中野区議会区民委員会〔平成29年12月5日〕
区民委員会会議記録
○開会日 平成29年12月5日
○場所 中野区議会第2委員会室
○開会 午後1時00分
○閉会 午後4時20分
○出席委員(8名)
伊藤 正信委員長
森 たかゆき副委員長
細野 かよこ委員
いでい 良輔委員
内野 大三郎委員
北原 ともあき委員
小杉 一男委員
久保 りか委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
区民サービス管理部長 戸辺 眞
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 古屋 勉
区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 中谷 博
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀
区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 渡邊 健治
区民サービス管理部副参事(保健事業担当) 河村 陽子
区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 古川 康司
環境部長 白土 純
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 高橋 均
環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 波多江 貴代美
清掃事務所長 滝瀬 裕之
環境部副参事(生活環境担当) 高橋 英昭
○事務局職員
書記 野村 理志
書記 冨士縄 篤
○委員長署名
審査日程
○所管事項の報告
1 中野区国民健康保険データヘルス計画(素案)について(保健事業担当)
2 介護保険制度に係る指定居宅介護支援事業等の運営等に関する基準の考え方について(介護保険担当)
3 「中野区みどりの基本計画」改定における施策(新規・充実)の検討状況について(地球温暖化対策担当)
4 「(仮)中野区住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例」(素案)に盛り込むべき主な内容に関する意見交換会の結果及び条例に盛り込むべき主な内容(案)等について(生活環境担当)
5 その他
(1)ごみゼロ推進分野執務室移転に伴う食用油回収拠点の変更について(ごみゼロ推進担当)
○地方都市行政視察について
○所管事務継続調査について
○その他
委員長
定足数に達しましたので、本日の区民委員会を開会します。
(午後1時00分)
本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思います。また、3時ごろに休憩をとりたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
議事に入ります。
昨日に引き続き所管事項の報告を受けます。
1番、中野区国民健康保険データヘルス計画(素案)についての報告を求めます。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
中野区国民健康保険データヘルス計画(素案)について御報告をさせていただきます。
お手元の資料をごらんください。(資料2)急速な高齢化、医療の高度化等を踏まえ、医療費の適正化に向けた取り組みが喫緊の課題となってございます。中野区は保有している健康や医療に関する情報を活用し、効果的で効率的な保健事業を展開するために、中野区国民健康保険データヘルス計画の策定を行います。
1番、中野区国民健康保険データヘルス計画素案の内容でございます。こちらは、概要版と素案のほうで御説明をさせていただきます。本日お配りさせていただいております素案につきましてはカラー印刷にはなってございませんので、カラー版に関しましては後ほど電子データでごらんいただければと存じます。
なお、素案につきましては、各ページに用語説明を載せておりますので、そちらも御参考にしていただければと思います。
では、概要版の1ページをお開きください。(1)中野区の状況でございます。区の人口はこの3年で増加を続けてございますが、区の国民健康保険被保険者数は年々減少してございます。
(2)レセプトデータによる医療費分析でございます。平成26年度と平成28年度の年間医療費を比較しますと、被保険者数の減少、1人当たりレセプト件数の減少等により209億円から200億円となり、9億円減少してございます。
2ページにお進みください。レセプトに占める65歳以上の前期高齢者の患者様の割合は28.1%となっており、医療費に占める割合は50.5%と半分以上を占めてございます。医療費の割合としましては、悪性新生物が最も多く、次いで精神系疾患、筋骨格系疾患となってございます。こちらを東京都と国と比較いたしますと、1位となっている悪性新生物に関しては若干高くなってございます。医療レセプトの中の外来と調剤レセプトについて、ジェネリック医薬品の使用状況を見てみますと、数量ベースでは右肩上がりにふえている状況になってございます。
(3)特定健康診査・特定保健指導の実施状況でございます。こちらは平成20年度の制度開始以降、減少を続けている状況にございます。
(4)特定健康診査の結果とレセプトデータの複合分析でございます。下の図にございますとおり、レセプトと特定健診の結果をあらわしますと、保健事業の対象者を抽出することができます。これに基づきまして、これから御説明いたします保健事業のほうを今後予定していきたいと考えてございます。
以上のような分析結果につきましては、素案の45ページから46ページにまとめて記載してございますので、後ほどお読み取りいただければと存じます。
それでは、概要版の3ページにお進みください。今後取り組む保健事業の内容と目標でございます。まずは、減少を続けている特定健康診査の受診率の向上の取り組みでございます。1番目としまして、受診勧奨をグループ分けしてその方々に応じた効果的な勧奨を行いたいと考えてございます。2番目としまして、受診しやすい環境の整備ということを考えてございます。スケジュール、評価等はお読み取りください。
4ページにお進みください。こちらは特定健康診査以外の受診率向上の取り組みでございます。①の診療情報収集につきましては、先ほど概要版の2ページで御説明させていただいたところではございますが、特定健診を受けていらっしゃらない方の中にかなり医療機関にかかっていらっしゃるという方がいることがわかってまいりました。そういった方たちから御本人の同意の上で健診結果をいただいて、受診率のほうに反映したいと考えてございます。スケジュール等に関してはお読み取りください。
5ページにお進みください。特定保健指導の実施率向上についての取り組みは3点予定をしてございまして、勧奨方法の拡充ということで電話勧奨を含めた効果的な勧奨を進めたいと考えてございます。②としまして、結果説明日での初回面接の実施ということで、現在特定保健指導に関しましては、結果から初回面接まで2カ月を要しているという状況になってございます。そちらに関しまして、医師会の先生方と御相談をさせていただきまして、結果説明日に初回面接が実施できるような仕組みを整えたいと考えてございます。そのほか③として、委託事業者の追加ということで、医師会以外の事業者のほうもふやしていきたいと考えてございます。
概要版の6ページにお進みください。こちらは生活習慣病重症化予防事業でございます。区民委員会のほうでも御説明をさせていただきまして、当担当のほうで今年度より実施をしている糖尿病性腎症重症化予防事業につきましては、今後も継続して取り組んでまいりたいと考えてございます。
7ページにお進みください。こちらはそのほかの生活習慣病重症化予防対策ということで、先ほど概要版の2ページで御説明をしましたとおり、医療機関に受診しなければならない状態にもかかわらず受診をされていないという方がかなりいらっしゃることがわかってまいりまして、そういう方たちの受診勧奨を図っていきたいと考えてございます。
8ページにお進みください。8ページは医療費適正化ということで、ジェネリック医薬品の利用促進、9ページは、医療費適正化ということで、適正受診・適正服薬に関する指導事業ということで予定をしてございます。
概要版の10ページにお進みください。こちらは第三期特定健康診査等実施計画になります。今回のデータヘルス計画は特定健診実施計画を一体的に策定するというふうになってございまして、こちらのほうも記載をさせていただいているところでございます。後ほどお読み取りください。
それでは、委員会資料のほうにお戻りください。2番の計画の推進体制でございます。こちらにつきましては、保険医療分野として取り組む重症化予防事業、医療費適正化については引き続き進めてまいりたいと考えております。その上で、(1)地域包括ケアシステム構築への取り組みということで、健診結果や診療情報などの分析結果をもとに地域包括ケアシステムの構築への取り組みを推進したいと考えてございます。
(2)関連分野との連携ということで、がんに関する分析はがん検診を担当する健康推進分野、感染症に関する分析については保健予防分野と共有するなど、関連分野へ分析結果を報告いたします。また、地域の支援拠点であるすこやか福祉センターの健康づくり事業とも連携をいたしまして、広く健康づくりを支援するいわゆるポピュレーション・アプローチに生かしたいと考えてございます。
裏面をごらんください。(3)他保険者等との連携による健康課題の抽出、明確化ということで、国民健康保険被保険者の健康課題をより明確化するために、協会けんぽやその他の保険者等とも連携をし、効果的・効率的な事業展開を図ってまいりたいと考えてございます。こちらに関しましては、素案の57ページにこれまでの協会けんぽとの連携状況を記載してございますので、後ほどお読み取りいただければと思います。
3番、中野区国民健康保険データヘルス計画の期間でございます。平成30年度から平成35年度までの6年間とし、先ほどお話ししました第三期特定健康診査等実施計画と一体的に策定を行います。
4、今後の予定でございます。1月に区民との意見交換会を3回行います。そのほか別途三師会の先生方には御説明の機会を設けさせていただく予定でございます。
2月に計画案の作成とパブリック・コメント手続を行いまして、3月には計画の決定、公表を予定してございます。御報告は以上となります。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
小杉委員
概要版の3ページ、評価指標及び目標のところです。アウトプット指標とアウトカム指標という言葉があって、私は正直よくわからないと思って、言葉だけであれば、事業実績に関連する指標がアウトプット指標で、アウトカム指標が成果指標ということなんですが、言葉の意味がわかったとしても、ちょっと意味がわからないということなんです。この指標に掲げているものについてこの目標を掲げていますということで、アウトカムは結果として全体としてどうなのかという指標ということなんでしょうか。その辺が、言葉としてだけではなくて、切り分ける意味がよくわからないというか、この計画案のほうにも書かれてあったので、どうなのかと御説明いただきたいと思うんです。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
今御質問いただきましたアウトプット指標とアウトカム指標についてでございますが、簡単な御説明を素案の47ページの下のところに記載をさせていただいております。今お話しいただいたような中身でいいかと思うんですけれども、アウトプットというものに関しては、事業の実施量です。特定健診の受診率ですとか、実施率ということが当たります。アウトカムは、それによってどういう結果になったかということをあらわす指標になっておりまして、法定の受診率のほうを挙げさせていただいております。
小杉委員
これを見てもあまりよくわからないんですけれども、頭のいいビジネスマンだったらわかるんでしょうけれども、これを見てもわかりにくいと思いました。御検討いただきたいと思っております。
これはアウトプット指標を見ると、非常に細かいですよね。概要版5ページのアウトプット指標でも、①に対してこれを細かくやるということは、例えば実施のときに当然この辺はきちんとチェックをして数値化していくということなんだろうとは思うんですが、非常に大変ではないかと思ったんですが、それは大丈夫ということなんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
今御指摘いただきましたとおり、データヘルス計画というものはかなり評価のほうを重視してございます。PDCAサイクルを回して評価をして、次の事業改善につなげるようにということになってございますので、指標のほうもかなり細かく設定をさせていただいております。特に特定保健指導につきましては、勧奨でどのぐらいの効果があるのか、あとは結果説明をすぐに行うことで評価がどうなのかということとか、事業者を追加することでどのぐらい上がるかということを踏まえて、全体の目標値というのを設定させていただいてございます。
小杉委員
この特定保健指導の②のところは、結果説明日での初回面接の実施ということで、やるのは非常に大変だろうと、そのときの看護師さんとかが態勢を整えてやっていくということなので、非常に大変だなという感じはしたので、数字的には見込んでいるんだろうと思いました。
概要版4ページ目の②ですけれども、これは職場健診の結果を収集ということなんですが、具体的には制度化するということなんですが、どのような制度を構築しようとするのか。当然職場には健診を受けたかどうかを把握したとしても、中身は当然わからないわけで、あと人の関係の中でどうやって構築していくことを考えているのか、御説明いただけますか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
職場で健診を受けていらっしゃる方々の結果をいただくということはなかなか難しいことかと考えてございます。来年度制度構築ということで、どういった形であれば御本人様に結果のほうをいただけるのか、周知を図っていくことを中心に検討していきたいと考えてございます。
久保委員
データヘルス計画は、以前から我が会派からも早く計画をということを求めてきて、今回素案をいただきまして何点か伺いますが、概要版のほうのレセプトに占める65歳以上の前期高齢者の患者割合28.1%、医療費に占める割合は50.5%ということで、こちらのほうの計画自体の12ページに表があるんですけれども、この患者割合に対しての医療費に占める割合が半分というのはものすごく率が高いですよね。この辺のところはどのように分析されていますか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
今御指摘いただきましたように、高齢化されるとお一人にかかる医療費というのがかなりかかってきているというふうに判断をしてございます。ですので、若いうちからお病気にならないようにしていただいたりですとか、病気の重症化を防ぐということに取り組んでいただくことで、このあたりの数値のほうを下げていければいいかと考えてございます。
久保委員
御高齢になられて幾つも持病をお持ちになられて病院に通われているというケースもあれば、滅多にない話かもしれないんですけれども、時間があるから病院に行きやすいというか、働いていらっしゃる方は我慢してしまって病院に行かれないというところもあって、そういう中で高齢の方たちが行きやすいという環境なのと、また、働き盛りの方たちが実際には通院したくてもできないという環境もあるのかなと思うので、そういったところも、本当に区民の健康ということを考えますと、どこにこういった原因があるのかということをきちっと分析していく必要があるのではないかと思うんですが、その辺はいかがお考えですか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
今御指摘をいただきましたように、時間があって医療機関のほうにかなりおかかりになってしまうという方が一方でいらっしゃるということが私どもの今回の分析のほうでもわかってございまして、そちらを素案の21ページのほうで記載をさせていただいております。こちらに関しては、主に精神系の病気、あとは痛みを伴う病気の方が多いのかなというふうに思っているんですけれども、こういった方に対して適正な受診回数を促すということに取り組んでまいりたいと考えてございます。
そのほか、今御指摘も1点いただきました働き盛りの方が通院できるようにということで、まずは若い世代の方も特定健診が受けやすくなるような仕組みというのを来年度検討していければと考えてございます。
久保委員
若い方たちが重症化をしてしまわないように未然に防ぐということと、ここの中にもありますけれども、地域包括ケアの中で、高齢の方たちを病院という形がいいのか、そうではなくて介護予防事業などにつなげていくことによって、病院ではないところで健康というものをきちっと維持していただける方向があるのかということも、そこもしっかり検討していかなければいけないところではないかなと思うんです。
精神疾患ということで今ちょっとお話がありましたが、医療費の割合が、がんが最も高く、次いで精神系疾患というのも、これも非常にショッキングな分析であるなと思うんです。この辺のところは精神系疾患がこのように多いというのが、中野区独自のそういった傾向であるのか、そうではなくて全国的にこういった傾向があるのか、また、その理由はどのように現状では分析されているのかお伺いします。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
今御指摘をいただきました包括ケア分野との取り組みによる包括ケアシステムの構築についてでございますが、現在、ちょうど計画を作成するとともに、包括ケア分野の職員ともやりとりをしまして、健診ですとかレセプトデータの分析結果を提供して、より効果的な予防事業ですとか、日常生活総合支援事業のほうにつながるような仕組みを何とかつくれないか、医療機関にあちこち通うというよりは、そういった制度のほうにのっていただくような仕組みがつくれないかと考えているところでございます。
もう一つ精神の病気についてのお話ですけれども、こちらに関しては、東京都全体でもかなり疾患をお持ちの方は多い状況になっているかと思います。以前に比べましてかなり医療機関もふえてございますし、あと患者様たちの中に、以前は精神科にかかるということのハードルが高かった部分が、比較的通いやすくなったということも一つの理由になっているのではないかと考えております。
久保委員
精神疾患で現代的なさまざまな病もありますし、また、認知症等でということもあるのかなと思いますが、精神疾患の方たちが病院に通いやすくなったという状況自体は、これはいい傾向だと思うんです。我慢したりひきこもってしまったりということがないような形で、ただ、この精神系疾患の方たちというのも、理由はさまざまだと思うので、その辺のところで行政として何ができるのかということです。サポート体制でありますとか、そういったところはまた重要ではないか。この結果を単純にこういうふうに高いのだと受けとめるのではなくて、今後大きな課題の一つになってくるのではないかと思いますので、ここのところもよろしくお願いいたします。
あと以前にもお薬のことで、今ページが出てこないんですけれども、残薬チェックですとか、また、薬自体が重複をしてということで、お薬手帳を結構活用されている方が多かったり、また、かかりつけ医だけではなくて、かかりつけの薬剤師さんといいますか、そういったところもあるのではないかと思うんです。そこら辺のところで、今データヘルス計画を立てるに当たって、お薬手帳以外の何か取り組みとして、残薬チェックのあり方や重複のお薬が出ているかどうかをチェックする仕組みですとか、その辺は今どんなことを検討されているんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
素案の53ページのところに、適正受診・適正服薬に関する指導事業ということで記載をさせていただいてございます。今回のデータ分析の中で、お薬の過剰摂取というようなことの評価も出てきておりますので、こういった方への通知等の発送を予定しておりますのと、あと残薬整理指導事業と申しますのは、お薬が出過ぎてしまったものを薬局にお持ちになって整理をしてということになってまいりますので、薬剤師会の薬剤師さんですとか、医師会の先生との連携がかなり重要となってございます。今回のデータヘルス計画を進めるためには、三師会の先生方とかなりやりとりをしていかないと進めることが難しい事業ばかりでございますので、今回の素案に関しても1月に丁寧な御説明をさせていただいて、一緒に取り組む計画のほうを推進していきたいと思っております。
久保委員
お薬を薬局にお持ちいただいて一緒に整理をしてあげるということもですし、埼玉県でしたか、薬剤師による訪問で残薬チェックを行っているという取り組みもあったかと思うんですけれども、どうしても薬が出ないと治療にはつながらないというか、病院に行ってそこでお薬が出て初めて治療につながっていくというところもあると思いますので、飲み忘れも含めて、また、よく精神の病の方だと何件もの病院に行かれて重複してお薬をいただいているというような話もあるかと思いますので、そういったこともしっかり視野に入れながら進めていただきたいと思います。
あともう1点なんですけれども、先ほどの小杉委員もおっしゃっていたけれども、特定健診以外の御自分で健診を受けていらっしゃる方ですとか、人間ドックですとか、さまざまあるかと思うんですけれども、なかなかそういったところの受診の状況というのがわからないということで、せんだって委員会で視察に参りましたときにも、そこの自治体でもお伺いをいたしました。調布市などでは、そういった結果報告を求めて情報提供してくださった方に対して何がしかのインセンティブという形をしているということもあって、区のほうとしても、どういった形が一番いいのかわからないんですけれども、特定健診以外の状況についても掌握をしていく必要があるのではないかと思うので、そういった有効な手だてといいますか、今後検討していただかなければいけないかなと思いますが、その点についてはいかがですか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
ただいまお話をいただきました特定健診実施率向上につきましては、素案のほうの48ページに記載をしてございます。概要版のほうにもお載せをしているところでございますが、職場で受けた健診を下さいと言ってすぐいただけるということはなかなか難しいと思いますので、その辺の制度構築を来年度図ってまいりたいと思っております。診療情報提供の進め方についても、特定健診は受けていらっしゃらないけれども、医療機関にかかっているという方が今回の分析で1万2,000人いらっしゃるということがわかってまいりました。区外の医療機関の方にアプローチということはなかなか難しいので、まずは区外におかかりの方を対象に、主治医の先生からできれば特定健診の受診を勧奨していただく。それがちょっと難しいということであれば、追加の検査をしていただいて、特定健診の結果として区のほうにいただくという仕組みをつくってまいりたいと考えてございます。
久保委員
よろしくお願いいたします。医療費の割合が一番高いのはがんということで、がん検診の受診率の向上というのも、これも一つの課題として今さまざまな取り組みをしていただいていることかと思うんです。がん検診の受診が、特定健診の受診票とあわせてがん検診がスムーズにできるようにということで今までにも求めてまいりましたが、そこがなかなかうまくいかないんです。1カ所の医療機関でそれが済まないというところもあったりしています。この辺についても、がん検診受診率向上のために区民の方たちがどうやったら一番検診を受けやすくなるのかということで、私たちもさまざま質問などで御提案をさせていただいておりますけれども、そういったこともしっかり所管のほうとも検討していかなければいけないのではないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
がん検診につきましても、がん検診のほうを所管しております健康推進分野という分野がございまして、そちらのほうと連携を図りながら進めてまいりたいと考えてございます。今私どものほうで特定健診の所管をしておりますが、執行委任という形で、特定健診に関してはがん検診と一体的に健康推進分野のほうで進めているというところがございますので、連携をよく図って、区民の方に受けていただきやすい仕組みというのを考えていければと考えてございます。
北原委員
このデータヘルス計画ということが示されましたけれども、この計画は各自治体がつくっているものなんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
保険者に義務付けられた計画になってございますので、私ども中野区国民健康保険の被保険者の方のデータヘルス計画を、このたびつくらせていただいているところでございます。
北原委員
それで、概要版の1のところで、中野区の状況の中で、区の人口は3年間で増加を続けているが、被保険者数は平成26年4月と比較すると加入率は減少しているとあります。この要因はどう分析されているでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
制度改正がございまして、昨年度も国保のほうから社会保険のほうに移られたという方がかなりいらっしゃるということで減少を続けていると伺ってございます。
戸辺区民サービス管理部長
補足で言いますと、高齢化がかなり進んでおりますので、国民健康保険から後期高齢のほうに移っていらっしゃる方も相当程度いらっしゃるということでございます。
北原委員
わかりました。ありがとうございました。それで、このデータヘルス計画はすごくいろいろな意味でこれから健康づくりだとかあるいは医療費の削減だとか、さまざまなところで基礎的な資料になると考えておりまして、その辺は三師会なんかの議論の中でもあったと思うんですけれども、こういった資料、データが示された後、これをどう活用していくかということ、これが一番の課題になるわけでありまして、当然医療機関だとか、あるいは中野区はそれに対するものをお持ちだと思います。区民の皆さんが個人的というか、自主的な健康づくりを進めていくためでも、この資料は非常に有益な資料になると思いますけれども、その辺の情報提供みたいなものはできるものかどうか、その辺をお尋ねしたいと思います。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
三師会の先生のほか、広く区民の方にも御意見を伺いながら計画のほうをつくってまいりたいと考えてございますので、このたび意見交換会を実施させていただいたりですとか、あとは今年度、区民と区長の対話集会でもデータヘルスに関して取り上げていただいているので、そういった機会を通してお話のほうをさせていただいております。そのほかホームページでも計画素案等を周知させていただいたりということがございますので、皆様から御意見を伺いながら計画のほうをつくって皆様の健康づくりに役に立つものになっていければと考えてございます。
戸辺区民サービス管理部長
今素案については担当が説明したとおりなんですが、今後この分析結果を区民の方にわかっていただくためには、もう少しかみ砕いてわかりやすく、チラシ、パンフレットみたいな形で御説明していくことが非常に重要だと思っておりまして、あわせて今後の内容について工夫して周知のほうを図ってまいりたいと考えてございます。
小杉委員
この間区民委員会で視察した久留米市のデータヘルス計画を見ると、久留米市の特性というか、疾病別の年齢調整死亡率が高いとか低いとか、あと医療資源がどうなのかとか、そういったところも踏まえられているんですが、その辺は中野区としてはそういったことというのは踏まえて検討されているんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
久留米市のデータヘルス計画の御説明の際に、医療資源がかなり充実しているというお話があったかと思います。中野の場合も新宿にかなり大きな医療機関があって通いやすいというようなことですとか、あと区内にも特定健診を受けられる医療機関ということでかなり充実した環境にはなっているかと考えてございます。
ちなみに、特定健診を受けられる医療機関としましては、区外を含めて650カ所ぐらいありますので、比較的恵まれた環境の中で医療機関にはおかかりいただけているのではないかと考えてございます。
小杉委員
例えば久留米市では、がんについて死亡率が高いとか低いとか、そういう疾病ごとの中野区としての特徴みたいな、これは本とかにもなっていますよね。どの区が大腸がんが高いとか、そういったのは一定踏まえて政策を打つべきだと思うんですけれども、現状としてそういった疾病の特徴とか、医療資源の何科が多いとか、本来そういったものをきちんと踏まえてやるべきだと思うんです。その辺を何となくの話ではなくて、もっときちんと踏まえてやるべきだと思うんですけれども、その辺についてはいかがなんですか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
素案の9ページのところをごらんいただければと思います。カラー版でないと読み取りにくいところかと思うんですけれども、こちらが標準化死亡比と申しますグラフになってございまして、上が悪性新生物の標準化死亡比、下が悪性新生物以外というふうになってございまして、全国、東京都と比較したものとなってございます。
まず、上の悪性新生物のところで見ていただくと、標準化死亡比と申しますのは、100を基本としまして、100より多い場合はその地域で死亡率が非常に高いというふうになりますし、100より低ければ死亡率が低いというものになってございまして、中野の特徴として申しますと、女性の胃がん、あと女性の大腸がんが少ない。逆に肝及び肝内胆管の死亡率が高いという状況がわかってございます。
下のほうの棒グラフに参りまして、こちらは悪性新生物以外の標準化死亡比となってございまして、中野区の女性の脳出血が多い。あと男性の肝疾患が多いという傾向は一定程度把握はできております。ただ、こちらの死因が即疾病と結びつくかと申しますと、なかなか難しいところでございまして、死因、背景、いろいろなものを分析してこれに対しての対策というのは考えていかなければならないところだというふうには考えてございます。
小杉委員
表があったのを見てはいたんですけれども、ごめんなさい。これを初めて見たときに思ったのは、高くなっているとか、評価を事実としては書かれているんですけれども、中野区だけ、今言われた胃がんの女性とか、肝及び肝内胆管とか、これは件数が少ないから誤差があるのではないかと思ったんですが、これは統計上は有効ということなんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
こちらは、今政府のほうで公表されている最新のデータが平成20年から24年のものということで記載をさせていただいているところではあるんですけれども、数のほうは実数を足し込んだという形で積算してございますので、少ないからということではないかと思ってございます。
森委員
データヘルス計画は今後高齢化が進んでいく中で、医療費を抑えていくというところと、きちんと必要な医療が行き渡って、健康に長く生きてもらえるというところを両立していかないといけない中で、非常に重要なものだと思っています。それをやっていくに当たって、細かくいろいろ見ていかないといけないデータもあるし、対応していかないといけない事例もあるということだと思うんですけれども、この計画素案の中に、区全体だけではなくて、日常生活圏域別の分析も行いましたと書いてあって、ざっと見たところ、どういう傾向なのか。人数のところはわかるんですけれども、それ以外に何か見えてきたこととかがあれば教えてください。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
データヘルス計画をつくるに当たって、地区を分析するようにということが一つの項目として挙がってございます。そんな関係もございまして、中野区の場合、生活圏域を4圏域に設定してございますので、何か変化があるかということで今回区全体とともに圏域別というものを出させていただきました。ただ、大きな何か特徴的なことがあったかと申しますと、素案の11ページのところでごらんいただきましたとおり、被保険者の高齢化率が多少中部が低いのかなということが把握はされました。そのほかに関しては、大きな疾病の状況に関しては変わりがないという結果になってございます。
森委員
分析していただいたけれども、何か特別地域ごとに大きく変えないといけないことがあるという状況ではないという感じですね。
もう一つ、ジェネリックの普及なんですけれども、率とか総数とかというのは出していただいているんです。これは、例えば薬局によって割合が低いとか、もしくは病気の種類によって、こういう系統の病気だとジェネリックの普及がなかなか進んでいないとか、そういうのはあるんでしょうか。
河村区民サービス管理部副参事(保健事業担当)
薬局ごとの進みぐあいというのは、申しわけございません、把握ができてございませんが、素案の20ページのところに、院外と院内のジェネリック医薬品の切りかえ状況ということを記載させていただいているところでございます。中枢神経系、精神系のお薬に関しての切りかえがなかなか進みにくいということがありまして、そこが切りかわると効果のほうがかなり高いであろうという分析結果も出ているのではありますが、精神の疾患の患者様の場合、お薬そのものへのこだわりもお持ちだったりしますので、切りかえはなかなか難しいかというふうには思ってございます。
森委員
ジェネリックは100%切りかえられるものでもない。体質によってもいろいろあるというのも聞いているので、無理にというのはなかなか言えないんですけれども、ただ、できるところは切りかえていかないといけないと思いますし、努力していただいているのはわかるんですけれども、まだ改善の余地があるのかなと思いますので、しっかりと取り組みを進めていただきたいと要望しておきます。
委員長
他に質疑はありますか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告については終了いたします。
次に、2番、介護保険制度に係る指定居宅介護支援事業等の運営等に関する基準の考え方についての報告を求めます。
古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
それでは、介護保険制度に係る指定居宅介護支援事業等の運営等に関する基準の考え方につきまして、お手元の資料によりまして御報告をいたします。(資料3)
まず、1番の基準の制定理由でございます。平成26年の介護保険法の改正によりまして、区市町村による介護支援専門員の支援を充実させることを目標といたしまして、居宅介護支援事業者の指定権限を都道府県から市区町村に移譲することとなりまして、平成30年3月31日までに指定居宅支援事業等の運営等に関する基準を区の条例で定める必要があるものでございます。
2番、区で定める基準でございますけれども、国の指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準がもとになってございまして、この国の基準に従い定めること、及び基準を参酌して定めるという二つの類型に従い定めることになるものでございます。
(1)といたしまして、省令の基準に従って定める内容等でございますけれども、①、②と記述していますとおり、①といたしまして、指定居宅介護支援に従事する従業者にかかる基準及び当該従業者の員数、それから②といたしまして、利用する要介護者のサービスの適切な利用等といったところで、厚生労働省令で定めるといったものを定めるものでございます。
(2)参酌すべき基準といたしましては、書類の保存期限等ということで、(1)以外の基準を定めるものでございます。
3番、条例制定の対象となる事業でございますが、居宅介護支援事業といいまして、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの方が行うケアマネジメントの事業のことでございます。
4番、基準制定の考え方でございますけれども、指定居宅支援事業者はこれまでも省令の基準に基づきまして都の条例ができておりまして、それに基づいて運営できてございまして、条例の内容に関しましては、区の定める基準に則したものと考えているところでございます。
5番、今後の予定でございます。現在国がこの居宅サービス全般の省令の改正を検討しているところでございまして、その内容を踏まえまして、平成30年第1回定例会に条例案を提出予定とさせていただきたいと思ってございます。私からの報告は以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
小杉委員
1の制定理由にありますけれども、介護支援専門員、ケアマネジャーの支援を充実させようということを目的として区市町村に移譲する。そのことによって本当に支援の充実につなげるという意図がなかなか見えないんですけれども、人員の基準、運営の基準、基準に基づいてやるんだと。書類の保存期間は参酌してくださいということなんですが、市町村におろすことによってケアマネジャー支援をさせる意図というのは、どういったところが想定されて、そもそも設計として想定されているのか。あと実際どう変わり得るのか。差異が市町村ごとによって変わり得る点がもし考えられているのであれば教えていただければと思います。
古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
今般都道府県から区市町村のほうに権限が移るといったところでございますけれども、私どもは現在でも居宅介護支援事業所に関しましては、ケアマネジャーに対する研修というところで支援を行っているところでございます。実際これが区の条例に基づきましてということになりますと、この事業所の指定を区が行うことになります。指定を行うということは、指定のとおりきちんと事業が運営されているかという指導権限も第一義的に区のほうで発生するというところでございますので、そういった指定及び指導、調査といったところを通じまして、居宅支援事業所の質の担保といったものが今よりも図れるようになるといったようなところでございます。
小杉委員
指導するというのは、例えばケアマネジメント事業者に、多分今もやっているんだと思うんですが、そのまま定期的に区として指導を行うという仕事ができるということですよね。その辺は定期的にどのぐらいの頻度でやらなくちゃいけないことなのかと、体制上は何かふえるんでしょうか。どんな仕事をやらなくてはいけなくなるのか教えていただければと思います。
古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
私どもの区の来年度からの新規の仕事といたしましては、これによりまして、条例を認めていただいた後になりますけれども、条例にのっとって事業所が適切な、ここで言えば人員配置とかをされているといったところをもちまして、まず指定をするといったことがございます。この指定も有効期限がございますので、それを更新するたびにその基準どおり行われているかといったところを確認して、また指定のし直しといったところがスケジュール的にはありますので、そういった意味では、区が新たに指定、それから、今後指定期間中にそこの事業所が適切に運営されているかの調査を区がメインになって行うことになりますので、そういった仕事が区の業務として新たに発生するといった内容でございます。
小杉委員
もう一つ、今現段階で東京都が介護保険制度の事業者に対して指導を全般的にしていますよね。このケアマネジメント事業だけが区におりてくるという形なんですか。
古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
介護事業者に対する通常の指導に関しましては、基本的には東京都と区が協力し合って役割分担をもってやっているところでございますが、現状では、都が指定した事業に関しましては都がメインで、地域密着型という事業は区に指定権限がございますので、そういったところを中心に区のほうで指導、検査を行っているところでございます。
委員長
他に質疑はありませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了いたします。
次に、3番、「中野区みどりの基本計画」改定における施策(新規・充実)の検討状況についての報告を求めます。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
それでは、「中野区みどりの基本計画」改定における施策の検討状況について御報告します。(資料4)
みどりの基本計画は現在改定に向けた作業を進めております。まだ計画素案を検討している段階でございますが、本日、新たな施策や今後充実する施策について、現在の検討状況を御報告いたします。
まず、資料をごらんいただきますと、1番のところに記載のとおり、みどりの保全や緑化の推進に向け、5つの基本方針のもとに施策の内容と事業の方向性を整理しております。より詳細な内容は別紙のほうにまとめておりますので、別紙のほうをごらんください。こちらの別紙のほうで主なポイントに絞り説明をいたします。
まず、基本方針Ⅰ「みどりのまちの基盤となる拠点をつくる」の2番目の施策でございますが、「まちづくり事業に伴うみどり空間の整備」としまして、その(1)「公開空地等のオープンスペースを活用したみどりの創出」、これを充実する施策としております。現行計画では、都市計画における質の高い緑化誘導を図る旨記載しておりますが、現在の検討では、より具体的に大規模なまちづくり事業や集合住宅の建てかえ等の際、新たな緑地の整備により地域の緑化環境や景観性の向上も期待できることから、こうした機会を捉え、魅力あるみどり空間の創出に努めるとしております。
次に、このページの下のほう、基本方針Ⅱ「みどりのネットワークを構築する」のところでは、3「みどりの環境軸やみどりの補助軸の緑化推進」を掲げております。ここで言うみどりの補助軸という表現でございますが、これまで都市計画マスタープランには記載がございましたが、今回の改定では、みどりの基本計画にもこの表現を追加したいと考えております。
ここでは、(2)としまして「風の通り道となるみどりの環境軸やみどりの補助軸の形成」を充実施策としております。現行の計画では、ヒートアイランド現象を軽減する風の通り道については、河川沿いの緑化のみ触れておりましたが、今回の改定では、道路沿いの空間も風の通り道として機能するよう東京都に働きかけるとしております。
では、次の2ページをごらんください。次の基本方針Ⅲのところでございますが、「地域にゆかりのあるみどりの保全を強化する」というところでは、このページの一番下、7番になりますが、「農地の保全と活用」においてというところで、(1)「生産緑地地区の追加指定」を充実する施策としております。生産緑地地区につきましては、現行計画では、生産緑地地区をできる限り維持するという記載でございましたが、法改正により生産緑地地区の指定要件が緩和されたことを踏まえ、生産緑地地区の指定、保全に努めるとしております。
続きまして、次の3ページをごらんください。一番上、8「公園の適正な維持管理運営」のところでは、(1)「公園の管理・運営における民間参画の検討」、これを新規の施策としております。法改正により民間の収益施設の設置管理制度が創設されたことを踏まえ、今後カフェ等の設置による公園維持管理費の低減や利用率の向上、公園のにぎわいと地域の活性化など、柔軟な公園利用の実現に向け民間参画を検討する旨新たに記載を盛り込んでおります。
次に、このページの下のほうですが、基本方針Ⅳ「身近なみどりを増やす」というところでは、10「公共施設の緑化の推進」ということで、(2)になりますが「区役所新庁舎建設における緑化の推進」を新規の項目として掲げ、新しい区役所整備基本計画では、自然エネルギーの利用、公開空地の設置や屋上緑化など、環境に配慮した施設整備に取り組むこととしております。
続きまして、4ページのほうをごらんください。上のほう、12番「市民緑地認定制度の活用の検討」が新規の施策となります。適正な管理が困難な緑地や空き地、空き家の増加を踏まえ、民間主体による緑地空間の創出や市民緑地認定制度の活用等を検討する旨新たに記載を盛り込んでおります。
最後になりますが、基本方針Ⅴ「区民・事業者・区が協働してみどりの創出・保全に取り組む」というところでは、14番「中野の森プロジェクトへの取り組み」が充実する施策としております。中野の森プロジェクトは、今後現地での環境学習や環境交流事業等の実施により、区民の意識啓発や地球環境の大切さを学ぶ機会を提供してまいります。また、J-クレジットにつきましては、今後さらに他の自治体からも購入するなど、取り組みの拡大を図る旨記載しております。
それでは、最初の表紙の資料のほうにお戻りください。裏面のほうをごらんください。下のほうになります。2番の今後の予定でございますが、来年4月には本委員会に基本計画改定素案の御報告を行い、その後意見交換会を経て、7月には本委員会に基本計画改定案の御報告を行いまして、さらにパブリック・コメント手続や東京都への協議を行った後、来年の第4回定例会で基本計画改定の御報告を行いたいというスケジュールを考えてございます。本件の報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
久保委員
きょう新規・充実ということで施策が出てきたんですけれども、これは個別のことはここで伺っても大丈夫なんですか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
当委員会所管外の事項が多く含まれております。本日の委員会におきましては、この検討状況を取りまとめる過程で私どもが所管のほうから情報として伺っている範囲に限りましてお答えをさせていただければと思います。
久保委員
では、御存じの限りということで、12番の市民緑地認定制度ということで、新規でこれは出てまいりました。これは、みどりの基本計画に基づいてこういったものを今後検討していくことになるのかと思うんですが、実際に行っていくとしたら、これは所管はどこになるんですか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
こちらの市民緑地認定制度につきましては、私ども地球温暖化対策担当と都市基盤部と協議の上というところで、明確にこちらのほうをどちらが所管して制度検討を行っていくか、現時点ではまだ明確に定まっておりません。
久保委員
これは新しい制度ですよね。平成29年6月に都市緑地法改正によりということですけれども、これは300平米以上だったり、さまざま該当する要件が満たされているかどうかということがあると思うんです。これはインセンティブもあったりとか、社会資本整備交付金の対象にもなるようですけれども、現時点で区内にこの市民緑地認定制度の対象となるような土地といいますか、そういったところはあるんでしょうか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
これにつきましては、空き地等の活用といったこともかかわってくるかと思いますが、現時点で具体的にここの部分を活用できるという現況調査のようなところまではまだ着手できておりません。
久保委員
まだ着手はできていないけれども、空き地などもそういった対象となるということで、空き地に対しての一つ有効的な活用ということで今検討されているということなんでしょうか。要するにみどりの基本計画の中にこのことが定まっていないと、今後市民緑地認定制度というのを活用することができないというふうに考えていてよろしいですか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
こうした新しい制度を今後活用の検討ということですので、区としてこうした計画、施策を掲げて、実際にどのように着手、実施できるか検討すべきというふうに考えております。
久保委員
多分みどりの基本計画に定めないとこういうことができないのであろうと私は認識をしていたのでお伺いをしました。これがうまく活用されていくと、緑の保全にもつながりますし、空き地や空き家の対策にもつながっていくのではないかと思いますので、積極的にそういったことも御検討いただきたいと思います。
それと、公園の管理運営における民間参画の検討ということなんですが、これは多分所管は都市基盤のほうの公園担当になってくるのかと思うんです。もしおわかりになればでいいんですけれども、カフェなどの収益施設の設置ということで、今哲学堂公園の中にカフェをという話も計画の中にあったように思いますし、また、こういった民間の参画ということで、弥生町などはこういった形で進めているというふうにも聞いております。ただ、これの公園管理のあり方ということがみどりの基本計画とどういうふうに関係性があるのかというのが、ここを読んだだけだとわからないんですけれども、その辺のことはどのように検討されているんでしょうか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
公園の管理運営につきまして、民間参画をしっかり検討していくことによりまして、公園の価値、公園のにぎわいですとか地域の活性化、今後の緑化を推進していく上で、公園の存在、非常に大きなものがございますので、公園がより魅力的な存在になる。その部分で公園管理への貢献、その部分をここでしっかり区として考えていくという位置付けで記載してございます。
久保委員
公園の保全は大事だと思いますし、今おっしゃることはそうなんだけれども、では、例えばこういったことを検討していく中で、公園におけるみどりのあり方ですとか、そういったことなのかなと思っていたんですが、そこら辺のところが、みどりの基本計画なわけですから、このことがどういうふうにそこに反映をされていくのか。公園イコールみどりと、今の御説明だとそうなってしまうんだけれども、そうとも限らない部分もあると思うので、そこら辺のところとみどりの基本計画の関係性というのがちょっとわからなくてお尋ねしているんです。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
より具体的なところで申し上げますと、8番の「公園の適正な維持管理運営」のすぐ下に、9番としまして「公共施設緑地の適切な維持管理」というところがございます。こちらのほうに書いてありますとおり、この維持管理等の手引の作成については、私どもの分野のほうが中心となって行いたいと考えておりますが、緑地の適正な維持管理、あるいは公園の魅力向上も含めまして、全体として公園あるいは緑地が適正に維持管理され、魅力あるものとなっていくよう、区民の皆さんにとって利用しやすい場所となるよう、そうした趣旨で広い意味でこちらのほうに掲載をさせていただいております。
久保委員
9番は9番でわかります。8番は「公園の適正な維持管理運営」ということで別に項立てをされているので、今の御説明であるとしたならば、今後、今回紹介をされただけですから、具体的に今おっしゃられたような維持管理の手引ですとか、各施設における緑化空間の適切な維持管理というのも、当然公園の中でも進められていく。そういったことが明確に記述される必要性があるのではないのかと思うんですが、その点はいかがですか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
今委員御指摘の点につきまして、まだ現段階では検討状況の御報告という段階でございますので、より表現がわかりやすく適切になるよう工夫したいと考えます。
北原委員
1点だけお尋ねいたします。2ページのところで「新たなみどりの軸によるネットワーク構築」というところがありますが、「西武新宿線連続立体交差事業を活かした新たなみどりの軸」ということで記されております。この連続立体化は予定でいきますと平成33年度中には完成。およそ2.4キロ区間が地下化する。新井薬師前駅と沼袋駅は地下化になるため、その上層部については西武鉄道の駅舎あるいは関連施設ということになるかと思います。それ以外のところは上部空間、線路敷が活用されるということになるわけでありますけれども、相当な面積のみどりの軸が新たに創出される可能性があるということだろうと思います。これについては中野区あるいは西武鉄道、東京都との議論を踏まえた上で決められていくことになると思うんですけれども、この検討状況の中で、ここにこう示されたということは、中野区としてのある一定の考え方を示されたということでよろしいでしょうか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
こちらの表現につきましては、西武線連立事業の所管部署にこの表現、記載内容をしっかり確認をいただいた上で掲載しております。こちらに書いてあるとおり、鉄道上部空間の活用方針の中で、新たなみどりの軸の構築についても検討する旨所管のほうで現時点で考えているというところでございます。
北原委員
ありがとうございました。防災上の観点あるいは地域が分断されていることを解消する意味でも、さらにみどりの空間がふえる意味でも、地域にとっても、また、中野区にとっても大きなことだと思いますので、ぜひ連携を深めながらこの方針で進めていっていただきたいと要望しておきます。
細野委員
10月の委員会の御報告で、計画改定に当たっての課題のところで、屋敷林や社寺林等の民有地のみどりの減少にいかに歯どめをかけていくかが今後の課題であるというようなところで、課題として挙げられているんですけれども、このあたりについては、きょう示していただいたところではどの部分で検討されたということで挙げられていますでしょうか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
こちらにつきましては、別紙1の2ページの上のほう、基本方針Ⅲの5番のところです。「樹木や樹林の保全」ということで、こちらのほうで「保護樹木、保護樹林の指定の促進と保全の充実」ですとか、「保護樹木の指定基準の見直し」、あるいは「貴重木や巨木等のみどり資源としての活用」ということで、こちらの5番の項目のほうで検討しております。また、6番にあります「歴史あるみどりの保全」、こちらのほうも関連してくる部分はあるかと考えております。
細野委員
ありがとうございました。あと基本方針なんですけれども、言葉の細かさにこだわってしまって申しわけないかもしれないんですが、これまでのみどりの基本計画では、23ページに「都市の基盤となるまとまりのあるみどりをつくる」というふうな形で基本方針が掲げられていまして、今回は「みどりのまちの基盤となる拠点をつくる」と表現が変わっているんですけれども、みどりとまちというのは、中野区全体をみどりのまちというふうな形で位置付けたと考えていいんでしょうか。そのあたりについてお願いします。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
こちらのほうでは表現を変えておりますが、区全体にみどりのネットワークを構築という基本方針Ⅱの表現もございますが、中野区全域にわたりまして、みどりのまちの基盤となるような拠点づくり、区内全体がみどりと憩いにあふれた空間となるようという理念を持っております。
細野委員
区内全域というところで今御答弁いただきましたので、ぜひそういう形で進めていただきたいと思います。
あと一つ、最後に、「農地の保全と活用」のところなんですけれども、中野区は、たしか北のほうに割とこういった土地が多いのかなと思っているんです。例えば地域的に南のほうとか、もちろん土地があるかないかということはあるかと思うんですが、農地は、ちょっと所管は違うかもしれませんが、健康の維持とか増進とか、そういった面でも非常に効果があるのではないかと思いますので、ここに掲げられている環境面にプラス、またそうした健康面からのアプローチも非常に有効ではないかと考えますので、地域的なところもバランスなんかも考えて、ぜひ広げていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
農地あるいはその中の生産緑地につきましては、御質問いただきましたように、その保全、さらに追加指定も含めまして、所管のほうで取り組んでいくというふうに伺っております。
小杉委員
別紙1ページの一番下のところにあるみどりの補助軸の形成についてですけれども、これは中野通り、山手通り、その他の幹線道路でこれを「道路沿いの空間についても風の通り道として機能するよう東京都に働きかけます」、イメージが湧かないんです。例えば新青梅街道の道とか、そういったところを風の通り道として機能させるというのは、どういったことを具体的に東京都にやってもらいたいというのかがイメージが立たないんですけれども、教えていただけますか。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
東京都の環境軸ガイドラインというのがありまして、その中でも、道路、公園、河川沿いなど、こうした場所を広がりと厚みのある豊かなみどりの空間、これを環境軸ということで整備をしていくことで風の通り道が確保されるとしています。もう少し具体的に申し上げますと、例えば幅員の広い道路で植栽、街路樹等、連続して植えるということで、当然日影の場所が連続するということで、道路上を流れる風を冷却する効果があると言われてございます。そうした意味で、みどりにあふれた空間が連続的に河川沿いあるいは道路も続くことによって、風の通り道が確保される。さらに流れる風も街路樹の影によって冷やす効果があるというところでございます。
小杉委員
木々の植栽をきちんと整備してほしいということですけれども、現段階でもやっているような気がするんです。私はバスツアーで見て回ったんですけれども、不十分だからもっと機能を充実させてほしいということですね。
高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当)
ここの(2)「風の通り道となる」というところに書いてございますが、河川、道路沿いの空間にはより樹幹の大きい、より日影の大きい木として熱を吸収する力もあるというところになるかと思いますので、そうした樹幹の大きい立派な木を植えていただくように東京都に働きかけると書いてございます。
委員長
他に質疑はありませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了します。
次に、4番、「(仮)中野区住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例」(素案)に盛り込むべき主な内容に関する意見交換会の結果及び条例に盛り込むべき主な内容(案)等についての報告を求めます。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
それでは、「(仮)中野区住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例」(素案)に盛り込むべき主な内容に関する意見交換会の結果及び条例に盛り込むべき主な内容(案)等につきまして、お手元の資料に基づき御報告させていただきます。(資料5)
本報告につきましては、建設委員会と同じ内容での御報告になっております。また、条例の所管委員会は当委員会であり、建設委員会での御報告につきましては、これまでの経緯を踏まえての御報告でございます。
閉会中の平成29年11月8日の建設委員会及び22日の当委員会におきまして、(仮称)中野区住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例(素案)に盛り込むべき主な内容について御報告をいたしました。この素案につきまして、その後意見交換会等を開催いたしました。また、これらを踏まえまして、今回条例に盛り込むべき内容(案)を取りまとめまして、今後パブリック・コメント手続を行う予定でおりますので、あわせて御報告させていただきます。
まず、1番、意見交換会等の実施についてでございます。(1)区民向けの意見交換会と(2)中野区町会連合会に対する情報提供を実施いたしました。意見交換会の結果につきまして、別紙1、意見交換会のまとめをお開きください。
1、開催日時等でございます。11月22日の夜間と、23日の昼間に中野区役所で開催いたしまして、合計で58名の方に御参加いただきました。
2番、主な質問、意見についてでございます。意見等の総数は55件でございました。内訳といたしましては、区の責務に関するもの8件、新法に向けた区の対応に関するもの14件、条例の内容について15件などとなっております。
次に、主な意見と区の考え方についてまとめてございます。最初に、区の責務につきましては、1番、現在苦情にはどのように対応しているのか、新法施行後はどう対処するのかとの御質問があり、苦情の対応については、現場へ赴き、管理者への接触を試みている。今後予定されている旅館業法の改正や新法で認められた立入調査の権限等に基づき指導を行っていくとお答えいたしました。
そのほか、2番、警察との連携についての御質問、4番、5番、苦情に対応する窓口設置を求める御要望などをいただきました。
2ページでございます。新法に向けた区の対応につきましては、1番、民泊の中には、海外で料金を決済し、日本では金銭のやりとりをせずに法規制を逃れるケースがある。このような場合、条例で対応する対策は考えているのかとの御質問があり、法の抜け道は考えられるが、条例で基本的な枠組みを設けることで、違反行為に対しては厳正に指導、監督していくとお答えいたしました。
そのほか、7番、管理人が常駐しないマンションは民泊禁止にしたらどうかという御意見、10番、家主居住型民泊は別の枠組みとしてほしいとの要望などをいただきました。
4ページでございます。条例の内容につきましては、1番、この条例の中に地域活性化の観点はあるのかとの御質問があり、この条例は規制を定めているので、民泊の地域活性化策は別途考えていくとお答えいたしました。
そのほか、3番、罰則の導入を求める意見や、5番、近隣住民に対する事前説明などについての御意見、御要望をいただきました。
5ページでございます。規制する区域につきましては、1番、駅の出口から一定の範囲とはどのような範囲を想定しているのかとの御質問をいただき、駅のそれぞれの出口から数百メートルの範囲と考えているとお答えいたしました。
そのほか、2番、家主不在型について厳格な対処を求める意見、3番、住居専用地域でも民泊ができる仕組みにしてほしいとの要望、次ページの4番、子育て環境保護のための保育施設からの距離による規制などについての御意見をいただきました。
6ページでございます。規制する期間につきましては、1番、期間の制限について住居専用地域でここまでの規制はどうかと思うという御意見や、2番、週末だけに来る外国人はいないので、どうしたら健全な民泊ができるかを考えてほしいとの御要望をいただきました。
ごみ問題につきましては、1番と、2番の事業系ごみに関する御質問と、3番、民泊にごみ箱の設置を義務付けてほしいとの御要望をいただきました。
その他といたしましては、1番の現在区で把握している民泊施設の数は幾つか、合法の施設はあるのかとの御質問に対し、仲介サイトからおおむね600件と認識している。旅館業法における簡易宿所は9件あるとお答えいたしました。
そのほか、2番と3番のパブリック・コメント手続に関する御質問、4番の近隣の民泊に困っているというもの、5番の民泊にはさまざまな面があり悩ましいが、排除すべきではないとの御意見などをいただきました。
意見交換会についての御報告は以上でございます。
なお、中野区町会連合会への情報提供の際は特段の御意見はいただきませんでした。
次に、これらを踏まえまして、条例に盛り込むべき主な内容(案)を策定いたしました。別紙2をごらんください。
なお、この案が後ほど御説明いたしますパブリック・コメント手続における案となるものでございます。
素案から3点の変更をいたしました。1ページ目「条例の趣旨」、1番「条例の目的」、2番「責務」の項目につきましては変更ございません。
3番「事業の実施区域及び実施期間に係る特別の制限」の項目に1点目の変更がございます。素案にございました「ただし、鉄道の出口から一定の範囲は、住居専用地域であってもこの制限の対象から除く」という部分を削除いたしました。この部分は、駅周辺は交通利便性が高いことや住居系、商業系の地域が混在している地域であることから、地域活性化を図るために住居専用地域であっても一定の範囲について制限をしないとする趣旨でございました。しかしながら、同じ中野区内の駅であっても、鉄道の路線や駅によって周辺地域の状況が大きく異なるため、さらに個別の詳細な検討が必要であること、また、駅周辺の平日の規制を緩和するかどうかは今後の法令及び条例の実施状況を見て判断する必要があるため、現時点では時期尚早であると判断したことなどの理由から、当該部分を削除したものでございます。
4番「届出の際の管理規約等の確認及び所有者等への通知」と、5番「対面による本人確認等」につきましては変更ございません。
6番「近隣住民等への事前周知等」につきまして、2点目の変更がございます。3ページの一番上をごらんください。事前に周知すべき近隣の範囲につきましては、素案では「別途定める」としておりましたが、大田区における近隣説明の範囲を参考に、「※近隣住民の範囲」として具体的な説明を追加したものでございます。
次に、7番「消防署への通知」から11番「苦情等への対応記録」までは変更ございません。
3点目の変更でございますが、案の最後の部分でございます。12番「条例の見直し」との項目を新たに追加いたしました。この条例の施行後におきまして、区は条例の実施状況及び宿泊需要の状況などを勘案して、必要に応じて規制の見直し等所要の措置を講じるものとするというものでございます。
条例に盛り込むべき主な内容(案)の御説明は以上でございます。
ここで、恐れ入りますが、本編資料にお戻りください。3番目に、今申し上げました素案からの変更点をまとめてございます。
次に、4番、パブリック・コメント手続をごらんください。ただいま御説明いたしました案を決定するに当たりまして、来る12月21日から来年1月10日まで、区ホームページ、区政資料センター、生活環境分野、産業振興分野、区民活動センターで資料を公開いたしまして、パブリック・コメント手続として区民の皆様からの御意見を募るものでございます。
なお、パブリック・コメントの実施につきましては、12月20日号の区報及び区のホームページでの周知を予定しております。
最後に、5番、今後の予定でございます。まず、来年1月または2月に、閉会中の関連委員会の開催をお願いいたしまして、パブリック・コメントの実施結果につきまして御報告をいたします。
次に、平成30年、中野区議会第1回定例会に条例案を提出させていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。
なお、その後3月15日から住宅宿泊事業の届け出受付を開始し、6月15日に住宅宿泊事業法が施行されることとなっております。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
小杉委員
意見交換会に出された主な質問、意見についてですけれども、罰則を設けろという意見がかなり多かったようです。これについては、来年6月に施行される法律で罰則に基づいてとされるので、区の条例でそれ以上厳しいものはできないのだとは思うんですが、罰則について、警察と区が連携してということなんですが、立入調査とかは区がやるんだと思うんですけれども、何を警察がやって、区がやるのかというのはなかなか見えない。罰則は法律上は見ているんですけれども、区の仕事、警察の仕事というのはどういうふうになっているのか、確認なんですけれども、教えていただけますでしょうか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
中野区は住宅宿泊事業法に基づきまして監督権限がございますので、この住宅宿泊事業法に違反する施設に関しまして立ち入りをし、指導、改善命令、報告聴取、そういったことを行います。警察は、告発されたものにつきまして摘発をしていくということになるかと考えてございます。
白土環境部長
補足させていただきますけれども、立入検査を行う場合、いろいろなケースが想定されるということで、これについては警察とも十分協議をし、必要な協力を得て実施をしていきたいと考えてございます。場合によっては、一緒に立入調査を行う場合もあるのかなと考えております。
小杉委員
さまざまな方がおられると思いますし、テロの温床だという御批判もありますので、今後協議を警察ともしていくということはよろしいと思います。
あと職員の対応も非常に大変だと、区によっては独自の罰則を設けたりするところだと態勢が大変だと。何百件何千件やらなくちゃいけないということで、区の対応も非常に大変だとは思うんですが、その辺は、今の段階では具体的にはないのかもしれませんが、その体制の確保というか、その辺は何か考えられているものがございますか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
これにつきましては、基本的な考え方の御報告をさせていただいた際にもお話しさせていただいておりますけれども、区の体制強化ということで、人員等を含めた体制を強化して取り締まりを行ってまいりたいと思っております。
小杉委員
体制を強化するというところですね。
あと、こちらの盛り込むべき主な内容についてですけれども、確認ですけれども、ペらのほうの3の(2)のところに「説明を追加」とあります。説明はどこのことを言われているのか。あと12番の「条例の見直し」というのは、こちらだと「制度の見直し」となっていますけれども、どちらなのか。多分「条例の見直し」なのかなと思っているところです。御説明いただけますでしょうか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
まず、3の(2)「近隣住民等への事前周知等」につきましてですが、これは別紙2の3ページの一番上のところに「近隣住民の範囲」としまして説明を追加したという趣旨でございます。
もう1点、(3)につきましては、大変申しわけございません。別紙1の「条例の見直し」が正しいものでございまして、1枚目の「制度の見直し」というのは誤りでございます。大変失礼いたしました。
別紙2の一番最後、今回追加いたしました12番の項目ですが、「条例の見直し」というタイトルで御説明させていただいておりますが、これが一番最初の報告の頭紙の説明によりますと、12「制度の見直し」となっておりまして、こちらは「制度の見直し」が誤りでございました。「条例の見直し」でございます。大変失礼いたしました。
久保委員
私もこの説明会に参加をして、いろいろな御意見があるんだなということを感じまして、一つには、前回の御報告の中に「鉄道の駅の出口から一定の範囲は」と、ここのところが削除となったんですけれども、そもそも住宅宿泊事業自体を住居専用地域においては行うべきではないと受けとめられるような御意見が幾つか、私はそういうふうに受けとめたんです。その辺についてはいかがお考えなんですか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
住居専用地域というのは、そもそもが旅館、ホテル、簡易宿舎等、これまで認められていない地域でございますので、そこにお住まいの方が全く新たな法の枠組みで宿泊事業が展開されるということに関して、違和感なり嫌悪感なりをお持ちになられることというのは十分わかると思います。区といたしましても、そういったことを踏まえまして、これまでそういった宿泊事業ができなかった住居専用地域におきましては、一定の制限をかけつつ、その一方で、区内におきます宿泊需要にも対応するということで今回の案をお示ししたというところでございます。
久保委員
ですから、一定の制限というのが「この月曜日の正午から金曜日の正午までの期間は事業の実施を不可とする」ということであって、決して住居専用地域において民泊ができないということではないわけですよね。ですから、こういう期間の制限以外には制限はなくて、中野区内どこでもできる、そういうことでよろしいですか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
今回条例で制限しております区域及び期間以外のところにつきましては、法令の規定どおりになりますので、180日まで民泊事業が可能だということになります。
久保委員
だから、どこでもできるんですよね。そういうどこでもできることに対して規制を設けてほしいというような御意見があったように私は感じたのですが、その辺はいかがなんでしょうか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
民泊自体をやめてほしいというニュアンスの御意見もあったというふうには理解してございますけれども、この新法自体が現状として行われております民泊を届け出ということで、ある程度テーブルの上に出して適切に管理することによって、良質な民泊も管理し適正に運営していただこうという趣旨もございますので、そこに関しては、制限ということは行いませんけれども、例えば今回お示ししている別紙2の「主な内容について」で、例えば住居専用地域以外でも、区の場合、7番でありますと、届け出があったものにつきましては消防署宛ての届け出施設の通知を区のほうから行います。あと9番、事業の届け出があった場合は届け出住宅ごとに公表いたします。11番の対応記録、こちらにつきましても、全ての地域における事業者におきまして対応記録の作成を求め、区の求めに応じて報告しなければならないと定めてございますので、住居専用地域以外におきましても、区としては一定のこういった形での手続を課すことによって適正な民泊の育成に向けて今回方策を考えたところでございます。
白土環境部長
補足をさせていただきますが、住居専用地域、これは良好な住環境を確保するという地域でございます。これについては、都市計画法、建築基準法で定められているところでございますけれども、この住居専用地域について、住宅宿泊事業を一切できないようにする、ゼロ日にするということに関しては、国会での国の答弁でもございますけれども、これは適切ではない。法の趣旨を逸脱するものであるという答弁がなされているところでございます。と申しますのは、良好な住環境を確保するとともに、事業による地域活性化、あるいは宿泊事業に対する対応、これを図っていくというのが法の趣旨でございますので、この法の趣旨からすれば、住居専用地域においても一定限度は、これは認めざるを得ないと思っております。
区といたしましては、平日、いろいろ小・中学校、保育園、幼稚園、それから福祉施設等もございます。そういった平日の活動は住居専用地域で行われていることが多いということもございますので、この平日の期間に限っては、住居専用地域ではこの事業の実施ができないという制限を設けたいということでございます。
久保委員
要するに法の趣旨にのっとっていくのであれば、住居専用地域だからできないというようなことに条例でしてしまうこと自体が、それは法の趣旨にのっとっていないでしょうということなんですか。それとも要するにできるかできないかというところで伺いたいんです。そういうお声が一方であるわけで、区としては、住居専用地域で行うということが法の趣旨にのっとっていることであって、区として住居専用地域でできないというようなそういう規定を定めるということは今回の条例においてはふさわしくない、そういう判断ということですか。
白土環境部長
住居専用地域で全面的にこの事業の実施ができないということについては法の趣旨を逸脱するというふうに国会答弁でも述べられているところでございます。今回区が出しております考え方につきましては、平日は規制をする。ただし、週末と休日はできるようにするということでございます。
久保委員
今全面的にというお答えがあって、全面的にではないんだけれども、特定の住居専用地域においては、そこでは民泊はできないというような、そういうことを条例に設けることができるのか。または区としてそういったことを検討する方向があるのか。また、他区においてそういった事例があるのか。その辺はいかがでしょう。
白土環境部長
住居専用地域について全面的に事業の実施を不可とするという考え方を表明されているのは、私どもが把握している範囲では大田区が国家戦略特区でやっておりますので、そちらのほうに融通したいという考え方でそういう考え方を持っていると承知しております。それについては、私どもとしては政府の国会答弁を前提に考えていくべきだと思っておりますので、これについては他区のことでございますのでコメントはできませんけれども、私どもとしては、国会答弁の線に沿って考えていきたいと思っております。
久保委員
だから、要するに区としては全面的にというか、例えば第1種、第2種の低層はどうなのかとか、中野区を南北に分けるとこの辺は大きく違いがあるので、低層住居と中高層住居と分かれてしまうわけですけれども、そういった形で何か線引きをするとか、そういう考えはなく、全面的に住居専用地域というくくりでいく、そういうことでよろしいんですね。
白土環境部長
細かく住居専用地域という言葉自体が法律上の用語ということで定義されているわけではなくて、1種、2種、低層、中高層の住居専用地域、それを合わせたものを住居専用地域と条例では定義付けたいと思っております。確かに委員がおっしゃるように、それぞれの住居専用地域で法的な規制も異なっておりますし、それから、地域で例えば駅周辺でも低層の住居専用地域があったりとか、あるいは中高層でも低層の住宅が並んでいたりしますので、それぞれの地域の実情を踏まえて細かく規定していくという考え方もあるかと思いますけれども、まず、現状住居専用地域で違法な民泊が行われている。近隣トラブルも発生しているという状況をまず適正化をする。これがまずスタート時点ではないかと思っておりますので、厳しい規制になるかもしれませんけれども、スタートは厳しい規制から出発しようというのが私どもの考え方でございます。
久保委員
厳しいのかな、厳しくないのかなと、ちょっとわからなかったんですけれども、住居専用地域の定義がこの下に書いてあります。それはわかります。ただ、用途地域によって、都市計画で定める住居専用地域というのもいろいろあるんですと今部長がおっしゃられた。厳しくというと、低層はできないとか、そういう住居専用地域の中でも考え方を変えて線引きして、ここではできます、ここではできませんというようなことをやるほうがより厳しいように私は感じたので、しかも、そういうお声があったので伺っているところなんです。
今のお話でございますと、現状は違法民泊というところがあって、その適正化を行っていくことというのが重要であるということでおっしゃられていました。それは当然のことであると思います。適正化を行うという中で、住居専用地域から、例えば低層のところからは民泊をやめさせるようにしてくださいというようなお声があったとすると、それは、そういう方たちにとってはちっとも厳しくないじゃないかということになってしまうのではないかと思うわけです。そういうことについてどのようにお答えになられるのかということで、私たちもそういう方たちから、特に西武線の中ではそういうお声がある中で、いろいろ区民の方からも御質問や御要望を受けるので伺っているわけです。そこら辺のところが全くですので、そこは分け隔てなく、住居専用地域は住居専用地域なんだというのが区の考え方ですと、そのようなお答えと思ってよろしいわけですか。
白土環境部長
そのとおりでございます。
久保委員
果たしてそれは本当に受け入れられるのかどうかというところ、どちらが正しいというのも私も思っているわけではないんです。ただ、そういう御心配のお声を感じたので、そこを御理解いただけるように、こういうことで安心していただけるんですか。先ほどの御答弁だと、中野区内では、できない場所はないということだと思うんです。できない場所はないんだけれども、その一定の制限、実施期間については設けています。ただ、先ほどの消防のことですとか、届け出の公表ですとか、そういったことというのは、これは住居専用地域に限ったことではなくて、中野区内のどこでも、今までの宿泊業ができるようなところであっても、規制は同じですということです。だとすると、住居専用地域にはもう少し住んでいる近隣の方たちに安心していただけるような、そういった規制といいますか、決まりを設けていくということも一つは重要なのではないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
白土環境部長
今回お示ししている案でも、住居専用地域のみに規制をかけるといったものもございます。例えば対面による本人確認等ということでございます。これについては、法令上は対面またはそれと同等な、例えばICTによる本人確認、これでもいいということでございますけれども、条例では、必ず対面によって本人確認をする。しかも、外国人旅行者の場合には、旅券の写しをとり、宿泊者名簿とともに保管するというふうにしたいと思っております。また、近隣住民等の事前周知、これについては、現行旅館業法で定めはございませんけれども、住居専用地域においては、近隣住民等の理解を得るために事前周知、これを行うといった定めにしたいと考えているところでございます。
久保委員
この近隣住民等への事前周知ということがあると、そこでまたいろいろな近隣の皆様のお声があるのかもしれません。そういった中でのさまざま区としても、ひょっとしたら調整を図らなければいけないような場面もあるのかなと思います。逆に対面による本人確認等の中で、これは「住居専用地域においては」となっていますけれども、旅券の写しをとるとか、宿泊者名簿を保管するということは、これは住居専用地域以外では行わなくていいんでしょうか。
白土環境部長
これにつきましては、現行の旅館業法では義務付けられていないというところでございます。したがいまして、住居専用地域以外においてこれらの義務付けをするといったことに関しては、旅館業法との均衡の問題、これを考慮して住居専用地域にしているところでございます。
久保委員
そもそものところで、これは求められていないことなのでということかと思いますが、これについては各区同様な取り組みなんでしょうか。その辺のところはおわかりになられますか。
白土環境部長
各区の状況、今パブリック・コメントをしているところもありますけれども、流動的な部分もございます。参考にさせていただいている区もございますけれども、これは現在のところどこの区がそれぞれの規定についてどうなっているかというものについては把握してございません。
北原委員
今部長のほうが、国会答弁を参考にしてという話がありましたけれども、この民泊というのは、ある面においては、日本の将来にとって大きな影響を与える事業だと思います。そういった観点から、国の施策はそれに沿っていかなければならない部分もありますでしょうし、さらには自治体として住環境をしっかり守っていくということも中野区にとっては必要であろうと思っています。
それで、今各区はこの問題について、この民泊の条例化に向けてかなりの区が努力してどんな条例をというところに入ってきたと思いますけれども、第1回定例会で示されていく。それで3月に届け出がありますし、6月はいよいよ施行するということでありますから、結構タイトなスケジュールで、なおかつ極めて重要な条例整備が行われるということになります。また、国のほうからも、ガイドラインがしっかりと示されていない。そんな状況での条例の整備ということになりますから、かじ取りが、区長部局としても中野区としても難しいと思います。
先ほど答弁されました国会答弁に沿ってという話がありましたけれども、今回の区民の人たちに対する意見交換会の中で、民泊を進めていくという中でキーワードになっているのが家主居住型だと思うんです。家主居住型と家主不在型では、同じ民泊であったとしても、相当な差がある。民泊の質において大きな差が出るのではないかという懸念が大変強いわけでありまして、もちろん国際交流だとか、あるいは日本の情報発信を進めていく、あるいは中野区においては特に宿泊施設が不足している中で、中野に外国人の皆さんをお招きして中野で滞在していただくというのは、中野にとって無駄なことではなくて、将来につながる大きなことだと思いますので、その点ではこの法の趣旨をしっかりと生かす必要がある。それが中野区の将来のためにもつながっていくということであろうと思っております。
そのために家主居住型と不在型、ここのところをしっかりと分ける必要があるのではないかと思います。家主さんがいることになれば、苦情とか、苦情に対する解決策はその場で速やかに解決をする可能性が高いわけです。ですから、ごみの問題、騒音の問題が出ても、家主さんが居住しているわけですから、責任をもって解決をしてくれるということになりますと、この民泊法は進めていく必要がある。それは、エリアを区切ったり、営業ができない、それを大きく制限する必要はないのではないかと思うわけです。
それともう一方では、家主不在型については、例えば不動産会社が管理をするからとか、仮にそういうところがあったにしても、即日の対応はできません。不動産屋さんに電話がつながらないとか、いなかったとかということになってきましたり、あるいは管理する不動産会社さんが地元でなくて遠かったりした場合、すぐ対応できないということになると、地域の中でさまざまな問題が発生して、民泊そのものが否定されてしまう。せっかくこういった法が施行されてよくしていこうというものが、その法の趣旨が半減されるどころか、マイナスに働いてしまうということになりますので、その辺は家主居住型、不在型、これに対する区別というんですか、そのようなことについてはどういう御見解をお持ちでしょうか、お尋ねします。
白土環境部長
家主居住型と家主不在型、これは区別して考えるべきではないかといった御指摘でございます。本会議の一般質問でも、そういった御指摘あるいは御提案をいただいているところでございますけれども、確かに現状で言えば、家主不在型のほうがトラブルも非常に多いということでございます。家主居住型でも、全くないかというと、そうではなく、この意見交換会の御意見でも実際に迷惑しているというようなお声がございました。
ただ、この住宅宿泊事業法、これについては、家主不在型の場合には、国土交通大臣に登録した管理業者、ここに委託をしなければいけないということで、先ほど御指摘がございましたような例えば24時間対応できるのかといったところに関しても、一定の質のいい管理業者が登録される。もし質が悪ければ、国のほうできちっと指導していただけると思っております。ということで、恐縮なんですが、国会の答弁、例えば衆議院の国土交通委員会、5月30日の田中国土交通副大臣の御答弁ですと、住宅宿泊事業に関して、家主居住型での住宅宿泊事業者であっても、家主不在型での住宅宿泊事業者であっても、宿泊事業を行っているという点においては同様の事業形態であるため、基本的にいずれの宿泊事業を行う者についても同じ規制にかからしめる必要がある。そのように考えておりますという国の考え方が示されております。
ということで、今御提案している内容というのは、住居専用地域においては、家主居住型、不在型にかかわらず規制をしようという考え方でございますけれども、委員御指摘のように、家主居住型が健全な形でこれが営まれるということであれば、国際交流であるとか、それを通じた地域の活性化、これには十分貢献していくという考え方は私どもは持っています。ただ、その中で、どういう状態であれば健全に家主居住型の住宅宿泊事業が進むのかという点に関しては、今後大規模な、例えば2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、この大規模なイベントも控えておりますので、そこに向けて宿泊事業の対応、これを考えていかなければいけない。それは区として考えていかなければならないと思っております。
これに関しては、グローバル戦略推進担当のほうで、そこに至る道筋といいますか、全体の戦略、これを考えていくと思っておりますけれども、それとの関係で、規制の問題、住宅宿泊事業を家主居住型でやる場合に、どういう形でそれを認めていくのか。一律に禁止した上で、例えば一つの考え方でございますけれども、個別の事業者について許可をしていくというような考え方もとれないことはないのかなと。
この点に関してはもっと許可の条件とかいろいろなことを考えていかなければいけないと思っておりますが、今現時点において、この条例を施行する段階において、そこまで踏み込むのは無理かなと現時点では思っております。ただ……(「無理な根拠を言ってみろ」と呼ぶ者あり)無理な根拠といいますのは、現在違法民泊が横行しているという状況の中で、一旦整理をして適正化をする。違法状態の解消をするといったことがまず重要かなと。現在は違法な民泊でトラブルを生じておりますので、近隣住民の方あるいは地域住民の方の御理解というのは十分得られていない状況にあるかなと考えております。
先ほど委員からも御指摘がありましたけれども、近隣住民あるいは地域住民の理解を得ないでスタートしなければいけないという段階でございますので、まずそれを得ることが私どもとしては先決であろうと考えております。ということで、行く行くは見直しの規定も12番に入れておりますけれども、大規模なイベントの前までには区として一定の方針をもって、そういった家主居住型の住宅宿泊事業、これについてもきちっと活用していく考え方をこれは示していくべきであろうと考えてございます。
委員長
北原委員の質疑の途中なんですけれども、今3時を回りましたので、まだまだあるようですし、ほかの委員もあると思うので、3時25分まで委員会を休憩します。
(午後3時04分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時26分)
質疑を続行いたします。
北原委員
東京新聞の夕刊に「民泊、解禁前に規制へ」ということで「トラブル続出」「自治体条例準備」ということで、普及促進の新法、骨抜き懸念という、こんな大きな見出しで1面に載っております。それだけ関心も高いし、影響もあるのかなと思うわけでありますけれども、そこで、いろいろな自治体の中で、この条例を今つくっているということを先ほど申し上げましたけれども、その中で比較的規制をかけないという区が幾つかあります。例えば豊島区は規制をかけない方向であるとなっておりますし、また、新宿区では、家主不在型で住居専用地域では月曜日正午から金曜日正午まで制限。
練馬区は変わったというんです。このときは実は家主不在型では住居専用地域では日曜日から木曜日まで、家主居住型は規制をしない。それから、渋谷区は方向性は定まっていないが、条例を制定しないという選択肢も考えているそうです。こうした状況、他区にも、杉並区も家主居住型は規制しない方向であるとなっておりまして、まだ練馬区みたいに1日で変わる可能性もあるわけで、この条例の制定に各自治体は大変悩んでいるということの一つのあらわれであろうと思っております。
そこで、実は、12月2日の読売新聞ですけれども、闇民泊、26施設を確認した。大田区が実態調査へ補正予算を出すとのことでありまして、御存じのとおり、大田区は国家戦略特区制度を使い、マンションの空き部屋などに旅行者らを有料で泊める民泊を認めている大田区で、無許可の闇民泊施設が26カ所あったことがわかった。区はさらに実態解明が必要として、11月29日に開会した区議会定例会に業者への調査委託費326万円を計上したそうであります。この補正予算を提出したということでありまして、いわゆる民泊法が施行される来年6月に全国で解禁されますが、大田区は特区指定を受け、全国に先駆けて、昨年1月から民泊を導入、現在大田区で48施設を認定しているそうであります。
一方、近隣住民からの連絡などにより、区はことし10月末までに無許可の闇民泊施設が26カ所あることがわかりました。そのうちの23カ所は区の指導で撤退したということでありまして、これはインターネット上の仲介サイトで、区内にはほかにも多くの民泊が紹介されており、区の担当者は、区が認定していない施設は全て違法でありますけれども、実態を調べて指導したいというふうに話しております。特区としてスタートした民泊の事業をやっております大田区でこういった状況になっているんです。実態がなかなか把握されていない。これが現状であろうと思います。
したがいまして、今回この条例を制定するに当たっては、相当な注意が必要であろうと思います。しかし、一方で骨抜きになってしまうようでは、また困りますので、そのあたりをどうさじかげんをするのかというがのすごく大事であります。今言ったように23区の中で条例の進捗状況についても一部私が申し上げましたけれども、こうしたことを踏まえて、中野区では家主居住型と不在型について、当然家主居住型における責任の問題もありますから、その辺もきっちりと条例上の中で整備する必要もあります。
また、家主居住ということがどういうことを指すのかということも、これも大きな問題であろうと思います。特にマンションみたいなものとか集合住宅の中で、どういう形が居住型と言えるかどうかということなど、居住型であっても、まだまだ詰めていかなければならない問題もありますし、不在型につきましても、先ほど法律にのっとれば同じようにということでありますけれども、これについてはさらに厳しい規制も必要であろうかと私は考えます。そんな状況の中で、今後進めていく時間的なもの、スケジュールをつくってパブリック・コメントを経て、条例制定までにこれからこの民泊の条例を制定するに当たってどういった道筋でいくのかということはすごく大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。
白土環境部長
今委員御指摘のように、各区とも非常に悩んでいる。中野区としても非常に悩んでいるところでございます。ということで、ただ、来年3月15日から受付が始まってしまうというところで、時間的な縛りがある中ではございますけれども、今回意見交換会の結果を御報告しましたけれども、本会議でいろいろな御質問、御指摘、それから御提案もございました。それから、この案でパブリック・コメントをやらせていただきまして、その結果、それから、さらに議会での御意見とかを十分踏まえまして、この法の趣旨にのっとって、適正な規制のもとに健全な民泊が普及するような形、そういう形で条例案を作成していきたいと考えております。
北原委員
ありがとうございました。今後、また議会とのこのような機会もあろうかと思います。また一方では、お尻が決まっていて、そこまでにはというものもあろうかと思いますけれども、ガイドラインが示されていないとか、まだまだ流動的な部分がたくさんあると思いますので、そういったことを踏まえまして、ぜひ議会の声もしっかりと反映していっていただける条例づくりを目指していただきたいと思います。以上、要望です。
細野委員
他の委員からいろいろ質問が出ていまして、私も1点だけお聞きしたいんですけれども、今北原委員もおっしゃっていたように、家主居住型と不在型の違いは大きいのかなと。部長のほうから、居住型でも問題がないわけではないというお話もあったんですけれども、それでも不在型のほうが、懸念される問題ですとか、区民の方の不安は大きいのかなというふうには感じるところがあるんです。今のアの事前周知のところなんです。居住型と不在型の違いというのが、不在型については「最寄りの区施設(区民活動センター等)で事業説明会を開催しなければならない」とあります。その事業説明会の対象の範囲というんでしょうか、事前の周知の範囲というのは、近隣住民の範囲のア、イにある基本的には敷地に隣接する方々というふうな捉え方だと思うんですけれども、この事業説明会については、そのあたりは今の段階ではどういうふうな対象になるんでしょうか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
今回近隣住民の範囲をお示ししましたけれども、事業説明会をどこまでするかというのはまだ検討の段階でございまして、細かいものにつきましては、今後検討の上、例えば規則でありますとか、ガイドラインのほうでお示ししたいと思っております。
細野委員
この範囲なんですけれども、居住型の方々と同じ範囲よりは、不在型についてはもうちょっと一定影響なりはあるのかなと思いますので、もう少し広い範囲で想定していただきたいと思います。要望でお願いします。
内野委員
先ほど御答弁の中で、家主居住型の中にもトラブルがあるという事例があったようなんですが、具体的にどんなトラブルがあるかというのは、言える範囲で結構ですので教えていただけますか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
意見交換会での御発言につきましては、実際に自分が住んでいる隣の家で多数の旅行客が出入りをしているということで、その方は家主さんが住んでいるということなんですけれども、実際一般的に申し上げまして、家主さんがいるとその方に言えばいいじゃないかということが考えられるわけなんですが、保健所でいろいろ民泊以外にもそれぞれ騒音でありましたり悪臭でありましたりということの問題にかかっておりますと、御近所だからかえって直接言えないとか、そういう状況もございまして、それで保健所に苦情を申し立てたりとか、そういうことがございます。
家主居住型でお住まいであろうということは区としても把握しても、実際には直接御連絡はとれないというケースも、確かに家主が不在であるということで連絡がとれないというのが一番多いんですけれども、そういったケースも幾つかございます。
内野委員
ありがとうございました。あとこれから条例をつくるに当たっていろいろ用語の定義をされていかれるかと思います。先ほどほかの委員からも、家主居住型と一言に言っても、どういう形での居住形態かというのが恐らくいろいろ場合分けをされてくるんだろうと思います。今どき自分の子どもの家を出ていったから貸してというのもあろうかと思いますし、マンションで最上階に住んでいて下の部屋を貸すという方もあるだろうし、その辺の言葉を詰めていく中で、住居系地域というのは、建築基準法の用語では、先ほどどなたかおっしゃっていましたけれども、第1種住居専用地域とか、低層とかというのは、いわゆる住居系というくくりで、住居と名のつく用途地域でくくっている場合もあると思います。
今回規制をしないと言われております商業地域については、近隣商業地域という用途地域があると、商業系というくくりでやっていくと思うんです。中野区の用途地域のカラーの地図を見ると、商業地域と近隣商業地域というのは、主に商店街の流れのところが多い。今回商業地域は規制をしないというのであれば、近隣商業を入れるとしたときに、近隣商業というのはほとんど商店街のあるエリアで、建てかえなんかをきっかけに、今は1階が店舗、上がマンションという形も多いと思うんです。そうすると、商業系というくくりでした場合には、まちのにぎわい、それからツーリストのほうから言うと、物件を見つけやすいという利便性も結構あると思うんです。
なので、規制のかけ方としては、住居系は規制するけれども、商業、近隣商業という商業系の部分に関しては少し緩和をする。そういうやり方をすると、恐らく法の趣旨としてのやり方にも少し近寄っていくのかなというふうには思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
高橋環境部副参事(生活環境担当)
住宅宿泊事業法第18条におきまして、「区域を定めて、事業を実施する期間を制限する」となっておりまして、条例で定めますものも、事業の実施区域及び実施期間を特別に制限する区域を記載する形になりますので、今回は住居専用地域というものにつきましては、都市計画法に定める第1種、第2種低層住居専用地域及び第1種、第2種中高層専用住居地域ということで、ここに規制するものに関して規定するという形になりますので、緩和する部分に関しては、規定していないということは、そこに関しては規制をしないという形の組み立てとなります。
森委員
先ほど北原委員から、報道が出てすぐ考え方が変わっちゃった他区の事例なんていう話もありまして、我が会派も、ひやま議員から先週、駅から一定距離はどのぐらいですか、徒歩二、三分ですと御答弁いただいて、今週に入ったらその考え方そのものがなくなっちゃうということです。皆さんも悩んでいらっしゃるというのがこの1点をもってしても伝わってくるわけですが、条例提案するまでにもっと悩んでいただきたいと私は思っています。非常に影響が大きい話なので、区民にとって何がベストかというのを本当に悩んで考えていっていただきたいですし、我々としても考えていかないといけないと思っています。
その中で、先ほどのやりとりを聞いていて少し違和感があったのは、部長が国会答弁を引いて御答弁をされるんです。国会答弁が自治体の判断を縛るなんていうことは法的にはないはずなんです。これは技術的指導とか助言とか、あるいはパブリック・コメントの回答とかも一緒で、それは国としてはこういう考え方ですと一定お示しをされた。それを別に無視しろというわけではないんだけれども、そこに縛られてもいけないと思っているんです。
意見交換会の結果も御報告いただきましたけれども、区民の中でも推進してほしいという御意見もあれば、規制をしてほしいという御意見もあり、この中でどうバランスをとっていくのがベストなのか、これをまず探っていただく。その上で国のお考えに対して、国はそうかもしれないけれども、区の実態としてはこうだからこうしますと、説明できるところはそうしていけばいいと思うんです。そういう意味でもっと悩んで検討していっていただきたいと思うんです。この点についてお考えをお聞かせください。
白土環境部長
現在も悩んでおりまして、これからも悩むと思うんですが、地域の実情に応じて法第18条による条例を定めることになっております。先ほど国会答弁を引用したのは、法の趣旨、法律の範囲内で条例を制定することができるということでございますので、政府の見解というのは、法律を提案した政府の見解ということで、これは一定踏まえなければいけない。ただ、委員御指摘のように、地域の実情に応じて合理的な範囲内で制限をかけることができるということでございますので、その合理的な範囲がどの範囲なのかということについては明示がないわけでございます。そういうことで各区も、また中野区も非常に悩んでおります。というのは、この件に関しては、区民の生活に重大な影響がある問題でございますので、私どもはできるだけ広く意見を聞いて、しかも、合理的な説明がつくという条例にしなければならないということで、条例提案までこれからも悩んで検討してまいりたいと思っております。
森委員
部長からしっかりした御答弁をいただいたので、1点だけ確認というところで聞かせていただきたいんですが、今回の素案から変更した内容で、先ほど触れた駅の出口から一定範囲は規制から外しますというところの考え方は一旦なくなったという理解でいいんですか。つまり、今後はもう一度どういう規制がいいのかという中で、この考え方というのも引き継いでいくというか、ある程度駅の周りは規制緩和していくことも考えていくのかどうか、そこの辺を教えてください。
白土環境部長
駅周辺の規制緩和というものについては今回削除しておりますけれども、未来永劫この規制緩和をやらないということではございません。今後の実施状況あるいは規制の効果とか、あるいは宿泊需要の関係とかを勘案して、一定の緩和、これは十分考えられる方向であろうと考えておりますので、その際に駅周辺の一定の範囲を規制緩和するということも一つの考え方としてはあると考えてございます。
森委員
法改正の対応の条例はどうしてもコピペみたいな条例が、国からひな型が出てきて、A、B、Cの中からどれを選ぶかみたいなことが多い中で、こういう割と目を引く独自の考え方を考えていくというのも非常に大事だと思うので、そこは引き続き検討していただきたいと思うんです。一方、一旦規制をして、では、大規模イベントが近くなったから規制緩和をしますといってスイッチをオン、オフするみたいに、規制緩和したからぱっと民泊の事業者が出てくるというものでもないのではないかという気がしているんです。要するに一旦規制がされてしまった。今違法状態ないしグレーの状態でやっている方々が続けられないとなったら、規制緩和できるようになる、ならないと、その先も見通せない中で、規制緩和できたら、できるようにしておこうと残していくというのもなかなか難しい人たちも出てくるのではないかと思うんです。なので、その辺も頭に入れておいていただきたい。これは要望しておきます。
久保委員
1点だけ。条例の見直しについてなんですけれども、これも新しく入ってきたところです。今森委員のほうからも、緩和ということがあって、一方で「宿泊需要の状況等を勘案し、必要に応じて規制の見直し」となっていますけれども、逆にもっと規制をかけなきゃいけないような場合も出てくることもあるかと思うんです。そういった場合もこの条例の見直しというのをどのタイミングでこういったことも検討していこうと考えていらっしゃるのかというところが一つ。
あとイベント民泊というのをかつて質問させていただいたことがあるんですが、そういった考え方というのもあります。それは、この条例でイベント民泊に対しても対応していくということになるのか。その2点についてお伺いします。
白土環境部長
条例の見直しで規制の見直しというふうに書いてございますけれども、規制の効果、これを検証し、不都合が生じていれば、部分的には規制の強化をしなければならないといったところもあるかと思います。
あとイベント民泊でございますけれども、イベント民泊に関しては、官公庁の見解では、旅館業法の適用はない。一定の期間、例えばイベント開催の期間に限って宿泊需要の不足が見込まれる。行政からの要請があるといったようなさまざまな要求が示されておりますけれども、それについては旅館業法の適用がないわけですから、そうしますと、この住宅宿泊事業の適用もないということで、これについては、民泊そのものに対する理解、促進というような効果はあろうかと思っておりますけれども、これについてはグローバル戦略推進担当の政策展開の中で生かしていくべきではないかと思っております。
久保委員
ということは、今条例策定に向けておりますけれども、そこの中では特にイベント民泊については、今おっしゃられたように、規定するようなものがあるわけではなくて、区の施策の展開の中で判断をしていく、そういうことでよろしいんですね。
白土環境部長
そのように考えております。
北原委員
確認ですけれども、先ほど私がいろいろなことをしゃべりましたので、言おうとする趣旨が誤解を与えているといけないと思うので、再度私のほうから発言をさせていただきます。
3番の「事業の実施区域及び実施期間に係る特別の制限」というところで、「住宅宿泊事業法第18条に基づき、住宅専用地域においては、月曜日の正午から金曜日の正午までの期間(国民の祝日の正午から翌日の正午までの期間は除く。)は事業の実施を不可とする」ということでありました。私は規制と規制の範囲、そのことについて、法の趣旨にのっとって行うべきであるということを主張いたしました。ですから、この制限は家主居住型については外していただきたい。また、家主不在型についてはさらに検討が必要かと思いますけれども、こういった趣旨を踏まえて、あるいは他区の検討状況を見ながら検討していただけたらありがたいと思っています。そういった趣旨の発言でありました。
白土環境部長
今委員の御発言の趣旨を十分踏まえて、今後の検討に生かしていきたいと思ってございます。
いでい委員
さまざまこの話は出てきていますけれども、そもそも国家戦略特区で始めた、大田区で手を挙げたときに、6泊7日以上ということで、期間をわざとかなり長くして、長い間利用しないと民泊としてはだめですという話があった。これについては、実際に手を挙げられて行ってきた事業者さんが7件しかいなかったという話があります。また、その稼働率についても、年間で言うと20%に満たないところもある。せっかく民泊ということで規制を緩和したところでも、需要と供給がマッチしていないからこそ、国家戦略特区も2泊3日という枠組みをしたわけで、それで、さらに今度はインバウンドの対応のために、また東京オリンピック・パラリンピック開催のときには宿泊所が足りなくなってくるだろう。それについて2019年のラグビーワールドカップがあって、東京オリ・パラに向けてみたいな形で政府は考えて法律が制定をされた。
それについては、それぞれの自治体の事情も鑑みて、上乗せ規制をすることができますという裁量権を中野区は今預かっているわけです。こういった法律は珍しいというか、自治体の中でいろいろ意見を出して決めていいですということは今までもなかった話ですから、これについては中野区のこと、第一に住民のことに対して、それから、今後の影響のことについて、そして、これからやってくる未来に対して備えるべき、そういったことを基本的に考えて物事を進めていかなくてはいけないと思っています。
そこで、今回意見交換会をされて、改めて素案から、案に盛り込むべき主な内容についても、加筆するところ、また、削ったところ、さまざまありますけれども、今現在違法民泊と言われているところというのは、既に今現在行われているところは違法というか、グレーな部分で行っているところというのがほとんどということです。私が考えるには、家主居住型と家主不在型について、この分け方の話なんです。家主居住型については大丈夫ではないかという話は意見交換会でも出ていたのも書いてありました。だけれども、家主居住型でも不在型でも、隣の家で始まったら気持ちのいいものではないという意見もあります。
ですけれども、中野区は騒音だ、ごみ出しだという話のさまざまなクレームのときには、何件か家主居住型もありますという副参事の答弁も今ありました。でも、家主不在型というのが一番の心配事であって、家主居住型ということについては、同じ家の中に、ホストとゲストという関係で、さまざまな外国人をはじめとする、日本人も利用可能ですから、そういった方がオーナーであるホストの家に泊まって、日本での疑似生活体験、中野区での生活体験というものが主眼になっているのがこの家主居住型だと思っています。
家主不在型のことについては、経済活動でありますから、今あいている物件をどうにかして回していかなければいけない。回していくには、さまざま手段を講じなくてはいけない。それには、家主不在型の民泊という形で貸し出しをすれば、一定量の家賃相当の額も稼げるのではないのか。そういったことが簡単に行うことができる、ネットだけで行うことができるということで、今さまざま広がっていってはいます。
しかし、ここで法律が制定された。自治体からは、こういった仕組みについて整理がされて、新たな規制がかけられましたということになったときには、法を超えて営業しようとする家主不在型の民泊というのは、今グレーな部分と申し上げましたけれども、それについては、淘汰まではいきませんけれども、相当数整理をされるのではないかという感じを持っています。だって、その利益を追及するためだけに、法を逸脱して、法を超えて営業活動してまで、そのリスクをとってまで、違法民泊と言われるであろう施設を運営していく意味がない話だと私は思っていて、中野区はそういったことが始まったときのことまで想定して、今新たな条例案を策定しなくてはいけないと思っています。
家主居住型のことについては、皆さんどういう経験をされたかわかりませんけれども、実は、海外ではすごく当たり前の話なんです。僕は、若いころ海外に住んだこともありますし、ベッド・アンド・ブレックファスト、それの略がB&Bというんですけれども、普通のおうちの中の1部屋を貸してもらって、朝食を提供してもらう。そのために旅行者でもちゃんと対価を払います。そういうのは道路沿いに、今あいています、今あいていませんという形で、B&B、あき、満室という形でいつも看板が出ていて、旅行者の方もかなり利用されている。それは、イギリスとかロンドンの住宅事情のこともあるし、宿泊施設のこともあるし、海外からやってくる人、また国内でも旅行する人たちの宿泊施設が足りないから、または支払う対価が高いから、安いところがないかという形で皆さんが移動している中での生まれてきたものだと思っています。
日本も、東京の世界的なスポーツイベントのためにそういったものを普及していこうということでこの民泊を始めたわけですけれども、そういったことを全て切り離して、規制をすればいいというものではなくて、僕は、この盛り込むべき主な内容について評価している部分はすごくあります。それは、届け出住宅の公表のことであったり、今まではあるサイトを使って申し込みをしても、申し込みをした人でなければ、ここに宿泊施設がありますというのは知らされなかった話でもありますし、また、対面による本人確認等ということについても、これは盛り込むべきものに最後に残しているということも実は大変評価をしています。また、近隣住民等への事前の周知のことについても、結局近隣住民に説明をしなければいけません、近隣住民の理解が得られなければ、これは開設できませんということについては、中野区で始まる前から指導監督できる話でもありますから、こういったことについては大変評価もしています。
実際に中野区がこれから目指していくことについて、東京オリンピック・パラリンピック2020がやってきます。そのために2018年、来年から各東京オリ・パラについてのボランティアの人たちを募集していくということがこれから始まっていくそうです。そのときに2019年のラグビーワールドカップのボランティアをやっていた人が優先的に東京オリ・パラのボランティアに選ばれるのではないかとか、いろいろな話はあります。中野区は東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、今インバウンドとかグローバル戦略とかいろいろなことを言っていますけれども、来てくださる外国人の方たちに、中野区を訪れてもらう。中野区で生活してもらう。中野区でこんな体験をしたということ、そのために広めていくのが一つ仕事ではないかと思っています。
ここは区民委員会なので、どちらかというとアクセルとブレーキの中ではブレーキの役割を果たすところで、逆に建設委員会のほうではアクセルの役目を担っているわけですけれども、ここでブレーキも必要なんだけれども、ちゃんとわかった上でのブレーキが絶対に必要で、残していかなければいけないものは何なのか。外国のお客さんをはじめとする日本国民、旅行者の方に中野区に訪れていただいて、中野区のホストオーナーがいる居住型の施設に泊まっていただいて、さまざまな交流をしてもらう。そこで中野区のよさは何か。やはり駅から徒歩20分というところは存在しないわけですから、必ず利便性が高いです、あとはオーナーともこういった人間的な交流ができます、近所には商店街があって、近くには銭湯があって、こういった日本の文化を生活することによって体験することができるのが中野区ではないか。
かといって、それが地方ではなくて、東京23区の中の新宿や渋谷、池袋と隣接している中野区というものをもっと海外にアピールすることもできるわけであって、健全な民泊をどうやって運営していくのか。それは、まさに健全というのは、しっかりと日本のおもてなしというものを考えてやっているホストさんがいて、世界からそのホストを目指してやってくるゲストさんをどうやって受け入れていくのか。それを進めていくのが、今中野区が判断、決断を迫られている現状だと思います。どうですか。
白土環境部長
委員おっしゃるとおり、健全な民泊、これについては意見交換会にも実際民泊をやっていらっしゃる方がおいでになって、うちではこういうふうにやっています、例えば外国人旅行者が来たときに、いろいろな日本の習慣だとか、あるいは日本の食事もそうですけれども、体験等を自分たちはこういう工夫をしてやっているんだというお話も聞きました。それに関しては、本当に健全な民泊の姿だろうな、中野区が目指すべきグローバル化というのは、そういった健全な民泊、これを発展させていくことが重要だなと、私はそれについては全く同感でございます。
一方で、住環境を守るということがございますので、そのバランスの問題というものが出てきます。ですので、非常に悩んでいるところではございますけれども、これについては、条例案を提出するまでいろいろな知恵を出して、いろいろな御意見も伺いながら、うまい知恵が出てくればいいなと思っております。
いでい委員
私は二つお伺いしたいというか、しなければいけないというのは、さっき北原委員からもほかの委員からもありましたけれども、家主居住型というのは、何をもって家主居住型とするのか。これについてはさまざま考え方はあります。今ぱっと聞いただけでも10通りぐらいのいろいろな判断が出ましたし、それのことについては区で決められる話でありますから、それについてはもうちょっと間口を広げて考えるべきなのか、それとも絞るべきなのか。そのホストであるオーナーがいるところにゲストが来ること、一つの日本の住宅の中で同じように生活をする、体験をする。それができるところというのは家主居住型だと私は思っています。
あとは、そちらでこれからもいろいろな判断があると思いますから、それについて議論していただきたいと思いますけれども、もう一つは、まずここで条例を制定して、12番のように、条例の見直しのことについて1項目入れてくれたことについても私は非常に評価をしています。だけれども、これは今現状ではわからない、やってみないとわからない。1年間のデータを集めて、規制するものは規制する、緩和するものは緩和するとさっき言っていましたけれども、でも、データを集めたところで、そのデータをどうやって分析するんですか。データを読み取れる人がどこで読み取るんですかというのが問題になってくると私は思っていて、2019年や2020年の手前のところで、改めて緩和をしていく必要がありますとなったときに、では、このデータをもとに中野区が何かできるんですか。それができるんだったら、この条例案に最初から盛り込めばいいわけだ。いろいろなことが想定されていく。想定されていく中で、中野区は民泊条例を使って、こういう中野をつくっていくんだという物語がなければいけない。
実際中野区が新しい中野をつくる10か年計画、第3次が稼働していますけれども、その中でうたっている話なんだから、別に整合性はつくわけです。なぜそこでホスト、居住型、不在型とわざわざ一緒にしてまず規制をかけて、1回1年間やってみて、必要があれば変えていきましょう、そういう後ろ向きの話をするためだけではない。そのことについてどう思いますか。
白土環境部長
今の委員の御発言の趣旨については十分理解できるところでございます。これについては、先ほどの家主居住型のお話がありましたが、まさしく国際交流だとか、あるいは外国人の旅行者に体験してもらうだとか、それが可能なものに絞らないと、合理的な説明が難しいのかなと思っておりますので、もし仮にそれをやるとすれば、そういうものに絞っていくんだろうなと思っております。いつからそれをやるかということに関しては、今後鋭意検討させていただきたいと思っております。
いでい委員
それともう一つ、今ラグビーワールドカップや東京オリ・パラの話をしましたけれども、東京オリ・パラが終わった後、どういうふうなことが必要なんだろうか。それについてはこの12番目の項目の中で、規制をしたり緩めたりというところは可能だとは思っていますけれども、私は、中野区でそういった家主不在型民泊を経営したいという方がいらっしゃれば、それはいいと思いますけれども、主に中野区民がオーナーになるのではないのか。家主居住型のところについては、中野区にお住まいの区民の方がホストであるわけですから、それは切り分けていかなくてはいけない。
あと、今後2020年のオリ・パラが終わりました。4,000万人とか6,000万人とか、すごいことを言っていますけれども、本当にそこがそうなるかわかりませんが、やっていくのは中野区のまちづくりをどのように進めていくんですかということ。民泊の経営権とか営業権を持たせたところが中野の都市計画について、では、こういったいろいろな計画の中で、結局それがなかなか前に進まない原因になるようなものを今の民泊業者に与えて本当にいいものだろうか、そこまで考えているわけです。
直近の3月15日から受付が始まるまでの中野区のレギュレーションをしっかりと整えることが一つ。あと、これがどういうふうに動いていくのかというビジョン、先見性を持って当たることがもう一つ。あとは東京オリ・パラという世界的なスポーツイベントが終わった後、それがどのようになっていくのかというまで示していくぐらい、そこまで今この短期間で決めることは可能だと私は思っているわけです。さっきの部長の答弁だと、それは今の時期はもう無理ですみたいな、そんな話だったけれども、やる前から無理ですなんて、そんな答弁は責任者である部長が全くするものではないと思っています。それについてお答えください。
白土環境部長
この健全な民泊をどう中野のグローバル化、まちづくりに生かしていくかということに関しては、都市政策推進室のほうと鋭意検討する必要があると考えてございます。これについては、早急に検討していきたいと考えてございます。
委員長
他に質疑はありますか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
委員会を休憩します。
(午後4時11分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後4時12分)
他に質疑がなければ、以上で本報告については終了いたします。
次に、5番、その他で何か報告はありませんか。
波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当)
私のほうから、ごみゼロ推進分野執務室移転に伴う食用油回収拠点の変更について、口頭にて報告させていただきます。
平成30年2月10日にごみゼロ推進分野の執務室を中野区松が丘一丁目の清掃事務所の敷地にあるリサイクル展示室の2階に移転し、2月13日から新たな執務室で業務を行う予定でございます。移転に伴い、これまでごみゼロ推進分野で実施してきた食用油の回収については、区役所9階の地球温暖化対策分野の窓口にて実施することといたします。
ごみゼロ推進分野執務室の移転及びそれに伴う資源の回収拠点の変更については、来年1月11日の区報及びホームページ、またごみ分別アプリ等で区民周知を行っていきます。よろしくお願いいたします。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
細野委員
区役所で行うということで、ありがとうございますというのも変なんですけれども、よろしくお願いします。
それで、9階ということなので、9階でやっているということが区役所にいらした方にわかるように、1階というか、そのことをここでやっているんですということがわかるように区役所の中での広報もしっかりしていただきたいと思います。要望です。
委員長
他に質疑はありませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告については終了いたします。
他に報告はありませんか。よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
次に、地方都市行政視察についてですが、去る11月7日、8日に実施しました地方都市行政視察について、お手元の文書(資料6)のとおり、調査報告書の案を作成いたしました。本報告書を議長宛てに提出したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
次に、所管事務継続調査についてお諮りいたします。
お手元に配付(資料7)の事項を調査事項とし、これを閉会中も継続審査すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
審査日程のその他に入ります。
委員会を暫時休憩します。
(午後4時15分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後4時18分)
休憩中に御確認いただきましたとおり、次回の委員会は1月30日(火曜日)午後1時に行うということで御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
また、次回の委員会においては、清掃事務所車庫の視察を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上で予定した日程は全て終了いたしますが、委員、理事者から特に発言はありませんか。
小杉委員
1点、国民健康保険料の検討が今されているのかと思うんですが、この間、中野区国民健康保険運営協議会があって方針が決定して、標準保険料率は決まったんだけれども、中野でどうなるのかというのは、例えば10月ぐらいに年齢とか世帯とかというものを具体的に提示がされたと思うんです。その都度、今後は都道府県がされるというのは初めてのことなので、区民にとってどのぐらいの負担があるのかというのを理解するということとか、区の対応もそうなんですが、具体的にそういった例示を示していただくということは考えているんでしょうか。
戸辺区民サービス管理部長
国民健康保険の保険料率につきましては、中野区国民健康保険運営協議会に諮問するということになりますので、その後答申いただいて、その結果に基づいて条例提案というのが通常の流れになります。その間にもし御報告する機会があればさせていただきたいんですが、非常にタイトなスケジュールでやってございますので、お約束はできかねるかと思います。
委員長
他に発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で区民委員会を散会いたします。
(午後4時20分)