1.平成30年(2018年)7月3日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 杉 山 司
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 小 林 ぜんいち 16番 中 村 延 子
17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 欠 員
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 白 井 ひでふみ
27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子
29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男
31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご
33番 高 橋 ちあき 34番 伊 藤 正 信
35番 篠 国 昭 36番 小 林 秀 明
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 本 田 武 志
政 策 室 長 朝 井 めぐみ 経営室長、新区役所整備担当部長 髙 橋 信 一
都市政策推進室長 奈 良 浩 二 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹
区民サービス管理部長 上 村 晃 一 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞
健康福祉部長 小 田 史 子 保 健 所 長 向 山 晴 子
環 境 部 長 白 土 純 地域まちづくり推進部長 角 秀 行
都市基盤部長 豊 川 士 朗 政策室副参事(企画担当) 杉 本 兼太郎
経営室副参事(経営担当) 石 濱 良 行
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 古 本 正 士
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 井 田 裕 之
書 記 冨 士 縄 篤 書 記 野 村 理 志
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 遠 藤 良 太
書 記 松 丸 晃 大 書 記 古 谷 友里香
書 記 吉 田 光 洋 書 記 有 明 健 人
議事日程(平成30年(2018年)7月3日午後1時開議)
日程第1 第46号議案 平成30年度中野区一般会計補正予算
日程第2 第47号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第48号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第49号議案 旧中野神明小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第50号議案 第十中学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第51号議案 旧大和小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第52号議案 鷺宮体育館アリーナ天井改修工事等請負契約
第53号議案 江原小学校体育館非構造部材耐震対策等改修工事請負契約
第54号議案 中野上高田運動施設野球場改修工事請負契約
第55号議案 グループウェアシステムパッケージソフトの買入れについて
第64号議案 中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に伴う支障移転工事等委託契約
日程第3 第56号議案 中野区特別区税条例等の一部を改正する条例
日程第4 第57号議案 中野区自殺対策審議会条例
第58号議案 中野区立体育館条例の一部を改正する条例
第59号議案 中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例
日程第5 第60号議案 中野区立商工会館条例を廃止する条例
第61号議案 中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例
日程第6 第62号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例
第63号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
日程第7 議会の委任に基づく専決処分について
追加議事日程
日程第8 議員提出議案第7号 東京都後期高齢者医療広域連合議会議員補欠選挙における候補者の推薦について
午後1時00分開議
○議長(いでい良輔) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 久 保 り か
1 区長の施政方針について
2 受動喫煙防止について
3 その他
○議長(いでい良輔) 初めに、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○37番(久保りか) 平成30年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。
去る6月10日に行われた中野区長選挙にて、区長に就任された酒井新中野区長にはお祝いを申し上げます。これからの4年間、区民のために誠実にお勤めいただくとともに、中野区のかじ取りをよろしくお願い申し上げます。
また、中野区議会補欠選挙にて初当選された杉山議員には、同僚議員として、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは初めに、区長の施政方針について伺います。既に3日目となり、他の議員と重なる質問があることを御了承ください。
施政方針で、「今回の区長選挙は、政策決定過程での『区民参加のあり方』が問われた選挙でした」と区長選挙の争点を振り返られています。果たして本当にそうだったのでしょうか。そもそもこれまでの区政に対する多くの不満や意見を持つ方々が区の方針に対して異を唱えていたからこそ新区長を応援されたのではないでしょうか。区民の声を酌み上げる仕組みを持つ、丁寧に議論するとの区長のスタンスは理解できましたが、区民の関心が高いと思われる課題について、区長御自身はどう考えているのかは明かされず、玉虫色の印象を持ちました。首長としてこれから幾つもの大きな決断を迫られる場面がすぐにもやってきます。その際には、議会の同意を得た上で、区長としての覚悟を決め、力強くリーダーシップを発揮していただくことを期待します。
区長が1番に掲げる「中野区を子育て先進区へ」には、現在大きな社会問題となっている児童虐待や子どもの貧困などについては全く触れられていないことも、危機感が乏しく問題意識が欠如しているように感じました。東京都目黒区で虐待を受けたとされる5歳の女児が死亡するという痛ましい事件が起きました。相次ぐ児童の虐待死を重く受けとめ、6月15日、政府は児童虐待防止対策の関係閣僚会議を開きました。対策の多くは児童相談所の体制、連携強化についてであります。また、29日には、子どもの虐待の根絶を目指すプロジェクトのメンバーが都知事におよそ10万人分の署名を提出し、児童相談所の体制強化などを要望しました。児童相談所の設置について検討の進む我が区にとっても児童虐待防止対策は注視すべきであります。中野区内で一人でも虐待により命を失うお子さんが出るようなことがあれば、ここにいる誰もが胸を痛めるでしょうし、区長御自身も行政の長として責任を感じられることと思います。まずは中野区で虐待ゼロを目指す、児童の虐待を防止することへの区長の御決意を伺います。
次に、児童相談所の設置について伺います。虐待や子どもの貧困、いじめや非行など、さまざまな課題に対応するためにも、現在検討が進められている児童相談所の設置をスムーズに進める必要があります。これまで中野区は、区長会等でも積極的に児童相談所の移管を求めてきた経緯があります。区の児童相談所の設置について、区長はどのようにお考えでしょうか、伺います。
中野区では、(仮称)総合子どもセンターに児童相談所機能を整備するとともに、別途一時保護施設を区単独で確保していく考えであり、総合子どもセンターの近接地域に設置することを基本としています。中学校の同一敷地内、複合施設であることを考えると当然であると考えます。一時保護所の最適な設置について御所見を伺います。
施政方針にはありませんでしたが、これまで我が会派が推進し、全国でも子育て支援の先進的な取り組みとして評価の高い妊娠・出産・育児トータルケア事業の産後ケア事業について、区長はいかがお考えでしょうか。産後ケア事業に対し、どのように評価をされているのかお聞かせください。私は、さらに産後ケア事業を充実させていくべきではないかと考えますが、お考えを伺います。
産後鬱からネグレクトや虐待に発展することもあり、赤ちゃんとお母さんを守るためにお母さんの悩みに寄り添う助産師の存在は非常に重要です。産後ケアの拠点として重要な役割を担う助産院についても、現状では区内に十分とは言えません。さらに助産院をふやしていく必要を感じています。助産院の開設に対する中野区独自の助成制度なども構築すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、公教育の充実についてお聞きします。平山幹事長の現状の課題は何で、教育長や校長の民間人登用によりどう変わるのかとの質疑に対する御答弁は、全く納得のいくものではありませんでした。私は、教育長が民間人ではいけないと思っているわけではありませんが、区長の御答弁を伺い、あえて民間人を登用する必要があるのかとの疑問が湧いてきました。施政方針では、「特に公教育の充実は、自治体がしっかり取り組まなければなりません」と述べられていますが、具体的に何をどう充実するのかが見えてきません。区長の言われる公教育の充実とはいかなるものでしょうか、お聞きします。
次に、学校教育について伺います。日本の教員は働き過ぎと言われていますが、学校は教職員だけではもはや抱え切れない課題が多い状況であると感じます。現在、保護者や地域住民が公立学校の運営に参画する学校運営協議会を設置したコミュニティスクールが全国の公立学校の14.7%に当たる5,432校に拡大されています。2017年3月に成立した改正地方教育行政法で、教育委員会に対し、学校運営協議会の設置が努力義務化されたことを契機に、1年間で設置校は1.5倍になっています。これまで中野区の幼稚園、小・中学校は、家庭、地域との連携を深め、地域の中で育まれ、支えられてきました。今年度から教育委員会事務局には学校・地域連携担当も設置されており、準備段階に入っているようにも考えられます。先日の田辺裕子前教育長の退任の御挨拶では、中野の学校教育が地域に支えられていることを感謝され、希有な地域と表現されていました。私も同感です。住民参加を旨とする区長のもと、中野区においても、コミュニティスクールの設置に踏み切るべきではないでしょうか。地域住民が参画し、学校と地域が一体となって学校の諸課題に取り組むコミュニティスクールの設置を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
適応指導教室について伺います。今後、教育センターの移転に伴い、適応指導教室も新施設で行われる予定です。かねてから、学校に通えぬ生徒に学校敷地内の適応指導教室に通わせるというのは配慮に欠ける発想ではないか、北部や南部地域から通う生徒の利便性を考慮すべきとの視点から、適応指導教室を他の場所でも実施すべきと求めてきました。適応指導教室の開設についていかがお考えでしょうか、伺います。
次に、全ての区民を対象とした地域包括ケアシステムの構築について伺います。地域包括ケアシステムを構築する上で、都市基盤整備も含めたまちづくりについて進めていくことは重要であると考えます。高齢者、障害者、乳幼児親子の外出時に、その移動を円滑にするためには、新交通システムの導入を図ることが必要です。これまでさまざま検討されながらも実現することのできなかったオンデマンド交通など、地域包括ケアを進める中で具体的に取り組んでいくべきではないでしょうか。御見解を伺います。
また、安全に外出できるためには、駅舎や道路、施設のバリアフリー化も重要な課題であると思います。駅やバス停、すこやか福祉センター、高齢者会館など、主要なルート上での道路の段差解消を進め、ユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを進めていくことが重要です。平成27年にはバリアフリー整備構想が策定され、その考え方に基づき、まちづくりの計画は進められていくことになっていると思います。超高齢社会を迎えるこれからの中野のバリアフリーのまちづくり、ユニバーサルデザインのまちづくりについてどのような見解をお持ちでしょうか、伺います。
昨年の第2回定例会で、中野区視覚障害者福祉協会の要望を受け、平山幹事長の質問で、中野駅北口からスマイルなかのまでの点字ブロックの早期設置を訴え、現在点字ブロックが設置され、視覚障害者の皆さんからは大変喜ばれています。さらに、スマイルなかのから早稲田通りまで点字ブロックを途切れることなく設置すべきではないでしょうか。また、中野駅から中野駅南口の視覚障害者施設まで途切れることなく点字ブロックを設置する必要もあると考えます。東京都とも連携を図りながら、早期に実現すべきではないでしょうか、伺います。
先日私は、社会福祉法人武蔵野療園中野友愛ホームで開催されたベビーバルシューレを同僚議員と見学しました。小さな子どもたちが伸び伸びとボール遊びをする教室に友愛ホームが会場を提供しています。このほかにも友愛ホームでは、7月より子ども食堂が、また同系列のしらさぎ桜苑でもこども食堂を6月よりスタートしています。介護施設での子どもの居場所、活動拠点としての提供は、乳幼児親子が高齢者の方とも自然に触れ合う機会にもつながります。介護施設などを地域に開放し、子育て支援の場としても提供していく取り組みを中野版地域包括ケアシステムでは推進すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
本年4月に開設されたウェルファーム杉並を木村議員と視察いたしました。同施設は、誰もが気軽に利用できる福祉と暮らしのサポート拠点として、子ども・子育てプラザ天沼、杉並福祉事務所荻窪事務所、杉並区社会福祉協議会、在宅医療・生活支援センターなどの複合施設となっています。親の介護と育児を同時に行うダブルケアや、障害のある子と認知症の親など、複数の生活課題を抱えた世帯が増加しています。こうした世帯を杉並区在宅医療生活支援センターによる調整のもと、高齢者や障害者、子どもなどさまざまな相談機関が丸ごとサポートしていくとしています。区長は、すこやか福祉センターの機能強化と述べられていますが、これからの地域包括ケアシステムを構築する上で、区民の在宅生活をサポートする杉並の在宅医療生活支援センターのような機能を強化することが非常に重要であると考えます。いかがでしょうか、伺います。
施政方針では、「全国の都市部においてのモデルになるような取り組みを目指していきたい」と抱負を語られています。一番大変なケース、さまざまな問題が重なり困っている世帯に標準を合わせ、課題の解決に当たっていくことで、全国のモデルとなる中野版の地域包括ケアシステムが構築されると考えます。区長のお考えを伺います。
次に、「安心して地域で暮らし続けられるまち、中野」で示された、区民を見守り支えあう「見守り支えあいネットワーク」の構築について伺います。
これまでの地域支えあいネットワークとはどう違うのか。また、新たな取り組みであるとするならば、これまでの地域支えあいネットワークとの整合性は図られるのか伺います。
本年3月、区民の町会・自治会活動への参加の促進に関する検討会の報告書が作成されました。この検討会は、地域コミュニティの中核として重要な役割を担う町会・自治会の活動の永続的な継承に向けて、町会・自治会と区がともに課題の解決を検討する機会として設置されました。町会・自治会の永続的な継承について区長はどう認識されているのでしょうか、お考えを伺います。また、今回の報告書で見えてきた課題や取り組みについては、「安心して地域で暮らし続けられるまち、中野」の構築に反映されるのか伺います。
次に西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。これまで我が会派は、西武新宿線沿線まちづくりにおける駅周辺のにぎわいと商店街の活性化を求めてまいりました。新井薬師前駅、沼袋駅では、広場や道路の拡幅整備とあわせ、まちがにぎわっていくことが重要です。現在、都市観光・地域活性化担当も加わり、商店街やまちのにぎわいについての検討が進められています。沿線まちづくりとあわせた商店街のにぎわい創出についていかがお考えでしょうか。また、商店街の活性化やまちのにぎわいに対する具体的な支援策も示されるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
野方・鷺ノ宮・都立家政駅では、それぞれ地区まちづくり検討会の駅周辺地区まちづくり構想が示され、報告会も開催され、野方・鷺ノ宮は既に本構想を区に提出されています。これまでの地域の皆さんの努力を無にしてはならないと思います。構想から方針、計画実施に進む中で、それぞれの立場での意見の違いもあり、時に大きな反対運動に発展する場合もあることは過去に経験済みです。例えば、鷺ノ宮には補助133号線の整備という課題があります。まちづくり構想では、地域、事業者、行政がそれぞれに果たす役割が、地域、事業者は「補助133号線の整備などへの協力」、行政は、「補助133号線の整備」と示されています。しかし、これとて反対をされる方もいます。とかくまちづくりには反対運動がつきものです。検討会に携わった方の中には、区長が変わったことで方針が変わってしまうのではないかと心配されている方もいらっしゃいます。区長は、「地域の皆さんが取りまとめた構想を踏まえ、まちづくりの整備方針を検討していく」と述べられています。この御発言は大変力強いものです。地域の皆さんが取りまとめた構想を踏まえ、今後まちづくりの整備方針を検討していくとの区長の御決意を改めて伺います。
鷺ノ宮駅周辺の課題の一つに、公社西住宅の建てかえがあります。白鷺一丁目の都営住宅を建てかえる際、その敷地を活用し、妙正寺川の水害対策に資する調節池を東京都が設置し、上部をふたがけし、中野区が整備した白鷺せせらぎ公園は、地域の防災拠点、また子どもたち、お年寄りにも、スポーツや憩いの場所として親しまれています。西住宅の敷地は、鷺宮体育館、運動広場と隣接し、今後、連立事業が進めば、第八中学校の敷地とも地続きとなります。西住宅建てかえの際には、水害対策のための調節池を整備し、上部をふたがけし、公園など中野区が地域資源として活用できるよう東京都に働きかけるべきと考えます。御見解を伺います。
次に、西武新宿線野方以西の構造形式に対するお考えと、連続立体交差事業の推進について伺います。
5月25日、平成30年度西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟理事会が開催されました。理事会では、事業の進展と近年の活動内容を踏まえ、期成同盟規約の区内全線地下化の文言を削除し、中井駅から野方駅間の事業の着実な推進と野方駅から井荻駅間の事業の早期実現と規約の一部改正が行われました。野方以西については、構造形式にとらわれることなく、1日も早い連続立体交差事業の事業化を求めていくべきと考えますが、区長の御見解を伺います。また、関係機関へはどのように強く働きかけを行っていくのかお考えを伺います。
この項の最後に、イクボス宣言の継続について伺います。6月15日で、中野区が全庁を挙げて行ったイクボス宣言より1年が経過しました。区長は選挙戦で、区役所職員の中に漂う閉塞感の打開についても訴えていたと記憶しています。ボトムアップで意見を聞く風通しのよい区役所つくることは非常に重要であると考えます。一方で、区の最高責任者として、区民及び職員を守るとの責任も問われるのではないかと考えます。中野区では、職員の個人としての充実した生き方を仕事に生かすことによって、仕事の質が高まり、それが区民にとっての最大の価値を生み出すことにつながる。そのような働き方や組織をつくり上げていくことが重要であるとの考え方に基づきイクボス宣言は行われました。区長は宣言を撤回することなく、中野区のイクボスとして職員の人生とキャリアを全力で応援されることを期待します。区長の御決意を伺って、この項の質問を終わります。
次に、受動喫煙防止対策について伺います。
東京都の受動喫煙防止条例が6月27日の都議会本会議で賛成多数で可決、成立しました。今後段階的に施行し、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年4月に全面施行されます。私は、平成17年の予算特別委員会で初めて受動喫煙防止について取り上げ、その4月の中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例の改正に関連し、質問いたしました。この際の条例改正では、「区民等は、他人の身体及び財産の安全のため、公共の場所においては歩行喫煙をしないよう努めなければならない」、また、路上喫煙禁止地区の指定などが加えられました。平成17年の条例改正時、路上喫煙の禁止区域の指定ができるようになり、結果的には受動喫煙の抑制の効果もあろうとは思いますが、基本的には歩行者などの安全の確保という観点から区は取り組まれてきております。しかし、改正から13年経過しましたが、いまだ歩行喫煙については大きな課題があると感じています。この際、中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例の趣旨を踏まえ、まちの美化や歩行者などの安全確保のために、いま一度その取り組みの強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。また、受動喫煙防止という新たな視点から、従前のポイ捨て条例を見直す必要もあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
都議会公明党から、「公共の屋外喫煙所の設置に取り組む自治体に対しては、都が全面的に支援すべき」と見解を問われ、小池都知事は、「今後、都といたしまして、屋外の公衆喫煙所の設置などに要する経費を全額補助するなど、地域の実情に応じた区市町村の取り組みを積極的に支援していく」と答弁されています。補助要綱などはこれからですが、東京都は区市町村からの申請に対して対応できるよう予算措置を行うと伺っております。路上喫煙を抑制し、受動喫煙を防止するために、区として積極的に屋外喫煙所の設置に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞きします。
平成28年第3回定例会では、「現在、中野体育館では出入り口付近に喫煙スペースが設置され、屋外での喫煙ではあるが、体育館の正面の出入り口付近であり、たばこの煙が館内に流れ込む位置にある。受動喫煙対策を講じた上で喫煙所の設置をすべき」と質問いたしました。しかし、現状では、喫煙所の設置の見直しが難しいようです。条例制定により、東京都が10分の10を補助するとしている公衆喫煙所に関する補助制度を活用し、現中野体育館屋外に屋外公衆喫煙所を設置すべきではないかと考えます。いかがでしょうか、伺います。
現在、中部スポーツ・コミュニティプラザや南部スポーツ・コミュニティプラザは敷地内禁煙をうたっております。喫煙所の見直しが難しいのであれば、この際、中野体育館も敷地内禁煙に改めてはいかがでしょうか、伺います。
その他で2点お伺いをする予定でしたが、別の機会に改めます。取材をいただきました理事者の皆様、ありがとうございました。
以上で私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 久保りか議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目に、施政方針の中での児童虐待防止に対する決意についてでございます。児童虐待は決して許されるものではなく、子どもの命と人権を守るために児童相談所と連携した子ども家庭支援センターの着実な相談支援により、虐待の未然防止と早期発見、早期解決を図ってまいります。また、要保護児童対策地域協議会を通じた地域の関係機関の連携強化を図るとともに、今後検討を進めていく子ども版地域包括ケアシステムの構築により、子育て世帯を地域で見守り育み、虐待を防止する地域社会の実現に努めてまいります。
次に、児童相談所の設置についてでございます。子どもと家庭をめぐる課題が複雑になる中、子どもの安全・安心を確保していくためには、身近な地域において権限と責任を有し、迅速性と総合性を兼ね備えた対応を行う必要があると考えております。区は、2021年度に児童相談所を設置することとし、準備を進めているところでございます。中野東中学校新校舎に併設する(仮称)総合子どもセンターに児童相談所機能を設置し、子ども期から若者期における本人や家庭の課題についての専門相談、支援、措置、家庭・社会復帰までを総合的に実施していく考えであり、着実に進めてまいります。
次に、一時保護所の最適な設置ということでございます。区は、(仮称)総合子どもセンターに児童相談所機能を整備するとともに、別途一時保護施設を区単独で確保していく考えでございます。一時保護施設は、何より子どもの安全・安心を確保できる環境とすることが第一であり、できる限り家庭的な居住空間や快適な日中活動の場を整えるとともに、子どもの状況に応じた個別対応ができる諸室についても整備を図ってまいります。あわせて、(仮称)総合子どもセンターの児童福祉司、児童心理司によるきめ細かい対応や緊急時の応援体制の確保等を可能とし、質の高い安定的な運営を図るため、同センターとの連携に十分に配慮した配置、設備としていく考えでございます。
次に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の評価でございます。妊娠・出産・子育てトータルケア事業は、平成27年10月に開始し、ことしで4年目を迎えますが、多くの妊産婦に各種サポート事業やケア事業を御利用いただいており、実施後のアンケートにおいても満足度の高い結果となっております。育児の孤立化や産後鬱、児童虐待の防止に寄与する事業であり、今後とも当事者の声を丁寧に聞き、事業メニューの拡大や利用枠の増加などについて検討していきたいと考えております。
次に、助産院の開設に対する助成制度の創設についてでございます。ショートステイやデイケアなどの産後ケア事業を推進していくための基盤整備を図る必要があると考えており、助産院に対する支援策については研究してまいりたいと考えております。
次に、私の申し上げる公教育の充実についてでございます。学校施設の計画的な改築、修繕をはじめとして、ICT活用や児童・生徒の安全対策など、教育環境の着実な整備が必要でございます。喫緊の課題として、既に幼稚園で実施され、今後小・中学校で全面実施される新学習指導要領への対応、さらには業務改善の推進や学校を支える人員体制の確保、部活動負担の軽減などの具体策を講じることにより、教員が本来の教育活動に専念できるように改善するなど、小・中学校における働き方改革を進め、教育の質の向上を図ることが求められております。これらの課題に対してスピード感を持って対応していくため、ヒト・モノ・カネなど、経営資源の投入のあり方を見直し、学びと育ちを支える施策の区政の中での優先順位を上げて取り組んでいく必要があると考えており、教育委員会とも十分な意思疎通を図って、中野区の公教育の充実のため、共通理解を持ちながら進めてまいりたいと考えております。
次に、コミュニティスクールの設置についてでございます。学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティスクールは、学校運営の基本方針の承認、学校運営や教職員の任用に関して意見を述べる役割を持つなど、これまでの学校評議員会が校長の求めに応じて学校運営に意見を述べる役割であることに比較して、保護者や地域がより深くかかわり、さまざまな課題解決に参画し、学校、保護者、地域が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる制度となっております。また、コミュニティスクールの設置の成果として、学校運営協議会の実働組織が学習ボランティアとして協力することにより教育支援が充実し、学力向上につながった例も報告されており、その活動を通じて保護者など若い世代が地域に関心を持ち、地域全体のコミュニティの活性化につながる効果を生み出すこと。また、地域人材の参画が進むことで、教員の働き方改革にもつながるなど、さまざまにメリットがあるととらえております。現在の仕組みや地域の状況などを踏まえながら、導入に向けて検討していきたいと考えております。
次に、新交通システムの導入について御質問いただきました。今年度、高齢者等の移動の円滑化に向けて、区民ニーズの調査や交通不便地域を踏まえた新交通システムに関して検討を行っているところでございます。先進事例の調査や制度的課題、費用対効果など中野区にふさわしい交通サービスの方向性など調査研究を進めてまいります。
次に、ユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりについてでございます。区では平成27年4月にバリアフリー基本構想を定め、鉄道駅周辺など不特定多数の人が利用する公共施設等が集まる地区を重点整備地区に設定して、誰もが移動しやすく利用しやすいまちの実現を目指して事業を進めていますが、この4月に施行されたユニバーサルデザイン推進条例の趣旨も踏まえつつ、総合的観点からまちづくりを進めていかなければならないと考えております。
次に、中野駅周辺の点字ブロックの設置でございます。点字ブロックの設置は、通常駅前から関係施設までの整備を原則としております。スマイルなかのから先の早稲田通りまでの点字ブロックの設置については、東京都建設局第三建設事務所との協議も含め検討してまいります。また、中野駅南口の中野区視覚障害者福祉協会の建物の入り口は、ファミリーロード側と中野通り側の両方に面しております。中野駅南口から中野区視覚障害者福祉協会までについては、歩道が整備されている中野通り側に設置するよう、東京都建設局第三建設事務所と調整し整備に向け取り組んでまいります。
次に、子育て支援の場として、介護施設などの地域開放を推進するということの御質問でございます。現在でも地域交流スペース等を設置している施設等については協力をいただいているところでございます。社会福祉法人による地域貢献の側面や介護施設の地域開放で見守られた子どもたちが将来の地域の支え手となり、介護の担い手となる支え、支えられる関係づくりの側面からも推進方法については検討してまいります。
次に、在宅医療生活支援センター機能の強化、中野版地域包括ケアについてということでございました。増加するダブルケアなどの複合的課題に対しては、現在すこやか福祉センターがワンストップで包括的に対応しているところでございますが、関係機関調整等の機能について、御案内の杉並区の在宅医療生活支援センターについても参考にしつつ、さらなる強化を図ってまいります。
次に、見守り支えあいネットワークについて、この定義についての御質問でございました。今後、子育て世帯や障害のある方など、支援が必要な全ての区民の皆さんが、安心して地域で暮らし続けられる中野のまちを実現するためには、町会・自治会、友愛クラブなどのほかにも、NPOやボランティア団体などとの連携も視野に入れて、これまでの地域支えあいネットワークをさらに充実・発展させていく全員参加型のネットワークを構築してまいりたいと考えております。
次に、町会・自治会の活動の永続的な継承についてということで御質問でございました。現在でも多くの区民の方々が地域のことを我が事と捉えて献身的に活動に参加されております。こうした役割を担う町会・自治会については、検討会の成果を踏まえ、区として町会・自治会の活動の永続的な継承に向け、必要な環境の整備を行っていくことが「安心して地域で暮らし続けられるまち、中野」の実現には不可欠なものと考えております。6月から町会連合会が課題解決を目指すワークショップの取り組みを始めたと聞いております。昨年度の検討会をはじめ、多くの方々が真剣に地域のために取り組んでいることに対し敬意を表するとともに、区としても積極的に支援を行っていきたいと考えております。
続きまして、新井薬師前駅・沼袋駅周辺商店街の活性化について御質問いただきました、区は、両駅周辺地区の検討会により取りまとめられたまちづくり構想を踏まえて、まちづくり整備方針及びまちづくり推進プランを策定しております。この中で、商店街のにぎわいの再生・創出を施策として、道路整備や拡幅、地区計画の導入等により土地のポテンシャルを十分に発揮できるようにすることで、にぎわいの再生・創出を図っていくこととしております。また、まちづくりが進展する商店街向けに商店街ステップアップ事業などの都の制度や区の融資制度等の各種支援制度をまとめた冊子を作成し、直接説明に伺うなど、支援制度の周知とその活用に取り組んでいるところでございます。今後も専門家派遣事業をはじめ、さまざまな支援制度を周知し、それらの活用を促してまいります。連続立体交差事業の現認可区間である両駅周辺の商店街の活性化に向けて、ハード・ソフト両面の取り組みを一層進めていく考えでございます。
次に、まちづくり検討会からの御提案についてでございます。各駅周辺のまちづくり検討会から提案されるまちづくり構想は、検討会が約2カ年にわたり話し合いを重ね、その間の地域への情報発信や住民の意向把握のためのアンケート調査など、一連の活動を通して地域の皆さんの意見を取り入れて策定されたものと受けとめております。区は地域のまちづくりの思いであるまちづくり構想を踏まえて、区のまちづくりの方向性や都市基盤整備の考え方を示すまちづくり整備方針を策定する予定でございます。まちづくり整備方針を策定していく過程で十分に皆さんと意見交換しながら、将来を見据えてよりよいまちづくりを進めていくと考えております。
次に、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについてでございます。区としてまちづくりの課題を解決する方策については、さまざまな可能性について検討するとともに、東京都や東京都住宅供給公社など関係機関側の計画との整合を図り、地域資源としての活用など、東京都と連携して進めていく必要があると考えております。
次に、野方以西区間の事業の早期実現についての御質問です。西武新宿線の野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業については、区民の皆さんをはじめ、区議会と区が一体となって組織している西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟においても、事業の早期実現を関係機関に働きかけていくことがこれまでの期成同盟決起大会において全会一致で採択されております。さらに、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の周辺地域の皆さんは、将来の望ましいまちの姿などをまちづくり構想として既に取りまとめており、連続立体交差事業が1日も早く実現されることに地域の期待は一層高まっていると認識しております。また、連続立体交差事業における鉄道の構造形式については、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものと認識しております。事業の早期実現について、構造形式にとらわれることなく、地域の皆さんの御期待に応えられるよう、区民の皆さんの熱意を盛り込んだ期成同盟の決議を伝える要請活動の機会をとらえて、関係機関に強く要望していく考えでございます。
イクボス宣言についてでございます。個人の暮らしと仕事の両立、いわゆるワークライフバランスを推進することによって、職員個人の充実した生き方を仕事に生かすことによって仕事の質が高まり、それが区民にとっての最大の価値を見出すことにつながるという趣旨、このイクボス宣言については、当然撤回することなく全力で応援していきたいと考えております。
次に、受動喫煙防止の項目で、中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例における取り組みの強化についての御質問でした。中野区ポイ捨て条例の趣旨に沿って、まちの美化や歩行喫煙の防止に向けた取り組みとして、町会・商店会などと協力してマナーアップキャンペーンや美化清掃活動を実施するとともに、道路上や電柱、街路灯・柱にポイ捨て防止や歩行喫煙対策のステッカーの貼付等を行っております。この取り組みについては継続して行うとともに、PR等によりさらなる効果増大を図ってまいります。
なお、路上喫煙禁止地区の指定地区拡大については、区内各駅周辺において地元の町会・自治会や商店会の要望、そして路上喫煙率、吸殻のポイ捨ての実態、駅の乗降客数や通行量、区指定喫煙所の整備状況などを総合的に考慮した上、検討を進めてまいります。
次に、このポイ捨て条例の見直しについての御質問でございました。今回可決成立した東京都受動喫煙防止条例では、屋内の喫煙を規制しているということですが、屋外の規制がないことから路上での喫煙がふえることが懸念されております。一方、中野区のポイ捨て条例では、たばこの吸殻の散乱の防止や歩行者等の安全確保を目的としているところでございます。国や東京都の動向、路上喫煙の状況の把握をしながら条例の見直しの必要性について検討してまいります。
次に、屋外喫煙所の設置についてでございます。東京都が示している公衆喫煙所の補助については、条件等の詳細が示されておらず、まだ未定でございます。現在中野区内には3カ所の指定喫煙所があり、いずれも設置者は区でございますが、設置費用等はJT(日本たばこ産業株式会社)によって寄附を受けているものであり、日常清掃等の維持管理についてもJTが行っているため、区の経費負担はございません。今後、区指定喫煙所の設置に当たっては、東京都の補助制度の活用等も含め検討してまいります。
中野体育館への屋外喫煙所の設置についてでございます。中野体育館の喫煙所については、これまで移設の可能性について指定管理者とも協議してきたところでございます。安全管理面や近隣住民への影響といった課題があり、移設は難しい状況であると考えておりますが、都の補助制度の活用も含め、今後も検討してまいります。また、中野体育館の敷地内禁煙についてでございます。これまで喫煙所を設置してきた中野体育館の喫煙所を撤去し、敷地内禁煙とした場合、利用者への影響、それから敷地外での喫煙やポイ捨てが発生した場合の近隣からの苦情等が予想されます。そうした点も考慮した上で、指定管理者と協議してまいりたいと考えております。
〔教育委員会事務局次長戸辺眞登壇〕
○教育委員会事務局次長(戸辺眞) 私からは、適応指導教室についてお答えいたします。
不登校にはさまざまな原因がございます。学校生活に起因するものがあれば、児童・生徒の発達や家庭状況に起因するものもございます。移転を想定しております(仮称)総合子どもセンターには、適応指導教室のほか、教育相談をはじめ、養育、障害等の各種相談機能を導入する考えであり、子どもや家庭、それぞれの状況に応じた柔軟な対応、連携したアプローチが可能となる。また、社会との接点をつくるために図書館を利用できるという利点もございます。(仮称)総合子どもセンターへの移転に当たりましては、通学時間と利用時間が異なることや入り口を別経路にすることで配慮し、検討してきているところでございますが、学校と併設される施設に心情的に通いにくい。また、住居から遠いという児童・生徒も想定されることから、従来行ってきましたアウトリーチ型の支援を拡充するとともに、適応指導教室のブランチを他地域に開設することにつきましても、今後検討してまいります。
○議長(いでい良輔) 以上で、久保りか議員の質問は終わります。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 区長の政治姿勢と選挙公約について
(1)基本構想と自治基本条例について
(2)情報公開・区政の「見える化」の推進について
(3)区立保育園の今後について
(4)その他
2 その他
○議長(いでい良輔) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○27番(森たかゆき) 平成30年第2回定例会本会議におきまして、立憲民主議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告のとおりですが、1の(4)その他で1点、公契約条例についてお伺いをいたします。
冒頭、6月10日執行の区長選挙に当選されました酒井直人新区長に一言お祝いを申し上げます。おめでとうございます。寄せられた大きな期待に応えるべく、全力で区政運営に取り組んでいただけることを期待しております。もとより我々自治体議会の議員は、首長の行政運営をチェックする、こういう役割が期待をされております。これは二元代表制をとる自治の仕組みからの当然の要求でありまして、首長が誰かによって変わるものではありません。しかしながら、新区長就任からこの短い間にも所属政党が、そして自分自身が区民に推薦をした人物が区政運営を担う、このことの責任の重さも痛感をしているところであります。二元代表制の原則論を踏まえ、新区長が選挙期間中に訴えられたことにのっとった区政運営を行うようしっかりとチェックをしてまいりたいと思っております。
それでは、質問に入ります。
1、区長の政治姿勢と選挙公約について。(1)基本構想と自治基本条例についてからお伺いをいたします。
区長は、施政方針の中で、新たな基本構想を制定したいと述べられました。前区長と選挙戦を戦い当選されたのですから、我々としては当然現行のものの手直しではなく、一から酒井カラーの基本構想を制定すべきと考えております。新たなという表現、そして改定ではなく制定という表現をされたということは、そうしたことを意図していると受けとめてよろしいでしょうか。確認のためお伺いをいたします。
施政方針の中では、自治基本条例に定められた区民の区政への参加の仕組みが必ずしも十分に機能してこなかった、このことへの問題意識が示されました。我が会派もこれまで事あるごとに自治基本条例の手続の形骸化を指摘してまいりました。区長と問題意識を共有できている、このことを歓迎したいと思います。形骸化とはもとより、手続の不備を言うのではなくて、手続を経た結果が制度の意義から見て期待される水準を満たしていない、このことを言っております。では、どこまでやれば満たしていると言えるのか。この点については非常に難しい問題であります。だからこそ区長は、自身が姿勢を示すだけでは不十分であり、区民参加による自治基本条例再生会議を設置し、区民が実質的に参画できる方策を定めることが必要だとお考えなのだと、このように理解をしております。自治基本条例に定められた手続の形骸化の要因は、条例の運用にあるのか。それとも条例の規定のほうに不十分な部分があるのか。仮に後者であるとすれば条例改正が必要になってくる、このように思いますけれども、この点は、現時点で区長の認識を伺うよりも、会議体の中でしっかりと検証を進めていただきたいと、このように思っております。
自治基本条例は、平成17年4月1日に施行されて以降、改正がされたのは、平成26年にいわゆる多選自粛条項が削除されたときの一度きりであります。このときには、改正に伴ってパブリック・コメントが必要ではないかという議会質問に対して、一度は必要だと答弁したにもかかわらず、その翌日には、必ずしも必要ではないと答弁が180度変わってしまうなどの混乱が見られました。結局、パブリック・コメントは実施されませんでした。区長は、選挙期間中には、自治基本条例は自治体の憲法のようなものだと、このような表現もされておりました。憲法の根本には、公権力の行使を制限し、国民の権利と自由を保障する、いわゆる立憲主義の思想があるわけであります。自治基本条例にもこうした立憲主義の思想があるのだとすると、パブリック・コメントや意見交換会も含めてですけれども、実施するしないの判断が行政側の裁量に委ねられてしまうというのでは問題です。同じく立憲主義の観点から見ると、区民の責務、これを定めることが適当かという点も問題になりますし、権利が責務とセットであるかのような表現にも違和感を覚えます。こうした観点だけではなく、制定から13年がたち、今の時代に合わせていく余地も出てきているのではないかと、このようにも考えております。
例えば、現在、自治基本条例制定の議論を進めている武蔵野市では、責任の主体として公共的な責任を負う事業者や市民団体等を含める、こういったことを検討されているそうであります。さまざまな分野で民間との協働が進む中、一つの考え方であろうというふうに思っております。
るる述べましたけれども、いずれにしても自治基本条例の再生については、運用の改善だけではなくて、条例改正も視野に入れた議論を進めていただきたい、このように考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
我が会派の中村幹事長の一般質問で、基本構想制定はスピード感を持って取り組んでほしいと要望いたしましたけれども、自治基本条例の再生についても同様にスピード感を持って進めていただきたい、このように考えております。基本構想も自治基本条例の再生も、いずれも区政の根幹をなすものであります。実質的に意味のある議論をスピード感を持って進めるためには、基本構想は基本構想、自治基本条例は自治基本条例という形で議論を進めるのではなくて、まずは酒井区長の言う対話の区政をキーワードにして、それを深掘りしていく会議体、こういったものをつくって、進捗に応じて分科会をつくるなどの対応も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えを伺います。
(2)情報公開・区政の「見える化」の推進についてお伺いをいたします。
区長は、対話の区政を掲げると同時に、計画、施策を立案する段階から可能な限り情報を公開するとしています。対話をより実りのあるものにするには、情報を出し合い共有することが重要です。対話を重視する酒井区長が情報公開・区政の「見える化」にも積極的な姿勢を見せている、このことは必然なんだろうというふうに理解をしております。
そこでお伺いをします。区長の掲げる対話の区政と情報公開・区政の「見える化」の関係について、区長はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
情報公開・区政の「見える化」の具体策について幾つかお伺いをいたします。区長は、予算編成過程の透明化を政策に掲げられております。この予算編成過程の透明化につきましては、私もこれまで、平成24年第1回定例会一般質問などで実施を求めてまいりました。6年前のこの質問では、板橋区、新宿区、目黒区などを先行例として挙げましたが、その後も文京区や大田区、千代田区などが取り組みを始めております。こうした自治体では、予算編成過程公開の意義を、区民に開かれた透明性の高い行政運営、公正で開かれた区政の推進といった言葉で表現をされております。自治体の予算編成権は首長に専属されたものであり、我々議会であってもその権利を侵害することはできません。こうした強い権限を選挙で選ばれた首長がどのように行使をしているのか、これを区民の前に明らかにすることは、開かれた区政には欠かせない要素でありますし、区民の区政への関心を高める要素にもなり得ると考えております。来年度予算編成から各部要求、財務部局査定、区長査定、この各段階での金額とその変遷の過程がわかるような情報公開を進めていただきたいと思います。そこまで一気に実現するのが難しいのだとしても、できるところから取り組んでいただきたいと考えております。いかがでしょうか、お伺いいたします。
平成29年第3回定例会では、区長記者会見の情報公開を求めました。現在、区長記者会見の情報は、区のホームページに発表項目と報道発表資料が掲載されているのみです。前区長には、区民への周知等について不足が生じている状況とは考えていない、このように言われてしまいましたけれども、現状では会見の全体像がわからず、情報公開としては不十分であると考えております。会見の動画配信や質疑応答を含めた書き起こしテキストの公開などを進めていただきたいと考えます。いかがでしょうか。
公開した情報を伝える手段についてもお伺いをいたします。まずは区報です。区長は、区報を見やすくわかりやすくと政策を掲げられました。区報は区内全戸に配布されており、一見地味でありますけれども、うまくやると非常に効果のある施策になるのではないか、このようにも期待をしております。本年第1回定例会予算総括質疑では、我が会派の山本議員からカラー化を提案いたしました。区長の政策にはオールカラーにすると明記されておりますので、そのくらいやっていただけるんだろうというふうに期待をしておりますけれども、その点も含めて、現時点での改善のイメージをお聞かせください。
SNSについてもお伺いします。現在中野区では、情報発信の手段として幾つかのSNSを活用していますが、この分野は次々に新しいサービスが登場してくることが特徴でもあります。その動向を高い感度を持ってとらえて、活用や導入を図り、情報発信の強化につなげていく、そうした積極的な姿勢を求めたいと思います。運用中のSNSの一部は、区長が広報担当副参事であったときに導入したものであり、区長御自身もさまざまな思い、お考えがおありのことと思います。見解をお伺いいたします。
(3)区立保育園の今後についてお伺いをいたします。
区長は、今回の選挙戦においても、所信表明においても、「中野を子育て先進区へ」と子育て支援重視の姿勢を示しておられます。私も8年前に区議会議員に初当選して以来、一貫して子育て支援の充実を訴えてまいりました。酒井区長のもと、中野の子育て環境が一層よくなっていくことを期待しております。昨日、我が会派の酒井議員からもさまざまお伺いをいたしましたけれども、私からは保育施策についてお伺いをいたします。
ことしの予算総括質疑でも申し上げましたけれども、私は保育の質というのは、園庭のあるなし、面積基準がどう、保育士配置基準がどうといった面だけでははかれない、日々の保育の中で個々の子どもの体調や成長ぐあいをしっかりと捉えて必要なかかわりができているか、月齢に応じた遊びをバリエーション豊富に提供できているのか、こういったところが非常に重要であるというふうに考えております。この項の議論の導入としてお伺いをいたしますが、区長は保育の質というものをどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
ことしの4月から二つの区立保育園が民間委託化されました。委託化から3カ月がたちましたが、この間当該園を利用されている保護者の方から多数の不安、不満の声を伺っております。ここでは詳細は申し上げませんけれども、保育の質の観点から課題が生じているのではないかと心配をしております。当該園の状況について、特に区長の考える保育の質に照らしてどのような状況だとお考えでしょうか。私としては、日常の保育の質の改善のために区が何らかの対処を行うべき状況であると理解をしておりますけれども、区としての認識、取り組みはいかがでしょうか、伺います。
この問題は、個々の事業者が悪い、こういう話ではなくて、保育士不足の折に民間委託をするとこうした問題が生じてしまうということなのではないかというふうに考えております。幾ら運営母体がしっかりしたところであっても、思うように人材確保が進まなければ、運営母体の持つ保育の理念やノウハウを保育士が理解する時間、保育士同士が連携を深める時間が不足してしまうことは容易に想像ができます。公定価格の大幅な改善でもない限り、今後数年は保育士が不足する状況は続いていくというふうに思われます。さらには、本当に来年10月から幼児教育・保育の無償化が行われるとなれば、保育ニーズの掘り起こしが進み、保育士不足は今よりも一層深刻になることが懸念されます。現在計画されている区立保育園民営化計画では、平成31年度、平成32年度に委託化される区立園があります。事業者が人材採用を行う時期を幼児教育・保育無償化の影響が直撃するのではないですか。本当にこのまま進めて大丈夫でしょうか。何かあったときに不利益をこうむるのは子どもたちです。現在の計画は一旦ストップし、状況を見ながら再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
区長は、区が運営ノウハウを保持し、民間事業者の評価を行うためにも、区立保育園は一定程度存続させるとしております。これまでの区立保育園全園民営化からの方針転換であり、歓迎したいと思います。しかし、区立保育園を存続させるとしても、単に残すというだけでは不十分です。他の自治体では、公立保育園は、基幹園や拠点園といったような位置付けがされ、日常的な保育の提供のほか、地域の民間園の保育の質向上や子育て支援の拠点といった役割も担っております。中野区においても区立保育園の存在意義、役割を再定義すべきと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
区立保育室についてお伺いいたします。4月から期間限定で開設した区立保育室の利用状況については、既に同僚委員から質疑がございました。また、きのう区のホームページにも最新の空き状況が掲載されたようですが、施設によってはまだ相当な空きがあるようであります。年度途中で復職される方、中野区に転入される方の受け皿として機能する、こういうことであれば空きがあること自体は殊さらに問題視するべきではないのかもしれません。他方、区立保育室は2歳児クラスまでですけれども、子どもたちは1歳の後半ぐらいで歩行が安定してくるころから、他者に対する関心を持ち始め、並行遊びの時期を経て、2歳後半にもなれば子ども同士で一緒に遊ぶようになります。こうしたプロセスを経験することは子どもの発達にとって非常に重要です。そうしたことのできる環境が提供できるのか、あまりに人数が少ないと子どもたちの集団生活の経験として課題が生じるのではないかと懸念をしております。この点についての区の認識をお伺いいたします。
この項の最後に、区立保育園におけるおむつの持ち帰りについて伺います。この問題は一般質問では、これまでむとう議員、小宮山議員が取り上げておられました。その際の答弁では、対応は難しいといったものでしたが、その後、予算特別委員会子ども文教分科会で、我が会派の山本議員から伺った際には、保護者の意見等も聞く場面も必要かと思っている旨の答弁もありました。区長は、今回の区長選挙の前に民間団体の公開質問に対して、保護者の負担軽減や公衆衛生の観点からも、園での処理に切りかえたいと考えていますと回答されております。この回答どおり区立保育園におけるおむつ持ち帰りはなくす方向で取り組んでいただけると考えておりますが、それでよろしいか、お考えをお聞かせください。
(4)その他で1点伺います。
区長は、公契約条例の制定も政策に掲げられております。我が会派では、これまで中野区公契約条例の制定についてさまざま質疑をしてまいりました。これまでの区の答弁は、国の最低賃金法や労働基準法といった労働関係諸法令で達せられるべきものといったものでしたが、公契約条例は労賃相場を引き上げるものではなく、ダンピング受注による労賃相場の破壊を防ぐ下支えとなるものです。民間活力の活用が拡大する中、公共サービスの質の向上と労働者などの適正な労働条件を確保するため、中野区でも公契約条例の制定を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
この点を伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 森たかゆき議員からの御質問にお答えいたします。
まず最初に、基本構想の制定の考え方ということでございます。この間の区を取り巻く社会経済情勢の変化、日々の暮らしや価値観の多様化なども踏まえ、多くの区民の皆さんと意見交換を重ねて、ゼロベースで次の時代の中野を描いていきたいと考えております。
次に、基本構想と自治基本条例の検討についてでございます。区民の会議の持ち方など具体的な検討方法については、検討テーマや効率性などを総合的に勘案して検討してまいりたいと考えております。条例改正についても、必要かどうかも含めて検討してまいります。
次に、対話の区政と区政の見える化の関係についての御質問でした。区民が区政に参加するためには、区民がみずから区政のデータや情報に触れ、それを分析し、意見を表明することが必要でございます。このことから、対話の区政の前提として区政の見える化が必要であると考えております。今後は、区の計画や施策を立案する段階から、可能な限り広く情報やデータを公開し、区の政策立案過程の見える化を進め、情報を互いに共有し、区民との対話を進めてまいります。
次に、予算編成過程の可視化についてでございます。区ではこれまでも次年度予算で検討中の主な取り組み案について、区報及びホームページでお知らせし、12月に直接区民の皆さんとの意見交換会を行って予算編成の参考としてきたところであり、一定程度の予算編成過程の公開は行ってきたところでございます。予算査定の段階も含めて予算編成過程を公開することは、区民の区政の参加を進める上で必要なことであると考えております。公開の方法については、今後他区の事例も参考にしながら検討してまいります。
次に、保育の質についての御質問です。全ての保育施設は、国が定める保育所保育指針に基づき保育が行われております。安心・安全で質の高い保育を提供するためには、保育内容、保育技術、専門知識、判断力、対応力が重要であり、第三者評価や指導検査においてもこれらの項目について保育の質を判断しているところでございます。区立保育園を一定数残すことにより、日常的な保育に関する相談や助言、そして区主催の研修への参加など、私立と区立が連携して保育の質の向上に寄与することが可能になると考えております。
次に、民営化した保育園の課題と民営化のスケジュールに関連した御質問でございます。今年度から民設民営化を前提とした仮設園舎での運営や委託が開始されております。区立園から民間の事業者へ変わるということと仮設園舎へ移るということから、保護者の皆さんからさまざまな要望をいただいており、事業者と連携を密にして迅速に対応しているところでございます。一方、待機児童対策として民間事業者による保育施設整備を進めていく中で、保育士の確保が課題になっていることは認識しております。また、他の民営化を予定している園については、事業者が決まっているなど、計画を変更することで新園の建てかえが難しくなるなど、さまざまなリスクが想定されることから、慎重に検討していくことを考えております。
区立保育園の役割、存在意義についてでございます。区立保育園を一定数残すことにより、日常的な保育に関する相談や助言、共同研修の実施など、私立保育園と区立保育園が連携しながら、区全体の保育の質が向上していく、それに寄与できると考えております。今後ますます民間保育園が増加することから、通常支援及び指導検査体制を充実する必要があると考えており、実際の保育園運営に携わった人材を活用することが必要であると認識しております。
〔政策室長朝井めぐみ登壇〕
○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、情報公開・区政の「見える化」の推進についての御質問のうち、区長記者会見の内容のオープン化などにつきましてお答えいたします。
まず、区長記者会見内容のオープン化についてでございますが、これまでも会見資料につきましては、即日にホームページにアップしてきたところでございますが、会見内容についても区民の皆様にも伝わりやすい形で情報提供を行っていくことが重要であると考えております。動画配信につきましては、効果的な発信方法を検証し、なるべく早期に導入する方向で考えてまいります。
次に、区報のリニューアル化についての御質問でございます。区報につきましては全戸配布を行っておりまして、中野区では最も重要な広報媒体であると考えております。まず手にとってもらえるよう、カラー化などで視覚効果を高めるほか、紙面構成なども工夫いたしまして、紙面を開いたときに見やすくわかりやすい内容の区報としていきたいと考えております。
次に、SNSの活用についての御質問でございます。中野区のSNSの活用につきましては、ホームページとリンクづけなどをするほか、昨年度からはフェイスブックページとツイッターの連動、またことしの4月からは地域版SNSマチマチの導入など、おのおのの媒体の特性を生かした活用を図ってきたところでございます。SNSは、拡散性や双方向性などにすぐれており、より確実に行政情報などを提供できる媒体であることから、今後も新たな機能や活用方法などについて研究を重ね、最新情報を常に入手しつつ、機を逸することなく利用の拡大を図ってまいりたいと考えております。
〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕
○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、区立保育園の今後につきまして、児童が少ないと集団保育として課題が出るのではないかという御質問にお答えいたします。
少人数で保育を行う施設として小規模保育事業所や家庭的保育事業所がございます。家庭的な環境で個々の成長発達に合わせたよりきめ細かな対応ができるよさがございます。そうした少人数で保育を行う施設は、認可保育所と交流し、集団保育を体験する機会も設けていることから、特段の課題はないと考えているところでございます。
次に、おむつの処分についてでございます。現在区立保育園におきましては、園児のおむつは保護者が持ち帰り各家庭での処分としております。一方、私立保育園の多くが保育園でおむつを処分しております。区立保育園におきましても、子育て支援を充実させていく必要があることから、区では現在、おむつを一時的に保管する場所の確保等について調整するなど、おむつの保育園での処分導入に向けて検討しているところでございます。
〔経営室長髙橋信一登壇〕
○経営室長(髙橋信一) 私からは、2のその他、公契約条例についてお答えいたします。
区の事業の質の向上を図り、地域経済の活性化のためにも、区の発注する事業に従事する労働者の賃金が適正に支払われるよう公契約条例の制定を検討する必要があると考えております。
○議長(いでい良輔) 以上で、森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 北 原 ともあき
1 財政運営について
2 平和の森公園再整備について
3 西武新宿線沿線まちづくりについて
4 沼袋小学校跡施設について
5 その他
○議長(いでい良輔) 次に、北原ともあき議員。
〔北原ともあき議員登壇〕
○22番(北原ともあき) 自由民主党の北原ともあきでございます。久しぶりの一般質問であります。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、酒井直人新区長、区長就任おめでとうございます。新区長におかれましては、中野の若きリーダーとして、二元代表制のもと、中野区政前進のために御尽力賜りますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、平成30年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から質問いたします。
初めに、財政運営について伺います。
既に同僚議員からも質問がありましたが、平成12年の中野区の財政状況は極めて危機的な状況でありました。区の基金残高は合計で約42億円にすぎず、区の借金である起債残高は500億円を超えている状況で、区民サービスにも影響を及ぼしかねない状況でありました。区は財政再建に着手し、民間活力の導入を進めるとともに、財務規律の遵守による財務体質の改善、事業の見直しなど、不断の努力を重ね、平成12年には36.5%であった人件費比率は、平成28年には16.3%までに減少しました。また、平成29年度の決算見込みにおける基金残高は678億円にまで増加し、起債残高は約202億円まで減少しました。一方で、財務体質の改善を進めながらも、まちづくりや公共施設の整備など、多くの投資的事業が安定した財政運営の中で進められてきたところであります。しかしながら、今後のことを考えると、学校の建てかえをはじめとして、区有施設の老朽化に対応した施設更新の必要性が増しており、中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりも緒についたばかりであります。今後人口減少社会が進むことによって、税収の増加などの財源確保が大きく見込めないと考えられる中で、区の財政運営上の課題として今後重くのしかかってくることは周知のことであると思います。このような将来への展望を描いていくためには、しっかりとした財政計画と準備が必要であり、財務状況の改善に努め、起債残高を少なくして身軽になり、また、計画に合わせ基金を準備していくことが必要であります。緊縮的な財政運営と言われながら、一方で、基金を増加させてきたのも、将来の安定的な財政運営を考えて進めてきたことであると理解しております。
区長は、所信表明の中で、さまざまな新しい事業の展開について述べられておりますが、残念ながら、その財源について全く触れられておりませんし、今後の財政運営についても一切触れられておりません。学校の改築や現在進捗中のまちづくりなどに対応しつつ、新しい政策を実現していくために、基金、起債の活用を含め、今後どのような財政運営を進めていこうとしているのか、改めて区長の見解をお尋ねいたします。
次に、平和の森公園再整備について伺います。
平和の森公園再整備については、これも既に多くの同僚議員から質問がありましたが、改めて伺います。平和の森公園は、憩い・休息機能や、スポーツ・健康増進機能、交流機能、環境保全機能、オープンスペース・景観形成機能、そして歴史文化機能、さらに防災機能など、各種公園機能が充実した中野区最大の公園として、その整備が急ピッチで進められております。いよいよ本年10月には、平和の森公園北側の第1工区の工事が完了し、拡充された多目的広場が利用できるようになります。そして来年7月末には南側の第2工区も完成し、12月末には大幅に機能向上した新体育館も完成します。30年以上にわたって閉鎖されてきた約1万平米の未開園エリア問題が解消し、積年の課題であった平和の森公園の全面開園を迎えることができます。
全区的なスポーツ大会が行える体育館や陸上トラック競技にも活用できる草木広場の園路、大人の軟式野球も可能なナイター設備を備える人工芝の多目的広場、生涯を通じて日常的にスポーツに親しみ、楽しむきっかけとなり、区民の皆さんの心身の健全な発達や健康と体力の保持増進につなげることができます。また、さまざまな健康レベルの人がスポーツを通して交流し、相互理解を深め合うことで地域コミュニティも活性化することができます。そして、そのことは人々の暮らしや地域を豊かにいたします。平和の森公園再整備は、中野区スポーツ・健康づくり推進計画で定める新たなスポーツ拠点として大きな役割を果たすことが期待されるところであります。
また、整備されるのはスポーツ機能だけではありません。中野区で最大となる大小二つが連なるじゃぶじゃぶ池広場およそ1,200平方メートルや、延長70メートルにも及ぶ水流れ、約2倍に拡張される中野区で唯一のドッグラン、子ども向けの大型遊具や健康遊具、さらに憩いの空間としてのテラス広場など、さまざまな公園施設の充実が図られ、大人も子どもも多世代にわたって交流し、楽しめる公園に再整備されます。
国土交通省の「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」では、都市のため、地域のため、市民のための資産として、より一層そのポテンシャルを発揮できるよう、都市公園をより柔軟に使いこなし、都市のさまざまな課題の解決のために、その多機能性を発揮すべきだとの見解が示されております。再整備された平和の森公園は、まさに都市公園のポテンシャルを最大限に発揮した区民の資産として全区民に利用される公園に発展するものと考えています。平和の森公園再整備事業は、基本構想段階から意見交換会を何度も行うだけでなく、自治基本条例に基づくパブリック・コメントにより区民の計画策定への参加を果たしながら工事に着手したにもかかわらず、施政方針で区長から説明のあった「もう一度区民の皆さんの意見をしっかりと聞いて必要性を判断する」とはどういう意味なのか、区長の見解を伺います。また、それにより、この事業が遅延したり開園時期が遅れたりすることはないのか、あわせて伺います。
次に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。
沼袋駅南口では仮の改札が設置され、新井薬師前駅では人道跨線橋の移設など、地下を掘るための工事が行われており、連続立体交差事業が進捗していることを実感します。区長は施政方針において、「西武新宿線沿線の地域では、東京都が行う連続立体交差事業を契機としたまちづくりを引き続き推進して」いく、特に「鉄道の地下化に向けた工事が進んでいる新井薬師前駅や沼袋駅の周辺においては、地域と協働したまちづくりを一層加速し」ていくと説明されました。両駅周辺のまちづくりについては、地域住民による検討会での熱心な議論を踏まえて取りまとめられたまちづくり構想に基づき、区の整備方針や推進プランが策定されました。現在、それらに基づき、地域との協議を重ねながら、まちづくりの取り組みが着実に進められており、まさに新区長が掲げる対話によるまちづくりを具現化している地域であると認識しています。今後、連続立体交差事業の工事、そしてそれを契機としたまちづくりが一層本格化していくことと思いますが、しかし、一方で、まちづくりが一定の完成を見るまでには相当の年月を要することも想定されます。地域との協働を一層加速していく両駅周辺のまちづくりについて、将来に向けての区長の見解をお伺いいたします。
次に、昨年8月に東京都から事業認可を取得した区画街路4号線の整備についてお聞きします。区画街路4号線の整備に当たっては、まちづくりの発端となる鉄道の地下化の工事を早く進めるために、工事の作業ヤードとして使うことを考えて、沼袋駅南側の交通広場から着手していると聞いております。このことに関連して、さらに大事なのが、平和の森公園や東京オリンピック前年に完成予定の新体育館へのアクセス、また、オリンピックに伴う来訪者のにぎわいを沼袋駅周辺や中野の北部地域へ波及させることだと考えます。これらのために、交通広場部分を早く使用できるようにするとともに、新しいバスルートやバス停について関係機関と調整する必要があると思いますが、区長の見解をお伺いいたします。
最後に、沼袋小学校跡施設について伺います。
沼袋小学校が学校再編により統合され、沼袋小学校跡施設となってから7年が経過しています。跡施設は、今後の計画によると、北部すこやか福祉センター、地域スポーツ・コミュニティプラザに転換されることになっております。この間における跡施設の有効活用は、中野区にとって大きな利益をもたらしてきています。現在の活用状況を見ると、旧校舎は学童クラブと保育施設、プールは期間限定の釣り堀としてなど、さまざまに活用されています。しかし、校庭は、現在日曜日の地域開放を行っているだけで、平日の貸し出しは行っておりません。このため複数の地域団体や地域スポーツ団体から使用したいとの声が聞かれております。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けてのスポーツ振興、またスポーツを通じた健康づくりは、これからの区政にとって重要な施策の一つだと思います。区長は、所信表明ではスポーツについて触れられておりませんでしたが、今後中野区は、学校統廃合後の施設について、スポーツ振興や健康づくりの観点からも有効に活用すべきだと考えます。旧沼袋小学校校庭の活用を含め、学校統廃合後の施設の活用について、区長の見解をお伺いいたします。
以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 北原ともあき議員の御質問にお答えいたします。
まず最初に、財政運営についての御質問でございます。今後、学校施設をはじめとする老朽化した区有施設の建てかえなど、大きな財政負担が見込まれております。その一方で、区政運営の四つの柱に掲げた「中野区を子育て先進区へ」、「安心して地域で暮らし続けられるまち、中野」、「区民とともに進めるまちづくり」、「区民と向き合う区役所への転換」について着実に取り組みを進めていきたいと考えております。そのためには、今後とも事業の不断の見直しを図り、歳出抑制に努めていくことが財政運営の基本となると考えております。その上で、事業の実施に当たっては、区民サービスを停滞させない安定的な財政運営を目指して、基金や起債を計画的に活用していくことを考えております。
次に、平和の森公園の再整備について、再度必要性を判断する理由と影響についての御質問でございます。平和の森公園再整備事業は、区民との意見交換会や自治基本条例によるパブリック・コメントなどの必要な手続を事業の進捗段階に応じて適宜行ってきたと認識しております。しかし、多くの区民の皆さんが、トラック機能やバーベキューサイトの必要性に疑問を持っているので、区民の皆さんの意見を聞いてもう一度判断するという意味で説明したものでございます。第2工区の内容の変更については、工事の遅延や開園の遅れができるだけ発生しないよう検討を進めてまいります。
次に、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺のまちづくりについての御質問でございます。両駅周辺において、現在交通広場や街路整備を進めるとともに、建物敷地の共同化や、市街地再開発事業等の駅前拠点空間の創出に向けた取り組みに着手しているところでございます。今後とも地域との丁寧な対話を重ねながら、スピード感を持ってまちづくりの取り組みを進めてまいります。さらに、将来に向けては、鉄道の地下化により創出される鉄道上部空間の活用方策について、両駅周辺や西武新宿線沿線まちづくりとの整合を図りながら、地元の要望や多様なニーズを踏まえて検討し、東京都及び西武鉄道と協議、調整を進めていく考えでございます。
区画街路第4号線整備についてでございます。区画街路第4号線の整備については、鉄道の地下化工事を早く進めるための施工ヤードとして使用できるようにすること、また新しい体育館の利用者をスムーズに受け入れるとともに、そのにぎわいを駅周辺に波及させることを意図して、沼袋駅南側の交通広場部分から整備に着手しているところでございます。このため事業用地の権利者の皆さんに御協力いただいた取得用地の状況を踏まえながら、新しい体育館の開設に向けて、バスをはじめとした交通利便性を高めるため、交通広場部分の適切な暫定活用について鉄道工事を施工している西武鉄道やバス事業者と調整してまいります。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、学校の統廃合後の施設、スポーツ振興という観点での沼袋小学校跡施設の活用についての御質問にお答えをさせていただきます。
学校再編後、新たな施設が整備されるまでの間、学校開放の代替施設としてスポーツ利用に供する等、有効に活用していきたいと考えております。その手法につきましては今後検討を進めてまいります。
なお、沼袋小学校跡施設の旧校庭についての御質問の部分でございますが、現在休日に御利用をいただいておりますけれども、早急に検討を行い、地域の方々に御活用いただけるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(いでい良輔) 以上で、北原ともあき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 区民との対話のあり方について
2 行政改革について
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 平成30年第2回定例会におきまして、自民党の立場から質問をさせていただきます。
まず、酒井区長、御当選おめでとうございます。新しい風が区政の前進に寄与することを祈念いたします。
一般質問も終盤に差しかかりまして、重複する質問については割愛させていただきますので、理事者の方々には御対応をお願いいたします。
通告どおりですが、その他で、区立幼稚園の存続についてをつけ加えさせていただきます。
それでは、1、区民との対話のあり方について。
区長は施政方針説明で、「今回の区長選挙は、政策決定過程での『区民参加のあり方』が問われた選挙」と述べられ、対話の力を生かした区政にすると御発言されております。区民との対話に重点を置かれることは困難ですが、理想とする政治手法を選択されたことに敬意を表します。そこで、対話のあり方について御質問させていただきます。
18世紀、ヨーロッパは絶対王政であり、王様、貴族中心の世界で、奴隷制度が当たり前の時代背景から、ジャン=ジャック・ルソーは後にフランス革命を引き起こした一因と言われる民主主義の根本となる社会契約論を唱えます。社会契約論では、国家や自治体などの政治体の統一を保ち、正しい政治を行うためには、一般意志という基準が必要だとしております。この一般意志は、ステークホルダーの政治思想の中央値で、全員で一般意志を導くのが直接民主主義となりますが、意見が多くまとまらないために今行われているのが間接民主主義、つまり議会制民主主義が今の世界のスタンダードの物の決め方となっております。議会制民主主義がベストとは言えないですが、非常にベターな政治手法であるということは間違いありません。そして得票率でものははかれませんが、さきの区長選挙で、酒井区長の得票率は39.6%であり、3年前の今回の区長選より投票率が高かった我々区議会議員選挙で当選した42名合計の得票率は87.6%であり、区議会は民意を集約する装置として非常に有効的だと信じ、私はその一人としてこの場に立たせていただいております。
区議会が100点の機能を果たしているとは言えませんが、できる限りの対話、不断の努力をしております。しかし、選挙中の対話の力を生かすという区長のキャッチフレーズ、今定例会における議会決議に対しての軽率な発言は、区議会が不要、無能と言われている気がし、憤りと悲しみを感じておりました。もし区長が、よもや自身を選挙応援した区議会議員を含め、中野区議会の対話能力が不足していると考えるのであれば、越権行為かもしれませんが、その点について御意見を賜りたいと思います。もしくは、区議会ではなくて、前区長及び中野区全庁的に対話能力がないことを表現されていたのか。もしくは両方なのか。今、中野区政にとってどんな対話が不足しているのか、区長のお考えをお伺いいたします。
それでは、区長の対話の力の生かし方について、具体例として区役所・サンプラザ地区再整備を取り上げさせていただきます。
サンプラザ再整備は、区民合意なしに推進されたとの御主張でありますが、これまでの議会での議論や24人で構成された区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議は4回開催されてきました。これまでの就任直後の発言などをまとめますと、この区民会議を活用して新たに15人から20人で構成された検証委員会を立ち上げるということになってきますが、そして検証委員会での審議内容を答申として出していくということですが、区民会議が24人で、それで就任直後に言われた検証委員会は15人から20人ということで人数が減少するということになります。区民との対話力は、明らかにこういった数字から落ちてくることが考えられます。既にある会議体の劣化版をつくり直す、それが対話を生かすものなのでしょうか。それらの問題を解決するために、まずは人数に関しては前言撤回していただき、24人よりも多く、そして検証委員会の座長には区長みずからが務めるべきと考えますが、いかがでしょうか。みずから座長を務めることによりまして、検証結果をいち早く再整備にフィードバックできると考えます。
私は水辺環境の研究をやっておりましたが、そういったところで地元住民の方々との対話の中でさまざまな事例を見てきましたので、一例を挙げさせていただきます。
2001年に就任した堂本千葉県知事は、政策論争にあった三番瀬という干潟をつぶして道路を建設するか否か、丸い机、円卓ですね。三番瀬円卓会議というものをつくり、県民との対話路線をとりました。小委員会、ワーキンググループに分かれて議論するも、小委員長が多くの意見をまとめ切れず途中辞任するなど大混乱。知事が議論を丸投げしたことが問題と指摘されました。例えば、大人数で昼御飯に何を食べるかという意見を募って、和洋中、イタリアン、アジア料理、エスニック、あらゆる料理の種類が出てきたときに全員の要望を聞き入れることはできません。船頭多くして船山を登るといった、誰も食べたくない創作料理が出るかもしれません。対話とは全ての意見を入れることではなくて、時にはその説得をすることも必要だと考えます。
改めて伺いますが、対話を標榜される区長には検証委員会の座長になっていただくしかないと考えます。イエスかノーかでお答えしていただくことをお願いして、この項の質問を終わります。
二つ目に行政改革について。
公約においてオープンデータの推進、IoT、AIの活用による行政の効率化、多様性社会の実現がありました。それらの推進には、まず職員のマインドチェンジ。そのためにも人事制度の改善が必要であります。目指すべきは、あらゆる人材育成のためのダイバーシティマネジメントと考えます。
私は昨年、東京青年会議所におきましてダイバーシティマネジメントについて1年間調査研究を行いましたので、その結果から、その必要性について御説明の一端をさせていただきたいと思います。
インターネットの進展によりまして、さまざまな多様な価値観が世の中に表面化しました。また、情報のスピード化、ボリューム化によりましてVUCA(ブーカ)ワールドという予測不能な時代に突入しております。例えば、わずかな口コミからのヒット商品の誕生や政局の大きな変動、既存ビジネスの崩壊、そして再構築など新しい価値観、多様な考えがさまざまな現象を引き起こしております。大学教授、各分野の専門家、官僚などとこの予測不能な時代にどう対応するか議論を交わし、多様な人材を育成するダイバーシティマネジメントを推進し、閉塞感がある現代社会を改善する必要があるとの結論に至りました。ダイバーシティマネジメントの推進に具体的な対策として、個人としてはパラレルキャリアの推進、ボランティア活動への参加意識の向上、そして組織としては年功序列、縦割りによる組織の硬直化を解消するため、異なる価値を認め、活性化する組織制度が必要との見解となりました。そしてことし6月15日、政府は、国家公務員の兼業を正式に認める調整に入りました。地方公務員でも神戸市などをはじめとして自治体がそれを実施しております。中野区においても兼業の許可を行っていますし、区長自身も区役所職員のときになさっておりました。職員の人材育成、ダイバーシティマネジメント推進に資するパラレルキャリアの観点から、さらに兼業を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、人材育成のため、人事評価の内容の見直しが必要と考えられます。現行の人事評価は、企画力、折衝・応対力、指導力、規律性、積極性、協調性、責任感からなる能力・態度と業績の平均点からなります。ここで、折衝という言葉は、利害関係が一致しない相手と問題を解決するために駆け引きをすることとあります。例えば、行政が住民に道路拡張で立ち退きを要求しているにもかかわらず、利害が一致していないからこれは折衝だというような考え方であるとすれば、役所側の怠慢・傲慢であると考えられます。新区長が対話を大事にするというのであれば、この評価項目の折衝という言葉を対話や交渉などの言葉を使いまして、言葉から襟を正す必要があると思いますが、いかがでしょうか。
また、ダイバーシティマネジメント推進のためには、企画力・交渉力・協調性が必要でありまして、また挑戦・チャレンジなどを評価としてウエートやメリハリをつける必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、そのための区の方針が必要となりますが、いかがお考えでしょうか。
兼業の規制緩和によるパラレルキャリア、人事評価制度がダイバーシティマネジメントを推進し、文字どおり多様性を認める区政に直結していきます。また、新たな技術に対応できる人材育成にも資するものであると考えます。前向きな御答弁を求め、この項の質問を終えます。
3、その他、区立幼稚園の存続についてお伺いします。
公約で区長は、中野区として幼児教育に関するノウハウの維持のため、区立幼稚園の存続をすべきということでした。田中区政におきましては、障害をお持ちのお子さんに対しては、幼稚園の偏在性を考慮して、私立園で対応できるようにするという措置を施す予定でありました。そこで、そういった方向で進んでいたのに逆になるということなので、新たに素朴な疑問なんですけれども、これまで区立園のノウハウがどのように中野区の幼児教育にいい影響を与えてきたのでしょうか。重要なフィードバックがなされてきたのでしょうか。行財政改革を無にしてまで必要と考えるノウハウの維持による効果の具体的な例を教えていただけないでしょうか。残すべき理由はそこにあり、公約にしていたわけですから、これから検証という答弁はあり得ないと思っております。納得できる理由があれば、是々非々で新たに議論できるものと思っております。
これで全ての私の質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤たくま議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目に、中野区政における対話の不足ということで御質問がございました。私も元職員でございます。前区長のもとでは、職員が地域に出向いて区民の声を聞き、それを施策に反映させるという組織づくりが十分ではなかったと感じております。また、区民に対しての情報提供の姿勢や施策の立案段階から積極的に意見を求めていく姿勢も足りなかったと考えております。
次に、区役所サンプラザ地区再整備についての御質問がございました。区役所サンプラザ地区再整備については、中野サンプラザの取得以来、議会においては継続的に議論が行われ、平成27年6月に設置された区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議では、求心力のあるシンボル空間の形成や次世代都市の骨格形成などについての意見交換が行われてきたことと認識しております。このように一定の議論は行われてきたものの、これまで区民に対しての周知や理解促進が十分でなかったというふうにとらえており、今後はしっかりと対応してまいりたいと考えております。
それから区民会議について。検証に係る会議体についてはさまざまな手法が考えられる中、できるだけ早期に議論を始められるよう、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議を活用する方向で考えております。
それから区民会議に区長の参加、座長でということでお話がございました。まず、区民会議を活用する場合に、基本的な枠組みは変えませんが、人数については定員としている30名程度としたいと考えております。区民会議の運営をつかさどるのは、会議の中で選任された座長で、既に学識経験者の方が就任しておられます。区長みずからがその役目を負うことはございませんが、この間の経緯なども含め、直接説明することも必要だと考えております。もう一方で、区民と区長の対話の場の活用も考えており、中野駅周辺のまちづくりについて区民との対話を進めてまいります。
最後に、区立園が持つノウハウについて、効果についてでございます。中野区では、子どもに関する調査研究に基づき、平成23年5月に運動遊びプログラムを作成しております。区立保育園では、職員がこの運動遊びプログラムに沿った専門的な指導方法を学び、日常保育で実践しております。運動遊びプログラムについては、私立幼稚園、保育園、小規模保育事業者等へも提供しており、他の自治体にはないこのような取り組みは、中野区の子どもの健やかな成長と健康な体づくりに生かされていると考えております。区立の保育園では、子どもの発達に関することや保護者対応などについて、これまでの経験に基づく豊富なノウハウの蓄積があり、それらのノウハウを私立保育施設等へ情報提供をしているところでございます。
〔経営室長髙橋信一登壇〕
○経営室長(髙橋信一) 私からは、行政改革について。1点目が人材育成等の観点から兼業許可の推進についてお答えいたします。
職員が勤務時間外に勤務に支障のない範囲で公益活動に従事することは、多様性やパラレルキャリアなど人材育成の観点から推進していくことも必要であると考えているところでございます。職員が報酬を得て公益活動に従事する場合、職務の公正円滑な執行に支障がない場合などは現状でも許可しております。積極的に職員への周知等について検討してまいりたいと考えます。
次に、人事評価についてでございます。現在、業績評価についてはメリハリのある評価を行っておりますが、能力・態度評定についてもモチベーションアップにつながるようウエートやメリハリをつけた評価の仕組みや評価項目名について、人材育成ビジョンの改定とあわせて検討してまいりたいと考えます。
〔政策室長朝井めぐみ登壇〕
○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、行政改革についてのうち、IT人材の育成の御質問にお答えいたします。IT人材の育成につきましても、改めて研修を体系化し、計画的に実施するなどの取り組みを進めてまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 1番の区民との対話のところで御質問させていただきたいんですけれども、前段で区議会に対して何か対話能力が足りないかという御質問に対してはお答えがなかったんで、特に御意見がないというふうに解釈いたします。そうすると、サンプラザ再整備に関しては、区民会議におけるところの対話が足りなかったというところになるわけですけれども、その対話の能力が足りないと言っているのにも、それの焼き直しの検証委員会をつくる。区長はたまには説明するかもということです。選挙の際にはさんざん、もう口を開けばサンプラザの合意はなかったと言われ続けたにもかかわらず、全然足りなかったというところを補うほどのものが何も感じられません。
対話なので私が提案させていただいたのは、対話をするんだったら人数を、24人のところ定員を30人にするというところで、そこをふやすというところですけれども、それで人数がふえたからって対話能力がふえたかというと、言う人がふえるだけであってまとめるところは関係ない。なので、そこでまとめ役として、先ほども千葉県の事例を挙げましたけれども、その座長、もしくはそれに準ずるところに区長がぜひ入っていただければ、そういった対話というものができるのかなと思っております。
またもう一つ言わせていただきますと、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議設置要綱の第2条におきまして、所掌事項は、第1に「求心力のあるシンボル空間の形成に関すること」、第2に「次世代都市の骨格形成に関すること」、第3に「区役所・サンプラザ地区再整備の事業化に関すること」、第4に「前3号に掲げるもののほか、区役所・サンプラザ地区再整備に関し必要な事項」とあります。区長は、この検証委員会の中におきまして、サンプラザを残すという議論も残した中で議論をすると言っていますけど、サンプラザの区民会議をそのまま流用されるというのであれば、残すという議論がこの要綱の中に入っていないということになります。新たにつくり直すなり、その要綱を変えていかないといけないということでございます。要綱を変えるというのであれば、そのメンバー構成も変わるようなきっかけにもなるんで、その際に座長になったらいかがでしょうかということを御提案させていただきます。
以上です。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤たくま議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目のサンプラザ等の会議についての議論の進め方ということで、対話能力が不足していたというその指摘についてでございます。その点につきまして、やはりその会議を進める中で、区民に対しての周知や理解促進が十分でなかったというところに問題があったと感じております。やはり、ほかのところでも主張しておりますけれども、政策は企画の立案段階から見える化をして、そこで区民の皆さんと同じデータ、同じものを見ながら、検証可能な状態で議論していくことが必要だなと改めて思っております。そこら辺を、今回の区民会議の中ではそういう手法をしっかりと取り入れてまいりたいと考えております。
それから、区民会議の要綱の中では、サンプラザについて残すという項目がなかったということでございます。今回サンプラザについて、改めてこれまでの経緯等を、議論も含めて説明をしてまいりまして、その中でサンプラザの地区についてのあり方を皆さんとともに議論をしていくということで考えております。私としては、座長にはなれませんけれども、積極的に会議に参加して議論にも、私も先頭に立って説明をしてまいりたいと考えております。
○議長(いでい良輔) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時51分休憩
午後3時11分開議
○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 外部監査について
2 旧中野刑務所正門について
3 清掃事業について
4 その他
○議長(いでい良輔) むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○40番(むとう有子) 区民の方々からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。
多少は上がったとはいえ、34%の低投票率でこのたび新しい区長が誕生いたしました。前区長による長期政権を終わりにし、さらに教育長が辞職に至ったことは、多くの区民の願いでもあり、新区長の成果だと評価いたします。
新聞報道によると、初の記者会見で、区長は、教育長を民間から登用するお考えを明らかにされたとのことですが、ぜひとも人としての社会的規範と教育に関する専門的学識を備えた方の登用となるよう期待し、質問に移ります。
外部監査についてお尋ねいたします。
さて、私が手にした区長の選挙ビラには、「新しい区役所を始めます。情報公開を進めます」と書かれていました。まずは、区民として、納税者として、公金の使い方について、内部監査委員に加えて外部監査人による監査機能の強化に取り組んでいただきたいと考えます。
中野区には、議会の同意を得て、区長が選任した元区職員と税理士、区議会議員二人の計4人の監査委員がいます。この監査委員の事務を補助し処理する機関として監査事務局が置かれています。監査委員の仕事は、区の事務事業が法令等に従って適正に行われているのか、区民の福祉増進のために最小の経費で最大の効果を上げているのか、組織や運営の規模が適正かなど、区の監査全般を行うことで、自治体内部の執行機関と位置付けられています。かつて自治体のずさんな財務管理が大きな問題となったことを受け、1997年の地方自治法改正により、都道府県、政令指定都市、中核市には外部監査制度の導入が義務付けられました。なお、その他の市区町村には任意での導入となっています。翌年には監査を担うのは監査委員であることを基本としつつも、監査機能の独立性と専門性を強化するために、弁護士や公認会計士、税理士など監査事務に精通した外部監査人に財務監査を委託しなければならないと定めた外部監査制度が施行されました。自治体と外部監査契約を結んだ外部監査人が監査を行うというものであり、包括外部監査と個別外部監査の2種類があります。包括外部監査とは、毎会計年度1回以上、外部監査人が必要と認める財務その他の事業を特定して監査するものでしたが、2017年の地方自治法の改正で、包括外部監査の実施頻度が緩和されました。ポイントは、外部監査人が主体的に必要と認める事業を特定できることです。これに対して、個別外部監査とは、首長、議会、住民からの要求のある場合に外部監査人への監査を依頼して行われる監査のことです。ポイントは、外部監査人が事業を特定できず、依頼された事業のみの監査にとどまることです。
中野区では、2003年10月、包括外部監査と個別外部監査の二つを盛り込んだ画期的な条例が提案されましたが、議会での理解が得られず、2005年2月にこの条例案が撤回されました。同年3月、個別外部監査のみを残した中野区個別外部監査契約に基づく監査に関する条例が制定され13年が経過しました。総務省の調査によれば、全国的に見ても個別外部監査はあまり活用されていません。果たして中野区では、個別外部監査が活用されているのでしょうか。この条例に基づく個別外部監査の実績をお答えください。
私の調査によると、23区ではいち早く包括外部監査を導入し、全ての事業監査を一巡して既に廃止した区もありますが、現在、荒川、大田、江東、港の4区で包括外部監査を実施しています。4区に電話取材を行ったところ、外部の視点で税金の使われ方が掘り下げて深く厳しく監査され、その結果を公表することで透明性と情報公開が進み、事業改善や職員の意識改革に至る成果があるとのお話でした。4区平均約900万円の経費ですが、それ以上の財政成果が上がっているようです。とはいえ、経費がかかるため、国は市区町村にも導入を促す意図があり、包括外部監査の実施頻度を緩和し、区が頻度を条例で規定できるようになりました。
そこで、活用されていないと思われる個別外部監査を見直し、区の組織に属さない専門家による外部監査人という第三者の視点を取り入れた包括外部監査を導入し、監査機能をより一層充実させて、区政の透明性・信頼性を高めることを始めてはいかがでしょうか、区長の見解を求めます。
次に、選挙公報に区長は、中野区ものしり博士号取得との記載があり、中野区の文化や歴史について深い知識をお持ちかと思います。そこで、旧中野刑務所正門についてお尋ねいたします。
戦前の治安維持法により、戦争に反対し、平和を願い、検挙された政治犯や思想犯が多く収監されていた旧中野刑務所の正門、通称平和の門は、天才建築家と言われた後藤慶二氏の設計による現存する唯一の作品で、日本のれんがづくり建築の到達点を示し、築後103年を経過する貴重なものです。この門の両側には16畳ずつの部屋があります。この部屋を活用し、多くの人が門の歴史を知り、平和な未来を育む可能性に夢が膨らみます。御存じのように、この門がある敷地に平和の森小学校の新校舎建設が計画されています。これまで区は、新校舎建設に支障があるので門を残す考えはないと繰り返し答弁をしています。しかし、この門の価値を知る多くの区民が門を残し活用することを望んでいます。現在の技術をもってすれば、門を活用した学校建設や旧中野刑務所エリアでの移築も可能であるとする御意見が建築家の方々から寄せられています。平和の門という歴史的・文化的建造物を残すことについて、ものしり博士である区長の見解をお答えください。
平和の森小学校に通うお子さんの保護者や大学教授、門の設計者のお孫さんなど、そうそうたる方々が門の保存・活用について、建築学や教育学などの専門的見地から市民に開かれた方法で十分に検討する機会を求める要望書を区長あてに届けられたと伺いました。まさに区長が主張される対話の力を発揮する絶好の機会です。専門家の知恵をおかりしながら、区民とともに検討する場の設置を求めますが、いかがでしょうか、お答えください。
最後に、清掃事業についてお尋ねいたします。
選挙公報やビラには、日々の衛生的な暮らしを支える清掃事業についての記載がありませんでしたが、区長のホームページの政策欄を読むと、「ごみの有料化はしません。個別回収の体制整備、近隣区との関係を考慮すると、時期尚早だと思います」と書かれています。この文言は、今は有料化しませんが、個別回収の体制が整備され、近隣区との条件が整えば有料化するとも解釈できます。私は、家庭ごみの有料化は税金の二重取りであり、有料化でごみが減量したとのデータはないので、家庭ごみの有料化に反対です。
そこで確認をいたします。前区長の方針を覆し、家庭ごみの有料化はしないという理解でよろしいのでしょうか、区長の答弁を求めます。加えて、新たなごみ減量化施策についてのお考えがあれば、重ねてお答えください。
選挙戦で掲げられた区長の政策の全てに賛成ではありませんが、1万人アリーナや300メートルトラック、哲学堂整備の見直し、中高生の活動施設2カ所の設置、区立幼稚園・保育園・児童館の存続、対話の力を生かす区政、当選すればですが、区長の任期は3期12年、以上は、少なくとも実現していただけるように期待し、誠意ある答弁を求め質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) むとう議員の御質問にお答えいたします。
まず、個別外部監査の実績と包括外部監査の導入についてでございます。個別外部監査は、長や議会、住民からの請求または要求に基づく監査を、監査委員による監査にかえて契約を締結した外部監査人により行う監査でございます。これまでに中野区において個別外部監査を実施した実績はございません。また、他区においても10区で条例が制定されておりますが、実際に行われた例は少ないということでございます。
包括外部監査は、契約を締結した外部監査人が特定のテーマを選択して行う監査でございます。23区では4区で実施されている一方、5区においては、以前実施していたが、現在は実施していないという状況も聞いております。監査委員は、地方自治法の規定に基づき、適切かつ効果的に監査を行っており、費用対効果の面からも包括外部監査の導入については慎重に検討したいと考えております。
〔健康福祉部長小田史子登壇〕
○健康福祉部長(小田史子) 旧中野刑務所正門の保存についての御質問についてお答えいたします。
現在、保存を行う場合の方法などにつきまして、さまざまな角度から検討しているところでございまして、今後専門家や区民の方の意見を聴取するなどして検討していきたいというふうに考えております。
〔環境部長白土純登壇〕
○環境部長(白土純) 私からは、家庭ごみ有料化及びごみの減量への取り組みについてお答えをいたします。
家庭ごみの有料化は、隣接区への不法投棄対策等の課題があるため、23区が一斉かつ一体的に行う必要があり、それまでの間は23区のごみ総量の減量目標を掲げて一体として取り組んでいく必要があると考えております。したがいまして、現時点では家庭ごみの有料化の実施は時期尚早であると考えております。また、ごみ減量施策については、陶器、ガラス、金属ごみの減量資源化に向けた取り組みやフードロス対策、紙類等の資源化を推進していきたいと考えております。
〔むとう有子議員登壇〕
○40番(むとう有子) 1点、家庭ごみの有料化について再質問させていただきます。
今の御答弁は、これまで区が言ってきたことと全く同じです。しかし、今回新しく区長になられた酒井区長は、御自身のホームページの中で、家庭ごみの有料化はしませんというふうにまずは言っているんです。ですから、これまでの方針を覆して有料化はしないという理解をしてよいのかというふうに、改めて新区長に聞き直しているところでございます。これまでの前の区長が言っていた主張と結局これでは変わらない答弁というふうに受けとめてよろしいのでしょうか。再確認をよろしくお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) ごみの有料化について私がホームページのほうで有料化をしませんと書いてあることについての再質問だと理解しております。ごみの有料化については、減量に結びつかないなど、いろいろさまざまな議論があることは理解しております。特に私が問題にするのは、やはり隣接区との境界のあたりに住んでる方は特に有料化と無料化のはざまに、やはりそこが不法投棄の対策等で課題があると考えております。ですから、23区が一体として例えばごみの有料化を進めて、一体として取り組んでまいるとか、そういう環境が整ったときにはごみの有料化を一緒にやっていくということも考えられるという意味で説明をした次第でございます。
○議長(いでい良輔) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 施政方針説明について
(1)犯罪被害者支援について
(2)児童館の全廃についての見直しについて
(3)男女共同参画の推進について
2 その他
○議長(いでい良輔) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。区長の御就任に当たり、お祝いを申し上げます。おめでとうございます。
今回の区長選挙を通じて、行政に声が届かないことを不満に思う区民が多いことを私はひしひしと感じました。中野区に住み、地域を愛し、もっと住みやすいまちにするために声を発し続けても届かなかった区民、また自分の声など反映されるはずがないと諦めていた区民が、もし酒井氏が区長になったら区民の声を聞いてくれるかもしれないと期待したことが新区長の誕生につながったのだと思います。
私も長年訴え続けて、これまで区政に届かなかった2点と検討が急がれる1点について質問させていただきます。
まず初めに、施政方針説明の中の犯罪被害者支援について。
6月3日、全国犯罪被害者の会「あすの会」が解散しました。あすの会は、2001年、日本弁護士連合会の副会長も務めた岡村勲弁護士を中心に集まった被害者の団体です。1997年、山一證券の代理弁護士であった岡村氏は、逆恨みした山一證券の顧客に奥様を殺されました。なぜ加害者は法で守られ、被害者は放置されるのか。被害者には何の権利もないのかを身をもって知った被害者たちが立ち上がり、海外調査、署名活動、当時の小泉純一郎首相への直談判等、活動を続けました。その17年にわたる活動は、犯罪被害者等基本法の成立、被害者参加制度、経済的保障制度の拡充、殺人などの重大犯罪の時効の廃止等、多くの法律を成立させ、刑事・司法に大きな影響を与えてきました。私も一被害者遺族としてこの会に参加し、微力ながらともに歩んでまいりました。
解散大会当日は、全国から会員の被害者、支援者、多くのマスコミ、国会議員等が集まり、上川陽子法務大臣は、会の功績をたたえ、今後、国が被害者支援にしっかりと取り組んでいくことを約束してくださいました。4時間以上の長時間、会に参加してくださった法務大臣は、会終了後、「よく頑張ってこられましたね」と握手をしてくださり、私は涙をこらえ切れませんでした。
あすの会の解散理由は、被害者が権利の主体として法的に認められるようになったこととメンバーの高齢化ですが、岡村顧問は挨拶の中で、残る課題は、もう被害者に頼らず国と国民で考えていただきたいと語られました。残念ながら凶悪な犯罪がなくなったわけではありません。あす誰が被害者になるかもしれない、被害者問題は全ての国民の問題です。
中野区は早い段階で犯罪被害者のための相談窓口を設置し、その活動は全国の自治体や警察、司法関係に注視され、中野区を参考にして活動していきたいと区の取り組みを高く評価していただいています。しかし、残念なことに、さらなる被害者施策を進めることには消極的でした。今回の施政方針説明で、初めて被害者支援が示されたことに大きな期待を抱いております。被害者支援の拡充について、どのようなことをお考えなのでしょうか。条例制定の意義についてはこれまで何度も申し上げてきましたので省きますが、確実な被害者支援の取り組みの構築のためにも、中野区が安全で安心して暮らせるまちを目指すためにも、犯罪被害者等基本条例の制定を求めますが、いかがでしょうか。
次に、児童館の全廃についての見直しについて。
区長は施政方針説明で、児童館は子育てにかかわる多世代が地域で交流する機能として必要と考えると、児童館全廃の見直しをお示しになりました。私は、15年間にわたり小学生が自由に使える学校以外の居場所をなくすべきではない、児童館は子どもたちの育成にとってかけがえのない場所である、地域と子どもたちをつなぐ居場所が必要であると繰り返し繰り返し質問してきましたので、大変うれしく思います。国の放課後子ども総合プランでは、放課後子ども教室の計画的な整備を進め、学校施設を徹底的に活用する方針が示され、各自治体は小学校内に子どもの居場所を設置してきました。中野区でいうキッズ・プラザです。しかし、他区では、放課後子ども教室を設置しても、幾つかの児童館と異世代が交流できる子どもたちの居場所を残す方針であるのに対して、中野区だけは児童館を全廃し、小学生の居場所は学校だけと決めてきました。今ここで一度立ちどまり、児童館全廃を見直し、子どもたちの施設について再考できることは大変喜ばしく、児童館全廃に反対の声を上げてきた子育て中の保護者、地域で子育てを支える方々、そして何よりも児童館を利用している子どもたちにとって大きな朗報です。しかし、共稼ぎの世帯の増加、親の就労の形態が変化している今、どのような形で児童館を存続するのかは多くの検討課題があります。何館、どこを残すのか、どんな形で残すのか、時代に合った子どもたちの居場所とはどんな形になるのか、財政的な問題はどうするのか、地域で不公平感を出さない取り組みはできるのかなど、直面する課題は多岐にわたります。どのように検討していくのでしょうか。
私は、昨年の第4回定例会で、港区の麻布子ども中高生プラザを紹介しました。保育園、児童・中高生施設、高齢者施設が併設された複合施設です。麻布子ども中高生プラザの館長は、かつて渋谷にあった東京都の児童館、こどもの城で働いていた方で、「昔は、中野の児童館がすばらしいので、いろいろ勉強させていただきましたよ」と話されていました。中野区を子育て先進区へと語られる区長には、ぜひ他区の施設を視察、調査していただきたいと思います。そして長年中野区の子どもたちを見てきて、今も子どもたちと向き合っている児童館館長たちを含めたメンバーによる検討委員会を立ち上げ、児童館全廃の見直しについて検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、男女共同参画の推進について。
施政方針説明では、男女共同参画の推進にも触れています。中野区は昭和59年、女性会館を現産業振興センターの場所に開設しました。これは23区でも先進的な取り組みでした。そして平成18年、男女共同参画社会実現のための総合的な拠点施設として、男女共同参画センターと名称を変更しました。この男女共同参画センターは、平成25年、本庁1階に移り、平成27年には3階、平成28年には4階と移動になりました。現在はセンターの呼び名にはほど遠いものです。区長御自身も男女共同参画センターがどこにあるか御存じなかったのではないでしょうか。よほど興味を持つ区民以外は誰も知られないような状況であり、23区で唯一の活動拠点を持たないセンターです。また、新しい区役所の計画の中にも、活動拠点としてのセンター機能をつくる予定はありません。まずは4階の現状を見ていただき、新しい区役所には、男女共同参画施策に関する区民の活動が広がる拠点施設としての機能を持つセンターを配置すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
その他はございません。
これで質問は終わります。御清聴ありがとうございます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 近藤さえ子議員の御質問にお答えします。
犯罪被害者支援についての御質問をいただきました。区はこれまで犯罪被害者等基本法に基づき非常勤相談員を配置した専門の相談窓口を設置し、相談、助言、各種手続の援助を行うほか、家事援助等を行う生活支援員を派遣する緊急生活サポート事業を実施してまいりました。また、犯罪被害者への理解を深めるため、毎年区民と職員向けにそれぞれ講演会等を開催しているほか、区役所ロビー等でのパネル展示などの普及啓発を進めてきたところでございます。犯罪被害者の生活を支えるため、ほかにどのような支援が必要か他自治体の状況を調査するとともに、犯罪被害者に関する条例の制定について検討してまいります。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、児童館のあり方の見直しに係る検討方法についての御質問にお答えをいたします。
今後、利用者や現場の声を踏まえ、児童や子育てなどに係る現状や課題に応じた機能や役割について整理するとともに、あるべき姿を定めた上で、必要な施設や配置を考えていきたいというふうに考えてございます。
〔政策室長朝井めぐみ登壇〕
○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、男女共同参画の推進についての御質問にお答えいたします。
男女共同参画施策は、拠点施設の有無にかかわらず推進していくことが必要だと考えており、平成25年4月の男女共同参画センターの庁内への移転からこれまでも機能充実を図ってきたところでございます。新区役所において、情報発信拠点としての機能を整備し、区内団体の支援や男女共同参画の取り組みを推進していく考えでございます。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○39番(近藤さえ子) 犯罪被害者の基本条例についての検討をしていただけるということで大変うれしく思います。ぜひお願いしたいと思います。
そして、児童館の館長をメンバーに加えた検討委員会を立ち上げてはいかがでしょうかということにお答えがなかったので、その点をお願いいたします。
あと、男女共同参画は、拠点としてはつくらないという形なのでしょうか。ぜひつくっていただきたいと思いますけれど、その辺はいかがでしょうか。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 再質問にお答えをいたします。
利用されている区民の方々の声、それから館長を含め職員の声も踏まえながら検討してまいります。
〔政策室長朝井めぐみ登壇〕
○政策室長(朝井めぐみ) 男女共同参画センターの再質問にお答えいたします。
新区役所においてでございますけれども、スペースの限りもあることから、まずは情報発信拠点としての機能を整備したいというものでございます。
○議長(いでい良輔) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 ユニバーサルデザインと支え合いのまちづくりについて
(1)障がい児・者や高齢者について
(2)子どもや女性について
(ア)マルトリートメントや虐待について
(イ)保育について
(ウ)その他
(3)SOGI(性的指向や性自認)について
(4)その他
2 その他
○議長(いでい良輔) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○29番(石坂わたる) 質問いたします。
ユニバーサルデザインと支え合いのまちづくりについて、1点目として伺います。
(1)として、まず、障がい児・者や高齢者について、中野区バリアフリー基本構想を中心に伺います。
中野区バリアフリー基本構想では、基本方針として、「高齢者、障害者をはじめ、誰もが移動しやすく、利用しやすいまちの実現」、「公共交通、道路、建築物などを対象に面的なバリアフリー化の推進」、「中野駅周辺や西武新宿線沿線におけるまちづくりとの連携によるバリアフリー化の推進」などを掲げています。そして、各重点整備地区における特定事業を設定し、事業実施予定時期として平成32年度までの事業完了目標とする前期と平成37年度までの事業完了を目標に実施する後期と二つの完了目標時期を定めています。また、中野サンプラザなどの施設がバリアフルな状態であることの解消や中野駅南口にある視覚障害者福祉協会と中野駅や社会福祉会館とを道路上の点字ブロックでつなぐことが不十分であることなどの改善を必要としている障害者の方々もおり、中野サンプラザ、区役所、中野体育館、社会福祉会館などについて、建物そのものやその周囲や動線のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化が必要です。しかし、30年度の予算審議において、否決はされたものの、議員提案の組み替え動議で、北口の再開発について、バリアフリー化も含めて予算を削り、一歩踏みとどまって考えるような提案もなされており、区長が変わったことで、中野駅周辺のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化への影響が出ることを心配する声を耳にしています。
そこで伺いますが、区長が変わっても、1点目として、中野駅北口を含む駅周辺のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化、例えば西口改札開設による車椅子を利用されている障害者や高齢者の方のためのハード面での動線の確保や知的障害者、精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者などにとってもわかりやすい動線やインフォメーションの出し方についての配慮を進めていくこと。2点目として、中野駅周辺に限らず、区全体のバリアフリー基本構想の目標時期について、今後も変更なく進むという理解でよろしいでしょうか。さらに3点目として、区長は、新区役所の建てかえ時期は、予定どおりに進めることと、サンプラザについては、いつかは建て直しが必要になる時期が来るということの認識を公開討論会などで語っていらっしゃいましたが、それらを含む施設やその周辺のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化もバリアフリー基本構想やユニバーサルデザイン推進条例の考え方を踏まえてしっかりと進めていく認識でよろしいでしょうか。
(2)として、子どもや女性について伺います。
まず、(ア)として、マルトリートメントや虐待について伺います。マルトリートメントとは、保護者から子どもへの心ない対応や不作為など、子どもを傷つける不適切なかかわりを指します。区長の施政方針説明において、「子育て世帯や障害のある方など、支援が必要なすべての区民を見守り支えあう『見守り支えあいネットワーク』を構築」という言葉がありました。今後の支え合い活動では、子どもに関しては障害児に加え、子育てに悩んだり孤立をしたりしている母子を支えるようにすることも必要です。把握をしたケースの見守りや気づいたときに必要な支援につなぐこと、地域全体で子どもを育てる雰囲気を涵養することによって、マルトリートメントや虐待を防ぎ、早期に発見することが求められます。そのため、見守り、支え合いの担い手に対する啓発が求められると思いますが、いかがお考えでしょうか。
先日、目黒区で虐待死事件がありました。もちろんこうした事件を防ぐことは必要ですが、マルトリートメントへの早期のかかわりや、虐待やマルトリートメントを行わない親を育てることが必要です。また、お子さんが障害児の場合、高くなりがちな虐待リスクを低下させるための啓発や取り組みが必要です。思春期から青年期まで、さまざまな場面での障害児を含めた赤ちゃんや幼児などと触れ合う事業、障害の有無を問わない命の大切さを学ぶ体験活動、HIVや他の性感染症を防ぐとともに、ドメスティックバイオレンス(DV)や望まない妊娠の起こらないパートナーシップの築き方、周囲の人がマルトリートメントや虐待をなくしていくためにできることなどを知る啓発活動を若い世代に対して広く行うことが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。
また、今後、区への児童相談所の移管も予定されていますが、赤ちゃんが泣きやまないときや子どもを叱るときに、近隣住民から虐待をしていると思われて通報をされるのではないか。保護者失格の烙印を押されるのではないかという不安を感じながら育児をされている母親や、子育てに困って誰かに相談をしたい男女や女性カップルなどもいます。さらに、養育里親や養子縁組の親(養親)との信頼構築過程において、引き取った子どもが絶対に捨てられないと確信をするまでは、家庭での反抗を続けることがあるということについて、児童相談所に相談をすると親子の関係を引き裂かれてしまうのではと心配をしている養親や養育里親の状況も耳にするところです。加えて、都は、親元で暮らせない子どもを預かる養育里親の認定をめぐり、基準改定により、同性カップルを養育里親として認める方針を本年5月18日に決めていますが、制度開始当初は落ち度のない育児をしなければならないとの過度のプレッシャーを強く受ける同性カップルもいると思われます。こうした中、実父母、養育里親、養親にかかわらず、児童相談所に相談に行ったり、児童相談所の人が家庭に訪問してくることは、虐待をしたという烙印を押されたり、子どもを取り上げられたりするんではないかと恐怖に感じる方もいます。児童相談所移管後の子ども家庭支援センターの機能をどうするのか。地域の子どもを支援する役割を包含しているすこやか福祉センターの役割をどうするのかなどをきちんと考え、安心して相談してもらえる場所やスキルと知識を兼ね備えた人を準備することが必要ではないでしょうか。また、児童相談所について、虐待に対応する機関というイメージを子育て支援のための機関というイメージに変えていくことが必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。
(イ)として、幼稚園や保育園、あるいは認定こども園で行われる保育について伺います。
障害児や外国にルーツを持つお子さん、レズビアンカップルが育てている子、ひとり親家庭などさまざまなお子さん、あるいはさまざまな家庭のお子さんに対応できることが求められます。また、いずれのマイノリティーのカテゴリーにも当てはまらない、いわゆるマジョリティー、一般的なお子さんに関する保育の質の向上も不可欠です。区長の施政方針説明では、区立保育園が民間事業者に対する適切な指導強化を行うために必要とのことですが、私は私立学校や公立学校、区立教育センターなどに勤務をしてまいりましたが、私立のほうがスキルやノウハウがすぐれていると感じることも多々ありました。ここでは、施政方針説明にあります保育園に絞って伺いますが、区立保育園のスキルやノウハウに基づいて民間事業者に対する指導・評価をするという発想だけではなく、公立保育園の保育士が私立の取り組みを学ぶ機会を設けたり、公立園が私立の保育士に意見をもらう。場合によっては私立の保育士に公立園の指導・評価をしてもらうといった機会もふやすなど、公立園と私立園の双方向のやりとりを通したスキルアップやノウハウの蓄積を図ることも必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。
(3)として、SOGI(性的指向や性自認)について伺います。
中野区に事務所を持つ当事者団体であり、現在はNPO法人になっている動くゲイとレズビアンの会「アカー」が東京都を相手取った裁判をかつて行いまして、当事者団体が勝訴をした際の判決の中で、行政当局としては、その職務を行うについて少数者である同性愛者をも視野に入れたきめの細やかな配慮が必要であり、同性愛者の権利・利益を十分に擁護することが要請されているものというべきであって、無関心であったり、知識がないということは、公権力の行使に当たる者として許されないと述べています。行政当局や公権力の行使に当たる者は、新区長以下全ての行政職員を指しています。こうした問題に関して対応が課せられています。
その上で伺います。同性パートナーシップ制度の実施が8月に予定をされている旨、総務委員会で既に報告がなされています。また、同僚議員からも質問がありました。また、同性パートナーシップ制度を利用しないカップルや利用ができないカップル、単身のLGBTなどを含めた困り事の解消、LGBTが陥りやすく、一度陥ると脱しにくい貧困、メンタルヘルスの悪化、ドメスティックバイオレンス(DV)、虐待に関する相談・対応、公共施設等における性同一性障害の人を含むトランスジェンダーの人が使いやすい更衣室やトイレの設置なども急務の課題です。同性パートナーシップを当初の予定のスケジュールで実施するとともに、それはゴールではなく、第一歩としてユニバーサルデザイン推進計画でどう位置付けていくのか、どう取り組みを進めていきますでしょうか。
また、同性パートナーシップの周知はもちろんのことですが、それだけにとどまらないLGBTの困り事を解消し、SOGIに関する性別や偏見を解消していく視点から、不動産業者、大家さん、医療機関、その他事業所、区民全体の普及啓発をどのように進めていくのか、制度開始が近づいている状況で改めて伺います。
質問は以上です。答弁のほど、よろしくお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 石坂議員の質問にお答えいたします。
私からは、区立保育園、私立保育園双方向のかかわりについてということでお答えいたします。区では、私立・区立の認可保育所に加え、小規模保育事業所、認証保育所を含む区内保育施設の施設長が年4回集まる就学前教育・保育情報交換会を実施し、保育に関する課題の検討や地域の情報交換を行っているところでございます。区が実施している年間40回程度の研修については、私立保育園からも参加できる仕組みとしており、双方向のスキルアップを図っているところでございます。私立保育園についても、独自の保育理念、運営の工夫により質を高めている施設もあることから、今後も合同研修や交流保育などにより、双方の質の向上を図ってまいりたいと考えております。また、私立保育園が区立保育園を評価する仕組み、そのようなことについても検討してまいります。
次に、ユニバーサルデザインの中で、パートナーシップ宣誓の実施とユニバーサルデザイン推進計画での位置付けについての御質問でございます。パートナーシップ宣誓については、現在8月からの実施に向けて準備を進めているところでございます。本定例会で実施について報告を予定しております。ユニバーサルデザイン推進計画については、現在検討中でございます。パートナーシップ宣誓など、性の多様性への理解促進等の取り組みについては、計画の中に位置付けて取り組みを進める予定でございます。
パートナーシップ宣誓実施に当たっての普及啓発でございます。宣誓をした方がパートナーシップ宣誓書等、受領証を提示することが想定される不動産事業者、医療機関、金融機関などに対しては、取り組みの目的なども含めて個別にお知らせするなどを検討しております。また、宣誓書等受領証の裏面には、受領証の提示を受けた方にこの取り組みの目的などを御理解いただくための説明文を添えることとしております。この取り組みのPRについては、区報や区のホームページを活用し、LGBTの方の困り事や、差別や偏見の解消に努め、性の多様性について広く区民、事業者の理解が進むよう工夫して行っていく予定でございます。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、ユニバーサルデザインと支え合いのまちづくりについてのうち、所管分についてお答えをいたします。
まず、中野駅北口を含む駅周辺のバリアフリー化についてでございます。中野駅周辺のバリアフリー化につきましては、中野駅周辺の基盤整備にあわせて進めていくこととしておりまして、その中でユニバーサルデザイン推進条例で示された趣旨も踏まえ、適切に事業を進めてまいります。
それから、新区役所等の建てかえとバリアフリー化及びユニバーサルデザイン化についてでございます。新区役所の建てかえ時期につきましては、新庁舎の整備計画の中で示していくことになりますが、当然バリアフリー基本構想やユニバーサル推進条例の基本指針にのっとり進めていく考えでございます。
〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕
○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、マルトリートメントや虐待についてお答えいたします。
まず見守り、支え合いの担い手の啓発についてでございます。虐待の防止、早期発見に対しては、要保護児童対策地域協議会の中で、地域の子ども、関係機関のほか、民生・児童委員等の参画も得て、地域の実態把握、情報の共有を図っているところでございます。こういった会議をはじめ、アウトリーチチームを通じて地域で見守り、支え合いを担っている方に対しては、不適切な養育、いわゆるマルトリートメントに対する認識を深めていただき、地域の見守り、支え合う力の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
次に、若い世代への啓発についてでございます。これまでも、中学校では保育施設で乳幼児と触れ合う体験学習を行う。また、学校に助産師や乳児を招いて命の大切さを学ぶ授業などを実施し、また保健の授業では、性感染症の防止を扱っているところでございます。これ以外にも、高校・大学生への妊娠・出産を通じてのライフプラン講座の開催をはじめ、妊娠や出産等に関する普及啓発を行ってきてございます。マルトリートメントや虐待に関する若年世代への啓発に関しましては、このような取り組みの中で工夫を重ねてまいりたいと考えてございます。
次に、(仮称)総合子どもセンターとすこやか福祉センターの役割についてでございます。(仮称)総合子どもセンターは、児童虐待に係る指導・措置等のさまざまな権限を背景に持ちながら、専門的な支援を実施し、すこやか福祉センターでは、身近な地域の中で、発生予防、早期発見、養育支援を妊娠・出産期からトータルに実施していく役割を担うこととなります。双方が役割を適切に担い、しっかりと連携を図っていくことができるよう、人材育成や連携の仕組みづくり等を進め、区民にとって安心できる相談体制を築いてまいりたいと考えてございます。
児童相談所のイメージについて、虐待対応機関から子育て支援機関へという御質問でございます。児童相談所につきましては、虐待対応機関として、指導・措置等といった権限を有しており、その基本的な目的は、家庭復帰等を目指して、子どもと家庭の状況を調整し、安全・安心な環境を整えることにございます。児童相談所は、子どもの安全・安心を中心に据えて、ともに歩んでいく機関であることを、実際の取り組みの中で子どもや家庭等に伝えていくとともに、広く区民にも周知を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(いでい良輔) 以上で、石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 区長の施政方針と区の広報について
2 その他
○議長(いでい良輔) 次に、小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○18番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。
まずは、酒井区長、御就任おめでとうございます。私は、酒井区長と政策協定を結び、選挙戦で酒井区長を支援した組織「区民の声」の元共同代表の一人として、今後は製造者責任も負いながら、新区長とともに、区政の前進、子育てしやすい中野区の実現に力を尽くしていきたい所存であります。
この場にはいない人のことを悪く言うつもりはありませんので、これから事実のみを言いますけれども、前区長は、私をはじめとする複数の無所属議員の質問の答弁には立っていただけない時期が何年も何年も続いていたことがかつてございました。私のいるここから区長の席までは、距離にすればほんの3メートルではございますけれども、私の声が区長に届いているのかなと不安になることもございました。届いていますか。
これまでの田中区政におきまして、私はさまざまな提案や質問をしてまいりました。例えば、市民活動や公益活動のネットワークの強化や情報交換をするべき拠点が欲しいとか、公益活動に対してイベント機材などの物品の貸し出しをせよとか、認証保育園を含む保活情報の提供をもっと多く迅速にせよとか、保活セミナーを開催せよとか、保育園の遠距離通園を解消するための加点をせよとか、認可保育園での紙おむつの持ち帰りを認めよとか、せっかくできた病児保育にタクシー送迎制度を導入せよとか、過去の保育園民営化をきちんと検証・評価して、今後のために民営化マニュアルを作成せよとか、育休制度のないフリーランス等の保活に配慮せよとか、保育士の待遇改善をせよとか、子育て支援活動団体が一堂に集う子育てメッセを開催せよとか、地域の先輩ママさんや地域活動団体が新米ママさんたちとかかわれるような仕組みづくりをせよとか、子育て支援ハンドブック「おひるね」をより時代のニーズに合った形にリニューアルせよとか、中野区ならではの文化芸術やサブカルチャーの振興をせよとか、その一つとして、中野駅前の区有地をミュージシャンやパフォーマーに開放せよとか、文化とスポーツという考えようによっては両極端にある部署を一緒くたにしているのはおかしいのではないかとか、職員が区民の中に出て行政課題を説明する出前講座をせよとか、学童クラブに屋外活動スペースを確保せよとか、宮前公園にかつてあった水遊び場を復活せよとか、神田川などの河川におりて川遊びをできるようにせよとか、外国人学校の保護者補助金の所得制限を厳しくせよとか、給付金型の奨学金制度をつくるとか、廃校となる小・中学校の跡地活用については、企画立案段階から地域住民の声を聞けとか、学生と地域や行政とのかかわりをより深めるための新たな方策を考えよとか、ここ数年の質問を振り返ってみただけでも、それはそれはいろんな質問をしてきまして、結構いいこと言っていると私は思うんですけれども、また、その中には、お金をかけずに実現できることもあるんですけれども、前区長に私の声が届くことはあまり多くありませんでした。
特に悔やまれるのは、旧桃丘小学校でタイケン学園により運営されていたマンガ・アートコートについてであります。区は、文化芸術の拠点として5年契約で施設を貸し出したのですが、約束の5年が過ぎてもタイケン学園は出ていかない。これを立ち退きさせるための裁判費用として、区は8,000万円以上の裁判費用を拠出することになってしまいました。実は、この裁判からさかのぼること半年以上前、タイケン学園と中野区の賃貸借契約がまだ有効だった時期に、私はタイケン学園の運営がどうもおかしいのではないかということをこの本会議の場で指摘しました。きちんとした証拠がつかめなかったので、裁判の争点となった転貸借について明言こそしませんでしたけれども、素性の知れない食品会社が、区民に対する何の還元もないまま教室を一つ占有しているということははっきりと指摘をしています。今となっては結果論ではありますけれども、あのとき、当時の区長が私の言うことにもっと耳を傾けていれば、8,000万円の裁判費用がかかることもなかったかもしれないなと、返す返す悔やまれます。酒井区長におかれましては、誰が言ったのかを目で見るのではなく、何を言ったのかを、耳とそしてハートで聞いていただきたい。今までとは違う公正公平な区議会答弁をしていただきたいと思います。
酒井区長が掲げる子育て支援や市民活動支援を含む区民とともに進めるまちづくりは、私も政治家として一貫して訴え続けてきたメーンテーマでございます。区長とは大体同じ方向を見ている。同じ夢を共有できるんじゃないかと勝手ながらそう考えております。区長が変わり、新しい区政が始まる。自分が初めて議員になったときと同じような夢と希望とときめきを改めて感じております。
さて、アメリカでは大統領就任から最初の100日間はハネムーン期間とされまして、大統領の政策や行動を市民やメディアがある程度好意的に見守る。議会においても、法案成立に与野党が協力的になるという慣習があるそうです。日本では政権交代の経験があまりありませんから、国会におけるそうしたハネムーンの慣習はあまり根づいておりません。そのためかどうか、本議会におきましても、厳しい質問が幾つも出ましたけれども、酒井区長が先月15日に就任してからまだ半月しかたっておりません。どんな有能な人であっても、半月で成果を出すことはなかなかできませんから、中野区議会においても、まず最初の100日ぐらいは酒井区長のお手並みを拝見する意味でハネムーンを意識してもいいのではないかと個人的にはそう考えております。
そこで、今回は、酒井区長も長年にわたって副参事――副参事というのは世間で言う課長のことなので、この呼び名もこの際見直していいんじゃないかと思いますけれども、広報分野の副参事を長年経験して、必要十分な見識を持ち合わせているであろう広報の分野に的を絞って、元当事者としては耳が痛いこともあるかもしれませんけれども、優しい質問をさせていただきたいと思います。
まずは、区の公営掲示板について伺います。区の公営掲示板は、お知らせ掲示板と区民のひろば掲示板の二つがありまして、それぞれ用途が微妙に異なっております。今から30年近く前の設置当初には、お知らせ掲示板は400カ所、区民のひろば掲示板は200カ所、合わせて600カ所の掲示板があったそうですが、さまざまな事情によりその数は減る一方で、現在の総数は517カ所。そのうち、自由度が高く、市民活動の活性化により寄与すると思われる区民のひろば掲示板の数は現在171カ所しかありません。インターネットが発達した現在でも、該当掲示版の宣伝効果は大きいため、区民のひろば掲示板は市民活動やイベント主催者のライフラインとも言える存在です。酒井区長が掲げる市民活動活性化のまず第一歩として、市民活動の広報を今までよりもっと便利にしてはいかがでしょうか。数の多いお知らせ掲示板を、自由度が高く、より市民活動の活性化に寄与する区民のひろば掲示板に転用したり、宣伝効果の高い駅前の掲示板を増設するなど、区内全体での適正配置を見直してはいかがでしょうか。
また、今回の区長選挙においては、区長選挙への投票を呼びかけるチラシが区民のひろば掲示板に張られましたが、住所や電話番号が書いていないという理由で、区の雇った監視員の手によって、たった一晩ではがされてしまったというケースがありました。今どき住所や電話番号という個人情報を公の掲示板に張り出すというほうがナンセンスな話です。メールアドレスやSNSアカウントの表記でも済むように、この掲示板の運用ルールの見直しもあわせてするべきですが、いかがでしょうか。
次に、区が運用する紙及び区ホームページ上のマップ、地図について伺います。まずは、田中区政下における事業見直しで、2012年に廃止された中野区生活マップという大判の紙地図について伺います。このマップを廃止した当時の副参事がどなただったのかなということはちょっと思い出せないんですけれども、先ほど申し上げたように、幾らインターネットが普及しても紙でなければ届けられない情報がございます。生活マップの廃止から5年以上が経ちました。今、改めて、広告分量をふやしてもいいですし、民間に委託してもいいですし、安価であれば有料でもいいと思います。せめて5年に一度ぐらいは、中野区全域を一目で見られる大判の紙地図を新規に発行するべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、インターネット上にあるなかの便利地図について伺います。今現在、区の公式の全域地図としてまず挙げられるのがこのなかの便利地図ですが、この便利地図が非常に不便な使いにくいものとなっております。大体今どきスマートフォンに対応しておらず、指によるワンタッチだけでは、拡大・縮小もできないし、スクロールもできないという便利地図なんて全然便利ではありません。グーグルマップなど、ネット上には便利な地図サービスもいろいろとございます。もっとコストを抑えて、もっと便利なサービスが世の中にはきっとあるはずです。現在のなかの便利地図をスマホ対応にするか、もしくはコストを抑えた別の形でリニューアルするべきと思いますが、いかがでしょうか。
以上をもちまして、私の質問を終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問にお答えします。私が全部答弁いたします。
まず1点目の区民と専用掲示板の転用・増設等についての御質問でございました。区民のひろば、区のお知らせ版と2種類あるわけでございますが、区民のひろばは、区民の自主活動の周知等に有効なものであり、数多くの地域団体等が使用しているものでございます。区民のひろばの増設やお知らせ版から区民のひろばへの転用は考えてはおりませんが、撤去が必要になった場合にも可能な限り移設を行うなど、設置数を減らすことのないように努めていきたいと考えております。市民活動の支援については総合的に考えてまいります。
次に、区民のひろばの運用ルールの見直しについての御質問です。区では、区民のひろばに掲示するチラシ・ポスターには、掲示者の連絡先を記載することとしています。区民のひろばは、地域の方同士の情報提供の手段として区が設置しているものであり、掲示者を明らかにすることは必要であると考えております。しかし、連絡先に関するルールの詳細については検討してまいります。
次に、区全体の紙地図で生活マップというものがございましたが、その発行についてでございます。区有施設等を掲載していた地図、生活マップの作成は廃止いたしましたが、全戸配布をしている「わたしの便利帳」という冊子にエリア別の地図を掲載しているところでございます。区全域の地図を作成することについては、費用対効果等も含めて検討してまいります。
最後に、なかの便利地図についてでございます。なかの便利地図は、区の施設のほか、バリアフリーに関する情報、防災の情報等も含んだ情報をホームページ上で公開しているものでございます。したがって、グーグルマップ等ではカバーできない情報も載っているものでございます。今後は、スマートフォンにも対応するものとして利便性を高める改善を行ってまいります。
○議長(いでい良輔) 以上で、小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 細 野 かよこ
1 区長の施政方針について
2 ユニバーサルデザイン推進計画について
3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、細野かよこ議員。
〔細野かよこ議員登壇〕
○8番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として質問します。質問は通告どおりで、その他はありません。
まず、区長の施政方針説明について大きく二つ、多様な区民参加のあり方についてと魅力ある公園整備について伺います。最初に、多様な区民参加のあり方について4点伺います。
酒井新区長は、施政方針説明において、「今回の区長選挙は、政策決定過程での『区民参加のあり方』が問われた選挙」だと述べておられます。私ども中野・生活者ネットワークは、まちづくりの主役は市民であり、暮らしやすいまちをつくるには、市民みずから暮らしやすいまちをつくろうとする人、つまり、自治する人をふやすことが重要だと考え活動しています。
市民自治に必要なものは、参加の仕組みであり、参加には情報公開と市民が参加する制度が必要だと訴えてまいりました。区長は施政方針説明で、区は自治基本条例で区民の区政の参加の権利を保障し、参加の仕組みを作ってきたが、これまでに策定した計画や政策には、本来主役であるべき区民の声が十分に反映されているとは言えないと述べておられます。
そこで1点目、当区の自治基本条例で区民の多様な参加を保障し、区民の意思に基づく決定と運営を行うことが基本とされているにもかかわらず、区民の声が十分に反映されているとは言えないとおっしゃるその原因は何だとお考えでしょうか、伺います。
当区の自治基本条例の前文だけでも7回「区民」という文字が出てくるほか、各条文には、区民が主語として語られているにもかかわらず、区民の定義がありません。これでは、区は誰と歩むのかが定まらず、区民の定義がないのは問題であると考えます。一般的には、区内在住者、在勤者、在学者が想定されますが、新宿区の自治基本条例には、これらに加え、区内で活動する者、活動する団体が、三鷹市や多摩市でも同様の定義があり、より広くとらえる自治体もあります。
2点目です。当区の自治基本条例にある区民の対象者についてどのようにお考えでしょうか、伺います。
区長は、自治基本条例第3条で保障されている区の政策の企画立案から見直しまでの全ての過程に参加する権利を実効あるものにするために、多様な方も参加できるよう開催方法も工夫していくと述べておられ、私どもも期待するところです。多様な市民参加の手法の一つに、ドイツで実施されている市民討議会「プラーヌンクスツェレ」があります。無作為抽出で選ばれた市民による討議会のことを言い、日本でも既に多くの自治体で実践されてきています。2007年に多摩市が開催した市民討議会では、これまでのように公募で集まる関心のある市民ばかりでなく、幅広い意見を聞くことができた。また、参加者へのアンケートで、このような市民参画に初めて参加した方の割合が85%であったことから、新しい参画主体となる市民の掘り起こしになったという報告がされています。
そこで、3点目として伺います。区の政策や計画、特に今回、区長は新たな基本構想の策定を表明されていますが、ここへの多様な区民参加に当たっては、市民討議会のような、これまで区政にあまり関心を寄せてこなかった方、声を出せずにいる方など、声なき声もすくい上げ、市民自治を育てる視点を持った工夫が必要だと考えます。見解を伺います。
4点目として、子どもの参加についてお尋ねします。子どもも市民であり、社会の一員です。杉並区では、子どもたちの参加で、中高生の居場所である児童青少年センターゆう杉並がつくられ、今も運営に子どもたちが参加していること。また、杉並区の基本構想づくりの前段で、子どもたちに「10年後の杉並、私の夢」をテーマに作文を書いてもらい、子どもの思いを酌み取る工夫がされたと聞いています。当区においても、子どもたちが利用する公園の整備、施政方針説明にもあった中高生の活動拠点施設など、子どもが当事者となる政策や計画は、子どもの意見を引き出して施策に反映させていくことが、子どものときから区政への参加を実感し、結果として市民自治の主体が育つことにつながると考えます。
そこで、4点目の質問です。区長が目指す多様な区民参加の「多様な区民」には当然子どもも含まれるものと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、魅力ある公園整備について2点伺います。区長は、「子育て世代が楽しめる公園整備」を公約に掲げ、施政方針説明では、「子どもが楽しめる大型の複合遊具を設置するなど、公園の魅力を高め、親子で楽しめる環境を整備します」と述べておられます。公園はさまざまな人が利用する場所ですが、私ども中野・生活者ネットワークは、子どもの育ちに視点を置いてみると、子どもがやりたいことに挑戦できる公園、自然と親しみ、自由に遊べる公園の環境整備が必要だと考えています。
まず1点目です。魅力ある公園整備に当たっては、木登り、穴掘り、水遊びなど、子どもができるだけ自由に遊べる公園、生物の生息空間がある公園など、子どもの遊びを保障する多様な公園整備を目指していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
区内には165の公園があります。規模、立地、機能、役割など、公園の特徴はいろいろありますが、主として近隣住民の方が利用する身近な公園については、子どもたちのふだんの遊び場や地域のお祭り、災害時の貴重な空地としての利用など、管理運営において地域との連携が重要だと思います。また、計画づくりの段階から住民がかかわることで、どのように管理・運営するかといった将来の公園の姿を考えることができます。
2点目です。身近な公園の再整備、機能の更新に当たっては、住民が計画づくりから参加し、課題については、住民同士で話し合って解決していくようなボトムアップ型の公園運営の仕組みを検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
最後に、中野区ユニバーサルデザイン推進計画について伺います。
当区では、2017年2月に、中野区ユニバーサルデザイン推進審議会の答申が出され、2018年3月にユニバーサルデザイン推進条例が可決、4月から施行となり、現在推進計画策定に向けて素案づくりが進められています。先日、カラーユニバーサルデザインに取り組んでいる区民の方からお話を伺う機会がありました。カラーユニバーサルデザインとは、みんなにわかりやすい色使いを含めた視覚情報デザインのことです。色の感じ方である色覚は人によって違っており、これを色覚の多様性と言いますが、それぞれ異なる特徴を持ち、病気や加齢によっても変わることがあることから、情報がなるべく全ての人に正確に伝わるように、利用者の視点に立ってデザインすることを言います。色の選び方や組み合わせ方だけでなく、色以外の形や大きさ、言葉など、さまざまな工夫が求められます。色の見え方に違いがある人を色弱者と言い、代表的なタイプは、赤と緑の判別が苦手なタイプで、少数ですが、黄と青の判別が苦手なタイプもあります。色弱者の割合は、日本人男性の20人に一人、女性の500人に一人で、日本人全体では300万人を超えています。また、一般色覚者の方でも、高齢化に伴い、目の老化や病気によって色の感じ方が変化している人が150万人以上いると言われています。審議会では、2016年施行の障害者差別解消法なども踏まえ、非常に活発な議論が展開されたと認識しています。しかし、審議会でも、現在示されている計画の骨子でも、色覚の多様性への配慮については触れられていません。
千葉県松戸市では、今年度から市立の小・中学校で色弱者にも色の識別がしやすい色覚チョークを全ての子どもの学力向上につながるということから導入するなど、自治体でもカラーユニバーサルデザインへの取り組みが進んできています。中野区ユニバーサルデザイン推進計画の骨子にあるわかりやすい標識・サイン、わかりやすい情報の「わかりやすい」にはさまざまな視点が必要ですが、色覚の多様性への配慮も欠かせない要件です。
そこでお尋ねします。全ての人が同じ色に見えているわけではない。色覚の多様性を理解するための啓発、全ての人にわかりやすいカラーユニバーサルデザインの視点も計画の中に盛り込むべきだと考えます。
見解を伺いまして、私の質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 細野議員の御質問にお答えいたします。
まず、区民の声の反映と区民の対象範囲ということで御質問がございました。今回、区民に対して政策形成の早い段階からの情報提供の姿勢や積極的に意見を求めていく姿勢が足りない部分があったと考えております。これが区民の声が十分に反映されてこなかった原因だと考えております。対話の力を生かす区政を実現するため、幅広い区民の方から御意見をいただきたいと考えております。区内在住・在学・在勤の方にとどまらず、利害関係のある方も、今回その区民の定義の中には含まれると考えております。政策立案から政策決定、政策実施、政策評価に至る過程の公開や対話集会の開催方法の見直しなどを行って、これまで区政にあまり関心を寄せてこなかった方や意見を表明していなかった方についても区政に参加していただけるよう工夫してまいりたいと考えております。御指摘のとおり、市民自治を育てるということが極めて重要だと考えております。
それから、子どもも含む多様な区民参加ということでございます。子どもももちろん区民であり、意見を表明し、区政に参加する権利を持っていると考えております。これまでも、小・中学生との対話集会を年2回開催してきており、今後も子どもの意見の表明の機会づくりを工夫してまいりたいと考えております。また、主権者教育の点においても、小・中学生の区民参加機会の充実は重要だと考えております。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、子どもの遊びを保障する多様な公園づくりについて、それからボトムアップ型の公園運営についてまとめてお答えをいたします。
子どもにとって公園での遊びは情操教育につながるものであることから、さまざまな魅力ある遊び環境を提供する必要があると認識をしてございます。一方、施設を整備するだけでは公園を存分に活用していただけない昨今の状況もありますので、来園意欲を高め、公園を存分に使っていただくことにつながる民間連携によるソフトの提供も必要であると考えてございます。特に、地域生活に密着する小規模な公園につきましては、地域環境、地域ニーズに即した公園整備が求められるため、地域に必要な機能を地域住民の間でまとめ上げ選択する仕組みを既存公園の再整備計画の策定の中で検討していきたいと考えてございます。
〔政策室長朝井めぐみ登壇〕
○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、カラーユニバーサルデザインについての御質問にお答えいたします。ユニバーサルデザイン推進計画につきましては現在検討中であり、色覚も含めた多様性の理解のための普及啓発とともに、さまざまな情報が全ての人にとって見やすく、わかりやすく、正確に伝わるようにデザインするという視点を、情報発信のユニバーサルデザインガイドラインや公共サインのガイドラインに盛り込み、計画の取り組みとすることを考えております。
〔細野かよこ議員登壇〕
○8番(細野かよこ) 多様な区民参加について、再質問させていただきます。
区長がおっしゃる対話は、区長と区民の対話、区側と区民の対話ということもあるかと思いますけれども、市民自治を育てるという意味では、区民と区民がそれぞれ考え方の違う区民の方同士、時によっては利害関係が違うかもしれない区民の方同士も討議、議論をする中で市民自治が育っていくのではないかと。そういう過程を通じて合意形成をしていくということを市民も学んでいく機会になるのではないかという意図を含めて質問させていただきました。その点について御答弁をお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 細野議員の再質問、市民自治について、私、今後、ワークショップなどの形式を取り入れながら、区民の皆さんとの対話集会、タウンミーティングをやっていこうと考えております。その中では、行政と区民が対峙するのではなくて、例えばグループに分かれていろんな意見を持っている方が同じテーブルに座って、そこで意見を言い合うことによって互いの違い、同質性を確認したり、そういう中で議論を進めていくという、そういう形式のものも考えておりますので、まさに今議員の指摘のとおり、市民自治を育むことが重要であると考えております。
○議長(いでい良輔) 以上で、細野かよこ議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第46号議案 平成30年度中野区一般会計補正予算
(委員会報告)
○議長(いでい良輔) 日程第1、第46号議案、平成30年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。
平成30年(2018年)6月27日
中野区議会議長 殿
総務委員長 高橋 かずちか
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第46号 |
平成30年度中野区一般会計補正予算 |
6月27日 |
○議長(いでい良輔) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第47号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第48号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第49号議案 旧中野神明小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第50号議案 第十中学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第51号議案 旧大和小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について
第52号議案 鷺宮体育館アリーナ天井改修工事等請負契約
第53号議案 江原小学校体育館非構造部材耐震対策等改修工事請負契約
第54号議案 中野上高田運動施設野球場改修工事請負契約
第55号議案 グループウェアシステムパッケージソフトの買入れについて
第64号議案 中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に伴う支障移転工事等委託契約
○議長(いでい良輔) 日程第2、第47号議案から第55号議案まで及び第64号議案の計10件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長本田武志登壇〕
○副区長(本田武志) ただいま上程されました第47号議案から第55号議案まで及び第64号議案の10議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第47号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、旅館業法の改正に伴い、引用条項等の規定を整備するものです。
この条例の施行時期は公布の日です。
第48号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、次の2点について規定を整備するものです。第1点目は、商工会館の廃止に伴い規定を整備するものです。第2点目は、産業振興センターの商談室の名称変更並びセミナールーム1及び2の廃止に伴い規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、第1点目は平成31年4月1日、第2点目は平成30年10月1日です。
第49号議案、旧中野神明小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更については、平成30年第1回定例会において議決をいただき締結しました旧中野神明小学校校舎等解体工事に係る請負契約について、公共工事設計労務単価の引き上げに伴い契約金額を増額する必要が生じたため、当該契約金額を2億1,551万4,000円から2億1,815万5,680円に変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
第50号議案、第十中学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更については、平成30年第1回定例会において議決をいただき締結しました第十中学校校舎等解体工事に係る請負契約について、公共工事設計労務単価の引き上げに伴い契約金額を増額する必要が生じたため、当該契約金額を2億4,978万2,400円から2億5,264万円5,480円に変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
第51号議案、旧大和小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更については、平成30年第1回定例会において議決をいただき締結しました旧大和小学校校舎等解体工事に係る請負契約について、交通誘導員の増員及び公共工事設計労務単価の引き上げに伴い契約金額を増額する必要が生じたため、当該契約金額を3億2,184万円から3億3,086万4,480円に変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
第52号議案、鷺宮体育館アリーナ天井改修工事等請負契約は、鷺宮体育館アリーナ天井の改修工事等に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
契約の方法は、一般競争入札、契約の金額は3億5,642万2,600円、契約の相手方は、武蔵野・若月建設共同企業体です。
なお、この工事の完了予定は平成31年3月です。
第53号議案、江原小学校体育館非構造部材耐震対策等改修工事請負契約は、江原小学校体育館非構造部材耐震対策等改修工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億5,174万8,000円、契約の相手方は、株式会社小河原建設です。
なお、この工事の完了予定は平成31年1月です。
第54号議案、中野上高田運動施設野球場改修工事請負契約は、中野上高田運動施設野球場の改修工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億1,384万円、契約の相手方は日本体育施設株式会社です。
なお、この工事の完了予定は、平成31年3月です。
第55号議案、グループウェアシステムパッケージソフトの買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。
取得する財産は、内部事務管理用のグループウェアシステムに係るパッケージソフトで、取得に要する金額は2,067万4,440円です。
第64号議案、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に伴う支障移転工事等委託契約は、中野駅西側南北通路橋上駅舎等事業に伴う支障移転工事に係る委託契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
契約の方法は随意契約、契約の金額は限度額で9億9,479万円、契約の相手方は東日本旅客鉄道株式会社です。
なお、この工事の完了予定は、平成33年3月です。
以上、10議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) この際、申し上げます。
第47号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。
本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
30特人委給第77号
平成30年6月25日
中野区議会議長
いでい 良輔 様
特別区人事委員会
委員長 中山 弘子
「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)
平成30年6月20日付30中議第460号により意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。
記
第47号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
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第56号議案 中野区特別区税条例等の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第3、第56号議案、中野区特別区税条例等の一部を改正する条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長本田武志登壇〕
○副区長(本田武志) ただいま上程されました第56号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第56号議案、中野区特別区税条例等の一部を改正する条例は、次の3点について規定を整備するものです。
第1点目は、特別区たばこ税の税率の引き上げ、加熱式たばこの課税等に係る規定を整備するものです。
第2点目は、軽自動車税の環境性能割及び種別割に係る規定を整備するものです。
第3点目は、その他地方税法等の改正に伴う区民税等に係る規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、第1点目は平成30年から平成34年までの各年の10月1日、第2点目は平成31年10月1日、第3点目は平成31年及び平成33年の各年の1月1日で、一部は公布の日です。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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第57号議案 中野区自殺対策審議会条例
第58号議案 中野区立体育館条例の一部を改正する条例
第59号議案 中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第4、第57号議案から第59号議案までの計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長本田武志登壇〕
○副区長(本田武志) ただいま上程されました第57号議案から第59号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第57号議案、中野区自殺対策審議会条例は、区の自殺対策について総合的かつ効率的な推進を図るため、区長の附属機関として自殺対策審議会を設置し、その所掌事項、組織、委員の構成等について定めるものです。
この条例の施行時期は、公布の日です。
第58号議案、中野区立体育館条例の一部を改正する条例は、鷺宮体育館の廃止に伴い、規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、平成31年4月1日で、一部は公布の日です。
第59号議案、中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例は、次の3点について規定を整備するものです。
第1点目は、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの設置について規定するものです。
第2点目は、指定管理者の指定の手続について、公募によらずにその候補者を選定できる規定を整備するものです。
第3点目は、中部スポーツ・コミュニティプラザ及び南部スポーツ・コミュニティプラザの施設の使用に係る単位時間を超過した場合の利用料金等に係る限度額等について規定するものです。
この条例の施行時期は、第1点目及び第3点目は平成31年4月1日、第2点目及び一部は公布の日です。
以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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第60号議案 中野区立商工会館条例を廃止する条例
第61号議案 中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第5、第60号議案及び第61号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長本田武志登壇〕
○副区長(本田武志) ただいま上程されました第60号議案及び第61号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第60号議案、中野区立商工会館条例を廃止する条例は、商工会館を廃止するものです。
この条例の施行時期は、平成31年4月1日です。
第61号議案、中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例は、商談室の名称変更及び無償化に伴い規定を整備するとともに、セミナールーム1及び2を廃止するものです。
この条例の施行時期は、平成30年10月1日です。
以上、2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
─────────────────────────────
第62号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例
第63号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第6、第62号議案及び第63号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長本田武志登壇〕
○副区長(本田武志) ただいま上程されました第62号議案及び第63号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第62号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例は、西鷺宮保育園の位置を改めるものです。
この条例の施行時期は、平成30年9月1日です。
第63号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、桃園小学校及び向台小学校を廃止し、新たに、中野第一小学校を設置するものです。
この条例の施行時期は、平成31年4月1日です。
以上、2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後4時44分休憩
午後4時44分開議
○副議長(南かつひこ) 会議を再開いたします。
お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、議員提出議案第7号、東京都後期高齢者医療広域連合議会議員補欠選挙における候補者の推薦についてを先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(南かつひこ) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第7号 東京都後期高齢者医療広域連合議会議員補欠選挙における候補者の推薦について
○副議長(南かつひこ) 日程第8、議員提出議案第7号、東京都後期高齢者医療広域連合議会議員補欠選挙における候補者の選出についてを上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。伊東しんじ議員。
〔伊東しんじ議員登壇〕
○23番(伊東しんじ) ただいま上程されました東京都後期高齢者医療広域連合議会議員補欠選挙における候補者の推薦について、提案理由の説明を申し上げます。
本議案は、東京都後期高齢者医療広域連合議会議員の補欠選挙における候補者として、東京都後期高齢者医療広域連合規約第8条第1項の規定に基づき、当区議会議員の中からいでい良輔議員を推薦するものであります。
同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
○副議長(南かつひこ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(南かつひこ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件は委員会付託を省略したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(南かつひこ) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(南かつひこ) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(南かつひこ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後4時47分休憩
午後4時48分開議
○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。
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議会の委任に基づく専決処分について
○議長(いでい良輔) 日程第7、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。
本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、6月27日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
30中経経第1014号
平成30年(2018年)6月27日
中野区議会議長
いでい 良輔 殿
中野区長 酒井 直人
議会の委任に基づく専決処分について(報告)
議会の委任に基づき下記のとおり専決処分をしたので、地方自治法第180条第2項の規定により報告します。
記
第1 和解及び損害賠償額の決定について
【報告案件1】
1 和解(示談)当事者
甲 世田谷区民
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)11月1日午後2時頃
(2) 事故発生場所
東京都中野区中央二丁目7番先路上
(3) 事故発生状況
甲が上記(2)の道路を歩行していた際、後方から来た車両を避けるため当該道路の端に移動したところ、当該道路の端に設置されていた乙の管理する交通安全啓発用立看板の釘の一部が突き出ていたため、これに甲の着用していた上着の左腕部分が引っ掛かり、当該上着が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、破損した上着の修理費5,400円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成30年(2018年)4月19日
【報告案件2】
1 和解(示談)当事者
甲 杉並区民
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成30年(2018年)3月12日午前11時30分頃
(2) 事故発生場所
甲自宅所在地
(3) 事故発生状況
乙の職員が、巡回業務のため、乙車で上記(2)の事故発生場所先の道路を西方面に向かって走行していたところ、前方不注意によりハンドル操作を誤り、甲自宅の外壁、当該外壁に設置されたガス管及び敷地内にある花壇に衝突し、破損させた。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、本件事故により、破損した外壁、ガス管及び花壇の補修に係る工事費の合計266,700円の損害を被った。
(2) 乙は、上記損害額の全額について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成30年(2018年)5月31日
【報告案件3】
1 和解(示談)当事者
甲 松喜土木有限会社(東京都品川区戸越五丁目18番19号)
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成30年(2018年)2月26日午前10時56分頃
(2) 事故発生場所
東京都練馬区高野台四丁目10番先笹目通り路上
(3) 事故発生状況
乙の職員が、ごみの収集運搬作業を終え、乙車で笹目通りを南方向に向けて側道を走行し、左車線に進入した後に右車線に車線変更したところ、当該右車線を直進していた甲車に接触し、甲車の左側前部のバンパー等及び乙車の右側後部のテールランプ等が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 本件事故により、甲は甲車の修理費419,094円の損害を被り、乙は乙車の修理費315,597円の損害を被った。
(2) 双方の過失割合(甲2割、乙8割)に従い、甲は乙が被った上記損害額のうち63,119円について乙に対し賠償する義務があることを認め、乙は甲が被った上記損害額のうち335,275円について甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、それぞれの相手方の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成30年(2018年)6月7日
第2 和解について
【報告案件4】
1 和解(示談)当事者
甲 中野区民
乙 中野区
2 事故の表示
(1) 事故発生日時
平成29年(2017年)9月24日午前3時2分頃
(2) 事故発生場所
東京都中野区南台一丁目15番 南台いちょう公園多目的運動場内
(3) 事故発生状況
甲は、中野区立南台いちょう公園内に設置されていたトイレ内からトイレットペーパーを持ち出し、当該トイレットペーパーに火をつけたところ、上記(2)の運動場内の人工芝にその火が燃え移ったことにより、当該人工芝の一部が破損した。
3 和解(示談)条件
(1) 甲は、乙に対し、本件事件による損害賠償債務として50,760円の支払義務があることを認める。
(2) 甲は、乙に対し、上記(1)の金員について、本件示談成立後、乙の指定する方法で支払う。
(3) 以上のほか、本件事故に関し甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日
平成30年(2018年)6月4日
○議長(いでい良輔) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。
平成30年第2回定例会
平成30年7月3日付託
陳情付託件名表(Ⅰ)
《建設委員会付託》
第4号陳情 東京都住宅供給公社住宅の家賃値下げを求めることについて
○議長(いでい良輔) 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時48分散会
会議録署名員 議 長 いでい 良輔
副議長 南 かつひこ
議 員 内野 大三郎
議 員 森 たかゆき