1.令和4年(2022年)11月25日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 生 藤 健 人 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 欠 員
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 石 井 大 輔 総 務 部 長 海老沢 憲 一
防災危機管理担当部長 石 崎 公 一 区民部長、文化・産業振興担当部長 鳥 井 文 哉
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 濵 口 求 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子 健康福祉部長 岩 浅 英 樹
都市基盤部長 奈 良 浩 二 まちづくり推進部長 豊 川 士 朗
中野駅周辺まちづくり担当部長 松 前 友香子 企画部企画課長 堀 越 恵美子
総務部総務課長 浅 川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 長 﨑 武 史 事 務 局 次 長 林 健
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 髙 田 英 明
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 田 村 優
書 記 細 井 翔 太 書 記 有 明 健 人
書 記 早 尾 尚 也 書 記 髙 橋 万 里
書 記 川 辺 翔 斗 書 記 金 木 崇 太
議事日程(令和4年(2022年)11月25日午後1時開議)
追加議事日程
日程第2 同意第3号 中野区教育委員会委員任命の同意について
日程第3 議員提出議案第21号 前副区長白土純さんに対する感謝状贈呈に関する決議
午後1時00分開会
○議長(内川和久) ただいまから令和4年第4回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき議長から御指名申し上げます。
2番竹村あきひろ議員、41番長沢和彦議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から12月12日までの18日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、御紹介申し上げます。10月16日付をもちまして本区副区長を退任されました白土純さんを御紹介申し上げます。
〔前副区長白土純登壇〕
○前副区長(白土純) 本日は、このような発言の機会を頂きまして誠にありがとうございます。
私は、昭和62年、中野区に入区し、副区長を退任するまで35年と半年余り、様々な仕事を経験してまいりました。今振り返りますと、その全ての経験が副区長として仕事をする上で役に立ったなというふうに思います。
一例を申し上げますと、職員課人事係のときに、当時中型のオフィスコンピュータ上で職員がつくった人事給与システムというのが稼働しておりまして、私も、COBOLというコンピュータ言語を使いましてプログラムを組んで、昇任選考とか、あるいは人事異動の処理をしておりました。課長に昇任したときに、その経験を買われてか、情報システム課長になりました。当時、いろいろなシステムが動いていた中で、運営上の課題もありましたけれども、私の最大のミッションは、当時、ホストコンピュータの上で昭和40年代から職員が手作りで構築してきた住民情報システムというのがありまして、それをオープン化するというのが私の最大の使命でございました。私は、一気にパッケージシステムに移行するというのは非常にリスクもありますし、職員に負担をかけるということで、2段階でオープン化するという計画を立てたところですけれども、計画を立てただけで、プロジェクトには関わらないで異動してまいりました。部長に昇任し、区民サービス管理部長になったときに、今度はソフトのオープン化を手がけることになりました。副区長になり、CIO、CIO補佐官として仕事をする上で、それらの経験が非常に役に立ったというふうに思っております。
副区長になった最後の4年間でございますけれども、全体の経営を考える立場に立ちました。様々な課題がございまして、どうしたらいいかということに関して試行錯誤の連続でございましたけれども、議会の皆様と対話をし、時に厳しい御指摘、そして、時に議会の皆様に助けられながら、何とかやってこられたというふうに思います。
特に、任期の後半ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴います様々な対応に追われることになりましたが、目まぐるしく変化する情勢に対応しつつ、最悪の事態を想定して先手先手で動くことを心がけました。度重なる補正予算を通していただくなど、議会の皆様の多大なる御協力により、世界的な危機にも何とか対応できたのではないかというふうに思っております。
私のような者がここまでやってこられたのも、議会の皆様の御指導、御鞭撻、そして、私を支えてくれた職員の努力のおかげであるというふうに心から深く感謝しております。
新型コロナウイルス感染症の拡大はまだ収束を見ておりません。また、ロシアによるウクライナ侵攻や円安など、世界的なエネルギー不足や物価高騰が起きています。
このように、先の見通せない状況の中で、中野区は、100年に一度のまちづくり、あるいは基本計画を具体化する計画や事業を進めていかなくてはならないわけですが、私の経験から言えることは、議会の皆様との対話を大切にし、様々な立場からの御質問や御指摘を真摯に受け止め、修正すべきところは修正するなど、柔軟に修正力を発揮していけば、区政は正しい方向に進み、中野区が大きく発展していけるものと確信しております。
今後は、職員OBとして、中野区の組織の外からできる限りの協力、応援をさせていただきたいと思っておりますので、議会の皆様には、引き続き、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(内川和久) 以上で紹介を終わります。
この際、申し上げます。令和4年11月24日付をもちまして、お手元の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
令和4年(2022年)11月24日
発 令 |
氏 名 |
旧 |
区民部文化・産業振興担当部長 |
(区民部長 鳥井 文哉 兼務) |
○議長(内川和久) 次に、令和4年11月24日付をもちまして、お手元の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
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人 事 異 動 表 |
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発令年月日 令和4年11月24日 |
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【部長級】 |
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区長発令 |
発令権者 中野区長 酒井 直人 |
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発 令 |
氏 名 |
旧 |
備 考 |
区民部文化・産業振興担当部長 |
( 区民部長 鳥井 文哉 兼務 ) |
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区民部参事 |
高橋 昭彦 |
区民部文化・産業振興担当部長 |
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○議長(内川和久) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第2、同意第3号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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同意第3号 中野区教育委員会委員任命の同意について
○議長(内川和久) 日程第2、同意第3号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを上程いたします。
区長の説明を求めます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) ただいま上程されました同意第3号、中野区教育委員会委員任命の同意につきまして御説明申し上げます。
この同意案は、本月30日をもって任期満了となります田中英一教育委員会委員の後任者として黒岩紋子さんを任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第2項の規定により、議会の同意をお願いするものでございます。
黒岩さんは、平本紋子さんの通称名で、現在、弁護士として活躍をされている方でございます。平成20年に一橋大学法科大学院を卒業後、平成21年に弁護士登録をされ、平成27年からは東京弁護士会の男女共同参画推進本部委員に就任されております。
また、令和3年から一橋大学法学部法曹コース非常勤講師を務められるとともに、江戸川区児童相談所において非常勤相談弁護士を務められております。
このように、黒岩さんは、弁護士としての豊富な実務経験を有するとともに、大学講師や児童相談所における相談業務を務められるなど、優れた識見を備えておられることから、この際、教育委員会委員として本区における教育行政の進展に御尽力いただきたいと考えた次第でございます。
本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。
○議長(内川和久) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
上程中の同意第3号に同意するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(内川和久) 起立多数。よって、同意第3号はこれに同意するに決しました。
お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第3、議員提出議案第21号、前副区長白土純さんに対する感謝状贈呈に関する決議を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第21号 前副区長白土純さんに対する感謝状贈呈に関する決議
○議長(内川和久) 日程第3、議員提出議案第21号、前副区長白土純さんに対する感謝状贈呈に関する決議を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。木村広一議員。
〔木村広一議員登壇〕
○13番(木村広一) ただいま上程されました議員提出議案第21号、前副区長白土純さんに対する感謝状贈呈に関する決議につきまして、提案者を代表して、提案理由の説明を申し上げます。
前副区長白土純さんは、昭和62年、中野区に入区され、様々な部署で職務経験を積まれた後、平成17年に管理職に昇任されました。以来、課長職として、総務部及び政策室の情報化推進担当課長、子ども家庭部の保育園・幼稚園担当課長、子ども教育部及び教育委員会事務局の子ども教育経営担当副参事を務められ、また、部長職として、区民サービス管理部長、環境部長を歴任された後、平成30年10月17日、副区長に就任されました。
中野区に在籍された35年余の間、白土さんは、その豊富な経験と優れた識見により、卓越した行政手腕を発揮されました。
ここにその業績の一端を御紹介します。
白土さんは、管理職として初めて着任した情報化推進担当課長として、情報システム調達ガイドラインの策定とCIOオフィスの創設を行い、今日、中野区におけるICTガバナンスの基礎を築かれました。
また、区民サービス管理部長在任中には、マイナンバー制度が導入され、区のシステム改修、全区民に対する個人番号通知書の交付、マイナンバーを含む個人情報に関する安全管理措置の構築、行政機関における全国情報連携といった一連の対応を全て成し遂げられました。
平成30年に副区長に就任されてからは、酒井区長を補佐し、新型コロナウイルス感染症対策などの難局に直面しながらも、的確な情報分析と冷静な判断により庁内をまとめ、区民の暮らしと中野区の財政を守る施策を実行してきました。
白土さんは、常に戦略を意識した緻密な計画と信念を貫く強い意志を持って様々な局面に対処してこられ、職員からも厚い信頼を受けられておられました。
このたび副区長の任期を全うされ、後進に道を譲ることになりましたが、ここに改めて、これまでの白土さんの労苦をねぎらい、その功績に敬意を表すために、ここに本議案を提出する次第であります。
同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明といたします。
○議長(内川和久) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後1時14分休憩
午後1時16分開議
○議長(内川和久) 会議を再開いたします。
この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、森たかゆき議員、加藤たくま議員、白井ひでふみ議員、来住和行議員、山本たかし議員、大内しんご議員、南かつひこ議員、小杉一男議員、杉山司議員、市川しんたろう議員、甲田ゆり子議員、間ひとみ議員、生藤健人議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、竹村あきひろ議員、立石りお議員、吉田康一郎議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 公衆衛生政策について
(1)新型コロナウイルス感染症対策について
(2)ワクチンで防げる感染症対策について
(3)その他
2 令和5年度予算編成について
(1)燃料費等高騰の区財政への影響とその対策について
(2)区民生活・地域経済の実態を踏まえた物価高騰対策について
(3)その他
3 子育て支援・学校教育の充実について
(1)所得制限のない区独自の支援策について
(2)学校整備について
(3)就学援助制度について
(4)地域の子ども施設について
(5)その他
4 中野区基本計画について
5 中野区役所新庁舎整備について
6 中野駅新北口駅前エリア再整備事業について
7 その他
○議長(内川和彦) 最初に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○38番(森たかゆき) 令和4年第4回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりですが、1の(3)で梅毒についてお伺いいたします。
1、公衆衛生政策について、(1)新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。
第8波に入ったとされる新型コロナウイルスですが、オミクロン株対応ワクチンの接種率が伸び悩んでいます。国が公表したデータによると、今月21日時点の全国民を分母とした接種率は13.3%とのことです。中野区の接種率はどのような状況でしょうか。
ワクチン接種の予約サイトの状況を見てみると、かなり埋まっていて予約しづらい状況があるようです。他方、医療機関は、発熱患者の増加もあり、今以上に接種回数を増やすことが困難であるとも聞いています。国は接種を呼びかけていますが、区内の状況を見ると、区民の接種意欲が低いというよりも、むしろ接種キャパシティーに課題があるようにも見えます。区としては現状をどのように分析されているか伺います。
国は希望者への接種を年内に行うとしていますが、現在の体制で完了するのか不安を感じます。区はどのようにお考えでしょうか。また、改善策を何かお考えでしょうか、伺います。
5歳から11歳の接種は特に伸び悩んでいます。改めて接種勧奨が必要と考えますが、いかがでしょうか。
ワクチンの種類、対象が増え、子ども向けの予約枠が少なく、予約が難しくなっています。例えば港区では、集団接種会場である港区新型コロナワクチン接種センターで実施している小児接種について、10月から住所要件を問わない「予約なし・誰でも接種」を開始したり、子どもワクチン安心相談ダイヤルを設置したりと、子どもが接種しやすい環境を整えています。港区の取組なども参考に接種環境を改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第7波では、発熱してもすぐには医療機関を受診できないという状況が区内でもありました。第8波では、国は重症化リスクの低い層には検査キット等を自分で用意するように呼びかけるとしていますが、まだほとんどの区民に知られていないようです。そもそも区のSNSには、しばらくワクチン関連以外の新型コロナ情報が掲載されていません――と通告していたら、3時間と少し前に、検査キットを配りますということでLINEが流れましたけれども、いずれにしても、国のアドバイザリーボードで議論がなされてから区が広報するまでにはどうしてもタイムラグが発生してしまいます。オミクロン株系統の感染力を考えると、このタイムラグを極力縮めることが必要です。広報に関わる現状の意思決定プロセスを見直し、より迅速な対応ができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
今年度予算は、新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算とされています。当初予算編成の頃を思い返すと、もう少し感染状況が落ち着くような想定をしていたようにも思いますが、活動再開、体験機会の拡充は想定どおり進んでいるのか伺います。
全体としては、様々な行事、イベントも再開され、あるいは新しくスタートしてきています。予算付けのみならず、イベント実施時の感染症対策の相談などにきめ細かく対応する体制をつくったことの成果もあるだろうと考えます。こうした活動支援は来年度も継続すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(2)ワクチンで防げる感染症対策について伺います。
まずは、インフルエンザについてです。私は、令和2年、予算特別委員会総括質疑でインフルエンザワクチン接種の助成対象を小学生年齢にまで拡大することを求めました。他自治体では、妊婦や中学3年生――受験生ですね――を対象にしている例もあります。こうした例を参考に、インフルエンザワクチン接種の助成対象拡大を改めて求めたいと考えますが、いかがでしょうか。
新型コロナ拡大前の公衆衛生政策の大きな課題の一つが昭和37年度から昭和53年度生まれの男性の風疹の抗体保有率引上げでした。区も抗体検査とワクチン接種を呼びかけ、クーポンを送付するなど対応してきましたが、現在までの進捗状況はどのようになっているか、お伺いをいたします。
思うように進んでいないというのであれば、抗体検査を飛ばし、ワクチン接種を助成対象とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、HPVワクチンに関連して伺います。
積極的勧奨がようやく再開され、1年がたちました。キャッチアップ接種も実施されています。私は、議員になった直後の平成22年10月の厚生委員会における子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成についてという陳情の審査の中で、海外では男性を接種対象に含んでいるケースもあることを念頭に、男性に接種するという発想はないのかと伺いましたが、当時日本で承認されていたワクチンは男性は対象になっていないとのことでした。
それから10年がたった令和2年12月、4価のHPVワクチンの承認事項が9歳以上の女性から9歳以上の者へと変更となり、男性へ適用が拡大されました。男性へのHPVワクチンの接種は、そのパートナーへの感染を防ぎ、社会全体の感染率を下げるために有効であると考えられるだけでなく、男性でも発症する他の病気の予防効果も期待できるとされています。中野区としても、男性も補助対象とし、接種を促していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
現在、発病者が増えているものに帯状疱疹があります。コロナ禍におけるストレスの増加が影響しているとも言われていますが、これを防げるのはワクチンのみです。帯状疱疹についてもワクチン接種助成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、現在の中野区のワクチン接種助成の補助上限は2分の1となっていますが、ワクチンによっては非常に高額なものも出てきています。この補助上限についても見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(3)その他で、帯状疱疹と並んで感染が拡大している梅毒について伺います。
こちらはワクチンがあるわけではないので、予防策の啓発と検査の呼びかけが重要です。現在、中野区保健所では、HIV抗体検査と同時に梅毒の検査もできますが、今月更新された「エイズ検査のお知らせ」はいつもと同じ内容で、梅毒の検査が同時にできるということは、小さく書かれているだけで、ほとんど目に留まりません。こうした広報は、その時々の感染状況を踏まえ、内容や手段を見直すべきです。改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
2番、令和5年度予算編成について、(1)燃料費等高騰の区財政への影響とその対策についてお伺いします。
光熱費の値上がりが社会的な問題となり、区は事業者支援などに取り組んできましたが、区自身が払う光熱費も大きく増えることが想定されます。来年度予算で今年度比どのくらいの増を見込んでいるのでしょうか。また、その他の物価高騰による影響もあると思われますが、具体的に見えているものがあれば教えてください。
いずれにしても、一定の影響が出ることは避けられないと思いますが、光熱費に財源を取られて実施できない事業が出る、こういったことは避けるべきです。一般事業に影響を及ぼさないような対応をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
一方で、節電の取組がこれまで以上に重要となりますが、どのように取り組むか伺います。
昨年11月に策定された中野区電力調達方針は、再生可能エネルギー100%の電力を競争入札により調達することを原則としています。現下の価格変動によって再生可能エネルギー普及促進の方針を変えることはあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
(2)区民生活・地域経済の実態を踏まえた物価高騰対策について伺います。
経済対策については、後日、杉山議員から詳細に伺いますので、私からは考え方を1点だけ伺います。
区はこれまでに、既に光熱費等の高騰に伴う事業者支援を行ってきました。急激な経営環境の変化に際しては必要な対応です。ただし、原則論で言えば、経営環境の変化に組織を適応させていくのは経営者の仕事です。また、介護や保育などの福祉施設については、国が公的価格の見直しで対応すべきものです。事業者支援についてどのような考え方で来年度予算編成を行うのか伺います。
給食費について、今年度は、一部食材の現物支給というかなりイレギュラーな形で、保護者負担が生じないよう対応しています。物価高騰があっても賃金が上がらない現状と、他自治体で給食無償化の議論も進む中、来年度においても家庭にさらなる負担を負わせられる状況にはないと考えます。一旦値上げはした上で、当面の間、差額を公費で負担するという方法も考えられますが、給食費が私費会計であること、中野区立学校における働き方改革推進プランに位置付けられているはずの公会計化が進んでいないこと、こうしたことによる課題もあります。来年度の給食費についてどのように対応するお考えか伺います。
また、現下の対応だけでなく、将来的な無償化も見据えた公会計化の取組を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
国は、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を閣議決定し、国会で関連補正予算の審査が行われています。総額39兆円程度とのことですが、この時期にこの規模の補正予算をつけたとして、年度内に執行できるでしょうか。予算がついたとしても、実施体制が組めなければ事業は実現しません。新型コロナ対応事業の執行率が伸びなかったことの教訓が生かされているのか、疑問を感じるところです。
規模を膨らませることありきであったためか、子育て支援などを中心に、基礎自治体が実施すべきと思われる事業も含まれています。この時期にこうした事業がこうした形で示されると、区としては、自分たちが事務を担うことになるのか、それに向けて体制を組む必要があるのか、既存事業とのすみ分けはどうすればいいのか等々と振り回されることになります。本来であれば、基礎自治体が担うべき内容の事業を国が年度途中に示すのではなくて、臨時交付金などを交付していただいたほうが、住民の生活実態と自治体の実施体制に合わせた、より合理的・効果的な施策展開が可能になると考えますが、区の見解を伺います。
3番、子育て支援・学校教育の充実について伺います。
(1)所得制限のない区独自の支援策について伺います。
私は、前定例会の決算特別委員会総括質疑において、子育て支援に係る所得制限の在り方について、区長の考えをただしました。会派として、子育て支援策に係る所得制限を撤廃し子育て支援の拡充を求める意見書も提出し、多くの同僚議員から御賛同いただいて、可決をいたしました。今月執行されたお隣の新宿区の区長選挙では、3期目の当選をされた吉住区長が所得制限なしの小・中学校入学祝い金の支給を公約とされていました。子育て支援の大幅な拡充なくして急速な少子化の進展を止めることはできないということや、あるいは私たちが長年訴えてきた普遍主義の理念が幅広く理解されるようになってきたことは、かつての子ども手当へのばらまきから思い返すと隔世の感があります。前定例会の質疑では、区長から、国、都への要望のほか、区としてできることも考えたいと答弁を頂いたところです。その後の検討状況について伺います。
(2)学校整備について。
先日、ある区立学校の生徒から、この秋に行われた運動会で48メートル走をしたと伺いました。50メートルも満足に走らせてあげられない中野区の教育環境に胸が痛みます。区有施設整備計画では改築工事着手は各年度1校程度とするとしていますが、学校整備は複数年にわたって行う事業であり、進捗状況の異なる工事を同時に管理していくこととなります。それに加えて、既存校の環境改善や隣接する土地の取得検討、補助金獲得、各ステークホルダーとの調整など、担当課の業務は多岐にわたります。学校整備は、子どもや地域への影響はもちろん、財政的な影響も非常に大きな事業でもあります。改築校でも、そうでない学校でも、子どもたちの学ぶ環境を十分に整えていくためには、体制の拡充が必要ではないかと考えます。体制拡充により予算の使い方をより仔細に検討できるようになれば、財政的な効果も見込めるはずです。体制拡充の必要性について、お考えを伺います。
(3)就学援助制度について伺います。
就学援助は酒井区政となり様々に拡充してきており、評価をしていますが、必要とする人にどれだけ届いているかという点に課題を感じています。就学援助制度の捕捉率は把握しているでしょうか。全体の捕捉率の把握には難しさがあるかもしれませんが、他自治体では、児童扶養手当受給世帯に対象を絞るなどの工夫により、一定の把握をし、捕捉率を高めることを数値目標としているところもあります。中野区においても、こうした取組を参考に、現状把握と捕捉率上昇に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
就学援助制度は、当然、年度途中でも利用を開始することができますが、この点もどれだけ知られているか疑問に感じます。年度途中の利用は実際にどれだけあるのでしょうか。広報の改善が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
中野区の就学援助制度は、私立学校に在籍していると対象外となります。平成23年度事業見直しの中で認定基準引下げと同時に支給廃止とされた経緯がありますが、23区中6区では、私立学校に在籍していても支給対象としており、実際の利用もあるとのことです。人間関係や子どもの特性などから、少し無理をしてでも私立へ進学せざるを得ない、こういった事情の家庭もあることでしょう。人様の税金にお世話になっていて私立とは何事かとの意見もあるのかもしれませんが、そうした発想は子ども本位とは言えません。私立在籍者への支給を再開すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(4)地域の子ども施設について伺います。
前定例会の子ども文教委員会に、子どもと保護者のニーズをとらえた地域子ども施設の展開(案)についての御報告を頂きました。様々な課題がありますが、時間の都合上、総論1点、各論1点のみ伺います。
我が会派としては、児童館集約後の跡地も全て子ども向け施設として活用していく方針が示されたことを歓迎します。しかし、他方で、財政的な課題もあり、それが児童館を一定廃止せざるを得ないことの理由の一つでもあったはずです。現在の児童館の建物は、メンテナンスが行き届いておらず、環境改善は必要であるものの、躯体としてはまだ10年ほどは活用できるものがほとんどだと伺っています。財政的な負担が重くなるのは、やはり施設の建て替えであります。前定例会に示された施設展開は基本的に現行施設の活用を前提としたものであり、建物を建て替えて事業を継続するのか否かについては、そのタイミングでの行政ニーズやそこから先の将来見込みも踏まえて改めて検討するものと考えていますが、区の見解を伺います。
各論として、学童クラブ待機児童対策について伺います。
この問題については継続的に取り上げてまいりましたが、いまだ待機児童が発生する状況であり、特に谷戸小学校区22名、塔山小学校区16名と、このエリアの状況が深刻です。今、当該エリアで学童を必要としている家庭は、未就学児の頃には保育園の待機児童問題に直面した方々です。保護者の声を聞きながら必要な受皿の拡充をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
基本計画について伺います。
基本計画は、その改定の考え方を踏まえると、改定すべき条件がそろってきているように見えます。他方、まだ策定から1年と少ししかたっておらず、この頻度で改定を行っていくと、ほぼ常に基本計画の改定が大きな仕事として区の中に存在することになります。コロナ禍と円安、物価高騰に見舞われている現在、区の職員の皆さんの労力は具体的に区民生活を支えるところに使っていただきたいとも思います。必要なことは、前期の検証と後期の取組の具体化、財政見通しの更新であり、それは基本計画そのものを改定せずとも実現可能ではないかと考えますが、区としてどのようにお考えでしょうか。
基本計画と構造改革実行プログラムに関連して、私は、今年度予算の審査の中で、歳入状況から基本計画は下支えなしで自立できるようになったということかと問いましたが、明確な答弁は得られませんでした。改めて伺いますが、財政的な非常事態に対処し、基本計画等を下支えするという構造改革実行プログラムの位置付けが現在も妥当とお考えでしょうか。
同プログラムについては、前定例会に更新案2が報告され、議会から様々な意見が出ました。私は、プログラムの更新よりも、一定の時期に明らかになった課題に着実に取り組んでいくことが大切であり、個別プログラムの取組については、同プログラムそのものがどうなろうとも取り組むべき内容であると考えています。今後どのように進めようとお考えか伺います。
5番、中野区役所新庁舎整備について伺います。
まず、財源についてです。これまで、新庁舎整備の財源は、中野駅新北口駅前エリアの再整備事業の中で得られる転出補償金で賄うとの考え方が示されてきましたが、より具体的な検討が必要な時期となりました。転出補償金で賄おうとしてきたその範囲はどこまでをお考えでしょうか。起債できる範囲に限定するのではなく、什器備品やシステム関連、引っ越しの経費なども含めたイニシャルコストの総額を対象とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
前定例会の総務委員会に示された各階レイアウト図の中で、あまりほかでも見かけることのないものとして目を引いたのが、6階の(仮称)合同部長室です。私は、中野区の部長たるもの、単に自分の部の代弁者であるのではなくて、区政全体に目を向けていてほしいというふうに願いますし、合同部長室設置がその一助になるのであれば歓迎するところです。他方、ハードだけを整備すれば意識が変わるというものでもないと考えています。区長は、部長という職責の職員にどういった役割を求めているのでしょうか。そして、それと合同部長室設置はどのように関連するのか、お伺いをいたします。
区民から見た新庁舎の期待は、窓口サービスの抜本的な改善です。閉会中の委員会報告によると、来庁者の負担軽減は段階的に進めるとのことですが、やはり最初のインパクトが大切と考えます。新庁舎移転の1年後に自治体情報システムの標準化を控え、二度手間、二重投資になることは望みませんが、それ以外については、移転即大幅改善が実感できるような整備とすべきと考えます。区長は、移転直後の窓口サービスの水準について、どのレベルを目標としているのか、移転した瞬間は最先端、日本一の窓口サービスが実現していてしかるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、その窓口サービス実現に向けて、窓口業務の経験、ノウハウを持つ職員の知見を活用する必要がありますが、現状でそれが十分にできているでしょうか。私としては、特別委員会の質疑等を通じて、もう一歩の取組が必要ではないかと感じています。新庁舎供用開始時点での最高レベルの窓口サービスの実現と、それを改善し続けるための仕組みづくりを視野に入れた組織体制の強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。
6番、中野駅新北口駅前エリア再整備事業についてお伺いします。
本事業については、前定例会において、三つの議決の必要性とその時期について伺いました。今回は、株式会社まちづくり中野21の解散に関する議決以外の二つについて伺います。
サンプラザ地区に係るまちづくり整備方針の変更に関する議決については、現行の規定と区の考え方に既に齟齬があるにもかかわらず、特に理由の説明もなく、事業認可の申請に同意する前の定例会になるとの答弁がありました。極論を言えば、今から今定例会に提出することも可能であるはずです。そうできない理由が何かあるのでしょうか。
財産処分に関する議決については、条例の要件に該当する場合という条件付で提出時期の説明がありましたが、平成23年、中野区では、本来議決に付すべき教師用指導書の買入れについて、議決を経ずに執行してしまい、その責任を明確にするためにということで、区長の給料月額を10%減額するといったことがありました。これは予定価格が2,000万円以上の動産の買入れに該当するということで議決が必要だったわけですが、どう考えても必要である学校教育に必要な教師用指導書の買入れであっても、2,000万円という金額であっても、議決を要し、その手続を怠れば区長がペナルティーを受けるわけです。
翻って本事業における財産処分は、3桁億円という文字どおり桁の違う規模のものです。これが議決の対象にならないということになれば、著しく他とのバランスを欠きます。条例の要件に該当する場合に議決を求めるのではなくて、条例の要件に該当する形で進めるべきですし、それは無理に事業内容を変えずとも可能と考えますが、いかがでしょうか。
前定例会で転出補償金への課税について伺い、令和元年1月時点の路線価を基準とした推計で約90億円の法人税がかかると御答弁を頂きました。国税局や弁護士等とも様々な検討した結果と聞いてはいますが、期限まで、区民の財産を守るための最大限の努力を図るべきです。区には、まちづくり経験のある優秀な職員が多数いる中、外部の専門家に加えて職員の英知も集結してこの課題に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
権利床の活用については、財源確保に加え、財産の有効活用や公益性の観点から最適な運用となるよう検討しているとの答弁がありました。本年第1回定例会には権利床の活用パターンが3パターン示されましたが、将来の区財政への影響が極めて大きいことに加え、最適なと御答弁をした以上、3パターンの比較では不十分で、数十、あるいは3桁ぐらいのあらゆるパターンを想定し、最適解を導き出すべきと考えます。この点についての見解を求めます。
また、その場合は、当然に新庁舎整備に必要となる金額以上に現金を得るパターンも検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
区有施設整備計画では権利床は行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るとされていますが、いつからか公益性の観点云々という説明が加わるようになりました。区有施設整備計画策定時点から考え方を変えたのでしょうか。また、公益性の観点とは具体的に何を意味するのでしょうか。公益性があれば赤字施設でも所有するということでしょうか。そうであれば、計画と逆の考え方になってしまいます。考え方を変えたのであれば、その理由の説明と区有施設整備計画の改定などの手続を踏む必要があると考えますが、いかがでしょうか。区有施設整備計画は、昨年10月に策定されたばかりです。これだけ大きな話に関わる方針がこれだけ短期間に大きく変わってしまうのだとすると、そもそもどれだけ真剣に検討してきたのかと疑念を持ってしまいます。どのようにお答えになりますか。
整備内容について伺います。
経済状況の変化によって事業者選定時の提案から計画が変わることはあるでしょう。しかし、あまりに変わり過ぎてしまうと、事業者選定の正当性が揺らいでしまいます。例えば容積率については、提案時900%から1,000%に変更する方針が示されています。これは決定事項でしょうか。大きな変更と考えますが、事業者の再選定は必要ないのでしょうか。必要ないとすればなぜでしょうか。ホールの規模や、夜間・昼間・交流人口の比率、4対4対2の変更の可能性はあるでしょうか。区として何をどこまで選択肢として考えているのでしょうか。区民の利益を最大化するためには、ありとあらゆる選択肢を検討していただきたいというふうに思いますが、事業者選定との関係でどこまで検討できるものなのでしょうか。そこが曖昧なまま検討結果だけを示されても、妥当性の判断が難しくなってしまいます。答弁を求めます。
様々指摘したとおり、本事業にはまだまだ検討すべきことが山のようにあります。一方で、私たちは、事業が遅れることを望んでいるわけではありません。限られた期間の中で十分な検討を行い、納得感のある結論を導き出していただきたい、このことを申し上げて、全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 森議員の御質問にお答えいたします。
最初に、公衆衛生政策について、オミクロン株対応ワクチン接種についてでございます。全区民を分母としたオミクロン株対応ワクチンの接種率は、本年11月21日時点で14.3%です。11月22日午後5時の時点で予約可能枠が約1万9,000あり、接種を希望する方が接種できる体制は確保できていると考えております。中野区医師会や各医療機関の協力を得ながら、可能な限り多くの予約枠を設定しているところであります。また、11月からは、中野サンプラザでの集団接種も実施しております。今後も、多くの区民に接種を受けていただけるよう、円滑な実施に向けて、関係者と連携し、工夫しながら取り組んでまいります。
次に、5歳から11歳までのワクチン接種について。区内の5歳から11歳までの初回接種の接種率は全国平均を下回っているため、接種を完了していない対象者へ今月末までに届くように、接種勧奨のはがきを送付します。小児へのワクチン接種についてもコールセンターで御案内しているところでありますが、他自治体の先進事例を参考にしながら、より安心して接種を受けていただける体制づくりに努めてまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策に関わる広報についてでございます。現在も迅速で分かりやすい広報に努めているところでありますが、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国や都が報道発表した後に区へ通知されるケースが多い状況であります。SNSの活用を含め、効果的かつ迅速な情報発信ができるよう、工夫・改善をしてまいります。
次に、活動再開、体験機会の拡充についてでございます。今年度は、感染対策を促しながら、活動再開に向けた支援を行ってきたところでありまして、3年ぶりの地区まつりの開催や、小・中学校等における体験活動も継続実施をしております。第8波の兆しも見られますが、区民や地域で活動している団体等の相談に応じながら、今後も活動の再開や継続に向けた支援を行ってまいります。
次に、インフルエンザワクチン接種費用助成対象の拡大についてでございます。インフルエンザは、高齢者と乳幼児が重症化のリスクが高く、また、乳幼児はインフルエンザ脳症の罹患リスクが高いことから、これまで就学前の乳幼児を助成の対象としてまいりました。しかしながら、インフルエンザは学校教育の場においても多大な影響を与えておりまして、予防接種によりインフルエンザの発症を抑制する効果が期待できることから、小学生へのワクチン接種費用の助成の拡大等についても検討してまいります。
次に、風疹第5期ワクチン接種の接種状況についてでございます。当事業が開始された令和元年度から令和3年度までの接種状況は、ワクチン接種者が1,815人、接種対象者のワクチン接種率は4.5%でございます。
次に、風疹第5期ワクチンの接種方法についてでございます。風疹第5期ワクチンは、予防接種法に定められた定期予防接種でございます。接種には、風疹抗体検査を受け、十分な量の風疹抗体があることが判明し、当該予防接種を行う必要がないと認められる者を除くという条件がつけられておりまして、抗体検査を省略することはできないとされております。今後も、区報や中野区公式ホームページ等を活用し、接種率向上に向けた周知啓発に取り組んでまいります。
次に、男性のHPVワクチン接種に対する補助についてでございます。主に子宮頸がんを発症させるHPVは、異性間の性交渉により感染し、感染拡大が起こります。子宮頸がんの予防だけでなく、尖圭コンジローマなどの性感染症の感染拡大を防ぐためには、女性だけでなく男性も予防接種をすることが望ましいと考えております。男性へのHPVワクチン接種に対する補助については、今後、国や他自治体の動向も踏まえて検討してまいります。
帯状疱疹ワクチン接種に対する助成についてでございます。帯状疱疹ワクチン接種につきましては、新型コロナウイルス感染症の流行によって帯状疱疹に罹患するリスクは増大していると考えております。また、帯状疱疹ワクチン接種が全額自費の任意予防接種となっているため、帯状疱疹の予防及び区民の経済的負担の軽減を目的に、50歳以上の方を対象とした接種費用の一部助成を実施することを予定しております。
次に、帯状疱疹ワクチン接種に対する補助上限の見直しについてでございます。帯状疱疹ワクチンの高齢者への接種は、個人での感染予防、発病予防の目的が強く、定期接種のような集団予防という目的とは異なる意味を持ちます。この目的で行われるワクチン接種はB類疾病に分類されているため、他のB類疾病――高齢者のインフルエンザや肺炎球菌感染症のワクチン接種費用助成割合との整合性を踏まえても、現在考えている補助割合が適切であると考えております。
次に、梅毒対策の見直しについてでございます。東京都の梅毒の感染状況は、近年の高止まり傾向から2021年に増加に転じ、2022年は既に前年の発生数を上回っております。これまでの梅毒検査はHIV検査と併せて検査の周知案内を実施してきたため、梅毒検査の周知を強化するなど、検査へのアクセスを工夫・推進してまいります。
次に、燃料費の関係で、光熱費の増見込額についてでございます。現在、令和5年度予算を編成中であるため、今後、変動する場合がありますが、現時点における指定管理施設を除く区有施設等の光熱水費の令和5年度予算への影響は、令和4年度当初予算比で5億円程度の増と見込んでおります。
次に、物価高騰による次年度予算への影響についてでございます。光熱費などの施設運営に関わる経費の増が見込まれる指定管理料、資材高騰による各施設整備工事、清掃や印刷などの業務委託等への影響を想定しております。
次に、物価高騰の一般事業への影響についてでございます。物価高騰に伴う光熱費をはじめとした経常経費の増については、状況を適切に把握して必要な予算を計上してまいります。一方で、区民生活を守るための各事業経費についても適切に計上していく必要がございます。必要な事業には財源を投入し、予算編成を進めていく考えであります。
次に、節電の取組状況についてであります。現在、本庁舎におきましては、執務室内の照度抑制、廊下の照明器具の間引き、地下機械室の送排風機の間欠運転など、省エネルギー対策に取り組んでおります。本庁舎以外の区有施設においても、個々の施設状況を踏まえた節電対策を実施しております。また、区ホームページにおいて、家庭や事業所でできる節電・省エネ対策として、東京都が普及啓発している省エネ性能の高い家電への買替えや断熱シートの貼付などの取組を紹介し、区民に呼びかけを行っているところであります。
次に、再生可能エネルギーの推進についてであります。区有施設におきましては、高圧電力施設と低圧電力施設における再生可能エネルギー電力の導入を進めてきたところでありまして、現在、約8割の施設に導入をしております。今後は、現在未導入の貸付施設や指定管理施設においても導入していく考えであります。区有施設の脱炭素化に向けては、再生可能エネルギーの導入は不可欠でありまして、再生可能エネルギーが高騰した場合であっても、事業者間の価格競争など経済性を追求しつつ、導入を進めていく考えであります。
続きまして、物価高騰対策における事業者支援についてであります。来年度の予算編成において、介護や保育など公的価格が設定されているものについては、見直しの動向を見定めながら、適正に予算を見積もってまいります。また、物価高騰や経済状況に応じて機動的に事業者支援に対処できるよう努めてまいります。
次に、国の経済対策と区の体制についてでございます。区では、国の総合経済対策と連携を図り、地方創生臨時交付金を活用し、地域の実情に応じた対策を講じてきたところであります。自治体の創意工夫によって迅速かつ効果的に事業を実施するためには地方創生臨時交付金による対応が望ましく、より柔軟に活用できるよう制度構築を求めたいと考えております。
続きまして、子育て世帯に対する所得制限のない区独自の支援についてでございます。現在、物価高騰などの影響を受けている子育て世帯の家計の負担増加は全ての子育て世帯に共通していることから、今回、所得制限を設けずに18歳以下の児童のいる世帯に給付金を支給する仕組みを検討しているところであります。
続きまして、子育て支援・学校教育の充実についてで、地域の子ども施設についてのうち、今後の施策の見直しの可能性についてでございます。児童館施設の老朽化への対応につきましては、建物調査を実施中でございまして、必要な修繕を行うとともに、今後の施設の長寿命化や計画的な修繕、建て替え時期を検討していく考えであります。児童館は、中学校区に1館に集約をし、ニーズを踏まえた機能の強化や機能の転換を図ってまいりますが、その目的に対して適正な規模としていく考えであります。また、行政需要の変化等による施策の必要な見直しは行ってまいります。
次に、学童クラブの待機児童対策についてでございます。学童クラブにつきましては、需要数を満たすように整備を進めておりますが、地域間で需要に差があり、利用を待機していただいている小学校区もあります。放課後の安心・安全な居場所の確保については喫緊の課題であると認識しておりまして、学童クラブの需要が大幅に上回る小学校区においては、民間誘致も検討していく考えでございます。
私からは、最後に、区役所新庁舎整備についてで、区長が部長に求める役割と合同部長室の関連についてでございます。部長には、全庁的視点に立って機動的かつ柔軟に部長間調整を行うことで、特別職が行う様々な経営判断を適切に支援する役割を期待しております。子育てや地域包括ケア、まちづくりなど、一つの事業部だけでは解決が困難な課題に対し、今後ますます部間の連携・協力が必要となります。部長にはさらなるマネジメント力や区政横断的な視点が求められることから、意識改革や働き方の見直しが必要であると考えております。そのためにも環境整備も重要と考えておりまして、部長間の連携やコミュニケーションの活性化、これに資する手段として、現在、合同部長室の検討を行っているところであります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、令和5年度予算編成について、区民生活・地域経済の実態を踏まえた物価高騰対策についてのうち、学校給食費についてお答えいたします。
来年度につきましては、私費会計を維持した上で、物価の動向など様々な状況を踏まえ、給食費を見込むとともに、保護者負担増に対する軽減も視野に検討してまいりたいと考えております。給食費の無償化と公会計化につきましては、区が負担すべき総額のほか、様々な影響を精査しながら、今後も研究を進めてまいります。
学校整備についてお答えいたします。
小・中学校改築等に係る体制強化についてでございます。現在、小・中学校改築等につきましては、3校の新築工事、2校の基本・実施設計、1校の基本計画、2施設の解体工事、代替校舎の改修設計等を進めておりまして、来年度には、新たに第七中学校の基本計画を進める予定でございます。学校改築に関する基本計画、設計、工事に係る教育委員会事務局内の調整、学校や地域の方々との調整、また、供用を開始した小・中学校新校舎及び代替校舎管理を行うとともに、国の負担金交付の申請も行っております。今後、小・中学校の改築計画が進めば担当業務の規模が大きくなることが予想されることから、教育環境の充実に向けて、区長部局と調整し、小・中学校改築等に係る体制を強化してまいりたいと考えております。
就学援助制度についてお答えいたします。
まず、就学援助の捕捉率についてです。就学援助の認定を希望する保護者から申請後、税情報を参照して、就学援助認定の審査を行っております。申請前に対象となる世帯をあらかじめ把握しているわけではございませんので、捕捉率は把握してございません。
次に、就学援助の現状把握と捕捉率上昇についてでございます。現在の就学事務システムでは、児童扶養手当受給世帯の情報を取り込めないため、この受給世帯の捕捉率と関連させることができない状態でございます。今後、就学事務システムの標準化の機会を捉え、現状把握と捕捉率の向上について研究に努めてまいります。
次に、就学援助の年度途中の利用実績と広報の改善についてでございます。転入や家計急変等による年度途中の申請者は、令和3年度におきましては85人存在し、そのうち認定者は76人、非認定者は9人でございました。年度途中の転入者に対しましては、就学援助の申請書を配付し、周知しております。また、年度当初に非認定となった保護者に対しても、状況の変化があった際には申請することができるよう個別に案内しております。今後とも、必要な広報について学校と情報を共有しながら、年度途中の申請に関する情報を丁寧に提供してまいります。
最後に、就学援助の私立学校在籍者への支給再開についてでございます。今後、私立学校在籍者への支給につきましては、他自治体の対応や、対象世帯、申請方法、支給内容等について研究を進めてまいります。
〔企画部長石井大輔登壇〕
○企画部長(石井大輔) 私からは、まず、中野区基本計画についての御質問についてお答えいたします。
まず、基本計画の改定についてでございます。基本計画の策定以降、社会経済状況は揺れ動いているものの、基本構想を実現するための政策や施策を見直すまでには至らないと捉えております。一方、令和5年度から令和7年度に至る後期の取組の具体化を図っていく必要があると考えております。このため、前期の進捗状況を踏まえて後期の取組を着実に推進するため、基本計画は改定せずに、後期を計画期間とした実施計画を策定したいと考えております。こうした考え方につきましては、今定例会の総務委員会でお示しする予定でございます。
次に、構造改革実行プログラムの位置付けについてでございます。構造改革実行プログラム策定当初の目的として掲げておりました財政的な非常事態に対処する必要性は薄れていると認識してございます。一方で、効率的かつ効果的なサービス展開は引き続き必要であると捉えておりまして、基本計画における後期の取組の具体化と併せて検討する必要があると考えております。
次に、構造改革実行プログラムの今後の進め方についてでございます。個別プログラムの取組はいずれも中長期的に取り組むべき課題として整理したものでございまして、構造改革実行プログラムを更新することは考えておりませんが、引き続き取り組んでいく必要があると考えております。令和5年度中の進捗状況を踏まえて継続して取り組むべきものについては、実施計画に盛り込んでいくことを考えております。
次に、中野区役所新庁舎整備についての質問のうち、転出補償金の充当についての質問にお答えいたします。
中野駅新北口駅前エリアの再開発におきましては約400億円の転出補償を受けることを想定しておりまして、このうち約260億円を新庁舎整備費に充当する考えでございます。この約260億円で、新庁舎の建設工事費に加え、庁舎ネットワークや議場システムなどの関連工事費、什器備品購入費、移転経費等に対応できるものと考えております。
次に、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の質問のうち、まず、公有財産の処分についてお答えいたします。
転出の申出を行い、補償を受ける資産につきましては財産の処分に該当すると捉えておりまして、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の要件に該当する場合は議決対象になると考えております。現在、施行予定者より示されている概算評価額から試算すると、議決対象となる見込みでございます。
次に、権利床の活用についての御質問にお答えいたします。
新北口駅前エリア拠点施設整備の権利床につきましては、財産の有効活用として、財源確保に加えて公益性の観点からも最適な運用となるよう検討しているところでございます。拠点施設竣工後のランニングコスト等も踏まえた上で、様々なパターンを検討していく考えでございます。
次に、転出補償金についての御質問です。中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づき、区有地等資産を活用することで、区及びまちづくり中野21が約400億円の転出補償を受け、そのうち新庁舎整備費として約260億円、まちづくり中野21の借入金返済費用等として約140億円を充当する考えでございます。それ以外の資産は、財源確保に加えて、公益性の観点から、権利変換し、権利床として運用していくことを考えてございます。
私から最後に、区有施設整備計画における権利床の考え方でございます。権利床につきましては、区有施設整備計画に示しました民間事業者への貸付けなど行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図る、こうした考え方には変化はございませんが、区民や議会からの意見を踏まえ、公益性の観点も含めて検討してきたところでございます。これによって、区有施設整備計画の改定をする考えはございません。
〔区民部長鳥井文哉登壇〕
○区民部長(鳥井文哉) 私からは、中野区役所新庁舎整備についてのうち、2点についてお答えをいたします。
まず、新庁舎の窓口サービスの水準についてでございます。区はこれまで、新庁舎における窓口サービスの理念として、迷わない、動かない、待たない、書かないの四つのコンセプトなどを掲げ、費用対効果の観点も加味して検討を進めてまいりました。現在、四つのコンセプトなどを具現化したものとして、全庁共通発券機の導入、全庁共通フロアマネジャーの配置、書かないサービスとして(仮称)申請書自動交付機の導入、収納に関するキャッシュレス化について、取組や検討を進めているところでございます。新庁舎におきましては、これらの取組を実現させ、最先端の窓口サービスを提供してまいります。
〔総務部長海老沢憲一登壇〕
○総務部長(海老沢憲一) 私からは、中野区役所新庁舎整備についてのうち、窓口サービスを改善させる仕組みについてお答えいたします。
新区役所における窓口サービスの最適化については、これまでDX推進室及び区民部を中心に、その実現に向けた検討を進めてきたところでございます。移転後につきましても、窓口サービスを中心的に提供する区民部や関係各課の連携の下、サービス改善についての不断の取組を進めていく考えでございます。また、DX推進の中核機能として、新区役所開設後の業務改善を担う組織の在り方を検討しているところでございまして、そこにおきましても、機能的・効率的な窓口サービスの取組に関して継続的に改善の検討を進めていきたいというふうに考えてございます。あわせて、サービスを提供する職員のスキルや意識を高め続ける人材育成の組織的な取組を強化してまいりたいというふうに考えてございます。
続きまして、中野駅新北口駅前エリア再整備事業につきましてのうち、私からは、サンプラザ地区に関わるまちづくり整備方針変更議決の御提案時期についてお答えいたします。
サンプラザ地区に係るまちづくり整備方針につきましては、他の地権者を含めた全員の同意を得て再開発の推進が確実となる事業認可申請の直前が議案を提出する適切な時期であるというふうに考えているものでございます。
最後に、同じく中野駅新北口駅前エリア再整備事業につきましてのうち、株式会社まちづくり中野21に係る転出補償金の処理方法検討への職員参加についてお答えいたします。
株式会社まちづくり中野21の転出補償金は、転出補償金の額が不明なため、税額につきましては明確にお示しできないところでございますが、従前資産評価額に対する推計では約90億円となるところでございます。株式会社まちづくり中野21に係る法人税の支払い額につきましては、最終的な区への株主配当に大きく関連するため、国税当局はもとより、まちづくり中野21の顧問弁護士、会計士にも相談してきたところでございますが、その過程におきまして、職員の持つ知見を生かし、様々な可能性を検討してきてございまして、今後もさらなる検討を続けてまいりたいというふうに考えてございます。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) 中野駅新北口駅前エリア再整備事業についての御質問のうち、拠点施設整備内容の変更についてお答えいたします。
新北口駅前エリア拠点施設整備について、施行予定者と締結した事業化推進に係る基本協定では、施設計画の協議・調整に当たり、再整備事業計画やまちづくり計画を遵守し、提案内容を検証するものとしております。一方で、提案内容を変更する場合には区の承諾が必要となり、拠点施設の計画がまちづくりの将来像である再整備事業計画により即した内容となり、また、地権者としての区有地等資産活用の考え方に沿ったものとなる場合には変更を認めることとなると考えております。区といたしましては、本地区のまちづくりの実現と地権者としての区の資産活用双方のバランスを取りながら、適切な施設計画となるよう、引き続き検討を進め、適宜御報告をしてまいります。
〔区民部長鳥井文哉登壇〕
○区民部長(鳥井文哉) 大変失礼いたしました。
私からは、中野区役所新庁舎整備についての御質問のうち、窓口業務の経験を持つ職員の活用でございます。新庁舎における窓口サービスを効果的かつ効率的なものとするには、日々窓口業務に従事をして区民サービスの向上のためのノウハウを持つ職員の知見を取り入れることが必要でございます。これまで組織を横断したPTを設置するなど、窓口業務に精通した職員が検討を重ねてまいりました。今後も、関係職員の知見を活用して、他自治体の窓口サービスに関する情報の分析・検討を行うなど、新庁舎において区民ニーズに合致した窓口サービスを提供するため、準備を進めてまいります。
〔森たかゆき議員登壇〕
○38番(森たかゆき) 1点だけ再質問させていただきます。
ワクチンの補助上限2分の1のところであります。帯状疱疹についてということで御答弁を頂いたんですが、私が伺ったのは、そこに限定しているわけではなくて、今の中野区のワクチンの補助の状況を見ると、全部2分の1が上限になっているんです。これが果たして全体としてこれで妥当なのかなということを伺ったわけです。金額がそこまで高くなくても政策的に全額補助すべきというような判断になるものもあるかもしれませんし、あるいは金額が高いから2分の1を超えてもう少し補助してあげようというものも出てくるかもしれませんし、そういったことも含めて、この2分の1という今の状況が妥当なのかなと思ってお伺いをしたので、その点を踏まえてもう一度御答弁を頂ければと思います。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 森議員の再質問にお答えします。
ワクチン全般について、2分の1補助が妥当かどうかということのお尋ねでございました。私としても、ほかの予防接種との均衡、それから、今御指摘のように、自己負担がどれぐらいの規模で、その状況によって家計の負担がどれぐらいあるのかとか、そういう全体的な比較衡量が必要であると考えております。
○議長(内川和久) 以上で森たかゆき委員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 区内事業者に対する物価高騰対策について
2 中野サンプラザ閉館とその後のにぎわい施策について
3 子育て環境の質の向上について
4 官民データ活用推進について
5 その他
○議長(内川和久) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から、質問通告どおり一般質問をさせていただきます。
1、区内事業者に対する物価高騰対策について質問させていただきます。
コロナ禍、ウクライナ危機、円安により物価高となり、区民生活に大きな影響を与えております。特にライフラインである電気、ガスの価格上昇は驚愕するものがあります。
物価上昇は資本主義経済の中においてはポジティブに捉えるべきで、世界では、1990年、ニュージーランドで初めてインフレターゲットを設定しました。その後、多くの国でインフレターゲットを2%に設定し、日本においても、2013年よりインフレターゲットを2%に設定しました。資本主義経済において、ある程度の物価高、インフレすることは前提であります。
ただし、世界においてインフレターゲットを設定する理由はインフレ抑制ですが、現在の日本においてはデフレからの脱却がその目的であったために、金融政策が大きく異なってまいります。今、世界が5%、10%とインフレする中、日本においてもインフレを是としなければ、日本円の相対的な貨幣価値は下がり、石油、天然ガスなどの化石燃料の値段は実質的に高い状況が続くわけで、これを克服するためには、給与の上昇が必要です。
その過渡期である今は、原材料費と人件費の価格転嫁が同時に発生しているために大変厳しい局面を迎えておりますが、デフレマインドから解き放たれる、デフレを脱却する好機でもあります。しかし、長年インフレ率がほぼゼロに近い数字が続いたために、日本国民に物価上昇への対応力がなくなっているのが現状であります。
この状況変化に日本国民は、社会構造、精神的な変化が追いついていけないと考えられます。行政としては、この過渡期においてお困りの方々に寄り添う姿勢を示すべきです。例えばコロナ禍で配付された特別定額給付金10万円をもらった方々は、本当に助かったという声を多く聞きました。ある方から聞いた話では、その方ははっきり言って多少金銭的に裕福で、10万円がなくとも衣食住に困るような人ではありませんでしたが、国が困ったときに直接国民に手を差し伸べてくれるということが実感できたために安心できたとおっしゃっていました。別の方からは、ワクチン、法人への経済支援など、行政から直接自分自身に関わる様々な政策メニューが提示されることで安心できたという声も聞きました。行政は、苦しんでいる方々に手を差し伸べますよというスタンス、メッセージを出すことが必要だと考えます。
そこで、区内事業者に対する経済支援について、幾つか質問させていただきます。
立川市では、コロナ禍における原油価格・物価高騰等の影響を受けている市内中小事業者の経営の下支えを目的として、立川市中小事業者物価高騰等緊急支援事業の受付を9月1日より開始しました。一定の要件を満たす市内中小事業者に対して、令和3年にかかった水道光熱費、燃料費を算出根拠として支援を支給するものであります。様々な状況がありますが、交付金額の上限は50万円です。
そこで、中野区においても立川市のような緊急支援事業を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
コロナ禍において中野区の実施している中野区産業経済融資の本人利子負担をゼロとする新型コロナウイルス対策緊急応援優遇などにおける利子補給の制度は事業者から好評でありましたが、今年度の3月で終了すると聞いております。新型コロナウイルスの影響に加えて、ウクライナ危機による原油価格・物価高騰に伴う光熱水費などのエネルギー価格や原材料費の値上がりに加え、円安の影響を強く受ける輸入業に関わる事業者においては、さらに経営が不安定になっているでしょうから、来年度以降も継続を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
また、一方、これまで続けた本制度によって、区民事業者にどのような効果があったかを検証する必要もあると考えますがいかがか、伺います。
また、令和2年度から実施している新型コロナ関連の融資では、1年の据置期間が終了して、返済が始まっている事業者もいます。たとえ無利子であっても、業績が改善しない中で返済負担が重たいという声が事業者から上がっており、東京商工会議所中野支部より議長宛てに、返済猶予期間の延長や返済期間最大7年からの延長を求める声もあると聞いております。恐らく東京都などとの協議が必要になろうかと思いますけれども、この要望は、事業を続けられるかどうか非常に切実な問題であり、区としても誠意を持って御対応願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
区からの支援も必要ではありますが、国や都も多くの支援メニューを用意しております。コロナ対応の濃厚接触者の定義、隔離期間など目まぐるしく変わるルールと同様、経済支援制度も改定され続け、最新情報を追えなくなっております。例えば国の支援メニューとしては、中小企業庁による事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金などがありますが、東証等が昨年度実施したアンケートによりますと、補助金を活用しなかった事業者のうち、11%が「どの補助金が利用できるか分からなかった」、5%が「補助金があること自体を知らなかった」と言っており、全ての事業者にその十分な情報が行き届いているとは言えない状況です。区は、国や都の支援メニューへつながる窓口対応、もしくはそのサポートをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
この危機的状況で困った方々へ手を差し伸べることができる区政を目指していただくことをお願いし、この項の質問を終えます。
2番、中野サンプラザ閉館とその後のにぎわいの施策について。
中野サンプラザの閉館イベント実施に向けた体制構築と事業推進については、10月19日に我が自由民主党議員団は区長に対し緊急要望を出したところで、現在の進捗について伺います。
先ほど森議員からも90億円のお話があった、転出補償のところで関わる話がありましたが、一つだけ確認で、委員会等でサンプラザの転出補償に係る税金90億円を納税しなければならないとありましたけれども、区役所の跡地、また、建物、そこら辺の転出補償金についても課税対象になるのか伺います。その有無、金額によっては、定期借地の議論の再燃もあり得ると思いますので、念のため確認させていただきます。
それでは、様々なうわさが流れる中野サンプラザの今後について伺います。
一般利用は6月末と伺っておりますが、地下2階のTACが3月末終了するなど、施設によっては閉鎖時期が異なるようです。そのためか、3月末で多くの職員が退職するために、4月以降はバンケットでは料理が出ないとのうわさも聞きます。このようなうわさを打ち消していかなければなりません。各施設の閉館スケジュールをしっかりと区民、利用者に示す必要があると思いますので、株主として御配慮いただければと、ここでは指摘だけしておきます。
次に、閉館記念イベントはいつ頃を予定しているのでしょうか。まず、閉館イベントなどはどこが企画し、実施するのでしょうか。体制と内容について併せて伺います。
7月2日にさよならサンプラザというイベントを実施するという話を聞きますが、その後もイベントで施設を活用するなど、様々な情報が出回っております。閉館後のイベントの企画はどういったものなのか、また、実施主体はどうするのか、検討内容を伺います。本当の最後がいつなのか分からないと、それぞれのイベントの締まりが悪くなってしまいますので、しっかりとスケジュールを明示されたいと思います。
次に、中野サンプラザが解体されるまでの間、中野サンプラザのレガシーを記憶に残し、にぎわいを生み出す取組として現時点で予定しているものがあれば伺います。
次に、中野サンプラザ閉館後の様々なイベントや取組は、区だけではなく、区民、区の経済団体、大学等が協力しながら行うことが不可欠であり、そこで生まれた連携は、今後の中野駅周辺のエリアマネジメントにもつながっていくと考えます。中野サンプラザ閉館イベントがエリアマネジメントの始まりとなるように、区が率先して様々な団体と連携をすべきと考えますが、区の見解をお伺いします。
最後に、イベントの資金、マネタイズですが、イベントの主催者の自己資金、区からの補助金、クラウドファンディングなどが考えられますが、イベントの内容が見えていない現在においてはどの手法がよいか議論はできないと思います。しかし、中野サンプラザを契機としたシティープロモーションを展開するのであれば、PR効果が高いガバメントクラウドファンディングで寄附を集めるべきだと考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終えます。
3番、子育て環境の質の向上について。
待機児童対策は、まだ課題はあるものの、名目の数字上は待機児童ゼロとなりまして、次のフェーズに入っていく必要があります。子育て環境の向上は、量から質へと転換していかなければなりません。そこで幾つか、様々な所管を超えた子育て環境に関する質問をさせていただきます。
まず最初に、子どもたちを地域で育てるということに念頭を置いた計画を策定されたいということで提案させていただきます。保育園の適正配置については、令和4年第3回定例会の決算特別委員会総括質疑の場でも伺いましたが、改めて取り上げます。
待機児童がゼロになり、保育施設の数は地域によっては供給過多になってまいります。目的を達したことで、東京都からの補助金も減っていきますし、今後も、東京都からのそういった補助金が減額されていく可能性があります。そのために、適正配置に向けた準備が急務であります。区は、人口推計をコーホート要因法で得られた倍率を中野区全域一律に乗じた数字で検討を進めてまいりましたが、地域偏在の是正のためには、地域ごとの分析をするため、マンション建設などを正確に捉えることがポイントであり、子ども教育部とまちづくり推進部で連携して保育施設の検討を進めるべきだということで、その旨、了承した旨の答弁を頂きました。
では、その地域を分析する上で、どのぐらいの範囲のエリアで検討すべきかということですけれども、保育施設は徒歩圏内であることが絶対条件であるということを踏まえれば、小学校区、中学校区程度のサイズが適切となりますが、小学校、中学校のようにそのエリアに1校しかないわけではないので、大体中学校区程度に区切り、その地域ごとの人口推計をしていくことが妥当であると我が党は提案させていただきました。それに対して区の答弁といたしましては、通勤上の利便性などを踏まえ、地域の範囲を設定して、地域ごとの保育施設の定員設定をし、保育施設の適正配置を検討するとの答弁でありました。前向きな答弁を頂きましたが、喫緊の課題に対してどのように進めるのか、人口推計及び保育施設定数の設定に関する計画の今後のスケジュールについて伺います。
今、話した話と構造改革実行プログラムの「戦略Ⅲ 施設のあり方検討と適正な配置・管理」の中の「3 区立保育園の適正配置」の内容を踏まえると、区立保育園は地域の保育施設の定数調整の中で、調整弁、バッファーになることが考えられます。保育園が供給過多になり、私立保育所の経営を圧迫しかねない状況になったとき、例えば50人定員の区立保育園が20名までしか採らないなどのオペレーションにすることがあり得ると私は理解しております。しかし、一般的に区立園のほうが高倍率と聞いておりますが、そのような運営判断が果たしてできるのか疑問であります。
そこで伺いますが、構造改革実行プログラムが掲げる区立保育園の適正配置や具体的な指針を固める時期に来ていると考えておりますが、そのイメージを区は今持っているのか伺います。あるのであれば、その内容について教えてください。
次に、中野区コミュニティスクールについて伺います。
中野区コミュニティスクールは、学校運営協議会は明和中学校区に一つ、地域学校協働本部は鷺宮小学校、啓明小学校、西中野小学校、美鳩小学校、明和中学校の各校に設置するモデル事業がスタートしました。理想像を模索する重要な時期だと理解しておりますが、現在の進捗状況、今後の課題について伺います。
また、いずれは中野区全ての小・中学校がコミュニティスクール構想に参画していくものと理解しておりますが、そのスケジュール感について伺います。
次に、児童館の施設配置についてでありますが、財政的な見通しから中学校区に1館という方針は区の覚悟として受け止めますが、これまでの区の進め方には唐突感があり、地域を不安にさせ、丁寧さを欠いております。例えば図書館においては、地域開放型学校図書館の設置がさらに先延ばしとなるにもかかわらず、今後の区立図書館のサービス・配置のあり方検討会を設置しました。検討する施設によりましてやり方が異なることには疑問が生じます。児童館のサービス・配置について丁寧な意見交換、説明が必要となると思いますが、今後の進め方について、区の見解を伺います。
今取り上げました話をまとめますと、待機児童がゼロになり、保育所の安定経営、適正配置が求められており、自由民主党議員団としては、保育需要の適正配置においては中学校区ごとに定員を設定すべきだと提案させていただいております。また、今年度9月より中野区コミュニティスクールの構築に向けて、明和中学校区をモデル校として活動を開始しました。児童館においては、酒井区政では中学校区での配置計画を立案しております。
今後の中野区の教育を考える上で、中学校区というのがキーワードとなっていくべきだと思います。今、中野区は、中野区教育大綱、中野区教育ビジョンの改定、中野区子ども総合計画の策定を控えており、これらの計画に中学校区を地域の一つの単位とした教育体制の構築を明記すべきと考えますが、区の見解を伺います。
そして、児童館は、その地域、中学校区の子育て政策の本部、ヘッドクオーター機能、調整機能を有するべきと考えますが、区の見解を伺います。
続いて、園庭がない保育施設の保育環境について伺います。
今年の秋は、ウィズコロナの中で、各保育施設が運動会を3年ぶりに実施しました。そこで明らかになったのは、いまだに不十分な園庭のない保育施設への対応でありました。保育施設は運動会の練習のために公園にミニカラーコーンを置いて音楽を鳴らしたいわけですが、使用ルールで禁止になっております。各保育施設がそれぞれの公園の利用に関して個別でお願いしている状況で、区全体のルールというわけではありませんが、使えることは使えるようであります。また、児童館を使いたいという声もありました。しかし、館内はコロナ対策のため使用させられないが、児童館のグラウンドであればよいという話があったそうですが、これも個別対応です。運動会本番で利用する小学校のグラウンドを使いたいという声もありました。私の地元の小学校の校長にお願いさせていただいたところ、給食の時間帯であれば児童が使うことはないために、そういったところに貸し出せますという回答を頂き、利用した保育施設もありました。どの区有施設も丁寧に対応してもらっていますが、全て個別対応です。区は、園庭がない保育施設に対して、区全体がサポートする方針をしっかりと打ち出すべきだと考えますが、区の見解を伺います。
各施設に個別にしてもらうのではなく、先ほど言ったように、児童館などがそういったところの窓口一本化をすべきと考えます。我が子の話になりますけれども、保育園の運動会、町会単独の運動会、地区連合運動会、三つの運動会を同じ小学校を利用し、我が子は小学校に行きたいということを言うようになりました。小学校に親しみを持ち始めたようで、これは、保幼小中連携教育を推進する中で重要なポイントだと考えます。また、近隣には広町みらい公園があり、どんな保育園にもない遊び場であります。園庭がないからこそ得られた機会もたくさんあると思います。区は、数少ない公共空間をフル活用し、子どもたちの健やかな成長のために全力を尽くしていただくことを期待し、この質問を終えます。
子どもたちの体験機会の創出について伺います。
先日、11月8日に子ども文教委員会で金沢市に視察に行きました。金沢市では、令和3年7月に金沢市独自で子どもの生活に関する実態調査を実施しました。調査対象は6,000世帯で、有効回答数は2,641世帯で約44%です。低所得、家計の逼迫の状況調査はもちろんのこと、体験や所有の欠如という観点の調査が行われております。親子での体験の欠如があったというカテゴリーで、海水浴・プールに行く、博物館・科学館・美術館に行く、キャンプやバーベキューに行く、スポーツ観戦や映画館に行く、遊園地やテーマパークに行くという設問がありますが、金銭的な理由で行けない、時間の制約で行けないなどとの回答が合わせて5%程度ありました。
金沢市は、体験活動として、児童扶養手当受給世帯に対して、野球、サッカー、バスケットボールのプロスポーツの観戦、体験型教室のクーポン券を配布しております。中野区においては、金銭的なサポートは国の制度にほとんど任せるしかないところではありますが、子どもたちの体験事業は増やしてあげられないか考えるところであります。
中学校の校長会の話で、中学校の総合体育大会を新しい国立競技場で実施できないかという要望があります。国立競技場の陸上トラックは9レーンあるために、ちょうど九つの中学校対抗のリレーが実施できます。休憩時間帯には全生徒がグラウンドに入るなど、むしろ富裕層であろうと経験できないことを体験できる機会をつくることができます。また、保護者や一般区民が観戦できるようにしまして、事業のパフォーマンスを上げることも可能と考えます。私が中野区立の中学校の在校生であったときに、同級生がグラウンドで躍動している様子だったり、また、それが巨大スクリーンに映し出されている絵は、今でも浮かび上がるよき思い出であります。ぜひとも国立競技場における総合体育大会の実施を実現していただきたいと考えますが、区の御見解を伺います。
金沢市のように、プロスポーツを見られる機会を中野区においてつくることは現状困難であります。しかし、子どもたちに夢や感動を与え、スポーツを通じた健全育成に役立つ事業であります。そこで、中野区においてこのような事業を実施できるようにするためにも、まずはキリンレモンスポーツセンターのレギュレーションを変更しまして、プロスポーツも使用できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解をお伺いしまして、この項の質問を終えます。
続きまして、4番、官民データ活用推進について。
官民データ活用推進とは、官民のデータをうまく組み合わせることによって生まれるビッグデータを活用しようとするものであります。官民データ活用推進は、匿名化することが前提でありますので、基本的に悪用はできません。
ビッグデータで何ができるか、民間事例ではありますけれども、分かりやすいものがありますので、幾つか御紹介させていただきたいと思います。
まず、コンビニのおでんと気象データというのは結構有名です。コンビニのおでんが店頭に並び出す時期というのは徐々に早くなりまして、現在では、お盆を過ぎたシーズンぐらいからとするのが通例となっております。これは、ビッグデータから、気温の低下とおでんの売上げに相関性が見つかったからです。お盆を過ぎれば、基本的に日気温は低下します。気温が例えば15度以下で寒いからおでんを食べたいという衝動になるのではなくて、気温が下がってきたからおでんが食べたくなるというフラグが立つ、これはビッグデータから導かれた結果です。
ほかにも、マクドナルドのフィレオフィッシュの事例も有名です。私自身も、新中野のマクドナルドで働いていたことがありますけど、朝マックのバイトをしていて、実体験で、雨の日にフィレオフィッシュの売上げが上がるということは従業員であれば周知の事実です。2017年にテレビ番組でも取り上げられておりましたが、マクドナルドとしては、科学的な根拠は分からないということです。しかし、事実として存在しており、ふだんよりもそういう雨が降った日にはストックの量を増やすというのは、オペレーション上重要なポイントでありました。
最後に一つ事例として挙げると、桜の開花予想です。桜の開花予想は、2月1日以降の日最高気温の合計値が600度に達する日を開花日の予測日とします。600度の法則といいまして、気象庁が使っております。気象が植物に与える生理現象との関係性は解明できておりませんが、これは世の中に浸透している理論であり、これによる開花予想のずれは大きくても3日間ぐらいだということです。
ビックデータをうまく分析できれば、科学的根拠がなくても、統計上、相関性が高ければ、売上向上、レジャー準備に必要な情報を生み出すことができ、経済効果を生むこともできます。
自治体、中野区は、宝の山となる多種多様のデータを所持しておりますけれども、現状、ビッグデータ分析はできません。そのため、これらを分析できる環境を整備するための段取りについて、順を追って質問いたします。
まず、ルール、計画です。官民データ活用推進基本法では、特別区を含む市町村は、市町村官民データ活用推進計画の策定が努力義務とされております。中野区では、第2次中野区地域情報化推進計画を当該計画として位置付けておりますけれども、具体的に今後どのように官民データを活用していくつもりなのか伺います。
次に、データの整理です。自治体はビッグデータとなる情報を持っておりますが、各所管で個々にデータを所持しているために、横串を刺せるようなビッグデータはありません。各所管が所有する様々なデータ、情報を有効な資産として迅速かつ効果的に活用していくことが求められます。そこで、現在、区は、行政の効率化、区民サービスのさらなる向上などを目的として、自治体情報システムの標準化・共通化に向けた取組を推進しており、各所管でばらばらであったフォーマットが一本化されれば、この取組の延長線上にビッグデータの作成は容易になると考えます。標準化・共通化の完了後、各所管が所有する情報をEBPMに資するビッグデータとして活用できるようにすべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、どのようにビッグデータを分析するかです。まずは、ビッグデータの秘匿性を高めるために、扱える部署は限定する必要があります。かつEBPMの考え方を区政経営に定着、強化するため、EBPMの司令塔的な機能を担う組織が必要だと考えます。例えば現在総務部にあります統計係の機能を強化した上で、政策をつかさどる企画部に移管することで、区政全般の政策形成機能が高められると考えますが、区の見解を伺います。
ビッグデータは宝の山という表現をされる方もいます。しかし、体制が出来上がったとしても、そういったデータを探すのは金脈を探すような作業と言われており、専門技術が必要です。データサイエンティストと呼ばれる職業もあります。ビッグデータの分析を推進するためにも、専門職採用も御検討されるべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
前定例会で取り上げましたが、マイクロソフト社の人事評価のように、部署を超えて協力し合うことで、その人の人事評価を高くするシステムを導入することによりまして、EBPM担当部署と各所管が相乗効果を生むことが期待できますので、さらなる検討をお願いします。
以上で私からの質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問について、私からは、4、官民データ活用推進についてお答えいたします。
初めに、官民データ活用を推進するための取組についてでございます。第2次中野区地域情報化推進計画において、官民データ活用を推進するための取組として、効率的な区政情報の発信と広聴機能の強化、情報システムの標準化・共通化の推進などを計画しております。具体的には、区が保有するデータを区民等の権利利益、安全等が害されることがないようにしつつ、区民及び事業者等が公開型GISやオープンデータなどにより活用できる仕組みを引き続き構築してまいります。
続きまして、EBPMのためのデータ活用についてでございます。自治体情報システム標準化等の完了後には、各所管が保有する各種データのレイアウトの標準化がなされることとなります。あわせて、標準化で整備される業務横断的に利用できる共通機能によって、各種データの抽出等が容易に行えることとなるということから、今後、こうした機能の全庁的な有効活用についての検討を進めてまいります。
次に、EBPM機能を強化する組織の設置についてであります。EBPMが区政経営、マネジメントサイクルの軸となるまでに組織に浸透するには、人事・組織面の仕組みも必要であると認識をしております。職員のデータリテラシーを高める人材マネジメントの取組を進め、EBPMの司令塔的な組織の位置付けを含めて、機能強化につながる組織の在り方についても検討してまいります。
最後に、ビッグデータ分析等の専門職採用についてであります。ビッグデータの活用を含めたEBPMを高度に活用していくには、データサイエンティストやマーケティングの専門家等の知見が必要になると認識をしております。外部人材を獲得するのか、あるいは内部人材を育成するのか、それぞれの政策課題に合わせて必要な領域やレベルを見極め、対応できる職員体制について、他の自治体の状況も調査しながら検討してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、子育て環境の質の向上についての御質問のうち、中学校区を単位とした教育体制の構築、コミュニティスクールについてお答えいたします。
中野区コミュニティスクールの構築につきましては、学識経験者を中心に、モデル地区の関係小・中学校校長のプレ会議を開催したほか、全学校長や園長を対象にした研修を実施したところでございます。現在は、委員の選定に向けた準備を行っているところでございます。今後の課題といたしましては、コミュニティスクール導入の意義や役割について、地域や関係者のさらに十分な理解を図ることや、学校運営協議会と地域学校協働本部をつなぐための役割を担う地域コーディネーターの人選及び人材育成などがあると考えております。中野区全域への拡大は、モデル校での実施状況も踏まえ、段階的に拡大していきたいと考えております。
次に、子どもの体験機会の創出の御質問です。
連合陸上競技大会の国立競技場利用についての御質問でございます。東京2020オリンピック・パラリンピックの会場となった施設を体験することは、生徒にとって一生の思い出となる機会と認識しております。中野区中学校総合体育大会連合陸上競技大会を国立競技場で開催する場合の課題を精査し、検討してまいりたいと思います。
〔文化・産業振興担当部長鳥井文哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(鳥井文哉) 私からは、区内事業者に対する物価高騰対策についてお答えをいたします。
まず、中小事業者の経営を下支えする緊急支援事業についての御質問でございます。今年の1月に東京商工会議所中野支部や中野区商店街連合会などと協力して実施いたしました事業者へのアンケート調査におきましても、区への支援要望としては、制度融資の拡充や販路拡大の支援の要望が多かったことから、区では、制度融資の拡充を行い、利子を全額補給するなどの対策を実施してきたところでございます。区は、物価高騰の状況下における支援といたしまして、私立保育園・保育所や介護サービス事業所など、公共的サービスを担う事業者への支援を行っているところでございますが、全事業者を対象とした直接補助につきましては考えていないところでございます。
次に、新型コロナウイルス感染症の影響下における利子補給制度の継続についてでございます。新型コロナウイルス対策緊急応援優遇は、国のセーフティネット保証4号の認定期間に対応して期間を設定してございまして、これまでも、国の期間延長に伴い、受付期間を延長してきているところでございます。今後も、国の制度が延長されれば、それに対応して区も延長していく考えでございます。本優遇措置につきましては、特に新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、区内事業者が事業を継続するための有効な支援となっていると考えてございます。
次に、融資の返済期間延長等についての御質問でございます。令和2年度から実施してございます新型コロナウイルス対策緊急対応融資の据置期間は1年以内であることから、既に償還が始まっておりまして、業績が回復しない中での返済が大変だという事業者からの声があることは、区としても承知をしてございます。こうした融資制度の変更には東京都との協議が必要となりますが、今後の経済情勢や他自治体の事例等を参考としながら、区といたしましても、返済期間の延長も含めまして、何らかの対応を検討してまいります。
最後に、必要な情報を事業者にお届けすることについての御質問でございます。区でも、必要な情報を必要な事業者に適時適切に行き渡らせることは重要なことと考えているところでございます。国や東京都も独自で補助金・助成金の総合案内サイトを開設してございますが、区も含めた横断的な情報について案内や相談ができる仕組みは現在ないため、区としても対応が必要だと考えているところです。当面は、区や産業振興センターのホームページ等で国や都の補助金についても御案内してまいりますが、より分かりやすい広報等につきまして、広く情報を収集しながら検討してまいります。
〔企画部長石井大輔登壇〕
○企画部長(石井大輔) 私からは、中野サンプラザ閉館とその後のにぎわい施策についての質問のうち、まず、転出補償金の課税についての質問にお答えいたします。地方自治体は公共法人でございまして、転出補償金に係る法人税、所得税の税金については課税されないものでございます。
続きまして、中野サンプラザ閉館後のイベント企画でございます。中野サンプラザの閉館を契機といたしまして、中野を内外へアピールするため、メディアと連携した区民等が参加できるステージの実施などを検討しているところでございます。現時点で複数のイベントを想定しておりまして、それぞれの企画運営に適した実施主体になると考えております。区と区民、事業者、団体などが参加する実行委員会形式も含め検討しているところでございます。
次に、中野サンプラザのレガシーとにぎわいを生み出す取組についてでございます。中野サンプラザの外観を活用いたしましたプロジェクションマッピングの実施やサンプラザの内観や外観を3次元データとして計測し、研究材料として活用する一方、オープンデータ化して利用を促すことなどを検討しているところでございます。
最後に、サンプラザ閉館を契機といたしました取組へのガバメントクラウドファンディングの活用ということでございます。中野サンプラザ閉館を契機といたしましたシティープロモーションの各取組におきまして、ガバメントクラウドファンディングの活用も検討してまいりたいと考えております。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) 中野サンプラザ閉館とその後のにぎわい施策についての御質問のうち、中野サンプラザ閉館までのイベントについて。新北口駅前エリアの施行予定者グループにおいて、中野サンプラザの記憶を次世代に残していくためのイベントを検討・調整しております。企画段階のアイデアとして、中野サンプラザにゆかりのアーティストを招いた音楽祭の開催、新北口駅前エリアで展開するエリアマネジメントとしてのウェブサイトの立ち上げ、地域の店舗等の事業者に対してインタビューの実施、アーカイブに向けた撮影の企画などを検討しております。現在、イベントの内容は調整中とのことであり、今後、詳細が決まり次第公表すると聞いております。
次に、中野サンプラザ閉館後のイベントとエリアマネジメントについて。エリアマネジメントは、対象となる都市空間を一体的に管理運営し、様々な人々の参加と協力により、まちの活力を高め、発展させる手法の一つと考えております。中野サンプラザ閉館イベントにつきましても、中野駅周辺エリアマネジメント協議会の場で適宜情報共有を図っていき、地域全体で連携しながら取り組めるよう進めてまいります。
〔子ども教育部長濵口求登壇〕
○子ども教育部長(濵口求) 私からは、子育て環境の質の向上について、中学校区を単位とした教育体制の構築のうち、保育施設に係る地域ごとの状況等も踏まえた推計についてお答えいたします。
区では、就学前人口と需要率の推計方法を見直し、今後10年間の保育需要の推計を取りまとめているところでございます。この推計は、地域別の申込みの傾向のほか、大規模開発等の変動要因についても一定程度反映したものとする予定でございます。今後は、この推計に基づき、待機児童の動向も見極めつつ、保育施設の適正配置について引き続き検討してまいります。
次に、区立保育園の適正配置についてでございます。区では、保育需要が減少した後は、区立保育園の定員縮小や閉園により、区全体の保育定員の調整を図っていくこととしてございます。来年度中に区立保育園の適正配置について取りまとめていく予定でございます。
次に、中学校区単位での教育体制の構築についてでございます。区ではこれまでも、中学校区を一つの単位として、保幼小中の連携教育や地域での子どもと子育て家庭を取り巻く支援、見守り活動などを行ってきたところでございます。今後も引き続き、中学校区という圏域を意識しながら、子ども教育施策を展開してまいりたいと考えてございます。
次に、園庭のない保育園に対する支援についてでございます。運動会の開催及び練習に係る公園の利用につきましては、保育施設からの要望を取りまとめ、現在、庁内で調整を行っているところでございます。また、小学校の校庭については、利用希望があった場合に、個別に調整を行ってございます。今後も引き続き、園庭のない保育園に対する支援を行ってまいります。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子育て環境の質の向上についての中学校区を単位とした教育体制の構築の御質問のうち、児童館に関する質問にお答えをさせていただきます。
初めに、中学校区に1館に向けた進め方についてでございます。これまで中学校区を子どもの生活圏域とすることとして地域説明などを行いまして、中野区基本計画及び中野区区有施設整備計画への御意見、議論、地域での御意見等も踏まえまして、施設配置を検討してまいりました。丁寧に進めてきたものというふうに認識はしてございます。今後の児童館の閉館や機能転換の時期につきましては、検討を重ねてまいりますが、施設の利用者、地域の皆様への丁寧な説明に努めることとともに、議会との御議論も重ねながら、ニーズに応じた地域子ども施設の施策を展開していきたいというふうに考えてございます。
次に、中学校区を単位とした児童館の役割についてでございます。児童館は、中学校区単位で、地域の学童クラブ、キッズ・プラザ、子育てひろばへの運営支援のほか、保育施設との連携も進め、子育て施策、健全育成のさらなる質の確保・向上に資する役割を担っていく考えでございまして、必要な方策につきまして検討してまいります。
〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕
○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、子どもの体験機会の創出に関する御質問のうち、キリンレモンスポーツセンターのプロの興行使用についてお答えいたします。
プロの試合を生で観戦することは、スポーツの魅力や楽しさを知る絶好の機会と認識をしております。キリンレモンスポーツセンターは、プロの試合を含む興行使用の料金体系を設定しておりませんが、今後、区民団体等の利用を最優先する考え方を基本に、これを妨げない範囲で、施設を利用する区民やスポーツ団体等の意見を十分踏まえながら、使用料の見直しと併せて検討していきたいと考えております。
○議長(内川和久) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後2時57分開議
○議長(内川和久) 会議を再開いたします。
中野区議会議員 白 井 ひでふみ
1 児童館について
2 私立幼稚園・私立保育園への支援策について
3 防災対策について
4 高齢者施策について
5 まちづくりについて
6 文化芸術振興基本方針について
7 学校飼育動物について
8 その他
○議長(内川和久) 次に、白井ひでふみ議員。
〔白井ひでふみ議員登壇〕
○25番(白井ひでふみ) 歴史的勝利に沸く日本、サッカー少年だった私は、あのドイツに勝利したことに歓喜です。グループリーグ突破、決勝トーナメント出場を信じて、頑張れのエールを送らせていただきたいと思います。
質疑に移ります。
令和4年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。
初めに、1、児童館について伺います。
1年前の令和3年第4回定例会において、朝日が丘、新井薬師、大和西、弥生の四つの児童館を廃止とする中野区立児童館条例の一部を改正する条例が中野区議会において否決されました。先日の10月7日、中野区子ども文教委員会において、「子どもと保護者のニーズをとらえた地域の子ども施設の展開(案)について」と題し、地域子ども施設の役割、配置、事業展開の考えを整理し、案を作成したので報告するとありました。変更内容が多岐にわたり、質問時間には限度があるため、絞って伺います。
子どもと保護者のニーズを捉えた施設展開が今回示された計画案とのことですが、1年前の議会において否決された朝日が丘、新井薬師、大和西、弥生の四つの児童館を廃止する条例を含む地域子ども施設の配置については、何のニーズを捉え、また、何を根拠としたものであったのかお尋ねいたします。
また、児童館廃止条例の否決を受け、区は児童館の廃止の時期だけが否決されたとの見解でしたが、自治法の解釈では一部解釈は成り立たず、条例案全体が否決されたと解するのが正しいとの指摘に対し、区は見解を改め、児童館の廃止条例全体を見直すと答弁してきましたが、今回示された施設案は、4館だけでなく、子ども施設の配置の全体を見直す案としたのはなぜか、その理由を伺います。
児童館の配置については、中学校区に一つとの9館の児童館の配置とする考え方は前回の計画と同じですが、産業振興センターの跡地を中高生館とし、さらに加えて、若宮児童館跡地も中高生館にするとの、唐突に中高生館を2館にするとの理由と、なぜ若宮児童館を中高生館にすると考えたのか、その根拠を伺います。
朝日が丘、新井薬師、大和西、鷺宮、弥生の五つの児童館を廃止し、民営の乳幼児施設に転換する、文園、西中野、みなみの三つの児童館も廃止し、この三つはプレーパーク施設にするとの案ですが、区はこれまで既存の公園を常設等のプレーパークとするということを検討し、取りまとめの報告がないまま現在も検討中であると理解しています。公園を活用したプレーパークの検討状況の報告がないまま児童館廃止後の跡地にプレーパークを設置するとの報告のみでは、プレーパーク施設の全体像を示せていない状況です。説明を求めます。
区が推し進めてきた児童館における一時預かり事業については、今後は児童館廃止後の民営の乳幼児施設において、近隣の保育園等の一時保育事業の利用現状を調査し、ニーズを踏まえて実施を検討するとしています。そもそも児童館における一時預かり事業については、民間保育園での一時保育事業の利用に空きが多いことや、保育園での一時保育事業と比べて児童館での一時預かり事業は費用がかかり過ぎであるなど、検証が不十分であると再三にわたり指摘してきたところです。児童館でない乳幼児施設での一時預かり事業について大きく後退した表現となっていますが、取組の転換理由を伺います。
区政の根幹である中野区基本計画を下支えする構造改革実行プログラムは、全ての区有施設を対象とし、複合化や集約化を図りながら改築や改修、施設の維持管理のコストを抑制する中長期の計画がうたわれていますが、今回示された子ども施設の展開案では、子ども施設だけが複合化や集約化を行わない独立のままの建て替えを行う計画となっています。改築や施設の維持管理のために莫大な予算を必要とする計画になると思われることから、構造改革実行プログラムとの整合性をどのように考えておられるのか、また、中長期の大きな予算を伴う計画となるため、予算規模の概算を示す説明責任があると考えますが、伺ってこの項の質問を終わります。
次に、2、私立幼稚園・私立保育園への支援策について伺います。
本年の4月、中野区の保育園の待機児童数はようやく解消の結果となりました。待機児童の問題解消は喜ばしいことですが、すなわち保育園の経営や保育士の処遇等が厳しさを増すことを意味し、保育園淘汰の時代の保育園を支えるための支援策の必要性を訴えてきました。また、保育園の定員割れが増大する状況に対して、区として保育行政の在り方を示す必要があるとも述べてきたところです。昨年度より始めた認証保育園、小規模保育園における定員割れのある保育園への支援策の拡充とともに、私立の保育園においても、定員割れ保育園への支援策の実施を強く求めます。
また、幼稚園や保育園における一時保育や子育てひろば事業等の取組を支援することにより、園児の在園数に対する保育士の規定数を上回る人員確保につながり、保育の質の向上になる取組や、保育園や幼稚園を園に通う子どもたちだけの施設との位置付けから地域の子どもたちのための子育て拠点を目指すなど、区は取組を改めるべきと考えます。区としての保育行政の在り方を示すべきとはこの意味です。保育園を取り巻く厳しい環境の変化に区はさらに目を向け、支援策を講じるべきと考えます。
あわせて、区としての保育行政の在り方を示すべきと考えますが、改めて見解を伺います。
次に、区立保育園での一時保育のネット予約について。空き状況の確認方法や予約手続について区民から改善を求められているとし、過日の10月20日から11月末までを試行期間として、LINEを活用したサービスを開始しました。区立保育園におけるネット予約のシステムを導入することは反対ではありませんが、区立保育園での一時保育を実施している保育園が2園のみであり、空き状況の確認方法や予約手続等について区民から改善を求められているのは、区立保育園ではなく、私立保育園における予約手続です。一時保育利用者への事業周知と利便性の向上、一時保育実施園への支援として、個々の私立保育園を網羅する一時保育のネット予約システムを導入すべきと考えますが、伺います。
次に、少子化の進行や待機児問題解消により定員割れとなった保育園の活用方法として、幼稚園や保育園に通っていない未就園児、無園児への支援として活用すべきであると公明党として国会において推進してきたところです。また、幼稚園や保育園に通っていない未就園児、無園児とのカテゴライズの中には、支援を必要とする子どもたちが含まれているとも言われています。保育園の空き定員を活用した定期預かり保育事業の取組について、明年、国におけるモデル事業が実施される運びとなりました。中野区においても、この保育園の空き定員を活用した未就園児の定期預かり保育事業を実施すべきと考えますが、伺います。
この項の最後に、他区と比べ助成金額が少ない私立保育園の入園助成の拡充と、再び区の負担が求められている保育士の宿舎借り上げ助成について、来年度予算に反映すべきであると考えますが、伺ってこの項の質問を終わります。
次に、3、防災対策について伺います。
駅前等に設置された民間の電子掲示板、デジタルサイネージの活用について伺います。
中野駅北口駅前広場と東中野駅西口駅前広場に面したビルの屋上にはLIVE BOARDという広告会社が、中野坂上交差点には長田広告という民間の広告会社の設置による大きな電子掲示板、デジタルサイネージが設置されています。区内にはほかにも設置されている電子掲示板があるのかもしれません。日中は、この掲示板を活用して公共広告も流されているようです。中野区地域防災計画には避難指示等の伝達方法にデジタルサイネージが掲げられていますが、屋外でのデジタルサイネージの実現にはいまだ至っておりません。災害時にこれらの電子掲示板を活用できれば効果的な情報提供ができると考えます。災害時、平常時の活用について、デジタルサイネージの設置運営者との交渉を進めるべきと考えますが、伺います。
次に、アプリケーションを活用した地域団体の活動情報の発信について伺います。
本年9月1日、厚生委員会において、地域団体の活動情報の発信強化に向けた試行的な取組についての報告がありました。地域団体の情報発信強化のために、区は、新たな情報基盤としてアプリケーションを活用し、10月の1か月間、試行的な取組を行い、本格的運営を目指すとしています。注目は、登録された地域団体が情報を個々に掲載し、利用者は、現在の位置情報から最寄りの地理情報や活動団体の必要な情報を取り込んで取得できる点です。現在、地域団体の情報発信強化のために導入を検討しているとのことですが、災害時には避難所などから情報を発信することにより、在宅避難をされている被災者にタイムリーな情報を発信することができると考えます。このアプリケーションについて、災害対策での活用も検討すべきであると考えますが、伺います。
次に、災害時の自動販売機の飲料等の活用方法について伺います。
区有施設に設置された自動販売機の飲料等を災害時に無償提供してもらうことを条件に、区有施設に自動販売機を設置することができるとの契約内容に変更することにより、災害時に賞味期限が切れない常に新しい飲料を無償で確保することができるとの提案を行うとともに、区有施設の貸付制度を創設することにより、税金以外の収入である税外収入を確保できるとの提案も行い、年間3,300万円を超える税外収入を確保できるまでに取組が進んでまいりました。契約の更新が進むごとに、屋外の公園や指定管理の物件にも取組が広がっています。
そこで改めて、自動販売機の活用により確保される飲料水等の総量は概算何本となるのか、また、地域防災計画には自動販売機の飲料の活用が述べられていますが、飲料の公平な配布方法について検討すべきであると考えますが、伺ってこの項の質問を終わります。
次に、高齢者施策について伺います。
緊急通報システムについて。
中野区における緊急通報システムは、重度身体障害者や要介護度の重い方だけでなく、65歳以上の一人暮らし等の高齢者の方であればどなたでも利用ができ、地域で安心して暮らせるように、無線発報ペンダントや見守りセンサー、火災センサーの三つの安心から成るシステムを導入しています。
全国的な取組である重度身体障害者や要介護度の重い方のみならず、高齢者であれば誰もが利用できるのは、東京都のシルバー交番制度を活用し、新たに緊急通報システムを創設すべきとの提案を実現してきたからです。現在は、月額300円、600円の料金体系に加え、高齢者の身体要件を問わない650円、1,300円の4段階の料金体系となりました。ちなみに、すこやか福祉センターは別称シルバー交番であり、本来であれば補助金の対象外であるこのすこやか福祉センターの職員人件費1名分の2分の1掛ける四つのすこやか福祉センター施設分で、年間2,020万円の補助金が確保できる仕組みを手がけたのもここです。
この緊急通報システムの利用条件は、固定電話の加入が必須となっています。改めて東京都の事業要綱を見回すと、必ずしも固定電話回線による見守りでなければならないとの記載はなく、現行の要綱の範囲内でも携帯電話回線での見守りが可能ではないかと思います。また、社会的背景からは固定電話回線に加入している方が減る一方の中、新たな見守りの仕組みを検討すべきとも考えます。固定電話回線の加入を要件としない緊急通報システムの検討をすべきと考えますが、伺います。
また、携帯電話回線での見守りが可能となれば、スマホやスマートウォッチなど、ウェアラブル機器の活用が可能となり、自宅だけでなくどこでもの見守りや、緊急時のみならず日常の健康管理も可能となる次世代型の緊急通報システムができるとも考えます。併せての検討を望みますが、お伺いいたします。
次に、高齢者等の住み替え支援について伺います。
年を重ねても住み続けられるように、高齢者等の住み替え支援のために残存家財の片付けや部屋の原状回復費用、葬祭費と見守りによる保証が必要であると提案し、保証内容の変更から、現在は、葬祭費は対象外となりましたが、区としての取組を進めてまいりました。また、国の住宅セーフティネット法に基づき、不動産関係団体や居住支援団体と連携する居住支援協議会が中野区においても昨年の令和3年3月に設立され、取組が始まったばかりです。
住宅確保要配慮者である高齢者や障害者、低所得者、子育て世帯など、特に高齢者の入居を拒まない民間賃貸住宅の所有者へアプローチする取組をさらに推進するとともに、住み替えを支援してもらう不動産関係事業者の理解の促進と、利用者である高齢者にも周知を進める必要があります。高齢者の入居を拒まない住宅を増やすための取組や、民間賃貸住宅の所有者や不動産関係事業者、入居を希望する高齢者に対し、周知と理解を深める取組を伺うとともに、事業者の高齢者の入居を拒まない住宅を増やす取組に対して助成制度の検討をすべきと考えますが、見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、5、まちづくりについて伺います。
新区役所のエントランスとなる2階へのデッキ接続について。
新区役所2階へのデッキ接続について、区役所サンプラザ地区から(仮称)四丁目西住宅へ、四丁目西住宅から新区役所へ接続するとしてきた計画が困難な状況になっていると聞きます。区役所・サンプラザ地区の再開発における都市計画決定を控える中、新区役所へ直接接続する方法を検討すべきと考えますが、伺います。
新区役所2階へのデッキ接続がないままでは、メインエントランスからの動線として、2階、3階に住民窓口を集約させる設計とした説明に矛盾が生じると考えますが、説明を求めます。
新サンプラザから中野五丁目への動線確保について。
新サンプラザから中野五丁目側への人の動線確保と荷さばき場としての車両や荷物の動線の確保策として、中野五丁目側に新たな接続の場所が予定されています。地上部と地下の活用が考えられますが、区役所・サンプラザ地区の都市計画決定にどこまで計画を反映させる予定であるのかお伺いいたします。
次に、東中野駅東口の再整備についてお伺いいたします。
東中野地域住民は、これまで既存の東口駅舎にエレベーターが設置できると扇動されたことにより、混乱が生じています。区からは何度も同じ結論を聞いたように思いますが、昨年の調査結果の結論として、既存の東口駅舎にエレベーターの設置は不可能であるとの区の見解でよいのか伺います。
また、駅のみならず、段差が生じている地域の対策として、バリアフリー化のためには駅舎の大規模な改修や改築が必要となるとの区の見解でよいのか伺います。
大規模改修や改築が必要となれば、駅周辺にも大きな影響を及ぼすこととなります。東中野地域のポテンシャルを生かしながら、長年の要望であるとともに、取組が流転してきた東口のバリアフリー化の実現を改めて望みますが、区の取組姿勢を伺います。
東中野駅西口の桜並木の整備についてお伺いいたします。
西口の桜並木の開花に合わせて、長年、桜まつりが開催されてきました。現在はなくなってしまいましたが、この桜まつりを長年にわたり支えてきたのは、桜山町会、銀座通り商店街の皆様であるとともに、私の先輩議員方である歴代の公明党議員とその支援者の方々であると自負をしています。桜まつりが近づくと、踊りのお師匠さんである矢作先生の下に毎年お稽古をつけてもらうために皆で通いました。オリジナルの桜音頭の振りつけをつけられたのも矢作先生です。設営や当日のやぐらの巡行などのお手伝いに加え、桜まつりのためにと、年に1回しか着ない専用のはっぴを買い足し、買い足しして、50着を超えるものとなりました。このはっぴの洗濯と保管の全てを引き受けてくださっていたのは、高倉都議のさらに前任の川崎久雄区議の奥様で、お亡くなりになられましたが、和代様でした。謹んで感謝を申し上げます。
私でも約10年の思い出があります。先輩方はもっとたくさんの思い出があるでしょう。地域を分断する反対運動や形ばかりのライフワークとは積み重ねた思いが違うということを述べておきたい。
区長は、1期目の選挙戦の際、この西口桜並木の再整備について、私がやりますと東中野駅で演説されたの覚えておられるでしょうか。JRとの協議を申し入れることは必要と思いますが、区がどうするかをまず明示しなければ何も進まないままであると考えます。区は、再整備についてどのように取り組まれるのか、答弁を求めます。
駅ホームドアの早期設置について。
JR東中野駅へのホームドアの設置については2025年までに、東西線中野駅については2024年までに設置との発表がなされていますが、2026年に中野駅橋上駅舎・南北通路が完成予定となっているため、設置時期が曖昧となっています。一方、JR東中野駅のホームドアの設置については2025年までにとの発表がなされていますが、ホームドアの設置のためのホーム改修も終わり、設置予定箇所の目印が打たれ、あと一歩のところまで工事が進んでいます。JR中野駅、東中野駅へのホームドアの早期設置と、設置時期を明らかにするよう申入れを望みますが、伺ってこの項の質問を終わります。
次に、6、文化芸術振興基本方針について伺います。
過日の10月7日、中野区区民委員会において、中野区文化芸術振興基本方針(骨子)についての報告がなされました。現在、来年3月の基本方針策定に向け、取組が進められているところです。骨子として、方針策定の目的や現状と課題、今後の取組の柱としての五つの取組が述べられていますが、柱のⅠとして、区民主体の文化・芸術活動の活性化と交流による相互発展を促すため、1番として、文化・芸術活動を行う団体等への支援拡充を掲げ、柱のⅡとして、文化・芸術にあふれるまちをつくり、区民の生活の豊かさを高めるため、1番として、区内の文化・芸術施設の利用促進が掲げられています。
文化・芸術の振興のためには、団体や劇場の支援も必要であると思いますが、何よりも、文化・芸術を視聴する側、観客への支援を取組の1番とすべきと考えます。さらに、特に次世代を担う子どもたちの生きる力、考える力となるように、本物の文化・芸術に触れる取組を、また、子どもたちの誰もが楽しめるように、個別の経済的な負担を求めることなく、友達みんなで楽しめる学校単位での取組が有効ではないかと考えますが、区の考えを伺います。
次に、7、学校飼育動物について伺います。
令和2年、東京都教育委員会の研究指定校として、小学校動物飼育推進校として白桜小学校が令和2年度と3年度の2年間、取組を行いました。東京都の教育委員会の研究指定校でなくなった本年の令和4年は、白桜小学校は中野区教育委員会の学力向上事業の研究指定校としての取組となりましたが、その取組内容と予算措置に差が生じています。東京都教育委員会の取組内容は、継続的な動物飼育を通して児童に命の貴さを理解させ、動物愛護の心を養う教育を推進していくために、獣医師等との効果的な連携の在り方について検討・実践し、取組成果を他校に普及啓発するでしたが、中野区教育委員会の取組内容は、「自然と向き合い、多様な考えを共有し、主体的に問題を解決する指導の工夫」サブタイトル「問題を科学的に解決するために必要な資質・能力の育成」と変わり、区の予算措置も減額となっています。
加えて、東京都の研究指定機関であった白桜小学校の当時の校長、副校長は、学校飼育動物の取組を大変に評価し、両氏とも、新しい赴任校である美鳩小学校では新たに東京都教育委員会の学校動物飼育推進校として、上鷺宮小学校では学校独自の取組として、学校動物飼育の取組を始めています。
これまで中野区教育委員会は、学校動物飼育の取組を評価する一方、区としての取組の支援の在り方については引き続きの検討が必要であるとし、結論を先送りしてきたとさえ感じています。
改めて、学校動物飼育の取組について、中野区教育委員会の評価を伺うとともに、生き物です。動物が体調を崩した際にも安心して獣医さんに診てもらえる予算措置を含む区としての支援制度を創設すべきと考えますが、伺って私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えいたします。
児童館について、令和3年第4回定例会での提案内容についての御質問です。昨年提案した児童館条例改正案は、中野区基本計画及び中野区区有施設整備計画への意見や議論、地域での意見等も踏まえ、児童館、キッズ・プラザ及び学童クラブの展開に係る施設配置を検討し、提案したものであります。区は、小学校区ごとに児童館を設置し、学童クラブを併設してきたところでありますが、国の方針に沿って、各小学校に放課後子ども教室としてのキッズ・プラザと併設の学童クラブを設置することを進めてまいりました。児童館は、乳幼児と乳幼児親子、中高生年代を主な利用対象とし、地域の見守りネットワーク支援等を強化していくということから、子どもの日常生活圏域を考慮し、中学校区に1館とすることとしたところでございます。
続きまして、子ども施設の配置の見直しについての御質問です。児童館条例改正案の否決については、跡地活用など地域子ども施設の先々の展望が見えないという声を頂いたところであります。そのため、地域子ども施設に対するニーズを再検証し、必要な機能を検討し、施設の配置を再検討いたしました。配置の見直しに当たっては、子育てカフェ、児童館利用者アンケートや学童クラブ待機児童保護者調査等を実施し、改めて利用者の声を反映いたしました。
次に、中高生館について、若宮児童館についてでございます。若者育成支援事業をさらに発展させていくためには、若者が活動するための拠点整備が必要であると認識をしております。中高生年代を主な利用対象者とした施設は産業振興センター跡施設の活用を検討しておりますが、利便性等を考慮し、区内に複数の施設整備が必要であると考えまして、中高生年代のための施設を2館といたしました。若宮児童館は施設の状況から大規模化が可能な施設であり、早期に中高生年代施設の在り方を検討し、具体的な施設や事業の案をお示ししていきたいと考えております。
次に、プレーパークについてでございます。区は、子どもと保護者のニーズを踏まえた上で、魅力的な空間、施設等の充実を目指していくこととしておりまして、児童館の配置、事業展開の中で、閉館後の活動の一つとして、外遊び事業を強化した施設への転換を示したところであります。常設プレーパークの整備に当たりましては、様々な関係部署が連携し、取り組む必要があると考えておりまして、既存公園における常設プレーパークの設置も含め、全庁的な検討を進め、全体像を示してまいります。
続きまして、児童館における一時預かり事業についてでございます。児童館における一時預かり事業につきましては、徐々に利用実績が伸びているところであります。新たなサービスが定着するには一定の期間を要することを踏まえ、一時預かり事業を乳幼児親子向け施設で実施することとし、利用する保護者の利便性向上と、その業務と一体的に委託することによる効果的な運営を目指す考えでございます。
続きまして、構造改革実行プログラムとの整合性と予算規模についてでございます。構造改革実行プログラムでは、主に管理運営の効率化の視点から、民間活力を導入した場合の経費を試算し、削減効果も見込まれております。地域子ども施設は、子育て家庭や中高生のニーズを踏まえ、施設の機能や配置を検討してきたところでありまして、ニーズに即した機能転換、機能特化を図るとともに、事業の内容に即した施設規模の縮小も図っていく考えでございます。予算規模につきましては、今後の議論の進捗に応じて示していく考えでございますが、現在のままの運営を継続することにより、規模を縮小しつつ、ニーズに的確に応えていけるものと考えております。
続きまして、私立幼稚園・私立保育園への支援策についてで、初めに、区の保育行政の在り方についてでございます。保育を取り巻く環境が変化していることは区としても認識をしておりまして、昨年度から定員未充足の認証保育園、小規模保育園に対する支援を開始したところであります。一方で、公定価格では入所者数に応じた給付が原則となっておりまして、認可保育園に対する支援については慎重に検討してまいりたいと考えております。また、一時保育を実施している私立保育園等には利用者数等に応じた補助金を交付しておりまして、子育てひろば事業については、専用室を確保している保育園に委託しているところであります。区では、現在、今後の保育需要の推計を取りまとめているところでありますが、待機児童の動向も見極めながら、保育行政の在り方については検討してまいります。
続きまして、私立保育園の一時保育についてでございます。現在、LINEの運営支援ツールを活用した一時保育の予約システムを区立保育園で試行しておりまして、課題の洗い出しを行っているところであります。一時保育を実施している保育園をウェブ上で一覧できるのは利用者にとって利便性が高いと考えますが、既に予約システムを購入している、導入している保育園もありますことから、私立保育園と協議をしながら検討してまいります。
次に、未就園児の定期的な預かりモデル事業についてでございます。未就園児の支援につきましては区としても重要な課題だと考えておりまして、その支援策を検証するため、保育所の空き定員を活用した定期的な預かりモデル事業、この公募に向け、検討を進めております。また、待機児童が解消となった反面、保育所の空き定員の増加も課題となっておりまして、本事業の実施によって、保育園の空き定員対策についても検証できると考えております。
次に、私立幼稚園入園料補助金の増額等についての御質問です。私立幼稚園の保護者に対しましては、幼児教育無償化に伴い、所得制限のなくなった施設等利用費のほか、保護者補助金及び入園料等を補助しているところでありまして、来年度の増額については難しいと考えております。保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金につきましては、国及び都制度にのっとった内容で実施しておりまして、来年度についても事業者に一部負担をしていただく予定でございます。
続きまして、防災対策について、駅前設置の電子掲示板の活用についてでございます。駅前の電子掲示板につきましては、帰宅困難者対策をはじめ、被災者への情報提供に重要だと考えております。できるだけ早期に実現できるよう、設置者とも協議してまいります。
続きまして、アプリケーションの災害対策での活用についてでございます。避難所からの情報発信や在宅避難者への情報提供につきましては、多様な手段を用いて実施することが重要と考えております。地域団体の活動情報の発信に係るアプリケーションについては、本定例会で報告を予定しております。災害対策の活用を含め、区民及び団体に広く浸透するよう事業の展開を検討してまいります。
次に、災害時に提供可能な自販機の飲料の本数及び配布方法についてでございます。入札手続を経て設置した自動販売機の総数は、公園などの施設以外に設置されたものも含めて80台となっております。一般的な自動販売機1台当たりの収容本数はおおむね300本程度であることから、全体では最大2万4,000本程度が提供可能と考えております。これら飲料の災害時における活用については地域防災計画に位置付けておりますが、具体的な配布方法については定められていないため、今後、公平公正な配布方法について検討してまいります。
続きまして、まちづくりについての項、東中野駅の桜並木の整備の区の取組についてでございます。桜の剪定は、JR東日本と共同で現場を確認し、桜の生育と電車の走行に支障を来さぬよう必要最小限にとどめ、景観の維持と安全性の確保に留意して行っております。桜の剪定のほかにも除草や菜の花の種まきがありまして、JR東日本に働きかけ、できるだけ早く協定を締結し、適切な維持管理に努めているところであります。今後とも、JR東日本との協力関係を大事にして、地域の声も伝え、どのような方策があるかを話し合いながら取り組んでまいります。
最後に、文化芸術振興基本方針についてでございます。区は、文化芸術振興基本方針(骨子)において、子どもの豊かな心と感性を育むために、文化・芸術に触れる・始める・発表する機会の充実、これらを取組の方向性として示してきたところであります。今後、方針を具体化する中で、経済的な負担なく子どもたちの誰もが文化・芸術に親しめるよう、学校等と連携をし、小・中学校における文化・芸術活動の鑑賞機会、体験活動の充実などといった取組の展開について示していきたいと考えております。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、学校飼育動物についての御質問にお答えいたします。
動物飼育に対する支援についてでございます。教育委員会といたしましても、動物を飼育することは、生命を大切にする心や思いやりを育む上で教育的効果は大きいと考えております。教育委員会でも、東京都小学校動物飼育推進校の研究の成果なども併せて、学校には動物飼育の意義を伝えてきております。一方で、現在、費用については校割り予算で対応していただくこととしておりますが、学校での動物飼育には、飼育環境や長期休業期間中の飼育、獣医師にかかる費用等の課題解決が必要であると認識しております。今後、他区の支援状況等も参考にし、中野区の学校状況を十分考慮した学校支援の在り方を検討してまいります。
〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、高齢者施策についての御質問のうち、デジタル通信機器を活用した高齢者の見守り支援等についてお答えいたします。
固定電話回線を使用しない緊急通報サービスを提供できる事業者が出てきたことから、今後は固定電話がなくてもサービスを利用できるよう、必要な調整等を行ってまいります。今後ますますスマートフォンやスマートウオッチ等を使用する高齢者が増加していくことが想定されることから、これらの機器が持つデジタル通信技術やGPS機能等を高齢者の見守りや健康管理等に活用できるよう研究してまいります。
〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕
○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、高齢者施策についての御質問のうち、高齢者の住み替え支援についての御質問にお答えをいたします。
高齢者等が民間賃貸住宅に円滑に入居できるように、令和3年度に、入居者の課題に応じ、入居支援事業のメニューを拡充したところでございます。また、セーフティネット住宅のオーナー等に対しましては、登録住宅への少額短期保険料の補助、専用住宅の改修費補助を実施しているところでございます。令和3年3月には、不動産関係団体、居住支援に関わる地域団体、行政とで居住支援協議会を設立し、連携して民間賃貸住宅のオーナーや不動産店と入居者の双方に対する支援や情報提供に取り組んでいるところでございます。住宅確保要配慮者の入居支援に取り組む不動産事業者の現状と課題につきましては、今後、居住支援協議会や協力不動産店と意見交換を行っていきたいと考えてございます。
次に、まちづくりについての御質問のうち、ホームドアの設置についての御質問にお答えをいたします。
東中野駅につきましては、現在、JR東日本におきましてホームドアの設置を進めているというふうに聞いてございます。半導体不足の影響でスケジュールに遅れが生じていると聞いているところございます。中野駅につきましては、JR東日本、東京メトロにおきまして、中野駅の南北通路、橋上駅舎、駅ビルの一体施工に合わせてホームの改良を進め、その中でホームドアの設置をする予定であるというふうに聞いてございます。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) まちづくりについての御質問のうち、まず、新区役所へのデッキ接続につきまして。中野四丁目新北口駅前エリアから新区役所2階への歩行者デッキによる接続につきましては、中野四丁目新北口地区地区計画における方針付図において、デッキレベルでの接続の方針を示しております。新北口駅前エリア、中野四丁目西エリアにおける市街地再開発事業により整備することを検討しておりますが、事業が進まない場合には、新北口駅前エリア側から地上部の交差点を渡り、新庁舎にアクセスすることとなります。いずれにいたしましても、新北口駅前エリアから新庁舎につながる動線が安全でスムーズなものとなるよう、引き続き検討を進めてまいります。
次に、中野五丁目との接続について。中野四丁目新北口駅前エリアと中野五丁目の接続については、拠点施設の歩行者用通路とつながるデッキレベルでの接続と、都市計画駐車場内の地域荷さばきスペースと接続する地下通路の整備、これを検討しており、今後、都市計画の素案として示す予定としております。デッキレベルの歩行者用通路の接続については、地区計画における方針付図で接続の方針を示し、引き続き具体的な整備手法を検討することとしております。また、地下通路の接続につきましては、都市計画駐車場の一部として、通路部分を駐車場の区域として追加することを検討しております。
〔まちづくり推進部長豊川士朗登壇〕
○まちづくり推進部長(豊川士朗) 東中野駅東口のまちづくりについてお答えをいたします。
令和2年第3回定例会建設委員会で報告をさせていただきましたが、東日本旅客鉄道株式会社から資料提供の協力を受けながら、既存駅舎を活用したバリアフリー対策の可能性を模索いたしましたが、法令上の制限、施工環境、コスト上の課題から、既存の駅舎をそのまま生かした対策は困難であるとの結論に至っております。現在、地域住民や商店街などと行政の協働によるまちの課題の解消・改善と魅力あるまちへの更新を目指して意見交換会を行っているところでありますが、東口駅舎及びその周辺のバリアフリー対策についても、その中で検討していきたいと考えてございます。
○議長(内川和久) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします
午後3時39分休憩
午後4時02分開議
○議長(内川和久) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢について
2 子どもの貧困対策について
3 補聴器購入助成と利用者支援について
4 不妊治療について
5 パートナーシップ宣誓について
6 東中野地域の問題と課題について
(1)東中野駅東口周辺のまちづくりについて
(2)旧東中野図書館跡施設の活用について
(3)桜山通りの桜と菜の花の保存について
(4)その他
7 その他
○議長(内川和久) 来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○42番(来住和行) 2022年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。
質問は通告どおりで、不妊治療については取り下げ、その他はありません。
区長の政治姿勢についてお聞きします。
最初に、物価高騰への対策について。財務省によると、10月の消費者物価指数の生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で3.6%上昇したことが発表されました。第2次オイルショックの影響が続いた1982年以来40年8か月ぶりで、経験したことのない急激な物価上昇となっています。物価高による影響で、平均的な2人以上の世帯で、1年前に比べて年間13万円の負担増になる試算です。
アベノミクスで内需が冷え込んでいたにもかかわらず、2度にわたる消費税増税を行ったこと、日銀の異次元の金融緩和政策が円安を生み、輸入物価の上昇に拍車をかけていることは明らかです。賃金が上がっていないこと、年金が減っていること、実質賃金が下がっているから、消費税を減税し、暮らしを支える経済対策が求められています。岸田政権は、アベノミクスに固執し、総合対策を打ち出しましたが、電気・ガス料金の抑制など、部分的・一時的対策に終始しています。
お聞きします。
働く人が豊かになってこそ持続可能な成長を実現する経済政策と言えるのではないでしょうか。なぜ日本は賃金が上がらず、成長が止まった国になってしまったか。異常な円安と物価高騰に対する最大の処方箋は賃上げだと考えますが、暮らしと経済を立て直すための方策について、区長の見解を伺います。
区ではこれまで、原油価格や電気・ガス料金を含む物価高騰の影響を把握するために、区内の事業者などに聞き取りを行い、対策として、区が発注する工事における資材価格高騰に伴う経費の上昇分の増額、区立小・中学校給食費の負担軽減をはじめ、介護や障害者福祉サービス事業所に係る光熱費の負担増に対する補助などを実施してきました。共産党議員団も、一連の区の対策を評価します。第3回定例会においても、物価高騰による家計への影響は低所得世帯ほど厳しいことから、今後の追加対策にあっては、真に支援が必要なところを見定めて、適時適切に取り組んでいくとの答弁がありました。
お聞きします。
区民の暮らしは、急激な物価高騰と長期化する新型コロナ感染症の拡大によって一層困難な状況にあります。第3回定例会以降の区民の生活となりわいの実態をどのように把握してきたのか、低所得者層の子育て世代、介護や医療機関に対して、物価高騰への対策をどのように進めていくのか、答弁を求めます。
次に、統一教会の問題、世界平和統一家庭連合について伺います。安倍元首相の襲撃事件をきっかけに、自民党の国会議員と反社会的団体である統一教会との癒着の関係が明らかになる中で、関係してきた議員が統一教会の広告塔としてお墨つきを与えることになり、被害を拡大してきました。政治家との癒着問題は、国政だけにとどまらず、地方議会と地方自治体にも及んでいることが浮き彫りになりました。東京都の自治体においても、港区、町田市の社会福祉協議会が統一教会関連団体から寄附や会費を受け取っていたこと、国分寺市、小平市、西東京市などがイベントの後援を行っていた事実が判明し、後援の取消しを表明しています。第3回定例会でいさ議員の質問に、中野区は後援の実績はないとの答弁でした。
お聞きします。
統一教会とそれに関係する団体が社会福祉協議会に対して寄附行為や会費の納入などを行っていなかったのか、区立施設への団体登録の有無などの調査を行うべきではないでしょうか、答弁を求めます。
国民の怒りは、統一教会との関係を断つと言いながら、過去に遡って関係の調査も癒着の問題も自らの責任で解明する意思もないことにあります。統一教会の本質は、第1に、信者の獲得に統一教会の正体を隠し、入信させる、第2に、先祖の霊によるわだかまりを取り除くなどと言って、多額の献金と高額のつぼなどを霊感商法で売りつける、第3に、婚姻の自由を事実上否定する集団結婚式などの憲法違反の行為を繰り返す、反社会的カルト集団です。また、政治家と癒着し、行政をゆがめ、政策に介入していました。統一教会のような反社会的勢力は、宗教法人として公的に認められず、存在することを許してはならないと思います。
お聞きします。
区長は、統一教会の反社会性についてどのような認識を持たれているのでしょうか、公正公平な区政運営のために一斉関係を持たないと意思表明をすべきではないでしょうか、答弁を求めます。
次に、平和行政についてお聞きします。
核兵器使用を脅迫に使うロシアのウクライナ侵略から9か月となりました。中国と台湾の軍事的緊張を背景に、日本での軍拡、核兵器の共有、反撃能力の強化を推し進める動きが強まる中で、岸田政権は、2023年度予算概算要求で、防衛予算を過去最大の5兆6,000億円を示して、軍備増強と憲法9条改憲に動きが強まっています。
一方、「憲法9条を生かした平和外交を」の声も高まっています。40周年を迎えた中野区憲法擁護・非核都市の宣言では、「私たちはこの憲法を大切にし世界中の人びとと手をつなぎ核をもつすべての国に核兵器をすてよと訴える」の宣言が今こそその力を発揮するときではないでしょうか。11月12日には、都内で自治体の首長とその首長経験者による全国首長九条の会が開かれました。そこで、松下玲子武蔵野市長、岸本聡子杉並区長、保坂展人世田谷区長が挨拶をされています。
お聞きします。
憲法擁護・非核都市の宣言の区長として、全国首長九条の会に参加を検討されてはいかがでしょうか。また、平和首長会議で核兵器禁止条約への日本政府の参加を求めることを発信し、働きかける役割を果たしてはいかがでしょうか、答弁を求めます。
平和問題は、次の世代に継承していく取組が欠かせません。これまで、次の世代に被爆者の語り部を通して継承すること、親子での広島、長崎の体験訪問の企画などを提案してきました。
お聞きします。
広島、長崎の被爆地で直接被爆者の体験を聞きつつ、広島平和記念資料館、長崎原爆資料館を訪ねる機会を子どもたちに体験してもらう事業を新年度は具体化すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
平和事業を推進する区の担当職員は1人です。平和、人権、男女平等、ユニバーサルデザインを担う担当係長も1人体制となっています。来年は、男女共同参画基本計画とユニバーサルデザイン推進計画の改定の年に当たります。全ての人が性別に関わらず平等に機会が与えられる社会を目指して、ジェンダー平等の実現に区の果たす役割はますます重要になっています。
お聞きします。
平和、人権、男女平等、ユニバーサル推進の職員体制を強化すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
子どもの貧困対策についてお聞きします。
2019年8月から9月にかけて実施された「中野区子どもと子育て家庭の実態調査」から3年になります。調査の規模、内容、子どもとその家庭の実態に即し、1万人を超える回答を得ました。これまで会派として、本調査を基に、生活支援や学習支援の対策を求めてきたところです。調査を基に区がこの間取り組んできた対策と成果並びに今後の課題について伺います。
生活支援については、これまで区は、就学援助認定基準の引上げ、コロナ緊急事態中の就学援助世帯への昼食費補助、子ども食堂再開に向けた支援などを行ってきました。地域の子ども食堂に私も6年前から関わっていますが、食材配付の予約が毎月120食を超える状況にあります。実態調査では、生活困窮層では1割以上の世帯で食料困窮の経験があると回答しています。児童の朝食欠食率は2013年度より増加を続けており、中野区子どもと子育て家庭の実態調査でも、朝食を欠食する児童は、小学生で1割、中学生で1.2割を占めています。広島県の朝ごはん推進モデル事業の担任教諭のヒアリングでは、モデル事業で朝食を提供する日は遅刻が減少し、授業に集中して、元気を感じるなどの変化が見え始めているといいます。
お聞きします。
実態調査後に発生した新型コロナ感染症拡大が子どもとその家庭にどのように影響が及んでいるのか、朝食欠食率などの状況を把握し、中野区でも朝食支援など食の支援について検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
子ども文教委員会にひとり親家庭支援に係る考え方についてが報告されています。取組の視点として、1、早期かつ切れ目のない総合的・包括的な支援、2、全ての家庭に必要な支援が届く、誰一人取り残さない支援、3、子どもの最善の利益を考慮した支援を挙げています。暮らしの支援では、養育費確保に向けた支援などの経済的な支援、食の支援、住宅の確保に関する支援など、日常生活に関する支援を総合的に行うとしています。
お聞きします。
生活支援は、子ども教育部子育て支援課の一つの部署では負い切れません。練馬区では、ひとり親家庭の支援となる様々な情報をまとめたサイト、ひとり親家庭支援ナビを立ち上げ、生活福祉課にひとり親家庭支援係が部署として設置されています。中野区でもワンストップでひとり親家庭支援を総合的かつ横断的に取り組む体制が必要だと考えますが、答弁を求めます。
子どもの貧困対策の中で、子どもの学習機会の確保は重要です。これまで、区有施設における学習スペースの確保に努力し、12施設で実施されています。私も、夏休み中の中央図書館、直近では中野東図書館の学習スペースを見学してきました。落ち着いて学習に専念できるスペースとして期待が持てます。学習スペースは、地域に偏在しないよう、地域バランスが求められます。学習支援事業で注目されるのが、しいの木塾での学習の機会確保です。
お聞きします。
しいの木塾のこれまでの成果と新年度のさらなる拡充について、あわせて、学習支援事業の柱の一つである学習スペースの確保・拡充について答弁を求めます。
来年1月から2月にかけて東京都立大学が行う「東京都子どもの生活実態調査2022」調査協力では、「中野区子どもと子育て家庭の実態調査」では反映できなかった新型コロナウイルス感染症に係る子どもとその世帯について、中野区が高校2年生年齢の子どもとその保護者を対象に協力するというものです。
お聞きします。
報告作成は来年4月から9月となっており、結果によっては、新たな支援策を具体化し、早期の事業化に反映すべきと考えます。答弁を求めます。
次に、補聴器購入助成と利用者支援についてお聞きします。
東京23区では、加齢性難聴による補聴器購入への補助助成は、来年4月実施を含むと17区となりました。補聴器使用の効果については、65歳以上の研究の例が少ない中で、2011年の補聴器を使用しての調査報告では、65歳以上の認知機能と鬱に対する効果が現れることも確認されており、2017年に開かれたアルツハイマー国際会議では、難聴を放置することが認知症の最大のリスクと報告されています。
4月からの新たな補聴器助成を始めた港区の案内パンフレットでは、「家族や大切な仲間との楽しい会話、習い事や地域活動への参加、音楽や映画の鑑賞など、補聴器使用による聞こえの改善で、高齢者の方の快適な日常生活や社会参加を支援します」として、対象は60歳以上で、住民税非課税者は上限13万7,000円、課税者は6万8,500円の補助を行っています。既に利用者は件数758件になっています。実施自治体の状況は、年齢、限度額、所得制限について、区によっての違いがあります。財源は、自治体の多くが都の包括補助2分の1を活用しています。
さきの第3回定例会での浦野議員の質問に、聴力の低下などにより他者との円滑なコミュニケーションが困難になるなど、日常生活において様々な影響が生じることから、聞こえの問題は高齢者が抱える健康問題の一つであると認識しているとの答弁でした。
助成制度を実施している自治体で共通しているのは、高齢者の積極的な社会参加を目的としていることです。特別区長会からも国に対して、補聴器への補助の要望を提出しています。
お聞きします。
23区の実施状況の調査、把握は既にされていることと思います。中野区としても早期の制度実施を検討すべきではありませんか、答弁を求めます。
既に補聴器を購入しながら使用していない方もおられます。補聴器は眼鏡と違い、つければすぐに聞こえるようになるわけではありません。補聴器のトレーニングは3か月程度が一般的と言われています。購入しても、トレーニング期間で、うるさい、よけいな音だと感じてしまい、使用することを諦めてしまう方もおられます。補聴器の購入の前からの相談と、購入後は補聴器の調整やトレーニング方法などのフォローの支援が求められます。聞こえが悪くなった方々に補聴器についての理解を持ってもらう、既に購入しながら利用されていない方も補聴器の活用へとつなげられるように、専門の医者や認定補聴器技能者のアドバイスが必要です。
お聞きします。
専門医や認定補聴器技能者の方にすこやか福祉センター、高齢者会館などを巡回してもらい、専門家による相談やトレーニング、アフターフォローの助言などを実施してはいかがでしょうか、答弁を求めます。
次に、パートナーシップ宣誓についてお聞きします。
中野区では、2018年8月からユニバーサルデザイン推進の一つとして、同性カップルの2人からパートナーシップの関係である旨を宣誓書などの提出を受け、区が受領証を交付するパートナーシップ宣誓の制度をスタートさせました。全国にも広がり、現在では242の自治体が導入し、62%の人口を占めるに至りました。2018年の予算特別委員会で、私は、息子がゲイであることをカミングアウトしたときの衝撃を紹介し、区の制度が実効性を伴うものとなるよう求めました。制度発足後もファミリーシップ制度の導入、申請時の提出文書の簡略化や携帯用の受領証交付などを提案してきました。
そこで伺います。
制度発足から区に対し、受領証の受給者からどんな声が届けられてきたのでしょうか、区はどのように改善し、拡充することができたのでしょうか、答弁を求めます。
東京都が10月からパートナーシップ宣誓制度を始めました。これに先立ち、2月には、都内で制度導入の12自治体の首長が連名で都知事に対し、3項目から成る要望書を提出しました。要望書では、事業における連携及び財源措置を含めた支援、国に対し法改正などの権利保障のための法整備などに向けた働きかけを行うことなどを要望しています。11月1日には、東京都と証明書の相互活用に向けて、制度導入の都内16区市と連携協定を締結し、都の制度が活用できることになりました。
お聞きします。
都の制度は、パートナーの相手が同性であることを条件とはしていません。中野区の要綱は、パートナーの相手が戸籍上の性が同一であることを条件としています。議会質問で足立区の紹介をするとともに、豊島区においても、多様な性自認、性的指向の人々という語句を用いています。区はこれまで他の自治体の様子見でしたが、都制度の発足によって不利益を被る人が出ないよう、結論を急ぐ必要があります。同性条件の見直しについて答弁を求めます。
都の制度では、都職員のパートナーシップ関係の相手方に係る慶弔休暇や介護休暇の取得を認めるとともに、これまで男性職員のみが取得できた出産支援休暇、育児参加休暇も、女性職員がパートナーシップ関係にある場合でも取得できるとしました。豊島区では、2020年度から、職員の慶弔休暇、出産支援休暇、育児参加休暇など、同性パートナーを有する職員に対する休暇制度の拡充を行ってきました。
お聞きします。
中野区職員に対しても、都職員や他の自治体職員同様に、慶弔休暇などの取得ができるようにすべきではないでしょうか、答弁を求めます。
次に、東中野地域の問題と課題について質問します。
私が区議会議員となって取り組んできた一つに、山手通りの拡幅と地下高速道路の中央環状新宿線、これに伴う地域の環境問題でした。拡幅で計画された車線数を減らし、歩道幅を5メートルから10メートルに拡大するとともに、自転車帯の設置が実現しました。中央環状新宿線の排気ガス対策も、換気塔に脱硝装置を取り付けることを建設省や都にも要求するとともに、当時の神山好市区長も役割を果たされ、現在の道路となりました。
今後の東中野について、3点について伺います。
第1に、東中野駅東口周辺のまちづくりについてお聞きします。
東中野駅東口のバリアフリー化については、地域の皆さんとJR東日本への働きかけを行い、運動として取り組み、その声を区議会に届けてきました。他会派の議員からも、バリアフリー化への質問がされてきました。区は、この11月に区主催で、東中野駅東口周辺まちづくりに関する意見交換会を開催しました。私も、意見交換会を2回とも傍聴させていただきました。意見交換会では、区の説明は、「2019年の調査の結果で現駅舎ではバリアフリー化はできない」との説明をされています。これに対し、「今の技術で現駅舎にエレベーターやエスカレーターは設置できるのではないか」との疑問が出されています。区は、調査の1年前の2018年、前区長の最後となった第1回定例会で、現駅舎のバリアフリー化を求めた私の質問に、「東口のバリアフリー化だけでは地域の活性化に資するものとならないことから、現時点でバリアフリー化のみを優先させる考えはない」と答弁しています。
お聞きします。
現駅舎でのバリアフリー化ができないことについて、時系列を含む正確な説明が地域と東中野駅利用者にされるべきです。まちづくりは、住民と関係者との信頼関係が基本です。答弁を求めます。
前区政が住民の願いである現駅舎でのバリアフリー化の早期実現に本気で取り組んできたのか、一方の当事者であるJR東日本に対し、区は住民の立場で交渉してきたのか、これまでの経過と区の姿勢を正直に説明することなしには、まちづくりの第一歩を踏み出すことはできません。2回の意見交換会での東口の将来像については、「高層化の再開発でなく、他の駅前と同じである必要はない」「駅前のムーンロード商店街の昭和の町並みは残してほしい」「地上げによって空き地となったその場所に店舗や文化施設、子どもの遊び場」といった要望や意見が出されていたのではないでしょうか。
そこで伺います。
今後の東口周辺のまちづくりでの合意を進めていくには、地域の意見をまちの将来像にどのように取り込んでいくのか、合意形成には高度な手腕と知見が求められるのではないでしょうか。さらに、住民参加をどのように生かして貫いていくのか。この地域は、東中野小学校、第三中学校の統廃合がありました。それに続き、東中野図書館の廃館などで、区政への信頼が乏しい地域となりました。それだけに、東中野駅東口周辺まちづくりにおいては、中野区政への信頼を取り戻す機会とすべきです。答弁を求めます。
第2に、東中野図書館の跡施設活用についてお聞きします。
東中野図書館が廃館となり1年が経過しました。地域の皆さんや利用されてきた方々からは、新設の中野東図書館までは遠過ぎる、子育て中の保護者や高齢者の方々からも、身近にあった大切な施設が廃止されたことに怒りの声は収まっていません。東中野図書館は、全ての人に開かれた何よりも安心の居場所だったのです。前区政の計画によって進められてきたこととはいえ、残念がる声は絶えません。
図書館として廃館となったものの、建物の1階部分は、現在、認可保育園として運営されています。保育園も、他の場所で新たな保育園としての建築が進められており、2024年4月にはオープンします。したがって、旧東中野図書館の建物として残ることとなります。区として次の活用についてはまだ計画を示されていません。
この地域には児童館もないことから、子育て世代の方々は、新宿区の施設を利用されています。旧東中野図書館には、子どもの絵本などがそろったコーナーが欲しい、高齢者の方々からは、新聞や雑誌を読むことができるスペースを求める声が寄せられています。さらに、地域からは、図書館機能が失われたことから、ブックポストの設置の設立も切実です。
お聞きします。
暫定的な活用になったとしても、地域の方々の声を酌み取って現在の建物を活用することを検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
最後に、桜山通りの桜と菜の花の保全についてお聞きします。
桜山通りの桜の歴史は、第2次世界大戦で地域の桜が全て消失したことから、戦後復興のシンボルとして、桜山町の地域住民有志によって、1954年に、国鉄用地に再び桜の苗木が植えられ、花を咲かせてきました。1981年、国鉄は桜を中野区に譲渡し、以降は中野区の所有、管理となり、さらに、2011年以降は、維持管理はJR東日本に委託をしました。春には桜と菜の花の名所として親しまれてきた桜山通りです。
2015年にJR東日本東京支社は、中野区の理解の下で、運行の安全上、可能な限り桜は伐採することを告知しました。これに対し、近隣七つの町会連盟で、樹木医の診断を受けて伐採の要否を説明すること、住民、中野区、JR東日本協力して将来のビジョンを考える場を持つことを求めて、5,000筆の嘆願書が中野区に提出されました。区は、危険樹木伐採作業の前に将来ののり面の修景計画案を示すと住民説明会で約束をしました。しかし、計画案を示すことなく、2018年2月の深夜、16本の桜の伐採作業が強行されました。伐採作業後の地域説明会では、のり面の所有者であるJR東日本の同席がなければ説明会にならないとの参加者と中野区の共通の認識となったことから、区はJR東日本の同席に努力すると約束をしましたが、説明会はその後開催されていません。
お聞きします。
のり面の将来の修景計画案の提示はどうなったのでしょうか、JR東日本の参加を得ての説明会の再開はどうなっているのでしょうか、答弁を求めます。
地域と西口の桜並木を守る会は、危険樹木の放置は許されない、このことは以前から区に求めてきたことです。しかし、桜山通り2か所に今でも掲示されている二つの町会と桜並木保存会の掲示板には、この桜と菜の花はこれからもこの老木を若木に替えて美しい花を永久に咲かせ続けていきたいという文章が掲げられています。
2018年には桜山通りの桜の木を守ることを約束した酒井区長に替わり、昨年春からは、のり面の菜の花も一部に咲き始めました。この11月には、のり面の除草作業が終わり、11月14日には菜の花の種5キロがまかれました。桜の木の枝も、枯れ木については剪定作業が行われます。
そこでお聞きします。
地域からは、残された桜の木の剪定や管理を重ねていきながら、順次桜の若木に植え替えていくことを求めています。11月9日に区に対して、桜山町会と西口の桜並木を守る会は、作業が予定されているのり面の除草作業と桜の木の枝の剪定作業について確認するとともに、特に山手通りに近いのり面については桜の木の景観が損なわれていることから、JR東日本側に速やかに景観を回復することを伝えてほしい、その旨を要望されています。JR東日本側に働きかけはされたのでしょうか、答弁を求めます。
これで質問を全て終わります。
議会における私の一般質問は、今回をもって最後とさせていただきます。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 来住議員の御質問にお答えいたします。
初めに、区長の政治姿勢について、物価高騰への対策についてでございます。
初めに、物価高騰に対する最大の処方箋について。引き続く円安や先行きの見えない物価高騰等によって、区民の生活や区内事業者の経済活動などに大きな影響を与えております。労働者の賃上げも物価高騰の対処ではございますが、自治体として、区民の生活を守る施策や、区内の経済再生に向けた支援、これらに随時適切に取り組んでいきたいと考えているところであります。
続きまして、区民の生活と生業の実態の把握についてでございます。区では、原油価格や電気・ガス料金を含む物価高騰等の影響を把握するため、引き続き区内事業者への調査など聞き取りを行ったところでございます。区民の皆さんの声も、様々な広聴手段を通じて聞き取っているところであります。今後も、原油価格・物価高騰の状況を注視するとともに、区民や区内事業者の声を丁寧に聞いてまいります。
次に、低所得の子育て世代、介護や医療機関への対策についてでございます。区の物価高騰への緊急対策は、区民に対する金銭給付的な生活応援のほか、公共的サービスのうち急激な原油価格・物価高騰等によりサービスの量や質の確保に影響を及ぼすおそれのあるものについて、事業形態に応じた補助等を行っており、今後もこの考えを基に支援を行っていく考えでございます。特に低所得者層の子育て世代への応援や介護サービス事業所などへの支援を行っていきたいと考えておりまして、本定例会では、これらに対し、新たな緊急対策を提案したいと考えております。医療機関につきましては関係団体等からの聞き取りも行っているところでありますが、東京都の補助制度もつくられておりまして、今後、それらの利用状況を含め、引き続き状況把握に努めてまいります。
続きまして、旧統一教会の問題についてでございます。
まず初めに、旧統一教会と社会福祉協議会との関係についてでございます。中野区社会福祉協議会につきましては、旧統一教会とその関係団体による寄附行為や会費の納入、施設の利用はなかったと聞いております。
次に、旧統一教会の施設利用や反社会性についての認識についてでございます。区ではこれまで、旧統一教会との関わりについて確認された事例はございません。また、旧統一教会の関連団体につきましては、どのような団体が関連団体であるかを正確に判断するのは難しいところでございますが、分かる範囲の中ではなかったということでございます。一般的に、区は、反社会性を有する団体等とは関係を持つべきではなく、慎重に対応してまいります。
次に、全国首長九条の会への参加についてでございます。令和元年11月17日に、131人が賛同して全国首長九条の会が結成されたことは承知しているところであります。現在、中野区は、平和首長会議に加入しておりまして、同会へ首長として参加することは考えておりません。
次に、核兵器禁止条約へ日本政府の参加を求めることについてでございます。核兵器の外交交渉については、国が判断して行うべき事項であると考えております。中野区が加盟している平和首長会議は、先月、10月20日に内閣総理大臣宛てに提出した要請文の中で、核兵器廃絶に向け、一刻も早い同条約への署名・捺印を求めております。憲法擁護・非核宣言都市である中野区として、今後もこの首長会議の動きに賛同していきたいと考えております。
次に、被爆地で被爆者に直接体験を聞くことについての御質問です。中野区の平和事業では、非核都市の宣言から40年を迎えた本年、被爆者の方から直接体験を聞く機会を得ました。今後は、これまでの平和事業の内容を尊重しつつ、若い世代が平和について自ら考え、つくっていくものへと段階的に移行していく必要があると考えております。今後、次世代向けの平和事業の中で、体験学習を行えるような事業にも取り組んでいきたいと考えております。
次に、平和、人権等に関わる推進体制の強化についてでございます。来年度は、男女共同参画基本計画とユニバーサルデザイン推進計画の改定を予定しておりまして、例年に比べて仕事量が多くなることが想定されるところでございます。現在、平和や人権課題関連の事業の充実化も必要と考えておりますので、職員配置の工夫や事務の効率化を図ってまいります。
続きまして、子どもの貧困対策について、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化と食への支援についてでございます。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で、特に生活困窮世帯の家計への影響は深刻化しているものと承知をしております。区はこれまで子ども食堂運営助成金の拡充など食の支援を充実してきたところでありますが、これまでの取組実績や地域の実情を踏まえながら、子どもと子育て家庭の食のセーフティネットのさらなる充実に向け、検討を進めてまいります。
続きまして、ひとり親家庭支援の体制についてでございます。ひとり親家庭の中には、生活や就労、健康、子どもの成長など、様々な課題を複合的に抱えている家庭も存在するということで、その支援は、庁内の関係部署や地域の関係機関が連携をし、総合的・包括的に実施することが重要であります。生活困窮家庭やひとり親家庭など、生活に困難を抱える子育て家庭の支援について総合的に取り組むことのできる体制を整備し、関係部署や関係機関の連携を深めてまいります。
次に、学習支援事業の成果と今後の拡充についてでございます。しいの木塾は、生活困窮世帯の小学6年生及び中学生を対象に、学習習慣の定着と学力の向上を目的として実施をしておりまして、参加者数の増加や高校進学等について一定の成果があったと考えております。生活困窮世帯の子どもの学習状況や参加者のニーズを踏まえ、令和5年度以降のしいの木塾の支援対象の拡充を検討しているところであります。また、子どもの学習スペースは、図書館や児童館などの区有施設に子ども専用のスペースとして設け、年間を通じて静かな環境で学習できる場を提供しておりまして、今後も、区有施設の利用状況などを踏まえ、場所の拡大を検討してまいります。
続きまして、実態調査結果を踏まえた支援策についてでございます。区は、令和5年1月に東京都立大学が実施する高校2年生年齢を対象とした「令和4年度子どもの生活実態調査」に協力することとしております。この調査は、これまで区が把握し切れていなかった高校生年代の生活実態を把握できるものであると考えておりまして、調査データについては、区としても分析を行いたいと考えております。その分析結果を踏まえた上で、高校生年代への支援策の検討に活用してまいります。
次に、補聴器購入助成と利用者支援についてでございます。加齢に伴う難聴の高齢者を対象とした補聴器購入への支援につきましては、特別区内でも助成制度を開始する区が増えてきておりまして、中野区としても、他区の状況も踏まえつつ、高齢者の社会参加を目的として、導入の検討を始めたいと考えております。助成制度を検討するに当たっては、補聴器に慣れるためのアフターフォローも含めて、既存の障害者サービスとの調整や医師会との事前協議等が必要であると考えております。
続きまして、パートナーシップ宣誓についてでございます。
まず、区のこれまでの成果でございますけれども、区は、犯罪被害に遭われた方々への適用のほか、民間事業者にも適用を働きかけてきておりまして、受領証を交付した方々からは、住居の契約などのときにも活用ができてよかったとの声が届いているところでございます。
東京都との関係でございます。令和4年11月1日に東京都がパートナーシップ制度を開始するに当たって、中野区は、相互連携の協定を締結いたしました。これによって、今後、相互の利用者の利益向上を図ってまいります。都の制度と比較して中野区制度利用者の不利益が出ないことはもとより、発足から4年を経過した中野区の制度は、要件緩和、記載事項の追加、受領証の様式などについて、利用者等の意見を聞きながら来年4月を目途に実施できるよう検討を進め、中野区で提供できる行政サービスを拡充してまいりたいと考えております。
次に、パートナーシップ関係にある職員への休暇制度についてでございます。職員が性自認及び性的指向、育児や介護等の事情に関わらず、これまで以上に生き生きと活躍できるような休暇制度が必要であると認識をしております。パートナーシップ関係にある職員に対しては、現在、慶弔休暇等の対応はできておりませんが、制度の見直しについて検討してまいります。
次に、東中野地域の問題と課題について。
初めに、東中野駅東口周辺のまちづくりについてでございます。11月に行いました2回の意見交換会や地域の商店街ごとに行っている意見交換の場において、既存駅舎を活用したバリアフリー対策が困難である理由の説明は行っております。今後も様々な機会を活用して、既存駅舎を活用したバリアフリー対策が困難であることを丁寧に説明していきたいと考えております。また、現在、地域住民や商店街等と行政でまちの課題、まちの魅力、目指すまちの将来像について意見交換を行い、その共有と方向性の特定を進めているところであります。地域と行政の協働による魅力あるまちへの更新を実現すべく、今後も取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、東中野図書館跡施設の活用についてでございます。東中野図書館跡施設は、保育事業者への貸付終了後に民間施設を誘致することとしております。誘致する機能、施設の規模等につきましては、事業者に対してヒアリングを行うとともに、地域の御意見も伺いながら進めてまいります。また、民間事業者誘致までの間、建物の状況から暫定活用が可能な場合にも同様に対応してまいります。
続きまして、桜山通りの桜についてでございます。桜山通りの桜は、丁寧な維持管理に努めてまいりましたが、老木であり、枯れた部分も見受けられてきたことから、樹木診断を行い、倒木の危険があり緊急を要する桜については、安全性を重視し、伐採作業を行ったものでございます。のり面の修景計画の検討や、ソメイヨシノ以外の桜への植え替えの要望については、JR東日本には伝えているところでございます。地域との話合いの場につきましては、JR東日本の参加が必要不可欠でございまして、今後も働きかけをしてまいります。
○議長(内川和久) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 山 本 たかし
1 教育環境の改善について
(1)公教育における家庭の費用負担について
(2)学校の環境格差改善について
(3)置き勉について
(4)不登校対策について
(5)その他
2 地域包括ケア体制について
(1)医療的ケア児への対応について
(2)お悔やみ窓口について
(3)区民相談に係る士業同士の連携について
(4)その他
3 災害対策について
(1)区内公有地の把握と活用について
(2)太陽フレアによる影響について
(3)防災リーダーについて
(4)その他
4 その他
○議長(内川和久) 次に、山本たかし議員。
〔山本たかし議員登壇〕
○27番(山本たかし) 令和4年第4回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。
質問は通告のとおりです。その他はございません。
1、教育環境の改善について。
(1)公教育における家庭の費用負担について伺います。
昨今の物価高に伴い、光熱費をはじめ区民生活の負担感は増大しております。そうした中、学校に通う上で、学校給食食材費、教材費、学用品費、その他子どもたちが学校で必要となるために御家庭で負担していただく、いわゆる隠れ教育費について、保護者負担の全体を把握するべきと今年の第1回定例会で取り上げましたが、区は、学用品については、使えるものがあれば一部のみ購入したりする保護者もおり、購入する物や金額がまちまちであるため、保護者負担の全体を把握することは困難との答弁でした。しかし、負担金額の全体像ではなく、負担感覚や意見を聴取することはできます。行政として、今後の子ども施策の判断するに当たり、当区で義務教育中の保護者が家庭の費用負担に対しどのような意見や感覚を持っているか、どのくらいの負担割合であるのか、保護者へのアンケート調査などが必要であると考えます。行うべきではないでしょうか、伺います。
教育委員会は、教科書以外の教材の使用について、学校より届出を受け承認しております。しかし、年間の授業計画の実施において効果的に使用されたかどうかを振り返る機会が足りません。給食費については、給食の展示会や試食会が実施されたり、学校側と保護者側の代表者によりチェックする機会があります。教材費に加え、私費会計監査を通さないその他の学用品費においても、保護者たちがその負担の是非について振り返ることができる機会を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
(2)学校の環境格差改善について伺います。
改築された学校とそうでない学校との環境の格差を感じる保護者の声が届いております。学校ごとの教育の特色で選びたいと、子どもの入学を前にした就学前の保護者たちからも相談が来ておりますが、当区では、学区域変更は基本できない方針です。であればこそ、施設環境の差異について、でき得る限り埋めるべきです。
まず、区として現状の環境格差の認識についてどう考えているか伺います。
現在旧第四中学校を利用している明和中学校が令和7年度中に旧美鳩小学校跡地に移転しますが、旧第四中学校校舎には、築53年の北原小学校が改築のための仮校舎として利用し、その後の計画はまだ示されておりませんが、築52年の啓明小学校が改築のための仮校舎で利用されると見受けられ、学校施設整備計画改定版によれば、令和13年以降に代替校舎を活用すると、令和16年以降に新校舎となると想定されます。少なくとも今からあと10年以上はかかる見込みです。新校では、興奮した子どもが落ち着けるスペースが設置されていたり、明るい窓や心地よい空間づくり、1教室のサイズが広いなど、どうしても違いがあります。区内におけるこうした新校舎となるのに年数がかかっている学校に対し、新校舎を待たずとも、老朽化した備付け物品など改善を図るべきではないでしょうか、伺います。
森林環境譲与税を用いた学校現場への活用についてですが、6年生の下駄箱について、数十年前につくられたものもあると言われており、見たところ商品には見えず、手作りで職員がつくったのではないかと見受けられるものもあります。こういったものに活用して改善を図れないものでしょうか。森林環境譲与税の教育現場への活用は、今年度は3校実施と少数でしたが、教育委員会が使えるけど、しっかり旗を振り、前年度以上に活用を図り、教育環境の改善をすべきではないでしょうか、見解を伺います。
次に、プールサイドの屋根についてです。近年の夏場の気温上昇に関し、これまで議会からも各教室や体育館への冷暖房の設置などを求めて、整備していただき、評価しております。しかし、プールサイドの屋根が足りず、日影を確保できにくいことから、簡易テントを試しに使用している学校が幾つもあります。強い風が吹くと都度畳む必要もあり、準備への負担があります。子どもたちが安全に楽しめるプール環境のため、天候に対応しやすい日影スペース確保の改善が必要です。他自治体でも活用され始めているテント膜と呼ばれるメッシュ素材のプール屋根、使わないときなどには簡易に閉じておける設備を活用するなど、改善を図るべきではないでしょうか、伺います。
次に、(3)置き勉について伺います。
昔に比べ教科書が大型化となるなど、重過ぎるランドセルは、子どもの体への影響が問題視されるようになり、一定の教材などを学校に置いておける、いわゆる置き勉を平成30年9月に議会で求め、各学校に通知していただくようになったことは評価いたします。
しかし、その後、GIGAスクール構想の授業ICT化により、タブレットの貸与が始まり、子どもたちは、充電のため、毎日各家庭に持ち帰っております。また、熱中症予防対策の観点から、各自水を入れた水筒を持参して登校するように、環境の変化があります。
置き勉が始まって4年がたち、子どもが重そうで疲れている、もう少し何とかならないかといまだに複数の保護者から話を伺っております。適正な重さは、体重の15%程度で、小学校の低・中学年なら二、三キロ程度になり、ランドセルが重過ぎると後ろに重心が引っ張られ、特に腰への負担が大きくなり、一時的でも、肩や腰、脊柱が変形し、肩凝りや腰痛を訴える、いわゆるランドセル症候群の子どもが増加しているとのニュースも目に入ります。
ランドセルメーカーのセイバンが2018年に行った調査によれば、ランドセルの一般的な製品で1.2から1.4キログラム程度で、中に入れる教科書の平均的な重さが小学1年生で3.6キログラム、小学6年生になると5.5キログラムとのことです。合わせると、小学1年生で約5キログラム、6年生で7キログラム弱を背負っていることになります。そこにリコーダーや体操着だけでなく、タブレットや水筒など、重くなっております。アメリカの小児科学会が出した目安の数値ですが、背負う重さが子どもの体重の10%から20%を超えないようにすべきと示しております。
タブレットは、1日学校に持参しても数%しか充電は減らず、1週間は持つ使われ方の学校もあり、漫然と毎日持ち帰るのではなく、週末だけ持ち帰りにすべきと考えておりますが、各学校での判断と工夫だけでは限界があると考えます。物や重さ、工夫の取組の紹介など、教育委員会として基準や目安を定めた上で、改めて通知すべきではないでしょうか、伺います。
ランドセルは指定品ではないため、ランドセル以外で登校しても構いません。しかし、これまで長く続いたランドセル文化の土壌もあり、区として指定品ではないとの案内もないため、選択肢が他にあるとの認識が薄く、保護者に浸透してもらうことが大切だと考えます。ランドセルの平均価格は5万5,000円以上との調査もあり、価格の高さも、家庭の費用負担の観点から気にしております。
多くの保護者が小学校入学年の前々年の12月に選び始め、前年の4月の販売開始に合わせて購入していると聞いております。自治体で広がり始めているアウトドアメーカーのナイロン製リュックや、今年ヒットしている小学生が開発した既存のランドセルを2本の棒でキャリー化することで体感90%軽くできるサンポセルなどもあります。就学前の時期を捉え、ランドセルは指定ではありません、子どもたちの体に合わせたものを御使用くださいという周知を早い時期に行う方法を検討してはいかがでしょうか。
また、水筒の重量も同様に課題と考えます。私は、プラスチックごみ削減の観点から、令和元年にマイボトル持参の区民が公共施設で水を補充できるように、循環型社会に向けたマイボトル専用給水スポットとしてのウォーターサーバーの設置の検討を議会で求めてまいりました。今回は、学校施設に置くことにより、子どもたちの重量負担が軽くなるのではないかと考え、質問いたします。
多摩市や町田市では、ボトルディスペンサー型の水道直結でフィルターつきのウォーターサーバーの導入により、供給ボトルの交換やごみ出しの手間を省略し、かつ専門スタッフによる定期的なメンテナンスの実施などにより、安心・安全な給水スポット環境を整えております。当区でも、新校舎建設と同時に、令和小学校や中野東中学校の体育館を利用する区民が出入りする側に導入している学校が既にあります。子どもたちが利用主体として、学校におけるマイボトル専用給水スポットとしてウォーターサーバーの導入を検討してはいかがでしょうか、伺います。
(4)不登校対策について伺います。
文部科学省は、10月27日、生徒指導上の課題に関する令和3年度分の実態調査の結果を公表し、小・中学校の不登校生徒数が過去最多との報道がありました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、子どもたちの行動などにも大きな影響を与えております。少子化となっているのに不登校の数は過去最多となるのは、現在の学校教育システムと子どもたちとの間で相当なずれがあり、教育体制の修復と工夫だけではなく、多様な学びと居場所の選択肢を用意する必要を私は議会で訴えてまいりました。不登校特例校や公設民営フリースクール、校内フリールームなどを提案してまいりましたが、今年の予算特別委員会総括質疑での教育長の御答弁は、教育ビジョンの改定に合わせて具体的に示して進めていくとありました。進捗はいかがでしょうか。教育委員会での議論の様子なども御紹介ください。進むべき具体的な道が示されるよう期待しております。
また、不登校対策として、関連で1点伺います。
令和元年度から、子どもの悩み相談システムであるSTOP itが始まりました。今では、STANDBYという名称に変わりましたが、受けた相談に対し、システム受信者側である区が学校と学年までしか分からないことを子どもたちに理解してもらい、匿名性を持った上で相談を受け付けています。子どもたちへ開発会社の担当者から、アプリの使い方だけではなく、相談することはいいこととの説明をしてくださっており、年々相談件数の増加傾向から、子どもたちにとって気軽に相談できるものとなってきていると感じております。学校内でのトラブルや保護者からの虐待、異性に関する相談、昨今では、世界平和統一家庭連合による家庭内でのトラブルも問題となっておりますが、そうした子どもを取り巻く悩みについて、子どもたちからの相談を受け付けられる体制になっているかと思います。今年度、どういった相談件数と相談内容があったか、内訳を類型化して示せる範囲でお示しください。
次に、2、地域包括ケア体制について。
(1)医療的ケア児への対応について伺います。
以前から、地域で、小児1型糖尿病の幼児を抱える保護者から、保育園への登園継続方法の相談を受けております。現在は、保育園に保護者が4時間置きに子どもの体に装着した血糖値センサーを確認しインスリン投与をするため登園し、保護者が子どもに医療行為をすることで通園が可能となっております。たまたまコロナ禍により職場がリモートワークとなったことから、その保護者は対応可能でしたが、リモートワークが減り、出社ばかりとなれば、血糖値確認の登園ができず、園側としても医療行為をする予定はなく、受け入れられない状況となるため、保護者自身で月30万円程度の訪問看護ステーションを契約するか、離職してケアを継続するかなど、負担が非常に大きく、現実的ではありません。
区は現在、保育園での医療的ケア児の受入れについては、喀たん吸引、経管栄養、定時導入の3類型に限定されています。インスリン投与や酸素吸入など、他の医療行為が必要な幼児については受入れを行っておりませんが、幼児自身で簡易な医療行為の手技ができ、職員がその行為を見守る行為についても医療行為となるのか、区の見解を伺います。
医療行為ではなくとも、万が一の場合を考え、園としての責を問われることがよぎり、受入れに積極的でないことも想定されます。医療行為が必要な幼児が保育園内で訪問看護を受ける場合、国や東京都の公費助成の対象となりませんが、練馬区では、区が訪問看護ステーションと契約し、必要に応じて保育園などへ派遣をしております。中野区でも同様の対応を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
これまでも会派として求めてまいりましたが、こうした医療的ケアの必要な幼児・児童が卒園後に区立小学校への進学を希望する場合には、可能な限り進学できるよう、区立小学校及び学童クラブでの受入れ体制を整備する必要があると考えます。先般、厚生委員会で、医療的ケア児等の協議の場の設置についての報告がありましたが、この流れを含めて、区全体としての医療的ケア児に係る庁内での情報共有や受入れ体制の整備はどのようになっているのか伺います。
次に、(2)お悔やみ窓口について伺います。
親族が亡くなった際に、御遺族が役所で行う手続に関する支援や相談、また、住所、氏名をあらかじめ印刷した必要書類の一括作成など、原則個別ブースからは動かずに死亡に伴う各種手続を行うことで、遺族の負担を軽くするお悔やみ窓口についての設置をこれまで求めてまいりました。区は今年度予算でガイドブックの作成予算を計上しておりますが、いまだ公開となっておりません。進捗状況について、いつ発行予定になるのか、また、どのような点に配慮して作成されているのかお示しください。
また、あわせて、遺族の悲しみをカウンセラーや当事者グループなどでケアしていくグリーフケア体制も求めてまいりました。現在、関連のパンフレットなどを御案内しているかと思いますが、こうした案内もガイドブックには載せるべきではないでしょうか、伺います。
また、待たない、書かない、動かない、迷わないを掲げた令和6年の新庁舎開設時においてお悔やみ窓口を着実に始められるようにするために、今後どのような準備を行っていくおつもりなのか伺います。
次に、(3)区民相談に係る士業同士の連携について伺います。
区は、区民の多様かつ専門的な解決が必要な相談に対し、区民専門相談事業として様々な士業の方に相談員として協力いただいております。近年、空き家対策や災害時の対応など、様々な士業の力を合わせて解決に導く課題が出てきており、士業間の連携を深めることがますます必要になってきています。区が関連士業で構成されるまちづくり推進土地建物協議会と共催となり、空き家相談会を実施しておりますが、災害時についても区民の相談に対し的確に対応できるように、平常時から災害時を想定した区と士業との連携を検討すべきではないでしょうか、伺います。
また、区民相談については、プライバシーに関わる案件もあるので、新庁舎においても、区民が安心して相談できるようにするとともに、士業が適切にアドバイスができるようなスペースの確保が必要だと考えますが、いかがでしょうか、伺って次の質問に移ります。
3、災害対策について。
(1)区内公有地の把握と活用について伺います。
現在明和中学校として使用している第四中学校跡地については先ほども述べましたが、その後も北原小学校の代替校舎等として活用予定であり、学校以外の跡地活用は少なくとも10年以上先になってしまいます。この土地の西側に、これまで近隣保育園建て替えに伴う仮園舎の土地として活用された東京都所有の土地があり、現在、仮園舎も解体され、区民は入れないようになっています。この土地は、都内でも有数の災害危険度の高い若宮一丁目と大和町二丁目の境に面し、また、集中豪雨の際に妙正寺川の氾濫の危険性や、道路が5差路と結節点になっており、車や人の往来も頻繁にあります。さらに、周辺には公園なども少ないことから、当該敷地の学校以外の跡地活用ができるまでの間、敷地西側の都有地を区民が利用できるオープンスペースなどとして区が活用してはいかがでしょうか、伺います。
国や都が所有する公有地に関して、当該地が売却される段階で初めてそこが公有地であることが分かり、売却することが分かった時点では、区での活用方法の検討が間に合わないことがある可能性があります。関東財務局ホームページでの留保物件情報や東京都財務局の公有財産検索情報など、あらかじめ区内に国や都が所有する公有地がどこにあるかを把握、整理するとともに、売りに出されたときの検討方法を考えておくことで、防災用地などの確保並びに土地資源の有効活用が容易になると考えますがいかがでしょうか、伺います。
次に、(2)太陽フレアによる影響について伺います。
太陽表面の爆発現象である太陽フレアは、エックス線などの電磁波、高エネルギー粒子、プラズマなどが8分から数日間で地球に到達し、大きさは1万から10万キロメートルで、温度は数千万度に達します。爆発が発生する位置も重要で、2012年7月には、太陽の裏側で150年ぶりの大フレアが発生し、地球の正面側で発生して衝突していたら、現代文明を18世紀に後退させたかもしれないと報道されました。太陽には活動周期があり、3年後の2025年頃をピークに太陽フレアが増えると見込まれており、日本でも今年6月に初めて総務省が被害想定と対策を検討し、報告がされました。その中で、私たち東京都民、中野区民として影響を懸念すべきものは、大規模停電と消防、警察、鉄道などの無線の通信障害により、公共サービスがストップしてしまうこと、携帯電話システムの長時間の障害、110番、119番などの緊急通報がつながらない状況に陥ることです。
そこで伺いますが、このように、様々な被害をもたらすと言われている太陽フレアについて、区はどんな影響があると考えておられますでしょうか、また、それに対して今後どのように対応していくおつもりでしょうか、伺います。
次に、(3)防災リーダーについて伺います。
防災リーダー養成講座は、おおむね250人を養成できた今年度で一旦終了する予定とのことですが、大きな被害想定があるところには多くの防災リーダーを必要としたり、地域に偏りがあったり、また、地域防災への区民の興味・関心を高める効果など、防災リーダーは今後も一定増やしていく必要があると考えます。地域からの意見や要望を聞きながら、意欲のある人の受皿として、規模を縮小しながらも継続して今後も養成していく必要があると考えておりますがいかがでしょうか、伺います。
また、先日私も参加した大和町合同防災訓練では、防災リーダーの方が地域に住む外国籍の方を、会の趣旨を話した上で連れ立って参加されておりました。外国人が多く住む地域には、外国人の防災リーダーがいれば、災害時には言葉の面でも心強いと思います。外国籍住民の多い当区ではこうした取組が求められていると考えます。外国人の防災リーダーも養成するべきと考えますがいかがでしょうか、見解を伺って、私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 山本議員の御質問にお答えいたします。
私からは、2番、地域包括ケア体制についてお答えいたします。
初めに、医療行為の見守りについてでございます。医療的ケアにつきましては、法律では、人工呼吸器による呼吸管理、喀たん吸引、その他の医療行為とされておりますが、幼児自身が医療行為を行うことを見守ることは医療行為そのものではないと認識をしております。ただし、保育園は低年齢の幼児を保育する施設でございますから、その幼児の年齢や医療行為の内容を慎重に見極める必要があると考えております。
続きまして、訪問看護ステーションとの契約についてでございます。医療的ケアを必要とする幼児が希望する保育施設を利用することができるよう、受け入れできる保育園と医療ケアの類型を今後拡充していく必要があると考えております。拡充に当たりましては、必要な整備や看護師等の職員体制を検討する必要がありますが、訪問看護ステーションとの契約についても併せて検討してまいります。
続きまして、医療的ケア児に係る支援体制についてでございます。区立小学校や学童クラブにおいて医療的ケア児が必要とする支援につきましては、課題を整理し、関係機関と情報共有を図りながら、体制の整備に努める必要があると考えております。医療的ケア児の支援に関わる区の課題につきましては、今後設置する医療的ケア児等の協議の場においても、庁内の情報共有や解決に向けての意見交換を行ってまいります。
続きまして、お悔やみ窓口についてでございます。
まず初めに、お悔やみガイドブックの発行に関してでございます。現在、ガイドブックの掲載内容について最終調整を行っているところでありまして、令和5年1月の発行を予定しているところであります。
そして、そのガイドブックの内容についてでございます。死亡届を提出した御遺族が迷わず漏れなく必要な手続を行えるよう、必要な書類や相談窓口を一覧にしたチェックリスト、これを設けて、御遺族の負担軽減につながる工夫を行っております。また、ユニバーサルデザインに配慮して、見やすいデザインとなっております。
また、グリーフケアに関する掲載についてでございます。御遺族の方のためのグリーフケアの相談窓口として、区のすこやか福祉センター等が行っておりますこころの健康に関する相談窓口や犯罪被害者等相談支援窓口の案内のほか、自死により大切な人を亡くされた方に向けての相談案内を掲載する予定でございます。
次に、新庁舎におけるお悔やみ窓口に関する準備についてでございます。区民がお亡くなりになった際には、様々な手続や対処しなければならない案件が発生するため、区としては、御遺族に対して適切な支援をすることが重要であると考えております。区は、これまで相続などに関する専門相談として弁護士による法律相談等を実施してきましたが、これに加えて、本年7月から不動産に関する相続登記手続の相談事業を開始するなど、種々の取組を推進してまいりました。今般お悔やみガイドブックも発行することになりましたが、今後も、新庁舎への移転に向け、区民がお亡くなりになった場合に発生する手続等への支援について、お悔やみ窓口に関する先進自治体の取組について情報収集するとともに、検討を重ねてまいります。
次に、士業同士の連携についてで、災害時の区民相談における士業との連携についてでございます。区は、災害時における士業との連携につきましては、中野区法曹界や東京都行政書士会中野支部と協定を締結するとともに、関連するマニュアルを作成しております。今後も、平常時における区民相談を着実に推進することに加え、災害時の相談における士業との連携が円滑に実施できるよう、先進自治体の取組等について情報収集するとともに、検討してまいります。
最後に、新庁舎における区民相談スペースについてでございます。区民相談につきましては、プライバシーやセキュリティーに配慮した相談スペースの確保が必要だと考えております。現庁舎と同様に、新庁舎におきましても、士業の専門家に相談対応いただく相談スペースにつきましては個室仕様の相談室として配置することとしておりまして、区民が安心して相談できるような環境整備に努めてまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、教育環境の改善についての御質問にお答えをいたします。
公教育における家庭の費用負担についての保護者アンケートについてでございます。保護者の意向は、主に保護者会の場やPTAの方を通じて学校ごとにお聞きする機会を持っております。今後とも、校長会と共に家庭の費用負担等についてお聞きする適切かつ効果的な手法を研究し、課題の発見や学校に対する信頼感の醸成につなげてまいります。
次に、保護者との費用の振り返りについてでございます。保護者にも私費会計として一部負担をお願いすることにより、学校教育がより一層充実していることについて、保護者と学校が適切に情報共有することが必要であると考えております。学用品等私費会計について保護者の理解を深めていくための方法等、学校現場に対して助言してまいります。
次に、改築校と改築していない学校の格差についてでございます。今後の学校施設整備については、複数校の改築が集中することによる単年度当たりの過度な財政負担を避けるため、建築後70年までをめどに、単年度当たり1校程度の改築を順次行っているところでございます。これにより、新築校と建築後70年まで使用している学校が併存することになりますが、改築前の学校施設においては、良好な教育環境をしっかりと確保し、改築済みの学校施設との間に著しい格差が生じることのないよう、適切な維持管理及び改修等を計画的に実施してまいります。
次に、老朽化した備付け物品の改善についてです。学校の備付け物品については、購入年次、耐用年数を整理するとともに、各学校の物品の破損状況等を確認しており、机や椅子につきましては、計画的に入替えをしているところでございます。今後も適切な物品管理に努めていきたいと考えております。
次に、森林環境譲与税を活用した物品整備についてでございます。森林環境譲与税を活用する校数や規模につきましては、森林環境譲与税を所管する環境部と調整を図りながら、計画的に整備しているところでございます。
次に、プールの熱中症対策についてでございます。近年の温暖化により、夏の気温上昇が著しく、プール授業における児童・生徒の健康面を守るためにも、プールサイドの屋根設置などの熱中症対策の重要性については認識しているところでございます。現在、プールに対する熱中症対策として、屋根の設置や遮光ネットの設置や簡易的なテントの配備などを行っているところでございます。近年では、伸縮式のテント膜などの導入も他自治体で進んでいるとのことでございますので、区立小・中学校での導入について、これらの新しい設備の有効性も含めて検討してまいります。
次に、タブレットを含む子どもの通学時の持ち物への配慮についてでございます。教育委員会から貸与しているタブレットは、授業だけでなく家庭でも日常的に使用することとしておりまして、授業の振り返りを行ったり、レポートや発表の資料を作成したりするなど、タブレットを使って子どもたちが主体的に学習するなどの効果が見られております。今後、これらの効果を踏まえながら、タブレットを含む持ち物の持ち帰りについては、各学校が児童・生徒の発達の段階等に合わせて柔軟な対応ができるよう助言してまいります。
どの教材を持ち帰り、どの教材を置いていくかについては、児童・生徒の発達の段階や家庭学習での必要性、通学上の負担など、実態を考慮し、各学校が適切に判断すべき事柄でございます。教育委員会が一律に基準や目安を定めることができるものではないと考えておりますが、学校が判断する材料となるような子どもたちの身体への影響等に関する研究や取組事例等について、学校へ周知してまいります。
次に、通学用かばん選択の周知や推奨品についての御質問でございます。今後、ランドセルを通学用かばんと指定しているわけではないことや、安全性や使いやすさなどを考慮した上で各家庭が最適な通学用かばんを選べることを就学時健康診断や新入学説明会等の機会を捉え、就学前の保護者に早めに周知するように、改めて各学校に伝えてまいります。
次に、小・中学校におけるウォーターサーバーの設置についての御質問です。現在、中野区の小・中学校では、30校中21校で水道直結の水飲み設備を用意しております。また、水飲み設備以外にも、冷水機については必要とする全ての小・中学校に設置しており、児童・生徒に対し、清潔な水を提供できる環境にあると思っております。水筒に水を直接供給できるウォーターサーバーにつきましては、改築校において一部設置をしているところでございまして、当該機器を区内各校に設置するかについては、今後、有効性も含めて検討してまいります。
次に、不登校対策についての御質問です。
不登校対策の状況や教育委員会での議論についての御質問です。今年度、民間フリースクールやNPOと連携を図りながら、子どもたちの居場所づくりを検討してまいりました。現在、教育支援室で行っている支援の在り方については、実態調査の結果を基に、児童・生徒のニーズに応じた見直しを行っているところでございます。学校に登校できているが授業を受けられない児童・生徒については、その実態を把握したところでございまして、校内フリースクールへの支援も含め、検討しているところでございます。教育委員会では、スクールカウンセラーとの連携やスクールソーシャルワーカーの支援、一人ひとりの状況に合った支援の在り方、担任以外の誰ともつながりを持たない児童・生徒の状況の解消などが重要であることに併せて、誰もが通いやすい学校の在り方などについても協議が行われております。現在、新たな不登校対策をまとめております。
最後に、SNS相談に寄せられる相談についてでございます。STANDBYに寄せられる内容は、勉学の悩みや学校での友達関係、恋愛などの相談や質問が多く、9割以上を占めております。そのほか生徒が落ち込むような不安や悩み、いじめや保護者とのトラブルなどについての相談もございました。令和3年度の相談件数は889件、令和4年度は10月時点で1,052件の相談が寄せられております。1人1台端末でSNS相談を使えるようにしたことの効果が表れていると考えております。
〔企画部長石井大輔登壇〕
○企画部長(石井大輔) 私からは、災害対策の御質問のうち、まず、第四中学校跡地西側の都有地についての質問にお答えいたします。
跡地西側の都有地につきましては、東京都の意向も確認しつつ、学校跡地との一体的な土地利用なども踏まえた上で、区としての活用の可能性を検討してまいります。
次に、区内公有地の把握と活用についてございます。国や東京都の所有地を全て把握し、売却を想定した活用をあらかじめ検討していくことは難しいと考えております。ただし、建て替え用地や仮設用地など必要なものについて、区有地の活用を第一としつつも、国や東京都の所有地も含めて近隣の情報把握に努めてまいりたいと考えております。状況に応じまして、国や東京都に対して区の活用可能性を相談していきたい、このように考えております。
〔防災危機管理担当部長石崎公一登壇〕
○防災危機管理担当部長(石崎公一) 私からは、災害対策についての御質問のうち、初めに、太陽フレアの区への影響と対応についての御質問にお答えいたします。
太陽フレアが発生いたしますと、エックス線などの電磁波や電気を帯びた高いエネルギーを持つ粒子などが放たれ、全地球測位システムや通信、人工衛星、電力網などに影響が及ぶおそれがございます。区への影響につきましては、電話等の通信障害や停電などによるネットワーク障害、GPS機能を使用したシステムなどの停止に伴い、防災行政無線や電話等の通信障害、インターネット上の情報収集システムなどが機能停止になる可能性があると考えてございます。太陽フレアへの対応につきましては国を中心に検討が進められておりまして、その結果等を踏まえ、研究を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
続きまして、防災リーダー養成の継続についてでございます。中野区防災リーダーは、今年度末に235名となる予定でございます。現在、防災リーダーは、区民活動センターを基盤とする15地域に満遍なく在籍してございますが、113の防災会単位で見ますと不在の防災会も散見されることから、区としても課題として認識してございます。また、養成した防災リーダーにつきましても、転居や高齢を理由に辞退者も想定されますことから、今後、定期的に追加養成も検討してまいります。その際には、防災リーダー不在の防災会や都の公表した地域危険度等も参考に、地域の実情を加味してまいりたいと思ってございます。
最後に、外国人防災リーダーの養成についてでございます。現在、区内の外国人登録者数は1万8,000人を超えておりまして、災害発生時には多くの外国人が避難所に集まることが想定されていることから、区では、中野区国際交流協会や消防署、警察署と連携し、外国人のための防災訓練を易しい日本語で実施するなど、外国人のための防災対策に力を入れているところでございます。しかし、外国人の防災リーダーはいないことから、今後、地域防災会とも連携し、外国人の防災リーダーの育成も含め検討し、有事の際に外国人と日本人が相互協力し、被害抑制を図れるよう推進してまいります。
○議長(内川和久) 以上で山本たかし議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、11月28日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後5時25分延会
会議録署名員 議 長 内川 和久
議 員 竹村 あきひろ
議 員 長沢 和彦