1.平成25年(2013年)11月26日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ
11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 吉 原 宏 24番 いでい 良 輔
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 英 直 彦 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 長 田 久 雄 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸
区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一
健康福祉部長 野 村 建 樹 保 健 所 長 寺 西 新
環 境 部 長 小谷松 弘 市 都市基盤部長 尾 﨑 孝
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 戸 辺 眞
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 青 山 敬一郎
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 東 利司雄 書 記 土 屋 佳代子
書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人
書 記 永 見 英 光 書 記 鈴 木 均
書 記 井 田 裕 之 書 記 竹 内 賢 三
書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介
議事日程(平成25年(2013年)11月26日午後1時開議)
日程第1 第71号議案 中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第72号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野中学校新校舎用什器類の買入れについて
日程第2 第74号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
第75号議案 中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例
第76号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例
第77号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例
日程第3 第78号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例
第79号議案 指定管理者の指定について
第80号議案 指定管理者の指定について
第81号議案 指定管理者の指定について
日程第4 第82号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例
日程第5 第83号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
第84号議案 指定管理者の指定について
午後1時00分開議
○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 南 かつひこ
1 水害対策について
2 防犯対策について
3 いじめ対策について
4 障がい児施策について
5 成年後見制度の充実について
6 その他
○副議長(やながわ妙子) 初めに、南かつひこ議員。
〔南かつひこ議員登壇〕
○15番(南かつひこ) 平成25年第4回定例会におきまして、公明党の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。
初めに、水害対策について伺います。
近年では、ヒートアイランド現象によると思われる局地的な集中豪雨が頻繁に起こり、都市型水害は深刻さを増してきています。予想することも難しく、甚大な被害をもたらします。それを防ぐためには、さまざまな対策を講じなければなりません。
そこで、水害対策について幾つかの視点から質問をいたします。
河川水位が基準を超えると、防災行政無線のスピーカーを使って警報が鳴り、防災メールでも水位情報を発信することになっています。防災メールでの水位の基準は2段階で表示され、神田川では天端より130センチを超えれば警戒水位超え、さらに水量が増していくと0メートル状態が溢水水位超えとなります。最近の都市型水害では、10分もすれば1メートルから2メートルの急激な水位の上昇が見られ、大変危険な状況になることも少なくありません。区民の方々にとっては、一刻も早い詳細な情報が重要です。水位情報も、警戒水位超えと溢水水位超えの2段階だけでなく、3段階や4段階の詳細な情報伝達にすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
メールでの情報入手が困難な高齢者などには、中野ケーブルテレビの「Lウインドウ」による防災情報が有効であると思います。河川の水位が警戒水位を超えた時点で防災メールで水位情報を発信した際には、「Lウインドウ」の画面にも同時に水位情報を表示できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
ことしに入って、台風などの影響により、調節池に水が流入した回数では、環七地下調節池で3回、北江古田調節池で6回もありました。調節池があることで水害被害を軽減できますが、その状況がわからないため、情報を伝える必要があります。神田川、妙正寺川、江古田川周辺地域でかつて水害被害に遭われた区民の方々にとって、調節池への水の流入が始まったことを知ることで避難する心構えや用意ができることになります。防災センターでは、東京都災害情報システムの機能を活用して、環七地下調節池への水の流入の情報や現在の貯水量が把握できると聞いていますが、水が流入し始めたことを防災メールで流入の開始情報として発信すべきと考えます。また、北江古田調節池においても、水の流入開始情報を発信すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、江古田川の水害対策について伺います。
江古田川は、河床も浅く、北江古田調節池には水位が1メートル30センチを超えるだけで流入してしまいます。妙江合流地点で妙正寺川と江古田川の河床の落差が数メートルほどあり、江古田川の河床が高くなっています。江古田川の河床を掘削して、水量の貯留機能を高めるように河川改修を東京都に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
次に、神田川について、東京都が管理する河川監視カメラは高砂橋と神善合流点の2カ所に設置されています。しかし、東京都は、中野区のホームページへの映像配信には全く応じる気配はありません。これまで水害被害に遭われた区民の皆様にとっては、映像に勝るものはありません。そのことを考えれば、東京都の管理する河川監視カメラの映像の配信を強く求めるべきであります。私は、これまでにも何度もこのことについて質問をしてきましたが、いまだに現状のままです。杉並区など隣接区と連携を図り、東京都に対してさらに強く要望すべきと考えますが、区の見解を伺って、この項の質問を終わります。
2番目として、防犯対策について伺います。
ことしの6月下旬に、練馬区で集団下校中の区立大泉第一小学校の児童たちが、学校の正門を出たところで男から刃物で切りつけられるという事件が発生しました。容疑者は埼玉方面に逃亡し、その後、確保され、逮捕に至りました。突然起こった白昼の犯行に、中野区内でも小さな子どもを持つ保護者からは、容疑者が区内に逃亡してくるのではないかとの不安の声も多くありました。中野区では、このような隣接区での重大事件が起こった場合にはどのような対応を行っているのかを伺います。
現在、中野区では、区内で発生した犯罪情報や子どもの安全にかかわる不審者情報などを速やかに情報提供して、地域防犯意識や犯罪の抑止効果を高めるために、中野区安全・安心メール(防犯メール)を配信しています。中野区の防犯メールは、隣接区での犯罪が起きてもメール配信はあまり実施していないようですが、練馬区立大泉第一小学校で起きたような重大事件の場合には、詳細情報をいち早く伝えるためにも防犯メールを活用すべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
茨城県龍ケ崎市では、本年7月より、不審者の出没情報を一覧できる不審者情報マップを市のウェブサイトで公開を始めました。現場の位置関係や状況が詳しくわかるもので、通報された情報が迅速に反映される仕組みになっています。このマップは、災害時の被害状況や避難所などの地図情報をリアルタイムで広く伝達できるように、市が4月に導入した被災者支援システムを応用したもので、行政法人防災科学技術研究所が開発し、無償で公開している電子地図の仕組みを活用したもので、開発費用も大幅に抑えることができます。パソコンなどで不審者情報マップをクリックすると、学校区で線引きされた市内全体の地図が表示され、撮影、声かけ、接触、追跡、暴言、露出などの行動パターンを分類したアイコンで不審者の出没箇所が示されます。それぞれのアイコンをクリックすると、現場の写真とともに事案の詳細が表示されます。不審者情報の連絡が入ったときに、市の教育委員会が警察と調整を行い、精査した上で、事案発生後1時間以内にマップに反映させます。現場写真については、通報後に撮影する必要があるため、後からアップロードされます。写真掲載については、危険なイメージなどで迷惑をかけないように、可能な限り店舗名などを外して撮影しています。マップに掲載されている不審者情報は犯罪の抑止効果にもなり、蓄積されたデータは防犯カメラの設置など、今後の防犯対策に生かしていける利点があります。中野区でも、区民の安全・安心を守るためにも、不審者情報マップの仕組みを取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。
3番目として、いじめ対策について伺います。
国がいじめ対策を本格化させて、本年6月28日に公布されたいじめ防止の法律である「いじめ防止対策推進法」が9月28日に施行されました。いじめ防止対策推進法の特徴として、いじめによる自殺、うつ病、不登校などの重大事態が発生した場合に、学校に文部科学省や地方自治体への報告を義務付けたことや、学校、または教育委員会に事実関係を調査する第三者組織の設置を求めていることです。いじめ問題をめぐっては、昨年、大津市の中学2年生の男子生徒が自殺をしたのがきっかけとなって、学校や教育委員会のずさんな対応が表面化しました。先月には、いじめ防止対策推進法に基づく国の基本方針が策定され、いじめ撲滅へ向けて全国の地方自治体をはじめ教育委員会や学校も動き始めています。いじめ問題への取り組みについては、未然防止、早期発見、早期対応、早期解決が重要であると考えます。今回、いじめ防止対策推進法が制定されましたが、いじめ問題については、これまで教育委員会や各学校ではどのように取り組まれてきたのかを伺います。
国立教育政策研究所による追跡調査によれば、小学4年生から中学3年生までの6年間で、仲間はずれ、無視、陰口の暴力を伴わないいじめを受けた経験のない子ども、いじめをした経験のない子どもがそれぞれ1割程度と、ほとんどの子どもたちが何らかの形でいじめとのかかわりがあり、基本方針では、全ての児童・生徒を対象としたいじめの未然防止の観点が重要であると指摘しています。いじめ防止対策推進法は、学校に対して「学校いじめ防止基本方針」の策定と、それに基づくいじめ対策の具体的な年間計画の作成、実行・検証・修正を担う中核組織の常設を義務付けています。一方では、地方自治体には、条例などの形で「地方いじめ防止基本方針」を策定することを努力義務としています。現在のところでは、地方いじめ防止基本方針の策定自治体は、滋賀県の大津市など数カ所にとどまっています。千葉県柏市では、いじめ防止対策推進法などを補ってまとめた「市児童虐待及びいじめ防止条例」を本年6月に成立させ、地方いじめ防止基本方針の策定と公表を義務化しています。中野区でも、先進的な取り組みとして、いじめ防止条例を定めてはどうかと考えますが、区の見解を伺います。
いじめ防止対策推進法の第23条4項には、「いじめを行った児童らについて、いじめを受けた児童らが使用する教室以外の場所において学習を行わせるなど、いじめを受けた児童ら、その他の児童らが安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする」とあります。現在、中野区の小・中学校でいじめ問題が起きた場合には、いじめを受けた児童を別教室に移して個別の授業を行うことで対策を講じていますが、このことでさらにクラスから遊離し、孤立化をさせてしまうことになりかねません。いじめの被害児童ではなく、いじめを行った児童を別教室に変えさせるという対処を盛り込んでいる今回のいじめ防止対策推進法に即した対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
いじめの被害児童の転校希望に対する対応について伺います。
いじめの被害児童が転校を希望した場合には、区としてどのような対応を行うのが適切と考えられているのか。区の見解を伺って、この項の質問を終わります。
4番目として、障がい児施策について伺います。
中野区では、子ども・子育て支援法に基づき、事業の充実を図るための子ども・子育て支援事業計画の策定に当たり、幼稚園、保育園、学童クラブ、子育て支援事業などについて現在の利用状況や今後の利用希望などをアンケート形式にしたニーズ調査を行っています。この調査では、中野区の独自調査項目として、障害児支援についての調査を追加していると聞いていますが、どのような内容のものなのかを伺います。
障害のある子どもの生活状況は、障害の特徴によって困難なこともそれぞれ違うと聞いています。知的・発達障害のある子どもや重度・重複障害のある子どもたちのニーズをとらえるためにも、生活状況の実態調査を実施すべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
障害児の中には、医療的ケアの必要な子どもたちがいます。日常生活の中でも、たんの吸引、酸素管理などが必要で、保護者は常に介護をしており、ヘルパーを頼む際も、医療的ケアができる事業者が必要となります。このような事業者などについての情報は大変に重要で、区は保護者にわかりやすく、きめ細やかに情報提供を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
平成25年度末をもって、肢体不自由学級であるたんぽぽ学級が廃止となり、その跡施設に重度・重複障害児の支援施設が来年10月に開設され、運営を指定管理者に移行すると子ども文教委員会で報告がありました。重度・重複障害児の保護者は、子どもから離れる時間をほとんど取ることができない状況にあり、子育てについて気持ちを共有したり、情報交換をしたりする機会が持てずにいます。通所施設では、保護者会はありますが、保護者同士が自主的に集まり情報交換をする場合がありません。子育てに悩む母親が子育てひろばに集うように、送迎バスの待ち時間など、短時間でも集まることができ、お互いに励まし合えるスペースを望む声を聞きます。子どもから離れることのできない状況を踏まえて、新たに運営される施設では、保護者の交流ができるスペースを確保できるように、今後選定される指定管理者に対して、区として働きかけるべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
次に、療育センターアポロ園について伺います。
アポロ園で実施している保育園等巡回相談事業は、今年度に予算を増額して充実させたと聞いていますが、保育園からはまだまだ足りていないという声が上がっています。予算の増額だけでなく、この事業を行うに当たっては、細かく丁寧に実施されていると聞いていますが、事業自体の工夫も必要であると考えます。アポロ園は、来年度より指定管理者による運営となりますが、区としてこの事業をどのように考えられているのかを伺うとともに、巡回訪問事業は基本的には保育園の職員へのアドバイスをすることになっていますが、保護者へのアドバイスも保育園などでできるようにすべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
保護者の中には、自分の子どもに障害があるのではないかと不安を感じていても、アポロ園そのものを知らないので、動きようがない状況もあると聞いています。また、障害のある子どもの保護者からは、アポロ園などの通所施設の情報をもっと早く知りたかったとの声もあります。今年度の6月から乳児の3カ月健診時にサポートファイルが配付されるようになりましたが、そのサポートファイルの中にアポロ園などの通所施設の情報も入れて充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。
最後に、成年後見制度充実について伺います。
全国の家庭裁判所の平成24年の成年後見関係事件の概況によると、成年後見関係事件の申立件数は3万4,689件であり、前年比10.5%の増加となっています。そのうち、後見開始の審判の申立件数は2万8,472件となっており、後見類型の比率が際立っていることを考えれば、ますます成年後見制度の重要性が高まったと言えます。港区の社会福祉協議会では、申立人及び本人が住民税非課税または生活保護受給者かつ申立費用を負担することが困難と認められる場合には、申立時の経費である収入印紙、登記印紙、切手代、診断書作成費用、鑑定費用などを上限15万円として助成制度を実施しています。また、豊島区でも同様に、社会福祉協議会で経済的理由等により法定後見制度の利用が困難な方に、収入や資産の基準を設けた上で、申立に係る費用を助成しています。中野区でも、成年後見制度の利用を進める上で、申立費用の助成制度を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
中野区では、区長の成年後見等開始の申立の場合に限って、後見人等への報酬の支払いが困難な低所得者に対して、区が助成金を支給しています。その助成額は、在宅生活者には月額2万8,000円以内、施設入所者は月額1万8,000円以内となっています。しかしながら、区長申立以外の低所得者への助成制度は、現在のところ実施されておりません。京都市では、申立費用や後見人等報酬の負担が経済的に困難な高齢者や障害のある方については、市長申立に限らず、本人、または親族等による申立による場合においても、成年後見制度利用支援事業による公費支給の対象とすることとして、昨年の4月1日より導入されました。成年後見制度は、2000年のスタート当初と比べれば、制度の周知も進んできたかと思いますが、まだまだたくさんの潜在的な利用可能者がいると思われます。そういった方々に安心して成年後見制度を利用していただくとともに、成年後見制度がもっと利用しやすくするためにも、後見報酬の助成制度について、区長申立に限らず、対象者の拡充をすべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。
次に、鑑定書のあり方について伺います。
法定後見制度を利用する場合、申立の段階で専門的な鑑定書が必要とされる場合があります。鑑定とは、本人の判断能力を判定するための作業であり、一般の診察よりも時間や労力を必要とします。鑑定料は、その作業に伴う医師への報酬であり、健康保険の適用外となりますので、10万円前後が必要となります。これは、低所得者にとってはかなりの費用負担になります。また、鑑定人の資格は、規定上は医師に限定されませんが、実際上は医師に限られています。一般的には、精神科、神経内科等専門医が望ましいと考えられますが、本人の病状を把握し、専門的知識を有している主治医であれば、その医師が内科医であっても問題はありません。鑑定の結果が出るまでに、1カ月から2カ月程度の期間が必要とされています。2000年に成年後見制度と同時に始まった介護保険制度では、介護認定をする際に、主治医の意見書を提出することになります。主治医意見書の提出までには、おおむね3週間程度の期間を要します。また、費用面では、中野区としては認定調査委託費を合わせると9,000円程度で済みます。中野区の主治医意見書のフォーマットには、認知症を判定するなどの心身の状態に関する意見の項目があります。この主治医意見書の中に、後見の程度をはかる「要後見」の欄を設けることで、成年後見での鑑定書の代用になり、低所得者にとっては鑑定費用の軽減につながると考えます。この提案には、さまざまな課題はあると思いますが、区の見解を伺います。
昨今、成年後見制度の重要性が高まっていく中で、市民後見人の養成の必要性が挙げられます。平成24年4月1日に成年後見制度に関する老人福祉法が改正され、第32条の2が新設されました。その趣旨は、成年後見人に確保するために、市民後見人養成のための研修の実施、後見人の家庭裁判所への推薦、その他必要な措置として、市民後見人の名簿等への登録、専門職による市民後見人の支援等が新たに設けられました。また、最高裁判所の調べによると、平成24年での親族以外の第三者が成年後見人等に選任されたものは全体の51.5%であり、制度開始以来、初めて親族が成年後見人等に選任されたものを上回りました。これらのことからも、ますます市民後見人の養成の必要性が高まる時代となりました。現在、中野区では、東京都が実施している社会後見型後見人の養成講座を活用しておりますが、これは今年度をもって廃止になることが決定しております。老人福祉法の改正を受けて、中野区でも独自の市民後見人の養成を実施しなくてはなりません。市民後見人の養成講座を中野区独自で実施できれば一番ですが、財源などの問題を考えれば、後見人の養成を隣接区と共同で行うのも制度の充実をつながるものと考えます。この際、後見人の養成講座を隣接区である中野区、杉並区、練馬区、豊島区、板橋区のいわゆる城西ブロックにおいて合同で実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、法人後見について触れたいと思います。
増大し、多様化する後見人のニーズに対して、第三者の後見人として、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職後見人が受任するケースもふえてきていますが、対応には限界が生じています。そのため、被後見人との親族関係が破綻していたり、低所得のために後見報酬を負担できなかったり、金銭的な課題はもとより、精神的疾患が原因で日常生活に関する課題を抱えている場合など、自然人では対応ができないときには組織機関による対応が必要となります。つまり、法人後見が重要となります。中野区社会福祉協議会では、さまざまな事情によって第三者後見ができない2名の方の法人後見を受任しています。成年後見制度の必要性が高まっていく中で、法人後見の需要もふえていくかと思われます。千葉県では、県社会福祉協議会が中心となって、法人後見マニュアルを作成し、法人後見をいかに担っていくかをまとめています。最近では、社会福祉協議会での法人後見にとどまらず、法人後見を受任する民間の法人機関もふえてきました。このような機関に対して、法人後見業務の円滑化を図るためにも法人後見マニュアルを作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺って、私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えいたします。
水害対策時の水位情報の発信についてであります。防災情報メールの水位情報の運用は、神田川系、妙正寺川系、それぞれで警戒水位及び溢水水位を超えた場合に、該当水位計測地点の属する系列の水位情報が送信されるようになっております。防災情報メールによるさらに詳細な段階区分での情報発信につきましては、登録受信者にとって煩雑な着信となる側面もあり、情報発信のあり方についてさらに検討してまいりたいと考えております。
なお、リアルタイムの水位情報は、現在区のホームページで閲覧することができるものでございます。
それから、ケーブルテレビによる水位情報発信について、中野ケーブルテレビのLウインドウにおける情報伝達は、JCN中野との災害協定に基づいて実施しております。今後、水位情報発信についても、中野ケーブルテレビと検討してまいりたいと思います。
それから、調節池の取水に関する情報発信についてであります。東京都は、環七地下調節池の取水情報について、一般への情報提供を行っていないため、区としては現在のところ、防災情報メールで情報発信することができないと、こういう状況になっています。情報発信のあり方について、東京都と協議をしてみたいと考えております。
北江古田調節池につきましては、1メートル30センチで自然流入が始まります。今後、防災情報メールの水位情報とあわせて、流入開始情報についても発信できるよう検討してまいります。
それから、江古田川の整備についてであります。東京都では、平成22年11月に、計画期間をおおむね20年間とする神田川流域河川整備計画を策定し、時間当たり50ミリ規模の降雨に対処できる河道の拡幅及び河床掘削を進めていくこととしております。この計画の中で、江古田川整備については、合流する妙正寺川の整備との整合を考慮し、整備手法の検討を行うこととしております。区としては、引き続き、東京都に対して、河川の氾濫を防止するための河床の掘削など、護岸改修による治水対策を着実に推進するよう強く要望してまいりたいと思います。
それから、都設置の河川監視カメラの映像配信についてであります。東京都が設置している河川監視カメラの映像配信については、これまでも区民への迅速な防災情報の提供のため、東京都と協議を進めてきたところであります。しかし、河川管理施設の運用を目的としていることや、個人情報が映像に含まれる可能性があるといったようなことから、映像の配信については合意には至っておりません。区としては、杉並区など、他の区とも協議し、引き続き東京都に対し、河川監視カメラの映像配信について要望していきたいと考えております。
次に、防犯対策についてであります。近隣区で発生した事件に対する区の対策ということです。近隣区で発生した重要事件については、区内を2台で運行させている青色灯防犯パトロールカーを発生場所に近い区境周辺に集中し警戒させるほか、区の関係分野に情報提供するなど、個々の事案に応じた対応をとっております。また、近隣区で発生した事案の中でも、中野区との区境直近で発生したものについては、中野区安全・安心メールを配信しております。さらに、今後、近隣区の区境直近に限らず、重大な事件が発生した場合には、事案内容を個別に判断し、中野区安全・安心メールを的確に配信してまいります。
不審者情報マップ等の掲載の必要性についてであります。犯罪や不審者の発生場所を地図に示してホームページ上に載せることは、安全な地域がひと目でわかり、犯罪発生場所を事前に知ることができるなど、防犯上役立つことがある、このようには思います。しかし、犯罪の種類によっては、被害者のプライバシー上の問題や被害者への二次的被害の発生も危惧されるなど、慎重を期す必要があることや、犯罪発生が必ずしも場所の特性と関連しているか、これは状況により、また事案により定かではないことなどから、ホームページ上に犯罪発生場所の地図を載せることについては、現在のところ考えておりません。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) いじめ対策についての御質問であります。
いじめ防止対策推進法が制定されたが、これまでどのような取り組みをしてきたかという御質問でした。中野区では、いじめの早期発見・早期対応・未然防止に向け、年3回のアンケートの実施や、臨床心理士等による学校への定期的な巡回、教職員への研修の充実等を含むいじめ総合対策を取りまとめ、これを着実に実施するとともに、地域・保護者に周知をしているところでございます。
また、いじめ防止条例の制定をという御質問でした。教育委員会では、このいじめ総合対策をいじめ防止対策推進法に基づく基本方針に位置付けているところでございまして、まずはその着実な実施に努めていきたいというふうに考えてございます。
また、別室学習など法に即した対応をという御質問でした。教育委員会といたしましては、学校と連携しながら、いじめの対応や状況を精査し、いじめに対して粘り強い指導を行うとともに、必要に応じて別室での学習も視野に入れて対応していきたいというふうに考えてございます。
また、いじめを受けた場合の転校につきましては、児童・生徒の心身状態や行われたいじめの状況、さらには、改善に向けた学校の取り組み状況等を精査し、適切な対応を図っていきたいというふうに考えております。
〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕
○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、障がい児施策についてお答えいたします。
初めに、子ども・子育て会議におけますアンケート調査の内容でございます。全体的な施設の利用状況の質問の中で、アポロ園の利用を確認できる項目を加えたということと、個別には、学齢期の障害児が利用します放課後等デイサービスの利用希望等について尋ねる項目を加えたところでございます。
続きまして、生活状況の調査についてでございます。今年度、重度・重複障害児の通所施設の利用希望について調査を実施したところでございます。子ども・子育てのアンケート調査の結果を踏まえ、必要に応じて、中野区障害福祉計画のための意向調査など、障害のある子どもの生活状況について把握したいと考えてございます。
次に、医療的ケアが行える事業者の情報提供についてでございます。医療的ケアが行えます特定行為事業者の名簿につきましては、東京都のホームページにおいて一般の方も閲覧できるところでございます。中野区の事業者の一覧表は、すこやか福祉センターでも案内しているところでございますが、障害児の通所施設等でも受け取れるよう工夫してまいりたいと考えます。
続きまして、保護者の交流スペースについてでございます。障害のある子どもを育てる保護者にとりまして、子育ての情報共有は大切であると認識しているところでございます。来年度から新たに委託しますアポロ園や重度・重複障害児支援施設、知的・発達障害児支援施設の運営の中で、子育ての状況が共有できるよう工夫をするなど、事業者に働きかけを行いたいと思っております。
次に、アポロ園で実施します保育園等の巡回訪問についてでございます。来年度、指定管理委託に当たっては、訪問にかける時間などの見直しを行い、効率的・効果的な事業に転換を図る予定でございます。また、保護者へのアドバイスは、アポロ園において既に実施しているところでございますが、必要に応じて、保育園、幼稚園においても実施してまいりたいと考えます。
また、次に、通所施設の情報提供でございます。アポロ園などの障害児の通所施設やサービスについての情報につきましては、サポートファイルに追加していくなどしていきたいと思っております。 以上でございます。
〔健康福祉部長野村建樹登壇〕
○健康福祉部長(野村建樹) 成年後見制度の幾つかの御質問にお答えをいたします。
まず、経費助成の制度でございますが、中野区では、年間20件以上の区長申立を行うとともに、そのうち生活保護受給者や後見報酬を負担することが難しいという低所得世帯へ費用の助成を行ってございます。成年後見制度の普及と利用促進の取り組みは今後ますます重要となりますことから、費用助成策の拡充につきましては、その中で必要性を見きわめてまいりたいというふうに思ってございます。
次に、鑑定のあり方という御質問でございます。成年後見審判におけます後見や補佐、こういった本人の判断能力程度の医師による鑑定につきましては、家庭裁判所の専権事項でございます。主治医意見書の活用など、区独自の方法をとるということはなかなか難しいというふうに思ってございます。
続きまして、市民後見人の養成、この事務が区へ移管されたということについてでございますが、これまで東京都の委託を受けて、社会貢献型後見人研修、これを実施してまいりました東京都社会福祉協議会でございますが、来年度、26年度につきましても、基礎講習を開催するというふうに聞いてございます。当区といたしましては、当面、東京都社会福祉協議会を活用し、市民後見人を養成していくという取り組みを考えてございます。
最後に、法人後見についての御質問でございました。障害者総合支援法の施行によりまして、区市町村が行う地域生活支援事業に後見人の育成・活用が位置付けられ、また、市民後見人とともに法人後見の育成ということも課題となっているというふうに考えてございます。中野区ではこれまで、中野区社会福祉協議会が法人後見機関として取り組んでまいりました。今後、この社会貢献型市民後見人の育成に伴いまして、NPO法人等による法人後見への参入意向、こういったものを見きわめながら、マニュアルの提供も含めまして、支援策を講じていきたいというふうに考えてございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 若 林 しげお
1 商店街の街路灯について
2 (仮称)南部防災公園について
3 国家公務員宿舎跡地利用について
4 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、若林しげお議員。
〔若林しげお議員登壇〕
○1番(若林しげお) 平成25年第4回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。
質問は、通告のとおり、1番、商店街の街路灯について、2番、(仮称)南部防災公園について、3番、国家公務員宿舎跡地利用について、その他はありませんので、以上3点についてお伺いをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、商店街の街路灯についてお伺いをいたします。
中野区管理の全街路灯LED化は、25年度中に全て完成するということであります。このことは節電対策及びCO2発生量削減対策などの環境対策の取り組みについて、他区に比べて早い段階での取り組みは評価いたします。また、区管理全街路灯を全てLED化にしている区は、23区中、中野区だけということで、このことについても高く評価をいたします。しかし、中野区役所近辺の千光前通りなどのデザイン街路灯は、柱ごと交換しなければならないということで、まだ手をつけていないと思いますが、区が管理している街路灯のうち、デザイン街路灯のLED化について、今後どのように考えているのか、お聞かせください。
一方、節電対応及び環境対応の観点からは、街路灯のLED化だけでなく、照明灯や室内灯など、施設に設置する照明など、区有施設の照明灯のLED化も重要であります。区有施設の電気使用量、電気代を過去3年間比べてみますと、比較的各施設とも電気使用量は減っているものの、電気代は上昇傾向にあるように感じます。特に、我が区の財政が厳しい状況下にある中で、事業見直しなどの区民サービスの低下は避けなければならないものであります。これには節電対策を可能な限り行い、区の一般財源を節約して、必要となる区民サービスに充てていくことが重要であり、LED化をさらに推し進め、節電とCO2発生削減を迅速かつ着実に進めていかなければならないと考えます。
そこでお伺いします。現時点で区有施設のLED化はどの程度進んでいるのでしょうか。また、区有施設全てLED化にした場合、どのくらいの電気代の削減で、どのくらいのCO2発生量削減になるのでしょうか。お伺いいたします。
電気代の節約とCO2の削減を効果的に進めるためには、区有施設のLED化も計画的に進める必要があると考えます。今後の全区有施設のLED化にかかわる計画や見通しについて、区の考え、方針等ありましたら、お聞かせください。
ところで、区街路等や区有施設のLED化について何点かお尋ねしましたが、今回私が取り上げさせていただくのは、商店街の街路灯についてになります。このことについては、我が会派の伊東しんじ議員が、予算特別委員会の総括質疑で触れています。
さて、商店街は、身近での買い物や地域の暮らし、また、にぎわいの創出など、区民の生活の根幹である地域コミュニティを支えています。商店街の街路灯は、集客やにぎわいの観点から、デザイン性に富むものも多く、良好なまちの景観を形成するとともに、一部のものには昼夜点灯し、まちの安全安心など、重要な機能を担っています。設置管理は、商店街などがみずから行い、電気代については区の一般財源の持ち出しにより、実質おおむね8割を助成している状況です。こうした中、商店街の街路灯のLED化については、東日本大震災以降、さまざまな地域で進むようになりました。しかし、区内商店街の街路灯のLED化は、現在は約3割程度までしか進んでいない状況であると聞いており、それ以上の進みぐあいも悪いということであります。
その原因の一つとして、商店街のLED化にかかわるランプ交換、費用など、商店街が負担する費用を負う体力がないということです。商店街の街路灯のLED化にかかわる費用は、都の補助金制度である特定施策推進型商店街事業を活用でき、80%を都が負担、残り20%を商店街が負担というものであります。都からの補助が多くてとてもありがたい制度ではありますが、これでも見積もりを出してもらい検討してみると、商店街が10年、20年かけてもやり切れないものが多く、諦める商店街がほとんとであるのが現状です。私の地元の南台商店街も、その一つになります。理事会で何回も会議を重ね、ほかの商店街も見に行き、進めていきましたが、やはり55基の街路灯を交換することは、体力的に断念せざるを得ないという残念な結果になった経緯があります。
そこで、我が会派からも数回にわたり質問させていただいておりますが、区が残りの20%の何割かを補助すべきではないかということです。補助対象経費の8割が交付される都の特定施策推進型商店街事業補助金を活用した商店街街路灯LED化に対する上乗せ補助を実施した他区の状況を調べてみました。23区中、上乗せしている区は16区になります。区によってさまざまですが、ほぼ10%を区が上乗せ負担し、残り10%を商店街が負担するというものが多いようです。渋谷区においては、都の8割助成の残り2割は全額区が負担していて、杉並区においては、15%の上乗せ負担、残り5%を商店街が負担しているようです。これにより、商店街の負担も減り、LED化の推進に弾みがつくこととなったと聞いております。中野区においても、東日本大震災後、節電対策にかかわる平成23年度補正予算により臨時的に10%の上乗せ補助を行った経緯もありました。これにより、11商店街265基の街路灯がLED化された実績があります。こうした状況を踏まえ、今後は中野区でも上乗せ補助が必要であると考えます。区管理街路灯のLED化の節電効果やCO2削減効果を考えると、商店街の街路灯のLED化も早急に進める必要があります。商店街街路灯のLED化が進めば、商店街街路灯電気代も1本に対し3分の1で済むことになります。これにより、区が助成する電気代の削減が恒久的に行えることとなることから、一般財源の持ち出しも減り、一時的な区の上乗せ費用についても回収が着実に行えると思います。
こうしたことから、現在2,230基ある商店街街路灯の残り7割を早急にLED化していくことが重要です。これには都の8割助成に加え、商店街への負担がかからないような十分な上乗せ補助を区が行い、LED化をさらに加速させることが不可欠であります。商店街としても、地球環境にやさしい中野区商店街として、地域貢献の看板も掲げられると考えます。商店街の区の十分な上乗せ助成が可能なのか、区の見解をお聞かせください。
一方で、LED化だけでなく、商店街の街路灯がそもそも老朽化している問題が見受けられます。南台商店街のものは15年ということでまだ大丈夫と考えますが、ほかの商店街街路灯はいかがでしょうか。台風などにより倒壊する商店街街路灯もあると聞き及んでおり、防災の面からも危険を感じます。
しかし、今の商店街で老朽化に伴い柱ごと交換できる体力のある商店街は少ないのではないかと考えます。それは、一部の商店街を除き、商店街の資力・体力が年々低下してきている現状があるからです。一部商店街では、街路灯の維持管理が困難となり、撤去した商店街もありました。また、商店街そのものが存続困難となって解散となった商店街もあり、その場合、何とか街路灯の撤去代だけでも確保してから解散するなど、街路灯は商店街の大きな負担になっているように思います。店舗も少なくなっていく中、各商店の負担もふえているのが現状です。区民の生活を支える地域のコミュニティを担う商店街を守っていく上で、商店街街路灯そのものの維持管理を支えていくこと。すなわち、維持経費の助成や撤去・設置費用の助成なども施策の一つであると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
また、こうしたこととあわせ、そもそも年々低下していく商店街の資力・体力を高めていくことも必要であります。街路灯の助成など施策ごとの助成とあわせ、商店街の資力・体力を高めていくための助成なども必要であると考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
次に、(仮称)南部防災公園についてお伺いいたします。
初めに、この南台地域の過去の経緯を少しさかのぼりながら質問をさせていただきます。
中野区内には、4メートルに満たない狭い生活道路がたくさん存在します。このことから、消防活動が困難で、歩行に危険、日照・通風が悪いといったようなさまざまな問題を抱えていました。特に、南台地域は、住宅密集度が非常に高く、早くから防災まちづくりに対する関心も高い地域でした。このようなことを踏まえ、中野区は、昭和59年に南部地域防災まちづくり構想を、平成元年には南台一・二・四丁目地区まちづくり計画を提案しました。また、中野区は南北に長い地形となっており、中央線から南のエリアには大規模な公園がないことから、ぜひともこの南のエリアに大規模な公園を整備してもらいたいという多くの区民の願いから、平成3年度の第1次中野区長期計画には南部地区へ大規模な公園を整備することが位置付けられました。平成8年度第2次中野区長期計画においては、より具体的な話として、東京大学海洋研究所の移転の話が持ち上がったことから、その跡地を取得し、そこに(仮称)南部防災公園を整備する計画が示されました。広域避難所の関係から見ますと、それまで新宿中央公園や立正佼成会大聖堂への遠方への避難を余儀なくされていた地区ではありましたが、平成9年度には東京大学教育学部附属中等教育学校周辺が広域避難場所に指定され、少しずつですが、着実な防災まちづくりが進められてきた地域であります。さらに、平成11年度には、東大附属学校西側道路と緑に関する検討会議を立ち上げ、数年の検討を重ねた結果、同会議から防災公園を学校敷地西側に想定し、西側道路を整備するよう提案書が出されました。このような流れの中で、平成19年10月には、東京大学西側道路拡幅整備工事が完了し、それまで一方通行であった道路が対面通行の道路に生まれ変わりました。平成21年3月、(仮称)南部防災公園並びに東京大学教育学部附属中等教育学校周辺道路及び東京大学海洋研究所周辺道路の整備に関する基本協定を締結し、同年9月に南部防災公園が都市計画決定され、23年、グラウンド部分の土地売買契約を締結、本年3月に、体育館部分の土地売買契約を締結するとともに、東大附属の南側、東側、そして北側の道路の拡幅整備工事が完了しました。そうして、我が会派から発信させていただきました南中野区民待望の少年サッカーグラウンドやフットサルコート、そして消防訓練スペースなど、防災機能を兼ね備えた大規模公園の整備計画が着々と進み、平成27年度に完成の予定となっております。
前置きが長くなりましたが、南中野にとって大きな財産となるこの大規模公園を、安全安心してくつろげる空間、そして、緑豊かな公園にするために、これからもさらなる御尽力をいただきたいと思います。
そこでお伺いします。
まず、南部防災公園の区としての位置付けを再度お伺いしたいと思います。区の見解をお聞かせください。また、今後のスケジュールなどはどのようになっているのか、あわせてお聞かせください。
この公園は防災機能を兼ね備えているということですが、災害時にはすぐさま公園に避難できる状況になくてはならないと考えます。大規模災害が発生した場合、多くの区民が逃げ込むことが予想されますが、進入経路はどのように整備されるのでしょうか。お聞かせください。
東大附属との一体性も考えますと、学校側への進入路の間口も広くすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞かせください。
南台地域の念願でもあります防災公園をすばらしい公園に仕上げていただきたいと思います。この地域の防災力がさらに充実し、全国的にもすばらしい地域まちづくりがさらに推進されるようお願いいたしまして、この項の質問を終わります。
次に、国家公務員宿舎跡地利用についてお伺いします。
このことについては、前回、我が会派の大内しんご議員が一般質問しております。
区は、国から情報提供された処分予定の国家公務員宿舎跡地について、区として利活用方針を改定しました。区は、この利活用方針の中で、宿舎の廃止・移転の機会をとらえ、跡地の利活用が可能なものについては、都市再生の推進に資するような戦略的な活用を図るとしており、必要な都市機能の集積や広域避難場所等の防災機能の向上及び地区まちづくりの観点から一定の高度利用も想定して、地域や区全体の環境保全、区の活力向上に寄与するような利用・活用をするとしています。特に、敷地規模が大きい場合においては、都市計画で定める公園等の都市施設、または地域まちづくりへの活用を図るとしています。敷地規模が大きい国家公務員宿舎跡地の活用については、喫緊の課題である地域の防災機能向上や地域まちづくりを進める上で重要な機会になります。活用方針において、区として活用するとした用地については、機を逃さず、早期に国との間で取得の手続を進めるべきであると考えます。
敷地規模が大きい用地として、弥生町六丁目弥生寮跡地があります。この用地については、区は跡地を公園として整備し、広域避難場所としての防災機能の確保を図るとともに、現在中野駅北側に設置されている清掃車庫移転先としての活用を打ち出しています。この国家公務員宿舎一帯は、コーシャハイム中野弥生町、立正佼成会大聖堂との一体的な広域避難所に指定されていますが、国家公務員宿舎は既に閉鎖管理され、大規模災害時に区民が活用できない状況で、近隣の住民も早期の防災機能回復を期待しているところであります。公園が開設されれば、(仮称)南部防災公園、(仮称)本町五丁目公園に次ぐ南中野の大規模公園となり、防災機能の拡充策として地域にとっても大きな財産になります。
そこでお伺いします。さきの大内議員の質問に対し、区は、弥生町六丁目の国家公務員宿舎跡地については、関東財務局に対して、早期に売却については働きかけるとしていましたが、その後、どのような経過となっているのか、跡地の払い下げはいつ行われることになるのか、お聞かせください。
また、東京オリンピック開催を2020年に控え、今後地域スポーツムーブメントを活性化させていく必要があります。そのためには、さらなるスポーツ施設の充実を図っていくことが求められると思います。さらに、同敷地内の西側公道についてですが、道路幅が4メートルと狭く、一方通行で、従前から近隣の住民の方々が通行に支障をきたしており、地域から道路拡幅について強い要望を受けている場所でもあります。今後、活用方針に基づき、防災公園を整備するに当たっては、これらの要望を十分踏まえて進めていただきたいと思いますが、区の見解をお聞かせください。
次に、この弥生町六丁目の国家公務員宿舎にあわせて移転整備される予定の清掃車庫について伺います。
現在、清掃事務所車庫は、平成12年の都区制度改革の際に、清掃事業移管の条件として整備が求められたもので、区の直営清掃車27台の車庫機能として暫定的に整備されたものです。この清掃車庫は、当初、警察大学校等移転跡地に計画されていた清掃関連施設に併設して本格整備をすることを想定されていました。しかし、その後の計画では、中野区役所新庁舎とあわせて移転整備と計画が変更されています。
一方、中野駅新西口開設とあわせて、南北自由通路を早期に開設し、中野駅周辺まちづくりをさらに進めていくことが区にとって喫緊の課題になっています。中野四季の都市(まち)の誕生によって、来街者が2万人ふえたと言われており、既に中野駅北口の改札の混雑は大きな問題となっています。今後予定されている区役所・サンプラザの用地を活用した再開発を進めるためにも、早期に新しい改札口とともに南北自由通路が必要であり、そのためには新西口駅前広場の予定地内にある清掃車庫を早期に移転させることが必要となってきています。2020年には東京オリンピックが開催され、多くの観光客や来街者が予測されます。中野の魅力を発信して、来街者を呼び込む必要があることを考えると、少なくともオリンピックが開催される前までに、この南北自由通路を開設して、周辺まちづくりを進め、中野の魅力を高めておく必要があると考えます。
そこでお伺いします。清掃車庫の移動場所について、どのような経緯で弥生町六丁目の国家公務員宿舎跡に移転させることになったのでしょうか。また、弥生町六丁目の国家公務員宿舎跡を払い下げしてから、防災公園整備と清掃車庫の移転はどのようなスケジュールとなろうとしているのでしょうか。区の見解をお聞かせください。
以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えいたします。
商店街の街路灯についてであります。
まず、デザイン街路灯のLED化についてであります。中野区が管理する街路灯のLED化については、予定していた灯具の交換は今年度中に全て完了いたします。また、デザイン街路灯につきましては、既設のランプをLEDランプに交換するという方法が取れることが明らかになりましたので、これについて、今年度中に交換することとしたいと考えているところであります。
それから、区有施設のLED化の進捗についてであります。現在のところ、大和小学校体育館や鍋横保育園、庁舎本会議場の照明器具はLED化が完了しています。また、今年度については、大和保育園や大和東保育園、野方図書館のLED化を進めているところであります。
LED化した場合の電気量の削減、また、CO2発生量の削減、どのような効果かということです。平成24年度の区有施設のうち、照明器具の改修を行っていない施設の総電力使用量は1,450万キロワットアワーで、電気料金は2億1,300万円でありました。電気量の約25%が照明電力であり、LED化することによる照明電力を50%削減可能というふうにして試算をいたしますと、削減電力量は181万2,500キロワットアワーになります。これに電気料金単価を掛けると約2,600万円の削減となります。同様に、CO2の削減量は、削減電力量の181万2,500キロワットアワーに排出係数を掛けますと736トンのCO2の削減ができるものと試算できるものであります。
今後の区有施設のLED化の計画と見通しについてであります。耐震改修工事や空調設備工事など、区有施設の大規模改修工事にあわせてLEDの照明器具への取りかえを進めていく予定でありますが、技術革新のかなり早い分野でもありますので、今後の技術革新にも注目をしながら、対応していきたいと、このように考えております。
それから、商店街の街路灯のLED化についてであります。上乗せの助成を実施して、LED化を加速させてはいかがかと、こういった御質問です。商店街がみずから担っている街路灯のLED化は、節電やCO2削減の効果が高いものであって、区としてもその促進を期待しています。期間を区切って上乗せ補助を実施することよって、全ての商店街街路灯のLED化を進めることを現在検討しているところであります。
老朽化した街路灯の維持補修・撤去についてであります。商店会の解散や維持管理の継続が困難といった事由による商店街街路灯の撤去につきましては、既存の助成金では対象外となっております。今後、他区での実施状況の調査などを通じて、区独自での助成制度のあり方を検討してみたいと、このように考えております。
商店会の組織基盤強化が重要ではないかという御質問であります。区では、昨年度から3年間、区商連と商店会加入促進に係る協定を締結し、未加入者、または新規出店者に対する商店会加入促進を目的とした事業を共同で展開しているところであります。また、こうした商店会加入率向上の取り組みの促進とあわせて、区商連と各商店会との連携強化にかかわる助成や既存の商店街助成制度の活用にかかわる情報提供などを通じて、商店会の経営資源の充実や商店会経営力の強化を図っていきたいと考えております。
私からは以上です。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、(仮称)南部防災公園についての御質問にまずお答えをいたします。
公園の位置付けについての御質問でございます。(仮称)南部防災公園の位置付けは、平成21年度に策定した「今後の大規模公園整備の基本的考え方」により、ゆったりとしたオープンスペースの中で憩うことができ、スポーツ活動の場の提供と広域避難所として指定されたエリア内であることから、防災機能を有する公園としているところでございます。整備に当たっては、少年サッカー場や緑豊かな潤いの中で憩い、地域に親しまれ、消防団の防災訓練もできる公園とする予定で考えております。
次に、公園整備スケジュールについてでございます。現在、基本設計案がまとまり、12月に2回、意見交換会を行うこととしております。意見交換会での意見を取り入れながら、基本設計をまとめ、実施設計を今年度末までに完了させていきたいと考えているところです。整備は、平成26年・27年度に行い、28年度開園を予定しております。
次に、大規模災害が発生した場合の進入経路の整備についての御質問がございました。各方面から入れるように出入り口を確保し、多くの区民が円滑に避難できるように整備をしていく考えでおります。
次に、学校への進入路についての御質問でございますが、学校周辺道路の拡幅の際に設置した災害時の出入り口や学校の出入り口を考慮して、公園から学校への災害時の出入り口として2カ所設置する考えでおります。
最後に、国家公務員宿舎跡地利用についての御質問のうち、弥生町六丁目跡地の公園整備についての御質問でございますが、具体的な整備方針はこれから検討していきたいと考えているところでございます。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 国家公務員宿舎跡地の利用についての御質問のうち、まず、取得に向けた状況についての御質問についてでございます。
区として、当該用地の取得の意向を関東財務局に伝えたところでございます。関東財務局としても、早期に売却したいとの意向があることを確認したところでございます。今後は、来年度の取得に向けて、価格や必要な手続などについて関東財務局と具体的な交渉を行っていきたいと考えております。
次に、清掃車庫移転の経緯についてです。中野駅周辺整備の進捗に伴い、清掃車庫の移転が喫緊の課題となっていたところでございます。今般、国から国家公務員宿舎の廃止処分に係る情報提供があり、当該用地の状況や周辺の道路、交通などの環境から判断し、ここを車庫移転用地と決めたものでございます。
それから、公園の整備、それから車庫移転のスケジュールについてでございます。現在、スケジュールを全体調整しているところでございまして、国の交付金の確保などから、平成26年度からおおむね5年以内の整備を考えているところでございます。
〔若林しげお議員登壇〕
○1番(若林しげお) すみません。聞き漏らしてはいないと思うんですが、国家公務員宿舎跡地の公園の整備について、まだ決まっていないという御答弁だったと思うんですが、道路の拡幅とかお話しさせていただきましたし、スポーツ施設にかかわるようなものとかもお話をさせていただいて、要望を踏まえて、地元からいろいろ要望があるものですから、その要望を踏まえて整備をしていただければなと思ってお話をさせていただいたのですが、ちょっとそのことについて触れていただければと思うんですが。よろしくお願いします。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 再質問にお答えしたいと思います。
本町六丁目跡地の整備につきましては、区としてこれから整備方針を検討するということになります。今御要望いただいた点、あるいは地域での御要望、いろいろとあると思いますが、それらを加味しながら検討を、中身を充実させていきたいと、そのように考えております。
〔若林しげお議員登壇〕
○1番(若林しげお) 整備ということで、今、本町六丁目と言われたと思うんですが、弥生町六丁目でよろしいんですよね。もう一度お願いします。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 大変失礼いたしました。本町六丁目ではなく、弥生町六丁目の跡地の整備でございます。失礼いたしました。
○副議長(やながわ妙子) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 生活援護のあり方について
2 区役所本庁舎内施設配置について
3 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに、質疑いたします。
生活援護のあり方についてお尋ねいたします。
生活保護費の抑制策を盛り込んだ生活保護法改正案が11月13日に参議院で可決され、現在、衆議院で審議中です。不正受給対策をテーマに挙げての今回の改正ですが、その大きな改正点は、申請時の手続の変更と扶養義務の強化です。生活保護制度の申請は、従来、口頭でも可能でしたが、改正では、申請書と必要書類の添付を求めています。これは、当然のことと思われがちですが、さまざまな事情を抱え、必要書類をそろえるのもままならない方が多くいらっしゃいます。例えば、DV被害を受けて、着の身着のまま逃げてきた方やホームレス状態で必要な書類を紛失してしまった方など、切羽詰まった困窮状態に置かれている方ほど、必要書類を用意できない可能性が高いと言えます。現時点でも、生活援護の窓口ですぐに手にすることができる場所には申請書は置かれておらず、申請をさせてもらえずに追い帰されたなどの「水際作戦」と呼ばれる生活保護費の抑制策が取られ、窓口での不当不法な対応が社会問題になっています。その上、必要書類の添付となると、救わなければならない命さえ切り捨てられるリスクが高まります。
次に、問題となる改正点は、扶養義務の強化です。これまで、生活保護制度の中の扶養義務とは、民法の規定にのっとり、親、きょうだい、子どもなどの家族・親族で扶養できる状況の人がいたならば、可能な範囲で支援をしてもらうというものでした。実際には、家族や親族も扶養能力がない場合が多く、また、DVや虐待により逃げてきた方や、何年も家族と連絡を絶ち、縁が切れている方など、その方の状況や環境によって扶養は法的に強制されるものではありませんでした。しかし、今回の改正では、申請すると福祉事務所が家族や親族に申請したことや扶養できるかどうか、資産や収入の状況についての報告を求める通知を送ります。さらに、福祉事務所は、公的機関に申請者の家族や親族の収入や資産の状況について、資料の提出や報告を求めることができます。これまでは、家族の状況や環境に応じて可能な範囲の適用であった扶養義務が、条文化されたことで、事実上の要件化になることを意味しています。これでは精神的ハードルが高くなり、申請を躊躇し、個人の生存権を脅かすことになりかねません。国は、このような懸念に対して、「これまでの運用と変わらず、実際は今後も口頭での申請が可能である。扶養義務は、今後も可能な範囲である。誤った運用が現場で起きないように説明会や指導を行う」と答弁しています。生活保護の目的は、生活再建であり、自立に向けた支援策であるべきです。申請の躊躇や家族関係の悪化を来たすことがないように、十分配慮することが自治体に求めれています。今回の法改正に伴う申請手続の変更や扶養義務の強化についての区の課題認識をお答えください。
さて、区民生活に一番密着している地方自治体の窓口業務は、常に福祉的視点を持って行うべきと考えます。社会福祉法第15条には、「指導・監督を行う所員、現業を行う所員は、社会福祉主事でなければならない」と規定されています。指導・監督を行う所員とは、現業事務の指導・監督を司る査察指導員のことで、係長です。また、現業を行う所員とは、援護、育成、または更生の措置を要する者等の家庭を訪問し、または訪問しないでこれらの者に面接し、本人の資産、環境等を調査し、保護、その他の措置の必要の有無及びその種類を判断し、本人に対し生活指導を行う等の事務を司るいわゆるケースワーカーのことです。いずれも社会福祉主事でなければならないと規定されています。その社会福祉主事の資格については、第19条に「年齢が20歳以上の地方公務員であって、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があり、さらに、かつ1、大学等で厚生労働大臣の指定する社会福祉主事任用資格選択必修科目のうち3科目以上の単位を修得して卒業した者。2、厚生労働大臣の指定する養成機関で22科目、1,500時間、あるいは1年間の通信教育課程を修了したもの。3、社会福祉士。4、精神保健福祉士などと定められています。つまり、任用資格とはいえ、社会福祉主事になるにはそれ相当の勉強と専門的知識が必要とされています。しかし、罰則規定がないため、2011年度の調査では、東京都内で社会福祉主事の資格のある査察指導員は約81.1%、現業員は66.4%にとどまり、社会福祉法が遵守されていません。中野区では、社会福祉主事の資格保有者は、査察指導員11人中7人ですので63.6%、現業員は62人中32人で51.6%と、都内平均を下回っています。社会福祉法遵守を目指し、通信教育受講費を支給し、資格取得を後押ししている自治体もあります。社会福祉法を遵守せず、社会福祉主事の資格のない職員が査察指導員及び現業員を行っていることについて、どのような認識をお持ちなのか、見解をお答えください。
現業員は、さまざまな困難ケースを抱え、心身ともに病んでしまう場合も少なからずあります。社会福祉主事の資格取得のための勉強で身につけた知識は、職員自身を助け、なおかつ質の高い適切なケースワークへとつながります。中野区においても、査察指導員及び現業員のさらなる質の向上を目指し、通信教育受講費を支給するなど、社会福祉主事任用資格取得に積極的に取り組むべきではないでしょうか。見解をお答えください。
また、年に一度、東京都が生活保護法施行事務にかかわる指導検査を実施し、その結果として、助言及び勧告事項が通知されます。前年の指導検査結果が今年通知されていますが、どのような助言勧告を受け、それらをどのように改善されたのか、お答えください。
社会福祉主事の職務については、第18条に「生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法に定める援護、育成、または更生の措置に関する事務を行うことである」と規定されています。他の分野での資格取得率については次の機会にお尋ねいたしますが、職員が生活援護分野から異動されても、その知識はさまざまな福祉分野で、あるいは他の分野でも大いに役に立ち、区民サービスの向上につながる任用資格であることを認識し、積極的に資格取得に取り組むことを求めます。
次に、区役所本庁舎内施設の配置変更についてお尋ねいたします。
本庁舎内では、関連する窓口の統合を進め、総合窓口の整備を順次行っていく過程で、配置変更が行われてきました。現在も1階にある年金、2階にある国保と介護保険、6階にある後期高齢者医療の統合化として2階への集約配置変更が検討されていると伺いました。配置変更は、そのための経費と、職員の仕事動線や利用する区民の利便性を総合的に判断して行っていただきたいと願っています。現在、2階への集約配置変更の検討過程において、スペース確保のため、委託契約期間が今年度で切れることもあり、食堂の廃止が俎上に上がっていると伺いました。区役所の食堂は福利の意味もあり格安で、職員のためだけではなく、区役所を訪れる区民にとっても便利な施設です。23区内で区役所に食堂のない区は豊島区だけです。中野区役所では、既に1階の喫茶コーナーが廃止され、座って飲食できる唯一の場であり、1日約300人が利用している食堂は廃止するべきではないと考えます。そもそも区役所に食堂を設置した目的をお答えください。
あわせて、食堂を廃止せずに総合窓口化を検討するよう求めます。区の見解をお答えください。
以上、区民サービスの向上を願い、誠実な答弁を求めます。
〔健康福祉部長野村建樹登壇〕
○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、生活保護のあり方についての御回答を申し上げます。
まず、改正保護法案についてでございますが、生活保護法改正案は、これまでの相談窓口での手続や運用を条文化したものでございます。基本的な内容が変更されたり、新たな挙証資料の追加提出が求められるというものではございません。したがいまして、真に生活に困窮する者の申請を阻害したり、抑制したりするものではございません。区といたしましては、今後も適正な保護の実施に努めてまいります。
次に、福祉事務所の職員の資格ということの御質問でございました。区としても、生活保護業務を行う職員は、社会福祉主事の資格があるべきであるというふうに考えてございます。しかしながら、業務上必要となる知識、技能の習得のためには、東京都や国などの各種機関が実施いたします研修機会へ参加させることとしておりまして、実務上の支障は出ていないというふうに認識してございます。
次に、その資格取得への支援というところでの区の考えはということでございましたが、社会福祉主事の資格取得につきまして、現在のところ、受講料補助といったようなことの導入は考えてございません。
最後でございます。東京都の指導検査結果、これについての区の対応をということでの御質問でございます。昨年度、平成24年度は、3,398件を対象といたしました指導検査が行われました。結果といたしまして、そのうちの約4%のケースにつきまして、稼働能力の把握ですとか収入認定、こういったことの事務処理について、改善のための助言を受けました。この助言内容につきましては、全職員で共有をし、周知徹底し、改善を図っているところでございます。
また、ケースワーカーや査察指導員の配置不足についてという勧告もございました。当区におきましては、適正な職員配置について継続的に取り組んでいるところでございます。本年度におきましても、6名の職員の増員配置を行うなど、今後もこの体制の強化について努めてまいる所存でございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 食堂設置の目的についてお答えいたします。庁内食堂は、区役所に来庁される方や職員が、庁内で飲食ができるという利便性の確保を目的としているものでございます。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 窓口整備についての御質問でございますが、ワンストップ窓口のあり方につきましては、さまざまな可能性があり、今後最も効率的かつ効果的に区民サービスを向上することができる方策を見いだしていきたいと考えているところでございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時34分休憩
午後2時55分開議
○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 哲学堂公園を文化財として保存することについて
2 ごみの減量化について
3 その他
○議長(伊東しんじ) 近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
哲学堂公園を文化財として保存することについて。東京都の名勝であり、中野区有形文化財である中野区立哲学堂公園は、文字どおり、哲学をテーマとした世界でも例のない心の公園です。東洋大学前身である哲学館の創立者・井上円了が、「西洋には体を養うと同時に心を養う公園がある。日本にも心を養う公園が欲しい」との思慮から、哲学を学ぶ精神修養公園として明治37年に開園しました。公園内には、哲学に由来する建物や碑、池や坂があり、哲学の世界を表現しています。近年、ハンガリーの彫刻家のワグナー・ナンドール氏の作品『哲学の庭』も設置されました。また、梅、桜、ツツジと、花と木も多く、都民、区民の共有の財産といってよいと思います。私もよく哲学堂公園を訪れます。中野通りから哲学堂公園に続く桜は有名で、遠方からもお花見に人々が訪れます。四季を通じて小鳥がさえずり、先日も野鳥観察を楽しむ人たちの姿を目にしました。この時期は、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラなどが集まるそうです。幼い子どもたちと親たち、老夫婦、休憩中のサラリーマン等幅広い世代に親しまれ、憩いの場所となっています。
しかし、最近、気になることがあります。崖をおりた妙正寺川沿いの低地の泉の水が池に流れ出す場所が、ブルーシートで囲われ、作業が行われているのです。ここは哲学堂77場として設けた一つで神秘洞といい、暗黒の世界が持つ物と造化の幽玄性と神秘性を表している場所であるそうです。その洞窟の穴の中が崩れて、その復元のための調査を行っているということでした。同じく、哲学堂77場の文化財の多くに劣化が起こっているのではないでしょうか。公園設置後、既に100年以上経過し、建築物等も相当に棄損しているのではないかと思われます。実際に、建物の一般公開日においても、ソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀って井上円了が1904年、明治37年、最初に建てた四聖堂とかつての図書館であった絶対城は、建物保全のために公開されません。歴史ある文化財は、後世の人々、区民に引き継がれていくべきものだと思いますので、必要な修復等を行い、適切に保存・管理しなければならないと考えます。これら文化財の保存状況は現在どのような状況なのでしょうか。
また、文化財は、見学者の安全も含め、予算を持って継続的に保存・管理・補修工事を行っていかなければならないと思います。これまであまり手をかけられなかったように思われますが、哲学堂公園の文化財としての保存や園路、植物の整備など、今後どのように進めていくお考えなのでしょうか。
先日、哲学堂公園の売店で、哲学堂の名前が入った哲学堂せんべいを買いましたが、予想していた以上のおいしさで、哲学堂公園も少しずつ観光客を意識し始めたのではないかと思いました。哲学堂公園があるこの地域は、歴史民俗資料館や国の文化財となった野方配水塔、北には江古田の森、江古田の獅子舞、南に新井薬師など、文化や歴史、自然に恵まれた地域です。中野区は現在、観光に力をそそいでいますが、中野区にはオタク文化だけではなく、哲学や歴史を内包する心豊かな文化があることを全国の人や外国から来た人にも知ってもらえるよう、哲学堂公園の存在をもっと広く発信されてはいかがでしょうか。哲学堂公園がしっかりと管理され、憩いの場所としてだけではなく、心の公園であることを大切に保存し、その価値が高まることにより中野区のステイタスがさらに上がることを願い、この項の質問を終わります。
次に、家庭ごみの減量化についての取り組みについて伺います。
昨年の第4回定例会において、私は江東区の区民による生ごみ減量モニター事業を紹介しました。47人の区民が四つの方式でごみの減量に取り組む事業で、事業担当は江東区清掃リサイクル課清掃リサイクル係です。再度四つを簡単に紹介しますと、1、腐葉土を利用した生ごみの堆肥化、2、木箱に黒土と生ごみを入れて消滅させる方法、3、EMぼかし(発酵促進剤)を使った生ごみのリサイクル、4、段ボールコンポストを使った取り組み、以上の四つです。47組の家庭が8カ月間、この四つの方法に取り組んだ結果、一家庭で1カ月平均7キロの生ごみの減量になりました。100世帯が実施した場合、年間8.4トンのごみが減量させ、1,000世帯では84トンの減量となります。江東区では、このモニター事業の結果を踏まえ、地域での取り組みを検討していると聞いております。
昨年の私の生ごみの減量の質問に対して、区の答弁は、「生ごみの8割程度が水分であると言われており、水切りをして排出していただくようにお願いしている。また、家庭ごみの発生そのものを抑えるための啓発活動を充実させるとともに、新たな資源化の取り組みについて検討してまいりたい」というものでした。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)にも、「燃やすごみの約半分を占める生ごみの資源化を進め、ごみ減量を推進します」と書かれていますが、中野区の生ごみの減量化、資源化は進んでいるのでしょうか。その検討状況はどのようになっているのでしょうか。
また、先日、私は東京都日野市のコミュニティガーデン「せせらぎ農園」を視察しました。日野市は、環境省発表の平成23年度一人当たりのごみ排出量が少ない市町村、全国の人口10万人以上50万人未満市町村の第4位になったそうです。せせらぎ農園の運営は全て市民の手で行われ、約200件の会員の家の生ごみを1週間に一度回収し、そのごみを堆肥として畑で野菜、ハーブガーデンでハーブや植物を栽培しています。市が出す120万円の補助金は、車とガソリン代、運転手のアルバイト代に使われます。せせらぎ農園は、定年後の高齢者の居場所として、障害を持つ方の活動の場とし、保育園、幼稚園、小学生の食育や環境学習の場として、幼い子どもを連れた若いお母様たちの交流の場として使われています。あらゆる層の市民が、それぞれのペースで農作業を楽しみながら、食と環境に配慮し、地域での暮らし方について考えるきっかけとなっています。平成24年度の堆肥化された生ごみ、1世帯当たり月14キロ、1年間189世帯の回収量は31トン以上になりました。この農園を運営する「まちの生ごみ活かし隊」の方から、この農園の一般家庭生ごみ循環モデル事業に至る経過を伺いましたが、せせらぎ農園の取り組みは、ごみ減量化に取り組みたい市民と行政が長年にわたり話し合い、試行錯誤を重ねてきた結果の一つです。地域の宝物である都市農地をこれ以上減少させない思い、家庭ごみの有効活用、地域の人々のふれあい、子どもたちの食育等たくさんの思いがこのコミュニティガーデンに込められていることがわかりました。この一般家庭生ごみ循環モデル事業は、全国的に注目され、各地からマスコミ、自治体のごみ減量課の職員、議員、教育関係者、大学生などの視察・見学が絶えず、昨年度は4,236人の見学者を迎えたということです。
このように、手法は違いますが、江東区、日野市、それぞれ住民とともにごみ減量に取り組み、成功をおさめている自治体の例を挙げさせていただきました。ごみゼロなかのを目指す中野区も、住民と一緒になり、区と区民が協働で取り組む発想で、江東区や日野市のようにまずはモデル事業から検討されてはいかがでしょうか。ごみの減量は、言うほど簡単ではなく、待っていても始まりません。中野区に適した取り組みを検討すべきだと考えますが、御見解を伺います。
御清聴ありがとうございました。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、哲学堂公園を文化財として保存することについての御質問にお答えをいたします。
哲学堂公園の文化財の保存状態についての御質問でございました。建造物につきましては、昭和60年代に哲理門、四聖堂など文化財6棟について修復工事を行っているところでございますが、現在、木造建築物の柱、建物基礎に損傷が発生していることを認識しております。また、路面や石積みなどにつきましても、舗装の劣化、亀裂などが見られる状況でございます。
文化財の保存や整備の今後の進め方についてでございます。哲学堂公園が東京都の名勝に指定されたことを受け、区では、哲学堂公園を歴史的文化遺産として適切に保存・復元・管理活用し、その価値を後世へ継承していくため、平成23年度に哲学堂公園保存管理計画を策定いたしました。現在、この計画に基づき、文化財や園内施設について具体的な保存や修復の方法、整備の進め方等につきまして検討しているところでございます。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 哲学堂公園の存在の情報発信についてお答えをいたします。
区のイメージを向上させていくためには、区内にあるさまざまな地域資源の魅力を効果的に発信していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。哲学堂公園については、現在、区のホームページなどでも紹介しているところでございますが、野方配水塔など他の資源と関連付け、一体的にまちの魅力として紹介していくことで、さらにPR効果が高まることが予想されているところでございます。今後、都市観光情報発信サイト「まるっと中野」での紹介記事の充実に加え、マップやパンフレットの作成といった紙媒体の充実などさまざまな手法により、内外への発信を強化していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
〔環境部長小谷松弘市登壇〕
○環境部長(小谷松弘市) ごみの減量化につきまして、お答え申し上げます。
家庭ごみの減量と資源化を推し進めるに当たりましては、生ごみの減量化を図っていくことが、これが重要な課題であると、そのように認識してございます。区では、なかのエコフェア等さまざまな機会に水切りによる減量をPRするとともに、生ごみ処理機や堆肥化する容器の購入あっせんを行っているところでございます。
ただ、しかしながら、なかなか多くの区民にこれが浸透していくような方策が見いだせないという状況にあることは確かでございます。多くの区民が取り組めるような生ごみの減量化策につきまして、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いながき じゅん子
1 給食の安全性確保に対する区の姿勢について
2 伝統文化教育について
3 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、いながきじゅん子議員。
〔いながきじゅん子議員登壇〕
○17番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。
初めに、給食の安全性確保に対する区の姿勢について伺います。
平成23年3月11日の東日本大震災発生後、2年半以上が経過いたしましたが、いまだそのつめ跡は大きく、福島第一原子力発電所からは放射能が漏れ続けています。中野区議会には、給食から受ける子どもの内部被曝を防ぐ対策についての陳情が出され、子ども文教委員会の審議を経て、平成24年2月22日の第1回定例会本会議にて、全会一致で趣旨採択されました。ここでその内容をもう一度確認させていただきます。1、子どもの内部被曝を防ぐための給食食材の選定と給食献立を実施すること。2、給食食材の安全を確認するために、区内での給食食材の検査を進めること。3、給食食材の産地を公開すること。4、栄養士を対象に、内部被曝に対する勉強会を開催すること。以上ですが、区では二つ目の給食食材の検査をこれまで一度も行っておりません。他区では、区独自で、あるいは東京都に委託して、食材や調理済み給食の検査を行っている、または行ったことがある区がほとんどでございますが、中野区では食材はもちろん、調理済み給食の検査もこれまで一度も行っておりません。その理由として区が挙げていらっしゃるのは、安全性に問題ありとして出荷制限がかかった食材は東京都の卸売市場を通ることができない仕組みになっており、基本的に区内各小・中学校、保育園は、都の市場を通ったものを給食に使うことになっているので、安全なのだというものでございます。保育園のほうは、まだ区の職員が直接情報把握に努めているようですが、小・中学校の給食に対する区の対応は、あまりに学校任せ、栄養士さん任せになってしまっているのではないかと思います。陳情にございました給食食材の選定と給食献立の実施や食材の産地公開に対してもしかりです。安全確認や管理について、ああしろ、こうしろと通達を出し、「各校できちんと対応している」で済ませるのではなく、自治体としてもう少し責任を持ってみずから情報収集や現場の把握に努め、区民の皆様に公表する姿勢を示すべきではないでしょうか。
食材の中で、牛乳、米、小麦粉、パン類・めん類は、東京都学校給食会が指定したものを各校が使うように通達しており、これらに関しては教育委員会事務局のほうで産地を把握しているようですが、それ以外は都の卸売市場を通っている食材を使っているかどうかも含め、食材の安全性確認は学校任せとなってしまっています。例えば、都の卸売市場を通っていない産直などの食材を使ってる学校に対し、区は、ことし4月に出した通達の中で、厚労省の出荷制限品目に該当していないかホームページで確認し、出荷・納品までどのような体制・ルートを通っているのか必ず確認してくださいとお願いしています。実は、この厚生労働省の出荷制限品目のほかに、東京都の中央卸売市場が出荷自粛品目やその生産地をホームページで公表しております。しかし、この自粛品目や産地まで確認しようといたしますと、11月15日現在で品目だけで180種類あり、産地は県単位では市町村単位までびっしりと書かれており、数え切れないほどです。それらを全て栄養士さんがチェックし、責任を負うというのは非常に酷ですし、実際問題、そこまでなかなか対応できず、納入業者さんからの情報に頼るしかないのが現状です。話を伺いますと、産直の食材を使っている小学校では、納入業者さんが食材の放射能測定検査結果をつけて納品しているそうですが、これも例えば産直のものは放射能検査をクリアした食材のみ使用するなど、事前に区のほうで統一ルールを決めて、安全性確保に努めるべきではないでしょうか。
ここ最近、ちまたでは、食材や産地の偽装問題が話題となっていますが、現状では、学校側は納品側に「都の卸売市場を通っている」と言われれば、それを信じるしかありません。区は、産地記録が記載された納品書を保管しておくように学校側に指示していらっしゃいますが、その産地も都道府県単位で、市町村まではわかっておりません。しかし、先ほど申し上げましたとおり、出荷制限・出荷自粛は市町村単位で発表されています。区でも、どの学校がどの納入業者さんから食材を買っているのかくらいは把握し、例えば、業者さんに直接市町村単位まで産地をお知らせしてもらい、各校の給食の安全性について直接区に問い合わせがきた時にも、「各校できちんと対応している」と答えるレベルではなく、区が責任者として自信を持って安全性について即答できるくらいに情報を把握し、危機管理に努める必要があるのではないでしょうか。
厚生労働省が連日、報道資料としてホームページに公表している食品中の放射性物質の検査結果を見ますと、東北だけでなく、東京近郊、そして関東より西の地域の農林水産物からも基準値超えの食材が今現在でも続々と発表しているのが現実です。このようなページを区がみずからきちんとチェックし、どこのどういった食材を使用するかについても、もっと積極的にかかわっていくべきではないでしょうか。
子どもが大人よりも放射線の感受性が強いというのは知られている話でございますし、これだけさまざまな産地や食材に出荷制限や自粛がかかる中、今の学校や栄養士さん任せの対応で本当によいのか疑問に感じます。これについて御答弁をお願いします。
次に、伝統文化教育について伺います。
小学校は平成23年4月から、中学校は平成24年4月から、新学習指導要領が全面実施されています。各学校は、この学習指導要領や年間の標準授業時数などを踏まえ、教育課程、すなわちカリキュラムを編成することになります。そして、この学習指導要領には、法的拘束力がございます。
さて、新しくなった学習指導要領では幾つかの改善事項がございますが、その中の一つとして、伝統や文化に関する教育の充実がございます。文部科学省のコメントによれば、「国際社会で活躍する人材の育成を図るため、我が国や郷土の伝統や文化について理解を深め、そのよさを継承・発展させるための教育を充実します」とのことですが、これはまさにそのとおりで、自国の伝統文化や歴史をしっかり学び、日本人としての自己を確立し、自信と誇りを持って海外の人たちと対峙することで、相手からの信頼や尊敬を得られる部分は大きいと考えます。経済以外で日本が諸外国にないユニークさを発揮でき、世界からの注目や尊敬を集められる分野はまさにここにあるのではないでしょうか。
今回の学習指導要領改定で、外国語教育の充実、これは基本的に英語教育ということになりますが、これもうたわれております。今現在、小学校においては評価のつかない外国語活動の位置付けで授業が行われておりますが、教科化への議論も着々と進んでいます。しかし、ただ英語が話せるだけでは何の意味もありません。英語を使って何を話せるかが一番重要です。個人的な話で恐縮ですが、私は学生時代にヨーロッパに留学した経験があります。そのときに一番印象に残っていることが、日本の伝統文化について、外国人のクラスメートに尋ねられたときに、ほとんど満足に答えられなかった体験です。外国語は何とか話せても、伝統文化のみならず、自国の歴史についても満足に語ることができない自分をこれほど恥ずかしく感じたことはありませんでした。そして、自分は母国のことについて何も知らずに育ってきてしまったのだと、海外で生活してみて初めてわかりました。これは単に、私の家庭環境や個人の問題だったのかもしれません。しかし、今の日本の子どもたちや若者の多くは、当時の私と同じように、母国のことをほとんど知らないまま育ってきてしまっているのではないでしょうか。
文化芸術は、政治的なもの、そして言葉を越えて、お互いの国を尊重し、関心を深め合う大きなきっかけにもなります。例えば、ユネスコ世界無形文化遺産第1号に認定された能楽など、日本には誇るべき伝統芸能や文化が多数あります。それらについて、ぜひ多くの人が、子どものうちからなれ親しみ、海外の人たちにも簡単に説明できるくらいにしておく必要があるのではないでしょうか。大人になって急にそれらに触れる機会がふえるという人はほとんどいませんので、教育の場でぜひ行っておくべきだと考えます。日本人でありながら、日本の伝統文化に触れることのないまま、そして、そのすばらしさについて知らないまま、第三者にも伝えられないまま大人になってしまう子どもが多いというのは非常にもったいないことであり、国益にもつながらないと考えます。
最初の学習指導要領の話に戻りますと、文部科学省が伝統文化教育の例としてさまざま挙げています。中学校で武道が必修化されたのは御存じの方も多いと思いますが、その他に古文や漢文の音読、文化遺産を取り上げる歴史学習、和楽器、地域の食文化、和服の着装などに関する学習が具体例として挙げられています。区では、全中学校において、琴を220面購入されて、音楽の時間に活用されているようですが、それ以外のこの分野への取り組みは、まだまだ学校によって温度差があるようです。例えば、浴衣の着付けなど、子どもたちは大変興味を持つそうで、児童館にてボランティアで教えてあげている区民の方もいらっしゃいます。地域の人材も活用し、もっと積極的に日本の伝統文化教育を中野区で充実させていくべきだと思いますが、これについて区の考えをお聞かせください。
以上をもちまして、私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) いながきじゅん子議員の質問にお答えをいたします。
初めに、給食の安全性確保に対する区の姿勢について、給食で使用する食材の安全確認についての質問がございました。給食で使用する食材の安全確認につきましては、各学校の栄養士が産地情報を確実に把握して食材を発注し、納品時も産地の確認をしてございます。さらに、教育委員会では、国や東京都のホームページで各地域の農産物等の放射能検査結果を確認して、各学校に情報提供を行いまして、学校と連携して安全な給食の提供に努めているところでございます。
次に、伝統文化教育についての御質問がございました。これまでも各学校において、地域人材や専門家を活用して和楽器や華道・茶道の体験、昔遊び、能や狂言の鑑賞等の指導を行ってございます。教育委員会といたしましては、伝統文化理解教育を通じて、子どもたちが我が国の伝統や文化を尊重し、国際社会に主体的に貢献する力を培っていきたいと考えてございます。
〔いながきじゅん子議員登壇〕
○17番(いながきじゅん子) 再質問させていただきます。
教育委員会、そして栄養士さんが把握していらっしゃる給食食材の産地というのは、都道府県単位までということなんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、厚生労働省や東京都のホームページでは、市町村単位で出荷制限、あるいは自粛がかかっている品目が発表されております。市町村単位まで把握されていらっしゃるのでしょうか。答弁をお願いします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 先ほども御答弁申し上げましたように、国や東京都のホームページ等で、基本的には都道府県単位ということで把握をしているところでございますが、必要に応じて、詳細な産地等についても把握するよう検討していきたいというふうに思っています。
○議長(伊東しんじ) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 林 まさみ
1 財政の健全化について
2 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○18番(林まさみ) 平成24年度中野区監査委員の決算審査意見書に、「区は現在も財政運営上の非常事態が続いていると認識している」とあり、「安定した財政運営を可能とするため、恒常的に歳入をふやす有効な方策を探るなど、包括的な検討を進められたい」とあります。そこで、健全な財政運営のために、歳入の確保の点から質問いたします。
まず、保育園保育料について伺います。
中野区では、平成25年、7年ぶりに保育園保育料の改定を行い、平成19年の税制改正のとき軽減される所得税額を基準に算定したため全体的に下がった保育料を、今回は税制改正前に戻した等の説明を受けました。そこで、どれだけ収入が減少したのか調べたところ、平成19年には7億300万円だった保育料の収入が、20年には6億2,800万円と約7,000万円収入減、1割も削減されていたことがわかりました。また、23区中19の区が税制改正時に同等額の保育料が収納できるように見直しを行っていました。
そこで伺います。税制改正時に7,000万円もの収入減の影響が出ることがわかっていたのに、なぜ保育園保育料の見直しを速やかに行わなかったのでしょうか。
その後、いわゆるリーマンショックに端を発した経済状況の悪化から待機児童が社会問題化し、保育事業は拡大の一途をたどっています。その推移を見ると、平成19年には80億5,800万円だった事業費は、リーマンショック後の22年には89億2,500万円、私立保育園の大規模改修を執行した24年には95億4,800万円と上昇しています。そのように保育事業費が大幅にふえている間、保育料を見直さなかったことで収納できなかった保育料は、5年間で最低でも3億5,000万円と考えられ、その未収分、他の事業費が削られてきたことになります。平成22年度以降、財政状況が厳しくなり、聖域なく事業見直しを行ったときも、保育園保育料の見直しは行われませんでした。
そこで伺います。区財政が悪化したこの5年間においても、保育園保育料の見直しをなぜ行わなかったのか、説明を求めます。
平成19年の税制改正により影響を受けたものに、特別区民税、いわゆる住民税の収納があります。中野区における住民税収納額を見ると、平成19年の税制改正により、20年、21年と290億円台と増加しましたが、平成22年から24年にかけては、税制改正前と同じレベルの270億円台、20億円もの減収となっています。これは、リーマンショックや東日本大震災の影響であることが推察されますが、他区においてはこれらの影響を最小限にとどめ、住民税が増額しているところもあると聞いています。
そこで伺います。特別区民税の平成24年度決算では、当初予算と比較して4億円増と回復に向かったように思われましたが、主な要因は、年少扶養控除廃止などによる税制改正による4億8,000万円でした。そして、平成25年度予算は、24年度決算に比べて約0.2%の微増であり、270億円台のまま横ばい。アベノミクス等による歳入増の恩恵は、中野区にはまだ出ていないと考えられます。こうした状況を踏まえ、今後の中野区における特別区民税の調定額はどのような傾向で推移していくと分析しているのでしょうか。中野区における納税者の傾向もあわせてお答えください。
一方、平成19年の税制改正時に危機感を持ち、徹底した収納率向上対策を立てていた区とそうでなかった区とでは、現在の収納率の格差が広がっています。収納率1位の品川区を見ると、今まで行ってきた個人完結型の差し押さえ体制を見直したことで、東日本大震災の影響で35.75%に落ち込んでいた滞納繰越分収納率を24年には44.8%と10%近く伸ばしています。また、平成19年の税制改正の影響が考えられる24年度の不能欠損額も、昨年度の3億4,400万円から2億1,300万円と1億3,000万円も減少しており、これらは98.3%という現年度課税分の高い収納率に支えられていると考えられます。
他方、中野区を見ると、住民税収納率は平成20年の18位から平成24年度の22位に転落、滞納繰越分収納率は品川区の約半分の23%、不能欠損額は4億8,000万円と品川区より2億7,000万円も多く、何より前年度より1億7,000万円もふえており、現年度課税分の収納が計画的に行われず、そのため滞納繰越分がふえ、結果、不能欠損額が膨れ上がるという状況です。もちろん自治体ごとに納税対象者の傾向は異なり、課題があることは承知しています。しかし、そうであれば、中野の傾向や課題に対応した体制をつくるべきです。中野区では、平成24年に策定した収納率向上対策において、平成26年度に達成させる目標を、特別区民税現年度分97.5%、滞納繰越分23.0%とし、4億3,000万円の収納額増と立てましたが、達成の見込みはあるのか伺います。
26年度予算編成方針では、これまで以上の全庁挙げての徴収率の確立とあり、事業見直しで執行された全庁挙げての臨戸徴収により約1億円の財政効果としましたが、その根拠はあいまいであり、また、単発的徴収であるため、計画的に収納率が向上することは困難と思われます。そのように住民税収納率では23区の中で苦戦している中野区ですが、滞納繰越収入額を滞納整理担当者で割った職員一人当たりの収納額は、平成24年度3,400万円余と23区で1位であることから、収納率向上のポテンシャルはあると考えられます。区は、職員2,000人体制をとり人件費の抑制を図っていますが、徴収人員は委託も視野に入れて増員するべきです。徴収チームを増員することで、仮に品川区の収納率を中野区で同等率達成できれば、現年度分は5億6,000万円、滞納繰越分は7億5,000万円、合計13億円の歳入増となります。
そこで伺います。全庁挙げての臨戸徴収強化対策やこれまで行ってきた取り組みの効果について、また、収納率が低迷している現状から、今後の特別区民税の徴収率を向上させるための抜本的な見直し内容とともに、見解を伺います。
次に、歳出の抑制として、区有施設の見直しについて伺います。
平成25年9月11日、本会議において、区長は橋梁の長寿命化計画策定について、毎年の橋梁修繕費用の平準化を図れること、50年の維持管理経費で見ると約65億円の縮減につながることとし、大変財政効果が高いものと答弁しています。また、26年度の予算編成方針にも、「各所施設などの建てかえや維持更新といった将来に対する備えをおろそかにすることなく、将来負担を的確に把握し、中長期的視点で見た経費の最少化につなげる」と示しています。では、なぜ財政効果を生み、経費の最少化につながる区有施設の長寿命化計画、いわゆる保全計画を策定しないのでしょうか。歳出削減に大変効果のある区有施設の保全計画は、いつ示されるのか伺います。
区有施設の保全計画策定がおくれ、改修・改築等の計画がおくれれば、材料費を含めた工事費や工事がおくれることでかかる老朽化施設の修繕費、また、光熱水費の大幅な歳出増につながると考えられます。その上、改築・改修費用の平準化とする計画性による効果も縮小します。予算編成方針では、今後、消費税相当分の支出増があるとしていますが、平成24年第4回定例会の一般質問での答弁で、「できるだけ早くにお示しする」としていた区有施設保全計画が遅延することによる歳出増などのデメリットについて、区の見解を伺います。
平成26年の予算編成方針の予算査定には、「財政の危機的な状況に対応するため、全事業を査定する」とありました。危機的な財政状況であることを区が認識している中、中野区に安定的な歳入をもたらしていた国家公務員宿舎等の土地の購入や整備など、新規事業も含めた平成26年の予算が編成されますが、将来の中野の健全な財政のために、財政運営上の非常事態終息のシナリオをあわせて示すべきであることを最後に申し上げて、質問を終わります。
〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕
○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、税制改正に対応した保育料の改定の時期についてお答えいたします。
歳入確保の点では、保育料の改定が直ちに行われなかったことについては、適切でなかったというふうに判断してございます。今後は、税制改正等の事情の変更があった場合には、速やかに対応していきたいと思います。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、区民税に関する御質問についてお答えをいたします。
まず、区民税における調定額の推移についての御質問です。
中野区における納税義務者の特徴は、20代・30代が全体の半分近くを占めるほか、所得額から控除額を引いた課税標準額200万円以下の層が23区平均よりも多い点などが挙げられると考えております。こうした層の動向に影響を受けやすい傾向があるというふうに考えております。
その一方、昨今、比較的安定的な納税が期待できる40代を中心とした区民がふえる傾向にあり、これは最近の区内における新築マンション等の建設と関連があると考えております。今後もこうした傾向が続けば、税収の増加にも結びつくと考えております。また、まちづくりの進展が税収構造の転換につながるというところを認識しているところでございます。
次に、税源移譲に伴う収入率向上への対応と今後の見直し内容についてでございます。
中野区では、平成22年に導入した滞納整理支援システムにより、平成24年度は差し押さえ件数が大幅に増加し、滞納繰越分の収入額が平成に入って最も高い額になるなど、システムの導入効果もあらわれております。今後は、今議会でも答弁いたしておるとおり、収入率上位区の視察結果等も生かした効果的な徴収対策を実施し、目標達成に向けて努力を重ねてまいります。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 施設の保全・見直しの方針という御質問についてでございますが、公共施設のあり方につきましては、できるだけ早期に取りまとめを行い、お示ししたいと考えているところでございます。
また、歳出の増というような御質問でございますが、施設の保全については、緊急性の高いものから実施をしており、改修につきましても、その施設の今後の利用を踏まえて判断しているところでございます。不要な歳出増というようなことはないと考えてございます。
〔林まさみ議員登壇〕
○18番(林まさみ) まず、保育園保育料について、区財政が悪化したこの5年間に見直しを行わなかった理由がお答えがなかったと思いますので、お願いします。
あと、徴収のことなんですが、現年度分97.5%、滞納繰越分23.0%、4億3,000万円の収入増の達成見込みはあるのかということに対してのお答えがなかったので、お願いします。
〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕
○子ども教育部長(髙橋信一) 保育料につきましては、歳入増のほかにさまざまな面がございます。この5年間につきましては、施設の確保、ハード面を優先させたところでございまして、その後、保育サービスの公平化、これは認証保育がふえたということもあります。そういった面で、ソフト面の充実が必要なことから、今回改定に至ったところでございます。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) お尋ねの目標の達成については、現時点では難しいと考えておりますけれども、今後、最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 災害時の対応と備えについて
(1)災害時の情報システムの保全と区民への情報やサービスの提供について
(2)難病を含む災害時要援護者等の救助・安否確認や災害後の生活について
(3)女性や性的マイノリティなどのその他の災害時に配慮を要する区民への対応について
(4)その他
2 日常生活や就労に配慮が必要な人への支援について
(1)精神障がい者の退院促進及び地域移行支援について
(2)精神障がい者やその他就労に向けて支援が必要な人への施策について
(3)その他
3 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○7番(石坂わたる) 質問いたします。
1、災害に関して伺います。
まず、情報システムの保全等についてです。
東日本大震災の際、仙台市では、ライフライン等の生活関連情報のニーズが高まったそうです。eメールやホームページ、SNSなどは便利なツールですが、高齢者等の情報弱者にとっては利用が難しいツールです。災害後に状況が落ち着き、NTT回線が使用可能な場合や局地的な水害などの際には、登録制でのファクスでの情報発信も行うべきではないでしょうか。また、災害直後に停電等で情報システムが使えない状況でも、あらかじめ紙媒体での情報の保存をしておき、個人の情報を踏まえたサービスについて、日ごろと変わらぬサービスの提供ができるようにすべきではないでしょうか。
中野区では、22年に、中野区BCPを策定し、この3月に改定をしていますが、情報技術が進歩する中、区民の情報機器活用能力の格差の顕在化、震災等の広域災害や局地的な集中豪雨等のさまざまな災害の情報システムへの対応、ホームページのアクセス急増への対応などの問題もあります。また、ICT部門を防災計画と連動させ、防災・広報・情報部門が連携できる計画も必要です。こうしたことを踏まえた災害時に対応ができる情報部門の事業継続計画たる新たなICT-BCPの策定が必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。
次に、災害時要援護者についてです。
渋谷区では、自主防災組織の役員等が要援護者名簿の全登録者と面談し、個別の避難計画を策定して、誰が安否確認に行くのか、緊急連絡先、通院先の病院、福祉施設等に通っている曜日や時間、避難所ではどんな対応が必要かなどが把握できるそうです。大災害はもちろんのこと、集中豪雨などの局地的な災害時も含め、支援者による要援護者の情報の把握が必要ではないでしょうか。
また、練馬区では、人口呼吸器利用の難病患者をマンションの4階から1階におろす訓練をしたそうです。我が区のことしの総合防災訓練では、親御さんが事前に名乗りを挙げたところ、自宅から避難所への移動で町会の協力が得られたそうですが、まだまれなケースです。区はこうした訓練についていかがお考えでしょうか。
さらに、東日本大震災では、移動に困難を伴う重度・重複障害者や身体障害者、高齢者が避難所に行くことを諦めたり、精神・知的発達障害者で静かにしていられないタイプの方と家族が避難所にいづらくなり、自宅に戻らざるを得なくなったりしたそうです。これは障害者の二次避難所でも起こり得ます。障害に応じた避難場所の確保や在宅を選んだ要援護者の対応が後回しにならない物資の支給や災害後の見守り等が必要です。また、人口呼吸器やたんの吸引が必要な方の充電・発電機などを使った電源の確保、経管栄養が必要な難病者などの医療器具やHIVによる免疫機能障害者などの薬剤の確保なども必要です。障害者が避難所でいづらさを感じず、在宅でも支援の手が行き届き、災害に伴う傷病だけではなく、元来の障害等に対応する医薬品や電源等の確保を備蓄や協定で対応可能とする必要があるのではないでしょうか。
次に、女性や性的マイノリティについてです。
先日の男女共同参画センターの女性の視点に立った防災講座の中で、被災地ではいらいらが夫から妻、妻から子への暴力につながりやすいこと、非常時との理由でDV被害女性のシェルター避難が断られたなどの話に加え、性的マイノリティ等も避難所で苦労するという話がありました。こうした経験を踏まえ、避難所内外の女性や性的マイノリティに対するハラスメントや性暴力、避難所内や在宅でのDVや虐待の予防や被害者の相談・支援体制を避難所内外に確立することが必要です。性的マイノリティの支援団体が作成した緊急災害対策時の支援マニュアルでは、「性被害・性暴力の相談窓口を設置し、あわせて「身体の性別、性自認、性指向に関することで嫌がらせや暴力を受けた場合も、迷わず御相談ください」との一文を示すことで助かる人がいます」としています。こうした女性や性的マイノリティに対する相談窓口の整備については、どうお考えでしょうか。
また、区や民間が作成しているヘルプカードや緊急連絡先カードなどで連絡先として明記をされている人が親族でない場合でも、本人の希望を尊重し、連絡先とされている人が生死や傷病などの安否確認ができるようにすることや、住民票上の世帯構成員に限らず、非婚の男女カップルや同性カップルが仮設住宅に入る際に不利益がないようにすべきではないでしょうか。
次に、その他で1点伺います。
盛況だった東北復興大祭典の中でも、被災地のパネル展示は、来場者がそれほど多くなく、内容も復興が進んでいる地域のものが目立ちました。一方、なかのまちめぐり博覧会のイベントの一つ、帝京平成大学の四季祭でのシンポジウムでは、区の担当者も含む関係者から、被災地の復興が進まない現実などの話もありました。私も7月に東松島市に行きましたが、いまだに水につかった半壊した家がそのままの地区もありました。復興祈念展をはじめ、被災地の支援のために、東北の文化に親しんでもらい、買い物を通して被災地を支援するとともに、被災地のことをもっとよく知ってもらえるようにする取り組みもすべきではないでしょうか。
2、精神障がい者等の日常生活や就労の支援について伺います。
まず、精神障害者の支援についてです。
生活援護分野の退院促進及び障害福祉分野の地域移行支援は、退院できたケースがまだ多くないようですが、生活保護受給者の場合、退院によって一人の方だけで月額20万円超の生活保護費が削減された例もあるようです。一方、退院ばかりに目が向き、生活の質を高める視点が抜けると、外の通所施設などとのつながりなく家にいる家庭内復帰で終わってしまう場合もあります。利用できるサービスを整え、入院している人に情報を提供し、安定的に暮らせる地域に安心して戻れる取り組みを進めるべきではないでしょうか。
また、退院後の資源として、すこやか福祉センターのデイケアがあり、21年度第21回庁議の概要報告でも、自立生活への訓練機能強化や終了後のフォローが重要とされています。先日視察もいたしましたが、利用者が通所施設等を見学する機会も設けられ、終了者の40%強が就労ないしは就労訓練施設につながったという成果が出ているそうです。区は、このデイケアをどのように評価されていますでしょうか。
なお、終了生の30%強は、残念ながら家庭内の復帰となっています。この方々のその後の地域生活への復帰についてはどのような方向で臨んでいますか。
また、デイケアは原則3年以内の利用ですが、再入院など病状の悪化による利用中断の後に主治医の診断書を参考に利用延長ができるということやその後の利用についても、判定会等で評価後にすこやか福祉センターが判断すると委託事業仕様書に書かれています。また、デイケア終了生が再度入院をするなど病状が悪化をした際に、主治医が診断書を出した場合に、再利用の審査に乗せることができるそうですが、必要な人がデイケアを含む支援につながるよう、職員や関連事業者、当事者、関係各所へ周知徹底が必要ではないでしょうか。
次に、就労に配慮が必要な人などへの支援についてです。
精神障害者の就労には、受け入れ先となる理解ある職場の開拓が不可欠です。現在、区が委託で中野区障害者福祉事業団に地域開拓促進コーディネーターを置き、企業訪問によって区内企業の障害者雇用に関する理解の促進や雇用の場となる企業開拓を進めているようですが、その成果はいかがでしょうか。
また、精神障害者に限らず、就労前に生活習慣の立て直しやコミュニケーション能力の向上が必要なケースもあります。支援の場を整え、体制強化が必要と思われますが、どうお考えでしょうか。
その他はございません。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えします。
災害時の対応と備えについて。高齢者等へのファクスによる情報伝達について、今後ファクスでの情報発信を導入している他自治体を参考にするとともに、さまざまな情報発信の手段についても検討していきたいと思っております。
ICT-BCP策定についての御質問です。中野区政のBCPの中において、地震発生時の情報システムの復旧手順を定めているところであります。また、これまで災害後においても、区のホームページにより情報提供ができるよう、無線による通信回線を利用してホームページを更新できる仕組みを導入したほか、停電時に各情報システムの破損やデータ消失を防止するため、無停電電源装置の設置などを行ってきたところであります。
災害時要援護者の支援情報の把握について。区地域防災計画では、災害時要援護者に対して、介護者等の専門的な支援がないと避難が困難な方、生活面の一部の介助が必要で、地域の方の同行等の支援があれば避難が可能な方、地域の見守り支援があれば避難可能な方等、災害時の支援レベルを設定し、家族、地域防災会、区等主な支援者を想定し、時系列やレベルに応じた支援の内容等を定めることとしております。支援者による災害時要援護者の情報把握は、支援内容を定めるために必要なことであり、区としては、支援に必要な情報の把握を進めており、支援者への情報提供方法、内容等について整理してまいりたいと考えております。
災害時要援護者の避難を支援する訓練についてであります。災害時要援護者の避難支援訓練については、総合防災訓練で各地域から車椅子などで要援護者や想定負傷者の搬送という形で実施をしています。また、2階以上の建物からの避難支援訓練については、今後安全で迅速な方法、必要な資機材等の確認も含め、実施について検討してまいります。
さまざまな障害への対応について。あらゆる被災者が安心して避難所や自宅での避難生活を送ることができよう、物資の確保・配給、避難所運営における配慮等の環境整備を進めていくことは重要な課題であり、推進しているところであります。しかし、区として個々の状況全てに対応するには限界があるので、平常時から必要となる医薬品の備蓄をしていただくことや、避難所での協力関係の構築についても積極的に啓発を図り、推進してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔健康福祉部長野村建樹登壇〕
○健康福祉部長(野村建樹) 最初に、災害時の女性や性的マイノリティに対する相談窓口の御質問でございます。日ごろからDVやセクシャルハラスメント、あるいは犯罪被害の相談に対応しております女性相談担当と犯罪被害者等相談支援担当とが連携をいたしまして、本庁内に相談窓口を開設するほか、避難所への広報周知、巡回相談や関係機関との連携による体制整備などについても取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
次に、精神障害者支援についての幾つかの御質問でございます。
まず、地域移行支援でございますが、区の精神障害地域生活支援センターの居住サポート事業や生活保護における退院促進事業では、精神保健福祉士等の専門職が地域生活への移行を支援してございます。移行に当たりましては、本人や家族に対し十分な情報を提供するとともに、その希望に基づいた個別支援計画を作成し、退院後のサービスの利用体験、住居の確保や関係機関との連携調整など、全般的なコーディネートを実施してございます。今後も地域生活の定着を支援するため、ネットワークの強化に取り組みたいというふうに思ってございます。
次に、精神障害者等の就労支援でございますが、実績といたしましては、障害者福祉事業団の地域開拓促進コーディネーターがハローワークなどと連携をいたしまして、昨年度は238の事業所に対して実習や雇用の場の拡大の取り組みを行いました。その結果、54名の就職が実現いたしまして、このうち14名が精神障害という実績でございます。
また、支援のあり方でございますが、精神障害者やなかなか就職できない生活保護の被保護者の中には、職場でのコミュニケーションや基本的な生活習慣に問題を抱える対象者も多いということでございます。このための訓練プログラムの充実が必要となってきてございます。精神障害者地域生活支援センターや中野就職サポートの事業の取り組みの強化を図ってまいりたいというふうに思ってございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 女性や性的マイノリティなどのその他の災害時の配慮に関しましての御質問でございます。
安否情報の提供につきましては、災害対策基本法施行規則に提供者と提供内容の取り扱いが示されており、これに基づいた対応となります。被災者が同意している安否情報につきましては、同意の範囲内で提供することができるようになっているところでございます。
また、地域防災計画では、仮設住宅の入居資格につきまして、災害により住家を失った者で、現に住むところがなく、みずからの資力で住家を確保することができない者とされており、入居者の選定については、発災時、都が定める選定基準に基づいて行うものとされているため、これに基づいた対応になると想定しているところでございます。
復興状況を知ってもらうための区の取り組みに関しての御質問でございます。東北復興祈念展では、職員を派遣している石巻市、東松島市、岩沼市、亘理町のパネル展示を行うなど、被災地の状況とともに、現地に派遣している職員が他の自治体と協働し継続的な復興を推進していくことの必要性を来場者へ訴えることができたと思っております。今後ともより多くの方に復興の状況や派遣職員の活動内容を知ってもらい、復興に対する理解につながる機会となるよう、ホームページや報告会などの広報をするとともに、さらに情報提供のあり方を検討してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(伊東しんじ) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。
以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 発達障害児の支援体制について
2 弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりについて
3 区有施設の設備について
4 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○19番(小宮山たかし) 小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。
中野区で発達障害を疑われる子どもの数は、平成22年度に554人でした。そして、24年度には1,331人と、3年で約240%もの急激な伸びを示しております。その受け皿となる施設として、区内には未就学の障害児支援施設としてアポロ園がありますが、待機が多数発生しており、入園前の事前相談を受けるだけでも半年待ちという状況です。また、この先、平成26年10月には、たんぽぽ学級跡施設、28年度には南部地域に障害児支援施設が新設される計画となっていますが、現実が計画を追い越し、まだ開設前だというのに、昨今の発達障害児の激増に伴ったスピード感があるとは言えない状況となってきております。
発達障害は、それ自体に大きな困難や問題がありますが、不登校や虐待などの二次障害を引き起こす可能性も指摘されています。なかなか言うことを聞いてくれない子どもについ手が出てしまったとか、虐待の原因をよく調べてみたら、実はお子さんが発達障害であったというケースも区内で複数報告されているそうです。学校以外の家庭生活において、発達障害の子どもを抱える親は、意思の疎通がしにくい我が子に対してどう接してよいのか、誰に相談すればよいのか。そもそもその症状が単なる性格なのか、それともあるいは障害によるものなのかなど、さまざまな困難や混乱に直面しております。学校のみならず、学校と家庭の両面からの支援が発達障害の児童と保護者には必要とされますが、現在、中野区で学校はさておき家庭に対する支援体制はまだまだ不十分と言わざるを得ません。
そうした状況の中、公的サービスの不足を補う意味で、民間活力を活用していくことは、ベストとは言えないものの、よりベターで現実的な解決策であり、経費の削減にもつながる手法であります。発達障害に対応する民間サービスの一つには、放課後デイサービスがあります。現在、中野区の放課後デイサービス事業者は3軒のみであり、区内の南北交通事情を考えると、区民の誰もが等しく使える状況にはありません。放課後デイサービスを行う事業者に対しては、国から給付費の補助がありますが、ここ中野区で放課後デイサービス事業を行うに当たっては、家賃が大きなネックとなり、水が高きから低きに流れるように、事業者は中野区を避け、より家賃の安いエリアへと流れていく傾向があるようです。
こうした傾向に歯どめをかけるべく、中野区は、発達障害に対応する民間サービスの誘致を、例えば家賃補助などの形で積極的に図るべきではないでしょうか。
また、発達障害に対応するためには、まずは最初の相談窓口であるすこやか福祉センターが重要となります。例えば、世田谷区では、区内5カ所の「子育てステーション」という名称の施設に発達相談室という専用窓口を設け、平日と土曜日の発達相談に乗っています。その内容そのものは、中野区の相談支援体制と大差ないようですが、すこやか福祉センターに発達相談担当者というのと、子育てステーションの発達相談室というのでは、やはり後者のほうが誰が聞いても頼もしく、わかりやすく、一目瞭然で、敷居も低く感じるのではないでしょうか。すこやかの名称変更まではここでは求めませんが、昨今の発達障害児の激増にあわせ、すこやか福祉センターにおけるサービス内容の周知徹底とさらなるサポート体制の充実をすべきでありますが、いかがお考えでしょうか。
次に、煮詰まって煮詰まってどうしようもなくなった保護者と児童に対して、一時保護施設を提供し、保護者に一時的な休息をとっていただくレスパイトケアの促進が必要であります。現在、中野区のレスパイトケアはアポロ園のみで実施をしておりますが、その立地から決して利便性の優れた施設とは言えません。28年度に新たなレスパイトケア施設ができることは承知しておりますが、学校だけでなく、家庭へのサポートをより充実させるためには、区民への周知徹底を行うことで利用のハードルを下げ、レスパイトケア制度のさらなる促進をするべきであります。区の見解をお聞かせください。
先日の子ども文教委員会で、野方図書館のトイレ改修に約3,269万円という巨額の費用がかかったことについて委員から質問がありました。トイレの数が多く、排水・配管設備を総入れかえしたために費用がかさんだという理事者の説明がありました。私も早速現地に行って、用を足してまいりました。私が見たのは、残念ながら、男子トイレのみでありますが、壁や天井はもちろん、窓まで新しくなっており、あるボタンを押すと小川のせせらぎが聞こえてくる最新型の温水洗浄便座が全てのトイレに設置されており、非常に快適で、清潔なトイレでありました。これならば施設改修に費用がかさんでもやむを得ないという印象を受けました。
これまで中野区の区有施設で温水洗浄便座、いわゆるウォシュレットやシャワートイレがついている施設は、ごく一部を除き、ほとんど皆無でありました。かつて温水洗浄便座は贅沢品であり、誤作動や誤用もありました。しかし現在、温水洗浄便座の世帯普及率は2010年の内閣府調査で71.3%であり、その価格も安いものなら1万円台から買うことができます。誤作動予防装置もついており、小宮山家の4歳の娘でもそれを正しく使うことができます。その快適さや清潔さについて私がここで詳しく述べることはやめておきますが、皆さんもよく御存じのことと思われます。
そこで、中野区内にある全ての区有施設のトイレを温水洗浄便座にしてはいかがでしょうか──ということまでは私は言いませんけれども、今後区役所の移転・新設をはじめ南部地域の区民活動センターやすこやか福祉センターの新設、さらに、複数の小・中学校や保育園等で設備改修や新設などが予定されています。新しいぴかぴかの区役所に昔ながらのトイレがついていたのでは、画竜点睛を欠くというものです。今すぐとは言いませんが、今後区有施設の新設や改修に当たっては、清潔で快適な温水洗浄便座を積極的に導入してはいかがでしょうか。
次に、現在、中野区では、弥生町三丁目周辺地区において、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトの先行実施地区としての指定を受け、地区内の避難経路ネットワークの形成や老朽木造住宅の建て替え促進に取り組んでおります。これまで区は、複数回の説明会を重ね、地域の町会等とも密接な連携・連絡をとり、周知の徹底に努めてきたことは私もよく承知しておりますが、それでもまだ、地域住民の間からは、この先一体どうなってしまうのかという不安の声や、一部においては不満の声が上がっていることもまた事実であります。
そこで質問をさせていただきます。
弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりの現在の進捗状況を伺うとともに、それにあわせた地域住民や地元の川島商店街や地権者等の関係者への周知徹底を適切に行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、避難経路の拡幅等で移転を余儀なくされる方々への補償に関しては、それぞれの地権者の事情に配慮した十分な補償や対応が必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。
中野区の誠意ある対応を望みまして、私の一般質問は終了とさせていただきます。
〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕
○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、発達障害児の支援体制についてお答えいたします。
まず初めに、民間事業者への働きかけについてでございます。放課後等デイサービスは、平成24年度から制度化されたばかりでございます。サービスの供給体制や事業内容等につきましては、開始されてから間もないため、十分に見定めていくことが必要であるかと考えます。よって、民間事業者の誘致等については、現在のところ考えてございません。
次に、レスパイトケアについてでございます。障害児の一時保護事業は、保護者のレスパイトケアといった効果もあると考えてございます。新たにできます障害児施設、南部とかでございますが、この事業を予定してございます。周知を含め、推進していく考えでございます。
〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕
○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、発達障害の子どもの相談の周知についてのお尋ねにお答えをいたします。
発達障害の子どもの相談につきましては、4カ所のすこやか福祉センターにおいても対応しているところでございます。このことにつきましては、さらにPRに努めまして、周知を図ってまいりたいと考えてございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 区有施設の整備として、温水洗浄便座の導入についてお答えをいたします。
今後も区有施設の新築や改修に当たっては、必要性を十分に検討した上で、その導入について判断をしていきたいと考えております。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりについての御質問にお答えをいたします。
まず、まちづくりの進捗状況についてでございます。本年4月に東京都から認定を受けました不燃化特区の整備プログラムにおいて、コア事業となる都営川島町アパート跡地の活用方針を定め、跡地の取得に向け東京都及びUR都市機構と協議を行っているところでございます。
また、地区全体の現況測量を実施しており、この中で跡地周辺に係る避難道路計画につきましては、消防署等関係機関との協議を進めているところでございます。
次に、地域住民や権利者等への周知についての御質問でございます。住民、権利者等に対しましては、まちづくり計画の進捗に応じて、ニュースの全戸配付や説明会の開催、あるいは権利者への個別説明等を行い、必要な情報の提供や周知等を丁寧に行ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、避難道路拡幅等に伴う権利者への補償についての御質問でございます。権利者ごとに要望等を伺い、事業に協力していただけるよう、代替地の準備などを含め、適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第71号議案 中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第72号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野中学校新校舎用什器類の買入れについて
○議長(伊東しんじ) 日程第1、第71号議案から第73号議案までの計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第71号議案から第73号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第71号議案、中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、日額の報酬の支給方法を改めるものです。この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第72号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、産業振興センターの施設の目的外使用に係る使用料を定めるものです。この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第73号議案、中野中学校新校舎用什器類の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は、中野中学校の新校舎で使用するコインロッカー14台、キャビネット91台、テーブル50台、ホワイトボード39台、シューズボックス43台、書架36台などで、取得に要する金額は9,555万円です。
以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第74号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
第75号議案 中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例
第76号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例
第77号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例
○議長(伊東しんじ) 日程第2、第74号議案から第77号議案までの計4件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第74号議案から第77号議案までの4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第74号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、保険料に係る延滞金の割合の特例を改めるものです。この条例の施行時期は、平成26年1月1日です。
第75号議案、中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例は、保険料に係る延滞金の割合の特例を改めるものです。この条例の施行時期は、平成26年1月1日です。
第76号議案、中野区介護保険条例の一部を改正する条例は、保険料に係る延滞金の割合の特例を改めるものです。この条例の施行時期は、平成26年1月1日です。
第77号議案、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例は、廃棄物処理手数料及び動物死体処理手数料に係る延滞金の割合の特例を改めるものです。この条例の施行時期は、平成26年1月1日です。
以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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第78号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例
第79号議案 指定管理者の指定について
第80号議案 指定管理者の指定について
第81号議案 指定管理者の指定について
○議長(伊東しんじ) 日程第3、第78号議案から第81号議案までの計4件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第78号議案から第81号議案までの4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第78号議案、中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例は、鷺宮高齢者会館を設置するに当たり、その位置及び施設の使用料を定めるものです。この条例の施行時期は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日ですが、一部は公布の日です。
第79号議案、指定管理者の指定については、障害者福祉会館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人東京都知的障害者育成会で、指定の期間は、平成26年4月1日から平成31年3月31日までの5年間としております。
第80号議案、指定管理者の指定については、弥生福祉作業所の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人正夢の会で、指定の期間は、平成26年4月1日から平成31年3月31日までの5年間としております。
第81号議案、指定管理者の指定については、知的障害者生活寮の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人東京都知的障害者育成会で、指定の期間は、平成26年4月1日から平成31年3月31日までの5年間としております。
以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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第82号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例
○議長(伊東しんじ) 日程第4、第82号議案、中野区営住宅条例の一部を改正する条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第82号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第82号議案、中野区営住宅条例の一部を改正する条例は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものです。この条例の施行時期は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行の日です。
本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
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第83号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例
第84号議案 指定管理者の指定について
○議長(伊東しんじ) 日程第5、第83号議案及び第84号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第83号議案及び第84号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第83号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、中野中学校の位置を変更するものです。この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第84号議案、指定管理者の指定については、療育センターアポロ園の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会で、指定の期間は、平成26年4月1日から平成36年3月31日までの10年間としております。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
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陳情の常任委員会への付託について
○議長(伊東しんじ) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の陳情付託件名表(I)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
平成25年第4回定例会
平成25年11月26日付託
陳情付託件名表(I)
《総務委員会付託》
第10号陳情 なかの区報「アンテナ」欄の拡充について
《区民委員会付託》
第8号陳情 「容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を
求める意見書」の提出を求めることについて
第11号陳情 介護保険制度の要支援1・要支援2を介護保険から外さない様に、政府に意見書を
提出することについて
《建設委員会付託》
第9号陳情 コミュニティバス“なかのん"の復活について
○議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時22分散会