1.令和3年(2021年)2月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久
23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔
情報システム課長(企画部参事事務取扱) 平田 祐子
基本構想担当課長 永見 英光
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
業務改善課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 藤永 益次
総務部長 海老沢 憲一
危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖
職員課長、人材育成担当課長 中谷 博
経理課長 吉沢 健一
区民部長 青山 敬一郎
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
産業観光課長 堀越 恵美子
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長、保育施設利用調整担当課長 渡邊 健治
幼児施設整備課長 藤嶋 正彦
子育て支援課長 滝浪 亜未
育成活動推進課長 細野 修一
地域支えあい推進部長 鳥井 文哉
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長 小山 真実
北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長、トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 杉本 兼太郎
地域包括ケア推進課長 高橋 英昭
介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦
南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 村田 佳生
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 向山 晴子
生活援護課長、生活保護担当課長 中村 誠
保健企画課長 鈴木 宣広
保健予防課長 松原 弘宜
環境部長 朝井 めぐみ
都市基盤部長 奈良 浩二
都市計画課長 安田 道孝
道路課長 井上 雄城
公園緑地課長 林 健
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗
中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴
中野駅周辺地区担当課長 石橋 一彦
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 野村 理志
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
書 記 髙橋 万里
書 記 本多 正篤
1.委員長署名
午前10時00分開議
〇山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
前回、2月25日(木曜日)の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に長沢和彦委員、2番目に渡辺たけし委員、3番目に大内しんご委員、4番目に杉山司委員、5番目に甲田ゆり子委員、6番目にいさ哲郎委員の順で6名の総括質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇山本委員長 御異議ありませんので、そのように運営いたします。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。長沢委員、質疑をどうぞ。
○長沢委員 おはようございます。昨日に引き続いて総括質疑を行います。
3番、新型コロナウイルス感染症防止対策についてお伺いいたします。
初めに、検査についてです。厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から2月4日に高齢者施設の従事者等の検査の徹底について行政の事務連絡が出され、東京都がこれを受けて福祉保健局感染症対策部長名で2月9日に各保健所長宛てに同名の事務連絡を出されています。都の事務連絡では、対象施設として特養、老健及び介護医療院、障害者(障害児)入所施設について検査を集中的に実施するとし、実施方法として、唾液検査用PCR検査キットを送付し、実施を徹底するとしております。中野区内の対象となる施設は特養12件、老健2件、介護医療院1件だと伺っています。また、都の事務連絡では各自治体独自の計画を立てることも構わないとしています。区は、本会議での我が会派の羽鳥議員のPCR検査についての質問に対して、重症化しやすい高齢者施設において1名でも陽性者が発生した場合については、当該施設のスタッフ全員及び同一フロアの入居者へのPCR検査の実施と、病院での院内感染が疑われる事例について広範な検査を実施しているとお答えになっています。このことは重要でありますけれども、入所施設に限らず、介護、障害者の施設で検査実施を検討すべきだと考えます。
これまで厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部からは、特別区宛てに検査を幅広く実施していく旨の要請とした事務連絡が出されております。緊急事態宣言下の現在、東京都内の感染者数の減少が見られるものの、宣言解除後にまた感染者が増えていくことも考えられます。区民の大半がワクチン接種するまでに相当の期間を要することからも、この時期にPCRや抗原検査などを広く行っていく必要があると考えます。2月4日の事務連絡を含め、これまでの厚生労働省の事務連絡をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
○松原保健予防課長 区といたしましては、今御紹介いただいたように、これまで施設におきまして1名でも陽性者が発生した場合には、御指摘の厚生労働省通知に基づきまして積極的疫学調査や幅広いPCR検査を実施してきたところでございます。今後の検査につきましては、高齢者の重症化、クラスター発生、連鎖の拡大予防の観点から、対象施設や検査頻度、施設の意向、さらに事業継続の対応、嘱託医との役割分担を明確にした上で計画的な検査が実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
○長沢委員 次に、自宅療養者、宿泊療養者への対応についてもお伺いいたします。現在新型コロナウイルス感染症となって入院中の方、自宅療養者及び宿泊療養者の方はそれぞれ何人いらっしゃるんでしょうか。
○松原保健予防課長 2月25日現在でございますが、入院者が39人、自宅療養者21人、宿泊療養者16人でございます。
○長沢委員 減ったとはいえ、まだまだ今御紹介いただいた方々がいらっしゃるということですね。自宅療養者、宿泊療養者の中で、無症状者、軽症者が急変し、重症化をする事態が生じてもおります。自宅療養中で無症状であった方が健康観察の後に亡くなったとの報道もありました。また、警察庁が、自宅や宿泊施設、高齢者施設などにいた方で、1月中に新型コロナウイルスへの感染により死亡した人が132人、うち東京都は最多の46人いたことが報じられています。中野区では、自宅や宿泊施設、高齢者施設などで急変した、そうした事例はあるのでしょうか、伺います。
○松原保健予防課長 現在までのところでございますが、区では、東京消防庁、嘱託医及びかかりつけ医との連携によりまして、リスクが高い感染者につきましては入院につなげることができたところでございます。自宅や施設において療養されていた方のうち、病状が悪化した事例というものは確かにございますが、各機関の御協力の下、入院できずに亡くなられた方は現在のところはおられません。
○長沢委員 また、受診歴のない自宅療養の患者から電話などで診察の要請があった場合は患者の現状等を保健所に確認する必要があるとし、診療所、病院など民間の医療機関が診ることを想定しています。これは具体的にはどのように対応されているんですか、伺います。
○松原保健予防課長 具体的には東京都のほうに入院調整のほうを依頼をするというところになりますけれども、そちらのほうの調整が効かない場合にはこちらの保健所のほうで直接入院調整を行っているという状態でございます。
○長沢委員 次に、医療機関などへの支援について伺います。新型コロナウイルス患者に対応できる病院、病床の不足が問題となっております。PCR検査の実施や重症者等の受入れ、転院先の受入れなどに診療報酬の増額や国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業はありますが、要件、基準が実態と乖離しているため、医療機関の経営困難は深刻であります。入院ベッドの不足だけではありません。減収につながると見て新型コロナ患者の受入れを敬遠しがちである、医療スタッフの人員確保が難しいなど、医療機関の経営逼迫の要因は多岐にわたっております。また、新型コロナウイルスの患者を受け入れた病院の4割を超えるところが冬のボーナスを減らしていたことが病院3団体の調査で分かりました。昨年4月から12月の病院経営は前年比で赤字幅が拡大をし、厳しい経営状況が最前線の医療従事者の待遇に響いているとしております。医療機関への減収補填及び費用補填は欠かせないのではないでしょうか。国や東京都に要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○鈴木保健企画課長 医療機関への減収補填や費用補填につきましては、国や都が入院受入医療機関緊急支援事業や医療提供体制緊急整備事業などを実施しているところでございます。区の対応でございますが、区は、特別区長会に対しまして、医療機関の実態に即した効果的な支援の実施について国や都に要望するよう意見を出したところでございます。
○長沢委員 分かりました。中野区としても医療機関と医療従事者への支援を求めたいと思います。例えば墨田区では、回復患者用のベッドを借り上げ、転院を促進する地域完結型の仕組みをつくっております。区内7病院に17床を確保し、回復患者用に1年間2ベッド以上確保した区内の医療機関に対し1,000万円を補助します。この事業により国の退院基準を満たす回復者の転院が進んだと聞いております。江戸川区では入院を受け入れている病院の医療従事者に1人10万円の商品券の支給を行うことにしております。区においても、医療機関への支援や最前線で頑張っている医療従事者に対して慰労金、見舞金などの支給を検討してはいかがかと思いますが、見解をお伺いいたします。
○鈴木保健企画課長 区は、これまで医療機関への支援としまして、区内診療所がPCR検査を開始する際の準備金の交付や保健所の依頼等によってPCR検査を行った医療機関に対する支援金の交付などを行ってきたものでございます。現在、医療従事者の見舞金等の支給については考えておりませんが、今後の医療機関の支援につきましては、国や都の施策などについて情報を収集し、検討をしていきます。
○長沢委員 ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、4番、「中野区高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」についてお伺いをいたします。第8期事業計画では、介護保険料を値上げすることなく第7期と同水準に据え置かれております。高齢者の年金は目減りしてきているのに、第1期の介護保険事業計画以来、保険料の値上げが続けられてきました。その間に介護給付準備基金に積み増しをしてきたことから見れば、この第8期ではさらに準備基金を取り崩して値下げを図ってもよいくらいではありました。それでも保険料を据え置いたことは介護保険制度が始まって以来のことであり、その点、評価はしたいと思っております。
初めに、保険料徴収について伺います。資料の厚生の12を見ますと、第1号被保険者で保険料の普通徴収の方は1万438人いらっしゃいます。保険料を滞納している高齢者は、17段階全体で3,317人、うち保険料基準額である第5段階以下の滞納者は1,591人います。では、全体を通じて財産の差し押さえをされているのは何件ありますか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 差し押さえはゼロ件でございます。
○長沢委員 分かりました。
それで、低所得者に対する減免は現在行われておりますが、第1段階、第2段階は2分の1の減額、第3段階は第2段階へと変更に、減額になる。この保険料減免を受けている高齢者はそれぞれ何人いらっしゃいますか。
○葉山介護・高齢者支援課長 段階別の保険料減免者数ですが、令和2年度保険料について、令和3年1月末現在でございます。第1段階が20人、第2段階が2人、第3段階はゼロでございます。
○長沢委員 滞納者の多さに比べて減免に該当している方は極めて少ないと思います。この点からも、保険料の基準額の引き下げと低所得者保険料へのさらなる減免が必要であると思っております。保険料を滞納している高齢者がその後も保険料を支払わずにいると、ペナルティーとして介護の給付制限を受けることになります。介護給付サービスをいざ受けたいとなったときに1割負担、2割負担の高齢者は3割負担になります。3割負担の方は4割負担にもなってしまいます。あまりにも無慈悲な話でありますけども、法律で定められています。保険料滞納は2年間で時効となります。時効により支払い義務は消滅しますが、介護給付サービスを受ける際に利用者負担が重くなるというものであり、給付制限を受ける期間は滞納額、滞納期間に応じて決まることになっています。該当の高齢者の生活実態を把握し、相談に乗りながら納付してもらうよう働きかけることが必要ではないでしょうか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 納付相談の折には当該高齢者の生活実態を十分把握した上で法で定められた給付制限などの説明を丁寧に行っているところでございます。
○長沢委員 当然ながらこういう形になると当人が不利益を被るわけでありますから、なってしまいますので、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。
介護給付に関わってもお伺いいたします。第8期事業計画においては、特別養護老人ホームは1か所定員100名、定員30人未満の地域密着型特養ホームも含めた整備目標としております。しかし、仮に計画が実施されても、第8期の3年間のうちには整備、建設はされる見込みはありません。現在、特別養護老人ホームの待機者数は何人いらっしゃいますか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 2020年4月時点の数でございますけれども、特養の待機者数は619人でございます。
○長沢委員 大変大勢の方が今も待機者としていらっしゃるということであります。そうした今の需要や待機者数からは整備目標を引き上げることが求められると考えておりますが、何ゆえ進んでいかないのか、その要因は何だというふうに捉えておりますか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 整備が進まない原因につきましては、相談のあった整備事業者などへの聞き取りから土地確保が課題であると分析しているところでございます。
○長沢委員 認知症グループホームなど地域密着型サービスも同様だというふうに思います。さきの第10次補正予算で地域密着型サービス等事業所施設整備に係る補助が減額となりました。ここ毎年度当初予算で計上しながら整備着手に至らず減額補正を繰り返しております。事業者任せでは整備目標の達成どころか、整備そのものが難しいということではないでしょうか。さきに触れました特養ホームなどの介護施設などの整備については、整備、運営する事業者の誘致を図るために、学校跡地を含め、公有地の貸付けなどを真剣に検討すべきではないかと考えますが、いかがですか。
○葉山介護・高齢者支援課長 国有地や都有地を含めました公有地の活用に加えまして、今後再編される区有施設の用途廃止等による未利用施設跡地の活用について調整を図っていきたいと考えております。
○長沢委員 ぜひ具体的に進めていただきたいというふうにも思っております。
次に、医療と介護の連携に関わってお伺いをいたします。「中野区高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」では、基本目標を住み慣れた地域での生活の継続とし、地域包括ケアシステムの構築と事業等の展開を述べております。重点目標として掲げている在宅医療と介護の連携について伺います。第8期の事業計画では、訪問看護の見込み量、2023年、令和5年度の月平均利用で1,646人、今年度の推計値を含む1,448人から約200人増えると見ております。訪問介護の平均利用人数の見込み量と比較しても利用の伸びが大きいわけですが、訪問看護を必要とする高齢者が今後増えていくと見ているのでしょうか、お伺いいたします。
○葉山介護・高齢者支援課長 第7期計画の期間中における訪問看護サービスの利用実績では毎年100名前後の利用者の増が見られているところでございます。要介護認定区分が高い利用者ほど医療ニーズも高い傾向があることから、後期高齢者の増加に合わせて引き続き訪問看護のニーズが増えるものと見込んでおります。また、国の療養病床入院患者の在宅移行促進計画に沿って、入院病床利用者のうち、一定数が引き続き介護サービスに移行するということも含まれているところでございます。
○長沢委員 現行の地域包括ケアシステム推進プランでは、施策として在宅で必要な医療を受けられる体制の整備、多職種連携の一層の推進、区民の啓発、理解促進との記述がございます。取組として在宅療養、24時間体制、看取りの核となる訪問看護師の増加のための支援などを挙げておりますが、2025年度(令和7年度)までに常勤換算で200名を目指すとしております。この取組の状況について伺います。
○高橋地域包括ケア推進課長 在宅医療や医療介護連携は国におきましても診療報酬などにおいてインセンティブを設け、推進しているところでございます。区といたしましては、一般区民に向けましては講演会やパンフレットなどを通じて在宅療養について普及啓発を図っております。また、医療、介護等の専門職を対象とした多職種向け研修会の開催や在宅療養窓口の開設など、在宅療養、医療介護連携の推進を図るため、様々な取組を進めているところでございます。
○長沢委員 今後、在宅医療と介護、こうした連携については本当に大切になってくると思っております。ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
この項の最後に介護人材の確保についてお伺いいたします。この事業計画では、第1部の計画の理念と基本目標の中で、地域活動や医療、介護の担い手不足については依然として喫緊の課題とし、20年後を見据えた課題の中の地域包括ケアシステムを支える人材の確保と育成で、介護職に前向きなイメージを持ってもらう必要、再び介護職に復帰してもらう取組、介護現場におけるICT化の推進などに言及をしております。このことはそのとおりだとしても、新型コロナウイルス感染症の影響で介護人材の不足がより広がりつつあるとの記述があるように、現状はより深刻であります。中野区介護事業所連絡会で行ったアンケート調査結果を見てみても、離職者があったが13%、採用できなかったが41%にも上ります。訪問介護に至っては、離職者が27%、採用できなかったが79%と、およそ8割にも及んでおります。こうした現状をどのように捉えていらっしゃるのか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 区では、介護従事者の質の向上、定着を支援することを目的といたしまして、介護サービス事業所への介護福祉士受験費用や研修受講費用の助成を行っております。また、認定ヘルパー養成研修を実施いたしまして、研修修了後に介護施設、事業所との雇用相談会を開催し、就労を支援しているところでございます。介護人材の確保が喫緊の課題であるということは認識しておりまして、これらの取組を継続していきたいと思っております。
○長沢委員 やはり介護人材の確保については介護報酬の引上げが必要ではないかというふうに思っております。また、今、区独自でも行っておりますが、それでも別建てで介護職の定着を図っていく、こうした補助金などが求められていると考えますが、見解を伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 国が定める介護報酬につきましては介護従事者の給与水準に関係しており、その引き上げは処遇改善に影響するというふうに考えております。区としては介護職の定着を目的とするような報酬の上乗せや補助金については考えていないところでございます。
○長沢委員 これまでも介護をめぐる矛盾が社会問題となってまいりました。特養ホームなど介護施設が不足をし、病院を追い出された高齢者が行き先を見つけられずに漂流する介護難民、介護のために現役世代が仕事を辞める介護離職、供給体制の不足や費用負担の矛盾の重なる中で深刻化いたしました。介護の社会化、家族介護の解消という最大の目的はこの介護保険制度が始まって20年たっても達成されなかったわけであります。そして今、介護制度の存続を脅かす重大問題となっているのが介護人材の不足であります。コロナ禍でますます深刻な事態となっております。区としても注視していくと同時に、国に改善策を求めていただくこと、そのことを最後に要望いたしまして、私の全ての総括質疑を終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。
次に、渡辺たけし委員、質疑をどうぞ。
○渡辺委員 令和3年第1回定例会予算特別委員会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から総括質疑を行います。質問は通告のとおりでありますが、4番の中野駅新北口駅前再開発についてを2番目に持っていきます。よろしくお願いをいたします。今回はちょっと答弁調整がうまくいかず、どうなるか分からないというところもあるんですけれども、取りあえず失言だけはしないように気をつけていきたいと思っております。よろしくお願いします。
まず初めに、令和3年度予算について伺います。昨年開かれた第3回定例会の行政報告で区長は、令和3年度の予算編成について厳しい財政状況が見込まれる中、事業の廃止、縮小、先送りといった抜本的な見直しを行って歳出の抑制を図ると述べられておりました。具体的には、全事業の見直しを行い、20%のシーリングをかけ、予算の抑制を図るということでしたが、今定例会で出された数字は、令和3年度に見込める増減要因を加味した額から約9%削減したと施政方針説明で報告がありました。20%削減という具体的な目標数値を定め、結果9%という成果が出た。この結果をまず区はどのように評価しているのか、伺います。
○森財政課長 9%の削減の結果についてでございますが、構造改革の短期的取組による事業執行の方法の見直しですとか、事業の休止、廃止、また、各部における事業の見直し等によりまして、一般財源充当事業費については今年度当初予算と比較して削減をしているところでございます。そういった意味で言いますと一定の成果があったものと考えております。
○渡辺委員 目標数値の半分以下だったという、そのところについての評価というのはどうされたのかを聞きたかったんですけども、その辺はお答えできますか。
○森財政課長 20%削減ということで取り組んできたところですが、結果9%だということで目標には達しなかったというところではございますが、一定の削減はあったということでございますので、取組自体の成果ということはあったというふうに考えております。
○渡辺委員 反省しているのかなという、そこをちょっと知りたかったんですけど、あまりそういうふうには聞こえてこなかったんですよね。
ちなみになんですけど、削減した部分、来年度以降も引き続き継続されて削減可能かどうか、ちょっとそこのところを教えていただいてよろしいでしょうか。
○森財政課長 今回削減した経費を令和4年度以降の予算でどう扱っていくかということにつきましては、その時々の歳入状況ですとか新しい基本計画などで計画している事業の進捗状況などを踏まえまして、毎年の予算編成過程の中でどうするのかということは検討してまいります。
○渡辺委員 聞きたいのは、要は今回削減しました、それがそのまま、圧縮されたまま継続されていくのか、それともまた復活して、例えばみどりの祭典とかの休止とかというのはまた復活するかと思うんですけども、そういうふうなところでどの程度考えていらっしゃるのかなというのをお伺いしたかったんですが、その辺をお答えできますか。
○森財政課長 今回経常経費の削減に努めたということでございますので、一定そこが来年度以降の予算編成にあって一つの目安というか、基準になるところではございます。ですが、最終的には実際令和4年度以降どういうふうに予算を組んでいくのかということについてはその時々の状況によって判断をしていくということになろうかと思います。
○渡辺委員 本当に汗をかいて一生懸命削減をしたところはあるなとは思います。それが今回の成果となって出てきている。そこは本当に評価をしたいと思うんですけれども、そもそもの目標設定値のつけ方では無理があるんじゃないのかということをやっぱり議論していく必要があるんじゃないのかなと思うんですよね。いきなり92億円、20%シーリングをかける。じゃあ、どうやって達成できるのというプランもないままできない目標を掲げて、それに向かって頑張るという、それは果たしていいことなのかどうなのか。そこをやっぱり庁内でも議論してほしいなというところがあるんですよ。
私も第3回定例会でそういう数値が出たときにはこんなのできるわけないなと思っていて、実際やっぱり成果としてできなかったという結果があったわけじゃないですか。そういう目標を立てて本気で皆さんやったのかどうかということもちょっと疑わしく感じちゃうんです。私だったらもうそんな目標できるわけないだろうと思っちゃうんですけども、その辺は区の見解としてどう思っているのか、ちょっとお伺いしていいですか。
○森財政課長 目標の達成に向けた姿勢ということでございますが、令和3年度予算におきます一般財源については令和2年度と比較して大きく減収が見込まれたということで、今、委員お話があったように、当初は92億円の一般財源の減というようなところも見ていたところでございます。ということですので、漫然と例年どおりに事業を進めていては経費も削減されず、基金の枯渇も想定されるというようなことでございまして、経常経費20%削減というような目標を設定したところでございます。目標達成に向けまして、構造改革の視点も踏まえながら、庁内においてはその削減に向けて努力してきた、努めてきたというところでございます。
○渡辺委員 いろいろ考え方はあるかと思うんですが、私は、できない目標を掲げてやりますやりますと言ってできないというよりも、やっぱりきちんとできる目標というものを掲げてそれを達成するんだという気持ちで取り組んでいくという、そういったやり方というのがあるべき姿かなと思っております。これはもう考え方の違いなんでなかなかはい分かりましたと言える話でもないと思うんですけども、やはり目標を掲げたんであるならば、達成を絶対にするんだという、そういった気持ちで必ず達成をする、そういう繰り返しが信頼を構築していく一つのものになるかと思いますので、そういった財政運営の考え方、目標設定のやり方をやっていってもらいたい、こういったところを要望していきたいと思います。
区長の施政方針の説明で、今後は3年間で構造改革実行プログラムを取りまとめると記載されております。こちらも具体的なプランはまだ示されておりません。この中身がどういったものかよく分からないので幾つか確認をしてまいります。
構造改革実行プログラムを取りまとめることでさらなるコスト削減は可能と考えていますでしょうか、お答えください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革は、必要とするものには集中して資源を投入し、それ以外のものには徹底して効率化を図るという考えでございます。デジタルシフトなど、一時的に経費がかかっても、その効果としてコスト削減につながるものと考えております。
○渡辺委員 具体的な削減プランは何かありますでしょうか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革の実行プログラムでございますが、中長期的な取組としてデジタルシフトと窓口の適正化、区有施設の財産経営、内部事務の効率化などの項目を検討しているところでございます。具体的な検討内容につきましては今定例会中の総務委員会においてお示しをする予定でございます。
○渡辺委員 デジタルシフトというのは逆にコストがかかる話でもあるわけであって、今回の総務委員会で報告するという内容がどういったものかちょっと分かりませんけども、やはりこれも実現可能なそういったプランというものを提示してもらいたいと思います。
先ほど必要なものには資源を投入し、それ以外は徹底的に効率化を図るといった答弁はありましたけれども、私は、今の行政サービスで全ての区民サービスというものが本当に効率化できるものというのがあるのかどうか、もうないんじゃないのかなというふうにも思っているんですね。要は何か削減をするということは何かしらの区民サービスの低下につながるような、そういった状況になっているのかなというふうに考えているところもあるんですよ。例えばこれ以上のコスト削減なんですけども、区民サービスのこういった削減につながらない、区民サービスの低下につながらない削減案というのは何かあるんですかというときに、それに答えることはできるんでしょうか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 地方自治体は、最小の経費で最大の効果を上げ、常に組織及び運営の合理化に努めるということが求められているところでございます。区民サービスを低下させないように様々な創意工夫を施していくことが必要であると考えてございます。行財政における構造改革につきましては、財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応える持続可能な区政運営を目指すものでございます。今後策定する構造改革の実行プログラムに基づきまして着実な取組を進めてまいります。
○渡辺委員 やるやると言ってやっているんだったらいいんですけど、やれていないから言っているんですよ。昨日も自民党の高橋ちあき委員が言っていましたけど、第二中学校の温水プールを中止するというふうな報告を私も厚生委員会で受けたんですね。今までスクラップ・アンド・ビルドじゃなくて、中野区はずっとビルド・アンド・ビルドをやっていたわけですよね。ずっと予算がかさんできた。早くスクラップしてくれよというふうに思っていたんですけど、小さいところからではあるかもしれませんけども、その温水プールをやめますというふうな報告があって、ようやくやるんだというふうに思ったら、何か復活予算でまた戻ってきた。全然やれていないわけなんですよ。
私は、刑務所の門を動かすというふうな判断をした時点で区民サービスの低下につながる削減というのはもうやっちゃいけないと思うんですね。だって、そうじゃないですか。区民サービスの向上にもつながらない施策に5億円突っ込んでおいて、こっちの事業を廃止します、施設を廃止しますと、それは許されない話ですよね。あっちに5億円突っ込んでおいて、何でこっちは駄目なんだというふうにそれは私も言っちゃいますよ。急にぽっと出てきた土地を17億円で買いましたと言って、何でこっちの施設は潰しちゃうんですか。だから、そういうことをもうしちゃっているわけですから、やっぱり区民サービスの質の低下につながるような削減というのはもうなかなかできなくなってきている状態なんじゃないかな。それを踏まえた上で財政運営というものを考えていく必要があるんじゃないのかなということを私はこの場をかりて申し上げたいと思っておりました。本当にこれからはもう無理な削減を考えるんじゃなくて、基金をいかに活用して財政運営をしていくか、そういったことを方針転換というか、そういったところをやっぱり議論していってもらいたいなと思っております。
今後の財政見通しについてお尋ねします。自治体が財源不足や緊急の支出が生じた場合に備えて貯金として積み立てている財政調整基金こそが中野区を襲った新型コロナによる税収不足を補う切り札であり、税収が新型コロナ前と同じ状態に回復する時期まで基金を枯渇させることなく区政運営を行っていくことが求められるところであります。
私は基金が枯渇することは財政運営上極力避けるべきだと考えていますが、もし何らかの不測の事態が起きて基金が底をつくという予測が出た場合、起債をするのではなく職員の人件費を削減すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 基金が底をつくような事態となりましたら、人件費に限らずあらゆる経費を削減せざるを得ないという状況でございます。まずはそのような事態とならないように財政規律を確保していくということが必要でございまして、構造改革の取組もその一環であると捉えてございます。
○渡辺委員 そういうことは当然あってはならない、そのとおりでありますけど、枯渇してしまった場合、もう選択肢としては起債するか、人件費を削減するか、区民サービスを低下させるかの3択しかないと思うんで、そういうときはやっぱり身を切る、そういった覚悟を持って取り組んでもらいたいなと、これは要望であります。
私は、この税収は新型コロナの影響でもうしばらく回復することが難しいというふうに考えているわけでありますが、その間は基金を活用してしっかり乗り切るという方針をしっかり示し、基金が底をつくことがないような財政運営をしていくべきである。そういった意味で基準となる一般財源規模、この考え方についてお尋ねします。
中野区基本計画(素案たたき台)には、財政運営の考え方として、歳出の一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模の範囲内にするという考え方で予算編成を行うと記載されております。この方針は以前から継承されている考え方ではあるのですが、令和3年度の歳出額が736億円となっており、今回新たに設定された基準となる一般財源規模である687億円という数字とは大きな開きがあります。中野区基本計画(素案たたき台)には、2030年度まで基準となる一般財源規模を向こう10年間687億円ということで設定しておりますが、財政運営の考え方どおりであると、今年度計上された736億円を次年度までに687億円にしなきゃいけないというような、そういった考え方で予算編成をしなくてはならなくなるわけでありますが、そういった解釈でよろしいでしょうか。
○森財政課長 今、委員お話しのとおり、基準となる一般財源規模については当面687億円を維持するということでございまして、基準の範囲内に歳出の一般財源充当事業費を収める方針、考え方だということでございまして、その中で予算編成を進めていくということでございます。
○渡辺委員 それをどうやって削るのという話をやっぱりこっちも言わなきゃいけなくなるわけなんですよね。49億円をまず削りますという考え方から始めていって、それでできなかったら財政調整基金で賄う、そういう考え方も分かるんですけれども、この目標数値の立て方というのが、そこをやりますやりますと言ってもできないのが分かっていてやりますと言ったら、それは表に出すものでもないんじゃないのかなと思うわけなんですよ。このままでいくと、基本計画に、そういったやり方ですと向こう10年間ずっと同じようなことを繰り返していくんですか。目標数字を立てました、目指しました、駄目でした、基金を入れます、その繰り返し、それは私はどうかと思います。
例えば登山もしたことがない70歳のおじいちゃんがこれからエベレストを目指しますとかと言ったとして、どう思いますかという話なんですよ。いやいや、おじいちゃん、エベレストを目指す前にちょっと高尾山から始めたほうがいいんじゃないですかとかという、そういうふうな話なんですよね。ちょっと違うかな。要は、できないことを掲げて、それを周りも分かるわけなんですよ。それに向かってやりますというのが非常に滑稽というか何というか、冷めた目で見てしまうというか、そういう体制というのはやっぱり少し改めてもらいたいというようなところを今回の予算編成の考え方を見て感じたところであります。
私は、達成不可能な目標数値を掲げて取り組むよりも、達成可能な目標数値を設定して未達に終わった場合、例えば職員の給与で差分を埋めるとかというようなリスクを自分たちで課して職員の危機意識を高める、必ず目標を達成させるというような、そういった意識を職員全員で共有して予算編成に取り組むべきと考えますけども、区の見解をお聞かせください。
○森財政課長 目標設定というか、予算編成の考え方ということについては繰り返しなところでございますが、基準となる一般財源規模の範囲内でということで予算編成を行っていくということでございます。
それで、来年度以降の手法といいますか、今、委員の御提案があったような予算編成の手法、そういった考え方については、今後もどういう方法がいいのかといったところについては今年度の状況も含めて改めて分析をする必要があるかなと、それで次年度につなげていく必要があるというふうには思っております。しかしながら、今、御提案のあった職員給与に踏み込んでそれでどうということについては現在のところは考えていないというところでございます。
○渡辺委員 今の提案というのはいわゆる民間の事業者の考え方の話なんですよね。民間の業者というのはやっぱり売り上げが落ちるとまず人件費から削減するというのが当たり前なわけであって、そこでやっぱりみんな危機意識を持って、売り上げが落ちたらクビになるとか給料が下がるとか、そういったことで取り組むという姿勢の話を提案したわけであります。当然身分保障もされている公務員の方たちですからそんな真逆の話なんで受け入れ難いとは思いますけども、そういった感覚というのはいわゆる一般の区民の人たちは持っているということも認識した上できちんとした目標設定を掲げてもらいたい、こういったことを要望いたしましてこの項の質問を終了いたします。
続きまして、中野駅新北口駅前エリアについて伺います。昨年12月11日に行われた第5回中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備に係る民間事業者審査委員会において施行予定者候補は野村グループに決定いたしました。中野区にとってのシンボルタワーである中野サンプラザに代わる新たな中野の顔となるシンボルがどのようになるのか、中野区にとっての最重要課題の一つと言っても過言ではない一大事業であります。私も閉会中に行われた特別委員会で報告を受けたのですが、今後事業者との協定を結ぶに当たり改めて確認したい点がありますので幾つか質問してまいります。
まず資金調達について伺います。閉会中の特別委員会でも公明党の小林ぜんいち委員から同様の質問がありましたが、施行予定者候補の補助率、これはどのくらいの割合でしょうか、お答えください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 民間事業者募集における施行予定者候補の選定に当たりましては提案概要書というものを公表しておりますが、資金計画を含む提案書そのものは公表しておらず、具体的な補助金の率については示しておりません。施行予定者候補の資金計画については審査委員会での公表でも触れられているため、補助金の考え方のみを御説明いたしますと、全体の事業費に対する補助金の割合としまして1割は大きく超える提案となってございました。
○渡辺委員 1割を大きく超えるという言い方ですと、およそ15%以上なのかなということが推測されるわけであります。20%まではいかなくても、およそ15%から20%の間の数値なのではなかろうかと。ということを考えますと、施行予定者候補の事業費を見ますと、およそ1,810億円、補助率を例えば16%から20%とした場合、約290億円から360億円の範囲であることが考えられます。市街地再開発を進めるに当たり、国が2分の1、都が4分の1、区が4分の1、区の4分の1はいずれ都から返ってくるということで、実質は国と都が半分ずつ出すといった補助金の申請を行うことができて、法定では約20%まではそういった申請をすることができる。ただ、何%になるかというのはそれはそのときにならなきゃ分からないということで、この補助金の額、率というものがどれぐらいなのかということが、この資金計画の健全な資金計画なのか、それともリスクの高い資金計画なのか、それは一つの要因なのかなということが考えられるわけであります。
先ほど答弁でもありました中で、その補助率の話、12月17日に行われた審査委員会の議事録の中にも、委員長からの発言で、施行予定者候補へのさらなる検討を求める事項については施設計画と資金計画に関する点を入れたいと記載されています。資金計画についてさらなる検討を求める理由としては、この補助金の負担割合のことを指摘しているという認識でよろしいでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 審査委員会では、施行予定者候補の資金計画の提案について、補助金の見込み額は補助金の制度にのっとった範囲で見積もられてはいるものの、高めに見込んでいるとしまして審査委員から指摘があったものでございます。
○渡辺委員 どういうことかというと、この補助金の率が想定以下で入った場合、資金がショートしますよということなんですよね。では、この市街地再開発事業は実態としてどれぐらいの補助金が入っているのかという事例というものを調べてみたところ、中野区も都心部ということですから都心部を中心にちょっといろいろ調べてみました。周辺事例で探してみますと、中野二丁目の再開発、こちらの補助率が14.8%で補助額が94億円、あと囲町の東地区再開発の補助率、こちらが19.5%で補助額が129億6,300万円となっておりまして、補助率だけを見てみると法定の範囲内だし、妥当なのかなという見方もできるわけであります。
ただ、補助金の額を見てみますと、290億円、約300億円ですよね。300億円の補助金という額からはほど遠いと。さらには、どちらも住宅地であり、地権者というものが結構複数、数十単位で多いんですよね。そういった一概に数字だけで比較することもできないのかなというところはやっぱりあるわけなんですけれども、では、こういった補助金の割合というのはどういうところで増減されるのかというのをディベロッパーの人とかコンサルの人に確認をしてみますと、まず地権者の数が多ければ多いほど補助金の割合は高くなる傾向がある。逆に地権者の数が少なければ少ないほど補助金の率というものは低くなる、こういった傾向があるということを教えていただいたところであります。当然なんですけども、地権者が多ければ多いほど、立ち退きとかの交渉とかにも時間もお金もかかるわけですから、その分当然補助金を出さなきゃいけない。さらには、木密地解消とか住宅エリアの防災の向上という、そういった公的な理由があれば、そこは補助金、税金を出してもいいという話になるわけですけれども、地権者が少ないとか、例えば収益を目的とした再開発、民間が金もうけをするところに税金をそんなに入れていいのという、そういった議論もあるわけですから、中野駅前の北口、区役所サンプラザ地区というのはまさに収益を目的とする市街地再開発なんで、こんな高い補助金の額をもらうことができるのかなというところをやっぱり懸念するわけであります。
ちなみに、今回の新北口駅前再開発事業の地権者数は何人ですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 当地区における地権者は5名でございます。
○渡辺委員 実質区と都と国の地権者ということだと思うんですけども、じゃ、そういったことも踏まえた上で見ていきますと、補助率だけで実際比べた場合、四谷駅前地区が7.7%、西富久地区が6.9%、中央区都心部の再開発は7.2%、こういった事例があるわけであります。さらには聞いたところによりますと、コロナの影響によって補助金がゼロになった、こういった事例もここ最近は出てきているところであります。
いろいろ私も調べたところで、要は一概には比較はできないんですけども、一つ言えることなんですけども、グロスで300億円を上回る補助金を交付されたケースはまずないんですよ。パーセンテージの問題でもなく、300億円という補助金を都心部の一等地の近くのところで交付されましたという事例というのはここ最近はなかった。調べた限りですけど。この資金計画というのが大丈夫なのかな、これが非常に懸念をするところであります。区は協定を結ぶ前に補助金の割合について事業者への改善の要望を出すべきと考えますけれども、区の見解をお聞かせください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施行予定者候補の提案については、審査委員会において今後さらなる検討を求める点としまして資金計画の確実性ということで指摘をされております。これを踏まえまして区としましても協定締結の準備段階から随時事業者に資金計画の内容を確認していくこととしておりまして、今後事業計画を作成するに当たって、より適切な計画となるように指導してまいります。
○渡辺委員 大事なところは、この協定を結ぶ前に改善計画を報告してもらうかどうか、こういうふうに変えました、こういうふうに修正しましたというような、そこを確認したいんですけども、その点はいかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今、協定締結に向けて協議をしていますので、その中で事業者ときちんと話をしてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺委員 意外に前向きな答弁で、そこはぜひそういった話をしていってもらいたいですし、そういった修正案を提示した上で協定を結んでいってもらいたい、こういった要望をさせていただきます。
次に、施行予定候補者との協定の内容について確認します。資金計画に無理があると当初事業が立ち行かなくなるリスクが高くなる。具体的には、当てにしていた補助金が当初の目論見から外れて低い割合で決まってしまったと、こういった場合、事業者側がその責任をかぶり、代わりとなる資金を調達するのが世間一般では当たり前のことであります。それが資金不足になったことを理由に当初計画を変更するという協議を申し入れ、収益性の低い公共スペースの部分を減らす、収益性の高い住宅部分やオフィス部分の床面積を増やす、運営リスクの高い多目的ホールの収容人数をリスクを減らすためにスモールサイズに変更してくる、こういった交渉を申し入れてくる可能性があるのではないか、そういったことを想定して協定の文言を考えていくべきではないでしょうか。区は施行予定者とどのような協定を結ぶことを考えているか、お聞かせください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 施行予定者の候補と締結する予定の基本協定でございますが、区が当該事業者グループを施行予定者として選定したことを確認し、両者が本事業の事業化を推進するに当たって必要となる事項、その他条件について定めることを目的としたものでございます。このため、事業化に向けた区と事業者の役割分担を主たる事項とし、まちづくり計画の遵守及び提案内容の継承などを条件とした内容とする考えでございます。
○渡辺委員 当初計画の遵守というか、そのとおりやってくださいという前提ではあるかと思うんですが、その文言の中に7,000人の多目的ホール、これは入っていますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 当初提案の遵守でなくて当初の提案書の継承でございます。施行予定者の候補の提案書の中では、着席5,000人、スタンディング時最大7,000人規模の多目的ホールの提案はございました。
○渡辺委員 継承ということは引き継いでやっていってくれと、その中に7,000人のホールの数字が入っているから、それは含まれているというような認識で受け止めておきます。
この再開発事業における収支計画の遵守、こちらについての記載はされますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 基本協定では提案内容の継承を規定する考えでございます。提案の内容には収支計画、あるいは資金計画も含まれるものでございますが、これは規定することは想定はしてございません。
○渡辺委員 当然継承してもらいたいけども、縛るものではないという、そういった解釈かと思います。当然景気の変動であったりとか急な地震、災害とか、事業者も想定しないようなやむを得ない事情での資金計画の変更というのは当然協議をすべきだと思うんですけれども、事業者側がかけてきたリスクに関しての、そこに関してのリスクヘッジは事業者側で持つべきである、そこをしっかりと明記していただかないとやっぱり不安なんですよね。どんどん進めていって、やっぱりこの補助金の率が思ったほど入ってこないような感じなんで減らしていくしかないんですよ、その分ちょっと協議に乗ってもらえませんかというのがあった場合、それは協議に乗りますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今回の基本協定でございますが、施行予定者が認可を経て施行者になるまでの間の協定でございまして、期間が限定をされているものでございます。補助金ですとか費用負担などに係る再開発事業そのもののリスク分担までを規定するものではないと考えてございます。今後はその事業の進展に伴いましてその時点で必要な事項に関する協定を締結していくということでそのステップを踏んでいくということと考えております。
○渡辺委員 だから、そういう性質のものではないというのは分かっているんですけども、でも、その条件としては区としては出せるわけですよ。依頼者なんですから。はっきり言ってもらっていいんで、補助金のそのリスクに関しては事業者負担にするというようなことを明記できるかできないか、するつもりがあるかないか、そこだけ答えてもらっていいですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今回の基本協定では記載をする考えはございません。
○渡辺委員 じゃ、仮にその資金がショートしました、協議したいんだけどというふうな、そういった話し合いには応じますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 事業者からの様々な提案、これからあるかと思いますけども、その中で協議をしていくということでございます。
○渡辺委員 協議するということじゃないですか。そこをしちゃ駄目なんですよ。突っぱねなきゃいけないところなんですよ。そこをしっかり明記してもらいたいし、そこを突っぱねるためにも、ここに書いているでしょうと、それはあなたたちの抱えたリスクなんでしょう、うちが負担するものじゃないんでしょうということを言うために一文しっかり書いたほうがいいんじゃないかという話をしているんですよ。分かりますよね。絶対にちゃんとした協定を結ぶという時期というのはもう後戻りができない時期だと思うんですね。もう国も都も申請を受けて補助金を申請してスペシャルメニューをもらうための都の許認可を得るという、そこまで来て資金が足りませんでした、もうどうしようもないですというところで止めることはできますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今回の基本協定は役割分担を規定するというものでございまして、施行予定者に求める役割を、もし事業が成り立たないということであれば、それはその役割を果たしていないということになりますので、それはその時点でやはり解除ということも検討せざるを得ないという状況になるかと考えています。
○渡辺委員 仮に解除になったとして、中野区としては大丈夫なんですか。結構1年後とかですよね。どんどん区役所も建っているわけですよね。そこで解除して、そのときに今までの損失だって区もあるわけですよね。そういった損害賠償だって私は請求してもいいと思うんですけども、大丈夫なんですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) これからの役割分担、協定を結びますけども、まさに事業を推進していくと。これは区と施行予定者と協力をして事業の推進に向けて取り組んでいくという内容でございますので、そうならないような形で今後の協議、あるいは事業計画の作成、そういったものに取り組んでいくということでございます。
○渡辺委員 分かりました。事業が成り立たないというふうなことが詰めていく中で出た場合は解除もあり得るというふうな答弁もいただきましたんで、そうならないことを、当然事業を進めていくのが前提ではありますが、それぐらいの覚悟を持って交渉をしていってもらいたいと思います。
あと、すみません、この間一般質問で立憲民主党の酒井議員からも同様の質問がありましたが、仮に変更の申し出を受けて修正をかけられた場合、議会や区民にどういった対応をすることを考えているかを改めてお聞かせください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 提案内容の変更が生じる場合には、施行予定者と協議の上、必要に応じて区議会、区民へ説明を行うことを想定しているところでございます。この説明に当たっては施行予定者に対して協力を求めていく考えでございます。
○渡辺委員 その報告をして、それで終わりですとかじゃなく、例えばその報告の中で議会や区民の方がいろいろこれは違うんじゃないか、これはこうしたほうがいいんじゃないか、そういった意見が出た場合、それは取り入れてくれるというような認識でよろしいんでしょうか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) もちろん、区議会、区民に説明、意見交換を行うと、様々意見を言っていただくと思いますので、それを受け止めて、その後どうするか、これは区としても考えていきたいと思いますし、施行予定者にもしっかりと投げかけていきたいということを考えてございます。
○渡辺委員 そのことは協定の中に記載するということは考えていますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 施行予定者にはこの説明ということについては協力をしてもらうということについては規定をするものでございます。
○渡辺委員 ぜひ明文化していただきたいと思います。その修正内容について、こういった報告をどこかのタイミングでするわけなんですけども、そういったプロセスを取るというのであるならば、やっぱり当初出した資金計画も含め、公募に出された詳細な提案書もできれば議会や区民に開示すべきではないのか。だって、そうじゃないですか。何がどう変わったのか、元の資料がないと分からないわけですし、どういうふうに、いいふうに変わったのか、悪いふうに変わったのか、報告されても分からないわけですから、やっぱりその比較となるものとしては最初に出された提案書なり資金計画なのかなと思っているんですよ。そういった資料を開示すべきと考えていますけど、区の見解をお聞かせください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今回の民間事業者公募では総合的な審査ということで様々な項目について応募者に提案を求めておりますが、これらの内容は審査を目的としたもので公表を想定しておりません。提案内容の公表用としては別途応募者に提案概要書の提出を求めておりまして、区としてはこの提案概要書をもって公表としているものでございます。
○渡辺委員 ルール上そうだということでの答弁でありますけども、じゃ、例えば事業者側から開示してもいいかどうか、開示してほしいという要請が出たんだけども、出してもいいのかということで、いいですよと言ったらそれは出してもらえるんですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今回の提案書は一定の条件に基づきまして各事業者が自らの知見によりまとめたあくまで提案でございまして、公表を前提としたものではございません。計画の詳細について今後計画、協議によって決定をしていくものでございます。このため、現段階で提案書そのものを公表することは考えてございません。
○渡辺委員 だから、今出せないのは分かるんです。そういうルールだから。ただ、要請がありました、ちょっと資金計画について何か物言いがついたからそれも確認したいと、見せてもらうことはできませんかと言って、駄目だと言ったらそれはしようがないですよ。それはそういうルールでやっていたということだから。でも、いいよと言ってくれる可能性もあるわけじゃないですか。それをやってくれないかということを聞いているんですけども、区の見解をお聞かせください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今回提案いただいているものはあくまで一定の条件に基づいたものですので、これからの具体的な計画のものではございませんので公表は考えてございません。
○渡辺委員 じゃ、報告を受けた資料はどうやって判断すればいいんですかということになるんですよ。何をどう修正したのか、元の資料を見なきゃ分かんないじゃないですか。だったら、そういう協定を何で書くんですか。そんなんだったら勝手に進めればいいじゃないですか。許しませんけど。出せよということなんです。それぐらいの汗をかいてくれという話なんですよ。
でも、本当に情報公開するべき一大事業なわけですよ。これは何十年かに、100年に一遍あるかないかという、やっぱりいろんな人の監視の目がある中で進めていくべきものじゃないの。1回出した資料というものは引き返せないわけですから、聞くだけ聞いてみてくださいよ。駄目だったらいいですよ。その代わりそれは駄目な理由を教えてくださいという話です。事業者側にとって何で駄目なのか。審査するために出した資料なわけですから、私はそれは普通に考えてある程度公にしてもいいと思いますよ。もし駄目だと言うんだったら、それを拒む理由というのも知りたいです。事業者がどういうことを考えているかというのも分からないですから、少しでもやっぱり情報が欲しいし、何かどこかのタイミングで、繰り返しになりますけども、経過報告をするんであれば、どこからどう変わったのかというものをちゃんとこの目で見て確かめたいわけじゃないですか。何でそれをやらないんですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 繰り返しになりますが、現段階では想定ということで取りまとめていただいた提案でございますので公表は考えてございません。一方で提案の内容について説明をするという機会も設ける予定でおりますので、そういった中で対応してまいりたいと考えております。
○渡辺委員 こういう対応を取られると、結局報告を受けて何か言ったとしても、いや、それはもう遅いですという、そんなの変えれませんとかと、議会の意見も何にも聞かないでそのまま進めちゃうんじゃないのとやっぱり思っちゃうんですよ。せめてこういった要請があったと、区の中で検討しましたと、ちょっと聞いてみてもいいかなと、アクションを起こしてもいいかな、それともやっぱりそれはアクションを起こすのもまずいのかなとか、何で駄目なのか。駄目な理由がちょっと分からないです。納得できるようにもう一回、区の方針とかじゃなくて、何で聞いてみるということすらできないのか、それをちょっと聞かせてください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 繰り返しになりますが、現段階ではあくまで提案ということなので公表することは考えていないということでございまして、一方でその公表することで今後の計画を立てていくに当たって前提となって変わってくるところ等もございますので、そういった情報で混乱するというようなこともいけないかなというふうに思いますので現段階では公表は考えておりません。
○渡辺委員 区としては混乱したくないから出したくないという、そういうことなんですよね。いろんな意見がああだこうだと入ってきてもう収拾つかなくなっちゃうのを懸念して出したくないという、そういうことなんでしょう。それでいいのということなんですよ。いいふうに変わるんだったらいいですよ。ただ、いろんな要素があって、もしかしたら区が妥協しなきゃいけない場面も当然あるかもしれない。それは今後先々どういった景気になるのか、資材費、人件費が急に高騰したりとか、土地の価格が物すごく上がったり下がったりとか、急に地震が来たりとか、いろんな想定できないこともある中でこの事業を成し遂げていかなきゃいけないというような大事な事業だということで混乱をさせたくないという、そういうのは分かるんですけれども、でも、さっき議会にもちゃんと報告するというふうなことを言っているわけじゃないですか。何か意見があったらそれも取り入れて検討しますよということを言っているわけじゃないですか。せめてちゃんとそういった意見を出す人たちに対してそれなりの情報というものを事前に提供するというのは最低限やんなきゃいけない区の義務だと思うんですけども、それは違うんですか。混乱したくないというような、そういった理由だけでそんな出さないという、そんなの通用すると思っているんですか。
別に混乱させるつもりはこっちもないですよ。よりよいものにしていきたいということで、中野区と一緒に、別に敵対するわけじゃなくて、一緒に民間事業者に対してよりよいものを作っていくためのそういった応援をしたいということで言っているんですよ。何でそれを混乱しそうだからと拒むんですか。それはちょっと失礼じゃないんですか。ちょっと時間もないんであれなんですけど。せめてここに関してはできる限りの情報提供をしていくということを再度検討してもらいたいですし、それができないというんであれば、それは野村事業者と区が何か隠しているんじゃないのという、そういったことまで考えちゃうわけなんですよ。隠そうとすればするほど怪しまれますからね。せめてそこは情報公開をしていってもらうことを要望いたします。できれば、開会中の建設委員会なり特別委員会でそういった資金計画なり提案書の詳細、内容を出してもらえることを希望いたしましてこの項の質問を終了いたします。
続きまして、中野区のIT化推進について伺います。ちょっともう時間がないので質問を飛ばさせていただきます。
高齢者のデジタルデバイド対策、こちらについて伺います。行政のデジタル化を進めるに当たり課題として出てくるのが高齢者のデジタル格差であります。スマホを積極的に活用している高齢者が増え続けてきている中で、今もガラケーの携帯電話を持っている、もしくは携帯電話すら持っておらず、デジタル化の波に取り残された高齢者の方々への対応についてまずは検討していかなくてはいけません。都は、2月22日に令和3年度予算案の中での新規事業、デジタルデバイドの是正に向けた高齢者スマートフォン利用普及啓発事業を新たに立ち上げております。10分の10の補助率となっており、都は高齢者に対してスマートフォンの利便性などの普及啓発を目的としたスマホ教室を開催し、参加者の中で希望者に端末を1か月程度貸し出す、こういった事業を行うことを考えております。区もこの事業を区有施設等を活用し、全区内に展開し、スマホ教室に積極的に参加するよう働きかけてみてはいかがでしょうか、伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 高齢者のデジタルデバイド対策でございます。今年度、新型コロナのために休止している状況ではございますが、区ではこれまでもシルバー人材センターや東京テクニカルカレッジと協力いたしまして、デジタルデバイドを解消するためにパソコン教室やスマートフォン教室を開催してきてございます。東京都の事業につきましては、まだ東京都から事業展開の詳細について明らかにされていない状況ではございますが、デジタルデバイド対策充実について検討してまいりたいと考えてございます。
○渡辺委員 スマホを持つメリットをしっかり高齢者に伝えていただいて、その格差をなくすための事業、こちらを進めていただきたいと思います。予算もあまりかからないかと思いますのでお願いいたします。
続きまして、先日の一般質問で他の議員からも同様の質問が出ておりましたが、プレミアム付き商品券事業の補助制度についても確認します。東京都の公表では、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向け、キャッシュレスによるポイント還元などの取組を行う区市町村を支援するための事業が検討されています。ポイント還元事業であれば4分の3の補助率になるとのことですが、このなどというところにプレミアム付き商品券事業も含めて対象となるのかどうか、詳細を詰めているところと聞いております。商店街にとっては現時点ではプレミアム付き商品券事業のほうが効果が高いと思われますが、このポイント還元が可能であれば、一部電子化されたプレミアム付き商品券、いずれかの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
○堀越産業観光課長 先日の東京都のプレス発表では、都民生活を支えるセーフティネット、東京都生活応援事業といたしまして、デジタルの力を活用し、キャッシュレスによるポイント還元などの取組を行う区等への支援を行うとされておりまして、プレミアム率は30%まで都が対象経費の4分の3を補助するという制度内容が公表されたところでございます。制度の詳細がまだ明らかではなく、すぐに事業案を作成するのは困難な状況ではございますが、ポイント還元事業とプレミアム付き商品券事業、双方について、中野区商店街連合会の意見等も踏まえつつ、その効果について比較検証を行うなど検討を進めてまいりたいと考えております。
○渡辺委員 キャッシュレス、今でも現金のみの取扱いの個人店に対してもこういった施策を一つの呼び水として、都内の個人店キャッシュレスの導入という、そういった呼び水になればというところも含めての検討になるかと思います。すぐにどうこうという話ではないと思うんですけど、補助を受ける期間内にぜひ実現させていただければということを要望いたします。
最後になりますが、区のデジタル化推進、これは庁内全体で進めていく必要があるかと考えます。庁内でもおのおのの部署が個々に取り組んでいくには限界があり、デジタル化推進施策を取りまとめる部署が必要なのではないでしょうか。私は、その役割として企画部である情報システム課が取りまとめる、もしくは新たなIT推進を進める部署を作るべきと考えます。同時に民間の人材を採用する、こういったことも検討する必要があるかと思われます。国のデジタル庁も民間人材を採用していますし、都も既に去年、民間のITスキルの高い人を採用して一緒にデジタル化の推進を進めているわけでありまして、この人材の確保、こういったところも重要かと思います。併せて御答弁をお願いいたします。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) IT推進の取りまとめ部署等についてでございます。現在、庁内の情報政策の推進につきましては企画部情報システム課が調整や取りまとめを担っているところでございます。今後、行政のさらなるデジタルシフトに向けまして、組織の在り方、また外部人材の登用などについても検討してまいりたいと考えてございます。
○渡辺委員 デジタル化推進は本当にこれから必須課題となりますので、幅広く民間の人材の活用も含めて検討していってもらいたいと思います。
以上でこの項の質問を終了いたします。
続きまして、子育て先進区の実現について伺います。これもちょっとすみません、時間の都合上質問を飛ばしまして、保育園事業に関する日常業務の中にある新入園児期中入園情報通知時期について伺います。引っ越しなど何らかの理由で中途退園となって保育園に空きが出た際に、区は、待機児童となって入園待ちを希望している保護者の中から指数ポイントの高い順番から次の入園者を選定し、保護者と保育園に連絡する仕組みとなっております。保育園側は、中野区が選定した入園が決まった方の情報を区から受けて保護者と今後のことについて話をすることになるわけですが、区が保育園や保護者に通知する時期、入園日から遡っておよそどのくらい前に通知しているでしょうか。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 保護者への入園申請の結果発送につきましては入園のおよそ10日前に通知いたしまして、保育園には保護者に結果を通知するおよそ3日前に連絡をしております。
○渡辺委員 およそ10日前、保育園には13日前に通知というふうに聞いておりますけども、この日数の問題なんですけども、保育園側としては、来月から新しい子が入りますという連絡が来ましたと。その後、保護者のほうにも紙で入れますよということで通知が来ますと。それで、保護者のほうから保育園のほうにこういった通知が来ましたという連絡をするわけですよね。保育園はその連絡を受けた後に、じゃ、保護者との面談日はいつにしましょうかとか、健康診断、来る前にやっぱり行ってもらえませんかとか、保護者のほうも通知を受けてから、例えば職場復帰するための手続をしますとかいろんな書類を書いたりとかします。要は、今10日前なんですけども、その期間がもっと早ければ早いほど保育園にしても保護者にしても時間的余裕が生まれるわけなんで、できればもう少し早めにしてもらいたいという要望が特に保育園側から上がっているわけなんですね。もう少し早めることができないかどうかというところで、じゃ、どれぐらい前が理想なのかというと、保育園側は大体20日前に通知があれば余裕を持って対応できるんですというようなことなんですけども、区はいきなりそれは難しいかもしれませんが、少しでも早く保育園や保護者へ通知時期を早める、そういった改善を行ってもらいたいんですけども、その辺の見解をお聞かせください。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 現在、区では申請書類の入力業務の自動化をするためのAI-OCR化を進めております。令和3年度には保育入園に係る利用調整につきましてもAIの導入に向けた準備を行う予定であり、業務の効率化を図り、区民、保育事業者への連絡時期につきましても短縮化に努めていきたいと考えております。
○渡辺委員 結局保育園や保護者がちょっと余裕ができると、逆に区の職員の負担が大きくなるという、そういう構図になってしまっているんですよね。逆に区の負担が減るということはどうなるかというと、保育園の負担が増えてしまう、保護者のほうにも負担が増えてしまう、そういう構図なのかなというふうにこれは思っているところです。本当に大変なことだとは思うんですけれども、できることなら少しでも保護者もしくは保育園の側に寄り添ったそういった対応ということで、1日でも2日でも早めの通知というものを期中入園に関しては行っていただきたい、こういった要望をさせていただきます。
続きまして、あと日常業務の中においての区から届くメールが遅いという声も保育園から届いているんですね。象徴的な出来事としては、2020年4月7日の火曜日に新型コロナの緊急事態宣言が発令された際に、保育園を休園するという連絡が保育園に届いたのが4月10日金曜日の6時過ぎということなんですけれども、金曜日の夜メールが届いたということは、もう保護者も子どもを迎えに来て帰っちゃっているということなんです。土曜日に来る保護者は別にいいんですけれども、土曜日お休みする保護者に対して保育園は一件一件それを電話をしなきゃいけない。平日のもっと早く連絡が来ていれば、もうお迎えが来たときに来週から休みに入りますと言えたのが、土曜日に一件一件電話しなきゃいけなくなって負担がすごくかかる。それが結構象徴的な出来事なのかなと思っております。こういったことが多々あるという話を聞いているんですが、区はそのような声が現場から上がっているということを認識していますでしょうか。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 私立保育園からは、区から保育園へのメール配信につきましては16時までにするか、園から保護者への連絡する日にちに余裕を持ってもらいたいとの要望があることは承知しております。緊急事態宣言に係る臨時休園等は保護者の就労に大きな影響を及ぼすことになるため、国や都の動向を把握した後に判断したことにより直前の連絡となってしまいました。保育現場が混乱しないよう引き続き正確な情報をできる限り速やかに提供してまいります。
○渡辺委員 積極的に取り組んでいくという言葉をいただいて頑張っていただきたい。子育て先進区を目指すと、そういった目標を掲げているわけなんで、やると言ったことは必ずやってもらいたい。口だけ先進区にはならないように、そういったことを要望いたしまして、私の全ての総括質疑を終了いたします。どうもありがとうございました。
○山本委員長 以上で渡辺たけし委員の質疑を終了します。
次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 自民党の2番手で、自民党の大内しんごでございます。ちょうど一巡しましたので、大体それぞれ皆さんが疑問に思っているところが一通り出たと思いますので、ちょっとまた違った観点から質問させていただきます。
まず最初に令和3年度の予算編成方針についてですが、確認をしておきますけど、687億円の一般財源規模、これを設定したところでありますけれども、結局削減に努めたけども、736億円と49億円超過しておりますが、これについて改めて区の見解をお聞きしたいと思います。
○森財政課長 構造改革の短期的取組による事業執行方法の見直しですとか、事業の休止、廃止、また各部におけます事業の見直し等によりまして歳出削減に努めてきたと、その687億円を目指して歳出削減に努めてきたところではございますが、一方で新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた区民の命と暮らしを守るための必要な区民サービスやこれまで進めてきたまちづくりや学校施設整備などに対しまして財源を投入して、結果として基準を49億円超過したと、このような結果になったということでございます。
○大内委員 今、真に必要な区民サービスをいろいろおっしゃっていました。じゃ、今回の短期的な構造改革で行ったものに関してはそういったものに該当しないといったことでよろしいんですね。
○森財政課長 歳出削減に努めてきたといったようなことでございまして、一定構造改革の取組の中で削減したと、見直しをしたといったような事業はございました。ですので、それについては一定の考えを持って今回については令和3年度予算には計上しなかったということでございます。
○大内委員 いや、そんな長い答弁は要らなくて、そうなんですねと聞いたんで。要はこれから令和4年度の予算編成に向けて構造改革プログラム等を行っていく。その中で区長も無駄、むらと言ったのかな。よくそういった言葉を何回か出したんですけども、そういったものは徹底的に排除していくということでおっしゃっていました。当然短期的な構造改革に臨んだということで、今回もこの短期的な取組、見直しがあった。一覧が出ていますけども、これが無駄だとか無理というのが区の見解でよろしいんですね。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和3年度の予算編成に当たりまして見直した項目でございますが、いずれも行政需要に応じて取り組んできたものではありますけれども、執行方法や頻度、成果など改めて見直しますと工夫の余地があると見受けられる事業だったと捉えております。
○大内委員 いや、だから、私が聞いているのは、今後の財政運営でも構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政をつくっていくために無理、無駄な事業に対して見直していきますよ、だから、来年度の短期的な取組の中で行った内容についてはそういったものに該当するものだということなんですねと聞いているだけなんです。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 必要に応じて行っている事業ではございますが、その中に無駄ですとかむら、そういったものが潜んでいたということでございます。
○大内委員 それで、これから中長期的な取組で同じく無理、無駄というものを排除していく。令和3年度の予算の途中に、今度6月、あるいは8月に出てくるわけですね。その時点で新しい取組が当然出てくる。今回頑張ったけども、かなり50億円以上の財源不足に陥った。本来なら区民サービスとして必要だけれども、今後財政的に大変厳しいことが予想されるので、できる限り区民サービスを低下させないために民間にサービスをお願いする、あるいは地域の方たちにボランティアとしていろいろお手伝いをお願いする、そうしたことによって地域サービスを落とさない、それがまず第一だと思うんですけれども、今回の無駄、むらというところではそういうところとはちょっと違う。今まで区が自信を持ってやっていたものまで削られてきている。今後構造改革を進めるに当たって、多分そういったものはさらにたくさん出てくると思うんですけれども、これが今年の夏辺りに出たときに、年度の途中でも補正を組んで、今組んでいる無駄、むらが入っている予算については取りやめたり執行の停止ということをやるということですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和3年度でまた予算を執行していくということになってまいりますけれども、一旦予算編成の段階で様々検討いたしまして精査をしたものでございますが、さらに執行の段階におきましても無駄やむらのないような形で進めるように努めてまいりたいと考えております。
○大内委員 じゃ、もう予算についてはその程度にして、今度構造改革に入っていきますけども、構造改革を進めるに当たっての大きな考え方として、今まで「行政改革」という言葉を区としては、他の区でも「行革」という言葉、毎年あるいは「事業見直し」と言っている。今回「構造改革」という言葉を使っているんですけども、「構造改革」という言葉を使った意味は何ですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした社会変革の中で急速に進むデジタル化や変化する価値観、行動様式に適応するために行財政における構造的な改革を必要としたことから「構造改革」という言葉を用いたところでございます。
○大内委員 いや、デジタルシフトとかいうのは別に新型コロナは関係ないんだよ。その前から言われているの。新型コロナで言われたから急に始めると言ったら遅いんだよ。その前からデジタルトランスフォーメーションだとかそういうのを言われていたわけだ。別に新型コロナだから始まったわけじゃない。それを理由にやるといっても、それは進めていくにはまたそれなりの予算を組まなきゃいけない。そうすると、本来構造改革が目指すもの、予算の圧縮をやるための構造改革とちょっと意味が違ってくるのかなと思います。「構造改革」という言葉をもう一度確認します。「行政改革」、あるいは「事業の見直し」とどこが違うんですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) これまでも行財政の構造改革、あるいは区政の構造改革ということでお伝えしてまいりましたので、ある意味行政改革ということと同一の考えを持っているところでございます。いずれにしましても、無駄、無理、むら、そういったものを排除していくということで取り組んでいきたいと考えています。
○大内委員 また無理、無駄と言うから、じゃ、ちょっと聞くけども、今回、これはさきの先議の案件で、たしかシティプロモーションかな、減額修正されましたよね。あれは減額されたけれども、今度構造改革の短期的な取組ではまたシティプロモーション事業の見直しが出ている。これは内容は違うものなんですか。今年度当初予算に組まれましたけども、執行せずに減額修正をされたものと来年度当初考えていたシティプロモーション事業で構造改革の短期的見直しで減らされているものが1,500万円ある。この中身は違うやつですか。
○高村広聴・広報課長 委員が御指摘の先議で出ている分につきましては、昨年6月、議会からの指摘も踏まえまして事業の見直しをして、その見直しの考え方に基づいて執行を止めたものです。それについての減額補正でございます。今回のこの短期的な見直しの中で出てきたものについては、その流れをくんで今取組を進めていますけれども、さらにその事業を効果的にやるためにどうかということで、この構造改革の機に再度点検しまして、シティプロモーション事業の助成についてこれが効果が上がりつつありますので、その対象の見直し、それから方法の見直しをしたものでございます。
○大内委員 中身を聞いているの。この間先議で減らした部分は内容的にこれなんです、今度短期的な構造改革で見直したのはここなんですという中身を聞いているんです。
○高村広聴・広報課長 先議の部分については当初予算で組んでいた業務委託の部分です。今回の短期的な見直しについてはシティプロモーション事業の中の事業助成、これの対象の見直しと方法の見直しでございます。
○大内委員 いや、もうちょっと分かりやすく言ってくれますか。この間の補正で先議でやったものは何、もう一度お願いします。
○高村広聴・広報課長 シティプロモーション事業そのものを進める業務委託の経費、それが主たるものです。
○大内委員 だから、その中身は何かと聞いているんだよ。
○高村広聴・広報課長 以前も博報堂に委託をしてシティプロモーション事業として……。
○大内委員 だから、それは何なんだよ。
○高村広聴・広報課長 例えば未来プロジェクトみたいな事業者と一緒にやるワークショップの企画、調整だったりですとか、それから広報、こういったものについてを委託するというのを当初予算で組んでいました。これについて考え方を見直しましたので、執行方法を変えて職員による企画、調整でやっていくようにしたものです。
○大内委員 なかの大好きナカノさん事業だと思ったらナカノさん事業じゃないんですね。僕はそういう事業名を一生懸命聞いているんだけども、博報堂に委託したシティプロモーションだとかおっしゃったけど、これはナカノさん事業じゃなかったんだ。僕はナカノさん事業だと思ったんですけども、それを博報堂に今まで約4,500万円ほどかけていろいろやってきてもらった。それを今回もうお金をかけなくていいんじゃないかということでやめたと思っていたんですけど、ずっと主語がないんですよ。何の事業ですかと聞いているのに、博報堂に委託して中身中身、何か隠しているように取られるとよくないですよ、ナカノさん事業のこういった部分ですとちゃんと分かりやすく言ってくれないと駄目だと言っているわけ。それを言わせないで、そちらが言ってくれますか。
○高村広聴・広報課長 昨年6月の総務委員会で御報告した事業の見直しのときにもお話ししましたが、まずナカノさんによるシティプロモーション事業も委員御指摘のとおり入っております。それから、先ほどお話ししたように、ワークショップなどで事業者間で連携して取組を進めるもの、これの企画、調整も入ってございます。
○大内委員 いや、だから、メインは、補正で今回落としたのはナカノさん事業なんじゃないんですかと聞いているわけ。違うんですね。どうなんですか。
○高村広聴・広報課長 昨年度まではナカノさんの部分が非常に大きかったですが、今年度組んでいる当初予算についてはその双方を合わせたもので1,400万円余の委託の内容になってございます。
○大内委員 別に悪いとかいう以前の問題で、ちゃんと言ってくれないとまず議論できないの。無駄だったとか無駄でなかったとか、中身をちゃんと言ってくれないと、ただ金額を落としただけに見えちゃう。その中身は何ですかという話をちゃんとしたいわけ。ナカノさん事業も駄目だとかやるなとか言っているつもりはない。補正でも自分たちが落としてきたわけでしょう。だから、それに対してしっかりとこの点がまずかったとかいう反省がないと、ただ落としましたじゃ駄目なんですよ。でも、やっぱりああいったものがあまりお金をかけずにもっといろいろできるんだという判断でそういうふうにやったとか言ってくれないと、その一つの事業で4,500万円今まで、昨年度までかかってきたんですよ。それに対していろいろ私たちは、それは無駄なんじゃないか、もうちょっとやり方、執行方法を見直したほうがいいんじゃないかと言いながら2年間で4,500万円かけてきた。さらに今年度の予算がついていたから、それはもうやめたほうがいいんじゃないかと再三指摘されて、その分で減らしたのかもしれないけども、それをちゃんと聞いているんですよ。どうなんですか。だから、メインはナカノさん事業なんでしょう。違うんですか。
○高村広聴・広報課長 繰り返しになりますが、昨年度まではそのとおりでございます。6月に総務委員会のほうで御報告させていただきましたけれども、議会からの指摘を受けて、これまでのナカノさんを中心としたシティプロモーション事業についての検証をし、再構築の考え方をそこでお示ししたところです。それに基づいて進め、今回落としたというところです。今年度の当初予算については、ナカノさんによる広報の部分と、それから事業者間で連携してやる取組の企画、調整、この2本立ての想定でございました。
○大内委員 それを最初からそういうふうに言ってくれればもうこんな時間を取らなくて済むんで、こちらの意図することをちゃんと考えて答えてくれないと、中身を端的に聞いているだけだから。じゃないと目立っちゃいますよ。ナカノさん事業を隠しているように見えちゃうから、ちゃんと言ってくれればいいです。今までやってきたものがあるわけだから、それを無駄にしないためにうまく活用してもらえばいいだけなんです。分かりますか。分かっていないみたいだけど、まあいいや。
来年度シティプロモーション事業を1,500万円ほど短期的取組で減らします。これについてはどういった事業を減らすんですかということを今度聞きたいんです。端的に答えて。
○高村広聴・広報課長 先ほど申しました業務委託の分、今年度で想定しているところとしてはナカノさんの広報の部分、それから事業者間で連携してやる取組、それの企画、調整を委託している事業費を落としているのが主たるものでございます。
○大内委員 では、それが無駄だとかむらという事業の一つでいいんですね。
○高村広聴・広報課長 繰り返しですが、昨年6月に検証した結果、一定の成果があったものの執行方法は変えるべきだということで、職員の企画、調整により進めるべきだということで今回落としたものです。
○大内委員 短期的な構造改革の取組に入っているからそっちのことを聞いているんです。今あなたが言っているのは今年度の補正予算を落とした理由を言っているわけ。僕が聞いているのは来年度の短期的な取組の中に1,500万円ほど入っているから、これもそうなんですか、無駄だとか無理の部類に入るんですか、そうじゃないんじゃないのと僕は言っているわけ。この短期的な取組で無駄だとか無理だとか言っているけども、決してそれだけじゃない事業もたくさん入っているんじゃないんですか。
そういう意味で言っているんです。分かりますか。分からない。
だから、何でも無駄だとか無理でむらがあるからやめろとか言っているんじゃなくて、やっぱり事業の見直しということで取り組んでいるんじゃないんですかと聞いているんです。今までの話は無駄だとか無理という言葉が先歩きしちゃっているんで、それだけじゃ決して、これから中長期的な構造改革をやるに当たって、本来なら区民サービスでやるべきものなんだけども、あるいは中野区が独自でやってきたものなんだけども、こういった状況なんで規模を縮小しますと言えないですよ。無駄だとか無理という言葉だけで片づけたら構造改革はできないですよ。しっかりお願いするものはお願いする。これからは区がやるんじゃなくて、地域の皆さん、自分たちで何とか協力して知恵を絞って一緒にやっていってもらえませんか、今まで職員がやっていたものを、5人でやっていたものを3人に減らします、3人でやったものを1人にします、1週間、5日間やったものを、すいません、4日間に減らしてください、そういったことで構造改革を進めていくんじゃないのかなと僕は思っているんでね。行政改革。
ただ、今回構造改革というと、いろんなところに散りばめられているんだけども、確かに国の構造改革とは違うと思いますよ。JR、NTT、そういったものとは違う。ただ、中野区で今まで構造改革に取り組んできたのは、学校給食の民間委託であり、あるいは保育園の民営化であり、学校警備の機械化であり、様々あったと。当時3,300人いた職員を2,000人にするという大きな目標に向かって、それに対してどういったサービスを切り返していくべきなのか、区民サービスを低下させないために何をするべきなのかということでいろいろ取り組んできた。当時学校給食の民間委託を私たちは一生懸命やったけども、当時いろんな方から、民間の作った食事は危なくて食べられない、公務員が作った食事じゃなきゃ食べられない、そういった方たちも議員の中にもいらっしゃったけども、今、全部が民間委託になっているじゃないですか。その子たちは今、危なくて小・中学校に試食に行けないですよという話になる。それを言っても、でも、結果的に今順調に進んできて、中野の人件費も300億円あったものが200億円までこの20年間で落ちたわけでしょう。本来なら構造改革というのはそういうものなのかなと思っているんだけども、今出ている構造改革の中身はあまりにもちょっと、点と言えばいいのかな。大きな目標がなくて、その場で各部に落として必要あるかないかという構造改革でしかないんで、もうちょっとこういうところをリーダーシップを取ってもらって大きな構造改革を、ちっちゃい構造改革でも結構ですけども、やっていただきたい。
ただ、そのときの構造改革は何ができるんですか。今やっているのは事業の見直しなんですよ。これから児童相談所だとかで職員が40人ないし50人程度増えていく。そういったものも吸収していく。そうした場合に、今ある2,000人体制というものを1,900人だとか1,800人にするのはなかなか難しい。せめて、この間総務委員会でも提案されましたように、2,100人に将来的にしたいんだということではなくて、構造改革で2,000人に抑えるためのまず努力をするべきなんじゃないのかなと、構造改革で687億円の一つの基準額がありますけども、予算はそれを目標、そのためには何が必要なのかということをしっかり考えていただかなければいけないのかな。まず分かりやすいのは人件費を抑える。人件費を抑えるということは定数を抑えるということなんですよ。当たり前だけど。そういった取組の考え方はありますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今回の構造改革で目指すところということでございますが、将来にわたって必要な区民サービスを提供し続けるということが重要でございます。そのために施策、組織、施設の再編に取り組んでいくということでございまして、それの結果、職員定数の適正化ですとか、あるいは財政の健全化、こういったことを目指していきたいと考えております。
○大内委員 いや、だから、口で言うのは簡単なの。何か目標をつくらないとできないんじゃないですかと言っているんです。687億円、せめて700億円まで下げ、さっき渡辺委員からあった。いきなりそこまで下げると必ず区民サービスにかなりの影響、ダメージを受ける。そうじゃなくて、段階的に落としていくためにまず700億円だとか一つの目標数値をつくって、その間は財政調整基金で埋めていくだとか。今回単純にやってみたけど、結局49億円も年度間調整分を入れているわけでしょう。最初は入れないで調整すると。だから、そういった目標数値をそんなにあんまりハードルを高くしないでまずそこから。行政改革をやるといっても、1年で効果はなかなか出ないんですよ。今言った職員定数もそう。来年公務員は100人切ろうといったって100人切れないんです。勧奨退職だとかをやれば別ですよ。そうなれば。民間みたいに職員の数を簡単に減らすことはできないんです。そうなってきた場合の構造改革は成果が出るのはやっぱり10年ぐらいかかるんですよ。そういうのを見据えて、今やっているのは短期的なもの。これを見ているけど、場合によっては令和4年度に復活するものも入っているんですね。その辺のことをちゃんと考えてこれからこの実行プログラムを作っていただきたいと思いますけども、どうですか、もう一度お答えを聞きます。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今、委員御指摘のとおり、やはり今後のことを考えますと、職員の定数ですとか、あるいは財政のこと、これについてもしっかりと持続可能な区政運営ができるような形で持っていく必要があると考えておりますので、プログラムを作成するというのは、基本的には一つひとつの事業、あるいは施策についての見直しをしていくわけでございますが、大きな目標も掲げることも検討していきたいと考えております。
○大内委員 今、課長が言ったことを本当に全部やるんですね。かなりいろんなことを言っていますよ。大きな目標もつくる。小さな目標もつくる。それに対して一つずつちゃんとする。今どこまで進んでいるんですか。今回、白土副区長を先頭に11回会議を行ってきた結果がこれだと。これからの3か月間、4か月間か分からないけども、6月、基本計画ができるときにはそれと一緒に付随してできてくると。今まで基本構想はどうなんですか、基本計画にお示しします、基本計画はどうなんですか、構造改革です、今度構造改革は、構造改革の実行プログラムで明らかします、どんどん先延ばしになっているような答えがあるんで、それをしっかりやっていただかないと、本当に今まで言ったことは何だったのかとなりますから。
それとあと、今回基本構想が案が取れて議案に出る予定ですけれども、これがもし可決されなかった場合はどうなるんですか。
○永見基本構想担当課長 もし基本構想の議案が否決をされた場合ということでございますと、現在の案に基づく基本計画についても策定することはできないということになろうかと思います。
○大内委員 基本計画というなら議決案件じゃないんで、示されるということだと思うんだけども、じゃ、今回基本構想が可決されなかった場合、基本計画、構造改革も全て先延ばしになるということを言っているんですか。
○永見基本構想担当課長 仮に否決をされた場合ということでございますけれども、現在の基本構想を実現するための基本計画ということになりますので、基本計画について先に進めることはできないというふうに考えております。
○大内委員 いや、否決するとかそんなことを言っているんじゃなくて、そもそも予算が通らなかったら、この基本構想に基づいて予算を組んでいるわけでしょう。予算が通っていて基本構想反対です、なかなか理屈が通らない話になるわけですよ。基本構想に基づいてずっと予算を計画してきた。でも、まだ議決されていない基本構想なんですかというのは、それはうちの高橋委員もおっしゃっていましたけども、それに対してはそちらも本来でいうと第4回定例会で基本構想を議決してもらって、それに基づいて予算編成を行ったというのが私は普通のやり方だと。ただ、それがいろいろ、新型コロナの影響だといえばそれで済みますけども、遅れて今になってしまったと。
ただ、今回予算というものが通れば、あなたたちが考えている基本構想の思いはそのまま実行されていくと。その基本構想に基づいて予算編成をしたわけでしょう。そうしたら、基本構想が仮に今回継続審査になった場合でも、予算はもうそのまま通過していれば、本来の基本構想の考え方に基づいた予算編成で区は進んでいる。基本構想の考え方は踏襲しているんだということになりますか。
○森財政課長 委員今お話しのとおり、基本構想で今検討している内容、目指すまちの姿をよりどころといいますか、そういうのを想定しながら予算編成を進めてきたというところでございます。ですので、今のお話で例えば基本構想が否決なり、また今回の第1回定例会で可決されなかった場合、じゃ、その後の予算執行はどうなるのかといったことについては、基本計画の検討状況にもよりますし、そこのところはそういう状況などを踏まえながら執行については考えていきたいと思っています。
○大内委員 いや、予算は通りました、でも、その予算というのは基本構想案に基づいて策定された予算です、でも、予算は執行されていきます。でも、その前の基本構想自体も同時に予算が通った後に今度審議されるんですよ。それが基本構想が仮に継続になったとしても、それに基づいた予算というのは着実に執行されていく。そうすると、中野が目指すまちの姿の予算は執行されていると、そういうことになるんでしょうかと聞いています。
○森財政課長 これまで続けてきた事業もございますし、予算が可決させていただいたということになれば、それぞれの事業計画にのっとって執行がされていくということにはなろうかと思いますが、仮に基本構想がその時点で成立していないということになった場合は、例えば新しい事業、新しい基本構想、基本計画に基づく新しい事業などについての執行というのはその辺の状況を見極めて判断する必要があるかなと思います。
○大内委員 基本計画については基本構想が可決されない限りなかなか示すことはできない。でも、そうすると、構造改革というのはまた別ですね。構造改革というのは基本計画と必ずしも一致するわけではないし、構造改革実行プログラムというのは、それはどうしてもやっていかなければいけない話、作っていかなければいけない話でしょう。仮に基本構想が可決されなくても構造改革実行プログラムというのはどんどん策定していくと、そういうことですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革の実行プログラムについては、持続可能な区政運営を目指すということからしましても必要なことだと考えておりますので、これは策定をする考えでございます。
○大内委員 ありがとうございます。
次に、今回ワンストップという言葉が予算のほうに出ていたんですけども、ワンストップサービスをやるに当たって、昨年度まで約8,000万円から9,000万円のお金をかけてコンサルをやっていた。今年度に関してはそういったものをやらなくてもいいんじゃないかということで、あまり効果はないんじゃないかということで今年たしかやめたと思うんですよね。これに対してワンストップという言葉が予算書のほうに出ていたんですけども、どういったものをやるんですか。
○山本委員長 休憩します。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
大内委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 先ほどワンストップサービス、予算書ではなくて基本計画の素案たたき台の第5章のところに出ておりました。失礼しました。先ほどの続き、ちょっと飛ばしていってしまったんで。このワンストップサービス、3年間で8,000万円かけたコンサルティングの成果、今年度600万円ほど計上されていましたけども、執行されずに先日の補正で落とした。これについてはどうなっているんでしょうか。
○藤永業務改善課長 3年間に実施した委託業務につきましては、窓口手続の調査、区民アンケート、職員へのヒアリング等により新庁舎で実現すべきサービスやレイアウトなどの考え方をまとめ、新庁舎での窓口業務フロー、主要な手続ごとに整理したものであり、委託の成果については新区役所の実施設計に反映するなどしているところでございます。また、本年度については、新区役所における窓口支援システム構築の検討につなげるため、昨年度整理した窓口業務フローの実現の検証について業務委託を予算化しておりましたが、全庁的な執行体制により、令和3年、今定例会の先議において補正予算により全額減額補正を行ってございます。
○大内委員 まさしくこれのまず3年間でかけてきた委託料、こういうのは無駄、むらと言うんですか。
○藤永業務改善課長 先ほど答弁しましたとおり、成果としましては新区役所の実施設計に生かされるなど一定の成果、また、事務手続の調査もそこの委託の中でやっていますけれども、押印廃止の基礎調査とつながっているため一定の成果はあったという認識でございます。
○大内委員 よく一定の成果と言うんだけど、一定というのは何のことを言っているのか分からない。低い一定がずっとつながっているのか、高い一定なのか、一定というのはよく言葉は使われるんだけど、実際にそれだと、PDCAサイクルで言うところの一定の成果が出ましたといったって分からないじゃないですか。あなた、業務改善課長でしょう。あなたが分かるように言わないと、ほかの人は絶対分からないですよ。担当なんだから。一定の評価というのは何なんですか。それが生かされるんですか。要はもう終わっちゃったもの、結果的にあまり役に立たなかった。でも、それは役に立たなかったということが分かったということが一定の成果と言っているのか。かけちゃったものは仕方ないけども、私たちも渋谷区へ行ってワンストップサービスを実際見てきました。でも、こういったものを中野区は目指しているのかなというと、これもいいですねという感じでなかなか中野のワンストップサービスが見えてこない。これから令和5年に向けて新しい区役所ができる。その先、10年、20年先を考えたときに、そもそもワンストップサービスというよりも、役所に来なくても大丈夫な手続方式がたくさん出てくると思うんです。住基カードもさらに普及していけば。そういうことを考えてワンストップサービスも取り組んでいただきたいと思いますが、この素案たたき台のほうにはデジタル化やワンストップ化が並列で書いてあるんですね。そうした場合に来年度このワンストップ、そういったものの取組はどうなっているんでしょう。
○藤永業務改善課長 ワンストップにつきましては、本年度の委託しなかった部分の検証について情報収集等々をやっていく予定でございます。
○大内委員 もう結構です。しっかりやってください。
次に、予備費についてお伺いします。この予備費を聞く前に、まず今年の要求資料総務78で在宅勤務数とか出ているんですけども、この推移が4月と1月だと大きな幅がある。多分4月は緊急事態宣言発令されたとき、1月も発令されているんですけども、1月は明らかに在宅勤務数が減っているんですけども、これはどうしてですか。
○中谷職員課長 4月の緊急事態宣言のときと比べて、現在、緊急事態宣言下での実績が減っている理由なんですけれども、最初の緊急事態宣言の際には、小・中学校や保育園、幼稚園などの臨時休業があったことや、また社会的にも出勤率を抑制することが強く求められていたといったことなどがありましたので、また、多少非効率な面があっても、アナログで書類などを自宅へ持ち帰り業務を行っていたといったことから4月の実績が高かったものというふうに考えてございます。今回減ってきている事情としましては、ICT環境を活用した環境の整備がまだ整っていないことから、なかなか効率的に業務を自宅で行うことが難しい状況があるといったことがあるかと推測をしてございます。
○大内委員 学校あるいは保育園というところがお休み―お休みとは言わないですね。自宅で学習だから。ただ、子ども教育部・教育委員会事務局のところが4月は3,000人在宅、延べ数なんだけど、これは学校に来ていなかったということなんですか。先ほど休業になった、じゃなくて、それは自宅で仕事をしていたんですか。要するに学校に来て仕事をしなかったんですか。
○中谷職員課長 学校や保育園、幼稚園の職員につきましては、出勤をしないでも自宅でできる業務について在宅勤務を行っていたというものでございます。
○大内委員 分かりました。
それで、あと、これを見ると、区民部が4月は618件、あと都市基盤部が656件、まちづくり推進部が434件、そういった辺りのところが非常に在宅勤務が多いんだけども、1月になると、580人いたところが13人、656人いたところが6人、430いたところが12人、激減しているんですよ。これはどうしてですか。
○中谷職員課長 やはり現在そうしたICTを活用したテレワーク環境がまだ整っていないということですとか、また、テレワークには小まめなコミュニケーションが取りにくいといった一部非効率な面もあるといったこと、それから、最初の緊急事態宣言下に比べると、社会的にもあまりテレワークが実施されていない状況といったこともあって実績が下がっているのではないかというふうに推測をしてございます。
○大内委員 分かりました。それ以上言いませんけども、要は今度在宅勤務する、テレワークをやる等で補正が5月1日に組まれた。ウェブ会議等をやると。でも、結局それも今年度実施されなかった。減額された。それはどうしてですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 5月1日にテレワークシステムということで補正予算を議決いただきました。ただ、その後の状況、例えばパソコンが手に入らないですとか、また構築方法の見直しを行った。そういったところから構築が遅れたということがございました。また議会での御議論等もございました。そういった状況から年度内の実施が見込めなくなったということがございまして今回補正で全額を落としたものでございます。
○大内委員 それで、当初はリースにして、システムだけまた別途契約する。でも、途中から今度パソコンを買い入れる。いろいろ中身は変わったんだけれども、それは最初当初の説明された予算でそういうことは可能なんですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 一番最初に補正をしたときは、区の契約しているデータセンターに区独自のシステムを構築し、パソコンにつきましては購入を予定しておりました。パソコンが手に入りにくい事情でリースが見込めなかったということがございます。その後、やはり費用対効果等もございますし、業務の効率化等もございまして、サービス利用の形でテレワークを導入するという考え方の下、構築方法の見直しを行ったところでございます。
○大内委員 最初は買い取りで、後がリースね。ただ、それは補正を出したときに決まっていなかったんですか。5月1日か何かの臨時会のときですよね。そのときにまだ固まっていないものを出したということになるの。わざわざその時期に急いでやろうと思ってやったものが途中でころころ変わって、結局1億3,000万円当初予算だったものが8,000万円、9,000万円になって、7,000万円までどんどん変わってきた。そうすると、補正をそもそも組んだときの議論と全然違うものになっているんじゃないんでしょうかと言っている。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御指摘のとおり、5月の補正の段階では区の契約しているデータセンター上に仕組みを構築することを考えて組んだ予算でございます。ただ、そのデータセンターが和解の調整中ということがございまして、和解の議決をいただいていないという状況で新たな契約を結ぶということがいかがなものかというふうに区のほうでも考えまして、そこと違う方法での構築を模索したものでございます。
○大内委員 いや、それを言われてしまうと、そもそも予算が通る前から1社に契約相手が決まっていたということになるんです。限定だったという言い方になりますよ。契約する前から。じゃ、契約するときにその会社名を言ったんですか。1社しかありませんということを議決するときに言ったんですか。言っていないでしょう。それは補正が通って、今の時点でそのときもう相手が決まっていましたという言い方はよくないと思いますけど、そういう契約はありなんですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 補正の御説明の中では契約に言及したということはございませんでしたが、御説明として、グループウェアや内部事務管理システムがあるデータセンターということで、既存のデータセンターということで御説明はしているところでございます。
○大内委員 それじゃ分からないでしょう。もう基本的に契約するところは1社しかありませんよという説明を普通してもよろしいんじゃないんですか。それも後からになって、秋口になってから1社しか契約できるところはありません、そういうことをおっしゃっていたんですよ。そういう予算の組み方がいいんですかと聞いているんです。いいんですね。これからもそういう形で進めていくんですね。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 今回5月のテレワークの予算につきましては最初に区の契約しているデータセンター上に構築するということで予定をしていたものでございますが、今後サービス利用になりますと複数の案件がございますので、競争の価格や内容の精査の下、新しい方式を決めていきたいと考えております。
○大内委員 いや、だから、いいんですかと聞いているんで、いいんですといったらそういうふうに言ってくれればいいです。僕はそういうのはいかがなものかと思っているけども、それはあなたのところに限らず全部、区の契約全部、これからいろいろ出たときに、これはもう既に相手先は1社、もう随意契約みたいな形で決まっているんですかということを確認しなきゃいけなくなるんですよ。そういうことですか。そういうときでも基本的に随意契約でこういった会社にやりますと、そういったことを伏せないで予算のそういった提示を今後もされるんですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 5月の時点のテレワークにつきましては、構築を急ぐということもございましたので、既存のデータセンター上に構築するのが一番早かったという判断の下、既存のデータセンター事業者と契約することを想定していたものでございます。
○大内委員 いや、だから、それをそのときに説明されたんですかと聞いたら説明していないと言っているじゃないですか。そのときには1社しかありませんという言い方はしていないわけ。そういうことをちゃんと言わなきゃいけないんじゃないんですかと言っているわけ。だって、予算を提示したときにはどこと契約するか、相手先は既存に決まっていたわけでしょう。そういうことは伏せていて、何となく説明の中で、こういう説明をすればこの会社しかいないはずですよという説明をしました。それじゃ駄目なんじゃないんですかと言っているわけ。でも、それはいいんですという今受け答えですよね。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 1社しかないという表現での御説明は申し上げなかったと思います。そこがきちんと伝わっていなかったのは申し訳ございません。御説明の中で既存のデータセンター事業者というふうに御説明した中で伝わっているものと考えておりました。
○大内委員 いや、だから、それじゃ分からないからちゃんと説明していただかないといけないんじゃないですかと言っているわけ。そうしたら、もういいですよ。幾ら言っても前に進まないから。
それとあと、予備費で今回2月にウェブ会議システムを購入するような、総務71の資料に出ていますけども、これは何ですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 1度4月にウェブ会議システムを導入したところでございますが、2月につきましてはさらにそちらの増強ということで、カメラセットですとか、あとマイクやスピーカー、それからウェブ会議に必要なパソコン等の購入を予備費において行うものでございます。また、もう一つ、携帯電話の回線を使ったモバイルルーターについて予備費でレンタルを予定してございます。
○大内委員 だから、モバイルルーターもそう、地域BWAはちょっと弱いんじゃないですかとさんざん言ったけど、大丈夫ですとさんざん前期までは言ってきた。後期になって少しずつ変わってきて、やっぱりモバイルルーターは他の会社のを使ったほうがいいんじゃないですかとさんざん言ったけど、そのときは何にも言わなかったでしょう。地域BWAで大丈夫なんて言ってずっと押し通していたでしょう。でも、結果的にここに来て、また予備費でやる。あのときにちゃんと皆さん考えていただければ普通に補正予算を組んでできた話なんですよ。予備費というのはそういう使い方をしてよろしいんですかというのがまず1点。
さっき言ったウェブ会議システムもそうです。これは4月に購入している。第1回目の緊急事態宣言とか夏にかけてさんざん使ったと思う。その時点で補正をかけてもう1台増やしますとやればいい話を何でこの時期に、予備費というのはどういう使い方をするのか分かっていますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 予備費につきましては緊急で予算編成が間に合わない場合に充用するものだと認識してございます。モバイルルーターにつきましては、昨年9月に、ローミングサービスと言いまして、ほかの回線を使えるようなサービスを入れた後に状況について若干の改善があったものですから様子を見ていたというところがございました。ただ、委員御指摘のように補正の時期を逸してしまったことは反省してございます。
○大内委員 要はウェブ会議のシステムがもう夏時点では非常に頻繁に利用されている。その時点で補正を組んでやればいい。何で今の時期なんですか。予備費を使ってやるんですか。予備費を使っちゃいけない、緊急を要するんだったらもう夏ぐらいに分かっているでしょう。何でこの時期のタイミングでやるんですか。ルーターもそうです。ずっと使っていれば不具合は分かるわけですよ。何でこの時期なんですか。もっと夏の時点で対応できたんじゃないの。そういうことを言っているのね。今後は気をつけてくださいね。結構です。
それと、最後になりますけども、先ほど来午前中の部で構造改革についていろいろ御質問させていただきました。ただ、なかなか担当の課長の言っている答えだけでは先が見えないといいますか、どういったものを目指していくのか。構造改革、今まで行政改革だとかいろいろ使ってきましたけど、例えば構造改革をやることによって、今、区が目指している子育て先進区、今、中学校区に1個という児童館機能を持った子どもの施設、それを民間に委託することによって、あるいは地域の活力によって各小学校に1個ずつ配置できるんです。ですので、民間活力あるいは地域の活力を入れて、本来中学校に1個しかできないものを小学校に1個ずつの単位でやっていくんです。そのぐらいの勢いというか、思いがないと、構造改革は何を目指すのか分からない。保育園も10園、結局民間に変更していくということも今ストップしている。それはそれでいいです。しかし、構造改革というのはほかに何が単純にできるんですか。区のやり方でいうと、今まで進んできた構造改革を1回止めているんですよ。それでもって新しい構造改革というのは何をするのかな。短期的な取組で出てきたものというのは、申し訳ないけども、構造改革と言うにはちょっと足りない。単なる事業の見直しにしか見えないんで、まだこれから本格的な構造改革の取組を行うということなんで、構造改革チームリーダーである副区長にぜひとももう一度その辺の意気込みといいますか、取組の気持ちをお聞きしたいと思います。
○白土副区長 構造改革の目的でございますが、持続可能な区政運営を実現していく、そのための基盤を作っていくということでございます。委員御指摘のように、今まで区立保育園の民営化ですとか、いろいろな民間活力の活用、これを行ってきたわけですけれども、これを止めることなく、最も効率的、効果的に目的を達成できる方法、これも検討してまいりたいと思います。
それから、構造改革の方針の中で協働・協創ということを掲げておりますけれども、やはり地域の皆様の力を区政にかしていただいて、さらに前進させていくということを目指しております。中長期的には新型コロナウイルスの感染拡大による財政への影響のほか、委員御指摘のように、小・中学校の改築と区有施設の更新による歳出の増、それから2025年問題ということもございますので、そういった点を踏まえてしっかり財政効果が出るような実行プログラムにしてまいりたいというふうに考えてございます。
○大内委員 ありがとうございます。今言った2025年問題、団塊の世代が後期高齢者に入っていくだとか、いろいろこれから財政があまり好転が期待できない。少なくともこれから1年、2年に関しては新型コロナの影響で全く先が読めないということがあるんで、その辺をにらんでしっかりとした構造改革で実行プログラムを作っていただきたいと思います。
以上で質問を全て終わります。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上で大内委員の質疑を終了いたします。
次に、杉山司委員、質疑をどうぞ。
○杉山委員 令和3年第1回定例会予算特別委員会にて立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。質問は通告のとおりで、5のその他に関しましては東中野駅西口線路沿い桜並木について質問いたします。表示は63分ぐらいですけど、予定どおり75分質疑してまいります。未来に誇れる中野区にさせていただきたい。そのために質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずコロナ禍での経済支援について伺います。来年度に向けた施政方針説明において、区長は、中野に親しまれていた店舗が閉店を余儀なくされている状況を目の当たりにして悲痛な思いを抱いている、地域経済を立て直し、まちの明かりを絶やさないように区を挙げて取り組んでいきたいと話されておりました。
まずお聞きいたしますが、来年度の予算や取組の中に区長のこの思いが反映されている事業はどれに当たるのか、お教えいただけますでしょうか。
○堀越産業観光課長 地域経済を立て直すためには、個々の事業者の支援と地域全体の活性化の両面からの施策を講じていく必要があると捉えてございます。令和3年度におきましては、主な取組といたしまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けました事業者、店舗などに対する融資制度の拡充等、経営安定化のための支援や商店街におけますキャッシュレス化推進の事業等を挙げているところでございます。
○杉山委員 事業者の融資制度とかキャッシュレス、この辺りは必要なことだと思って推進されていくということですけども、やはりまだまだ足りないと考えております。前回、令和2年第4回定例会の一般質問でも述べさせていただきましたが、中野の自慢の商店、そしてマニアックな店舗、新型コロナの影響で大きな打撃を受けております。経営もかなり苦しい。つい先日もふれあいロードにある名物大将のビル1棟分の居酒屋が潰れてしまったわけでございます。幕を下ろしたわけでございますが、私たちもよく利用させていただいておりました。こういうお店がなくなってしまうことは、政治家として、物書きとして、クラウドファンディングやさらなる経済対策など、何か手だてがなかったのかなと自問自答の毎日でございます。閉店した店の多くは従業員を複数抱えている中野駅周辺では比較的大きめの飲食店で、政府が進めた緊急事態宣言下での営業時間協力金1日一律6万円では到底賄えない状況だったのではと思います。中野区における新型コロナ経済停滞への対策として、今年度、中野区独自のプレミアム付き商品券の発行、そして区内飲食店のテークアウトやデリバリーの支援、中野の逸品グランプリのオンラインでの復活など、区内の飲食店支援のために様々な提案を具現化いただきまして実施いただきました。プレミアム付き商品券に関しましては、予算目いっぱいまで再募集をかける、商品券が使いやすくなるようなテイクアウト店舗の新たな紹介パンフレットを作成いただくなど、飲食店支援に御尽力いただいていることは大変評価しております。
しかしながら、踏ん張っている飲食店を引き続き支援していかなければなりません。3月7日までの緊急事態宣言で、特に中型の飲食店経営は苦しい状況が続いております。令和2年第2回定例会でもお話しいたしましたが、中野区内の商店や飲食店、零細企業や事務所などの多くは中野区民です。区内飲食店に対して経済対策を施すということは多くの区民を救うことにつながります。多くの区民をこの危機的状況から救える可能性が増えるはずなのに、今回上程された一般会計、第10次補正予算には飲食店支援の補正予算は計上されておりませんでした。区として飲食店支援の必要性に対してどのように考えているのか、伺います。
○堀越産業観光課長 新型コロナウイルス感染症拡大の状況下におけます飲食店の支援は急務でございまして、これまで様々な緊急対策を実施してきたところでございます。現状、飲食店でより多くの利用ができますプレミアム付き商品券事業を実施しておりまして、各店舗や利用者の皆様からも高い評価を得ているところでございます。この商品券の利用につながりますよう店舗紹介パンフレットを新たに作成いたしまして周知に努めているところでございます。また、今回の国の緊急事態宣言については、発出前日から区のお持ち帰り&出前推進事業でテイクアウト等を行っております登録全店舗の紹介を区の観光サイトまるっと中野やSNSでの連日の発信を開始しておりまして、一定のアクセス数等が得られているところでございます。各飲食店等の支援につきましては今後も工夫して実施をしていきたいと考えてございます。
○杉山委員 様々手を施されていらっしゃるというお話なんですが、ほかの特別区におきましてもここ数か月でさらなる様々な飲食店支援が始まっております。渋谷区では全区を挙げた飲食サブスクサービス、そして墨田区や台東区では区内飲食店の弁当を庁内職員向けに職員が販売したり、品川区では区内飲食店から定量的に弁当を買い取り、医療従事者に無償提供を行うなど、様々なアイデアで区内飲食店を軸に多角的な支援をしております。この辺りの情報はまずお持ちでしょうか。飲食店支援、これから検討していく上でこの情報を参考になされておりますでしょうか、伺います。
○堀越産業観光課長 渋谷区、品川区等の取組につきましては報道されております内容は確認してございます。各団体等の発意により様々な支援形態があるということは把握をしているところでございます。
○杉山委員 1日6万円の支援金、そして営業時間、飲料の提供、仕事が減ったか、食材業者との関係など、その辺りのお話を私のほうでも区内飲食店から聞く機会がございまして、そのときにこういう話がありました。今回の品川区の行っている医療従事者に弁当を無料提供する話、中野区の飲食店としてはどうだということを聞いてみましたところ、自分たちの商売の利益の中心はお酒を提供することです。お酒に合う食べ物を考案するとか、お酒が気持ちよく飲める空間を作るなどお酒を軸に考えている。だから、お弁当を作ることはとても手間がかかる割にはもうけは少ない。でも、自分たちは弁当を買い取ってもらえるのであれば、ぜひこれは取り組ませていただきたい。なぜなら、今まで大変お世話になって、これからもお世話になるであろう食材を提供してくれる業者、飲料を提供してくれる業者を少しでも救うことができるからやってみたいと、このように話していただきました。この言葉に私は中野区の飲食店というのはすばらしいなと心から感動しております。
そこで、一つ提案ですが、品川区のように、区内の複数の飲食店から弁当を買い取り、区内の医療従事者を含むエッセンシャルワーカー、学童クラブや保健所職員などに弁当を無償で提供する支援事業を御検討してみてはいかがでしょうか。食材業者を支援することにもつながる取組だと考えておりますが、いかがでしょうか、伺います。
○堀越産業観光課長 品川区におけます飲食店と医療従事者の応援事業につきましては、区の商店街連合会が加盟店に発注をいたしまして病院にお弁当を無償提供しているものでございます。配達代や弁当代は区が全額負担していると聞いてございます。区は、医療機関等には物品購入費の補助や支援金の交付などを実施しているところではございますが、まずは庁内の各担当部署や区の商店街連合会等に他区の事例などの情報提供を行いまして、希望等がありましたら随時調整を図っていきたいと考えてございます。
○杉山委員 この辺りの今御提案したような取組というのは、やっぱり今の現在の飲食店を助けていかなければならない。なので早急に手を打って考えていかなければいけないことだと思います。これはぜひとも中野区商店街連合会とともに進めていただきたいと思っております。
今年に入って政府は、飲食店と直接、間接の取引がある、または外出自粛要請で直接的な影響を受けた事業者を対象に、売上高が前年同月に比べて半分以上減った場合に、中小企業は最大40万円、個人事業主は最大20万円を支給すると発表しておりますが、これではなかなか足りないなという業者もいらっしゃると思います。緊急事態宣言下の営業時短協力金が1律1日6万円というものもそうですが、国の政策は一律で支援金が設定されがちです。先ほど申し上げましたように、飲食店を救うことは区民を救うという意識の下、国の支援で補えないところを何とか区の施策で補っていかなければならないと考えております。
先日、東京都はキャッシュレスによるポイント還元などで消費を喚起する新規事業を補正予算案に盛り込みました。プレミアム率30%を上限に、区市町村の事業費の一部を都が補助するということで125億円の事業となるそうです。中野区としてももちろん手を挙げていただきたいと考えますが、区として既に準備を進めておりますでしょうか。先ほど渡辺委員の質問にもありましたが、一応伺っておきます。
○堀越産業観光課長 先日の東京都のプレス発表では、都民生活を支えるセーフティネット、東京都生活応援事業といたしまして、デジタルの力を活用し、キャッシュレスによるポイント還元などの取組を行う区等への支援を行うとされてございまして、プレミアム率を30%まで、都が対象経費の4分の3を補助するという制度内容が公表されたところでございます。制度の詳細がまだ明らかでなく、すぐに事業案を作成するのは困難な状況ではございますが、ポイント還元事業とプレミアム付き商品券事業、双方につきまして、中野区商店街連合会の意見等も踏まえつつ、その効果について比較検証を行うなど検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○杉山委員 さきの決算特別委員会で提案させていただいたデジタル商品券の発行の実現もこのキャッシュレスによるポイント還元事業と密接にひもづいてくると思います。都のこの事業を最大の好機と捉え、このタイミングでキャッシュレスによるポイント還元事業の実施と並行して、プレミアム付き商品券をデジタルチケットで実現するための仕組みづくりも同時に検討してみてはいかがでしょうか、伺います。
○堀越産業観光課長 現在、区では、商店街のキャッシュレス化について、中野ブロードウェイ商店街振興組合で東京都のモデル事業として実施をしているところでございます。来年度も引き続き推進してまいります。デジタル商品券、いわゆる電子商品券につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下におきましては有効な取組であり、このキャッシュレス化の推進事業と併せまして実施していくことも重要と考えております。今後東京都の動きを見ながら検討していきたいと考えているところでございます。
○杉山委員 ぜひ検討を進めていただければと思います。
デジタルチケットと紙のチケットの併用をしなければならないという概念は覆してデジタルチケットのみで実現するということで、先ほどお話しされていましたけど、様々なコストを削減したりサービス開始までの時間短縮が可能となります。実現方法や問題点の解消方法、手法などを中野区商店街連合会とともに洗い出していくことを強く要望いたしておきます。
来年度の産業関連予算を見ますと、さきの定例会の一般質問でお話しさせていただきました中野区内の空き店舗情報データベースの整備とマッチング、そして利活用支援について進めていただきたいという私たちの意見に対しての来年度予算、残念ながら計上されておりませんでした。私の質問に対して区長の答弁は、データベース化することは極めて困難、しかし、個店への経営支援の一環として、個店や元店舗の家主へのアドバイスや相談業務といった支援を行うことについては今後検討すると回答をいただいております。この検討はどのようにお考えいただいておりますでしょうか、伺います。
○堀越産業観光課長 個店や元店舗の家主へのアドバイス等につきましては、その方法や実現の可能性について中野区商店街連合会に課題として提案をしているところでございます。今後その回答がございました場合に検証等を行っていく予定としてございます。
○杉山委員 中野の自慢の商店街も、この新型コロナの影響で名店や人気店が軒並み閉店、残念ながら空き店舗も増えてきてしまいました。商業地域や近隣商業地域、また、立地のよい場所に店舗がある場合が多いですが、そこに空き店舗が既に存在しています。好立地の場所で空き店舗となり、そこで経済活動が行われていないことに関してどのようにお考えでしょうか。このままの状態ではよくないですよね。見解を伺います。
○堀越産業観光課長 閉店いたしましてもすぐに次の店が入り、空き店舗となるような状況が長く続いてはいないという商店街もあるようでございますが、飲食店を中心に閉店する店舗が増えたり、商店街の会費の支払いが難しくなっているような商店街もあると聞いてございます。中野区商店街連合会に意見を聞きながら支援策を検討してまいりたいと思ってございます。
○杉山委員 渋谷区では、来年度、空き店舗を活用した地域活性化事業を新規事業として進めていくようです。この事業はあくまで分析とマッチングという空き店舗対策の王道事業となります。ただし、渋谷区と中野区の空き店舗の違いというのは、やはり中野区の場合はシャッターが閉じている店舗に人が住んでいる場合が多いということです。さきの定例会でも強く要望いたしましたが、空いてしまった店舗をすぐに新店舗に結びつけられる支援のほか、空いてしまってから相当長い間シャッターが閉まっていて貸出しもされていない家主に対しての店舗化も必要です。なぜ貸さないのか、なぜ貸せないのかなどをすこやかのアウトリーチチームがヒアリングし、消えた明かりを灯す空き店舗対策と並行して、明かりを灯すことができる状態までしっかりと取り組んでいく店舗化支援が中野の経済を再生する第一歩になると思うのですが、いかがでしょうか、伺います。
○堀越産業観光課長 区内の空き店舗の状況につきましては、現在、中野区商店街連合会が実施しておりますスクラム事業や実態調査等を通しまして把握する必要があると考えてございます。その調査結果なども活用いたしまして、空き店舗の家主等のニーズを把握してまいりたいと思ってございます。
○杉山委員 次は、いろんな部署が多分関わってくる、すこやかアウトリーチチームを使えたりすることはなかなかハードルは高いですが、昨日ですか、森議員も横串プロジェクトのお話をさせていただきました。ぜひともこの件は実現いただきたいなと思っています。今後優先なのは、コロナ禍での医療や感染拡大防止、そして医療従事者や職員らの負担軽減、そして新型コロナ関連の正確な情報発信などですが、飲食店の支援や商店街の再生対策も同じように継続すべきだと考えます。もう一店舗たりとも明かりを消してほしくないと思っております。今年度や来年度、区として何ができるのかを早急に考えていただき、施策を実施していただきたいと強く願いまして、この項の質問を終わります。
次に、情報システム戦略について伺います。自治体の情報サービスは、情報をタイムリーに伝える、ハッカーに侵入をさせない、役所側の業務効率が上がる、そしてサービスを止めないことであると令和2年第3回定例会の総括質疑でもお話しさせていただきました。来年度の新規事業に盛り込まれた統合仮想サーバー環境の安全対策強化に関しましては、我が会派としてもディザスターリカバリーの必要性は何度もお伝えしてきたことだと思います。重大インシデントを回避するために最低限必要な対処がやっと行われたという認識です。それにしても予算額が103万円と、システム全体の規模から見てかなり少額の予算となっておりますが、まずは103万円の内訳をお教えいただけますでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 別データセンターへの保管の費用の内訳でございますが、初期設定費用、それから10テラバイトの保管1年間分、それの合計で103万円となってございます。
○杉山委員 初期設定ということはサーバーの設定ということですね、10テラバイトということは役所のデータから見たら超少ないですかね。この統合仮想サーバー環境の安全対策強化を図るため、重要なデータを遠隔地のデータセンターにバックアップするためのもの、現在のデータセンターは多分関東近郊だと思います。このバックアップデータは、北海道や関西、九州、沖縄など、通常はメインのデータセンターとかなり離して置く可能性が高いんですが、これはどの辺に置かれているか聞いてもよろしいですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 当該データセンターは関東近郊以外でございます。
○杉山委員 関東近郊以外ということは離れたところで、どちらかがこけてもということですね。この規模、103万円という10テラという規模ですと、そのいつも使っているデータセンターが大規模災害によって壊滅状態となった場合のディザスターリカバリーではないと思います。この重要データとは主にどんなデータを指すものでしょうか。データベースの種目や種類などを教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) データセンターで管理しているデータのうち、区民の生命、財産に関わるデータ、また、区政運営に不可欠なデータであり、区のホームページや外部との通信、送受信に必要なデータを想定してございます。
○杉山委員 かなり今幅広く言いましたけど、これは10テラで多分収まらないんじゃないですか。一昨年の大規模システム障害のときのように、区民サービスや庁内システムがダウンして、何らかの原因によってすぐにサービスなどが復旧しない場合、この10テラのデータを守っていると、どのような区民サービス、もしくは庁内システムが復旧できるんでしょうか。今ちょっとおっしゃっていましたけど、また、どのくらいの時間で復旧できるかお教えいただけますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 今回の10テラだけではシステムの復旧そのものはできない状況にございますが、それらのデータが失われた場合に、復旧する際に必要な設定等に関するデータなどのバックアップも行うものでございます。また、障害の程度によりまして復旧にかかる時間は異なってまいります。
○杉山委員 やっぱりデータといっても、どちらかというと、きっと設定関係のデータが中心ということですよね。これはデータが少ないんで復旧できる幅もかなり狭まってくると思うんですが、ちょっと心配しております。
ちなみに、この復旧可能なサービスには、データのほかにウェブサーバーとかミドルウェアとかスイッチとか、その辺りももちろん必要になると思いますが、このバックアップデータと同じところにスタンバイされている、ホットスタンバイとかコールドスタンバイされているのでしょうか、伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) サーバーやスイッチなどの物理的環境につきましては、今、関東にあるデータセンターで二重化いたしましてホットスタンバイとなっている状況でございます。
○杉山委員 聞けば聞くほど、ごめんなさい、心配になってきちゃうんですが、さきの総務委員会で報告されましたICT-BCPの策定について、今回の小規模なディザスターリカバリーとなるこの103万円の統合仮想サーバー環境の安全対策強化、このICT-BCPの考えのうち、どの部分を補っているのか教えていただけますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 今回は中野区のICT-BCPに対する個別の事業継続計画として統合仮想サーバーに関する個別事業継続計画がございます。その中に統合仮想サーバー正常稼働のための対応方針がございまして、そこで別データセンターへの保管を定めてございます。
○杉山委員 中野区のICT-BCP及び統合仮想サーバーのICT-BCP策定は今年3月とありますので、有事の際にこのICT-BCPの内容をしっかりと進められるよう、今お話しいただいたよりももっと拡大して、さらなるディザスターリカバリーのデータバックアップの範囲を広げていくべきだと強く感じておりますが、いかがですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 10テラと申しますのは現在ベンダー側の制約でございまして、今後受入れ可能容量の増強が行われた場合につきましては、費用対効果なども勘案しながらデータの拡充を行っていきたいと考えております。
○杉山委員 何かあったときにしっかりと、最低でも区民サービス、そして命に関わる情報が復旧できるようにすぐにでも情報拡大とデータバックアップの拡大を考えていただきたいと思います。また、このコロナ禍を機に、テレワークの推奨、そしてリモート会議、ウエビナーなど、区民へのサービスの在り方、区職員の働き方、業務との関わり方が大きく変わりつつあり、特にテレワークシステムについてはJ-LISの実証実験が動いていると思います。来年3月末まで約1年間はシステム利用料は無償、これはJ-LISの用意しているサービスは無償なんですが、その後はやはりJ-LISなんで当たり前のようにランニングコストはかかると思います。それが幾らかかるのかは今現在算出することは難しいと思いますし、J-LISそもそもがその後このテレワークのシステムを継続するかどうかも見えていない状況ですので、区としてこの実証実験に乗らなくてもいいのかなと、何か乗るか乗らないかという話があったと思うんです。乗らなくてもいいのかなと考えていますが、職員のテレワークなどに関しまして現在どのような検討、環境づくりが進んでいるのか伺っておきます。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御指摘のように、現在、地方公共団体情報システム機構、J-LISの行う実証実験に応募して採択されたところでございます。令和3年度の稼働を目指して準備を進めているところでございますが、今定例会におきましてテレワーク導入の考え方をお示ししたいと考えているところでございます。
○杉山委員 このテレワークでどういう形になるかちょっと分からないのでまだその報告を待とうと思いますが、今手を打つべきための環境づくりというのは行政システムの3層分離の原理原則があると思います。様々な制限がある中、今の考え、BYODという考え、ブリング・ユア・オン・デバイスの略ですけども、パソコンやスマホなど、いわゆる個人保有のデバイスを持ち出して利用するBYOD、この考え方というのは区として推進の方針なのか、それともセキュリティの面からNGなのか、これはどちらの方向性なのか教えていただけますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 職員個人所有のデバイスを使うBYODにつきましては、セキュリティの確保ですとか環境がふぞろいになることによる管理上の煩雑さが生じるということがございますので、一定程度の課題があるとは考えてございます。一方で、ウェブ会議ですとかスケジュール管理などでの活用におきましては、効率性や職員にとっての利便性などメリットもあると捉えてございます。今後導入するテレワークシステムにつきましてはBYODについて考えてはございませんが、使途に応じました柔軟な対応を考えていきたいと考えております。
○杉山委員 テレワークにはちょっと合わないみたいなお話だったんですが、私的にはやっぱりBYODの考え方というのを今の庁内システムにアドオンする形のほうがこれからのコロナ禍においてのテレワークなどの働き方にもマッチするのであると個人的には考えています。2019年1月に渋谷区は新庁舎となってICT基盤を全面刷新しました。2016年に制定された渋谷区基本構想の実現に向けた区政運営改革の取組の中で、枠にとらわれない自由な発想でセキュリティと利便性を高い次元で両立したICT基盤を作りたいという思いから進められてきたICT基盤の刷新プロジェクトだそうです。
先ほどキーワードでも出ましたが、システムの3層分離、これは2015年に発生した日本年金機構の情報漏えい事件を受けて総務省が地方公共団体における情報セキュリティポリシーガイドラインに記した実際のシステム、これは、マイナンバー利用事務系、それからLGWAN系、そしてインターネット接続系のこの三つの3層のシステム、それぞれ独立したものにしたほうがいいんじゃないかというものです。その後2020年5月には自治体情報セキュリティ対策の見直しのポイントが発表されまして、自治体情報システム強靭性向上モデル、そして自治体情報セキュリティクラウドなどの多岐にわたる対策をいかに効率的、効果的に組み合わせて実現するかを考えた新たな3層分離を発表しています。行政インフラ業界では渋谷区はいち早くその検討を始めて、3層に加えて新たにコア系という4層目を追加してセキュリティと利便性の両立を実現したと言われております。渋谷区のこの4層目のICT基盤、コア系について区としてどのようにお考えでしょうか、伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 渋谷区の事例でございますが、国の示す3層に加えまして、職員が頻繁に使用するクラウドツールなどをまとめたセグメントをコア系としてまとめたものでございます。現状の3層分離ではこうしたクラウドツールを使うのは非常に難しい状況になってございます。渋谷区のモデルにつきましては厳密には総務省の示しているモデルとは合致していないものでございますけれども、インターネット上に存在するクラウドツールが利用しやすいという利点がございます。そういった点から職員の利便性向上には資するものであると考えてございます。
○杉山委員 渋谷区のICTのこのコア系というのは先ほどキーワードとして出させていただきましたBYODも可能で、自宅でのテレワーク、庁内にいる場合においても、スケジュールなどの確認、メールチェック、返信、チャット、課や係のメンバーに連絡を取れるなど様々な情報共有ができます。さらには、このコア系は独立しているので、セキュリティを担保しつつ、現在の庁内システムにはジョインできるはずと考えております。先ほどの総務省には厳密にはマッチングしないということだったんですが、今回このコア系というのは考えが中野区としては今のところそぐわないなということですね。
新たな働き方を余儀なくされるこのようなコロナ禍ですが、同時に中野区は3年後には新庁舎となることが計画されています。これを好機として、現在保有の資材や個人所有のデバイスを利用しながら、新庁舎のICT環境整備が整った際もアドオンするだけでシステム移行ができるような、通常業務でテレワークにも対応できるシステムを検討すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか、伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 新庁舎に向けて職員の働き方改革をICTによって進めていきたいとは考えてございます。その際に現状の3層分離の見直しは行う予定でございまして、セキュリティと職員の利便性の両立を図ってまいりたいと考えております。
○杉山委員 今出しましたので新庁舎のICT整備について伺います。今現在中野区が取り組んでいる主なICTインフラ関連には、今年3月に策定予定の中野区のICT-BCP及び統合仮想サーバーのICT-BCP、今年8月に計画策定する予定の第2次中野区地域情報化推進計画のほか、庁内情報テレワークシステムや新庁舎移行に向けたペーパーレス推進など表には出てきております。新庁舎のICTインフラの再構築、または移行、または刷新などの検討というのはどのように進めていく予定でしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 新庁舎のICTインフラでございますが、現在検討中の状況でございます。策定中の中野区地域情報化推進計画の中で考え方を整理いたしまして、来年度中には全体像を示したいと考えてございます。
○杉山委員 今、来年度中にはというお話だったんですが、来年度予算にそのICTスペシャリスト、そして行政システムエキスパートなどの外部アドバイザーの費用というのは今のところ予算には組み込まれていないですよね。職員と現在の情報政策官のみでこれだけの規模のシステムの検討を進めていけるとお考えなのでしょうか、伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 来年度につきましては、情報システム課の体制に加えまして庁内横断的な検討体制の立ち上げを考えてございます。全庁挙げましてシステムインフラ整備の全体像を整理していきたいと考えているところでございます。専門人材につきましては、その検討の中で改めて必要性や効果等についても検証していきたいと考えております。
○杉山委員 専門人材、結構大変だし、システムベンダーは今付き合っているところだけだったらやっぱり偏ってしまうということもありますので、ぜひとも考えていただきたいなと思っております。
先ほど出しました中野区地域情報化推進計画、これは2007年から改定が行われていない理由は何でしょうか。一応聞いておきます。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) ただいま委員から御指摘がありましたとおり、中野区地域情報化推進計画でございますが、情報政策の方向性を定めて取り組むべき事業を具体的に示すものでございます。2007年に最初の計画を策定した際には3年ごとの改定を想定してございました。最初の改定の時期が住民情報のホストコンピュータのオープン化ですとか中野区の財政非常事態宣言と重なったということがございまして改定に着手できないでおりました。そのままタイミングを逸してしまい、現在に至っているところでございます。申し訳ございません。
○杉山委員 いいか悪いかは別にして、このタイミングでICT技術の飛躍的な進歩が遂げられている。コロナ禍での働き方の改革も行われている。マイナンバー制度とかソサエティ5.0、デジタルトランスフォーメーション、この推進計画などのレギュレーションや方針が見えてきたタイミングでございます。これを好機と捉えて、早急に、そして時代の流れを的確に捉えた中野区地域情報化推進計画の改定をしなければならないと考えております。この改定は本当に大切です。これをベースに新庁舎のシステムを考えなければならない。渋谷区の場合、巨大なITパートナーが張りつき、3年前から準備を進めてぎりぎり新庁舎の開庁時に間に合ったと聞きます。このような進捗や体制で新庁舎のICT基盤整備は間に合うのでしょうか。ちょっと心配です。いかがですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) ICTインフラ整備につきましては、さきに新庁舎を整備しております豊島区や渋谷区などの情報収集も行っているところでございます。現在の想定につきましては、令和4年度から令和5年度にかけましてICT基盤の再構築及び新設などの整備を進めていく考えでございますが、対象となる範囲が大きく、またスピード感を持って進めていく必要があるということから、今後の検討及び体制整備についても併せて検討してまいりたいと考えております。
○杉山委員 渋谷区のときのパートナー企業のような柔軟な考えを持つ外部のリソース、今御検討されているということでしたけども、時間は待ってくれないということもあり、ぜひリソース投入をされて検討を進めていただくということを強く要望しましてこの項の質問を終わります。
続きまして、人事について伺います。平成20年から取り組み、実現してきた職員2,000名体制ですが、昭和59年には3,449人だった職員数の頃に比べて、行政改革は進み、役所のスリム化が図れている一方、区民サービスの多様化や業務の増大化が進み、職員定数の再考が必要なのではと懸念しております。平成30年の第4回定例会におきまして、我が会派の酒井議員が2,000人体制の成果と課題を質問した際、当時の経営室長が、厳しい状況であることは認識している、今後の民間活用や事業改善等を推進していく中で、一方で新たな行政需要の事務量の増加を踏まえて、今後、新たな定数計画策定に向けた検討を進めると答弁されています。職員を増やすという物理的な行為でまず思い浮かぶのは新規採用ですが、まず過去5年間の新規採用人数を伺います。
○中谷職員課長 平成28年度に91人、平成29年度に132人、平成30年度に94人、平成31年度に116人、令和2年度に92人の新規採用を行ってございます。
○杉山委員 5年間ですね。毎年100人前後の新人が入ってくる。一方で、昭和59年以降、新規採用を行わなかった時期もあり、職員2,000人体制のために退職者不補充の時期もあったかと思います。今現在、職員の年齢別職員構成はどのようになっておりますでしょうか。各年齢層平均的なのか、それとも突出している年齢層があるのでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 20代後半から30代前半と50代の職員数が多く、また、30代後半から40代の職員数が少ないといった状況でございます。
○杉山委員 20代後半、そして50代が突出している、多いということですが、区としてこの偏った年齢別職員構成に関しましてはどのようにお考えでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 年齢別の職員構成に偏りがあるということは、人材育成や安定した業務の遂行、また人件費の後年度負担といった観点から望ましい状態ではございませんので、できるだけ平準化する必要があるというふうに考えてございます。
○杉山委員 30代、40代というのが少ないというお話でした。この辺りの経験者採用、どのように考えるかも含めた上で年齢層別の偏りを解消していくべきだと考えております。東京都のように専門的知識、スキル、経験へのニーズが高い分野のキャリア採用やIT専門職、土木専門職などの技術職採用などを行っていると聞きます。中野区もキャリア採用、技術職採用などでウィークポイントをカバーすべきです。新卒から約40年間職員として勤務するとした場合、各年齢ごとに約50人ずつとなれば、将来的には職員全体の年齢的な均衡が図れるのかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 ここ数年は経験者採用の人数も増やしており、少しずつではありますが、年齢別職員構成の偏りを改善しつつある状況にあります。今後も経験者採用の割合を増やすことなどによりまして年齢別職員構成の偏りをできる限り解消していきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 偏り解消は大事なことだと思いますので、ぜひ進めていただければと思います。
次に、人事異動について伺います。役所の業務では、子育てや教育、土木やまちづくり、保健所や福祉など多岐にわたっています。そして、今までの人事戦略としては、この多岐にわたっている業務に全職員がある程度対応できるよう2年や3年で部署異動をさせて、幅広い業務やニーズを把握できるようなゼネラリスト職員を育成するという方針があると思います。これは平成20年3月に策定されたコンピテンシーモデルによる人材育成によるものなのでしょうか、まずはそこを確認させてください。
○中谷職員課長 コンピテンシーモデルというのは、職員が仕事を進める上で成果を上げる行動の要素を整理し、それぞれの要素別に行動のレベルを段階的に分けて一覧にしたものでございます。このコンピテンシーモデルを職員の能力開発を進めるための基準として活用し、職員のキャリアデザインの実現や適材適所の人員配置に生かしてきたところでございます。ゼネラリストだけではなく、スペシャリストも含めて様々な職員のキャリアデザインの実現を図ることを目指して活用していたものでございます。
○杉山委員 先ほどの御答弁でゼネラリスト、そしてスペシャリスト、幅広くというお話だったんですが、これは平成20年に策定された内容だと思います。近年区民ニーズが多様化して職員の業務は急激に多様化、高度化、専門化し、その道のスペシャリストが求められていると思います。採用職員は入庁後数年間でジョブローテーションを行い、一定のスキルを身につけた後は、その職員の長所や希望、意見などを見ながら、一つの事業関連部署内や近しい関連部署で異動しながら専門性を高めるという方針を定めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。また、人材育成ビジョンの改定はどのようになっておりますか、併せて伺います。
○中谷職員課長 職員の人材育成を進めていく上で人事異動が果たす役割が非常に重要であるというふうに考えてございます。新規採用後10年間はおおむね3年程度で異動させ、様々な職場を経験させることで職員の適性や能力を見極めているところでございます。その後は職員の意向や適性、能力のほか、上司の意見や職務上の必要性などを総合的に勘案して人事異動案を作成しているところでございます。その中で同一の職場や関連する職場で長期的に従事し、スペシャリストやエキスパート職員として育成をする職員もいれば、様々な職場でゼネラリストとして育成する職員もございます。人材育成ビジョンにつきましては改定時期が定まっているわけではございませんが、人事構想と重複している部分もありますので、できるだけ早く整理をしたいというふうに考えてございます。人事構想の中には人材育成の部分と定数計画の部分がございますので、新たな職員定数管理計画と人材育成基本方針を整理し、現在の人事構想と人材育成ビジョンは廃止をしたいというふうに考えてございます。その時期につきましては、基本計画や施設整備計画が策定される8月以降に策定をしたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 8月じゃなくて8月以降ということですね。分かりました。さきの総務委員会でお話しされていたこと、中野区職員定数管理計画の策定、8月以降、また、これからの人員体制で、児童相談所の開設に伴う体制整備やすこやか福祉センターの増設などで技術職や福祉職からの配置転換も加味されていて、適材適所なリソース戦略での人員体制再編検討を進められていると思います。
一方で、前項の最後で少し触れさせていただきましたが、ICTを活用した庁内業務の効率化検討という考えがあります。文字どおりICTの力で業務を効率化する、効率化を図るということで、圧縮できた時間をほかの業務に使えて人的リソースを適所に異動できるようにするという検討です。まずは庁内業務の計数化はできておりますでしょうか。要は仕事量を数値でボリューム把握をできておりますでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 新たな行政需要により定数を増やす要求があった場合には、どのくらいの業務量の見込みなのか定量的に把握をする必要があるため、できる限り数値化するように各課に求めているところでございますが、現在の区の業務全体の数値化までは行ってございません。
○杉山委員 それが数値化できていると、いろいろ減らすのを考えるのが楽だと思うんですが、人員体制の検討というのはやっぱり様々な切り口が必要だと思っていまして、ICTの活用で作業量の軽減がどのぐらいできそうか、また、どのぐらい減らしたいのかを、過去にこのICTの力で検討したこと、または各部署に検討いただいたことというのはございますか、伺います。
○中谷職員課長 これまでも情報システムの導入など、ICTの活用を行う場合には、各所管において、定性的な効果だけではなく、定量的な効果も分析をし、コストに見合う効果が見込まれるのか、十分検討した上で導入の可否を判断してきているところでございます。
○杉山委員 もともとICT導入というのは、ITリテラシーの低い人でもそれなりの業務パフォーマンスが上げられる、能力の底上げが図れるというものです。人は増えずとも、多様なニーズに合わせて作業はどんどん増えるので、一般企業では毎年のようにそれぞれの部署で作業の効率化を図るためのICT化プランを検討して、部署内で検討した作業の圧縮時間や効果とともに、情報システム部に持ちかけて作業の効率化を図り、限られた人的リソースを最大限活用できるように努力しています。企業内でのAIの活用なども同じ考えだと思います。本来は10人必要な部署だが、業務のICT化で3人分は効率化でほかの部分に回していける、そのような考え方が必要かと思っております。この部分はICT化してほしいなど要望を各部署から吸い上げて業務のICT化による改善を図ることで、ICT化の費用は別途かかりますが、人的リソース戦略の幅が格段に広がると思います。各部署からICT化要望の情報を集めて、職員数検討に反映して、情報システム部門に対してはICTによる業務改善要望を依頼するという手法を取り入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 現在のところ、業務のICT化の企画立案は各業務の所管課が主体的に行っているところでございますが、情報システムを新たに導入する場合などに定数削減につながるレベルの定量的な効果が見込まれる場合には、漏れなく定数削減を実現できるように情報システム課と連携した取組を実施できないか検討していきたいと考えてございます。
○杉山委員 次に、職員の区内定住化戦略について伺います。私は、区内職員を増やして定住化を上げていくことが大切であると考えておりますため、幾つか質問いたします。
早速ですが、職員約2,000名のうち、中野区民の職員は何人ぐらいいらっしゃいますでしょうか、伺います。他区、例えばお隣の練馬区や杉並区など、どのぐらいの割合なのか、もしお分かりになれば、この件も併せてお教えいただければと思います。
○中谷職員課長 令和2年4月1日現在の中野区の職員のうち、中野区民の数は432人で21%程度でございます。近隣区の状況としましては、練馬区が約47%、杉並区が約33%、豊島区が約16%というふうに聞いてございます。
○杉山委員 ちなみに、ここ数年間で中野区民の職員は増えているのか減っているのか、その辺りのデータというのは職員課として取り続けておりますでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 中野区民の職員の数はここ数年ほぼ横ばいですが、若干減少傾向にあるといった状況でございます。
○杉山委員 区内在住の職員が増えているのか減っているのか、最初は区内在住だったが、引っ越してしまった方はどのぐらいいるのか、なぜその人たちは引っ越してしまったのか、途中で中野区に引っ越してきた職員はどのぐらいいるのか、それはなぜなのかなどの情報というのはこれからの区政を進める上でとても大切な情報だと考えております。この辺りの情報を区民職員の声として収集して区政に生かしていくべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 区内在住の職員数につきましては今後も把握をし、また、増減理由などの動向につきましても留意していきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 区内在住の職員がどんどん増えれば区の政策は前進している。減ってしまえば、政策が後退していると言えるかもしれません。職場と住むところを分けて考える方も多くいらっしゃると思いますが、そう思っていても、中野区に住みたいと思ってもらえる職員が増えるような区政にしていくことが必要かと思っております。職員が我がまち中野を住みやすくしよう、子育てしやすくしよう、介護に手厚いまちにしようなど、当事者として、私ごととして庁内でも活発な意見、アイデアを出していただけるようになれば区政はさらに好転すると思います。
そこで質問です。23区のほかの自治体などで職員の自区内定住の施策など実施をしている取組などございますでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 他区における具体的な取組としましては、職員寮や職員用の防災住宅の整備状況に差があるといったことぐらいで、他に目立った取組は把握をしてございません。
○杉山委員 ですね。あまり情報として入っていないと思いますが、区内在住の職員数名に話を聞きました。区政に熱い思いはあるものの、休日や有事に庁舎に呼び出しされる場合があるなど、今は中野区内に住むメリットはあまり感じられないということでした。区内に住んでいる職員に対して金銭的なメリット、何かしらの優遇措置などはございますでしょうか。
○中谷職員課長 そういったものは特にございません。
○杉山委員 まずは職員が区内に住んでいただけたときのデメリットを把握して、それを改善、さらには住宅手当などの金銭的な手当などを検討していただきたいなと考えております。手当などを制度として取り入れれば、確かに歳出は増えてしまいますが、職員が区政を自分ごとに捉えて我がまちの改善を進めていくので、子育てしたくなる、地域活性化したくなる、将来の介護を見越して親を呼んでも一緒に住みたくなるなど、将来的には区政が内側からよくなっていくのだと考えておりますが、区の見解はいかがでしょうか。
○中谷職員課長 区内在住の職員を増やしていくことが中野のまちをよくしていくことにつながる効果も期待できることは理解をしてございますが、中野区の職員であるならば、住所が区内であるか区外であるかにかかわらず、全ての職員が中野のまちをよりよくするために中野区の職員としての使命と責任をしっかりと自覚をして職務に従事すべきであると考えてございます。
なお、住居手当につきましては特別区の統一交渉事項になりますので、中野区独自に制度を変更することができず、各区と足並みをそろえる必要がございますが、それぞれ状況が異なる中なので合意形成をして進めていくことが難しいというふうに考えてございます。
○杉山委員 そこら辺の考えもこれから柔軟に考え直していただければなと思っております。職員がどんどん中野区に住んで、その感じたことなどを意見として反映していくことが区政を好転させていく、さらには地域との関わり合いを楽しい、すばらしいと感じられるようになると思っております。これも期待してお待ちしております。
この項の最後に人事評価制度について伺います。人事評価は現在1、2、3、4、5の5段階で評価されております。令和2年12月に報告された人事行政の運営等の状況の公表において、令和元年度の管理職87人に対して、平均の3よりも低い2や1の評価がついた人はゼロ、一般職員2,012人に対しても2や1の評価がついた人はゼロとなっています。その前の2年間では、管理職や一般職員に対して同じく評価1はゼロ人、評価2は10人前後いらっしゃいます。職員課としてこの令和元年度の人事評価の評価1及び2がなかったのはどのようなことが要因であるとお考えでしょうか。分析はできておりますでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 管理職の人事評価につきましては、平成30年度までは20%程度を2以下の評価とするような分布制限を設けておりましたが、令和元年度以降は下位の評価を強制的につけるような分布制限は廃止したことによることが要因の一つであると考えてございます。ただし、一般職員につきましては、もともと下位評価の分布制限はないにもかかわらず、平成30年度までは2の評価の職員が一定数おりますので、下位評価の分布制限がないからといって2以下の評価をしないわけではございません。あくまで個々の職員の能力、態度等、その年度の業績により個々の評価を行った結果であるというふうに認識をしてございます。
○杉山委員 分かりました。23区のほかの区ではその人事評価、1とか2とかつけられておりますか。これは情報は入っておりますか。
○中谷職員課長 各年度ごとにばらつきがあると思いますが、昨年度の人事評価の実績としましては、半数以上の区で、数名ではありますが、下位もしくは最下位の評価をつけているところでございます。
○杉山委員 評価1や2がつけられていない区等もあったようですが、人事評価としてはしっかりとめり張りをつけることが職員のモチベーション向上につながると考えております。ちなみに、1から5までの整数しかつかないのでしょうか。実際の評価方法を教えていただけますか。
○中谷職員課長 5段階評価としていても、1や2の評価の職員がいない場合には実質的には3段階評価となってしまうことや、5や4の上位の評価には一定数の分布制限を設けていることから、3の評価の職員の中には実質的には4に近い職員や2に近い職員が混在していたことから、今年度の人事評価から3+という階層を新たに設け、昇給は3の評価と変わらないんですけれども、勤勉手当の額は若干上乗せの基準というものにいたしました。これまでの基準では分布制限の影響で4をつけられなかった職員に3+の評価をすることで職員のモチベーション向上につなげていきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 今お答えの中で3+という言葉が出ております。これは質問の外ですが、3+というのはほかの区でもやられていることですか。
○中谷職員課長 ほかの区では実施してございません。
○杉山委員 先ほども言いましたけど、ちゃんとつけるということがやっぱり職員のモチベーションにつながると思っています。ちなみに、これは一般企業の場合、私も評価していたこともあり、分かるんですが、評価書にはしっかりした整数で、部下の人数掛ける3、5段階の3ですね。それがポイントが与えられて、それを配分するという手法を取っております。4や5がついた場合には必ず1や2がつく人が出てくる、そういう形を取っています。ただ、やはり確かに2や1などのようにマイナス評価をつけることは説明責任も含めて相当エネルギーが必要となります。ですので、これからは全職員のベースを1として、実績や業務態度、貢献度などを積み上げていく加点方式の評価制度に見直しを、さらには評価がしっかり給料に反映されるように見直してみてはいかがでしょうか、区のお考えをお聞かせください。
○中谷職員課長 特別区人事委員会が定める人事評価の基準との兼ね合いもありますが、そうした加点方式の評価制度や、また評価結果をよりめり張りをつけて給料などへ反映するといったことが実現できないか研究していきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 今、研究とおっしゃられておりましたけど、ぜひ検討を進めていただければと思ってこの項の質問を終わります。
次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。1月29日の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会におきまして、中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備民間事業者募集の選定結果についての報告がありました。いわゆる区役所サンプラザのエリアの拠点整備に関する協力企業団体が決定したという内容です。最終的に提案事業者2グループで、1位が野村、2位が東京建物という結果でございました。1月6日に本件に係る民間事業者審査委員会の公表の報告に記載されている評価項目、開発コンセプト、施設計画、重点評価項目、施設の管理運営計画、事業推進計画、総合的な評価の6つの項目の評価点での合計で施行業者候補及び次点候補を選出したとあります。
まず、この評価項目自体の設定というのはどのように決められたものでしょうか。また、この手の提案規模ではこの評価項目は一般的な内容なのでしょうか、伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 提案書の審査に当たっての評価項目や配点は、募集要項公表前に審査委員に御意見をいただき、審査委員会で確認をした上で区が決定をいたしております。また、評価項目、中野駅新北口駅前エリア再整備事業で掲げる拠点施設のコンセプトや整備、誘導の方針に基づきまして区が独自に設定をしたものでございます。
○杉山委員 重点評価項目の(ア)、中野のシンボルとなる新たな文化、芸術などの発信拠点の形成とあります。拠点施設のようなハードを中心とした提案の評価項目に文化、芸術のようなキーワードが含まれていることは、これからの中野駅周辺の情報発信拠点としての軸の一つがしっかりと感じられ、すばらしいことであると感じております。
ちなみに、この項目、どのようなことが評価され、ポイントとなるのか、可能な範囲でお答えいただけますか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 文化、芸術という観点の評価は重点評価項目(ア)というところで評価をしておりまして、内容としましては、拠点施設全体での導入機能やそれらの機能連携の考え方、中野サンプラザのDNAを継承する多目的ホールの整備コンセプト、民設民営を前提とした安定的、継続的な施設運営に資する多目的ホールの整備方針、こういったことについて評価をいたしたものでございます。
○杉山委員 この評価点をつけたのは東工大大学院の教授を委員長とした6人の審査委員、この方々の選定というのはどのように行われていたんでしょうか、伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 応募者から提出された提案書を専門的見地から評価をいたすため、都市計画、建築、環境、防災、不動産等の専門的な知見を有する学識経験者等の専門家に区が依頼をしたものでございます。
○杉山委員 きっと過去に中野区としてこのような建設・建築系の審査などで多くの協力をお願いしていた方々なんですよね。この6人の審査委員の方々が先ほどお伺いした中野の文化、芸術に関しましても御判断なされたということですね。一応確認しておきます。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 提案書の審査は審査委員会で行っておりまして、文化、芸術の観点も含め、審査委員6名が全ての評価項目について評価を行ったものでございます。
○杉山委員 この(ア)の項目、配点は30点満点、1位のグループと2位のグループの差が3点で、1位グループが勝っている。双方の提案内容を拝読させていただきました。抜粋ですけど、拝読させていただきましたが、全体の配点の1割も差がつくような内容かなとちょっと疑問が残っております。中野区の文化情報を発信している身としては、2位のグループの提案内には、中野の文化である演劇、お笑い、ポップミュージックなど、それぞれに合った大中小のサイズの三つのホール、区内唯一となったボウリング場など、そしてシネコン、eスポーツ、地元企業の代表格として丸井グループ、これが協力事業者にいらっしゃって、むしろ中野のことをよく調べて提案いただいている感覚を覚えております。この審査委員の方々にとって重要ポイントとなる文化、芸術を判断するのはなかなか建築上がりの方々では難しかったんじゃないかなと個人的には思いますが、区の見解を教えていただけますか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 審査委員は文化施設に関する専門家を含む各分野の専門家で構成をしておりまして、区としては評価は適切に行われたと考えております。
○杉山委員 これ以上進められないので次に行きますが、今回の選定結果で一般に公表されている施行予定者候補の提案概要書には、拠点施設は建築面積約1万9,000平米、延べ床面積25万7,000平米など、高さ235メートルとかスペックが書かれています。多目的ホールは着席5,000、スタンディング最大7,000、この辺のスペックも書かれているんですが、レジデンス部分の戸数とか、ホテルの部屋の個数とか、この辺りの数値というのはどのようになっておりますでしょうか、伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 提案概要書の公表の際に拠点施設をどんな内容か御説明するために概要の数値を示しておりました。一方、レジデンスの戸数、ホテルの部屋数など計画の詳細については今後計画、協議によって決定をしていくものでございますので、提案段階の数値を公表するということは考えておりません。
○杉山委員 提案段階の数値は出せないということで、先ほどの渡辺委員のときも数値は出せませんとおっしゃっておりました。このレジデンスの戸数とかも資金計画などにかなり密接に関わってくる情報なんですね。募集要項の提出書類の取扱いでは、ちょっと質問にないんですけど、通告していないんですが、(4)提出書類の取扱いで、提出書類については中野区区政情報の公開に関する条例に基づく区政情報となりますと書いてあるんですね。これは要は提案されたデータ、これはずばり聞きますけど、情報公開請求で開示というのはできるんですか。これだけ聞かせてください。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 情報公開請求ということであれば、その制度にのっとって手続を取る、それから公開されていくということになりますが、やはり企業のノウハウですとかそういった情報というところに配慮された上で公開されていくものというふうに考えております。
○杉山委員 先ほどの渡辺委員のときもありましたけど、本契約を締結する間に協定を結ぶわけですけど、この間にどんな考え方のずれとか数値のずれとかプラス・マイナスがあったのかみたいなことはどこかのタイミングで判断しなきゃいけない。それをしっかりと照らし合わせられるように、やっぱり数値というのは中野区としても出しておいたほうが安全じゃないかな、そんなふうに感じております。ぜひともこの提案内容の詳細、どこかのタイミングで開示いただきたい。もしくは変更内容がありましたら、ぜひともこことここはこう違うんだよということを、変更内容が確定する前にこういう内容で違ってきているんだけど、どう思うということをぜひ議会にお示しいただきたい。そのときに判断させていただきたいと思っております。
我が会派の酒井議員も本定例会の一般質問で話されておりましたが、このまちづくりは100年に一度、1,810億円の巨大プロジェクトです。慎重に取りこぼしのない協定の締結が必要となります。今回、1位、野村グループが区と協定を結ぶという次のステップになるかと思いますが、協定の項目などの内容、これは先ほど渡辺委員のときにお答えされていましたんで、内容的には役割分担や当初の提案内容の継承という回答でしたね。この提案書周りのお話、これは先ほどの渡辺委員のときに話をされていましたので少し飛ばしていきますが、この協定書は、提案書に記載されている様々なスペック、先ほどお話ししましたけど、様々スペックや事業計画、それから資金計画、この辺りがしっかりと継承されるように、協定書と提案書がしっかりと結びつけられるような条項が必要ではないかなと考えております。例えば協定書に協定の範囲的な条項を加え、○年○月○日に甲に対して乙が提出した○○提案書の内容を踏襲することとする、内容が変更される際には甲乙協議する。契約不履行の場合は損害賠償があるよということを明記した提案内容、協定書にしていくべきだと、しっかりと提案書は協定書に、協定書に記載されなくてもひもづいている、そのような形にしていくべきだと考えておりますが、いかがでしょうか、伺います。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 基本協定におきましては、まちづくり計画、これは中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画などのまちづくり計画を指しますが、それらの遵守及び提案内容の継承、これは今回の応募者が提案をした内容になります。その提案内容そのものの継承に加えて、提案内容を変更する必要が生じた場合は両者で協議をするといったことなどを盛り込む考えでございます。
○杉山委員 協議をする前に中野区として損をしたくないなというものがあります。実際の工事に入る前に建設工事請負契約みたいな本契約をすると思うんですけど、その中にはちゃんとした発注内容が詳細に記載されるとは思います。そこまでに中野区と施行予定候補者との間で結ばれるのがこの協定書になっているわけで、中野区が甲、施行予定候補者が乙の協定書だと思うんですが、この提案時に甲と乙は提案内容で均衡が取れてなければならない、これが協定書だと思うんですね。乙が得するような方向に動くというのは甲が損をしてしまう。甲というのはすなわち区民が損をしてしまうということになります。協定書締結内容を慎重に検討して乙の逃げ道がなきよう締結することを強く要望させていただきます。
続きまして、中野駅周辺のエリアマネジメントについて伺います。先ほどの区役所サンプラザの拠点施設の1位提案、エリアマネジメント施設、提案書内にあるんですが、中野駅周辺全体のエリアマネジメントとは別物と考えております。令和2年第3回定例会の決算特別委員会の総括質疑で中野駅周辺エリアマネジメントの必要性についての要望をお話しさせていただきました。先ほどの中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画、そして中野二丁目地区再整備、中野二丁目地区、中野三丁目地区、そして中野駅西側南北通路、橋上駅舎、いろいろあるんですが、この中野駅周辺の全エリア、それぞれでまちづくり検討が進んでいます。未来の中野を左右することで大事なまちづくりとなります。それぞれのディベロッパーがあらゆる面から渾身の力でそれぞれアピールしてくることと思います。それをしっかりと取りまとめ、景観、イベント、まちのトーンを感じられる雰囲気、目に見えるものから見えないものまで中野らしさを未来に継承していかなければなりません。エリアマネジメントはこのエリアを時間軸や四季のある大きな立体空間と捉えることができる組織をつくらなければなりません。区としては既に準備を進めていると報告で受けておりますが、今検討を進めているエリアマネジメントとはどのような内容を指しますでしょうか、伺います。
○石橋中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 どういうエリアマネジメント、どういう組織かという観点も含めて、中野駅周辺のエリアマネジメントにつきましては、今後開発が進む各地区と地区、あるいは既存の開発地区、そしてそれらと地域の関係者等を有機的につなぐ、いわゆるプラットフォームとしての機能となる中野駅周辺のエリアマネジメント協議会なるものを設置して進めていく予定でございます。エリアマネジメントは各開発地区ごとで個々の展開を基本と考えてございますが、それらが集まること、あるいはつながることでさらに効果が高まる事項について協議、検討を進め、中野駅周辺全域の価値を高めていきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 今メンバーは、各地区のディベロッパーとか、地域の人、産業界、いろいろお話が出ております。そういう方々がメンバー構成となるということだと思うんですが、中野駅新北口エリア拠点の拠点施設の施行予定者候補、今回で言うところの先ほど出てきた野村グループ、この方々はどのような立ち位置を想定されておりますでしょうか。
○石橋中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 組織の構成員として、中野駅周辺の各開発地区の再開発組合や準備組合、あるいは既存開発地区の権利者等が主たる構成員として、区を含めた公共機関等の参画を得て協議会を組成したいと考えてございます。今御案内のあった中野駅新北口駅前での施行予定者候補につきましてもその協議会の構成員の一つというふうに考えてございます。ただ、区とともに協議会の事務局の一役も担えないかなど、公募時の提案内容との整合、調整を含めて今後具体的な協議を進めていく予定でございます。
○杉山委員 この中野駅北口エリア拠点整備の施行予定候補者も含め、地域の経済団体、ディベロッパー、行政がしっかりと協働して中野らしい中野駅周辺のエリアマネジメントを進めるに当たり、この組織はこれからどのような活動を行っていきますか。目標や着地点、スケジュールなどもしあればお話しください。
○石橋中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 先ほども申し上げましたとおり、中野駅周辺のエリアマネジメントは中野駅周辺全域で展開することでこそ効果が高まる事項について協議、検討し、具体的な取組を進めていくものというふうに考えてございます。次年度に協議会を設立し、まずは中野駅周辺の将来像をソフト面から描いた将来ビジョンを協議会として策定し、以降そのビジョン実現に向けた必要な取組を進めていきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 中野駅周辺の各地区の色や雰囲気がばらばらにならないようにしっかりとこの目的を達成できるように進めていただければと思います。中野サンプラザの解体は令和6年から始まり、市街地再開発工事開始は令和7年辺りから令和10年後半にはシンボル施設を含む拠点施設が完成するというスケジュールです。中野サンプラザが使えない5年間、今までと同じように年間を通した会合やイベントも開催できるよう、同じ機能を持つ新区役所1階のバンケットや中野セントラルパークのカンファレンスルームなどのリソースをうまく開放したり有効活用したりすることは必要だと考えております。区民も経済界もこの期間は様々なことで気持ちが落ち込んでしまっているでしょうし、このエリアマネジメント組織がこの空白の5年間、周辺を含めたら完成までの10年間をしっかりと埋めていただけるような活用が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○石橋中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 サンプラザの空間的機能そのものをどうするかということも含めて、中野駅周辺の開発が完了するまでの今後10年間、その間もこれまでのにぎわいを絶やさないことが極めて重要なことだというふうに認識をしてございます。中野駅新北口駅前エリアの施行予定者候補の提案の中にもこの間の取組をしっかりと進めていきたいというふうな御提案がございました。それも含めて、中野駅周辺のエリアマネジメント組織による取組はもちろん、エリアマネジメントという観点にとらわれず、区や経済団体と地域が一丸となってこの間の中野駅周辺の継続的なにぎわい、この取組を進めていきたいというふうに考えてございます。
○杉山委員 中野サンプラザがない期間がやっぱりあるということで、区民も外から見た方々も気持ちの落ち込みというのはきっとあるかと思います。ぜひともこのエリアマネジメント、しっかりとこの5年間、そして周辺を含めた10年間進めていただきたいなと思っております。
中野駅周辺のまちづくりに関してすっかり取り残されている場所があります。都道であるガード下付近の中野通りのことです。ここは雨水の処理が悪く、大雨時には線路側から滝のように雨水が流れてきますし、道路も水没することもあります。歩道は暗く、歩行者がぶつかってしまうギャラリーの再整備も必要です。大動脈であるこの中野通りのうち、ガード下部分の再整備につきまして、今現在、区側から東京都の第三建設事務所に何かしらの整備の要望を伝えているのでしょうか。中野駅西口改札、中野三丁目、中野二丁目、区役所サンプラザ辺りの再整備や市街地再開発の内容はほぼほぼ固まった今、この場所だけが取り残されていかないように、早急に要望をまとめ、しっかりと第三建設事務所に伝えていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか、お聞きします。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野通り高架下につきましては、中野駅駅前広場デザイン等整備方針において、中野駅周辺地区の南北をつなぐ主要動線として、ユニバーサルデザインに配慮した明るく安心感のある歩行者空間の確保や中野駅北側の雰囲気や南口駅前広場との連携に配慮し、公共通路にふさわしい空間とすることを整備方針で示してございます。本整備方針検討会には、東京都第三建設事務所が検討会委員として、またJR東日本もオブザーバーとして参加しており、鉄道高架下の課題についても共有し、照明を変更するなどの対応を行っているところでございます。
中野駅ガード下ギャラリー「夢通り」はJR所有の壁面に中野区が整備をしたものであり、中野通り鉄道高架下の改善につきましては第三建設事務所やJRと連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
○杉山委員 これは第三建設事務所とJR、かなり時間がかかると思うんですよ。中野区だけの問題じゃないので、大きな残りの2法人がかなり―法人じゃないですね。時間がかかっていくものと思いますので早く手をつけていただきたいなと。ぜひとも前向きに検討を進めていただければと思います。
この項の最後に中野駅西口改札の周辺施設の名称の公募についてだけ伺っておきます。2026年12月に完成するJR中野駅西口改札前に通る南北通路の南側にできる都市計画上の西口広場という名称に違和感がありまして、名称などは早めに公募して決定していただきたいとお願いさせていただいているところです。さきの建設委員会において、中野駅駅前広場デザイン等整備方針の策定についての意見交換会報告で、西口広場の名称について変更することは可能かという意見に対して、区には道路の愛称制度がある、地元から要望が寄せられ、一定の基準に適合した場合に愛称をつけることができるとあります。まずこの道路の愛称制度は広場には適用されますでしょうか、伺います。
○井上道路課長 広場の名称については中野区道路愛称名設定要綱は適用されません。
○杉山委員 適用されないということは適用するために何か動かなければいけないと思うんですが、広場の愛称制度を新たに制定するために必要なものというのは何でしょうか、地元からの要望が必要となると思うんですが、要望とはどのようなものでしょうか、伺います。
○井上道路課長 広場名称の決定手続についてですが、地元の要望の有無にかかわらず、広場に名称が必要な際は公募により決定することになると考えます。類似の事例としまして平和の森橋の橋名募集を今年度行ったところでございます。
○杉山委員 平和の森橋の場合は道路の愛称制度にある程度準じた形でということですね。この(仮称)西口広場という名称は、地域の商店街の案内掲示板やパンフレット、ウェブサイトやSNSなどへの記載も今結構急いで記載をしようとしているところもありますし、今後増えてくることと思います。愛称の決定に関する地域の声は高まるばかりでございますので、道路の愛称に準じた広場の規定が決まった場合、どのような手法で、どのぐらいのタイミングで愛称が決定するのでしょうか。もし公募を行う場合の愛称募集時期は最短でいつ頃となりますでしょうか伺いましてこの項の質問を終わります。
○井上道路課長 広場名称を公募する際に必要な期間ですが、区が広場名称を公募する場合については、区報やホームページで募集をし、その後選考委員会を設け選考を行った上で決定することから、公募の準備から決定に至るまで約6か月程度要するものと考えます。
○杉山委員 ありがとうございます。ぜひ早く決めて、JR東日本も中野駅西口の何々口何々口と決める前までには中野区側のほうが決めているといいのかなと思っております。ありがとうございます。
すみません、大分オーバーしていますけど、最後になります。その他に関しまして、東中野駅西口線路沿い桜並木について伺います。その維持管理作業の協定について、まずは昨年度と今年度のJR東日本との締結日を教えてください。
○林公園緑地課長 昨年度は令和2年2月14日、今年度は令和2年12月3日にJR東日本と維持管理業務に関する協定を締結しているところでございます。
○杉山委員 どちらも令和ですね。この維持管理作業はどのようなスケジュール、どのような作業内容でしょうか、伺います。
○林公園緑地課長 作業内容としましては、除草1回と桜3本の枯れ枝取りを行うことになっているところでございます。枯れ枝除去につきましては、令和3年1月26日の夜間、それから2月16日の夜間、2回実施しているところでございまして、除草作業につきましては3月にやる予定でございます。
○杉山委員 除草作業というのは今年度3月になる予定で、今日も朝見たんですが、ツタが絡まっているような状態になっていますけど、過去には年2回の除草作業を行っていたと思うのですが、いつまで年2回の作業だったでしょうか。
○林公園緑地課長 平成28年度まで年2回除草を実施したところでございます。
○杉山委員 寿命の近い桜もありますので、除草しなければ栄養が桜に行き渡らずに雑草に取られてしまうんですが、夏に雑草が桜の木に巻きつき放題の状態で見ていられないと多くの区民から声が寄せられております。寿命を全うさせてあげられるよう除草作業を年2回に戻していただくことを強く希望しますが、いかがでしょうか。
○林公園緑地課長 菜の花の種まき前と花が終わった後に除草することで桜の枝に巻きつく雑草を防ぐことができると考えてございます。そうした考え方の下でJR東日本と調整をしていきたいと考えているところでございます。
○杉山委員 今のはちょっとうれしいです。2回やっていただけそうな感じの御答弁でした。また、過去にも、この桜並木を将来どのようにしていきたいのか、していくべきかなど話し合う予算も計上されておりましたが、前年度も今年度も予算は計上されておりません。住民の多くはこの桜並木を今後どのように後世に引き継いでいくのかなど区やJR東日本と話し合いたいと申しております。来年度この会合をぜひ実現いただきたいのですが、いかがでしょうか、伺います。
○林公園緑地課長 地域の人たちが桜並木を大切にしていることは十分に理解しているところでございます。地域との話し合いの場についてはJR東日本の参加が必要不可欠であり、今後もJR東日本に働きかけをしてまいりたいと考えているところでございます。
○杉山委員 東中野の発展を長い間見守ってくれたこの桜並木、菜の花のコントラストも鮮やかだった時期から数年たってしまいましたが、この光景が東中野の住民の誇りとともに復活することを願って私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で杉山委員の質疑を終了します。
次に、甲田ゆり子委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 令和3年予算特別委員会にて公明党議員団2番手で質問をさせていただきます。質問はほぼ通告のとおりでありますけれども、1の最後の(6)、障害者の地域包括ケアにつきましては時間の関係で割愛させていただきます。
長期化している新型コロナウイルスの影響で、かつてない危機と困難を共に乗り越えていくために、こういったときだからこそ大事なことは何なのか、私なりに真剣に考え、真摯に質問をさせていただきたいと思います。区長、理事者におかれましては、どうか誠実かつ明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
まず初めに、1、すべての人への地域包括ケアシステムについて。質問に入る前に私の持論を述べさせていただきます。地域包括ケアシステムにつきましては全世代型ということが今言われておりますけれども、全世代型のシステムを作るといっても、高齢者、障害者、子どもはおのおの同じシステムにはならないと思っております。なぜなら仕組みや基盤が違うからです。高齢者の地域包括システムには介護保険制度というものがあり、医療と介護を組み合わせることによって基盤ができると思います。また、障害者の場合も障害者総合支援法により計画相談があり、相談支援員がいて、また、障害福祉サービスにも報酬があるという一定の制度があります。それぞれ社会保障制度に基づいて基盤があると思います。ただし、子どもや若者には医療保険しかありません。サポートをする必要のある人でも障害児以外は保障制度がないので、将来的には国で何らかの保障制度をつくるべきと考えております。子育てでは、一番最初に困難に陥りやすい妊娠期から産後の部分に対する法律ができて、産後ケアが自治体の努力義務とはなりましたが、担い手の確保、養成等、まだまだ課題が山積です。これらのことから、まずは別々の課題に応じた地域包括システムを作ることで全世代型の全体が見えてくると考えております。この思いを踏まえて質問に入ります。
(1)介護保険について。中野区の今後の推計によれば、19年後の2040年には高齢者数はピークを迎えるとされております。今年度、令和2年度の中野区高齢者人口は6万7,891人で、人口約33万5,000人から見た高齢化率は20.3%です。令和7年度までは高齢者人数も高齢化率もほぼ横ばいで推移する見込みです。高齢者人数は直近2年間はほんの少し減少したとのことです。しかし、令和3年度からは微増と推計されております。
先月、厚生委員会に第8期介護保険事業計画案が示されました。その中では、この第8期、すなわち令和3年から3年間では介護給付費準備基金を10億6,000万円取り崩すという見込みの報告がありました。これまでの経過を見ますと、平成12年の介護保険制度導入以来、中野区の介護給付費準備基金の取崩しは過去3回、第2期で約3億2,700万円、第4期に約5億700万円を取り崩し、現在の第7期では約1億3,000万円を取り崩したものの、平成24年からはずっと剰余金を積み立ててきました。さきの補正予算においては、コロナ禍ということもあって介護給付費の大幅な減額補正もあったため、令和2年度も剰余金は見込まれると考えます。そう考えますと、第8期にはこれまでにない10億6,000万円という多額の基金取崩しとなるわけですが、これはどのような推計に基づくものでしょうか。また、取り崩し後の準備基金残高は幾らになる見込みでしょうか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 第8期介護保険事業計画期間における介護給付費等は、各サービス種別ごとにこれまでの給付実績を基に推計いたしまして約686億円と見込んでおります。介護保険料の負担が家計に与える影響を鑑みて、第8期の保険料基準額は第7期と同額になるように試算したところ、準備基金を取り崩す額は10億6,000万円必要であり、取り崩し後の基金残額は約18億円となる見込みでございます。
○甲田委員 ありがとうございます。
次に、保険料設定について伺います。第8期の保険料基準額は第7期基準額と同じく据え置きにし、保険料所得段階区分も17段階のまま変更なしということですが、コロナ禍の影響で逼迫している方が多い中、将来に向けて準備基金をたくさん取り崩すのであれば、超高額な所得の方の部分に関して本当に見直しをしなくてよいのかも含め、保険料設定の根拠について御説明をお願いします。
○葉山介護・高齢者支援課長 第8期介護保険料の段階区分及び料率につきましては、第7期のものをベースに、コロナ禍における家計への影響を鑑みて保険料額は上げないことを目標に設定いたしました。高所得者層の段階区分の料率につきましては、各区の動向なども参考にしつつ、料率を上げた場合などの試算を行ったり、適正な介護給付費準備基金の残額についても検討を行いました。結果といたしまして、高額所得層の段階区分の料率を上げても、被保険者数が少ないため、保険料基準額があまり下がらないことから据え置くことにしたものでございます。
○甲田委員 次に、介護給付の見込み量について伺います。この第8期の計画案では、2018年度から2020年度までの実績に基づき推計されていると先日委員会でお聞きいたしました。それにしても、今後3年間のサービス見込み量は随分と低く見積もられている部分が多いと考えます。例えば通所介護、いわゆるデイサービスや訪問入浴、通所リハビリ、ショートステイなどについての見込み量を見ますと、2022年度、2023年度においても、新型コロナの影響が全くなかったときの2018年度、2019年度の数字にはほど遠く、かつての給付量には戻らないという形に見込まれております。冒頭述べましたように、高齢者人口が2019年度は微減していますし、2020年度は新型コロナの影響で通所控えをされた方が多かったとのことで、その通所控えの影響もあってか、中野区のデイサービスは、今年度、昨年の4月から現在までに閉鎖をした事業所が8事業所もあると聞いております。これは一体どういうことなのでしょうか。新型コロナの収束がないと見ているのかとも思うようなサービス見込み量ですけれども、どのように推計しているのか、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 新型コロナウイルス感染症による介護サービスの利用控え等の影響で、令和元年度の終わり頃から令和2年度にかけて介護給付費が前年同月比で落ち込んでいるという状況でございます。その影響につきましては、第8期介護保険事業計画期間中のある時点で収束をして、その後は給付費は右肩上がりに増えていくものと想定しております。いつ収束するのかを見極めるのは現時点では極めて困難でございますが、これまでの各サービスの利用実績の動きや感染症対策の動向などから推計をしたというところでございます。
○甲田委員 そうすると、第8期までは新型コロナの影響が及ぶというふうに見ているということでよろしいんですかね。そこから急激に伸びていくということに聞こえました。
それで、在宅介護にしても限界が来たときの介護老人保健福祉施設、介護医療院は絶対的に不足していると思うんですけれども、今回の計画では、介護老人保健福祉施設の整備は見送るとしています。介護医療院も今後増やさない予定とのことですけれども、理由は何か、伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 介護医療院につきましては、第7期の計画で作成したとおり、介護療養型医療施設からの転換により整備をいたしました。それから、介護老人保健施設でございますけれども、平成31年度に区南部の公有地の活用によりまして整備事業者を誘導、開設した結果、現在では区の南北1か所ずつの配置となっているところでございます。いずれの施設につきましてもニーズは高く、利用者の増加が見込まれるところでございますが、第8期の期間としては、その後の具体的な土地の確保や新たな参入が見込めないため、第8期計画では整備目標をゼロとしたものでございます。国有地や都有地を含めた公有地の活用が見込める場合には引き続き整備を進めていく所存でございます。
○甲田委員 土地の確保ができないから整備を諦めるということはちょっと違うのかなと思います。区内二つ目に整備ができました介護老人保健福祉施設も、昨今の介護人材不足で、ベッド数は空いていてもスタッフの確保ができないため入所定員を下回っているという現状があるようですから、まずは介護人材の確保支援で全室入所を目指すというような目標でもいいのかなと思います。特別養護老人ホームとは違い、介護老人保健福祉施設や介護医療院は待機人数というものが常に変わるため、データがなく、どれだけ困っている人がいるかのエビデンスがつかめないものだと思います。しかし、区はこれらが必要という認識はあるにもかかわらず、第8期において整備できないというのであれば、それでは、どのようにして在宅介護の限界を超えた人を支えるのか、遠方に入所していただくのか、あるいはショートステイや通所介護を増やすなどするしかないと思うのです。いずれにしても、先ほどの介護サービスの見込みではとても甘いんではないかなと私は感じます。現場の方に聞き取りをしていただき、介護に疲れ、逼迫している方たちをどうするのかという方向性をしっかりと示すべきではないかとの問題提起をいたしまして、次の質問に移ります。
○山本委員長 甲田委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時59分休憩
午後3時19分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。甲田委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 次に、(2)医療資源について伺います。地域包括ケアシステムは言うまでもなく医療と介護の連携、連結が非常に大切です。医療と介護のはざまで入院可能な病院は今後ますます重要となります。区は、在宅医療をバックアップし、地域包括ケアシステムを支える医療拠点を区内に確保するために医療機関誘致の公募を行いました。しかし、一度の不調で再公募にかけるべき用地である旧中野中学校跡地を簡単に別の用途へと転換をしてしまいました。医療機関誘致の優先順位はそれほど高くなかったのだろうかと感じたところでありますが、改めて区内に地域包括ケアシステムの拠点となる医療施設が必要な理由についてお伺いいたします。
○鈴木保健企画課長 超高齢社会を迎えまして、区民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、在宅療養の充実とともに、かかりつけ医を支援する病診連携の推進や回復期医療の提供等を行う中核的な医療機関を確保することが重要でございます。加えて、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、新興感染症に対応できる地域医療支援の拠点となる病院が不可欠となったことが明らかとなりました。したがいまして、医療機関を誘致する必要性はますます高まったと考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。厚生委員会では何度もその答えをお聞きしているんですけれども、どうもその担当の課長の言うことと区の全体の動きのつじつまが合わない、矛盾をしているなと感じております。
そこで、区長にこれはどうしてもお聞きをしたかったのですが、医療機関誘致の必要性や他の施策との優先順位はどのように区長は考えていらっしゃいますでしょうか、伺います。
○酒井区長 今、担当からもお話ししたとおり、今回の新型コロナウイルスの感染症の関係でも医療機関の重要性というのは痛感したところでございます。今後の地域包括ケアの展開、そして感染症対策などを見据えると、区内で確実に確保していくことが必要であるということで考えております。非常に重要度の高い施策だとは思います。一方で、医療政策につきましては広域的な二次医療圏等の観点で検討する必要もあるため、今後、東京都や関係機関との綿密な連携も図りながら着実に検討を進めて具体化を目指していきたいと考えております。
○甲田委員 優先度は高いけれども、いろいろほかにも課題があるというふうに受け取れましたけれども、もう一点区長に伺います。基本計画案において重点プロジェクトに位置付けた地域包括ケア体制の整備における高齢者の取組についてはいつまでに形にするおつもりでしょうか、伺います。
○酒井区長 高齢者を対象とした地域包括ケアシステムにつきましては、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて喫緊の課題として取り組んでいるところでございます。これまでの具体的な成果としては、地域ケア会議における多職種ネットワークの構築やアウトリーチチームの設置、高齢者会館等における住民主体サービスとしての介護予防・日常生活支援総合事業の開始など、基盤整備という意味において体制はできつつあると考えております。しかしながら、地域包括ケア体制は社会状況や人々の意識の変化に柔軟に対応していくことが求められておりまして、その意味で完成形はないというふうに考えております。また、これまでの取組から高齢者の問題だけにとどまらないケースも多く、高齢者だけを切り離して捉えずに全ての人を対象とした地域包括ケアの展開の中で発展、充実を図っていきたいと考えております。
○甲田委員 完成形はない中で全世代型の地域包括ケアシステムを作るということですけれども、この全世代型の前提となる高齢者の地域包括ケアシステムの肝は医療と介護の連携、基盤づくりであると考えます。地域包括ケアシステムを担う医療機関といっても様々な問題や医師会との連携とか協議があると思いますけれども、だからこそ、より誘致する医療機関が手を挙げやすいような条件の土地、環境を真剣にこれからも考えていただくことを切に要望しておきます。
次に、(3)困窮者支援について伺います。ここでは1点、生活援護課と他部署との連携について伺います。今般の新区役所整備に伴う生活援護課事務室の現教育センターへの移転についてですが、なぜこの段になって生活保護の事務室だけスペースが足りなくて移転するということになったのか、私は全く合点がいきません。福祉事務所が庁舎外にある区もあることは承知しておりますが、その場合の経緯や複合施設の在り方、人員体制もそれぞれ様々です。そこで、厚生委員会で、困窮者の相談に当たっては生活援護課とどの部署との連携が必要になるのかただしたところ、国民健康保険、障害福祉、介護保険の窓口などとの連携を行う場合があるとの御答弁でした。公明党議員団は数限りない生活相談を受けております。その経験から、国民健康保険、障害福祉、介護保険もそうですが、さらに、人によっては子ども総合相談、住宅、または社会福祉協議会なども密接に関連してくると考えます。生活保護申請の前後にこれらの窓口にも行くこととなる可能性が十分あり得ると思いますが、その場合の連携についてはどのように検討されたのか、伺います。
○中村生活援護課長 生活保護の窓口に来所された方がさらにほかの窓口にも行かなくてはならないという状況を解消していく方向で検討しております。具体的な検討といたしましては今後詰めていくことになりますが、例えばほかの部署とオンラインで結んだり、新区役所庁舎への生活困窮者相談機能の配置やすこやか福祉センターとの連携強化を考えてございます。
○甲田委員 厚生委員会のとき、またはいろんなところで聞いたときには他部署との連携を職員が頑張ってしますと言われましたが、今お聞きしたら区民が行かなくてもいいようにするということですね。もう一度お聞きします。
○中村生活援護課長 具体的には今後詰めていくことになりますけれども、そのような方向で検討をしてまいります。
○甲田委員 それができるのであれば本当に検討していただきたいと思います。本当にそれはお願いしたいと思います。
また、職員の執務スペースが問題なのであれば、区民の方が来庁する必要のない、窓口がない部署が庁外に出ればよいと思います。プライバシーが問題なら、新庁舎のレイアウトで工夫すればよいことではないでしょうか。新庁舎に相談機能を残すといいますが、生活保護そのものの申請はやっぱり庁舎外の福祉事務所まで行かなければならないということではないでしょうか。そして、受給できると決まったら、また今度は庁舎内の国保の喪失手続や障害福祉の窓口に再度戻される可能性もある。これは今こういうことになっております。現在の教育センターの場所は新区役所から七、八百メートルあります。区民に歩け、お金がない人にバスに乗れと言うのでしょうか。悲しくなって申請を諦めてしまう人が出るのではないかと現時点では心配しております。区民にとっての利便性、確実性が大事です。基本構想・基本計画にうたう誰一人取り残さない包括的な支援体制はどこに行ってしまったのか、見解を伺います。
○酒井区長 生活保護機能の移転につきましては、今後に想定している生活困窮者への相談支援体制の充実を見据えながら、生活保護受給者の増加見込みや各部との連携を踏まえて今後の施設配置を検討する中で総合的に判断したものでございます。利便性を確保し、多様な課題に対応できる相談窓口として整備を行うことで、新たな基本計画に位置付けている誰一人取り残されることのない支援体制の構築、これの実現を図ってまいりたいと考えております。
○甲田委員 今のお言葉をしっかりとやっていただけるということで、本当に支援が切れてしまう、または制度のはざまどころか物理的な溝が大きく広がるということがないようにしていただきたいと思います。職員のほうがオンライン会議もできますし、自転車で動けるかもしれませんけれども、そういったことができにくい人たちにあちこち行き来させるということが本当にないようにしていただきたいと思います。社会的弱者と言われる方たちに一番手厚く支援するのがこれからの福祉の在り方ではないかと申し上げて次の項に移ります。
次に、(4)福祉の窓口とアウトリーチについて伺います。我が会派は今回いま一度福祉の窓口のワンストップ強化を望み、質問をさせていただいているところです。コロナ禍で得られたオンラインなどの環境を使い、今後、近い将来にはもっとITを活用する中で窓口相談機能も抜本的に変えることができるのではないかと考えます。例えば相談したい区民が一番身近な区有施設、区活などに行けば、オンラインによっていろいろな窓口につながることができるという仕組みをこれからは作ってもよいのではないかと考えます。そう考えると、そもそもすこやか福祉センター単位を日常生活圏域としていることも、そこに固執する必要もないのではないかなというふうにも思います。すこやか福祉センター自体、交通の利便性が整っていないところもありますので、もっと区民の利便性、効率性と将来的な施設の持続性についてこの機会に根本から考えてほしいと思っております。
そこでまず伺いますが、そもそも中野区の日常生活圏域として四つのすこやか福祉センター、10年後から五つのすこやか福祉センターですけれども、そのすこやか福祉センター地域とするのはなぜでしょうか、伺います。
○高橋地域包括ケア推進課長 日常生活圏域は本来平成17年の介護保険制度改正により設定を求められたものでございますが、国は、地理的要素や地域資源などの特性を勘案し、それぞれの実情に合わせて設定するものであると説明しており、現状では区は四つの圏域としております。日常生活圏域は、地域の支え合いの仕組みづくりや地域に密着したサービス施設を整備していく上での地域の単位としての意味を持っておりますため、すこやか福祉センターを配置してきたものでございます。
○甲田委員 すこやか福祉センターの下には区民活動センターがそれぞれありますのでよいのかなとも思いますけれども、それでは、地域包括支援センターはどうでしょうか。なぜ8か所のままにするのか、その根拠を伺っておきたいと思います。
○高橋地域包括ケア推進課長 今後、単身高齢世帯、高齢者のみ世帯の増加とともに認知症患者も増えることが想定されるため、地域包括支援センターの役割はますます重要となります。現在検討中の中野区区有施設整備計画では、各日常生活圏域に2施設の設置を基本とし、すこやか福祉センターの配置数に合わせて新規整備することとしており、2026年度から2030年度の間に1か所を新設することとしております。今後の配置の在り方、職員体制などにつきましては社会状況等の変化を踏まえて検討を進める必要があると考えております。
○甲田委員 中野区は地域支え合いということを基盤としての地域包括ケアシステムを作ろうとしてきたと思います。町会、民生委員や社協の活動は区民活動センターごとに顔の見える関係を築いておりまして、今後もそれは変わらないものであると思います。私は地域包括支援センターもその単位に合わせた形であったほうがよいのではないかと思っておりました。だからといって包括支援センターの施設を増やすということではなくて、社会福祉協議会、区民活動センター、包括支援センターの活動地域をそろえてアウトリーチをしやすくしてはどうかと思います。現状でも連携はしておりますが、地域ごとにより密接な関係を作れれば、より一層社会福祉協議会や地域団体との協働・協創の取組も進み、連携が取りやすくなると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○高橋地域包括ケア推進課長 区民活動センター圏域では以前から住民主体の活動が活発に行われております。地域包括支援センターの一部など区民活動センター圏域と合致していないところもございますが、住民にとって最も身近な地域活動の圏域である区民活動センター圏域を地域包括ケア体制整備の基軸に据えることによって様々な連携、協力を円滑化していきたいと考えております。
○甲田委員 また、社会福祉協議会、地域包括支援センター、区のアウトリーチチームが銘々に、または重複した動きをしていることで気になる点が幾つもあります。例えば個別のケースワークで介護保険制度につなぐといった支援などです。豊島区では、社会福祉協議会がコミュニティソーシャルワーカー、いわゆるアウトリーチを担っています。中野区も社会福祉協議会の職員は既に区活単位で地区担当がおりますが、担当職務が変わらないということでノウハウが蓄積されています。それこそ断らない相談とも言える福祉何でも相談を受けていることや、地域をよく知り、顔の見える関係を作っています。区のアウトリーチチームはもちろん頑張っていらっしゃいますが、兼務の職務もある中、個別案件については包括支援センターとすみ分けできていない部分もあり、一方で団体の支援と地域づくりというミッションまではまだ到達ができていないと考えます。今後職員を無限に増やすわけにはいきません。アウトリーチチームは個別の深みにはまるのではなく、社会福祉協議会や包括支援センターなどの職員、また、地域団体、民間団体を後方支援しつつ、課題を一緒に考える中で、必要な政策を区へ提案する人材として少数精鋭で活躍していただくことが大事と考えます。この際、個別のアウトリーチについてはコミュニティソーシャルワーク事業として社会福祉協議会に委託をしてはいかがでしょうか、伺います。
○濵口アウトリーチ調整担当課長 委員御指摘のアウトリーチチームの課題等を踏まえ、支援活動をより効果的に行っていくため、社会福祉協議会等との役割分担や連携の在り方について検討を進めてまいります。
○甲田委員 将来を考え、今が一番変革をできるチャンスだと考えての質問ですので、ぜひ検討していただきたいと思っております。
次の項に移ります。次に、(5)子どもの地域包括ケアと新たな児童館について伺います。2019年10月、区は子ども文教委員会にて、新たな児童館は、職員によるアウトリーチ活動の拠点とし、すこやか福祉センター及び(仮称)総合子どもセンターと連携し、日常的な見守り支援の中で支援が必要な子どもと子育て家庭を発見し、様々なサービスや関係機関等につなぐということで地域包括ケアシステムの拠点にするという報告をされました。その後、区は言い方も二転三転しているように感じますので、改めてお伺いします。児童館はどのようなことで地域包括ケアシステムのための拠点となり得るのでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 児童館は、子どもと子育て家庭の課題の発見や予防など日常の状況把握に努めるとともに、支援が必要な子育て家庭の身近な相談支援機能を担ってまいります。すこやか福祉センターや子ども家庭支援センター、児童相談所と連携し、問題解決を図り、継続的な見守りを行うことで子どもと子育て家庭を対象とした地域包括ケアシステムのための拠点となり得るものというふうに考えてございます。
○甲田委員 「新たな児童館」が「新たな機能を備えた児童館」に言い方が変わった経緯もありました。一番最初は「生まれ変わる児童館」というふうに言っていたと思うんですけれども、これらの言葉には今の児童館条例を廃止するのかどうかの迷いが現れているようにも思います。
そこで伺います。児童館は条例を廃止せず、今の児童館の学童クラブがないだけのものに、また、新たな機能を付け加えただけの児童館にするのか、それとも条例を廃止して、区民からの求めが多い、例えば日曜、月曜も使えるなどの新しい施設として生まれ変わらせるのか、ずばりどちらなのでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 新たな機能を備えた児童館は児童福祉法に基づく児童館であり、中野区立児童館条例の位置付けを変えるものではないというふうに考えております。また、児童館の利用日や利用時間の拡大を行う場合は、条例施行規則に規定する利用時間、休業日等に係る規定を改正して対応していく考えでございます。
○甲田委員 条例を廃止しないということであれば、これまでどおりのものが9館残って9館はなくなるということになろうかと思います。これまでどおりのものに学童保育がなくなって新たな機能が付け加わるということかと思います。しかし、民間の活力を入れることを可能とし、区民サービスが向上するためには指定管理などの選択肢もあるかと思います。いずれにしても、区民にとって利便性と安心が向上し、将来に持続可能性の高いものにしていただきたいと考えます。こういったところにも構造改革のヒントはあるのではないかと考えます。その上で新たな相談機能を充実させるというのであれば、やはり気軽に相談ができて、異変に気づいてくれ、あらゆる子育て支援情報を駆使して寄り添ってくれる専門の人、いわゆる子育てコンシェルジュとも言うべき人がいることも大切です。全児童館に、現在も児童館で行っている地域子育て支援拠点事業に加え、一時保育事業、利用者支援事業の三つをセットにして展開すべきと思います。これらは国の補助事業です。利用者支援事業については各自治体で活用施設は様々で、基本型、特定型、母子保健型の三つの事業類型があります。中野区では現在すこやかの4施設で基本型と母子保健型、区の子ども総合相談窓口のいわゆる保育コンシェルジュで特定型を設置しておりますが、これを新たな児童館でも行うことで地域包括ケアシステムの拠点となり得るのではないかと考えますが、検討してはいかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 御案内いただいた三つのセットのうち、一つ目の地域子育て支援拠点事業につきましては現在も乳幼児対応事業としてほとんどの児童館で実施しているところでございます。新たな機能を備えた児童館の具体的事業の内容が現在検討中でございますが、御案内いただいた二つ目の一時保育事業につきましては、現在の事業の課題の整理、分析等を行って、区有施設における試験実施等も考えておりますが、そういったもの等の内容も踏まえて検討を進めていきたいと考えております。また、三つ目の利用者支援事業を展開するためというところでございますが、専門の相談員を配置する必要があって、今後の運営内容の構築に合わせ検討していきたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 本当に検討を早くしていただきたいなと思います。私は以前から子ども版の地域包括ケアシステムを早く構築するべきと言ってまいりました。子どもの地域包括ケアはまだまだ全体像が見えておりません。改めて子どもの地域包括ケア体制が整った状態とはどういうことを指すと考えておりますか。そして何のためにやるのですか、見解を伺います。
○青木子ども政策担当課長 全ての子どもと子育て家庭が貧困、虐待、発達障害などの個々の状況や課題に応じて必要な支援につながることができるとともに、そうした支援が子どもの成長に合わせて切れ目なく行われている状態が子どもと子育て家庭の地域包括ケア体制が整備された状態であると考えております。こうした誰一人取り残さない体制を整備することによりまして、子どもと子育て家庭が安心して住み続けることができるまちの実現を目指すものでございます。
○甲田委員 本当におっしゃるとおりなんですけれども、今回の基本計画案の子育て先進区のところではようやく虐待予防、セーフティネットが一番に掲載をされまして、このことは評価をいたします。しかし、相談者がすこやか福祉センターに行き、発達や難病などの相談や育児に疲れ助けを求めて相談をしたけれども、何も支援ができるものがないと言われ、がっかりして帰ってきたという方に私はよく遭遇します。現状支援の切れ目があります。民間も含めたサービスの見える化が図られていません。支援の切れ目をなくすことが包括ケア体制をつくることであり、そのことをもっとしっかりと区長が打ち出して職員の心を一つにしていただきたいと思います。誰も置き去りにしない子育てに温かい区をつくるんだという区長の信念が最も大切だと思います。基本計画案における子育て先進区を推進する重点プロジェクトには切れ目のない支援ということが入っていないようですが、この点について区長はどう思われておりますでしょうか、伺います。
○酒井区長 新しい基本計画の重点プロジェクトに掲げる子育て先進区の実現につきましては、子どもと子育て家庭のセーフティネットの強化や子育て・子育ち環境の整備、地域で子育てを応援するための体制の整備に取り組むこととしております。こうした取組を進めるに当たって切れ目ない支援を行うということはその前提になるものであると認識をしておりまして、子育て先進区を実現するためには必要不可欠なものであると考えております。
○甲田委員 そうですね。前提となるものだと思います。児童館や公園など、子育て環境の満足度を高めるというのも大事ですけれども、最も大事なことはセーフティネットだと思います。切れ目のない支援で誰一人取り残さないのだという姿勢だと思います。そのことを見失わないでいただきたいということをお伝えし、次の項に移ります。
次に、2番、子育て支援について、子育て支援についても全てセーフティネットの観点から質問をさせていただきます。
(1)子ども食堂と食の支援について伺います。以前より子ども食堂については、区が補助金支援をするだけではなく、実施団体のバックアップが必要と訴えてきました。社会福祉協議会はもちろん後押しをしておりますが、区の担当は、補助金申請窓口としては子ども教育部の育成活動推進課であり、活動場所についてはその場所それぞれの所管となるようです。実施団体の支援、相談窓口を一本化してはと考えますが、どの部署が担うのか、お答えください。
○細野育成活動推進課長 区有施設で子ども食堂を実施する場合は各施設の所管部への利用申請等の手続をお願いしているところですが、子ども食堂の実施団体への支援につきましては子ども教育部が主に担うものというふうに考えてございます。また、子ども食堂運営助成金における支援のほか、活動場所や周知、広報に関する支援なども充実させて、さらに子どもの貧困対策の他の政策とも連携強化が図れるように体制を整備していきたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 実施団体の方たちは貧困家庭や困難を抱えるひとり親家庭などに届けたいという思いで実施をしています。しかし、区から貧困家庭の個人情報を頂くわけにはいきませんし、何より貧困に特化したのでは参加がしにくくなる方もいるであろうと配慮して、参加する方を限定せずに広く食事を提供するスタンスを取っています。そこで、子ども食堂実施団体への理解とモチベーションを高めるため、区からの情報共有に力を入れてはどうかと思います。個人情報を出すということではなく、逆に子ども食堂の実施情報をまとめて子育て家庭に届ける仕組みで支援することができないでしょうか。例えば就学援助を受けている御家庭やしいのき塾に通う子どもやその家庭に子ども食堂開催等の情報を届けることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 子ども食堂支援は食のセーフティネットの確保につながる取組であって、大変大切な施策であるというふうに認識してございます。就学援助やしいのき塾に関する通知などの機会を捉え、子ども食堂の情報をお知らせすることなど、食に困っている家庭への情報発信を強化していく考えでございます。
○甲田委員 ぜひよろしくお願いいたします。
現在、環境部や社会福祉協議会では、お菓子などの物品寄附を受け付けると、随時開催中の子ども食堂にネットワークでお渡しくださっています。子ども食堂で配布をしなければ廃棄されるはずのものが区内で有効に回っているという実感がします。まだ食べられる食品が廃棄されずに欲しい人の手元に届くよう、区民の意識を喚起することは大切であると思います。
そこで、子ども食堂の意義とともに、食品ロス削減、フードバンクの意義、取組を広く区民に啓発する活動の支援も区と社会福祉協議会が連携をして行ってはいかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 子ども食堂の支援の意義とともに食品ロスやフードバンクの啓発活動を行うことは大変有意義であるというふうに認識してございます。子ども食堂の活動をしている団体の意向も踏まえ、区として効果的な活動支援となるように努めてまいります。
○甲田委員 ぜひ効果的な、エコフェアみたいな、そういったイベントみたいなものも取組を進めてはいかがかなと思っております。また、社会福祉協議会では最近募った寄附を子育て家庭向けのフードパントリーということで開催をしています。よいものをたくさんもらうことができて皆さん安心して集われています。子どもの貧困等による支援を期待する寄附については、区では現在受け皿となり得るメニューがないため、特化した寄附を受けることができないとのことです。そうであるならば、社会福祉協議会が受け皿になっていくことに対して、区はこの取組を周知し、社会福祉協議会が寄附を募る応援をしてはどうかと思っています。結果として困っている家庭に食料が届くことになると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○青木子ども政策担当課長 中野区社会福祉協議会では、寄附金を原資としまして中野つながるフードパントリーを実施しており、区はこれに対し、開催場所の提供、周知、広報等の協力を行っているところでございます。こうした事業との連携をさらに深め、より多くの区民にこの取組を周知することを通じて地域における食の支援を拡充していくことも重要であると考えております。社会福祉協議会をはじめ関係団体との連携を強化しまして、地域全体で子どもの食を支えるための取組を推進してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 さらに今後支援が必要であるにもかかわらず、それらのイベントには自ら行くことのできない家庭に対しては、子ども宅食の仕組みも、これはずっと公明党議員団として言ってまいりましたが、ぜひ検討して行うべきと考えますが、検討状況はいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 区はこれまで子ども配食事業によりまして養育困難家庭に対して食の支援と配食時における家庭の状況把握を行ってきたところでございますが、支援を必要とするより多くの家庭をサービスにつなげていくことも重要であると考えておりまして、国の補助事業などの活用も含め検討を進めてまいりたいと考えております。また、地域団体が子育て家庭に直接食事を届ける宅食につきまして、現行の中野区子ども食堂運営助成金の対象事業としているところでございまして、こうした制度の周知、浸透を図ってまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 ありがとうございます。ぜひ一連の取組をしっかりと進めていただきたいと要望いたしましてこの項を終わります。
(2)ひとり親家庭支援について伺います。私は以前よりひとり親家庭支援について拡充を求めてきました。また、多数のひとり親家庭の方から相談を受けてまいりました。その内容の多くは、経済的なこと、住まいの問題、仕事の問題、子どもの教育費のこと、学校でのいじめ、不登校などがあります。子どもの貧困対策を進める上では一番肝となるひとり親家庭の施策を充実させていくべきです。まず中野区のひとり親家庭の現状ですが、中野区のひとり親世帯の数、子どもの人数と、そのうち所得の低い世帯が対象の児童扶養手当を受給している世帯の数と子どもの人数を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 令和3年2月現在、ひとり親家庭で児童育成手当を受給している世帯数は1,675世帯、子どもの人数は2,236人でございます。また、児童扶養手当を受給しているのは1,100世帯、子どもの人数は1,519人となってございます。
○甲田委員 ありがとうございます。区が昨年度行いました中野区子ども・子育て家庭の実態調査から見えるひとり親家庭の世帯年収の傾向とひとり親家庭ならではの困難なこととは一体何でしょうか、伺います。
○青木子ども政策担当課長 昨年度に区が実施しました子どもと子育て家庭の実態調査において、ひとり親世帯の世帯収入は200万円から300万円未満が最も多く、全体の13.4%を占めています。一方で2人親世帯の世帯収入は1,000万円から1,500万円未満が最も多く、全体の22.7%を占めています。今回の実態調査では、ひとり親世帯は2人親世帯に比べ世帯収入が低くなる傾向が見られました。また、実態調査においては、ひとり親世帯では2人親世帯に比べて暮らし向きが苦しいと感じる割合が高い、食料の困窮経験が多い、母親の1週間の平均労働時間が長い、支援制度や窓口の認知率が低いなどの傾向がありまして、困難を抱えやすい状況にあると考えられます。
○甲田委員 ありがとうございます。中野区ではひとり親家庭に対するワンストップ相談というものは現状やっているのでしょうか、伺います。
○滝浪子育て支援課長 ひとり親家庭の支援につきましては子ども総合相談窓口においてワンストップで行ってございます。専任の母子父子自立支援員を配置いたしまして、ひとり親に係る経済支援、住まい、資格取得等の相談を総合的に受け付け、必要に応じて専門機関を紹介するなどの支援を行ってございます。
○甲田委員 ありがとうございます。母子父子自立支援員というのがいらっしゃるということで、ちょっと私は知らなかったんですけれども、私が平成29年第4回定例会でひとり親世帯への情報発信等について質問で取り上げた後、区は情報を整理し、「ひとり親家庭のしおり」を作成していただきましたが、それ以降、ワンストップ窓口等体制の強化が進んでいないのかというふうに思っておりました。厚生労働省では、令和2年度第3次補正にて自治体が行うひとり親家庭等に対するワンストップ相談体制強化事業の予算をつけておりまして、IT機器を活用した体制強化を必須としています。窓口で申請を待つというより、チャットボットによりある程度の自動応答、制度の案内をし、関係部署との情報共有を図るシステムの構築を支援の内容としています。これを機にこのような事業に早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 ひとり親家庭への支援につきましては、「ひとり親家庭のしおり」の窓口での配布でしたり支援内容を整理して区ホームページに掲載するなどして情報提供を強化してまいります。併せてひとり親家庭相談窓口についても周知を図ってまいります。現在、相談内容をメールで受け付けまして、内容に応じて担当部署や専門機関につなげるなどの取組を行ってございますけれども、今後は区ホームページでFAQの充実を図るとともに、子育て応援メールを双方向性のあるLINEに移行する予定でございますので、LINEの活用について研究、検討してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 そうですね。LINEの活用をぜひやっていただきたいと思いますし、やはり情報が一つにまとまっていても、それがどこにあるのか、また、いろんな窓口から入ってくる場合もありますので、そうすると、その来た窓口の方がそれを紹介できなかったりということがありますので、しっかり周知に努めていただきたいと思います。子どもの貧困の政策を考えるならば、一番多くを占めるひとり親家庭の支援といった切り口で在り方を検討し、体系立てた政策を実行すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 子どもの貧困対策といたしまして、学び、体験の支援、生活の支援、体制づくりと連携促進に取り組んでいくところを考えているところでございますけれども、子育てと仕事を1人で担い、日常生活に困難を抱えやすいひとり親家庭につきましては支援策を拡充していく必要があると認識してございます。ひとり親家庭の相談内容や子どもと子育て家庭の実態調査の結果分析などを進めるなどして、ひとり親家庭の抱える困難を的確に把握した上で課題に応じた支援策を実施してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 ぜひよろしくお願いします。
最後に、養育費の確保支援についても伺います。不払い養育費の問題は国において公明党がプロジェクトチームを作り、昨年7月に閣議決定された骨太の方針に養育費確保の実効性を着実に実施することを反映させました。その後、厚生労働大臣、法務大臣にも具体的な提言を行い推進してまいりました。東京都でも令和2年度より養育費確保支援事業を行い、ひとり親世帯が養育費保証会社と保証契約を締結する際の保証料の補助や事業の事務費に対する補助を行っており、このような補助を活用して既に先進的に取り組んでいる区もあると聞いています。ぜひ検討し、早急に施策に反映すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○滝浪子育て支援課長 中野区では、養育費に係る相談は法律的観点が必要でございますので、トータルで支援が行える東京都ひとり親家庭支援センターや法テラスの法律相談を御案内してございます。令和2年度には、養育費の重要性を啓発するため、離婚前後の方を対象とした講座を新たに実施いたしました。令和3年度は、養育費に関する講座や相談の実施によりニーズを把握し、既に養育費確保支援事業を実施している自治体の状況や実績などを参考に事業内容について検討してまいります。
○甲田委員 ぜひ子どもの貧困対策をやるならば、まずここにしっかりと仕組みを作っていただけますようにお願いをいたします。
次に、(3)妊娠・出産・子育てトータルケアの拡充について伺います。まず令和3年度予算で拡充する多胎児支援について御説明をお願いいたします。
〇杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 令和3年度に拡充を予定している多胎児支援事業につきましては、産後ケア事業と多胎児サポーター事業の2事業でございます。このうち産後ケア事業につきましては、ショートステイサービスを利用する際に生じる利用者負担金1回当たり3,000円につきまして7回を上限として区が全額負担するものでございます。また、類似の産後ケア事業としてデイケア及びアウトリーチを実施してございまして、それぞれ7回まで御利用していただけることから、各家庭のニーズに合わせまして、ショートステイ、デイケア、アウトリーチの三つのサービスを組み合わせて利用する際にも利用者負担金2万1,000円を上限として区が負担するものでございます。
次に、多胎児サポーター事業につきましては、健診や母子保健事業の参加に当たりまして、移動補助として多胎児サポーター事業を利用する際に生じる利用者負担金1時間当たり800円につきまして、ゼロ歳から1歳未満の多胎児を育てている家庭に対しまして15時間まで、1歳から2歳未満の多胎児を育てている家庭に対しまして9時間まで利用者負担を区が全額負担するものでございます。
○甲田委員 画期的な多胎児支援を充実していただいたと思いますが、多分今言われて、これがよく分かっている方はほとんどいらっしゃらなくて、今聞いてもよく分からないという方も多いと思います。なので、平成27年10月にこのトータルケア事業が開始されたときは、区報に一面を使い、妊娠期から利用できるサービスの一覧が時系列で掲載をされました。その後、様々な拡充、改良が行われ、特に令和2年度は東京都の補助事業の大幅な拡充もあり、また令和3年度も拡充となっておりますので、新制度も含め全体像についていま一度分かりやすく発信してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
〇杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 妊娠・出産・子育てトータルケア事業が利用の対象となる家庭に十分に伝わるよう丁寧に御説明するとともに、区民の皆さんに事業の全体像が分かりやすく伝わるよう周知方法を改善してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 当事者への説明だけではなくて、家族や地域の子育て支援団体の方たちもこういう支援があるということがイメージできることで支援の幅が広がるということもありますので、区報、ホームページ、そして子育てナビなどにもぜひ掲載をお願いしたいと思います。
多胎児家庭については、令和2年度拡充した移動経費補助として1組当たり年1回2万4,000円のSuicaカードがもらえることになっています。多胎児家庭には全てお渡しができたのでしょうか、伺います。
〇杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 本年2月22日時点での対象世帯は82世帯でございまして、このうち60世帯には既に交付してございます。残る22世帯に対しましては個別に御連絡をしているところでございますが、電話に出ていただけないということでお渡しできていない状況でございます。今後も個別の連絡を行ってまいるほか、乳児健診等や多胎児ピアサポート事業など、機会を捉えてお渡ししたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 Suicaカードはタクシー券としても利用ができ、とてもいいものだと思いますが、このSuicaをもらうためにすこやか福祉センターの窓口に来ないと駄目だという現場の対応がありまして残念に思いました。多胎児家庭については原則郵送またはアウトリーチをすることはできないのでしょうか、伺います。
〇杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 移動経費補助の対象世帯に対しましては個別に通知をお送りした上で来所を促してございまして、来所が難しい場合にはアウトリーチでの対応を行っているところでございます。しかしながら、委員御指摘のとおり、一部の方からはアウトリーチでの対応を求めても応じてくれなかったというような声も届いているところでございます。各家庭の状況に応じて柔軟に対応できるよう指導を徹底してまいりたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 原則アウトリーチという形でぜひ改善していただければありがたいなと思います。
最後に、大きく拡充した、特に家事・育児支援事業については担い手が増えないと利用促進ができません。担い手育成のための区の考え方とサポーターの養成についてはどのような施策策となったのか、お答えください。
〇杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 人材育成事業は、区が産後家事・育児支援事業を実施するに当たりまして同事業を委託している事業所で家事・育児支援サービスに従事する方に対しまして養成講座の実施や養成講座の受講にかかる費用の一部を助成するものでございます。具体的には、産後ドゥーラ養成講座受講料の一部助成及び区が実施をします家事・育児サポーター養成講座の受講を促すものでございます。これらの人材育成事業の実施によりまして、家事・育児サポーターが産後の母子や多胎児家庭に寄り添い、適切に支援できるよう人材育成をしてまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 これは昨年の11月からの施策ということで、当然ホームページで告知をしているものと思っていたんですけれども、最近ようやく掲載がされました。このような施策は女性の就労機会の拡大にもつながり、情報は区民に公平に伝えなければなりません。せっかくよい施策なのですから、今後しっかりと発信をお願いしたいと要望いたしまして次の項に移ります。
次に、(4)保育について伺います。まず、令和3年度地域型保育事業、これは小規模家庭的保育の地域型保育事業と認証保育所の減収に関わる補助について新規に1,845万7,000円が計上されていますが、この補助の対象となるのはどういう要件の保育園でしょうか、伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 本補助事業は、ゼロ歳児から2歳児の在園児童数に応じた実績が定員を満たした場合の基準額の8割を満たさない保育所を対象とするものでございます。
○甲田委員 その基準を満たさない場合に補填をするということで、これまではこのような施策はなかったので空きがあるとその園の負担となっていまして、かなり負担が大きくなっているところもあって、継続していくことに支障があったものと思いますので、これは評価したいと思います。ただし、定員割れした園の補填だけではなく、空きがあるのであれば、そこに例えば一時保育事業の委託ができないものかと考えます。一時保育事業を受けていただいた事業者にはこの補填以外にそれ相当の経費を支払うということは検討されなかったのでしょうか、伺います。
○滝浪子育て支援課長 現在、区立保育園におきまして在籍児童の欠員が生じた場合の一時預かり事業を実施しているところでございます。欠員利用型の一時保育は在籍児童と一緒の保育となりますので、保育の安全性を図る取組がより一層必要となります。また、在籍児童が定員過多となった際には一時保育の利用確保が担保できないため、サービスの安定的な供給が難しい点が課題となってございます。欠員利用型の一時保育を区立保育園以外の保育所へ拡充することにつきましては、課題を整理、分析し、検討を進めてまいります。
○甲田委員 課題はいろいろあるのは分かっているんですけれども、ぜひ分析して検討していただきたいと思います。
一方、この補填のことですけれども、大規模認可保育園についても同じことではないでしょうか。認可保育園では定員割れはないのでしょうか。また、待機児童がだんだん解消されて、今、地域によってはほぼ解消しているところもありますけれども、園の空きが顕著になってきた場合に保育園の経営は苦しくなってくると思いますが、その場合の対策は検討しているのでしょうか、伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 令和3年3月現在、地域型保育事業を除く認可保育園の入所率は87.1%でございます。年齢別で見ますと、3歳児から5歳児クラスは78.7%、ゼロ歳児から2歳児クラスは100%近い入所率でございます。新規開設の保育所は3歳児以上の定員に空きが生じますけれども、今後ゼロ歳児から2歳児の年齢が繰り上がっていくことで3歳児以上のクラス定員も埋まると見込んでおり、現時点で経営支援は考えておりません。将来的に定員に空きが生じる場合には近隣の区立保育園で定員を調整していくことも検討していく必要があると考えてございます。
○甲田委員 分かりました。
また、来年度、区内施設での一時預かり事業、これは新規で204万6,000円ということがついておりますけれども、これはどのような内容でしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 想定している内容は、保育に適した施設において利用日直前の申込みにも対応でき、短時間でも預けやすい一時預かりの事業を考えてございます。
○甲田委員 これは試験的ということですけれども、試験的にやってみた先の目標というものはどのようなものでしょうか。
○細野育成活動推進課長 区有施設における一時預かりの試験実施の内容を踏まえて、よりニーズに寄り添った事業を検討していきたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 一時保育事業につきましては保育施設活用ということも考えられておりましたけれども、その案や検証はどうなったのでしょうか。今ある保育施設を有効に地域のために利用することが持続可能な区民サービスに資する施策と言えるのではないでしょうか。保育園の一時保育では専用型と欠員利用型とがありますけれども、そもそも保育園の待機児解消ができていないことが原因で欠員利用型はほぼ稼働できていない状況です。地域格差のない待機児解消を早期に実現させなければならないと考えますが、待機児童ゼロを実現するための具体的な整備計画を打ち立てるべきではないでしょうか、併せてお答えください。
○藤嶋幼児施設整備課長 保育園の整備につきましては、令和2年度を初年度としております5年計画の中野区子ども・子育て支援事業計画(第2期)におきまして保育の需要見込みと確保方策を定め、進めているところでございます。この計画は令和6年度までの整備計画となっておりまして、人口推計や地域における保育の需要を踏まえ、実績と見込みに乖離が生じた場合などに中間年に見直すこととなってございます。
○甲田委員 待機児をしっかりと解消していただきたいと思いますし、待機児解消を目指すというのではなくて、本当に地域格差のない待機児解消をした上で、その上で定員に空きが出たとしても、各園に対して、例えば一時保育をお願いしてしっかりとした保育士確保ができる加算をすることで園側は保育士の確保を継続することができる。それは保育の質の確保にもつながるものと考えています。また一方で、現在はコロナ禍で産後鬱等も多くなっております。緊急性のある方の一時保育のメニューを作っておくことは重要と考えていますが、今回の一時保育事業はそういった緊急性のあるものに対応できる政策なのでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 保育施設の活用に対する検証につきましては引き続き行ってまいります。その上で、保育園で実施している一時保育事業を補完するものとして、より利便性を高め、比較的直前での利用が可能となる事業を想定しております。したがって、緊急性のある方にも資するものであるというふうに考えてございます。
○甲田委員 短時間で本当に人数が少ないということですから、緊急性のある方を本当に優先してやっていただけるんであればそれはいいことだと思いますけれども、例えば東京都のベビーシッター利用支援事業というのがありまして、保育待機児童対策のものだけではなくて、一時預かり支援というものがあります。これは私は直接東京都の担当課長に電話をして確認をしましたが、保育認定は問いません。ということで、仕事に出かけなくてもベビーシッターに来てもらえて、しかもベビーシッターさんに一時的に預けて出かけることも可能としています。緊急性がある場合はこういったものでもないよりはあったほうがよいと考えます。都の補助があるのですから、こういったものも緊急策として事業化し、セーフティネットを強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 東京都のベビーシッター利用支援事業の補助対象は保育料のみですが、ベビーシッターの利用には、利用ごとの保育料のほか、入会金、年会費、月会費、交通費などが事業者によって必要となることがございますので、利用者の費用負担が高くなる傾向がございます。一時保育事業の拡充につきましては、利用ニーズとともに保育所やベビーシッターによる預かりの課題分析、また、区有施設における一時預かりの試験実施の内容と併せまして検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 費用負担が高くなるということだけでやらないというんではなくて、そこを補填することだってできると思うんです。大した金額じゃないんですね。そういったことも全て総合的に検証していただいてしっかりとした政策にしていただきたいとお願いをして、もう昨年、一昨年とずっと私は一時保育の在り方をしっかりと検討して打ち出していただきたいと言ってまいりましたけれども、この1年も検討が全く進んでいなかったということに愕然としました。早急に在宅子育てに対する一時保育事業の在り方を示していただきたい。そして、来年度はまずは要支援の人から支援ができるよう考えていただきたいことを要望としておきます。
次に、(5)学童クラブについて伺います。学童クラブの人数の推計は現在どのように行っているのでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 中野区内の幼稚園、保育園等の年長児童のいらっしゃる家庭を対象として学童クラブの利用者希望調査を実施しております。6月に対象家庭に配布を行って、7月に回収させていただいて希望するクラブを集計し、推計をいたしております。
○甲田委員 今回、平和の森小学校では新1年生が5クラスになる見込みだそうです。そのため、区立学童クラブへの申込みが殺到し、新3年生どころか新2年生の多くが押し出され、2次申込み審査は現在行っている最中だそうですが、小学校に一番近い民間学童クラブ―これは去年できたんですかね。―の申込み数は定員をはるかに上回り、またもや大幅に待機児童が出る可能性があると聞いています。私のところにもつい先日、区民からの相談が入りました。2年生の女の子のため、いきなり遠い学童クラブに行くことや鍵っ子にさせてしまうことは親御さんとして不安を抱いています。入れなかった場合は児童館で遊ばせておくしかない。そうすると、月曜日はどうしたらよいのかとのことでした。平和の森小学校だけではなく、そのほかの学校の学童クラブでも待機児童が出そうと聞いております。平和の森小学校にはキッズ・プラザがありません。
そこで伺いますが、今年度まであった児童館での学童待機児対応業務委託については来年度はなくなったとつい最近聞かされました。予算書を見ると確かに載っていません。昨年度までは1,130万円ついておりました。議会には見直し事業との報告もありませんでした。これはどういうことなのでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 待機児童が発生している児童館に併設されている学童クラブにおいて、令和2年度は特に待機が見込まれた三つのクラブについて待機児対応業務委託事業を実施したものでございます。区としては、民間学童クラブの誘致やキッズプラザの開設、学童クラブの定員増によって放課後の安心安全な居場所を確保しており、令和3年度については待機児対応業務委託を行う必要はないというふうに判断をしたものでございます。
なお、平和の森小学校区の学童クラブでございますが、今年度の4月から新たな民間学童クラブを誘致して、公設が1か所、民間3か所の4か所の体制というふうにさせていただいているところでございます。
○甲田委員 誘致を一生懸命やっていただいたのは分かっているんですけれども、ただ、民間学童クラブを誘致する場合や待機児対策をつけるかつけないかという判断のときに需要予測の精度がやっぱりあまりに悪いのではないでしょうか。推計値にある程度幅を持たせて想定をしておき、不測の事態には対応すべきではなかったんでしょうか、伺います。
○細野育成活動推進課長 学童クラブは、新たにキッズ・プラザを開設する小学校には100名の定員を確保するとともに、児童館内の学童クラブにおいても活動できる場所を増やして定員増を図ってきたところでございます。しかし、学童クラブの待機児童がなお発生するため、民間学童クラブを各地域に誘致をしてまいりました。民間学童クラブの誘致には多額の経費がかかること、また、誘致しても想定どおりに定員を満たさない学童クラブが発生しているということは課題であるというふうに考えております。今後、学童クラブの需要を満たす取組は進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 平和の森小学校は、移転が終わり、キッズプラザが開校するまであと5年あります。中野駅周辺は今後も増える傾向ではないのでしょうか。まずは今回しっかり対応の上、区立学童クラブの至近距離への民間学童をまた早期に誘致すべきと要望しましてこの項を終わります。
すみません、(6)その他で1点伺います。東京都出産応援事業について伺います。東京都内における出産費用については全国平均より10万円程度高くなっており、国の出産育児一時金42万円では賄えない状況です。今般、都ではコロナ禍で出産される方に対して特別事業を行うことになりました。この事業は来年度からの予定を遡り、今年1月1日より来年の3月までの15か月予算として補助されるとのことです。
そこで伺います。中野区としてこの事業に取り組む方向でしょうか。制度の詳細が分かれば併せてお答えください。
○滝浪子育て支援課長 東京都出産応援事業は、コロナ禍において子どもを産み育てる家庭を応援するため、10万円相当分の育児用品や子育て支援サービスなどを提供する事業となってございまして、令和3年1月1日から令和5年3月31日までに出生したお子さんがいる家庭が対象となります。対象家庭に区市町村からID、パスワードを配布いたしまして、対象家庭が専用ウェブサイトに登録した上でサービスなどの提供を受ける事業スキームであると聞いてございます。東京都からの委託事業であるため、都からの情報提供を受けながら実施に向けて検討を進めているところでございます。
○甲田委員 急な事業で大変だと思います。今、子育て支援課長が担当になられたということを知りましたけれども、ぜひこれはコロナ禍で不安を抱えながら出産される方に対しての応援ということですので、できることなら妊産婦への有用な御案内などもしながら、また、これは物品だけでなくて、産後ケアなどのサービスにも使えるようなものを検討しているとも伺っておりますので、漏れなく申請していただけるような取組を、大変でしょうけれども、ぜひお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、3番、健康福祉施策について伺います。この項では1点、糖尿病重症化予防について伺います。新型コロナウイルスの流行の中で糖尿病の人の重症化リスクが注目されています。ワクチンの優先接種の対象にも基礎疾患に糖尿病が加わったところです。糖尿病は放置すると、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を併発し、さらに人工透析導入となると、患者の日常生活に支障を来すだけでなく、年間約500万円もの医療費がかかり、医療費適正化の点でも課題です。糖尿病重症化予防の取組は国も重要視をしています。
そこで伺います。中野区の国民健康保険被保険者のうち、令和元年度の糖尿病患者の人数と医療費はどの程度になっておりますでしょうか。
○鈴木保健企画課長 令和元年度の糖尿病の患者でございますが、9,194名でございます。医療費でございますが、8億6,319万8,800円でございます。
○甲田委員 また、令和元年度の人工透析患者数及び透析患者を含む慢性腎臓病患者の医療費はどの程度となっておりますでしょうか。
○鈴木保健企画課長 令和元年度の人工透析の患者数でございますが、272名でございます。人工透析を含む慢性腎臓病に係る医療費につきましては11億5,008万5,900円でございます。
○甲田委員 次に、令和元年度における糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者数と糖尿病を基礎疾患としない人工透析患者数はそれぞれ何名でしょうか、その比率を伺います。
○鈴木保健企画課長 令和元年度におけます糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者ですが、162名でございます。糖尿病を基礎疾患としない人工透析の患者は110名でございます。比率でございますが、糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者は糖尿病を基礎疾患としない人工透析患者の約1.5倍となっているものでございます。
○甲田委員 ありがとうございます。中野区では、糖尿病重症化予防の取組として、平成29年度から重症化リスクの高い対象者を抽出し、30名を上限とする希望者に対し、半年間保健指導を行っているとのことですが、どのような取組を行っているのでしょうか。特定健診の結果が糖尿病判定値の方への受診勧奨はどのように行っているのか、対象者の抽出基準と実施人数を伺います。
○鈴木保健企画課長 区が行っております保健指導でございますが、対象者のかかりつけ医から医学的な助言を受けた上で、臨床経験のある看護師が身体状況に合わせた運動、食事、服薬の指導を実施しているものでございます。特定健診の結果から糖尿病の疑いがあるかどうか判明した方に対しましては個別の通知発送や電話による受診勧奨を行っております。受診勧奨の対象者の抽出基準でございますが、血糖値が126mg/dl以上、またはヘモグロビンA1cが6.5%以上となっております。令和元年度に糖尿病重症化予防のために受診勧奨を行った人数は78名でございます。
○甲田委員 中野区では本当に特定健診を受けた方へのアプローチを努力していただいているということで、これは評価をいたしますが、糖尿病の治療を中断されている方は診断されながらも治療を放置している方でもあり、透析や合併症のリスクが最も高く、アプローチしなければならない方たちだと思います。過去5年以内に糖尿病治療歴があるにもかかわらず、今年度中に糖尿病受診歴がない方の人数は何名か分かりますでしょうか。
○鈴木保健企画課長 お尋ねの人数でございますが、472名でございます。
○甲田委員 こういった治療中断期間が長い重症化リスクの高い方をKDBシステムにより抽出し、受診勧奨を行ってはいかがでしょうか、伺います。
○鈴木保健企画課長 糖尿病が重症化して人工透析が必要となった場合は、患者のQOLの低下に加えまして医療費が増大をしてまいります。区民の健康寿命の延伸を図るためにも、治療中断をしている方への受診再開の勧奨につきましては、他自治体の取組について情報収集を行い、今後の対応を検討してまいります。
○甲田委員 ぜひよろしくお願いします。厚生労働科学研究によりますと、この治療中断者というハイリスク群に適切に介入することでハイリスク者の数を半分以下に減らすことができる旨の報告を行っています。コロナ禍における重症化リスクの高い疾患は、当事者だけでなく、国民全員にとって大敵であるとの観点から受診勧奨は行政の重要な仕事であると思います。ぜひしっかりと進めていただきたいことを要望いたしまして私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上で甲田ゆり子委員の質疑を終了いたします。
次に、いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。時間の関係でちょっと順番を変更いたします。3番、地域の住環境についてをまず最初にやって、その次に、6番、桃園地域の課題について、この二つを先に質問させていただきます。
まず地域の住環境について。さきの建設委員会で景観方針の策定について報告がされています。この景観方針に関わってお聞きをします。先行してこの景観方針を定めている自治体は少なくないですが、イメージとしては美観地区であるとか観光の部分と強く結びついている印象もあります。中野区で景観方針を定めるとなれば、中野区の地域特性というものを勘案しなければいけないと考えます。区がこの資料において指し示す計画の方針の柱が三つあります。今回の質問では、その一つ目、周辺と調和した景観形成のところをお聞きします。ここは主に住まいの環境に関わるテーマだと思っています。建設委員会の資料には括弧づきで「周辺の街並みとの調和、協調した地区のルールづくり等」とあります。この景観方針策定は中野区の良好な住環境の形成につながると考えてよいのでしょうか。
○安田都市計画課長 周辺と調和した景観形成は、敷地や建物を協調し合い、良好な町並みを整えるルールを含み、良好な住環境形成にもつながると考えてございます。
○いさ委員 その良好な住環境を守るためには何らかの規制が必要になってきます。区の資料でも規制や誘導について触れております。一般論として良好な住環境を守る観点からどのような規制や誘導ができると考えていますか。
○安田都市計画課長 良好な住環境形成に資する建築規制としては、景観法、都市計画法及び建築基準法等に基づく建物等の形態、意匠、高さ、色彩、垣、柵等の制限などが挙げられます。
○いさ委員 中野区にはかつてこうした地域ごとの規制を設けた実例があったかと思います。その地域と規制の手法について御説明をいただけますか。
○安田都市計画課長 土地所有権者等の全員合意による自主的な建築規制として東中野一丁目氷川地区建築協定が挙げられます。建物の高さの規制、原則共同住宅の禁止、敷地分割は100平米以上などの制限があったと聞いてございます。
○いさ委員 その建築協定による規制はその後どうなりましたでしょうか。
○安田都市計画課長 平成6年12月に認可され、10年間たちまして平成16年12月に更新がされなかったため、現在は協定は失効されてございます。
○いさ委員 この建設協定による縛りというのは地域住民全員の合意が必要だということで最初からかなりハードルの高い仕組みであったのかなというふうに思います。かつ10年ごとの更新ということで世代が替わって維持ができなくなったということかと思います。こうした規制の手法はほかには何かありますか。
○安田都市計画課長 住民が合意し合って提案していく制度として、都市計画法に基づく身近な住環境を守るための地区提案型の地区計画という手法が挙げられます。
○いさ委員 こうした規制の手法や課題については、今後景観法制策定が進んでいく中で引き続きお尋ねをしていきたいなと思います。
もう一つ、建設委員会で示された資料では、規制、誘導すべきものの中に建物の高さが挙げられています。良好な住環境を守る手法の一つとして高さ規制を設けるということも考えられるということでしょうか。
○安田都市計画課長 地域の自主的な建築規制の例としましては、地区計画や建築協定などに建物の高さや階数等の制限のメニューがございます。
○いさ委員 景観方針ができたとして、既存の地区計画などの仕組みを利用するとなると、現実には拘束力のある規制や誘導をかけるに当たり、地域住民がどのように意見を述べ、どうやってその声をまとめていくのか、こうしたスキームが必要になってくるんじゃないかと思います。今回示されたこの景観方針において、こうした住民参加、住民合意についてはどのように盛り込まれていくんでしょうか。
○安田都市計画課長 良好な住環境形成に向けては地域の発意と建築ルール等を地域で共有化していく主体的な取組が必要となります。こうした地域の合意を前提とするルールづくりの仕組みについて景観方針の中では検討してまいりたいと考えてございます。
○いさ委員 景観方針については詳細はこれからということですが、総じて言えることは住民参加の部分が非常に大事になってくるということかと思います。景観方針そのものについての周知とともに、文字どおり中野区の姿を決める景観方針について区民が主役としてしっかり参加し、意見を述べ、政策に反映させていくことを求めたいと思います。
次に、6番、桃園地域の課題についてですが、ここでは桃園地域の課題として桃園川の暗渠と緑道のことをお聞きしたいなと思います。先に桃園川緑道のことをお聞きしたいなと思います。この桃園川緑道のリニューアルということについては過去の議会でもお聞きしてまいりました。今、景観方針についてお聞きをしたんですけれども、今回示されたこの景観方針は桃園川沿いの良好な景観形成という点で活用できるものでしょうか。
○安田都市計画課長 桃園川沿いの景観形成に向けては、何よりもまず地域住民や権利者自ら、緑道沿いにふさわしい良好な景観の在り方や規制・誘導方法について主体的に考え合う取組が重要と考えてございます。景観方針ではそうした取組を支える方針を検討しているところでございます。
○いさ委員 その良好な景観を形成するには地区計画という手法があると先ほど確認しました。では、住民が自らの発意によって良好な景観形成のための地区計画に加わっていくに当たり、策定中の景観方針の中ではどのような支援の方法が考えられるでしょうか。
○安田都市計画課長 桃園川緑道沿いの良好な景観形成に向けては、沿道住民等を含む周辺の人々が沿道にふさわしい良好な景観について話し合い、地区計画によりどのような建築規制や誘導を行っていくのか、地域の主体的な発意や取組が非常に重要と考えてございます。景観方針では、そうした地域の自主的な取組を支える支援やガイドライン等による規制・誘導方法について検討しているところでございます。
○いさ委員 それでは、続けて暗渠のほうのことをお聞きをしたいなというふうに思います。現在の暗渠、桃園川のところに加えて今桃園川第二幹線を造るという計画が東京都から示されています。この計画は杉並区の蚕糸の森公園からボーリングを進めて、現在は杉並区側の工区を進めていますが、2021年度より中野区側の工区についてシールド工事の開始が計画されています。この工事について区は東京都からどのように説明を受けていますか。この工事、地下40メートル、50メートルという大深度であるとのことですが、そのような説明はありましたか。
○井上道路課長 第二桃園川幹線の計画につきまして東京都からの説明では、桃園川幹線流域は1時間50ミリの雨水に対応する管渠の能力が不足しており、低地等で浸水被害が発生しているという状況がありますと。このため、新たに地下20メートルから40メートルのところに第二桃園川幹線を整備し、桃園川幹線流域の雨水を切り替えることで既設管渠の水位が下がり、浸水被害が軽減する効果が得られると聞いてございます。
○いさ委員 今出しましたこれが下水道局の担当者からもらった資料の拡大コピーになります。見づらくて申し訳ないんですが、元の資料が杉並区の部分を含んでいるので中野区の部分だけを拡大したものです。上の赤と下の赤がそれぞれ早稲田通りと新青梅街道、この緑のところが中野通りということになります。(「青梅街道」と呼ぶ者あり)青梅街道、失礼しました。この青い点線の部分が桃園川の第二幹線の計画となっています。ここが蚕糸の森公園で、東高円寺の駅をくぐって、ここから坂を下って、大久保通りの下のところを通っていく。最後はこの中央一丁目のところの公務員宿舎跡地、ここで地上に出てくる。こんな計画になっているということなんです。
これは最初のところで丸ノ内線をくぐる。最後のところで高速道路、環状6号線と大江戸線をくぐる。この関係で言うと、東京都の担当は全般にわたってこれは大深度だと認めています。大深度ということになると、外環道工事をめぐる調布市の陥没事故が思い浮かびます。昨年12月18日付の日経新聞の報道では、イタリアの衛星解析企業による調査でボーリングマシン通過直後に周囲の地盤が二、三センチ沈下したとのことです。事故そのものの問題とともに、地上部分の地権者には無断で工事ができてしまう大深度地下法そのものの法的不備も指摘されているところです。ずっと起きないと言われていた事故が発生し、大きな問題となっているわけですから、地域住民の皆さんは心配になるでしょうし、区が区民を守る立場で東京都に安全性について問い合わせる必要があると思いますが、いかがでしょうか。東京都に対して安全性を確認したことはあるでしょうか。
○井上道路課長 工事の安全性についてですが、先ほど委員おっしゃったとおり、現在は杉並区の蚕糸の森公園から西側、上流側の杉並区内の工事を第1期工事として整備を行っております。東側、下流側の中野区内を整備する工事は第2期工事として第1期工事が終了した後の着工になるというふうに東京都から聞いてございます。現在、東京都からは第2期工事の詳細な計画については示されていませんが、第1期工事と同様にシールド工法による整備が想定されております。今後計画が固まり次第、東京都から情報提供がされる予定でございます。引き続き東京都と意見や情報交換を行っていきたいと考えてございます。
○いさ委員 その事業の実施主体は東京都なんですけれども、実施場所がこの中野区なんですから影響が出るのも中野区民です。外環道工事をめぐる都議会の議事録をちょっと確認しましたが、各会派とも日本全国の過去の事例を紹介しながら質問をして過去の事例に学んだのかというふうに質問をしていました。中野区においても過去に大きな事故の事例があったかと思います。2001年4月10日の和田弥生幹線での事故です。この事故は地下50メートルの大深度で別々の下水幹線を接続しようとして起きた事故です。2013年に発行された「安全・環境に関わるシールド工事トラブル事例集」にはこの事故が掲載されています。地上部の大規模な陥没が予想された極めて危険な事故だったとのことで、日本全国から集めた深刻な事故の59事例の一つに数えられています。それだけの事故を中野区では経験しているということですから、本来はこうした事故から教訓が導き出されていなければいけないと考えます。現在進行形で外環道の工事に伴う大陥没がある。過去には中野区でも大深度での幹線工事で事故があった。こうした中で区として東京都からの情報待ちになってはいけないと考えます。少なくとも東京都としっかり連絡を取り合うこと、来なくても自ら情報を取りに行くこと、住民へのアナウンスの状況を聞き、必要なら区で独自にやる。やれることがあると思うんですが、これはいかがでしょうか。
○井上道路課長 東京都が実施する工事への関与についてですが、工事の広報につきましては事業主体である東京都が行うべきであるというふうに認識してございます。東京都に対してはしっかりと丁寧に広報等を行うように求めていきたいと考えてございます。
○いさ委員 これに加えてお聞きをしたいんですけれども、この地域はほかにも工事が重なっています。大久保通りのところでは中野二丁目再開発関連の電気工事を東電が行っています。これは2022年9月いっぱいまでで、今やっているんですけど、夜21時から朝6時まで片車線の規制がかかっています。この辺です。中野通りでは桃園川暗渠と交差する桃園橋の改修工事が2023年8月まで、これが夜22時から朝6時まで片車線の規制ということになります。この辺です。それともう一つ、中野五差路から大久保通りと中野通り、二つの方向への拡幅工事があります。この工事は今年の4月から工事申請で、申請期間は2023年いっぱいだそうです。こんなふうになっているということで、中野五差路を中心にこんなふうに工事が重なっているわけなんです。こういう一つの時期にこれだけ重なっているということと、加えて、夜間とはいえ、この近い三つでそれぞれ片車線規制になる。このことについては東京都から説明というのはありますか。どんな説明を受けていますか。
○井上道路課長 大久保通りの無電柱化に関係する工事につきましては中野二丁目の再開発に伴う工事であり、無電柱化の調整会議につきましては区道の管理者としても区が参加しているところでございます。中野通りの工事につきましては東京都から情報提供を受けているというような状況でございます。
○いさ委員 強調しておきますけれども、こうした工事が、最初にお話をした桃園第二幹線、この大深度の工事と重なっているということなんです。それぞれの工事が必要な工事なのは分かります。しかし、これはこの中野五差路を起点にかなりの局所集中になっているんだというふうに思うんです。工期だけ見ても、上のブルーが第二幹線ですけれども、それ以外の三つの工事もこの二、三年のところで全部重なっているんです。加えて、この地域では中野二丁目の再開発、これをやっている関係で車両の出入りがある。これから上物を造るという関係では車両が多くなると思うんですよ。また、第二幹線の工事そのものも今詳細は決まっていませんから、これから付随した別の工事というのが入ってくる可能性もあるというふうに思っているんです。この地域、特にこの中野五差路周辺の地域の負担が何か過重なんじゃないかと思えてなりません。起きてはいけない万が一というのがもしも起きたら、これらの工事が全部止まるとか、やってからやり直しするみたいなことになりかねないと思うんです。この全体を一体誰が俯瞰して見ているのか、ここが一番の疑問です。重ねて、東京都に対してこちらから情報を取りに行くこと、それと近隣住民への丁寧な説明を区から出すことも重ねて求めておきたいなというふうに思います。
次に行きます。1番、区内商店の支援についてお聞きします。これは我が会派の小杉議員から一般質問の中で、今大変苦しい状況にある区内商店について聞き取りをしたのかと質疑をしています。その続きでお伺いたします。区は、こうした聞き取りの中、中野区商店街連合会へも聞き取りをしているかと思いますが、その聞き取りではどんな声があったでしょうか。
○堀越産業観光課長 中野区商店街連合会の加盟店数につきましては現時点では大きな減少は見られていないところでございます。ただし、商店街の中では特に飲食店を中心に閉店する店舗も出ておりまして、商店街の会費のお支払いも難しくなっているところもあると聞いてございます。中野区商店街連合会におきまして当面会費を免除するなど、各店舗の負担軽減などの対応も行っているところではございますが、各商店において厳しい状況は続いているようであると聞いてございます。
○いさ委員 そうした商店街からの声で中野区が経済対策として行ってきた事業の一つがプレミアム商品券事業でした。消費を喚起して地域経済の支援につながったものと思っています。ただ、A券を使わなかった、余ったというような利用者の声やプレミアム商品券の利用が全くなかったという飲食店の声も聞こえてきます。区民へのアナウンスなど課題もあったかなと認識をしています。東京都もこのプレミアム商品券事業を検討しているようですので、引き続き商店街への聞き取りをしながら次回以降に備えるというのは大事かと思います。
これは昨年本会議一般質問でも聞いていますが、中野区商店街連合会の聞き取りに加えて個別の商店街ごとの聞き取り、こういうところに要望もあるかと思うんです。こうした聞き取りをやるべきだと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
○堀越産業観光課長 中野区商店街連合会が行ってございます商店街のスクラム事業や商店街実態調査においても各商店街の状況をある程度把握できるものと考えてございます。また、各商店街への支援事業を実施する中で商店街を通じました各商店の現状把握についても努めてまいりたいと思ってございます。
○いさ委員 前回の質問でも個別の要求というのは私は聞き取ってきたと思うんで何か出てくると思うんです。これはちょっと検討してほしいと思います。
来年度の予算のところですけれども、補助資料の165ページのところに商業活性化支援というのがあって、商店街の街路灯についての費目が二つ計上されています。商店街街路灯電灯料補助1,300万円余、商店街街路灯撤去等事業2,260万円余、商店街で街路灯を維持するのが難しくなってきているというところだと思います。こうした街路灯については、地域の安全を守る防犯上の重要性からできるだけ撤去せず、改修、運用することを区が検討するだとか、改修にかかる費用や電気代などのランニングコストについても区が負担を増やすことなど検討はできないでしょうか。
○堀越産業観光課長 商店街街路灯撤去事業につきましては、商店街の解散等、商店街としての維持管理ができない街路灯について老朽化により倒壊等のおそれがある場合に区が商店街の要請を受けて撤去するものでございます。商店街として組織が継続する場合の街路灯の撤去、修繕、新築につきまして、中野区商店街チャレンジ戦略支援事業や東京都政策課題対応型商店街事業などにより支援を行ってまいります。街路灯の電気料金への助成につきましては、電気料金の変動等も随時勘案しながら商店街にとって過度な負担とならないように助成内容を検討してまいりたいと考えてございます。
○いさ委員 このコロナ禍で地域経済を守る取組として他自治体では独自の取組が広がっています。相模原市ではさがみはら39キャッシュバックキャンペーンという事業を行いました。これは、1万5,000円以上の買い物に対し1人1回市が3,900円のキャッシュバックをするというもので、対象店の買い物のレシートの合計金額で申請ができます。確実に使った分に対するキャッシュバックですので合理的です。新宿区では、売り上げが減少した店子に対して家賃の減額をした大家さんに、その減額分に対し最大2分の1を補助する制度が実施されました。大家さんが減額に応じたのも苦肉の策です。そこに自治体が手を当てるというのは実態にかみ合った支援ではないでしょうか。こうした他自治体の取組から、地域のニーズ、商店の困っている部分をよく捉えて工夫していることが学び取れます。中野区も、区内事業者、特に個店のニーズをしっかりつかんで独自の支援を出すことが求められているのではないでしょうか。この点はどうお考えでしょうか。
○堀越産業観光課長 本年度におきましても中野区独自のプレミアム付き商品券事業、中野の逸品グランプリ、お持ち帰り&出前推進事業などを行ってございまして、それらは個別の商店への支援となってございます。今後の国や東京都におけます個店支援の動向にも注視いたしまして、必要に応じて中野区独自の支援についても検討を行ってまいりたいと思ってございます。
○いさ委員 商店のにぎわいこそが中野区の経済のエンジンです。地元商店が衰退すれば、中野区の経済の活力、そして魅力そのものを喪失することになります。基礎自治体として地域経済、地域産業を守る具体的な手だてを取るべきです。そして、こうした政策を中野区が打ち出すこと自体が区内事業者、商店を元気づけるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、区内商店は今まさに苦しんでいて、このまま続けられるのか、もうやめてしまおうかというぎりぎりのところで迷っているというお店も少なくありません。早急に検討していただきたいなと思います。
少し先の見通しについてもお聞きをします。区は、中野区基本計画(素案たたき台)の中で商店の支援について言及しています。施策9には主な取組の中に個店経営支援の充実と商店街組織力の強化という言葉で示されています。伺いますが、個店経営支援というのはどのような内容なのでしょうか。具体的にいろいろ決まっていくのは先として、計画で示すような取組について現状ではどのような方向性で考えているのでしょうか。
○堀越産業観光課長 商店街の活性化には元気で魅力ある店舗の存在が欠かせないことから、従来の商店街全体への支援に加えまして、既存の個店への経営支援、また、空き店舗等への新規事業者の出店支援を検討しているところでございます。具体的には、ITサポートを含めましたリモート相談会の実施や専門家派遣の調整、販路拡大のための経営相談の充実などの支援を考えているところでございます。
○いさ委員 中野区基本計画(素案たたき台)の中には個店同士の連携という言葉があります。これはどのような仕組みとして捉えればいいでしょうか。
○堀越産業観光課長 そもそも共同の環境整備事業、イベントなどの販促事業などは商店街活動そのものが個店同士の連携となってございます。それをさらに進めまして、オリジナルブランドの開発ですとか共同配送など、個店同士が協力をし、新たな事業を開始することなどが考えられるところでございます。
○いさ委員 中野区基本計画(素案たたき台)の重点プロジェクト3には、区内中小企業及び商店街各個店のニーズを捉えた支援による経済の回復という重要な記述があります。商店街への支援は重要だとして、現在の商店街の組織率は4割ほどで推移しているかと思います。とすると、商店街への支援では6割の店舗に支援が届かないということになります。商店街の組織率を上げることについて異論はありませんが、今現在コロナ禍で窮状に立たされている個店への支援は商店街への支援と別の考え方で取り組まなければいけないと考えます。この点、担当はどのように認識をしていますか。
○堀越産業観光課長 各個店の状況につきましては、東京商工会議所中野支部や中野区商店街連合会とも連携を図りながら情報の収集を図ってまいりたいと考えてございます。また、区の経営相談などのほか、東京都の個別店舗への専門家派遣制度もございまして、それらを広くPRし、活用していただく中で区としても状況把握に努め、支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○いさ委員 繰り返しになりますが、中野区の魅力は個店にあると思っています。商店街への支援とともに個人商店、中小零細事業者の皆さんを区がどう支援し、守っていくのか、この根拠をしっかり位置付けるためにも他自治体にあるような中小企業振興条例の制定を検討すべきです。杉並区や新宿区などでは中小企業に限定しない産業振興条例を持っていますが、中野区のような中小企業、個人事業者が地域経済の大きな部分を担っている自治体では、中小企業をメインターゲットとした中小企業振興条例が望ましいと考えています。現在示されている区の方針は、案も含めてですが、商店街支援のところに厚く手を当てている分、個店支援のところがもう一つはっきり見えてきません。条例制定によりそういうところが明瞭になってくるのではないでしょうか。中小企業振興条例の検討について伺います。
○堀越産業観光課長 地域の実情に即しました産業振興施策を実施するため、条例で中小企業を支えるための基本理念などを定めている自治体があることは認識をしているところでございます。現状では条例の制定までは考えておりませんが、今回の基本計画策定の各段階におきまして寄せられます区民や事業者等の意見なども踏まえまして今後の産業振興施策を検討してまいりたいと考えてございます。
○山本委員長 いさ委員の質疑の途中ですが、5時近くになりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を開会いたします。委員会を暫時休憩いたします。関係者は第三委員会室にお集まり願います。委員及び理事者の皆さんはこのまま自席でお待ちください。
午後4時58分休憩
午後5時01分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
理事会の報告をいたします。いさ委員の質疑の途中ですが、本日の質疑は終了し、次回はいさ委員の質疑から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は、3月1日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後5時01分散会