1.令和4年(2022年)2月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員(1名)
40番 むとう 有 子
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
構造改革担当部長、構造改革担当課長事務取扱 石井 大輔
企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
総務部長 海老沢 憲一
防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長 浅川 靖
職員課長、人材育成担当課長 中谷 博
生活・交通安全担当課長 藤﨑 洋文
新区役所整備課長中村 洋
区民部長 鳥井 文哉
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長 渡邊 健治
保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦
指導室長 齊藤 光司
学校教育課長 松原 弘宜
子育て支援課長 滝浪 亜未
育成活動推進課長細野 修一
地域支えあい推進部長 角 秀行
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長高橋 英昭
地域包括ケア推進課長 小山 真実
介護・高齢者支援課長 葉山 義彦
高齢者支援担当課長 落合 麻理子
北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 原 拓也
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子
福祉推進課長 石崎 公一
保健企画課長 鈴木 宣広
環境部長 朝井 めぐみ
環境課長 波多江 貴代美
清掃事務所長 藤永 益次
都市基盤部長 奈良 浩二
道路課長 井上 雄城
公園緑地課長 林 健
建築課長 小山内 秀樹
住宅課長 池内 明日香
まちづくり推進部長 豊川 士朗
中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子
まちづくり事業課長 川野 英明
街路用地担当課長長沼 彰
新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 近江 淳一
防災まちづくり担当課長 三戸 勇二
中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅周辺地区担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 石橋 一彦
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
書 記 髙橋 万里
書 記 本多 正篤
書 記 金木 崇太
1.委員長署名
午前10時00分開議
○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第7号議案から第11号議案までの計5件を一括して議題に供します。
前回、2月24日(木曜日)の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に羽鳥だいすけ委員、2番目に内野大三郎委員、3番目に森たかゆき委員、4番目に大内しんご委員、5番目に南かつひこ委員、6番目に小杉一男委員の順に6名の総括質疑を行います。
次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに2件の資料要求について整理をいたしました。資料につきましては後ほどアップロードされますので御覧ください。
以上が理事会の報告ですが、御質疑はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように運営をいたします。
令和4年(2022年)2月25日
予算特別委員会
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分
◆総務分科会関係
92 基準となる一般財源規模、歳入一般財源(財産費除く)、一般財源充当事業費、財政調整基金繰入額、財政調整基金積立額の当初予算額の推移(次年度までの10年間)<自>
93 令和2年度予算と令和4年度予算において一般事業費が増額した主な要因<自>
○ひやま委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いをいたします。
それでは、質疑に入ります。羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。
○羽鳥委員 おはようございます。昨日に引き続き総括質疑を行います。残りの項目から順に質問させていただきます。
2番、子育て先進区について、(1)児童館について伺います。
酒井区長は4年前、前区政が進めてきた児童館全廃計画を見直すことを公約に掲げ当選をしました。現在18館ある児童館を9館に再編するとともに機能を拡充し、直営での運営方針を示されました。私たち自身、様々な思いは持っていますが、その中身と区長が公約を守ったことを評価し賛成をするものです。昨年の第4回定例会で児童館条例は否決をされ、区の計画は一定の見直しが迫られています。我が会派は昨年12月23日に区長に対して、来年度とそれ以降の児童館職員の配置及び体制強化について要望書を提出いたしました。新たな機能を備えた児童館の施策展開とそれを支える職員を確保することは、子育て先進区を実現する上でも極めて重要です。その立場から質問をいたします。
まず、昨年9月に報告をされた新たな機能を備えた児童館の、この機能拡充の中身についてお答えください。
○細野育成活動推進課長 昨年9月にお示しいたしました新たな機能を備えた児童館について御説明いたします。新たな機能を備えた児童館は、中学校区に1館とし、児童館の人的資源を確保した上でで、地域包括ケア体制の推進やセーフティネットの強化に取り組み、地域全体で子育て・子育ちを推進するための取組を進めていくという計画でございました。子どもの居場所、交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化した運営を行うという、そんな計画でございまして、開館日の拡大も行う予定でございます。
○羽鳥委員 開館日の拡大とかは目に見える形というようなことで分かりやすいのですけれども、機能という点でもロビー機能の整備や子どもや子育ての悩み相談等の児童館職員の相談機能づくりなど、児童館を子育て支援の拠点として整備していきたいという思いを感じます。
また、直営での運営方針を示されたことも重要であると考えます。当然こうした施策を展開していくためには、それに対応した職員をきちんと確保することが重要です。現在の児童館職員の定数及び現員数はどうなっていますか。また、今年度の退職予定者数についてお答えください。
○細野育成活動推進課長 令和3年度の児童館職員の定数は68名でございまして、現員は67名でございます。また、年度末での再任用の終了者と退職者合わせて計7名の予定でございます。
○羽鳥委員 1月31日の子ども文教委員会では、第4回定例会での結果を受けて、また来年度の児童館運営は基本的に今年度と同じように行うことが報告をされました。現状では一定やむを得ない側面もあるものの、先ほどお答えいただいたこの職員数の見込みでは、現状の運営すらおぼつかないのではないでしょうか。来年度の運営に必要な人員は確保できているのでしょうか。また、児童館職員の現状は多くの常勤以外の方々にも頼っています。予算特別委員会の要求資料、子文36を見ましても、再任用の方々は今年度でも11名、短時間でいらっしゃいます。こうしたところからも、今後を見据え、全て正規職員でやはり確保できるように体制の拡充を図っていくべきではないでしょうか。答弁を求めます。
○細野育成活動推進課長 令和4年度の運営に当たっては、区の職員より運営をしていく考えでございます。また、会計年度任用職員や人材派遣も活用しながら必要な体制を確保していくという考えでございます。
○羽鳥委員 会計年度や派遣というふうなこともあるんですけれども、やはり今後も続けていくというふうな点では正規職員が非常に重要かなと思います。この4月時点では、職員をそうしたものとして確保できないにしても、年度途中からでも職員を確保して施策展開できる体制を整えられるべきであると思います。
来年度は、基本的に今年度と同様の児童館運営を行われることになりますが、その予算案では、日曜日に委託事業者による乳幼児親子開放事業が4館で行われる予算が計上されています。この積算根拠と、なぜ4館なのかについて御説明ください。
○細野育成活動推進課長 4館という理由でございますが、地域バランスを鑑み、南中野児童館、若宮児童館、城山ふれあいの家及びみずの塔ふれあいの家、この4館で実施をすることといたしました。また、ニーズを正確に判断しながら今後の展開を検討していくという考え方でございます。
また、予算の中身でございますが、令和4年度については4館分の管理業務委託費、光熱水費、電話料、消耗品費を合わせまして計上させていただいております。
○羽鳥委員 地域バランスを見たというふうなことで、それは確かに中野区内でバランスよく配置できる、4館の中でバランスよく配置できるように考えられたところだとは思うんですけれども、そういう単純な積算であるならば、今後の児童館事業の展開も踏まえて、委託料を増やして日曜開館を実施する館をよく多く展開すべきであったというふうに思います。年度途中からでもこの実施を検討すべきです。どういう児童館になろうとしているのかということを多くの区民に知っていただくためにも検討していただきたいと思います。
先ほども児童館職員のところで述べたんだけれども、やはりぎりぎりの体制になっているんじゃないのかなというふうに私としては思ってしまうんですね。そういうふうになっているのは、根本的にはやはり区の職員数が足りていないというふうなことを示しているんだと思います。そのために対応の余力が、退職者が出たというふうなときにほかの部署から異動で来てもらうとかというふうな余力とかがほとんどなくなってしまっているのではないかなと感じます。今後の職員数の推移、採用について、区としてはどのように考えているのでしょうか、お答えください。
○中谷職員課長 例えば新型コロナウイルスの対応で応援体制を組むときに、各部の協力を得るのが困難な場合があるなど決して余裕のある体制ではないと認識をしてございますが、それは見方を変えれば、必要最小限の適切な職員体制で効率よく業務を行っている状態でもあると言えると考えています。職員数の不足が原因で何か具体的な支障が出ているとまでは認識をしてございません。今後の職員数の推移といたしましては、令和5年度以降には2,000人体制を維持するのは困難な状況と考えてございますが、DXの推進やさらなる業務委託の推進などによる業務量の削減を検討した上で、児童相談所の開設や生活保護のケースワーカーの増員などの行政事情に対応した必要な人員の確保を進めてまいります。これらの状況を総合的に勘案して、適切な職員定数を見極めていきたいと考えてございます。
○羽鳥委員 今、余裕のある体制ではないと認識しているというふうな答弁もありました。同時に、それに効率的にできているんだというふうな認識であるんだというふうに思います。しかし、この新型コロナの対応にしても、今後発生が予見されている首都直下地震の問題にしても、そういう余裕のない体制、余裕のある体制ではないというふうなことは、何か事が起こったときに本当に区の機能が麻痺をするということにもつながりかねないというふうに思います。
今もこの新型コロナ対応でも余力がない部署から協力を仰がざるを得なかったのではないかなと思います。この間求め続けてきましたが、早期にこの職員定数を引き上げる、こうしたことが必要であると感じます。もう2022年度、目前ですから、来年度はもう難しいにしても、2023年度の児童館職員は適切に人数を確保すべきではないかと考えるんですけれども、お考えはいかがでしょうか。
○中谷職員課長 2023年度の時点で、区が運営する児童館の数とその運営方法に応じて必要な職員数を確保していく必要があると考えてございます。
○羽鳥委員 ぜひともしっかりと所管とも相談をして必要な人員を確保していただきたいと思います。これまでも、この地域の子育ての拠点、子どもたちの居場所として児童館を直営で運営していくためには、正規の職員をきちんと配置をすることが重要と再三述べてきました。やはりこの職員の配置をしっかりと示せない間は、この区が実施しようとしている新たな機能を備えた児童館の施策展開の本気度がやはり問われかねないことだと思います。児童館職員の増員を今後しっかりと図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 区の児童館の運営方法に合わせて必要となる児童館の職員を配置していく必要があるというふうに考えてございます。
○羽鳥委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。
続いて、(2)「(仮称)中野区子どもの権利に関する条例」を生かした学校づくりについて伺います。
酒井区長が公約に掲げてきた(仮称)中野区子どもの権利に関する条例が、いよいよ今定例会に上程をされる予定です。中野区子どもの権利擁護推進審議会での熱心な議論と答申を受け止め、区民説明会においても、従来の取組だけではなく、子どもからの意見も取り入れる積極的な努力を行い、議会でも何回にもわたって議論し、大変よい中身になろうとしていると期待をしております。同時に、この条例が出来たからといって自動的に子どもたちへの権利侵害がなくなるわけではありません。最も重要な中身でもある意見表明権については、それを保障する手立てが必要です。
この条例の前段階の議論で私は常々、日常的な取組が大事と繰り返し述べてきました。条例が出来た後、区がどのような取組を行うのかが重要です。まず、この子どもの権利に関する条例が制定された場合、来年度どのような事業を行う予定でしょうか、お答えください。
○青木子ども政策担当課長 来年度におきましては、子ども施策等の検証を行うための子どもの権利委員会や、子どもの相談及び権利侵害からの救済を図るための救済機関の設置を予定しております。また、対象年齢や立場に応じたリーフレットの作成や講演会の実施など、条例に関する普及啓発についても進めてまいります。
○羽鳥委員 また、学校においてはどのような取組を行うか、検討しているものはあるでしょうか、お答えください。
○齊藤指導室長 学校ではこれまでも小・中学校の社会科の授業等において、子どもの権利条約について学習してきました。今後は、区が作成するリーフレット等を活用して、(仮称)中野区子どもの権利に関する条例についても学んでいくことになると考えられます。
○羽鳥委員 今、リーフレットの活用というふうなことが述べられたわけですけれども、ちょっと具体的にはまだこれから考えていくというものになっているのかなというふうに感じました。この子どもの権利救済委員など、直接やはり子どもと関わる重要な変化もあります。委員会での審議でも、この虐待など最も権利を侵害される子どもについての議論も行われました。積極的な周知ということも同時に力を尽くしてほしいと思います。
同時に私は、この子どもの権利条例を体感できる取組として、やっぱり学校の校則を考える取組と関連づけられないかと考えています。この間、会派として何度か学校の校則について考えをただしてきました。私自身、昨年の第2回定例会で取り上げました。校則は、基本的人権に合致した内容であるべきと考えるが見解は、校則について生徒と話し合う機会を十分に設けてはとただしたのに対し、基本的人権の尊重は学校教育の根幹、学校での決まりは合理的と認められる範囲であることが重要、話合いの機会を充実させるとともに、その中で決まりの目的についても生徒に伝えていくよう学校に働きかけていくと教育長が答弁されたのは大変重要であったと考えます。学校の校則について、この昨年第2回定例会での答弁から、その認識に変わりはありませんか、確認で伺います。
○齊藤指導室長 基本的人権の尊重は学校教育でも根幹をなすものであり、教育委員会としての認識に変化はございません。同様に、校則についてもしっかりと学校のほうに指導してまいりたいというふうに考えております。
○羽鳥委員 今回この問題で質問するに当たって取材を進めますと、市内の幾つかの中学校では近年、校則について生徒の意見も取り入れて変更している事例もあると伺いました。どのような中身でしょうか、具体的に事例を紹介してください。
○齊藤指導室長 生徒会等の活動や生徒アンケートなどを通して生活の決まりについて意見を述べる場を設け、生徒会での話合いや生徒と教員との協議を通して、靴下やセーター、コートの色、ブランケットの導入、頭髪の決まりなどを変えたと伺っております。
○羽鳥委員 校則については、あれは駄目、これは駄目と上からの押しつけではなく、生徒や保護者との対話を重視した取組が極めて重要です。生徒たちにとっても、自ら決めたルールであればしっかり守ろうという気持ちも湧いてくると思います。今の御答弁をお聞きしますと、やはり生徒からの発案であったり、あるいはアンケートを取ったりと、いろんな実践があろうかと思います。同時に、区内の学校には、そうした観点から見て、まだやっぱり不合理に思える校則なんかも確認するとあります。例えば、他の委員が触れたことがあります、男子と女子で認められている靴下の色が違うとか、タイツはいいけどストッキングは駄目とか、なんかいろいろあるんですね。こうしたものの中には、少なくとも現在においては見直すべきと思える規定が残っているのではないでしょうか、区の見解について伺います。
○齊藤指導室長 今までも生徒が学校の決まりに対する疑問や課題を伝えられる環境、教員と生徒が決まりの目的や必要性について話し合う機会の充実、生徒の声を受け止める手段の在り方について学校に指導を行ってきております。今後も、生徒が生活の決まりに対して疑問を持ったときや意見を伝えたいとき、どのように行動したらよいかを自分自身で問題解決させていく指導を行うよう学校に伝えてまいります。
○羽鳥委員 今の質問は、中にはそういった規定もある、そういう不合理なものも残っているのではないでしょうかというふうに聞いたつもりなんですけれども、ちょっと直接の答弁ではなかったかなというふうには思います。
進みます。こういった校則を見て、私自身は、そんなものに意味があるのだろうかというふうに思うのもあります。しかし、それはけしからんから全部見直せというふうに言うことも、また違うと思います。私は、この質問を作るに当たっていろんな本とかも見ましたけれども、ある本で紹介されていた中学校の校則を変える取組が非常に示唆に富んでいるなというふうに思いました。最初に、その学校では、まず教師、生徒、保護者からなる校則を考える会というものにおいて、校則について、1、合理的な理由があるか、2、教育的目的はあるか、3、中学生らしいは禁句、4、今まで問題がなかったからは禁句、5、多数決では決められない、この5点を確認をして校則について議論をしていったそうです。この中学校では議論に2年間をかけて新しい校則をつくったそうです。そうした取組により生徒の主体性も大きく育まれたとのことです。子どもたちには、やはり学校とはどういった場所で、どういったものが必要とされているか、あるいは必要とされていないか見極める力が十分にあると思います。それを訓練で鍛えてあげることが、主権者が育っていくということにもつながるのではないかと思います。この子どもの権利条例を生かした学校づくりを行う上で、こういった校則を生きた教材として活用できないかなと考えるんですけれどもいかがでしょうか。
○齊藤指導室長 今後も校則等を決めるに当たりましては、学校が保護者や子どもたちとの対話を通して、さらに丁寧に進めてまいりたいというふうに考えております。
子どもたち自身が理不尽と感じる部分としましては、何か決まりへの疑問を聞いてもらえないとき、また設定された理由を聞いても答えてもらえないときなどに、子どもたち自身は理不尽と感じることが多いというふうに考えておりますので、対話を大事にしていきたいというふうに考えております。
○羽鳥委員 そうなんですよね。やっぱり何でこの決まりがあるんだろうかというのが分からない、説明されないというふうなのは、子どもたちにとって社会への不信にもやっぱりつながるかと思います。私も学校の先生なんかに聞いて、じゃあ、この決まりはどうしてあるんですかというふうに聞いても、やっぱり先生自身がもう答えられないものが幾つもあるんですよね。子どもたちはもっと敏感にそのことを感じ取っていると思います。
同時に、なかなか面白いなと思ったんですけど、アンケートを取ってみたら、例えば靴下の色についてアンケートをある中学校で取ってみたら、子どもたちからは、白と紺でいいみたいな意見が99%で、全然派手な色にしたいとかというふうなものもなかったというふうな事例もあったと聞きました。だから白と紺でいいんだというふうな校則になるかどうかというのはまた別の問題です。多数問題がなかったからそのままでいいというわけではない。そういう点も含めて、やはりみんなで考え合う時間をつくっていく、この意識的な努力がやはり子どもの権利条例というものを本当に身につけさせる、主権者を育てるというふうなことにもつながるというふうに思います。中野区がこの条例制定を機にやはり条例を生かした学校づくりを進めていっていただきたい、主権者を育てていっていただきたいというふうに願い、この項の質問を終わります。
3番、気候危機対策について伺います。
温室効果ガスの大量排出による地球温暖化に基づく大雨、猛暑日、またこの冬の豪雪などの極端現象は、私たちの生存を脅かす気候危機といったような事態となっています。二酸化炭素の排出削減を柱とした対策はまさに急務です。そうした中で区は昨年、2030年に2013年度比で46%の二酸化炭素排出の削減目標を持つ第4次環境基本計画を策定しました。早急に様々な手立てを打っていく必要があります。来年度はこれまでの高断熱建物認証制度を廃止するとともに、新たに断熱窓・ドア改修助成制度を設けております。まず、その目的と予算規模についてお答えください。
○波多江環境課長 高断熱窓・ドアの助成制度は、区内の既存住宅及び集合住宅の管理組合を対象に、冷暖房等によるエネルギーの損失を削減して二酸化炭素の排出量を削減することを目的に制度を創設したものでございます。予算規模は757万7,000円であり、50件の助成申請件数を見込んでいるところでございます。
○羽鳥委員 再エネ・省エネを普及させるための助成制度は私も度々求めてきたことであり、制度が実施されることはよかったと思います。しかし、求められるこの排出削減の水準に対して予算も少ないかなというふうな点は否めません。今年度は蓄電池導入助成制度を始めていますが、現時点でのこの実績をお答えください。
○波多江環境課長 区は、令和3年4月1日以降に太陽光発電システムと連携して設置した蓄電システムに対して、令和3年7月1日から助成申請の受付を開始しております。その件数は、令和4年2月21日現在、44件となっております。
○羽鳥委員 先ほど予算がちょっと少ないのではないかというふうには言ったんですけども、実績というふうな点でも、今年度から始めたもののなかなか厳しいかなというふうに思います。なぜこのような実績にとどまってしまっているのか、区の分析はいかがでしょうか。
○波多江環境課長 国土交通省の住宅着工統計によると、全国的な傾向として新設住宅着工件数が、平成30年度から令和2年度には95万件から81万件になって、3年間で約15%減少しているということがございました。住宅着工件数の減少は全国的な傾向であって、中野区の蓄電システムの助成に係る申請件数が見込みより少なかった要因でもあると考えてございます。
○羽鳥委員 こういった設備を導入するというふうなのは、なかなか設置する側にとっても決断が要るというふうな中で、さらなるこの周知が必要じゃないかなと。改修をすればやっぱり何年かで元が取れるというふうなこともあるわけですから、改修したくなるようなこの積極的な周知の工夫をされるべきかと思うんですけどもいかがでしょうか。
○波多江環境課長 高断熱窓・ドアへの助成制度については、令和4年4月1日から設置したものについて令和4年7月1日から申請受付をする予定としております。区のホームページやチラシ等によりPRする予定でございますが、新たな制度について十分な周知ができるよう、住宅や建築の分野などの関係所管等と調整しながらしっかりと工夫をして取り組みたいと考えております。
○羽鳥委員 また、既存住宅へのさらなる普及だけでなく、新築住宅にも普及するための政策が必要であると考えます。区内で年間の建築認可申請件数というのはどのくらいになるでしょうか。
○小山内建築課長 令和4年1月末現在の建築確認件数は、区の確認で23件、民間確認で830件でございます。
また、新築住宅における断熱性能の向上をさせた建物については長期優良住宅制度があり、令和3年度では2月22日現在124件の申請があり、税法上の優遇措置を受けているところでございます。
○羽鳥委員 長期優良住宅についてもお答えいただきました。しかし、この数はまだまだやっぱり一部にとどまっているのかなと思います。これだけの数の住宅が年間供給されていく中で、その住宅が省エネ対応をされているかどうかというのは、区内での将来にわたる二酸化炭素排出量に大きな影響があります。また住宅、建築物に対しては今後、国及び都において制度強化が行われる可能性があります。今後行われる予定や見込みのこの中身についてお答えください。
○波多江環境課長 令和3年8月、国の脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会において、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の基本的考え方が示されました。それによると、2030年に向けて、新築住宅等の環境性能について、新築住宅等ではZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)やZEBの水準の省エネ性能を確保し、6割の新築戸建てに太陽光発電設備が導入されることを目指すこととしています。2050年には、ストック平均でZEHやZEBの水準の省エネ性能の確保と太陽光発電設備等の再生可能エネルギー導入が一般的になることを目指すこととしているということでございます。
○羽鳥委員 実際に行われる規制が強化されていく時期が前後はあるにしても、この再エネ・省エネへの制度強化が行われることはもう確実です。それだけに、今から建築物の再エネ・省エネ設備導入の政策を取っていくというふうなことが重要です。ただ単に区が助成を行うだけでなく、区民自身が再エネ・省エネ設備を導入することの利点を把握できるような取組が必要だと考えます。こうした設備には、高額だが高い効果が見込まれるものから、そこそこの値段でそこそこの効果が見込まれるものまで多様な種類があります。事業者や研究者の力を借りてそうしたものを一覧表にまとめるなど、事業者が住宅の新築や改修の際に区民に提示できるような取組も検討してはよいのではないでしょうか。
○波多江環境課長 住宅の断熱化を促進する助成制度については、令和4年度予算の見込みとして国も東京都も大幅に助成制度を充実させるという情報を把握しているところでございます。東京都では新築住宅に対して東京ゼロエミ住宅導入促進事業を、令和4年度から高い省エネ性能を備えた場合の段階的な断熱基準による助成制度とすることや、太陽光パネルつきの住宅に対して不動産取得税の減免措置を創設する予定であると聞いております。こうした東京都や国などの助成制度について、区の関係所管と情報共有した上で、区民に対し分かりやすく効果的に情報提供していきたいと考えてございます。
○羽鳥委員 ぜひともこうした相談を、区民が行くときには住宅のメーカーであるだとか工務店とか、そういうところにも行くと思います。ぜひそうしたところとも連携もどんどん図っていっていただきたいなと思います。二酸化炭素排出削減の動きというのは本当に待ったなしの課題です。区の積極的な施策展開を期待いたします。
次に、健診・検診について伺います。
まず、肺がん検診について伺います。中野区は、厚生労働省が指針で検診を進める五つのがんのうち肺がん検診について行っていません。これは都内でも三つしかない、数少ない自治体となっています。肺がんは2019年の死亡者数で男性1位、女性人2位を記録するなど多くの方が犠牲となっています。肺がん検診の廃止の経緯についてお答えください。
○鈴木保健企画課長 区は、平成24年度に外部の専門医、医師ですね、外部の専門医等を構成員とするがん検診等のあり方検討会を設置しまして、がん検診について検討を行ったものでございます。肺がん検診につきましてはその当時、検診の有効性について賛否両論がございまして、国際的にはほとんどの国で実施しておらず、23区内でも廃止している区があったものでございます。これらの状況に鑑み、検討会では、区が予算措置として検診を行うのであれば科学的な根拠があるものを優先するほうが望ましいと判断をしており、区はこの判断を踏まえまして平成25年度から肺がん検診を廃止したものでございます。
○羽鳥委員 当時の議事録を私も見てみましたが、事業見直しの選択と集中という結果でなっていて、課長たちの、効果がないからやめるわけではないという苦しい答弁が残されていました。この肺がん検診に要していた費用についてお答えください。
○鈴木保健企画課長 肺がん検診の費用でございますが、この検診を最後に実施したのが平成24年度でございまして、この年度の肺がん検診の予算執行額は1,491万7,828円でございます。
○羽鳥委員 そのくらいと言ったらあれですけども、費用なわけですから、肺がん検診を再開すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
○鈴木保健企画課長 肺がん検診につきましては、これまでの検診の在り方を振り返るとともに、検診の安全性を維持しつつ、実施可能な医療機関を確保する必要がございます。また、区はがん検診の精度の向上や効果的な運営等を図るためにがん検診精度管理連絡会を設置しておりますので、肺がん検診の再開に当たりましてはがん検診精度管理連絡会での議論を行う必要があると考えております。
○羽鳥委員 ぜひとも議論を行って再開していただきたいと思います。
また、乳がんについてもお尋ねをいたします。2021年度から乳がんの検診の中身が変更となっています。この中身と、あと変更を行った理由について併せてお答えください。
○鈴木保健企画課長 変更点でございますが、乳がん検診につきましては令和2年度までは視触診を行うことを必須としておりまして、視触診の後に乳房エックス線検査、いわゆるマンモグラフィーでございますが、これを実施していたものでございます。令和3年度からは改めまして、視触診と乳房エックス線検査を行う方式と、乳房エックス線検査のみを行う方式の選択制も導入したものでございます。その変更した理由でございますが、これまで視触診を必須としておりましたけれども、区民の中には乳房エックス線検査のみを受診を希望する方も一定数いらっしゃいます。また、がん検診に関する国の指針を精査したところ、制度上、選択制の導入が可能であると判断できたため変更したものでございます。
○羽鳥委員 希望しない区民もいらっしゃるというふうなことなんですけども、厚生労働省においても視触診については推奨しないとなっているわけですから、これについては廃止も検討してはいいのではないでしょうか。
○鈴木保健企画課長 乳がん検診につきましては今年度から、先ほど申し上げました選択制を導入したものでございまして、検診項目を見直しをしておりまして、がん検診の効果的な運営に向けて改善を行ったものでございます。今後の乳がん検診の在り方につきましては、乳がん検診の選択制における区民の受診動向を鑑み、他区における視触診の実施状況などを踏まえつつ、必要に応じてがん検診精度管理連絡会での議論を重ねるなど検討を継続してまいります。
○羽鳥委員 こちらについてもぜひとも議論が進むようによろしくお願いをいたします。
がん検診の受診率向上を考える上で、私はがん検診の無料化についてもぜひ検討するべきではないかと考えるんですけれども、見解をお尋ねいたします。
○鈴木保健企画課長 がん検診の受診につきましては、受益者負担の考え方から検診費用の一部について区民に自己負担をお願いしているところでございます。ただし、生活保護受給世帯や住民税非課税世帯につきましては自己負担を免除しておりますので、一定程度の財政的な支援を行っているものでございます。したがいまして、現時点においてがん検診を無料化することは考えておりません。
○羽鳥委員 無料化しているかどうかで受診率に差があるか、私もちょっとこの東京都のホームページの表から見て印をつけていって見るんですね。そうしたら胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん、全部上位20位の自治体と、それより下の自治体でやっぱり受診率に差があるかなというふうに思うんですね。ちょっと一部正確ではないところはあっても、やっぱり無料化しているところのほうが受診率が高いんじゃないのかなというふうに思いました。ぜひとも検討に値するのではないかなというふうに思いますので検討していただきたい、このように思います。
最後に、その他で、死産や早期に子どもを亡くした区民への対応についてお尋ねをいたします。
先日、生活相談である区民の方から、お孫さんが心臓の重い難病で生後僅か1週間で亡くなってしまった経験をお聞きしました。亡くなるまでの間、三度もの大きな手術をしましたが、そのかいなく亡くなってしまったそうです。その経験は昨年3月だったとのことですが、御家族は今でも生まれた赤ちゃんの写真や動画、映像などを見て、家族が亡くなったつらい思いを抱えているとのことでした。死産や流産、早期に子どもを亡くされた御家族が利用できる区の施策は何でしょうか。
○原北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 御指摘のような家庭に関しましては、助産院や医療機関に通所、宿泊をしたり、助産師の居宅訪問によって心身のケアや保健指導を受けられる産後ケア事業を利用することができるところでございます。
○羽鳥委員 子どもを亡くした後に、これまで受けていた子ども関連の事業から切り離され、家族以外の支えがないことのつらさもお聞きをいたしました。区からこうした方々に対するメッセージや利用できる事業の周知が必要だと感じました。必要な情報が得られるようホームページ上などで周知を工夫したらいかがでしょうか。
○原北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 死産や流産、早期にお子様を亡くされたという経験をされた方は、ほかの母子と同じ場所でケアを受けることに対して精神的な負担を感じるという指摘もございますので、ほかの自治体の取組なども参考にいたしまして、このような方に対して、ホームページなども含め、きめ細やかな支援となるよう周知の方法を検討してまいりたいと考えております。
○羽鳥委員 また今後、保健師さんなどが、例えばこんにちは赤ちゃん訪問などでこのお宅に伺い、思いを傾聴し、精神的なフォローをすることも必要ではないかなと感じました。誰一人取り残さない区政を実現するとき、こうしたなかなかない事例がやはり置いてきぼりにされがちかなというふうに思います。ぜひとも検討していただきたいと思います。
以上で、私の全ての総括質疑を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で羽鳥だいすけ委員の質疑を終了します。
次に、内野大三郎委員、質疑をどうぞ。
○内野委員 令和4年第1回定例会におきまして、都民ファーストの会中野区議団を代表して質問させていただきます。
質問に先立ちまして、昨日、ロシアがウクライナへ軍隊を進行させました。一方的な武力による現状変更は厳しく非難されなければなりません。我が国周辺の安全保障環境を著しく損なうものであり、到底許されるものではありません。憲法9条に拘泥することなく、新たな視点で早急に憲法を改正し、平和と民主主義の安定を目指すべきであると考えます。
それでは、令和4年度の予算について総括質疑をさせていただきます。
質問は通告のとおりで、その他について1点だけ質問いたします。
令和4年度予算について、子育て世帯への臨時特別給付金について伺います。
国は昨年11月19日にコロナ克服・新時代開拓のための経済対策を閣議決定、その中で、「2.分配戦略~安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化~」において、新型コロナウイルス感染症が長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、子育て世代については、我が国の子どもたちを力強く支援し、その未来を開く観点から児童を養育している者の年収が960万円以上の世帯を除き、子ども1人当たり5万円の現金を迅速に給付することとし、その際、中学生以下の子どもについては新型コロナウイルス感染対策予備費を措置、児童手当の仕組みを活用することで、プッシュ型で年内の支給を開始すると決定し、都道府県知事に通知しました。中野区は様々な議論を経て、10万円の現金一括給付を昨年12月17日に決めました。子育て世帯の応援、中学生以下の支援、大いに結構だと思います。しかし、子どもと子育て世帯を支援するのが目的であるのに、なぜ960万円と年収制限があるのか不明のまま、中野区でも規制をそのまま踏襲されました。児童手当については既に恒常的に特例給付という制度を設け、実質的な所得制限を課されています。臨時的に支給するものにまで所得制限を課すのは不平等のそしりは免れません。高所得者は既に累進課税において税徴収の場面で差別化されております。恒常的に分配の部分で子育て世代が差別され、さらに臨時の子育て対策においてもさらに差別する理由はなぜなのか、区としての見解をお聞かせください。
○滝浪子育て支援課長 中学3年生までの児童のいる世帯につきましては、申請不要で迅速に支給するため、児童手当の仕組みを活用して、昨年の年内支給を目指し、できるだけ速やかに支給を開始するようにという国の方針がございまして、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、収入の少ない世帯へ早急に確実に支給することを優先するため、中野区では国の制度に則って実施いたしたものでございます。
○内野委員 今回支給対象外になった世帯数と児童数はどのぐらいでしょうか。区内の子育て世帯数と児童数の割合でいうと何%ぐらいになりますか。
○滝浪子育て支援課長 支給対象外となる児童手当の特例給付に相当する世帯数といたしましては8,135世帯、児童数といたしましては1万1,493人と想定しております。割合といたしましては、世帯数では30.1%、児童数では29.4%でございます。
○内野委員 その対象者に対し区独自に配布するとしたら幾らぐらいの財源になりますか。
○滝浪子育て支援課長 児童数1万1,493人に1人当たり10万円を支給した場合、扶助費だけでも11億4,930万円が必要となる試算でございます。
○内野委員 そんなに安い金額ではないとは思いますけれども、今後こういう同様の所得制限が国から出された場合に、やはり子育て先進区として区独自に配る準備もしておいたほうがいいと思いますが、区の見解をお聞かせください。
○滝浪子育て支援課長 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、国が昨年度から対象者を変えながら臨時の給付金を支給しておりますが、迅速に支給することを重視しているため既存の制度を利用して支給を行っております。中野区といたしましても、国の方針にのっとって事業スキームを構築し準備を進めることで、できるだけ早く対象となる区民の方に支給をしております。対象外となる方への支給につきましては、他区の状況、独自の事業スキームを構築する時間や費用などを含めて総合的に判断してまいります。
○内野委員 子育て先進区と標榜しているならば、それは他区の状況を見極めていいんですけど、子育て先進区と標榜しているのであればその点はこだわっていただきたいと要望して、次の質問に移ります。
次に、区役所移転について伺います。
現在、中野区では令和6年5月の開庁に向けて区役所新庁舎の整備を進めております。新庁舎で新たにコミュニケーションツールを導入することで、職員の創造性、生産性の向上を実現し、区民サービスをさらに向上させられるよう検討を行っているとのことです。
一方で、便利なものが入っただけではあまり意味がなく、それにより大きく職員の働き方や職員の意識が変わり、効果的に使いこなせるような取組が重要だと考えます。今後2年間で、職員の新しい働き方の検討に併せて、ユニファイドコミュニケーションツールをはじめとしたデジタルツールの導入やペーパーレスの推進などを強力に進めるため、令和4年度には企画部の情報システム課と総務部新区役所整備課を一体としたDX推進室を総務部内に立ち上げる予定です。しかしながら、新庁舎への移転を見据え、限られた時間で多岐にわたる課題に対応していくに当たり、庁内の推進体制の整備に加え、既にユニファイドコミュニケーションツールは導入しており、先進的かつ多様な知見を有する東京都と連携して、例えば東京都の人材を活用していただくなど、その支援を受けながら進めていくことが非常に効果的だと考えています。都と区が連携することで、区はシステムの整備といったハード整備のみならず、ユニファイドコミュニケーションツールの行政実務における効果的な活用方法など、ソフトの面でも都が実務的に経験している運用上のノウハウやスキルを吸収することができ、一方で、東京都としても区の実情が分かり、DX推進等に取り組む現場の苦労や課題解決プロセスを都職員の方にも直接経験していただくことで、今後の市町村支援に向けた新たな知見も得られるなど、今後の都区連携でのロールモデルになれる可能性を秘めているのではないかと思います。ぜひ新庁舎に向けて、DX推進を進めていく上で、東京都と中野区が日常的に連携し、支援を受けながら検討ができる体制が構築できるよう都への働きかけを行ってはいかがかと思っております。どのように認識されているでしょうか。
○中村新区役所整備課長 今後、区で導入を予定してございますユニファイドコミュニケーションなどを効果的に活用するためには、利用する職員がその特性を理解し、有効に活用できるよう、運用の具体化、深度化が重要だと意識してございます。先駆的に業務にユニファイドコミュニケーションを導入してございます東京都のノウハウを吸収できることは効果的であることから、都と日常的に相談しながら情報交換が行えるよう働きかけていきたいと考えてございます。
○内野委員 新しい区役所を造ってAからBに引越しするだけではなくて、AからBに変わったときに、システムも含めて東京都としっかり連携を組めるようにしていただきたいと思います。
この項の2番目に、新庁舎移転に向けた業務改善について伺います。先日、区役所で開催された職員の業務改善の発表会に参加しました。最初から最後まで全ての発表を見たのは、私とあと数名の議員だったかと思います。なかなか私は、組織としてはいいことをやっているなと、業務改善も一つの仕事としてやっているんだなということで高く評価をしております。開催の時間帯や内容についてさらに改善していただきたい点もありますが、各課で取り組んでいる業務改善の取組を確認することができました。この発表会自体は業務改善取組の一つであると受け止めていますが、2年後に迫った新庁舎移転に向け、この好機を逃すことなく、全庁的に業務改善、仕事のやり方を大きく見直していただきたいと考えています。現在、新庁舎移転に向けどのような検討を行っており、それが新庁舎での働き方にどのように生かされていくのか伺います。
○中村新区役所整備課長 新庁舎整備を契機とした働き方、業務改善については、新庁舎でのフロアごとの運用を検討するプロジェクトチームを設置し、現庁舎での課題を洗い出し、ペーパーレスを踏まえた新たな業務フローの検討、見直しを進めてございます。新庁舎では、執務環境に合わせまして、場所を選ばない働き方を実現したいと考えてございまして、新たなコミュニケーションツールを活用した働き方、業務フローを検討し、区民サービスの向上及び業務の効率化につなげてまいります。
○内野委員 この項の最後に、クリーンエネルギーのさらなる活用について伺います。新庁舎整備に当たったゼロエミッション社会の実現のため、水素ステーションの設置を何度も申し上げてきましたが、現時点での新庁舎への設置の考えや設置に当たっての課題等の認識について伺います。
○中村新区役所整備課長 水素エネルギーなどクリーンエネルギーの普及拡大は重要な取組であると認識してございます。東京都においても、水素ステーションの整備促進に向け様々な取組を実施しているところでございますが、新庁舎への水素ステーションの設置に当たりましては、燃料電池自動車の普及状況や建設コスト、運用コストなどが課題だと考えてございまして、新庁舎への整備は予定してございません。
○内野委員 ありがとうございます。東京都でも水素ステーションの整備に当たって10倍、今年度よりもかなり大きい予算を確保しているので、何らかの機会で使えるように方針を、また環境政策を含めてやっていただきたいと思います。
次に、子育て先進区について伺います。
まず、初めにプレコンセプションケアについてお尋ねします。東京都は令和4年度予算に東京ユースヘルスケア推進事業として、福祉保健局が中高生などの思春期特有の健康上の悩みや妊娠を考える男女のプレコンセプションケアなどに対応できるよう、相談の実施方法や医療機関との連携、受診支援に向けた取組の実施のため1億円の予算をつけました。これは令和3年2月の閣議決定、生育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針に位置付けられ、女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取組として、国が定めたものに東京都が取組を加速出荷しようとしているものです。
プレコンセプションケアとは、女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を提供することと定義されています。プレは「事前の」、コンセプションは「妊娠・受胎」のことで、妊娠以前からのケアを示します。プレコンセプションケアの基本概念はヘルスリテラシーの向上です。リテラシーは「知識・技能」を意味し、正確な健康情報を入手し、それらを理解、評価し、活用するための知識、意欲、能力のことです。ヘルスリテラシーを向上させることによって日常生活における病気の予防や健康管理を行い、生涯を通じ良好な生活を維持することができます。すなわち、プレコンセプションケアとは若い世代へのためのヘルスケアであり、現在の体の状態を把握し、将来の妊娠や体の変化に備えて健康に関する正しい知識や習慣を身につけることです。女性だけではなく、夫やパートナーも含めて取り組むことが何よりも重要です。
プレコンセプションケアによって妊娠前の女性やパートナーの健康状態が改善され、安全で安心な妊娠出産が可能となり、結婚、妊娠、出産、子育て、仕事を含めた将来の人生設計を描けるようになります。さらに、将来の子どもたちの長期的な健康増進にも貢献し、最終的に健康寿命の延長が期待されます。まだ妊娠を考えていない方にも、将来のために自分自身の体調を管理し、健康な生活習慣を身につけることはよりよい人生を過ごすことにつながっていきます。間違った健康管理や食生活が浸透していることによって男女の生殖機能が低下していることが日本での問題点で、国際社会では周産期死亡率や妊産婦死亡率改善のためにプレコンセプションケアに注力しているのが現状です。ここではあまり踏み込んで説明する時間はありませんので端的にお聞きしますが、現在区では男女の健康相談や講座などに関してどのような取組を実施しているのでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 妊娠を望む方や不妊に悩む方を対象といたしまして、妊娠相談と不妊専門相談を子育て支援課で実施しており、御夫婦どちらも対象としております。また、すこやか福祉センターでは、年4回、女性の健康に関する講座を開催しておりまして、男性も参加できるものとなってございます。
○内野委員 東京都の令和4年度の取組として、医療機関やNPO法人などへの委託として、中高生などの思春期特有の健康上の悩みや妊娠を考えている男女を対象とした健康管理等について相談の実施方法や医療機関との連携、受診支援の在り方などを検討するようです。また、区市町村への支援として、3年間、10分の10で全額助成されますので、中野区として活用することを検討してはいかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 東京都から助成内容について詳細な事業内容が示されましたら、どのように活用できるのかを検討してまいりたいと思います。
○内野委員 箱だけ造っているわけではないので、中身の充実をしていただきたいと思っております。
それから、産婦健康診査事業についての実施状況はいかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 中野区では現在、産婦検診に対する助成制度は実施しておりません。ただ、東京都、特別区、市町村及び東京都医師会で構成する東京都地域保健事業連絡協議会の検討経緯や他区の動向も注視しながら検討してまいります。
○内野委員 よろしくお願いします。
次に、子どもの安全対策について伺います。学童クラブの待機児童対策提案型事業について。学童クラブの現在の待機児童についての現状はいかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 令和3年5月1日現在でございますが、起動する学童クラブの利用を待機している児童は174名でございます。令和4年2月1日だと34名、こんな状況でございます。
学童クラブの待機児童の状況としては、キッズ・プラザ併設の学童クラブへの利用希望が高い一方で、民間クラブに空きがあるといったようなケースや、キッズ・プラザ利用で待機しているような、そんなケースもございます。
○内野委員 この待機児童数というのは他区と比べて多いほうなのか、少ないほうなのか、人口比で言うとどうでしょうか。
○細野育成活動推進課長 区によっては学童クラブとキッズ・プラザの設置内容が異なっている場合や、また定員を設けていないような区もあるなど一概には言えませんが、令和3年5月1日現在の23区の待機児童数は、全部合わせると2,200人ほど、1区当たりということになると99人というふうにはなりますが、数としてはそういったことではございますが、なかなか比較は難しい状況ではございます。
○内野委員 この待機児童解消のために区市町村が計画に基づき地域の実情に応じた創意工夫により都に提案した取組について支援をしてもらえるとのことです。来年度新規事業として3億円の予算がついています。中野区も子育てしやすいまち、子育て先進区を目指すのならば、早速計画を立てて提案してみてはいかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 これまでも子どもたちの安全・安心な放課後の居場所づくりに努めてまいりました。子どもの成長に応じた保育や居場所、交流、相談支援のニーズに対応した児童館やキッズ・プラザ、学童クラブといった地域子ども施設の整備を進めてきたところでございます。東京都の学童クラブ待機児童対策提案型事業につきましては、制度の詳細を確認し、活用について検討してまいりたいと考えております。
○内野委員 よろしくお願いします。
次に、子どもの安全確保に向けて、防犯設備整備に対する補助について伺います。中野駅南口は第二次ベビーブーム世代、つまり私が小学生時代には学習塾が乱立し、四谷大塚は全国に名をはせる有名塾でした。その再来を思わせるほど最近は新しい大手学習塾が次々と開校しています。子育て世代にとって子どもたちの学習環境はとても大切であると感じています。東京都では、平成26年から区市町村の通学路などへの防犯カメラ設置助成が実施され、7,300台も設置されました。一方、帰宅後の放課後活動時に、危険と思われる箇所への防犯カメラ設置の助成が来年度から東京都で始まります。想定場所は、住宅街から塾や児童公園などに向かう経路です。都と区市町村とで折半でありますが、今後、中野二丁目、三丁目再開発で生まれる住宅エリアに一定の所得層の子育て世代を誘導するためにも、こうした通学路以外の安全確保策が行き届いていることは、防犯上も選ばれるまちとして中野を選択してもらいやすくなるのではないでしょうか。こうした補助を積極的に取り組んでいくことが必要かと思いますが、区の見解を伺います。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 区では現在、都の地域見守り支援事業の活用により、町会等の地域団体が主体となった防犯カメラの設置を促進しているところです。御案内の新たな防犯カメラの設置助成の活用については、今後必要に応じて関係所管等と協議していきたいと考えております。
○内野委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
次に、自転車事故防止対策について伺います。
中野区内の交通事故の事故率、自転車の関与率についてお聞かせください。東京都平均と23区平均、中野区の実数、併せて件数も教えてください。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 自転車事故の関与率につきましては、東京都平均43.6%、23区平均46.5%で、中野区は59.4%となっております。自転車関与事故件数は342件で、都内の区市町村の中では11番目に多い数値となっております。
○内野委員 事故の年代別の関与率も教えてください。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 年代別では、子ども8.2%、65歳以上の高齢者20%、その他71.8%となっており、その他のうち30代から40代が最も多く、36.6%となっております。
○内野委員 中野駅南口で朝の自転車の交通量が非常に多く、狂暴化しているとも言われています。特に中野通りの西側の歩道、パン屋の角から丸井前までの狭小な歩道は、信号待ちで滞留している歩行者が多い前をかなりのスピードで走り抜ける自転車が後を絶ちません。そこで、民間ビルのオーナーにも協力を仰ぎ、ビルの一画に啓発シールなどを貼り出し、注意喚起をしてみてはいかがでしょうか。また、歩道にある植え込みに立て看板や樹木に巻き込み型のポスターを掲示してはいかがでしょうか。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 自転車の通行量が多い危険箇所につきましては、今後も地域の御協力を得ながら、関係機関等との連携を図り交通安全啓発幕やシール等の掲示や貼付など注意喚起を促進していきたいと考えております。
○内野委員 ありがとうございます。ぜひ注意喚起をしていただきたいと思います。
それから、次に中野野方交通安全協会への助成の推移を教えてください。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 平成24年度までは2団体に対して80万円でしたが、その後、増額しまして、現在は2団体で343万円となっております。この10年間で263万円の増額となっております。
○内野委員 区の補助がどのような使われ方をしているのか把握をされていますでしょうか。新型コロナで大変運営が厳しくなっているようです。スケアード・ストレイトなどの実施ができず、交通安全対策の啓発などに苦慮しているとお聞きします。実態を教えてください。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 交通安全協会が助成金を活用して実施するスケアード・ストレイト式講習会につきましては、4回実施予定のうち3回は中止となりましたが、3月に都立高校において実施を予定しております。実施できなかった3回分につきましては、ポケットティッシュや反射材マグネットなど配布物品として啓発事業に使用しております。
○内野委員 交通安全協会の対策と中野区の交通安全対策とは平そくを合わせるべきだと考えています。コロナで人集めはできない、活動ができなかったとしても、これだけ都内でも自転車の介入率が高い事故が多いわけで、単なる啓発のためのチラシを町会、自治体の掲示板に貼ったり、ティッシュペーパーや各種団体に配るだけでは危機感が浸透しないと考えています。
行政のDX化とは、役所の情報を役所に来たりホームページを見にいったりすることで区民が得られるだけではなく、プッシュ型で区政の情報を区民に届けていく行政に変わりつつある時代です。交通安全協会と区の担当部署とは交通事故をなくすという共通の目標があるわけですから、その目標に向かって、立場は違えど、様々な手段をお互いが知恵を出し合いながら実行に移していくことが望ましいと考えています。区内の事故の状況等をプッシュ型のデジタルツールで区民に伝えることができない現状では、コロナ対策をしっかり施し、大きな自転車駐輪場のある場所、例えば丸井の地下の駐輪場の入口や啓発チラシや北口のライフの辺りでキャンペーンをしたり、啓発チラシやティッシュペーパーを配ったりと、区が本気で取り組んでいる姿を目に見える形で出すべきであると考えます。
来年度に交通安全協会と協働で取り組もうと思っている事業は何かありますでしょうか。今後、区民の安心・安全のため、ある程度の数値目標などを設定して交通安全協会と協働して事業を実施するつもりはありますでしょうか。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 数値目標につきましては、今年度策定した第11次中野区交通安全計画において、令和7年までに自転車関与事故件数を年間190件以下に減少させることを目標としております。また、区と交通安全協会との共同事業につきましては、春と秋の全国交通安全運動に向けた交通安全の集いを実施する予定です。今後、御案内の啓発物の配布やキャンペーンなどを含め、効果的な取組について同協会との連携・協力体制を強化していきたいと考えております。
○内野委員 交通安全の集いは定例的にやっているものですけれども、もうこんな現状で危ないんだよということを緊急的に伝えるために、例えば毎月何日は交通安全の日と警視庁がやっていると思うんですけれども、それに併せて一緒にキャンペーンを少し増やしてみるとか様々な工夫はできると思います。外部の交通安全協会と民間の知恵を借りて生きたお金の使い方をしてもらう。区側としては行政でできる安全対策を講じていく、これはまさに官民連携で交通事故を激減させることができれば、区民にとっても喜ばれるものと思います。今後の協働に期待をしております。
そして、東京都では平成25年7月に、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例、いわゆる自転車条例が交付されました。これは自転車利用者や個人の交通事故防止に関して事業者の義務と努力義務が定められています。東京都全体の条例とは別に、中野区での事故の実情に応じた内容の条例をつくるべきと考えていますが、いかがでしょうか。
○藤﨑生活・交通安全担当課長 一昨年4月の改正都条例の施行により、所有者に対し自転車損害賠償保険の加入が義務付けられたところです。御案内の区における自転車の安全利用に関する条例については、先行自治体などの例も含め調査、研究していきたいと考えております。
○内野委員 ぜひ検討していただきたいと思います。新しいルールが出来ればそれの啓発もしなければいけない、そのときに危機感も浸透すると、そんないい流れをつくっていただきたいと思います。
次に、テナントビル等安全対策についてお尋ねいたします。
平成13年に歌舞伎町でテナントビル1棟が全焼し、多くの尊い命が犠牲になりました。また、コロナ禍において大阪で大変痛ましい火災事件が発生し、多くの方々が犠牲になりました。慎んでお悔やみ申し上げますとともに、御遺族に衷心よりお見舞い申し上げます。またしてもという感じがありますが、こうした事件が中野で起こらない保障はありません。中野消防署では緊急点検として、各ビルオーナーに防火管理者の再確認などを実施しているようで、私の事務所でもオーナーから指導があり、私も防火管理の講習に行くことになりました。そこでお聞きしますが、この大阪での火災事件の後に区としてはどのような安全対策を実施されたのでしょうか。
○小山内建築課長 昨年末に東京都より消防署と連携して、通称雑居ビルと呼ばれる建物に対して調査を実施し、報告するよう事務連絡を受けたところでございます。年明けに中野及び野方消防署が抽出した129件に対する合同立入調査を1月11日から1月31日まで実施し、調査結果の概要を東京都に報告したところでございます。今後は、建物所有者に対して緊急点検結果区分に基づき指導及び安全上の課題について、所有者、管理者または占有者に対し助言を行い、解決に向けた取組を促していく予定でございます。
○内野委員 平成23年に東日本大震災から2年後に中野駅南口の町会を通じて分譲マンション・ビル防災会議というのを立ち上げました。現在は一時中断中ですが、マンションの管理組合の方やビルオーナーさんと懇談をし、東日本大震災のときの対応状況、帰宅困難者の受入れ状況、震災後のマンション内での備蓄の状況など様々な意見交換ができ、とても有意義だったと記憶しています。そこで、区内の駅ごとにこうした分譲マンションの管理組合やビルオーナーとが懇談できる地区協議会のようなものをつくって、町会や商店街と同様の地域団体として組成していき、地域交流を促していけないものでしょうか。まちづくりは人と人とのつながりを強くしていきます。基本構想のキャッチフレーズにもあるように、「つながる はじまる なかの」を目指すのに、他区にはない取組として推進してみてはいかがでしょうか。また、こうした組織づくりのサポートも併せてやってみたらどうでしょうか。
○堀越企画課長 マンションの管理組合やビルのオーナー等による駅ごとの地区協議会の設置についてでございますが、関係者の利害関係が複雑に絡むことが想定されますところでございまして、行政としてどのように公益性を捉え支援が行えるかについて、今後研究してまいりたいと考えてございます。
○内野委員 ありがとうございます。このような観点で組織が出来上がれば、ビルやマンション防災の観点からの防災訓練などを実施し、町会・自治会で実施しているものとはまた違う観点からの防災意識の啓発につながると期待しております。
続きまして、中野二丁目地区のまちづくりについてです。
現在、中野駅周辺では中野二丁目の再開発事業、中野三丁目の土地区画整理事業、そして中野駅の整備事業と中野駅周辺のまちづくりを先導し、目に見える形で事業が進んでいる地区が幾つかあります。特に中野二丁目の再開発では、再開発ビルの骨組みの階層が積み上がっていくにつれ、新たなまちの顔の誕生に対し、地域の期待も日に日に高まっていくことを実感しています。こうしたまちの未来に対する期待の高まり、まちづくりの機運は絶対に逃してはならないと思います。今こそ再開発周辺地区のまちづくりに取り組むべきではないでしょうか。
区は、南口駅前の商店街を中心としたファミリーロード沿道について、まちなみ誘導型の地区計画を導入すべく都市計画の手続を進めていくと、これまで議会で報告がありました。ぜひ地域の声を聞きながら着実に進めていただきたいと思います。
一方、中野二丁目の東側エリアに位置する千光前通り周辺については、具体的なまちの絵姿が見えてきません。区が策定している中野駅南口地区まちづくり方針でも、その対象外となっています。地域では数年前から、中野二丁目再開発の機運を逃すまいと、区の協力も頂きながら有志によるまちづくり勉強会を開催し、2年前、千光前通り周辺のまちづくりを考える会を発足させました。コロナ禍の中、十分な活動が進められない状況が続いていますが、まちづくりの機運の火を消してはいけないとの思いに変わりはありません。
区は、一昨年の第4回定例会の建設委員会において、千光前通り周辺のまちづくりを区として進めていくとの報告がありました。現在の取組状況を伺います。
○石橋中野駅周辺地区担当課長 千光前通り周辺のまちづくりにつきましては、過年度に実施をいたしました関係権利者からのまちづくりに関する意向調査を踏まえ、地元組織のまちづくりを考える会とともに、まちが抱える課題の抽出や目指すべきまちの将来像などについて協議を重ねてきたところでございます。今後これを具体化していきたいというふうに考えています。
○内野委員 千光前通り周辺のまちづくりの取組を進めるに当たって、来年度予算ではどのように計画されているか伺います。
○石橋中野駅周辺地区担当課長 これまでの地元との協議を踏まえまして、来年度、外部委託により地区の現状分析や課題整理を進め、今後策定予定のまちづくり方針やその事業手法の検討の素材となる資料を取りまとめていく予定でございます。
○内野委員 区はどのようなまちづくりの構想を描いているのかお伺いいたします。
○石橋中野駅周辺地区担当課長 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3におきましては、千光前通り周辺の整備方針につきまして、中野二丁目一体の都市機能の改善や防災性の向上を図るため、中野駅や中野五丁目側のアクセス経路の整備や新たな都市機能の立地など、JR電車区等も活用したまちづくりを進めるとしてございます。また、後背の住宅におきましては、良好な住環境の保全とともに、安全性、快適性を高める道路などの整備を進めるとしてございます。これらの方針を前提に中野二丁目再開発の効果、影響を加味した上で、地区計画等の活用により土地の有効利用や商業、業務機能の誘導、また、安全で快適な歩行者空間の創出や良好なまちなみの形成、そして防災性の向上を図っていきたいというふうに考えてございます。
○内野委員 千光前通りと後背の住宅地との関係が非常に良好なため、今後の課題解決に向けて区がコミットしていただくことは大変うれしいことと思います。今後の大まかなまちづくりのスケジュールについて伺います。
○石橋中野駅周辺地区担当課長 今後も地域との協議を重ねながら、中野二丁目の再開発建物が竣工する2024年頃に合わせまして、まちづくり方針の策定や整備手法の検討など千光前通り周辺のまちづくりの方向性を取りまとめて、地域のまちづくりの機運を喚起させたいというふうに考えてございます。
また、南口駅前広場の拡張整備事業が完成する2026年頃をめどに地区計画等によるまちづくりのルールを定めることで、具体的なまちづくりを誘導していきたいというふうに考えてございます。
○内野委員 具体的なスケジュールのおしり、目標、期限を決めたことは非常に有意義だと思います。中野二丁目の再開発で中野の知名度が一気に高まるとともに、これまでのイメージまでもが一新されるほどのインパクトをもたらすでしょう。時機を逸することなく、気運に乗じて着実にまちづくりを進めていただきたいと願いまして、この項の質問を終わります。
その他の点で1点お伺いします。
先日、北京市西城区との友好都市関係締結35周年行事を実施したとのことでした。実施に当たっては、北京オリンピック開会前なので政治的プロパガンダに使われないように十分配慮してもらいたいと要望しておりましたが、そのようなことはなかったと聞いております。
開催方法として、オンラインで限られた関係者だけの参加と聞いておりましたが、せっかくの機会でしたので、日中友好促進の区議会の議員連盟もモニターで拝見するだけでも参加したかったと残念に思っております。
ただ、台湾との交流促進は議会側から高橋かずちか前議長が積極的に働きかけをしてもう6年が経ちます。新型コロナのおかげで時間が空いてしまったとはいえ、こうした交流事業をオンラインで実施できるようになったのならば、ぜひとも友好提携だけは先にオンラインで実施、新型コロナ収束を見計らってすぐに現地へ行く、または現地から迎える準備をすればいいと思うんですが、現在の進捗とその先のスケジュールについてお尋ねして私の全ての質問を終了します。
○矢澤文化国際交流担当課長 お答えいたします。2019年1月の中野区友好調査団による台湾訪問を機に台北市中山区との友好交流都市関係締結に向けまして協議を進めてまいりました。その後、台湾総統選挙という先方の事情や新型コロナウイルス感染症の影響等により、両区を行き来しての交流ができていない状況でございます。今後、台北市中山区との交流を進めるに当たりまして、新型コロナの収束状況を見つつ、また、区議会や日台議連とも連携しながら、交流の内容や友好交流都市関係締結に向けた具体的な協議の在り方につきまして検討してまいりたいと考えてございます。
○内野委員 ありがとうございました。ぜひ交流事業を進めていただきたいと思いまして、全ての質問を終了します。
○ひやま委員長 以上で内野大三郎委員の質疑を終了します。
次に、森たかゆき委員、質疑をどうぞ。
○森委員 立憲民主党・無所属議員団の森たかゆきでございます。会派2番手として総括質疑をさせていただきたいと思います。
質問は通告のとおりではありますが、大きな1番の(3)新型コロナウイルス感染症については機会を改めてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、質問の冒頭、先立ちまして、昨日ロシアが国際社会の働きかけに応じずウクライナへの軍事侵攻を始めました。武力による原状回復の試みというものは決して許されるものではありません。ロシアにはG7をはじめとした国際社会の外交努力に応じるよう求めるとともに、日本政府に対しても平和国家日本にふさわしい役割を果たしていただきたい。このことを期待するものであります。また、既に多くの命が失われたとの報もありますが、最小限の被害で最短の期間で事態の収束を願いながら質問に移りたいというふうに思います。
まず、令和4年度当初予算案について、予算編成方針と今後の財政見通しについてからお伺いをしていきたいというふうに思いますが、通告枠内だと思いますが、1点だけ冒頭に質問を追加したいと思います。財政の現状認識についてでございます。
昨日の山本委員の質問の中で申し上げましたが、我が会派としては、先日の中村幹事長の一般質問への答弁を受けて、区は財政運営上の非常事態という認識は変えられたものだと理解をしていました。ところが、昨日の複数の委員への御答弁を聞くとどうもそうではなさそうということが分かってまいりました。我が会派からも区の財政に対する現状認識についてお伺いをいたします。
○森財政課長 財政認識の御質問でございますが、令和3年度の決算見込みや令和4年度予算におけます一般財源の状況は当初の想定よりも上振れの見通しでありまして、好転しているものと捉えているところではございます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の下振れリスクは依然としてありまして、不透明な経済状況には変わりはなく、引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があると、そう考えているところでございます。
○森委員 すみません、もう少し大きな声で御答弁を頂けるとうれしいかなと思います。今頂いた御答弁が中村幹事長の質問に対する答弁とほぼ一緒なんですね。私たちはこの答弁聞いて、皆さんが好転したとおっしゃったわけですね。想定より悪くならなかったとか、やや持ち直したとかではなくて、好転という表現をされたわけです。さらに、同時に出されていた第11次補正予算あるいは今審査中の来年度予算案、この歳入の状況を見ると堅調に伸びている。好転という言葉が非常に的確な表現の歳入状況だというふうに受け止めましたので、認識を変えられたのかなと思ったんですが、そうではないということでありました。
答弁の後半に、不透明な経済状況に変わりはなく云々というふうにあったわけです。ただ、既にこれは指摘がありますけれども、不透明な状況というのはもうずっと続いているわけですね。私はこの話ではなくて、ちょっと別の思うところがあって、今回の予算審査に当たって10年分過去の予算編成方針を読み返してみましたけれども、その時々で内容というか、要素が違いますが、ポジティブな要素とネガティブな要素があって、いずれにしても先は不透明だから下振れのリスクがあるから慎重に見ていかないといけないね、こういうことが書いてあるわけです。この不透明だから財政運営上の非常事態なんだと言ってしまうと、この10年非常事態だったのかなというふうに思うわけですよ。ある意味それも私は一つの理解の仕方だと思っています。
国の財政のほうを見てみたら、赤字国債というのは法律で禁止されている、発行できないはずなんです。それを毎年、国会で特例法を通して赤字国債を発行して国の予算というのは成立しているわけです。これは非常事態が常態化しているんじゃないかと言えばそのとおりだという面もあるんだと思うんですが、ただ、区が今回おっしゃった財政運営上の非常事態というのはそういう意味ではなかった。もう少し限定的な意味で、新型コロナの影響が見通せない、非常に大きく歳入が落ちるかもしれない、こういう意味で使われていたんだと思います。冒頭ウクライナの話もしましたけれども、そういった国際情勢、地政学的なリスクを考えても、新型コロナだけをもって財政運営上の非常事態、そこの不透明感の影響が非常に強いんだという理解は少し違うのかなというふうに思っています。
この歳入状況で認識を変えられないとすると、じゃあ次、いつ変えられるのかなということが大変心配になるわけであります。もう昨日から今日の前半にかけて、いろいろな立場の議員がそれぞれの表現で、でも大体同じことを言っている、本当にその現状認識でいいんですかということを言っているわけです。ぜひ改めて皆さんの現状の認識が妥当かどうか庁内で検討していただきたいなというふうに思っています。これは要望にしておきます。
それで、令和4年度予算編成方針を見ていきたいと思いますが、ここには令和3年度予算は前年度比、約68億円の減少を見込んだことに触れた後、令和4年度予算は、それよりは微増の見込みであるものの令和2年度予算の水準には遠く及ばないという見通しが示されています。しかし既に多くの指摘があるように、現状には大幅な歳入の増となっています。予算編成方針の記述と実際の予算案に示された歳入には乖離があるように思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 予算編成方針を検討していた段階では、特別区交付金の財源となる調整税等の歳入の情報はございませんので見通しが立てづらいと、そんな状況でもございました。特別区税についてはその時点で区が把握していた情報によりまして微増を想定していたところではありますが、令和2年度当初予算の水準に戻るというようふうなことは想定しづらかったことから、今、委員お話しあった予算編成方針のそういった記述表現としたところでございます。
実際の予算案に計上された歳入については予算編成開始時の想定よりも大幅な増収ということになりまして、その点については乖離があったということについてはそのとおりだと思います。
○森委員 その歳入増の見込みというのがどこかのタイミングで出てきたわけですね。これをもって来年度、実施事業の見直しなどは行われなかったんでしょうか。
○森財政課長 歳入増の想定が最終的に見えてきたというものは令和3年の12月下旬ということでございます。ですので、歳出に計上した事業費の見直しについては、それ以降特にしてはございません。
○森委員 つまり歳入のところの数字が変わっただけで、歳出、実際に実施する事業については予算編成方針のとおりということで、少しそこはずれが出ているということですね。第3回定例会の一般質問で私は、その時点で令和2年度の国の税収が過去最高額になったということ、それから、区の本年度の歳入が想定より上振れすることは見えているんじゃないかと、そういったことを触れました。具体的な数字が見えたというのが12月の中旬頃ということで御答弁頂いたんじゃないかなと思うんですが、その前段階で、少なくとも令和2年度予算の水準には遠く及ばずというような表題はやや過剰じゃないかということぐらいは言えたんじゃないかなというふうに思うんですが、この点の見解はいかがでしょうか。
○森財政課長 先ほども御答弁申し上げたとおり、予算編成の開始時点においては先がなかなか読みづらかったというようなところで、予算編成方針にはそのような記述をさせていただいたところでございます。令和3年度から令和4年度の歳入の大きな増というところはなかなか見通せなかったということでこういった表現になったところでございます。
○森委員 先が見通しづらかった状況であるということは理解をいたします。ただ、短期間で状況が変わることもある中で、予算編成方針というのは9月頭頃に決まるわけですね。あとは、それに従って予算編成をしていく。歳入は、御答弁頂いたような12月中旬頃に見えてくるから、そこで数字だけ入れるというようなやり方だと、状況変化についていけなくなってしまうというようなこともあり得るんじゃないかと思います。今回は歳入増だからまだいいですが、このタイミングで歳入減となったときに大丈夫かなというような心配もあります。もう少し柔軟な対応というのができないものかと思いますがいかがでしょうか。
○森財政課長 これまで御説明しているとおり、令和4年度予算における歳入については予算編成開始時と比べて想定以上の上振れとなったといったようなところでございます。このように歳入の見込みが、予算編成過程で大きく変わった場合どう対応していくのかといったことについては、今後検討していきたいと考えております。
○森委員 財政当局が先を厳しく見ようとするというのはある意味当然で、それは理解するんです。ただ、やっぱりここ数年の状況というのは現実離れし過ぎていると思うんですよ。しかも予算案に示されている数字以上に実は本来は私たちが得るべき歳入というのはあるわけですね。ふるさと納税の影響額というのは約18億円流出というふうに書いていただいておりますが、法人住民税の一部国税化、また消費税の清算基準の見直しの影響額、これは令和4年度予算に当てはめるとどの程度になるのか、ここの数字は出るのかお伺いをいたします。
○森財政課長 特別区長会事務局が試算をしておりまして、令和4年度での数字でございますが、法人住民税の一部国税化による影響額は約52億円、地方消費税の清算基準の見直しの影響額は11億円と見込まれております。
○森委員 単純に足すと80億円を超えるわけですね。当然財政調整算定のベースが変わるから、これは丸々この制度がなくなったらこれだけ歳入が増えるというわけではありませんが、それにしてもとんでもない金額だと思います。こういったところの見通しがなかなか立てづらい、制度が悪いんじゃないかというようなことを申し上げましたが、昨年振り返ってみると、議会の側でも、皆さん10年歳入戻らないと言っているけど、10年以降も戻らないほうがいいよ、こんな指摘をした議員もいるわけですね。今の発言は去年の私の発言の紹介ですけれども。私も先を見誤っております。だからお前には言われたくないと思って聞いている理事者の皆様もいっぱいいるかもしれませんが、私も自分の昨年度の反省を込めて質問しているので少し聞いていただきたいなというふうに思っています。
私が昨年、何でそういうことを言ったかっていうと、やっぱり新型コロナ前の歳入というのが、異次元金融緩和の影響もあってちょっと異様な伸びだったんじゃないかなというふうに思っていたんですよ。それに加えて、やっぱり区の中長期の財政運営の責任を持とうと思ったら、皆さんと一緒で先を厳しく見ないといけない、こういうことも考えました。だからそういうこと言ったんですが、皆さんも、私も、厳しく見ないといけないと思い過ぎて、何でこんなに歳入が伸びているのかというのを、何というか、その状況にちゃんと向き合ってこなかったんじゃないかなというのが一つ反省としてあるわけです。
山本委員から、歳入が増えているのは何でですかと聞いていろいろ答弁を頂きましたが、やっぱり通り一遍というか、これまでどおりの答弁なわけですね。もう少し踏み込んだ分析というのが必要になってくるんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 社会経済状況や国や都の動向を注視するほか、特別区交付金や地方消費税交付金などの財源となる収入データ、こういったところもしっかり捉えて、また、この状況を踏まえてこういった分析、それはしていく必要があると捉えております。
○森委員 何で歳入がこんなに増えているのかという分析をするということは、じゃあ、その先にどういうリスクがあるのか、これを理解することにもつながると思っていますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
ということで、想定されるリスクの話を少ししたいと思います。新型コロナの影響はいまだ続いているわけでありますが、国際情勢もあります。ウクライナだけではなく、中国、北朝鮮、地政学的なリスクというのは我々も抱え続けているわけですね。特にこういう地政学的なリスクというのは原油価格の高騰を招き、それが日本の物価にも影響してくる、こういうことになるわけであります。既にいろんなものがこの2月1日から値上げ、値上げということでニュースにもなっておりましたけれども、帝国データバンクが1月に調査した結果を見ると、原材料価格の高騰の価格転嫁が全くできていないという企業がいまだ3分の1ある。できているとする企業でも、影響額の2割から3割程度しか価格に転嫁できていない、こんな調査結果でありました。先ほど申し上げた異次元金融緩和で、それをやっても動かなかった日本の物価というのが、こういう外的要因で上がってくる、こういったリスクも見えてきているわけであります。外的要因ですから、原材料価格が上がって価格転嫁をして、それが売れたとしても、企業の収益が増えるというよりは、原材料の価格を吸収できるというだけですね。そうすると、労働者の賃金が上がるかどうか分からない。賃金が上がらないのに物価が上昇していく。いわゆる悪い物価上昇、スタグフレーションと言われるような状況の深刻化、これが心配をされるわけであります。そういった状況になって区民の購買力が落ちれば、新型コロナでただでさえ深刻な地域経済の状況というのも、ますます大きな影響を受けていくんじゃないかなというふうに思っています。各経済指標、これを見ていくというのも大事ですが、現場に近い基礎自治体ですから、町場の景況感というのもこれまで以上に見ていきながら、場合によっては機動的な経済対策、生活支援策、こういったものが必要になってくると思いますがいかがでしょうか。
○堀越企画課長 機動的な経済対策、生活支援等についてでございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大などによる地域への影響につきましては、社会経済情勢の変化や区内の景気動向、景況感等も一層迅速に、かつ的確に捉えることといたしまして、時期を逸することなく事業者支援やセーフティネットなど区民生活の支援策を打ってまいりたいと考えてございます。
○森委員 ありがとうございます。今、企画課長に御答弁頂きましたが、町場の景況感をつかむというのは区長の得意とするところでもあると私は思っていますので、割と本気でそこにも期待をしております。
状況が深刻化する。そうなると国も動きますからね、そういった動きもしっかりと捉えてやっていっていただきたいなと思います。一方で、国の動きでリスクになる部分もあります。以前の一般質問で、経済財政諮問会議の中で、自治体が使い切れないほどの基金をため込んでいる、こんな議論があったということを紹介いたしました。当時、総務大臣が自治体の立場から反論していただいて一定収まったのかなと思ったら、まだそういう動きというのは残っているようで、来年度、国は自治体の基金を活用した事業の進捗状況の点検評価、こういったことを課題としているそうであります。また、そうした議論とは別に、森林環境譲与税、これが都市部への配分が多過ぎるのではないか、こういった議論も、指摘もあるようであります。そういったことを考えますと、中野区においては環境基金の在り方というのが注意すべき点として挙がってくるかなと思っています。そこでまず伺いますが、来年度予算案では、森林環境譲与税の活用はどのように考えているのか伺います。
○波多江環境課長 令和4年度森林環境譲与税については、北部すこやか福祉センターの書架購入、また、江古田小学校及び塔山小学校の工作室などで使う角椅子などの木製備品等を購入することといたしまして、地域施設や子ども施設を対象として活用する予算としております。
○森委員 北部すこやか福祉センターと学校2か所での活用ということですが、これは過度の積上げにならないようにもう少し整備のペースを上げていったりですとか、より幅広い使い方を検討したりといったことも考えるべきではないかなと思いますがいかがでしょうか。
○波多江環境課長 森林環境譲与税は、森林整備を推進し地球温暖化を防止すること、また木材利用の推進やその普及啓発等を目的としているため、区有施設において国産木材による木製備品等の整備をさらに推進し、積極的に森林環境譲与税を活用していきたいと考えております。
○森委員 それはぜひよろしくお願いいたします。今月オープンした中野東図書館の子どもフロアには、森林環境譲与税で小さい木のお家を造っていただいています。見ているとすごく子どもに大人気で、密にならないように気をつけながらみんなあの環境を楽しんでいます。財政運営云々もそうなんですけれども、そうでなくても区民に喜ばれる施策になるんじゃないかなと思いますので積極的な検討をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
次に、予算規模が過去最大となったことに関連して幾つかお伺いをいたします。予算編成方針には歳出の抑制ということが書かれているんですが、予算規模を一定に収めるといった考え方は見受けられません。それはなぜでしょうか。
○森財政課長 予算規模につきましては、一般財源歳入の状況によっても増減をするものでございまして、予算総額の規模の上限設定といったようなことについての財政運営ということはしてきていないということでございます。
○森委員 歳入がどうなるかによって基本的に規模が決まってくるということなんだと思います。例えば、今の予算案から歳出を削って削って10億円削りましたとなったときに、予算規模というのはどうなるんでしょうか。
○森財政課長 その10億円の歳出削減を仮に行ったとしても、もしそれが一般財源で実施している一般財源の充当事業でありましたら、その歳出がなくなった分は一般財源が基金の積立金に変わっていくということになっていくため、予算規模は変わってこないということになります。
○森委員 そうですね、一般財源を削ったらと聞かないといけなかったですね。趣旨としてはそういうことです。答弁頂いてありがとうございます。
逆に、区の裁量で予算規模が変わるということは、どういったことが考えられますか。
○森財政課長 区の裁量で予算規模が変わる主なケースとしては、起債や基金を充当した事業を取りやめた場合、そういった場合については当然歳出のほうも落ちますし、起債、基金の充当も落ちますので、そういった場合は規模のほうは変わってくると考えております。
○森委員 とはいえ、単年度の起債で3桁億円なんていうのは基本的にはない、今度の新庁舎ぐらいですから。なかなか区の裁量で予算規模がどうこうするという影響は限定的かなというふうに思っています。当然の話ですが、少し確認をさせていただきました。
それから、来年度予算の予算規模が膨らむ要因となったものの一つに、児童相談所があります。予算説明補助資料の185ページを見ると9億円近くが計上されています。一方で当初予算の概要を見ると12.6億円という金額が載っています。この差額は何でしょうか。
○森財政課長 今、御紹介いただいた予算案の概要の12億6,000万円余という、この金額でございますが、児童相談所に関連した経費を全体的にお示しをするため、児童相談所の設置市になったことによって移管されている事業ですとか、そういったものがあるわけですが、児童福祉費以外の人件費ですとか、小児慢性特定疾病医療費給付ですとか、障害児入所給付など、こういったものを含めて12億6,000万円余ということでお示しをさせていただいたということで、それで差額が生じているということになります。
○森委員 我が会派としては、児童相談所設置に伴う設置市事務というのも大変な量来るのではないかというようなことを議論してきましたけれども、金額としてもそういったところでかなり大きく出ているということが分かりました。
それから、この関連する一般財源の歳出は5億円余ということで載っていますが、これに対応した歳入、財政調整算定の中での取扱い、この点について教えてください。
○森財政課長 先ほど児童相談所運営の関連経費として全体で12億円、12億6,000万円余ということで御説明させていただきましたが、それに対応する財政調整算定ということで御説明を申し上げると、令和3年度のベースで計算をすると、約8億3,000万円余が財政調整の算定が見込まれるということでございます。
○森委員 8.3億ですから大分持ち出しもあるということなんだろうというふうに思います。
この児童相談所の23区の設置を契機に財政調整交付金の配分割合が動きました。0.1%だけど動いた。これは、私はまさか2年連続0.1%のままだとは思わなかった。当然ここはきちんと議論が進んで、一定23区の取り分というのが増えてくるんだろうと思ったんですが、その後の議論というのはどのようになっているんでしょう。
○森財政課長 財政調整交付金の配分割合につきましては、令和元年度に行われました財政調整協議におきまして、今、御紹介されたとおり0.1%の増になった、配分の見直しが行われたということなんですが、今後につきましては、令和4年度、来年度に行う財政調整協議で配分割合の在り方を改めて議論するというふうにされておりまして、この間の議論というのはされていないということでございます。
○森委員 議論がされていないまで答弁が返ってきてちょっとびっくりしましたが、来年度の中では議論の場があるということなので、きちんと主張していっていただきたいなと思います。
それから、予算説明補助資料の193ページ、学校経営支援のところに、GIGAスクール構想に関連すると思われるICT環境整備費が合わせて約10億円余計上されています。今年度もこれに近い金額が計上されていますが、これは毎年度、これからこのくらいかかってくるという理解でよろしいでしょうか。
○松原学校教育課長 学校に配置をしております学習用端末、電子黒板、校務端末などのICT機器の保守委託料や賃借料が主な経費でございまして、今後も同規模程度の経費は必要と見込んでございます。
○森委員 これも特定財源を見ると、ここの項目のところで400万円にも満たないわけですが、こちらについても財政調整算定での取扱いがどうなっているのかお伺いいたします。
○森財政課長 GIGAスクールに関連する財政調整算定ということでお答えさせていただきますが、令和3年度の財政調整交付金におきましては約1.4億円、こちらが算定されております。令和4年度も、ほぼほぼそれを踏まえて同額程度が算定されるのではないかと想定をしております。
○森委員 上限ぐらいの金額に対して1.4億円ですから、大分開きがあるんだな、持ち出しが多いんだなということが分かります。その他、ここ数年で予算規模が膨らんだ主な要因に何があるのかお伺いをいたします。
○森財政課長 ここ数年の予算規模の増の要因といたしましては、中野駅周辺の整備、また教育・保育施設給付、子ども・若者支援センター、児童相談所の準備、それから運営、区役所新庁舎整備、新型コロナウイルス感染症対策、また新庁舎移転を見据えた業務改善等、こういったところが挙げられるかと考えております。
○森委員 国の施策ですとか、前区政から継続している取組ですとか、新型コロナですとかということで、なかなか酒井区政オリジナルというところで大きな財政支出というところに至っていない、これは少し残念で、次の課題かなというふうに思っています。
次に、起債に関連してお伺いをいたします。今年度予算は大幅な歳入減を見越し基本的に起債できるものは起債するという考え方で編成されていました。来年度予算案では、新庁舎、学校、中野二丁目地区の市街地再開発事業、西武線の立体交差事業などで計60億円近い起債の活用が予定されています。これはどういった考えに基づくものかお伺いをいたします。
○森財政課長 一時期に多額の費用を必要といたします施設建設ですとか、まちづくりなどについては、財政負担の平準化、世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用しているところでございまして、令和4年度につきましては、起債額のところで一定線を引きまして、5億円に満たない事業については起債を活用していないというところでございます。
○森委員 5億円以下のものはあらかじめ起債じゃなくてということですね。分かりました。
今年度予定していた起債については、歳入の大幅な増を受けて、第11次補正予算で財源更正をして全て取りやめたわけであります。令和3年度決算での起債残高と公債費負担比率がどうなるのか、数字は出ますか。
○森財政課長 一般会計における令和3年度決算見込みでの起債残高は約114億円になります。用地特別会計と合わせると238億円になります。公債費負担比率につきましては1.6%と見込んでおります。
○森委員 皆さん、よく基金と起債のバランスと言うんですが、結果としては、基金偏重の財政運営がされてきた結果、起債残高も公債費負担比率も極めて低い水準に収まっています。そこで伺いますが、起債はゼロが望ましいとお考えでしょうか。
○森財政課長 一時期に多額の経費が必要となる場合については起債を活用するというようなことでこれまで財政運営を行っておりまして、これについては変わらないところでございます。公債費が区民サービスに影響を及ぼさないよう、公債費負担比率はおおむね10%で運用するということでございます。
○森委員 ゼロを目指すというよりは、一定負担を抑えるという考え方なのかなと思います。当然起債をしたら利払いが発生するわけですから、抑制をしようという考え方は分かります。ただ一方で、本当に利払いというのはただの無駄金なのかということはちょっと考えたほうがいいかなというふうに思っています。起債を行い基金を確保することで何かあったときの政策の選択肢の幅を広げる、こういったこともあるんじゃないかなと思います。先日議決した第11次補正予算でも、例えば学校整備の起債、約60億円の起債をやめていますが、これをそのままにして義務教育金へお金を積むことで、この前のように具体的に進んでいた学校整備を止めて先送りをせざるを得なくなる、こういったことが避けられることも考えられるんじゃないかなというふうに思います。そう考えると、利払いがただただ無駄という考え方もちょっと固定的過ぎるかなと思いますが、このようなことはお考えにならないでしょうか。
○森財政課長 令和3年度第11次補正予算で起債を取りやめといったようなことにつきましては、一般財源が充足する見込みであり、利子等の後年度の負担も考慮して取りやめたといったようなことでございます。また、基金への積立てにつきましては、令和4年度予算の計画も含めて捉えたというようなところでございます。
今後でございますが、その時々の歳入見込み、また基金とのバランス、実際に適用される率等ありまして、そういったところも含めて、全体的に勘案して判断をしていきたいと考えております。
○森委員 第11次補正予算については、我々もその判断が妥当だと思うから賛成をして成立をしているわけなんです。ただ、そういう考え方もあるんじゃないですかということで今回紹介をさせていただきました。今後、新しい財政運営の考え方をお示しするということですので、その中でよくよく検討をしていただければと思います。以上です。
それから、構造改革実行プログラムについて入っていきたいと思います。
既に複数の同僚議員から指摘がありましたが、区長の施政方針説明で位置付けが変わったような御発言もありました。状況が変わればそういうこともあるのかなというふうに思います。これまで皆さんは、基本計画等を下支えするという表現を使ってきましたが、この表現を受けて言えば、歳入状況から基本計画は下支えなしで自立できるようになったということなのかなというふうにも思ったわけですが、その点いかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 基本計画を推進するためにはヒト・モノ・カネなどの経営資源が必要でございまして、構造改革における選択と集中、効率化、合理化によって、そうした経営資源を確保することが下支えになると考えているところでございます。
○森委員 下支えはまだやっぱり必要ということなんですか。ちょっと時間がないので先に行かせていただきます。
もう一点聞きたいんです。構造改革実行プログラムの第2章、構造改革推進の基本的な考え方の冒頭には、収支が均衡する状況まで継続する必要がある旨の記載があります。ここでいう収支が均衡する状況とはどのような状況でしょうか。来年度予算案の実質的な基金積立額は42億円のプラスですが、これは収支が均衡した状況と理解するのが普通だと思いますがいかがでしょうか。
○森財政課長 令和4年度予算で見ますと歳入超過ということでございますので、収支が均衡する状況と、それは言えるというふうに考えています。
○森委員 財政運営上の非常事態のところもそのぐらい素直に認めていただけるといいのになと思うんですが、収支が均衡した状況ということでありますね。ただ、単年度で収支が均衡したからじゃあいいんだという話でもないというふうに思っています。ただ、歳入状況がこういう状況ですから、我が会派としては、構造改革実行プログラム、本体は個別プログラムなわけですね、具体的にやるのは。これが果たして本当に今の状況で妥当かという観点から会派として見直しもしましたが、やっぱりここに掲げた事業については、プログラムについては、今の状況でも着実に実施していくべきじゃないかというふうに思ったわけです。この点についての見解はいかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 構造改革実行プログラムは、持続可能な区政運営を実現するため、中長期的な視点から今取り組むべき区政課題上の課題を取りまとめたものでございます。計画期間である令和5年まで集中的に取り組んでいく考えでございます。
○森委員 それはぜひお願いをしたいと思います。ただ、指標のほうにちょっと疑問があります。いよいよ児童相談所が開設されるという状況であり、また、令和5年度以降は職員2,000人では厳しくなるという御答弁も頂いています。そうした中で経常経費の削減、人件費比率抑制、総労働時間の削減等と掲げることが妥当でしょうか。構造改革の取組とは別の要因でこれらの指標が大きく動くことが予想されます。個別プログラムの取組の積み重ねを評価する指標としてどうなのかなと疑問を感じるところです。指標については見直しが必要と考えますがいかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 構造改革実行プログラムにおきます基本指標でございますが、発展性、持続可能性、生産性など行財政の運営の観点から設定をして、おおむね妥当と考えているところでございますが、例えば人件費の指標など、実態を踏まえてより適切な効果測定等ができますようにプログラムを更新する際に検討していきたいと考えております。
○森委員 検討いただけるということでよろしくお願いします。特に経常収支比率については、ここに、類似した歳入構造である23区を下回るとあります。これまでそれでもよかったんですが、児童相談所がある区とない区ではやっぱり歳入構造も変わってくるんだと思います。必要な職員の人数というのも変わってくるんだと思います。私たちがこれまで慣れ親しんできた23区比較ということの意味自体が変わってくる、こういう状況になるんだろうというふうに思っていますので、その点も押さえていただきたいなと思います。
ちなみに、令和2年度決算の経常収支比率は77.1%ですが、これは全国何位でしょうか、そしてその要因はどういったものがあるでしょうか。
○森財政課長 令和2年度決算における経常収支比率でございますが、数値が小さい順位から見ていきますと、全国では59番目になります。ちなみに、特別区では4番目ということになります。令和元年度から3.2%減となったわけでございますが、その要因といたしましては公債費などの減があって、経常経費の充当一般財源が減になったと。それから一方で特別区税などの増があって、歳入の経常一般財源等が増したといったようなことでこのような結果になったものと考えております。
○森委員 59位、23区中4位ということは、そんなものは多少いいかなぐらいに聞こえるかもしれませんが、この総務省が出しているランキングを見ると、経常収支比率の上位というのは人口が極端に少なくて、何か観光とか特産物とか、いわゆる外貨を稼げる自治体というのがずらっと並んでいるんですね。東京都の島のほうの自治体なんかもいっぱいランクインしています。それ以外で見ると、それ以外での1位というのが港区なんですが、それでも31位なんですね。その後に、また村と町がいっぱい並んでいて、その中に渋谷区、中央区、そして中野区という形で並んでいるわけです。ちなみに市で全国1位のところはというと、たまたまですが中野区と同率の59位の愛知県豊田市です。23区中4位というか、もうほぼ全国4位といってもいいような状況だと私は思っています。そういった意味では、少なくとも令和2年度時点においては、かなり区の財政の弾力性というのは保たれている状況だったのかなというふうに思いますし、後日、河合委員から質疑をさせていただきたいと思いますが、そうなると新型コロナ対策でもう少し弾力的な対応ができる余地があったんじゃないかなということも指摘しないといけないかなというふうに思っています。
それで、3番の新型コロナウイルス感染症については、ワクチンの話ですとか、各特別会計の影響ですとか、この経験をより一般的なヘルスリテラシーの向上につなげる取組ですとかいろいろ聞きたかったのですが、ちょっと次の機会にさせていただきたいと思います。
○ひやま委員長 森委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。1時まで委員会を休憩します。
午前11時57分休憩
午後1時00分再開
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。森委員、質疑をどうぞ。
○森委員 午前中、切りがいいところで終われたので、午後は2番、中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて、(1)重点プロジェクトの推進体制についてからお伺いをいたします。
基本計画では重点プロジェクトを効果的かつ効率的に進めるために重点プロジェクト推進会議を設置するとしています。既にこの会議体は動き始めていると伺っていますが、具体的な姿があまり見えませんので、幾つか伺います。まず重点プロジェクト推進会議とはどういう組織で誰がメンバーになっていて、どんな権限があるのでしょうか。
○堀越企画課長 重点プロジェクト推進会議の概要についてでございます。重点プロジェクト推進会議は、重点プロジェクトの推進に当たりまして、各部の円滑な連携を図るため設置した庁内の会議体でございます。重点プロジェクト推進会議の所掌事項は、重点プロジェクトの進捗状況の共有や重点プロジェクトの推進に関し必要な検討、協議及び調整などの議論を行うことでございまして、会議の構成員は、区長をはじめ副区長、教育長、部長級職員等としてございます。また、より具体的な検討を進めるために、重点プロジェクト推進会議には部会を設置しておりまして、プロジェクトごとに関係する課長級職員が出席しているところでございます。
○森委員 庁議や政策調整会議、あるいは構造改革推進本部会議など他の会議体との関係ではどのようになっていますか。
○堀越企画課長 他の会議体との関係についてでございます。重点プロジェクト推進会議は、基本計画におきまして定めてございます重点プロジェクトの推進に当たり、政策形成に向けての各部の円滑な連携を図るためのものでございまして、部間での協議、分野横断的に議論を行う会議体でございます。庁議などその他の会議体とは設置の目的が異なるところでございます。
○森委員 重点プロジェクト推進に向けて横串を刺すみたいなところがメインなのかなというふうにお伺いをいたしました。予算との関係でいうとどのような役割でしょうか。
○堀越企画課長 予算との関係でございます。重点プロジェクト推進会議での検討協議及び調整などの議論を踏まえまして、各部におきまして、重点プロジェクトに関する取組や事業について毎年度予算に反映をしていくものと考えてございます。
○森委員 重要な位置付けの会議だと思っていますが、である割には少し状況が議会側から見ると見えづらいかなというふうに思っています。一旦状況をどこかのタイミングで御報告頂いたほうがよろしいかなと思いますがいかがでしょうか。
○堀越企画課長 区議会への情報提供についてでございますが、現時点では、重点プロジェクト単独での御報告は想定していないところでございますが、重点プロジェクトをはじめ基本計画の進捗状況ですとか、実績などを取りまとめまして、機会を見させていただきながら議会のほうに御報告をしたいと考えているところでございます。
○森委員 総務委員会になるでしょうから、正副委員長とも調整の上、御検討いただければと思います。
それから、これはやっぱりせっかくの会議体ですから、単なる進行管理とか部間の調整だけで終わらせてほしくないなというふうに私は思っています。重点プロジェクトの中身というのは、基本構想の議論のときからいろんな人に参加していただいて積み上げてきたものです。議会での議論も相当程度反映していただいたと思っています。酒井区長が言うところの対話、ボトムアップ、この積上げの上に決まったものだと思っています。他方、中身が決まって、それを形にするというときには、やはりトップのリーダーシップ、強力な推進力というのが必要になるんじゃないかなというふうに思っています。この点、区長の認識をお伺いいたします。
○酒井区長 重点プロジェクトを推進していくためには全庁を挙げて取り組んでいく必要がございます。今後も力強くリーダーシップを発揮して進めていく考えでございます。
○森委員 思った以上にシンプルな御答弁でしたが、リーダーシップを発揮してやっていただきたいなっていうふうに思います。
それから、子育て先進区についてに入りたいと思います。
中村議員の一般質問でも前向きな御答弁を頂きましたが、こども家庭庁創設を見据えた子ども政策推進のために予算、人員の体制拡充、期待をしております。他方、国はこども家庭庁が実効性ある取組をするためには基礎自治体の関与が欠かせないということで、自治体からの職員派遣を求める、こんなことも伺っています。ぜひ手挙げを求めたいと思いますがいかがでしょうか。
○中谷職員課長 国や他自治体などに区の職員を派遣することは、人材育成の観点からも非常に有意義であると考えてございます。令和5年度からの派遣に向けて、派遣職員の人選や派遣先との調整などを進めてまいりたいと考えています。
○森委員 ぜひ御検討いただければと思います。
担当所管が感度よく動いてくれたおかげだと思っています。子ども・子育て会議にこども家庭庁準備室の審議官が来てくださったり、この会議の委員に阿部彩先生という我が国の子どもの貧困対策の第一人者のような方が入ってくださったり、環境は整ってきているというふうに思っています。相乗効果で大きな成果が上がることを期待しています。
次に、子どもの権利条例についてお伺いをいたします。いよいよ今定例会で議決というところまできました。単なる理念条例にとどまらず、計画策定、権利委員会、救済機関など具体的な仕組みを条例に規定しようとする方針に大いに賛同いたします。特に権利救済に関しては、2013年に先進自治体の川西市を私は視察に行き、それを踏まえた議会提案などもしてまいりました。ようやく中野区でも取り入れられることを歓迎したいと思います。
1点だけ、委員の選任について申し上げておきたいと思います。権利救済委員は区長の任命ということですが、形式としてはそうなるんでしょうけれども、恣意性というのは排除しないといけないと思います。また相談のしやすさ、あるいは実際の相談が課題解決につながる、こういうことを考えると、特に立ち上げのタイミングでは、他自治体や相談機関などで実績のある方、あるいはジェンダーバランスへの配慮、こういったことを考慮の上、決定すべきと考えますがいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 子どもの権利救済委員は、子どもの意見を聞き、その意見を尊重するとともに、その子どもの最善の利益を考え必要な助言等を行っていただくものでございます。その任命に当たりましては、これまでの他自治体での実績や専門性などを十分に考慮していく必要があると考えております。また、より子どもが相談しやすい環境を整備するという観点から、救済委員のジェンダーバランスなどにも考慮していく必要があると考えております。
○森委員 ぜひよろしくお願いします。また、こうした制度は子どもたちに知ってもらわないと活用はされません。広報については条例そのものの広報もするでしょうが、川西市では、オンブズパーソン事務局を小学校の社会科見学で訪れるなどの取組で、子どもの認知度は8割ほどあるそうです。こうした取組を参考に、実効性ある広報を考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 条例の内容や救済機関について子ども自身に周知していくことが重要であり、条例においても区の役割として規定しているところでございます。他自治体の取組も参考にしながら、対象年齢や立場に応じたリーフレットの作成、区内の児童館や学校等と連携した取組など、子どもに対する普及啓発につきましてより実効性のある方法を検討してまいります。
○森委員 今これ、困ったときの相談窓口、区立小・中学校でこういうものが配られています。これを見て相談しようという子はなかなかいないんじゃないかなと思います。ここに権利救済機関と一個だけ入るようだと絶対子どもには届かないと思いますので、ぜひ工夫をしていただきたいなというふうにお願いいたします。
次に、学校のオンライン環境の状況についてお伺いをいたします。
第3回定例会で、区立小・中学校学習系ネットワーク強化のための補正予算を議決しました。第6波と言われる中、子どもの感染も増えています。いろんなところでこのネットワーク回線が活用されているという話を伺っています。一方で、うちは対応してくれなかった。こんな声も聞こえてくるわけですが、教育委員会として状況をどのように把握して、どう対応されているのか伺います。
○齊藤指導室長 各学校では、授業配信用端末とモバイルルーターを活用し、新型コロナウイルス感染症に対する不安や不登校傾向などで登校できていない児童・生徒に対して、教室での授業をオンラインで配信し、視聴できるようにしております。学級閉鎖時のオンラインの活用につきましては、指導主事が学校を視察し、状況を把握しております。オンラインを双方向で活用し、朝の健康観察や授業を行っております。効果的な活用方法につきましては、各中学校区に派遣しているICT支援員と情報を共有し、各校に適切な支援を行っております。
今後はオンラインでの授業の質の向上が重要だと考えます。全教員が授業力の向上を図るための支援を引き続き行ってまいります。
○森委員 学校現場のICTリテラシーの格差を埋めるというのはずっと課題であります。ぜひ丁寧に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
それから、今年度予算をつけている学校情報配信システム、この現状はどうなっていますでしょうか。
○松原学校教育課長 現行の学校情報配信システムですけれども、こちらは交通安全や防犯等の視点で、児童・生徒の安全確保のため必要な情報を保護者等に即時、一斉に伝達することを目的に、平成17年度から運用を開始しているものでございます。今年度予算によって、現在、来年度からの新システムの導入準備を進めており、双方向性としての保護者からの回答機能や学校施設外からの配信機能が加わるものでございます。
○森委員 今、学校の欠席連絡ってすごくアナログな方法で、ノートを渡してお友達に届けてもらうということをやっているんですが、双方向というのはこういったところも改善されると思ってよろしいですか。
○松原学校教育課長 新しい学校情報配信システムでございますが、新たな機能として、保護者側からの回答機能が加わる予定でございます。欠席、遅刻などの連絡もできるように、現在準備を進めているところでございます。
○森委員 ありがとうございます。期待したいと思います。
それから、学童クラブ利用家庭は学童クラブのほうにも連絡をしないといけないんですね。私もよく連絡を忘れます。私がうっかりさんなだけかなと思ったんですが、周りに聞くと結構よくやると、河合議員もよくやるそうです。そうすると、学童クラブの先生も確認でわざわざ電話をしないといけないと、結構な負担になっているというふうに伺います。学童クラブについても、1回の連絡で済むような対応はできないものかと思いますがいかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 現在も可能な限り学校との情報の共有には努めているところでございます。学童クラブとしては、児童の欠席の状況を把握することは大変重大な責務であるというふうに考えておりまして、確実に把握して、児童の安全・安心な場所として運営をしていきたいと考えています。
学校のシステムとの統合というのはなかなか難しいことがございますが、今後、保護者の利便性を向上させる方策については検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○森委員 システム上で完結するのが大事なんじゃなくて、保護者の手間と確実性というのをちゃんと担保するところが大事かなと思っていますので、よろしくお願いします。ちょっと細かい話ですが、こういうかゆいところに手が届く子育て先進区であってほしいなと思っています。
学童クラブについて伺います。前回の一般質問では、当事者の立場から、保育園と学童クラブって実は大分違うんじゃないかと、そういう話をさせていただきました。今回少し数字を見たいと思います。まず、保育園、学童クラブ、それぞれの入所率が年度初めと年度終わりでどう変化するかお伺いをいたします。
○渡邊保育園・幼稚園課長 保育園につきましては、0歳児から2歳児のクラスと3歳児から5歳児のクラスとでは異なる傾向にあります。年度当初、0歳児クラスは85%前後、1歳児クラスと2歳児クラスは90%台後半で始まり、年度終わりは、いずれのクラスも100%近くまで上昇し、ほぼ空きはなくなります。一方、3歳児から5歳児のクラスは85%前後で始まり、年度終わりは83%前後まで、僅かに下がる傾向にございます。
○細野育成活動推進課長 では引き続き、学童クラブについて申し上げます。学童クラブの入所率は、年度当初89%前後、そして年度終わりには82%前後まで、僅かに下がる傾向にございます。
○森委員 それから、年度初めに待機児童になった方、この方々が年度途中で空きがあるから入れますよって言われたときに入る割合が知りたいんですが、こちらは保育園は数字がないということなので、学童クラブのほうだけお伺いいたします。
○細野育成活動推進課長 令和2年度で調査をしてみましたが、年度当初に待機児童となった方のうち40%が途中で入所をしている状況でございました。
○森委員 それから、保育園で延長保育を使っている人の割合、これはどのくらいでしょうか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 私立保育園のほうにつきましては把握してございませんので、区立保育園について回答させていただきます。区立保育園10園の延長保育の利用割合は、定員972名に対し、1日当たり平均利用者数は約50名となっておりまして、利用率は5.2%でございます。
○森委員 学童クラブで待機時間が18時を過ぎるお子さん、どのくらいいらっしゃいますでしょうか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブからの帰宅の時間が18時より遅い児童の割合は、令和3年5月で14%、令和4年2月で調査すると12%でございました。
○森委員 まず保育園、特に低年齢児は年度が進むと定員が埋まっていくという傾向にあると、学童クラブのほうは少しずつ減っていくということですね。しかも空きが出て入る割合が4割ぐらいということでしたでしょうか。プラス、帰宅時間について言えば、子どもが大きくなったからもう少し長く働きたいというニーズがもうちょっとはっきり出るかなと思いましたが、5%から12%ぐらいということで、時間で言えばキッズ・プラザで十分という御家庭も多いのかなというところが見て取れます。では、学童クラブとキッズ・プラザ、これはどのように違うんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブは児童福祉法第6条の3第2項に規定する放課後児童健全育成事業でございまして、保護者の就労等により放課後適切な保護を受けられない児童に対し、遊びと生活の場を設定しております。保護者から提出された申請書を区が審査をした上で利用を決定し、学校から直接学童クラブに来所することで児童の出欠を管理して、安全・安心な放課後の居場所というふうにしてございます。利用に当たっては保育料も必要とさせていただいております。
一方、キッズ・プラザについては、文部科学省の放課後子ども教室推進事業として実施をしておりまして、小学校を活用した放課後の遊び場でございまして、区内在住の小学生はどなたでも利用することができます。そして、学校から直接キッズ・プラザを利用することも、一度帰宅してから遊びに行くこともできて、利用料は頂いていないという状況でございます。
○森委員 法的位置付けですとか、育成プログラムとかというところにこだわる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、子どもの成長という意味では、一般的には学校に期待する保護者が多いのかなというふうに思います。前回の一般質問では、丁寧な情報提供をしながら本当の需要を見定める必要があるんじゃないかというような話をさせていただきましたが、自分のことを振り返っても、周りで話を聞いても、やはり自分の子どもに放課後どう過ごしてほしいのかとか、自分が仕事と育児のバランスをどう取るのかというのは、なってみないと分からないところというのが結構あるなというのを感じます。そうすると、制度の説明だけで、はて十分かなという疑問も湧いてきます。もう少し小学校入学後のリアルを伝えられる方策がないかなというふうに考えるわけです。そう考えていくと、もうこれは、いわゆる小1の壁とか小1プロブレムとかと言っているところの問題の解決ともつながってくるのかなというふうな気がしています。
数字を聞いていて、締めが何か実感みたいな話になってしまって申し訳ないんですが、こういったところも頭に入れて保護者への対応あるいは施設整備等へ取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○齊藤指導室長 全ての小学校で新入生の保護者を対象に説明会を開催しており、保護者からの質問に答える機会を設けてございます。新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年と今年は実施できておりませんが、園児が生活科等の授業や給食等を体験する取組を小学校にて例年実施しております。また、小学校の管理職や教員が、保育園や幼稚園の要請により園の保護者会に参加して、小学校の様子を説明したり質問に答えたりしている学校もございます。各学校では保護者からの個別の相談があった際も丁寧に対応いたしますので、御相談いただければと思います。
○森委員 ありがとうございます。そうした話とは別に、来年度の利用申込者については結果が既に通知をされているところです。我が家は待機児童となりましたけれども、定員が大幅に増えるような施設もあるように伺っています。子どもが放課後を過ごすのに十分な環境が確保できるかなとか心配な部分もありますが、どのような対応をされているでしょうか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブについて、令和4年度、定員を大幅に上回る申請があったクラブにつきましては、その利用待機となった児童を対象に、入退館システムを活用した学校から直接児童館に来館できる対応も含めまして、この大幅に増えたところについて対応していきたいというふうに考えてございます。
○森委員 ありがとうございます。いろいろな形で十分な環境を整えていっていただきたいというふうに思います。
それから、山本委員が少し触れましたが、学校生活に伴ういろいろな費用の負担の話をしたいと思います。給食の公会計化の話というのがありますが、これは給食費は私費会計だから公会計にしましょうという話であります。では、学校に関わる私費会計というのは他にどういったものがあるのでしょうか。
○松原学校教育課長 ドリルや調理実習の材料費などの教材費は全校にございますが、他は学校により違いがあり、移動教室、卒業対策費あるいは部活動費、こういったものがございます。
○森委員 そう、学校によって違うんですね。しかもほかにも、私費会計ですらない保護者の負担というものもいろいろあります。ランドセルが標準服なんていうものが分かりやすいところですが、音楽に使う楽器類とかもそういったところに入ってくる。その線引きも学校によっていろいろというような状況だというように伺っています。私費会計ですらないこうした経費を保護者がどの程度負担しているのか、またその事務処理はどうなっているのか、こうした点を教育委員会は把握していますでしょうか。
○齊藤指導室長 学校が一括で購入するもの以外につきましては、購入する物や金額がまちまちであるため、各学校の事務処理や経費の総額などを把握することは困難な状況でございます。
○森委員 なかなか難しいんだと思います。事務処理について言えば、ある学校の私費会計の資料を見させていただきましたけど、やっぱりPTAが会計で関わっていたり、そういった負担も出てきているようであります。憲法26条は義務教育は無償とするとなっているのに何でこんなにいろんな負担があるのか。指定品と言われているものは買わなきゃいけないのかどうか、ランドセルじゃなきゃいけないのか、ドリルなんていうのは勉強に必ず必要なんじゃないのかと、こういった御意見をいろいろ伺うわけでありますが、そうした声は教育委員会にも届いていますか。
○齊藤指導室長 憲法26条第2項の義務教育の無償ということにつきましては、主に授業料や教科用図書などのことを指しております。学校の私費会計での購入につきましては、保護者にとって過度の負担にならないよう学校でも配慮しているところでございます。品物を指定する場合は、家庭に使えるものがあれば代用することも可能であることなども学校から伝えていると聞いてございます。また、保護者の負担や指定品に関する教育委員会への問合せはほとんどございません。
○森委員 なかなかわざわざ教育委員会に言おうという人が少ないのかなというふうに思います。学校によって違ったり、先生によって対応が違ったりというようなことも伺っています。これからは有料のアプリを入れてください、こんな話も出てくるんじゃないかなというふうに想定をされるわけですが、ちなみに、他区でこういったところでどういう取組をしているか把握されていますでしょうか。
○松原学校教育課長 各関係課長会を通じまして、各区との情報交換は行っているところではございますけれども、今後とも必要に応じまして状況を把握してまいりたいと考えております。
○森委員 なかなかこれまで中野区議会では話題になってこなかったかなと思って、今後ちょっとアンテナを張っていただければなというふうに思っています。先ほど指導室長の答弁にあった憲法26条の極めて限定的な解釈というのは、これは遡ると昭和39年の最高裁判決に行き着きます。60年ぐらい前ですね。もう大分今とは状況が違うんじゃないかなと思います。国が子ども真ん中社会と言っている中で、はて、どういう在り方が適切なのか、子育て先進区と言っている中で、どういう在り方が中野区として考えられるのかよくよく検討していただきたいというふうにお願いをしておきます。ありがとうございます。
続いて、地域包括ケアについてお伺いをいたします。まず、認知症に関連してです。区はこれまでも認知症対策取り組んでまいりましたが、来年度は認知症とともに暮らす地域安心事業というものを始めるそうです。これはどういったものでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 御質問の事業でございますけれども、目的は、認知症に係る事業を通し、認知症の普及啓発を多面的に図り、地域で認知症の初期の段階から相談、支援、診断ができる体制を整備する事業でございます。中野区におきましては、これまで実施してきた若年性認知症相談を継続推進するとともに、令和4年度からは新たに認知症地域支援推進事業、それから認知症検診事業を実施する予定でございます。
○森委員 今、御答弁の中にあった、その認知症地域推進支援事業というのは、いろんな方に来ていただいて、そこにいる皆さんと交流をしたりなんなりというような事業なんだと思うんですが、そうすると、初めての事業ですから、どうやって周知を進めていくのかというところと、あと場所によって必要な人員配置、これは異なってくることもあるかなと思います。この辺の対応というのは来年度どのように考えていますか。
○小山地域包括ケア推進課長 具体的には、地域拠点といたしまして区内4か所に開設を考えてございます。介護施設や商店街の交流スペースを活用し、週1回、委託により実施するものでございます。予算編成に当たりましては、新規事業ということもございますので、広報の充実や実施場所の形態の違いによる人員体制を考慮いたしまして、受託者が安心して実施いただけるように配慮をしているところでございます。
○森委員 我が会派からも御要望させていただきましたが、丁寧な対応をしていただけるということで期待をしたいと思います。
それから、検診のほうについてお伺いをいたします。これは専門家の方にも御参加頂いてずっと仕組みを検討していたものが、来年度いよいよ実施されます。1月の厚生委員会の資料によると、中野区物忘れ検診という名称で、70歳から75歳が対象とのことです。少し疑問に思うのが、さて、この対象者そのものに周知をするだけで足りるのかなというところです。私も父親が70を超えて、そろそろこういうことが気になってくるんですが、子ども世代への働きかけ、こういったことは考えられないでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 子ども世代から対象者への働きかけは大変有効であるというふうに考えているところでございます。区内医療機関へのチラシの設置、区報、SNS等により周知を図っていく予定でございます。
○森委員 ありがとうございます。ぜひ取組を進めていただきたいと思います。
それから、中野区では令和元年度から認知症高齢者等個人賠償責任保険制度、これを始めました。これまでの利用人数はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○落合高齢者支援担当課長 認知症高齢者等賠償責任保険の利用人数でございますが、実人数で、令和2年2月に事業を開始しました令和元年度が17人、令和2年度は69人、令和3年度は令和4年1月末日までに114人となっております。
○森委員 年を経るごとに伸びてきていますが、どのような取組をされてきたのか、それから来年度の見込みについてお伺いをいたします。
○落合高齢者支援担当課長 これまで区報やホームページ、介護保険の制度案内のパンフレットなどへの掲載やリーフレットの作成、配布、地域包括支援センターの窓口での御案内などにより周知を図ってまいりました。来年度も利用者の増加を見込んでおり、これまでの実績の推移から、一月当たりの利用者を130人として積算しております。
○森委員 ありがとうございます。最初伸びるかなと不安だったんですが、やっぱりニーズがある事業というのは、続けていて適切な働きかけをしていただくとちゃんと届くんだなというのが見えてきます。引き続き必要とする区民の方に届くようにお願いをしたいというふうに思います。
それから地域医療についてであります。医療機関誘致については、東京都の地域医療構想第8次保健医療計画の内容を踏まえて検討しないといけないということで、第8次保健医療計画の改定が令和6年度予定ですから、すぐには動けないという状況であります。都のほうでは、保健医療計画推進協議会の会議録なんかを見ますと、新型コロナの経験も踏まえてどうしていくか、今、鋭意検討が重ねられているように見えます。この医療機関誘致というのは、区が掲げる地域包括ケア体制の実現に向けて重要な位置を占めていて、当然重点プロジェクトの主な関連施策にも位置付けられています。
今回質問するに当たっては、これが重要だという以上、その誘致できない間にどうしていくかといのが課題じゃないかなというふうに思ったんですが、担当ともいろいろ御相談をし、私もいろいろ調べましたが、やっぱり医療を代替する手段というのはなかなかない。医療機関が必要だというなら医療機関に来ていただくより仕方ないというところが結論かなというふうに思います。特に今、新型コロナで医療の逼迫と言われている中ならなおさらかなと思います。なので、ちょっと決意だけお伺いしたいんですが、区民の生命、健康を守るための医療機関誘致の必要性について、区の認識が変わりないかお伺いをいたします。
○鈴木保健企画課長 お答えいたします。今後、さらに進展をする超高齢社会への対応に加えて、新型コロナウイルス感染症のような新興感染症にも対処するために医療機関の確保が重要でございます。区は、区民の生命と健康を守り、安心・安全に暮らせる地域社会をつくるために地域医療体制の整備が必要であると考えておりまして、医療機関誘致の必要性についての区の認識に変わりはございません。
○森委員 ありがとうございます。実際、じゃあどこに造るんだとか、いろんな課題がまだまだありますけれども、その志はぶれずに進めていただければと思います。ありがとうございました。
それから、かかりつけ医についてお伺いをしたいと思います。かかりつけ医、よく聞く場言葉であります。コロナ禍でかかりつけ医を持つ重要性、こういったこともいろんなところで指摘をされています。区の地域包括ケアシステムの中でかかりつけ医というのはどのような位置付けになっていますか。
○小山地域包括ケア推進課長 地域包括ケアの目指す、住み慣れた地域で子育てをし、病気やけがをしても、高齢になっても安心して暮らし続けるためには、地域において健康に関することを何でも相談でき、必要なときは専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになるかかりつけの医師を決めておくことは大変重要であるというふうに考えております。
○森委員 今回この質問をするのは、私はある区民の方から、新型コロナの関係でちょっと心配なことがあったのでかかりつけ医に行きましたと。そうしたら、かかりつけ医に相談してくださいと言われてしまった。こんな話を伺ったわけですね。これは一つの事例ですけれども、どうしてこういうことが起こり得るのか、考えられることを教えてください。
○小山地域包括ケア推進課長 かかりつけ医の定義が医師と患者あるいは区民の間で捉え方が異なることから、御質問のようなことが起こったのだと受け止めているところでございます。
○森委員 かかりつけ医って調べてみると、制度でも何でもないんですね。制度でも何でもないから登録するみたいなこともないしということで多分すれ違っちゃうんだというふうに思います。これはもうちょっとちゃんとした制度にできないものかなと思っていろいろ調べてみると、やっぱりすごい議論があるということが分かりました。財務省はやろうとしているけれども、医療提供者の側にはちょっと懸念を示す声が多い、こんなように伺っております。
実際やるとなると、先ほど御答弁頂いたようにかかりつけ医は大事な役割ですから、それにふさわしいだけの診療報酬の改定、こんなこともしないといけないでしょう。私たちが当たり前に享受している医療へのフリーアクセス、これをどうするのかという課題も出てくるということで、なかなか簡単に結論は出せないというのがよく分かりましたが、中野区としても地域包括ケアに位置付け、かかりつけ医を持ちましょうと呼びかけ、基本計画の指標にもしている以上、何がしかもう少しはっきりした対応ができるよう、医師会等関係機関と相談をして在り方を考えていっていただけないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 かかりつけ医を持つことを区民に奨励をしているということもございますので、かかりつけ医の役割を踏まえて分かりやすく周知することが必要であると考えております。どのように進めるか今後、医師会などの関係機関と調整をしながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○森委員 ぜひよろしくお願いします。
最後に、コロナ禍で自殺者数が増えていることに関連してお伺いをいたします。様々な原因が指摘されていますが、自殺対策はこれをやれば劇的に効果が上がるというものではありません。国が打ち出している対策を見ても、これまでの取組をいかに徹底するか、あるいはきめ細かくできるかというところが問われているのかなというふうに思います。公的な相談機関の充実の重要性、これはこれまでも述べてきましたが、きめ細かさという点で言えば、地域包括ケア総合アクションプランの関係団体の皆さんの力があればとても心強いんじゃないかと思います。啓発、ゲートキーパー研修の案内など、一層の取り組みを求めたいと思いますがいかがでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 令和元年10月に策定いたしました中野区自殺対策計画の基本施策4、地域ネットワークの強化の取組では、地域関係者向けのゲートキーパー研修を実施するというようなことが挙げられているところでございます。地域包括ケア体制に関わる方々につきましても、関係所管とともに啓発や研修等の取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○森委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
それから、次に移ります。中野駅周辺のまちづくりについてです。
まずは、中野駅新北口駅前エリア再整備事業に関連してお伺いをいたします。区有施設整備計画では、この再整備事業で生じる権利床については、行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るとされています。以前の一般質問でも申し上げたとおり、当該施設に必要な機能については長く時間をかけて議論し、検討し、今に至っています。区が権利床を使って何がしかの機能を持たせる必要は低く、相当な支出となることが予想される維持管理費も含めて考えると、区有施設整備計画に示されている現在の方針が妥当と考えます。この方針にブレがないか確認をいたします。
○石井構造改革担当課長 中野駅新北口駅前エリアの権利床でございますが、民間事業者への貸付けなど行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るものとしている、こうした方針には変更ございません。
○森委員 変更ないですね。ぶれずにやっていただけるということですね。ありがとうございます。
それから、当該エリアに事業者が整備する施設については、当初、容積率900%の提案だったものを1000%にする案が示されているところです。もともとの容積率があり、公共貢献の度合いによって上乗せができる。そして、当該エリアの場合はその上限が1000%とのことです。この上限ですとか、何をやったらどれだけ上乗せできるとか、これは何によって決まっているのでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリアの割増し容積率についてでございますが、新北口駅前エリアの拠点施設整備に当たりましては、高度利用地区の追加指定を予定しております。都市計画の高度利用地区の指定に当たっては、空地の確保やその他、公共貢献の内容に応じて容積率の割増しを行うこととしておりまして、詳細については、東京都の高度利用地区指定方針及び指定基準に示された基準と照らし合わせた上で、最終的には都市計画で定めていくこととなります。
○森委員 今、御答弁頂いたその基準の中に、質の高い住宅等の確保という項目があります。この項目は適用される見込みでしょうか。されるとすると上乗せの比率は幾らでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現在、質の高い住宅等の確保に対する容積割増しを適用する方向で協議を行っているところでございますが、その適用や比率等については調整中でございます。
○森委員 まだ調整中なんですね。分かりました。
それから追加検討事項、この間、特別委員会に御報告頂いた資料の中ですが、子育て支援施設を地域交流スペースとしても有効活用というようなことが書いてあります。これに関連した上乗せはあるのでしょうか。あるとすればその比率は幾らでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 子育て支援施設を地域交流スペースとしても有効活用するという検討をしてございますが、この検討に関連した上乗せはございません。
○森委員 これは事業者の中でやっていただくということですね。
前段のほうがやっぱり気になるんですが、そもそも当該施設に質の低い住宅が整備されるとはもともと到底思えないわけです。それが公共貢献というふうに考えるのが妥当なのかなというところに疑問を感じるわけです。上乗せ分400%の内容が本当に妥当なのか細かく精査していただきたいというふうに思いますし、あるいは、直接容積率の緩和に関係なくても公共貢献になるような内容というのはあると思います。こういったことも検討して事業者に働きかけていくべきと考えますがいかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 容積率割増しの妥当性についてでございますが、公共貢献の内容と容積割増しの妥当性については、来年度に予定している都市計画手続に向けて精査をしてまいります。精査に当たりましては、直接的な容積緩和の要件だけではなく、計画全体での公共貢献の内容と容積率のバランスも考慮しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○森委員 ありがとうございます。その姿勢が多分区民のためになる再開発になるんじゃないかなというふうに思っています。
例えばですけど、北口のガード下のすぐ近くに喫煙所があります。あれも建物の中に吸収できないかな。財政フレームを見ると、令和5年度に140億円を超える起債が予定されています。新庁舎の分です。これは先にもらえないものかなとか、あるいは前に杉山議員が一般質問で取り上げたバーチャルサンプラザ、事業者のほうでやってくれないかなとか、いろいろ考えることはあるわけです。制度上、可能かどうか私は素人ですから分かりませんが、いろんな発想を持って取り組んでいただきたいというふうに思っています。
それから、民間の商業用の床に関してであります。民間の商業床というのはどんな店舗が入るか、基本的には市場で決めてもらうのが一番いいというふうに思っています。ただ、これまでのまちづくりが子育て世帯のほうにあまり向いてこなかった影響で、中野駅周辺ではおむつを買うのにも苦労するような状況もあります。子育て世代が集まるような施設を造ることだけは要望すべきと考えますがいかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 商業施設については、基本的には事業者が地域の需要を見ながらテナント等の誘致をしていくべきものだと考えております。一方で、区としましては、子育て先進区の実現を掲げておりまして、今後、こうした区の施策との整合性や中野駅周辺の他の開発とのバランスも踏まえて、区民の期待に応える施設となるよう施工予定者と交渉してまいりたいと考えてございます。
○森委員 中野区子どもと子育て家庭の実態調査によると、保護者の商業環境の満足度は、不満が45.3%とほぼ半数で、満足という回答の倍以上の数字です。とはいえ、特定の店舗を特定の民有地に区が誘致するなんていうことはできないわけでありますから、こういった機会に起爆剤となるような魅力的な施設の整備、これを要望するということは私は必須だというふうに思っておりますので、対応のほどをお願いしたいというふうに思います。
それから、四季の森公園についてです。四季の森公園については、かねてより芝生の養生期間が長く、何とか改善できないかと訴えてまいりました。まず、現状の芝生広場の開放状況はどのようになっているか伺います。
○林公園緑地課長 四季の森公園の令和2年度の芝生の開放状況の実績でございますけれども、全面開放は180日間となっており、ほか53日間は全面養生、132日間は生育の悪い部分等の一部養生を行っている状況でございます。
○森委員 かなり前に質疑をしたときよりは大分開放期間は長くなっているかなというふうに思っています。いろいろ工夫もしていただいたんだと思います。ただ、以前は、草地にすれば開放期間が延ばせるのではないか、こういったことも御提案をさせていただきました。検討していただけましたでしょうか。
○林公園緑地課長 現在の芝生広場は利用が多いため、草地にした場合、冬季に草が枯れて裸地となってしまう可能性が高いところでございます。その場合、緑の景観が保たれないほか、冬の北風の影響を受ける方向に飲食店等が位置するため、土ぼこりの発生による苦情が懸念されるところでございます。加えて、中野四季の森公園につきましては、国のまちづくり交付金を活用して整備しているため、芝生を草地に変更する場合、補助金等に関わる予算の執行の適正化に関する法律に基づき国との協議も必要となるところでございます。これらのことを踏まえ、中野四季の森公園においては、引き続き芝生を維持していくことが適切であるというふうに考えているところでございます。
○森委員 なかなか制度的な面での課題があるということですね。
現在の芝生管理については、ウィンターオーバーシーディング、WOSというものをやっているというふうに伺ったんですが、これは何のために何をやっている作業なんでしょうか。
○林公園緑地課長 WOS、ウィンターオーバーシーディングでございますけれども、秋に夏芝の上から冬芝の種を撒く芝生の管理手法のことでございます。春に冬芝が枯れて夏芝が優勢になることで、一年中緑の芝生を保つことができるというところでございます。
○森委員 というふうなことでやっているんですが、結局、秋に種をまきますから、その分また養生期間が発生をする要因になっているんじゃないかなという気がしますし、一年中緑になるかというと、今見ていただくと、そんな別に緑緑しているわけではないわけで、どっちかというとまだら模様みたいになっているわけですね。これをやめた場合というのはどういう影響が考えられますか。
○林公園緑地課長 中野四季の森公園におきましてウィンターオーバーシーディングを行わない場合、秋に冬芝の種をまく必要がなくなるため、現在秋に行っている芝生の全面養生は不要となるところでございます。その一方で、年間を通して緑の景観を保てなくなるほか、冬季に芝が枯れることで裸地化が生じやすくなり、草地化した場合と同様に土ぼこりの発生が懸念されるところでございます。
○森委員 ということで、今回もうちょっとどうにか開放期間が長くならないかと思って、専門家の方にも現地を見ていただいて御相談をさせていただいてということで調査をしたんですが、なかなか難しいということが分かったというのが結論です。とはいえ、これで満足したくないなというのはやっぱり拭い切れないからあえて質問をしているわけです。今後とも何かどうにか方策がないか考えていっていただきたいと思っていますがいかがでしょうか。
○林公園緑地課長 今後、植栽管理に専門的技術を活用していくに当たり、芝生管理に関する様々な意見や提案を事業者に求めてまいりたいと考えているところでございます。併せて、区として全面養生の期間を減らすような工夫等について検討してまいりたいと考えているところでございます。
○森委員 民間の専門家の方に見ていただいたら、難しいところで難しいことをやろうとしているねと言われたんです。先ほど御答弁があったように、やっぱり利用者が非常に多い中でずっと緑をキープするってなかなかしんどいんだろうというふうに思います。南側に建物が建っていることも多分影響しているのかなと思いますので、芝の育成にもいろんな課題が出ているところなんだと思うんですが、ぜひ引き続き検討をお願いをしたいと思います。
それから築山について、常に閉鎖されてデッドスペースのようになっています。ここは開放できませんか。
○林公園緑地課長 築山は、中野四季の森公園の地形が平坦なため、起伏をつけて景観に変化を与えるために整備したものでございます。現在は斜面の遠路を上り公園を眺められる場としており、見せる芝生として緑の景観を維持しているところでございます。
なお、広町みらい公園でも同様の築山がございますが、これを開放した途端、利用者の踏圧により裸地化し、元に戻すために補修費用と相当の時間を要したところでございます。これらのことを踏まえ、民間事業者の管理運営を導入する際、芝生にダメージの少ない利用の仕方など、築山を活用するための手法について提案を求めてまいりたいと考えているところでございます。
○森委員 時間がなくなってきたので次に行きます。
また、四季の森公園、相当な広さがあるにも関わらず遊具がありません。子どもたちが遊びに来ても、結局隣接する杉並区の遊具のある公園に行っているような姿も見かけます。新庁舎も出来ますけれども、その点も踏まえて遊具の設置というのは考えられないでしょうか。
○林公園緑地課長 中野四季の森公園は誰もが憩える空間として、また広域避難場所の中心に位置すること、地区一帯の環境や景観との調和等に配慮し、多目的な空間として整備しているところでございます。また、中野四季の都市としてまとまりのある都市空間となるよう、周辺地権者とも調整の上、隣接する公開空地等と一体的な整備を行ってきたところでございます。そのため遊具の設置は想定してございませんが、区民の意見を聞きながら、隣接する新区役所の広場など、設置できる可能性がある場所があるか検討してまいりたいと考えているところでございます。
○森委員 別にど真ん中にでかい遊具を置けと言っているわけではなくて、少し楽しめるような工夫をしていただけないかなというふうに思っております。
最後に、管理方法についてお伺いをいたします。昨年の第4回定例会に、四季の森公園における民間活力の導入についての報告がありました。管理運営体制については、公園植栽の維持管理を除いた指定管理者制度と公園施設設置者許可制度の活用と公園の植栽と周辺街路樹等の維持管理、こっちは区直営で行うとの考えが示されました。この体制を選択した理由はどういったものでしょうか。
○林公園緑地課長 中野四季の森公園においては、区を代表する大規模公園としてさらなるにぎわいの創出や多彩な空間活用、効果的な管理運営を図っていくほか、公園のコンセプトであるにぎわいと環境が調和する空間として機能をさらに高めていく必要があるところでございます。民間の創意工夫を発揮した施設運営とともに、収益施設等の設置により収入の確保を図るには、指定管理者制度と公園施設設置管理許可制度を活用した管理運営が有効であると考えてございます。
一方で、中野四季の都市の一体的な景観形成に資する維持管理を行うため、植栽の管理につきましては、複数年契約により周辺街路樹等と一括して専門的技術を持つ事業者が管理を行うなど、民間のノウハウや豊富な経験を生かした手法が望まれているところでございます。こうしたことから、中野四季の森公園のさらなるにぎわいの創出、まちの景観向上のほか、質の高い管理水準の確保、維持管理費の縮減を図るために最適な管理運営手法と考えているところでございます。
○森委員 ちょっと御説明を聞いても、なかなか三つの制度を組み合わせる、しかも直営が残るというところがどうも腑に落ちないわけであります。公園の植栽や周辺街路樹等も一括して指定管理者制度を導入する、これはできないんでしょうか。
○林公園緑地課長 都市公園におきましては、都市公園法及び中野区公園条例に基づき指定管理者制度を導入することができるところですが、その対象範囲は公園内に限定されているところでございます。一方、街路樹は、道路法に規定される道路の附属物であり、道路法の適用を受けるため、都市公園としての指定管理範囲に含めることはできないところでございます。こうしたことから、公園の管理運営と周辺街路樹等の管理等を一括し指定管理者制度を導入することは困難であると考えてございます。
○森委員 全部はできない。道路は特に法的にできないということなんだと思うんです。公園のほうは入れられるわけですが、そうしないのはなぜでしょうか。
○林公園緑地課長 中野四季の森公園の植栽につきましては、芝生をはじめとして良好な都市景観を維持するため、きめ細やかな管理が求められていることから、管理のウエイトが大きいところでございます。一方で、指定管理者には公園施設設置管理許可を活用した積極的な運営や収入の確保が求められていることから、維持管理の負担を少しでも減らそうとされてしまう懸念がございます。このため、植栽の管理水準を担保するには、植栽の専門的技術を持つ事業者と複数年契約を行うなど指定管理者の業務との役割分担を図ることが有効であると考えているところでございます。
○森委員 収益施設と一体で考えると、どうしても管理費のほうが抑えられちゃうということです。ここをカバーしようとするとやっぱりコスト的に高くなる、こういうことなんでしょうか。
○林公園緑地課長 指定管理料につきましては、今後、仕様を具体化していく中で積算する予定でございます。維持管理に係る経費につきましては、一括して指定管理者制度を導入する場合も、今の区の案におきましても大きくは変わらないものと考えているところでございます。一方、収入面におきましては、今の区の案、すなわち植栽管理業務を指定管理者の業務としない手法のほうが、指定管理者が収入の確保により注力することができるため、トータルで見た際にコスト縮減に寄与できるものと考えているところでございます。
○森委員 それから、きめ細やかな管理といったようなことが出てきました。管理の質が落ちちゃうというようなことが懸念なんだと思うんですが、例えばこれ、新宿中央公園の指定管理者制度の業務仕様書ってこんな分厚いですね。事細かに指定がされているわけです。こういうことをやれば、指定管理の中でも質は保てるんじゃないかなと思うんですがいかがでしょうか。
○林公園緑地課長 中野区指定管理者制度ガイドラインによれば、指定管理者制度において施設の管理権限は自治体から指定管理者に委任され、指定管理者は自らの判断で主体的に管理業務を行うとされているところでございます。また、樹木の個々の特性を踏まえたまちの一体的な景観形成につながる植栽管理の作業は、仕様書に規定し切れるものではなく、経験に裏打ちされた専門的技術が必要でございます。また、仮に仕様書に細かく規定した場合、一般的には植栽管理に関わる費用も増大すると考えるところでございます。このため、仕様書に細かく規定する仕様発注の考え方ではなく、民間事業者の主体的な提案を引き出し、それに基づく作業を適正に履行させる性能発注の考え方を取り入れることが望ましいと考えているところでございます。
○森委員 なかなか長くて専門的な話も出てくる御答弁なので、それを受けて、じゃあ、うちとしてはこう考えますとなかなかすぐには言えないところだと思います。ちょっと今回の質疑を受けて、我々もまた考えたいと思いますし、来年度、アンケート等の経費も計上していただいています。利用者の声も聞いていただいて今後の在り方を考えていただきたいというふうに要望いたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了します。
次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 最初に、一般質問の続きの部分に当たるんですけれども、中野のこの新北口駅前エリア、サンプラザ、区役所の再開発について、事業者提案ありきで中野区の方針がなかなか見えてこないんじゃないかという質問をさせていただきました。ただ、その中で区長は、当然区民の立場、区民の視点を重要視していくといった御答弁を頂きましたけれども、これについて御担当の方もそういう同じ認識でよろしいですか。
○石井構造改革担当課長 中野駅新北口駅前エリアの再整備でございますけども、区長の答弁にあったとおり、同様に区民の立場に立った検討をしていくべきと、このように考えております。
○大内委員 私の提案で、最初、事業者との特別委員会で懇談したときに、展望フロア、上位部分にレストラン街が造れないのかということをお話ししたときに、なかなか難しいといった答えを頂きました。しかし今回、容積率を変えるという中で、その展望、上層階にレストラン街等も検討をできるという話になっていますけれども、それは間違いないですか。
○石井構造改革担当課長 この再整備でございますけれども、施工予定者による当初提案の説明会というのは昨年の6月に行っております。併せて、そのときに意見募集も行っております。また、その後、今年の1月にアトリウムの設置ですとか、バンケットの増床ですとか、そうした公共貢献の追加提案や審査委員会での指摘事項を踏まえた修正案の説明会も行ったところでございます。そうした説明会の場におきまして、区民からも展望フロアですとか、あるいは現在サンプラザのような会食のできるレストランのような要望も挙がっておりまして、それを踏まえた提案が1月に上がってきて、1月にはそれらを期待する声も区民から上がっていたというところでございます。
○大内委員 そうですね。そもそも今サンプラザの20階にもレストラン街があります。そういったサンプラザのDNAを継承するということであれば、当然、本来なら当初からその展望レストランが考えられていてもよかったのかなと。容積率を上げるから造るという問題ではないと、そもそもそれは区のほうとしてしっかり提案していかなければいけない課題だと思いますし、今までそういったことを事業者とちゃんと話し合ってきているんですか。何かね、要するに事業者の提案をのんでいるようにしか見えない。中野区自らが発信するということは今までしているんですか。
○石井構造改革担当課長 当初提案では、展望フロア、展望ロビー、そうした提案は初めからございましたけれども、さらに魅力のあるものにすべきであるということで、この間投げかけてきたということもございます。この間に行ってきた説明会でも区民からも声が上がりましたので、そういった意見を踏まえて、事業者として修正提案ということで出てきたものでございます。
○大内委員 要は、中野区はそういうことを考えていなかったんでしょうかと。区民の意見を聞かないとそういうことは思いつかなかったのか。ちょっとその辺のところは、いや、考えていましたと言われればそれでおしまいなんだけども。しっかりその辺のところをちゃんとわきまえた上で権利床を確保する。それは一つの目的というか、中野区の方針の中で出ていますよね、年間8億円ほど。まだそれは、はっきりしませんけども。ただ権利床のお金をもらうだけの再開発だったら、ちょっと趣旨が違うのかなと。やはり区民にとって何が必要か、区民に何を求められているのかということをしっかりと考えた上でやっていただきたいと。そういったところで区としての、一定程度とは言わず、もう全面的に区の考え方をしっかりと事業者に、これからでも遅くないですから提案していただきたいと思いますけども、そうした場合、誰が提案しに行くんですか。
○石井構造改革担当課長 ここの再整備につきましては、まず区の権利床ですね、権利者としての立場ということでは企画部でございますし、また、まちづくりを誘導する、そのまちづくり行政としての立場、これについてはまちづくり推進部でございます。この二つの部で連携しながら今までも協議を行ってきたところでございまして、今後もそのような体制で取り組んでいくようなことで考えております。
○大内委員 先ほど私が提案したような件、そのほかにも多分ショッピングモールみたいなものも当然求められているんだと思うんですけども、いつやったんですか、最近。事業者とのそういった意見交換会というか、提案の説明というか、自分たちがこうしたいというのはいつやったんですか。
○石井構造改革担当課長 施工予定者との協議につきましては定例で行っておりまして、これは毎週行っております。
○大内委員 毎週やっているというのであれば、当然、今までもいろんな形で話をされてきたと思うんですけど、今のところどうなっているんですか。
○石井構造改革担当課長 例えばその最上階の部分ですね。レストランですとか展望フロアの部分、これについてもこちらから投げかけておりますし、事業者のほうでもそれができるかどうか、そんな検討を進めているということでございます。
○大内委員 要は、渋谷にある有料の展望台、同じ高さですから、あれと。そのぐらい価値があるものが出来るのかなと思うんです。ですから、その中野区の区役所とサンプラザの跡地、この再開発については、7,000人アリーナがいいか悪いかという話はまたありますけども、それを今の現区政は7,000人アリーナで進めるということを言っていますから、それ以上それについては言及しませんけども。そもそもこのコロナ禍においてのそういったアリーナというものの考え方についても、事業者のほうからもう一度提案をし直したいと仮に言ってきた場合はどうなるんですか。それはもう一度決めたことだから駄目だという話なんですか。それとも事業者から、それでは採算が合わない、このコロナ禍においてのいろんなそういったアリーナの検証をしてみるとなかなか7,000人アリーナは難しいと、採算が合わないといった場合は、仮に言ってきた場合は、そうした場合はもう一回事業の提案を見直すんですか。
○石井構造改革担当課長 事業者の提案につきましては、当初提案、これをまず遵守をして、また変更がある場合は協議をしていくということとしております。現時点で多目的ホールはそういった提案がございましたけども、多目的ホールは、採算性についても、他の規模からしてもこれがよいだろうということで提案が上がってきておりますし、我々もコロナのこの感染拡大に伴って心配をしていたところですけれども、やはり今後もこういったところの市場があるということで聞いておりますので、基本的にはこの計画で行くものと考えております。
○大内委員 要は、事業者のほうから、アリーナを造るからほかの商業施設についてはなかなか難しいですよ、採算が合うものが造れないというようなことになると本末転倒になるので、それはやっぱり区民がしっかりと欲しいもの、将来、中野に住んでいてよかったな、そういったものを。これは私たち区民の財産ですから、それを、単なる事業者が提案している、事業者は民間ですから基本的に利益を出すのが仕事ですけども、区としては年間の権利床のお金が入るということもあるけれども、それ以上に、区民に求められる、あるいは出来てよかったと、そういったこの中野のにぎわいの中心になるようなものをしっかりと提案をしていく。事業者からの提案を待つのではなくて。区のほうから自らいろいろ提案を出して、場合によっては、そういった場所の採算が合わないというのであれば中野区がその権利床を持てばいいわけで、全く採算が取れないわけじゃないわけですから。8億円だったものが少し、1割ぐらい減る。でもそのことによって区民にとって非常にいい施設が出来るのであれば、私はしっかりと検討していただきたいということでよろしいでしょうか。
○石井構造改革担当課長 この中野駅新北口駅前エリアの再整備、これはもうまさに中野のシンボルとなるものでございまして、区民はもとより多くの人々がここを目指して来るものとなります。より魅力的で永続的ににぎわいを生み出すものとなるよう、特にこの最上階につきましてはシンボル性や話題性も高くなるというふうに思っておりますので、妥協することのないよう施工予定者に投げかけていきたいと考えております。
○大内委員 繰り返しになりますけれども、要するに、区のほうがしっかりとリーダーシップを取って考えていただきたいということで、もうこの質問は結構です。
次に、2番目に令和4年度の予算編成についてお聞きをいたします。
まず、こういった予算、今までの質疑の中でもいろいろ、10か年の見通しが大幅に乱高下するような形で出てきておりますけれども、現在の世界情勢を見ると、侵攻が始まっておりますけれども、ウクライナ、首都キエフに砲弾が撃ち込まれていると今朝のニュースでも出ていましたけれども、そういったことは、財政課というか財政を考える方は御存じですか。
○森財政課長 ウクライナへの侵攻といったことについてはニュースで承知はしているところでございまして、このところについて、世界経済の先行きはかなりまた不透明になってきたな、そういったところは考えているところでございます。
○大内委員 1月に侵攻が、少しずつそういった危機感が出てきたんですけれども、当然これがもっと、今は局地戦ですけども、もっと広がってきた場合、当然日本株価も乱高下します。アメリカ株を持っている方は、職員の方もいらっしゃるかもしれないけど、非常に不安なのかなと、日本の株も連日ここのところ下がっていますから、今日ちょっと持ち直しましたけどね。要は、そういった先の見通しというのが見えない、いつ何が起こるか分からない、そういったことをあなたたちは、その10か年、あるいは基本計画をつくるときにしっかりと認識をしているんだと思うんです。これは職員の行動指針にもあります。世界の先進事例、成功事例などを収集する。過去、戦争が起きるとどういったことが起きるか、当然御存じですよね。日本の経済はどうなっていくか。一時的には多分大きく落ちるでしょう。しかしまた巻き返していく。今までの事例でいくとね。そういうことちゃんと認識していますか。
○森財政課長 そういったことに、今、委員お話あったようなことによってのエネルギーの関係の資源の高騰ですとか、貿易関係、そういったところによって世界的な今、委員もお話あった株価のお話もありましたし、そういったところでの影響というのは当然出てくると、そういうこともあり得るだろうとは考えています。
○大内委員 要は、そういった来年の話、来年度ですね、これがどう落ち着くか分かりませんけれども、非常にこれから先行きが見通せなくなってきた。そういった中で、中野区の財政の考え方を一つ聞いていきたいと思うんですけれども、これは総務90の資料を見ていくと、たしか11月の時点で、一般財源ベース、基準となる一般財源規模ですけれども、歳入見通しで約720億円余を見ていたと。しかしそのときに、財政課の歳出ではもう790億円、800億円近い歳出が出ると予想を計算されていたと、それは間違いないですか。
○森財政課長 総務90でお示しした各月の歳出歳入見込みということで、今、歳入については725億程度ということが推移、ずっと11月まで推移していた、そのとおりでございまして、11月の段階で792億円という数字を表示させていただいておりますが、こちらは各部が積算をして、財政のほうに予算要求をしてきた額といったものを整理した金額でございます。その後、全庁で議論を行ってこの金額を精査していったというところでございます。
○大内委員 これは昨年、令和3年3月1日の総括質疑で我が会派の内川委員が、基準となる一般財源規模について質疑をさせていただいております。そのときに、この2030年までは、基準となる一般財源規模687億円を維持した考え方で行くんですかと言ったら、何て答えましたか。
○森財政課長 当面、その歳入の状況が不透明な状況もあるので直ちにその数字を見直すことはないということで、その数字を当面維持するといったようなことでお答えしたと考えています。
○大内委員 そのときの答弁、令和4年度以降、一般財源の微増傾向は一応予測しておりますが、なかなか経済状況は不透明でございます。ですので、687億円は基準となっていく、今後基本となっていくというふうに。一つの目標値ですよね、687億円。これに近づけていくと言っているにもかかわらず、昨年に比べて今年さらに増加をしている。それはどういう要因なんですか。簡単に。もう何回も言っているから簡単でいいですよ。
○森財政課長 昨年、令和3年度、そこから一般財源の事業費は25億円ほど増えているわけですが、インターネットデータセンターの再構築ですとか、教育・保育施設給付、また統合型GISの構築に伴っての電子データ化、児童相談所の運営など、そういった経費がありまして、令和3年度と比べると増したということでございます。
○大内委員 児童相談所を含めたそういった子どもの施設、それが増加の要因だとか言うんですけども、子育て先進区だったら一番最初にそれを計算に入れるはずなんだよね。後から増加要因にするのはおかしい。子育て先進区を標榜するんだったらば、まず、いの一番にその経費を盛り込んだ予算組みをするのは当たり前で、後からそれで増えたという言い訳はしてもらいたくないということで言っておきます。
あと、総務92の資料でも分かるんですけれども、687億円という一つのこの基準額、これになるべく近づけていこうということが一つの目標だと思うんですけれども、令和3年度は今49億円オーバー、令和4年度は74億円。74億円って過去最高なんですよ、基金の繰入額が。今まで、そもそも50億円を超えたのが平成30年に一度、51億円とありますけれども、74億円、これだけ来年度予算、基金から繰り入れる。基金から入れて、また基金に入れるから、同じと言えば同じなのかもしれないけど、ただ基準となる一般財源規模をそこで目標にしているのに74億円、来年度。過去最高の繰入額になってしまっている、それについてどう思いますか。
○森財政課長 今お話が出ているように基準となる一般財源規模は687億円と設定をして、それで予算編成を開始したところでございます。当然それに近づけるよう歳出削減に努めたというところでございまして、11月、12月といったところで精査してきたところでございます。
増要因については先ほど申し上げたとおりでございまして、様々、令和3年度以降、令和3年度と令和4年度を比較するとそういう増要因がありましたといったようなことで、結果としてはこういう形で増加し、基金からの繰入れに至ったということでございます。
○大内委員 ですから、先ほどの資料でもそうだったんですけれども、上振れしそうだったから、それ以上、予算の総額を落とすことをしなかった。一般財源規模のほうに近づけることをしなかったように見えるんですね。12月の時点で予想よりも歳入はかなり多そうだということで途中で努力をやめてしまったのかな、そういうふうに見えるんですけれども、違いますか。
○森財政課長 総務90のところで、歳出が11月から12月のところで約30億ほど減となっております。これは歳入の見通しとは、そこは別に、基準とした687億円も当然念頭に置きながら精査をした結果、こういう形、762億円になったということでございます。歳入については、12月のもう後半に793億円、1月になると802億円になるわけですが、12月の後半のところで見えてきましたので、直接歳入がかなり上振れしそうだといったところで、歳出の削減のほうに何かあったということとは考えておりません。
○大内委員 あのね、上振れしそうなとき、あるいは上振れしたときにお金を貯めていかないと、下振れしたときにお金がもたなくなるというのは分かりますよね。この基準となる一般財源規模、これについて僕はあまりこだわっていないんですけども、こだわっていないというのは、これは一つの目標額ですから、これ以内に抑えろと言うつもりはない。ただ、一応こういう目標額を示した以上、もうちょっと頑張っていただかないと、あまりにも当初言っている考え方と違ってくる。義務的経費の5%カットすれば、このところに近づくんですよという話で当初、予算編成も聞いていた。しかし上がってきてみれば全然話が違う、そもそも当初の予算編成方針だとかそういうのを出してもころころ変わってしまう、それでは駄目だと思います。あまり僕しゃべってもあれなので、どう思いますか。
○森財政課長 当然予算編成方針をお示しして、当然庁内にも示して、それを基に予算編成をしてきたというところでございます。中野区の財政規律として基準となる一般財源規模を設定して歳出の規模を抑えていくということも取り組んできたということでございます。目標として687億円を設定して、それに向けて取り組んできた。そこは過程として、その取組としてはそのとおりでございまして、結果としてはそれに至らなかったといったようなことがありますので、そこのところの改善できる部分については来年度以降、また改善の内容については検討していきたいと考えています。
○大内委員 そんなことを言ったって、今までそういうふうに言ったってなかなかやらないから駄目なんだよって言っている。ちゃんと目標を定めたのだったら、それにもうちょっと近づける。過去最高の繰入金額にしないでください。先ほどもお話ししましたけども、世界情勢がこうなってくると、来年の経済状況はどうなるか分からない。そういったこともあるわけですから、今、余裕のあるときにしっかりと基金を貯めておく。来年、経済が悪化した、税収が落ち込んでも今やっている施策というものが停滞しないように、あるいは、特に子どもたちの学校の建て替え計画というものを止めないように、そういったためのお金を貯めておくということに対しては誰も文句は言いませんから。あるから使っちゃうのでは駄目ですよ。もう結構です。とにかくそういった、先ほど言ったウクライナのそういった状況でありますから、ぜひとも財政の安定化をやっていくためにしっかりと財政運営をやっていただきたい。森課長、ありがとうございました。
次に、ОneUp↑チャレンジについてお聞きをいたします。
ОneUp↑チャレンジ、これも区長の答弁で出てきたのでちょっと気になったのですけれども、これはそもそも1月26日に行ったというのは本当でしょうか。
○中村新区役所整備課長 ОneUp↑チャレンジの発表会を1月26日に開催いたしました。
○大内委員 1月22日に何が発令されたか御存じですか。
○中村新区役所整備課長 ОneUp↑チャレンジの発表会の期間につきましては、東京都のほうでまん延防止等重点措置の期間であったというふうに認識してございます。
○大内委員 お隣の杉並区では1月22日に、これを見ると、郷土博物館の一部、図書館を休館させて、職員約30人を保健所に増員に充てたと、1月22日。中野区ではその最中にこのОneUp↑チャレンジ発表会、おもてなしの発表をやっていたんですか。
○中村新区役所整備課長 当区でもその間、保健所等の応援で全庁的な応援を行ってございましたけども、そのようなことも踏まえまして検討を行いまして発表会のほうは開催したものでございます。
○大内委員 このときに、保健所に各部から多分応援をされていたと思うんですけど、何人くらい応援されていましたか。
○中谷職員課長 当時は一番最大規模だったと思いますので、全庁から約40名弱の応援体制、保健所とすこやか福祉センターに配置をしてございました。
○大内委員 そういった保健所に応援体制をつくっている、全庁的に、その最中にやっていたんですか。何度も聞きますけど。
○中村新区役所整備課長 ОneUp↑チャレンジ発表会は1月26日に開催をいたしました。
○大内委員 これは総務89のまた資料に出てくるんですが、ОneUp↑チャレンジ各課事業一覧、この中で、健康福祉部も出ている。「新型コロナウイルス感染症拡大期において柔軟に対応していく保健所」というタイトルになっておりますけれども、そもそもまだコロナ禍ですよね。一番大変な時期にこの保健所の職員までこういったОneUp↑チャレンジ発表会、準備も含めてやらせる、やらせるというのかな、やってもらう必要があったと思いますか。
○中村新区役所整備課長 発表会に当たりまして、各部のほうで優秀な取組のほうの選出をしてございまして、保健所があります健康福祉部においては保健所の取組が優秀だということで評価されまして選出されたものと認識してございます。
○大内委員 実際、このコロナ禍というか、まん延防止等重点措置が発令されているときに、うちの区役所の7階ですか、これをやったのは。7階の一室で集まってやる必要があるのかなと。いくらやりたいといっても、もうちょっと時期をずらすとか。保健所もみんな応援体制で出していて忙しい中でそういった準備をしていく。このものが必要ないとは言いませんけども、そういった非常事態みたいな感じで区役所も回っているときに、そこで演劇をやったのか、あるいは画面で何か映したのか、私は見に行っていませんから知りませんけども、そういったことを本当にやる必要があったのか、私はちょっと疑いたくなるんですけども、御担当の方は職員の方たちから何も言われなかったんですか、この時期に何でやるんだと。
○中村新区役所整備課長 この新型コロナの対応期間でございましたので、一部の職場からは、保健所等の応援で発表会の参加は難しいといった声も頂きまして、そのような方は参加できなかったんですけども、検討いたしまして、発表会の開催はできるというふうに考えましたので開催したものでございます。
○大内委員 私は少なからずそういった声が出て当たり前だと思うし、これに参加された方たちに文句を言うつもりはありませんよ。これは仕事でしょう。それは休み時間にやったわけでもなんでもない。これは勤務時間中にやったわけでしょう。例えばこれに出ないと何か罰則があるとか、そういうことはあるんですか。
○中村新区役所整備課長 こちらの発表会は参加のほうは任意でございますので、罰則等はございません。
○大内委員 参加は任意、任意なのに、申し訳ないけど、保健所に応援も出しているのに、保健所の職員がこのОneUp↑のおもてなしというか、改善運動に出てくるんですか。保健所の所長はいないの。所長か、保健所の担当の方は。いや、その人にちょっとお聞きしたいんだけども、保健所、忙しくなかったんですか。
○岩浅健康福祉部長 保健所の状況でございますけれども、委員おっしゃるとおり全庁からの応援を頂いて対応していた状況でございます。当日も保健所の職員3名がこちらのほうに、区役所に来まして発表させていただきまして、ずっといるのは厳しい状況でございましたので、発表終了後、保健所へ戻って新型コロナ対応も含めて保健所の勤務を行ったというものでございます。
○大内委員 いやだから、保健所はほかの部署からも応援体制が来ているのに、当日だけじゃなくてその準備もあると思うんだよね。そういうことをやっている場合ではないんじゃないの。本来なら、先ほど言ったけど辞退するところもあった。保健所の職員がそれをこの時期にやっているというのはちょっとずれていませんか。
○岩浅健康福祉部長 健康福祉部として保健所の発表を選んだわけでございますけれども、もともとの準備につきましては昨年の11月、12月に実施しておりまして、その中で選ばせていただいたものでございます。
○大内委員 例えば、これをやった職員は人事評価で上がるとか、やらなかった職員は上がらない、だから一生懸命出るとか、そういったことはあるんですか。
○中村新区役所整備課長 職員の業務改善に対する取組でございますが、各職員の目標管理に設定できることとしてございます。実際の発表会で発表した職員の評価については、業務改善に取り組んだ内容も踏まえましてプラスの評価を行ってございます。
○大内委員 では、これに参加しないで保健所で一生懸命窓口あるいは様々な対応をしていた職員というのは評価されていないんですか。
○中村新区役所整備課長 職員のほうで様々な目標のほうを設定できますので、業務改善についての取組を行った者は、それも含めまして評価のほうをされてございまして、それ以外のことに取り組んでいる職員につきましても総合的に評価のほうをされているものと認識してございます。
○大内委員 私が言っているのは、保健所の職員が部長から言われてこれやりなさいよと、おもてなしのОneUp↑の運動のこれを、窓口対応はいいから、まずその準備をして発表会に行きなさいよと。そういった職員の評価は上がって、窓口で大変忙しい思いをしている職員というのは評価されないんですかと聞いているの。
○中谷職員課長 人事評価は様々な評定要素の中で総合的に評価を行うものですので、その要素の中の一つに業務改善があるというものでございます。業務改善に取り組んだ職員は、その点に関しては評価されるということはありますけれども、当然ほかの通常の業務の中での業績や能力、態度の状況によって総合的に評価はされるものですので、業務改善をしなかったから低くなるとか、業務改善すればそれだけで高い評価がつくというものではございません。
○大内委員 分かりました。
それとあと、これは誰が参加されていた、見に行っていたと言えばいいかな、どういった方たちがこれに出られていたのですか。
○中村新区役所整備課長 当日の発表会の参加者でございますが、区長や議員、各部長、区職員、他自治体の職員など80名程度が参加をしました。
○大内委員 各部の部長もいらしたんですか、これ。
○中村新区役所整備課長 部長のほう全員ではございませんけども、参加のほういたしました。
○大内委員 だってまん延防止等重点措置で大変忙しい時期に、部長が2時間も、あるいは3時間近く、ここにこれを見に行っていたんですか。そんな部長いるの。最初から最後まで行った部長は。後ろにいるんですか、どなたか。
○中村新区役所整備課長 自分の部の発表を中心に見に来られた部長もいますし、ある程度長い時間見ていた部長もいたのかなという認識でございます。
○大内委員 何度も申し上げます。まん延防止等重点措置が発令されている最中ですよ。部長が、君たちこれをやりなさいと言った以上は、自分たちも見に行かないとそれは無責任だから見に行っていたのかもしれないけれども、各部の部長もこの時期にこういうことをやることに疑問を呈さないのかな。せめてこれが落ち着いた3月以降、4月以降にやるのが常識的な判断じゃないですか。この1月26日、この最中にやるものですか、部長さんも集めて。何とも思っていない。やって大盛況でよかった。少なくとも僕は見に行っていませんし、ペーパーをもらっただけなので、いつどこでやっていたかちょっとはっきりしていない、どの方に担当課長がお誘いしたのかも分かりませんし、そういった中で本当にこれは成功だったと思いますか、この時期にやって。
○中村新区役所整備課長 今回につきましては、まん延防止等重点措置の期間でございましたので、開催に当たりましては、開催できるかどうかも含めまして検討のほうをしてまいりました。結果的に開催したわけでございますけれども、委員の御指摘を踏まえまして、開催の時期につきましては、今後開催する場合につきましては検討のほうしてまいります。
○大内委員 1月の中野区役所の賀詞交歓会で、人数を絞って、その中から新型コロナ罹患者が後から出て騒ぎになりましたけれども、やはりもうちょっと区として慎重にこういったものをやる時期というか、タイミングを計らなければ駄目なんじゃないのかなと思います。ぜひ今後やるときには、もう少しやり方、中身をもうちょっと工夫してやっていただきたいと思いますし、場合によってはネットで中継で流すとかいろいろ方法はあると思うんだよね、この時期だったら。そういったことも考えないで、あの7階の部屋にギュッと集めて、最大80人も入ってやる時期ではなかったとは私は思います。もうやってしまったものですから仕方ないですけども。これ、あなたがやると決めたわけ。
○中村新区役所整備課長 開催に当たりましては、部長や区長に御相談をして開催のほうの決定をしたものでございます。
○大内委員 区長が答弁してもきついだろうから別に結構ですけども、区長にも言っておきます。このタイミングでやる問題ではないですよ、これ。やりたい気持ちは分かるけども、区長になる前からこれは関心あったのは知っていますから分かるけども、このタイミングでやるものではないと。といっても、いや、私はやるタイミングだったと言われればもうそれで話は合いませんから。だからやったんでしょうけれども、他の部長、区長もそうですけど、このタイミングで、区長ちょっと乱心ですよ、御乱心ですよと言う人はいないんですか。区長、御乱心と。まん延防止等重点措置の最中にやるんですか、これ。ちょっと区全体の体制の緩みがそういうところに見えてくる。ですから、当初の予算編成もそういった感じでちょっと甘々なのかな。もうちょっと厳しく現実を見ていただきたいなと思います。
最後に、中村課長、もうちょっとやるとき考えてよ。やる時期を考えるべきだと、あなたから。あなたは思わなかったの。わーい、わーいって、やろう、やろうってやっていたの。ちょっと社会常識に欠けるとまでは言いませんけれども、もう少しやっぱりタイミングをよく考えてやっていただきたいなと思います。これはもう答弁は結構です。もうこれだけ言えば分かっていただけたと思いますから。
ということで、以上で総括質疑を終わらせていただきます。
○ひやま委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。
次に、南かつひこ委員、質疑をどうぞ。
○南委員 令和4年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑を行います。区長並びに理事者におかれましては、前向きで明快な御答弁をお願いしたいと思います。
それではまず1番目に、空き家対策についてお伺いをいたします。
「中野区空家等の適切な管理、利用及び活用の推進に関する条例」には空き家の定義がございません。空家等対策の推進に関する特別措置法第2条1項には、この法律において、空き家等とは建築物またはこれに附属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地、立木その他の土地に定着するものを含むという。ただし、国または地方公共団体が所有し、または管理するものを除くと定められております。条文として明記はされておりますが、空き家を認定する基準としては抽象的なものでありまして、具体的なものではないと思っております。そこで中野区として、空き家を認定するに当たっての空き家の定義について、これは昨年の第4回定例会の一般質問でも伺ったところですけれども、改めてお伺いをしたいと思います。
○池内住宅課長 お答えします。空き家対策の推進に関する特別措置法第2条第1項による空き家の定義は、先ほど委員もおっしゃられました居住その他の使用がされていないことが常態である等とございます。中野区における空き家の定義はそれを適用しているところでございます。具体的には直近1年間、住居への人の出入りがないことや電気、ガス、水道等のライフラインの使用状況が外観目視等にて確認できない状況、客観的に当該家屋を使用していることが確認できない状態の家屋と考えております。
○南委員 直近1年間使用されていないとか、ライフラインが止まっているとかということとか、また、あとはポストなんかですね、ガムテープが貼られていたり、そういったことを基準に認定していくんだろうなというふうには思いますけれども、中には空き家だと思っていたら人が住んでいたとか、そういった事例もあることも聞いてはいるところでありますけれども、中野区では、空き家を分析するに当たって4ランク、ABCDのランク分けで把握しているところですけれども、現在での空き家の総数と、それからABCDランクの戸数と、それぞれのランク別の対応はどのようになっているのか、そこをお伺いいたします。
○池内住宅課長 2月1日時点で区が把握する空き家の総数は624棟でございます。その内訳は、ランクAが160棟、ランクBが156棟、ランクCが246棟、ランクDが62棟でございます。ランクA、Bの管理状況が比較的よい空き家に関しましては、管理不全とならないよう、土地や建物の登記簿により所有者を特定いたしまして適正な管理の啓発や、不動産市場への流通を促すため民間の専門家による空き家相談窓口等へ誘導しているものでございます。ランクC、Dの、建物自体に損傷が見受けられ管理状況に課題があるような空き家につきましては、ランクA、Bと同様の対応に加え、関連部署と連携しながら、適正な管理や除却等への誘導に向けた相談、指導等を行っているところでございます。
○南委員 前回、第4回定例会のときにもこの空き家の総数をお聞きしました。その際には607棟ということで、今お聞きしました624棟ということで、この数か月間で17棟増えているということですね。
それで、C、Dランクについては補強とか、あと除却といった形になってくるんでしょうけども、特に除却というランクになってくるDランクの空き家の対応として、空家等対策の推進に関する特別措置法と建築基準法の二つの方法で行っていくことになると思いますが、それぞれ具体的にどのような対応、手順で進めていくのかお伺いをいたします。
○小山内建築課長 まず、原則、建物の維持管理については建物所有者を特定し、建築基準法第8条に基づく指導を行っているところでございます。
また、建築基準法では、著しく保安上危険であり、または著しく衛生上有害であると認める場合においては、建築基準法第10条第3項に基づき、相当の猶予期限を設けて除却等の措置を命ずることができることとなっております。しかし、改善が不十分であったり、期限までに履行しない場合は行政代執行が用意されているところでございます。さらに空家等対策の推進に関する特別措置法では、特定空き家の認定基準に、建築基準法の判断基準以外に、景観を損なう状態とか周辺の生活環境の保全という基準が加わり、対象範囲が空家等対策の推進に関する特別措置法では広くなっているところでございます。
建物所有者の確知にかかわらず、中野区家屋対策協議会で検討を行い特定空き家と認定されると、固定資産税の住宅特例の解除や最終的には行政代執行が可能になってくるというふうなところでございます。そこで現在、詳細な実施手順については関係課と調整中でございます。
○南委員 手続上、非常に難しいところもあるかと思います。それで、これまでこの空家等対策の推進に関する特別措置法や、また建築基準法による行政代執行、これを行った事案、事例はございますでしょうか。
○小山内建築課長 空き家に対する行政代執行の事例は中野区ではございません。他の22区では、略式を含め、葛飾区、板橋区、練馬区、北区、杉並区、台東区の6区で、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく行政代執行が実施されているところでございます。なお、大田区でも1件ございますが、これは空家等対策の推進に関する特別措置法が施行される前に、区のほうで条例を制定し空き家を行政代執行したというふうに聞いております。
○南委員 中野区ではこの行政代執行の事案がないということで、こういう行政代執行をするということ自体は本来でしたら避けたいところですけれども、どうしても景観や今お話ありました危険が非常に伴うような、そういう特定空き家と認定されたようなところについては、空家等対策の推進に関する特別措置法によってとかで行政代執行をしていかなければならないということであるかと思いますけども、今のところ中野区ではないということでお聞きをいたしました。
それでは次に、このやはり除却のランク別のDランクの対応として、除却を促すためには助成制度が必要となってくると考えております。昨年の3月には東京都耐震改修促進計画が、都民の命と財産を保護するとともに首都機能を維持するため、建築物の耐震化を計画的かつ総合的に促進することを目的として一部の改定がなされました。主な改定項目の一つに、戸建て住宅等に対して、老朽化の進行を踏まえ除却による耐震化を積極的に促進するとともに、区市町村による所有者への積極的な働きかけをさらに推進との方針が示されまして、除却による耐震化について、防災都市づくり推進計画における整備地域以外でも助成対象に加えることとなりました。これまで不燃化特区などの整備区域では助成制度がありましたけれども、昨年の東京都耐震改修促進計画の改定によりまして整備区域以外でも助成制度の創設が可能となりますが、中野区としてはどのような制度設計を考えられているのかお伺いをいたします。
○小山内建築課長 現在、改定を進めております中野区耐震改修促進計画の一部改定案では、木造住宅の耐震改修助成事業の対象範囲を区内全域とすることから、昭和56年以前の建築の空き家でも耐震診断を前提に制度の活用が可能となるというふうに考えております。
○南委員 耐震診断をして、それによって助成制度を適用していくと。要は、その空き家に対する除却を促していくという効果があると思いますので、しっかりと今後も、これから新たな制度体制になりますので、しっかりとした体制で空き家対策をやっていっていただきたいと思います。
今回の令和4年度予算では、耐震助成制度について、そのエリア別に目標件数の設定はあるのかどうか、またエリアによって助成金額が変わってくるかどうか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○小山内建築課長 目標件数につきましては、整備地域内と整備地域外において、これまでの実績を踏まえ助成件数の目標を設定したところでございます。これまでの防火地域に、緊急輸送道路沿道木造住宅整備地域等に新防火地域を追加し、もう一つはこれ以外の地域と三つのエリアとし、エリア別に助成割合と助成限度額を設定しているところでございます。
○ひやま委員長 南委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時15分まで休憩にします。
午後2時54分休憩
午後3時15分再開
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。南委員、質疑をどうぞ。
○南委員 休憩に引き続きましてお付き合いをお願いいたします。
それでは次に、空き家の利活用について伺います。昨年の第4回定例会の一般質問で伺った際には、中野区では空き家の利活用として行った事例はないとのことでございました。空き家の利活用として、東京都で行っている住宅セーフティネット制度がございますけれども、令和4年度予算案にもセーフティネット専用住宅登録推進モデル事業とありますが、どのような事業内容なのかお伺いをいたします。
○池内住宅課長 高齢者、障害者、子育て世帯等、住宅の確保に配慮が必要な方のために、区内民間住宅を活用し、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の供給を促進することを目的とした事業でございます。区は、区内賃貸住宅の所有者に対して、対象物件の改修費の一部を助成する条件としまして、セーフティネット専用住宅として最低10年間登録すること、住宅確保要配慮者の入居を拒まないこと、中野区居住支援協議会と連携をすることとしております。
○南委員 今、御説明ありました住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の供給を促進するための制度ということであります。セーフティネット専用住宅は登録制度となっておりますけれども、登録制度の基準、もしくはその要件とはどのようなものでしょうか、お伺いをいたします。
○池内住宅課長 東京都が定める登録要件としましては、構造、設備、規模、賃貸状況などの基準を満たす必要がございます。具体的には、消防法、建築基準法に違反しないこと、耐震性を有していること、台所、手洗い、収納設備、浴室等の一定の設備を有すること、東京都が定めた基準以上の床面積を備えていること、入居を不当に制限しないこと、家賃が近傍同種の住宅と均衡を失しないということが要件となってございます。
○南委員 ありがとうございます。住宅形態としては、一般住宅の場合であるとか、あとはいわゆるシェアハウス、共同居住型住宅の場合など様々あるようですので、これからこの登録制度が進むことを期待しております。予算案ではセーフティネット専用住宅改修費補助として300万円が計上されておりますが、その積算内容についてお伺いをいたします。
○池内住宅課長 民間賃貸住宅の所有者がセーフティネット専用住宅の登録要件を満たすために対象物件を改修するに当たり生じる工事費の3分の2を助成することを考えております。本事業の予算規模としまして300万円としておりますが、1戸当たり最大100万円として計上しているところでございます。
○南委員 住宅確保要配慮者が対象となることを考えれば、家賃などの低廉化も必要となってくるのではないかと思うんですけれども、建物所有者からの意向も考えなければなりません。どのような家賃制度や家賃設定になるのかをお伺いをいたします。
○池内住宅課長 家賃設定でございますが、セーフティネット専用住宅は民間の賃貸住宅でございます。不動産市場の中で価格の設定がされることとなります。近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しない額とございますが、セーフティネット専用住宅の登録要件となっておるところでございます。
○南委員 次に、空き家を活用してセーフティネット住宅の登録制度を、中野区としてもこの登録促進を図っていくべきというふうに考えますけれどもいかがでしょうか。伺ってこの項の質問を終わりたいと思います。
○池内住宅課長 空き家の有効的な活用としても期待できると考えてございます。空き家の総合相談やリフォーム相談、居住支援協議会等の活動と連携しまして、不動産所有者等に向けて積極的にこの事業を周知していきたいと考えております。
○南委員 空き家の総合相談、例えばまちづくり推進土地建物協議会とか、そこに委託もされておりますし、また、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づいて、昨年の3月23日には、中野区居住支援協議会も設立されたということで、この登録制度、ぜひぜひ前に進めていただけるようお願いをしたいと思います。
次に、2番目に、区画街路第4号線整備と沼袋駅周辺まちづくりについてお伺いをいたします。
初めに、区画街路第4号線の進捗状況についてお伺いをいたします。平成29年8月に事業認可以降、土地収用の手続保留区間を随時解除をして用地交渉をこれまで進めてきております。そこで、この整備区間の1期区間から4期区間の各区間の契約件数と物件等調査の進捗率を改めてお伺いをいたします。
○長沼街路用地担当課長 現時点におけます1期区間の権利者ベースでの契約件数は16件でございまして、物件等調査の進捗率は約70%。以下、2期区間は3件で約61%、3期区間は9件で約43%、4期区間は6件で約15%となってございます。
○南委員 昨年の第4回定例会の私の一般質問での答弁と比較いたしますと、契約件数は2期区間が1件、3期区間が7件、4期区間が2件という、多少増えているところですけれども、物件等調査の進捗率は、ここ、それから数か月経過しておりますけれども、全く変化がないわけであります。これはどのような理由からなのかをお伺いをいたします。
○長沼街路用地担当課長 実態といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして調査を延期しているケースもございます。また、調査中もしくは今後調査を行うケースもございまして、ある一定程度の進捗が図られているものと認識しているところでございます。今後も新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、調査の実施が困難なケースもございますが、権利者の方々に御理解を頂きながら鋭意進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○南委員 次に、不動産譲渡契約を結んで用地の取得を今、行っているところですけれども、その中で譲渡所得の特別控除についてお伺いをしたいと思います。土地収用法やその他の法律で収用権が認められている公共事業のために土地建物を売却した場合に、収用などの譲渡課税は特例を受けることができますけれども、その特例とはどのようなものなのかをお伺いをいたします。
○長沼街路用地担当課長 公共用地の取得に伴う課税の特例につきましては、対価補償金などで代替資産を取得した場合の課税の特例、いわゆる代替資産の買い替え特例、そして譲渡所得から最高5,000万円の特別控除額を差引く特例、いわゆる5,000万円の特別控除、以上、二つの特例が租税特別措置法により規定されているものと認識してございます。
○南委員 今、御説明を頂きました5,000万円の特別控除と代替資産の控除ということで、その二つの特例があるということなんですけども、この区画街路第4号線整備の地権者の方々には不動産譲渡税の特例についてはほとんど浸透していないような状況がございます。その特例内容について、地権者の方により丁寧で分かりやすい周知が必要であると思いますけれども、区としてどのような対応をされているのかお伺いをいたします。
○長沼街路用地担当課長 公共用地の取得に伴う課税の特例につきましては、場面に応じて、小冊子を使用いたしまして丁寧な御説明を心がけているものと認識しているところでございます。今後は、そのような声を頂いていることを踏まえまして、用地交渉の初期段階から説明するなど、早期に周知することを心がけてまいりたいと考えているところでございます。
○南委員 今、特例のことをお伺いいたしましたけれども、不動産譲渡税というのは長期譲渡所得で税率が20%で、短期の場合は約39%と、これが土地の所有期間によって変わってくるんですけれども、短期の場合は5年未満、長期の場合が5年以上ということになってくるわけです。この所有期間が長いと税率が低くなるというのは住宅などの供給促進のために行うわけですけれども、反対に所有期間が短いと税率が高いというのは、投機的な取引を抑制する、地価を安定させるという効果があるということをお聞きしておるんですけれども、この譲渡税自体もそうなんですが、先ほど言われた特例と、特に情報提供にしっかりと努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、セットバック部分の土地についてですけれども、不動産譲渡契約により区所有の土地となって道路用地となりますけれども、残地で地権者が建て替えの新築工事をしていく計画になっていくと考えられます。この残地での工事は、引き渡した道路用地を一時的に工事車両等に使用せざるを得ませんけれども、この際、区有財産の貸付けや使用料金についてお伺いをいたします。また、残地での工事完成後に道路予定区域ではどのような制限がかかるのかをお伺いをいたします。
○川野まちづくり事業課長 道路用地における貸付けについては、残地における建築工事前に行政財産使用許可、使用料減免申請書を建築概要とともに提出する必要性がございます。この申請に対し、中野区公有財産規則第27条の規定に基づいて、行政財産使用許可証を使用期間を設けて交付しております。
また、使用料金についてですけども、使用目的によって異なりますけれども、残地での建築工事など都市計画道路に直接関連のある目的等であれば使用期間中免除となります。
残地での工事が完了し、行政財産使用許可書の使用期間が過ぎた場合、これの場合は、道路予定区域内であることから、道路の構造または交通に支障を及ぼすおそれのある行為などは禁止されています。
○南委員 分かりました。
次に、建て替えが進んでいく中で、店先がどうしても凹凸部分を形成していくことになってまいります。セットバックした新たな店舗にとっては目立ちにくいというデメリットが出てくると思われます。そのため、事業期間中の商店街の活性化のため、道路予定区域では、例えばオープンカフェやマーケット、マルシェなどのイベントに活用するなど、まちづくり及び産業振興の観点から商店街の活性化に向けては様々な工夫を生み出す必要があると考えますが、各所管の見解をお伺いいたします。
○川野まちづくり事業課長 まちづくり事業のまちづくり所管としての回答になります。事業期間中の道路予定区域を含めた商店街の活性化や新たなにぎわい創出については、権利者を含めた地域住民、各商店街の意向、そして道路用地の一部一時的な活用の可否も含めて、そういうのを確認しながら丁寧に事業を進めていきたいと考えております。
○鳥井区民部長 産業振興の観点から御答弁申し上げます。まちづくり事業の事業期間中におきましても、商店街を利用するお客様が離れてしまわないよう、商店街としてのにぎわいを保っていくことは必要なことだと考えてございます。既存の支援制度といたしましては、商店街が主体となって行う短期的なイベント事業に対して商店街チャレンジ戦略支援事業等がございまして、この制度を活用いただくことが可能となってございます。このほか、現在の商店街向け支援制度では補助対象とはならないようなまちづくり事業期間を通じた継続的なにぎわい創出への支援につきましては、今後検討してまいります。
○南委員 商店街のその機能を整備中に損なわないようなそういう取組を、ぜひぜひ前に進めていただければと思います。
次に、区画街路第4号線の権利者は商店を経営する方がほとんどであります。そのため、権利者の代替店舗や仮住まいの賃貸物件等の情報を紹介するなど支援が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○川野まちづくり事業課長 都市計画道路の事業において権利者が移転に際し必要とする不動産については、良質な代替地や貸物件等の情報提供を目的に、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会中野区支部及び公益社団法人全日本不動産協会東京都本部中野・杉並支部と協定を締結しております。権利者との用地交渉過程において権利者から相談を受けた場合には、この本協定を活用して権利者へ情報提供を行っております。
○南委員 物件等の調査もまだまだこれからというところもありますので、ぜひぜひそういったところで代替店舗とか仮住まいの情報提供をぜひお願いしたいと思います。
次に、障害者福祉会館は区画街路第4号線のセットバックした道路線に引っかかる状態にあります。障害者福祉会館も例に漏れずセットバックして一部改修工事をしなくてはならないと聞いております。どの程度の工事なのか、また、障害者福祉会館としての機能に支障を来すことはないのかをお伺いいたします。
○川野まちづくり事業課長 区画街路第4号線事業において、障害者福祉会館の一部が事業区域に入ります。そのため、令和4年度に改修工事を計画しております。改修工事については事業区域内である障害者福祉会館西側のバルコニーの一部の切り取り、そして1階外構部の改修、これが主な内容となります。
また、工事に伴い施設内の一部で通行使用禁止区間というのが出てきますけれども、基本的な障害者福祉会館機能というのは維持される計画となっております。
○南委員 障害者福祉会館の改修工事のスケジュールをお伺いいたします。
○川野まちづくり事業課長 改修工事においては、令和4年10月頃に現地で工事作業に入る計画としておりまして、3月までの工期として考えております。
○南委員 今、御答弁ありましたけれども、改修工事が10月から開始されるとなりますと、障害者福祉会館まつりと、また沼袋地区まつりである丸山塚まつりに少なからずとも影響が出るのではないかと考えますが、その対応策をどのように取られるのかお伺いをいたします。
○川野まちづくり事業課長 改修工事の計画については、沼袋地区の江古田4連合町会長会議及び丸山塚まつりの実行委員会と打合せを行っておりまして、丸山塚まつりの開催時期を変更する調整を行っております。この調整においては、丸山塚まつりの開催後に障害者福祉会館の改修工事を実施する計画としております。
○南委員 分かりました。
では次に、物件等調査の進捗率が止まっている現状がございますけれども、コロナ禍の影響で、区画街路第4号線の整備のスケジュールに少なからず影響を及ぼすのではないかと憂慮されますが、区画街路第4号線整備のスケジュールについては変わりがないのか、つまり令和7年度完成で変わりがないのか、改めて確認をいたします。
○川野まちづくり事業課長 区画街路第4号線の事業の本格化に伴いまして、令和2年度に執行体制の強化、そして土地収用法に基づく手続を保留していた一部区間の解除を実施し、事業の加速化を図っております。そういった意味で、現在においては事業区域全体で用地取得交渉を進めております。事業認可期間である令和7年度末ですね、7年度の末までに完了に向けて、引き続き区画街路第4号線事業を推進してまいります。
○南委員 もう間違いなく、令和7年度末ということで、その答弁を聞きたかったので確認をさせていただきました。ありがとうございました。
次に、沼袋駅周辺まちづくりについてお伺いをいたします。初めに、沼袋駅前拠点空間整備について伺います。街区の再編については、区長の施政方針説明で、沼袋駅周辺まちづくりでの市街地再開発事業の検討を進めたとの説明がございました。沼袋駅前の拠点空間整備の状況について、権利者数と、まちづくり勉強会の開催回数や参加者数及び開催概要についてお伺いをいたします。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 沼袋駅北側の駅前拠点空間整備を検討している区域の権利者は約200名でございます。また、これまでまちづくり勉強会を10回開催しておりまして、延べ約140人の方の参加を得てございます。勉強会では、沼袋駅前の新たな顔づくりを目指して、地域の課題やまちの将来像など身近なところから考えながら、共同建て替えなどのまちづくり手法の比較検討を行い、現時点では市街地再開発事業を有力な手法であると提案して進めているところでございます。
○南委員 次に、西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(沼袋駅周辺地区編)では、駅周辺の回遊性を高める環状交通ネットワーク、いわゆるルート道路と明記されておりますけれども、沼袋駅前の拠点空間整備の中でどのような道路形態として検討していくことになるのかお伺いをいたします。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(沼袋駅周辺地区編)におきましては、駅を中心とした回遊性を高めるための環状の交通ネットワークを想定してございます。一方で、このネットワークにつきましては、区画街路第4号線のように用地取得をして道路整備をしていくものではなく、駅前拠点空間整備の中で歩行者等の回遊性向上や安全で快適な歩行者空間の確保を目指しているものでございます。現在、駅前拠点空間整備の勉強会を開催しており、権利者と話合いを重ねていく中で在り方等を検討してまいります。
○南委員 分かりました。
それでは次に、防災まちづくりについてお伺いをいたします。都市防災不燃化促進事業の進捗状況では、区画街路第4号線では、令和2年度に申請実績として1件というふうになっておりますけれども、非常に少ないのではないかと考えますが、この状況をどのように分析をされているのかお伺いをいたします。
○三戸防災まちづくり担当課長 都市防災不燃化促進事業の区画街路第4号線地区の申請件数についてですが、当地区は駅前商店街の立地特性でもあり、用途地域が商業地域または近隣商業地域で指定容積率も高くなってございます。今後、高度利用される耐火建築物への建て替えが多くなることも予想されます。都市防災不燃化促進事業の区画街路第4号線地区は、平成30年4月から助成を開始いたしまして、現在、助成開始後間もないため申請実績が少ないわけですが、今後、街路事業により用地買収の進捗に伴いまして申請件数が増えてくる可能性が高いというふうに考えてございます。
○南委員 次に、木造家屋等から耐火建築物に新築する場合の助成については、160平米未満の建築物について特例でみなし助成を行っておりましたけれども、令和4年度末で廃止となってしまいます。この廃止となる理由をお伺いいたします。
○三戸防災まちづくり担当課長 都市防災不燃化促進事業のみなし助成についてですが、木造家屋等から耐火建築物へ新築する場合の助成については、現在、助成対象床面積160平米未満の建築物に対して特例で160平米とみなして助成を行ってございます。令和4年度末をもってみなし助成部分について国費補助の対象としないということが東京都より示され、中野区といたしましてもみなし助成を終了することといたしました。また、本件につきましては、昨年7月の建設委員会でも御報告をさせていただいているところでございます。
○南委員 区画街路第4号線の整備を進める上で、この特例のみなし助成が廃止となりますけれども、進める上で区独自の助成金加算の制度が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○三戸防災まちづくり担当課長 都市防災不燃化促進事業のみなし助成の終了についてですが、今回のみなし助成対象は木造家屋等から耐火建築物へ新築する場合が対象となるため、不燃化率が高い区画街路第4号線地区で既に耐火建築物の場合には対象となりません。また、建て替え後に高さが7メートル以上になる建築物が対象となるので、通常3階建て以上となるわけですが、建て替え後に延床160平米未満となる建築物は限られてくるというふうに考えてございます。
なお、みなし助成を終了するわけではございますが、引き続き助成対象面積160平米未満の建築物に対しましても、当該床面積に応じた建築助成は継続されるということでございます。
○南委員 沼袋駅周辺まちづくりの防災機能の向上についてお伺いします。当初予算案の概要では、防災性の向上に向けた取組を進めるとあります。どのような取組を進めていくのか、検討状況を伺ってこの項の質問を終わります。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 沼袋駅周辺の防災まちづくりにつきましては、まちづくり推進プランにおいても計画的に取り組む予定としてございまして、区画街路第4号線の整備が進むにつれ延焼遮断帯が形成されてくるものと認識してございます。一方で、区画街路第4号線の整備に優先的に取り組むこととしておりまして、その整備状況を見据えながら計画実施の時期を検討してまいります。
○南委員 ありがとうございました。
では次に、3番目に地域包括ケアシステムの構築についてお伺いをいたします。
地域包括ケアシステムの構築においては、先進的に取り組んできた自治体として和光市の取組がございます。和光市では10年以上も前から地域包括ケアシステムの構築がなされており、全国のモデルとして注目を集めております。一方、中野区では専門的分野から担当部長を配置したり、区長もかつては地域包括ケア推進担当でいらっしゃいましたが、その手腕を振るわれることなく、いまだ地域包括ケアシステムの構築が出来ているとは言えない現状でございます。その理由はどこにあるのか、どのように分析されているのかを伺います。
○小山地域包括ケア推進課長 新しく策定されました中野区基本構想、中野区基本計画、中野区地域福祉計画における区の取組との整合性を図るとともに、新型コロナウイルス感染症拡大によって大きく変化した地域課題に対応し、できるだけ多くの区民や関係団体との意見交換を行うプロセスを踏むため、総合アクションプランの策定時期を延期したものでございます。今後、総合アクションプランが広く区民に周知され、区の方針や地域における活動の好事例が認知されることで支援が必要な全ての人を対象とした地域における地域包括ケア体制が構築され、地域における様々な取組がより推進されると考えているところでございます。
○南委員 中野区基本構想には、誰一人取り残されることのない安心できる地域社会の構築とあります。子ども・子育て制度や児童相談所の体制、これから出来上がるわけですけれども、障害者の制度、高齢者の制度の様々な制度がある中、漏れ出されてしまう人々を探し出してそこを補完していく制度をつくり上げないと、全世代型向け地域包括ケアシステムの構築というのは全く無意味になると考えます。あとは時間との勝負であり猶予はないと思いますけれども、区にはその危機感が何かあまり感じられない、そんな気がします。全世代向け地域包括ケアシステムの構築に当たっては制度の隙間を見極め的確な救済策を講じるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 国が創設いたしました重層的支援体制整備事業は、課題が複雑化したケースについて、また制度のはざまにいる方について包括的に支援する体制を構築するものであり、区としても実施に向けて準備を進めているところでございます。
地域ケア会議の第三層となる個別会議の設置、重層的支援会議など、円滑な運営により支援が届かない区民の把握から課題に至るまで、こちらの重層的支援体制整備事業をしっかり進めて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○南委員 その制度の隙間の人たちを、もう本当にそういう意味では時間がないというふうに私は感じてならないので、しっかりと早く構築をしていただきたいと思います。
次に、地域包括ケアシステムにおいて、ケアを受ける方々を実際にケアする実働部隊の姿が見えることが区民から安心感を持っていただける制度設計になると考えますが、地域包括ケアシステムの構築に向けた実働的な見える化について、区の見解をお伺い致します。
○小山地域包括ケア推進課長 中野区地域包括ケア総合アクションプラン(案)では、地域団体等の活動事例を八つの柱に分けて掲載をしております。支援が必要な人やこれから活動に参加したい人が活動できるように作成をしているところでございます。今後も地域における活動者の交流の機会をつくるほか、説明会や理念共有事業の実施、SNSを活用した広報活動等により、どのように活動したらよいのか、支援をしたらよいのかというようなことを分かりやすく発信してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○南委員 次に、全世代型向け地域包括ケアシステムの構築をどのように展開していくかを考えるに当たっては、財源の問題を棚上げにするわけにはいかないと思っております。地域包括ケアシステムの構築を先進的に行っている和光市では、例えばですけれども、住宅改修支援事業や家賃助成事業などで予算の確保を行っているところです。これは細部の例ですけれども、大きく捉えれば国民健康保険や介護保険の給付費が増大すれば保険料に跳ね返ってくるなどの、区民にとって負担が増大するという可能性の課題を考えたときには、制度設計に合わせた予算措置の考え方が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 地域包括ケア体制の推進に当たっては、これまでも高齢、障害、子育てなどそれぞれ制度の下で支援を行ってきたところでございます。重層的支援体制整備と併せて行う地域包括ケア体制の構築に当たっては、国が創設した体制整備事業交付金だけではなく、従前の補助金制度も組み合わせて最大限活用する中で取組に必要な経費や支援の方法を検討してまいりたいというふうに考えております。
○南委員 それでは、施政方針説明で示された、中野は都市部における地域包括ケアの一つのモデルとなることを目指すとは具体的にどのような状況のことなのか、中野区地域包括ケア総合アクションプランを策定して、総合アクションプランに基づき力強く取組を進めるとございますけれども、具体的な姿とはどのように考えられているのか区長の見解をお伺いして、この項の質問を終わりたいと思います。
○酒井区長 中野区の特徴としては、高い人口密度、34万人という人口規模を背景に商業施設や専門的なサービスが集積しておりまして、生活環境が整っていること、多様な人材が集まる場所であることなどの点がございます。一方で、広大な敷地の確保が難しいことから施設整備が行いづらいこと、人口の流動性が高く、地域とのつながりが弱い人が多いこと、どの年代においても一人暮らしが多く、社会的に孤立する人が多くなりがちであることなどの都市的課題を抱えていると考えております。こうした特徴を踏まえた上で、中野区地域包括ケア総合アクションプランをオールなかのの取組として推進するための活用として、自助、共助、公助全体で課題解決に取り組むことで全ての人を対象とする地域包括ケアが実現するまちを目指していく考えでございます。
○南委員 この総合アクションプラン、この策定が終わりではなくて、そこからが本当に構築できるのかどうか、先ほど見える化ということも質疑させていただきましたけれども、そういったことも踏まえて急いで構築をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、4番目に認知症対策について伺います。
今回の予算案の中に新規事業として認知症検診が盛り込まれております。認知症検診の事業の内容とはどのようなものか、検診内容と対象者についてお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 まず事業内容でございます。セルフチェックリストを使用したスクリーニング、検診実施医療機関での問診、認知機能検査の実施、認知機能検査の結果、認知症の疑いのある方へは、検診実施医療機関から専門の医療機関への紹介を行うものでございます。検診の結果に基づきまして区における受診後のフォローも行う予定でございます。
対象者につきましては、令和4年4月1日から令和5年3月31日に70歳から75歳になる区民といたします。75歳の区民には受診券やチェックリストを一斉に送付をいたします。70歳から74歳までの区民は希望により申込制とする予定でございます。
○南委員 東京都内での認知症検診を実施している自治体はどういったところが行っているか、また、検診内容とともにお伺いをいたします。また、それぞれの受診率についてもお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 私どもの昨年の聞き取りでは、都内4区3市が実施をしているところでございます。内容は、中野区の実施方法と同様で実施している自治体、あるいは区独自で実施している自治体がございました。受診率は1%未満というところもございますし、19%というような自治体もあるということでございます。
○南委員 1%とか1%未満というのがあるようですけれども、この都内の受診率が低いという理由はどのように分析をされているんでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 受診率が比較的高い自治体は複数年にわたる実績がございました。実施年数が浅い自治体については受診率が低い傾向がございます。
○南委員 中野区としての受診率の目標値と受診率向上へ向けた対策はどのように考えられているのか伺います。
○小山地域包括ケア推進課長 目標値は5%を考えているところでございます。向上策、受診率を向上させるための策でございますけれども、セルフチェックリストの項目に中野区独自の設問を加えてございます。転びやすくなった、寝言があると言われることがあるというような設問を増やしております。一つでも該当すると受診の対象にするほか、チェックリストの点数によらず希望者は受診できるような流れを取る予定でございます。
○南委員 5%と、他の自治体から比べるとかなり大きな目標を立てられたのではないかなと思いますけれども、ぜひとも前へ向けて頑張ってもらえればなというふうに思います。今回の予算案での予算額とその内容についてお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 予算額は400万4,500円でございます。内容につきましては、検診の委託費、受診券等の印刷費、郵便料金等でございます。
○南委員 分かりました。
神戸市では、神戸モデルとして認知症対策として先駆的な取組を行ってきております。神戸市の認知症検診では、第一段階に地域の医療機関で認知機能検診を行い、認知症の疑いがある場合は第二段階に進み、専門の医療機関で認知機能精密検査を行います。市の助成で行うため、市民は自己負担ゼロで認知症検診ができるという仕組みであります。中野区も認知機能検診までで終わるのではなく、神戸モデルのように専門の医療機関による認知症検診にまで広げるべきではなかったかと考えますが、いかがでしょうか。
○小山地域包括ケア推進課長 検診の実施につきましては神戸市と同様でございます。疑いのある方が専門医療機関で受ける精密な検査につきましては、受診者の個々の状態による検診内容、検査内容が異なることから、中野区では保険診療で対応する予定でございます。
○南委員 中野区では保険診療で対応するということですね。
次に、認知症の相談体制についてお伺いをいたします。検診受診後の相談体制はどのようになっているのか、また、認知症アドバイザー医についてはあまり知られていないところがあります。しかし認知症アドバイザー医との連携が重要と考えますが、相談体制はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 まず、検診後、認知症の疑いがない方につきましては、検診時に配布いたします通い場マップを活用し、高齢者会館や介護予防講座などの紹介を行う予定でございます。また、認知症の疑いがある方につきましては、認知症コーディネーターの保健師が相談機関や認知症初期集中支援チームなどと連携をいたしまして、継続的な相談支援を行うことにしているところでございます。
また、認知症アドバイザー医でございますけれども、こちらは中野区医師会の独自の認定制度でございます。診療科目にかかわらず、認知症アドバイザー医には気軽に認知症の相談ができ、必要に応じ専門医療機関を紹介するほか、地域においても継続的な治療を行う医師のことでございます。
○南委員 認知症初期集中支援チームというのがあります。保健師とか福祉職とかが行っているチームですけれども、このチーム員の会議、また構成員、頻度や対応などの詳細についてお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 チーム会議は、医療・保健・福祉の専門医師や専門職を構成員といたしまして、年間で10回程度開催をしているところでございます。地域包括支援センターなどに相談があった認知症が疑われる方やその御家族の方に対して、アセスメントや家族支援など初期の段階の支援をおおむね6か月間集中して行い、医療・介護のサービスにつなげるなど自立生活のサポートを行うことを目的としているところでございます。
○南委員 それでは次に、徘徊高齢者探索サービスについて伺います。過去3年間の実績をお伺いいたします。
○落合高齢者支援担当課長 徘徊高齢者探索サービスについての実績でございますが、利用者の実人数が令和元年度は37人、令和2年度は33人、令和3年度は令和4年1月末現在で38人となっております。
財源構成につきましては、介護保険の地域支援事業の任意事業として、第1号被保険者の保険料が23%、区の一般会計繰入金が19.25%、都支出金が19.25%、国庫負担金が38.5%となっています。登録者1人当たりの決算額は、令和2年度は約5,700円でございます。
○南委員 分かりました。
では、その実績の人数なんですけども、大体30人台ということでちょっと少ないなという感じがありますので、徘徊高齢者探索サービスの事業が伸びない理由というのはどのように分析されているでしょうか。
○落合高齢者支援担当課長 直接の窓口である地域包括支援センターからは、徘徊行動のある高齢者にGPS端末を持たせるのが難しいという意見を聞いております。また、GPS端末がやや大きいことや携帯電話のアプリでも同様な機能があることなども要因として考えられます。
○南委員 分かりました。
次に、入間市で徘徊高齢者探索ツールとして利用者の爪に直接貼り付けて使うQRコードつきの身元確認シールがございます。入間市役所の電話番号と利用者に割り当てられる身元特定番号だけで、自宅の電話番号などの個人情報は表示されないため第三者に悪用される危険性はありません。このQRコードつきの身元確認シールは、これまで提案をしてきたところであります。現在では様々な徘徊高齢者探索ツールがあると思いますが、QRコードなどによる徘徊高齢者探索ツールの活用の検討状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
○高橋地域活動推進課長 御提案を踏まえまして、令和2年度の高齢者健康づくり等事業及び見守り体制調査研究におきまして具体的に検討する予定でございましたが、令和2年第2回定例会厚生委員会におきまして、令和2年度予算の執行についての中で御報告いたしましたとおり、新型コロナウイルス感染症の影響下の高齢者会館の状況を考慮いたしまして中止としたものでございます。独り暮らしの高齢者や認知症高齢者等が安心して暮らし続けることができますようICT技術を活用した見守り・支え合い支援充実のための方策につきまして検討を進めてまいります。
○南委員 次に、認知症高齢者と個人賠償責任保険の事業についてお伺いいたします。先ほど森委員も聞かれていたんですが、改めてお伺いしたいと思いますが、現在の実績と保険内容などをお伺いいたします。
○落合高齢者支援担当課長 認知症高齢者と賠償責任保険のこれまでの実績でございますが、利用者の実人数が、令和元年度は令和2年の2月からの開始で17人、令和2年度は69人、令和3年度は、令和4年1月末日までに114人となっております。保険内容としては、認知症の徘徊高齢者等が日常生活における偶然の事故により第三者に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に3億円を限度に補償するものでございます。なお、利用者負担はございません。
○南委員 認知症高齢者等のこの賠償責任保険事業ですけれども、立上げ当初自体が令和元年度の年度末ということもあって17名と非常に少なかったわけですけれども、当初、このとき積算人数100名という想定でしたが、今回の当初予算案で、積算人数想定はどのくらいを見込んでいるのかお伺いします。
○落合高齢者支援担当課長 令和4年度も利用者の増加を見込んでおり、これまでの実績の推移から一月当たりの利用者を130人として積算し、予算を増額しております。
○南委員 次に、この認知症対策のパッケージ化についてお伺いをいたします。先に紹介しました神戸市モデルもそうですけれども、認知症検診から賠償責任保険、相談体制、探索ツールをパッケージ化することで関連部署との連携が図れるようになるのではないかと考えますが、パッケージ化についての検討状況をお伺いいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 現在、認知症の方、御家族の方への支援や事業は幾つかの所管が担当しており、認知症安心ガイドを作成し、総合的に事業の案内をしているところでございます。主な相談窓口におきましては、事業を組み合わせたパッケージのような形での御用意はございませんけれども、相談者の状態等に合わせ、様々な事業、サービスを組み合わせて御紹介をしているところでございます。御案内に漏れがないように、関係相談窓口には再度周知を図ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○南委員 ぜひともパッケージ化に向けて進めていただければと思います。
次に、若年性認知症について伺います。中野区は、若年性認知症の実態調査を平成29年9月から翌年の2月までの期間で実施しております。詳しい調査内容等はここでは省きますが、若年性認知症の実態調査後における区の取組としてどのようなことをされているのかお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 若年性認知症生活実態調査を行った後、令和2年11月に当課に若年性認知症相談窓口を設置しているところでございます。50歳から54歳の方の発症が増えているということもございます。仕事を続けたい、働きたいといった御相談や雇用主からの御相談などにも対応していけるように窓口の周知や職員のスキルアップを図り、さらに充実してまいりたいというふうに考えております。
○南委員 それから、この若年性認知症においては、その家族会からの様々な情報をキャッチすることが重要というふうに考えております。そのためには家族会との連携が欠かせないと思いますが、今現在の区との連携はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○小山地域包括ケア推進課長 これまでも区内で活動する家族会の方々とは、活動に関する御相談を受けたり、新たな相談者へは交流の場として家族会を御紹介するなど連携した取組を進めてまいりました。今年度新たに立ち上がった家族会には、区民活動センターのアウトリーチチーム職員や運営委員会、介護事業者の方々とともに、カフェや交流の場の提供や運営について支援を行ってきたところでございます。引き続き関係者の皆様とこのような活動の御支援を行い、また連携を進めながら、認知症施策につきまして充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○南委員 若年性認知症に特化したグループホームなどの施設の誘致、整備が必要と思いますがいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
○葉山介護・高齢者支援課長 介護保険制度上の認知症高齢者グループホームは、65歳未満でも要介護者で認知症であれば利用が可能となってございます。認知症高齢者と若年性認知症の方とでは、本人が求めるニーズや必要な支援の内容が異なる面もございますが、若年性認知症の方が高齢者となっても同じ場で過ごすことができるという面もございます。また、多数の認知症高齢者グループホーム待機者がいる現状もあり、若年性認知症のみに特化したグループホーム整備を進めることは考えていないところでございます。
○南委員 それでは次に、5番目として成年後見制度の充実について伺います。
昨年の10月に中野区成年後見制度利用促進計画が策定されました。この計画では、権利擁護の支援を進める体制として、中核機関、協議会、成年後見等支援検討会議の設置が盛り込まれております。初めに中核機関について伺います。中核機関は地域連携ネットワークや調整を行うことになっておりますが、具体的な中核機関の組織体制と主な役割とはどのようなものか伺います。
○石崎福祉推進課長 中核機関につきましては、区と中野区社会福祉協議会が担ってまいります。また、中核機関の役割でございますが、相談から申立て、後見人等の支援まで、成年後見制度の利用を支援するとともに、関係機関、関係団体等の地域連携ネットワークの推進や調整、制度の普及啓発等を中心に行うことでございます。
○南委員 次に、協議会の組織体制とその主な役割、どのようなものか伺います。
○石崎福祉推進課長 協議会の委員でございます。成年後見制度に関わる弁護士、司法書士、社会福祉士、社会保険労務士等の専門職、金融機関、介護サービス事業所、障害者団体、民生・児童委員、市民後見人、地域包括支援センター、中野区成年後見支援センター等の関係機関・団体及び区の関係機関等で構成する予定でございます。役割につきましては、成年後見制度の利用促進に係る課題の共有、情報交換、連携等についての協議などを行うなど、中野区の成年後見制度の利用促進に資するものでございます。
○南委員 次に、成年後見等支援検討会議の組織体制と主な役割を教えてください。
○石崎福祉推進課長 成年後見等支援検討会議でございます。構成につきましては、弁護士等の専門職、成年後見支援センター、区の成年後見制度関係所管課、またケースごとの関係者等で構成してまいります。成年後見制度の利用の適否や適切な後見人等、広範について専門的かつ多角的に検討する役割でございます。また、権利擁護に課題がある案件、現在、成年後見制度を利用中の後見人、支援者等などからの相談案件なども検討していく予定でございます。
○南委員 中核機関をはじめ協議会、成年後見等支援検討会議の設置時期、さらに実施期間についてそれぞれいつ頃になるか伺います。
○石崎福祉推進課長 設置期間でございます。中核機関、協議会、支援検討会議とも令和4年4月に設置する予定でございます。開催時期でございますが、協議会につきましては令和4年5月から6月に1回、令和5年2月から3月に1回の年2回を予定しているところでございます。支援検討会議につきましては、毎月2回開催する予定でございます。
○南委員 次に、中野区と社会福祉協議会の中野区成年後見人等報酬費用助成要綱が昨年7月1日に改定をされました。要綱によると、報酬費用助成額が、被後見人が在宅の場合、これまで2万8,000円、施設等で生活している場合は1万8,000円でしたが、改定されて、在宅が2万5,000円、施設の場合には2万円と改定されました。この改定理由と改定された報酬費用助成額の根拠はどのようなことなのか伺います。
○石崎福祉推進課長 中野区成年後見人等報酬費用助成要綱の申請手続が煩雑である旨の指摘があったため、申請方法の簡素化を行いますとともに、報酬費用助成額につきましては、委員のおっしゃった額、施設入所者につきましては月額1万8,000円から2万円に、在宅者につきましては月額2万8,000円から2万5,000円に見直しを行ったものでございます。なお、この金額につきましては、家庭裁判所での報酬付与の審判額を参考に実態に合わせたものでございます。
○南委員 成年後見人等報酬費用助成事業の過去3年間の区長申立てと、社会福祉協議会での民間の実績件数と主な内容をお伺いいたします。
○石崎福祉推進課長 中野区の令和2年度における成年後見人等報酬費用助成の実績につきましては、施設入所者が6件、在宅者が2件の計8件になってございます。
社会福祉協議会の同実績につきましては、施設入所者4件、在宅者4件の計8件でございます。
また、令和2年度費用助成につきましては、社会福祉協議会の1件で、内容につきましては鑑定費用及び申立て費用でございます。
○南委員 次に、中野区における成年後見制度の利用者数について、令和元年度末、令和2年度末の人数が分かれば教えていただければと思います。
○石崎福祉推進課長 中野区民で成年後見制度を利用している方でございますが、令和元年度末が595人、令和2年度末が587人でございます。
○南委員 利用者数ということは、被後見人という数に匹敵するというふうに思います。
次に、成年後見人等報酬費用助成の金額については、要綱では被後見人に振り込まれることになっております。一方、後見人である専門職に支払う必要がないとのトラブルも起こり、報酬費用助成金の支払いを拒否されるケースもあることなどの現状もあります。運用を見直すことで、成年後見人等費用助成の振込先を後見人等にすることができると考えますが、いかがでしょうか。
○石崎福祉推進課長 成年後見人等報酬費用につきましては被後見人等が負担するものでございまして、被後見人等の申請により助成をしているものでございます。直ちに助成金を後見人等へ直接支払うことは難しいと考えますが、トラブル等、その必要性が生じた場合につきましては、方法等につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○南委員 難しいトラブルケースなどが様々にあると考えられますけれども、そうした実態把握に努める必要があると私は思います。弁護士会、司法書士会、社会保険労務士会、社会福祉士会などにどのようなトラブルのケースがあるのかを聞き取り調査することが必要ではないかと思います。これは要望としておきます。
先ほど、認知症対策をさせていただきましたけれども、2020年には65歳以上の高齢者の認知度の有病率が16.7%、約602万人という、6人に1人程度が認知症有病者との推計がありまして、それを思うと、ますます成年後見制度の必要性を痛感するわけでありますが、昨年の10月に成年後見制度利用促進計画が策定されて、中核機関や協議会、成年後見等支援検討会議が設置される運びとなりました。中野区として、成年後見制度の充実に向け大きな第一歩を踏み出すことができたと評価をいたしますが、今後のさらなる充実に向けてどういった対策が必要となるのか、最後に区長の御見解をお聞きしたいと思います。
○酒井区長 成年後見制度は、判断力が低下しても成年後見人等を選ぶことで権利が守られ、安心して暮らすことができるよう支援する制度でございます。今後、中核機関を中心に制度を必要とする人の発見から、申立てや支援へのつなぎ、見守りなど、地域包括ケアを確立していく中で地域のネットワークを強化するとともに、成年後見制度が正しく理解され利用されるよう普及啓発にも力を入れて取り組んでいく覚悟でございます。
○南委員 先ほどの地域包括ケアの構築もそうですし、それから今回の中核機関、協議会、検討会議とのネットワークですね。これもやはり地域包括ケアと同じように見える化というのが非常に重要になってくると思いますので、ぜひとも前に進めるよう、区長、先頭に立って動いていただけるかというように思いますので、よろしくお願いします。
その他の1として、粗大ごみの回収についてお伺いをいたします。
令和2年度に第5次補正予算を組んで、粗大ごみ回収の臨時車を、期間は6か月として180台、実働は178台増車を行いましたが、令和3年度も粗大ごみの回収強化は継続していたのかどうかお伺いいたします。
○藤永清掃事務所長 令和3年度における粗大ごみの回収についてでございます。令和3年度につきましては、受付から回収までの期間の短縮のため、収集班の体制を令和2年度の1日4台から5台に体制を強化することで対応していたところでございます。
○南委員 現在でも粗大ごみの受付は4週間待ちが続いている状況であります。粗大ごみの受付から回収まで2週間を目途としていたと認識しているところでありますが、来年度において、今年度を上回るさらなる対策車両の増車が必要と考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
○藤永清掃事務所長 令和4年度における粗大ごみの回収についてでございます。令和4年度につきましては、収集班の体制を1日5台から6台に体制を強化する予定でございます。また、年末年始期間の対策として、新たに12月29日、30日の2日間について収集日の拡充を実施することなどを予定しているところでございます。
○南委員 粗大ごみの回収を強化しても、中継所で粗大ごみが集積してパンク状態になっているということを事業者の方々から聞いているところであります。中継所から粗大ごみを搬出するための対策車両の増車も必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○藤永清掃事務所長 令和4年度における中継所対策についてでございます。受付から回収への期間の短縮のためには、中継所から処分施設までの輸送体制の強化も重要でございます。令和4年度につきましては1日2台の6往復体制に加えまして、年間70台の臨時車運行を年間200台に強化し対応する予定でございます。これらの対策により、令和4年度につきましては受付から回収までの期間を、現在のおおむね4週間から3週間へ短縮することを計画しているところでございます。
○南委員 コロナ禍のときには8週間待ちだったわけですね。それが臨時車の補正予算を組んだり、そういうことで今4週間まで短くなってきました。さらに今、所長が言われたように3週間にしていくということですので、ぜひとも前へ進めていただければなと思います。
その他の2として、測量業務について伺います。令和元年度から3級基準点再整備測量が3か年計画で実施され、今年度で終了となります。災害からの復興や土地の境界を明確にするためには公共基準点のさらなる整備が必要であります。3級基準点の維持管理と測量の実作業で最も利用する4級基準点の整備計画を策定すべきと思いますがいかがでしょうか。
○井上道路課長 公共基準点についてですが、区が設置管理する公共基準点は、おおむね200メートル間隔での設置となる3級基準点で、一般的な測量作業には十分対応できると考えています。地籍調査やまちづくり事業を円滑に進めるために、必要な時期に適切な範囲の4級相当の基準点を整備していきます。
○南委員 次に、災害が発生すれば道路やライフラインの施設の復旧が急務ということになります。また、土地所有者に対して道路境界を適正に管理する必要が出てまいります。それを解決する手段として地籍調査があります。来年度予算案では地籍調査をどのように進めていくのかお伺いをいたします。
○井上道路課長 地籍調査についてですが、令和4年度は上高田四丁目地区の完了を予定しています。国の国土調査法の改正があり、令和4年度から従来の官民境界等先行調査型から街区境界調査型へ移行する予定であり、調査内容を確認して計画的に地籍調査を進めていきます。
○南委員 上高田地区を来年度でやっていくということで、これで13丁目という形になるんでしょうか。ぜひとも進めていただきたいと思います。
以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。
次に、小杉一男委員、質疑をどうぞ。
○小杉委員 日本共産党議員団の小杉一男です。2022年第1回定例会の予算特別委員会において、総括質疑をいたします。
質問内容は通告のとおりです。順番については、5の哲学堂公園保存活用計画の策定については最後にさせていただきます。その他の項はございません。
まず冒頭、子どもの健全な育成について伺います。
2020年の春の突然の長期臨時休業以降、子どもたちは様々な側面で新しい生活様式を強いられています。国立成育医療研究センターの昨年末の調査では、新型コロナのことを考えると嫌だと感じる子が38%、すぐにイライラしてしまうという子が28%となるなど、コロナ禍において子どもたちの体と心の健康への影響が懸念されます。
中野区では2019年に子どもと子育て家庭の実態調査を実施し、施策展開をしようとしていることを高く評価いたします。コロナ禍の中で学びや暮らしの点で一般層の子どもと比べて生活困窮層の子どもたちは深刻な状況にあります。こうした観点から子どもの健全な育成について伺います。
まず、学びについてです。中野区内の児童・生徒の中で、一般層と生活困難層、これはいわゆる困窮層と周辺層でどのように異なるのか、先ほどの調査結果から学びの状況について確認をいたします。まず、授業の理解度はどのようでしたか。
○青木子ども政策担当課長 令和元年度に実施しました中野区子どもと子育て家庭の実態調査におきましては、子どもの生活困難の度合いに応じて、一般層、周辺層、困窮層に分類し分析を行いました。実態調査の結果、学校の授業の理解度につきましては、生活困難度が高くなるほど授業が分からないと答えた子どもの割合が高くなる傾向が見られました。具体的には、授業が分からないと答えている割合につきまして、小学生では一般層が約1割であるのに対し困窮層は約2割、中学生では一般層が1割半ばであるのに対し困窮層は約5割という結果となり、生活困難度と学校の授業の理解度に一定程度の相関関係があると考えられます。
○小杉委員 小学校と中学校のその家庭の中で一般層と生活困難層の格差が開いて学習の理解が非常に難しくなる子どもが増えるということだと思います。加えて、自分専用の学習机の有無についてはいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 生活困難度が高くなるほど自分専用の勉強机を欲しいが持っていないと答えた割合が高くなる傾向が見られました。具体的には、自分専用の勉強机が欲しいが持っていないと答えている割合は、小学生では一般層が約2割であるのに対し困窮層は4割半ば、中学生では一般層が約1割であるのに対し困窮層は約3割という結果でございました。
○小杉委員 生活困難層では自分専用の学習机を買いたくてもなかなか購入できない状況が垣間見えます。そこで伺います。新年度予算案には、学習支援事業委託費3,933万円余の内容を拡充させますと書いてあります。どういう事業で、どのように拡充させますか。
○青木子ども政策担当課長 高校進学への支援を強化するという観点から、中学3年生の夏季休業期間中の学習指導につきまして、通常は週1回のところ、1回分増やし週2回として実施することを予定しております。
また、これまで必要に応じて対応していた学習相談につきまして年2回実施することとし、中学3年生については、さらに夏季休業期間中に1回加え、計3回実施する予定でございます。
○小杉委員 夏季休業中の学習と学習相談の拡充をするということです。よろしいことだと思います。
加えて、学びを支援するために対象の学年をさらに増やすことを考えてはいないでしょうか。いかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 学習支援事業の対象につきましては、現在、就学援助認定世帯の小学6年生及び中学1年生から3年生の児童・生徒としているところでございまして、こちらにつきましては来年度についても同様でございます。今後、生活困窮世帯の子どもの学習環境等を踏まえまして、対象学年の拡充も含め事業の充実、強化に向けて検討してまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 ぜひ検討をいただきたいと思います。
日本政策金融公庫が実施をした令和3年度の教育費負担の実態調査によると、高校入学から大学卒業までにかける子ども1人当たりの教育費用は、前年度よりも22.6万円減少したものの、943万円と高い数字を示しています。1年当たり135万円もの負担となります。日本共産党議員団アンケートでも、子育て先進区に期待をする教育施策は何かとの問いに対して、教育費の削減の施策が最も高く、驚きました。そこで伺います。高校生も対象にするなど充実をさらに検討してはいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 高校生世代への学習支援につきましては、区全体の子どもの貧困対策や若者支援の施策を進めていく中で、他自治体の事例等を参考にしながら研究をしてまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 ぜひ他の自治体を参考にして研究、検討をお願いしたいと思います。
加えて、就学援助制度について取り上げます。実態調査でどのように異なるのか、先ほどの調査結果から、一般層と生活困難層で今度は家計の状況について確認いたします。食料の困窮の経験ではいかがでしたでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 実態調査の結果において経済的な理由で食料を買うことができなかった経験につきまして、一般層では1割未満が経験があると答えている一方、困窮層では7割以上が経験があると答えております。また、世帯類型ごとに比較しますと、2人親家庭と比べ、ひとり親世帯において食料の困窮経験が多い傾向が見られました。
○小杉委員 公共料金等の滞納の経験はいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 実態調査の結果におきまして、電気やガスなどの公共料金を経済的な理由で滞納した経験について、経験があるという回答につきましては一般層ではございませんでしたところ、未就学児及び小学校低学年の困窮層では1割半ば、小学校高学年の困窮層では約3割、中学生の困窮層では1割半ばでございました。
○小杉委員 一般層に比べて生活困難層、特に困窮層の厳しい実情があることが理解できました。
学校教育法第19条に位置付けられている就学援助制度というものがあります。ここで伺いますが、この制度はどういうものでしょうか。第19条の条文を御紹介ください。
○松原学校教育課長 学校教育法第19条ですが、経済的な理由によって就学困難と認められる学齢児童または学齢生徒の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならないとされてございます。
○小杉委員 文部科学省によると、生活保護法の要保護者、これは全国で10万人おられますが、それとともに市町村の教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認めた準要保護者、全国で約123万人がおられます。本年度の中野区が準要保護の認定率を生活保護基準の1.15倍から1.3倍に引き上げました。そこで伺います。中野区の教育委員会が、要保護者に準ずる程度に困窮していると認められる者の認定基準を引き上げた理由はどういうものでしたか。
○松原学校教育課長 就学援助認定基準の算定につきましては、生活保護費の認定基準を1としてそれぞれの支給品目に一定数の倍率を掛けた値を認定基準額としてございます。昨年度までは、御紹介ありました1.15倍を認定倍率としてまいりました。令和3年度予算編成に当たりまして、子育て支援の充実、新型コロナウイルス感染症拡大による家計への影響などを踏まえまして認定倍率を見直し、1.3倍とすることとなったものでございます。
○小杉委員 子育て支援と新型コロナの家計への影響による支援だということですね。
加えて伺います。就学援助の基準を引き上げた結果、令和2年度と比べて令和3年度は対象者数とその割合はどのように変わりましたか。
○松原学校教育課長 区立小・中学校の認定者数は、それぞれ各年度の10月段階で2,321人から2,533人で212人増加いたしました。それから、区立小・中学校の在籍者に対します認定者数の割合は、17.47%から18.40%へ増加したものでございます。
○小杉委員 以前には就学援助の入学準備金が毎年6月に振り込まれていた問題を取り上げましたが、平成29年から中野区でも2月に前倒し支給することになりました。現在、全国の自治体の半数がそのようになっています。今年度からはオンライン学習通信費も出るようになったのは評価いたします。
足立区では、昨年4月に高等学校等の入学準備金にかかる経費の家計への影響を考慮し、就学援助の準要保護世帯を対象に育英資金として1人5万円助成しました。準要保護者の99%が申請、受給いたしました。本年度は支給額を10万円に増額いたしましたが、それは準備のための費用を検討したら、制服代やパソコンの購入が想定され5万円では不十分であることが明らかになったためだそうです。この制度は区独自の制度です。そこで伺います。子ども・子育て施策の拡充として、高等学校等入学準備金の実施も検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○松原学校教育課長 就学援助制度につきましては、義務教育の円滑な実施に資することを目的としております。義務教育の就学に必要な経費を区が援助をしているというものでございます。高等学校等の入学準備金につきましては、就学援助制度では対象外としておりまして、現在のところ御提案の制度については考えてございません。
○小杉委員 就学援助制度ではなかなか難しいとは思いますが、この子ども・子育て施策の一環としてぜひ緊急検討を要望したいと思います。
それでは次に、子どもの食についてです。再度調査結果から見ると、一般層と生活困窮層で児童・生徒の食の状況を確認します。朝食の摂取状況はいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 実態調査の結果におきまして、平日に朝御飯をいつも食べない、または食べないほうが多いと回答した割合につきまして、小学生では一般層が約2%であるのに対し困窮層が約10%、中学生では一般層が約5%であるのに対し困窮層が約12%でございました。
○小杉委員 倍から4倍ということで、かなり今、深刻かなと思います。加えて、栄養群の摂取状況はいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 実態調査の結果におきまして、生活困難度が高くなるほど野菜や果物の摂取頻度が低く、またカップ麺、インスタント麺の摂取頻度が高くなる傾向が見られました。
○小杉委員 ありがとうございます。やはりこれも、一般層と比べてかなり野菜や果物の摂取が比較的少ない状況です。近年、子どもの食をめぐっては、発育発達の重要な時期にありながら栄養素摂取の偏り、朝食の欠食、小児期における肥満の増加、思春期における痩せの増加など問題は多様化、深刻化し、生涯にわたる健康への影響が懸念されています。また、親の世代においても、食事づくりに関する必要な知識や技術を十分に有していないとの報告もあります。
新型コロナウイルスによる一斉休校は学校によって成り立っていた子どもの日常を揺るがしました。学校給食があるのを当然としていた保護者にも不意打ちを与えたのではないでしょうか。こうした事態に対し、ある地域では、教職員が給食の代わりに弁当を持って希望する子どもの家を訪ね、併せて子どもの様子を確認したり、他の地域では商店街が給食を作ったりしたところもありました。1割近い自治体が、予測不能な事態の中でこのような取組を行ったことはすばらしいことだと思います。こうした動きが至るところで起きたのは、地域の子どもたちを私たちの子どもとして、地域の学校を私たちの学校として皆さんが考えたからではないでしょうか。
まず、子ども食堂について伺います。新年度予算案には、子ども食堂による生活に困窮を抱える子どもへの支援を拡充させるとありますが、どのような拡充でございますか。
○青木子ども政策担当課長 区として子ども食堂に対する支援を継続して充実を図ってきたことによりまして、区内での子ども食堂の活動が広がってきていると認識してございます。来年度におきましては、区内で活動する子ども食堂を実施する団体数の増加を踏まえまして、子ども食堂運営助成金の予算額について、当初予算ベースで令和3年度の360万円から540万円に増額し、食の支援に関するセーフティネットの強化を図るということを考えてございます。
○小杉委員 具体的には、登録団体はどれぐらい増えてきているのでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 区内で子ども食堂を実施する団体数につきまして、社会福祉協議会の子どもほっとネットに登録されている数としましては、平成30年度末で9団体、令和元年度末で13団体、令和2年度末で19団体と推移してございます。
○小杉委員 9団体から19団体に増える中で、やはり費用を増額をしてきたということで、高く評価したいと思います。それでは、なぜこうした地域の取組は増えているのでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 区として令和元年度から子ども食堂運営助成を行いまして、子ども食堂に対する支援を継続して充実を図ってきたことによりまして、区内での子ども食堂の活動が広がってきたものと認識してございます。
また、社会的な背景としまして、新型コロナウイルス感染症の影響などにより食の支援を必要とする家庭が増えていることや、子ども食堂の認知度が向上してきたことがあると認識してございます。
○小杉委員 コロナ禍の中で今まで当たり前としてきた暮らしが見直され、困難を抱えた子育て世帯への支援の輪が広がっているということだと思います。コロナ禍で活動が制限される中で、弁当の配布に切り替えるなどをしているところが半数近くになっているそうです。しっかりと子育て先進区を進めていただきたいと思います。
次に、学校給食についても取り上げます。2019年から「おいしい給食」というテレビドラマが放送され、その後有料配信サービスでも視聴がされています。1980年代の中学校を舞台に、学校給食の楽しみを描いた学園コメディですが、視聴者は懐かしく見られていたのではないでしょうか。まず、学校給食の位置付けについて改めて伺います。学校給食法に学校給食の目的、役割、目標達成の義務が記載されています。どのようなものでしょうか。
○松原学校教育課長 児童・生徒の心身の健全な発達に資するため、学校給食や学校給食を活用した食に関する指導を実施し、学校給食の普及・充実及び学校における食育の推進を図ることを目的としてございます。適切な栄養の摂取による健康の保持・増進、食育による望ましい食習慣の養成のほか、給食を通じた生命や自然の尊重、環境の保全、社交性や協働の精神など教育活動に活用することとされております。
○小杉委員 健全な発達のためにということで、食育とか教育への活用とかということを今言われました。今答弁されたように、極めて有効な教育的役割が期待されております。目的を実現するために、目標達成への努力をすることともされています。子どもの毎日の食を保障する観点から言えば、子ども食堂だけでは十分ではありません。根本的には、食格差を解消させるには、親の収入を上げる就労対策や児童手当などの金銭給付が必要です。しかし、食を保障する観点に絞れば、1日1食とはいえ、学校給食は全ての子どもたちを対象にしているすばらしい取組です。栄養のバランスや食の流通、食文化を学ぶことができます。そして何よりも、給食は友達と生活を共にする重要な時間であり、自分たちで配食し、片付けもします。令和2年度の教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価報告書では、生活習慣病検診結果における指導を要さない生徒の割合が、中学1年生で、令和元年度の実績で68.7%と悪く、前年度に比べて12%悪くなっていました。3割超が生活習慣病の要指導者だった可能性があります。区は、コロナ禍で学校保健会が開かれないので不明ですと言われましたが、そこで伺いますが、コロナ禍で貧困による肥満格差の現状や、そして解消策についてどのように考えていますか。
○松原学校教育課長 生活習慣病検診結果につきましては、その原因が特定をされているわけではございませんで、また貧困とのその因果関係は明らかにはなってございません。しかしながら、こうした予防検診の目的でございますリスクの高い生徒を広くスクリーニングして生徒の生活習慣を見直すため、学校医、養護教諭、栄養教諭、すこやか福祉センターの担当者が連携をして指導を進めているところでございます。
○小杉委員 これはこれで本当に、予防検診を進めながら、やはり専門職の人たちが連携しながら、こういった要検査という子どもが少なくなることの努力をお願いしたいと思います。
中野区では、先ほど触れた就学援助対象者には学校給食の費目があり、費用が出されています。世田谷区、また他の区の紹介ですが、世田谷区では2019年10月に就学援助世帯の対象を拡大させ、さらに支援項目に学校給食費を追加しました。就学援助の対象基準を生活保護基準の1.24倍から1.4倍に拡大させるとともに、学校給食費の費目も2.06倍にして、対象の児童・生徒を全体の3割に拡大させました。世田谷区は、学校給食は教育の一環であるため、就学援助の対象者を拡大させ保護者の負担軽減を図ったと言われています。そこで伺います。世田谷区のように、就学援助の学校給食の費目の基準を別に引き上げることを検討するべきではないでしょうか。
○松原学校教育課長 就学援助の対象者は、生活保護を受給している要保護と生活保護を受給していない準要保護として認定をされてございます。令和3年度からこの就学援助の認定基準を1.3倍に引き上げたところでございまして、まずはこの効果について検討してまいりたいと考えております。
○小杉委員 1.3倍に引き上げましたので、そこをしっかり検証しながら前に進めていただきたいと思います。
教育としての学校給食を重視をし、無償化する動きも広がっています。学校給食が無償化されている市町村は全国で161に上り、一部補助を含めれば3割近い市町村で改善が行われています。文部科学省が行った子どもの学習費調査によると、公立の小学校に通う小学生1人当たりにかかる教育費は年間で約32万円、月額換算で約2.7万円かかります。小学生とはいえ、2人の子どもがいれば月々5万円超の教育費がかかっています。学習塾費が増える高学年で相対的に高く、公立の小学6年生では年間37万円、月額3.1万円にもなっています。その中で、4万4,000円ほどの学校給食費は大きな比率を占めています。教育機会の平等を実現するためには、私的負担を税収等による負担に切り替え、負担をみんなで分かち合うことが重要であると考えます。そこで伺います。中野区においても学校給食費の無償化の検討を行うべきではないでしょうか。
○松原学校教育課長 学校給食法で保護者が食材料費を負担するということになってございます。区が負担をし、無償化をすることは考えてはございません。
○小杉委員 憲法では義務教育はこれを無償化すると言いながら、学校給食法では、学校給食に要する経費は児童または生徒の保護者負担とすると、これは矛盾をしているなと私は感じております。そもそも学校給食は教育の一環であると、これも言っているわけですので、やっぱりこれは無償化していくことが将来的には求められるのだと思います。子どもの医療費は無償化していますよね。区は新年度で12億円、予算化をしています。この半額は区が出している。この制度は30年ほど前に区の単独事業として始まり、その後、都の制度となりました。学校給食費は、財源としては6億円から7億円かかるそうですが、単純比較はできませんが、区が率先をし、都と国に協力を求めることも見通していくべきだと思います。大切なのは、子どもたちが保護者の財布を心配せずに安心して学校に行けることではないでしょうか。ぜひ検討していただくことを要望して、この項を終えます。
○ひやま委員長 小杉委員の質疑の途中ですが、まもなく5時になりますので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。
委員会を暫時休憩いたします。
午後4時56分休憩
午後4時59分再開
○ひやま委員長 委員会を再開します。
ただいまの理事会の報告をします。小杉委員の質疑の途中ですが本日は終了し、次回、小杉委員から始めることを確認をいたしました。以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんのでそのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、2月28日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告をいたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後5時00分散会