1.平成29年(2017年)9月19日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 欠 員
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子
29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男
31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご
33番 高 橋 ちあき 34番 伊 藤 正 信
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室参事(企画担当) 青山 敬一郎
政策室副参事(予算担当) 海老沢 憲一
政策室副参事(広報担当) 堀越 恵美子
政策室副参事(業務マネジメント改革担当)永田 純一
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長志村 和彦
新区役所整備担当部長 相澤 明郎
経営室参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(法務担当) 尾関 信行
経営室副参事(人事担当) 田中 謙一
経営室副参事(人材育成担当) 桜井 安名
経営室副参事(行政監理担当) 石濱 良行
経営室副参事(経理担当) 石橋 一彦
経営室副参事(生活・交通安全担当) 三原 伸恭
経営室副参事(新区役所整備担当) 中村 洋
都市政策推進室長奈良 浩二
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 浅川 靖
都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 藤永 益次
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子
都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市
都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 小幡 一隆
都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当、
沼袋駅周辺まちづくり担当) 荒井 大介
都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 高村 和哉
都市政策推進室副参事(野方以西調整担当、野方駅周辺まちづくり担当) 藤原 慶
都市政策推進室副参事(都立家政駅周辺まちづくり担当、
鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当) 菊地 利幸
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 伊藤 政子
地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当、地域包括ケア推進担当) 酒井 直人
地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当)、鷺宮すこやか福祉センター所長、
鷺宮すこやか福祉センター参事(地域ケア担当) 上村 晃一
中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大場 大輔
中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 濵口 求
北部すこやか福祉センター所長、
北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 小山 真実
北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 矢島 久美子
南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 伊藤 廣昭
南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 森 克久
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 葉山 義彦
区民サービス管理部長 戸辺 眞
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 古屋 勉
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀
区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 渡邊 健治
区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 古川 康司
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横山 俊
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 高橋 昭彦
子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、
教育委員会事務局副参事(就学前教育推進担当) 長﨑 武史
子ども教育部副参事(幼児施設整備推進担当)、
教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 荒井 弘巳
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 石原 千鶴
教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 板垣 淑子
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石崎 公一
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 小田 史子
保健所長 木村 博子
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 岩浅 英樹
健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季
健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 永見 英光
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 菅野 多身子
健康福祉部副参事(生活援護担当) 小堺 充
環境部長 白土 純
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 高橋 均
都市基盤部長 豊川 士朗
都市基盤部副参事(都市計画担当) 辻本 将紀
都市基盤部副参事(都市基盤用地担当) 吉沢 健一
都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、弥生町まちづくり担当) 安田 道孝
都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 細野 修一
都市基盤部副参事(道路担当) 鈴木 宣広
都市基盤部副参事(自転車対策・地域美化担当) 伊東 知秀
都市基盤部副参事(公園担当) 千田 真史
都市基盤部副参事(住宅政策担当) 塚本 剛史
都市基盤部副参事(防災担当) 中川 秀夫
会計室長 鳥井 文哉
監査事務局長 小谷松 弘市
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 吉村 恒治
事務局次長 古本 正士
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 関村 英希
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 井田 裕之
書 記 冨士縄 篤
書 記 野村 理志
書 記 鎌形 聡美
書 記 遠藤 良太
書 記 松丸 晃大
書 記 香月 俊介
書 記 古谷 友里香
1.委員長署名
午後10時00分開議
○高橋(か)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。
平成29年(2017年)9月19日
決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
順 |
氏名・会派等 |
質 疑 項 目 |
1 |
内川 和久 (自 民) |
1 平成28年度決算について 2 マイナンバーカード普及について 3 中野駅南口周辺のまちづくりについて 4 住宅施策について 5 公共基準点・地籍調査について 6 危機管理について 7 その他 |
2 |
平山 英明 (公 明)
|
1 平成28年度決算について (1)新地方公会計からみた決算分析について (2)公募による事業者選定について (3)その他 2 風水害対策と防災情報伝達について 3 まちづくりにおける諸課題について 4 中野区みどりの基本計画改定について 5 区立小中学校の施設整備について 6 その他 |
3 |
長沢 和彦 (共 産) |
1 2016(平成28)年度決算と区政運営について (1)歳入について (2)歳出について (3)中野駅周辺まちづくりについて (4)積立基金について (5)国民健康保険について (6)介護保険と新総合事業及び地域包括ケアシステムについて (7)その他 2 平和の森公園再整備計画について 3 保育施策について 4 その他 |
4 |
酒井 たくや (民 進)
|
1 平成28年度決算について (1)経常収支比率について (2)歳入について (ア)収入未済について (イ)その他 (3)歳出について (ア)人件費について (イ)子ども教育費について (ウ)その他 (4)その他 2 子どもの自殺を防ぐ取り組みについて 3 西武新宿線連続立体交差化に伴う上部空間の活用について 4 昭和区民活動センター移転整備について 5 保育行政について (1)待機児童解消と保育士の処遇改善について (2)学童保育について (3)その他 6 その他 |
5 |
渡辺 たけし (都ファ)
|
1 平成28年度決算について 2 中野区土地開発公社について 3 施設整備の方向性について 4 行政が取り組むスポーツ振興策について 5 新体育館建設について 6 中野駅周辺再整備事業について 7 その他 |
6 |
高橋 ちあき (自 民) |
1 中野区における危機管理について 2 保育事業及び幼児教育について 3 教育現場における動物教育のあり方について 4 地域包括ケア事業について 5 町会・自治会への参加促進について 6 その他 (1)都の受動喫煙防止条例について (2)その他 |
7 |
木村 広一 (公 明) |
1 平成28年度決算について 2 新公会計制度について 3 高齢者施策について 4 障害者施策について 5 商店街活性化について 6 プログラミング教育について 7 交通安全対策について 8 その他 |
8 |
いさ 哲郎 (共 産) |
1 住環境について (1)住宅セーフティネット法改正について (2)集合住宅の建築及び管理に関する条例について (3)重層長屋について (4)民泊について (5)その他 2 防災について (1)急傾斜地について (2)豪雨対策について (3)耐震化助成について (4)地域での防災の取り組みについて (5)その他 3 その他 |
9 |
ひやま 隆 (民 進) |
1 民間企業との包括連携協定について (1)区とコンビニエンスストアとの包括連携協定について (2)今後の包括連携協定のあり方について (3)その他 2 格差・貧困対策について (1)子どもの貧困問題等について (2)路上生活者対策等について (3)その他 3 平和事業について 4 その他 |
10 |
北原 ともあき (自 民)
|
1 職員体制と区政運営について 2 区民活動センターと運営委員会について 3 沼袋小学校跡施設について 4 中野の森プロジェクトについて 5 Nakano Free Wi-Fiについて 6 その他 |
11 |
白井 ひでふみ (公 明) |
1 平成28年度決算について 2 防災対策について 3 防犯カメラの設置について 4 住宅施策について 5 公共基準点の保全について 6 その他 |
12 |
佐野 れいじ (自 民) |
1 外国人の生活保護について 2 物件費(特に委託費)について 3 空き家対策とその利活用について 4 その他 |
13 |
若林 しげお (自 民)
|
1 イクボス宣言について (1)内部統制について (2)教育の現場について (3)その他 2 中野区の分煙推進について (1)路上喫煙禁止地区指定と喫煙所設置について (2)加熱式たばこについて (3)その他 3 IoTの活用推進について 4 中野区の教育環境整備について (1)通学路の安全確保について (2)球技ができる公園整備について (3)その他 5 その他 (1)中野駅新北口駅前エリア整備までの課題解消について (2)じゃぶじゃぶ池について (3)自転車走行レーン整備について (4)その他 |
14 |
篠 国昭 (自 民)
|
1 労働環境モニタリングについて 2 教育問題について (1)英語教育について (2)発達障害児の早い段階での把握について (3)その他 3 発災時における避難支援について 4 少子化対策について 5 防犯カメラについて 6 その他 |
15 |
むとう 有子 (無所属) |
1 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について 2 決算説明書について 3 不用額について 4 清掃事業について 5 その他 |
16 |
近藤 さえ子 (無所属)
|
1 人材活用について (1)保健師について (2)その他 2 特別支援教育について 3 その他 |
17 |
石坂 わたる (無所属) |
1 ユニバーサルデザイン(UD)について (1)ユニバーサルデザイン推進条例とユニバーサルデザイン推進計画について (2)男女共同参画基本計画とUDについて (3)中野区子ども・子育て支援事業計画とUDについて (4)障害児福祉支援計画とUDについて (5)中野区都市計画マスタープラン及び中野区住宅マスタープランとUDについて (6)その他 2 子どもと家庭支援について (1)多世代間交流について (2)中高生向けの取り組みについて (3)子ども教育部と地域支えあい推進室の連携について (4)その他 3 その他 |
18 |
小宮山 たかし (無所属)
|
1 水施設について 2 待機児童対策・保育園整備について 3 子育て支援について 4 その他 |
19 |
細野 かよこ (無所属) |
1 男女共同参画事業について 2 ごみゼロ推進分野の移転について 3 その他 |
○高橋(か)委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に平山英明委員、3番目に長沢和彦委員、4番目に酒井たくや委員の順に4名の質疑を行います。
次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料290件、全て提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆さん、お疲れさまでございました。ありがとうございました。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いします。
それでは質疑に入ります。内川和久委員、質疑をどうぞ。
○内川委員 おはようございます。きょうから4日間、総括質疑が始まります。最後までおつき合いのほど、よろしくお願いいたします。
まず冒頭に、今回の台風18号でございますけれども、この連休を日本を縦断する形で各地に甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。質問は通告どおりですが、2番のマイナンバーカードの普及に関しましては一番最後に持っていきたいと思っております。それと、7番のその他についてはございません。
まず、28年度決算についてお伺いいたします。28年度決算は、過去最高であった前年度に比べ、歳入で5.1%減、歳出で5.5%の減と、23年度以降右肩上がりでありました状況から一変しました。財政力指数は0.5を超えました。そして、各財政指標のいずれも健全な数値を示しております。先日、監査委員のほうから報告がありましたけれども、各健全化判断比率等の審査意見ですが、これは実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率、全ていい数字をあらわしているということです。このように各財政指標はいずれも健全な数値を示しておりますけれども、気になるところは歳入総額が68億円減りました。特定財源がそのうちのほとんど、58億円減ということですけれども、これがその主な要因と考えられるんですけれども、特定財源の大幅減に対して、まずその原因をお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 特定財源が減となった主な要因でございますが、国庫支出金、繰越金、それから、諸収入が減となったことによるものでございます。国庫支出金につきましては、(仮称)弥生町六丁目公園用地などの公園整備のための補助金の減などにより、前年度比12億円の減となっております。繰越金は、一般繰越金及び繰越明許の減によりまして前年度比18億円の減となっております。諸収入につきましては、土地開発公社貸付金返還金の減などによりまして、前年度比9億円の減となったものでございます。
○内川委員 特定財源は、その年度年度の投資的経費を中心とした事業執行にかかわるものというふうに聞いております。年度間の増減は多少あると思いますけれども、今後の見通しについてお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 特定財源でございますが、証明書の発行手数料ですとか、あるいは施設の使用料収入や生活保護に対するものなど、経常的な事業による収入もございますが、主にその年度の投資的経費の状況により大きく変動するというものでございます。特定財源の今後の見通しにつきましては、中野駅周辺整備や西武新宿線沿線のまちづくりですとか、あるいは、大規模公園等の整備等の進捗にあわせまして、交付される社会資本整備総合交付金などの規模が大きくなるというふうに考えてございます。当該交付金につきましては、確実に交付を受けられるよう計画的に事業を進めてまいりたいと考えております。
○内川委員 計画的に事業を進めてもらいたいと思います。
歳入総額が68億円減った中で、特定財源が58億円、残りの10億円は一般財源が減ったということですけれども、これについての要因をお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 一般財源が減となりました主な要因につきましては、特別区交付金、利子割交付金、それから、地方消費税交付金が減となったことによるものでございます。特別区交付金は、市町村民税法人分の一部国税化による影響等によりまして、調整三税が減となり、前年度比4億円の減となりました。利子割交付金につきましては、平成28年1月から法人の利子割が廃止されたことなどによりまして、前年度比3億円の減となっております。地方消費税交付金につきましては、前年度比7億円の減となったものでございます。
○内川委員 法人住民税の一部国税化の影響、これも大きいということですよね。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) そのとおりでございます。
○内川委員 それと、今、御説明ありました利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、あと地方消費税交付金、これらの税に連動した交付金と、財調もそうですけれども、景気の影響を非常に受けやすいということで、次年度以降への影響について区として適切に判断する必要があると思います。これに関しての区の見解をお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 税連動交付金と申しますのは、法などに基づきまして税の一定割合が地方自治体に交付される交付金等でございまして、利子割交付金などがあるわけでございます。特別区交付金や税連動交付金につきましては、景気の変動を受けやすいわけでございまして、29年度の特別区交付金につきまして、当初算定でございますが、前年度比21億円余の減になっているというところでございます。また、今後も市町村民税法人分の一部国税化や地方消費税の精算に当たって、人口と従業員数の比率の見直しを行う、いわゆる地方消費税の精算基準の見直しなどの影響によりまして、一般財源が減少するということが予想されておりまして、区の財政への影響が懸念されるというところでございます。区といたしましては、特別区長会の影響額の試算等も参考にいたしまして、区の施策の動向や経済状況を的確に把握いたしまして、財政運営に支障ないように対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○内川委員 2019年には消費税もまた10%に上がるということと、あと、2020オリンピック・パラリンピック後の景気もどうなるかわからないということで、きちんとこの動向をつかんでおいていただきたいと思います。
次に、特別区、2017年度の普通交付金の総額は、前年度比1.3%減の8,941億円余り、マイナス算定は3年連続ということです。4年ぶりに9,000億円の大台を割り込んだとのことです。基準財政収入額の減ということもありますけれども、それ以上に大きかったのは需要額の減少とのことでした。その中でも中野区の需要額は前年度比4.1%、29億円余の減、交付額は6.2%減の320億円余、23区で下から3番目という数字になりましたけれども、その要因についてお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 中野区における平成29年度の特別区交付金につきましては、配当割交付金など税連動交付金が減少の一方で、納税義務者の増などによりまして特別区民税が増になったということでございまして、基準財政収入額につきましては差し引き7億6,000万円の減というふうになってございます。その一方で、基準財政需要額につきましては、まちづくり事業の進捗等によりまして財産費相当額といった投資的経費の減少が大きくございまして、28億9,000万円の減という形になってございます。この収入額と需要額の乖離の拡大が普通交付金の減額に大きく影響したというふうに考えてございます。
○内川委員 先日発表された29年度の交付金に関しても、たしか中野区はかなり下のほうだということで、今後気をつけていきたいと思います。
次に、経常収支比率に関してですけれども、前年度比で76.5%から76.9%と、少しでありますけれども悪化をしました。しかしながら、23区平均の79.3%を上回り、70%台を維持しております。法人住民税の一部国税化やふるさと納税による減収、ふえ続ける扶助費などがボディブローのように効いてくると考えると、今後どのように、この望ましいとされる70%台を維持していけるのか、区の見解をお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 経常収支比率につきましては、経常経費充当一般財源等の額を経常的に収入する一般財源で除して算出するものでございます。今後も安定した経常収支比率を維持していくためには、分母である特別区民税の収入額向上を図るほか、特別区交付金や税連動交付金の推移を的確に把握していくということが必要であるというふうに考えております。一方で、分子となる経常経費につきましては、PDCAサイクルによる事業見直しを徹底するなど、一般財源充当事業の経費抑制を行いまして、財源規模に見合った利用の構築を行う必要がございます。そのためには、引き続き基準となる一般財源規模を財務規律の根幹として遵守していくということが大切だというふうに考えております。
○内川委員 経常収支比率ですけれども、その推移が27年度で76.5%、28年度が76.9%、2年続けて23区の平均を下回ったということで、今後、ぜひこのままいければなと思います。
次に、より強固な財政基盤を構築するためには、予算編成時の基準となる一般財源の規律を守るとともに、一般財源調達については基金の積み立てを確実に行い、不足に対することが重要と考えます。総務の16という資料に23区の基金残高一覧があると思いますけれども、中野区は財政調整基金も、減債基金も、その他の特定目的基金も23区の平均を下回っています。より不足に備えての基金の積み立てをお願いしたいと思います。
次に、公債費負担比率について聞きたいと思います。中野区では中長期的な財政見通しの中で、計画的に特別区債を活用していくとのことです。その指標の出し方ですけれども、一般会計中野区方式で6.0%となっており、中野区が定めるおおむね10%以内になるように抑制しているとのことです。しかしながら、普通会計による負担比率、これは5.4%と、23区平均の2.8%の約倍ですよね。超えている状況であります。10%上限の考え方は、今から約10年前、平成19年の財政運営の考え方によるものと聞いております。その当時の区の財政規模と中野区方式の負担比率を教えてください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成19年度の一般会計当初予算規模でございますが、985億4,000万円となってございます。また、中野区方式の公債費負担比率につきましては、平成19年度決算値におきまして7.9%となっております。
○内川委員 財政白書の中にその推移が出ているんですけれども、一番悪いときが23年度の16.7%もあったんですね。そこから大体右肩下がりで、ようやく5.4%となりましたけれども、23区平均の2.8%にはまだまだほど遠いということです。この中野区方式の指標を設定した理由は、中長期的な事業計画を定める上で、一般財源に占める公債費の割合を一定程度に抑え、かつ柔軟な財政運営を行うためとしています。また、現役世代の負担軽減に値するとの考えですが、指標設定当時の中野区方式では10%近くあった時代から、現在では右肩下がりで6%と改善されております。平成19年の財政運営の考え方から10年たった現在、この指標のあり方について、より23区平均値の2.8%に近づけるべく数値を見直し、新たな目標を持つべき時期ではないでしょうか。中野区では、基準となる一般財源規模の見直しを、国の制度変更――消費税なんかですよね――などの状況にあわせて新しい基準値の設定を細かく行ってきました。そのように柔軟に中野区方式の公債費負担比率の目標値の見直しを行ってはいかがでしょうか。見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 起債につきましては、世代間の負担の公平化を図るために活用しながらも、義務的経費となる公債費の抑制に努めていると。この両立を図ってきたところでございます。今後、小・中学校の再編や大規模改修、あるいは中野区周辺のまちづくり、また、新区役所整備等に係る経費等、行政需要の増大が予定されているところでございまして、区民生活に必要な財源を縮小させることなくこれに対応するには、やはり計画的に起債の活用を図っていくということが欠かせないというふうに考えているところでございます。中長期的な行政需要を踏まえると、今後の区の財政体力に見合う10%前後を目標値に置くことが、現役世代の負担の軽減に値するというふうに考えているところでございます。一方、できる限り公債費の抑制に努めていくことも必要であるというふうに考えておりまして、起債の活用に当たりましては、中長期的な需要を見据えて慎重に判断していきたいというふうに考えております。
○内川委員 中野区では、中野区で設定した目標値内に公債費負担比率がおさまっているからいいという考えではなくて、客観的に判断できる指標等について、特に予算編成時から導入してもらいたいと考えますけれども、それに関してもしありましたらお願いします。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 確かに他の自治体と比較できるというところでいいますと、そういった指標というのを考える必要があるとは思っております。今後の行政需要に見合った形で安定的に財政運営をしていくというところでいきますと、やはり10%というところでの基準を一つの目安に使っていくということは重要だというふうに考えておりますが、それも含めまして、ほかの自治体との比較もできるようなものについても検討してまいりたいというふうに考えております。
○内川委員 ありがとうございました。財政の収入減の一つの要因となっているふるさと納税の影響額についても聞きたいと思います。全国のふるさと納税寄附額は、前年度比1.7倍の約2,844億円。一方、23区で集計した税収減は16年度で約130億円とのことです。対する都内の市区町村へのふるさと納税の寄附は8億7,000万円、前年度比3億円も落ちたということです。中野区においては、28年度のふるさと納税影響額は、寄附金控除が3億5,800万円余、これに対する区への寄附金は決算額で1,900万円余と、単純に比較しても大きな減収であります。今後、この状況はどのように推移していくのか、区の見解をお聞かせください。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 総務省から平成29年4月にふるさと納税に係る返礼品の送付について、返礼品の価格表示やふるさと納税の趣旨に反するような返礼品、返礼割合などに関する通知が出されまして、この通知に反している自治体に対して個別に働きかけをしている状況がございますので、過度な返礼品競争による寄附金の奪い合いには一定の歯どめがかかるものと考えてございます。しかし、総務省は、全国の自治体に対してふるさと納税の健全な発展のために、ふるさとや地方団体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にするといった、本来の趣旨に沿った対応を求めていることもございまして、寄附金による税額控除が減少する要因にはならないと考えてございます。寄附金税額控除の推移につきましては、平成27年4月の税制改正から日が浅く、今後の展望が出しづらい状況ではございますが、今後、総務省が定期的に――3カ月に1度の頻度でございますが――全国のふるさと納税受け入れ額の動向を把握するための一斉調査を実施いたしますので、その調査結果を踏まえまして適切に予算に反映してまいりたいと考えてございます。
○内川委員 なかなか今後の推移が読みづらいということですけれども、26年度では2,900万円、27年度では8,700万円あった影響額が、実はもうことしの6月1日時点で既に6億4,000万円と膨れ上がっています。ふるさと納税の減収分の一部が地方交付税で補填される自治体とは違って、中野区としては、まあ、23区のことなんですけれども、純減であります。特別区全体として、また、区としては財政への影響を抑制する取り組みが重要であると思いますけれども、見解をお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 区は、地方の振興というふるさと納税制度の趣旨自体に賛成ということでございますが、過剰な返礼品競争により本来の趣旨が損なわれているというふうに考えておりまして、特別区区長会と連携いたしまして、先ほどの答弁でございますが、平成29年3月に国への要望書を提出したということでございまして、その後、総務省通知によりまして区財政への影響額、一定歯どめがかけられるというふうなことを考えているところでございます。今後の状況を注視いたしまして、特別区と連携を強めまして、必要に応じて国への要望を行ってまいりたいというふうに考えております。
○内川委員 今、御説明あったとおり、ふるさと納税は本来地域の振興に活用するのが趣旨だと思います。区ゆかりの歴史や文化等、中野区ならではの寄附の目的を設定して、寄附者の心をつかむアイデアが必要と考えますけれども、対策があればお聞かせください。
○青山政策室参事(企画担当) ふるさと納税の寄附金の使途としましては、現在は特別区全国連携プロジェクトに関することでございますとか、哲学堂及び哲学堂公園の観光拠点としての事業に関することなど、九つの使途を用意してございます。今後も寄附者の関心や共感をよりダイレクトに反映できるよう、寄附金の使途について検討してまいりたいと考えております。
○内川委員 新聞で読みましたけれども、お隣の新宿では夏目漱石の邸宅跡地に記念館を予定していると。その整備費や子育て、高齢者支援等のメニューを用意した結果、前年度比1,000万円多い約2,500万円の寄附があったということでした。平成28年度では、ふるさと納税も含めて中野区への寄附は約2,200万円ありました。さらなる寄附の拡大に向け、例えば中野の伝統工芸やサブカルチャーのメッカとも言われている中野区独自の文化も取り入れた、ふるさと納税返礼品のメニューを考えるべきと思いますけれども、先ほどちょっとありましたけれども、現在の区のメニューについて、また、今後どのようなメニューを考えているのか、もう一度お聞かせください。
○青山政策室参事(企画担当) ふるさと納税の寄附に関する返礼品としましては、区の魅力発信ですとか地域の産業振興、地方連携の推進などを目的に、区内の特産品やなかの里・まち連携自治体の特産品等を導入しているところでございます。今後も返礼品の充実を図ることを考えておりまして、現在、区内の伝統工芸品等の導入につきまして検討を進めているところでございます。
○内川委員 先日の一般質問で我が会派の大内議員からも質問がありましたけれども、例えば東北復興祭に対するふるさと納税とか、そういった中野区独自の制度をぜひ考えていただきたいと思います。
以上で終わります。
それでは、2番のマイナンバーカードは後に回しまして、3番の中野駅南口周辺のまちづくりについて聞きたいと思います。このたび中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備について、委員会で報告がありました。JRによりますと、建物の縮小及び杭長――要するに、杭の長さですね――の見直しにより、工期短縮および建物本体工事に先立ち必要な工事である支障移転、邪魔になるものの移転工事の早期着手により工期が約1年から2年短縮するとのことでした。南北通路・橋上駅舎の竣工は平成39年ごろとのことですけれども、実施設計等でさらなる短縮を検討するとのことです。西側南北通路は、中野駅北側のにぎわいを南側へ波及させるため、そして、中野駅を中心とした放射回遊性の確保にとっても重要な動線であり、1日も早い竣工が望まれます。
まず、JRによりますと、地質の再調査により建物を支持する杭の長さを見直し、一部が短くなったとのことですけれども、1度目の調査と再調査の結果に差異が生じたとのことです。にわかに信じられないんですけれども、1度目の調査の時期と再調査の時期についてまずお答えください。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 南北通路・橋上駅舎の整備に当たっては、平成26年度から27年度にかけて基本設計を実施し、平成28年度にはJRが駅ビル計画内容見直しの修正基本設計を行っております。地質調査につきましては、基本設計作業の中で既存ボーリングデータを補完するため2カ所の調査を行いまして、その後、駅ビル計画内容見直し、修正設計作業の中で1カ所地盤の調査を行っております。
○内川委員 最初の調査と再調査の時期をもう少し明確に聞きたいです。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 最初の調査につきましては、基本設計作業の中で平成26年から27年度にかけて行っております。2回目の調査につきましては、平成28年度の駅ビルの修正基本設計作業の中で行っております。
○内川委員 1度目の調査と再調査では、その内容とかやり方に違いがあったんですか。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 1回目の調査では、既存の駅周辺のボーリングデータを補完するため2カ所の調査を行っております。その結果、2カ所のうち1カ所で地盤の深いところに軟弱地盤があったということがわかったというものでございます。それを踏まえて駅ビル見直しの修正設計作業では、その軟弱地盤の広がりを確認するために、調査の箇所を変えて新規に1カ所調査を行ったということでございまして、軟弱地盤が限定的であることがわかったということを確認できたので、杭の見直しを行ったというふうに聞いております。
○内川委員 最初の調査と再調査の間に1年ぐらいの期間があったと思うんですけれども、これがもし最初の調査できちんとしたデータが出ていれば、この南北通路・橋上駅舎の竣工もさらにもう少し早くなったんじゃないかなと思って、非常に残念な思いがあります。駅ビルに関しては、建物5階部分が縮小となり、床面積が約2,000平方メートル減とのことです。その結果を踏まえ、新北口駅前エリアの公共基盤配置との整合を図り、JRと協議を進め、協定締結後、早期に実施設計に着手するとありますけれども、今年度中、29年度内に予定どおり実施設計に着手できるのか。その時期についてもお聞かせください。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 区では現在、新北口駅前エリアの公共基盤配置の検討を進めておりまして、道路一体建物につきましては地上と地下で新北口の駅前広場と接続することになるため、現在、詳細を調整しているところでございます。区とJRでは、公共基盤とこれらの調整が済み次第、平成29年度内、できるだけ速やかに実施設計作業に着手することとしております。
○内川委員 29年度内に間違いなく実施設計に着手するということで、もう一度確認です。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 早期に実施設計作業を進めていかなければならないということは、区とJRで共有の認識を持っているところでございまして、平成29年度内に速やかに実施設計作業に入っていきたいというふうに考えております。
○内川委員 西側南北通路・橋上駅舎の整備は、区役所・サンプラザ地区再整備にも大きく影響することから、できるだけ――今答弁にありましたけれども――早期の竣工が望まれます。区として予定の平成39年度からどのぐらいの期間、短縮を目指すのか。また、それが可能と考えるのかお答えいただきたいと思います。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 区としましては、南北通路・橋上駅舎はできるだけ早期に開業したいというふうに考えております。引き続き、これまで目標としてきました平成37年度までの南北通路・橋上駅舎の開業を目指しまして、実施設計作業におきましてさらなる工期短縮が図れるよう、JRと協力して進めてまいります。
○内川委員 今、平成37年、あと8年ですね。それに連動して、中野駅西口広場整備については、土地区画整理事業の計画期間である平成35年までに整備をするとのことですけれども、西側南北通路の竣工、今37年ごろにしたいという御答弁がありましたけれども、西側南北通路の竣工にスライドする形で整備がおくれるのか、改めてタイムスケジュールをお答えください。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 平成29年度、平成30年度に西側南北通路・橋上駅舎の実施設計が予定されております。西側南北通路と中野駅西口広場は、デッキ部を通じて連続しているものでございます。実施設計に伴って両施設、西側南北通路と中野駅西口広場の施工方法、施工順序、それから、施工区分等を検討して調整する予定になってございます。中野駅西口広場の整備は、西側南北通路と同時期に供用開始するよう調整して進める予定になってございます。
○内川委員 ということは、早くても区が目標としている平成37年度ごろになるということでよろしいですか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) いずれにしろ、中野駅西口広場の整備は西側南北通路と同時期に供用開始する予定ということでございます。
○内川委員 ということは、当初のあれよりもおくれるということですよね。西口の広場に関しては、多分大分更地に向けての計画が進んでいると思うんですけれども、あそこが例えば少し早目に更地になった場合に、地域の行事に使ったり、あとは南側の、今、臨時駐輪場がありますけれども、それを持ってきたり、そういったことも考えるんですけれども、そこら辺はいかがですか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 西側南北通路、それから橋上駅舎、これは鉄道敷地上の施設となって、施工上、隣接するところに工事のバックヤード等が必要になってくることが予想されます。仮に中野駅西口広場のそういった更地化が早く進んでも、その西口広場には当然いろいろな埋設施設、それから、デッキ部等の構造物の構築等がありますので、現段階であく区間が出るかどうか、非常に判断が難しいところかと思います。
○内川委員 これから計画が進む段階で、ぜひ地元が使えるとか、南側の駐輪場を臨時に移すとか、そこら辺のことを検討していただきたいと思います。
次に、中野二丁目の堀江敬老館なんですけれども、堀江敬老館は平成29年度、今年度末をもって廃止と一応予定されています。その移転に関しては、高齢者福祉という観点と、中野二丁目市街地再開発事業を進めるに当たり避けられない案件です。区としては堀江の移転先として、中野三丁目において平成27年度に区へ寄附された物件への移転を進めてきました。しかしながら、バリアフリーの問題等、そのままの利用が難しいとのことですけれども、現在の進捗状況についてお答えください。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中野三丁目の寄附物件につきましては、当初建物を壊さずに必要な改修を行いまして、高齢者施設として整備し、堀江敬老館で実施しております高齢者会館事業などを実施していく考えでございました。しかし、完全にバリアフリーにすることが難しいため、建物を除去し、新たに高齢者施設を整備することとしたところでございます。
○内川委員 それと、聞くところによりますと、家屋の建て替えに関しては、寄附者の方も同意をしていただいているということです。さらに、新たな施設の整備に対しては、早期の取り組みを要望されているということを聞いております。今後の堀江の移転に向けてのタイムスケジュールをお答えください。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) この件につきましては、年内に施設整備の方針を決定できるよう、ただいま準備を進めております。その際に、あわせて具体的な整備時期をお示ししたいというふうに考えております。
○内川委員 来年度から実施設計、それからとしても3年ぐらいはかかるという感じでしょうかね。堀江敬老館跡地は、市街地再開発事業と土地区画整理事業の一体的施行である中野二丁目再開発において、事業推進のため必要な用地として考えられているとのことです。それがいつごろ必要になるのか。また、中野三丁目の寄附物件が改築されるまでの間、敬老館は一時的に他に移転する必要が出てくると思うんですけれども、どこに移転させるのかお答えください。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 堀江敬老館の現在の土地は、平成30年度から再開発事業で利用すると聞いておりますので、29年度末には閉鎖する必要がございます。閉鎖後、中野三丁目に新しい高齢者施設の整備ができるまでは、29年度末で閉鎖が予定されております中野二丁目保育室を利用する予定でございます。
○内川委員 そうすると、2年間ぐらいはそこに移転して、その後、三丁目の物件のほうに移動するということですね。今回、堀江敬老館は、タイミングよく区へ寄附された場所に移転する予定となっています。当初の予定を変更し、家屋を建て替えることになりましたけれども、今後このような区への不動産の寄附について、受け入れの考え方、基準等があればお聞かせください。
○石橋経営室副参事(経理担当) 土地・建物等不動産の寄附事業に当たりましては、一律に何平米以上の土地に限るといったような基準を設けているわけではございません。中野区公有財産規則にのっとり、寄附物件の接道状況や交通近接などの立地状況、また、周辺の区の施設の配置状況や地域要件など、地域の実情などを総合的に勘案し、区に有益である物件であるか否かという観点で判断を行っているものでございます。
○内川委員 今回の中野三丁目の物件は、そういう点では非常に区にとって有益だったということが言えると思います。それで、確認したいんですが、中野区としては基本的に更地状態じゃないと寄附を受け付けないと、そんなことありますか。
○石橋経営室副参事(経理担当) 特に更地でなければ受けないといったものではございません。
○内川委員 次に、4番目の住宅施策についてお伺いいたします。本年4月に住宅セーフティネット法が改正されたということですけれども、まずそのポイントをお聞かせください。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 住宅セーフティネット法改正のポイントでございますが、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、そして、子どもを養育する者など、そういったいわゆる住宅確保要配慮者の方が住むための民間賃貸住宅の供給を促進するために、要配慮者の方の入居を拒まない賃貸住宅を登録する制度でありますとか、登録された住宅に対しまして改修費補助、そういったことが新たな制度として示されております。
○内川委員 今、御説明があったとおり、要するに住宅確保が大変な要配慮者と呼ばれている皆様方に、民間賃貸住宅の登録制度の新設、国の補助制度の予算化をされるとのことです。空き家問題と深刻化する要配慮者への入居差別を、一石二鳥で解決しようとする面もあると聞いております。高齢者や障害をお持ちの方、子育て世帯等、住宅を確保すべき要配慮者は今後も増加する見込みだと考えられています。そういった方々全員に対して、区営住宅ですとか都営住宅を供給することは極めて困難であると考えます。一方、区内にはまだたくさんの空き家や賃貸住宅の空き物件があるとされています。そういった民間の空き家や空き室を活用すべきと考えますけれども、区の見解をお聞かせください。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 住宅確保要配慮者の方に住宅を確保する一つの手段としまして、一定基準以上の安全性ですとか居住性、そういったものが確保されている空き家でありますとか空き室であれば、その活用を図るべきであると考えてございます。
○内川委員 一部のデータによりますと、例えば高齢の単身世帯は27年度で約601万世帯あったんですけれども、これが10年後の37年には約701万世帯、100万世帯もふえていくというデータが出ています。民間賃貸住宅の大家さんの中には、要配慮者の入居に拒否感を持つ方もいるということですけれども、その原因は何でしょうか。そして、区としての対策は行っているのでしょうか。お聞かせください。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 住宅確保要配慮者のうち単身の高齢者に関しましては、孤独死でありますとか家賃の滞納、そして、子育て世帯につきましても騒音などの近隣トラブル、そういったことへの不安から賃貸住宅の所有者の方につきましては、こういった方々の入居に対しまして拒否感を持ちやすいといったことで聞いてございます。そういったことに対する対策でございますが、単身高齢者の方につきましては、区あるいは社会福祉協議会などにおきまして家賃の債務保証でありますとか緊急通報システム、見守り支援、生活相談、そういった事業を行っているところでございます。
○内川委員 大家さんの中には、約65%がそういった方々に拒否感を持っているというデータがありました。今、御答弁があったような事業を一層普及させて、要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を促進させるためには、関連部署だけではなく、関連する団体等も含めて総合的に取り組んでいく必要があると考えますけれども、区の見解をお聞かせください。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 住宅部局、そして、福祉部局だけの連携にとどまらず、民間不動産事業者でありますとか、例えば金融事業者、法律の専門家、そういった方々との連携も推進して、住宅確保要配慮者の方はもちろんのこと、住まいに関するさまざまな相談事に対しまして総合的に対応できるような、そういった取り組みが必要であるというふうに考えてございます。
○内川委員 早期にその取り組みを進めていただきたいと思います。住宅セーフティネット法改正法案は、本年の、ことしの10月から施行される予定であります。賃貸に対する家賃の低廉化のことについても示されています。その内容と、既に区として実施している類似事業とどのように整合性を図っていくのかお答えください。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 現在のところ、区では家賃の低廉化補助といったものの事業は、基本的には行っていないところでございます。今後は、今回の住宅セーフティネット法の改正に基づきまして、住宅確保要配慮者の方のための取り組みのあり方につきまして検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○内川委員 ありがとうございました。
次に、5番の公共基準点・地籍調査についてお聞きをいたしたいと思います。これに関しましては、28年の第3回定例会でもお聞きしております。公共基準点は、震災時の復興において一番の基礎となるものです。しかしながら、道路基礎工事等により簡単に滅失してしまいます。復元作業が必要であり、それには国の承認と検定が必要で大変手間がかかる作業と聞いております。現在、中野区内には何カ所の公共基準点があるのでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 公共基準点ですけれども、現在、区内には1,313カ所ございます。
○内川委員 この公共基準点は、今説明したとおり、その重要性から早急に滅失の現状を調査する必要があると思いますけれども、区の対応はどうなっていますでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 公共基準点の滅失に対する区の対応でございますが、滅失に対しては10月から調査に着手しまして現状把握する予定でございます。
○内川委員 今年度、たしか予算をとってあるんですよね。調査費。それを10月から実施するということです。今後30年の間に必ず起こるとされている関東・東海地震に備え、更新で作成された測量座標成果を最新の状態で維持していくためには、公共基準点の維持管理は必要不可欠と考えます。滅失の復元、その先の定期的な管理について計画的に行っていくことが必要です。今後の区のスケジュールについてお答えください。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 公共基準点に関する維持管理のスケジュールでございますが、平成29年度は滅失の状況について調査を行い、現状を把握することにしております。平成30年度は、滅失の現状を踏まえまして維持管理に関する計画を策定して、翌平成31年度から公共基準点の維持管理作業に着手する予定でございます。
あと1点、答弁を訂正させていただきたいんですけれども、区内の公共基準点の数ですけれども、1,713カ所でございます。申しわけありません。
○内川委員 1,713カ所もあるということですよね。今、復元は31年度から行うということですけれども、先ほども言いましたけれども、いつ大震災が起こるかわからないですし、なるべく早く取り組んでいただきたいと思います。
次に、地籍調査のほうに移ります。これも以前に質問させていただきました。地籍調査は、国土調査法に基づく国土調査の一つということです。主に地方自治体が主体となって、1筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、土地に関するさまざまなデータを確認し、確定していく作業です。災害時の迅速な復興・復旧にも必要で、土地取引の円滑化や土地資産の保全を図ることも必要です。現在の中野区における地籍調査の進捗状況と、あわせて近隣他区の状況もお聞かせください。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 地籍調査の進捗状況でございますが、中野区の進捗率、これは分母に調査の対象面積を置きまして、分子に地籍実施面積を置いたものを進捗率としていますが、平成28年3月現在で5.5%でございました。近隣他区の進捗率、同じ指標ですけれども、練馬区が2.6%、杉並区が1.3%、豊島区が3.7%となっております。
○内川委員 近隣他区の状況は中野区よりも悪いところばかり言われましたけれども、多分もっといいところもあると思います。先ほどお聞きしました地籍調査がなかなか進まない理由としまして、中野区のように過密な都市部では土地が細分化し、権利関係が複雑になっているため慎重な作業が求められるとのことです。また、地籍調査の実務は、高度で専門的な知識と経験が必要とのことです。一定数の臨時職員の確保と専門スキルを身につけるなど、職員の養成と蓄積が重要とのことですが、職員体制についてどうなっているのかお聞かせください。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 地籍調査に従事している職員の現状でございますが、現在、地籍調査に従事している職員は4名でございます。地籍調査に関する職務を遂行するためには、高度で幅広い専門知識と技術を習得することが必要であり、これまで区は地籍に関する研修に参加させるとともに、実務経験も積ませてきたものでございます。今後も地籍調査にかかわる職員の育成を行うことで、地籍調査の着実な推進に努めていきたいと考えております。
○内川委員 先ほど答弁にありましたけれども、進捗状況が5.5%ということで、これは中野区全体をきっちりやるには何十年もかかると思うんです。やっぱり事業を進めていく上では人と予算の確保が大事だと思いますので、30年度予算、ぜひここら辺のことも取り組んでいただきたいと思います。地籍調査は、災害復旧や土地活用などの点で必要かつ有用な事業だということです。地籍調査を実施する地域においては、権利者の方々に理解と協力が得られるよう、ホームページや広報媒体を活用して広く区民に対してその必要性と重要性について周知するとのことですが、現在の状況についてお答えください。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 地籍調査の必要性等に関する周知についてでございます。区は、地籍調査の実施に関して区のホームページや区報への掲載を行うことで、地籍調査の必要性や重要性についても広く周知を図ってきたところでございます。また、地籍調査の対象地の区民に対しては、調査に関する理解を得るために地籍調査の説明会を開催しているものでございます。今後も地籍調査を円滑に進めるために、区民に対する丁寧な説明に努めたいと考えております。
○内川委員 先ほどもありましたけれども、職員体制も含めて着実な実施をお願いしたいと思います。
終わります。
次に、6番、危機管理についてお伺いしたいと思います。本年の第2回定例会でも質問させていただきました。北朝鮮をめぐる緊迫がますます高まってきています。ことしに入って10発以上の弾道ミサイルの発射、先月の29日、そして、今月の15日、つい先日ですけれども、事前通告なく弾道ミサイルを発射しました。そして、日本の上空を通過したということです。北海道や東北地方では、617市町村に全国瞬時警報システム、Jアラートが発信され、交通機関が一時停止するなど混乱が生じました。さらに、今月3日には水爆実験を実施するなど、その挑発はとまりません。強い憤りを感じます。Jアラートに関しては、中野区は28年11月に行われた全国一斉情報伝達訓練に参加し、その正常な作動を確認したとのことです。また、機器類についても保守業者による年1回の点検を実施し、区職員が防災センターにおいて端末により障害発生状況を常時監視し、システムの稼働状況を確認しているとのことです。しかしながら、携帯電話やスマホを持っていない方にとっては、防災行政無線が唯一の頼りとなっています。中野区では、防災行政無線が聞こえにくい地域があり、建物密集地域ではスピーカーの向きを調整するなど、音声が確実に伝わるよう努めるとしていますけれども、現状についてお答えください。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区といたしましては、防災行政無線のアナログ式からデジタル式への移行の工事を進めております。この工事は、平成26年度から5か年計画で順次進めておりまして、これによりノイズの減少、音質の向上に努めております。なお、区民の防災行政無線が聞こえにくいという要望や、反対に音がうるさいという要望も含めまして随時現況を調査し、スピーカーの向きや音量を調整するなど改善を図っており、引き続き細やかな対応を実施してまいります。
○内川委員 スピーカーの向きの調整はいつごろまでに終了させる予定でしょうか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 今申し上げましたとおり、御意見や要望等をいただきましたら随時やっております。
○内川委員 ちょっと気になるのは、向きを調整すると、今まで聞こえていたところが聞こえなくなるとか、そんなこともあるんですか、やっぱり。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) スピーカーに関しましては、東西南北4方向にデジタル無線のスピーカーはついております。確かにおっしゃるとおり、角度を変えると聞こえないところも出るかもしれませんが、アナログからデジタル化したことによってもう一ついいところがございまして、音量が、一定量を1としますと、その一定量の2分の1にできる、また、4分の1にできる。音量も調整が可能でございます。そういったことで、スピーカーの方向、また、音量もかみ合わせまして、聞こえにくい範囲を少しずつ少なくしていくというのが現状でございます。
○内川委員 そのデジタル化も、平成30年度までに全てデジタル化に移行するということでよろしいですか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 30年度、31年の3月31日まででございます。
○内川委員 今、本当に緊迫が続いていまして、できるだけ早急にデジタル化もやってもらいたいと思うんです。補正を組んで早期の実施をお願いしたいと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 現在の緊迫した情勢、区としても把握しておりますので、順次早期に工事を進めてまいりたいと思っております。
○内川委員 区では、防災行政無線の放送内容を電話で聞くことのできる音声自動応答サービスや、ジェイコム中野と連携し、専用端末より放送内容を聞くことができる防災情報サービスなどを整備しているとのことですが、さらなる効果、効率的な情報伝達ツールを調査研究し、全ての人に確実に緊急情報が伝わる連絡体制の確保が必要と考えますけれども、区の見解をお聞かせください。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区では、緊急情報を迅速に区民の方へ提供するため、情報伝達ツールである緊急速報メール、それから、中野区防災情報メールマガジン、さらにはツイッターなどソーシャルメディアなどに対して、区発信の緊急情報等を一斉に配信するシステムの導入に向け、今年度準備しております。さらに、効果的な情報伝達ツールとして、インターネットやメールの文字情報ではなく、スマートフォンや携帯電話をお持ちでない方等々のために、電話による音声を活用して緊急情報を区民へ伝達できるシステムの導入を検討しております。多様な情報伝達手段を整備し、全ての人へ確実に伝達できる連絡体制の確保に努めてまいります。
○内川委員 ミサイル着弾など起きてほしくないと思いますけれども、緊急事態の場合には適切な避難行動ができることが重要と思います。区民に対して意識啓発や避難行動の周知が必要と考えますけれども、区の対応についてお聞かせください。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) まさしくそのとおりでございます。区では、本年4月、6月に政府広報にあわせまして、区ホームページにより弾道ミサイル落下時の行動等について周知をさせていただきました。今後とも防災訓練や防災関連の会合等の機会において、区民に対して意識啓発及び適切な避難行動のさらなる周知を図ってまいります。
○内川委員 関連して、避難所についてもちょっとお聞きしたいと思います。中野区では区立の小・中学校を避難所として指定しています。自然災害以外でも、先ほど述べた北朝鮮によるミサイル攻撃等、その他の災害の際にも避難所の利用が想定されるため、避難所機能の充実は備蓄品等も含め行っていく必要があると思います。29年度では、高齢者対象の2次避難所用の備蓄物資が拡充されたとのことです。平成27年修正の中野区地域防災計画によりますと、区では想定として東京湾北部地震時の負傷者数を2,400人ほどと予測しておりますけれども、災害対策基本法では自然災害のほかに大規模な火災もしくは爆発、その他の大規模な事故による被害についても災害と定義されています。ミサイル攻撃等の際には、負傷者の数は相当数ふえると予測され、けが、骨折、病気、さらには備蓄医薬品等に関してもさらに拡充する必要があると思いますけれども、区の見解をお聞かせください。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区では、今おっしゃられたとおり、震災時のための備蓄医薬品等を整備しております。大規模な火災、爆発、事故が発生した際にもこの備蓄医薬品を使用することとなっております。備蓄医薬品等が不足する場合は、区と薬卸売業者との間でその提供に関する協定を現在結んでおります。必要な都度、中野区薬剤師会、災害医療コーディネーターの方と相談しつつ、この卸売業者への調達の要請に努めてまいります。さらに、中野区では、中野区災害医療連携会議がございまして、この場で医師会、歯科医師会、薬剤師会、東京都柔道整復師会中野支部等の皆さんと、この備蓄医薬品等の品目、量を毎年度検討して更新しております。さらに、今回の事態を受けて、今申し上げました会議体で検討を重ね、十分な準備をしてまいりたいと思います。
○内川委員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。今おっしゃられた関係機関ともきちんと相談・調整をしていただいて、ぜひ来年度も拡充をしていただきたいと思います。
次に、中野中の跡地、旧九中跡地でありますけれども、ここも地域の避難所に指定されています。以前、堀越学園が建て替え期間中に暫定的に中野中跡地を使用していましたけれども、その後は空き家状態が続いています。現在の維持管理状況についてお答えいただきたいと思います。
○石橋経営室副参事(経理担当) 旧中野中につきましては、現在、校舎及び体育館につきましては経理分野で、校庭につきましては保育園・幼稚園分野で管理をしてございます。機械警備、電気工作物の保守点検委託等により建物の管理をしてございますが、毎月の保守点検の立ち会いなどの際にあわせて職員が校舎全体の見回りをしてございます。その際、軽微な修繕であれば職員が、それ以外につきましては業者に依頼して対応しているところでございます。
○内川委員 建物は、人が常に出入りしていないと悪くなってしまうんですよね。現状では、校庭には雑草が生え、校舎の一部では雨漏りも起きているとのことです。避難所として使用する際には、必要なライフライン、あと、照明等の機器類はきちんと利用できるように定期的な維持管理が必要と考えます。もう一度区の考えをお聞かせください。
○石橋経営室副参事(経理担当) 今御指摘いただきました雨漏りにつきましては、これまで応急的な対応をしてございましたが、状況を再度調査し、修理方法や経費などの検討を踏まえ、対応していきたいというふうに考えてございます。また、災害時や臨時的な使用を含め、区民が利用する可能性がある施設につきましては、安全性を確保する適切な維持管理が必要であるというふうに考えてございます。
○内川委員 それでは、最後の質問に移りたいと思います。マイナンバーカードの普及について、少しお聞きしたいと思っています。平成27年度から交付が始まったマイナンバーカードですけれども、その交付率は全国平均で約9%とのことです。平成29年、今年度の8月末現在の23区平均値と中野区の交付率についてもお聞かせください。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 本年8月末現在のマイナンバーカード交付率でございますけれども、23区平均値は約12.1%で、中野区は約11.4%でございます。
○内川委員 この交付は始まったばかりということなんですけれども、やはり低い交付率かなと思います。決算書によりますと、28年度マイナンバーカード交付件数は3万1,559件と、これはまだ始まったばかりなので前年度より大幅にふえていますけれども、今年度はそれほど伸びていないと聞いています。マイナンバーカード交付率が向上しない理由について、区はどのように考えているでしょうか。
○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 2015年10月5日に行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法が施行されたことに伴いまして、地方公共団体情報システム機構から通知カードとマイナンバーカード交付申請書がセットになった用紙を住民登録者に一斉に送付したことにより、昨年度は多くのマイナンバーカードの交付申請がございました。今年度は、昨年度と比べてマイナンバーカードの交付申請数が伸びておりませんが、これは現段階でマイナンバーカードが公的な身分証明書としての機能や、各種証明書が取得可能となるコンビニ交付サービスの利用などに限定されているため、住民基本台帳カードの機能と大差がないことから、住民にとりマイナンバーカードの利便性が実感できていないことが理由として考えられます。今後ともより一層、マイナンバーカードの普及に向けて広報を充実させていきたいと考えております。
○内川委員 区民にとってメリットがない、魅力がないということがその原因だと思うんです。ここから先の質問は、まだ実証実験に入っていないようなことを聞くんですけれども、国はマイキープラットフォームというものについて、ことしの9月から自治体向けに説明を開始し、システムの概要が示されたと聞いています。このマイキープラットフォームに関してちょっと、簡単でいいので御説明をお願いしたいと思いますけれども。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) マイキープラットフォームについてでございます。マイナンバーカードには、法律で用途が限定されたマイナンバーとは別に、民間も含めて幅広く利用できるマイキーという電子証明書を利用した機能がございます。この機能を活用することで、例えばコンビニ交付やe-Taxなどを利用できるということになります。こうした機能を活用することによりまして、普及を進めていくという取り組みを進めているところでございます。
○内川委員 今御説明があったとおり、マイナンバーカードには、法律で用途が限定されたマイナンバーとは別に、民間も含めて幅広く利用できるマイキーという電子証明書を利用した機能があるとのことです。この電子証明書の機能を活用することで、今いろいろ説明がありましたけれども、例えばコンビニ交付やe-Taxなどを利用できるようになるということです。国は、このマイキーをさらに活用するため、情報基盤たるマイキープラットフォームを構築し、9月25日から実証実験を予定しているとのことです。この実証実験に参加する豊島区では、図書館利用カードにかわりマイナンバーカードでも本が借りられるようになるとともに、地域活性化対策としてマイナンバーカードに豊島区ポイントをためて、一部の区内商店街での買い物に利用できるようにするそうです。中野区では、これから実証が始まるんですけれども、どのような対応を考えているのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 図書館の利用者カードなどとの連携によるワンカード化でありますとか、地域活性化対策としての自治体ポイントなどの取り組みにつきまして、他自治体での実証実験の状況なども参考としながら情報収集を行い、費用対効果なども考慮し検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○内川委員 これからの実証ということで、まだその効果のほどもわからないんですが、ぜひ中野区としても取り組んでいただきたいと思います。
次に、マイナポータルというものがあるんですが、これについても御説明をお願いしたいと思います。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) マイナポータルは、国が運営するインターネット上のサービスでございまして、自分自身の予防接種の履歴や行政サービスの給付状況などを容易に確認することができるほか、各自治体での必要なシステムを整備することによりまして、個人の状況に合ったお知らせや電子申請などが行えるようになるというものでございます。
○内川委員 自分の情報がどのように使われたのか、あと、自分にとって必要な情報を受け取れるといった便利なサービスであると聞いております。今後、本格運用が始まるマイナポータルについて、区はどのように取り組んでいくのかお聞かせいただきたいと思います。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) マイナポータルの利用に当たりましては、スマートフォンによる個人認証のための技術開発や、電子申請ができる手続などにつきまして一定の制約があるところでございますが、今後、区民のサービス向上を図るためにも、誰もがいつでも簡単に利用できる電子申請の仕組みの構築に向けまして、具体的な活用方法について検討してまいります。
○内川委員 マイナンバーカードを活用したさまざまな区民サービスを積極的に拡充していくことで、より利便性の向上やマイナンバーカードの普及促進につなげていくことがますます重要になってくると思います。これからの区の積極的な取り組みに期待して、少し時間が残りましたけれども、これで私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○高橋(か)委員長 以上で内川委員の質疑を終了します。
次に、平山英明委員、どうぞ。
○平山委員 着席のまま質疑を行わせていただきます。身体のことを御配慮いただきました委員長と副委員長と委員の皆様には心から感謝を申し上げます。理事者の皆様には大変失礼な態度での質疑となりますが、御了承いただけますようによろしくお願いいたします。
平成29年第3回定例会決算特別委員会において、公明党議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告どおりで、1のその他で教育施策について2点お伺いいたします。6のその他はありません。
それでは、初めに、平成28年度決算について伺います。総務省は、地方公共団体に対し、新公会計制度を基準とした財務書類を平成29年度――今年度ですね――までに作成するよう要請いたしました。今回の決算は、総務省の要請に基づき新公会計制度を導入した初めての決算ですので、区の平成28年度決算については、まず新地方公会計から見た決算分析についてお伺いしたいと思います。
区は、この新公会計制度に対応し、さらなる公会計改革を推進していくため、昨年6月、中野区の新公会計改革基本方針を策定したとして総務委員会で報告を行いました。この基本方針により目指すべき姿は、最小の経費で区民にとって最大の価値を生み出す区政運営を行うこととしています。この基本方針の策定についてとした報告でもあったとおり、区は経営改革の視点から平成20年6月、中野区の公会計改革の基本方針を定め、取り組みを進めてきたところです。しかしながら、これまでの財務書類作成のモデルは、決算統計データを組み替えて作成する総務省方式改訂モデルや複式簿記、固定資産台帳を前提とした基準モデル及びその他の方式――東京都方式等ですね――があり、異なった財務書類が混在するという課題がありました。今回、総務省が新たな統一基準を示したことにより、区は新公会計制度を導入した公会計改革を行うための新たな基本方針を作成したところです。以後、質問で20年度と28年度、二つの基本方針について伺いますので、わかりやすくするために平成20年度策定を旧基本方針、平成28年度策定を新基本方針として表現いたしますので御了承ください。
初めに、新公会計制度を活用するための組織体制について伺います。総務委員会での報告では、今後のスケジュールについて、平成29年度新財務書類作成コスト分析と平成30年度以降コスト分析等の検証、見直し、行政評価への活用となっています。新基本方針の中の新公会計制度導入ロードマップでは、活用方法検討として、区政経営への有効活用モデル検討を昨年度から平成33年度まで行い、平成33年度には有効活用モデル確立とあります。また、平成32年、33年度に行政評価への活用検討を行い、34年度に行政評価への活用を開始するというふうになっています。今回初めて総務省に提出する形式で財務書類を作成されたわけですけれども、本格的に公会計を使ってさまざまな分析や区政経営の活用ができていくのは、これにもありますとおり、おおよそ5年後からかなというふうに見ております。これらの活用方法の検討、これはどのような体制で行われるのか伺っていきたいと思います。旧基本方針には、財務情報を生かせる組織体制の確立として、管理会計責任者(CAO)の設置が記されていました。新基本方針にはCAOについての記述がありませんが、CAO設置は見送られたのでしょうか、伺います。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 管理会計責任者につきましては、現在設置しておりません。
○平山委員 今後の設置予定はありますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 現在のところ設置の予定はございません。
○平山委員 同じく旧基本方針には、管理会計責任者を補佐する(仮称)財務管理者を設置し、事業部への支援とチェック機能を持たせる。また、各部には(仮称)会計管理者を設置し、部内の予算執行や会計処理について、その適正な運営を確保・向上させる役割を持たせるともありました。先ほどの御答弁を聞くと、CAOの設置がないということであれば、こちらもと思いますが、念のため伺いますが、これについてはいかがですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 財務管理者、それから、各部の会計管理者等につきましても現在設置はしておりません。事業部への支援、チェック機能、それから、予算執行や会計処理についての適正な運営の確保・向上につきましては、現行の組織の中で行っているところでございます。
〇平山委員 旧基本方針を作成された当時、この管理会計責任者の役割というのは、年次会計報告書により決算分析から予算フレームの上限策定までの財務管理を統括する。二つ目に、外部評価を経た行政評価結果を踏まえ、全庁に事業改善要項を示し、改善の実行を管理する。3、財務会計管理の総責任者として財務会計の規律を確保するというふうになっています。要するに、区が目指したのは、公会計制度を導入することによっての経営改革であった。今回も同様だというふうに認識をしています。そうなったときに、先ほど現体制で行っていくというふうに御答弁していらっしゃいましたけども、これらの役割、あるいは、先ほど伺わせていただいた、いわゆる有効モデルの検討と確立、確立後の運用、これは現体制のままで大丈夫だと、そのように現時点で考えていらっしゃるということでよろしいですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 現時点では現体制の中で進めていくことを考えております。
○平山委員 その場合、20年度にあった管理会計責任者に相当する方、いわゆる今回の公会計のさまざまな今後の活用に向けた準備の責任者というのはどなたになりますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) ものの内容によりまして、私どもの上司であります経営室長、もしくは副区長ということになっていくと思います。
○平山委員 ものの内容によってというのはどのようなことなんでしょうか。要するに、1人担当を決めるというよりも、その仕事によって変わっていくということなんですか。であれば、先ほど伺った有効モデルの活用方法の検討及び確立、これは、責任者はどなたになりますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 事案決定の内容によりまして、経営室長もしくは副区長ということになっていくと思います。
○平山委員 この体制について、これからの4年間での有効活用の検討とその後の運用、非常に大事になってくると思うんですね。そうしないと公会計を導入した意味がなくなってしまうということを考えると、この組織体制についてはぜひ改めて御検討をお願いしたいなと思いますが、またこれは後で伺います。
じゃあ、次に、区民に対する情報開示について伺います。旧基本方針にある年次会計報告書、アニュアルレポートですけど、これと昨年度定められた新基本方針には「新財政白書」という表現がありますが、これは同じものですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 旧基本方針で記述しておりますアニュアルレポート、こちらで示す事項としましては、複式簿記、発生主義会計による財務書類に基づく財務報告、それから、行政評価を踏まえた事業改善の具体的な方法、中長期の財務見通し、次年度の経常的費用の増減の考え方、それから、基金の取り崩し額、起債の限度額、基金の積立額、積立目標、それから、財産処分による資金調達のガイドライン、その他、財務会計管理上必要な事項といったものを挙げております。これらのことを新たな新公会計制度に基づく事項としまして、アニュアルレポート、新財政白書等、名称は確定しておりませんが、そういったものを財務に係る資料としてまとめていくということでございます。
○平山委員 いやいや、基本方針には新財政白書と書いてあるんですが、じゃあ、これは仮称ということですね。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) そういったものをまとめたものを新行政白書と呼んでおりますが、正式な名称としては「新」がつくのかつかないのか、そこについては確定したものではございません。
○平山委員 それであれば同じようなものですので、旧来どおり「年次会計報告書」というふうに表現されたほうがよかったのかなと思いますけど、それについては送らせていただきます。
この新財政白書の作成、これは新基本方針の中で平成29年度からとなっています。今回の決算資料には見当たりませんが、作成されましたか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 今回、決算説明参考資料として配付いたしました中野区財政白書、平成28年度決算状況におきまして、国が公表した新たな統一的な基準に基づく財務書類を掲載しておりますことから、内容的には新財政白書を一部取り入れたものというふうに考えております。
○平山委員 いや、一部取り入れたんじゃ困るんですよ。新財政白書を平成29年度から策定するというのを、昨年の基本方針でみずから定められているんです。だからお伺いしているんです。いつまでに作成されますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 内容的には少しずつその中に盛り込むことによって、これが新財政白書の内容となっていくものというふうに考えてございます。
○平山委員 ということは、今配付されている、いわゆる財政白書、これをブラッシュアップしていきながら年次会計報告書のようなものにしていく。そういう理解でいいんですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) そのように考えております。
○平山委員 改めてお伺いします。別なものはつくらないということですね。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、今の財政白書、こちらのほうでブラッシュアップしていきたいというふうに考えております。
○平山委員 この新財政白書作成の目的は、区民等への情報開示なんです。じゃ、今年度、今までと変わらない形でホームページ等で、この新財政白書の走りに当たるというものであれば、当然公開されていくことになると思うんですが、その公開方法は、改めて基本方針の中で区民に対してこの情報を開示していく。区民に行政コストの意識を持っていただいたり、区財政の状況をきちんと把握していただく。そのことによって、区が今どのような取り組みをしているのか、このことについても御理解をいただくということが目的かと思うんです。そういうことを考えたときに、今回の財政白書を区民にどのように告知をされますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 今までも財政白書につきましてはホームページで公開しております。ただ、財政白書の内容は必ずしもわかりやすいということばかりではございませんので、概要版の作成等を工夫しまして、わかりやすい形での公開を考えていきたいというふうに思っております。
○平山委員 概要版は今年度作成されるんですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 概要版は今年度作成の方向で検討しております。
○平山委員 いろいろとお伺いいたしましたけども、私は個人的に、これ、きちんと別物で出されたほうがよろしいんじゃないかなと。それぐらいのつもりでつくるほうがよろしいんじゃないかなというふうに思うんです。まず、どこまでのものを目指すのかというのを決められた上で、そこに基づくデータを収集して、どういう形で区民に提示することが望ましいのかということを考えた上で作成していく。現状あるものを少しずつブラッシュアップされていくということであれば、なかなか現状の枠から離れにくいのかなというふうに思っているので、そこはぜひ御検討いただきたいなというふうに思っております。その上で、新財政白書作成は内部のみで行われるのですかという質問なんですけど、これは今の財政白書をだんだんブラッシュアップしていきますということなので、財務書類作成というような予算を毎回執行されていますから、同じように民間に委託されながらつくっていく、こういう理解でよろしいですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 現状どおり一部民間委託をしながら作成していくということを考えております。
○平山委員 財政白書の48ページに有形固定資産の行政目的別明細が、また、47ページには行政目的別割合があります。区民1人当たりの有形固定資産の額を行政目的別に教えていただけますでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 区民1人当たりの有形固定資産に係る行政目的別の資産額でございますが、生活インフラ資産、国土保全につきまして50万3,000円、教育につきまして54万1,000円、福祉につきまして18万7,000円、環境衛生につきまして2万3,000円、産業振興につきまして1万1,000円、消防につきまして6,000円、総務につきまして11万8,000円、合計で138万8,000円でございます。
○平山委員 ありがとうございます。固定資産台帳の整備が完了した平成25年度から昨年度までの間の、区民1人当たりの行政財産と普通財産の額及び割合を年度別に教えていただけますでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 平成25年度でございますが、行政財産が120万2,000円、普通財産が12万4,000円、構成比としましては、行政財産が90.7%、普通財産が9.3%。平成26年度は、行政財産が124万4,000円、普通財産が11万1,000円、構成比は、行政財産が91.8%、普通財産が8.2%。平成27年度は、行政財産が127万3,000円、普通財産が11万4,000円、構成比は、行政財産が91.8%、普通財産が8.2%。平成28年度につきましては、行政財産が127万4,000円、普通財産が10万9,000円、構成比は、行政財産が92.1%、普通財産が7.9%でございます。
○平山委員 ありがとうございます。いわゆる新公会計の導入によって、区民1人当たりのコストといったものは表記されるんですけども、区民の税金を導入して取得した、いわゆる公有資産等についても、区民1人当たりどれぐらい資産があるのか。教育資産というのに置きかえると、区民1人当たりどれぐらいのものがあるのか。これから年次を追ってどんどん積み重なっていくと思うんですね。来年度以降からは他区との比較も可能になっていく。5年ぐらいたつと、ある一定の傾向が見えてくるのではないかというふうに考えているんです。そうなったときに、例えばこの有形固定資産の教育に当たる部分の財産というのは、どれぐらい持っておくことが適切なのか。あるいは、普通財産と行政財産、行政目的を失った財産がどういう推移になっていって普通財産となっているのか。それを普通財産として持ってどういうふうに活用しているのか。区の資産というのは区民の資産でもありますから、それを1人当たりに割り返した表記というのは、今後、区民の方にこの新財政白書を示していくに当たって、非常に有益なデータになるのではないかというふうに考えるんです。そういう意味で、今お聞きしたようなことも踏まえた、いわゆる有形固定資産についても区民1人当たりどういうふうなものになっているのかということについて、今後、新財政白書への記載をぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 公会計につきまして、基準がばらばらでございましたところ、今回こういう統一した形で財務書類を作成することができるようになりました。この後は各区の比較といったことができるような形になっていくと思います。その際に区民1人当たりのデータ、それから他団体との比較、そういったことも盛り込みながら作成していきたいというふうに考えております。
○平山委員 ありがとうございます。今回は、後に続きます我が会派の委員も新公会計制度について質疑を行う予定ですので、私からは活用に当たっての組織体制と区民や議会への情報開示についてのみ伺いました。区も最小の経費で区民にとって最大の価値を生み出す区政運営を行うとの目指すべき姿の実現に向けた具体的な取り組みは、新たな財務情報の見える化、区民等に対する情報開示、区政経営の活用の三つであるとされています。新たな財務情報の見える化については、これまで努力をされ、データもシステムも整ったところです。そして、その努力には当然税が投入されております。区民等に対する情報開示は一刻も早く実行されること。また、区民サービスに直結する区政経営への活用のための体制についても検討されること。要は、ちょっと苦しい答弁だったのかなというふうに私は思うんです。ですから、改めてこの新財政白書について、基本方針でみずから示されているわけですから、来年度以降どのようなものを提示していただけるのか、議会等への報告もいただきながらいいものをつくり上げて、ぜひ区民に今の中野区のありようをわかりやすく御理解いただけるように努めていただきたいと思います。そして、この新公会計制度を回していくための組織体制というのは、一つの大きな規模にもなりますので、ぜひここについても御検討いただきたいなということを申し上げさせていただいて、次の質問に移ります。
次に、平成28年度決算の執行面から公募による事業者選定についてお伺いいたします。区は、平成19年中野区入札・契約制度改革基本方針を定めて、その最後の取り組みとして翌平成20年度に中野区企画提案公募型事業者選定試行実施要領を定めました。当時のスケジュールでは、その翌年の1月には各部からの選定協議を受け付けて、4月には本要領に基づく事業者との契約締結というふうになっています。初めにお伺いいたします。試行実施要領となっていますが、試行期間はいつまでだったのでしょうか、伺います。
○石橋経営室副参事(経理担当) まず結論から申し上げますと、現在も試行状況というところでございます。対象とする委託契約の内容が年々多様化する中、案件に応じまして評価項目や評価点割合など評価の基準を設定するなど、運用レベルの改良を重ねながら最適な仕組みを模索してまいりました。そうした意味で、現在も試行という状況を継続しているという認識でございます。
○平山委員 9年間試行を継続していらっしゃるというのは、ちょっといかがかと思うんですが、普通試行する場合というのは期間を定められますよね。当初、試行期間の定めというのはなかったんでしょうか。
○石橋経営室副参事(経理担当) 今回の案件につきましては、試行期間の定めというものはございませんでした。
○平山委員 じゃあ、いまだに試行のまま実施されているという現状は承知いたしました。要領なので公開はされていません。これは現在もこの試行実施要領のまま施行されている、このように考えてよろしいですか。
○石橋経営室副参事(経理担当) これにつきましても、現在も要領のままでございます。
○平山委員 要綱ではなく要領とされたのはなぜでしょうか。
○石橋経営室副参事(経理担当) まず要領の定義でございますが、中野区におきましては、区の事務の処理方法に関し、条例、規則または訓令の形式で定めるべき事項以外の事項について、その処理権限を持つ者が定める行政内部の指針、処理基準であると定義してございます。今回の要領でございますが、主に具体的な事務手続を取りまとめたマニュアル的な性格が強いことから、要領として作成したものでございます。
○平山委員 スケジュールどおり4月、この平成21年度に事業者との契約締結というのは行われたのでしょうか。初めての契約はどのような案件だったのでしょうか、お伺いいたします。
○石橋経営室副参事(経理担当) 本要領に基づきまして、平成21年1月に2件の公告を案件として実施いたしまして、4月に契約を開始してございます。内容でございますが、小・中学校給食調理業務委託及びホームページ再構築事業委託の2件でございます。
○平山委員 本要領の対象は区の全ての業務となっていますが、当時の議会での説明では、指定管理者及び区の土地や建物を定期で貸与して民設民営化の保育園等をつくる等は、対象には含まないとされていました。指定管理者も区の土地や建物を貸し出しての事業の場合も、基本的に公募はプロポーザルで行われています。この場合のプロポーザルはどのような条例、規則、あるいは要綱等に基づいて行われているのでしょうか、伺います。
○石橋経営室副参事(経理担当) 今、委員御指摘のありました当該要領以外の案件でございますが、各事業部が案件ごと、事業者選定の手続や評価基準などの仕組みを決定し、実施しているところでございます。なお、指定管理者につきましては、平成26年に政策室において中野区指定管理者制度ガイドラインを作成しており、現在はこれに基づいた事業者選定を実施してございます。
○平山委員 本要領の対象外のプロポーザルの場合、選定委員会は設置されるんでしょうか。されるのであればメンバー構成を教えていただけますでしょうか。
○石橋経営室副参事(経理担当) まず、当該試行要領に基づく事業者選定に当たりましては、中野区評価選定委員会と事業所管設置の選定委員会の2種類の関与がございます。まず、中野区評価選定委員会でございますが、公募の適否の審査、あるいは、事業所管評価結果に基づく選定候補事業者を決定する役割を担ってございます。構成につきましては、経営室長を委員長といたしまして、指定された6名の統括管理者で構成してございます。一方、事業所管設置の選定委員会でございますが、参加の事業者から提出された提案書及びヒアリング等の審査を行う役割を担ってございます。構成でございますが、事業所管部長が指定する当該案件に関連する分野の統括管理者等で構成してございます。今、委員から質問のございました当該試行要領以外のものでございますが、中野区評価選定委員会の関与はございません。事業分析の選定委員会のみで決定されてございます。構成は、事業所管部長が指定する当該案件に関連する分野の統括管理者等で構成しているものが多いものでございます。
○平山委員 ということですね。資料、総務の93を作成していただきました。昨年度までの5年間の中野区企画提案公募型事業者選定試行実施要領に基づく事業者選定実施の結果の一覧です。大変ありがとうございました。この資料の5年間の中で比較をすると、昨年度の実施数が突出して多くなっておりますけども、これはどのように分析されていますか。
○石橋経営室副参事(経理担当) 近年の傾向でございます。業務委託の数が増加するとともに、内容の多様化が顕著となってございます。一般競争入札による単なる価格競争ではなく、提案内容とともに、企業の組織力や実績等を重視する総合評価での事業者選定の必要性が高まっていると認識してございます。
○平山委員 そのような案件がふえていると。そのような状況になっているということですね。実施結果が不調だったのは、2013年度、2014年度にそれぞれ1件ずつあります。2015年度はなくて、昨年度、2016年度は急に5件となっています。備考に理由が書かれていますが、改めて担当所管に不調の理由をお尋ねいたします。また、件名に中止と再募集とありますが、中止とした2件についてはその理由もお伺いいたします。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中止になった契約でございますけれども、中野区の外国人観光客受入環境整備事業委託でございます。当該プロポーザルで公募した委託契約でございますけれども、区の情報発信事業として外国人観光客向けの動画、パンフレットを作成しまして、動画であれば動画の配信場所、パンフレットであれは設置場所といった、情報発信場所を一部指定して委託するものでございました。公募期間中に事業者からの問い合わせがございまして、仕様内容を再確認したところ、指定する動画配信場所の一つが特定事業者との独占契約となっていることが判明しました。特定事業者のみに限定する項目が仕様内容に含まれていたため、速やかにこの公募を中止しまして、内容を改めて再度公募を実行したところでございます。
○平山委員 所管ごとですので、5件続けて御報告いただけますでしょうか。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 北部すこやか福祉センターの障害者相談支援事業運営委託についてです。こちらについては、事業者の応募がなく中止となりました。改めて再周知を行って、再公募を行って決定してございます。それから、音響機器を活用した介護予防事業業務委託についてでございます。こちらも1回目が公募資格を満たした事業者の応募がございませんで、中止となりました。改めて公募資格を見直して再公募を行ったものでございます。
○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 知的障害者等生涯学習事業運営委託でございますけれども、ことしの2月に公募を行いまして1社から手挙げがございましたが、辞退届が提出されたものでございます。辞退をした事業者に辞退の理由を確認いたしましたところ、事業の実施に当たり人員の確保が困難であったこと、また、午前と午後の教室の間の昼休みの時間については、事業の時間外ということになってございましたが、参加者の安全管理が懸念されることなどの理由を確認いたしました。このような理由から事業の実施について再検討が必要であるというふうに判断をしたために、直ちに再募集は行わず、持続的な実施が可能な事業のあり方につきまして現在検討しているところでございます。
○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 子ども・子育て支援システムの調達に向けましては、見積もりの段階でパッケージを前提にどのようなカスタマイズを加えるかなど、事前の見積もりを徴取した上で公募を行いましたが、参加表明がなかったというものでございます。事業者側に確認しましたところ、見積もりの内容にカスタマイズの工程数等について見落としがあったといったところでありまして、区としても見積もり徴取の段階で確認が不足していたといったところが原因であると認識しております。現在、システムの再公募に向けましては、改めて必要なカスタマイズの経費を見積もったところ、経費が大幅に増額になるという見込みが判明したところでございますので、コスト削減等に向けた事務の見直しを検討した上で、また改めて再公募したいというふうに考えているところでございます。
○平山委員 せっかくなので続けて伺います。よろしいですか、長﨑副参事。今の子ども・子育て支援システム及び学童保育システム構築業務委託、見積もりよりも多額のお金がかかることが後にわかったと。ただ、今年度必要なシステム改修ということで予算をつけられていたわけですよね。今年度補正予算での対応等は検討されないんですか。
○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 今、現行システム、動いているものがありますが、この現行システムの利用を延長することにより対応したいというふうに考えております。また、新たなシステム構築に向けましては、そのスケジュールですとか、そういったコスト削減に向けた事務の見直しといったようなところで、改めて予算計上したいというふうに考えているところでございます。
○平山委員 わかりました。そもそも29年度に必要だということで予算化されているものが、そのような対応で大丈夫なのかということになると、予算の信頼性の問題にもかかわってくるんです。ですから、そこはしっかりと受けとめていただいて、質問はいたしませんので、よろしく対応をお願いいたします。
もう1件の知的障害者等生涯学習事業運営委託、これについては中身をもう一回見直すというお話でしたけども、そもそもこれは、いわゆるいずみ教室を廃止する。それに当たって、ことしの6月からでしたかね、かわりとなる事業を区のほうで行いますということで、計画されていたのではないかというふうに認識しているんです。しかしながら、また中身を再構築していくということになると、今のところその実施がいつになるのか、また、中身を再構築ということなので、どういう中身になるのか、こちらとしてはよくわからないような状況なんですが、この再構築を進めていらっしゃるそのスケジュールと現行考えていらっしゃる中身について、今御答弁できるところがあればお願いします。
○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 知的障害者等生涯学習事業につきましては、新たな知的障害者等を対象とした生涯学習の事業ということで公募を行ったところでございます。先ほど申し上げました辞退の理由などからも、時間帯、また、教室の内容などについて再検証する必要があるのかなというふうに考えてございます。そのほか、関係者などから話を聞いた上で、事業の頻度や会場なども含めて事業形態について検討しているところでございます。
○平山委員 区の土地や建物を貸し出しての事業のプロポーザルについて、8月24日の厚生委員会で、江古田三丁目障害者グループホーム等整備運営事業者の選定結果についてとの報告がありました。区有地を活用した民設民営の障害者施設の事業者募集が不調となり、開設がおくれるとの内容でした。所管に改めて経緯を伺います。
○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成28年9月に整備運営事業者を募集いたしまして、1法人の応募がございました。辞退により選定することができませんでした。そのため募集要項の見直しを行いまして、事業者応募資格や看護師の配置などの要件を緩和いたしまして、平成29年3月に再度公募を行いました。応募は1法人ございましたが、選定を行いました結果、主に看護師の確保や配置、財政面におきまして事業計画が十分でなかったため、選定事業者は該当なしとなりました。現在、再々募集に向けまして応募の要件等について検討を行っております。
○平山委員 今伺いました、いわゆる知的障害者等の生涯学習事業と江古田三丁目の障害者グループホーム、これについては、先日、障害者団体の方々と懇談会を我が会派で持たせていただいたときにお寄せいただいたお話でもあるんです。大変開設を楽しみにしていらっしゃったけども、先が見えないということで不安を感じていらっしゃるというような状況がありました。これが昨年度突出しているのかどうかというのは、簡単には判断がつかないと思うんですが、今回資料を要求させていただいた等のことによって、ちょっとここ最近、このプロポーザルのこういった不調案件が多いのかなというふうに感じております。そこで、指定管理者制度については、平成26年6月にガイドラインを定められました。区の土地や建物を貸し出しての事業のプロポーザルについても、手続についての要綱もしくはガイドラインを定めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○石橋経営室副参事(経理担当) 民間活力の活用の推進に伴いまして、民設民営事業や公民連携事業等に係る事業者選定等の機会が今後も増加することが想定されます。現にある事業や、あるいは今後予定される事業を分類、分析し、汎用的な基準となるガイドライン等の策定、検討を進めていきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 中野区企画提案公募型事業者選定試行実施要領について、これは対象が全庁的であることから、まずは、試行についてはその期間を検討して、どこかのタイミングで外されたほうがよろしいかと思うんです。その上で、対象が全庁的ということを考えると、これは要領ではなくて要綱に改められたほうがよろしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○石橋経営室副参事(経理担当) 当該要領実施から9年が経過いたしました。近年ではさまざまな事例にも対応してきたことから、試行及び要領を改めまして、全庁的な事務処理基準として要綱へ改定する作業を進めていきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 選定委員会に外部有識者を入れる等のチェック機能を働かせるべきと考えますが、いかがですか。
○石橋経営室副参事(経理担当) 現在、事業部で構成する選定委員に外部の有識者を参画させている事例はございませんが、事業内容が高度な専門性を有し、区職員では適正な評価が困難であると認められる場合におきましては、外部有識者の参画につきまして要綱への見直しの作業の中で検討していきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 最後に、監査事務局にお伺いいたします。民間の活力の活用が年々ふえていることを考えると、これからのプロポーザル案件について、事務監査の対象となるべき案件ではないかというふうに思います。募集から契約だけでなく、事業が区民にとって満足度の高いものとなっているか否かについてのチェックも必要と考えます。もちろん監査の独立性は承知しておりますけれども、そのような意見があったということをお伝えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷松監査事務局長 事務監査のテーマの選定でございますけれども、これは財務監査など、ほかの監査の過程で抽出されました問題点や、区政運営上、事務執行のあり方について課題を認識しているものなどから、監査委員が総合的な観点から合議の上、選定しているところでございます。それから、今、委員、質問の中でもおっしゃいましたけれども、監査委員はその性質上、区の執行機関や議会から独立性を保ち、独任制の委員が監査計画の立案から監査結果の取りまとめまで、全員一致の合議により運営しているところでございます。それらを踏まえた上で、質疑を通しまして、ただいまいただいた意見につきましては監査委員の合議の場に持ち帰らせて、情報提供させていただければと思います。
○高橋(か)委員長 平山委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○高橋(か)委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。平山委員、質疑をどうぞ。
○平山委員 引き続いて質疑を行わせていただきます。
先ほど休憩前に公募による事業者選定について、もろもろお伺いをさせていただきました。今後、高齢化や人口減少による、いわゆる税収の減と。しかしながら、このサービスの需要が増加してくるということを考えると、民間の活力は最大限に活用していくこと、また、用途を廃止した区の資産は可能な限り活用することという、区の基本的な考え方には賛成をするものです。しかし、民間に委託するがゆえに契約がおくれ、区民へのサービス提供がおくれることは改善が必要だと考えますし、民間委託した事業に対して区民満足度に対するチェック機能も必要と考えます。何より民営化が進んで職員の現場を経験する機会が減ることが、職員のパフォーマンス、ひいては役所のパフォーマンスの低下につながらないための人事政策についても必要だというふうに考えております。
以上伺って、次の質問に移ります。
その他で教育施策について2点伺います。
初めに、平成28年度中野区立小・中学校就学援助認定者数及び認定率について伺います。小学校の7月時点での当初認定は、認定者が1,670名、認定率18.4%、決算時の認定者数は1,761名。中学校は、同じく7月時点での当初認定者数は875人、認定率27.8%で、決算時の認定者数は934人となっています。この当初認定と決算時の数字の違いについて伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 当初認定の数につきましては、毎年4月に受け付けた申請につきまして認定と判断した方のケースでございます。当初認定後も申請の受け付け、審査、認定を行っており、転入や世帯の変更など年度途中で追加認定者が生じますため、当初認定時と決算時の数値が異なるものとなってございます。
○平山委員 就学援助の当初認定時より、決算時点では対象者の変動が大きいようです。就学援助の申請から認定までの流れは、特に小学校1年生、中学校1年生についてはどうなのか、確認のため伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 申請から認定までの一連の事務手続につきましては、小・中学校の全学年に対しまして同時に行っておりまして、学年による違いはございません。
○平山委員 平成29年3月31日の教育局長名での通知を受け、新入学児童生徒学用品等の前倒しを始めている自治体が多いように思われます。文部科学省からの通知では、必要な援助は適切な時期に実施されるよう市町村教育委員会に周知をとしています。これは、新入生が入学前に必要な学用品をそろえられるようにという配慮ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 文部科学省からの平成29年3月31日付けの通知、「平成29年度要保護児童生徒援助費補助金について」によりまして、国では要保護児童について、就学予定者として小学校入学前の支給を補助対象にしたものというふうに承知してございます。
○平山委員 必要なときにどのようなものが適切な支援なのかということを把握していくことが大事です。その上で速やかに実行していくことが大事かと思います。年度末に通知が来て、次年度から反映するのも難しいことは理解しますが、新入学の児童・生徒にとっては、入学前が必要な時期なのではないかと考えます。練馬区では中学校1年生に対しての前倒しを決定。新宿区でも先に新中学1年生への支給をし、今年度より新小学1年生を対象にするということです。中学1年生については、例えば準要保護の認定を受けている、入学準備を必要としている小学校6年生を対象に支給するということは考えられないのでしょうか、伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 仮に小学校6年生で支給した場合、中学1年生の時点から見ますと、前々年度の所得で計算することになります。新中学1年生になってから認定対象となった生徒の場合には、前年度所得で計算することになってしまうため、判断基準が二重となってしまいます。また、支給後、転出される人の扱いや私立学校に進学する人の扱いなど、さまざま検討すべき課題があるというふうに認識してございます。
○平山委員 そうですよね。それはそう理解します。ただ、先ほどの御答弁の中で、いわゆる小学校1年生、中学校1年生については、当初とその後の差もないということもあるので、さまざまなことを検討していただくことが必要かと思います。八王子市では、国の要綱を改正する以前から、平成28年8月に要綱を改正し、市内に住所を有する準要保護児童生徒のうち、次年度に就学を予定している児童の保護者に対し、新入学準備金等を別に定めるところにより支給する。ただし、福祉事務所から当該入学に係る新入学準備金の支給を受けた者に対しては支給しないとし、入学前の支給を可能としています。同市は、就学時健康診断の案内に新入学準備金受給申請書を同封し、送付しており、申請の締め切りは1月上旬であることから、前々年度の所得を基準としています。また、システムの改修も特にされていませんので、申請に応じて税情報などの閲覧により支給決定をされています。八王子市のようにシステムを改修せずとも支給を可能とすることは、中野区ではできないのでしょうか。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 迅速な事務処理や事務の適正化の観点から、認定作業につきましてはシステムの活用が望ましいというふうに考えてございます。
○平山委員 望ましいのは望ましいんでしょうが、できるのかできないのかというのを伺っているんですが。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 技術的にやることはなかなか、事務処理が適正に漏れなくできているかということにつきまして、かなり時間がかかるというふうに思ってございます。
○平山委員 平成28年10月7日の教育委員会会議録によると、平成28年度中野区立小・中学校就学援助認定者数及び認定率についての報告に関して、教育委員から、中野区独自でも就学に伴う援助をしてあげられるような体制をぜひ整えていただきたいとの意見もありました。中野区独自の判断が可能であると思われますので、入学前支給について早期に検討すべきと考えますが、お考えを伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学援助は、住民税の税額計算のもととしています前年度の所得額に基づきまして、当該年度の認定を行っているところであります。住民税における前年所得額が確定するには、当初課税の時期である6月というふうになってございます。さきにお答えしました課題もありまして、直ちに認定時期を前倒しすることは難しいというふうに考えてございます。
○平山委員 御答弁はよく理解ができると思います。ただ、税情報の確定も含めて、さまざまな取り組みをされている事例も紹介させていただきました。そちらも含めてぜひ御検討いただければと思います。
続けます。次に、平成29年9月11日に文部科学省より依頼の出ている、学校給食費無償化等調査について伺います。本年4月、我が党の山本香苗参議院議員の質問に答え、文部科学省は、公立小・中学校の学校給食の無償化に関する全国調査を今年度初めて行う方針を示しました。今回の調査の意味は、学校給食無償化の地方自治体における実施状況を把握、すなわち導入のみならず、導入の経緯や導入後の効果や課題等を文科省として把握し、学校給食無償化に向けての環境を整備していくことにあるようです。この点について、区はどのように調査の趣旨を理解されていますでしょうか、伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 御指摘の調査につきまして、まだ区に届いていない状況でございます。そのため把握してございません。
○平山委員 東京都にはもう届いているみたいですので、間もなく区のほうにも来るかと思いますので、ぜひ内容をごらんいただきたいと思います。徐々に給食費の無償化は自治体で広まりつつありますが、無償化の実施に当たっては、財源の確保をはじめ解決すべき課題も多くあります。この点も含め、今回の全国調査は学校給食無償化の議論を深めることにつながると考えます。今後も国や都の動きを注視し、区としても給食無償化についてのあり方を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 区は、学校給食法に基づきまして、学校給食の食材料費につきましては保護者負担としております。現状では、給食費を無償化することは考えてございません。
○平山委員 ですよね。いや、それが区の今のお考えなんですから。しかしながら、さきの就学援助の話も含めて、国がこういうふうに動いてきているというのは確かなんです。そのことはしっかりと注視をしていただいて、なぜ国がそのような動きをしているのかということについても、ぜひ内部において検討を深めながら、中野区のあるべき姿をしっかりと御検討いただきたいと思います。
以上でこの項の質問を終わります。
2項目めといたしまして、風水害対策と防災情報伝達についてお伺いいたします。7月に発生した九州北部豪雨は、多数の犠牲者と被害を生みました。改めて犠牲となられた方々へのお悔やみと、被害に遭われた方々へのお見舞いを申し上げます。また、一刻も早い復旧をお祈り申し上げるものです。この週末も台風18号が大変な猛威を振るって、全国でさまざまな被害が発生しております。
決算説明書483ページ、防災費中災害救助の説明に、平成28年度の水害対応状況が記されております。区内での集中豪雨の発生は3回で、被害状況は、床上浸水が11件、床下浸水が3件、計14件となっています。また、この14件に対し、小災害見舞金と水害見舞金がそれぞれ支給されています。これまで何度も区の風水害の対策について質問を行ってきたところですが、気候変動による風水害は今後ますます災害の規模を増大させていくことは明らかで、震災のみならず風水害への対策も想定外がないものとしなくてはなりません。
そこで伺います。国土交通省は、河川管理者が市区町村長等へ直接情報を伝達するホットラインの取り組みを都道府県管理河川へ拡大・定着させるため、本年2月、中小河川におけるホットライン活用ガイドラインを策定しました。これにより都道府県は、減災協議会の場などを活用し、対象となる市町村も検討・調整し、平成30年の梅雨の前を目途にホットラインの構築を図ることとしています。ホットラインの目的は、避難勧告の発令権限を持つ市区町村長に対し、河川に対して専門的な知識と経験を有する河川管理者から、河川の状況、水位変化と今後の見込み等を集約し、直接連絡することにより、市区町村長の判断を支援することにあります。そこで伺います。国や都から区に対し、このことについて何かしらの動きはあったのでしょうか。また、具体的な内容がおわかりであればお教えください。
○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 中小河川におけるホットラインについてでございます。中小河川におけるホットラインとは、水害の発生が予想される際に、区市町村長が行う避難勧告等の発令の判断を支援するための情報提供の一環としまして、都の河川管理者から必要に応じ、河川の状況、水位の変化、今後の見通し等を区市町村長等へ直接電話等で伝える仕組みのことでございます。ホットラインは、区市町村長が適切に避難勧告等を発令することで人的被害の発生を防ぐことを目的としているものであり、今後、区はホットラインの開設に向けて東京都と協議を進めていきたいと考えております。
○平山委員 区は、ホットライン設置に当たって、体制の整備や防災計画の改定等が必要となるのでしょうか、伺います。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) ホットラインの設置による体制の整備等につきましては、直ちに必要になるとは考えておりません。しかしながら、災害情報の重要な収集先として位置付けており、活用していきたいと考えております。
○平山委員 防災計画の改定についてはどうですか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 今年度、中野区地域防災計画を改定しております。その中では、こちらのホットラインに関しましてタイムラインの中で位置付けができると思っております。
○平山委員 二つお聞きしたので、二つまとめて御答弁いただければと思います。あくまで河川が対象のようですが、集中豪雨による下水道の氾濫等の都市型水害に対してのホットラインの活用、これはあるのでしょうか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 現在のところ、下水道に関して東京都下水道局からのホットラインによる情報提供の話は来ておりません。ただし、下水道である桃園川幹線については、現時点でも9カ所の水位情報の提供を受けており、集中豪雨の際には内水氾濫の監視を行うことができる状態にあります。
○平山委員 台風や土砂災害についてはいかがでしょうか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 台風等による大雨や洪水、土砂災害に関する警報、特別警報等が発令され、かつ、河川の氾濫等の被害の発生が見込まれる場合には、気象庁東京管区気象台の責任者から区長に連絡が入る体制が現時点で整っております。
○平山委員 栃木県では、細分化した氾濫ブロックごとに危険水域を認定し、これを市町村と共有するとともに、市町村は氾濫ブロック内の自治会と自治会長への緊急連絡先を整理し、これを河川管理者と共有しているというふうに聞いております。区も河川の氾濫や土砂災害が危険視されるエリアの町会長・自治会長に対し、風水害の情報が確実に伝わるネットワークの構築を事前に行っておいてはいかがでしょうか、伺います。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 中野区を流れる河川については、既に区独自の水位計や河川への監視カメラの設置、警戒水位の設定等を行っております。また、神田川などが大雨によって洪水になった場合の浸水予想区域についても、洪水のハザードマップで明示しております。災害時、地域の中心となって災害対応していただける防災会長等とのホットライン的な連絡体制の強化については、必ずや必要になることから、今後検討してまいりたいと思っております。
○平山委員 ホットラインとタイムライン――先ほど御答弁の中でもありましたけども――は水害対応の両軸とも言うべきものです。中野区版のタイムラインの策定については、これまで何度も求めてきたところですが、先ほど地域防災計画の中に云々という答弁がありましたが、ホットラインの設置にあわせて中野区版のタイムラインの策定、これを改めて求めますけど、これはもう間近ということですか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 今おっしゃられたように、ホットラインとタイムラインは相乗効果を持つものと考えております。いつ誰が何をするかに着目し、防災行動とその実施体制を時系列で整理したタイムラインの策定については、先ほど申しましたとおり、今年度、中野区地域防災計画を修正しておりますので、その中にしっかりと盛り込んでいきたいと考えております。
○平山委員 今年度盛り込まれるということは、もう既にタイムラインの策定に入っていらっしゃると。そのような認識でいいですか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 地域防災計画の改定の計画でございますが、本年の6月の下旬に中野区防災会議を持ちまして、まず改定の発議をして了承をいただいております。今後の予定といたしましては、12月までに素案をまとめ、まずはその防災会議のほうに諮ろうと考えております。その後、議会報告やパブリック・コメント等を求めまして、固まってまいりますのがどうしても年度末になると思います。来年度の1定になると思われます。その後なんですが、やはり冊子で厚いものになりますので、印刷期間等々がございまして、実際に発行できるのは来年度、30年度の5月下旬から6月の頭になるという予定になっております。そして、改定等につきましては順次進んでおります。
○平山委員 改定に入ったかどうかだけお尋ねしたので、御丁寧な答弁はありがたいんですが、時間がなくなってしまいますので。タイムラインの作成に入られているということは、タイムラインというのは、いわゆる行政機関だけじゃなくてさまざまな区内の関係機関とも、災害発生時から逆算しての行動をどう決定していくことが必要かということになってくるかと思うんです。それが本来のタイムラインのありようだというふうに考えておりまして、現在、この地域防災計画の改定に当たってタイムラインを共有しようということで協議をされている団体、これを挙げていただけますか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 一例としましては、公共交通機関等の方々です。
○平山委員 一例ではなくて全て挙げてください。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 先ほど申しました中野区防災会議に参画している団体の方々です。お時間をいただきますと、東京都第三建設事務所、東京都水道局、東京都下水道局、東京都交通局、警視庁、東京消防庁、東京消防庁第四消防方面本部、陸上自衛隊第一師団、中野消防団、野方消防団、日本郵政株式会社、東日本電信電話株式会社、東京電力パワーグリッド、東京ガス株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、一般財団法人の中野区医師会、同じく一般財団法人の中野区歯科医師会、一般財団法人の中野区薬剤師会、京王バス、関東バス、東京地下鉄株式会社、西武鉄道株式会社、公益財団法人の東京都柔道整復師会中野支部、同じく東京都獣医師会中野支部、中野区町会連合会、ジェイコム中野でございます。
○平山委員 公共交通機関とかいったところも入ってきたということは、本当はもう少し対象があるのかなと思うんですが、タイムラインを策定するに当たって、そういう公共交通機関とか行政外の組織もその行動がタイムラインに記される。このように認識していていいですか。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 中野区に関連するあらゆる機関が、総力を挙げまして風水害と災害時に対応するということから、そうでございます。
○平山委員 ありがとうございます。例えば、台風が来たときに休校にするかどうかという判断は、今、学校ごととなったりして。ただ、それによってなかなか判断が出るタイミングが違ってきたりもする。そういったものを、ある一定の被害が想定される場合、統一的にしておくことで被害を軽減することもできますし、その分防災対応に注力すべきところは注力していくことができると思いますので、途中経過も御報告いただけるかと思いますから、楽しみにしております。
次に、土砂災害対策について伺います。都は、7月13日、土砂災害防止法に基づく基礎調査結果を公表いたしました。平成26年8月、広島市で豪雨による土砂災害が発生し、翌9月の決算特別委員会総括質疑において、区内の土砂災害への対応について質問いたしました。その際、都は、区部の土砂災害危険箇所につきまして、2020年までを目途に警戒区域等の判断をするための調査を進めているとの答弁でした。早期の調査を都に求めるよう要望いたしましたが、3年早く調査が完了したということは大変ありがたく思います。また、区は、都の公表の同日にホームページで同調査結果の公表を行いました。迅速な対応を評価するものです。調査の結果、区内の土砂災害警戒区域は、松が丘4カ所、上高田9カ所、中央9カ所、東中野1カ所、本町2カ所、弥生町3カ所の合計21区域。このうち土砂災害特別警戒区域は松が丘1、上高田7、東中野1、弥生町2の合計11区域でした。この結果を受けて、区は法に基づく対策を早急に講じていく必要があります。土砂災害危険区域については、災害避難体制の地域防災計画への記載、災害時要配慮者利用施設の避難体制の強化、土砂災害ハザードマップによる周知、土砂災害特別警戒区域については、さきの内容とともに建築物の構造規制、建築物の移転等への支援措置となります。速やかな対応を求めるものですが、特に急ぐべき2点について伺います。
区の報告によると、10月26日に周辺住民に対しての東京都主催の説明会が開催されると聞きますが、詳細を伺います。
○中川都市基盤部副参事(防災担当) 10月26日、都主催の住民への説明会が行われます。土砂災害の警戒区域及び特別警戒区域となる予定の地域にお住まいの方、そして、施設をお持ちの方、土地をお持ちの方に、指定に係る調査基準とか制限の事項、区の取り組みについて説明する機会となっております。また、説明会について警戒区域の指定に予定されている住民の方へは、ポスティングでお知らせをし、地権者の方々へは郵送による案内でのお知らせになります。また、区といたしましては漏れがないように、区報、ホームページ等によりお知らせする予定になっております。
○平山委員 区のほうでも積極的に対応されるということは高く評価いたします。非常に大事なことですので、まずは周知をして知っていただくということが大事ですので、引き続き進めていただきたいと思います。
区は、今後の対応としてひがしなかの幼稚園(災害時要配慮者利用施設)における応急教育計画の改定及び施設補強対策等を検討し、利用者の円滑かつ迅速な避難等を確保するとしています。応急教育計画の改定及び施設補強対策等の検討、これについてはいつまでに行われるのでしょうか。また、議会報告はなされるのでしょうか、伺います。
○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ひがしなかの幼稚園におけます応急教育計画、これは東京都教育委員会の学校危機管理マニュアルに基づく計画となりますけれども、土砂災害警戒情報発令時の連絡方法でありますとか、また、具体的な対応方法などを盛り込みまして、既に変更したところでございます。また、施設の補強対策等につきましては、当面の対策といたしまして、窓など開口部の防護対策などを年度内に完了することで調整を進めているところでございまして、対策が定まり次第、議会、幼稚園利用者にもお知らせしてまいりたいと考えてございます。
○平山委員 この応急教育計画というのが、国が言っている避難計画になりますので、これはもう改定されたということは、素早い対応を本当に評価いたしますし、補強等も今年度早いうちにということで行っていただけるということなので、これもぜひともよろしくお願いしたいと思います。いずれも法が改正されて、昨今の災害を受けた上での国の判断による改正でございますので、迅速に対応されていることを評価するとともに、そのほか進めなければいけないことを着実に進めていただければと思います。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、まちづくりにおける諸課題について伺います。
まず、土地の収用に当たっての優遇制度について伺います。補助227号線が、都の木密地域不燃化10年プロジェクト特定整備路線として整備が進んでおります。都は沿道住民に対し、本事業に協力する場合は用地補償と特別な生活支援策を講じるとしています。補償の内容には、租税特別措置法に基づく税法上の優遇制度も含まれており、土地の提供による一時所得について、5,000万円までの特別控除を受けることができるようになっております。そこで伺います。特別控除を受けた場合、国民健康保険料は賦課基準額が算定基準となりますから、特別控除が反映されるのでしょうか、伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料の算定におきましては、特別控除は反映されます。
○平山委員 介護保険料は算定基準が合計所得金額となります。介護保険についてはいかがでしょうか、伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険料に関しましては、今、委員のほうから御指摘がございました合計所得金額が保険料の算定指標になってございますため、特別控除は介護保険の算定には反映しておりません。
○平山委員 ということですね。ということは、いわゆる土地を提供された方々に一時所得があった場合、税の控除に反映して、国保も控除された額にかかってくるという形になるんですが、介護保険に関しては、それが全く反映されないということですね。国は介護保険料及び利用者負担について、平成30年度から介護保険制度の見直しを行うと聞きますが、見直しの背景と詳細を伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 今お話がございましたように、介護保険制度では保険料及び利用者負担割合等の判定に関しまして、合計所得金額を用いているものでございます。自宅等を売却し新たな住居を購入した場合など、手元に譲渡収入が残らない場合でございましても、多額の譲渡所得の計上により合計所得金額が上昇いたしまして、一時的に保険料や利用者負担が上昇することがございます。東日本大震災の被災地等では、防災集団移転促進事業によりまして被災者の住居等の売却に伴う譲渡所得が計上され、合計所得金額が上昇いたしまして、保険料の上昇や利用者負担がふえる事例が生じており、被災県等から土地の譲渡所得が所得指標に含まれないよう特例的な取り扱いをするように、国に要望が寄せられておったものでございます。また、土地収用等におきましても、保険料等の上昇の影響が大きいものとして改善の要望が寄せられてございました。このような状況の中で、土地売却等には災害や土地収用等を含む本人の責に帰さない理由による場合もあることから、介護保険制度において所得の判定に当たって土地の売却収入等を所得とみなさない扱いにするよう、平成30年度から所得指標を見直すことになりました。そのため区では、介護保険料では平成30年区議会第1回定例会での条例改正提案を、利用者負担割合等におきましては、政省令の改正に基づきまして所得指標の見直しの実施を予定しているところでございます。
○平山委員 ありがとうございました、丁寧な御説明を。そうなんですよね。東日本の震災が一つの背景にあった。もう一つは、いわゆる行政のまちづくり等に協力してくださる方々が、介護保険については、行政に協力したがゆえに得られた一時所得に、そのまま乗っかってきてしまうというような事例が生じていたということが背景のようです。この介護保険についてなんですが、先ほど平成30年度からというお話がありましたが、保険料のみ所得をはかる指標を、市区町村が独自の判断で条例を定めれば、平成29年度、つまり今年度から施行できるということにもなっていたかと思いますが、中野区は実施しておりません。理由を伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険料に関しましては、3年を1期とする計画ごとに策定する事業計画におきまして、当該計画期間における被保険者数や介護給付費等の介護保険事業に要する費用の見込料等を算定いたしまして、それらを勘案して保険料を設定しているところでございます。介護保険事業計画期間の中の保険料改定は原則として行えないことですとか、あと、利用者負担割合等の同様の改正が予定されている平成30年度に同時に行うということを考えまして、厚生労働省令の改正本則にのっとりまして、平成30年度からの条例改正の提案と考えたところでございます。
○平山委員 厚生労働省令の改正本則にのっとってという趣旨は理解します。しかしながら、厚生労働省自身が、いわゆる計画期間内であることは承知した上で、これは自治体独自の判断で、条例で前倒しをすることが可能ですということになっているんですね。そのことについて後ほどまた伺っていきますが、23区で先行して独自に条例改正した区はありますか。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 港区と足立区の2区が条例を改正しているものと把握してございます。
○平山委員 東京都シルバーパスは、住民税非課税、または、課税で合計所得金額125万円以下を証する書類で、介護保険料納入決定通知書の提出を求められます。このため都は、今年度――平成29年度ですね――のシルバーパス発行から、全区市町村で合計所得金額から長期譲渡所得または短期譲渡所得に係る特別控除額を控除して得た額で所得を判断しています。平成29年度からこのような対応なんですが、平成28年度まではどうだったんでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 昨年度の東京都シルバーパスの所得判定におきましては、合計所得で判断されておりまして、長期譲渡所得または短期譲渡所得に係る特別控除の適用はございませんでした。
○平山委員 ということですよね。だから、この場合はシルバーパスが、場合によっては1,000円ではなくて高い額になってしまうということもあり得たということですよね。このような、いわゆる介護保険の課題とかシルバーパスの課題があるということを――ごめんなさい、通告はしていないんですが――まちづくりの担当者は御存じでしたか。
○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) これまでも道路用地等買収に伴う税の控除や国民健康保険等の軽減については、まちづくり計画や用地買収等に関する説明会、配布資料、あるいは、権利者等に周知を行ってきたところでございます。今後はこういったシルバーパス、あるいは介護保険を含む情報についても、関係分野と協力しながら周知を図り、まちづくりに協力される方々に寄り添った対応を図ってまいりたいと考えてございます。
○平山委員 それは次の質問の答弁です。すみません、確認のために伺うんですが、いわゆるこういう介護保険の課題とかシルバーパスの課題があったということを、まちづくりの担当者は承知されていましたか。
○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 介護保険については存じませんでした。
○平山委員 よく情報交換をしていただいて、もう既に大和町なんかでは土地を収用された方々がいらっしゃるわけです。一時所得が入ったからといって、次への移転等を考えると、決してお金が余分にあるというような状態にない方もたくさんいらっしゃって、そういった方々の負担がどうすれば軽減されるのかということは、介護保険側とまちづくり側が両方でアンテナを張って見ていかないと、見落としてしまう部分があるのかなと思います。場合によってはその29年度の改正というのも、まちづくり側からお申し出をされれば、もう少し検討の余地があったのかなというふうにも思わないこともありませんので、ぜひそういった点は今後十分注意していただきたいと思いますし、これからさらに、今度は区主導のまちづくりが進んでいきます。今回の30年度の改正で介護保険の問題はクリアになるということにはなりましたが、私が相談を受けた方々も実際に御存じだったわけではなくて、介護保険の通知が来て初めて相談をされてきたんですね。私も、大変申しわけないんですが、その時点で初めて知ったというようなことでございますけれども。まちづくりを進める上で御協力いただく区民の皆様の負担について、どうすれば軽減していくことができるのかというのは、我々もそうですし、行政側もしっかりと今後も注視しながら、確認しながら進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
補助227号線の立ち退きの対象となっている大和町の商店の方から相談を受けました。相談者は――これはまちづくりの商店の維持の課題ですね――3棟連続した店舗スペースの一つを借り、商売を営まれています。道路拡張後も引き続き商売を継続することを希望されていますが、沿道に新しく建築されていく建物で適当な広さの1階店舗スペースを有するものが見つからなく、苦慮されていました。たまたま条件に合うスペースを貸し出す予定の建物の建設が決まりました。今後、同条件の物件が見つかるか不安であることから、都に立ち退きのための移転補償を申し出たところ、残りの2棟の貸し主が同時に退去を決め、土地・建物の所有者との売却の契約が成立しない限り補償はできないと言われたそうです。なぜこのようなことになるのか。土地収用法が関係していると思われますが、詳細を伺います。
○吉沢都市基盤部副参事(都市基盤用地担当) 移転補償の同時契約についてでございますが、一般的には1区画上の各権利者と全員合意の上で同時に契約を行っており、その上で移転補償費等を支払っております。それは、土地所有者、建物所有者、占有者がいる場合、その3者のうちどれか一つを欠いて契約しても土地の引き渡しが得られず、事業用地の利用ができない理由から同時契約を行うこととしております。最終的には土地収用法によりまして収用を行うこととなりますけれども、一部の権利者のみの合意で契約してしまいますと、土地収用法の適用ができなくなってしまうということがございます。
○平山委員 そうなんですよね。この件、私も相談を受けて区側といろいろ調整しましたけれども、やっぱり法律の壁があってなかなか難しい。しかし、区側がおっしゃること、行政側がおっしゃることは、それは一面そのとおりだと思うんです。他方で、今度当事者にしてみますと、まちづくりを行政側が進める。それに協力しなくてはならない。だけども、商売を継続していきたいというときに、やはりいい条件で、同様の地域で商売を継続したいというふうに思われると思うんです。このタイミングしかないなというときに申し出たら、3棟同じじゃないといけませんよと言われてしまう。どうしてまちづくりに協力するのにこちら側のことは考えてくれないんだろうという、素朴な住民の声もあるわけです。その上で、今後、西武新宿線の連続立体交差化にあわせたまちづくりを進めていかれる上で、同様の事案に直面する商店主の方が出てくることが予測されます。まちのにぎわいの維持からも、また、区の事業に協力してくださる方々の生活を守る上からも、区として何らかの対策が必要と考えます。御商売を継続される場合、まちづくり後も同じ場所、あるいは、近くの場所で継続を希望される方が多いと思われます。区は地元商店街の維持のために、まちづくりに当たり商店の事業継続について事前に意向調査を行っているとも聞いております。今後、西武新宿線沿線におけるまちづくり等においては、意向調査の結果を踏まえ、道路の拡張を段階的に進め、連棟の一部で賃貸により事業を行っている方々を含めた事業継続の希望を、最大限実現できるよう方策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○荒井都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 西武新宿線の連続立体交差化に伴うまちづくりに当たりましては、商店街のにぎわいの再生ですとか、権利者の方の円滑な生活再建に取り組むことは非常に重要であると認識しております。今後、西武新宿線沿線の各駅周辺でのまちづくりに当たりましては、事業継続の御希望を最大限実現するよう支援するため、各駅周辺地域の特性に合わせまして、商店街のにぎわいの再生や、事業協力者の方の円滑な生活再建のための方策を検討していきたいと考えております。
○平山委員 行政が行うまちづくりに対していち早く協力しようとされている方々の生活を、行政が責任を持って守っていかなくては、生まれてくるのは行政に対する不信感。結果として、まちづくりがおくれることにもつながるのではと思います。まちづくりにおいて一番重要なのは、行政と地域住民との信頼関係であるということを申し上げて、この項の質問を終わらせていただきます。
次に、中野区みどりの基本計画改定について伺います。決算説明書417ページ、緑化推進費中、緑の実態調査業務委託は執行額1,663万2,000円、不用額49万1,000円となっています。これは、第5次となる中野区緑の実態調査を実施したものです。昨年度実施した緑の実態調査では、緑被率は16.14%と、前回比0.23%の減、みどり率は17.46%、前回比0.08%減であったと報告がありました。そして、区内の公園面積は44.21ヘクタール、前回比4.96ヘクタール増となっています。そこで伺います。緑被率の減少をどのように分析されていますか。
○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 空から地上を眺めたときに確認できるみどりのたぐいを緑被率というふうに申しますが、この緑被率が減少した主な要因は、規模の大きい住宅地の開発に伴い、集合住宅や小規模分譲住宅への建て替え等が進んだことにより、樹木や樹林が減少したことによるものと分析しております。
○平山委員 公園面積が増加したにもかかわらず、みどり率が減少した原因は何なのでしょうか。
○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) みどり率は緑被率に加え、河川等の水源、公園の中のみどりで覆われていない部分を合わせた面積を加えたもので算定いたします。このうち公園の面積、御指摘のとおり前回調査と比べまして4.96ヘクタール増加しておりますが、緑被率については前回調査から0.23%減少しております。みどり率につきましては、公園面積がふえた結果、前回調査から0.08%のわずかな減少に踏みとどまったというふうに考えてございます。このみどり率が減少した理由は、樹木地の面積が11.33ヘクタール減少と、公園面積の増加分をこちらの減少が上回っているということが理由でございます。
○平山委員 そうなんですよね。そのような分析を委員会でもしていらっしゃったかと思います。しかしながら、みどりの基本計画には目標というのが定められていますよね。みどり率の目標というのは、平成30年度に18.5%を達成することとなっているんです。本来、分析をすべきは目標に対してであって、過去の結果に対してのみ分析されているというのは、不十分ではないかというふうに思うんですけども。計画では、樹木の増加、草木の増加、屋上緑化の増加、公園の増加等により、みどり率を1ポイント増加するというふうに書かれています。また、緑地と公園緑地等の目標とする確保量も、平成21年のみどりの基本計画に示されているんです。これについてどうだったかという分析はなされたんですか。
○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在、そうした現行計画における施策に関する検証結果を取りまとめている最中でございます。この結果につきましては、今、委員御指摘のような状況がございますので、そのあたりの課題もしっかり踏まえた上で、本定例会中の常任委員会のほうで御報告申し上げたいというふうに考えております。
○平山委員 じゃあ、結果の御報告を待たせていただきたいと思います。その上で、少し先行して、次は飛ばさせていただきます。現行のみどりの基本計画では、実施への施策というのが27項目記されているんですね。その中に、個性的な公園や緑地をつくる施策というところで、公園整備計画の策定というのがありますが、この計画は策定されたのでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(公園担当) 公園再整備計画につきましては、現時点では策定しておりませんが、トイレや遊具などの公園施設の老朽化が進んでいることや、公園に求められる機能が整備当時と変わってきていることから、公園整備計画の必要性は認識しており、今後、策定に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○平山委員 いつまでに策定されますか。
○千田都市基盤部副参事(公園担当) まず、公園の今現在の長寿命化を含めた、トイレ、遊具等の調整を今しているところですので、その進行にあわせて考えていきたいと思います。年度としては、今年度一通りそういったトイレとか遊具とか、既存の老朽化、あと改修が必要な施設の整備を行う予定でおりますので、来年度以降ということで考えております。
○平山委員 来年度以降ということになると、いつになるのか少し不安を感じますが、これ、議会でもたびたび質問で求めていることですので、きちんと年次を決めて策定されるような報告をしていただけることをお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
次の質問、ちょっと飛ばさせていただきまして、実施された実態調査の結果を踏まえまして、区は来年度中にみどりの基本計画を改定する予定としています。計画改定は、10か年計画に基づき、各事業部ごとにみどり率向上に資する政策を挙げてもらい、計画に盛り込むことになっているというふうに聞いております。しかし、事業により減少が見込まれるみどり率の予測や、上位計画や事業の変更により、創出される予定であったみどり率が変化する場合についての対応策、これについては今のところございません。これでは、みどり率は減少の一途をたどるのではというふうに懸念をしております。都市基盤部長に伺いたいんですが、このような現状をどう認識されていますか。
○豊川都市基盤部長 今の委員御指摘の状況につきましては、近年、区が相当努力をしまして大きな公園を整備している中で、なかなかその成果として数字であらわれてこない。それにつきましては、今後、都市計画マスタープラン等の改定によりまして、そもそも中野という都市のありようとか方向性、その辺を考える中で十分検討していきたいと考えております。
○平山委員 先ほど申し上げたのは、計画を策定されるに当たって、一方で上位計画がある。その上位計画を実施するに当たって、例えば減少してしまうようなみどりというのはここに反映されていないんですね。上位計画というのは、例えば10か年計画というのは、5年で1度見直しが行われます。そうなりますと、見直しをされた後に、当初みどりの創出を予定していた計画が変更になる場合がある。そのような場合、何もしなければ、予定していたみどりはそのままそっくり創出されないということになるんですね。なかなか難しいところは承知していますけれども、ここを何とか考えていかないと、中野が掲げるこのみどり率の目標に近づけていくことはできないのかなというふうに思っているんです。ですから、一定の周期ごとに施策の検証を行い、仮に計画や事業の変更が生じた場合、次なる対応策の検討を行える体制づくりが必要なのではと思いますが、いかがでしょうか。
○豊川都市基盤部長 計画につきましては、1度つくったらそれに手をつけないということは決してなく、今、委員御指摘のように、状況にあわせて必要な修正、見直し等を行っていきたいと考えております。
○平山委員 ぜひよろしくお願いいたします。
今後の計画改定について伺います。委員会報告された基本計画の改定の進め方には、改定支援業務を委託し、専門的知見に基づく助言及び必要な支援を受け入れるとあります。今後は、道路の拡張により新たな街路樹の植樹が行われる機会がふえていきます。また、区内のみどりの核とネットワーク、まちの景観をどう形成し、維持・更新していくかというのは、今後、中野区にとって非常に重要な課題となってきます。その上で、今後まちづくりの中で拡張が進められる路線については、今後の改定にあわせてみどりの補助軸としての検討を行ってはいかがでしょうか、伺います。
○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) みどりの基本計画では、都市計画マスタープランのほうに記載がございます「みどりの補助軸」という用語は使用してございませんが、現在、みどりの基本計画で定めております、区内のみどりと相互につながるみどりの軸に加えまして、委員御質問の補助的に支えるような補助軸につきましても、都市計画マスタープランとの整合性を踏まえて、関係部署と協議の上、検討していきたいというふうに考えます。
○平山委員 公園の樹木台帳は策定が進められているというふうに聞いています。道路沿道の樹木についても台帳整備を進め、両樹木の維持管理計画を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(公園担当) 公園の樹木については、委員御発言のとおり、現在策定中でございます。街路樹の台帳につきましては現在策定しておりませんが、維持管理計画を策定するに当たって必要なものですので、今年度公園台帳、来年度街路樹台帳の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
○平山委員 ありがとうございました。いろいろと難しいことを伺わせていただきましたけども、やはり区民の皆様が区内で暮らしていく上で、みどりがあるということは非常に重要なことなのかなというふうに思っております。みどりの基本計画が実効性のある改定となることを願いまして、この項の質問を終わります。
最後に、区立小学校の施設整備について伺います。文部科学省が設置した、熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会は、昨年7月、熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について緊急提言を取りまとめました。提言の今後の推進方策については、防災機能の強化のための連携促進等として、地方公共団体は学校における防災機能強化の取り組みを推進するため、防災施設を総括する防災担当部局が中心となって、教育委員会等の関係者間の連携を促進し、適切な協力体制を構築する必要があるというふうにされています。そのほかにもさまざまなことが書かれておりましたが、災害対策において独立した行政委員会である教育委員会と防災担当との連携を明示した、大変重要な示唆だというふうに思います。そこで伺います。区にあっては、学校施設の改築に当たり、防災担当と教育委員会との連携はどのように行われているのでしょうか。基本構想策定段階から防災担当は加わっているのでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 改築により新たに建設されます新校舎につきましては、災害時の避難所としての機能も果たす施設となるため、新校舎等整備に当たりまして、学校施設における防災機能等につきまして防災担当と協議の上、基本構想・基本計画を作成しているところでございます。
○平山委員 それは明文化されていますか。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 特に明文化はされてございませんが、学校施設等につきましては災害時の避難所となるため、災害時の避難所強化等につきまして、中野区施設整備計画等にも記載がございますので、そういった対応をしているところでございます。
○平山委員 今後、学校施設の改修・改築が進んでいきます。そういったことを考えると、きちんと明文化されてはいかがでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 防災機能強化については、きちんとした対策をとっていくことが必要かと存じますので、そういったところも意見として捉えまして、今後きちんとした防災機能に対する施設整備を進めていきたいと考えてございます。
○平山委員 ぜひ御検討いただければと思います。
平成26年10月に、教育委員会は中野区立小中学校施設整備計画を定め、本年3月にその一部を改定しました。改定の理由は、統合新校について大規模改修を計画していたものを全て改築に見直したためです。改定内容の中には、学校施設整備の基本的な考え方として、多目的な用途に使用可能なスペースの創出や、芝生、人工芝等の校庭の材質、一足制(上履きの廃止)の導入の検討という考え方が新たに示されました。一方、教育委員会の中でも一足制についての議論が盛んに行われており、第2次再編計画の改築の第1号となる第三中学校・第十中学校統合新校の施設整備基本設計では、一足制の導入と、校庭は校舎内に校庭の砂等を持ち込むことがない材質により表層を整備することが示されました。一足制は、直近に建設された中野中学校でも導入されておらず、平成26年の施設整備計画にも示されていません。これまでの区立小・中学校にはない取り組みであることを考えると、教育環境の大転換でありながら、議会や地域に対しての説明がいささか丁寧さを欠いているように感じます。1月に示された各統合校の整備基本構想・基本計画案には、一足制導入の検討は示されておらず、意見交換会の後、案が取れた段階で一足制導入の検討が盛り込まれたのはどのような理由なのでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 基本構想・基本計画案を作成した後の教育委員会の議論におきまして、新校舎に備えるべき教育環境の一つとして一足制が提起されました。一足制につきましては、靴履きかえの時間や場所がとられないことから、また、移動時間の短縮や昇降口の混雑の緩和のほか、省スペース化による他の用途での活用が広がるなどのメリットがあるため、一足制の導入を検討することとしたものでございます。
○平山委員 望ましい形は、それまでその検討を先に進めておいていただいた上で、この案の提示を議会にもしていただく。あるいは、地域の意見交換の場にも出していただく。これが理想としてはよろしいのかなというふうに思いますけども、少し順番が逆になってしまったのかなと。施設整備計画にある一足制及び校庭の材質についての検討結果は、検討とありますから、いつ示されるのでしょうか。学校ごとの検討の前に、教育委員会がその教育的効果についての見解を議会と区民にしっかりと示し、是非を議論すべきではないでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 一足制につきましては、現在検討中の基本設計案の中で示すことを考えております。今後、基本設計案の段階で、議会と区民の皆様には説明をしていく予定でございます。
○平山委員 新しくつくられる三中と十中以降、全てこの一足制の検討が盛り込まれているんですね、現状。恐らく今後もそのような運びになるのかなというふうにも思わなくもない。少なくとも今改築を進めているところの検討が全てそうなっているということを考えると、まずは一足制についてどのような教育効果があるのかということを教育委員会がしっかりと示された上で、中野区の教育の環境としてそれがどうなのかという検討を先に行ってはという質問なんですが、設計の中で行っていきますという御答弁なんです。もう一度だけ伺います。いかがですか。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 現在の段階では、基本設計案の策定の中で一足制について検討いたしまして、そちらを基本設計案のほうで御報告させていただきたいと考えてございます。
○平山委員 それでは学校ごとの検討になるわけじゃないですか。そうではなくて、中野区の教育委員会としてどうなんだという、私は意見が欲しいというふうに思っているところなんですが、恐らくこれ以上やりとりしても進まないと思いますので、これはまた場を移させていただきたいと思います。
学校施設の改築に対しての地域の要望を踏まえて、最後に何点かお伺いいたします。改築となる小学校の校庭では、これまでおやじの会等によるサマーキャンプなど、イベントや町会・自治会による餅つき等が行われ、テントを張ったり、防災釜等の利用で火気を使用することがありました。新校ではそのような地域の取り組みが制限されるようなことはないんでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 校庭の材質につきましては、今後検討していくことになりますが、材質によっては校庭の使用に一定の条件がつくことになると考えてございます。その結果、従来からの地域の取り組みに多少の変更が必要となる場合もございますが、運用について柔軟な対応をしてまいりたいと考えてございます。
○平山委員 十分地域とコミュニケーションをとりながら進めていただければと思います。
中野区みどりの基本計画には、学校などの敷地規模の大きい公共施設では、学校ビオトープの整備、高木や中低木の組み合わせを考慮した厚みのある接道部緑化、地被植物のほか灌木等も用いた屋上緑化などを率先して行い、地域のみどりの核となる総合的な緑化を推進しますというふうにあります。各学校にはシンボルツリーとなっているような樹木も多く見られます。校舎内に校庭の砂等を持ち込むことのない材質により校庭の表層部を整備する場合――三中、十中の場合ですね――樹木の植樹などはどの程度可能だというふうに考えればよろしいんでしょうか。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 校庭の材質による樹木への影響は、技術的にはないというふうには考えてございますが、表層部を整備する範囲につきましては、子どもたちが活動する範囲を想定してございます。植樹については、活動に支障のない校庭の周辺部などに基本的に配置することを考えてございます。
○平山委員 ビオトープや学校農園についての考え方は、施設整備計画には記されておりません。設置については、各学校ごとの判断になるんでしょうか、伺います。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 学校関係者と協議の上、適切な環境を整えてまいります。
○平山委員 学校施設は、改築から50年以上利用され続けます。その間に学校を取り巻く環境や、学校、保護者、地域のニーズも変化することが想定されます。さきの定例会一般質問で、新校舎における動物の飼育小屋の整備についてお尋ねいたしましたが、仮に改築時にはビオトープや学校農園等の設置を行わないと判断した場合も、将来に備え、教育環境の変化に対応できる環境は残しておくべきと考えますけども、いかがでしょうか。
○石原子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) そのような教育環境の変化が起きた場合につきましては、各学校の状況などを踏まえまして、できるだけ適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○平山委員 ありがとうございました。オーバーいたしましたが、少し同僚議員の時間を頂戴いたしましたので感謝いたします
以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○高橋(か)委員長 以上で平山委員の質疑を終了します。
次に、長沢和彦委員、質疑をどうぞ。
○長沢委員 2017年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行います。
初めに、1番、2016(平成28)年度決算と区政運営について。
その最初に、歳入についてお伺いいたします。歳入の1番目に特別区民税についてでございます。特別区民税については、平成28年度は収入済額が前年課税分で303億5,904万6,601円、滞納繰越分6億68万7,754円を加えますと、309億5,973万4,355円となりました。年少扶養控除の廃止となりました平成24年度から特別区民税がふえ続けております。平成28年度は約18万7,000人と、平成27年度より5,733人納税義務者数がふえているとのことでございますが、その要因は何だと考えているのかお伺いいたします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 納税義務者の増加につきましては、区内の新築マンションへの転入等によりまして、平成28年1月1日の中野区の人口が前年と比べ5,109人増加したこと、一方、納税義務者は5,733人ふえてございまして、人口増を上回っていることから、景気動向として緩やかな回復基調が続いていたことが要因と考えてございます。
○長沢委員 納税義務者一人ひとりの就業状況を踏まえた分析は難しいというふうに思いますが、区民の移動等により中野区の中で就業し、収入を得る人がふえていると。こういうことだというふうに思います。これは23区で共通した傾向ではないかというふうに思っておりますが、御認識を伺います。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成28年1月1日現在の人口は、全ての区で前年より増加しておりまして、また、特別区民税の納税義務者数につきましても、全ての区において前年より増加しております。東京都からは、人口増による納税義務者数の増が23区共通の要因であるというふうに聞いてございます。
○長沢委員 そうした納税義務者数がふえた主な要因として、やっぱり23区共通した特徴であるということも今御答弁でございました。人口がふえているというところであります。同時に、景気もということでありますけれども、その点につきましては、納税義務者数そのものがふえている、就業したということがありますが、先ほどもちょっと分析が難しいといいますけど、就業状況については、今雇用の状況については、雇用数がふえていても非正規がふえているというところでは、必ずしも一人ひとりの区民の状況としては安定したものではないのではないか、こんなふうに思っております。これの最後に、今後の特別区民税の傾向については、どのように所管としては考えているのか伺いたいと思います。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 財務省が7月に発表しました平成28年度の国の決算によりますと、国の税収全体は前年度比で減少となり、7年ぶりのマイナスとなったというふうに報道されております。当初予算との比較におきましても、特に所得税が想定を下回るなど、今後、特別区民税への影響があらわれることも考えられます。今後とも社会経済情勢を十分に把握し、的確な税収見通しを立ててまいりたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 先般、9月の初めに内閣府が発表いたしました国内総生産(GDP)、これが下方修正されたということも明らかになりました。この点では2010年以降で最も大きい。こういう中で、経済再建が思うように進んでいないということを浮き彫りにしたというふうに思ってございます。とりわけこの中で大きかったのは、企業の設備投資が伸び悩んでいるということ。また、その中では、当然ながら設備投資が伸びなければ、雇用自身についても拡大になかなかつながらないのではないか、こういう心配もあるところでございます。GDPを引き上げていくというところでは、やっぱり個人消費の拡大がどうしても必要であり、今おっしゃいました国の経済社会状況自身については、十分に注視をしていただきたいというふうにも思ってございます。
次に、歳入のところで、特別区交付金についてお伺いします。特別区財政調整交付金についてでございます。平成28年度決算では約370億円。平成27年度決算に比して4億3,000万円の減額でありました。また、今年度は当初予算において338億円と、さらに減額の予算計上となっております。区としては、特別区のこの財政調整交付金の今後が気になるようでありますけども、ここでは東京都と特別区との財政調整協議についてお伺いいたします。特別区の行政需要から見て、基準財政需要額は適正なものだろうかという点であります。この基準財政需要額の当初算定の数字で見ますと、平成27年度は特別区で1兆9,960億円、中野区は693億円、平成28年度は2兆330億円、中野区は108億円、今年度、平成29年度は1兆9,977億円、中野区は679億円という数字でございます。10年前の三位一体改革等によって、都区の配分率が52%から55%になりました。このときと基準財政需要額の水準が変わっておりません。これはなぜなのか、見解を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 基準財政需要額につきましては、都区協議会におきまして、特別区は等しくその行うべき事務を遂行することができるよう、合理的かつ適正な方法により標準査定を行うとされているところでございます。算定方法につきましては、毎年協議、見直しを行ってございまして、中野区の基準財政需要額につきましても、行財政の実態を踏まえまして算定されたものであります。したがいまして、そのときの状況をそのまま反映したものというふうに考えております。
○長沢委員 今おっしゃったように、毎年度特別区長会と東京都との協議で、新たに需要算定する事業もあれば、見直し、あるいは削減する事業も出てきている。そのことは承知をしております。しかしながら、少子高齢化が進み、新たな行政需要の高まりがあるにもかかわらず、配分率55%が変わらないのはなぜなのかということであります。実際に都区制度改革、2000年のときの改革、それまではずっと伸び、直近には下がっておりましたけど、一定の基準財政需要額の推移がございました。その後、三位一体改革、先ほど紹介させていただきましたが、配分率が55%になるときにも上がっている。今、じゃあ、どうなのか。当然ながら、これ、リーマンショックなど、いろんな景気動向の影響もありますけども、この3年間だけ見ても、これが2兆円を超えている状況でございます。しかし、この水準そのものは、先ほども言いましたが、三位一体改革の平成19年、20年の水準と大差がないという状況であります。東京都に対して、やはり適正な配分率にするようにこういう協議の場で強く求めていく。このことを求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 現在の都区配分率につきましては、平成19年度の都区財政調整に係る協議におきまして、都区のあり方の検討に関して一定の方向が定まるまで、当面の安定的な配分率として合意したというものでございます。したがって、財政調整にかかわる都区協議につきましては、都区のあり方検討における事務配分の検討状況の推移を見ながら、平成19年度に整理した大枠での方向性を踏襲いたしまして、自主・自立的な区間調整の実現がなされるよう最善の改善を進めているというところでございます。特別区全体といたしまして行政需要を総合的に検証いたしまして、実態に合った標準区経費の精査を進めるべく、都区協議を進めているところでございまして、将来的な配分率の見直しにもつながるものというふうに考えております。
○長沢委員 都区制度のあり方というところについては、やはりしばらく、平成19年後も進められてきました。先ほど言った55%になってからもですが。しかし、現在のところは、それはほとんど行われていないというふうにも認識しております。ぜひこの点については、毎年度の協議の中できちんと主張していただきたい。特別区側としての主張をちゃんとしていただきたいというふうに、重ねてお願いいたします。
次に、歳出について伺います。
性質別による歳出を見てみます。中野区の財政白書で物件費の推移が記されております。2013、平成25年度から毎年度増加し続け、決算年度は161億円に、今年度の当初予算においては185億7,000万円を計上いたしました。物件費の中でおよそ70%を占めているのが、この委託費であります。決算年度でも114億円。8年前の2008年度と比較すると1.7倍にもなっております。その要因は何か伺います。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 8年前の決算と比較いたしますと、委託料は47億円の増となってございます。その主な目的別内訳としましては、民生費が17億円の増、総務費が11億円の増、衛生費が9億円の増となってございます。主な事業で見ますと、民生費では学童クラブ、キッズ・プラザの運営委託費が8億円の増、総務費では区民活動センター集会室の受け付け業務等の委託費が2億円の増、衛生費では予防接種委託費が5億円の増などでございます。そのほかに図書館の指定管理経費が3億円の増、学校用務業務委託費が2億円の増となってございます。
○長沢委員 単年度の事業よりも、経年的な事業の増加が委託費の伸びをもたらしているというふうに、今のお話でもそのことが伺える御答弁でありました。決算年度に実施した障害児通所支援施設、これ、指定管理業務でありますけども、また、学童クラブやキッズ・プラザの運営委託費など、区民にとって必要な事業ではありますが、区直営だった事業や新たな区民サービスを事業者に委託し運営をしています。今後、委託費はふえ続けると見てよいのですか、伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中では、民間事業者への委託可能なものについては、積極的に民間に開放し推進するというふうにしているところでございます。また、施設の管理運営や開設に当たっては、民営化や指定管理者制度の導入等、効率的・効果的な手法により民間活用を実施していくと定めているところでございます。10か年計画に沿いまして、区民サービスの質と量を高めるために、民間活力の活用推進をさらに進め、これに伴って委託料は増加していくというふうに考えているところでございます。
○長沢委員 今後、経年的な事業においては、区職員の人件費を受託業者によって、言ってみればそれよりも安く置きかえるという側面が強いというふうに思います。専門性を必要とする事業が大半でもあります。安定的・継続的な運用が欠かせないわけでありまして、区直営にすることを考えるべきではないか。このままでは区として事業のスキルは継承されないことになるのではないか。制度上だけしか事業を見られないおそれもあるというふうに思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。見解をお願いします。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 区は10か年計画の中で、民間事業者に委託可能なものについては民間開放を推進するとともに、民営化した公共サービスの質の確保や安定供給の仕組みを整えていくこととしてございます。民間が持つ専門性やノウハウを積極的に活用することで、より効果的で効率的なサービス提供を目指すものであり、区といたしましては事業者との緊密な連携のもとで、現場の施設運営やサービス提供などに適切に関与し、必要な改善の指示などを行うことで事業スキルの継承とともに、安定的・継続的な運営を図っているところでございます。
○長沢委員 指定管理者については、中野区指定管理者制度ガイドラインを2010年6月に作成し、それにのっとった運用がされているようでもあります。また、本定例会の他会派議員の一般質問に対して、指定管理者への労働環境モニタリングの実施を検討するとの答弁があったところであり、その点は評価をしたいというふうに思います。既に学校給食や学童クラブは全て民間委託となっております。児童館、キッズ・プラザなど、区職員による直営事業についても退職不補充によって新規採用は行わないと。順次民間委託がされております。区が事業者を選定する上でも、事業展開を点検・検証する上でも適正な判断が求められています。委託事業の検証と委託料の見直しはどのように行っているのか。また、区民サービスの維持・向上に責任を負えるのかが問われていると思いますが、その点についてはどうか伺います。
○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 区は、委託業務の発注者として事業の目的や委託の仕様などを踏まえた上で、事業者とのヒアリングや現地確認、事業報告などにより業務の履行状況やサービス水準などを把握してございます。また、個々の施策の実施状況につきましては、行政評価の中で評価・改善の検証や見直しを行っており、委託料につきましても適切な額となるよう、事業者の見積もりを参考にしながら見直しを行ってございます。これらを通して、区が責任を持って事業運営をしているところでございます。
○長沢委員 区職員による事業展開は、サービスの質を確保し、安定的・継続的に行っていく上で大切であるというふうに考えます。また、区が区民の要望を直接聞き、事業の改善・向上に反映させていくことにつながるというふうにも考えます。丸ごとアウトソーシングといった考えは、改めるべきであることを要望しておきたいというふうに思います。ありがとうございました。
次に、補助金にかかわって伺います。
一つは、中野区区民公益活動の推進に関する条例にかかわって、区民公益活動の基金助成と政策助成及び業務委託提案制度についてお伺いします。それぞれの助成金、委託提案の目的は何か、まず初めにお伺いします。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) まず、政策助成制度でございますけれども、区の政策目標の達成に貢献する内容で、不特定多数の区民を対象とする公益活動が、区民団体によって自発的に、活発に行われることを目的としている制度でございます。次に基金助成でございますが、こちらは区民団体による公益活動に先駆性、創造性、発展性を期待いたしまして、そのような活動が活発になることを目的とする制度でございます。次に、業務委託提案制度でございますが、こちらは業務委託について区民の発想、また、発意を促し、参入の機会を提供することを目的としております。
○長沢委員 区民公益活動の助成金は、基金助成と業務委託提案制度は2006年(平成18年)度、政策助成は平成19年度から実施されているというふうに伺っています。目的にのっとった効果など、評価についてお伺いしますが、その点はいかがでしょうか。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区民団体がその特徴を生かしまして、自発的に地域やまちをよくする活動を活発に展開している状況がございまして、制度の目的は達成できているというふうに考えてございます。また、特に基金助成にかかわりまして、芸術や音楽、農業ですとか食への着目、障害者やその家族への支援、介護予防、健康づくりなど、新たな課題を意識した活動も生まれているというふうに評価しております。また、さらに広く捉えますと、この間、区民活動センターの運営委員会への委託、高齢者会館の区民団体による運営など、広く区民の公益活動が活発になっているというふうに評価しているところでございます。
○長沢委員 今御説明いただいた基金助成については、区民公益活動推進協議会に諮問し、答申を受け採用を決めていらっしゃいます。この基金助成については、2013(平成25)年に要綱を改定し、同一団体が同一の事業について受けることができる助成の回数は、1年度につき1回とし、通算して3回を限度とするとされました。この改定の理由は何だったんですか、伺います。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 基金制度の要綱改正についてでございますが、本制度は平成18年度から開始しておりますが、この間、同じ団体の同じ事業が継続しているという状況が見られました。このため本来の制度の趣旨でございます先駆性、創造性、発展性のある活動を促すため、同一団体による同一事業は通算3回までというふうに改定を図ったものでございます。
○長沢委員 基金助成の通算3回の限度を超えれば、今度は政策助成を活用することができるようでもあります。実際にそういう形で、基金助成のほうではもう3回同じ事業をやったから、政策助成のほうに変えられているという団体というんでしょうかね、サークルの方もおりました。こちらの政策助成のほうは、区民公益活動推進協議会の諮問・答申はありません。基金助成と政策助成は何をもって区別しているのか、わかりづらいところがあります。もちろん上限額については、30万、20万という違いはありますけども、今言ったような形でわかりづらいところがありますので、これについての御説明を求めたいんですが、いかがですか。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 先ほどの制度の目的の御答弁と一部重なる部分があると思いますけれども、政策助成は区の政策目標に合致するものであれば、領域ごとに所管の部が審査を行って助成の可否を決定するもので、回数の制限は設けておりません。一方、基金助成制度につきましては、先駆性、創造性、発展性を期待するものであるため、同じ内容で長く継続して助成するということは、制度の趣旨とそごが生じるものでございまして、ここが一番大きな違いかというふうに承知しております。
○長沢委員 もう一つ、業務委託提案制度についてもお伺いします。これは過去に何件委託をお受けしたのかということですが、まずそこを伺います。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成18年度以降28年度まで、採用した事業は4事業でございます。
○長沢委員 実施されてから10年たつわけでありますけども、委託件数があまりにも少ない。これはどうしてですか。また、その課題をどのように捉えているのか伺います。
○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 本制度は、区の業務を委託するということでございますので、費用対効果、区民ニーズとの兼ね合い、また、区との役割分担、団体の活動実績や財政状況など、さまざまな審査を慎重に行う必要があるため、他の助成制度よりハードルが高い制度と考えてございます。しかし、毎年何件か申請の御相談を受けている状況もございますので、今後とも制度の周知をしっかり行いまして、実現するような支援を行っていきたいというふうに考えております。
○長沢委員 今出ましたけど、10年ぐらいたつんだけども、なかなか件数は、受けたところは少ない。しかしながら、毎年そういう手を挙げるところはあるということですね。この業務委託の提案制度については、結局、区自身が、業務委託ですから、区の事業としてやっていただくということになります。発想的には、そういう区民の団体というんでしょうかね、その事業を行っていくというところの発想に着目するんだと思うんですが、やはりそういうところで一定の、無理といいますか、課題を抱えているのではないかと思うんですが、この点については、ぜひとも全庁的にも改善というか、考えて検討もしていただきたいなというふうに思います。
補助金にかかわってもう1点伺います。プレミアム付きの商品券の発行等の新事業について伺います。平成27年度にプレミアム付き商品券発行等支援事業が行われました。平成28年度の決算ではそれが皆減というふうになっています。つまり1年の限定で行ったわけであります。プレミアム商品券の発行の実績等評価についてお伺いいたします。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) プレミアム商品券の発行事業につきましては、平成26年4月の消費税増税に伴う反動減に対する緊急経済対策の一環として行ったもので、20%のプレミアムがついた区内共通商品券を7億2,000万円発行する事業でございました。事業終了後算出した新規の消費喚起効果は、約2億5,300万円余りであり、また、商店街強化についてもあわせて取り組んだことから、区商連加盟店や共通商品券の取扱店が増加したところでございます。
○長沢委員 ありがとうございました。実際に中野区の商店街連合会からは、売り上げ増のほかに新規加盟店、今おっしゃったようにふえたということで、商店街の活性化に寄与したというふうに喜ばれてもおります。同時に中野区商店街連合会からは、プレミアム付き商品券の発行の支援が再度求められてもいます。個人消費の伸びが芳しくない経済情勢のもとで、消費喚起を促す意味でのプレミアム付き商品券発行の支援事業を再開してはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 平成27年度のプレミアム商品券発行事業につきましては、当時の実質GDPのマイナス成長や家計消費の大幅な落ち込みなど、非常に冷え込んだ経済下で行われたため、消費喚起効果など一定の政策効果は発揮されたものというふうに考えてございます。国の平成29年8月の直近の月例経済報告では、個人消費は緩やかに持ち直しているとのことでございまして、また、実質GDP成長率は6四半期連続のプラスとなるなど、景気は緩やかな回復基調が続いているという状況でございます。現在のような回復基調が続く経済情勢では、プレミアム商品券事業による新たな消費喚起効果は限定的になることが考えられまして、区としては今のところ当該事業を再度実施することは考えてございません。
○長沢委員 先ほど特別区民税のときにも触れさせてもらいましたけども、発表したのが大きく下方修正されたということであります。年率としても、4%増とされていたのが2.5%増ということでありまして、確かにその当時よりはというところは、経済指標、GDPもありますけども、実際に中身としては、例えば、これは経済再生担当相でしょうかね、月例報告の際に、景気拡大は第2次安倍政権になってからいざなぎ景気に次いでという、こんなこともおっしゃった。しかし、多くの国民、区民のところでは、そういうのがやっぱり実感できていないというのが実態ですし、しかも、今言った国内総生産も、いざなぎ景気では毎年10%近い成長だったのに対して、今回ほとんど停滞という状況ですから、言ってみれば、そういう意味では27年度のときよりはなったといっても、やはりここのところでは本当に景気が上回っている。特に個人消費自身は非常に芳しくないという状況が続いているわけなので、その点については再度検討していただきたいと思います。なお、23区内でも幾つもの区が実施していることでありまして、そういう意味では、再開することを重ねて求めたいと思っております。結構です。ありがとうございます。
3番目に、中野駅周辺まちづくりについてお伺いします。8月30日に開かれました中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で、中野駅西側南北自由通路・橋上駅舎の整備についての報告がされました。昨年6月に議会に報告された当該整備に係る基本設計の成果等が報告され、後のことし4月に駅ビル計画内容の見直しの検討状況と今後の取り組みの報告があり、およそ1年間の検討・協議を経て今回の報告になったというふうに考えております。ここでは整備費についてお聞きします。この中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会の報告によれば、駅ビル計画内容見直しを踏まえた整備費については、中野駅新北口駅前エリアの公共基盤配置との整合及び区役所・サンプラザ地区再整備事業との工程の調整による検討が必要であり、今後、実施設計作業を進める中で精査していくと、このようにしております。昨年6月に示した中野駅西側南北自由通路・橋上駅舎整備の中野区負担額は、約119億円との報告でした。その際述べていた48本全ての杭の長さを27メートルにするとしていたのを、調査の結果8本に、残り40本は19メートルで済むことになったとの報告であります。この変更だけ見れば、区側の負担も減額となると理解しますが、いかがでしょうか、伺います。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 南北通路・橋上駅舎整備における今回のJRにおける修正設計は、駅ビル部分の見直し検討であり、区が整備する南北通路と橋上駅舎部分の基本的な考え方は変わっておりません。区負担額につきましては、杭の見直しによる減額はあるものの、工期短縮による増額もあり、金額の変動要素があるものの、現時点では大きく変わってはございません。
○長沢委員 区側の負担額が示されなかった。今お話もありましたけども、その一つには、区役所・サンプラザ地区再整備事業にかかわる、新北口駅前広場と道路一体建物とを接続させることが大きいのではないのかというふうに考えます。新北口駅前広場の接続部分ということでは、駐車場への、1階部分、地下部分への接続ということだと思いますけども、こういう条件においては負担の増額というのもあるのか、改めて伺います。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 区の負担額についてでございますが、新北口駅前広場と建物の接続による負担の増額ということではありませんで、今後、駅北口で区役所・サンプラザ地区再整備事業や新北口駅前広場の整備が予定されております。南北通路と橋上駅舎の整備費用につきましては、これらの事業との工程調整による現場の施工条件といったところで、大きく変わってくることが想定されております。今後のこうした調整の中で区の負担額を明らかにしていきたいと考えております。
○長沢委員 西側南北通路・橋上駅舎、それにJR側の駅ビル全体の整備費用については示せないし、区は承知していないというふうにおっしゃっています。区側の負担については、JR側から示された数字をうのみにしてよいわけではないはずです。昨年の決算総括の質疑の場でもこの件について質疑を行ったところ、区からは第三者による検証も必要と。設計内容の検証作業を進めているところであるとのことでした。では、その第三者とは何を指しているのか伺います。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 西側南北通路と橋上駅舎につきましては、中野区が整備する事業でありまして、こちらを中野区が負担していくということでございます。道路一体建物全体の費用としては示されておりませんが、この中野区整備分については区として内訳を確認しております。また、UR都市機構への委託作業を通じまして、鉄道上空の整備に詳しい実績のある団体に工事費の確認を行っているところでございます。
○長沢委員 すみません、今、どこかということを伺ったんですが、昨年のところでもそういう検証も必要ということで、検証作業を進めていると。つまり1年間たっているわけですが、既にそういう検証を進めているというふうに理解していいですか。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 平成27年度の基本設計成果の報告を踏まえまして、その内容をもとに第三者による検証を進めてきてございます。
○長沢委員 では、区側の負担額は一体いつ示されるのか。実施計画につきましては年度内に間に合わせると。つくることにしておりますけど、その際に示されるということなんですか、伺います。
○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 南北通路と橋上駅舎につきましては、今年度より実施設計に入ることとしております。こうした実施設計の作業の中で具体的な工事の方法ですとか工程というところを検討していくこととしております。区の負担額につきましては、詳細につきまして、こうした工法や工程の詳細な検討によって金額も変わってくるところが大きいということでございますので、実施設計作業の結果とあわせて御報告をさせていただきたいと考えております。
○長沢委員 結構です。
もう一つ、この中野駅周辺まちづくりについては、区役所・サンプラザ地区再整備について伺います。1万人収容のアリーナ施設についてでありますが、区は過大な期待を寄せているようですけども、果たして中野区に必要な施設なのか。その点についてであります。整備されればJR中央線の駅前に立地するため、アクセスはよいとされています。中野区に、東京オリンピック・パラリンピックに前後して来街者が訪れることも期待されているわけであります。しかし、コンサートやスポーツ観戦であれ、これまで埼玉のアリーナ、横浜アリーナに行っていた客が、アクセスのよい中野に来るということではないでしょうか。区民が利用できるわけでもありません。この点についてはいかがか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) アリーナにつきましては、中野駅周辺まちづくりのかなめとなる施設でありまして、世界に向けた文化の発信の拠点であり、また、これまで以上の集客によって、まちににぎわいと活力をもたらし、持続的な発展をもたらすものと考えております。アリーナは、平土間を設ける施設形状でありまして、コンサートのほかにスポーツイベントや展示会などの多種多様なイベントの開催が想定されるところでございます。アリーナ周辺の公共的空間で行われるものも含め、区民が親しめる空間になると考えております。
○長沢委員 このアリーナ施設の所有をどうするかが懸案事項であるというふうに考えます。公設民営なのか民間による所有なのかは、現時点では決めておらず、検討中だというふうに今定例会の中でも御答弁されています。あ、今定例会じゃなくて2定でした。失礼しました。
では、サンプラザを所有するまちづくり中野21は、この再整備においてはどのような位置付けにあるのか。解散することも考えられるが、この点も検討中なのか伺います。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 再整備事業は、まちづくり中野21が保有する中野サンプラザの土地・建物を活用して進めていくことになりますけれども、まちづくり中野21のあり方につきましては検討中でございます。
○長沢委員 ここの最後に、市街地再開発の手法について伺います。市街地再開発の手法として、施工方式として一般的には権利変換がございます。中野区は、権利変換を考えている旨の、そしてまた、詳細はこれからだという御答弁もございました。一方、転出という、権利者がビルに入らない場合もあります。区役所・サンプラザ地区は、中野区とまちづくり中野21が権利者として所有しています。市街地再開発事業において財産を保全して活用を図るというのであれば、権利変換だけでなく、転出という手法で開発業者に全部売り渡す、こうした選択肢もあるということなのか、この点について最後に伺います。いかがでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 市街地再開発事業は、従前の土地・建物の権利を毀損することなく、権利変換という形で権利証を有するか、あるいは、転出補償という形で金銭を取得するかのいずれかになります。最終的な権利形態がどうあるべきか検討しているところでございまして、区のまちづくりにとって最善となる再整備事業計画を策定してまいりたいと考えております。
○長沢委員 時期的には、これは今度まちづくりで、来年度の中でそれを示していくということになりますか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) ただいま申し上げました再整備事業計画、これにつきましては平成30年度に策定してまいりたいと考えております。
○長沢委員 結構です。
積立基金について、4番目に伺います。基金残高は、区政史上最高を更新中であります。基金にためられるだけためているというのが、現在の区政運営の象徴になっているというふうにも思われます。区は、計画的な基金積み立てと繰入金によりというふうに言いますが、当初予算の概要、財政運営の考え方により、毎年度積立金額は変わっています。その基礎となるのは前年の剰余金、実質収支によるものが大きいわけであります。幾ら剰余金を残すかは、これは決められない。しかし、必ず生じるというものであって、基金をどこまでためるかの客観的な基準は見当たらないのではないですか。その点について見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 区は、急激な経済の悪化等により歳入の減少が生じた際も、一定水準の区民サービスを継続するということが必要でございます。平成22年、リーマンショックの際には、平成20年度と比較いたしまして、一般財源は60億円程度下がったことがございました。財政調整基金につきましては、こういった状況が複数年続いた場合でも対応するということで、少なくとも50から60億規模の複数年分の積み立てを年度間調整分として準備していることが、財政の健全な運営にとって必要なことというふうに考えているところでございます。また、今後の区有施設等の施設改修経費の需要増に備えるため、施設改修分としての積立額も増加していきたいというふうに考えているところでございまして、適切な事業執行を行った上で生じた決算剰余金を活用していきたいというふうに考えているところでございます。一方で、特定目的基金につきましては、区民サービスの低下を招くこともなく、中野駅周辺まちづくりや大規模公園の整備、小・中学校の改築や道路等のインフラ整備事業といった、大規模な行政需要に確実に対応していくため、当初予算に計上して計画的に一般財源を積み立てていくということが必要であるというふうに考えております。
○長沢委員 財政調整基金についても伺います。今やこれも約289億円にもなってございます。年度間調整分として年度当初に繰入金として計上されておりますけども、しかし、先ほど言いました決算では全く違う数字となってあらわれるものであります。平成28年度は、区が言うところの基準となる一般財源規模を672億円に設定し、また、今年度、平成29年度は690億円といたしました。決算値は過去10年スパンぐらいで見ることが必要だというふうにも言われておりますが、財政白書を見ますと、平成19年度に歳入の経常一般財源等が720億円であったのが、リーマンショック等の影響もあって平成22年には654億円に。しかし、その後、平成23年度からはふえ続け、平成27年度は782億円、平成28年度は10億減少いたしますが、772億円となっています。一方、経常経費の充当一般財源等は、平成23年度は614億円からほぼ横ばい。平成26年度630億円をピークに、平成28年度は594億円と減少しています。つまり決算値で見ると、一般財源の規模をもっとふやすことは可能であると思われます。区は、設定の基準となる一般財源規模の見直しが必要ではないでしょうか。9月1日付で「平成30年度(2018年度)中野区予算編成方針について」が示されました。基準となる一般財源規模について、財務規律の根幹として遵守していくことが極めて肝要であるとしています。しかし、実際に行われているのは基金積み立てに邁進していることではないでしょうか。この点についての見解を伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 基準となる一般財源規模につきましては、平成29年度から690億円としたところでございます。この基準額につきましては、消費税10%や法人税の一部国税化の影響も考慮して設定しているところでございますが、歳入におきましては、特別区交付金の当初算定で前年度比21億円余も減になっているというところでございます。また、消費税10%段階における法人住民税の一部国有化の拡大や、ふるさと納税の影響額拡大といったところもございます。今後も厳しい財政状況が続くと言わざるを得ない状況でございます。こうした現状を踏まえますと、歳出におきましてはPDCAサイクルによる事業の見直しを徹底するなど、財源規模に見合った事業構築を行い、引き続き基準となる一般財源規模を690億円といたしまして、財務規律の根幹として遵守していきたいというふうに考えているところでございます。
○長沢委員 基金積み立てを控える、要するに、基金積み立てに入れないということは、財政運営上できないということは先ほど申し上げました。しかし、区民施策の充実が切実に求められているときに、それに応えていく義務が区にはあるというふうに考えます。中野駅周辺まちづくりや西武新宿線連続立体交差事業に伴うまちづくり、平和の森公園の再整備や小・中学校の改築など、大規模なプロジェクトだけに着目しているのでは、区民の願いに応えたことにはならないというふうに思います。基金積み立てに偏重することなく、毎年度の区民サービスの維持と区民要求に応えるべく、施策や事業の展開に活用することを再度求めたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 中野駅周辺まちづくりや区民活動センター、あるいは、高齢者施設の改修、学校再編に伴う施設整備、弥生町や大和町のまちづくりといったこと、大規模公園整備や地域図書館の施設整備、小・中学校の図書館等の安全向上を図るための改修等、多様な需要がございまして、それに応えるべく基金の積み立てを行っているところでございます。これらの計画が実施に移っていくというところでございまして、その基金の活用ということで進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋(か)委員長 長沢委員の質疑の途中ですが、ここで休憩を入れたいと思います。
午後2時55分休憩
午後3時15分開議
○高橋(か)委員長 それでは、委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。長沢委員、質疑をどうぞ。
○長沢委員 (5)として国民健康保険について伺います。平成29年度、今年度も23区の国保料が、1人当たり平均7,252円引き上げられました。6月中旬に納付書を被保険者に区が郵送したというふうに伺っています。その後、国保料に関する問い合わせ、苦情などは何件あったのか、また、どのような問い合わせだったのか、さらに、昨年度と比べてどうであったのかを伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 本年6月、納入通知書発送後、6月末までの約2週間の件数でございますけれども、2,253件の問い合わせがございました。内訳でございますけれども、保険料についての問い合わせが1,168件、社会保険に加入あるいは区外に転出しているのに納付書が届いたといった問い合わせが361件、また、語句の意味がわからないなどの問い合わせが199件ございました。昨年度につきましては約1,900件ございましたので、15%ほどふえております。
○長沢委員 あまりにも高い国民健康保険料が、区民生活を圧迫しているというふうに思っています。以前は、23区の国保料は東京都下の市町村と比べて低く抑えられておりました。ところが、平成29年度で比べると、市町村平均で均等割3万899円、所得割が基礎賦課分で4.84%、後期高齢者支援金等賦課分が1.5%に対し、23区平均は、均等割4万9,500円、所得割基礎賦課分で7.47%、後期高齢者支援金等分で1.96%にもなっています。23区で毎年上がり続ける国保料は、市町村の平均額を上回っております。国民健康保険料の納付は、もはや限界にも達しているのではないかというふうに思っておりますが、これに対する御認識を伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料が毎年上がり続けている主な要因ですけれども、加入者の年齢構成が年々高くなり、そのことに伴いまして1人当たりの医療費も上昇していることにあります。また、近年は調剤医療費の増加も影響しているところでございます。被保険者には、負担能力に応じた負担をお願いしているところでございますけれども、区といたしましては、給付費の増加を抑制するため今年度から糖尿病性腎症重症化予防事業を始め、データヘルス計画も策定いたしまして、保険事業による適正な医療給付費の維持を図ることとしているところでございます。
○長沢委員 法定の均等割減額などで、低所得者については配慮されているというふうにもおっしゃいます。しかし、均等割減額、7割・5割・2割減額世帯数を見てみると、平成28年度は、7割減額で2万4,915世帯、5割減額で5,771世帯、2割減額で4,797世帯とふえてもいます。中野区内の被保険者世帯の約5割が、均等割世帯を占めているという状況であります。7割・5割・2割減額の世帯で、それでは、滞納については何件あるのか伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成28年度保険料を賦課した延べ世帯数につきましては、8万5,010世帯でございます。そのうち均等割軽減の延べ世帯数は4万4,466世帯ございます。そのうち保険料を滞納している世帯数でございますけれども、延べで9,922世帯でございます。内訳でございますけれども、7割軽減の延べ世帯数は2万8,992世帯でございまして、滞納世帯は24%の6,970世帯、5割軽減の延べ世帯数は8,378世帯、うち滞納世帯は1,599世帯、2割軽減の延べ世帯数は7,096世帯で、滞納世帯数は1,353世帯でございます。
○長沢委員 区は、国民健康保険料の滞納者に対して差し押さえ等を行って、保険料の納付を進めております。決算年度までの3年間の差し押さえ件数と納付額の推移について伺いますが、いかがですか。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 過去3年間の差し押さえ件数についてお答えいたします。平成26年度が862件、27年度が881件、28年度が970件でございます。納付金額につきましては、今、手元にありません。
○長沢委員 結構です。では、7割・5割・2割減額世帯での差し押さえ件数はどうなっているのか伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 均等割額7割軽減世帯に対する差し押さえ件数は69世帯、5割軽減世帯に対する差し押さえ件数は58世帯、2割軽減世帯に対する差し押さえ件数は64世帯、合わせて191世帯でございます。
○長沢委員 全体の世帯の中では、差し押さえについては、比率としては、先ほど5割の中でということでいえば少ないのかと思いますが、それにしてもこうした税額の均等割減額世帯に対しても差し押さえを行っているということであります。差し押さえにより生活を困窮させて、人権を侵害してはならないことはもちろん、最低生活費まで差し押さえの対象にしてはならないというふうに思っていますが、この点についてはいかがですか。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 均等割額の軽減世帯につきましては、預貯金と生命保険等の差し押さえを行っておりまして、生活を著しく悪化させるおそれがあるときは、差し押さえは行っておりません。
○長沢委員 なかなか接触ができないというところで、区行政としても大変だということは承知しております。しかしながら、被保険者の暮らしに寄り添ったきめ細かな相談活動をやることによって保険料を納めていただくという、やはりそこに一番力を注いでいただきたいというふうに思っております。
それと、中野区独自に行える申請減免についてもお伺いいたします。事業の廃止、解雇、病気、災害等、特別な事情により著しく生活が困難になり、預貯金の資産活用を図ってもなお保険料を納めることができなくなった場合は、減免の制度が3カ月または1カ月を限度として適用されるというのがこの申請減免であります。平成28年度の減免の申請件数及び減免件数は何件か、また、その事情の内訳についてお伺いします。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成28年度の保険料の減免件数は15件でございます。内訳でございますけれども、失業が2件、火災・水害が2件、大震災が11件となってございます。
○長沢委員 第2回定例会でも、広川議員が一部負担金の減額・免除についての質問をしたところでもありますが、そもそも何年もの間、おおよそ月の収入から生活保護基準の生活費の115%の額を引いた額が保険料月額を下回ると、この申請減免の対象になるというものであります。申請の要件が厳しく、改善が必要だというふうに考えますが、この点について区の認識を伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険料の減免制度につきましては、災害などで生活が著しく困難になった方の保険料全額を対象にして、3カ月を限度に減額あるいは免除する制度でございます。低所得者の保険料につきましては、その所得に応じて均等割保険料を7割、5割、2割軽減することですとか、非自発的な失業者に対しては、前年所得を70%減額した所得額で所得割の保険料を計算することもございます。こうした均等割保険料、所得割保険料を軽減する制度があることから、保険料を全額免除する制度を改める必要はないと考えているところでございます。
○長沢委員 大体災害以外は、生活保護受給に至るまでの過渡的な扱いとなっているのではないでしょうか。もともとそのような制度設計として、こうした減額・免除についてはあるのだというふうに思います。要件の見直しを改めて要望すると同時に、生活保護など関連する分野、部署との連携を図ることを求めたいと思いますが、いかがですか。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 関連部署とは適切な連携を図ってまいりたいと考えてございます。
○長沢委員 国民健康保険制度に関しては、根本的には国庫負担の引き上げが必要であると思います。国庫負担割合を減らしてきたことがやはり問題です。ことしの第1回定例会本会議で、昨年末に特別区長会が厚生労働大臣宛てに、国民健康保険制度に関する特別区緊急要望についての見解をただしましたが、特別区長会が求めているように、国保財政基盤の強化・充実に加え、被保険者の保険料負担軽減を図ること、低所得者へのより一層の保険料負担軽減を図るため、国の責任において必要な財政措置を講ずることが必要になっているのではないかと思います。この点についての見解を伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 特別区長会の要望は、医療費の急増などによりまして厳しい財政運営を強いられている国民健康保険について、財政基盤の強化を目的に国による財政支援の充実を求めたものでございます。その上で、30年度の制度改革の施行に際しましては、被保険者の保険料負担が急激にふえることのないように、必要な措置を設けることを要望したものでございます。
○長沢委員 いや、特別区の緊急要望についてはちょっと見解が違いますけども、いずれにしても国庫負担の引き上げを要望するように、この件については重ねて求めたいと思います。
次に、国民健康保険制度の広域化についてお伺いします。厚生労働省は、標準保険料率の試算結果の公表について、保険料の急変を避ける試算方針を都道府県に通知し、それに基づいて都道府県が国に報告することになっていました。今定例会本会議での羽鳥議員の一般質問に対して、東京都で行った試算結果については、東京都が今月、都の国民健康保険運営協議会を開催し、運営方針及び納付金や標準保険料率の算定方法について諮問した後、平成29年度の標準保険料率等の試算結果を公表すると聞いていると、このような答弁がございました。東京都の試算結果は既に出ているのであって、その数字等は議会にきちんと情報提供すべきではないかというふうに思いますが、この点について伺います。
○渡邉区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 東京都が今月公表いたします標準保険料率の試算結果につきましては、今定例会で報告する予定でございます。
○長沢委員 その際、法定外繰り入れや激変緩和措置、1人当たり、モデル世帯当たりの保険料額の比較など、これについてもきちんと――これは厚生労働省の通知でも触れている部分でありますけども――報告されるべきである。この点も要望しておきたいと思います。
国民健康保険料の急激な引き上げをさせないために、一般会計からの繰入金、法定外繰り入れの存続が必須であるというふうに考えます。その点で、都区財政調整での協議の行方が重要であるというふうに考えます。法定負担額と法定外負担額は、都区財政調整の基準財政需要額において国保事業助成費として算定されています。2016(平成28)年度ベースで法定負担額は272億円、法定外負担額は511億円でありました。広域化となった場合、法定外負担額はどうなるのか、そのことが争点になっているというふうに伺っています。東京都の協議はどうなっているのか伺います。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 国庫の制度改革に伴いまして、国民健康保険事業にかかわる基準財政需要額算定については、抜本的な見直しが必要だというふうに考えているところでございます。法定外繰入金につきましても、新たな算定方法を検討する必要があるというふうに考えております。具体的な範囲や算出方法につきましては、今後、都区財政調整協議会におきまして協議していくという予定になってございます。
○長沢委員 平成28年度で見ていくと、総務費の一部、出産育児給付3分の1、葬祭給付の計46億円は、現在の需要額として算定されているため、存続する可能性は高いというふうに思います。しかし、残りの465億円、この扱いがやはり争点になるわけで、しっかりとこれは需要額算定をするために協議に臨んでいただきたいと思います。
介護保険と新総合事業及び地域包括ケアシステムについて伺います。
初めに、第7期介護保険事業計画について伺います。この点については一般質問でも取り上げさせていただきましたし、第6期介護保険事業の取り崩しが行われなかったということについても指摘させていただきました。介護給付費の準備基金の残高は、平成28年度末で20億円、平成29年度末には約25億円と、区政史上最高額となる見込みであります。保険料を取り過ぎたということではないでしょうか。第1号被保険者に取り過ぎた保険料が還付されることはありません。第7期の計画でこのことを繰り返してはなりません。しかも、計画改定のたびに保険料が引き上げられていることを踏まえれば、まして、第6期と比べてみるとおよそ10億円も新たに積み立てるというものであり、積み立てた介護給付費準備基金の取り崩しによって、保険料の引き下げを行うことが必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険制度では、計画期間内に必要となる給付費については、各計画期間における保険料で賄うことを原則としているところでございます。現在、第7期における給付見込み料の試算を行っているところであり、その結果において介護給付費準備基金の活用については、3年間を通じての支出及び収入等の状況を勘案して設定することとしているところでございます。
○長沢委員 また、所得段階別の保険料につきましては、現在の第6期計画では15段階であります。低所得者への保険料負担の軽減を図る上でも、より傾斜をつけた保険料区分にすることも求めておきたいと思います。ありがとうございます。
地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の改正法、地域包括ケア強化法がことし5月に成立いたしました。介護保険3割負担の導入、2015年(平成27年)8月から実施された2割負担等の導入後も利用抑制は生じていないとの前提で、対象者がその負担に耐えられるのかの検討もなく、3割負担の導入を決定いたしました。年間収入、単身340万以上、夫婦463万円以上の場合、利用料を3割に引き上げるというものであります。昨年の決算総括質疑の場で、本人の合計所得金額160万円以上の方は、利用料負担割合が1割から2割になった。区内の該当者は、平成28年3月時点で2,423人であるとの答弁がありました。介護サービス利用者のうち、所得の高いほうから18.3%の方が対象になったというお話でありました。では、今度の法改正で、このうち何人の方が3割負担になると想定しているのか伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 国の試算では、3割負担の対象者に関しましては利用者の3%程度というふうにされてございます。そこから推計いたしますと、約400人程度の方が3割負担になるのではないかと想定しているところでございます。
○長沢委員 収入に応じた応分の形をとっていますが、対象となった利用者が果たして3割負担に耐えられるのか、具体的な検討もないまま実施されることになります。介護保険の利用料だけでなく、今後予定されている医療の窓口負担や保険料の引き上げ、年金額の切り下げなどを含めた家計への影響の検討が当然必要ですが、その形跡はありません。今定例会の本会議一般質問で、小杉議員が高齢者の家計への影響を把握せよと求めましたが、参議院厚生労働委員会における附帯決議で、施行に当たり適切な措置を求めているため、中野区としてはやらないという答弁でありました。国会が政府に施行に当たって求めた決議であります。所得に対して過大な負担とならないよう十分配慮するとともに、あらかじめ当該改正による影響に関する予測及び評価を行うこととしています。政府がこの附帯決議を受けて実施するのであれば、やり方はともかく、全国の自治体での影響調査を把握せざるを得ないというふうに思いますが、この点についていかがですか。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険制度改正は、全国的な社会保障制度改革の枠組みの中で行われておるといったところでございまして、国会の附帯決議でその影響については政府で行うことが求められてございまして、中野区を含めた全国規模の調査により評価されるものと受けとめているところでございます。
○長沢委員 3割負担に該当するかどうかは前年所得に基づいて判定されます。高齢者の中には、去年まで働いて一定の収入があったが、病気や介護になって仕事をやめ、今は収入が激減したという人も少なくありません。しかし、介護保険には、所得激減の人を救済する減免制度などはありません。こうしたケースの該当者が、1年間我慢すれば1割負担になると、サービスの利用を控え、重度化することも懸念されるわけであります。附帯決議では、2015年に施行された利用者負担割合の2割への引き上げに関する影響について、実態調査を十分に行った上で、その分析及び評価を行い、必要な措置を講ずることとしています。2割負担が施行されて2年がたちますが、対象者の影響について区は把握されていますか、伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 利用者負担割合が2割になることによりまして、なぜ2割負担になったのかというお問い合わせはございますけれども、それによってサービスの利用を控えたりといった話は聞いておらず、2割負担となって負担はふえたといたしましても、高額介護サービス費などの利用によりまして適切な利用が確保されていると考えているところでございます。また、延べ利用人数に関しましても、改正前の平成26年度から平成28年度にかけてふえているといったところもございまして、利用を控えている状況は見られないというふうに受けとめております。
○長沢委員 結構です。
次に、基本チェックリストの導入について伺いたいと思いますが、これについては割愛させていただきます。
住民主体、B型のサービスについて伺います。現在、住民主体のサービス提供、B型はどのような状況か伺います。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 住民主体によるサービスでは、家事援助などの訪問型をシルバー人材センターに、通所型のミニデイを高齢者会館に委託し、現在10高齢者会館で開始しているところでございます。
○長沢委員 中野区地域包括ケアシステム推進プランでは、これまでも1次予防事業として一般高齢者対象の体力づくり教室や介護予防総合講座などを高齢者会館が行ってきたが、事業規模が小さく、参加者の改善状況の把握や分析が十分であったとは言えないと、新総合事業では1次、2次と高齢者を状態で分けることなく、高齢者の多様なニーズに合わせたサービス提供をしていくとしています。先般、そしてまた、今も答弁がございましたが、シルバー人材センターによる訪問サービスの需要があまり多くありませんでしたが、今後どうしていくのか、まずお伺いいたします。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) シルバー人材センターによる訪問サービスについては、サービスの質の向上や理解促進を図りながら積極的にPRをしていきたいと考えております。
○長沢委員 もう1点、健康づくり・介護予防の推進を目的に高齢者会館を利用しているといいます。住民主体サービスによるミニデイサービスの実施、一般介護予防事業によるカラオケ体操プログラムの導入などが行われているというふうに伺っております。しかし、これまで利用していた高齢者団体、サークル等々、部屋の利用時間など、こうしたところで競合することはないのか、この点について伺いたいと思いますが、いかがですか。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 高齢者会館は、介護予防事業の拠点として位置付けてという部分でおります。比較的利用頻度の低い部屋やロビーを活用するなど、既存団体への影響をなるべく抑えた形で、工夫しながら行っているところでございます。
○長沢委員 心配されるのは高齢者会館を利用している、既存のといいますか、団体・サークルの自主的・自立的な取り組みの保障がきちんとできているのか。その点についてはどうですか、伺います。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 利用されている、例えば友愛クラブや町会・自治会などに、個別に住民主体サービスの担い手として要請するようなことはしておりません。自主的な取り組みの中で介護予防に資する活動を促進し、結果として住民主体サービスにつながることを期待しているところでございます。
○長沢委員 ありがとうございます。
もう1点、医療・介護の連携についても伺います。医療行政は東京都で担っているために、地域包括ケアシステムになると高齢者のケアシステムに対応できにくいと、このように言われてもいます。慢性期こそが医療と介護の連携の重要なターゲットになるからでもあります。慢性期の病床については、東京都の地域医療構想で決めることになりますが、地域の実情に合った計画になりにくくなると言われています。区民が在宅でのみとりで何人亡くなったとか、医師による訪問診療の患者数や訪問看護の利用数など、把握していくことが必要になると思いますが、これについてはどうされるのか伺います。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 在宅でのみとりや在宅医療の現状については、厚生労働省ホームページに在宅医療に係る地域別データ集として、区市町村の在宅医療に関するデータが示されているところでございます。また、訪問診療の患者数については、昨年東京都より示された数値があります。そのほかにも介護保険人口動態等のデータを活用し、区の在宅医療の現状を把握するよう努めているところでございます。
○長沢委員 区民全体の医療の実態を把握しなければ、地域包括ケアシステムを進めていくことにはならないというふうに思います。中小企業の協会けんぽや健保連、あるいは公務員の共済まで、在宅の利用者の実態を把握する必要があるというふうに考えます。さらに、ここの需要の数字がつかめないと、必要な計画も立てられないのではないでしょうか。医療介護総合確保促進法の中では、介護保険事業計画と東京都の地域医療構想の整合をとることが言われていますが、この点についてどのようにするのか、改めて伺います。
○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 地域医療計画と介護保険計画との整合性の確保に関しましては、国・都より基本的な考え方が示され、病床等の再編によって生ずる新たなサービスの必要量等について、東京都と協議する予定でございます。こういったことによりまして、必要な介護サービス量を見込み、医療と介護の整合性を図っていきたいと考えております。
○長沢委員 もう1点、ここで中野区の在宅療養者の緊急一時入院確保事業についても伺います。この事業開始時は、1床当たりの委託料、1日当たり1万8,000円で、2床でありました。平成12年度に1床に減り、翌年度には8,000円に減額となりました。その後、医師会の要望により、平成28年度より2床に戻り、翌年度より委託料は1万2,000円に増額、そして、平成28年度からは3床へ増床となって今日に至っているものであります。ここ数年の稼働率は、医師会によりますと200%を超えている。平成28年度の利用実績は2,511件、稼働率は229.3%、利用患者数は225件となっているということであります。中野区医師会は、区内の在宅療養者にとっては必要不可欠な事業であると捉え、今後の地域包括ケアシステムの構築に当たってはますます需要が高まることが予想されるとして、事業の継続・充実を目指しているとのことであります。中野区では、地域包括ケアシステム構築の観点から、どのような見解をお持ちか伺いたいと思います。
○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 今後、増加が予想される在宅療養者が安心して過ごせるために、本事業は区としても重要であると認識しております。今後の事業規模については引き続き検討してまいります。
○長沢委員 7番、この項のその他でもう1点、無料低額診療事業についてお伺いします。生活困窮者の医療保障の方策として無料低額診療があります。昨年の決算総括質疑の場でも伺ったところでありますけども、改めてお尋ねします。10月から区内の医科・歯科の医療機関で新たに無料低額診療事業が開始されると伺っています。この事業自体は医療機関が取り組むもので、社会福祉法第2条による制度として東京都に届け出るものであります。中野区は、生活困窮者への支援は、医療的な支援に加え、生活及び就労等の支援を行う生活保護制度や、生活困窮者自立支援制度を活用しての生活困窮者等の自立に向けたサポートを行っていくとしています。確かに根本的にはそうした制度の活用が必要でありましょう。同時に、命、健康に直接かかわる問題でもあり、過渡的な性格の事業であっても、活用を図ることは大切であると考えます。生活困窮者への支援として無料低額診療事業を区民に周知することが必要ではないでしょうか、伺います。
○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 無料低額診療事業については、当該事業の利用対象者からの相談に適切に対応できるよう、区の関連部署や社会福祉協議会と情報共有を進めているところでございます。しかし、無料低額診療事業の利用に当たっては、国民健康保険の一部負担金の減免制度の活用も考えられることから、制度の紹介や周知方法の工夫に努めていく所存でございます。
○長沢委員 今言った無料低額診療事業については課題もあります。例えば、医薬分業が進み、調剤薬局で薬代が払えない人も出てきているというふうに聞いております。診療が無料であっても薬代が高くかかる場合があるためであります。都内のある医療機関では、無料低額診療事業の患者に処方箋を発行したものの、年間600件、100万円超の未収金となって、経営に少なくない影響を及ぼしているといった話も聞きました。こうした事態に対して青森県や高知県など、処方箋代や薬代の補助を始めた自治体も生まれております。区内で無料低額診療制度を新たに実施するところが出てきたことも捉え、薬代や処方箋代の補助についても検討すべきじゃないかというふうに思っておりますが、この点について伺います。
○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 社会福祉法の第2種社会福祉事業に定める無料低額診療事業の主体は、非営利の病院、診療所などであり、国は実施医療機関に対して税法上の優遇措置を認めております。医療分業に伴う薬局での薬代など未収金問題については、無料低額診療事業の制度にかかわるものであり、国の政策にゆだねるべき課題であると認識しております。したがって、現在のところ、区として無料低額診療事業の利用者に対する薬代等の補助を実施する考えはございません。
○長沢委員 今おっしゃったように、社会福祉法第2条によるということでは、非営利ということで、おっしゃるとおりのところがあります。それ自身は今もってハードルが高いということでありますけども、おっしゃるように国自身に対して、こういう実施について検討していくように働きかけていく必要があるかなと、こんなふうに認識しております。ありがとうございます。
2番目に、平和の森公園再整備についてお伺いいたします。平和の森公園再整備事業の委託契約とのかかわりで、第2回定例会本会議の一般質問に引き続き、この決算特別委員会においても改めてお伺いいたします。中野区は昨年12月14日に、競争入札により落札した業者と委託契約を締結いたしました。しかし、この業者からことし1月21日付で契約解除の申し出があり、再公告し、再入札を行った場合、再入札までに1カ月程度の時間を要する、平成28年度内に一定の成果が求められる、東京都などとの必要な協議を進めることができない、このことを理由の一つに挙げて、他の業者と随意契約を行ったわけであります。ここでいうところの、東京都から何を求められていたということになりますか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(公園担当) オリンピック・パラリンピックに向けて計画どおり事業を進めるためには、実施設計委託により建築計画に影響する駐車場施設などに関する協議を、東京都下水道局、東京都都市整備局、警視庁と平成28年度内にまとめる必要がございました。このため実施設計委託の早期再契約が必要となったものでございます。
○長沢委員 平和の森公園整備事業は、2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックを、区民の健康づくり、スポーツの取り組みを向上させる大きなチャンスとして活用していくことから、公園内に新体育館を整備することで公園全体の機能の向上を図るものとしています。さらに、検討しているオリンピック・パラリンピック事前誘致に間に合わないかもしれないということで、契約を急いだともしています。新体育館建設が完成する予定は平成31年12月で、翌年夏のオリンピック・パラリンピックまでには7カ月余りしかございません。区民の健康づくり、スポーツの取り組みの向上がこの期間だけで図れるはずなどはないというふうに思います。大体、選手らの練習場とし、事前誘致が図られる公算はあるのか。また、仮に事前誘致が図られたとして、そのときは区民が利用することはできなくなるのではないですか。日ごろから健康づくりやスポーツに取り組み、親しむ環境をいかに整えるかは、区がやらなければならない仕事であるはずです。まして、オリンピック・パラリンピックを口実に、区民が自由に利用していた公園を再整備し、大きく変えようとしていることへの理解は得られていません。この点についての見解を伺いますが、いかがですか。
○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 区は、区民の健康づくり、スポーツの取り組みの向上に資するために、現在のスポーツ施設等においてさまざまな事業等を実施しているところでございます。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、トップアスリート等を招致した気運醸成事業にも取り組んでいるところでございます。大会の開催前は、区民の皆様の間でも大会に向けた期待が高まり、スポーツに対する関心も大変大きなものになることを想定しており、その気運の受け皿としても、大会の開催前に新体育館を整備することは必要であるというふうに考えてございます。公式練習会場の誘致につきましては、現在組織委員会と国際競技連盟との間で協議を行っているところであると聞いてございます。
○長沢委員 日ごろからその環境を整備していくことが、やはり一番大事だということは改めて指摘をしておきたいと思います。
次に、新体育館の整備にかかわって伺います。区は、新青梅街道から妙正寺川までを、新たに沼袋区画街路第4号線として14メートルに拡幅することを決めています。また、早稲田通りから平和の森公園までの区間は、平和の森公園周辺地区計画で12メートルに拡幅する。このことも決まっています。現在、平和の森公園の東側にある平和の森公園通りの道路幅は6.35メートルですが、新体育館の整備によって拡幅できず、現況のままで残されるのではないですか。この点について伺います。
○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 現在の平和の森公園周辺地区地区計画では、早稲田通りから平和の森公園までの区間を幅員12メートルに、地区施設道路として拡幅する計画を定めてございます。御質問の新体育館建設予定の平和の森公園東側につきましては、地区計画では道路拡幅する計画は現在のところございません。なお、御質問の道路部分につきましては、東京都の下水道局の御協力により、現在、幅員約2メーターの歩道上空間を確保しているところでございます。新体育館建設後も、こうした歩道上空間の継続に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○長沢委員 結局、12メートルに拡幅するんだけど、そこはできなくて、今後どうしていくのかということになるんですけども、その点について。いや、ちょっと今の話だと、2メートルの歩道空間自身は確保できるけど、それ以外はできないということをおっしゃっているのか。
○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 現在の地区計画ではそういうふうな道路計画になっております。今後、平和の森公園全体、沼袋三丁目等を含む計画の中で考えていきたいと思っております。
○長沢委員 やっぱりここに持ってくるということで、そうしたさまざまな矛盾が出てきているのだと思います。
もう1点、新体育館の整備のために新たな都市計画決定で、公園都市計画区域を下水道都市計画区域、約500平米にまで拡張させた。このことについてはどういうことですか。
○千田都市基盤部副参事(公園担当) 下水道処理施設の都市計画区域のうち、20メートル道路の整備が検討されていたことを理由に、都市計画公園区域に指定することを留保していた区域が公園敷地の東側にございます。平和の森公園周辺地区計画により、道路等地区施設の計画が明確となっているため、今回の都市計画手続で都市計画公園区域に編入したものでございます。
○長沢委員 その地域を含めて新体育館整備における公園の未開設の部分は、東京都下水道局との関係で賃貸料が発生するというふうに思われます。都下水道局と基本協定の締結と覚書が交わされましたけども、そこではこの賃貸料について具体的には触れられていません。しかし、そこに至るまでに東京都から賃貸料金について提示がなされていたのではないですか、伺います。
○青山政策室参事(企画担当) 新体育館整備に係る基本協定及び覚書の締結に至る東京都下水道局との協議の中で、減免率や土地の鑑定条件などを含めた賃借料の考え方については協議を進めてまいりましたが、具体的な賃借料については提示されていないところでございます。
○長沢委員 この後、賃借料ですか、東京都が鑑定した金額を財産価格審議会に上程する。こういうことが総務委員会の中でも報告があったというふうに聞いています。じゃあ、それが示される時期はいつなのか。また、示された金額をそのまま受け入れるのか。東京都下水道局との協議によって変更の余地があるのか。この点について伺います。いかがですか。
○青山政策室参事(企画担当) 東京都下水道局から借り受ける土地の価格につきましては、東京都財産価格審議会の評定を経て、ことしの11月に決定する予定でございまして、協議により変更できるものではございません。区としましては、これまで東京都と賃借料の考え方について協議を進め、確認をしてきたことから、同審議会を経て適正な価格が示されるものと考えており、これにより借り受けることとなります。
○長沢委員 一定の考え方だけじゃなくて、金額についても具体的にやられたのではないかと思いますが、まあ、その点についてはわかりました。結構です。
この項の最後に、この賃借料の多寡によって新体育館を利用する区民、団体等に、施設使用料として高い金額を押しつけることにならないと言えますか。これについて最後に伺います。
○石橋経営室副参事(経理担当) 現状の施設使用料算定におきましては、土地の取得費につきましては使用料算定上の原価には計上してございません。今回は土地賃借料でございますが、土地賃借料につきましても、土地に係るコストとして使用料算定の基礎に算入する予定はございません。
○長沢委員 結構です。
次に、3番、保育施策について伺います。2017(平成29)年4月1日現在で、国基準による待機児童数は375名であり、認可保育所を希望しながら待機となった児童数は807名に及んだわけであります。では、現時点における待機児童は、国の基準、そして、認可を希望しながら入れなかったという、それぞれ何名と何名かお伺いいたします。
○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 平成29年の8月1日現在におけます、認可保育園を希望しながら待機児童となった数につきましては611名となっております。また、国基準に基づきまして算出いたしました待機児童数は342名となっております。例年の傾向では、4月以降に認証保育所ですとか社内託児所、こういったところに入所したなどの理由によりまして、一時的には減る傾向にありますけれども、その後、年度途中に育児休業明け等による入所の申し込み、こういったものが行われることから、秋以降については増加に転じるといったような状況になっております。
○長沢委員 ありがとうございます。2016(平成28)年度は、補正を含め予算上は、認可保育所を13施設、小規模保育事業所を5施設整備することとなっていましたが、誘致できた実績はそれぞれ何施設だったのかお伺いいたします。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 認可保育所につきましては4施設、小規模保育事業所につきましては1施設でございます。
○長沢委員 お隣の豊島区では、3年間で認可、小規模、26施設を増設し、平成29年4月1日時点で待機児童がゼロになったというふうに伺っています。中野区では、今も御答弁いただいたように、予算に対して達成率がこのように低い。このことについてはどのように捉えられていますか、伺います。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 中野区におきましても平成26年度から28年度、3年度にわたって認可保育所・小規模保育事業所、合わせて26園を開園しているところでございます。平成28年度におきましては、当初予算で予定していた保育定員、これにつきましてはほぼ達成できたところでございますが、補正予算で追加した整備予定分につきましては、整備用地の地価の高騰、また、建設材料の高騰、さらに、保育所確保の時間を要する、そういったことのさまざまな影響がありまして、開設までに至らなかったものというふうに考えてございます。これらを踏まえた上で、平成29年度におきましては、保育所整備に係る補助対象経費、また、補助率のアップ、また、保育士確保に係る重要性への支援、こういった制度の拡充を図ってきたところでございます。
○長沢委員 待機児が多いところでは、どの区においても東京都の整備や、また、区独自でもそれに上乗せといいますか、しながらやっているというふうには伺っているところであります。少し角度を変えて伺いますけども、区は待機児童解消のため、主に認可保育所や小規模保育事業所を運営する民間事業者の誘致を進めています。しかし、区立保育園の民営化の際にも保育定員の拡大を図っているともしています。しかしながら、区立保育園の民営化では、区立保育園の敷地状況等から見て、建て替えたとしても多くの定員拡大は望めないと思われます。区立保育園の民営化は、平成15年度から始められていますが、当初から区民、保護者からの要望で始められたものではありませんでした。しかしながら、当時は延長保育が実施されるということで期待を持つ、こうした区民の方もいたようでもあります。これもその後、区立保育園において延長保育が実施されることにより、区民にとってのメリットではなくなっています。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)には、民営化について具体的な園名については記述されていませんでしたが、突然昨年の第3回定例会で区立直営園5園、指定管理者園2園の民営化が発表されました。これは、平成27年度から続いている区職員としての保育士採用をやめたからだと思われます。中野区は、民営化に際して、民間活力の活用によって多様な保育ニーズに対応するとしていますが、定員確保をはじめ、区民にとってのメリットはないというふうに思われます。この民営化には少なくない区職員が携わっているとも思いますが、メリットのない民営化にエネルギーを注ぐのではなくて、他の待機児童対策に取り組むべきではないのか、この点についてお伺いいたします。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 区立保育園の民営化におきましては、快適で安全安心な保育環境の整備を図るとともに、保育時間の拡大、また、需要に応じて子育て施設の併設なども可能というふうに考えてございます。また、今回の民営化に際しましては、現在の園舎とは別の場所に新園を整備するということで、現在の園舎もさらに建て替えを行うということで、1園増設するというような形の民営化も行う形にしてございます。こういった点からも、保育定員の拡大という面におきましても、民営化におけるメリットは大きいものというふうに考えてございます。
○長沢委員 北区では区立保育園を増設しています。この点では、80名の区職員保育士の募集に対して500名の応募があったというふうに聞いています。保育士確保が課題となっている中、やはり保育士も安定的な職場を求めていることが伺えます。中野区においても、区有施設や公有地の活用を視野に公設公営による区立保育園の整備、これも進めていくべきだというふうに考えますが、いかがですか。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 保育所の整備に当たりましては、民間活力を活用させていただいて、必要な保育サービスの提供を図ることを基本としてございます。公設公営による区立保育園の整備は考えてございません。
○長沢委員 この項の最後に、今回の緊急対策に関連してお伺いします。さきの補正予算では、緊急対策として区有地等に2年間という期限つきの認可外の区立保育所を7園整備するとしています。2年というのは大変短く、その後の児童の受け入れを図らなければならないわけですが、現在進めている認可保育園の誘致により、その受け入れは可能であるとの認識なのか伺います。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施設整備推進担当) 平成31年4月以降の接続に関しましては、民間の新規保育所整備等によりまして十分な定員が確保できるものと考えてございます。また、入園相談におきまして丁寧に相談に応じることによりまして、接続の問題にも支障なく対応していけるというふうに考えてございます。
○長沢委員 結構です。ありがとうございます。
以上で私の全ての総括質疑を終わります。
○高橋(か)委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。
次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。
○酒井委員 平成29年第3回定例会におきまして、民進党議員団の立場から決算特別委員会にて総括質疑をいたします。一昨日のおみこしでちょっとのどがやられてしまい、聞き取りづらいかもわかりませんが、どうか御容赦いただき、そして、前向きな御答弁、よろしくお願いします。
それでは、28年度決算についてお尋ねします。決算の1の歳入・歳出などに関しましては、これまで先に質疑をされた方々のお話もありましたので、早速質疑に入りたいと思います。
そこでまず、決算の一つの指標である経常収支比率についてお尋ねしたいと思います。こちらは財政の弾力性をはかる数値、高くなれば財政を硬直させる、低くなれば弾力性がある、こういうふうに私たちも習ってきた数値であります。経常充当経費の一般財源の割合ですよね。28年度決算においての経常収支比率の数値と、それに対する見解、まずお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 平成28年度の中野区の経常収支比率は76.9%でございます。前年度よりも0.4ポイントの増となっておりますが、2年連続して23区平均を下回ってございます。健全な財政運営を行っていることを示していると考えております。
○酒井委員 2年連続で23区平均を下回っており、70%台であると。この数字に関しては、我々ももう入ったころから決算議会のたびに、この経常収支比率は70%から80%が適当であるというふうに習ってきたといいますか、覚えてきており、何の疑いもなくそういうものなんだと思いながらおったわけなんですけれども、これ、例えば、この根拠がどういうところにあるのか。それから、いつごろからこの数字が、70%から80%が適当であると言われているのか教えていただけますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 昭和44年度に、当時の自治省財務局指導課が発行しました財務分析というのがございます。これによりますと、少なくとも75%におさまることが妥当であると考えられ、これが80%を超える場合は、その財政構造は弾力性を失いつつあると考えてよいというふうに言及されております。したがいまして、昭和44年度、この時点以降、経常収支比率は75%が適当であり、80%を超えると財政の硬直化という見方が広く定着していたものと思われます。
○酒井委員 75%が適当で、80%を超えると弾力性に欠ける。要注意というような。これ、随分ハードルが高いなと思うんですね。それからまた、当時、高度経済成長期で、第2次ベビーブームを迎えようとするころ。50年前ですね。昭和44年。そして、今だと少子高齢化による人口減少時代に突入しており、背景が大きく違うんだろうと思っているんですね。それから、今は行政需要も複雑多岐にわたり、住民ニーズが非常に高いです。そういったものにきめ細かく対応しなければならない点も、40年前から大きく変わっているんじゃないかと僕は思うんです。そこで、当時の背景を考えると、まだ道路や橋梁、それから教育施設など、そういったインフラの整備というのはなかなかできていなかっただろうと。そういう意味では、自治省によって各自治体に対して、投資的経費にやっぱり予算を振り向けたいわけですよね。すると、そういう中で経常収支比率というものは75%程度が適当であるというふうな中で、より投資的経費に自主財源を向けさせる、そういうふうな背景もあったんじゃないのかなというふうに僕は考えるわけなんですね。それから、当時と今では義務的経費のかかる割合が全然違いますね。人件費が高かった。扶助費が当時は低かった。今は人件費が抑えられ、扶助費が高くなっているような状況ですよね。それで、もちろんこれ、経常収支比率が90%を超えて95%とかになってしまうと、財政が硬直化して好ましくないのは理解するところなんですけれども、50年前から何の変化もないこの適正な水準を守ることにあまりにも固執し過ぎると、区民が求める必要な施策を十分に打つことができないおそれがあるんじゃないのかなというふうに考えるんですね。担当さんとしての考えをお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 現在、区におきましては、経常収支比率に固執した財政運営は行っておりません。地方公共団体の財政の健全化に関する法律、こちらによりまして実質赤字比率、それから連結実質赤字比率、実質公債費比率、そして将来負担比率、この四つの指標で地方公共団体の健全性をチェックする仕組みを定めております。これら一つの財政指標に捉われることなく、さまざまな財政指標を総合的に見ながら財政運営を行っていくことが必要だというふうに考えております。
○酒井委員 そのとおりだと思います。公会計制度も始まりました。それから、健全化判断比率の四つの指標もあります。さまざまな指標から決算をしっかり分析していただきたいと思っておりますが、例えばこれ、経常収支比率、100%を超えちゃうとどういうふうになりますか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 経常収支比率が100%を超すということは、人件費、扶助費、公債費のような、毎年度経常的に支出される経費に充当された一般財源が、毎年度経常的に収入される一般財源を上回ることになります。社会経済や行政需要の変化に適切に対応していくための施策に充てる財源が、確保されていないということになります。毎年必要となる義務的経費に全てを出すということになってしまうということです。
○酒井委員 社会状況の変化や新たな行政需要に対応できないというふうなことだと思うんですが、これ、中野区でも過去にこの経常収支比率が100%を超えたことがあったとお聞きしたことがありますが、お聞かせいただけますでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 経常収支比率につきましては、昭和51年度決算以降の記録では、平成11年度に経常収支比率が101.7%になったことがあります。
○酒井委員 平成11年といいますと、我が会派では誰もおらず、先輩から当時のことをお聞きすることができないんですね。ただ、以前お聞きしたことがあるのは、経常収支比率が100%を超え、財政が非常に厳しく、財政の悪い御三家と23区の中で言われていた時代があったなんていうのもお聞きしたことがあります。どうしてこういったことに陥ったのか。過去の歴史を学んで今後の未来に生かしていかなければならないと思うんですが、そのような背景はどのようなところがあったんでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 当時、バブル経済の崩壊以降、長期的な景気の落ち込みによりまして、歳入が急速に減少したにもかかわらず、歳出構造の見直しなど根本的な対応がおくれたために、極めて厳しい状況になったというふうに考えております。
○酒井委員 平成11年度の101.7%になった際の決算状況一覧表、私もちょっと拝見しました、議会の図書室で。今年度と比べてみますと、性質別歳出の内訳ですが、平成28年度決算では、人件費16.3%、平成11年度は33.6%、扶助費、平成28年度決算では29.7%、平成11年度決算では17.8%、公債費、平成28年度決算では4%、平成11年度決算では10.1%。義務的経費の合計では、平成28年度が49.9%に対して平成11年度は61.5%でありました。当時と今では、このように歳出における構成比も大きく変わっているのが確認できます。また、あわせて平成11年度は、地方債現在高は630億円、積立金現在高は69億円と、貯金の約10倍借金しているような状況が平成11年にあったわけですよね。ここ数年の経済状況の背景があったとしても、田中区政になってやはり随分とこの財政の数値が改善されているのも見てとれるわけであります。そこで、当時の経常収支比率が100%を超えてしまうような厳しい財政状況を改善するための取り組みがあったかと思います。行財政5か年計画。当時、区長が行財政改革課長だったでしょうかね、それで取り組まれたんだと思うんですが、その内容についてちょっとお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 長引く不況の影響でございまして、平成11年度の経常収支比率が100%を超え、区財政が危機的な状況になったことへの対応としまして、安定的な行財政基盤を確立するために、平成13年度に中野区行財政5か年計画を策定したということでございます。内容につきましては、職員配置の見直しによる人件費の抑制や、委託化などの事業執行の見直し等を推進してきたという形でございます。
○酒井委員 この行財政5か年計画、私も全ては見られませんでしたが、拝見すると、事業のかなり踏み込んだ見直し、それからまた、特別職、職員、行政委員、議員も歳費を削減して身を切る改革をしておったんだろうと思います。そこで、例えば職員の身分に関して、給与に関しては特別区人事委員会を共同設置しておりますよね。採用、承認、給与、これは特別区人事委員会において23区の共通事項であったかと思うんですけれども、中野区単独でそういった職員の給与の面に関しては、踏み込んだ取り組みがあったんでしょうか。また、できるんですか、そういうのは。
○田中経営室副参事(人事担当) 職員の給与につきましては、先ほど委員からもお話がございましたとおり、特別区人事委員会勧告に基づきまして、23区統一の給与水準とすることが給与制度上のルールというふうになってございます。しかしながら、過去におきまして大変厳しい財政状況の中、極めて異例の措置ということで、中野区独自の職員給与の引き下げを行ったものでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。極めて異例の対応であったと。ただ、かなり財政状況が厳しい中で、さまざまな行政サービスを見直し、区民に痛みを伴う改革をするのならば、やはり行政側も、それから議会も共有しなければならない、そのような姿勢があったんだろうと思います。それで、最後、ちょっとお尋ねしたいんですが、当時、経常収支比率が100%を超えた状況下でさまざま取り組まれたんだろうと思うんですが、例えばその際、財政非常事態宣言というものはあったんでしょうか。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 財政非常事態宣言といったことは行っていないというふうに記憶してございます。
○酒井委員 ありがとうございます。当時、この厳しい状況下でも財政非常事態宣言はなかったとお聞きしています。平成27年、28年の決算の状況は好調です。それで、やはり平成11年から見ると、田中区政になってさまざま財政というのは改善されておるところもあって、27、28の決算はいいんですよね。すると、非常事態宣言というところにこだわることなく田中区長の改革も進み、よくなっているんだという、いいところはいいので、この非常事態宣言も、例えば財政規律を堅持する宣言とか、ちょっと呼び方を変えてみるとか、検討していただきたいと思います。
以上で経常収支比率についての質疑を終わります。
次に、歳入についてですね。収入未済についてお尋ねしたいと思います。今回、総務の94の資料をつくっていただきました。ありがとうございます。28年度決算では、収入未済が53億円とありますね。これ、まあ大変な額なんですね。ただ、平成23年度決算では79億円あったのが、区としてさまざま取り組まれ、この収入未済額も圧縮されてきており、効果が出ているんだなと。それは理解しております。未収金対策は、財源の確保と税の負担の公平性の観点からも非常に重要であると考えております。また、納付期限内に納付されないことにより、督促、催告といった、本来ならば必要なかった費用も発生し、適切な取り組みが求められます。私は、この未収金対策に区の姿勢があらわれると考えております。地方自治法240条2項に、普通地方公共団体の長は、債権について政令の定めるところにより、その督促、強制執行、その他、その保全及び取り立てに関し必要な措置をとらなければならないとあります。この行為は、首長の自由裁量ではなく、別に法で定めるものを除けば、区債権全てにおいて強制執行できるものは行い、できないものはそれ以外の方法で徴収に取り組まなければならないと読み取れると思うんですが、そのような理解でよろしいですか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 地方自治法第240条第2項の規定するところにつきましては、委員がただいま御説明のとおりでございます。
○酒井委員 区債権には、大きく分けると三つの債権があると思います。強制徴収公債権、非強制徴収公債権と私債権ですね。差し押さえなどの滞納処分ができる強制徴収公債権についてまずお伺いします。この強制徴収公債権のうち、特別区民税、国民健康保険料、介護保険料が区の収入未済額の大半、ほとんどを占めておって、区としても主要3債権と位置付けており、力を入れているところであります。そこで、28年度の強制徴収公債権のうち主要3債権の収入未済件数と、それに対する滞納処分数をお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 特別区民税につきましては、収入未済が8万4,514件、滞納処分が1,562件。国民健康保険料につきましては、収入未済が22万6,639件、滞納処分が970件。介護保険料につきましては、収入未済が3万6,855件、滞納処分が1件でございます。
○酒井委員 規模感は置いておいても、やはり金額の多い少ないだとか、全てになかなか対応できないというのはあるんだろうと思うんですけれども、こちら、主要3債権については、地方税法や地方自治法231条の3にある滞納処分の取り組みは、区としては行っている状況なんだと思います。それでは他方、主要3債権以外の強制徴収公債権はまずどのようなものがあるのかと、28年度収入未済件数と、それに対する滞納処分件数をお聞かせください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 主要3債権以外の強制徴収公債権として、収入未済件数の多い債権といたしましては、軽自動車税2,437件、後期高齢者医療保険料5,020件、保育園保育料1,402件、生活保護費弁償金が253件ございます。これら主要3債権以外の債権につきましては、平成28年度はいずれも滞納処分は行っておりません。
○酒井委員 28年度はありませんと。すると、平成18年に、区の債権の適正な管理に資することを目的とする中野区債権管理条例が制定されました。10年経過しておりますが、この主要3債権以外の強制徴収公債権に対して、これまで10年間でしょうかね、滞納処分はありましたでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 後期高齢者医療保険料におきまして、平成22年度と平成23年度にいずれも2件、預金の差し押さえを行っております。
○酒井委員 次に、非強制徴収公債権と私債権についてお尋ねします。こちらは、簡単にどのようなものがあるのか教えてください。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 非強制徴収公債権は、強制徴収ができない公債権でございます。公法上の原因を含みまして発生した債権のうち、法令に地方税または国税の滞納処分の例によるという規定がなく、強制徴収をすることができないものでございます。収入未済件数の多いものでは、生活保護費過年度過払い金、それから、国保の不当利得返納金、生活保護費弁償金等がございます。次に、私債権でございますが、こちらは契約など私法上の原因に基づいて発生した債権でございます。収入未済件数の多いものとしては、奨学金の貸付金、生業資金貸付金、女性福祉資金の貸付金、応急資金の貸付金、高齢者・障害者入院資金の貸付金、それから、自立生活資金の貸付金等がございます。
○酒井委員 こちらのほうは強制執行することができませんね。すると、区債権の収納率向上対策においては、裁判所の手続を活用した支払い督促等の法的措置を実施するとあるんですけれども、これまでこのような取り組みはあったんでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 平成20年度に生活援護分野が所管します奨学金の貸付金において、支払い督促の申し立てを2件行ったことがございます。また、本年ですけれども、同じく生活援護分野が所管します女性福祉資金の貸付金、こちらにつきまして支払い督促の申し立てを行っております。
○酒井委員 平成28年度の資料をつくっていただいた。決算においての強制徴収公債権の主要3債権以外、それから、非強制徴収公債権と私債権、これ、合わせると10億円弱程度あるんですね。やはり結構な額であります。にもかかわらず、そういった滞納処分や裁判所の手続を活用した支払い督促等の取り組みというのは、なかなか少ないのかなと思うんですね。法律と照らし合わせても少ない。すると、地方自治法にある、債権について政令の定めるところにより、その督促、強制執行、その他、その保全及び取り立てに関し必要な措置をとらなければとあるにもかかわらず、こういう状況を債権管理担当さんとしてはどのようにお考えでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 収入の確保と負担の公平性の観点から、どのような債権でも徴収対策を確実に実施していくことが重要であるというふうに考えております。特に悪質な事案等につきましては、所管とも調整しながら法的措置の実施に向けて、支援、それから、情報提供等を行ってまいりたいというふうに考えております。
○酒井委員 主要3債権以外では取り組みが進んでいないという。なかなかできていない状況だと思うんですね。やはり専門性の高い職員がいなければ、督促をし、催告をし、強制執行または訴えの提起等、訴訟手続による回収を行うことは非常に難しいと考えます。それからまた、保育担当や生活保護担当が、地方自治法や地方税法、国税徴収法などの関係法令の知識を持って債権回収に当たるには無理があって、本来業務に影響を及ぼすと僕は思うんですよ。すると、区債権を一元的に管理することが必要であるんじゃないかと思います。債権者はそれぞれの所管じゃなく、中野区であるんですね。例えば、一元化することにより本来業務に従事することもできますし、全ての債権について時効の中断、執行停止、放棄ができます。債権合計で折衝ができ、実態調査や財産調査も債権ごとにする必要がありません。債権ごとの催告書の発送をする必要もなく、まとめて送付することができ、効率的です。自主納付の際の充当順位も適正にできます。このように多くのメリットがあると考えます。そこでお尋ねします。平成28年度決算において、53億円もの収入未済額がありました。高額な事案や困難事案、悪質事案に関しては、一元的に管理し徴収する効率的な体制を構築していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 債権につきましては、それぞれ税や保険の制度、また、子どもや子育て、それから高齢者福祉、生活保護の制度など、制度ごとに異なっております。また、時効の期間や納付の勧奨のための仕組みなどもさまざまでございます。債権管理につきましては、こうしたそれぞれの制度の持っている特性を活用しながら進めていくことが必要であり、各制度のもとで実務を担っている所管で行うことが重要であるというふうに考えております。債権管理担当といたしましては、債権管理対策会議等を通じまして区債権の全体調整、進行管理などを担っております。こうした全体を統括する組織と実務を担う組織と連携させながら、全庁を挙げて収納率の向上を目指しているところでございます。したがいまして、改めて債権管理に係る組織、一元化することについては、現在のところ考えておりません。
○酒井委員 いや、そういう御答弁をされますと、例えば、滞納処分しなければならない強制徴収公債権もできていない現状があるわけでしょう。それから、私債権もそう、非強制徴収公債権もそうじゃないですか。けど、各所管でやったほうがいいと。けど、できていない現状があるじゃないですか。これ、僕、通告していないですけど、そういう御答弁をされるんだったら、じゃあ、現状どういうふうにできていないのか検討し、そして、各所管でできるような体制を庁内で支援していくのか。それとも、債権管理分野がするのか。そういうことを考えなければいけないと思いますよ、本当に。質問はしませんが。
じゃあ、次、この項の最後です。延滞金のルールをお尋ねします。地方自治法において、条例に定めがあれば延滞金を徴収できることになっております。しかし、これまで中野区は延滞金の統一したルールや基準がなく、債権によってばらばらでした。このことを私、平成28年第2回定例会本会議一般質問において、負担の公平性の観点からも統一した考え方を持つべきであると指摘をさせていただきました。その際、答弁では、区債権については延滞金を定めているものがありますが、その定めがないものもあります。事業の趣旨等が異なることもあり、統一的な取り組みは決めてございませんが、負担の公平性の観点から延滞金を徴収することができる債権については、その基準の統一化も含めて検討してまいりますとありましたが、現状どのように改善されていますでしょうか。
○石濱経営室副参事(行政監理担当) 現状、延滞金を徴収している債権は、特別区民税、軽自動車税、国民健康保険料、それから介護保険料でございます。後期高齢者医療保険料につきましては、延滞金の徴収に向けたシステム改修が終了しまして、現在、徴収のための準備を行っているところでございます。その他の公債権の延滞金、私債権の遅延損害金、これの徴収につきましては、その考え方を各所管で調査をしております。調査の結果、福祉的な観点から債権の性質上徴収していないもの、それから、債権額が少額で徴収していないもの、本人の善意による過誤払いの発生のため徴収していないもの等の理由がございました。延滞金等の徴収につきましては、それぞれの債権が持っている特性を十分見きわめながら、実務を担う所管の判断も考慮し、今後進めてまいります。
○酒井委員 こういった未収金の対策において、滞納処分というのは「取る」というそうですね。それから、どうしても納めていただくことができない方に関しては不納欠損処分をする。それを「落とす」というそうですね。そういった中で生活に困窮されている方には、しっかりと生活保護、それから、生活援護分野につなぐということが大切だと思うんですよ。すなわち、取る、落とす、つなぐというふうなことを適宜適切に行っていただき、中野区の債権の保全に努めていただきたいと思います。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、性質別歳出で人件費についてお尋ねいたします。2,000人体制の実現によって、この人件費の数字は大きく改善されているんだと思っております。一方、昨今行政ニーズというのは非常に高く、それからまた、単純業務というものは委託をされており、職員の皆さんも日々の業務が大変なんだろうなと思っているところであります。人事行政においては、限りある職員の能力をいかに高め引き出すか、これが不可欠だと思っております。そういう意味では、組織のマネジメント機能の強化、そしてまた、人材育成が肝であると考えます。そこで、組織マネジメントの強化で1点お尋ねします。行政組織の人もお金も減少する中、限られた資源を迅速かつ有効に配分し、柔軟に活用しなければなりません。中野区では事業部制を導入し、各部に予算編成や職員の配置の権限を与え、部長の指揮のもと、部の目標達成のための組織運営をしておりますが、例えば、部や室内で業務によって繁忙期が異なったりするところもあるんだと思うんですね。そんなときに、部長、室長が弾力的な組織運営を行って、部内の職員配置を適切に行う。これが組織マネジメントの強化につながると考えますが、担当の御所見をお伺いするのとあわせて、具体例もあればお聞かせください。2点、ちょっとまとめて御質問します。
○田中経営室副参事(人事担当) 超過勤務の縮減に向けた取り組み等で、各部に対しましては月45時間を超えることが想定される場合には、応援体制をやるとか、それから、業務執行方法の見直し等、こういう取り組みに努めるように周知をしているところでございまして、各部におきましては部の目標達成に向け効率的な事務の執行を行うために、組織を適切に運営しているものというふうに認識をしてございます。具体的な例でございますけれども、平成27年度、平成28年1月から3月の期間でございますけれども、区民サービス管理部におきまして、マイナンバー通知カード返戻対応におきまして、休日窓口の設置の際に部内での応援体制により対応した事例がございます。また、直近では待機児童対策につきましても部内での体制強化を図っているところでございます。
○酒井委員 マイナンバーの対応、それから、待機児の緊急対応ということを考えると、よほど大きな案件でしか、なかなかそういうふうな部内での弾力的な組織運営というのができていないところがあるのかなとも思いますので、こういったところは今後のポイントになってくると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
時間がありませんので、再任用職員さんの件に関しては飛ばしまして、次に人材育成についてお尋ねしたいと思います。これまで退職不補充により定数減を進め、職員2,000人体制を達成されました。一定の評価をしております。他方、年齢層で見ると、逆ピラミッドのいびつな組織体制になっておりましたが、27年度82名、28年度89名、今年度133名と、多くの職員新規採用を始めております。27年度から10年間で約1,000名の職員が入れかわる状況下、職務のノウハウの継承と人材育成が肝になってまいると考えております。基礎自治体の職員は、住民の皆さんに一番近い存在だと思うんですよ。だからこそ職員一人ひとりの能力が向上すれば、住民サービスの向上にもつながると考えております。そういう意味では、職員研修の充実ですね、未来への投資をしっかりとしていかなければなりません。
そこで、職員研修についてお尋ねしたいと思います。職員研修費は、28年度決算で742万円余、そして、特別区共同研修等の分担金721万余と合わせて1,500万円弱、研修経費に計上されております。その一方、28年度は、職員能力検定制度、eラーニングと、それからまた大学等派遣研修制度が休止されているんですね。この二つで約250万円程度、研修費としては減額となっております。新たな研修制度を考えていただきたいと思っております。この廃止理由はお尋ねしません。次に行って、例えば、従業員数2,000人規模の民間企業の職員研修や能力開発にかける費用は、中野区の研修費用と比べてみるとどのような状況でしょうか。
○桜井経営室副参事(人材育成担当) 区役所には多様な職務がございまして、民間企業との比較は難しいところはありますけれども、また、内部講師の活用などに経費がかからない研修も実施しているところではございますが、民間企業に比べて研修経費は少ない状況と認識してございます。
○酒井委員 お金をかければいい問題でもありませんし、民間と地方公共団体は異なるところも理解しております。しかし、10年後には20代、30代の職員が半数を占めるとお聞きしております。限られた若手人材を将来の管理職として、計画的に早期に育成していくことも課題であるんだろうと思っております。そういった意味からも、今、御答弁されました人材育成担当副参事が新たに配置され、区長としてもそういった必要性というのは認識されているんだろうと思っており、評価もしているところであります。ただ、今後、(仮称)人事構想なんかもまとめ上げていかなければならないと思うんですね。それから、毎年100名の職員採用を行って、そしてまた研修、育成をやっていくとなると、ここの人事分野のところにやっぱり手厚い支援といいますか、体制をつくっていかなければならないと僕は考えておるんですが、そのあたり御答弁いただけますでしょうか。
○桜井経営室副参事(人材育成担当) 10年後に目指すべき職員像を実現するためには、育成にかかわる人や研修体制及び各部との連携など、さまざまな工夫を行いながら職員育成の体制を強化していく必要があると考えてございます。(仮称)人事構想で基本方針を示した上で、基本的には各部ごとに人材育成に取り組むこととしておりますが、経営室人事分野が支援体制を整えるなど、計画的で実効力のある人材育成を行っていきたいと考えてございます。
○酒井委員 次に、経験者採用についてお尋ねします。経験者採用は、組織の活性化、庁内の意識改革、また、民間での豊富な経験のある即戦力の活用が期待できます。先ほど御答弁いただいた副参事も、民間でばりばりそういった人事のことに関しても取り組んでいらっしゃったとお聞きしております。中野区の経験者採用を拝見すると、5年間の推移を見ると、25年度経験者採用0名、26年度0名、27年度1名、28年度2名、29年度、今年度は14名とあります。もちろんマッチングの問題はあると思います。しかし、区として社会人採用、経験者採用に対する考え方、理念がなかなか見えないですね。こういったところも今後しっかりと(仮称)人事構想の中でしょうかね、位置付けていく必要があると考えますが、いかがですか。
○田中経営室副参事(人事担当) 経験者採用についてでございますが、年度によってばらつきがあるものの、即戦力としての役割、それから専門性、民間におけるノウハウを発揮すること、これらを期待して採用を行っているところでございます。今後につきましても、多様な行政サービスに適切に対応するとともに、高度化・専門化する行政サービスを迅速に遂行していくためにも、積極的に経験者の採用を行っていきたい。また、本年策定する予定の(仮称)人事構想におきましても、一定の考え方について盛り込んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。性質別歳出について、人件費についての質疑をこれで終わらせていただきたいと思います。
次に、目的別歳出で、子ども教育費についてお尋ねしたいんですが、こちら、1点、ちょっと絞ってお尋ねさせていただきたいと思います。教育費全般でお尋ねします。本来は就学前と就学後に分けてお尋ねしたかったんですが、ちょっと時間の都合上、集約させていただきます。
28年度決算、子ども教育費は275億2,260万円余であります。人口減少時代にこの東京という立地にあぐらをかいちゃいけないなと思っております。それで、この人口減少時代に地方で税収を増としている自治体に共通することは、やはり手厚い子育て支援であったり、公教育の充実であると思っております。大阪府では箕面市ですね。それから、兵庫県では明石市。非常に手厚い子育て支援、それから、教育行政を展開しているところであります。私も、自治体の魅力を発信する大きなすべ、選ばれる自治体になる一番の方策は、手厚い子育て支援と公教育の充実であると考えております。そこで、決算カードの教育費の割合は、中野区は23区でどのような状況なのか、ちょっと確認してみました。御承知のとおり決算カードは、総務省の定める基準により各地方公共団体の会計を統一的に再構成したものです。各地方公共団体の財政状況の把握、地方財政全体の分析等に用いられます。これが一番他区との比較もできるんじゃないのかな。ただ、単年度だけでは、その年の学校の改築だとか新校整備だとかがあればどんと膨れ上がりますので、5年間さかのぼって23区の普通会計に見る教育費の割合の平均値を調べてみました。28年度も含めれば一番よかったんですが、他区との比較材料がまだなかったので、23年度から27年度の教育費の平均値になりますが、一番高かったのは19.2%の江東区、2番目が18.9%の文京区、3番目が18.7%の中央区。これ、江東区、中央区なんかはタワーマンションの増加により児童・生徒がふえ、新校整備があった影響なんかもあるのかなと。ただ、文京区なんかは18.9%なんですね。
すると、中野区の決算カードによる教育費の割合、5年間の平均は9.8%です。23区中20番目でした。私も真ん中あたりなら、教育費の増額もなかなか強く要望することもできないのかな、なんて思っていたんですけど、23区中20番目ですから。そうはいっても、施設整備に目を向けると、トイレの洋式化や特別教室の冷房化なども計画的に取り組んでくださっている。それから、さまざま各学校を見てみますと、施設整備なんかも取り組んでくだっておるのは理解しておりますし、感謝もしているところです。ただ、小P連、中P連の要望は毎年同じような要望もあり、なかなか改善されていないところもあるのかなと。それからまた、個々の要望なんかも読み込むと、何とかできないのかな、なんて感じるところでもあるんですね。中P連の要望書は、私たちの要望は、あったらいいねという贅沢なものではなく、なくてはならない必要な事柄だけですと締めくくられております。もちろん施設の整備だけじゃなく、手厚い中野の教育行政であっていただきたいと思ってはおります。
るる申し上げましたが、この23区の中で下位にある教育予算の現状を予算担当はどう考えているのか。それからまた、来年度の予算編成に反映していただきたいんですね。それをちょっとお聞かせください。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 教育費の決算の構成比でございますけども、23区中で少ないということについては認識しているところでございます。先ほど委員からも御紹介がございました、学校施設を増設していくなど教育費の構成比率が高まるといったことなど、予算は各区それぞれの行政需要から毎年度実施する事業の内容によって上下するというところでございます。単年度予算の多寡によりまして、教育予算の水準を判断すべきではないというふうに考えているところでございます。29年度予算につきましても、必要な教育費については予算措置を行っているところでございまして、今後も必要に応じた予算措置を行ってまいりたいというふうに考えております。
○酒井委員 すみません、単年度で聞いていないですよね。単年度でそういったことは判断するものじゃないと、今、御答弁されたでしょう。僕は、5年間の平均値で見てどうですかというふうにお尋ねしているんですから、御答弁がおかしくなるんじゃないですか。違いますか。
○海老沢政策室副参事(予算担当) 構成比につきましては、23区の中で少ないということについては認識しているところでございます。ただ、予算の規模ということではなく、必要な事業について予算措置を行っているということでございまして、今後も必要な事業について予算措置をしていくという形で進めてまいりたいと考えております。
○酒井委員 予算担当さんは、もちろん中P連・小P連さんからの要望書なんかもお読みになっていると思いますが、こういった教育費の比率なんかもまた参考にしていただいて、手厚い中野の教育行政になるように取り組んでいただきたいと思っております。
以上で28年度決算についての質問を終わります。
次に、子どもの自殺を防ぐ取り組みについてお尋ねします。夏休み明けに子どもたちの自殺が多く、関東近郊でも、ことしもそういった痛ましい事件がありました。そういう中で、中野区から何かができないのかな、そういう思いで今回質問させていただきたいと思っております。
まず、夏休み明けの子どもの自殺が多い現状を区としてどう捉えているのか。そしてまた、夏休み明けに自殺が多いことに対する取り組みは何かありますでしょうか、お聞かせください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 児童・生徒の悩みは、進路問題、学業不振、友人関係の悩みなどの学校的背景、保護者との不和などの家庭的背景、依存的性格・衝動的性格などの個人的背景があると捉えており、長期休業中に不安が増すと考えられます。そのため長期休業明けは慎重に対応すべきであると考えてございます。本年度は、夏休み前に保健所と共催し、教員に向けた自殺に向かう心理状況を含めた基礎知識を習得し、解放することができるようにするためのゲートキーパー養成講座研修を行いました。各校は、夏休み前に配慮を要する児童・生徒を把握し、夏休み中の生活について確認するとともに、困ったことがあったら連絡をするなどのお声がけをしております。また、夏休み明け1週間前に、各校は配慮を要する児童・生徒へ連絡をとって状況を把握しているところでございます。教育委員会としては、その結果を踏まえ、必要に応じて助言をしてございます。さらに、学校から9月1日の出席状況を聞き取り、全ての児童・生徒の状況把握に努めてきたところでございます。
○酒井委員 御丁寧にありがとうございます。鎌倉市なんかは、学校が始まるのが死ぬほどつらい子は図書館へとツイッターで発信したり、それから、上野動物園もありましたよね。「学校に行きたくないと思い悩んでいる皆さんへ。アメリカバクは、敵から逃げるときは一目散に水の中に飛び込みます。誰かの許可は要りません。脇目も振らず逃げてください。もし逃げ場がなければ動物園へいらっしゃい」。これ、アメリカバクの写真を添えてツイッターで発信したそうです。子どもたちに学校か死だけじゃなく、学校に行かない選択肢があるというのも発信できないのかな、なんて思うんですね。それからまた、就職すれば、アルバイトをすれば、大学に行けば世界が変わるわけですから、そういう発信も区として、もしできるのであればやっていただきたいと思っております。区として現状は、学校でのいじめ、困っていること、平日の午前9時から午後5時まで電話で相談を受ける、こども110番を実施していると思いますが、その実績を教えていただけますでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 こども110番の相談件数は、平成24年度14件、平成25年度15件、平成26年度8件、平成27年度13件、平成28年度8件となっております。
○酒井委員 担当さんはこれ、状況は、この数字、どう捉えていらっしゃいますでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 各学校では、学校いじめ防止基本方針を定め、いじめの事前防止や早期発見・早期対応に取り組んできたところであり、担任やスクールカウンセラーなどが児童・生徒の相談窓口となっていることや、区のいじめアンケート等がいじめを訴える場となっているためと捉えております。
○酒井委員 やっぱり電話で相談するというのは、ちょっとハードルが高いのかなとか、そういうふうには、室長、思われませんか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 子どもたちの実態として、電話をかける程度というものは承知しておりませんが、必要に応じて使用するというようなことであるというふうに捉えています。
○酒井委員 そこでちょっと御提案させていただきたいのは、千葉県柏市では、市立中学校20校全てに生徒が匿名でいじめを通報できる、いじめ報告相談スマートフォンアプリ「STOPit」を導入しました。市では、ネット上におけるいじめの早期発見と抑止力を生み出すための新たな手だてとして、多くの生徒がただ傍観者になってしまっているとの視点に立ち、ネットいじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するための脱いじめ傍観者に向けた指導を行っており、いじめる側、いじめられる側以外の第三者の生徒が行動を起こせるようにするのが狙いだそうです。STOPitは、いじめを受けている本人はもちろん、第三者がネットのSNSなどで自分を攻撃する投稿を発見したときに、その画面をスクリーンキャプチャーでき、それを親や先生など信頼できる大人に報告できると。教育委員会に報告できるんですね。それからまた、このSTOPitのシステムの構造は、ネットのSNSなどでいじめ等の不適切な行為を受けている本人はもちろん、目撃した人が匿名で学校などの組織担当者に報告・相談ができるSTOPitモバイルアプリと、報告・相談を受けた導入組織担当者が適切に管理・対応できる効率的な管理ツール、「DOCUMENTit(ドキュメントイット)」によって構成されております。また、報告・相談内容に関してさらなる聞き取りが必要な場合は、メッセンジャーでチャットをすることができるそうなんですね。そしてまた、既存の関係する相談窓口にも発信できるようになっております。柏市はこれを導入しました。2カ月で60件相談が寄せられているそうです。今までの相談は年間28件だったそうです。2カ月で年間の相談件数の倍になっているんですね。今の子どもたちにとっては、電話相談はハードルが高く、スマートフォンで匿名で、画像送信やチャットで報告・相談できるといった、より子どもに身近なツールが必要なんじゃないかと思うんです。今確認すると、こちらのアプリも非常に安価だそうですので、ぜひ区として導入を検討していただきたいと考えますが、いかがですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 相談の在り方については、まずはゲートキーパー養成講座研修にあるような、学校が受けとめる取り組みを進めてまいります。それに加え、現在の区の電話相談や東京都教育相談センターが行っているアプリからの電話相談の周知など、さまざまな方法で取り組んでまいります。アプリの活用については、他市区の取り組み状況や効果を参考に検討してまいります。
○酒井委員 検討、検討なんですね。それで、東京都のほうの相談アプリというのは、そのアプリに行って、結果、また電話につながっちゃうんですよね。要するに、匿名で報告とか相談することができないんですよ。そのアプリに行っても、また東京都に電話がかかっちゃうんですよ。けど、電話を今までのように、こども110番のように電話で受け付けておっても、なかなか子どもたちの声が届かない現状があるじゃないですか。だからこそ、こういう数字の事例だとかを出させていただいて、御検討いただけないですかというふうにお聞きしているんです。もう一度御答弁いただけないですか。いかがですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 電話での相談は、臨床心理士等が声のトーンも含めまして子どもたちの状況を把握するということで、有効であるというふうに考えています。その中で対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○酒井委員 室長、やっぱり数字も少ないんですね、電話相談だと。それで、先行的に導入した柏市の事例は、もうそういった匿名の報告・相談の件数は、年間の相談件数を2カ月で優に超えているわけなんです。そういったところをぜひ考えていただきたいんです。検討、検討というふうにおっしゃいますが、やっぱり子どもたちにとってはそういった匿名で報告や相談できる、今の子どもたちに合ったものが必要だと思っていますので、また検討してくださいと僕も言いづらいんですけれども、やっぱり深く考えてください、本当に。要望にします。
最後の質問ですが……
○高橋(か)委員長 酒井委員の質疑の途中ですけれども、委員会を休憩します。
午後4時59分休憩
午後5時00分開議
○高橋(か)委員長 再開します。
○酒井委員 すみません、5時になりましたので、委員長、御配慮いただきありがとうございます。
この項の最後の質問です。自殺対策基本法が28年3月に改定されましたね。第2章自殺総合対策大綱及び都道府県自殺対策計画等、13条2において、市町村は、自殺総合対策大綱及び都道府県自殺対策計画並びに地域の実情を勘案して、当該市町村の区域内における自殺対策についての計画を定めるものとあります。東京都の保健福祉局の自殺総合対策会議が、先日1回目の会合を開きましたね。自殺総合対策大綱にのっとった計画の議論が始まりました。この自殺対策というものは、学校現場だけではなく、さまざまな要因が絡まっていると僕は思います。横断的に関連する分野と連携をとりながら、計画の取りまとめを行っていただきたいと考えますが、今後の予定とあわせて最後にお聞きし、この項の質問を終わります。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 自殺対策について横断的な連携が必要ということで、平成24年度から関係分野による自殺対策担当者会議で検討しております。今年度、新たに教育委員会と共催で研修を開催するなど連携を進めているところです。今後も関係分野で連携して自殺を防ぐ取り組みを進めてまいります。また、計画につきましては、市町村は都道府県自殺対策計画を勘案して定めるものとするとされており、都の計画策定の状況を注視してまいります。都の計画は平成30年5月策定予定と聞いております。また、国のガイドライン作成や他区の状況も調査してまいります。
○高橋(か)委員長 それでは、酒井委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。
委員会を休憩します。
午後5時02分休憩
午後5時06分開議
○高橋(か)委員長 委員会を再開します。
理事会の報告をします。酒井委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、酒井委員から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月20日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時07分散会