1.平成28年(2016年)9月21日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎
21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる
29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男
31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一
政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子
政策室副参事(広報担当) 堀越 恵美子
政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 永田 純一
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長 小田原 弦
経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子
経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一
経営室副参事(経理担当) 石橋 一彦
都市政策推進室長 奈良 浩二
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎
都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 藤永 益次
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市
都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 小幡 一隆
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦
北部すこやか福祉センター所長、
北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 石濱 良行
区民サービス管理部長 白土 純
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀
区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横山 俊
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 平田 祐子
子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(教育相談連携担当) 神谷 万美
子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、
教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 小山 真実
子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、
教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 荒井 弘巳
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石崎 公一
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 瀬田 敏幸
保健所長 寺西 新
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 石濱 照子
健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季
健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 宇田川 直子
健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹
環境部長 戸辺 眞
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 塚本 剛史
都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 高橋 均
都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 千田 真史
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇
会計室長 古屋 勉
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 小田 史子
事務局次長 古本 正士
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 大野 貴子
書 記 細川 道明
書 記 井田 裕之
書 記 冨士縄 篤
書 記 田中 寛
書 記 遠藤 良太
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 香月 俊介
書 記 亀井 久徳
1.委員長署名
午前10時00分開議
○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号まで、計5件を一括して議題に供します。
前回、9月20日の理事会の報告を行います。
本日の委員会運営について、本日の総括質疑は、1番目に広川まさのり委員、2番目に森たかゆき委員、3番目に佐野れいじ委員、4番目に大内しんご委員、5番目に加藤たくま委員、6番目にいでい良輔委員、7番目に内川和久委員の順に7名の質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 ただいまのとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。広川まさのり委員、質疑をどうぞ。
○広川委員 2016年第3回定例会、決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場から総括質疑を行います。
初めに、子ども・子育て施策についてお聞きいたします。
まず、待機児童対策について伺います。東京都が発表した、今年4月時点の保育施設を利用する児童数は26万1,705人で、昨年比1万4,192人増、待機児童数は2年ぶりに増加し、8,466人となっております。中野区の待機児童数は、23区で9番目に多い257人となっています。この待機児童の数え方、自治体によって異なります。世田谷区では、認可保育園に申し込みながら入所できず育児休業を延長した育児休業延長中、自宅で求職活動中、特定の保育園を希望し、他を辞退しているといった、私的事由等で保育園に入れなかった潜在的な待機児童の数を待機児童数として区民に公表しています。そこで、中野区において私的事由等をカウントした場合、潜在的な待機児童数をお聞きいたします。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 私的理由等の数をカウントすると待機児数は何人かという御質問だと思いますけれども、236人でございます。この数に認可保育園に入れず認証保育園に入所した児童を加えますと、644人になります。
○広川委員 算出方法を変えるだけで数字が変わり、実態をあらわさない統計となってしまいます。なぜ私的事由等や認可不承諾で認証に通う児童数を待機児童数として公表していないのでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 前回報告しておりますのは、厚生労働省の待機児童調査の保育所等利用待機児童の定義に従いまして報告しているものでございます。詳細につきましては、必要があればその都度御説明してまいりたいと考えております。
○広川委員 今、国の定義による待機児童数に加えて、認可保育園を希望しながら入所できない児童数を保留児童数として公表する自治体も増えております。今後、中野区も認可保育園に入れなかった数を子育て世代に公表すべきではないでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 待機児童数の公表につきましては、その定義について厚生労働省でも見直しを行うという情報もございますことから、その状況も踏まえ、対応について考えていくこととしております。
○広川委員 子どもが生まれ、待機児童のより少ないところに引っ越すという方もたくさんいらっしゃいます。自治体は実態に基づいた数を発表する責任があります。ぜひ実態に基づいた待機児童数を区民に示していただきたいと思います。
次に、区立保育園について伺います。今年度、区は、区立保育園11園で2歳児定員を減らしています。減らした定員は何人でしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 54名でございます。
○広川委員 では、今年度の2歳児の待機児童数は何人でしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 47名でございます。
○広川委員 そもそもこの区立保育園の2歳児の定員を削減した理由は何だったのでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 理由でございますけれども、区立と私立の保育施設全体で保育需要よりも定員が上回るといった見込みがごさいましたため、区立保育園の定員を調整いたしました。
○広川委員 定員を減らす一方で待機児童が出ています。さらに、区立保育園への申し込みは常時たくさんあります。2歳児の定員を削減しても需要を確保できるとしていた区の見込みと、実際の需要に大きな差が生まれています。区は、これまでも区立保育園の2歳児の定員を削り、現在21園中20園で1歳児と2歳児の定員が同数となっています。一方で、区内の認証保育所や地域型保育事業から区立保育園への転園を希望する方もたくさんいらっしゃいます。今年9月の申し込みでは、区立園の2歳児クラスに54人が申し込み、53人が不承諾となっています。多くのニーズがあるにもかかわらず、区立保育園の2歳児の定員を1歳児に合わせるという考え方は見直すべきではないでしょうか。見解を伺います。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 今後の待機児ゼロに向けた取り組みにおきましても、私立認可保育園施設等の新規誘致も行っており、保育需要よりも定員が上回るといった見込みもあることから、現在のところ2歳児クラスの定員を1歳に合わせるという考え方を見直す予定はございません。
○広川委員 ぜひ保護者のニーズに基づき、区立保育園の定員について考えていただくとともに、区立保育園の民営化についても、需要を鑑み、見直しを検討していただきたいと思います。
続きまして、「3歳の壁」について伺います。中野区は、待機児童解消に向け、0、1、2歳児を対象にした小規模保育事業や家庭的保育事業といった、いわゆる地域型保育事業の開設に力を入れてまいりました。来年度も5施設が開設する予定です。当議員団としては、3歳児が新たに待機児童の危機に直面する「3歳の壁」問題について、今後解決が迫られることになると指摘してきたところでございます。実際に昨年度から比べると、3歳児の待機児童は12人から21人に増える一方、認可保育園の空きは12から5に減っています。現在、区内の認可保育園、地域型保育事業、認証保育所で、2歳児までしか通えない園は何園あるのでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可型・地域型事業所、認証保育所を合わせますと28園になってございます。
○広川委員 合計28園ということですが、今年度末に卒園する2歳児クラスの子どもの人数は何人でしょうか。また、昨年度から比べ何人増えているのかお伺いいたします。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 卒園する2歳児の人数でございますけれども、112人でございます。増えたのは区内認可保育事業所の2歳児でございまして、人数は19名でございます。
○広川委員 この112人の中には、認可保育園への転園を希望する方も多いのではないかと思います。認可保育園へ転園する際、保育園入所基準指数の加算が重要となります。地域型保育事業を利用する場合の加算は何ポイントでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 上限の年齢制限がある認可地域型保育事業所から転園する場合は、最終年齢クラスの在園児のみ5点の加点をしているところでございます。年齢上限のある認可地域型保育事業所を利用する児童につきましては、3歳児以上の保育施設を確保するということから加点をしているところでございます。
○広川委員 では、認証保育所に通う場合の加算ポイントは何ポイントでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認証保育施設は、子どもの年齢を問わず入所し、週3日、1日4時間以上等の状態で3カ月以上引き続き預けた場合に1点、同じく6カ月以上預けた場合につきましては2点を加点しているところでございます。
○広川委員 加算されるポイントが、認証の場合、地域型に比べ3から4ポイント低いという状況です。認可保育園を希望しながら不承諾になった方の多くが、地域型保育事業や認証保育所を利用している中で、それぞれに加算されるポイントが違うというのは公平性に欠けるのではないでしょうか。認識を伺います。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認証保育所から認可保育所へ入園を申し込みする際には、1点ないし2点の加点をし、入所理由の判定を行う対応をしております。今のやり方が公平性に欠くとは言えないと考えております。
○広川委員 認可保育園に入れなかったことにより「3歳の壁」に直面しているという状況は、認証でも地域型でも同じです。認証保育所利用者にも地域型保育事業利用者同様のポイントを加算することを求めます。
先日、2歳児までしか通えない認証保育所B型を利用する保護者が区役所の窓口を訪れた際に、来年度は認証B型に通っている園児の認可保育園への転園は、非常に厳しいと説明があったと伺っています。来年度、2歳児までしか通えない認証保育所と、地域型保育事業を利用している園児の認可保育園への転園についてどのような見通しでしょうか、伺います。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 認可小規模保育所でございますとか3歳児以降の定員枠を持たない認証保育所、これらの3歳児におけます接続に関しましては、新規開設を含めまして定員数の確保を図りつつ対応していきたいというふうに考えてございます。
○広川委員 今年4月、認証保育所B型を利用する保護者から区長宛てに、来年度3歳児の認可園枠の確保を求める嘆願書が提出されたと聞いています。窓口で認可園の転園見込みが厳しいと言われた保護者の不安は切実です。「3歳の壁」を生まないよう、責任を持って認可園枠の確保に取り組んでいただきたいと思います。
来年度、新園の開設により1,000人の定員増という方針が示されています。かつて他の自治体において、単年度で大規模な保育園の増設を進めた結果、建築資材や工事の人手不足、保育士が確保できず開園が遅れたり、定員を減らしてスタートするといった事態が起こっています。開設を事業者任せにするのではなく、しっかりと状況を把握することが求められます。来年度に予定している保育施設の開設は確実に行われるのでしょうか。進捗状況もあわせて伺います。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 一般質問でもお答えしてございますけれども、新規の私立保育園の誘致を全力を挙げて行ってございます。認可保育所、認可小規模保育所ともに、それぞれ半数を超えます相談を受け付けておりまして、これを開設につなげる調整を進めている段階でございます。その進捗につきましては、楽観を許さないというような状況はお聞きしております。
○広川委員 区は、保育園の基準緩和について、国が示した面積基準や保育士配置基準の緩和について、新規に開設する保育所においては、条件が整うものについて国基準の適用についても今後検討していくとしています。現時点で来年度に開設する施設での適用予定はあるのでしょうか、伺います。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) これも前回の定例会で御答弁申し上げてございますけども、今後新規に開設する保育所におきまして、条件が整うということでございますが、国の緊急対策についても対応を考えていきたいというふうに考えてございます。
○広川委員 国の最低基準を理由にこれまでの基準を引き下げ、保育の質を落とすということは、児童福祉法第45条の規定に基づく厚生省令において、最低基準を理由としてその設備または運営を低下させてはならないとした条文に反するものとなっています。基準緩和は保育士の負担が増し、辞職につながるという声や、子どもを預ける保護者からも不安視する声が上っています。国基準の適用については行わないことを求めます。
来年度に向け、近接の区でも1,000人を超える規模での保育施設の定員増が行われることからも、今後保育士の確保が大きな課題となってまいります。区では、保育士確保事業として、宿舎を借り上げて居住場所を提供する保育事業者への補助をスタートしますが、他区に比べ補助額が低いといった指摘もあります。積極的に人材確保策を講じる自治体では、条件つきで原則返還不要奨学基金の創設なども進められています。また、世田谷区では、今年10月から私立保育園の常勤保育士と看護師に対する給与を、月額1万円上乗せすると発表しました。中野区としても来年度に向け、さらなる独自の保育士確保策を検討すべきではないでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 一般質問でもお答えさせていただいているところでございますけれども、保育士への宿舎借り上げの補助事業のほかに、これまでも区ではハローワークや私立保育園等と連携いたしまして、就職相談会や合同就職説明会を実施しているところでございます。実績も上っているところでございます。今年度の実績を検証しつつ、より効果的な方法について検討したいと考えているところでございます。
○広川委員 今後も積極的に保育士確保策を打ち出していただきたいと思います。
都市部の保育園の待機児童問題が、少なからず少子化に影響していると指摘する専門家もいます。今年行われた出産に関する民間団体の意識調査では、子育て世代の男女の4割は保育施設を探す保活がなければ、もう1人子どもが欲しいと感じているという調査結果が明らかとなり、話題となりました。当議員団としては、これまでも保護者のニーズを反映した施策の充実を求めてきたところであり、改めて公有地等の活用などにより園庭のある認可保育園の増設を求め、この項の質問を終わります。
次に、要医療的ケア児について伺います。近年の新生児医療の発達により、超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもなど、これまで出産直後に亡くなっていたケースであっても助かることが多くなりました。その結果、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする、要医療的ケア児が増加しています。今年5月に成立した改正児童福祉法の中で、初めて要医療的ケア児について明記され、要医療的ケア児が適切な支援を受けられるように、自治体において関係機関の連携促進に努めることが示されています。この連携促進について、区ではどのような検討がされているのでしょうか。また、どの部署が連携の中心となっているのでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 要医療的ケア児対応の検討状況についてお答えいたします。現在、要医療的ケア児を含めまして支援を要する子どもにつきましては、すこやか福祉センターを中心に保健、医療、福祉等の関係者が連携して個別対応しております。また、平成27年度からは中野区在宅医療介護連携推進協議会を設置してございまして、医療と介護の連携を図っており、関連機関の連携推進に努めているところでございます。
また、要医療ケア児の検討の所管の御質問がございました。現在は、要医療ケア児を含めまして、障害児についての担当は子ども教育部(子育て支援担当)でございます。
○広川委員 当事者がいざというとき、どこに相談すればいいのかわからないという声もあります。区内に住む要医療的ケア児を持つお母さんが体調を崩した際、育児保育か育児保護を利用したいと病院のソーシャルワーカーに相談したところ、区の窓口を紹介されたものの、その後、区の複数の課、保健師、病院の間でたらし回しとなり、結局支援を得ることができなかったという話を伺いました。要医療的ケア児という立場上、受けられる支援が限られており、関係機関の連携も容易ではない状況があるのではないでしょうか。また、要医療的ケア児と一くくりにしても、必要なケアや支援のニーズはそれぞれに異なるだけに、一律の対応ではなく、それぞれの状況に応じた柔軟な対応が求められます。要医療的ケア児に対応した、保健、医療、障害福祉、保育、教育などが幅広く連携した専門部署の立ち上げを検討してはいかがでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 検討のための組織の立ち上げについてでございます。現在、全体的な計画策定につきましては子ども教育部、それから、個々の児童への対応はすこやか福祉センターで行っております。こちらを中心としまして、必要に応じて関連部署と連携を図りながら取り組んでいく考えでございます。
○広川委員 児童福祉法改正後、今年6月に各自治体に通知された「医療的ケア児の支援に関する保健、医療、福祉、教育等の連携の一層の推進について」の中で、「関係行政機関や関係する事業所等が、利用者目線で緊密に連携し対応することが求められている」と明記されています。利用者目線に立つためには、まず利用者の実態把握が前提となるのではないでしょうか。区は、区内の要医療的ケア児のニーズや実態をどの程度把握しているのでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 現在、すこやか福祉センターでは相談対応を通じて個々のニーズを把握し、必要に応じまして福祉サービスや医療機関の紹介を行うとともに、経過観察を行ってございます。
○広川委員 昨年、世田谷区では、医療的ケアを要する障害児(者)等に関する実態調査が行われました。調査の結果、介護を行う保護者の約9割が6時間未満の分断的な睡眠しかとれていないなど、過酷な生活実態や在宅で孤立しがちになるという実情が明らかとなり、何に困り、何が必要なのか、医療、福祉、保育におけるニーズなども示されました。調査結果を受け、世田谷区では、会派を超え、施策の充実に向けた動きが大きく広がっています。中野区でも要医療的ケア児を介護する保護者や医療機関、事業者を対象に、実態調査やニーズ調査の実施を検討すべきではないでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 実態調査についてでございますが、児童福祉法におきまして障害児の福祉計画策定に努めることとされてございます。今後、必要な調査を行うこととしてございます。
○広川委員 区内の当事者の実態、ニーズを把握し、利用者目線の施策を充実させていただきたいと思います。
要医療的ケア児の中には、適切なケアと観察が提供されれば集団生活が可能な子どもたちもたくさんいます。区内でも医療的ケアが必要だという理由で保育園に入れなかった方がいます。保育園での受け入れを可能とするためにはどのような体制が必要なのでしょうか。また、受け入れ体制について具体的な検討は行われているのでしょうか、伺います。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 医療的ケアが必要な子どもの保育所での受け入れを進めるに当たりましては、保育環境や職員体制などを整えていく必要があると考えております。また、現在の検討状況でございますけれども、医療的ケアが必要な児童を受け入れるための課題の抽出など、検討を進めているところでございます。
○広川委員 国は自治体に対し、保育施設、幼稚園、認定こども園において医療的ケア児のニーズを受けとめ、これを踏まえた対応を図っていくことが重要としています。今後、保育施設で要医療的ケア児を受け入れる体制づくりとして、例えば要医療的ケア児を受け入れる保育園などに医療的ケアを行う専任看護師を個別に派遣するような、訪問看護制度をシステムとしてつくることはできないのでしょうか、伺います。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育園で医療的なケアが必要な子どもを受け入れるために、どのような体制が必要なのかを検討していくこととしております。
○広川委員 要医療的ケア児の保護者は、育児休暇を取得していても退職に追い込まれ、経済的に追い詰められるというケースもあります。要医療的ケア児を育てながら就労できる環境が求められています。子どもの健やかな育ちと保護者の就労は、権利として守られるべきです。区では今後、居宅訪問型保育事業を実施していくとしています。都内では既に、1日8時間、週5日、認可基準の保育料で利用できる居宅訪問型保育事業を実施し、障害児や要医療的ケア児の保護者が働くことのできる自治体が増えています。区でも居宅訪問型保育事業を早急に開始すべきと考えます。実施時期の見込みを伺います。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) こちらも一般質問でお答えしているところでございますけれども、居宅訪問型事業につきましては、障害や疾病等により集団保育が著しく困難であるなどの場合に、保育を必要とする乳児の居宅において保育を行う事業でございます。事業開始に向けて準備をしているところでございます。
○広川委員 要医療的ケア児は、特別な支援や技術が必要となるものの、既存の重症心身障害児に当てはまらないため、子育て支援や児童福祉から取り残されるという実態もあります。区として要医療的ケア児と家族を支援する独自の施策の充実を要望しまして、この項の質問を終わります。
次に、子どもの貧困について伺います。親の失業や低収入、病気、離婚、死別など、家庭の経済状況の悪化によってもたらされる子どもたちの貧困問題は、深刻さを増しています。貧困の実態が示す国際的な指標に相対的貧困率があります。可処分所得などをもとに生活が支えられるぎりぎりの貧困ラインを計算し、それ以下の所得しかない世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す子どもの貧困率は、2012年に過去最悪を更新して16.3%、約6人に1人へ拡大しています。中野区の実態として、区内の相対的貧困率をどのように認識しているのでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 国における子どもの貧困率は、国民生活基礎調査により算出されているものでございます。自治体ごとの数値が公表されておりませんので、中野区としての数値は把握していないところでございます。
○広川委員 2014年1月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、8月には対策の方向を示す子どもの貧困に関する大綱が閣議決定されました。区としてこの大綱についてどのような認識でしょうか。
○神谷子ども家庭支援センター所長 子どもの貧困対策に関する大綱は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのない社会の実現を理念といたします、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づきまして、子どもの貧困対策を総合的に推進するための、国としての基本的な方針や当面の重点施策を示したものでございます。この大綱におきまして、国の施策の推進や地方自治体における施策推進への支援などを行うこととされております。
○広川委員 大綱は、自治体による子どもの貧困改善のための施策づくりを責務とし、自治体の姿勢が問われています。大綱の中で子どもの貧困の度合いを数値であらわす指標として、生活保護世帯やひとり親家庭の子どもの進学率や就職率、就学援助制度の周知状況など、25の指標で評価・検証されています。中野区では、この大綱に示された子どもの貧困指数25項目のうち、どれだけの指数を把握しているのでしょうか。
○神谷子ども家庭支援センター所長 国の示す指標のうち、生活保護世帯に属する子どもに係る状況や就学援助制度の周知状況などは、数値として一定の把握をしているところでございますが、ひとり親家庭や子どもの貧困率などに係るものにつきましては、全国調査に基づく推計値となっておりまして、区としての数字は把握していないところでございます。
○広川委員 他の自治体でも国の指標と比較、公表し、施策の向上が取り組まれています。区としても比較できる指標と国の指標を比べた一覧表をつくり、子どもの貧困対策の参考にすべきではないでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 区は、これまでも子育て支援サービスをはじめといたします様々な領域で、支援の拡充や所得に配慮した利用者負担を行うことなどにより、課題を抱える家庭の状況を把握した上で、必要な支援が適切に行えるよう施策を展開してきているところでございます。国の示す指標につきましては、比較対象とするに適切か否かも含めまして今後検討してみたいと考えてございます。
○広川委員 大綱には、子どもの貧困対策に取り組むに当たっては、子どもの貧困の実態を適切に把握した上で、そうした実態を踏まえて施策を推進していく必要があると明記されています。これを受け様々な自治体が実態調査に乗り出し、貧困状況にある子どもや親の生活実態やニーズを把握した上で、学習や生活、就労面の支援策の充実につなげようという試みが始まっています。実際に実態調査を行った自治体の担当者からは、問題の深刻さが明確になり、対策のための予算などが組みやすくなったという声があります。調査結果に基づき、どの課題を重点的に取り組むべきかを明確にすることもできます。現状を把握しなければ的を射た対策を立てるのは困難ではないでしょうか。現状、中野区として子どもたちの貧困対策に的を絞った実態調査などは行われていません。区でもまず、他自治体が行う実態調査の調査項目や調査方法について研究を行い、実施に向け検討すべきではないでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 区としましては、これまでも事業の実施の中で状況を把握してきているところでございまして、区として独自に実態調査を行う考えはございません。
○広川委員 内閣府も子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき、家庭の困窮に子どもが巻き込まれている実態を研究、把握し、対策を講じるよう自治体に求めていますが、区の見解を伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 重ねての答弁になりますが、区はこれまでも子どもや家庭に係るサービスの展開を通じまして生活の状況を把握し、適切に対応してきているところでございます。今後もこうした取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
○広川委員 ぜひ積極的に実態の把握に努め、施策の充実を前向きに検討していただきたいと思います。
ひとり親家庭についても伺います。ひとり親家庭の相対的貧困率は2人に1人と突出しており、深刻な状況となっております。今年度練馬区は、具体的な支援ニーズを把握し効果的な施策を展開するとして、ひとり親家庭に対するニーズ調査を行いました。今月発表された調査結果によると、ひとり親家庭の平均月収は23.3万円。7割を超える方が元配偶者からの養育費を受け取っておらず、働く方のうち4割が、賃金が低いなどの理由で転職を希望しているという状況が明らかとなりました。さらに、区が行っている支援事業で周知度が50%を超えた事業はなく、およそ3割が国や自治体による支援事業を一つも知らないと回答しています。中野区では、ひとり親家庭の自立を促進するとして、中野区母子家庭等自立支援給付を行っています。どういった事業でしょうか。また、対象者数についても伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 母子家庭等自立支援給付につきましては、自立支援教育訓練給付事業及び高等職業訓練促進給付事業がございます。自立支援教育訓練給付金事業につきましては、就業につながる能力開発のための教育訓練指定講座を受講した場合に給付金を支給するものでございます。また、母子家庭等高等職業訓練促進給付事業につきましては、就業に結びつきやすい資格取得のため、養成機関において修行する場合に給付金等を支給するものでございます。対象は児童扶養手当受給者、または同等の所得水準の者で、雇用保険等による同様の給付金の支給対象でない者といった要件のほかに、個々の就労状況や一定の期間をかけて資格を得る意欲なども必要でございまして、対象者数の正確な把握は難しいと考えてございます。
○広川委員 それぞれの事業、昨年度の給付実績を伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 平成27年度の実績といたしましては、母子家庭等自立支援教育訓練給付金が1件、母子家庭等高等職業訓練促進給付金等事業は8件でございます。
○広川委員 利用者が少ないと感じますが、対象者にどの程度周知ができているのかは把握されているのでしょうか。
○神谷子ども家庭支援センター所長 ひとり親家庭の支援につきましては、子育て支援ハンドブックや区報、ホームページにより広く周知を図る他、母子家庭等自立支援給付事業の要件の一つとしております児童扶養手当対象者への通知時に個々に案内を同封しており、一定の周知はなされていると認識しております。
○広川委員 先ほど御紹介いたしました練馬区の調査では、ひとり親の約半数が就労に役立つ資格取得を希望しているにもかかわらず、資格を取る際の支援事業について知っている人は4割にとどまっていることが明らかとなりました。ひとり親家庭における支援のニーズや周知度など、総合的に把握する必要があると考えます。見解を伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 ひとり親家庭に対しては、様々なサービスの展開や母子父子自立支援員による相談支援などにより状況を把握しているところでございます。必要に応じて事業の改善に努めてきており、今後もこうした取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
○広川委員 ひとり親家庭の親は、家計と子育てを1人で担うことから負担が大きく、子育てでも悩みを抱えがちです。日々の多忙さから悩みを打ち明ける相手や時間がなく、国や自治体が提供する支援の輪から外れるというケースもあります。練馬区は、調査結果を受け、ひとり親家庭への支援を強化するため、仕事や生活費、子育てについて一元的に対応する相談窓口を来年4月に設置すると発表しました。区としても今後、相談窓口の充実、連携について検討を行うべきではないでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 ひとり親家庭の相談につきましては、これまでも子ども総合相談窓口におきまして専門的な対応を図ってきているところでございます。今後も適切な相談支援に努めてまいります。
○広川委員 ひとり親家庭の貧困は周囲から孤立する傾向があり、行政の支援の手が届かないことから深刻化することもあります。専門家や関係機関を交えた検討を行い、支援体制の強化に取り組むことを要望いたしまして、この項の質問を終わります。
次に、ユニバーサルデザインについてお伺いしますが、順番を入れ替えさせていただき、LGBTについてを先にお聞きいたします。人間の性のあり方について大きく三つの分け方で考えると、生物学的性、性自認、性的指向に分けられます。一般的に性的指向において同性愛者と両性愛者に加え、生物学的性と性自認が一致しないトランスジェンダーの相称がLGBTとされています。日本の社会ではLGBTの当事者が生きる上で、様々な不安や困難に直面するという現実があります。昨年、日本におけるLGBT人口は、約7.6%という民間企業の調査結果が発表されました。そこで、中野区内のLGBT人口について、区はどのように認識しているのでしょうか、伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野区は、他の自治体に比べてLGBTの人口が多いと言われているというような話も聞いているところでございますが、対象者について把握することが難しく、根拠となる統計データが存在しないというのが現状でございます。
○広川委員 中野区の人口は、今およそ32万5,000人で、その7.6%とすると約2万5,000人のLGBTの方が暮らしているという計算になります。さらに中野区は、地域の特性としてLGBT居住率がとりわけ高いと言われています。こういった特性を持つ中野区がLGBTのモデル自治体となり、リーダーシップを発揮するべきだと考えますが、見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区は、LGBTのみならず、様々な人々が活動しやすいまち、ユニバーサルデザインのまちづくりを目指した基本的な考え方をつくるための議論を始めたところでございます。現在、LGBTのみを取り上げた施策を実施する考えはございません。
○広川委員 中野区ではユニバーサルデザインを、年齢、性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいようあらかじめ考慮して都市や生活環境を設計する考え方としています。このユニバーサルデザインにおいて、LGBTはどのような位置付けとなっているのでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインは、様々な人々の自由な社会参加を進めるための考え方であると認識しています。LGBTは、その様々な対象のうちの一つというふうに考えております。
○広川委員 現在、ユニバーサルデザインのまちづくりを進める上で基本的な考え方を定めた条例や推進計画の策定に当たり、推進審議会が行われています。審議会委員として様々な分野の区民や学識経験者、計17名が委嘱されています。この審議会委員の中にLGBTの関係者は入っているのでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザイン審議会は、誰もが自由に社会参加が進むユニバーサルデザインのまちづくりを実現するための考え方を所管事項としているということでございます。LGBTのみをテーマとした議論や取り組みについては、検討は今のところ予定していないというところでございます。審議会の委員につきましては、知見を有する学識経験者、公共的な関連団体の代表や公募区民により構成しているということでございます。区として全体の基本的な考え方を議論していくということで、特定の当事者による構成というのは考えてございません。また、公募区民については、区全体として様々な人が活動しやすいまちづくりの基本方針を議論するという視点で選定しているということでございますので、LGBTの方がいるかどうかについては把握してございません。
○広川委員 今後、ユニバーサルデザインにおけるLGBT関連事項の検討において、当事者団体などとしっかりと連携を行いながら進めていただきたいと思います。
近年、徐々に国内の企業でも、LGBT当事者が働きやすい職場づくりの機運が高まっています。社内規程にLGBT対応を明文化したり、社内研修の充実やLGBT従業員の相談窓口を設置する企業もふえています。また、福利厚生の対象に同性パートナーを含めたり、トランスジェンダーに対する配慮も広がっています。中野区としても、まず自治体の顔となる区役所において、LGBT当事者が働きやすい職場づくりを進めるべきと考えます。現在、中野区役所は、LGBT当事者にとって働きやすい環境と言えるのでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 区におきましては、職員の一人ひとりの人権、個性が尊重されている職場であると認識しておりますが、今後とも常にその点に注意を払い、よりよい職場環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
○広川委員 ぜひ今後も区役所内におけるLGBTのサポート体制の構築、トランスジェンダーの職員に対応できる職場環境の充実などに取り組んでいただきたいと思います。
LGBT当事者が自分らしく働ける職場づくりを進めるため、企業や団体が積極的に取り組むきっかけを提供するという動きも広がっています。今年7月、日本IBMやパナソニック、ソニーなどが参画する任意団体「work with Pride」がスタートしました。企業、団体が啓発活動、人事制度、社会貢献など五つの指標について自己申告し、NPOが採点するというものです。LGBTが働きやすい職場の要件を認識してもらい、職場などの施策を推進するためのガイドラインとして活用につなげることを目的とし、地方自治体からの参加も受け入れています。今後、こういった取り組みへの参加も研究してみてはいかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) LGBTに関しましては、まずは人権という広い視野も含めまして、職員が正しい知識を持ち、理解を深めていくことが大切であると考えておりますので、研修等を通じて周知、啓発等に取り組んでまいります。
○広川委員 昨年10月、LGBT当事者団体と中野区が共催で行ったシンポジウムにおいて、区長は、職員がLGBTを認識することが第一歩と述べています。さらに、介護や福祉などの相談を区が受ける際、パートナーが同性の場合の対応がうまくできていないとの認識も示しました。今後、より一層の職員の理解促進が課題となってまいります。現在、区は職員に対してLGBTに関する研修をどのような形で行っているのでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 現在は、新任研修及び係長6年目の職員を対象とした人権セミナーにおきまして、幅広く人権という課題、また、あわせて性的マイノリティーの課題について講義を行っております。その中で、性的マイノリティーの問題を様々な視点から扱いましたDVDの視聴なども行っているところでございます。
○広川委員 介護や福祉をはじめ、あらゆる職員の理解促進が重要だと考えます。全ての区の職員に対し、LGBTに関する研修を行うべきではないでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 現在行っております新任研修及び係長6年目を対象とした人権セミナーを通じまして、着実に理解、認識を深めてまいりたいと考えております。
○広川委員 大阪市淀川区では、LGBTの基礎知識を身につけるため、全ての職員を対象に2時間半の研修を行っています。ぜひ区としても参考にしていただきたいと思います。また、淀川区では、2013年に淀川区LGBT支援宣言を行い、様々な支援とともに区民に広く理解促進の取り組みを続けています。区の広報紙でも積極的にLGBTの話題を掲載し、高齢者にも啓発が浸透しています。住民の意識調査でも、回答者の2割がLGBTということを区報で知ったと答え、約8割が区のLGBTの取り組みに肯定的であるという結果が出ました。中野区でも区報を活用し、LGBTの理解促進につながる記事や関連イベントの情報の掲載、LGBTに関する相談窓口の案内など、積極的に行ってはいかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区報の特集記事につきましては、区民への影響度や緊急度を踏まえて取り上げる内容等を検討しているところでございます。LGBTの関連の取り扱いにつきましては、区政全体の課題を踏まえて総合的に判断する必要があるということでございます。こちらにつきましては、取り上げるべき課題の具体的内容等、今後検討してみたいと考えております。
○広川委員 昨年、渋谷区と世田谷区でパートナーシップ条例や要綱が打ち出され、同性カップルを結婚に相当する関係と認める制度が始まりました。今年に入り、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市がパートナーシップ条例や要綱を施行し、今後この流れは全国に加速していくものと考えられます。パートナーシップ制度が、住宅問題をはじめ、様々な差別の解消に寄与しており、メディアにも大きく取り上げられ、企業や区民への啓発、理解促進にも大きな役割を果たしています。条例の効果について区の見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 渋谷区のパートナーシップ条例の正式名称でございますが、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」となっておりまして、性別等に捉われず多様な個人が尊重され、その個性と能力を十分に発揮し、あらゆる分野に参画できる社会の実現を目指すということを目的としているというふうに認識しております。区は、高齢者、外国人、あるいはLGBTなどを含む全ての人々が活動しやすいユニバーサルデザインのまちづくり、これを目指して今議論を始めているところでございまして、多様性の尊重という視点では同様の考え方であるというふうに認識しております。
○広川委員 世田谷区が区民3,000人を対象に行った、男女共同参画に関する区民意識実態調査によると、「性的マイノリティーの方々の人権を守る啓発や施策について必要と思いますか」という質問に対して、「必要」との回答は70%近くに達しました。中野区でもLGBTの権利を守るための支援や、理解促進の必要性を感じている区民は多いのではないでしょうか。幅広いテーマを対象にしたユニバーサルデザインにとどまらず、LGBTの権利擁護を明確に示すパートナーシップ条例の策定を検討すべきと考えます。見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) パートナーシップ条例につきましては、同性パートナー制度などの法律的に保護し得る権利の内容が、区の制度では保障されるものではないため考えてございません。
○広川委員 ぜひLGBTの暮らしやすい中野区を目指し、リーダーシップを持って取り組んでいただくことを要望し、この項の質問を終わります。
次に、障害者施策について伺います。今年4月、障害者差別解消法が施行されました。差別の定義が明確でないなど不十分さはあるものの、障害者差別をなくす目的の法律が施行されたということは重要な一歩だと考えます。自治体においては、合理的な配慮の提供が義務付けられることになり、区の積極的な対応が求められます。そこで、合理的配慮に基づいて質問いたします。
まず、聴覚障害者について伺います。耳が聞こえない、聞こえにくいといった聴覚障害者にとって、話し言葉による意思の疎通を図ることが難しく、日常生活において様々な場面で壁にぶつかります。特に見た目には障害がわからないために、誤解されたり、不便なことも数多くあります。そこで活用されているのが耳マークです。こちらが耳マークとなっております。今、区内の窓口、様々なところに設置されております。聞こえない人々の存在と立場を認知してもらい、コミュニケーションの配慮などの理解を求めていくためのシンボルとされています。区では、この耳マークをどのように活用しているのでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 耳マークにつきましては、全ての窓口に設置しているところでございます。このマークをお示しする方、もしくは提示を受けた場合には、その方の状況を把握いたしまして、筆談などにより対応しているところでございます。
○広川委員 区の窓口では、聴覚障害者への対応、1日平均6件前後行っていると聞いております。耳マーク案内板の設置は、聴覚障害者が来庁した際、安心してもらうためにとても大事な取り組みだと思います。先日、中野区中途失聴・難聴者の会の方から、耳マークの案内板のある区の窓口で耳マークを見せたが、なかなか理解されなかったという話を伺いました。窓口での耳マークへの対応はどのように徹底されているのでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者差別解消法の施行に先立ちまして、昨年度、区の障害者対応基本マニュアルというものを策定いたしました。その中では、聴覚障害の方の特性ですとかコミュニケーション、留意点について記載をしているところでございます。障害のある方が窓口に来られた際の対応等については、そのマニュアルを通して周知をしたところでございます。また、これまで聴覚障害の方々へのコミュニケーション支援の研修等も行ってきているところでございます。
○広川委員 ぜひ引き続き研修を進めていただきたいと思います。
聴覚障害者の中には手話通訳の利用を求める方もいると思います。区役所内の窓口に来られた際、もし手話通訳を希望した場合、対応することはできるのでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害福祉分野には、月曜から金曜、平日の朝8時半から5時まで手話通訳者を配置しております。区役所1階の障害福祉分野の相談が中心になりますけれども、庁内への派遣は必要に応じて可能としているところでございます。
○広川委員 対応できるのであれば、区の案内板のある窓口に「手話通訳スタッフもいます」といった表示をしてはどうでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 各窓口への手話通訳、手話対応可能という表示でございますけれども、それを見た方は、基本的にはその窓口に配置をしている職員が、そのまま手話が使えるというふうに誤解を招くおそれがあるというふうに考えております。先日、聴覚障害者の当事者団体の方と意見交換をする場がございましたけれども、区の窓口の対応について伺ったところ、現在は筆談等を活用しながら特に不便は感じていないというようなお話もいただいております。現時点では、窓口への表示はしておりませんけれども、通常の手続の際には筆談等で対応して、相談が複雑化した場合等につきましては、これまで同様に障害福祉からの手話通訳者の派遣で対応していきたいと考えております。
○広川委員 障害者差別解消法の合理的な配慮の提供では、区内のイベントなどへの手話通訳の派遣も自治体が努力しなければならないとされています。現在、区が区報で紹介しているような行事や講座、説明会など、一般区民向けの催しにおいて聴覚障害者が手話通訳を希望した場合、派遣してもらうことはできるのでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 区が主催します講座や説明会等に手話通訳を希望する。事前に申し込んでいただくことで派遣は可能としております。
○広川委員 一般区民向けのどの催しであっても派遣できるということでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 200名以上の参加が見込まれる講演会等につきましては、希望の有無にかかわらず手話通訳者を派遣することとしております。その他の事業につきましても、事前に申し出があった場合には、合理的配慮の一環として手話通訳を派遣するということになります。ただし、イベント等によりまして個人単位で手話通訳が必要になるものもあるかと思います。その場合には、利用者御本人が区で持っております地域生活支援事業により、個人への手話通訳派遣ということも考えられると思います。
○広川委員 区報を見てみると、催しの内容を紹介する文章の中で、「手話通訳希望の方は御連絡を」などと記載されているものもあれば、ないものもあります。見た方は、記載のある行事では手話通訳があるが、記載がなければ手話通訳はないと思ってしまうのではないでしょうか。全ての催しに手話通訳の派遣が行えますといった情報を区報に明記してはいかがでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 配置できる事業への手話通訳の派遣可能という表示については、改めて周知をしていきたいと思います。ただ、区報でお知らせしております区の事業につきましては、先ほど申しましたけれども、講座、イベント等、様々な事業がございます。それぞれ実施日が異なるために、事前に申し込んでいただく期日等も様々となってしまいます。まとめて掲載するのは困難ということも考えられますので、一時保育と同様に、各事業ごとに記載する方法をとってまいりたいと考えております。
○広川委員 今後どのような記載がわかりやすいか、ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、視覚障害者施策について伺います。今年8月15日、東京メトロ銀座線、青山一丁目の駅のホームで、盲導犬を連れた視覚障害者の会社員が線路に転落して死亡するという悲惨な事故が起きました。視覚障害者は、ホームからの転落や電車との接触という危険性がとりわけ高いとされています。日本盲人会連合が2011年に行った調査結果によると、ホームから転落したことがある視覚障害者の割合は36.5%に上り、59.9%がホームから転落しそうになったことがあると回答しています。視覚障害者にとって駅のホームは、「欄干のない橋」と例えられることがある危険な場所となっております。日本盲人会連合会の調査において、どのようにしたら転落が防げるのかという質問に対し、9割の視覚障害者がホーム柵の設置と答えています。
まず、区内のJR及び西武新宿線、計6駅でホームドアが設置されている駅の数を伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 区内のJRの駅でございますが、中野駅、東中野駅、それから、西武新宿線には5駅がございますが、いずれもホームドア設置はされてございません。
○広川委員 西武新宿線については今後立体交差事業が行われますが、整備にあわせてホームドアを設置する予定はあるのでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 西武鉄道では、1日の利用客が10万人以上の駅につきまして優先的にホームドアの設置を進めておりまして、現在連立事業中の整備対象となる2駅へのホームドアの設置については、現在のところは未定と聞いております。
○広川委員 西武新宿線は、車両によってドアの数が違うことからも、ホームドアの設置が進まない理由と聞いています。近年、仕切り柵が上下に動き、車両のドアの位置や数が変わっても対応できる昇降式ホーム柵の開発が進み、試行導入が始まっています。導入コストも従来品より大幅に低く抑えられます。従来型のホームドアの設置にめどがつかないのであれば、昇降式ホーム柵の早期設置を働きかけてはいかがでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 御指摘の車両の問題も含めまして、ホームドアの設置を進める上での課題を解決できる方法の十分な検討を、鉄道事業者側に求めてまいりたいと考えております。
○広川委員 これまでJR中野駅についてもホームの危険性が度々指摘されてまいりました。中野駅は年々利用者が増え、昨年度、1日平均の利用者数は約14万5,000人となりました。時間帯によってはホーム上が込み合い、一般利用者からもホーム柵の設置を求める声があります。中野駅でのホーム転落事故の発生頻度はどの程度なのでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 過日、中野駅に問い合わせをいたしましたところ、おおむね2カ月に1件、年間では10件程度発生しているということでございます。
○広川委員 2013年には、視覚障害を持つ40代の男性が、中央線下りホームから転落するという事故もありました。いまだホーム柵の設置のめどは立っていない状況です。ホーム柵についてJRに対し、早期設置とともに設置に向けた年次目標の提示を求めてはいかがでしょうか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) ホームドアの早期設置並びに対応時期についても明らかになるように、引き続きJRに対して強く働きかけていきたいと考えております。
○広川委員 今月6日、JR東日本は、従来より3割軽いホームドアを開発したと発表しました。設置費用は、現行のホームドアに比べ約5割で済み、ホームドアの重さに耐えられるようホームを補強する工事も削減できるとしています。今年度中にJR横浜線の町田駅に試験導入後、費用削減や工期短縮などの効果を検証し、他の駅でも導入を検討するとしています。区としても効果や動向を見つつ、設置を求めてはいかがでしょうか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 新型のホームドア導入等も含めまして、ホームドア設置について求めていきたいと考えております。
○広川委員 ホーム柵の設置により、視覚障害者の危険を大幅に減らすことができます。ぜひ鉄道事業者に対し、早期設置を強く働きかけていただきたいと思います。また、ホームと列車のすき間が大きい場所やホームが狭くなっているところ、危険な階段など、視覚障害者にとって危険箇所の改善も求められています。駅のホーム柵をはじめ、駅全体の安全性、バリアフリーの確保により一層取り組むことを要望し、この項の質問を終えます。
その他の項で、コミュニティFMについて伺います。今年2月の第1回定例会での一般質問で、コミュニティFMについて取り上げました。阪神淡路大震災や新潟県中越地震、大きな自然災害のたびにコミュニティFMの重要性が認識されてきたことや、東日本大震災では29に上る臨時災害放送局が開局し、地域に特化したきめ細やかな放送で被災者を支えてきたことなどを紹介いたしました。ことし1月14日に発生した熊本地震では、地震直後から24時間体制でコミュニティFM、熊本シティFMが生活情報を発信し続けました。この地震では、車中泊や高齢避難者が多い中で、情報入手の重要な役割を果たしたと言われています。そこで区は、これまでの震災においてコミュニティFMが果たした役割をどのように評価しているのでしょうか、伺います。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 情報通信白書などによりますと、コミュニティFMは災害等において避難情報等の被害軽減に役立つ情報や、被災者のための生活関連情報などを発信するとされております。このことからコミュニティFMは、地域の被災者に対して防災情報を伝達する手段の一つとして活用できるものと考えております。
○広川委員 これまでの震災でも明らかになっておりますが、平時から放送していたコミュニティFM局は自治体と防災協定を締結しており、災害時の情報伝達や役割が明確で、災害時に臨時災害FMとして移行することがスムーズである一方、コミュニティFMが地域に存在しない自治体では、様々な開設プロセスがあり、放送開始に数日から1カ月かかっています。周知にも一定時間がかかり、放送にかかわる体制も一からつくらなくてはなりません。熊本地震後に様々な自治体でコミュニティラジオの開設が広がっています。いつ起こるとも知れない首都直下型地震に備え、中野区でも災害に備えるコミュニティFMの利用を研究してはいかがでしょうか、伺います。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は、区民への情報提供手段として防災行政無線とホームページ、ツイッター、フェイスブック、Lアラートなどを既に構築しております。また、ジェイコム中野やヤフーと協定を締結し、それぞれの媒体から区の防災情報を発信する体制を構築しているところでございます。情報提供者のさらなる拡大につきましては、今後とも検討してまいりたいと考えております。
○広川委員 災害時の情報提供の一つとして、他自治体の取り組みも参考にコミュニティFMの検討を要望し、全ての質問を終わります。
○若林委員長 以上で広川まさのり委員の質疑を終了します。
次に、森たかゆき委員、質疑をどうぞ。
○森委員 平成28年第3回定例会、決算特別委員会におきまして、民進党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。今回、我が会派として初めて、1回の総括質疑で3名の質疑をさせていただいています。私がその最後ということで、何か10何番目に質疑をするって初めての経験なので、なるべくさきの皆さんとかぶらないようにということで準備はしてきたんですが、やっぱり待機児童の部分とか自殺対策の部分、多少かぶる部分が出てくるかなと思います。場合によってはちょっと質問を省略するかもしれません。よろしくお願いいたします。
まず、1番目の決算について、歳入歳出について、これももう既に多くの皆さんから質疑が出ています。私からは国の施策と関連して幾つかお伺いしたいと思います。歳入については社会資本整備総合交付金、この1点で聞きたいと思います。
まずは、平成27年度決算で社会資本整備総合交付金を活用した事業、どのようなものがあるでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 社会資本整備総合交付金は、基幹的な社会資本整備事業の他、関連する社会資本整備やソフト事業を総合的、立体的に支援し、成果を高めるということを目的とした交付金でございます。例といたしまして、南部地区の都市再生整備計画では、基幹事業である弥生六丁目公園等の公園整備の他、区民活動センターを一体的に整備することによって地域の活動の活性化等に成果を上げるという計画になってございます。中野区においては、駅周辺のまちづくりや大規模公園の整備などの事業に活用しているというところでございます。
○森委員 この社会資本整備総合交付金を活用するに当たっては、国交省に申請をして交付を受けるという手続が必要かと思います。この申請に当たってはどのようなものが必要なんでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 社会資本整備総合交付金を活用するためには、地方公共団体が社会資本総合整備計画を作成し、これを国に提出することが条件となります。この整備計画では、地域が抱える課題を踏まえまして、計画の目標や目標を定量化する指標、目標を達成するために必要な事業等を記載するということになってございます。南部地区都市再生整備計画においてでございますが、地域の交流の推進を目標として、地域の活動への参加や災害時の安全性などを指標としている。そんな形のことで条件設定して進めているところでございます。
○森委員 ありがとうございます。
安全で快適に済み続けられる活力あるまちづくりというのが、中野駅周辺、東中野、西武線沿線周辺のまちづくり等が入っている。南部地区のほうが、南のほうの大規模公園ですとか、すこやか、区民活動センター等の整備に充てられているということです。先ほど御答弁いただいた計画というのが、これ、公表の義務もありますので、ホームページに載せていただいております。それを見ると、定量的な指標というのがあります。「安全で快適に」のほうで見ると、事業費が177億円(全体)に対して、中野駅の乗降客数、2万人増やしますよ、歩行環境の改善を進めますよ、1人当たりの公園面積を増やしますよ、このあたりはわかるんですけれども、中野通りの荷さばき駐車台数を9台から6台に減らします。野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅地区周辺の人口に対する地域まちづくり組織による報告会等の参加人数の割合、これを0.27%を目標にしますということで、事業規模に比べてちょっと成果指標が、スケールが小さ過ぎるんじゃないかなという感じがします。南部地区のほうはさらに顕著で、こっちの全体事業費が121億円に対して、成果指標が、地域のボランティアなどの活動に参加した区民の割合を16.4%から17%に引き上げます。区民意識意向調査のうち対象地区における災害時の安全性に対する生活環境の評価、2.58を2.70に引き上げます。同じく区民意識意向調査のうち対象地区における公園や広場に対する生活環境についての評価、これを2.51から2.60に引き上げますということで、ちょっと、百何十億円使う事業については、成果指標のスケールが小さ過ぎるんじゃないかなという印象を受けるんですが、この点についてはどのように認識されていますでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 南部地区の都市再生整備計画の指標でございますけれども、南中野区民活動センター等の設置効果を含む目標の達成度を図るために設定したというところでございまして、御指摘のとおり地域活動に参加した区民の割合等が指標となっているところでございます。また、中野駅周辺につきましても御指摘のとおりでございまして、中野駅地区整備による駅や駅周辺の利便性、回遊性の向上を目標としておりまして、乗降客数あるいは中野駅、中野通りの集荷・荷さばきの駐車台数なども指標設定ということでございます。この指標でございますけれども、整備計画の最終年度の目標値については、当該指標の近年の推移に実施事業の効果を付加して設定したというところでございまして、整備計画の作成時に交付金を所管する国土交通省や東京都と十分な確認を行いまして設定したものということでございまして、適切な値であるというふうに考えております。
○森委員 ありがとうございます。
自分で聞いていて何なんですけど、この指摘自体にはあまり意味がなくて、社会資本整備総合交付金の交付を受けるためにつくった計画で、実際に交付を受けているわけですから、今この成果指標がどうこうといってもあまり意味がないというのは理解しています。ただ、ここで何でそれを言ったかというと、やっぱり今後の問題なんですね。自治体にとっては、この交付金、使い勝手がいい、創意工夫が生かせるということでありますけれども、一方、国から見ると、ちょっと効果としてどうなのという議論が出てきているわけです。平成22年から始まった交付金ですけど、平成26年が終わった段階、5年間について会計検査院のチェックが入っています。そのチェックを見ると、公表されるべき情報が公表されていない、指標の設定が不適切、費用便益比の算出がされていない、地元の機運の検証がされていない、必要な書類がそろっていないのに国交省が受領してしまっている等々、様々な指摘がされています。さらには、経済財政諮問会議の歳出改革ワーキンググループでもこれが議論の対象になっています。そこで言われているのは、平成25年から平成27年の3年間、申請件数は8%ぐらいしか伸びていない。一方で、申請の金額、総額は35%ぐらい伸びている。ということは、一つの計画の中に効果が薄い事業、緊急性が薄い事業、こういうのが入ってきているんじゃないか、こういう目が向けられてきているわけです。さらには、単年度で見た場合の不用額とか契約の不調、こういったものも多く出ている。こういったところが問題視されてきているところであります。
市長会なんかからは、いわゆる割り落としというのをなくしてくれという要望書も出ている中で、今、大体毎年度2兆円ぐらい、全国でこの社会資本整備総合交付金の予算がとられているんですが、ここが減るということにはならないにしても、審査というのは今後厳しくなっていくんじゃないかなというような感覚でおります。これまで以上に説得力のある計画というのが求められると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 整備計画の作成に当たりましては、目標設定が適切か、実効性のある事業かなど、計画の効果性や効率性を十分検証いたしまして、交付金を所管する国土交通省や東京都の担当部署と十分確認しながら進めていくということにしてございます。また、交付金の申請前には、これまでも都による厳格な設計審査を受けて対象事業の精査を行いまして、事業完成後の完了検査においても適正な事業が執行されているかチェックを受けているところでございます。今後とも引き続き適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○森委員 特に会計検査院の所見の中にある、「地域住民のニーズ、意向を反映させるための方策を講ずること」という指摘は重いと思います。さっきも言ったように百何十億円かけてボランティア参加者数を0.何%増やす、こういう計画だけでなかなか納得する区民の方はいないんじゃないかなと思います。我々の立場からすると、いずれにしても更新しないといけないインフラがあるとか、そういった課題も含めて見ているから、この定量的指標だけでどうこうというつもりはないですけれども、区民の方からするとなかなか納得できない部分も今後出てくるかと思います。その点については十分留意をして今後取り組んでいただきたいと思います。
この件については以上です。
もう1点、社会資本整備総合交付金でお伺いいたします。中野駅西口南北自由通路、橋上駅舎、工事が遅れるということで報告をいただいています。現行の計画は平成32年までで、この社会資本整備総合交付金の交付には影響がないというような御報告もいただいているところでありますが、いま一度御説明をいただけますでしょうか。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 社会資本総合整備計画は、事業の進捗により計画の内容を見直しながら進めていくものでございます。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等整備事業においても、事業の進捗により適宜適正に計画内容を修正していくことで、確実に交付金を確保してまいりたいと考えております。
○森委員 先ほども申し上げましたけれども、チェックが厳しくなってくるんじゃないかというところが見えていますので、着実に取り組んでいっていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
続いて、歳出のほうについてお伺いいたします。
まずは、今回の決算の中に入っている二つの臨時給付金についてお伺いいたします。子育て臨時給付金と臨時福祉給付金という事業がございます。こういった事業の効率性、どうなんだというのはもうずっと議論してきたところですが、今回も改めて検証したいと思います。
まず、子育て臨時給付金のほうを見ると、この決算の説明書の中で人件費に関する費用が載っていません。執行の方法によるものかと思いますが、その件について御説明をお願いいたします。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子育て世帯臨時福祉給付金の人件費の件でございます。子育て世帯臨時福祉給付金につきましては、効率的に事務を執行するために臨時福祉給付金事務に執行委任をしてございます。臨時福祉給付金と一体的な事務として執行することにしましたことから、子育て世帯臨時福祉給付金では臨時職員の賃金は予算計上してございません。
○森委員 臨時福祉給付金のほうを見ると、時間外手当とか臨時職員の賃金ですとかが載っています。そこに入り込んでいるということですね。はい、ありがとうございます。この費用、臨時職員を使っている、それから、子育てのほうと臨時福祉のほうと一緒になって執務をしているということだったんだろうと思いますが、これ、具体的にはどういう執務環境で執行を行っていたんでしょうか。
○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 執務環境でございますが、庁内の会議室を併用いたしまして、そこに備品とか機材等を導入して事務を行ってございます。平成27年度臨時福祉給付金ですけれども、世帯ごとの税情報を確認いたしまして対象者を抽出する作業に時間がかかりますので、時間外勤務として行っております。一方、子育て世帯臨時特例給付金につきましては、対象者が児童手当受給者に限定されるということから抽出作業がございませんので、時間外勤務は必要ございませんでした。また、臨時職員につきましては、臨時福祉給付金事務の補助といたしまして、封入・封緘ですとか単純入力等を行ってございます。
○森委員 様々な人と様々な作業とが入り組んでいる状況で、作業されていたんじゃないかなと思うんです。これ、国の事業ですから、当然この辺のお金も国費で見ていただいているということでありますが、ここに見えないコストというのも発生しているわけであります。正規職員の対応の賃金というのは区の持ち出しになっているかと思います。この事業の正規職員の配置とその人件費はどのようになっていますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成27年度の臨時福祉給付金の担当に3名の正規職員を配置いたしました。人件費は、標準人件費を用いまして、3名分で2,662万8,000円でございます。
○森委員 2,600万を超える人件費というのもここにかかってくるということで、細かい数字は後で検証しようと思いますが、いずれにしてもかなりの費用がかかってきているということだと思います。職員さんの事務負担というのもかなりあるということで御説明いただきました。やっぱりもうちょっと効率的にできないかなというふうに思うわけです。先ほど福祉推進担当副参事から御答弁いただきましたけれども、子育てのほうについては、これは対象の抽出の必要がないという仕組みだったわけです。そうすると、単純に児童手当に上乗せで支給できなかったのかなと思うわけですが、その点いかがでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童手当との一体給付についてでございます。まず子育て世帯臨時特例給付金につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、平成26年度、効率化を図るために臨時福祉給付金のほうに事務の執行委任をしてございます。その中にはシステム構築も一体的なものとして行ってございます。そのことを踏まえまして、平成27年度につきましても引き続き、臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金とで一体的に執行することとされてございます。
○森委員 前段の工夫で経費削減を図っていただいたということで。ただ、結果として、じゃあ、これ、まあ、国のほうで申請した人に支給しなさいということで、現実的には今回難しかったというのも理解するところでありますけれども、国のほうで工夫していただければ、逆にもうちょっとやりようがあったのかなという気もします。これはもう、こういった事業については再三申し上げてきています。自治体の実務については、我々も国会議員なんかには理解していただかないといけないと思っていますし、行政サイドは行政サイドでそういった働きかけを続けていっていただきたいなというふうに思います。
この点については以上です。ありがとうございました。
続きまして、プレミアム商品券のほうに移りたいと思います。今回の決算でプレミアムつき区内共通商品券発行事業というのが入っています。国の消費喚起策として実施されて、全国の自治体、97%が商品券を発行したということですが、まず区が実施したプレミアムつき商品券の発行支援事業は、発行総額が7.2億円、決算説明書によれば、この事業に係る決算額は1億6,300万円余りとなっています。この経費について、プレミアム商品券として発行されたもののうちプレミアム部分と事務経費の部分、合計がこの金額ということだと思うんですが、それぞれの内訳はどのようになっていますか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 商品券自体のプレミアム分といたしまして約1.2億円、事務経費分としましては約4,000万円余りとなってございます。
○森委員 建設委員会のほうでは、消費喚起効果ということで御報告もいただいております。幾らだったでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) この事業の新たな消費喚起額としましては、約2億5,300万円でございます。
○森委員 それが消費の喚起額ということで御報告いただいているんですが、こういった事業はもともと単に需要を先食いしているだけじゃないかとか、継続的な効果はないんじゃないかというような批判も多いところであります。また、事務経費もかなりかかって、4,000万円かかっている。プラス、さっき言った正規職員の人件費というのも、見えないコストとしてここにはさらに乗ってくるわけですよね。そう考えたときに、その辺への言及なしに、利用者の調査で、これはプレミアム商品券があったから買ったんですか、なくても買ったものですかという調査だけで、2億5,000万の効果がありましたと言われてもなかなか納得感のないところ。もうちょっとちゃんとした検証が必要なんじゃないかなというふうに思います。検証という意味でいえば、国が旗を振った事業ですけど、子育て世帯に優先販売するとか、中野区なりの工夫もしているわけですよね。そこの検証というのも必要だと思います。そこでお伺いしますが、子育て世帯向けの優先販売、これどういった形でやったんでしたっけ。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 子育て世帯向け先行販売といたしまして、0歳から15歳のお子様を持つ約2万世帯に対しまして、一般販売の約1カ月前ほどから限定しまして優先的に販売してございます。
○森委員 その優先販売分というものの売れ行きというんですかね、販売状況というのはどうだったんでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 当初のもくろみでございますが、約3万冊を販売する見込みを立ててございました。結果としましては見込みに達せず、約1万4,000冊にとどまりまして、その残の分は一般発売として発売してございます。
○森委員 半分しか売れなかったということで、その要因はどのように考えていますか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 個別の聞き取りについては実施していないため、本当のところは把握してございませんけれども、使用期限が決められたことでございまして、期限までに消費できるかどうか迷われた方がいらっしゃったのかと思います。その買い控えが起きたのかと思っております。
○森委員 全部は売れなかったということですけれども、まあ、半分ぐらい買っていただいたということで、その辺の子育て向け優先販売、この効果についてはどう考えていますか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 商品券全体の消費動向につきましてはデータを把握してございますが、子育て世帯が購入した商品券につきまして、この商品券、どのようなお店でとか、どのような目的で消費されていたのかについて把握することが難しいということでございます。しかし、プレミアム商品券自体、全体としての換金率は99.75%でございまして、購入された方につきましてはしっかり使っていただいたと思ってございます。全体として見れば、子育て世帯に対する支援も効果があったというふうに認識してございます。
○森委員 要するに、子育て世帯に対する効果というより、全体の効果としてそういうのが子育て世帯にも行っているという御答弁だと思います。売れ残った分というのは一般販売に回ったわけですよね。これは幾ら分ぐらいになりましたか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 全体7.2億円のうちの5.5億円分でございます。
○森委員 その5.5億はどのくらいで売り切ったんでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 発売から3日間で売り切ってございます。
○森委員 短期間でそれだけの商品券が出ているわけで、色々お金のかかる子育て世帯のニーズは、本当はもうちょっとあったんじゃないかなという気もするんです。まあ、個別の聞き取り調査が難しいというのはよくわかりますけれども、通知の方法とか広報の方法とか適切だったかというのは改めて検証していただきたいと思います。事業全体としても、私も買えなかった人から次をどう考えるのと言われたりとか。あと、これは他自治体の検証結果ですけど、低所得世帯よりも高所得世帯のほうが多くもらっている。これで本当にいいのかなんて言っています。中野は購入上限を設けていますから、そんな極端になっているというわけではないでしょうけど、事業全体として本当にそれでいいのかなと疑問に思わざるを得ません。ただ、これ、国がやるといったらなかなか中野区は、例えば23区で中野だけやりませんという判断は現実的に難しいというのも、これは理解するところです。今後どうなるかわかりませんけれども、またやるようなこともあるんじゃないかと思うので、改めて検証をしっかりして備えておいていただきたいというふうに思います。
以上です。ありがとうございます。
すみません、通告では子育て支援を先にしていたんですが、ちょっと学校教育のほうを先にやらせていただきたいというふうに思います。
まず、就学援助についてです。中野区は平成26年から3年間、生活保護基準引き下げに連動した就学援助の基準見直しに伴う経過措置を実施しています。各年度の対象人数はどのくらいだったでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 経過措置の対象者ですが、平成26年度が154人、平成27年度が200人、平成28年度につきましては当初認定で99人となってございます。
○森委員 その方々に対してはどのような支援があったんでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学援助の経過措置の対象者の方に対しましては、入学学用品費、修学旅行費、移動教室費、校外活動費、卒業アルバム代、及び校内鑑賞教室に要する経費を支給してございます。
○森委員 それの経費はどの程度かかっているのでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 平成26年度が約313万円、平成27年度が約334万円となってございます。
○森委員 それから、支給の認定基準を生活保護基準の1.2から1.15にしたとき、対象外となった人数というのはどのくらいなんでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学援助支給認定基準を下げた平成24年度に、その前年度、平成23年度の就学援助認定者の方について、1.2から1.15に引き下げた額で計算したところ、非認定となる方は約80人でございました。
○森委員 これは予算のほうに確認したいんですが、就学援助というのは財調の中で充当される制度になっていたかと思います。この経過措置分、三百何十万円という部分ですけど、これはどうなんでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 就学援助に係る経費についてでございますが、都区財調制度上の普通交付金に委員の御指摘のとおり算定されています。経過措置分については、普通交付金の算定ルールを変更してございませんので、算定はされておりません。
○森委員 そうすると、算定の対象になるところを削って、算定の対象にならない、純粋に自分たちで出すところの支出は増えているわけですよね。これ、これだけ子どもの貧困格差ということが言われていて、社会的にいろんな取り組みが進んでいる中で、これ、1.2に戻したほうがいいんじゃないのという問題意識で聞いているわけですけれども、そういうお金の合理性というところから考えても、今の答弁を聞いていると、やっぱりこれ、もとに戻したほうがいいんじゃないかなというふうに改めて思うわけですが、その点についての見解はいかがでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 経過措置につきましては、平成26年度から平成28年度の期間を定めて行っているものでありまして、今年度をもって終了というふうになってございます。就学援助制度につきましては、所得が一定以下の世帯に対して学校教育に必要な経費の援助を行うことを目的としているものですので、その対象となる就学援助支給認定の基準の変更を考えてはございません。
○森委員 考えていないと言われちゃったんですけど、平成27年に文科省が出している就学援助制度の準要保護認定基準の概要を見ると、これ、1.2倍から1.3倍というところがやっぱり一番のボリュームゾーンなんですね。他自治体と比べても非常に厳しいんじゃないかというふうに思います。これは他の自治体との比較ですけれども、国際比較でいえば、相変わらずOECDで最低レベルの公的支出割合だというのが先週もニュースになっていました。そういったことから考えても、ここはお金のかけどころじゃないかなというふうに思っていますので、来年度予算編成に向けて改めて考えていただきたいと思います。
以上です。
続いて、生活援護のほうで行っている学習支援についてお伺いいたします。この事業は、低所得者世帯の中学3年生に全日制都立高校への進学を目指した学習支援を行うものです。所得と学力の相関関係が出てきているという中で大変重要な事業だということで、我が会派としても評価をしているところでありますが、しかし、普通に考えてみたら、子どもの学力に責任を持つのは教育委員会のはずなんです。この事業でやっていることがなぜ学校教育の中でやり切れないのか。この点について教育委員会の見解をまずお伺いいたします。
○杉山教育委員会事務局指導室長 まず、学力の向上については、学校において取り組んでいるところでございます。委員がお話しのように、学習支援事業(しいの木塾)は、経済状況によって家庭学習に格差が生じないよう、低所得世帯の支援を行っているものであり、いわゆる学校教育と家庭での教育というところに差異があるというふうに認識してございます。
○森委員 差異があるということなんですが、教育基本法第5条を見ると、義務教育として行われる普通教育は各個人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われ、地方公共団体は義務教育の機会を保障し、その水準を確保する責任を負うと、こういうふうにされています。こういった規定から考えると、公教育というのは、色々家庭の状況によって他にも様々あるかもしれませんが、指導が難しい子どもに対してこそ力を入れるべき。これが義務教育の本来の目的なんじゃないかと。下位の子どもの底上げということですけれども、ここが義務教育の本来的な、根本的な役割なんじゃないかなというふうに思っています。この点について教育委員会はどのように認識しているか、そしてまた、現場でどういった取り組みをされているかお答えください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 学力の向上を目指しまして、学校においては授業改善や習熟度別少人数指導、放課後補習教室など、様々な手だてを講じて一人ひとりの学習状況に応じて取り組んでいるところでございます。区独自の学力調査の結果については向上の傾向にあり、全国の学力調査の結果についても全国や都の平均正答率を上回っており、一定の成果を上げている状況であると認識してございます。
○森委員 現場では本当によく頑張っていただいているんだということはわかります。わかりますけれども、それでもやっぱりこのしいの木塾に通うようなお子さんの学力を、都立高校に進学できるところまで上げていくところまで対応ができていないということなんだと思います。だんだん社会が成熟していくと、さっきの法律の中の基準とか基礎とかという部分のところもだんだん上ってくるんじゃないかと思うので、これに対して公教育というのもキャッチアップしていかないといけないんじゃないかというふうに思います。しいの木塾の授業は、金銭的な事情で塾に通えないお子さんたちに、通塾をするという選択肢を与えるという意味でも大事だと思うんですが、中3の通塾率、どうなっているのかなと調べてみますと、2015年の文科省の調査で、全国で61.1%、東京都では69%という数字が出てきたんですが、中野区ではどうですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 中野区では72.9%でございます。
○森委員 そうすると、4人に3人ぐらい塾に通っているというのは大変な状況だなと思います。これを調べていたら、30年ぐらい前、昭和62年、文部事務次官名で「学校における学習指導の充実等について」という通知が来ているのを見つけました。これは当時、通塾率45%程度だったんですが、塾通いが加熱して大変だと。これは公教育で何とかしないといけないという問題意識で発せられている通知です。塾に行かなくても学校でという問題意識から、この30年たって、塾通いというのがあるのを前提としてどうするかというところまで変わってきているんだなと改めて思いました。この通知の中には、塾通いの弊害というのもいろいろ書いてあります。ちょっとこじつけじゃないのとか、時代に合わなくなっているなという部分もあるんですが、一方で、長時間塾にいて運動不足、睡眠不足になるとか、遊びや生活の体験不足につながるんじゃないかというような指摘もあります。この辺はまだ一緒なのかなとも思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 昭和62年の通知につきましては、現在、都では児童・生徒の実態や保護者の考えをはじめ、社会状況が大きく異なっているため、全てが同じ状況にあるというふうには考えてございません。本通知により指摘された内容につきましては、学習指導要領の改訂の際に文部科学省が対応してきており、区としても取り組んできているところでございます。塾も含めて家庭での学習のあり方については、家庭と連携を図って取り組むことが肝要であるというふうに考えてございます。
○森委員 塾通いをやめろなんていうのは教育委員会として言えないわけでありまして、そういったところもあるかもしれませんけれども、やっぱり教育の一義的な責任というのは教育委員会にあるんだと、改めて考えていただきたいなと思います。2020年に向けて学習指導要領の改訂が予定されていて、大学入試も変わってくる。そうすると、義務教育のあり方というのも変わっていかないといけないのかなと思っています。特に今言われている思考力、判断力、表現力、こういったところを身につけさせるというのは、いわゆるテクニカルな受験指導というよりも、学校現場のほうにまだ一日の長があるのかなというような気もしております。期待もしておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
すみません、教育委員の話はちょっと時間が厳しくて割愛させていただきます。申しわけございません。
子育て支援のほうに移りたいと思います。
待機児童対策、色々頑張っていただいてはおりますけれども、なかなか数が減らないということで、まずこれ、ニーズをしっかりと把握しないといけないというところがあろうかと思います。妊婦健診ですとか子どもの健診ですとか、色々当事者と接する機会があるかと思いますが、そういったところでのニーズ調査が必要なんじゃないかなと思っているんですが、いかがでしょうか。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 保育所の把握に関しましては、精度を上げていく必要があるというふうに考えております。御提案の内容を含めまして、様々検討していきたいというふうに考えてございます。
○森委員 ありがとうございます。ぜひ御検討いただきたいと思います。
待機児童の定義のところは、ちょっとまた飛ばさせていただきます。
それから、施設の誘致の問題です。既に御答弁がありましたので、状況は聞きませんが、補正予算でつけた分、全部というのもなかなか厳しい状況なのかなと思っています。どういったところがネックになっているんでしょうか。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 実際にこの誘致を行う中で、保育者等とヒアリングを行ってございます。そういった中で各事業者の事業展開などの考え方、経営上の理由もございますけれども、保育の質を確保しながら事業を進めるための保育士人材の確保、これが最も大きな課題であるというふうに事業者から挙げられてございます。
○森委員 ありがとうございます。人材という部分については一番大きい問題ということで、後ほど触れます。
もう1個、物件の確保というのがあると思うんですね。東京都は都有地の洗い出しをすると言っていますけれども、中野区では区有地の活用、どういう状況なのか。計画の変更等々、状況変化等々によって出てくる土地なんていうのもあるかもしれない。そういったリアルタイムの把握というのはできているんでしょうか。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 区有地をはじめといたしまして、国や東京都の用地も含めて、その過程については検討を行っているところでございます。保育所につきましては、基本的には認可保育園とか小規模の認可保育園などを中心といたしまして、保育ニーズに対応していくという基本的な考え方を持ってございます。基本的には、安定して土地や建物を活用できることが必要であるというふうに考えてございます。安定的な活用につきましては、庁内における情報共有に努める中で、状況の変化に応じて必要性も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
○森委員 ありがとうございます。
出てくるかもしれないということであって、これはなかなか期待を過度にするのもいけないのかなと思います。基本は民有地でつくれるところを発掘していくしかないのかなと思っております。そういった民有地の発掘という部分、どのように取り組みをされていますか。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 一定の土地や家屋をお持ちの方の中で、保育所としての活用をお考えの方、これらの御協力を求めるために、ホームページ上におきましてそういった情報をお寄せいただくようなお知らせも行ってございます。また、町会等を通じて協力依頼も行ったところでございます。この他金融機関等を通じまして色々な相談があった場合に、そういった情報をお寄せいただくようなことも御依頼を申し上げているところでございます。また、今後不動産業界との協力関係も築いていきたいというふうに考えてございます。
○森委員 ありがとうございます。一時期、中野は事業者任せだなんて言われていましたけど、最近は熱心に取り組んでいるということで、本当にありがたいことだなというふうに思っております。引き続き御努力いただきたいということでお願いを申し上げておきます。
それから、保育士さんの待遇のほうに移りたいと思います。家賃補助のところ、東京都が金額を上げる対象を広げるという。金額は一緒ですか。中野よりは多い。対象を広げるというようなことを言っておりますけれども、これ、なかなか現場では対象になる人ならない人が出てきて、不公平感もあるというようなことが言われております。そういったところも含めて改善を要望したいと思いますが、いかがでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 今年度につきましても、宿舎借り上げにつきましては進めているところでございます。国の補正予算案等も受けまして、現在の実施等も検証しながら進めたいというふうに考えております。
○森委員 ありがとうございます。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
今年度からの事業として、キャリアアップ補助というのがあります。これ、決算の説明書を見ると、施設の種類によっても違うんですが、民間保育とか地域型保育では結構な不用額が出ています。初年度で見積もりが難しくて、ちょっと多目に積んでいたということならいいんですけど、思ったよりも継続年数の短い保育士さんが多かったとか、そういうことであるとちょっと不安だなと思います。そのあたり御説明をお願いいたします。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 初年度ということもございまして、年度後半からの実施となりました。そのために計画的に費用配分をし切れない事業者があったというふうに認識しているところでございます。
森委員 ありがとうございます。これも大事な制度だと思うので、現場で使えるように取り組んでいっていただきたいというふうに思います。保育士不足、保育士不足と言われていて、新しい人に入ってきてもらうというのも大事ですけれども、継続、今働いている人たちに働き続けてもらうというのも大事なことだろうというふうに思います。
1点お伺いしたいのは、保育士さんのお子さんの保育園の利用調整、ここはやっぱり何らか加点があったほうが、全体としての効率性というか整合性というか、そういったところもあるのかなと思うんです。この部分について取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育士が子育てをしながら継続して仕事をするために、保育施設の入所に対して優遇措置をすることにつきましては、国からも一定の配慮を求める通知が来てございます。しかし、優遇措置につきましては、23区あるいは東京都全体で取り組みを進めることによって効果が発揮されるものと考えておりまして、他区の状況も踏まえまして、東京都へ要望することも含めて検討したいと考えております。
○森委員 23区というある程度の規模のところでというのもわかるんですけど、どう考えても保育士さんに働き続けていただいたほうが全体としては合理的なんですよ。これ、どこかやらないと始まらないかもしれない。中野はその先陣を切って、そのくらいのつもりがあってもいいと私は思っていますので、御検討いただければというふうに思います。
すみません、校庭利用についてと有効採用率については飛ばさせていただきます。
東京都の緊急対策の中に、小規模保育を5歳まで入れるようにするという話が出ています。私としては、0歳から5歳まで19人の中に入れると、1学年何人になっちゃうんだろうというところとか、5歳ぐらいの子の体で小規模で大丈夫なのかとか、色々懸念をしているところであります。これはまだどうなるかわかりませんけれども、中野区としては慎重に考えていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 政府の国家戦略特区の諮問会議におきまして、新都知事が小規模保育所の年齢制限を特区において撤廃するように要望したというふうに聞いてございます。詳細な要件など内容が不明な段階におきましては、区の考え方を示すのは難しいというふうに考えてございます。
○森委員 まだ何も決まっていない状況でお答えできないというのもわかりますが、議論が始まったところの問題提起ということで受けとめておいていただきたいというふうに思います。昔、構造改革特区で幼稚園2歳からやったことがあります。あれも色々検証結果が出ています。2歳と3歳で全然発達の度合いが違うんだということで、なかなか2歳からの幼稚園は広がってきていない。こういった経験も含めて検討していっていただきたいなというふうに思います。
それから、この保育の問題、お金のかけどころですよということで、こうやって質疑しているんですが、一方で残念な事件も起きてしまっています。認可保育園での補助費の不正受給があったり、横浜市のほうですかね、業界最大手の株式会社が労働基準法違反で指導を受けたりというような状況があります。区の指導の状況、どうなっているのか。それから、こういった事例があった場合、発見できる体制になっているのかお伺いします。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 指導検査においては、職員の名簿、出勤簿、タイムカード、出所表等を照合いたしまして、職員の資格の有無についても免許証の写しを確認するなど、職員配置が適正であるかについては重点的に検査を行うこととしてございます。区は、平成28年度より保育施設に対する検査担当を設け、適切に対応できる体制整備を行っているところでございます。
○森委員 担当さんも設けていただいたということで、聞くとちょっと安心します。ちょっと事故のところも聞き切れないんですが、そこも含めてこの保育の信頼性という部分で取り組んでいただきたいというふうに要望しておきます。よろしくお願いいたします。
それから、最後に、保育の質ということで1問聞きたいと思います。この事故の話とか保育士の待遇とかというのも質の話ではあるんですけれども、本来的な保育の質はそこにとどまるものではないと思います。中野区の就学前の子どもたち、幼稚園に通う子も含めてだと思いますけれども、その子どもたちの今、それから未来の幸せ、それをどういうふうに規定して、そこに向けてどう進んでいくのか。こういったことを考える機会も必要じゃないかなと思っています。その点についていかがでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育の質の向上をはじめ、就学前の子どもの教育・保育のさらなる充実に向けては、この度子ども・子育て会議に部会を設け、議論をしていただく予定でございます。
○森委員 ありがとうございます。ちょうどその報告があって、このタイミングでこれを聞こうかなと思いました。そこでも考えていただきたいですし、子ども教育部としても考えていっていただきたいなと。これは要望しておきます。ありがとうございました。
最後に自殺対策、2分でやります。
昨年もこれ、お伺いしました。特に若者の対策ということで聞いたんですが、厚生31の資料からはなかなかそこが読み取れません。一方で、さまざまな事業はやっていただいていると思います。その点について少しお話しください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 平成27年度の事業といたしましては、ゲートキーパー研修の一般向けを、「若者の生きづらさについて」という題名での講義とグループワークを行っております。また、帝京平成大学の学生対象の講義とロールプレイも行っております。また、新成人への相談窓口案内チラシ、「中野区こころといのちの相談窓口」を平成26年度までは「成人の日」等で配布しておりましたが、平成27年度からは全員への個別郵送とさせていただいております。
○森委員 ありがとうございます。4人に1人が本気で自殺を考えたことがあると日本財団の調査結果が出て、4人に1人というのは全体の平均なんですね。20代、30代に限ってみると34%台。3人に1人以上が本気で自殺を考えたことがある。こういった状況なんです。改めてここは、まあ、やっていただいていると説明もありましたけども、さらに力を入れて進めていっていただきたいと思います。
それで、基本法の改正で義務付けになった計画づくりのところ、着手はまだということできのう御答弁があったので、それはそれで理解しておきたいと思います。この13条の規定、「自殺対策についての計画を定めるものとする」と書いてあります。義務付け、義務付けというんですけど、「しなければならない」じゃないんです。これ、私、自殺対策学会のシンポジウムに行って聞いてきたんですけど、これ、結局、地域主権改革の関係等があって、いわゆる義務付けにはなっていないという中でああいった表現になっているということで、だからこそ中野が主体的にここの部分、取り組んでいっていただきたい。特に保健予防だけではなくて、教育とかも福祉とかもかかわってくると思います。横断的に進めていっていただきたいと思います。
それをお願いいたしまして、私の総括質疑、終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了いたします。
ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後1時00分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。
○佐野委員 平成28年9月に行われます、自由民主党の立場から総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いします。そして、その後ずっと自民党が続きますので、きょうの終わりまでずっと続きますので、よろしくお願いいたします。そして、昼飯を食べた後でしょうけど、皆さん眠いと思いますけども、何とか頑張っていただきたいと思います。私も頑張りますので、よろしくお願いいたします。
まず、お話ししましたように、通告どおり、中野区職員の超過勤務について、2番目としまして空き家対策とその活用について、3番目として中野区の無電柱化についてやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、超過勤務のほうでございますけども、平成25年から平成27年の3カ年の残業につきまして、年ごとの累計残業時間、超過勤務時間並びに職員数、そして、年ごとの1人当たりの平均時間はどのくらいだったかということを人事課のほうに出していただきました。それによりますと、平成25年から平成27年の職員数は減っているんです、間違いなく。しかし、残業は増えているかなというつもりで再検討しなきゃいけないかなと思ったら、出してもらった数値によりますと、残業は増えていないんですね。ほとんど一緒か、あるいは下がっているぐらいなんです。そういう意味では、人数が減った割にはいろいろ工夫をして、各職場でおやりになっていただいているのかなという気持ちでいます。そういったことから質問させていただきたいと思います。
まず、平成25年と平成27年の累計残業時間が、平成25年が15万6,381、平成26年が15万4,573、平成27年が15万6,458と。職員数は、平成25年から1,969人。これは4月1日現在だそうです。平成26年から1,890人、平成27年度は1,885人と、人数は減っているんですね。それから、月平均の残業時間、これを12で割った数字でございますけども、平成25年度は6.6時間、平成26年度は6.8時間、平成27年度は6.9時間と、さほど変わっていないという現状がございます。そういう意味からすると、やはりいろいろ各部署で工夫をしながら、人数が減った分だけやっているのかなというふうに今思っている次第でございます。それと、残業時間の単価でございますけども、普通の残業であれば1.25倍ということになる。基本給×1.25ですね。それから、週休日、休日はやはり、夜22時前であれば1.35というふうに資料をいただいているんですけど、これでよろしいでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 それでは、よろしくお願いします。質問に移ります。
各年度の残業手当の総額を、平成25から平成27年度を含めてそれぞれの年度でお願いしたいと思います。決算の額で結構でございます。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 休日分を除きまして、国保・介護特別会計も含めましてお答えいたします。平成25年度は5億3,894万円、平成26年度は5億3,675万2,000円、平成27年度におきましては5億2,742万3,000円となっております。
○佐野委員 今お答えいただきましたように、ほぼ横ばい、あるいは下がっているぐらいでございますね。そのようなことで、各部署で工夫されてやっているのかなという気持ちに今なっております。
続きまして、一般にサラリーマンは労基法というもので守られております。労働基準法ですね。先ほど来色々出ていましたけども。しかし、地方公務員は地公法で守られているのかなと思っていますけども、それについてどのようにお考えでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 地方公務員の労働条件なども原則的には労基法が適用されますが、職務の公共性に基づく地方公務員法等の諸法令がございまして、労基法の一部を適用除外としております。
○佐野委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。
残業といえば、一般的には労基法で三六協定というのがございますよね。三六協定というのは、少なくともその組合があれば組合の代表とか、あるいは、他の代表者と結ばなきゃいけないというふうになっております。労基法ではですね。その労基法が適用されるのであれば、これを届けなきゃいけないという義務化があると思うんですけども、労働基準監督署に。そういうことがあると思いますけども、その辺についてはどのようになっているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 労基法第36条に基づきます三六協定につきましては、同法第33条第3項におきまして、官公署の事業に従事する地方公務員が公務のために臨時の必要がある場合につきましては、時間外の勤務命令ができること、協定の必要がないということが規定されております。
○佐野委員 また、労基法に基づきますと、労基法36条に基づく協定につきましては、同法第33条3項、官公署の事業に従事する地方公務員が公務のために臨時の必要がある場合については、時間外勤務の命令は協定がないこととされているということでよろしいんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 そうすると、協定がないということですか、これは。
○伊藤経営室副参事(人事担当) はい。官公署に勤務します職員については、協定を結んでおりません。
○佐野委員 そうすると、全職員については代表者と協定していない。別に地公法によって協定を結ばなくてもいいというふうになっているから。そういうことですか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) はい、そのとおりでございます。
○佐野委員 安心しました。それが心配だったものですから。そうすると、三六協定については、協定で1カ月45時間の上限を定めても、特別な事情がある場合には、労使の合意があれば上限を守らなくてもよいこととなっているということを政府が問題視しており、現在定めない特別な場合を厳しく制限する方向で検討していると認識している。今後の政府の検討状況に注目していきたいと、そういうことでございますね。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 三六協定の問題点につきまして、ただいま政府が問題視して検討しているという状況は承知しておりまして、基本的には労働条件にかかわることですので、今後政府の検討状況を注目していきたいというふうに思っております。
○佐野委員 三六協定について、皆さん御存じない人もいらっしゃると思うので、ちょっと御説明をしていただけませんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 三六協定と申しますのは、使用者が労働組合と書面による協定をいたしまして、行政庁に届け出をした場合に、労働時間や休日の規定にかかわらず、協定の定めるところによって労働時間を延長したり休日に勤務させることができるという、労働基準法第36条の規定でございます。
○佐野委員 労働基準法の36条にそういうことが記載されているということですよね。ありがとうございました。しかし、中野区の職員については、そういうことはしていないと。契約はしていないと。そういうことですね。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 官公署に勤務します職員については、その協定が必要ないこととされております。
○佐野委員 残業は、しなければならないときには絶対しなきゃいけないと思うんですよ。しかし、その残業の形態といいますか、健康管理の面からもどのように区職員について徹底を図っておられるか、まず御説明ください。それから、役職者についてもどうしているのかについて御説明いただきたいと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成23年度から中野区におきまして全ての勤務日をノー残業デーといたしまして、午後5時30分には退庁を促す旨の庁内放送を行っておりまして、統括管理者につきましても積極的に退庁を促すように取り組んでいるところでございます。また、月45時間を超える長時間労働者がいた場合は、人事のほうから部長と分野の統括管理者に通知をいたしまして注意喚起を行っております。また、3カ月続けて月45時間を超えるという長時間労働者がいた場合には、分野の統括管理者より職場環境改善策の提出を求めているところです。また、さらに、3カ月間継続しまして月80時間を超える長時間労働者がいた場合につきましては、産業医との面談を行いまして、健康状態の把握及び健康管理の観点から指導を行っております。
○佐野委員 今の御説明でよくわかったんですけども、それではお尋ねいたします。平成27年度は何人の職員が健康管理室まで行ったんでしょうか。この報告は一体どうなっているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成27年度に3カ月以上継続して80時間の残業があったという職員で、健康管理室の面談を受けた職員は2名おりました。健康状態の把握及び健康管理の観点から指導を行ったところでございます。統括管理者にもその内容を報告してございます。
○佐野委員 そうしますと、委員会にはそういう報告はしていなかったわけですか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 委員会にはそのような報告はしてございません。
○佐野委員 やはり議会軽視と言われても仕方ないと思いますので、できれば委員会にもそういったことを御報告いただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 庁内の労働安全衛生委員会等でこのような状況を管理いたしまして、適切に職員の時間外勤務の是正を図っているところでございますが、委員会への報告ということにつきましては慎重な検討が必要だというふうに思っております。
○佐野委員 実は今の質問はなかったんですけども、追加で質問させていただいたから余計困ってしまったと思うんですけども。やはり私が思うには、こういった重要なこと、体とか健康とかを考えながらやっていきたいという主張がある以上は、やはり議会のほうにも報告すべきじゃないかなというふうに思ったものですから、急に質問させていただいた次第でございます。できれば、いろいろ難しい面があろうかと思いますけれども、やっぱり議会のほうに報告する。45時間以上になった場合には報告するとかなんかでやっていかないと、やっぱり議会のほうも事故があってからでは遅いと思うんですよ。ですから、そういう意味で、皆さんで明るく楽しく、そして残業をしていくと、そういったことがやっぱり大切じゃないかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、改めて尋ねますが、中野区の時間外をより少なくする削減策をどのように考えておりますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 時間外労働、超過勤務につきましては、本来臨時的なものとして必要最小限にとどめるべきものであるというふうに考えております。労働者が健康を保持しながら仕事と生活の調和がとれるように、労働環境を整えていかなければならないと考えております。また、より効率的な事務の執行に努めまして、超過勤務を縮減していくことは事務執行の基本となるものであるというふうにも考えております。中野区特定事業主行動計画におきましても、仕事と生活の調和の実現に向けた勤務環境の整備としまして、超過勤務の縮減、休暇の取得等について掲げまして取り組んでいるところでございます。
○佐野委員 改めてお尋ねしたんですけども、より少なくするための削減策を区はどういうふうにしているかということを今お話しいただいたんですけども、実際的には健康というものがやっぱり一番必要だということをおっしゃっていると思うんですけども、健康というものについての考え方はどうでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 体の面、それから、心の面も含めまして総合的に健康であるということは、人間としては一番必要なことであるというふうに考えております。仕事でやりがいを持って、自己実現を図りながら健康的に仕事もし、余暇の時間も楽しんでいくということが一番望ましいというふうに考えております。
○佐野委員 今のも質問事項になかったことで、即答で今答えていただいてありがとうございます。そういった意気込みというか、そういった長の姿勢がやはりそれぞれの上司とか部下に伝わってくるのではないかなと思いますので、ぜひ健康の面からも注意していただきたいと、そういうふうに思う次第でございます。
それから、私が初めて議員にならせていただいた十二、三年前には、少なくとも事業部制というのが主体でやっておりまして、この件について御質問したことがあるんですけども、それにつきましては、各部署でしかわからないことだが、どういうシステムで残業を行っているか。その中でまず尋ねたいと。人事でも把握する必要があるということを言ったんですけど、事業部制があるがゆえに、その事業部事業部での予算をとってやっている。したがって、人事課のほうについては全て網羅していないというようなことがあったんですけども、今、人事はどういうふうにされているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 庶務事務システムというシステムを使いまして、所属ごとに統括管理者の命令のもとに時間外勤務を行っております。人事分野では、そのデータをシステムを通じて把握しておりまして、月々の確認、また、先ほど御答弁申し上げましたような継続の超過時間がある職員についての指導等も行っているところでございます。
○佐野委員 ということは、それぞれの部署で過残業、うんと残業した人については全部データが入ってくる。それに基づいてどういうふうにするかを判断している。そういうことでございますね。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 月ごと確認いたしております。その状況を見て必要な指導を行っているところでございます。
○佐野委員 非常にいいことだと思います。やはり私は、どこかで統括しないとこの問題は解決していかないと思いますので。どうしても人によって残業しているとか、そういうことがございますので、どう部署を動かしても、結局その人については残業がついてしまうというような欠点がございます。そういう意味で、残業する人は残業すると。生活の一部にその蓄えをしているという状況がございますので、その辺については、責任者はどのように人事異動と、要するに残業をうんとしている人について異動させても、結局その場で残業しているという事実についてどうでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 基本的には統括管理者の命令を受けまして、業務の臨時的な増加ということに伴って時間外が発生しているというふうに承知しております。毎月継続的に各所属の時間外勤務の状況を把握していく中で、与えられた業務と時間外勤務の間にアンバランスがあるというふうな状況が把握できた場合には、人事のほうで所属の統括管理者と相談いたしまして是正を図っているところでございます。
○佐野委員 その是正を図ることが一番大切だと思うんですよ。やはり本人たちは一生懸命やっていますので。その部署部署でわからない場合があると思う。それを是正することの意識を持って人事としてはやっていただく。そういうことで安心しました。ありがとうございました。時間が思ったより早く済みましたので、ありがとうございました。いずれにしても、超過勤務は自分の健康を害してまでやる必要はないし、やるべきではないと私も思っております。しかし、それぞれの人たちがこのルールに従い、これからも中野区職員として行動してほしいということを踏まえて、この項の質問を最終的に終えたいと思います。ありがとうございました。
次に、2番目としまして、空き家対策とその活用についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
私は以前より、単に空き家対策だけではなく、その利活用が大切であるというふうに言ってまいりました。初日にもこの問題についての質問があったということでございましたけども、それだけ関心の高いものであるという認識を今持っている次第でございます。この空き家に対してどのように考えているかということは非常に大切なことだと思います。この問題の解決のために、昨年5月には国でも特別措置法が設置され、中野区としても予算を2,391万円計上して、都市基盤整備部の中に担当を置き、解決を図っていこうという姿が見えました。平成27年11月27日の第4回定例会の一般質問の中で、①、今年度は、2月には本格的にこの問題に着手していきたい、②、また、5月ごろには空き家対策の地域情報の収集と指導の実施、あるいは、住宅相談の充実と広報といったような実態調査を実施したい、そして、3番目としまして、知識人を中心とした協議会を来年8月ごろまでには設置し、年度末に向けて空き家対策計画の作成を考えていきたいとの答弁がございました。これは議事録に載っていますので間違いないと思います。
そこで伺いたいんですけども、まず、以上の3点につきましてどのような検討状況になっているのか。そしてまた、あわせて、この予算に対してどのように消化してきたのかをお答えいただきたいと思います。
○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 3点御質問ございました。
まず1点目の、空き家の対策着手についてでございます。こちらにつきましては、これまで地域活動推進分野と連携いたしまして、町会からの協力のもと、3月末までに約100件の空き家に関する情報が寄せられております。そうした中、4月には都市基盤部に空家・住宅政策担当を設置し、空き家対策の基本的な指針となる空き家等対策基本計画の策定や、その推進に取り組むこととしています。
続いて2点目、実態調査についてでございます。基本計画の策定及び空き家等対策推進の組織をつくるため、町会からの情報を十分に踏まえつつ、区内全域の空き家実態調査を行うこととしております。調査内容を精査した上で、近く調査会社に委託を行い、10月から調査を開始する予定となっております。
3点目、こちらは協議会についてでございます。基本計画の策定に向けまして検討機関となる、仮称ではございますが、中野区空き家等対策検討協議会、こちらの設置条例を第4回定例会におきまして提案させていただきたいというふうに考えております。協議会においては、実態調査の結果でありますとか、庁内において関連する分野の横断的な取り組みも踏まえて検討を重ね、基本計画を策定していきたいというふうに考えております。
○佐野委員 今の内容をもう一回確認させていただきたいんですけど、協議会については8月と言いましたけども、来年の4定までにつくるということでございますか。
○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 協議会の設置条例の提案は、本年の第4回定例会で提案させていただきたいと考えております。
○佐野委員 本年の第4回定例までにつくるということでございますね。ありがとうございました。皆さんがやっぱりそれだけ関心が高い項目でございますので、できればなるべく早く設置をし、そして、解決を図っていただきたい、そのように思う次第でございます。
あと、予算のことについては何も触れませんでしたけども、約2,300万の予算がもう既に計上されている。決算のそれぞれの所管でやると思いますけども、お願いしたいと思います。
○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 今、委員おっしゃいました約2,391万円の予算でございますが、こちらは本年、平成28年度の予算となっております。そのうちおよそ2,000万円が実態調査の委託費用として計上させていただいております。こちらは近く委託を行いまして、10月から調査を実施したいというふうに考えております。
○佐野委員 わかりました。そうすると、2,300万はほとんどの消化でやっていきたいと、そういうことでございますね。ほとんど消化できるということですね。わかりました。協議会がやっぱりこれは要になると思っていますので、いろんな知識者だとか関係者を入れていただき、そして、弁護士先生、専門家も入れていただきながら、この協議会をどう進めるかを十分検討していただいて、発足していただきたい、そのように思う次第でございます。ありがとうございました。
中野区の無電柱化について、3番目としてお聞きさせていただきます。
我が国の無電柱化は昭和61年から進められていますが、諸外国に比べて大きく立ち遅れており、いまだに全国で約3,300万本の電柱が乱立し、これらの電柱・電線が通行空間の安全性、快適性の確保、良好な……(「何本」と呼ぶ者あり)3,300万です。よろしいですか。よく聞いていてください。お願いします。2番目として、良好な景観形成や観光資源、道路の防災性についての阻害要因となっています。また、全国的な無電柱化はもとより、2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎えようとしている今こそ、積極的に推進する必要があると思っております。一方、中野区においても電柱・電線のある風景を見なれているせいか、問題意識は薄く、広く一般的に共有できないというふうに思われております。子どもや孫たちの世代に、安心で美しく、誇りの持てる国土を引き継いでいくためには、まず中野区の意識の変革を促し、ノーモア電柱、ノーモア新電柱を大きく掲げ、区民に理解を得ながら無電柱化を促進していく必要があると思います。また、この問題はこれまでも多くの同僚議員が質問し、現在、全国においても無電柱化議員連盟が発足し、研究・調査をしていると。国会のほうでも近々法案を通すということになっておりますので、ぜひ中野区も法案前にもこの無電柱化についてお願いしたい、そのように思う次第でございます。
なお、参考までに、中野区内の区道の無電柱化は0.7%というふうに聞いておりますけど、少なくともこの率を上げることが肝要ではないかというふうに思っております。例えば、外国でいいますとパリだとかロンドン、これは100%もう実施しております。中野区においてはこういうことで、まあ、予算的なものもあるでしょうけども、なかなか実施できないのが現状だと思っております。全国の国道及び都道府県道の無電柱化率は15%。中野区の区道と比較すると、取り組みは進んでおります。結構前へ進んでいるということですね。中野区でも何より区内の電柱を1本でもなくすこと。その機運をつくることが大切だと私自身は思っております。
そこでお尋ねしますが、課題は、電柱を撤去するのにコストと時間がかかるというネックがあると思います。このコストと時間をかけないで、これまでのように電線共同溝に電線を入れるのではなく、できるだけ浅い場所に直接埋蔵するとか、低廉なコストで推進に向け、国や都と一体となって取り組んでいくべきだと思いますが、区長の見解を最後にお聞きして、この項の質問を終わらせていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○田中区長 無電柱化というのは、委員おっしゃったように、日本全体の目指すべき大変大きな課題だというふうに思っております。国会のほうで、議員立法で無電柱化に向けた法律をつくっていくというようなことについて取り組んでいただいているということは、大変心強いことだというふうに思っております。しかし、特に新設道路で大きな規格で、歩道がしっかりとつくられるような道路は別として、歩道もないような町なかの小さな道、6メートルでもかなり難しいと思います。そういう道に、委員おっしゃったように直接埋蔵方式などで、簡便に地下埋設をしていこうというふうに思ったときには、法律的にも技術的にも経済効率的にも大変難しい課題が数多くて、やっぱりまだほとんどできないというのが現実だろうというふうに思っております。中野区でも弥生町三丁目などの新しい道路整備をしていく、しかも町なかの小さな道でも道路整備をしていくという中で、できるだけ新しい事例をつくれるように取り組みをしていきたいと思っておりますけれども、やはり国、都、そして区を挙げての取り組みが必要であると、このように考えている次第であります。
○佐野委員 今、区長のほうの御答弁がございましたけども、やはり必要性は認めるも、無電柱化につきましてはコストと時間もかかるということでございますので、いずれにしましても研究・調査を今後さらに進めていただきまして、この問題に向かって中野区としても前進していただきたいと、そのように思う次第でございます。
時間が14分、あと残っているんですけども、どうしよう。思ったよりも早くいったものですから、スムーズに。特に残業の問題が思ったよりスムーズにいったものですから。
それでは、以上をもちまして私の質疑をこれで終わらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
○若林委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。
次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 自民党の立場で質問をさせていただきます。
最初に、財政白書。
特別区債・基金と財政指標についてお聞きします。平成27年度決算の中野区財政白書、18ページ、特別区債の発行額と残高の推移では、平成27年度は26億円の特別区債を発行した一方、元金93億円を償還したことから、平成27年度末の起債残高は286億円となり、前年度から66億円減となりました。また、19ページの基金残高の推移では、平成27年度は基金から一般会計に63億円を繰り入れましたが、169億円の積み立てを行い、年度末の基金残高は593億円。過去最も多いところぐらいまでの数字になりました。区債残高より基金残高のほうがさらに上回る決算となり、財務体力が向上しているということがうかがい知れると思います。このような基金と起債の状況についてどのような認識を持っているのか、まずお伺いいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成25年度以降、区債残高よりも基金残高が上回る決算となっているところでございます。これにつきましては、国の経済対策による効果、区でのまちづくり等の影響、また、中野区におきましては行財政運営の基本方針にのっとった財政運営、計画的な基金や起債の活用、こういうことを行ってきた結果であるというふうに認識してございます。今後も景気変動に伴う財政の年度間調整、大規模事業が確実に実施できるようにするために計画的な基金の積み立て・繰り入れ、起債の活用を行いまして、持続可能な経営を行っていく必要があるというふうに認識をしてございます。
○大内委員 それで、その基金残高から区債の残高を差し引いた額、いわゆる区の貯金から区の借金を差し引いた額について、区民1人当たりに計算するとどの程度の金額になるのか。また、23区中1人当たりの貯金といいますか、お金、どのぐらい、順位がわかるようでしたらお願いいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成27年度の普通会計決算におきまして、基金残高から区債残高を差し引いた、それを区民1人当たりの額に計算しますと、9万4,000円余となってございます。また、23区中の順位につきましては、平成27年度決算につきましてはまだ詳細が示されていないため、平成26年度決算から算出いたしますと、14位となっているところでございます。
○大内委員 これは他の議員からも言われていることですけれども、平成27年度、基金全体で593億円。前年度より107億円増加しています。地方消費税率の引き上げ、あるいは、調整三税の増加によってこの要因が述べられておりますけども、この107億円のお金、基金というのはどんなところに多く、あるいは、どういったところに入れたのでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成27年度決算におきまして、主に増加した基金でございますけれども、財政調整基金、それから義務教育施設整備基金、あと、まちづくり基金でございます。財政調整基金につきましては前年度比26億円余の増の256億6,000万円余、それから、義務教育施設整備基金につきましては前年度比33億円余の173億2,500万円余、まちづくり基金につきましては前年度比26億円余増の71億7,800万円余という状況でございます。
○大内委員 次に、財政白書の21ページ、実質収支比率、実質単年度収支の推移では、平成27年度の決算は、実質収支が前年度比16億円減の28億円となり、実質収支比率は3.7%と、平成26年度の6.2%から低下しております。特別区平均5.7%を下回っておりますけれども、実質単年度収支も低下しております。実質収支が減となったことについて、どのようにお考えでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 実質収支が減となった、まず理由についてでございますけれども、歳入につきましては、一般財源は増加している一方、特別区債の発行、こちらが大幅に減となったために、歳入全体では、対前年度比では9億円余の増となっている。一方、歳出につきましては、今後の施設更新、少子高齢化等に伴う今後の財政需要を踏まえ、積立金、これが53億円余の増となったことが影響いたしまして、歳出全体では26億円余の増というような状況でございます。このことから歳出決算額の増加が歳入決算額の増加を上回ったため、結果として実質収支は減となったものでございます。なお、実質収支比率につきましては、一般的には3%から5%程度が望ましいというふうに言われているところでございまして、平成27年度決算における実施収支比率3.7%につきましては、適正な範囲内になっているというような状況でございます。
○大内委員 数字が高ければ執行率が悪かったということになるんでしょうけども、あまりやると、執行率が良すぎると今度下がっちゃうという。どっちがいいのかというところなんですけれども、財政白書の13ページに公債費の推移というのが出ております。平成27年度は、公債費負担比率、中野区方式では6.8%。また、23区方式といいますか、23区が採用しているものでは9.7%。また、財政白書の25ページの、平成27年度健全化判断比率の中での実質公債費比率は2.9%となっています。このように公債費に関して異なった三つの指標がありますが、それぞれどのように計算されているのか御説明、簡単でいいですから。あまり難しいことを言われてもあれなので、お願いします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) なかなか簡単に御説明するのは難しいんですけれども、中野区方式の公債費負担比率でございます。これは一般会計における減債基金の積み立てと繰り入れ、これを反映した実質的な一般財源に占める公債費の割合ということでございます。具体的には、区債の元利償還金に減債基金積立額を加え、減債基金の繰入額を差し引いた、これが分子となります。一方、特別区税、特別区交付金などの一般財源を分母に計算するものでございます。
続きまして、監査意見書に、決算審査意見書にある決算統計上の公債費負担比率でございます。こちらにつきましては、決算統計上の公債費の充当一般財源が一般財源総額のどの程度になっているのかというのを示す指標でございまして、中野区方式との違いは、統計上の普通会計と一般会計の差があるものと、それから、減債基金の繰り入れについては一部反映していない。こんな結果で若干数字が違っているものでございます。
もう一つの実質公債費比率、こちらは地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づきまして、公表が義務付けられている指標でございます。特別会計を含めた区の全会計、それから、一部事務組合を合わせた公債費のうち、区が負担する部分、これは統計上の標準財政規模といいますけれども、統計上の一般財源に占める割合ということでございまして、この計算上で違うところは、分子・分母にそれぞれ地方交付税上基準財政需要額として参入される地方債の元利償還金、これは国から示されるものでございますけれども、それを分子・分母、それぞれ差し引いて計算し、さらに、それの3年間の平均値、これが実質公債費比率というものでございます。
○大内委員 なかなか難しいですよね。それぞれ公債費負担比率、中野区方式では6.8%、23区方式では9.7%、健全化判断比率の中での実質公債費比率は2.9%と、それぞれ数字が出ているんですけれども、これはどのような認識を持っているんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) まず、実質公債費比率でございます。これは健全化法に基づく指標でございますけれども、これは早期健全化基準というものがございまして、平成27年度の2.9%はこの健全化基準を下回っているものでございます。また、中野区方式の公債費負担比率、これはおおむね10%以内になるというような目標を持って公債費の抑制を図っているところでございますけれども、こちらも6.8%ということで目標を下回ったと。あわせて決算統計上の公債費負担比率につきましても、平成26年度決算から比較すると1.8ポイントほど減少している。そういうことから健全な財政運営を行った結果であるというふうに認識しているところでございます。
○大内委員 そこで、中野区各会計歳入歳出決算書、意見書、これでは23区方式の公債費負担比率で審査の意見が述べられている。そして、この財政白書においては、中野区方式の公債費負担比率が用いられております。それぞれ違った指標を使って意見とか案が述べられているとよくわからないんですけども、これは何でこういうふうに二つに分かれているんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) まず、財政白書のほうでございますけれども、区は一般会計における実質的な一般財源に占める公債費の割合、これをおおむね10%以内になるよう目標を定めているところでございまして、予算におきましても当初予算編成時におきまして、公債費負担比率の推移等をお示ししているところでございます。こういったことから、決算におきましても財政白書において、中野区方式による公債費負担比率の予算上の数値と決算上の実績値、これを同様にお示ししているところでございます。一方、監査の意見書でございますけれども、こちらにつきましては23区平均としたということで、先ほど答弁申し上げました健全化法による実質公債費比率を利用することも可能かというふうに考えますけれども、こちらの平成27年度決算数値がまだ公表されていないというところで、統計上の公債費負担比率を利用しているのかなというふうに認識しているところでございます。
○大内委員 言っていることは恐らく合っているんでしょうけど、普通に考えると、この財政白書のほうもやはり23区方式も用いたものにしてくれないと。まあ、中野方式、10%以下だからいいというのもある。いいですよ、それも。ただ、23区方式でいくと、平均3.4%のところが9.7%でしょう、中野は。それについての意見がやっぱりこちらのほうでも書かれていないと、中野区方式だけの公債費比率が述べられていると、ちょっとよくない――よくないというか、見方がよく分からないので、今後ぜひともその辺は少し検討していただきたいと思いますので、お願いいたします。
そして、区として今後の施設更新など財政需要に対して、計画的かつ健全な財政運営を行っていく必要があると思います。起債、基金、そういった計画が、財政フレームなどを検討していく中では、公債費負担比率、23区方式あるいは中野方式と実質公債費比率、どの指標を今後――この三つの指標があるんですけども――重視して財政運営を行っていくという考え方になるんでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) ただいま委員御指摘の、今後の施設更新等につきましての計画数値、財政フレームの作成は計画数値となりますので、予算編成の際に使用している中野区方式の公債費負担比率の使用を行いながら、起債計画のコントロール等をやっていきたいというふうに考えております。なお、今後も公債費負担比率、10%程度の目安については確保していきたいというふうに考えております。
○大内委員 中野区方式は、他区で同じような方式ではやっていないのかなと。中野区はちょっと財政が厳しかったときに、これを用いて年間の支出、公債費を抑えていたということで採用しているんでしょうけども、とにかくうまくこの三つを連動させて、全ていいように、いい数字が出るように財政運営を行っていただきたいと思います。
また、やはり中野区各会計歳入歳出決算審査意見書に、実質収支比率が3.7%、前年度を2.5%下回っている。これは先ほどお話がありましたが、特別区平均は5.7%です。また、経常収支比率、これは76.5%。前年度の85.1%より8.6%下回っている。これも急激に下回ったのは、歳入が思いのほか多かったからなのかもしれませんし、公債費負担比率は、23区方式では9.7で、中野区では先ほど言った6.8%。また、財政力指数、これは3カ年平均でしょうけども、中野区は0.49と。0.53の23区平均よりもやや低い。これは高いほうがいい。また、さまざまなこういった数字が出ているんですけれども、高ければいいというものと低いほうがいいというもの、色々あるので、何をどう見ているのか、だんだん見ているうちに非常にややこしくなる。これは低いからいいです。これは高いからいいです。まあ、それぞれ意味があるんですけども、こういったいろいろ指標があるんですけど、どの辺が大切なのかなと。やはりこの財政力指数というのが一番大切な数字になるんですか。何が大切。全部大切だと言わないでね。どの辺の数字を見て判断すればいいんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 委員お話しのとおり、どれが一番というのもなかなか難しいところでございますけれども、それぞれの財政指標につきましておおむねの適正範囲が示されてございます。実質収支比率であれば3から5%、経常収支比率であれば一般には70%から80%、それから、中野方式でいう公債費負担比率は中野区独自としておおむね10%以内、それぞれの目標に対してその範囲内におさまっているかどうか、その辺が重要であるというふうに認識してございます。
○大内委員 もうちょっとその辺、追加で聞きますけども、公債費負担比率、23区方式でいうと平均3.4%。でも、中野区は9.7%ですよね。中野区方式だと6.8%。これは中野区独自。こうした場合に、この公債費負担比率、計算式も違うんですけども、23区方式で見たらこの数字は大きいというふうに見たほうがいいんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 公債費負担比率、いわゆる公債費の関係でございますけれども、これはどちらかというと、いわゆるイニシャルコストといいますか、投資的経費といいますか、それを中長期的な財政運営を行うためにどういう比率だということでございまして、中野区では、繰り返しの御答弁になりますけれども、10%以内を目標としているところでございます。結果として他区の状況は上回っているところではございますけれども、中野区は中野区の目標値の範囲内におさまっているというふうに認識しているところでございます。
○大内委員 だから、23区方式の公債費負担比率でいうとどうなんですかと。要するに、平均が3.4%だけど、中野区は9.7%ですよね。じゃあ、これは別にいいんだと、この数字は。中野区方式なので10%を切っていればいいんだという話なのか。やはりこの数字は数字として、ここも押さえていかなければいけないという話なのか。それはどうなんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 先ほどの決算統計上の、いわゆる23区の公債費負担比率でございますけれども、こちらにつきましては、財政上おおむねどのぐらいが適正かというものは示されているものではございません。結果として23区平均としては3.幾つの数字になりますけれども、中野区は中野区方式の公債費負担比率、これを遵守するように財政運営を行っていると。これで適正であるというふうに認識しているところでございます。
○大内委員 自分たちの都合のいいところの数字の出し方だけやっているのかなと。23区方式だと明らかに3倍ぐらい多いわけですよね、公債費負担比率が。でも、それについてあまり触れられていないので、中野区方式さえよければいいというのではなくて、やはり23区方式に照らし合わせたときには、中野区は多いということも認識していただいて、やっていただきたいなと思います。それはお願いいたします。
また、この実質公債費比率が2.9%で、これは3カ年の平均ということなんですけれども、調べさせていただいたら、平成25年度が5.56%、平成26年度が4.09%、平成27年度が-0.88%、平均が2.92なんですけど、これは昨年に比べて半分近く減っているんですけども、この平成27年度の-0.88%というのはどういうことを意味するんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 実質公債費比率、計算につきましては先ほど申し上げたとおりなんですけれども、区が負担する公債費の額と、それから、交付税上の基準財政需要額として算入された額、平成27年度につきましては、区が負担した公債費の額よりも交付税上の基準財政需要額のほうが上回ったために、単年度で計算するとマイナスとなってございます。マイナスとなったのは、実際区の負担した公債費よりも地方交付税上の需要額として算入された地方債の額のほうが大きかったと。そういうことを意味しているものでございます。
○大内委員 決算ですから淡々と述べられていいんですけど、まあ、数字が出ちゃったものは仕方ないから。ただそれを、あなたはそういう数字だと言うけど、この数字に対していいとか悪いとか判断するのはまた違う人たちだと思うので、その人たちがどう思っているかが大切なので。担当副参事はただこの数字の説明をされていて、平均の中に入っているとか入っていないとかおっしゃっているだけなんですけども、他の、上の執行部の人たちはよくこの数字を使ってというか、理解していただいて、いいのか悪いのか決めていただきたいなと思います。結構です。
じゃあ、次に予算執行について。
まず、補正予算についてお伺いいたします。補正予算ですけれども、補正予算は、当初予算を編成した後生じた事由に基づいて既定の予算に追加するもの、その他変更するものであると。追加補正を行ったということは、新たに事業をする必要ができた、拡充する必要ができた、見込み差が出たので当初予算のままでは実施できないといった理由で、当然執行する経費が高くなっているというものだと思います。決算資料、総務9のこの補正予算一覧、平成27年度分を見ると、おおむねこの補正を行ったものについては執行率は高いけれども、中には執行率の低い事項もある。例えば、補正予算の9ページを見ますと、保育サービス推進事業費は61%、10ページの学童クラブ待機児童対策費は執行率15%、11ページの個人番号交付事業は62%、まあ、これは繰越明許になっていますけども。そうした中で、補正を組んだにもかかわらず執行率が低い事業について、予算としてはどのような認識を持っているのかお伺いします。
○黒田政策室副参事(予算担当) ただいま委員の御質問の中にもございましたが、補正予算は、国や都の補助制度の新設などを活用しまして新たな事業を開始する場合や、当初予算で見込みを立てたものが、例えば対象者が急激に増加した等により予算が不足する場合に行っておるものでございます。執行率の低さにつきましては、事業者の参入程度やニーズや見込み差などのケースが考えられているところでございまして、執行率の低さは最終的には予算の有効活用がなされなかったこととなりますので、課題があるというふうに考えております。予算計上に向けましては、当初予算、補正予算に限らず、制度内容の理解を深め、ニーズを把握し、十分な精査を行っていきたいというふうに考えております。
○大内委員 まあ、当然の答えが返ってきたんですけども、この学童クラブ、これは第3次補正予算ですから、今ごろやっている学童クラブ待機児童対策。これは、予算を見ると新規で、途中で組まれたんですけども、執行率が15%にとどまった理由をお聞かせください。
○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 学童クラブの待機児童対策でございますが、学童クラブの待機となったお子さんを対象に、学童クラブに準じたサービスの提供を行うため、平成27年度に補正予算を組んで対応することとしたものでございます。補正予算を組む時点では、6学童クラブで5カ月間実施することとして見込んでおりましたが、実施の段階では一部の学童クラブで待機児童が解消したため、実際には3学童クラブで5カ月の実施ということになりました。また、補正予算の積算に当たりましては月額で算定しておりましたが、執行に当たっては実際に対応した日数での支払としたため、資料記載の決算額、執行率となったものでございます。
○大内委員 だから何なのと聞きたいんですけど。執行率を上げるためにちゃんとやらなかったから――やらなかったというか、結果的にやらなかったと言われちゃえば、それはそうなんだけど、執行率15%、去年の今の時期に組んで見込みができなかったというのは、やはり少し事業見込みが甘かったと。様々な理由があるにせよ、わざわざ補正を組んだんですから、しっかりやっていただきたいなと。理由は後から幾らでも出てきますよ、それは。だから、理由があるから執行率が低かったんだなと。わかる。そういった理由があるから執行率が低かったんだけど、それは理由であって、当初予算を組むときにはそんなこと一言も言わないんだから。何とかやりますから補正を五百何十万通してくださいとやっているんだから。それで途中になってから、やっぱりできませんでしたという言いわけは、簡単に言っているけども、本当はよくないことですよということをよくわきまえておいてくださいね。お願いします。
そして、次に、減額補正したものについても伺います。不用額を減額しているんだから、必然的に今度執行率が当然上がるものだと思います。執行率を上げるために減額補正しているということではないでしょうけども、事業の執行がどのような状況であるために減額補正をするという判断をしているのか、まず減額補正についてお伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 減額補正の判断基準でございますが、基本的には扶助費のような経常経費につきましては、毎年11月下旬に1,000万円以上の執行の残が生じる事業につきまして、その理由を確認し、その後、年度内に支出の可能性がないことを確認しながら、減額の補正を予算に計上しているものでございます。その他各事業の執行状況により減額補正が必要となったものについては、適切な時期に補正予算を計上し、議会の承認をいただいているところでございます。
○大内委員 説明、ありがとうございます。
学童クラブについて、先ほど聞いた待機児童対策で補正を組んでいますが、一方で、ページ11のほうで第5次補正において、民間学童クラブ運営費補助の減額補正を突然行っております。補正額は4,232万7,000円の減額。その結果、予算額は1億4,712万1,000円となり、最終的な執行額は1億2,872万8,000円となっています。それでもまだ執行残が1,839万3,000円。執行率87%と書いてありますが、これを減額補正しなかった場合、当初予算から見ると、これ、68%の執行率になります。待機児童対策と民間学童クラブ運営の事業の関係はどのようになっているのか、また、執行残が出た理由についてお伺いいたします。
○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 学童クラブの待機児童対策につきましては、公設の学童クラブで実施しているもので、事務事業は学童クラブ運営等になります。一方、民間学童クラブの運営費補助につきましては、民間学童クラブに対して運営費を補助するもので、事務事業は民間学童クラブの運営費補助ということになります。民間学童クラブへの運営費補助の執行残の主な理由でございますが、特別な支援が必要な子どもへの対応残、それから、登録児童数の減による人件費や運営費の補助額の残などにより、1,839万円余りの執行残が出たものでございます。
○大内委員 それ、数字を言っているだけで、理由を聞いているの。もっと詳しい理由を。
○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 特別な支援が必要な子どもにつきましては、その子どもに対しまして人を配置しますので、そのための人件費が必要になります。その子どもの数によりまして運営費の補助額に差が出るということでございまして、平成27年度につきましては対象となる児童が少なかったために、その分の人件費の補助が少なくなったということでございます。
○大内委員 じゃ、何でこの予算を組んだんだという話になりますからね。最初からそういう見込みができなかったのかと。多目に見込んでおいて、使わなかった分はいいかなと思っているのかどうかわからないけども、まあ、あとはこれ、分科会でやってもらいますので結構です。
それで、次に、総務資料の8番の、一般会計予算流用状況一覧について質問させていただきます。予算はその品目に従って計画的に執行されることが望ましいと思いますが、やむを得ない事情で予算の金額が不足する場合、予算の執行上必要がある場合、予算の足りないところに流用できることになっておりますが、執行科目の目や節にしても予算の内容を構成するものでありますから、不用意に変更を行ってはいけないということを毎回申し上げているところでありますが、この一般会計予算流用状況一覧の中で目間流用を行ったものを幾つか挙げてください。
○黒田政策室副参事(予算担当) 総務8の資料の中では、目間流用をやったものについては6件が掲載されております。まず経営費の公職選挙法の一部改正に伴う選挙人名簿システムの改修、都市政策推進費の中野三丁目土地区画整理事業基本設計・実施設計経費にかかわるもの、また、子ども教育費の保育システム改修に係る流用、健康福祉費の障害者総合支援法制度改正対応に伴うシステム改修経費、また、都市基盤部の本町一丁目公園整備の工事に伴う材料検査旅費に係る流用や、住宅の退去に係る原状回復業務の委託料の不足等による流用となっております。
○大内委員 この目間流用が生じた状況について、予算分野も当然知っていると思いますけども、特にこの中野三丁目、あるいは障害者総合支援法、こういったものの金額が大きいものがありますけれども、この執行管理、予算課ではどのように行っているのか。また、議会への報告はちゃんとしているんでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 流用につきましては、基本的には実施しないことが望ましいというふうに考えております。不測の事態に対応するということで、区民の生活に影響があり、次年度や次回の補正対応では時機を逸する場合につきまして、基本的に事業経費が1,000万円以下のものについて、やむを得ず流用しているものでございます。今回、この目間流用につきましては、同じ目内に流用額を捻出できる事業がなかったことにより、目間の流用を行ったところでございます。また、大きな経費もあるということでございますが、事業の進捗状況も含めまして、そういった変更があるものについては委員会で報告している事項もあるというふうに聞いております。
○大内委員 わかりました。まあ、だめだとかいけないとか言っているんじゃなくて、しっかりと情報公開といいますか、議会のほうにそういった金額が特に大きいものに関しては報告をしていただきたいなと、改めてお願いしておきます。
次に、健康福祉の平成27年度棟方志功展の開催に係る経費、287万円の流用でありますが、結果的に全体の予算額が幾らであり、幾らの執行となったのでしょうか。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 287万円を流用いたしまして、予算額は1,054万2,000円、執行額は1,048万370円でございました。
○大内委員 それで、この棟方志功展について、当初予算の説明では、たしか8,000人の入場者を予定していると説明がありましたけども、実際は何人の来場者だったのでしょうか。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 来場者数は、延べ3,215人でございました。
○大内委員 となると、当初8,000人で見込んでいた歳入が半分以下、40数%しか入らなかったと思うんですけども、その点はどのように思っているんですか。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 来場者の当初の見込みとの差につきましては、まず棟方志功につきましては、青森県生まれではございますけれども、青森から上京して初めて住んだ地で中野区民と交流しながら作品を制作したということで、中野にゆかりのある芸術家として棟方志功を広く知っていただきたいということで、実際に来場していただけるようにということで、開催期間を東北復興大祭典なかのに合わせて設定して、区内外から来場者の方8,000人に来ていただくということを見込んで企画をいたしました。実際には棟方志功展に向けて町会・自治会の皆さんですとか各学校の皆さんにも御協力いただきながら、ポスター・チラシ等を配布したり、それから、区報ですとかナイセスですとか、まちめぐり博覧会のパンフレットですとか、東北復興大祭典のプログラムなどにも掲載して、東北復興大祭典の当日にもチラシをお配りするなど広報に努めてまいりました。その結果が3,215人というふうに受けとめております。棟方志功が中野の地を離れて70年以上、棟方志功が亡くなって40年以上が経過しておりまして、中野区在住の棟方志功とゆかりのある方たちの世代交代も進んでおります。棟方志功展をやってみて初めて棟方志功を知ったとか、中野とのつながりを初めて知ったという区民の方も多くいたというふうに承知しております。そのことも棟方志功展を開催してわかったことでございまして、こうしたことが、見込み差が生じた理由の一つというふうに考えております。
○大内委員 別に棟方志功さんの説明をしてくれというんじゃなくて、8,000人というそもそもの数字に無理があったんじゃないですかと。8,000人で歳入を見込むんじゃなくて、その半分の4,000人ぐらいで歳入を見込んでくれればよかったのかなと。まあ、支出が多い分、歳入がたくさん入ってくるから大丈夫なんですよぐらいのあれで、8,000人と言っちゃったのかもしれないけども。わかりませんよ。私に言わせれば、別にこれ、人数は関係ないんです。棟方志功という方の宣伝も含めてやるわけだから。区の予算を使って、中野区の大和町に住んでいた方なんですから、広めるという意味でやっている事業ですから、あまりこのところで――実際、私も見に行きましたけど、8,000人来ていたら、単純に1週間、あ、8日間かな、やったのは。1日1,000人以上の方が来る。そうすると、昼間の多い時間に200人来なきゃいけない。とても200人……。この会場より狭いですから。この3分の2ぐらいしかないんだから、とても入れる規模じゃない。そういうことがわかっていて8,000人と言っているのかなと。だから、最初から3,000人と言っておけば、あ、予定より多く来ましたねとなるんです。だから、最初から8,000人なんて……。今色々あなたは、色々知恵を絞ったり、パンフレットを配ってやったけどだめでしたと。もとからそんなことをやったところでこのぐらいしか来ないんだという、そういった認識を持ってやらないと、要するに歳入は当てにならないでしょう。やはりこの歳入というのもきっちり、区ではよく歳入を厳しく見ると言っているんだから、8,000人なんて甘く見ないで3,000人ぐらいで歳入を見ておけば、100%を超えたわけだよ、歳入。その辺のところを、他の事業もそうですけど、あまり甘く見ちゃいけないのかな。とにかく目的が8,000人ということではなくて、まず中野でやると。来年度サミットも行われるということで、そういったこともありますし、ねぶたもやっているからということなんだから。その辺の数字、歳入を見ると、ちょっと甘く見過ぎたのかなと思います。
それで、その歳入についてはどこに出ているんですか、決算書の。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 決算説明書の96ページ、97ページ、こちらの13雑入の12番目の項目、各種事業参加者負担金等の1,890万4,078円の中に含まれております。
○大内委員 だから、97ページの各種事業参加者負担金等の中に含まれている。でも、結局、来場者数は全然、聞かないとわからない。当初8,000人と言っていたけど、3,000人ちょっとしか来なかったというのは聞かないとわからない。歳入のほうの見込みの仕方が、非常に、こういうのを見ると甘いのかなと思いますので。私、応援しているんですよ。否定しているんじゃないですからね。もうちょっと考えてやっていただかないと。8,000人来る予定が3,000人しか来なかったというと、何となく失敗に思えるんですけど、そうじゃない。もとの8,000人のところの見方が、かなり甘く見ていたのかなと思います。
それと、平成29年度、先ほど棟方志功サミットも中野でやるといった話も聞いておりますが、この間木村議員が青森に区議会代表で行ってきましたけども、平成27年度当初予算の概要には、主の取り組みとして棟方志功特別企画展と銘打っておりますが、主要施策の成果の中で決算説明資料には2行ほど出ておりますが、別冊の各分野の行政評価結果のほうには載っていないんですね。これ、なぜ載っていないんですか。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) こちらにつきましては、主要施策の報告のほうに記載をさせていただくということで、項目としては載っておりません。
○大内委員 だから、主の取り組みで出ているのに何で出ていないんですかと聞いている。じゃ、これ、全部見ると、片方に出ているけど、あと出ていないの。両方またがって出ているところはないんですね。普通両方に書くんじゃないんですかと。だって、中身が違うじゃない、表記の仕方が。何で主の取り組みとして出ていたのに、この主要施策の別冊のほうには、各分野の行政評価結果には出ていないんですかと聞いているの。書き忘れたの。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 行政評価の項目の中には、この棟方志功展についても記載をしているところです。
○大内委員 だから、中野が力を入れているんだったら、こっちにもちゃんと書いたほうがいいんじゃないですかと。それは一応言っておきます。
次に、先ほどの棟方志功の入場者のお金がこの参加者負担金の中に入っていると言っていますけれども、この収入のところにたくさん項目があります。予算現額、収入済額、不納欠損額、収入未済額というのがあるんですけれども、たくさんいろんなものが入っているんですけど、これの説明を簡単にしていただけますか。
○古屋会計室長 まず予算現額でございますけども、それは当初予算から補正された最終的な予算額になっております。調定額は、予算に対して調査や決定された収納すべき金額でありまして、そのうち実際に納入されたものを収入済額として計上しております。また、不納欠損額につきましては、調定額のうち消滅事項に係るなどして欠損処理が行われた金額でございます。収入未済額は、何らかの事情によって年度内に収入されなかった金額になっております。
○大内委員 わかりました。結構です。ありがとうございます。
次に、この流用一覧の福祉タクシーとガソリン券の選択制の導入及び申請方法の変更の項があるんですけれども、目内流用だと思うんですけども、この340万2,000円が、決算説明書、375ページだと思うんですけども、この福祉タクシーの項目の中に委託から臨時職員賃金まで6項目あります。この福祉タクシーとガソリン券の選択制の導入及び申請に使った340万円、これ、このどの項目に入っているんですか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 流用した340万円余の金額でございますけれども、タクシーに関する経費のうち、福祉タクシー・ガソリン券印刷等、福祉タクシー・ガソリン券交付申請書郵送料、福祉タクシー・ガソリン券封入封かん及び配送業務委託等、臨時職員賃金の4項目に充当しているものでございます。
○大内委員 じゃあ、この選択制の導入及び申請方法と書いてあるんだけど、その言葉は、特に文言はくっついていない。くっついていないとわからないんですよね。補正を組むときにはそういった流用と言っているんですけども、これだけ見るとどこに使われたか全然わからない。まあ、これもまた決算でやってもらいますけども、分科会で。
次に行きますけども、377ページのタクシーに係る経費の残、これが1,448万5,000円余ありますけども、これだけ残っていると何で流用したのかなという気もするんですけども、それはどういう関係なんですか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) この郵送による申請及び交付をやろうとしたのが昨年11月でございます。その時点では、主にタクシー券の委託料になるんですけれども、最終的には1,400万円ほど余っておりますが、年度半年終わった時点では、数%のぶれによりまして数百万円誤差が出るということから、確実にこの分が残るということが見込めなかったということによりまして、同目内の他の予算から流用を行ったものでございます。
○大内委員 淡々と言っているけど、ちょっとそれ、いいのかなと。やったことの説明をされているだけなので。要は、これだけ執行残があるのにわざわざやらなくてもよかったのかなというような気もします。まあ、それはあなたの判断でやったんだから、それ以上言いませんけども。
あと、そもそもこの340万円、どこの経費から流用されたんでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 2目の障害者福祉事業費のうち、障害福祉手当の中の難病患者福祉手当から流用したものでございます。難病患者福祉手当につきましては、年間12カ月分の支払いを行いますけれども、この時点で8カ月分の執行が既に終わっていたことから残が見込まれたというものでございます。
○大内委員 流用に関しては、金額の多いものに関しては議会にその都度報告するべきだと言っていますけども、今回の件は報告を多分していないんだよね。もう事前にしていないと言ったから言いませんけども、ちゃんと、金額がこれだけあるものは、その都度時期を合わせて議会のほうに一言、目内流用であろうが、目間流用であろうが、説明を――説明って報告ですね――するようお願いしておきます。結構です。
次に、もう一度これ、さかのぼるんですけど、もう一回予算課に聞いておきます。そういったこと、流用についての管理というんですかね、議会について報告するべきじゃないかとかいったことは、予算課のほうでは特段そういったものは把握していないというか、注意も何もしないんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 流用の申し出につきましては、ヒアリングを適切に行いまして、緊急やむを得ないものについて対応を行っているところでございます。また、各室・部・局長が予算の執行について確認する場において、流用された事項の理由や金額について、流用の調整等について説明するなどして、区全体としても認識しているところでございます。ただし、今回の委員御指摘もございますように、十分とは言えない点もございますので、今後、各室・部・局の事情などをさらに適切に把握しまして、やむを得ない状況が生じた場合のみ流用の対応を図ってまいりたいというふうに考えております。また、議会への報告でございますが、事業を実施するに当たりまして議会への報告が必要な事項ですとか大きな金額につきましては、その事業の内容を御説明する中で実施していくように、協力してやっていきたいというふうに考えております。
○大内委員 結構です。
次に、3番のマイナンバーカード、これも補正予算を2回組んで、最終予算が2億1,727万円ですけども、平成27年度執行額に繰越明許を足しても860万円ほど執行残が残っているんですけど、これはどうしてでしょうか。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) まず、マイナンバーカード交付通知の郵送料、約480万円のみ執行になってございます。当初簡易書留郵便で予定してございましたが、交付通知書が住所、氏名のみの記載になるため、簡易書留郵便から普通郵便での送付に切り替えてございます。また、地方公共団体情報システム機構のシステム障害の影響によりまして、カード申請者に対する交付通知数が当初見込みより減ったことから執行残が生じてございます。その他に事務費残250万円、OA機器等購入費残113万円、臨時職員賃金残22万円が生じてございます。
○大内委員 マイナンバーカードの交付事業が遅れたということなんですけども、これ、簡単に教えてください。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) カード送付に時間がかかった様々な理由があります。まず、昨年度からマイナンバー制度が始まって、通知カードの送付とマイナンバーカードの交付申請が一どきに行われたことによりまして、地方公共団体情報システム機構、J-LISといいますけれども、そこから本年3月までに3万枚という大量のマイナンバーカードが区に届いたこと。それと、区に届いたマイナンバーカードについては、CS端末を使ってカードの交付前設定作業を行うことになりますけれども、J-LISのほうから、J-LISのシステムにアクセスが集中する時間帯は設定作業を控えるようにと法務省から通知がございまして、大量のカードの交付前設定作業に遅れが生じたこと。それと、J-LISのシステム障害が運用開始当初から断続的に、しかも、長期にわたって起こっていたために、1日のカード交付枚数に限界がありまして、発送数を制限せざるを得なかったことによりましてカード交付におくれが生じたこと。あと、地方公共団体情報システム機構のシステム障害に関しては、カード管理システムの中継サーバのプログラムにミスがあったために、カード管理システムが不安定な状態になりまして、各市町村から送信されるデータの処理が大幅に遅延し、カードが交付できない状態になったということでございます。なお、区報、区のホームページなどでマイナンバーカードの交付が遅れていることを掲載し、区のコールセンターや窓口でも個別に説明してございます。
○大内委員 もっと元気よく答えてください。この平成27年度の、これを見ると、1月までは順調に進んでいたけど、1月以降については不具合が生じて、マイナンバーカードの発行業務に支障を来したということの記載があまり出ていないんですよね。どれだっけ。どこかの意見書だったかな。評価かな。それについては、まあ、他のところでそういったことは記載されているんですけど、統一していただきたいなと。これはもう個人的に言ったので結構です。
それと、このマイナンバーカード、本当に「個人番号カード」と書いてあったり「マイナンバーカード」と。予算書と決算書、途中で言い方が変わったのかもしれないけども、意見書や白書の中でも色々言葉が、二つ使われているので、これはできる限り統一していただきたいなと思います。
あともう一つ、最後、やはりこの補正予算一覧によると、個人番号カード交付事業、これが交付事業ということで一括して、142ページの2項目、住基ネット運用個人番号通知カードの交付と、5目戸籍住民管理運営費、これら二つこの補正の事業名で出ているんですけども、これ、本来なら一緒にしないでばらばらに出さなければいけないと思うんですけども、これは補正のときはどうだったんですか。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 事業執行をスムーズに実施するために、郵便料金のみ5目戸籍住民管理運営経費に計上してございます。カード交付関連事業全体の経費をわかりやすくするために、5目の経費も一緒に記載したものでございます。計上の仕方については、予算担当と協議した結果でございます。
○大内委員 今ちょっとはしょって言っちゃったからあれなんですけども、要は、事業メニューが違っているものが同じ事業名で出てきている。目が違うんだよね。補正のときにはそれぞればらばら、一緒にしていなかったけれども、補正一覧になってくると表記の仕方が変わっている。それについては間違いないですね。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) そのとおりでございます。
○大内委員 ですから、それはやはりこの資料でも、総務委員会要求資料もやはり合わせていただかないと、見るのに非常に苦労する。もうこれはさんざんお話ししたので、もうわかっていると思いますので、よろしくお願いします。
ということで、質問は全て終わりますけども、とにかく今回色々中野区の財政状況、色々見てみると、ここ数年というか10年単位、かなりよくなってきているというのは、見る限り、非常に私も思います。ただ、経常収支比率も1年で大きく変わったりする。数字が毎年ある程度安定していないというか。ということは、まだこれから色々収入が急に増えたり減ったりする場合もあるとよくおっしゃっていますけども、そういうこともあります。これから新体育館、区役所、そして、この中野駅北口、そうした事業があるので、ぜひとも皆さん頑張っていただきたい。
終わりますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
○若林委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 自民党の立場から総括質疑をさせていただきます。今のすばらしい質疑の後、いでい委員と内川委員に無事にバトンを渡せるように頑張りたいと思います。
それでは、質問は通告どおりで、1番目から、国家戦略特区制度の利活用についてからお願いします。
先日の一般質問で言わせていただきましたが、国家全体で見たときに産業や人口を自治体間で奪い合うのは、ゼロサムゲームで自治体間戦争をやっていると言えます。キリンビールが中野にやってきた南口の再開発においても、大企業を誘致しましょうと、中野さえよければいいという発想ではないでしょうが、結果的にどこかの自治体が苦しむ可能性があります。ゼロサムゲームとは言っていますが、実際は日本全体の人口が減少の一途をたどっているわけですから、そのゼロサムゲーム、実はパイ全体が減っている可能性がある中で、このゲームに負けてしまえば破綻する自治体もあると言えます。理想からいえば、このゼロサムゲームから抜け出して、産業、人口を自己増殖させることが自治体に求められるのではないかと思っております。東京全体が国家戦略特区に選ばれたことから、特区制度を用いて既存の特例を利活用するとともに、クールなルールをつくり、国内でゼロサムの状況を脱却して、中野は産業や人口を自己増殖していくべきだということを訴えさせていただきまして、区としても国家戦略特区制度に対して前向きな御回答をいただきましたので、一般質問に引き続き総括質疑で具体的なことに関して御質問させていただきます。
それでは、改めてお伺いいたしますが、国家戦略特区制度を活用した提案は多岐にわたるわけですが、区役所内で完全にマッチした対応ができる部署が存在しないと思われますが、国家戦略特区、こういった案件に対して区の体制はどうなっていますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区につきましては、都市政策推進室(グローバル戦略推進担当)が担当しております。
○加藤委員 区役所内でグローバル推進の担当がやっていただくということですが、区役所外からの問い合わせ事案もあろうかと思います。例えば、区役所内で検討すべき内容にしてみますと、まだ実施するか検討にも入っていないかもしれませんが、いわゆる民泊事業の規制、区役所・サンプラザ一体開発に伴う用途地区の規制などについては、全く検討しないということは絶対になく、検討しないといえば不作為になってしまうと思いますので、今後検討なさると思いますが、そういった事案の場合は、区の中ではどういった検討手順になっていくのか、詳細を教えていただけますか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区の活用が考えられる案件でございますが、それぞれの所管と調整の上、庁内での検討を行うこととなります。例えば民泊の件であれば、生活環境担当と調整ということになりますし、また、今区役所・サンプラザということもありましたが、都市再生の案件であれば中野駅周辺のまちづくり担当ですとか、まちづくりの部門ですね、そういったところに投げかけて、その活用の可能性について検討を行うということになっております。
○加藤委員 区内でそういった検討をされるということで、体制が、それぞれと連携していくということを御確認させていただきました。そうしましたら、区役所外からそういったアイデアが来るようなことも考えられると思うんですが、この制度を利用したいと民間や大学、NPOからアイデアを募っていくようなイメージは、区として持っていらっしゃいますか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 産学公金連携により発足しました中野区グローバル戦略推進協議会では、国家戦略特区別区域を活用した規制改革を協議事項としております。これまで開催してきました会議におきましても、特区についての情報提供などを行ってきたところでございます。今後も国家戦略特区における事業の活用や規制緩和の提案など、協議会における議論の活発化とともに意見集約に努めてまいります。
○加藤委員 ちょっと質問に入っていなかったんですが、ICTCOとか、そういったところとの連携みたいなものがあったとしたら、どのような形になってくるんでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) ICTCOとの連携につきましても同様でございまして、ICTCOで取り組みたい事業の中で国家戦略特区を活用ということがございますれば、そこと調整の上検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 この国家戦略特区に対して、区がかなりポジティブな動きをしていただけるということですが、そのことについて区内の方々とか、区外でもいいですけども、連携をとりたいといったところがあると、そういうことをやっているということを広報していくべきと思いますけれども、何かなさっていますか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 今お伝えしたとおり、中野区グローバル戦略推進協議会での周知というのがまず一つになりますが、区のホームページにおきましても、そのグローバル戦略推進協議会のページと、また、国家戦略特区のページを設けてございます。そこで区としての窓口が、このグローバル戦略担当として行っているということを周知しているところでございます。
○加藤委員 具体的な事案に対して、どのような御対応を想定されているかということでちょっと質問させていただきます。例えば、区役所内のマターとして一例で、一般質問でも取り上げさせていただきましたけれども、私がさんざん言っています最先端の豪雨システムは、気象業務法などがボトルネックになってくるということですが、そういった事案が出てきた場合は、区役所内ではどういった連携や工夫をされていくのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) お尋ねの豪雨予測システムの運用に当たりまして、気象業務法の規制緩和が必要となって、それが国家戦略特区における提案制度を利用して規制緩和を提案するという運びになれば、そうした一連の手続や調整につきましては担当として進めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 先ほどのICTCOに触れさせていただきますが、IoTによるビーコンやエリアワンセグなどの研究に関しては、電波法の規制緩和があればさらに研究が進むんじゃなかろうかと、ICTCOの中の担当者もおっしゃっていますけど、そういった事案の場合はどのような検討をされていくのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) ただいまの答弁と同様となりますが、電波法の規制の緩和が必要となりましたら、同じような手続や調整を行っていくということになります。
○加藤委員 民泊やドローンなどに関する事業に関しては、かなり日常的になっておりまして、行政書士などがその許可などで知見を蓄えているということなんですけれども、そういった方々との連携は考えられますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野区グローバル戦略推進協議会の賛同団体といたしまして、行政書士会など職能団体も加わっております。許認可などについての意見交換も行っているところでございまして、今後も様々な方面の企業、団体との連携を図ってまいりたいと考えております。
○加藤委員 国家戦略特区の制度に関して、かなりポジティブな御回答をいただけるとは思っておりませんでした。今後、区が国家戦略特区制度を用いましてさらなる発展、産業推進が行われることを期待しまして、この項の質問を終わらせていただきます。
さんざんICTCOのことに触れさせていただいたんですが、色々と区内の会社とか地域の方々から、ICTCOが何をやっているのかというような、僕は応援したいんですけども、周りに見えていないということで、ICTCOの運営方針について2番で触れさせていただきたいと思います。
今さんざん言いましたけど、中野セントラルパークイーストの1階には、一般財団法人中野区産業振興機構(ICTCO)があり、さまざまな企業が事業活動を行っております。中野区の産業のためにつくられた施設ということは名前からわかるとおりでありますが、詳細について全くわからない人が多いということなので、改めて、何度か質問されたものかと思いますが、この拠点の開設目的は何なのか、また、運営主体はどのようになっているかお伺いさせていただきます。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ただいまお尋ねの中野区産業振興拠点、通称「ICTCO」でございますが、区内におけるICTコンテンツ関連産業の集積、創出等を促進し、区内の産業振興、経済活性化を図ることを目的として開設されたものでございます。区は、中野四季の都市エリアにおきまして中野セントラルパークの一部を借り受け、そのスペースの活用を担う事業共同体の参加事業者を公募いたしました。選定された事業者は、平成25年7月に一般社団法人中野区産業振興推進機構を設立し、同年11月に中野区産業振興拠点「ICTCO」を開設したものでございます。運営はいずれも区内事業者であります、西武信用金庫、株式会社構造計画研究所、株式会社矢野経済研究所、特定非営利活動法人中野コンテンツネットワーク協会が構成団体として行っているものでございます。
○加藤委員 ICTCOの運営経費はどのような財源によって賄われているのか。また、ICTCO運営の、あ、今言いましたね。すみません。そうしたら、会員企業が増加しているという説明、会員はどのようになっているかということをお尋ねいたします。運営経費はどのように賄っているのかお教えください。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ICTCOの運営経費でございます。区は、中野セントラルパークイースト及びサウスの一部を、建物所有者側であります東京建物株式会社から共益費相当の賃料で借り受けておりまして、これを同じ条件で中野区産業振興推進機構に転貸してございます。同機構は、このうちサウスの部分を通常相当の賃料で貸し付け、これと区に支払う賃料との差額を財源の一部とするということが当初から想定していた運営方法でございます。このサウスにつきましては、現在は構造計画研究所がこの部分を賃借してございます。賃料の差額収入でございますが、約1,000万円でございます。開設当初はこの収入が財源の大部分を占めてございました。その後、会員企業が順調に増加し、平成27年度の実績では会費収入が約1,400万円、これに外部から獲得した補助金などの自助努力による収入も加えて運営経費を賄っているものでございます。
○加藤委員 会員が増加しているということですが、どのぐらい増加しているんでしょうか。また、会員にはいろんなカテゴリーがあると伺っていますが、どういったカテゴリーがあるかお伺いいたします。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) まず会員数でございます。平成26年度末の会員数は55社でございましたが、現在の会員数は約100社となっております。特に最も中心となるカテゴリーであり、専用デスクを利用するプラチナ会員という会員は30社でございまして、定員がいっぱいになっている状況でございます。カテゴリー別の状況につきましては、まず一定面積のブースを利用し、その面積に応じて会費を支払うプレミア会員というものについては2社、それから、先ほど申し上げました専用デスクの使用と各種のサポートが受けられるプラチナ会員は30社で、こちらは会費が月額3万円となっております。それから、共用デスクの使用と各種のサポートが受けられるゴールド会員につきましては4社でございまして、会費は月額1万5,000円でございます。それから、デスクを使用せずサポートのみを受けるシルバー会員は23社で、会費は月額5,000円でございます。最後に、1日単位で共用デスクを使用するのみのブロンズ会員は38社で、利用料は日額1,500円となっております。
○加藤委員 会員増加によって収入増になっていると思いますが、一般社団法人という看板を使っているということは、要件として営利目的とできないというわけですけれども、その増額分の差額はどのように使われていますでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 増加した収入につきましては、会員のサポート体制や設備などの充実に使われる他、プロジェクトを推進するための経費などにも使われております。
○加藤委員 会員である事業者相互、あるいは、大学の研究者などとの連携により、新たなプロジェクトを創出することもICTCOに期待される大きな役割でありますが、現在の状況はどのようになっていますでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 平成27年度からは新規プロジェクトの創出をより促進するために、ビジネスのアイデアを公募して起業までを支援する起業支援プログラムというものを開始しました。これによりまして、平成27年度につきましては新たに7件のプロジェクトが生み出されております。現在は合わせて14件のプロジェクトに取り組んでいるところでございます。そのプロジェクトの代表的なものとしましては、スマートフォンやデジタルサイネージを活用した、平常時及び非常時の情報配信のプロジェクトがあり、先日中野サンモール商店街でビーコンとスマートフォンを使用した社会実験を行ったところでございます。また、このほか予防歯科を中心とした総合的な健康増進サービスのプロジェクトがあり、これにはICTCOの会員企業が中心となって株式会社日立製作所とも連携し、検討を行っているところでございます。
○加藤委員 ICTCOの会員事業者のみでなく、地域の既存事業者や経済団体との連携でありますが、これまで一緒にやっていくという取り組みはあったんでしょうか。区の費用が使われているのに、地元に還元がないというような声もありますので、ちょっと批判を招きかねないなというところがあります。
ICTCOができて3年たちますが、私は以前、大学とか国の研究者として科学研究費補助金などを使って研究しましたが、中規模、大規模な研究になると、プロジェクト期間というのは5年間ぐらいになります。技術開発をする上で3年というのは中間地点ということになりますので、まだ成果がちゃんと出ないというのも理解できますけれども、3年ぐらいしましたら1度中間報告というものを、必ず大きなものを開くというのが普通であります。ICTCOに関してはそういったものを、区民や区民事業者に対して報告会やシンポジウムを開催したことはあるんでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) まず、地域の経済団体との連携としましては、ICTCOと東京商工会議所中野支部との連携により、本年2月と9月にICTCOの複数の会員企業が東京商工会議所中野支部の会員に対して、みずからの事業のプレゼンテーションを行うビジネスマッチング交流会というものを実施しております。それぞれ30名から40名の参加がありまして、今後もこうした連携を強化することとしているところでございます。また、区民や地域の事業者などに対しましてICTCOの活動を理解してもらうために、最新の研究や技術などをわかりやすく情報発信する無料のイベントであります、中野サイエンスカフェというものを定期的に開催しております。これまでに4回開催し、約240名ほどの参加がございました。次回は10月1日に開催を予定しているものでございます。
○加藤委員 それでは、今後の運営方針についてちょっと触れさせていただきます。先ほどの答弁で会員が満杯になったということで、プラチナ会員、結構高くても定員がいっぱいになっているということで、今後活動を充実化して会員になりたいという企業が増えて、スペースがもう今満杯だということで足りないという状況で、会員になりたくてもなれないというケースが出てくると思います。会員の新陳代謝を促すためにも一定の期間ごとに会員の実績評価、売り上げとか、何かそういったものの実績評価に基づく会員の入れかえだったり、もしくは、それなりに企業が売り上げを上げていっているのであれば、その会社の実績評価を出さないでも会員の在籍期間、長くいればいるほど賃上げしていくとか、そういった工夫などをすることにして、インキュベーションセンターとして会員に対し高いモチベーションを与えるというのも重要かと思うんですが、いかがでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ICTCOの会員につきましては、一定期間を経て事業が発展した結果、その事業者が区内のほかの場所に移転して連携を継続することで、新たな事業者がICTCOの会員になるという好循環が生まれることが理想であると考えております。御提案につきましては、今後の課題としてICTCOに伝えてまいりたいと考えております。
○加藤委員 すみません、ここから語らせていただいちゃうんですが、ICTCOにおいては、現在、会員企業相互や大学研究者などとの連携を促進する、コーディネーター的なスタッフがいると伺っております。地域の事業者との連携を強化するために、単にプレゼンテーションを行うだけでなく、より積極的に会員企業が持つ技術やノウハウと地域の事業者のニーズを結びつける、イノベーション・ファシリテーターという人材が必要であると考えております。このイノベーション・ファシリテーターというのは、様々な研究者や事業者、地域の方々に入りまして、そういったところの利益や技術に対する調整をするような人材のことをいいまして、そういった調整をする人がそういったハイブリッドな研究の中に最近いて、そういうふうに呼び始めているということです。私が区議会議員になる前は、工学の研究技術者と一緒に仕事をすることが多かったんですが、その技術に対してすごく熱く語ることが技術者同士だったらできるんですけれども、それを一般人とか地域の方にしゃべろうと思うと、難しい言葉とか単語を使いたがるのでなかなか伝わらない。また、エンドユーザー側も欲しい技術があるにもかかわらず、その技術が目の前を通っても、その技術が、自分が欲しい技術ということを認識できないために、そのマッチングがうまくいかないということがよくあります。そのために、そういった間に入って利益調整するような人をイノベーション・ファシリテーターと定義しています。
北海道にグローバルファシリティーセンターというのがありまして、私の九中の同級生が今勤めていまして、そういった話を伺っています。このグローバルファシリティーセンターは、北海道大学で行われている研究を横断的に連携させるための部署です。例えば、化学と機械、それぞれの専門性が高い研究を高度な連携によって結びつけて、それを商品開発して、どこにもないハイブリッドな商品をつくるということです。これはアメリカのマサチューセッツ工科大学、MITとよく言われていますが、MITのメディアラボの手法を踏襲しているということです。先ほど言ったシンポジウム、サンモールの実証実験成果の公表の際には、そういった商店街の人たちに説明したということですけど、いまいちリアクションが悪かった。何をやっているのかよくわからない。何のためになるのかというのがわからないということで、リアクションが悪かったということです。こういった状況を打破するためにイノベーション・ファシリテーターという人たちが、これはこういうふうに意味がある成果なんだよということを説明できるようにする人材がICTCOには必要だと思っております。研究推進には大きな花を咲かせる可能性がある。種(シーズ)とエンドユーザーの願望(ニーズ)、このシーズとニーズの連携が必要不可欠です。私は、先ほど国家戦略特区といったものを絡めて、かつイノベーション・ファシリテーター、これらの人たちを交えることによってICTCOをさらに発展させていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 今後、ICTCOがさらに区内の産業振興に資するよう的確な運営を図っていく中で、御提案のような人材や機能につきましてもICTCOとともに検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 長々とすみませんでした。ICTCO関係者の中には、中野には知の集積ができやすくなっていて、中野が日本のシリコンバレーになるんじゃないかと期待している方々もいるということです。ICTCOにはぜひそういった立ち位置になっていただいて、頑張っていただきたいと思います。
この項の質問を終えます。
すみません、また語り口になってしまうんですが、3、樹木の維持管理の考え方について。
ノスタルジーについて、最初語らせていただきます。東中野駅付近の桜の木の伐採について、地元住民から様々な訴えがありますが、それは住民にとって急な伐採計画に感じたためです。危険性の排除をするために伐採はいたし方ないものでありますが、そのプロセス、考え方自体に問題はないですが、地元住民たちのノスタルジーに対する配慮が足りなかったのかなと思っております。また、樹木の伐採には物理的な危険性の配慮のほか、暗がりで防犯上危険性がある場所、そして、よりよい再開発のためにも伐採は必要な行為ともなりますが、まちの急な変化は住民にとって戸惑いを与えます。
昔、歌舞伎町の旧コマ劇場の西側に新宿シネマシティ広場、噴水が昔ありまして、名前も「噴水広場」と名づけられていました。しかし、飲み屋が多い土地柄で、酔っぱらいがトイレがわりに使ってしまうということで、悪臭騒ぎがよくあった。特に早明戦とか早慶戦とか、そういったスポーツのイベントがあるたびに大学生が飛び込んで、悪臭を振りまきながら周辺の店に入ったり電車に乗ったりと迷惑をかけていたのは、一昔前の道頓堀と同じ状態でした。そんなこともあり多くの反対もありながら、この思い出、ノスタルジーの固まりの噴水は昭和61年に取り壊されました。ちなみにこの取り壊しの経緯ですが、2年前ぐらいにプライベートで新宿区役所のホームページから問い合わせたら、翌日回答があって、昭和61年に取り壊されたという新宿区のレスポンスのすごさをあわせて申し上げます。
話を戻しまして、噴水を昭和61年に取り壊したにもかかわらず、私の周りとかに聞くと、噴水なんかあったっけとか、まだ噴水、あるんじゃないのみたいな、そんな話もあってということで、当時取り壊しにすごい反対があったとしても、それは一時的な感情であって、ノスタルジーとはそんなものとも言えます。時間がたてば風化してしまうものです。しかし、ノスタルジーが思い宿るものに対して簡単に排除しますという場合は、その反対の感情が出てくるのは当たり前です。ちょっとすみません、長いんですけど。では、ノスタルジー物件を残すべきなのかといった場合は、そうではないと思います。世界最古の木造建築である法隆寺は維持管理費が高くなっているのか、拝観料が、他の寺院が500円ぐらいのところ、昨年から1,500円と3倍の値段。このノスタルジー物件を残すための維持管理費はすごく高いということになっています。多額なお金を使ってまで維持するというのが、どれだけばかばかしいかということにもなりかねないということを言いたいわけです。
では、ノスタルジーをどう抑え込むかということなんですが、私の中野区における実体験をちょっとまた述べさせていただきたいと思います。母校であった仲町小学校、九中は、学校再編に伴い、なくなってしまいましたけれども、当時区政で何が行われていたか、区議会議員になる前の私は全く疎かったんですが、なくなる二、三前からにわかになくなるなみたいなことがあったというのは記憶しています。卒業後、ふだん全く行くことがなく、それこそ選挙のときぐらいしかその学校に行くことはなかったんですが、全然行っていないにもかかわらずノスタルジーを感じ、小学校、中学校がなくなってほしくないなと思っていました。じゃあ、最後、何か思い出をつくろうと思ったところ、仲町小学校で昭和63年に開校50周年記念で、私、タイムカプセルを保存して、50年後の100周年であけようと言っていたんですけど、結局学校がなくなるということで21年後にあけるイベントが行われました。タイムカプセルに保存していたのは、「50年後の私へ」というタイトルで、みんなと読みながらノスタルジーを感じながら、なくなっちゃうんだなというのをみんなで気持ちを共有して、ノスタルジーという気分は成仏したように感じました。また、九中においても大同窓会というので、私、副実行委員長だったんですけど、800人ぐらい集まって大盛況で、みんなで別れを惜しみました。
やっと話は戻りますが、樹木の伐採というのは、日々その道を通る人にとって、毎日通る街並みの景色が変わるということで、急に変わることには違和感があります。防災上の危険性を除去することは、区が保持しなければならない安全性の観点からいたし方ないことですが、あらかじめ小・中学校がなくなるといったように説明があれば、また違ったのではないかなと。この木を切らないといけないけども、樹木診断によって直ちに伐採しなければならないという判定があったり、樹齢は45年でこの木の種類の寿命は50年だから、あと5年以内に切らなければならないといった理由があれば、そのスケジュール感が示されれば、切られてもしようがないなというふうになると思います。そのためには中長期的な樹木の維持管理計画を立てる必要があると思います。中長期的な維持管理については樹木に限ったことではありませんけれども、今回は樹木に関してのみ、その考え方やルールについて御質問させていただきます。
木が倒れたりしないように、従前の対策としてのリスクマネジメント、木が倒れてしまった後のクライシスマネジメントの観点に分けて、やっと質問いたします。リスクマネジメントの観点から、木を伐採するということになった場合、一般的なプロセスをお教えいただけますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 街路樹や公園の樹木については、定期的に巡回しまして目視による点検を行っております。その際、倒木のおそれがあると判断した場合には、緊急の場合は除きまして、1週間程度張り紙等による周知の後に伐採作業を行っております。
○加藤委員 結局ノスタルジーは、僕はもうちゃんと処理してもらえれば切っていいという観点に立っているので、そういった意味で。でも、今のやり方ですと、ノスタルジーに対しての配慮が足りないのではないかということで、やはり短期的ではなく中長期的な計画を立てていただければと思うところです。
まず、区の樹木の管理状況について伺いたいと思います。区が管理、関与する樹木は、大きく分けて道路・公園担当が管理している街路樹など、あと、学校や活動センターなどの区有の施設、敷地内にある樹木、あと、民地にあります保護樹木・保護樹林の3種類があると認識していますが、いかがでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 三つのそれぞれのカテゴリーで、それぞれ何本管理されていますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) まず1番目に、公園の樹木、道路の街路樹でございますが、ともにおおむね高さ3メートル以上の樹木につきまして申し上げますと、公園では9,916本、道路の街路樹では1,371本、合計で1万1,287本でございます。なお、この中には江古田の森公園や哲学堂公園の自然樹林部分は、無調査のため含まれてございません。2番目の、区の各施設の敷地内にある樹木につきましては、それぞれの所管で管理してございますので、全体一括しての把握はしてございません。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 3点目のお尋ねでございます。保護樹木等の指定状況でございますが、現時点で保護樹木は308本、保護樹林につきましては31カ所を指定してございます。
○若林委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。
午後3時00分休憩
午後3時20分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
加藤委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 先ほど区が管理する木が3種類、管理・関与する木が、三つのカテゴリーがあって何本あるかというところで終わっております。
続きまして、名古屋市の事例について。NHKのニュースで取り上げられていましたが、国交省の2012年の調査で、日本全国に街路樹は675万本あり、街路樹が盛んに植えられたのは高度成長期ということです。道路整備に伴い、排気ガスなどに対する環境対策や景観の美化、そして、火災のときに延焼を食いとめる防災などが目的で植えられました。現在においては、地球温暖化に伴う気候変動を抑制するためという理由も加わっていると思います。調査によると、種別本数で1位はイチョウ、2位がソメイヨシノなどの桜、3位はケヤキで、専門家によるとそれぞれの寿命は数百年、70年、150年と言われております。しかし、植えられてからまだ40年から50年ぐらいにもかかわらず、各地で街路樹が倒れるなどの事故が発生しているということです。樹木が道路や排水溝などに囲まれて自由に根を張れない。それで、十分な栄養を吸い上げることができないこと。あと、歩行者が根を踏んだり、自転車で幹に立てかけたりすることで表面が傷つくことにより、そこからキノコなどの菌が寄生して根や幹を腐らせるということです。理想の成育環境とは言えない中で、木の老朽化が進んでいるということです。
名古屋市では10万本以上の街路樹を管理しており、治療などを含めて1本1本対応を行って来ましたが、コストがかかる上、倒木のリスクを完全になくすことはできないため、昨年、街路樹再生指針を打ち出して、アオギリなど高度成長期に植えられた木の多くを伐採して、かわりにハナミズキなどコンパクトな木を植えることにしました。ハナミズキは、制約された環境でも根をしっかりと張り、菌への耐性も比較的強いということから、倒木のリスクが少ないと言われております。アオギリなどの成長の早い木は毎日剪定が必要で、1本当たり年間およそ2万円の維持管理費がかかるのに対して、ハナミズキの植えかえは1本20万円で、イニシャルコストはかかりますけれども、成長が遅いため剪定するのは10年ほどに1回でいいということで、長期的にはコストが抑えられということです。
それでは、区が直轄管理している、道路・公園担当が管理している中野区の樹木1本当たりの年間維持費は幾らぐらいでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 剪定や病虫害の防除等の維持管理のため、1本当たり年間で約1万4,000円の経費を用意しております。
○加藤委員 10年に1回剪定するということで、先ほど言った事例だと10年に1回2万円ということになると、2,000円ぐらい、木の種類によるとは思うんですけど、そのぐらい抑えられる可能性が木の種類によってはあるということです。やり方次第では、樹木管理のコストは今よりもさらに下げることができるのではないかということです。名古屋市の事例は、防災コスト面もすばらしい先進事例だと思います。今の名古屋の事例や、私が求める、事前に切るということを告知するためにも、樹木の中長期の維持管理のために樹木1本1本の樹木台帳が必要だと思うんですが、区はそのようなリストを持っていますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現時点では、御質問のような樹木台帳に当たる資料は作成しておりません。
○加藤委員 もし台帳を今後作成されるのであれば、樹木の種類、樹齢、樹高、簡易的及び詳細な樹木診断などの経年変化をその台帳に載せられればと思います。予算も限られているので、台帳をつくって、その空欄を直ちに埋めるというのはなかなか現実的ではないですし、台帳をつくって埋めたからといって、すぐ計画ができるとも思っていません。しかし、これから新しく植樹したり、定期的な剪定をする際には、簡易的な樹木診断結果などを記していけば、数十年後にどれを伐採すべきかなどといったことがわかってきまして、いつまでにこの木を切るからということで、逆算してその計画を立てることができると思われます。そして、特に桜の木など、住民にとって思い入れが強い樹木に関しては、樹木診断を定期的に行うべきで、そのデータベースとして台帳が必要になってくると思います。この台帳作成というのは、要するに木を切る根拠をつくるというものであります。区にとって不利益なものにならないと思いますが、今後そういった台帳を作成されるおつもりはありますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 御提案の樹木台帳のような資料は、維持管理を適正に行う上で意味があると考えますので、今後作成していきたいと存じます。
○加藤委員 かなりポジティブな御回答、ありがとうございます。
最近様々なセンサーが開発されておりまして、RGBカメラとか、何の植物であるか分類が可能なカメラと、あとドローンを組み合わせることによって、その植物が何かというのをドローンで空撮することによってできるぐらいの技術が実際にできております。樹木の健康状態に関しても、あるセンサーによっては今後そういったものもできる可能性もあります。緑の実態調査や、それら新しいモニタリング技術と台帳、それらいろいろと連携することによって、リスクマネジメントの高度化をしていただけると思います。できれば道路・公園担当で管理するだけじゃなくて、いろんな、先ほど言った三つのカテゴリー、道路・公園と区有施設、保護樹林・保護樹木、全てを統合した台帳にしていただければと思います。
それでは、クライシスマネジメントの観点から御質問させていただきます。木が倒れてしまったときの対応です。例えば、強風や地震により木が倒れたとき、基本的にどのような対処方法をとられるのでしょうか。まずは区が直轄管理する樹木で、保護樹林以外のものをお答えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) まず、警察等関係機関に連絡の上、至急交通の安全確保に努め、区職員または委託業者によりまして、周囲の安全を確保しつつ撤去作業を実施することになります。
○加藤委員 それでは、所有者、管理者の敷地内で保護樹木が倒れた場合、どのように対応されるのでしょうか。木が倒れる際に、全く周りの家とかほかの木を傷つけない場合とか、逆に所有者の家に倒れ込んでしまった場合などにおいて、費用等を含めてお答えいただければと思います。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) お尋ねの事例につきましては、御自分の木が御自分の家に倒れ込んだということでございますので、通常どおりその保護樹木等の所有者の方が、その復旧ですとか、また、必要があれば家屋の修繕といった対応を行っていただくことになります。その費用につきましては所有者の方の御負担となります。
○加藤委員 区としては、全く出すことはないということでよろしいでしょうか。再確認。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 維持管理につきましては、基本的には保護樹木等の所有者の方が行っていただくということでございます。なお、所有者の方の請求によりまして、保護樹木等につきましては維持管理に係る助成金を一部お支払いしてございますので、それが使えると、維持管理に当たるというような場合であれば、それを一部お使いいただくということは可能かというふうに思ってございます。
○加藤委員 それでは、保護樹木・保護樹林が倒れて、道路を封鎖してしまった場合というのはどうなんでしょうか。例えば台風とかが来て、所有者が家に滞在しているときでも、倒れている状況に対して戸惑って、誰にどう連絡をとればいいかわからないという状況もあると思いますし、海外旅行などでどこかへ行ってしまって、所有者自体がいなければ、その倒れた木はどうすればいいのか。道路の復旧はどうされていくのか。その辺も費用を含めてお答えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 倒木によりまして交通障害が発生した場合、緊急に対応する必要があるため、所有者等が御不在の場合も含め、区として早急に交通障害の除去及び安全の確保を図る必要があるものと考えます。なお、撤去に要する費用につきましては、所有者の御負担ということになります。
○加藤委員 それでは、保護樹林・保護樹木が、民家、隣の家とかに倒れ込んでしまった場合はどのようになりますでしょうか。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 保護樹木等が隣家へ倒木した場合の対応ということでございますが、基本的にはその保護樹木の所有者の方が撤去等の対応を行っていただくことになります。その費用につきましては、所有者、管理者の負担となるというものでございます。なお、こうした場合に、隣家の、例えば家屋等に損害を与えるということがあり得るわけでございますが、こういった場合、保護樹木の所有者の方が損害賠償責任を負うことがございます。ただし、こういった家屋等の損壊というような損害賠償責任につきましては、特別区自治体総合賠償責任保険、この対象となりますので、その損害賠償金につきましては保険から補?されることになると考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。
最後に、国連が、中野区のほうでもよく言いますけど、サステーナブルという言葉がありますが、国連が持つ最終目標というのは、サステーナブルディベロップメント(持続可能な開発)、その頭文字をとってSDGsと。2030年までに持続可能な社会を開発していくということですが、この樹木管理におきましては、一定量の樹木が常にあるということがある程度求められると思います。高度成長期に建設された道路、上下水道の維持管理が昨今困難になってきているということで、樹木も昭和44年ぐらいから多く植えられたということで、そろそろそういった更新時期に入ってくると思います。個体差はあると思いますけど、例えばこういった部屋の蛍光灯のように、1本切れ始めるとほとんど全部切れてしまうというふうに、寿命が大体一緒だったりするわけです。そういうことも考えないといけないということで、植えた木が一気にだめになる可能性もあります。そうならないように、樹齢50年の樹木群とかであれば、10年に1回、5分の1ずつ植えかえるとか。そうすれば、常に木があるような状態を維持できるんじゃないかと思います。また、そんな木があるかわからないですが、LED的なすごく長持ちするような樹木を植えるというようなこともあると思います。
最後の質問としまして、今後、区としてどのような樹木管理を考えておられるのかお教えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 樹木の寿命は樹齢により定まるというよりも、その生育場所や環境により異なってくるということも踏まえまして、そうした生育場所や環境に応じた手入れを日ごろから行っていくとともに、御提案のような取り組みを含め、検討の上、樹木の適正な管理に努めたいというふうに考えます。
○加藤委員 ありがとうございました。
持続可能な樹木管理になることを望みまして、私の総括質疑を終えます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
次に、いでい良輔委員、質疑をどうぞ。
○いでい委員 自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問につきましては通告のとおりでありまして、まず行政評価について伺います。そしてまた、2番目につきましては、中野区スポーツ健康づくり推進計画について主に伺いたいと思います。よろしくお願いします。
まず、行政評価について伺います。
今回、決算特別委員会でお示しいただきましたのは、平成27年度主要施策の成果別冊など、長い間にわたって区が取り組んできた行政評価の最新版ということですかね、を出していただきました。この経緯によりますと、平成12年度から試行錯誤を繰り返しながら、現在平成28年度まで来ていると。途中でさまざま改革を続け、いろんな手を加え、いろんな方からも意見を聞いたり、たまにどこに行ったのかなというときもありましたけれども、やっぱり当時、始められたときには、行財政改革の一端というところでスタートいたしました。当時そういったことがあまり、真新しかったんでしょうね、今となってはやっているのが当たり前だということだったんですけども、中野区の取り組みのことについては、行政評価、行財政改革を進めていくんだというところについてはすごく評価をしていることですし、いつの間にかこれが当たり前のことだなというふうになっていったということの功績はすごく大きいことだなと思っています。まず最初はそういう形で取り上げさせていただきましたけれども。
しかし、今年からは全分野を評価対象に内部評価を実施して、43分野137施策、政策室など4部で外部評価を実施予定。昨年度までは分野ごとの評価だったところが、各部の評価ということが行われることになりました。そこで、進んでくる話ではあるんですけれども、まず一番初めに伺いたいのは各分野の指標なんですよね。皆さんお手元に各分野の行政評価結果別冊をお持ちだと思うんですけど、あまりそれぞれの分野ごとのことについては申し上げません。言い出すと、これ、全部のことについて言いたいことがたくさんあるので、皆さんももちろんお気づきの点、多々あると思うんですけれども、私は各分野の指標においても目標値などが不適切――不適切という言い方が合っているかどうかわかりませんが、妥当ではないと思われるものが散見されます。昨年の外部評価においても、全国や都内など、この23区との比較がないために、目標値の妥当性や事業の実績について、本当にこれで合っているのかなという数値の設定がありました。目標値についても、単純に過去の傾向の延長線上にその指標というか目標値を置いているということが、果たして本当に適切なのかなという指摘が今までもありましたし、私もいまだにそう思っています。適切な目標値が設定されて初めて適正な外部評価ということで評価できると言えると思うんですけど、それについてはいかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 目標値につきましては、その施策の成果を図る上で重要な位置を占めているものでございます。その他、内部評価、外部評価の行政評価結果等を踏まえまして、区民にとってわかりやすく、目標として妥当性のある数値を各分野みずからの責任において適切に設定する。これで実施するということが、PDCAサイクルにとって非常に重要なことであるというふうに考えております。なお、目標値の設定に当たりましては、設定マニュアルの周知をいたしまして、設定段階での標準化を図っております。それとともに、目標値が低い場合や評価として不適切なものがある場合には、担当とのヒアリングを通じて指標の差しかえや目標値の変更の働きかけなど、企画担当が一定の点検を行っているところでございます。
○いでい委員 その御努力といったら本当に大変なことなんだろうなと思います。各分野、各部のことについては言いませんけど、今、企画担当のほうでいろんなことを助言、提言するというお話でしたけど、この成果別冊、開きますと、一番最初に政策室が出てくるんですよ。政策室の――同僚の中村議員も毎回決算のときは外部評価をやるんだよね。その指摘をされていましたけども、部の取り組みの成果については自分たちで8点をつけましたと。でも、分野の平均評価点が5点でしたと。総合評価は6.5点。いろんな見方がこれについてはありますよね。それには後のマル・バツ表みたいなところの数でいうと、企画担当のところ、結構マルがついていないところがありますよね。そういうことについても細かくは言いませんよ。
でも、先ほどの自民党の、我が会派の大内幹事長の質問の中でもちょっとあったので、政策室のところだけ少しだけ触れさせていただきますと、マイナンバー制度のところについては、実施状況の成果ということで、マイナンバー制度推進について云々、確実に進めることができましたと書いてあります。また、こっちの主要施策の成果のところにも、もうマイナンバーの利用開始に向けた準備を着実に進めましたと書いてあるんですよね。いや、本当に、それもすごいなと思うんですけど。じゃあ、さっきの戸籍住民のところを見ると、128ページ、事業・取り組みの効率性のところからその他というところで、通知カードを受け取るために多くの区民が来庁し云々、管理システム障害がたびたび発生したことによりマイナンバーカード交付事務に影響が及んだと書いていますけど、自分たちの評価については、これはマイナンバーを着実に進めることができました、成果だと言っている一方、分野のほうではちょっと、いろんな手続の、事務の都合上の混乱がすごく起きましたよということで、見直し・改善の方向性みたいなところにも課題として載っかっているんですよね。ですから、それぞれの所管、また、その分野の各部ごとに、自分たちで持っている目標値だとか指標だとか、または数値だとか実現率だとか、そういったことがあると思うんですけど、すごくまちまちだなと。
もっと言うと、これについても、同僚議員もたくさん思っていると思うんですけど、平成27年度の目標がなぜこの数字なんですかと。達成率がどうしても100%に近づくように、初めから目標値を設定しているんじゃないの、おかしいんじゃないのという。そういうことを思っている人、私をはじめたくさんいると思うんですよね。ですから、本来のPDCAサイクルの中で大きいチェックという中では、行政評価制度、すごく重要なんですけど、区としてこれが本当にこの数値目標でいいんですかというところに、今もう来ちゃっているのかなというふうな感想を持っています。今年度から新しい10か年計画(第3次)がスタートいたしました。そうなってくると、今年度からスタートしてくる事業だったり、昨年度、一昨年度というところの数字があるから、指標とリンクしないところが必ず出てくると思うんですよ。そのことについてはどうお考えなんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 当該年度の目標達成度、それから、目標値の妥当性を適切に評価するためには、経年の実績、推移等を考慮することも重要であると考えてございます。一方、適切な評価を行うために、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)、これらを踏まえた指標を設定し、その指標の妥当性などにつきまして評価することも重要であるというふうに認識してございます。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を踏まえて区政目標や指標、これが変更されたものにつきましては、可能な限り過去の数値等が評価に反映できるように努めたいというふうに考えてございます。また、数値が判明しない指標、こちらにつきましてもベンチマーク等、適切な評価ができるように工夫をしていきたいというふうに考えてございます
○いでい委員 行政監理の方が適切な目標値を設定していくようにというふうに、各分野の皆さんとヒアリングなりというようなことをされるんでしょうから、それはもう徹底していただきたいし、せっかく大切なこと、区の政策について根幹をなすところなので、しっかりやっていただきたいなと。これは応援の意味で申し上げます。
次に、政策によっては複数の分野にまたがっているものがすごくあると思うんです。今、行政に対するニーズというんですか、区民の皆さんが行政サービスに期待することはすごく多岐にわたるということもあります。もちろんIT化がどんどん進み、時代の流れがすごくスピードが速くなってきた。あとは、区民の皆さんのライフスタイルもそれぞれ多岐にわたってきて、33万区民の皆さんが様々な生活をこの中野区でしていく中で、すごくニーズが高まっていることとかもあるんですよ。そうなってくると、各分野ということでこの行政評価を見ると、分野の中だけで当たることができなくなってくるものも出てくると思います。後でちょっとこの辺のことについては触れるんですけど、政策の実現に向けて分野間の連携ということについては、この行政評価の中の評価項目の中にないんですよね。各分野ということはわかるんですけど、分野ごとに行っているプロジェクトに対する評価、そういったものというのは今までなかったんですけど、新たにそういった分野間で連携して政策を前に進めていかなくちゃいけないというときには、どうやってそれについては評価するんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 政策の内容によりまして差異はあるというふうには感じますけれども、一つは部の目標というのがございます。この部の目標を達成するために分野間の連携が十分発揮されなければならない、こういう政策もあるかなというふうに認識してございます。今回の行政評価からは、より政策的な議論を行うため、部を評価の対象に加えてございます。部の評価という中では、部内における分野間の連携、これについての一定程度の評価はできるものというふうに考えてございます。また、分野の評価の基準、今回細かくしてございますけれども、そちらの項目に他部署との連携、協力、調整、これが十分行われ、円滑に実施されている、こういう評価項目も設けてみたところでございます。引き続き分野間の連携の推進、これにつながるような評価ができるように、さらに工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 各部をまたがる分野間の連携の評価のことについては進めてほしいと思います。ですけど、じゃあ、その事業を執行していきましょうよといったときに、本当に、じゃあ、この事業のことについては、責任分野というんですかね、それが一体どこになるのかとか、そういったことまで行政監理でいろいろ指導できるわけではないですよね。それについては企画がやっていく話だと思うんですけども、企画のほうでもちょっと頭を悩ますこととか、たくさんケースによってはあると思うんですよ。どうしてもこれだけは連携してやらなきゃいけませんよみたいなところについても、これ、一体どこが分野をまたがる分野間連携については主導していくのかというのをお答えいただければ。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 部間をまたがる重要課題につきましては、企画担当が調整役を担いまして、庁内連携をとって進めているというところでございます。部内で解決できる課題につきましては、部の中で調整して解決策を見出していくということでございますが、部間にまたがる課題については企画のほうで受け取って、適切な役割分担のもと、庁内連携をとって進めていくという体制でございます。
○いでい委員 そうやって物が進めばいいですけど、新たなニーズに対応するために特別チームみたいなものが、プロジェクトチームみたいなものができるわけでしょう。それについては、ただ他分野間連携をしたとしても、中身が前に進まないと、じゃあ、予算を通した意味がないじゃないかみたいな話にやっぱりなっちゃうし、4月1日から年度が始まるわけですから、分野間連携、即応部隊みたいな形でプロジェクトチームをつくるときは、それについてすごく留意してもらいたいし、努力してもらいたいなと。これは要望です。
様々行政評価、これ、毎年出てきます。ここに必ず出てくるのは、見直し・改善の方向性ということがうたわれます。この見直し・改善の方向性のことについては、じゃあ、来年度、次年度の予算の中で事業として執行しなくちゃいけないものについて、予算的に反映しなきゃいけないですよね。そういったシステムというのは、チェックからアクションに対する動きというのはどうやって当たっているんですか。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 事業改善の見直しに当たりましては、あらかじめ行政評価において指摘された事項を事業所管ごとに示した上で、より効果的かつ効率的な事業運営となるよう見直しの検討を指示いたしまして、各所管におきましてはこれらを踏まえて検討を行い、これをもとに全庁的に議論をしているところでございます。そうした検討の中で、特に予算措置が必要である、あるいは、人的な体制、組織の見直しが必要である、そうした内容を含むものにつきましては、そうした対応を行っていくというものでございます。また、検討の結果、区として事業を見直し、翌年度予算に反映していくこととした事業につきましては、毎年12月ごろにその案をお示しして区民の意見を聞いているところでございますが、そうした検討の過程につきましてもよりわかりやすくなるように、公表の仕方などにつきまして工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 じゃあ、過去に、この行政評価の結果を受けて見直し・改善の方向性みたいな答えが出ました。それが来年度予算について影響を与えた、もしくは何かなし得た、または廃止したみたいなことは何か。まあ、代表的なものでいいので、何かあったら教えてください。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 平成28年度予算に反映いたしました事項といたしましては、平成26年度の行政評価、外部評価の指摘がございました、区民開放端末を廃止したといったような事業、また、区の掲示板を整備していくという事業、それから、区のホームページを介して戸籍住民窓口の利用状況をリアルタイムに情報配信し、混雑緩和を図るとともに、来庁者が待ち時間を有効活用できるシステムを導入したといったような事例がございます。
○いでい委員 今のは代表的なというところでお答えいただいたんだと思うんですけど、これだけ見直しや改善の方向性というのが出ている中で、本来であればもっとあってもいいものなのかなと。まあ、今まで続けてきたものをいきなり廃止するとか、また、新たなニーズに対して新規事業を起こすというのはすごく大変なことだと思います。もちろんお金の手当てのこともやっぱりあるので、大変なことだと思いますけど、それにしてはもうちょっと、各分野の中でこういった答えが出たわけですから、来年度の予算の要求のときには、やっぱり各分野の責任者である皆さんがこれを要求していくべきだと思うんですけど、それは誰が答えるのかな。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 行政評価を検討していくその過程におきまして反映していくものと、また、様々な理由で反映していかなかったものがございます。そうした検討の過程でありますとか、それぞれの事業についての区の考え方などにつきまして、よりわかりやすくお示しするような工夫が必要であるというふうに考えてございます。
○いでい委員 わかりました。なぜ今日こういう話をしているかというと、自由民主党議員団は、特に決算議会をすごく大切にしていて、自分たちで予算を通しているんだ、そういった自負がすごくあります。それは同僚の議員たちと一緒にやっていることなんですけど、それだけその予算にかける思いというものを自分たちはそれぞれ持っているし、予算をただ通すだけじゃないよと。やっぱり決算があって予算がある。僕たちはチェックという立場から入っていきたいので、この決算期はすごく大切にしています。
この行政評価がどんどん進んでいくことによって、今、分野間の連携、必要ですよと私は申し上げましたけれども、あまりにも行政評価がよくでき過ぎちゃって、各分野の中だけで凝り固まる性質みたいなものがもう出てきちゃったのかなと思います。それは何かというと、縦割り縦割りとよく言われることだと思うんですよ。行政評価をやることによってその縦割りの評価が出てくるとは思うんですけど、今まで進めてきたこの行政評価については、すごく私たち自身も評価はしているし、これからも続けていかなきゃいけないことだと思うんですけれども、さらに今、行政評価制度、1歩も2歩も先へ踏み込んで、じゃあ、今度横をどうしていこうかと。そういったニーズがあらわれたときにはそこをしなくちゃいけないんだよと。そういったことについても行政評価について変わっていってもらいたいなと。私たちもそれについて応援していきたいなと思っています。いかがですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 複数の分野間の連携のことと部をまたがるものと、両方あるかなというふうに思っていますけれども、同じ部の中で分野が連携することにつきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、今回部の評価を入れたということで一定程度反映したかなというふうに考えてございます。もう一つ、部がまたがる課題についてなんですけれども、目標と成果による区政運営、これを一層推進していくためには、いわゆる複数の部が連携したプロジェクト、これにつきましても適切に評価、見直し、改善、こういうものを行っていく必要があるというふうに認識してございます。今年度につきましては、昨年度策定いたしました、まち・ひと・しごと総合戦略というのがございますけれども、こちらにつきましては外部の有識者による政策検証、こういうものも実施したいというふうに考えてございます。これらの実施方法の結果を踏まえまして、政策室等と十分連携しながら、適切かつ効率的なプロジェクトをどうやって推進していくのか、その結果につきましても適切にどう評価していくのか、これにつきましては十分検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 ありがとうございました。ぜひ、私たちも期待をしているし、本当に行政評価のための行政運営であってはならないなというふうに今思っているんですよね。なので、やっぱりそこについては改善を続けていっていただきたいなと思っています。ありがとうございました。
次に、中野区スポーツ健康づくり推進計画について伺います。
まず、平成27年度決算から見るスポーツムーブメントについて伺いますけれども、平成28年7月にこの中野区スポーツ健康づくり推進計画が策定されました。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けてスポーツを推進することは大切なことだと思いますが、この計画はどのような根拠に基づいて策定されたのでしょうか。平成27年度決算において、スポーツムーブメントを起こす事業としてどのようなものがあったのかお示しください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) スポーツ健康づくりムーブメントの推進に向けて、平成27年度には、今後も健康で活気のある地域社会を継続していくために、運動・スポーツの新たな環境づくりに重点を置いて取り組んできたものでございます。まず、平和の森公園再整備及び新体育館建設に向けた整備構想、基本計画策定に係る支援業務委託を行ったものでございます。この委託に基づきまして、本年6月に基本計画を策定し、中野区のスポーツの中心的な拠点として、東京オリンピック・パラリンピック開催前に新体育館を開設するための準備を進めているところでございます。また、運動・スポーツを通じた地域交流の拠点といたしまして、昨年4月に中部スポーツコミュニティプラザを正式に開設いたしました。昨年度の事業の実施形態、また、実施状況等を勘案いたしまして、今年7月の南部スポーツコミュニティプラザの開設にあわせまして、地域スポーツクラブの設置や使用料方式の適用等の見直しを行ったものでございます。その他、昨年度に検討を行い、今年度から実施しているものといたしましては、学校開放使用料を免除化するなど、既存の施設を活用したスポーツ振興にも取り組んでいるところでございます。
○いでい委員 そういったこと、あまり決算の説明書で読み取れないところなんかも結構たくさんあるんですけど、私たちはスポーツの持つ可能性ということについてすごく心を寄せているというか、2020年東京オリンピック・パラリンピックが必ずやってくる。この間終わったばっかりのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの感動が、またこの東京で、またこの地元で行われます。日本で行われます。中野区にもすごくそのムーブメントみたいなものを楽しみにしている人たちがたくさんいるので、このスポーツムーブメント、健康づくり推進計画には結構すごいことが書いてありますので、ちょっとその中身のことについても触れてみたいと思います。この計画には多岐にわたる施策が記載されているんですよ。これをどのように実行していくのかというところについて伺います。
まずは成果指標のところ。目標とする姿があって、成果指標というところがあるんですけど、ここについて、例えばスポーツ活動する団体数が、平成27年度3,674団体に対して、4年後、平成32年度については4,050団体、平成37年度には4,400団体というものを成果指標にしますよと。中野区スポーツボランティアの登録者数、10年後には200人にしますよと。区民スポーツ大会参加者数、現状2万3,667人を、10年後には約5,000人増やして2万8,800人にしますよと。こういったことでたくさん出ているんですけど、これを本当に実現しようと思ったときにはどんな取り組みが必要で、それを来年度の事業として、まあ、今年度もそうですけど、やっていく中で目標をちゃんとクリアできるんですかと。先ほど、また繰り返しになりますけど、我が会派の大内幹事長の総括質疑の中でもありましたよ。あまりにも、8,000人という高い目標を掲げ過ぎちゃって、実は3,000人しか来なかったじゃないかと。まあ、当時の担当は今の担当の方と違う方でしたけど、いろんなことがありましたよね。こうやって目標を成果指標として掲げるのはいいんですよ。ですけど、それに近づいていく努力……。あと、10年後といったら、これの10分の1ずつ毎年やっていかなくちゃいけないわけです。じゃ、来年度ふやさなきゃいけない団体は80団体ぐらいつくらなくちゃいけないわけで、スポーツ活動をする団体を80増やしましょう、1年間365日しかないのに、1年間で80団体増やしましょうと。1人や2人を団体と言いませんからね。団体のスポーツを、ちょっと今細かい話になりましたけど、本当に増やしていくためにどんな施策を行って、この成果指標、目標を達成しようとするの。それは、じゃあ、来年度の予算として、事業としてどうやって要求していくのか教えてください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 成果指標の実現に向けた取り組みというところで、今挙げていただきましたスポーツ活動をする団体数につきましては、毎年新規の登録がございまして、区民のスポーツ活動につきましては活発に行われているというふうに認識してございます。今後、平和の森公園に整備する新体育館、多目的広場、また、スポーツコミュニティプラザ等の新たな施設の整備によるスポーツ環境の拡充、また、学校開放使用料を免除化したことなどにより、新たに登録団体数の増加が見込めるものと考えてございます。また、障害者スポーツ、ニュースポーツなど、これまで団体として登録がなかった競技につきましても、地域スポーツクラブ事業など幅広いスポーツ事業を実施していく中で、新たな団体づくりの支援をしていきたいというふうに考えてございます。また、スポーツ大会の参加者数につきましては、新たな大会といたしまして、今年度から地域スポーツクラブ事業としてスポーツコミュニティプラザにおいて、各施設で5回ずつのスポーツ大会の実施を予定してございます。また、現在行われている区民スポーツ大会に関する情報を、現在大会に参加していない団体や新たに結成された団体に対して周知を行いまして、大会の活性化を支援していくことなど、活動団体と大会参加者、そういったものを連動させながら成果指標の達成を図っていきたいと考えております。
○いでい委員 ちょっとたくさん、また、またというので、複雑に答弁してもらっちゃったんですけど、その施策の中で、例えばライフステージに応じた運動・スポーツ活動の支援、子どもの体力を向上させる取り組みの推進、地域ケア分野、学校教育分野、健康・スポーツ分野、こうありますけれども、この一つの施策を実行していく上で、この三つの分野の名前を一々挙げているんですよ。それについては、責任の所在を明確にするというところではいいかもしれませんけど、じゃあ、どなたが主体となって、先ほどの質問とちょっとかぶるところも出てくるんですけど、どこの分野が主体となって行っていくんでしょうか。だって、学校の子どもたちの体力の向上をしていきましょうよというのは、もちろん学校教育分野がやらなきゃいけないし、それを地域でやりましょうということで地域ケア分野になっているのかな。あと、健康・スポーツ分野がアスリートなどを活用して事業を改善するだとか、いろんなことを書いていますけど、この一つの施策を遂行するために、じゃ、どこの分野が主体となってやっていくのかというのは決まっているんですか。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) この計画につきましては、合計で12の分野の名前が記載されている状況でございます。今後につきましては、各取り組みに列挙されている分野について、どこがどういうふうに責任を持って進めていくかということを明確にするとともに、本計画を円滑に、効果的に進めるために、先ほど行政評価のところでもお話がありましたけれども、企画担当、それから、行政監理の担当とも相談しながら、庁内における推進体制についても検討していきたいというふうに思っております。
○いでい委員 検討するだけじゃなくて、実際にこれ、やらなきゃいけない話なわけだから、自分たちでつくった計画についてどうやって成果指標を実現していこうかという話なので、検討とかしている時間はそんなに長くないんじゃないかなと思っています。
それで、今まで、先ほども答弁してもらいましたけど、スポーツ活動する団体とか区民スポーツ大会の参加者数とか、色々な目標がやっぱり掲げられていますよ。そういうのは、地域スポーツクラブの話がさっき出ましたけど、地域スポーツクラブによる地域スポーツの活性化というところで、スポーツコミュニティプラザが本来担うべき仕事なんじゃないかなと。地域スポーツクラブ、地域スポーツコミュニティプラザだけじゃなくて、いろんな運動施設、いろんなところにもありますよ。あと、自民党もすごく強力に求めてきました、小・中学校の目的外使用というんでしたっけ。学校開放の無料化ということですよね。今ある施設使用料、中野区が持っている行政財産の施設使用料の物の考え方からいうと、ちょっと難しくなり過ぎて、じゃあ、皆さんもっとスポーツにいそしんでくださいよ、親しんでくださいよというところまで逆行するような物の考え方もちょっとあるので、その無料化のことについてはすごく評価しているんですけど、それとは別に、このスポーツコミュニティプラザで本来やっていくべきものなのかな、大半ができることなのかなと思っています。
それで、中部スポーツコミュニティプラザ、これについては会員数が、現場で登録した人たちというのは300人ぐらいいらっしゃるということですね。南部スポーツコミュニティプラザというのは、まだ開設して間もないんですけど、現地に行って登録された方が約3,000人ぐらいいるらしいですね。ちょっとこの差の意味がいまいちよくわからないんですけど、場所柄なんですかね。(「きれいだから」と呼ぶ者あり)きれいだからかな。中部スポーツコミュニティプラザのことを見つけられないという人はいないと思いますけどね。でも、本来、中部スポーツコミュニティプラザで施設があるよと。そこにスポーツを通じてさまざまなコミュニティをつくりましょうよと。コミュニティ同士が活発に交流しましょうよというのが、この地域スポーツクラブ構想だったのではないかなと思っていて、今回南部スポーツコミュニティプラザができました。そのことによって一気にギアが3段も4段も上って、それが加速するときに今入ってきたんじゃないかなと思っています。
この地域スポーツコミュニティプラザを、単なる貸出業務みたいな形で指定管理者に任せるんじゃなくて、本来区が求めていた地域スポーツクラブ構想をここで、さまざまな人たちがスポーツを通じてコミュニティをつくってください、それで活性化しましょう、健康になってコミュニティもつくりましょうというのがこの目標だったと思うので、私はやっぱり中部スポーツコミュニティプラザの状況がちょっと、なぜこんなにいまいちなのかよくわかりませんけど、それにはやっぱり改善の点が多々あると思うんですよね。とりあえずできるところからどんどんやるべきだと思っているので、南部スポーツコミュニティプラザが、今その勢いがいいときに、やっぱり単なる窓口業務、貸出業務とか、そういうんじゃなくて、やっぱり中野区としてはこういうことをやっていきたいんだと。そのために税金を投入しているんだと。やっぱり胸を張ってやっていってもらいたいと思っているんですけど、それについてどうですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 地域スポーツクラブ会員、今年の7月から新たに会員制度を導入いたしまして、現在のところ個人会員ということで、およそ4,000人の登録があるといった状況でございます。南部のほうが会員の数が多いということで、委員のおっしゃるとおり、アクセスのよさでございますとか、プールがあるということですとか、新しい施設であるといったところがあり、また、地元の期待も整備中からかなりあったというところで、会員登録がかなり多くなったという状況があるのかなというふうに考えてございます。現在、会員制度ということで、南部で登録、中部で登録ということで、登録地はそれぞれでございますけれども、どちらで登録してもどちらの施設も利用できるという形態になってございますので、今後事業を実施していく中で南部と中部、うまく事業のバランス、内容、そういったものを勘案しながら実施していきたいというふうに考えてございます。なお、地域スポーツクラブ事業でございますが、こちらも7月に地域スポーツクラブという形で設置いたしまして、10月から地域スポーツクラブ事業の開始ということを予定してございます。本日、9月21日から参加の申し込みの受け付けを開始したところでございます。今後、地域スポーツ活動の推進、また、多くの会員の交流機会の創出、そういったものにつなげていけるように、事業内容や事業の実施方法等について柔軟に改善を重ねながら実施してまいりたいと考えております。
○いでい委員 区民の方が、アンケートでもありましたけれども、一番運動するところはどこでしょうかというと、30代、40代の方はスポーツクラブが第1位という形になっていました。毎月の会費の支払いをして、民間のスポーツクラブで体を鍛えることができる環境にある人はそれでもいいんですよ。でも、そうじゃない人たちもやっぱりいるわけで、金額が多い少ないというわけじゃないですけど、利用料としては相当安いものであって、金額だけじゃなくて、さらにその付加価値というものを高めていくことによって、この地域スポーツクラブ構想、また、スポーツコミュニティプラザ、これがあと2カ所開設するわけですから、やっぱり鉄は熱いうちに打ってもらいたいし、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが終わった途端に、次の東京オリンピックに向かってさまざまスポーツ施策を打ち出していくことが重要だと思っているので、それについて取り組んでいってほしいなと思っています。これは要望なので結構です。
次の質問に移りますけども、今、東京オリンピック・パラリンピックの話をしました。オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から、東京2020アクション&レガシープラン2016と、ややこしいんですけど、そういうのがあるんですよ。これについて区としては、僕はこれ、もうすぐにでも参加して、様々な取り組みをやっていってもらいたいと思っていますけれども、それについていかがですか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 大会組織委員会がまとめたアクション&レガシープラン2016でございますが、この秋から2020年までに日本全国でイベント、取り組みを通して国民の参加を促進し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後に何を残していくかということについてまとめたというものでございます。東京大会に多くの区民や団体、自治体が関わりまして、2020年に向けて国全体で取り組みを進めていくことは、大会はもとより大会終了後にレガシーを残すために大変重要であると考えております。区といたしましては、区民、団体等が東京大会に関わり合いが持てるような取り組みを進めていく他、都全体の動きも視野に入れつつ、協力、連携を図っていきたいと考えております。
○いでい委員 全くそのとおりでありまして、1人でも多くの方、できるだけ多くの自治体や団体などに東京2020大会に参画していただきたいというアクション&レガシープランであります。アクション&レガシープラン、100ページぐらいあるので、後で皆さん、ダウンロードして見ていただきたいなと思うんですけども、できるだけ多くの人が参画して、多くの分野で、東京2020大会がきっかけになって変わったねと言われるような広がりのある大会を目指す。それは私たちが今進めている、この中野区の区政と全くぴったりとくるところもすごくあるんですよね。でも、それにはまず課題があって、じゃあ、この東京2020アクション&レガシープラン、これ、どうやって参画していきましょうかというところなんですね。参画プログラムというのが――仮称ですけれども――それぞれあって、大会ビジョンとアクション&レガシープラン、その両方のコンセプトに合致しているアクションとなることが決められているわけです。もちろんめちゃくちゃなことを言うわけでもありませんし、中野区は東京23区の中に入っていますから、もう既に取り組みを一緒にやってもらう団体として東京都も考えているというふうにここにも書かれていますけれど、これ、実はすごく多岐にわたるんですよね。もっともスポーツのこともそうですし、あとはボランティア、スポーツをする、見る、支える、こういった三つの視点があったりするんです。その中でも僕が思っているのは、もちろん中野区民の皆さんが、中野区のスポーツに取り組まれている団体の皆さんが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会にぜひ参加したいと言っているんですよ。
僕の年配のすごく大先輩の方が最近病気になって、弱気になっているときに励ましたんですが、あと4年間、絶対死んじゃだめだと。東京オリンピックが来るまでに死んだら絶対後悔するから、あと4年間はどんなことがあっても、歯を食いしばってでも生きなきゃだめだと。こういうふうに声をかけているんですね。人を年寄り扱いするんじゃないと怒られることがあるんですけども。でも、それだけいろんな人たちが、区民の皆さんがこの東京オリンピック・パラリンピック大会に対する思いというのは、目に見えるものだけじゃなくて、目に見えないところでもふつふつと沸き上がっているものがあります。僕もそうなんですけどね。
これ、今、文化とか教育、そういったことはもちろん皆さん御存じだと思うんですけど、まちづくりとか、そういったことまで一緒にやりましょうよということになっているんですって。私もこれ、いいなと思ってマークしたところ、後で見てもらいたいと思うんですけど、本当にオールジャパン、オール東京、そして、中野が世界の中野に少しでも近づきたいと思っているし、こんなに世界最大のイベント、ナショナルイベントですよね。こういったものというのは、僕たちがあともう一回、次の東京オリンピックのときには、誰かこの中で現場を見られる人はいるのかというと、前回から約50年たつわけですから、あと50年後となると、うちでは加藤君がぎりぎりぐらい。あとはほとんど、まあ、そろそろという人たちが多いので、次回の大会は絶対に、2020の東京オリンピック(「2020年は2回目だよ」と呼ぶ者あり)そう。まさにもう3回目は絶対ないですよね。だから、2020年のオリンピックは、やっぱり老若男女といいますか、中野区全庁的に当たらなきゃいけないと思っています。
同僚の久保議員も一般質問でされていましたけども、やっぱりこうしたアクション&レガシープラン、参画していきましょうよということで自治体が参画するに当たっては、まちづくり、インバウンド、観光、スポーツ、ユニバーサルデザイン、何から何まですごく入っているんですよ。それをいっせーのせでやりましょうといったときには、絶対窓口が必要になってくるんですよね。今回、総括質疑の中でやらせてもらっていたのは、行政評価という切り口から組織の分野間連携、そういった新たな行政ニーズに対応するための組織づくりが僕は大事だと思っているので、ぜひそういった考え方もこの東京オリンピックから、アクション&レガシープラン2016に参画するときに一緒に考えてもらいたいと思っているんですけど、いかがですか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 大会の開催を4年後に控えまして、関係部署の連携をさらに強化いたしまして、区が一体となって取り組んでいくという姿勢が必要だというふうに考えてございます。大会の成功と大会後のレガシーを見据えると、今後関係各部の連携のあり方ですとか、あるいは体制も含めて、取り組みの強化について検討してまいりたいというふうに考えております。
○いでい委員 中野区議会にはスポーツに関係する、中野区議会野球部がある。中野区議会ボーリング部がある。あと、中野区議会ゴルフ部がある。中野区議会フィッシング部もある。それから、スポーツのことについて、オリンピック・パラリンピック推進スポーツ振興議員連盟というのがあって、大多数の議員が入っていますから、スポーツのことについてはみんなで一緒にやろうよと。行政も区民の皆さんも議会も一生懸命やろうよという姿勢を打ち出すべきだと思っているので、それに協力は絶対に惜しみませんので、少しずつでもそういったことでスポーツムーブメントを起こしていきたいなと思っています。それについても(「区長の思いを聞いて」と呼ぶ者あり)区長からそのことについて何か言いたいことがあれば。
○田中区長 まさに2020年というのは、中野、日本、本当に次の時代に本当によりよい社会をつくっていけるかどうか、まさに分水嶺というのが2020年だというふうに思っています。そこに向けて中野区が、ここでいうと本当に区民、議会、また区の職員、みんなが本当に一つのチームになってオリンピックに向けたさまざまな動きを、心を一つにして進めていくということをぜひ実現したいというふうに思っております。
○いでい委員 以上で私の総括質疑を終了します。ありがとうございました。
○若林委員長 以上でいでい良輔委員の質疑を終了します。
次に、内川和久委員、質疑をどうぞ。
○内川委員 よろしくお願いいたします。本日最後の質問ですので、もうしばらくおつき合いをいただきたいと思います。質問ですけれども、1番の平成27年度決算については、不納欠損とそれに伴う即時消滅についてお伺いいたします。3番のその他のところでは、中野駅周辺まちづくりで、特に西口広場についてお伺いいたします。それともう一つ、高橋ちあき議員のほうから引き継ぎました内部統制についてもお伺いしたいと思います。
それでは、1番の質問に入ります。
平成27年度決算は、大変好調でありました平成26年度決算をも超えて、過去最高額を更新しました。平成23年度以降、前年度決算を上回る状況が続いており、景気は、穏やかでありますが、確実に回復しております。アベノミクスの影響だと考えております。中野区においても納税義務者数は、平成26年度の増には及びませんが、納税義務者1人当たりの所得額の増は、平成26年度のそれを上回ったとのことです。しかしながら、中野区を取り巻く経済状況は、法人住民税収の低下やふるさと納税などによる収入面でのマイナスが予想されています。歳出総額の削減が求められるとともに、歳入の確保に努めることが重要だと考えております。
それでは、ここから質問に入ります。平成27年度歳入決算額は1,333億円、歳出決算額は1,301億円であり、経常収支比率も前年度比8.6ポイント減の76.5%、実質公債費比率も2.1ポイント減の2.9%となりました。また、前年度に引き続き一般会計が増加し、健全な財政運営を行っていると分析されています。歳入が増となった主な要因としては、特別区交付金、地方消費税交付金、国庫支出金、繰入金の増を挙げられていますが、私は、区の基幹収入である特別区税収入が順調に推移していることも後押ししているのではないかと考えております。しかし、特別区民税の収納率は、23区平均にはいまだ届いておりません。所管では、その要因として調定額全体に占める滞納繰越調定額の割合が高いと分析しています。そこで、滞納繰越調定額に影響する特別区民税の不納欠損について伺います。高橋ちあき議員も言っておりました。
まず、改めて不納欠損処理とはどのような場合に行うんですか、お聞きいたします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 不納欠損でございますが、法令または条例の定めによりまして、地方公共団体の債権が消滅したときに、既に調定された歳入が徴収し得なくなったことを表示して整理する決算上の手続であり、区税に関しましては、時効によるもの、執行停止後3年経過によるもの、執行停止後即時によるものの3事由がございます。
○内川委員 既に調定した歳入が、督促等を行ったにもかかわらず納付されずに時効が到来してしまった場合や、法令に基づいて債務を免除した場合などについて損失として処分を行った額ということです。
次に、税債務の消滅事由には三つあるということですが、過去3年分の消滅事由別の不納欠損額の推移はどうだったのかお聞きします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成25年度は、時効によるもの2億9,340万5,157円、執行停止後3年経過によるもの1,214万8,029円、執行停止後即時のもの1億1,805万2,230円で、計4億2,360万5,416円でございました。次に、平成26年度でございますが、時効によるもの2億7,890万242円、執行停止後3年経過によるもの1,617万9,624円、執行停止後即時によるもの2億4,404万4,398円で、計5億3,912万4,264円でございました。次に、平成27年度でございますが、時効によるものが1億6,632万1,438円、執行停止後3年経過によるものが1,970万2,936円、執行停止後即時によるものが1億2,302万805円で、計3億904万5,179円でございました。
○内川委員 やっぱりすごい額なんですよね。年度ごとに差があるのは当然なんですけれども、執行停止後即時とはどのようなものなんでしょうか。また、特に平成26年度に執行停止後即時が非常に多くなっているんですね。平成25年度の倍ぐらいになっております。これはどういった理由なんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 執行停止後即時とは、滞納処分の執行停止をした場合で税を徴収することができないことが明らかであるときに、3年を待たずに直ちに税債権を消滅させるものでございます。滞納案件につきましては、詳細な財産調査を行いまして、担税力に応じました差し押さえを実施いたしております。こうした滞納処分を徹底してまいりました。その結果、執行停止を行う案件が増えたため、執行停止後即時で不納欠損となる案件が増加したものでございます。
○内川委員 今の御説明で、詳細な財産調査を行った結果、非常に執行停止後即時が増えたということですね。それまでも多分財産調査は行っていたと思うんですけれども、詳細なというのはどのように違った財産調査をされたんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 従前から財産調査には取り組んでまいりましたが、平成19年度からの住民税率フラット化ですとか、平成20年度から平成21年度にかけての所得の急激な落ち込み等の影響を受けまして、滞納繰越分の高額な累積対象者が多くなりまして、1件当たりの調査時間も増加してまいりました。また、滞納件数全体も増加したため、詳細な財産調査が困難になりまして、さらに滞納件数が増加するという悪循環に陥っておりました。このような状況を改善するために、平成25年度以降、集中的に滞納整理を行ってきたことによりまして、高額な滞納者が減少してまいりました。また、預金や生命保険、不動産などの資産の差し押さえに加えまして、給与差し押さえを中心とした滞納処分により、滞納処分を効率的・効果的に進めたため、調査件数も増加したものでございます。その結果が全体の滞納件数の減少につながったものと考えてございます。
○内川委員 平成26年度の執行停止後即時が約2億4,400万、平成27年度は半減したんですね。1億2,300万ですか。詳細な財産調査を行ったにもかかわらずいきなり半分に減るんですけれども、その理由をもう一度教えてください。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) この間取り組んでまいりました催告書封筒の色分けによりまして目立つようにした工夫、あとは、催告書発送後に納付確認を促す後追いはがきを送付したり、あとは給与差し押さえ、特別徴収の推進、こうしたことによりまして滞納案件そのものが減少してきたということが要因というふうに考えてございます。
○内川委員 平成27年度の事務監査結果報告によりますと、この滞納処分の執行停止後直ちに納付義務を消滅させる事案について、区税における取り組みや他自治体の例なども参考にして、できる限り具体的に基準化して利用していくことや、客観的な判断ができる判定会議のような仕組みを用意するなど、徴収不能の判断をより一層厳格に行うことが必要であるとの意見が述べられています。所管としてどのように今後対応していくのか、お考えをお聞かせください。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 即時消滅につきまして、公平性や公正性を高めるため、他自治体の事例を参考としまして基準の見直しを行っております。また、(仮称)即時消滅判定会議を設置し、個別案件の処理について処理基準に基づく一貫性のある判断を行うとともに、処理結果を債権管理対策会議に報告し、より厳格な事務処理を徹底してまいりたいというふうに考えてございます。
○内川委員 今、即時消滅判定会議を設置するということなんですが、どういった内容のものなんですか。ちょっと詳しく教えてもらえますか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納の案件、特に即時消滅を行う案件につきまして、今、案として考えてございますのは、区民サービス管理部長を委員長としまして、主要3債権を担当している保険医療担当、介護保険担当、あとは債権管理全体を統括しております行政監理担当の副参事、こういったメンバーで不納欠損の処理、また、即時消滅の処理につきまして個別に精査をしていくというふうに考えてございます。
○内川委員 ということは、それまでは、これは即時消滅にしようという判断というのは、特にその基準というのは決まっていなかったんでしょうか。他区ともばらばらな基準ということなんですか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 分野としまして部長決定で基準を設けてございました。基本的には地方税法ですとか地方自治法に基づきます処理をしているということですので、他の自治体と大きく相違はないというふうに考えてございます。
○内川委員 先ほどもありましたけれども、即時消滅判定会議、仮称ですけれど、これを設置して、より基準を明確化していくということですので、よろしくお願いいたします。
それで、今、税に対して不納欠損を聞きましたけれども、税以外のものに関しましてもちょっとお聞きしたいと思います。決算説明書の24ページなんですが、道路占用で不納欠損額346万円とあるんですが、これについて説明をお願いしたいと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 本件は、渋谷区に本社のある電気通信事業者への債権消滅に伴う不納欠損処理でございます。当該会社は、平成17年度に通信設備の設置に係る道路占用許可を受けておりましたが、平成20年4月より道路占用料の滞納が続きました。そこで、たびたび督促状を送付いたしましたが、滞納が続いたため、平成21年7月に他の債権者とともに本社不動産の差し押さえを行いました。その後、平成22年8月に本社の不動産の競売開始が決定しましたが、平成23年4月、中野区には配当、つまり本社不動産の売却に伴う分配金がない旨、東京地裁から通知がございました。また、当該会社は、本社の不動産以外に目ぼしい財産も見当たらず、会社の事業についても多額の負債を抱え、返済のめども立っていないため、平成25年10月22日に滞納処分の執行停止を行いました。こうした経緯を踏まえまして、さきの東京地裁からの配当に関する通知の翌日から起算しまして5年を経過し、債権の消滅時効が完成したことに伴い、不納欠損処理を行った次第でございます。
○内川委員 個人ではなく法人の場合は、会社の経営状況が悪くなって破綻処理なんかが進んでいって、破綻しちゃうと後はもう手を出せないと。不能欠損になってしまうということですね。
もう一つ聞きたいんですけれども、今度は決算書の92ページ、契約違約金1,978万8,000円、これについてちょっと御説明をお願いしたいと思います。これは収入未済額ですね。
○石橋経営室副参事(経理担当) 契約違約金の収入未済額1,978万8,000円、これの内訳について御説明申し上げます。内容は3件でございます。一つ目、平成17年度に発生いたしました、旧館山健康学園売買契約の契約不締結に伴う違約金1,800万円、これが大半でございます。その他、平成21年度の道路台帳補正測量委託契約の契約不履行に伴う違約金37万8,000円、平成27年度の江古田川河川補修工事契約の契約辞退に伴う入札保証金相当額141万円でございます。
○内川委員 三つあるということですよね。一つが館山で契約不締結、次が道路台帳補正測量委託契約の契約不履行、最後が江古田川の河川補修工事契約の契約辞退ということですね。契約不締結、契約不履行、契約辞退ということです。これ、それぞれの債権の収入見込み、それと徴収手続は現在どのようになっていますか。
○石橋経営室副参事(経理担当) まず、旧館山健康学園売買契約に係る違約金についてでございます。債務者の所在不明により、平成19年12月に徴収停止としてございます。二つ目、道路台帳補正測量委託契約に係る違約金についてでございますが、これについても債務者の破産、これにより平成24年1月に徴収停止としてございます。三つ目、江古田川河川補修工事契約に係る入札保証金相当額、これにつきましては現在債務者の債務整理手続がなされたことにより、弁護士との調整を図っているところでございます。
○内川委員 それぞれの理由が、債務者の所在不明、債務者の破産、債務者の債務整理手続ということなので、これももう取れないということになると思いますね。この三つの案件が不納欠損として処理されるのはいつになるんでしょうか。
○石橋経営室副参事(経理担当) こちら全て私債権になりますので、督促状の到達日より10年をもって時効となります。時効後、債権放棄の手続を経て不納欠損となります。なお、旧館山健康学園売却に係る違約金につきましては、その金額が100万円を超えるため、債権放棄となった場合、議会の議決を必要とするものであり、今年度その手続を進めてまいりたいと考えております。
○内川委員 例えば区有財産を法人等に貸し付けるような場合、例えば学校なんかを会社に貸し付ける場合なんかは、年間の貸付料が結構高くなると思うんですよね。そういった場合に、相手方がこういったように破産手続なんかが始まってしまいますと、全く区としてはもう手を出せなくて、いずれは不納欠損になってしまうということで、特に区有財産の貸し付けなんかに関しましては気をつけていただきたいなと思います。
それと、マイナンバーの活用についてちょっと聞きたいんですけれども、マイナンバーは本年1月から社会保障・税・災害対策の行政手続等の利用を開始しました。特別区民税においても来年度課税分から利用が始まりますが、それにより税務事務へはどのような影響が出るのでしょうか。また、平成30年からはマイナンバーの預金口座も適用が始まります。個人の預貯金や株式などの金融資産、不動産などの財産調査が行いやすくなると考えますけれども、区税徴収への影響についてどのように考えているのかお聞きします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) マイナンバー制度の導入によりまして、平成29年度課税分から、区や税務署に提出する申告書、法定調書等の税務関係書類にはマイナンバー及び法人番号が記載されることとなります。これによりまして申告書や法定調書等の名寄せや突合が正確かつ効率的に行えるようになりますので、所得把握の正確性が向上し、より適正、公正な課税につながるものと考えてございます。また、平成30年度から始まるマイナンバーの預金口座への適用につきましては、当面は任意ということでございますが、制度動向を見きわめ、公正な課税徴収に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○内川委員 先ほども言いましたけれども、特別区民税は区の基幹収入であります。行政サービスに必要な経費を応能負担するものでもあります。公正に課税された特別区民税を確実に確保していただくように、特にマイナンバーなどの制度動向にも注視するとともに、他区の先進的な取り組みを研究し、鋭意工夫していただくことを期待して、この項の質問を終わります。
次に、生活道路拡幅整備事業についてお伺いいたします。
まず、この事業とはどのように実施しているんでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 生活道路拡幅事業は、公道、私道を問わず、建築基準法第42条第2項の規定により指定されている区域を拡幅し、道路形態に整備する事業です。実施に当たっては、建築確認の際、事前に行われる建築基準法上の道路調査を建築主等が行うときに、建築主へ協力要請を行っているものです。
○内川委員 2項道路を4メーターに広げるときに道路の幅を広げるということですよね。そうしたら、拡幅整備部分の、広がった部分の管理形態はどのようになっているんでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 拡幅部分の管理形態につきましては、まず区道に面する部分で生活道路拡幅事業にあわせて当該区域の土地の寄附を区が受けた場合、もしくは、土地の無償使用承諾を得た場合は、区道の区域に編入いたしますので、道路法により区が管理する公共物となります。一方、区道に面する部分でも、道路形態に整備するだけで道路区域に編入しない、整備承諾による拡幅整備の場合は、道路法が及ばないことから、区道に面する私道として土地所有者の管理に帰属いたします。つまり、拡幅整備により道路形態となった部分の維持補修や土地の利用は、土地所有権により土地所有者の権限で行われることになります。また、区有通路に面する部分においては、土地の寄附により区が条例管理する区有財産となります。
○内川委員 今の管理形態で、それぞれ拡幅した部分は、これは固定資産税が非課税扱いということでよろしいですか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 委員おっしゃるとおりでございます。
○内川委員 特に今問題なのは、寄附か無償使用であれば区の管理が行き届いて何ら問題はないんですが、拡幅した後も私道と。これ、整備承諾というんですけれども、整備承諾の場合は区の公費によって整備したにもかかわらず、区にとっては手が出しづらいと。そこに物とか置かれても文句も言えないですし、例えば、今回無電柱化の質問をされた方が何人かいらっしゃいましたけども、無電柱化にも多分影響してくると思うんですが、そこら辺はいかがでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 委員の今の御発言のとおり、整備承諾の場合におきましては道路区域に編入されない、土地所有権が及ぶ私有地になりますので、当然にさまざまな公共物の計画等を策定するとき、また、それを実施するときには、やはりその方の同意がないと実施できないというものがございます。
○内川委員 さらに、寄附か無償使用承諾にした場合は、道路占用料の収入も区は見込めると言っていたんですね。これ、どのぐらいの影響額があるんでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 昨年度の道路占用料として、総額6億7,700万円余の収入がございました。これを道路面積で割りますと、道路1平米当たり397円の占用料となります。この397円に昨年度の整備承諾分の面積364.8平米を掛けますと、14万4,000円余の収入が見込めるという計算になります。
○内川委員 この近くでは、例えば杉並とか練馬でも、基本的に寄附か無償使用承諾しか認めていないとのことです。今言った占用料のような収入も見込めることから、中野区でも道路法が及ばない整備承諾は認めないで、寄附か無償使用承諾のみにしてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 中野区は、他区に先駆けて狭隘道路の拡幅整備に取り組み、一定の実績を重ねてまいりました。事業開始当初、まだ「セットバック」という言葉が社会的に浸透していないころは、整備承諾による道路形態の整備が大きな役割を果たしてきたと考えております。しかし、木造密集地域における防災意識や狭隘道路の拡幅に関する社会的な認知が進んできた現在においては、移設できない電柱問題など、整備承諾のもたらす管理上の問題も生じていることから、今後、関係分野で検討する必要があるものと考えております。
○内川委員 10か年、第3次ですね、これの105ページに、狭隘道路の拡幅整備というところがあるんですね。そこにもしっかり「解消の仕組みをつくり」というふうに書いてあるんです。今考えられる解消の仕組みとは何でしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) まず、この狭隘道路の拡幅に伴ってその機能を発揮するためには、やはりその障害となるものの移設、そちらが重要になってきますが、やはりそれを所管する占用物として、東京電力であったりNTTであったり、そちらと連携の仕組みを強化することが一つと。あとは、やはり道路管理上の必要性として道路法を適用して、その中で運用するということと、主に二つ挙げられると考えております。
○内川委員 次に、ここ数年の事業実施状況について教えていただきたいと思います。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) ここ数年の実施事業につきましては、平成24年度の事業件数569件、執行額で3億1,600万余、同様に平成25年度は706件、4億5,400万余、平成26年度は561件で、4億9,000万余、平成27年につきましては516件の5億5,000万余となります。
○内川委員 特に平成25年度が706件と、200件近く、わっと増えたんですけれども、その理由について教えてください。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 平成25年度は、消費税増税の前年度となりますが、その年度は、委員御指摘のとおり事業実績が大幅に増大いたしました。このことにつきましては、さまざまな税制措置や景気浮揚対策も行われておりますので、その原因が直ちに消費増税にあったかどうか特定することは困難ですが、少なくともその一因にあったのではないかと考えております。
○内川委員 さっきも出ましたけれども、生活道路拡幅整備事業は、狭隘な生活道路を安全で快適なものにするための重要な事業と思います。今言った消費税増税等による駆け込み需要にもしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
それから、やはり10か年計画の105ページに、やはり狭隘道路のところでは「積極的な解消を図ります」と書いてあるんですね。しかしながら、左側のページを見ますと、成果指標と目標値のところで、生活道路のうち区が拡幅整備した率というところで、平成27年度実績で27.1%、5年後の平成32年度で32.1%、さらにその5年後で平成37年度は、目標値が37.1%とあります。5年ごとに本当にきれいに5%ずつ上げているんですけれども、積極的な解消というには、年に直すと1%ずつなので、ちょっといかがなものかと思いますけど、これはいかがでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 現在行っております生活道路拡幅事業につきましては、建物の老朽化に伴う建てかえ時を機会として、積極的に働きかけるというようなところが基本になってございます。ただ、そうなりますと、やはりこの統計上建てかえ率というのが、おおむね均等に推移していくというのがございますので、現在のこの10か年計画におきましても、1%程度ずつの推移が見込まれるということで設定しているところです。ただ、こちらの狭隘道路の拡幅につきましては、そういう建てかえ時、そちらを捉えての協力要請だけではなく、全体のまちづくりや道路等の基盤整備、そういったものにあわせて、さらにこういった生活道路の、狭隘道路の拡幅解消、そちらのほうを努める必要があると認識しているところです。
○内川委員 10か年計画にもしっかり書いてあるとおり、狭隘道路の拡幅整備は緊急車両の活動への支障、人、自転車や乳母車等の通行の危険などが解消され、安全性、快適性を守っていけるということですので、しっかりと今後も取り組んでいただきたいと思います。
以上です。
それでは、3番、その他に入ります。
駅周辺のまちづくりで、特に西口広場についてお聞きします。これは一般質問でもお聞きしましたけれども、中野駅西口南北通路・橋上駅舎整備がおくれることは、この周辺で進行中のさまざまな再開発に影響を及ぼします。JRからの情報もなかなか出てこないことから、いまだ西口南北通路・橋上駅舎整備完了の時期は流動的です。しかしながら、中野三丁目地区地区計画等は粛々と進めていかなければなりません。ここで改めて西口広場整備についてお聞きいたします。
まず、西口広場整備のスケジュールについて改めてお答えください。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 西口広場整備スケジュールということですが、中野三丁目土地区画整理事業は平成27年7月に事業認可され、独立行政法人都市再生機構が施行者として現在事業中でございます。事業期間は平成35年度までとなっておりまして、西口広場はこの土地区画整理事業により整備することとなってございます。
○内川委員 さきの一般質問の答弁によりますと、南北通路・橋上駅舎については平成29年度内の実施設計着手を目指したいとのことです。その後、工事着手になるわけですけれども、西口広場予定地は工事ヤードとして利用される可能性はあるんでしょうか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 南北通路・橋上駅舎の整備については、JR東日本と協議中でございます。西口広場予定地につきましては、南北通路・橋上駅舎の建設工事の工期短縮につながるのであれば、都市再生機構と協議して活用する可能性もあると考えてございます。
○内川委員 多分工事ヤードとして利用されるのかなと思います。
西口広場予定地の、今角にビルが建っているところですけれども、更地化を早期に進める必要があると思いますけれども、西口広場予定地に関する土地区画整理事業の進捗、協議状況はどのようになっているでしょうか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在、仮換地の指定に向けて区画整理事業の施行者である都市再生機構が、西口広場予定地に関係する権利者と移転交渉を進めてございます。都市再生機構からは、地権者からのおおむねの理解は得ていると聞いてございます。
○内川委員 土地区画整理事業は、既に権利者との移転交渉が進んでいるということです。着実に進めていかなければいけないと思います。今後、権利者の生活再建を含め、どのようにまとめていくんでしょうか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) この土地区画整理事業では、西口広場の整備の他、街区の再編、区画道路の整備を行います。区画道路は、災害時における緊急車両の通行など、地域の防災性の向上や安全で快適な歩行者空間を確保するためにも、中野三丁目において重要な事業となってございます。今後、関係する権利者が仮換地の指定を受けた土地での生活再建を図るため、まず区としては、必要となる都市計画の変更を進めていくとともに、都市再生機構では事業による道路整備などを着実に進めていくこととしてございます。
○内川委員 時間がないので、一つ質問を飛ばします。
南北通路・橋上駅舎整備は、本当は当初、平成26年完成予定だったんですね。今から2年前ですけれども。そこに後から駅ビル計画がそこにのっかってきて、どうせつくるんだったらいいものをつくろうということで、それでは2020年のオリンピック・パラリンピックまでにつくろうという計画に変更になりました。しかしながら、今に来て、実は南北通路・橋上駅舎は、来年からやったとしても10年半先ですから平成39年。しかも、駅ビルに関しましては12年先ということで、平成41年ですか、そこまで延びてしまうということが報告されたわけです。今から10年先、12年先というと、多分この中で元気でいられる人は少ないと思うんですね。しかも、中野区が負担する額も100億円を超えるということで、区とJRは駅ビル計画の見直しに取り組むということらしいです。というのは、多分駅ビルが縮小されるのかなと私は考えているんですけれども、中途半端な駅ビルをつくるぐらいでしたら、私はですよ、駅ビル計画はもう一旦白紙に戻して、南北通路と橋上駅舎を優先的に早期に整備すべきと考えるんですが、担当はどうお考えでしょうか。
○若林委員長 委員会を休憩します。
午後5時00分休憩
午後5時01分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
答弁をどうぞ。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 南北通路・橋上駅舎の整備事業に関しましては、区とJRとで基本協定を結びまして、相互に協力して円滑に進めていきたいということで考えております。今後も現在計画の南北通路、橋上駅舎、駅ビル等整備事業が円滑に進むよう、JRと協議を進めてまいりたいと考えております。
○内川委員 通り一遍の答弁なんですけれども、平成26年度にできる予定だったものが平成41年ですよ。十四、五年先の計画になっているんですよね。これはもう延び過ぎだなと。特に駅の南側の人たちは、駅の北側のにぎわいを直接感じられるのが南北通路なんですね。ですから、早急にJRとの協議を進めていただいて、南北通路、橋上駅舎、まあ、駅ビル計画がどうなるかわかりませんけれども、早期に完成するように要望いたします。
それでは、最後の質問に入ります。
高橋ちあき議員から受け継いで、内部統制についてお伺いいたします。内部統制とは、会社であればその経営目標を達成するために社員全員が守らなければならないルールと仕組みですね、と私は理解しています。平成27年6月作成の事業概要には、内部統制の実効力を高めるために、行政管理会議を開催するなどによって、各種監査指摘事項や伝達注意事項等への対応を行うとともに、各部の業務改善状況等を監視、指導すると記載されています。しかし、これ、そう書いてあるだけなんですね。そこで調べたんですけれども、岐阜市においてはホームページ上に内部統制の背景・必要性、内部統制とは、基本方針の策定等内部統制の整備・運用に向けた主な取り組み、さらに、内部統制の整備・運用状況、こういったものが事細かくホームページ上に書かれています。しかも、この中には年度内の報告書と異常事案というものが表記されています。しかも、この最後には問い合わせ先とアンケートを送付できるリンクも張ってあるとのことです。
そこでお聞きしますけれども、中野区としてもこのように、ホームページに区民誰でもわかるように表記されているんでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 内部統制のうちコンプライアンスに関する事項、それから、各種監査結果、それに基づきまして区長等が講じた措置、内部統制に関する規則などにつきましてはホームページ上に掲載してございます。内部統制の方針、他の具体的な取り組みについては、現在のところは掲載してございません。
○内川委員 業務が適正かつ効率的に遂行されるように組織を統制するため、組織内で不正・違法行為、ミスの発生防止、組織が有効に運営されるように業務に関する規則、基準、プロセスを規定・運用するとともに、リスクの評価を継続的に行うということを基本的に考え、運用しているんだと思いますが、うまく生かされていないことが心配になりますと。中野区では、内部統制の年度内の報告は行わないんでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 内部統制につきましては、規則におきまして業務の有効性・効率性の向上、予算、財務会計の信頼性の確保、行政活動に関する法令等の遵守の促進及び資産の保全を目的とすることを定めてございます。このうち予算及び財務会計の信頼性の確保に関する各種の監査結果に基づき、区長等が講じた措置、それから、法令等遵守の促進に係る中野区職員倫理条例の運用状況、こちらにつきましては議会へ御報告後、公表しているところでございます。それ以外の事項につきまして、内部統制全般につきましては、現在のところ公表は行っていないものでございます。
○内川委員 せっかく設定した以上、毎年きちんと報告を上げて、前年度より改善したことや、PDCAサイクルによって効果を上げていることを知ってもらうことが必要だと思います。どのようにお考えかお示しください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 内部統制は、先ほど申し上げたとおり、区政運営の内部を統制するということで、その範囲は非常に広範となってございます。運用状況の報告・公表、そちらにつきましては、他の自治体の例などを踏まえつつ、内容や示し方、時期などにつきましては検討してまいりたいと考えてございます。
○内川委員 私も昨年の第3回定例会の一般質問でやったんですけれども、職員のために「仕事のための基礎知識」、こういったものをつくったらどうかという質問をさせていただきました。来年度に配付目的と言ったんですけれども、そこにしっかりと内部統制、考え方、しっかりと取り組んでいただいて、いいものをぜひつくっていただきたいなと思います。
以上で全ての質問を終わります。
○若林委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月23日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時08分散会