1.令和5年(2023年)9月19日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき
3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二
5番 黒 沢 ゆ か 6番 大 沢 ひろゆき
7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太
9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし
13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎
15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎
17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な
19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り
21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご
23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 小宮山 たかし
27番 羽 鳥 だいすけ 28番 い さ 哲 郎
29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆
31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 平 山 英 明
35番 南 かつひこ 36番 久 保 り か
37番 石 坂 わたる 38番 むとう 有 子
39番 浦 野 さとみ 40番 中 村 延 子
41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求
防災危機管理担当部長 杉 本 兼太郎 DX推進室長 滝 瀬 裕 之
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 鳥 井 文 哉
保 健 所 長 佐 藤 壽志子 環 境 部 長 松 前 友香子
都市基盤部長 豊 川 士 朗 まちづくり推進部長 角 秀 行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森 克 久
総務部総務課長 浅 川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健
議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 髙 田 英 明
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 田 村 優
書 記 細 井 翔 太 書 記 早 尾 尚 也
書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太
書 記 髙 橋 万 里 書 記 川 辺 翔 斗
議事日程(令和5年(2023年)9月19日午後1時開議)
日程第1
第61号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算
第62号議案 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第85号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
日程第2
認定第1号 令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 令和4年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 令和4年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 令和4年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 令和4年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第3
中野区の財政の健全化判断比率について
午後1時00分開議
○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
9月15日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
最初に、杉山司議員。
中野区議会議員 杉 山 司
1 中野らしい産業活性化について
2 中野駅周辺エリアマネジメントについて
3 都市の可視化シミュレーター導入について
4 防災・減災・危機管理対策について
5 その他
○29番(杉山司) 令和5年第3回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。5のその他はございません。どうぞよろしくお願いします。
最初に、中野らしい産業活性化について伺います。
今年の第2回定例会中の区民委員会で、中野区産業振興方針(骨子)が示されました。人口は微増、事業者数は減少傾向です。全国的にだとは思いますが、中野区内企業も同じく、コロナ禍で落ち込んだ経済が真の復活を遂げるまでには至っていないのが現状です。既存の経営支援は引き続き手厚く行っていただくことを願うばかりです。
そして、タイトルにした中野らしい産業活性化とは何か。中野は「はじまりの街」と事あるごとに言い続けています。飲食店、お笑い芸人、役者、絵描き、ベンチャー企業など、中野であれば新しいことにチャレンジできる、思い切って始められる、そんなまちだからこそ、チャレンジャーを応援したいと思っています。中野区産業振興方針(骨子)には、もちろん創業やスタートアップ支援、融資のあっせんなども主な取組の一つとして記載されております。記載されている内容を振興していけばある程度の効果は出ると思ってはおりますけども、どこの自治体もこのあたりは手をつけていますよね。中野らしいとは限りません。
先日、中野区として鍋横の呉服屋さんの話を聞き、ビジネスクリエイターに相談を持ちかけ、男性向け着物一式セットをプロダクト化し、呉服屋さんの新たなサービスを生み出すお手伝いをしました。また、沼袋の精米店さんの無農薬のお米の話から、赤ちゃん専用米というプロダクトアウトを後押しもしました。これ、実は大変重要で、既存の事業者から新たなサービスや商品、ビジネスチャンスを生み出せること、そしてまた、創業はもちろん、事業の種を保有しているということに気づいてすらいない人や事象に対して、ビジネスを始めようとする気づきやきっかけを与えていくことが重要です。創業をしようと考えている人に対する経営相談や資金調達支援、販路拡大などはサービスメニューとして存在しますが、ビジネスの種は見え隠れするのに、それがビジネスにつながるかという可能性に気づかせてくれる、創業して経済を動かすことができることをアドバイスしてくれるビジネスクリエイターや事業化アドバイザーがいない。区内の情報をサーチしながらビジネスの種を見つけていくビジネスクリエイターを配し、「はじまりの街」中野のさらなる始まりをつくり上げていく事業化支援を推進してはいかがでしょうか、伺います。
次に、中野区内の産業について伺います。
中野区産業振興方針(骨子)に記載されている中野の産業ですけども、果たして漫画・アニメの企業が他の地域と比べて本当に多く集積しているのでしょうか。国内のアニメ制作会社約800社のうち約150社は杉並区に集積、サンライズなどの大手もいますし、「鬼滅の刃」などで有名となったユーフォーテーブルは本社を杉並区内に移転したばかりです。杉並は既に「アニメのまち杉並」を打ち出しています。豊島区も漫画・アニメの原点があったまちとして、トキワ荘を再現、地位を確立しつつありますし、また、池袋のBL向け店舗などが多数ある乙女ロードも人気です。もともと「ヲタクの聖地」と言われている秋葉原を筆頭に、都内にはサブカルの聖地が大きく3か所あり、先ほどの池袋は「オトメの聖地」、我がまち中野といえば、鉄道模型、フィギュア、古本、プラモデルなどのお店が軒を連ねる中野ブロードウェイがある関係で、「マニアの聖地」と言われています。ちなみに、この3エリアは、順番に、2次元のまち、2.5次元のまち、3次元のまちとも言われています。
中野には、確かに「ゴルゴ13」のさいとうプロや「タッチ」、「みゆき」のあだちプロ、そして、トムスやマッドハウスなどのアニメーション制作会社、そのほかブシロードなどもありますけども、この企業たちは大手ゆえ、我が道を進んでいます。確かに、漫画やアニメは中野区にとって大きな観光資源の一つではありますが、それはブロードウェイを中心としたサブカル文化とは似て非なりです。中野のまちづくりを考える上で参考とするのは、むしろ秋葉原、池袋ではないでしょうか。歩行者天国、コンベンションホールへの動線、イベントづくり、人気店の誘致、エリアマネジメントなどのまちづくりを二つのエリアから学びつつ、独自のマニアックシティ中野を軸ににぎわいをつくっていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。中野四季の森公園とサンプラザシティのホールの上にできる公園とが空間でつながるなど立体的なものとなることから、そこを歩行者天国的にうまく使えると面白いとも思います。目的地にたどり着くまでのわくわく感づくりの演出なども視野に入れ、まちづくりを検討いただきたいところです。
次に、区内商店街の活性化について伺います。
今までの商店街の活性化に関する支援方式は、キャッシュレスしたい人、イベント助成欲しい人と、お題を決めた手挙げ方式でした。しかしながら、本当に各商店街はそれぞれ今何が欲しいか、困っているかなどは、規模、地域性、根付いた歴史などで個々に違うと思います。商店街ごとに調査をし、対応を検討してみたらと思います。課題や問題点は商店街それぞれ。ど真ん中に有名カフェが欲しい、水はけのよい赤い道路にしてほしい、アーケードにしたい、メタバース上でまちを実現したいなど、各商店街の方向性を知り、それぞれに手を打つ手法です。かねてより提案しているお店と居住空間を分離して貸し出せるようにする空き店舗化支援策も含めて検討を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
そして、中野区独自のデジタル地域通貨の早期実現、前回の一般質問時、前向きに進めるとの答弁を頂いております。ボランティアポイントがデジタル地域通貨に換金できるなどの新しい機能についても実現すべきですが、現在の進捗状況はどのようになっておりますでしょうか、伺います。中野区独自のデジタル通貨の早期実現は、経済の活性化だけでなく、大切な税金を区民に限定した形で還元できる仕掛けづくりにも必要なインフラになると思いますので、早期実現に向けて注力いただきたく思います。
次に、シティプロモーションについて伺います。
先日、中野区観光協会が作成した「中野つけ麺MAP」が出来上がり、区役所や中野駅などで無料配布をしておりますが、大人気ですぐになくなってしまいます。中野区をつけ麺発祥の地として、まちおこし的な切り口で大手新聞社や民放テレビ局などがこぞって報道していました。つけ麺が生まれた大勝軒本店の坂口大将も、連日取材が入り話題となっています。中野つけ麺MAPのボランティア委員会から派生した日本つけ麺学会なる任意団体も生まれたこともメディアで報道されるほどです。過去に東京商工会議所中野支部主催の「つけ麺味めぐり」などもありましたけども、まちを挙げて行うことがメディアを動かすのだと肌で感じました。
中野区産業振興方針(骨子)にも、まだまだ掘り起こされていない資源があると記載されています。ピンポイントでカラオケマシン発祥の地、たき火の歌発祥の地ではなく、カラオケマシンが生まれ、北島三郎さん率いる北島音楽事務所が中野に誕生し、輪をかけて演歌ブームをつくり、自称演歌歌手の人たちがたくさんいるよとか、作詞した巽聖歌さんの住んでいたところやよく通った喫茶店、たたずんでいた大木などが広がっているよなどと、つけ麺マップのように、点ではなく面で捉えていくことによって大きなシティプロモーションになるのではないかと思います。面で捉えられる観光資源の早期洗い出しが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
ふるさと納税で流出してしまう約27億円の穴を埋める大きなアイデアが生まれるのではと思いつつ、次の質問に移ります。
中野駅周辺再開発、西武新宿線連続立体交差事業など、中野区全域が大きく変わっていきます。中野サンプラザが閉館し、これから中野区全体がどのような発展を遂げるのか、そして中野区全域にどんな歴史・文化・芸術発信拠点などがあるのか、中野区全域を面で捉え、過去の「TOマガジン」、「るるぶ中野」、「東京人中野特集」のような、中野区の新旧情報と未来が詰まった御当地本、しばらく出ておりませんが、出版社とコラボする、企画を持ち込むなどして、今こそ手がけるべきタイミングだと思うのですが、いかがでしょうか、伺います。
続きまして、中野大好きナカノさんについて伺います。
そろそろ声を出してみたらいかがでしょうか。ナカノさんのブイチューバー化です。今はAI音声で声が出せる時代。「ボーカロイド」しかり、「モヤモヤさまぁ~ず」の声しかりです。モヤさまの声は、中野セントラルパークにも入っているHOYAさんの音声合成ソフトを使っています。ナカノさんが声を出せるようになることにより、シティプロモーションの幅が大きく広がっていきます。ぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、新サンプラザのエリアマネジメント施設については、漫画・アニメなどの文化情報発信拠点をつくることには賛成ですが、それ以外にも、低階層の商業エリアには中野らしい部分を御検討いただきたいところです。新しい中野サンプラザの商業エリアには、幅広い客層を獲得するために、ハイエンドショップはもちろん必要ですが、そのほか、例えば地域の自慢の飲食店たちが運営する中野のフードコート、そして地場で取れた野菜のマルシェ、ラーメン博物館やカレーミュージアムのような全国からの人気店を集めた「(仮称)つけ麺スタジアム」のような、中野の特徴を具現化したエリアをつくることが、来街者にもっと中野区のことを知ってもらう、楽しんでもらう仕掛けとなりますが、本件施工予定者に検討を進めていただくのはいかがでしょうか、伺いまして、この項の質問を終わります。
次に、中野駅周辺エリアマネジメントについて伺います。
かねてより、エリアマネジメントに関しては令和4年9月の第3回定例会などでも伺っていますが、野村不動産を中心とした中野駅周辺デベロッパー、中野セントラルパークを持つ東京建物株式会社のほか、経済界の代表者らで、地域の空地がどのように活用できるのか、もともとある地元企業や商店街がどのように活性化していけるのかなどを協議会で考え、進めていく必要があると常々申しております。
区長答弁で、中野駅周辺エリアマネジメント協議会は、事業完了までの期間及び事業完了以降のまちの価値、魅力を持続的に維持・向上させるものとのことでした。現在のステータスは、前回の一般質問でもお話したとおり、新サンプラザができるまでの漸減する中野駅周辺の経済をどのように補完していくのか、補填していくのかを進めている時期です。中野サンプラザエリアマネジメント準備会というツイッターがあり、sunplaza_cityというアカウント名ですので施工予定者が運営しているかと思われますが、1,500程度のフォロワーで、しかも食べ物やイベント、キーマン情報を発信しているのが中心です。この活動以外、新サンプラザができるまでの漸減する中野経済の補完策、ほかに施工予定者が行っているものや活動はございますか、お教えいただきたいと思います。
また、中野駅新北口駅前エリア拠点の施設整備の民間事業者募集において、サンプラザ地区のエリアマネジメントについては、計画段階から整備後を見据えたプロモーション活動を含めた中野サンプラザのDNAを継承し、中野の新たなブランド形成にするエリアマネジメント活動内容と、地元組織等と連携したエリアマネジメント体制及び活動に必要な資金調達の方法を重点項目として提案を求めておりましたが、施工予定者からはどのような提案があったのか、伺います。資金調達の方法についても具体的に教えてください。
施工予定者の当初の提案内容が、昨今の物価高騰などを理由に次々とグレードダウンしているように感じております。中野サンプラザ地区のエリアマネジメントは、将来にわたっての提案となっているはずです。再開発事業の拠点施設が完成してから本格的なエリアマネジメントがスタートすると思いますが、完成後も当初提案どおり長期的に継続して進めていっていただかなければなりません。このことにつきましては協定や覚書なども交わすことも必要かと思われますが、施工予定者に対しては、区はエリアマネジメント活動をどのように担保いただくのか、お考えをお聞きして、この項の質問を終わります。
続きまして、都市の可視化シミュレーター導入について伺います。
中野駅周辺も西武新宿線沿線まちづくりも含め、現在、百年に一度のまちづくり真っただ中です。さらに100年後を見据えた区有施設整備計画も絶賛進んでいますが、検討を進めていくのは結構大変ですと聞いております。住所と土地のサイズ、平面図と築年数などのデータとにらめっこしていても、頭の中ではなかなかその時間軸のあるパズルは完成できません。
そんな中、国土交通省が秘密兵器的なプラットフォームづくりに取り組んでいます。PLATEAUです。PLATEAUは、国土交通省が主導する3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクトで、まちづくりのデジタル・トランスフォーメーションを推進する上で欠かせないプラットフォームとなると言われていますし、AIを活用した自動生成なども近い将来できるようになると聞いています。区有施設整備を検討する際など、中野区内の区有施設や区有地、国有地や都有地などがビジュアル的にプロットでき、時間軸スライダーでどの施設が更新時期を迎えるのか、どの土地が定期借地権が切れるかなどがビジュアル的に分かるはずです。東京都23区の3D都市モデルのオープンデータも公開され、既に横須賀市などで導入も始まっているなど、注目度は高いです。幅広く利活用できるPLATEAUを活用しながら中野区の未来のまちづくりを進めたらいかがでしょうか、伺います。
また、現実の未来とバーチャルの未来との可視化、いわゆるSociety5.0の実現を視野に入れつつ、これからも分かりやすいまちづくりを進めていただきたいと願って、この項の質問を終わります。
最後に、防災・減災・危機管理対策について伺います。
台風6号が沖縄に接近しようとしていた8月1日の正午過ぎ、中野区も局地的な激しい暴風雨に見舞われ、中野駅南口の中野二丁目土地開発区画整理事業の一環として行われていたビルの解体工事現場の足場が大きく崩れ落ちて、渋谷行きのバス乗り場周辺に落下するという事故が発生しました。私も崩落から約1時間後に地域の防災リーダーとして現地を見にいき、情報を収集し、自分のSNSなどでも拡散いたしました。まだ危険であること、一部エリアの封鎖、バスのダイヤの乱れ、バス停が使えず乗降場所が変わったことなどを利用者に知らせるためです。電話ボックスはぺしゃんこ、バス停の屋根も潰れるような大きな事故でしたが、不幸中の幸いで、人的な被害は奇跡的にありませんでした。事故が起こったときの天候は、うねるような風、横殴りの雨で、到底、傘を差して道路を歩けるような状況ではなかったことで、皆さん、駅の改札前の屋根付きの場所に待機をしておりました。この事故、横殴りの雨が降っていなかったら、あの渋64番の渋谷行きのバス停には多くの人が並んでいたにほかなりません。家路を急ぐ方も現場辺りを通っていたに違いありません。
中野駅周辺の一連の再開発事業について、何度も一般質問で、工事ヤードが断続的に続く中でも区民は毎日駅を利用するので安全で安心な歩行空間を担保していかなければならないと申してきたのに、このような事故が起きてしまったわけです。歩行者は、バスやタクシーの通行、後ろからの自転車だけでなく、上からの落下物に関しても恐怖感を植え付けられてしまいました。きっとこの恐怖感はしばらくは取れないと思います。
地震が起こった、洪水が発生したなどの有事の際には、事細かに危機管理マニュアルにも連絡体制や行動、対策委員会の設置のことなどがしっかりと記載されていますが、気象の急変時などについてはほとんど触れられておりません。取りあえず、この事故の原因の報告は突風のせいとありましたが、この事故の直前のような場合、台風6号情報や関東の暴風雨や落雷の可能性、雨雲の通り道情報など、様々なメディア、サイトで情報収集を集中的に行い、シミュレーションや対策などの事前検討を進め、防災の観点を取り入れるフェーズがあってもよいのではと思うのですが、いかがでしょうか、伺います。
事前準備という観点から、中野区が関与する工事現場の状況把握、特に地震、大雨、暴風雨などが起こったときの危険度などをランク付けし、対応策などを個々に想定しておくことが肝要かと思います。直接的に工事現場に対して区として指示を出すことは難しいですので、あらかじめ調査しておいた危険度の高いエリアの周りを通行止めにするなどして減災につなげていくなども視野に入れて検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
今や、AIが災害を予測する防災AIというカテゴリーでは、台風や地震、津波などを予測、ウェザーニュースは降水分布を可視化する防災AIプロジェクトが進められています。対策をより効果的に行うために、より精度の高い予測が必要不可欠と考えます。この分野に関しましてもAI導入の検討を進めてみてはいかがでしょうか、伺います。
次に、防災リーダーについて伺います。
平成28年度から113防災会で合計228人もの防災リーダーを輩出しております。人命救助、放水や消火器噴霧、担架やAED使用方法を学んだりし、自助、互助、共助、公助の精神で地域の防災に奔走していることでしょう。私も、この機会に防災リーダーになり、防災士の資格も取得しました。しかしながら、先ほどの8月1日の足場の崩落事故発生時には防災リーダーらしき人は現場にはいませんでした。今回のように昼間に事故などが起きた場合、地域で動ける防災リーダーが少ないのではと考えます。いざというときに昼間に地域で動ける防災リーダーが重要です。
そこで、伺います。商店街をターゲットに防災会設置を推進し、商店街の防災リーダーを育成することを新たに進められてみてはいかがでしょうか、伺います。
次に、現在の防災リーダーの地域格差について伺います。
東部地域は14の防災会があって防災リーダーは35人などと多いところもあれば、上高田地域は8の防災会があって防災リーダー7人など、少ないところも存在します。地域の防災リーダーの平準化を図るため、また、アクティブな防災リーダーが誰で、地域で何人いるのかなどを把握し、その凸凹を埋めるという観点からの再度、防災リーダー育成事業を行ってみてはいかがでしょうか。区民の安全で安心な生活空間を少しでも守っていけるよう、私も防災士として、防災リーダーとして高い意識を持ち続けていきたいと付け加え、全ての一般質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。
中野らしい産業活性化について、初めに創業事業化支援についてです。創業期と創業後の事業、販路拡大期の困難さは区としても認識しているところであります。ビジネスクリエイターによる支援については、昨年度から中野区商店街連合会の事業として、売上げ向上、販路拡大につながるアドバイスを得ているところであります。創業支援の充実に向けて、各種経済団体との連携力を高めるとともに、ビジネスクリエイターによる支援についても検討してまいります。
次に、マニアック性を軸にしたにぎわい創出です。中野ブロードウェイが象徴的な中野のマニアック性は、訴求性があり、魅力の一つであると考えております。他方、中野には様々な人や資源、文化があり、それらが共存しているところも中野の魅力だと捉えております。秋葉原や池袋とは異なり、様々なものが並立している魅力の大きな一つとしてのマニアック性を様々な主体や手段により発信していくことで、にぎわい創出につなげていきたいと考えております。
次に、空き店舗支援を含めた各商店街の課題解決についてです。区内には現在64の商店街があり、その歴史や成り立ち、立地条件などによってそれぞれが様々な課題を有しており、一律の対応では解決できないことは認識しております。また、空き店舗の活用については、現在閉鎖している店舗と居住空間を分ける支援だけでは解決できない複合的な要因があると捉えております。毎年度実施している商店街チャレンジ戦略支援事業で各商店街の意向を伺いながら、例えば区内でモデル商店街を設定して当該商店街の店舗等のリノベーションを実施することなどを、新たな産業振興方針の検討を深める中で考えてまいります。
次に、デジタル地域通貨の検討状況とボランティアポイントとの連動についてです。令和6年度中のデジタル地域通貨事業開始に向けて、現在、先進自治体へのヒアリングやデジタル地域通貨のプラットフォーム運営事業者の調査や関係団体との協議を進めているところであります。デジタル地域通貨を普及発展させるためには、利用可能店舗を増やすことのほか、利用者への動機付けが不可欠でありまして、この点で区の事業やボランティア活動と連動したコミュニティ通貨として運用していくことが有効かつ必要だと考えております。
次に、面で捉える観光資源の洗い出しです。中野にある資源やテーマとそれらの点在、あるいは集積を面で捉え内外に発信することは、都市観光を促進していく中で有効であると考えておりまして、区内事業者と区の協働の取組であるナカノミライプロジェクトにおいても、そういった視点を踏まえた企画と情報発信に努めているところであります。今後は、ナカノミライプロジェクトのワークショップに加え、中野区観光協会と連携しながら中野区認定観光資源を見直す中で、面で捉えることが有効な資源を探ってまいります。
次に、御当地本の発行です。中野駅周辺の再整備が進み、中野が大きく変わっていく中で、区民の方から近い将来のまちがどうなっていくのか分からないといった声が少なくないです。一方、インバウンドを含め中野への来街者が増えてきている中で、中野駅や東中野駅周辺以外の情報発信が少ないという御意見も頂いております。中野サンプラザが閉館となったこのタイミングで、中野の歴史に触れ、また、中野駅周辺や西武新宿線沿線がどう変わっていくのか、さらに中野区の全域をカバーした情報を発信していくことは、都市観光としてもシビックプライドを醸成する上でも有効であると考えます。区民、来街者双方に喜ばれる御当地本の発行に向けて検討してまいります。
次に、中野大好きナカノさんへの音声付与についてでございます。シティプロモーションキャラクターである中野大好きナカノさんが、商品化などイメージ利用が増え続けておりまして、認知度が高まりつつあることは実感しております。使用ガイドラインに沿った中でさらにイメージ使用や声や動きをつけるなどの2次創作が行われ、中野の魅力を様々な形で発信していくことが望ましいと考えております。実際に声や動きをつけて利用したいとの相談も受けておりまして、また、区としても区内のアニメコンテンツ事業者と協力しながら声をつける検討を進めているところであります。
最後に、新北口拠点施設における中野区を周知する仕掛けについてでございます。中野駅新北口に整備される拠点施設については、区として求める都市機能を勘案しながら民間活力を生かした整備を誘導するものであります。現在検討中の新たな中野区産業振興方針において個店支援の在り方について検討しているところでありますが、当拠点施設内の具体の店舗内容や運営方法については拠点施設整備を担う民間事業者が決定していくことになるため、御要望の趣旨を踏まえ、中野の個性が生かされた施設計画となるように施工予定者に対し必要な要望や調整を行っていく考えでございます。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、中野駅周辺エリアマネジメントについてに関する御質問についてお答えさせていただきます。
まず、施工予定者による経済補完策の活動についてですが、施工予定者によるサンプラザ地区のエリアマネジメント活動は、さよならサンプラザ音楽祭の実施以降も、工事期間中など、様々な仕掛けによってイメージアップ等を図るものと聞いております。中野サンプラザのDNAを継承すべく、内観・外観の記録写真や過去の思い出写真を集めたフォトアーカイブの制作、ウェブやSNSを活用した情報発信、区の事業への参画など、様々な取組について検討しているとのことです。
次に、施工予定者によるエリアマネジメント活動の提案内容についてですが、提案の内容は、サンプラザ解体までの間、工事期間中、施工後といった事業の進捗段階に応じたものとなっております。さよなら中野サンプラザのイベント実施に合わせたプロモーションや工事期間中のにぎわいを創出する仮囲い等を利用した現地周辺のにぎわいづくりの活動のため、施工予定者による拠出として再開発事業費から年間2,000万円程度、竣工後は拠点施設に整備されるエリアマネジメント施設を拠点として、周辺の開発における活動との連携を含め、事業性に応じて年間6,000万円程度の資金拠出を行う提案がありました。
最後に、施工予定者によるエリアマネジメント活動の提案内容の担保についてですが、区は施工予定者と事業推進に関する協定を締結しており、この基本協定には提案内容の継承に言及する項目があり、エリアマネジメントの推進についても当該項目に包含されるものと考えております。今後は、中野駅周辺エリアマネジメント協議会にて検討を行っている中野駅周辺全体のエリアマネジメントに対して波及効果が生じるような活動を要請していきたいと考えております。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、都市の可視化シミュレーター導入についてお答えをいたします。
3D都市モデルPLATEAUの活用についてでございますが、PLATEAUは、都市計画やまちづくり等の検討において活用できる可能性があることは認識をしてございます。今後、区として政策立案や区民の説明等への活用方策について検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、防災・減災危機管理対策についてお答えいたします。
まず、気象状況などの情報収集体制についてでございます。気象状況につきましては、気象庁とのホットラインや民間の気象情報会社からの情報、大学が開発した洪水予測システムなど、夜間、休日を問わず、積極的な情報収集に努めているところでございます。今後も最新の技術を取り入れた気象情報の収集や分析を行いまして、区の災害体制における情報共有や速やかな災害対応に生かしてまいりたいと考えてございます。
次に、危険度が高いエリアの通行止めについてでございます。災害により危険な状況が認められる場合や区民からの情報を得た場合には、速やかに警察署及び消防署等へ情報提供することや区職員を派遣するなどの対応を図ってございます。今後もさらなる連携強化に努めてまいります。
次に、災害予測におけるAIの導入についてでございます。災害予測におけるAIの導入につきましては、先進事例を収集し、研究してまいりたいと考えてございます。
次に、商店街の防災リーダーの育成についてでございます。昼間就業者等が昼間の災害発生時に地域で活動していただくことは重要であると認識してございます。商店街を対象とした防災会の設置は考えてございませんが、今後、防災リーダーの不足している地域や活動実績などを踏まえて、新たな育成について検討してまいります。
最後に、防災リーダーの地域平準化についてでございます。防災リーダーは、現在、区民活動センターを基盤とする15地域に満遍なく在籍してございますが、防災会単位では偏りもございます。また、養成した防災リーダーも転居や高齢を理由に辞退者も出てきていることから、今後、活動実績等を踏まえた追加育成についても検討してまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で杉山司議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊 藤 正 信
1 区が締結している協定について
2 鍋横区民活動センター等整備について
3 町会・自治会の地域自治活動について
4 交通安全対策について
5 その他
○議長(酒井たくや) 次に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○32番(伊藤正信) 令和5年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問をいたします。
まず初めに、区が締結している協定書について伺います。
区政を取り巻く多くの行政課題に対応するためには、行政の力だけで全てを賄うことは難しく、区を取り巻く様々な団体等との協働が欠かせないものとなっています。この協働に当たり、区が各団体等と協定を締結し、施策を展開しております。皆さん御承知のとおり、今年は関東大震災から100年の節目の年であり、阪神・淡路大震災から28年、東日本大震災から12年、熊本地震から6年がたっております。首都直下地震が今後30年以内に70%の確率で発生すると言われております。いつ起きるか分からない震災に対して、備えをしなければなりません。
そこで、区が締結している災害対策に係る協定においては、98%が実質的に無期限になっております。災害対策に関する協定は災害時になって初めて機能するものも多く、常に動ける状態を保ち続けるため適宜協定内容の見直しを行い、実態に合わないものは改定や解除を行うなど、その実効性を確保する取組が重要であると考えております。区は、監査結果を踏まえてどのように協定内容の確認、見直しに取り組んできたのか、伺います。
協定の締結期間は長期間にわたることが多く、目的や期待する効果を協定の中で明確にし、協定締結期間が長期化してもその目的や効果が認識できるようにすべきと考えますが、伺います。
区が締結している777件もの協定は、区の財産にほかならないと考えます。しかし、協定は事業を所管する各担当において個別に締結・管理されていることから、その活用は担当内にとどまっております。区全体としてこの財産を有効に活用できるような取組が求められておりますが、どのような検討状況なのか、伺います。
そして、この項の最後に総合評価方式一般競争入札による事業者選定においても、災害協定の締結の有無を評価項目として設定をしておりますが、災害協定の重要性を鑑みて評価点を引き上げるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺いまして、この項の質問を終わります。
次に、鍋横区民活動センター等整備について伺います。
この鍋横区民活動センターは、令和2年3月に基本計画策定、令和2年度から令和3年度で基本設計、実施設計策定、令和5年度開設予定でしたが、地域の建設検討委員会の要望には、鍋横らしさを一番の理念として挙げ、鍋横のど真ん中の立地条件や商店街の買物帰りのお客さんも気軽に立ち寄れる多世代が集うセンターにしてほしいとされておりました。基本計画案では、1階から3番が区民活動センター、4階が看護小規模多機能型居宅介護施設、5階から7階が都市型軽費老人ホームが整備され、地下1階には収容台数250台での運用が可能になる自転車駐車場を整備する、また、地下1階、地上7階、延べ床面積は3,072平方メートル、そのうちの1,408平方メートルが区民活動センターと地域包括支援センターと、また障害者相談支援事業者になっておりました。
しかしながら、区民活動センターの合築については地域から様々な要望があり、要望の中には、鍋横商店街の中央に位置するにぎわいのある予定地にこうした高齢者施設の整備がふさわしいのかどうかといった点や、高齢者施設の住居者と区民活動センターの利用者などとの地域での交流を進めていくことができるのか、区民活動センターの規模や施設の配置など様々な意見があり地域の合意が得られなかったことや、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今後の予算執行においては歳出抑制に向けた取組が必要となり、令和2年度以降に実施を予定していた整備における基本計画の策定を当面見合わせ、また、その後に予定していた基本計画及び実施計画を行う時期については見直しをされました。
この件については、何度か質問させていただいております。高齢者会館機能を備えた区民活動センターと地域包括支援センター及び自転車駐車場を整備していく方針を示してきていると理解はしております。令和5年3月に整備基本方針を作成したところでありますが、今年度に入り、警視庁から青梅街道に面している鍋屋横丁交番の建て替え・移転を検討している旨の相談があり、地域で中心となり検討している建設検討委員会との意見交換を行い、方向性についておおむねの合意も得られたとされておりますが、交番が併設されることによって地域の治安の安全は確保されると思いますが、区民活動センター等の整備面積や機能の確保に影響があるのではないかと懸念されているところも確かです。これまでの経緯について伺います。
警視庁管内には800の地域交番があり、ほとんど単体の施設で、公共施設との併設の交番は今までないとのことです。交番が併設されても、区民活動センターの施設面積や機能はしっかりと確保しなければなりません。限られた面積の中で、交番は整備基本計画においてどのように配置されていくのでしょうか。所有形態(賃貸借または譲渡・区分所有)などについても、また建設費用の分担などはどのようにして協議を進めていくのか、伺います。これから地域説明会などを予定されていくと思いますが、今後、鍋横区民活動センター等整備を進めていくのか、伺います。
地域や建設検討委員会の意見などをしっかりと酌み取って整備基本計画に反映していただくことを強く望みます。鍋横地域では、現在でも鍋横区民活動センター運営委員会や地元商店街などが中心となって、見守り支え合い活動や地域の活性化に寄与するイベント等の取組が行われております。新たな施設整備によりこれらの活動がさらに活発になり、地域活動、自治活動に参加する方が増えていくことも期待されております。中野区の南の一大拠点となるように、災害への備えや環境へ配慮し、センターの機能を充実させ、50年先を見据えた地域の誇りとなるような施設を整備していただきたいと考えております。
この項の最後に、中野区区有施設整備計画では、現在の鍋横区民活動センターの跡地について、福祉施設等の民間施設誘致を検討すると示していますが、どのように検討していくのか、伺います。
次に、町会・自治会活動について伺います。
新型コロナウイルス感染症が5類になり、4年ぶりに各町会の祭礼や地域の行事が再開され、まちのにぎわいが戻ってきました。現在の町会に対する助成金の計算方法は、申請しようとする日の属する年度の4月1日現在の世帯数に180円を乗じた額を限度としています。昨今の公共料金をはじめとする物価の上昇により、この限度額の範囲内で活動することは厳しくなっているのが実情であります。
昨年度限りにて、町会・自治会の公益活動の再開・活性化に関する事業に対して助成金が交付されました。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、感染予防対策を徹底しながら地縁団体としての特性を踏まえた公益的な活動に対して、1申請当たり20万円を上限としています。子ども団体との協働事業、高齢者団体との協働事業、防災・防犯事業、見守り支え合い事業など、地域のお祭り、各種行事に使用する物品、機材の購入費などが対象となり、様々な事業にわたり適用でき、好評でありました。
しかし、この制度を活用して助成金交付を受けた町会は7割弱にとどまっております。このような助成金交付制度は、単年度だけであっても効果的だったのか疑問であります。その分を通年の公益活動助成単価を引き上げることがよいのではないかと考えておりますが、その点を伺います。
町会・自治会が掲示板を新設、建て替え、移設、撤去または修繕に要する経費への助成金制度について伺います。
今年度も、中野区町会連合会主催の中野Loversウォーク2023が開催されます。このLoversウォークの開催は、10月1日から10月31日まで開催しますが、各区民活動センターなどに配布されている応募用紙があり、そのはがきに応募キーワードを5文字、単一町会・自治会の掲示板に1文字ずつ貼られ、その掲示板を回って5文字を探し出し、応募した正解者の中から抽選で賞品がプレゼントされます。年々応募数も増えてきて、この企画イベントでの町会・自治会の掲示板がとても有効に活用されています。この制度ができて5年目になり、1申請当たりの上限が20万円では低過ぎ、申請回数が3回となったものの、掲示板の維持管理には経費がかかるため、制度の改善を要望する町会が多数あるようです。
行政あるいは町会・自治会内の情報を会員へ周知する際に、新型コロナウイルス感染防止対策として、情報チラシなどを回覧するより掲示板での広報が効果があり有効で、これからも需要が増えていくのではないかと考えます。現状の5年間という期間限定を廃止し、来年度以降も継続することと、1申請当たりの上限を50万円として予算の範囲内でという条件付きで申請回数の制限をなくし、使い勝手のよい制度に改善してはいかがと考えますが、区の見解を伺います。現在、各町会が運用している掲示板は区内に1,700基あると伺っております。掲示板に貼ってある情報は、住民への周知として区民活動やコミュニケーションの向上につながると考えております。
最後に、交通安全対策について伺います。
中野区では、新型コロナウイルス感染症により公共交通機関の密を避けるため自転車利用の機会が増えており、多様化する自転車利用目的への対応が求められております。また、昨年の中野区内の交通事故592件のうち自転車の関与した事故は382件で、前年より40件増えており、その割合は64.5%にも及び、都内発生の自転車関与率は46%でワースト2位です。令和3年度はワースト4位でした。今年度4月から全ての自転車利用に対し乗車用ヘルメットの着用が努力義務になり、4月には最近町なかでも多く見かける電動キックボードなどの交通ルールが変わり、利用者の交通事故に対する意識や地域と企業、官民が一体となり、交通事故防止に取り組んでいかなければなりません。
あさってから、21日から30日までの10日間、秋の交通安全運動が実施されます。子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保、夕暮れ時の夜間の交通事故防止及び飲酒運転根絶、自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守を徹底することをキャッチフレーズとして、区内においても、中野・野方両警察署管内の各町会が街頭にテントを設置して、交通安全ルール・マナー普及、啓発活動をいたします。
また、戦後の復興と高度成長期の長い歴史の中で、中野・野方両交通安全協会は会員の方々の浄財で中野区の交通安全の一部を担っておりますが、近年の社会構造の変化や世代交代により会員の減少で、このままでは活動に制約を来すことも必至な状況であると聞いております。地域の交通安全、ボランティア団体として今後も活動を継続していくためには、交通安全対策事業及び啓発物品購入補助金についても考えていくべきと思いますが、区の考えを伺います。
自転車の事故防止対策については、公立小学校ではカリキュラムとして授業に組み込んで、年に1回、3年生あるいは4年生対象で自転車の交通安全実技教室を各警察署で実施しており、中学・高校生の自転車事故防止対策は、警視庁交通部が推奨するスケアード・ストレート方式での自転車教室を実施しています。スタントマンによるスケアード・ストレート方式などは、私の地元の鍋横地区町会連合会でも第二中学校の校庭を利用して実施しております。大変にこの効果はあると考えております。そのほか、自転車事故防止対策としては、企業を対象にして警察が行う講習会で活用できるDVDの備品を購入して、自転車安全利用五則記載のポスターや啓発物品を作成した広報活動も行っているようであります。
しかし、先ほど申し上げたように、道路交通法一部改正により道路での流れや環境が既に変わってきており、最近では、都内の道路に自転車専用帯が多く設けられて、区内もかなり増えてきました。全ての人が運転技術や知識向上を図れるような講習会の開催や教材の購入、自転車利用者のヘルメット着用の促進、ルールブックの配布など、交通法規や交通事故防止を学べる場などがますます必要となってきております。また、電動キックボードなどが16歳以上であれば運転免許証がなくても利用でき、利用の有無に関係なく同じ道路を通行する者として法規等の知識を知ることも交通事故防止に必要不可欠であるために、安全教育の機会を増やすべきと考えますが、区の考えを伺います。
次に、自転車駐車場の整備と運営について伺います。
現在、区内13駅周辺に27か所、1万2,000台弱の自転車駐車場を設置しておりますが、地域によっては利用率が低いところもあります。利用率についてどのように分析されているのか、伺います。
特に、新中野駅周辺の杉山公園自転車駐車場は利用率が低い状況が続いています。青梅街道の歩道上に利用者が使いやすい駐車場を整備するなどの何かしらの対策を講じる必要があると考えます。新宿の大ガードを越えた靖国通り沿いに路上駐車場がたくさんあります。新宿のような路上を利用した駐車場を設けてはいかがと思いますが、区の見解を伺います。
この項の最後に、自転車条例の制定について伺います。
自転車の悪質な交通違反について、警視庁では、昨年10月末に取締りのさらなる強化を図り、信号無視、一時不停止、右側通行、徐行せずに歩道を通行の4項目で刑事罰の対象となる交通違反切符、いわゆる赤切符を積極的に交付する方針を示し、実際に取締り件数も増加しているようです。また、報道によると、警視庁は自転車の交通違反に対しても自動車やオートバイと同じように青切符による取締りを行う交通反則通告制度の導入について検討を始め、来年の通常国会での法改正を視野に検討を進めていくとのことです。このように、国の動向や平成25年7月に東京都自転車の安全で適切な利用の促進に関する条例が公布されましたが、中野区においても、自転車利用者に対して交通事故防止の義務、努力義務を定める条例を制定し、区民の意識改革を図ることが必要ではないかと考えますが、区の見解をお聞きいたしまして、私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えします。区が締結している協定について、協定内容の確認や見直しについてでございます。災害対策に関する協定につきましては、毎年年度末に各種協定団体に対して現況調査を実施し、協定内容に変更の申出があった場合に適宜見直しを行ってきたところであります。今年度は、監査結果を踏まえて未回答となっていた団体についても確認を行っているところでありまして、協定の効果が確実に発揮できるように、協定の相手方との連携を深めてまいります。
次に、協定内容の目的や効果の認識についてです。協定は長期にわたって目的や効果を期待するものが多いため、将来を見据えた適正な内容の協定を締結できるよう取り組んでまいります。また、現在締結されている協定についても改めて内容を確認し、適宜見直しを進めます。
次に、協定の効果的活用についてです。区が締結している協定を区全体で効果的に活用するための方策については、現在、内部統制推進会議において検討しているところであります。
災害協定締結の有無による評価点設定です。総合評価方式一般競争入札において企業の信頼性、社会性を評価する上で、災害協定の締結の有無を評価点の一つとして設定しているところであります。事業者の選定に当たっては、企業の技術力、価格点等も含め総合的に判断していく必要がありまして、評価点の配当は適切に設定できているものと考えております。
〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕
○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、鍋横区民活動センター等整備についての御質問にお答えいたします。
まず、交番併設の経緯でございます。鍋横区民活動センター等整備につきましては、今年3月に整備基本方針を策定いたしましたが、今年度に入り警視庁から、老朽化し手狭となった鍋屋横丁交番の移転先として同用地の活用の可否について相談がございました。警視庁と交番設置の可能性について協議をし、区として整理したところ、センター等の整備面積や機能の確保には影響がないと見込まれる結果となりました。このため、地域の建設検討委員会と意見交換を行い、おおむね合意が得られたことから、鍋屋横丁交番を併せて整備することとなったものでございます。
次に、基本計画における交番の配置についてでございます。交番は表通り側に配置する必要があり、日影規制等を考慮の上、上部空間を活用できるよう建物内に併設することを考えております。交番に必要な面積は70から100平方メートル程度でございまして、設置した場合も予定している区民活動センター床面積には影響がなく、必要な機能は確保してまいります。
次に、交番の建設費負担や所有形態についてでございます。建物の一部に併設する形になるため、区と警視庁双方における公有財産の所有や建設の考え方を照らし合わせ、他の事例も参考にしながら基本計画策定に向け合意できるよう協議してまいります。
地域への説明など、今後の進め方についてでございます。今月22日に、交番を設置することにつきまして、警視庁関係者と共に地域説明会を開催する予定でございます。今後は、建設検討委員会における協議や地域説明会等を通じ、地域の皆さんと十分な意見交換を行いながら、年度末を目途に基本計画を策定してまいります。
次に、町会・自治会の地域自治活動についての御質問です。
まず、町会・自治会の助成金の見直しについてでございます。町会・自治会活動は、見守り支え合いの基盤であり、高齢化が進む中、さらなる活性化が必要であると考えております。町会・自治会の行う公益活動に対する助成金につきましては、活性化に加え、物価上昇を踏まえ、一定の見直しを図ることを考えております。
次に、町会掲示板設置助成についてでございます。町会掲示板は、地域における広報の重要な手段であるとともに、経年劣化に伴う更新が必要であることから継続的な事業とし、条件についても改善を図る方向で検討してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 鍋横区民活動センター等整備についての御質問のうち、鍋横区民活動センター跡地の活用についてお答えをいたします。現在の鍋横区民活動センターに併設しております鍋横保育園や施設の老朽化の状況を見定めつつ、一体の跡地として民間施設等を誘致することを考えているところでございます。具体的な検討に当たりましては、地域の御意見も伺いながら進めてまいりたいと考えております。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、交通安全対策のうち、まず交通安全協会の補助金についてお答えいたします。令和4年度の中野・野方両交通安全協会への補助金額は各171万5,000円、合計343万円で、交通安全対策事業、啓発物品の購入などに活用していただいているところでございます。補助金額につきましては段階的に見直してきてございまして、今後の増額につきましては他区の状況も見ながら検討してまいります。
次に、自転車等安全教育の充実についてでございます。区では、中野・野方両警察署と連携しまして自転車安全利用講習会等を開催してございます。今年度は、高齢者に次いで自転車事故の多い30代から50代までの保護者世代に向けて、親子自転車教室や児童館等へ出張形式の講習会を開催いたしました。今後も、交通安全に関する法改正や新たな制度の導入など、社会の動向を注視しながら安全教育の充実に努めてまいります。
最後に、自転車安全利用条例の制定についてでございます。区といたしましても自転車や電動キックボード等の事故防止は喫緊の課題として認識してございまして、交通ルールの遵守とマナー向上を求めてございます。自転車の安全利用に関する条例の制定につきましては、他区の制定状況とその効果について調査研究していくとともに、引き続き交通安全啓発の充実に努めてまいります。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、交通安全対策についての御質問のうち新中野駅周辺の放置自転車対策についてお答えをいたします。
有料制自転車駐車場の区全体の過去5年間の利用率は60%台から70%台で推移をしておりますが、杉山公園地下自転車駐車場の利用率は20%未満で推移をしておりまして、年々低下傾向でございます。このため、杉山公園地下自転車駐車場につきましては利用率の向上を目的に料金改定の検討を進めておりまして、令和5年度中に実施をしたいと考えてございます。また、そういった取組の効果を検証した上で、新中野駅周辺の放置自転車を減少させつつ、自転車利用者が利用しやすい効果的な自転車駐車施設についても検討してまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 斉 藤 ゆ り
1 公教育について
(1)学校教育における新型コロナウイルス感染症に係る取り組みの検証について
(2)保幼小中連携について
(3)包括的性教育について
(4)教育環境整備について
(5)その他
2 地域活動活性化について
3 鷺宮地区のまちづくりについて
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、斉藤ゆり議員。
〔斉藤ゆり議員登壇〕
○20番(斉藤ゆり) 令和5年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場で一般質問いたします。質問は通告のとおりで、その他はありません。
1、公教育について。最初に、学校教育における新型コロナウイルス感染症に係る取組の検証について伺います。
新型コロナ感染拡大から3年がたちました。この間、一番の影響を受けたのは成長過程にある子どもたちであると言えます。新型コロナ拡大防止対策として、教育現場では、令和2年3月からの突然の臨時休業に始まり、その後、マスク着用、黙食、行事や体験的な活動の制限、オンライン活用といった取組が取られてきました。学校だけではなく、ふだんの暮らしの中でも子どもたちは多くの制限の中、過ごしてきました。今年地域で実施された地区懇談会では、子どもたちのコミュニケーション力の弱さ、決まりを守れないなど社会規範の欠如などが話題になることが多くあったと聞いています。
現在、大変な勢いで不登校児童・生徒が増え、その他、鬱やストレス、マスク下での口腔機能発達不全など、事例が挙げられています。こうした事例が新型コロナ対応とどう関連しているのか。東日本大震災後に子どもが受けた影響についての宮城学院女子大学の足立智昭先生の研究によると、子どもたちの行動の課題が多く顕在化したのは発災後3年後だったとの報告があります。今こそ、この3年間に実施されてきた感染拡大防止の取組が子どもたちにどのような影響を及ぼしたのかについて検証し、今後の対応を体系的に考えていく必要があると考えますが、いかがでしょう。見解を求めます。
体験的な活動ができなかった3年を取り戻すことが必要です。区議会では毎年夏の時期に区内団体との懇談の機会がありますが、多くの団体から学校等での体験活動協力のお申出がありました。現在、学校ではたくさんの外部の方からの授業が実施されています。例を挙げると、働くことについて、租税教室、命の授業、薬物乱用防止教室などがありますが、昨今、学校の取り組むべき活動はとても多い現状もあります。各校での取組をリスト化して共有するなど、体験的活動を効率的、効果的に取り入れられるような工夫を提案いたしますが、いかがでしょう。また、今後も引き続き子どもたちへの魅力ある体験的な活動があるとよいと考えますが、いかがでしょうか。
保幼小中連携教育は、中野の特徴でもあります。その強みを生かして、新型コロナ期間の、例えば令和2年から令和4年に保育園や幼稚園に在園していた子どもたちにはこんな体験が少なかったから、小学校低学年ではそれを補うこうした活動を強化していくといった取組が必要なのではないでしょうか。現在、保幼小の連絡協議会が年2回開催されていますが、より頻回に交流ができる体制が日常的にあるとよいと考えます。中学校の先生が小学校を、小学校の先生が保育園、幼稚園での実際の活動を見にいくといったことが行われているでしょうか。保幼小中の一層の連携が望まれますが、いかがでしょう。
中野区では、就学前教育を私立幼稚園が担ってきた歴史があります。令和4年4月現在のデータによると、区内在住の3歳児の34%が公立・私立含めた幼稚園に通っており、子どもを幼稚園に通わせたいという家庭が一定数あることが分かります。どの幼児施設に通っていても補助は等しく受けられるべきです。中野区の私立幼稚園の入園料の平均は9万8,000円と言われているところ、区の入園料補助金は4万5,000円です。4万5,000円を超えた部分も、区の施設等利用費及び保護者補助金で補助される仕組みもありますが、入園料として取り出すと、近隣区と比較してこの金額は低い状態が続いています。入園料補助額を増額し、補助金制度を分かりやすくしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
次に、包括的性教育についてお伺いするに当たり、3月に英国公共放送BBSによる報道がきっかけとなり、故ジャニー喜多川氏による性加害事案が明らかになったことについて触れざるを得ないと考えます。この事件は芸能界という言わば特殊な場で起きたことではありましたが、マスコミの動きが鈍かったこともあり表沙汰になるまで長い時間がかかったことについては、社会全体でしっかりと検証されなければなりません。また、被害を受けたのが男子であったということは、これまで女子を中心に対応してきた取組を考え直さなければならないことでもありました。
今、中野区で考えなければならない3点について伺います。
1点目は、性被害の疑いがあったとき、周りの大人たちがすぐに対応できる体制をつくらなければならないという点です。性暴力は心の殺人とも言われ、時間がしばらく経過してから被害の影響が出る場合もあります。男子も被害の対象になるということを理解し、2次被害が起きないように適切な対応を取ることが必要です。練馬区では、先日、現職の区立中学校校長が児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されるという信じ難い事件が起きました。現在の中野区での取組を伺います。
2点目は、性加害は繰り返されることの多い犯罪だということです。今年度新たに設置されたこども家庭庁においても、子どもに関わる職業に就こうとする人に対し性犯罪歴がないことを証明する手続を求める「日本型DBS」の創設について検討されているとのことです。対応が望まれますが、現在の区の取組を伺います。
最後に強く申し述べておきたいのは、全ての子どもたちが自分を大事にすることを学び、事件・事故に巻き込まれない術を身に付けてほしいということです。改定された教育ビジョン(第4次)において犯罪や事故に巻き込まれないための安全対策の推進が記載されていますが、子どもたちが自らの身を守ることについての学びの視点が不十分なように感じます。見解を求めます。
例えば、性被害においては、プライベートゾーンを大事に考え、そこは他人には触れさせてはいけないということを学ぶことで性被害に遭うことを防いだり、たとえ性被害に遭ってしまっても助けを求めることにつながるのではないでしょうか。このように自分を大事にすることを学ぶことは、命を愛おししく思うことに通じます。子どもたちの人権を基本に、年齢に応じて科学的に体や生殖について学び、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等、幸福など、幅広いテーマを含む教育は、包括的性教育と定義されています。適切な性教育は、望まない妊娠を防ぐことにもつながります。子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中、こうした包括的な性教育が必要です。現在の取組を伺います。
教育環境整備のうち、学校施設整備について伺います。
令和3年に中野区立小中学校施設整備計画が改定されましたが、既に現時点でその計画は綻びが生じています。旧中野中学校を建て替え代替校舎として使用するための改築費用の試算では、大変な差額が出ました。計画の基となる正確な調査は大前提で、今後はこのようなことがないようにしていただきたい。5年経過をめどに行われる計画見直しの際には、社会情勢を見据えた改定を望みます。
小学校・中学校PTA連合会からの要望には、学級数による教室不足の課題、グラウンドの不具合、ユニバーサルトイレの設置、また、校内別室登校支援室へのエアコン整備、ホワイトボードや網戸、プールの日除けの設置などの要望が並んでいて、大きな施設改修から備品整備まで多岐にわたっています。何年も続いて要望されているものもあります。改築が済んでいない学校施設と改築済みの学校施設に差のないように、計画的に改修や整備を実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
そして、適正な集団規模や学級数確保を目的とした中野区立小中学校再編計画は、来年度の鷺の杜小学校の開校で終了となりますが、これまでの再編により谷戸小学校や桃花小学校、白桜小学校、平和の森小学校では教室不足が発生しました。なぜそのような事態が起きてしまったのか、分析いただき、通学区域変更や時限的に学校跡地の活用に取り組むなど、子どもたちには最善の教育環境を整備いただきたいと考えますが、現在の検討の方向性を伺います。
次に、教職員配置についてです。
子どもたちが心豊かに学校生活を送るためには、教職員がしっかり子どもたちに対応できるよう適切な人員配置が必要不可欠です。一方で、教職員の人員を増やそうにも、適正人材を必要数採用するのが難しくなっている現状があります。採用に当たっては、保護者や地域への協力を求めてはいかがでしょうか。どのように対応されているのか、お伺いします。
小学校で子どもに関わる教職員は、私の娘が通学していたおよそ20年前、都採用の教員と事務職、必要な介助員以外に配置されていたのは「心の教室相談員」のみでした。現在は、区採用だけでも、任期付短時間勤務教員、外国語活動指導助手、スクールソーシャルワーカー、スクールサポートスタッフ、エデュケーションアシスタント、ICTスタッフ、こちらに特別支援の支援員も加わり、大変な人数となっています。状況は変わっているのです。校長先生、副校長先生が全ての人事管理をするのには、もはや限界があります。それぞれの教職員が存分に力を発揮していただくためにも、学校経営支援の仕組みを工夫すべきではないかと考えますが、見解を求めます。
この項のその他で、子どもたちが登校時に使用するカバンについてお伺いします。
我が会派から度々課題として質問させていただいておりますが、学校再編により学校が遠くなり、1.5キロもの道のりを荷物を入れて5キロ近くにもなるランドセルを背負って通う児童がいます。多くの児童が使用するランドセルは1.2キロ程度のものが主流で、カバン自体が重いのです。ランドセルは指定品ではありませんが、皆と同じでなければならないという目に見えない圧力もあるのでしょう。通学時のカバンは、家庭でふさわしいと考えるものを選んでよいことについて、就学前の御家庭へのさらなる周知と、また、タブレットの活用により必要な教材のみ持ち帰ればよいようにするなど、荷物が重くなり過ぎないよう子どもたちの健康と安全を第一に考えた運用に取り組んでいただきたいと強く要望いたしますが、いかがでしょう。
また、私費負担軽減の意味からも、ランドセルは5万円を超える、学用品の中でも高額のものとなっていることも課題です。保護者に対して意識調査を実施し、この状況を改善する取組を進められたいと考えますが、いかがでしょう。
2、地域活動活性化について。
先に学校教育現場での新型コロナへの検証を伺いましたが、地域の活動も同様に、この3年、多くの制限がありました。新型コロナが5類相当となり、この夏は多くの地域で4年ぶりに祭りや対面での催しが復活しました。こうした顔の見える活動が増えることで、まちのネットワークが生まれ、活気あるまちが構築されていくことでしょう。とはいえ、実際の事業実施に当たっては昨今の物価高騰の影響は大きいものがあります。別議員も触れられておりましたが、町会・自治会の助成金について検討してはいかがでしょう。世帯数が少ない町会への助成金の上限額が設定されていますが、見直されてはいかがでしょう。
活発な活動のための情報発信には、掲示板の活用が必要不可欠です。掲示板の設置助成はぜひ継続されたいと考えますが、いかがでしょう。
友愛クラブ連合会の事業実施の際は、行事保険の加入が必要だと認識しています。そちらの保険料補助も検討されてはいかがでしょう。
地域の活動支援として平成19年度からスタートした「区民公益活動に関する助成(政策助成)」という制度があります。この助成制度が構築された当時から、私は多くの住民により構成され、長く地域に根付いた、公益性の高い活動を担っている地区祭り実行委員会や青少年育成地区委員会による事業が、この制度で一括して扱われることについては疑問を持ってきました。この政策助成は、立ち上げられて15年の月日が経っています。制度の課題を洗い出し、団体によっては別枠での助成の仕組みを考えるなど、再構築するタイミングが来ていると考えますが、いかがでしょう。
また、前回の登壇でも質問いたしましたが、助成額が対象経費の総額の3分の2となっています。対象経費と対象経費外という制限があるのにもかかわらず、助成額を3分の2としている理由が不明です。前回、対象経費や助成率を検討するとの答弁でしたが、その後の進捗をお聞かせください。
3、鷺宮地区のまちづくりについて。
鷺ノ宮駅周辺地区まちづくり整備方針では、「住みたい 住み続けたいまち 鷺宮」と、まちの将来像が描かれており、これから来年度閉校する鷺宮小学校・西中野小学校など、大きな区有地を活用しつつ、防災力を向上させたまちづくりが本格的に進んでいくことになります。とはいえ、この鷺宮には幾つもの課題があり、都市基盤整備事業が予定されています。このうち中杉通り補助第133号線と妙正寺川の整備、西武新宿線連続立体交差事業、東京都住宅供給公社JKK鷺宮西住宅の団地の建て替えは、東京都やJKKの事業であることから、区としては多方面の調整が必要な難しい地区でもあります。
私は、風景を描いていくようにまちづくりが進むことを願っています。地域課題を一つひとつ解決していく開発を行政主導で粛々と行うのではなく、地域住民も主体的に関わり、共に協働してまちづくりを進めていく体制を大事にされたい。特に、次代を担う子どもたちの意見を聞いて進めていただきたい。区の考えと取組を伺います。
そして、地域が抱える課題を再確認しながら、地域全体を見渡し、地域の資源や景観を連続させた一体感のあるまちづくりが進むよう望みます。区の見解を伺います。
また、先に述べたように、この地区は主体の異なる事業が混在する地域です。鷺宮プロジェクトのような庁内連携の体制を考えていってはいかがでしょう。いよいよ、鷺宮小学校と西中野小学校の統合まで半年となりました。統合により新たに踏切を横断することになる児童数は、およそ240人と推計されています。9月1日の子ども文教委員会では、鷺宮1号から4号の踏切の調査や学校やPTAとの意見交換を行い、結果、通学には鷺宮2号踏切を使用するという報告がありました。今後さらなる具体的な取組が示されていくのでしょうが、安全対策は全てのことに優先して取り組まれるよう要望します。
令和4年第2回定例会においては、踏切だけではなく、「横断歩道橋」や「地下横断歩道」の設置の検証も行ったとの報告がありました。この「立体横断施設」の設置については、児童・保護者だけではなく地域住民にとっても、まちづくりの観点から関心のあるところです。開校時には設置は間に合いませんでしたが、今後どのように検討していくのでしょう。通学のみで使用するものとするのか、広く区民も活用できるものとなるのか、また、設置をするかどうかの判断はいつになるのか、現在の検討状況についてお伺いします。
学校再編はまちの再編であると、以前から申し上げているところです。全ての人が安心して暮らし続けられる、そして魅力あるまちであるために、皆で知恵と力を合わせてまちづくりが進められるよう願い、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問に、私からは2番、地域活動活性化についてお答えいたします。
町会・自治会の助成金の見直しについてです。町会・自治会活動は、見守り支え合いの基盤であり、高齢化が進む中、さらなる活性化が必要であります。町会・自治会の行う公益活動に対する助成金については、活性化に加え、物価上昇を踏まえ、上限額も含め一定の見直しを図ることを考えております。
次に、掲示板設置助成についてです。町会掲示板は、地域における広報の重要な手段であるとともに、経年劣化に伴う更新が必要であることから、継続的な事業とし、条件についても改善を図る方向で検討してまいります。
次に、行事保険料の補助についてです。友愛クラブ連合会が行う行事は、会員以外に一般の参加者もあり、主催者、参加者の双方が安心して行事に取り組めるよう、保険の加入を勧奨してまいりますが、保険料補助については、対象範囲の整理が必要であって、他の団体の例と比較しながら、慎重に判断したいと考えております。
次に、政策助成制度の課題整理についてです。政策助成制度は、区政目標の実現に貢献する公益活動に対し、9つの領域を設け助成を行ってまいりましたが、地域に根付いた活動だけでなく、新たな地域課題への取組や領域をまたがるものなど多様化しておりまして、一律の運用が難しくなっております。対象となる団体の要件や活動の性質に応じて助成の区分を設けるなど、より分かりやすく使いやすい制度となるように検討してまいります。
最後に、政策助成制度の見直しについてです。対象経費に関しましては、スタッフの活動経費を含めるなど経費の幅を広げております。また、助成率に関しては、新たに創設したチャレンジ基金助成制度の助成率を対象経費の10分の10と設定しております。政策助成の助成率については、チャレンジ基金助成制度を検証し、政策助成制度の見直しと併せて検討してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 公教育についてお答えをいたします。
まず、学校教育における新型コロナウイルス感染症に係る取組の検証についてでございます。感染予防を目的とした、いわゆる新しい日常の子どもたちとその保護者の心と体への影響について、令和2年と令和4年では、子どもたちの協調性や共感性の数値は平均的に改善しているが、抑うつ傾向は改善が見られないこと、大人と子どもは違った傾向を示していること、皆が同じように回復するわけではないことなどが報告されているものがございます。これらの影響については、様々な報告がありますが、さらに数年の研究が必要であるとされております。
一方、中野区では、不登校・いじめの対応、体力、学力等の調査で、新型コロナウイルス感染症拡大前後の5年間の経年変化を比較したところ、新型コロナウイルス感染症の影響によるものとは断定できないものの、中野区全体としての結果に変化は表れております。今後も様々な調査を総合的に分析し、その変化について捉え直すことで、子どもたちにとって最善の環境が整えられるよう見直しをしてまいります。
次に、体験的な活動等の共有についてです。毎年、各学校で実施している体験的な活動等につきましては、対象学年や実施時期、講師等も含めた実態調査を行っており、調査結果と併せて、教育委員会に寄せられる様々な体験活動等の情報を校長会等で周知しております。
次に、子どもたちの体験活動の充実についてでございます。中野区では、新型コロナウイルス感染症拡大の中においても、学校は行事や体験活動の充実に向けて、独自に工夫して取り組んできたところでございます。昨年度より体験活動の予算を増額しておりまして、昨年度はプロの演奏家を招いたコンサートや車椅子バスケットボールの体験等といった本物の文化・芸術に直接触れる活動やスポーツ体験など、子どもたちの体験活動を充実させてきております。今後も、子どもたちにとって魅力的であり、子どもたちの豊かな心や創造性を涵養することができるような体験活動を支援してまいります。
保幼小中連携教育についての御質問です。保幼小中ごとに授業公開や保育公開を行っておりまして、それぞれの教員が参観し合っております。本年度の保幼小中連携協議会では、「自尊感情や自己肯定感を高める」というテーマで、保幼小中の教員が15年間の成長を見通した話合いを行っており、連携の内容が確実に深まってきております。子どもたち同士の交流活動も充実してきておりまして、中学生が校区の小学校の授業にリトルティーチャーとして入る取組や、中学校と近隣幼稚園の合同避難訓練などが行われております。子どもたちの発案の活動も見られ、今後も一層の充実を図ってまいります。
次に、包括的性教育についての御質問です。中野区の取組についてです。昨年度から、服務事故防止月間の一環として、7月に全校において校長や養護教諭が児童・生徒へ「性暴力は許されないこと」、「困ったことがあればすぐに相談すること」などを趣旨としたSOSの出し方に関する講話を行っております。また、今年度は、都が策定した「教職員等による児童生徒性暴力等が発生した場合の初動対応」や、国が策定した「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」を活用して、各学校で一人ひとりの教職員の意識改革や学校体制の見直しを進めるように指導したところでございます。
学校の支援員の採用時の手続についてでございます。支援員等の採用の際は、履歴書や面接等で犯罪歴の有無について必ず確認を行うことにしております。採用時、採用後も服務の厳正について、時期を得た研修を行っているところでございます。教育・保育施設等や子どもが活動する場等において働く際に性犯罪歴等について証明を求める仕組み、いわゆる日本版DBSの活用については、こども家庭庁の有識者会議の検討を注視してまいります。
学校における安全対策の推進についてです。中野区では、教育理念を実現するための視点として、子どもたちが自ら考え、学び、行動する人材を育成する教育を行うことを明示しております。その一つとして、学校では様々な教科の学習や教育活動の中で、安全教育や情報モラル教育等、危険を予測し回避する能力を育成することで自らの身を守ることや、他者や社会の安全に貢献できる資質や能力の育成を図っております。また、子どもたちの安心・安全については、学校だけでなく、家庭、地域も連携して取り組んでいくことが重要であり、教育ビジョン(第4次)にも、取組の方向性として示しているところでございます。
包括的性教育の最後でございますが、包括的な性教育につきましては、全ての区立幼稚園、小学校、中学校で、発達の段階や様々な指導場面を想定した性教育の年間指導計画を作成し、計画的に指導を行っております。さらに、昨年度から国の「若年層の性暴力被害予防月間」である4月など、時期をとらえ、文部科学省の教材例や指導の手引を活用し、プライベートゾーンや性と健康に関する教育、SNS上での性犯罪被害を含む危険等について、「生命の安全教育」を行うよう指導しているところでございます。
次に、教育環境整備についてのうち、改築前の学校に係る計画的改修についてでございます。改築前の学校施設においては、良好な教育環境をしっかりと確保し、改築済の学校施設との間に著しい格差が生じることのないよう、適切な維持管理及び改修等を計画的に実施しておりまして、今後も確実に進めていきたいと考えております。
教育環境の整備についてです。一部の小学校において児童数及び学級数が増加しているため、学校適正規模に係る対応策として、まず、他の通学区域からの流入を制限するため、指定校変更承認の制限を行うこととしておりまして、現時点で通学区域の変更や学校跡地の活用は考えてございません。
次に、支援員配置に向けた保護者等の協力についてでございます。現在、学校には副校長補佐、スクールサポートスタッフ、エデュケーションアシスタント、特別支援員など多くの支援員を配置しているところでございます。学校は、これらの支援員について、保護者や地域の方々に御協力いただいたり、学校間で紹介し合ったりするなどの方法で人材を確保してきております。しかし、人材確保につきましては十分とは言えず、さらなる工夫の必要があると認識しております。
教育環境整備についての最後でございます。経営支援の仕組みの工夫についてです。学校を支えている外部人材が増えているため、それに伴う事務などの学校管理職の仕事が増大しております。特に業務量の多い副校長を助けるために、教育委員会では「副校長補佐」を全校に配置しているところでございます。一方、各学校では、管理職や教員、学校事務職員の職務内容の見直しを図り、学校運営が円滑に進んでいくよう「学校経営支援部」等を設置しております。
その他でございます。通学用カバンの周知等でございます。これまでも教育委員会は、全小学校に、ランドセルを通学用カバンと指定しているわけではないことや、安全性や使いやすさなどを考慮した上で、各御家庭が最適な通学用カバンを選べることを就学前の保護者に早めに周知するよう、校長会等を通じて指導しているところでございます。また、持ち物の持ち帰りにつきましては、携行品等が過重になることで、身体の健やかな発達に影響が生じかねない懸念があることから、教育委員会は、児童・生徒の携行品の重さや量について、各学校は子どもたちの実態に合わせて適切な配慮を図るよう指示をしているところでございます。全校の取組状況は把握しておりまして、状況によっては個別に指導を行ってございます。
最後に、鷺宮地区のまちづくりについての御質問です。区は、来年4月から児童が安全に踏切を横断できるよう、通学に使用する鷺ノ宮2号踏切に民間警備員等を配置する予定でございます。また、踏切を横断するための立体横断施設につきましては、これまでも検討してきておりますが、今後、地下通路や横断歩道橋を整備する場合の構造や設置場所など、具体的な検討を教育委員会事務局と関係部署で進め、できる限り早く設置の判断をお示ししていきたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で斉藤ゆり議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 児童相談所における誤認保護防止策について
2 消費生活センター、環境リサイクルプラザについて
3 その他
○議長(酒井たくや) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○38番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。
児童相談所における誤認保護防止策についてお尋ねをいたします。
9月7日のこども家庭庁の発表によると、2022年度、全国の児童相談所が子どもの虐待について受けた相談件数は21万9,170件で過去最多、さらに、2021年度に親などから虐待を受けて死亡した子どもは、心中を除くと全国で50人とのことです。ますます児童相談所の機能強化が重要となりますが、昨今、児童相談所は二つの厳しい視点で注目されています。一つは、悲惨な虐待死が報じられるたびに向けられる、「迅速に保護するべきだったのではないか」という視点、もう一つは、「不当な長期親子分離、すなわち誤認保護を防ぐべきだ」という視点です。児童相談所が誤って保護不要と判断したり、逆に誤って保護が必要と判断したりするケースも少なくありません。
2018年8月、兵庫県明石市で生後2か月の乳児の腕の骨折が判明し、病院から虐待の疑い通報があり、児童相談所が一時保護をしました。保護者は不慮の事故と説明しましたが、認められず、一時保護から2か月が経過し、児童相談所は同年10月、乳児の施設入所を求める審判を家庭裁判所に申し立てましたが、10か月後の2019年8月に却下されました。そのため高等裁判所へ即時抗告を行いましたが、1か月後の9月に棄却されました。その間、1年3か月にわたり児童相談所が一時保護した問題で、明石市長は、「虐待はなかったと認め、家族で過ごす貴重な時間を奪ってしまい申し訳なかった」と両親らに謝罪し、慰謝料として130万円を支払いました。
この事件を契機に、明石市は、2021年4月、一時保護を行った当日あるいは翌日までに親子の意見を聞き、事例ごとに一時保護が妥当かどうかのチェックをする「子どものための第三者委員会」を設置しました。これは氷山の一角で、先日、誤認保護によって13年間引き裂かれた親子の実体験の報告を伺いました。虐待死事件をきっかけに児童相談所の一時保護の強化が推進され、その副反応で起きた不当な一時保護で我が子を引き離された家族が多数存在していることにも目を向ける必要があります。
児童福祉法は、第27条の3で、「児童の行動の自由を奪う強制的措置を必要とするときは、特例を除き、事件を家庭裁判所に送致しなければならない」としつつも、第33条で、「児童相談所長は、必要があると認めるときは一時保護を行うことができる」としています。つまり、相談や通報を受けると、所長の権限で原則2か月、一時保護することができます。一時保護で救われる親子がいる一方で、物言えぬ乳児や親の意思に関わらず保護できるため、時として誤認保護が起きてしまっている現実を早急に改善する必要があります。悲惨な虐待死を防ぐために迅速な一時保護は重要ですが、それと同時に、第三者の目で一時保護の妥当性を迅速にチェックし、誤認が判明したときには迅速に保護を解き、誤認保護を防ぐことが重要です。
子どもの権利条約締約国である日本は、国連人権委員会から、「一時保護に際して、子どもと親の意見を聴取し、義務的な司法審査を全事案に導入する法改正を行うべきである」との勧告を受けて、2022年6月、児童福祉法の一部を改正する法律が成立しました。これにより、児童相談所長が一時保護を行う際に、親権者等の同意がある場合を除き、その開始から7日以内、または事前に児童相談所が裁判所に一時保護状を請求し、裁判所が審査して一時保護を認めるか却下するかを判断する司法審査が導入され、2025年度中の施行予定となっています。
しかし、一時保護される子どもと親に裁判所が意見を聞くことはなく、児童相談所が提出した資料だけで判断することや、裁判所の審査に不服申立てができるのは児童相談所だけであり、子どもも親も不服申立てができないという不十分な体制です。かつて誤認保護で苦しんだ保護者が後に入手した、児童相談所が作成し裁判所に提出した記録は、親の印象が悪くなるよう事実が歪められていたとのことです。誤認保護を防ぐという視点から、この法改正における不十分な点はないのでしょうか、区の見解をお答えください。一時保護の段階から明石市のように誤認保護を防ぐために、中野区で誤認保護が起こる前に法を補う区の独自策の検討を求めます。お答えください。
中野区の児童相談所の評判は上々ですけれども、子どもの命と人権及び最善の利益を守るために、必要な保護と不必要な誤認保護を防ぐさらなる児童相談所の質の向上を願って、次の質問に移ります。
消費者センター・環境リサイクルプラザについてお尋ねをいたします。
2011年3月まで、中野五丁目に消費者センター・環境リサイクルプラザという活動目的が定まった施設がありました。消費生活の中から生み出される環境汚染やごみの問題は深く連動しているため、有意義な複合施設でした。消費者問題、環境問題、リサイクルに取り組む区民団体の育成支援に力を入れ、区民が自発的に学び、交流し、実践活動をする拠点施設でした。現在は、消費者センターは消費生活センターと名称が変わり、区役所の1階の片隅に、センターとは名ばかりの相談窓口として存在しています。リサイクルプラザは存在していません。
消費生活センターの始まりは、51年前の1972年、区役所に消費者コーナーとして開設。1981年、商工会館との複合施設として名称を消費者センターに変更し、新井一丁目に移転。1998年、新設した環境リサイクルプラザとの複合施設として中野五丁目に移転。2011年3月、後戻りするように区役所1階に移転して、名称を消費生活センターに変更し、現在に至ります。区役所を出てコーナーからセンターとなり、区民が実践活動の場を得たことで消費生活展が始まり、区民団体が区に先駆けて、びん、缶、牛乳パック、古布や廃食油の回収、さらに、回収した古布によるリサイクルバザーやさき織、廃食油からの石けん製造へとリサイクル活動が展開されました。まだ資源回収をしていなかった中野区に対して、区民が実践し、区による資源回収の取組へと導きました。
このように偉大な業績があるにもかかわらず、廃止に反対する区民の声を無視して区民から実践活動の場を奪い、区役所への移転が強行されました。男女共同参画センターも同様に、1984年、中野二丁目に婦人会館が開館されましたが、2013年、実践活動の場を奪い、区役所への移転が強行されました。
このように、かつて中野区は、時代を先取りし、他区に先駆けて区民と共に課題を克服すべき目的を持った実践活動の場として、消費者センター、環境リサイクルプラザ、男女共同参画センターを設置してきましたが、納得できる説明もないまま廃止し、センターとは言い難い窓口のみを残しています。学習・交流実践活動の場を廃止して10年以上が経過し、この分野での自発的な区民の活動は間違いなく衰退したと私は判断しています。第2回定例会での「スペースとしての男女共同参画センターの在り方の検討を求める」細野議員の質疑に対して、「検討していく」との答弁でした。あわせて、消費者センター・環境リサイクルプラザの在り方を検討するべきだと考えます。
区有施設整備計画の中で、2026年から松ヶ丘一丁目にある清掃事務所とリサイクル展示室の建て替えが検討されることになっています。その際に、行政評価の中で事業内容や実施方法の検討・改善との指摘を受けているリサイクル展示室の在り方の検討とともに、学習、交流、実践活動の場を備えた消費者センター、環境リサイクルプラザと清掃事務所の複合施設の検討を求めます。区の見解をお答えください。
以上、誠意ある答弁を求め、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) むとう議員の御質問にお答えいたします。
私からは、2番、消費生活センター・環境リサイクルプラザについて、まず初めに、消費生活センターの設置場所についてでございます。消費生活センターにつきましては、平成23年3月に消費生活に係る相談等へ早期につなげられる身近な消費者相談窓口となるよう、多くの消費者・区民の目のつきやすい場所である本庁舎に移転した経緯がございます。消費生活センターの設置場所につきましては、引き続き区民が利用しやすい場所に置くことが大事であると考えておりまして、新庁舎に設置する考えでございます。
そして、リサイクル展示室と清掃事務所の今後のことについてでございます。リサイクル展示室を併設する清掃事務所は、1968年に建設をされ、区有施設整備計画において建て替え検討施設に位置づけられております。現在のリサイクル展示室は、区の3R啓発拠点として、ごみ減量・資源化等についての情報発信や資源回収等の事業を展開しております。今後は、より効果的に3Rを推進するためのリサイクル展示室の在り方も含め、清掃事務所建て替えに向けた検討を進めてまいります。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童相談所における誤認保護防止策につきましての御質問にお答えさせていただきます。
初めに、一時保護の司法審査導入についてでございます。中野区児童相談所におきましては、適時適切に子どもの一時保護を実施できていると認識してございますが、令和7年度からの司法審査の導入によりまして、一時保護の適正性や手続きの透明性が法的に担保できるものと考えてございます。現行では、司法審査手続の詳細が示されていない状況でございますので、内容等につきましての不明点につきまして指摘は行えない状況ではございますが、中野区児童相談所といたしましては、子どもの最善の利益を守るという観点から、引き続き適切な一時保護に努めてまいります。
次に、第三者を活用した区独自の誤認保護防止についての御質問でございます。司法審査の導入によりまして、一時保護の適正性や手続の透明性が法的に担保できるようになるものと考えておりますので、一時保護の妥当性を第三者が確認するような制度を区独自に創設する予定はございません。
〔むとう有子議員登壇〕
○38番(むとう有子) 再質問をさせていただきます。今廃止となっております環境リサイクルプラザと清掃事務所との複合施設については、リサイクル展示室を検討する中で環境リサイクルプラザ的な要素も入るというように考えてよろしいんでしょうか。環境リサイクルプラザについて一言も触れられていないので、再質問とさせていただきます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) むとう議員の再質問にお答えします。
環境リサイクルプラザは、かつてあったものについては廃止をしたわけでございます。それら、現在は清掃事務所の中にリサイクル展示室というものがございまして、今後そのリサイクル、3Rの啓発拠点としての活動、それから区民の活動支援、それも含めてどういう施設としていくかということをこれから検討するということでございます。
○議長(酒井たくや) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 区民が長時間待たされることなく、スムーズに手続きができる新区役所について
(1)全ての人が利用しやすい切れ目のない案内について
(2)マイナンバーカード活用と、何度も申請書を書かずに済む「書かない窓口」について
(3)フルセルフレジなどのセルフレジの設置について
(4)その他
2 マイナンバーカードについて
3 物価高騰と、家計管理の支援について
(1)インフレ対策としての生活困窮世帯への家計管理のサポートについて
(2)その他
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○37番(石坂わたる) 質問に先立ちまして、本年2月に患いました脳梗塞の後遺症、高次脳機能障害により、まれに声量や発声のコントロールがうまくいかない場合もありますが、もしそうしたことがありました際は、あしからず御容赦ください。
1、区民が長時間待たされることなくスムーズに手続ができる新区役所について。
(1)全ての人が利用しやすい切れ目のない案内について伺います。
新区役所では、窓口、記載台、トイレなどの場所の案内、共通発券機、フルセルフレジ、書かないサービスの説明、申請用紙の記載方法などの工夫が求められます。また、アジア系のオールドカマー、オストメイト利用者などの内部障害者、脳血管障害などによる高次脳機能障害者、LGBTのトランスジェンダーなど、はた目では分かり難く、先入観によらない対応が求められるケースがあります。それを踏まえ、総合案内やフロア案内人と区の職員が協力をして対応力を高めたり、あらかじめ区のほうで対応マニュアルの用意を含めた指示ができるようにして、多様なニーズを持つ区民に対するサービスの向上を図るべきと思われますが、いかがお考えでしょうか。
また、新たに設置をされる外国人の相談窓口とおくやみ窓口について、相続、税金、ADR――これは裁判外紛争処理――などについて、弁護士や税理士や行政書士の専門相談員につなぐことなどもできるようにしていくことが必要ではないでしょうか。
(2)としまして、マイナンバーカードの活用と、何度も申請書を書かずに済む「書かない窓口」について伺います。
マイナンバーカードを用いた、何度も同じ内容を手書きで申請書に書かずに済む「書かないサービス」が始まります。また、手続によっては電子申請で済むものもあります。しかし、不慣れであったり、こうした便利な方法を知らない方も多くいます。書かないサービスや電子申請を知ってもらったり体験をしてもらったり、あるいは誘導をしたりをどう行っていきますでしょうか。
なお、書かないサービスで複数の窓口の申請書を発行してから、改めて複数の窓口の手続のため受付発券機の発券が必要となります。受付発券機や書かないサービスの利用状況を分析し、より利便性を高める改善をし続けることや、将来に両機器の連動も視野に入れるべきであることを指摘いたしますし、少なくとも複数の申請書を発行した人は複数の窓口に提出に行くことを前提に、フロア案内人が共通発券機の操作について上手に案内することが求められますが、いかがでしょうか。
(3)フルセルフレジなどのセルフレジの設置について伺います。
新庁舎には、窓口の職員が取り扱うセミセルフレジと区民が直接操作をするフルセルフレジが設置されます。夜間開庁日や休日開庁日について、セミセルフレジの稼働やレジ内の現金の管理は区職員で行いますし、区役所内での決済ニーズに昼夜の差はないことから、フルセルフレジを夜間や休日の開庁時も稼働すべきではないでしょうか。
マイナンバーカードについて、2点目として伺います。
マイナンバーカードについて、積極的に必要としている人への普及はかなり進み、マイナンバーカードを持たないと決めている人も一定いる中、普及率増が鈍化をしています。しかし、まだよく分からないから判断ができない人や手続が面倒だという人もいます。こうした中、普及率の低い高齢者の方や日本に住み始めることで新たにマイナンバーカードが付番される外国人に対し、マイナンバーカードのメリットを知ってもらい、利便性を実感し、申請につなげていく機会を増やすことが必要と思われます。
来庁が難しい有料老人ホームやケアハウスなど、高齢者施設の入所者、あるいは国際交流協会や、昨年度に東京都行政書士会中野支部が区役所内で行った外国人相談の場などでマイナンバーカードの申請ができるようにすることや、特設の場を含めた交付の場を増やすことも必要であると考えますが、いかがでしょうか。
なお、総務省作成の取組事例の一覧によると、複数の自治体で個人宅に出張してその場で申請ができるという取組例が掲載されているほか、大阪府大阪市では、独占業務としてマイナンバーカードの代理申請や代理受け取りができる行政書士による代理申請、代理受け取りが市の取組としてなされているそうです。マイナンバーカード申請や受け取り方法の利便性を向上させるための工夫を中野区でも重ねていくことが重要であると思いますが、いかがでしょうか。
(3)として、物価高騰と家計管理の支援について伺います。
インフレによって家計の収支バランスが崩れ、生活が成り立たなくなりそうな人が増えています。景気刺激や金銭給付に対する区民の声があることは私も把握はしておりますが、かつて日本は、中東の戦争とオイルショック、加えて政府が大量の財政資金を市中に投入していたことによる狂乱物価に遭遇しました。このとき、中東戦争前に日銀が貨幣の過剰供給を解消していれば、多くの家庭が支出を減らす節約をし、原油価格は急騰してもインフレは起きなかったと言われます。また、実際に起きた物価上昇は政府が財政出動をしている間収まらず、節電の呼びかけやドライブの自粛などを含む石油節約運動、コスト意識を高めること、公共事業の抑制などの総需要抑制策を取られたことでようやく収まりました。
なお、現在、対前年同月比の名目賃金に当たる現金給与総額は1年以上上昇し続けていますが、物価の影響を受ける実質賃金は1年以上下がり続けています。短中期的には痛みに耐えられない層への健康で文化的な生活が行き詰まらない支援をしつつ、長期的にはコスト意識を高めた節約を進め、物価を抑えていくべきです。
その上で、(1)としてインフレ対策としての生活困窮世帯への家計管理のサポートについて伺います。生活保護の対象となる人についてはしっかりと生活保護につなぐとともに、生活保護の対象とならない人に対しては、利用可能な支援策への情報提供と併せて支出の見直しの支援も行うこと、それを行う中野くらしサポートへの相談を促すことも物価対策を考える上では必要ではないでしょうか。
また、(2)のその他として、非困窮世帯への家計管理についても伺います。これまで老後に2,000万円の貯金が必要と言われてきましたが、物価上昇は物資に対する金銭の価値を引き下げます。IMFが発表した2022年のインフレ率2.5%が今後20年間続いた場合、老後に必要な貯金は2,000万円から3,277万円に跳ね上がります。政府日銀の目標である2%で推移をした場合にも2,971万円が必要となります。これは、老後の費用を貯金や確定拠出年金で確保しようとしている人の生活に打撃を与えます。ゆえに、非生活困窮者世帯以外の家計も工夫が必要になると思われます。現状、区には非低所得者の家計の相談・支援ができる部署がないですが、こうした物価対策も今後を考えることが大切であると指摘をいたします。
さて、福井県では、節電、燃料消費の抑制、食品の無駄を減らすことについて、ホームページで「物価が高騰する中、消費者ができること~賢い生活術~」というページを設け、物価高騰下での節約を進め、それが資源の節約やCO2削減にもつながるとの内容が掲載されています。中野区の場合、既にCO2削減の観点で環境部が策定した「えこライフのすすめ」で、節約がCO2削減や金銭的な節約につながると掲載しています。福井県が物価対策の節約は環境対策にもなると打ち出していることに対し、中野区では、ミクロでは家計の逼迫を防ぎマクロではインフレを抑制する総需要抑制策につなげていくために、環境対策の節約は物価対策にもつながるという観点から、改めてホームページや区報を用いて家計の物価高騰対策にもなる省エネ・CO2削減ということを打ち出したらいかがでしょうか。
私の質問は以上です。答弁お願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問、1番目、区民が長時間待たされることなくスムーズに手続ができる新区役所についてで、一つ目に多様なニーズを持つ区民への対応についてです。区民をはじめとした来庁者が手続を終えるまで、業務に携わる者がそれぞれの立場に関わらず、連携を密にし、来庁する全ての人に対して適切な区民サービスを提供していくことが重要であると考えております。それには、区職員と総合案内やフロア案内人等の事業者が情報共有やミーティングを定期的に行い、意識共有を図ることと併せてマニュアルを継続的に見直すなど、組織的な対応力を高めていきたいと考えております。
次に、相談窓口と専門相談機関の連携についてです。現在、区民相談事業では、内容や状況に応じ、区の法律、税務等の専門家による相談及び関係団体が実施している無料相談等の利用案内を行っております。新庁舎に新たに開設する外国人相談窓口とおくやみ窓口でも、引き続き案内が適切に行われるよう連携をしてまいります。
次に、書かない窓口の周知等について。窓口支援システムの申請書作成支援機能による「書かないサービス」やウェブを利用した電子申請による「来ないサービス」、これらの周知については、区報、区ホームページ、SNSなど様々な広報媒体によって行う予定です。こうしたことに加えて、フロア案内人が窓口に設置した申請書自動交付機の利用について案内・誘導を行うことによって利用促進を図ってまいります。
次に、複数サービスに対応する効率的なフロア案内についてです。来庁者が様々な手続を効率的に行うためには、フロア案内人が来庁者の要件、種類に応じて申請書の作成や目的の窓口を適切に案内することが必要です。申請書自動交付機や各フロアに導入される発券機機能を有効に活用することで、来庁者をスムーズに案内できる最適な方法を検討してまいります。
私から最後に、フルセルフレジの運用についてです。区民税や国民健康保険料など納付書による支払いが可能となるフルセルフレジは、利便性の向上や納付機会の確保に資すると考えておりまして、戸籍住民窓口の夜間延長や休日開庁の稼働に向け、検討してまいります。
〔区民部長高橋昭彦登壇〕
○区民部長(高橋昭彦) 私からは、マイナンバーカードについての御質問2点にお答えをいたします。
初めに、交付の場の拡大などについてお答えいたします。令和6年度をめどに、有料老人ホームやケアハウスなど、来庁してのマイナンバーカードの受け取りが難しい方が多くいると思われる高齢者施設に対しまして、職員が訪問する形での交付ができないか検討を進めてございます。また、外国人の方に向けた申請サポートについては、中野区国際交流協会や外国人の相談の場などのイベントにおいて交付申請書や普及啓発に係る資料の配布をお願いすることによって、区の申請窓口への誘導をする取組を強化してまいりたいと考えてございます。
もう1点、交付方法のさらなる工夫についてでございます。行政書士への業務委託による申請サポートや代理交付につきましては、今後国からもその詳細が示されるとされていることから、先行自治体における実績や国から示されます内容を踏まえた上で検証を行いたいと考えてございます。
〔健康福祉部長鳥井文哉登壇〕
○健康福祉部長(鳥井文哉) 私からは、物価高騰と家計管理の支援についてで、インフレ対策としての生活困窮世帯への家計管理のサポートについてお答えをいたします。
中野くらしサポートでは、住居の確保や就労の準備、家計改善の支援事業を御本人の状況に応じて一体的に実施するほか、生活保護へのつなぎを含め、関係機関と連携しながら課題の解決に向けた支援を行ってございます。物価上昇の動きの中、生活困窮者への影響を注視しながら、経済的な困り事のある方の相談を包括的に受け止める窓口・中野くらしサポートの周知に努め、利用を促進してまいります。
〔環境部長松前友香子登壇〕
○環境部長(松前友香子) 物価高騰対策と省エネについてお答えいたします。
区は、現在、人と地球に優しいエコなまち中野を目指して、無理や我慢をしない誰でもできるお得な省エネとして、節電等による金銭面の節約効果を紹介しております。近年の物価高騰の状況を踏まえ、省エネの取組とともに、それによる節約効果をよりアピールできるよう、広報の内容について工夫をしてまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時06分休憩
午後3時25分開議
○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 保育園について
2 行政評価(外部評価)について
3 その他
○議長(酒井たくや) 次に、小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○26番(小宮山たかし) 小宮山たかしです。
今、区内では新型コロナもインフルエンザも増えていまして、今日からインフルエンザで学年閉鎖になった学校もあるそうです。区内定点でのインフルエンザ感染者は前週の3倍、100人以上、コロナ感染者数も5類移行後のほぼ最高水準です。この3連休は各地でお祭りがあり、濃厚接触者も多かったことでしょうから、区としてもっと注意喚起をすべきだと考えております。そういうわけで、今回はマスクを着用して質問をさせていただきます。
私が区議会議員になったその最大のきっかけは、我が子が待機児童になったことでありました。誰かに何とかしてほしい。でも、誰も何もしてくれない。だったら、だったら俺がやろうじゃないか、そんな決意を持って私は、当初知り合いがたった2人しかいなかったこの中野区で立候補し、そして2回の落選をして、地べたをはいずり、泥水をすすり、石垣に爪を立てる思いではい上がり、やっとの思いで区議会議員となりました。それからというもの、得票を一度も減らすことなく4度の当選を重ね、中野区の待機児童はゼロとなり、待機児童であった我が子も高校生となりました。中野区の待機児童数は今年度もゼロとなり、その一方で定員が満たされない保育園が廃園するなど、保育園の運営も新たなステージに入ってきたことを感じております。
この9月、転園できると自己判断していたのに転園ができなかったという区民の方が保育園に直接問い合わせたところ、園として断った事実はない、定員は空いているので入れるはずですと言われ、納得がいかないので調べてほしいという相談や、それと類似する相談がもう1件、私に寄せられました。調べてみたところ、区は保育園の入園選考に当たり、区民には公開されていない独自のルール、内部規定を設けて、定員に空きがあっても入園を拒否するケースがあるということが判明しました。具体的に言いますと、特別な配慮が必要な子の定員枠を保育園ごとに定めており、その定数以上の受け入れはしない、たとえ定員に空きがあっても区の判断で入園を断っているという、そういう内部規定があったんです。その内部規定の詳細は、区民に公開されていないのはもちろんですが、保育園側も正確には認識していないようでした。
私は、これまで10年以上、保活に関わってきて、何百人という区民の相談に乗ってきました。そして、私が言い続けたことは、中野区は点数が絶対です、区長や議員のコネとかもありません、点数と、あとは場合によって納税額で判断されます、中野区は公平な審査をしているので安心してくださいということを、私はこれまで10年以上にわたって言い続けてきました。
しかし、そうじゃなかったんです。区は、区民には内緒で独自のルールをつくっていた。配慮が必要な子は、定員に空きがあろうと、点数がどんなに高かろうと、保育園には入れない場合がある。それならそうと、事前にその情報を公開しておくべきじゃなかったんですか。いろんな加点があって点数が高い方、特に転園を希望するような方は、あちこちの保育園を幾つも希望したりはしない、一つの保育園だけを決め打ちして希望しているケースが多い。しかし、区が目に見えない壁を設けている場合、持ち点が100点あろうと、何十回応募しようと、永遠にその保育園には入れないというケースが現在のルールでは発生しているんです。
保育園に入れるか入れないかで、親子の人生が変わってくる場合だってあるんです。配慮の必要な子がたくさんいると保育の質が保てなくなるケースがあることも理解はします。しかし、配慮の必要な子が既に一定数いる保育園では転園を断るケースがあるということを、きちんと事前に説明しておくべきではありませんか。
また、配慮が必要と区が判断したならば、その後の適切なケアを、現在のように保育園任せにするのではなく、区としてきちんと専門機関につなげるなどの対応をしていくべきではないでしょうか。保育園に限った話ではありませんが、適切な情報公開は行政への信頼を促します。例えば、中野区の教育委員会のように、重要な会議を非公開にしたり、教育委員のプロフィールをほんの少ししか公開しなかったり、区民とのまともな対話をしなかったり、自宅から100メートル先の学校に通えなかったり、男女で靴下の色指定が違ったり、そういうことをしているから中野区の教育委員会は情報隠蔽体質があると私に批判され、そして区民からも信頼を失ってしまうんじゃないですか。保育園の転園に係る情報の公開や配慮の必要な子に対する支援について見直しを求めますが、いかがでしょうか。
次に、現在、区内で給与の不払い、区からの家賃補助の遅配、保育士の定員不足、パワハラ、家賃の滞納などが全て一つの保育園で起きている、いわゆるブラック企業が運営する保育園があると聞いております。その保育園の元保育士さんが不払い給与の支払いを求めて経営者に連絡を取ろうとしてもなかなか連絡がつかず、話合いにも応じていただけないようです。困った元保育士さんが区に相談をしても解決に至るような対応はしていただけず、自腹で弁護士を雇って交渉することとなり、不払いの給与もその弁護士費用で消えてしまいかねないという話も聞いております。
このような特に問題の多い保育園に対しては、通常の園より厳しい抜き打ち検査などの監視体制を敷き、必要に応じて在園児の転園先確保や現職保育士への給与補償などをきちんとした上で区からの補助を打ち切るなど、区として厳しい対応をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次の質問です。先日、8月の下旬に今年度の行政評価(外部評価)の公開ヒアリングが開催されました。今年度俎上に上がったのは計8事業、その中には勤労者サービスセンターやリサイクル展示室運営など、私もかねてからその存在意義や効果について疑問を感じている施設が含まれておりましたので、外部の専門家の先生方が一体どんな鋭い指摘をしてくださるのかなと、そういう興味を持ちまして、今年度の行政評価(外部評価)の公開ヒアリングの対象8事業のうち7事業を傍聴してまいりました。今年度は、大学の先生、コンサルタント、公認会計士、区内経営者という専門家の先生方をお招きして、丁々発止のやり取りが一部にはありまして、各界の第一線で活躍する優秀な人材ならではの鋭い指摘も、たまにではありますが、かいま見ることができました。
しかし、全体を通して感じたのは、新人議員の多い委員会を傍聴しているようだなということでありました。新人議員ですから意欲は人一倍ある。私もかつては意欲がありました。今もありますけども、意欲はあるんですが、区の事業に対しての根本的な基本的な知識がない。そして、その制度を実際に利用したことがない。現地に行ったこともないし、現場を見たこともない。ですから、「これは一体どんなことをしているんですか」という基本的な質問が大変多くありました。「これはこういうことをやっています」という答弁があって、「ああそうですか」で終わってしまう質疑応答が、限られた時間の中で何度も見られました。
そもそも、それらの議論の材料として用意されるのは区が用意した資料です。傍聴者に渡されたのはA4・1枚の説明資料だけでした。区が用意する資料ですから、区にとって都合の悪い情報はほとんど書いてありません。例えば、リサイクル展示室の接客対応はあまり評判がよろしくないという情報は書いてない。あそこで家具の持込みは受け付けていない、とにかくごみとして一度捨てなければリサイクル展示室には回されないということも書いてない。たとえ状態がよい家具類でも、リサイクル展示室には回されずに、ごみとして廃棄処分される家具類が毎月大量にあることも書いてない。展示する家具類は、あれだけのスペースを使って1か月にたった50点しか回転しないことも書いてない。そして、その1か月のうち2週間は準備期間として空回りしていることも書いてない。書いてある情報としては、昨年度は3万5,000点のリユース品引渡しがありましたと、御立派な実績が書いてある。年間3万5,000点も引き渡されたならば、これは立派な事業ですねという判断・評価になってもおかしくはない。区が用意した資料だけを見せられて、さあ評価してくださいと言われたものを評価して一体どれだけ議論が深まるのかなといえば、私が傍聴した範囲では議論が深まることはそんなに多くありませんでした。外部評価委員4人を相手に報告をするのと、ベテラン議員4人をそろえて同じ報告をするのと、一体どっちが有意義だと思いますか、あるいはどっちが嫌ですかと、試しにある理事者に聞いてみたところ、「そんなの決まってるじゃないですか」というお返事でした。
私は、今回、行政評価(外部評価)というのを初めて傍聴しました。今までは専門家の先生方が鋭く深い議論をしていただいた結果だと思って、ありがたく報告を頂戴していましたけれども、実際にそれを見てみると、この会議は一体どこまで必要があってやっているのか、アリバイ的にやっているのではないか、今までやってきたことだから今年もやってるんじゃないか、茶番とは言いませんけれども、もっと適任者がどこかにいるんじゃないか、そう思ってこの本会議場を見回してみると、適任者がごろごろしてるじゃないですか。何だったら、委員会あるいは特別委員会で同じことを報告してもらったっていいんですよ。ちゃんと評価しますから。
我々区議会議員は、中野区の行政や事業をチェックするプロフェッショナル、専門家ですよ。我々は年がら年中そういうことをして、私だって10年以上やってる。人によっては20年以上そういうことをやって飯を食ってるんですよ。新人の課長よりベテランの区議のほうが知識があることだって珍しくはない。そして、我々区議会議員は、現地に行ったこともあるし、現場を見たこともある。区民の声や職員の声を聞いたこともある。地方の類似施設を見にいってきたことだってある。そもそも、区議会議員の中にはいろんな経歴があったりなかったりする人が42人もいて、その中には専門家や当事者だって含まれていたりいなかったりするんですから、我々区議会議員の声に行政がちゃんと耳を傾けてくだされば、こんな外部の専門家の先生をわざわざ呼んできて、A4・1枚の資料をベースにあまり深くない議論をしていただく外部評価なんていう茶番は――いや、茶番とは言いませんけれども――要らないんじゃないですか。この外部評価事業こそ行政評価の対象にして見直しを議論すべきです。行政評価(外部評価)事業の見直しを求めますが、いかがでしょうか。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問で、私からは行政評価についてお答えいたします。外部評価は、専門的見地から分析・評価する必要があるものなどについて実施をしておりまして、外部評価者に提供している資料は、主要施策の成果に掲載する内部評価票を基にしているところでございます。外部評価を含めた行政評価の手法や評価票については、議会等からの意見を踏まえて見直しをしているところでありまして、来年度以降の実施内容についても、議会や外部評価者からの意見を踏まえながら実効性のあるものにするための検討を行ってまいります。
〔子ども教育部長石崎公一登壇〕
○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、保育園についての御質問についてお答えいたします。
まず初めに、支援を要するお子さんの転園等についてでございます。安全に集団保育を行うため、支援を要するお子さんにつきましては、園の定員に応じて受入れ人数を設定してございます。受入れ人数につきましては、これまでも園に対して説明しているところですが、今後も園長会等で周知に努めてまいります。区民の方に対する情報提供の在り方につきましては、今後改善を検討してまいります。
続きまして、保育園への指導検査についてでございます。区では、保育園の適正な運営の確保等のため定期的に指導検査を実施し、改善点が認められる場合は必要な指導・助言を行ってございます。また、重大な法令違反や虐待等、不適切な保育を行っている疑いがある場合につきましては、事前予告をせず特別指導検査を実施することとしてございます。繰り返し指導等を行っても改善が認められない場合、最終的には保育園への運営費の支給を停止することとなる、特定教育保育施設の確認の取消しや認可の取消しを行うこととなります。これらの処分により保育園が閉園となる際は、在園児への影響を最小限にするため転園先の確保等は行いますが、民間保育士の給与補償について区が行うことは想定してございません。
○議長(酒井たくや) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉 田 康一郎
1 育児支援政策について
(1)給食費の無償化について
(2)その他
2 国民保護対策について
(1)ミサイル事態への対処について
(2)その他
3 気候変動対策について
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。
〔吉田康一郎議員登壇〕
○14番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな舗道の中野をつくる会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。
私は、まず初めに、育児支援政策、この中で給食費無償化についてお伺いいたします。少子化が進む中、育児支援対策の一環として、これまで累次にわたり区立小・中学校の給食費の無償化を私も提案してまいりました。前の他の議員からも御質問がありましたが、若干重複する部分もございますが、私からも質問をいたします。
このたび区が、物価高騰対策として区内の小・中学生を対象に給食費相当分の給付金を支給する政策を打ち出したことを歓迎いたします。7月末の段階で、23区内で小・中学校の給食費の無償化を実施あるいは実施予定を決定していない区は我が区を除けば渋谷区だけであったという状況であったので、びりにならなくて本当によかったと、このように受け止めております。給食費無償化については、子育て先進区と言うにはもうあまりに実情と異なり、子育て後進区、子育てびりから2番目区となってしまったのでありますが、それのみならず、今回区が打ち出してきた政策が給食費の無償化そのものではないため、事業の継続性という観点から幾つか確認をする必要があると思うので、伺います。
まず、今回の区立小・中学校の給食費相当額の給付金の支給は事実上の給食費無償化と理解して構わないとの認識が区から議会に対して示されたと理解していますが、来年度以降の給食費無償化についてどのように考えているのか、伺います。
次に、今回は国と私立学校に通学する小・中学生も給付金の対象となっています。これは他の区よりも広い対象に給付を行うということでありますが、来年度以降、当該小・中学生に対する支援についてどのような対応を考えているのか、伺います。
そして次に、今回は物価高騰対策として給食費相当分の給付金を支給するとのことですが、来年度、物価の高騰が続いていた場合、引き続き支給をするのか、高騰が収まれば支給はやめるのか、どのような状況であれば高騰と判断するのか、区の判断と行動によっては中野区は子育て後進区から子育て後退区と批判されることになってしまうと思うのですが、来年度、給食費無償化あるいは給食費相当分の給付金の支給はどのようなスキームで行うことになるのか、伺います。
次に、国民保護対策に基づくミサイル事態への対処について伺います。
北朝鮮は、今月13日も2発の弾道ミサイルを我が国の方向に向けて発射しました。今年17回目であります。防衛省によれば、2発目は変則軌道で飛翔した可能性があるとのことです。北朝鮮は、既に我が国の防衛システムで迎撃困難な弾道ミサイルを開発していますが、今月13日の金正恩総書記とロシアのプーチン大統領のアムール州ボストチヌイ宇宙基地での首脳会談、それに続く17日までの一連の外交日程の成果を見れば、ロ朝の軍事及び軍事技術協力が格段に強化され、北朝鮮の核及び弾道ミサイル、その他の開発能力がさらに大きく向上する可能性が極めて高いと分析されています。ロシアも、今般のウクライナ侵略で、攻撃相手国の全土のインフラ、病院、学校、ありとあらゆる民間施設、住宅にミサイル攻撃を続け、民間人を殺傷し続けています。共産党独裁中国も台湾併合を武力行使により行う可能性を決して否定せず、台湾有事に際しては我が国への武力行使も決してちゅうちょしないであろうと専門家は予測しています。
私は、我が国を取り巻く周辺の状況がかつてなく軍事的リスクが高まっていることを踏まえ、私が指摘するまで中野区基本構想、基本計画にも記載や言及がなかった国民保護法に基づく取組、特にミサイル事態等における住民保護のための取組を進めるよう区に質問を重ねてまいりました。本日は以下について伺います。
区では、災害時における多数の協定を締結しています。震災や風水害を念頭に置いた協定となっています。武力攻撃事態においても同様の協力を得る必要が生じると考えますが、協定内容の見直しを行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
そして、区は区内の国民保護法に基づく緊急一時避難施設を増やす取組を進めています。現在の段階では何人が収容可能なのか、そして避難人口のカバー率はどれくらいなのか、伺います。
3番目に、現在整備を進めている新区役所は地下スペースがあり、武力攻撃事態の緊急一時避難施設に有効と考えますが、緊急一時避難施設として指定するのかどうか伺って、この項の質問を終わります。
次に、気候変動対策について伺います。
地球規模の気候変動対策として、温室効果ガスの排出削減が国際社会全体の課題となっています。この課題に取り組む上で重要なことは、建造物、製品、サービス、何であれ、生産され消費される財・サービスの全てについて、原材料の調達、生産、流通、使用、維持管理、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル及びサプライチェーン全体を通して排出される温室効果ガスのトータルの量を削減するという認識と取組でなければ、温室効果ガスの排出削減という目的を達することはできないということです。私は、これまでの質疑で区にこの認識が不足していることを指摘してまいりました。
国は、私と同じ認識から本年3月にカーボンフットプリントガイドラインを定めました。これは、ライフサイクルアセスメントの手法を活用し、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して温室効果ガスの排出量を二酸化炭素に換算して、環境負荷を定量的に算定し商品やサービスに表示する仕組みであります。区においても、このカーボンフットプリントの考え方を区の物品調達等に取り入れるとともに、区民に対しても周知を行うべきと考えますが、区の考えを伺います。
気候変動対策の中でもう一つ重要な問題が、種の絶滅、そして生物多様性保全の問題であります。我々の中野区も、既に失われてしまった自然や失われつつある自然・種が存在します。現存する自然を維持するのみならず、自然の質に着目をして,微生物、植物、動物、昆虫などの生物多様性を維持・回復し、次の世代に受け継いでいくことは中野区にとっても重要な責務であると考えます。過去の質疑において、区は令和5年度から令和7年度の間に生き物調査を実施することとしていますが、この調査の結果も踏まえつつ、区として幾つか場所を定め、中野・武蔵野の原風景、あるいはかつて存在していたその種、これを回復される取組を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
そして次に、区有未利用施設の活用について伺います。
一議員として感じていることであり、本定例会の他の議員の皆さんの質問をお聞きしていても改めて感じたことですが、中野区は区有の未利用地や未利用施設を有効に活用していないと感じます。私は今回、旧あさひ保育園跡施設を取り上げますが、あさひ保育園は3年前、令和2年11月に閉園し、翌12月に移転・民営化され、跡施設は普通財産として閉鎖管理されています。翌令和3年10月に区有施設整備計画2-7、未利用施設の活用の中で民間施設誘致を検討する施設として記載されていますが、現在も検討は進んでおらず、3年間閉鎖されています。この夏も施設は雑草が生い茂り、道路にまで長く伸びた雑草がはみ出して私の顔にも当たり、私もその場にいた地域の方もたくさん蚊に刺されました。近隣の住民の方々には迷惑この上ない状況になっているように感じます。
そして、さらに今後利用の検討が進んでも、手続等を考えれば、少なくともあと2年間は閉鎖管理が続くことになります。計5年間です。旧あさひ保育園など跡施設を閉鎖管理するままでは、施設設備の劣化がより進んでしまうこととなります。区は資産を有効活用する方針を定めているはずですが、一定の条件の下で民間に貸し付ける等、できるだけ資産を保存し、そして有効活用すべきと考えますが、見解を伺います。
そして、具体的にこの廃園となった保育園の施設について、地元の町会あるいは地区町連が貸出しを希望していると聞いております。町会等の地縁団体は公益活動を行い、区も協力を依頼している団体であり、未利用施設の有効活用という観点からも、建物の一部、園庭など、可能な範囲で貸出しを行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
そして最後に、人権政策について伺います。
12月10日から16日までの1週間は、北朝鮮人権侵害問題啓発週間であります。この項の最初に、昨年9月の決算特別委員会において私がこの北朝鮮人権侵害問題啓発週間にブルーリボンバッジの着用を呼びかけたことに対し、区長をはじめ区幹部の皆様が着用を実施していただいたことについて、拉致問題の解決を願う国民の一人として大変うれしく心強く思っていることを申し上げます。ぜひ、本年も引き続き着用の実施をお願いいたしたい。
区では、北朝鮮人権侵害対処法に定める自治体の責務に取り組む一環として、この人権侵害啓発週間に、区内の掲示板に拉致問題啓発ポスターの掲示を行っています。この掲示を今年も実施していただくと同時に、掲示板のみならず、区有施設への掲示も行っていただきたい。また、これまでも要望してまいりましたが、この北朝鮮人権侵害問題啓発週間から外れてしまってもよいので、観劇会や上映会、コンサート、講演会など、ポスターの掲示にとどまらない啓発事業を行っていただきたいと思いますが、見解を伺って、全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 吉田議員の質問、私からは育児支援政策についてで、来年度の給食費無償化についての御質問です。来年度の負担軽減策につきましては、国の動向や物価高騰の状況を踏まえ、検討を行ってまいります。
次に、来年度以降の支援についてでございます。来年度以降の私立学校等へ通学する児童・生徒の保護者への支援につきましては、国の動向や物価高騰の状況を踏まえ、こちらについても検討を行ってまいりたいと思います。
次に、来年度の給食費相当分の支援についての御質問です。給食費相当分の支援を実施するのか、実施する場合はどのようなスキームとするかなど、こちらは国や他区の動向も把握しつつ、来年度予算編成を進める中での検討とさせていただきます。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、国民保護対策についてお答えいたします。
まず、武力攻撃事態における協定についてでございます。災害時における協定につきましては、災害が発生または発生するおそれがある場合を対象としてございますが、武力攻撃事態におきましても、震災や風水害と同様の協力が得られるよう協定団体に働きかけをしてまいります。
次に、緊急一時避難施設の収容人数等についてでございます。区内の国民保護法に基づく緊急一時避難施設の収容可能人数は約40万人でございます。また、避難人口のカバー率は約120%でございます。
最後に、新しい区役所の緊急一時避難施設としての指定についてでございます。新しい区役所を緊急一時避難施設として指定することにつきましては、今後調整してまいります。
〔環境部長松前友香子登壇〕
○環境部長(松前友香子) 気候変動対策についてお答えをいたします。
カーボンフットプリントについて、区は環境マネジメントシステム推進の一環として中野区グリーン購入ガイドラインを定め、国の方針等の見直しに伴い毎年度改定を行っております。国が定めたカーボンフットプリントガイドラインについても、区のグリーン購入ガイドラインに反映し、ガイドラインに沿った各職場における物品の調達を促進してまいります。こうした区の取組の広報等を通じて区民に対しても周知を図ってまいります。
次に、生物多様性の維持回復について。第4次中野区環境基本計画においては、都市の中の自然環境を基本目標の一つに掲げ、その中で、生物多様性への関心を高め、都市の生活に潤いを与える貴重な自然を大切にするための普及啓発を推進するとしております。生物多様性に関する普及啓発等を推進するためには、その実態を正確に把握する必要があることから、現在、生き物調査の実施に向けた検討を進めており、令和6年度に調査を実施する考えでございます。調査を通じて区内に生息する生き物の実態を把握した上で、関係部署との調整を図りながら今後の取組について検討をしてまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 私からは、未利用施設の有効活用についてお答えをいたします。区有施設整備計画では、当該資産の利活用や貸付け、売却の方針が決まり実施されるまでの期間は、区による閉鎖管理もしくは暫定利用とすることとしております。ただし、相当期間空くことが見込まれ、施設の安全性が確保できる場合には、財源の確保に向け、支障のない範囲で別用途として暫定貸付けできることも定めており、資産の有効活用に努めてまいりたいと考えております。
次に、北朝鮮拉致問題に係る普及啓発についてでございます。区内掲示板へのポスター掲示につきましては今年度も実施する予定でございます。区有施設への掲示につきましては今後検討してまいりたいと考えております。そのほか、毎年12月に実施しております人権パネル展におきまして、ポスター掲示等による普及啓発も図ってまいりたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 質問時間は終了しておりますので、答弁は結構です。
以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 立 石 り お
1 区有施設再整備について
2 防災対策について
3 ICTを活用した教育環境について
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、立石りお議員。
〔立石りお議員登壇〕
○15番(立石りお) 令和5年第3回定例会において一般質問いたします。
初めに、区有施設再整備についてです。
中野区の区有施設整備計画は、令和3年度から令和12年度までの計画期間となっておりますが、施設の跡地活用の考え方や計画後期の取組が具体化されておりません。計画後期には、鷺宮小学校跡地の施設複合化や、保育園、幼稚園の建て替え計画など、具体化していくことがたくさんあります。また、先日の子ども文教委員会で児童館運営・整備推進計画の考え方が示されましたが、児童館の考え方が変更されたことで区有施設整備計画とのそごが生じております。老朽化が進んでいる児童館もあり、今後の施設配置を決定する上で建て替えるか大規模修繕するのか検討を進め、中長期的な児童館の在り方を示さなくてはなりません。
しかし、児童館運営・整備推進計画は令和6年から令和10年度までの5か年となっており、計画期間の根拠が不明となっています。児童館の方針が9館から18館に変更されたわけですが、9館の方針の際には、児童館跡地には保育園、児童養護施設などの児童福祉施設、また、グループホーム、老人ホームなどの介護・障害福祉施設などの民間施設の誘致が検討されておりました。これら介護・障害福祉施設などの行政需要は、高齢化が進むにつれてますます増加していきます。こういった課題を踏まえ、区有施設全体の考え方を早期に示すべきではないでしょうか。区有施設整備計画の改定時期と改定後の計画期間についてどのように考えるのか、見解を伺います。
また、児童館跡地に誘致するはずだった民間施設の必要性をどのように考えているのか、見解を伺います。
今後の少子高齢化の加速に備え、社会福祉法人などグループホームなどを誘致する土地を確保していく必要があります。そのためには、区有施設の複合化によって土地を確保していくことが重要です。複合化は同時期に施設の更新をしなくてはなりませんが、実際には施設の更新時期がずれております。現在、改廃の考え方や建て替え時期が未定の施設についても、ライフサイクルコストが安くなるのであれば、建て替えの時期を前倒しして複合化を図っていくなどの検討も必要です。区有施設整備計画では複合化を図って施設の維持費や管理費を抑制していこうという方針ではありますが、改めて、中野区として複合化を進めていく必要性と、そのメリットについての見解を伺います。
区有施設整備計画では延べ床面積を縮小していくという方針ですが、新しく建設する施設に関しては面積と更新費用が増加している傾向にあります。平米当たりの単価は、近年の物価高騰の影響で単価が上昇していることが想定されます。施設白書では現施設と同規模を仮定して施設更新経費の将来推計をしており、これらは理論値ではありますが、市民文化系、社会教育系、行政系施設の更新単価を1平米40万円、スポーツ・レクリエーション系施設は建て替えが1平米36万円、子育て施設は建て替えが1平米33万円と設定しており、大規模改修は更新費の6割程度の金額を見込んでおります。現在の数値として、行政系施設、スポーツ・レクリエーション系施設、教育系施設、子育て系施設などの平米当たりの更新単価と差額について伺います。大規模改修の平米単価などについては、また別の機会で伺ってまいります。
2、防災対策です。9月1日で、関東大震災の被災から100年の節目に当たります。今後30年内に高確率で同規模の震災が発生すると言われており、想定外の事態がないよう防災対策に取り組まなくてはなりません。新型コロナウイルス感染症の影響で、この4年間、避難訓練を実施できていない防災会も多いと聞きます。私も、先日4年ぶりに開催された地域の避難所運営会議に参加をしてまいりました。この4年間の間に新しく中野区に転入した住人もおりますので、ふだん町会などと接点がない住民に対しても防災の取組に対して積極的に参加を促していく必要があります。新しく建設されたオートロック付きの高層マンションなど、住民と郵便局員しか入ることが認められていないマンションも増えており、民生・児童委員による日頃の見守り活動にも支障を来しておりますし、地域との接点がないマンションが今後増加していくように思います。
現在、中野区には6階建て以上のマンションが1,300棟ほどありますが、防災会を組織しているマンションは16棟です。避難所は、実情上、町会・自治会の役員が運営を担うことになりますが、高齢化とオペレーションが複雑であることから、地域に住んでいる現役世代に日頃から関わってもらえるような顔の見えるような関係構築を進め、町会・自治会の活動をしていただく仕組みも重要です。そのため、マンション内での防災会成立を促し、地域の避難所運営会議に参加を促していかなくてはなりません。中野区では、管理計画が基準を満たすマンションに対して修繕など有利な条件で行えるよう、マンション管理計画認定制度を本年の8月に導入しております。この認定制度は自治体ごとに独自の認定基準を設けることができます。マンション内の地域防災会の設立、地域の防災会との交流など、中野区の独自基準を設け、マンション内での地域防災の取組を誘導してはどうでしょうか、見解を伺います。
防災対策として、避難所区域の関係団体との連携も強化していかなくてはなりません。現状、保育園、幼稚園については建物内の避難が想定されており、風水害の際には一時避難所への避難が想定されています。建物の倒壊のおそれがある際には避難所への移動が想定されますが、避難所側にはどの保育園、幼稚園が避難をしてくるか、情報が共有されておりません。首都直下地震が発生した際には避難所での受入れも想定され、連携を取らなくてはなりません。避難所に対して保育園、幼稚園の避難情報を共有すべきではないか、区の見解を伺います。
続いて、ICTを活用した教育環境についてです。
中野区では、令和2年度からGIGAスクール構想によって児童・生徒1人1台のICT端末が導入されております。文部科学省は、ICT端末を活用することで、多様な子どもたちを誰一人取り残さない、公正に個別最適化された教育環境を目指しております。児童・生徒は一人ひとりが家庭環境や健康状態、就学状況なども異なりますので、各所管にまたがる行政データの連携によって児童・生徒の状況を正確に把握することが必要です。そういった情報に加え、学習履歴を参照し、現状の勉強の進捗状況や得意・不得意などに合わせた学習の個別最適化を推進していくことが期待されます。
教育データの活用については、デジタル庁型の保険や税、学齢簿など庁内データと学校側が所有する学習系、校務支援系のデータを連係し、学習の進捗状況から家庭の状況までを把握するパターンと、文部科学省の児童・生徒が学校や家庭において学習アセスメントができるシステム・メクビットを活用したパターンがあります。中野区の小・中学校のICT施策に関する計画は、中野区教育の情報化推進計画に示されており、計画期間は令和3年4月から令和8年3月までの5か年とし、おおむね3年をめどに、教育の情報化に関する状況の変化や事業の実施状況を踏まえ必要な改定を行うとしております。今年度は、改定を見据えた検討段階に入ります。この3年間、教育の情報化に関する状況は日々変化をしております。現状の中野区の教育情報化推進計画には、教育データの活用について示されておりません。改定に当たり内容を示すべきと考えるが、どのように検討を進めていくのか、見解を伺います。
メクビットは、学習eポータルと接続したシステムで、教材や試験問題をほかの自治体とも共有できる仕組みになっており、文部科学省が活用を進めております。今年度、メクビットとは別に、中野区ではQubenaというAI学習ドリルを全小・中学校で無償利用しておりますが、来年からは有料になります。また、Qubena以外のAI学習ドリルを保護者負担によって利用している学校もあります。文科省が進めている仕組みなどを考えると、今後AI学習ドリルは必須のツールとなるため、来年度からAI学習ドリルに関する費用は区側が負担していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
子どもたちの教育環境を向上していくためには、教員の働き方改革も同時に進めていかなくてはなりません。中野区の区立学校教員の働き方に関する教員意識調査結果概要によると、回答者474名に対して、「業務が多忙と感じる」と回答している割合が69%、「どちらかというと感じている」と回答した方が26%、合わせて95%の教員が業務を多忙と感じているという回答をしております。最も負担を感じるという業務は、複数回答の設問ですが、「調査への回答」、「各種の申請」などと回答した方が373名で最も多い結果となっております。調査業務に関しては国や都からのものが多く数を削減していくことは困難ですが、回答方法や集約化を効率化していく工夫ができないのでしょうか。調査と各種申請等の業務の負担について、教育委員会の認識と今後の対応策について見解を伺います。
以上で、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 立石議員の御質問、私からは1番目、区有施設再整備についてで、まず区有施設整備計画の改定についてです。区有施設整備計画の改定時期は、基本計画の次期計画の策定と併せて改定する考えであります。計画期間につきましては、公共施設等総合管理計画も包含した計画とすることから、10年の計画期間を検討しております。
次に、民間施設誘致についてです。区有施設整備計画では、閉館する児童館を児童福祉施設や介護・障害福祉施設の誘致を検討する候補として示しておりました。認知症高齢者グループホーム、都市型軽費老人ホームなどは、第8期介護保険事業計画で整備目標としていた施設数に到達しておらず、誘致が必要であると考えておりまして、児童館以外の跡地等を活用することを検討しております。
次に、公共施設の複合化についてです。施設を複合化することによって、整備工事の効率化、延べ床面積や維持管理コストの縮減が図られることや、機能を集約することで施設を利用する区民等が一つの施設で様々なサービスを享受できるなど、利便性の向上にもつながります。また、施設の集約・複合化を行うことによって未利用となる土地施設を生み出し、民間施設誘致も含めた新たな活用や貸付け、売却等に伴う財政効果が見込めると考えております。
次に、現状の更新単価と施設白書との差額についてです。現状の1平米当たりの更新単価につきましては、市民文化系施設が43万円、スポーツ系施設は78万円、子育て支援施設75万円となっております。施設白書記載の1平米当たりとの差額は、市民文化系施設は3万円、スポーツ系施設は42万円、子育て支援施設は42万円となっております。
次に、防災対策について、マンションの防災対策についてです。マンション管理計画認定制度については、国の基本方針と同一の認定基準により開始したものでありますが、現在の基準においても、災害等に迅速な対応を行うため、組合員名簿や居住者名簿を適切に備えることを求めております。今年8月に開始したところでありまして、まずは制度の普及啓発に取り組んでいくとともに、本制度の将来的な方向性については、制度の普及状況や他の自治体の動向等を勘案しながら研究を行ってまいります。
最後に、保育園、幼稚園の避難情報の共有についてです。区内にある保育園や幼稚園は、所在地の各避難所に避難することになるため、各地域の避難所を運営する防災会と避難対象となる施設等が避難情報を共有できるよう努めてまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、ICTを活用した教育環境についての御質問にお答えします。
まず、中野区教育の情報化推進計画改定に向けたデータ利活用の記載についてです。デジタル庁と文部科学省の関係省庁が策定した教育データ利活用ロードマップや国等の動向も踏まえ、児童・生徒の学習データ等の活用につきましては、中野区教育の情報化推進計画の改定の際にどのように記載するか研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、AI学習ドリルの導入に係る費用負担についてです。今年度は、試験的にAI学習ドリルQubenaを全校に導入するとともに、学校の希望により、その他の学習ドリルも利用できるようにして比較検証を行っております。7月時点で全校児童の約5割、全校生徒の約3割が週1回以上、AI学習ドリルを使っていることが分かっております。また、夏期休業中は多くの児童・生徒が宿題や自主学習として意欲的にドリルに取り組んだとの報告を学校から受けております。AI学習ドリルの導入に係る費用の負担につきましては、その教育効果や各小・中学校の要望も含め、総合的に判断していきたいと考えております。
最後に、教員の調査や各種申請等に係る業務負担の軽減についてです。区立学校教員の働き方に関する教員意識調査において、教員の業務として調査への回答や各種の申請書等が負担の一つになっていることは認識しております。さらなる負担軽減につきましては、中野区立学校における働き方改革推進プランの改定の取組の中で検討を進めていきたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で立石りお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 斉 藤 けいた
1 区立小中学校の学校給食費相当額の給付金について
(1)今回の経緯について
(2)事務手数料について
(3)小学校高学年について
(4)来年度に向けた早期決断について
(5)その他
2 平和の森公園のドッグランについて
(1)ドッグランの拡大・設備拡充について
(2)その他
3 福島県への継続的支援について
(1)区役所前広場におけるイベント実施について
(2)その他
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、斉藤けいた議員。
〔斉藤けいた議員登壇〕
○3番(斉藤けいた) 令和5年第3回定例会、無所属、日本維新の会の立場から一般質問を行います。質問は通告どおり、その他はございません。
1、区立小中学校の学校給食費相当額の給付金について。
給食費の無償化については、第2回定例会の一般質問でも行ってまいりました。私たち日本維新の会は、結党当時から教育の無償化にこだわり、大阪府では私立高校の授業料完全無償化も始まろうとしております。私個人としても、家庭の所得、子どもの数、そういったことに左右されることなく、できるだけ自分の進みたい道に進めるようにする、学びたいことを学べるようにする、自分の可能性を追求できるようにする、そういった社会を目指していきたいと考えております。そのスタートの一つとして、中野区での区立小中学校の給食費の無償化には非常にこだわってまいりました。その中で、今回、中野区においても区立小中学校の学校給食費相当額を給付金として支給するとの提案が出てまいりました。
そこで、質問に入ります。
今回の経緯について。前回の一般質問において区長の答弁としては、学校給食費については義務教育であることから本来国が負担するべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行っていくと回答されました。それが一変して、今回、区立小中学校の学校給食費相当額を給付金としての支給との提案が出てきましたが、その経緯、心境の変化について教えていただけますでしょうか。先ほど吉田議員もおっしゃっておりましたが、東京23区において対策をしていないのが残り渋谷区と中野区の2区だけになったからでしょうか。
事務費について。今回の給付金の支給に当たって事務費がかかると想定されますが、その金額、さらには具体的なその内訳について教えてください。また、民間の事業者を使用する予定はございますでしょうか。
小学校の給付金の差別化について。今回の給付金の実施は10月から3月の半年間とされております。この半年間の給食の回数は109回です。小学生低学年の給食費は1食258円、高学年は298円、中学生は399円です。これを109回で掛けると、小学生低学年は半年で2万8,122円、高学年は3万2,482円、中学生は3万6,951円となります。小学生は低学年と高学年で給食費の金額が異なります。今回の給付金に関しては、小学生低学年と高学年できちんと給付金の差別化はされておりますでしょうか。それとも、小学生として一律にまとまってしまっておりますでしょうか。
来年度に向けた早期決断について。現在の国の状況を鑑みると、物価高騰に関しては今後も続くと予想されます。私としては、国が責任を持って行わないから中野区として何も行わないという状況に甘んじ続けた結果、令和3年の中野区の合計特殊出生率は0.96まで下がってしまったと考えます。国に必要な対策を求めながらも中野区としても必要な対策を進める、両輪で進めるのが責務だと考えます。子育て先進区・中野区として、次年度の給食費無償化について速やかな決断をすべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。
2、平和の森公園のドッグランについて。ドッグランの拡大、設備拡充について。
前回、第2回定例会において、中野区の南側地域に新たなドッグランの設置について質問させていただきました。もちろん、この実現目標に関しては変更はございません。中野区における人とペットの共生は、私の議員としての政策の要の一つです。いまだに中野区の南側で犬を飼われている区民の方々からは、平和の森公園のドッグランまで犬を連れていくのは遠いとの御意見を頂きます。しかし、今回は新たなドッグランの設置よりも、まず今現在ある平和の森公園のドッグランの利便性を高めることが優先順位として高いと思い、質問させていただきます。
平和の森公園のドッグランは、現在、小型犬エリアで約130平方メートル、大型犬エリアで約280平方メートル、合計410平方メートルと、都立公園ではないにしろ、23区内の公園において小さなドッグランになっております。ドッグランは飼い主とペットが安全に遊べる場所であり、散歩と異なる環境でペットが自由に走り回ることで、運動不足やストレス解消、社交性の向上が期待できます。
そこで、質問です。まずはドッグランの拡大についてです。今現在あるドッグランの北側に拡張できそうな空間がございます。約70平方メートル程度は広げられるのではないでしょうか。この空いている空間部分を拡張し、最大約500平方メートル弱の空間をドッグランとして使用できないかを提案いたします。ドッグランを拡張することで、さらに人と犬が互いに気持ちよく利用できるレクリエーション空間がつくれると考えます。
また、設備拡充の件です。利用されている方々からは、犬用の水飲み場や足洗い場があればより快適にドッグランを楽しむことができるとの声がございます。また、現在は無人管理のドッグランのため、防犯カメラの設置を求める声もございます。理由としては、施設でのトラブルが起きた場合の対応、また、防犯カメラを設置することでマナーが守れない人が減る可能性も高くなるのではないかとお声を頂きます。平和の森公園のドッグランの拡大、そして設備の拡充について、区の見解をお伺いいたします。
3、福島県への継続的支援について。
中野区における支援活動について、東日本大震災当時、福島県産の農水産物は放射能の影響から風評被害を受けておりましたが、東日本大震災から12年が経過した現在でも、福島第一原子力発電所から排出される処理水の関係もあって、福島県の農水産物は風評被害を受けております。中野区は、姉妹都市として福島県田村市、なかの里・まち連携自治体として福島県喜多方市と、福島県とは深い縁がございます。何よりも、中野区は東日本大震災において東北との強い絆を築いてきた自治体でもございます。福島県と中野区では広域自治体と基礎自治体と異なりはございますが、同じ地方自治体として短期的、長期的の両面で福島県を応援していくべきではないかと考えております。
そこで、質問です。区役所前の広場では、マルシェや防災起震車による啓発、チャンプルーフェスタなど、様々なイベントが実施されております。例えば、そういったイベントとコラボレーションした企画や、兵庫県庁の食堂で実施した福島県の特産品メニューの提供を模倣するなど、中野区として何か福島県の農水産物の安全性をアピールする支援をしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。23区で現在、福島県を応援していこうという具体的な動きがある区は見られません。23区初の試みとして、中野区にて積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか、区の見解をお伺いいたします。
以上、私の一般質問を終わりとさせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問、区立小中学校の学校給食費相当額の給付金について、まずは給食費相当額を給付することとした経緯についての御質問です。学校給食費については本来国が負担すべきものとの認識で変わりはございませんが、今回の給食費相当額の給付金は、物価高騰が続いている状況に鑑みて支給をすることとしたものでございます。
次に、給食費相当額の給付金支給に係る事務経費の内訳についてです。事務経費の内訳は、給付金支給業務を外部委託するための経費として9,847万円、郵送料496万1,000円、振込み手数料87万円、人件費・コピー代等で77万2,000円、合計1億507万3,000円でございます。
次に、小学生への給食費相当額の給付金額です。小学生の保護者への給付金額は一律3万円を考えております。
最後に、来年度に向けた給食費無償化早期決断についての御質問です。来年度の負担軽減策につきましては、国の動向や物価高騰の状況を踏まえ、検討を行ってまいります。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、平和の森公園のドッグランについてお答えいたします。
まず、ドッグランの拡大についてでございます。平和の森公園のドッグラン北側にある空間では、健康遊具の利用や休憩での利用がされているところでございます。ドッグランを拡大することにつきましては、利用者の声のほか近隣住居への配慮など、様々な意見を踏まえて検討してまいります。
それから、ドッグランの設備拡充についてでございます。平和の森公園のドッグランの脇には、犬の足洗いにも利用できる手洗い場が設置されてございます。犬専用の設備や防犯カメラ等の設備につきましては、必要性や設置による効果など、他の事例も調べながら指定管理者とも協議し検討してまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、福島県への継続的支援に関して、福島県産水産物の安全性アピール支援についてお答えいたします。中野区は、田村市と姉妹都市提携をしており、また喜多方市となかの里・まち連携事業を実施しているなど、福島県と縁が深く、水産物の風評被害は大変残念であり、また悔しい思いでおります。関係団体などから具体的な要請がございましたら、他イベントへの参加を働きかけることや区のイベントスペースを提供するなど、協力に努めてまいります。
〔斉藤けいた議員登壇〕
○3番(斉藤けいた) 再質問させていただきます。今の福島県への継続的支援でございますが、この支援活動について、中野区に関しては積極的に支援活動を行っていくという認識でよろしいでしょうか、再び答弁をお願いいたします。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 再質問にお答えいたします。
基本的にはそういった姿勢でおります。ただ、具体的な要請、その内容によって、コラボレーションするイベントですとか支援の仕方があると思いますので、それに応じて対応していきたいと考えてございます。
○議長(酒井たくや) 以上で斉藤けいた議員の質問は終わります。
中野区議会議員 井 関 源 二
1 中野区のバスの南北利便性向上について
2 中野区内道路への自転車レーン整備等、安全性向上について
3 保育園・幼稚園への補助、待遇改善について
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、井関源二議員。
〔井関源二議員登壇〕
○4番(井関源二) れいわ新選組の井関源二です。よろしくお願いいたします。
先日の9月1日は、関東大震災から100年でした。関東大震災で被災して亡くなった方、殺された朝鮮人・中国人の方、朝鮮人と間違われて殺された方、震災のどさくさに紛れて殺された思想家の方々に心より哀悼の意を捧げます。震災で被害を受ける方が一人でも減るように、デマでリンチを受けることが今後二度とないように願っております。
なお、質問は通告どおり、その他の項目はございません。
中野区民の南北の移動は、皆さん基本は自転車移動、雨の日はバス移動が多いと思われます。私自身もよく自動車に乗ります。バスは不便なので、めったに乗りません。そこで、バスと自転車について質問します。
1、バスの南北の利便性向上について。
区内の路線バスについては、路線が中野駅を中心としてネットワークされており、区南部と西武新宿線各駅などをする、または新江古田駅方面に行く路線がなく不便です。平成25年に小宮山議員がバスの南北延伸について質問しております。例えば、京王バスと関東バスの相互連携を図り初乗り料金での南北一貫交通を可能にしたり、バス会社の負担をなくすための補助金の創設や新たな区民の動線をつくること、それによって区内の人的交流、経済交流、情報交流を図っていくことは、目先の採算に代えられぬ大きな資源になっていくと私は考えておりますとおっしゃっております。それに対し、当時の田中区長は、「採算性、いわゆるどれだけ公費が投入できるのかというところで、なかなか現実に事業化することは難しいということが続いている現状だと思っております。」、「他都市の交通システムの情報収集や区内の交通関係事業者等との情報交換を行うなど、南北交通の連携についてはこれからも研究してまいりたい、こう思っております。」と回答しています。その後、いかがでしょうか。
シェアサイクルは増えていますが、バスは京王バスで沼袋を通って練馬が1本、都バスで中野坂上を通って野方が1本です。区内のバス交通の利便性を向上させるため、南北を一気通貫で運行する路線を新設してはいかがでしょうか。現在、ICカードやスマホのPASMO、Suicaで電車の乗り換えが便利になりました。以前は経路を決めて目的地まで切符を買っていましたが、現在は経路や途中下車など行動の選択肢が増えております。東京メトロと都営地下鉄の相互乗り換えも便利になりました。バス会社相互の乗り入れや乗り継ぎ割引を区が調整役として入り、検討してはどうでしょうか。
2、中野区内道路への自転車専用レーン整備等、安全性向上について。
私が中野駅近くの立ち食いすし屋で飲んでいるとき、同席した沼袋にお住まいの区民の方に区に何か要望はないかと伺ったところ、自転車が危ないと伺いました。いまだに逆走している自転車があるそうです。中野区には自転車利活用計画が策定されましたし、私自身も自転車乗りとしていろいろ質問があります。
(1)現在、日本では自転車は原則、車道の左側を走行します。山手通りは自転車通行区間として歩道内で分離された空間が整備されていますが、現在、自転車は車道の左側を走行します。車道に自転車レーン(普通自転車専用通行帯)を再整備することはできないでしょうか。
また、私自身、選挙中、選挙カーで隘路から山手通りに出て左折しようとしたとき、チリンチリンチリンとすごい勢いで下り坂を逆走してきた自転車に出くわしました。事故を起こせない選挙のタイミングでも危なかったのですから、通常のドライバーや自転車に乗っている方は常時危ない思いをされているかと思います。この問題を改善するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
(2)自動車を運転しているとき、一番危ないのは路上駐車している自動車を避けるために膨らんで走行するときです。車道に自転車レーンを整備する際は、自動車の車線との構造的な分離等により自転車通行の安全性を高める必要があると考えますが、区はどのように捉えているでしょうか。
(3)区内はまだ自転車レーン等の自転車通行区間が未整備の場所があります。未整備区間の整備を進めることが必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
(4)西武新宿線野方駅と環状七号線の交差部は、現在、道路がアンダーパスとなっております。歩行者、自転車の南北移動が不便です。さらに、自転車での中野駅方面と上鷺宮方面の移動時、環七の側道から道路が狭く人通りの多い野方駅付近の商店街を通るため、移動に時間がかかります。自転車の環七と新青梅街道の移動がスムーズになれば利便性が激増します。環七部分の道路に自転車レーンを整備するためには構造を変えるなどの必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
(5)駐輪場に関する質問です。現在の駐輪場は、スタンドのないスポーツサイクルや重くタイヤが太い電動自転車に適しておりません。スポーツサイクルは盗難の標的になりやすいので、自転車と構造物を強度の高い鍵でロックする必要があります。そういった事例に対応している駐輪場もありません。駐輪場の広さは確保されておりますが、対応可能な自転車の種類を増やしていただきたいです。
3、保育園・幼稚園への補助、待遇改善について。私立保育園園長会、私立幼稚園園長会から陳情がありました。その要望に基づき質問いたします。
(1)まず、認可保育園の定員割れに対する補助金についてお伺いします。定員割れの保育所は非常に厳しい現状だそうです。現在、23区では13区で認可保育園の空き定員に対し補助を実施しているそうです。子育て先進区として中野区では安心して子育てできるというメッセージを打ち出す意味でも、定員割れの認可保育園に対する補助をしてはいかがでしょうか。
(2)日本の抱える社会問題として、保育士の収入が低い、上がらないという問題があります。保育士の待遇を改善するため何か方策はありませんでしょうか。例えば、区では保育事業者職員宿舎借り上げ支援事業補助金として、保育士が保育運営事業者の賃貸借する住宅に住居する場合、住宅の借上げを行う保育運営事業者に対する補助を行っていますが、8分の1は事業者負担になっています。事業者の負担が始まったときは、中野区の財政難によるためと説明を受けたそうです。財政が健全化した場合は事業所者負担の撤廃をしてほしいと求められています。現在は財政難ではありません。税収は好調で、財政調整基金も増額しています。現在、保育士は待遇のいい23区の東のほうに流出しているというような現状があるそうです。いい人材を確保するためにも、中野区で対策するべきだと考えます。事業者の負担軽減のため、負担している分について区が負担すべきだと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
(3)私立幼稚園についても、幼稚園型一時預かり事業を行っている園については住宅手当加算がありますが、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金に相当する制度はありません。幼稚園でも教諭が定着しないという問題に直面しているそうです。幼稚園教諭に対しても保育士と同様の助成制度があるべきだと考えます。区の見解を伺います。
(4)区では、一時預かり事業をしている園では幼稚園型一時預かり事業補助を行っていますが、今回、私立幼稚園で預かり保育をやるには条件が厳しい、緩和できないかと陳情が来ました。条件の緩和はできませんでしょうか。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 井関議員の質問にお答えします。
区のバスの南北利便性向上についてでございます。区は、令和4年度に学識経験者、交通事業者等で構成される中野区交通政策推進協議会を設置し、地域公共交通計画の策定検討を進めておりまして、路線バスネットワークの維持・拡充に関する施策も盛り込むことを検討しております。区内の路線バスにつきましては、現状の問題点や路線バスの需要等を適切に把握した上で、本協議会において関係者と協議を進め、具体的な取組について検討してまいります。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、中野区内道路への自転車レーン整備と安全性向上の御質問についてお答えをいたします。
まず、山手通りの自転車通行空間の再整備についてでございます。国土交通省及び警察庁が平成28年7月に作成いたしました安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインにおきまして、自転車通行空間の整備形態は、自動車の交通量や規制速度、道路の幅員により選定することが示されてございます。このガイドラインを参考に、都道、区道ごとに各道路管理者や警察が適切に整備形態を選定し、整理を進めているところでございます。なお、山手通りは都道でございまして、令和3年5月に東京都建設局が策定した自転車通行空間整備推進計画におきまして整備済みの路線と位置づけられておりまして、自転車レーンに再整備されるものではないと認識をしてございます。
それから、自転車レーンの安全性向上についてでございます。自転車通行空間は、可能な限り当該道路の構造等に適した整備形態で整備をされてございます。なお、整備された自転車レーンにつきまして、自動車の駐停車や自動車が自転車レーンを走行するなどの問題点は認識をしてございまして、警察による路上駐車対策や自動車運転手の交通ルールの遵守が必要と考えてございます。
それから、区内の自転車通行空間の未整備区間についてでございます。区は、令和5年6月に中野区自転車利活用計画を策定しており、本計画において区内の自転車ネットワークに続けてございます。今後は、この自転車ネットワークの形成に向けまして、都市計画道路の整備等と併せ、区内の自転車通行空間整備を進めてまいります。
それから、環状七号線の自転車通行空間整備についてでございます。環状七号線は都道でございまして、自転車通行空間については東京都の判断により整備されているものでございます。東京都建設局が策定した自転車通行空間整備推進計画におきまして、環状七号線は自転車通行空間の整備路線としての位置付けがないということから、整備見込みはないものと考えてございます。
それから最後に、区営自転車駐車場のスポーツサイクル等の駐車需要への対応についてでございます。区は、電動自転車、親子自転車等の多様な車両に対応した自転車駐車場となるよう適宜改善を進めておりまして、需要が多く重量のある電動自転車や親子自転車が駐車しやすいよう、従前は自転車ラックを設置していた区画を平置きの区画に変更するなどの改善を行ってございます。今後も、スポーツサイクル等を含め、利用者の需要を適切に把握しながら自転車の駐車環境の整備を進めてまいります。
〔子ども教育部長石崎公一登壇〕
○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、保育園、幼稚園への補助、待遇改善についての御質問についてお答えいたします。
まず初めに、認可保育所に対する減収補填についてでございます。私立認可保育所の令和5年4月の入所率は約85%でございます。また、例年年度末までには入所率が上がっている傾向にあるため、経営への影響は大きくないと考えているところでございます。
保育園の定員割れ対策につきましては、機会を捉えて国や都に要望してございますが、認可保育園に対する減収補填を行うことは現時点では想定してございません。
○議長(酒井たくや) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。
以上で、井関源二議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
──────────────────────────────
第61号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算
第62号議案 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第85号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
(委員会報告)
○議長(酒井たくや) 日程第1、第61号議案、第62号議案及び第85号議案の計3件を一括議題に供します。
令和5年(2023年)9月14日
中野区議会議長 殿
総務委員長 杉山 司
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第61号 |
令和5年度中野区一般会計補正予算 |
9月14日 |
第62号 |
令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 |
9月14日 |
令和5年(2023年)9月14日
中野区議会議長 殿
子ども文教委員長 斉藤 ゆり
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第85号 |
中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例 |
9月14日 |
○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
これより討論に入ります。河合りな議員、山内あきひろ議員、日野たかし議員、武田やよい議員から討論の通告書が提出されていますので、順次、通告議員の討論を許します。
最初に、河合りな議員。
〔河合りな議員登壇〕
○18番(河合りな) 上程中の第61号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算について、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から賛成の討論をいたします。
この補正予算は、歳入歳出の総額にそれぞれ81億1,112万3,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ2,077億712万2,000円と定めるものです。補正予算の主な内容は、物価高騰の影響により経済的に厳しい区民や区内事業者への支援を講ずるものです。
まずは、学齢児童保護者に対する価格高騰支援給付金事業についてですが、端的に申し上げますと、学校給食費相当額給付金であり、実質の学校給食の無償化です。我が会派は、これまでも学校給食の無償化について何度も要望してまいりました。さきの第2回定例会でも本会議一般質問において提案し、8月10日には全ての子どもたちの学校給食の無償化を求める緊急要望書を区長、教育長に提出したところであり、今回の取組は評価するものです。特筆すべきは、支援の対象が中野区立学校だけにとどまらず、国立、都立、私立、都立特別支援学校、フリースクールの学齢児童・生徒も対象としていることです。誰一人取り残さない区の姿勢を高く評価いたします。
しかし、学校給食無償化への取組は、我が会派も含め議会から多くの声が上がっていたにもかかわらず、23区の中では後塵を拝しました。物価高騰における子育て支援世帯への支援とするならば、未就学児や高校生への支援について対象を広げる選択肢もありました。また、物価高騰の影響を受ける給食の質も十分に担保すべきです。今年度については給食費相当の給付として取り組みましたが、来年度は学校給食の無償化として取り組むべきです。さらに、今回対象とした都立、私立、国立に通う児童・生徒についても引き続き対象とする必要があると考えます。課題を整理し、早期に考え方を示すことを要望いたします。
次に、価格高騰支援給付金の対象者の拡充事業についてです。
令和5年度住民税均等割のみ課税世帯と課税所得の世帯合計が150万円の世帯に3万円の支給を行います。5月の臨時会において2次補正予算の中で提案された、住民税非課税世帯と家計急変世帯への低所得世帯支援給付金の対象を拡充するものです。第2次補正の低所得世帯支援給付金に関しては、国からの臨時交付金が交付され、その中で非課税世帯への3万円の給付事業を行うこととなっていました。今回、住民税均等割非課税世帯と課税所得の世帯合計が150万円未満の世帯にまで区独自として手厚く支援を広げたことは高く評価いたします。一方、5月の時点で均等割のみの課税世帯へ独自に拡充された区もあると聞いております。様々理由があったところは理解いたしますが、5月の臨時会の時点での対象拡大をしていれば、事務負担の軽減や、今回の対象世帯にもより早期に給付金を届けることができたのではないかとも考えるところです。
次に、中野本郷小学校代替校舎へのスクールバスの運行についてです。
中野本郷小学校の建て替え校舎に通う期間、最大2.2キロメートル、時間にすると45分かけて通学となることから、区は代替校舎使用期間のスクールバスを運行することといたしました。子どもたちの通学に関わる負担を軽減することを評価いたします。一方で、一部の小学校に通う子どもたちの中にも1.5キロメートル、時間にすると25分かけて徒歩通学している児童がおります。今回運行するスクールバスを利用する対象児童の中には、該当の学校に比べ通学距離が短い子も含まれることから、政策決定における整合性には疑問が残ります。引き続き、区内全ての小・中学校の通学路の安全や負担の軽減に真摯に取り組まれることを要望いたします。
私立幼稚園等非常通報装置(学校110番)の更新整備補助金、また、物価高騰に伴う介護サービス事業所への支援については、東京都が行わない支援を区が補っていく姿勢は高く評価します。総じて、ここまでの物価高騰下においても、国は臨時国会を開いて補正予算を編成もせず、国民生活に目を向けていない中、当初交付された臨時交付金の枠内だけに事業を収めるのではなく、区民生活に寄り添い、これまで区独自で補正予算を編成された区の姿勢を高く評価いたします。他方、今般の物価高騰のような環境激変への支援の在り方、対象、期間などには、区としての基準、考え方も持つ必要があると考えます。
結びに、物価高騰が落ち着く様相がない中、今後も区民生活、関係事業者の実態を注視し、必要とあるならば積極的な政策展開と財政出動を求め、賛成討論といたします。
ありがとうございました。
○議長(酒井たくや) 次に、山内あきひろ議員。
〔山内あきひろ議員登壇〕
○1番(山内あきひろ) 第61号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算に対して、自由民主党議員団の立場から賛成討論をさせていただきます。
本補正予算は、現在区民の皆様を苦しめている物価高騰への対応策が多く盛り込まれているものであり、各委員会において様々な御指摘をさせていただきました。我が会派は、これまで区民の皆様から多くのヒアリングを行い、物価高騰への対応を早急に行うべきと要望してきた中では、その対応が盛り込まれた今回の補正予算案には一定の評価をいたします。
しかし、それぞれの項目の詳細を見るといかがかと思わされるものもございました。例えば、子ども教育費の学校給食費相当額の給付についてです。これまで23区内のほとんどで物価高騰への対応として、公立小・中学校の児童の給食食材費無償化事業が行われております。我が会派からも、昨年10月、学校給食食材費無償化の検討について予算要望してまいりましたし、議会においても無償化についての質問がありましたが、酒井区長は、学校給食費については義務教育であることから本来国が負担すべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行ってまいりますと方針を変更することはありませんでしたが、今回の補正予算案で給食食材費相当分の給付が盛り込まれました。先ほども申し上げたように、今回の補正予算は物価高騰に対してどう区民の皆様を支援できるかが主たるものであります。物価高騰対策費ということであるならば、給食食材費全てではなく高騰した分の給付という解釈ができます。例えば、ガソリンなどの物価高騰対策費であれば物価高騰分の補助であります。
しかし、この給食食材費給付事業の概要を見ると食材費全ての給付となっており、事業の名称が不明瞭であり、給食食材費を直接補助するという23区の中で多くの区が行っているような事業を構築したほうが保護者の皆様には分かりやすかったのではないかと、子ども文教委員会で我が会派からも御指摘させていただきました。
また、この給付の趣旨を鑑みれば、給付の対象も区内在住の小・中学生に限定されるのではなく、幼稚園、保育園などに通われている乳幼児も対象とすべきであり、事業として不十分かつ不平等なものになっていると考えます。審査過程においてもその点について説明が十分にされてないことも併せて御指摘させていただきます。
これまで酒井区長は、給食費無償化について、国や東京都、区の負担がないように給食費無償化に向けた予算処置を要望するともおっしゃっておられました。23区ごとに給食費無償化は異なった事業スキームとなっており、特別区長会内においても考え方が異なっていることも考えられます。となれば、中野区独自で国や東京都への要望を早急に行っていただきたいと思いますので、改めてこの討論の場でも要望させていただきます。
また、物価高騰支援給付金は生活困窮者に対して大変重要な事業とは理解しますが、3万円という金額、課税所得の世帯合計額が150万円未満の世帯などの対象規模でよいのか、疑問があります。この夏は非常に暑く、区内において電気代の支払いを滞納し、エアコンがつけられず亡くなったのではないかという事例を幾つか聞きました。3万円を電気代滞納分の支払いで使い切るならば、支払わず食費に回し、光熱費を使わず、最悪なケースになることも考えられます。特別定額給付金10万円で救われたという声はたくさんありました。今後、この類いの給付においては、本当に厳しい方々に対して10万円程度の給付の検討を要望いたします。
様々申し上げましたが、今後の経済状況は不明瞭であり、予断を許さない状況が今後も続くことが想定されますので、中野区においては、他区の取組を勘案し、後れを取らないように常に緊張感を持って経済情勢の実態に沿った対応をしていただくことを要望し、賛成討論とさせていただきます。
○議長(酒井たくや) 次に、日野たかし議員。
〔日野たかし議員登壇〕
○12番(日野たかし) ただいま上程されました第61号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算に対し、公明党議員団の立場から賛成討論を行います。
本補正予算は、歳入歳出予算にそれぞれ81億1,122万3,000円が追加計上され、歳入歳出総額はそれぞれ2,077億712万2,000円とするものです。補正予算の内容は、低所得世帯への支援給付金、学齢児童・生徒の保護者への学校給食費相当額の給付金、私立幼稚園・保育所等への補助金、民間学童クラブ補助金、助産所への支援、介護サービス事業所への支援、公衆浴場への支援、障害福祉サービス事業所への支援、医療機関等への支援等の物価高騰対策としての予算が盛り込まれ、そのほかに中野本郷小学校改築に伴う解体工事費、防災設備移設費、代替校舎へのスクールバス運行費などが盛り込まれています。
物価高騰による区民生活への影響が続き、国や自治体からの様々な支援策が講じられる一方で、非課税世帯ではないために支援を必要としながらも対象とならない世帯からは切実なお声を伺ってきました。昨年度、我が会派として区に求めた緊急要望は、低所得世帯への支援策の実施、給食無償化の実施、キャッシュレス決済ポイント還元キャンペーンの実施の3点です。これまで議会においても重ねて要望してきましたが、今回の補正予算において、価格高騰支援給付金の支援対象世帯を区独自に拡充し、住民税均等割のみ課税世帯と課税所得の世帯合計が150万円未満の世帯に対しての給付金が盛り込まれたこと、また、学校給食費の実質無償化が盛り込まれたことは大いに評価します。そのほかの支援策としても、私立幼稚園や保育園、助産所、介護サービス事業所、病院、診療所、歯科診療所、調剤薬局、施術所からは会派として物価高騰への要望を受けてきましたが、ここに支援が行われることについても評価いたします。
その上で、学齢児童・生徒の保護者への学校給食費相当額の給付金について、2点指摘をさせていただきます。
1点目は、物価高騰対策として迅速な判断がされなかったことです。我が会派は、昨年度より学校給食費の無償化を物価高騰対策として時限的にでも早急に実施すべきということを申し上げてきました。23区ではほとんどの区で実施や検討がされている中、当区においては給食費の無償化は国が負担すべきものとして先送りにされてきました。今回、物価高騰対策として区立学校以外に通う小・中学生も対象にしたことについては評価しますが、物価高騰が区民生活に大きく影響を及ぼしている中、迅速な判断がされず、ましてや子育て先進区を標榜している当区の対応がここまで遅れたことは大変遺憾です。
2点目は、多額の事務経費が計上されてしまったことです。当給付金には1億500万円余の事務経費が計上されていますが、区立小・中学校については、給付金ではなく給食費無償化として実施していれば事務経費は抑制できたはずです。
学校給食費相当額の給付金について、最後に1点要望させていただきます。
他区においては早々に学校給食無償化が実施されていたことから、中野区での実施を期待していた方も少なくないはずです。当区では学校給食費無償化ではなく給食費相当額の給付金となりますが、今回の補正予算には低所得世帯への給付金も含まれます。給付の際には、学校給食費無償化を待ち望まれた区民の方にも、給付金が学校給食費相当額であり、すなわち学校給食費の実質無償化であることをはっきり分かる通知としていただくことを求めます。
このたびの補正予算は18事業に対する補正となっており、その全てが一括しての先議案件となっています。この中には、先議で行うことが適正であるのか疑問に思われる事業も見受けられました。さきの一般質問で我が会派の白井議員から意見を述べたとおり、これだけの事業に対して十分な審議時間が取れない先議で行うことは、議会での質疑を阻害することにもなります。先議に対する区の考え方について、よくよく検討していただくよう重ねて意見を申し述べます。
世界的な経済状況はまだまだ先行きが見通せず、今後も区民生活を支えるための適切な施策を迅速に実施することが必要です。現場の声をしっかり受け止め、状況を見極めて適切な判断をしていただくことを要望し、賛成の討論といたします。
○議長(酒井たくや) 次に、武田やよい議員。
〔武田やよい議員登壇〕
○7番(武田やよい) ただいま上程されました第61号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算について、日本共産党議員団の立場で賛成討論いたします。
今回の補正予算では、物価高騰が続く中で独自の物価高騰対策が計上されています。終わりの見えない物価高騰に対応する積極的な取組として大いに評価をいたします。
まず、補正予算に賛成する理由の第1は、第2回定例会で物価高騰対策の一つとして可決された区立小・中学校教材費補助に続き、子育て家庭の負担軽減が進められていることです。学校給食費無償化は、我が会派が2012年から10年越しで求め続けてきたものです。今回の補正予算は物価高騰対策としての対応ではありますが、事実上、小・中学校給食費無償化が実現されることになります。加えて、学齢期の子どもを抱える全ての世帯を対象とした点も、子育て家庭の負担軽減策として高く評価するものです。義務教育に係る費用の無償化実現のため、次年度以降の継続を求めることを付け加えます。
賛成理由の第2は、誰一人取り残さない中野の実践として、低所得者に対する物価高騰対策支援給付金の対象が拡大されたことです。今回、住民税均等割のみ課税世帯4,120世帯、課税所得の世帯合計150万円未満の世帯1万6,300世帯が新たな対象となりました。僅かな差で住民税課税となり給付金などが受けられずに困窮している世帯に対象を広げたことは、区民生活を支える点で大切な視点であると考えます。
中野区は、今年度決算において納税義務者の増加及び納税義務者1人当たりの総所得金額の増加により、特別区民税が前年度比5.7%増、おおよそ21億円の増収となったとのことです。しかし、一方で、課税基準日の1月1日現在、既に給付金が支給されている住民税非課税世帯及び今回給付金の対象とした世帯数の合計はおおよそ6万3,000世帯で、これは中野区の全世帯数約20万9,000世帯の3割に及びます。中野区においても格差が拡大していると考えます。この状況を次年度以降の予算編成にも反映させる必要があると思います。
賛成理由の第3として、私立保育園、幼稚園、医療機関、介護保険事業所、障害福祉サービス事業所などへの支援を追加した点を評価します。現時点で、東京都の補助が9月で終了する予定です。その中で、保育、幼児教育、医療、介護の分野において利用者及びその家族を支えている事業所を守ることは、区民生活を支えるための公の責務であると考えます。特に、法定価格で事業運営を行わなければならない医療機関、介護保険、障害福祉サービス事業所では、新型コロナ対応と物価高騰によるダメージは大きく、事業所存続のために区のできる支援として物価高騰対策支援は必須の事業です。区民生活を守り、誰一人取り残さない中野の実現を進めるため、今後の状況を見据えた事業の継続を要望し、賛成討論といたします。
○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより採決いたします。
上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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認定第1号 令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 令和4年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 令和4年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 令和4年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 令和4年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
○議長(酒井たくや) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長青山敬一郎登壇〕
○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして、一括して説明いたします。
初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。
令和4年度一般会計の歳入総額は1,695億3,599万8,331円、歳出総額は1,623億6,965万9,497円で、前年度と比較しますと、歳入で6.1%の増、歳出で5.9%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支額は71億6,633万8,834円となり、翌年度へ繰り越すべき財源7億3,681万円を差し引いた実質収支額は64億2,952万8,834円となりました。
それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。
第1款特別区税は、381億5,300万円余で、前年度と比較して20億6,900万円余、5.7%の増となりました。
第2款特別区交付金は、447億100万円余で、前年度と比較して36億7,800万円余、9.0%の増となりました。
第7款地方消費税交付金は、82億2,800万円余で、前年度と比較して5億1,900万円余、6.7%の増となりました。
第13款国庫支出金は、住民税非課税世帯等給付金の減などにより、前年度と比較して32億6,100万円余、8.1%減の372億2,100万円余となりました。
第17款繰入金は、財政調整基金繰入金の増などにより、前年度と比較して25億1,100万円余、31.7%増の104億3,100万円余となりました。
これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.8%となり、前年度より0.5ポイント上がりました。
次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。
第3款総務費は、価格高騰緊急支援給付金の増などにより、前年度と比較して52億2,200万円余、45.0%増の168億3,200万円余となりました。
第5款子ども教育費は、子育て世帯臨時特別支援給付金や小・中学校施設整備費の減などにより、前年度と比較して123億100万円余、21.7%減の442億7,900万円余となりました。
第7款健康福祉費は、高齢者インフルエンザ予防接種関連経費の増などにより、前年度と比較して20億8,000万円余、6.2%増の354億2,700万円余となりました。
第10款まちづくり推進費は、中野二丁目地区の市街地再開発事業に係る経費の増などにより、前年度と比較して23億4,900万円余、26.8%増の111億1,800万円余となりました。
これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は92.7%となり、前年度より0.3ポイント上がりました。
この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は719億9,500万円余で、前年度と比較して0.1%の減となりました。
また、投資的経費は234億700万円余で、前年度と比較して19.0%の減となりました。
なお、令和4年度決算では、実質収支額が64億2,900万円余となり、前年度決算に比べ23億200万円余の増となりました。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対策と、様々な活動の支援や急激な物価高騰への支援を行いました。また、基本構想で描く10年後に目指すまちの姿の実現に向けて、組織横断的かつ重点的に対応する必要がある政策課題に対して重点プロジェクトを設定し、全庁を挙げて取り組みました。子育て先進区に向けて子育て・子育ちに必要な環境の整備を進めるとともに学校教育の充実に取り組んだほか、まちづくりや地域の防災・安全の推進などに幅広く取組を進めました。
今後も、子育てサービスの質の向上、超高齢社会への対策、老朽化した公共施設の建て替えや大規模改修など、歳出の増加が見込まれます。令和4年度に確立した新たな財政運営の考え方を踏まえ、持続可能な区政運営を確保し、区民満足度の高い区政を維持するため、基金や起債をバランスよく活用し、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。
以上が一般会計決算の説明です。
続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。
歳入歳出の決算額は同額で、2億9,397万9,142円、前年度と比較しますと歳入歳出ともに74.7%の減となりました。
歳入は、第1款財産収入が2億2,500万円余で皆増、第2款繰入金が6,800万円余で、前年度と比較して500万円余、8.3%の増となりました。
歳出は、第1款公債費が2億9,300万円余で、前年度と比較して2億3,100万円余の著しい増となりました。
歳入総額及び歳出総額が減となった要因は、若宮一丁目用地取得に伴う財源としての特別区債発行と用地購入費が減となったことによるものです。
次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は326億2,494万1,942円、歳出総額は323億1,535万573円で、前年度と比較しますと、歳入で2.3%の減、歳出で2.1%の減となりました。
歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が89億7,400万円余で、前年度と比較して4億7,000万円余、5.5%の増、第4款都支出金が197億3,400万円余で、前年度と比較して11億2,600万円余、5.4%の減、第5款繰入金が34億5,200万円余で、前年度と比較して4,100万円余、1.2%の減となりました。
歳出の主なものは、第2款国保給付費が193億1,200万円余で、前年度と比較して11億1,100万円余、5.4%の減、第3款国保事業費納付金が115億9,200万円余で、前年度と比較して3億5,200万円余、3.1%の増となりました。
次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は76億5,450万9,741円、歳出総額は75億8,971万491円で、前年度と比較しますと、歳入で9.4%の増、歳出で9.7%の増となりました。
歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が43億2,800万円余で、前年度と比較して3億9,900万円余、10.2%の増、第2款繰入金が30億8,900万円余で、前年度と比較して2億3,400万円余、8.2%の増となりました。
歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が74億7,300万円余で、前年度と比較して6億5,900万円余、9.7%の増となりました。
最後に、中野区介護保険特別会計決算について御説明いたします。
歳入総額は242億6,957万2,519円、歳出総額は237億3,643万8,014円で、前年度と比較しますと、歳入で0.2%の減、歳出で0.1%の減となりました。
歳入の主なものは、第1款介護保険料が47億6,500万円余で、前年度から微増、第3款国庫支出金が55億5,000万円余で、前年度と比較して1,400万円余、0.3%の減、第4款支払基金交付金が60億700万円余で、前年度と比較して300万円余、0.1%の減、第5款都支出金が32億9,500万円余で、前年度と比較して7,400万円余、2.2%の減となりました。
歳出の主なものは、第1款制度運営費が5億8,100万円余で、前年度と比較して4,700万円余、7.6%の減、第2款保険給付費が214億1,600万円余で、前年度と比較して1億8,400万円余、0.9%の増、第3款地域支援事業費が11億2,300万円余で、前年度と比較して2億3,800万円余、17.5%の減となりました。
以上、令和4年度の各会計決算について御説明いたしました。
なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました中野区各会計歳入歳出決算書、各会計事項別明細書及び各調書、主要施策の成果並びに中野区各会計歳入歳出決算説明書によりまして御確認いただきたいと思います。
また、監査委員におかれましては、本決算につきまして慎重に審査を頂き、別冊のとおり、中野区各会計歳入歳出決算審査意見書及び中野区基金運用状況審査意見書の提出を頂きました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。
最後になりましたが、ここに令和4年度決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。
以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、令和4年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。
○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定します。
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中野区の財政の健全化判断比率について
○議長(酒井たくや) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。
本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月14日付のお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承を願います。
5中総総第1687号
令和5年(2023年)9月14日
中野区議会議長
酒 井 たくや 様
中野区長 酒 井 直 人
中野区の財政の健全化判断比率の報告について
地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により、別添のとおり報告します。
○議長(酒井たくや) 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時21分散会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや
議 員 斉藤 けいた
議 員 浦野 さとみ