1.令和5年(2023年)2月22日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 生 藤 健 人 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 欠 員
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明
36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か
38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席委員(1名)
29番 石 坂 わたる
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 青山 敬一郎
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 石井 大輔
企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子
構造改革担当課長瀬谷 泰祐
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
総務部長 海老沢 憲一
防災危機管理担当部長、総務部防災危機管理課長事務取扱 石崎 公一
DX推進室長 滝瀬 裕之
総務課長 浅川 靖
法務担当課長 尾関 信行
職員課長 吉沢 健一
新区役所建築担当課長、庁舎管理担当課長 天野 伸哉
防災担当課長 吉澤 直樹
情報システム課長白井 亮
区民部長 鳥井 文哉
文化・産業振興担当部長 髙橋 昭彦
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
戸籍住民課長 伊藤 正秀
マイナンバーカード活用推進担当課長、産業振興課長 平田 祐子
税務課長 竹内 賢三
保険医療課長 伊藤 廣昭
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 濵口 求
子ども家庭支援担当部長、子ども・若者支援センター所長、
教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長 半田 浩之
保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦
子育て支援課長 滝浪 亜未
育成活動推進課長細野 修一
児童相談所副所長、児童相談所一時保護所長 神谷 万美
指導室長 齊藤 光司
学校教育課長 松原 弘宜
地域支えあい推進部長 角 秀行
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長高橋 英昭
区民活動推進担当課長 池内 明日香
介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 古本 正士
中部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 河田 達彦
鷺宮すこやか福祉センター地域ケア担当課長 田邉 敏幸
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子
生活保護担当課長只野 孝子
保健予防課長 鹿島 剛
生活衛生課長 秦 友洋
環境部長 朝井 めぐみ
環境課長 永見 英光
ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 阿部 正宏
都市基盤部長 奈良 浩二
都市計画課長 安田 道孝
道路課長 井上 雄城
公園課長 村田 賢佑
建築課長 塚本 剛史
まちづくり推進部長 豊川 士朗
中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子
野方以西担当課長工藤 虎之介
中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴
中野駅周辺地区担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 山本 光男
選挙管理委員会事務局長 田中 謙一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 林 健
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 髙田 英明
書 記 鎌形 聡美
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 早尾 尚也
書 記 髙橋 万里
書 記 川辺 翔斗
書 記 金木 崇太
1.委員長署名
午前10時00分開議
○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
第5号議案から第9号議案までの計5件を一括して議題に供します。
前回、2月21日(火曜日)の理事会の報告をします。
初めに、本日の委員会運営についてですが、総括質疑2日目は、1番目に日野たかし委員、2番目に羽鳥だいすけ委員、3番目に河合りな委員、4番目に木村広一委員、5番目に小林ぜんいち委員、6番目にむとう有子委員、7番目に近藤さえ子委員、8番目に石坂わたる委員、9番目に小宮山たかし委員、10番目に渡辺たけし委員、11番目に内野大三郎委員、12番目に竹村あきひろ委員、13番目に吉田康一郎委員の順で13名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
また、本日は総括質疑最終日でもあり、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れるということを確認いたしました。
次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理をいたしました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
次に、資料要求についてお諮りします。
お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
資料につきましては後ほどアップロードされますので御覧ください。
令和5年(2023年)2月22日
予算特別委員会
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分
◆子ども文教分科会関係
62 令和4年4月における中野区民の教育・保育施設利用状況<立>
○ひやま委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。
日野たかし委員、質疑をどうぞ。
○日野委員 おはようございます。公明党議員団の2番手としまして、予算特別委員会総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。時間が限られておりますので、即質問に入ります。
初めに、令和5年度予算についての項目から、歳出の抑制について伺います。
経常経費には扶助費などの社会保障として欠かせないものなどが多く、削減してはならない経費も多くを占めていると考えます。その経費において、令和2年度予算編成方針より、経常経費は削減を原則としていますが、これまで経常経費は増加し続けています。どのような削減基準を設けて削減に努めてきたのでしょうか、伺います。
○森財政課長 経常経費の削減についてでございますが、人件費や扶助費、債務負担行為や長期継続契約に係る経費、各種組合の負担金などを除く経費につきまして、後年度予算ベースでの限度額を各部のフレームとして設定いたしまして、その枠内での積算を求めたところでございます。全体としては、過去の行政評価や決算の状況、今年度の執行状況、事務執行の工夫などにより、各事業の予算積算に当たって経費の削減ができないか、検討を求めるということでございます。
○日野委員 そうなんですよね。経常経費を原則削減としながら、実際には原則とはなっておらず、削減できていないものも多いですね。物件費が前年度比で46億円以上、今回増となっていますが、この理由について御説明ください。
○森財政課長 物件費の増要因でございます。新型コロナウイルスワクチンの接種の関連経費や区有施設の光熱費、指定管理料、新庁舎の移転関連経費、区議会議員選挙などが増要因として挙げられるものでございます。物価高の影響で見ますと、区有施設の光熱費は4億9,200万円余の増、指定管理料は3億3,700万円余の増となっております。
○日野委員 今答弁いただきました光熱費については、約5億円ほど増となっているということですが、光熱費の削減について、全庁的に取組というのはされているんでしょうか。また、指定管理においても、光熱費が増となっていますが、指定管理業者への光熱費削減の取組については指示されているんでしょうか。
私の下には、「電気代が高くて支払いをどうしていいか、本当に悩んでいる」という方からの声も届きます。区が光熱費削減の取組を所管任せにせず、全庁的に削減目標も定めて費用を抑えるべきと考えます。いかがでしょうか。
○森財政課長 現在も電気代、ガス代については上昇傾向にありまして、具体的な削減目標を定めるのは難しいと考えておりますが、予算執行に当たりまして、光熱費の執行抑制の工夫を全庁に求めていくなど、機会を捉えて呼びかけをしていきたいと考えております。
○日野委員 経常経費は原則削減というふうに区のほうからおっしゃっているわけですから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
予算編成方針の歳出抑制の考え方には、過去の決算の状況や行政評価結果等を十分に踏まえ、構造改革実行プログラムの構造改革の八つの視点に基づき、事業の廃止、縮小、手法の検討、執行体制の見直し等を経た予算要求を行うこととされています。しかしながら、令和4年度の外部評価では、外部評価者から拡充と判断されている事業も複数ありました。そもそも外部評価の対象は、事業費自体が小さいものが多く、これによって経常経費がどの程度削減できるかという疑問もあります。経常経費削減を原則とするのであれば、経費削減を観点にし、外部評価の対象事業についても削減効果が出るような事業を対象にするなど、見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 行政評価は、事業の効果を実績とコストから評価しており、事業の廃止や見直しに着目するものもありますが、経費削減だけではなく、区民サービスの改善につなげる視点も持ちながら、令和5年度の外部評価対象事業の選定を行っていく考えでございます。
○日野委員 それでは、構造改革実行プログラムに基づく取組の財政効果についても伺います。
当初予算案の概要には、構造改革の取組として、デジタルシフトによる区民サービスの向上等、効率的な行政運営によって、1億1,286万円余の財政効果が得られるとされています。どのようにしてこの額の財政効果が得られるのか、内訳を教えてください。
○瀬谷構造改革担当課長 委員御指摘のあったここの財政効果につきましては、令和5年度の財政効果を試算したものであります。戦略1の財政効果の主な内訳といたしましては、ペーパーレス推進等に伴う人件費相当額の削減が約1億200万円でありまして、残りは統合型GISによる既存システムの経費などの削減となっております。
○日野委員 実際には、人件費削減といっても効果であって、削減されたわけではなく、また、ペーパーレスについても、今後のランニングコストとしては削減できるのかもしれないですけど、イニシャルコストは当然ながらかかっている。ここに出ているような、何というんですか、見た目的に削減されたというような表現になっていますけども、この当初予算案の概要にも、構造改革の視点を踏まえ、経費削減に取り組んでいますとしていながら、実際には財政効果イコール経費削減とはなっておりません。表面的に効果が出ているような、こういった見せ方は今後やめるべきだと思います。これはもう言うだけにしておきます。結構です。大丈夫です。
次に、帯状疱疹ワクチンについて伺います。
令和4年度第6号補正において、帯状疱疹ワクチンの予防接種費用の助成に係る経費が盛り込まれ、中野区では来月3月より50歳以上の中野区民が帯状疱疹ワクチンを接種する場合に、4,000円から2万円の補助を受けられるようになります。我が会派が要望してきたものですが、今年度、来月3月実施分においては、帯状疱疹ワクチン接種の助成の財源に国からの地方創生臨時交付金を充てられ、来年度は都の補助金が充てられると聞いています。令和5年度から、都内の他区においても順次実施されると伺っています。都の財政も厳しい中、補助金が割り落としされることがないのかなど、獲得についてはどのように見ているでしょうか。
○鹿島保健予防課長 現時点では、詳細はまだ示されてはおりませんが、令和5年度から東京都が帯状疱疹ワクチン任意接種補助事業を開始する見込みであり、区の事業が補助金の交付対象になるものと考えております。
○日野委員 まだはっきりしていないということですが、しっかり獲得できるようにしていただければなとは思っております。
私が聞く限り、帯状疱疹については関心がある方が多く、既にワクチンを接種したという方も多くいらっしゃいました。帯状疱疹ワクチンについては、接種券などが送付されるわけではないので、区報やホームページを見ていない方は、ワクチンの助成について知らずにいる方も多いのではないかと感じます。例えば、接種を実施している病院等に、帯状疱疹ワクチン費用助成についてのポスターを掲示するなど、効果的な周知方法が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○鹿島保健予防課長 帯状疱疹ワクチン助成事業の実施に当たっては、中野区内165か所の医療機関から協力を現在いただいております。そして、これらの実施医療機関には、事業を案内するポスター等掲示を依頼しております。中野区報2月20日号や区ホームページでも周知を行っているところでありますが、今後も中野区医師会等の協力を得ながら、効果的な周知方法を工夫していく次第であります。
○日野委員 ぜひ効果的な周知を継続して行っていただければなと思います。ありがとうございます。
次に、学校教育について、初めに、小中学校におけるタブレット端末の活用について伺います。
現在、小・中学校の児童・生徒に貸与しているタブレット端末は、令和2年度より、iPadをリースしていますが、リース端末は合計で全部で何台でしょうか。また、年間の全端末リース料、保守契約料、キッティング費用、インターネット環境の維持費について、それぞれ幾らになるでしょうか。学習用端末にかかる年間の必要経費について、まとめて伺います。
○松原学校教育課長 リース台数ですが、現在1万5,000台でございます。年間の必要経費でございますが、端末リース料が約2億9,000万円、端末保守料、キッティング費用等が約1億6,300万円、インターネット環境維持費は約4,800万円となってございます。したがいまして、年間の固定経費といたしましては約5億100万円となります。
○日野委員 年間5億のリース、また維持経費がかかっているということですね。GIGAスクール構想において、国費として1台当たり最大で4万5,000円の補助が入っているとの認識ですが、端末リースの場合、1台当たり、国費は幾ら当てられて、区としては5年のリースで幾ら費用を要するのでしょうか。
○松原学校教育課長 国庫補助の対象でございますが、全児童・生徒の3分の2の端末台数となり、対象台数は8,857台でございました。その1台当たりに4万5,000円として約3億9,800万円が、導入時に国から直接リース事業者に支払われております。区は、その補助を除いた額について、5年間のリース料として約14億5,200万円を支払うものでございます。
○日野委員 ICT推進関係の予算では、令和4年度と比較して、令和5年度は約1億6,800万円増額となっています。端末関係で増となった要因について伺います。
○松原学校教育課長 主な内容といたしましては、児童・生徒数の増加や故障時の対応のために1人1台タブレットを1,553台追加するに当たりまして、新たに3年リース契約に要する費用として約1億300万円、その他教員向け指導用端末のリプレースによる約2,200万円の増加分がございます。
○日野委員 今おっしゃっていただいた、来年度追加でリースされる1,553台、この端末には国費は入るのでしょうか。
○松原学校教育課長 令和5年度に追加導入するこの1,553台について、補助金は予定されてございません。
○日野委員 当初リースした契約は、あと3年で更新となります。今後、国費が確実に入ってくるかどうか分からない中、これまでのようなリースをしていくと、固定費が膨大な額となります。効果的なICT教育は十分に行われる必要はありますけども、一方で、リース更新に向けて、これまでのICT教育の成果をしっかり検証して、また学校現場の意見もしっかり聞きながら、費用対効果を見ていく必要があると考えます。
さらに、リースがいいのか、買取りがいいのか、保守費、キッティング費も、現在では年間1億6,000万円以上かかっているということですが、これについても検討が必要だと思います。こうした今後の端末確保について区の見解を伺います。
○松原学校教育課長 端末の更新に当たりましては、情報システム委員会などを通じまして、学校現場の意見を聞きながら、必要となる端末のスペックを決めてまいりたいと考えております。
端末を購入する場合は、一時的に多額の費用を要するなどの課題もございますが、端末更新をする際には、契約方法について慎重に検討してまいりたいと考えております。
○日野委員 端末の費用もそうですが、それ以外にも、キッティングや保守費用や、インターネットの維持費等もあって、かなり固定費も高いと思います。その辺よくよく検証していただいて、かつ、子どもたちにしっかり十分なICT教育を受けられるようにしていただければと思います。
タブレット端末の学習の活用についても、1点伺います。
昨年の第3回定例会一般質問において、私は、障害の困難さを軽減するため、学校現場においてタブレット端末やデジタル教科書を効果的に活用できるよう、教育委員会からの後押しが必要ではないかという質問をしました。現状、具体的な取組をされている事例があれば教えてください。
○齊藤指導室長 書くことが苦手な児童・生徒がタイピング機能や作図機能を活用したり、読むことが苦手な児童・生徒が読み上げソフトを活用したりしております。また、教員が作った説明動画を家庭で何度も繰り返してみることで理解を深めたり、カレンダーのリマインダー機能を活用することで、スケジュール管理や提出物の準備ができるようになった事例も聞いております。
デジタル教科書につきましては、国の実証事業として、小学校5年生以上に英語と他の1教科が導入されており、拡大機能や音声読み上げ機能等を活用しております。
○日野委員 今後も子どもたちに効果的に、かつ、様々な可能性を検証していきながら、効果的に行っていただければと思います。
では次に、児童の見守りについて伺います。
昨年の第3回定例会において、小学校通学路における交通安全指導員の拡充について伺いました。今回の予算では、通学路児童見守り業務委託等として、通常校においては2倍の予算にしていただきました。子どもたちの安心・安全のための大事な予算だと思います。予算としては2倍となりましたが、実際の見守りの体制では、各校どのような配分になるのでしょうか。
また、現在の交通安全指導員は、シルバー人材センターに委託していますが、単純に人の配置を倍にした場合、人員の確保は問題ないのでしょうか。せっかく予算を倍にしても、人が充てられなければ無駄になってしまいます。併せて伺います。
○松原学校教育課長 1校当たり登校時、下校時合わせて1か所で3時間、通年225日として、合計675時間であった予算配分から、配置が2か所に増やすことができるように、合計1,350時間の予算配分を行うものでございます。委託先からは、人材確保については対応できる旨、回答を得ているところでございます。
○日野委員 人も確保ができるということですね。
学校再編により仮校舎となった場合には、これまで交通安全指導員の予算に加配がありました。こちらについても、今後も対象の学校には、加配があると考えてよろしいでしょうか。確認のために伺います。
○松原学校教育課長 仮校舎を含めまして、校舎移転となった移転初年度は1,350時間、移転2年目は675時間を加配し、それぞれ2,700時間、2,025時間とするものでございます。
○日野委員 一方で、南台小学校は、当初2年半とされていた新校舎の移転が4年半と延びました。統合から2年が経過したため、来年度からは加配の対象外となりますが、仮校舎の間は、加配の対象とすべきではないでしょうか。以前も伺いましたが、改めて伺います。
○松原学校教育課長 南台小学校の交通安全指導員は、令和3年度の移転1年目では1,350時間、令和4年度の移転2年目では900時間を配置いたしまして、通常校の675時間に対して、加配を行ってまいりました。令和5年度は、通常校として1,350時間の配置とはなりますが、令和4年度の通常校に対する比較といたしましては2倍の時間となってございます。
なお、他の学校で余剰とされた時間については、必要とする学校に対して振り分けて追加配置を行ってきておりますが、引き続き各校の要望を聞きながら柔軟な対応を行うとともに、配置の在り方について研究してまいりたいと考えております。
○日野委員 ありがとうございます。柔軟に、また現場に応じて対応していただきたいなというふうに思います。
中野区では、平成27年度より、当時25校あった小学校の通学路に各校5台ずつ、防犯カメラの設置を行い、令和元年度の10台増加を含めて、現在135台にまで防犯カメラの設置が増えています。現在区立小学校は、学校再編により25校から21校になりましたが、防犯カメラについては、そのまま設置されているとの認識です。防犯カメラの設置については、基本的に学校とPTAとが話し合い、設置場所を決めていたものと思いますが、再編が行われた学校においては、防犯カメラの設置場所、管理などは、再編後に改めて変更されたのでしょうか。また、3校が2校に再編された場合のカメラの配分はどのように決められているのでしょうか、伺います。
○松原学校教育課長 再編校につきましては、新たな通学路を決定した後、通学路交通安全合同点検を実施いたしまして、学校やPTAからの希望を受けまして、設置箇所の移設や増設を行ってきたところでございます。再編前のその3校の通学路に配置された防犯カメラですが、2校に再編された学区域でも、そのまま引き続きその区域内の通学路に設置されているものでございます。
○日野委員 毎年、学校、PTA、警察等も含めて、通学路の見直しといいますか、点検等を行っていると思いますけども、学校再編が進んだことによって、以前よりも学校までの通学路が長くなっているというような学校もあると思います。そうしたことから、学校やPTAから要望があった場合、防犯カメラの増設も今後もしていくべきと考えます。児童の通学路安全確保のための防犯カメラ増設については、どのようにお考えでしょうか。
○松原学校教育課長 令和3年度及び令和4年度に実施いたしました合同点検を行った際には、他の安全に対する要望はございましたけれども、防犯カメラに関するものはございませんでした。しかしながら、今後、合同点検の際に、防犯カメラの増設、移設等について要望があった場合には、検討すべきものだと考えてございます。
○日野委員 様々、補助金とか、ある、ないとかもありますけども、しっかり安全確保のための対策というのをしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。
次に、支援を必要とする児童・生徒について伺います。
予算説明書補助資料の193ページ、事務事業1、教育関係人件費等のうち、会計年度任用職員の報酬等が前年度比で2億300万円余増となっています。主な増の理由について伺います。
○齊藤指導室長 東京都の学校マネジメント強化モデル事業である副校長補佐やスクールサポートスタッフを全校が希望したことと併せまして、小学校低学年にエデュケーションアシスタントの配置を予定していることが主な理由であります。
○日野委員 今伺ったエデュケーションアシスタントについての、具体的な役割について伺います。
○齊藤指導室長 エデュケーションアシスタントは、低学年に配置し、学習や生活指導の補助、子どもの相談対応、家庭への連絡文書の作成補助などの役割がございます。
○日野委員 配置については、1校につき3人とのことですので、全21校で最大63名の確保が必要となります。人の確保は学校ごとに行うのでしょうか。その場合、必要としながらも確保ができない学校へは、教育委員会からサポートなどはあるのでしょうか。
○齊藤指導室長 人材確保は学校にお願いをしておりますが、教育委員会では、ホームページで募集をしたり、大学に募集案内を掲示したりしており、応募してきた方々を学校に紹介しております。また、学校が工夫できる人材確保の方法等につきましても、学校に助言をしております。
○日野委員 学校現場としては、必要としているはずだと思いますので、ぜひともその支援をしっかりしていただきたいのと、今おっしゃっていただいたように、学校のほうで柔軟にというか、活用できるというお話が今ありましたけども、例えば、4年生以上で支援が必要な児童がいる場合に、学校の判断でそこに人を当てるということはできるのでしょうか。
○齊藤指導室長 エデュケーションアシスタントは、小学校の第1学年から第3学年の児童を対象とした事業であるため、4年生以上に充てることは原則、想定はしておりません。現在、支援が必要な児童に対応する支援員を各学校に1から2名配置しておりますが、今後、低学年へのエデュケーションアシスタントの配置によって、支援員は4年生以上の児童へ重点的に支援ができるようになると考えております。
○日野委員 厚生労働省のほうでも、昨年、通常級の支援を必要とするお子さんの調査を10年ぶりに行いまして、そこでも10年前と比べても増えているという状況がありました。支援を必要とする児童・生徒の数が増えているということを考えると、今後も通常期において継続的な支援体制があることが望ましいと考えます。昨日の加藤委員の質疑の中で、当初、都は1校3人分の補助金の方針であったものが、1人分に削減されたということでした。教育委員会としては、今後の都の補助金に関係なく、来年度以降も継続してエデュケーションアシスタントの配置は行っていくお考えがおありでしょうか、伺います。
○齊藤指導室長 教員の働き方に関する課題や、通常の学級で支援が必要な児童に対応する状況は、しばらく続くことが想定されるため、エデュケーションアシスタントを継続的に配置していくことが必要だと考えております。
○日野委員 ぜひ様々な支援の在り方というので、継続して行っていただければというふうに思います。
昨年の第3回定例会一般質問において、私はインクルーシブ教育の必要性と、そのために合理的配慮の提供の事例集を公開していくことを提案をしました。その際は、公開することを検討していくとの答弁でしたが、合理的配慮の提供の事例について、現在までに取り組まれていることがあれば教えてください。
○齊藤指導室長 学校が取り組んでいる合理的配慮につきましては、研究指定校がまとめたリーフレットを教育センターのホームページ上で公開しており、教職員や区民の方が閲覧できるようになってございます。教育委員会がこれまで積み重ねてきた合理的配慮につきましては、現在まとめているところでございます。
○日野委員 ぜひ、これまで積み上げてきたというものをしっかり区民の方にも分かるようにというか、安心して学校に子どもたちを通わせるような、そういった取組として行っていただきたいなというふうに思っています。
この項の最後に、スクールロイヤーの活用について伺います。
来年度予算にスクールロイヤーの配置が示されました。これにより、学校側が法的な相談や支援などを受けられるようになることと思います。私がPTA会長を務めている南中野中学校でも、昨年度から今年度にかけて、スクールロイヤーの配置を要望してきました。そのため、導入されるということには、学校側も大変ありがたいというふうにおっしゃっておりました。
弁護士との窓口というのは、教育委員会になるということですが、小・中学校合わせて30校分に対して、何名の弁護士が対応されるのでしょうか。また、相談はどこまでの相談を受け付けてもらえるのでしょうか。例えば、保護者から学校を通して相談されたものについても、学校から教育委員会への相談として、これを受けることができるのでしょうか、伺います。
○齊藤指導室長 令和5年度は、区立幼稚園を含め、2園30校に対して2名の弁護士が対応することを想定しております。スクールロイヤーは、子どもの最善の利益のために、学校が抱える問題に対して、法的観点から助言を行い、問題の未然防止、早期解決が図られる効果があると考えております。スクールロイヤーは、原則、学校から相談を受けるものであり、今のところ、保護者からの相談は想定しておりません。
○日野委員 とはいえ、学校で起きるいうことに関しては、様々相談に乗ってもらえるとは思いますので、保護者が個別なということは、また相談、そこはまた別になるんだとは思うんですけど、子どもたちがとにかく安心・安全な学校生活を送れるような対応として入れていただいたと思っておりますので、また今後、その活用については、効果的に活用されるようにしていただければとふうに思います。ありがとうございます。
以上で私の全ての質問を終わります。時間が足りないと思って足早に話したんですが、大分余ってしまいました。後に引き継ぎます。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。
次に、羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。
○羽鳥委員 おはようございます。日本共産党議員団の立場で、2023年第1回予算特別委員会定例会総括質疑を行いたいと思います。
初めに、新型コロナ感染症対策について伺います。
1月27日、政府の対策本部は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類をこれまでの2類相当から、5月8日以降は季節性インフルエンザと同等とする、5類とする方針を決定しました。しかし、5類に変更しても新型コロナウイルスの性質が変わるわけではありません。1月に報告された東京都のコロナ患者の死亡者数は866人に上り、福祉施設でのクラスターも多発し、救急搬送も極めて困難になりました。
新型コロナは、季節性インフルエンザよりはるかに感染力が高く、季節を問わずに年に何回も流行を起こし、その度に医療体制が大きく逼迫し、季節性インフルエンザと同等とは言えません。新型コロナを軽視する誤ったメッセージを発することがあってはなりません。
まず、新型コロナの分類が2類相当から5類に変更されることによってどのような変化が生じるか、お答えください。
○鹿島保健予防課長 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの変更によって、感染症法に基づく行動制限を伴う入院等の措置の終了や、患者が幅広い医療機関を受診できるようになること、治療や入院に要する医療費に自己負担が発生する可能性があること、サーベイランスについては、定点医療機関による発生動向把握に移行することなどの方針が現在示されております。
○羽鳥委員 東京都が2月14日に開いた新型コロナ対策本部の会議では、5類移行後の対応が話し合われ、これまで無料で受けられていたPCR検査や抗原検査が終了するほか、宿泊療養施設については原則廃止となることが確認されました。5類への移行に伴って、区民が新型コロナに感染した際の保健所の対応や相談体制には変化があるのでしょうか。
○鹿島保健予防課長 5類への移行により、これまで保健所が担ってきた各患者の発生届に基づく入院勧告や入院調整などの対応がなくなることとなりますが、現時点で詳細は示されておりません。また、相談体制については、東京都は相談機能を継続する方針を示しておりますが、国は現時点で詳細を示してはおりません。今後も、国や都の動向を踏まえて、区としての対応を検討していきたいと思っております。
○羽鳥委員 また、政府は、新型コロナが5類になることに伴って、全ての医療機関で新型コロナの受診が可能になることを期待をしているようですが、実際には感染対策面から患者を受け入れられない医療機関が出てくることも懸念をされています。発熱外来の支援もなくなり、これまでよりも発熱患者を受け入れられる体制が減ってしまうことも十分に考えられます。5類への移行に伴って、新型コロナ感染のハイリスク層などがきちんと医療にたどり着ける体制は取られるのでしょうか、お答えください。
○鹿島保健予防課長 1月27日に、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部から示された対応方針では、新型コロナウイルス感染症の患者が、幅広い医療機関で受診できる医療体制を目指すこととしております。また、東京都は、5類に応じた医療提供体制への移行を段階的に進めるために、高齢者等医療支援型施設等も継続するとともに、高齢者施設への集中的検査を実施するなど、ハイリスク層を守るための取組は実施されるものと考えております。
○羽鳥委員 区として、区内医療機関や医師会ともよく協議をして、必要な医療を提供するための手だてについてやはり協議をする必要があるかなと思います。やはりこうした体制を取るに当たっても、先立つお金だとか、そうしたものも必要なこともあろうかと思います。どのように考えていらっしゃるでしょうか。
○ひやま委員長 指名していないですよ、まだ。
○鹿島保健予防課長 これまでも中野区医師会等と適時に情報交換や協議を重ね、連携してまいりましたが、今後も新たな新型コロナウイルス感染症の対応について、国や都の対応を踏まえて、引き続き連携の強化を図ってまいります。
○羽鳥委員 中野区が基礎自治体として区民の命を守るために、そうした協議の場を設け、必要な支援についても積極的に検討していっていただきたいと思います。
現段階では、新型コロナの感染者数は1月よりは少なくなっていますが、感染の再拡大も確実視されています。5類への移行後、感染が再拡大したときに、区民がどのように対処すべきか分からないということも大いにあり得ます。発熱した際などの区民からの相談体制について、区報などで図式も使って、分かりやすい広報を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○鹿島保健予防課長 5類移行後の患者等への対応や、医療提供体制についての具体的方針は、3月上旬をめどに示される見込みであります。また、東京都においても、相談体制を検討しているため、詳細が示された後、速やかに分かりやすく広報していきたいと考えております。
○羽鳥委員 分かりました。
政府の対策本部の決定では、基本的な感染対策として、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気等がうたわれています。こうした感染対策の重要性について、区はどのような認識でしょうか。
○鹿島保健予防課長 手洗い等の手指衛生、マスクの着用、人と人との距離の確保、3密の回避、換気などが基本的な感染対策であると認識しております。
○羽鳥委員 過去2年のインフルエンザの感染状況などを見ても、保健所の方こそ、まさにマスクの着用をはじめとした基本的な感染対策の重要性を誰よりも実感をされていることと思います。こうした中、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が2月10日に出した「マスク着用の考え方の見直し等について」という事務連絡の中で、現在屋内では原則着用、屋外では原則不要としている現在の取扱いを改め、行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、マスクを着用は個人の判断に委ねることを基本とするとしています。感染対策として極めて有効なマスクの着用を個人の判断に委ねるとしているわけですが、区としてはやはり推奨していく必要があると私は考えるのですけども、いかがでしょうか。
○鹿島保健予防課長 国は、3月13日以降の対策として、平常時にマスクの着用を行政が一律に求めるのではなく、個人の判断に委ねることを基本とするとの方針を、併せて、一定の場合にはマスクの着用を推奨しております。区でも、その方針に沿った、分かりやすい周知に努めていきたいと考えております。
○羽鳥委員 マスクの着用が個人の自由という国の大方針がある下で、区ができることに制限があることがよく分かりました。しかし、その下でも、区有施設など自身の管理下の施設におけるマスクの着用要請などはできるはずですので、区にはそうした情報も周知してもらいたいと思います。
マスクの着用については、今年度の小・中学校の卒業式において、政府から出された方針が大きな波紋を投げかけています。文部科学省が2月10日に出した「卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について」という通知では、そのマスク着用について、卒業式の教育的意義を考慮し、児童・生徒及び教職員は、式典全体を通じてマスクを着用せずに出席することを基本とすると考え方を示しました。卒業式以外は、3月31日以前の活動は、卒業式以外の学校教育活動についてはめり張りのあるマスク着用をお願いしますとされており、卒業式だけが特別扱いされています。同時に、同通知は、留意事項において、学校や教職員がマスクの着脱を強いることのないようにすることと述べているなど、訳の分からない通知になっています。ウイルスは、卒業式の教育的意義に配慮して感染力を弱めてくれるわけではありません。文部科学省がそういうふうに言っているのでしょうが、マスクを着用せずに出席を基本とするという、こうしたことは、果たして科学的にも根拠はやはり持ち得ないと思います。教職員と児童・生徒はマスクを外し、来賓と保護者はマスクを着用するという対応をも、全く整合性が取れません。マスクについてはこれまでどおりの着用を求めることを基本とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○松原学校教育課長 卒業式におけるマスクの取扱いにつきましては、国及び都東京都の通知を参考にして、現在の中野区の状況も鑑みて決定をしているところでございます。卒業式直前の地域、学校の感染状況に鑑みまして、校長が感染のリスクが高いと判断した場合は、全ての参列者にマスクの着用を求めることができるとするものでございます。
○羽鳥委員 我が党の吉良よし子参議院議員が文部科学省の担当者にこの通知について問い合わせたところ、通知を踏まえて適切な判断をと言いますが、最終的な判断の権限は学校長にあります。それは今御答弁されたとおりだと思います。中野区が学校長と相談し、卒業式においてはマスクを着用とすると判断することは可能なはずです。再度の検討を求めます。
私は、何が何でもマスクを着用しなければならないと述べているわけではなく、我が会派は、新型コロナは無症状者からの感染が広がる割合がかなり高く、だからこそ無症状者も含めた検査が必要だと求めてきました。政府の方針の誤りは、マスクが外せる環境を整える政策を取らずに、まずマスクを外すことがありきになっていることであります。マスクを外して卒業式を実施したいなら、新型コロナにかかっていないと確認すればよいのではないでしょうか。例えば東京都が無料配布している抗原検査キットなども使い、卒業式当日に陰性の確認の協力を児童・生徒に仰ぐなど、そうしたこともできるんじゃないでしょうか。
○松原学校教育課長 児童・生徒に対しましては、毎日体調管理を求めているところでございます。発熱に限らず、ふだんと異なる症状のある者については卒業式への参加を控えるように徹底をしているところでございます。マスクの着脱につきましても、個々の事情に応じた適切な指導を行うこととししてございます。状況を見ながら、卒業式を安全に実施したいと考えております。
○羽鳥委員 ちょっと今の話は、なかなか本当に安全に実施できるのかなというのは不安が残るものです。
2月14日、東京都医師会の尾﨑会長が記者会見において、屋内でマスクを外すなら部屋の換気がよくされていることや、ある程度換気が悪くても空気清浄機を置いてウイルスを除去するなど、環境整備が必要だと述べています。例えば保育施設に対して、CO2濃度測定器の配布や空気清浄機の設置助成など、検討してもよいのではないでしょうか。
○半田保育園・幼稚園課長 保育施設につきましては、国の通知に基づきまして、換気対策を行うようお願いしてきたところでございます。備品の購入につきましては、令和2年度に補助のほうを行ってございます。また、消耗品につきましては、新型コロナウイルス感染症対策支援事業補助を行っておりまして、CO2濃度測定器の配布ですとか、空気清浄機の設置助成につきましては、現時点では予定はございません。
○羽鳥委員 この質問に合わせて、学童クラブや高齢者施設、障害者施設についても、同じことをお聞きしたんですけれども、同じ御答弁でした。また、学校については、導入していないというふうなお答えでした。必要な施設にはこうした設備は行き渡っているというふうな意味合いなのかなというふうには思いますが、こうしたことについても、再度考えたほうがいいんじゃないかなと思います。
今年度の第2次補正予算には、感染症流行下における学校教育活動体制整備事業が予算化されており、本年度の締切りは過ぎてしまいましたが、まだ予算を使い残しており、新年度の募集を再開すると聞きました。中野区はこうした事業も活用しながら、安心して学校の活動、保育の活動など、こうした活動ができるよう体制も追求してもらいたいと思います。
以上でこの項目の質疑を終わります。
続いて、国民健康保険制度について伺います。
来年度の国民健康保険事業特別会計当初予算案は、今年度当初予算から10.7%増の360億4,400万円を計上しています。
まず、このような当初予算案となったのはなぜでしょうか。歳出面からお答えください。
○伊藤保険医療課長 まず、令和2年度につきましては、新型コロナウイルス感染症による受診控えから、決算額で令和元年度比で約2.2%、4億円減少してございます。令和3年度、4年度の当初予算につきましては、新型コロナウイルス感染症による受診控えが継続することを想定をして積算いたしましたけれども、想定したほどの受診控えがなかったことから、大幅に医療給付費、医療費が増加し、補正対応をいたしました。この結果、令和2年度決算額と比べまして、令和3年度決算額は約7.15%、13億円余が増額し、令和4年度決算は6.48%、約12億円余の増額となる見込みでございます。
令和5年度の当初予算につきましては、令和3年度と令和4年度の実績を踏まえ、受診控えはないとして積算したことから、令和4年度と比較すると大幅に増加したものでございます。
○羽鳥委員 歳入面においては、来年度は被保険者数が今年度に比べて微増にとどまるにもかかわらず、保険料収入は今年度比8.5%増の92億2,800万円を計上しております。保険料の大幅な増額が見込まれます。来年度の1人当たりの保険料見込みはどうなっているでしょうか。
○伊藤保険医療課長 1人当たりの保険料につきましては、令和3年度から申し上げます。令和3年度が16万977円、令和4年度が16万9,363円、令和5年度は18万591円の見込みでございます。
○羽鳥委員 区は今年度、従来の介護部分と支援分の納付金の一定割合を一般会計からの繰入れで賄うという激変緩和に加え、医療分についても納付金の5%相当額を一般会計からの繰入れで賄うという措置を特例として実施をしました。しかし、それでもなお、今年度の1人当たり保険料は8,386円の値上がりとなってしまっています。来年度に向けて、区はどのような措置を実施するつもりでしょうか。
○伊藤保険医療課長 令和5年度の賦課総額の算出に当たりましては、財政健全化計画どおり支援金分及び介護分の国保事業納付金の4%相当額を控除いたします。また、令和5年度につきましては、1人当たりの医療給付費の増により、納付金額の医療分、基礎分に当たりますが、基礎分は前年度比9億2,805万円余の増加、支援金分につきましても、前年度比3億6,200万円余増加してございます。それを基に、中野区保険料を算出いたしますと、大幅な保険料の負担増となるため、令和5年度につきましては、特例的に医療分――基礎分でございますけれども――につきまして、納付金の11%相当額を控除するとともに、支援金につきましても、1%をさらに加え、5%相当額を控除するといたしてございます。
○羽鳥委員 来年度がその医療費の、医療分の納付金の11%を一般会計からの繰入れといって賄うということになって、法定外繰入れの額を今年度の14億7,300万円から19億8,300万円に増額をしていることは評価をいたします。しかし、それでもなお、保険料は今年度から1万円以上という過去最大の値上げ幅となるとともに、全ての被保険者の保険料が上がります。国民健康保険加入者は、自営業の方や非正規で働いている方、無職の方など、相対的に収入が低い方が多くいます。コロナ禍に加えて40年ぶりの物価上昇となり、多くの方が生活を圧迫されています。
また、国民健康保険にだけ、子どもなど扶養家族の均等割保険料が求められる問題もあり、国民健康保険と社会保険で、同じ収入でも保険料の大きな差が出ているという問題もあります。来年度の国民健康保険料について据え置き、ないしは引下げの決断こそやはり必要であったと思いますし、国民健康保険と社会保険に関して、子どもの均等割保険料の部分での格差解消を目指す取組が必要だったのではないでしょうか。
○伊藤保険医療課長 中野区は特別区の統一保険料方式ではなく、独自保険料方式を採用してございます。特別区統一保険料では、医療費分と支援分の賦課割合を、所得割を58、均等割を42としておりますが、中野区は所得割を60、均等割を40とすることにより、低所得者層の保険料の負担に配慮してございます。その結果、年収100万円以下の層につきましては、特別区統一保険料よりも低額となるよう設定してございます。
また、子育て世帯への支援でございますが、支援につきましては、特別区長会から国の政策及び予算に対する要望を出してございますが、その要望におきまして、令和4年度、令和5年度ともに、大きい子育て世帯の経済的負担を軽減するため、保険料の軽減対象を未就学児以外への拡大や、軽減割合の拡大を早急に検討し、軽減措置の強化を図ることが出されてございます。今後も、これを強く要望してまいりたいと考えてございます。
○羽鳥委員 本来的には、やはり国が負担をして管理しなくちゃいけないというのは、もちろん私たちも同感であります。しかし、やっぱり低所得者層に配慮したこと、これも評価をいたします。しかし、やっぱりそれでも大きな値上がりとなってしまっているという側面は否めません。こうしたときに、やはり基礎自治体である中野区がしっかりとした被保険者に対する財政負担、しっかりとやっていっていただきたいと思います。
以上でこの項の質問を終えます。
続いて、西武新宿線連続立体交差事業と鷺ノ宮駅・都立家政駅周辺のまちづくりについて伺います。
野方以西の連続立体交差事業については、昨年の予算特別委員会の際にも取り上げました。その際、私としては最大限の利を示して複線シールドによる地下化をと検討を求めても、区は検討を拒否するとともに、自らの検討結果についても事実上答弁拒否を行うなど、不誠実な態度であったなと思います。
区は、2014年の検討の際に、地下案について、単線シールドの検討に固執し、立ち退き件数を過大に算出していた可能性は大いにあります。立ち退きが増えれば、事業実施にも大きな影響が出るのは中井-野方駅間の連続立体交差事業を見ても明らかではありませんか。事業に当たって立ち退きを減らすということは、事業の早期実現に当たっても、区民に過度の負担を押しつけないという点でも重要ではありませんか。この点についての認識を伺います。
○工藤野方以西担当課長 連続立体交差事業における立ち退きの影響についてでございますが、事業の計画に当たりましては、事業主体が工期や用地買収などの条件を整理し、総合的な検討に基づき判断していると認識してございます。
○羽鳥委員 一般論でもお答えをできないというふうな、そういうのは、そういう答弁はどうなのかなと思います。
昨年、東京メトロ有楽町線の延伸計画の都市計画素案説明会が行われました。豊洲駅と住吉駅を結ぶ全長5.2キロメートルのこの計画では、駅間は大部分が複線シールドでつなぎ、単線シールドの場合も縦に並べることで道路からはみ出す部分を押さえ、極力用地買収を行わないための計画になっています。こんなことは、場合によっては複線シールドのほうが事業実施において優位となることを示しているのではないでしょうか。区は、この事例について承知しているのでしょうか。また、場合によっては、複線シールドのほうが地下案の検討において優位となることもあるのではないでしょうか。見解を伺います。
○工藤野方以西担当課長 有楽町線延伸計画に伴う複線シールドの採用についてでございますが、ホームページに掲載されている説明会資料に記載があることについて確認をしてございます。工法につきましては、事業者が施工条件等を踏まえ、選定するものであると認識してございます。
○羽鳥委員 東京メトロ有楽町線の事例は、立ち退きを避けて、早期実現を図るための複線シールドによる地下化が有効だと示すものだと思います。それは西武新宿線においても当てはまるはずです。区内の踏切を全て除去することもでき、立ち退きを最小限に抑え、早期実現ができる可能性もあり、線路跡地を緑のある公園に活用可能な複線シールドによる地下化の基盤計画をつくる前に、きちんと検討すべきじゃないですか。どうぞ。ちょっとお答えください。
○工藤野方以西担当課長 先ほどと同様になってしまいますが、工法につきましては、事業者が総合的な検討に基づいて選定するものというふうに認識してございます。
○羽鳥委員 西武新宿線の野方以西のところについても、検討をやはりすべきなんじゃないんですかということを聞いているんです。
○工藤野方以西担当課長 委員御指摘の、立ち退きを減らすということも、事業を実現する上での重要な要素の一つでございますが、その場固有の様々な要素、地形ですとか地質とか、そういったものを、事業者のほうで構造形式、施工法、難易度、そういったものと総合的に検討していくものというふうに考えてございます。
○羽鳥委員 総合的に検討したときに、地下案が有利になることもあると思いますが、引き続き求めていきたいと思います。
鷺ノ宮駅・都立家政駅のまちづくりに際しての住民参加の取組について伺います。
まず、まちづくりというのは、そこに住む区民が参加をして、区と一緒になって取り組んでいくということは欠かせないと思います。区の認識を伺います。
○工藤野方以西担当課長 まちづくりへの区民参加についてでございますが、よりよいまちづくりの実現を目指すために、区民が参加することは重要であると認識してございます。
○羽鳥委員 来年度予算案において、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの検討に4,831万3,000円、基盤計画の検討に3,223万円が計上されています。それぞれどのようなことを行うのでしょうか。
○工藤野方以西担当課長 令和5年度の検討内容についてでございますが、基盤整備につきましては、基盤計画の策定に向けた検討を進めてまいります。まちづくりにつきましては、駅前の拠点づくりなど、基盤計画と連携をして検討をしてまいります。
○羽鳥委員 基盤計画の策定にまで至るのでしょうか。
○工藤野方以西担当課長 基盤計画の策定についてでございますが、来年度、進め方を含めて基盤計画の検討を行ってまいります。
○羽鳥委員 基盤計画の策定を行うために、どのようなまちづくり手法がよいのか、検討されるということなんだと思います。基盤計画が策定となれば、大体のまちの形が決まっていってしまうことになります。その際に、住民の声を反映させる仕組みはあるのでしょうか。来年度の検討において、各駅周辺まちづくり検討会と話をしたりする機会はあるのでしょうか。
○工藤野方以西担当課長 まちづくり検討会から意見を聞くことについてでございますが、まちづくり検討会からまちづくり構想の提案を受け、各駅の整備方針を策定しており、引き続き検討会を含め、意見を聞く方法を検討してまいります。
○羽鳥委員 ぜひとも検討していっていただきたいと思います。しかし、やっぱり区がある程度考えを決めてから住民に話を聞くというふうなことでは、区の考えを超える、範囲を超える検討はできないと思うんです。区は、この間、哲学堂の保存活用計画検討委員会において、意見をまとめる前の段階でも区民との意見交換会を設ける、こんなこともやっています。区民から出される意見には、突拍子もないものもあったり、実現が難しいものもあるかもしれませんが、しかし、そうしたことも何でできないのかとか、要求の根底にあるものは何かとか、こうしたやり取りを行政と区民が双方向でやり取りする中で、区民がまちの一員としてまちづくりに携われるのではないかと思います。まちづくり検討会の方だけでなく、広くまちの人から知見を集めるような取組が必要なんじゃないのかなというふうに思います。
そのときに、私、基本構想のときに、区が無作為抽出した区民に意見交換会へ参加を呼びかけた、こうした取組がすごい重要だなというふうに思っていて、区としての手応えを感じていたと聞いているんですけれども、この取組について、区の評価をちょっと伺います。ちょっと端的にお願いします。
○堀越企画課長 説明会等への無作為抽出による案内の評価についてでございます。中野区基本構想の策定時は、区民と区長のタウンミーティングにおきまして、400名の区民の方を対象に、無作為抽出による案内を行いました。令和2年度の基本構想をテーマとしたタウンミーティング、参加者107名のうち約4割が無作為抽出による案内を行った区民の方でございました。
タウンミーティングにおきましては、現在もこの手法を継続しておりまして、テーマによる違いはございますが、ある程度の割合で無作為抽出での御案内による参加者がおられまして、一定の効果はあるものと考えてございます。
○羽鳥委員 先ほどの話に戻るんですけれども、やっぱりまちづくりは、まちのみんなでできるだけ広くやれるほうがいいと思います。野方以西のまちづくりにおいても、こうした無作為抽出した区民に意見交換会の参加を呼びかけるなどの、こうした取組もやってみてはいかがでしょうか。
○工藤野方以西担当課長 区民公募によるアイデアの募集についてでございますが、これまでもまちづくり検討会からまちづくり構想の提案を受けるなど、地域の意見を聞いてまいりました。引き続き意見交換会の開催周知の工夫を行うなど、様々な方が参加し、区民の意見を反映できる方法を検討してまいります。
○羽鳥委員 周知とはちょっと違うんですよね。そういう参加を呼びかけるというふうな、参加をしてもらってこそ意見が出てくるということもありますから、ぜひとももっと積極的に検討してもらいたいと思います。昨年、私は地域アンケートを全世帯に配布し、400名以上の方から回答を得ました。その中で、「中野区に取り組んでもらいたいことは何ですか。西武新宿線の連続立体交差についての御意見をお寄せください」と設問を設けました。記述の回答では、「鷺ノ宮駅は取り残されてしまっている、早期に実現してほしい」などの回答も寄せられ、多くの地域の方が西武新宿線の改善に取り組んでもらいたいことを実感することができました。こうしたアンケートは、中野区こそ実施すべきだと思います。まちづくりをまちのみんなで行う取組にするために、中野区の一層の努力を願います。
以上でこの項目の質問を終わります。
次に、環境・気候危機問題について伺います。
年々事態の切迫度が増している地球温暖化などの気候危機問題については、世界が一丸となって取り組まなければならない課題です。区は、二酸化炭素排出量を2030年度に2013年度比46%削減する目標を掲げ、この目標の実現が将来の世代に過度な負担を残さないためにも必須となっております。区は、新年度予算案において、太陽光発電システム導入経費の補助などを新たに行います。蓄電システムの助成や断熱ドア、窓助成について、新たなメニューを用意したことは重要ですが、環境基本計画が掲げた目標に対しては、やはり小さい規模の目標かなと思います。
昨年度第3回定例会の際に、区民に対する省エネルギー等に関する効果的な周知について伺いましたが、これまでの取組では、区民に対してこうした事業の意義や効果は十分に知られず、二酸化炭素排出削減についても効果的に進めにくいのではないかなと思いました。幅広い区民から、気候危機対策を進めるための提言をもらうような取組を考えてもよいのではないでしょうか。
現在、気候市民会議という、これも無作為抽出された市民が複数回の会合に参加し、専門家などから科学的知見を得て、対話と熟慮を繰り返し、気候変動対策を求め提言するという取組が広がってきています。日本では2020年に札幌市が行い、その後、川崎市など複数の自治体で行われています。中野区には、こうした取組を検討したらいかがでしょうか。
○永見環境課長 脱炭素の推進に当たりましては、多様な主体による積極的な取組協働を促進して、その相乗効果により脱炭素の取組を広く波及していくことが必要であるというふうに考えております。そのためには、脱炭素の推進に向けて、自ら積極的に取り組んでいる主体が、その取組内容について発信していく機会などが必要であると考えておりまして、今後多様な主体が参画できる仕組みについても検討していく考えでございます。
○羽鳥委員 ぜひとも検討していただきたいと思います。
脱炭素化を進める上では、施設の省エネルギー化を進めることも重要です。現在、区有施設においては、省エネについて統一的な基準を持っていないと伺いました。区は、構造改革実行プログラムの中の区有施設の脱炭素化の推進の中で、環境性能に関する施設整備方針を策定し、施設整備時に活用するとしていました。施設整備方針の策定に当たっては、ZEB化を目指した、高い環境性能を持ったものを基本とするよう定めるべきではないでしょうか。
○永見環境課長 構造改革実行プログラムにおいて定めました環境性能に関する施設整備方針の策定に向けて、現在、関係所管と協議をしながら検討を進めているところでございます。方針の策定に当たりましては、国や他自治体の事例も参考にしながら、ZEB化も視野に入れて目指すべき環境性能の水準等について示す考えでございます。
○羽鳥委員 また、新年度予算案においては、脱炭素化社会の実現に向けた分析調査等業務1,432万円が計上されています。2021年の第1回定例会で、部門ごとの二酸化炭素排出削減の工程表作成をと求めてから2年もたってしまいましたが、こうした工程表作成に必要な調査が行われるということで、大事な取組として評価をしたいと思います。
ごみ減量についても伺います。中野区の現在の区民1人当たりの1日のごみ排出量はどのようになっているでしょうか。
また、第4次中野区一般廃棄物処理基本計画では、いつまでにどの程度ごみを減らそうと考えているのでしょうか。
○阿部ごみゼロ推進課長 お答えします。令和3年度のごみ集積実績は5万6,655トンです。こちらを令和12年度のごみ量5万2,608トンまで減らすことを目標としております。これは区民1日1人当たりに換算したごみ排出量を、令和3年度468グラムだったものを令和12年度に411グラムまで減らすことに相当しております。
○羽鳥委員 排出されているごみについて、組成はどうなっているでしょうか。
○阿部ごみゼロ推進課長 令和3年度に実施した中野区ごみ組成分析調査では、家庭から排出される燃やすごみのうち、内訳の高い順から、生ごみが33%、紙類24%、紙おむつ7.8%、繊維類6.6%と推定されています。
○羽鳥委員 区民が排出する燃やすごみのうち、生ごみが33%、一番大きな比率を占めています。そうした中で、やはりごみをこの計画期間で411グラムまで減らすというのは、かなり大変なことなんじゃないかなと思います。生ごみを堆肥化するコンポストもありますが、作られた堆肥をどこで活用するのかという問題もあって、区民の中ではなかなか浸透しにくいと思います。そうした中で、渋谷区では生ごみを堆肥化するのではなく、微生物によって消滅させるという実証実験が行われました。民間企業が開発した微生物コンポストは、生ごみの約98%を消滅させるというものです。実証実験の際、区民はその設備が置いてあるところまで持っていって、設備の中に入れるだけで済みます。こうした取組は把握されているでしょうか。中野区でも実証実験をやってみたらどうかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○阿部ごみゼロ推進課長 コンポストを活用した取組につきましては、渋谷区の実証実験のほか、他自治体の意見も参考に検討を進めてまいりたいと考えております。
○羽鳥委員 ぜひともしっかりと調査を進めて、なかなかいいものだというふうに聞いておりますので、検討を進めてもらいたいと思います。
以上でこの項目の質問を終わります。
最後に、中野区教育大綱・中野区教育ビジョンについて伺います。
現在、区は、中野区教育大綱と中野区教育ビジョンの改定作業を行っています。現行の中野区教育大綱は、五つの基本理念とともに、四つの目指す人物像を示し、そうした人物像を育むことを目標として五つの取組の柱を設けています。この中身からは、区はこうした人物をつくり出すんだというような区の意思を感じます。
それに対して、先日発表された中野区教育大綱改定素案は、中野のまちの強みを生かし、一人ひとりの生きる力を高めていく、つながりの中で誰もが自分らしく学べるまち中野を基本理念として、一人ひとりに主眼を置いた中身に大きく変更されたと思います。教育大綱の改定の背景についてお答えください。また、そうした記述にはどのような理由があるのでしょうか。
○堀越企画課長 中野区教育大綱改定の背景につきましては、今回の改定は、中野区基本構想における10年後に目指すまちの姿や、中野区子どもの権利に関する条例など関連条例の制定、新型コロナウイルス感染症の影響やデジタル化の進展など、昨今の社会状況等を踏まえ、行うものでございます。
自分らしくや、一人ひとりに着目いたしましたのは、教育委員会と区長が総合教育会議で議論を重ねる中で、基本構想の基礎理念でございます誰一人取り残されることのない地域社会を実現していくためには、中野の特徴である多様性にあふれたまちを生かしながら、一人ひとりが豊かな人生を歩むことが大切であるという考えから導き出したものでございます。
○羽鳥委員 中野区教育大綱が大きく変わる一方で、中野区教育ビジョンにはほとんど変更が見られないかなと思います。そのことは、教育大綱と教育ビジョンの間に整合性がなくなってしまったというふうなこともあるんじゃないかなと思って、11月に行われた教育委員会定例会では、教育委員の方からも指摘をされています。第3次中野区教育ビジョンから第4次中野区教育ビジョン素案の変更点はどのような点があるのでしょう。また、整合性について区はどのような認識を持っているでしょうか。お答えください。
○渡邊子ども・教育政策課長 教育ビジョン第4次素案は、中野区基本構想、中野区基本計画、中野区教育大綱、中野区子どもの権利に関する条例の趣旨を踏まえ、見直しを行い、整合性を図ったものでございます。その結果、教育理念や実現するための視点のほか、変更した箇所がございます。
○羽鳥委員 整合性があるって言っても、教育の目標、教育の柱のところなんかでも、文言が変わっていないんですよね。また、教育大綱の幾つかの文言は、教育ビジョンに入れ込まれているにすぎなくて、これは全然違うんですね。現行の教育大綱を定めた際には、同時に中野区教育ビジョンも第2次から第3次に改定をされて、その際にはこれまで示された目指す人物像も、教育大綱に合わせて大きく変えられているんですね。教育ビジョンの第4次の素案には、まず現中野区教育大綱に示された目指す人物像の中身が、ほぼそのまま入っていて、この中身は一人ひとりの生きる力を高めていくとした教育大綱の改定素案とはやはり整合が取れていないと思います。
目指す人物像についてちょっと伺いたいと思います。この目指す人物像の3点目のところでは、公徳心を持ち、ともに社会をつくっていける人を目指すと、こうした記述があります。公徳心とは、何を意味するのでしょう。
○渡邊子ども・教育政策課長 公徳心は、教育基本法にある公共のルールを守ろうとする精神と併せ、社会の一員として社会生活での道徳を重んじることを表す言葉として表記したものでございます。
○羽鳥委員 ルールを守るとか、道徳を守るとか、そういったことは大事ではあります。しかし、そうしたものは、個人の尊厳と基本的人権が尊重されていることとセットでなければ意味をなさないんですよ。子どもの服装とか髪型まで規制するような校則がはびこる中で、公徳心といったところで、それは上から押しつけた規範にならざるを得ません。公徳心という表現、改めたほうがいいと思うんですけども、どうですか。
○渡邊子ども・教育政策課長 教育ビジョン第4次素案につきましては、現在、教育委員会で協議が進んでいるところでございます。
○羽鳥委員 目指す人物像の4点目には、「家族、我がまち、祖国を愛し、人とのつながりを大切にする人」という記述があります。人とのつながりを大切にする人の前段に、なぜ「家族、我がまち、祖国を愛し」という文言が入っているんですか。この文言を入れた意図についてお答えください。
○渡邊子ども・教育政策課長 教育基本法には伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことと示されております。子どもは家庭や学校、あるいは生まれ育った地域や国など、様々な集団の中で活動し、生活をしています。その子どもたちが愛情や慈しみ、優しさを持って育まれ、子どもたちも家族などを愛し、成長していく姿として、この文言を記載したものでございます。
○羽鳥委員 家族にせよ、わがまちにせよ、祖国にせよ、何かを愛するということを目指す人物像として定めることは、憲法が定めた内心の自由に反するのではないですか。
○渡邊子ども・教育政策課長 繰り返しになりますが、教育基本法には、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことと示されております。家族などを愛する価値観を子どもに強制するものではなく、内心の自由に反するものではないと認識しております。
○羽鳥委員 じゃ、あなたは「私を愛しなさい」って言われて、「はい」って言いますか。それはね、言うね、いや、別にそれは強制できないんですよ。何でかって言うと、あなたには私は愛する自由も愛さない自由もあるからなんです。個人に認められているのに、なぜ行政がそれを目指す人物像に入れることが認められるんですか。一人ひとりが愛する、愛さないということを言うことは自由です。私はそれを否定するものではありません。しかし、それを行政が定めるというのは、全く違う意味合いを持ちます。一人ひとりには、この目指す人物像に「愛し」と入れることは、家族、我がまち、祖国を愛さない人を、あなたは中野の教育が目指す人物像ではないというメッセージを発することになるんじゃないですか。どうですか。
○渡邊子ども・教育政策課長 繰り返しになりますが、子どもたちが愛情や慈しみ、優しさを持って育まれ、子どもたちも家族などを愛し、成長していく姿として、この文言を記載してございます。愛する、そのことの価値観を子どもに強制するものでもなく、内心の自由に反するものではないと認識しております。
○羽鳥委員 強制をしないんなら、目指す人物像に入れるべきじゃないですよ。これは矛盾だと思います。教育ビジョンから、そういう目指す人物像から、そうした「愛す」という文言、削除することを求めて、私の全ての質問を終わりといたします。
○ひやま委員長 以上で羽鳥だいすけ委員の質疑を終了します。
次に、河合りな委員、質疑をどうぞ。
○河合委員 令和5年第1回定例会予算特別委員会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から、総括質疑をさせていただきます。質問は通告どおり、その他はありません。
1、令和5年度当初予算(案)について、一般会計について伺います。
令和5年度当初予算(案)、概要13ページ、前年度比増減率が23.9%と記載されております。過去15年ほど遡って見ても、23.9%というのはない数字で、異様に予算規模が拡大しているようにも見えます。昨日の森委員の質疑より、財政の健全性は保たれている中で、この規模の予算を組めることを確認いたしました。大きな影響となっている要因と額を教えてください。
○森財政課長 23.9%の著しい増のその大きな要因でございますが、一つとしては、区役所の新庁舎整備事業、こちらが144億7,100万円余の増となっています。また、平和の森小学校の用地取得、こちらで87億1,100万円余の皆増となっております。この辺りが大きな要因かなと捉えております。
○河合委員 では、その要因がないものと仮定した場合の令和5年度予算の一般会計の増減率はどうなりますか。
○森財政課長 今の挙げましたこの2点、こちらの合計額は230億円程度になります。もし、この230億円がなかったとした場合、一般会計の規模はおよそ1,726億円となりまして、これと今年度の予算と比較しますと、9.3%ほどの増となるということでございます。
○河合委員 では、23区ほかの、他区の増減率、どうなっていますか、教えてください。
○森財政課長 23区につきましては、どの区も令和4年度予算よりも増となっております。令和5年度の一般会計の23区全体、合計、こちらが4兆4,757億円余。令和4年度は4兆2,330億円余でございまして、5.7%の増ということでございます。
区別に見ますと、中野区が一番高いわけですが、それに次ぎまして、北区が22%の増、中央区が18.9%の増というところで、この辺りが大きいわけですが、他の区については10%以下の1桁の伸び率ということになっております。
○河合委員 今、教えていただいた区役所新庁舎整備費については、中野駅北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づき、区有地等の資産活用による転出補償で確保されます。平和の森小学校の跡地について、予定を教えてください。
○森財政課長 平和の森小の現用地につきましては、売却を予定しております。
○河合委員 平和の森小学校の用地、購入費もそういう意味ではおよそ見込めると捉えられます。以上より、増減率23.9%という数字は見え難くありましたが、大きな影響の要因の事業費用は一時的なものであり、除いた場合の伸び率について、先ほどは簡単にでありますが、確認いたしました。
次に、歳入について伺います。
特別区交付金について、昨日の我が会派の森委員の質疑にて、堅調な伸びであることを確認しました。特別区税について、令和5年度予算、当初予算の15ページ、予算説明補助資料3ページを御覧ください。特別区交付金に次ぐ区の基幹収入となる貴重な税収です。特別区税とその中でも歳入の区の傾向の捉えやすい特別区民税についてお伺いします。
今回、特別区税は過去15年度程度を遡った中でも、また大きな数字となっています。最も大きな伸び率となっています。ほかの23区、どうなっていますか、教えてください。
○竹内税務課長 他区の令和5年度の特別区税の状況につきましては、全ての区において、令和4年度予算額よりも増加した予算を積算してございます。特別区税の伸び率10.1%、特別区民税伸び率10.7%は、いずれも23区、一番の伸び率となってございます。
○河合委員 23区、一番と聞くと、まるで中野の景気だけが突出してよくなったようにも聞こえます。しかし、過去の予算、確認したところ、令和4年度特別区交付金の伸びが23.9%という高い数字がありました。前年、令和3年度の伸び率をマイナス11.1%と予算計上していたために、要するに、年度当初と前年度の予算時に厳しめに積算した場合は、次年度の予算の伸び率に影響が出るようでございます。当てはめると、中野区は、令和4年度予算を厳しめに積算したために、新年度予算は大きな伸び率になったとも考えられます。
続いて、特別区民税の令和5年度予算は355億円余となっております。令和4年度一般会計、8次補正にて大幅増額がありました。令和4年度決算徴税見込み、値を教えてください。
○竹内税務課長 特別区民税の令和4年度決算見込みは、令和4年度当初予算よりも37億4,000万円増の358億5,313万5,000円を見込んでございます。
○河合委員 比較すると、令和5年度予算は、令和4年度決算徴税見込み値よりも今低い値なのかなと思いますが、要因を教えてください。
○竹内税務課長 令和5年度特別区民税につきましては、令和4年度補正後予算の358億5,313万5,000円と比較して、0.8%減の355億5,417万1,000円となってございます。こちら、令和4年度補正予算には、高額の株式等に係る譲渡所得の金額を有する納税義務者がいたため、令和5年度の予算につきましては、その影響額は見込まなかったことに加えまして、増加する寄附金税額控除の影響を加味しまして積算したものでございます。
○河合委員 それでは23区、ほかの状況を教えてください。
○竹内税務課長 23区の令和5年度特別区民税予算の積算状況につきましては、令和4年度補正予算よりも高い区が16区、低い区が中野区を含む7区となってございます。
○河合委員 各区、状況も違うために、一概には言えませんが、半数以上の区は増と予測する中で、中野区は令和5年度予算も特別区民税も厳しめに見込んでいると考えられます。
次に、令和5年度当初予算案、29ページの財政フレームについての中、特別区税についてお伺いします。
令和6、7年度にかけての減収見込みやその後の横ばいについては、昨日森委員の質疑で確認しております。本来、今後10年、中野駅は中野駅周辺まちづくりが進んでいくために、おのずと特別区税に影響を与えると考えております。まちづくりの要素は、財政フレームの特別区税の算出に考慮されていますか。
○竹内税務課長 財政フレーム上の特別区税につきましては、人口推計を基に算出してございます。基にしている人口推計につきましては、まちづくりの進展に伴う人口増は考慮されていないため、その影響も反映されてございません。
○河合委員 令和4年度予算と決算見込み値のずれの要因には、まちづくりが進んでいることも影響しているのではないでしょうか。納税義務者数について、新型コロナウイルス感染症以外の影響と見られる数字の変化はありますか。
○竹内税務課長 特別区民税の令和4年度の課税状況から分析しますと、令和4年度と令和3年度の7月1日現在の課税標準段階別納税義務者数を比較したところ、課税標準額700万円超の納税義務者が1,702人増加してございまして、全体に占める割合も6.93%から7.75%と大きく増加してございます。
○河合委員 今お伝えいただいた課税標準額700万円超の納税義務者の割合、大きく増加した、これがまちづくりの影響にて、給与の高い人の割合が増えたということにも捉えられるかなと思っています。税務課で活用している人口推計にまちづくりの影響が反映されておらず、ほか会派の同僚議員からも、まちづくりの行政需要への影響をもっと考えるべきではないかと指摘がありました。このように、まちづくりによる人口などの変化は区政全般に影響を及ぼしております。特別区税の算出に、まちづくりの影響が反映される人口推計を活用してはいかがでしょうか。
○竹内税務課長 税収の積算方法につきましては、人口推計や賃金統計等を基にして、直近のデータを参考にしながら積算するものでございます。しかしながら、特別区税において、令和3年度は23億9,500万円、令和4年度は37億6,400万円と、大きな補正予算を計上しているところでございます。今後の税収の積算の方法につきましては、より高い精度となるよう検討してまいりたいと考えてございます。
○河合委員 過去5年の特別区税については、予算と決算の値で大きな差が生じております。しかし、都や国基準算定に基づく特別区交付金すらも大きくずれることがあるために、区独自で積算している特別区税の予測はさらに難しいものと考えております。ですが、先の見通しを少しでも明確にするためにも、このようにデータが活用できる部分はさらに精緻の予算計上に努めていただけるよう要望いたします。
以上、幾つか気になる数字について伺ってきましたが、令和5年度予算においては、特に問題ないことを確認しました。
次に、特別区民税の徴収率についてお伺いします。
税収を伸ばすために引き続きの徴収率向上も重要で、令和5年度は99%と見込んでいるようです。令和4年度の決算見込み値での徴収率を教えてください。
○竹内税務課長 特別区民税の令和4年度現年課税分徴収率の決算見込みにつきましては、99.2%を見込んでございます。
○河合委員 99.2%は、令和4年度予算時の徴収率よりも高くなっていると思うんですけど、理由を教えてください。
○竹内税務課長 特別区民税の令和4年度当初予算の現年課税分徴収率につきましては、98.7%を見込んでいたところでございます。年度を通じて、国税OBである滞納整理専門員を活用した専門的な滞納処分や財産調査業務委託化による調査件数の増加、また財産判明率の高い調査を行うための財産調査内容の精査、督促状の発布時期の繰上げによる滞納処分催告の早期着手といった取組を着実に成果を上げてございまして、予算積算時よりも高い徴収率を見込んでいるものでございます。
○河合委員 それでは、これ、他区の状況はどうなっていますか、教えてください。
○竹内税務課長 速報値でございますが、令和5年度1月末時点での23区平均の特別区民税現年課税分の徴収率につきましては、79.0%でございまして、中野区の78.8%よりも0.2%上回っている状況でございます。これは昨年度同時期の0.7ポイント差の差よりも0.5ポイント高い状況となってございまして、着実に差は縮まっていると考えてございます。
○河合委員 これまでは23区平均から離されていた中野区の徴税率の差が、少しずつ埋まっているようで、毎年度、改善を重ね努力されてきて、ここ数年の取組が実っていることを評価したいと思います。
次に、令和5年度当初予算案の概要38ページ、特別区民税の区外滞納者調査方法の変更という見直しが記載されました。見直し理由を教えてください。
○竹内税務課長 本格実施した令和2年度は、徴収効果が大きかったものでございますが、令和3年度は引き続き未納となっている方が多く、効果が小さかったためでございます。
○河合委員 今後この事業を引き続き委託継続しても、徴収額は上がらないということでしょうか。
○竹内税務課長 この事業委託につきましては、令和3年度事業の行政評価において、納付率が当初計画よりも低い結果となり、1件当たりのコストが高く、納付率も高いため、効率性が低いと判断されました。今後は調査方法を変更して、課税権を有する自治体に直接照会を行うこととし、より効果的に滞納処分や執行停止につながるように実施してまいりたいと考えてございます。
○河合委員 必要な事業の見極めであることは評価いたします。税金、税負担の公平性の観点からも、引き続き事業自体は区として継続努力をされて、徴税による歳入基盤を安定させるよう、今後の取組をさらに期待いたします。ありがとうございました。
2番、児童虐待を生まないための一時保育の拡充についてお伺いします。
1、未就園児の定期的な預かり事業についてお伺いします。
我が会派は、これまでも就労以外の多様なニーズに向けた保育支援拡充を求めてまいりました。令和5年度当初予算案の概要43ページに、保育所等の空き定員を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業に予算がついたことを高く評価いたします。保育園で未就園児を預かるという意味では、保育園での一時保育事業と近いものと考えられます。
そのために、まずは確認していきます。どのような事業か、詳細を教えてください。
○藤嶋幼児施設整備担当課長 この事業でございますけれども、認可保育所などにおきまして、保育園や幼稚園に通っていない未就園児、こちらに対しまして定期的に保育を提供するものでございます。利用対象は0歳から5歳児で、区内最大4施設におきまして、各園2名までの受け入れについて予定しておりまして、令和5年7月から事業を開始する予定でございます。
○河合委員 これ、本事業は、3歳以降や住民税非課税世帯の幼児教育・保育の無償化の対象になりますか。
○藤嶋幼児施設整備担当課長 本事業につきましては、幼児教育・保育の無償化の対象の事業というわけではございませんけれども、ほかの保育園の、保育所の利用者との均衡を図りまして、保育料相当額無償としたいというふうに考えてございます。
○河合委員 実施する保育園と利用する未就園児家庭のメリット、一時保育との違いを教えてください。
○藤嶋幼児施設整備担当課長 一時保育との主な違いといたしましては、やはり一度利用が決定いたしますと、一定長期間、定期的に保育の提供を受けることができるということでございます。保育園といたしましては、同じ児童を定期的に受け入れることになりまして、計画的に保育を行うことができます。また、経営面におきましても、空き定員が削減され、安定化につながるものと見込んでおります。また、未就園児家庭といたしましては、同じ保育園に定期的に通うことで安定して保育の提供を受けることができるとともに、ほかの保育園の利用者や保育士などとつながりができているということも期待されます。
○河合委員 先ほど3歳以降無償になる、無償化ではないけれども、無償にするということでしたが、一時保育事業とのすみ分けというのもきっちりしていただいて、モデル実施ということですが、事業の意義など御理解いただけるように、利用される方に御理解いただけるように、今後の事業構築を期待いたします。ありがとうございます。
2番、一時保育・一時預かりの登録・申請の一元化についてお伺いします。
一時保育の拡充は、会派からかねてより強く要望してまいりました。また、私は2019年の初質問の際から、虐待防止や子育てを楽しむ余裕を生み出すために気軽に使えるようになるまで一時保育を拡充、利便性の向上に取り組み、子育てを社会全体で取り組むことを求めてまいりました。
では、図を出します。
図1を御覧ください。いいですよ、見える方だけ見てくださいね。見える人、大体この小さい字を読まなくていいんで、大体見てもらえれば分かる。字は見なくて大丈夫です。大体見てもらえば分かります。
一時保育の拡充です。施設や事業が増えてきて大変喜ばしいことですが、現状、一時保育には施設型と訪問型があり、制度や利用対象もそれぞれ異なり、サービスが多岐にわたり、複雑化しています。まずはどの事業を該当するのか、利用者側が全て自分で探し、全てそれぞれに事前登録制、毎年更新制、登録先もそれぞれ別で、全て利用しようと思うと、30か所ほどに登録する必要があります。
さらに、空きがあるかは、区立保育園専用室型以外はそれぞれに電話するなど、確認、利用もそれぞれに申し込む必要があります。これまた全て必要と、利用としますと、70か所以上に連絡することになります。さすがに利用するというのは近隣だけでしょうが、使い慣れるまでには大変労力がかかり、真に育児レスパイトに必要な方にほど届かない懸念があります。
事業の全体を見通して制度の一元化、総合的に合わせられるものなど、再構築する必要があると思いますが、いかがですか。
○滝浪子育て支援課長 一時保育事業は、必要とされるサービスを順次拡充してきたため、現在のように複雑化しております。サービスごとに利用要件も異なるために、すぐに一元化するのは難しいと考えてございます。
○河合委員 ホームページや令和5年度予算で作成される冊子「おひるね」では、対象者や利用方法などを今よりも分かりやすく案内していただきたいのですが、いかがですか。
○滝浪子育て支援課長 ホームページや「おひるね」では、対象者や利用方法など分かりやすく見せる方策を考えてまいりたいと考えております。
○河合委員 登録先や申込み、複雑であるということを申し上げましたが、一元化や簡素化についてはいかがですか。
○滝浪子育て支援課長 登録先や申込み先につきましては、利用要件やサービスの提供内容によって、登録に必要な情報が異なるほか、子どもは成長により短期間で情報が変わることもあるため、全てを一元化することは難しいと考えております。
同じ所管課で実施している事業につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 事業が違うことは、当然理解するんですけれども、利用者には当然関係ないことです。現状は、まずそれぞれのサービスを調べるところから始まってしまっているというところに問題があります。より利用しやすい一時保育を目指して、利用者視点での使いやすさがさらに改善することを要望いたします。
次に、保育園施設型一時保育の空きの見える化についてお伺いします。
区立園専用室型にて令和5年度はLINE申請が導入されること、申込み簡素化と空き状況の見える化が進むこと、子ども文教委員会で報告がありました。大いに評価いたします。
現在、私立園専用室型を同様にできない要因を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 私立保育園の空き状況の見える化につきましては、園により受付方法や受付期間など、管理方法が異なっておりますので、保育以外の事務負担を増やすことになるため、現状では難しい状況でございます。
○河合委員 そこを何とか見えるようにしてほしいというところを、我々これまでお願いしております。何とか工夫して、例えばそれぞれに電話するなど、何とか工夫して実施できることは可能ですか。
○滝浪子育て支援課長 私立保育園につきましては、区立保育園の一時保育予約にLINEを導入した後に、園と協議しながら、一時保育の空き状況の見える化について検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○河合委員 これ、こちらに児童館における一時預かりの空き状況の見える化も、併せて実施してはいかがですか。
○細野育成活動推進課長 児童館における一時預かり事業につきましては、その運営事業者と協議をしながら、空き状況が確認できるように検討を進めてまいりたいと考えております。
○河合委員 ありがとうございます。やっぱり先ほどから重ねて申し上げておりますが、これ、利用者には関係ないことです、事業が違うこと。ですので、やっぱり一体的に見える化が進むように、引き続き他区の状況も見ながら、検討の要望をいたします。ありがとうございました。
3番、預けやすい環境整備について伺います。
次は、図2を御覧ください。これ、利用者時間帯曜日別一覧を、おおよそですが、作りました。特に就労条件とした場合に、区が一時保育を実施していない時間帯がありました。社会状況の変化や就労形態の多様化の中で、夜間就労については、事業者連携型ベビーシッター利用支援事業では、毎週1回、夜間就労など、継続的な場合に利用ができますが、突発的な仕事で、今日だけ使わせてほしいには対応していません。このせっかく入っている紫の部分、これが使えません。
区として、この実施時間帯に欠けがある、白い部分が実施時間帯の欠けです。その欠けがある部分についてどのような認識か、お聞かせください。
○滝浪子育て支援課長 サービスが使えない時間帯につきましては、カバーできるようにファミリーサポート事業を利用できるようにしてございます。
○河合委員 ファミリーサポート事業、いつも言われるんですけれども、これは時間帯の欠けを埋める事業がそれしかないんであれば、これまで会派として求めてきている事業改善は引き続き進めていただきたいと考えております。協力会員の伸びや、さらなる改善は進んでいますか。
○滝浪子育て支援課長 ファミリーサポート事業の協力会員を増やすために、登録講習会の簡素化やオンライン説明会などの実施により、登録までのハードルを下げたり、大学生などの若い世代への周知方法を今後検討しているところでございます。
○河合委員 実際に協力会員は伸びていますか、伸びていませんか。
○滝浪子育て支援課長 今現状は横ばいでございます。
○河合委員 これ、残念ながら現状のファミリーサポート事業、ずっと横ばいということであれば、現状は変わらないということです。変わらない。もともとファミリーサポート事業は、ボランティアベースの部分が大変強く、様々な社会活動の担い手不足が言われている中では、今後も急速な拡充は見込めないと考えます。時間帯の欠けを埋めるために、令和4年度から始まっています一時預かり・ベビーシッター利用支援事業の助成対象を未就園児以外に広げてはいかがですか。
○滝浪子育て支援課長 就園児につきましては、幼児教育・保育の無償化や認証保育所等、保護者補助金の制度を活用することにより、保育料が軽減されております。原則、保育料に関する負担が軽減されない未就園児を対象としておりますが、各制度を活用しても、保育料の負担が軽減されない一部認可外保育施設在園児につきましても、ベビーシッター利用支援事業の対象としておりまして、保育に関する経済負担を軽減する目的で利用対象者を考えているものでございます。
○河合委員 まあ、いいです。公的な預かり機会は、社会全体で子育てをするためにも、区が責任を持って多様に用意すべきと考えております。その上でボランティアの延長や地域のつながりづくりとして、ファミリーサポート事業や自主グループの皆様の預かりの場があるということが望ましいと考えます。
引き続き図を御覧ください。ひとり親家庭について、これ、一番下です、ひとり親家庭。こちらも時間帯の欠けがあります。ひとり親家庭が対象の子育て家庭ホームヘルプサービス、就労は日祝日は利用できますが、平日、土曜に使えない要因を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 平日につきましては、保育園や幼稚園などの利用ができるものと考えております。
○河合委員 土曜日も保育園、使えるという認識ですか。
○滝浪子育て支援課長 土曜日も基本的には保育園などが使えますが、来年度につきましては、就労しているひとり親家庭につきまして、土曜日も対象とする予定で進めて、検討しているものでございます。
○河合委員 ありがとうございます。これ、土曜日はぜひ使えるようにしてあげていただきたいなと思います。
一時預かり・ベビーシッター利用支援事業の対象を広げて、ひとり親家庭を含めるなど、より手厚い制度改善、ひとり親に対して必要かと考えますが、いかがですか。
○滝浪子育て支援課長 ベビーシッター利用支援事業は、令和4年10月から開始した事業であり、3か月分の利用申請を受けたところでございます。利用要件の拡大につきましては、今後実績のほか、サービスの利用状況などを確認しながら検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 ひとり親家庭をより手厚く制度改善してほしいという趣旨で伝えておりますが、それに関してはいかがですか。
○滝浪子育て支援課長 様々なサービスも含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 ありがとうございます。ひとり親家庭については、預かり場不足が就労条件を狭めることに直結するために、就きたい仕事ができないなど、貧困につながる可能性があります。より時間や金銭面の支援が必要と考えます。預かりの場の拡充は、ぜひ検討することを強く要望いたします。
さて、ここまで様々、一時保育を拡充していただいておりますが、いまだ予約が取れないとの声を聞いております。なぜ利用率と利用実態がかけ離れるのか、私なりにひもといていきたいと思います。
図3を御覧ください。専用室型一時保育の実績について、令和4年決算特別委員会資料子ども文教39の一時保育の延べ利用児童数から区立園の数字、令和5年予算特別委員会資料子ども文教31、一時預かりサービス事業一覧及び利用実績から私立園を取り出し、令和3年度月曜日から金曜日の平日数を246日と仮定して定員を掛け合わせ、利用できる人数の枠を算出し、令和3年度の利用率を出したものです。区立園は80%ほど、図では赤で示しています。私立園では40から60%程度が3か所、こちらを緑、ほかは35%以下で黄色で示しています。中には10%以下のところもありました。念のために児童館における一時預かりは青で示しております。
毎年の利用実績は、区立園1園より私立園1園当たりのほうが少なく、図でも一時保育の利用率では、区立園と比べて私立園がすいているように見えます。区立園と比べて、私立園の一時保育は保育の質が低い、人気がないという声は聞いたことがありません。保育内容に差はありますか。
○滝浪子育て支援課長 一時保育は、一人ひとりに合わせた対応をしていただいておりますので、保育の内容に差はないと認識してございます。
○河合委員 なぜ差が出るのでしょうか。子どもの体調は変わりやすいから、当日キャンセル分を勘案して、利用率ではなく、これからは予約枠についてで確認していきます。
私立園で実際に一時保育の利用可能日数や定員実績、そこから予約率は出せますか。
○滝浪子育て支援課長 私立保育園の利用者数や実施日数は把握しておりますが、園では予約の入った子どもの特性などに応じて、受入れ人数を調整していると聞いておりますので、利用可能数や予約率について出すことは難しい状況でございます。
○河合委員 そもそも私立園では、保育園の人件費弾力化や配置基準により、今も人員配置を精いっぱい工夫されている状態であるため、保育士が欠員する場合の影響が大きく出ます。一時保育のために配置した保育士も、そちらに流動する可能性はありますか。
○滝浪子育て支援課長 保育士の人員配置につきましては、一時保育も含めて、園全体で調整していると聞いてございます。
○河合委員 今の回答ですと、一時保育のために配置した保育士も流動している可能性があるということです。一時保育の補助金については、それではその人員配置、保育士の、私立園はそのための保育士配置で算定ではなく、預かり人数で算定されていますか。
○滝浪子育て支援課長 補助金につきましては、実際に預かった人数に対して算定しております。
○河合委員 令和4年度私立専用室型の一時保育の改善のために、預かり人数が多いほど多く補助金を支払う制度へと変更しました。こちらで実績値に変更はありましたか。
○滝浪子育て支援課長 今年度の実績につきましては、令和2年度以降の実績と比較いたしましても、大幅には変わってございません。
○河合委員 まず、私立園専用室型では、その日の人員配置によっては一時保育の予約枠が確保できていない状況であり、利用率で見てしまうと数字が低くなることを確認いたしました。
では、区立園にて一時保育の利用可能日数や定員実績、そこから予約率は出せますか。
○滝浪子育て支援課長 区立園の実績につきましては、令和4年4月から2月までの実績といたしまして、本町保育園では延べ761人分、利用率80%、中野保育園では延べ787人分枠で、利用率84%という数字が出ております。
○河合委員 これ、1年を平均してみると、このパーセントになると思うんですけれども、年度末に向かって予約率は高くなっていきませんか。
○滝浪子育て支援課長 おっしゃるとおり、4月よりも9月、10月と、月を経ることに伴って利用率は上がっております。
○河合委員 では、今出してもらった予約率ですが、今直近のもの、2月、令和4年、一番最後の月の予約率を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 1月、2月、今時点の数字で申し上げますと、95.5%及び92.4%となってございます。
○河合委員 区立園は公立であることから、一時保育のための保育士が確保できております。予約分の一時保育をほぼ全てで実施しています。区は、これまで一時保育の需要判断を私立園を含めた利用率で見てまいりましたが、本来需要は、この区立園の予約率が示しているのではないかと考えております。子どもは年間を通じて誕生するために、保育園専用室型の対象である未就園児は増加し、年度末に向けて需要が拡大していきます。実際の区立園の夏以降の――失礼しました。実際に今、区立園、最終の予約率95.5%であるという話を今聞きました。これは利用しやすい状況であると言えるでしょうか。
次に、一時保育を必要とする年齢層について対象である未就園児の数について、数で確認いたします。令和5年予算特別委員会資料子ども文教62で、未就園児の数を出していただきました。およそ74%が0歳で、その0歳の需要が大きいと考えます。0歳未就園児の一時保育の預け先の現状を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 0歳児の未就園児の一時保育につきましては、一時保育事業とベビーシッター利用者支援事業がございます。
○河合委員 これ、図2に戻します。
0歳の間は、先ほど申し上げたとおり、予約が埋まりがちな保育園専用室型と訪問型の一時預かりベビーシッター利用支援事業の二つです。1歳以降になると預かり先が増えます。社会状況の変化に加え、令和4年度は区の待機児童もゼロとなりました。育休を1年取ってから保育園を利用したいニーズが増えていると考えます。実際に1歳入園の希望は増えていますか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 1歳からの入園希望者数につきまして、保育入園一次申込み期限の際の状況で比較しましたところ、令和3年が716人、1歳人口の比率で31.51%であるのに対しまして、令和4年は797人、1歳児人口比で37.23%と増加しておりました。
○河合委員 これまで待機児童が多いために0歳児、4月の入園を競い合っていましたが、年度途中から、1歳入園や育休延長で、1歳児4月入園や、1歳入園の希望が増えています。
今後の保育行政においても、待機児童ゼロ後の考え方を求めてきたように、行政ニーズが変化していることは重要な観点です。一時保育の中でも、そもそも一番需要が多い年齢層は0歳で、さらには今後1歳からの保育園利用も増加傾向の中、0歳、一時保育の預け先の充実を検討してはいかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 一時保育の令和3年度実績では、利用実績の約3倍の利用者数を確保してございました。一時保育は、年齢別に利用枠を定めているわけではございませんので、十分な確保数があると考えてございます。
ベビーシッター利用支援事業も開始したばかりでございますので、その成果を今後見ながら検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 1歳保育は、虐待に至る前のレスパイトの役割も担っておると考えており、子どもの虐待死の半数近くは0歳です。さらなる多様な預け先の拡充は、引き続き要望いたします。
我が会派では、これまでも多くの子育て世帯の皆様から寄せられた声を基に、体感的な預かり先不足を感じていたために、児童館などの区有施設で預かる一時保育を拡充すべきと申し上げてまいりました。区は、これまで一時保育の利用率が低いことから預け先はあるとしてきましたが、本日細かい資料を使って、実績からの利用率ではなく、予約率にて本来需要を推測し、一時保育が足りていないのではないかと指摘させていただきました。
私立園専用室型の開設場所が増えることは、実績に影響しますが、国の保育制度が改善しない以上、今よりも予約枠を確保していただくことは難しいと考えます。
その視点で、この図3、もう一度見ます。
利用率が低い園、私立園は実態としては予約数が少ない、予約枠が少ないために、区内の預かり先も偏在があるのではないかと見受けられます。これまで議会から保育園欠員利用型のさらなる活用の指摘もございましたが、先ほど申し上げたとおり、1歳入園の需要が増えると、年度途中入園になり、定員が埋まっていくため、年度末に向けての欠員利用型の定員確保は見込めません。
先ほど施設型で当日利用できる区立園専用室型の予約はいっぱいであることを確認しました。区が主体的に実施している一時保育で、確定的な当日利用枠があるのは、児童館における一時預かりだけです。
今、こちら、赤いところで示しています、ファミリーサポートなど、多少当日で使える予定、あると書いてありますけれども、区立園は予約がいっぱいで預かれません。当日枠があるのは、児童館における一時預かりだけです。
保育園専用室型と比較して、児童館における一時預かりは、1人当たり予算がかかることから、事業継続再検討をという指摘も一部あるようですが、事業費の改善は当然に必要ですが、当日の空きを確保しておく保険的な役割を担えば、そのための枠を空けておくために割高になることは必須で、子育て家庭、子どもたちの命を守っていくための必要経費と考えます。容易に保育園専用室型が拡充できないことは、先ほど来より申し上げております。逆に、需要がある0歳児預かりや地域偏在解消のために、児童館における一時預かりなど、区有施設での一時保育実施を拡充して、様々あった制度の穴の欠けを含めていくべきと考えます。
一時保育は預けにくいという区の認識を持ち直していただいて、児童館における一時預かりの拡充を含めて、一時保育事業全体を再構築していくべきと考えますが、いかがですか。
○滝浪子育て支援課長 一時保育事業全体の再構築につきましては、令和7年度に子ども総合計画を改定する予定がございまして、令和6年度には改定に向けた準備を行う予定となっておりますので、その際には一時預かり事業の関係各課によるPTを設け、総合的に検討していく予定でございます。
○河合委員 ぜひとも、今PTという話も出ております。今よりも預けやすい環境整備、全体を見ながら検討していただくよう要望いたします。
○ひやま委員長 河合委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。
午前11時58分休憩
午後1時00分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
河合委員、質疑をどうぞ。
○河合委員 3、ひとり親家庭支援の拡充についてお伺いします。
1、実質ひとり親家庭の支援について伺います。
昨年の予算特別委員会において、配偶者と別居している離婚前の状態の方でプレひとり親やプレシングルについて質疑をいたしました。別れを決意してから離婚が成立するまでには、ある程度の期間が必要であることが多く、長期化することもあり、その間はひとり親家庭と同じ状態でも支援が受けられない課題があることを指摘しました。
令和5年度当初予算案の概要42ページ、予算説明書補助資料185ページを御覧ください。
離婚調停中での実質ひとり親家庭の金銭給付は、23区初の取組となりました。この判断は本当にすばらしいものです。誰一人取り残さないという区の姿勢を大いに評価いたします。ぜひとも、この動きを全区にも全国にも広げていただきたいと考えます。
まずは、実質ひとり親家庭の金銭給付について詳細を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 実質ひとり親家庭の給付につきましては、児童扶養手当は原則、離婚しないと申請できないため、離婚調停中で、実質ひとり親となった家庭に対しまして、18歳までの対象児童1人につき10万円を給付することを考えております。給付に当たりましては、所得制限や同居者の状況等の要件を設け、申請制とした上で、区が審査を行う予定でございます。
○河合委員 ひとり親家庭が、本来支払われている児童扶養手当、これを実質ひとり親家庭にも支給するものであるということです。こちらについて、案内はどのように実施していきますか。
○滝浪子育て支援課長 案内につきましては、子ども総合窓口、子ども・若者支援センター、各すこやか福祉センター及び生活援護課の窓口にチラシを置くほか、関係機関や区ホームページで周知する予定でございます。
また、児童手当を受給している方が、離婚調停中であるため受給者を変更するための申立書を提出された際や、ひとり親になることについての相談を受けたときなど、離婚調停中であることを把握できた場合などについても案内することを考えてございます。
○河合委員 関連窓口の周知はぜひとも、さらにはNPOなどひとり親関連のことを支援されている方もいると思いますので、そういうところに情報提供などをして、しっかりとこの取組をやはりきちんと伝わるように広げていただくことを要望いたします。
さて、保育園の入園について、実質ひとり親家庭は、ひとり親家庭と同様に、入園については取り扱われております。しかし、保育料の算定根拠については、両親の区民税所得割額を基に決定されています。実質ひとり親家庭ということは、主に婚姻関係がこじれて、養育費をその時点からもらえているとは考えにくく、金銭的困難な状態の可能性も大いにあるかと思います。保育料についても、これを機に見直ししてはいかがでしょうか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 実質ひとり親家庭の保育料の取扱いにつきましては、ひとり親家庭と同様の取扱いとするよう、検討してまいります。
○河合委員 ありがとうございます。ぜひその取組、期待しております。
このように、実質ひとり親家庭は、様々支援の狭間でお困り事があると考えられます。中野区は、実質ひとり親家庭もひとり親家庭同等とみなすという姿勢を、この本事業をもって示したと捉え、実施している全てのひとり親家庭支援事業においても同様に取り扱うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 ひとり親家庭の支援につきましては、各課で必要な支援を行っておりますが、法定の事業は別として、区で対象者を定めて実施しているサービスなどにつきましては、同様の扱いができるかどうか、検討する必要がございます。
○河合委員 各課で検討いただくということですけど、まずは、所管課としてはしっかりとほかの課に訴えながら取り組んでいただけるということでよろしいですか。
○滝浪子育て支援課長 その旨、働きかけてまいりたいと考えてございます。
○河合委員 ありがとうございます。所管課が努力していただくのは、私からしてみれば当然かなと思っていて、区全体で取り組むということをしっかりと考えていただきたいと思います。ぜひともその思いを区長の決意としてお聞かせください。
○酒井区長 実質ひとり親家庭への金銭給付につきましては、これまで支援を要しますが、行政サービスの対象にすることのできなかった家庭に対して、区が状況確認を行うことによって支援を可能とするものでありまして、これは誰一人取り残さない地域の実現を目指す区にとっても意義のある事業だと考えております。
本事業を契機として、実質ひとり親家庭について様々な行政サービスの対象としていくことや、区の相談窓口につながることによって、継続的な支援も可能になると考えておりまして、全庁的に取組を進めていく考えでございます。
○河合委員 ありがとうございました。大変力強いお言葉を頂きました。ぜひとも区全体、取り組むことを期待しております。
(2)養育費確保支援事業について伺います。
予算説明書補助資料187ページの養育費確保支援事業として、令和4年度公正証書等作成に引き続き令和5年度にはADRの利用支援も加わりました。会派として要望しましたことに予算がつきましたことを大変評価と感謝をいたします。
厚生労働省平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告により、母子家庭で、父親から養育費を受け取っている割合は24.3%、およそ4人に1人しか受け取っていないということです。養育費が確保できていないことが、ひとり親家庭が貧困に陥る大きな要因とされています。加わったADRについて説明とともに、事業詳細を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 今回始めるADRとは、裁判外紛争解決手続とも呼ばれ、裁判によらず、公正中立な第三者が当事者間に入り、話合いを通じて法的なトラブルを解決する手続でございます。
令和5年度より実施予定のADR利用促進補助金交付事業につきましては、養育費の取決めに際して、弁護士会、または法務大臣の認証を受けた認証ADR事業者を利用した場合に、かかった費用の一部を補助する予定でございます。対象となる費用は、申込料や依頼料に相当する費用及び1回目の調停期日にかかる費用を想定してございます。
○河合委員 これ、前回支給していた令和4年度公正証書などよりも、一段階状態が、関係が悪くなった方が御利用されるサービスということでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 まだ公正証書にまで至らない、話合いをするためのものでございます。
○河合委員 失礼いたしました。内容、違うもので、幅が拡充されていくということです。令和4年度現時点までの、先ほど申し上げました公正証書の作成の実績について教えてください。
○滝浪子育て支援課長 本事業は、令和4年8月から実施しており、これまでに3件助成してございます。
○河合委員 この事業をきっかけにして、窓口相談等につながっているなどありますか。
○滝浪子育て支援課長 この事業につきまして相談に来られた方に対して、ほかのサービスの情報を提供するほか、ひとり親家庭の相談に来た方にこの事業を紹介するなどして、相談につながってございます。
○河合委員 我が会派として、この事業も呼び水になる可能性があることから、事業実施を求めてまいりました。実際に効果があったという話は大いに歓迎したいと思います。
区長記者会見資料により、予算にてひとり親家庭相談支援員の配置とありましたが、こちらについては詳細を教えてください。
○滝浪子育て支援課長 令和5年4月から、ひとり親家庭相談員といたしまして、時間外や土曜日の対応、相談業務を担当する職員への研修などを実施するほか、関係団体と連携するなどして、相談業務の充実を図っていくことを想定しておりまして、社会福祉士や公認心理士などの資格を持つ職員を2名配置する予定でございます。
○河合委員 予算説明書補助資料には、187ページ、ひとり親家庭支援のしおり作成も記載されました。特に、子育てと仕事にひとりで向き合って努力されているひとり親家庭では、自ら情報を取りに行く時間的余裕も少なく、情報の整理と発信強化は支援へ接続するためにも重要と考えます。区では、令和5年度LINE運用支援ツールへの導入を進めていく予定です。このLINEをさらに活用して、ひとり親支援が届く仕組みを検討してはいかがでしょうか。
○高村広聴・広報課長 令和5年度から、保育園の一時保育の予約をはじめとして、LINEの運用支援ツールを導入する予定であり、これによりセグメント配信が可能となります。LINEの運用支援ツール導入後、その運用状況なども踏まえつつ、ひとり親家庭への支援情報をLINEを活用してセグメント配信することなどについて検討していきたいと考えてございます。
○河合委員 ありがとうございます。ひとり親家庭に必要な情報が届いて相談支援に接続され、そこから広がって、NPOも含めた大きなつながりを持っていき、新たな支援の構築につなげていけるよう、ぜひ要望いたします。
最後に、予算説明書補助資料187ページ、子育て支援課の中の子ども・子育て支援に、これまであったひとり親家庭支援に加えて、学習支援や子ども食堂が移動してきました。理由を教えてください。
○青木子ども政策担当課長 ひとり親家庭におきましては、生活に困窮する世帯の割合が高く、子どもの貧困対策と併せて取り組むことが効果的であると考え、子育て支援課において、両施策を一体的に取り組むこととしたものでございます。
○河合委員 我が会派から強く要望して、2019年に実現した中野区子ども・子育て家庭の実態調査以降も、就学援助の認定基準を見直すなど、子どもの貧困対策に取り組み、令和5年度は体制強化と学習支援の拡充など、さらに前進した区の姿勢を大いに評価いたします。
子どもの貧困対策を横断的に取り組むことをぜひしていただきたいと思っております。それによって新たに見えてくるものがあると考えます。今後の区の方針をお聞かせください。
○青木子ども政策担当課長 生活に困難を抱える子どもと子育て家庭を必要な支援につなげられるよう、新たに配置する子どもソーシャルワーカーによる関係団体や関係機関等との連携体制の構築など、一層の取組強化に努めてまいりたいと考えてございます。
○河合委員 より必要な支援を構築して、ぜひ誰一人取り残さない中野区を目指して、区全体で取り組んでいただくよう要望いたします。
令和5年度予算は、会派要望により実施していただいた事業が多く見えました。我々、我が会派は、公が実施すべき必要な事業には、しっかりと公が予算をかけて行うべきであるという視点から、これまでも予算要望してまいりました。区民視点で御提案させていただいた多くの事業を実施していただくことを感謝いたします。
任期最後は、我が会派の質問で私、登壇させていただきまして、一歩でも住みやすい中野区に近づいていったらよいなと思っております。本日まで多くの学びを与えてくださった皆様、ありがとうございました。
これにて私の質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で河合りな委員の質疑を終了します。
次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 令和5年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で、総括質疑をさせていただきます。
質問は、2の中野駅周辺まちづくりと3のデジタル化の推進を入れ替えて質問をさせていただきます。私の後からは、短い時間で10人が登場するということなので、どんどんやっていきたいというふうに思っております。時間が少ないので説明を省略して分かりにくいこともあるかもしれませんが、御了承をお願いします。また、質問が他の委員と重複する場合もあります。我が会派の角度で質問をさせていただきます。
初めに、令和5年度予算案についてお伺いいたします。
まず、基金の積立てに関して伺います。
減価償却費について、建設当時の取得価格ベースで計算しており、新たに建設をする際の建設費とは、当然乖離が生じ、積立額だけで賄えるかというのは、これまでも議会で質疑がありました。
具体的に伺わせていただきますが、最新で改築した義務教育施設は、いつ、どこの改築で、経費は幾らになったのか、お伺いいたします。
○森財政課長 令和4年度、今年度に竣工しております、完成しております令和小学校でございますが、およそ工事費として49億5,000万円でございます。
○木村委員 それでは、令和小学校の前身である新井小学校は、減価償却費の対象となる取得価格というのは幾らになるでしょうか。お伺いいたします。
○森財政課長 およそ8億3,000万円でございます。
○木村委員 確認ですけど、その8億3,000万円というのは、仮に今積立てをしているとして、新たな基金の積立ての考え方による当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積み立て、年度末残高は減価償却累計相当額の25%の確保に努めるとある、この両方の減価償却費の合計に当たるということでよろしいでしょうか。お伺いします。
○森財政課長 おっしゃるとおりでございます。
○木村委員 そうであれば、仮に今、新井小学校を令和小学校に改築しようとした場合、この新たな基金への積立ての考え方によると、8億3,000万円の25%の約2億円強を積み立てておけばいいということでいいでしょうか。お伺いいたします。
○森財政課長 おっしゃるとおりでございます。
○木村委員 建設費が49億5,000万円かかっているのに、積立ては2億円強でいいと、十分としているとなります。となると、残りの47億円が当然足りません。この2億円というのは、当然起債に必要な25%、約10億円にも満たしておりません。これはあくまでも一例ですけども、これから毎年1年1校が改築される必要があるとするのであれば、毎年この差額である47億円規模が不足して、それに対して起債や歳入の上振れなど、計画的ではない財政余剰分、また、一般財源を充てる必要があるということの理解でよろしいでしょうか。
○森財政課長 今、個別の学校の一例ということで挙げていただきまして、そういう個々の、個別の学校に対する数値ということで、それに基づけば、そういった状況になってくるだろうということでございます。
○木村委員 では、この基金の積立ての考え方では、建設当時の取得価格と、新たに建設する際の建設費との乖離があまりにも大きく、適切な積立てになっているのかというのは大きな課題を残していると言えます。本来であれば、減価償却費ではなくて、想定される建築費に合わせて積立てを行うべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○森財政課長 昨年の8月に新たな財政運営の考え方をお示しいたしまして、基金の積立ての目標額も設定したところでございます。まず、その目標額を毎年の予算に計上していくということが必要であるというふうに考えております。今後、そういうふうに計画的に基金へ積み立て、また活用を進めていく中で、施設整備の状況ですとか、歳入の状況なども踏まえながら、また適切な基金の積立て計画については考えていきたいと考えています。
○木村委員 財政規律と言えるかどうか分からないんですが、緩い財政規律であるというふうに思いますし、適切な積立てができているかどうかというのはちょっと疑問であるということは指摘をさせていただきます。
次に、構造改革実行プログラムについてお伺いいたします。
構造改革実行プログラムは、基本計画及び区有施設整備計画における施策や区政運営、施設配置の考えに基づき、計画を下支えすることが目的の一つです。構造改革実行プログラムには、先ほどの基金の積立て方である減価償却費分の積立ての考え方が既に示されておりました。先ほど指摘したとおり、この積立て方は課題があるというのであれば、本来は構造改革を目指す将来的な行政需要に備えて、できる限り基金を積み立てていくことが求められますとあります。それに基づいて、将来的に基金の積立て方を再検討することも、本来であれば、構造改革に当たり、構造改革の名の下に取り組むべきではなかったでしょうか。お伺いいたします。
○瀬谷構造改革担当課長 基金積立ての考え方についてですが、構造改革実行プログラムの策定過程において、計画的な基金積立ての考え方についても検討してきたところであります。行政需要や財政需要を踏まえまして、引き続き行財政運営を見直していく姿勢で臨んでまいりたいというふうに考えてございます。
○木村委員 引き続き取り組むということで、構造改革は持続可能な区政運営を目指すことが目的であって、区有施設の配置、それに伴う財源というのは、大きな取組の柱だったはずです。それが今、小規模の経費削減の財政効果を出すことが主になっているような取組になっているように見えます。本来の目的とは乖離している状態で、来年度の計画を残したまま、構造改革の担当課長及び構造改革係の廃止を決めました。構造改革の旗を下ろすに等しいこの組織再編の前に、本来であれば、これまでの構造改革の取組を先に総括するのが筋ではなかったでしょうか。伺います。
○瀬谷構造改革担当課長 構造改革実行プログラムは、計画期間である令和5年度末までの進捗状況等を踏まえて総括することを考えております。構造改革担当という組織はなくなりますが、令和5年度は企画課において進捗管理等を引き続き行ってまいります。
○木村委員 構造改革の話は、区がこれまで何と言ってきたかというのをしっかりと真摯に向き合って、また取り組み、検討していただければというふうに思っております。
次に、補聴器の検討委員会についてお伺いいたします。
我が会派として、一般質問や会派要望で補聴器を要望させていただきましたが、補聴器検討委員会を設置していただくことは大変に評価いたします。助成を実施している区では、非課税世帯が対象、2万円から3万円が助成という内容が多いです。補聴器は高額なものでもあり、将来的な取組も含めて、他区の状況よりもさらに助成を検討するよう要望いたしますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○古本介護・高齢者支援課長 令和5年度に設置をいたします検討会におきまして、助成制度の必要性や助成金額を含む助成内容のほか、将来的な見込み等についても検討していきたいというふうに考えてございます。
○木村委員 補聴器というのは適切な器具でないと効果がありません。港区では、難聴の診断や補聴器が必要かどうかを診断する補聴器相談医等の受診と、調整やアフターケアを担う専門家、認定補聴器技能者が在籍する販売店での購入を費用助成の要件としています。通信販売などで、病状や用途に合わない補聴器を導入して、トラブルになる事例もあります。費用助成に加え、補聴器選びの支援をする体制も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○古本介護・高齢者支援課長 難聴の原因といたしましては、加齢によるものだけではなく、様々な疾患が原因であることも考えられますため、まず専門医に受診をし、難聴の原因を特定することが重要であるというふうに考えてございます。その上で、それぞれの高齢者の状態に合いました補聴器が選定できるような体制の在り方などについても、検討が必要であるというふうに考えてございます。
○木村委員 さらに、難聴を放置している間には、認知機能の低下やフレイルが進行してしまうこと、また幅広い世代の人に知ってもらうことが重要と考えます。難聴の早期発見に向けた取組も必要ではないでしょうか。助成と併せて、難聴への社会的啓発を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○古本介護・高齢者支援課長 補聴器購入費用助成制度の在り方に加えまして、難聴の問題を広く知っていただくための効果的な啓発の必要性等につきましても、併せて検討を行っていきたいというふうに考えてございます。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、不登校対策について伺います。
令和5年度予算案には、スクールソーシャルワーカーを増員し、体制を強化するとありました。不登校対策としての詳細をお伺いいたします。
○齊藤指導室長 スクールソーシャルワーカーは、児童・生徒の家庭に訪問することができ、当該の子どもや保護者に対して助言や指導を行い、子どもや家庭の状況に合った関係機関につなげることを学校とともに考えていきます。スクールソーシャルワーカーの増員と勤務日数を増やすことで、1人の児童・生徒や保護者への対応時間、担当する各学校での対応時間を拡充することができるとともに、さらに、今以上のケースに対応することが可能となります。また、校内の打合せに参加するなど、教員やスクールカウンセラーと連携し、具体的な支援策を助言できるようになります。
○木村委員 よろしくお願いします。
東京都の令和5年度新規事業案では、小・中学校における不登校児童・生徒への支援を強化するため、校内での別室での学習指導、進路指導を行う支援員を配置、併せて不登校出現率の高い中学校を対象に、不登校対応専門教員を配置するとともに、検証委員会を設置し、効果検証や、事例データの活用について検討とあります。これ、校内フリースクールの充実にもつながると思いますが、ぜひ活用すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○齊藤指導室長 登校はできるが、教室に入ることができない児童・生徒の居場所として、いわゆる校内フリースクールを中学校は全校、小学校は半数の学校が実施しております。各学校は、工夫して校内で対応したり、区の教育支援室の巡回支援員が対応したりしておりますが、継続的に支援することが必要と考えており、東京都新規事業を活用することも考えてまいります。
○木村委員 よろしくお願いします。
また重ねて、同じく東京都の新規事業案には、フリースクール等に通う不登校児童・生徒及びその保護者に必要な支援等を把握するため、調査研究事業を実施し、効果を検証するとあります。この家庭への負担――フリースクールに通う子どもたちですね――の家庭の負担を軽減するためには、不登校児童・生徒への経済的支援も含めた支援も検討してはいかがでしょうか。お伺いします。
○齊藤指導室長 教育支援室や校内フリースクールでの支援、家庭でのオンライン授業への参加など、一人ひとりの不登校児童・生徒に合った居場所で学んだり、生活したりすることが大切であり、民間のフリースクールも居場所の一つと考えております。民間のフリースクールに通う児童・生徒への経済的支援につきましては、今後研究してまいります。
○木村委員 今、民間のフリースクールという話がありましたけども、私の地元の旧本町図書館では、フリースクールの実績が豊かなフェリーチェ高等学院が事業を開始をしました。区長と教育長が視察を行ったと伺いましたが、その率直な感想と今後の区との連携など、現段階ではどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。
○入野教育長 私も見学をさせていただきました。入口から内装、いわゆる教室やフリースペースなどは、通学に困難を抱えている子どもたちにとって、安心な居場所となり、学び場となると感じてもらえるのではないかというふうな感想を持ちました。
また、新校舎となった学校がそうなのでございますけれども、そこに通い、生活する子どもたちや教職員、保護者、地域の方々によって、新たな学び方、新たな施設の使い方など、様々な反応、変化が起き、建物が学校になっていきます。今回はまだ子どもたちが通ってきておりませんでしたので、通学が始まってからどんな変化が起きているのか、拝見したいとも思いました。
民間のフリースクールとの連携につきましては、今までも情報交換などを行ってきておりますが、本学院は、教育センターにも近いことから、教育支援室との今後の連携の可能性も様々あるように感じております。
○木村委員 ありがとうございました。私も行きましたけど、壁が全部ホワイトボードになって、いろんな書き物ができるとか、ちょっと普通の公立というか、行政がやったらなかなか考えられないようなアイデアがいろんな工夫があったと思いますので、ぜひ今後子どもたちのためのいい連携をお願いしたいと思いまして、この項の質問を終わります。
次に、デジタル化の推進についてお伺いいたします。
まず、女性のデジタル人材の育成についてお伺いいたします。
国では、女性デジタル人材育成プランが本年度策定され、女性の経済的自立や成長産業への就労に直結するスキルの取得支援後、自治体や企業などが連携して3年間集中して取り組むこととなりました。中野区議会においても、令和4年第3回定例会で、女性デジタル人材育成を強力に推進するための支援を求める意見書を全会一致で可決されました。
令和3年第3回定例会で我が会派の久保委員が、中野区オリジナル女性活用地域就労支援モデルの構築を要望いたしましたが、その進捗を伺うとともに、さらなる拡充が必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○平田産業振興課長 女性の活躍しやすい環境整備についてでございますが、女性の就労支援としましては、従来から東京しごと財団との連携による女性を対象とした再就職支援セミナー、再就職サポートプログラムを実施しているところでございます。また、令和4年度から産業振興センターにおきまして、女性を対象とした再就職支援のための全3回の連続講座を開始したところでございます。来年度はこれに加えまして女性の創業支援セミナーを予定しているところでございます。また、女性デジタル人材育成プランにつきましても、国から事例集などが提供されていることから、先進事例などについて研究してまいりたいと考えてございます。
○木村委員 ぜひ進めていただきたいと思っております。
経済産業省では、デジタル人材の育成を推進するために、デジタル知識や能力を身につけるための実践的な学び場として、デジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」を開設しています。国や都は、デジタル人材プラットフォームとして、女性デジタル人材育成の各種支援サイトを設置をしています。その周知が必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○平田産業振興課長 国のハロートレーニングや、東京都が行っております女性向けデジタルビジネススキル習得訓練事業等につきまして、情報を必要としている女性に行き届くように、区のホームページやSNS等を活用するなど、工夫しながら周知してまいりたいと考えてございます。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
令和5年度も国が推進する地域女性活躍推進交付金が実施をされる見込みです。この交付金など、国の取組を活用して、区での女性活躍推進事業をさらに検討してはいかがでしょうか。お伺いします。
○平田産業振興課長 国の交付金等につきましては、他自治体の事例も参考にしながら、関係所管と連携して活用の可能性について探ってまいりたいと考えてございます。
○木村委員 くれぐれもよろしくお願いいたします。
次に、健康ポイント、ボランティアポイントについてお伺いいたします。
人生100年時代を迎える今、健康維持や介護予防を促進し、高齢者が地域に貢献できる仕組みが求められております。これまで健康ポイントやボランティアポイントなど、ポイント制度を提案してまいりましたが、現段階で実施すると、アナログの活用となると考えております。現在区では、商品券のデジタル化が検討されておりますが、今後そういったデジタルのプラットフォームを活用した健康ポイント、ボランティアポイントなどのポイント制度も考えてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
○堀越企画課長 商品券のデジタル化の仕組みを活用いたしました健康ポイント、ボランティアポイントの制度についてでございます。キャッシュレス化のさらなる進展や、区民の方のデジタル機器の活用状況等を踏まえまして、また、他自治体の先進事例も参考にしながら、商品券のデジタル化によるポイント活用などによりまして、商店街や地域に新たなつながりや活性化といったものを生み出すような仕組みについて検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○木村委員 ぜひ大きな期待を込めて、この項目質問を終わります。
最後に、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。
中野駅周辺では、南北橋上駅舎、駅ビルの建設や南口側の中野二丁目、三丁目、また北口の中野四丁目において、様々な再開発事業が同時進行しております。これら事業実施に当たっては、個々の再開発施設のバリアフリー化はもちろんのこと、駅周辺の開発地域の周辺全体の歩行者動線や交通結節点の形成、高齢者や子育て層、外国人などの来街者が安心して行き来できるユニバーサルデザインに配慮した空間形成が必要であると考えます。中野区バリアフリー基本構想では、主要な駅を重点整備地区として、特定事業として、中野駅をほかの駅と一緒にして、全て並列的に進めているように思われますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○安田都市計画課長 バリアフリー基本構想では、中野駅を含む区内の主要な駅周辺を重点整備地区に指定し、地区内の生活関連施設、すなわち公共施設や移動経路等のバリアフリー化を目標年次を定め、計画的に進めているところでございます。
○木村委員 中野駅周辺のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化については、重点整備地区に指定されていっても、特に中野駅に特化した計画ではありません。中野区バリアフリー基本構想では、大規模な駅周辺のバリアフリーを想定されていないようにも見えます。例えば、タクシー乗り場やデッキのような歩道、横断歩道橋のバリアフリーという記載はありません。渋谷区や豊島区は、こうした多くの再開発事業が同時に行われていることから、全体を総合的にコーディネートするような計画、例えば渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想とか、池袋駅地区バリアフリー基本構想とかという計画が持たれております。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3でも、ユニバーサルデザインの記述は各所で見受けられますが、実効的な仕組みにはなっていないというふうに考えます。区のバリアフリー基本構想の実現に向け、中野駅周辺に特化した取組、またそれができるような各事業者や交通事業者との協議会を持つなど、事務レベルで連携協力を図るなど対応を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○安田都市計画課長 中野駅周辺では、様々な再開発事業や公共施設、歩行者デッキ等の移動経路の整備に伴うバリアフリー化を、時期を同じくして集中的に行うこととしております。このため、事業実施に当たり、区は、各事業者や交通事業者等との情報交換など連携協力を図り、進めているところでございます。
○木村委員 今回、さっき中野区バリアフリー基本構想の話をちょっとしましたけども、実はこの中では――区は今、子育て先進区と言っていますけども――車椅子の記載はあってもベビーカーの記載がなかったりとかしております。中野駅は特に中野の顔ですので、また特段の取組が必要であるというふうに重ねて要望させていただきます。
中野駅周辺の各再開発事業や道路、歩行者空間など、都市基盤の整備は、様々な事業が入り組んでおり、工事期間も様々な施設で異なっております。また、工事中の通勤・通学者の迂回路など、どうするかなど様々課題があります。中野駅周辺の各事業や工事が複雑に入り組む中、それらを総合的に調整し、バリアフリー・ユニバーサルデザインに配慮した工事調整は行われているのでしょうか、お伺いいたします。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅周辺では、各まちづくり事業者等と区が連携し、工事に関する情報の集積と事業進捗上の課題の共有や調整の場として、中野駅周辺まちづくり事業間連絡調整会議を設置しております。工事期間中も、ユニバーサルデザインに配慮し、全ての人が安全・快適に利用できるよう工事を進めるため、事業間連絡調整会議において調整連携等を図っていきたいと考えてございます。
○木村委員 よろしくお願いします。
最後に、中野駅周辺のユニバーサルデザインの視点について伺います。
外国人や区外から中野駅、中野へ来街する人たちの分かりやすい案内掲示板やスマホなどのICTを活用したガイドなど必要と考えますが、中野駅周辺ではそのような整備はなされるのでしょうか、お伺いいたします。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅周辺では、中野区公共サインガイドラインに基づき、適切な情報把握や誘導ができるサイン整備や中野駅駅前広場デザイン等整備方針を踏まえ、公民連携した統一感のあるサインや、歩行者ネットワークを踏まえた連続性のあるサインを整備することとしております。
また、中野駅周辺地区総合交通戦略において、ICT活用による情報プラットフォームの構築や誘導を図ることとしており、民間事業者との連携も含め、検討してまいりたいと考えてございます。
○木村委員 施設のバリアフリーだけじゃなく、高齢者や障害者、ベビーカーを使った子育て層など、また外国の方など様々な人たちにとって、中野のまちがより魅力的で活気があり、また安心・安全で過ごせる空間形成を強く願って、私の総括質疑を終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で木村広一委員の質疑を終了します。
次に、小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。
○小林委員 ちょっと一瞬48分を目にして、そんなはずじゃなかったんですけども。
令和5年度第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で、総括質疑をさせていただきます。質問は、通告どおりですけども、3番のその他はありません。
公明党議員団として、一般質問と総括質疑、最終バッターですので、じっくりとやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
1番、新庁舎整備について。毎日、この西側の窓から新庁舎の進捗状況が見える、そういうことを思いながら過ごされている方も多いんではないかと思います。そこで初めに、新庁舎整備の中でも、新庁舎窓口サービスについて、総務委員会、区民委員会、情報政策等調査特別委員会で報告された資料、新庁舎における窓口サービスの検討状況についてを基に、当初予算について質疑をさせていただきます。
迷わない、待たない、動かない、書かないを旨とする新庁舎サービスについて、区長は施政方針を基に、さきの一般質問で、新区役所の窓口に関する推進本部で、最先端の窓口サービスについて検討していくと答弁をされたと記憶しております。区民に利益、有益になるのであれば、最先端の窓口サービス業務を否定するものではありません。しかし、新庁舎窓口サービスに用いられる機器、予算が果たして区民の利益となる合理的な基準により算定されているのか、根拠があるのか、疑義を覚えます。
そこで初めに、(1)全庁共通発券機についてお伺いをします。
発券機は、現庁舎も1階の戸籍住民課などで区民の手続の順番待ちや呼び出しに使われています。
1番目に、新庁舎での発券機などは、2階、3階、4階、7階、8階、9階に設置するようですが、どのような機器を何台設置し、どのように運用するのでしょうか。また、費用は総額でどの程度かかるのでしょうか、お伺いします。
○伊藤戸籍住民課長 新庁舎に設置する共通発券機機器の台数は、発券機11台、案内表示機24台、職員周知機51台、個別表示機128台などを予定してございます。
共通発券機の基本的な運用は、来庁者がフロアマネジャーに用件を伝えると、フロアマネジャーが番号札を発券する。その後、来庁者の用件等が表示された職員周知機を確認した職員が来庁者をお呼びする。その後、来庁者は待合スペースに設置された案内表示機や窓口カウンターに設置された個別表示機を確認し、窓口カウンターに移動することとなります。共通発券機を活用することにより、2階、3階の窓口では、1回の発券で複数の手続が可能となる連携機能を利用し、待たず、迷わずに手続が可能となる運用を行います。また、4階以上の、4階、7階、8階、9階の4フロアでは、共用の窓口となり、迷わずに手続が可能となる運用を行います。
全庁共通発券機の導入費用は、総額1億7,000万円程度を見込んでございます。
○小林委員 今のちょっと長い答弁を聞くと、よく分かんないんですけど、要するに、現庁舎の1階、2階と同じように、場合によって3階と同じように、新しい庁舎でも、区民の皆さんの手続をするために、窓口で手続をするために呼び出す、そういう発券機を使うということと、それから4階以上では、区民の呼び出しに加えて、窓口で対応する職員を呼び出すために職員周知機などを使って、このような機器が必要なのか。イメージできないですよね。職員を呼び出すために機器を使って、今まで電話1本でやっていたのが、何でそうなるのかな。しかも、それに1億7,000万円もかけるということです。
で、2番目に聞きます。非常に高額な費用ですが、なぜ2階から9階まで発券機などを設置しないといけないのでしょうか。特に、4階以上については、職員を呼び出すために、職員周知機などを使う必要があるのでしょうか。伺います。
○伊藤戸籍住民課長 新庁舎2階、3階では、共通発券機の連携機能を利用することで、1回の発券で複数の手続を行うことが可能となり、迷わず、待たせずに専用窓口で適切な行政サービスを提供することが可能となります。
また、4階以上のフロアでは、各課共用の窓口カウンターをフロアの南側に集約するため、窓口から離れた執務スペースで働く職員が来庁者の要件等を知る仕組みや、来庁者の順番を整理する仕組みが必要となることから、共通発券機の職員周知機を活用することで、担当職員を適切に共用窓口に呼び出すことが可能となります。
以上のことから、窓口のあるフロアについては、来庁者を順番に呼び出すために、職員周知の機能を有した共通発券機を設置することといたしました。
○小林委員 長く丁寧に答えていただいているんですけども、イメージがなかなかできないですよね。新しい庁舎に移ると、新しい仕組みによって新しい発券機。しかも、その発券機というのは、ただ単に銀行や郵便局などで券をもらうだけではなくて、職員を呼び出すためであったりということが今語られていました。
3番目に、他区では、全ての階に発券機を設置しているケースはあるのでしょうか。また、職員を窓口に呼ぶために、職員周知機などを使っている自治体はあるのでしょうか。伺います。
○伊藤戸籍住民課長 承知している範囲内では、庁舎の全ての階の窓口フロアで発券機を設置している区はないと思ってございます。また、職員周知機を設置している近隣自治体は、確認いたしましたが、基本的には窓口状況確認用としての活用でございました。区では、新庁舎4階以上における窓口集約及び共用化という新たな試みのため、この仕組みを活用することといたしました。
○小林委員 ほかの区ではなかったということで、この仕組みは23区で初めてです。全国でも初めてです。職員周知機などを設置している自治体が近隣区でもない。中野のような使い方をするところもない。23区、全国で初めて行うような機器を中野で設置をする。しかも、職員を呼び出すモニター、券を取ったらモニターがあって、モニターに表示されて自分が呼び出されたのかと行ってみる。そういうものを設置する。仕事を、執務をしながらモニターを見て、「あ、自分が呼ばれた」と行く。行ってみたら、自分ではなく違う人でした。また違う人が行く。行ったり来たり、行ったり来たりする。今までのように電話1本で担当になるということでもなくて、執務に、仕事に支障が出る。メリットがない。全くイメージができないものと思います。
4番目に聞きます。多額の費用がかかる発券機を設置する以外の方法は、検討しなかったのでしょうか。特に、4階以上について、職員を窓口に呼ぶために、職員周知機などを使う以外の方法を検討しなかったのでしょうか、伺います。
○伊藤戸籍住民課長 発券機以外の仕組みとして、来庁者が自ら電話により職員を呼び出す方法や、来庁者がフロアマネジャーに用件を伝え、フロアマネジャーが電話により、職員を呼び出す方法が考えられました。また、窓口付近に設置された呼び出しボタンを押すと、執務室で音が鳴り、その音を聞いた職員が窓口に向かうという方法も考えられました。ただ、これらの方法によりますと、窓口が混雑した際に、順番の整理が困難であるという課題があることから、その課題に対応できるよう、職員周知の機能を有した発券機を導入することとしたものでございます。
○小林委員 この発券機を使う、導入するのに当たっては、電話で職員を呼び出す方法も検討したんですよね。だけど、内線電話を使わず、職員を呼び出すために費用をかけて、この職員周知機を設置する、導入する。今の説明では、納得できないですよね。電話のほうが早くて簡単なのに、共通発券機と連動しているからとか言いながら、職員を呼ぶためにそんなモニターまでつけて、しかも、違う人が出ていったら、また行ったり来たり、行ったり来たりする。その発券機がうまく使えなかったら、フロアマネジャーまで、そこで手伝ってくれちゃうんですかね。
5番目に伺います。内線電話で職員を呼び出す方法は、職員周知機などを導入することに比べて費用がかからないのではないかと思いますが、確認のために伺います。
○伊藤戸籍住民課長 内線電話で職員を呼び出す場合には、職員周知機の費用はかかりませんが、4階以上において共有窓口という仕組みの中で、執務スペースにいる職員が窓口での来庁者の状況を把握し、適切に窓口に出ていく必要があるため、職員周知機を導入することといたしました。職員周知機で担当職員を呼び出すことを基本とし、必要に応じて内線電話を併用することを考えております。
○小林委員 都庁に私伺ったときには、都庁は、廊下から入ると電話があって、そこで内線電話をかけて呼び出すという仕組みを取っています。今の中野区役所は、それぞれ内線電話とか使わないで、カウンターの前でやり取りします。でも、職員周知機を導入するのに当たっては、さっきは電話は使わないでって言ったんですけど、今は内線電話を場合によっては併用しますということでした。
であれば、最初から、そんな職員を呼び出すための職員周知機なんていうものは使わなくても、全国どこでも使っていないものを中野区で全国初めて使うなんていうことは必要があるんでしょうかね。そんな必要がどこにあったんでしょうか。
6番目に伺います。職員を呼び出すためだけに多額の費用をかけても、区民サービスの向上につながらない。税金の無駄遣いになってしまう。できるだけ費用がかからない方法で対応すべきと考えます。職員を窓口に呼び出すために、職員周知機などを使うことは見直すべきではないかと考えます。見解を伺います。
○伊藤戸籍住民課長 新庁舎4階以上では、窓口カウンターを来庁者が利用する階段、エレベーター付近に設置することで、迷わない、動かないサービスを提供することとしてございます。また、このサービスを実現する上で、担当の職員をスムーズに窓口カウンターに呼ぶ仕組みの導入は不可欠であり、これにより来庁者の利便性の向上に資すると考えてございます。
これらの理由から、職員周知機を含め、発券機の仕組みを新庁舎4階以上においても導入することにより、迷わない、動かない、待たないサービスを提供し、区民サービス向上を図っていけるものと考えてございます。
○小林委員 私は見直すべきではないかって聞いたんですよね。いや、今までできているものに新しいものを入れて向上を図っていくという今答えでしたけども、答えになっていない。
職員周知機などを使うことを見直すべきではないかって聞いているんですけども、職員の皆さん、こんなの入れて本当にいいと思っているんですかね。職員の皆さんはそんなこと、分かっているんですかね。そんな無駄な費用をかけて、そんな無駄なやり取りをして呼び出されていく。職員を窓口に呼び出すには、内線電話のみで対応できますよね、今だってやっているんだから。もし仮に対応できないというなら、なぜ電話を使って職員を呼び出せないのか。理由を明確に説明してほしいと思います。
また、電話で職員を窓口に呼び出せるのだから、わざわざ費用がかかる職員周知機などの機器は導入する、設置する必要はないと思います。必要があると言うなら、なぜ職員周知機などの機器がないと、職員を窓口に呼び出せないのか。何か支障でもあるのか。具体的に説明をしてほしいものだと思います。
分かりますかね。電話でできることをわざわざその共通発券機、呼び出すだけじゃなくて、モニターも入れます。そして、職員がそれを見ながら、一々窓口対応をします。そこで、フロアマネジャーの人も手伝ってくれますなんていうようなことをやるようなものが本当に必要なのか。窓口でこれ電話1本かけて、誰々さんと言えば済むものを、こんなもの、全国初、23区初で入れる必要があるんですかね。
納得のいく説明が、私は今のやり取りで聞くことができませんでした。
次に、(2)フルセルフレジについてお伺いをいたします。
今ではコンビニエンスストアなどでセミセルフレジが導入をされ始めています。
1番目に、フルセルフレジとはどのようなもので、どこに、何台設置するのでしょうか。また、費用は総額でどの程度かかるのでしょうか。お伺いします。
○竹内税務課長 フルセルフレジとは、公金自動収納機のことでございまして、区民が納付書で税金や保険料などを自ら現金で納付できるものでございます。区民にとっては、これまでのような窓口で順番待ちがなく、区が発行する納付書をまとめて1か所で支払えるなど、時間短縮となり、さらに職員が対応することなく非接触で納付できるなど、感染症対策にも資するといった効果がございます。
設置台数については、新庁舎の窓口フロアである2階、3階にそれぞれ1台を想定してございます。
費用については、5年間の総額で1,500万円程度を想定してございます。
○小林委員 総額1,500万円かかりますと。1度やり取りは小さいかもしれないけども、総額1,500万円を、かなりの費用がかかる。
そこで2番目に、他区でもフルセルフレジの導入をしているのでしょうか。実績はどの程度あるのでしょうか。お伺いします。
○竹内税務課長 フルセルフレジの導入事例については、23区では初となります。ほかの自治体では、岐阜県岐阜市、大阪府吹田市、兵庫県伊丹市、福島県須賀川市などがございます。
○小林委員 これも23区初ですよね。この間完成した、事務を始めましたけれども、渋谷区でもこういったものは設置されていない。
3番目に伺います。中野区でフルセルフレジを設置した場合、新庁舎2階の想定利用人数と3階の想定利用人数は、それぞれどの程度になるのでしょうか。伺います。
○竹内税務課長 こちら、1人で複数枚の納付があることから、利用件数のほうでお答えさせていただきますけれども、現庁舎の納付書による平均窓口収納件数は、税金、保険料で年間約2万4,000件となってございます。新庁舎では、フルセルフレジの導入により、税金、保険料に加え、区で発行する納付書に原則全て対応していく予定でございまして、年間で約3万件程度の利用を想定してございます。
○小林委員 件数じゃなくて、人数で聞いているんですよね。1人で3件、4件、5件納付する場合もあるだろうし、1人で1件しかしない場合もあるだろうし、件数を聞いているんじゃないんです。人数を聞いています。人数についてお答えください。
○竹内税務課長 新庁舎では、1人で納付する枚数というのが多いものでございまして、その利用人数でなかなか実態の把握ができないという形で、今は利用件数で、想定のこちらの利用数を考えているものでございます。
○小林委員 想定、だって、今現在、何人――何件が分かっているんだったら、何人も分かるわけじゃないですか、今現在。この庁舎で、何人ぐらいが利用しているんですか、今の現在。
○竹内税務課長 すみません。税務課の窓口においては、令和3年度の実績だと、約1日平均17人程度でございます。
○小林委員 税務課で17人。じゃ、ほかであと使うのは、国保、介護ですかね。そういったところでも、フルセルフレジを使う人は、何万人っているんですかね。税務課で今17人、令和3年度って聞きましたけども、仮に令和3年度の17人だとすると、1日に何人か。三、四十人――分からないけど。50人としても、8時間だったら、1時間当たり四、五人の人しか使わないようなフルセルフレジ――フルですよ、フル。セミじゃないですよ、全部自分でやるんですよ。私、近くにセブンイレブンがありますけども、セブンイレブンはセミですよね。全部計算してくださって、自分でお金を入れる、キャッシュカードを当てる。そういうことがありますけども、フルセルフレジというのは全部自分でやるわけですから、それをやる人は一体、今、仮に1日17人だとして、何人行うのかなと。費用対効果を考えても、いかがかなと。査定されているのかも疑問に思います。
そこで4番目に伺います。フルセルフレジを設置した場合の費用対効果について、どのように考えているのでしょうか。また、フルセルフレジは職員が対応しないようですが、職員人件費はどの程度削減されるのでしょうか。職員人件費削減額を伺います。
○竹内税務課長 現状、窓口での収納の受付に必要な体制として、収納に係る要員の確保や窓口での対応、つり銭等の準備、納付金の集計や金融機関への納付等の事務をそれぞれの課で日々行ってございます。フルセルフレジを導入した際には、こうした事務が自動化され、それぞれの課で行っている事務を統合し、一本化できるなど、職員の労働時間の削減効果があるとは認識してございます。
ただ、削減される職員人件費は、現時点で想定するのは困難でございますが、導入により生み出された人員等を相談などの業務に充てることなども検討していきたいと考えてございます。
○小林委員 今、削減される人件費を聞いたわけで、その説明を求めたわけではないんですよね。いや、その余った時間をほかに充てますなんていうのは、これまでずっと言ってきたんですよ。
新庁舎、ちょっとでも大きくなる、広くなる、そのためになんていうことは、じゃ、それは1平米ですか、10平米ですか、100平米ですかって言っても、少し大きく、そんな物の言い方って。人件費のことも考えていないで、ただただ新しい機器を多額の費用をかけて入れればいい。そういうふうにこれまでのやり取りを聞いて思わざるを得ません。費用対効果の少ないフルセルフレジの導入について、本当に必要なんですかね。
5番目に伺います。フルセルフレジは、想定利用人数が少ないと思います。フルセルフレジの導入は見送るべきではないかと考えます。見解を伺います。
○竹内税務課長 フルセルフレジの導入によって、区民にとっては所要時間の短縮といった利便性の向上や、非接触による感染症対策となり、区にとっては、職員の労働時間の削減の効率化にも資することとなります。こうしたことから、区民にとっても、区にとってもメリットは大きいものと認識してございまして、今後の導入を着実に推進し、区民の負担軽減や、さらなる利便性向上を目指していきたいと考えてございます。
○小林委員 本当にそう考えているんですかね、区はね。いや、フルセルフレジですよ。フルですよ。全部自分でやるんですよ。いや、これから20年、30年先はそういう時代が来るかもしれないですけど、来年、1年後、新庁舎がオープンして、フルセルフレジで、そういったものが本当に必要なんですかね。今現在、必要なんですかね、多額の費用をかけて。共通発券機もそうでしたけれども。ちょっと、もう頭抱えます。
この項、最後に(3)申請自動交付機についてお伺いいたします。
窓口における書く負担の軽減のためにと、申請自動交付機の導入についても報告されていますが、その上で改めてお聞きします。
1番目に、申請自動交付機とはどのようなもので、どこに何台設置するのでしょうか。費用はどの程度かかるのでしょうか。伺います。
○伊藤戸籍住民課長 申請書自動交付機とは、マイナンバーカードを読み取ることで、氏名、住所等の4情報を記載した申請書が当該交付機から印刷でき、またスマートフォン等から事前に必要な情報を入力することで、当該交付機から4情報のほか、世帯員、本籍等の情報を記載した申請書が印刷できるという機械でございます。申請書自動交付機の先行導入として、来年度、戸籍住民課に2台設置を予定しており、新庁舎2階、3階に先行導入機を移設する予定でございます。申請書自動交付機の導入費用は、5年間の総額で1,800万円程度を予定してございます。
○小林委員 総額1,800万円ほどかかると。
2番目に、他区で、ほかの区では、申請自動交付機を導入しているのでしょうか。実績はどの程度あるのでしょうか。伺います。
○伊藤戸籍住民課長 申請書自動交付機を、申請書の記載台周辺に配置し、サービスを提供している区は、品川区、千代田区で導入していると把握してございます。利用実績は、窓口申請件数の約10%と聞いてございます。
○小林委員 今、利用、申請件数の10%の人しか使わないということですかね。10%ですよね、今ね、件数の10%程度が利用実績だということでした。
3番目に、中野区で、申請自動交付機を設置した場合、想定利用件数はどの程度になるのでしょうか。伺います。
○伊藤戸籍住民課長 当初は、主に戸籍住民課の証明書交付、住民異動届、印鑑登録など、マイナンバーカードによる利用は、窓口申請件数の10%で100件程度を見込んでございます。さらに、ウェブ申請機能の活用や、設置場所の工夫、フロアマネジャーによる積極的な利用案内や周知広報の強化などにより、利用率の向上を目指していくことを考えてございます。
○小林委員 マイナンバーカードの利用によっても、10%、1日100件程度だと。そうしたら、今何件なんですかね。本当に僅か、1桁なのか、2桁になるのかぐらいしかの利用件数なんですかね。
4番目に、申請自動交付機を設置した場合の費用対効果についてどのようにお考えでしょうか。お伺いします。
○伊藤戸籍住民課長 申請書自動交付機を活用することによりまして、窓口での申請手続に際し、マイナンバーカードなどで来庁者の書く負担を軽減できることや、マイナンバーカードの利便性の実現事例として、マイナンバーカードの普及促進につながるものと考えてございます。また、マイナンバーカードを所持していない区民にとっても、ウェブ申請機能を利用することで、申請書記載の負担が軽減されることになります。
当該交付機の導入により、新庁舎における窓口サービスのコンセプトである、書かない窓口の実現の一端を担い、区民サービスの向上につながるものと考えてございます。
○小林委員 何ていうんですかね、聞いた答えがなかなか返ってきていないんですよね。
新庁舎窓口に関して、発券機など、これまで三つにわたって質問をしてきましたけれども、これらの予算には、最初にも述べましたけれども、大きな疑問があります。特に発券機については、使用頻度やその使い方、そして予算額が大きいこと。来庁者が多い2階、3階の導入については理解ができます。今の現在の1階2階と一緒ですから。しかしながら、4階、7階、8階、9階の全ての階に、しかも、職員を窓口に呼ぶために多額の予算をつけて機器を導入する必要があるのか疑問です。職員が見るためのモニターまで設置をして、今の質疑で納得のいく説明が聞けていない。説明が尽くされていない。分からないことばっかりです。なぜ入れるのか。機器導入が、最先端の命題、何が何でも導入ありき。特別な事情でもあるんでしょうか。
4階以上の階で職員を窓口に呼ぶのであれば、内線電話を使えば、それで済んでしまうのに、わざわざ時間もお金も費用もかかる職員周知機や関連機器を入れるのに、区民サービスには全く関係がない。税金の無駄遣いではないんでしょうか。
23区初、全国初って、粉飾決算とは言いませんけども、粉飾されたというか、繕われたというか、見栄えよくしたというか、そういう予算、新庁舎の機器に見えてしまいます。
地方財政法の予算編成、第3条に、「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」。2、「地方公共団体は、あらゆる資料に基づいて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない」とあります。公務員の皆さんの前なので、釈迦に説法で申し訳ありません。
発券機のほかにも、フルセルフレジも費用対効果に乏しく、新庁舎窓口に関する予算については全く査定ができていない。財政課は、中立的な立場で本当に査定をしたのでしょうかと言わざるを得ません。疑義を抱えたままですけれども、次の項に移ります。
大きい2番、個人情報の管理と犯罪防止に向けた取り組みについて伺います。
初めに、(1)高齢者の名簿の管理についてお伺いいたします。
野方消防署からの名簿の流出から入ろうと思ったんですけれども、一般質問で、自民党の高橋かずちか議員からも質疑がありましたので、少し聞き方を変えて、個人情報について、電子申請受託業者のサービスについて伺ってまいります。
現在の区が行っている区民向けサービスの中で、電子申請ができるものにはどのようなものがあるのでしょうか。お伺いします。
○白井情報システム課長 電子申請ができる区民向けのサービスにつきましてですが、現在、スポーツ施設や文化施設の使用申請などの施設予約システム、図書予約やリクエストなどの図書館システム、粗大ごみ予約システムなどが代表的なものとなってございます。
○小林委員 幾つかの電子申請が今行われているということで、このうち、区以外の受託事業者が区民の個人情報を保有することになるサービスはどのようなものがあるのでしょうか。お伺いします。
○白井情報システム課長 受託事業者が個人情報を保有するサービスでございますが、まず、指定管理者によって運営をしてございます施設予約や図書予約、また、業務委託をしておりますワクチン接種予約、粗大ごみ受付予約などが挙げられるものでございます。
○小林委員 幾つかあって、それぞれが区民の個人情報を保有することになる。今現在もそういったことが行われているということです。
次に、2番目として、区民の個人情報の管理と、犯罪防止に向けた基準についてお伺いします。
事業者に委託や指定管理をしている事業について、事業実施時に保有している情報管理の取扱い、事業終了後に、収集した個人情報の取扱いについては、どのような基準を設けているのでしょうか。
事業者に事業を委託する条件として、例えばISOとか、IEC27001などの基準を設けているのでしょうか。伺います。
○白井情報システム課長 個人情報の管理に関する区の基準等についてでございますが、まず区では、中野区情報安全対策基準に基づき、個人情報等重要な情報は施錠できる場所での保管、またはアクセス制御を行うなど、適切にセキュリティ対策を行っております。
外部委託事業者に対しましては、それを仕様書により、また、指定管理者に対しましては、基本協定により、区が情報資産を取り扱う際と同等の管理運用を求めており、適切な情報管理体制を確保してございます。
外部委託事業者の選定に当たりましては、中野区情報安全対策基準にて、プライバシーマークやISO、IEC27001の国際規格等の認証取得状況等を参考にして、事業者を選定することとしてございます。
また、指定管理者の選定は、指定管理者制度ガイドラインにて、申請をした団体が個人情報を適切かつ安全に管理することができると認められるものであることを要件としてございます。
○小林委員 幾つかの事業者さんはそういうISOですとか、IECとか取得をされていて、プライバシーマークもついていたり、そうしたことで取得状況を確認をしたりということで行っていただいて、適切にセキュリティ管理をしていただいているということですが、ガイドラインがあっても、そこはどの程度きちっと活用されているのか。申請をした個人の団体とか、適切に管理がどの程度できているのかということは、今、認められるということでしたけれども、認めることが要件であるとおっしゃいましたけれども、平成31年3月の総務委員会で、あるICT企業との包括連携協定のことが報告された際、個人情報の取扱いについては、リスク管理の観点から、一定の基準を設けるべきであるとの指摘がなされていました。その後、8月には民間事業者等の包括的な連携の推進に係る考え方が打ち出されましたが、ここには個人情報のセキュリティに関することは何も触れられていなかったと思います。包括連携協定は、区と事業者が対等な立場で、たしか罰則規定もなかったかと思います。この点について、区としてどのようにお考えなのか、御見解を伺います。
○堀越企画課長 包括連携協定におけます個人情報の取扱いについてでございますが、中野区における民間企業等との包括連携協定に係る個人情報の扱いにつきましては、お示しした考えには記載してございませんが、協定を締結する際、特に個人情報を扱う事業者などの場合には、条件の詳細を確認していく必要があると考えてございます。
今後、新たな包括連携協定を行うに当たりましては、協定本文にも、個人情報保護の内容を記載するなど、安全性を確実に担保できるよう、要件を整えてまいりたいと考えてございます。
○小林委員 個人情報、この頃は中野区内でも大きな事件があったというようなこともありました。先日、我が地域でも侵入盗があって、そこで家が荒らされてしまったということで、昨日、おとといと、その方といろいろやり取りをさせていただいたんですけれども、特に日頃より、電子情報の送信に慣れていない高齢者に関しては、個人情報の取扱いについては、注意してもし過ぎることはないと思います。
そこで、高齢者が誤操作、誤った操作などにより、個人情報の流出を防ぐため、ICTの安全性の確保のために、区はどのような取組をするのか。また、今後、高齢者をはじめ、区民が区民活動センターや高齢者会館などで行われる個人事業で、個人情報の流出をどのように防ぐのか。犯罪防止に向けた取組について伺います。
○高橋地域活動推進課長 個別事業の実施に際して、事業者へ委託する場合には、事業者において、委託内容に応じた情報セキュリティ対策が確保されることを確認するとともに、個人情報の必要最小限の収集や厳密な管理等につきまして、区と事業者で綿密に連携し、個人情報の保護を図ってまいります。
区は、高齢者のデジタルデバイド解消を進める一方で、個人情報の取扱いについて十分に注意を払い、ICTを安全に活用していただくよう注意喚起していくことが重要と考えております。
○小林委員 今非常に、個人情報ということについては、高齢者の皆さんのみならず、若い世代の方々も、それから中間層の方々も、すごく神経質になっておられる方もいらっしゃいます、いろんな事件があったということで。区の事業だと思って参加したら、流出していってしまうんではないかとか、地域の会合だからいいと思って情報を伝えたら、それが流出していってしまうんではないかということで、区の事業で扱っているPayPayやLINEなどについて、特に高齢者に対して、個人情報の取扱い、ICTの安全・安心な使い方について、業者任せにせず、区が責任を持って行うべきと考えます。質問はここで終わります。
前半の部分で、発券機などについて伺いました。やはり、今定例会は、短縮議会でもありますし、それから分科会も短い時間ですし、そしてこの予算特別委員会も短い時間なので、何というんですかね、案外と見落としとか、スルーというか、してしまうようなものが、この予算の中には散見されるのではないかなというふうに考えています。
そのために、たかが発券機でというふうに思う方もいたのかも分かりませんけれども、大事な区民サービスという名の下に、多額の費用を使って、全国初、23区でも初ですよ、中野区はこんなことやっていますよ。使ってみたら全然使われなかった、数件しか使っていないようなものを、多額の予算をかけて入れていいのというようなものがほかにあるのかどうか分かりませんけど、私が気になったところで、今回の質問をさせていただきました。
予算を組むということは、さっきも地方財政法の予算の編成について言いましたけれども、これは今回初めて使う言葉ではなくて、もう既に前回の決算特別委員会でも、私このことを言っているんですね。「法の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」。今日のやり取りを聞いて、こんなことに経費を使うなんて合理的な基準、全くないんじゃないのというふうにしか私は思えませんでした。
職員の皆さんもこういう発券機が入るということを、すみません、知っていたんであれば、職員の皆さんから声が出なかったのかなという、逆に疑問もありますし、予算編成を行う上で、財政課がどこまでこれを見ていたのかということも非常に疑問に思います。
大事な大事な予算、さっき言いましたけども、短い時間で、短い場で、分科会で、予算特別委員会でスルーしてしまうようなものを入れるようなふうにしか見えないような、こういった予算の出し方というのはいかがかなというふうに思っています。しっかりとした予算、区民にも理解をしていただける予算でなければ、区民のための大事な大事な税金を使うための予算にはなっていない。大きなこともたくさんありますけれども、小さなことでもこういったことがあるということを指摘をさせていただいて、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で小林ぜんいち委員の質疑を終了します。
次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。
○むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。持ち時間は16分です。簡潔明瞭な御答弁、そして機敏な行動の御協力をよろしくお願い申し上げます。
2023年度予算は、区民サービスと業務の改善を進め、未来の中野の礎を築く予算だとし、一般会計は1,956億3,000万円と過去最高額です。区民1人当たりの歳出額は、1位が千代田区、2位が中央区、3位が港区に次ぐ4位が中野区です。高額所得者の多い区に次ぐ位置にいる状況は、未来に影を落とすのではないかと心配がよぎる予算です。
そこで、区長車についてお尋ねをいたします。
2020年9月の決算総括質疑で、前区長が4期16年間、区長車を廃止したことで約1億4,000万円を削減したことを指摘し、区長車の廃止を求めたところ、区長車は機動的で合理的なので活用するとの答弁でした。ところが、2021年度予算では、タクシー及びハイヤー使用料87万1,000円を予算化し、9万2,950円の決算額でした。2022年度は162万6,000円の予算でした。2023年度は、区長公用車運行経費1,255万円が予算化されています。2021年度と2022年度は、コロナ禍で外出しての公務は少なかったと推測します。5月8日から新型コロナが5類へ緩和されることもあり、2023年度は公務による外出の機会も増加するとは思いますが、区長車については公私混同など厳しい目が向けられています。この2年間で必要なときにタクシーやハイヤーを利用することでは補えない公務に支障を来すことがあったのでしょうか。端的にお答えください。
○高村広聴・広報課長 活動が戻ってきたことで、現在、区長の公務出張がかなり増えております。現在、ハイヤーの予約については、ある程度前に予定が明らかであるものについては可能ですが、急遽の出張も少なくなく、また予定の変更があった場合に対応しづらいなど、秘書担当の事務が煩雑になってございます。さらに、1日複数の出張が増えており、タクシー利用の場合はその都度、区長自身や随行する職員がタクシーを拾う方法で対応しておりますが、なかなかタクシーを拾うことができない場合もあり、非効率であることを実感しております。また、タクシーの場合、運転手が道を詳しく知らないといったケースもございます。他方、危機管理の点でも、区長の安全管理や、タクシーの場合は車中での打合せができないという不都合が生じております。
以上、危機管理、非効率性の解消、それから職員の事務負担とコスト軽減の観点から、令和元年度、そこをベースとして教育長、それから副区長も利用する区長車を予算化したところでございます。
○むとう委員 今の御説明で、区長車がないことで不都合なということは一定理解いたしますが、どうしても常駐する区長車が必要だというのであれば、必要がないときでも待機し、待たせておくという非効率な業務は改善をしていただき、決算時には、運行実績を検証し、明らかにした上で、合理的な移動方法を常々検討していただくことを要望して、次の質問に移ります。
児童館についてお尋ねをいたします。
児童館の在り方については、前区長の下で迷走し始め、酒井区長の下で、新たな機能を備えた児童館が検討され、さらなる迷走中で、私には理解できない事態となっています。2021年12月10日、18館ある児童館のうち、朝日が丘、新井薬師、大和西、弥生児童館の4館を廃止するための条例が、反対21、賛成20の1票差で否決となったことは記憶に新しいところです。
児童館は、児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の一つで、地域において児童に健全な遊びを与えて健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする児童福祉施設です。設備及び運営に関する基準の第38条で、児童の遊びを指導する者として、保育士、社会福祉士、教育職員免許取得者、大学で社会福祉学、心理学、教育学などの単位修得者等を置かなければならないと規定されています。この法律の基準に基づく児童館条例に定められている児童館を残すために、私は条例に反対をいたしました。
にもかかわらず、僅か1年後の昨年12月1日に、子ども文教委員会で示された児童館の配置と事業展開の資料には、児童館の配置は中学校区に1館、つまり9館とするとあり、廃止の決定を否決された朝日が丘、新井薬師、大和西、弥生児童館の4館は児童館ではなくなり、乳幼児親子向け施設となるということが記載されています。一体どういうことなんでしょうか。廃止を否決した条例の効力は、1年で消滅してしまったということでしょうか。消滅したのか、していないのかだけ、お答えください。
○細野育成活動推進課長 条例は現状のまま、これまでのままですので、今も児童館条例に基づく18館の児童館とふれあいの家の運営をしております。
令和3年12月には、児童館条例改正議案の否決を受けて、区では子ども施設に対するニーズを再度検証して、居場所、遊び場、中高生の居場所機能、乳幼児の居場所機能、一時預かり機能、地域のネットワーク支援、相談機能の強化をしていく、そんな方向性を踏まえまして、これらの機能を強化していくために、子ども文教委員会で御報告させていただいた中学校区に1館の機能強化を図った児童館、中高生を主な利用対象とした児童館、そして乳幼児親子利用や外遊び機能に特化した施設を造っていくという考えを示したものでございます。
○むとう委員 そうすると、これまでの児童館機能と大して変わりないと私は思うんですね。で、中学校区に1館で、全9館の直営以外の児童館は、つまり法に基づかない中途半端な子ども施設というふうにするよりも、例えばですよ、民間委託したとしても、児童福祉法に基づく児童厚生施設である児童館とすることを検討してはいかがでしょうか。検討するかしないのかだけ、お答えください。
○細野育成活動推進課長 今後の機能転換を図っていく施設というのは、児童館条例に基づく施設ではなくて、施設の内容に応じた根拠規定の下に運営していくという考えでございます。
なお、懸念されている職員の配置とか施設の内容については、そういった安全を踏まえた上での規定を用意して、それに基づく運営をしていきたいというふうに考えております。
○むとう委員 私は、児童福祉法に基づく児童館を残したかったということですので、これから造る児童館について、新たな条例をつくるのは、それはもう児童福祉法に基づく児童館ではなくなってしまうので、否決した意味がなくなってしまうというふうに私は思っています。議会の議決を尊重しない区政運営に失望しています。
昨年9月の決算総括質疑で、児童館2館での一時預かり事業の利用状況と費用対効果について質疑をいたしました。2022年度は9月22日までで、1人当たりの経費が8万4,601円、1時間当たり2万3,831円、利用率が13.4%、この事業の売りである当日利用の実績はなし。それに対して、以前から実施している市立保育園での専用室型一時保育の1人当たりの経費は、8,483円ということが判明し、保育園の10倍の経費をかけて児童館で実施する根拠がないことを指摘し、事業評価と再検討を求めました。その際、効果的な展開を区全体で検討するとの答弁でした。本当に検討したんでしょうか。児童館での幼児一時預かり事業、2か所1,361万4,000円が予算化されています。2022年度直近までの1人当たりの経費、1時間当たりの経費、利用率、当日利用件数をお答えください。
○細野育成活動推進課長 今年度、1月末までですが、委託金額を総利用人数で割ると、1人当たりは5万3,149円です。また、年間の総設定時間で割ると、1時間当たりは1万7,486円になります。そして、利用率は1日24枠設定しておりますが、その利用率は25.4%で、こちらは昨年度の9.3%より大幅に増加したというふうに考えております。また、当日利用については、4件あって、当日利用を設定したこの事業について、一定のニーズはあるものというふうに考えております。
○むとう委員 16%の利用率向上が大幅というふうに感じている行政マンとしての受け止め方はちょっと、これでは政策決定を見誤るのではないかと私は思います。多少利用率が上がったとはいえ、高コストのままです。一時保育・一時預かり事業の必要性を否定するものではありませんが、自治体は税金で運営しているので、コストを考慮した上で、事業の実施はするべきだと私は考えます。児童館での一時預かりに多大な税金をつぎ込む、バランスの悪い区政運営だと私は考えます。地方自治法第2条、地方公共団体は「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」との使命を達成しているとは言えません。児童館での一時預かり事業は廃止し、保育園での専用室型一時保育事業を充実・拡充するべきだと再度指摘して、次の質問に移ります。
HPVワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチンについてお尋ねをいたします。
2013年4月より、小学校6年生から高校1年生の女子を対象に、HPVワクチンを定期接種化しましたが、重篤な副反応事例が多数報告され、僅か2か月後には、定期接種のまま積極的勧奨を中止しました。それから10年が経過しても、薬害の治療方法や特効薬の開発もないまま、2022年4月から積極的勧奨を再開しました。それだけでも私は納得できません。
中野区は、小学校6年生から高校1年生までの男子を対象に、HPVワクチンの任意予防接種費助成を新規で1,594万1,000円を予算化しました。私は、重篤な副反応事例が報告され始めた頃から、副反応に苦しむ女の子たちに、遠巻きながら寄り添ってまいりました。副反応は、激しい頭痛、関節痛、しびれ、不随意運動、歩行失調、睡眠障害、視野欠損、臭覚や味覚の障害、無月経、記憶障害などの症状が1人に複数現れます。そして、時の経過とともに変化したり、重層化したりすることが特徴です。中高生で接種した被害者の多くは、既に成人になりましたが、いまだに深刻な副反応症状に苦しんでいます。進学や就労などの将来の見通しが立たない被害者が今も多くいます。このような副反応が男子にも現れる可能性は否定できません。
当時、娘に接種を決めた親御さんは、深く後悔をし、今でも悔やまれています。2016年7月、東京、名古屋、大阪、福岡の各地方裁判所に提訴し、現在120名を超える10代、20代の女性たちが原告となり、裁判を行っています。中野区が積極的な接種を促していく考えであれば、副反応被害者の実態を知るべきです。次回の東京訴訟は5月18日です。ぜひ裁判の傍聴に行ってほしいものです。
男子への案内はがきには、接種の有無の判断材料となるよう、効果だけではなく、重篤な副反応についての記載を要求いたします。記載するのかしないのか、その点だけお答えください。
○鹿島保健予防課長 事業の案内はがきに記載できる情報量には限りがあります。事業の詳細や副反応については、ホームページを参照していただくよう、二次元コードを掲載する予定であります。はがきの記載内容については、今後も検討してまいります。
○むとう委員 そうですね、判断することができるように、しっかりと副反応についても分かりやすく記載のあるところに誘導できるということであれば、はがきの面積もありますから、しっかりそこも記載を滞りなくしていただきたいというふうに私は思っています。
副反応は人により大きな差があり、接種してみなければ分からないんですね。大多数に副反応が現れないとしても、副反応で苦しみ、人生設計を台なしにされ、苦しむ人に私は寄り添う議員でありたいと思っています。
中野区も、苦しむ人を生み出さない、見捨てない区政運営をしていただきたいと願い、質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。
次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。
○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。1番と2番を入れ替えて質問させていただきます。
まず、ブロック塀の安全対策について伺います。
予算説明補助資料273ページ、建築安全・安心の項に、ブロック塀等の指導・啓発として12万2,000円の予算がついていますが、この事業の内容はどのようなものなのでしょうか。
○塚本建築課長 ブロック塀等指導・啓発についてでございます。こちらは、平成30年の大阪北部地震におきますブロック塀倒壊事故の発生を受けまして、区ではまず令和元年度に、区内の道に面するブロック塀等の一斉調査を行ってございます。その結果といたしまして、著しく危険なブロック塀、こちらが区内に1,718件存在していることが判明したところでございまして、そういった状況に対する取組として、令和2年度以降、著しく危険なブロック塀等の所有者等に対しまして、区職員による指導等を継続的に行っております。その際に、必要となる啓発チラシの印刷及び郵送費として予算を計上させていただいてございます。
○近藤委員 先日、区民から危ないブロック塀があるので何とかならないかというお問合せがありました。調べていただくと、令和2年の中野区ブロック塀等調査で、著しく危険とされていた場所でした。著しく危険な場所の指導はしてくださっているということですけれど、結果として、危険なブロック塀の改善は進んでいるのでしょうか。
○塚本建築課長 区では、そういった危険なブロック塀に対する指導・啓発を行っている、そのほかにも、ブロック塀の撤去工事助成事業、こういったものも推進するなど、総合的に取組を進めてきたところでございます。その結果といたしまして、現時点におきましては、その著しく危険なブロック塀、こちらは1,608件という状況となってございまして、令和元年度の調査時から比較しますと、198件の改善が進んでございます。
○近藤委員 御努力をされているのは分かりますけれど、調査結果で著しく危険な件数が1,718件で、4年間で198件では、まだまだ区内に著しく危険なブロック塀が多く残されています。その中には、通学路に面している箇所もあります。早期に改善していただきたいと思いますが、何が支障になっているのでしょうか。解決のための取組があれば、併せて伺います。
○塚本建築課長 危険なブロック塀の解消、こちらに関する支障についてでございますけれども、著しく危険なブロック塀、こちらの多くは、築造年が非常に古くて、建築基準法第42条第2項道路、いわゆる狭い道路に面している、そういったケースが多くございます。実際、そういった古いブロック塀を撤去して、新たにフェンスなり、そういったものを設ける場合には、建物を建て替えする場合でなくとも、いわゆるセットバック、道の中心から2メートル下がった位置に建て直しをしなくてはならない、そういった状況がございます。そういった背景もありまして、実際にはその建物、お住まいの住宅とか、建て替えするときまでは、ブロック塀の撤去はちょっと控えるといいますか、進まない、そういった状況があるのかなというふうに認識はしてございます。
そういったところではございますけれども、ブロック塀の適正な管理、そしてそこに面する道の安全性の確保のためには、所有者の皆さんの理解、そして責任の下でしっかりと進められることが必要であると考えてございまして、引き続き意識啓発、情報発信、こういったことを粘り強く行っていきたいというふうに考えてございます。
○近藤委員 ありがとうございます。2月6日未明にトルコ南部で地震が起きました。トルコとシリアを合わせた死者の数は、2月22日時点で4万7,000人にもなります。日本も地震大国ですので、避けられる危険な状況は改善しておくことが大切と考えます。一刻も早い改善を求めます。
次に、子どもの施設の在り方について伺います。
昨年の12月に、子ども文教委員会に示された地域子ども施設の展開及び令和5年度事業内容についてでは、「児童館閉鎖後の機能展開を進める施設については」と書かれていて、児童館が閉鎖されることを前提に、子どもの施設の展開が書かれています。先ほどむとう委員がおっしゃったように、四つの児童館の廃止条例が否決されたのに、現在既に児童館でない施設として扱われていることはおかしいと私も思います。
区は、2021年に朝日が丘、大和西、新井薬師、弥生、四つの児童館を廃止するための条例、第85号議案、中野区児童館条例の一部を改正する条例を議会に提出しましたが、議会で否決されました。私は賛成しましたが、この条例は何を目指すものだったのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館条例改正議案の内容でございますが、児童館は、各中学校区に1施設の配置を基本として、各小学校へ、キッズ・プラザ、学童クラブの設置に合わせ、順次集約していく、そんな考え方です。18館で運営する児童館のうち4館を廃止することによって、残る児童館に人的資源を集約し、機能を強化した児童館の運営を目指すということで御提案させていただきました。
○近藤委員 私は賛成して、賛成討論も行いました。その賛成の理由は、今まで多くの中野区の子どもたちと過ごし、中野区の子どもたちの健全育成に尽力してきた職員たちがそうせざるを得ないと判断したことを尊重したからです。区は児童館を全て残さず、中学校区内に1館とすることを決めました。これはどのような理由からなのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 これまでの国の方針と方向性を合わせ、小学生の放課後の遊び場機能として、キッズ・プラザを開設することとして、小学生の安全・安心な居場所を小学校内に設置をしてまいりました。地域子ども施設は、子どもの成長に応じた保育や居場所、交流、相談支援のニーズに対応していくために必要な施設というふうに考えており、中野区では保育園、幼稚園、小学校、中学校の連携教育の中で、子どもたちの育成を行ってきたことから、児童館を中学校区に1館というふうな考えでお示しさせていただいたところでございます。
○近藤委員 中野区立児童館条例の最初には、児童を心身ともに健やかに育成するために中野区児童館を設置すると書かれています。児童館の役割は、ただ子どもが遊ぶ建物ではないのです。今まで中野区が担ってきた児童館の役割は、児童館条例が示す、児童を心身ともに健やかに育成する大きな役割を担ってきたのです。それは家庭との連携、学校との連携、地域との連携を大切に考え、児童館職員たちがその中心になって役割を果たしてきました。地域の子どもたちの健全育成の担い手の軸となってきたのです。運営協議会を開き、地域の声を聞きながら、地域全体で子どもたちの育ちを見守り、支えてきたのです。
しかし、前区長の下、児童館全廃計画が進められていったので、児童館に正規職員は長年採用されてきませんでした。そして、今ではキッズ・プラザが、今までの児童館が果たしてきた役割には程遠いとはいえ、児童を心身ともに健やかに育成するため、キッズ・プラザを中心に、保護者、学校、地域の方々がつながってきています。運営委員会も機能しています。そうなると、同じ校区に児童館とキッズ・プラザがある。廃止しようとした4館の児童館は、児童館として館を残し、児童を見守るスタッフを民間や委託で雇ったとしても、そこはもう今までの児童館とみんなが呼んでいた児童の健全育成に寄与する地域の児童館にはなれないのです。前区長の下、児童館廃止計画が進んでいるうちに、児童館の主役になるはずの児童も学校も地域の人も、その主軸をキッズ・プラザに移行していったのです。ですから、9館児童館を残して、区の職員がキッズ・プラザの館長も務めて、しっかりキッズ・プラザも責任を持って育てていく。その体制をつくっていくことが、児童館をなくし、キッズ・プラザを学校に入れていくと決めた、児童館の職員を採用してこなかった政策から、子どもたちの健全育成を保護者と学校と地域と行政が一緒になって取り組む責任を持った取組であると判断した、それが四つの児童館廃止の条例ですよね。
児童館というのは、単なる遊びの場ではなく、子どもたちの健全育成に関わる共同体が存在して初めて成立するのです。なぜそこをしっかりと説明されないんでしょうか。単なる館ではない、児童館の意義をしっかり説明して、四つの児童館を廃止する条例を再提出するべきではないでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館は、子どもの居場所、交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守りネットワーク支援機能を強化した施設とするというふうに、これまで申し上げてきました。委員おっしゃるように、ただの居場所ではないというふうには考えてはおりますが、一方で、キッズ・プラザの運営につきましては、児童館長がその所長を兼務するという形を今取っておりまして、キッズ・プラザも民間事業者が自らの力だけで――委託事業なので、自らの力でやっておりますけれども、所長としての区の職員の関与も受けながら運営をしているところです。
地域のコミュニティのお話につきましては、キッズ・プラザは地域に開かれた施設としての運営を考えることから、地域に開いた運営委員会を各キッズ・プラザで設置をして、進めているところです。
今後なんですけれども、地域子ども施設については、乳幼児親子や中高生の居場所事業や、自由に外遊びができる事業など、子どもたちや保護者のニーズに応え、地域全体で子ども・若者の成長を支える施設としての展開をしていくために、各施設の機能の強化、そして施設の特化や転換を図っていくという考え方でございます。
○近藤委員 そんなぐちゃぐちゃ言っているから、皆さんに分かんないんですよ。あのね、キッズ・プラザと児童館があって、そこには地域も学校も一つしかない。それでどうやって健全育成、子どもたちの児童館が成り立つのか。それは1か所じゃなきゃ、学校も地域もみんな一緒なんですよ、そこには。それが児童館なんですよ。それを残していきたいから、職員たちは、児童館なくすなんてもう泣きそうに嫌なことだけど、二つのコミュニティは一緒なんですよ。だから、児童館をなくさなきゃならないんじゃないんですか。今、キッズ・プラザにそれができてきているんですから。そこをしっかり言わなかったら、みんな分かんないですよ、児童館が何でなくなっちゃうかということが。しっかりしてくださいよ。
それで、ここで一つ問題になるのは、児童館条例を廃止することで、今まで児童館を使っていた児童が児童館の建物を使えなくなってしまうことなんですよ。例えば私が考え続けてきた、大和西児童館を例に出して提案させていただきますと、大和西児童館はすぐ隣に美鳩小学校があります。キッズ・プラザも好評で、多くの児童、保護者に喜ばれています。大和西児童館は、乳幼児と学童クラブ館になる予定です。たとえ利用児童がそんなに多くなくても、児童館が廃止となれば、この児童たちは乳幼児学童クラブ館に入って遊ぶことができなくなります。美鳩小学校は、校庭が芝生ですので、大和西児童館の土、砂場のようなところで遊ぶことができなくなります。児童館が一つなくなれば、確実に児童の遊ぶ場所は減ってしまうことになります。それは、むとう委員たちが言っている、児童館をなくさないでくださいというところなんですよ。
しかし、児童館として存続させるのは、ただの館じゃない、その健全育成の場所なんですから、コミュニティがない、共同体がないんですから、今まで述べてきたように、理由があって無理なんですよ。そうしたらどうしたらいいかって、私はもうすごい考えましたよ、あの否決されてから。いろんな方にも相談しましたよ。そこで一番よいと判断した結果は、大和西児童館などのその4館のところに、大和西児童館で言えば、キッズ・プラザの分室のような機能をつくればいいんですよ。それが一番いいという結論になりました。それで、美鳩キッズ・プラザに職員をもう1人、児童がいっぱい遊ぶようであったら、2名多く雇うんですよ。そうすれば、最低限の経費で、児童は今の児童館の建物で遊ぶことができるんですよ。それを独立して考えていたから、そこは無理だということに結論をして、児童館をなくしてしまえということになっていたんですよ。この方法であれば、子どもたちが居場所を奪われず、最小限の経費で運営できます。ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○細野育成活動推進課長 施設の運営については、効果的な効率的な運営にしていきたいですが、分室ということについては、様々これから検討が必要だと考えます。児童館の、キッズ・プラザの違いについては、ともに地域に開いては同様です。ただ、児童館については、中学校区の健全育成を見守っていくという方向を検討していることは、これまで申し上げてきたとおりです。
委員がおっしゃっている児童館という言葉の中には、中学校区に1館の児童館ということと、あと閉館予定の児童館ということが、両方を入ったという形で――ふうに受け止めますが、中学校区に1館残す児童館と、それから閉館を予定している児童館については、区では、今後の役割は違うというふうに考えております。中学校区に1館の児童館は、地域の健全育成を守るための場として運営をしていきたい。そういったところはこれまで申し上げたとおりで、それを継承した地域子ども施設の今後の展開を提案したところでございます。
○近藤委員 ちょっと途中で何か怒っちゃったんで、時間が全然なくなっちゃって、キッズ・プラザの運営も、質を低下させないでよいものにしていく。そして残りの児童館には、職員をきちっと配置して、それで児童と保護者と学校と地域をつなげて、児童の健全育成を図っていく。きちっとした体制をつくって、キッズ・プラザをいいものにしていく。そこが児童館だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございます。
○ひやま委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。
3時になりましたので、ここで休憩にします。3時20分まで休憩します。
午後3時00分休憩
午後3時20分開議
○ひやま委員長 予算特別委員会を再開します。
総括質疑に入る前に、委員会運営について相談したいことがありますので、委員会を一旦休憩して、理事会を開きたいと思います。
委員会を休憩します。
午後3時20分休憩
午後3時23分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
先ほど開かれた理事会の報告をします。
総括質疑通告の取下げについてですが、石坂わたる委員から、質疑を取り下げたいとの申出があり、理事会として、これを了承しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
それでは、引き続き総括質疑を行います。
小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。
○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。石坂委員が急病ということで、私が繰上げで質問をさせていただくことになりました。思えば繰上げで始まった議員生活でございました。この繰上げで終わることのないように、精いっぱい熱い質問をさせていただきます。
先日私が発信したツイートが、149万人の方から見られて、4万人の方から「いいね」をされたということがありました。例えば、「子ども食堂に来る子どもに、唐揚げを一つ食べさせてやってくれ」と、中野区の子ども食堂助成で100万円の寄附をしたとします。区は、その100万円を希望どおり、子ども食堂助成予算の中に入れます。そして、区がもともと予定をしていた、自腹を切る予定だった100万円を予算から抜いちゃいます。差し引きゼロで、唐揚げは増えないんですよ。中野区は、寄附金が入ったら、その分補正予算を組んで、一般財源を減額するということをしています。
そういうことをして、寄附した人の気持ちは、「子どもたちに唐揚げを1個多く食べさせてやってくれ」というその気持ちは、一体どこに行っちゃうんですか。
○森財政課長 寄附された方のお気持ちということでございますが、当然そういうお気持ち、思いというのは様々であると思います。寄附の使い道として、その希望された事業の充実というふうにお考えになられるということもあろうかなと思っているところであります。しかしながら、区の歳出というのは、需要等を踏まえまして、そこで予算を計上しているというようなことでございまして、寄附があったことによって、それからすぐに歳出を増やすというのはなかなか難しいかなというところでございます。
既存事業に寄附金を充当して財源更正を行うというのは、今年度の補正予算からも始めたところでございまして、今後の状況を踏まえながら、寄附される方の思いが、より予算に反映していくにはどうしたらいいのかということについてはいろいろ考えていきたいと思っております。
○小宮山委員 今いろいろと、できない理由を述べていただきましたけども、私が言っているのは、ルールの問題を言っているんじゃないんですよ。ハートの問題を言っているんです。子ども食堂というのは例え話ですけれども、寄附をする人というのは、今よりもっとよくしてほしい、充実してほしい、そのために自分のお金を使ってほしいと、そういう気持ちで寄附をしている人が多いはずです。現状維持のために寄附しているわけじゃない。
令和5年度は、ふるさと納税制度によって、27億円が区外に流出しているそうです。これを嘆いているだけではなくて、中野区としてもっと魅力的な寄附のメニューを整えて、ふるさと納税制度もそうですけども、それとは別の直接寄附をもっと募ってもいいんじゃないのかなと私は考えております。
練馬区、人口74万人では、2018年からの4年間、ふるさと納税制度とは別に、計7億7,500万円弱の直接寄附を集めています。中野区は1億2,200万円、4年間で。もう一度言います。練馬区は7億7,000万円、中野区は1億2,000万円の寄附を頂いている、4年間で。人口規模が違いますから、区民1人当たりに直してみます。練馬区民は、過去4年間に1人当たり1,047円の寄附を頂いている。中野区民の受領寄附額は369円。
ちなみに、中野区の過去4年間の寄附総額、1億2,000万円の約3分の1、約4,500万円は1人の方から頂いた大口の遺贈寄附です。これを引いたら、中野区民1人当たりの受領寄附額は232円になっちゃう。
では、区民1人当たり1,000円以上も寄附を頂いている練馬区は、一体どんなことをしているのか。練馬区で寄せられた寄附を何に使ったのか、毎月区報で公表しています。中野区は3か月に一度、誰から寄附を受けたのかを区報や区ホームページで公表して、何に使ったのかは書いていない。区のホームページで寄附の報告を見ると、中野区はこんな感じです。3か月置きに報告していますが、クリックしないと開かれない。非常に見にくいんですね。練馬区は、これまた公表に詳細を公表している。1,000円の寄附まで書いてある。そして、クリックしなくてもちゃんと一覧が見られる。たまたま私は練馬区報を読んでいて、寄附の記事が目についたので、こういうことを調べました。こうやってたまたま目に入るということも重要なことで、寄せられた寄附を何に使ったのかということを積極的に公表していくことは、新たな寄附の呼び水になると思うんです。
中野区は、誰から寄附されたかしか書いていない。寄附者の名前を出すことで、「あいつが1万寄附したなら、俺は2万円寄附するよ」と、そういう人も中にはいるかもしれないけど、そんなに多くないと思うんですよ。
あと、中野区の寄附と言えば、環境基金への寄附もあります。もう任期も最後なので、言っておきます。中野区の環境基金に寄附をしていただければ、そのお金で、誰もたどり着けないよう群馬の山奥の緑豊かな牧草地の草をわざわざ刈ってわざわざ植林をします。植林をしても草がぼうぼう生えてくるので、その草をまたわざわざ刈らないといけないので、毎年草刈りでお金がかかる。令和3年度には、草刈りだけで160万円かかった。そして木を植えたら鹿に食べられちゃったんで、鹿よけの柵を造らないといけないんで、800万円ぐらい使った年もある。植林だけじゃなくて、草刈りとか鹿よけに何千万円もかかっているんですよ、累計で。「あとちょっとで何とかなります」と言いながら、毎年毎年お金をずるずると出している。これ、もうギャンブラーの考え方ですよ。「あとちょっとかければ何とかなります」と言って、毎年かけているんですから。だったら、木なんて植えずに、草ぼうぼうにしておけばよかったじゃないですか。名もない草だって、CO2の削減はちゃんとしているんですよ。「植林をします。緑を増やします」と言って寄附を集めて、実際は草刈りとか鹿よけの柵に何千万円も使っている、こんなの詐欺ですよ。
あとは、環境基金を使って、喜多方市から毎年仮想通貨みたいなものを購入している。これも意味が分かりません。なぜ、中野区が区内の緑化もろくにしていないのに、駅前花壇なんかジャングルみたいになっているのに、毎年毎年喜多方市に実質的な寄附をし続けるのか。全然分かりません。訳が分かりません。環境基金こそ、今すぐスクラップすべきですよ。そして、そこに寄せられた寄附金は、中野区内の緑化推進のためだけに使うべきですよ。駅前花壇をジャングルにして、公園や学校の木を切り倒す。その一方で、群馬の山奥に木を植えて、何百万円もかけて鹿よけの柵を造っている場合じゃないでしょう。中野区には鹿がいないんだから、中野区に木を植えればいいじゃないですか。
練馬区に限らず、豊島区がトキワ荘を造るのに4億円の寄附を集めたように、もっと上手に広報宣伝を工夫して寄附を集めている自治体というのは、世の中にたくさんあると思うんです。なので、他自治体のやり方をよく調べていただいて、中野区の寄附制度をもっと改善していくべきではないでしょうか。
○森財政課長 今、いろいろお話しいただきまして、他自治体の例を参考にしながら、中野区の寄附制度についても改善について検討したいと思っております。
○小宮山委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
見直してくださるのはいいことだと思います。頑張ってください。
次に、これで7回連続となりますけれども、総括質疑で、文化芸術及び生涯学習について取り上げさせていただきます。
これまで中野区及びなかのZEROの文化芸術振興策をさんざん批判してきましたけれども、今年度は今までとは違う変化が出てきたように思います。今年度はどんな変化があったのか、どんな新規事業を行ったのか、課長から説明をお願いします。
○矢澤文化国際交流担当課長 今年度の文化芸術施策についてでございますが、区は文化芸術振興につながる取組の方向性を明らかにすることを目的としまして、中野区文化芸術振興基本方針を今年度中に策定する予定で準備を進めてございます。そして、指定管理者の行う事業におきましては、コミックイラストワークショップやダンスワークショップ、子ども日本舞踊講座などを中心に、ワークショップ型の事業を充実させているところでございます。また、なかのZERO本館、旧レストランスペースを活用しまして、区民が文化芸術に親しみ、つながりが生まれる機会を創出するための事業実施を現在検討しているところでございます。
○小宮山委員 今年度、ワークショップが増えてきた。区民が参加できる事業が増えてきた。今までとは異次元の文化振興策が始まった。区民となかのZEROの距離がちょっと近くなったと、私も受け止めております。私も選挙前の政治家ですから、その全てを自分の手柄としたいところではありますが、半分ぐらいにしておこうかなと、自分では考えております。
なかのZEROには、生涯学習活動支援コーナーがありますが、以前から指摘しているように、あそこが区民の相談窓口として機能しているようにあまり思えません。年間何件の相談件数があるのか。一体どれだけ機能しているのか。データとして挙げられるものは何かありますか。
○矢澤文化国際交流担当課長 令和3年度は、年間479件、今年度は1月までですが、385件の相談がございました。生涯学習活動支援コーナーは、文化フォーラムをはじめとした生涯学習に関する各種講座の案内や、学び場ステーションへの登録方法などの支援、生涯学習を始めたい方の御希望を伺い、要望に沿うサークルの紹介など、区民の生涯学習に関する相談に広く対応しているところでございます。
○小宮山委員 あんなところに、1日1件以上の問合せがあるというのは、私はちょっとおかしいなと思うんです。このなかのZEROの生涯学習活動支援コーナーに問合せメールを送った区民の方から、「返事が来るのに1週間かかりました」という話を聞きまして、私も試しに送ってみました。匿名で、偽名で送ってみました。「子育て支援活動のチラシを区内の公共施設や学校に配布したいんですけれども、どうしたらいいですか」、そういう問合せを、問合せフォームから送ってみました。返事が返ってきたのは3日後でした。「なかのZEROでは、そういうチラシの配布は行っておりません」と、そういう返事でした。これが中野区の生涯学習支援を15年以上やってきた部署の対応ですよ。チラシの配布なんて、公共施設にチラシを配布することなんて、団体支援の基本中の基本の相談事項ですよ。
これまでこの組織は、こうやって中野区でいろんな活動を始めようとする人たちの芽を摘み取ってきたんじゃないですか。やる気のある人たちから、やる気を奪ってきたんじゃないですか。こんなんじゃ、ない方がましですよ。
今年度、学び場ステーションのサイトが、ホームページが1年以上かけてやっとリニューアルされました。このサイト、リニューアルに1年以上かけただけあって、仕組みはいろいろとすばらしいんですが、例えば「地図から探す」という項目をクリックしてみると、その地図には1件も情報が載っていない。区内のサークル検索をすると、2023年になって新規登録されたサークルが15件もあった。でも、そのうち12件は名前しか登録されていない。例えばスポーツ・レクリエーションジャンルに「chappy」というサークルが載っています。何のサークルなのか。でも、全く情報がないんですよ。例えば「星空会」というサークルが登録されている。天文観測をするサークルなのかなと思いきや、柔道・空手・合気道のジャンルに登録されているので、どうも違うのかもしれない。これ、「chappy」とか「星空会」の名前だけ。名前だけを載せることに、一体何の意味があるんですか。指定管理者が実績を水増しするためですか。
こういういい加減な仕事をするなと、もう何度も何度も指摘したはずなのに、どうして直らないのか。機能だけすばらしいウェブサイトを作っても、「仏造って魂入れず」とはこのことですよ。使えないサイトは、誰も使わなくなります。人や情報は、発信するところに集まってくる。情報を出さないところに、まともな人や情報が集まるわけがない。
区は、来年度予算で公益活動のチラシの配信をするそうです。今言ったように、幾らすばらしい仕組みをつくっても、中身がすかすかだったら、いずれ使われなくなってしまう。まして今回、アプリをインストールするというハードルは一つ高いですから。ただ、情報のあるところに人は集まってきますから、ぜひ、ちゃんと情報を載せて頑張っていただきたい。これ、うまくいかなかったら、後できつく言いますからね。ちゃんとやってください。私も議員でいるかどうか分かんないけど。
また、市民活動・公益活動支援については、社会福祉協議会でも、子ども食堂のネットワークをつくったりして、積極的な活動をしている。さらに、区役所でも、地域活動推進課やアウトリーチチームや育成活動推進課が類似のテーマを扱っていて、時として、社会福祉協議会も含めて、二重、三重の行政で、非効率なこともある。それに加えて、このなかのZEROです。なかのZEROが足を引っ張っている、生涯学習支援の。なかのZEROがやっている生涯学習支援事業、15年以上かけてこんな状態ですから。メールの返事1本書くのに、「できません」というメールの返事を1本書くのに、3日間もかけている。こんなところ、もうてこ入れする価値もないですよ。こんな機関は要らない。区が新たにチラシ情報の発信をしていくことに伴って、スクラップをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 生涯学習の支援は、広く情報を発信するとともに、団体と連携協働しながら、活動自体を支援していくことが重要であると認識してございます。
来年度運用を開始するなかのZERO本館の旧レストランスペースでの取組につきましても、生涯学習支援事業の一環であります学び場ステーションに登録した人材を活用したものであり、今後もさらに生涯学習支援事業を充実させていきたいと考えてございます。
○小宮山委員 なかのZERO、新たにレストランスペースにいろいろ造るそうです。ワークショップをやったり、展示の何かをやったりしていくという話です。ただ、もうなかのZERO自体が、今まで15年間、そうやって展示のスペースを提供したり、ワークショップのスペースを提供したりって、そういうことをなかのZERO自体が15年間やり続けてきたんですよ。そしてまた今度、新たにレストランが開いてから、そこで展示をします、ワークショップをしますと言ったって、今までろくなことやっていない指定管理者なんだから。新たに場所を造ったからといって、新たに何かできるとは、私あんまり思えないんですよ。その辺りをちゃんとやっていただきたい。これ、もう議員としての遺言として伝えておきますから。ちゃんとやっていただきたいと思います。
中野区は、経済的な豊かさを追求するあまりに、かえっていろんなことが貧しくなっていったというのが前の区政でありました。もう酒井区政も5年ぐらいたちますから、いつまでも前の区長のせいにはできません。中野区の財産は人だというふうに区長はよく言いますけれども、それはほかに何も財産のない自治体の長が苦し紛れに言うことだと、私は思うんですよ。全国どこの自治体でも、何がなくとも人はいるんですから。いつか中野区の財産は人もさることながら、例えば文化芸術ですとか、サブカルチャーですとか、子育て支援ですとか、これというものができるようになることを願いまして、私の任期中最後の質問を終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。
次に、渡辺たけし委員、質疑をどうぞ。
○渡辺委員 令和5年度第1回定例会におきましての総括質疑を行います。
中野サンプラザ・区役所跡地の再開発について質疑をいたしますが、総括質疑でサンプラザの質疑をしますと、途中で急に怒り出して、よく分かんないというような御指摘を何名かの同僚議員から頂いております。決して情緒不安定というわけでもなく、怒るべきときに怒っているつもりが、どうも伝わっていないということがありますので、今回は何とかこの中野サンプラザの根本的な課題、皆様方と共感しながら進めていければと思っております。
まず初めに、補助金のリスクについて伺ってまいります。
先般、第1回定例会で上程された第8次補正予算におきまして、囲町東地区における補助金の減額として、およそ4億2,000万円の減額補正が示されました。国の社会資本整備総合交付金や都市計画交付金、都区財政調整交付金を区は活用して、囲町東地区における市街地再開発事業を進めていたわけでありますが、令和4年度において4億2,000万円の減額補正を行うといった現状を見ておりますと、強い懸念を持ってしまうわけであります。
まず、改めて確認しますが、囲町東地区に投入予定の補助金額、年度ごとに申請する金額の内訳、申請した補助金に対して支給された補助金の金額についてお答えください。
○山本中野駅周辺地区担当課長 囲町東地区におけます国費、社会資本整備総合交付金要望額につきまして、令和3年度からの推移についてお答えいたします。
まず最初に、令和3年度、令和4年度についてですが、こちらは実績の値となってございます。
まず、令和3年度につきましては、国費要望額が6億9,830万円。そちらに対します国費内示額が6億9,830万円となっております。
続きまして、令和4年度は、国費要望額5億7,290万円に対し、国費内示額は3億6,208万2,000円となってございます。
続きまして、令和5年度は当初予算案の数値となってございます。こちらは21億4,810万円を国費要望額として要望する予定となってございます。
最後に、令和6年、令和7年度につきましては、事業計画書の現在の数値となります。今後、また事業進捗を踏まえ適宜見直しを図っていく予定でございますが、令和6年度につきましては、36億9,550万円、令和7年度につきましては2億7,500万円となってございます。
○渡辺委員 前年度は満額支給された。令和4年度に関しては、およそ5.8億円に対して3.6億円。これ、国に対しての要請額なわけですから、都のほうが2分の1負担するわけですが、合計で4億2,000万円不足している。内示率が63.2%ということも伺っておりますが、これ、不足してしまっているわけであります。来年度以降、21億円、37億円と、これも掛ける2倍ですからね。都の補助金がこれで入ってこなかった場合、都も減額されるわけですから、これが不足しちゃうとどうなのかなって、やっぱり強い懸念を感じてしまうわけなんでありますが、取りあえず令和4年度、建設委員会でも聞いたんですけれども、不足した分ってどのように補填していこうというのを考えていらっしゃいますか。
○山本中野駅周辺地区担当課長 令和4年度につきまして、国費の内示額が要望額を下回った場合の対応でございますが、令和4年度不足分の補助金を確保するため、事業進捗の状況を踏まえ、次年度以降に区が要望する社会資本整備総合交付金におきまして、その不足分を含めて要求していくところで変わります。
○渡辺委員 要は、足りない分、不足分を次に上乗せして要望していくと。で、満額来たらまあいいけども、今おっしゃったように、来なかったらどうするんだ。翌年度持ち越す、多分そういう答弁になると思うんですけれども。最終的に満額来たらいい話なんですが、もしこれが満額来なかった場合どうするのかということが、すごい強い懸念になっているわけなんですね。
じゃ、令和7年度まで要求をしていって、満額来たらオーケー、来なかった場合不足分をどうするか。やり方としては、例えば別の補助メニューを探して、代わりにあてがうというやり方もある。あとは、組合、事業者なりに不足分を負担してもらう。もしくは工事費、それで賄えなかった場合は、工事費を下げて、建物をグレードダウンしてしまう。それでも事業が進まないといった場合に、一般財源を投入しなきゃいけないんじゃないのという、そういった懸念が出てしまうような事象なのではないかというのを感じてしまうわけなんですね。
で、ここなんですけれども、区は中野区補助金交付要綱に基づいて組合に補助金を交付しているというやり方をしているわけなんですが、その制度上、一般財源を投入する可能性、これは否定できないと考えております。区の見解をお聞かせください。
○山本中野駅周辺地区担当課長 委員おっしゃいましたとおり、社会資本整備総合交付金による市街地再開発組合の補助金交付率は、補助対象経費に対しまして3分の2となってございます。当該補助の財源更正といたしましては、国が2分の1、地方公共団体が2分の1となっております。区では、国と同様に、当該年度における予算の範囲内で、区の補助金交付要綱に基づき補助金を交付することとしているところでございます。
また、区では原則、今回、今年度と同じように、国費の内示額に対応する額を限度として、組合に対し補助金を支出する方針と、原則しているところでございます。
○渡辺委員 ここ答弁調整、事前にしていたんですけども、なかなか答えづらいということでしたけど、否定はできないという結論であると私は認識しております。
要は、事業が成り立たない、もうここで止まっちゃうと莫大な損失になると言えば、やむを得ず一般財源をやっぱり入れなきゃいけないんじゃないか。ただ、これは区が決めるだけの話じゃなく、当然議会も含めて議論して、慎重に判断をしていかなきゃいけないことにもなるわけであります。この補助金に関するリスク――リスクという言い方、変ですけども、国が、結局要請した分の支給額、満額来るという保証というのは全くないんだということが、今回の事象で明らかになったのかなということを、この場では申し述べておきます。
で、この問題は、補助金が何で不足してしまったか、満額入ってこなかったのかというところなんですけれども、建設委員会でちょっとその場では、都に確認したけれども、教えてくれないということで、分からないという答弁ではあったんですが、その後、調査とか分析、何かされましたか。
○山本中野駅周辺地区担当課長 年度ごとの国費の内示額につきましては、国の予算の範囲内によるものと推察されております。また、先ほどの答弁のとおり、区の要望額を下回った理由については、東京都に問合せを行いましたが、詳細については示されなかったところでございます。引き続き、事業計画書における資金計画どおりに補助金が獲得できるよう、関係機関と協議し、また、国費の動向についても注視していきたいと考えてございます。
○渡辺委員 結局詳細な理由が分かんないというようなことでの答弁であるんですけど、やっぱり議会の一員として、一般財源をもしかしたら投入していかなくてはならない可能性というのがある限りは、ここはしっかりと分析してもらいたいですし、中野区には、この社会資本総合整備交付金は国交省の補助メニューでもあるわけですから、国土交通省から来ている副区長もいらっしゃいます。ぜひとも、副区長の見解、考え方、どういったことなのか、お聞かせ願いたいです。お願いします。
○横山副区長 国のほうの予算の配分状況でございますけれども、社会資本整備総合交付金、これは令和4年度の国の予算の資料を見ていただくと分かるんですけど、予算の措置率ということで、79.2%という数字が公表されます。決して80%を超えていません。そんな大きな数字ではまずないですね。そういう限られた予算を、実際に様々な事業、道路事業、あるいは公園、下水、住宅事業、様々な事業に配分して、それで、それぞれの事業の所管部局がそれぞれまた個別の地区に配分するわけですけれども、個別事業の、また重点配分方針というもの、これも公表されていますので、見ていただくと分かるのですけれども、その中で再開発事業に配分されて、所管部局のほうでそれを個別に配分し、めり張りをつけて配分しているということになります。
重点配分方針、見ていただくと、特に注目すべきは、建築工事が始まった地区については重点配分をすると、明確に書いてあるんですよ。ですから、これ、当然事業の終盤、建築工事、事業の終盤になれば、国のほうの支援が滞れば、当然のことながら事業を遅らさざるを得ない、竣工が遅れるということで、これは国のほうとしても本意ではないということで、事業の終盤については手厚い支援を行い、早く事業を進行させて事業効果を発現させる、そのようなことをやっているというような状況であります。
裏返して言うと、事業がまだ初動期なので、初期の段階の地区については、手厚い支援ではなく、それなりの支援が行われているということで、囲町東地区について言うと、まだまだ事業は2年目ですし、まだ建築工事も始まっていないというふうなことで、それなりの予算措置がされているということではないのかなと推測しています。そんなことで、63%という数字、委員から御紹介いただきましたけど、もちろん決して満足のいく数字ではありませんけれども、国のほうの補助金の状況、交付金の状況を踏まえると、そんなに低い数字ではないのかなというふうに考えております。
○渡辺委員 工事が進み始めたらお金はどんどんくれるという予測でありますよ。中野区の副区長、国土交通省から来ているわけですから、当然その力も期待しているところがあります。もうどのような手段を使っても、これもう変更できないですから、何が何でも補助金満額を何とか取ってきてもらいたい、こういったところを要望するところであります。
これがちょっと囲町東地区の補助金の話ではあるんですが、一方で、中野駅前新北口の再開発、こちらも囲町と同じ、市街地再開発という手法で行っていると認識しておりますが、そういった認識でよろしいでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野四丁目新北口駅前地区市街地再開発事業についても、囲町東地区と同様の第一種市街地再開発事業でございます。
○渡辺委員 同様に補助金、こちらの場合、囲町が125億円程度の補助金に対して、ここは430億円。3倍から4倍近い補助金を当て込んでいるという事業計画が出されております。同様に、一般財源、投入するということが否定できないという、同じ枠組みなのかなということを考えております。ただ、ここはまだ都市計画決定前なので、事業計画の見直しであったり、修正、変更、まだまだできるタイミングなのではないのかなと。一番心配なのは、やはり一般財源を、補助金が足りないからといって投入しなきゃいけないということになるというのは避けなくてはいけないのかな。
ちなみになんですけれども、ちょっと質問を飛ばしますけれども、補助金がもし仮に全額入ってこなかった場合、新北口エリア事業者に対して、一般財源は投入しないというのは、そういった契約って結ぶことって可能ですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野四丁目新北口駅前地区におきましても、市街地再開発事業の補助金につきましては、再開発事業の事業計画、資金計画に対しまして、区として国の補助要領や区の補助金交付要綱に基づきまして、適正に補助すべきと考えてございます。
○渡辺委員 要は契約できない、そういうことはできないということなんですよね。であれば、やはりこの430億円という補助金というのは、あまりにもリスクが高過ぎるんじゃないのかなと。変な話、この430億円という補助金がなくても、事業計画がちゃんと進むんであればいいですけれども、この補助金が不足することによって、事業が止まってしまう、莫大な損害が発生する。じゃ、一般財源、ある程度投入しなきゃいけない。ある程度といっても、10億円、20億円じゃ利かないかもしれない。どうするんですかというところが、非常に不安があるから、今だったら見直しできるんじゃないか。ここはもう一度しっかりと事業計画、資金計画を見直すべきと考えますけども、いかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前地区の再開発事業については、新区役所整備費の収入の前提、それから事業を前提に中野サンプラザの閉館が予定をされていること、スケジュールの遅延が駅周辺地区をつなぐ歩行者ネットワークの完成遅延となることなどから、当初のスケジュールどおり進める必要があると考えてございます。
補助金につきましては、事業計画の作成段階で、補助対象経費全てに補助金を充当するような計画とならないように、事業者に指導してまいります。
○渡辺委員 こういった区の姿勢、今非常に、進めていくという話なんですけども、本来は議会が議決をもって止めたいところでもあるんですが、議決することもできない。この状況が非常に不健全な体制なのではないかなと思っております。
最後の質問になりますけれども、都市再開発法の権利変換、こちらは従前の権利が継承される土地区画整理法の換地処分とは異なり、権利変換期日をもって、従前の権利は消滅して、権利者が自らが選択する新たな権利に置き換わる仕組みである。それを複数の選択肢があるにもかかわらず、区が勝手に決めて、議会の承認もなく進めていくということは、これは非常に区が暴走しているというような見方もあるのではないだろうか。ここ、議決を経ない、首長だけの判断で、地方自治法第96条に抵触しないのか。これは自治体内の弁護士の資格と責任において、弁護士に答えていただきたい。お願いします。
○尾関法務担当課長 地方自治法におきましては、議会の議決事項は法律に定めがあるものとされており、法律に定めがない事項を議決事項とする場合は条例で定めることとされております。再開発事業における権利変換は、地方自治法の定める議決事項のいずれにも該当しないため、権利変換に当たり、議会の議決を得ないことは法律に抵触するものではないと考えております。
○渡辺委員 以上で終わりますけども、本当に危ないですからね、これ。これだけは言っておきますので。
以上で私の総括質疑を終了いたします。
○ひやま委員長 以上で渡辺たけし委員の質疑を終了します。
次に、内野大三郎委員、質疑をどうぞ。
○内野委員 令和5年第1回定例会予算総括質疑において質問させていただきます。質問は通告のとおりで、その他は1点だけ補足がありますので、お願いいたします。
初めに、令和5年度予算についてです。
これは1点だけ、選挙についてお伺いします。
区議会議員選挙についてお聞きします。中野区では、区議会議員選挙及び区長選挙においては、即日開票ではなく翌日開票を実施していますが、今年の4月の統一地方選挙においても、昨年の12月16日に選挙管理委員会が今までと同じ翌日開票とする決定を下しました。即日開票の場合には、選挙従事者の報酬と開票所賃借料と合わせると518万円余り、翌日開票だと230万円弱と、290万円の差が生じ、翌日開票のほうが経費の上では安価に済むこととなっているようです。また、職員の負担も、1日あけられるかどうかでかなりの違いがあると聞いています。これはあくまでも選挙管理委員会の御判断だと思いますが、次回の区長選挙以後は、区民に早く結果をお知らせするためにも、即日開票にしていただけないものか、事務局側の御意見もお聞きしたいと思います。
○田中選挙管理委員会事務局長 本年実施の区議会議員選挙における開票日につきましては、経費節減の観点などから、翌日開票とすることを選挙管理委員会におきまして決定をされたものでございます。
次回以降の区の選挙における開票日の取扱いにつきましては、改めて選挙管理委員会で審議をすることとなりますけれども、その際、委員の御意見につきましてもお伝えをさせていただきたいと考えてございます。
○内野委員 恐らく多くの議員が願っていると思いますので、できるだけそのようにしていただけたらと思います。
続きまして、子育て先進区の先進性を先鋭化することについてです。
子育て先進区を掲げて、2度の選挙に当選をされた酒井区政であるので、そろそろ先進性を先鋭化してみたらいかがでしょうか。ただ、どんなことが先鋭的なのか、何をすればエッジが利いて、世間の耳目を引くのか、私ごときではなかなか思いつきません。
例えば小池都政においては、子ども1人当たり1か月5,000円の所得制限なしの給付など、子育て世代にとても大きなインパクトを与えたものと思います。二番煎じでもいいので、まずこの事業に上乗せをして、中野区内の子ども全員に1人当たり所得制限なしで5,000円の補助をしてみてはいかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 区は、中野区基本計画において子育て先進区を重点プロジェクトの一つとして位置付けまして、組織横断的かつ重点的に取組を進めているところでございます。現金給付につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要があり、今後、他自治体の取組等を研究してまいりたいと考えてございます。
○内野委員 所得制限なしに配れば公平なんで、ぜひお願いいたします。
また、子育て先進区の成功事例として、兵庫県の明石市が話題となっています。子育て予算も職員も倍増、3倍増と、異次元の少子化対策を11年前から実施をしてきたと言ってもいいでしょう。その結果、合計特殊出生率が1.7まで上昇し、人口も9年連続増、結果として商店街が活性化して、来街者が7割増、さらにその結果としての市税収入は8年連続増となりました。
初めに手をつけたのは、五つの無料化。一つ目、18歳までの医療費の無償化。二つ目、第2子以降全員の保育料の無償化。三つ目、1歳までのおむつの無償化。これは場合によっては配送もしてくれます。四つ目、中学生の給食費の無償化。そして五つ目、遊び場の無償提供です。これら全て、親の年収による所得制限はありません。
このうち1と2は既に中野区でも実施の運びとなりました。子どもが少ない現状を鑑みれば、3のおむつの無償化などはすぐに取り組めるのではないでしょうか。また、今定例会の本会議でも多くの議員から給食費の無償化が提案されておりましたが、これこそが先鋭化した子育て先進区の目玉になるのではないでしょうか。小・中学生までの学校給食の無償化を提案いたしますが、区の見解をお聞かせください。
○酒井区長 学校給食の無償化についてでございます。全ての子どもの育ちと学びを支えていくことが基礎自治体である区の重要な責務であると考えておりまして、良好な教育環境の整備や、子どもの安全対策、いじめ、不登校への対応など、課題に迅速かつ重点的に取組を進めていく必要があると考えております。
なお、学校給食費につきましては、義務教育であるということで、本来国が負担すべきものと考えているところでございます。
○内野委員 続いて、男性用のトイレについてお聞きします。
本庁舎と区有施設のバリアフリートイレに、最近サニタリーボックスが設置されるようになりました。これは昨年7月から4か月試行期間を設け設置したところ、一定数の利用があったので、このたび常設にしたとのことです。病気や高齢者のための尿漏れパッドやおむつを想定してとのことですが、加えて、子どものおむつも入れられるのであれば、当然ベビーベッドも男性用トイレに新設していただきたいと思います。スペースの都合で、本庁舎既存の公共施設スペースで、今からベビーベッドを設置するのは難しいかもしれませんが、子育て先進区を先鋭化させるためにも、今後区内の公園などの新設トイレについては、必ずベビーベッドを設置するなど、パパにも優しい子育て先進区になってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○村田公園課長 トイレの新設の際には、基準を満たすスペースが確保できる場合に、積極的にベビーベッドを設置しているところでございます。
一方、一般的な公園の建築物は、公園面積の2%以内までの制限があり、面積の小さな公園では、設置のためのスペースを確保するために、その他の建築物との調整が必要となる場合がございます。今後も工夫を図りながら、ユニバーサルデザインのトイレ造りを進めていきたいと考えてございます。
○内野委員 公園の建蔽率があるって知らなかったんですけれども、建蔽率が2%って決まっているというのはちょっとびっくりで、区内の公園のトイレで、小さくてみすぼらしいのがいっぱいあるなと思ったら、やっぱりそういう制限があったわけですね。
ただ、これは国のほうで、公園にトイレがあるというのは、非常に子育て世代もそうですし、管理も大変かもしれませんけれども、やっぱり豊かな都会、都市化の政策の中では必要になると思いますので、これについては法律の改正に向けて、働きかけをしていきたいと思います。
ユニバーサルトイレを造れる公園は、一定程度の大きさが必要になるようで、ぜひとも今後公園トイレを建築物から除外してもらいたいものです。
以上でこの項の質問を終わります。
続いて、中野区史の編さんについてです。
中野区史は、昭和15年、1940年から最初の編さんが始まりましたが、この年は皇紀2600年、神武天皇が天皇に即位したと言われている2600年に当たることから、それを祝して日本各地で祝賀行事、事業が行われ、中野区においても、万民協力の根底をなすのは郷土愛であり、国家愛を培うものが国史ならば、郷土愛を培うのは郷土史であるという観点から、区の記念事業として行われたものであると聞いています。その後、続編が幾つも出たようですが、最後に中野区史の編さんがされたのはいつでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 中野区史を最後に編さんしたのは、昭和48年、1973年でございます。
○内野委員 第4代区長のときだそうです。総力を挙げて編さんをしろという一大号令がかかって、担当部署までできたようでございます。
まちの歴史は、土地の歴史だけでなく、人の歴史、その時代の生活実態を表す文化の歴史でもあります。区内における110の町会・自治会に協力を求め、地域ごとに地元の歴史の区史情報を集め、お祭りなどのソフト面のものは伝統行事として残していき、ハード面のものはデジタルアーカイブに保存し、いつでも誰でもどこででも見られるようにするべきだと考えます。これには地域の皆様の協力が不可欠であるだけでなく、高齢者にとって、昔話や自慢話をすることは、生きがいとなり、地域包括ケアシステムにも寄与するものと思います。時間がかかっても、区の担当者が地域に出ていくきっかけにもなるので、区史編さんを様々な部署で横断的に協力し合い、発行に向けて動き始める時期ではないかと思いますが、区の見解をお聞かせください。
○矢澤文化国際交流担当課長 中野区史の編さんの今後でございますが、仮に中野区史を昭和15年当時と同様の手法で発行するとなると、膨大な時間と予算がかかると認識してございます。一方、今年度、歴史写真のデジタル化に向けて、写真の分類整理をボランティアを募って実施し、好評を得たところでございまして、区民参画の仕方を含め、現代のニーズに合った中野区史の発行の可否や、方法などにつきまして検討してまいりたいと考えてございます。
○内野委員 今、歴史民俗資料館で区史編さんの歴史をやっていますので、皆様で出かけてみてください。
こうした区史編さんは、町会掲示板や回覧板のデジタル化の推進に寄与するのではないかと考えています。単なる行政情報のお知らせだけでなく、町会の歴史や先人の地元への貢献、歴史的な地元の文化財などがアーカイブで残っていて、それがデジタル化された町会掲示板や回覧板で見ることができれば、地元意識をある程度醸成することができるのではないかと期待もできます。子どもたち世代も、1人1台タブレット端末を持っているので、シビックプライドを根づかせるきっかけになるのではないでしょうか。町会掲示板や回覧板のデジタル化など、町会・自治会のデジタル活用の推進について、区の見解をお聞かせください。
○高橋地域活動推進課長 町会・自治会のデジタル活用の推進につきましては、東京都と連携した支援を行っているところでございます。具体的には、デジタルを活用した活動及びデジタルデバイド対策としての活動に対する助成や、プロボノによる人的支援などを行っており、町会・自治会を対象とした説明会、相談会を都と合同で複数回実施してまいりました。
また、区では、令和5年度から地域づくりの強化として、区民公益活動の活性化及び住民参加の促進を図るため、新たな情報発信ウェブアプリの導入を予定しております。このアプリは、地域活動団体が簡単に活用できる電子掲示板であるため、町会・自治会の活動にも活用していただけるものと考えております。
○内野委員 アプリのダウンロードなど、いろいろやっぱり高齢者が使いにくいときには、そうした教えてあげるサービスなんかも、併せて一緒にパッケージでやってもらえたらと思います。
以上でこの項の質問を終わります。
続きまして、マンションビル防災についてです。本会議でも質問しましたけれども、違った視点で質問いたします。
新しいマンション防災のリーフレットなどをお作りいただけるとのことで安心をいたしましたけれども、一方で、マンション内のエレベーター設備が災害によって動かなくなったり、経年劣化で交換をしなければならなかったりした場合、一定期間エレベーターが使えない事態に陥ることが想像できます。最近では、高齢になったら、戸建ての自宅を手放して、マンション暮らしにしようという方々も増えていると聞きます。
そこで、福祉用具の中に階段を昇降できるリフトチェアのようなものがあるのですが、こうした器具の入手一覧や、場合によっては管理組合に購入補助をしてみたりしてはいかがでしょうか。
○吉澤防災担当課長 マンションにおける避難の基本は、建物及び室内に危険がない限り、在宅避難を推奨しております。一方で、立ち退き避難をせざるを得ない場合においては、区では現在、各地域防災会の資材倉庫に、住宅やマンションの上階からの避難支援用に、担架や背負い式救助器具を配備し、取扱いについて普及を図っているところでございます。
今後は、階段避難者についても、避難支援をより安全に実施することができる器具として推奨できるか、購入補助を含めて調査研究してまいります。
○内野委員 区内にどのぐらいのマンション防災会があるのか、その数はお分かりでしょうか。御存じない場合には、まず、その実態を調査をして、災害時にできる限りマンションビルの自治の範囲で、自助を促してみてはいかがでしょうか。
○吉澤防災担当課長 区内113ある自主防災会のうち、マンション防災会は16となっています。また、マンションにおける自助・共助については、要となる管理組合を中心とした自主防災組織を機能的で実効性あるものにすることが重要と考えております。区は、来年度更新を予定している「中野区マンション防災パンフレット」に、自主防災組織結成の手引きを盛り込むとともに、相談や訓練等を通じ、マンションにおける自助・共助を支援してまいりたいと考えております。
○内野委員 ありがとうございました。よろしくお願いをいたします。
その他で1点だけ。令和3年3月に新しい基本構想が出来上がり、区長も選挙で当選し、2期目に入りました。そろそろ区内の掲示板で、新時代の中野区政のキャッチフレーズである「つながる・はじまる・なかの」というフレーズを、区民に周知し、定着を図っていかがでしょうか。
○高村広聴・広報課長 デジタルツールによる広報へ移行しつつある一方、中野区のお知らせ板、区民の広場ともに、まだ一定の利用があり、広報効果があると認識してございます。掲示板の数が多いため、一斉に対応することはできませんが、利用頻度の高い掲示板から随時、順次、「つながる・はじまる・なかの」を表示していきたいと考えてございます。
○内野委員 ありがとうございました。
以上で私の全ての総括質疑を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で内野大三郎委員の質疑を終了します。
次に、竹村あきひろ委員、質疑をどうぞ。
○竹村委員 令和5年予算特別委員会に当たりまして、所属政党は国政政党、正式名称はNHK党、会派の所属はありません。無所属議員の立場から、総括質疑をいたします。
質問は、2の区のNHK受信契約は取り下げさせていただきまして、3のその他で、NHK受信料割増金制度について伺います。
早速、1の太陽光発電関係の補助について伺います。
まず、結論として、現在の太陽光発電普及を推進しますと、地球規模での温室効果ガスが増加し、結果、環境破壊が加速する懸念が極めて強いことを指摘いたします。その理由、根拠は質疑にて明らかにしたいと思います。
まず、区の姿勢、御認識を伺います。
様々ある太陽光発電関係の補助の施策の目的を伺います。
○永見環境課長 来年度予算に計上させていただいている太陽光発電システム設置補助の目的でございますが、ゼロカーボンシティの実現に向けて、再生可能エネルギーのさらなる活用促進のために実施をするものでございます。
○竹村委員 この施策の目的は、中野区のみCO2排出量を削減することでしょうか。それとも、大げさになっちゃいますけれども、地球全体のCO2排出抑制に資することが目的ですか。どちらですか。
○永見環境課長 世界全体が脱炭素社会を目指していく中で、中野区として二酸化炭素排出量の削減に取り組む施策の一つとして実施するものでございます。
○竹村委員 この施策は国の施策に関連して行うものですか、それとも中野区独自の取組ですか。
○永見環境課長 国が目指すカーボンニュートラル実現の方向性等を踏まえ、中野区ゼロカーボンシティ宣言や中野区環境基本計画に基づいて実施をするものでございます。
○竹村委員 ちょっとよく中野区独自かどうか分かりませんでしたけれども、とりあえず地球規模というか、そういうものの取組であるということは確認はできました。
で、地球規模の取組である以上、世界の情勢とか現状を把握するというのは大事だと思うんですね。太陽光発電関係の補助の施策、この策定や実施に当たって、世界の情勢、例えばCO2排出量であるとか、発電に不可欠な太陽光パネルに関する情報などの把握について、区の見解を伺います。
○永見環境課長 脱炭素社会の実現に向けて、世界における二酸化炭素排出に係る動向等についても把握をしていく必要があると考えております。
○竹村委員 ありがとうございます。令和5年度予算で検討中の主な取組案というものに対して、区民の意見聴取があったと思うんですけれども、太陽光発電のメリット・デメリットについて、今後発信する意向はありますか。
○永見環境課長 太陽光発電システムにつきましては、蓄電システムと連携をすることで、停電時にも活用できるなどのメリットがある一方で、廃棄時や災害時における課題もあるというところは認識をしておりまして、補助の実施に当たりましては、そうした課題への対応等についても周知をしていく必要があると考えております。
○竹村委員 ありがとうございます。
それでは、世界の情勢などの把握についてちょっと聞いていきたいと思うんですけれども、CO2排出量の最大国はどこか、ちょっとこれ、クイズなわけじゃないですけれども、中野のクイズ王と呼ばれないようにしなければいけないと思いますけれども、把握はされているんでしょうか。
○永見環境課長 国際エネルギー機関、IEAが作成した資料を基に環境省が作成した資料によりますと、2019年時点で世界のエネルギー起源CO2排出量は中国が最多となっております。
○竹村委員 ありがとうございます。この認識というかね、情報というのは、極めて重要だと思うんですね。温室効果ガスの主要物質であるCO2排出の最大国は中華人民共和国、以下、チャイナとしますけれども、令和3年世界全体のCO2排出量は過去最大となり、中でもチャイナが5%以上の排出量増加。国際エネルギー機関、御紹介いただきましたけども、世界のCO2排出量増加をけん引していると指摘しています。
令和2年のデータになりますけれども、排出量比率で示しますと、最大の排出国であるチャイナは30.5%、2位の米国は13.4%、3位はインド6.3%、ロシアは5.8%と続き、我が日本は2.8%です。チャイナは30.5%。我が日本は2.8%。日本の10倍以上も排出しています。
チャイナは、カーボンニュートラルの世界的な取組に対し、CO2排出量増加という姿勢を見せています。これは重要な情報ではないでしょうか。区は、これらCO2排出量に関する情報発信はされていますか。
○永見環境課長 現在、区として、そうした情報の発信はしておりません。
○竹村委員 温室効果ガスの主成分であるCO2排出、その他の情報というのは、区民に必要な情報だと思うんですよ。昨年、令和4年3月9日の日本経済新聞に、「21年のCO2排出量過去最高に IEA「主に中国がけん引」」という報道もあります。正しい情報は、正しい判断に必要なものだと思うんですね。例えば、外務省のホームページを見ますと、キッズ外務省というものがありまして、外務省の仕事などを発信していますけれども、その中には、二酸化炭素排出量の多い国と、図解までされています。情報発信に関し、外務省をまねろとは言いませんけれども、分かりやすい情報発信の取組について、区の見解を伺います。
○永見環境課長 中野区環境基本計画におきましては、現状認識として、IPCC評価報告書やパリ協定など世界の動向についても記載をしております。今後も区が脱炭素を推進していくために必要な情報については、発信をしていく考えでございます。
○竹村委員 期待をしておりますけれども。ちょっと、しつこくなりますが、排出量のお話をしたいと思います。国際エネルギー機関、以下、IEAとしますけれども、その発表データを基に、環境省が作成したデータによれば、2007年には年間約70億トンを超え、チャイナが世界最大となり、その後、年を追うごとに増加。2020年には年間100.8億トンと、ずば抜けて多いんです。次に多い米国は、着実に――微妙ですけれども、減らしていて、半分以下の42.6億トン。我が日本も11億トン台が続いていましたけども、2020年には9.9億トンです。これは批判の対象となる一方で、実はそれぞれの国内経済事情や外交貿易に影響する側面もありますので、後ほど触れたいと思います。
次に、これは、とある一国の内情であるものの、地球全体の環境に極めて強い影響のある情報なので、さらにお尋ねしますけれども、チャイナのエネルギー事情、すなわち電源構成について、区は把握しておりますか、伺います。
○永見環境課長 2020年の国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構北京事務所の資料によりますと、2019年の中国の電源構成別の発電電力量は、火力が68.9%、再生可能エネルギーが26.4%等となっております。また、2021年の自然エネルギー財団の資料によりますと、発電の燃料としては、石炭が63%、自然エネルギーが29%等となっております。
○竹村委員 正しい認識と思います。昨年、令和4年11月20日まで開催されていた国連気候変動枠組条約第27回締約国会議、長ったらしいですけども、これ、皆さんの分かりやすい説明で言うと、COP27ですね。この会議にて、チャイナの代表は、石炭火力発電所をさらに増強する計画を明らかにしました。これをフォーブス誌が報じております。題名はなかなかすごくて、中国、COP27で、「石炭火力発電所の大幅増強」を表明。現時点でも世界最大の規模を持つ同国の火力発電所をさらに増強するということです。記事にもありますけれども、世界的な気候に関する目標よりも、自国安全保障やエネルギー安全保障を重視しているというチャイナ自国の事情を最優先している姿勢です。日本の高効率で環境への負荷も少ない最新の石炭火力発電と比較し、CO2排出量抑制には極めて後ろ向きな姿勢と言わざるを得ないのではないでしょうか。
このように、地球温暖化に対する世界的な取組に対し、チャイナの非協力的、極めて独善的な姿勢が批判の対象にあることは当然ですが、さらに重大な懸念があります。太陽光発電部品の主要部品であるポリシリコン、ウエハー、セル、パネルモジュールなどの主要生産国に関する区の御認識を伺います。
○永見環境課長 2022年の国際エネルギー機関、IEAの報告によりますと、太陽光発電システムの主要要素であるポリシリコン、ウエハー、セル、モジュール等については、世界の生産能力の8割超を中国が占めているとされております。
○竹村委員 詳細にありがとうございます。その実態に対して、日本貿易振興機構、JETROですね、太陽光発電に要する太陽光パネル主要部品の生産国がチャイナに集中していることを報じ、現状は世界の生産能力の約8割以上を占め、将来は95%まで高まると予測し、寡占状態を危惧。IEAは生産国の分散化を求めています。生産が寡占状態であることの懸念を、CO2排出量の面からも強く持つべき実態ではないでしょうか。
さて、これらの実態から、現在の太陽光発電を推進すると、次のような過程で地球規模での環境破壊が加速すると危惧します。区などが太陽光発電導入に関する助成を行う。助成が進んで導入が進む。導入が進んで太陽光発電関連製品、部品の生産需要が高まる。主要生産国チャイナでの生産量が増える。生産に必要なチャイナの電力需要が高まる。主要電源である火力発電が一層稼働する。現在でも最大のCO2排出国であるチャイナの排出量が、さらに増える。世界規模での温室効果ガスが増える。地球温暖化が一層加速する。
以上の過程で、太陽光発電導入助成は、地球規模での温室効果ガス量が増加し、結果、世界規模での環境破壊を加速させることにつながると考えますが、この過程に関し、区の見解をお聞かせください。
○永見環境課長 なかなかプロセスが複雑なので、ちょっと検証することが困難であると思いますけれども、太陽光発電システムの設置補助につきましては、脱炭素社会の実現に向けて、国や都、他自治体も実施をしている施策でございます。中野区が補助実施することにより、地球温暖化が加速するとは考えておりません。
○竹村委員 極めて残念な回答だと思いますけれども、いろいろ飛ばさせていただいて、本質的な取組とは、最大のCO2排出国であるチャイナの排出量削減ではないでしょうか。そもそも排出量の桁が異なるチャイナと我が中野区、さらには我が国と比較しても、環境に与える影響は比較になりません。現在、チャイナでのCO2排出量がなぜ増えるのか。製造がチャイナに集中し過ぎていることが問題です。原因です。製品の製造を海外に、国外に移すことで、当該国のCO2排出量は減りますけれども、製造を請け負う国の排出量は増えます。製造国の排出量、CO2排出を減らして、世界規模でのCO2排出量抑制を実現するために、例えば今回の取組をするのであれば、チャイナ以外の国への製造分散化、例えば高い技術と、世界各国との連携を有する我が国への製造回帰、太陽光発電関連製品、部品の国内回帰に資する関連企業への支援を行うなどと考えます。加えて、CO2排出量の多い国の製品には高い関税をかけるなど、国際的な取組も不可欠と考えます。
区長会による国や都への要望、我が国製造業への支援、区内産業活性化につながる支援、助成の実行が本質的な対策で、実現を期待いたします。
最後に、区民意見にもあるように、太陽光発電システム以外のエコ対策について、区の検討状況を伺います。
○永見環境課長 令和5年度予算案に計上している取組といたしましては、脱炭素ロードマップの策定に向けて具体的な取組等を検討するために、地域特性を踏まえた二酸化炭素排出量の削減のポテンシャル等の分析調査を実施する考えでございます。
○竹村委員 ありがとうございます。
るる伺いましたけれども、まずは問題山積の太陽光発電関連の助成事業は、抜本的に改め、地球規模の環境を見据えた今後の区の対応を期待し、この項の質問を終わります。
次に、その他で、NHK受信料の割増金について伺います。
NHKは今年、令和5年4月1日から、契約の申込み期限や割増金などを定めた改正放送受信契約を施行させます。これにより4月からは、受信機の設置の月の翌々月の末日までと――分かりにくいですね――受信申込み期限が設定され、規定され、悪質と判断された受信料未払い者に対し、NHKは、2倍の割増金を請求するようにできるようになりました。
そこで伺います。区役所本庁舎及び区有施設の受信契約を管理する部署において、導入される割増金制度の周知、それから、設備の管理、厳格化、注意喚起などを行う体制について、区の見解を伺います。
○天野庁舎管理担当課長 本庁舎では、テレビの設置の判断は各部署が行い、各部署が管理しておりますが、受信契約の締結事務は庁舎管理担当が契約対象となる設備について、各部署に確認し、一括して行っております。割増金の対象とならぬよう、引き続き確認を徹底するとともに、庁外施設についても必要に応じて情報提供してまいります。
○竹村委員 簡潔にありがとうございます。
春に桜が咲くように、議論がこれからもっと進むように祈念いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で竹村あきひろ委員の質疑を終了します。
次に、吉田康一郎委員、質疑をどうぞ。
○吉田委員 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。
本日、2月22日は竹島の日です。竹島が1秒も早く我が日本に戻ってくることを祈念し、この今期の最後の質問に入らせていただきます。
まず、公園政策について伺います。一般質問で時間切れとなった点から伺っていきます。
区内には、169の公園がありますが、トイレが古く汚かったり、地面が掘れて段差になっていたり、コンクリートがひび割れ、剥がれて穴になっていたり、設備の塗装が剥がれさびてしまったり、対処すべきところが多数見られます。
まず、区内の公園において、施設の不具合等に対しては、日常的にどのように管理、修繕を行っているのか、伺います。
○村田公園課長 日常的には、各公園を順次見回り、不具合を見つけた場合、その場で対応できるものはその場で対応し、すぐに対応できないものは、注意喚起をしつつ、後日対応するなどしております。また、巡回以外でも不具合の声を頂いた際には、現場を見に行き、同様の対応を行っているところでございます。
○吉田委員 日常的に見回り、順次対応しているとのことですが、私も、これまで様々な公園について要望を受け、区に対応を求めてきており、率直に言って、区の管理、修繕等が十分に実施されているとは言い難い状況であると感じています。また、その優先順位のつけ方も、適切かつ柔軟ではないと考えます。例えば、保育園が新設される際に、その保育園に園庭がない場合、近くの公園を園庭代わりに利用することが事業の前提となっています。そのような新設保育園が利用する見込みの公園は、園児の利用に係る安全性、設備や施設の修繕、整備について、優先度を高めて柔軟に対応していくことが望まれます。あるいは高齢者、障害者の利用頻度が高い公園は、段差をスロープにする改修の優先順位を高めて迅速に対応する等が必要だと考えます。
そのような公園の近隣にどういう施設があるか、新たに開設されるか、どのような利用のされ方をするかという情報が、一部は公園管理者に伝わっているけれども、迅速に関係所管で共有できていない状況があります。新設保育園の代替園庭として、どの公園が利用されるかなど、早い段階で関係者で情報を共有できるように改善した上で、そのような公園については優先度を高めて、柔軟に修繕や整備をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
○村田公園課長 現在、保育園が代替園庭として利用している公園については、把握しているところでございます。新設の保育園についても、早期に関係所管と情報を共有できるよう連携を図っていきたいと考えております。
中野区公園再整備計画の中では、保育園の代替園庭として利用するような公園は、幼児の利用を踏まえた整備等を行う考えを示しているところでございます。今後このような考えに基づいて、計画的かつ柔軟に公園の修繕や整備を図っていく考えでございます。
○吉田委員 お願いします。
次に、公園のトイレについて伺います。
毎年、2公園程度トイレの整備を進めていると思いますが、現在、どのような計画で進めていますか。
○村田公園課長 現在進めているトイレ改修では、バリアフリー基本構想に示す重点整備地区の区域、周辺の公園などで、古いもの等を中心に順次行っているところでございます。
○吉田委員 率直に言って、他の区の状況と比べて遅いと正直感じます。2020年から渋谷区で日本財団が16人のクリエイターの参画を得て、誰でも快適に利用できる公衆トイレの設置が進められています。そのまねをせよとは言いませんけれども、公衆トイレに期待されている機能が大きく変わってきていることは事実です。(「ちゃんと見てきた」と呼ぶ者あり)すばらしい。公園トイレの改修やバリアフリー対策をより一層スピーディに行っていただきたいが、見解を伺います。
○村田公園課長 トイレの改修では、バリアフリー対策も併せて行っておりますけれども、設計して工事することとなりまして、1か所でもそれなりの費用と時間を要するものでございます。トイレやバリアフリー整備等においては、より一層効率化していけるよう、補助金の活用も踏まえながら工夫してまいりたいと考えてございます。
○吉田委員 中野区基本計画の重点プロジェクトには、魅力ある公園の整備が位置付けられています。数多くの公園の維持管理、整備が十分に適切に行われるためにも、知恵と経験のある職員の確保、育成とともに、予算を拡充していくべきと考えますが、見解を伺います。
○村田公園課長 より一層利用者や地域との会話を重ねまして、ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。また、技術や経験を蓄積して生かせる職員を育成することで、必要な財源を確保して、効率的な維持管理、整備等を図ってまいりたいと考えてございます。
○吉田委員 ぜひ区民がより一層安心し、愛着を持てる公園整備を行っていただくよう要望をいたします。
次に、道路政策について伺います。道路のバリアフリー整備についてです。
道は、都市の形そのものを決定する最も重要なインフラであり、その道路を誰もが利用しやすく安全で快適なものとするためのバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化は、最も力を入れて取り組まなければなりません。中野区バリアフリー基本構想や、中野区ユニバーサルデザイン推進計画による整備の推進に向けて、具体的に予定している路線について伺います。
○井上道路課長 バリアフリー化整備工事箇所についてですが、区では、バリアフリー基本構想に基づき、車道の舗装補修の機会を捉え、計画的に歩道の段差解消を推進しており、今後も継続して取り組む考えでございます。次年度以降の整備につきましては、鷺宮二丁目の新青梅街道から練馬区の南蔵院通りまでの間の約260メートルの区道について、2か年計画で工事を予定してございます。
○吉田委員 ぜひお願いします。練馬区側の南蔵院通りは歩道が広いのに対して、中野区側は歩道が狭く、車道と歩道の段差も大きいです。具体的にどのように整備するのか、伺います。
○井上道路課長 バリアフリー化整備工事の内容についてですが、道路の車道部分をかさ上げし、セミフラット化して、歩道と車道の段差を解消したいと考えてございます。また、歩道と車道の幅員構成を見直して、歩道を広げたいと考えてございます。
○吉田委員 お願いします。
次に、地籍調査について伺います。
これも大変重要でございます。令和2年の決算特別委員会の総括質疑で伺ったときには、この中野区の地籍調査、進捗率は12%とのことでした。全国の進捗率と比べると、残念ながら大変遅れています。首都直下型地震は30年以内に70%の確率で発生すると想定されていますから、本当であれば、30年以内に調査が終わるようにしなければならないはずです。令和2年の国土調査法の改正は、東京にとっては大変でありますが、地籍調査の推進のためとは理解しています。そこの点は本日は触れませんが、知恵を絞っていただきたいと思います。
いずれにせよ、地籍調査を進めなければなりません。現在の進捗状況について伺います。
○井上道路課長 地籍調査の進捗状況についてですが、令和4年度末で上高田四丁目地区が完了し、区内の14町丁が完了いたします。実施面積は2.44平方キロメートルで、進捗率は15%でございます。
○吉田委員 現在の進め方ですと、70年とか、あるいは法改正でもっとかかるかもと、大変危惧されます。ぜひ区政全体の中で、この事業の重要性、この理解を深めていただき、国や都への要望もして進めていただきたいなと、これは要望いたします。
次に、下水道の管理について伺います。
本来、23区内の下水道は、東京都下水道局が管理するのが一般的ですが、私道の寄附や財務省からの譲与などによって区の管理となっている下水道施設が26路線あり、老朽化も進んでいると聞きます。このような下水道施設を東京都下水道局へ引き渡していくべきと考えますが、引き継ぐ方策についてどのように考えているのか、現在の進捗状況を伺います。
○井上道路課長 区管理下水道施設の引継ぎについてですが、公共下水施設として、下水道局の定める基準に適合しないと引継ぎができないと考えてございます。このため今年度は、東京都下水道局へ引継ぎの可否について、事前調整を進めているところでございます。
○吉田委員 これ、下水道局の定める基準に適合しないと、引継ぎができないということでよろしいですか。
○井上道路課長 委員おっしゃるとおりでございます。
○吉田委員 まずは、区が管理している下水道施設全体の状況を把握することが肝要だと思います。これについて、都への要望事項として挙げることはしないのか、あるいは今後どのように進めていくのか、伺います。
○井上道路課長 区管理下水道施設の調査と更新計画についてですが、来年度、区が管理している下水道施設の調査を行い、損傷度等を考慮し、更新計画を策定する予定でございます。令和6年度以降、更新計画に基づいた工事を行い、工事が終わり次第、順次、下水道局へ引き継いでいきたいと考えてございます。
○吉田委員 地味な作業ですけれども、大変重要な事業でもあります。ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
次に、太陽光発電システム補助について伺います。
これについては、過日、若林委員、そして本日は竹村委員からも重要な質疑がございました。そこで質疑されたことは若干割愛して質問をさせていただきます。
答弁にもありましたけれども、現在の太陽光パネルの生産における中国の比率は、答弁にもありましたが、8割以上、そして将来は95%までが中国製になるだろうと、こういう状況であります。こうした中で、まず一つのCO2の排出の問題もありますけれども、先に、人権問題について触れます。
国連人権理事会の小保方智也特別報告者、現代的形態の奴隷制担当は、昨年の夏、中国の新疆ウイグル自治区で、少数民族ウイグル人らに対して強制労働が課されていると、こういう結論付けた報告書を提出をいたしました。つまり、中国における太陽光パネルの発電システムの製造は、ウイグル人などの奴隷労働と、そして石炭火力発電によって、人権侵害と環境破壊によって進められているということが、これは客観的な事実として国際社会で認識されているわけです。
こうした中で、アメリカのブレイクスルー研究所の報告によりますと、日本よりも西岸海洋性気候で気候のいいはずのカリフォルニアで中国製パネルを使った太陽光ビジネスは、10年間使わないと、当初に中国で生産に当たって排出されたCO2を、これを削減することにならないんだと。10年間間違えずに使われたもので、初めてその後から削減になる。だから、9年9か月で壊れた、それを新しいものに買い換えたら、結局それによって、地球のCO2の排出は増えているんだと、こういうことを発表いたしました。
こういう人権とそれから気候変動対策、脱炭素、この両方ともの目的に照らして、中国製のパネルを使わなければいけないという状況で、この施策を進めることについては問題があると思いますが、この環境と人権、どちらかを優先すべきなのか、両方とも目的を達成すべきなのか、区の見解を伺います。
○永見環境課長 国は令和4年9月に、責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドラインを策定をいたしました。また、令和4年10月には、太陽光発電協会が太陽光発電産業の人権問題に関する取組宣言を公表し、引き続きサプライチェーンにおける人権問題の防止、軽減に最大限努めていくことを表明をいたしました。さらに東京都は、令和4年12月に太陽光発電の技術開発や人権尊重の取組をさらに促進するため、太陽光発電協会と連携協定を締結をいたしました。こうした国や都、業界団体が連携した取組によって、人権の尊重とともに、脱炭素の推進が図られていくものと考えておりまして、区としてもそうした動向を注視し、見極めていきたいと考えております。
○吉田委員 見極めるだけじゃなくて、ちゃんと両方とも優先して追求してください。
そして、太陽光システムについては、現在の生産方式では、若林委員も御指摘されましたが、カドミウム、セレン、鉛などの有害物質が含まれている。これについて、廃棄された後の廃棄処理について、区はどのように考えていますか。
○永見環境課長 太陽光発電システムによりましては、カドミウムなどの有害物質が使用されているということは認識をしております。廃棄に当たりましては、地下水汚染対策がされている管理型最終処分場に埋め立てるなど、専門事業者を通じた処理が行われているものと認識をしております。
また、東京都が住宅用の太陽光発電設備のリサイクルルートの確立に取り組んでいくということも聞いておりまして、そうした動向についても注視をしていきたいと考えております。
○吉田委員 管理型廃棄物処分場、これは数十年前からこういう方法が、廃掃法で決まっていますけれども、これ実は非常に問題がある最終処分の仕方だということはもう従来から指摘されているんですね。ですから、東京都が考えている、そのリサイクル、これが確立するまで、安易に、軽々にどんどん廃棄されるようなものを助成、推進してはいけないんではないかと、私はこういう問題意識を持っています。
そして次に、これも指摘がございました。太陽光パネルが、太陽光発電システムが設置されている建築物が火災や水害など災害に遭った場合、パネルが光に当たれば発電してしまうため、感電する事故も実際に起きており、その危険性について、消防庁、消費者庁、経済産業省、環境省はじめ、あるいは自治体でも啓発、注意喚起が行われ、ホームページに掲示する自治体もあります。中野区は現在そういうことやっていませんけれども、同様の広報、注意喚起、啓発をホームページも含めて行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
○永見環境課長 補助の実施に当たりまして、区として、太陽光発電システムの設置に起因する事故の発生状況等にも注視し、事故の防止に向けた情報提供等についても検討をしていきたいと考えております。
○吉田委員 幾つか、太陽光発電の推進について、懸念事項を申し上げてまいりました。これも指摘がありましたが、昨年12月、東京都議会で、自民党は、時期尚早である、もうちょっとよく考えてから、こういうことを進めるべきだと、このように条例に反対しました。私はこれは非常に見識があると思います。中野区においても、これも前の委員に指摘がありました。ペロブスカイト太陽発電など新技術の実用化、こういうものを待ってから、安心できるようになってから、安心して進めるべきだ、ちょっと今は一旦踏みとどまって考えるべきだと思いますが、見解を伺います。
○ひやま委員長 総括質疑の途中ですが、質疑時間が超過しておりますので、ここで吉田委員の質疑を終了します。(「ありがとうございました」と呼ぶ者あり)
以上で総括質疑を終了します。
2月24日(金曜日)からは、各分科会が開会されます。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等につきましては、机のものを含め、全てお持ち帰りいただきますようにお願いします。
次回の委員会は、3月1日(水曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後4時48分散会