1.平成28年(2016年)9月12日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎
21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる
29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男
31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦
都市政策推進室長 奈 良 浩 二 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行
地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山 俊 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸
保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞
都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一
経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 古 本 正 士
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 大 野 貴 子 書 記 細 川 道 明
書 記 井 田 裕 之 書 記 富士縄 篤
書 記 田 中 寛 書 記 遠 藤 良 太
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大
書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成28年(2016年)9月12日午後1時開議)
日程第1 認定第1号 平成27年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開議
○副議長(白井ひでふみ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
9月9日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 市 川 みのる
1 区立体育館移転について
2 狭あい道路の無電柱化について
3 分煙の取り組みについて
4 中野5丁目の都市基盤整備について
5 その他
○副議長(白井ひでふみ) 最初に、市川みのる議員。
〔市川みのる議員登壇〕
○35番(市川みのる) 第3回定例会で一般質問をする機会をいただきました、自由民主党の市川みのるでございます。
質問通告書には、1番、区立体育館の移転について、2番、狭あい道路の無電柱化について、3番、分煙の取り組みについて、4番、中野5丁目の都市基盤整備についてとありますが、その他の項も含めまして、4番、5番は、今回は割愛させていただきます。したがいまして、区立体育館の移転、狭あい道路の無電柱化、それから分煙の取り組み、この3点について質問をさせていただきます。なお、中野五丁目の都市基盤整備等については、次回の定例会で、できましたらば私道の舗装助成等の問題とあわせて質問をまたさせていただくと思いますが、その際にはよろしくお願いいたします。
それでは、まず初めに、区立体育館の移転について伺います。
8月に行われました中野区議会区役所及び体育館整備調査特別委員会と、区議会総務・厚生・建設委員会において平和の森公園再整備基本設計(案)、それの中間のまとめが報告されました。この中間のまとめによりますと、新体育館については、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催前に開設をするために、より早期の整備が可能となる実施設計・施行一括発注方式を採用することとし、平成29年度に設計・施行に着手をし、平成31年度までに開設をするスケジュールとなっております。一方で、同じ8月に行われました中野区議会同特別委員会と同常任委員会、特に総務委員会におきましては、新しい区役所整備基本計画(案)が報告されました。この計画案は、現在中野体育館がある地域を含む計画地において新しい区役所を整備するものでありまして、平成29年度に設計に着手をして、平成31年度に建設工事を開始して、平成33年度に竣工するスケジュールとなっております。
これら二つの報告を見ますと、新しい区役所の建設工事の開始と新体育館の開設が同じ平成31年度に予定されておりますが、それぞれの時期についてはまだ明確にされておりません。新しい区役所の整備に伴う現在の中野体育館の解体の時期によっては、体育館の閉鎖期間が生じ、区内の中央体育館、いわゆる中野区立体育館が不在になるという状況が発生することが心配されます。本定例会の初日に我が会派の内川和久議員が、体育館の解体時期を延期すべきであるとの一般質問を行いました。区長からは、新しい区役所の着工と現体育館の解体について時期の調整が必要であり、現体育館の閉鎖期間の短縮も考慮に入れ、工程調整を行っていきたいとの答弁がありました。
中野体育館は、現在の中野区における区民スポーツの中心的な拠点であり、年間で延べ30万人を超える多くの区民が利用している体育館であります。また、区民スポーツ大会も盛んに行われており、区内スポーツ団体の活動拠点としての役割も大変大きなものがあります。閉鎖期間が発生した場合、区民スポーツ大会が一定の期間中、開催できなくなり、区内スポーツ団体のチーム数や登録者数、登録団体数、大会の参加者数等々が減ってしまうことが先々見込まれます。小・中学校の再編が進み、スポーツの練習に使える学校体育館も地域資源の一つとして貴重な存在でありますが、これも既に減少している中で、中野体育館が一定期間閉鎖することによって、区民のスポーツ活動を停滞させてしまうことが懸念されます。
そこで、改めて伺います。解体時期を延長することにより、閉鎖期間をゼロにすることも含まれるのではないかと考えます。現在の中野体育館は、新体育館が整備されてから解体することとし、閉鎖期間をなくすべきではないかと考えますが、区の見解をお聞かせ願いたいと思います。
また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催前に新体育館を整備する意義の一つとして、海外の選手団の事前キャンプや練習場などとして活用することが挙げられております。平成28年第1回定例会におきまして、我が会派の幹事長の大内しんご議員が、事前キャンプの誘致に向けたアピールの必要性について一般質問を行いました。区長からの答弁は、「事前キャンプや練習場の誘致等を実現するために個別の国との調整を行うなど、さまざまな可能性を追求していきたいと考えております」との答弁でありました。オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたスポーツの普及啓発、国際理解の推進といった今後の中野のレガシーの形成のためにも、海外選手団が新体育館を活用することになれば大変喜ばしいことだと考えております。
そこで伺います。海外選手団が新体育館を活用することとなった場合に、区としてどのようなメリットが期待できるのか、区の見解をお聞かせください。
また、新体育館を事前キャンプ等に活用することとなった場合に、その期間は海外選手団が専用で使用することとなり、一般の区民が利用できなくなってしまうのではないでしょうか。事前キャンプ等の誘致が実現すれば、それはそれで大変喜ばしいことだと思いますけれども、区の中央体育館としての、一般の区民や区内のスポーツ団体がそれによって使えない期間が生じることについては、新しい区役所の整備スケジュールも含めて慎重な検討が求められるのではないかと思います。
そこで伺います。事前キャンプ等を誘致できた場合、どの程度の期間、新体育館を使用することになるのか。また、その期間までは現在の中野体育館を残すなど、一般区民の利用と事前キャンプ等の誘致を両立させることを検討すべきではないのか、区の見解を聞かせてください。お願いいたします。
この項の質問はこれで終わりです。
続きまして、狭あい道路の無電柱化についての質問をします。
初日の一般質問で、公明党の平山英明議員のほうから無電柱化についての質問がありましたが、私のほうからはさらに掘り下げて、狭あい道路の無電柱化の実現に向けた取り組みについて、これはかねてより我が会派のいでい良輔議員をはじめ、数多くの議員が無電柱化については質問をしておりますが、これについて、引き続いて実現化についての質問ということで今回はさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
東京都は、平成24年1月に首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、東京の最大の弱点である山手線外周部に広がる木造住宅密集地域の改善を一段と加速させるため、木密地域不燃化10年プロジェクトを策定しました。このプロジェクトは、平成32年度、すなわち2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の年までに、東京を高度な防災都市の実現に向け、安全な都市とするための期間限定の事業であります。具体的には、延焼遮断効果の高い都市計画道路を特定整備路線に位置付け、また、特に震災時に危険性の高い地区を不燃化特区に指定し、都の財源を集中的かつ効果的に投入して、都と区が協力し合い、燃え広がらない、燃えないまちづくりを強力に推し進めていく事業であります。
これまで当自民党議員団、私ども議員団の多くの同僚議員も、先ほど述べたように無電柱化については数多くの質問をしておりますが、特に木密地域内の狭あい道路の無電柱化、これは重要な施策の一つと考えております。先般、東京都が実施した総合防災訓練の場においても、そのような無電柱化の必要性、これがいざ災害のときの危険防止、もちろんこれは都道といった面での、ある一面の見解だと思いますが、緊急車両等の移動に、電柱が倒れたことによってその妨げになるようなことがないような対策を講じたい旨の会見もございました。また、国交省のホームページによりますと、ロンドン、パリ、香港の無電柱化率は100%であるのに対しまして、東京23区は7%、大阪市では5%にすぎないと示されております。また、日本の電柱の総数は、日本中の桜の樹木の総数、約3,500万本より多いという話も聞きます。かなりの数、電柱の数があるということであります。無電柱化は、町並み景観の保護、バリアフリー、災害時の安全確保のために必要と言われますが、木造地域では特に防災まちづくりという視点が重要と考えております。
さて、弥生町三丁目周辺地区では、平成25年6月に東京都から不燃化特区の指定を受け、平成32年度までに不燃領域率70%達成を目標に、災害に強く安全なまちの実現を目指して事業を積極的に進めており、具体的成果も見えてきたと聞いております。これについて質問をさせていただきます。
平成32年度までは、ことしも含め、あと5年ほどしかありません。弥生町の防災まちづくりは、不燃化特区の目標に向け、事業の具体的進捗状況はどうなのかお伺いします。
次に、木密地域における無電柱化についてお伺いします。弥生町のまちづくりでは、本年度、電線地中化検討の予算を計上しております。本年度どのような検討が行われているのか伺います。
東京都は無電柱化推進計画を定めており、その中では都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市計画の創出を目的に、国や区市町村、電線管理者と連携し、無電柱化を積極的に推進することを挙げています。しかし、都道のような広い幅員の幹線道路とは異なり、木造住宅密集地域内の生活道路、幅員の狭い生活道路での無電柱化の実現は、技術的にも関係企業間の複雑な調整が必要であり、また、コスト面においても課題が多いと聞いております。一方で、近年低コストの無電柱化に向け、技術開発も進んできているとの情報も伺っております。防災まちづくりの観点からは、木密地域内の生活道路にこそ無電柱化を実現させ、日常時の歩行空間の確保だけではなく、災害時の避難、また、救援活動に資する具体的対応を行うべきだと考えます。
そこでお伺いします。例えば、弥生町において現在用地買収を進める避難道路1号などについて、不燃化特区というこのタイミング、これを生かして、ぜひ無電柱化モデル路線と指定をして、国や都はもとより、東京電力やNTTなど関係企業の協力を積極的に取りつけ、新しい工法の採用など、斬新で実効性のある無電柱化の施工検討を行ってみてはいかがでしょうか。避難道路1号は、道路拡幅に伴う沿道の建物の建てかえが必要な道路であり、埋設管の移設の調整、各家庭への地中線からの接続対応など、まさに道路工事設計とあわせて協議・調整していくことが可能な路線であります。また、道路用地の買収で生じた残地などを、無電柱化に欠かせない大型トランスの設置場所として活用することも可能だと思います。弥生町で行った無電柱化の事例が、東京23区の木密事業のモデルケースとして波及効果をもたらすよう、強い意気込みで取り組んでほしいと私は思います。
次に、避難道路用地買収に伴う権利者対応についてお伺いします。現在買収を進めている避難道路沿道には、多くの方々がお住まいになっております。用地買収後の生活再建については、特に高齢者にとっては住みなれた地域を離れるかもしれないなど、大変な不安とストレスを抱えているということだと思います。特にひとり住まいの高齢者がアパートを借りている場合、同じ地区内で新たに部屋を探し、保証人の問題も含め、賃貸借契約をすることは非常に困難であります。防災まちづくりは、本来住民の皆さんが住みなれた地域で安全に住み続けられるように、まちを再生していく事業であるはずであります。これまで住んでいた方々を、道路の拡幅等により地区外へ追い出すようなことがあっては本末転倒になります。台東区や荒川区などでは、こうしたアパート等に住む高齢者などが転居により負担が大きくふえることなく、引き続き住み続けられる権利者用賃貸住宅をURなどの協力を得て建設・運営をし、木密事業の推進に大きな効果を上げていると伺っております。中野区では、都営川島町アパート跡地にURが権利者用の代替地整備を進めております。例えば、代替地の一部を活用し、そうした方々が引き続き住み続けられる権利者用共同住宅の建設をURに協力要請してみてはいかがでしょうか、伺います。
いわゆる密集法には、URによる自治体支援の一環としてそうした制度があります。この制度を有効に活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて伺います。
木造住宅密集地域の改善は、単にまちの安全性を高めるだけの事業ではありません。地区の防災性向上にあわせ、まちの魅力を増進させ、住み続けられ、また、ほかから引っ越してきたくなるような防災まちづくりを目指すべきだと考えます。このような観点から、ぜひ狭あい道路の無電柱化、また、賃貸借契約を結ぶ、特に高齢者の生活再建の問題について真摯な回答を求めます。
次に、分煙の取り組みについて伺います。
中野区の喫煙対策については、吸い殻などのポイ捨てのないきれいなまちを目指し、平成11年1月1日に中野区吸い殻、空き缶等の散乱防止に関する条例を施行し、さらに、平成17年4月1日には、歩きたばこのない安心して過ごすことのできるまちを目的とし、条例の一部の改正により、区民等の身体及び安全を確保するため、駅周辺等の人通りの多い場所を路上喫煙禁止地区として指定をして、道路上での喫煙を禁止することができることとし、区内全域の公共の場所では歩きたばこをしないよう努めなければならない旨を定めました。同年7月31日には、中野駅周辺の地域を、中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例第8条第1項の規定に基づき、路上喫煙禁止地区に指定し、道路や歩道での喫煙を禁止し、これまで地域や関係団体等と協力しながら街頭でのキャンペーンや啓発活動を展開してきております。
区は、この路上における喫煙の禁止の効果を効果的に進めるために、中野駅の南口に1カ所、それから、北口に3カ所の計4カ所の喫煙場所を当初設置しました。しかしながら、駅周辺の整備等により南口の喫煙場所は廃止され、現在は1カ所もないのが現在の状況です。また、北口については、駅の改札を出てすぐのロータリーにあった喫煙場所が廃止され、現在は東西連絡通路の下、暫定バスロータリーの脇、そして、中野サンプラザ前の都道歩道上の3カ所となっておりますが、いずれも中野通りを渡らなければ喫煙場所に行くことができない。いわゆる中野駅の北口改札口側から見ますと、中野通りを渡らなければ喫煙場所に行くことができない状況となっております。つまり、中野駅周辺については、路上喫煙を禁止している一方、駅の近くには喫煙場所がない状態になっていると言っても過言ではないと私は思います。
一方、新宿駅や池袋駅など繁華街を抱えるターミナル駅では、駅の周辺に喫煙場所などのインフラが必ず整備されています。いわゆる割れ窓理論ではありませんが、町なかに吸い殻が一つでも落ちていれば、また誰かがポイ捨てを行い、やがて吸い殻がふえていく。その逆に、吸い殻が一つも落ちていなければ、ポイ捨てのないきれいなまちを持続することができる。喫煙場所がなければ、路上等にポイ捨てがふえてしまい、まちの美観を損ねます。ひいては、そのことにより治安の悪化も懸念されます。喫煙場所というインフラを整備すれば、ポイ捨てがなくなるとともに、喫煙者のマナー向上にも寄与します。中野は、新宿や池袋などと比べて来街者はそんなに多くはありませんが、今後まちづくりが進展してくれば、より多くの来街者が訪れます。中野駅周辺に限らず、西武線沿線のまちづくりも進展し、区内全域において来街者が増加していく。そこにはたばこを吸う人も当然に入ってくる。また、2020年の東京オリンピックを4年後に控え、外国からも多くの人が訪れるようになる。このような状況を踏まえ、今後区は喫煙対策としてどのように分煙活動を取り組んでいくのか。そのお考えを伺いたいと思います。
また、千代田区、港区、こういった区では、喫煙場所マップというものを作成し、区が指定している屋外及び屋内の喫煙場所、そして、民間が設置している屋外及び屋内の喫煙場所を地図の中で示しています。まちの中に喫煙できる場所がどこにあるのか、来街者等に周知することは、喫煙者の利便性の向上のみならず、いわゆる受動喫煙防止の観点からも、たばこを吸わない人への配慮もされており、たばこを吸う人も吸わない人もお互いに配慮することのできる、きれいで快適なまちづくりにこのマップが寄与するものだと私は考えます。この際、中野区も喫煙マップなど、このようなものを作成すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
それから、最後に、喫煙者のマナーの向上のために1点伺います。いわゆる携帯灰皿も広い意味で喫煙場所の一つであると私は思います。ポイ捨てを防止するために非常に効果があると考えています。中野たばこ商業協同組合は、喫煙者のマナー向上を目指してさまざまな取り組みを展開しており、区も組合に対して美化活動補助という名目で補助金を支給しておりますが、喫煙場所の設置が進まない現状において、組合が携帯灰皿をより多くの喫煙者に配布することができるよう、現行の補助金を増額すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか、伺います。
以上で、今回の定例会における私の質問は終わらせていただきます。どうぞ真摯な御回答、御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 市川議員の御質問にお答えいたします。
現区立体育館の解体の時期についてであります。解体の時期をおくらせ、閉鎖期間をゼロにするべきではないかと、こういった御質問でありました。中野駅地区や区役所・サンプラザ地区の整備日程の検討状況を踏まえ、現体育館の閉鎖期間を、ゼロも含めてですけれども、できるだけ少なくするということを検討しているところであります。
また、海外選手団の誘致についての御質問がありました。東京オリンピック・パラリンピックの開催前に新体育館を開設することで、事前キャンプ場や練習場など、海外選手団に活用してもらいたいと考えております。事前キャンプ等を誘致した場合、対外的な広報によるシティプロモーション効果が期待できるほか、選手団に対する地域でのおもてなしなどによるコミュニティ意識の醸成や、青少年への教育効果などが期待でき、地域の活性化に大きく貢献するものと考えております。キャンプや練習の期間については、国や地域の考え方、競技の特性などによって異なるものと思いますが、一般的には本大会の1カ月半から1週間前くらいの間に、キャンプ地で合宿を行ってから選手村に移動するケースが多いため、1カ月から2カ月間程度の期間を想定しているところであります。
一般区民のスポーツの活動と事前キャンプの誘致とを両立させることを検討するべきではないかと、こういった御質問であります。新体育館をオリンピック・パラリンピック選手の事前キャンプ地として誘致した場合、この期間における区民スポーツ活動のさまざまな場の確保についても、さまざまな手段、手法を検討してまいります。
狭あい道路の無電柱化についての御質問がありました。そのうちの、まず弥生町の防災まちづくりの進捗状況についてであります。弥生町の防災まちづくりについては、平成25年に不燃化特区の指定を受け、UR都市機構と共同して都営川島町アパート跡地、5,400平方メートルの取得や避難道路3路線の事業着手を行い、うち2路線については用地取得をほぼ終え、道路の仮整備に着手をしております。今後は、跡地への新設公園の整備やUR都市機構による代替地整備、地区計画の導入を進めてまいります。また、権利者主体による行きどまり道路の解消や未接道敷地解消に対する取り組みを予定するなど、目標達成に向け着実に事業を進めていく考えであります。
弥生町まちづくりにおける電線類の地中化、無電柱化の検討についてであります。弥生町のまちづくりでは、木造住宅密集地域における防災まちづくりの観点から、避難道路の無電柱化に向けた制度的課題や技術的対応策について検討を進めております。あわせて、実現に向け東京電力や各通信会社など、関係企業と具体的調整を進めていきたいと考えております。
無電柱化のモデル路線の指定についてであります。無電柱化に関しては、法に基づく事前の路線指定や電力会社及び各通信事業者との十分な協議・調整が必要となってまいります。弥生町まちづくりにおける避難道路においても、区としては関係事業者による新たな技術の導入などを確認し、調整を行い、モデル化も視野に具体化に向けた取り組みをスタートさせたいと考えております。
弥生町において買収を進めております避難道路沿道の方々の、代替用の賃貸住宅建設、これをUR都市機構に働きかけてはいかがかと、こういった御質問でありました。避難道路用地の取得に伴う高齢者等の従前居住者への対応は、既に南台のまちづくり事業住宅を活用しているところであります。しかしながら、今後、弥生町において避難道路1号の用地買収では、共同住宅の居住者など多くの権利者が存するところから、UR都市機構に対して代替地の一部に権利者用賃貸住宅の建設、これを行うよう要請を行っているところであります。
私からは以上です。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 分煙の取り組みについての御質問についてお答えいたします。
まず、区の喫煙対策についての御質問でございます。人が多く集まる駅周辺に喫煙場所を設置することは、喫煙にかかわるトラブルの防止やきれいなまちを実現する上で大切なことと考えております。さらに、今後来街者の増加を見据えた上での喫煙場所の設置といった課題については、十分に認識しているところであり、これからのまちづくりの進展にあわせ、地域や関係団体等の意見を聞きながら必要な対策を講じていく考えでございます。
次に、喫煙マップの作成についての御質問がございました。喫煙場所を示した、いわゆる喫煙マップにつきましては、現在、中野駅周辺路上喫煙禁止地区において、区指定の喫煙場所を区ホームページで周知しているほか、街頭で実施している喫煙マナーアップキャンペーンにおいてもチラシを配布しているところでございます。民間の喫煙場所を含めた喫煙マップの作成につきましては、他区の事例を参考にするなどして検討していきたいと考えております。
次に、中野たばこ商業協同組合に対する補助金の増額についての御質問でございます。中野たばこ商業協同組合に対しましては、現在美化活動補助金として、喫煙者へのマナー啓発用品等の購入に対する補助を行っているところでございます。補助金の増額につきましては、組合が実施しているさまざまな取り組みの効果を検証するなどして検討していきたいと考えております。
○議長(北原ともあき) 以上で、市川みのる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 日 野 たかし
1 子育て支援について
2 健康施策について
3 高齢者支援について
4 災害対策について
5 その他
○副議長(白井ひでふみ) 次に、日野たかし議員。
〔日野たかし議員登壇〕
○3番(日野たかし) 平成28年第3回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、5のその他はありません。
初めに、子育て支援について。
この項の初めに、待機児童解消に向けた保育園誘致について伺います。区は、これまで待機児童解消に向けて、5年間で約1,500名の保育定員の拡充を行ってきましたが、ことし4月の待機児童数は257人となり、年々増加する保育需要に追いつかない状況です。そこで区は、待機児童ゼロに向けて今年度中に保育定員をさらに約1,000人拡大することを決め、賃貸物件型保育所への賃借料に係る補助を拡充し、定員数をふやすことでさらに補助がふえる仕組みをつくりました。当初の予算では、認可保育園5施設、約300名の定員増の予定でしたが、補正予算を計上し、当初予算と合わせて、認可保育園13施設、小規模保育所5施設の誘致を予定しています。現在、保育園誘致に向けての努力をされていることと思いますが、保育定員拡大に向けた現状の進捗状況と今後の保育園誘致の見通しについてお伺いいたします。
次に、保育士確保について伺います。国は、平成29年度末までに約50万人分の保育の受け皿を確保することを掲げ、認可保育園に限らず少人数での保育や企業内の保育所など、保育サービスの多様化を図りながら、1人でも多くの子どもが保育を受けられるよう保育施設の拡大に取り組み始めました。一方で、50万人分の保育の受け皿を確保するためには、国全体として新たに9万人程度の保育人材を確保しなくてはなりません。国は、保育士の処遇改善やキャリアアップの構築を行うなどして、保育人材の確保に取り組み始めましたが、保育人材の確保にはまだ十分な対策が講じられていないのが現状です。全国には、保育士資格を所有しながら保育士として働いていない、いわゆる潜在保育士の数は68万人以上いるとも言われています。保育士不足解消に向けて潜在保育士の掘り起こしも重要な要素になるものと考えます。そのために、まずは区内の潜在保育士を把握するため調査をする必要があると考えます。例えば、中野区がハローワークと共催で行っている保育の就職相談、面接会等の周知の拡大とともに、保育資格所有者の把握を行うことも有効な手段であると考えます。その上で不足する保育士の確保と保育の質の向上を図るために、潜在保育士を対象とした保育士のキャリアアップ研修を導入してはいかがでしょうか、お伺いいたします。
また、不足する保育士の確保と同時に、現在保育園で働いている保育士のさらなる処遇改善を図るため、宿舎借り上げの予算の見直しもするべきと考えます。同制度を導入している他区は、8万2,000円の補助をしている区が多く、中野区は低いという現場の声も伺っています。保育士確保のための宿舎借り上げは、現在5万円まで、また、各園3人までとなっていますが、他区と同等の8万円から8万5,000円程度にし、希望する人が全て使えるような予算措置をするべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、保育事業における給食について伺います。アレルギー疾患を有する子どもは年々増加傾向にあり、認可保育園においても給食のアレルギー対策に取り組んでいる園が多くあります。東京都では、アレルギー児対応として、保育園が給食で提供するアレルギー児対応の給食については、東京都保育サービス推進費補助金を出していますが、アレルギーフリーの給食の場合は対象外となっています。アレルギーフリーの給食は、誤食事故をなくすための効果的な手法ではありますが、それにより給食単価が大変高くなってしまいます。区内の保育園では、こうしたアレルギーフリー対応や専用テーブルや専用トレー、専用食器などを準備し、アレルギーの誤食を防ぐための対応をとっています。アレルギーの誤食を防ぐための専用テーブルや専用トレーなどの備品購入に関して、区で補助をしてはどうでしょうか、お伺いいたします。
一方、全ての食材にアレルギーフリーを提供している園は、補助金が受けられないという状況があります。コストをかけて完全にアレルギーフリーを実施した園に補助がないことは矛盾があります。ここにも同等程度の支援を受けられるようにするべきではないでしょうか、お伺いいたします。
また、家庭的保育事業の給食については、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準において、家庭的保育事業所等の調理設備または調理室を兼ねている他の社会福祉施設等の調理室において調理するとなっておりますが、現状、家庭的保育事業所内に調理設備を設けるのは非常に難しい状況です。経過措置としては5年ありますが、既に2年経過しており、家庭的保育における給食についてはすぐにでも対応が必要と考えます。これに対し、区は積極的に関与していくべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、障害児、発達に支援の必要な乳幼児を受け入れるための基盤強化について伺います。東京都教育委員会は、東京都発達障害教育推進計画を本年2月に策定しました。計画によると、実態調査により幼稚園・保育所等の就学前機関には、約5.1%の発達障害と考えられる幼児が在籍していることがわかりました。発達障害は、早期に発見し、継続的に適切な指導・支援を行うことで、円滑な就学や社会適応につながりやすくなることから、保護者の理解を得やすい早期発見の仕組みや、就学前から学校卒業後までの各段階において指導・支援の情報が円滑に引き継がれ、継続した指導・支援を受けられる仕組みづくりが求められますとのことです。公立・私立、幼稚園・保育園を問わず発達障害児が在籍しており、適切な指導・支援体制が求められています。また、発達障害児とともにさまざまな配慮が必要な児童もふえてきていると聞きます。区として公私を問わず、支援が必要な乳幼児が在籍する幼稚園、保育園、また、受け入れている他の園に対し、サポート体制を強化していくべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
9月4日、中野区療育センターゆめなりあの開所式に出席いたしました。北部地域のアポロ園、南部地域のゆめなりあにより、発達の課題や障害のある子どもたちと家族にとっての支援がより充実されるとの期待が高まっています。これまで保育園・幼稚園にとっては、巡回訪問指導の要請が高いものの、時間や回数が少なく、拡充を求める声が聞かれていました。これまで小規模保育所については巡回訪問の対象外となっていましたが、北部、南部に1園ずつの療育センターがあることで、こうした小規模保育所等も巡回訪問対象とするべきと考えますが、巡回訪問はどの程度拡充されるのかお伺いいたします。
これまで区内全域で巡回訪問指導を行ってきたアポロ園とゆめなりあの連携や情報共有については、十分に行われるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、企業内保育について伺います。28年度の保育対策予算には、事業所内保育など企業主導型の保育所整備・運営の助成金が盛り込まれました。区内においては、今年度より初めて事業所内保育所が1カ所開設され、まだ少ない定員ながら地域枠も確保されました。ふえ続ける待機児童解消に向けて、これからは多様な就労形態に対応する保育サービスの拡充により、仕事と子育ての両立を支援していくことが必要であると考えます。28年度の保育対策関連予算には、企業主導型保育事業運営費助成金、企業主導型保育事業整備費助成金などが盛り込まれており、これから企業内保育事業を始めるところにおいても認可保育園並みに助成が受けられるというメリットもあります。今回の国からの助成では、複数企業による共同利用も可能となっており、こうした制度を利用してさらなる待機児童解消に向けた取り組みを、区も積極的に支援していく必要があると考えます。
そこで伺います。区は、認可が必要な事業所内保育事業とともに、企業主導型保育事業の活用を区内企業、特に中小企業に積極的にPRし、この事業の促進を積極的に図ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。
一方、独自に一から企業内保育を立ち上げることにちゅうちょする企業もあると考えられます。全国を見ると、新たな取り組みとして企業内保育所を事業とする会社が、子どもが過ごせる部屋と業務スペースを備えた空間を整備し、子どものそばで働ける、保育園ではない新しいワーキングスペースを提供する事業が拡大しつつあります。この事業は、企業内保育を行いたい複数の企業を募り、スペースを貸すという形のものであり、この事業を誘致するため自治体が支援するという事例も出てきました。
そこでお伺いいたします。中野区においても、新たな保育事業の受け皿づくりとして、事例のような新たな取り組みを展開している事業者の誘致を進めてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
また、この事業の誘致を図るとともに、待機児童の解消につなげるため、区内在住の勤務者を事業の対象とすることを条件に、事業者への開設経費への助成や開設場所の確保などについて支援を行ってはいかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。
次に、健康施策について。この項では胃がん検診について伺います。
がんを部位別に見た場合、最も罹患者が多いがんは胃がんです。これまで中野区は、胃がんの早期発見・早期治療へと結びつけるため、バリウムによる胃部X線検査を行ってきました。平成25年度からは、胃部X線検査に加え、胃がん予防の観点とリスク評価の観点から、他の自治体に先駆け、新しい検査方法として血液検査による胃がんハイリスク診査を導入してきました。胃がんハイリスク診査とは、ピロリ菌感染の有無と胃粘膜萎縮の程度を測定することで、胃がんの発生リスクをAからDの4群に分類し、そのリスクに応じて検査等を行うことで、より効果的に胃がんの予防や早期発見を図ることができるものです。また、ハイリスク診査により胃がピロリ菌に感染しているとわかった場合、ピロリ菌を除去することにより、将来胃がんになる確率をはるかに下げることができます。このピロリ菌の除去治療は、もともと保険適用対象外でしたが、国において我が党として保険適用を進めてきたものです。そして、保険適用となったことを踏まえ、我が会派として区における胃がん検診にハイリスク診査を導入すべきと強く求めてきた経緯があります。
初めに、区における胃がんハイリスク診査の導入から本年で4年目となりますが、導入の成果が上がっていると聞きます。これまでの実施結果や導入の成果、そして、区としての胃がんハイリスク診査の評価を改めてお伺いいたします。
区は、この胃がんハイリスク診査の受診対象者を、40歳以上75歳までの5歳刻みの年齢としてきましたが、来年、29年度で導入から5年の一区切りの期間を迎えることとなります。そこで、平成30年度からは、胃がんハイリスク診査の対象者を40歳から75歳までの5歳刻みから、40歳以上の未受診者全員を受診対象者として設定を改めるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。また、胃がん予防の観点をさらに重視して、そもそも40歳からの対象年齢の引き下げもあわせて検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
昨年、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討委員会において、市区町村が行う胃がん検診について、これまで40歳以上で推奨としてきた胃部X線検査のほかに、内視鏡検査も推奨するとの提言が取りまとめられました。このガイドラインにより、多くの基礎自治体で胃がん検診に内視鏡検査を導入することについての検討が始まっている状況であり、既に導入を決定した自治体もあります。区は、他の自治体に先駆け、これまで述べたように、胃がん予防の観点から胃がんハイリスク診査を導入してきた経緯があります。胃がん検診に対処療法としての拡充策として、内視鏡検査を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
また、ハイリスク検査の診断結果によっては、内視鏡検査も保険適用となる場合があります。保険適用のある検査との新しい仕組みの検討も必要となってくると考えます。具体的には、検診・検査費用の自己負担額の設定を考慮すべきと考えますが、区はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
胃がん検診において、胃部X線検査と胃がんハイリスク診査、そして、内視鏡検査の三つの検診・検査制度のあり方を検討し、区として平成30年度を新しい胃がん検診のスタートの年とすべく、検討を進めるべきと訴えて、この項の質問を終わります。
次に、高齢者支援について。ここでは介護予防について伺います。
中野区の地域包括ケアシステムを構築するに当たり、地域において他職種連携による総合的なチーム医療、介護の必要性がより重視されるようになりました。各関連団体においても、その流れに合わせた動きが出始めています。区として中野区版地域包括ケアシステムを構築するに当たり、こうした関連団体の協力を得て、福祉サービスの充実を図る必要があると考えます。例えば、昨年5月、厚生労働省は、門前薬局からかかりつけ薬局への転換を推奨し、区内薬局においてもその転換が図られています。かかりつけ薬局は、患者の薬歴を一括管理できることや在宅ケアの対応ができる点など、いわゆる地域包括ケアシステムの一環として期待されています。さらに、かかりつけ薬局の基本的な機能にプラスし、患者さんが気軽に健康相談などができる薬局として、健康サポート薬局を設定されるとも伺いました。地域住民が主体的に健康の維持や増進を行えるよう、相談を幅広く受け付け、必要に応じてかかりつけ医や専門職種、専門機関に紹介することや、健康サポートを具体的に実施することなどが見込まれています。今後、区としてかかりつけ薬局の推進を支援するとともに、健康サポート薬局が設定されることを活用し、健康増進、介護予防など、区の事業で薬剤師が講演など活動しやすいように連携を図ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。
また、身体機能の改善を図ることは、要介護状態になることを防ぎ、さらに、要介護状態から改善を図ることができる、介護予防の最重要課題であります。その改善により介護保険料の抑制にもなり、何よりも本人、家族にとっての励みになります。区の介護予防事業では、身体機能改善の取り組みが行われていますが、その内容と開催数は十分であるとは言えません。例えば、平成26年の区の二次予防事業の対象者数は7,837人ですが、二次予防事業の参加者数は191人であり、国が示している5%の目安には達していません。また、地域バランスとしても、高齢者が通える範囲で事業が行われているか疑問があります。こういった課題を解決するために、関連団体の協力は不可欠と考えます。例えば、柔道整復師は区の地域支援事業に協力し、介護度の改善においても効果を見せていると伺っています。柔道整復師会との懇談会では、短期集中介護予防サービスや高齢者会館などでの講演会などの協力をしていきたいと伺いました。今後、柔道整復師会などの身体機能改善に関する専門士のさらなる活用を検討してみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
これまで我が会派として、緊急通報システムなど、高齢者の見守り体制の充実を区に求めてまいりました。緊急通報システムは、ひとり暮らしなどの高齢者や重度身体障害者の方が地域で安心して暮らすためのシステムです。この制度が、本来推進の窓口と期待される不動産事業者にしっかり認識されていないとの声を伺いました。また、高齢者の民間賃貸住宅住みかえ支援についても、中野区住みかえ支援事業協力不動産店を広く認知していただけるようステッカーを作成しましたが、あまり活用されていないということもありました。このような福祉施策が区民にしっかり行き届かない原因に、所管を超えた情報提供、連携が不足していることも考えられます。こういった横断的な取り組みを推進するために、地域包括ケア推進担当が設置されましたので、ぜひ期待をしたいと思います。
そこで、具体的に伺います。不動産事業者と連携を図り、区の福祉政策、特に区独自の福祉サービスは確実に周知されるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
また、多くの高齢者の方が大家さんや不動産屋を頼り、さまざまな相談をしているとのことです。日常的に接している高齢者の変化にも、とても敏感に対応してくれていると伺っています。地域の見守り・支えあいの強化のため、不動産事業者に認知症サポーター講座を積極的に受講していただくよう推進をしてはいかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。
最後に、防災対策について。
まず、災害時のペット対策について伺います。環境省から提出された災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの中では、同行避難について被災者である飼い主の避難を支援し、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも重要な課題であるとしています。しかしながら、ことし4月に発生した熊本地震においては、原則として同行避難が認められているものの、避難所がいっぱいで受け入れられなかったというケースや、避難所へ同行避難するのをためらい、車中泊をしたり、倒壊の危険がある家にそのまま残るといったケースが見られました。一般社団法人ペットフード協会の調査では、全国で飼育されている犬と猫は、合わせておよそ2,000万頭と推測されています。ペットを飼っている人の中には、ペットも家族の一員という考えも一般的になってきており、避難所でペットによる混乱が起きないようにするためにも、同行避難について明確な取り決めをしておく必要があると考えます。地域防災計画によると、設置される災害対策本部には、区内の同行避難、公衆衛生のための放浪動物の対応を担当する部署が明らかにされていません。担当の部署や、人命救助と優先順位をつけるためのスケジュールなど、区全体のペット対策を策定すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
また、災害時のスムーズな避難所運営を行うため、同行避難、ペット受け入れの手引きを作成するべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
愛犬手帳、愛猫手帳に災害発生時の安全確保について記載がなされましたが、他の動物も含め、災害への備えと発災した際の行動について具体的な内容を示したものを作成し、ペットの飼い主に周知・啓発すべきと考えます。飼い主が掌握しにくい状況なので、区のホームページからダウンロードできるようにするなど、広く簡単に入手できる方法で周知を図ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。
地域防災計画には、水害時の同行避難についての記述がなく、現状、水害時の一時避難場所である区民活動センター等では、ペットの受け入れが想定されていません。水害時の避難所においても同行避難についての対策を検討するべきではないでしょうか、お伺いいたします。
最後に、避難所設備について伺います。区では、災害時において避難所に避難した被災者で、避難所生活を続けることが困難となった高齢者、障害者、被災孤児、児童、乳幼児親子等について、避難所で十分な救援・救護活動が実施できないと認めた場合に、区長の判断により二次避難所を開設するとなっています。つまり、介助が必要な方が被災した場合も、まずは地域で指定された避難所へ避難することになります。しかし、現在全ての一時避難所において、介助が必要な方が使用できる多目的トイレ等の設備が整っているわけではありません。一時避難所として指定されている小・中学校のうち、これから学校再編で改築する校舎については、多目的トイレの整備や災害用備蓄倉庫など、避難所を想定した施設整備についてもしっかり考慮する必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺い、私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 日野議員の御質問にお答えいたします。
子育て支援について。
待機児童解消のための新規私立保育所の誘致状況についての御質問です。補正予算によって追加誘致を進めている認可保育所8施設、小規模認可保育所5施設については、それぞれ半数を超える数の相談を受け付けている状況であります。これをまず保育所整備・開設につなげる調整を進めているところであります。事業者の経営上の理由や保育士確保の課題などもあって、保育所誘致の進捗については楽観を許さない状況にあると認識しております。今後も、来年4月1日における待機児童解消に向け全力を注ぐ考えであります。また、4月以降に開園が可能な物件についても、保育定員拡大の観点から、なるべく早くに開設ができるよう誘致を進めていきたいと考えております。
潜在保育士に対するキャリアアップ研修の導入についてであります。これまでも区では、ハローワークや私立保育園等と連携して、就職相談会や合同就職説明会を実施しており、実績も上っているところでもあります。このほか保育士の確保については、保育園等で働いていない保育士の有資格者、いわゆる潜在保育士といった存在ですね、こうした方々への研修の実施をはじめ、保育士の就労支援を行うなど、より具体的な方法について検討してまいりたいと考えております。
宿舎借り上げ補助の見直しについてであります。宿舎借り上げ補助について、今年度区は、採用5年目までの保育士を対象に、1戸5万円、1事業所3戸までの補助を実施することとしております。このたびの東京都の待機児童解消に向けた緊急対策補正予算案では、東京都独自で対象を採用後6年目以降の職員に拡大することなどが提案されています。こうした事業の活用や今年度の実施状況を踏まえ、補助の拡大も含め検討していきたいと考えております。
保育園のアレルギー食等の対応に対する区の補助についてであります。アレルギー誤食防止のためのテーブルやトレーなどの専用備品の購入については、公定価格の栄養管理加算及び都の保育サービス推進事業補助制度が活用できることから、これらの制度で対応していただきたいと考えております。
また、アレルギーフリー給食についてであります。アレルギーの原因となる食材を使わず調理をする給食を全園児に提供するアレルギーフリーの給食は、個々の保育園の方針によって実施していること、また、中野区内で実施している園が一部であることなどを踏まえ、今後、必要性や経費等について研究を進めてまいります。
家庭的保育事業への給食搬入についてであります。現在、家庭的保育事業への給食搬入については、実施に向けて具体的な給食提供方法等について事業者と調整を行っているところであります。準備が整ったところから順次実施できるよう進めてまいりたいと考えております。
幼稚園・保育園に障害児、発達に支援の必要な乳幼児を受け入れるためのサポート体制の強化について。現在、特別な配慮や支援が必要な乳幼児が在園している幼稚園・保育園に対しては、支援が必要な状態に応じて補助職員の配置のための経費の一部補助を行っております。今後とも公立・私立、幼稚園・保育園を問わず、全ての園において配慮や支援が必要な子どもを受け入れられるよう、特別支援教育の充実や支援体制について検討してまいりたいと考えております。
巡回訪問事業の充実についてであります。ゆめなりあの開設により、アポロ園とはおおむね区の南北を分担して巡回することとなっており、現在の2カ月に1回の訪問から毎月の訪問へと訪問回数をふやすほか、小規模保育事業所等への訪問についても拡充することとしております。アポロ園とゆめなりあの引き継ぎについては、対象園も含めた3者でしっかり行っているほか、今後も両者の情報共有について十分に行われるように努めてまいります。
企業内保育についての御質問がありました。区内企業へのPRについてであります。働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できるとともに、企業が共同で設置すること、あるいは、地域住民の子どもの受け入れが可能であり、かつ認可施設に準じる運営費等の助成などがある企業主導型保育事業については、保育需要の新たな受け皿づくりのための有効な取り組みであると考えております。中小企業の方々にも事業内容について御理解いただけるよう、区内企業や関係団体へのPRと協力依頼を通じ、積極的に周知を図ってまいりたいと考えております。
新しいワーキングスペースの提供事業者の誘致等についてであります。仕事場の内部もしくは隣接した場所で保育を行いながら働くことのできる空間を設けるという考え方は、新しい女性の働き方や企業理念としては理解するところでありますが、保育環境を一定水準に保つ上での条件や基準づくりが難しく、区としては保育サービスの供給手段として位置付けることは、現時点では難しいと考えております。
次に、健康施策について。
胃がんハイリスク診査の実施結果、導入成果、評価についてであります。胃がんハイリスク診査は、毎年度約3万人を対象に受診券を送付し、平成25年度は6,580人、平成26年度は6,696人が受診され、胃がんの方が25年度は10人、26年度は15人発見されており、効果的に実施できていると考えております。胃がんハイリスク診査は、予防という観点から、より若い年齢層からの対応が重要であると考えております。今後、40歳から75歳の未受診者を対象とすることや、対象年齢引き下げについても検討してまいります。
胃がん検診としての内視鏡検査につきましては、制度管理体制や区内の受け入れ可能数等、調査をしているところであります。区といたしましては、胃がんハイリスク診査、内視鏡検査、胃部X線検査を総合的に検討し、自己負担額の設定を含め、効果的な胃がん対策が実施できる体制を構築するよう、さらに検討してまいります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 私からは、災害対策のうち、学校再編で改築する校舎と避難所についてお答えいたします。学校再編に伴う校舎の改築に際しましては、避難所の開設を想定して施設の整備を行っているところでございます。今後とも適切に対応してまいります。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、高齢者支援についての3点の御質問にお答えいたします。
まず、健康サポート薬局、薬剤師との連携強化ということでございました。国が進めている健康サポート薬局は、服薬情報の一元管理などの、いわゆるかかりつけ薬局の機能に加えまして、医療・介護の専門職との連携体制を構築し、健康づくりから予防、介護まで、地域を視野に入れた取り組みを行う薬局と認識してございます。地域包括ケアを推進するための健康サポート薬局の位置付けや薬剤師の役割につきましては、区として十分に検討し、連携を図ってまいりたいと考えてございます。
次に、柔道整復師との連携ということでございました。柔道整復師につきましては、現在でも介護予防事業での協力を得ているほか、地域包括ケアシステムの仕組みづくりについても、地域包括ケア推進会議委員として御意見を伺っているところでございます。地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、柔道整復師に果たしていただく役割につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。
最後に、不動産事業者との情報提供、あるいは、認知症サポートということでの連携という御質問でございました。住まいにつきましては、地域包括ケアシステム構築の一つの柱と考えてございます。地域包括ケア推進会議にも関係団体として御参加をいただいております。今後、不動産事業者への福祉サービス関係情報の提供などについても、庁内連携の強化を図ってまいりたいと思います。また、区内業界関係2団体と連携いたしまして、そこの団体に所属いたします不動産事業者を対象とした、認知症サポーター養成講座の開催を現在予定しているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策についてのうち、ペット対策についてお答えいたします。
まず、災害時のペット対策の策定についての御質問でございます。災害時のペット対策につきましては、都が被災した動物の保護、区が同行避難動物の飼育場所等の確保という役割分担で行うことになっております。災害時のペットの同行避難につきましては、地域防災計画において避難所運営における対応事業として記載しており、災害時には災対地域部の所管となります。また、防疫・保健衛生につきましては、災対保健衛生部生活衛生班の所管となっているところでございます。災害時のペット対策の実施スケジュールにつきましては、今後研究してみたいと考えております。
次に、避難所でのペット受け入れ手引きの作成についての御質問でございます。避難所運営においてペットの飼育場所は確保しておりますが、ペットフードやケージなどの推進につきましては、飼い主が用意し飼育することとしております。ペットの受け入れに関する手引きの作成につきましては、早急に整備するよう検討してまいりたいと考えております。
次に、ペットの災害対策に関する資料の作成と周知についてです。区は、愛犬手帳や愛猫手帳などだけでなく、区報でのペットの災害対策に関する広報をするとともに、総合防災訓練でペットの同行避難を実施するなど、ペットの災害対策について飼い主に周知・啓発を行っているところです。また、犬や猫以外にもさまざまな動物がペットとして飼育されているため、他の動物について災害時にどのような対応を行うべきか取りまとめた上で、飼い主に周知・啓発する体制を整えていく必要があると考えております。
最後に、水害時のペット同行避難についての御質問でございます。水害時における避難者対応は、震災対策計画の規定を準用することとしているため、ペットの対策も震災対策と同様に行うことを想定しております。しかし、水害時の避難所では屋外にペットを保管することが難しいことから、震災時とは異なる対応が必要となるため、水害時のペット同行避難について検討してまいりたいと考えております。
○副議長(白井ひでふみ) 以上で、日野たかし議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時14分休憩
午後2時35分開議
○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ
1 介護施策の充実について
(1)新総合事業について
(2)介護人材確保について
(3)その他
2 西武新宿線連続立体交差事業について
3 地球温暖化対策について
4 区有施設の充実について
(1)学校施設について
(2)公園について
(3)その他
5 その他
○議長(北原ともあき) 羽鳥だいすけ議員。
〔羽鳥だいすけ議員登壇〕
○9番(羽鳥だいすけ) 2016年第3回定例会に当たって、日本共産党議員団の立場から質問を行います。
まず、介護施策の充実について伺います。
初めに、新総合事業への移行についてです。介護保険制度の開始から16年がたちました。中野区で2017年4月から開始する予定の新総合事業の実施は、これまでの介護認定を受けてサービスが必要と判定されれば保険給付が受けられるという制度の原則から、保険給付から要支援を、いわば切り捨てるという介護保険制度始まって以来の大転換です。介護保険制度創設時に厚生労働省老健局長であった堤修三氏は、「団塊の世代にとって介護保険は国家的な詐欺となりつつあるように思えてならない」と厳しく批判しています。同時に、法律による制度改正が求められている中で、中野区には基本的人権を尊重する立場から制度設計をすることが求められています。
新総合事業では、従来要支援とされた人の訪問介護と通所介護、いわゆるホームヘルパーとデイサービスが地域支援事業として自治体に移管されます。厚生労働省が策定した介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインには、サービス単価について、予防給付の単価を上限として市町村が定めるとされています。介護報酬は、2015年度には加算を入れても2%以上削減され、多くの介護事業所の運営は苦境にあえいでいます。これ以上の削減は許されません。ガイドラインによれば、新総合事業による単価設定では現行どおりとすることも可能となっています。23区内では、ことしから新総合事業に移行した渋谷区が、現行相当のサービスについては現行どおりの単価を維持しています。また、国の法改定で総合事業そのものの実施は避けられないとしても、地域の介護の実情から出発し、国のガイドラインをうのみにせず、多様なサービスはあえて急いでつくらず、まずは現在のサービスを維持・確保することを最優先するといった対応をとる自治体もあります。中野区においては、事業者をさらなる困難に追い込む単価引き下げを行わないべきです。答弁を求めます。
また、現行相当のサービスとともに、予防訪問介護や予防通所介護で緩和した基準に基づくサービスが、サービスAとして新たに示されています。現行相当のサービスについては、今ある事業者がみなし指定されますが、サービスAについては、報酬引き下げによる採算見通しの懸念から、参入事業者が十分に確保できないことも予想されます。区は、昨年と今年、緩和基準サービス参入移行アンケートを行っています。昨年のアンケートの「参入意向はあるか」との設問に対して、回収率の問題はありますが、予防訪問介護では36事業所、予防通所介護では18事業所が参入意向ありと答えています。しかし、現在の区内事業者の数と比べても、参入意向は少ないと言わざるを得ません。このようなアンケート結果が示されていますが、区は新総合事業への移行に伴って、サービスを必要とする人に必要なサービスを賄えると考えているのでしょうか、お答えください。
総合事業の各サービスを利用する際には、基本チェックリストによる判定を受けることになります。ガイドラインでは、介護サービスの相談窓口で、担当者は、「明らかに要介護認定が必要な場合は要介護認定等の申請につなぐが、総合事業によるサービスのみ利用する場合は、要介護認定等を省略して、基本チェックリストを用いて事業対象者とし」と、基本チェックリストをまず使うように誘導しています。そして、その場合の窓口担当者も、専門職でなくてもよいとしています。第1回定例会での我が会派の長沢議員による質問に対して、基本チェックリストにつきましては、保健師、社会福祉士等の専門職を配置いたします地域包括支援センターにおいて、高齢者の状況を総合的に勘案しながら活用する介護予防のためのツールとして取り扱うと答弁されていますが、介護保険利用希望者の要介護認定申請を行わせないまま総合事業へと誘導し、被保険者の介護の認定申請権を侵害する事態へのおそれも拭えません。川崎市では、利用者向けパンフレットにおいて、総合事業利用の流れとして、まず「要介護・要支援認定を受けます」とし、認定非該当の人にだけ基本チェックリストによる対象者判定を行うという対応を明記しています。中野区でもまず、要介護・要支援認定を受け付けた上で、非該当の人に基本チェックリストを行わせるといった対応をとるべきと考えますが、区はどのようにするつもりでしょうか、答弁を求めます。
そもそも新総合事業は、国による介護給付の抑制が大きな目的としてあります。予防給付費用では、毎年5から6%と自然増予測がなされていましたが、国は総合事業費の上限を、事業開始前年度の予防給付と介護予防事業の総額に、後期高齢者の人数の伸びを掛けた以下の伸び率しか認めていません。これでは早々に事業費の上限に達してしまい、自治体から事業費を持ち出さなければ、現行相当のサービスの利用抑制やサービスAなど安上がりのサービスへの誘導、単価のさらなる切り下げ、そして、サービスの打ち切りすら起きかねません。このような事態を自治体が迫られるのは、国による現実を見ない上限枠の設定に大きな原因があります。国に対して総合事業費の上限枠撤廃を求めるべきと考えますが、見解をお聞きします。
また、上限が突破しないようにサービスの抑制が強まってしまえば、必要なサービスが受けられず介護度が悪化することや、それによる介護保険財政の支出増大もあり得ます。区民が介護を受ける権利を保障するためにも、介護保険会計への一般会計からの繰り入れや、一般会計による独自事業の実施といった財政支援などの、必要な介護が受けられるための措置が必要と考えますが、見解をお聞きします。
続いて、介護人材確保について伺います。
介護職場では、仕事の大変さに対して給与が低いことなどから、若い人材が集まらないとともに、長く働き続けることも困難となっています。中野区介護事業所連絡会が実施したアンケートによると、区内66事業所からの回答で、年代別のヘルパーの割合は、20代が3%、30代が8%と、わずかな割合の一方で、60代は29%、70代は18%と、約半数にもなります。中には80代でヘルパーをやっている方もおり、若い世代の入職は喫緊の課題です。区は、研修費補助や介護福祉士受験料の助成を行っていますが、利用者数は少なく、介護人材確保困難の解消策とはなっていません。新たな施策展開が必要と考えます。区内事業者からは、人材確保への支援を求める声が上っています。練馬区では、ことし、無料で受けられる訪問型サービス従事者育成研修を募集したところ、50人の定員に対して200人の応募があったそうです。中野区でも同様に講座を実施してみてはいかがでしょうか、答弁を求めます。
また、23区では、文京区が介護現場職員への家賃補助を行っています。江戸川区では介護福祉士奨学金制度を実施し、区内事業所に5年間継続勤務することを条件に、養成施設の学生を対象に年間60万円を支給する事業を行っています。介護職員の人材確保のために、家賃補助や奨学金制度の創設を行うべきと考えますが、見解をお聞きします。
区が行った緩和基準サービスの参入意向アンケートでも、参入しない事業者が、その理由として報酬が低い、余裕がないということを挙げていました。介護事業者の運営や人材確保の困難さについて、区として事業者の実態調査を行うべきではないでしょうか。答弁を求めまして、この項の質問を終わりにします。
続いて、西武新宿線連続立体交差事業についてお尋ねします。
西武新宿線の野方-井荻駅間の連続立体交差化が社会資本総合整備計画に位置付けられ、事業化に向けて一歩前進ということです。踏切渋滞解消のための連続立体交差事業の進展自体は、日本共産党としても求め続けてきたことであり、歓迎したいと思います。
同時に、この立体交差化には大きな視点が抜けていると指摘しなければいけません。歴史を振り返っていけば、初め、西武新宿線の立体交差化は、線路の複々線化と同時に急行線のみ地下に移し行うというものでした。都市計画決定もされ、事業費を捻出するため、1987年から運賃に10円を上乗せされて準備がされてきました。しかし、1995年に西武鉄道は計画の延期を発表し、そのままとなってしまっています。その後2003年には、区民6万9,000人の署名をつけ、区内全線地下化の推進を趣旨とする、中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願が都議会に提出され、翌年には区民、区議会、中野区が一体となり、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟が結成されます。そこでは区内全線地下化が目的としてうたわれ、当時の宣言文にも、踏切による地域の文化や交通を分断しているという課題解決のため、区民、区議会、区の3者が一体となり、区内全線の地下化の早期実現を目指す取り組みが必要と述べています。中野区は、このように区民が踏切渋滞解消のために地下化を求めて運動してきた歴史について、どのような認識をお持ちでしょうか、答弁を求めます。
このような経緯から生まれた期成同盟ですが、近年の大会決議文からは「地下化」の文字も消え、この最初の目的が忘れ去られてしまったかのようにも感じてしまいます。期成同盟の目的である区内全線の地下化を求めるという規約に変更はないのか、改めて確認をいたします。
連続立体交差事業は、中井-野方駅間については現在地下化で事業が進められていますが、野方以西については立体交差化の構造方式も決まらないままでした。そのような中で、中野区は2014年に野方-井荻駅間の連続立体交差化の構造形式の調査検討を発表し、高架案が最適としました。まちづくりの影響なども含めて総合的に判断ということになっていますが、北側側道設置についても東西の交通動線が確保できると触れるだけで、住民の立ち退きについての考慮がされていないのではないかと思います。事業の推進ということで住民の立ち退きが多数発生してしまうとなれば、何のための事業かということにもなってしまいます。比較検討というならば、区民の運動や地域の環境への影響も比較検討の対象項目に入れるべきでした。立体交差事業を地下化で進めるならば、側道の問題も発生しませんし、上部空間の活用も高架案と比べてはるかに柔軟にできます。地下化を求める区民の運動もありました。早期に地下化で連続立体交差事業を進めていくよう、西武鉄道や東京都と協議を進めていくべきではないでしょうか。
以上お尋ねして、この項の質問を終わります。
3番目に、地球温暖化対策について伺います。
2015年の世界平均気温は、100年以上の統計開始以来最も高い値となりました。2016年の世界平均気温は、それをさらに上回る見通しです。地球温暖化の影響は、気温だけでなく、豪雨をはじめとする気候の極端化全般に及びます。世界では、昨年、全ての国が参加する新しい温暖化対策の国際条約であるパリ協定が結ばれ、気温上昇を産業革命前から2度未満に、可能ならば1.5度未満にすることが求められることになりました。先日は、世界最大の温室効果ガスの排出国である中国とアメリカがパリ協定を批准し、温暖化対策は新たな局面に入っていると言えます。
そのような世界の状況にある中、中野区では環境基本計画(第3次)が始まりました。中野区でもCO2排出量の削減のために積極的な施策展開が求められています。環境基本計画における目標では、エネルギー消費量の削減が位置付けられました。2012年度比で2020年度には5.3%、2025年度には15.2%を削減するというものです。なお、CO2排出削減量については、参考指標という記述にとどまり、正式な目標となっていません。基本計画のこの目標は、CO2排出削減割合に当てはめれば、現在の東京都と同じ目標となっており、国よりは高い目標となっています。国よりも高い目標を持つことは評価いたしますが、気温上昇を2度未満に抑えるという目標からすれば、まだ不十分な目標であると言わざるを得ません。パリ協定が目指している、気温上昇を2度未満に抑えるという目標と現在の区の目標との整合性について、中野区の認識を伺います。
地球温暖化対策の中身とは、突き詰めていけば省エネルギー化と低炭素化に集約されていきます。率直に言って、中野区の取り組みは目標に照らして弱いと言わざるを得ません。CO2排出削減の政策として、なかのエコポイントが実施されていますが、ここ数年、CO2を削減してポイント交換を行ったのは年間200世帯前後にとどまり、それによるCO2排出削減量は、昨年度はわずか約10トンにとどまっています。環境基本計画の四つの柱の1番目では、低炭素なまちづくりプロジェクトとなっていて、大事な位置付けはされていますので、あとはその位置付けに見合って施策展開することが求められています。この中では、建物の断熱化促進がうたわれています。建物の断熱化は、エネルギー効率を高めるために非常に重要なものです。施策展開としては、現在なかのエコポイントとかかわっての高断熱建築物の認証制度があり、今ある建築物の省エネ化を後押しするものとなっていますが、申請は年に10数件にとどまっています。中野区には多くの住宅があり、高断熱建築物の普及は、エネルギー消費量を押し下げ、区の目標を達成するにも役立ちます。高断熱建築物への改修・建築への助成を検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
また、この認証制度の対象を広げることも検討すべきかと思います。長野県では、建築主が新築しようとする場合には、建築物の環境エネルギー性能及び再生可能エネルギーの導入について検討することを義務付けています。それによって、建築主が再生可能エネルギーを選択することを促しています。この高断熱建築物認証制度を、より高い環境エネルギー性能を持った建築物を建築した場合や再生可能エネルギーを導入した場合など、制度を発展させてはいかがでしょうか、答弁を求めます。
低炭素化のために家庭でできる施策に、再生可能エネルギーの普及があります。幾ら家庭で電力使用量の削減をしてエネルギー消費量を減らしても、大もとの発電部分でCO2の排出量がふえてしまえば、効果は半減してしまいます。これまでもたびたび指摘、提案してきたことですが、CO2排出量を抜本的に削減していくためには、家庭のエネルギー消費量の大きな部分を占める電力からの排出削減を進めることが非常に効果的です。23区のほとんどの区で太陽光発電設備導入助成を行っています。中野区でも実施するべきではないでしょうか、答弁を求めます。
また、再生可能エネルギーは、太陽光や風力だけではありません。東京都環境基本計画では、再生可能エネルギーの導入拡大という項目の中で、都市型再生可能エネルギー等の利用促進として、地中熱や小水力発電、下水熱利用などを拡大していくと述べています。今回は地中熱の活用について提案を行いたいと思います。
日本全国どこの地面を掘っても、10メートルほどの地下の温度は年間を通して安定しています。この性質を生かしてヒートポンプで熱交換を行い、冷暖房や給湯に活用することができます。環境省が2015年3月に発表した地中熱利用に当たってのガイドライン(改訂版)では、地中熱利用による省エネルギー効果があるとともに、排熱を大気に出さず地中に送り込むため、ヒートアイランド現象の緩和にも役立つことが紹介されています。このように太陽光だけでなく地中熱など、さまざまな種類の再生可能エネルギーを普及させていくことの重要性についての、中野区の認識をお尋ねします。
地中熱利用システムは、導入費用はかかるものの、運用や維持管理に係る費用は大幅に低減されるため、個別住宅では導入への補助があれば、15年ほどで総費用は従来の空気熱源の冷暖房と変わらなくなることが、先ほどの環境省のガイドラインでも紹介されています。ことしの7月、我が会派が視察に赴いた岐阜市でも、補助率3分の1、上限20万円で地中熱ヒートポンプシステムへの設置補助を行っています。また、地中熱利用促進協会の調査によると、地中熱を対象にした補助も全国さまざまな自治体に広がっていることが紹介されています。中野区でも事業者や個別住宅への、地中熱ヒートポンプシステムへの設置補助事業を行うべきではないでしょうか。また、生ごみ処理機や防災用品でやっているように、再生可能エネルギー設備導入を行おうとしている家庭や事業者のためのあっせんを行ったらいかがでしょうか、答弁を求めます。
個々の住宅や事業所への支援も必要と思いますが、地中熱ヒートポンプシステムの導入は、区有施設の更新の際にも検討対象になると思います。先ほども述べましたように、地中熱の活用はエネルギー消費量、ひいてはCO2排出量を削減できるだけでなく、設備更新の長い目で見れば、費用の節減にもなります。基礎杭に沿って熱交換のパイプを設置することで、導入時に費用負担を抑える方法もあります。環境基本計画の四つのプロジェクトには、大規模事業者としての区の環境配慮率先行動プロジェクトも記されており、区の積極的な姿勢が求められているところです。区有施設の建てかえの際に、再生可能エネルギー設備としての地中熱の導入を積極的に進めていくべきではないでしょうか、お尋ねしまして、この項の質問を終わりにします。
続いて、区有施設の拡充についてお尋ねします。
まず、学校施設についてです。中野区の教育費は、普通会計で見てみると、23区内の比較で、2014年度決算は構成比の占める割合では最下位、1人当たりの教育費でも最低レベルです。区立中学校PTA連合会からも、非常階段がさびついていて本当に非常時に使用できるのか、防火扉が勝手に閉まってしまったなど、生徒、職員の命にもかかわる分野にも要望が出されています。ここ数年、学校施設の維持・補修にかかわる決算は、以前よりはふえたとはいえ、年間1億円台にすぎません。区は、設備の改修・改善に当たっては、要望を踏まえて計画的に取り組んでいるとしていますが、毎年先ほどのような深刻な要望が相次いでいるところを見れば、踏まえた上での予算化している計画そのものが少な過ぎるということがあらわれていると思います。区は、こうした声を受けて教育費の拡充に足を踏み出すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
学校施設の改修については、トイレの洋式化や特別教室、体育館の冷房化など、我が会派もこの間、改修計画を明らかにするよう求めてきたところです。区は、毎年何校もの耐震化工事や各種補修工事などを行っています。毎年要望を聞いていき、改修・補修の緊急度を判断して、年度途中に緊急的に実施するものもあるということですから、何カ年にもわたっての改修計画を出すことはやりにくさもあると思います。しかし、そうした改修計画を出すことは、区の施設改修を行うに当たっての基準をしっかりと検証していくことにも役立ちます。学校施設の改修・補修の計画を明らかにするべきではないでしょうか、答弁を求めます。
続いて、公園についてです。
まず、公園・公衆トイレの改修についてお尋ねします。中野区の公衆トイレは115カ所、誰でもトイレは66カ所とふえてきていますが、一方でいまだに和式トイレも数多くあり、使いやすいトイレの実現のためにも改修が求められています。一方で、年間のトイレ改修件数は1から2件とのことです。板橋区では、ことし2月、公園・公衆トイレの適正配置・改修計画を策定しています。この計画の中では、災害と観光という側面から公衆トイレの設置についての方針を定め、公園・公衆トイレの適正配置を行うとしています。新設公園の周辺250メートルの範囲内にトイレがない場合は新設を検討する。老朽度やバリアフリー化率の地域格差を検討して、今後10年間で改修予定とするトイレを選定するなど述べられています。区は、現在も調査を行い、優先度をつけて整備をされていることと思いますが、板橋区のように地域格差なども考慮に入れながら改修計画もつくり、計画的に改修を進めていくべきではないでしょうか、お答えください。
ボール遊びができる公園づくりについて伺います。中野区の公園は小さな公園が多く、ボール遊びは原則的に禁止され、運動場のある大規模公園を除けば、10カ所の公園のみがボール遊びが可能とされているにすぎません。子どもを持つ保護者の方からは、身近にボール遊びができる場所が欲しいとの声が寄せられるとともに、体力テストの結果からも、区内公園でボール遊びが禁止されていることによる影響が出ていると言えるのではないでしょうか。既存の公園利用者との関係もありますが、キャッチボールやボール遊びができるスペースを区内の一定範囲内には配置するような基準をつくり、配置を進めていくことも必要ではないでしょうか。
以上をお尋ねいたしまして、私の全ての質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 羽鳥議員の御質問にお答えいたします。
介護施策の充実について。
総合事業における現行相当サービスの介護報酬についてであります。要支援1、2の方が利用している予防訪問介護や予防通所介護の利用実態を調査した結果、介護報酬で想定されている状態より短時間の利用が多い実態がわかったところです。現行相当サービスの介護報酬の設定については、このような利用実態を踏まえた上で、利用者の状態の改善に対する事業者へのインセンティブ付与など、介護予防の観点からも検討しているところであります。
介護サービスの提供量について、当面は現行の指定事業者がそのまま移行する現行相当サービスが中心になっていくものと想定されるため、サービスの提供量は現在とほぼ同水準が確保されるものと考えております。また、今後も高齢化の進展に伴い、家事援助サービスや短時間のデイサービスなどへのニーズも高まっていくことが想定されることから、緩和基準サービスへの事業者の参入も拡大していくと考えております。したがって、必要な人に必要なサービスが提供できると考えております。
必要な介護サービスの確実な利用についてです。新総合事業では、基本チェックリストを活用することで早期にサービスが利用できること、これを可能とするものであります。また、地域包括支援センターの保健師、社会福祉士等の専門職が高齢者の意向等を総合的に勘案しながら、技術支援のために必要なサービスが確実に利用できるようケアマネジメントしていく考えであります。
介護サービスの財源についてであります。新総合事業の財源の上限管理については、原則として前年度の総合事業費に75歳以上の高齢者数の伸びを勘案して上限が設定されてまいります。新総合事業の適正な実施によりさまざまな主体による多様な介護サービスが提供されれば、上限枠を超える事態は想定されない。また、不測の事態により上限枠を超えることが想定される場合には、区との協議による個別判断が可能であるとされているところであります。このため国に対して上限枠の撤廃を求める考えはありません。これまでも介護保険制度の運営は、介護保険料や公費負担、介護給付費準備基金により適切に運営されてまいりました。したがって、今後も必要な介護サービスは介護保険特別会計の中で安定的に提供していくことができると考えております。一般会計からの繰り入れや独自事業といったようなことについて考えておりません。
介護人材確保と実態調査についてであります。介護人材確保は重大な課題であり、資格取得のための受験費用や研修費用の助成を行っております。介護人材確保に向けた入門的な研修の実施等、さらに検討してまいります。また、介護人材の確保に向けたさまざまな手法については、東京都や他自治体の動向を踏まえ、研究をしてまいります。介護事業所の実態調査については、国が介護報酬改定の翌年度に事業所種別ごとの経営実態調査を行っており、区が独自に調査をする考えはありません。
次に、西武新宿線連続立体交差事業についてであります。期成同盟のこれまでの活動についてということです。期成同盟は、踏切渋滞の解消に向けて西武新宿線の連続立体交差化の早期実現を目指すために、決起大会の開催や、国や東京都、西武鉄道に対する要請活動を実施してきております。これらの活動によって、平成25年4月には中井-野方駅間が事業化され、平成28年3月には野方-井荻駅間が社会資本整備総合計画に位置付けされるなど、西武新宿線の開かずの踏切の解消に大きな役割を果たしてきたと考えているところであります。
構造形式については、開かずの踏切を早期に解消するという観点、また、技術的な視点やまちづくりの視点などを踏まえて、総合的に検討されるべきものと考えております。このため区としても地下化といった特定の構造形式だけではなく、考えられる構造形式ということで区としての検討を行ったところであります。そうした中で、野方の手前から井荻の部分まで高架化をするという案が、さまざまな点から一定の優位性を持っているのではないかといった、区としての見解に至っているところであります。こうした区の考え方も踏まえて、事業主体である東京都においては、地下化、高架化、それぞれのメリット・デメリットについて十分検討した上で、最適の方式が採択されることを区として求めているわけであります。
連立事業の地下化の働きかけを続けていくべきではないかと、こういったことであります。8月23日に開催された西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会において、西武新宿線野方-井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を図ることが、大会決議として全会一致で採択をされております。今後、期成同盟としてこの決議文に基づいて、構造形式に捉われることなく、より早い事業化に向け国などに要請活動を行っていきたい、このように考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 区有施設の充実についての御質問のうち、学校施設についてお答えいたします。教育費に限らず、予算の額の多寡で行政の水準を議論するということは意味のないことだというふうに考えております。今後とも必要な教育予算の確保に努力してまいりたい、このように考えております。
また、学校施設の年次計画の策定と周知についてということです。特別教室の冷房化やトイレの洋式化など、学校施設の改修については年次計画を策定し、明らかにしているところでございます。学校施設改修の年次計画については、今後も議会へ報告するとともに、関係者へ周知をしてまいります。
〔環境部長戸辺眞登壇〕
○環境部長(戸辺眞) 私からは、地球温暖化対策についてのうち、まずパリ協定の目標と区の削減目標との整合についてお答えいたします。国は、世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えるとの目標を前提に、国連気候変動枠組条約第21回締結国会議、いわゆるCOP21に向けて、平成27年7月に温室効果ガスの削減目標を定めたものでございます。東京都におきましても、こうした国の目標を踏まえた上で、平成28年3月に温室効果ガス削減目標とエネルギー消費量の削減目標を設定したものでございます。こうした国及び東京都の動向も踏まえて、第3次中野区環境基本計画において掲げた、区内エネルギーのエネルギー消費量削減目標、また、CO2削減目標につきましても参考指標として掲げているものでございます。それらはパリ協定の、世界の平均気温の上昇2度未満の目標を前提とした削減目標であるというふうに認識しているところでございます。今後、主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新を行うこととしていることから、引き続き国・東京都の動向を注視し、必要な対応を行っていく考えでございます。
続きまして、建築物の断熱化促進と区の助成についての御質問でございます。地球温暖化を防止する上で、建物の断熱化は大変重要と考えており、中野区地球温暖化防止条例における四つの基本的施策の一つとして位置付け、第3次中野区環境基本計画アクションプログラムにおいてもその取り組みを明らかにしているところでございます。こうしたことから、区は独自に高断熱建築物の認証制度を設け、認証プレートの発行やなかのエコポイントの贈呈により推進してきたところでございます。建物断熱化のための新築・改築費用の助成につきましては、一定の条件や、自社ビルや持ち家のみが対象となることから、考えてはございません。今後とも高断熱建築物の認証制度の目的や意義について、建築分野窓口申請時でのチラシ配布のほか、区報や区ホームページ等でさらなる周知に努めてまいります。
次に、区の高断熱建築物認証制度の拡充についての御質問でございます。区の高断熱建築物認証制度は、法令に基づき、現在、一つ、長期優良住宅、二つ目、住宅性能評価を受けた住宅、三つ目、省エネ建築物、四つ目、低炭素建築物の認定を受けた建築物、以上四つについて、申請に基づき高断熱建築物として認証しているものでございます。今後とも高断熱建築物に関する法令改正がございましたら、速やかに対応していく考えでございます。また、区は第3次中野区環境基本計画アクションプログラムにおきまして、なかのエコポイントを活用したHEMS、家庭エネルギー管理システムでございますが、その導入促進や再生可能エネルギーの利用設備、省エネ機器の情報提供を進めることとしてございます。
また、家庭の太陽光発電機設置助成についての御質問もございました。区としては、太陽光発電機器設置そのものへの助成は考えてございません。区では、区内のCO2排出量の約半分を占める家庭の節電や省エネを推進するため、電気や都市ガスの使用料をCO2に換算し、その排出削減量に応じてポイントを付与する、なかのエコポイント制度を実施してございます。これを通じて太陽光発電機器を含む再生可能エネルギー機器や、省エネルギー機器の普及につながるインセンティブづくりを進めているところでございます。国や東京都等の助成制度につきましては、引き続き区ホームページ等により周知を図ってまいります。
また、地中熱についての御質問もございました。地中熱利用など、さまざまな再生可能エネルギーの利用促進についてでございます。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない、すぐれたエネルギーと認識してございます。その普及拡大が強く望まれているところでございます。第3次中野区環境基本計画におきましても、家庭や事業活動の中で再生可能エネルギーの利用を推進するとともに、区としても大規模事業者としてその利用拡大に取り組んでいくこととしてございます。
最後に、地中熱利用を推進するための区の助成やあっせんについての御質問でございます。事業所ビルや住宅への地中熱利用設備費用の助成につきましては、一定条件の自社ビルや持ち家のみが対象となるということから、助成については考えてございません。国や東京都等の助成制度につきましては、区ホームページ等により周知を図るほか、再生可能エネルギー機器等の普及につながる情報提供に努めてまいります。地中熱利用設備設置は、物品のあっせんと異なり、建築条件により設備の規模や価格が大きく変動することから、区としてあっせんすることは難しいと考えているところでございます。
〔経営室長篠原文彦登壇〕
○経営室長(篠原文彦) 区有施設への地中熱利用設備の導入につきましてお答えを申し上げます。地中熱利用設備につきましては、その初期の設備投資が高く、既存設備と比較いたしまして回収が見込めない状況にございます。したがって、現時点での設備の導入は考えておりません。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 区有施設の充実についてのうち、公園についての御質問にお答えいたします。公園・公衆トイレの改修計画についての御質問でございますけども、公園のトイレは本来公園利用者のための施設ですが、地域の住民が外出する際の公衆トイレとして利用されることも考慮し、トイレの設置を検討しているところでございます。また、老朽化したトイレにつきましては、バリアフリー化となるよう計画的に改修を行っております。公衆トイレにつきましては、利用状況を勘案し、今後検討していきたい、そのように考えております。
次に、ボール遊びができる公園の配置についてでございます。現在、ほとんどの公園においてボール遊びなどの禁止事項が多い状態であると言われておりますが、今後、利用者にとって利便性の高い公園の利用方法やルールを検討していく中で、ボール遊びも含め、特色のある公園をふやしていくことにより、公園の持つ機能や魅力を高めていきたいと考えております。
○議長(北原ともあき) 以上で、羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 山 本 たかし
1 子ども・若者を取り巻く環境について
(1)児童相談所設置に向けた準備について
(2)学校給食費について
(3)子ども若者育成支援について
(4)医療的ケアが必要な子どもについて
(5)その他
2 狭あい道路整備事業に伴う電柱移設について
3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、山本たかし議員。
〔山本たかし議員登壇〕
○6番(山本たかし) 平成28年第3回定例会に当たり、民進党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。質問項目は通告のとおりで、その他の項目についてはありません。
1番、子ども・若者を取り巻く環境について。
まず初めに、(1)児童相談所設置に向けた準備についてお伺いいたします。今年度5月に児童福祉法が改正されたことにより、23区の悲願でありました、児童虐待の防止から虐待を受けた子どもの自立支援まで総合的に強化すべく、来年4月より特別区においても単独で児童相談所の設置ができることとなりました。区は、第三中学校と第十中学校の統合新校の校舎改築に伴い、建設予定の複合施設内に(仮称)総合子どもセンターを開設し、児童相談所の設置を4年後に目指すとしておりますが、その準備における現在の状況について何点かお伺いいたします。
今回、特別区がこれまで求めてきた東京都からの一律移管とは異なり、経費負担に係る考え方に影響があると思いますが、区として財政負担への対応についてどのように考えているのかお聞かせください。
次に、児童相談所の専門職人材についてお伺いいたします。児童相談所運営には、多くの専門職員の確保並びに配置、育成が必要になってまいります。区は4年前から、スキルを高めるため職員を年1人ないし2人を都の児童相談所に派遣しておりますが、このペースでは人材の確保には難しい面もあると考えます。経験豊富なスーパーバイザーを含む児童福祉士、児童心理士の確保、児童相談所に係る諸問題に明るい弁護士の配置方法や非行対応など、子ども家庭支援センターでは今まで扱いの少なかった案件への対応など、スキルアップも必要になってまいります。ケースワーカーは精神的に大きな負担を抱える業務でもあり、バーンアウト、いわゆる燃え尽き症候群となり離職される方も多いといった実態が、児童相談所設置の他自治体ではあると伺っております。いずれにしましても、東京都の協力が欠かせないわけであります。専門職人材の確保、配置、育成、そして、メンタル的な継続性について、対策をどのように考えておられるのかお伺いいたします。
続きまして、一時保護施設についてお伺いいたします。先月、我が会派で名古屋市の子ども条例について視察に行ってまいりました。名古屋市では既に児童相談所を設置・運営しておりますが、説明をいただいた担当の方が以前児童相談所に長くおられた方で、その方の経験からすると、一時保護所を児童相談所と離れたところに設置するという考えについては、現場の職員から、カウンセラーからの距離が遠くなることから、子どもへのケアを考えればやめてほしいとの意見があったとおっしゃっておりました。また、特別区へのアンケートの中で、一時保護所を児童相談所と一体で整備する予定が12区、共同設置を予定が9区との結果もあり、一時保護所は児童相談所と一体であるべきと考える意見も多くあります。区では、一時保護所は他自治体との広域で共同設置も視野に検討されているということですが、現在、児童相談所機能の設置を予定している(仮称)総合子どもセンターと一体の整備は行わないとのことですが、できる限り連携を図りやすい位置に環境を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
また、今後の児童相談所における自立支援のあり方についてもお聞きいたします。平成23年度、東京都における児童養護施設等退所者へのアンケート調査報告書によれば、社会的養護出身者の生活保護受給率は、9.5%と非常に高く、社会的養護の不足を感じます。今回、質問に当たりまして何名かの、他自治体の児童相談所の児童福祉士にお話を伺ってまいりました。お話の中で、子どもの自立支援について強く心配、懸念をされておりました。その方の自治体の児童相談所においては、社会的養護施設へと入所される方の中には、障害のグレーゾーンの方もおられたり、心身の不安定さから自ら命を絶ってしまう方などもおられ、担当職員はいかに自殺を防ぐかをまず気にかけることが多いとおっしゃっておりました。現在、東京都には63カ所の児童養護施設があり、中野区内では愛児の家と練馬の石神井学園の受け入れで、計2カ所ありますが、一時保護所と同様に不足している現状があると考えます。児童養護施設の受け入れ枠の不足に対して、児童相談所設置にあわせて、既存の2施設との連携はもちろんのこと、児童養護施設の拡充についてはどうお考えでしょうか、お伺いいたします。
また、児童養護施設は18歳になったら退所しなくてはなりません。その後の社会的養護施設や措置についても不足している現状があります。今回の児童福祉法改正により、現行の20歳までから、就学中に限り22歳まで自立援助ホームにいられるようになりますが、定員数の問題により大学進学者については断る施設もあると伺っております。若者が自立した生活を営めるように、区としても自立援助ホームをふやしていく方法や、世田谷区のように住居支援の形などを行うことが有効だと考えられますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
特別区児童相談所移管モデルでは、特別区が目指す児童相談行政の姿として、地域全体による見守り体制の充実を示されており、区が進めてきた子どもを守る地域ネットワークとして、要保護児童対策地域協議会が要になってくるものと思います。この要保護児童対策地域協議会における、すこやか福祉センター圏域での地区別サポート会議について、地区によって取り組みの温度差があっては、ケース検討などの効果が薄くなることを危惧しております。関係機関との連携が重要な児童相談行政にあって、地区間の取り組みの温度差を生まないようにする対策をどう考えておられるのかお伺いいたします。
最後に、関連して複合施設、(仮称)子ども総合支援センターにおける相談業務について伺います。死別ではなく離婚したひとり親に対して、相手方との養育費等の相談業務については現在いかがでしょうか、お伺いいたします。
平成24年4月1日より民法の一部が改正され、協議離婚の際には子の監護者だけでなく、子どもとの面会交流や養育費についても定めることとされ、その取り決めに当たっては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない旨が明記されました。これを受け、兵庫県明石市では、離婚前の両親に子どもとの面会や養育費の分担などの話し合いを促すきっかけとして、また、意識合わせとして、行政に提出するものではありませんが、子どもの養育に関する合意書をともにつくる離婚前講習をしております。児童相談所としては、虐待と夫婦関係は切り離すべきだと考えておりますが、認知した後、別の部署との連携も考えられると思いますので、ひとり親家庭の困窮率も大変高い中、こうした離婚前講習の取り組みについて考えるべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、学校給食費についてお伺いいたします。
昨年の第4回定例会において質問いたしましたが、学校給食食材費の取扱いについてお伺いいたします。私費会計であった藤沢市では、今年度7月に担当事務職員が給食費を約7,200万円横領していた不正が発覚し、問題となりました。防止策を講じたとのことですが、たとえ複数人によるチェック体制があったとしても、人が管理するものであるがゆえに、共謀や最終チェックを行う管理職が不正を働く可能性は否めません。ことお金に関することについては、性善説に立てば不正の温床となり得ると考えます。この問題の本質は、支払い業務が1人に任されていたからではなく、お金の出入りがあるのに会計監査がなされていなかったということにあると考えております。中野区での不正防止措置として、どのような対応をしているのか伺います。
通常の区民感覚からすれば、監査の対象になっていない行政関係の口座や会計があるなどということは、想像が及ばないのではないでしょうか。公会計化は、債権者・債務者が明確になり、議会において未納・不納欠損者の人数、額の実態が決算で明らかになるなど、区民から見て会計の透明性を確保していくことは、納税意識の観点からもとても大切なことです。有事になったときに検討を始めるのではなく、安定した時期だからこそ公会計化を進め、会計の透明性、法的安定性を確保していくべきです。改めて中野区は公会計を目指すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、(3)子ども若者育成支援についてお伺いいたします。
全ての子ども・若者が健やかに成長し、自立・活躍できる社会を目指すためには、子どもから、それに連なる若者世代までを含めた問題について、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界を迎えており、平成21年に子ども・若者育成支援推進法が制定されました。これを受け東京都は、若年無業者やひきこもりなど、若者の自立をめぐる問題や、児童虐待、いじめ、不登校など、子ども・若者にかかわる問題の深刻化に対応していくため、平成27年8月に子ども・若者計画を策定し、0歳からおおむね30歳未満までを対象とし、施策によっては30歳代のポスト青年期も対象としております。区では、教育委員会の所管は中学校までですが、高校生になっても区民であることに変わりはありません。高校生になってからの不登校、中退もあり、そこからひきこもりやニート、生活保護への連鎖があること、また、ひきこもりの高齢化の傾向も考えられます。また、先週内閣府が発表した2回目の若者の生活に関する調査報告書では、内閣府の若者の定義である40歳以降が調査対象から外れ、抜け落ちました。さらに、追跡データにもなっておらず、ひきこもり層の実態をあらわす調査としては不完全だと感じます。こうした状況は、ひきこもりの高齢化の正確な実態がつかめないばかりでなく、いずれ我々地方自治体の施策効果を判断する際にも影響が及んでくるのではと危惧しております。
1990年代半ばに始まった就職氷河期世代の先頭は40代に突入し、非正規雇用を続けている方々もおり、社会情勢とともに子ども、若者、壮年へと長期にわたる関連性も無視できないと思っております。今年の第1回定例会予算総括質疑において、私は、中野区版子ども・若者計画の策定を提案しましたが、その後確定された区の10か年計画(第3次)において、第2章、未来への扉をひらく八つの戦略にある戦略Ⅳ、生きる力・担う力育成戦略(育つ伸びるなかの)のサブタイトルとして、「誰もが成長し続けるまち」と記載がありますが、若者に対する支援の視点が見えづらく、欠けているのではないかと感じております。生活援護の支援を受けざるを得なくなる前の段階から、ひきこもりやニートに陥る前の段階から、効果的な施策を打っていくためにも調査研究が欠かせません。その若者の能力の発揮を阻んでいる課題を調査するためには、区、都、国の関係機関並びに地域との連携ネットワークが必要だと考えます。現状、行政のエアポケット状態になってしまっている若者の抱える課題をなるべく早く察知し、社会全体で克服し、社会で活躍できる人材へと手助けしていくことが必要だと考えます。
区でも、(仮称)子ども総合支援センターの開設を機に、ひきこもりなど課題のある若者について区内の対象者を把握し、予防を含めて早い時期からアプローチするなど、東京都と連携した取り組みを行っていくことが重要であると考えますが、改めてお伺いいたします。予算総括質疑において、中野区での子ども・若者計画の策定について検討するとの答弁がありましたが、現在の状況をお聞かせください。
また、東京都の計画の中にある子ども・若者支援地域協議会のような、若者に対する支援組織を立ち上げる必要があると考えております。その際、既存の要保護児童対策地域協議会など、既存のネットワークなどの活用も考えられると思いますが、区の見解を伺います。
次に、(4)医療的ケアが必要な子どもについてお伺いいたします。
子ども・子育て支援新制度において、障害や疾病等により集団保育が著しく困難である子どもを対象に、居宅訪問型保育が新設されました。このことは、障害、疾病など社会的な支援の必要性が高い子どもやその家族を含め、子どもの健やかな育ちを等しく保障するためのものであるとの考えから来ております。また、今年度から障害者差別解消法が施行され、区としても障害者に対する合理的配慮並びに理解を進めているところでもあります。そうした中、障害者への理解を進めるためには、3障害を問わず、誰もがハンディキャップを背負って生まれてくることは想像していないこと、自分を含め誰もがあるとき障害を抱えることになる可能性を感じる想像力などが必要です。そこで、障害者への理解を進めるために、現在の小学校からではなく、幼児期での経験が将来にわたって影響が強いと言われる、就学前から行うことで効果があるとの考えがありますが、私も意を同じくするところでございます。また、区内の障害を持つ子どもの親御さんの立場からも、できることなら障害のない子どもたちとともに通わせたいという声があることも伺っております。中野区では、特別な支援が必要な子どもについては、保育園や幼稚園で受け入れられる範囲において保育や教育が行われておりますが、痰の吸引や経管栄養、酸素吸入などの医療的ケアを必要とする子どもについてはいかがでしょうか。
近年の新生児医療の発達により、以前であれば出産直後に亡くなっていたケースであっても助かることが多くなってきました。その結果、医療的ケアを必要とする子どもの数は増加傾向にあり、区内でもニーズが高いものと感じております。医療的ケア児の預け先がなければ、家族が常に付き添うことにもなり、医療依存度が高い子どもを持つ家庭では、9割が6時間未満、かつ睡眠が断続的であるとの調査もあります。睡眠時間が短ければ、身体的にも精神的にも負担が大きいはずです。そこで伺いますが、医療的ケアを必要とする子どもについて受け入れを進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。
また、拠点的な保育所を設けて看護師等を常駐させ、医療的ケアが必要ではあるが集団保育が可能な子どもについては、受け入れ態勢を整備すべきと考えますが、区の見解を伺います。
あわせて、子ども・子育て支援新制度において新しく新設された、障害や疾病等により集団保育が著しく困難である子どもへの居宅訪問型保育事業について、現在中野区での実施状況についてお聞かせください。
障害があってもなくても、医療的ケアが必要でもそうでなくても、全ての子どもたちが生き生きと過ごす場所があり、また、保護者の誰もが笑顔で子育てができる中野区となることの前進を期待して、この項の質問を終わります。
次に、2番、狭あい道路整備事業について伺います。
中野区では、昭和59年から建築基準法42条2項道路に指定されている区域をセットバックし、4メートル道路に拡幅する生活道路拡幅事業、いわゆる狭あい道路整備事業が始まりました。この事業は、建物の建てかえにあわせて建築主にセットバックしていただき、区が無償で道路形態として整備するものですが、区内では狭あい道路整備事業でセットバックにより道路が広がっても、電柱が移設されずに残っている箇所がしばしば見受けられます。その理由として、土地所有権上の問題がなくとも、当該道路沿道住民の理解なしに区の権限だけで一方的に進めることができない状況もあり、また、建築物のセットバック後、電柱主たる東京電力やNTTが建築主や沿道住民と交渉に当たるも、通行車両増加や防犯上の問題を懸念される場合もあり、不調となるケースが多々あります。しかし、こうした電柱の中には、緊急車両の通行の障害となっているものもあり、そうした電柱は優先的に解消する必要があるのではないかと考えます。
これまでの実績として、2項道路の対象路線総延長は、平成27年度時点で延べ約600キロメートル、整備完了件数は約1万3,000件、進捗率は27.1%に達しており、区が一方的に進めることができない事業の中、着実に進んではおります。しかし、今後においてもまだまだ対象となる狭あい道路があり、移設されずに残っていく電柱が増加していくものと予想され、緊急車両の通行の障害となる電柱については解消するべきであると考えますが、区としてどのように対応していくつもりなのでしょうか。見解を伺います。
あわせて、公道にある電柱は、区の占用許可を得て設置されているのですから、緊急車両の通行の障害となる電柱について、現状並びに今後解消していく予定のものについて把握するべきであると考えますが、把握はできているのでしょうか。また、把握していないのであれば、日々道路の安全管理を巡回などで確認している道路監察業務の中で、あわせて確認することで把握することができると考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺いまして、以上で私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山本議員の御質問にお答えいたします。
子ども・若者を取り巻く環境について。
児童相談所設置に向けた準備に関連して、財政負担への対応等についてです。児童福祉法の改正では、平成29年4月の法施行を、5年を目途として中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、その設置に関わる支援等の必要な措置を講ずるとされております。支援の具体的な内容は明らかにされていませんが、区における児童相談所の設置・運営の円滑な実施がなされるよう、適切な財政措置をはじめ、人材確保・養成、一時保護所の設置基準の緩和などについて国に求めているところであります。国への要望とあわせ、区が児童相談所を新たに設置していく上で、財源配分も含め適切な協力が得られるよう東京都との協議を行うこととしております。
専門人材の配置、育成、継続性の確保ということについて。これまでも児童相談所への職員派遣や虐待対応に係る実務研修の受講等を通じて、児童相談に係る人材育成に努めてきたところであります。現在、児童相談所設置に当たって、専門職の必要性や確保策等について考えを整理しているところであります。今後、人材の育成や活用の仕組み、働きやすい職場環境の整備等について検討してまいります。
一時保護所についてです。児童相談所や一時保護所が有効に機能するため、これらの在り方について検討しているところであります。
児童養護施設の拡充、あるいは、その施設退所後の支援について。家庭での養育が難しい場合における社会的養護については、児童養護施設等の施設に限らず、できる限り家庭に近い環境となるグループホームや里親等の充実が望まれているところであります。こうした状況を踏まえ、対応について検討を行っているところであります。また、施設退所後の自立支援について、これも今後検討してまいります。
要保護児童対策地域協議会の関連の御質問です。要保護児童対策地域協議会は、虐待を受けている子どもをはじめとする、保護を要する児童に関わる関係機関の情報共有や支援内容の協議を行うものであります。適切な相談支援が迅速に行われるよう、合同研修や、必要に応じて地域を横断する情報共有を図る等、対応を図っているところであります。
関連して、ひとり親相談についての御質問がありました。これまで区では、子ども家庭支援センターで行っているひとり親に係る相談において、離婚前における相談も含め、母子・父子自立支援員が対応を行い、養育費等も含めた経済、就労、職業訓練、子育てサービス、住まいに関することなど、総合的に対応しているところであります。その中で必要に応じて情報提供や助言、他の専門機関等への紹介なども行っているところであります。今後ともより適切な支援の在り方について検討してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校給食の管理、公会計化についての御質問にお答えいたします。学校給食につきましては、基本的に銀行等の口座で管理を行っております。毎月の収支や支払いにつきましては事務職員が行ってございますが、これについて校長、副校長等が確認をする体制をとっています。さらに、教育委員会が監査を行うとともに、複数の保護者等で構成する校内監査委員による監査も実施しているところでございます。公会計化をしてはどうかということですが、現在、給食費につきましては、今御説明したような手続にのっとって適正な運営が行われていることから、公会計に変更する必要はないと考えてございます。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、子ども・若者育成支援のお尋ねと、医療的ケアが必要な子どもについて、2件についてお答えいたします。
まず、子ども・若者育成支援についてでございます。若者計画、それから、子ども・若者支援地域協議会についてのお尋ねがございました。区といたしましては、子ども・若者育成支援推進法が目的としております、子ども・若者の健全育成や円滑な社会生活への支援が必要だというふうに考えてございます。子ども・若者計画や子ども・若者支援地域協議会につきましては、現在の子ども・子育て支援事業計画や要保護児童対策地域協議会との関連も踏まえまして検討してまいりたいというふうに思ってございます。
次に、医療的ケアが必要な子どもについて、こうした子どもの受入れ態勢の整備についてのお尋ねについてでございます。医療的ケアが必要な子どもの保育所での受入れを進めるに当たりましては、保育環境や職員体制などを整えていく必要があるわけでございます。拠点的な保育所で対応するのかどうかも含めまして、今後検討してまいりたいというふうに思ってございます。
最後に、居宅訪問型事業についてでございます。居宅訪問型事業につきましては、障害や疾病等によりまして集団保育が著しく困難であるなどの場合に、保育を必要とする乳幼児の居宅において保育を行う事業でございます。現在、早期の事業開始に向けまして事業者と調整しているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 狭あい道路整備事業に伴う電柱移設についての御質問にお答えをいたします。
生活道路整備事業に伴う電柱移設について、特に緊急車両の通行の障害となる電柱の解消についてでございますけども、建築主等に対しまして、緊急車両の通行障害を解消するために必要な電柱移設に御協力いただけるよう、区として早い段階で丁寧に働きかけるとともに、占用事業者にも積極的な調整を求めているところでございます。
次に、緊急車両通行の障害となる電柱の把握についてでございます。狭あい道路において電柱が車両の通行の障害になりやすいことは事実であり、個々の電柱がどの程度通行の障害となるかを一律に判断し把握することは難しい点がございますが、日常の道路監察業務において確認に努めているところでございます。また、安全な通行に支障を来すような設置物等を確認した場合には、占用事業者等に連絡をとり、適切な対応を求めているところでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で、山本たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 小学生対象の「海での体験事業」について
2 平和の森公園再整備に関して
(1)じゃぶじゃぶ池の閉鎖期間の活用について
(2)バーベキューサイトの整備について
3 大和町防災まちづくりについて
4 野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて
5 教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みについて
6 中野区とサンプラザの関係について
7 その他
○議長(北原ともあき) 次に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○34番(大内しんご) 平成28年9月12日、中野区議会第3回定例会におきまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。
最初に、小学生対象の「海での体験事業」について質問いたします。
東日本大震災の影響により、毎年実施されていた岩井での臨海学園が休止になり5年になります。その間、学習指導要領の変更などの理由で区の臨海学園が休止から中止になり、臨海学園にかわるものとして海での体験事業が実施されてきましたが、参加人数の伸びや実施方法等について、大きく改善されたような様子は見受けられませんでした。23区で臨海学園を実施しているのは、中野区以外では9区ありますが、そのうち東日本大震災の影響で中止となったのは中野区だけです。このような状況は、中野区教育委員会が臨海学園を中止したことはまさしく風評被害であると思われ、中野区は東北復興を支援している立場からも疑問でした。この間、私ども自由民主党は、以前の臨海学園の復活についてたびたび提案し、質問もしてきました。そして、昨年の決算特別委員会において、教育委員会がやっと重い腰を持ち上げ、平成29年度から、海での体験事業から、以前の学校単位で実施してきた臨海学園事業に移行するとの答弁をいただいたところです。それを踏まえて今年度の海での体験事業は、来年度の学校単位での臨海学園に向けた取り組み準備を行っていたと思いますので、幾つか質問いたします。
今年度の海での体験事業の実施状況はどうだったのでしょうか。
また、平成29年度からの学校単位での実施に向けての試行も含めるということでしたが、その内容や様子などについてはどうだったのでしょうか。
来年度から学校単位で事業を実施するとなると、参加者が大幅にふえることになると思われますが、どの程度の参加人数を見込んでいるのか。以前実施していた臨海学園の児童数の参加人数とあわせてお尋ねします。
さらに、実施場所や実施方法も、参加者数にもよりますが、現在の大瀬海水浴場が最適なのか、以前の岩井に戻すのかなど、しっかりと検討する必要があります。実施場所をはじめ、学校単位での事業実施に向けた検討状況はどうなっているのかお伺いします。
そして、この項の最後に、現在実施している海での体験事業の参加者がふえない原因の一つとして、以前の臨海学園のときに比べて参加費が高くなっているということも挙げられるのではないでしょうか。来年度からは、区は一定程度補助金を出すなど、参加しやすい環境整備を整える必要があると思いますが、区の見解をお伺いします。
2番目、平和の森公園再整備に関して幾つか質問いたします。
平和の森公園は、今回の再整備事業により、約7ヘクタールを超える中野区最大の公園に生まれ変わります。したがって、憩い・休息機能やスポーツ・健康増進機能、交流機能、環境保全機能、オープンスペース・景観形成機能、歴史文化機能、防災機能など、各種公園機能が充実した、中野区最大の公園にふさわしい整備が当然求められます。とりわけスポーツ・健康増進機能については、全区的なスポーツ大会が行える体育館や、陸上トラック競技にも活用できる草地広場の園路、大人の軟式野球も可能なナイター設備を備える人工芝の多目的広場などの整備により、中野区スポーツ・健康づくり推進計画で定める新たなスポーツ拠点として、スポーツ振興の中心的な場所に発展することを期待しております。しかし、その一方で、クレームを恐れて禁止事項ばかり、手入れが行き届かず雑草だらけ、いつも誰もいないなどの理由で使われない公園が存在する実態もあります。
本年5月に公開された国土交通省の、新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会の最終まとめでは、都市のため、地域のため、市民のための資産として、より一層そのポテンシャルを発揮できるよう都市公園をより柔軟に使いこなして、都市のさまざまな課題の解決のためにその多機能性を発揮すべきとの見解が示されました。この点も踏まえて幾つか質問させていただきます。
まず、じゃぶじゃぶ池閉鎖期間の活用についてです。以前、我が党の高橋ちあき議員からも、区内の公園にあるじゃぶじゃぶ池の活用方法について提案させていただきましたが、平和の森公園再整備事業の基本設計案中間のまとめでは、大小二つの池と、水流れを中心とした約1,200平米の広場を整備するとされています。周辺にベンチやあずまやが配置され、現在よりも2倍以上に拡大されるじゃぶじゃぶ池周辺は、多くの区民が集う夏のにぎわい空間として期待されているところですが、夏季以外はどのような広場空間になるのでしょうか。じゃぶじゃぶ池は、夏だけではなく、それ以外の期間も利用できる工夫が必要であると考えますが、有効な活用方法について区の見解をお伺いします。
次に、バーベキューサイトの整備についてお尋ねいたします。以前、区役所及び体育館整備調査特別委員会で視察した板橋区の赤塚公園は、バーベキューサイトが整備され、利用者がとても多いとの話を伺いました。また、隣接区である杉並区の和田堀公園や練馬区の光が丘公園でもバーベキューサイトは人気施設で、休日はとてもにぎわっていると聞いています。平和の森公園にもバーベキューサイトを整備すれば、スポーツ利用やイベント利用との連携で多様な公園利用が可能となり、公園利用率の向上につながるほか、バーベキューを目的とした新たな公園利用者も期待でき、公園の魅力はさらに高まると考えますが、設置に向けて検討してみてはいかがでしょうか、お聞きいたします。
3番目に、大和町のまちづくりについてお聞きいたします。
まず、大和町の防災まちづくりについてお聞きします。大和町においては、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトにおいて、特定整備路線として整備される大和町中央通りの拡幅整備を契機とし、防災まちづくりが進んでいます。この大和町中央通りの拡幅整備は、平成32年3月までを事業期間とし、東京都が進めているものであり、くしくも平成32年(2020年)に開催される東京オリンピックまでには完成される予定となっています。これまで地区内の方々と話し合いを重ね、平成27年5月には大和町まちづくり方針を策定しました。この方針のもとに平成28年3月には、まちづくりのルールである大和町中央通り沿道地区の地区計画が策定され、関連都市計画の変更も行われ、6月には地区整備計画に定められた建築物に関する事項のうち、重要なものを条例として定め、建築制限を行っています。
一方、平成26年4月より、大和町中央通り沿道地区が東京都の不燃化推進特定整備地区、いわゆる不燃化特区に指定され、区は燃えない・燃え広がらないまちの実現を目指し、老朽建築物の建てかえ費用、老朽建築物の除去費用、老朽建築物除去後の土地の管理費用等の一部を補助しているところです。これに加えて、平成28年3月より、大和町中央通りの両側30メートルの範囲において、都市防災不燃化促進事業を導入し、耐火建築物を建築する方、または建築物を除去する方に対し、建築または除去に対する費用の一部を助成しています。このように中央通り沿道について、目に見える形で拡幅工事が進み、まちづくりのルールと補助制度の活用を一体的に進めることで、大和町の災害に強いまちづくりに向けた取り組みは着実に進んでいるものと思っています。さらに、区は、まちづくりの起点としての大和町中央通りの先行的な取り組みを地区全体に拡大していくため、地区内の避難道路のネットワークの整備を含めた、地区全体の地区計画の素案の策定の準備を進めていると聞いております。早期に災害に強いまちづくりへの道筋を確固たるものとしていただきたいと思います。
大和町まちづくりの会においては、災害に強いまちづくりはもとより、今後大和町をどのようなまちにしていくべきかの議論を行い、平成28年3月に「大和町まちづくりVOICE」として取りまとめ、今後、行政や民間事業者とも意見交換を重ねながら、よりよいまちづくりの実現を目指していくとしています。今後、まちづくりに対する住民の意識の高さを継続させるためにも、このような地域住民自身の活動は欠かせないものであり、区としてもその機運を一層高める取り組みを継続するべきだと考えます。
また、今定例会において、不燃化特区の補助金の増額ということで提案された補正予算では、当初予算の2,038万8,000円から7,354万円。5,315万円の増額です。当初の建築費用の補助、5件から8件へ、老朽建築物の除去費用、1件から9件へと大きく伸びています。不燃化特区の補助金を年度途中に補正予算で増額するということは、まちづくりが予想以上に進んでいるあらわれと受けとめます。大和町まちづくりの進捗状況や住民の意識、今後の具体的なまちづくりをどのように進める考えなのでしょうか。幾つか質問いたします。
まず、区がまちづくりの起点としている、大和町中央通りの沿道まちづくりの進捗状況をお伺いします。
次に、大和町中央通りの先行的な取り組みを地区全体に広げるために、地域住民のまちづくりへの機運醸成が不可欠と考えますが、区の考えについてお伺いします。
最後に、地区全体のまちづくりのルールの策定や避難道路ネットワークの整備、不燃化特区の区域拡大の予定など、今後のまちづくりの進め方についてお伺いいたします。
4番目に、野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりについて質問いたします。
平成27年第4回定例会の一般質問において、野方駅周辺のまちづくりの検討をどのように進めていくのか伺ったところ、検討会を平成28年3月の設立を目指し、地域の将来像や課題について区と地域住民とが共通認識を持ちながら、まちづくりの検討を進めていきたいと区長から答弁がありました。また、都立家政駅と鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについても同様に、平成28年3月の設立を目指すと、平成27年第4回定例会の常任委員会で報告がありました。鷺ノ宮駅周辺地区まちづくり検討会は、予定どおり3月に設立されましたが、少し時期がおくれ、野方駅周辺地区まちづくり検討会は7月、都立家政駅周辺地区まちづくり検討会は9月に設立されました。一方で、西武新宿線の野方-井荻間の連続立体交差事業が平成28年3月に社会資本総合整備計画に位置付けられ、先日、8月に開催された西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会で、当該区間の連続立体交差事業の早期実現を図ることが決議されました。
そこで、幾つかお聞きしますが、この三つの駅のまちづくりについては、今まで以上にスピード感を持って取り組む必要があると思います。今後どのように進めていくのかお伺いします。
連続立体交差事業の事業主体である東京都は、本事業の効果を最大限に発揮できる区のまちづくりの進捗度合いで、連立事業の都市計画の手続を判断すると聞いています。であるならば、連立事業のスケジュールを意識しながらまちづくりを進める必要があると考えます。区の見解をお伺いします。
5番目に、中野区の教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みについて質問いたします。
中野区では、平成16年から教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みをつくり、みずから教育委員を目指す人と、区民が教育委員にふさわしいと思う人を推薦し、人材として登録する仕組みを実施しています。人材登録に際しては、登録者一人ひとりが教育に関するテーマについて意見発表を行い、区長からの質問に答えることにより、区長が登録者の教育に関する課題認識を把握することができるようになっています。当初は、教育委員の任期満了を迎える年の前年に実施していましたが、教育委員の選任期間がばらばらであることから、平成20年以降は4年ごとに実施しています。平成16年以降4回実施し、登録者数は延べ62人、教育委員に選任された人は過去1人だけですが、12年間で1人というのは少ないようにも思います。今定例会でもこの件で他の議員から質問がありましたけれども、重なる部分もありますけれども、再度質問させていただきます。
区は、この人材推薦登録の仕組みが有効に機能していると考えているのでしょうか、まずお伺いします。
次に、一方、本年4月以降、元オリンピック選手であった増田明美さんが任期1年余りで辞職された後、現在6カ月にわたり教育委員1名が欠員となっています。本定例会においても案件として提案されていないようです。過去にこのように教育委員が一定期間にわたり欠員となっていた時期があったのでしょうか。
さらにまた、そのような事例があった場合、その際、一定期間欠員状態で教育委員会を運営するに当たって支障がなかったのでしょうか、お伺いします。
また、現在、教育委員が欠員であることにより、教育委員会の運営に何らかの支障がないのか伺います。
また、教育委員会の人数に関しては、法的根拠はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
6番目に、中野区とサンプラザの関係について質問いたします。
中野サンプラザは、平成16年に当時の独立行政法人雇用・能力開発機構が所有していたものを、株式会社まちづくり中野21が取得しました。区としては、取得後10年間は、まちのにぎわいに役立つように中野サンプラザの運営を行い、その後は区の整備方針に従って再整備を行い、中野駅周辺のまちづくりの推進に役立てることとしています。この株式会社まちづくり中野21は、中野サンプラザの土地と建物を保有する会社として設立されたものであり、実際の中野サンプラザの運営は株式会社中野サンプラザが行っております。この運営会社、株式会社中野サンプラザは、現在は所有会社、株式会社まちづくり中野21が100%出資した会社となっています。区がサンプラザの所有会社、株式会社まちづくり中野21の株式を100%保持し、また、運営会社、株式会社中野サンプラザの株式を、所有会社、株式会社まちづくり中野21が100%保持している状況です。若干ややこしいですけれども、詳しく述べさせていただきます。区は、サンプラザの所有会社、株式会社まちづくり中野21が適切に運営するよう関与し、株式会社まちづくり中野21の経営状況については、年1回、議会の議決すべき事件に関する条例に基づいて、運営会社、株式会社中野サンプラザとの連結決算を含む事業報告を議会に行っています。
中野サンプラザの運営については、当初10年程度の運営と考えていましたが、最近の報告、区役所・サンプラザ地区再整備実施方針によれば、あと5年程度は現状のまま運営されることになりました。繰り返しになりますが、区は中野サンプラザの所有会社である株式会社まちづくり中野21に出資し、その所有会社、株式会社まちづくり中野21が運営会社である株式会社中野サンプラザに出資しているということは、すなわち区民の税金が中野サンプラザの施設運営に投資されているということです。このことから、区は株主である株式会社まちづくり中野21を通して、株式会社中野サンプラザに対してできる限り利益を上げる運営を指示し、また、区民に対しては多くのメリットを提供できる運営を要求すべきと考えます。
昨年度、株式会社まちづくり中野21の、前期の連結ベースの当期純利益は2億1,400万円との報告があり、駅前の一等地である中野サンプラザの利益としてはやや少ないのではないかと考えられます。テナントの契約やホール等の貸し出しをいま一度見直すことも含め、一層の経営努力が必要なのではないでしょうか。例えば、見聞きするところでは、最近、婚礼の利用が伸び悩み、チャペルの利用も少ないようですが、区民が利用する場合は優遇策を考えるなど提案し、区民のメリットも含め、増収増益に向けた工夫をしてみてはどうでしょうか。区の見解をお伺いします。
所有会社である株式会社まちづくり中野21の土地・建物を取得することに伴う融資残高は、現在も45億7,400万円に上っています。株式会社まちづくり中野21は、毎年5,000万円の元本返済と、およそ1億円の利息の支払いをしています。この件に関し、昨年私ども自民党での指摘を受けた後、融資の利率を2.3%から年1.975%に引き下げが行われ、試算では年間1,500万円程度の効果が出ると考えられます。しかしながら、負担はいまだに大きいと考えられます。株式会社まちづくり中野21の現在の利益剰余金を取り崩し、少しでも繰り上げ返済するなど、検討すべき点がまだまだあるのではないかと思います。区の見解をお伺いいたしまして、全ての質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。
平和の森公園再整備に関連しての御質問からお答えいたします。
じゃぶじゃぶ池の夏場以外の活用についてであります。じゃぶじゃぶ池につきましては、子どもの年齢層に応じて利用できるように、水深20センチメートル程度の池と水深10センチメートルの池の2種類を整備する予定であります。さらに、じゃぶじゃぶ池の下流には、大人も通年利用できる水の流れを整備する予定となっております。今回再整備するじゃぶじゃぶ池につきましては、現在のじゃぶじゃぶ池のように柵で閉鎖するといったようなことは考えておりません。夏場以外の利用につきまして、子どもたちが遊べる施設や憩いの場として利用できる方法、これらを検討してまいります。
バーベキューサイトという御提案がありました。バーベキューサイトが人気の公園施設であることについて認識をしているところです。一般の公園利用者や周辺住宅地に配慮した場所を選定するなど、さまざまな条件があったり、広さの限界といったようなこともあるかと思います。これらを踏まえながらも、設置の可能性について検討していきたいと考えております。
次に、大和町防災まちづくりについてであります。
大和町中央通り沿道のまちづくりの進捗状況についてお尋ねがありました。不燃化特区に指定されている大和町中央通り沿道におきましては、まちの燃えにくさをあらわす指標である不燃領域率が、事業導入当初は34%でありましたが、沿道の建てかえが進んだことにより、現状はおおむね40%に上昇しております。また、中央通りの拡幅工事の用地買収は、全権利者の2割ほど済んでいると聞いており、今後の拡幅工事及び本年3月の地区計画の策定と関連都市計画の変更により、現状の年間12件程度の建てかえが一層加速していくものと考えております。
地域住民のまちづくりへの機運醸成についてであります。区は、大和町まちづくりの会の活動を支援するとともに、まちづくりの検討状況を大和町まちづくりニュースとして、大和町地区内の各戸に配布をし、情報提供を行ってきたところであります。今後も大和町まちづくりの会の支援を引き続き行うとともに、まちづくりに関する地域説明会や、不燃化特区の助成制度を活用した不燃建築物への建てかえ促進のPR等を積極的に行うことにより、より一層防災まちづくりへの地域の機運を醸成していきたいと考えております。今後のまちづくりの進め方について、今後具体的な整備方針案等を提案し、地域住民の方の意見も踏まえ、まちづくりのルールである地区計画策定に向けた議論を深めてまいります。不燃化特区については、平成29年度より現在の区域を大和町全体へ拡大する方向で、東京都との協議を進めているところであります。
続きまして、野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについてであります。
3駅周辺のまちづくりの今後の進め方について。新井薬師前駅と沼袋駅周辺のまちづくりでは、検討会の設立からまちづくり構想の提案まで2年程度の期間を要しております。野方駅・都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりについては、平成30年度上半期を目途に検討会がまちづくり構想をまとめることとしているところです。この検討会での構想を踏まえ、区として平成31年度当初に西武新宿線沿線まちづくり整備方針を策定する、そうした予定となっております。
連続立体交差事業とまちづくりのスケジュールの連携について。連続立体交差事業の効果として、交通渋滞の解消はもとより、鉄道沿線のまちづくり事業と一体的に進めることにより、総合的な都市基盤整備に貢献ができるわけであります。具体的には、鉄道と交差する都市計画道路や交通広場を含む区画街路を整備することにより、事業効果を相乗的に高められるわけであります。今後区は、区画街路の都市計画決定などを行い、東京都の連続立体交差事業の都市計画の手続と同時に進めるとともに、駅周辺をより魅力的で活力があり、安心安全なまちを実現していきたいと考えております。
次に、教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みについてであります。
この登録の仕組みが有効に機能しているかという質問がありました。教育委員候補者の選定に当たっては、この仕組みにおける人材推薦登録者も含め、幅広い人材の中から適任と思う方を検討し、選定の上、区議会に提案をしているところであります。みずから教育委員を目指す人や、区民が教育委員にふさわしいと思って推薦した人を登録することにより、教育委員にふさわしい人材を発掘する手だての一つとなっていると考えております。教育委員選任は区長、また、その同意は議会が行うものであり、人材推薦登録の仕組みから選任した人数や登録者数をあまり強調していくということは、制度上の権限の制約にもつながりかねず、純粋に人材発掘の機会という制度の趣旨とは異なってくるものと考えております。
教育委員が数カ月にわたり欠員となっていた時期があったかといった御質問です。教育委員の定数ですが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第3条の規定により、教育委員会は教育長及び4人の委員をもって組織するとされております。欠員となった時期についてですが、平成5年3月から、また、平成9年6月から、そして、平成15年3月からのそれぞれ3カ月程度、及び平成17年10月から1年1カ月、教育委員1名がそれぞれ欠員であったことがありました。
それから、中野区とサンプラザの関係について。
中野サンプラザに対する区民への優遇措置を図る提案ということであります。区が税金をもとに出資した、株式会社まちづくり中野21が連結ベースで利益を出していくことは、将来の再整備に向けた資金を得る上でも望ましいと考えております。株式会社まちづくり中野21の利益の増加は、運営会社が利益を上げた歩合賃料によるものであります。運営会社が適正かつ安定的に収益を向上できるよう、御提案については区から派遣している取締役を通じるなどにより伝えるとともに、さらに経営努力を行うよう働きかけてまいりたいと考えております。
利益剰余金の取り崩しによる融資の繰上償還の御提案もありました。利益剰余金を取り崩し、繰上償還することについては、現在の融資の利息の支払いと繰上償還に伴う手数料等のコスト等を比較し試算するなども含め、より有利な方法を検討するとともに、再整備に向けてのさまざまな視点から検討すべきと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 初めに、小学生対象の海での体験事業についてお答えいたします。
まず、今年度の実施状況ですが、今年度海での体験事業は7月30日から8月5日にかけて、静岡県沼津市大瀬海水浴場で2泊3日を3クール実施し、参加者は全体で93名でございました。
また、来年度以降、学校単位での実施への試行についての御質問がありました。来年度以降、海での体験事業は学校単位での実施を考えており、そのための試行として、今年度の第3クールは向台小学校、北原小学校を指定して実施しました。学校単位で実施するに当たりましては、学校でのチラシの配布をはじめ、土曜日の学校公開日に説明会を開催し、事業の意義や内容を説明するとともに、PTAの協力もいただきながら進めたところです。また、教育委員、学校長等による視察も行ったところでございます。参加者やその保護者からは、参加してよかった、また参加したい等の意見が寄せられ、大変好評であったと認識をしております。また、視察した校長からは、真剣に取り組む姿など、学校とは別の一面が見られた、参加者の友情が深まっている様子が伺えてとてもよかった、海での体験事業でのプログラムは、今の学校ではできない体験学習である等の感想が寄せられております。こうしたことから、学校単位で行う意義があったものと受けとめてございます。
また、来年度以降に向けた検討状況につきまして御質問がございました。平成22年度に臨海学園を実施したときは、小学校26校で1,400名の参加がございました。来年度の実施に向けましては、学校単位での参加がふえるよう事業のPRを進めていくとともに、今後参加者の意向調査を行い、参加人数を把握していきたいと考えてございます。
次に、来年度以降に向けた検討状況についてでございます。今年度の実施結果を検証するとともに、事業内容や実施場所、実施方法、実施規模などの検討を進めているところでございます。
この項の最後の御質問でございました参加費についてです。保護者が参加を決めるに当たりましては、参加費用をはじめ、実施時期や場所、事業内容等、さまざまな要因があると考えております。より多くの子どもの参加が得られるよう、それらを踏まえた総合的な検討が必要だと考えてございます。参加費用につきましても、これらの検討の中で考えてまいりたい、このように考えております。
最後に、教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みの御質問の中で、教育委員の欠員のときに支障があったか、現在の欠員の状況で何か支障があるかという御質問でした。以前欠員が生じていた時期について、当時の教育委員会議事録等によれば、円滑な教育委員会運営が図られていたと認識しております。また、現在、教育委員の専門的な知識、経験や識見を持って中野区の教育に有益な議論をしていただいている、そのように認識してございます。
○議長(北原ともあき) 以上で、大内しんご議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時26分延会
会議録署名員 議 長 北原 ともあき
副議長 白井 ひでふみ
議 員 渡辺 たけし
議 員 篠 国昭