1.令和元年(2019年)9月24日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久
23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
企画課長 杉本 兼太郎
基本構想担当課長永見 英光
財政課長 森 克久
総務部長 海老沢 憲一
危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長 石濱 良行
職員課長 中谷 博
施設課長 髙田 班
用地経理課長 吉沢 健一
防災担当課長 山田 健二
区民部長 青山 敬一郎
区民生活課長 古屋 勉
税務課長 矢島 久美子
産業観光課長 堀越 恵美子
文化・国際交流課長 藤永 益次
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども・教育政策課長 永田 純一
学校再編・地域連携担当課長 伊藤 廣昭
教育委員会事務局指導室長 宮崎 宏明
子ども教育施設課長 塚本 剛史
子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 神谷 万美
児童相談所設置調整担当課長 半田 浩之
育成活動推進課長伊藤 正秀
地域支えあい推進部長 野村 建樹
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長伊藤 政子
トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 小山 真実
アウトリーチ調整担当課長、南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子
地域保健福祉調整担当課長、中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡
区民活動推進担当課長 宇田川 直子
地域包括ケア推進課長 高橋 英昭
介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦
北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 滝浪 亜未
南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 村田 佳生
鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔
健康福祉部長 朝井 めぐみ
保健所長 向山 晴子
福祉推進課長 長﨑 武史
スポーツ振興課長古本 正士
障害福祉課長 河村 陽子
生活援護課長 林 健
生活保護担当課長只野 孝子
保健企画課長 鈴木 宣広
保健予防課長 水口 都季
環境部長 岩浅 英樹
環境課長 波多江 貴代美
都市基盤部長 奈良 浩二
都市計画課長、交通政策課長 安田 道孝
公園緑地課長 細野 修一
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗
まちづくり計画課長 千田 真史
中野駅周辺地区担当課長 石橋 一彦
中野駅周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴
会計室長 浅川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 吉村 恒治
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 井田 裕之
書 記 野村 理志
書 記 鎌形 聡美
書 記 遠藤 良太
書 記 松丸 晃大
書 記 高橋 万里
書 記 山口 大輔
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
1.委員長署名
午前10時00分開議
○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
9月20日の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営について、総括質疑は、1番目に小杉一男委員、2番目にいでい良輔委員、3番目にひやま隆委員、4番目に久保りか委員、5番目に加藤たくま委員の順に、5名の質疑を行うことを確認しました。
次に、9月20日の総括質疑における発言について、渡辺委員より発言の一部を取り消したい旨の申し出があり、取り扱いを協議した結果、これを了承し、委員会で取り消しの許可についてお諮りすることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
それでは、先ほどの理事会の報告のとおり、発言の取り消しについてお諮りします。
渡辺委員から、9月20日の総括質疑における発言について、その一部を取り消したい旨の申し出がありました。この取り消しを申し出のとおり許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いをいたします。
それでは、質疑に入ります。小杉一男委員、質疑をどうぞ。
○小杉委員 おはようございます。日本共産党議員団の小杉一男です。3連休明けの総括質疑の冒頭を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
2019年第3回定例会決算特別委員会において、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。総括質疑は通告どおりです。4のその他の項は成人歯科健診について、全体のその他の項は生活保護受給者へのエアコン設置についてと児童相談所の設置について取り上げます。
なお、他の委員と重複するところがございますが、御容赦ください。
加えまして、台風15号による大きな被害を受けた千葉県などでは、停電や断水が続き、大変な状況です。家屋の破損も大きな被害も受けました。中野の方も既に支援に行ったという方もいます。一日も早い回復、復旧、復興が進むよう願っております。
まず初めに、学校施設について取り上げます。
我が会派としても、学校施設に関する要望について、区に対し求めてきました。区立小学校PTA連合会(小P連)、区立中学校PTA連合会(中P連)からも、学校施設についての要望書が区に毎年提出されています。
まず、トイレの洋式化はいつまでに完了する予定でしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 学校施設のトイレ洋式化工事についてでございますが、来年度、令和2年度で全て完了する予定となってございます。
○小杉委員 計画では、来年度終わるのは評価いたします。しかし、昨年の小P連の平成30年度の要望書では、トイレの洋式化以外にもさまざまな要望が寄せられていました。トイレに関するどのような要望が寄せられていましたか。
○塚本子ども教育施設課長 便器の洋式化以外におきましては、トイレの悪臭改善、人感センサーの交換、ハンドル式蛇口の交換、屋外トイレの改修ですとか、ウォシュレットの設置、そういったものが要望されてございます。
○小杉委員 その中ですと、本郷小からの要望を見ますと、特にトイレの老朽化は大変深刻です。昨年度は配管の悪臭対策といたしましてもトイレの洋式化に着手していただき、若干ではありますが、悪臭が緩和されました。しかし、いまだにトイレの床面での目地やコンクリートの部分、壁のタイル等にしみ込んだにおいによる悪臭は、どんなに清掃しても取り去ることはできずに、長年言われ続けている、いわゆる5K(暗い、汚い、臭い、怖い、壊れている)が子どもたちには浸透していますとありました。これらについて、区の担当者は現場の実際を見て調査し、確認したのでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 担当者がすぐに実際に中野本郷小学校に行きました。排水管ですとか、排水トラップ、そういった設備も含めまして、トイレ全体を確認しているものでございます。
○小杉委員 トイレの洋式化を計画的に進めてきても、トイレの悪臭対策の要望は本郷小から長年求められてきています。決算年度では、学校施設の保全費の執行率は約98%になっていますが、どのような優先順位で学校施設の維持補修を行ってきているのでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 トイレの洋式化工事でございますが、こちらは和便器を洋便器に交換すること、そういったことを基本としまして、各学校で順次工事を進めているところでございます。その中で、配管を改修してからおおむね30年が経過している、そういった学校につきましては、トイレの洋式化工事に合わせまして、配管、床、壁なども含めまして、トイレ全体の改修を行っているところでございます。トイレ全体の改修を行わない学校につきましても、学校からの要望等を受けて、現場の状況に応じて個別に修繕対応を図っているところでございます。
○小杉委員 小林製薬が行った「小学校のトイレ実態調査2017」では、学校のトイレに望むトップが先生も生徒も臭くないことでした。学校の臭いトイレをなくし、子どもたちが学校で我慢せずに過ごせるよう、こうした臭いトイレ対策を強く求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 学校、あるいは現場、保護者様の要望等もしっかり聞きながら、対応を十分に図ってまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 今年度の中P連の要望書では、第五中と第八中からそれぞれ防災にかかわることが出されています。それぞれお示しください。
○塚本子ども教育施設課長 防災にかかわりまして、第五中からの要望といたしましては、旧式の防火シャッターであることから、ストッパーが設置されていない、そういった点についての改修が求められてございます。
第八中につきましては、備蓄倉庫の扉につきまして、建物の内側からしか鍵をあけられない、外部からは解錠できない、そういった点についての改修が求められているところでございます。
○小杉委員 私はこれを読んだときにとてもショックでした。これらも伺いますが、現地に行って確認しているのですか。
○塚本子ども教育施設課長 こちらも担当者が実際に現場にすぐに赴いて確認をしてございます。
○小杉委員 第八中に行って実際に私も見てみました。備蓄倉庫の外に通じる扉の鍵が壊れていて使えないので、内側から施錠する留め鍵を設置していました。震災時は外から扉をあけることができないので、校舎に入らないと鍵をあけられません。加えて、鍵を内側からあけたとしても、扉が古く、重たいため、大人の私でもあけることができずに、緊急時に避難をするのはとても危険な状態です。これらそれぞれの要望は、それぞれ第五中が平成28年から、第八中は平成27年から出ているものです。なぜこれほど何年も放置されてきたのでしょうか。第八中は、閉校まで1年半と限られていても、子どもたちの避難路の確保や備蓄品の移動に支障が出ることをなおざりにするわけにはいきません。これらの改修計画はあるのですか。速やかに対処すべきではないでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 第八中学校の備蓄倉庫でございますが、こちら、校舎の1階にございまして、室内にございます備蓄物資につきましては、校舎の中を通して迅速、安全に避難場所となる体育館に運搬することができるものでございます。
一方、PTAからの御要望にもございますように、外部から備蓄倉庫に入れるように改修したとしても、屋外を通って体育館まで備蓄を運搬するには時間がかかることですとか、安全面においても懸念が残るところでございます。
また、この備蓄倉庫につきましては、第八中学校の危機管理マニュアルにおきましては、避難路、あるいは避難口とはなってございませんので、現場の状況からしても避難路としては適していないということと認識しているところでございます。
こういった点につきましては、これまで防災課並びに学校側にも確認をしてきたところでございます。こうした経緯から、優先的な対応とはしてこなかったところでございますが、今後、状況を踏まえまして、学校、あるいはPTAと再度調整をしてまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 発災時には、小・中学校は避難路として利用されています。その備蓄倉庫の入り口があかないという状態は、緊急的に対処すべき問題として速やかな改善を求めたいと思います。
毎年、各学校の保護者の皆さんが学校施設の不備である箇所をまとめて要望していますが、専門的な面においては限界があります。区の担当者がそれぞれの要望について実際にどう判断されたのかわかりません。
我が会派は、4月に甲府市の学校施設長寿命化計画を視察しました。同市は、これまでの修繕が必要な状況になってから対処する事後保全から、損傷が軽微な段階から機能・性能の保持・回復を図るための計画な予防保全へと維持管理手法を転換させました。それによって50年の寿命が80年へと延長可能になり、1割強の経費縮減が図られるそうです。
新規校は新しくきれいだが、既存校の維持補修は後回しになりがちという状態にならないことを求めておきます。現在の施設の劣化度の見える化をぜひとも推進していただきたいと思います。
現在建っている学校施設は何年で改築する計画になっていますか。
○塚本子ども教育施設課長 中野区立小・中学校施設整備計画、こちらでは、建築後50年を経過した学校施設につきましては改築を進めていくとしてございます。
○小杉委員 私は、甲府市や三鷹市のように、区が専門家に依頼し、学校施設の劣化状況を調査・分析し、総合劣化度を公表すべきと考えます。そうすれば、維持補修を行う根拠が明確になり、現在の施設の機能の維持にもつながると思います。伺います。
○塚本子ども教育施設課長 学校施設の劣化状況につきましては、区の技術職員が行っております日常の安全点検のほかに、年に1回、専門家が調査を行う建築基準法第12条点検、こちらの結果を踏まえた現地確認を行っているところでございます。御提案のような劣化状況調査・分析、こういったものを専門家に依頼する考えはございませんが、今後、他自治体の動向も注視してまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 保護者が現状を確認し、声を反映させた要望書を年度ごとに提出し、区に改善を求めるのは、子どもの学校生活が安全に、そして快適に過ごせることを願っているからです。区は、計画的に行う──専門家が内部で点検を行っているという御回答がありました。なかなかその中身が見えず、要望が反映されているのか不明確ではないでしょうか。PTAや教職員の皆さんが納得し、子どもたちの安全を守るために、現状の確認や要望の声を聞き、計画的に整備することは、区が行うべきではないでしょうか。どのように予算の枠があり、学校施設の劣化度や不具合の状態などを見える化させて、今の学校施設に対するもやもやな状態を、皆が納得いくよう、ぜひとも改善を進めていただくことを改めて求めまして、この項を終えます。
○塚本子ども教育施設課長 今御提案いただいた内容につきましても、しっかり今後考えてまいりたいというふうに思います。
○小杉委員 続きまして、地域包括ケアシステムについて取り上げます。
地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重度な要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される仕組みです。市町村では、介護保険事業計画の策定・実施を通して、地域の特性に応じ実現するとされています。我が会派としても推進する立場で伺います。
近年、所在不明高齢者や8050というひきこもりの問題、増加する傾向である孤独死、児童への虐待など、少子高齢化が進行する中で社会的な対応が求められてきています。中野区においては、地域包括ケアシステム推進プランを平成28年度に策定・実施し、3年半が経過しました。
初めに、推進プランについて触れます。
主要施策の成果別冊123ページをごらんください。プラン全体の達成目標は二つありますが、その一つ、長期療養が必要となったとき自宅で過ごしたい人の割合を平成30年度には40%にするについて、30年度の到達は31%でした。この結果についてどう捉えていますか。
○高橋地域包括ケア推進課長 長期療養が必要となったとき自宅で過ごしたい人の割合でございますけれども、健康福祉に関する意識調査報告書によりますと、平成28年度が34.4%、29年度が39.3%、平成30年度が31.4%と推移してございます。平成30年度は目標を達成できませんでしたが、平成29年度におきましては39.3%と目標に近い数値となっていることから、これまで取り組んできた在宅療養推進施策に一定の成果があったと考えてございます。
一方、同調査によりますと、長期療養の際、医療機関に入院、入所したいとする理由の第1位は、ここ数年、家族に負担をかけるからとなってございます。区といたしましては、家族の負担感を減らし、長期療養を地域で支えていくための基盤整備、仕組みづくりに引き続き努めていくことの必要性を改めて認識しているところでございます。
○小杉委員 続きまして、在宅でのみとりの人数は、平成28年度に240人でしたが、目標を300人にすることにしていましたが、平成30年度の結果はどうでしたか。
○高橋地域包括ケア推進課長 地域包括ケアシステム推進プランにおきましては、策定した平成28年度の現状値を平成26年の厚生労働省「在宅療養にかかる地域別データ集」から推計して240人としております。最新である平成29年時点のデータを用いて同様に推計いたしますと192人となります。
○小杉委員 地域で、長期療養が必要になったときに自宅で過ごして、在宅でみとられることを希望する人がしっかり選択できる環境を整えていくことが大切だと思います。区民の意思は一つの基準ですが、例えば貧弱な住宅政策の問題や、おおむね30分以内に必要なサービスを提供される制度の趣旨が果たされているのかなど、公的責任を負う区としても、これからもしっかり手当てしていく必要があると感じています。
先ほどのページで、見直し、改善の方向について、既存の地域包括ケアプランについて、これまでの取り組みを総括し、見直し、改善を図るとしていますが、これは何を総括し、見直し、改善を図ろうとしているのでしょうか。
○高橋地域包括ケア推進課長 地域包括ケア推進プランにおきましては、平成28年度から30年度の当初3年間の達成目標を立てて、区及び関連団体で取り組みを推進してきたところでございます。この達成目標に対する実績や具体的な取り組みなどを現在総括的に検証しているところであり、地域包括ケア推進会議等での審議を経て、今後の取り組みの方向性や具体的な取り組み内容及び2025年度における目標値等の見直し、改善を行おうとするものでございます。
○小杉委員 ぜひ具体的な取り組みにつなげていただきたいと思います。先ほど病院に入所したい理由は家族に負担をふやすからという状況も言われました。現在いろいろと取り組んでいると思いますが、区民にとってよりよいものになるように望みます。
この取り組みとして、地区担当(アウトリーチチーム)について取り上げます。この地区担当(アウトリーチチーム)は、全体的な要支援者を発見し、継続的な見守りを行うとともに、地域資源の発見などを行うものです。
まず伺います。平成29年度では147件の要支援者を見つけたと聞いています。30年度では実績が399件に増加したと聞きました。どのような相談内容が多いのですか。
○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 30年度にアウトリーチチームが対応した要支援者399人の相談内容は、複数回答での集計ですが、健康、医療の問題が約50%と最も多く、次いで近隣の問題20%、家族の問題15%、住居の問題、経済的な問題がそれぞれ5%で、そのほかの相談としては、法律、就労、行政手続、災害対応や安否確認の依頼などとなっております。
○小杉委員 健康、医療の問題が8割を占めるということです。相談対応の中で、高齢者の実態としての特徴や、できれば困難ケースなどがありましたら御紹介ください。
○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 アウトリーチチームの対象者は、高齢者に限ってはおりませんが、昨年度の対象者399人の──もう一度質問をお願いできますか。
○小杉委員 相談内容の中で、高齢者の実態としての特徴について、そして、その中で、できれば困難ケースなんかがあれば御紹介くださいというところでございます。
○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大変失礼いたしました。後半の部分がわからなくなってしまいました。申しわけありません。
アウトリーチチームの対象者は、高齢者には限っておりませんが、昨年度の対象者399人の約75%は後期高齢者であり、当然なことではありますが、高齢になるほど支援が必要な方が多い状況がうかがえております。
また、高齢者の実態についてですが、例えば新聞がたまっている家がある、季節に合わない衣服を着ていらっしゃる方がいるといった、身近な視点で気づいたことをアウトリーチチームに相談として上げられてきていることから、御近所で顔見知りであっても、気になること、心配なことを直接には伝えにくい近隣関係の中でお暮らしであることがうかがえております。
困難事例としましては、複合的なケース、例えば介護や支援が必要な方が複数いる御家庭などがございます。
○小杉委員 多くの要支援者につながって、いち早く必要な対応ができたのは、本当に喜ばしい成果だと思います。訪問や相談の活動が、地域の方々にとって、ここにいることを知ってもらえる安心感を与えているのだと私は思います。
続きまして、主要施策の成果別冊の130ページに、増加する支援対象者を適切な支援につなげるために体制を強化したとありますが、その理由はどういったものでしょうか。
○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 先ほどのお話にもつながりますが、今後、後期高齢者や単身高齢世帯の増加に伴い、支援を必要とする方がますますふえていくことが見込まれております。また、対象者に衰えの認識はあるものの、介護保険の適用外であるケースなど、複合的な理由や制度の狭間で支援につなぐまでに長期間の寄り添いが必要なケースも増加しております。こういった状況を踏まえ、より機動力を高め、専門性を生かした適切な支援を行えるよう体制の強化を図ったところでございます。
○小杉委員 要支援者の発見数がふえていると。そして、体制を強化したことを本当に評価をいたします。
中野区は、民生・児童委員の高齢者調査や、町会・自治会、近隣からの情報などを通じたアウトリーチチームが相談対応しています。区職員である医療・福祉専門職が直接対応するのは多くはないと聞いています。自治体におけるアウトリーチチームの先行例としては、港区のふれあい相談事業について先日お話を伺いました。地域包括ケアセンターにふれあい相談員を置いて、70歳以上のひとり暮らし高齢者など、4万3,000人のうち7,300人を対象に専門職が直接訪問しているそうです。毎年、対象者へのアンケートで訪問の同意を確認する条件があるそうです。自治体によってやり方が異なり、中野区の利点をぜひとも生かしてほしいと思います。
そこで伺います。民生委員、児童委員の高齢者調査などとアウトリーチチームの相談対応は連携しているものと理解していますが、相談件数が増加している状況で、社会福祉協議会などとも連携し、役割を分担しながら、高齢者だけにとどまらず、支援を要する人にアプローチしていくことを期待しますが、区の考えはいかがでしょうか。
○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 支援が必要な人を1人も取りこぼさないセーフティネットの構築は区の責務であり、行政が保有する個人情報なども慎重に取り扱いながら、潜在的な要支援者へもアプローチしていくことは、すこやか福祉センターの福祉職、医療職等アウトリーチ担当職員の本来的役割であり、区に期待されていることと考えております。こうした区のアウトリーチ活動を進める上でも、地域福祉の専門機関である社会福祉協議会との協働は重要であると認識しており、今後もこれまでどおり連携をとった活動を進めてまいりたいと考えております。
○小杉委員 中野区はキーパーソンが重層的に支援を行うという利点があると聞いています。既存の情報提供から漏れた方も想定する必要があるでしょうし、税や社会保障などの情報を把握できる中野区と比較的に自由に動くことができる社協の活動をしっかりと役割分担させてほしいと期待をいたします。
続きまして、ひきこもりの支援について取り上げます。
8050の問題が注目をされています。各自治体では、ひきこもり支援の問題に取り組んでいても、なかなか成果が出ないで苦労していると伺っています。都内では、親の死亡や家出でひきこもりが問題化するケースも出ており、今後、深刻なケースがふえる可能性があります。
区社会福祉協議会が自主事業として行うカタルーベの会は、ひきこもり当事者や家族が語り合う場です。毎月第2金曜日に開催しています。参加者は10人程度ですが、近ごろの事件後には参加者がふえたと聞きました。要支援者への訪問活動の中でつながった方が出向いている方もいるそうです。
そこで伺います。ひきこもり支援として中間就労の支援などが考えらますが、現在活用できる制度はあるでしょうか。伺います。
○長﨑福祉推進課長 社協で行う事業関連ということで、福祉推進からお答えをさせていただきます。
今、話がありましたカタルーベの会でございますが、中高年のひきこもりの方の居場所づくりの場ということでスタートしたものでございまして、同じような境遇の方々が語り合う中で、地域の情報を得たりだとか、それから自分に合った活躍できる場を探したり等、孤立しない環境づくりといったところで取り組んでいるものでございます。区としましても、こうした取り組みでさまざまな悩みを抱える方々に対しましてどのような支援が可能なのか、その辺につきましては検討しながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小杉委員 また、社会福祉協議会の福祉何でも相談の事業に対し補助金を出すなど、区としての独自の取り組みを行う考えはありませんか。
○長﨑福祉推進課長 福祉何でも相談につきましては、既存の制度では解決が難しい課題、これを当事者の理解を得ながら訪問活動を行いまして、関係団体との連携のもと解決に向けて取り組むといった、いわば制度の狭間、これにある方々を支援する事業ということで捉えております。ひきこもりをはじめとするこうした地域における新たな課題には、区は関係団体とも連携をしながら取り組む必要があるというふうに考えております。社会福祉協議会とも協議をしながら、必要とされる支援については考えてまいりたいというふうに考えております。
○小杉委員 区としては、ひきこもり支援の担当は、各すこやか福祉センターが対応することになっています。当事者やその家族とのつながりをしっかりとつくっていきながら、区としての必要な手だてを検討していただくことを改めて求めたいと思います。
加えて、まちなかサロンや地域の居場所について触れます。
これらは、要支援者にさせない予防であったり、要支援者の疑いの人を早期に見つけたりという意味があります。現在、区民の中での自主的な活動は多岐に及んでいます。ダンス、カラオケ、手芸、書道、英会話、ヨガ、健康教室、絵手紙、囲碁、コーラスなどなど、自分たちがやる自主的な活動が区民の健康づくり、介護予防に役立つと考えている人は多くはありません。私は、現在行われている区民の活動を区がしっかりと区民に知らせ、活性化に取り組む役割を強める必要があると考えます。
そこで伺います。現在、まちなかサロンや地域の居場所は何カ所あるのですか。
○葉山介護・高齢者支援課長 まちなかサロンは、中野区社会福祉協議会が取り組んでいる事業の一つであり、リーフレットによると37カ所、地域の居場所につきましては、中野区社会福祉協議会の情報一覧によりますと378カ所ございます。
○小杉委員 これだけありますので、ぜひ一層の周知を広げてほしいと考えます。まちなかサロンや地域の居場所を区のホームページやリーフレットなどでマップ化し、公開してはどうでしょうか。伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 中野区社会福祉協議会と協議の上、区のホームページなどでも手軽に情報が得られるようにしていきたいと考えております。
○小杉委員 まちなかサロンの開催の場所には、開催中ののぼりを立てる工夫がされていますが、地域の居場所でも、共通の看板を掲示するなど、区民の誰でもが気軽に参加しやすい環境を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 地域の居場所が多くの人たちに知ってもらえるよう、周知方法についても工夫していきたいと考えております。
○小杉委員 健康づくり、介護予防の活動が地域の中で活発に取り組まれている実情がもっと目に見える工夫をすることで一層活動が広がることを改めて求めます。ぜひとも引き続き取り組みを進めていただくことを期待して、この項を終えます。
続いて、聞こえのバリアフリーについて伺います。
厚生労働省の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)でも、難聴は認知症の危険因子の一つとされ、ランセット国際委員会でも、認知症の約35%が予防可能な九つの要因により起こると考えられ、その中で難聴が最大のリスク要因であると発表されています。障害者総合支援法などに基づき、補装具給付として高度難聴者への補聴器給付(両耳聴力70デシベル以上など)がありますが、軽度や中等度であれば全額自己負担となっています。その方たちの補聴器の平均購入額は約27万円との調査もあり、大きな負担となっています。
そこで伺います。聞こえのバリアフリーと早期の補聴器使用の重要性に対する区の認識について改めて伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 聴覚に関するバリアの解消は、社会にとって重要なことであると考えております。特に加齢性の難聴につきましては、認知症リスクとの関係性なども指摘されており、それぞれの方の聞こえ度合いに合った補聴器を使用することは、コミュニケーションの確保のためにも有効と考えております。
○小杉委員 障害者総合支援法に基づき、補装具給付としての高度難聴者への補聴器給付の件数は何件ですか。
○河村障害福祉課長 平成30年度の補装具としての補聴器の給付件数は、購入が114件、修理が43件でございました。
○小杉委員 区に寄せられた補聴器に関する相談は何件あったでしょうか。
○河村障害福祉課長 平成30年度の区に寄せられた補聴器に関する相談は、延べ616件でございました。
○小杉委員 給付件数の5倍の相談が寄せられているということです。
耳鼻咽喉科医師が中等度難聴者と診断すれば助成を行う自治体が出てきています。都内ではどこでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 23区内で、中央区、新宿区、墨田区、江東区、大田区、豊島区、葛飾区、江戸川区の8区が実施しております。
○小杉委員 東京都に利用できる制度があると聞いていますが、どういった制度でしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 高齢社会対策区市町村包括補助で、医師による確認や、年齢、所得などで対象者を限定するなどの条件を設け、対象経費の2分の1を補助するというものでございます。
○小杉委員 東京都は、今まで同制度をしっかりと周知してこなかった実態があると聞いています。同制度があることをお知りになっていましたでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 他の自治体が行っている事業に関する情報収集の一環として把握しておりました。
○小杉委員 実施自治体では、都の制度をどれぐらい利用されているでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 実施している8区のうち、3区が利用しております。
○小杉委員 実際に都の制度を活用して実施している自治体の利用件数や金額などの実績はどうでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 私どもで把握している範囲でございますけれども、新宿区で、平成30年度、約400件、1,100万円程度の経費、補助金は450万円ほど、江東区では、約440件で、1,940万円程度、補助金は970万円程度と聞いております。
○小杉委員 区単独で実施している自治体では、例えば中央区では42件、147万円、墨田区では57件、114万円、豊島区では42件、84万円と、都制度活用自治体と比べて少ない状況となっています。今紹介いただいた江東区や新宿区は都の制度を活用しており、実施件数や金額がふえており、比較的普及している状況と言えます。
区の、中等度難聴への補聴器使用について有効である、そういうことを先ほどおっしゃられましたが、東京都の制度を活用して聞こえのバリアフリーを実現されるよう踏み出すべきと考えますが、区の見解を伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 難聴者の聞こえを補う補聴器につきましては、障害者総合支援法の補装具給付が基本と考えております。国では、昨年度から補聴器による認知症進行抑制効果を検証するための研究を始めておりまして、情報収集に努めたいと考えております。
○小杉委員 補聴器によって生活環境の改善や社会参加が促されます。世界保健機構(WHO)も、40デシベル以上の中等度の難聴でも補聴器の使用を推奨しています。私も、高齢者から、耳が聞き取れなくなって家にこもっていたけども、補聴器をつけたらいろんなところに行けるようになった、これは介護予防になるよと言われ、助成制度の必要性を感じました。ぜひとも実施に向けて前向きに御検討をお願いし、この項を終えます。
次に、障害者施策の充実について取り上げ、初めに、視覚障害者に対する代筆・代読支援について触れます。
3年前に視覚障害者における学習権の保障を取り上げました。視覚障害者や視力の衰えた高齢者、発達障害者や学習障害者、身体的な機能障害者、知的障害者など、文字の読み書きに支障がある方は全国に約1,000万人おられます。健常者にとって読書は当たり前にできますが、これらの方々にとっては非常に困難なものです。ですから、そうした障害のある方を支援する施策はとても必要です。
中野区福祉団体連合会から、地域生活支援事業の意思疎通支援事業として、代筆・代読支援の実施の要望が出されています。意思疎通支援事業の代筆・代読支援はどのようなものでしょうか。
○河村障害福祉課長 視覚障害のある方にとって、視覚による情報入手が困難なため、書類などを読むこと、書くことに非常に困難を伴っておいででいらっしゃいます。そのため、意思疎通支援事業である代筆・代読支援の実施を要望しておいでです。
○小杉委員 障害者総合支援法による障害福祉サービスとしての居宅介護や同行支援の中でも行われていますが、別途、同事業のメニューにある代筆・代読支援を実施してほしいという要望です。
それでは、そもそも地域生活支援事業というのはどういうものでしょうか。
○河村障害福祉課長 市町村と都道府県が独自に行うサービスで、障害のある方が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、地域の特性や本人の状況に応じ、柔軟な形態により計画的に実施する事業のことでございます。この事業は、障害のある方の福祉の増進を図るとともに、全ての国民が相互に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目指してございます。
○小杉委員 地域の特性や本人の状況に応じて市町村が独自に行うというものです。
意思疎通支援事業の代筆・代読支援は、中野区では現在行っているのでしょうか。
○河村障害福祉課長 現在、中野区では行ってございません。
○小杉委員 それでは、どういった大切さがあり、視覚障害者のニーズをどう認識していますか。
○河村障害福祉課長 視覚障害のある方は、日常生活の読み書きに困難があり、代筆・代読支援は生活に必要なものと考えてございます。家事援助などのサービスの中で代筆・代読支援が行われている実態もございますが、視覚障害のある方の状況を改善するためにも、視覚障害者の代筆・代読支援のニーズについて、改めて把握する必要があると考えてございます。
○小杉委員 ぜひとも視覚障害者のニーズを把握することをお願いいたします。
意思疎通支援事業の代筆・代読支援を区として実施すべきではないでしょうか。それとともに、居宅介護や同行支援にあわせて実施できるようにすることも検討すべきではないでしょうか。
○河村障害福祉課長 既に居宅介護における家事援助には、代筆等のコミュニケーション介助も含まれており、家事援助を利用している場合、一定の意思疎通支援は行われているものと考えてございます。先ほども御説明しましたとおり、改めて視覚障害者の代筆・代読支援のニーズを把握した上で、区としても必要な検討を行ってまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 日本盲人会連合が行った厚労省の調査研究事業の調査報告では、読み書きすることに困っていると回答した方は86%に上り、同制度の存在を知らなかった方のうち67%が利用したいと答えています。視覚障害者は、在宅での代筆・代読支援が満足に受けられていません。居宅においては、同行援護ではサービスの対象外となり、居宅支援では障害者区分1以上と限定されています。視覚障害者の生活実態と意見を把握された上で、事業の実施に向けて検討いただきたいと思います。区でも障害者の多様な意思疎通の促進に関する条例制定を目指しています。代筆・代読の支援者の養成も含め、障害者施策の拡充について十分な検討を改めて求めさせていただきます。
○河村障害福祉課長 ただいまお話をいただきましたように、区としましても視覚障害者の方の代筆・代読支援につきまして検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 どうぞよろしくお願いします。
続きまして、スマイル歯科診療所について触れます。
同診療所は、1995年4月に設立し、24年経過しました。知的・発達障害の方を対象に週5日診療を行っています。指導医のもとで、15人の医局員、常勤歯科衛生士3人と非常勤歯科衛生士が数人で診療に当たっています。1日20人ほどの患者さんを診ているそうです。健常者と異なり、障害者、障害児への治療は、機能的に開口保持ができなかったり、治療の目的が理解できずに治療に協力が得られなかったりするなど、極めて困難なものです。
まず、全身麻酔下での治療について伺います。全身麻酔が必要な症例については、大学病院の施設を借りてスマイル歯科診療所の歯科医師と歯科衛生士が治療に当たる方法、オープンシステムについて、必要性などの認識はどうでしょうか。
○河村障害福祉課長 全身麻酔下の治療につきましては、大学病院等の医療機関で、麻酔科医と歯科医師が連携して、通常の保険診療として有効な治療を行うことができているものと考えてございます。
○小杉委員 その上で伺います。全身麻酔が必要な治療の場合での、区と歯科医師会との契約で、歯科衛生士等だけが委託料の対象となるのはどういう意味でしょうか。
○河村障害福祉課長 全身麻酔下における治療は、あくまで大学病院において実施している通常の医療保険による診療となってございます。障害者が日常の治療においてなれているスマイル歯科の歯科衛生士が大学病院に付き添うことで安心感を持ち、治療を円滑に進められることから、歯科衛生士の付き添い分を委託料に盛り込んでございます。
○小杉委員 歯科医師会からは労働の対価が支払われていないと伺いましたが、医療保険の取り扱いというのなら、大学病院に報酬を求めるのが筋だと思います。実態を踏まえて業務に対する正当な評価が行われるように助言指導をしていただきたいと考えます。
次に、歯科診療ユニットの入れかえについてです。現在ある歯科診療ユニットは、購入した年月はいつでしょうか。
○河村障害福祉課長 現在使用している4台のうち、2台のユニットは障害者向けの仕様であり、平成20年度からリースを開始してございます。残りの2台は一般的なユニットであり、平成24年度からリースを開始してございます。
○小杉委員 古い2台は、一度基盤が壊れ、何度か修理をしたこともあり、壊れると患者を待たすことになるそうです。そうした実態は把握されていますか。
○河村障害福祉課長 これまでも区としましてはユニットの故障について把握しておりまして、その都度、専門業者による修理を行ってございます。
○小杉委員 新規リース契約を行って入れかえるべきではないでしょうか。
○河村障害福祉課長 新規ユニットの契約につきましては、一般的な歯科医院で使用されている年数などをめどに、使用状況やユニットの状況などとともに時期を判断してまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 時機を逸すると、基盤が壊れてもユニットは使えず、患者を待たせることにもなります。ぜひとも入れかえを検討するよう改めて求めておきます。
続いて、歯科用切削器具の購入についてです。エアータービンは、使用に耐えない状態もあるようだが、速やかに購入すべきではないでしょうか。
○河村障害福祉課長 歯科用切削機につきましては、スマイル歯科診療所で所有する切削機の状況を確認し、歯科医療機器を取り扱う専門業者のアドバイスを踏まえ、機器の買いかえの要否を含め、検討を進めたいと考えてございます。
○小杉委員 区は、医療機関の開設者として、機材、器具について管理者が最善の治療が行えるように歯科医師会と十分に連絡を密にし、入れかえ、もしくは修理などの対応をその都度協議していくべきではないでしょうか。伺います。
○河村障害福祉課長 これまでも業務担当者がスマイル歯科診療所に出向き、設備の状況を確認、診療所スタッフの求めに応じて協議を行い、必要な修繕や機器の購入等を行ってきてございます。今後も診療所スタッフからの御要望や医療機器取り扱い業者のアドバイスを踏まえ、適切に判断をしてまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 スマイル歯科診療所が行う障害者等歯科医療事業は、とても意義のあるものです。ぜひとも利用者、歯科医師双方にとってのよりいいものになるよう、区としても引き続き努力していただくことを求めておきます。
加えて、成人歯科健診について取り上げます。成人歯科健診の対象年齢は何歳から何歳でしょうか。
○鈴木保健企画課長 区が実施をしております成人歯科健診の対象年齢でございますが、35歳から75歳でございます。
○小杉委員 ですから、ここにおられる方のほとんどが対象者ということです。受診率はどの程度でしょうか。
○鈴木保健企画課長 平成30年度の受診率でございますが、2.4%でございます。
○小杉委員 平成30年度が2.4%ですよね。平成29年度は何%でしたでしょうか。
○鈴木保健企画課長 平成29年度の受診率でございますが、1.8%でございます。
○小杉委員 これは100人いて2人いるぐらいという低さです。対象者が約17万人と多いのは、成人歯科健診を受ける意味が何にでも共通してあるからだと思います。近ごろは歯周病が全身に及ぼす影響について明らかとなってきました。それは、歯周病原因菌が刺激し、動脈硬化を誘導し、狭心症や心筋梗塞の原因となることや、歯周病になると糖尿病の症状が悪化することなどです。その一方で、歯周病は慢性疾患であるため、疾病が無自覚に進んでしまうことが多く見られます。
恥ずかしながら申し上げますが、私はこの健診の対象者であることをあまり自覚していませんでしたし、受けたこともありません。皆さんはいかがでしょうか。受診しない理由は、既に歯科医院を受診しているとか、歯科はどうしても後回しになるとか、特段の症状がないからなどが考えられますが、私たちはそれを見直す必要があると思います。
そこで伺います。区は5歳刻みで受診券の送付を行っていますが、歯科医師会からもデータの収集により極めて受診率を上げる手段として有効と聞いています。受診券を送付した対象者は、送付していない方よりも受診に確実に結びついているということでしょうか。
○鈴木保健企画課長 成人歯科健診の受診券の送付についてでございますが、過去の受診歴等を精査した上で、相当程度受診が見込める対象者に対しまして受診券を送付することは、受診率の向上に一定の効果をもたらすと考えているものでございます。したがいまして、区としましては、40歳からの5歳刻みの年齢の者に加えて、過去2年間に受診歴のある者に対してもあらかじめ受診券を送付しており、受診率の向上に努めているものでございます。
○小杉委員 私も受診券の送付やはがきなどの受診券を受けていたら、成人歯科健診を受診したのだと思います。恐らく受診券を送付した方の受診率は相当高いと予想できます。細かく受診券の送付、これを行っていくことについて、区の見解を求めます。
○鈴木保健企画課長 成人歯科健診の受診券の送付につきましては、他の健診事業と同様に、費用対効果を考える必要があると捉えております。今後、受診率の向上及びかかりつけ歯科の定着につなげるために、自発的な受診を促すための効果的な取り組みについて、国や他自治体の動向を注視しつつ、情報収集を行ってまいりたいと考えております。
○小杉委員 40歳の6割が歯周病になっているというデータもあります。なぜ受診につながらないのか、しっかりと分析・検証を行うとともに、対象者への受診の勧奨、予防への啓発を求めたいと思います。
加えて伺いますが、中野区は対象者が18歳から35歳までと、76歳以上が対象外となっています。対象年齢を18歳から35歳を含む自治体や75歳を超える年齢を含む自治体はどれぐらいありますか。
○鈴木保健企画課長 他区の状況についてでございます。23区の中で、18歳から34歳までに含まれる年齢を成人歯科健診の対象としている区は15区でございます。また、76歳以上に含まれる年齢を対象としている区は9区でございます。
○小杉委員 自治体によって、若年者にも対象を広げているのが特別区内では15区あるということで、あと76歳以上というのが9区あるということです。20歳から対象年齢を広げている江戸川区では、自覚症状のない歯周病、自分には関係ないと思っている方も多いのではないでしょうか、20代で5人に1人(23.4%)の江戸川区民が歯周病にかかっていると受診を呼びかけていたり、また、北区では、75歳以上の方に、歯周病検診に加えて、咀嚼機能や飲み込み機能、口腔乾燥状態などの口腔機能検査を行うことで、口腔機能の低下を防ごうと試みています。
そこで伺います。中野区において対象年齢を拡大させることについて、区の見解を求めます。
○鈴木保健企画課長 成人歯科健診の対象者の年齢拡大についてでございますが、区は、成人歯科健診につきましては、平成28年に75歳まで対象年齢を拡大しているところでございます。今後、オーラルフレイル予防の取り組みを注視しつつ、さらなる対象年齢の拡大についての必要性を慎重に見極めたいと考えております。
○小杉委員 中野区は、健康増進法の歯周病検診の実施ではなく、単独事業となっていますが、健康増進法の歯周病検診の受診率、区部全体で言うと9%という、中野区よりも高い数字となっています。
なお、健診の中身も各区で工夫がされています。品川区では歯のクリーニングを加えたり、渋谷区では口腔内細菌数検査を追加し、受診を促しています。成人歯科健診の対象年齢を見直して効果的に受診につなげていく必要があります。対象年齢の拡大について引き続き見直すよう改めて求め、この項を終えます。
その他の項であります。まず一つに、生活保護受給者へのエアコン設置について伺います。
一般質問で羽鳥議員のほうからも質問いたしました。ことしの夏も猛暑でした。ことしは中野区で9月3日までに4人、東京都で103人が熱中症で亡くなっています。熱中症対策は喫緊の課題と言えます。
昨年6月に厚生労働省は生活保護法による保護の実施要領の一部改正をし、生活保護受給者に対して、熱中症対策として、冷房器具、クーラーの設置費用を一時扶助における家具什器費として見直すことを決めました。これはどのような内容でしょうか。伺います。
○只野生活保護担当課長 冷房器具の設置費用の見直しの内容でございますが、被保護者世帯が保護開始時において最低生活に直接必要な冷房器具の持ち合わせがない場合や、転居の場合であって、新旧住居の相異により、現に使用している最低生活に直接必要な冷房器具を使用することができず、補?しなければならない事情がある場合など、一定の要件を満たした場合に5万円を上限として冷房器具の購入を家具什器費として給付できるというものでございます。
○小杉委員 9月の時点で冷房器具を設置している世帯とそうでない世帯は何世帯ですか。
○只野生活保護担当課長 ことし9月の時点で、冷房器具を設置している世帯は4,330世帯、設置していない世帯は2,229世帯でございます。
○小杉委員 クーラーを設置していない生活保護世帯がまだ35%に上ります。昨年の保護の実施要領の改定を受けて冷房器具を設置した世帯はどれくらいあるのでしょうか。
○只野生活保護担当課長 昨年度の保護の実施要領の改定を受けて冷房器具を設置した世帯は、37世帯でございます。
○小杉委員 37世帯ということで、なかなか設置が進んでいない状況です。昨年4月以降の生活保護受給者に対しても冷房器具の設置費用を給付すべきと考えます。
そこで伺います。冷房器具の設置については、保護開始または転居した世帯で、一定の要件に該当する世帯に限られています。先ほども触れられました。さらに対象世帯を拡大するよう積極的に国に要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○只野生活保護担当課長 ことし6月に、国に対し、保護の実施要領等の改正に関する意見書の中で、健康が損なわれると福祉事務所長が認めた場合において、必要な家具什器の持ち合わせがない場合に、家具什器費での冷房器具の設置を求めるよう要望しているところでございます。
○小杉委員 厚生労働省から問い合わせがあって伝えたということでしょうが、積極的に国に要望を提出すべきことを求めておきます。
次に、児童相談所の設置について伺います。
厚生労働省の子ども家庭局家庭福祉課資料を拝見すると、2019年4月1日の児童福祉司の勤務年数割合は、任用予定と非常勤職員を除いてではありますが、1年未満が20%、1年から3年未満が約29%と、そして3年未満は約49%を占めています。
報道によれば、新宿区が、児童相談所の設置について、一定の経験を持つ児童福祉司などの職員の確保が難しいことを理由に、2021年度の開設を3年間延長することを決めたといいます。一定の経験を持つ児童福祉司、児童心理司の確保・配置は、他区、そして中野区においても同様の課題であると考えています。
中野区では、児童相談所の設置に向けて専門職の充実を図ろうとしています。決算年度においても、他自治体への職員派遣研修を4名にふやし、今年度においてはさらに増員したことに加え、管理職の通年派遣を行っています。
そこで伺います。新宿区は、一定の経験を持つ職員が不足することを理由に児童相談所の開設を3年以上先送りしました。新宿区は、他の自治体の児童相談所などに2年以上派遣した職員を全体の7割程度確保するとしていますが、区の確保状況はどのようになっているでしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 他の自治体の児童相談所などに2年以上派遣した職員につきましては、児童福祉司が2割、児童心理司が3割程度を予定してございます。派遣経験者につきましては、2年未満の者を含めますと、児童福祉司が7割、児童心理司が8割を超えており、十分な体制を確保しているというふうに考えてございます。
職員の経験不足をフォローできるよう、研修の充実や児童相談所の勤務経験者によるサポート体制の整備などを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小杉委員 加えて伺います。特別区では、世田谷区、江戸川区が来年4月に、荒川区は来年4月に児童相談所を開設した後も順次児童相談所を開設する予定です。児童福祉司や児童心理司をはじめとした人材確保は非常に厳しい状況だと考えていますが、区はどのように確保していくのでしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 区では、児童福祉司及び児童心理司につきまして、人事異動や新規採用などにより計画的に確保して子ども家庭支援センターに配置してきたところでございます。今後は、今年度から特別区で開始した児童相談所に勤務経験のある者の採用試験なども利用しながら人材確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小杉委員 児童相談所の開設は、経験豊かな職員を確保するなど万全な体制を望むことを期待して、私からの全ての質疑を終えます。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で小杉一男委員の質疑を終了します。
次に、いでい良輔委員、質疑をどうぞ。
○いでい委員 おはようございます。自由民主党議員団の3番手として、令和元年第3回定例会決算特別委員会総括質疑を行います。
総括質疑に際しまして、それぞれの自然災害における被害というのは、ことしも多く見受けられています。
先週末、我が会派の大内幹事長とともに、若林議員、加藤議員と一緒に千葉県館山市に災害ボランティアに行ってまいりました。私たちが情報を報道等で見るよりも、それぞれのエリアごとにさまざまな現状がありまして、それを私たち、この中野区で起きたときにどうしていこうか、そういった問題提起も、この後、加藤議員、または高橋ちあき議員から行われます。
私からは、通告もしておりませんので、そこについては触れませんけれども、特に現地で館山市の市長さんとたまたますれ違ってお会いする機会があったときには、中野区から送られたブルーシート、そしてトラロープが非常に有用であったと。特にブルーシートについては、1袋ずつ小分けにしたものが10枚ごとに段ボールで送られてきたので──あとは、館山市が業務提携しているコメリというホームセンターがあるんですけど、コメリから融通してもらったブルーシート、あとは千葉県から融通してもらったブルーシート、その次に中野区から届いたブルーシートをそれぞれの避難所に配ることができた。そのときはすごくそれはありがたかったということで、直接感謝の言葉を受けました。
これからも、それぞれ里・まち連携をしているところ、または災害協定を結んでいるところだけではなくて、多くの自治体と連携していく。それで、さまざまな事象が起きたときに、それをどうやって中野区にフィードバックすることができるか。こういったものが私たちのテーマであり続けるのかなと、そんな感じを受けています。
それでは、総括質疑をさせていただきたいと思います。
まず、新しい基本構想・基本計画と既存計画の関係について伺います。
平成23年の地方自治法改正により、自治体が基本構想を策定する義務付けの規定は実質廃止をされました。それにもかかわらず、新たに基本構想を策定するその必要性について伺います。
○永見基本構想担当課長 法律上の規定については廃止をされたところでございますが、目指すべきまちの姿を定め、広く区民の皆様と共有をして、それに基づいて着実に区政を運営するためにも、基本構想を策定するということが必要であるというふうに考えてございます。
○いでい委員 基本構想は、いわゆる区が目指す長期ビジョンということですけれども、基本構想が策定されると中野区にどのような影響が起きるのか、またその意義について伺います。
○永見基本構想担当課長 基本構想審議会にお示しをしました「多様性」「協働」「スタートアップ」という三つのキーワード、こちらをもとに新しい基本構想の理念をお示しして、10年後に目指すべきまちの姿として描いていくと。現在そういった考えてございまして、そういったことについて広く区民の皆様に共有をしていきたいというふうに考えてございます。
また、基本構想は、区政運営の最も基本的な指針でございまして、基本構想で描くまちの姿を実現するための基本計画や個別計画を策定していくことによりまして、行政サービス及び区民生活全般に影響を与えていくものと考えてございます。
○いでい委員 その意義というものは、基本構想を新たに策定する意義──法律では策定するという義務がなくなった。それでも長期ビジョンとしての基本構想を新たに策定するんだ。こういったことについては、その意義については、そのこと自体に私は価値があることなのかなと思っています。今後、これから新しい基本構想を策定し、先ほどお話にもありました基本計画を策定していくこということについては、方針は、基本、各個別計画、いわゆる実施計画ですよね。こういったもの、基本構想、基本計画、そして個別計画という実施計画、これを三位一体となる総合計画として同時に私は変えていく必要があると思っています。今ある基本構想の策定のスケジュールのイメージというものについては、来年の第2回定例会で議案として出してくる──その前に、本定例会でしたっけ。第4回定例会、または第1回定例会。基本構想と、あと新しい基本計画の策定のスケジュールについてお聞かせください。
○永見基本構想担当課長 現在、基本構想審議会で答申をいただくための御審議をいただいているところでございまして、来月、10月に答申をいただくということで予定をしてございます。
その後、できるだけ早いスケジュールで議会のほうに答申の内容、また答申を踏まえた今後の進め方、考え方などをお示しさせていただきまして、来年の1月に基本構想の素案という形でお示しをしたいというふうに考えてございます。
また、その後、翌年度になりますけれども、それを踏まえた基本計画の素案、また基本構想の案というものを4月から6月ごろにかけてお示しをいたしまして、来年、第2回定例会で基本構想の議案というものを提案したいというふうに考えてございます。
その後、基本計画の検討については、来年の10月ごろということで、第3回定例会をめどに策定していきたいというふうに考えております。
○いでい委員 スケジュールについてもわかりました。先ほど述べたように、それぞれ持っている個別計画、こういったものについても私は基本構想と基本計画が新たに示されたときに変えていかなくてはいけないと考えています。
区が先日示されました新しい基本構想策定に対する考え方、その中では、それぞれの個別計画は必要に応じて変えていくという旨の記載がありましたけれども、私は、基本構想が示されて、基本計画が示されたときに、それぞれの個別計画についても、すぐに、同時に当たらなければいけないというふうに考えております。
現在、新しい基本計画の策定にかかわらず、現在進んでいる個別計画のうち──それぞれの個別計画ですね。スケジュールが変更などにより改定の必要があるという計画がたくさんあると思っています。例えば中野区立の小・中学校施設整備計画は、中野区立小・中学校再編計画とともに進められてきました。策定当時、地域差はあるものの、区全体の児童・生徒数はやや増加、あるいはおおむね横ばいで推移するという予測に基づき再編・統合を行ってまいりました。この間、施設の複合化により、教育施設のみならず、防災の拠点、地域生活の核としての機能がさらにアップし、新たな区民ニーズに対応しながらも、将来に対する歳出の抑制に努めてきた区の姿勢は大変評価をしています。しかし、計画策定当時と現状では社会状況が変化している地域の実情を鑑みて、この基本構想や基本計画、それぞれの個別計画を改定するこの時期に抜本的な見直しをすべきと考えていますけれども、いかがでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 現在、中野区立小・中学校施設整備計画に基づきまして、学校再編に伴う小・中学校の改築工事を順次進めているところでございます。
しかしながら、第四中学校、第八中学校、こちらの統合新校の敷地となります現美鳩小学校におきましては、擁壁の安全性に関する調査結果によっては、スケジュールの見直しも必要となると考えてございます。
また、現計画、現施設整備計画におきましては、学校再編を伴わない、例えば中野本郷小学校など、そういった全5校の小・中学校以外につきましては、改築計画が示されてございません。そういった残りの小・中学校につきまして、今後、具体的な改築計画を示していく必要があるというふうに考えてございます。
学校再編が終了した際には、通学区域をしっかりと検証いたしまして、子どもの安全性を確保していく、そういった必要性も感じているところでございます。
今後、社会や地域の実情を踏まえまして、新しい時代の多様な教育活動に対応できる学校施設のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
○いでい委員 これから見直していくというお話でありました。今、学校再編計画に基づいて、それぞれの学校が再編を行って、必要に応じて改築または改修、こういったことが進められています。そこには必ず、先ほど申し上げましたけれども、教育環境ということだけではなくて、防災の拠点、また地域の区民生活の拠点として核となる施設として複合化をされていくでしょうと。それから、これからも実現してきていますし、形として見えてくることになってくるでしょう。これから中野区が行っていく、改めていくであろう施設の再編計画においては、私は、教育施設というだけで行っていくものではないと考えているんですよね。なので、今、教育施設としてこうだと、通学路としてこうなんだと、こういった狭い視野ではなくて、今回、基本構想や基本計画が改められるということであるならば、私は全体的な見直しが──最適化というんでしょうか、こういったものが求められていると思っています。答弁は結構です。
総務101、主な未利用地における施設整備の方向性についてという資料を自民党から要求をさせていただきました。今後の方向性について、ほとんどの項目で、新しい基本計画の策定の過程で検討するとされています。現在、基本計画の策定を行っている、来年の第1回定例会においてそれを示していくというふうに今も御答弁でありましたけれども、現在どのような検討をされているのか、教えてください。
○杉本企画課長 これまでにすこやか福祉センターの配置のあり方や子ども関連施設などの施設の今後のあり方について検討し、施設配置の考え方を取りまとめているところでございます。また、基本計画の策定に向けまして、区の未利用地や活用方策とあわせまして、施設の配置や必要な施設数などの検討を行っているところでございます。
○いでい委員 検討を行っているのはわかるんですけれど、先ほど申し上げましたように、いつそういったものをお示しされるのか。それは基本計画の素案で示されるのか、案で示されるのか。どの辺のタイミングで、こういったブランクになっている、その先の利活用が示されていないことについてお示しをされようと思っているのか、伺います。
○杉本企画課長 現時点におきましては、基本計画の素案の中で、こうした施設の配置等についてお示ししたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 それについても、大きく基本構想という長期ビジョンを改定していく中で、私は、未利用地、または利活用地、またそれぞれの施策が持っている延長線上にある施設の配置、またはハードだけではなくて施策としてのソフトの展開、こういったものに対しても期待をしています。期待をしているからこそ、私はスケジュール的に間に合うのかと。今現在検討は進めていても、大きなテーマの基本構想という長期ビジョンが策定されつつある中で、私は、同時に個別計画についても、未利用地の利活用についても示すべきだという思いがあるので、ぜひその素案を期待しながら待ちたいと思っています。ありがとうございます。
次に、新しい基本構想で示す明確なビジョンについてお伺いします。
区長は、「子育て先進区」や「中野区の財産は人である」などキャッチーな言葉を並べていらっしゃいますけれども、就任から1年4カ月が過ぎてもなかなか御自身のお考えを示していないと私は感じています。新しい基本構想を策定することは、私は、区長御自身のお考え、そして中野区を、将来どのような区をつくっていくのか、そういったことを示すチャンスであると考えています。現行の基本構想の焼き直しになってしまっては、このせっかくのチャンスを私は逸することになると危惧をしております。酒井区政が目指す未来の中野区の姿を明確に示すべきであり、そのビジョンを議会、そして区民と共有する必要があるのではないでしょうか。
例えば行政報告では、地域包括ケアシステム推進が述べられています。具体的な取り組みが明確になっていない社会福祉協議会とのかかわりなど、区が考えるゴールは一体何なのか、そして、そこに向かってどうやって進めていくのかということについてまず伺いたいと思います。
○高橋地域包括ケア推進課長 まず、区が考えるゴールということでございますけれども、区では、平成28年度に中野区地域包括ケア推進プランを関係団体等とともに策定し、主に高齢者向けの取り組みを推進してきたところでございます。このプランの計画期間は2016年度から2025年度までの10年間としており、団塊の世代が75歳以上となる2025年度までに、高齢者、子育て世帯、障害者など、全ての人が地域で支え合い、安心して暮らせるまちの実現を図るとしております。このようなまちを実現することがゴールであると考えますけれども、社会情勢等の変化に伴い発生する新たな課題への対応は当然必要になってくるものと考えてございます。このため、プランについても随時見直しを行っていくところでございます。
また、どうやってこの地域包括ケアを進めていくかということでございますけれども、地域包括ケアは、区のみならず、医療・介護サービス事業者、地縁団体、従事者団体、公益団体、NPO等の関係団体がおのおのの役割に応じた取り組みを進めることによって担われてございます。今後、区では、地域包括ケア会議等を通じた多様な主体間の関係機関調整を進めていくことが不可欠であると考えているところでございます。
また、社会福祉協議会とのかかわりでございますけども、社会福祉協議会は、地域福祉の専門機関であり、地域包括ケアの重要な担い手であると考えてございます。区と社会福祉協議会がお互いに強みを生かして、綿密に連携しながら重層的に地域課題へ取り組むということが地域包括ケア推進のために必要であると考えているところでございます。
○いでい委員 地域包括ケア推進プランというものを策定されてから、徐々にそういった在宅で医療や介護、または介護予防、こういったことが行われる、必要な方に必要な情報が提供されていく、こういった取り組みが進んでいるのはわかっています。しかし、本当にそこで、2025年問題と言われている、団塊の世代の皆さん全てが75歳を超えてきました、今想定されているニーズというものに対して、私は、わかっているのに今のままでいいのかと。または、今の景気動向を反映して、介護職の専門職としてそういった仕事を選ばれない方が多い中、人材としての働き手、担い手、そういったことの確保というものが介護事業者にはすごく必要性、求められていると思っております。私は、地域包括ケア担当がいるのであれば、また地域包括ケア推進担当部長というものを新たに設置したのであれば、そういったことについても取り組んでいかなければいけないと思っています。ありがとうございました。
次に、新しい基本計画の実効性について伺います。
平成30年度の決算では、おおむね堅調な財政が運営されているという報告がありました。同時に、将来は基金と起債のバランスが逆転するとされ、10年後には新規事業に充てられる一般財源が半減するという報告もありました。こうした財政状況の中で、最少の経費で最大の効果をもたらすためには、新しい基本構想・基本計画の策定時に思い切った政策の棚卸しが私は不可欠であり、本当に必要な政策は何なのか、本来行政が行うべき仕事は何なのか考える必要がある、そしてそれを示すべきであると考えています。
区は、中野区の新たな区政運営方針において、新しい基本構想・基本計画の策定までの間は、現行の基本構想、そして基本計画に沿って、PDCAサイクルを通じ、見直し、改善を図るとされています。現在は、指標の設定に根拠がないなど、1年間と前提したPDCAサイクルでは、私はそれが遅いということなど課題が多いと考えています。新たな財源を生むためにも、さらなる業務改善に取り組む必要があると考えています。今後どのような手法を取り入れていくつもりか、お伺いいたします。
○高村業務改善課長 委員が御指摘のとおり、中長期の将来を見据えて持続可能な区政運営を行うためには、区のPDCAサイクルの実効性を向上する必要があると認識してございます。そのためには、チェックの段階である評価の実効性を向上することが不可欠であり、本年度、事業評価へ移行した行政評価の見直しをさらに事業評価へシフトする必要があると考えてございます。基本計画の改定にあわせまして、先ほどの政策の棚卸しというお話がありましたが、政策、施策、事業を体系化し、体系化された事業についてその効果を測定する指標を設定するとともに、予算編成に反映できるよう時期もさらに見直すなど、評価制度の見直しの検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○いでい委員 私は手法のことについても伺いましたけれども、例えば、以前、事業仕分けというものが起きたときの考え方については、ビー・バイ・シーという考え方があったでしょうし、また、KPIでしたっけ、そういった考え方もあると思います。さまざまな手法を使っていく中で、私は、本来やらなければいけない仕事、きょうもあすの生活もわからない、こういった行政の手が暮らしに対して必要な区民の方々の生活をセーフティネットとして支えていく、また、33万人区民の皆さんが快適で、このまちに暮らし続けたいと思っていく中野区をつくっていくためには、やっぱり財源の裏付けのない施策というものは実行がされないし、財源の必要性については本当にもっともだなと思っています。
今回の決算議会で示されたように、将来的な見通しについては、すごく、同僚議員からもさまざま御指摘がありましたけれども、皆さんが、現在は、今回の決算についてはいいですよと、だけど、将来見通しについて大変厳しい状況が待ち構えているよ、こういった話がありました。そこについては、予算担当は緊張感を持って予算編成に当たっていきたいと。緊張感を持っていればお金が生まれてくるのかと、自分たちがやろうとしている政策に対して予算がつけられるのかと。こういったことをやっぱり誰が指摘していかなくちゃいけないと思っているし、これからさらなる──区民生活は多様化し、高度化し、複雑化してきている。それに伴って、区民からのニーズ、あとは行政がそれに応えようとする、社会的なニーズに対して政策として示していかなければ、応えていかなければいけない時代がもう既に来ています。それに対しては、細かく細かく当たっていくのにはやっぱりお金が必要なんですよね。施策を実行していくためにはやっぱり予算が必要なわけで、その予算をどのようにして生み出していくのか。国の補助金、東京都、財政調整基金を活用して、そんな話もありますけど、私は、この基本構想や基本計画を見直していく中で、財政的な裏付けみたいなものも新たに示すべきではないかと思っています。財政的な裏付けがなければ、私は、持続可能な区政運営というのはできないとも思っていますし、新しい基本計画を示していく中での実効性については、可能性が低くなっていくのではないかと危惧をしています。
改めて、私は、だから、業務改善課長が広聴・広報の課長も兼務されている、両方ともそれぞれ大変な仕事である中でそれを兼務しているということは、2倍の仕事量になるわけですから、御自身で業務改善という立場から──働き方改革と言われている中で大変な仕事を請け負ってその課長になっているというのはわかっていますけれども、ぜひそのことについては、せっかく基本構想や基本計画を見直していく、将来的な財政的な不安が起きる、こういったことがわかっているのであれば、私は、基本構想・基本計画を見直す際に大胆な政策の見直し、棚卸しですよね、本当に必要なものの取捨選択はやっぱりやっていくべきだと思っています。
例えば、今、各中学校区に一つという形で、それぞれの行政区というんですかね、区民活動センター管内というものがありますよと。今、小・中学校の再編計画に伴って、中学校はそれぞれまた少なくなっている。そういったことについても、私は、やっぱり一つ考え方として示すべきチャンスは、この基本構想や基本計画ではないかなと思っています。このままいくと、本当に本来区がやらなければいけない区の仕事、こういったものが区民から求められてくる行政サービスにどんどんシフトしていくと思うんですよね。それは、もともと保育園を設置した理由でもあったものが、今、待機児童をゼロにしていこうということで、本来は措置としてあったものが行政サービスとして区民から求められてきている、こういった時代の変化も背景にあると思っています。
私は、厳しい業務改善を行っていかなければいけないと思っているし、この長期ビジョン策定の機会にそういった方向性を打ち出すべきだと考えています。いかがお考えでしょうか。
○高村業務改善課長 議員御指摘のとおりでして、今はいいんですけども、将来に向けて、今こそ個別の事業をきちっきちっと効果をちゃんと見て、それを見直し、改善できるような仕組みをつくらないとという認識は強く持っております。
ですので、事業についての効果をはかるために──指標の御指摘も冒頭ございましたが、そういったものも、事業の効果をはかるというところでの指標で、アウトプットとかアウトカムとか、そういうことだけにこだわらない形で、専門家の意見なども聞きながら──また、今回、財務分析で施設別の結果も出ています。そういったものもどういった形で生かしていけるかというのも、同じく専門家などの意見を聞きながら、事業の効果をはかっていくということを特に重視して進めていきたいと思っております。
○いでい委員 わかりました。
それでは、続きまして、持続可能な区政運営について伺います。
区は、33万人を超える区民のニーズに応え続けていくためには、人口構成など常に変動を続ける社会経済状況下にあっても安定的に区政を運営することができる政策経費が不可欠であろうと先ほども述べました。苛烈な自治体間競争の中で勝ち抜き、選ばれ続ける自治体となるために必要なのは、区の取り巻く実態を分析する力であり、中野の価値、魅力、活力、ブランド力を引き出す政策形成力であると考えています。そのためには、これまでにない大胆な発想力や実行力が既に求められる時代になってきていると考えています。
例えば、東京都が改定をされました新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針では、民間活力を活用したオープンスペースの整備などが示されています。区も活用できる部分が私はあるのかなと考えていますけれども、いかがでしょうか。
○安田都市計画課長 御紹介のございました、東京都が平成31年3月に策定しました新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針では、オープンスペースやバリアフリー、無電柱化等の公共貢献に応じたさまざまな建築緩和策が示され、民間活力による再開発事業や総合設計等に対して容積率を緩和するための考え方が示されてございます。区の基本構想の改定や都市計画マスタープランの改定においても、こうした東京都の上位計画や方針等を踏まえ、活力と魅力ある持続可能な都市づくりに向け取り組んでまいりたいと考えてございます。
○いでい委員 その新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針の中においては、環状六号線の内側はセンターコア構想という考え方があって、そしてまた環状七号線については……。環状七号線の内側は何と呼ぶんでしたっけ。
○安田都市計画課長 中枢広域拠点域でございます。
○いでい委員 中枢広域拠点域。その中で、私は、せっかく東京都がこういったことを改定された背景には、いわゆる昭和40年代、50年代に建てられてきた──集合住宅なんですよね、集合住宅の建てかえ、これを進めていきましょうと、こういったものの考え方があると思っています。中野区にも、御案内のとおり、今回の決算の資料の中にもあったかな、あると思うんですけどね。集合住宅の木造、非木造にかかわらず、3,000棟以上の集合住宅があると。これから公の施設と同じように民間の施設を更新していきましょうといったときには、もちろん既存不適格のところもあるでしょうし、新耐震以前に建築されたものもあるでしょうし、現地建てかえというものがないんですよ。そのときに、それをインセンティブとして誘導するためにこういったことも民間の力をかりたらいいんじゃないか、こういったための制度だと思っています。これを中野区も利用しながら、私は、この中野区の本来持っているポテンシャルを引き出していく、価値を高めていくことということがまちづくりにおいて必要なのではないかと考えています。
続きまして、きのうも広町みらい公園開園式に区長をはじめ多くの同僚議員と出席をさせていただきました。これから区は公園再整備計画を策定するということで、今回もさまざま議論がありましたけれども、民間の皆さんに公園の用地を提供して魅力的な空間を創出することなども検討する必要があると考えています。
私は、このまちづくりにおいても、決算資料でも要求をしていますけれども、まだ狭隘道路として4メートル以上の幅員が確保できていない道路率というものが──整備した率というのがまだ、やっとここにきて、3割ぐらいしかできていないんですよね。こういった本来行政が行わなければいけない仕事というものも、今後新たに生まれてくる行政需要に対して経費がかかっていくんだと、予算をかけていかなきゃいけないんだと。こういった本来区がやらなければいけなかった仕事に対しても、民間の皆さんにそれを担っていただく、こういったことも私は必要だと思っています。百六十七、八ある中野区立の公園、大小合わせてですけれども、こういったものも中野区のまちづくりに資する資産だというふうに考えたときに、私は、新たな公園再整備計画の策定の中に、まちづくりとしての種地、こういった利活用の仕方もある、こういったことを入れ込んでいかなくてはいけないと思っています。いかがでしょうか。
○細野公園緑地課長 民間との連携ということで申し上げますと、魅力的な公園づくりのために民間との連携は必要であるというふうに考えてございます。公園用地を公園として活用する事例の一つとして、きのう開園させていただいた広町みらい公園で、民間活力を導入した公園の価値、魅力を最大限発揮するための指定管理者による管理運営を始めたところでございます。これらの連携につきましては、さらに効果的な連携ができるかどうか、引き続き調査研究を重ねていきたいと考えております。
一方、面的なまちづくりが具体化されるなど、公園等の公共施設の配置の見直しが検討されるような場合については、柔軟に対応していきたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 その柔軟に対応していきたい。さまざま「柔軟」に対する物の考え方があって、担当課長と私のその柔軟の幅というのもかなり大きいところがあると思います。私は、新たに公園の再整備計画というものを策定するということであれば、公園を利用する方、地域住民の方、そういった視点プラス将来のまちづくりということについても明記するべきだと考えています。
例えば、近隣の住民の皆さんが耐震化、耐火化、防火化道路をつくっていきましょう、狭隘道路も解消していこう、こういったことで地区計画をかけたときに、近くに区の公園が一つありましたと。そういったことについても区はその公園を地区計画に対して供出をする。そうすれば、もっと区民の皆さんが自由な発想で、またはインセンティブを持ちながらまちづくりが進んでいくんだろう、そしてまた、その公園については、地区計画の中で同じような機能、面積、または緑被率、こういったものを区の独自の指標、指定によって指示をしていくこと、こういったことが私はこれから必要になっていくんだろうと思っています。
大きく言うと、区立公園の中の統廃合──統廃合と言うと、何かなくなっちゃうところもあるみたいな感じで思われるんですけど、僕は本当に最適化だと思っているんですよね。前々区長時代だったのかな、先輩議員からお伺いしますと、本当に小さい土地があいたというか、そういうときは積極的に区が土地を買って公園に変えていった時代というものがあったそうです。その当時は、やっぱり木密があったり、また人口密度が高かったり、こういったことがある中で、その場その場の最良の決断が小さい公園でもいいから少しずつでもふやしていこうよ、そういった努力だったのかなと思っています。
当時はそれでよかったんですけれども、時代が移り変わっていく中で、公園の取得と同時に、やっぱり既存の木造密集住宅地域を解消していきましょう。人口過密になってきた原因でもあるんですけれども、集合住宅、こういったものをつくっていきましょう。これが今もう更新をしていく時期に来ているんですよね。そういった区が持っている資産、こういったものを行政が横断的に見直しをして、棚卸しをして、新たな政策をつくっていく、その原資にしていってほしいなという期待を持っています。ありがとうございました。
続いて、また中野三丁目の土地区画整理事業区域内に整備される商業施設などの機能が予定をされている拠点施設などは、まさに地域へ長期的な経済的メリットを含めてさまざまに恩恵をもたらす新しい中野の発信拠点になり得るものと考えています。そこには、当然、民間事業者の無限の発想力が必要でもありますし、新たに生まれ変わるこのまちに、ここにしかないサービス、ここに来れば出会える商品、そうした希少性の高い機能を提供できる価値ある商業施設を、民間事業者のマーケティングノウハウを存分に活用して、中野を稼げるまち、勝てるまちに変えていくことも、新しい発想として必要な時代になってきていると思いますが、区はどのようにお考えでしょうか。
○石橋中野駅周辺地区担当課長 端的に申し上げますと、今、委員おっしゃったように、稼げるまち、あるいは投資を呼び込むまちという観点で、同じような方向でございます。
今話にあった中野三丁目、土地区画整理事業によって新しいまちに生まれ変わります。新しく西口広場が生まれ、駅前からは新たなにぎわいが展開されると。そのにぎわいの中心となるのが今お話のあった拠点施設でございます。
この拠点施設でございますが、駅や電車からの高い視認性だとか、あるいは駅直近の立地優位性、こうしたものを有することから、中野三丁目だけじゃなくて、中野駅周辺の回遊性を高めるためのかなめの施設の一つとなることを期待してございます。
選ばれるまちだとか稼げるまち、投資を呼び込むまち、そうした意味で、それを実現するためには、中野の立地特性や、あるいは今後の市場環境といったマーケティングをベースとした民間事業者の知見を最大限活用することが有効であり、あるいは合理的だというふうに考えてございます。今後、URが事業者を選定するに当たって、公募条件として区の意向を検討する際に十分に留意していきたいというふうに考えてございます。
○いでい委員 今も一例として中野三丁目の区画整理事業の話がありましたけれども、私は、中野区の本来ある価値を高めていきたいという思いがあります。それには、中野区内に区民の皆さんが利用ができる駅がJR、地下鉄、また西武鉄道などで12駅、また落合駅や富士見台駅を入れると14駅、近隣にはあるんですよね。半径500メートルから1キロ以内に必ず駅があるという駅近物件というものがこの中野区の私はストロングポイントだと思っています。これから西武線も連続立体交差化事業の中で新井薬師前駅や沼袋駅が地下化になっていきますよと。こういったときに大きくまちの形が変わってくる。そして、まちが持つ機能が変わってくる。そこにまちとしての価値が生まれてくると思っています。私は、大胆な発想で民間の皆さんの活力を利用していく、誘導していくということの根本には、新しい基本構想や基本計画の中で、中野区はこういったまちを目指していくんだと、中野区は区としての、まちとしての価値を高めていくんだ、こういったものを明記していくべきだと思っています。
安全で安心なまちづくりとよく言われますけれども、安全で安心なまちづくりを行っていくために、私は、中野区はこれから一つひとつ何をしていくのかということが示されるべきだと思っています。旧来から変わらない道路率、または木密地域、こういったものを解消していきましょう。一部地域、弥生町三丁目、大和町地域では行っている事業であっても、区全体で本当に求められているところで行っているんですかと言われたときに、私は実際そうではないと思っています。東京都からも、災害が起きたときには火災危険度というところで高いということで示されているエリアがあるわけで、そこには野方や若宮の一部、こういったことも新聞で報道もされています。また、私が住んでいる中野坂上地域も、交差点は重要な交通結節点として機能はしていますけれども、その後背地におきましては変わらない狭隘道路がありますし、変わらない緊急自動車が入らない、こういった道路が多数あります。これが、そもそも中野区が持っている下町情緒あふれるだとか、こういった魅力のうちの一つでもあるかもしれませんが、安全で安心なまちをつくっていくということについては、私は、それは避けて通れないことだと考えています。
区は、さまざまな施策を総動員しながらも、一つひとつこれについてどうやってやっていくのか。こういったことを明確に示すのはやっぱり基本計画であるし、その基本計画のもとになるのは長期ビジョンでもある基本構想だと思っています。
それで、こうした私がさまざま述べたような政策もそうなんですけど、区は今から10年以上前ですか。10年ぐらい前ですかね。中野区、何でしたっけ。公共政策機構じゃない、PRINC。藤井部長もそのメンバーであった中野区政策研究機構だったかな。こういったシンクタンクがありました。今から50年後の中野区の未来についてという、結構突拍子もないことをみんなで研究したりとかしていたことがあるんですけれど、そういったことというのは実はすごく大切で、今、読み返してみると、当たらずとも遠からずという未来が今ここに来ていて、その当時の推計だとか予測については、私も目を見張る、改めて評価されるべきことなのかなと思っています。
先ほど答弁に出てきていただいた業務改善の課長もそのときの研究員でもありましたし、まちづくりのことについては、角部長や安田課長も私が先ほど述べたような新しいまちづくりの観点について調査研究して報告書として上げられています。それは中野区役所のホームページから見ることができますので、見ていただければいいなと思うんですけれども、私は、そういったこと──それ自体だけではなくて、区役所の中に新たに区長を支える研究機関、そういった政策のシンクタンク、多様な有識者により構成された、さまざまな発想、こういったものを区の政策に対しても取り入れるのは大変効果的ではないのかなと考えています。
持続可能な区政運営を行うためには、今までにない大胆な発想で財源の確保などに取り組んでいく必要があると私は考えています。今までなかなか示されてこなかった、私は、改めて区長がどういったまちを目指していくのか、どういった中野区をつくっていきたいのか、こういったことについて非常に興味があるし、今、区民や私たち議会の中でも、区長はどういった方向性を示していくのかな、その区長の示そうとしているビジョンを共有することができない、こういったものが蔓延していると思っています。改めて区長に伺います。区長の御見解について伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○酒井区長 委員の御指摘のとおり、今後、持続可能な区政運営をしていくためには、先ほどの事業経費の削減にとどまらず、新たな財源を確保していくことが重要な課題であると考えております。そのためには、これまでにないようなやはり大胆な発想が必要であることから、御指摘のとおりさまざまなアイデアを持つ有識者等の意見も積極的に取り入れて仕組みをつくっていくことを検討するべきだと考えております。また、職員の政策形成能力もこれから問われてきております。これを高めていくためにも、職員の研究活動についても活発化する方策についても検討してまいりたいと考えております。
○いでい委員 そこで私が伺いたいのは、区長が今この基本構想の中で審議会に諮問をしている、その答申が上がってくるのが10月だというお話ですけども、区長自身はどのような中野区をつくっていきたいのか。子育て先進区というものはいいですよ。僕も子育て先進区──先進区なのかどうなのかよくわかりませんけれど、子育て世代がいるということについては、私は、この働く世代が、この生産年齢人口が中野区に多く集積する、そういった世帯から選ばれる自治体を目指していく、こういった担税力のある区民の皆さんとともにこの中野区を前に進めていく、中野区政を前に進めていくんだという考え方ではなかろうかと推察しますけれども。
あと、人は財産だと。それはどこでもそうなんですよ。やっぱり区民の暮らしというものが私たちのこの区政のど真ん中にあって、その暮らしの中にさまざまな施策や政策があるわけで、中野区内にお住まいの方がいなければ、そもそも中野区は必要ないわけで、こういったことではなくて、区長は具体的にどういったまちをつくっていくのか、そういったことをお聞かせ願いたいなと思いますが、いかがでしょうか。
○酒井区長 まず1点目に申し上げたいのは、やっぱり持続可能性、これをしっかり中野区としてもつくっていかなきゃいけないということで、今の御質問にございましたとおり、子育て世代を呼び込むためには、それは、担税力も含めて、まちの活性化には子育て世代への売り込みが必ず必要であるということから、子育て先進区というのがまず必要だということであります。これについては、当然、今後、人口減少社会が中野区についてもやってくるということでございますので、その中でやっぱり投資を呼び込むような政策も必要になってくると考えております。
そしてもう1点は、地域包括ケアでございます。高齢者がふえていくことによって、セーフティネット機能、これを必ず維持していかなきゃいけないというところで、これは都市部においてまだなかなか実現性がどうか見えていないところでございますけれども、新たな中野の力としてセーフティネットをしっかりつくっていくというところでございます。
そして、最後に人の問題がございます。これは、やはり区として今基本構想をつくる中でどんな地域社会をつくっていくかということで、私はたびたび自治体3.0という言葉を使っておりますけれども、中野にいる優秀な人、それからまちを何とかしたいと思っている人はたくさんいらっしゃいます。そういう人たちの力を一緒にともに合わせながら、汗をかきながらまちづくりを進めていくことによって、今まで申し上げたような課題を解決できるというふうに考えております。
○いでい委員 今定例会だけではなくて、我々自民党議員団が求めていくものということは、やっぱり選ばれ続ける自治体であり続けるためにどうしたらいいのか、こういったことを政策集団として常々考えていますし、今回の定例会においては、全ての議員が新しい基本構想や基本計画のことについて触れています。それだけ私たちが実は危惧していることがあるんですよね。先ほど申し上げましたけど、今まである基本構想や基本計画のただの焼き直しであれば、私は議論がすごく小さいものになってしまう──自民党議員団はそうやって考えています。もっと大胆で、大きな視点を持って、将来予測を持ちながらも、持続可能な財源を確保し続けながらも、新しい発想で基本構想として区長自身の考えを私は示していく、それが基本構想であり、それを実行していくための基本計画であり、それと同時に改定されるべきである個別計画だと思っています。
残された時間は実はすごく少なくて、議会の中で示されて、これに対して審議をしましょう、こういったことは、なかなか先ほども御答弁いただいたスケジュールでは、本当にクリアできるのかなと、職員の皆さんの仕事量、相当大変なものになってくるのかな、このように考えています。ぜひ積極的な政策論争を私はこの議会で行政と行っていきたい、その議論の先には区政を前進させるためのエネルギーとしての議論でなければならないなと、こうやって考えています。
以上で私の総括質疑を終了させていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上でいでい良輔委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。13時まで委員会を休憩します。
午前11時56分休憩
午後1時00分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。ひやま隆委員、質疑をどうぞ。
○ひやま委員 令和元年第3回定例会に当たりまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
質問は2番の哲学堂公園再生整備についての(3)と(4)を入れかえてお聞きします。その他はございません。
初めに、新地方公会計制度についてお聞きをいたします。
中野区では、平成28年度決算より新公会計制度に基づく財務書類を作成しております。今回で3回目となります。
区では平成30年度決算から新たに施設別財務書類が加わりました。まず、この概要と作成に至る経緯について教えてください。
○森財政課長 施設別財務書類の概要と作成の経緯でございます。施設別財務書類につきましては、施設別に貸借対照表と行政コスト計算書を作成し、施設ごとの財政上の課題を把握できるようにしたものでございまして、今年度につきましては子育てに関する施設を中心に作成をしたものでございます。
区では、発生主義会計によります財務情報を区政経営のマネジメントに活用するため、平成28年度に中野区新公会計改革基本方針を策定しており、同方針に基づきまして、事業見直し、改善などに活用を図る一環といたしまして、今回、施設別財務書類を作成したものでございます。
○ひやま委員 事業別、施設別のより細かいセグメントで貸借対照表や行政コスト計算書を作成することにより、財政の分析力が強化をされる、区政運営のマネジメントに活用することが可能となる、これは大きいことだと考えます。
活用に関してですが、総務省が地方公会計の推進に関する研究会、そこにセグメント分析に関するワーキンググループを設置しているというふうに聞いておりますが、中野区は参加しておりますでしょうか。研究会の概要についてもあわせてお示しください。
○森財政課長 中野区は、今御紹介ありました、総務省が設置しております、地方公会計の推進に関する研究会のセグメント分析に関するワーキンググループでございますが、平成30年度に参加をいたしました。
研究会の概要でございますが、統一的な基準によります地方公会計制度に基づく財務書類の情報につき、資産管理などの活用に向けまして、活用の具体的な方法の検討や先進事例の収集等を行うために設置をされたものでございます。参加団体につきましては、中野区を含め5団体でございました。中野区のほかは、愛知県日進市、滋賀県長浜市、佐賀県唐津市、鹿児島県和泊町で、公認会計士の助言を得ながら検討を進めたところでございます。
○ひやま委員 ぜひそういった機会を通じてさまざまな情報を得て、区政運営のマネジメントに活用していただきたいというふうに思います。
今回の財政白書では、子育てに関する施設を中心に施設別の財務書類を作成されましたけれども、まず、その中身について簡単に教えてください。
○森財政課長 子育てに関する施設を中心ということで、今回は図書館、保育園、幼稚園、児童館、キッズプラザ、学童クラブ、すこやか福祉センターを対象といたしました。それぞれの施設につきまして、貸借対照表、行政コスト計算書の財務情報のほか、施設の利用状況や有形固定資産減価償却率等の指標を掲載したものでございます。
○ひやま委員 今回、施設別に財務書類を作成された子育てにかかわる施設のうち、区立保育園、幼稚園、児童館、すこやか福祉センターなどは、今後、それらのあり方についてもさまざまな議論がなされることだというふうに思いますが、その際にも、それらを運営するに当たって年間幾らかかるのか、イニシャルコスト、ランニングコスト、そしてライフサイクルコスト、そうしたコスト面からの分析も重要になってきます。今回の施設別財務書類では、その施設の維持管理にかかわるライフサイクルコストについては分析をなされましたでしょうか。
○森財政課長 今回の施設別財務書類におきましては、お話のございました施設から用途終了までに係る全体の経費、ライフサイクルコストの分析につきましては、実施していないところでございます。
○ひやま委員 基本的には施設の建設費というのがイニシャルコストです。このイニシャルコストである施設の建設費については、財源の確保を含めて、議会の予算審査において議論されます。しかし、コスト面から考えますと、施設の建設後に必要となる修繕費、あるいは運営費などのランニングコスト、これは一般的には建設費の3倍も必要となるというふうに言われております。したがいまして、建設費のイニシャルコスト、修繕費や運営費等のランニングコストを加えた維持管理にかかわるライフサイクルコストを把握することが必要ではないかというふうに考えますけれども、区のお考えを示してください。
○森財政課長 施設の適正配置や効率的な運営を進めていくためには、お話のございましたライフサイクルコストを把握することも重要であると認識をしているところでございます。
○ひやま委員 施設の建設から運営までのトータルのコストを把握できるのが新公会計制度の意義であり、メリットであると思いますので、ぜひその部分についても分析を深めていただきたいというふうに思います。
そして、今回は子育てに関する施設を中心に施設別の財務書類を作成されましたけれども、他の施設についてはどうなのでしょうか。今後の予定についてお聞かせください。
○森財政課長 来年度以降、高齢者会館や区民活動センター等、他の施設のコスト分析につきましても実施していきたいと考えているところでございます。
○ひやま委員 区が所有する施設の多くは、60年代から70年代に集中して整備されています。全施設の延べ床面積のうち半数以上が建築後40年以上経過しており、今後、集中して建てかえの時期を迎えることとなります。区有施設の更新・保全を進めるに当たっては、新公会計制度導入によって得られたライフサイクルコストをはじめとするさまざまな指標を活用していくべきだというふうに考えますけれども、区の御見解をお示しください。
○森財政課長 施設の更新や保全に当たりましては、ライフサイクルコストのほか、施設別のコスト分析によるさまざまな指標を活用いたしまして、統廃合の検討など、適切な施設運営管理に反映していきたいと考えているところでございます。
○ひやま委員 施設にかかわる指標の一つに、有形固定資産減価償却率が挙げられます。この指標は、有形固定資産のうち、土地以外の償却資産の取得価格に対する減価償却累計額の割合を計算することにより、耐用年数に対して資産の取得からどの程度経過しているのかを示すものです。平たく言いますと、資産の老朽化度合いをはかる指標です。昨年度の数字、また経年的に見た傾向について教えてください。
○森財政課長 平成30年度の有形固定資産減価償却率は67.0%でございました。平成26年度から30年度までは66%台から67%台でございまして、ほぼ横ばいの状況でございます。有形固定資産減価償却率は、資産の老朽化度合いを示すということでございますので、区有施設の更新や修繕の必要性が高くなっているものと捉えているところでございます。
○ひやま委員 やはり区有施設全体の老朽化というのが改めてこの数字からもわかりますが、そして、新公会計についてもう1点、区民への周知と広報についてお聞きいたします。
新公会計制度による財務書類から得られたさまざまな財務情報を区民にわかりやすく公表することは重要であると考えます。中野区では、中野区財政状況の公表に関する条例において、年に2回、財政状況を公表することが定められておりますけれども、昨年度の区財政に関する広報はどのようになっておりますでしょうか。
○森財政課長 まず、平成30年5月20日号、こちらの区報におきまして、平成30年度予算のあらまし、また平成29年度の財政の状況の下半期分を掲載いたしました。また、平成30年11月20日号の区報におきましては、平成29年度決算のあらまし、また平成29年度財務書類の概要、平成30年度財政の状況の上半期分を掲載いたしたところでございます。また、これらの情報につきましては、同時期にホームページにも掲載しているところでございます。
○ひやま委員 昨年の決算特別委員会におきまして、新公会計制度により作成された財務書類の中身についても区報等に掲載するべきであるというふうに申し上げました。中野区報、平成30年11月20日号から、平成29年度財務書類のうち、貸借対照表、行政コスト計算書が掲載しておられますけれども、このこと自体は評価をいたします。しかし、中身を拝見しますと、もう少しわかりやすく伝える必要があるというふうに感じました。可能な限り財政用語の解説を加えるなど、よりわかりやすい周知に努め、財政への区民の理解を深め、区政への区民参加のさらなる促進を図るべきであると考えますが、区の見解をお示しください。
○森財政課長 区の財政状況をわかりやすく、見やすくお示しし、区民に理解していただくため、適切な用語解説や、視覚的にわかりやすくした資料を盛り込むなど、財政情報を区民にとって身近に感じていただき、区政への区民参加につながるよう工夫をしてまいりたいと考えております。
○ひやま委員 人口減少、少子高齢化、区有施設の更新経費の増加など、区財政を取り巻く環境は予断を許さず、限りある予算をいかに満足度の高いサービスとして配分するのか、優先順位をどのようなプロセスで決定していくのか、そうした高い次元での透明性と説明責任が求められております。そうした状況において、先ほど申し上げましたけれども、施設別の財務書類等を活用した事業別や施設別のセグメント分析といった取り組みは、第1ステージとしては意義のあることだと考えます。
次のステージは、それらの新公会計制度に基づく財務書類の行政評価への利用、公共施設等総合管理計画への反映、予算編成に反映する仕組みづくりなど、新公会計を区政運営に活用していくことが重要であると考えます。こうした使う新公会計という視点から、中野区ではどのような取り組みを行い、今後どのような展開を考えているのか、区のお考えをお示しください。
○森財政課長 施設ごと、事業ごとに財務書類を作成することによりまして、セグメント単位での財政上の課題が浮き彫りにできると考えているところでございます。今年度は施設別の財務書類を作成したところでございますが、今後、事業別の財務書類の作成にも取り組んでいく考えでございます。新公会計改革基本方針に基づきまして、財務情報の見える化により、区民等への情報公開を進めるとともに、区政経営に有効に活用できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○ひやま委員 ありがとうございました。
次に、平成30年度決算の歳出の中で、4款地域支えあい推進費、乳幼児健康診査についてお聞きをいたします。
母子保健法第12条、第13条に基づき、中野区では乳幼児健康診査を実施しています。平成30年度の執行額は5,512万1,499円となっておりますが、まず、この事業の概要について御説明ください。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 乳幼児健康診査は、母子保健法及び母子保健法施行規則に基づき、地域の親と子の健康を守ることを目的として、乳幼児の月齢や年齢に応じた健康診査を実施しております。その中で、疾病の発見のほか、虐待の原因につながる子育て不安の軽減と、そのための取り組みの強化として養育環境の把握と適切な支援に努めているところでございます。
○ひやま委員 平成30年度の地域支えあい推進室事業概要を拝見しますと、事業の内容としては、3カ月児健診、6カ月児健診、9カ月児健診、1歳6カ月児健診、3歳児健診とあります。この中で区として直営で実施しているもの、外部に委託しているもの、それぞれの事業の実施体制はどうなっておりますでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 乳幼児健康診査のうち、内科の3カ月児健診、内科及び歯科の3歳児健診につきましては、4カ所のすこやか福祉センターを会場に、集団健診を雇い上げ職員とともに実施しております。内科の6カ月児健診、9カ月児健診、内科及び歯科の1歳6カ月児健診につきましては、中野区医師会、中野区歯科医師会にそれぞれ委託し、契約医療機関において健診を実施しております。
○ひやま委員 今お話にもありましたけれども、この1歳6カ月児健診につきましては、平成30年度からは内科健診を外部委託、そして今年度からは歯科健診についても外部委託をされております。これまで直営で実施してこられたものを外部委託するに至った経緯について御説明ください。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 医療機関で健診を受けることで、かかりつけ医による継続的な健康管理や発育相談へつながる、つまりかかりつけ医をつくるよう推進できることがまずは委託の理由として挙げられます。また、働く母親が増加する中で、月に1回、実施日の午前中に各すこやか福祉センターで実施する集団健診の場合、健診を受けに来ることが困難な場合があること。また、発達に関する相談など専門的な相談もふえる中、限られた健診の時間内では対応が難しいこともございます。以上の理由によりまして、医療機関に委託することを検討しまして、実施してきたところでございます。
○ひやま委員 今年度から1歳6カ月児健診については完全に外部委託という形になりましたけれども、今の御答弁と恐らく重なるところが多いとは思いますけれども、区としては外部委託をすることのメリットをどのようにお考えでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 一つには、お子さんの体調や保護者の御都合により健診の日程を選べること。また、医療機関で健診を受けることで、かかりつけ医による継続的な健康管理や発育相談へつながること。これは、中野区の場合、住民の移動率も高いことから、転入された方が転入後にかかりつけ医を確保する意味でも有効というふうに判断いたしました。さらに、かかりつけ医とすこやか福祉センターの連携の強化なども委託のメリットとして考えているところでございます。
○ひやま委員 利用者にとっては健診日程を自由に選べると。また、地域におけるかかりつけ医との緊密な連携など、これらは地域包括ケアの視点からも利用者にとってのメリットがあると思います。特に健診の日程を幼児さんの体調や保護者の都合に合わせられるということで、受診率の向上も期待できるところではないかというふうに考えておりますけれども、昨年度の内科健診の受診率についてお示しをください。直営から外部委託したことで受診率は上がったのでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 昨年度の1歳6カ月児の内科健診の受診率は95.4%であり、一昨年度の94.8%と比較すると0.6ポイント上昇しております。今後は、近隣区との乗り入れも含め、受診環境の利便性の向上を図ることにより、さらに改善を期待できるというふうに考えております。
○ひやま委員 健診の日程を自由に選べるというわけでありますので、受診率の向上に向けてさらなる周知の徹底をしていただきたいというふうに思います。
一方で、健診を直営で実施することによるメリットも当然あると思いますが、区としては直営のメリットをどのようにお考えでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 集団健診により、すこやか福祉センターの職員が乳幼児や保護者の様子を確認したり、また、保護者に対する情報提供の場として活用できることなどがメリットとして考えられます。また、集団での子どもの観察もできる点で、発達など課題のある子の発見につながるメリットもある反面、逆にそのことに苦痛をお感じになる保護者がいらっしゃるというデメリットもあるというふうに考えております。
○ひやま委員 直営で実施することによりまして、すこやか福祉センターに親子で定期的に足を運んでいただくと。そのことにより、すこやか福祉センターをより身近に感じてもらう。そのことで改めて地域保健の核としての同センターの役割を認識していただくという、このことは非常に大事なことではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 すこやか福祉センターは、妊娠、出産から子育て期までの相談支援を通じ、家庭の養育環境、乳幼児の発達状況を継続的に把握しながら、虐待の未然防止や発達に課題のある児童の早期発見、早期対応に努めております。こうした日々の対応により、子育て中の親子と身近な関係をつくっていく中で、すこやか福祉センターの役割が浸透していくものというふうに考えております。
○ひやま委員 平成30年度主要施策の成果、すこやか福祉センター地域ケア分野を見ますと、指標の中で、3歳児健診におけるすこやか福祉センターを身近に感じる人の割合を挙げておられます。平成30年度は前年比で増とはなっておりますが、目標値には届いておりません。すこやか福祉センターを身近に感じる区民はおよそ6割です。これが、外部委託することで、すこやか福祉センターとのかかわりが希薄になってしまう、すこやかを身近に感じる人の割合がどんどん減少してしまうのではないか、こうした懸念も考えられますけれども、これに対する区の見解をお示しください。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 乳幼児健診に関しては、医療機関で受診した場合、受診後、すこやかの専門職がかかりつけ医と連携し、支援が必要な対象者へのフォローを丁寧に行っているところでございます。また、乳幼児健診だけでなく、妊娠期から出産、子育てまで、妊産婦への保健指導やサービスの提供を行っております。また、昨年10月より導入しました母子保健システムを活用することで、妊娠期からの継続的支援がスムーズにできるようになったところでございます。今後も、妊娠期から始まる一人ひとりとのかかわりを大切にし、事業の実施に取り組んでまいりたいというふうに存じます。
○ひやま委員 先日、すこやか福祉センターを訪れ、区が直営で実施している3歳児健診の現場を実際に視察させていただきました。心身の健康のみならず、子育てにかかわるさまざまな問題の解決に向けて、医師、歯科医師、心理相談員、栄養士、保健師、区職員といった多くのスタッフがそれぞれ連携をしながら取り組む姿勢に、改めて直営で実施することのメリットを感じました。もちろん利用者から見れば日程が限定されてしまうなどの問題もありますけれども、1日制の集団健診にすることで、子育てにかかわるさまざまな問題をその場で解決できる、あるいは解決に向けて課題を共有できる、この部分は直営の強みであるというふうに感じました。逆に言えば、現在委託しているものにそのような機能をどのように持たせていくのかが重要になってくるであろうというふうに考えますが、区のお考えをお示しください。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 個別支援重視の観点から、乳幼児健診を委託機関で受診した場合におきましても、受診後、すこやかの専門職がかかりつけ医としっかり連携し、受診結果を踏まえたフォローを丁寧に行っております。具体的には、保護者への電話や面接、家庭訪問など、専門職がしっかり対応するとともに、子育て専門相談など、必要に応じ、区の事業やサービスにつなげているところでございます。また、育児困難が疑われる保護者につきましては、保護者に連絡がとれなければ、かかりつけ医や所属する保育園、幼稚園に問い合わせを行うなど状況把握に努め、虐待予防の視点においてもきめ細かく対応しております。
○ひやま委員 健診を区の直営で実施するメリットは、それら以外にもさまざまあると思います。私は必ずしも直営ありきで考えているわけではありませんけれども、直営で実施するにせよ、委託で実施するにせよ、最も重要なのは健診そのものの質、それをどのように確保していくのか、高めていくのか、そのことに尽きると思います。特に健診後の部分ですね、例えば課題のある御家庭に対してどのようなフォローをしていくのか、ケアをしていくのか、ここの部分は区の重要な役割であると考えますが、現状はどのようになっておりますでしょうか。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 健診を受診した後、課題のある家庭に対するアプローチやケアにつきましては、御指摘のとおり、直営か集団健診か委託かを問わず、課題の内容に応じ、専門相談への案内や必要なサービスにつなげたり、他機関と連携し、心配のある家庭や子どもの支援を行うなど、丁寧にフォローしているところでございます。こうした受診後のフォローだけでなく、医師会及び区の職員が参加しまして、健診の内容についての研修会や意見交換会を実施するなど、医師会と密接に連携し、健診内容の改善に取り組んでおります。
○ひやま委員 やはり健診を受診して終わりではなくて、その後のフォローの部分、ここは区として責任を持ってしっかりやっていただきたいと思います。そして、現在直営で実施している3歳児健診については、今後、委託ということでこの間検討を進めてこられたというふうに聞いておりますが、先ほども申し上げましたが、やはり直営、委託、それぞれメリット、デメリットがあると思います。その上で、委託ありきで考えるのではなくて、直営、委託それぞれのメリット、デメリットをしっかりと整理した上で、また、直営から委託となった1歳6カ月児健診の実態などもしっかり見きわめながら判断するべきであるというふうに考えますけれども、区の見解をお示しください。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 1歳6カ月健診では、かかりつけ医との連携の強化によりまして、受診率も向上するとともに、区の専門職による受診後のフォローも受診者数の約6割に達しております。一方で、近隣区との乗り入れなど受診環境の向上や、かかりつけ医とのさらなる連携の仕組みなど課題の改善に取り組むとともに、今後の乳幼児健診の進め方を検討したいというふうに考えております。
○ひやま委員 次に、哲学堂公園再生整備について質問いたします。
哲学堂公園再生整備については、前区政において都市観光拠点の核としての整備方針を示し、多額の予算が計上されましたが、酒井区政が誕生し、区長就任当初の施政方針説明の中で、利活用のビジョンをもう一度立ちどまって議論し、そのビジョンに基づいて駐車場、学習展示施設、管理棟の必要性や規模について判断するとの御説明がございました。
その後、平成30年度第3回定例会の建設委員会において、インバウンドを目指した周辺エリアの整備と施設整備を優先とした区の考え方を改め、「歴史文化を守り、区民や来街者が憩い楽しむ利活用」を目指した整備とするとの考え方を示されましたが、まず、この考えに至った経緯を御説明ください。
○細野公園緑地課長 都市観光資源としての哲学堂公園の活用方法を再検討した結果、哲学堂公園再生整備計画の見直しを行い、「歴史文化を守り、区民や来街者が憩い楽しむ利活用」を目指した整備とするというふうな考えに至ったものでございます。
○ひやま委員 区としては、現行の哲学堂公園再生整備基本計画を見直し、再生整備の目標を「哲学堂公園の歴史・背景を汲んだ、哲学堂が持つ文化財としての本来的価値を高めるための整備」とし、井上円了没後100年となる2019年の国名勝指定認可を目指すとしています。
哲学堂は、哲学の概念を体現した非常にユニークな造園空間でありますが、区がお示しをされた哲学堂が持つ文化財としての本来的価値を区はどのようにお考えなのでしょうか。
○細野公園緑地課長 哲学堂公園は、哲学者井上円了が精神教育、社会教育の精神修養的公園として、全体を哲学空間の概念を体現する場として創立した、ほかに類を見ない空間であるというふうに考えてございます。四聖堂、六賢台、宇宙館などの古建築物については、周囲の景観ともよく調和をしており、広く区民に親しまれた名所であるとともに、学術的価値も高いものと考えてございます。
○ひやま委員 区としては、井上円了氏没後100年となる2019年の国名勝指定認可を目指すとしています。さきの御報告ではことしの7月に国名勝指定獲得への意見具申書提出と文化庁確認とあります。関係各所への手続は予定どおり行われたのでしょうか。
○藤永文化・国際交流課長 前回御報告しましたとおり、予定どおり文化庁へ意見具申書の提出を行ったところでございます。
○ひやま委員 そうしますと、当初の目標どおり2019年の国名勝指定認可が実現できそうなのでしょうか。見込みについてお示しください。
○藤永文化・国際交流課長 国の名勝指定につきましては、文化財保護法に基づきまして、国が設置する文化審議会において審議され、最終的に文部科学大臣が指定する制度となってございます。国の名勝指定をされるかどうかにつきましては、あくまで国で判断されるものでございます。
○ひやま委員 そして、今後のスケジュールとして、2019年度に新たな整備基本計画(案)の策定、区民説明会等開催とありますけれども、これについての進捗状況はどうなっておりますでしょうか。
○細野公園緑地課長 哲学堂公園再生整備基本計画の再検討に着手しているところでございまして、早期に考え方を取りまとめる予定でございます。今後、区の考え方を取りまとめた上で、区民との意見交換会などを行わせていただいて、再生整備基本計画を策定する予定でございます。
○ひやま委員 新たな整備基本計画(案)の作成に当たっては、インバウンドを目指した周辺エリアの整備と施設整備を優先とした区の考え方を改めて、「歴史文化を守り、区民や来街者が憩い楽しむ利活用」、この基本的な考えに基づいて策定をされるのだろうというふうに思います。
我が会派としては、前区政における多額の予算をかけての観光拠点化に疑問を呈してまいりました。しかし、前区政で示された哲学堂公園再生整備基本計画の中で、哲学堂公園の課題については改めて区として課題を共有していただきたい部分があります。
例えば、施設の老朽化やバリアフリー対応のおくれ、園路の凹凸──でこぼこですね──などの管理が行き届いていない点などは、区としてしっかりと改善をしなくてはいけない部分でありますが、区は現在の哲学堂公園の課題についてどのようにお考えでしょうか。
○細野公園緑地課長 哲学堂公園は、施設の老朽化や園路のでこぼこなどがあって、今後、計画的に必要な修繕を行う考えでございます。また、バリアフリー対応につきましては、哲学堂公園が持つ文化財としての本来価値を踏まえた整備とする必要があり、今後、学識経験者さん等の御意見も聞きながら適切に対応していく考えでございます。
○ひやま委員 区長は子育て先進区を掲げておられますけれども、子育てをしている親の目線から見ても改善をしなければいけない部分が多々あると思います。私も、哲学堂公園は近所ということもありまして、週末はよく娘と遊びに出かけますが、例えば園内の劣化した園路の凹凸、でこぼこは、ベビーカー移動の際の障害になっています。また、雨が降った翌日は、一部園路でぬかるみが激しく、子どもが歩くのが大変危険な箇所が見受けられます。さらに、おむつがえシートや授乳室は存在しているものの、暗く、スペースも狭く、数も限られているなど、子育て世帯の視点から見ても課題は多々あります。新たな整備基本計画(案)に当たっては、そうした子育ての世帯のニーズはどのように反映される予定なのでしょうか。
○細野公園緑地課長 都市公園は、良好な都市環境を提供するとともに、市民の活動の場や憩いの場の形成といった役割があるというふうに認識してございます。子どもから大人まで幅広い方々が快適に利用していただけるよう整備を進めていく考えでございまして、子育て世代の視点も踏まえて新たな整備基本計画(案)を取りまとめていきたいというふうに考えてございます。
○ひやま委員 児童遊園については、前区政において学習展示施設の新設による規模の縮小という方針を示されましたが、これについては現在どのようにお考えでしょうか。
○細野公園緑地課長 昨年10月の建設委員会において、学習展示施設の整備について、規模の縮小を前提とし、施設の配置や整備時期を変更するというふうに申し上げたところでございます。児童遊園につきましては、この方向に基づいて、新たな整備基本計画(案)を策定していきたいというふうに考えてございます。
○ひやま委員 私は、井上円了とその哲学に関する学習の場としての学習展示施設は、整備をしていくことは必要であろうというふうに考えております。ただし、その際に、その規模や位置については、利用者をはじめとする区民のニーズをしっかりと見きわめて判断をしていただきたいと思います。区の見解をお示しください。
○細野公園緑地課長 学習展示施設の整備につきましては、哲学堂公園の魅力を高め、哲学堂77場や円了哲学への理解増進等を示す施設というふうにしてきたところでございます。今後の整備に当たっては、この方向性は継承しつつ、区民ニーズも踏まえて、施設の規模や配置等を検討していきたいというふうに考えてございます。
○ひやま委員 児童遊園そのものについても、遊具の老朽化など課題はあります。ぜひ子育て世帯に優しい、そしてもちろん子育て世帯のみならず幅広い世代が憩い楽しめる、そんな魅力ある公園整備を目指していただきたいというふうに思います。
中野区では、中野区ユニバーサルデザイン推進条例を策定し、全ての人が支障なく円滑に利用できる都市基盤、施設の整備の推進を掲げておられるわけですので、そうした視点からも必要な整備はしっかりと進めていかなくてはいけないと思います。区の見解をお示しください。
○細野公園緑地課長 施設利用の利便性を考慮し、文化財的価値の保存可能な範囲でユニバーサルデザインへの対応に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○ひやま委員 哲学堂公園の自然と緑についてお聞きをいたします。
中野区は緑が少ないと言われておりますけれども、他区と比較した場合、中野区はどれくらい少ないんでしょうか。
○細野公園緑地課長 空から地上を眺めたときの樹木や草地で覆われた部分の面積の割合である緑被率で比較をいたしますと、平成28年度に実施した中野区緑の実態調査報告書によれば、中野区の緑被率は16.1%で、これは23区中17番目ということになってございます。
○ひやま委員 他区と比較しても比較的緑が少ない中で、哲学堂公園の自然と緑は中野区にとって非常に貴重な環境であると考えます。そうした中で、哲学堂公園再生整備基本計画の中では、整備内容のところで樹木整理という言葉がよく見受けられます。植栽の繁茂による適切な樹木整理は必要ですけれども、不必要な樹木の伐採は当然あってはなりません。現在、哲学堂内にある樹木の管理はどのようになっておりますでしょうか。
○細野公園緑地課長 哲学堂公園内の樹木につきましては、指定管理者が計画的に剪定を行い、適切な管理を行っているものでございます。
○ひやま委員 私が少し気になりますのは、哲学堂公園内を歩いておりますと、樹木が剪定されたと見受けられる樹木が枯れてしまっている、あるいは枯れかけてしまっているものを見かけます。そうしたケースを区は把握しておりますでしょうか。
○細野公園緑地課長 哲学堂公園内の樹木については、指定管理者が管理してございますが、毎月1回以上定例会議を行っております。その中で、生育状況に課題のある樹木等について情報交換を行い、把握に努め、経過観察を行い、必要な対応を行っているところでございます。
○ひやま委員 当然ですけれども、剪定というのは、見た目を美しくするのみならず、養分を効率よく利用させて成長を促進したり、病害虫の繁殖を予防するために行うわけでありまして、結果としてそれが枯れてしまっては本末転倒の話であると思います。これについては、哲学堂公園のみならず、他の公園についても注意深く見ていただきたいと思いますが、区のお考えをお示しください。
○細野公園緑地課長 剪定の目的は委員おっしゃるとおりでございまして、今後も樹木の成長や樹木の種類に応じた適切な剪定を心がけていきたいと考えてございます。
○ひやま委員 哲学堂公園は、四季折々の美しい自然を体感できる区内でも数少ない公園です。さまざまな生き物も生息しております。それらの自然を生かしたさまざまなイベントを通じて地域のコミュニティも形成されております。ぜひ、再生整備に当たっては、その基本的な考え方の中に、哲学堂公園内の自然環境と調和した整備、自然環境への影響を最小限に抑えた整備を取り入れていただきたいというふうに思いますけれども、区の見解をお示しください。
○細野公園緑地課長 現在の自然環境は考慮をしつつ、具体的な整備についてはさらに検討を進めていきたいと考えてございます。
○ひやま委員 この項の最後に、哲学堂公園再生整備に関して、区民参加の視点からお聞きします。
そもそも現行計画を策定する際に、どのような区民参加の手続をとられたのでしょうか。
○細野公園緑地課長 現行計画の策定に当たって、哲学堂公園再生整備基本計画(案)でございますが、説明会、意見交換会を2回行っております。
○ひやま委員 平成30年第3回定例会においてお示しされた資料の中で今後のスケジュールを見ますと、区民説明会等開催との記載がありますけれども、具体的な区民参加の機会が見受けられません。哲学堂公園再生整備に当たって今後どのような区民参加の手続をとられる予定なのか、区の見解をお示しください。
○細野公園緑地課長 今年度、改めて策定させていただく予定の哲学堂公園再生整備基本計画の立案に当たっては、区民のニーズを踏まえた上で、区としての考え方を取りまとめ、意見交換会等を開催させていただく予定でございます。
○ひやま委員 対話の区政を掲げておられるわけですので、哲学堂公園再生整備に当たっては、さまざまな区民参加の機会を通じて、幅広い区民の声を反映させていただきたいというふうに思います。誰のための何のための再生整備なのか、それを考えた際に、やはり区民の目線、そして実際に公園を利用する利用者の目線に立った再生整備であるべきであると考えますが、ぜひ区長のお考えをお聞かせください。
○酒井区長 哲学堂公園が持つ本来的な価値を高める整備を行うとともに、ユニバーサルデザインへの対応など、利用者の利便性も考慮した再生整備を行いたいと考えております。再生整備計画の策定に当たっては、区民に愛される公園を目指して、意見交換などを行い、利用者の目線に立った整備を進めてまいりたいと考えております。
○ひやま委員 次に、国による羽田空港機能強化問題について質問いたします。
本年8月、国は、羽田空港機能強化の名のもとに、国際線の発着回数を年間で3万9,000回増加させるため、都内上空を超低空で飛行する新飛行ルートの運用を来年の3月29日から開始することを発表いたしました。この新飛行ルートには、南風の場合の15時から19時までの4時間について中野区上空を通過するものが含まれております。
この問題については、これまで一般質問においても取り上げ、また我が会派としても区に要望書を提出するなど、一貫して計画の見直しを求めてまいりました。このまま計画どおり進んでしまいますと、来週からは中野区の上空を旅客機が超低空で飛行することとなります。今回の新飛行ルートは、万が一の重大事故や騒音、落下物などさまざまな懸念が指摘されており、区民の生活にも極めて深刻な影響を与える可能性のある問題ですので、改めて区の考え方をお聞きいたします。
まず、今回の新飛行ルートに関して、中野区上空を通過する際の飛行経路の概要についてお示しください。
○波多江環境課長 新飛行ルートですけれども、南風のときの15時から19時までのうちの約3時間、中野区の上空を高度約1,200メートルから徐々に高度を落としながら北側から南側へ航空機が通り、羽田空港の並行する二つの滑走路であるA滑走路及びC滑走路へ着陸することとなっており、1時間当たり合わせて約44回飛行するとされております。二つあるルートのうち、一つは、丸山から野方、中野、新中野の上空を通り渋谷へ抜けることとなっており、1時間当たり約14回、もう一つのルートは、好天時には落合、東中野を通り新宿へ抜け、悪天時には江原町から東中野を通り新宿へ抜けるルートでございます。1時間当たり約30回の飛行となるということでございます。
○ひやま委員 中野区上空を通過するのは南風時ということでありますが、では、年間でこの南風はどれくらい吹いているものなのでしょうか。年間の南風運用の見込みについて教えてください。
○波多江環境課長 南風時の運用につきましては、全体の飛行割合の約4割であるとされております。
○ひやま委員 年間の南風運用比率は4割。つまり、来年の3月からは、年間で約146日間、15時から19時までの時間帯で1時間当たり最大44回も飛行機が中野区の上空を超低空で飛ぶことになります。これは区民生活にも大きな影響を与える問題であります。
では、懸念される問題を具体的にお聞きしていきます。
まずは、騒音の問題です。新飛行ルートにより、中野区ではどの程度の騒音が発生する見込みなのでしょうか。
○波多江環境課長 機種によって異なるということでございますが、当該航空機が中野区上空を通過する際には58デシベルから70デシベル程度とされてございます。
○ひやま委員 東京都では、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例において、騒音と振動について、他の規制基準が適用される場合を除き、規制基準を定めています。中野区において騒音の規制基準はどのように定めておりますでしょうか。
○波多江環境課長 東京都の環境確保条例が規定する騒音規制の業務は、事務処理特例条例により特別区が行うこととされており、当該基準に基づき中野区も騒音規制を行っているところでございます。
○ひやま委員 では、新飛行ルートの運用により予想される騒音は、その規制基準に照らし合わせた際に基準を下回っているのでしょうか。
○波多江環境課長 東京都の環境確保条例が規定する騒音の規制基準は、用途地域や時間帯によって異なるものですけれども、中野区上空を航空機が通過する時間帯においては、45デシベルから60デシベルとなっております。航空機騒音は規制基準値より大きい場合があると考えられます。
なお、当該基準は航空機騒音に適用しないため、環境省が定めた航空機騒音に係る環境基準により評価することとなります。
○ひやま委員 騒音の問題に関してもう一つ懸念しているのが、気象条件等によって騒音のレベルも変わってくるのではないかという点です。といいますのも、先ほど飛行高度の御説明がありましたけれども、気象条件等によってはさらに低い高度になる可能性はあるのでしょうか。
○波多江環境課長 国の追加対策により、視界が良好な場合の飛行高度は高くなりましたが、気象条件によっては数十メートル低くなる場合もあるとされております。
なお、突発的に発生するダウンバーストと呼ばれる下降気流のために航空機の高度が急激に低くなる事象については、現在はほぼ回避できる体制になっていると聞いてございます。
○ひやま委員 そうすると、気象条件等によってはさらに低い高度になる可能性があると。そうなると、騒音のレベルもさらに大きくなってくるのではないかと思いますが、それは区の騒音の規制基準には抵触しないのでしょうか。
○波多江環境課長 さきに述べたとおり、工場の騒音や生活騒音などとは異なり、航空機騒音については東京都の環境確保条例の規制基準が適用されず、環境省が定めた環境基準と比較することとされております。航空機騒音の環境基準値は、用途地域により57デシベル、また62デシベルとなっていますが、評価に当たっては1日における航空機騒音の平均値を用いることとされ、中野区上空を航空機が通過する時間帯が15時から19時までであるため、環境基準には適合すると思われます。
○ひやま委員 騒音に加えまして区民生活に大きな影響を与える可能性があるものとして落下物の問題があります。
平成28年に長妻昭衆議院議員が提出した航空機からの落下物に関する質問主意書によると、過去10年の全国の航空機落下物の事案は何件あるのかとの質問に対し、政府答弁では、平成21年4月1日から平成28年10月31日までに本邦航空運送事業者等から受けた報告の件数は437件との答弁がありました。落下物が437件も発生しております。これは全国の数字であります。
では、今回の羽田空港を離発着する航空機による落下物事案、これは東京都内で何件発生していますか。
○波多江環境課長 羽田空港における落下物の事故は、2008年から2017年の10年間において発生しておりません。
○ひやま委員 落下物で多いのが、飛行機の部品のほかに、氷の塊、氷塊があります。成田空港株式会社によりますと、成田空港では航空機からの落下物で多いのが氷塊です。この氷塊は、着陸直前の車輪を下げる際に落ちやすいため、成田空港株式会社では航空会社に洋上で下げるように対策を進めてきました。しかし、新ルートでは、着陸前に洋上を通らず、都心の上空で車輪を下げることになります。先ほども申し上げましたが、氷塊は車輪を下げる際に落ちやすいと言われております。中野区上空で航空機が車輪を下げる地点になるというのはあるのでしょうか。
○波多江環境課長 車輪を含む脚部は高度300メートルまでには出す必要があるとされていますけれども、中野区上空は高度1,000メートル程度での通過となるため、一般的には車輪を出すことはないと想定されています。
○ひやま委員 従来の海から入って海から出るという飛行ルートであれば洋上で車輪を下げることができますが、新飛行ルートでは都心の上空で車輪を下げることになりますので、氷塊が住宅地や繁華街を直撃するおそれがあります。もちろん氷塊のみならず飛行機の部品が落ちてくるというリスクもあります。
先ほどの長妻代議士の質問主意書で、過去どれくらいの大きさの落下物が確認されているのかについても政府にただしました。政府の答弁では、平成18年度から平成27年度までの過去10年間において、空港周辺において国土交通省が航空機からの落下物であるとして確認したものとして最も大きいのが、平成20年5月に千葉県香取市で確認された落下物で、大きさが縦約1メートル47センチ、横1メートル26センチ、重量約12キロです。10キロを超える落下物が実際に上空から落ちているわけであります。このケースでは、落下したのが恐らく農地で、ビニールの破損という被害でした。しかし、もしこれが都心で発生した場合を考えると、極めて深刻な被害が生じる可能性があります。新飛行ルートによる落下物のリスクについて区の見解をお示しください。
○波多江環境課長 航空機からの部品や氷塊といった落下物については、国土交通省が落下物対策パッケージを策定し、世界に類を見ない落下物対策基準を全ての航空会社に義務付けをしております。さらに、落下物につながり得る事例に関して原因究明を行い、これに対する対策を地道に積み重ね、未然防止に着実に成果を上げていると聞いてございます。そのことを踏まえ、区としても、国が引き続き落下物対策を着実に進め、国の判断と責任において取り組むよう要望しており、その状況について注視をしていきたいと考えております。
○ひやま委員 これらの騒音、落下物、これらのほかに最も懸念されていますのが重大事故です。
航空機が離陸してから上昇中の3分間、そして着陸に向けて降下中の8分間、これを合わせた11分間は航空関係者の間でクリティカルイレブンミニッツ(魔の11分)と呼ばれています。飛行高度が低い地表付近は気象が変化しやすいことに加え、鳥も多く、操縦士の作業もふえ、管制官との連絡も多くなることから、ヒューマンエラーが起こりやすいとされています。実際、ボーイング社の統計によりますと、1959年から1995年までに起きた航空事故のうち、2割が離陸時、5割は着陸時に発生しています。
平成28年の私の一般質問で、中野区上空の飛行ルートがこの魔の11分に含まれているのかをただしたところ、区からは、国土交通省に確認したところ、確かに中野区を含む東京都内は着陸降下中の8分間に含まれるとの答弁でありました。
改めて確認いたしますが、新飛行ルートの中で中野区上空はいわゆる魔の11分に含まれているということでよろしいでしょうか。
○波多江環境課長 中野区上空を飛行するのは、飛行機が着陸降下中の8分間ということで、含まれてございます。
○ひやま委員 2009年、アメリカでUSエアウェイズ1549便不時着水事故が発生しました。この事故はハドソン川の奇跡とも言われ、数年前に映画にもなりましたので、御存じの方もおられるかもしれません。この事故も魔の11分で発生しています。原因はバードストライクと呼ばれるもので、鳥がエンジンに突っ込み、両エンジンが停止するという事態に陥りました。結果として、機体はハドソン川に不時着水し、乗員乗客155人全員が無事に生還したことから、ハドソン川の奇跡と呼ばれるようになりました。しかし、ハドソン川は川幅が1キロ以上もある大河だからこそ不時着水が可能であったわけであります。
妙正寺川、江古田川、神田川、善福寺川、区内を流れるどこの川も川幅1キロはありません。中野区ではハドソン川の奇跡は起きないんです。万が一、中野区上空で重大事故が発生した場合は、極めて甚大な被害が生じるおそれがあります。人間のやることですから絶対はありません。新飛行ルートによる重大事故のリスクについて区はどのようにお考えなのでしょうか。
○波多江環境課長 区としても、航空機の重大事故はあってはならないことと考えております。羽田空港機能強化は、国の責任及び判断において決定したことから、中野区は、国による重大事故のリスクを軽減する取り組みについて、注視をしていきたいと考えてございます。
○ひやま委員 この問題に関して、平成26年8月に東京都が羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会を設置しました。中野区も構成員であると聞いておりますが、この連絡会の概要について御説明をお願いします。
○波多江環境課長 羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会は、首都圏空港の機能強化に伴い、国から提示される羽田空港の機能強化方策に係る課題等について、東京都並びに特別区及び区部周辺市で情報共有や意見交換を行い、国が設置する首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会に反映させることを目的として設置をされているものでございます。
○ひやま委員 中野区としては、これまでこの連絡会において国に対してどのような意見、要望を示してきたのでしょうか。
○波多江環境課長 これまで連絡会には、平成27年度に住民説明を丁寧に行うこと、また平成28年度には安全確保策や環境影響への配慮への継続的な検討を行うこと、直近では本年5月に丁寧な説明、情報提供、飛行経路の安全確保や騒音抑制、騒音の定期測定とその情報の公表について、連絡会を通じて要望を提出したものでございます。
○ひやま委員 今回の新飛行ルートに関しては、地元の理解は得られたと判断したというふうに国は言っております。しかし、実際に地元を回りますと、理解したという方はほとんどおられません。それどころか、そんな計画が来年から始まることを知らない方が大変多くいらっしゃいます。
単刀直入にお聞きしますが、こうした状況の中で、中野区としては今回の新飛行ルートに関して区民の理解を得られたというふうにお考えなのでしょうか。
○波多江環境課長 中野区として区民への周知が十分とは考えておりませんので、引き続き区民への丁寧な説明を求める意見を国土交通省に提出をしているところです。国からは、新飛行ルートの運用開始に向け、引き続き住民に対して丁寧な説明をするとの回答を得たところでございます。
○ひやま委員 このままでいきますと、来年の3月から実際に中野区の上空を飛行機が超低空で飛び始めるということになります。恐らく実際に飛び始めて大変驚かれる区民も多いと思います。
この新飛行ルートによる飛行はいつまで続く見込みなのでしょうか。
○波多江環境課長 新飛行ルートでの運用がいつまで継続されるかは明らかではございませんが、国は、騒音軽減等の観点から、新飛行ルートに関して継続的に検討するとしているところでございます。
○ひやま委員 ここまで羽田空港機能強化に伴う新飛行ルートに関してさまざまな懸念を指摘させていただきました。騒音、落下物、重大事故、さらにはテロの危険性に至るまで、これらのリスクを考えると、新飛行ルートは大きな禍根を残すものであり、到底受け入れられるものではありません。
今回の羽田空港機能強化の目的について、国は経済成長、インバウンドを強調いたします。それらの全てを否定するものではありませんが、それらの名のもとに区民の安心と安全が脅かされることがあっては絶対になりません。
国は、先月末から小型のセスナ機でテスト飛行を実施しています。来年1月下旬以降には、実機によるテスト飛行を実施すると聞いております。これらのテスト飛行の結果、区民の安心・安全を確保することができないということであれば、区として新飛行ルートの見直し、あるいは中止を国に求めていくべきであります。区の見解をお示しください。
○波多江環境課長 新飛行ルートは、国の責任と判断で決定したものでございまして、今後、新飛行経路の運用に当たっては、さまざまな安全対策や騒音抑制等の対策を講じるとしてございます。区としては、まずはその取り組みを注視していきたいと考えているところでございます。
○ひやま委員 以上で私の全ての質疑を終えます。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上でひやま隆委員の質疑を終了します。
次に、久保りか委員、質疑をどうぞ。
○久保委員 公明党議員団の3番手として質問に立たせていただきます。久保りかでございます。よろしくお願いいたします。
質問は通告どおりで、その他で1点、社会保険労務士出張相談についてお伺いをいたします。
白井幹事長が30年度決算を通じての将来予測について全体観に立った質問を、南議員が国民健康保険特別会計や流用についてを、既にお二人が大事な質問は行っていますので、私は少し自由な角度で質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、平成30年度歳入歳出決算について、歳入についてお伺いをいたします。
初めに、特別区民税について伺います。
平成30年度は、これまで行っていた一斉臨戸徴収を中止し、臨戸徴収に対応していた時間と職員の労力を滞納の未然防止と納付促進の早期着手や滞納整理の強化などに充て収納率向上に取り組んだとのことでありますが、その効果はどうであったのか、伺います。
○矢島税務課長 一斉臨戸徴収を中止し、財産調査や滞納処分を強化しました結果、平成30年10月から12月の3カ月間の滞納処分件数は869件で、前年度に比べ105件増、収入額として2,400万円の増収ができ、収納率の向上に寄与できたと考えております。また、滞納整理専門員の経験と知識による財産調査及び捜索等を実施し、専門的知識の向上に取り組むOJTの機会とすることができました。
○久保委員 前期は、私、区民委員会におりましたので、その際の質疑のことも反映して取り組んでくださったのではないかと思っております。
資料、徴収に要したコストを見ると、特別区税徴収に要したコストは平成28年度、平成29年度と比較をいたしますと増加をしております。滞納整理との関係をどのように考えていらっしゃるのか、伺います。
○矢島税務課長 平成30年度のコストは、職員の超過勤務手当削減に取り組んだものの、滞納整理支援システムのリプレース経費及び滞納整理専門員の報酬の増により、対前年比152万8,000円の増となりました。しかし、滞納整理支援システムの有効活用や滞納整理専門員による困難案件の処理などにより効率的な滞納処分が実施できたと考えており、収入額及び収入率もこれに伴って向上しております。
○久保委員 不納欠損額の推移を見ると年々減少していて、滞納整理の強化など収納率向上に努めた結果があらわれています。しかし、解消されたわけではありません。滞納繰越分の対調定収入率は37.1%、この結果について担当課長はどう分析をしているのでしょうか。また、次年度、不納欠損のおそれがある滞納繰越未済額はどの程度と見込まれているのか、伺います。
○矢島税務課長 滞納整理専門員を活用した徹底した財産調査に基づく差し押さえや、滞納処分ができる財産がないことが明らかになった案件の執行停止など、滞納処分の強化を図り、全体調定額に占める滞納繰り越しの割合を圧縮することができました。一方、高額案件の滞納処分は進んでおりますが、1人当たりの滞納額が低い層が数多く残留している影響から、収入率に結びつけることができず、今後の課題として早急な取り組みの必要性を認識したところでございます。
次年度の不納欠損のおそれがある滞納繰越未済額は、1億8,000万円程度と見込んでおります。
○久保委員 1億8,000万程度ということで、その辺を前後しているのかなと思いますけれども、やはりなかなかここまで来ちゃうと徴収するのは大変なんだと思うので、そこのところを今後どうなさるかということで、今、分析も伺いました。今まで手をつけることができていなかった滞納者を対象に徴収を強化すべきであるとは考えますけれども、区民5の資料にありますように、滞納額では比較的1人当たりの滞納額が低い段階に集中をしております。徴収するのが本当に難しい対象者ではないかなと思うんですけれども、その点についてはどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
○矢島税務課長 従来の収納率向上対策は高額案件の処理を中心とし、滞納額が少額のものにつきましては処分が進まなかったため、滞納者及び滞納額が多く発生しているところでございます。今後は、滞納繰越額が少額なものに対する徴収の強化を図り、財産調査の徹底と差し押さえ等の滞納処分を積極的に取り組んでまいります。
○久保委員 特別区民税は前年度比4億7,835万9,000円の増となっております。またさらなるこの徴収に取り組んでいただきますようお願いをいたします。大変厳しい方たちを相手にすることになるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
次に、健康福祉費受託収入、予防接種の収入未済について伺います。
中野区民以外の予防接種受託収入、収入未済額2,458万4,265円で、対調定収入率は67.2%です。本来収入率が100%であるべき受託収入が平成30年度には収入未済額があるのはなぜなのか、理由をお伺いします。
○水口保健予防課長 予防接種受託収入につきましては、他区への請求において設定した締め切りが遅かったため、入金の処理が出納閉鎖に間に合わず、一部が平成30年度未済になってしまったものです。
○久保委員 今とても大変なことをおっしゃったと思うんですね。出納閉鎖期間を過ぎまして次年度送りになってしまうということになるかと思います。ましてや、他区は出納閉鎖期間内に中野区のほうに歳出として出していると。こちらの受け取るところが出納閉鎖期間を過ぎてしまったということでございますね。
この次年度送りになってしまった歳入についてはどのように取り扱われるのでしょうか、お伺いいたします。
○浅川会計室長 出納閉鎖までに歳入計上がなされず、やむなく収入未済になったものについては、中野区会計事務規則第46条の規定に基づきまして、翌月、ですからこの場合6月10日までということになりますけれども、収入未済繰り越しを行いまして、翌年度の歳入として取り扱うことになります。
○久保委員 平成30年度は、出納閉鎖期間に10連休もございましたり、元号も変わって事務手続は大変注意が必要であったのではないかなと思うんですけれども、会計室としてはどのような注意を促してきたのか、伺います。
○浅川会計室長 3月上旬、各所属長宛て、会計管理者名の通知、平成30年度末及び平成31年度初めにおける各種出納事務等についてという文書を発出いたしまして、会計事務を遺漏なく行うため、特に注意すべき点等について、所属内での周知徹底を依頼したところでございます。
○久保委員 会計室からは各部にきちっと注意は促されていたということだと思いますけれども、実際には、ここのところでは、収入未済2,458万4,265円ということが起きております。担当のほうにお伺いしましたところ、大変この時期は激務であったというふうにも伺っておりますけれども、しかし、これ、ミスはミスでございます。こういったミスが二度と起こらないように、組織としてしっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、何か御答弁があればお願いいたします。なければ、お願いということでもう終わりますが。
○浅川会計室長 今後とも、歳入歳出ともしっかり会計年度におさまるように、周知徹底を進めてまいりたいと思います。
○久保委員 基本中の基本であると思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、諸収入について何点か伺います。
主要施策の成果にあります性質別内訳の一般財源の諸収入1億円とは何なのか、お伺いいたします。
○森財政課長 こちらの諸収入1億円でございますが、特別区競馬組合からの分配金でございます。
○久保委員 この分配金というのは毎年収入があるべきものではないのでしょうか。平成29年度は決算額ゼロと示されているのはなぜなのか、お伺いいたします。
○石濱総務課長 特別区競馬組合の分配金でございますが、特別区競馬組合における議決に基づき各区に分配されるものでございます。平成28年度までは特別区競馬組合における決算認定年度に各区に分配されておりましたが、平成29年度からは決算認定年度の翌年度に分配されることとなりました。このため、平成29年度の分配金は0円となったものでございます。
○久保委員 他区では29年度に収入としているところもありますけれども、それはなぜなのでしょうか。
○石濱総務課長 平成28年度に特別区競馬組合が議決しました分配金につきましては、特別区において、平成28年度と平成29年度にそれぞれ5,000万円ずつの歳入とするか、平成28年度に一括して1億円の歳入とするか、これにつきまして各区の任意とされました。中野区では平成28年度の歳入として一括して受け入れたものでございます。
○久保委員 選択することができたということで、中野区としては、平成28年度に平成29年度分と想定される分も、1億円を収入したということだと思います。性質別内訳で見る一般財源の諸収入は、この1億円だけとなっております。
次に、特定財源の諸収入、雑入について何点かお伺いをいたします。
厚生分科会分担分の雑入、予算現額8,579万3,000円、調定額2億9,333万2,516円、不納欠損額2,795万8,966円、収入未済額1億6,834万7,224円、対予算収入率113.1%であるのに、対調定収入率は33.1%となっております。
子ども文教分科会分担分、雑入、予算現額74万1,000円、調定額3,982万6,543円、収入済額2,200万7,951円、不納欠損21万7,160円、収入未済額1,660万1,432円、対予算収入率2,970%、実際には対調定収入率55.3%、著しく収入率が低いものもあります。中には、生活保護費及び各種福祉手当返還金など、徴収するのが困難なものが多く含まれております。詳細はここでは伺いませんが、関心のある方は分科会でお尋ねになってください。
雑入については、予算現額と調定額に大きな開きがあります。そのため、予算収入率が高いものでも、対調定収入率は極めて低いものも含まれています。実は徴収すべきものができていないのにもかかわらず、予算収入率が高いというのが実態です。実態をわかりやすく示す必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○浅川会計室長 私からは、中野区各会計歳入歳出決算説明書の取りまとめを行う立場からお答えをさせていただきます。
決算説明書への記載については、少しでもわかりやすいものになるよう、毎年度努めているところでございます。雑入の記載につきましては、毎年度継続して収入計上される項目は年度間比較がしやすいよう整理する、その年度特有のものは個別に項目を記載するなど、記載方法を工夫しているところでございますが、雑入という科目の性質上、大変細々とした多種多様な収入をまとめているため、さらに各項目ごとの詳細な記載をすることは必ずしもわかりやすさにつながらない等の難しさがあると考えているところでございます。
○久保委員 そうですね、ここでどこまで示せるかというのは大変難しいところだと思います。ただ、やはり調定を立てて収入ができていないものがどの程度あるのか、それに対して本当にこの予算の立て方自体が適切であったのかというところも私は今感じているところでございますので、その辺もきちっと見ていただきたいなと思います。
総務分科会分担分、雑入、対予算収入率115%、対調定収入率100%となっております。中野二丁目土地区画整理事業の施行に伴う区有物件旧堀江高齢者福祉センターに係る物件補償、これ、なぜ雑入に入っているんでしょうか、お伺いいたします。
○森財政課長 お尋ねの物件補償に係る歳入科目につきましては、雑入以外の節区分に該当しないということで、雑入に計上したものでございます。
○久保委員 この物件補償については、収入後どうなさったんでしょうか、伺います。
○森財政課長 財政調整基金に積み立てたものでございます。
○久保委員 この物件補償、なぜ財政調整基金に積まれたんでしょうか。本来の目的からすれば、社会福祉施設整備基金に積むべきではないかと思います。財政調整基金に積むという判断は、誰がどういった基準をもとに行ったのか、お伺いいたします。
○森財政課長 旧堀江高齢者福祉センター、こちらについては、普通財産の売却代金ということではなく、物件補償ということでの歳入でございます。ということから、使途の制限のない財政調整基金に積み立てることが適当と判断したものでございまして、こちらについては、平成30年度の第4次の一般会計の補正予算のほうに区として判断をして計上したということでございます。
○久保委員 さきに紹介をいたしましたように、この物件補償は特定財源でございます。本来財政調整基金に積むべき財源であったのではないんじゃないかなと私は考えます。何でもこの財政調整基金に積むと、都合よく利用するというような、そういうふうにも見えてしまうんですけれども、そうではないんでしょうか、御見解を伺います。
○森財政課長 何でもということではなくて、今回の件については、繰り返しになりますが、売却代金ではないと、いわゆる物件の補償としての歳入というようなことの考えから、使途の制限がない、幅広くという考えで、財政調整基金に積み立てたといったようなことでございます。
○久保委員 多分、同じ答弁の繰り返しになっちゃうと思うんですけれども、物件補償というのがそもそも何であったのかなということをちょっと私としては感じておりまして、やはりこの堀江の高齢者福祉センターに対してのものであると思うと、それは社会福祉施設整備基金というのが適当であったんじゃないかなと思うんです。そうやって思いますと、そのときそのときの判断で財政調整基金に積む積まないという、そういった判断をされるんでしょうか。逆に言ったら、これは財政調整基金ではなくて社会福祉整備の基金のほうに積めると、そういったこともあるんですか。
○森財政課長 今回については、繰り返しになりますが、財政調整基金に積むという判断をして、これについては、考え方については、適切だったろうというふうに思っております。この財政調整基金だけではなくて他の特定目的基金の積み立てですね、そういったものについては、しっかり考え方を持って、積み立てということ、基金の運用ということについてはやっていきたいと考えております。
○久保委員 なので、社会福祉施設整備基金に積むこともできたんですか。
○森財政課長 今回の件につきましては、財政調整基金に積み立てたという考え方で整理をしたものでございますので、社会福祉施設整備の基金に積み立てるという考え方はなくて、財調に積むという考え方をとったものでございます。
○久保委員 今回は。できたのかできなかったのかと、そこだけ教えてください。
○森財政課長 さまざまな状況に応じて、その時々に応じて、その考え方によって、財調以外の──考え方を踏まえて別の特定目的基金に積むということの考え方ということはあり得るだろうなとは思います。
○久保委員 ここまでにしておきますけれども、私たちから見てお金に色がついていないものですから、それがどこに流れていっているのかというのがわからなかったりするんですね。この決算書をめくりながら議会としては審査をしておりまして、今回のこの決算の認定において、これが不適切な処理だというふうに思っているわけではありません。ただ、やはり財政調整基金のあり方ということを考えますと、積む際の方策といいますか、そういったものがやっぱりきちっと示されていくべきではないかなということを思っておりますので、その辺のところをやはり、今後議会に対してもきちっとわかりやすくお示しをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○森財政課長 基金への積み立ての考え方、議会に対して、区民に対してもでございますが、お示しをして、しっかり御議論いただきたいと考えております。
○久保委員 よろしくお願いいたします。
次に、行政評価についてお伺いをいたします。
国や自治体の進める事業が効果的かを数値などの指標でつかんで次の予算づくりに生かす作業であります。中野区におきましては、平成12年度の試行後、平成13年度より本格実施となっています。
初めに、平成30年度に認証の取り下げを決定したISO14001について伺います。環境管理の国際規格ISO14001の認証を取得した自治体が認証を返上するケースがふえております。イメージアップや経費節減の効果はありますけれども、外部審査機関に支払う高額な費用がネックになることや、数年の取り組みで節減効果が頭打ちになるためと考えられております。
区では、平成18年度に国際標準化機構(ISO)が定めた環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得し、環境に配慮した区政運営を進めてきましたが、認証取得後12年が経過をし、環境マネジメントシステムの運用が定着してきたことから、認証の有効期限である平成31年の3月8日をもってISO14001の認証を取り下げております。
今後は区の独自の環境マネジメントで行っていくということであるそうですけれども、この独自の環境マネジメントの信頼性というのがあるのでしょうか、お伺いをいたします。
○波多江環境課長 平成19年の3月にISO14001の認証を取得してから12年が経過し、環境マネジメントシステムの運用が定着したことをもって、平成31年3月8日をもって認証を取り下げたという経過がございます。
今年度からエコオフィス活動に特化して環境マネジメントシステムの運用を開始して、電気、ガス、水道、コピープリンターの使用量や、廃棄物排出量の削減目標を設定し、各職場において工夫しながら取り組みを行ってございます。
○久保委員 しっかりこの環境マネジメントシステムに取り組んでいくということで、要するに信頼性はあるんですね。ISOの認証取得を取り下げてしまっても、区としての今御説明をいただいたような形で、これは信頼性に耐え得るものだと、そういうことでよろしいですね。
○波多江環境課長 区内の職場を中心にした環境マネジメントシステムということで、実際に使用している電気やガス、水道等の使用量をしっかりと各職場で削減をしていくという努力で取り組みをしていくということで、この新しい取り組みについては、しっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○久保委員 一方で、入札契約制度の評価項目には、CSRの観点から、高齢者、障害者の雇用状況、災害協力などと、ISO取得など環境への配慮というのが明記をされております。この点について、区が認証を取り下げたことは、矛盾は生じないのでしょうか、お伺いをいたします。
○吉沢用地経理課長 区では、総合評価方式や企画提案公募型事業者選定、いわゆるプロポーザルの評価基準の中で、事業者の環境マネジメントシステムの取り組みでもありますISO14001の取得を加点要素としております。これは、国のガイドラインで総合評価方式の評価項目実例として示されておりまして、区としましても、企業の施工能力等を判断する指標としているところでございます。
加点をすることの変更については、現状、考えておりませんが、今後もISO14001の取得、環境マネジメントシステムの取り組みに対する社会的な有効性につきまして、注視してまいりたいというふうに考えております。
○久保委員 すみません、この後のこと、伺っていなかったんですけれども、事業者が環境に配慮する取り組みというものをしているというその判断基準が一つこのISOの取得というところだったと思うんですけれども、注視をしていくというところでしたが、そういった取り組みがきちっと目に見えた形で示されていると、そういったことがわかったならば、ここのところも加点に通じるような形になることもあるのでしょうか。
○吉沢用地経理課長 そのように認識してございます。
○久保委員 行政評価の人事分野に関連して何点かお伺いいたします。
行政評価の組織・人事には、「職員の能力が最大限発揮される人事管理」と示されております。中野区の新公会計改革基本方針において、発生主義会計に基づく財務情報を行政評価に活用することを計画しています。事業別、施設別といったセグメント別の財務書類を作成し、経常的なコストと資産形成に係るコストを分析して、よりコストを意識した行政評価を実施していくとのことです。
内部評価の精度を高めていくためには、専門的な知見で評価するスキルを身につけていく必要があるのではないかと思います。専門家による職員研修を充実させていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺いいたします。
○高村業務改善課長 行政評価の実効性を向上するためにも、事業の評価に一層シフトし、事業の効果を測定・検証できるようにする必要があると考えてございます。そして、そのためには、施設別、事業別など、財務分析の活用も有効であるかと認識しております。したがって、今年度、財務分析を行政評価に反映する手法などについて、専門家による研修の実施を予定しているところでございます。今後も、財務分析活用をはじめ、専門家による指導や助言を受けながら、効率的に事業の効果を測定・評価できるように工夫していきたいと考えております。
○久保委員 よろしくお願いいたします。
行政評価では、分野及び施策などの単位では、従事した職員の給料などの人件費を加算します。決算数値とは合致しない場合があります。
ここでは決算での人件費についてお聞きをしてまいります。
人件費における流用件数が平成30年度は全体で89件、流用額は3億10万3,000円、項間流用は59件、流用額は2億5,167万9,000円となっています。同一項間内での流用が認められているとは言っても多過ぎるんじゃないでしょうかね。なぜ人件費の流用件数が増加しているのか、お伺いいたします。
○中谷職員課長 予算を編成する際、地方自治法の規定により、目的別に款や項に区分しなければならないということから、職員の給料や各種手当等の人件費につきましても、款や項に区分をして計上しているところでございます。実際の職員の給料等の額は一人ひとり異なりますので、予算積算を行う12月から1月ごろにはその時点での見込み額で計上するしかないのですが、4月以降、実際の人員配置に基づく人件費との見込み差が生じてしまうこととなってございます。ある程度余裕を持った予算額とすれば流用の件数を減らすことはできますが、その分が執行残となってしまいますので、他の事業で活用することができなくなってしまうため、人件費全体で金額を精査し、予算積算を行っているところでございます。そうしたことや、超過勤務手当の執行額がふえているといったことから、人件費の流用がふえている状況にございます。
○久保委員 例えば、他の費目に対し流用を行い人件費分が減額をされたにもかかわらず、人件費に係る不用額が多額な場合があります。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか、お伺いいたします。また、人件費の全体での不用額は平成30年度幾らだったのか、伺います。
○中谷職員課長 まず、各款の関係人経費の不用額を合計しますと約8億円余りでございまして、非常に多く感じられると思いますが、予算現額が約210億円程度のため、執行率は約96%でございます。人件費の予算規模からすると、見込み差により一定程度の執行残が出てしまうことはやむを得ないと考えています。
最初の御質問で、流用したにもかかわらず大きな執行残が出ている部分につきまして、こちらも款ごとに細かく予算積算をしていることから出てしまう見込み差によるものというふうに受けとめてございます。
○久保委員 細かく予算積算をしているからという御説明だったんですけれども、この人件費の予算の立て方自体を改善するということはできないんですか。
○中谷職員課長 他区の中には、予算編成時に人件費を款や項に区分せず一括して計上している区もありますが、東京都から指導を受けているといったことも聞いてございます。そうしたことが法解釈上問題がないのであれば、流用の件数を減らしたり、またよりタイトに予算を積算できると思いますので、中野区でもそうした手法により人件費の予算編成を工夫できないか検討していきたいと考えてございます。
○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。
私は、人件費の流用というのは、その理由をいろいろ考えてみたんですね。さまざま心配をしていたんですね。本当にこの人事でよかったんだろうかとかですね。例えば、当初の予定と違って事務量が膨大になったりとか、病欠が出たりとか、いろいろ思っていたんですけれども、実態は違ったんだなということがわかりました。
中野区の有能な職員の能力が住民福祉の向上のために最大限発揮をされるように、また、本当に職員課長、頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、施設白書についてお伺いいたします。平成30年度改定がされた施設白書について伺います。
平成30年度予算では、施設マネジメント187万3,000円が予算計上されています。しかし、決算ではオリ・パラ分から流用されているにもかかわらず、執行率は37.6%、決算説明書には施設白書印刷費も示されておりません。これはどういうことなのでしょうか、伺います。
○杉本企画課長 事務事業、施設マネジメントにつきましては、事業に要した経費の総額を区有地等活用検討費等として記載したものでございます。執行額の内訳としましては、区有地等の活用検討に当たっての資料として作成をいたしました施設白書の印刷費が79万8,714円、中野区施設白書挿図用地図データ作成委託費が6万5,880円でございます。執行率が低い理由でございますが、未利用となる区有地や区有施設につきまして、民間活力の導入可能性を調査するために計上した委託料150万円が未執行であったためでございます。
○久保委員 決算説明書には施設白書の印刷費と書いていないんですよね。
今、施設の検討委託は実施されなくて全額未執行であったというふうに伺いましたが、なぜなんですか。
○杉本企画課長 区有地等の活用検討委託は、3施設分の検討ができるように委託料を計上しておりましたが、基本構想の改定や新しい基本計画の策定に向けまして、施設整備のあり方を大きく見直すこととしたためでございます。
○久保委員 今後の基本計画策定のためにも、予定どおりに3施設の検討を行うべきじゃなかったのかなと私は思うんですよね。
平成30年度予算で質問いたしました中野区保健所の売却計画や廃止後の使途目的の決まっていない旧西中野保育園など、こういったものがたくさんあるわけですけれども、そういったことについてはどうなっているんですか。
○杉本企画課長 中野区保健所及び旧西中野保育園跡地につきましては、それぞれの活用策と想定しておりました新区役所庁舎内への移転、保育所等の整備が変更となったため、今後、新しい基本計画の策定の過程で検討することを考えてございます。
○久保委員 今回の施設白書と平成26年度作成の施設白書の相違点は何なのか、伺います。
○杉本企画課長 本年作成いたしました施設白書は、基礎データを直近の情報へ修正したほか、土地、建物については一体的な情報管理ができるよう、土地情報を新たに追加いたしました。また、施設の類型ごとにコスト比較ができるよう、各施設の管理に係る費用を加え、内容の充実を図ったものでございます。
○久保委員 これ、委託とかではなくて、区の職員がしっかりおやりになったというふうに伺っておりますけれども、公共施設総合管理計画、今後の基本構想・基本計画の策定を待ってこれは改定されるんですか。
○杉本企画課長 公共施設総合管理計画の改定につきましては、基本計画とあわせて検討していく予定でございまして、改定の時期につきましては、基本計画の進捗状況を見ながら、適切な時期を検討してまいります。
○久保委員 現在の公共施設総合管理計画の基本的な方針については、大きく変わる可能性はあるんでしょうか、伺います。
○杉本企画課長 公共施設等総合管理計画の改定に当たりましては、現在の方針を大きく変えることは考えてございませんけれども、国の動向や最新の手法等について情報を収集して検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○久保委員 現在のこの方針というのは、民間活力の活用、区有施設の集約化・複合化、効果的・効率的な施設整備の推進、適切な改修・保全の推進、資産の有効活用というふうになっているんですね。やはりこういったものを今後おつくりになろうと思っているんだとしたら、なおさら予算で決められたことをきちっとおやりになる、施設のこの検討を進めていかなくてはいけなかったのではないかなというふうに思います。
現在、公共施設総合管理計画に示された情報共有の方策の進捗状況はどうなっているのか、伺います。
○杉本企画課長 施設、土地に関する基本情報の共有につきましては、公有財産台帳及び固定資産台帳のデータを全庁的に公開しまして利用できるようにしてございます。また、施設の利用状況や維持管理に要している経費に係る情報につきましては、本年2月に策定しました施設白書によって全庁的に共有してございます。施設ごとの修繕や点検の履歴などのデータを共有するためのシステムの構築につきましては、今後、実施に向けた検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○久保委員 専門家の知見を有した公会計、公共施設管理計画の策定の必要性についてはどう考えているんでしょうか、伺います。
○森財政課長 公会計により作成しました財務書類の分析や活用、また、公共施設総合管理計画の策定に際して、公会計や地方財政に関し知見を有する公認会計士などから事業の方向性等について助言を得ながら実施していくということについては、有用と考えております。ですので、検討していきたいと考えております。
○久保委員 これからの施設のあり方を考えるには官民連携が欠かせませんけれども、官民連携指針についての検討は進んでいるのでしょうか、お伺いいたします。
○杉本企画課長 区では、令和2年度に多様な官民連携を推進するための指針を策定することとしてございまして、指針には、施設整備等に関する官民連携の手法についても盛り込んでいきたいと考えてございます。
○久保委員 先日、国土交通省と内閣府は、地方公共団体が検討中の官民連携事業について、民間事業者との対話の場を11月22日から全国6ブロックで開催しますとの発表がありました。地方公共団体が検討中の官民連携事業の案件登録も継続して行っていくということです。区としてこういった場の活用はされているのか、伺います。
○杉本企画課長 公共施設整備に当たりまして、民間事業者が持つアイデアや意見を取り入れることは大変重要であるというふうに認識してございまして、その手法について研究し、区の施設整備への活用についても今後検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○久保委員 昨日、サウンディング調査を取り入れた広町みらい公園が開園の運びとなりました。今後も効果的な官民連携をしっかり進めていただきたいとお願いいたしまして、この項の質問を終わります。
学校再編についてお伺いいたします。
現在改築の進む美鳩小、旧大和小学校、中野東中、旧第十中学校、みなみの小学校、この解体費の解体にかかった費用はそれぞれ幾らか、伺います。
○塚本子ども教育施設課長 3校の解体工事費でございます。まず、旧大和小学校でございますが、こちらは約3億3,086万円、旧第十中学校、こちらの解体費は約2億5,265万円、旧中野神明小学校、こちらにつきましては約2億1,816万円となってございます。
○久保委員 旧大和小の解体費の額が他校と比較をして大きいのはなぜなのでしょうか、お伺いいたします。
○塚本子ども教育施設課長 旧大和小学校でございますが、こちらの敷地につきましては、道幅が狭い道路しか接道してございません。そうしたことから、大型車両の乗り入れなどが困難となってございまして、他の学校と比較しましても作業効率が劣ってしまっている。また、妙正寺川に隣接した弱い地盤であることから、旧大和小学校につきましては地中杭が施工されてございました。こちらの杭の撤去費用もあわせて必要となったことなどから、他の学校と比較して高額となってございます。
○久保委員 今のお話を伺うと、旧若宮小学校はもっとかかるんじゃないかなと思うんですね。平成27年第4回定例会の子ども文教委員会にて、区立小・中学校の施設整備方法についての報告がありました。現在建設中なので、大規模改修と改築とのこの費用を当時の説明と単純に比較をすることはできないかと思いますけれども、解体に関する諸条件、建設に関する建設資材や人件費などの高騰、当初の予想を上回る学校建設費になることは間違いないと考えますけれども、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○塚本子ども教育施設課長 平成27年と比較いたしましても、建築資材価格でありますとか、公共工事に関する労務単価、こういったものが上昇してございます。したがいまして、学校建設費につきましても当時の想定額を上回るものと考えてございます。
○久保委員 さきの一般質問で、木村議員が旧若宮小に建設予定の第四中学校・第八中学校の統合新校新校舎について質問をいたしました。旧若宮小の擁壁に関する課題が判明をしたのはいつなのか、伺います。
○塚本子ども教育施設課長 現美鳩小学校、旧若宮小学校でございますが、こちらの擁壁に関する課題につきましては、中野区立小・中学校再編計画、こちらを策定した当初から認識をしていたところでございます。ただし、こちらの擁壁の取り扱いの方針を定めるためには、具体的な新校舎整備の内容を決定した上で、この擁壁が新校舎整備にどのように影響を及ぼすものか、そういったものを検証する必要がございます。そのため、今年度策定いたしました第四中学校・第八中学校統合新校校舎等整備基本構想・基本計画、こちらにおきまして新校舎の基本的な配置が決定いたしましたことから、その校舎配置を踏まえた既存擁壁の安全性、こちらを調査するとともに、仮に擁壁の新設が必要となった場合の施工方法でありますとか工期、そういったものにつきましても具体的な確認を現在進めているところでございます。
○久保委員 今御案内がありました基本構想・基本計画なんですけれども、敷地周辺の擁壁調査を行い擁壁整備の手法等を検討する、地盤の状況を建物特性を考慮し基礎形式の選定を行うというふうに書かれていますね。擁壁の状態などは、実際に工事に取りかかってみなければ、建設にどれだけの時間とコストを要するのかわからないと、そういったことも出てくるということでしょうか、お伺いいたします。
○塚本子ども教育施設課長 現在進めてございます擁壁の調査、そして設計の作業によりまして、具体的な建設コストですとか期間については算出できるものと考えてございます。その後、実際に建設工事に着手する際には、その間の社会情勢ですとか経済状況の変化、あるいは既存建物の解体時に発生する地中埋設物、そういったものの状況によりまして、あるいは、近隣で行われる他の工事、そういった状況も含めまして、今回算出したコスト、あるいはスケジュールについても、変更が生じる可能性もあるものと考えてございます。
○久保委員 変更が生じる可能性があるわけです。現在、校舎の下を流れる妙正寺川の河川改修工事、これも大幅な延期がされていることと考えますと、中学校建設というのは予定どおりには進まないのではないかなと考えておりますけれども、その辺はいかがですか。
○塚本子ども教育施設課長 現美鳩小学校のこちらの解体工事、そして第四中学校・第八中学校の新校舎建設工事に当たりましては、工事車両の動線といたしまして、妙正寺川の橋梁、橋を使用することになってございます。こちらは、東京都が実施している河川改修工事、こちらの影響を大きく受けることになるかと考えてございます。実際に東京都が実施する河川改修工事の時期によっては、新校舎の建築スケジュールにおいてもおくれが生じる、そういった可能性があるものと考えてございます。
○久保委員 中学校の3年間の中で、学校の位置が確定されていないとか、いつ学校が開校されるのかわからないというのは、生徒たちに対して非常に学校生活に負担を強いるものではないかなというふうに私は心配をしています。
今のお話だと、スケジュールはおくれるのは当たり前だというふうに思っていらっしゃるんじゃないかなと感じるんですね。当初の計画どおり新校舎と統合を同時にスタートすべきではないかなと思いますけれども、早期に再編スケジュールの延期や見直しを行うべきではないかと思いますが、いかがですか。
○伊藤学校再編・地域連携担当課長 第四中学校と第八中学校の統合と新校舎移転を同時とすることは、第八中学校の生徒が第四中学校に2年間通学することが解消されることから、一定のメリットがあると考えてございます。一方で、統合と新校舎移転を同時に行うということは、第八中学校跡地に計画している鷺宮小学校と西中野小学校の統合新校舎の改築の時期がおくれるという結果になることから、慎重に検討する必要があり、教育委員会内で議論して早急に結論を出していきたいと考えてございます。
○久保委員 平成27年当初から──ずっとその答弁なんですよ。鷺宮と西中野の統合のこともあるからというようなことなんですけれども、第八中学校の跡地のこの鷺宮、西中野の統合の前に、北中野の改築の仮校舎として第八中学校を活用したほうが、そのほうが効率いいんじゃないかなと思いますし、小学校の校舎建設についてもじっくり検討してもいいのではないかなと思いますけれども、区の御見解を伺います。
○伊藤学校再編・地域連携担当課長 第四中学校と第八中学校の統合時期によっては、小・中学校の再編のスケジュールが、そのとおりに進まない事態も想定されることでございます。現美鳩小学校の擁壁や地盤の調査結果が工事期間延長となった場合には、再編スケジュールの延期と見直しについて、教育委員会内で議論して早急に結論を出したいと考えてございます。
○久保委員 進学の準備ですとか、いろいろありますよね。なので、本当に決断するときは速やかに、きちっと関係者に御報告をするということが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
今、この学校再編の中で、小・中連携の枠組みですとか、また来年度からは中学校によります特別支援教育のほうもいろいろ変わってくることがございます。そういう中で、やはり学校再編計画が変わっていく中での影響というのも多分に考えられますので、しっかりと配慮していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業についてお伺いをいたします。
資料を作成していただきました。平成27年度途中よりスタートいたしました産後ケア事業も順調な伸びを示していると考えております。この事業の成果についてどう評価をしているのか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 年々、産後ケア事業の受託事業者数も増加し、あわせて利用者数もふえております。利用後のアンケートからは、心と体の疲れが軽減できた、育児の相談ができて安心した、不安、悩みが解消できて育児に自信がついたなどの意見が得られておりますし、利用者の満足度も9割以上と高いものとなっており、妊産婦の心身の健康保持、増進が図られているものと評価しております。
○久保委員 産後ケア事業については、公明党として党全体で取り組んできた子育て支援の柱ともなる重要な事業であります。一般質問でも今年度終了予定の東京都のゆりかご・とうきょう事業について質問がありましたけれども、現在、都議会公明党を通じまして、私どもも東京都に継続を求めております。
中野区の妊娠・出産・子育てトータルケア事業における東京都の事業費は幾らなのか、伺います。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 平成30年度のゆりかご・とうきょう事業の補助額は5,359万3,000円でございます。
○久保委員 さきの一般質問の中では、この事業が、東京都の事業費がなくなっても、一般財源でもやるというような御答弁もあったかと思います。
今年度、かんがるープランを立てる際に役立つかんがるーブックが作成をされております。厚生委員の皆様には既に配付がされておりますけれども、これまで、かんがるー面接での産後ケア事業の説明がわかりにくい、不十分、利用者目線に立っていないなど、御意見をいただいてまいりました。この点について、かんがるーブックの活用など、面接にどう役立てていくのでしょうか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 かんがるー面接では、妊娠中期から後期の方へ、出産を迎えるに当たりさまざまな不安解消のサポートをするため、利用できるサービスや参加できる事業について、それぞれの事業のチラシを用いて紹介や説明を行ってまいりました。これら複数のチラシを今回の1冊の冊子にまとめたかんがるーブックは、かんがるー面接で使用するとともに、持ち帰っていただくことで、面接終了後にも妊娠・出産・子育てトータルケア事業全体のガイドブックとして活用していただけると考えております。
○久保委員 年度内に妊娠20週でかんがるー面接を受ける妊産婦には、出産は次年度以降になる方もいらっしゃいます。次年度以降の産後ケアの利用についてはどう対応していくつもりなのか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 産前産後の子育て支援は、ますます重要な取り組みとなってきており、区としては、都の動向に注視しまして、積極的に情報収集をしているところでございます。令和2年度の予算編成に当たりましては、事業の継続や見直し、拡充について検討しているところでございます。次年度以降に出産をされる、11月以降にかんがるー面接を受ける方には、御不安がないように説明をする必要があると考えておりまして、早急に対応したいと考えております。
○久保委員 11月といってもすぐでございますので、やはり次年度以降出産をされる方たちが安心していただけるように、きちっとこの取り組みは進めていただきたいと思います。
一方、かんがるー面接の予約は、個々に電話でアポをとるという形式になっています。連携がとりにくく、折り返し電話をするなど利用者にも負担があります。また、委託をしている事業者は専門職でありまして、テレアポに時間を割くのは本来の役割には不向きではないかと考えます。例えばメールやLINEによる通知を行い、ホームページ上のカレンダーで予約をしていただくなど、申し込みに関する事務の簡素化も図るべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 電話をかけた際に妊娠に関する御相談を受けることもございますので、現在専門職が電話をかけておりますが、かんがるー面接を知るきっかけの約4割がすこやか福祉センターからの電話となっておりまして、電話をかけることが面接の勧奨ともなっております。ただ、簡易な申し込み方法の必要性は十分認識しておりますので、今後研究してまいりたいと思っております。
○久保委員 町田市では、子育て支援サイトに母子健康手帳アプリが置かれ、母子健康手帳と連動した取り組みが進められております。他の自治体でもこのアプリの導入が進められております。かんがるーブックの効果的な活用とともに、動画による情報提供など、母子健康手帳アプリと連動した子育て支援サイトの充実を図っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○神谷子育て支援課長 子育て家庭の多くがホームページなどの電子媒体から情報を収集している実態があることから、母子手帳アプリや子育て支援サイトの活用など、他自治体の事例も踏まえまして、子育てに係る情報をわかりやすく、きめ細かく発信する仕組みについて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○久保委員 かねてから我が会派では母子健康手帳の電子化ということを訴えてきておりますので、ぜひともそこのところもきちっと視野に入れて充実を図っていただきたいと思います。
最も重要なことは、必要な人に必要なサービスが届くということであります。面接時に適切な案内やアドバイスが行われることが大切でありますし、そもそもかんがるー面接を専門職に委託をしている目的の一つは、支援が必要な妊婦に面接し継続的に支援をしていく仕組みにつなげていくということだと思います。
かんがるー面接から保健師につながり、継続的な支援を行っているハイリスク妊婦はどれだけいるのでしょうか、伺います。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 継続的な支援を行っている方は、平成30年度で申し上げますと、358名いらっしゃいました。
○久保委員 かんがるー面接が2,440件と伺っておりますので、そのうちの358件がつながってきたということだと思います。
産後ケアが期間内に利用できなかった早産などによる未熟児、障害児、また多胎児への期間延長や回数の加算なども検討していく必要がありますけれども、要綱に掲げる区長の認める産後ケア利用延長とはどのような内容で、実績はあるのでしょうか、伺います。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 保健師が母子フォローしていく中で、養育上サービスを利用することが必要であると判断した場合などの理由による期間延長を想定しておりますが、これまで適用した事例はございません。
○久保委員 適用されていないということです。
早産などによる未熟児、多胎児への期間延長というのは進められているというふうに伺っておりますけれども、障害児も対象とすべきであると考えます。また、未熟児、多胎児、障害児への回数の加算なども検討をしていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 出産後の入院が通常より長くなった場合については、利用可能期間を退院日より6カ月とするなど、期間の延長を現在行っているところではございますが、利用回数の加算については、他区の状況も考慮しながら今後検討してまいりたいと思っております。
○久保委員 他区の事例があるかどうかは、私もきちっと調査をしておりませんので、しっかりこういった本当に必要な方に必要な形で届くようにということを検討していただきたいと思います。
また、産後ケアを利用する際の移動支援についても切実な要望が届いております。出産後半年以下の乳児を連れて外出するのは大変であります。産後ケアは歩いて行かれる近所で受けられる方ばかりではありません。移動支援についても検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 移動支援につきましては、多子のお子さんを持つ方からの要望として認識をしているところでございます。利用対象者であるとか経費など、事業スキームの十分な検討が必要であることから、今後研究をしてまいりたいと考えております。
○久保委員 以前から我が会派で求めておりました健診の際に絵本を渡すブックスタートについてお伺いをしようと思いましたが、今年度よりこんにちは赤ちゃん訪問でこちらを渡しているということがわかりました。こういった動向も踏まえまして、改めてブックスタートについてはお聞きをしようと思います。
この項の最後に、お母さんに抱っこされた状態でたった数秒で近視、遠視、乱視などの異常を検出することが可能な検査機器スポットビジョンスクリーナーの導入についてお伺いをいたします。
弱視の原因としては、屈折異常や斜視、不同視などがありますが、3歳児健診でこれらが見逃された場合に、治療がおくれ、十分な視力が得られないとの指摘がなされております。早期にスポットビジョンスクリーナーを導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 スポットビジョンスクリーナーにつきましては、簡単な操作により目の機能異常を測定できる機器として、医療機関への設置以外にも、千代田区や練馬区など3歳児健診において既に導入されている自治体もあると伺っております。中野区におきましても、今後、3歳児健診への導入について検討したいと考えております。
○山本委員長 久保委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。
午後3時00分休憩
午後3時20分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。久保委員、質疑をどうぞ。
○久保委員 次に、防災対策についてお伺いをいたします。
質問に先立ちまして、台風15号、また台風17号で被害に遭われました方々にお見舞いを申し上げます。
平成30年度決算、防災費の防災リーダーの養成316万6,470円、30年度は30人登録者の実績があります。
初めに、中野区防災リーダーの役割についてお伺いいたします。
○山田防災担当課長 防災リーダーは、区民一人ひとりの防災力向上のため、いわば防災の知恵袋として、平時から地域住民に対して適切な指導やアドバイスができる人材を区が平成28年度から独自に育成を図っているものです。平時は、地域の自主防災訓練などの企画立案を行うとともに、訓練の実施に際しては、防災資機材の使用方法の指導などを行っています。災害時は、初期消火活動や救出救護活動などの地域防災会の活動支援やアドバイスを行うなど、防災会役員の補佐役を担うものでございます。
○久保委員 防災会と町会との違いについては、担当はどのように認識されていますか。
○山田防災担当課長 町会は、都市内の一部分において、その住民によって組織されている親睦、共通の利益の促進、地域自治のための任意の団体であり、一部は地方自治法に規定される認可地縁団体であると認識しています。また、防災会は、災害対策基本法に規定される自主防災組織としての地域住民による任意の組織であると認識しています。実際には、各町会・自治会の内部に防災部などとして位置付けられているものが大半でございます。
○久保委員 そうですね、大体町会の中の方、また自治会の方が防災についても御尽力いただいているというのが実態だと思います。
実際には地域防災会と連携のとれていない防災リーダーもいると伺っております。区の定める防災リーダーの役割を発揮してもらうためにも、平時、災害発生時の地域での防災リーダーの役割について具体的に示す必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○山田防災担当課長 一部の防災会や防災リーダーの方々からは、訓練手法についての意見の相違など、相互の連携について課題があると聞いております。区では、防災リーダーに対する年8回のフォローアップ講座の開催などに加え、防災リーダー事務局を設置し、他の防災リーダーの取り組みを共有するなど、活動しやすい環境の整備を行っているところです。今後、関係者からの意見を踏まえつつ、地域防災会と防災リーダーの効果的な連携方策の研究、検討を強化していきたいと思います。
○久保委員 やっぱり平常時に連携がとれていない人が、突然この防災リーダーだということで、防災会の方たちと一緒に活動するというのは難しいと思うんですね。やはり区が防災リーダーということで育成をしている、養成をしているわけですから、本当に地域で活躍ができる、そういった形で防災のリーダーの養成を進めていただかなければもったいないことになってしまいますし、防災会の方たちにも本当に御理解をいただけるように、そこはやはり間に入ってきちっと、防災担当がやっていただくしかないかと思いますけれども、事務局としてお願いをしたいと思っております。
防災資材倉庫には、軽可搬ポンプ、小型発電機、投光器、組み立て式リヤカー、車椅子、担架などの資機材がございます。そのうち、小型発電機は停電時に活用のできる資機材です。防災倉庫の小型発電機は、基本的には投光器用であると防災会の方にお伺いいたしましたけれども、小型発電機の役割についてお伺いをいたします。
○山田防災担当課長 小型発電機は投光器用として配備しており、夜間の照明機器として使用できるほか、発電能力の範囲内で他の電気機器にも活用可能であると考えております。
○久保委員 他の利用目的もあるわけですよね。多分これは、防災資機材の点検をするときに投光器と発電機というのをセットで動かしているので、そのようなふうに思われている方も多くいらっしゃるのかなと思います。
防災資機材の投光器はハロゲンタイプです。LEDライト投光器ですとか、また消防団が現在使用しておりますバルーンLEDライトなど、省エネで長寿命、ハイパワーのタイプもふえてきております。投光器を入れかえる際にはLEDライトのものに変更すべきと考えますが、いかがですか、お伺いいたします。
○山田防災担当課長 現在、投光器の更新に合わせて年10機ほどLEDライトのものに切りかえを行っているところでございます。
○久保委員 これはどのぐらいかかって全ての防災資機材を入れかえるんですか。
○山田防災担当課長 発動発電機が137機総計であります。年10機ということで、昨年から始めましたので、13年かかる予定でございます。
○久保委員 13年、長いですね。これ、もう少し短縮でできるようにしていただきたいと思いますけど、いかがですか。
○山田防災担当課長 年間の更新個数については今後研究をさせていただきたいと思います。
○久保委員 カセットガスを利用した発電機の設置状況と防災会への貸し出しについてお伺いいたします。
区民活動センターには2台のカセットガスタイプの発電機が設置をされているとのことです。地域防災会への貸し出しは可能でしょうか、お伺いいたします。
○山田防災担当課長 カセットガスを利用した発電機は、各区民センターに2機、合計30機配備しております。防災会などへの貸し出しについては、区民活動センターで行っております。
○久保委員 行っているんですか。現在行われているんですか。
○山田防災担当課長 可能ということで、現在まだ実績はございません。
○久保委員 行っていないと思います。防災会の方たちもこの存在を認識していなかったので、ほかにも認識していなかった方おいでになられると思いますけれども、やはりこういったことも周知が必要ではないかと思います。
カセットガスタイプの発電機を防災庫の防災会資機材としても検討すべきと考えますけれども、いかがですか。
○山田防災担当課長 防災会の一部では、防災資機材庫の収納スペースに余裕がなく、新たな防災資機材の配布に対応できない現状も見られることから、各防災会の意見を踏まえつつ、導入の可能性について今後研究していきたいと考えております。
○久保委員 発電機の使用の仕方ということで、今回、停電の際に発電機の利用による事故というのが相次いでいるということを伺っております。そういったときにも、先ほど資機材の点検ですとか使い方というのも防災リーダーの役割の中に入っているようですけれども、そういうことを通してきちっとこの防災リーダーの役割を示していったほうがいいんじゃないかと思いますけれども、その辺いかがですか。
○山田防災担当課長 先ほどの答弁とかぶりますが、年8回フォローアップ講習をやっております。その中で防災資機材の使用方法等も教養をやっているところでございます。
○久保委員
なので、使い方を知っている方が使い方がわかっていない方に対して指導すると、そういう役割も担っていくようにという思いで防災リーダーというのは養成されていると思うんですよ。ですので、やっているだけではなくて、やれる現場をつくっていくというのが事務局としての役割なんじゃないかなと思うんですけれども、そこのところ、きちっと今後どのように取り組んでいかれるかということをお伺いしたいです。
○山田防災担当課長 防災リーダーにつきましては、先ほどと重なりますけど、フォローアップ講座の中で防災リーダーの役割、また、地域防災会の要望等も事務局で聞いております。それを踏まえまして、積極的に地域防災会に対して顔を出して指導できる環境、また指導できる場所を自分からアプローチしてくれというような形で指導しております。
○久保委員 ちょっとハードルが高いようなお話かなと思いますけれども、やはりきちっと、養成されている方が何だかわからない、全然知らない方が地域で防災リーダーになっているというようなことがあります。それだと、やはり防災会の方たちも、防災リーダーに対して信頼していいのかどうかわからなくなります。それをきちっと橋渡しをするというのも事務局の役割だと思うんです。ということを踏まえてお伺いをしております。
かつて我が会派の小林秀明議員が、防災備蓄に牽引式車椅子補助装置を加えることを提案させていただきました。災害時に車椅子避難を迅速に行うために必要な補助装置であると考えます。防災会で購入を検討しているとのお話も伺いますが、区として防災資機材に加えることを検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○山田防災担当課長 牽引式車椅子補助装置については、車椅子を安全かつ容易に牽引できる搬送資材として認識をしております。答弁が重なりますが、防災会によっては、防災資機材庫の収納スペースに余裕がなく、新たな防災資材の配布に対応できない現状も見られることから、各防災会の意見を踏まえつつ、導入の可能性について研究していきたいと考えております。
○久保委員 防災会の中では、御自分たちでいろいろ購入をしたいと思っていても、区のほうからの防災会に費用というか予算でやりくりができなくて、何をどういうふうにしていったらいいかという優先順序を大変悩まれている場合がございます。この辺もしっかり区として防災会と連携を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。防災のほうの質問は終わりました。
次に、子ども・若者計画についてお伺いいたします。この質問につきましては、30年度決算から少し離れますけれども、お許しください。
平成28年度予算総括質疑にて子ども・若者計画の策定を提案。その際、若者の相談サイトの立ち上げや相談できる環境を自治体の責任として整備しておくことも必要である、将来的には子ども・若者総合相談センターとして必要な情報提供や助言を行う拠点整備が必要ではないかと提案をしてまいりました。その際、事業を推進する組織については、子ども・若者育成支援推進法における子ども、若者の年齢の範囲は、乳幼児期から30代までを広く対象としています。中野区の事業部に置きかえてみても、単独の事業部だけでは、子ども、若者に対する切れ目ない支援に対し対応できるものではなく、全庁的な体制が必要でありますなど御答弁をいただいております。
その後、子ども、若者に対する切れ目ない支援はどのように進められたのでしょうか。現在の子ども・若者支援に対する区の体制がどうなっているのか、伺います。
○伊藤育成活動推進課長 子どもと若者を取り巻く環境に係る課題に対応するためには、子どもから高齢者まで全ての区民を地域で支える切れ目のない包括ケアシステムによる総合的な支援が必要であると認識してございます。現在は、子どもや若者のそれぞれの課題に応じて、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センター、生活援護課などが連携して対応を行っているところでございます。令和3年度に設置予定の(仮称)総合子どもセンターでは、若者支援に関する専門窓口を新たに設置し、相談支援を総合的に行うこととしてございます。
○久保委員 そのときに初めてこの若者という形での支援体制といいますか、区の担当所管といいますか、そういったものが確定をしていくということですか。
○伊藤育成活動推進課長 そうですね。総合子どもセンターの中で、若者というところで対応していきたいというところで考えてございます。
○久保委員 突然聞いてすみませんでしたね。申しわけないです。要は、組織としての体制を構築されていないということなんだと思います。
また、子ども・若者計画についてもそのとき提案をさせていただいておりますけれども、区として、そのとき大変消極的な、研究していくというような御答弁だったわけですが、その後どのような研究、検討がなされたのか、お伺いいたします。
○伊藤育成活動推進課長 区では、平成30年3月に中間の見直しを行った子ども・子育て支援事業計画において、子ども期から若者期までにおける総合的な支援体制の構築のため、(仮称)総合子どもセンターの機能の一つとして、若者支援機能を設置することといたしてございます。
○久保委員 若者支援機能を設置したんですね。それは何歳までの若者ですか。
○伊藤育成活動推進課長 基本的には、若者というところで、一応18歳までで、それ以降に関しては、ひきこもり等の対応が求められる若者に対しても対応していくということ。
○小田子ども家庭支援担当部長 今、すみません、対象年齢のところだけちょっと答弁を訂正させていただきます。39歳まで、基本的には30代までということで対象を考えているところでございます。
○久保委員 ありがとうございます。やっぱり担当が決定していないから多分こんなことになるのかなと。30代までとなっているわけですからね。
先日の総括質疑では、南議員が8050問題を取り上げる予定でございました。現在の8050問題は親世代にしても深刻な問題です。今後は子どもが50代になる以前の早い段階からのこの支援というのが必要ではないかと考えます。
不登校、発達障害など、青少年期よりコミュニケーションに課題を抱える人が、その後、ひきこもり等になり、社会から孤立をしてしまうケースが多く見受けられます。切れ目のない支援、つながりをどうつくっていくのか、どこが担っていくのかと。そのためには、教育センターや子ども家庭支援センター、すこやか福祉センター、また社会福祉協議会ですね、連携を図る体制が必要であります。計画策定を柱に、関係各所が連携を図り、子どもから若者を対象とした施策を積み上げていくことが重要であると考えます。
他区でも、さまざま今子ども・若者計画の推進ということを進めているところでございます。中野区としても、子ども・若者計画の策定について積極的に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○伊藤育成活動推進課長 社会生活を営む上でさまざまな困難を有する子どもや若者の支援のため、福祉、教育、雇用など関連分野における施策を総合的に行うことについて現在検討を行っている、全世代、全区民に発展させた新しい地域包括ケアシステムを構築する中で検討していきたいと考えてございます。
○久保委員 すみません、全世代型の地域包括ケアシステムの中で子ども・若者計画も、それも入れていくということですか。単独の子ども・若者計画とはしない。それはどちらですか。
○伊藤育成活動推進課長 今の答弁でございますけれども、全体の中で今後ちょっと計画を検討していきたいなと考えてございます。
○久保委員 子ども・若者計画としては策定はしない。地域包括ケアシステムの全体的な中でつくっていく。そういうことでよろしいんですか。それはどうなんですか。考え方を示してください。
○山本委員長 休憩します。
午後3時39分休憩
午後3時39分開議
○山本委員長 再開します。
○小田子ども家庭支援担当部長 単独の子ども・若者計画という御提案でございますけれども、今現在、課長のほうから答弁させていただきました全世代、全区民に発展させた新たな地域包括ケアシステムを検討している状況でございまして、その中でどのような計画の盛り込みができるかということにつきましても検討させていただきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 よろしくお願いいたします。
すみません、今のところで時間を消化してしまいまして、その他に行くことができませんでしたので、改めてこの社会保険労務士による出張相談については御質問をどこかでさせていただきたいと思っております。
今回、取材を行う中で、各部、各課、また前任者との情報共有ですとか、また連携の悪さというのを私は垣間見ることが多々ありました。やはり庁内の関係所管がしっかりと連携を図っていかなければ、今後の区政運営というのはどうなのかなと心配をされる部分もあるかと思います。さまざまこの決算総括質疑で受けていただきました課題につきまして、全力でまた取り組んでいただきたいことをお願いいたしまして、私の総括質疑、終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了します。
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 総括質疑を始めさせていただきます。自民党4番目、本日最後の質疑となります。よろしくお願いいたします。
先ほどもいでい委員からも話がありましたけれども、先日、館山市に災害復興で行きました。現地に行きましてさまざまな声を聞いてきました。しかし、ちょっと質問通告していなかったために、その質問に対しましてはあす登板の高橋ちあき委員にその番を譲りたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
新たな基本構想に関しましては、もうその災害現場を見てより強く思いましたけれども、災害に強い安全・安心のまちづくりは当たり前のこと、郷土愛を育むことも当たり前であります。その目標実現のために何をすべきか、そういったところがこの基本構想の中に必要なのではないかということで、自民党並びに私の考えを訴えさせていただきながら質問をさせていただきたいと思います。
質問は通告どおりで、2の今後のまちづくりを鑑みた新しい中野区基本構想については最後にさせていただきます。その他はございません。
それでは、1、平成30年度決算について、田中前区政の予算案に対する変更点が現在の区政の方向性をうかがい知れるものだと思っておりました。いろいろ質問したかったんですけれども、既にいろいろ皆さん質問されているので、ペンペン草を刈り取るだけの質問をさせていただきます。
本決算で突出していますのは、もともと33億円としていた起債をゼロに抑え、また基金が減ったことであります。これまでの答弁で、今後も起債においては、公債費負担比率上限10%、財調基金は年度間調整で景気の変動に耐え得る予算を150億円に確保しながらの財政運営ということはお伺いしました。
平成31年度の予算特別委員会で私から指摘させていただきましたけれども、その当初予算では、令和5年までに、たった5年間で起債残高を791億円にして公債比率を9.7%とする、過去最大の借金地獄となる予算案方針はいまだも変わっていないということでよろしいでしょうか。
○森財政課長 施設建設等の際には、従来から財政負担の平準化と世代間負担の公平化に配慮いたしまして、基金と起債をバランスよく活用して進めていくということにしております。
起債については、今、委員お話しありましたように、中野区方式の公債費負担比率を10%以内となるよう運用しているところでありまして、この考え方についての変更はないところでございます。
平成31年度予算編成につきましては、前年度よりも施設建設の事業計画がより明確になってきた段階におきまして、昨今の労務単価の見直しによる建設経費の増加などの状況変化や今後の経済の不確実性などが見込まれる中で、まちづくりや新区役所整備に当たっての一時的な財政負担などを進めていくために、より柔軟な財政運営を行えるよう、前年度計画よりも基金を増加させておく必要があると判断をして、このような対応を行ったというようなものでございます。
○加藤委員 この辺はほかの委員も指摘させていただきましたので、長々と言いませんけれども、目的基金などをちゃんと活用して、借金のみならず、バランスのいいものをしっかりとやっていただきたいということで、終わります。
それでは、次に、令和2年度中野区予算編成方針について、先日出てきましたけども、10月の消費税増税10%に伴う税制改正に触れておりますけれども、全体としての歳入はどのぐらい減少していくのか、その予測を教えてください。
○森財政課長 消費税10%段階におきまして、特別区長会事務局の試算によれば、区の影響額は、地方消費税交付金の清算基準の見直しについて21億円の減、法人住民税の一部国税化について44億円の減、合わせると65億円の減というふうになると試算されているものでございます。
○加藤委員 また、一部国税化された税収が国庫、そしてまた都支出金としてひも付きで幼児教育無償化に要する経費として補助されていくわけですけれども、それだけでは足りないということで、不足分が一財から持ち出しになってくると思いますけれども、この辺どのぐらい持ち出しが必要になってくると想定されているかを教えてください。すみません、あと、幼児無償化関連で増収分のほうも教えてください。
○森財政課長 現段階の試算でございますが、国庫支出金等の増などによりまして、歳入全体としては年間5億円ほど増収を想定しております。一般財源の事業の充当経費というところで言いますと、全体で言いますと、60億円ほどになります。ただ、歳入もふえてまいりますので、一般財源のほうの比較で言いますと、年間6,000万円程度減を想定しているところでございます。
○加藤委員 中村委員、白井委員も総務委員会の人口推計を用いた財政予測の資料について触れておりますが、私も1年前の決算で自分でグラフをつくったりして試算をしてまいりましたけれども、これから生産年齢人口が減ってくる中で、あの予測というのは増収分になっているわけですよ。その辺の予測が、恐らく中野区民の総数で予測されているのかなというふうにちょっと推測するところなんですけれども、その辺どうやって出したか、教えていただけますか。
○森財政課長 まず、特別区税については、人口推計を踏まえて、具体的にはいわゆる納税義務者数の推移などを踏まえながら推計をしておりまして、令和5年度をピークに右肩下がりの傾向を見込んでいるところでございます。ただ一方で、特別区交付金や地方消費税交付金などのその他の一般財源については、平成30年の経済財政諮問会議の提出資料の「中長期の経済財政に関する試算」に記載されている経済の伸び率ですね、その伸び率を参考として推計しておりまして、こういった交付金については微増と見込んでいるところでございます。この結果、総務委員会でお示しした一般財源の推計は、若干の右肩上がり、横ばいの傾向というふうになっているものでございます。
○加藤委員 令和5年度が生産年齢人口がピークで、その後、横ばいで、でも、一般財源としてはちょっと上がっているなというところで、ちょっと違和感あるんですけれども、もう少ししっかりとその辺、予測をやっていただきたいなと思います。
いずれにせよ、より厳しい数字というものが出てくると思っております。今後、区は、納税義務者数1人当たり納税額増加による歳入の増加、そして政策の削減、民間活用による歳出の抑制をするために、基本構想・基本計画、またそれに付随する個別計画を立案していく必要があると思います。
頭の体操になってしまいますけれども、歳出においては、サイゼリヤの社長の名言がありまして、「おいしいものはすぐ飽きる、でも、まずいものは食べたくない、だから、おいしくないけど、まずくないものを出すのが大事」というのがあるんですけど、こういった概念が行政運営に必要と考えております。行政が高級ワインとか高級肉を提供することはできないわけですよ。だから、まずくないもの出していかないといけない。だから、防災においては、設計外力以上の災害に対して、もうそれを守り切るディフェンス力はつけられないので、必ず命を守ると、こういった最低ラインを設定しているわけです。家財とか、そういったところは、減災でどれだけソフトでやっていくかというふうに考えていかないといけない。あらゆる行政サービスをそういうふうに考えていかないといけないのかなと考えているわけですけれども、区は今後のこの危機的な財政状況からどのように歳出を削減するのか、その考え方などについて教えていただけますでしょうか。
○森財政課長 歳出の削減につきましては、今後、行政評価、見直し、改善も検討しているところでございまして、行政評価により事業の課題を浮き彫りにしまして、見直し、改善により歳出を抑制していくということで考えておるものでございます。
○加藤委員 歳出、今までやってきた行政サービスをいきなり削るというのはかなり厳しいことだと思いますので、その辺はなかなか難しいところだとは思います。中野の明るい未来をつくっていくためには、そのためには民間活力が必要だと思っております。この辺はいでい委員も同じような話をしていましたけれども──というのは自民党の総意だというところであります。
そういった活用をしていくためにも、中野区基本構想からそういった思いを注入していくことがあると思っております。こういったものを決算のところから言わせていただきますが、基本構想については一番最後に触れさせていただきます。
それでは、公園行政についてお伺いいたします。
(1)広町みらい公園について。
昨日オープンした広町みらい公園ですが、2年前にサウンディング型市場調査を実施し、民間ノウハウを詰め込んだPFIの公園で、指定管理者を設けなければ赤字になる中野区の新たなスキームであります。地元ボランティア、民間会社と連携し、土日のみならず、平日も自然学習、音楽、運動、スポーツ、クラフトなどのイベントが開催され、中野区だけではなく、都市部における公園運営の試金石となるアミューズメントパークとも言える目玉事業だと考えております。
しかし、いかんせんちょっとアクセスが悪いということで、自動車、自転車、バス、それぞれの交通手段について検討をする必要があると思っております。昨日のグランドオープンのイベントにおきましても自転車がかなり多くありまして、恐らく指定されているという駐輪場を多くはみ出していたと思いますけれども、その辺、まずは自動車、自転車について、駐車場の拡充は可能か、お伺いいたします。
○細野公園緑地課長 広町みらい公園は、都市公園法上、近隣公園としての位置付けでございまして、主に近隣に居住する方の利用に供することを目的と考えています。したがって、車での来園は想定していないため、自動車駐車場を整備する予定は今のところございません。ただ、自転車の駐車場につきましては、現在、出入り口に34台整備しているところでございますが、昨日のように、委員おっしゃったように、イベント時について、臨時的対応も含めまして、今後の利用状況を見ながら、自転車駐車場の増設の必要性については検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 本当に何台かもわからないですけれども、完全に敷地内に入って、ボール遊びをしていいという広場に入れちゃって、きのうのオープンを見た限りだと、一般区民の方々は、ここはもう駐輪場として使っているのかなと誤解すらしてしまうようなところにいっぱい置かれていたので、今後、管理者がいるということで、いろいろと運営は可能だと思いますけれども、その辺、注意していただきたいと思います。
それでは、バスについて、一般質問で若林議員が路線変更やフィーダー交通について提案させていただいておりましたけれども、中野駅、中野通り、方南通り、こういったルートを行き交うような便があれば、中野南部で交通不都合が解消できて、また広町みらい公園に行きたいという人たちの双方の思いがかなっていくと思います。
そこで提案させていただきますけれども、現在運行中の中野駅、永福町行きというバスを──そのバスは中野通りを中野車庫から本郷通り、環七のほうに抜けていきますけれども、この便を、中野通りから南台交差点で方南通りへ右折する、こういったルートみたいなことができれば、今、南部高齢者会館とかを通っていた路線の便数が減ったところを補うことにもなると思いますけれども、そういったところ、バス事業者に協力をお願いしてみてはいかがでしょうか。
○安田交通政策課長 現在、京王バスと南部地域から新中野体育館へのバス路線の延長や増便について、バス事業者と話し合いを始めております。バス事業者においても、これらについて検討していただいているところでございますが、御質問の件につきましても、あわせてバス事業者に改めて伝えてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 よろしくお願いいたします。
それでは、(2)の公園再整備計画についてお伺いいたします。
さきの補正予算に含まれておりました公園遊具安全対策工事で、危険遊具への対応は無論実施すべきです。これまで中野区政は、財政難などもあったとは思いますけれども、既存公園に対して積極的に事を進めず、多くの遊具が現在の国交省基準を満たせなかったことは、議会としても反省すべきことなのかなとは思っております。しかし、公園の未来像、公園再整備計画が示されていない現在において、簡単に遊具を、対象のところを更新、再設置するということがちょっと看過しづらいなというふうに考えております。広町みらい公園や四季の森公園などと同じ機能の公園を幾つもつくれるわけではありません。つまり、地域ごとに公園の適正配置というものがあるのかなというふうに、そういったことを考えていく必要があると考えております。
遊具、ボール遊び、緑、憩いの場、防災機能など、各公園で重視するポイントをそれぞれ設定するなど、あと時間帯によってはボール遊びができるとか、そういった時間によってのルール設定なども検討ができるのかなと考えております。遊具の更新は、公園再整備計画が完成するまで待っていただきたいなというふうに思っております。公園再整備計画のスケールが小さくなってしまう──遊具を新しくリプレイスしてしまうとそれが足かせになってなかなか更新できなくなっちゃうのかなというふうに懸念するわけであります。
杉並区においては、公園づくり基本方針をことしの1月に制定しまして、公園の配置に関しましては、近隣自治体が設置する、管理する公園等、また生産緑地をはじめとする農地や公共施設(学校、体育館等)も含めて考えていきますというふうな基本方針を打ち出しております。機能に関しては、一休みできる公園、大きな広場がある公園、ボール遊びができる公園、健康づくり向けの公園などを、区民の声を捉え、地域単位で公園づくりを考えますとあります。ここで重要なのは地域単位ということであります。中野区も、杉並区の公園と共有される蚕糸の森公園のような配置であったり、生産緑地の利活用など、ドラスティックに公園行政を見直すことが必要だと考えております。
さきの建設委員会で私がそのような質問をさせていただきましたが、来年には公園再整備計画を出すということでありますけれども、遊具の更新をする際に、そういった考え方がなければ、いたずらに再整備全体をおくらせるどころか足かせができてしまうと思うんですけれども、その辺のところ、御担当としてはどのようにお考えでしょうか。
○細野公園緑地課長 公園再整備計画の具体的な内容については現在検討中でございまして、今年度中にはその考え方をお示ししたいと考えております。
一方で、今回、補正予算を提案させていただいた遊具の更新につきましては、国が示す遊具の安全確保に関する基準を確保することを目的に、法定点検結果によって安全性を速やかに確保したいというものでございまして、緊急対策として遊具の撤去、更新等を行っていくこととしたものでございます。その遊具の更新でございますが、区より設置について案をつくらせていただいて、地域へ意見を聞いていく考えでございますが、その具体的な方法につきましては、幅広く聞けるようさらに検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 再整備計画も今からつくっていくことでもありますので、その辺の概念みたいなものをできれば説明しながら、安全にしていかないといけないのももちろん大前提なんですけれども、その辺のグランドデザインを、公園行政のグランドデザインを示しながら、そういった整備をしっかりとしていただきたいなと思っております。
話がちょっと一転しますけれども、先日の台風15号で、中野区の公園の樹木の対応状況について教えてください。
○細野公園緑地課長 9月8日から9日の台風15号の強風により、公園樹木26本の倒木やその他枝折れなどの被害があり、それについて対応させていただきました。
なお、その当該樹木の処理は既に対応済みでございます。
○加藤委員 樹木を簡単に切るなというような声もありますけれども、樹齢などからもう倒れてしまうリスクを抱えている樹木というのは必ずあると思っております。そういったものを放置してけがなどしてしまった場合には完全に行政の不作為となるわけでありますので、そういったところに対応できるためにも、私が提案させていただいた樹木管理台帳とかを使ったりして、しっかりと公園の樹木の管理などを推し進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○細野公園緑地課長 昨年の台風24号による倒木被害を受けて、樹木の健全な育成を図り、樹木による事故を防止することを目的として、今年度から3年間かけて公園樹木と街路樹の緊急診断調査を行っているところでございます。
調査の内容につきましては、樹木管理台帳に反映をさせていただきますし、今後の適正な樹木の管理については、再整備計画の考え方にも盛り込む方向で検討したいと考えてございます。
○加藤委員 公園再整備計画にもしっかりと盛り込んでいただきたいとも思いますし、ちょっと樹木のそういった対応に関しましては、基本計画、再整備計画がすぐにできるわけでもないということなので、その辺は早急な対応もお願いしたいと思います。これでこの項の質問は終了させていただきます。
それでは、区内におけるドローン利活用について。中野区においても、国家戦略特別区域法の活用で、千葉県千葉市のような宅配ドローンのようなわくわくする社会実験が実施されればということで改めて質問させていただきます。
国立研究開発法人建築研究所は、ドローンとさまざまなセンサーを併用した非破壊、非接触検査を用いた建物診断技術の開発をしております。過疎地でのドローンの飛行は可能ですが、人口集中地区、DIDと呼ばれるエリアでは、飛行は技術的、法令的にも困難であり、建築研究所は都市部の自治体との連携を模索しております。
現在の外郭団体である建築研究所において、ドローンを用いた建物の非破壊診断検査を研究目的とした飛翔実験を行うこととしておりますが、本実験に区が協力した場合どのようなメリットがあるか、お伺いいたします。
○安田都市計画課長 中野区のような人口密集地区におけるドローンの飛行は原則禁止されており、許可を受けることが大変難しいと聞いてございます。ただし、こうした研究機関による実験で仮にドローンの活用ができれば、例えば公共施設や老朽マンション等に関して、足場を組まない調査、診断や土地建物現況調査など、利活用できるのではないかと考えてございます。
○加藤委員 人がそういった検査をするよりもドローンのほうが安全という、そういったキーワードがあって、それでプロジェクトが推進するような、そういった環境づくりみたいなのが必要かと思っております。また、そういったものがまちづくりに絡んでいくとなおさらいいのかなという、中野区の現状に照らし合わせてもいいのかなと思っております。
そこで、都市計画マスタープラン、住宅マスタープランなど、そういった技術革新もあって、その内容も更新していくべきなのかなと。このタイミングですから、そういったことが必要だと考えられます。将来、ドローンを活用することで、土地建物調査など中野区で最先端技術を磨きつつも、それらを生かせる都市計画を進めていただきたいと思いますが、御担当としてはどのようにお考えでしょうか。
○安田都市計画課長 精度の高い土地建物調査も可能でございまして、都市計画や土地利用計画、公共施設の維持管理、さらには災害対策においても有用であると考えます。ただし、航空法による厳格な飛行制限や許認可の取得、安全性とプライバシーへの配慮などの課題もあり、この点、研究機関に十分研究していただきたいと考えてございます。
○加藤委員 この調査、建築研究所は、サンプラザなどを対象にドローンの建物調査をできたらいいなというようなことを言っているようですけれども、今後解体が決まっている建物のデジタルアーカイブとして記録にすることも有用と考えますが、私が以前言わせていただいたノスタルジーの成仏としても一定の効果があるかなと思っております。ドローンで撮影された映像等を広く区民に見ていただけるように、区としてもその辺をぜひ企画していただきたいと考えますけど、いかがでしょうか。
○高村広聴・広報課長 区は、広報素材として、また後世に残す貴重な資料として、まちの移り変わりなどを画像とか映像で記録し、保存、活用できるようにすることが必要であると認識してございます。中野駅周辺の再整備や連続立体交差事業の実施に伴う西武新宿線沿線のまちづくりが進む中、中野のまちは大きく様変わりしようとしており、現在の姿や移り変わっていく様子を記録することが必要だと考えております。ドローンで撮影した中野サンプラザとその周辺の映像につきまして、肖像権が整い、利用することが可能となれば、広報素材として有効活用する方法を具体的に検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございます。ぜひそのような、わくわくするような実験を進めていただけたらなと思っております。
そうすると、サンプラザもそういったノスタルジー物件なわけですけれども、旧中野刑務所正門もあるかもしれませんし、この建物、区役所もそうですし、あと小・中学校とか、そういった区内施設も3Dポリゴンでデジタルアーカイブして、いつでも、どこでも、誰でも見られる──グーグルアースとかに載っけてしまえばいつでもそういうのが見られるのかなということで、区民が喜ぶ企画に発展していくのかと思いますので、その辺、その第一歩となる企画、もし進められることであれば、しっかりとやっていただけたらなと思いまして、この項の質問は終了させていただきます。
今後のまちづくりを鑑みた新しい中野区基本構想について、最後の質問にさせていただきます。
まちづくりを戦略と戦術に分けると、戦略は、基本構想・基本計画、都市計画マスタープラン、住宅マスタープラン、新しい中野をつくる10か年計画となるのではないかなと考えます。そうすると戦術は個別事業の計画実施になると思っております。
そして、都市マス、住マスの改定が迫ってきておりますけれども、酒井区政においては、その都市マスと住マスは、中野区基本構想・基本計画、新しい中野をつくる10か年計画と連動するものだと考えますけれども、その関係性とスケジュール感についてお伺いいたします。
○安田都市計画課長 基本構想と都市マス、住マスとの関係でございます。都市計画マスタープランも住宅マスタープランも、区の基本構想を上位計画としてございますから、整合性を図ることが求められます。したがいまして、改定スケジュールにつきましても、基本構想の改定状況を踏まえて手続を進めていくことになると考えてございます。
○加藤委員 それでは、中野区基本構想・基本計画があらゆる計画の最上位、川上にあるというような認識でよろしいですか。
○安田都市計画課長 そう考えてございます。
○加藤委員 戦略としてそういったところで基本構想が重要であるということがわかりました。
それでは、先に、戦術として個別事業の計画実施について、まちづくりの促進の足を引っ張りかねない事例についてちょっと指摘させていただきます。
まちづくりの計画のために道路の中心線などを測量しますが、まちづくりの進捗により土地、建物を登記する際に当初測量したデータが登記に使えない事例がありまして、再度測量して時間とお金を無駄にしている事例があると伺いましたけれども、それはどういったことなのか、お伺いいたします。
○千田まちづくり計画課長 まちづくり事業に伴う測量は、計画検討、計画協議を目的に行うものや、関係権利者の従前資産量を特定するために行うもの、登記法による分筆登記を目的に行うものなど、まちづくり事業の進捗段階や目的に応じてさまざま行われることから、測量成果はそれぞれ異なってまいります。しかし、道路境界・道路区域測量と関係権利者の用地測量の時期を合わせることで、測量業務の効率化を図れる可能性などもあることから、今後、より一層関係部署間で連携し、測量業務の発注手法や成果活用について検討してまいります。
○加藤委員 後ほども述べさせていただきますけれども、区の縦割りを外したときに新たな可能性というものが出せるのかなという一つの事例だと思っております。
次に、決特資料の総務102、過去5年における地中埋設物等により工事延期事例の内容と期間について作成していただきました。ありがとうございます。
延期する事例というのが少なからずあるということで、今後の事業においては、こういったところについてしっかりと計画に盛り込んでいただきたいと考えております。
測量や地下埋設物など、まちづくりを遅滞させた原因の影響を減少させるために、また、まちづくりの専門職員が少ないということで、まちづくりの計画実施におけるガイドライン作成、もしくはチェックリスト程度でもいいとは思うんですけども、そういったものを作成する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○千田まちづくり計画課長 区で発注する公共事業につきましては、中野区工事施行規程や請負者提出書類の規定、またそれに付随するチェックリストなどにより、適切な施行管理、進捗管理に努めているところでございます。しかし、出来高管理工程表など請負者の提出書類で確認する工事進捗の把握や、それに基づく指示、対応については、職員スキルが求められることから、職員間の連携体制をより強化するとともに、今後も関係部署間で連携して技術職員のスキル育成をOJTによって行ってまいります。
○加藤委員 いろいろとまちづくり、これから西武線沿線など、進んでくる中におきまして、そういった専門職員というのがさらに少なくなってくる可能性があると思いますので、そういった技術のノウハウを庁内全体で広げていただけるように、さまざまなことをやっていただけたらと思っております。
それでは、戦略としてまちづくりの最上流にあります基本計画について質疑をしたいと思います。
区長が掲げる新しい区政の考え方で重要なのは人であるということは十分理解できました。しかし、ソフトを人としたとき、ハードになりますまちづくりというところが脆弱と考えます。ソフトとハードが同じ方向を向いていなければ区長の目指す区政は実現しないのかなと考えます。
そういった中で、失敗事例、まちづくりというところであったので、ちょっと事例を挙げてみますと、日本橋の橋の周りににぎわいをつくろうということで、いろいろ有名な海苔会社とかその辺の人、老舗の若旦那衆という人と、あと三越とか三井不動産、こういったところがプレジャーボートとかを買ったりとか、かなり投資をしたんですけど、にぎわいが生まれませんでした。さて、何ででしょうというところですけれども、答えは、ほとんどの人が雨が降らない地下道を使うんですね。気温も安定していますし、そっちのほうがいいということで、日本橋の上を歩かないんです、結局。どんなにお金を使おうと、結局、その筋が悪いと全然駄目だということの一つの事例であります。
人が集って、そして頑張れる環境、まちづくりをソフトとハードの両輪で創造していく必要があると思っております。ハードが重要ですけれども、今、中野区のインフラ、住宅事情は非常に大きな欠陥があります。若い人たちは、都心へのアクセスのしやすさから多くの人たちが転入してきますけれども、シングル用の住居が多くて、結婚や出産を機に転出するパターンが多いというのは、皆さんよく知っていることだと思います。
中野に住み続けたかったと言いながら中野区を出ていくような友達を何回も見てきました。中野は住みたいまち、住み続けたいまちまで前進しましたけれども、住み続けられるまちというところまでには至っていないのかなというふうに考えております。住み続けられるまちへと次のステップアップをしていく必要があると考えます。
持続可能な自治体にはハードが重要であり、区長のそういったシビックプライドというところ、非常に重要だと思いますけど、これだけだと駄目なんだと思います。ハードをつくる、受け皿をつくるということが重要だと思います。そのためにも、抜本的、ドラスティックなマインドチェンジ、そして中野区のまちづくりの条例、パラダイムシフトが起こらないといけない。100年後をどうするかということを今から考えていかないといけないというふうに考えます。
住宅問題を簡単にまとめました。2018年、東京都は地域危険度一覧表で町丁目別で5段階評価を行いました。委員会などで皆さん見ていると思いますけども。今月、9月のビジネスジャーナルというところの記事を見たら、総合危険度ランク4以上とされた面積を23区別でやったら、23区平均は11.3%、中野区は23区ワースト3位で、27.6%の面積で総合危険度ランク4とされた面積です。千代田区、中央区、港区は0%で、中野区の地震に対する脆弱性が示された資料でした。
また、全国を見ますと、かなり建物が古く、老朽化して、スラム化しております。国交省の住宅局によりますと、マンション建てかえがなされた事例というのが全国でたった277件しかありません。そして、築40年以上、これは件数というより戸数ですけれども、現在で81.4万棟、10年後には2.4倍、20年後には4.5倍の366.8万棟となる見込みだということです。権利者のライフステージがまばらで、終の棲家としたい世帯もあれば、今すぐ建てかえたいという世帯もある。そういったところの乖離があるために建てかえがなかなかできない。または、建てかえをしようと思っても、積立金がたまっていないような、そういった集合住宅もあるわけであります。一戸建てについても、全く同様というわけじゃないですけど、似たようなケースもあるでしょう。
こういった暗い未来がこういったエビデンスデータからも示されているわけですけれども、区はこのような統計情報とかは知っておりますでしょうか。
○安田都市計画課長 老朽マンションの建てかえの件でございます。区分所有された老朽分譲マンションにつきましては、合意形成や建てかえ資金の問題が非常に難しくて、なかなか建てかえが進まないという状況を把握しております。
○加藤委員 ちょっとすみません、無理やり質問させていただきましたけど、いろいろと建てかえが進まないというところで、国全体、そして中野区は特にそういった危険建物があるという中で、いろいろとそういったまちづくりを進めていかないといけないというのがほかの区よりもあるという理由になっております。
しかし、中野駅周辺再開発、西武線連続立体交差事業を皮切りに、中野区が生まれ変わる機運が高まってまいります。この機運を活用しまして、都市計画で用途地域を変更しまして、容積率変更という大きなインセンティブを得られるようにして、セットバックなど、そういった道路を広げるなど、まちづくりを進めていくべきだと考えます。
例えば基本構想審議会において無電柱化と空き家についての言及があります。台風15号で最大93万軒が停電し、さらに無電柱化というものが注目されておりますけれども、今の中野区でたとえ予算があったとしても道路幅員が足りないためにほとんど不可能という状況になっております。現在の無電柱化計画もはっきり言ってその道路幅員があるからできるところからやってこうというだけであって、別に防災の観点、避難、通学通勤のためにここをやってあげようというような優先順位ではないと、できるところからやろうという話になっております。空き家は現状のままでは利用しようという希望者は少なくて、公共施設として使いたいと思っても既存不適格でリノベーション、建てかえなどが求められるわけですけれども、所有者はそこまでやる気はないというふうになってしまいます。さまざまなモチベーションを上げるために、容積率を変える用途地域変更のインセンティブが必要になってくると考えます。
また、東日本大震災を起因として表面化されました土地所有者不明問題を解決しようと、所有者が特定できない場合においても対処できるように今法改正が進んでおります。あと数年もすればマンション建てかえ問題にも適用できるような法律になってくることも想像できます。ブロードウェイや中野五丁目のような権利が非常に複雑化したところにおいても、解決の糸口が見えてくると思います。住宅マスタープランとしても、集合住宅の最低面積を上昇させ、ファミリー世帯が住める住居を確保することが重要です。ドローンも、建物診断技術としてその一助となってくると思います。用途地域の変更によってまちづくりのモチベーションがさらに上がったところで、各所から要望がある耐震助成も、そのセットバックなどを条件に出すというのも効果的だと思います。
ここでやっと質問させていただきますけれども、現在の都市マスの土地利用基本方針の中で、土地利用の基本的な考え方とともに、基盤整備等に合わせたふさわしい用途地域の考え方を定めております。実際には区内でほとんど用途地域が変更されていないように思いますけれども、どのような過程を踏めば用途地域の変更が可能となってくるのでしょうか、お伺いします。
○安田都市計画課長 用途地域の都市計画変更権は、23区内は東京都が所管してございます。東京都は、用途地域等に関する指定方針及び指定基準を定め、面的に用途地域を変更する場合は、原則として区に地区計画の策定を求めているところでございます。地区計画は、東京都の上位都市計画や区の都市計画マスタープラン等に示される方針を前提に、地区の特性や地域住民の合意形成を踏まえて策定されてきます。こうした方針に従いまして、区では、中野駅周辺の各まちづくり計画、あるいは大和町中央通り沿道地区計画、沼袋区画街路第4号線沿道地区計画を策定し、用途地域の変更を行ってございます。ただし、木密地域の全体的な変更を求めるような面的な用途地域はなかなかされてございません。
○加藤委員 いずれにしても、地域の声というものをしっかり踏まえて前に進めないといけないというところで、そういった機運をつくっていくためにも、基本構想から、そういった区のまちづくりを前に進めるというその魂、思いを入れていかないといけないのかなというふうに考えるところです。
いでい委員も言っておりましたけれども、まちづくりの推進のためにさまざま区がリソースとして土地を持っているわけです。学校施設、公園、区営住宅、更新が必要なものが多々あります。先ほども例に挙げましたけど、蚕糸の森公園のような学校と公園のコラボ、あと、先日、校庭を直してほしいという話に対して、例えば近くにある区営住宅、そろそろ老朽化で建て直さないといけないというような土地があります。そこに新しい中学校をつくる、そして区営住宅を戻すみたいな、所管外というか、所管を超えたところで土地のやりとりとかがないと、なかなかそういったまちづくりというのが進んでいかないのかなというふうに考えるわけですけれども、そういったところで、全庁的なまちづくりをさまざまに進められるように、こういった区の財産がどのようにあるのかというふうに考えていく必要があると思います。
そこで、区有地全てがまちづくりの種地になると考えるわけですけれども、主な用途別の区有地の面積はどのぐらいそれぞれあるのか、お伺いいたします。
○杉本企画課長 本年2月に策定いたしました施設白書に基づく区有地ということでお答えいたします。文化・スポーツ・産業系施設が19施設、約3万平米、学校その他教育施設は35施設、約36万平米、保育園・幼稚園・児童施設は80施設、約4万8,000平米、保健・福祉施設は42施設、約2万7,000平米、庁舎・行政系施設は29施設、約3万2,000平米、公営住宅は26施設、約3万6,000平米、貸し付け施設その他は38施設、約3万3,000平米、道路は約171万1,000平米、公園は165カ所、約44万3,000平米で、合計271万9,000平米でございます。
○加藤委員 かなり広い面積を持っている。小さい猫の額みたいな公園もあるかもしれませんけども。そういったリソースをいろいろ使ってまちづくりを進めていただきたいと思うわけです。
その政策の良し悪しは別として、旧中野刑務所正門を曳家しようとか、そういった話があったわけですけれども、あれというのは所管を超えて全庁的に何かいろいろやろうとした、こういった全員スクラムを組んでやろうという、その姿勢だけは評価するわけですけれども、そういったようなダイナミックな発想の中で公園再整備計画とか、こういった区の再整備計画を進めていただきたいと思います。
区のリソースを使ってまちづくりが進めば、それを区の中で融通するだけではなくて、代替地としてそういったところで使うこともできるかもしれません。大きな開発ができれば、集合住宅の中に公園や防災機能を持つスペースを有したものもできるかもしれません。そういったところがあれば、民間所有のために税金は使いません。私は、中野で育ったんですけれども、中庭があるマンションだったんですけれども、そこでみんなで育って、今でも仲よくて、そういった人たちとは今でも祭りとかに一緒に行っております。中野好きとして育っているわけです。そういった形もハードから生まれてくるのかなと思っております。
また、地域活動では、いろんな地域において、その核になっている──最近私が注目しているのは飲み屋さんですけれども、商店街はネット通販によりかなりつらい経営を強いられておりますけれども、利用者本人が行く必要がある飲食店、美容室、マッサージなどは新規の経営ができております。このあたりのお店が連携して商店や町会に新しい若い人たちの活気が出ておりまして、みこしを担ぐ人数がふえてきているところもあります。
区としては、これから昼間人口、夜間人口だけではなくて、区内の滞在時間を理解する必要があると思っております。夜7時に家に帰ってくる人と夜11時に中野に帰ってくる人では、全く個人個人の区のかかわり方が違うと思います。活動時間をはかる方法の提案などは後日させていただきますけども、そんなような考えがあると思っております。
るる申し上げましたけれども、ハードをここまでセッティングしてやっとソフトを走らせることができるのかなと思っております。基本構想において、基本構想審議会ではほぼ触れられていないハード面について、担当はどのようにお考えでしょうか。
○永見基本構想担当課長 中野に暮らす人々が住み続け、また集う人々が活発に活動するための土台として、ソフトとハードは深く関連し合うものであるというふうに考えてございます。
今後、中野駅周辺の再開発や西武新宿線の連続立体交差事業等をきっかけといたしまして、まちの活気を生み出していくとともに、区全体が持続的に発展し続けられるよう、御提案のありました手法や考え方なども含めまして、基本構想・基本計画の中でハード面の整備についてさまざま検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 区長、こういった形でちょっと私の思いを伝えさせていただきましたけれども、もし方向性が違うのであれば、ちょっとその辺、区長のお考え、一緒ならそれでいいですけど、違うのであればその理由もお答えいただければなと思いまして、私の最後の質問とさせていただきます。
○酒井区長 御指摘のとおり、ハードとソフト、両方とも非常に重要だと考えております。ハードにつきましては、やはり方向性をしっかり定めて、全体最適のもとに、時間はかかっても、少しずつでも、そちらのほうに進めていくことが必要だと思っておりますので、基本構想・基本計画の中でもそれも議論して、またそれを定めていきたいと考えております。
○加藤委員 これで終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月25日(水曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後4時30分散会