平成23年10月06日中野区議会決算特別委員会

1.平成23年(2011年)10月6日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか
  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子
  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子
  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之
  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久
 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔
 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明
 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき
 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ
 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ
 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ
 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     宏
 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か
 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ
 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋
 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご
 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき
 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭
 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭
 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長     金野 晃
 副区長     阪井 清志
 教育長     田辺 裕子
 政策室長    竹内 沖司
 政策室副参事(企画担当)        小田 史子
 政策室副参事(予算担当)        奈良 浩二
 経営室長    川崎 亨
 危機管理担当部長荒牧 正伸
 経営室副参事(経営担当)        髙橋 信一
 経営室副参事(行政監理担当)      戸辺 眞
 都市政策推進室長遠藤 由紀夫
 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊
 地域支えあい推進室長          長田 久雄
 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 野村 建樹
 区民サービス管理部長          登 弘毅
 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 藤井 康弘
 健康福祉部長  田中 政之
 保健所長    田原 なるみ
 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    上村 晃一
 環境部長    尾﨑 孝
 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鈴木 郁也
 都市基盤部長  服部 敏信
 都市基盤部副参事(都市計画担当)    相澤 明郎
 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  村木 誠
 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当)
 白土 純
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 会計室長    辻本 将紀
 政策室副参事(情報・改善担当)     平田 祐子
 経営室副参事(人事担当)        角 秀行
 経営室副参事(施設担当)        小山内 秀樹
 経営室副参事(経理担当)        伊東 知秀
 都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 滝瀬 裕之
 区民サービス管理部副参事(税務担当)  青山 敬一郎
 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古川 康司
 子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当)
 荒井 弘巳
 健康福祉部参事(保健予防担当)     山川 博之
 健康福祉部副参事(健康推進担当)    石濱 照子
 健康福祉部副参事(障害福祉担当)    朝井 めぐみ
 健康福祉部副参事(生活援護担当)    黒田 玲子
 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 田中 正弥
 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 古屋 勉
 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  石田 勝大
 都市基盤部副参事(建築担当)      豊川 士朗
 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 佐藤 芳邦
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     篠原 文彦
 事務局次長    石濱 良行
 議事調査担当係長 佐藤 肇
 書  記     関村 英希
 書  記     河村 孝雄
 書  記     東 利司雄
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居 誠
 書  記     細川 道明
 書  記     岡田 浩二
 書  記     鈴木 均
 書  記     永見 英光
 書  記     竹内 賢三


      午前10時00分開議
○佐野委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
 10月5日(水曜日)の理事会の報告を行います。
 本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に石川直行委員、2番目に篠国昭委員、3番目に平山英明委員、4番目にかせ次郎委員の順で4名の質疑を行うことを確認いたしました。
 次に、資料要求についてですが、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに2件の資料要求について整理をいたしました。

平成23年(2011年)10月6日
決算特別委員会

決算特別委員会資料要求一覧(追加分)

追加分 
◆総務分科会関係
103 廃校になった小中学校毎(教育委員会所管外)の現状と活用計画一覧 <共>

◆区民分科会関係
45 23区徴収職員数と職員1人あたりの収入額(前年度決算による) <公>

○佐野委員長 以上が理事会の報告ですが、何か質疑はございますでしょうか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 ただいまの報告どおり質疑ありませんので、委員会を運営することにさせていただきたいと思います。さよう決定させていただきます。
 続いて、資料要求についてお諮りいたします。
 お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ございませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議ありませんので、そのように決定させていただきます。
 それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、昨日同様、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
 それでは、質疑に入ります。1番目、石川委員、質疑をどうぞ。
石川委員 おはようございます。平成22年度決算について総括質疑をさせていただきます。
 まずは質疑に先立って、4月の当選以来、今日に至るまで、寝食を忘れ、家庭を顧みず、落ちつかないと、区政に没頭してまいりました。その中で、働く、働かないかは個人本人に起因する問題だということを改めて実感したところであります。とは申しましても、50を過ぎ、習得した知識を上回る忘れ物を日々しているところです。こうした状況の中で、一生懸命考えに考え抜いた質疑でありますので、どうか理事者の皆様には、見守り、支えあいの精神、おもてなしの精神を持って御回答いただけるようお願いを申し上げます。
 それでは、区立小・中学校施設整備、補修工事を願い、幾つか質問をさせていただきます。
 本来であれば、私が見学してきた第三中学校、第四中学校、第五中学校、桃園第二小学校などの早期の改修が必要な学校について質疑をしたいのですが、何分、予算がついていないため、質問ができません。そこで、統合新校としてすばらしい環境であるはずの桃花小学校について質問をさせていただきます。
 桃花小学校体育館改築工事の総工費は13億5,000万円計上され、22年度には2億7,800万円支出されております。そこで、体育館側校舎建設についてですが、旧校舎とのレベルを合わせることを優先したため、体育館側に隣接する中央公園のほうが高度が高くなっている。これは当初から危ぶまれていたと聞いております。そして、実際に今年5月の雨では浸水を許し、8月のゲリラ豪雨によって、体育館、エントランスの浸水により、床面や畳の補修が必要であると聞いております。そのたび、排水溝の改修をはじめ、さまざまな手当てを行っておりますが、根本的な原因を取り除くには至っておりません。こういうことは設計段階で当然わかっていることと思うのですが、あえて言えば、修正がある程度わかっている設計をする、中野区がチェックして判こを押す、工事が始まり、工事中、完了後も改修に金をかける、税金を新たに投入する、工事業者丸もうけの構図のように見られかねないと思うのですが、入札時に設計者と施工業者との間にグループ関係とか、選定の基準はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) そのような基準は設けておりません。なお、区としましては、設計・施工の発注につきましては、適正に執行しているというところでございます。
○石川委員 ということは、設計者と施工業者がグループ関係にあることはあり得るし、今後もあるし、別段問題ないとの認識でしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 入札参加業者につきましては、金額の見積もりに係ります仕様書ですとか、設計図書、これ図面ですけども、これにつきましては、同一に、同一条件でお渡ししておりまして、そういった中で入札に臨むことができますので、問題はないというふうに考えてございます。
○石川委員 レベルを旧校舎側に合わせるということは、基本設計の段階で中野区から設計業者に指示をしていたのでしょうか。お伺いいたします。
○小山内経営室副参事(施設担当) 桃花小学校の敷地周辺の地形などを考慮するとともに、児童の使い勝手や安全を考慮し、施設管理関係者も交え、協議してレベルを設定したものであります。
○石川委員 その時点で、旧校舎側に合わせた場合、中央公園のほうが、レベルが高くなるということは認識されていたんでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 公園側が当然高くなることは理解しており、どのように調整するかの検討を行い、設計に反映しております。
○石川委員 バリアフリーのほうが、優先順位が高かったと。見ばえはいいかもしれませんが、それでは、視点を変えます。バリアフリーを求める余り、浸水する建物と、2段、3段、もしくはスロープのある建物と、どちらが完成度の高い建物であると考えますか。
○小山内経営室副参事(施設担当) どちらがいいとか悪いとかではなく、完成度を高めるため、双方を満足させる答えを求めて検証していくことが重要だと私どもは考えております。
○石川委員 少なくとも、現実的にできたばかりの建物に対して改修工事が行われている。この根本問題はどこにあると思われますか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 今回の8月のゲリラ豪雨で起きた浸水問題は、あくまでも想定を超えた雨量がもたらした事故であると私どもは認識しております。
○石川委員 次に、体育館へ通じるエレベーターについてお伺いいたします。
 平成17年に策定された中野区教育ビジョンにより、障害者に配慮した施設整備はもちろん必要なことと考えているところであります。一方、避難所機能の充実も、震災時に地域防災の観点から、より現実的・有効的、そして震災時に機能するということが大前提であると考えております。そこでお伺いしたいのですが、震災時に区として、区内の停電について、規模、期間等どのように考え、対策をとられ、地域防災計画へ反映させているのでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現行の地域防災計画の被害想定においては、区内の停電の規模を想定しており、区内の24.5%が停電する。その期間にあっては、3日から1週間で一部が再開し、その後、徐々に復旧していくと想定しております。
 また、東京電力による復旧作業においては、拠点となる官公署、避難所、病院等を原則的に優先して復旧作業を進めていくというふうに規定されております。
○石川委員 震災時には区立小・中学校が避難所に指定されるわけですが、エレベーターが設置されている学校に自家発電機能は持たせているのでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 現在のところ、エレベーターが設置されている学校でも自家発電設備は設けておりません。自家発電設備を設けるには、重油や軽油の保管の課題等もあり、設置しておりません。今回の震災を踏まえ、電力の重要性を考え、今後、改修または改築を行う施設の用途、規模等を考慮し、設置可能な発電機や蓄電池等の導入に向けて研究を行っていきたいと考えております。
○石川委員 蓄電池ということですが、蓄電池の容量といいますか、能力、それからコストはどの程度想定しているのでしょうか。また、エレベーターの消費電力との関係はいかがでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 例えば、現在エレベーターに設置されている蓄電池は、停電時の閉じ込め防止のためにあり、容量は9アンペアアワーで、費用は約70万円、エレベーターの消費電力は約4.5キロワット程度であります。
○石川委員 現在のエレベーターは、法律により停電時着床装置が備えられているので、蓄電池による最寄り階での停止云々ということは関係性がないと思いますが、いずれにせよ、停電になったら使用は控える、もしくはできない。そうすると、停電によってどのような影響が出るかわからない状況で、電力を必要とする設備整備をこのまま進めるのでしょうか、それとも見直していくのでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 学校などに設置されている備蓄倉庫には、災害時の停電を想定し、震災時に使用できる、家電製品などが利用できるエンジン型の発電機が配備されております。なお、計画が進められている中野中学校では、太陽光発電などの設備の導入を現在検討しているところでもあります。
○石川委員 よくわからないんですけど、それでは、震災時に区内で停電が起きた場合、当該地域にある学校避難所に設置されているエレベーターは使用できないということでよろしいでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 先ほども防災担当のほうから申し上げたとおり、地域防災計画の中では、東京電力と災害時における優先電力供給が示されており、官公署、避難施設及び避難所としての小・中学校、病院等が決められております。こうしたことから、他の施設より早く復旧することが可能になっていくんではないかなというふうに思っております。
○石川委員 次に、玄関前のバリアフリー化に伴うスロープ工事に関する質問をさせていただきます。
 今年2月にPTAの指摘を受け、3月には手直しの工事を行ったと桃花小の校長先生から伺いました。スロープに沿ってコンクリの壁が覆い、児童が死角になってしまい危険きわまりない。それですぐに手直しの工事をしてもらった。その辺についての経過を説明してください。
○小山内経営室副参事(施設担当) 3月上旬に教育委員会の施設担当者に、保護者の指摘を受けた学校長より連絡が入りまして、施設分野の担当職員に相談が持ち込まれたというのが状況です。そこで協議した上で、改善の余地があると判断したので、施工業者に対して手直しの指示を行ったものであります。
○石川委員 結果として手直しをしたということは、中野区としても、でき上がった壁を見て、改良の余地はあると思ったからだと思います。このスロープの設計も体育館設計と同じ設計業者が行ったと思いますが、図面等を見て十分に検証を行ったのでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 施設分野としては実施設計時に学校関係者、教育委員会等を交え検討を行っており、設計で示された機能でも安全性が損なわれるとは思いませんが、関係者の要望を尊重した結果の手直しであると考えております。
○石川委員 このスロープのやり直し工事について、最初のコンクリートで覆われた壁とそれを撤去する費用、新たにパイプで組み直した費用、概算でどのぐらいかかったのでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 引き渡し前の手直し工事であり、総額契約であることから、費用の算定は行っておりません。
○石川委員 では、仮に完成引き渡し後に改修したとすれば、どの程度かかると見込んでいるのでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) そのような前提で積算を行っておりませんので、お答えすることはちょっとできません。
○石川委員 全体の契約金額の中から、表現は別としても、相殺した、調整したという考え方はおかしいと思います。当然、建設中の物品に対して微細な修正や変更は、よりよいものをつくるという観点から必要であることは理解いたします。しかし、今の解釈では、各校の工事の中で、例えば、使い勝手を考えて床面の材質を当初見積もりよりも安価なものにしたと。それによって100万円差額が生じたとすれば、総額の契約金額から100万円を差し引いた金額を支払うものと考えますが、違いますか。契約金額に増減が生じた場合、契約はどのように処理をされているのでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) あくまでも契約金額に増減が生じた場合ということでお答えをいたしますけども、工事内容に変更が生じまして、その場合、所管から変更の契約の締結依頼が契約担当のほうに行きます。契約担当では、それに基づきまして、契約の相手方に変更の仕様書などを提示しまして、そして相手方から金額にかかわります見積書を徴取しまして、変更契約を最終的に締結するということになります。
○石川委員 それでは、平成22年度における施設分野の工事件数と、この中で契約変更を実施した件数を教えてください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 平成22年度の施設分野、こちらの契約のほうに依頼があった件数ということでございますけども、全体で60件ございました。変更した契約は、このうち一件もございません。
○石川委員 契約変更が全くなかった。契約変更すると、金額によっては議会報告、委員会報告などがあり、行政とすると、ややもすると手続が煩わしいという意識が、結果として契約変更なしになっているのではないでしょうか。調整や柔軟な対応という名のどんぶり勘定が発生しているのではないでしょうか。
 戻りますが、途中の工事の変更において、100万円浮いたら無理やり何かに使い、帳じりを合わせるということでしょうか。契約変更というものは内部の事務処理の問題であって、この財政状況の中で、特に震災復興の手助けで財政的に我慢をしている区民にとっては、1円でも無駄遣いをしないというのが一般的な区民感情ではないでしょうか。いかがでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 技術職員は常日ごろより積算作業も地道に行っており、コスト削減を図りつつ、高品質で区民ニーズに合う施設建設を常日ごろ心がけているところであります。
○石川委員 ちょっと質問と回答がかみ合っていないような気がするんですが、続けます。
 職員2,000人体制に向けての方策の中で、職員の活用、能力開発、採用方針を掲げ、少数精鋭による適材適所の職員体制の実現を図るとしております。しかし、その前に、区、行政を覆っている前例踏襲、現状維持の発想をなくしていかなくてはなりません。たとえ職員一人ひとりの能力の開発をしても、従前の仕組みの中では十分な力を発揮することはできないと思います。ある詩の一節に、「古い船にも、古い水夫が乗り込むのではなく、新しい水夫が乗り込む。それは、古い船も新しい海へ出ていく。新しい海を知っているのは新しい水夫である」というようにうたわれております。現場での改善提案を真摯に受けとめる技量と、気軽に提案できる環境整備とともに、たとえベテランの職員であっても、新しい仕組みの中で思う存分力を発揮できるような環境を整えることが必要であると考えます。
 中野区では、職員による中野区職員提案制度とアイデアボックスの提案制度があります。この提案制度の近年の提案件数を教えてください。
○平田政策室副参事(情報・改善担当) 過去3年の数値を申し上げます。
 まず職員提案制度でございますが、平成20年度がゼロ件、21年度ゼロ件、22年度1件となってございます。
 続きましてアイデアボックスでございます。平成20年度3件、21年度3件、22年度はゼロ件でございます。
○石川委員 そうすると、過去3年ではこのような提案制度がうまく生かされていないと思うんですけれども、ある企業では、どんな改善計画を提案しても、提案1件に対して500円を支払う制度があると聞きました。職員の方々の改善意識を高めるためにも、この二つの提案制度をどのようにしたら提案件数が増えるか、提案を募るのも一つの方策かもしれません。いかがでしょうか。
○平田政策室副参事(情報・改善担当) 職員提案制度はそれぞれ平成14年度、アイデアボックスにつきましては15年度から実施している制度でございますが、委員御指摘のとおり、ここ数年は低迷している状況でございます。所管としましては、職員が改善提案しやすいように様式の簡易化、また、募集のテーマを設けるなどの工夫を重ねてきたところでございます。今後も引き続き制度の利用のしやすさにつきましては、工夫を重ねていきたいと考えております。
 また、個々の職員が自分の担当する仕事の見直し、区の仕事のあり方など、日々の業務の中で常に改善意識を持ちながら進めていくことが必要だと考えておりまして、より一層の改善意識を持つことによりまして、職員の改善提案も増えていくものと考えてございます。
○石川委員 体育館の改修と、このバリアフリー化に伴う工事のやり直し、この二つの例をとっても、根本的な原因を考えると、十分な検証と二重、三重のチェック体制、そして現場、ここでは教育現場で子どもたちの属性を知り尽くしている現場の声、これらを具現化するパイプ役としての技術系職員の手薄さが原因のような気がしてなりません。一般職もさまざまな分野における知識と経験が生かされていることは十分に承知しておりますが、技術職、専門職は知識と経験とともに、熟練したわざといいましょうか、五感で感じ取り、それを体現する創造力、技術力が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 私も含め、技術職員は日々知識を磨き、経験を積み、また、それを若い世代に継承していくことが重要であると日々認識しております。今後も区民ニーズにこたえられる施設づくりを担う人材の育成を心がけていきたいと思っております。
○石川委員 ありがとうございました。期待しております。
 次に、職員数の推移についてお伺いいたします。
 平成15年度から平成22年度までに退職された事務系、土木建築関係技術職、それぞれの人数と比率を教えてください。
○角経営室副参事(人事担当) 単純に職員の現数で比較いたしますと、事務系の職員は、平成15年度1,185人が、平成22年度には1,083人となりました。102人削減されたことになりまして、8.6%の減少でございました。土木建築関係の職員、これは土木・造園、それから建築、機械、電気の技術職でございますが、平成15年度に142人が、平成22年度には114人となり、28人削減されたことになります。これは19.7%の削減ということでございました。
○石川委員 そうすると、15年度に比べ、22年度は事務系が8.6%減ったのに比べ、土木建築関係の技術職はその2.3倍に当たる19.7%だということだと思います。3,000人から2,000人体制にする際に、当然、分野別、職種別での人員の削減計画を行っていると思うのですが、計画どおりの削減率なのでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 平成20年1月に策定しました当初の計画に基づいて見ますと、平成22年度の目標数については、常勤の事務職が1,073人に対しまして、結果としては、先ほど言いました平成22年度の達成が1,083人、それから一般技術職、先ほどの土木建築関係と、それから衛生監視、学術研究も含めた数になりますが、一般技術職が120人の目標に対しまして、結果は126人ということでありまして、それぞれ若干目標に至っていないという状況でございました。
○石川委員 そうすると、ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、この土木建築関係、15年当時142名いた技術系が、例えば勧奨退職で半分になってしまったとしても、この削減計画はうまくいっている、こう評価するのでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 職員2,000人体制に向けての方策では、単に職員の数を削減するものではなく、事務の効率化などの観点や、また、中長期的な事務の執行方法の見直しなどから削減を目指す方針となってございます。技術系職員につきましては、今後のまちづくりや施設維持管理など、事業を見きわめながらこういった取り組みを行っていくものでございます。
○石川委員 それでは、職員2,000名体制に向けての方策の中で、平成28年度までに2,000人体制にするということになっていますが、それでは、平成23年度から28年度までの間に一般技術職の削減目標は何人となっておりますか。
○角経営室副参事(人事担当) 職員2,000人体制に向けての方策によりまして、これは毎年、定数管理については見直しを行っているところですが、直近の平成23年2月の改定によりますと、管理職は含まない一般技術職というものにつきましては、平成28年度の目標が127人という目標を設定してございます。今年度、平成23年度も現数が128人となっておりますので、目標数値としては、あと、28年度までに1人削減するというのが現在の目標となってございます。
○石川委員 本年度の採用があったということは理解していますが、それにしても、2,000人体制にする速度より、技術職のほうがはるかに速いペースで目標以上、目標を達成してしまったということでよろしいでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 先ほど申しました達成目標と、それから現在の進捗状況ということであれば、委員が御指摘のとおり、技術職については速いペースで目標を達成しているということでございます。
○石川委員 早く目標を達成したということは、それだけ人件費抑制につながるわけですから、悪いことだとは思いません。しかしながら、急降下のカーブを描くような削減は、引き継ぎも含めてどうなんでしょうか。一定の緩やかなカーブを描いて進めないと、職場の中でのひずみが出ると思うのですが、いかがでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 特に技術系の職場では、先ほども御答弁をさせていただいておりますけども、職員の知識や経験の継承は重要であります。職員の育成が組織的にされることが必要であるとも思っております。今後、すべてこういった事業を直営でやるか否かの検討が必要ですけども、例えば、中野駅周辺まちづくりや西武新宿沿線まちづくりのために一定程度、技術系職員の増員が必要となることが想定されているというような状況もございます。採用については、平成21年度から技術系職員の経験者採用を始めたところであり、今後も必要な職員の採用と、それから、あとは再任用職員を活用することで、こういった知識と経験の継承を目指していく考えというものでございます。
○石川委員 ちょっと視点を変えさせていただきます。平成25年にとり行われる伊勢神宮の式年遷宮は、これは20年に1度の大祭で、社殿を新造し、大御神を社殿にお移り仰ぐ行事ですが、神殿を新造するということは日本古来の伝統文化、そして、技術の伝承を可能にする極めて文化的意義の高いものであるとされております。この式年遷宮と一緒にするわけではありませんが、昨日、市川委員も指摘されておりましたが、技術の伝承、特に団塊の世代が退職されるに当たり、彼らの持っていた豊富な知識と経験をしっかりと受け継いでいたのか、心配をしているところであります。それでなくとも、箱もの行政の脱却で実体験不足が如実になっている中、適正な配置が続けられていなかったということではないのでしょうか。ちょっとお伺いいたします。
○角経営室副参事(人事担当) この専門技術職の技術、経験の継承につきましては、先ほど言いましたとおり、一時期、新規の採用を控えていたというような状況がございます。そういった中、今後のまちづくりだとか、施設改修の事業の進捗状況に応じまして、新規採用職員による自前の技術の継承を行いつつ、なおかつ、ある程度速効性を求めるということで経験者採用、そういった専門技術を有した経験者採用の職員を行うことによって、そういう業務についても技術の継承というものを図っていきたいというふうに考えてございます。
○石川委員 中野区の職員の平均給与、740万円と承知していますが、さきの例で見られたスロープの手直し工事や、工事関係者によると、このスロープの手直し工事、120万から150万ぐらいの費用が発生しているのではと聞いております。また、昨日、佐伯委員が指摘された北中野中の体育館の床面の改修に見られるような無駄が氷山の一角だとすると、人件費抑制以上の無駄遣いと指摘せざるを得ません。このようなやり直し工事や改修に次ぐ改修工事が年に四、五回もあれば、人件費相当を捻出してしまうのではないかと心配しますが、いかがでしょうか。
○川崎経営室長 まず、桃花小の工事では余分な経費の支出をしていないということは、先ほど副参事のほうからお答えをしたとおりでございます。このほかの工事でも、さまざまな事情によりまして、場合によっては手直しというようなことも発生することはございますけれども、設計から施工に至るまで効率的に行い、無駄が出ないように努めているところでございます。この点については御理解をいただきたいというふうに思います。
○石川委員 一連の質疑を通じて、桃花小学校に関連する工事については、入札の方法には若干の疑問は残りますが、今後、改善の必要もあると思いますが、直接的な原因とは思いません。災害時の避難所対応に関する認識や、体育館側高低差の問題、スロープのやり直し工事、職員2,000名体制に移行する過程において、若干無理があったのかなと感じております。各分野での予算執行は、それぞれ縄張りがあり、分野同士の分捕り合戦はある程度いたし方ないのかもしれません。しかし、区長や経営本部は、お金に色がついているわけではありません、一つの財布から支出されているということを肝に銘じて差配していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○川崎経営室長 区政経営を進める上で、最小の経費でも最大の効果、成果を上げるようにということで努めているところでございます。計画の策定、予算の編成、そして具体的な事業の執行に至るまで、さまざまな段階で調整を図っているところでございますが、それぞれ各事業部がそういった考え方を持って進めると同時に、必要に応じ、区政全体の調整ということで、区長、経営本部の中で調整を図っているというところでございます。
○石川委員 いろいろと質問をさせていただきました。経験不足を補うのは、現場に出ること、そして教育現場の生の声、時には変な声やささやきがあるのかもしれません。しかし、惑わされることなく、ひるまず言葉を聞くことだと考えます。1人の判断では迷うこともあると思います。さきの一般質問で、教育委員会専属の専門職の配置をお願いしましたが、一歩でも二歩でも教育現場を前進させるため、兼務で結構ですから、教育施設分野の技術職の増員を考えていただきたいと思います。よろしければ区長の御見解をお伺いいたします。
○田中区長 今、教育分野の専属の職員っていないんですよ。子ども教育部といいましてね。区長部局も教育委員会も一緒になって執行体制をつくっておりますので、ですから、そういう意味では技術系の職員、施設担当の職員ということになるんだろうというふうに思っております。そういった技術職の配置につきましては、まちづくりですとか、施設維持管理等、そのときの事業の状況にあわせて適切に行っていきたいと、こういうふうに思っております。学校施設の維持管理、今後、将来的には学校の建てかえということも相当な頻度で行わなければいけないというようなこともありますので、そういった事業が適切に執行できるような体制をつくるということで臨んでまいりたいと思っております。
○石川委員 ありがとうございました。質疑は以上でございます。
○佐野委員長 それでは、以上で石川委員の質疑を終了いたします。
 次に、篠国昭委員の質疑をお願いいたします。
篠委員 自民党の2番バッターでございますので、あと2人、私をカバーする人を残しておりますので、気楽な気持ちで質疑をさせていただきたいと思っております。
 ただ問題、取材に対しましては、教科書問題で喜名室長は5時間以上、私と対応する機会がございました。それをいかに1時間以内でまとめるかという大きな課題もしょっているところでございます。
 また、この教科書問題については、自民党は党本部挙げて、そして我が会派も1月からこれにしっかりと取り組んでまいりまして、研究チームをつくり、また23区で唯一、決議を上げたのが中野区だということでございます。また、サンプラザで研修大会を催すと。自民党、長くいるんですが、かつてない執拗な取り組みをしてきたのではないか、このような感想を持っております。
 それでは、質疑に入ります。
 教育基本法下の中学校教科書採択についてということで、順に質問していきたいと思います。
 学習指導要領の改善と文部科学省の通知ということに関しまして、平成18年に全面改正された教育基本法は、児童・生徒が国民として身につけるべき資質として、教育の目標に掲げたところでございます。この内容についてただしたいと思います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、平成18年12月の教育基本法の改正でございますが、前文のところで、「公共の精神、豊かな人間性、伝統の継承、未来を切り拓く教育」などが掲げられております。また、御指摘の第2条で教育の目標が新たに起こされたわけでございますが、ここでは1号から5号まで新たに設けられました。1号では幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心、健やかな体、2号では個性の伸長、自立の精神、3号では男女の平等、公共の精神に基づく社会性の形成、第4号では生命尊重、環境保全など、それから、第5号で伝統の文化の尊重、我が国と郷土を愛すること、他国の尊重などが盛り込まれてございます。
○篠委員 かなり具体的な形で書かれているわけです。これを受けまして、平成20年の学習指導要領改訂では、指導要領とその解説書で詳しく書き込んであるのでございますが、具体的にはどのようなものが挙げられておりますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 例えば第2号関連、個性・能力の伸長では、思考力・判断力・表現力の育成ということで、すべての教科において言語活動を充実することということが述べられました。また、第5号関連の伝統と文化の尊重に関しましては、例えば国語で古典の学習が入ってまいりました。また社会科では近現代史の重視、文化遺産、国宝、それから神話の扱い、そして音楽では和楽器の扱い、美術では我が国の美術文化についての扱い、体育では武道が新たに盛り込まれてございます。
○篠委員 この指導要領というのはそう分厚いものじゃないんですが、解説書、先ほど私が申し上げた解説書というのはどのような配布状況になっていて、どのような内容でしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず学習指導要領でございますけれども、学習指導要領はその教科の目標、それから指導の内容、それから、その内容をどう取り扱うかという内容の取り扱いということで構成されています。そのそれぞれのことについて解説をしたものが「解説」ということで、各教科1冊ずつございます。これについてはすべての学校にございます。どちらかといいますと、これをもとに学校では授業をつくっていくということになります。
○篠委員 この流れの後に、文科省では教科用図書検定調査審議会で平成20年の12月にまとめた「教科書の改善について」の中で、都道府県に通知を出しておりますよね。地教行法の改正で、上から命令関係じゃない、対等関係であるけれども、やはりその通知という流れは変わっていないはずなんですが、具体的に示された文言はございますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 御指摘いただきました教科用図書選定調査協議会がまとめたもの、「教科書の改善について」という報告でございますけれども、これを受けて、文部科学省初等中等教育局長名で、各都道府県知事、各都道府県教育長等に通知したものがございます。私どものところに直接来ているものではございませんけれども、文部科学省から示された資料の中にこの通知が入ってございます。
 内容でございますが、3点ございます。教科書の改訂についてということで、1として、教科書の装丁や見ばえを重視するのではなく、内容を考慮した十分な調査研究が必要であること。2番目といたしまして、各採択権者の権限と責任のもと、十分な調査研究が行われ、適切な採択が行われること。第3といたしまして、従来型の教科書をすべて学習するという教科書観から、個々の児童・生徒の理解に応じてとか、児童・生徒の興味・関心に沿って、また、家庭でも主体的に学習できるという教科書観を転換するという、この3点が示されております。
○篠委員 これを受けまして、例えば神奈川県の教育委員会では、社会とか公民の分野なんでしょうけど、教科書比較の観点から、北方領土、竹島、尖閣諸島、慰安婦、強制連行、拉致などを新設し、各教科の傾向を浮き彫りにした。これにより、指導要領の解説書には竹島の指導方法が表示されているのに、教科書に掲載していなかったり、不十分な記載の教科書が一覧できるようになっている、こういうくだりがあります。
 また東京都の教育委員会では、拉致や我が国の領域、宗教や伝統文化、これも公民ですね。神話伝承を知り、日本の文化や伝統に関心を持たせる資料、これは歴史、こういった流れをつくっておりますが、このカウントされた具体的な内容というのはどの辺まで踏み込んでいるんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、東京都教育委員会の教科書採択に関する役割でございますけれども、各地教委への指導と助言ということになります。今お話しいただきましたような調査研究をまとめて、各地教委に送るというのが役割でございます。
 具体的な調査項目でございますけれども、今、御紹介いただいたものと重なる部分がございますが、例えば歴史におきましては、時代区分が、それぞれの時代区分のページ数、それから、扱われている人物、それから、世界史との関連のページ数、それから、東京の歴史についてどこまで書かれているか、また、言語活動がどのぐらい取り組まれているか等を数値化しているものがございます。また、詳細な内容としては、御紹介いただきました領土問題ですとか、拉致問題についてどのような記載がされているかということを研究してございます。
○篠委員 そうしましたら、平成12年の12月22日付で中野区は、中野区立学校教科用図書の採択に関する規則というのを出しておりますね。この中で第2条に、各教科1種選択するの後、(1)から(4)まであるんですが、(1)では、学習指導要領の目標達成に達した教科用図書を選定し、教育委員会が定める教育目標の実現を図る。(2)は、各教科十分な調査及び研究を行う。(3)は、適正かつ公正に教科書採択を行うとともに、情報の公開に努める。私が指摘したいのは、4番ですね。区民並びに区立学校の校長、副校長及び教員の意見の反映に努める。これは絶対許せないという視点で質問いたします。
 今回、60年ぶりに教育基本法が改正された。そして、指導要領がそれを受けて立つ。この学習指導要領という言葉はあり、私が膨大な資料を読ませていただいた中では、やはり学習指導要領という言葉は出てきます、議論の中に。教育基本法がどのように変わったかということについては、どこを探しても見つけることができない。それで、これを受けまして、例えば採択の基準がここから派生するんですが、渋谷の場合は採択基準の着眼点の(1)ですね。学習指導要領の目標・内容に即しているか。2番目として、主体的な学習に意欲的に取り組める学習内容になっているか。3番目に、基礎的・基本的な学習要領の事項の確実な進捗が図れる内容になっているか。4番目に、発達段階を考慮し、最新の情報が、資料が正確にわかりやすく示されているか。5番目に、個に応じた指導や発展的な学習、補充的な学習に対応できる内容になっているか。6番目に、地域に関連したり、身近に感じられたりする内容になっているか。これ、かなり具体的なんです。
 それで、これを平成24年度に、中野区の場合も24年度にということで、対応でやるんですが、荒川区の場合には、さらに同じようなこととともに、政治的中立性が保持されている教科用図書であることという、そういうのが付け加わります。
 それに対しまして、中野区のこの規則を受けた後の採択の基準の中には、学習指導要領という言葉が一切入っていなくて下におろされている。採択の基準、学習意欲が喚起される教科書、基礎学力の定着と発展的な学習にこたえられる教科書、児童にとって学びやすく、教師にとって教えやすい教科書、こうなっているんです。下におろす書類の中に、要するに学習指導要領という言葉を見つけるのが書面では1カ所も――ここの規則にあるからいいだろうと、平成12年にあるからいいだろうという代物ではない。要するに、60年ぶりの改訂ということに対する姿勢が問われるというふうに私には思えてならない。
 そして、教育委員会の議論の中では、この三つの基準を、採択の基準を最初に言い出されたのは、4月22日の指導室長なんですね。それで、どのように言われているかといいますと、「採択基準としてでございます」の前に、「今回の学習指導要領の理念でございますが」としっかりと言った後に、この三つの基準を言われている。ですけど、私が申し上げたいのは、60年もかかってやっと変わったということに対する取り組みが文書の中で一切残っていない。それで、この採択の基準に、議論の中で、大島委員の発言もありますが、「採択の基準というのは、そういう規則とか要領に直接出てくるものなのでしたか。委員会で独自に決めているものかということ」というくだりもございます。要するに、指導室長の提案自体でもう三つに絞った形で流れ出しちゃっている。
 それで、山田委員長が仕切っている議事の運営を見ますと、もっと弾力的なものがあればというような話は一切出てこない。いわゆる60年ぶりの学習指導要領の改訂だとか、政治的に中立なものでなければいけないとか。それで、さきに規則の第2条の4が問題であると申し上げたのは、教育委員は、資料は、調査資料としてはいただく。しかし、それぞれの立場でしっかりと自分で決定できる立場にある。これは犯しがたい権限なんです。これだけは配慮しなきゃいけないよという文言になっていてはいけない。
 例えば、今回の我々の決議、共産党さんは反対討論しましたね、浦野さん。教育現場の意見が出なきゃいけないと。まさに反対討論の趣旨そのものを書くなんていうことを平成12年から延々と続けてきたこと自体、だれも指摘しなかったことがおかしいと。ですから、もう終わっちゃったことですので、これ、とやかく言える代物じゃないんだけど、いわゆる60年ぶりに変わったという切り込みに対する姿勢が大変感じられない教育委員会の議事運営になっている。もう、これを見ますと、指導室長が言ったことに対してさらに議論を深めようというか、もう一つ二つ採択基準を入れようじゃないかという議論の場も全然ない。これはもう私どもからすれば、許しがたい……(「先生が怒らなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)いや、これでも怒っているんだ。許しがたい。
 大島さん――名前を言うと申しわけないですが、要するに学校がどう受けとめるかが問題だというような議論展開までしていらっしゃる。それはしようがないな。規則の2条の4項に堂々と書いちゃっているんだから。だけど、そういう問題じゃないですよ。私は、第1回定例会の総括でも、なかの区報で、お力をいただく区民の方に採択の基準を決めていただけますということが書いてあったから、区民の方々は調査員であって、採択の基準を決めるのは教育委員会の教育委員の方だという指摘をさせていただきました。申しわけないということでございましたが、本体は全然申しわけなくなく、残っているわけです。これについて、どのような認識でいらっしゃるか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、採択の基準でございますけれども、先ほどからお話をいただいております採択に関するこの規則の第2条第2項に、「教育委員会は前項の基本方針に基づき、採択に当たって調査研究すべき基準等を定める」とございます。これで、この規則をもとに採択基準を御決定いただいたわけです。資料としては、私のほうからこれまでのものを参考にしながら御提案申し上げて、御協議をいただいたということがございます。
 2点目の、第2条第4項の関係、「区民並びに区立学校の校長、副校長及び教員の意見の反映に努める」ということでございますけれども、これについては、その後の第3条に出てまいりますけれども、教科用図書選定調査委員会の設置の根拠になるものでございます。この教科用図書選定調査委員会、これは区民、学校、児童・生徒の意見を聴取して報告をまとめるというものでございます。その報告をまとめたものを、その委員長より教育委員会に御報告申し上げるというもので、資料として、それらの意見を聞いてまとめていくというものでございます。
○篠委員 それは違うじゃない。第2条の時点で、教科用図書選定調査委員会について触れている部分はありませんよ。教育委員というのはこうしなさいということを言っているのであって、その下の人たちに向かって言っている言葉ではないでしょう。
○喜名教育委員会事務局指導室長 教育委員に対し、採択の基本方針として4項目ございます。その4番目が、今お話しいただいているところでございますけども、その具体的な方法として選定調査委員会を置くというものでございます。
○篠委員 いずれにしろ、これは最終的には教育委員を縛る言葉としてとられる。十分にとられる場所に置いてあるんですから。先ほど申し上げたように、やっぱり教育基本法の改正、学習指導要領の改訂に目を離さない教科書選定を行ってくださいと言っているんであるから。やはり公務員が信用できるのは、誠実に法律を守るからであって、法律以外のところの行動を起こされることは、これはやっぱり我々が、議会がチェックしなきゃいけない。これは教育委員会についてだけじゃなくですね。そういうことで、この文言はそういう意味で、室長のおっしゃっていることは私には承服できない。どうするか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 規則、基本方針については、また検討するところはあるかもしれませんけれども、あくまでも教育委員の判断を縛るということでは一切ございません。その辺は確認をしていただきたいというふうに思います。
○篠委員 反映に努めなければならないとは確かに書いていない。努める。それで、この教科書採択の流れ自体の中にも、学校現場からの意見もいただくような形に確かになっているわけです。それに縛られなければならないという言葉のごとくとられるおそれがあるものは外せと申し上げている。これはこれ以上申し上げないけど、そういうことを申し上げている。
 この流れの中で、先般も申し上げましたが、児童・生徒から学校に意見、これはどのような形でなされましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今回の教科書採択につきましては、異なる学校、それぞれ異なる学年、異なるクラスということで、例えば1年生についてはどこかの中学校の一つのクラス、2年生については、別の中学校の一つのクラスということで、107名のアンケート調査でございます。アンケートの中身は、どういう教科書で勉強したいかということ、こんなことが教科書に書いてあったらいいと、そのような内容で、実際に使う立場の子どもたちの意見を聴取するというものでございます。
○篠委員 どの規約にのっとってここに書いてあるんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 教科用図書の採択に関する要綱に、教科用図書選定調査委員会の役割のようなものが示されているところでございます。ここに、特に子どもたちから意見を聞くというようなことは書かれており……失礼いたしました。この中の第2条の(2)でございます。児童・生徒の意見は、校長が教育委員会の定める方法により調査するということで、校長に対して調査を依頼するということになります。
○篠委員 どの規定から来たんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず第1に、選定基準、先ほど御紹介いただきました選定基準のところに、「生徒にとって学びやすく、教師にとって教えやすい教科書」という言葉がございます。この「生徒にとって学びやすい」という、この意味をどのようなものかということで意見を聴取するものでございます。
○篠委員 私が申し上げていることはそういうことじゃなくて、何か物を載せるときには、中野区は平成9年3月26日に、中野区教育行政における区民参加に関する条例というのを出しているんですね。この区民参加、これをもう総務委員会でチェックが入れられる可能性のある文言もまだ残っているかもしれませんが、「区民参加は、年齢、国籍等にかかわらず、すべての区民にその機会が保障されているものである」。それから第4条には、「区民参加においては、権利の主体としての子どもの参加と意見表明の機会が保障されるよう配慮されなければならない」。いずれにしろ、ここはどこから出てきたと言ったら、ここから出てきたと言わなければ行動はとっちゃいけないんですよ。
 じゃあ、中野区以外にこういう図をつくり上げている区はありますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 採択の仕組みの図は、各区がつくっているところでございますけれども、生徒の意見、子どもたちの意見を聞くというところは中野区独自のものでございます。
○篠委員 学校にも意見を聞く。これはもう別に文句を言う人はいないんですが、それが反映しなければいけないということを私は問題にしている。というのは、そういうこともないか、中野区の場合はないかもしれないけど、やっぱり今回でも教職員組合は陳情を上げている。共産党さんの反対討論そのものを上げているんですよ。ですから、同じように中立性が守られる。共産党さんはそれこそが中立性とおっしゃるかもしれない。我々から見ると、中立、中立というより法律にのっとって行動しろということが問題で申し上げている。ただ、学校からの意見を吸い上げることについて文句を言う気持ちはないんですが、今回の教科書、目を通していただく教科書というのは何冊あったんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 131冊です。
○篠委員 学校はそれを何日間で対応したんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 教科書の冊数が限られています。これを12校で分けて互いに回しながら、ということでございますので、中2日から3日ということでございます。
○篠委員 ですから2日、いや、3日はかかっていない。2日だと。2日でやっている。もう大変だったと思うんですが、上がってきた資料というのは、ここの教科書、全部についてコメントして出している、それぞれに。中学の場合、12校あるうち11校から上がっている。不可、不可、不可、不可、不可なんて書いてある学校もある。優、良、優、良なんて書いてあるところもある。2日間ということを考えると、それが限界かなということもありますが、やはり絞り込みに近いような資料しか上がってきていない。いずれにしろ、具体的にはこの調査研究会というのからは、もう少し詳しい資料が上がってきますよね。これは調査研究会という、どのぐらいの期間をかけましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 調査研究会発足、6月でございまして、直前まで7月いっぱい5回にわたって協議を持っております。
○篠委員 さらに申し上げますね。さらに確認しておきたいんですが、教育基本法についての議論はないということを私は申し上げましたが、教育委員会での議論、これは抜くものは抜きましたからあれなんですが、もう資料としてこんな厚い資料です、これね。教育基本法のことについて議論したところはどこかにありましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほど来、委員から御指摘のように、教育基本法の改正に基づく学習指導要領の改訂、その前の学校教育法の改定等でございますけれども、基本的には学習指導要領の改訂が話題になっております。教育基本法の改正自体は平成18年ですので、19年あたりからその周知が徹底されたというふうに思っております。
○篠委員 先ほど申し上げたように、そういう問題じゃないと。そういう、やはり60年ぶりのという、改めて姿勢を正す意味から今回の教科書採択は入っていかなくてはいけないということを再三申し上げましたが、60年もかかって直ったところって、新法と旧法、ほんのわずかだけ聞きますよ。改正法で前文、旧法と新法で前文はどのような変化がありましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 冒頭にもお答えいたしましたが、「公共の精神、豊かな人間性、伝統の継承、未来を切り拓く教育」、このような文言が新しく入ってございます。
○篠委員 室長がさきに触れられた教育の目標の中の道徳心はどうですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 第2条、教育の目標の中の第1号のところ、「幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと」とあります。ここで「豊かな情操、道徳心」、これが新たな文言として入っております。
○篠委員 要は旧法にはなかった。生命尊重についてはいかがですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 第4号でございますが、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」ということで、これも新たに入ったものでございます。
○篠委員 愛国心はどうですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 これは第5号関連でございますが、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」、これも新たに入ったものでございます。
○篠委員 選定調査委員会委員長が会議を開くに当たって、一部その部分にしっかりと言及はしております。そういったところに見られるわけでございますが、選定委員会というのは、合議制なんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 合議ということでは、まあ、合議、それぞれの委員さんが教科用図書を御自身で見ていただくことが第1にございます。そして、先ほど来お話をしてございます学校の意見、生徒の意見、それから、調査研究会というまた下部組織の意見を集約して、それらを全部勘案して報告書にまとめていくというものでございます。規則の、要綱の中にはそのような文言もございますけど、具体的にみんなで協議をしながら報告書をつくり上げていくということでございます。
○篠委員 教育委員会はいかがですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 合議でございますので、採択協議をしていただいて、その中で採択候補を決定していただいております。
○篠委員 中野区の場合は従来からそういう形で来ておりますよね。他区におきましては、要するに、合議ではあるけれど、最終決定の場面においては、お互いさまにも影響されることのなく、意見表明の場をしっかりと持っている区も、あるいは市もあるわけです。理由を付して、その決断をそれぞれの委員が下すところもある。杉並区の、前回は育鵬社関係の教科書でしたっけ、が通りましたね。今回は、それに賛成した教育長が、区長が変わったからということもないんでしょうが、反対に回ったために、教科書が変わってしまったというような情報が新聞紙上に出るということは、やはり合議制の中ではそういった形は出てこないと。それで最終的な、先ほど室長もおっしゃられたように、131冊もの教科書を調べなけりゃならない、期間が短い間に。調査委員会から資料は上がってくるといっても、これはもう寝食を忘れてという石川委員のお言葉もありましたが、そんな程度じゃどうしようもないぐらいな膨大な量でということは理解できますが、やはり最後の場面では、ぜひ、お互いにも影響されないシステムを、もう今回終わりましたから、今後においてはぜひ進めていただきたいということは要望しておきます。
 そして、最後の日に、8月5日でしたかね、傍聴に来た方は、皆さん自分自身の考えをお持ちの方ですので、どういう状況で最終決定の場面が見られるかという気持ちでいらしたと思うんですが、御存じのように、資料を見ればわかるように、既にすべてのことが終わっていると、そういう場面でしかなかったわけです。膨大な教科書採択ということを考えれば、私はやむを得ないというふうにも思いますが、せめて個々の決定においてはぜひ、仲のよい教育委員さん同士であろうと、自分の本当の意見が言えるような、それこそ、そういう場こそ影響を受けない場ということを、ぜひこれは要望しておきます。
 具体的な問題について少し触れさせていただきたいと思いますが、先ほどおっしゃるとおり、「神話」という言葉がございました。これについては、指導要領ではどのように記されていますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 神話の取り扱いでございますけれども、学習指導要領においては、いわゆる内容の取り扱い、内容そのものではなくて、内容をどう取り扱うかという中に言葉がございます。「考古学などの成果を活用するとともに、神話・伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰や物の見方などに気づかせるようにする」ということでございます。
○篠委員 我々自民党で調査を入れた限りでは、日本神話については、日文は数行のコラムしかない。東書は独立した項目すらない。日本神話にページを割いている、紹介しているのは、育鵬、自由、清水の3社だけであると。これは我々が見たところなんですが、中野区では教出でしたが、帝国の場合は、アイヌの神話についてはかなりしっかりと触れていますね。それで、イヨマンテですとか、ユーカラとか、フクロウの神みずから歌った歌が歌詞まで紹介されている。ですけど、帝国が日本神話の中で、「古事記」「日本書紀」の紹介として、「伝承や説話、神話をもとに、天皇の地位や権力の正当性を明らかにする目的を持って書かれました」。これだと学習指導要領の、その当時の人々の信仰や物の見方などに気づかせるというんじゃなくて、教科書会社の意見を述べたにすぎない。
 我々が調べても、確かに「古事記」については、日本人は働くことは、はたを楽にするということであり、周りの人を楽にしてあげることだと考えた。労働を苦役ととらえる西洋人の感覚とは異なる。こうした日本人の感覚が、共生、共栄という独特な考え方を生み育ててきた。それが人々が大きく和する大和の心であり、奉仕や利他の心となり、私たちの道徳となった。「古事記」の上巻、神代編には、民族が求める道徳的姿が天皇の事跡として書かれている。中巻、下巻は修身の教科書のような内容が書かれている。これは我々が調べた。これであると、幾らかはそのころの人の物の見方がわかる。そういうことで、何回も申し上げますが、短期間のうちにすべてを尽くすということは不可能に近いということも理解できますが、教科書採択の話の進め方の中では、神話についてはほとんど触れるところがなかったように思いますが、いかがですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 採択協議の中ではそのようなお話は出てまいりませんでしたが、臨時会、3回持ちました。ここで採択協議、合計7時間20分にわたって御協議をいただいております。ただ、教育委員さん方はその何倍かの時間をかけて、それぞれ個人で実際の研究をしていただいているところです。採択協議も教科ごとにやってまいりますので、なかなか十分に時間をとれないところではございますけれども、すべての教科書に目を通していただいておりますので、その神話の扱いについては皆さん御了解いただいているというふうに思っています。
○篠委員 歴史上の人物についても、教育委員さんたちが触れている部分があります。我が中野が決めた教出、「伊治砦麻呂(これはるのあざまろ)の乱と阿弖流為(あてるい)の戦い」というのがあるんだそうですね。2ページのコラムで詳細に取り上げられている。我々が中学のころ習ったのは、坂上田村麻呂が征夷大将軍となって蝦夷征伐に行ったぐらいの。違う、向こうの観点から2ページ紹介したんでしょうが、このアイヌや蝦夷に関する人物はかなり詳しく挙げられているわけですが、菅原道真とか二宮尊徳とか、小村寿太郎などが一切出てこないというのはバランスを欠くんじゃないかという議論はありましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特にその議論はございませんでした。人物につきましては、学習指導要領では、特にこの人物を扱わなければいけないという規定はございません。小学校は42人が例示されておりまして、人物を通して歴史を学ぶということになっておりますが、中学校は大きな流れを世界史と比べながら見ていくというのが歴史の教育の基本でございます。
○篠委員 私はそうは思わない。教育委員さんたちも、人物についての描写は東書が一番多いというような、触れている部分も読み取れます。東書の場合は、我が中野ではとっていませんが、やはり歴史の流れを理解していただくには大変いいことだという切り込みの中でやられたというのが推測できるわけです。
 それから、領土問題について触れたいと思っております。北方領土、竹島、尖閣の三つに触れている6社、これ全部――6社というと1社抜けるかな。北方領土と竹島は不法に占拠されていると明記しているのは、育鵬、自由、東書の3社だけだということですが、そうですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 どの教科書にも不法に占拠されているということは書かれています。その根拠となりますのは、学習指導要領の中で、「北方領土が我が国固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること」というのが北方領土に関すること、さらに解説の中で、「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れる」というような文言がございますので、何らかの形では触れているということがわかります。
○篠委員 私が申し上げたいのは、我が国固有の領土だというふうに初めて教わる方が、固有の領土ということを教えなさいといったときに、教出、教育出版、中野区ですね。竹島や尖閣諸島については、我が国固有の領土であるにもかかわらず、韓国や中国の主張にも正当性があるかのような記述になっている。子どもたちが我が国の領土に対して正確な認識を得られると考えるか。どういうことが書いてあるかというと、「日本海に位置する竹島(島根県)については、日本と韓国の間にその領有をめぐる主張に相違があり、未解決の問題になっています」。未解決というふうに。もう解決済みというのが日本国政府の見解なんです。であるから、文科省もそれにのっとって指令を出しているはずなんです。
 「また、東シナ海に位置する尖閣諸島(沖縄県)についても、中国もその領有を主張している」。このほかに前後があるんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今回採択をいたしました教科書の記述でございます。竹島に関する記述ですが、「日本と韓国との間にも島根県の竹島をめぐる領土問題があります。竹島は日本固有の領土であり、1905年から島根県の一部としてきた島ですが、1952年以降、韓国政府が不法な占拠を続けています」という表記がございます。
○篠委員 教出はそう言っているんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 そのとおりでございます。
○篠委員 もう一回言ってください。
○喜名教育委員会事務局指導室長 「日本と韓国の間にも島根県の竹島をめぐる領土問題があります。竹島は日本固有の領土であり、1905年から島根県の一部としてきた島ですが、1952年以降、韓国政府が不法な占拠を続けています」。地理の教科書に載っている言葉でございます。
○篠委員 いや、私が申し上げたのは、教出の歴史に載っかっているんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 歴史のほうに、それ、見当たりませんでしたので、申しわけございません。
○篠委員 うそだ。僕が言っているのが、うそになっちゃうじゃない。(「地理です、地理」「育鵬社は歴史じゃないよ」と呼ぶ者あり)育鵬社の話はしていない。教出の話をしています。
 私たちが調べました日本海に位置する云々については、中国もその領有を主張していますという問題は一つもないということでいいですね。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今回採択した教科書にはそのような文言はございません。
○篠委員 後から出てきたらどうするの。
○喜名教育委員会事務局指導室長 申しわけありません、後からというのは。
○篠委員 我々の調査ではそういうふうに調べ上げたわけです。ですけど、室長はそういう文言は教科書のどこにも見当たらないと、こうおっしゃったけど、それでいいんですねと、再度。
○喜名教育委員会事務局指導室長 改めてもう一度確認をさせていただきますが、地理・歴史の領土問題についてはそのようなところは見当たりません。ただ、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
○篠委員 調査研究会の資料に戻りますが、調査研究会というのはどういう人たちが構成していますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 調査研究会は選定調査委員会の下部組織ということで、教科の専門的な事項を研究するというものでございます。委員長に校長、副委員長に副校長、その他、主幹教諭等の教員で構成しております。
○篠委員 学校から上がってくる資料とは別のものを上げてきますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学校はそれぞれの学校の校長の責任で出してくるわけですけれども、この調査委員会のものは委員長の責任で出してまいりますので、同じものということではございません。
○篠委員 かなり絞り込んでいるように私には思えるんですが、そういうことはないですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 絞り込みというか、具体的にどの教科書が、教科書を同じ観点で見たときに、比べて、どうかということでございますが、実際には比べるというよりも、その教科書がその調査項目についてどうだったかということでございます。
○篠委員 いや、私が申し上げたいのは、我が会派でも一番問題にしたいのは、要するに特記事項で、教育出版については、江戸時代の身分差別や、民衆についての記述やアイヌに関する記述も多く、人権教育の活用がしやすい。歴史のコメントを求めているんですよ、これ。
 それから清水に対しては、調査研究会は、江戸時代のえた、非人の記述や家制度、女性の状況に関する記述などが人権教育を進める上で、記述が教材として利用できる。
 日本文教出版の歴史については、「平等な社会を目指して」などの発展的教材を用意して、人権教育云々と。
 それから育鵬社、江戸時代の身分制度を肯定的に説明しており、許しがたい……(「何だ、それは」と呼ぶ者あり)とは書いていない。四民平等に関する記述が人権教育を進める上では、教材として不足する点がある。これはね、書いちゃいけないことを書いているんです。
 といいますのは、やはり歴史の最後の目標は、子どもたちに我が国に対する歴史の愛情を育てるとか、そういうところを一番の目標としなさいと書いてある。歴史の流れ。上からながめていく。下から見て、今の我々の価値観から見て許しがたいというのは、これは歴史じゃない。上から、下克上があって、これ、全員が武器を持たないと住んでいられないこの世の中を、我々の先祖たちがどうやって克服していったか、こういうことに切り込んで、ああ、こんなに努力したのかと。刀狩りをやったり、検地をやったり、それで、あの3人の英雄、すべてが天皇の権威をかりている。天皇を攻めに行こうと考えた英雄は1人もいない。こういう流れの中で、外国人に言わせると、世界一平和な江戸時代、世界有数の歴史に残る文化を築いた、これが外国人たちの長いコメントなんです。一揆は確かにある。我々の国から見たらうそみたいに少ないと。そういって上からみんながどうやって克服していった。
 例えば、この身分制度についてという取り上げた項目がある。身分制度についても士農工商どころの騒ぎじゃない。武士だって階級がある。お稲荷さんじゃないけど、正一位からあるわけです。そして、その中で頼朝の位より、秀吉の位より、信長公は右府様と言われて一つ上の位になっている。そういった流れの中で、あの神戸、あるいは東北大震災の中で、日本人のDNAは何なんだというものをつくり上げてきているわけです。それに対しての下から身分制度、これは歴史じゃない。いわゆる信条に関する部分というのは、違うことを言われると、脳天にくぎを打たれたみたいにショックをだれでも受けます。右も左も受ける。そういうことはよくわかっているけど、ただ教育委員が従うべきは、法律にのっとって粛々とやるということであって、この膨大な資料を見る限り、私にはそういった跡が見られない。これは残念な限りです。
 そして地域の歴史、例えば私が住んでいる鷺宮にしても、江戸時代はどうなっていたかと、あるいは、この地域はどうなっていた。こんなことでも、鷺宮の歴史なんていうのをやれば、小学生は大変興味深くついてくるかもしれない。あの妙正寺川の双鷺橋の南側が下鷺宮、北側が上鷺宮。下鷺宮は江戸の直轄領、双鷺橋の上、上鷺宮、中村、上井草、下井草は今川家の所領、これは高家といって高い家という。これ、吉良さんと今川家が換わりばんこに宮中のお使い、あるいは伊勢神宮のお使いをしていたと。鷺宮の歴史が言っているんですよ。
 それで、高家というのは10万石なんだけど、鷺宮のあの近辺に2,000石しかない。であるから、2,000石で10万石の虚勢を張るから、これは大変。武士がいないから農民に侍言葉を覚えさせるとか、そして気位が高いのは、宮中のお使いのときには加賀百万石といえども道をあけるとか、士農工商で片づけられないものがあるわけです。そして、1645年の今川の当主は、直房公というのは家光から、位を宮中からいただいてこい。秀吉の豊国大社より上の東照宮というのをいただいてきて、それ以降は家康公を神君という。家光は大変喜んで、もう馬で走れるだけの土地をあげると、こういう歴史が残っている。そういう歴史観もある一方、参勤交代については何でやったんだ、そういった歴史観のある上からの流れの中で、今の観念で、私としては人権問題としてとらえるというような至って短絡的なとらえ方は、我が自民党としては承服しかねる。これについては、何かコメントがあったら言って。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、江戸時代が安定した政権が長く続いたということ、そのことを先ほども学習指導要領の改訂のところでお話をいたしましたけども、江戸時代の教育や文化、特にその近現代史の重要性ということで、今回の歴史の教科書は、その部分のページ数も多くなっているところでございます。
 今のお話でございますけれども、一つには、我々というか、ある程度の年齢の人たちは四民平等ということで小学校、士農工商ということで学習してまいりましたが、委員からの御指摘のように、実はもう10数年前から、この士農工商という言葉は教科書から消えております。というのは、新たな研究が進んで、実際に江戸時代にそういうことはなかったということが今、学会の通説になっているということでございます。なので、今、小学校の教科書にも、いわゆる士農工商ではなく、身分制度はもちろんあったわけですけど、武士と、それ以外ということでございましたが、士・農・工・商の順番ではないということは、もう研究がされているところであります。
 基本的には武士、それから百姓、町人等と、えた、非人がいて、さらに天皇、公家、神主、僧侶などがいるということで、士農工商だけで分類できるものではないということと、さらにその中に支配階級があったわけではない。武士は別としても、支配階級の差があったわけではないということがもう定説になっています。
 ただ、もう一つ、明治政府が行いました四民平等施策がございます。この場合の四民平等は、いわゆる士農工商ではあるんですが、今まで日本人が考えている、日本の小学校の歴史で習った士農工商ではなくて、職業すべてということの四民平等ということは、中国の古典の中から引かれて四民平等ということで言っているということであります。したがいまして、歴史の学習自体、認識自体が少しずつ変わってきておりますので、今、新しい教科書を見てくると、その部分に違和感を覚えるということがあるのかもしれません。
 1点、先ほど竹島のことで改めてということをお伝えいたしました。先ほど御紹介した言葉は地理の教科書でございます。公民の中ではこのように書かれています。「日本海に位置する竹島(島根県)については、日本と韓国の間にその領有をめぐって主張に相違があり、未解決の問題となっています」というのが文言でございます。
○篠委員 我々、半年も研究して間違っているよと言われるのは不本意でございますので、ありがたいと思います。ただ、やはり今どうしてもこうやらないと、通信簿、5をあげないよという中で、新しい説を今、室長は一部触れましたが、先生に教わったとおりやらないと、なかなかいい成績がとれない。私はこう思うというのは、学校生活の中ではなかなか認めてもらえない。どこの学校もそうとは言いませんが、いわゆる階級闘争史観という切り捨て方が正しいとも思えませんが、そういった大きな流れの中で、やはりもう自分はそうだと9割9分思い込んでいる人に、考えを変えなさいと言うことも大変難しいことで、例えば今回私が教育長と、教育長の一々の発言を、何を考えているなんてやったら、この仲のいい関係が崩れちゃうわけです。
 こういうことで、ですから、そういうことじゃない。もっとシステム的な問題でございますから、どうしても区長は、教育委員というのは、区長は選挙で選ばれますからね。その方が、これが中野区で一般的な常識であると。常識を体現できる方だから理解、ぜひ承認していただきたいと提案されて教育委員は出てくるわけですね。反対される会派もいるんですが、そういった、その考えが教科書に反映するということが教科書問題の原点でございますので、きょうは区長にも聞こうと思ったんですけど、区長に聞くと、大分質問が嫌みになりますので、それは今回避けて、あと気づいた点だけは申し上げておきたいと思いますが、教育出版、我々は教育出版で子どもたちは勉強するんですが、この国の成り立ちで階級国家論、私的利益から国家の形成を説いているとしか思えない部分があるのは残念です。やがて、その中には財産を自分のものとし、戦いで周りの村を従えて各地に小さい国をつくる者もあらわれたと。この教え方で、私もそうやって教わったんですが、この教え方ですと、「古事記」に出てくるような日本人の心の原点にたどり着けない。公共性ということとの連動がない。
 それで相変わらず、教科書を調べますと、あの食事の点がかなりの教科書、我々が言う自虐5社の中にほとんど出ている。朝廷や貴族の饗宴の食事と庶民の食事をカラーで載せていると。カラーじゃなかったかもしれない。いずれにしろ、それが何なんだということしか私どもには覚えない。
 くどく、申し上げますが、世界の方々から見れば、天皇というそんな立派な位をなぜ攻め取らないのかということが、日本以外では不思議なんだそうです。ですけど、日本人は決して民主主義からはたどり着けないそれを文化としている。祈る存在として位置付けているわけです。要するに、軍隊を置く必要も何もなくても、だれからも侵されない場所として、そういったところの切り込みが、日本というこの難しい国家の流れを乗り越える原動力になっているということも、今回の大震災を待つまでもなく、日本人は体の一部として、民主主義をどこまで追っかけても天皇には追いつけないと。職業選択の自由、住居移転の自由、何々の自由、権利としての自由を幾ら当てはめてもそこにはたどり着けないものを、外国人から見ると、不思議な日本の文化の原点というとらえ方を、阪神・淡路のときにもそうでしたが、今回もされているようです。それは大変ありがたい。
 あと、私もそうでしたが、スペインとポルトガルによる南アメリカ争奪戦、この時代が秀吉の時代であったか、その近辺だったと思うんですが、フィリピンを拠点とした宣教師たちが、それの計画を見抜かれてしまったという文書を送っているそうです。見抜かれたか見抜かれないかは別として、秀吉が朝鮮に出兵すると、いよいよ権力欲、そしてぼけが始まって、わけのわからないことをしたという記述しか私も見たことはない。しかしながら、ひょっとすると、この日本を失うわけにはいかないという流れの中から出てきたのかもしれないというような教科書があらわれても私はいいような気がしています。これは我が会派の私見でございます。
 いずれにいたしましても、もう決まっちゃったものはしようがないわけでございまして、教育委員の方々、だれとは申しませんが、やはり一番穏やかで、穏健でというのが結論の中に何回も繰り返されますが、我々がどうしても譲れない一線というのは、法律にのっとった行動をしてくれと。60年も、何で言い続けても変えられなかったというところに迫るような教科書採択が行われたとは我々は思っておりません。しかし、今回この問題については、以上でお引き取りいただいて結構であります。
 室長、ありがとうございました。
 扶助費の一般会計への圧力を極力抑制する努力について、時間も押していますが、二、三聞きたいと思います。その中の生活保護の扶助について幾つか聞きたいと思いますが、平成22年度主要施策の成果、34ページ、生活保護世帯等への支援が載っております。支出済額は136億円余り。ほとんど扶助費となっており、この4分の1だけが区の一般財源としますと、34億円余り。区の財源が逼迫する中で、この扶助費の影響は大変大きいと思います。この扶助費を執行している体制について、幾つかお聞きいたします。
 被保護世帯数が平成22年度、何世帯でございましたか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 22年度は5,429世帯となっております。
○篠委員 この世帯を何人のケースワーカーが担当していらっしゃるんでしょうか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 5,429世帯のうち、職員数47人で4,867世帯、また、平成22年度より委託の事業を開始しました結果がございまして、このほかに562世帯は委託事業者により訪問活動などを行っております。
○篠委員 委託は何人の方が担当しているというのはわからないですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 昨年度、委託事業者につきましては、支援員というふうに呼んでおりますけれども、そちらが4名と、あと、その支援をまとめるリーダーが1名、計5名で委託事業は行っております。
○篠委員 23年度の世帯数は直近で何世帯で、何人のケースワーカーで担当していらっしゃいますか。今のようなお答えでやっていただければと思います。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 職員のほうは48人のケースワーカーがおりますけれども、そちらで4,508世帯を持っております。また、このほかに委託事業者は1,166世帯を担当しております。委託事業者につきましては、やはりリーダーが1人、あと支援員というものは8名、以上9名で担当しております。
○篠委員 今、生活保護業務を委託という御説明がございましたが、そもそも国は委託事業を認めているのですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護法の中では、27条の2項というのがございます。こちらの2項には、相談及び助言の項目というふうになっておりまして、これ自体が生活保護法の中で自治事務ということになっております。この自治事務につきましては、各自治体で創意工夫をして行っていいということになっておりまして、この解釈を使いまして、主に高齢者の訪問や相談について委託事業者が中心となって行い、行政処分が必要な保護費の基準や廃止等の処理につきましては職員が行うというような仕組みをつくりまして、委託事業を行いました。これについては、国のほうも、このやり方について認めておりまして、国からの補助金も出ているところでございます。
○篠委員 今ちょっと聞き漏らした。自治事務の内容をもう一回。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護法の27条の2項に、相談及び助言の項目がございます。この相談及び助言については、各自治体の援助をする方針というふうになりますので、それを各自治体で行っていいというようなことになっております。
○篠委員 やっていること、同じじゃないですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 相談や訪問業務について同じことになるところはございますが、それは区が責任を持って区の仕事を委託するというような意味で行えるものでございます。
 民間の事業者が――民営化をするということではなく、区の業務として、それを区が責任を持って委託するというようなことでございますので、本来、区がやっているものについて、同様のものを一部実施していただくというようなことでございます。
○篠委員 この委託事業というのは、主要施策の事業内容のどれに当たるのかというのが、今のことでよろしいですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 主要施策の事業の中身につきましては、高齢者の居宅介護支援事業というふうに記載してありますものはこの内容でございます。
○篠委員 費用はどれくらいかかっているんでしょうか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 委託料につきましては、平成22年度は3,200万円余りとなっております。
○篠委員 効果は上がっていますか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 実際、委託しておりました22年度は562世帯、委託をしておりますが、訪問活動は1,398件を実施しております。各受給者の世帯としましては、2.5回訪問はできているわけですが、この委託につきましては、当初、2回の訪問について目標を立てておりましたので、訪問計画についてもクリアしておりますし、そのほか委託事業者が行うことのできる事務処理の準備等につきましても、2,000件余り実施しておりますので、高齢者の生活保護の支援については、従前に比べ適正な保護となっているというふうに考えております。
○篠委員 扶助費を減らす工夫というのは、例えば生活保護費の中で区の持ち出しだけで、一般財源だけで実施している事業はないんでしょうか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 一般財源で実施している事業につきましては、生活保護受給者に生活保護法以外のところで各世帯の状況に合わせて給付している入浴券や、小・中学生の衣類の購入費等がございます。
○篠委員 単独で給付しているということの目的といいましょうか、具体的な、どのような費目で、金額、決算規模はどのようになっていますか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護法以外で出しております単独事業につきましては、1960年代、生活保護の基準が一般世帯の4割の水準にも達していない状況というのがございました。この当時は東京都が福祉事務所を持っていた状況ですけれども、そのころから生活保護の基準が一般世帯に満たないということで、さまざまな法外援助が行われているということに、そのほかの援助が行われております。
 法外の費目ですが、入浴券や学童衣、運動衣、修学旅行の支度金等ございます。入浴券につきましては、およそ1,500人程度の方に年間60枚の入浴券を配布しておりまして、学童衣、運動衣、修学旅行の支度金につきましては、小学生や中学生に年間およそ2万円から3万円ぐらいの間につきまして、小学校の2年生から6年生、また中学の2年生、3年生等や、修学旅行につきましては、その修学旅行に行く年次につきまして支給しているところでございます。
○篠委員 法外援助で出しているこの費目は、生活保護法の中では受給者には給付されていないと考えていいわけですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 先ほどの費目の中で、学童衣といいまして、一般的に衣類を買うわけですが、これにつきましては、小学校4年生の進級時に生活保護法の中でも1万2,700円支給してございます。また、生活保護法の教育扶助は21年7月より改正されまして、これまで出していました教材費等、既に支給されていたものに加え、学習支援費として毎月、小学生2,560円、中学生4,330円支給しておりまして、学校生活に必要な費用は計上されております。ということで、一部重なって支給をしているところもございます。
○篠委員 教育扶助は改正されているわけですが、子どもを持つ世帯の基準が上がったということでよろしいですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) そのように考えていただいて結構です。
○佐野委員長 質疑の途中でございますけれども、ここで昼食の休憩に入りたいと思います。
 その前に1点、先ほど指導室長のほうから答弁がございましたけど、その中で答弁訂正がありますので、指導室長。
○喜名教育委員会事務局指導室長 失礼いたしました。先ほど私の答弁の中で、歴史教科書に北方領土の記述がないということをお伝えいたしました。本論にはございませんでしたが、コラム欄に記述がございます。訂正させていただきます。失礼いたしました。
○佐野委員長 篠委員、よろしいですか。
○篠委員 はい。
○佐野委員長 それでは、ここで休憩にしたいと思います。
      午後0時00分休憩

      午後1時00分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 午前中に要求した資料2件について、お手元に配付してありますので、まず御確認をお願いしたいと思います。
 休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。
○篠委員 子どもさんを持つ世帯の生活保護の基準が全体として増加したということでございますが、生活保護を受給している世帯のお子さんにも子ども手当が支給されているわけです。子ども手当分について、生活費が増加したと考えてよろしゅうございますか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 子ども手当の受給分につきましては、生活保護の基準を増額しておりますので、全体として生活費は増加したということになっております。
○篠委員 生活保護の法外援助というのは、他の区でもやっているんでしょうか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) はい、やっている区もございますし、やっていない区もございます。
○篠委員 教育扶助の改正や子ども手当の導入により、廃止や検討を実施した区はございますか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護にかかわります法外の子どもに係る支援につきましては、23区のうち9区が現在廃止をしております。
○篠委員 近々に行われたんですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 一番近いところでは、21年の7月にこの教育扶助が改正されておりますので、その後で廃止をした区がございます。
○篠委員 今おっしゃられた区は21年度以降ですね、全部。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 9区につきまして、21年度以降に廃止をしましたのは2区ございまして、それ以前から7区が廃止をしてございます。
○篠委員 扶助費の増加は区にとって大変大きな課題であるわけですが、生活保護の制度についても、できるところからさまざま検討が必要だと思いますが、いかがですか。
○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護や、それにかかわる業務につきましては、現在、全事業を見直しております。今後、検討していきたいというふうに考えております。
○篠委員 特別会計に対する繰出金について、幾つかお伺いします。
 中野区各会計歳入歳出決算審査意見書、5ページから、法定外繰出が一般会計の運営に影響を及ぼしていることは現実であるわけで、特別会計の設けている事業に要する経費を一般会計から独立させて経理する趣旨に立ち返るならば、その影響は可能な限り避けることが望ましいわけでございますが、この法定外繰出は平成22年度決算で幾らになっておられますか。また、全体の繰出金のどれぐらいに当たりますか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険の特別会計におきまして、平成22年度の法定外繰出金は38億円というふうになってございます。国民健康保険の繰出金全体に占める割合は、約70%というところでございます。
○篠委員 この法定外繰出が生じる原因は何だと思いますか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 法定外繰出の理由といたしましては、特別区の政策的な配慮から、保険料の賦課の対象となっていない区事業の負担分ですとか、あとは保険料の収入不足分、それから調整交付金の未交付分というところで繰り出しが生じております。それに加えまして、平成22年度に関しましては、特殊的な要因といたしまして、前期高齢者交付金の返還分の補てんも生じているといったところが理由かと考えております。
○篠委員 主要施策の成果(別冊)の208ページの外部評価の指摘に、国民健康保険加入者の約3割が滞納している現実は、区だけの取り組みで解決できる問題ではなく、国民皆保険制度の根幹を揺るがす問題と感じる。支え合うという考えを小さいころから啓蒙するとともに、払わなくても済むということが若者の常識にならないように、何らかの厳しい対応も必要ではないかというコメントが、指摘がなされています。この指摘に対して意見をお伺いしたいと思います。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険制度の維持といったことを考えた際に、滞納を減らしていくということは不可欠なことだと考えております。国民健康保険制度の趣旨を理解していただくとともに、滞納した場合には滞納処分もあり得るといったことを、今後、周知のほうを今よりも図っていきたいというふうに思っております。
○篠委員 外部評価の指摘はそういうことじゃないんじゃないですか。払わなくても済むということが若者の常識にならないように、何らかの厳しい対応が必要ではないか。それの答えは、それですべてですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険制度そのもののまず周知を図らせていただきたいということと、あと、そういった払わないことが若者の常識にならないようにといったようなところで、滞納した場合には滞納処分という厳しい処分があるといったようなところを、その周知に加えて行っていきたいというふうに考えております。それに加えまして、厳しい対応といったところでは、若い方に限らず、滞納した方に関しましては、厳しい処分を行っていく必要性もあるというふうに考えております。
○篠委員 もう少し総合的な対応を要求されているように私には読めるんですが、対症療法としてはまさにそのとおりなんですが、もう困って倒れる、目の前で倒れている、倒れていく人がいるようなときに、そこだけに目がいっているんでは、本当の改革というのはできませんよというようなところまで私には読めるんですが。もう学校教育を通してでも、要するに根本的なところからを含めた対応を求めている厳しい文言だというふうに私には思えるんですが、そうは思いませんか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 滞納を含めまして、この国民健康保険制度といったようなところをどのような形で周知徹底を図っていくかといったところは、今後、課題として認識のほうをさせていただきたいというふうに考えております。
○篠委員 責任は、それ以上は及ばないのもわかるんですけどね。やはり国民健康保険だけじゃなくてね、お金があっても払わなく、静かに2年間していれば通り過ぎるというような、要するにもう道徳の根本というようなね。全体的には微動だにしないものを持っているんですが、そういったところまで目を行き届かせたような取り組みを、ぜひしていただきたいということを一応要望して、前に進みましょう。
 今おっしゃられた、周知を図っていくということに触れますと、どのような具体策がございますか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 現在、国民健康保険制度の趣旨ですとか、あと、お支払いに関する納付の相談に関しましては、区報やホームページなどで周知をさせていただいているところでございます。また、6月の当初賦課の通知の際には、国保だよりですとか、あと、国保ガイドといったものを通じて周知のほうをさせていただいております。
○篠委員 滞納を抑制するためにも、保険料の滞納者に対して短期証、資格証を活用すべきだということについては、長沢委員からも質問がございましたが、もう一回――なかったか。もう一回確認しますが、この短期証というのは具体的にどういうときに出されるんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 短期証に関しましては、特別の理由もなく保険料を滞納している世帯に関しまして、発行のほうをさせていただいているところです。
○篠委員 特別な理由がなくという言い方で間違いないんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 短期証に関しまして、特別な理由もなく滞納している方というところで間違いございません。
○篠委員 中野区には滞納者は何人いらっしゃるんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成22年度で約3万人おります。
○篠委員 3万人もの人が滞納している。そのうち、理由がないじゃないかという人が何人いるんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 今回9月で保険証一斉更新させていただいている際に、短期証のほうを発行いたしました件数といたしましては、1万384件というふうになっております。
○篠委員 これじゃ、どんな改革をやっても追いつかない感じを受けますよね、数字だけ見た場合。さらに、こういう難しい時代ですから、余計大変だとは思うんですが、それが資格証というところに行くにはどういうプロセスで行くんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 資格証に関しましては、短期証交付世帯の中で、さらに特別な理由もなく滞納が続いている場合ですね、そういった場合には、弁明の機会を設けさせていただいた上で、資格証を交付させていただいております。
○篠委員 短期証というのは短期の証明書なんだろうけど、どれだけの期間、有効なんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 短期証に関しましては、6カ月有効期間というふうになってございます。
○篠委員 6カ月間は普通の健康保険と同じような効力を発生するということでよろしいですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 委員のおっしゃるとおりでございます。
○篠委員 今度は払ったり、またギブアップしたりというのを繰り返されるという例はないんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 未納分を基本的には納めていただかないと、再度、短期証ということにはなっております。
○篠委員 半年たったら、申しわけないということで払う。幾ら払えば、今までの分、全部払わなきゃいけないのか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 基本的には滞納がないということを目指しておりますので、全額の支払いを求めております。
○篠委員 実際はそうなっているんですか。それとも、これ以上はさかのぼらないとなっているんじゃないんですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 一斉更新の際には、一定程度のお支払いをいただいた方に関しては、短期証の発行のほうは猶予というような形をとらせていただいております。
○篠委員 この上手な使い方みたいなことをされるところは――悪い意味でですよ、一切ないのか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 委員おっしゃる、その上手な使い方がないように、相談の際には滞納者の方と交渉をさせていただいているというふうに考えております。
○篠委員 資格証の場合は、その窓口に行ったときには、健康保険証と同じ効力はないんでしょう。幾ら、3割払えばいいという代物じゃないわけですね。具体的にはどういうことですか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 資格証の場合は、医療機関の窓口では10割負担ということになっております。
○篠委員 持っていなくても10割負担でしょう。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 資格証をお持ちの場合は、後日、後刻でも保険医療担当のほうにおいでいただいて、7割に関してはお返しできるというような制度になっております。
○篠委員 実際そうやっていますか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 中には資格証で医療機関を受けたということで、こちらの窓口にお見えになる方もいらっしゃいますが、その際は必ず納付相談のほうにつなげております。
○篠委員 資格証の方は何人いましたか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 資格証に関しましては、先月発行したところで、今回793件発行させていただいております。
○篠委員 いずれにしろ、こういう議論の中で大変なお金が、もう本当に追い込まれてそうなっている場合も相当あるんだと思うんですが、やはり根幹を揺るがすような問題としてとらえなければいけないと。幾ら姿勢を正して改革しても、10億円つくるのはどれほど大変かという、区長部局と我々が頭を絞り合って、もうそんなことは絶対譲れないというようなことのやりとりをしている中で、やっぱり全体的には30億ぐらいのお金がこういう状況下の中に入っている、こういう考えでよろしゅうございますか。
○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 30億という委員がおっしゃったところの金額に、ちょっとわからない部分はありますが、一応、一般会計からの法定外の繰出金といたしましては、22年度に関しては38億円ほど繰り出しをいただいて、国保会計のほうに繰り入れをさせていただいているところです。
○篠委員 やはり、腰を据えて取り組まなきゃいけない問題であるということを再度確認させていただきましたが、これは今後も議論として続けられなければいけない、このようにも思っております。ありがとう。
 次に、区有地の売却についてでございますが、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)、平成22年から平成31年度まででございますね。用途廃止等をした施設や土地の売却が記載されているものが載っているわけです。その中から全体ではございませんが、幾つかの施設について、売却予定などに関連して質問させていただきます。
 旧六中、旧第六中学については、先般、今回じゃないですが、大内議員の一般質問があったときから、進捗はしておりますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 旧第六中学校につきましては、売却に向けた東京都との協議を引き続き行っている状況でございます。また、これに伴います周辺整備につきましても、関係部署と連携を図りながら進めているというところでございます。
○篠委員 その進捗状況は常に情報公開されておりますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 現在、東京都との協議中及び庁内での調整中ということもありますので、なかなか、進んでいる状況もあり、進んでいない状況もありますので、すべてを公開しているという状況にはなってございません。
○篠委員 じゃあ、一つひとつ進めますが、野方小学校の進捗状況はいかがでございましょうか。現時点で年度がはっきりしているものがあれば、そのことにも触れてお答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 旧野方小学校、現在、統合新校になりました平和の森小学校でございますけども、こちらにつきましては、矯正管区施設の移転につきまして、平成25年度を予定しているというふうに聞いてございまして、この学校の移転につきましては、現在のところ計画どおりということで、変更はないというふうに聞いてございます。
○篠委員 旧本郷保育園は既に廃止されていますが、売却の予定はどのようになっておりますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 旧本郷保育園につきましては、既に廃止されておりますけども、現在、早期に売却できるよう、その準備を進めているというところでございます。
○篠委員 一通り。旧西中野保育園は、いつ廃止されたのでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 旧西中野保育園につきましては、平成9年の4月1日に廃止をしてございます。
○篠委員 そうしますと、14年たっていますね。現状はどのようになっていますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 平成9年4月1日に廃止をしてございまして、平成10年度、たしか6月ごろから中野区医師会に、しらさぎ訪問看護ステーションということで貸し付けを現在行っているというところでございます。
○篠委員 何年、いつまで契約していますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 貸し付けということで御理解させていただきますけども、医師会には平成25年度末までの貸し付けということで、現在行っております。
○篠委員 25年度までは売らないということですか。それでいいですか。期限を切ってお貸ししているということは、その時点で売るということですか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 現在、25年度末まで貸し付けを行っておりますが、その後につきましては、まだ時期が来ておりませんので、この段階では申し上げることはできません。
○篠委員 平成9年に廃止して以降、一切手を入れていませんか。それとも、何らかの手を入れているんですか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 建物等の改修等については、現状というふうに認識をしているところでございます。
○篠委員 あれ、見ると本当に空き家じゃないかというような感じがしますけどね。もう周りが開けていますので、さほど気にならないですけど、本気で気にすると、これは何だろうというような感じを受けます。
 進めますが、中野区保健所と中部保健福祉センターは、あわせて売却予定していることだそうですが、売却の年次は決まっていますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 保健所と中部保健福祉センターにつきましては、保健所などの移転先がまだ具体的に決まっていない現段階では、売却の時期については示せる状況にはなってございません。
○篠委員 鷺宮保健福祉センターに関連しますと、鷺宮すこやか福祉センターは予定どおり10か年計画の期間中に、平成31年度までにでき上がるような進行状況ですか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 鷺宮すこやか福祉センターにつきましては、計画どおり実現できるよう所管のほうで検討しているというところでございます。
○篠委員 そうしますと、売却、鷺宮体育館の南側にできるんですよね。それで、現時点の鷺宮すこやか福祉センター、これは売却予定なんですが、10か年の売却予定、10か年施設配置という項目に、売却予定等にランクする必要はなかったんじゃないですか。例えば、九中に中野区体育館を持っていくなんていうのは、10か年から、範疇から外れますでしょう。ぎりぎり外れますよね。そういうときには、10か年計画の中にはのせない。鷺宮保健福祉センターはなぜここに載せたんですか。――じゃあ、それはいいです。じゃあ、進みます。
 鷺宮詰所の売却予定はいつですか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 鷺宮詰所につきましては、土地の一部につきましては隣接する若葉公園、これの拡張用地として活用しますが、残りの部分につきましては、今年度内に売却を予定してございます。
○篠委員 平成22年度中に行動を起こしたのは、結局どことどこでしょう。
○伊東経営室副参事(経理担当) 平成22年度中に売却に向けて行動を起こしましたのは、旧館山健康学園及び旧仙石原中野荘の二つの施設について、でございます。売却に向けまして、一般競争入札を実施し、旧仙石原中野荘につきましては、インターネット購買を実施したというところでございます。
○篠委員 努力の跡も、朝日新聞に出たりいろいろしておりますので、我々も知るところでございますが、1物件処理するのも大変な状況ですので、やはり売却予定をして、その金額を充てるというような言葉は、議会でもしっかり問うてございますが、引き続きしっかりとした対応をお願いして、この項の質問を終わります。
 地域防災計画というのがありますが、これは何と連動しているんですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野区の地域防災計画は、東京都における地域防災計画、それから国の防災基本計画に整合性をとって定めております。
○篠委員 ということは、それとの整合性をとって進めなきゃいけないという理解でよろしゅうございますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 国の防災基本指針において大きな方針が示されており、それに基づく都道府県レベルの計画、それに基づく各地方公共団体の計画というものが定められて、そこにそごがないように、広域的なそごがないように計画を立てるという意味で、中野区の地域防災計画を策定する上でも東京都との協議が必要になっております。そういった中で整合性を図っていくということになっております。
○篠委員 東京都のほう、もうでき上がっているんですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) でき上がっているというのは、3・11の東日本大震災を踏まえた地域防災計画ができているかという御質問でよろしいでしょうか。
○篠委員 はい。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) それはまだできておりません。
○篠委員 そういう意味では、連動した中野区の地域防災計画は東京都との協議のもとで進めていくという進行方向でよろしゅうございますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 委員のおっしゃるとおりでございます。
○篠委員 ここへ来まして、東京都の石原慎太郎知事が9月22日の定例会で、民間企業に食料や水の備蓄を促す条例を制定する考えを表明したそうでございますが、これは聞いておりますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 報道等で把握しております。
○篠委員 内容についても承知していらっしゃいましょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 概要というレベルですけれども、民間企業に、その企業の従業員等、食料や水の備蓄を促すと。帰宅困難者として、まずは帰るということでなくて、とどまるというための備蓄を進めるという内容だと、概要としては把握しております。
○篠委員 港区の武井雅昭区長は9月6日に、東日本大震災を教訓にまとめた区防災対策基本条例(案)を9月議会に提案することを発表したそうですが、条例(案)は御存じでございますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) ホームページ等で素案を入手いたしまして、概要については把握しております。
○篠委員 概要は、幾つかおっしゃることはできましょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 防災基本条例の素案という形での資料なんですけれども、まず、目的と基本理念ということで、区、区民、事業者の基本的にどのような役割と責務を担うかというような部分、それから、実際に区の責務、区民の責務、事業所の責務等が記載されております。また、震災時における予防対策、応急対策、先ほど申し上げた帰宅困難者等、具体的な対策について、内容として盛り込むというような概要になっております。
○篠委員 そういう形で、私なりにも幾つか見てみたんですが、普通考えますと、地域防災計画は中野区もしっかりとつくって、もちろん改定するつもりでいらっしゃるわけですけど、議会の発言等も受けて対応されると思うんですが、その計画ももちろん大切なんですが、中野区が今やっていること自体が、相当一生懸命なことをやっていますよね。ですけど、区民の責務とかいうようなところまでは踏み込んでいない。これをまだ議会の動きを、港区だけですし、あるいは東京都だけですので、どういう流れになっているかは研究しないといけないわけですが、中野区においても、今しいているシフトより一歩を踏み込めるこの条例を議会で可決することによって、こういった防災、今一番皆さんの目がいっているところでございますので、さらに中野区のために大変よろしいということであれば、ぜひ議会とも相談して進めていただきたいと、このようなことを要望いたしまして、私のすべての質問は終わります。ありがとう。
○佐野委員長 以上で篠委員の質疑を終了いたします。
 次に、平山委員、質疑をお願いいたします。
平山委員 公明党の2番手で、平成23年度決算特別委員会において、公明党議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。
 質問は通告のとおりですが、3の第5期中野区介護保険事業計画の策定については、ちょっと時間の都合上、私、当該分科会ですので、分科会のほうで詳しく伺いたいと思っております。あと、幾つか順番を入れかえさせていただきたいと思っております。1番はそのまま、2番の新型インフルエンザ対策についてを後ろに持ってきて、2番目に消費電力削減のための区の取り組みについて、3番目に区立小・中学校での体験学習について、それで、最後に新型インフルエンザ対策についてという順番で伺わせていただきたいと思っております。
 昨日、やながわ幹事長のほうからいただいた宿題もございますし、しっかり臨ませていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、初めに、平成22年度の歳入歳出決算について伺ってまいりたいと思います。
 歳入歳出決算については、財政運営上の課題と財務規律の観点から幾つか御質問をさせていただきます。本年5月23日に、平成21年度決算版の荒川区包括年次財政報告書が、早稲田大学パブリックサービス研究所が主催するパブリック・ディスクロージャー表彰制度において、グッド・パブリック・ディスクロージャー賞を受賞したとのことでございます。中野区であればよかったのになというふうに、非常に残念に思いますが、そういえば、中野区のこの公会計改革の基本指針に示されている年次会計報告書はもう完成されたのでしょうか、伺います。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 公会計改革の基本方針で示されております年次会計報告書については、まだ完成してございません。平成23年度中には公表できるような形にしたいということで、現在作業を進めているところでございます。
○平山委員 ちょっと年度が聞き取りづらかったんですが、平成22年度中にはこの公開をしたいというお答えでよろしかったですか。22年度じゃないですよね。23年度ですか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 今年度中にはということでお答え申し上げました。
○平山委員 確認をいたしますが、中野区の公会計の基本指針に示されている年次会計報告書というふうに理解してよろしいですよね。ここに示されているようなものが、今年度中に公表したいというふうに考えていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) はい、それを目指しております。
○平山委員 そうしますと、前提としてお伺いしますが、この中野区の公会計改革の基本指針についてというのが、これ、平成20年の6月1日の総務委員会で報告されておりますが、これはまだ生きているんですよね。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) その基本方針をもとに、現在、公会計改革を進めてございます。
○平山委員 そうすると、この年次会計報告書と関連してくるんですが、ここに書いてありますCAOはどなたになりますか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) CAO、管理会計責任者でございますが、経営室長が担任することを予定してございます。
○平山委員 こちらには副区長が担任すると書いてあるんですが。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 公会計改革の基本方針、そちらを策定した時点におきましては、経営本部3室体制ということで、経営室、政策室、管理会計室、それぞれが担任副区長として所掌してございましたので、その時点では、管理会計室を所掌する副区長が管理会計者になるということを想定していたものでございます。その後、組織改正等ございまして、今回の内部統制の基本的な考え方、そちらにおいて、この公会計改革の基本方針の考え方を入れて、現行の組織の中で経営室長が担任するという形で方針を定めたものでございます。
○平山委員 方針を定めた。その定められた方針は何かございますか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 内部統制に係る基本方針ということで、先般、総務委員会のほうで御報告した内部統制の仕組みの再構築にかかわる基本的な考え方、それを内部統制仕組み再構築に係る基本方針ということで決定いたしまして、そちらの中で再定義させていただいたものでございます。
○平山委員 そうしますと、でも、公会計改革の基本方針って生きているんですよね。単純な話で、これ、変えられちゃったほうがいいんじゃないですか、そういう当該の部分については。だって、副区長かどうかって、かなり重要なことだと思いますし、現在の組織編成に対応していないような、例えば管理会計室とかというような表記もございますよね。これに基づいてということであれば、このもと自体も整合性を持たせるためにきちんと変えられたほうがいいんじゃないのかなと思って伺っているんですが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 公会計改革の基本方針につきましては、現在もその理念、その方向性について継続して取り組みを進めているところでございます。私が申しましたのは、その実施の体制につきましては、組織体制等もございまして、それに合わせる形で内部統制の再構築にかかわる基本方針の中で明らかにしたというものでございまして、公会計改革の基本方針の中身が、理念が変わっているというものではございませんので、特段、改定については今のところ考えていないというものでございます。
○平山委員 そうですか。副区長かどうかということは非常に大事なことじゃないかなと思ったので、御指摘をさせていただいたんですが、改めて、変えられたほうがいいんじゃないかなと思っておりますが、次に入らせていただきます。
 平成22年度の一般会計決算額は、歳入が998億5,883万2,000円、前年度比、歳出981億4,667万7,000円で、翌年度へ繰り越すべき財源を引いた実質収支額は13億4,491万円余となりました。平成21年度と比べて、3億5,774万円余の増となりました。実質収支比率は1.8%と、前年度と比較し、0.5の増で好転をいたしましたが、経常収支比率は88.4%で、前年度より0.9%のちょっと悪化をしております。これは義務的経費がふえたことが原因と考えられますが、そこでお伺いをいたしますけども、経常収支比率について、まず伺います。
 総務70の資料を見て、非常に、ちょっとびっくりしたことがあるんですが、昨日来、この経常収支比率についていろんな委員からいろんなお問い合わせがございまして、確かに中野区は0.9%悪化しております。しかしながら、ほかの区々で90%を超えているところが4区も出てきております。そこで私、昨年度との対比というものを自分でつくってみました。21年度は中野区は87.5%で、経常収支比率ですね、下から3番目。ちなみに1位が目黒区、95.3%、2位が墨田区、90.2%。それで、平成22年度になりますと、先ほどの70の資料になりますが、中野区は大田区と同率、下から5位という形なんですが、全体的に非常に上がっておりまして、港区なんかは8.8%の増、渋谷区は10.2%の増ということで、1位、2位、下からの順番で申しわけありませんが、1位、2位の順番は変わりませんが、中野区の前に、3位に渋谷区が92.5%で上がってまいりまして、4位に板橋区が90.9%という形で上昇をしてきているところでございます。
 21年度比で見ますと、中野区を含む他区が軒並みに悪化している。逆にこの伸び率でいくと、中野区は23区の中で一番低いんですね。いろんな観点からの分析が考えられますけども、今回の結果をどのように受けとめていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 景気後退の影響によりまして、特別区23区、いずれも厳しい財政状況にあるというふうに認識してございます。委員の今、御質問にもありましたように、中野区のほうで前年度の上昇率が他区より低かったということでございますが、中野区の場合、人件費の抑制への取り組みを進めてきたということや、経常事業を一定精査してきているということから、経常収支比率の急激な伸び、そうしたものを抑えることができたのではないかと認識しているところでございます。24年度以降も同様に厳しい財政状況が予想されております。すべての事業について見直し・改善を徹底しながら、経常経費の上昇を抑える取り組みが今後とも必要であるというふうに認識しているところでございます。
○平山委員 そうですね。中野区は義務的経費の削減に早くから取り組んできていますので、そういう意味では今回は影響が、少なかったという言い方はおかしいんですが、そういうふうに見ることはできるかもしれませんけど、しかしながら、他区も含めて全体的にこれだけの数字になったということは、いよいよ、ちょっと厳しい時代になってきているなと、状況になってきているなということは踏まえていかなきゃいけないというふうに思っております。
 次に、実質収支額について、前年度より3億5,000万円余増加いたしましたが、これは歳入が見込みよりも多かったためでしょうか、それとも歳出が見積もりよりも少なかったのでしょうか。どのように分析されているのか、お伺いいたします。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) まず、歳出についてということで分析しますと、歳出の執行率につきましては、平成22年度が95.5%となってございまして、前年度比で0.3%の増加ということになってございます。一方、歳入に関しましては、歳入予算現額に対する収入率、こちらは22年度は97.2%で、前年度比0.5ポイントの増ということになってございます。ただ、執行率と収入率を単純比較して、どちらが多いからどうだということははなはだ乱暴な議論でございます。また、財調基金からの繰入金などの要素もございまして、どちらがどちらということは一概に比較することは大変難しいということでございます。
○平山委員 次に、特別区民税についてお伺いいたします。区民7の資料によりますと、平成22年度の決算における現年度分の特別区民税は、調定額281億4,000万円余に対し、収入済額は270億7,000万円余と、調定額は平成21年度から下落に転じたものが、22年度は一層の落ち込みとなっております。歳出削減には限界がありまして、大幅な区民サービスの低下を回避するためには、歳入確保に一段と力を入れていかなければなりません。景気の回復に頼ることなく、積極的な税収の確保を考えれば、徴収率の改善だけではなくて、いわゆる中野区特有の若年層が多いという人口構造を変化させるための、例えば住宅誘導施策等が必要ではないかと思っております。
 対調定率、調定額の徴収率は現年度分は96.1%と、この決算説明書に載っているんですが、もっと小さな単位で見ると微増している、この平成21年度と比べると。平成21年度も96.1%と載っていますが、若干微増しております。過年度分に関しましては73.3%で、これは前年度から大きく下がっております。
 そこで、徴収率の向上についてお伺いをしていきたいと思います。滞納整理支援システムは稼働を始めましたか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納整理支援システムにつきましては、昨年の12月から本格的な稼働を開始したものでございます。
○平山委員 滞納整理支援システムが稼働したことによって、これまでの業務と変化した点、改善された点などはどのようなことがございますか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納整理支援システムの稼働によりまして、従来、紙ベースで管理しておりました滞納整理の情報を電子的に管理できるようになっております。これによりまして、職員個々の担当案件の進捗管理、それから、私ども管理者による職員の進行管理が容易になっております。また、納税交渉や滞納処分などの情報につきまして、職員間での情報共有が容易になるとともに、財産調査や滞納処分などの書類の作成が効率化しております。
○平山委員 昨年の12月から稼働を始めたと。去年のこの場でもそんな話が出ていて、稼働しているのか、していないのかみたいな話が出た記憶があるんですが、ということは、本格的には年度で見れば、今年度の4月はこの滞納整理支援システムがずっと動いているということで考えると、これは徴収率の向上に寄与すると考えてよろしいですか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) このシステムの一つの大きな目的が、滞納整理業務の効率化ということでございますので、今まで以上に処理件数、処理金額をふやしまして、徴収率の向上に努めてまいりたいと考えております。
○平山委員 ぜひ、また来年度の決算報告の結果を期待したいと思っておりますが、こういう資料をつくっていただきました。区民の45、きょう、全体会で承認をいただいて、お昼にお配りをいただきましたが、「23区徴収職員数と職員1人あたりの収入額(前年度決算による)」ということで、22年度のものはまだ決算データがそろい切っていないということで、21年度のものをつくっていただきました。大変にありがとうございました、お忙しい中。これによると、中野区は現年度課税分収入額で、23区の中で11位、滞納繰越分収入額で9位、これを合算した特別区民税収入合計額では11位と、23区の中で中間ぐらいの位置にあります。しかしながら、この徴収職員1人当たりの金額で23区の平均と比較しますと、滞納繰越分調定額は平均を上回っているんですかね。しかしながら、この現年度課税分の収入額といわゆる合算した金額については、これは23区の平均を下回っているような形にあります。
 何でこのような資料をつくっていただいたかというと、徴収率とかいろんな観点で、この徴収にかかわる職員の方々の頑張りというか、そういったものを評価していくようなことができるんですが、あえて、こういう別な視点からもぜひこの徴収に関してどうなのかというのを見ていっていただければなと思って。要するに、この数字というのは、徴収職員1人がどれだけの金額的な成果を上げているのかというのをごらんいただける数字かなと思って、今回つくらせていただいたんですが、こういう数字も、ぜひこの評価の基準に、あるいは目標に加えていただければとも思っておりますし、目指すのであれば、まずはこの23区の平均を超えるような徴収額で、そういうところを目指して取り組まれてはと思いますが、いかがでしょうか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 先ほどもお話にありましたように、滞納繰越分につきましては、1人当たり徴収額というのは平均を上回っているわけでございますが、残念ながら、現年課税分につきましては、徴収率が多少下げどまったとはいえ、まだ低いレベルにございますので、ここをさらに努力しまして、合計の金額、1人当たりの金額も23区の平均を上回れるように、さらに努力してまいりたいと考えております。
○平山委員 時計が進むのが非常に速くて、思ったよりも時間がかかっておりますので、ぽんぽん行きたいと思います。
 昨年末よりコンビニ収納が始まりましたけども、成果はどうでしたでしょうか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 本年6月に、今年度課税対象者に対してコンビニ対応納付書を送付して以来、8月末までのコンビニでの納付割合は28.6%でございます。導入に当たりましては、利用割合を20%程度と見込んでおりましたが、予想以上に納税者の利便性が高まったと考えてございます。このことが、最終的に収入率の向上にもつながることを期待しているところでございます。
○平山委員 徴収職員の数は昨年度、今年度と変わっていませんか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 徴収にかかわる職員は昨年度と比較して2名減少してございます。
○平山委員 人が減った中で徴収率を向上させるためには、先ほど出しましたようなコンビニと人がかかわらない徴収の仕組みや、あるいは電話対応についてのみ外部委託するなど、職員が徴収に専念することが必要と考えますけども、いかがお考えでしょうか。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 今のお話のような形で、期限が経過しても納付のない方に対する電話連絡、あるいは納税者からの問い合わせ電話への対応などを外部委託しているというような区もございます。こうした他の自治体の取り組み事例を参考にしながら、中野区としてもさまざまな工夫を行ってまいりたいと考えております。
○平山委員 ありがとうございました。次の質問に移ります。
 財政白書の中の決算状況一覧表によると、平成22年度の基準財政需要額はおよそ601億400万円余で、昨年度より41億800万円ほどという形で大幅な減となっています。何が原因と考えられますか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 22年度につきましては、調整三税のうち、市町村民税法人分の大幅な減収が見込まれたということから、特別区交付金の総額を圧縮する必要がございました。このため、例年行っております個々の単位企業の改定ですとか、算定方法の見直し、このほか臨時的に公共施設改築工事や道路改良費におけます年度事業量の圧縮など、算定基準を変更したというものでございます。こうしたことから、基準財政需要額が大幅に減少したということでございます。
○平山委員 基準財政収入額、こちらのほうは299億9,000万円余と、昨年度比で36億7,000万円余、こちらも大幅な減となりました。現在の社会状況を見ても、どんどん縮小していっているようなこの財政規模を見ても、来年度以降、決して右肩上がりの財政状況は望めないと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○奈良政策室副参事(予算担当) 22年度は前年度と比べまして、特別区税をはじめといたしまして一般財源が大幅に減少してございます。今後ですけども、震災ですとか、急激な円高が及ぼす国内経済への影響、それから、海外での通貨不安に端を発します世界経済の変調、こういったことを考えますと、景気の先行きというのは不透明感がかなり増しているというふうに思ってございます。今後、一般財源が大きく伸びることはなかなか想定できないというふうに思ってございます。次年度以降も歳入の見通しは非常に厳しいというふうに見込まざるを得ないというふうに思ってございます。
○平山委員 ありがとうございました。この一層厳しい財政状況の中で長期的な財政見通しが非常に求められてくるからこそ、最初申し上げました、中野区のいわゆる年次会計報告書というものの早期の作成というのが必要だというふうに考えております。先ほど、今年度中にはこの公会計改革の方針にある、この財務会計報告書、年次会計報告書ですか、これが作成される予定であるというふうに伺いましたので、あとはでき上がったものを見ながら、またいろいろと伺わせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、財務規律の課題について伺います。
 第2回定例会中の総務委員会で、内部統制の仕組みの再構築についての考え方(案)についての報告がございました。また、本年1月に中野区監査委員より、平成22年度の定期財務監査結果報告書がありましたが、その際の指摘事項の一覧を、総務の100の資料として作成していただきました。ありがとうございました。この中身については、一つひとつ、ちょっと取り上げている時間がございませんので、こういったものがあるというものの上で幾つか伺います。すべて、ここにあるものは文書指摘事項ですけども、それを見ると、大きくは10、小さくは15との指摘に分けることができるのかなと思っておりますが、監査からは、さらにこのほかにも伝達注意事項というのがあるというふうに伺っております。
 そこで伺います。平成17年から平成22年度までの文書指摘事項と伝達注意事項合わせた監査からの指摘事項の集計はそれぞれ何件になるのか、件数だけお答えください。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 平成17年度は25件、平成18年度も25件、平成19年度も25件、平成20年度は46件、平成21年度は39件、平成22年度は57件でございました。
○平山委員 だんだんふえているんですけども、その前提として、平成22年度の定期監査結果報告を受けて、各部で指摘事項についての検証が行われたと思いますけども、各部からどのような検証結果が出されていますでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 指摘を受けまして、各部に対しまして全庁的に検証をしたところでございます。指摘事項についての検証の内容でございますが、一つには、それぞれ事務についてのマニュアル、そうしたものが不十分であったと。それから、スケジュール管理、それから、事務執行に伴うチェック体制が不十分であった。それから、職員の業務知識、それから、会計等の知識習得、そうした機会が不足していた、そんな原因が挙げられているところでございます。
○平山委員 職員の皆様の知識不足とか認識不足でこのようなことが、監査の指摘にあるようなことが起こっては、本来あってはならないんですが、これが現実であるとするならば、先ほども、この検証結果の中でも出ておりましたが、会計室等担当分野のサポートが必要かと考えております。各分野の行政評価結果の会計室の外部評価結果には、事務の効率的な執行に対する成果についての評価として、各部が適正な会計処理を行うことができるマニュアル作成や、システム開発を進める余地があるとあります。先ほどの検証結果をお聞きする限り、マニュアルを具体的に策定されてはいかがでしょうか、伺います。
○辻本会計室長 会計室におきましては、会計事務規則等の関係法令にのっとりまして適正な会計処理が行われますよう、会計事務の手引等のマニュアルを作成しているところでございます。職員による有効活用を促しているところでございまして、また、これまでも適宜必要な改定を行ってまいりました。今回の監査指摘等を踏まえまして、内容につきまして、また必要な見直し等を検討していきたいと考えているところでございます。
○平山委員 マニュアルは存在すると。だけど、先ほどの検証結果の中では、職員の方からもマニュアルの必要性のようなものを求められる声があって、それで、外部評価委員からもこういった指摘を受けている。その、あるものが有効活用されているのであれば指摘はないんですよね。ということは、つくって、すばらしいものができているんだけど、職員の皆様が全くそれを見ていない、使っていないか、もしくは内容的に、もう少し皆さんが使いやすいようなものにしたほうがよいのか、どちらかなと思ってはおりますので、これぜひ、今、改定をというお話をされましたけど、各部署の御意見をよく聞いていただいて、使いやすいマニュアルを作成していただきたいと思います。
 また、同じくこの行政評価結果の中で、会計室のですね、見直し・改善の方向性として、各所管、分野に対しても適時適切に支援を行っていくとありますが、どのような支援が必要と考えていらっしゃいますか。
○辻本会計室長 会計室におきましては、通常業務を通じまして、各所管、分野に対しまして、適時適切な助言指導に努めているところでございます。また研修などを通じまして、職員の事務処理能力の向上を促しているところでございます。今後につきましても、各分野に対します会計事務処理事業に関する助言など、支援に努めてまいりたいと考えてございます。
○平山委員 会計室のほうがこれを書いているもので、見直し・改善の方向性という中で書かれているんですよ。できているものは見直す必要はもうないんですよね。と思って伺ったところなんですが、より一層この支援に努めていただきたいと、これは要望にさせていただきます。
 次に、内部統制の仕組みの再構築に係る基本方針について伺います。
 先ほど少し話が出ておりましたが、内部統制の仕組みの再構築についての考え方(案)は、案が取れて、この内部統制の仕組み再構築に係る基本方針として定められたと聞いております。この基本方針が完成したのはいつですか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 内部統制の仕組み再構築に係る基本方針についてでございますが、9月15日付で決定をとってございます。
 なお、先ほど私の答弁で、マニュアルの整理が十分でないというものの中身は、それぞれの各分野で行う業務マニュアル、そうしたものも含めてということで御理解のほどよろしくお願いいたします。
○平山委員 ありがとうございます。じゃあ、マニュアルの件は、検証結果のほうは私がちょっと認識違いをしていましたけど、いずれにせよ、この行政評価の中でそういう指摘がされているということは、十分使われているというふうには考えておりませんので、先ほどのとおりよろしくお願いいたします。
 内部統制の仕組みの再構築についての考え方(案)、議会として今受け取っているものはこれだけでございますので、このスケジュールでは10月から実施となっておりますけども、もう実施をされていますか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 内部統制の仕組み再構築に係る取り組みでございますが、まだ実施まで至ってございませんで、現在、関係規程等の整備、そちらのほうを進めているところでございます。
○平山委員 関係規程の整備、この関連規程の見直し、改正というのは8月に実施されるスケジュールになっていますが、これがまだできていないということですか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 委員おっしゃるとおりで、関係規程、例えば事案決定規程、会計事務規則と関連の規程や、それから関連要綱、そうしたものを整備する必要がございまして、それが少しかかっているというところでございます。
○平山委員 現在上程中で、子ども文教委員会で審査保留となっている第38号議案の案件について、監査委員からの指摘があり、問題が発覚したのはいつですか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 9月1日(木曜日)、監査事務局から、小学校用指導書の購入に関して議会の議決の有無について学校教育分野に照会があり、その照会があったことから事実が判明したというものでございます。
○平山委員 9月1日に判明したと。その上で9月15日の日に、この内部統制の仕組み再構築に係る基本方針ができたと。こういったことが発覚したわけですから、当然、このもともと10月実施と予定していたこの内部統制の再構築については、早く取り組むべきじゃないかなというふうに思っております。あえてこれ以上申し上げませんが、いつから取り組まれますか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 年内には具体的な取り組みとして実施していきたいと考えてございます。
○平山委員 できるだけ速やかな実施をお願いいたします。
 次に、内部統制の仕組み再構築に係る基本方針にある、会計、予算等現行システムの見直しについて伺います。
 区は平成17年の財務会計システムの導入をはじめ、行政実務の電子化を進めてきました。先ほど、平成17年から平成22年度まで、文書指摘事項と伝達注意事項を合わせた監査からの指摘事項の集計について伺いましたが、実は、それ以前と比較すると、ちょうど平成17年を境に監査の指摘がふえているように私には見受けられます。システム導入以前と以後では、各部の契約や会計処理等について、どのような違いがあるのか伺います。
○辻本会計室長 会計室の立場からお答えをさせていただきます。財務会計システムの導入につきましては、事務処理の迅速化、さらには効率化、加えまして、伝票類の保管スペースの削減などの目的を持って導入したものでございます。これらの面につきまして、成果があったものと認識してございます。
○平山委員 そうですね。これがどう影響しているのかというのは、実際的に検証してみないと何ともわからないんですが、ただ、昔は手作業でやっていた分、その分、働いていたようなチェックがあったのかなというふうにも思っております。それを踏まえて、この契約分野への行政評価結果には、財務会計システムの一部である契約システムの改良を経ないと業務の効率化を図れないとのことであるが、この点について、分野を超えた全庁的な対応が望まれるとあります。現行のシステムには、入力後に必要な項目がチェックされるような機能がございませんし、内部統制の仕組みの再構築に係る基本方針には、会計、予算等現行システムの見直しとして、ITシステムの大幅な変更、改修が必要な場合は、平成24年度以降に必要な変更、改修を行うとありますが、契約や会計処理等で必要な確認が同時に行えるチェック機能と、不適正な会計処理や事務処理、ミス等を確認でき、防ぐことができるような機能の追加を含めて、早急にシステムの改善を図るべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 早急に現行の電子システムの改善についての検討については始めることとしてございます。ただ、電子システムにつきましては、どのような過程でミスが起きやすいか、そうしたことを詳細に分析した上で改修内容を十分に検討する。また、費用対効果の検証なども含めて、やはり一定の時間はかかるというふうに認識してございます。全体については早急に進めていく考えでございます。
○平山委員 予算が絡むことですので、いろいろありますし、当然、どういうシステムの改修が必要かという検証も必要ですのでというのもよくわかります。ただ、もうこういった、今さまざま申し上げたようなことを踏まえると、24年度には何とか予算化して実施できるような、それぐらいのスケジュールでお願いをしたいなというふうに思って伺っております。改めてお答えを伺って、この項の質問を終わりたいと思います。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 24年度の予算対応ということもございますが、早急に改善内容については検討を深め、早急に対応を図っていきたいと思ってございます。
○平山委員 よろしくお願いいたします。
 次に、2番目として、4番目にございました消費電力削減のための区の取り組みについて伺います。
 エコポイントについて、申込者数及び区民の取り組み結果はどうでしたでしょうか。我が家もエコポイント、申し込ませていただいて、きょう、妻に確認したら、8月は頑張ったんですけど、9月にちょっと油断をしてしまったような結果が出ておりましたが、区民の皆様の取り組みがどうだったかと。ちょうど読売新聞にも、東京全区が非常に区民の方も含めて積極的に取り組んだというような記事がございましたので、伺います。
○鈴木環境部副参事(地球温暖化対策担当) エコポイントの参加者につきましては、10月4日現在でございますが、なかのエコポイント専用ホームページからの登録と申込書による登録を合わせて891名でございました。
 取り組みの結果でございますが、結果がわかるなかのエコポイント専用ホームページからの参加登録をいただいた方の電気使用量の削減率は、全体で7月分は19.9%、8月分は24.6%でございました。9月分のデータにつきましては、現在集計中でございます。
○平山委員 7月は途中から、告知が遅かったので、ごらんになったという方も多かったのかなと思いますので、中途からの取り組みでこの数字が上がっていないのかもしれませんし、8月は非常に御健闘をいただいている結果だなというふうに思って、ぜひとも、これ引き続き今度、冬もピークを迎えるということですので、引き続きの取り組みをお願いしたいと思っております。
 経営費中、財産管理費の中の庁舎の光熱水費及び電話料金等を見ると、執行額1億1,300万円余に対して、不用額は1,700万円余となっています。前年度は、同じことを別な場でお伺いしたんですが、IP電話の導入による削減ということで、2,400万円余の不用額となりましたということでしたが、今回のこの1,700万円余の不用額、これは執行上の工夫による削減なのでしょうか、伺います。
○小山内経営室副参事(施設担当) 本庁舎の電気使用量が減った理由としては、CO2削減対策の一環としてこれまで進めてきた照明器具の改修や、空調設備の改善による効果があったものと考えており、また、通信費等につきましては、IP電話を402回線から412回線にふやし、そうしたことで、例えば外へかける事業所への電話が無料になるといったような効果もありますので、そういったことで削減されたものと思っております。
○平山委員 IP電話は、お聞きすると10台しかふえていないので、ほとんどが空調だとか、電気の取り組みというふうに理解をさせていただきます。
 電力使用量で見た場合、庁舎を含む区有施設や街路灯等の区が使用するすべての電気料金の予算現額と支払済額及び執行率をそれぞれ伺います。
○小山内経営室副参事(施設担当) 平成22年度電力使用量につきましては、予算額4億6,485万3,000円、執行額4億3,884万1,000円で、執行率94.4%となります。
○平山委員 夏の緊急対策として取り組んだこの電力使用量25%の節電について、結果はどうだったのか、お伺いいたします。
○小山内経営室副参事(施設担当) 区有施設全体での取り組み結果につきましては、今現在、集計中でございます。本庁舎だけで見ますと、暑かった8月の最大電力で30.41%、電力使用量で25.09%でありました。
○平山委員 東京都からの事務連絡で、いわゆる節電のピークを越えて、今後の対応についてということで、事務連絡で、義務を伴う使用制限措置は終了したけども、引き続き昨年度のピーク比の需要抑制を無理のない範囲で自主的に取り組みのお願いがあったと聞きます。私、手元にございますが、「自主的取り組みとして節電を行うように。その上で、無理のない範囲での節電への取り組みの継続を」というものでございました。これを受けての今後の区の取り組みはどのようになりますか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 夏季の電力危機は何とか乗り切りましたが、なお電力不足は引き続き続いており、習慣づけられた節電行動を生かすためにも、15%節電を継続する予定です。なお、冬の電力対策につきましては、電力の需給バランスを見きわめながら対応を検討していきたいと考えております。
○平山委員 都市整備費を見ると、公園・道路整備費中、道路補修整備費の中の街路灯維持管理は予算現額2億6,000万円余、支払済額2億4,900万円余となっております。当初予算では、街路灯の維持管理は2億6,164万5,000円。ですから、この予算現額との差がございますが、当初予算と予算現額の差は何でしょうか、伺います。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 街路灯維持管理費の当初予算2億6,164万5,000円、予算現額が2億6,278万7,000円、その差額が114万2,000円でございます。当初予算のうち街路灯のLED化工事につきましては、1億円を予定しておりましたんですけど、工事費の精査により、1億114万2,000円が必要となったものでございます。同じ目内の道路補修整備費から、この114万2,000円を充当したものでございます。
○平山委員 いや、流用しましたと一言言っていただければよかったんですが。区の街路灯について――すみません、この前でしたね。街路灯維持管理費の中で、街路灯電気料金代のみを見ると、執行額は8,318万円余ですか。10%程度でも削減できれば、厳しい区財政にとって大きく寄与するんだろうなというふうに思います。
 そこでお伺いいたします。区が取り組む電力使用量の削減は、福島第一原子力発電所での事故に起因する電力供給不足への対応でしょうか、それとも電気代削減のための取り組みなのか、確認のため伺います。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故を起因とした電力供給不足に対応するものでございます。
○平山委員 そうですよね。何でこういうことをお伺いしていっているかというと、今、区の街路灯があります。これが、いわゆる部分消灯されている。そのことによって、区民の皆様からさまざまな声を寄せていただいていました。当初、あの緊急対策の中に書かれた夏の電力不足対策として見たときには、当然、10月1日から電気はつくんだろうなというふうにしか読み取れないような中身だったにもかかわらず、10月1日になっても一向に電気がつかない。区のほうに確認したら、ホームページにもそういった記載はなかったんですが、突如、10月4日にホームページに街路灯という記載が出てまいりました。そういった経緯がありまして、区民の方のお声をいただいていますので、あえて伺っていきたいと思います。
 区の街路灯について、当初消灯したのは何基で、その後、安全性の確保等の理由により、再び点灯したのは何基ですか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 3月末時点で消灯した基数、これについては、区道を対象としまして、LED街路灯を除き、また主要交差点、病院、消防署前、ガード下等を除いたもので、水銀灯836基となっております。今、委員御指摘の再度点灯した基数ということでございますが、その後、区民等からも苦情や要望等を受けて、私ども現地調査をしてございます。その結果、道路の安全確保等のために再点灯した基数につきましては、9月末時点で38基でございます。
○平山委員 緊急対策でしたので、全部が全部、精査をした上でということは、当初、交差点の近くとか、危ないであろうというところは消さないという形でやられましたけど、すべて完璧ではなかったのかなというふうには思っています。それで、836基から38基、これ、区民の方の声をいただいてふえたと。これは区民の方の苦情みたいな意見もありましたが、要するに、お声を受けて区が必要だと思って点灯されたわけですよね。改めて伺います。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区民の皆様方、地域の皆様方から、さまざまな御意見をちょうだいし、区として御判断させていただいて、この38基については再点灯したものでございます。
○平山委員 区が当初考えていたよりも、ちょっと危険箇所が多かったのかなと、それは区民の皆様の声が寄せられてわかったと。ということは、まだ寄せられていない声もあって、十二分に検証しなきゃいけないなということは、後でまた伺わせていただきますが、街路灯の部分消灯によって得られた節電効果はどういった形でしたでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 836基の部分消灯による節電効果ということでございますが、1カ月当たりの消費電力量に換算しますと、5万904キロワットアワーに相当します。これを電力会社のホームページに出ておりますが、一般家庭の消費電力、おおむね300キロワットアワーだということでございますので、おおむね、一般家庭の170軒に相当するというふうに認識しております。
○平山委員 街路灯のLED化の工事は平成21年度に私道部分から重点的に開始をし、平成25年度末で私道、区道ともに完了する予定となっております。我が会派の要望を受けまして進めていただいていること。また、当初10年の予定だったものが、さまざまなこの経済不況の中にあって、区内の事業者の皆様にしっかり緊急対策としてお仕事を出していこうという、そういう意味合いも含めて5年に短縮して、25年の完成を目指して今進めていただいているところでございますが、私道から始められた経緯と、平成21年度、平成22年度の実績がどのようになっているのか、進捗についてお伺いいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区が管理しております街路灯、約1万6,000基ございますが、21年度から、委員、今御指摘のとおり5年間で進めているところでございます。当初、導入当初でございますが、照明器具メーカーにヒアリングしましたんですけど、ワット数の大きいLED街路灯の照明器具は、商品開発はまだ発展途上だということでございました。したがって、比較的ワット数の小さい私道の街路灯から着手し、順次大きいワット数に、ワット数のある街路灯のLED化を進めているところでございます。
 進捗状況はということでございますが、平成21年度につきましては、私道、区道合わせまして2,661基、進捗率17%でございました。22年度につきましては、私道、区道合わせまして1,331基、21年、22年の累計で申しますと、21年度末では進捗率25%となってございます。
○平山委員 ありがとうございます。ぜひ、この25年度までの100%完成を目指してこれからも頑張っていただきたいと思うんですが、何でこういうことをお聞きしたのかというと、要するに、今回、区のほうで部分消灯された中にはLEDの街路灯は含まれておりません。しかしながら、LEDの街路灯というのは必ずしも地域バランスというよりも、いろんな事情があって、まずワット数の小さいものから進めていったという経緯があります。要は、今、この中野区の街路灯の状態が本当に区内の安全性を確保ができるという上での部分消灯がされているのか。もう一歩踏み込んで、それを改めて考えなきゃいけないんじゃないかなという観点で質問をさせていただいております。
 そこでお伺いいたします。部分消灯後、事故や事件の増加などがあったか、調査は行われたでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 街路灯の部分消灯前と消灯後の事故や事件の発生状況について、区としては調査は行っておりません。それで、警察から、消灯に起因した交通事故の増加はないというふうに聞いておるところでございます。
○平山委員 そうですか。いろんな新聞を集めてみたんです。いろんなところで、都内もそうですよ。この街路灯が部分消灯を――これ、全国的にかなりの自治体がやられていますので、そうやったことによってひったくりが増加したりとか、いわゆる、何というんでしょうか、夜中に不届き者が出たりとか、そういう事件がいろんな自治体で急増しているようなデータがある。中野区はなかったということは安心だなと思いますが。
 それにあわせて、まちが暗くなる。だけど、こういうときなので、しっかり自分たちも協力をしなきゃいけないということで、地域の方とか、この防犯のパトロールとかを強化してくださったりなされているわけですよね。今、この10月1日を越えて、とりあえず夏に慌てて消した、その状況が継続されている。その際に、もう一回ちゃんと安全性の検証をやらないと、本当に区内の安全がちゃんと確保される状況にあるのかなというのが不安になるんですね。なのに、調査は区としては行っていらっしゃらないということで、非常に、何といいましょうか、どうなってるんだと思うんですが、地域の防犯強化のためには区民の協力も必要です。説明のないままの継続では区民の理解も得られません。一度、点灯を再開して、もう一度安全面の検証を行った上で、この冬のピークに向けてどうするかということを再検討されてはいかがでしょうか、伺います。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 先ほどの御答弁でもございましたですけど、施設制限令、これは9月9日をもって終了しておりますが、引き続き、昨年ピーク比の15%の需要抑制を自主的に取り組むという節電を行うことが求められているというふうに思っております。また、夏場の電力危機は乗り切ったと。ただ、冬場もやはり電力需給の見通しの不透明なところがまだあるというふうに認識しておりまして、街路灯の部分消灯につきましては、今後の電力需給の見通し等踏まえて判断していくこととしておりまして、当分の間、部分消灯を継続させていただきたいというふうに考えております。
○平山委員 だって、安全面の検証をしっかりなされているわけじゃないんでしょう。という前提で、だって、区が今までこれで大丈夫だと思って消したのに、38カ所、住民から声があってつけたわけでしょう。これから、夏と違って太陽が落ちる時間が早くなって、暗いときが長くなるわけじゃないですか。当然、冬は考えなきゃいけない。冬は冬で考えなきゃいけない。だけど、今は自主的な取り組みでやるわけですから、区民の生活とか安全とかに直接かかわることですから、改めてこの再検討をお願いしているんですけど、多分、伺っても答弁があまり変わらないのかもしれませんけど、一度伺ってみます。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 私どもとしましては、もちろん区民の皆様方からの御要望、御意見等もちょうだいしまして、夜間、どういうところが問題があるかという観点ですね、道路の安全対策という観点から現地を見ておるところでございます。そういう観点もありまして、今も申し上げたとおり、冬場の電力需給の見通し等を踏まえて判断させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○平山委員 私どもとしては、一度ちゃんとつけていただきたいと。その上で、つけたり消したりするとお幾らかかるのかというお話も伺いました。大変なことだというのは承知しています。だけども、だけども、区民の皆様に御協力を仰いでいることですから、ぜひ筋の通ったやり方を行っていただきたいと思っておりますので、こういう質問をさせていただきましたので、ぜひともその趣旨はお酌み取りいただければと思います。
 もう時間がなくなってまいりましたので、次に、5番目にしていました区立小・中学校での体験学習について、これを伺わせていただきたいと思います。
 先日たまたまテレビを見ていましたら、養老孟司氏が出演されていたそのテレビの中で、天才の育て方はとの問いに、外に出すこと、自然に触れさせることというふうに養老孟司氏はお答えになっていらっしゃいました。特に自然の少ない中野区の子どもたちに、さまざまな形で自然と触れ合う機会をつくるべきと考えておりますし、また、新学習指導要領の特別学習の内容にもそのように書かれているのかなとも思っております。
 そこで、1番は抜かしまして、今年度は東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故の影響によって、体験学習の中でも宿泊事業を大幅に縮小せざるを得ませんでした。楽しみにしていた子どもたちのことを思うと、来年度以降はさらに充実した内容としてあげたいと強く思う気持ちは、きっと教育委員会の皆様も同じことと思っております。今定例会の常任委員会の中で、この常葉少年自然の家をどうするかも含めて、今後の体験学習のあり方について御報告がされるというふうに聞いておりますので、ここでは詳しい質疑は避けさせていただきまして、何点か気になるところだけをお伺いさせていただきます
 体験学習のあり方の見直しの際に、実施方法等の変更を仮に行ったとしても、事業規模の縮小は当然行われない。むしろ内容も規模も充実されると考えてよろしいでしょうか、伺います。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 現在まで、それぞれの少年自然の家ができましてから相当期間にわたりまして、現在のやり方が継続されてきてございます。この間、授業時数でありますとか、行事などの特別活動などいろいろと変化をしてきております。こうしたことを踏まえまして、事業規模の見直しを含めて総合的に検討しているところでございます。
○平山委員 この常葉少年自然の家、もう当然、来年度行けるような状態になるとは思えませんので、どういうふうになるかというのは委員会で報告をされるんでしょうが、万が一それにかわるような移動教室が行われるというふうになった場合には、やり方として、各学校の自主性をかなり重んじるような内容で行われるお考えなのか、それとも教育委員会の中で一定の、例えば場所とか、そういったものも含めたメニューを示すような形をとって、学校の負担を極力減らすような形で実施をされようと考えていらっしゃるのか、伺います。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 検討に当たりましては、学校の実情によりまして、独自性を発揮できるような実施方法についても含めて検討しているところでございます。また、学校現場の混乱を招きませんように、教育委員会といたしましても、一定の考え方については示してまいりたいというふうに考えてございます。
○平山委員 学校現場のほうから、ちょっと不安な声も上がっておりますので、ぜひとも教育委員会がある意味主導するような形で、自主性は重んじていただく、だけども、さまざまなことについてしっかりと教育委員会がバックアップもするし指導もしていくというような体制で、要するに新しく変わる。それで、宿泊事業ですので、いわゆる児童・生徒を外に連れていくというのはかなりの、学校にとっても先生方にとっても、肉体的にも精神的にも負担なことでございますので、よろしくお願いをしたいと思っております。
 次、伺います。条例上無料で利用できた常葉少年自然の家に対して、仮に外部の宿泊施設の利用となると、新たな宿泊料が参加者負担となるんではないかと心配をされます。宿泊費等新たに発生する費用負担も含め、トータルとしては変わらない負担で済むような配慮が必要だと思いますけども、いかがでしょうか、伺います。
○荒井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 費用の負担の考え方等含めまして、さまざまこれから検討させていただきたいというふうに思ってございます。
○平山委員 よろしくお願いいたします。
 都内の体験学習を積極的に受け入れる自治体がふえております。その中には、いわゆる集団で泊まる宿泊施設のような形ではなくて、農家に分散して宿泊して、農家の1日をそのまま体験できるような、そういうメニューを準備していらっしゃるようなところもございます。このような体験ができるようなプログラムも今後の検討にぜひ加えられてみてはと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○村木教育委員会事務局次長 今後の校外施設のあり方につきまして、先ほど御答弁申し上げましたけれども、費用負担の考え方を含めまして、候補地、あるいは体験メニューなど、御提案の趣旨等も考慮しながら検討を進めていきたい、このように考えております。
○平山委員 大変にありがとうございました。時間が28秒から今、27、6と、もうなくなってしまいましたので、新型インフルエンザ対策につきましては、すみません、取材も行っていただきまして大変申しわけありませんが、この場では、なしとさせていただいて、以上で私の質問をすべて終わらせていただきます。多少早口でございまして、お聞き取り苦しいところがございましたら御了承ください。大変にありがとうございました。
○佐野委員長 以上で平山委員の質疑を終了いたします。
 次に、かせ委員、質疑をお願いいたします。
かせ委員 御苦労さまでございます。最後の質問者ということになりますけれども……。
○佐野委員長 本日最後。
○かせ委員 本日最後ということですけれども、日本共産党の立場から、2011年度決算特別委員会総括質問をさせていただきます。
 質問の項目については、通告のとおりにさせていただきたいと思います。
 まず、地域防災計画の改定についてでございます。東日本大震災の特徴は、広範囲にわたる大震災と、その後の津波、そして原発事故が重なるという未曾有の大災害となったことでございます。現在、中野区では防災計画の見直しの検討が行われておりますけれども、今回の震災被害から中野の防災計画にどう生かすのか、まずお聞きいたします。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今回の地域防災計画の見直しに当たっては、東日本大震災への対応で顕在化した避難所開設ですとか、帰宅困難者対応などの問題点、また現在、区で被災地に派遣しております職員を通じて把握することのできた情報や、被災者の対応で確認できた課題などを検証した上で、その対応策をしっかりと計画に反映していきたいというふうに考えております。
○かせ委員 今回の定例会では、多くの方たちがこの問題を取り上げてきているわけですけれども、私たち日本共産党としても、この震災対策、これからつくられる地域防災計画については、地域の皆さんの命を守る、そういう規範、基準となりますか、そういったものを検討していくものだというふうに思っています。そういった意味では、職員の皆さんのいろいろな経験やら、それから、地域の中でさまざま活動されている多くの団体の皆さん、こういった方たちが真剣に議論して、立派なものをつくっていくと。そのために私たちも頑張っていきたいというふうに思っております。
 それでは、この計画の中で具体的に大きな力を発揮していくというのが、災害対策本部ということになりますけれども、今回、地域センターが廃止され、区民活動センターに組織がえされたことに伴い、災害対策時における地域本部の体制が変更されました。15の地域センターに地域本部が置かれ、センター長が地域本部長になり、本部員は6人から8人いる職員が配置されていたものが、区民活動センターでは、すこやか福祉センターから派遣されている職員は2名です。地域本部長には、すこやか福祉センターの所長や、本庁の副参事クラスからの職員が配置されるというふうに伺っております。日常生活をこなしながら、担当の地域の状況を把握するためにどのような対策を講じられているのですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域本部の職員が地域の状況を的確に把握できるよう、本年の5月に実施しました職員の風水害訓練におきましては、全地域本部を対象に訓練を実施しました。各地域本部の職員が参加しまして、地域の危険箇所等の確認を行ったところであります。
 また、避難所運営会議や避難所開設訓練等においても、地域本部を担当するすこやか福祉センターの職員、あるいは本庁の指定職員が参加しまして、地域防災会の方々とともに避難所施設の利用の計画の確認や、資機材の使用方法などについて訓練を行うなど、災害時に地域本部の職員として地域住民と協力して災害対応に当たることができる体制づくりに努めているところであります。
 今後とも訓練や研修などさまざまな機会を通じて、地域本部の職員が地域の状況を把握できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○かせ委員 これから職員の方たち大変だと思います。今言われたように、実際に災害が発生したときには、地域の皆さんと協力していろいろなことをやっていくということがかぎになります。そのためには、日ごろから地域の方たちとの関係というものがつくられていかなければならないというふうにも思いますけれども、そういった面での対応、対策というのはどうお考えですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 繰り返しになりますけれども、実際、災害時には避難所運営というようなことを中心に災害対応していくということでありますので、避難所運営会議ですとか、訓練参加などを通じて、顔の見える関係を構築していきたいと考えております。
○かせ委員 ちょっと角度を変えてお聞きしますけれども、例えば、これまでの地域センターの方が担当していたときには、地域情報を得るために、地域のさまざまな行事であるとか、そういったことにも参加して、それで人的なつながりであるとか、それから地域の状況であるとか、そういったものをつかむという努力がされてきたわけですけれども、これからさまざまな分野で担当しながら、そういう地域情報をつかんでいくというのは、もちろん今言われたように防災会議とか、訓練に参加していくというのは、これは本当、大変なことですけれども、それだけではなくて、日ごろからの地域との関係、こういったものをつくっていくことが必要だろうというふうに思いますが、その点について、もう一度お伺いします。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) それぞれ本庁の指定分野の職員に当たりましては、平常の業務もあります。ここで確実にこういった形でというようなお答えはできませんけれども、顔の見える関係を構築するために努力を続けてまいりたいと思っております。
○かせ委員 そこのところが一番大事なので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それで、地域対策本部は第一線での避難救援活動を支える拠点として居続けるわけですから、適切な運営がいつでもできるような、そういった体制を構築するために、今後とも皆さんの御活躍を期待しております。
 次に、備蓄物資についてもお聞きします。中野区の備蓄品は1日分で、乳児や高齢者については2日分を見込んでいるというふうに聞いています。1日持ちこたえれば、食料品や生活物資を補給できる。各家庭で二、三日分の食料を備蓄しておけば何とかなるといったものではないというふうに思っています。しかし、交通が遮断し孤立する事態、これは各地で起こっているわけですから、こんな事態が起こり得ないとは限らないわけです。そういった意味でお聞きしたいと思いますけれども、この備蓄品は1日でいいんだというようなこと、これは変えるお考えはあるんでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) この計画は東京都と各区市町村との役割分担に基づきまして、各区市町村においては1日分を備蓄するということに基づいておりまして、今のところ、これを変える考えはございません。
○かせ委員 先ほどの議論の中でも、東京都との関係というのを言われておりました。私もちょっと東京都のほうの防災計画、いろいろな情報があるので、ちょこっとながめてみたんですけれども、この部分については、やはり重大な変更、検討課題になっています。ですから、1日で済むというような、こういったものは見直しがされるんだろうと思うんですね。多分されると思いますけれども、そういった場合にどうなのか。このことも想定しておかないといけない。ですから、しませんよと、1日分でいいんですよというようなことで計画を進めると、結局、最後のところでこれを変えなければならんという事態があると思うんです。ですから、この部分については、これでいいんだということではなくて、少なくとも検討しておくぐらいのことを考えておかないと、ちょっと間違ってしまうんじゃないかと思いますが、もう一度お願いします。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、東京都においても、東日本大震災を踏まえた地域防災計画の見直し作業が行われているということでございます。その具体的な内容というのはまだこれからということになっております。また、その内容を踏まえまして検討していきたいと考えております。
○かせ委員 それで、今の日にちについて、変更する、まあ、検討課題だということを言われたわけですけれども、この備蓄の中身についても検討しなきゃいけない。その単位について検討しなきゃいけないというふうに思っています。
 備蓄物資の資料を見てみますと、例えば、災害用一体型ミルク、粉ミルクで見てみますと、これ、ちょっと情報が古いので、後で、どうなったのかとお聞きしますけれども、平成19年の災害対策用備蓄物資一覧というのが地域防災計画の中にあります。それを見てみますと、320グラム入り粉ミルクが48カ所の避難所で400缶備蓄され、1避難所で割り振ると、たった8缶ということになります。乳児の予想避難数、約800人だというふうに聞いていますけれども、2日分を想定しておりますけれども、1缶を4人で分け合う、こういうのがこのときの計画でした。その後、見直しがされたとも聞いておりますけれども、現在はどうなっていますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、乳幼児用の粉ミルクにつきましては、1,600缶を備蓄しております。
○かせ委員 1,600缶ですけれども、この人数とか、それから、その根拠というのはどうなっておりますでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 被害想定に基づきまして、避難する、粉ミルクを使用する適用年齢の人口を割り出しまして、それに基づく使用量を掛けまして必要数を出しております。それが1,600缶ということです。
○かせ委員 400缶が1,600缶、4倍にふえたということですよね。19年度では48カ所の避難所で400缶、現在は50カ所にふえていますけれども、それが1,600になったということは、四四、十六ですから、4倍にふえたということですね。そうしますと、人数はそれほど変わっていないとして、それは1人1びんですか、1缶ですか、ということになると。それを二つに、2日分だということですから、これはよくわかる話です。そうしますと、改善されたと。とてもいいことだと思いますが、他に変更されたものはありますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 同じ19年当時と比較しまして、サバイバルフーズ、それから、要援護者用の食料であるアルファ化米、おかゆについては備蓄量がふえております。また、マンホールトイレについても、目標数であった200台の備蓄を達成しております。
○かせ委員 そういう意味では、命にかかわることについては少しふやされたと。食事とか、トイレですね。これは非常に大事なことですが、しかし、今度の大震災で、私たちも現地に行っておりますけれども、そこで言われているのが燃料の問題であるとか、それから、暖房器具が流されてしまってなくなってしまったとか、それから、発電機が不足しているとか、こういったことの要望が非常に強かったわけです。首都・東京で福島のような事態は起こったら困るんですけれども、ただ、どういう事態が起こるかはわからない。少なくとも、広範囲にわたる事故が、震災が起こった場合には、想定されるような物資の供給というのはできないかもしれない。そういった場合に、やはり大きな力を発揮するのは地元の備蓄品だということになります。そうしますと、こういった燃料とか暖房、発電機、こういったものについてふやす必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 発電機につきましては、既に各避難所の防災倉庫に1台配備しているほか、各地域防災会の活動拠点等々になります区立公園等、そこに置かれております防災資機材倉庫にも1台を配備しております。その発電機用の燃料につきましては、避難所の防災倉庫には18リッター、防災資機材倉庫には1リットルというものをそれぞれ備蓄しております。この発電機につきましては、投光器による照明の確保ですとか、炊き出し用のバーナー、あるいは防災用井戸のポンプの稼働などというものに使うことを想定しておりまして、現在の台数で一応対応可能というふうに考えております。
 また燃料につきましては、備蓄分で不足する場合には、災害時における燃料等の優先供給等に関する協定に基づきまして、東京都石油商業組合杉並中野支部に供給の協力を要請するということで対応を図っていくというふうに考えております。
○かせ委員 その供給についてですけれども、これも今後の東京都のほうの計画が変わる要素があるわけで、それとのすり合わせということも必要になるだろうと思います。今言われた燃料でありますとか、こういったことについては避難所の発電機であるとか、そういったことですけれども、やはり心配なのは、そういうところよりも避難所生活、避難所での暖房が足らなかったというふうに言われています。それから、いろんなところで避難されている方たちは、避難所以外で避難されている方たちというのは、やはりこの暖房というのは非常に大事になってくる。そういったことをいろいろ考えると、避難所に、防災倉庫に1台ずつ置いてあるとか、そういう水準じゃないだろうと思うんですね。ですから、この辺についてもやはりふやすように、特に見直しをするときの重点的なものとして考えていただきたい。そのことについては要望しておきます。
○佐野委員長 かせ委員、まもなく3時になりますが、いかがいたしますか。
○かせ委員 じゃあ、途中で切られるの嫌だから。
○佐野委員長 かせ委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩とさせていただきます。
      午後2時56分休憩

      午後3時20分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○かせ委員 それでは、先ほどの続きをやらせていただきます。原子力防災ということについてお聞きします。東日本大震災では原発事故が発生いたしました。東海地震は今後30年間以内の発生確率が87%、一説には90%と言う研究者もおりますけれども、これは近々起こるだろうと想定しなければいけません。そうした場合には、中部電力浜岡原発や、米軍横須賀基地の原子力空母ジョージ・ワシントンの原子炉事故も起こらないとは限りません。いざというときの備えに、備蓄物資の中に災害用救助の防護服や放射線線量測定器、ヨウ素剤の備蓄は必要だと思いますが、いかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 遠隔地で発生した原発事故などへの直接的な対応については、基本的には区が行うものではないと考えており、原子力災害に備えた備蓄を行うということは現在考えておりません。
○かせ委員 これも情報ですが、東京都では、今つくられている東京都の地域防災計画ですけれども、もともとあったものの中にも原子力防災というのは入っておりますけれども、さらに強化といいますか、充実といいますか、備えを大きくするというような検討をされているようです。特に、広範囲にわたる放射能の汚染、大事故といいますか、広域な大事故といいますか、そういったものに備えて、東京都は関係する地方自治体との協力で迅速な対応をとるんだというような検討がされているというふうにも聞いています。そうした場合に、当然ながら、その備えというものは、中野の場合には原発もありませんけれども、また原子力に関する事業者もないということで、そのことについては確かに不要だと思いますけれども、ただ、実際に中野ではそういう企業がないということですね。ですが、やはりそういう事故が発生したときの備えとしては、どうも自治体の責任として、そういう測定やら一時的な行動については、それぞれの自治体の協力を得るということになります。そうしますと、最低限の備品というものは必要になってくると思います。そういうことに対してどう対応するかということなんですが、東京都がそうした場合には、当然そうしなければいけない。そういうことについての突き合わせやら情報収集やら、これは必要になってきますが、そのことについてはどうですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、東京都で行われております地域防災計画の見直しについての詳細は、まだ具体的に把握しておりませんが、東京都の動きでそのような場合は、広域的な、あるいは東京都と中野区という関係において求められるところについては検討していきたいと考えております。
○かせ委員 そうした場合に、そういったことも想定しながら、今後つくられる地域防災計画に書き込むということも必要になってきます。そのときにはそういう対応がとられるというふうに理解してよろしいですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 具体的に各区市町村が定めます地域防災計画における内容については、先ほども申し上げましたが、東京都と協議をするという形になっております。必要な記載がない場合には、東京都のほうから指導もされます。その中に原子力災害、原子力事故というようなものについての対応についての記載を求められるという場合には、計画の中に盛り込まざるを得ないというふうに考えて、その対応を考えていくということになると思います。
○かせ委員 ぜひ加えられるよう、検討をお願いしたいと思います。
 次に移ります。災害から区民の命を守るためにということで、幾つかの御質問を用意させていただきました。その中の第1番目に、耐震改修促進計画について伺います。
 中野区は、3月に中野区耐震改修促進計画を改定しました。この改定は住宅・建築物の耐震化率の現状の目標値を修正し、緊急輸送道路等沿道建築物、閉塞を防ぐべき道路沿道建築物の耐震化の促進に関する目標及び施設等を追加するというものです。どのように変更されたのか、お聞きします。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 耐震改修促進計画の変更内容でございますけど、まず、住宅の耐震化率の現状につきまして、75%を81%に変更いたしました。それから、目標値である平成27年度末の住宅の耐震化率90%、これは変更しておりません。それから、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率の目標を新たに加えまして、平成27年度末の耐震化率を95%としたものでございます。
○かせ委員 この目標値の基準ですけれども、どこに置いたんでしょうか。また、目標を実現するためにはどのような対応を考えていますか。あわせて。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 地震による死者数を被害想定数から半減させるために90%の目標値を設定したものでございます。なお、緊急輸送道路沿道につきましては、それをさらに上回る数値ということで95%を設定したものでございます。
 それから、目標達成に向けてでございますけども、耐震診断の促進ですとか、各種助成制度の有効な活用を図るための普及啓発活動、さらには耐震改修促進協議会の活用など、さまざまに取り組んでいきたいと思っております。
○かせ委員 また、この計画変更は震災前につくられたものと聞いています。当然、今後計画の見直しということが必要になってくると思われますけれども、そういった検討といいますか、計画、あるんでしょうか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) この耐震改修促進計画の見直しでございますけども、実はこれは東日本大震災の直前に見直しをいたしました。したがって、まだ見直して間がないことですから、直ちに見直すと、そういった予定は今のところございませんけども、今回の大震災、これを受けまして、地震災害への新たな対応の考え方ですとか、法改正、こういったものが具体的に示されつつあります。そういった段階にあわせまして、再度見直す必要があるものと考えております。
○かせ委員 本会議で他会派の議員の方も質問していましたけれども、私も総括で取り上げるという準備をしてまいりましたので、なるべく重複にならないように配慮しながら、お聞きをしていきたいと思います。
 東京都の新たな条例、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例を生かすとは、具体的にはどういうことですか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今回、今、委員御指摘の都の新たな条例、これによりまして、特に沿道の耐震化を促進すべき幹線道路といたしまして、特定緊急輸送道路、これが中野区内でも5路線指定されました。区はこの指定を受けまして、平成24年度より区内の特定緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化促進に向けた助成制度などにつきまして、実施に向け検討しているところでございます。
○かせ委員 区市町村が6分の1の助成をするという場合に、所有者が3分の2から6分の1に軽減される、こういう新しい制度が導入されるわけですけれども、この制度を活用するということは、中野区が費用負担をするというふうに理解してよろしいんですか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 耐震改修助成、耐震改修工事の助成につきましては、区も一定の負担がございます。
○かせ委員 わかりました。そうすると、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進のために改修工事と、もちろんその設計もそうでしょうけれども、こういったものに中野区が6分の1を助成するんだということでありました。(「特定緊急輸送道路」と呼ぶ者あり)特定緊急輸送道路ですね。はい、そうです。区はこれまで、個人資産に資するものとして、木造住宅の耐震工事助成は実施してきませんでした。建物の倒壊による救援・復興の妨げになるということでは、沿道建築物と変わりないと思います。そこで、木造住宅の耐震改修工事助成についてお聞きします。どうするおつもりですか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今、委員御指摘のとおり、緊急輸送道路沿道の建築物に関しましては、非常に公共性が高い、そういった観点から耐震改修工事まで助成している、そういったことでございます。それから、木造住宅の耐震改修に関しましては、これは現在のところ耐震診断、これを軸に耐震化の促進を図っておりますが、一定の成果を上げている、そういったふうに認識をしております。
○かせ委員 先ほども御答弁いただきましたけれども、住宅の耐震化率ですけれども、平成27年度目標値が木造住宅で83.1%、非木造で94.3%、合わせて90%というふうになっております。しかし、目標値を達成しても、木造住宅の約17%は危険な状態だと言わなければなりません。この数値、これらの住宅の、この数値に示される住宅の方というのは、建てかえや耐震改修をしたくても、余裕がないといった方々が多いというふうに思われます。ここに光を当てなければ、安全なまちにはなりません。このことに対する認識を伺います。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 地震に対する住宅の安全対策として耐震改修、これを実施することが望ましいわけでございますが、今、委員御指摘のこと以外にもさまざまな物理的な理由等によりまして、耐震改修が困難な住宅もあります。こういったものに対しても何らかの安全対策が必要であるというふうに考えております。
○かせ委員 所得税法が改正になりまして、23年分から住宅耐震改修特別控除の対象要件が緩和されました。住宅改修の費用に関し、補助金等の交付を受ける場合には、その住宅改修に要した費用の額から補助金等の額を控除する仕組みになりました。区は緊急輸送道路沿道建物の耐震改修工事助成に踏み切ったわけですけれども、木造住宅の倒壊で生活道路を封鎖することも、救援や復興の妨げになり、何よりも人命にかかわることだというふうに思います。そういった意味からも、木造住宅の耐震改修工事助成に踏み切るべきだと思っておりますが、再度お答えください。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 木造住宅の耐震化の取り組みでございますが、これまでも耐震診断の取り組みですとか、区登録の耐震改修施工業者の紹介、こういったことによりまして、住宅の耐震化促進については一定の成果が上がったものというふうに認識しております。一方、公共性の高い建物、これ以外に工事費用を助成することは適当でない、そういったことも考えておりまして、木造住宅の耐震改修工事費の助成を行う予定は今後、当面ないというふうに認識しております。
○かせ委員 耐震改修工事助成していないというのは、23区の中の本当ごく一部ということです。ですから、もう今度の場合の税制の改正ということについては、減税のためにということじゃなくなったわけですから、本当の意味で耐震改修を進めるということで考えを変えなければならないと思います。そういった意味で、他の区同様、耐震改修工事助成、木造住宅の耐震改修についても助成するよう、強く要望しておきます。
 次に、危険なブロック塀や建物について伺います。
 ブロック塀や、古い大谷石の擁壁の倒壊は避難路をふさぎ、人を押しつぶす危険もあります。それが通学時間帯ならば、子どもたちの安全が脅かされかねません。私は2005年の第3回区議会定例会本会議で、危険なブロック塀の撤去・改修を促進するための助成制度を提案して以来、この問題を追及してまいりました。区長は、個人の財産形成にかかわるという理由で取り合っておりません。しかし、21年度には通学路、避難道路等の道路沿いにおけるブロック塀等の危険度実態調査を実施しています。その結果はどうだったのか、また、どう生かされたのかを伺います。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) ブロック塀等の実態調査でございますけれども、区内の約2,000カ所で実施いたしました。その結果ですが、そのうち4割程度については今後注意を要すると、そういったものでございました。特にその中で、建築基準法に定める技術的基準を満たしていないなど危険性が高いもの、これにつきましては必要な補強を行うよう改善指導を行ったところでございます。また、この結果は耐震改修促進計画の改定版にも反映したところでございます。
○かせ委員 足立区では、11年度、6月から10月の期間、区内全域で老朽化して危険な建築物の実態調査を行っています。事業費用は300万円で、建築の専門家とともに外観を確認して回って、老朽化が目立つ建物の住所や危険度を記録した台帳をつくった。老朽化の激しい建物については、板囲いなどで一時的に対処し、区が耐震工事などを助成する制度も紹介している。所有者に修理を促すということでこういった取り組みをしているわけですが、中野区ではこういった考えはないんでしょうか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今、委員御紹介いただきました足立区の取り組みを含めまして、他の自治体の事例等さまざまな観点から検討いたしまして、効果的な対応を考えていきたいと考えております。
○かせ委員 よろしくお願いします。やはり事実をよくつかまえるということが、防災計画をつくる上で基礎になると思います。よろしくお願いします。
 それでは、次に4番目、長周期地震動対策について伺います。
 東日本大震災で明らかになったのは、超高層建物や巨大建築物のもろさです。震度5強の地震で、240メートルを超える東京都庁舎は、大震災の影響で約15分間にわたって、4秒から5秒の周期で最大65センチ揺れたと言われています。日本建築学会によると、60メートル以上の超高層ビルは全国に約1,100棟あって、東京、大阪、名古屋の3大都市に集中している。そのうち10から100棟は、揺れが続くと天井や壁が壊れたり、ビルが傾いたりする危険があり、補強が必要だと指摘しております。今回以上の長周期地震動が起きるおそれがあり、古いビルは耐震補強が必要だとも言っております。長周期地震動は超高層建物に特徴的にあらわれます。被害を食いとめるためには、むやみに高い建物をつくらない、建設するときには、建物本体の耐震化だけでなく、建物内部の壁や天井、クーラーなどの機器の設置に至るまで、細かな規制や指導が求められると思います。いかがお考えですか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今回の地震被害につきましては、建物の主体構造部よりも、むしろ仕上げ材ですとか設備など、二次部材の被害、これが大きくて犠牲者が発生しているところでございます。現在、国などにおきまして、二次部材に関する具体的な規制などについて検討していると聞いておりまして、それらの結果や最新の知見に基づきまして、適切に対応することが重要であると考えております。
 また、今回の地震後、区内で大規模な空間を有する施設などにつきましては、公共、民間を問わず安全性の確認を行ったところでございます。
○かせ委員 ところで、区内に60メーターを超える超高層ビル、何軒あるでしょうか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 現在、60メートルを超えるもの、これは建築基準法によりまして、超高層建築物として特別な揺れの検討が求められますが、これが区内では8棟ございます。それから、現在工事中のものが2棟ございます。
○かせ委員 こういった建物に対して、点検、あるいは補強工事などの対策をとられるべきだと思いますが、そういうことに対する対応はどうされているんですか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今、委員御指摘の長周期地震動、これにつきましては多くの専門家が研究されておりますが、まだまだ未解明な部分も多いと、そういったところでございます。現在のところは法的規制なども確立していないところから、今後その対応策については研究していきたいと考えております。
○かせ委員 その場合ですけれども、8棟、今、建設中2棟とありますけれども、特に民間の高層マンションであるとか、いわゆる区分所有されている方ってなかなか難しい問題があるだろうと思います。そういった場合に、やはり中野区の中に研究やら、そしてまた相談できるような窓口やら、こういった対策も練られる必要があると思いますが、その辺の検討はどうなりますか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) かなり高度な専門領域になりますので、なかなか職員だけではというのもありますが、当面、例えば家具転倒防止器具の設置ですとか、さまざまな部屋の中の使い方、そういったことは普及啓発をしていきたいと思っております。
○かせ委員 ありがとうございました。
 それでは、次に帰宅困難者対策について伺います。
 帰宅困難者対策の基本は、むやみに移動を開始しないということだそうです。石原知事は条例を制定して、企業が一時的な避難施設になるよう、食料などの備蓄を求めるとも言っています。渋谷区では、新築の中高層マンションには条例で備蓄場所を義務化しました。これらの施策は、むやみに移動させないため効果的な方法だと思います。中野区でもこのような方策がとられるべきと思いますが、いかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区としても、区内の企業や学校に対して、従業員や生徒の保護、情報の確保、食料等の備蓄などを内容とする帰宅困難者に対する対策というものを推進するように働きかけていくことが必要だと考えており、東京都の取り組み等についても参考として対策を検討していきたいと考えております。
○かせ委員 よろしくお願いします。
 それでは、帰宅困難者のことで、3月11日の震災の日でありますけれども、避難所に帰宅困難者が詰めかけて、避難住民との混在で混乱が生じたところもあったとも聞いております。渋谷区では、区民は小学校の避難所へ、帰宅困難者は多人数の支援・受け入れが可能な指定施設へと誘導し、住民の安全を確保し、円滑な帰宅支援を行っております。ところで、中野区には支援・受け入れ施設は幾つありますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在のところ、帰宅困難者の支援施設、受け入れ施設として、計画上規定している施設はございません。
○かせ委員 非常に不十分だというふうに思っています。今後、この一時的な受け入れ施設というのは非常に大事なことになると思います。東京都のほうでもそういったことについては働きかけているようでもありますけれども、都の施設、ここにはあまりないですか。都、あるいは民間の大規模な施設でありますとか、そういったものの協力を得ながら、こういう施設をつくっていくということが大事になりますが、御見解はいかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今後、中野区駅周辺に所在する事業所や警察大学跡地等の開発により業務を開始する事業者等と協議を行い、帰宅困難者の受け入れ施設についての協力を要請していくというふうに考えております。
○かせ委員 渋谷区と同じように、いざというときには、あなたはこちら、それで帰宅困難者、外部の方はこちらというようにすみ分けができるよう、準備をしていただきたいと思います。
 次に、情報提供の問題ですけれども、混乱防止のために大事なことは情報の提供でありまして、いろんな方が提案されております。特にごった返した駅舎などでは、音よりも視覚からの情報が有力だというふうに思います。また、視覚障害者の方にもいい方法だというふうに思います。駅やホールなどの管理者と協定を結んで電光掲示板を設置し、避難場所や休憩所、災害情報などの情報を提供する、こういうお考えはありますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 昨日のやながわ委員の質問に対しても区長からお答えをさせていただいたところでありますが、中野駅周辺や区内の主要な幹線道路における帰宅困難者対策として、情報提供の方法については、一斉送信メール、エリアメールや、ツイッターの活用を今現在は検討しているところでございます。電光掲示板についても情報提供手段の一つとして、今後研究をしていきたいと考えております。
○かせ委員 商店街の有線放送ということも考えられると思います。いざというときには、防災情報を放送できると、そういう協定を結んでおくということも考えられますが、いかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 帰宅困難者への情報提供手段の一つとして、電源確保というような問題もありますが、商店街の有線放送の利用が可能かどうかというような点を商店街とも確認等をしながら検討していきたいというふうに考えております。
○かせ委員 ありがとうございました。
 それでは、次に、中野区防災地図の改訂について伺います。
 渋谷区では東日本大震災が発生したのを契機に、渋谷区防災地図を作成し、全戸配布するなど大量に頒布しています。ねらいは、想定を超えた震災への対応を区民に徹底するということだそうです。現物を取り寄せてまいりました。こういうものです。これを見てみますと、地図には、一番目立つところにこういう赤い網かけがしてありまして、一時、あれですね。先ほど見まして、帰宅困難者支援のことが一番目立つ位置にあります。帰宅困難者のための情報提供ということで、地図にはトイレの開放とか、一時受け入れ、そういった施設が書かれております。単に一時避難場所や、避難所、二次避難所、広域避難所などが、必要な情報を1枚の地図に落とされております。この地図をもらってきましたけれども、そのときに言われていたのは、この裏にいろいろな情報があるわけですけれども、この情報は平成23年3月11日に発生した大震災ですね、これに備えて、今まであった地図を全部見直しをして、この地図を見ることによって、避難場所がどうか、それから、外来者の人がどこに行けばいいか、そういったことを明記するということです。ですから、ねらいは、震災時に混乱しないように、必要な情報を1枚のマップにしたためた。それで、外来の方たちは渋谷のことをよく知らない。だけれども、住民の人たちが必要な情報をしっかりと知っている。それぞれうちに張ってあれば、いざというときに来街者の人に対して案内ができたり、情報提供ができたり、そういったことができる。それで、そういった混乱を未然に防ぐためにつくられた地図だというふうに聞いております。
 中野区でも、こういった震災、中野区では防災地図というのがかつてつくられましたけれども、こういった防災地図について、このように新しい状況の中でわかりやすい地図、こういったものをつくっていくという考えはございますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域防災地図の改訂につきましては、現時点では直ちに行う予定はございませんが、区民への正確な情報提供の一つの方法として、今後検討してまいりたいと考えております。
○かせ委員 必要な情報、これをしたためたこういった地図というのは有効だというふうに思います。ぜひ早急につくるよう検討していただきたいと思います。
 渋谷区では、この渋谷区防災地図のもとになっているのが、実は2006年につくられておりまして、渋谷区地震防災マップ、揺れやすさマップと地域危険度マップと二つの地図がセットにされたものです。2006年に策定されたこの地図というものは、揺れやすさマップについてですが、都心西部直下地震、このときの想定ではマグニチュード6.9であります。6.9の地震が発生した場合の震度分布を50メーターメッシュごとに5段階で表示して、危険度マップの建物被害危険度、この震度分布に建物の構造、木造であるのか、非木造であるのかということとか、外観目視調査、こういったものをした上で、倒壊危険度を50メーターメッシュ7段階で表示されていると、こういうものであります。この情報を見ただけでも、渋谷区の防災に対する、何といいますか、危険性というのが非常にわかりやすい、そういう地図がつくられています。もちろん、このときの地図には避難場所であるとか、広域避難場所であるとか、さまざまな情報もありますけれども、どちらかというと、外来者向けというよりも、地域の人に向けられたものだということであります。この地図がもとになっております。
 私たちが聞いたところでは、渋谷区の担当者は、地震防災マップをつくることでよかったことは、防災のための基礎データが整理できたことだと言っております。そして、このことが今後の防災対策やまちづくりに生かせると、こういうふうに言っております。中野区でも、こういった考えに基づいて地図をつくっていくということは必要だと思いますが、いかがでしょう。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当)  現在、中野区で作成しておりますパンフレット、「中野の防災」(地震に備える)の中には、広域避難場所の地域割りや避難所の位置などを記載した中野区防災地図というものを掲載しております。渋谷区が作成している地図の内容についても、今後、参考として反映できるところは、防災地図に反映していきたいと考えております。
○かせ委員 また、中野区でも渋谷と同じように危険な、先ほどもありましたけれども、目視調査をするというような計画はありますか。もちろん区の職員だけでできる話ではありません。建築士協会などの協力が必要ということになります。区内業者の育成という意味でも、建物調査、取り組んではいかがでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区で直ちに外観目視検査を実施するという予定はございませんが、今後とも防災対策の推進に当たっては、区内の建築関係団体等との連携を図って推進していきたいと考えております。
○かせ委員 ありがとうございました。
 次に、水害対策について伺います。
 台風12号及び台風15号は、日本全土にわたり大きな被害を与えました。地球温暖化による日本近海の海水温が上昇していると、そのことが関係しているとも言われ、異常気象はことしだけではなく、今後とも引き続き続くだろうというふうにも言われています。そういった意味で、都市型水害対策というのは非常に重要になってまいります。8月26日の大雨では、区役所で時間雨量が84.5ミリを筆頭に、江古田川で80.5ミリ、弥生町で75.0ミリ、50ミリを超える豪雨となったものの、河川のはんらんはなく、床下浸水は27床、床上浸水が18、事業所の浸水は28と、宮下交差点や区役所周辺、新井四丁目付近の道路が冠水するなどの被害にとどまったというふうに言われています。激特事業による河川改修や、地下貯留池の整備が功を奏したと思われます。29日の本会議質問で浦野議員が上高田一・二丁目の浸水被害についてただしたのに対し、東京都に対応を求めるとの答弁がありました。
 ここで私、聞きたいのは、その際に、時間雨量100ミリ対応をこの際求めるべきだと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 東京都下水道局では、区内の下水道につきましては、時間当たり50ミリの降雨に対応するよう設計整備を行っているということでございます。そのために、50ミリ以上の対応を求めることは現在のところは難しいと考えております。
○かせ委員 全部にわたってということではなく、例えば、常に水害が発生するところ、既に50ミリじゃ足らんというところがあります。それで、今度の被害を見ましても、受け入れの貯水池であるとか、河川であるとか、まだまだ、まあ、もったわけですけれども、そこに行く間のことが問題だということで、特に今後想定される建築について、特に公共建築物については、今までは50ミリを基準としてきましたけれども、そういう対応というのは当然必要になってくるだろうと思うんですが、そういったことについてはいかがですか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公共物につきましては、設置のときに雨水の流出を抑制するような設備等を設置するようにお願いしているところでございます。こうした対策によって、公共施設からの下水道に流れる分を少しでも抑制できるようにしていくべきであると考えております。
○かせ委員 今、触れましたけれども、いわゆる雨水の抑制ということも大事だと思います。それで、私いろいろ準備をするときに調査していただきましたけれども、また、今度の論議の中でさまざまな対策がとられるということを認識いたしました。それで、盲点となっているところについて、何とかしたいという思いがあります。それは、大型の駐車場等を、実は駐車場に降った雨が一気に押し流されるということが各所にあります。こういったことへの対応というのは近々求められるんじゃないかというふうに思いますが、それへの対応というのはどうなりますか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 駐車場につきましてはいろいろな、面積とか、あるいは一時的に、建物を建てるまでの間、駐車場として有効活用するとか、そういうことで、期間もいろいろございます。そういう中で、駐車場を雨水流出の抑制の施設の対象にしていくということにつきましては、駐車場の路面舗装の仕様であるとか、その面積等多くの条件がありますので、その辺を一つひとつ整理していくということが必要だろうと思います。つきましては、駐車場における雨水流出抑制の設備につきまして、対策につきましては引き続き研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○かせ委員 ありがとうございました。
 順番で行こうと思いましたけども、時間が心配になりました。申しわけないんですが、順番を入れかえさせていただきまして、その他に移らせていただきます。よろしくお願いします。
 その他として、桃花小学校体育館等の浸水について伺います。
 桃花小学校の体育館棟は3月に竣工したばかりです。きこえとことばの相談や、学童クラブ室、キッズ・プラザ等、体育館等との複合施設。建設されたばっかりであるのにもかかわらずに、2度浸水事故が起こっております。最初は5月3日です。この日は時間雨量が10.5ミリで、警報は出ていなかったということです。このときの原因は何だったんですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 5月の事例は、落ち葉が排水溝をふさいだことが原因で、玄関及び廊下の一部が浸水したもので、清掃等の日常管理をすることで解消しております。
 その後、5月29日に14.5ミリの降雨量では同様の被害は起きておりませんでした。
○かせ委員 2度目の事故は8月26日の集中豪雨だというふうに聞いています。8月31日に私も現地に行ってきました。現場を見てみますと、浸水したのは西側玄関からで、広いテラスにたまった雨水が排水されることなく、入り口から、玄関から浸入して、きこえとことばの教室を水浸しにし、階段を伝って地下に降り注いで、あわやという、体育館とエレベーターに浸水するというような事態、こういった事態が発生し、職員が総出でマットを敷き、そして水をかいて防いだという、こういう状況でした。その原因というのは何だったんですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 8月26日の雨は1時間あたり84.5ミリの猛烈な雨量で、大量の雨が雨水貯留槽に流入し、2台の排水ポンプが同時運転したため、屋外の排水経路が満水となり、玄関前の排水溝からの排水が阻まれたため起きた事故であります。
○かせ委員 私が見てきますと、長い排水溝がありますけれども――溝ね、排水溝、いわゆる排水をする口というのは1カ所しかなかったんですよね。ですから、5月のときに落ち葉で詰まったけれども、1カ所だったから詰まっちゃったということです。それから、構造を見ますと、排水口をつくる場所はいっぱいあるんですが、そこにもつけられていない。こういうことを見ますと、素人の私でも、これじゃあ、何かあったら対応できないなというふうに思います。やはり、こういうことをチェックできなかったというところに大きな原因があります。
 そこで、時間がないので、ちょっと、先ほどの議論もありますけれども、一番大事なのは、そういったものをチェックできるその力、それがないのではないかというふうに思います。はしょってしまいますけれども、こういった技術の強化といいますか、そういったことに対しての特別な手だてというのはやられなければいけないと思いますが、その辺はいかがですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) もともと、この地域は50ミリ対策が求められておりましたので、設計段階では、約1.2倍の60ミリまでは対応できるようにというようなことをしておりましたが、今回はやっぱりその想定を超えてしまったということで対応できなかった。設計段階ではそれなりの対応をしてきたというふうに考えております。
○かせ委員 想定以上の浸水があったというのは台風のときなんですよ。5月のときには警報も何もなかった。実際には10数ミリの雨だったんです、時間雨量。通常の雨ですよ。そのときに水があふれるなんていうのはあり得ない。とんでもない構造だと思いますよね。だから、そのときに、それを見る目がなければならないんです。ところが、そこに目が行かないという、そこにやはり大きな問題があると思うんです。こういうことについて、きっちりとやっぱり、何といいますかね、どうするんですか、これ。技術者の、時間の関係で急ぎますけれども、ぜひとも技術者の技術の養成ですか、そういったことについては技術力を高める、こういったことについては特段の努力をしてほしいんですよ。その辺について、どうですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) これまでも総括係長を中心にベテラン職員が担当者をフォローする体制を築いてきたというふうに理解しておりますが、より一層、そういった技術の継承を図ることを視点に置きながら、一層の充実を図っていきたいというふうに考えております。
○かせ委員 それでは、次に移ります。
 三谷橋のかけかえについてであります。三谷橋というのは、区立第六中学校のすぐ裏に中野工業高校があります。中野工業高校が妙正寺川の東西を分けている、そういう状況にあります。平成20年に区立第六中学校の廃校の後に、跡施設利用について、区は東京都と売却問題で交渉中だというふうに聞いております。東京都との協議、どうなっていますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 旧第六中学校につきましては、売却に向けた東京都との協議を引き続き行っているところでございます。また、これに伴います周辺整備について、関係部署と連携を図りながら現在進めているというところでございます。
○かせ委員 旧第六中の南側に隣接して、都立中野工業高校の校舎があります。敷地は老朽化し、東京都は建てかえる計画だとも聞いています。中野工業高校は敷地が、先ほども申し上げましたけれども、妙正寺川を挟んで南北に分断されているため、河川の管理道路もありません。しかも、南側の野方二丁目側には老朽化した古い校舎があり、境界の道路は狭くて、防災上危険な地域とも言われています。このような状況をどう認識していますか。
○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 河川管理用通路につきましては、本年の第1回定例会で区長が答弁しておりますとおり、東京都が策定しております荒川水系神田川流域河川整備計画というのがございますけれども、そこで妙正寺川全体の河川改修計画について示されておりまして、中野工業高校の用地につきましても、今後の河川改修にあわせて河川管理用通路をつくるという計画になっているとのことでございます。
 それから、周辺道路につきましても、いろいろと議会から御意見をいただいているところでございます。御指摘の中野工高の南側用地、これ野方二丁目、これもお答えしてよろしいですか。
○かせ委員 はい。
○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 二丁目用地、いわゆる実験棟の敷地でございますけれども、ここの道路は一部区間、狭いところがございますので、改善が必要だというふうに考えております。
○かせ委員 今、御答弁ありましたけれども、非常に問題になっているところです。その際に、あの敷地については、管理道路については東京都でしっかりつくってもらうということと、あの敷地については、防災上の拠点ということで緑道公園なり、そういった場所にすべきだというふうに私は思っていますけれども、そういった方向で検討していると理解してよろしいですか。
○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 今の御指摘でございますけれども、現在、旧六中用地が避難所機能を有してございます。中野工業、あるいは、今東京都で、先ほども、せんだって御答弁申し上げましたように、その建てかえ、あるいは六中用地の売却について協議をしているところでございますけれども、仮にこちらの用地を拡充して中野工業高校というふうになった場合には、中野工業高校が避難所機能を担っていただく必要がございますので、そういった関連する防災機能を高める整備は不可欠だというふうに考えております。
○かせ委員 よくわかりました。
 それで、そのことに関連しますけれども、三谷橋についてですが、今度の激特事業の中でも手つかずになっています。見たところ、非常に危険じゃないかというふうに思われるところです。この三谷橋、建てかえてほしいという声も出ています。このことについてはどうお考えですか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 妙正寺川のいわゆる激特事業では、この地域の整備として川底の掘り下げを行うということで、河川の断面の拡大を図り、1時間当たり50ミリの雨量を流すことができるという河道、いわゆる川の道の整備を行っております。東京都では、平成22年11月に神田川流域河川整備計画というのを策定しておりますが、この中で三谷橋のかけかえを含めて、この地域の護岸改修を今後の改修予定にしているところでございます。区としましては、護岸の整備時期が未定であるということもございますので、東京都の工業高校の建てかえ計画と整合性を図りながら、早期に改修を実施していただくように働きかけていきたいと、このように考えております。
○かせ委員 よろしくお願いします。
 あと25分です。3番に戻らせていただきます。がん検診等についてでございます。
 がん検診の負担軽減。平成15年度から大腸がん検診を除く各種がん検診、平成17年度から成人健診、それから大腸がん検診、眼科検診について自己負担が導入されました。そこで、検査件数の推移を見てみたいと思います。
 まず、胃がん検診です。胃がん検診のエックス線検査の検査料は1,000円です。無料化であった平成14年、有料化後の16年度、後期高齢者医療制度導入前の21年度のそれぞれの受診者数はどうなっていますか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 胃がん検診のレントゲンの受診者数でございます。平成14年度が9,881人、平成16年度が5,509人、平成21年度が4,885人でございます。
○かせ委員 これを見てみますと、急激に減少しているということがわかります。
 一方、胃がん検診の血清PET検査は200円ですけれども、これについてはどうですか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 血清ペプシノゲン検査の受診者数でございますが、平成14年度が5,850人、平成16年度が6,635人、平成21年度が5,348人となっております。
○かせ委員 この推移を見てみますと、21年度は若干減っているという傾向ですけれども、ほぼ横ばいというふうに見ることができます。
 それで、子宮がん検診はどうでしょうか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 子宮がん検診の受診者数でございます。平成14年度が1万1,637人、平成16年度が1万1,793人、平成21年度が、女性特有のがん検診を2,527人加えまして、9,351人となっております。
○かせ委員 これを見てみますと、有料化されたときには、これはまあ横ばいですけれども、21年度、そういった無料検診が導入されたということで、一気に件数が上がっているというふうに見てとれます。この推移を見てみますと、費用が高ければ高いほど受診者数は減少した。無料にすれば受診者数は伸びている。検診費用と受診者数との関係というのは明らかだというふうに思います。このことについてはどう思いますか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 検診費用と受診者数の関係をどう見るかという御質問でございます。確かに、個別に見てみますと、費用がかかるから、受診をちゅうちょしているというような方もいらっしゃるだろうということは想定してございます。ただ、中野区に限らず、受診者数、受診率の低下傾向につきましては、現在、自治体の中で大きな問題になってございます。23区全体を見てみましても、検診料を無料にしている区のほうが受診率が高いということは一概には言えないという状況になってございます。東京都もこれを憂慮いたしまして、効果的ながん検診受診率向上の手引を作成するなど、現在、積極的に取り組んでいることとなっております。
○かせ委員 中野区の実態からすれば、そういう傾向が出ているわけです。ですから、ここは中野区ですので、もともと無料検診を出発したのがこの中野なんですよ。その視点から見て、私は負担軽減が必要だし、また、でき得るならば無料化にしてほしいという要望を持っています。そういうことで、まあ、答弁を求めても変わりないでしょうけど、そのように私たちは今後とも要望しておきますので、よろしくお願いします。
 時間がないので、次に移ります。被用者保険の被扶養者の特定健診について伺います。
 平成20年度の医療制度改革により、生活習慣病予防のための特定健診と特定保健指導が医療保険者の義務になりました。このために、区民全体を対象にした成人健診が廃止され、新たに健康づくり健診が実施されています。もともと中野区の成人健診は区単独事業として、日ごろ健診の機会の少ない自営業者や、家庭の主婦などに重点を置き、実施されてきたものです。被用者保険の被扶養者、つまり家庭の主婦などの健診が配偶者加入の企業保険の検討対象になり、区からは離れてしまいました。区民の健康を増進することは自治体の責務です。その責務を果たすためにどのような工夫をするのかを伺います。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 委員が今おっしゃったように、区民の健康を増進するということは、確かに区政の責務でございます。ただ同時に、健康増進法の骨子から申し上げますと、区民の務めであるということも認識してございます。工夫といたしましては、民間企業の協定による普及啓発活動、具体例といたしましては、今、委員各位にも御協力いただいておりますように、乳がん撲滅ピンクリボン運動、そして、協定企業と共同で街頭キャンペーンを先日も実施いたしたところでございます。また、厚生委員会で御報告させていただきました中野区民の健康づくりを推進する会を設置いたしまして、関係団体、区民との協働により、健康づくり運動を推進していくなど、区民の健康増進に向けて工夫しているところでございます。
○かせ委員 基本的な健診には胸部エックス線検査もありません。また、貧血検査や眼底検査、心電図検査は前年度の検査結果に基づいて、医師の判断で実施されています。そのため、これでは不十分だということで、23区内の17の区で独自に上乗せの実施がされています。例えば葛飾区では、上乗せ項目として、がん検診等を同時に受診できる仕組みになっております。中野区でも被扶養者に対し、このような仕組みをつくるべきと思いますが、いかがですか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 中野区におきましては、国が定めました必須項目のほかにどのような検診項目を追加するかは、それぞれの医療制度改革以降、医療保険者が判断するものと考えておりまして、現時点では区が上乗せ実施を行う考えはございません。
○かせ委員 これは先ほども申し述べましたけれども、もともとの成人健診はこういった家庭の主婦たち、主婦の方たちにきっちりと受診の機会を持たせるということが出発でした。そしてまた、先ほどの御答弁の中にはありましたけれども、区民の健康の実態をつかむのは自治体の役割だと認められています。そういうことからしますと、この制度の問題で、これは保険者の方たちの責任だということでは済まない問題だというふうに思います。これは要望にしておきますけれども、ぜひ中野区でもこういった被保険者の扶養者に対する健診制度の改善、これを求めておきます。
 それで、3番目に眼科検診について伺います。
 厚生労働省研究班の調査で、40歳以上の方の約4%に緑内障が認められたと聞いています。緑内障は途中失明の原因病ですが、失明予防で何よりも大事なことは、早期発見、早期治療に尽きるというふうに思います。見解を伺います。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 今、委員が御指摘されたように、日本眼科医会のホームページを見ましても、緑内障の原因は不明であること、そして40歳以上の方20人に1名の割合で緑内障を発病するというふうにありまして、早期発見、早期治療は必要ということで認識してございます。
○かせ委員 中野区の眼科検診は、50歳、55歳、60歳、65歳の区切り検診です。早期発見のためには、さらに40歳、45歳を追加すべきだというふうにも思いますが、いかがですか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 眼科検診は、国の定める健康増進法や指針に基づかない検診でございまして、区独自に実施している検診でございます。現在、全事業の見直しを行っておりまして、その中で総合的に検討していきたいというふうに考えてございます。
○かせ委員 いい方向で検討していただきたいと思います。
 検診期間が短いという声もあります。国保特定健診と同様に、6月1日から1月31日にしてはどうかというのが多くの区民の皆さんの要望だと思います。これについてはいかがですか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 眼科検診は、現在、御指摘のように国保特定健診の開始より1カ月遅い7月1日から受診を開始してございます。ただ、この検診期間につきましても、繰り返しになりますが、全事業の見直しを行っている中で総合的に検討してまいります。
○かせ委員 ありがとうございました。
 それでは、また戻りまして、その他に移ります。
 その他として、旧桃丘小学校跡地の問題についてお聞きします。
 桃丘小学校跡地施設の活用について、学校法人タイケン学園との間で基本協定が締結されました。桃丘小学校跡施設については、桃園児童館の廃止や、桃丘小学校の廃校で、子どもの居場所やコミュニティ活動や、防災の拠点がなくなるのではないかという不安がありまして、区に対しても要望が出されてきたところです。タイケン学園が使用する施設は校舎の部分で、校庭は区の管理だということを聞いています。
 そこで伺いますが、地域コミュニティの場や行事の場、こういうものを子どもの居場所として活用できないでしょうか。その場合の手続はどうなるのか、あわせてお答えください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 旧校庭の使用につきましては、その使用目的、形態等が適正であり、施設運営に支障がない範囲であれば検討できるものと考えているところでございます。なお、手続につきましては、普通財産貸し付けによるものとなります。
○かせ委員 具体的に言いますと、どういうことですか。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 例えば、コミュニティの場として、区民の方の行事でお祭りといったことにつきましては、今申し上げました普通財産の貸し付けの手続を踏んでいただきまして、お貸しするといった事例がございます。
○かせ委員 何か質問の趣旨が伝わっていないようで、例えば、申し込みをするときにどうするのかとか、また、だれが判断するのかとか、その辺の問題なんですが。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 失礼いたしました。普通財産貸し付け申込書というのに記載をいただきまして、そこには使用目的、使用場所等を記載していただくということでございます。使用許可につきましては、部長、都市政策推進室長の判断によりまして、使用の承認をするといった手続になります。
○かせ委員 その辺については、利用しやすいように簡潔といいますか、わかりやすいように地域の方たちにお知らせをいただきたいと思います。
 それから、桃丘小学校は避難所に指定されています。防災備蓄倉庫も備わっております。この指定は継続されるということですけれども、収容人数の変更はありますか。また、いざというとき、いつでも避難者を受け入れる体制はありますか。あわせてお答えください。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) タイケン学園は、旧桃丘小学校を使用するに当たり、その条件として、避難所開設等に協力するということになっております。タイケン学園が使用するということに伴った収容人員の変更は基本的にはないというふうに考えております。
○かせ委員 変更はないということですが、これまではこの収容人員というのは、校舎であるとか、それから校庭であるとか、その施設全体が入っていたと思いますけれども、その辺の変更というのは、そういったものはどうなんでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) タイケン学園が使用する部分に関して、基本的には災害時避難所という開設を条件としておりますので、その部分に関しては、基本的には、繰り返しになりますが、収容人員の変更はないと考えております。ただ、今後、旧桃丘小学校を避難所としております地元の桃園町会防災会とタイケン学園、そして区職員が参加しまして、避難所運営会議を開催する予定であります。その中で校舎の利用計画等について協議確認をしてまいりたいと思っております。
○かせ委員 この問題については、長い時間をかけていろいろ御苦労された、その到達点だというふうに理解しております。地域の皆さんとの協働で、桃丘地域のコミュニティと防災の拠点として生かされるよう要望して、この質問を……(「かせ委員、プールや水の状況聞かないの」と呼ぶ者あり)じゃあ、この際ですから。(「大丈夫。時間あるから」と呼ぶ者あり)プールについての議論も実はされておりました。防災備蓄としては当然そういうことが含まれるわけです。これについてはどういう見解ですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 申しわけありません。今の質問の趣旨がよくわからないのですが。
○かせ委員 プールの使用についてはどうなんですか。今までは、あそこは防災用の防災水として利用するという取り決め、これ、そういうふうになっているんですけれども、先ほどのその使われ方についてはこれからの協議だと言いますけれども、その設備、防災水ですね、防火用水利ですよね。防火用水利として指定されています。これについてはどうなんですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 防火水利じゃない、消防用水利という……。
○かせ委員 消防用です。そうです。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 消防用水利の指定のほうはもう解除されているはずだと理解しております。(「解除されたら何もしないでいいのかって言ったほうがいいよ」と呼ぶ者あり)
○かせ委員 地域の防災については、これから、いずれにしても今後の地域防災計画がつくられると。それも今までの想定よりも大きく超えるということになります。ですから、その辺についても今後やっぱり見直す、そういうことも必要だろうというふうに思います。今後の地域の皆さんとの協議や、いろんな場所での防災会との協議であるとか、そういったところでぜひ最善を尽くしていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 何とか全部こなしました。
 私、今度の質問では、やはり区民の命、健康、そして財産を守っていくという自治体の使命として、今、本当に真剣に考えるときだというふうに思っています。そういったことを考えていく上で、もちろん住民の皆さんとの、そしてまた職員の皆さんとの協議、それから意見交換、そして、あわせて何よりも議会とやっぱりしっかりと議論をしながら、すばらしい防災計画をつくれればというふうに思っています。私たちも、そういう意味では真摯にこの問題を受けとめて協議していきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上でかせ委員の質疑を終了いたします。
 以上で本日の総括質疑をすべて終了いたします。
 次回の委員会は、明日、10月7日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
      午後4時32分散会