、来年度より制度が開始されます。しかしながら、制度そのものに参加する民間事業者が少ない、その結果、利用者に不都合が生じることになりますと、社会福祉協議会や福祉サービス事業団といった公的セクターがやむを得ず事業者となり、利用者に不都合が生じないように事業展開をしていくしかないと考えますが、区はどのように考えているのかをお答えください。

 次に、マイクロバス及びコミュニティーバスについての質問でございます。この質問に関しましては、昨年の一般質問でも取り上げて回答をいただいておりますが、別の角度から質問いたします。

 中野区の財政的問題、民間バス会社、警察の協力等、いろいろな問題で現状では実現不可能とのことであります。それならば、区民の要望が強い以上、幹線道路を通らないで、住宅地を通り、駅から駅を結ぶ、例えば練馬区の富士見台駅と野方駅または鷺宮駅を結ぶような新路線を中野区で企画提案を民間バス会社に行い、中野区もできる限りその運行に協力するという形をとれないものかどうかと思うわけでありますが、区の所見を伺うものであります。ほんの少しでも新路線の開拓が将来へのステップになると考えておりますが、答弁をお願いいたします。

 次に放置自転車であります。ことしの1定の総括質疑でも取り上げましたが、依然としてますます区民の悲痛の叫びが強くなっていく一方でありますので、再度質問いたします。先日、インターネットで放置自転車という項目で調べてみましたら、物すごい情報量の多さにびっくりいたしました。数々の自治体の放置自転車撤去に関することや啓発など、また放置自転車に苦しむ一市民の苦悩まで、さまざまであります。あるホームページには、「放置された自転車は、シルバー人材センターなどから派遣されてきたおじいさんたちが整とんしている。あんなに丁寧に並べなくてもと思うが、そうしないと場所をとるから仕方がない。そのおじいさんたちは、『置かないでください』と言うのだが、悪態をつきながら置いていくやつもいる。このような連中のために税金が使われているのである。善良なる人たちは、金を払って有料駐輪場を定期利用しているというのに」とあり、また、あるホームページには、「自転車放置禁止などと書くので無視して放置していくのであって、そのかわり『不要自転車・捨て場』と書いた看板を1メートルおきに置くとよいだろう。そこに、金のこぎりを置いておいて『どうぞお1人様1台に限り自由に不要自転車をお持ち帰りください』と書いておくと効果的だろう。この話をインターネットのNews Groupfj.1ivingでしたところ、既に武蔵野市のある駅前で実施したそうである。ここでは放置自転車が皆無になったとの話を教えてくれる人があった。ただ、本当に不要の自転車をたくさん野積みにされ、だれも持っていかなくなったら市が処理に困るのではないかなどの反応もあった」というのもありました。その他にもいろいろありましたが、本当に大勢の人々が困り果てている様子がうかがえます。

 中野区では、今年度の緊急雇用対策経費を含んだ放置自転車対策経費は約1億8,000万円であり、これに携わる人件費は約1億円であります。つまり予算額約1億8,000万円プラス人件費約1億円の合計約2億8,000万円が放置自転車警告、撤去、移送、保管等の総額になります。この人件費約1億円の内訳は、職員12名プラス再雇用運転手1名イコール13名であり、単純な比較はできないが、中野区より撤去台数が多い練馬区や杉並区よりも職員数に関しては多いのが現状であります。これは、中野区の場合、撤去、移送作業に関しましては民間業者に委託しているけれども、これらの現場に立ち会ったり、指示を出したり、一部作業を行っているのが区職員だからであります。23区のほとんどの区は、立ち会う区職員数にばらつきはあっても、同様の方法をとっているわけでありますが、全く立ち会いのない放置自転車の完全民間委託を足立区、葛飾区、品川区が既に実施しており、かなりの成果を上げていると聞き及んでおります。そこで、放置自転車の完全民間委託はどのような有効性があるか御答弁ください。そして、中野区もできれば早急に具体的な放置自転車問題解消手段として、放置自転車の完全民間委託を実施することが、当面区民にとっても最も有効な解決手段と考えますが、区の所見をお伺いいたします。区民はドラマチックな、思い切った放置自転車の撤去を心から望んでおるわけでございます。ぜひともよろしくお願いいたします。

 最後、その他の項目でありますが、住基ネットの件でちょっと質問いたします。8月16日にこの住民票コードの手紙が送られてきたわけです。それで、この住民票コードの通知表には、裏に「通知された住民票コードは今後行政機関への届け出、申請の際に求められることがありますので大切に保管してください」とあるわけです。それで、この住基ネットというものを理解している方、そうでない方も、こういう区から田中大輔区長の名前で大きな判こを押して、こういうものを送ってくるとなりますと、やはり通常ですと印鑑証明とか、実印とか、健康保険証とか、そういう非常に大事なものと一緒にたんすの奥にしまい込まれてしまうといいますか、あと金庫の中とか、そういう状況にしまわれてしまうものだと思うんですね。うちの親だってもう大変だと思います。いざ地震とか火事のときにすぐ持って逃げられるように袋の中にしまいこんでいると思うんですよ。今現在はやはりそういう形で皆さんがこれを大切に家の中にお持ちでいらっしゃると思います。

 そこでなんですが、区長が先日住基ネットを切断なさいました。この切断した後もこのコードは有効なのか、持ち続けていいのか、それとももう必要ない、破棄するものなのか、それとも区長は法的整備さえ納得すれば先々つなぐ意向があるということですので、この次つなぐときまで持っていた方がいいものなのか、その辺が区民の方々もやはりよくわからないんじゃないかなという感じがやはりするんです。それで、先々この住民票コードが変わるんじゃないかと。例えばこれは破棄していいものということになったとき、先々またつないだときにまた新しく送られると。そのときと住民票コードの番号が違うんじゃないかとか、そういう話が今区民の間でちょっと出ているようでございまして、これからいろいろ区民の間ではいろいろどうなっちゃっているんだろう、どうしたらいいんだろうという話が出てくるんじゃないかなと思います。その辺のことを事後処理といいますか、どうしたらいいのか、どのようにこれを扱ったらいいのかということを御答弁いただきたくお願いします。

 それで、やはりもしこれが使えないということになってきますと、1回こうやって手紙を出しているわけですね。8月16日に来たものなんですが、記者会見を区長がなさって、新聞に出ました。それで、恐らくテレビにも出たと思います。中野区報が9月15日号に出ているんですけれども、これをもらった区民の方々が全部それを見ているとは限らないわけですね。やはり敏感な方は、あ、区長が切断した、じゃあこれはもう要らないものなんだということでバシッと破って捨てちゃっている方もいると思いますし、なかなか普通の方々はそこまでやはりわからないと思ってずっとしまっていると思うんですが、やはり再度出した方々には、不要なら不要、捨ててくださいなら捨ててください、その通知をもう1回全員に出さなければいけないと思います。その辺のところをどのように、事後処理を考えていらっしゃるか、御答弁をいただきたく思います。

 それで、もう1点なんですが、この住民票コードと一緒に入ってきました住民基本台帳ネットワークシステムの御案内、あるわけです。面はすごく有効性なことがすごくいっぱい書いてあるわけです。先々いろいろなサービスがある。すごくこの住基ネットというのは大変すばらしいものなんですよというメリットの部分、住民票の写しの交付が全国どこからでも、住民基本台帳カードで新たなサービス、住民基本台帳カードで引っ越しの手続の簡素化、これを見た方々は住基ネット、いろいろ世間で騒いでいるけれども、まんざらじゃないものなのね、いいものなのねという感じでイメージを受けていると思います。それで、後ろが「住民基本台帳ネットワークシステムでは、個人情報の保護に次のような対策を講じております」と、箇条書きであるわけですね。制度・法令面の対策、技術面の対策、運用面の対策といっぱいあるわけですね。それで、ある程度、いろいろ騒がれているけれども、個人情報の保護に次のような対策を講じておりますと。メリットの部分、大丈夫、安心ですよという手紙になっているわけです。

 だから、区民の方々はこれが送られてきた時点で、ああ、なかなかいいものなんじゃないかなというイメージになっているわけなんですが、この辺、そういう状況の中で区長は、今回切断された理由の一つにセキュリティーに不安が残ると言っておられたんですが、もしそういうあれだったら、この中に、とは言いながらも、今ひとつセキュリティーに不安が残るので、もしかしたら万が一切断するかもしれませんが、区民の皆さん、あらかじめ御了承くださいとか、そういうことがあってもいいんじゃないかなという感じがするんですね。そういう面で、これを送った時点ではすばらしいことだらけなんですよ、本当に。悪いことが一つも書いていないわけですから。その辺、いろいろ区民の方々も、場合によってはなぜ切っちゃったのという話も出てくるとは思うんですが、私たちもこの書類はどうしたらいいのと聞かれないとも限らないので、とっておくべきなのか、もういいんですよと言ってしまうべきなのか、その辺を区民にわかりやすく御説明いただきたく思います。

 質疑は以上でございます。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) まず、もう送ってしまったコード番号、これからどうなるのかということでございます。今、住基ネットの個人情報の安全確保策が十分であると、確信が持てない状況で切断しているわけでございますが、改めて接続するといったようなことも当然予想されるわけでございますので、住基コードについてはこれからも大切に保管しておいていただくということが必要であると思っています。そうしたことについて、9月15日号の区報におきまして、切断の経過、理由等についてお知らせしたところでございますが、これからも窓口を設けて説明に努めておりますけれども、今後もさまざまな機会を通じて区民の皆さんの御理解を求めてまいりたい、こう考えている次第でございます。

 それから、切断を想定していたのであれば、コード通知表を送付する際にもそういうことをあらかじめお知らせしておくべきではなかったかといったようなお尋ねでございます。個人情報の保護対策についてもお知らせの中に同封したことは、ただいま詳しく御紹介していただいたとおりであります。8月18日号の区報では、国に対して安全確保の策、つまり個人情報の保護対策の実態について国に照会したということを区報の中でもお知らせいたしておりまして、その中で安全が確認できない場合にはということで適切な措置を講じることを説明しているところでございます。コード通知表を送付した時点で切断するということを必ずも想定していたわけではございませんで、個人情報の安全確保策をきちんと講じなければいけないということについて、その段階では強調しているわけでございます。そして、その安全確保策について区として責任を持つ立場から、国に対して照会を行ったといったことでございまして、引き続き区民の御理解をいただくようにあらゆる機会を通じまして、御説明に努めてまいりたい、そのように考えております。

 支援費制度について、またバスの運用、それから放置自転車についてはそれぞれ所管の部長の方からお答え申し上げます。

    〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、支援費制度についてお答えさせていただきます。支援費制度を区民にわかりやすくということでございます。この支援費制度は、これまでサービスについては区が措置ということで決めておりました。この制度が導入されることによりまして、障害者がみずからのサービスを決めていくという自己決定というものを尊重しまして、障害者みずからが事業者を選定し、選択して、事業者と対等な関係で契約を結び、サービスを利用する仕組みということでございます。

 また、この支援費制度のプロセス、または準備状況ということでございます。来年の4月1日からこの制度はスタートするわけでございます。それにあわせまして、この10月から支給申請の受付を開始いたします。また、4月までに支援費の基準であるとか、利用者負担、こういったことを通告するということにしてございます。また、準備状況ですけれども、利用者の周知、また円滑な実施に向けた職員の研修、体制の整備、相談体制などの充実、こういったことに取り組んでおります。しかし、まだ支援費の基準などについて十分示されていない事項もございますので、今年4月実施に向けまして支障のないような取り組みを行っていきたいと考えてございます。

 また、支援費制度に伴う事業者の参入についての御質問でございます。これまでも障害者ホームヘルプサービス事業者、また介護保険の訪問ヘルプサービス事業者等に集まっていただきまして、意見交換会を開催するなど、参入を働きかけてまいりました。しかし、この支援費制度のもとで事業者に支払われる利用者負担や支援費の基準等につきまして、これまで国が単価等を明確にしてこなかったということから、採算性をはかりかねて指定を受けようとする事業者がこれまでは少なかったのではないかと考えてございます。この12日に全国支援費制度担当課長会が国によって開催されまして、この支援費の利用者負担基準について仮単価が示されました。今後、これらを参考にして事業者の参入が期待されると思ってございます。しかし、利用者に不都合が生じることのないよう、今後も事業者に対して積極的に参入を促していきたいというふうに思ってございます。また、社会福祉協議会や福祉サービス事業者に対しては、支援費の事業の実施に向けて、こういった事業者になるべく協議をしているところでございます。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 私の方からは、マイクロバスまたはコミュニティーバス及び放置自転車2点についてお答えさせていただきます。

 コミュニティーバスの運行につきましては、区とバス事業者が相互に協力して対応していくことが重要であろうかと考えているところでございます。現在、バス事業者に対しまして、具体的なルートでの運行の実現の可能性について検討を依頼しているところでございます。

 次に、放置自転車でございますが、1点目の他区で行われている民間委託にかかわって、何か問題点は、有効性はということでございますけれども、中野区の場合は、放置自転車対策に職員を活用しているということでございまして、職員が区民の苦情などにきめ細かな対応を行っているところでございます。

 撤去作業を全面的に民間委託いたしまして、これに区の職員が立ち会っていないという区も御指摘のとおり数区あるわけでございますけれども、効率的な事業運営を行っており、特段の問題は生じていないというようなことを聞いております。そうした中で、全面的な民間委託をということでございますけれども、自転車対策につきましては、これまでも一部民間委託、例えば撤去自転車のトラック移送などで民間委託をしているわけでございますけれども、今後も事業の効率的執行という観点から民間委託を拡大する方向で検討していきたいと思っております。

○副議長(飯島きんいち) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(飯島きんいち) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、9月24日、特に時間を繰り上げて、午前11時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後5時19分延会