平成28年09月23日中野区議会決算特別委員会 25.09.13 中野区議会決算特別委員会(第2日)

.平成28年(2016年)9月23日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     本田 武志

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        堀越 恵美子

 政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 永田 純一

 経営室長    篠原 文彦

 危機管理担当部長小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        朝井 めぐみ

 経営室副参事(人事担当)        伊藤 政子

 経営室副参事(施設担当)        宮﨑 勇一郎

 経営室副参事(行政監理担当)      田中 謙一

 都市政策推進室長奈良 浩二

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長    角 秀行

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦

 北部すこやか福祉センター所長、

 北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 石濱 良行

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治

 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 中谷 博

 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  横山 俊

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(教育相談連携担当) 神谷 万美

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 小山 真実

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 荒井 弘巳

 教育委員会事務局指導室長        杉山 勇

 健康福祉部長  瀬田 敏幸

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    石濱 照子

 健康福祉部副参事(保健予防担当)    水口 都季

 健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光

 健康福祉部副参事(障害福祉担当)    岩浅 英樹

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    鈴木 宣広

 環境部長    戸辺 眞

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 高橋 均

 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  千田 真史

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇

 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀

 会計室長    古屋 勉

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     小田 史子

 事務局次長    古本 正士

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     大野 貴子

 書  記     細川 道明

 書  記     井田 裕之

 書  記     富士縄 篤

 書  記     田中 寛

 書  記     遠藤 良太

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     松丸 晃大

 書  記     香月 俊介

書  記     亀井 久徳

.委員長署名

 


午前10時00分開議

○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号まで計5件を一括して議題に供します。

 前回、9月21日の理事会の報告を行います。

 本日の委員会運営について、本日の総括質疑は、1番目に、むとう有子委員、2番目に、近藤さえ子委員、3番目に、いながきじゅん子委員、4番目に、石坂わたる委員、5番目に、小宮山たかし委員、6番目に、渡辺たけし委員、7番目に、内野大三郎委員、7名の質疑を行うことを確認しました。

 なお、本日は総括質疑最終日であるため、5時を過ぎる場合があっても質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れることを確認しました。

 次に、既に配付済みの資料、厚生41、44及び決算説明書につきまして、内容に誤りがあったため、資料の差し替えと正誤表を配付したいとの申し出があり、これを了承しました。席上に配付してありますので、御確認をお願いします。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会運営をすることに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。むとう有子委員、質疑をどうぞ。

○むとう委員 おはようございます。区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭な御答弁に、今回もまた御協力をよろしくお願い申し上げます。

 1番目に、不用額について、1点、お尋ねいたします。

 監査委員の監査意見書45ページに記載がありますが、一般会計歳出決算額は、予算現額1,377億2,811万9,000円に対して、支出済み額1,313億2,361万6,373円、執行率95.3%で、不用額が57億9,387万4,627円となりました。この不用額が毎年増加傾向にあると監査委員が指摘するように、私もとても気になります。58億円もあれば、公園に新しい遊具やトイレットペーパーが設置できたのではないかなどと、あれやこれや区民の要望に応えることができたのではないかと考えてしまいます。総務資料65に不用額1,000万円以上の事業一覧があります。不用額の原因の多くは見積もりの甘さから生じる契約落差だとお見受けいたしますが、不用額約58億円の要因と今後の対策について、簡潔に、できましたら1分以内での御答弁をお願いいたします。

○黒田政策室副参事(予算担当) お答えいたします。委員も今御質問の中でおっしゃいましたが、不用額が発生する主な原因につきましては、対象件数や人数などの見込み差、契約の落差によるものや事業の執行率があるというふうに考えております。また、予算編成に当たりましては精査が必要でございますが、予算不足にならない点を考慮しまして予算計上しているところも要因の一つであるというふうに考えております。今後、予算の有効活用ということでは、予算計上に向けては、制度内容の理解に努め、区民ニーズを把握し、十分な精査を行い、適切に予算を計上していきたいというふうに考えております。

○むとう委員 では、よろしくお願いしたいと思います。苦しい生活の中から納められている税金ですから、区は1円たりとも無駄にはせず、区民のために有効に使うという強い意志を持ち、予算見積もりの精度を上げていただきたいということを願っています。

 では、次に、児童相談所の設置についてお尋ねをいたします。

 厚生労働省が8月8日に公表した速報値によると、2015年度に全国208カ所の児童相談所が対応した虐待件数は10万3,260件、25年連続で過去最多を更新しました。2015年度の虐待件数が2000年度の5.8倍に増加しましたが、児童相談所の児童福祉士は2,934人で、2.2倍しか増加していません。人手不足は深刻です。厚生労働省は、2019年度末までに児童福祉士らを1,120人増員し、体制強化を図るとのことです。

 さて、今年5月、児童福祉法が改正され、東京23区にも児童相談所を設置できるようになりました。現在、東京都では、区が設置している子ども家庭支援センターを児童相談の第一義的窓口とし、都が設置している児童相談所を専門性の高い困難事例の対応窓口とする2層構造で行っています。そのため、迅速な対応や状況の変化に合わせた対応がとれないとし、それを解決するために、児童相談所の区への移管が必要であるとする23区区長会の考え方は理解できなくもありません。しかし、その財源と専門職の人材確保、広域的な保護が必要な一時保護所のあり方、児童相談所設置市に伴う多岐にわたる事務など、多くの課題が山積しています。2005年の児童福祉法改正で設置が可能となった中核市でさえ、金沢市と横須賀市でしか設置ができていません。子どもの人権と命を守るという重大な責務と専門職の確保とそのための経費を鑑みると、中野区が23区の中で一番乗りで統合新校校舎と合築の2020年度開設を目指すのは、慎重に考える必要があるのではないかと思っています。これまでの他の議員の質問と重複する部分もありますが、私からも質問をさせていただきます。

 2013年、23区が特別区児童相談所移管モデルをまとめ、児童相談所の都から区への移管という考え方を示しています。移管とは、単に管轄の権限を他に渡すことを意味するものです。これは、清掃事業の区移管と同じように、職員も施設も予算も区に移譲させる移管という考え方のようですが、2014年、23区がこのモデルを東京都に示した際、東京都は、人材と施設は移管されないものとして検討するべきだとの回答だったと聞き及んでいます。考え方の隔たりから区と都の移管協議は進んでいないと認識しています。都道府県には設置義務がありますが、今回の法改正は23区は設置できる規定ですから、移管とは異なるのではないかと考えます。移管と設置できる規定の違いについてどのように認識すればよいのか教えてください。

○神谷子ども家庭支援センター所長 お答えいたします。委員の御質問にもございましたが、法改正以前は、東京都に設置が義務付けられている事務について、特別区に移管するという位置付けでございました。今回、法改正によりまして、特別区がみずからの事務として、法に基づき、児童相談所を独自に設置できるということになったところでございます。これによりまして、23区が一律に東京都からそうした事務の移管を受けるということではなく、準備が整った区から順次児童相談所を設置することができることになったと認識しております。

○むとう委員 わかりました。23区が策定した特別区児童相談所移管モデルはまさに移管を前提としていますので、今の御説明を伺ってわかったんですけれども、児童相談所開設当初は、都からの職員派遣、後に都職員の身分切りかえや現行の児童相談所事務の執行に充てられる金額と等しい財源と区部にある都の児童相談所と一時保護所を23区に移譲することで成立するモデルとなっていました。よって、このモデルは前提が崩れていますので、考え直さなければならないのではないでしょうか。区の認識をお答えください。

○神谷子ども家庭支援センター所長 さきの移管モデルにつきましては、特別区が設置する児童相談所の目指す姿などの大きな方向性は引き継がれるものと考えてございます。ただ、この間の児童相談の状況の変化や法改正に基づく児童虐待対応の強化の方向性などを踏まえまして、改めて整理をする必要があり、特別区としてその準備を進めているところでございます。

○むとう委員 そういたしますと、これまでのモデルの考え方は引き継いだものの、実際は、そのモデルのとおりには、移管ではなくなったので、できないこともあるので、法律改正に合わせた新しい考え方をまとめたら報告をしていただきたいというふうに思っています。

2016年4月1日現在、都内11カ所の児童相談所の職員は、児童福祉司、児童心理司、24時間ローテーション勤務の一時保護所職員などの常勤職員が567人、虐待対応強化専門員、医療連携専門員、医師、夜間連携調整員、保護所心理、学習指導職員、弁護士、家庭復帰支援員、養育家庭専門員、児童福祉・児童心理相談業務指導員などの非常勤職員が260人、総勢827人で運営されています。単純に11カ所で割ると、様々な専門職員が1児童相談所に75人となります。中野区の子ども家庭支援センター在籍経験を有する児童福祉司任用資格者は、2016年8月現在、常勤12人、非常勤2人、心理はゼロ人です。この職員体制を知るにつけ、区民に寄り添う支援をする一義的な子ども家庭支援センターと、法的権限を持ち、家庭に介入する児童相談所の体制の違いを実感しています。中野区では、児童相談所設置に向けて、児童福祉司任用資格取得や杉並児童相談所への派遣研修を行っています。本年度の児童福祉司任用資格取得予定者数と、これまでの派遣研修の実績をお答えください。

○神谷子ども家庭支援センター所長 現在、子ども家庭支援センターに従事し、福祉職等で児童福祉司任用に係る経験を有し、今年度新たに必要な指定講習を受ける予定の者は2名でございます。また、児童相談所への派遣は4年前から実施しておりまして、今年度を含め、3名が派遣を経験しております。

○むとう委員 その3名の方は何年ずつ研修を受けたんでしょうか。

○神谷子ども家庭支援センター所長 1名は2年間、残りの2名は1年間ずつでございます。

○むとう委員 人数も期間も少ないですよね。このペースで間に合うのでしょうか。新人職員が1人で相談業務につけるようになるには、ベテラン職員のもとで学んで3年はかかる、区からの派遣研修は3年間はいてほしいと東京都から伺っています。派遣研修のあり方も今後検討が必要なのではないでしょうか。

 さて、児童福祉法で定められている児童相談所設置市の事務として、1、里親に関する事務だけではなく、2、児童福祉審議会の設置、3、児童委員に関する事務、4、小児慢性特定疾病医療費の支給等に関する事務、5、結核罹患児童に対する養育の給付に関する事務、6、障害児施設給付費の支給等に関する事務、7、児童自立生活支援事業に関する事務、8、小規模居宅型児童養育事業に関する事務、9、12種類に及ぶ児童福祉施設に関する事務、10、児童自立支援施設の設置、11、認可外保育施設に関する事務、12、特別扶養手当にかかわる判定、13、養育手帳にかかわる判定、14、重度判定など、14もの事務を新たに担うことになると知り、私は驚いています。項目だけを挙げましたが、一つひとつの中身が多岐にわたり、重大な任務です。これらの児童相談所設置市の事務については23区で共同処理を検討している項目もあるようですが、歩調がそろっていません。都が一体的に担ったほうが効率的な事務もあるのではないかと考えます。児童相談所の業務だけでも大変ですが、設置市の膨大な事務を区が担うことになりますが、区はどのような認識をお持ちでしょうか。

○神谷子ども家庭支援センター所長 児童相談所設置市事務は委員御指摘のとおり様々ございますが、地域で行うことにより、よりきめ細やかな対応が可能となるといった事務も多くあります。区として行うことが適切と考えられるものがある一方、中には、広域的な対応や共同処理などについても視野に入れて整理すべき事項もございます。今後、各区、都と調整し、課題の整理や内容の検討を行うこととしております。

○むとう委員 はい、わかりました。では、区の人件費削減2,000人体制を脅かすこの膨大な設置市事務や児童相談所と一時保護所を担う人材確保についてどのようにお考えなのか、お答えください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 児童相談所設置に向けまして、専門職を含めた職員の必要数や確保策等について現在考えを整理しているところでございます。人員につきましては、児童相談所設置市事務に係る人員も含めまして、必要数を確保していきたいというふうに考えてございます。

○むとう委員 必要数はどれぐらいと想定しているのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 現在検討しているところでございます。

○むとう委員 その検討はいつ頃わかるのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 所管の23区全体の検討の進捗状況も含めまして、区としてもなるべく早く考え方をまとめたいというふうに思っております。

○むとう委員 2020年度開設を目指すのであれば、本当に早急に計画的に、人ってなかなか増えるものではありませんけれども、早急に検討をして、計画的に増やしていくということをしっかりやっていただきたいと思います。

 東京都の資料によれば、2014年度決算ベースで、児童相談所運営経費総額は概算で323億3,000万円、そのうち国庫負担金は98億8,000万円、一般財源は224億5,000万円でした。国からの財源は全体の3分の1以下です。この現状を鑑みると、国は支援と言いつつも、国からの財源は思うほどあてにはならず、区が膨大な財源負担をすることになるのではないかと心配をしています。現状の国庫負担金についての認識、児童相談所と一時保護所の設置費と運営経費、設置市事務を担う経費、それぞれの額と総経費をおよそ幾らと見込んでいるのでしょうか、お答えください。

○神谷子ども家庭支援センター所長 児童相談所業務に係ります国の財政負担といたしましては、施設入所に係る措置費や児童相談所などにおける対応強化に係る補助などが現行制度においてなされているところでございます。一般財源の負担は必要になってくると考えてございます。今回の法改正で国も必要な支援を新たに行うというふうに示しておりまして、現在、適切な財政措置などについても国に求めているところでございます。なお、必要経費の額につきましては、今後明らかにしてまいります。

○むとう委員 今後というのはいつごろ明らかになってくるのでしょうか。

○神谷子ども家庭支援センター所長 先ほどの人員確保でもございましたところですが、23区の全体の検討などとも調整を図りながら、区としても経費について整理をしてまいりたいと考えます。

○むとう委員 そのこともきちんと早目から試算ぐらいはしておかないと、ただ単に開設する、開設すると言っていても始まらないのではないかと私は懸念をいたします。時事通信社が児童相談所設置について5月に行ったアンケートでは、47の中核市では、未定が32市、設置方針なしが3市、今後検討したいが5市で、いずれも専門人材の育成や財源確保が難しいことを理由に、設置ありきではないとの立場でした。一方、23区は、都政新報8月23日の記事によれば、中野区を含む準備に着手しているが19区、準備に着手する予定が1区、準備に着手する時期は未定が3区、練馬区は設置するかどうかすら未定という結果で、練馬区以外は設置に前向きですが、必ずしも足並みがそろっていません。

 さて、一時保護所は、親との法的隔離もあり、住まい地から離れた場所での入所が原則です。中野区は一時保護所の共同設置を視野に入れて検討しているようですが、他区と設置開設時期が合わなければ、一時保護所の共同設置は難しくなります。設置を共同で行う区や設置場所の目星はついているのでしょうか。検討状況をお答えください。

○神谷子ども家庭支援センター所長 一時保護所につきましては、各区とも現在持ち方について内部検討を行っている段階でございます。各区のそうした動向も踏まえながら、今後区としての具体化を図っていくことといたします。また、中野区として児童相談所を設置するということになりますので、これまでも主張してきたとおり、区、身近なところで地域の力を生かしながら児童相談所を担っていくことがふさわしいという考えで今後とも検討してまいりたいと思います。

○むとう委員 一時保護所については身近じゃ困ると私は思っているんですけれども、一時保護所というのは、今言いましたように、親から隔離しなければいけないというところで、現状、今は、住んでいる区と違うところにある遠いところにある一時保護所に子どもを隔離していますよね。親が返せとかと言って大変なことになるわけですから、その点、区はどのようにお考えですか。

○神谷子ども家庭支援センター所長 今、委員の御指摘のあったような状況ももちろんございます。そういった点については広域の調整が必要かと考えておりますが、ただ、一義的には、やはり一時保護所につきましても、児童相談所と連携を密にとれるところで、その後の措置について観察、指導を行う場所でございますので、基本的には身近な場所に設置するのがふさわしいと考えております。

○むとう委員 そうですか。じゃあ、今の現実と違ったようなことを区は考えているということですね。

では、中野区では、2015年度虐待相談件数は485件、虐待対応件数150件でしたが、そのうち児童相談所につなげた件数は10件でした。児童一人ひとりの命にかかわることですから、件数の問題ではありませんが、見方を変えれば、10人分の業務を担うために中野区は児童相談所を設置することになります。専門性が高い困難事例への対応窓口として東京都が行っていた児童相談所を果たして中野区が担い切れるのでしょうか。とても心配です。中野区に設置するからには、現状の都が行っている児童相談所以上に充実した内容とならなければ、設置する意味がありません。児童相談所の運営費の試算もまだできていない状況の中で、子どもの最善の利益を考えるならば、箱物ができるからとの生半可な気持ちで設置を急ぐべきではないということを申し添えて、この項の質問を終わります。

 次に、生活保護業務の質の向上についてお尋ねをいたします。

 先日の一般質問で、死後推定3カ月の御遺体を発見した家主からの相談で私が知りえたケースワークの一つの実態を説明させていただきました。区長から、批判いただいた内容については参考にさせていただき、区としても検証の上、より適切な処遇となるよう努めていくとの御答弁をいただきましたので、この事案についてはしっかりと検証され、ケースワークの質の向上に役立てていただくことを重ねて要望しておきます。

 さて、監査委員の意見書27ページに記載がありますが、雑入の不納欠損額は、主に生活保護の変更、廃止または停止等により過払いとなった保護費の返還金2,036万7,000円だそうです。つまり、支給し過ぎた保護費が返金されていないということですが、一度受け取ったお金はなかなか返金できないものです。ケースワークがしっかりと行われていたら防げる過払い金もあるのではないかと推測いたしますが、不納欠損となった過払い金の発生原因と対策について簡潔にお答えください。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) お答えいたします。過払い金が発生する原因についてでございますが、そもそも生活保護制度は、生活に困窮する国民に対して、その困窮の程度に応じて生活保護費の支給等を行うことで最低限度の生活を保障する制度となっております。そして、生活保護費は、国が定める法基準によって計算をした最低生活費と保護を受けようとする世帯の収入とを比べまして、収入等が最低生活費を下回る場合に、その不足分について支給をするものでございます。したがいまして、生活保護費の算定時に想定した収入よりも実際に取得をした収入が多くなった場合など生活保護費が過大に支払われたときには、過払い金が発生するものでございます。過払い金の発生に関する対策ですけれども、まずは、生活状況の実態把握というところに努めていきたいと考えております。

○むとう委員 実態把握をしっかりとしていただきたいというふうに思っています。そのことについてはちょっと後に質問をいたします。

 総務22の職種別職員数を見ると、福祉職が94人います。その中で、社会福祉士有資格者は何人いるのか、さらに、その中の何人がケースワーカーに配属されているのか、ケースワーカーの福祉職と事務職との割合と、ケースワーカーの平均勤続年数をお答えください。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) ケースワーカーにおける福祉職と事務職の割合ですが、おおむね1対3、福祉職1に対して事務職3となっております。ケースワーカーの平均勤続年数でございますが、平成28年4月の段階で3年8カ月となっております。

○むとう委員 一つお答えが抜けているんですけれども、福祉職94人の中で社会福祉士有資格者は何人いるのか、その中の何人がケースワーカーに配属されているのか、答弁がございません。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) ケースワーカーとして配属されている福祉職ですけれども、人数としましては、12名でございます。

○むとう委員 この12名が社会福祉士有資格者ということでよろしいんですか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 福祉職としましては先ほどの御答弁のとおりですけれども、生活援護分野に配属されている現業員の中で社会福祉主事の資格者は36名でございます。

○むとう委員 はい、わかりました。適切な保護業務には知識と経験の蓄積が必要だというふうに思っていますので、福祉職として採用された方というのは、福祉に対して見識があり、そこを極めていきたいという思いで入ってきてくれているというふうに思いますので、大いにその福祉職を、94人いるわけですけれども、いろんな部署に当然必要ですから、ここだけではないことはわかっていますけれども、せっかく94人います。その中の12人ということではちょっと少ないかなというふうに思うので、もっともっと福祉職を採用するなり、福祉職を活用すべきであり、平均年数が3.8というのは長いか短いかというのはなかなか難しい判断ではあるかと思いますけれども、本当に特別な職種だと思っています、ケースワーカーというのは。だからこそ、やはり経験の蓄積というのがとても重要になっていきますので、この3.8年、もうちょっと長く、見直すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) お答えします。ケースワーカーの3.8という在職年数ということのお尋ねでございますが、異動につきましては、職員の意向ですとか意欲、また、育成方針、職場体制の確保などの視点から総合的に考え、適切に行っていきたいというふうに考えてございます。

○むとう委員 全体のバランス等もあるかとは思いますけれども、特にここは本当に経験と知識の蓄積が必要なところだということをしっかり、生活援護にいらしたこともありますよね。その辺はしっかり心して人事に当たっていただきたいというふうに思います。先日、区議会事務局に23区の生活保護担当職員の社会福祉主事有資格者率を調査していただきました。査察指導員が100%の資格率の区は、港区、台東区、目黒区、荒川区の4区で、中野区は83%でした。現業員、いわゆるケースワーカーの資格率の高い順位は、1位が92%の中央区で、2位が85%の港区、3位が84%の江東区で、中野区は64%で8位でした。1位の中央区では、新規に配属された資格のない職員には、資格が1年で取れるよう職員課がサポートしているそうです。中野区では、エキスパート職員育成支援制度を活用し、費用の一部を助成しているとの回答でしたが、この制度を活用して資格を取得した職員は何人いるのでしょうか。数字のみでお答えください。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 社会福祉主事資格を取得した職員ですけれども、現在エキスパート職員育成支援制度を活用しまして社会福祉主事資格の取得に向けて取り組んでいる職員はいますが、現時点におきまして、この制度を利用して取得をした者はいない状況となっております。

○むとう委員 現在取り組んでいらっしゃる職員は何人いらっしゃるんですか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 現在資格の取得に向けて取り組んでいる職員は1名でございます。

○むとう委員 1人ですか。何かとても残念な答えでございました。中野区が資格取得にあまり積極的でないということはとても残念です。ケースワーカーは様々な困難ケースを抱え、心身ともに病んでしまう場合も少なからずあります。社会福祉主事の資格取得のための勉強で身につけた知識は、職員自身を助け、なおかつ質の高い適切なケースワークにつながります。中央区のように、働きながら資格取得ができる体制を整えて、社会福祉法を遵守し、積極的に資格取得を行うよう要望しておきます。

 また、それで、先ほどの質問に戻るんですけれども、不用額のところで、きちんとしたケースワークが必要だというような御答弁だったかと思うんですけれども、地区担当ケースワーカーによる訪問調査活動は、保護受給者の生活状況の把握と自立指導支援を行う上で不可欠です。状況に応じて、毎月の訪問がA、2カ月に1回の訪問がB、4カ月に1回の訪問がC、6カ月に1回の訪問がD、1年に1回の訪問がEという類型を定め、訪問が行われています。2015年度の類型ごとの訪問実績数を数字のみでお答えください。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 訪問類型における区分における訪問率ですけれども、すみません、平成27年度の訪問率をお答えさせていただきます。まず、A類型、1カ月に1回訪問のケースが訪問率14.9%、B類型、2カ月に1回の訪問のケース、訪問率が33.6%、C類型、4カ月に1回の訪問類型ですけれども、訪問率が60.2%、D類型、6カ月に1回の訪問のケース、訪問率が84.6%、E類型、1年に1回の訪問でございますけれども、74.6%の訪問率となっております。

○若林委員長 総括質疑の途中ですが、質疑時間を超過しておりますので、ここでむとう委員の質疑を終了いたします。

○若林委員長 次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。

○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 まず、エキスパート職員について伺います。

 区では、少数精鋭の2,000人体制を築くために、幅広い知識や経験を有する従来のジェネラリストとして組織に貢献する職員と、エキスパートとして新たな価値を創造する職員が共存する複線型人事制度を築くために、エキスパート職員認定制度を導入しました。エキスパート職員は、専門領域に長期的に従事することにより専門性を発揮し、困難な区政課題を解決し、高い成果を上げ続けると制度の説明には書いてあります。私は、自身の仕事に誇りを持ち、この仕事に対してエキスパートなのだと職員が意識して区民のために働いてくださるような職員が育つことができるこの制度を高く評価してきました。資料を新たにつくっていただきました。ありがとうございました。総務92の資料を見ながら質問させていただきます。

 まず、この制度についての概要を御説明ください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) お答えします。制度の概要については、今、御質疑の中で委員みずから御説明いただいたところでございます。複線型人事制度、職員の幅広い経験や高い専門性を生かして、困難な課題を解決、また、高い価値を生み出していくということで、平成23年度から始めた制度でございます。毎年度、各部からの需要調査に基づきまして募集を行いまして、選考によって認定した上で、類型ごとに配置を行っているところでございます。

○近藤委員 総務92の資料で、分類、区政課題解決支援、類型、まちづくりには1人もエキスパート職員がいませんけれど、なぜなのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) それぞれの所管から需要は毎年出ておりますが、応募者がいないという状況で、認定ができておりません。

○近藤委員 全体でも、平成28年度、今年度16人、昨年度から今年度にかけては2人減っています。なぜ減ってしまったのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 認定者から辞退の申し出ございまして、認定を取り消すこととしたものでございます。

○近藤委員 辞退、取り消してしまうというのはちょっといかがなものかなと思って、どんな原因があるのかなと思いますけれども、個人的なこともありますので、強いてお聞きしませんけれど、区は今後何人ぐらいエキスパート職員の育成を目標に考えているのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成27年度の調査では、各部から平成34年度までの需要数として51名が上がってきております。平成28年4月時点で16名の配置でございますので、今後、35名程度を育成、配置していきたいというふうに考えてございます。

○近藤委員 都市基盤部のような部署では、建築や土木などの専門職で入庁した職員の方は、初めから専門職として働いていくわけですから、わざわざエキスパート職員として認定してもらう必要もなく、類型、まちづくりエキスパート職員として希望を出す職員がいないことは理解できます。類型、福祉・生活支援分野は、エキスパート職員の配置が全体から見ますと14人と多く、現在まで3年間にも増えています。しかし、今後の課題解決に向けて税金を投入し、一つの分野で研修を積み、エキスパート職員として認定されたにもかかわらず、分野間での異動があると伺いましたけれど、これはどのようなことなのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) エキスパート職員の認定につきましては、七つの類型ごとに行っております。同一類型の中では当然異動があるものと考えております。また、福祉・生活支援の類型にかかわる業務はそれぞれに非常に深い関わりがございまして、異動によってより幅広い業務を経験することで、さらにその専門性が高まるものと考えてございます。

○近藤委員 しかし、職員が一つの分野で、自分はこの仕事のエキスパート職員になりたいと思ったときに、類型は同じところであっても、類型という範囲はあまりにも広くて、そこ全体のエキスパート職員を目指せというのではあまりにも職員の負担が大きいのではないかと私は思います。エキスパート職員は専門領域に長期的に従事し、専門性を発揮するという理念ともちょっと食い違うのではないかと思います。私は、一つの分野に特化した、まさにこの分野といえば○○さんと言われるぐらい自分が勉強を積めば、この分野のエキスパートになることができるのがこの制度であると思っていたんですけれども、どのように考えればよいのでしょうか。今後のエキスパート職員のあり方について御見解をお聞かせください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) エキスパートの職員の配置は、基本的には分野ということで行っております。その認定され、必要があるという課題に基づいて数年間の在籍をして、難しい課題を解決していくという役割を担っていることは変わりございません。ただし、先ほど御答弁申し上げましたが、同じ、非常に深い関わりを持つ、そのような類型の中では、異動は決してマイナスなことではないというふうに考えております。また、認定者が増えていないということについては、非常に課題であるという捉え方はしております。ただし、エキスパートとしてやはり重い役割を担いますので、そう簡単に手が挙がる、また、増えていくというものでもないという認識も持ってございます。若手職員が増えていることもございますので、改めてエキスパート職員認定制度の周知を図りまして、キャリアプランを考える際の目標とできるようなやりがいや活躍ぶりなどの情報提供を行っていきたいと考えてございます。

○近藤委員 区の認識はあくまでも分野ではなく類型の中のエキスパート職員という考え方であるそうですけれど、職員がどのようなエキスパート職員を目指したいのかとか、認定された職員が他の職員とどのような違いがあるなど、よく検証していただきたいと思います。少数精鋭の2,000人体制と区がみずから語っている職員体制の中にわざわざエキスパート職員制度をつくった意義というのをもう一度私は考えていただきたいと思います。そして、多くの職員がエキスパート職員を目指すような制度を構築していただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、待機児童対策について伺います。

 まず、保育園の待機児対策について伺います。今月2日に厚生労働省が発表した保育所等関連状況のまとめでは、中野区は、待機児童数が全国で20位となっています。働かなくてはならない状況であるのに子どもを預けるところがない親子にとっては、死活問題です。第2回定例会の少子高齢化対策調査特別委員会の報告では、昨年、平成27年度は555人の保育定員の拡大を図っており、過去5年では1,500人もの定員拡大を図ってきました。このような実績からも、区も必死で区民の期待に応えようと努力されていることは理解できます。しかし、先日の一般質問に対する答弁の中でも、本年度の保育所用地は楽観を許さないとの答弁がありました。この数年、待機児童数の公表の後に保育所整備のために補正予算を組んできましたが、結果、年度をまたがる保育所整備が発生するために、予算の繰り越しが度々行われています。平成26年度及び平成27年度予算における待機児童対策に係る当初予算、補正予算、年度繰り越しについて、それぞれの内容及び額を教えてください。

○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 平成26年度の予算におけます保育所の新規誘致に関しましては、当初では、認可保育所3園、総額といたしまして約2億7,000万円を計上してございます。補正につきましては、認可保育所5園、認可小規模保育所が7園ということで、合計で約6億400万円の補正額となっております。なお、認可小規模保育所2園、3,000万円につきましては、平成27年度への繰り越しを行っているものでございます。また、同じく平成27年度でございますけれども、当初予算といたしましては、認可保育所5園、小規模認可保育所2園、予算額といたしましては約5億4,000万円を計上させていただいております。補正におきましては、追加で認可保育所2園ということで、約1億5,000万円の計上をしてございます。なお、平成28年度への繰り越しは行ってございません。

○近藤委員 ありがとうございます。平成26年度においては、当初予算よりも補正のほうがかなり額が高いということで、そして、平成27年度になると、当初予算で多く見積もったけれども、それでもまだ足りなかったという状態になっているわけですね。この待機児童解消は何とかしなくてはなりません。担当も大変努力されていると思います。毎年、このような予算の繰り越しが行われるのは好ましいとは言えないと思います。何より補正対応の6月や9月等の時期から次の年度の開設まで、土地と事業者のマッチングが始まり、保育士の確保等、事業者が動き出し、整備するにはあまりにも時間がありません。それらを鑑みると、毎年恒例に補正を繰り返し対応するよりも、ある程度当初予算の段階から前年度の動きを見て上ぶれを考慮した幅を持たせた予算対応を行い、4月当初から事業者募集に厚みを持った対応が図れるようにしてはいかがかと思いますけれど、御見解をお聞かせください。

○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 今後もより精度の高い需要把握を行う中で、適切な予算編成を行えるように努めていくという考え方でございます。

○近藤委員 なかなか難しいと思いますけれど、今後さらに待機児童に向けたきめ細かい需要の捉え方は本当にしなくてはなりません。そして、予算の編成の方法ももうちょっと工夫をしないと、また補正で繰り越しという形になってしまうので、これはより適切なものとしていただけるように、ぜひ知恵を絞っていただきたいと思います。いかがでしょうか、そこは。

○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 繰り返しになりますけれども、より精度の高い需要把握を行う中で、適切な予算編成を進めていきたいというふうに考えてございます。

○近藤委員 ありがとうございます。

 次に、学童クラブの待機児童対策について伺います。

 私は、4年前に、平成24年度学童クラブの登録者数と待機児童を含めた児童数が過去10年間で1.2倍、1,459人となっているにもかかわらず、学校の再編、児童館の廃止、民間学童クラブの誘致などによっても学童クラブ数は10年前から増えていないので、この事実をしっかりと受けとめて、待機児童を出さないために早目に学童クラブの整備についての検討が必要ではないかということを申し上げてきました。しかし、区は、学童クラブの定員を毎年増やせるところまで増やして、これ以上増やせない状況になるまで、学童クラブの待機児の問題について、予測が難しいところで年度当初には若干の待機が出るのはパターン的に出ますが、夏休み以降にはその状態は解消されるケースがほとんどでございますなどとおっしゃっていて、学童クラブの整備について真剣に検証する姿勢が見えていませんでした。このようにのんびりした対応でその時々をやり過ごしてきたため、平成26年度学童クラブ開設施設整備費に東京都から補助金が出たときには、補正対応で4カ所の学童クラブの開設を目指しましたが、2カ所しか整備することができず、減額補正となってしまいました。その残る2カ所分が平成27年度予算での対応になりました。1カ所は年度途中から、そして、もう1カ所においては今年度の開設になるなど、対応が遅れてしまいました。このとき遅れた対応になってしまった平成27年度予算で整備した民間学童クラブの現在の状況はどのようになっているのでしょうか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 平成27年度の予算で整備をいたしました民間学童クラブ、2クラブについてでございますが、一つは中野三丁目のコンビプラザ中野桃園キッズクラブで、平成27年9月に開設をしまして、今年の9月1日現在、在籍児童は6人でございます。もう一つは、沼袋三丁目のにじいろのがた学童クラブで、平成28年4月に開設し、ことしの9月1日現在、在籍児童は38人でございます。

○近藤委員 コンビのほうは今でも在籍数というのが6人という少ない、このとき、平成26年度補正予算でやったにもかかわらず、平成27年度中には定員もいっぱいにならず、そして、まだ今でも、平成27年度予算で整備したものもまだ少ないという状況で、1園だけがかなりちゃんと定員になっているという状況なんですよね。この状態で、私が学童クラブの待機児童を指摘したのは平成24年度です。この年の4月から今年度4月までにさらに学童クラブの待機児は7倍にふえています。就学前の人口の保育需要率が今は42.6%とお示しさせていただいている状況下で、今後は学童クラブの定員がオーバーになってから慌てて民間の学童クラブを誘致するという方法をとっていては、やはりもう間に合わないし、需要と合っているところに土地を見つけ、土地というか、業者とマッチングができるかという問題もありますし、やはり必要性をきちんと見きわめて、今後の学童クラブについてしっかりと検証することが必要と思いますけれど、いかがですか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 学童クラブの需要につきましては、毎年8月から9月にかけまして、保育園、それから、幼稚園の5歳児の保護者に調査を行うとともに、現在学童クラブに在籍している子どものうち継続して学童クラブを利用する予定の児童数を加算して、翌年度の予測を行っております。定員を超える見込みの区立学童クラブにつきましては、定員増の可否を含めて準備を行っているところでございます。また、民間学童クラブにつきましては、開設が必要なエリアで事業が実施できる事業者を募集して行っておりますが、施設の改修や開設に一定の期間を要します。そのため、学校再編計画で統合する学校の学童クラブの状況等を踏まえまして、計画的な開設に心がけていきたいというふうに考えております。

○近藤委員 しっかりと、これは保育園が先を走っていますので、学童クラブもしっかりとした見きわめが必要だと思います。ありがとうございます。

 次に、子育てひろばについて伺います。

 私はこれまで、丸山児童館廃止後のこの地区の乳幼児親子の居場所について何度も議会で質問してきました。今から7年前、そして、4年前、私が行った質問に、区は、丸山児童館がなくなっても地域の乳幼児親子にとってサービスの低下はないと自信を持って答弁していらっしゃいました。丸山児童館廃止後、乳幼児親子の居場所──子育てひろば事業と呼ぶんでしょうけれど──については、沼袋のすこやか福祉センター、北原児童館、民間保育園であるとおっしゃっていましたが、現状はどのようになっているのでしょうか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 北部のすこやか福祉センターでは、月1回、すこやかひろばということで開催をしまして、乳幼児向けの用具等を用意いたしまして、季節の行事や身体計測などのプログラムを提供しております。北原児童館では、児童館の開館日にほっとルームが御利用いただける他、第1から第3の月曜日には、子育てひろばを開設しております。民間保育園では、子育て相談など地域の方を対象にした事業が実施されているということになります。

○近藤委員 沼袋のすこやか福祉センターでやるとおっしゃっていたのは、まだ沼袋のすこやか福祉センターができていない。そして丸山児童館があったんですけれど、わざわざ北原児童館まで行っている。そして、江古田児童館の廃止後に開設された民設のなかよしの森保育園に地域子育て事業の専門室を設けて親子ルーム事業を週3回行い、1回あたり10人から30人の参加があったと当時はおっしゃっていたんですね。でも、現在は、それも行っていないということです。民間が引き受けてくれることも児童館廃止後の居場所の一つとしてカウントしてきましたけれど、このように、民間保育園は、園の都合で事業をやめてしまうこともあります。区として責任を持って乳幼児の居場所を確保することが必要ではないでしょうか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 今後の子育てひろばの事業につきましては、区の事業として実施をし、民間事業者や地域団体に委託をする形で展開していこうというふうに考えております。なお、民間保育園等で実施する場合につきましては、保育園児の安全確保とともに、地域の乳幼児親子が利用しやすいような工夫、そういったものに配慮するなど、整備する際に工夫が必要となりますので、事業者と十分調整を図って実施してまいります。

○近藤委員 やはり民間保育園にお願いするというような形には無理があったということです。キッズ・プラザ緑野での乳幼児親子の交流の場の提供はいつから事業開始、現状はどうなっているんでしょうか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) キッズ・プラザ緑野につきましては、キッズ・プラザが平成23年11月に開所しております。乳幼児親子への交流の場の提供は、翌年5月から行っております。現在は、週2回、月曜日と金曜日の午前中に実施をしております。活動室に乳幼児向けの遊具を用意して利用していただいているところでございます。

○近藤委員 丸山児童館の廃止から既に5年がたち、乳児親子の居場所の一つとなっているキッズ・プラザ緑野を7月にむとう議員と細野議員と一緒に視察をさせていただきました。7月の大変暑い日でした。乳幼児親子は1人もいませんでした。丸山地区の乳幼児にとっては大事な居場所のはずですのに、この日に限らず、利用者が誰もいない日もあり、利用しても1組や2組という少人数しか利用者はいないそうです。片や児童館で乳幼児事業を行っている北原児童館の乳幼児の利用登録者数は69人、緑野小学校校区からも22人も登録して利用しています。このことからも、近くのキッズ・プラザよりも遠い児童館を乳幼児が利用していることがわかります。

 そして、以前から問題になっていたのは、キッズ・プラザ緑野には、自転車に乗っていくことができないということでした。想像してみてください。私たち大人1人が身軽に自転車で移動しても暑い夏に、乳幼児を連れたお母さんが中野区で一番広い校庭を持つ緑野中学校の校庭の端を黙々と歩いてわざわざ小学校の中に、窮屈な、仲間もいないキッズ・プラザ緑野に向かうでしょうか。学校に配慮するあまりに、あまりにも利用者のことを考えられていません。そればかりではありません。ベビーカーも入り口には置けず、乳幼児親子が来ると職員が2階からおりてきて、ベビーカーを抱えて階段で2階まで運ぶそうです。職員は笑顔で全然気にしないでくださいと言われるそうですが、お母さんたちは職員に悪いと気にしてしまうそうです。これで乳幼児が利用したい施設となっているのでしょうか。私は、キッズ・プラザについて、度々学校との連携の必要性を申し上げてきました。学校とも調整をして、利用しやすい施設としていただきたいと思いますが、いかがですか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 現在のキッズ・プラザにおける乳幼児親子への交流の場の提供は、小学生の授業中に、あいているキッズ・プラザの活動室を利用して提供しているところでございます。キッズ・プラザでの事業実施につきましては、学校との連携が重要であり、調整を行い、学校の理解を得ているところでございます。キッズ・プラザ緑野の自転車置き場につきましては、小学生の動線と交差するため、調整に時間がかかりましたが、現在は自転車をとめることができるようになっております。また、ベビーカーにつきましては、安全管理の面から、キッズ・プラザ入り口に保管をすることとしております。入り口が2階となるため、職員が手をかして、ベビーカーを上に持ち上げるということにしているところでございます。

○近藤委員 自転車はやっと解消されたようですけれど、ベビーカーも、職員が運ぶのでは、職員が何か事業をやっているときに中断されるわけですよね、お母さんたちが来たら。何か手遊びとかをやっていたときに、次の利用者が来ましたよ、お母さんたちが来ましたよといったら、職員はそれをやめてベビーカーを上げに行かなきゃならないという、そういう状態というのはやっぱりちゃんと、児童館もなくしてしまって、サービスは低下しないとおっしゃっているんですから、やっぱりそういうことがないようにしていただきたいと私は思います。そういったことがやっぱり利用者がふえていかないということの原因の一つだと思います。児童館を廃止してもサービスの低下はないと自信を持っておっしゃっていましたが、地域によってサービスが低下してしまった地域が出たのは明らかです。このような状態を招いている現状でこれからの子育てひろば事業のことを考えると大変心配ですが、キッズ・プラザで子育てひろば事業の展開をすること一つをとっても、利用する乳幼児親子の気持ちを考えて、利用やすいと思えるような事業を展開していくことが必要だと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) これからの子育てひろばの事業の展開に当たりましては、乳幼児親子が利用しやすい身近な場所で実施することを計画しているところでございます。事業の展開にありましては、施設面での整備、それから、スタッフの配置など運営面でも利用しやすいものにしていくということを考えているところでございます。

○近藤委員 ありがとうございます。ぜひ本当に利用しやすい施設にしなければ、幾らそこに施設をつくっても利用者が来ませんので、ぜひお願いいたします。

 次に、防犯カメラの設置について、既に高橋かずちか議員から同じ質問がありましたので、前半の質問を割愛させていただきまして、質問の3から質問をさせていただきます。

 通学路への防犯カメラの設置は、維持管理費を含めて全額が公費負担となっていますが、町会、自治会、商店街等が設置する場合は、維持管理費等が各団体の負担となっています。これまで町会や商店街などの諸団体にはどのぐらい防犯カメラを設置したのでしょうか。

○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) お答えします。この制度は平成20年度から実施してございまして、今年度まで延べ82団体で、カメラの台数は年度末で311台の設置となるというところでございます。

○近藤委員 町会、自治会や商店街への防犯カメラ整備の補助制度は、カメラ本体や設置工事費しか補助の対象になっていません。電気料金やメンテナンス費用など設置後の維持管理費も補助対象とすることができないでしょうか。区の御見解をお聞かせください。

○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 現在は、防犯カメラの整備、設備に関する補助を優先して実施している状況にありますので、お尋ねの維持管理経費を補助の対象にするかにつきましては、今後の申請状況を踏まえて研究させていただきたいと考えてございます。

○近藤委員 ちょっと高橋かずちか議員と同じ質問になってしまったので、申しわけないですけど、町会、自治会や商店街の方は、地域の防犯のために防犯カメラの設置をしましたけれど、各団体の維持管理費の負担は重くのしかかっています。町会、自治会の方と区民が地域で防犯パトロールを行う意義は大変大きいと思います。しかし、防犯カメラの管理運営まで担っていく体力があるかというと、それは疑問が残ります。防犯カメラの管理運営の継続性や有効利用の観点からも、区の一元管理が望ましいと私は思います。お答えは同じでしょうから、もう質問しませんけれど、ぜひ一元管理をされて、防犯カメラの継続性、有効利用を図るような体制をとっていただきたいと思います。

 ありがとうございます。これで私の全ての質問を終わります。

○若林委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。

 次に、いながきじゅん子委員、質疑をどうぞ。

○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。通告どおりの順番で質問させていただきます。その他のところでは、外国人の生活保護受給状況について伺う予定でおります。

 中野区のみならず、日本全国で公共施設やインフラの老朽化対策が課題となっています。総務省は、平成26年4月に、厳しい財政状況が続く中で、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されることを踏まえ、早急に公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減、平準化するとともに公共施設等の最適な配置を実現することが必要であるとして、地方自治体に公共施設等総合管理計画を策定するよう求めています。

 総務省の言っていることは全くそのとおりであり、区も以前から公共施設の維持管理計画の策定の必要性は認識していたようですが、いまだ形にはなっていません。区は、平成20年に作成した施設白書の中で、区有施設全体の長期保全計画というものをつくり、施設の延命化及び維持管理経費のトータルコストの縮減を図るとしており、平成22年の私の本会議質問でも、当時の経営室長が、その策定に向けて取り組んでいると答弁されていました。しかし、その後、長期保全計画ができたという報告はないまま、平成26年の施設白書改定版では、長期保全計画という名前が消え、今度は、公共施設等総合管理計画をつくると書かれています。

 そこでまず伺いますが、この長期保全計画は今どうなっているのでしょうか。

○宮﨑経営室副参事(施設担当) お答えいたします。長期保全計画につきましては、一般的には、主要部位、機器の修繕等に関する実効的な計画の位置付けになると考えています。計画的な予防保全により安全で安定的な施設運営を目的としたものであると考えており、一方では、公共施設の総合管理計画、こちらのものにつきましては、長期的な視点に基づいて、区有施設の管理に関する基本的な方針になると。現時点で、したがいまして、区有施設の長期保全、これにつきましては、中野区の公共施設総合管理計画、これに基づきまして、計画的な保全を進めていくものとして捉えております。

○いながき委員 長期保全計画はこれからつくるということですか。長期保全の考え方は公共施設総合管理計画の中に盛り込まれるべき内容だと思いますが、この二つの計画を一本化するとか、この二つはどういうふうな関係で、どうなっていくんでしょうか。

○宮﨑経営室副参事(施設担当) 答弁がダブってしまうのですが、繰り返しになりますけど、まず、公共施設の総合管理計画、こちらのほうを長期的な視野に基づいて基本的なものの方針として策定、その後に、区有施設の長期の保全につきまして、総合管理計画に基づいて長期的な保全を行っていくというふうに考えております。

○いながき委員 1月29日の総務委員会では、公共施設総合管理計画(建物編)の考え方が報告され、その中で、今年の3月に策定するとありましたが、いまだできておりません。遅れている理由は何でしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) お答えいたします。中野区公共施設総合管理計画(建物編)につきましては、総務委員会で、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)との整合性を図るべきという議論がございまして、これを踏まえまして、10か年計画の施設展開をより一層踏まえたものとするため、さらに検討を行っているという状況でございます。

○いながき委員 平成22年から現在までの間にもう大規模改築や修繕が何件もありました。新体育館のように、現在移転進行中の計画もあります。最初の施設白書でも、改定版でも、長期的な展望から施設の最適化を図る必要が指摘されておりまして、もっと早い段階から公共施設総合管理計画なりの計画をつくって実行していたのであれば、昨今でき上がった建物ですとか、その後の計画というのは随分変わっていた可能性があるのではないでしょうか。施設白書を更新する時間があったのであれば、そのデータをもとにして早急に公共施設総合管理計画をつくるべきだったのではないでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 平成20年3月に施設白書策定以後につきましては、平成20年4月から開始した新しい中野をつくる10か年計画(第2次)や平成23年からの区立小・中学校再編計画(第2次)の検討内容を踏まえた形で、公共施設総合管理計画──長期保全計画でございますけれども、当時はそういった名称でございますが──の検討を進めてきたというところでございますが、平成26年4月に国から示された指針に基づきまして総合管理計画の基礎データをそろえていくということにいたしまして、平成26年9月に施設白書を改定いたしまして、インフラを含めた現状、将来の見通しについて把握をしたというところでございます。これに基づきまして、現在、総合管理計画を検討している最中ということでございます。

○いながき委員 ですので、そのデータを施設白書として改定する時間と労力を公共施設総合管理計画をつくるほうに使ったほうがよかったのではないかということなんですが、それについてはいかがでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 国が求めている公共施設総合管理計画というものについて取りまとめをしていくということは必要でございますので、その前提となる施設白書についてしっかりまとめて現状把握するということは必要だということで、これを行ったということでございます。

○いながき委員 委員会に出された資料の中で、270ある区有施設の更新経費の見込み額が60年間で3,236億円となっています。これから学校施設等改築予定の施設が幾つも出てくると思いますので、伺いますが、この数字は、改築前の規模や機能と同等のものを建設した場合の経費として算出されたものでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 施設の改築に当たりましては、基本設計等の計画が定まっているものにつきましては、計画に即した規模により経費を積み上げてございます。定まっていないものにつきましては、改築前と同規模により経費を積み上げたものでございます。なお、3,236億円には、改築以外にも、施設の主要な改修経費についても加算されたものというふうになってございます。

○いながき委員 今度の新体育館ですとか、最近ですと、中野中学校の例ですとかを見ますと、改築時に規模の拡大や機能強化、そういったものの予算額が大きく膨らむ傾向があるように思います。その場合、その後のランニングコストも当然大きくなってきますし、そういったことが続きますと、この見込み額では済まなくなってくるのではないかというふうに思っております。公共施設管理計画をつくるに当たっての更新経費の縮減策が資料の中で色々挙げられていましたけれども、新築や改築の際には、できるだけ規模や機能、イニシャルコストを抑えるようなルールづくりをしていきませんと、今後の施設関連全体の経費はなかなか減っていかないのではないかと思いますが、いかがですか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) お示しをいただきました公共施設総合管理計画(建物編)の考え方におきまして、施設更新時には区民サービスの向上を図るとともに、財政負担を軽減するための目標について、目標額についても示したところでございます。施設更新に当たりまして、サービス内容に合った適正な施設規模を検討するということにしているところでございます。既に小・中学校につきましては標準モデルを策定しているところでございますが、他の施設につきましても、新築あるいは改築をする際には、将来的な提供量や提供手段を精査するとともに、ライフサイクルコストの視点を踏まえたものとなるよう、一定の標準モデルの検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○いながき委員 資材や人件費の高騰等の時期的な要因もあるとは思いますが、それを踏まえても、改築、新築の際の初期費用の膨らみ方が大きいと思います。改築ですとか新築のときには、よく大きくお金をかける割に、既存の施設の毎年、毎年の設備更新や修繕にはなかなかお金が回っていない、その結果、学校施設がいい例ですけれども、よほど優先順位が高いと判断されたもの以外は、改善要望があっても工事実施までにかなりの時間がかかっている状況です。このアンバランスさは問題ではないでしょうか。区民の満足度、利便性向上のためには既存施設のメンテナンスも重要であり、計画内容を検討する際には、この辺のバランスをきちんと考慮して策定すべきだと思いますが、いかがですか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 公共施設総合管理計画(建物編)の考え方においても示しましたとおり、施設改築等の初期費用のみではなく、改修経費等を踏まえた将来的な経費を比較検討して計画を策定したいというふうに考えてございまして、適切なメンテナンスコストを含めた計画として検討しているところでございます。

○いながき委員 区はファシリティーマネジメントを踏まえて計画策定すると言っていますが、通常、ファシリティーマネジメントの際には、光熱水費も考慮するのが一般的です。電気、水道だけでも年間7億円以上かかっています。公共施設総合管理計画策定に当たっては、当然この光熱水費を含めたランニングコストも考慮して施設の最適化を図るということでよろしいでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 総合管理計画の策定に当たりましては、施設の更新計画の際に、光熱水費等の維持管理経費の縮減を図るという視点を含めまして、ライフサイクルコストの縮減を行うという考え方を持ちまして検討していくということにしているものでございます。

○いながき委員 ファシリティーマネジメントは、建物そのもののハード面だけではなく、その建物で働く人や利用者の環境や満足度、設置場所のあり方、財務といったソフト面でのマネジメントもしていかなければなりません。ハード面だけではない総合的なマネジメントをしていかなければならないということを考えますと、公共施設は大体ありとあらゆる部署の事業や人がかかわっているということで、公共施設総合管理計画も、本来なら企画と施設担当だけではなくプロジェクトチームをつくって横断的に取り組んでいくのが理想だと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 公共施設総合管理計画(建物編)につきましては、区民サービスの向上と施設の保全、更新を適切に進めるに当たりまして、財政負担の軽減の目標値を試算するとともに、これを実現するために、民間活力や区有施設の集約化、複合化あるいは土地施設等の資産活用などの基本的な考え方や、点検、診断あるいは維持管理、修繕、更新など技術的な管理方針を示すことによることにしております。企画分野と施設分野が中心となりまして、必要に応じまして関連部署と連携をしまして検討を進めていきたいというふうに考えております。

○いながき委員 経営的視点から公共施設を総合的に企画、管理、活用するファシリティーマネジメントは、やれと言われても誰もがすぐにできることではないと思います。ファシリティーマネジャーという資格もあり、庁内には、職務命令ではなく、みずからその資格を取ったという大変勉強熱心で立派な職員もいらっしゃるというふうに聞いております。ファシリティーマネジメントに限ったことではありませんが、個々の職員の持つ資格やスキルを把握して、今回の計画や事業に積極的に生かしていくべきではないでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 施設マネジメントを進めていくに当たりましては、職員のスキル向上が必要であるという認識を持ってございまして、職員の研究会への派遣や先進自治体の担当者を講師とする職員研修等を実施してきたところでございます。今後も、資格の有無にかかわらず、継続して人材育成を図り、活用を図っていきたいというふうに考えております。

○いながき委員 区の担当者だけですと、それぞれの担当する建物や設備の現状保全を重視してしまい、全体を最適化するという発想が希薄になりがちです。現状問題がある施設だけに目が向いてしまい、全施設を俯瞰しながら計画を立てるのはなかなか難しいのではないかと思います。今は、大手の建設会社をはじめ様々な民間企業がファシリティーマネジメント業務に参入しています。全体最適化のためには、外部の客観的な目も必要なのではないでしょうか。中野区は、施設整備の基本計画などは業務委託して民間に支援してもらっていますが、こちらの計画については、民間の支援を受けることは考えていらっしゃいますでしょうか。

○海老沢経営室副参事(企画担当) 区の施設方針につきましては、基本構想と10か年計画を効果的に実現するために、区全体の施設サービスの需要のバランスをとりまして、各事業部と協働いたしまして、適正な配置等の検討をしていくという必要がございます。そのため、基本的には、区の職員が主体的に進める必要があるというふうに考えてございます。一方で、必要があれば、民間活力についても考えたいというふうに考えております。

○いながき委員 ありがとうございました。計画の策定を急ぎ、今後も次々やってくる施設の更新に備えていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、公園施設への民間活力の導入について伺います。

 この夏、大阪の天王寺公園に視察に行ってまいりました。ここは、それまであまりイメージがよくなく、市民もなかなか寄りつかなかった市立公園が民間のマネジメント力で大きく生まれ変わったということで話題になっています。具体的には、公園の一部のエリアを大手不動産会社がハード・ソフト面の両方でマネジメントする内容で、20年間という事業期間で大阪市と協定を結びました。ハード面では、飲食・物販施設等の設置と運営、公園と緑地の整備、ソフト面では、イベント等の企画、実施、プロモーション活動などのにぎわいの創出と、清掃、警備、緑地、施設の維持管理というふうに、民間企業の強みを生かして、公園の指定エリアのマネジメントを丸ごと担うことになりました。リニューアル後は、2万5,000平方メートルのエントランスエリアに7,000平方メートルの芝生広場が設けられ、飲食店や子どもの室内遊び場、フットサルコートなどが出店し、てんしばという愛称で人気を博しています。オープン半年で200万人以上が来園しましたが、この数字は、リニューアル前の4倍だということです。そして、今後は、インバウンド向け観光拠点として、ゲストハウスや国際観光案内所がオープンするそうです。

 ここで重要なのは、今回の天王寺公園のリニューアル自体に大阪市が全く税金を使っていないということです。民間が管理運営を受託していない公園部分の維持管理のところで年間700万円の警備費だけ大阪市が負担しているそうですが、テナントの占用料ということで、市には、事業者から年間2,500万円から3,000万円の収入があります。さらに、芝生広場で事業者がイベントを行いたいときには、占用料をその都度大阪市に払って使用しています。今年は、夏休み限定のアトラクション、ジップラインが芝生広場で行われたそうです。

 民間活力導入のもう一つの事例として、最近再整備されました豊島区の南池袋公園があります。そこでは、民間企業が総合プロデュースを行い、災害時は炊き出し支援を、日常時はにぎわいの核となるカフェレストランを併設しながら、売り上げの一部を地域貢献費として公園の運営に使える仕組みを考案し、地元住民の参加による持続可能な公園運営を行うための制度設計と運営組織を構築したということです。

 公園の整備やその後の維持管理に係る経費は決して少なくありません。中野区も四季の森をはじめ各地に大規模な公園が増えてきていますが、これからの区の財政負担を抑えつつ、利用者の満足度を向上させていくためには、民間との連携が不可欠になってくると思います。国土交通省も、今年に入り都市公園のあり方についての見解を発表しており、運営について、民との連携を加速し、市民主体の団体や民間事業者による自立的な公園運営を可能とし、都市公園の管理の質の向上へその収益を充当していくのも可と言っています。

 これを踏まえて、これから整備されるものも含め、区内四つの公園について質問させていただきます。

 一つ目は、弥生町六丁目に整備される公園についてです。ここで何らかの形で民間と連携して、区の整備事業費や開園後の維持管理費を削減したり、新しいにぎわいの創出を実現したりという予定はあるのでしょうか。区の考えを伺います。

○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) お答えいたします。これまでの一般的な公園整備は、施設を整備して提供し、維持することに主軸が置かれてまいりましたが、これからの公園整備、とりわけ大規模公園の整備は、都市のため、地域のため、区民のための資産として、都市公園をより柔軟に使いこなし、そのポテンシャルと多機能性を発揮できるような公園マネジメントの視点が必要であると認識しております。弥生六丁目公園は、平成30年度内の開園に向け、現在本設計作業を行っているところで、具体的な管理運営形態は今後の検討となりますが、公園管理者が新たなにぎわいや公園利用のきっかけとなる企画や催しを実施し、事業収入を得るアイテムとして活用できる多目的施設の設置を検討している他、設計について民間の意見を聞いて生かす手法も検討しているところでございます。

○いながき委員 次に、中野四季の森公園について伺います。

 この公園には、毎年7,000万円以上の維持管理経費がかかっています。また、中野駅近くの大規模公園としてもポテンシャルがまだまだ生かし切れていないようにも思います。今後、拡張用地の整備も本格化していくわけですが、管理運営における民間の力を生かした新しい手法の導入も含め、将来的な展望についてはどのようにお考えでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) お答えいたします。中野四季の森公園の拡張に伴い、維持管理費が増える見込みでございますが、少しでも維持管理費が軽減できるよう、様々な手法等を研究していきたいと存じます。

○いながき委員 今現在は、セントラルパークや大学などが参加している定例会で、公園を含めた四季のまちのメンテナンスなどについて話し合われているようですが、四季の森公園のマネジメントについて今後検討していく場合というのは、こちらの連絡会とも連携するというか、協議していくということになるんでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在、セントラルパークや各大学の代表者と、月1回、メンテナンスやイベントスケジュールなどの情報交換を行っております。中野四季の森公園のマネジメントのあり方について検討をする場合、この定例会にも情報提供をしながら進めていく必要があると考えております。

○いながき委員 次に、平和の森公園について伺います。

 富山県の富岩運河環水公園や世田谷区の二子玉川公園には民間のカフェがありますが、設置管理許可で、自治体は施設の設置費用を負担することなく、使用料が入る契約を結び、利用者にも好評のようです。平和の森公園に建てられる予定の体育館には公園利用者の利用できるカフェが併設されるそうですが、区の持ち出しを極力抑え、維持管理経費もかからない形で、利用者に喜んでいただける空間にするための方策をぜひ考えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) カフェが整備されて好評な公園が各地にあることは認識しております。平和の森公園に設置予定のカフェは、体育館に併設するため、体育館の管理運営と一体不可分となりますが、カフェの設置効果と公園利用者の満足度をしっかり見きわめながら、最も望ましい管理運営手法を検討してまいりたいと考えております。

○いながき委員 最後に、哲学堂公園について伺います。

 こちらには、指定有形文化財である集会所、鬼神窟があり、有料で貸し出されていますが、その利用率は現在どのようになっていますでしょうか。また、どのような目的で使用されていますでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) お答えいたします。鬼神窟の平成27年度の利用率は5.7%でございます。現在の主な利用は、少人数で和風の庭園を望みながらの俳句会、読書会、瞑想会、茶の湯体験などでございます。

○いながき委員 哲学堂公園には、他にももう1カ所、弓道場集会室というものがあり、弓道をする人のみならず、誰もが使用できることになっています。こちらの利用率も年間17.5%と決して高いとは言えない状況です。10か年計画では、哲学堂公園は区の観光資源として再整備すると明記されています。公園周辺には飲食店が少ないこともあり、これから国内外問わず観光客を呼び込みたいということであれば、広い園内で、ちょっとお茶を飲んで休憩したり、食事したりするところがお客様へのサービス向上という点で必要と思います。区立公園には、そのような施設を設置しているところは珍しくありません。利用率が低い集会所を同じ公園内に2カ所どうしても維持していかなきゃいけないという理由が何かあるのでしょうか。建物をそのように使用することが可能であるならば、例えば鬼神窟を抹茶や和菓子などをいただきながら休憩できるお茶屋として来園者に提供するなど、考えてみてはいかがでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 弓道場集会室は新青梅街道沿いの地下1階にあり、スポーツ関係者や地域の会合など主に会議室として利用されているのに対しまして、鬼神窟は、先ほど申し上げたとおり、俳句会、読書会等、趣味の、茶の湯体験などに利用されております。こうした意味で、二つの施設の性格が異なるというところがございます。鬼神窟は文化財として指定されておりますため、新たに飲食の提供に必要な施設の整備等を行うことは、文化財を保護していく観点から困難と考えております。

○いながき委員 鬼神窟以外の建物も人が入れるようなものはどんどん活用していくべきだと思いますが、それも難しいのでしょうか。今後学習展示施設を新設するとのことですが、わざわざ新しいものを建てずに、既存の建物をリノベーションして転用するということはできないのでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 鬼神窟以外の建築物の修復ということで今現在、進めておるところですが、修復により耐震性など建築物としての安全性を確保できるものについては、活用方法を今後検討していくという考えでございます。また、今後新たな学習展示施設の新設、これについて検討していくという予定でございますが、既存の建物、具体的には今管理棟というところが考えられますが、こちらのほうは建物としての老朽化が進んでおりますので、委員御提案のようなリノベーションして活用するというようなことは難しいというふうに考えております。

○いながき委員 哲学堂公園も、これから建物の修復作業にお金がすごくかかってきます。それ以外の維持管理経費も、重くのしかかってきます。これまで述べてきましたように、民間の力を活用し、創意工夫の余地を少しでも拡大して収益が生まれるような仕組みをつくり、それを維持管理経費に少しでも充てていく方法を考えるべきではないでしょうか。お考えを伺います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在指定管理者としてもさまざまな工夫をして事業を展開し、維持管理費に充てているところでございます。今後も修復した建物や学習展示施設を活用しての学習や体験、あるいは飲食の提供、土産物の販売など、民間事業者と協力しながら新たな事業を展開し、維持管理費の一部を捻出していきたいというふうに考えております。

○いながき委員 ありがとうございました。

 ちょっと時間の都合上、その他の質問はまた改めてということで、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

○若林委員長 以上でいながきじゅん子委員の質疑を終了します。

 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。

○石坂委員 今回、順番を入れかえまして、初めに、通告項目の2の(1)と(2)、次に1の(2)、最後に1の(1)の順番で質問いたします。

 まず、2項目目のHIV、AIDS及びその他の性感染症について伺います。

 (1)検査と予防啓発について。

 主要施策の成果(別冊)の200ページを見ますと、事業2で、エイズ等感染症予防普及について書かれています。ここに書かれている過去の実績をもとに計算をすると、中野区の保健所で行われた検査におけるHIV陽性者率は、平成25年度は0.8%、平成26年度が0.3%、平成27年度は1.5%で、特に昨年度は区の保健所で検査を受けた方における感染率が相当多かったと思われます。

 また、梅毒に関して、9月14日の経済紙ダイヤモンド・オンラインの記事で取り上げられました。梅毒は、ここ5年間で女性の感染が4倍以上に増えているとのこと、しかも、かつての日本ではよく知られていた病気であった梅毒も、若者にとっては耳なれない病気であり、本人が感染に気づかない場合が多いようです。また、医療機関でも様々な診療科において梅毒の診察をしたことがない上に、過去の病気という認識しかない医者だと、感染を疑わずに見逃してしまうこともあるそうです。

 中野区では、現在、検査結果がその日のうちにわかるHIVの即日検査を日曜日に実施し、結果を後日改めて聞く形のHIV、梅毒、クラミジアの通常検査を平日昼間に行っています。現在、即日検査はNPO法人への委託、通常検査は区直営で行われています。区の保健所で行っているHIV検査で感染がわかる検査の増減の傾向や東京都全体での梅毒やクラミジアの感染者数や増減の傾向はどのようになっていますでしょうか。とりわけ中高年のHIV陽性者、若者の梅毒の感染についてはいかがでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 保健所のHIV検査の状況といたしましては、委員御指摘のように、陽性者の件数が多い傾向にあります。ハイリスク層への働きかけができている結果であると考えております。中高年のHIV検査の受診者は少ないため、傾向としてははっきりいたしません。東京都内では、平成27年は、HIV・エイズ報告数が4年ぶりに減少し、発症してから報告されたエイズ患者数は過去10年では最も少ない数となっておりましたが、エイズ患者は40歳以上が約60%と高い割合になっており、中高年は、都内全体としては、発症してから感染を知る方が多いという傾向になっております。梅毒は、保健所では検査件数が少ないため、年間2件から5件で、増減の傾向ははっきりしませんが、都内では、梅毒の報告数が過去5年で約6倍になっており、特に女性は約10倍以上に増加し、20代での増加が目立っていると言われております。クラミジアにつきましては、保健所での検査での陽性率が毎年20数%と高くなっておりますが、都内の他の保健所の検査でも同様の傾向だと言われております。全数報告疾患ではないので、梅毒のような報告数のデータはなく、全体としての数はわかりません。

○石坂委員 中高年に関するHIVに関する検査の勧奨ですとか、若者に対する性感染症の予防啓発の一層の取り組みが求められるところだと思います。

 なお、保健所でのこれらの検査は匿名、無料で受けられ、名前を聞いた際にも、偽名であることになっています。しかし、それでも予約時に名前を聞かれることに抵抗があるという声を耳にします。大阪市や兵庫県のような任意の番号や宇都宮市のようなイニシャルなどで個人の特定をしている自治体もあります。これに関しては、同じ区の検査でも、業務委託の即日検査のほうが区直営の通常検査よりも予約に関して個人の特定という観点で予約がしやすいと聞いております。即日検査の委託事業者と手法を共有し、直営の検査の名前の確認や検査の流れについて改善をしていただければと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 即日検査の受け付けは、番号を割り振るという形状にされております。予約した方であることを確認するための方法として、即日は番号の割り振り、通常検査のほうは御自分で覚えやすいイニシャルや偽名の名前、番号等、任意のものを指定していただいて、覚えておいていただくという形にしております。通常検査では結果日までそれらのものを覚えていただくため、自分で決めていたほうが覚えやすいのではないかということから、このような対応にしております。受診者の御意見なども伺いながら、今後考えていきます。

○石坂委員 また、検査の流れや、もし感染をしていた場合にどういう相談、支援があるのかわからずに、検査に二の足を踏んでしまう方もいるようです。こうした不安を払拭するような周知の仕方も必要ではないでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 保健所はHIVの相談ができる場所として一定定着しているものと考えております。電話相談の件数は、検査件数よりも多い400件近くの件数が寄せられております。また、即日検査のNPO法人に相談の委託もしておりまして、そちらのほうも検査件数よりも多い数の相談が寄せられております。

○石坂委員 では、そういうふうな形で成果も出ているようですけども、やはりどういった相談ができるのか、あるいはどういった流れで検査が行われるのか等々について知っていただくことが相談や検査によりつながっていくかと思いますので、そうしたところを配慮していただければと思います。

 また、厚生労働省のエイズ予防指針では、個別施策層として、青少年、外国人、男性同性愛者を含むMSMが挙げられています。視察に伺いました大阪市では、中学生向けのHIVの予防啓発に関する冊子の作成と各学校への配布、一部検査の機関には外国語通訳を配置、MSMの若者にはスマートフォンなどのアプリ広告、中高年の場合にはコミュニティペーパーの作成、配布をしているとのことです。また、宇都宮市でも、市内2カ所のゲイバーに啓発資料の配布をしているそうです。中野区でも、中学校等の生徒への予防啓発、国際交流協会や日本語学校への予防啓発や検査の勧奨をすべきと思います。また、MSMに関しても、MSMの顧客を主眼としている飲食店、いわゆるゲイバーが区内7店以上ありますけども、そうしたところへの予防啓発や検査に関する資料の資材の配布、掲示などが必要であると思われますが、中野区でも、個別の施策層への場も意識したアプローチをすべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) HIVの即日検査を委託しているNPO法人には、啓発も委託しております。MSMの顧客が多い店などに検査についてのカードを置くなど、個別施策層に、NPO法人が把握しているところに働きかけるという形で働きかけていただいております。

○石坂委員 今後もそうしたところを改革、先に広げていくとともに、やはりそれぞれ、そういうお店等、あるいはうちの場所に置けるよというようなところがあったときには、ぜひそうしたところへも設置を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) お申し出があれば、そのような対応は可能です。

○石坂委員 ぜひお願いいたします。

 免疫機能障害と障害者差別解消法の適用やQOLの向上について伺います。

 先日、大阪府の吹田保健所を視察し、吹田保健所と池田保健所の保健師の方から話を伺った際に、HIVについては、予防啓発や検査という側面だけではなく、陽性者の生活をいかに支えていくのかということに移ってきていて、陽性者の高齢化ということもあるという話を伺いました。ここ近年、大阪府の保健所では、高齢者でHIVに感染をしていることがわかるケース、とりわけエイズを発症して病院に入院するケースが複数出ているそうです。また、保健所等でHIVが陽性であることがわかった場合に、若い方と比べて、60代、70代でHIVの感染がわかった場合には病院に行けないままの方が多いとのお話も伺いました。

 こうした中、吹田保健所や池田保健所では、高齢者施設や障害者施設の職員を対象に、HIV、エイズを抱えた人のスムーズな受け入れを促進すべく、取り組みを行っているそうです。中野区でも、ある福祉施設では、HIV陽性者の受け入れをする際に、区の保健師に来てもらい、職員研修をしてもらったという話を耳にしたことがあります。施設や陽性者本人からの求めに応じて、施設職員をはじめとする福祉職員等に対する、HIV陽性者本人から他の利用者や職員に対して施設での関わりの中ではHIVに感染するリスクはほとんどないことや、万が一の状況に備えてどのようなことに気をつければよいのか、さらに、むしろ他の利用者や職員から免疫力が落ちたHIV陽性者に対して病気を感染させてしまうようなことを防ぐために気をつけるべきことなどを説明したり、研修を行うことが保健師に求められると思います。こうした対応は可能であるという理解でよろしいでしょうか。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 本人や施設から希望があれば、保健師や他の職種による研修等の対応は可能であります。

○石坂委員 また、確認のために伺いますが、HIV陽性者、エイズ患者は、障害の区分としては身体障害の一つである免疫機能障害であり、当然障害者差別解消法の対象となるという理解でよろしいでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 委員御指摘のとおり、身体障害のうち内部障害のヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害に当たりまして、障害者差別解消法の対象となっております。

○石坂委員 ありがとうございます。つまり、HIV陽性者が高齢期になったときに、医療機関や高齢者介護施設、訪問入浴や給食・配膳事業者、ホームヘルパー等の介護者、支援者や同じ施設等を使用する他の利用者からの差別の解消や差別を未然に防ぐ取り組みが求められます。とりわけ我が区において免疫機能障害で障害者手帳を持つ方の数は、視覚障害者で障害者手帳を持つ方の数を上回っているとも聞いております。障害者の差別解消や障害理解を目指した啓発企画などでは、HIVに関しても、HIV陽性者だからという理由や、HIV陽性者を雇用することによる顧客からの風評被害が怖いといった理由で企業が採用を拒否することや、隣室の人が嫌がるといった理由を含めてHIV陽性者であることを理由にアパートを貸さないこと、そして、HIV陽性者が個人商店を含む事業者が提供するサービスを受けられない、福祉施設の入所サービスを利用できないということは、免疫機能障害者に対する不当な差別的取り扱いに当たり、行政機関や民間事業者などに対して禁止されているということを知ってもらう取り組みも他の障害者等の差別解消と同様に必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害を理由とする差別の解消に向けた啓発活動につきましては、視覚、聴覚、肢体不自由といった目で見える障害だけでなく、内部障害や知的障害、精神障害など全ての障害について啓発を行うことが必要になると考えております。啓発活動は今後継続して実施をしてまいりますので、免疫機能障害も含めて様々な障害の理解の啓発に取り組んでまいりたいと考えております。

○石坂委員 どうもありがとうございます。しっかりと進めていただければと思います。

 次に、1、職員の育成の(2)の技術系職員について伺います。

 まず、建築と土木の管理職について、それぞれ他の自治体から受け入れている職員の人数と公務員試験採用当初から中野区で勤務をして現在管理職になっている、いわゆる生え抜きの人数を教えてください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) お答えします。平成28年4月1日現在で、東京都、また、他区から土木職6名の派遣を受けております。公務員としての採用当初から中野区に勤務しており、現在管理職になっている職員は、心得1名を含みまして、建築職3名でございます。

○石坂委員 こうした数を聞きますと、中野区での建築や土木の人材育成が十分にできていないということがうかがわれます。特に建設系の技術職への人数は、公共施設や設備の新設や改修、更新の時期に左右されることも多いため、人材育成のペースに合わせた新設や更新等の時期の平準化を行うことや、平準化が難しいものについては、その新設や改修が必要となる時期に焦点を合わせた建築や土木の人材の育成が必要となるかと思われます。これは、事務系職員と大きく異なる部分でもあるかと思いますが、5年、10年といったスパンで、どういった建築や土木の職員が必要となるのかを踏まえた人材の育成と業務のリンクについてはいかがお考えでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 御質疑にございましたように、今、技術職職員のニーズの高まりというものを見込みまして、数年前より採用数を増やしまして、体制の強化を図っているところでございます。若手職員が大変増えておりますので、今後、段階的にスキルの獲得ができ、技術職としての総合的な能力の向上を図ることができますように、計画的な配置を行っていきたいと考えてございます。

○石坂委員 採用が増えているということで、喜ばしいことでありますけれども、やはり育成には時間がかかるかなと思うところでもあります。建築ですとか土木職員の養成が遅れている状況の中では、建設に関わる職員の現在自主的な勉強会が立ち上がったりですとか、建築、土木の職員について経験者採用を行ったりということもされているようですが、こうしたこともよい取り組みではあるかと思います。その一方で、まだまだ当面は管理職が不足している状態も続くのではないかと思われます。もちろん東京都ですとか他区から専門に精通した副参事に中野に来てもらう意義もあるかと思いますが、中野区政全体の状況を十分に把握した上での仕事、長期的な視点に立った施策や計画の組み立てなどを考えた際には、基本的には、区の建設に関わる技術系の管理職は区で採用して、区で計画的に人材育成をし、区の管理職として活躍をしてくれる職員の数を増やしていくことが必要であると思われます。管理職に至るまでのモチベーションを維持し、スキルアップを進めていくためには、建築士、建築主事、技術士などの様々な資格取得について係長任用などの昇任の際に生かせるようにすることや、給与や人事評価への反映ができる仕組みづくりを進めてはいかがでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 人事評価につきましては、職員の担当職務における業績及びこれを得る過程で発揮された能力、また、あらわれた態度により評定を行うものでございます。そのため、資格を取得することで業績や職務能力の向上が図られることによりまして、人事評価に反映できるものと考えてございます。

○石坂委員 ありがとうございます。また、次の女性に関する質問のところでも触れますけれども、採用当初はやる気があっても、実際に働き始めた後で大変そうだからと昇任試験を敬遠したりですとか、そこに至るまでに意欲を消沈させてしまう人もいます。そのためにも、管理職となることで、創意工夫ができ、やりがいやおもしろさを感じられることを若い世代の職員や管理職試験の受験可能な職員に伝えていくような機会を設けるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 先ほど御質疑にございましたように、技術職向けに資格取得の勉強会や管理職選考の学習会などが当該の管理職によりまして積極的に開催されているところでございます。所管分野と人事分野も連携を図りまして、このような取り組みを継続的に行っていきたいと考えております。

○石坂委員 ぜひしっかりと進めていただければと思います。

 そして、最後に、(1)女性職員についてのところで伺います。

 女性活躍推進法では、労働者301人以上の一般事業主は、女性活躍の状況の把握、分析、行動計画についての届け出、行動計画の労働者への周知、行動計画の公表、職業選択に関する情報の公表が義務付けられ、取り組み、実施、目標達成の努力義務が課されています。こうした義務や努力義務は中野区にも課されているという理解でよろしいでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) そのとおりでございます。

○石坂委員 その上で伺います。女性管理職の割合は年々改善しているようで、女性の副参事が増えている印象は受けます。一方で、部長クラス以上では女性がまだまだ少ない印象を受けます。女性管理職の割合と、そのうち部長級の管理職の割合はどのようになっていますでしょうか、教えてください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 管理職全体で、4月1日時点で見た数字でございますが、平成26年度は18.5%、平成28年度は22.2%と、3.7%増加しているという状況でございます。部長級につきましては、やはり4月1日時点でございますが、平成26年度、平成27年度はゼロ名でございますのでゼロ%、28年度は16人中1名で6%という状況でございます。

○石坂委員 やはり少ないかなというところであります。その背景には、第1に、女性が係長になったり、副参事になるのが遅く、部長になるより先に定年を迎えてしまうということもあるのではないかと思われます。現在定年間近の女性職員が区役所に入所したばかりのころは、女性管理職はほとんどおらず、女性管理職あるいは女性管理職を目指す先輩職員といった労働モデルがなく、男性職員が上を目指して昇任試験を受けている状況に対して、女性職員が何で試験を受けて上を目指すのと感じるところもあったようです。上を目指す女性は、都から来る保健所長か現在の田辺教育長ぐらいしか見当たらなかったというお話も耳にしました。今でこそ現在は女性管理職が徐々に増えていますけれども、一方で、管理職を目指せるだけの在職歴のある職員が大変そうだからと管理職試験を敬遠したり、そこに至るまでの意欲を消沈させてしまうことも少なくないようです。入庁したばかりのやる気のある女性職員が管理職になることで大変さ以上のやりがいを感じられるのではないかと思うことや、そのモチベーションを維持させるために、現在の女性管理職がどのようにして管理職になったのかを知り、自分の区職員としてのキャリアデザインをできるようにしていくということが必要であると思われます。そのためにも、まだ採用されて間もない女性職員に対し、女性管理職の体験を読んだり、聞いたりする機会を設けることが必要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) まずは、女性管理職が日常的に生き生きとやりがいを持って働く姿を見せることで、女性管理職に憧れるというふうな状況ができていくことが一番かなというふうには考えているところでございますが、今年度は、若手職員が自身のキャリアデザインを考える際、管理職を具体的にイメージできるように、昨年度から、新たにキャリアデザイン講座(管理職編)というものを実施いたしました。区長の御登壇もいただきまして、また、その中で女性管理職からのビデオレターなどの上映を行いまして、若手の女性職員が女性管理職の経験などを聞く機会を持てたということがございました。これをきっかけとしまして、今後、情報交換会などの実施を行いまして、取り組んでいきたいというふうに考えております。

○石坂委員 そうした取り組みが実際に形となって花開くように、しっかりと進めていっていただければと思いますし、よりその取り組みを求めるところです。

 次に、背景の第2としましては、男女のワーク・ライフ・バランスの差があることも考えられると思います。区のホームページ、女性活躍推進法第17条に基づく女性の職業選択に資する情報の公表を見ますと、男女別の育児休業取得率は、女性100%、男性0.0%になっています。また、御担当に調べてもらいましたところ、年間で平均すると、職員1人当たりの1週間の超過勤務時間は、男性が8.1時間、女性が5.7時間となっているそうです。育休等の取得の状況と超過勤務時間の勘案をすると、女性について育児のウエートが高く、男性について仕事のウエートが高いことが見てとれます。主要施策の成果(別冊)48ページの見直し・改善の方向性にも超過勤務縮減の取り組みの必要性が書かれていますが、こうした観点も踏まえつつ、男女間の超過勤務の格差をなくしていくことが必要です。子育てと比べて仕事のウエートを高くする選択を女性がしづらいことが女性が昇任試験を受けづらくしている原因にもなっていると思われます。もちろん中野区職員同士の夫婦は限られますけれども、中野区役所も含めて、様々な職場が男女のワーク・ライフ・バランスを見直していくことが男女間の格差解消や女性活躍推進には欠かせないものと思われます。9月8日にスウェーデン大使館で行われましたシンポジウム「女優イングリット・バーグマンの生涯からみる男女役割の変化」でシンポジストをされていた文京区長にシンポジウム後に話を伺ったところ、文京区では、所属長は、男性職員の育児休業取得促進実施要綱に基づいて、男性職員の実情を確認し、最大限考慮した上で、育児休業等を取得するよう勧奨することとなっているとのことです。中野区でも、育児休業取得率の格差や超過勤務時間の格差を減らしていくために、男性職員に対して育児休業取得を所属長から勧奨するようにしたり、あるいは超過勤務を減らすべく仕事量の調整などができるようにしたりすることが必要ではないでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 特定事業主行動計画(第3期)では、男性職員の育児休業取得率を10%以上とすることを目標に取り組むこととしております。26年度の取得者はおりませんでしたが、27年度に1名、今年度も現時点で1名の取得者がございました。今後とも、短期間でも取得可能であることなど制度の周知を行いまして、必要に応じて取得できるように取り組んでいきたいと考えております。また、超過勤務につきましては、現在でも、育児中であることや家庭の事情に合わせまして、男女を問わず、職場ごと可能な範囲で業務調整を行っているところでございます。今後とも全ての職員が健康を保持し、ワーク・ライフ・バランスを保てるように取り組んでまいりたいと考えております。

○石坂委員 ありがとうございます。なお、単に制度面を整えるだけでなく、男女を問わずに、結婚したばかりの職員に、ワーク・ライフ・バランスについて考える場を設けたり、係長や副参事あるいは部長になっていくために女性職員がキャリアアップをしていくこと、出産、育児、家庭との両立について意識を高めたりできるように、女性職員の勉強、懇談、情報交換、動機づけの場を設けること、そして、子育てで手がかかる時期の子どもを持つ父親や母親となった職員が悩みや気持ちを吐露し、子育てと仕事との両立について情報交換ができる場を設けるなど、ワーク、すなわち仕事のキャリアに関する研さんの場だけでなく、ライフステージに合わせて仕事と育児を含む家庭生活とのバランスを考えることができる場を設けることが必要だと思いますが、これについていかがお考えでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) キャリアアップやワーク・ライフ・バランスに関する悩みなど、経験のある先輩職員に気軽に相談できるよう、仕組みづくりや場の設定を行っていきたいと考えております。

○石坂委員 では、今回の総括質疑のやりとりにおいて使わせていただきましたさまざまなデータの公表について触れておきたいと思います。

 内閣府男女共同参画局のホームページを見ますと、義務である、まず、把握をすべき項目として、女性職員の採用割合、継続勤務年数または離職率の男女差、時間外手当が支給されない職員を除く超過勤務の状況、管理職の女性割合、各役職段階の職員の女性割合、男女別の育児休暇取得率、平均取得期間、男性の配偶者出産休暇等の取得率、平均取得日数の7項目が挙げられています。また、必要に応じて把握をする項目として、職員の女性割合、男女別の配置状況などの18項目が定められています。今回の質問のやりとりで伺った項目以外のものも含めて、まず、把握する項目については全て把握をされているということでよろしいでしょうか。また、必要に応じて把握をする項目についてはどの程度の把握をされていますでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成28年4月に改訂しました特定事業主行動計画(第3期)策定時に、まず、把握する項目とされました7項目につきましては、全て把握しております。また、必要に応じ把握する項目18項目につきましては、1項目、職員に占める女性職員の割合という項目について把握しているという状況でございます。

○石坂委員 内閣府の同ホームページにおける特定事業主行動計画、市町村の状況について、各自治体の一覧を見ますと、ここでは、まず、把握する項目と必要に応じて把握する項目の計25項目中、主な13項目のデータが掲載されています。その中での中野区のデータを見ますと、まず、把握する項目の7項目については、男女の育児休暇取得率、男性の配偶者出産休暇等の取得率、管理職の女性割合の3項目のみが掲載され、必要に応じ把握をする項目については、今1項目しか把握していないということがありましたけども、年次休暇等の取得率の1項目しか掲載されていません。都内の各区を含む他自治体はどこももっと多くの数値が公表されておりまして、23区の平均は、13項目中8.5項目の数値が公表されております。一方で、中野区の公表項目数は平均の半分以下、結局4項目のみですね。ワースト3に入ってしまっています。また、区のホームページでは、女性活躍推進法第17条に基づく女性の職業選択に資する情報の公表として、男女別の育児休業取得率等の3項目のみを公表しています。こうした男女共同参画、女性活躍推進に関する情報を把握して、公表するという取り組みは、民間よりも率先して行政機関が取り組むべき課題であり、まず把握する項目の全項目及び必要に応じて把握をする項目についても可能な限りの多くの項目について、内閣府男女共同参画局のホームページや区のホームページで公表すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 現在把握しております項目につきまして、早急に内閣府のホームページ、また、区のホームページに公表したいというふうに考えております。

○石坂委員 ぜひ進めていただければと思うとともに、今後またさらに多くの項目について把握をしていっていただければと思います。本当にありがとうございます。

 今般、2,000人の職員体制が実現されまして、以前の3,000人の職員体制と比べて数が少ない中で、精鋭であるということがやはり求められてきます。一人ひとりの職員の適切なキャリアの形成、そして、スキルの向上を図っていただけるよう要望して、私の全ての質問を終わらせていただきます。

○若林委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。

 ここで、休憩にしたいと思います。1時まで、委員会を休憩します。

午前11時59分休憩

 

午後1時00分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。

○小宮山委員 長らくお待たせをいたしました。ただいまより小宮山たかしの総括質疑をさせていただきます。

 まず、以前から何度か指摘をさせていただいておりますけれども、中野区公式ツイッターについて質問をさせていただきます。

 3.11東日本大震災の際に、メールや電話がつながりにくくなる中で、ツイッターはライフラインの一つとして機能し、避難に関する情報、被害状況、現状の報告、安否確認、物資関連情報など様々な情報交換に役立ちました。中野区は、区ホームページ、フェイスブック、ツイッター他メールやチラシも活用して、様々な手段で区の広報をしておりますけれども、そんな中でも、ツイッターは、機動力、情報の拡散力、災害時の発信力など、他のメディアやSNSにはかえられないメリットがあります。中野区のツイッターをフォローしている人は、今は5,320人ですが、ツイッターにはリツイートという情報拡散機能がありまして、中野区民ばかりとは限りませんけれども、何十倍、何百倍もの人達にネズミ算式に情報を拡散できる力があり、これは、メールなどにはかえられないものです。中野区公式ツイッターアカウントが今年上半期、1月から6月までの間につぶやいた数は、合計3件でした。7月以降は、台風や大雨があったせいもありますが、その数を増やし、7月と8月の2カ月だけで計13件もつぶやいているのは、小さい進歩か大きい進歩かはよくわかりませんけれども、評価したいと思います。ちなみに、私は今月だけで30回以上つぶやいております。

 しかし、何をつぶやいて、何をつぶやかないのか、この基準がいま一つ見えてきません。例えば大雨洪水警報が発令されましたというツイートの後に、それが解除されましたとツイートするときとしないときがあります。しないならしない、するならする、そういった運用を的確に行っていかないと、例えば8月22日に発令された警報の解除ツイートはまだ出ていませんから、今もまだ継続中なんじゃないか、一体いつまで続くんだ、そういう誤解を与えかねません。また、昨年行われた区の将来を占う大事な区議会議員選挙については一言もツイートしていないのに、先般行われた参議院選においては投票を促すツイートをしている。しかし、その後、都知事選についてはツイートをしていない。参議院は大事だけれども、都知事選や区議選は大事じゃないのか、これは区議会軽視なんじゃないか、そういう印象も与えかねません。どうして参議院選挙だけつぶやいているのか、区議選や都知事選はつぶやかないのか、どうして警報ツイートの解除をするときとしないときがあるのか、その運用の基準について教えてください。

○堀越政策室副参事(広報担当) 中野区のツイッターの運用基準等についてお答えをいたします。

 現在、区からの電子版でのお知らせにつきましては、ホームページやフェイスブック、メール等を中心に発信を行っておりまして、当区のツイッターは、これらに次ぐ広報媒体として、緊急情報をメーンに発信しているものでございます。ただし、中野区広報活動におけるソーシャルメディア運用基準におきましては、ツイッターは、広報分野統括管理者が区民にとって有益な情報であると判断した情報も発信ができるものとしてございます。7月10日の参議院議員選挙につきましては、今回初めてのいわゆる18歳以上選挙でございましたので、若年層の利用が多いと考えらえますこのツイッターも活用し、最大限と思われます広報活動を行ったものでございます。また、警報等のツイートにつきましては、発令時、緊急度が高いと判断したものにつきまして、状況を判断しながら実施しておりますため、解除時につきましては、必ずしもそのようには判断をしていないというところでございます。

○小宮山委員 区民にとって有益な情報であると判断したらツイートするということです。区議選も区民にとって有益な情報であると思いますので、ぜひ次回の区議選はツイートしていただきたいなと思います。

 広報の職員さんも、少ない人数の中で、フェイスブックをやったり、区報を発行したり、以前より仕事量が増えていることと思います。さらにその上、今の人数が限られた体制のまま、ツイッターもばりばり運用しろ、深夜でも休日でもツイートしろと求めることは酷なのかもしれませんけれども、しかし、災害というのはいつやってくるかはわかりません。平日の8時半から午後5時15分までの間に災害が起きれば対応できるけれども、休日に起きたら対応できませんよというのでは困るんです。例えば今年8月20日(土曜日)、午前10時33分に大雨洪水警報が区内に発令され、二、三十分程度でしたけれども、区内で非常に激しい雨が降ったことがありました。中野区がその警報の発令についてツイートしたのは警報発令から37分後、中野区がツイートした37分後の時点で、もう雨は小降りになっていました。例えば今年8月22日(月曜日)、早朝の午前4時59分に大雨洪水暴風警報が区内に発令されました。お隣の杉並区では朝6時17分に避難所を設置したことを区民にツイートしていましたけれども、中野区で大雨洪水暴風警報についてツイートされたのは、警報発令から4時間近くたった午前8時49分でした。恐らくこれは、広報担当の職員さんが月曜日の朝に定時に出勤し、それからツイートをされたものではないかと推測をされます。ツイッターで発信するべき情報で重要度の高い情報は、やはり災害に関する情報です。防災担当の職員さんは、24時間365日、いつでも災害が予想される際には不眠不休の体制をとれるように準備しているものと思われますが、いかがでしょうか。私も含めて、区民は、防災担当の職員さんの日頃の人知れぬ陰ながらの努力をあまり承知しておりませんので、ぜひこの機会に詳しくお聞かせください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) お答えいたします。休日、夜間につきましては、非常勤職員2名の体制で常時災害情報を収集しております。大雨洪水の注意報が発令された場合につきましては、当番制により、あらかじめ指定した正職員2名が参集し、気象情報の収集や河川の水位及び降水量の監視に当たっております。また、大雨洪水警報が発令された場合、震度4以上の地震が発生した場合につきましては、防災担当職員及び関係職員も参集して職員体制を組み、気象情報の収集や河川水位の監視、防災関係機関への被害の確認、区民対応などを行っております。

○小宮山委員 不断の努力をされていらっしゃるということです。

 ちょっと話はそれますけれども、仮眠をとったりすることもあるんだと思われます。今の区役所内に、ちょっとした和室はあるものの、仮眠室らしい仮眠室はなく、職場の床に段ボールを敷いて、そこで寝たという職員さんもいらっしゃるようです。区役所の新庁舎では、ぜひそのあたりのことも考えていただきたいなとついでに要望しておきます。

 話がそれましたけれども、先ほどのお話のように、防災担当の職員さんは、悪天候が予想されるときは、ちゃんと区役所に待機をして、いざというときに備えていらっしゃるようです。であれば、先ほど私が例に挙げた8月22日(土曜日)の午前中に広報担当の職員さんがわざわざ土曜出勤をして、それからツイートをしなくても、防災担当の職員さんがツイートできる体制を整えたほうが効率的なのではないでしょうか。今後の防災対策としても、いざというときには24時間365日ツイートできるような体制を整えておくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) お答えいたします。区は、防災情報メールマガジンを運用しておりまして、登録者に対しましては、各種の防災情報や震度速報を速やかに送信しているところでございます。ツイッターにつきましては、メールマガジンよりも転送が容易なことから、迅速に、より多くの人に防災情報を伝達する効果が期待できます。その点を踏まえまして、休日、夜間における防災情報のツイートは防災・都市安全担当のほうで実施する体制を整備したところでございます。

○小宮山委員 最近整備をしていただいたということです。8月22日にはまだ間に合っていなかったようですが、これからその整備をしていただきたいと思います。

 ついでに聞いておきますけれども、例えば日曜日の深夜2時に大地震が起きた場合、どんな初動対応がとれるのか、教えてください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) お答えいたします。関東大震災クラスの大地震が起きた場合、中野区の震度は6強程度が想定されますので、全職員が参集体制となる第2次非常配備体制をとることとなります。職員の参集につきましては、家族の安全を確保した後、周辺の状況を確認した上、徒歩、自転車、交通機関等のうち最も早く到着可能な手段で参集することとしております。

○小宮山委員 区内在住の職員さんは2割程度しかいないという話ですから、日曜日の深夜2時に集まることのできる人の中で広報的な機能を果たせる人が本当にいるのかどうか、私もいざというときにはそういう役割をしたいと思っていますけれども、そういったあたりもしっかりとチェックをしていただきたいと要望しておきます。

 関東大震災のときもそうでしたけれども、災害時には、様々なデマ情報が飛び交うことがあります。区として公式な信頼のおける一次情報を、24時間365日、いつでも提供できる体制を整えておくことは非常に重要なことだと思います。本当は、他区のように、災害に限らず、イベント情報ですとか窓口の混雑情報ですとか、区の各種の施策をツイートできるところまでをも望みたいのですけ今回はそこまで求めずに、次の質問に移りたいと思います。

 次は、待機児童対策について伺います。

 杉並や練馬などの近隣区でも、1,000人や2,000人規模での保育園の新設を目指す中で、保育士不足が深刻な問題となっております。厚労省の2015年の調査によりますと、全国に保育士の資格を持っている人は119万人いるそうですが、実際に保育関連の仕事についているのは半分以下の43万人、資格はあっても就業はしていない、いわゆる潜在保育士は76万人もいるそうです。保育士資格の新規取得者は全国で毎年1万人前後です。1万人の新卒保育士を杉並や練馬などと取り合って奪い合うよりも、76万人いる潜在保育士を掘り起こしたほうが効率的、効果的であることは言うまでもありません。森議員の質問にもありましたけれども、潜在保育士の掘り起こし策として、未就学児を持つ潜在保育士が区内の保育園に勤務する場合、その子どもを優先的に入園させるという制度がございます。該当者が区内にどれだけいるのか把握することは難しいでしょうけれども、少なくとも1人の該当者を私は知っております。一般的に、仕事はしたいけれども、保育園には入れない、でも、保育園に入るためには仕事を決めなければならないという、卵が先か、鶏が先かという話をよく耳にします。そういった状況にある全ての人を救うことは、今の状況では難しいでしょうけれども、こと潜在保育士の仕事復帰に関しては、区として積極的な支援をしていただきたいと思うのであります。

 森議員の質問に対しては、23区全体で働きかけることで効果を発揮するという答弁だったと思うんですけれども、ちょっとその意味がよく理解できませんでした。これは、既にお隣の杉並区では、今年9月21日に公表した待機児童解消緊急対策の中で検討を始めております。中野ではやっていないけれども、杉並で始まるんだったら、だったら、杉並で保育士になろうかな、そう考えるのが自然だと思うんです。言い方は悪いですが、中野区が他区を出し抜くことで中野区に保育士を集める、中野区ならではの魅力的で独自の対策を打ち出す、そういった考え方はお持ちではないのでしょうか。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育士の子どもの保育園入所についての優遇措置につきましては、23区あるいは東京と全体で取り組みを進めることによって効果が発揮されているものと考えております。各区の状況も踏まえ、東京都へ要望することも含め、検討をしていくこととしております。

○小宮山委員 やっぱりその答えはちょっとよくわからないんですけど、他の区と同じことをやっていたのでは、他の区以上に保育士を集めることはできないと思います。もう一度改めて、中野区ならではの魅力ある政策を打ち出すことを考えていただきたいと要望をしておきます。

 区の待機児童解消の緊急対策の中には、お金はかかりますけれども、仕事復帰した保育士に対して20万円程度の復職一時金を貸し付けたり、未就学児のいる保育士に対しては月額2万7,000円程度の保育料を貸し付けたりして、2年以上勤務すれば返済不要にするという制度もございまして、既に他の自治体は行っております。これらも含めて、中野区として潜在保育士の掘り起こしについてどんな対策をとっていくのか、教えてください。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) これまでも、保育士確保策につきましては取り組んでいるところでございます。これらの実績を検証しつつ、より効果的な方法について検討しているところでございます。

○小宮山委員 よろしくお願いします。

 次に、区立幼稚園について伺います。

 3月の予算委員会でも説明をさせていただいたことですけれども、新たな年度になりまして、また状況が変わったこと思いますので、再度質問をさせていただきます。現在、私立幼稚園やこども園等で障害児を受け入れた場合、障害の程度に応じて三つのランクがあるそうですが、区からの特別支援教育補助金が出るそうです。その補助金の対象のうち、生活の全般にわたり全面的な支援が必要な園児、つまり、最も重い障害ランクの園児が幾つの園で何人受け入れられているか、現況を教えてください。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在も、私立幼稚園では、特別な支援が必要なお子様が在園をしているところでございます。区の補助金の交付要件は、支援が必要な園児に対し、介助の必要度に合わせて判定を行っているところでございます。その範囲におきまして、区内私立幼稚園において全面的な支援が必要な園児はおりません。

○小宮山委員 障害児を受け入れる私立幼稚園等に対して最も重い障害の子に対して区から出される補助金は最大で10万円と聞いております。しかし、職員を1人雇うのに10万円ではとても足りません。区の補助金とは別に東京都の補助金もあるそうですけれども、都の補助金をプラスしたところで、今現在利用者が1人もいないという現状でございます。中野区に、重い障害があるけれども、集団生活を送りたいという障害児が1人もいないということはないと思うんです。区が区立幼稚園をなくすのであれば、特別支援教育補助金の増額をして、私立幼稚園への障害児の受け入れをより一層支援してはいかがでしょうか。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 私立幼稚園におけます特別な支援が必要な子どもについては、経費の補助に限らず、どのような支援が有効なのかを十分に検討することとしてございます。

○小宮山委員 今検討されているようですけれども、その前に、私立幼稚園での障害児の受け入れが進む前に、今現状受け入れ先となっている区立幼稚園を廃園させてしまうというのは拙速であるかなと私は考えております。

 次は、区立幼稚園について伺います。

 現在の区立幼稚園2園の中で最も重い障害ランク、つまり、幼稚園等での生活の全般にわたり全面的な支援が必要な園児は何人いるのか、その数の把握はできているのでしょうか。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立幼稚園の特別な支援が必要な子どもの在園状況は、ひがしなかの幼稚園は24名、かみさぎ幼稚園は23名でございます。特に特別な支援が必要な園児の状態にランクはつけておりませんが、それぞれ8人の介助員を配置しているところでございます。

○小宮山委員 区内には23の私立幼稚園等がある中で、受け入れられている重度障害児はゼロ人、1人もおりません。私の友人で、幼稚園情報の交流会を主催しており、区内の幼稚園事情に詳しいBさんがいます。Bさんいわく、その園の方針に賛同できるかどうかが幼稚園入園の際の大きな判断基準の一つになっているそうです。一方の区立幼稚園では、障害があってもなくても公平に抽選によって受け入れをされている。区として障害が重い子だけで何人いるのかという正確な数は把握していないそうですけれども、一定数の重度障害児がおり、私立幼稚園に入園できなかった子の受け皿に事実上なっている。二つの園を合わせて介助員が16人もいることからも、それなりのケアが必要とされる子が多く入園していることがうかがえます。特に2年保育で入園する子の中には、さまざまな事情で他の私立園には受け入れてもらえず、1年間待機していた子の割合がとても高いと私は聞いております。このまま区立幼稚園を廃園にしたら、そうした障害がある未就学児やさまざまな事情で私立園に受け入れてもらえなかった子どもたちは一体どこでいけばいいのでしょうか、教えてください。

○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区では、10か年計画(第3次)におきまして、区立幼稚園は民間の認定こども園へ移行することとしてございます。就学前の子どもの教育、保育の充実に向けて現在検討をしているところで、その中におきましても、特別な支援が必要な子どもへの対応について充実をさせていくことを考えているところでございます。

○小宮山委員 障害がある子もない子も一緒に教育を受けることができるノーマライゼーションとかインクルーシブ教育の機会を確保することは、障害のない子にとってもメリットがあるはずです。今、区内では、子ども人口の増加に伴い、幼稚園に入ることが以前より難しくなってきているそうです。これは、幼稚園本来の目的ではありませんけれども、障害児を受け入れてくれる幼稚園は、障害児を持つ親のレスパイトのためにも一定の役割を果たしていると個人的には考えております。また、私立園に入った障害児のうち、途中退園に至るケースも中にはあるそうです。退園の事情と障害の有無の因果関係を特定することは難しいとは思いますけれども、区として実態把握に努めていただきたいと要望をしておきます。

 とある障害児のママさんがこんなことを言っていたそうです。障害のある子を持つと、親にとって幼稚園入園がゴールではありません。卒園でもありません。この社会で自立して生きていくことにあるんです。これがゴールです。私もその当事者の1人ではあるんですが、親が守ってあげられるうちはまだいいんですけれども、親が亡くなった後に我が子が社会でどんなふうに自立して生きていけるのか、それを考えると、心配で、心配で、仕方がありません。障害のある人も、ない人も同じ土俵で生きやすい社会をつくっていくことを究極の目標としまして、その社会生活の最初の第一歩である幼稚園、せめて幼稚園ぐらいは分け隔てなく公平に受け入れて、そして、どこにも行き場のなくなってしまう親子が増えてしまわないようにしていただきたい。せめて私立幼稚園での障害児の受け入れが整うまでは、区立幼稚園を引き続き存続させていただきたいと改めて要望を伝えまして、次の質問に移ります。

 前回の議会から私は議場にノートパソコンを持ち込むようになりまして、これは大変便利であるなと。ペーパーレスになるのもさることながら、議事の中で気になったことがあれば、その場で会議録検索もできますし、過去の資料に当たることもできます。議員だけじゃなくて、理事者の皆さんもいずれそうできるように、私にはほとんど何の権限もありませんけれども、陰ながら願っております。

 さて、そんな便利なノートパソコンも、インターネットとの接続ができなくなってしまうと、ただのワープロになってしまいます。Nakano Free Wi-Fiのように屋外で大規模にWi-Fiを飛ばすためには、多額の設置費用と多額の維持管理コストがかかると聞いておりますけれども、たとえばこの区議会棟、特殊なセキュリティー対策をした導入コストはさておきまして、今、区議会棟の3階と4階にWi-Fiを飛ばすための維持管理コストは月1万円もかかっていないそうです。月1万円もかけずに、この規模の建物の2フロアにWi-Fiを飛ばせるのであれば、新区役所もそうですけれども、中野区内に各種ある公共施設でも同じような手法でWi-Fi化できるんじゃないのかなと素人ながらに考えるんです。理想を言えば、新区役所や新設図書館、将来的にタブレット端末等で授業をする可能性のある新設小・中学校などをはじめ区内でほとんど全ての公共施設をWi-Fi化してはどうですかと言いたいのですけれども、そこはぐっと我慢しまして、とりあえず2カ所、知の集積の場であり、今も既存の有線LANとパソコンを使える状態にある中央図書館と、そして、あともう一つは、ビジネスマンの利用が多く見込まれるであろう産業振興センター、せめてその2カ所ぐらいはWi-Fi化しないと、10か年計画(第3次)でグローバルビジネス拠点を目指すと言っている中野区として恥ずかしいんじゃないか、そう思うんですが、いかがでしょうか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 情報通信技術の進展や携帯電話の通信事業者などによるアクセスポイントの増設などを背景といたしまして、パソコンにかわってスマートフォンによるインターネットの利用が急速に伸びているという状況でございます。こうした中、平成27年度には、区の18施設に設置した区民開放端末につきましては、利用の減少という実態を踏まえまして、廃止をいたしました一方、国内の通信事業者のアクセスポイントを利用できない訪日外国人などを対象といたしまして、主要駅周辺などにNakano Free Wi-Fiを整備したところでございます。区の施設における無線LANの整備につきましては、こうした社会状況の変化などを踏まえた上で、各施設利用者のニーズや利用目的、費用対効果などの観点から個々に検討する必要があると考えているところでございます。

○小宮山委員 Nakano Free Wi-Fiの場合は、補助金も出ているんでしょうけれども、主に外国人の観光客を見込んでいると。私が今訴えたいのは、観光客とかではなくて、主に区民が利用するであろう区の公共施設についてを訴えております。ちょうど文部科学省も、小学校段階でのプログラミング授業の必修化を検討しております。私もちょうど昨日区内でボランティアが市民活動として行っている子ども対象の無料のプログラミング教室に参加をしてきたんですけれども、やはりWi-Fi環境が必要でした。屋外の公共空間におけるWi-Fi整備とはまた別に、公共施設の屋内や、屋内の会議室等で使えるWi-Fi環境をせめて1カ所ぐらいは整備していただきたいと要望を申しまして、私の全ての質問を終了させていただきます。

○若林委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。

 次に、渡辺たけし委員、質疑をどうぞ。

○渡辺委員 日本維新の会の渡辺たけしです。

 初めに、窓口サービスの対応について質問いたします。

 私事ではありますけど、今年の5月下旬に東中野に引っ越しをいたしました。その際、いろんな先輩議員からアドバイスをいただきまして、大変参考になりました。この場をかりて厚く御礼申し上げます。その際、区役所で引っ越しに伴って移転手続を行ったんですけれども、手続完了まで1時間以上かかりまして、感覚的な意見で大変申しわけないんですけども、かなり長いなと感じてしまいました。発券してから手続完了するまでどの程度の時間がかかっているのかというようなデータはとっているんでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 受け付け番号を発券してから手続が終了するまでの処理時間のデータはとってございませんが、受け付け番号を発券してから受け付け開始までの平均時間のデータはとってございます。今年度、番号発券機等の機器の入れ替えがありまして、受け付け番号の発券から手続が完了するまでの時間をとれないかを検討してございます。

○渡辺委員 作業短縮の成果というのは時間を見ることでわかるわけですので、受け付け番号の発券から手続完了までの時間のデータはぜひともとっていただきたいと思います。

 ちなみに窓口利用者からのクレームなどは最近出ているんでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 昨年の繁忙期には待ち時間に対するクレームはございましたが、今年は特に聞いてございません。

○渡辺委員 クレームはなくなったということですけど、改善ポイントがわかりましたら、教えてください。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) まず、正面窓口の受け付け業務、入出力業務や郵送処理業務などを同じ事業者に委託化したことで、窓口混雑度合いに合わせて適切なスタッフ配置を行うことができたこと、また、繁忙期に住民記録担当の異動届の窓口を増設したことや短時間での処理が可能な転出届の専用窓口を設けたこと、さらに、フロアマネジャーと連携し、発券とあわせて利用者に対する適切な記載案内をスムーズに行えたこと、これらによりまして、各窓口における受け付けまでの待ち時間の短縮につながってございます。

○渡辺委員 様々な改善に取り組んで成果を出しているというところが本当にすばらしいことだと思いますので、引き続き顧客満足度向上のために取り組んでいただければと思います。

 あと、自分がちょっと一つ気になったところがあったんですけど、発券機から番号札をとろうとした際に、フロアマネジャーの方から最初に必要な書類を記入してから番号札をとってくださいと言われたんですけれども、書いている間にどんどん他の人が番号札をとったりとかしていて、自分が番号札をとって待っているのが10分、15分ぐらいかかって、何でこんなことをしているんだろうというのはちょっと気になったんですけども、そういうふうなこと、ルール、そういうふうにしているんでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 窓口で受け付け番号を呼んだ際に、呼ばれた方が申請書に記載途中だったりして、後の発券番号の方をお待たせすることになる場合がありますので、原則として先に書類に記載をお願いして、書類の記載を終えたら受け付け番号を発券するようにしてございます。

○渡辺委員 発券から呼び出しまでの時間というのは混みぐあいによって変わってくると思うんですけれども、そういった所要時間は予測できるものなんでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) ある程度は予測できます。

○渡辺委員 待ち時間がもし長くなるような状況があった場合、例えば先に発券してもらってから必要書類を書いてもらうということもできると思うんですけども、そういった臨機応変な対応というのは可能なのでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 混雑状況によっては臨機応変に対応することも考えられないわけではございませんが、発券方法が度々変わることは窓口に来庁された区民に混乱を招く場合も危惧されることから、慎重に対応することが必要であると考えております。

○渡辺委員 ちなみに一番時間がかかる手続というのはどういったものなんでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 中野区への転入手続や戸籍手続は事務処理に時間がかかってございます。特に3月から5月までの繁忙期は転入転出手続が多くなるため、窓口が混雑してございます。また、転入手続では、住民登録の後、国民健康保険や介護保険の手続が必要だったり、子どもがいる場合、転入学通知や児童手当の手続も必要な場合もあることから、窓口での事務処理に時間がかかってございます。

○渡辺委員 窓口処理の時間短縮はこれからも努力していく必要があると思うんですけども、今後何か計画している予定とか、そういうのはありますでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 先ほど改善ポイントでも申し上げましたように、住民記録担当での異動届の窓口を増設することや、短時間での処理が可能な転出届専用窓口を設けること、また、入出力業務や郵送処理業務などを同一事業者に業務の委託化をしたことで、窓口混雑度合いに合わせて適切なスタッフ配置を今後も行うことができること、さらに、窓口業務の分析を行って作業工程等の見直しを図ることで、各窓口における受け付けまでの待ち時間の短縮につながると思ってございます。

○渡辺委員 繁忙期がやっぱり一番時間がかかると思うんですけども、繁忙期、3月から5月ぐらい、転入手続が一番多い時期になるかと思うんですが、そのときの最大の待ち時間ってどれぐらいなんですか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 今年は長くても四、五十分程度となってございます。

○渡辺委員 四、五十分というのが長いか短いかというのを比較するために、中野区と人口規模が同程度である新宿、豊島、目黒、北区、品川区での窓口対応時間について調べてみたんですけれども、どの区も繁忙期である3月から5月は転入手続がふえて待ち時間が長くなっていまして、クレームもふえるというような回答でした。おおむね繁忙期の待ち時間についてはどの区も平均して2時間ぐらいかかっていますと。中には、最大で待ち時間6時間ぐらいというところもありました。結果、中野区の窓口対応については、他の区と比べて大変よくやっているなというふうに私は思いました。引き続き待ち時間短縮を目指した事務作業の効率化や窓口対応の工夫を行っていく努力をしていただければと思います。

 ただ、待ち時間四、五十分はやっぱり長いですし、その待ち時間を有効利用したサービス提供をするのも考える余地があるかと思うんですけれども、そういった工夫は何か考えていらっしゃいますでしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 今年度ですけれども、待ち時間対策として、窓口利用状況案内システムを導入予定でございます。窓口で受け付けた手続が終了すると、自分の番号がモニターに表示され、このモニターを区のホームページを介してスマホなどでの確認ができるので、待ち時間を1階窓口から離れて有効に使うことができるというものでございます。

○渡辺委員 1階の窓口で待っている人たちを見ていますと、やっぱり読書したり、スマホをいじったりしている方も結構見受けられますけれども、待ち時間に中野区に関連するパンフレットとかを読んで時間を潰してもらえたらないいなと思ったんですけど、パンフレットを置いている場所が座っているところからすごく離れている場所にあちこち置いているようで、ちょっと取りづらいなと思ったんですが、ああいう離れた場所においているのは何ででしょうか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) つえをついたり、シルバーカーを押した高齢の方や車椅子の方の通行の妨げにならないように、ラックは窓側などの隅に寄せてございます。

○渡辺委員 例えば椅子の近くとか、そういった手の届く範囲に観光パンフレットですとか区役所周辺のまち情報の冊子とか、そういったものを置いたりして、待ち時間の間に読んでもらうというようなことで気を紛らわせることもできると思うんですけど、そういった近くに置くようなことというのはできないんですか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 繁忙期にはロビーに椅子を増やして対応したり、シルバーカーを押した方や車椅子の方などの通行への配慮の必要があるため、現状では難しいと考えております。

○渡辺委員 区役所の窓口というのは、会社で言うところの受付窓口みたいなもので、中野区の顔であるという側面もあると思いますので、中野区に対する印象をよくも悪くもするのも区役所の窓口対応によるところも大きいと思います。常に顧客満足度を上げていくための努力を継続して続けていくことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。

 続きまして、中学校へのタブレット端末導入の経過状況について質問をいたします。

 3月に行われた予算特別委員会でも質問したんですけれども、今回総括質疑で、自民党の高橋ちあき委員からも同様の質問がありましたが、現在中野区内の公立中学校では、教師が授業の教材として使うタブレット端末を各中学校で1台もしくは2台しかないという状況のため、もっと増やすことはできないのかという質問をいたしました。その際、中学校のタブレット端末に関しましては、ICT機器の活用等についての検討委員会で検討してまいりたいという回答だったんですけれども、あれから半年たっているんですが、現在の検討状況をお聞かせください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 ICT教育検討委員会を設けまして、タブレット端末を含めたICT教育のあり方やICT機器の活用等について現在授業における効果的な実践事例の収集を進めているところでございます。

○渡辺委員 導入に当たって期待できる効果もしくは懸念など、様々な意見が出てきていると思うんですけれども、今、現状でどのような意見が出ているのか、可能な範囲で教えてください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 期待できる効果としましては、児童・生徒の学習への関心、意欲の高まり、効果的な教材の提示、児童・生徒の作品や考えの共有化による共同学習のしやすさなどが意見として挙がってございます。なお、調べ学習の際のフィルタリングの設定の仕方や安全性についての意見もございました。

○渡辺委員 そもそも各中学校で端末が一、二台しかないという状態で、先生同士でタブレット端末を取り合いみたいなことは起きているんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 中学校におきましては、パソコン教室のパソコンも指導用に活用して対応しているところでございます。

○渡辺委員 現在、各中学校の教室は有線でインターネットをつなげる環境も整っておりますし、Wi-Fiもルーターを入れれば使えるという状況になっていると聞いております。ただ、端末の台数が少なくて、設備がちょっと中途半端になっているんじゃないかなというふうに感じてしまったんですけれども、その辺はどのように考えていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 現在あるICT環境を工夫して活用していくとともに、ICT機器の一層の活用に向けては、今後検討していくこととしてございます。

○渡辺委員 中央教育審議会が検討する学習指導要領の全面改訂で、目玉の一つがアクティブラーニングと呼ばれる学習指導法の導入であると言われています。何を教えるかという知識の質や量の改善はもちろん、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視し、知識、技能を定着させる上でも、学習意欲を高める上でも効果的だと意義付けています。中野区では、このアクティブラーニングという学習指導方法についてどのように考えていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 学習指導要領の改訂の過程において示されているアクティブラーニングは、児童・生徒がみずから課題を発見し、解決していく問題解決的な学習と、児童・生徒が相互に学び合う共同的な学習の両方の特性をあわせ持つ学習方法であり、重要であると認識してございます。

○渡辺委員 問題解決学習、調査学習、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワークなどアクティブラーニングの授業を進めていく中で、タブレット端末を取り入れていくような話は出ていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 国が示しているとおり、アクティブラーニングの視点から、その方法の一つとして、ICT機器の活用については課題として認識しているところでございます。

○渡辺委員 現場の中学校教師では、電子教科書なども使った授業を取り入れていきたいという声も出ているようです。また、自分の中学校でICT端末を使った授業をトライアルで導入して、実際にタブレット端末を使った授業を進めていくことで、どういった部分に効果があるか、改善点はどこか、予算をかける部分とかけなくてもいい部分はどこかなど、試験的にタブレット端末を取り入れた授業を実践していきたいと申し出ている校長先生も教員もいらっしゃると聞いております。そういった話は区で認識はしていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 個人的な申し出を受けるものではございませんが、授業改善の視点で意欲的な教員がいることは承知してございます。

○渡辺委員 予算の部分でちょっと確認します。決算書を確認しますと、現在、小・中学校で使用しているパソコン端末が、リース代、保守管理費、回線利用料金を合わせますと、2億3,034万3,425円、PC台数が、現在小・中学校で1,700台入っているということでしたので、1台当たりの年間使用料が13万5,196円になると計算できます。例えば一つの中学校に新たに10台の端末を入れますということになりますと、ランニングコストが年間で150万円程度かかるという計算になるんですけれども、そういった金額を来年度の予算に計上することは考えていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 学校におけるICT環境の整備については、予算編成の中で検討していくこととしているところでございます。

○渡辺委員 現在、区内公立中学校では、生徒が授業で利用できるタブレット端末の設置はしていません。教師が授業で指導用として使うタブレット端末も各中学校に1台もしくは2台のみであり、教師が自分のパソコンを使って授業をしたいと思っても、セキュリティー上の観点から持ち込み禁止でできないと。ところが、インターネットを使える環境整備は全ての教室に整っているし、タブレット端末を使った授業も行っていきたいという熱意を持っている教師もいる。こういった状況は非常にもったいないなと思うんですけれども、区としてはその辺をどのように考えているんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 繰り返しとなりますが、現在あるICT環境を工夫して活用していくとともに、ICT機器の一層の活用に向けては、指導用パソコン等の整備を含め、今後検討していくこととしているところでございます。

○渡辺委員 中P連の改善要望書に各種ICT機器についての改善提案が記載されていました。中P連からの要望については恐らく現場の教師から出ている話をもとに作成しているかと思われるんですけれども、インターネットの使い方に不便さを感じて困っているという話は現場からも出ていますか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 インターネット接続による制限があることについての話は聞いてございますが、安全性を確保することが肝要と考え、対応しているところでございます。

○渡辺委員 教育委員会が規定しているセキュリティーポリシー、こちらは改善検討することは可能でしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 中野区立学校情報セキュリティーポリシーについては、環境の変化を踏まえ、必要に応じて改定するものとしてございます。

○渡辺委員 よりよい教育環境のもとで授業を教えたいとか、よりよい教育環境の中で自分の子どもに授業受けてもらいたいという思いで、校長会もしくは中P連からのICT機器に関する改善要望が出ているのだと思います。現状でも問題ないと思っている先生もいると思うんですけれども、タブレット端末を導入することが決まれば、そうしたものを活用した授業を取り入れていかなくてはいけないと思うようになると思いますし、そういう意識の変化が教師の質の向上にもつながることだと思います。自分も本当に議会でまだタブレット端末を入れていないんですけれども、周りの先生方を見ていて、早く入れなきゃという気持ち、焦りが出てくるのもあるので、そういったところは本当に質の向上というのにつながると思いますので、その辺、導入に向けて検討していただきたいと思います。

 以上でこの項の質問を終わります。

 続きまして、中野区内の拠点間ネットワーク環境の見直し結果について質問いたします。

 今年の予算特別委員会でも質問したんですけれども、中野区内の拠点間ネットワーク環境について、10年近く同じ回線をずっと利用されていたということなんですが、つい最近、回線見直しを行ったという話を聞かされました。新たな契約内容についてお聞かせください。

○中谷区民サービス管理部副参事(情報システム担当) お答えします。区役所の本庁舎と、それから、約110カ所の区有施設などを結ぶネットワーク回線につきまして、これまで庁内情報系と住民情報系などで複数のネットワークを利用してきましたが、今年度見直しを行っておりまして、複数あるネットワーク回線の統合を行っているところでございます。統合後のネットワーク回線につきまして指名競争入札により契約を行ったところですが、契約期間は平成33年度末までの約5年間、長期継続契約で、契約金額は、平成28年度分が約1,000万円、平成29年度から平成32年度までの各年度が約2,500万円、全体で約1億1,000万円となりました。契約内容としましては、メーン回線とバックアップ回線を提供するということ、それから、ネットワークは第三者がアクセスできない閉域のネットワークであること、また、24時間365日の体制で監視、障害対応を行うことなどでございます。

○渡辺委員 新たな契約見直しを行った結果、回線品質が向上したのかどうか、もしくは、あと、ランニングコストがどういうふうに変わったのか、ちょっとその辺を詳しくお聞かせください。

○中谷区民サービス管理部副参事(情報システム担当) ネットワーク回線の見直しによりまして、区民サービスに直接影響する住民情報系のネットワークにつきまして通信速度が向上する他、大規模災害時に災害対策地域本部が設置される各区民活動センターにバックアップ回線を整備するということによりまして、信頼性の向上が図られるというものでございます。ランニングコストでは、既存ネットワークの回線コストが、住民情報系、庁内情報系、福祉情報系など全ての合計で年間約6,200万円程度でございますが、新規回線では年間約2,500万円程度となりますので、1年間で約3,700万円、5年間で約1億8,500万円のコスト削減効果が得られるというものでございます。

○渡辺委員 品質が上がって、コストが年間3,700万円程度下がったということなんですけども、前にもちょっとお話ししたんですけど、IT業界は、本当に他の業種よりも早いサイクルで新しい技術が開発されて、サービス品質も上がっていきますし、コストも下がっていくという傾向があるんですけども、今回、5年契約ということでしたが、5年後改めて見直しをかけないと、そのタイミングを逃すとまた余分なコストがかかってくるんじゃないかなと思うんですけれども、その辺はどのように考えているでしょうか。

○中谷区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 情報システムの見直し時期につきましては、特にインフラに関しては、5年間の長期継続契約などある程度の期間で見直しを行うことがコスト面からも適当であるというふうに考えております。今回調達した回線につきましても、契約期間が終了したときには改めて入札を行うことで想定をしておりますが、その時点での技術水準や区の施設配置、それから、情報システムの運用状況などを勘案しまして、仕様の見直しを行って、品質、コストともに最適な回線を調達していく必要があるというふうに考えてございます。

○渡辺委員 5年後も引き続き見直ししていただければと思います。

 この削減されたコストの部分でちょっとお伺いしたいんですけれども、現状の半額以下になりましたということで大幅に削減されたわけなんですが、この削減された部分の費用というのは、来年度以降、情報システム分野の中で使われるのか、例えばマイナンバーのセキュリティー強化の部分などで使われたりするのか、それ以外の分野の部分にまたがって使われるのか、どちらでしょうか。

○中谷区民サービス管理部副参事(情報システム担当) ネットワーク回線の見直しによって生じたコスト削減の効果につきましては、情報システム分野の中だけではなく、区全体の予算編成の中で活用されていくものでございます。なお、マイナンバー制度による情報連携の開始に向けたセキュリティーの強化につきましては、今年度の予算の中で、マイナンバーを利用するシステムに生体認証を導入することですとか、あと、内部情報系のシステムにつきましてもインターネット接続環境から分離するといった抜本的な対策を行ってまいります。

○渡辺委員 そうしましたら、各分野にまたがってということなんですけども、先ほどの質問で挙げた、例えば公立中学校のICT機器導入費用の部分であったりとか、町会、商店会、他の議員からも要望のあった防犯カメラとかの維持管理費とか、そういった分野を問わず、今後の区政面において必要だと思われる部分に振り分けられていくと考えてよろしいのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) お答えいたします。今、委員が御質問の中でありましたように、ICTの機器ですとか町会のカメラといったように、特定の関連事業にコスト削減が出たものを充てるといったことはやってございません。コスト削減により生じた財源につきましては、区全体としての必要性のある事業に充てていきたいというふうに考えております。

○渡辺委員 今後そういった必要な事業に充てていくということでしたけれども、今後の中野区政の発展に必要なところに予算配分していただくことを強く希望いたしまして、私の統括質疑を終了いたします。どうもありがとうございました。

○若松委員長 以上で渡辺たけし委員の質疑を終了します。

 次に、内野大三郎議員、質疑をどうぞ。

○内野委員 平成28年第3回定例会の決算特別委員会において、日本の文化と伝統を守る無所属議員の立場で総括質疑をさせていただきます。

 質問は通告のとおりですが、1番の中野駅南口再開発については、先輩議員の質問と重なる部分が多く、一般質問でも取り上げさせていただきましたので、今回は取り下げをいたします。2番から8番までとしまして、その他はございません。図らずも大トリを務めることになりましたので、よろしくお願いいたします。

 中野区民の多くの皆様に御後援をいただき、当選してから1年が経過をしました。その間に政治活動、議会活動の1年間の流れが徐々にではありますが身についてきたと思っております。その中でも、定例会で行われる一般質問では、様々な課題提起をさせていただきました。区議会議員は区民と行政をつなぐ橋渡し役であると思っていますので、その問題提起も、区民にとって実りあるものとして結果を出していくことこそが重要だと認識しています。

 そこで、今回は、平成27年度決算において様々な質問の成果について足早にお尋ねしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 中野駅南口ロータリーのネズミ対策についてです。中野駅南口駅前交番からなかのゼロホールに向けてのネズミの駆除は大成功だったようで、多くの区民の皆様から感謝の言葉をいただきましたことをまず御報告いたします。これから中野駅前の開発が始まる中で、少しでも駅周辺の環境が気持ちよくなることは、区民の願い、喜びであります。御尽力いただきました関係者の皆様には、心より感謝申し上げます。ところで、毎週月曜日の朝に中野駅の南口駅頭に立ち、様々な情報発信をさせていただいておりますが、先日、ロータリーでお客様を待っているタクシーのドライバーさんから貴重な情報をいただきました。交番裏の坂にいたネズミがロータリー内の植栽に移動しているのではないかとのことです。相当茂ったロータリーの植栽内に跋扈しているネズミがいるようです。ネズミの生態として、自分の住まいがなくなると、近所に同じ環境をすばやく見つけて住みつくようです。今後、南口再開発に伴い公社住宅跡地が解体され始めると、さらに駅前にネズミが増えてしまうと思われます。せっかく環境がよくなった駅前が台なしになりかねません。駅前ロータリーも再整備される予定であるところ、再整備までの期間もネズミを含めたロータリーの植栽の維持管理をしっかりと進めていただきたいと考えていますが、区の御見解をお聞かせください。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) お答えいたします。中野駅南口ロータリー中央の植栽につきましては、これまでも、ネズミ対策も含め、樹木剪定や清掃、除草等、できる限り衛生面に配慮した維持管理を行ってきたところであり、今後も適切に維持管理を行っていきたいと存じます。

○内野委員 ありがとうございます。

 続きまして、区内駅周辺のバリアフリー化についてお尋ねいたします。

 昨年の第3回定例会において、区内駅周辺のバリアフリー化について質問をいたしました。その際に、横断歩道に接続する歩道などの端部の段差については2センチメートルを基準とすることを国から示されているとの答弁を既にいただいております。その後、中野駅周辺と警察病院周辺の段差について、2センチを超える部分が数カ所あり、指摘をさせていただいたところ、区の御対応により、車椅子の方から通行しやすくなったとうれしい御報告をいただきました。迅速に御対応いただきましたことを改めて御礼申し上げます。

 しかし、バリアフリー基本構想においては、まだまだ区内のバリアフリー化について、実施すべきところが多数あります。鉄道事業者は、2020年オリンピック・パラリンピック開催に向けて、重点的に都心3区を優先整備する方針のようですが、選手村から10キロ圏の外にある中野にどれだけの来街者をもたらすかは、このバリアフリー化がどこまで進んでいるかということも大きなメルクマールになると考えています。あと4年あるからと考えるか、もう4年しか残っていないと考えるか、いずれにしても、早急に進めるべき部分を基本構想から抽出するべきと考えます。一つの考え方ではありますけれども、東京の大動脈の鉄道であるJR中央線の中野駅は、1日の乗降客数が20万人を超え、東中野駅も1日9万人に迫る乗降客数があり、区内のトップの2駅、乗降客数トップである中野駅のバリアフリー化は完全ではありませんが、以前よりかなり進んできました。しかし、東中野駅は、西側だけしかバリアフリー化ができていません。東側は区境のため、全てが中野区民のためとは言い切れませんが、長年党派を超えて東側のバリアフリー化に取り組んでいながらいまだに進んでいないのは、どのような理由があるのでしょうか。東京大会開催をきっかけに強い働きかけを鉄道事業者に求めていく方法はあるのでしょうか。また、西武新宿線においての乗降客数のトップは鷺ノ宮駅で、1日3万人です。こちらも北側のエレベーター設置は完了していますが、南側の出口については、いまだに長い階段が設置されているだけです。南側にもエレベーターかエスカレーターを設置する余地はないのでしょうか。実施に向けてのスケジュールがあるようならお聞かせいただきたく、お願いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、東中野駅東口のバリアフリー化についてでございますが、これは、駅構内だけではなく、地形の関係から、駅周辺のバリアフリー化及び歩行者空間の整備が必要となることから、用地の確保など現状では様々な課題がある状況でございます。区では、本年度より、東中野駅東口の周辺のまちづくりを視野に入れながら、バリアフリー化の実現に向けた必要な調査検討、それから、JRとの協議などに取り組んでいるところでございます。それから、鷺ノ宮駅南口のバリアフリー化に関してでございますが、バリアフリー化に必要な用地の確保や周辺道路の状況などの点で、直ちにバリアフリー化に着手することは困難な状況でございます。今後、西武新宿線の野方以西の連続立体交差事業の具体化にあわせまして駅舎等も整備されることから、バリアフリー化についてもその際に改善が図られるものと考えております。

○内野委員 東中野駅も西武新宿線の南側も大変階段の多いところでありますので、早急に取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、中野駅周辺の放置自転車対策についてです。

 昨年の第4回定例会において、中野駅北口周辺の放置自転車対策についてお尋ねをいたしました。その御答弁では、「撤去する時間帯を夕方の時間帯に移行するなど、放置の抑制に努めているところであります。今後も放置自転車が多くなる時間帯や曜日、そして時期なども見きわめながら、より効果的な放置自転車対策を実施していきたいと考えております」との御答弁でした。放置自転車対策としては、指導員を配置し、警告書を貼付し、トラックで撤去をして、保管場所での保管というのが一連のフローと伺っております。また、撤去手数料も1台5,000円というのは、他の自治体と比べても高額であるともお聞きしました。しかし、昨年の御答弁以後、決算説明書における撤去台数は減少していたとしても、駅周辺の利用者の実感としては、減っている印象が薄いようです。そこで、例えば夕方から午後10時までの時間帯、午後の10時から翌朝日の出までの時間帯の撤去手数料を1.5倍や2倍に増やして、そもそも自転車放置をすると新しく購入程度の費用が発生してしまうという認識を持ってもらえれば強烈なインパクトを持って抑止になり得るとし、駅周辺の利用者にとっても歩行環境が改善されてくると思いますが、区のお考えをお聞かせください。

○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) お答えいたします。夕方以降の自転車の撤去につきましては、作業の時間帯をシフトする方法ですとか、時間数を増やして実施する方法など、様々考えられますが、それに伴いまして、撤去作業をサポートする放置防止指導の業務ですとか、あと、自転車保管場所の業務時間、これを延長する必要がございますので、相当の経費が必要となってくるという大きな課題がございまして、今後どのように対応するかということも含めまして検討しているところでございます。なお、手数料の5,000円の考え方でございますが、放置自転車対策に関わる経費、全体の経費をもとに算出しているものでございまして、仮に夕方以降の撤去を実施するとしましても、撤去する時間帯によって金額に差を設けるべきものではないというふうに考えているところでございます。

○内野委員 わかりました。駅周辺はこれから自転車置き場が駅の周辺の整備に伴って移動したりしてくると思うので、そういうときの周知など、自転車置き場の変更の周知などをしっかり徹底していただいて、できるだけそういう放置自転車がないように努めていただきたいと思います。

 次に、区有施設の指定管理者のモニタリングについてです。昨年の第4回定例会において、各種法改正に伴い、指定管理者がそのフォローができているかどうかお尋ねをしたところ、区と管理者とは相互に業務の実施状況の確認をし、事業報告の内容の精査などを行っているので、新たに第三者の視点を導入するつもりはないとのことでした。また、その答弁の中で、「外部の専門家を活用した指定管理者に対するチェックの仕組みについて、他の自治体での事例なども研究し、必要性や、あるいは費用対効果といったことについて分析をしてみたいと考えます」とのことでした。そこで、その結果をお尋ねしたいと思います。様々な事例を研究されたかと思いますが、例示を列挙していただくことにより、中野区民にとって指定管理者のあるべき姿が浮かび上がってくるのではないかですか。この点についてお尋ねいたします。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 他の自治体でのモニタリングの事例といたしましては、財務や会計処理、労働環境などを評価項目として実施している例がございます。実施の頻度につきましては、毎年度というところから、指定期間中に1回というところまでさまざまでございます。また、評価の方法といたしましては、委員会方式の他外部の専門家に委託して行っている例がございますが、委託の場合には一定の経費が必要となることから、費用対効果も勘案していく必要がございます。現在、当区におきましては、ガイドラインに基づきまして、指定管理者へのヒアリングや現場確認、事業報告書の審査等を行い、これらを通じて改善すべき点があった場合には、区が指定管理者に指示をすることで、業務の適正な履行を確保し、サービスの向上を図ることとしてございますため、今後もこのような形でさらに徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

○内野委員 具体的にどこの事例を研究されたのかというのを教ええいただくことはできますでしょうか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 23区、特別区での実施の状況について調査をしてございます。

○内野委員 どうもありがとうございます。費用対効果が最も大切な点ではありますけれども、指定管理者に任せ切りではなくて、きちんとチェック体制というのは整えた上で、さらに効果的なものがあるならば導入していっていただきたいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、2020年の東京オリンピック・パラリンピック機運醸成についてです。

 リオデジャネイロでのオリンピック・パラリンピックが閉幕をしました。いよいよ4年後には私たちが東京であの感動を世界中に発信するときになります。日本選手団は、リオオリンピック・パラリンピックともに過去最高のメダル数を獲得し、健常であっても障害があっても世界一を目指せるのだという大きな夢を持つことができました。

 さて、昨年の第4回定例会において、オリンピック・パラリンピックの機運醸成に関して、プールを使ったイベントを用意してもらいたいと要望をしたところ、昨年の10月にはオリンピアンを招聘し、今年度にはパラリンピアンを招いてのイベントを検討しているとのことでした。その延長で、プール施設を活用したイベントについても今後検討していただけるとの御答弁をいただきました。そこで、現段階でどのような御検討をされているのか、お尋ねいたします。

 もしいまだ具体的な事業が決まっていないようでしたら、もっと積極的にプールを利用したイベントを繰り広げていただきたいと思っています。プールは、競泳選手だけでなく、様々な競技に使われるので、その利用の多様性についても検討していただきたく、お願いいたします。また、こうしたイベントを企画する際には、中野区の体育協会や関係諸団体との連携も含め、そのニーズをしっかりと見きわめながら進めていただきたいと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) お答えをいたします。東京オリンピック・パラリンピック競技大会を4年後に控えまして、大会の開催に向けて様々な機運醸成事業を実施していく、そういった必要性があるというふうに考えてございます。今年度は、10月と11月にパラリンピックの機運醸成事業の実施を予定しているほか、オリンピックの機運醸成事業につきましても、年度内の実施に向けて事業内容を検討しているところでございます。今後事業の内容をさらに充実させていく中で、プールを利用した事業についても具体的な検討を行っていきたいというふうに考えてございます。

 また、プールを利用した競技、競泳のみではなく、多様な種目があることは認識をしているところでございます。種目ごとに施設に求められる要件というものが異なるものだというふうに思いますが、区内の施設において実施可能な競技を検証した上で、事業の内容を決めていきたいというふうに考えてございます。区内関係団体と協力をしてオリンピック・パラリンピックの機運醸成に取り組むこと、大切なことであるというふうに考えてございます。団体の声や区民のニーズ等を勘案しながら事業の内容を検討したいというふうに考えております。

○内野委員 ありがとうございます。今年度の事業に関しては、広報も含めてしっかりと周知をしていただいて、たくさんの集客ができるようにお願いしたいと思っております。ありがとうございました。

 続きまして、違反広告物の除去協力員制度についてであります。

 中野二丁目周辺では、不動産のチラシを中心に、違反広告物がほとんど見られなくなりました。地域の皆様が必死になってまちの美化に取り組んだ成果だと思っております。本年、第2回定例会において、違反広告物除去協力員制度について、その啓発活動をもっと大々的に行い、ビラやチラシなどのPRグッズを検討してもらいたいとお願いしました。まちの良好な環境、美観を区民みずからの手で守っていただくという意義のある制度であることは区長も認めていらっしゃいますが、その制度の利用に当たっては、まだ使いやすさという点では不満が残るところであります。具体的には、この制度で義務化されている月間予定表の提出です。毎月、前月の末までに活動予定を報告することになっています。しかし、協力員の立場からすると、毎月活動予定の報告が必要な仕組みに負担感があると思います。その点を改善してはいかがでしょうか。区民の美化意識を啓発する意味でも非常に意義のあるこの制度をもっと中野に根付かせる意味でも、御検討をお願いしたいと思います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) お答えいたします。月間予定表の提出は、協力員の皆様の活動予定を事前に把握することで、トラブル発生時の区の対応が迅速に行えるよう提出をいただいているところでございます。御提案いただいた予定表の改善につきましては、様式や提出方法の工夫も含め、検討したいと存じます。

○内野委員 様式ももう少し簡略化してもらいたいのと、あと、トラブルの事前の防止という意味では確かに予定の提出は必要かと思いますけれども、予定が立たずに、毎日のようにやっていらっしゃる方もいらっしゃるので、毎日やっているなら毎日やっている、そんな記載でも受理していただければと思います。ありがとうございます。

 続きまして、区内の花と緑の保護についてです。この問題については、先日、同僚の加藤委員がノスタルジーの成仏をしながら、詳しく説明を求め、樹木台帳作成の提案をされていましたので、今回は、その管理体制についての質問をさせていただきます。

 本年第2回定例会において、私は、花と緑の保護について質問をいたしました。その後、中野駅南口再開発に伴い、医師会館向かいにある区立の駐輪場の再整備に伴い、周辺樹木の伐採が進んでいます。その樹木の中には、老木となり、枯れているものも多数あったとの情報も寄せられました。一般質問の趣旨は、中野区緑の保護と育成に関する条例に基づき、区が管理している樹木伐採に当たっての丁寧な説明を求めるものでした。その説明の基礎としての情報を事前に集めておくことは、ひいては区民にとってわかりやすい説明会を開催してもらえる機会でもあります。これは、区有施設内の樹木全てに言えることでもあります。そこで、例えば公園の樹木管理において、あらかじめ樹木の状態を記録していくことが必要だと考えます。この点については、加藤委員の御指摘により、よりよい方向性が示されたところであります。

 そこで、区の管理する樹木によっては複数の部署にまたがっている場合もあるようですので、樹木の管理状態については、例えば部署間での共通管理をすることによって、区民への説明会などで説得力が増し、区民の協力を得やすくなると考えますが、いかがでしょうか。区の御見解をお尋ねします。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 今後、樹木台帳の作成に向け、様式等を検討していく中で、他の部署にもそうした情報提供をしていきたいと存じます。

○内野委員 ありがとうございます。樹木の伐採については特に神経質になっている区民の方も多いようなので、この点について、しっかり進めていっていただきたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終了します。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で内野大三郎委員の質疑を終了します。

 以上で総括質疑が全て終了しました。

 9月26日(月曜日)からは各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参されている資料等につきましては、机の中のものを含め、全てお持ち帰りいただくようお願いいたします。

 次回の委員会は、9月30日(金曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後2時13分散会