1.平成29年(2017年)6月5日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 欠 員
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子
29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男
31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご
33番 高 橋 ちあき 34番 伊 藤 正 信
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦
新区役所整備担当部長 相 澤 明 郎 都市政策推進室長 奈 良 浩 二
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹
区民サービス管理部長 戸 辺 眞 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山 俊
健康福祉部長 小 田 史 子 保 健 所 長 木 村 博 子
環 境 部 長 白 土 純 都市基盤部長 豊 川 士 朗
政策室参事(企画担当) 青 山 敬一郎 経営室参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 古 本 正 士
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 関 村 英 希
書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦
書 記 井 田 裕 之 書 記 冨士縄 篤
書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美
書 記 遠 藤 良 太 書 記 松 丸 晃 大
書 記 香 月 俊 介 書 記 古 谷 友里香
議事日程(平成29年(2017年)6月5日午後1時開議)
日程第1 第34号議案 中野区ユニバーサルデザイン推進審議会条例を廃止する条例
第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第36号議案 中野区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第37号議案 起震車の買入れについて
第44号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算
日程第2 第38号議案 中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例
日程第3 第39号議案 中野区障害者差別解消審議会条例
日程第4 第40号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例
第41号議案 中野区民住宅条例の一部を改正する条例
日程第5 第42号議案 中野区立児童館条例の一部を改正する条例
第43号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
日程第6 議会の委任に基づく専決処分について
午後1時00分開議
○議長(いでい良輔) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
6月2日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 ひやま 隆
1 集合住宅の建築及び管理について
(1)シェアハウス事業の現状について
(2)シェアハウス事業への対応について
(3)その他
2 民間企業との包括連携協定について
(1)区とコンビニエンスストアとの包括連携協定について
(2)今後の包括連携協定のあり方について
(3)その他
3 その他
○議長(いでい良輔) 最初に、ひやま隆議員。
〔ひやま隆議員登壇〕
○5番(ひやま隆) 平成29年第2回定例会に当たりまして、民進党議員団の立場から一般質問させていただきます。質問は、2番の民間企業との包括連携協定につきましてはまた次の機会に質疑をさせていただきます。その他はございません。
集合住宅の建築及び管理について伺います。
近年、家族や親族以外の他人同士がリビングや台所、浴室などを共有しながら共同生活をする、いわゆるシェアハウスが若年層を中心に流行しています。当初は、利便性の高いエリアでも比較的安価な家賃で居住できることから、住居費の節約を主たる目的として用いられていましたが、その後、人気テレビ番組の影響や、平成23年に発生した東日本大震災を機に他者との絆の重要性が認識され、居住者と交流するといった付加価値も見出され、人気を集めていると言います。現在では、目的や趣味を共にする人たちのコミュニティとしての場にもなっており、ライフスタイルの多様化とも相まって、今後もシェアハウスは広がりを見せていくことが予想されます。シェアハウスの明確な定義は存在せず、シェアハウスのほか、ルームシェア、ゲストハウス、シェア住居など、さまざまな用語が使用されています。
国土交通省は、平成24年の民間賃貸住宅における共同居住形態に係る実態調査報告書において、シェアハウスとは、1、親族ではなく、また会社や学校などみずから所属する団体の関係者とは異なる人たち複数人の間で共同利用する施設・設備を有する住居、2、共同利用する施設の中に少なくとも一つ以上、住居内のコミュニティ形成のためのリビングルーム等の施設・設備が含まれる住居、3、入居者は運営事業者あるいは家主との個別に賃貸借契約を結び、運営事業者が定期的な管理を行う住居、以上の要件を全て満たすものとしています。
やや古いデータとなりますが、日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の調査によると、平成25年8月末時点で、シェアハウス物件は全国で約3,000件あり、東京都には約2,000件が立地しています。中でも東京23区内には約1,900件が立地し、東京都内のシェアハウス物件の9割を占めています。
そこで伺います。現在の中野区内に立地しているシェアハウス物件数をお示しください。
居住に対するニーズが多様化する中、広がりを見せるシェアハウスの実態について調査し課題整理等を行うことにより、今後の区の住宅施策を展開していくことは重要であると考えますが、これまで区では、シェアハウス物件の概要や居住者像といった実態調査等を実施したことはございますでしょうか。そうした実績がないということであれば、区として調査を実施することを求めますが、区の見解をお示しください。
日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の調査によると、シェアハウス事業者は、平成18年以降、新規参入事業者が大幅に増加し、平成25年8月末時点でシェアハウス事業者は全国で約600事業者、投資効率の高い不動産事業として新規参入は毎年増加しています。また、それに伴いシェアハウス供給数も増加の一途をたどり、近年では、入居者の趣味や関心に合わせたコンセプト型シェアハウス、防犯面を強化した女性向けシェアハウス、介護サービスつきの高齢者向けシェアハウスなど、新しいタイプのシェアハウスも登場しています。しかし、こうした一方で、シェアハウスをめぐってはさまざまな課題や問題点も指摘されています。
平成25年、非住居用として届け出をしながらシェアハウスなどと宣伝して住居用に貸し出していた中野区の事業者が消防法違反を指摘されたことで、こうした類似施設の増加が表面化し、いわゆる違法貸しルーム(脱法ハウス)問題としてメディア等により報じられました。この問題では、事務所や倉庫などと届け出をされていながら、実態は、二、三畳の小さいスペースに仕切られ、各部屋の間仕切りが燃えやすい材料でできている、窓がないなど、建築基準法違反の疑いのある建築物が住居用に貸し出されていたことが東京23区を中心に確認されました。こうした事態を受け、国土交通省は、平成25年9月、違法貸しルーム対策について都道府県等に通知し、建築基準法において、シェアハウス等は、従前用途や改修の有無にかかわらず、建築基準法の寄宿舎の用途に該当するとし、既存物件も含め一律に適用するよう各自治体に求めました。
そこで伺います。これまで区では、国交省からの通知に基づき、建築基準法令違反の疑いのある物件に関する調査や違反物件の是正指導等といった取り組みを実施した事例はございますでしょうか。また、シェアハウスの安全性確保に向けて区ではどのような取り組みを実施しておりますでしょうか。伺います。
中野区においても急速にシェアハウス事業が広がりを見せる中、地元では戸惑いや心配の声も上がっています。一見、一般的な戸建て住宅が建設されていると思いきや、完成後にその物件がシェアハウスだと知らされる、そういったケースが中野区でも見受けられます。シェアハウスは、ごみ出しや放置自転車等のマナー違反や騒音問題といった近隣トラブルに発展しているケースもあります。さらには、シェアハウスそのものの認知度の低さも相まって、周辺住民の中には今後の生活環境に与える影響について強い不安を感じている方もおられます。
そこで伺います。これまで区にはシェアハウス事業に関する相談や要望といった周辺住民からの声はどういった内容のものがどれくらい寄せられておりますでしょうか。また、それらを区としてはどのように受けとめておりますでしょうか。
シェアハウス事業そのものを否定するものではありませんが、シェアハウスに関する問題や課題が指摘される中で、周辺住民への適切な説明や周知がないまま事業が進んでいくことには強い違和感を覚えます。シェアハウス事業の運営に当たっては、住民説明会や戸別訪問など周辺住民へのより丁寧な説明等を事業者に求めていくべきであると考えますが、これに対する区の見解をお示しください。お尋ねして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ひやま議員の御質問にお答えをいたします。
集合住宅の建築及び管理について、シェアハウス事業の現状についてであります。いわゆるシェアハウスの法的定義はなく、既存建物をシェアハウスとして利用しているものも存在していることから、いわゆるシェアハウスの件数を把握すること、これは現状困難であります。新築物件のうち、26年度から28年度までの3カ年の実績でいいますと、中野区集合住宅条例の届け出対象677件のうち、109件が寄宿舎として届け出されています。これらの多くがシェアハウスとして使用されている可能性があると考えております。
なお、既存建物をいわゆるシェアハウスとして利用しているものやそこに住む居住者についての調査、これはなかなか難しいというふうに考えております。
違法貸しルーム問題への対応について。平成25年に国土交通省からの通知の際にあわせて行った調査において、共同住宅等でないものに賃借人を住まわせるなど、法令等に抵触するおそれがある建物として国へ報告したものが52件でありました。これらは現在、是正済みが14件、それから改善中が10件、その他は改善計画を検討中となっております。これらは、区としては継続指導を行い、改善状況を定期的に国へ報告しているところであります。このような不適切な物件の改善に向けて、国や都が示した寄宿舎の基準に沿うよう継続的に指導をしているところであります。
シェアハウス事業に関する住民からの問い合わせ等やそれへの対応についてということです。いわゆるシェアハウスに関する問い合わせだけを把握することは困難ですが、最近の問い合わせでは、建物外観に原色を使用したためまちの美観を損なっているというもの、部屋数が多くどのような人が入居するかわからず不安であるといった声が寄せられているところですが、建物に違法性がない限り、現状では規制をすることが難しいというところであります。現在、中野区集合住宅条例で規定をされております緊急連絡先の表示、入居規則の作成、それからごみ出しルールの清掃事務所との事前協議、これらについて引き続き励行するよう事業者を指導していきたいと、このように考えております。
一方、住民説明会等の近隣対応につきましては、現状の条例等では難しいものがあるという状況であります。
○議長(いでい良輔) 以上でひやま隆議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 川 和 久
1 中野駅周辺まちづくりについて
(1)西側南北通路・橋上駅舎について
(2)中野通り渋滞対策について
(3)その他
2 危機管理について
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、内川和久議員。
〔内川和久議員登壇〕
○12番(内川和久) 平成29年第2回定例会におきまして、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。質問は通告どおりでございますけれども、1番、(3)のその他のところで中野駅を中心としたデッキによる歩行者動線について、それから3のその他のところでは、一つとして私道排水設備助成制度について、2番として学校史の切り取り被害についてを質問させていただきます。
それでは、1番、中野駅周辺まちづくりについてお伺いいたします。
中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備に当たり、区とJRは駅ビル計画内容の見直しについて、工事費の削減と工程の短縮を目指し、検討を継続的に進めてきました。本来28年度末までに区に検討結果が示されるはずでしたが、いまだ示されておりません。決められない、進められない状態が続いています。区は本来、29年度内には西側南北通路・橋上駅舎の実施設計に着手することとしており、一日も早い事業着手が望まれます。
平成28年4月策定の区役所・サンプラザ地区再整備実施方針では、再整備事業の竣工目標を平成37年度としており、区はそれまでの西側南北通路・橋上駅舎の開業を目指してJRに工程短縮を求めてきました。区役所・サンプラザ地区再整備こそ本丸であると私は考えます。駅ビル計画が区役所・サンプラザ地区再整備事業の進捗に影響を与えてはいけないと考えます。駅ビル計画に関しては、技術的検討や事業性検討が終了していないことに加え、区の公共基盤配置の方向性を踏まえた検討も必要なことから作業にもう少し時間がかかるとしています。
そこで幾つかお聞きします。
西側南北通路・橋上駅舎整備に当たっては、深夜車両の運行していないわずかな時間しか工事ができないこと、また重機が使えず人の手による作業が多いため工程が延びるとの説明は今までに報告があったところですが、駅ビル計画においてその技術的検討や事業性検討がいまだ終了していないとのことですが、事業性検討とはどのようなことなのか、お答えください。
次に、あわせて区の公共基盤配置の方向性を踏まえた検討も必要なことから作業に時間がかかるとのことですが、西側南北通路・橋上駅舎、駅ビルと接続する新北口駅前広場等の公共基盤配置の方向性については区とJRは今まで十分な情報共有を行ってきたはずであり、さらに作業に時間がかかるとの理由について納得できる説明をお聞かせください。
次に、区役所・サンプラザ地区再整備事業における公共基盤の配置に当たっては、新北口駅前広場がより安全で円滑な交通結節点となるよう検討を進め、新北口駅前広場と道路一体建物は接続することとなるため、JRと十分に協議・調整を行うとのことですが、それがさらなる西側南北通路・橋上駅舎整備の遅れを招くことにならないのか、現在の進捗状況についてお答えください。
この項の最後に、西側南北通路・橋上駅舎整備については必ず29年度内に実施設計に着手することが重要と考えています。区としては、JRに対し、駅ビル計画内容の見直しの検討状況について6月までに報告をするよう要請しておりますが、さらに検討期間が延びる場合には、区として、駅ビルの必要性も含め決断する時期だと考えます。区のお考えをお聞かせください。
関連して、中野駅西口駅前広場についてお聞きします。第1回定例会予算特別委員会においても触れましたが、改めてお聞きをいたします。
中野駅西口駅前広場については、中野三丁目土地区画整理事業により整備をするとしています。このたび、旧桃丘小学校跡施設のタイケン学園との和解が成立したとのことです。5月中には明け渡しが完了し、中野三丁目土地区画整理事業の進捗が望めることとなったため、具体的な作業に入るべきと考えます。
その中で、西口駅前広場の整備スケジュールについてお聞きします。
西口駅前広場予定地については、土地区画整理事業の施行者であるUR都市再生機構が事業用地として管理するとのことです。予定地が更地になった後、暫定的に地域の催し物等に活用できないかとの声も上がっています。工事の具体的な内容、工期等が明確になってから暫定利用について検討できるとのことですが、使用可能となる更地になる時期と暫定利用の見通しについてお聞かせください。
次に、中野通りの渋滞対策についてお聞きいたします。ここでは、主に中野駅南口から中野五差路にかけての中野通り渋滞対策についてお聞きをいたします。
この通りは、片側2車線でありますが、常時荷さばき車両や一般の車両が停車をしており、特に五差路近くに停車をされますと中野通りから新宿方面へと左折する車線を塞いでしまい、結果、中野駅近くまで渋滞が延びてしまいます。この先、中野駅周辺の市街地再開発事業や土地区画整理事業が本格化すると、さらに車両が増加し深刻な交通渋滞が予測されます。中野区駐車場整備計画(改定案)では、区としても、今後中野駅周辺地区について民間による開発が進むことにより駐車需要の増大が見込まれること、また路上駐車や貨物車による路上荷さばきなどの課題を認識しているとのことです。区は、路上駐車車両を既存駐車場に誘導するとしていますが、具体的に車両の誘導をどのように行っていくのか、具体的な方策についてお聞かせください。
次に、南口ロータリーのバスやタクシーの二重駐車による交通の交錯した現在の状況についてお聞きをいたします。
区として、交通安全上の課題であるということは以前から認識をされているとのことです。区は、交通交錯の課題について、暫定バス停の整備を契機に交通事業者や交通管理者と情報共有し、対策の検討を行ってきたとのことです。南口駅前広場は土地区画整理事業が始まっており、平成34年度以降の整備を予定しているとのことです。形と大きさについては現在よりも1.4倍ほど拡張され、現況の課題解決について設計等取り組んでいくとのことですが、現在の進捗状況をお聞かせください。
次に、整備の時期としては平成34年度以降とのことですが、それまでの間、現在の状況を放置し続けるというのは問題と私は考えます。南口駅前広場整備までの間、暫定的な課題解決の方法はないのでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
次に、中野駅を中心としたデッキによる歩行者動線の考え方についてお聞きをいたします。
中野駅を中心としたデッキによる東西南北の歩行者回遊性については、区として、この地域の再整備を行う上で並行して進めなければならない課題であります。歩行者デッキ等を含む公共基盤の効率的な配置について検討をしているとのことです。計画段階では、さきに述べた西側南北通路のほかに、新北口広場と囲町を結ぶデッキ動線、また中野二丁目地区と中野駅を結ぶデッキ動線がありますが、西側南北通路以外のこれらのデッキ動線について現在の進捗状況をお聞かせください。
次に、構想として、中野二丁目地区と中野三丁目地区を結ぶデッキ動線、同じく中野二丁目地区と中野五丁目地区を結ぶデッキ動線、さらには区役所・サンプラザ地区再整備地区と中野五丁目地区を結ぶデッキ動線がありますが、いつの段階でこれら構想が計画へと変わるのか、進捗状況と時期についてもお答えください。
次に、2番、危機管理についてお聞きをいたします。ここでは、有事の際の区としての対応をお聞きします。
北朝鮮をめぐる緊迫が続いています。ことしに入って10発以上の弾道ミサイルが発射されたとのことです。北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本へ到達するにはわずか10分程度だそうです。
政府は、発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合には全国瞬時警報システム「
Jアラート」を使って緊急情報を伝達することとしています。このJアラートは、平成16年5月に全市区町村に整備がされました。地震や津波等の自然災害にも対応をしています。Jアラートを使用すると、区市町村の防災行政無線等が自動的に起動し、屋外スピーカーなどから警報が流れるほか、携帯電話などにエリアメール、緊急速報メールが配信され、弾道ミサイルに注意が必要な地域の方に情報が伝わるようになっています。
Jアラートですが、課題もあるとのことです。杉並区では、昨年の11月に行われた全国一斉訓練の際、防災行政無線から音声放送が流れないというトラブルがあったようです。原因は、機器をつなぐ配線の接触不良によるものだったとのことでした。Jアラートが発信されても、その情報を伝える経路に不具合があれば一刻を急ぐ状況の中、重大な事態を招くことになってしまいます。
そこでお聞きします。昨年11月の全国一斉訓練において、中野区では全ての防災行政無線は正常に作動したのか、また何か不具合はなかったのか、お答えをください。
また、Jアラートによる情報を伝える機器類に不具合がないかの点検はどのように行われているのか、お聞かせください。
次に、携帯電話やスマホを持っていない方々にとっては防災行政無線が頼りとなりますが、中野区では防災行政無線は聞こえにくい地域があり、以前から課題になっています。防災行政無線の聞こえにくい地域にいる、また携帯電話なども持っていない人たち、特に高齢者や障害を持った方々へいかに緊急情報を周知していくのか、全ての人に情報が伝わる連絡体制の確保について、区のお考えをお聞かせください。
次に、教育現場や集客施設など、多くの人がいる場所における有事の際の対応も大切です。政府は、自治体の役割について、区民がパニックを起こさないようにすることが重要だと指摘しており、国民保護ポータルサイトなどを通じ、国民に対しては、速やかな避難行動、正確かつ迅速な情報収集、行政からの指示に従って落ちついて行動してくださいと促しています。東京都教委は、Jアラートが鳴った際は的確に誘導するよう注意喚起を行ったとのことですが、どのような内容が通知されたのか、具体的な内容とそれに対する区の取り組みについてお答えをください。
あわせて、区民活動センターやホール、図書館など、不特定多数の人が集まる区の公共施設への対応についてもお聞きします。
区の公共施設の管理運営方法は、業務委託や指定管理者など多様化しています。区は、有事の際の必要情報の伝達や誘導対応の方法など、またパニックを起こさない避難行動の考え方などについてしっかりと伝える必要があると思いますが、区はどのように通知・注意喚起をしているのか、お答えをください。
全ての区民が慌てず状況を理解し混乱なく対応するためには、その前提として区民がJアラートの仕組みや有事の際の区の動きを正しく理解すること、また区民みずからがどう動けばよいのかを日ごろから考えておくことが必要だと思います。
先ほど紹介した杉並区のトラブルの例では、訓練の実施については広報紙等で事前に告知していたため、予定の時間になっても放送が流れないことについて区民からの問い合わせが区役所にあり発覚をしました。区民の多くがJアラートの訓練のことを常に気にして、何か不具合があれば区民の側からも気にして連絡するような状況をつくっていく必要があると思います。
杉並区では、月に一度抜き打ちでJアラートの受信訓練も実施をしているそうです。訓練のやり方にはさまざまな工夫の仕方があるでしょうが、中野区においても区民の意識を高め行動できる状況を区が率先してつくっていくべきだと思います。弾道ミサイルは発射後短時間で着弾することが予測されるため、実際には十分な避難行動がとれないかもしれませんが、可能な範囲のことはなるべく事前に備えられるようにする必要があります。
この項の最後に、弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練が全国各地で活発化をしています。全ての区民が意識を高め、適切な避難行動ができるようにするため、今後の訓練のあり方について区の見解をお聞かせください。
その他、1番目の私道排水設備助成制度について幾つかお伺いいたします。
排水設備としての下水管は、主に都市部の雨水及び汚水を集めた後、公共用水域へ排水する機能を有するものであり、都市の健全な発達に寄与するとともに、公共用水域の水質の保全に資する重要な社会的インフラの一つです。雨水を速やかに流出させることによる水害の防止や、し尿等の汚水の消毒による公衆衛生の改善など、下水管が適切に維持・管理されることによって区民の生活環境が向上すると考えます。
現在、区道等の公道に設置されている下水管は都や区が適切に維持・管理していますが、私道に設置されている下水管には都や区の維持・管理は及ばず、所有者が維持・管理を行うことになっています。しかし、重要な社会的インフラの一つである下水管を個人が維持・管理するのは経済的な負担が大きく、適切な維持・管理に支障が出ることも考えられます。
そこで、区は私道排水設備助成制度を設け、下水管施設が老朽化して取りかえの必要が生じたときに基準工事費の90%を助成する取り組みを行っています。この助成制度については、先般制度改正が行われ助成基準が緩和されたことにより、より一層区民が利用しやすいものとなり、この点は高く評価をしているところです。しかしながら、新たな課題が発生しているのではないでしょうか。
そこで、幾つかお聞きします。
まず、区において私道排水設備助成制度が創設されたのはいつでしょうか、お答えをください。
次に、この制度では下水管施設が老朽化した場合の取りかえ工事に対して助成金を交付するようですが、一般的に機械や設備には使用に耐え得る年数があります。
そこでお聞きします。区が助成したことによって設置された下水管の耐用年数は何年でしょうか。お答えをください。
また、下水管の取りかえから一定期間が経過したことで使用に耐えられない状態になった場合は老朽化による再度の取りかえが必要になります。現在の区の助成制度において再度の取りかえに際して再助成を行っているのでしょうか。お答えをください。
次に、他区においても私道に設置されている下水管が存在していることから区と同様な助成制度を設けていると聞いています。近隣他区における助成制度について助成割合や再助成の有無はどのようになっているのでしょうか。お答えをください。
この項の最後に、下水管等の排水設備は重要な社会的インフラの一つであることから、区民の生活環境の向上のためには助成制度のさらなる充実が求められているのではないでしょうか。区の見解をお聞きします。
次に、学校史などの切り取り被害対策についてお聞きいたします。
報道によりますと、小・中学校などの歴史をまとめた学校史の本が切り取られる被害が相次いでいます。日本図書館協会が全国調査を行った結果、全国27都道府県、被害は65の図書館、合わせて356冊、実に2,484ページに上るとのことです。切り取りの理由はわかりませんが、顔写真等個人情報が犯罪に利用されるのではないかと危惧される声も上がっています。
そこで、幾つかお聞きします。
現在、中野区立図書館の学校史の所蔵数はどのくらいあるのでしょうか。お答えください。
次に、5月25日の新聞によりますと、渋谷区の図書館において記念誌切り取りの被害があったことが判明しました。区立中学校の記念誌で集合写真などが切り取られていたとのことです。中野区は都内における学校史の切り取り被害状況について把握をしているのでしょうか。切り取り被害について、区として実態把握が必要ではないでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
次に、日本図書館協会は、改めてルールを守り図書館を利用するよう呼びかけておりますが、区として対策は考えているのか、現在の状況についてもお答えください。
一連の切り取り被害についてはどういう動機で行われたのかはわかりませんが、他自治体では、学校史を閉架書庫に移したり、見守りを強化するなどの対応をとっているそうです。図書館の本や資料を自由に見て刺激を受けたり、人との交流のきっかけとしたりといったさまざまな楽しみ方を制限することにつながるのではないかと残念に思います。
今回のことを通じて、図書館には、地域の文化遺産となる学校史などを含め、さまざまな出版物が収集・保存されているのだということを再認識いたしました。活字離れが言われて久しいですが、図書館の図書・雑誌・新聞等の出版物など、知識と文化の源となる情報を全ての人々に提供するという基本的役割は今後も変わらないと思います。昨今のICT技術やタブレット端末の普及といった環境変化を踏まえ、図書館サービスについても電子化やICT導入など、それらを活かすサービス提供方法を考える必要があると思いますが、時代に即した図書館サービスの充実について、区としてぜひ取り組みを進めていってもらいたいと思います。
そこでお聞きします。この6月から、区では地域情報、行政資料を電子化してデジタルアーカイブとして公開を始めるとのことです。デジタル化して公開すれば情報が容易に得られるようになります。切り取り被害の予防にもつながることが期待できるのではないかと思われます。どの資料をデジタル化対象とするかについては吟味が必要だと思いますが、デジタル化の対象をさらに拡大すべきではないでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
この項の最後に、切り取り被害が中野区では発生しないことを願うとともに、今後の図書館サービスのさらなる充実に期待し、区民にとってさまざまなメリットが得られると思われる図書館サービスの電子化について区としてどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。
以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。
中野駅周辺まちづくりについて、駅ビル計画内容見直しの検討内容についてであります。JRは、駅ビル計画内容見直しによる修正設計作業の中で、工事費をさらに縮減する方法について検討しており、技術的な視点とあわせて駅ビル事業の経営的な視点からの検証も行っていると聞いております。
また、区は、公共基盤配置の方向性として街区の再編による新北口駅前広場や都市計画駐車場のあり方を検討しております。西側南北通路・橋上駅舎、駅ビルからなる道路一体建物は新北口駅前広場と地上及び地下で接続することになるため、建物と広場内デッキの接続や駅ビルの荷さばき駐車場などの検討について公共基盤配置の検討状況と整合を図りながら進めることが必要となっております。
区役所・サンプラザ地区の公共基盤配置の検討状況について。公共基盤配置の検討は、学識経験者、関係機関職員等で組織する交通結節点あり方検討会を設置して進めており、新北口駅前広場がよりよい交通結節点となるよう検討を進めております。配置の検討に当たっては、都市計画駐車場を区役所・サンプラザ地区再整備地区内の建物と一体で整備することを検討するなど、今後新北口駅前広場内で想定される工事内容や規模についても考慮し、南北通路・橋上駅舎や新北口駅前広場の工期短縮の視点も含め検討を進めているところであります。
駅ビル計画内容の見直しの報告と区の判断について。中野駅西側南北通路及び橋上駅舎の整備については平成29年度内に実施設計に着手することとしており、区では、JRからの6月の駅ビル計画内容見直しの検討状況報告を踏まえ、区の区役所・サンプラザ地区再整備事業における公共基盤配置の検討と整合を図り、JRと実施設計協定を締結することとしているところであります。これまでの協議の中では、区はJRに対し、駅ビル見直しの検討期間がさらに延びる場合には駅ビルの必要性について再協議の方向性もあると伝えているところであります。駅利用者の利便性の向上及び駅周辺のまちづくりの進捗との整合から、区としては南北通路・橋上駅舎をできるだけ早期に開業したいと考えており、JRからの6月の報告を踏まえ、着実に事業を進められるよう適切に判断したいと考えているものであります。
西口駅前広場の整備スケジュールについてであります。係争中も土地区画整理事業の進捗についてUR都市機構と協議を重ねてきました。和解が成立し、5月に明け渡しが完了した結果、当初の事業計画期間を変更することなく、土地区画整理事業を完了することができる見通しとなっております。中野駅西口広場は、土地区画整理事業の事業計画期間である平成35年度までに整備するスケジュールとなっております。今後、中野駅西側南北通路の整備とスケジュール等を調整して整備を進めてまいります。
(仮称)西口広場の暫定利用の見通しについて。(仮称)中野駅西口広場の予定地は、UR都市機構が土地区画整理事業の進行のため工事等で使用すると聞いております。更地となるのはこれらの工事の実施後となりますが、具体的な工事内容、工期等が明確になってから時期が見通せるようになるものであります。この予定地につきましては、中野駅西側南北通路や橋上駅舎整備予定地の隣接地でもあり、これらの早期整備のために活用する可能性もあります。これらのことから、区としては、暫定利用については現時点で難しいと考えているところであります。
中野駅周辺まちづくりについて、2番目の項目、中野通り渋滞対策についてであります。中野通り駐車車両の誘導方策について。中野通りの路上駐車や荷さばき駐車については、区としても地域の課題であると考えており、地元や東京都、警視庁などの関係機関と話し合いを行っているところであります。交通環境や駐車需要の現状などを踏まえ、地域における駐車場の望ましいあり方を検討してまいります。
また、区では現在、中野区駐車場整備計画の改定を進めており、東京都駐車場条例に基づく地域ルールの導入による各地区の特性に応じた附置義務駐車場の適正化、既存駐車場の有効活用や駐車場の情報提供等による駐車車両の誘導などに取り組んでまいります。
南口駅前広場整備の進捗状況について。区は、安全で快適な交通結節点の機能強化に向けて、土地区画整理事業の施行者である中野二丁目土地区画整理組合とともに交通管理者と協議を行い、南口駅前広場の設計を進めることとしております。
南口駅前広場の安全対策について。中野駅南口駅前広場は、現況3,300平方メートルの限られたスペースの中にバス乗車場4カ所とタクシー乗り場があります。そして、流入車両で混雑している状況にあるわけであります。また、駅前広場内ではタクシー乗り場の外側でバスからの降車が行われているなど、降車時の人と車の交錯は区としても交通安全上の課題であると認識しており、安全性の確保に向け、対策を引き続き検討してまいります。
南口駅前広場の課題について、区はこれまでに中野警察署、バス、タクシー等の交通事業者、東京都第三建設事務所と意見交換を行っており、引き続き対策検討を進めてまいります。
その他の項での中野駅を中心とした歩行者デッキの考え方について。中野二丁目地区と中野駅を結ぶ歩行者デッキについては平成27年3月に都市計画決定しており、今後、中野二丁目地区の土地区画整理事業と市街地再開発事業の中で整備が行われる予定であります。
新北口駅前広場と囲町地区、区役所・サンプラザ地区と中野五丁目地区を結ぶ歩行者デッキについては、新北口駅前広場を含む新北口駅前地区とそれぞれの地区を結ぶ動線として、区役所・サンプラザ地区再整備事業とあわせて検討を進めてまいります。
構想段階であります中野二丁目地区と三丁目地区、それから中野二丁目地区と五丁目地区、これらをそれぞれ結ぶ歩行者デッキにつきましては、デッキと接続する空間の検討のため、中野三丁目地区及び中野五丁目地区におけるまちづくりなどが必須となるものであります。現在進めている西側南北通路・橋上駅舎の整備を踏まえ、今後、地域におけるまちづくりの機運の醸成を図りながら検討を進めてまいります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 初めに、学校等に対するJアラートの周知についてです。直近で、全国瞬時警報システム、Jアラートに関する東京都教育委員会からの通知といたしましては、平成29年4月21日及び5月15日の2回通知がございました。4月21日の通知は弾道ミサイル発射時の注意事項に関するもの、5月15日の通知はJアラートによる情報伝達メッセージの変更に関するものでございました。教育委員会としては、全ての小・中学校、幼稚園に対して同通知を配付し、周知を図ったところでございます。
続きまして、その他の項で、区立図書館における学校史等の所蔵数、それから切り取り被害、また予防策についての質問がございました。区立図書館の学校史、学校記念誌の所蔵数は434冊であり、中央図書館に367冊、鷺宮図書館が32冊、上高田図書館が12冊、その他の図書館は数冊ずつという状況でございます。都立中央図書館が5月に都内の公立図書館を対象に行った調査によれば、3区に被害があったとのことでございます。中野区の被害はございませんでした。既に学校史、学校記念誌などにつきましては、職員の目の届くカウンター付近や事務室内に置く対応をとったところでございます。
続きまして、デジタルアーカイブの対象文書の拡大をすべきではないかという御質問でした。区は、区立図書館所蔵の地域資料、行政資料をデジタル化し、インターネット上で閲覧できるサービスを6月1日から開始いたしました。現在、平成28年度からの5カ年計画で地域資料、行政資料を順次デジタル化していくこととしてございます。学校史など、個人情報に配慮すべき図書資料の扱いについては今後検討してまいりたい、このように考えております。
最後に、図書館サービスの電子化についての御質問です。区では、地域資料、行政資料の電子化、電子書籍の導入を進めるほか、利用の簡便化を図るための全図書へのICタグの貼付、地域開放型学校図書館を含めた新図書館システムの導入などに今後取り組んでいく考えでございます。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 危機管理について、それから私道排水設備の助成制度についてお答えいたします。
まず、危機管理について、Jアラート一斉訓練の結果と点検についてでございます。区では、平成28年11月29日にJアラートの全国一斉情報伝達訓練に参加いたしました。区立小・中学校や公園など113カ所に設置する防災行政無線スピーカーから試験放送、区役所の庁内放送、防災情報メールの発信等の訓練を実施いたしましたが、全て正常に作動いたしました。
Jアラートの機器類につきましては、保守業者による年1回の総合点検を実施するとともに、区職員が防災センターにおいて端末により障害発生状況を常時監視し、システムの稼働状況を確認してございます。
続きまして、防災行政無線が聞こえにくい地域への周知でございます。区では、防災行政無線をアナログ式からデジタル式へ移行する工事を平成30年度から順次進め、ノイズの減少、音質の向上に努めてございます。さらに、建物密集地域ではスピーカーの向く方向を調整するなど、防災行政無線の音声が確実に伝わるよう努めております。
なお、区では、防災行政無線で放送した内容を電話で聞くことができる音声自動応答サービスを実施しております。また、株式会社ジェイコム中野と連携いたしまして、専用端末により放送内容を聞くことができる防災情報サービス等の情報伝達手段を整備してございます。引き続き、効果効率的な情報伝達ツールを調査研究し、全ての人に緊急情報が確実に伝わる連絡体制の確保に努めてまいります。
それから、区の公共施設における対応でございます。施設管理者などにJアラートの発令時の対応につきまして区から必要な情報提供を行っておりますが、今後一層の注意喚起を行ってまいります。
区の訓練のあり方についてでございます。ミサイル着弾などの緊急事態の場合は適切な避難行動ができることが重要であることから、まず防災訓練や防災関連の会合などにおきまして区民に意識啓発及び有効な避難行動の周知を図ってまいります。
緊急事態の避難行動訓練につきましては、消防署など関係機関と連携いたしまして、訓練内容及び実施方法について検討してまいります。
それから、私道排水設備助成制度についてでございます。区が私道排水設備助成制度を創設いたしましたのは昭和43年でございました。財務省が定めました減価償却資産の耐用年数等に関する省令によりますと、下水管の耐用年数は50年とされてございます。したがいまして、区の助成によって設置された下水管の耐用年数は50年程度と考えております。現在の区の助成制度におきましては、過去に助成金の交付を受けた場合は、再度下水管等を取りかえたとしても助成の対象とはなってございません。
近隣他区の助成に関する状況についてでございます。近隣他区におきましては、新規の下水管等の整備費用に関する助成割合は区算定工事費の80%から90%でございます。また、近隣他区は下水管等の老朽化による再度の取りかえに対して再助成を行っております。
私道排水設備助成制度の充実についてでございます。下水管等を適切に管理することは都市機能を維持する上で重要な課題でございます。今後、下水管等の再度の取りかえに対する再助成につきましては、他区の状況を勘案しつつ検討してまいります。
○議長(いでい良輔) 以上で内川和久議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 次世代を見据えた中野区政のあり方について
(1)地域包括ケアシステムについて
(2)官民データ活用推進について
(3)組織について
(4)契約・発注について
2 その他
○議長(いでい良輔) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 平成29年第2回定例会におきまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。質問項目は通告どおりで、その他はございません。
1、次世代を見据えた中野区政のあり方について。
このタイトル、大風呂敷を広げたようなタイトルではございますが、地域包括ケアシステムが始まり、二十、三十年後を見据え、中・長期的に中野区政が進むべき方向を考えなくてはならないと強く思いまして、この質問をさせていただきます。
それでは、(1)地域包括ケアシステムについて。始まったばかりの地域包括ケアシステム、この目標、中野区としての方向性、事業としての持続可能性など、基本的なところに関して伺います。
団塊の世代約800万人が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援サービス、提供サービス、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。そして、地域包括ケアシステムは、みずからのことを助ける自助、家族・友人・ボランティアなどに支えられる互助・保険制度などによって支えられる共助、税金など行政が助ける公助、「自助・互助・共助・公助」によって成り立つとしております。中野区の地域特性を踏まえて持続可能な社会システムを構築していかなければならない、この地域包括ケアシステムのあり方を語ることは中野区の理想の未来像を語ることに等しいです。
地域包括ケアシステムを考える上で幾つかのポイントがあろうかと思いますが、ここでは五つ御質問をさせていただきます。
中野区地域包括ケアシステム推進プランの達成指標として、2025年の目指す姿を、長期療養が必要になったときに自宅で過ごしたい人の割合を、現在、平成28年実績で34.4%から60%の目標値にすることになっております。目標値達成のためには、在宅でも医療・介護・生活支援の療養環境を整える必要があると同時に、高齢者自身が在宅療法を選択する意識改革が必要となりますが、区としてどのような方策があるのか、伺います。
二つ目は、もう一つの目標値について。もう一つの目標値は、65歳の健康寿命、要介護2以上の認定を受けるまでの平均自立期間が示されております。平成25年実績値、男性17.13年、女性20.62年、それを平成37年度には目標値が男性は18.5年、女性が22.0年としておりまして、1.4年ぐらいの増加を見込んでおります。平均寿命と健康寿命の差、つまり不健康である期間、不健康期間が短くなればこの差がゼロということに、最終的にゼロということになればいわゆるぴんぴんころりという状況であり、行政としても医療費がかからず理想の状態となります。不健康期間を短くするには健康寿命の延伸が必要です。
「東京23区健康格差」という書籍によりますと、全国の平均寿命と健康寿命ともに右肩上がりであるものの、その差である不健康期間が2001年から3年ごとに数字が示されていたのですが、男性は大体9年ぐらい、そして女性が12年程度ということで横ばいの数字でありました。健康寿命を延ばすことは最近言われ始めた言葉ではありますが、その健康寿命を増加させた先に不健康の期間を縮めることには必ずしもならないということで、未知数であります。高齢者の健康寿命向上に関する施策が不健康期間の縮減につながらず、医療費の削減に対して何もインパクトがなければ、区としては財政的に何の効果も生まないどころか、マイナス面が多くなってくる可能性すらあります。公平性の担保、効果的な施策立案などの面から、予算は子育てに回した方がいいという判断も生まれることもあり得るかもしれません。不健康期間を短くするためには平均寿命を無理やり延ばすことにも苦言を呈する必要もあります。
終末医療、ターミナルケア、重たい病気の末期で不治と判断されたときに、治療よりも、患者の心身の苦痛を和らげ、穏やかに日々を過ごせるように配慮するということもあり得ます。在宅で亡くなられた方は、自宅にいる安心感から、亡くなられた親族が夢に出てくるお迎え現象というものが発生しやすくなり、穏やかな精神状態でみとられるというケースがふえるそうです。区としても、そういった点で、そういった終末医療に関して理解促進、サポートが必要になろうかと思います。さまざまな要因で医療費と平均寿命・平均余命・健康寿命などとの関係は簡単には説明がつきませんが、これらを目標とされている上で施策をどのように考えていくのか、お伺いいたします。
三つ目に、地域包括ケアの地域特性に関してです。
地域包括ケアは各自治体の特性に合わせる、つまり中野区の実情をしっかりと理解した上で制度設計をしなければならず、マニュアルがないため非常に困難ではありますが、ある程度自由度が高いものでありますので、ここはそういった環境をピンチと思わずにチャンスとしていくべきであります。例えば、東京のような都市部ではないような地域におきまして、地域包括ケアのその地域特性と考えた場合には自動車があることが前提となりまして、その自動車、誰がその費用を負担するのか、そういった議論もあるかもしれません。そういった意味で地域特性というものは非常に重要であるということになります。
そこで、地域特性を踏まえて地域包括ケアシステムの制度設計に当たりまして、中野区は他の自治体と比べてどのような地域特性があるのか。そして、その地域特性を踏まえてどのようなことを気をつけていくべきと考えているのか、お教えください。
四つ目として、地域包括ケアの持続可能性についてです。
持続可能にしていくためには、共助・公助、保険制度・税金にできるだけ頼らない、財政的にそういうところに頼らないことが必要になってくると考えられますが、そのためには自助と互助を拡充していかなければなりません。推進プランの中で、自助に関しては、本人の意思や権利が尊重されるように擁護し、精神的に負担を少なくすることが重要ですと示されていますが、結局、互助・公助あたりの助けが必要になってくるということも考えられます。そうしますと、自助・互助・共助・公助の中で一番重要なのは互助、つまりはボランティア、友人、家族の力が最重要になってくると考えられます。
地域包括ケアは、大ざっぱに言えば高齢者を下の世代が支えていくということになってきます。私は、今37歳で高齢者を支えていかなければならない立場ですが、40年後には77歳で支えられている立場になっているかもしれません。世代の新陳代謝を繰り返すようなイメージがなければ、持続可能な地域包括ケアシステムにはなっていきません。ほかの自治体である、地域活動をするともらえる地域ポイント、地域通貨などをためると自分がもし支えられる側に立った場合にそれが還元されるような仕組みもあってもいいかもしれません。
とにかく若者が地域に巻き込まれ、そして定着していくことが重要となってきます。例えばですが、朝、出勤で中野から出発して、都心3区中心で働いて、夜に帰ってくる。そして、夕飯は職場の同僚とその都心3区などで行ってくる。そうすると、中野の人と誰ともしゃべることなく1日が終わってしまいます。地域との接点がない若者が多いわけです。
私は、この区議会議員になる前はもともと中央に住んでおりまして弥生町に移り住みましたが、そのとき弥生町のことを全く知りませんでした。弥生町の地元のことがわからなかったのですが、地域の飲み屋さんなどで仲よくなった人たちに地域のイベントや祭りに誘ってもらいまして、地域活動に徐々に参加していきました。皆、昼は中野にいません。そういった地域活動の入り口というものは、そういった夜の集まる場所にあるのかなというふうに考えております。夜に地元の商店街で食事、飲み、語らいを共にする仲間が集えるような仕組みをつくれば、自然に仲間がふえ、町会などの地域活動に参加してくる、そんな形が今、私の回りで胎動しているように感じております。
人口データから若者が中野区にたくさんいることはわかっております。職場の同僚と上司の悪口を吐くぐらいなら、地元で楽しいイベントの話ができる中野の夜になっていけば、商店街も町会もにぎわいが生まれ、持続可能な未来が見えるのではないでしょうか。どんな方法であれ、若者がまちを守る、そういったイメージが区になければ地域包括ケアシステムは維持できません。今後、持続可能なシステムを構築していくために、若い世代、次世代リーダーとなる方々が地域活動に参加する必要があると考えますが、区は、その仕組み、人的資源の確保をどのようにお考えなのか、お伺いします。
最後、五つ目に、区役所内の体制についてです。
昨年、区民委員会の視察で、足立区のいわゆるごみ屋敷対策の状況について視察に行きました。生活環境の保全に関する条例により、調査段階で生活環境適正化対策会議を設置し、地域のちから推進部、福祉部、衛生部、環境部、都市建設部、区民部、社会福祉協議会との横断的な連携を図ることとなっております。また、指導・勧告に従わない場合は、弁護士、医師、学識経験者、町会・自治会連合会役員、民生・児童委員役員、まちづくり推進委員、社会福祉協議会、役所の部長級6人によって構成される生活環境保全審議会でそういった事案に対して話し合われます。ごみ屋敷になっている状況に対してごみを処分する対処療法はもちろんのことでありますが、原因となっているごみ屋敷住居者の精神疾患を特定し改善していくという根本治療がなされる、一人のためにできるだけ寄り添う理想の区民サービスがそこにあると感じました。地域包括ケアシステムは一人ひとりに寄り添う体制であってほしいと考えますが、どのような形になっていくのかお伺いして、この項の質問は終了いたします。
(2)官民データ活用推進について。
昨年12月に、官民データ活用推進基本法が制定されました。この法律は、インターネット、そのほかの高度情報通信ネットワークを通じて流通する、官民が保有する多様かつ大量の情報を活用することにより、急速な少子高齢化の進展への対応等の我が国が直面する課題の解決に資する環境をより一層整備し、それをもって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与することを目的としております。
また、先週5月30日に膨大な個人情報を集めたビッグデータの利活用のルールを定めた改正個人情報保護法が全面施行されました。改正法は、個人情報を定義して、個人が特定されないように加工することで本人の同意なしにデータを利活用することを認めたものです。前段で述べましたが、地域包括ケアシステムなどでは少子高齢化対応にその枠に入っていくために、そういった観点、イメージを持って、この項の御質問をさせていただきます。
まずそこで、現状の中野区のデータの管理状況についてお伺いします。
中野区の平成29年度当初予算(案)の概要によりますと、財調から区民のサービスの基盤となるシステムの再構築等に係る経費の一部として11億円が一般財源に繰り入れられております。その主な経費としては、次期住民情報システム構築、内部事務管理システム更新、高齢・障害福祉業務管理システム再構築などが挙げられております。こうしたシステムの更新や再構築に約11億円もの膨大な経費がかかっているわけですが、業務のスリム化、人件費削減などといった効果が見込めるような話は聞こえてきません。システム開発・再構築により業務の量、業務の質などにどのような変化が出てくるのか、お伺いいたします。
地域包括ケアシステム推進プランの8本の柱の柱7の相談、コーディネート機能及びケアマネジメントの質の向上において、「すこやか福祉センター等の区の相談窓口では、要支援者情報台帳システム、福祉システム、健診システム、子育て支援システム等用途別のシステムを使用しており、出生から死亡までの健康・福祉に関する必要な情報を一体的に活用している状況にありません」としております。
また、新しい区役所整備基本構想では、「24時間365日どこでも区役所」の実現に向け、新しい区役所の整備に合わせて新しいサービスが計画され、アウトリーチによる対面サービスや個別支援の充実が挙げられております。寝たきりの高齢者や重度障害により外出困難な方など、新しい区役所にお越しいただくことが困難な方には、すこやか福祉センターや地域包括支援センター等と連携を図りながら、職員が御自宅まで伺い必要なサービスを提供しています。持参したタブレット端末を利用することで将来的には総合窓口と同等のサービスを提供しますとあります。タブレットには、セキュリティの担保をしながら、分野横断的なデータがなければ別々の所管の担当者が出たり入ったりと訪問することになるわけですから、所管同士でのデータ連携が図られるものと思っております。
今後、新区役所整備に向け全庁的なデータ連携を図り、ワンストップで用事が済ませられるような仕組みを構築し、区民サービスの向上につなげていくとされておりますが、その辺の細かいところの御見解をお伺いいたします。
システム開発・再構築によりデータベースの利用が容易になっていくのであれば、データ活用推進において分析が容易になっていると思います。改正個人情報保護法により、データ分析が可能となっています。また、マイナンバーには医療・介護等の情報を載せる可能性があるということです。今後、さまざまな分析を対象に、財政効果が出るかどうか、そういったことの研究をしていただき、ほかの自治体に先駆けて区が所有できるデータを分析して政策判断に御利用していただきたいと考えます。
これまでは区役所内のシステム・データについて述べましたが、次に民間が保有するデータの活用という点で述べさせていただきます。
区のデータでは、これからのまちづくりや観光客の誘致などに有効なものがないと思われます。そこで一例として、ICTCOがサンモール商店街においてビーコンを利用した人流センサー実験を行っていますが、それの技術を区内各駅に設置し、乗降客の動きのデータを時系列で把握して、駅周辺のまちづくりや商業、観光などについての施策の立案や成果の把握に活用することが考えられます。ある施策、イベントによって人の流れに変化があり、それを分析できれば事業の効果を検証できるのではないでしょうか。先ほど述べた若者を商店街に集めるための施策がもし何かあれば、その効果を簡単に調べることだってできると思われます。
また、ICTCOでは、GPSなどを用いた外国人の動線を分析するプロジェクトもあるそうです。担当者は、事業の効果の見える化がなされれば、業務に対してやりがいが出てきます。
そこで、区としては、このように民間データを利活用したまちづくりや観光施策を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
これまで述べてきたように、官民データ活用推進基本法策定の背景には、超少子高齢社会における諸課題の解決に向けて、新ビジネスとイノベーションの創出や行政・医療・介護・観光・教育等の改革などに官民が保有するデータを活用する必要性が増大しているという現状があります。また、安全にもかかわらず、安心ではないといった感情論があります。車による交通事故・排気ガス、携帯の電波などリスクはゼロではありません。しかし、便利さ・価格・環境リスクなどのメリット・デメリットのバランスが図られ、ゼロリスクにする施策、つまり車と携帯電話の廃止ということにはなっておりません。自分の生活に密接な事象に対してはメリットとデメリットのバランスが考えやすいですが、イメージがつきづらい現象・事象に関しては科学技術の精査の結果としてデータが政策判断に必要になるわけであります。ゼロリスクには不要に費用がかかるだけです。感情論に捉われず、政策決定を行う際にはできるだけ科学技術を活用してデータを根拠として示し、区政を前進させていただきたいとお願いして、この項の質問を終えます。
(3)組織について。
中野区は、従来の係や課という組織を廃止して、担当・分野といった組織として執行責任者や統括管理者を配置しています。このことによって部署を横断する課題に対してある程度柔軟かつ効果的に対応することができる組織のルールがあると認識していますが、部と部の間では一つハードルが上がるところです。しかし、地域包括ケアは現段階で五つの部をまたぐことになっております。先ほど紹介した足立区のごみ屋敷問題の事例でも六つの部の職員が連携していく必要があります。地域包括ケアに対しては部と部の間に落ちてしまいかねない事例もあろうかと思います。地域包括ケアの取り組みを発展させていくためには、複数の部署の職員が主体的に柔軟的に連携して課題解決に向けた取り組みを進めていかなければなりません。部署を横断する課題に対して、縦割り意識を脱却し効果的に連携するとともに、総合的な観点で課題を解決することが非常に重要ではないかと考えます。こうした問題をクリアするために、職員の人事配置や権限の付与など区として考えられることはありますでしょうか。お伺いして、この項の質問を終えます。
(4)契約・発注について。
中野区では、これまで時勢の変化を捉え、さまざまな入札・契約制度の改善に取り組まれてきました。我が会派から幾つかの制度改正について提案させていただきまして、本年度から取り組まれた制度もありますが、時代によって変化するニーズに対応していかなければならず、完成することはまずないでしょう。
今年度からの取り組みとして、工事請負契約における最低制限価格等の上限額引き上げ、業務委託契約における総合評価方式の導入、区内業者優先枠の拡大などがありました。これらの取り組みの理念は、公共調達の品質確保、それに貢献する区内業者の育成であります。
発注というものは、安さと質、両方の観点から見ていかなければなりません。東京都が今月末から始める最低制限価格等の見直しは、中小企業事業者に不利益となる、市場の健全な競争を阻害するほど不当に安い価格となるダンピングを推奨するようなルールであり、品確法の趣旨から外れてしまう可能性すらあります。中野区としては、公共調達の品質向上に向けた区内事業の技術力を高める仕組み、発注者と受注者双方がスパイラルアップしながら持続的に成長する仕組みが必要であります。区内事業者が区内だけではなく区外でも活躍できる、区外からも選ばれるほどの実力、信用力が確かなものとなっていくことが、この先20年、30年先を見据えた区内事業者の競争力強化につながっていくのではないかと考えます。
また、区の抱える現状として、行政サービスの多様化、2,000人体制の大きな理由から発注に依存せざるを得ない状況が続いております。部署や職員によっては、ある意味業務の仕様書作成、公募、入札、契約締結、工程管理、完了検査までの一連の作業に追われるのみで1年間が終わってしまうということもあるでしょう。公務員にとって発注は重要な業務ではありますが、多くの業務に囲まれ、業務発注の形式・書式的な作業に追われ、じっくりと業務と向き合う時間がないのではないかと危惧します。このような状況になりがちな理由として、一つはその業務の細分化により予算・人事的に融通がきかない、二つ目は期間的な制約があろうかと思います。
一つ目に関しては、庁内で地域包括ケアシステムのような共通、関連する事業や業務を取りまとめ調整することで、発注ロットを大きくすることでコストメリット、仕事のスリム化につながるのではないかと考えます。一律のルールではなく、個別の案件に対して対応できる手法を研究していただければと思います。
二つ目の期間的な制約に関しては、年間を通じた切れ目のない公共事業の発注で、地域の公共工事の担い手となる事業者の経営の効率化及び安定化、その結果として公共事業の品質確保を図る上で極めて重要ではあります。発注が少なくなりやすい4月・5月は工事事業者が暇になっているということが多いのが現状です。発注・施工時期等の平準化に当たっては、発注時期及び工期末が一時期に集中しないように年間を通じて分散化を図る必要があります。国やほかの自治体では債務負担行為の積極的な活用を行っております。中野区としてもさらに活用をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、公共工事品質の指標である工事成績は、一般競争入札の総合評価の得点に反映されたり、低い場合は指名停止ともなるなど、受注者にとっては将来の安定した受注獲得に向けて工事品質を高めようとするインセンティブとなる重要なものであります。さらなるインセンティブとなるよう工事成績の活用方法の拡大について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
発注することは、業務達成のためのあくまで手段でありまして目的ではありません。与えられた現場・予算・環境で頭をフルに使って夢がある仕様書を作成し、すばらしい業務にしていただき、発注者、受注者がともに成長するものにしていっていただきたいと思います。
以上でこの項及び全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えをいたします。
次世代を見据えた中野区政のあり方について、地域包括ケアシステムをめぐる質問がありました。
医療・介護・生活支援・環境整備と区民の意識変革について。在宅療養や在宅でのみとりを進めていくためには、かかりつけ医などの訪問診療と訪問看護・介護の医療・介護の連携を強化していく必要があります。このため、ICTを活用した療養者情報の共有化の推進などを図ってまいります。また、こうした在宅療養基盤の整備状況などを丁寧に情報発信していく中で、区民の介護不安を払拭するとともに、本人や家族、家主などの理解を促進していく取り組みが必要だと考えております。
健康寿命延伸のための方策について。65歳男性の健康寿命と平均余命は82.6歳と84.15歳で間差は1.5歳程度、女性の場合には86.03歳と89.37歳で間差は3.3歳程度となっております。区といたしましては、データヘルスの取り組みや糖尿病重症化予防など生活習慣病の予防と健康づくり、さらに介護予防事業の充実によって区民の健康寿命を延ばしていきたいと考えております。
中野区の地域特性、地域包括ケアシステムをめぐる地域特性について。中野区におきましては、住民同士の見守り支えあいへの取り組みが町会・自治会を中心に先進的に行われていることや、住民団体による高齢者会館の運営など住民主体の活動が活発に行われていることが特徴であります。本年度、区民活動センター単位に地区担当職員、アウトリーチチームを配置し、地域のいろいろな活動の場に出向き、地域資源の発見・把握に努め、また地域の情報から潜在的な要支援者を発見し、確実にサービスに結びつけていく活動に力を入れることとしているところであります。
若い世代の地域活動への参画について。地域における自治活動や公益活動への若い世代の参画の拡大は重要な課題と認識をしております。シルバー世代による子育て支援や若い世代による高齢者の見守り支援など、互いに支え・支えられる地域社会づくりを進めていくためには、若い世代に対する地域課題の共通理解のための働きかけや、いわゆる地域デビューですね、このためのきっかけづくりが必要と考えております。SNSなどを活用した若い世代への情報発信、地域と連携したPTA活動の推進、既存の地域活動への橋渡しなど、さまざまな取り組みを進めてまいります。
一人ひとりに寄り添える地域包括ケア体制づくりについて。地域包括ケア体制では、一人の取りこぼしもなく、必要とする人に必要となるサービスを提供するためにアウトリーチによる相談支援を行うこととしております。職員のスキルを向上させながら、潜在化している生活問題も的確に把握しながら、専門機関と連携し、一人ひとりの支援に当たってまいりたいと考えているところであります。
私からは以上です。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、官民データ活用の推進についてのうち、システムの開発・再構築の効果についてお答えいたします。
平成29年度のシステム関連経費は、住民情報システムを汎用的なパッケージシステムに移行する経費のほか、内部事務管理システムや高齢・障害福祉事業管理システムなど、現行のシステムが更新時期を迎えることに伴う再構築のための経費でございます。住民情報システムの再構築や住民情報連携基盤システムの運用開始などにより、職員がデータ抽出や帳票出力の機能を作成できる汎用的な機能を活用するとともに、膨大なデータを分析・加工し、政策決定に活用できるツールを導入することでさまざまなデータの利活用を推進することができると考えてございます。
また、業務システムの導入に際しましては、業務プロセスの見直しも行っており、これらを通して業務の効率化と区民サービスの向上を図るとともに、情報システムの経費の削減につながるものと考えてございます。
〔新区役所整備担当部長相澤明郎登壇〕
○新区役所整備担当部長(相澤明郎) 私からは、官民データ活用推進のうち、全庁的なデータ連携によるワンストップサービスについてお答えいたします。
業務システムの更新に当たりましては、区民サービスをワンストップで提供する視点から業務システム間の情報連携を進めていきたいと考えております。新しい区役所の総合窓口においては、ワンストップで全てのサービスを総合的に説明し、最適なサービスを案内できる窓口づくりを目指してまいります。あわせて、高齢や障害などで支援を必要とする方に対しては、区の職員などが直接訪問して適切なサービスを案内し利用に結びつける、アウトリーチサービスを実現できる仕組みを進めていきたいと考えてございます。
〔都市政策推進室奈良浩二登壇〕
○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、官民データ活用推進についての御質問のうち、民間データを活用したまちづくりや観光施策についての御質問にお答えをいたします。
まちづくりや都市観光施策などを推進するに当たって、具体的なデータを用いた現状把握や、施策の立案、事業改善、また施策の実施前後のデータの変化などを把握することは効率的・効果的かつ実証的な事業展開を図っていく上で欠かせないものと考えてございます。ビーコン、Wi-Fi、GPSなどさまざまな媒体を活用し、民間が収集・分析して提供されるデータにつきましては、その有効性や信頼性などを検証した上で、活用可能なものにつきましては十分に活用していきたいと考えてございます。
〔経営室長篠原文彦登壇〕
○経営室長(篠原文彦) 区の組織、契約についての御質問にお答えをいたします。
初めに、部署を横断する課題の連携についての御質問でございます。各部におきましては、その目標を達成するため業務を遂行することを基本としてございます。複数の部を横断する課題につきましては、その推進役となる部が中心となって、関係部と連携しながら目標を達成するために業務遂行に当たっているところでございます。すこやか福祉センターが地域の現場で区民一人ひとりを総合的に捉え、あらゆる課題に対応していくことができるよう、地域包括ケア推進運営においてすこやか福祉センターの権限や本庁との連絡の仕方などについて検証し、作業を進めているところでございます。
次に、債務負担行為を活用した発注時期の平準化についての御質問でございます。工事に必要となる適正な工期の設定や区内事業者の安定した受注機会の確保の観点から、年間を通した発注時期の平準化は重要であると認識をしてございます。年間の発注予定数、それから同種業務の発注時期、受注可能な業者数、事業者数、適正な工期のあり方等を分析し、必要に応じまして債務負担行為の活用を検討してまいります。
次に、工事成績についての御質問でございます。工事成績は、総合評価における加点・減点要素、それから指名停止基準への適用のほか、優秀な得点であった事業者や工事について公表することとしてございます。総合評価への反映度の度合いの変更や表彰制度の構築等、他自治体や民間の事例も参考にしながら検討してまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 再質問をさせていただきます。
システム関連のところでありますが、今年度の予算で11億円の膨大な経費がかかって、それが業務のスリム化、人件費削減などといった効果が見込めるような感じではないと、そういった声が聞こえないみたいな質問で、システムの開発・再構築というのは業務に対して量とか質に対してどのような変化があるかということをお伺いしたところなんですが、もし人件費が下がっていないというのであればシステムとして効率がよくない、データの入力量がふえているとかそういったことになるのか。では、そのデータの量がふえているのであれば、そのデータを活用してさらに何かやろうという意思があってそういうふうにやるのかというところで、ちょっと再質問をさせていただきます。
あともう1問ですが、先ほど全庁的にセキュリティを担保しながらもそういったワンストップサービスを、アウトリーチなど、区役所とかそういったものをやっていかないといけないというところですが、ちょっとその辺セキュリティとか、内部の組織としてどういうふうにそういったところを対応されていくのか。この前の臨時職員の件などもありましたので、そういった観点からの御回答をいただきたいと思います。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) システムの関連についての再質問にお答えいたします。
先ほど議員がおっしゃっているとおり、入力の手間の省力化等にどうつながるのかということでございますが、新しくシステムを入れることによってさまざまな、現状、職員がデータを自分でつくるとか、または抽出の手間がかかる部分を、システム化によりそういったもので収集または加工ができるようになります。そういった面では人件費、人力の手間が省けるということ、またこれらのデータを汎用に使えることによりまして、区として新たな政策決定に十分活用できるデータがつくれるということでございます。そういったものを含めまして、区政または区民生活の向上に大きく努めていきたいというふうに考えてございます。
〔新区役所整備担当部長相澤明郎登壇〕
○新区役所整備担当部長(相澤明郎) セキュリティの件についての再質問でございます。
システムに関する、個人情報に関する分野は庁内でさまざまな部署があります。全庁的で取り扱っているところ、そういうところと調整して全庁的なセキュリティ対策を構築した上でシステムの連携というものをちゃんと対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(いでい良輔) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時32分休憩
午後2時55分開議
○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 質の高い保育の提供について
2 教員の労働実態について
3 その他
○議長(いでい良輔) むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。
質の高い保育の提供についてお尋ねいたします。
5月12日、内閣府が2016年教育・保育施設等における事故報告集計を公表いたしました。報告があった保育施設での事故件数は前年の1.5倍の587件でした。ただし、認可外保育施設は事故報告の義務付けがないため、公にならない事故がさらにあると推測できます。事故件数587件のうち、13件が死亡事故でした。死亡した13人のうち、10人が睡眠中に亡くなりました。年齢別では、ゼロ歳児が7人、1歳児が4人、6歳児が2人でした。施設別では、認可外保育施設が7人、認可保育施設が6人でした。立入調査権を持つ自治体の責任は重大です。
東京都が公表している2015年度認可外保育施設立入調査結果一覧の中に、中野区にある2カ所の保育施設の結果の記載があります。1、トイレ及び保育室専用の手洗い設備がない。2、児童の避難に有効な位置に非常口が二つ以上ない。3、保育者に研修の機会がない。4、入所時の健康診断が行われていない。5、乳幼児突然死症候群の予防への配慮がない。6、保育者数が足りない。7、保育者の3分の1以上が有資格者でなければならないが不足など、いずれも児童の健康面や命、保育の質にかかわる重要な指摘にもかかわらず、改善報告が未提出のまま放置され、運営がなされています。この二つの施設と同様に、指摘された問題点が改善されないまま運営を続けていた大田区の認可外保育施設で昨年3月に起きた乳児の死亡事故は記憶に新しいところです。
東京都は、認可外保育施設における指導監督要綱で、立入調査に際して市区町村の立ち会いを求めると規定しており、中野区は立ち会いをしていると伺いました。ふえ続ける認可外保育施設に指導が追いつかない状況下で、指導権限が東京都にあるにせよ、区も調査に立ち会い、問題点を把握している以上、見て見ぬふりをせず、子どもの命を守るために、この2園に対して東京都と連携して何らかの働きかけをするべきではないでしょうか。お答えください。
さて、子ども・子育て支援法に基づき、認可施設に対しては中野区が指導監督を行うことになりました。指導監督には、立入検査、基準遵守の勧告、措置命令、確認の取消しなどが含まれています。昨年9月に要綱を定め、11月から指導検査を実施していると伺いました。立ち入り調査項目、対象施設総数、これまでの指導検査実施施設数、指摘した内容と改善状況、立ち入り調査結果の公表のあり方についてお答えください。
ことし3月、姫路市の認定こども園で、保育士数の水増し請求、定員の1.5倍の園児の受け入れ、40人分を70人で分けた給食の実態が抜き打ち調査で発覚しました。これまでの一般指導検査で把握できなかったことについて、市は、非常に残念。不適切な運営をどう見抜いていくのか研究したいと記者会見で述べていました。一般指導検査は事前通知をした上での検査のため、検査日には不当に受け入れた児童を休ませるなど巧妙な手口でした。少ない給食については、園児が保護者に伝えられないのをいいことに、必要な食べ物を与えない虐待だったとも言えます。認可施設だから安心との認識を覆す事件でした。この事例からも抜き打ち調査が重要だと考えますが、区の認識をお答えください。
認可保育園の入園選考は指数で決められていますが、父母が会社員でフルタイム勤務の42点ではほとんど入園できません。そこで認可を諦め、認可外施設に一旦入園して、翌年2点を加点し、認可に移る子どもが多くいます。これは区の保育事情と保護者の判断ですが、突然場所も保育士も友達も変わり、精神的な苦痛と負担が物言えぬ小さな心に大きくのしかかり、不眠や夜泣き、食欲低下を招く子どももいます。最初から、園庭など施設環境が整い、就学時まで通え、転園する必要がない保育園の増設を誰もが望んでいます。
今年度、新規開設支援として約27億7,000万円が予算化されました。土地の確保が厳しいことは承知していますが、新設するのであれば、再度申しますが、転園の必要がない、園庭など施設環境が整い、就学時まで通える保育園の増設をするべきだと考えますが、区の見解をお答えください。
待機児をなくすために、質より量を優先する国の基準緩和対策についての新聞取材に、質の確保を考えると基準緩和は厳しいと答えた中野区の保育担当に期待をして、次の質問に移ります。
教員の労働実態についてお尋ねいたします。
4月28日、文部科学省が10年ぶりに実施した教員勤務実態調査結果の速報値を発表しました。2016年10月に全国の公立小・中学校400校の教員を対象に勤務状況などを尋ね、小学校397校の8,951人、中学校399校の1万687人から回答を得て集計されました。
調査結果によると、10年前と比較して、平日・土日ともに、校長・副校長・教諭・講師・養護教諭のいずれの職種でも勤務時間が増加しました。教諭の平日の勤務時間の平均は、小学校が11時間15分で前回より43分、中学校が11時間32分で前回より32分の増加。土日の勤務時間は、小学校が1時間7分で前回より49分の増加、中学校は3時間22分と前回より1時間49分と大幅に増加。小・中ともに平日の勤務が最も長いのは副校長でした。教諭の最もふえた業務は、平日は小・中学校ともに授業時間、土日は小学校が授業の準備、中学校は部活動でした。
また、週に60時間以上勤務する教諭が、小学校では33.5%、中学校では57.6%となり、週に20時間以上残業していたことになります。これは、厚生労働省が定めている過労死ラインに該当する可能性があります。文部科学大臣は記者会見で、看過できない深刻な事態が客観的な数字として裏づけられた。早急に対処したいと述べられました。
この調査結果について、どのように区は受けとめたのか。さらに、中野区の教員の実態と照らし合わせての認識をお答えください。
そもそも教員は、労働基準法上の時間外労働の割り増し賃金の適用がなく、残業代相当分として給与の4%が一律支給されているため、労働時間の管理意識が欠如していたと言えます。近年教員の過労死もあり、主要国で最も長いとの調査結果もある日本の教員の長時間労働の是正が課題となっています。しかし、いまだに教員の出退勤の管理は出勤簿への捺印のみで、時刻の確認ができない学校が90%、タイムカードやPC等の機器により時刻の確認ができている学校はわずか10%にとどまっているそうです。タイムカードを導入しても中野区のように不正打刻を行う人がいては正確な把握はできませんが、文科大臣が述べられたように客観的な数字の把握が必要だと考えます。
第1回定例会における羽鳥議員の予算総括質疑において、タイムカードの使用は考えていない。教員の労働時間については学校管理職が把握しているというふうに考えておりますと、把握について不明確な答弁でした。
改めてお尋ねいたします。教員の労働時間を学校管理職がどのような方法で把握をしているのか。その把握内容を区としても把握しているのか。把握しているのであるとすれば、小・中学校それぞれの平日及び土日の平均勤務時間をお答えください。
もしも客観的な数字を把握していないのであれば、何らかの方法で客観的な数字を把握するべきだと考えます。区の見解をお答えください。
ブラック企業そのものと言われている教員の長時間労働は、教員自身の自己研さんの時間を奪い、教育の質の低下を招き、児童・生徒にとって大きな損失となります。まずは実態の把握に努めるよう強く求め、質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えをいたします。
質の高い保育の提供について。認可外保育施設への都との連携による働きかけについて。東京都が区内の認可外保育施設に立入調査を実施する場合、原則区の検査担当職員が同行しており、調査終了後には区が気づいた点を都の指導に反映してもらうなどの連携を図っているところであります。その後の都の権限による指導に関しましても、区として必要に応じ連携を図っているところであります。
区における立入検査の実情について。平成28年度から認可保育施設については区が指導検査を行うこととなりました。私立の認可保育所等の検査対象園は約60施設ありますが、このうち平成28年度は23施設で検査を行ったところであり、今年度中には全ての対象施設の検査を実現できる見込みであります。検査に際しては、運営管理、保育内容、会計経理の三つの調査項目によって実施をしているところであります。主な指摘内容としては、避難・消火訓練の実施回数の不足や重要事項の施設内掲示が不十分などでありました。指摘のあった施設につきましては、1カ月以内に改善状況報告書を提出させ、その後、巡回による履行確認を行っており、現在のところおおむね改善が完了しているという状況であります。また、検査の結果については、今年度上半期を目途にホームページで公表すべく準備をしているところであります。
認可保育施設における抜き打ち検査について。区では、全ての認可保育施設を対象に、保護者や関係機関からの情報提供等による通報があった場合には、必要に応じて事前通告を行わない指導検査を既に実施しているところであります。
認可保育所の積極的な整備について。ゼロ歳から5歳児に対応する認可保育園の整備は着実に進めているところであります。しかしながら、園児一人当たりの保育面積や職員配置の基準などから、全ての園を全年齢児対応にすることは現実的ではないと考えております。小規模認可保育事業所などの整備も一定量必要であると考えており、待機児童の解消や多様な保育ニーズに対応するため、地域型保育事業についてもあわせて推進をしていく考えであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教員勤務実態調査の結果と区教員の勤務実態への認識と把握についての御質問でした。教員については、その職務の性質から、時間外勤務手当ではなく一律に教職調整額を給与に上乗せする仕組みとなっております。この仕組みにおいて、勤務時間以外にやむを得ず発生する一定の業務に対応できるという想定の制度でございます。しかし、近年、実態としてはさまざまな形で業務の増加が指摘されています。中野区におきましても同様の傾向があると思われるため、勤務時間の管理に留意をしているところでございます。現在、教員の勤務につきましては、学校管理職が目視や教員からの自己申告などによって把握しており、区としても校長からおおむねの状況の報告は受けているところでございます。勤務している時間を厳密に把握する必要があるとは考えてございませんが、今後とも適正な勤務時間となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(いでい良輔) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 中野区犯罪被害者等相談支援窓口の充実について
2 U18プラザの廃止について
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
中野区犯罪被害者等相談支援窓口の充実について伺います。
1997年、神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で土師淳君が殺害されてから、この5月24日で20年を迎えました。23日、参議院議員会館で犯罪被害者への支援拡充を訴える集会が開かれ、法曹関係者や市民ら約150名が参加しました。土師さんはこの集会の中で次のように訴えられました。「犯罪被害者支援については、犯罪被害者等基本法成立以降、法律改正や新たな施策が多く施行され、被害者問題を改善しなくてはならない機運が続いていたが、最近は議論がトーンダウンしている。もうこの程度でよいのではないかといった雰囲気が出ている。被害者支援の歩みを止めないでほしい。」
さて、中野区に目を向けてみると、平成21年(2009年)、中野区に犯罪被害者等相談支援窓口が設立されました。まず、区長が犯罪被害者等基本法の趣旨を理解され、次に当時の理事者とその組織の方々の大変な御尽力によってこの犯罪被害者等相談支援窓口がつくられたと伺っております。新規事業でもあり、全国的にも先例がほとんどない状況で窓口のある自治体に足を運び、被害者支援を勉強され、窓口がスタートしました。
また、2011年には、中野区社会福祉協議会のほほえみサービスを使い、家事援助、外出援助、同居家族の通院などにヘルパーが駆けつける緊急サポート事業も始まりました。既存のサービスを使い、財政的負担も少ない事業として全国でも注目され、担当職員は全国から講演依頼を受けてきました。また、窓口と教育委員会との共同授業、命の教育なども行われ、中野区の被害者支援施策はすばらしいと注目をされています。中野区の被害者支援はすばらしいと、交通被害者の団体から職員たちに感謝状が贈られたこともあると聞いています。地域のため、住民のために貢献があった区民に対して区長が感謝状を贈ることはありますが、区の機関に対して住民が感謝状を贈るのは大変珍しいことです。組織として、被害者に寄り添い尽力された職員がそれだけ感謝されたということです。
ところが、最近、この犯罪被害者等相談支援窓口事業に気になることがあります。まず、勉強を積み、基本法の趣旨を理解し、被害者からの人望が厚かった非常勤職員が今年度は契約されませんでした。非常勤職員ですから1年単位の契約ではありますが、被害者団体からは「最近の中野区はどうなっているのか」との声が上がっていました。個人情報を盗み出し女性の部屋に侵入するような臨時職員を繰り返し雇いながら、被害者支援に精通している非常勤職員は継続して雇わないとは、被害者団体でなくても本当にどうなっているのかと思われるのではないでしょうか。
被害者支援は、臨床心理士等の資格があっても、すぐに被害者に対応して相談を受けることができるものではありません。被害者に接した経験や法的な知識なども必要になってきます。今まで被害者支援について高い評価を受けてきた窓口の実績が非常勤職員とともになくなってしまうことは中野区にとって大変な損失であると思います。今までの支援の経験や蓄積されたノウハウは区にとっても財産だと思いますが、それらを失わないように活用することについてどのようにお考えでしょうか。非常勤職員同士の引き継ぎは十分に行われたのでしょうか。
さらに驚いたことは、ことし4月、副参事、係長、担当職員、非常勤職員と、これまで犯罪被害者支援対応にかかわってきた4人の職員全てが異動になってしまいました。被害者支援に対して全く知識もない、被害者団体に足を一度も運んだこともない職員で事足りるとお考えなのでしょうか。
今回の体制を見る限り、一定の資格さえあれば誰でもできる簡単な相談窓口で構わないと勘違いされているのではないかと危惧します。非常勤職員の雇用においては、消費生活センターや教育センター等相談のプロたちは長年区民と対話し、消費の現場や子どもたちの現状を知り尽くし、その経験が相談の解決に役立ち区民に安心を与えています。まさに区が目指す少数精鋭の職員体制、2000人体制を支えるプロたちです。被害者支援はある意味さらに高い専門性が必要で、そうでなければ2次被害を与える結果にもなると考えられます。ことしから担当することになった職員についても早期に知識を習得する必要があると思います。どのように行っているのでしょうか。被害者団体にも足を運び、実態を知るべきではないでしょうか。
中野区の被害者等相談支援窓口は全国的に高い評価を受け、中野区の取り組みを教えていただきたいと、内閣府、他自治体、支援センター等から講演依頼を受けるまでに成長した事業です。今回の被害者支援に精通した非常勤職員の退職と被害者支援関係の職員の異動により、これまで積み重ねてきた被害者支援の知識や技術が継続されない可能性も高く、質問の冒頭に申し上げた連続児童殺傷事件の被害者の御遺族の土師守氏がおっしゃったように、被害者支援はもうこの程度でいいやという雰囲気が出ているのではないでしょうか。
悪いことは許さない、隣人の悲しみを放っておかない、地域に無関心でない住民を育てること、これこそ犯罪被害者を支援する方たちと警察が一緒に目指している世界です。被害者学の権威で国連犯罪防止計画諮問専門機構に日本代表として招かれるなどの実績のある元常磐大学学長の諸澤英道教授のおっしゃる、「遠回りに見えますが、被害者支援を進めることこそ犯罪を抑止する最大の効果です」とのお言葉を再びお伝えいたします。全国的にも注目されている事業にかかわっていることを誇りに、犯罪被害者支援に対するさらなる充実を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、U18プラザの廃止について伺います。
区は、児童館をなくして、9館残されるはずであったU18プラザを廃止する計画です。子どもたちを見守る大人が存在する学校以外の居場所が必要であることを、これまで私は何度も質問してきました。多くの区民もU18プラザの廃止に反対し、パブリック・コメントでは史上最高の反対の声が集まったのに、それなのになぜ廃止なのかと、子育て中や子育てにかかわる区民から不信の声が上がっています。ぜひいま一度、中野区の子どもたちから学校以外の居場所を取り上げてしまって本当によいのかを考えていただきたいと思います。
近隣自治体でも、小学生の放課後の居場所を学校内に設置し、児童館を縮小する方向性は同じですが、それ以外の策も考えられています。例えば、練馬区では、小学生は中野区のキッズ・プラザと同じ機能を持つ「ねりっこひろば」を利用しています。中高生には19時まで児童館で過ごせる事業、「中高生居場所づくり」を行っています。もちろん乳幼児や小学生も児童館で自由に遊べます。それ以外にも2館の青少年館の建物があり、ここでは中野区がこれからやろうとしているサークル発表会などが行われています。
杉並区では、名称は児童館から「子ども・子育てプラザ」に変わりましたが、14カ所の乳幼児と小学生が気軽に来て遊ぶことができる施設は存続していきます。他にも児童、青少年が使える児童青少年センター「ゆう杉並」の大きな施設もあります。今後も地域コミュニティ施設として小学校区に乳幼児、小学生が集える場所をつくっていくそうです。さらに、中高生には中央線沿線などに数箇所、中高生が気軽に使える場所を整備していく計画があるそうです。
小中学生が学校以外に自由に使える居場所がないのは中野区だけではないかと、多くの区民が区の子育て施策に対して絶望しています。他区では、児童館を縮小はしても、学校外に小学生が自由に使える居場所は確保しています。中野区でも小学生が自由に遊べる場所を、たとえ南北に2館ずつと少数になっても学校外に確保することはできないのでしょうか。
区は、U18プラザ計画は失敗したと言って廃止しようとしていますが、U18プラザは学校にも家庭にも居場所のない子にとって特に大切な居場所です。教育関係者は、子どもたちから最後の居場所を奪う残酷さを真剣に考えていただきたいと思います。そもそもU18プラザは、乳幼児・児童仕様になっている児童館を中高生にまで対応させるよう区が決めたもので、館長をはじめ、職員、地域の保護者や子どもたちで大変苦労をしながら、少しでも快適な居場所がつくれるように工夫を重ねてきました。その努力のかいがあってようやく中高生の居場所として定着してきたところで、今度は廃止です。区が始めようとしている中高生活動発信応援事業も活動場所がなければ発表することもできません。児童館を使って中高生館がうまくいかなかったというのであれば、他区のように中高生が使いやすい青少年館を中野の中央にでも1館だけでも整備されてはいかがでしょうか。
区役所庁舎に莫大な予算をかけるよりも、子どもたちの大切な居場所をなくさないでほしい。区民の切実な声をお伝えして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えをいたします。
中野区犯罪被害者等相談支援窓口の充実についての質問です。蓄積された情報の活用と職員の引き継ぎについて。犯罪被害者支援の業務は多岐にわたっており、関係機関との連携なども行ってまいりました。また、相談記録にも相談内容や区の対応など貴重な情報が多く含まれており、これらの情報を分類整理し、相談支援に活用しております。採用期間が重ならないため、非常勤職員同士の直接的な引き継ぎは行っておりませんが、常勤職員間での引き継ぎや相談内容や経過を記載した相談記録を振り返ることで継続した相談にも途切れることなく対応をしているところであります。
職員の育成と今後の取り組みについて。人事異動があってもそれまでのものをきちんと継続していくのが行政組織の継続性であり、日常の業務や研修に参加することにより必要な知識の習得に努めているところであります。区として犯罪被害者支援は必要と考えており、相談支援事業のほか、犯罪被害者等緊急生活サポート事業も行ってきたところであります。犯罪被害者への支援については、社会状況の変化やニーズを踏まえ、今後も区として必要な支援を行ってまいります。
私からは以上です。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) U18プラザの廃止関連で、児童館の存続についてという御質問にお答えをいたします。
児童館につきましては、各小学校へのキッズ・プラザの展開に合わせ、順次廃止をしていく考えでございます。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、U18プラザの廃止のうち、中高生の居場所機能についてお答えいたします。
中高生の居場所づくりといったことにつきましては、U18プラザの当初の目的ではございませんでしたが、実態として居場所となっていたこと、またその上には地域の方々の努力もあったことについては認識してございます。区といたしましては、中高生専用の居場所となる区立施設を用意する考えはございません。新たな中高生の活動支援事業や地域の方々の活動を通じまして中高生の主体的な活動等を推進していきたいというふうに考えているところでございまして、そのための予算計上や公益活動助成の充実等の対応を行ったところでございます。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○39番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。
児童館を廃止して、学校の中にキッズ・プラザを入れていくということはわかっているんですけれど、他区もその方向ではあるけれど、それでもみんなが自由にいつでも行ける学校外の場所は確保して工夫をしながらやってきている。なぜ中野区だけがそれができないのかなと思います。ぜひ本当に、全部の児童館を残せとは言っていません、たった1館でも東西に2館でも本当に子どもたちの居場所を残すべきではないかと言っているんですけれど、いかがでしょうか。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 重ねてのお答えとなりますが、児童館につきましては、各小学校へのキッズ・プラザの展開、これに合わせまして順次廃止をしていく予定でございます。
○議長(いでい良輔) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 観光のユニバーサルデザインであるユニバーサルツーリズムについて
2 家庭生活を支える委任契約と公正証書について
(1)公正証書による委任の効果について
(2)愛情と信頼に基づく共同生活と世帯の取り扱いについて
(3)男女の事実婚や独居高齢者などの場合について
(4)その他
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○29番(石坂わたる) 質問いたします。1、観光のユニバーサルデザインであるユニバーサルツーリズムについて伺います。
ユニバーサルツーリズムとは、全ての人が楽しめるようにつくられた旅行で、外国人や高齢者、障害者、乳幼児連れ及び妊産婦を含む女性、LGBTなど、誰もが気兼ねなく参加できる旅行を意味します。また、オリンピック・パラリンピック時には、海外から、外国人であり、なおかつ高齢者、障害者、乳幼児親子、LGBTであるというような方が多数観光に来る可能性が高いと思われます。
浜松市では、オリンピック・パラリンピックを視野に入れて、平成28年度から、誰もが訪れやすく暮らしやすいまちづくりを推進するため、観光・サービス事業者がユニバーサルツーリズムへの理解を深め、受け入れ環境整備に向け取り組む動機づけを行うとしています。
また、京都市では、みやこユニバーサルデザイン推進条例の第8条で、観光旅行者その他の滞在者は、みやこユニバーサルデザインに関する理解を深め、その推進に積極的な役割を果たすものとし、観光で京都に訪れる人にも理解や役割を求めています。
そして、国の国土交通省総合政策局や観光庁も、障害をはじめとする配慮が必要な旅行者の受け入れがトラブルの種になるのではないかといった不安に対し、観光のユニバーサルデザイン化の推進が日ごろからのさまざまな配慮を必要とする人の受け入れを可能とし、新たな地域観光の需要を生み出すとしています。
こうしたユニバーサルツーリズムについて、具体的には中野区で暮らす当事者だけではなく、観光やその他の目的で中野区に訪れる来街当事者の声を聞きながら、次のようなことを行うことが必要ではないでしょうか。
まず、イスラム圏の人でも安心して食べられるハラール食の提供や、外国人はもちろん、高齢者、障害者、子育て世代、外国人、LGBT、妊婦を含む女性に対して偏見のない理解をし、配慮やサポートができる接客対応等を可能とする研修や啓発の機会を事業所などに対して行うことが必要であると思われますが、いかがお考えでしょうか。
そして、授乳や乳幼児はもちろんのこと、障害児のおむつ交換ができる場所、公共施設や大型店舗やコンビニエンスストア等で多目的トイレ・オストメイト対応のトイレがある施設についての情報を集約化してデータベース化を行い、オンラインや紙媒体で来街者に知ってもらえたり、ここに問い合わせれば当該地域での観光を楽しむ上で必要となるバリアフリー情報は全てわかるといった、旅行者の志向や行動に即した、総合的で利用しやすい情報提供ができるようにする工夫を民間事業者と協力をしながら行うことが必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。
二つ目としまして、家庭生活を支える委任契約と公正証書について伺います。
家庭構成の多様化が進み、少子高齢化による身近な人がいない単身高齢者もふえている状況下での家庭生活におけるニーズや、いざ支援が必要になった場合のニーズも多様化しています。そうした中で状況に応じた公正証書の活用を考えていくべきです。
公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命をされた公証人が作成をする公文書です。この公証人は、裁判官や検察官、法務局長などの経験がある法律の専門家であり、準公務員です。また、公正証書には証明力があり、執行力を有しており、安全性や信頼性にすぐれています。
そこで、愛情と信頼に基づいて共同生活を営んでいることを明らかにし、両名の共同生活の維持、相互の療養看護及び相互の財産の管理等を目的として、一方が任意代理権目録記載の事務を委任し、その事務処理のための代理権を付与する意思を表示し、相手方がその趣旨を理解した上で受諾するという契約を双方で取り交わし、その内容を公証役場の公証人が両当事者の陳述の趣旨を録取して作成をした財産管理等委任契約公正証書にしたため、この公正証書の原本である正本に、「上記正本は公証人役場において原本に基づき作成交付する」ということが明記され公証人の署名押印がある場合。なおかつ、身上配慮や健康状態の把握の努力や看護権を含む療養看護に関する特則などを公正証書本文部分に記載をしたり、代理権目録に「次の各書類、印鑑、証書等の保管および委任事項処理のために必要な範囲内の使用。登記済み権利証、実印、印鑑登録カード、年金関係書類、遺言書、戸籍・住民票に関するもの、国民健康保険・介護保険に関するもの、以上に関連する書類等」「転入・転出の手続に関する事項」「医療に関する契約及び介護契約その他福祉サービス利用契約(施設系入所契約を含む)に関する事項」「相手方の子の医療・保育・福祉等行政手続きに関する一切の事項」「事務代行者の指定に関する事項」「以上の各事項に関連する事項」と明記をしてある、こうした公正証書を作成した場合について伺います。
(1)として、公正証書による委任契約の効果について伺います。
同性カップル等がこうした公正証書を持参し、窓口の職員等に提示をした場合、戸籍謄本や住民票の写しの発行、転入・転出の手続、国民健康保険や介護保険に関する保険料の納付書の発行や保険証の交付や再交付、認可保育所の入園手続、家族同様の共同生活を送る者としての区民相談等の利用は可能でしょうか。
(2)として、愛情と信頼に基づく共同生活と世帯の取り扱いについて伺います。
23区の中野区を除く各区では、男性同士・女性同士の友人同士あるいは同性カップルで同居をしている場合、あるいは同居かつ家計を共にしている場合について、世帯主と同居人、あるいは世帯主と縁故者の関係で同一世帯として住民登録ができるようになっています。転出元の他区で同一世帯であったことを根拠に中野に転入する際に同一世帯で住民登録をできた方もいますが、中野区では原則的には同性カップルとは同一住所で別世帯という扱いになっているようです。
相互に公正証書を作成し、正本の発行を受けるには1万円以上の金額がかかるため、公正証書がなくても同性カップルが他区と同様に同一世帯になれることが望ましいことは言うまでもありませんが、少なくともこうした公正証書を作成し、今後も安定した関係性を構築する意思のあるカップルについては同一世帯とできる取り扱いをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
(3)として、男女の事実婚や独居高齢者などの場合についても伺います。
男女の事実婚の場合、未届けの夫や妻として同一世帯にしている方もいますが、別々の世帯にされている方もいます。また、中には戸籍上婚姻をしている夫婦でも世帯分離をしている方もいます。そして、認知症ではないために成年後見の制度は使えないものの、目や耳や足腰が弱り、みずから役所に行くことが難しい方などについて別居の親族が面倒を見ている場合もあります。
なお、日本公証人連合では、人間は年をとると、判断能力はしっかりしていても、身体的能力の衰えによってだんだん自分のことができなくなり、寝たきりになってしまえば幾ら預貯金があってもお金をおろすこともできません。判断能力が衰えた場合にのみ発動される任意後見契約だけでは不十分です。任意後見契約だけでなく、通常の委任契約も組み合わせて締結しておけば安心ですとしています。こうした場合にも記載の仕方は若干変わる場合があると思いますが、先ほど述べたような公正証書によって必要な事項を定めて記載をしておけば、先ほどと同様なことが可能となり、同一世帯の夫婦や家族に準ずる関係性であると見てもらい、最初に質問をした区の受付窓口での手続や相談等を受けられると考えてよろしいでしょうか。
(4)のその他で委任契約の周知について伺います。
こうした委任契約公正証書について、中野公証役場に確認をし、法律の専門家である公証人の方の話を伺いました。その都度委任状を必要に応じてつくるやり方もあるが、必要になった都度いちいち委任状を作成する負担を考えれば、包括的な委任契約公正証書は有用性が高い。一度公正証書で作成した後は銀行等の金融機関でも役所でも問題なく使えるものであり、公正証書の作成時期にかかわらず効力を有するとのことでした。さらに、専門職後見人や市民後見人などによる後見制度について徐々に幅広く知られるようになってきていますが、まだまだ元気なうちから、事故による障害や老化による認知症に備えて、任意後見人やその内容を公正証書による任意後見契約で決めておくことができることに加えて、通常の委任契約を結んでおいたほうがよい例があることについても今後周知をしていくことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
私からの質問は以上です。答弁をよろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えをいたします。
観光のユニバーサルデザインであるユニバーサルツーリズムについて。ユニバーサルツーリズムの啓発について。平成28年5月に策定した中野区グローバル都市戦略において、ビジネスや観光など短期滞在における地域情報案内等をはじめとし、中野区における外国人の滞在においては、滞在中安心・安全に過ごせるよう、まち中の多言語化対応に加え、あらゆる生活場面での相談に応えるサポートを行っていくこととしています。中野区においては、平成28年度より、新・元気を出せ!商店街事業の補助制度を活用して、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催までの間、時限的な区の独自上乗せ補助制度を創設して商店街等の多言語対応を支援するとともに、さまざまな国の文化・生活習慣の理解を含む外国人観光客受け入れのための普及啓発セミナーを行っています。今後もさまざまな関係機関と協力し、あらゆる機会を捉えた取り組みを行っていくことを考えております。
バリアフリーに関する情報提供の一元化について。平成28年4月より、外国人旅行者を含む来街者向けにNakano Free Wi-Fi周辺エリアマップとして区内6エリアのNakano Free Wi-Fiアクセスポイント周辺にある一般用トイレ、車椅子対応トイレ、おむつかえスペース、公共施設、コンビニエンスストアなどの情報を多言語により区ホームページ及び都市観光サイト「まるっと中野」で公開しているところであります。外国人旅行客を含め、全ての人々にとって利用しやすい情報提供の方法や民間との連携のあり方など、さらなる取り組みを進めてまいります。
私からは以上です。
〔区民サービス管理部長戸辺眞登壇〕
○区民サービス管理部長(戸辺眞) 私からは、家庭生活を支える委任契約と公正証書についてお答えいたします。
委任状ではなく、公正証書による手続という御質問でございます。公正証書は、公証人法に基づき、当事者や関係人の嘱託により法律行為や司法上の権利に関する事実について作成した文書でありまして、委任状と同等以上の効力があると認識してございます。区の窓口では、戸籍謄本等の証明書や転入・転出の手続、国民健康保険証等の発行について、公正証書に本人から委任された事項として明確な記載があれば委任状にかえて手続することは可能であると考えてございます。
なお、御質問で挙げられました他の業務につきましては、委任状を求めておりませんので公正証書はもとより必要ございません。
次に、同性カップル等の世帯の取り扱いについての御質問です。住民票は世帯の居住関係を公証するものであることから、住民登録は原則として親族関係にある者を同一世帯としているところでございます。親族関係にないものを例外的に同一世帯とする場合は、近々婚姻届を提出することが確実な場合であるとか、離婚により親族関係がなくなった元夫、元妻のいずれかの表記を同居人とするような場合、事実上の養子について縁故者として世帯の認定をするなど、限定的に取り扱っているところでございます。仮に親族関係にない者について広く同居人、縁故者とした場合、居住実態の把握が難しく、原則として親族関係にあり、同住所に居住し、かつ同一生計である場合に同一世帯として住民登録をしてございます。
しかしながら、区民のライフスタイルにつきましては多様化していることから、適切な世帯認定のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
次に、別居親族など、さまざまな関係における委任についての御質問です。委任者と受任者との関係性にかかわらず、公正証書の中で委任契約の内容について確認できれば、その効果につきましては委任状による手続と何ら変わるものではないと認識してございます。
〔健康福祉部長小田史子登壇〕
○健康福祉部長(小田史子) 家庭生活を支える委任契約と公正証書についてのうち、成年後見制度に合わせた委任契約の周知につきましてお答えいたします。
認知症や知的障害などによりまして判断能力が十分でない区民の権利と財産を守るため、成年後見支援センターでは成年後見制度の周知や相談、市民後見人の育成に取り組んでおります。自分の意思で自分の信頼できる方を後見人として指定するということは自分の老後の生活をしっかりと考え計画することにつながるため、任意後見契約についての周知も引き続き行ってまいります。
財産管理や身上監護などに関する委任契約は、判断能力に問題がなくても、身体能力の低下によりさまざまな手続などが自分でできなくなった際に有効な手段の一つとなりますので、今後はその周知につきましても行っていきたいと考えております。
○議長(いでい良輔) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 外国人学校児童・生徒保護者補助金について
2 温暖化対策推進オフィスについて
3 今後の区有施設利用のあり方について
4 その他
○議長(いでい良輔) 次に、小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○18番(小宮山たかし) 小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。
中野区では、現在、外国人学校に通っている外国籍の小・中学生の保護者に対して月々8,000円、年間9万6,000円の補助金を給付しております。この補助金の根拠となる外国人学校に在籍する児童等の保護者に対する補助金交付の要綱、これは条例ではなく要綱ですから議会の議決を経ないでできているはずですけども、これはもとを正せば昭和56年につくられたものです。今から約35年前の昭和56年当時、区内の公立小・中学校においては外国人の受け入れ体制が恐らく未熟であった。そのために、やむを得ず外国人学校に通うことになってしまった方の事情を行政が酌んでやる必要があった。行政としても、義務教育に対する一定の責任を補助金という形で示す必要があったのではないかと考えることができます。
それから、約35年の時が過ぎた現在、区立小学校では英語の授業も行われていますし、日本語の不自由な児童・生徒が入学した場合、教育委員会は通訳または日本語指導員を学校に派遣して、状況に応じた個別指導などを行う体制となっているそうです。このように中野区立小・中学校における外国人の受け入れ体制は過去35年の間に大きく進歩をいたしました。子どもの外国語学習能力、環境適応能力は非常に高いという話もよく聞く話です。区が補助金を出して外国人学校に通うことを促すよりも、区は、その予算を外国語教育や日本語個別指導の強化に向け、外国人子女を公立学校に積極的に受け入れていくべきではないでしょうか。それが教育におけるグローバリゼーションにもつながると私は信じております。
そもそも、この補助金を利用する児童・生徒のうち、一体どれだけの子女が実際に日本語に不自由しているのか。また、一部の民族学校などにおいて適切な教育がされているのかどうか。例えば、中立であるべき教育の場において、特定の政治指導者の肖像画が教室内に掲示されていないかどうかということなども、恐らくこれまで35年間ほとんど調査していないまま公金を出してきたのでしょうから、一度ぐらいは調査してみてもいいんじゃないのかなと私は考えております。
さて、私立の外国人学校への補助金を出すということは、中野区が外国人学校への進学をあたかも奨励しているかのような誤解を与えかねず、それは公教育の責任放棄にもつながりかねません。公立学校においてもそれなりに手厚い外国人子女の受け入れ体制が整っている今、公立学校を選ぶか、私立の外国人学校を選ぶかということは、もはや親と子どもの自由意思、自由選択であります。私立の外国人学校に進学する外国人に補助金が出るのに、私立の日本人学校に進学する日本人にはどうして補助金が出ないのか。特色ある教育を我が子に受けさせたいという保護者の気持ちは理解しますが、そうした個人的な事情に対して行政として補助金を出す必要が一体どれだけあるのでしょうか。
中野区の場合、この補助金の支給を受けるためには区民税所得割額35万円以下という所得制限があるのですが、実際の補助金受給者の中には年学費約200万円のインターナショナルスクールに通っていらっしゃる方もごくごく少数ですがいらっしゃるようです。現在の所得制限では比較的裕福と思われる御家庭でも補助金対象になってしまうケースがあるのかなという印象を私は持っております。
お隣の新宿区。新宿区は中野区以上に国際色豊かな区と思われますが、新宿区でこの補助金の支給を受けるためには、3人家族で357万円以下、4人家族で431万円以下という、中野区と比較して厳しい所得制限があります。このレベルの厳しい所得制限であれば、裕福とは言えない御家庭への就学支援という側面もうかがえます。中野区の外国人学校保護者補助金の所得制限の基準をもう少し下げてはいかがでしょうか。
次に、温暖化対策推進オフィスについて伺います。
さまざまな区民活動の拠点となっていた環境リサイクルプラザの廃止後、事業者がなかなか決まらず、すったもんだの上で決定した温暖化対策推進オフィスの発足から4年が過ぎ、定期借家の契約期限まであと1年弱を残すところとなりました。同施設では、これまでビートルズ写真展の開催、カフェと漫画ミュージアムなどの運営が行われたほか、現在ではインドヨガ教室が行われているようです。一般の区民が建物に立ち入ることは原則としてできず、区民にとってどのような環境的還元がされ、どのような温暖化対策推進メリットがあったのかわかりにくい、これまでの4年間でありました。
旧桃丘小学校跡施設においては、事業者が区に無断で施設を転貸していたことが大きな問題となりましたが、この温暖化対策推進オフィスに関していえば、区の書面による承認があれば転貸も可能であるという契約になっているそうです。
現地の郵便ポストとエントランスの名前表記を見てみますと、区の契約相手である株式会社千雅のほかに、三つの医療法人、二つのNPO法人、五つの株式会社、あとはデイサービスセンターと居宅介護支援事業所の名前が一つずつと、それはもうたくさんの10個以上の事業者の名前が掲示されておりました。契約上区が書面で承認さえしていれば転貸は可能ですが、どれだけ多くの事業者に転貸されていようと、区が書面で承認さえしていれば契約違反ではありません。私もポストやエントランスの名前掲示を見ただけで実態を把握しておりませんけれども、それにしても多くの転貸がいつの間にかされており、区もよくぞ片っ端から書面で承認をしたものだなと、その書面を全て見てみたいものだなという印象を個人的には持ちました。
区としては、環境に対して一定の配慮をしている事業者、配慮しているといっても、例えばトイレを使ったらふたを閉めるとか、エレベーターを使わないで階段を使っているとか、そういうやろうと思えば誰でもできるレベルの配慮でいいのですが、区が掲げた節電・節水・紙減量・ごみ減量・省エネ機器の導入など、計七つの項目のうち二つ以上を満たしている事業者であれば環境に一定の配慮をしている事業者と認め、あの建物を賃貸できると定めておりました。早い話、コピー用紙やトイレットペーパーを再生紙にして、省エネタイプの冷蔵庫やエアコンでも買っておけば、上記の条件はクリアできてしまいます。世の中にこの条件をクリアしようと思ってできない事業者が存在するとは思えません。特段の契約違反に当たるようなことはこれまでになかったと私は認識しておりますが、実際にどこまで環境に対する配慮がされていたのかどうか、それは外からでは確認ができません。全部で10個以上の事業者の名前が掲示されていますけれども、区としてどのような体制でこれまで確認をしてきたのか。そして、その結果がどうであったのか、教えてください。
これは、当時の委員会等でも活発に議論がされてきたことではありますが、区の財産を私企業に賃貸する、それによる家賃収入を環境基金に積み立てることによって区民への還元を図るという手法が今回はとられたわけですが、金さえ入れば何でもいいわけではないでしょうと。この手法であれば、例えば区がアパート経営をしたり駐車場経営をしても、基金の積み立てによって目的に沿った活用をされていればオーケーということになってしまうのではないでしょうか。
逆にですよ、逆の視点から考えると、ただ単に不動産収入を得ることが目的であるならば、あの施設も入札などにはよらず、不動産市場にあの物件を流せばよかったのにと今さらながらに思います。地上6階、地下2階のあの規模の建物であれば、現在の月200万円よりもっと多くの賃料をとれたのではないかと素人ながらに思います。
名前こそ中野区温暖化対策推進オフィスではありますが、実際に行われてきたのはビートルズ写真展であり、カフェであり、漫画ミュージアムであり、インドヨガ教室であり、その他10個以上の事業者の活動であり、地球温暖化対策としてどのような活動が行われ、環境基金への積み立て以外に区民にどのような直接的な還元があったのかということが非常にわかりにくい、これまでの運営状況でありました。区として、温暖化対策推進オフィスがどのように温暖化対策を推進させてきたのか、区民にどのような還元があったと言えるのか、その評価を伺います。
さて、旧環境リサイクルプラザも旧桃丘小学校もそうですけれども、使われなくなった区有施設のその後の有効活用に関して中野区は成功をしているとは言えません。今後、第2次学校再編計画において廃校となる小学校が幾つか出てまいります。小学校は地域コミュニティの核としても機能しており、廃校となった後の施設がどのように活用されていくのかということは地域住民の大きな関心事であります。学校統廃合の説明会や意見交換会におきましても、必ず学校跡地は今後どのように使うのかという質問が出てまいります。しかし、学校跡地に関しては教育委員会の所管ではなくなることもあり、説明会の場で住民が納得できるような回答がされることはほとんどありません。これまでの区内における小・中学校跡地活用は、既存施設の移転先であったり、桃丘小学校のような失敗事例であったり、東中野小学校のように一部は民間のマンションになってしまうというケースもあります。これが果たして地域住民が望んだ姿と言えるのでしょうか。
他区では、千代田区のアーツ千代田や世田谷区のものづくり学校や新宿区のNPOセンターとかおもちゃ美術館のように、小学校跡施設が新たな活力を地域コミュニティにもたらす魅力的な施設として生まれ変わるケースが幾つもあります。
かつて中野区にあったおもちゃ美術館が新宿区四谷の廃小学校に移転してしまった経緯を調べてみますと、平成20年ごろの話ですが、新宿区では地域の方が企画立案段階から参画し、地域住民との協働によるモデル事業として廃小学校の活用を考え、利用については、地域の方たちとの話し合いの結果、合意を得てその方法を決めていった。その結果として、おもちゃ美術館を誘致するということが決まったそうであります。今、おもちゃ美術館の利用者数は年間14万人を超え、地域経済の活性化にも寄与しているほか、その一部スペースは地域コミュニティの拠点としても機能しています。これが中野区にあったならなということは本当に悔やまれます。
今後、中野区内では廃合される学校が幾つも出てまいります。かつて新宿区でそうであったように、地域住民が企画立案段階から参画し、地域住民との協働と合意によってその用途を決められるような、そういった仕組みを考えられてはいかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えをいたします。
温暖化対策推進オフィスについて、環境配慮事項の遵守状況の確認について。区は、定期建物賃貸借契約により温暖化対策推進オフィスの貸し付け事業者に対して省エネや省資源、ごみ減量など環境に配慮すべき事項の遵守を義務付けており、その遵守状況について年一度報告書を提出させて確認をしております。また、毎月温暖化対策推進オフィス内で貸し付け事業者との連絡会を開催し、事業運営や施設管理の状況について確認をしております。その結果、現在までに環境に配慮すべき事項が遵守されていることを確認しております。
この地球温暖化対策推進オフィスの評価についてであります。温暖化対策推進オフィスの賃料収入は環境基金に積み立てています。この環境基金を財源として、区内の緑を保護しふやしていくための緑化推進事業をはじめ、カーボンオフセット事業や中野エコポイント事業を実施しております。このように、オフィスの賃料収入は区内の緑化や地球温暖化対策の推進に有効に活用できており、区民生活の向上にも貢献できていると考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 外国人学校児童・生徒保護者補助金について、所得制限の基準を下げてはどうかという御質問でした。外国人学校保護者補助金は、外国籍の保護者を対象に経済的負担の軽減を図ることを目的として実施をしています。所得制限につきましては、中野区では児童手当の所得制限基準額を準用しているところでございます。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、今後の区有施設利用のあり方について、学校再編に伴う区有施設のあり方でございます。施設整備の方向性については新しい中野をつくる10か年計画において示しているところでありまして、意見交換会やパブリック・コメント手続などさまざまな形で区民や団体、区議会からいただいた多様な意見を参考として策定したものでございます。この10か年計画で示している施設整備の方向性に基づき、個々の施設の具体的な整備の検討を進める中で、区民や議会に意見を伺っていきたいというふうに考えてございます。
○議長(いでい良輔) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 細 野 かよこ
1 子育ち支援について
2 保育環境の改善について
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、細野かよこ議員。
〔細野かよこ議員登壇〕
○8番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として質問します。質問は通告どおり、子育ち支援についてと保育環境の改善についてで、その他はありません。
初めに、子育ち支援について伺います。
2015年3月に策定された、当区の子ども・子育て支援事業計画で掲げられた三つの基本目標の一つに、「地域に育まれ豊かに育つ子どもたち」があります。そこには、子どもたちも地域とかかわりながら、さまざまな世代の人との交流や豊かな体験を通じて成長するということが目指す姿として描かれています。この目標にあるように、子どもも地域の一員として地域で育つ環境をつくることは子どもの育ちの観点からも非常に大切だと考えます。
地域で育つ子どもの観点から、まず小学生の放課後の居場所について伺います。
小学生の放課後の居場所として区が位置付けているのは学童クラブとキッズ・プラザです。区立の学童クラブは学校か児童館の中にあり、キッズ・プラザは小学校の中に整備する計画です。児童館はキッズ・プラザに転換する方針ですので、小学生の放課後の居場所のほとんどが学校の中ということになりますが、子どもにとって1日の多くを学校の中で過ごす環境が「地域で育つ」ことなのか、疑問を感じます。学校が苦手な子などもいるでしょうから、地域のさまざまな人とかかわれる、どんな子にも居場所がある日常が必要だと考えます。放課後子ども教室などで子どもたちの体験・交流活動などに熱心に取り組んでいる地域の方もいらっしゃいますが、常設ではないのでいつでも行ける居場所にはなっていません。
そこで伺います。子どもたちには、学校の外にも放課後にいつでも寄れる、大人の見守りがある、多様な居場所が必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。
先日、地域の方から、新井区民活動センター1階のロビーで、小学生が放課後、おじいちゃん世代の方と将棋をしているよとお聞きしたので行ってみました。その日は子どもはいませんでしたが、ロビーにいた男性が子どもたちと将棋をしている普段の様子を話してくださいました。また、野方区民活動センター3階のロビーでは、小学生、中学生くらいの子どもたちがおしゃべりしている姿をよく見かけます。こうした事例は、公共施設を活用して普段から世代交流が図られるような居場所を区内に点在させる可能性を教えてくれます。
そこで、二つ目の質問です。地域全体で子育ちを支援するために、区民活動センターや高齢者会館など既存の区有施設において、世代交流のできる居場所として子どももいられる運用の工夫を考えてはいかがでしょうか。伺います。
次に、U18プラザの中高生への支援についてお尋ねします。
U18プラザ廃止の時期が今年度末と示され、4月から中高生への新規事業として、「先輩に学ぶライフデザイン応援事業」「中高生活動発信応援事業」を実施しています。これらは講演会、活動発表への開催経費の助成で、U18プラザが担っている居場所と社会参加を支援する拠点確保とは質的に違う事業への転換です。U18プラザの廃止は事業をこれまで地域に定着させてきた活動に切れ目をつくり、中高生の居場所への支援を断ち切ることになってしまいます。
また、この間の経緯を見ると、当事者である中高生の思いが十分に酌み上げられ反映されたのか疑問です。18歳からの選挙権も始まりました。中高生のころから自分にかかわる一番身近なテーマについて意見表明することは市民自治を実感する大切な経験であり、区は当事者参加を基本に据えて計画を進めるべきだと考えます。U18プラザ事業の開設・廃止、新規事業の実施に当たっては、中高生の意見を聞き取り、計画に反映させてきたのでしょうか。伺います。
U18プラザ事業を立ち上げ、その後に廃止し、新しい事業をスタートさせるというプロセスにおいて、どのような総括がなされて廃止の方針に至ったのかを当事者の中高生にもわかるように明らかにする必要があると考えます。
そこで伺います。U18プラザの中高生支援について当初の目的が達成されなかったということですが、その原因をどのように分析しているのでしょうか。
小学生の放課後の居場所の質問でも述べましたが、居場所は全ての子どもに必要です。
この項の最後に、中高生の居場所の確保についての区の見解を伺いまして、次の保育環境の改善についてに移ります。
4月下旬、区内にある民間の認可保育園で働く保育士さんの過重労働についての相談を受けました。常勤保育士の相次ぐ退職により、残った保育士に負担がかかり過重労働になっているということで、この時点で心身ともに疲れ果てているように見えました。保育士の過重労働は、労働問題だけでなく、子どもの安全、保育の質にかかわる問題でもあり、早急な改善が求められます。また、一人の保育士が抱える問題は、事業者との個別の労使関係による問題だけでなく、保育全般に共通する問題も背景にあります。改善がおくれることで、そのしわ寄せが子どもたちに来ることは防がなければなりません。今回のケースを通して明らかになった、個別の事例として片づけられない共通の課題について質問します。
2015年の子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、これまで都が行ってきた認可保育施設への指導検査を区が実施することになりました。指導検査とは、保育施設の運用、保育の質の確保が適正に実施されているかを調べ、必要な助言・指導を行うものです。指導検査には、原則3年に1回定期的に行う一般指導検査と、関係法令に違反した場合などに重点的に行う特別指導検査があります。保護者などからの通報があった場合にも一般指導検査が行われます。
まず、指導検査について伺います。
今回のケースでは、3月に常勤保育士の退職が相次ぎ、4月の保育現場では、食事介助をするために必要な条件を満たしている保育士が相談者だけの日があったため、一人で10人以上の子どもの食事介助を行わなければならない日があったそうです。そのときの心情を、笑顔で食事介助をすることができずつらかったと涙ながらに話されました。仮に書類の上では配置基準などを満たしていたとしても、このような実態では保育の質が確保されているとは言えません。保護者などからの通報があってからの一般指導検査では子どもたちの安全が確保されていないケースや保育士が心身ともにぎりぎりの状態で働いているケースがあることが想定されます。
そこで伺います。定期的な一般指導検査の段階で、実際の運用状況を的確に見抜いて把握し、問題の発生を事前に防ぐ指導検査体制の構築が求められていると考えます。区の見解を伺います。
次に、緊急対応が必要なケースへの対応について伺います。
区の指導検査に関する実施要綱によれば、一般指導検査で問題点が指摘された場合、事業者に対し原則30日以内に改善報告書の提出を求め、その改善内容を確認することになっています。しかし、保育士の大量離職など緊急対応が求められるケースでは、通常の一般指導検査の流れに沿って事業者からの改善報告書の提出を待っているのでは問題が放置されたままになる可能性があります。改善を待てない緊急な対応が求められる事態が発生した場合、区はどのような指導体制をとっているのでしょうか。伺います。
5月15日の新聞に、「保育士 サービス残業常態化」の記事がありました。約8時間の勤務時間中は保育業務しかできず、保護者への連絡やお便り書きなどの業務は時間外に行っている保育士の実態が報告されています。
介護・保育業界で働く労働者で構成されている総合サポートユニオンがまとめた資料によると、昨年6月からことしの3月末までに受けた相談156件の中で、複数回答ですが、一番多いのはサービス残業、持ち帰り残業、賃金未払い、休憩がとれない、有給休暇がとれないなどの労働基準法違反という結果が出ています。総合サポートユニオンによると、こうした過重労働や違反の実態は書類を検査してもなかなか見えないということです。保育施設において労働基準法が適切に守られるような指導の徹底と、保育施設の管理運営者に対しても積極的な働きかけが必要と考えます。区の見解を伺いまして、私の質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えをいたします。
子育て支援に関連して、子どもの居場所についてのところです。学校以外の放課後の居場所と区有施設の活用について。区が進めている放課後子ども教室推進事業や区民公益活動助成事業では、地域の団体が居場所づくりなど子ども育成活動に参画をされているところです。これらの取り組みでの区有施設の活用について協力をしていきたいと考えているところです。
中学生・高校生の意見聴取や反映についてであります。ハイティーン会議や中学生意見発表会など中学生の意見を受けとめる機会というものを持ってきているところです。事業の創設や廃止に当たりましては利用者説明会のほか、意見交換会やパブリックコメント手続等により御意見を聞き、検討を進めてきたところであります。
中高生支援について。U18プラザ、目的が達成できなかった、このことの原因分析、居場所の確保について。子どもたちの興味・関心の多様化やネットを通じたコミュニケーションが広がる中、特定の場所での事業展開では十分には応え切れないといった背景があったと考えております。区としては、中高生専用の居場所となる区立施設を用意する考えはありません。新たな中高生の活動支援事業や地域の方々の活動を通じて中高生の主体的な活動を推進していきたいと考えており、そのための予算計上や公益活動助成の充実等の対応を行ったところであります。
私からは以上です。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、保育環境の改善についての御質問にお答えいたします。
初めに、保育施設の実態に対応した検査体制についてでございます。一般指導検査では、事前に提出をいただいた勤務シフト表、これによりまして勤務時間の確認を行うとともに、実地における検査で出勤簿及び勤務実態との突合を行っております。また、検査以外の巡回指導等で施設を訪問する際にも職員配置について注視するほか、保護者等の関係者からの情報収集も行いながら、職員不足の兆候が見られた場合は速やかに施設へ確認を行うといった体制を整えているところでございます。
次に、緊急時の対応についてでございます。日ごろから事業者に対しましては、保育士には余裕を持った職員配置体制を構築するよう指導しているところでございます。また、区といたしましても、関係者などからの情報収集等によりまして事前の兆候察知に注力しているところでございます。こうした対応に努めているところでございますが、仮に園運営に支障を来すような事態となった場合には事業者と連携しながら適切に対応することとしております。
最後に、保育士の労働状況についてでございます。指導検査時には出勤簿等によりまして勤務時間の確認を行っているほか、職員に荷重な負担とならない余裕ある職員の配置体制を構築するよう、設置者に対して改善や働きかけを行っているところでございます。
〔細野かよこ議員登壇〕
○8番(細野かよこ) U18プラザへの中高生の支援について再質問させていただきます。
中高生の意見聴取の質問に関しましては、自分にかかわる施策への意見表明という意図で質問させていただきました。U18プラザへの中高生に特化したといいますか、そういう形での意見聴取が行われたかどうかについてお答えをお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 区の施策全般、区政運営の中で中高生の意見をどのように受けとめているか、そうした機会があるかというような意味での御質問と捉えて答弁をさせていただきました。
具体的な形でU18に関連して中高生を集めて御意見をお聞きするといったようなことは催したことはありませんし、今後ともそうした形では行わないと思います。
○議長(いでい良輔) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第34号議案 中野区ユニバーサルデザイン推進審議会条例を廃止する条例
第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第36号議案 中野区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第37号議案 起震車の買入れについて
第44号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算
○議長(いでい良輔) 日程第1、第34号議案から第37号議案まで及び第44号議案の計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第34号議案から第37号議案まで及び第44号議案の5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第34号議案、中野区ユニバーサルデザイン推進審議会条例を廃止する条例は、区長の附属機関として設置しました中野区ユニバーサルデザイン推進審議会につきまして、本年2月に同審議会から答申を得ましたので、これを廃止するものです。
この条例の施行時期は公布の日です。
第35号議案、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、雇用保険法の改正に伴い、失業者の退職手当に係る規定を改めるものです。
この条例の施行時期は公布の日で、一部は平成30年1月1日です。
第36号議案、中野区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例は、育児休業の再度の取得ができる特別の事情を定める規定等を改めるものです。
この条例の施行時期は公布の日です。
第37号議案、起震車の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は、地震体験に使用する起震車1台で、取得に要する金額は4,553万9,000円です。
第44号議案、平成29年度中野一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ6,006万6,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,294億5,777万9,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。
まず、経営費ですが、議会審議におけるペーパーレス化を推進するため、理事者用タブレット端末機を購入するための経費606万6,000円を追加計上するものです。
次に、都市観光・地域活性化費ですが、桃丘小学校跡施設の訴訟委任契約に係る報酬金を支払うための経費5,400万円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、繰入金6,006万6,000円を追加計上するものです。
以上5議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) この際申し上げます。第35号議案及び第36号議案の計2件につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。
本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
29特人委給第73号
平成29年5月30日
中野区議会議長 いでい 良輔 様
特別区人事委員会 委員長 中山 弘子
「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)
平成29年5月25日付29中議第388号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。
記
1 第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
2 第36号議案 中野区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
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第38号議案 中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例
○議長(いでい良輔) 日程第2、第38号議案、中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第38号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第38号議案、中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例は、物品の蓄積による不良な生活環境を解消するため、区、区民等の責務、調査、命令、代執行等について定めるとともに、区長の附属機関として中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する審査会を設置するものです。
この条例の施行時期は公布の日で、一部は平成29年9月1日です。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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第39号議案 中野区障害者差別解消審議会条例
○議長(いでい良輔) 日程第3、第39号議案、中野区障害者差別解消審議会条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第39号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第39号議案、中野区障害者差別解消審議会条例は、障害を理由とする差別の解消に関する取り組みについての公正性の確保及び改善を図るため、区長の附属機関として中野区障害者差別解消審議会を設置するに当たり、その所掌事項、組織、委員の構成等について定めるものです。
この条例の施行時期は公布の日です。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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第40号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例
第41号議案 中野区民住宅条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第4、第40号議案及び第41号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第40号議案及び第41号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第40号議案、中野区営住宅条例の一部を改正する条例は、都営弥生町三丁目アパートの移管に伴い、これを区営弥生町三丁目アパートとして設置するに当たり、その名称、位置及び戸数を定めるものです。
この条例の施行時期は、平成29年8月1日です。
第41号議案、中野区民住宅条例の一部を改正する条例は、エスペランサ恵比寿、スペーシア江古田及びマアヤ白鷺の借り上げ期間の満了に伴い、これらを廃止するものです。
この条例の施行時期は、エスペランサ恵比寿に係る改正規定については平成29年8月1日、スペーシア江古田に係る改正規定については同月6日、マアヤ白鷺に係る改正規定については同月18日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
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第42号議案 中野区立児童館条例の一部を改正する条例
第43号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第5、第42号議案及び第43号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第42号議案及び第43号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第42号議案、中野区立児童館条例の一部を改正する条例は、U18プラザ上高田及びU18プラザ中央を廃止するものです。
この条例の施行時期は、平成30年4月1日です。
第43号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、中野区立小中学校再編計画(第2次)に基づく学校再編に伴い、第三中学校及び第十中学校を統合し、新たに中野東中学校を設置するものです。
この条例の施行時期は、平成30年4月1日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
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議会の委任に基づく専決処分について
○議長(いでい良輔) 日程第6、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。
本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、6月1日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
29中経経第849号
平成29年(2017年)6月1日
中野区議会議長 い で い 良 輔 殿
中野区長 田 中 大 輔
議会の委任に基づく専決処分について(報告)
区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき下記のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。
記
【報告案件1】
1 和解(示談)当事者
甲 有限会社玉井建材店(東京都練馬区上石神井三丁目1番11号)
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)3月1日午前10時50分頃
(2) 事故発生場所
東京都中野区丸山二丁目1番付近路上
(3) 事故発生状況
中野区立北中野中学校の事務職員が、業務のため上記(2)の道路を乙車(庁有車)で走行し、赤信号のため甲車の後ろに停止していたところ、当該職員の足がブレーキペダルから外れたため、乙車が動き出し、前方に停止していた甲車に追突した。この事故により、甲車のバンパー等が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、甲車の修理費200,000円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成29年(2017年)3月28日
【報告案件2】
1 和解(示談)当事者
甲 東久留米市民
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)3月4日午前10時48分頃
(2) 事故発生場所
東京都練馬区早宮二丁目17番先交差点
(3) 事故発生状況
乙の職員が、ごみの収集運搬作業のため、乙車で上記(2)の交差点を甲車に続いて右折しようとして前進した際、対向車線から直進してきたバイクとの接触を避けるため急停止した甲車に、車間距離が不十分だったため追突した。この事故により、甲は、頸椎捻挫を負った。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、治療費、傷害慰謝料等の合計65,658円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認め、上記損害額のうち、自動車損害賠償責任保険により保険会社から甲へ治療費等の内払として支払った20,696円及び保険会社から医療機関へ直接支払われる治療費28,160円を除く傷害慰謝料16,800円について、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。ただし、後日、甲に本件事故に起因する後遺障害が発生した場合には、甲乙間で別途協議するものとする。
4 和解(示談)成立の日
平成29年(2017年)5月17日
【報告案件3】
1 和解(示談)当事者
甲 東京ガスエネルギー株式会社(東京都中央区日本橋浜町一丁目12番9号)
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)3月4日午前10時48分頃
(2) 事故発生場所
東京都練馬区早宮二丁目17番先交差点
(3) 事故発生状況
乙の職員が、ごみの収集運搬作業のため、乙車で上記(2)の交差点を甲車に続いて右折しようとして前進した際、対向車線から直進してきたバイクとの接触を避けるため急停止した甲車に、車間距離が不十分だったため追突した。この事故により、甲車のバックドア等が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、甲車の修理費、代車に係る経費等の合計413,879円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成29年(2017年)5月19日
【報告案件4】
1 和解(示談)当事者
甲 株式会社日立オートリースサービス(東京都江東区東陽七丁目2番18号)
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)4月12日午後4時19分頃
(2) 事故発生場所
東京都中野区本町三丁目16番先
(3) 事故発生状況
乙の職員が、学校訪問を行っていた中野区立桃園小学校を乙が甲からリースしている甲車で出発し、上記(2)の道路上で切り返すため、甲車を後退させた際、甲車の左後部が、区が交通安全啓発用に電信柱に設置していた看板に接触した。この事故により、甲車の左テールランプ等が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、甲車の修理費232,607円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成29年(2017年)5月26日
※ この文書は、個人情報への配慮から個人が特定できるおそれのある表記について修正を加えてあります。
○議長(いでい良輔) 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の請願・陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおりそれぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
平成29年第2回定例会
平成29年6月5日付託
請願・陳情付託件名表(Ⅰ)
《建設委員会付託》
第1号請願 哲学堂弓道場の限度額(利用料金)について
《子ども文教委員会付託》
第8号陳情 就学援助の入学準備金などの、制度拡充について
第9号陳情 就学援助の「新入学学用品費」を入学前年度に支給することを求める件について
第10号陳情 子どもの貧困対策について、より効果的な施策を推進するための子どもの生活実態調査の実施を求める件について
○議長(いでい良輔) 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時25分散会
会議録署名員 議 長 いでい 良輔
議 員 甲田 ゆり子
議 員 いさ 哲郎