令和3年06月01日中野区議会本会議(第2回定例会)

1.令和3年(2021年)6月1日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  内  川  和  久

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  いでい   良  輔       22番  若  林  しげお

 23番  高  橋  かずちか       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

1.欠席議員

      な  し

1.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之   地域支えあい推進部長 角   秀 行

 保 健 所 長  佐 藤 壽志子      都市基盤部長  奈 良 浩 二

まちづくり推進部長 豊 川 士 朗     中野駅周辺まちづくり担当部長 松 前 友香子

企画部企画課長  堀 越 恵美子      総務部総務課長  浅 川   靖

1.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

 書     記  五十嵐 一 生      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  本 多 正 篤      書     記  金 木 崇 太

 

 議事日程(令和3年(2021年)6月1日午後1時開議)

日程第1 第37号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第38号議案 塔山小学校体育館冷暖房化改修等工事請負契約に係る契約金額の変更につ

いて

 

午後1時00分開会

○議長(内川和久) ただいまから令和3年第2回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 この際、議席の一部変更についてお諮りいたします。去る5月24日の本会議において行われました議長選挙に伴い、議席の一部をお手元の議席変更表のとおり変更いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

議 席 変 更 表

 

 

 

議席番号

新着席者

旧着席者

10

内川 和久

高橋 かずちか

21

いでい 良輔

若林 しげお

22

若林 しげお

内川 和久

23

高橋 かずちか

いでい 良輔

  

○議長(内川和久) 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 13番木村広一議員、29番石坂わたる議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から6月15日までの15日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、御紹介申し上げます。令和3年3月28日付で本区教育委員会委員に就任されました岡本淳之さんを御紹介申し上げます。

〔教育委員会委員岡本淳之登壇〕

○教育委員会委員(岡本淳之) このたび教育委員を拝命いたしました岡本淳之と申します。

 私、奈良県出身でして、中野区には二十歳のときに引っ越してきて以来、25年間お世話になっております。仕事は、学校の管理職先生向けの月刊誌「教職研修」という雑誌の編集に長らく従事しております。仕事柄、全国のすばらしい実践、先生方の取組や、先進的な自治体の取組も存じております。他方で、そういった取組を全て上から下にそのまま下ろせばうまくいくものではないということも存じているつもりです。

 関係者の皆様の多くの方々の納得の上、中野の子どもたち、誰一人取り残さない学校教育の実現に向けて、少しでも貢献できればと考えております。どうかよろしくお願いいたします。

○議長(内川和久) 以上で紹介を終わります。

 さらに御紹介申し上げます。令和3年4月11日付で本区教育委員会委員に就任されました村杉寛子さんを御紹介申し上げます。

〔教育委員会委員村杉寛子登壇〕

○教育委員会委員(村杉寛子) このたび教育委員を拝命いたしました村杉寛子でございます。

 議会で御承認いただきましてありがとうございました。私は、専門が小児科で、中野区で開業して20年になります。これまでの臨床の経験、あるいは保育園、学校医、療育園などの嘱託医の経験、また、長年の臨床の経験も踏まえまして、医師会の理事も小児学校保健等の担当としまして6年間やってまいりました。これらの経験を生かして、学校教育の現場で少しでもお役に立てるよう努めてまいりたいと思います。

 中野区の子どもたちが健やかに成長しますよう、微力ではございますが、一生懸命尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○議長(内川和久) 以上で紹介を終わります。

 さらに御紹介申し上げます。5月24日付で本区の監査委員に就任されました高橋ちあき議員、白井ひでふみ議員を御紹介申し上げます。

 初めに、高橋ちあき議員。

〔高橋ちあき議員登壇〕

○34番(高橋ちあき) このたび監査委員に任命していただきました高橋ちあきでございます。

 監査委員は、中野区にとって大事な職務だと思っております。しっかりとこの職務を務めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(内川和久) 次に、白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○25番(白井ひでふみ) 多くの同僚議員の皆様の御賛同をいただき、議会選出の監査委員に御賛同賜りました。

 いま一度、区政の全ての事業をしっかりと勉強し直して、監査の職務を全うしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○議長(内川和久) 以上で紹介を終わります。

 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう進行します。

 これより日程に入ります。

──────────────────────────────

 第37号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(内川和久) 日程第1、第37号議案、令和3年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第37号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第37号議案、令和3年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ11億5,990万1,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,484億304万9,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、企画費ですが、(仮称)構造改革推進アドバイザーに係る経費40万8,000円を追加計上するものです。

 次に、総務費ですが、保健所体制強化のための人材派遣に係る経費3,838万3,000円を追加計上するものです。

 次に、戸籍住民費ですが、マイナンバーカード交付申請増の対応に係る経費4,649万9,000円を追加計上するものです。

 次に、産業振興費ですが、区内中小企業に対するオンラインによる経営相談の実施に係る経費163万1,000円、商店街における新型コロナウイルス感染症対策経費に対する補助1,300万円、キャッシュレス決済によるポイント還元に係る経費4億9,439万7,000円を追加計上するものです。

 次に、こども・教育政策費ですが、児童相談所の開設時期変更に伴う児童福祉審議会に係る経費89万7,000円を減額するものです。

 次に、子育て支援費ですが、子育て世帯生活支援特別給付金支給に係る経費2億1,789万円を追加計上する一方、児童相談所の開設時期変更に伴う小児慢性特定疾病医療費給付に係る経費842万5,000円を減額するものです。

 次に、児童福祉費ですが、児童相談所の開設時期変更に伴い、職員手当等313万2,000円、会計年度任用職員に係る経費496万5,000円、未成年者後見人支援事業等に係る経費228万1,000円、児童相談所運営に係る経費537万6,000円、児童施設入所等措置に係る経費1億1,106万6,000円、里親支援事業に係る経費624万2,000円及び一時保護所運営に係る経費1,287万6,000円を減額する一方、一時保護所建設工事の工期延伸等に伴う工事費等2,579万9,000円及び児童相談所の開設時期変更に伴う派遣職員に係る経費901万5,000円を追加計上するものです。

 次に、子ども特別支援費ですが、児童相談所の開設時期変更に伴う障害児入所給付に係る経費632万6,000円を減額するものです。

 次に、介護・高齢者支援費ですが、オンラインツールを活用した介護予防・フレイル予防活動支援事業に係る経費220万7,000円を追加計上するものです。

 次に、保健予防費ですが、高齢者肺炎球菌定期予防接種対象者の負担軽減事業に係る経費894万5,000円、保健所体制強化のための人材派遣に係る経費1,702万2,000円、軽症者等搬送用車両経費618万3,000円及び新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に係る経費4億3,198万9,000円を追加計上するものです。

 次に、中野駅周辺まちづくり費ですが、中野四丁目新北口駅前土地区画整理事業に係る公共施設管理者負担金811万9,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、分担金及び負担金55万8,000円を減額する一方、国庫支出金3億7,838万6,000円、都支出金3億7,602万7,000円、繰入金4億512万1,000円及び諸収入92万5,000円を追加計上するものです。

 続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。

 中野四丁目新北口駅前土地区画整理事業について、期間が9年度にわたるため、令和4年度から令和11年度分経費43億7,000万8,000円を計上する一方、事業実施時期の変更に伴い、子ども・若者支援センター夜間休日電話相談等業務委託、里親支援業務委託及び子ども・若者支援センター調理業務委託について、いずれも債務負担行為を廃止するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(内川和久) 本件について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、中村延子議員、平山英明議員、長沢和彦議員、渡辺たけし議員、若林しげお議員、ひやま隆議員、久保りか議員、羽鳥だいすけ議員、加藤たくま議員、間ひとみ議員、河合りな議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、竹村あきひろ議員、立石りお議員、吉田康一郎議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 新型コロナウイルスワクチンの接種状況、今後の予定について

 2 中野区構造改革実行プログラムについて

 3 「東北復興大祭典なかの」について

 4 その他

 

○議長(内川和久) 最初に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 令和3年6月1日、中野区議会第2回定例会におきまして、自由民主党議員団を代表し、一般質問をさせていただきます。

 初めに、新型コロナウイルス感染症については、様々なタイプの変異株も発生しており、まだまだ予断を許さない状況であります。有効策として期待されているワクチン接種が早く行き渡り、区民の皆さんが安心して過ごせる日常が一日も早く戻ってくることを強く願ってやみません。

 終わりの見えない状況下において、感染リスクのある中、現場の最前線に立たれている医療従事者の皆様をはじめ、私たちの生活が維持できるよう御活躍されている多方面の方々に深く感謝を申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に罹患された方、またお亡くなりになられた方々にもお見舞いを申し上げるとともに、心からお悔やみを申し上げます。

 初めに、新型コロナウイルスのワクチンの接種状況、今後の予定について質問をさせていただきます。

 新型コロナウイルスは、世界中で猛威を振るっております。新たな遺伝子の変異が世界各地で確認をされております。東京都においても、4月25日に3度目となる緊急事態宣言が発出されましたが、従来型よりも感染力が強いとされる変異株の新規感染者が多数を占めていることなどにより、高い水準で感染状況が続いていることから、5月31日までであった期間が本日から6月20日まで再延長されるなど、東京都や大都市圏での流行の終息がなかなか見込めない状況が続いています。

 感染拡大防止策としては、手洗いやマスクの着用、3密の回避、人流を抑える対策と併せてワクチン接種が発症や重症化の予防に有効な対策とされており、その推進が待ち望まれています。

 新型コロナのワクチン接種について、高齢者向け接種の7月末までの完了を前提に、64歳以下の一般接種の優先順位は自治体に委ねるとの考えを国が示しました。

 このような状況の下、区では、新型コロナウイルスワクチン接種実施計画を策定し、区医師会をはじめとする医療機関の協力の下、中野区医師会館での集団接種、146の医療機関での個別接種、本日からは3か所の区民活動センターで集団接種が開始され、高齢者のワクチン接種が進んでいます。

 そこで、新型コロナウイルスワクチンの接種状況、今後の予定について、以下、まとめて何点かをお伺いいたします。

 初めに、75歳以上の方については、4月28日から中野区医師会館において接種を開始しましたが、4月23日に予約受付を行った際には、1,400人分の予約数が僅か29分で満員になったと聞いています。75歳以上の方については、その後も、5月10日及び5月21日にも予約受付を開始していますが、現在の接種状況と予約申込み状況をお伺いいたします。

 二つ目に、65歳以上の方については、5月21日から予約受付を開始していますが、現在の接種状況と予約申込み状況をお伺いします。

 三つ目に、予約申込みに当たり、私のところにも、「電話がつながりにくい」、「スマホの操作が分からない」、「どうすればいいのか分からない」といった声も届いています。ワクチン接種においても、そもそも予約が取れなければ、その推進は図れません。

 区長は、25日に開かれた定例記者会見において、高齢者に対する新型コロナワクチン接種予約支援について発表されましたが、その期間や具体的な支援の内容、区民活動センターにお越しになれない方への対応など、どのようなことを行う予定なのか、お伺いします。

 四つ目に、16歳から64歳以上の方については、6月10日に接種券を発送し、基礎疾患を有する方などについては予約受付は6月15日から、その他の方については6月28日から開始する予定となっています。15歳以下の方についてはどのような予定となっているのか、お伺いいたします。

 五つ目に、ワクチン供給量の見通しについてお伺いいたします。

 区が5月14日に公表した中野区新型コロナウイルスワクチン接種実施計画(概要)では、ワクチン供給量としては全ての65歳以上の方への必要接種回数分のワクチンは、6月末までに供給される見通しを示していますが、16歳から64歳の方に接種できるワクチンも確保する必要があると思いますが、どのようなお見通しなのか、お伺いいたします。

 最後に、新型コロナワクチン接種の優先接種についてお伺いします。

 福岡市は、7月4日までに高齢者や医療従事者など国が示す優先接種の対象に介護従事者や教職員、保育士などを加えて接種を終える計画を示しました。また、報道では、台東区や江東区においては、キャンセルによって余ったワクチンについて、医療従事者のほか、高齢者施設等従事者、保育園保育士、幼稚園教員、小・中学校の教職員等を優先的に接種できる特例を設けていると聞いています。キャンセルによって余ったワクチンについてだけではなく、コロナワクチン接種の優先接種などは、それぞれの自治体の判断に任せられた権限です。中野区において、例えば高齢者施設従事者はもちろんのこと、民生委員など御家庭を訪問される方々、マスクができない乳幼児と接触する保育士さんや幼児と接触する幼稚園、保育園の教員、小・中学校の児童と接触する教員の方々など、感染拡大防止の観点からも優先すべきと考えます。キャンセル分の接種順位と併せて、中野区独自のワクチン接種優先順位を検討すべきと考えますが、区の考えをお伺いいたします。

 最後に、ワクチン接種パスポート活用についてですが、サービス業など人と接触する仕事に従事されている方々にワクチン接種が進めば、停滞していた経済活動が活発化し、区民の皆さんが日常の生活を取り戻すことにもつながります。その際、ワクチン接種パスポートを活用することで、様々なサービスにつなげられると考えます。今後、検討していただくことを要望して、この項の質問を終わります。

 二つ目に、中野区構造改革実行プログラムについてお伺いいたします。

 新型コロナウイルスの感染症の猛威は、昨年初めて出された緊急事態措置から既に1年が経過しても、まだ衰えるところではなく、今月末までの3回目の東京都の緊急事態措置はさらに6月20日まで延長され、全く出口が見えない状況にあります。

 新型コロナウイルス感染症の経済への影響について、内閣府が5月18日に発表した2020年度のGDPは、新型コロナウイルスの影響によって実質の伸び率がマイナス4.6%となり、1995年以降、最大の下落となっているということです。

 飲食業を中心とした個人消費の落ち込みが大きく影響しており、区内経済においても新型コロナウイルス感染拡大の長期化による打撃は深刻なものがあります。区は、区内経済の早期立て直しのための支援策を機を逸せず打ち出していく必要があります。このような感染拡大状況の長期化の下では、今後の区の一般財源の減収は予想どおりか、もしくはそれ以上に深刻になるものと考えざるを得ません。

 区は令和3年度当初予算において、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、特別区民税を約17億円の減、前年比4.8%のマイナス、特別区交付金を41億円の減、前年度比11.1%マイナスと、大幅な減少を見込んでいます。しかし、実際はそれ以上に減収幅が広がるのではないかと懸念されます。区は昨年度から財政的な非常事態であるという認識を示し、令和3年度からおおむね3年間、抜本的な行財政の構造改革を集中して行うことが不可欠であると明言しました。

 さらに、今年の8月までに構造改革実行プログラムを策定し、区民の痛みを伴う改革にも不退転の決意で挑むとの決意を述べています。区はこの構造改革を令和3年度予算編成における事業の見直しなどの短期的な取組と基本計画を視野に入れた中長期的な取組として、構造改革実行プログラムを策定して進めるとしています。

 しかしながら、その考えに基づき挑んだ令和3年度当初予算は、当初予定した削減目標額には遠く及ばず、約69億円の財政調整基金を繰入れ、歳入不足を補う事態となっております。今後の持続可能な財政運営を考えますと、第1回定例会における私の一般質問で区長が答弁したとおり、「行政の無駄、無理、むらを徹底的に排除し、財源の選択と集中を図って一般財源を確保し、構造改革を進めることが区の喫緊の課題である」と区の認識は当然のことであると言えます。しかし、その決意の下に挑んだ初めての取組である令和3年度当初予算の状況を見ると、今後の構造改革の取組に不安を覚えます。8月までに策定する構造改革実行プログラムを、より具体性のある踏み込んだものにつくり上げ、これを着実に実施していく安定した行財政運営が行える財源を確保していくため、不退転の決意の下でこれを進めていく必要があると思います。

 そこで、まず現在の歳入の状況についてお伺いします。

 次に、令和2年度の実際の決算はこれからですが、令和3年度当初予算では、新型コロナウイルス感染症の影響により、とりわけ区の基幹収入である特別区交付金は、大幅な減収を見込んでおり、現在のところどのような影響が出ているのか、非常に気になるところです。昨年9月の総務委員会で報告されました令和2年度の都区財政調整普通交付金の当初算定では、当初予算に対して大きな減収となっていませんでした。しかし、その後の予想を超える感染症の長期化により、予定した東京都の税収が上がらなかったことも考えられます。

 そこで伺いますが、実際の決算はこれからですが、令和2年度の都区財政調整交付金は、最終的には大きな影響は出なかったのでしょうか。今後どのような影響が考えられるのか、お伺いいたします。

 5月の総務委員会で、構造改革実行プログラムの検討案が示されました。3月に示したプログラム骨子の戦略を再整理し、個別プログラムの内容やスケジュールを検討したいとのことです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済の停滞により、一般財源は、令和2年度当初予算額の水準に戻るまでにおおむね10年かかると見込み、歳出においては、人口減少や少子高齢化等の財政負担増、区有施設の更新が待ったなしです。今後、大変に厳しい財政状況が続くことから、徹底した効率化が必要とプログラムの冒頭で述べ、実行する個別プログラムでは、デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的な行政運営、公助の体制強化と共助の促進、施設の在り方と適正な配置・管理、組織体制の最適化、安定的な財政運営と財政創出の五つの戦略に整理して取り組むとしています。

 しかし、意気込みとは裏腹に、個別の項目を見ていると、およそ構造改革と呼ぶにはふさわしくない、事業見直しレベルの項目が個別プログラムに含まれていたり、具体性に欠けている内容であったり、とてもすぐに大きな一般財源の削減効果が見込める内容になっているとは思えません。選択と集中により経費を削減していくという内容よりも、例えばデジタルシフトの推進にしても、システムを拡充させるなど、令和3年度、令和4年度には改修経費を増加させるような項目が散見され、このままでは、一番苦しい来年度予算では、経費削減の目標とは反対に、増加させる内容になってしまうのではないかと危惧します。区民に対して、痛みを伴う改革に取り組んでいくとの宣言はどこに行ってしまったのでしょうか。このような内容で、本当に安定的な行財政運営が行える財源を生み出せるのか、構造改革実行プログラムの項目は、本当にこれで全てなのでしょうか。それとも今後8月までの間に追加されるのでしょうか。8月まではもう時間がありません。来年度予算への反映ももう待ったなしです。この実行プログラムについて、一体どのくらいの一般財源の充当事業費の削減につながるとお考えなのか、伺います。

 また、事業見直しは、各部がPDCAサイクルの責任を持って行うべきであると思います。例えば地域スポーツクラブの見直しなどが項目に挙がっていますが、部でしっかりと検証し、事業の見直しを行っていく必要があるものについては、構造改革実行プログラムとは分けて進める必要があるのではないかと思います。見解をお伺いします。

 また、構造改革実行プログラムの検討の中で、この実行プログラムは基本構想で描く「10年後に目指すまちの姿」を実現するために策定する基本計画や区有施設整備計画を下支えするために策定すると言っています。しかし、新しい基本計画ありきで、構造改革の内容を検討してしまっては、基本計画の内容によって構造改革で取り組めることが制約されてしまい、抜本的な問題に踏み込むことができなくなってしまうのではないかと思います。つまり取り組む順番が違うのではないでしょうか。

 構造改革実行プランは、財政状況がさらに厳しくなることが予想される中であっても、新しい基本計画を進めるための財源を生み出す、まさにスクラップ・アンド・ビルドを行うためのものと理解していますが、違うのでしょうか。

 まずは、大胆かつ抜本的な構造改革の検討に着手して、基本計画を実現させるための財源を生み出し、その後に財源の裏付けを持った新しい基本計画を策定するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お考えをお伺いします。

 さきの総務委員会で報告された構造改革実行プログラムの検討状況の中で、今後の構造改革を推進するに当たっては、構造改革推進アドバイザー会議を設置するという内容の提案がありました。構造改革の推進に当たり、専門的な立場から必要な意見、助言を受けることを目的とするということですが、構造改革は内部的な改革を進めていくものであり、一番理解しているのは職員の方々自身であると思います。職員自らがつくり上げるべきものと思いますし、既に検討する項目が挙げられているこの段階で外部委員会を設置して、一体何を聞こうとしているのか、疑問です。外部委員にどのような提案を求めようとしているのか、また、その提案はどのように反映させようとしているか、お伺いいたします。

 さきの第1回定例会の質問では、基本計画の各施策に記載した事業については、構造改革の検討の中で具体的な手法や実施方法等をさらに検討し、効率的、効果的に実施していくとの答弁がありました。構造改革実行プログラムの進行管理に当たっては、取組状況を確認、検証し、PDCAサイクルでの次年度のプログラムを更新して成果を高めていくことになっています。そうなると、構造改革実行プログラムの成果いかんによっては、基本計画の内容に大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。3年間の間に財政状況も随分変わってくると思います。新しい基本計画も3年で見直す必要があるのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

 3番目に、「東北復興大祭典なかの」について質問をいたします。

 今年度は東日本大震災の発災から10年目の年となります。「東北復興大祭典なかの」について、昨年度は実行委員会により一度は開催を中止と決定したものの、実行委員会の理事となっている東北地方の各県人会の皆様から、ただ単に中止にするのではなく、この東北復興大祭典をこれまで継続して開催してきた意義を鑑み、来年度の開催につながっていくといった観点からも、東北復興の灯を消さないといったメッセージを発信するべきであるとの御意見をいただきました。

 また、東北地方の地元においては、お祭り自体は中止になったが、そのような中でも可能な取組を企画、実施している、東京、中野でも知恵を出し合い、東北復興大祭典の代わりとなるイベントなど取組を検討してほしいなど、多くの御意見をいただき、昨年度については、パレード等は実施せず、規模を縮小して東北復興応援展なかのとして実施をしました。東北復興応援展に当たっては、感染症対策を十分に取った各会場に多くの区民の方にお越しいただき、改めてこのようなイベントの大切さを感じたところです。

 また、御協力いただいた出店ブース関係者やお囃子団体の方々からも、応援展が今年唯一のイベントであり、中野区の取組は大変ありがたいとの感謝の言葉をいただきました。中野区と東北各県とがこれまで育んできた絆を長く、将来に向けてより発展させていくためにも、中野区から東北復興を呼びかける取組を本年度も実施していくことが大切です。

 今年についても、感染症対策を十分に行いながら、ウィズコロナの時代においても、まちの明かりを消さない取組、元気でにぎわいのある中野のまちを徐々に、早く取り戻していくために、感染拡大防止に最大限配慮しながら、経済活動の再開を促す取組を工夫して実施していくべきと考えます。

 何点かお伺いいたします。

 今年は、2011年に発災した東日本大震災から10年目の節目の年となります。これまで育んできた東北各県や関係各市との連携、協力関係の下、節目に当たる意義深いイベントとなるよう、企画検討を行うべきだと考えます。開催内容について、どのような準備状況でしょうか、お伺いいたします。

 また、現在での東北絆まつり関係市や在京のお囃子団体の参加意向について確認できていれば、併せてお聞きをいたします。

 今年、開催されれば東京オリンピック・パラリンピック終了後の東北復興大祭典となるわけですが、オリンピック・パラリンピック開催の催しを東北復興大祭典でも取り入れてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 東北復興大祭典が今後とも多くの区民に愛されるイベントとして発展していくよう、地元団体の参画や区民が参加できるイベントの拡充や、幅広い年齢層が楽しめる催しの充実が大切です。地元団体や区民が参加できるイベントの拡充についてどのような状況か、お伺いをいたします。

 次に、自主財源の確保についてお伺いいたします。

 東北復興大祭典を継続的に発展していくための自主的な財源の強化ですが、新規に企業協賛を確保していくことはもとより、近年注目されているクラウドファンディングは、その趣旨に賛同される方であれば、ふるさと納税と違い、自分が住んでいる自治体にも寄附することができます。東北復興支援の取組に御賛同する区民も多くいると思います。さきの本会議では、クラウドファンディングの導入など、効果的な財源確保策についても、実行委員会と調整しながら積極的に検討していきたいとの答弁がありましたが、その後の検討状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、広報の充実ですが、多くの方を勇気づけ、元気づけている東北復興大祭典をもっと多くの方に知っていただき、中野にお越しいただくために、SNSを活用した広報の充実や、開催前の広報、PRの強化が必要だと考えますが、今後どのように実施していく予定なのでしょうか、お伺いたします。

 この項の最後に、ブース出店料の見直し、出店内容についてですが、さきの定例会でも質問しましたが、グルメブース等の出店料について、遠方からお越しいただいている出店者には負担になっていることから、本祭典の趣旨から鑑み、地方から多くの方に参加してもらうために出店料の見直しを検討すべきであると考えております。また、グルメなどの出店に当たり、各地の多彩なグルメブースが参加しやすくなる設備などの対応が必要だと認識しています。

 その当時の御見解では、出店料については検討していく、また設備、内容については、早い段階から総務部と保健所等で確認をしていく予定とのことでしたが、その後の検討状況はどうなっているでしょうか、お伺いをいたします。

 その他で令和2年度の補正予算の執行について質問いたします。

 令和2年度の補正予算では、コロナ関連で様々な項目が打ち出されました。その中では、特別定額給付金や新型コロナウイルス感染症対策経費など必要不可欠なものがある一方で、テレワーク環境整備など事業スキーム、導入コンセプトが定まっていない、いわゆる打ち上げ花火的な予算も見受けられました。今回も補正予算が上程され、その審議はこれからですが、補正予算は当初予算に比べて執行の緊急性かつ確実な実施が見込まれるものとして考えています。

 その観点から、昨年度の補正予算の中で第4次補正、6月の、すこやか福祉センターと区民とを結ぶ顔の見えるオンライン相談は761万円余が計上されましたが、このことについて質問いたします。

 事業実施が大幅に遅れたと思いますが、顔の見えるオンライン相談、結果、6月に補正予算が認められたにもかかわらず、実施計画は半年後の2月からでした。大幅に遅れた理由、また経過についてお聞きをいたします。

 二つ目に、オンライン相談はどういう内容を想定していたのでしょうか、またどれぐらいの相談件数を見込んでいたのか、お伺いいたします。

 次に、オンライン相談の事業がスタートして、実績は何件あったのでしょうか。どんな内容の相談がオンラインで行われたのか、代表的なものをお伺いいたします。

 そして、今後の予定ですが、すこやか福祉センターのオンライン相談はどのように展開するおつもりなのかをお伺いいたします。

 以上で質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、新型コロナウイルスワクチンの接種状況、今後の予定についてのうち、75歳以上の方の接種状況等についてでございます。

 75歳以上の方の接種状況といたしましては、対象者3万8,966人のうち、5月29日までに1万4,629人が1回目の接種を終えております。また、138か所の個別医療機関を除いた区の予約システムにおける5月30日から7月15日までの75歳以上の方の予約受付数は5,016人で、5月29日までに1回目の接種を終えた方と1回目の接種予約を入れた方とを合わせた人数は1万9,645人となっております。

 次に、65歳から74歳の方の接種状況等についてでございます。

 65歳から74歳の方の接種接種状況としましては、対象者3万1,526人のうち、5月29日までに2,816人が1回目の接種を終えております。また、区の予約システムにおける5月30日から7月15日までの65歳から74歳の方の予約受付数は1万1,054人でございまして、1回目の接種を終えた方と合わせると1万3,870人となります。

 次に、新型コロナワクチン接種予約支援についての御質問でございます。

 いまだ予約をしてない高齢者に対し、区が保有する要支援者台帳システムを活用して、個別に勧奨等を行い、各区民活動センターを会場に希望する者の予約を支援、または代行する取組を5月31日から開始いたしました。今後、電話のほか、ダイレクトメールによる勧奨も行う予定でございます。区民活動センターにお越しになれない方などについては、個別勧奨等を通じて、ニーズを把握した上で、その方の生活状況に適した対応方法を検討し、全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。

 続きまして、15歳以下の接種についてでございます。

 5月31日付の厚生労働省通知によりますと、ファイザー社製の新型コロナワクチンの接種対象を現行の16歳以上から12歳以上に引き下げることについて、6月1日から適用されることになりました。詳細を確認し、速やかに準備を行って、適切に接種ができるように取り組んでまいります。

 次に、ワクチン供給量の見通しについてでございます。

 新型コロナウイルスワクチンは、6月末までに154箱以上、接種回数に置き換えると17万7,255回分以上が供給されることが確定しておりますが、7月以降の供給量については、現時点では示されておりません。区としては、これまでと同様に、構築した接種体制を最大限に生かして接種を希望する全ての区民が接種できるよう、国や都に対して安定的なワクチン供給を求めてまいります。

 次に、区独自の優先接種についての御質問です。

 5月30日に河野規制改革担当大臣が、自治体が高齢者への接種を7月末までに終えることを約束すれば、高齢者以外の人たちに独自に優先順位をつけて接種を行うことを容認する考えを示したことは承知をしております。

 キャンセル分につきまして、現在は区の医療従事者等に接種を行っております。今後の順位や、区独自の優先接種につきましては、御指摘の保育士や教員等のエッセンシャルワーカーを含め、検討してまいります。

 続きまして、中野区構造改革実行プログラムについての質問で、現在の歳入状況についての御質問です。

 令和2年度の歳入状況につきましては、具体的な決算値をこれからお示ししていくことになりますが、令和2年度第10号補正予算において、歳入見通しを踏まえて特別区税を増額する一方、特別区交付金や地方消費税交付金は減額したところでございます。おおむね予算現額どおりに収入されているものと考えております。

 令和3年度当初予算におきましては、特別区税、特別区交付金、地方消費税交付金など、前年度当初予算比で約68億円の一般財源の減を見込んでおりまして、今後厳しさが増していくことを想定しております。

 次に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による都区財政調整交付金への影響についてでございます。

 都区財政調整交付金につきましては、令和2年度第10号補正において、当初予算から8億1,000万円の減額補正をしておりまして、大きな影響があったと認識をしております。また、令和3年度当初予算におきましても、前年度当初予算比で41億円の減を見込んでおりますが、さらなる落ち込みのリスクもあると捉えております。

 続きまして、構造改革実行プログラムの財政的目標についてでございます。

 構造改革実行プログラムは、本定例会において案として示す予定でございまして、現段階では28項目から成る個別プログラムを追加する考えはございませんが、区民や区議会のほか、設置を予定している構造改革推進アドバイザーからの御意見を踏まえて、内容を精査し、8月を目途に策定する考えでございます。

 実行プログラムにおける財政的な目標につきましては、経常収支比率や基金積立額など六つの基本指標の目標値を目指して取り組んでいく考えでございます。

 また、予算編成におきましては、歳出の一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模に近づけるよう努めていく考えでございます。

 次に、個別プログラムにおける事業見直しについての御質問でございます。

 個別プログラムの取組は、事業を所管する各部が主体的に行うこととしておりますが、区長を、私を本部長とする構造改革推進本部におきまして、個別プログラムの進捗管理や評価、検証を行い、見直しにつなげていく考えでございます。

 次に、構造改革実行プログラムにより下支えされた基本計画についてでございます。

 現在、検討を進めている基本計画は、10年間の財政フレームを見込み、施策や事業を組み立てております。構造改革の取組によって、より着実な施策の展開や事業の進捗が図れるものと考えております。

 次期の改定におきましては、構造改革の成果等を基本計画に反映できるようしっかりと取り組んでまいります。

 次に、外部の助言、意見についてでございます。

 構造改革は、区長を本部長とする構造改革推進本部におきまして責任を持って推進する考えでございまして、外部の有識者である構造改革推進アドバイザーには、取組の方向性や具体的な方策などについての専門的な助言を求めてまいりたいと考えております。

 アドバイザーからいただいた助言は、実行プログラムの内容の精査や取組への反映、また次年度に向けた評価、検証につなげて、より効果的な実行プログラムとしていく考えでございます。

 次に、基本計画の見直しについての御質問でございます。

 基本計画につきましては、財政状況や各施策の実施状況、構造改革実行プログラムの実施状況等を踏まえて、計画3年目の令和5年度の段階で見直しの必要性について再度検討を行った上で、必要に応じて改定を行う考えでございます。

 続きまして、「東北復興大祭典なかの」について、1点目が、10年目に当たる東北復興大祭典の準備状況についてでございます。

 今年の「東北復興大祭典なかの」では、東日本大震災から10年を経た東北各県の現状や、中野区がこれまで継続して行ってきた復興支援の取組をより多くの区民に知っていただく貴重な機会となるよう、実行委員会や関係団体と協議しながら、実施内容について協議をしているところでございます。

 東北絆まつり関係自治体の事務局である仙台市や在京のお囃子団体に東北復興大祭典の参加について意向を確認しましたところ、中野区の取組に感謝するとともに、ぜひ協力したいとの回答をいただいております。

 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連の催しとしては、競技種目の体験コーナーのほか、パネル展示等を検討しているところでございます。

 続きまして、幅広い区民参加や団体の参画を募る検討状況でございます。

 東北復興大祭典が10年目を迎えるに当たって、より多くの中野区民に身近に感じ、参加していただけるものとなるよう、現在実行委員会の構成メンバーでもある町会連合会や商店街連合会と調整を行っているところでございます。

 また、幅広い年齢層の方が楽しめる企画としては、東北地方の踊り体験のほか、金魚ねぶたの絵付けワークショップやスタンプラリー等の子どもコーナー、さらにフォトスポットの設置などを検討しております。

 次に、東北復興大祭典の自主財源の強化についてでございます。

 今年度につきましては、既に東北復興大祭典の趣旨に御賛同いただいた民間事業者から新規に協賛を行いたいとの申出があったところでございます。さらに多くの事業者からの協賛を募るなど、東北復興大祭典の自主財源を強化していく考えでございます。

 また、幅広い賛同者から寄附を募るため、実行委員会では新たにクラウドファンディングを立ち上げる予定でございます。これとは別に、区としても負担金の軽減を図るため、ガバメントクラウドファンディングによって、広く寄附を募ることを検討しております。

 続きまして、東北復興大祭典の広報の充実についてでございます。

 今年度はクラウドファンディングによる財源確保も検討していることから、区民はもとより、遠方からも足を運んでいただけるよう、広報活動をより充実していきたいと考えております。

 具体的には、実行委員会がフェイスブック等SNSを活用し、東北復興大祭典のイメージが伝わる情報をタイムリーに発信することや、都内の東北アンテナショップ等にポスター掲示を依頼するなど、事前の周知と期待感の醸成を図る広報を検討しております。

 最後に、より出店しやすい条件整備についての御質問でございます。

 これまでも出店者が参加しやすくなるよう検討を重ねてまいりましたが、さらに出店へのハードルを低くするため、実行委員会として出店料を一定程度減額する方向で調整を進めております。

 また、より多彩な出店を可能とするため、食の安全面から特に配慮が必要な御飯や麺類などについて、どのような設備、条件を備えればよいか等、実行委員会事務局と保健所とで協議を開始しているところでございます。

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、その他、令和2年度の補正予算の執行についてお答えいたします。

 初めに、オンライン相談の実施経過についてでございます。

 すこやか福祉センター等におけますオンライン相談は、開始時期を令和2年11月上旬としておりましたが、入札の不調により、令和3年1月29日の開始となりました。

 次に、オンライン相談の内容と件数の見込みについてでございます。

 オンライン相談は、妊婦や子育て期の親、高齢者などの個別の相談等を想定し実施するものでございます。当初、どの程度オンライン相談が必要になるか、実績はありませんでしたが、6月に補正予算を組んだ時点では、すこやか福祉センターにおけます相談実績が1万5,000件あり、このうち2割程度を利用した場合で年間約3,000件と想定しておりました。

 最後に、オンライン相談の実績と今後の予定についてでございます。

 日常の様々な場面でオンラインを活用しました生活様式が浸透しております。新型コロナウイルス感染が収束に向かっても、外出を控え、オンラインでの相談を希望する方はいると考えられます。現在相談実績はございませんが、オンライン相談のさらなるPRに努めるとともに、職員のオンライン相談のスキルの向上に努めていきたいと考えてございます。また、コストのかからない方法等、見直しも含めて検討してまいります。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) その他のところでちょっと聞きます。

 まず、三つ目の質問、オンライン相談の事業がスタートして、実績は何件あったのでしょうか。どんな内容の相談がオンラインで行われたのでしょうか。代表的なものをお伺いしたんですけども、実績がゼロということで、これは何もなかったということなんでしょうか。まあ、そういうことなんですけど、何もなかった、ゼロだという、このところの問いにしっかり答えていただきたい。

 そして、最初の質問ですが、昨年6月の第2回定例会の補正予算では、11月開始を目標としておりました。目指していましたが、2月の開始ということで、結果的に入札が不調だと。その入札が不調になった理由として、低入札だったのか、あるいは応募がなかったのか、あるいは金額が全員高くて失格したとか、何か理由があると思うんですね。なぜ不調になったか、その理由についてしっかりとお答えいただきたいと思います。

 また、次に、二つ目のこのオンライン相談、3,000件ほど見込んでいたということなんですけれども、実績がゼロというのはちょっとひどくないかなと。3,000件予定をして予算を組んだにもかかわらず、11月実施が2月からということで、3か月ほど遅れたんですけれども、でも、2月、3月、あるいは4月、5月、この間、実績がゼロということはどういうことなのか。そもそもこのオンライン相談の需要をどのように見込んでいたのかが疑問です。これは、補正予算が出たときもさんざん議論したと思っております。それについて改めてお答えをいただきたいと思います。

 また、その補正予算のときに、「今後厳しさが予測されるので、区財政を鑑み、執行を工夫し、区民生活に影響を与えない範囲での経費の削減に努められたい」という附帯意見をつけさせていただきましたが、費用対効果を全く考慮しない予算になってしまったと。税金の無駄遣いになっているのではないかということも言えます。その辺について、当初3,000件を見込んでいたにもかかわらず、実績がゼロだということについてどのようにお考えなのか、改めてお伺いいたします。

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

○地域支えあい推進部長(角秀行) 大内議員の再質問にお答えいたします。

 相談実績については、残念ながらゼロ件でございます。

 それとあと、オンライン相談の実施経過についてでございますが、入札の不調ということで申し上げさせていただきましたけども、具体的に申しますと、インターネット回線の契約のときに、2回ほど不調になっております。これは予定価格を下回ったという経緯があったということでございます。それと併せまして、ビデオ送信システムでも1回不調になったということで、計3件ほどの不調があったということで、開始時期が遅くなったという経緯がございます。

 それから、当初の見込みの3,000件というところでございますが、これまで様々、先ほども御答弁申し上げましたけども、オンライン相談になるという想定していたのが、妊婦の方だとか、子育て期の親の方の相談、それから高齢者の方などの個別の相談というものを想定して3,000件というところができる体制ということで予算を組ませていただいたんですけども、この事業のPR不足だとか、あとはそもそも対象者のニーズが果たしてそこにマッチしていたのかというところも課題として考えておりますので、今後はその対象者への働きかけなどを中心に、さらにこういった事業が着実に進むように努力していきたいと考えてございます。

 それと併せまして、より効率的な執行というところにつきましては、来年度予算要求するときにも、経常経費が過大となるようなことがないように、効率的な予算となるように改めて提案させていただければと思います。

 今現在、各すこやか福祉センターや、地域包括支援事務所、それから障害者の相談事務所など様々なところにおいて、こういったオンライン相談ができるという環境、ハードの整備はできておりますので、そういったハードの整備が着実に相談に結びつくよう、これからも努力していきたいというふうに考えてございます。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 今、答弁の中で、PR不足だとかいろいろ述べられておりましたけども、そもそも需要があるから実施をするということで、私は伺っていました。それをPR不足で、3,000件予定だったものがゼロ件ということはちょっと、少しは反省されたほうがよろしいんじゃないか。しかし、今の御答弁を聞いていると、全く反省というか、税金を無駄遣いというところまでは言いませんけども、そういったものに関しての考えがはっきりと述べられていない。実際に2月、3月、4月、5月に使われたこの税金に対してどう思っているのか。PR不足で済む話ではない。しっかりと自分たちがそういったことをしてしまったことについて反省をしてもらわなければいけないし、今後それを生かしてもらわなければいけないと思います。

 もう終わったことですから、過ぎたことをとやかく言うつもりはありませんけど、ただ、今回のこういった、当初3,000件見込んでいたがゼロ件だと。補正予算まで緊急的に組んだものに対して、ゼロ件だということはPR不足では済まない。需要があるから、補正予算を組んで緊急的にやったわけですよね。でも、PRしていなかったから相談がなかったというのは、それは理由にならないです。もう一度反省を含めて――反省をしていないなら、していないでいいですけども、ちゃんとその辺のところを述べていただかないと。これからこの事業を、場合によったらもう一旦中止にする、しっかりとPRをしてから夏以降改めて実施をする、そういったことも考えられるのではないかなと思います。もう一度御見解をお聞きいたします。

 これがもう3回目ですから、もう最後ですから、しっかり答えてください。

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

○地域支えあい推進部長(角秀行) 大内議員の質問に対してお答えいたします。

 確かに見込みが3,000件ということで、実績がゼロ件ということですから、効率的な予算の執行というところについては、事業の組立て等において、それが果たして適切な方法だったかどうかというところも含めまして、改めて着実な予算執行となるよう、今後そういった事業を開始するときには様々な検証を踏まえながら事業を進めていくべきということで反省しております。

 次年度以降、着実に進めるために、先ほども言いましたが、オンライン相談でのハードの整備はできていますので、そういったシステムが使えるよう、様々なところと連携しながら、いろんな問題として取り組めるように、少しでも多くの方々にこういった相談があるという機会をなるべくお伝えして、1件でも多くの方々について相談できるように体制を強化していきたいと考えてございます。

 今回、ゼロ件というところにつきましては、やはり当初の見込みが果たして適切だったかどうかというところについては反省して、今後の事業に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○議長(内川和久) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 中 村 延 子

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

 2 区政構造改革について

 3 基本計画および区有施設整備計画について

 4 女性施策について

 5 その他

 

○議長(内川和久) 次に、中村延子議員。

〔中村延子議員登壇〕

○28番(中村延子) 令和3年第2回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。さきの大内議員と重なる部分もありますが、我が会派の立場で質問をいたします。

 1、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。

 中野区では、4月21日に75歳以上高齢者ワクチン接種の予約がスタートし、最初はシステムの不具合により混乱を招いてしまいました。一方で、75歳以上の接種は4月28日に23区最速で開始。医師会の御協力もあり、集団接種と個別接種を併せた体制が組めたことにより、64歳以下の一般接種も23区最速で開始できることは高く評価しています。中野区の取組は、多くのメディアにも取り上げられています。

 諸外国ではワクチン接種が進むことにより、屋外でマスクを外せる生活が戻っています。ワクチン接種のオペレーションは日常を取り戻すためにも非常に重要です。希望される区民が遅滞なく、確実にワクチン接種できる体制づくりに向けて、区としてもさらなる取組が必要です。

 3月から本格的に医療従事者へワクチン接種が始まりました。東京都の医療従事者向け接種予約サイトがシステムエラーでしばらく予約ができない状況だったこともあり、なかなかスムーズには進んでいませんでした。5月31日現在で1回目接種が92.8%、2回目接種が60.5%と、本来は高齢者接種の前に少なくとも1回目接種が終了しているべきところ、いまだ終了していません。

 一方で、ワクチンの供給が安定してからは、接種も加速してきています。中野区では、医師会により医療従事者の接種の調整をしていただいていると伺っていますが、区内の医療従事者はどのような状況でしょうか。また、今後始まる集団接種に従事する予定の委託事業者の接種状況も併せてお答えください。

 また、消防の救急隊員の状況はどうなっているのか、中野消防署と野方消防署の状況は把握しているのか、伺います。

 中野区は医師会の調整の中で、医師会、歯科医師会、薬剤師会の接種調整をしていますが、3師会の接種完了予定について区はどのように把握しているのか、伺います。

 4月28日より75歳以上の高齢者を対象としたワクチン接種がスタートしました。5月21日には65歳以上の予約が開始され、今後も順次予約接種が進んでいく予定です。ワクチン接種の準備段階では、いつ、どのタイミングでワクチンが配分されるのか、不明瞭な点もありましたが、ファイザー社に加えモデルナ社やアストラゼネカ社のワクチンも承認されたことは、今後の安定的な供給に期待が持てます。

 国では、菅総理大臣が7月末までに高齢者接種を終わらせる宣言をしましたが、自治体の体制によっては難しいところもあると認識しています。中野区では、7月末までに65歳以上高齢者接種は終了できる体制となっているのでしょうか。接種予約ができない高齢者に対する支援も実施していますが、現時点での予約状況はどうなっているのでしょうか、伺います。

 次に、訪問による接種について伺います。

 現状では、コストや移送の際に壊れやすいというメッセンジャーRNAワクチンの特徴、訪問診療の制度の壁といった理由から、医療関係者からは訪問接種のハードルは高いという声が上がっています。ワクチン接種を希望しても、病気や障害などの理由により足を運べない方に対して、医師等が訪問して接種ができるよう、訪問診療を行う医療機関等への支援が必要であると考えますが、今後の取組について伺います。

 国が設置した大規模接種センターでも、接種券が手元にあれば予約接種ができることになり、5月24日からスタートしました。国設置の大規模接種会場では、取り扱っているワクチンはモデルナ社のもの、中野区の会場ではファイザー社のものとなっています。2回接種は同じワクチンの接種が必要なため、2回ともに同じ会場での接種が必要になります。こうした点についても、区民に向けた分かりやすい広報が必要です。区の見解を伺います。

 65歳以上のワクチン予約が開始され、医師会館での集団接種に加え、15の区民活動センターでの集団接種、タイプ1の医療機関での個別接種については、区の予約システムで受付をしています。現在、区は日に2回、その時点での予約数をホームページ等でお知らせしています。現在は高齢者のみが予約の対象となっており、電話での予約も割合として多いと考えられますが、64歳以下の一般予約については、ホームページやSNSなどでの広報がより重要になってくると考えます。

 タイプ2の医療機関での個別接種については、区で直接予約状況を全て把握するのは難しいと考えますが、今後も区が把握できる予約状況のタイムリーな情報提供は区民への安心感にもつながり、非常に重要だと考えます。区の見解をお聞かせください。

 区民の接種状況については、接種記録システムでの把握ができると認識していますが、どこかの時点で接種率等を把握し、公表する考えがあるのか、伺います。

 新型コロナウイルス予防ワクチンに関しては、集団免疫を達成するために必要な接種率等は国から示されていません。ワクチン接種は一義的に国のプロジェクトではありますが、自治体として取り組んでいる上では、ある程度の目標目安は必要だと考えます。区としてワクチン接種をどれだけ進めるべきと考えているのか、お考えを伺います。

 現在、国の大規模接種予約と区の接種予約ではシステムが連動していないため、二重の予約も可能です。二重予約でキャンセルが増える可能性もあります。キャンセルが出たときの余剰ワクチンをどう活用していくのか、様々な自治体で議論が進んでいます。茨城県水戸市では、幼稚園や保育園の職員をあらかじめリストに登録し、キャンセルが出た際に接種してもらう対応を取ることを決定。千代田区は、介護サービスや保育や教育関係の職員に活用する方針です。

 中野区でも、余りワクチンについて、保健所の職員等に接種するとしていますが、今後、接種の対象が増えるとおのずと余りワクチンが発生する可能性が増えます。集団接種でも、個別接種でも、対応を考えていく必要があると考えます。5月25日には、厚労省健康局健康課予防接種室から、余剰ワクチンについては、「各自治体において、地域の状況を踏まえ、幅広い対象を検討することとし、また、接種券を保有していない者についても対象とするなど、柔軟な対応を検討し、判断すること」と業務連絡が都道府県、市町村、特別区衛生主管部宛てに出されています。ワクチンが打てない子どもと接する機会が多い職種に接種をすることも有効と考えます。

 また、時間の制約がある中、区長をはじめとする区の職員への接種も検討すべきです。区長は危機管理体制のトップであり、早い時期の接種は必要と考えます。お考えをお聞かせください。

 何よりも、効率的に早く接種を進めていくための区としての方針が必要と考えますが、見解をお聞かせください。

 今後スタートする現役世代の接種率を上げるためには、土日祝日だけではなく、職務時間中などであってもワクチン接種ができる環境整備が必要です。企業の中には、新型コロナウイルス感染症対策として、勤務時間中のワクチン接種について特別有給休暇の取得を認めたり、勤務免除としたりする動きが現れています。国もまた、こうしたワクチン休暇を設けることを経済界に働きかける方針を示しており、全国知事会をはじめ地方自治体においても、ワクチン休暇を企業に働きかけるよう要望する活動等を行っています。中野区においても、企業や国、東京都に対して働きかけを行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 5月28日、ファイザー社製ワクチンの接種可能年齢に新たに12歳から15歳が加わったことを受け、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会は、31日、公費による接種対象を12歳以上に拡大することを了承しました。本日6月1日から適用されます。区としてどのように取り組んでいくのか、伺います。

 4月21日に開始予定だった75歳以上高齢者の接種予約がシステムの不具合により予約できない状況が生まれてしまったこと、またシステム修正中に予約ができるようになってしまい、混乱を招いてしまったことに対しては、原因がどこにあったのか、分析と総括が必要です。いま一度危機管理体制は機能したのか、検証が必要です。区の見解をお聞かせください。

 最後に、保健所の体制について伺います。

 昨年度は、庁内の職員調整により、保健所の体制強化を図っていました。今年度は派遣により、保健師や看護師などを確保しています。一方で、新型コロナウイルスワクチン接種担当は、この一大プロジェクトにより、日中には区民からの問合せも多く、非常に忙しい状況が続いています。高齢者接種が終われば電話は減っていくと思われますが、対象者は広がっていくため、今後も忙しい状況が続くと予想できます。現在、区のホームページに記載されている電話番号は新型コロナウイルスワクチン接種担当となっており、コールセンターで解決するような内容でも保健所にかかってきてしまう状況も生まれています。こうしたことの整理なども含め、新型コロナウイルスワクチン接種担当部署の超過勤務時間の抑制など図っていく必要もあると思います。区の見解をお聞かせください。

 現在、国や自治体もワクチン接種に力を注いでいるところですが、スピード感をもってワクチン接種を進めることができなければ、第5波も予想ができ、対策も必要になります。保健所の新型コロナ対策以外の業務にも支障が出ないようにするためにも、新型コロナ対策に関する十分な人的体制整備が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。

 2番、区政構造改革について伺います。

 まず、プログラムの目的について伺います。

 財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すためとしています。この文言や構造改革という名称を聞くと、あたかも行政サービスの縮小化のように聞こえますが、プログラムの中身を見ると、戦略Ⅱに、「公助の体制強化と共助の促進」があるように、行政の役割の明確化やセーフティーネットの強化にも注力することとしています。このプログラムの目的が正しく伝わるよう、区としてさらに努力する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 構造改革プログラムは、令和3年度から令和5年度までのおおむね3年間を目途に集中的に取り組むこととしています。一方で、収支が均衡する状況まで継続して取り組んでいく必要があるとしており、それは10年間としています。このプログラムは3年間で効果を出すものではなく、10年後を見据えて取り組んでいくのでしょうか。いま一度、期間についての見解をお示しください。

 (仮称)構造改革推進アドバイザー会議については、構造改革の推進に当たり、専門的な立場から必要な意見、または助言を得ることを目的として設置するとしています。また、行政評価制度の視点や評価結果の反映などについても助言を受けるものとしています。外部人材の登用自体には意義があると考えます。また、行政評価制度に外部の目を入れる取組として、この会議体を活用することは評価します。ただし、構造改革プログラムという区政の大きな方向性に関わる外部人材については、将来的にはより責任がある形での登用が必要だと考えます。見解をお聞かせください。

 構造改革プログラムの取組検証に当たっては、行政評価における事業の効果測定を活用するとしています。昨年度から行政評価制度を事務事業点検としたことは評価しています。一方で、現在の行政評価制度では、内部評価で行った事業評価が政策施策へのPDCAにはつながっていない状況です。現在の制度を進化させれば、まさに区が目指している構造改革につながるのではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 (仮称)中野区構造改革推進アドバイザー会議には、行政評価の在り方についてもヒアリングすることとしておりますが、継続的に評価見直しができる仕組みの構築が急務だと考えます。現在の評価制度における自己点検は公表されるものではなく、実効性があるのか疑問を持っています。外部評価制度については、今年度予算の関係で見直されています。区が行っている全ての事務事業を定期的なサイクルで点検できる仕組みを構築すること、またその評価が区の施策や政策につながっていく仕組みの構築が必要だと考えます。実効性のある取組にするには、外部の目を入れることも大切だと考えます。区の見解をお示しください。

 戦略Ⅰ「デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的な行政運営」を掲げたように、この構造改革プログラムを進めていくに当たっては、デジタルシフトに注力すべきだと考えます。RPAやAIで生み出される事務の効率化は、優先的で取り組むべき課題です。この数年間で先行投資し、長期的な財政負担の軽減や業務効率化を進めることが重要です。RPAやAIを導入している保育園入園業務では、8,500時間の削減効果が見込まれています。これは4人分の職員の削減効果に当たります。こうした取組を加速して進めていくべきです。区の考えをお聞かせください。

 戦略Ⅲでは、「施設のあり方検討と適正な配置・管理」を掲げています。現在、施設整備計画について議論が進んでいますが、施設の再編や在り方検討は行財政運営にも影響が大きく、非常に重要な課題です。今後取得する土地や床、また未利用の施設などについては、最大限に活用することが重要です。5月11日に行われた中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会での勉強会では、新たに区が区役所・サンプラザ跡施設の権利変換により取得する権利床は1万3,000平米とのことでした。この権利床や中野駅南口での再開発において取得する権利床については、貸付なども検討し、財源確保を目的とした資産活用をする必要があります。旧商工会館については、現行計画では売却予定となっており、森議員の総括質疑で、その売却益は約12億1,000万円と答弁されました。区は、用地の利活用により財政負担を軽減としていますが、それだけでは不十分であり、相応の成果を出す必要があります。区の見解をお聞かせください。

 戦略Ⅳ「組織体制の最適化」では、適正な定数管理を行っていく必要があると記載があります。2月の総務委員会には、職員の定数についての報告があり、令和4年度に改めて検証を行い、令和5年度から条例定数を2,100人に引き上げることを方針として中野区職員定数管理計画を策定することとするとしています。令和4年には、児童相談所が移管され、80名もの体制になります。また、生活保護のケースワーカーも足りていない状況です。行政需要が多様化している中で、2,000人体制のまま突き進むことは、行政サービスの低下にもつながりかねません。以前、我が会派の酒井議員からも質問をいたしましたが、財政調整算定の中でも人件費は見られています。今後の職員定数について区としてどう考えていくのか、伺います。

 3、基本計画及び区有施設整備計画について伺います。

 5月13日に行われた総務委員会に両計画の検討状況について報告がありました。この報告の中で、「議会の意見及び意見交換会における区民意見等を踏まえ、区として検討を行い、素案の内容を一部見直し、改めて意見交換会を実施する必要があることと判断したことから、改定素案を策定するものとする」としました。この意見交換会を実施する時間が必要であり、これに伴い、策定時期を令和3年8月から10月に変更されるとのことでした。変更点に対する区民の意見を聞き、反映することは大切ですが、計画策定の遅れにより、施策を進められなくなることを懸念しています。10月策定でも影響はないのか、区の見解をお聞かせください。

 次に、新たな機能を備えた児童館について伺います。

 中野区では、小学生の放課後の居場所として、各小学校にキッズ・プラザを設置し、学童クラブも併設することで安心・安全な居場所を学校内に確保し、同時に学童保育の需要に応えてきました。前区政では、キッズ・プラザができた地域の児童館を順次廃止してきましたが、酒井区長が公約にしてきた、児童館を残していくという方針の下、令和元年第3回定例会で、児童館は中学校区に1館という配置を決定していました。児童館は、乳幼児親子の居場所ともなっており、また高学年など、学校内で放課後を過ごさない子どもたち等の居場所ともなっています。

 第1回定例会の子ども文教委員会に、地域子ども施設整備の考え方についての報告がありました。これまでの遊び場機能、中高生の活動・交流機能、乳幼児親子の支援に加えて、子育て支援拠点機能、地域の見守り機能、地域子育て支援ネットワーク機能、学童クラブ移転後スペースの活用として子ども食堂や自習室等が挙げられました。

 まず、機能強化について伺います。子ども版地域包括ケア体制を構築していく上でも児童館の役割は大きく、こうした機能強化が子育て先進区の実現に向けた取組につながります。児童館の意義を区としてどう考えているのか、伺います。

 区政構造改革の中では、児童館運営の在り方について議論が進んでいると理解していますが、公共の担う役割についての議論があった上での検討が必要だと考えます。児童館の役割を果たすためには、安定的な事業経営、公共性、継続性、各団体の調整に当たり公平であることとして、現段階で運営主体は公設であることが望まれます。見解を伺います。

 また、現在全ての児童館が日曜、月曜休みとなっていますが、休館日の柔軟な運営も求められています。一部の児童館休館日をずらすなどの工夫も求められます。区の見解を伺います。

 これらの取組を実現していくためには、人材育成や職員体制の構築が必要です。10年後には、児童館職員は半分以上が定年を迎えます。児童相談所やすこやか福祉センターなどの福祉職と一体に考えることも可能だと考えます。職員定数ありきの議論ではなく、児童館がどうあるべきかを議論し、そのために職員採用をどうしていかなければいけないのか、十分な検討が必要です。区の見解をお聞かせください。

 3月の委員会資料には、今後5年間の児童館、キッズ・プラザ及び学童クラブの転換について、具体的な館名が示されました。今年度末には3館が学童クラブ施設に用途変更され、1館が閉館となります。3月の報告では、学童クラブ施設として活用する館については、併せて乳幼児親子の居場所である子育てひろば事業を行うと記載されました。契約の問題等解決すべき課題がある児童館もありますが、学童クラブが専用で使うのではなく、乳幼児の居場所として継続して使用ができることなど、地域への丁寧な説明が必要だと考えます。

 また、今年度予算で新規事業として計上された区有施設での一時預かり事業ですが、検証の上、学童クラブ施設となる児童館でも、子育てひろばと一緒に導入を検討すべきと考えます。区の見解をお示しください。

 区はこれまで区有施設整備計画の中で、今後の児童館の展開については5年後までを示してきました。これまでも、学校再編計画や施設整備計画を策定する際に判断材料としていた人口推計と現状は大きな乖離があり、桃花小学校や平和の森小学校では児童数が大きく増えており、今後は美鳩小学校でも児童数の増が見込まれています。今回の児童館の展開は、学童クラブ施設も含めて議論が必要なため、その在り方に関して現段階で判断がつかないところもあります。こうした過去の経験もある中で、10年後の展開の示し方については慎重であるべきと申し上げてきました。今後、10年後の配置を示す際には、未利用地活用や跡施設の利用について、丁寧な記述をすべきと考えます。区の見解を伺います。

 現在は、まだ閉館する児童館の次の活用策が明確には示されていません。これまで児童館を使って活動をされていた方々へ、活動継続支援はもとより、その後の活用策が示されるまでの期間、暫定的に利用ができるよう調整すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 跡地活用については、その地域の区民の関心は非常に高く、特にすぐに閉館となる施設については、本来であれば記載すべきと考えます。活用策は、庁内だけの調整にとどまらない部分もあることは理解しますが、できる限り明確に記載していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 4番、女性施策について伺います。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、若年女性の貧困、虐待、自殺、妊娠等の課題が浮き彫りになりました。コロナ禍で急にこの状況が生まれたのではなく、弱い立場の人々により強く影響が出たことによるものです。改めて女性が真に安心して暮らしていける社会づくりを進めていく必要があります。

 現在、中野区の組織は、男女共同参画は企画課に、女性相談は生活援護課に、妊娠出産はすこやか福祉センターに、子育て支援は子ども教育部にありますが、包括的に女性施策をつかさどる部署がありません。2013年4月に男女共同参画センターが庁内に引っ越したという形ですが、実際のところは機能しているように見えません。改めて女性施策を進めていく部署を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 その部署には、相談窓口が必要だと考えます。今回、生理用品を配布する際に一緒に配るための「女性のための相談のご案内」のチラシを作成しました。こうした相談機能の一元管理も同じ部署で行う必要があると考えます。区の考えをお示しください。

 豊島区では、消滅可能性都市に選ばれてから、「女性と子どもにやさしいまちづくり」を掲げ、取り組んできました。また、1月29日には、コロナ禍で困窮する女性支援のために部署横断的な連携を目指し、「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げました。ここには10名の理事者が委員として参加しており、生きづらさを抱える若年女性支援策を検討しています。また、その分野で活躍するNPOとの連携もしており、実情の聞き取り等も行っています。中野区でも、女性施策に関するこうした部署横断的な連携が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。

 女性施策は、直接的に子育て先進区につながり、子どもと女性が住みやすいまちは誰もが住みやすいまちにつながります。区としてしっかりと取り組むべき課題です。見解をお聞かせください。

 次に、「生理の貧困」への対策について伺います。

 中野区は、3月29日から防災備蓄用品を活用した生理用品の配布を開始しました。早急に対応したことは高く評価しています。区役所3階の子ども総合窓口と四つのすこやか福祉センターの計5か所で配布していますが、現時点での配布状況をお聞かせください。

 4月28日の区長記者会見で、民間事業者との連携による区役所における生理用品の無料配布について公表されました。継続的に無料配布できることが望ましいと考え、8月から開始を目指しているとしています。区として継続支援についてはどのように考えているのか。また、生理用品へのアクセスだけではなく、さきに設置を求めた相談窓口への誘導が重要になると考えます。区の見解をお聞かせください。

 小・中学校での生理用品提供も必要だと考えます。現在、区立学校では保健室にて貸出しを原則にしています。品川区では、女性トイレの個室に生理用品を配置しています。誰にも言えない子どもたちが容易に生理用品にアクセスできることは理想です。保健室では、養護教員と1対1になれるとは限らず、トイレへの設置はプライバシーの保護もできます。一方で、保健室での受け渡しは相談につながる面では効果的です。いずれにしても、学校で生理用品によりアクセスしやすくする必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。

 女性の健康施策として、最後にHPVワクチンについて伺います。

 子宮頸がんの95%以上はHPVが原因であり、女性の約80%が1度はHPVに感染します。主に性交渉で感染しますが、1度でも性交経験があればHPV感染のリスクがあります。HPVワクチンは、積極的勧奨の中止により、中野区でも一時期0.2%まで接種率が下がりました。1994年から2007年生まれの女性は、HPVワクチン接種率が現状維持のままだと5,000人以上が死亡するというシミュレーションもあります。この年代の接種率が75%まで回復した場合、2,600人以上が助かるとされていますが、そこまで回復するのに途方もない時間がかかります。接種率の高い国、例えばオーストラリアでは、2028年には子宮頸がんの撲滅が予測されています。スウェーデンの全国民レジストリを用いた疫学研究では、4価HPVワクチンは実際に浸潤がんを予防し、かつ若年のうちに接種することが効果的という結論が出ています。諸外国では、HPVワクチンの有効性が証明されています。

 一方で、日本では、ルナルナが行った10代から50代の女性4,194名を対象としたアンケートで、約半数が子宮頸がんを予防するワクチンがあること自体を知らなかったという結果が出ました。積極的勧奨が中止されたことにより、HPVワクチンの存在すら知られていない現状があります。つまり、「知らないこと」が原因で死ぬ人がいるということです。厚生労働省は、10月9日及び1月26日に自治体向けに個別通知に関する通知を出しました。これを受けて、中野区では、12月5日号の区報にHPVワクチンの情報を掲載しました。昨年度は、DT2期の予防接種票を送る際にお知らせのチラシを同封。また、中学3年生の3月に案内を送付しました。これまで全く情報が届いていなかった家庭への個別通知は、おのずとHPVワクチンの接種率を押し上げることと高く評価しています。特に、対象になる直前の子たちへの通知をDT2期の予防票に同封した取組は、多くの医師からも大変評価されています。現段階では、中野区内の医療機関でHPVワクチンを受けられる場所の充実が必要です。特に小児科かかりつけ医との連携が非常に重要だと考えます。区としてどのように取り組んでいくつもりか、見解をお聞かせください。

 また、接種後に生じた副反応疑いに対して医療機関が責任を持って対応できる体制の構築は非常に重要です。富山県では、接種医療機関の医師にガイドライン「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」を周知するため、説明会を開催するなどしています。こうした取組も重要です。いずれも医師会との連携が不可欠だと考えます。区として積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、見解をお示しください。

 以上をもちまして、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 中村議員の御質問にお答えいたします。

 1点目の新型コロナウイルス感染症対策について。最初に、医療従事者等の接種状況についてでございます。

 医療従事者の接種につきましては、東京都が全体調整をしておりまして、区内の医療従事者の総数や接種率は把握をしておりません。集団接種に携わる職員や委託事業者につきましては、集団接種のキャンセルが出た場合に順次接種を進めているところでございます。

 中野消防署と野方消防署の救急隊員等につきましては、東京警察病院で接種を行っておりまして、6月の中旬までに2回目の接種を終了する見込みと聞いております。

 中野区医師会の会員につきましては、ほぼ2回目の接種を終了し、中野区歯科医師会及び中野区薬剤師会の会員につきましては、6月上旬には2回目の接種を開始すると聞いております。

 次に、高齢者の接種予約状況についてでございます。

 区の計画では、中野区医師会館及び区民活動センターでの集団接種、146医療機関での個別接種によって、7月末までには65歳以上の方が2回接種できる体制を整備しております。138か所の個別医療機関を除いた5月30日から7月15日までの区の予約システムの予約受付数は1万6,070件でございます。5月29日までに1回目の接種を終えた方と、1回目の接種予約を入れた方と併せた人数は3万3,515人となり、これは65歳以上の方のうちの47.5%となっております。

 次に、訪問診療医への接種支援についてでございます。訪問接種につきましては、数件の医療機関から担当している在宅患者に対する接種について相談がございまして、訪問接種に当たっての留意点や必要に応じてワクチン輸送のための保冷バッグを貸し出すことなどを伝えておりまして、既に一部の医療機関において実施をしております。

 訪問接種を実施する医療機関を拡大するためには、医師や看護師の移動、ワクチンの運搬などに係る費用負担の支援などが必要であると考えておりまして、早期に実施できるよう検討を進めているところでございます。

 続きまして、同一のワクチン接種に関する広報についてでございます。

 新型コロナウイルスワクチンは、同一種類のワクチンを2回接種する必要があります。国設置の大規模接種会場と区による会場での接種では異なるワクチンを使用しておりまして、接種間隔も異なるため、接種券に同封した案内や区ホームページのほか、接種会場においても広報をしております。今後も区民に向けた分かりやすい広報に努めてまいります。

 続きまして、個別医療機関の予約状況についてでございます。

 大規模接種医療機関を除く138か所の個別医療機関、いわゆるタイプ2の医療機関については、予約状況をタイムリーに把握することが難しい状況でございますが、医療機関に対して厚生労働省が運営するコロナワクチンナビに予約受付状況を登録するよう協力を求めているところでございまして、区民が個別医療機関の予約受付状況を把握できるように工夫してまいりたいと考えております。

 次に、接種率の公表と目標接種率についてでございます。

 中野区新型コロナウイルスワクチン接種実施計画では、65歳以上の方の接種率を65%、それ以外の方の接種率を50%と見込んでおります。任意接種となっているため、目標を設定するのは難しいと考えますが、区としては、接種を希望する全ての区民が接種できるよう推進をしていきたいと考えております。

 また、ワクチン接種率につきましては、毎月10日と25日を目安に区のホームページ等で公表する予定でございます。

 次に、余剰ワクチンの区職員への接種についてでございます。

 区の集団接種会場では、貴重なワクチンを有効に活用するため、ワクチンをバイアル単位で管理しながら、接種状況に応じてワクチンを解凍、希釈しておりまして、キャンセル数に5人以下の端数が出た場合のみ、区の医療従事者等に接種をしております。また、個別医療機関に対しては、予約人数をバイアル単位で管理するとともに、キャンセル待ちの方を用意するなどの取組を求めております。

 まずは高齢者などの住民接種に注力しているところでございますが、キャンセル等でワクチンに余りが出た場合には、今後の優先順位を検討してまいります。また、優先接種についても、エッセンシャルワーカーや、私を含めた区職員への接種について方針を検討してまいります。

 次に、ワクチン接種時の特別有給休暇についてでございます。

 ワクチン接種に当たっては、安心して接種できる環境を整備するため、休日や夜間の時間帯についても実施しているところでございますが、現役世代の接種開始に伴い、予約希望が集中する事態も想定し対応を検討しているところでございます。

 民間企業等に対するワクチン接種時の特別有給休暇等導入につきましては、区内経済団体に対して要望していくことを検討しております。

 次に、15歳以下への接種についてでございます。

 5月31日付の厚生労働省通知によりますと、ファイザー社製の新型コロナワクチンの接種対象を現行の16歳以上から12歳以上に引き下げることについて6月1日から適用されることになりました。詳細を確認して、速やかに準備を行い、適切に接種ができるように取り組んでまいります。

 次に、接種予約システム障害の分析と総括についてでございます。

 4月21日に起こったシステムの不具合は、区が提供したマスターデータに不備があったこと、区からの電話による指示が委託事業者内で十分に伝達できなかったことが原因でございます。区と事業者双方のデータチェック方法を見直すとともに、区と事業者間でメーリングリストを作成し、情報を共有する体制を整えました。今後は改めて今回の事故についての検証や再発防止策を踏まえ、内部統制推進会議等で協議をしてまいります。

 続きまして、新型コロナウイルスワクチン接種担当の体制についてでございます。

 新型コロナウイルスワクチン接種に当たりましては、これまでも職員体制を拡充してきたほか、コールセンターの回線数を大幅に増設することによって、区民がワクチンの接種予約を取りやすい環境の整備と併せて、担当職員に過度の負担がかからないように配慮をしてきたところでございます。

 さらに、保健所内にも電話対応を行う委託事業者を配置し、職員の負担軽減を図る予定でございます。今後も区民活動センターにおける集団接種の開始に伴って、各部からの応援体制を築くなど、時宜に応じた体制を整えてまいります。

 続きまして、新型コロナ対策に関する人的体制整備についてでございます。

 新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、これまでも各部からの応援体制や東京都からの職員派遣、民間の人材派遣の活用などによって保健所の職員に過度の負担がかからないよう配慮しているところでございます。併せて、今年度の職員配置に当たりましては、保健所に配置する保健師等の定数を増やしたほか、新たに次長を設置するなど、保健所の基礎的な体制を強化してまいりました。新型コロナウイルス感染症対策に関する業務量は、新規陽性者数に依存しているため、現在新規陽性者数に応じた人員体制の基準を定めて対応を図っておりまして、今後も必要に応じて増強します。

 次に、区政構造改革についての最初の実行プログラムの周知についてでございます。

 構造改革実行プログラムは、財政的な非常事態に対処するとともに、急速に進んでいくデジタル化への対応や、多様化・複雑化する地域課題など新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、区財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すものでございます。

 区報、ホームページにおける発信やタウンミーティングなどを通じて、構造改革の目的や取組に係る区民の理解を得てまいります。

 続きまして、実行プログラムの期間についてでございます。

 構造改革実行プログラムは、基本構想で描く「10年後に目指すまちの姿」を見据えながら、個別プログラムにおける想定する成果を目指し、おおむね3年間で集中的に取り組んでいく考えでございます。

 続きまして、構造改革推進アドバイザーについてでございます。

 構造改革は、区長を本部長とする構造改革推進本部におきまして、責任を持って推進する考えでございまして、外部の有識者である構造改革推進アドバイザーには、取組の方向性や具体的な方策などについての専門的助言を求めてまいります。アドバイザーからいただいた助言は、実行プログラムの内容の精査や取組への反映、また次年度に向けた評価、検証につなげて、より効果的な実行プログラムとしてまいります。アドバイザーの今後の役割につきましては、構造改革の取組を見定めながら検討してまいります。

 次に、行政評価制度についてでございます。

 現行の行政評価制度は、事業の効果を実績、コストから評価することによって、事業の継続、改善、統廃合等の判断を行い、次年度の予算編成につなげることを目的としております。

 今後は、行政評価と構造改革を連動させる視点を持ちながら、制度運用を適切に行ってまいります。

 次に、外部評価制度についてでございます。外部評価は、外部の専門性を有する者が当該事業を専門的見地から分析評価することとしております。外部評価における分析や評価方法につきましては、構造改革推進アドバイザーからも助言を受けたいと考えておりまして、よりよい制度運用となるよう検討してまいります。

 次に、デジタルシフトによる業務効率化についてでございます。

 これまで試行的に導入してきたRPAは、目に見える形で業務効率の効果が上がっておりまして、今後もさらなる導入を進め、より効果的、効率的な行政サービスの提供を目指してまいります。

 次に、区有地の有効活用についてでございます。

 中野駅新北口駅前エリアや中野二丁目地区再開発事業で取得する権利床につきましては、公共公益性や立地条件、保有コストなどを勘案し、民間事業者への貸付など、行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図ってまいります。

 また、商工会館跡地につきましては、PPP、民間資金やノウハウを活用した施設整備を誘導し、区の財政負担なく、産業振興を目的とした新たな施設を確保したいと考えております。

 次に、今後の職員定数についてでございます。

 今後、財政状況がさらに逼迫する中で、持続可能な区政運営を行うためには、人件費コストを抑えつつ、行政サービスの向上を図る必要があると考えております。基本計画や区有施設整備計画、区政構造改革実行プログラムの内容を見定めて、デジタルシフト等による職員定数の抑制を図りつつ、新たな行政需要を見極め、適切な職員定数を検討してまいります。

 次に、基本計画のスケジュール変更についてでございます。

 基本計画の策定スケジュールにつきましては、新型コロナウイルスの影響を踏まえた財政見通しを見込み、それに基づく計画として策定するためには、令和3年8月が最短のスケジュールでございまして、可能な限り早期に策定する考えから、8月に策定予定としておりました。しかし、第1回定例会及び区民意見交換会等において、基本計画及び区有施設整備計画素案の内容について多くの意見をいただいたことを受け、区としても改めて検討した結果、素案の内容を見直して、改めて区民意見交換会等を実施する必要があると判断したことから、10月策定に変更したところでございます。10月の策定であれば、計画の内容を令和4年度予算案にも反映することができることから、大きな支障は生じないものと考えております。

 次に、児童館の機能強化についてでございます。

 児童館は、児童福祉法に基づく施設でございます。地域の子育ての支援拠点として、健全育成を進める協働の場、活動の拠点としての役割、また遊びの体験や乳幼児親子の居場所の提供や仲間づくり活動への支援などを実施しております。今後構築する子ども版地域包括ケア体制や子育て先進区の実現に向けた取組を行うため、重要な施設であると認識をしておりまして、令和4年度より子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化していく考えでございます。

 次に、児童館の運営主体についてでございます。

 児童館は、子どもの居場所、交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守りネットワーク支援機能を強化してまいります。今後、民間活力を活用した運営も検討していきますが、これらの機能強化のためには、現時点では運営主体は区が担うべきと考えております。

 次に、児童館の柔軟な運営についてでございます。

 児童館の開館日を増やしてほしいとの要望は、中野区基本計画素案等の区民意見交換会の中でもいただいております。区民の利便性の向上のために、開館日や施設の改修等の対応について様々検討していく考えでございます。

 次に、人材育成や職員体制の構築についてでございます。

 児童館において、新たな取組を進めていくために、知識、技能の承継などを見据えた職員の集約化を図るとともに、福祉職のジョブローテーション等によって子育て支援施策全体のさらなる質の確保、向上を図っていきたいと考えております。

 職員体制につきましては、児童館の具体的な事業の内容の構築とともに、最適の体制を検討してまいります。

 次に、学童クラブ施設の内容と一時保育事業についてでございます。

 学童クラブ施設におきましては、学童クラブと乳幼児親子の居場所である子育てひろば事業を実施することを考えております。実施に当たりましては、誤解のないように広報等を行ってまいります。

 一時保育事業につきましては、現状と課題や事業の充実に向けた取組について、本定例会で報告する予定でございます。一時保育事業の課題を整理分析し、区有施設における事業の試験実施の検証も踏まえ、今後の方向性について検討を進めてまいります。

 次に、地域子ども施設の10年後の展開についてでございます。

 児童館など、地域子ども施設の配置の考え方につきましては、小中学校施設整備計画のスケジュールを踏まえ、10年後に想定される配置を本定例会で報告する区有施設整備計画改定素案の中で示す予定でございます。

 また、閉館する児童館につきましては、学童クラブへの転用のほか、未利用地活用や跡施設における子育て支援、地域交流機能の確保を検討する考えを示してまいります。

 次に、閉館後の児童館の暫定利用についてでございます。

 閉館する児童館で行われている育成活動等については、各中学校区内の他の児童館やキッズ・プラザ内で活動が継続できるよう支援を続けていく考えでございます。

 また、跡施設活用につきましては、区有施設整備のほか、地域交流、多世代交流や子ども・子育て家庭の居場所などの機能を備えた民間の児童福祉、介護、障害福祉等施設の誘致を検討しております。それまでの期間は、地域団体等への開放や、民間事業者等への貸付など、暫定的な利用を検討してまいります。

 次に、閉館となる児童館の跡地活用についてでございます。

 閉館となる児童館の跡地につきましては、暫定活用も含め、様々な行政需要に応じた利活用を検討しておりまして、個別具体の活用方策は与条件を整理しながら見定め、適宜示していく考えでございます。

 次に、女性施策についてでございます。

 女性施策の担当部署について。中野区の女性施策は、第4次中野区男女共同参画基本計画に基づき進めておりまして、企画部企画課が担当部署となっております。同課に平和人権男女共同参画係を置き、同計画の推進及び男女共同参画センターの運営を通じ、男女平等を推進するための啓発や家庭生活と社会生活との両立支援、調査研究等の役割を担っております。

 次に、女性施策の充実と庁内の連携強化についてでございます。

 区としても、子どもと女性が住みやすいまちの実現のため、女性施策の重要性を認識しているところでございまして、他区での取組等を参考に充実を図っていきたいと考えております。

 女性に関する課題は、新型コロナウイルス感染症の影響等による失業やDV、自殺件数の増加など、複雑化しております。それらの課題に柔軟かつきめ細やかに対応をするため、関係部署の連携、協力をさらに進めていく必要があると認識しておりまして、部署横断的な連携を高めるべく検討を進めてまいります。

 次に、生理用品の配布状況でございます。

 3月末から配布を始めた防災備蓄用の生理用品は、配布場所によって差はあるものの、予定数550セットのうち、5割程度の配布が完了しております。5月から包括連携協定を締結している区内の大学、短期大学に対し周知の協力を依頼し、学生向けの周知も行ったところでございます。

 次に、生理用品の継続支援と相談窓口への誘導です。

 生理用品を用意することが難しい女性に対する経済的負担の軽減だけではなく、子育て家庭の母親の健康維持やジェンダーギャップ解消の推進のためにも、生理用品配布の継続支援が必要と考えております。

 今回作成した女性のための相談の御案内チラシを活用しながら、各部署で行っている相談対応について、区のホームページやSNS等を活用して周知するだけでなく、生理用品の配布など、直接女性に対してアプローチできる機会も活用して相談につなげてまいります。

 次に、HPVワクチン接種に係る小児科のかかりつけ医との連携についてにお答えします。

 区では医師会と連携し、小児の定期予防接種等を実施する医療機関を89か所指定しておりまして、このうちHPVワクチンの接種を実施している医療機関は60か所となっております。現在、HPVワクチン接種を実施していない予防接種実施医療機関に対して、医師会を通じ協力を依頼するなど、希望する方が確実に接種できる体制を区内に整備してまいります。

 最後に、HPVワクチン接種後の対応に関わる医師会との連携についてでございます。

 接種後に症状が生じた場合は、まず接種医が相談を受け、状況に応じ、国の指定する協力医療機関を紹介することになっております。区は、これについて医師会を通じ各種医療機関に周知し、引き続き接種を希望する方が安心して接種できる体制を整備してまいります。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、生理用品の児童・生徒への配布についてお答えをいたします。

 生理用品は、原則として児童・生徒に携帯するよう指導するとともに、保健室にも常備するほか、移動教室等、校外での学習の際にも用意しております。

 現状では、必要とする児童・生徒に対し、心身の状況などに配慮しつつ、保健室において渡しているところでございます。児童・生徒の健康面や指導面など様々な観点から、各学校と相談しながら適切な対応を工夫してまいります。

○議長(内川和久) 以上で中村延子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時48分休憩

 

午後3時10分開議

○議長(内川和久) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 新型コロナウイルス感染症への対策と支援について

 2 計画的な行財政運営について

 3 教育現場でのニューノーマルについて

 4 まちづくりについて

 5 風水害の対策について

 6 ペットとの共生について

 7 その他

 

○議長(内川和久) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○35番(平山英明) 令和3年第2回定例会において、公明党議員団の立場から、2年ぶりとなりますが、一般質問をいたします。

 質問は通告どおりで、7のその他はありません。区長並びに理事者におかれては、誠実で明快な答弁をお願いいたします。

 それでは初めに、1、新型コロナウイルス感染症への対策と支援について伺います。

 先週末まちを歩き、区民の方々にお会いをすると、新型コロナワクチンについて、1回目の接種が終わった、あるいは予約ができ、接種日が決まったとの声を65歳以上の方から多く聞きました。その声や表情には安堵があり、いかにワクチン接種を待ち望んでいたかがうかがえました。

 一方で、病院で個別接種での予約の見込みも立たないと言われた方、申込み方法がよく分からず、申し込めていないとの声もまだあります。また、お体が不自由等様々な理由があり、申し込みたくても手続が行えず、声にも出せない方も大勢いらっしゃると思われます。

 我々公明党議員団は、希望する全ての区民が円滑に、そして早期に安心してワクチン接種を行えるよう、緊急要望をはじめとして、これまで幾度となく区側への申入れや協議を進めてきました。変異株の流行により、東京都をはじめ日本各地で新型コロナウイルスが猛威を振るい、政府による緊急事態宣言の新たな指定や再々延期が行われている中、今における最大の新型コロナウイルス感染症対策は速やかなワクチン接種です。

 そこで、この項の最初に、ワクチン接種について伺っていきます。

 5月21日より、接種の枠が大幅に拡大をされ、さきのまちの声にもあったように、円滑にワクチン接種が進み始めたように思われます。現時点での接種総数と、6月末、7月末時点での接種見込み数を伺います。

 また、2回目の接種を含む現時点での予約数について、区が予約を受け付ける区民活動センター、医師会館、大規模医療機関ごとに伺います。

 タイプ2に分類される直接医院とやり取りとなる個別接種の会場については、先までの予約を区としては現状把握ができる状態にないと聞きます。区の最初の接種予約受付時のトラブルや、電話がつながらないことによる不安、接種予約がなかなか取れないとの全国の自治体の様子の報道も影響してか、区の予約システムではなく、タイプ2の医療機関を希望する割合が増えているのではないかと思われます。もちろん、オンラインによる予約が困難な高齢者のほか、かかりつけ医や身近にある医療機関を初めから希望されていた方もあるかと思いますが、区の当初想定の会場ごとの接種人数のバランスが大きく変わることを懸念します。一定のバランスを維持するためにも現状把握が必要です。

 医師会や接種会場となっている医師の意見もよく聞いた上で、タイプ2の医療機関の長期の予約状況を把握できる仕組みを早急につくるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 オンラインでの予約について、我が会派の要望を踏まえ、昨日から15か所の区民活動センターでの予約代行が始まりました。短い期間で試行錯誤しながら体制をつくってくださった担当者の皆様には心から感謝を申し上げます。決定から実施までの期間が短かったため、告知に、まだ接種予約を行っていない70歳以上の要介護者への電話連絡が行われることも高く評価をいたします。

 次なる課題は、区民活動センターに赴くことができないような方々へのサポートです。高齢者や障害者で、自らの申請が困難な方に対し、アウトリーチ等を活用したサポート体制を構築することを区長に対し要望いたしましたが、どのように実施されるつもりなのか、開始時期も含めてお伺いいたします。

 同じく、接種会場に赴くことができない方々への対応も求められます。5月11日に区長に対し、接種会場までの移動が困難な方のために、医師会や現場の医師と協議をさらに進め、希望する全ての方の訪問接種が可能となる体制を早急に構築することを要望し、その3日後の5月14日に示したワクチン接種実施計画には、「訪問型のワクチン接種を実施」と表記していただきました。既に実施をしている医療機関もあると聞きますが、まだ全区的な展開には至っておりません。

 我々も先日、改めて我が党の国会議員に、自治体で行う訪問接種についての課題解決と具体的な支援を求めましたが、その際、近く国でも検討が始まるという話を聞きました。移動の困難等の理由により、現在の接種方法では活路が見いだせない不安を抱えた方々に対し、一刻も早く全区的な訪問接種体制を構築するために、医師会や現場の医師との協議を早急に進め、接種日、開始日を具体的に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。伺います。

 今回のワクチン接種対象は、昨日の報道で12歳からと決定をしたところでございますが、対象外の子どもたちがウイルス拡散の媒体とならないわけではありません。当区では、6月28日から65歳未満16歳以上の方々の接種が始まりますが、多くの方々が接種を終えるには、一定の期間を要します。その間、子どもたちが日常に集まる保育園や幼稚園、小学校や中学校での感染拡大が懸念をされます。現在、区では、キャンセルワクチンを無駄にすることがないように、接種当日キャンセルが発生した場合は区職員への接種を行うこととしています。国が設置した大規模接種会場を活用される方で、事前に予約を入れていた自治体の分をキャンセルしたいが、電話がつながりにくく、キャンセル処理がされない場合があるとも聞きます。今後、キャンセルワクチンが増えることも予想されます。対象者に対し、改めてキャンセルの場合の早めの処理をお願いするとともに、キャンセルワクチンを保育士や幼稚園教諭、小・中学校の教職員への活用を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 広報についても伺います。

 ワクチン接種における広報について、デジタルデバイドによる情報格差が鮮明になりました。デジタル端末自体を所有していない、端末の操作が苦手、あるいはできないことによって、サービスの格差がワクチン接種予約等で生じていますが、それ以前に、このような危機の際に、区が緊急に発する情報がSNSやホームページなどに力点が置かれ、高齢者や障害者に届きにくいことを改めて痛感をしています。また、全戸配布されている区報も、全員が丁寧に目を通しているわけではないことも再認識されました。

 さきに述べた第1回目のワクチン接種予約のトラブルの際、区はSNSやホームページで緊急の情報を流しましたが、対象は75歳以上の高齢者であり、適切な初動であったとは言い難いと思います。我々公明党議員団の下には、多くの悲痛な声が寄せられ、翌日には区長に対し、事態の重さを鑑み、速やかに謝罪会見を区長が行い、説明責任を果たすこと、接種券を発送した全ての対象者に対し、混乱を招いたおわびと、接種券の情報不足を補うための詳細な受付方法やスケジュールなど、最新情報の案内を早急に個別送付することなどを申し入れました。確実に対象者の目に届くようにとの個別送付については、速やかに対応いただきましたが、区長の謝罪は会見ではなく、動画配信の形が取られ、おわびすべき75歳以上の高齢者に届いたか否かは疑問です。

 その後は、対象を強く意識した情報伝達の手段、手法を取り始められていますが、改めて危機管理下における広報の在り方を再検討する必要があります。ワクチン接種についての広報に当たっては、一人ひとりに確実に必要な情報が届くことを目的とした広報の在り方の見直しを早急に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、今後、緊急時、災害時において、全庁の情報発信を広報が管理し、迅速に適切な情報発信ができる体制づくりを行い、区の計画に反映すべきと考えます。御見解を伺います。

 危機管理体制についても伺います。

 今回の緊急事態宣言発出と延長に当たり、それぞれ区の方針を決定する危機管理対策会議が開催されました。議会側からは事務局長が出席したため、一連の報告を受けましたが、内容は次のとおりでした。

 4月23日、金曜日、緊急事態宣言発出の際は、都の緊急事態措置の発表を待つことなく開催をされ、区の対策については、対応については、それまで続いていたまん延防止等重点措置の内容を参考とすることが確認をされ、次回の会議は4月26日、週明け月曜日とされていました。

 しかし、4月23日の夜、都の示した措置がまん延防止等重点措置よりはるかに厳しかったこともあってか、急遽、翌日の4月25日、土曜日に同会議が開かれました。

 緊急事態宣言が延長となった5月7日、金曜日は、会議が開かれず、翌8日に都の新たな措置が示されたにもかかわらず、週明け5月10日、月曜日に同会議が開かれ、区の新たな対応が決定をしています。国の発表が週末金曜日に続いたこともありますが、一連の区の対応を見て、危機管理意識に不安を覚えます。

 5月7日の緊急事態宣言延長を受けての危機管理対策会議が週明け月曜日と、3日後の開催となったのはどのような理由でしょうか。緊急事態宣言発出後の対応を振り返れば、翌8日、土曜日の開催を行うべきであったのではないでしょうか。伺います。

 仮に、出席者が集まることの調整が難しかったとすれば、オンラインでの開催の検討はされなかったのでしょうか。5月13日の総務委員会では、「業務用チャット(LINE WORKS)を活用した災害時の情報連絡態勢等について」の報告がなされ、昨年度の試行を経て、本年4月から本格実施されていることになっています。議会でも導入していますが、LINE WORKSでのビデオ会議も可能なはずです。週末の危機管理対策会議について、LINE WORKSを含むオンラインでの開催は検討されなかったのでしょうか。検討したのであれば、実施をされなかった理由も伺います。

 コロナ禍での生活支援等、地域経済振興について伺います。

 都は、令和3年度補正予算で、東京都生活応援事業として、キャッシュレス決済によるポイント還元やプレミアム付き商品券事業を区市町村が実施する場合の補助制度を創設しました。さきの第1回定例会で、我が会派の白井議員が、この時点では詳細がまだ未定でしたが、区としての実施を求めました。先ほど上程された補正予算に同事業が盛り込まれているようですので、事前審査とならない範囲で1点だけお伺いをいたします。

 都の制度では、原則デジタルで実施ですが、都議会公明党の申入れを受けて、高齢者等への配慮から、紙の商品券事業も加えられています。コロナワクチン接種の手続から、デジタルになじまない高齢者などが疎外感を感じています。キャッシュレス決済によるポイント還元だけでは、高齢者をはじめ利用ができない方が一定数存在することとなり、利用ができない方々への具体的な配慮が欠かせません。近隣区では、高齢者や地元商店街等への配慮から、紙と併用が多いと聞きます。

 そこで伺います。区で実施する場合、希望する多くの区民が利用できる事業とすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 キャッシュレス決済によるポイント還元を行う場合であっても、高齢者をはじめ、利用ができない方々に配慮した、紙の活用も含む区独自の対応策を併せて検討すべきと考えます。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、計画的な行財政運営について伺います。

 持続可能な自治体であるためには、効率的で、かつ計画的な行財政運営が求められます。現在当区では、新しい基本構想が定まり、その実現に向けた基本計画と区有施設整備計画を策定中です。両計画の策定に当たっては、実現可能性を担保するための財政計画がセットとなることが必須ですが、コロナ禍により大幅な歳入減が見込まれることから、行財政の構造的な改革を集中的に進め、計画を下支えする中野区構造改革実行プログラムを同時並行で策定するとしています。

 同プログラムは、財政的非常事態への対処と新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るためのものとされています。本来であれば、先に改革を実行し、基盤をつくり上げた上で新しい基本構想を描き、基本計画をつくるべきであると考えますが、計画を進めながら、同時に改革を行い、改革によって計画を変更するとしていることから、今後計画的な行財政運営が行われるのかどうか、甚だ疑問です。

 そこでまず、検討案の段階の中野区構造改革実行プログラムについて、具体的な中身については委員会で伺っていきますが、大枠について質問をいたします。

 改革である限り、目指すべき具体的な成果が事前に示されなくてはなりません。同プログラムは、財政的非常事態への対処と新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図ることを目的としていますが、目的実現のための具体的成果指標をまず決めて、実現に向けた手法の検討とならなければ本末転倒となってしまいます。示された目的は、どのような形をもって実現とされるのか、具体的な成果指標をお示しいただけるのでしょうか。基本指標は、具体的な成果指標に当たるのでしょうか。お伺いをいたします。

 目的の大きな一つが、財政的非常事態への対処であれば、当然構造改革による財政効果の想定も指標として示していただけるのでしょうか。伺います。

 併せて、構造改革を実行した場合の新たな10年間の財政フレームもお示しいただけるのでしょうか。お伺いをいたします。

 個別プログラムを見ると、10年~20年後には、図書館機能が3~5館程度に集約されているなど、区民生活に大きく影響を及ぼす可能性があるものも散見をされます。同プログラムについて、区民意見の聴取は行われないのでしょうか。お伺いをいたします。

 新たに示された(仮称)中野区構造改革推進アドバイザー会議については、唐突感は否めません。アドバイザーは、施策、施設、組織の再編に識見を有する者を5名以内とありますが、総務委員会では、さらに具体的に戦略ⅠからⅤ、それぞれの分野の専門家で考えると答弁をされています。それぞれの分野の専門家からそれぞれ意見や助言をもらうだけではなく、会議体とされる理由は何なのでしょうか。お伺いをいたします。

 また、この会議体は条例に基づくものなのか、それとも要綱に基づくものなのか、どちらなのかを伺います。

 併せて、どちらかを選択したその理由についてもお伺いをいたします。

 そもそもの補正予算での対応にも疑念がありますが、補正予算として、既に上程をされているので、そこは委員会でお伺いをするとし、補正予算そのものの考え方について確認をいたします。

 当初予算と補正予算、この違いを伺います。また、補正予算として認められる範囲について、具体的な区の見解も併せてお答えください。

 次に、中野区基本計画と中野区区有施設整備計画について伺います。

 同じく5月13日の総務委員会で、同計画の策定が令和3年8月から10月に遅れることが報告をされました。理由は、どちらも議会の意見及び意見交換会における区民の意見等を踏まえてとしています。それぞれに改定素案において検討する主な内容が示されていますが、同じく報告されている区民からの主な意見の概要には、基本計画ではSDGsのことが寄せられているものの、ほかは見当たらず、施設整備計画に至っては、見た限りはないように思えます。改定素案において検討する主な内容のうち、区民からの意見を踏まえたものと議会からの意見を踏まえたものをそれぞれお伺いをいたします。

 区民の意見のみならず、議会の意見も真摯に受け止めていただくことは大変ありがたいことではありますが、第1回定例会に先立ち、過去の議会でも同様のことを指摘し続けており、なぜに急にこのタイミングでスケジュールを遅らせてまで受け止められたのか、疑問でなりません。「遊び心あふれる文化芸術」の趣旨に関する記載とありますが、これでは基本計画の文言が自ら不十分と認められているように思われ、また、生物多様性の保全については、その必要性は否定はしませんが、わざわざスケジュールを遅らせてまで盛り込まなくてはならないものか、理解に苦しみます。これまでに素案で受けた意見に対し、スケジュールを変えた事例はあったのでしょうか、伺います。

 第1回定例会では、基本構想の議決が行われ、我々はもう少し十分な審議を求め、継続審査を要求しましたが、継続審査に付すことは否決され、基本構想は可決をされました。その際、基本構想の遅れは、基本計画の遅れにもつながり、区民生活に影響を及ぼすと主張された会派もあり、一連の議論で、区も同じ認識であると受け取っていました。基本計画の遅れによる区民生活への影響はどのようなものがあるのでしょうか。また、影響があるのであれば、その影響を踏まえてまでもスケジュールを遅らせる理由は何なのでしょうか。お伺いをいたします。

 構造改革と基本計画の関係についても伺います。

 構造改革実行プログラムは、遅れることなく8月に策定となります。構造改革の個別プログラムには、新しい基本計画を前提にした記載が見受けられ、策定前の基本計画を前提としたものが先に出来上がることとなります。このままのスケジュールで矛盾はないとお考えでしょうか。お伺いをいたします。

 また、基本計画を進めながら、同時に最初の3か年で構造改革を進める、現在の区の考えでは、策定しようとしている基本計画は構造改革がなされる前のものであり、そこで示されている財政フレームも財政的非常事態を脱していないものとなります。策定後、すぐに改革に着手しなければならないような計画が、果たして区の基本計画としてふさわしいとお考えなのでしょうか。お伺いをいたします。

 この項の最後に、区の情報化推進のその後について伺います。

 さきの予算特別委員会で耳を疑う発言がありました。それは、区が調達ガイドラインで定める手続を行わずに進めていたテレワークの構築の質疑の際に、まず行うべきは自らが定めたガイドラインの遵守に努めるべきであるはずのところを、調達ガイドライン自体を見直すと発言されました。

 改めてお伺いをいたします。さきの発言どおり、調達ガイドラインの見直しを行われるのでしょうか。お伺いをいたします。

 テレワークについては、再構築を目指されていることが報告をされており、環境整備にはもう少し時間がかかることとなりますが、オンライン会議の環境はどうなのでしょうか。テレワークによらずとも、まずはオンラインでも会議が可能となれば、在宅勤務の幅は広がります。オンライン会議の環境整備について、現在の状況を伺います。

 また、管理職以上の職員及び特別職については、自宅でのオンライン会議が可能な環境は整っているのでしょうか。お伺いをいたします。

 新庁舎移転もあり、これから5年間は区の情報化推進を早急に進めていく必要がありますが、現在の体制では人員不足と思われます。さらに、今後は情報システムの部署のみならず、様々な部署にITスキルを持った人材が必要とされます。今後5年間は、集中的にIT人材の育成を行うとともに、期間限定の外部人材の確保を行うべきではないでしょうか。お伺いをいたします。

 これからの区政の根幹を定める重要な計画づくりが度々のスケジュールの遅れや新たな要素の追加など、慎重というよりは行き当たりばったり感が否めません。改めて明解な答弁を求めて、次の質問に移ります。

 次に、教育現場でのニューノーマルについて伺います。

 コロナ禍により、GIGAスクール構想が前倒しで進められています。教育現場においては、目まぐるしい変化への対応に苦慮されていることとも思います。ハード面については、一定の目途がついたかに見えますが、問題はソフト面、特に人に関わる問題を早急に進めていく必要があります。

 今年4月、中野区教育の情報化推進計画が策定をされました。この計画の実効性についても、人材の育成と人的資源の確保、そして組織体制の構築がかぎを握ることとなります。計画には、専門部署の設立とありますが、現在の教育委員会のみで専門部署の設立は本当に可能なのか、不安があります。

 そこで伺います。専門部署の設立のスケジュール等、具体的な体制は決まっているのでしょうか。決まっていれば内容についても伺います。

 設立に当たっては、区長部局側からの人の配置や外部人材の登用の場合のための予算措置など、具体的な調整が必要ではないでしょうか。調整は行われているのか、お伺いをいたします。

 ICT支援員とICT教育推進リーダーについても伺います。

 昨年、ICT支援員を務めていた方々から、他の支援員との連携を行えないため、大変苦慮をされているという話を伺いました。今回は教員の中からICT教育推進リーダーが選出され、相互に連携を図ることとなっていますが、現在のGIGAスクール構想推進に当たって、各校の水準の違いを防ぎ、また全区的に情報を共有し、水準の向上を図るべきと考えます。そのためには、単に支援員と教育推進リーダーの連携のみではなく、教育委員会を中心とした組織化が必要ではないでしょうか。もちろん、教育委員会には正式に専門部署が立ち上がり、そこが統括する組織であるべきです。御見解を伺います。

 働き方改革にも直結する教員のリモートワーク体制の整備はどうなっているのでしょうか。同計画では、働き方改革について、ICTの活用の表記はありますが、具体的な記述がありません。まずは、区長部局が進めているテレワークと同様に、自宅や外出先から校内のサーバーにアクセスでき、業務が進められる体制の構築が急がれます。教員のリモートワーク、テレワークの体制について、現在の考え方をお伺いいたします。

 教員の研修体制についても伺います。

 予備校や塾をはじめとする民間教育機関の映像や遠隔教育についてのノウハウは、これから始めようとする公教育と比べ、20年以上先を行っています。GIGAスクール構想のソフト面の強化と人材育成のためには、民間で蓄積されたノウハウを中野の公教育に生かしていくべきと考えます。

 まずは、民間教育機関との協定を結ぶなど、民間ノウハウの公教育への活用を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、修学旅行等、学校行事の在り方について伺います。

 昨年度はコロナ禍の影響により、ほとんどの児童・生徒が修学旅行やスキー合宿、移動教室に行くことができず、寂しい思いをいたしました。運動会や発表会などは昨年度から工夫を凝らす学校が出始め、今年度はさらに充実をしているようですが、しかし、移動を伴う行事については、いまだ新しい形態が見えていないように感じており、特に最終学年の移動行事については、何らかの形で実施をさせたいと思うばかりです。コロナ禍で2度目を迎える移動行事について、今年度どのような新たな対策を取られるのでしょうか。具体的にお答えください。

 行事の種類にもよりますが、例えば行事の実施期間をあらかじめ二つか三つに分けて設定し、そのうちのいずれかで実施ができるよう工夫をされてはいかがでしょうか。教員の負担も想定をされますので、可能な限り民間事業者に任せるなど、実施の可能性を広げていただきたいと思いますが、御見解を伺います。

 追加の予算が発生することとなっても、児童・生徒にとってかけがえのない思い出を優先していただきたいということを望みまして、この項の質問を終わります。

 次に、まちづくりについて伺います。

 補助第227号線沿道のまちづくりについて、これまで様々行ってきた私自身の質問の確認の意味も込めてお伺いをしていきます。

 まずは、今後整備を行う川北橋より北側、若宮、鷺宮側について伺います。

 さきの定例会で、若宮一丁目にある日本銀行の洗心寮跡地の取得を議決いたしました。予算ですね。取得に向けての今後の具体的なスケジュールをまずお伺いをいたします。

 補助第227号線、大和町側の整備は、種地となる場所がない道路拡張であるため、沿道の住民は、場合によっては住み慣れたまちから離れなければならない選択が迫られます。特に高齢者は、長く住み慣れた地域を離れ、新しい場所での新たな生活に対する抵抗が大きく、この場所を離れたくないとの声を幾人もの方からお聞きをいたしました。また、土地を提供した収入を新しい住宅の建設資金に充てる方もいる中で、高齢だから、今から住宅ローンを組むのではなく、賃貸で過ごしたいとの声もありました。

 取得後の洗心寮跡地は、若宮、鷺宮側の将来的なまちづくりに生かす方針と聞きます。以前も同様の質問をしておりますが、大和町側拡幅で上がった声を踏まえ、同敷地内に民間活力による高齢者賃貸住宅の確保を行うべきと考えます。御見解を伺います。

 若宮、大和町地域は、区内の中でも公共交通機関へのアクセスが悪い地域であり、区は今年度、同地域内での新しい交通システムの実証実験を行う予定でした。しかし、昨年の年初から始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今年度の歳入も大きく落ち込むことが予想されることから、同実験の今年度の実施を見送ったところです。来年度以降、再び実施に向けた予算確保を行っていただけるよう、強く求めます。

 大和町側の補助第227号線は、計画が5年延伸され、4年後には道路整備が終わり、16メートルに広がった新しい道路が完成する予定となっています。道路が広がればバスが通れないのかと、地元の声はありますが、川向こうの道路整備が完成しない限り、若宮、鷺宮側は狭い道路のままですので、新たなバス路線となるのは困難です。

 若宮、鷺宮側の拡張は、少なくとも10年から15年以上の期間を要します。その間、暫定的にでも、若宮、大和町地域の交通アクセスの課題を解消する取組を行うべきと考えます。さきの新しい交通システムとともに、既存の公共交通の活用を踏まえて、まちづくり用地としての活用が始まるまでの間、洗心寮の跡地を地域交通の拠点として暫定利用を検討してはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 大和町側についても伺います。

 沿道にある二つの商店街の店舗は、用地取得とともに、1軒1軒その姿を消し、もはや商店街としての機能は失われ、整備完成後には、沿道には数えるほどの店舗が残るかどうかとなっています。都による拡張事業をスタートするときから、地域住民のために何らかの形で商店街機能を残せるよう求め、区も同様の認識を示していましたが、今日に至るまで、区から具体策は示されていないままです。商店街の持つ買物機能と地域コミュニティ機能を維持するために、以前、拡張の残地を活用して、移動販売によるマルシェを可能とするための電源や水道のインフラ整備と、休憩や懇談のためのベンチの設置を求めました。改めて、今もその必要性を痛感しています。その後、庁内で検討はいただけたでしょうか。実現を求めますが、御見解を伺います。

 商店街の店舗が減っていく中で、かつてのにぎわいの姿を歴史として残したいとの声も上がっております。地域の皆さんと相談をし、区有地の一角に大和町中央通りの歴史を伝えるモニュメントのようなものの設置を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 拡幅事業が延伸されたことを知らない地域住民も多く、特に土地を提供した方から、いつになったら完成するのかと聞かれることもあります。現在は虫食いのような状態のままで、多くの住民は完成後のまちの姿を想像できていません。都と相談をし、早い時期に拡幅後の新しい道路とまちの姿の完成イメージ図を沿道に設置をしてはいかがでしょうか。協力をしてくださったまちの皆さんの希望にもつながります。

 以上伺って、この項の質問を終わります。

 次に、風水害の対策について伺います。

 国は、分かりにくいとされていた避難勧告と避難指示を、避難指示に一本化するなど、災害対策基本法改正を行い、5月より施行されています。また、これまで各地で甚大な被害を及ぼしてきた線状降水帯の予測を、今夏から顕著な大雨に関する情報として発表し、10年後を目指し、予測の精度を上げていくとしているなど、近年増加している風水害による日本各地の被害に対し、住民を守るための様々な動きが加速をしています。

 東京都も、神田川・環状七号線地下調節池を整備中の白子川地下調節池とつなぐ工事を令和7年度完成を目指し開始をしています。この事業が完成をすれば、中野区の治水効果も大幅に上がることが予想をされます。

 そこで伺います。環状七号線地下調節池延伸の中野区への効果はどの程度あるのでしょうか。お伺いをいたします。

 今年も風水害による被害を警戒しなくてはならない時期となりました。一昨年は台風19号が区内を襲い、多くの方が一時避難をされていました。このときの区内の被害と避難の状況についてお伺いをいたします。

 区は昨年6月、避難所における新型コロナウイルス感染症への対応方針を定め、風水害においては、区民活動センターに加え、学校及びすこやか福祉センターを災害初期から開設することにより、密を防ぐ対策としてきました。しかし、改めて区のホームページ等を見ても、コロナ禍における風水害災害の避難についての記載はどこにも見当たらず、まずは一時避難所である区民活動センターへ避難するように見えます。コロナ対応が昨年以来続いているのですから、コロナ対策に応じた分かりやすい周知を行うべきです。コロナ禍での風水害時においての避難場所や区民の行動について一目で分かる周知を速やかに行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、改定中の地域防災計画での検討はどのようになっているでしょうか。感染拡大下における風水害時の対応は明記されるのでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、ペットとの共生について伺います。

 平和の森公園の再整備の際、これまであったドッグランもリニューアルされました。新しくきれいなドッグランに当初は利用者も喜んでおりましたが、雨の後の水たまりの水はけの悪さに、今では苦情のほうがよく聞かれます。リニューアルからこれまでの間、区にはどのような声が届けられ、どのような対応を取られてきたのか、お伺いをいたします。

 今は区内に1か所しかないドッグランです。ペットとともに来園された方が不快な思いをして帰られることがないように、場所の見直しも含め、抜本的な改善が必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 広い公園の少ない中野区ではありますが、現在ほとんどの公園がペットとの同行入園が不可となっているなど、決してペットに優しい区とは言えません。ドッグランももう少し増やしてほしいところです。現在、四季の森公園がある囲町は、御存じのとおり、徳川綱吉の時代に犬屋敷があった場所です。現在、セントラルパーク内は犬と同行することが可能となっており、リードを持った多くの飼い主と犬を見かけます。ペット同伴可の飲食店も存在をし、全国に知れ渡る犬の聖地とも言えるこのエリアで、リードを外して犬が自由に遊び回れるドッグランが設置されれば話題を呼ぶと思われます。常設が難しければ、曜日を限定した設置も検討してはいかがでしょうか。

 四季の森エリアの奥にある囲町公園は、ふだんはゲートボールの場として活用されていますが、日曜、祝日は利用をされておりません。囲町公園に、日曜、祝日限定で、柵を設けたドッグランを開設してはいかがでしょうか。公園利用者の理解も得ながら、実施の検討を求めます。お伺いをいたします。

 策定中の公園再整備計画でのペットの位置付けについてはどのように検討をされているでしょうか。少なくとも区内4圏域に1か所ずつドッグランを設置したペットの同伴可の公園整備を行うべきと考えます。御見解を伺います。

 災害時のペットの同行避難については、獣医師会の協力も得て前進が図られております。しかし、その取組が対象者にはあまり伝わっていないようです。災害時のペットとの避難等について、新宿区や世田谷区などは、独自にマニュアルを作成し、飼い主に事前に対策を理解していただくよう取り組んでいます。当区も、災害時のペットとの避難等のマニュアルを作成し、周知を行ってはいかがでしょうか。

 以上、お伺いをいたしまして、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 平山議員の御質問にお答えいたします。

 まず1点目に、新型コロナウイルス感染症への対策と支援についてでございます。

 接種実績、接種見込数についての御質問です。

 区民の接種実績といたしましては、自衛隊の大規模接種センターも含めて、ワクチン接種記録システム、VRSで把握しておりまして、5月29日までで1回目1万7,455件、2回目608件でございました。区の新型コロナウイルスワクチン接種実施計画では、医師会館と区民活動センターでの集団接種、各医療機関での個別接種を合わせて、6月末時点で9万2,500回、7月末時点で17万1,280回の接種を見込んでいるところでございます。

 続きまして、予約数の状況についてでございます。

 区の予約システムでは、現在、7月15日までの予約受付を行っております。5月29日現在、中野区医師会館では4,770件の予約を受付済みでございます。区民活動センターは、毎日3か所ずつの巡回となりまして、合計で1万1,624件の予約を、大規模医療機関は8施設の合計で7,545件の予約を受付済みでございます。

 続きまして、医療機関、タイプ2の予約状況についてでございます。

 大規模接種医療機関を除く138か所の個別医療機関、いわゆるタイプ2の医療機関につきましては、予約状況をタイムリーに把握することが現在難しい現状でございます。医療機関に対して厚生労働省が運営するコロナワクチンナビに予約受付状況を登録するよう協力を求めておりまして、区民が個別医療機関の予約受付状況を把握できるよう、さらに工夫をしてまいりたいと考えております。

 続きまして、予約申請が困難な方へのサポートについてでございます。

 区民活動センターにお越しになれない方などにつきましては、個別勧奨等を通じてニーズを把握した上で、その方の生活状況に適した対応方法を検討し、速やかに全庁的な取組を実施してまいりたいと考えております。

 続きまして、訪問接種についてでございます。

 訪問の接種につきましては、数件の医療機関から、担当している在宅患者に対する接種について相談がありまして、訪問接種に当たっての留意点や必要に応じてワクチン輸送のための保冷バッグを貸し出すことなどを伝えておりまして、既に一部の医療機関において実施をしております。訪問接種を実施する医療機関を拡大するためには、医師や看護師の移動、ワクチンの運搬などに係る費用負担の支援などが必要であると考えております。現時点では、具体的日程までお示しできませんが、対象者数の把握や区医師会等との協議を行い、早期に実施できるよう検討を進めてまいります。

 次に、キャンセル対応についてでございます。

 区の集団接種会場では、貴重なワクチンを有効に活用するため、ワクチンをバイアル単位で管理しながら、接種状況に応じてワクチンを解凍、希釈しておりまして、キャンセル数に5人以下の端数が出た場合にのみ、区の医療従事者等に接種をしているところでございます。

 また、個別医療機関に対しましては、予約人数をバイアル単位で管理するとともに、キャンセル待ちの方を用意するなどの取組を求めているところでございます。

 まずは高齢者などの住民接種に注力しているところでございますが、キャンセル等でワクチンに余りが出た場合には、エッセンシャルワーカーへの接種についても検討してまいります。

 また、大規模接種センターとの二重予約を含めたキャンセル待ちの手続についても、早期に対応していただくよう、引き続き周知を図ってまいります。

 ワクチン接種の広報についてでございます。

 日頃から区は、情報の受け手を意識し、対象を踏まえた情報発信に努めているところでございますが、ワクチン接種に関しましては、特にデジタルツールを利用しない方へ、予約や接種会場などの情報を分かりやすく、かつ確実に伝えることの難しさを実感しているところでございます。ワクチン接種の対象別にチラシを作成し、区報に織り込むとともに、区内スーパーなどで配布するなど工夫をしているところでございますが、ジェイコム東京の番組を通じた周知や、支援が必要な方へ区職員が直接電話するなど、様々な方法を組み合わせて、さらに工夫をして情報発信をしてまいりたいと考えております。

 次に、危機時の広報の統括についてでございます。

 現在も新型コロナウイルス感染症をはじめとした危機時においては、担当部署と防災危機管理課、広聴広報課が連携をして情報を発信しているところでございます。今後も、感染症をはじめ風水害や地震災害など様々な危機が想定されることから、危機時における広報について広聴広報課がさらに担当課を支援するとともに、全体を統括するように努めてまいりたいと考えております。また、危機管理ガイドラインなどによって明確に位置付けることも検討してまいります。

 次に、緊急事態宣言に伴う危機管理等対策会議についての御質問でございます。

 4月23日に緊急事態宣言が発令された際には、緊急事態宣言を踏まえた東京都における緊急事態措置の適用は4月25日からでございまして、かつ、従前のまん延防止等重点措置から大幅な変更を要する措置内容であったことから、翌土曜日、24日に危機管理等対策会議を開催し、対応を協議したところでございます。

 5月7日の宣言延長の際は、東京都における緊急事態措置の適用開始日が翌週12日の水曜日からであったこと、また変更内容に大幅な変更がないものと想定をしていたことなどから、10日、月曜日に危機管理等対策会議を開催し、対応を協議したものでございまして、8日の開催は要しないと判断したところでございます。今後も必要に応じて会議を開催し、適切に対応してまいります。

 続きまして、LINE WORKSの活用についてでございます。

 5月7日の緊急事態宣言延長の対応につきましては、検討や対応の方法などについて事前に協議、調整をしていたため、翌8日、土曜日にオンラインを含む会議の開催は要しなかったところでございます。今後、必要に応じて、LINE WORKSも十分活用してまいります。

 次に、東京都生活応援事業の実施に当たっての区独自の配慮についての御質問です。

 都の補助事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新しい日常における生活応援を図るとともに、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向け、キャッシュレスによるポイント還元などの取組を行う市町村を支援するとしているところでございます。区としては、高齢者等でキャッシュレス決済の利用は難しいと感じている方につきましても、これを機にお使いいただきたいと考えておりまして、そのためにきめ細やかな説明会の開催や商店街での動画放映など、丁寧な対応を行っていく予定でございます。そのほか区独自の対応策につきましては、今後の状況を勘案しながら様々な可能性について引き続き検討してまいりたいと考えております。

 次に、計画的な行財政運営についての項で、構造改革の成果指標についてでございます。

 本定例会において示す構造改革実行プログラム案では、取組の成果を図るため、行財政運営に係る視点に基づく基本仕様と目標を設定しております。発展性、弾力性の観点から、経常収支比率、持続可能性の視点から基金積立額、効率性、生産性の視点から職員の総労働時間など六つの基本指標を設定し、それぞれの目標を目指して取り組んでいく考えでございます。

 次に、構造改革による財政効果の想定についてでございます。

 財政的な非常事態に対処する観点から、予算編成におきましては、歳出の一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模に近づけるよう努めていく考えでございます。

 一方、実行プログラムでは、個別プログラムそれぞれに設定している、想定する成果を目指すものとして、六つの基本指標及び目標によって統制を図ってまいります。

 次に、構造改革を実行した場合の行政フレームへの影響についてでございます。

 構造改革における短期的な取組につきましては、令和3年度予算に反映されております。実行プログラムでは、中長期的な取組として実行していくため、直ちに財政フレームに影響のあるものとは考えておりませんが、実行プログラムの検証や計画の改定などのタイミングで整合性を図ってまいります。

 構造改革実行プログラムに対する区民意見の聴取についてでございます。

 構造改革実行プログラムは、原則として意見交換会及びパブリック・コメント手続を経る計画等には当たらないと判断しておりますが、区報、ホームページにおける意見募集や区民と区長のタウンミーティングのテーマとして意見を聴取していく予定でございます。また、個別プログラムでは、在り方検討や取組の過程において個々に意見を聞いていきたいと考えております。

 続きまして、アドバイザー会議の位置付けについてでございます。

 構造改革推進アドバイザーからは、戦略それぞれの専門的助言をいただくのが目的でございますが、それに加えて、構造改革全般や行政評価制度に対する意見も伺う考えでございまして、アドバイザー会議の設置により、相互の活発な意見交換を期待しております。

 アドバイザー会議は、審議会のような合議制の会議体ではなく、条例に寄らず、その会議体の役割に応じた位置付けとする考えでございまして、より適切な会議形態としてまいります。

 次に、補正予算の考え方についてでございます。

 当初予算は、会計年度開始前に調整し、議会の議決を経て成立した予算でございまして、1会計年度における行政活動の方向を財政的な側面から示しており、全ての収入と支出を計上しております。また、補正予算につきましては、予算の調整後に生じた理由に基づいて、既定の予算に追加、その他の変更を加える必要が生じたときに調整する予算でございます。補正予算として認められるのは、予算の調整後に発生した災害時への対応、政策の変更、事業執行方法等の変更、制度改正等により予算の変更の必要が生じた場合であると認識しております。

 次に、改定素案における議会意見と区民意見についての御質問ございます。

 5月13日の総務委員会で報告した改定素案において検討する主な内容に記載した事項は、基本計画については、SDGsに関する意見は議会及び区民から意見があり、それ以外は議会からの意見でございます。

 また、区有施設整備計画のうち、児童館の配置に係る小・中学校施設整備計画のスケジュールとの整合につきましては、議会の意見、生活援護機能や子育て支援機能などについては、議会に加えて、区民からも意見があったものでございます。

 区民意見につきましては、当該報告の時点では取りまとめ中でありましたが、本定例会において意見に対する区の考え方を整理した上で、改定素案として報告する予定でございます。

 素案への意見で、スケジュールを変更した計画があったかどうかというお尋ねでございます。

 これまでに素案に対する意見等を踏まえ、区としてスケジュールを変更した計画としては、新しい中野をつくる10か年計画の当初計画と第3次が挙げられます。

 次に、スケジュール変更の区民生活への影響についてでございます。

 基本計画及び区有施設整備計画の策定スケジュールにおきましては、新型コロナウイルスの影響を踏まえた財政見通しを見込み、それに基づく計画として策定するためには、令和3年8月が最短のスケジュールでございまして、可能な限り早期に策定する考えから、8月に策定予定としておりました。しかし、第1回定例会及び区民意見交換会等において、基本計画及び区有施設整備計画素案の内容について多くの意見をいただいたことを受けまして、区として改めて検討した結果、素案の内容を見直し、改めて区民意見交換会等を実施する必要があると判断したことから、10月策定に変更したところでございます。10月の策定であれば、計画の内容を令和4年度予算案に反映することができることから、大きな支障は生じないものと考えております。

 続きまして、構造改革実行プログラムの策定スケジュールについてでございます。

 構造改革実行プログラムは、現在、あるいは今後、区政課題となるものについての検討方策を取りまとめたものでございまして、スピード感を持って取り組むべきものと認識をしております。基本計画と区有施設整備計画は同時に策定いたしますが、検討方策である実行プログラムはそれに先んじて策定しても矛盾はないと考えております。

 次に、策定後に改革に着手する基本計画についての御質問です。

 基本計画は基本構想で目指すまちの姿を実現するための政策、施策について計画化するものでございます。基本計画における各取組については、財政フレームの範囲内で工夫しながら事業展開していく考えでございますが、構造改革に取り組むことで各取組を下支えし、より効果を高めていきたいと考えております。

 続きまして、調達ガイドラインの見直しについての御質問です。

 今回予定している調達ガイドラインの見直しにおきましては、調達に係る手順や審査に係るプロセスの見直しは予定してございません。一方で、現在の調達ガイドラインは、ソフトウェアの購入やサーバー構築といった自治体独自の環境を構築することを想定したものとなっております。デジタル化の進展に伴って、事業者がインターネット上に構築したサービスをネットワークを通じて利用するクラウドサービス等の提供形態が急速に増えてきていることから、必要な調達基準を追加するものでございます。

 次に、区のオンライン会議の整備状況についてでございます。

 区は、令和2年度にタブレット端末、パソコン、携帯電話回線を利用したモバイルルーター等を用いてオンライン会議ができる環境整備をいたしました。現在、事業者との打合せや講演会等の事業に積極的に活用を行っているところでございます。夏頃を目途に、本庁舎会議室等に無線LANの回線工事を行い、より安定した回線にてオンライン会議が行える環境の整備を行うとともに、タブレット端末を追加で配備するなど、順次実施環境の拡大を図っているところでございます。

 次に、自宅でのオンライン会議参加についてでございます。

 これまでに整備したモバイルルーター及びタブレット端末等の機器の貸出しを行うことで、自宅でオンライン会議に参加することが可能となっております。

 私からは最後に、IT人材の育成と期間限定の外部人材活用についてでございます。

 今後のICTスキルの高い人材の確保につきましては、特別区の人事担当課長等で構成する人事福利問題等検討委員会において検討を進めているところでございまして、今後、特別区におけるICT人材の確保策について方向性を決定することとされております。区としても新庁舎への移転を見据えて、行政サービスのデジタルシフトを推進する絶好のチャンスだと考えております。この間に新たな情報システムやICTの利活用を推進していく過程で、情報システムを所管する部署で密度の高い実務経験を積ませることで集中的に人材育成を図っていきたいと考えております。

 また、期間を定めた外部人材の登用について、手法を検討し、進めていきたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、教育現場でのニューノーマルについての御質問のうち、初めにGIGAスクール構想についてお答えいたします。

 教育の情報化推進体制の強化についてでございますが、令和3年度から選任の担当係長を配置するとともに、教育情報化専門員と連携して、教育ICT環境の改善と学校への支援を行っております。

 今後は、各学校における課題や状況に応じて、必要な体制強化と予算措置について、区長部局と調整してまいります。

 また、各学校における情報化の推進役となるICT教育推進リーダーが効果的に活動できるように教育委員会において各学校間における課題を集約しつつ、情報共有と水準の維持、向上を目的とした連絡会等を実施する予定でございます。

 次に、教員のリモートワークについてです。

 教員のリモートワークにおけるICT環境のセキュリティ対策を強化するためには、区長部局と適切に連携しながら推進していく必要がございます。その上で教員が校外から情報管理などの点で安全に業務を行うことを目的として、在宅が可能な業務の仕分けやルールづくりについて、教育委員会と学校により協議を進めてまいります。

 次に、教員の研修体制についてです。

 ニューノーマルにおける新たな学びを進めていくためには、各学校において教員のICT活用能力を高めることも喫緊の課題の一つと捉えております。今年度は、各学校の校務分掌にICT教育の中心的な役割を担う推進リーダーを置いております。今後、ICTを効果的に活用した授業の充実に向け、計画的にリーダーを育成するために、民間教育機関と連携した研修の実施も検討してまいります。

 次に、学校行事についての御質問のうち、移動を伴う学校行事における新たな感染症対策についてお答えいたします。

 宿泊を伴う行事については、事前に実踏を行い、コロナ感染症対策などの状況を確認したところでございます。区有施設につきましては、新たに安全に宿泊が行えるよう、感染症対策を講じたところでございます。

 今年度は、感染症拡大の状況に応じて実施時期を延長したり、宿泊数を減らしたり日帰りにしたりするなど、可能な限り全校が実施できるように検討してまいります。各学校が作成した、感染症に十分配慮した実施計画の内容について、教育委員会でも確認、助言をしております。子どもの安心・安全を確保しながら最大の教育効果を上げられるよう、学校とともに対策を講じて、可能な限り実施していく所存でございます。

 最後に、移動教室実施の民間連携ですが、移動教室の延期や日程変更は、特に宿泊施設の確保が大きな課題となっておりまして、今後、旅行代理店の活用なども含め、検討を進めてまいりたいと存じます。

〔まちづくり推進部長豊川士朗登壇〕

○まちづくり推進部長(豊川士朗) 私からは、まちづくりについてお答えをいたします。

 まず、洗心寮跡地についてでございます。

 現在、日本銀行と取得に向けた協議をしておりまして、なるべく早期の売買契約締結を目指してございます。

 それから、まちづくり用地としての活用についてでございます。

 洗心寮跡地につきましては、区が取得した場合、補助第227号線整備用地をはじめとした都立家政駅周辺地区のまちづくりに資する目的で、防災性向上や緑の創出のためのオープンスペースとして活用したいと考えてございます。今後の活用について検討するとともに、暫定的な利用や期間などについても関係部署を調整していきたいと考えてございます。

 それから、大和町中央通りの残地活用についてでございます。

 補助第227号線、大和町中央通りにつきましては、約8割の土地につきまして、事業施行者の東京都により用地買収が進んでいると聞いてございますが、東京都が取得をした都市計画線外の残地を活用した買物機能や地域コミュニティ機能を維持するための使い方につきましては、どのような対応が可能かなどを、今後大和町まちづくりの会とも意見交換をしながら、東京都とも協議の決定をしてまいります。

 それから、大和町中央通りの地域モニュメント等についてでございます。

 かつての地域とにぎわいの記憶などをどのような形で残せるかについては、大和町まちづくりの会と御相談をしながら今後検討してまいります。

 それから、大和町中央通りの完成イメージ図についてでございます。

 今後、大和町まちづくりの会とも意見交換をしながら、関係機関との協議を終え、将来の道路空間の完成イメージが固まった段階で、地域の方々に周知する方策について東京都とも協議をしながら検討してまいります。

〔防災危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕

○防災危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、風水害の対策についてお答えいたします。

 まず、神田川・環状七号線地下調節池延伸の効果についてでございます。

 神田川から妙正寺川につきましては、平成9年完成の第1期工事で24万立方メートル、平成19年完成の第2期工事で30万立方メートル、合わせて50万立方メートルが貯留できるようになっております。また、北側、練馬区の白子川から石神井川につきましても、平成15年度で整備は完成いたしまして、約21万立方メートル貯留できるようになっております。その間の妙正寺川から石神井川につきましては、令和7年度完成をめどに東京都が整備中でございます。完成いたしますと、約68万立方メートルの貯留量となりまして、合計143万立方メートルの貯留量を確保することができるようになると聞いてございます。

 こうした整備によりまして、貯留量を複数の河川で相互に融通するなどによりまして、時間雨量100ミリを超える局地的かつ短期間の豪雨にも対応することが可能になると聞いているところでございます。

 続きまして、令和元年、台風19号の区内被害と、一時避難の状況についてでございます。

 区内の被害状況でございますが、人的被害はなく、強風による倒木、枝折れが12件、床下浸水が2件、区有施設内の倒木を含め、合計47件の被害が生じたところでございます。

 次に、自主避難の状況でございますが、区内15か所の区民活動センターを一時避難所として開設をいたしまして、320名の避難者を受け入れたところでございます。

 続きまして、感染症の拡大化での風水害時の区民の行動についてでございます。

 避難所における新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、昨年5月に対応方針を策定いたしまして、避難所での密接、密集を回避する対応や、感染防止に向けた対応を定めたところでございます。今後の風水害に備えて、区民の避難行動につきましては、避難指示等がなくても、一時避難所に避難することが可能であること、また避難指示等が出た場合や、避難者が多数見込まれる場合に、区が必要に応じて開設する水害時避難所への避難や、開設情報などにつきまして、区民が必要な情報を速やかに得られるよう、区ホームページの記載を見直すなど、今後も分かりやすい広報に努めてまいります。

 続きまして、感染症拡大下における風水害時の対応についてでございます。

 中野区地域防災計画における感染症拡大下での避難所の管理体制等につきましては、本編中の震災対策計画編の避難者等対策に掲載しているところでございまして、風水害対策計画編もこれに準ずる形としているところでございます。

 また、水害時の避難所につきましては、地域防災計画には、大雨や台風の接近、被害の状況などを踏まえ、一時避難所である15か所の区民活動センターや水害時避難所となる一部学校など、15か所を開設、運営すると掲載しているところでございます。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、ペットとの共生についての御質問にお答えいたします。

 初めに、平和の森公園ドッグランに対する区民の声と対応についてでございます。

 平和の森公園のドッグランにつきましては、雨の後に水たまりができ、乾くのに時間がかかり利用できないという区民からの声が区や指定管理者に寄せられているところでございます。昨年度、新たに土を補充して、地表部を滑らかにしたり、土が流出している箇所に縁石を設置するなどして補修を行ったところでございます。

 次にドッグランの抜本的な改善についての御質問でございます。

 平和の森公園のドッグランにつきましては、マンホールトイレ設置用の防火水槽の上部を活用して整備を行っておりまして、地表部の排水勾配をつけにくいことから、根本的な改善は難しいと考えてございます。適宜指定管理者による細かな補修等維持管理を行うとともに、今後、新たな排水設備の導入や設置場所の在り方なども含めて、幅広く検討していきたいと考えてございます。

 次に、囲町広場におけるドッグランの設置についてでございます。

 ドッグランの設置につきましては、近隣住民や利用者との調整が必要であり、今後、曜日や時間帯を限定したドッグラン事業を実施できないか、その可能性について検討していきたいと考えてございます。

 次に、公園再整備計画でのペットの位置付けについての御質問でございます。

 公園再整備計画では、公園の利用ルールの中で、犬の散歩やペットを同伴した公園利用の在り方について検討することとしております。

 ドッグランの整備につきましては、公園の規模や特性、周辺環境を考慮する必要があるため、今後公園再整備計画の中で整備の可能性について検討していきたいと考えてございます。

〔保健所長佐藤壽志子登壇〕

○保健所長(佐藤壽志子) ペットの同行避難の普及啓発についてお答えいたします。

 区では、総合防災訓練の際に、東京都獣医師会中野支部と共同で、犬の同行避難訓練を実施しており、実施会場の地域の飼い主を対象に案内を送付し周知しております。また、定期的に発行している愛犬手帳や愛猫手帳に、ペットの同行避難について掲載し、安心してペットとともに避難ができるように飼い主へ配布しております。今後は、ペットの同行避難に関するより効果的な普及啓発の方法について、東京都獣医師会中野支部や関係所管と連携し、検討してまいります。

○議長(内川和久) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 長 沢 和 彦

 1 区長の政治姿勢について

  (1)区長公約について

  (2)東京オリンピック・パラリンピックについて

  (3)職員体制について

  (4)その他

 2 新型コロナウイルス感染症の対策について

  (1)ワクチン接種について

  (2)医療機関への支援について

  (3)その他

 3 障害者施策について

  (1)南部地域における施設について

  (2)放課後デイサービスについて

  (3)特別障害者手当について

 4 中野駅周辺まちづくりについて

  (1)中野駅新北口駅前地区エリアの市街地再開発について

  (2)囲町東地区の市街地再開発について

 5 その他

 

○議長(内川和久) 次に、長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕

○41番(長沢和彦) 2021年第2回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 1番、区長の政治姿勢について。

 区長公約についてです。

 区長が2018年、平成30年の区長選に立候補したときと、区長に就任した際に区民に示した公約について、私どもの所見を述べつつ、区長に伺います。

 区長は、子育て先進区を掲げ、選挙でも就任後の所信表明でも、一番最初に言及しました。子どもの権利条例の制定をうたい、制定に向けて審議会を設置し、旺盛な議論を行っています。子どもと子育て世帯の実態意向調査を実施し、実態把握に努めてきたことは重要であり、施策展開が期待されます。

 区立保育園の存続や全児童館廃止の見直しについては、選挙時から高い区民要求として出されていました。条例改正を視野に多様性を認め合う社会へのアプローチと発信、性的指向、性自認への理解促進が期待されます。

 哲学堂公園再生整備計画の見直し、公契約条例制定に向けての取組、就任早々には、核兵器廃絶に向けた取組を進める平和首長会議に加盟しました。最近では、平和の門の保存が決まりました。

 他方、平和の森公園の草地広場の存続については、議会側の抵抗があったとはいえ、公約を守れなかったことは厳しい指摘をせざるを得ません。

 昨年からのコロナ禍により、基本構想の制定や基本計画及び他の計画の策定における区民参加手続については、遅延や制約はあったものの、工夫しながら実施をしています。

 新型コロナウイルス感染症への対応については、未曾有の出来事であったことや、国と都の方針が後手後手で対策が不十分であることも重なり、区としての対策が十分とは言い難い面はありますが、区独自の施策を含め、区民の命と暮らしを支えようと予防対策を講じてきていることは評価いたします。

 さて、区長に就任して3年が経過しようとしていますが、御自身の公約に照らしての自己評価と課題についての認識を伺います。

 2番目に、東京オリンピック・パラリンピックについてです。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで2か月を切りました。しかし、新型コロナウイルス感染症は収まる見込みがなく、東京都でも変異株も含めて感染拡大が続いています。世論調査では、今夏の五輪大会について、「中止と再延期をすべき」の声は8割にも上ります。しかし、国も東京都も今夏の開催にこだわり続けています。

 国内のワクチン接種はスタートが遅かったこともあって、国民に行き届くまで、少なくとも集団免疫を獲得するまでには相当の期間を有すると思われます。ワクチンが間に合わず、安全・安心な大会が保障されない。世界のアスリートが同じ条件で競い合うフェアな大会になりません。

 さらに、五輪への医師、看護師の派遣、特別な病床の確保など、逼迫している医療体制を危機に追いやることになります。昨年3月に大会延期を決めたとき以上に深刻です。医療現場からは「医療は限界。五輪やめて」、「オリンピックは無理」など、悲痛な声が出ています。東京都医師会会長も「都内の新規感染者数を1日100人以下に抑えなければ開催は難しい」と断じています。

 国や東京都は、「五輪だから最後は何とかなる」、「始まってしまえば盛り上がる」と思考停止しているのではないでしょうか。開催するのかしないかを最終的に決めるのはIOCであっても、今夏のオリンピック・パラリンピックについては、開催国である国と開催都市である東京都が中止を決断し、IOCに提起すべきであると考えます。今夏の東京2020オリンピック・パラリンピック開催について、区長の御所見を伺います。

 7月17日には、区内の公道約4キロメートルを約20人で聖火リレーが走る予定になっています。コロナ禍で聖火リレーのランナーを区内で走らせることは、沿道に区民が集まり、3密をつくり出すことになりかねません。また、7月初旬からは、新体育館、キリンレモンスポーツセンターで、卓球の公式練習場としての使用が始まります。大会開催を前提として公式練習場の使用が予定されていますが、どのような対策を取るかについて、組織委員会などからの指示は示されていません。聖火リレーや公式練習の安全性が確保できる保証はなく、中止を申し入れるべきではないですか、伺います。

 また、小・中学生らを動員する子どもの競技観戦については、既に配布チケットが届けられ、実地踏査も済ませたと聞きます。中野区から区立小・中学生だけで約1万3,000人の子どもたちが参加する予定となっています。全国約128万人、都内で81万人の子どもたちの参加を進めていますが、現下の状況から、都内の保護者を中心に、「子どもたちの五輪観戦は中止せよ」の声が広がっています。主な理由として、競技場の感染対策が不十分であること、変異株の増加により子どもも感染しやすいこと、ワクチン接種を受けていないこと、競技場までの電車やバスの公共交通機関を使うため、密を避けられないこと、教職員の負担が大きいこと、炎天下のマスク着用での観戦は熱中症リスクが高まることなどから、五輪観戦の中止を求めています。中野の子どもたちにこのようなリスクがある下で五輪観戦をさせることに心配と不安の声が出されているのは当然です。中野区教育委員会として、東京都教育長及び都教育委員会に五輪観戦の中止を求めるべきではないですか。伺います。

 3番目に職員体制についてです。

 5月13日の総務委員会で示された中野区構造改革実行プログラム、検討案が8月に策定される予定としています。検討案で示された組織の再編に触れながら伺います。

 職員配置を見直す、全体の適正な定数管理を実現していくとして、1、区政マネジメント体制の確立、2、効果的、効率的な行政運営に向けた業務改善、3、働き方改革、人材活用による定数管理を挙げ、戦略Ⅳ「組織体制の最適化」で個別プログラムを示しています。適正な職員構成、階層別構成比の在り方の検討においては、現状と課題及び検討方針に異論はありませんが、いかに管理職へとつなげていくかが大事です。さらに、階層別構成比については、ジェンダー平等の視点による取組と成果が期待されます。この点について、いかに検討しているのか、見解を伺います。

 職員の体制についてもお聞きします。

 ここ5年間の管理職を含む区職員の退職者数の推移を見ると、2016年では109人、2019年度は128人、2020年度は131人と増えています。その中で、普通退職者が2016年は22人、2019年度に37人、2020年度は28人いました。普通退職者は、定年または勧奨退職の年齢まで至らずに退職をされている職員です。

 職員の病気休暇、病気休職ではどうでしょう。病気休暇と病気休職を合わせれば、ここ二、三年は100人を超えています。大変大勢の職員が身体や精神の病気により休暇、休職されていることが分かります。中野区においては、長年にわたっての傾向とも言えますが、深い分析が必要ではないでしょうか。

 構造改革実行プログラムを策定するのであれば、組織再編にだけ焦点を当てるのではなく、退職者や病気休暇及び病気休職者を多数生み出している要因は何か、また対策はどうするのかを、組織再編の前提の議論として行う必要があるのではないですか。見解を伺います。

 その他で、地方創生臨時交付金について伺います。

 地方創生臨時交付金については、中野区では昨年度3回にわたり、計18億400万円余の交付を受けてきました。現在、国の第3次補正予算に追加された地方創生臨時交付金の地方単独事業分1兆円のうち、約7,600億円が今年度に繰越しされ、活用できることになっています。今年度の実施計画の受付締切りは7月末が示されています。区は、4月末までの実施計画は提出しなかったようですが、7月末に向けて作成、申請をすべきではないですか。その際、まだまだ続くコロナ禍の下で、区独自のコロナ感染防止対策事業をこれまでの事業の継続に加えて新たな事業も検討し、引き続き区民の命と健康を守るとともに、暮らしと営業を支えるために使い切ることを求めます。見解を求めます。

 2番目に、新型コロナウイルス感染症の対策について。

 1番にワクチン接種について伺います。

 中野区では、4月中旬に75歳以上の高齢者にワクチン接種券を郵送し、接種の予約及び接種が始まっています。4月当初にはウェブサイトでの予約の不具合やコールセンターでの回線パンクによる混乱がありました。

 中野区の新型コロナウイルスワクチン接種実施計画では、高齢者2回分まで、7月末までの接種体制を確保できるとしています。その先については、9月までに16歳以上の対象者約5割の区民への接種できる体制であることを示しています。しかし、ワクチン接種については、確実に供給量を確保することができるのでしょうか。東京都分が割り落とされたとも聞いています。国に対して、ワクチンの安全迅速な接種のために、実態に即したロードマップを示すとともに、供給と接種を行う自治体への万全の支援を求めていただきたいと思いますが、いかがですか。伺います。

 会派として、5月14日に、区長に対して、高齢者等へのワクチン接種における支援を要望いたしました。その中で、高齢者のワクチン接種予約について、パソコンやスマホを使い切れず、戸惑う高齢者が取り残されないようにサポートすることを求めたところですが、見守りが必要な70歳以上の単身者か、75歳以上の夫婦のみ世帯を対象に、区民活動センターでの集団接種を案内するなど、接種予約を支援することが始まったことは高く評価いたします。

 居宅で療養する高齢者や障害者に対しての接種については、訪問接種を漏れなく実施していくことが必要です。往診や訪問診療、訪問介護の合間にというわけにはいきません。現在、かかりつけ医が独自に体制を組んで行っているところもあると聞きます。医療機関に協力を得ることは欠かせませんが、負担をかけることも違いありません。居宅で療養する高齢者や障害者へのワクチン接種の支援が必要であると考えますが、いかがですか。伺います。

 ワクチン接種のキャンセルなど、ロス防止策については、各自治体の裁量により様々な工夫を凝らして、貴重なワクチンを無駄にしないようにしています。報道によれば、兵庫県小野市では、高齢者への集団接種や個別接種でキャンセルが出た場合、市内の保育所などの保育士、職員に転用し、接種する方針です。また、同県たつの市は、65歳以上の予約受付に際し、定員の5%に当たる分の「キャンセル待ち枠」を設け、電話連絡から30分以内に接種会場に到着できることを条件に募集すると発表しました。堺市は、消防士や窓口職員らをあらかじめ名簿化して、キャンセルが出た場合に繰上げ接種を行う。川口市では、集団接種で余りが出た場合は、救急隊員に接種する方針を決めました。

 中野区においても、集団接種について、キャンセルが出た場合の対応、個別接種を行う医療機関でのロス防止策についての助言など、検討が必要だと考えますが、御答弁を求めます。

 2番目に医療機関への支援についてです。

 医療機関からは、5月の接種予約の開始に当たり、個別接種の予約受付の電話が殺到し、業務に支障を来している旨の苦情を聞きます。「他区のように、区の責任で行う区民活動センター等での集団接種を先行させ、接種状況を把握した後に、医療機関での個別接種とすべきだったのではなかったか」との声もありました。医療機関では、現在も発熱外来に加えて、ワクチン接種の予約受付に奔走しています。接種行為に加えて、ワクチンの保管・管理、接種に至る予診票の記入補助、接種時及び接種後の副反応への対応処置なども求められます。コロナ感染症の対策を講じながらの施行となります。

 東京都は1日に60件の接種を行えば、医療機関に対して17万5,000円の補助金を交付することを補正予算案で計上しています。また、国が医療機関に対して、現在の接種、平日1回当たり2,070円に加えて、週に100回を7月末までに4週間以上行うと、1回当たり2,000円を加算するなど、報酬額の増加を示しました。しかし、日常の診療を行いながら、示された要件に至らない区内のクリニック、診療所は多数存在すると思われます。そうした診療所などに対しては、報酬の増額も補助もないままです。まずは、区として、中野区医師会を通じて実態把握をすべきではないですか。伺います。

 第1回定例会予算特別委員会の総括質疑でも触れましたが、医療機関と医療従事者への支援は待ったなしの課題であると考えます。医療機関と従事者への支援を国や東京都に要望することを求めた際に、区は、特別区長会に対して医療機関の実態に即した効果的な支援の実施について、国や都に要望するよう意見を出したところであると述べられました。現在の第4波で医療機関の逼迫が続いていることに加え、ワクチン接種の予約・実施が行われていますが、特別区長会としては国や東京都にどのような医療機関の支援の要望をしてきたのですか。さらに、新たに求めていることはあるのでしょうか。

 また、区としても現下の状況に鑑み、医療機関及び従事者に対する支援策を検討すべきではないですか。改めて伺います。

 その他で、1問伺います。

 第1回定例会の厚生委員会に新型コロナウイルス感染症在宅療養者に対する支援策の検討についての報告がされました。再拡大期に備え、在宅療養者が地域で安心して療養生活を送ることができるよう行政、区内の医療、介護等の関係機関による切れ目のない包括的な支援策についての検討を行うとしていました。中野区地域包括ケア会議の在宅医療介護連携部会における作業部会により、現状と課題の共有、実事例の検討、他の自治体の取組分析、実施体制の検討、訪問診療医・訪問看護師・訪問薬剤師の確保、在宅療養者の要入院時の病床確保を主な検討事項として記していました。その後、第4波となり、緊急事態宣言の発出、延長となって、今日に至っています。現在、どのような検討状況なのか。また、取組として実施されてきたことはあるのか。伺います。

 3番目に、障害者施策についてです。

 1番に、南部地域における施設について伺います。

 南部地域における障害者通所施設について伺います。

 障害者の方は、南部すこやか障害者相談支援事業所での相談事業を通じて、区内の通所サービスを利用していますが、南台地域の方で、隣接区の渋谷区でサービスを利用している人も少なくありません。渋谷区で障害者通所施設を運営する民間作業所では、中野区在住の精神と知的の障害者を受け入れていると言います。もともとどこの通所サービスを利用するかは、利用者が選べるわけですが、体験などを通じて渋谷区の通所施設を選んで利用されているようです。そもそも南台の地域には、区立、民間を問わず、一つも通所施設がありません。特に、精神障害者が通う施設が南部地域に不足しています。そのことが渋谷区の通所施設利用になっていると思われます。区の認識を伺います。

 中野区全体での通所施設は、区立で4か所、民間では20か所あります。3月に策定された第6期の障害福祉計画では、障害福祉サービスごとの記載となっているため、施設ごとのサービス展開については読み取り難いですが、利用実績を踏まえた3年間の利用者数の見込量は年々増えていても、施設数については増える見込みが立てられていません。障害者のニーズから見れば、増やす必要があると考えます。

 南台地域のことで言えば、区有施設整備計画素案では、「みなみの小学校(旧新山小学校)は代替校舎・まちづくり用地として活用する」と記しています。しかし、事業者を積極的に誘致するために、例えば廃校後の学校跡地の一部を活用して施設と事業展開を図ることを検討してはいかがですか。伺います。

 2番目に、放課後デイサービスについて伺います。

 今年度からの報酬改定により、区内の放課後デイサービスの事業者から大幅な減収に悲鳴が上がっています。例えば、「今回の報酬改定で、児童指導員等加配加算(Ⅱ)が廃止となった。この加算があることで、障害の重たい児童に適切な人員配置を行い、療育を行っていたが、多くの人員を配置するための原資がなくなり、人件費が圧迫されている」と聞きます。また、「新たに専門的支援加算が創設され、理学療法士等の資格のあるスタッフが常勤で在籍することで加算を取得できるが、3年後の報酬改定で廃止となれば解雇せざるを得ないため、採用に二の足を踏んでしまう」とも言います。

 さらに、「設備投資や職員及びパートスタッフの昇給は全くできない状況で、福祉職員が低賃金で働くことが当たり前なのか」と憤っています。今般の報酬改定による事業所への影響を区としてつかむことが必要ではないですか。伺います。

 3番目に、特別障害者手当について伺います。

 特別障害者手当は、著しく重い障害があり、日常生活に常時特別な介護が必要な20歳以上の人に月額2万7,350円が支給される国の制度です。中野区では、246人の方が受給しています。特別障害者手当は、障害者手帳がなくても、厚生労働省が示す障害程度認定基準に該当すれば対象となり、要介護4、5の方の中で対象となる可能性があります。かかりつけ医などに認定診断書を書いてもらい、認定基準のどれに当てはまるのかを示すことで、特別障害者手当の申請をすることができます。中野区で障害者手帳を所持していなくて、特別障害者手当を支給されている方は、現在お一人です。一方、障害者手帳を所持し、要介護4、5で受給されている方は41人ですが、区内で要介護4、5の方は2,700人以上いらっしゃいます。本人や配偶者、扶養義務者の所得制限はありますが、もっと多くの人が支給される可能性があると思われます。分かりやすい周知をすべきではないでしょうか。

 また、医療機関に対して、制度の趣旨を理解してもらうよう、医師会を通じて周知を図るべきではないですか。伺います。

 4番目に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。

 1番に、中野駅新北口駅前地区エリアの市街地再開発についてです。

 中野駅新北口駅前地区エリア、区役所・サンプラザ跡地の再開発において、中野区の転出と権利変換の基本に据えられているのは、まずは新庁舎整備とまちづくり中野21の清算等に係る費用負担を転出により得ることにあります。3年後の権利変換の時期でなければその金額は確定されません。しかし、転出後に区が保有するのは、権利変換による床と土地、もしくは土地のみの所有も視野にとしていますが、どのようにするかは事業計画の検討策定過程で決めることになります。仮に再開発ビルに広い権利床を保有するとしたら、その活用は区有施設整備計画の施設配置にも関わってくると普通は考えます。中野区区有施設整備計画素案では、公的資産の有効活用や公共施設の適正配置の観点から、総合的に判断するものとし、権利床の民間事業者への貸付に言及しています。区有施設整備の検討ではベースに据えている総延べ床面積の縮減を図ることに少なくない影響を及ぼすことも考えられます。民間事業者への貸付も含めて、区有施設整備計画の中で考え方を示すことが必要ではないですか。見解を伺います。

 そのことは同時に、中野駅周辺の区有施設の存廃や転用などにも関わることになるのでしょうか。区有施設再整備計画素案には、そのような記述は見当たりませんが、どのような検討をしているのか、伺います。

 2番目に、囲町東地区の市街地再開発について伺います。

 囲町東地区市街地再開発事業は、昨年の9月に本組合として認可されました。しかし、ここの再開発事業は地権者の合意が図られずに進められていると、異論、反対を申し出る地権者の方々がいます。地権者が理解しないうちに準備組合が同意書を取り集め、昨年4月には認可申請を行い、市街地再開発の本組合認可に持ち込まれてしまったと聞きます。異論、反対を主張する地権者の皆さんからは、同意書撤回が求められましたが、準備組合は認可申請後の撤回を認めず、手続を進め、中野区はそれをもって東京都に取り次ぎました。本組合認可申請の過程で、少なくない権利者から異論、反対が出されていたことを区は承知していなかったのでしょうか。伺います。

 権利者の中には、権利変換に係る従前評価資産がどれくらいになるのか。例えば現在示されている積算及び金額に根拠はあっても、囲町地域の南側の補助第221号線は都市計画決定がされており、拡幅されて再開発される中野駅新北口駅前エリアまで延伸されます。囲町地域の北側に整備されている道路は、その中野駅新北口駅前エリアの区画街路第6号線まで続いています。これから再開発事業及び道路や広場等の公共施設整備が進められるならば、現状の資産評価よりも高騰すると考えられ、納得できないとするのは無理からぬことです。言い方を変えれば、デベロッパーにとっては安く買い高く売るには好条件の場所とタイミングの再開発事業であると思われます。異論、反対を述べている方々だけではなく、全ての権利者に係る問題ではないですか。区の見解を伺います。

 第1回定例会の中野駅周辺・都市観光調査特別委員会では、囲町東地区市街地再開発事業から事業協力者であった株式会社大成建設が撤退する旨の報告がありました。組合側と大成建設との間で、工事金額や工事期間が折り合わなかったということで、特定業務代行という制度をやめて、今後入札を行うことにしています。しかし、権利者の中からは、まともな説明がされていないとの声が聞かれます。組合として積極的に情報を開示し、全ての組合員、権利者の疑問に答えるなどの説明責任を果たすことが必要です。権利変換計画の認可などのスケジュールが示されていますが、組合内での議論と合意は必須であり、乱暴に進めてはなりません。区は、地権者の納得がいくように進めていくとも述べています。スケジュールありきではなく、権利者の皆さんの合意を大切にした再開発事業にならなければならないと考えます。見解を伺います。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 長沢議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、区長の政治姿勢についてということで、公約についてのお尋ねでございます。

 私が政策に掲げた子育て先進区、地域包括ケア体制の実現に向けましては、子どもの貧困対策、子どもの権利条例の制定、新たに機能強化した児童館を含む地域子ども施設の整備などの検討や、(仮称)地域包括ケア総合アクションプランの策定に向けた取組などを進めておりまして、また、基本計画素案においても重点プロジェクトに位置付けたところでございます。

 これまで整理してきた取組の方向性や考え方、区が果たすべき役割を踏まえて、実践のステップに移していくことが今後の課題でございます。

 基本計画、区有施設整備計画の策定や区政構造改革等によって推進体制を整えて、新たな区政運営を展開してまいりたいと考えております。

 続きまして、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催への私の認識についてのお尋ねでございます。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、選手や国民の安全が確保された上で開催されるよう、国や都において適切な判断や対応が行われるものと考えております。

 続きまして、区として聖火リレー等の中止を求めることについてでございます。

 聖火リレーにつきましては、東京都聖火リレー実行委員会、卓球の公式練習会場としての使用につきましては、組織委員会と緊密に連携し、いわゆる3密の回避や大声での会話の抑制、手洗いやマスクの着用などについて周知徹底を図っていきたいと考えております。現時点で、区として中止を求める考えはございません。

 続きまして、職員体制についてで、管理職の確保とジェンダー平等の推進についてでございます。

 職員の職層別の構成比を適正なものとすることによって、係長の負担軽減や昇任意欲の向上を図り、管理職の安定的な確保へとつなげていきたいと考えております。また、各職層ごとの男女比率の均衡化を図って、ジェンダーギャップが解消されるよう、育児や介護等のライフイベントに配慮した人事配置や人材育成、テレワークの活用による働き方改革の推進等、具体的な取組を検討してまいります。

 次に、病気休暇や病気休職等への対策についてでございます。

 職員の普通退職や病気休暇、病気休職の件数は、近年はおおむね横ばいで推移していると認識をしております。これらの要因は、個々の事情により様々ではございますが、職場の人間関係や業務の不適合など、区が組織的に対応できるものについては、可能な限り対応し、職員が健康に働き続けられる職場環境づくりを進めてまいります。

 また、病気休暇や病気休職の要因を分析し、どのような対策を取るのが効果的であるか、検討を進めてまいります。

 次に、令和3年度の地方創生臨時交付金の活用についてのお尋ねでございます。

 令和3年度の地方創生臨時交付金につきましては、早期の交付を希望する自治体については4月に、その他の自治体については7月に実施計画を提出することとされておりまして、区では7月の提出に向けて準備を進めているところでございます。

 臨時交付金の活用に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止や、感染拡大の影響を受けている地域経済の再生、区民生活の支援等に活用する予定でございまして、交付金については最大限活用してまいりたいと考えております。

 続きまして、新型コロナウイルス感染症在宅療養者に対する支援策の検討状況についてのお尋ねでございます。

 令和3年3月から5月にかけまして、地域包括ケア推進会議在宅医療介護連携部会に作業部会を設けて検討を行ってきたところでございますが、この検討中に東京都から地域における自宅療養者等に対する医療強化事業が示されて、中野区においては、東京都が実施する当該事業に沿って実施をすることになりました。

 事業スキームは、東京都が東京都医師会へ事業委託を行い、東京都医師会が中野区医師会と連携をし、自宅療養者等が自宅で体調が悪化した際には適切な医療支援を受けられるよう、往診等を行うものでございまして、中野区では5月18日より開始をしているところでございます。

 続きまして、障害者施策についてのお尋ねのうち、まず最初に、南部地域における施設についてでございます。

 精神障害のある方の場合は、プログラムや作業内容を選んで、広域に事業所を利用することもございます。障害のある方が自分に合って利用しやすい事業所を選択できるように、引き続き事業所整備に向け働きかけをしてまいります。

 区有地を使った施設整備につきましては、区内事業所の定員に対する利用者の充足率などを踏まえて検討してまいります。

 続きまして、放課後デイサービス報酬改定の影響についてでございます。

 今年度からの報酬改定では、評価方法の変更によって、児童指導員加配加算(Ⅱ)廃止の影響で、減収になった事業者がいる一方で、重度の障害児を多く受け入れしている事業所では、専門的支援加算や個別サポート加算(Ⅰ)により増収になっているところでございます。

 報酬改定による影響額や事業所への影響については、今後の動向を踏まえ、状況を把握して、必要に応じて国や東京都に働きかけてまいります。

 次に、特別障害者手当についてでございます。

 特別障害者手当の対象となる方が確実に受給できるよう、区報やホームページ、ケアマネジャー連絡会などを活用し、周知を図ってまいりたいと考えております。また、医療機関に対しても、制度の趣旨を御理解いただけるよう働きかけてまいります。

 最後に、中野駅周辺まちづくりについてで、新北口駅前エリア拠点施設整備事業における区有地等資産活用の考え方についてでございます。

 中野駅新北口駅前エリアにおいて、権利変換により保有する資産につきましては、権利床として取得をする考えでございます。また、権利床の活用では、コストがかかる行政サービスを行う考えはなく、民間事業者への貸付など、行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図ってまいります。本定例会中に報告する区有施設整備計画改定素案の中で、こうした考え方を示す予定でございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における学校連携観戦についての御質問にお答えをいたします。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、世界のトップアスリートの競技を直接観戦すること、そういう体験については、子どもたちにとってかけがえのないレガシーになると考えております。現時点で東京都教育委員会において、子どもたちの観戦の規模や実施の有無について、正式な決定はなされておりません。新型コロナウイルス感染症や熱中症等のリスクの下で、子どもたちの観戦が安全に実施できるかについては、競技会場を視察するなど、検討しているところでございます。

 今後、東京都教育委員会において、学校連携観戦が正式に実施されるとなった場合は、様々な状況を総合的に判断し、区立小・中学校における実施の可否について各学校と協議し、教育委員会として決定してまいります。

〔保健所長佐藤壽志子登壇〕

○保健所長(佐藤壽志子) 新型コロナウイルス感染症の対策についてお答えいたします。

 まず、ワクチン供給量の見通しについてですが、新型コロナウイルスワクチンは6月末までに154箱以上、接種回数に置き換え、17万7,255回分以上が供給されることが確定しておりますが、7月以降の供給量については現時点で示されておりません。

 区としては、これまでと同様に、構築した接種体制を最大限に生かし、接種を希望する全ての区民が接種できるよう、国や都に対して安定的なワクチン供給を求めてまいります。

 区が計画的に接種を進めるためには、早期にワクチン供給量の見込みを把握し、予約枠を設定する必要がございます。このため、国に対しては引き続きワクチン供給量の早期情報提供とワクチン供給量の確保、財政的な支援などを求めてまいります。

 次に、訪問接種への支援についてですが、訪問接種については、数件の医療機関から担当している在宅患者に対する接種について相談があり、訪問接種に当たっての留意点や、必要に応じてワクチン輸送のための保冷バッグを貸し出すことなどを伝えており、既に一部の医療機関において実施しております。

 訪問接種を実施する医療機関を拡大するためには、医師や看護師の移動、ワクチンの運搬などに係る費用負担の支援などが必要であると考えており、早期に実施できるよう検討を進めているところでございます。

 次に、貴重なワクチンを無駄にしない取組についてですが、区の集団接種会場では、貴重なワクチンを有効に活用するため、ワクチンをバイアル単位で管理しながら、接種状況に応じてワクチンを解凍、希釈しており、キャンセル数に5人以下の端数が出た場合にのみ、区の医療従事者等に接種をしております。

 また、個別医療機関に対しては、予約人数をバイアル単位で管理するとともに、キャンセル待ちの方を用意するなどの取組を求めております。まずは高齢者などの住民接種に注力しているところでございますが、キャンセル等でワクチンの余りが出た場合には、今後の優先順位を検討してまいります。

 国や都が実施する医療機関への新たな財政支援策への対応についてですが、国や都が実施する医療機関への新たな財政支援策については、具体的内容が示されていないところです。このため、情報収集に努め、制度の詳細を把握した上で、早期に医療機関との必要な調整を図ってまいります。

 次に、医療機関への支援に関する特別区長会の要望についてですが、特別区長会はこれまで新型コロナウイルスの感染症対策として、国や都に対し、医療体制の整備、検査体制の強化、十分な財政措置を講じること、また、医療用物品、マスク及びアルコール消毒液等の物資が安定的に供給できる体制を構築することなどを要望してまいりました。医療機関への支援に関する新たな要望事項については、現在検討中でございます。

 次に、区の医療機関に対する支援についてですが、区はこれまで区内の医療機関に対してPCR検査を実施する際の準備金や支援金を交付するとともに、マスクや手指消毒剤を支給してまいりました。今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況等を踏まえ、国や都の医療機関に対する支援内容を精査した上で、区の対応について検討してまいります。

〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕

○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) 中野駅周辺まちづくりのうち、囲町東地区の市街地再開発についてお答えいたします。

 まず、事業認可手続について。

 囲町東地区市街地再開発事業の本組合設立及び事業計画等の認可に当たっては、準備組合総会での議決の下、区を経由して、認可権者である東京都に申請がなされたものでございます。申請後に、一部の権利者から、認可申請に係る同意撤廃の申出があったことは、東京都、準備組合とともに区も確認をしております。その上で東京都が内容を精査し、都市再開発法に基づいた適正な手続がなされ、認可に至ったと認識しております。

 次に、権利変換に係る資産評価について。

 囲町東地区の再開発事業は、権利変換方式による第一種市街地再開発事業として都市計画決定がなされております。権利変換方式での権利者資産の評価に当たっては、再開発組合の設立認可後、都市再開発法に基づき定められた評価基準日を設けた上で、その時点における資産の評価を行う必要がございます。

 具体的な評価額の算定に当たっても、再開発組合による評価は複数の不動産鑑定士の評価を基礎としており、区としては適正な手続の下、評価がなされているものと認識をしております。

 最後に、地権者の合意形成について。

 市街地再開発事業の推進に当たっては、適切な事業管理とともに、権利者の生活再建を実現できるよう、丁寧な合意形成の取組が重要であります。区は、引き続き再開発組合に対し、権利者への丁寧な対応を求めてまいります。

○議長(内川和久) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時02分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 内川 和久

       議 員 木村 広一

       議 員 石坂 わたる