平成25年09月20日中野区議会決算特別委員会 平成25年9月20日決算特別委員会(第5日) 1.平成25年(2013年)9月20日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか
  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子
  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子
  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之
  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ
 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正
 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明
 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき
 17番  いながき  じゅん子      18番  林     まさみ
 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ
 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき
 23番  吉  原     宏        24番  いでい   良  輔
 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か
 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ
 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋
 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご
 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき
 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭
 37番  やながわ  妙  子      38番  佐  伯  利  昭
 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長     金野 晃
 副区長     英 直彦
 教育長     田辺 裕子
 政策室長    竹内 沖司
 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一
 政策室副参事(予算担当)        奈良 浩二
 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人
 政策室副参事(情報・改善担当)     中谷 博
 経営室長    川崎 亨
 危機管理担当部長荒牧 正伸
 経営室副参事(経営担当)        戸辺 眞
 経営室副参事(人事担当)        角 秀行
 経営室副参事(施設担当)        石井 正行
 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 岩浅 英樹
 経営室副参事(経理担当)        伊藤 廣昭
 都市政策推進室長長田 久雄
 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊
 地域支えあい推進室長          瀬田 敏幸
 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ
 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、
 中部すこやか福祉センター所長      遠藤 由紀夫
 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宜
 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美
 北部すこやか福祉センター所長      田中 政之
 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 雄治
 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸
 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子
 鷺宮すこやか福祉センター所長      小田 史子
 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子
 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 高橋 昭彦
 区民サービス管理部長          白土 純
 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 上村 晃一
 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 田中 謙一
 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  髙橋 信一
 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当、知的資産担当) 辻本 将紀
 子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、
 教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 濵口 求
 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、
 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子
 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児教育センター所長、
 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司
 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 伊藤 正秀
 健康福祉部長  野村 建樹
 保健所長    寺西 新
 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘
 健康福祉部副参事(保健予防担当)    坂野 晶司
 環境部長    小谷松 弘市
 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉
 都市基盤部長  尾﨑 孝
 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗
 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当) 荒井 弘巳
 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  志賀 聡
 都市基盤部副参事(建築担当)      小山内 秀樹
 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大木島 実
 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通安全担当) 中井 豊
 会計室長    浅野 昭
 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 石濱 良行
 教育委員会事務局指導室長        川島 隆宏
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     篠原 文彦
 事務局次長    青山 敬一郎
 議事調査担当係長 佐藤 肇
 書  記     関村 英希
 書  記     東 利司雄
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     細川 道明
 書  記     江口 誠人
 書  記     永見 英光
 書  記     鈴木 均
 書  記     井田 裕之
 書  記     竹内 賢三
 書  記     遠藤 良太
 書  記     香月 俊介

      午前10時00分開会
○内川委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 昨日、9月19日(木曜日)の理事会の報告を行います。
 本日の委員会運営について、総括質疑の順番は、昨日に引き続き1番目に佐伯利昭委員、2番目に石川直行委員、3番目に大内しんご委員、4番目に木村広一委員、5番目に佐野れいじ委員、6番目に市川みのる委員の順序で6名の質疑を行うことを確認しました。以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○内川委員長 ただいまの報告のとおり、委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内川委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 それでは質疑に入ります。昨日に引き続き、佐伯委員の質疑を行います。
 なお、理事者より昨日の答弁の訂正の申し出がありましたので、これを許します。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 昨日、佐伯委員の質問に対しまして1点答弁修正させていただきたいと思います。
 基本条例第7条第2項の努力規定の改廃に対する御質問に対しまして、パブリックコメントが必要である旨の答弁をいたしましたが、同条例第14条第1項第3号は、条例の制定改廃につきまして、一つ目は区政の運営に関する基本的な方針を定める内容とするもの、二つ目として、広く区民に義務を課し、または権利を制限するものについてパブリックコメントを行うとしております。自治基本条例第7条第2項につきましては努力規定であるということから、必ずしもパブリックコメントが求められたものではないというものでございます。訂正をさせていただき、謹んでおわび申し上げます。
○内川委員長 佐伯委員、質疑ありませんか。
○佐伯委員 おはようございます。昨日に引き続き、総括質疑を行わせていただきたいと思います。
 昨日、私にしては大変穏やかに質疑をしていたつもりですけれども、今、答弁訂正を聞きまして、これは穏やかではいられないなという思いがしております。今の訂正の中で、努力規定なのだから、努力規定だからパブリックコメントは必要ないんだというような御答弁がありました。これは議決した議会に対して大変失礼な話じゃないかなと思いますけれども、いわゆる区政運営に関する基本的な方針を定めることを内容とするものと14条3項のアにありますけれども、この自治基本条例自体が、全体が区政運営に関する基本的な方針を定める内容ということにはならないんですか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 自治基本条例の中で、条例第2条第2項が努力規定を定められているところでございまして、条例第14条第1項第3号に規定されている条例の改廃についての案の部分でございますが、区政運営に関する基本的な方針を定めるものと、内容とするものという部分につきましては、この条例のうち、例えば8条から13条までの行政運営の手続について記載した部分ですとか、あるいは14条以降の区民の参加についての手続を記載した部分等につきまして、この条例の手続の内容の根幹にかかわるところの改正をする場合にはこの案の規定に該当するというふうに考えてございますけれども、本規定につきましては、努力規定ということでございますので、この区政運営に関する基本的な方針を定めることを内容とするものという部分には当たらないというふうに考えてございます。
○佐伯委員 努力規定だからいいんだと、きのうも確認したじゃないですか。努力規定に関しての解釈、これもいただいたじゃないですか。恐らくはきのう、副参事がああいう回答をしたということは、多分その後に庁内でいろいろ話が出たんだと思うんですけれども、こういったものを解釈するというのは、具体的にどこのセクションでやっているんですか。誰がやっているんですか。もし解釈している方がいらっしゃったら、その方から答弁いただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 自治基本条例に書いてあります区民参加の手続でございます。この手続に関しましては、例示をされております区の基本構想ですとか基本計画等の策定・改廃、また、条例の制定・改廃につきましては先ほど企画担当から答弁ございましたとおり、区政運営に関する基本的な方針を定めるもの、また、広く区民に義務を課し、または権利を制限するものということで定めているところでございます。通常はさまざまな会議の中でパブリックコメント実施について検討するところでございますが、まず私どもが相談された場合、今回の7条2項の規定につきましては、区政運営に関する基本的な方針を定めるものではないというふうに私どもは判断したところでございます。
○佐伯委員 そうしたらお聞きしますけれども、自治基本条例の前文に説明がありますけれども、「こうした認識のもとに中野区における自治の基本を定めるものとしてここに中野区自治基本条例を制定します」とあるんですよ。自治基本条例全体が中野区における自治の基本、これを定めたものと解釈するのが当然じゃないですか。それが、この条文は違って、この条文は基本定めているんだと。それじゃあ自治基本条例の意味ってなくなっちゃうと思うんですけれども、じゃあ、この前文は間違いなんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) もちろんこの条文については間違いございません。自治基本条例につきましては、自治の基本を定めるものということで制定したものというのは同じ認識でございます。
○佐伯委員 自治の基本を定めているんであれば、当然14条の1項、区政運営に対する基本的な方針を定めること、これも当然ここで言う7条の2項というのは入ってくるんじゃないんですか。今、おっしゃいましたよね。自治基本条例自身が中野区における自治の基本を定めるものということをおっしゃったわけですから、当然全体の文章として、これはこの対象になると考えるのが自然な形じゃないかと思いますけれども、いかが解釈されますか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 繰り返しの御答弁になって申しわけございませんけれども、私の判断といたしましては、7条以降につきましては区政の基本的な方針を定めるものではないというふうに私どもは判断しております。
○佐伯委員 私のと今おっしゃいましたけれども、それは個人的判断ですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政監理担当としての立場でございます。
○佐伯委員 そうしましたら、きちんと庁内で一致した見解を出してくださいよ。きのう実際に海老沢副参事からああいう答弁が出たわけでしょう。それで1時間後に電話があって、いやいや、これは違うんですと。きょうは今庁内調整していますからと。出てきた答えが、努力規定だからこれは必要ないんだと。何かころころ話が変わってくる、そういう状況にあると思うんですけれども、これは統一した見解というのはないんですか、庁内に。パブリックコメントに対して。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 自治基本条例に定めます第14条の条文につきましては、区民参加の手続を定めたものということで、最低限このものについては自治をすべきというものが入って、もちろんこれ以外の、これにかかわるもの以外でも区民の皆様の意見を聞いた上で制定をする場合に、これ以上の手続をとるのは妨げるものではございませんのでという内容になります。実施に当たりましては、それ以上の場合はその都度判断しているというところでございます。
○佐伯委員 また話が変わりましたね。じゃあ、この7条2項についてはその都度、今回判断したんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 先ほど申しましたけれども、7条2項については区政経営に関する基本的な方針を定めるものではないというふうに判断をしております。ただし、それに該当しない場合でも、区民参加の手続を踏もうというふうに区が判断することはあるという答弁でございます。
○佐伯委員 そうしましたら、最終的な判断はどこでしますか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 基本的にはそれ以上の、ここに定められていないけれども、区民参加の手続をとろうという場合は、各所管での判断ということになります。
○佐伯委員 申しわけありません、ちょっと答弁がいろいろと、そのとき、そのときで変わってきているようで、恐らく庁内調整ができていないんではないかなと思います。このパブリックコメント、自治基本条例に関して、どういうふうな形でパブリックコメントをやるべき――我々はもう当然これ、自治の基本としての条例ですから、すべてに関してやるべきだと考えていますよ。そういった中で、統一した見解というのがなかなか見えてこないんですよ。委員長、この委員会ではなくていいですから、本定例会の総務委員会でも結構ですから、その統一した基準というのを出していただくように理事会に御協議いただけないでしょうか。
○内川委員長 理事会の開催をということですか。
○佐伯委員 いや、このまま続行しますから、夕方の理事会でも結構です。
○内川委員長 委員会を暫時休憩します。
      午前10時11分休憩

      午前10時20分開議
○内川委員長 委員会を再開します。
 ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
 理事会で協議の結果、このまま佐伯委員の質疑を続行することに決まりました。以上、よろしくお願いいたします。
 それでは、質疑を続行します。
○佐伯委員 それでは、続行させていただきます。
 ちょっと私も勘違いをした部分もありまして、理事の皆さん、ほかの議員の皆さん、理事者の皆さんには大変御迷惑をおかけいたしました。その上で、先ほど申し上げましたように、自治基本条例に関してのパブリックコメントを行うか、行わないかの基準については、ぜひいずれかの場面で御報告いただくということを要望しておきたいと思います。それにてこの項の質問は終わらせていただきます。
 次に、パワーハラスメントについてお伺いをいたします。
 パワーハラスメントでありますとかセクシャルハラスメント、一昔前まではあまり聞かれなかった言葉が今世の中に大分出回っておりまして、私なども何気なく言った冗談が、中村議員から「佐伯さん、それはセクハラよ」とか「それはパワハラよ」と言われることがある、そういう状況でもあります。そうしたことに対応するために、私ども民主党の支援組織である連合では、フリーコールの電話相談といった場を設けまして対応しているところでありますけれども、中野区では職員が例えばパワハラを受けていると感じたとき、その相談、苦情等の処理というのはどのような体制になっているのでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) ハラスメントの苦情処理体制につきましては、人事分野と職員団体にハラスメント相談窓口を設置しているほか、委託による外部相談窓口も設置してございます。
○佐伯委員 ホームページによれば、この中野区でもパワーハラスメントがあったというようなことが掲載されていました。その中に「適正な範囲を超えた過大な業務の要求を繰り返し行い」とありましたけれども、そこには2,000人体制を目指す中、特定の個人が適正な範囲を超えた業務を行わなくてはならない、あるいはそれを行わせなくてはいけないというような組織上、人の配置上の問題もあったのではないかということも考えられますけれども、いかがでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 今回の件につきましては、今、委員御指摘ありました組織の問題と関連づけて考えるべきではないというふうに認識してございます。
○佐伯委員 平成24年7月10日に「職場におけるパワーハラスメント防止に関する基本方針」が区長決定されました。それによりますと、問題が発生した場合には、プライバシーの保護に留意しつつ、迅速かつ適正に対応し、良好な職場環境づくりに努めるものとするとありますが、平成23年度から24年度に起きていた事象に対して、今回、ことしの6月に一つの結論を得たわけですけれども、かなり時間がかかって、迅速な対応ということにはほど遠いと思うんですけれども、なぜこんなに時間がかかるんでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) まず、苦情の申し出がありましたときに、ハラスメントの苦情処理委員会というところで今回の案件についての検証等を行いました。その検証結果を踏まえまして、懲戒分限審査会に申し送り、改めて本人や上司からの聞き取りを行うなど、慎重に審査したために時間がかかったものでございます。
○佐伯委員 さて、こうしたことが起きているとすれば、当然上司はそれを見たり聞いたりしていたと思います。上司の責任というのはどういうふうになっていくんでしょうか。また、この件について区長には報告をされていたのか。されていたとするならば、いつの時点で報告をされていたのかお聞きをします。
○角経営室副参事(人事担当) 本件につきましては、上司からも複数回にわたりまして指導を行っているところですけれども、ハラスメントを防止できなかったことから、上司の指導責任についても明確化しております。
 なお、区長への報告につきましては、職員から申し立てがあった時点で区長に報告を行い、しっかり審査するように指示されている状況でございます。
○佐伯委員 いつ区長に報告がされたかということをお聞きしたんですけれども。
○角経営室副参事(人事担当) 10月下旬に申し出がありましたので、その時点で区長に報告したというものでございます。
○佐伯委員 先ほど述べた基本方針の中で「業務の適正な範囲を超えて」について触れられています。「パワーハラスメント的行為がしばしば教育指導の名のもとに業務命令として行われる場合があるので注意を要する。その場合は、行われた行為が業務上の必要性に基づく適正な範囲内のものかという視点でパワーハラスメントかどうかを判断する必要がある。個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これが客観的に見て業務上の適正な範囲で行われている場合はパワーハラスメントに当たらないものとなる」とあまりよくわからない記述になっているわけですけれども、個人差はあるものの、客観的に見て業務上の適正な範囲で行われている場合というのは、何が基準となるのでしょうか。また、適正か適正でないかという判断は誰がするのでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) まずは、行為が行われました状況だとか、そういった行為の継続性、それから相手の人格を傷つけていないかなどによりまして、パワハラ防止の基本方針の基準にのっとりまして個別具体的な判断を行います。そういった判断につきましては、ハラスメント苦情処理委員会が行うものでございます。
○佐伯委員 この基本方針の中には、職員の定義についても触れられています。パワハラを行うのも受けるのも職員ということになるわけですが、一般的に言ってこうした場合の職員には区長は含まれるのでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 区の条例規則上の職員には一般的には区長は含まれないと解釈してございます。
○佐伯委員 そうしますと、この基本方針については区長には適用されないということになるんでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) この基本方針につきましては、職員を指揮監督する立場における区長が職員に対して守るべき事項を定めたものでございます。このようなことから、この基本方針が当然区長に対して適用されることはないんですけれども、基本方針に定められている事項については、区長としても順守すべき事項であるというふうに考えてございます。
○佐伯委員 最後に、今回の件について、区長は月初めの庁内放送等を通じてその方針について、あるいは再発防止、職員に何か発信をしたのでしょうか。もししていないとするならば、それはなぜなのか。それでは職員の皆さんは納得できないと思います。この先二度とこうしたことを起こさない決意を示すためにも、職員に対するメッセージを発するべきと思いますが、いかがでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) まずは、職場におけますパワーハラスメントの防止に関する基本方針を区長決定したこと自体がこういったハラスメントに対する区長の決意をあらわすものというふうに考えてございます。今回の件につきましては、区長から部の経営責任者であります部長に対しまして再発防止を含め、部下への適切な指導について改めて徹底するよう指示してございます。ハラスメントをなくすというよりは、目指すべきは良好な職場環境の維持向上であり、人事担当としてもこれからも絶えずそういったことに対しては努力を続けていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひ庁内一丸となってこうしたことが起こらないように御努力いただきたいと思います。よろしくお願いします。
 最後に、公契約のあり方について伺います。
 実は、これもオリンピック開催とは無関係ではありません。今、建築にかかわる労働者の数が減っている。被災地の復興に携わる建設労働者が足りないという中で、7年後のオリンピック開催に向け、数々のインフラ整備をしなくてはいけない。中野区でも昨日、スポーツ施設の計画など、多くの計画を挙げてもらいました。施設整備、さらには駅周辺の整備など、これらの工事が問題なく発注できるか。いわゆる働き手がなくて発注できないのではないか、そういうようなことが懸念される部分もあるんですけれども、発注者としてこの状況をどうお考えでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 建設業労働者が不足しているということは確かでありまして、このことから、国においても設計労務単価の見直しなどを通じて労働者の確保に努めているところでございます。オリンピック・パラリンピックの開催に向けたインフラ整備により、経済状況が上向き、労働者の雇用機会が拡大されるとともに、必要な労働力が確保されるような状況になることを期待したいと考えております。
○佐伯委員 期待だけではなくて、やっぱり自治体としての努力も必要なのではないかなと思いますけれども、オリンピックに加えて、今度はリニアモーターカーなんていう話も出てきていますので、本当に人手がどんどん必要になってくる時代になると思います。
 国土交通省の調査で、若手の建設技術労働者が入職しない理由のうち、収入の低さ、仕事のきつさなどとともに、社会保障等福利の未整備が挙げられています。こうしたことに危機感を持った国土交通省では、昨年省令等の改正を行い、建設業の保険加入促進に向けた取り組みを始めました。これはある建設系の労働組合の勉強会に9月1日(日曜日)、日曜日にもかかわらず、国土交通省のお役人さんが講師で訪れたというくらい、今、国土交通省では危機感を持っているようでございます。その中で、改正された省令では、保険未加入企業に対する経営事項審査の評価を厳しくすること、施工体制台帳に保険加入状況を記載されることなどを定めています。中野区でも公共工事の発注に当たってはこうしたことは行われているのでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 御質問のあった施工体制台帳につきましては、受注者が区に対してその写しの提出義務を負っておりまして、工事主幹部では施工体制台帳に社会保険の加入状況が記載されているということを確認してございます。
○佐伯委員 それでは、中野区では今、入札にあって総合評価入札が行われていますけれども、この保険の加入状況は評価項目の一つになっているのでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 区が採用している総合評価制度につきましては、加点方式をとってございます。社会保険の加入につきましては、法令で義務づけがされておることから、加入については当然であるといったようなことから、評価項目としてはしておりません。
○佐伯委員 当然であるにもかかわらず、これに加入していない業者というのは実際にありますか。通告していませんけれども、もしわかれば。
○伊藤経営室副参事(経理担当) これまで区のほうで確認した中でございますけれども、未加入といったようなことはございませんでした。万が一未加入であったといった場合には、監督官庁である国または東京都と協議し、対応するといったようなことになります。
○佐伯委員 発注側で個別工事の入札が進むことにより、元請け間の競争が激化し、単価引き下げの圧力が増大しています。その結果、法定福利費を削ってのダンピングが行われ、適正に法定福利費を負担し、人材育成を行っている企業ほど競争上不利になるという不公正な競争環境が生まれていることも事実だと思います。総務の資料78でも、落札率が85%未満などという建築土木工事については、法定福利費についてしっかり現場に立ち入り調査をして確認するということも必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 工事の落札率につきましては、経済情勢、参入状況、発注内容や発注時期などにより変動するため、落札率だけをもって判断することはできません。
 なお、区は最低制限価格を設けており、区の予定価格内の一定の範囲であれば、適切な見積もりにより履行が行われると考えております。
 また、区には調査権がないこともあり、立ち入り調査といったようなことは現在のところ考えてございません。
○佐伯委員 調査権がないということではやむを得ないかなと思いますけれども、公共サービス基本法では、国及び地方公共団体は安全かつ良質な公共サービスを適正かつ確実に実施しようとするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働条件の整備に関し、必要な策を講ずるように努めるものとありますが、中野区ではどのような策が講じられているのでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 労働環境の整備につきましては、国と地方公共団体の責務と言われておりますけれども、基本的には労働基準については国が統一的な監督権限を持っております。区としてできることは限られておりますけれども、最低制限価格の設定や施工体制台帳の確認などを行ってございます。
○佐伯委員 先ほどの総務の資料78ですが、これを見ると、業務委託の落札率が低いものが多い。これを区はどのように分析しておりますでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 委託業務につきましては、さまざまな業務形態があり、工事のように業種ごとの積算基準を設けてございません。予定価格を定める場合においては、参考見積もりを採用するため、実際の応札者の状況により落札率が低くなる場合があると考えてございます。
○佐伯委員 例えば、建設工事などでは設計労務単価という一定の基準がありますけれども、委託業務ではどのような基準に基づいて予定価格というのは決まっていくんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 委託業務につきましては、前年度の同種業務の落札状況、他区の同種業務の契約状況や直近の参考見積もりを参考に予定価格を決定してございます。
○佐伯委員 そういった中でことし、私は区民委員会の委員ですけれども、やはり委託業務、あれはたしか区民活動センターの受付業務、これが大幅な減額補正が行われたということもありまして、それを見たときに、この基準というのは一体どういうふうな形で出ているんだろうかということで議論になったことも覚えています。区は、公契約条例には否定的ですから、ここでは強く求められませんし、これ自体について議論するつもりはありません。公契約は建設や土木工事だけではなく、サービスや物の調達など、幅広い分野に及びます。そうした中、指定管理者など民間の活力を広く求める時代、その現場で働く人の適正な労働条件の確保というのは欠かせないものとなります。税金を使って行う事業だからこそ、もちろん無駄があってはいけません。一方で、それによって官製ワーキングプアを生み出すなどというようなことがあってもなりません。これが我々の基本的スタンスです。そうした観点から、まず現場の実情調査、とりわけ落札率の低い事業については現場の実態調査を行うべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○経営室副参事(経理担当) 区では、工事や委託などの請負契約につきましては、最低制限価格を設けてございます。区の予定価格の一定の範囲であれば、適切な見積もりにより移行が行われると考えております。特に、今年度の工事契約につきましては労務単価の見直しを行い、技能労働者の賃金アップや下請業者との契約の見直しを受注者へ求めているところでございます。区としては立ち入り調査権がないことから、現段階では現場の実態調査といったようなことを行うことは考えてございません。
○佐伯委員 調査権がないということで、それはやむを得ないのかなと思う部分もあります。最初に申し上げましたが、深刻な建設労働者不足、その危機感から公契約条例を制定する自治体がふえてきているのも事実です。中野区は公契約指定については最低賃金法や労働基準法の枠で定められるべきという姿勢ですが、最低賃金法は細かく職種ごとの最低賃金は決めていません。その地域ごとの時給を下回らなければ適法になります。最低賃金法は最低労働条件を決めるものであり、未熟練や非専門性、技術を持たない労働者の労働条件を下支えする役割を担いますが、専門性のある労働者や技術を有する労働者の労働条件には影響を及ぼしません。
 そうしたことから、最低賃金法にこだわり続ければ、将来中野区の現場には熟練の労働者が来ない。そして、ひいては品質の低下につながる。あるいは、最悪中野の工事には人が来なくなる。労働者が減り続ける中、そんな危機感もぜひ持ってほしいと思います。そうした観点から、公契約のあり方についてもう一度考えられることを期待しまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○内川委員長 以上で佐伯利昭委員の質疑を終了します。
 次に、石川直行委員、質疑をどうぞ。
○石川委員 改めておはようございます。後半の2番手として実りある質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 質問は通告のとおりですが、防災対策についてを最初に取り上げ、脱法ハウスについてを最後にさせていただきます。
 それでは、防災対策として、本日は机上訓練、つまり机の上で想定しているのではなく、図上訓練も飛び越して、災害現場にワープしたつもりで質問させていただきますので、理事者におかれましてもよろしくお願いいたします。
 まず、平成25年6月11日に行われた震災対策特別委員会資料の広域避難場所の指定変更について報告があり、図面の中で地区内残留地区というのが新宿中央公園一帯に指定されているのですが、この地区内残留地区の定義を御説明ください。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地区内残留地区は地区の不燃化が進んでおり、万が一火災が発生しても地区内に大規模な延焼火災のおそれがなく、広域的な避難を要しない区域として都内34カ所、約100平方キロが指定されているところでございます。地区内残留地区、これは木造住宅が50棟以上連なっていない、また、耐火、準耐火建物の建築面積が全建築面積の7割以上を占めている、さらに面積が65ヘクタールのまとまりで存在している区画という考え方でございます。
○石川委員  そうすると、広さ等の条件があり、中野区役所一帯が地区内残留地区に指定されることはないという認識でよろしいのでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 面積等の要件からいたしまして、現在は指定される条件にはなっていないということでございます。
○石川委員 また、この報告の中で、中野サンクォーレ周辺を中野区役所一帯に区域編入されたと報告がありました。避難有効面積8.9ヘクタールに対して避難計画人口8万8,664人となっていますが、この想定はいつの人口統計に基づいて作成されたのでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都総務局統計部によりますれば、現行の計画人口は平成17年の国政調査の結果から将来人口を予測していると聞いているところでございます。
○石川委員 平成17年の人口統計に基づいて将来推計人口を計算して指定や変更を東京都のほうで行っていると思うんですが、中野四季の都市ができて一気に学生や社会人による昼間人口がふえたことにより、避難有効面積と避難計画人口のバランスは相当崩れていると考えます。さらに、帰宅困難者の流入人口も加味されていないと思われますが、その辺いかがでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難計画人口は、現在の四季の都市の人口増を完全に反映されているとは言えないと思われるところでございます。また、帰宅困難者と避難者の区別はすることはできないと考えてございます。
○石川委員 このバランスが多少崩れていることを殊さら問題にしようとは思っていません。そもそも指定されている避難場所へ避難できるのかといった問題もありますが、いざというときのために5年に一度の見直しというタイムラグもあり、どの避難場所もバランスが崩れているということを職員一人ひとりが意識として持ち合わせていることが大切だと考えます。
 続いてこの中野区役所一帯、広域避難場所についてお伺いいたします。
 災害時には無料で提供できる災害救援型自動販売機、フリーベンダーが2基公園内に設置されていると聞いています。実際の災害時にはどのような仕組みで機能するのでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これはバッテリーが登載されておりまして、停電時に一定の電源が確保されるものです。この電源は自動販売機の中に入っています飲料を排出するためのものでありまして、鍵を使用することにより、無料で排出が可能となるというものでございます。
○石川委員 そうすると、停電時に事業者側、もしくは区の職員が鍵の解鍵作業を行い、そして無料設定にして初めて使えるということだと思います。無料になりました、それを知った避難者はどういう行動に出るのか。僕は何も性悪説に立っているわけではありませんが、無料であれば、1本より2本となっていくのではないでしょうか。まして非常時であれば、なおさらのことだと思います。前の人が何本かとれば、続く人も複数本とるでしょうし、後続の人たちは自分に番が回ってくるまでなくならないか不安でしょう。自販機にあとどのくらい残っているかもさえわかりません。わけがわからず列に並ぶ人たちがふえてきます。後続の人が文句を言っても、向こうでけがをしている家族が待っていると言われてしまえばそれまでです。相当の混乱が予想されます。そうであれば、どうせ区の職員が鍵の解鍵作業を行うのであれば、無料設定にせず、その場で配付したほうが混乱はなくて済みます。
 しかしながら、非常時でなおかつ停電時にたまたまこの自販機近くに居合わせた一部の避難者しか知らない状況の中で、区職員がそこに張りつくことは効率的にも、公平感から言っても無理に思います。ましてやこの災害救援型自動販売機を区有施設に設置してある自販機と順次変えてくるとなるとなおさらです。何かよい解決策、アイデアをお持ちですか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) ベンダーの鍵を操作するために、区の職員が現場に出向くことになります。現場にいる方々にある一定のルールを与えて飲料の配付を行っていただくというようなことも一つの方法であると考えています。
 また、東日本大震災時に体験いたしました共助の行動というのも期待できるのではないかと考えているところでございます。
○石川委員 この広域避難場所ですが、東京都に確認したところ、これは東京都が指定しますが、管理運営自治体は当該自治体に任せているとのことでした。広域避難場所の機能を教えてください。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これは震災時に拡大する火災が鎮火するまで一時的に避難する場所でありまして、長期間滞在することは想定されていない場所でございます。
○石川委員 現在ある各中野区内の広域避難場所の管理運営をする組織体を教えてください。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 震災時では、中野区の中に立ち上がります災対地域部、これの避難班が対応することになります。また同じく、災対地域部の応急班というところが対応することもできるものでございます。
○石川委員 それは職員のための防災マニュアルに書かれている現地共同本部を速やかに設置するということだと思いますが、この現地共同本部の人数を教えてください。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これは避難所班ですとか応急班が対応することになりますので、災害の状況によって人数は変動するものと考えてございます。
○石川委員 この現地共同本部が過去において訓練を実施し、行動を確認したことはあるのでしょうか。また、運営についての話し合いなどしたことがあるのでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これにつきましては、広域避難場所の運営につきましては長時間とどまるといったことを想定しないこともございまして、現在まで訓練を行っていないところでございます。
 また、四季の都市周辺の防災対策につきましては、さまざまな機会に警察、また消防をはじめといたしまして、関係機関と話し合いはしているところでございます。
○石川委員 訓練も想定も運営についての話し合いもしていない中で、複数人で本部を立ち上げ、運営に従事するということは事実上無理だと思います。ましてや中野区役所一帯で言えば、避難計画人口が8万8,664人、それを複数人で運営することは不可能です。なおかつこの職員のための防災マニュアルによると、避難住民に対して必要に応じ食料、飲料水の供給を行うとあります。
 頭の中で実際に現場を描いてほしいんですけれども、どうやって運営をするのか。現地共同本部の周りに見慣れた各地域防災会の役員がいるのか。いない場合、どうやって招集を呼びかけるのか。発災時であれば、防災会の主な役員は広域避難場所へ避難するより避難所開設のための作業や初期作業に追われているのではないでしょうか。本部の周りにいる避難者にお願いをしたとしても、指揮命令系統をどうつくり上げるのか。僕の頭の中では現場が混乱するだけで、収拾はつかないように思えます。
 また、帰宅困難者対策協議会が立ち上がり、今後広域避難場所の役割がふえ、機能の充実も図られていくと思うと、ますます不安になります。中野区が指定している避難所、これには避難所運営本部が設置されています。学校や地域、行政が連携し、それこそ一体となって共助の精神で運営されるべく設置されていると認識しています。そのための会議も年に数回開催され、避難所管理運営マニュアルにより避難所対応部、避難所管理部、物資調達部、救護衛生部など各部が設けられ、会議の中で担当役員の再確認を毎回しているところです。避難所は比較的日ごろから顔を合わせている方が多く、まとまりがあり、緊急時でもそれなりの連携が図れると思いますが、広域避難場所の場合、帰宅困難者も含め、不特定多数の人々であふれることが予想されます。避難所の集まりが集団と言えるなら、広域避難場所は群衆と言えるのではないでしょうか。
 こうした中、特に中野区役所一帯にはさきに述べたフリーベンダーや、東京キリンビバレッジサービスから帰宅困難者対策に活用するため、無償提供されている初年度7,000本、2年度以降1万4,000本の飲料水の配付方法等も想定しておかなければなりません。なおかつ明治大学及び帝京平成大学との覚書に基づき、災害時における協定の締結をしていると承知しております。広域避難場所の機能を十分に発揮し、予想される混乱を回避するためには、避難所運営本部のような組織体を地域や事業者、学校等にも参加をいただき、運営することが肝要と考えます。
 昨日の篠委員からの避難所に関する質問の中でも、関係者間の連携が非常に重要であると認識をしていると答えられています。まず、この中野区役所一帯広域避難場所に運営主体を速やかに立ち上げることを要望しますが、いかがでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今、中野区役所一帯にというお話でございました。やはりすべての広域避難場所に一律の対応が必要かどうかというのは十分に検討する必要があるというふうに考えてございます。
 また、広域避難場所の機能を十分発揮させるために地域、事業者、学校等の協力と理解を十分に得ていく必要があると考えてございます。
○石川委員 東京都では9月18日第3回定例会が開催され、猪瀬東京都知事は所信表明で、首都圏直下地震等の際に応援に入る自衛隊や車両の受け入れ拠点として、公園や清掃工場を活用するマニュアル作成を明らかにしております。広域避難場所の機能強化が図られ、国や都から指示や要請が来る前に、中野区として順次各広域避難場所の特性に合わせた組織をつくっていくことが必要と考えますので、よろしくお願いいたします。
 次に、町会加入についてお伺いいたします。
 未加入の集合住宅への同行訪問に関し、前回第2回定例会で質問させていただきましたが、改めて質問いたします。
 第2回定例会一般質問で「未加入の集合住宅における区職員との同行訪問に関して、今までの依頼件数とそれに伴う成果はどうなっているのでしょうか。まさにPDCAの真価が問われるところです」との問いに「町会と職員の同行訪問、大規模住宅開発の事業者等に対する同行ということですけれども、この事例なんですが、大規模住宅開発の事業者に対して職員が町会役員と同行して町会活動への理解と加入を求めたという例が1件ありました」と答弁されていますが、この成果のお答えがありませんでした。目標と成果についてお答えください。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の加入促進について、町会から職員の同行につきまして御依頼を受けた件数は、御指摘の大規模住宅開発の事業者に働きかけの1件でございますが、その物件につきましてはまだ建物が出来上がっていない状況でありまして、加入に関する成果についてはまだわからない状況でございます。
○石川委員 わからないということは、一緒に行った後、その町会にそれ以降会合を持っているのかとか、交渉しているのかとか、そういったことは伺っているんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区の職員が同行したときに、町会と開発事業者との話し合いの中で御理解はいただいておりますけれども、実際にどのくらいの方が町会に加入するかはそこへの入居者等が決まらないとわからないという意味で、まだ最終的な成果はわかっていないということでございます。
○石川委員 確認をしておきたいんですけれども、第2回の定例会におけるこの答えがなかったということは、単純な答弁漏れだったのでしょうか。それとも答弁を用意していなかったということなんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ちょっと答弁が足りなかった面はあるかもしれないんですが、同行したことによりまして、その事業者の方に町会加入につきまして御理解をいただきましたので、そういった意味では成果があったものというふうに考えております。
○石川委員 成果があったということで、その成果があったかどうかの確認はしたんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の役割ですとか加入の方向についての御理解はいただいたんですが、実際に何人の方が最終的に加入されるかどうかはわからない状況ですので、そこについてはまだ確認できておりません。
○石川委員 区長から職員へのメッセージということで、5月7日に区長のほうから目標と成果による管理について、PDCAサイクルを動かす上でその原動力となるのはC、すなわち評価のプロセスだと、このようにおっしゃっています。PやD、計画や実施というのは形だけでは簡単にできることだ。しかし、それをしっかりとC、評価のプロセスに結びつけていかないと、きちんとした計画を立てられないのではないか。だからこそ、目標と成果による管理のエンジンが行政評価であり、行政評価の中心は第三者や区民による外部評価が必要である、このようにメッセージでおっしゃっているんですけれども、今のお話だと、一緒に同行はしたんだけれども、その後町会がどういうことをして大規模業者が、例えば入居条件の管理費の中に組合費を入れるというようなことを盛り込んでいるとか、そういった追跡の調査はしているんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在はまだしておりませんので、その後、町会にどのくらいの方が入っていただけるかどうかにつきましては、区としてはしっかりと確認をしていきたいと思っております。
○石川委員 それでは、そこのところはしっかり確認をしていただきたいと思います。
 次に、平成24年第3回定例会において、伊藤正信議員から町会加入促進対策として未加入の集合住宅への働きかけを行政と町会・自治会が一緒になって行動し、加入を促してはいかがかという問いに、区長は必要に応じて区の職員も同行するなど、町会・自治会と区が連携した取り組みをしていく必要があると答えております。一方、先般の第2回定例会では、町会と職員の同行訪問、大規模住宅開発の事業者等に対する同行という答弁で、大規模住宅という言葉が盛り込まれました。ここで言う大規模住宅の定義を教えてください。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 世帯数の多いマンションなどを想定して大規模というふうに申し上げたところでございます。
○石川委員 なぜ大規模住宅という文字が追加をされたのでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 加入促進を行うに当たりましては、まず世帯数の多いマンションなど、大規模なところへの働きかけが効果的であると考えたものであります。
○石川委員 何気なく盛り込まれたこういった単語が法律の趣旨を大きく変えることになるとか、既成事実として以後縛られていくなど、官僚の手法をたびたび報道されて心配なんですが、そういうことではないと理解してよろしいんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 特に大規模住宅に限定しているというものではございません。
○石川委員 そうすると、以後この同行訪問に関しては大規模住宅という言葉を使わないということでよろしいでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の行う加入促進の取り組みにつきましては、どういった支援の手だてを講じていくことが効果的であるか、今後も十分に検討していきたいというふうに考えております。
○石川委員 僕の経験で言うと、「中野区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に定義されている中高層建築物の物件であれば、説明会等々の公の場で町会加入に関する話ができるわけで、近隣町会も含め、とりっぱぐれたことは一度もありません。むしろこの要件に該当しない小さな集合住宅のほうが連絡がとりづらかったり、難癖をつける業者がいたりで困っているのが現状です。大規模住宅ということに限定をせず、柔軟な対応を今後もしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 改めて、「中野区住生活の基本に関する条例」の確認をさせてください。区は町会または自治会への加入を促進するよう努めなければならないと書かれています。具体的にここまでは言える、ここまでは言えないという事例をお聞かせください。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 特に事例としてここまでは言えるとか、ここまでは言えないとかということはございませんけれども、町会の加入をお願いするというのは町会自身になりますので、区として同行訪問した場合には、町会が果たす役割、区として町会をどのような形で期待しているか、そういったことをお話しすることになるかと思っております。
○石川委員 具体的に例えば町会の活動内容を行政のほうでした後に、ぜひ町会に加入をしてください、これはいかがですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の加入自体は住民の方が町会に対して加入をするものになりますので、直接的に加入をしてくださいということは町会のほうから言っていただくことかなというふうに思っております。
○石川委員 加入促進のために行っているのに、町会に加入してくださいと言えないということでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の果たしておられる役割については十分御説明をしたいと思いますが、その場に町会の方もいらっしゃるので、町会に加入するかどうかはその住民の方お一人おひとりの判断になりますので、加入を強制することはできないというふうに思っております。
○石川委員 もう時間がありませんので、ここまでにしておきます。
 脱法ハウスについては最後にとっておいたんですが、時間がないので次の機会にさせていただきます。ありがとうございました。
○内川委員長 以上で石川直行委員の質疑を終了します。
 次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 議長を2年ほど務めていましたので、総括質疑は久しぶりでございます。いろいろ資料をたくさん見て、頭の中に入っているんですけれども、ちょっと途中違うことを言っちゃうかもしれないんですけれども、質疑通告してあるんですけれども、これは大まかに出しているということで、順番が多少入れかわっても、答弁のほう、しっかりやっていただきたいと思います。
 では最初に、小学校再編についてお聞きをします。
 これは再三教育的効果について議論されているところですけれども、どういった評価をされているのか、まず最初にお聞きをしたいと思います。
○川島教育委員会事務局指導室長 学校再編による教育的効果についてですが、再編によって一定規模の児童・生徒数、それから学級数が確保されますので、学校での行事や部活動などの集団活動が活発に行われるというふうに思っています。また、教員数もふえますので、例えば中学校においては同一教科で複数の教員が配置をできることになります。そうしますと、習熟度別ですとかチームティーチングだとか多様な授業形態が可能になりますので、一人ひとりによりきめ細かな指導が可能になるというふうに考えております。
○大内委員 その辺で大丈夫です。ありがとうございます。
 次に、財政効果についてお聞きをしたいと思います。学校再編の財政効果について、文教79の資料によりますと、統合したことにより、効率的運営と書いてありますけれども、大規模施設整備経費を除いた学校予算は減っています。それはなぜでしょうか。
○辻本子ども教育部副参事(子ども教育経営担当) 平成19年度と本年度の学校関係予算を比較いたしますと、47億4,083万円余から42億3,640万円余と5億443万円ほどの減となっているところでございます。このうち学校再編によります主な要因といたしまして、この間小学校4校、中学校3校の計7校が減ったことによりまして、例えば校割り予算分6,011万円余り、光熱水費分4,820万円余り、また、概算でございますけれども、校務主事の人件費が1億7,836万円余と、合計いたしますと2億8,667万円ほどの減となってございます。こういったことが大きな要因と考えてございます。
○大内委員 十何年前、学校給食の民間委託の提案をさせていただいて、この間の資料を見たら、もう全部が民間の委託になっている。1校約1,000万円の経費が削減する。また、機械警備、学校警備等も民間委託したことによって、かなり教育的予算というんですかね、そちらのお金が他の教育の事業に回せる、そういうふうに思って私たちは提案したんですけれども、あまり効果が出ていないようなんですけれども、それはどうなんですか。
○辻本教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ただいま委員御指摘の学校警備の機械化でございますとか、学校調理委託などによりまして、さまざま事務改変を行いまして経費を節減したところでございます。私ども教育委員会としましては、こうしたことも一つの要因となりまして教育の事業の内容、こういったものを充実させていく方向で努めてきたというふうに認識しているところでございます。
○大内委員 そこで聞きますけれども、事業部制ということですから、教育委員会は教育委員会でいろいろな政策、施策を考えて予算をつけていくんだろうと思うんですけれども、教育委員会の中でちゃんとそのお金は回っているんですか。他の一般財源の中に繰り込まれて他の用途に使われたりはしていないんでしょうか。その辺の考え方はどうなんでしょうか。できたらあなたじゃないほうがいいのかなと思うけれども、要するにお金の使い方ですよね。私たちはいろいろな統合をすることによってさまざまな財政効果も生まれる、あるいは民間委託することによって財政効果が生まれる。さらに教育委員会で言うと、今では保育園も教育委員会の所管に入ってきた。それを民間委託、あるいはそうすることによってふやしているからお金もかかりますけどね。わかっています。保育園もふやしているから、それはわかるんですけれども、もう少し目に見えた教育の充実というものがあってもいいのかなと。そういったものを配分されないんですか、教育委員会に。
○奈良政策室副参事(予算担当) 区政全体の視点からお答えをいたしますと、現在財政調整基金を繰り入れなければ歳入と歳出が均衡しないといった状況にございます。このため、全庁挙げて取り組んでおりますさまざまな見直しですとか改善、こういった財政効果につきましては、一般財源ということになってまいりますので、個別にどこに活用したということではなく、結果としては財政調整基金からの繰り入れの抑制につながっているというふうに考えてございます。
 また、区政全体で生み出した財政効果の一部というのは、教育予算も含めましてさまざまな事業の一般財源充実につながっておりまして、将来の学校用施設の建てかえ需要に備えまして義務教育施設整備基金にも積み立てを行っているといったところでございます。
○大内委員 その民間委託することに反対だった人たちがたくさんいたんですよ。いたっていう言い方はおかしいか。それで節約された経費が扶助費に多く回されている、現実的に。その扶助費をどんどんふやせと言っている。あなたたち、民間とかそういうのに委託するのは大反対だろう、でも扶助費は充実しろと。結果的に今話を聞いていると、結局は一般財源の中に繰り込まれて充実させることをしているんですよと。そういうことでいいんですか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 一般財源でございますので、全体の中の充実に回っているということでございます。また、子ども教育部の予算ということでありますと、全体の部の中に占めるシェアというのはそれほど大きく変わっていないというのもございまして、そういった意味では充実も一定程度図られているというふうに考えています。
○大内委員 ここであんまり一般財源がいかがだったか、実は義務的経費、そういったものが扶助費で非常にふえているから、なかなか学校のほうが充実しないんだということなのかもしれないし、それが全てとは言いません。ただ、そういったことでうまく回っている、何とか今やり繰りしているということなんでしょうけれども、やはりしっかりと教育委員会が努力、教育委員会というか、学校の努力によっていろいろな経費、その分をできる限り学校に再配分してさらなる充実した学校にしていただきたいと思いますけれども、あなたが判断することじゃないかもしれないけれども、ぜひとも教育委員会からこれから先に出てくる話ですけれども、きょうの私の。そういったところに充実した学校生活を送るための予算をつけてほしいと言ったら、ちゃんと回していただけますか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 予算編成の話になってまいりますので、部からの要求に基づきまして予算編成の中で検討していくことになろうかと思います。
○大内委員 事業部制なんだから、その事業部で努力したところのお金はなるべくその部で再配分してあげる。そうしないと、ただ減らせ、減らせじゃだめでしょう。減らしたらその分……(「倍返し」と呼ぶ者あり)倍返しになっちゃったらあれになっちゃう。ある程度はもとに戻すと。ただ単に減らすだけじゃなくて、減らすものは減らす。そのかわり、ふやすものはしっかりふやしていく、そういったことで予算編成方針にぜひ乗せていただきたいと思います。これは要望ですから結構です。
 ということで、ここの話を持ちながら次に入っていきたいと思います。
 次に、六中と十一中と緑野中の同窓会活動についてなんですけれども、これは再三申し上げまして、過去のことをほじくり返しても仕方ないので、今後のことについてどうしていくのか。ちょうど六中と十一中は第1期の中学校の統合でございました。ことし二十歳になります。子どもたちが、第1期生が二十歳になるということで、一つの区切りだと私は思っているんですけれども、今まで教育長もいろいろ答弁いただきましたけれども、総括してもう一度いただきたいなと。新しい副参事ですから、石濱副参事、お願いします。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 緑野中につきましては、平成20年4月に開校しまして、平成21年3月、初めての卒業生が出ております。同窓会につきましては、実態として活動していない状況でございます。昨年、緑野中のPTAに同窓会支援委員会が設置されております。この支援委員会のほうで同窓会が自主的に運営できるようになるまで助言・支援し、見守っていくこととしております。こういった状況でございますので、この3校の同窓会が合同で活動できるよう、まずは緑野中の同窓会の設立に向けて学校やPTAに調整を働きかけていくこととしております。
○大内委員 きょうはそれ言って終わりじゃないんだから、ちゃんとこまめに連絡を取り合って、今こんな感じだ、1年も2年も放っておかないでやっていただきたいと思います。
 また、今度第六中学校の一角に防災広場が計画をされておりますけれども、今、他の学校ではいろいろ行っておりますけれども、閉校記念碑というのかな、要は当時六中と十一中が統合するとき、六中は売却予定なので一切そういうものは置けないということで断られた経過があるんですね。しかし今回、とりあえず防災広場ということで一部が残るわけですから、そこにはそういった記念碑を置くということを区としても認めると同時に応援していただきたいと思いますけれども、どうですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 旧六中につきましては、閉校記念碑が設置されていないということは承知しております。閉校記念碑につきましては、同窓会など関係団体による寄贈の申し出を受けて設置しているものでございます。今後閉校記念碑の設置について関係団体から設置の意向が示されたときは、他校の例に倣って協力をしていきたいというふうに考えております。
○大内委員 では次に、小・中学校の集団宿泊行事についてにしたいと思います。夏季学園(岩井臨海)と移動教室(常葉)の廃止理由ですけれども、臨海学園と中学校2年生の宿泊行事、この廃止について教育委員会ではどういった議論がされたのか。簡単で結構です。大体推測つきますけれども、一応前段としてお答えいただきたいと思います。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 教育委員会では、東日本大震災の影響をはじめ、施設の老朽化、新学習指導要領への対応、校外活動に伴う安全確保の観点から、校外施設のあり方及び体験学習について協議を行ってございます。
○大内委員 だから、どういう議論をされたのか。どんな議論されたんですかと。簡単で結構です。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 議論の中の主な御意見といたしましては、事業の廃止についてはやむを得ないという一定の御理解と、田村市との友好関係を継続していただきたいということと、あと、軽井沢の冬季の施設利用がございますので、そういった暖房設備の充実というような御意見をいただいております。
○大内委員 今言ったことを一つひとつ聞きたいんですけれども、それを言っていると前に進まないので、前を見て質問させていただきますので。
 一つは、つい先日配られた教育要覧もそうですけれども、その中で教育委員さんがどこで議論されていたのかなと。特に議題として施設のあり方については議論されていますけれども、この臨海、あるいは林間について議論されているというのはなかなか見えてこない。やっていると言われればそれまでなんですけれども、もうちょっと、これだけ大きな問題ですので、ぜひとも教育委員会の、毎週やっているわけですから、議題というんですか、報告事項になるのかな、この言い方で言うと。(「報告だと終わっちゃうんだよね」と呼ぶ者あり)報告して、反対されてもやっちゃう。(「やっちゃう」と呼ぶ者あり)やっちゃうんですか。報告というのは――それを言うと教育委員の議論になっていくんで、私たちも選任している以上、それ以上ありませんけれども、報告だけなの。今、議論されているようなこと言っていなかった。また違ってきちゃうよ。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 校外施設のあり方につきまして、たたき台となります案を作成いたしまして、その案に基づいて教育委員の皆様から御意見等いただいたということでございます。
○大内委員 御意見というのは伺うだけで、一応伺いましたと。あとは別に教育委員会が賛成しようが、反対しようが御意見ということで終わらせちゃう。そんな失礼なことはないと思いますけれども、その辺、それ以上言ってもあれですから言いませんけれども、しっかりやっていただきたい。
 ただ、議会側からさんざん、この件については中止のときもなぜ中止をするんだと。また、廃止というときもなぜ廃止をするんだということを申し上げました。議会と行政機関、教育委員会もありますけれども、両輪じゃないんですか。どうなんですか。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) そういった御意見を伺っております。ですが、宿泊行事等につきましては選択制を導入してきたところでございます。現段階ではその着実な実施を進めたいと考えておりますので、状況を見きわめてまいりたいと、このように考えます。
○大内委員 あのね、選択制は違うから、意味が。どこに行くかを選択するんだからね。廃止にしたのとは意味が違う、あなたが言っているのは。そうでしょう。選択制にしたのは、軽井沢でもいい、どこでもいいですよと。どこでもいいというのは何カ所か選んで、4件ぐらい選んでいいですよという話であって、廃止にしたのとまた全然違う議論だと思いますので、ごっちゃにしないほうがいい。
 23区でよく新しい指導要領、この黄色いやつ、これもしっかり読んできましたけれども、中学校の指導要領。宿泊体験事業についての記述で、特に減ったわけでもないし、やめていいとも書いていないし、それを新しいものに変えろとも書いていない。そこで聞きますけれども、23区でこの学習指導要領、移行期間もありましたけれども、宿泊体験事業をやめた区はあるんですか。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 学習指導要領の改訂に伴いまして宿泊事業を廃止した区はございません。
○大内委員 それについて教育委員会でどう報告したとかいろいろ聞きたいところですけれども、あまりむきになってやるなと言われていますので、冷静に進めますので。
 ということで、新しい指導要領で特段、他区では宿泊体験事業をやめて、中野区が言っている体験事業に移行したところはないということをもう一度確認したいんですけれども。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 御指摘のとおり、中野区以外ではそういった区はございません。
○大内委員 とにかくそれをしっかりと教育委員だとかそういったところでお話をされているのかなというところでありますけれども、きょうはそこまでは踏み込んで聞きません。
 次に、子ども文教81の資料で、学校行事における事故件数というのをいろいろ調べていただきました。これで事故の件数、具体的に学校行事で、あるいは校外学習等で事故が起こっておりますけれども、どういった事故なんでしょうか。
○川島教育委員会事務局指導室長 例えば校外学習などでは、子どもが歩いているときに転んでしまうとか、何かにぶつかってしまってけがをするとかというような、基本的には軽微な事故です。学校行事は運動会、学芸会での事故なんですけれども、運動会は御案内のようにスポーツ競技ですので、転倒ですとか、何か物が落ちてきてとかという形での事故などがございます。
○大内委員 よく出てくる臨海学園等では、事故はあったことはあるんですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 臨海学園における大きな事故はございません。
○大内委員 安全面に非常に気を使っている、そのために当然そういうことが起こらないような施策というか行事にしている、そういうことですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 臨海学園は海での行事になりますので、大きな事故というのは生命にかかわる事故になりますから、それが起きないように万全の体制で臨んでおります。
○大内委員 それを聞いていると、海で泳いでいる、海に入っているときだけ気にしているんですか。その前後の移動は気にしないんですかとか、そっちは事故起きてもいいんですというわけじゃないと思うんですよ。あなたたちの言っているのは、いつも臨海について事故だとかいろいろ言うのは、あくまでも海に入って、多分遠泳のことを言っていると思うんだよね。遠泳で事故が起きないように、その1点だけでいつも説明をされていると思うんですけれども、そうじゃないんですか。どうですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 お子さまをお預かりしていろいろな学校行事、その他をやっていくわけですから、海での遠泳だけでなくて、例えば移動教室ですとか、サービスエリアで子どもたちがトイレ休憩などをするときに車の事故があるとか、そういう全ての面で事故が起きないように考えでおります。
○大内委員 それは当たり前の話なので、結構です。
 次に進むと、中学校における職場体験についてお伺いをいたします。
 中学校では、職場体験をいつもこの移動教室のかわりに充実するとおっしゃっておりますが、文教82の資料によりますと、職場体験の実施時間が平均で記載されております。決まった日数、あるいは時間というのはあるんですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 職場で実際に体験する日数は、中野区では3日ぐらいを原則としています。ただ、受け入れ先で3日は困るというような、そんな場合もありますので、若干日数が前後する場合があります。
○大内委員 この職場体験については、本当に実証というんですかね、去年、おととしに始まったわけではなくて、かなり前からやっていることですよね。それをまた改めて一生懸命検証してなんていつも言っているけれども、ここ一、二年に始まった事業じゃないですよね。かなり前から始まっている。今まで検証していなかったんですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 大体10年弱前から職場体験は始まっているところなんですが、実施内容について報告をいただいて、そのあり方について改善などは図ってきているところです。
○大内委員 その程度の答弁だと、ちょっとみんながっかりしちゃいますよ。あれだけ公の場でしっかり検証してまいりますと言うんだから、今までの10年の経過はどうだったんだということになってしまうから。
 この実施学年というところなんですけれども、これは現年度なんですけれども、私がこの教育要覧を前見たら、中学1年でもやっている年があったと思うんですけれども……(「中学1年生なの、やっているのは。それが変わっちゃったの」と呼ぶ者あり)ありましたか。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 具体的には、北中野中学校が該当いたします。北中野中学校では、中学校3年間のキャリア教育全体計画の中で、1年生に職場体験を位置付けたというふうに伺っております。1年生の職場体験を実施した年度につきまして、2年生で行っていないということでございます。
○大内委員 今までの話の中で、宿泊体験事業をやったら非常に事前の勉強が大変だとかおっしゃっていることがあったんですね。でも、この年に限って中学1年生で多分、移動教室もやっているんじゃないんですか。二つのことを何でできたんですか。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 過渡期でございまして、当初計画でございましたとおり、1年生の段階で職場体験を行ったということがございます。平成25年度からは北中野中学校につきましても2学年において職場体験を実施するということになってございます。
○大内委員 これは新しい指導要領による時間割ですね。合計で980時間から約35時間ふえて、特に国語等がふえているんですけれども、要するにこれを理由にしてできないと言ったんですよね、宿泊体験事業、中学2年じゃ。こういうものがふえているので、できないというふうに非常に力説をされたんですけれども、そこの北中野中というのはすばらしい学校なんですか、両方できて。1年で両方できたんでしょう、やろうと思えば。あるいは、そのときに限って中1の子だけ授業日数が少なかったとかあるんですか。ないんでしょう。やろうと思えばできた。あるいは、結果的にできてしまったのかもしれないけれども、学校がやりたい、頑張ればできた、教育委員会の指導に背いてやっちゃったとか、そういうわけじゃないんでしょう。
○濵口子ども校教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 先ほどの繰り返しになりますけれども、その段階で1学年で職場体験をということが計画されておりましたので、平成24年度につきましては職場体験を実施させていただいたということでございます。ただ、学習時間の確保等も重要な課題でありますので、今年度からは2学年においての職場体験に変更しているということでございます。
○大内委員 それ以上きょうは聞きませんけれども、次に、一つの提案ですけれども、この宿泊体験事業、今、職場体験ということで、非常にそちらにいこうとしているんですけれども、一つの提案として、宿泊的事業、例えばホテルに行ってそのホテルで働いてみるだとか、あるいは調理場に立ってみるだとか、お風呂を掃除してみるだとか、近隣の畑や田んぼで農家の方と一緒に働いてみるだとか、もっと言えば、今どこでもコンビニありますから、コンビニで働いてみる。そういったことをやれば一石二鳥なのかなと。昔、中学校のころ、このホテルに来て一生懸命職場体験したんだと、そういったことであれば、また大人になってから来ようかなと。そういうことになればホテルも喜ぶし、ホテルも部屋をきれいにしてもらう、掃除をしてもらう、非常に一石二鳥。ただ、簡単にそういったことはできるとは私も思いませんよ。そういった発想はないですか。どうですか。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 御指摘の提案につきましては新しい発想でございまして、工夫できるものは取り入れていきたいと考えてございます。ですが、宿泊先での職場体験となりますと、限られた業種、作業となる可能性も高いことから、生徒が主体的に選択するということの幅に限界があるかなというふうにも考えてございます。
○大内委員 そういった提案もあるということで、今受け入れられたと思うので、それ以上言いませんけれども、この職場体験ですね、子ども文教資料82で主な体験先等書いていただきました。児童館と書いてあります。この児童館で職場体験するために、事前に約10時間、事後で6時間の研修を行っている。しかし、今度子ども文教83の資料を見ると、ボランティアでまた児童館に行っている、手伝いで。職場体験で行くと前もって10時間、事後で6時間の時間をとるけれども、ボランティアで行ってもそういうことをしているんですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 この同じ場所での職場体験とボランティアについての説明なんですが、まず、児童館でのボランティアの活動は夏まつりのお手伝いということで、これは当日のみの参加となっています。職場体験のほうはキャリア教育の一環として行っていますので、児童館職員としての仕事を体験するということでありますので、事前の準備ですとか仕事の内容や仕組みを調べるとかということも含まれた事前指導、それから、終わった後、自分はどういう体験をしてどういうことを学んだのかということで報告だとか発表するという形になっております。
○大内委員 だからそれを無理やりというわけじゃないけれども、職場体験じゃなくてもボランティアでふだんから行っていればどうしようとかわかるわけだし、わざわざ職場体験で行っていますということにしなくても常日ごろ、もっと言うと、U18プラザで中学生の子が普通に遊びに行くところでしょう。しょっちゅう毎日行っているんでしょう、たくさん来ているんでしょう、中学生が。だったら別にわざわざこうやって勉強しなくたって、大体職員のやっている仕事というのはわかりそうだし、前もって10時間も研修しなくたって、毎日とは言わないけれども、中学生の遊び場なんでしょう、児童館って。そうなんでしょう。だからそこでわざわざやらなくても、もうちょっと職場体験する場所も選んだ、考えたほうがいいのかなと。
 細かく言うと言われてしまいますけれども、某娘さんが言っていましたけれども、あるスーパーへ行って裏で刺身切らされたり、あるいはこんなの私がやっちゃっていいのかなということをしたり、あるいは陳列に物を乗っけるだけとか、お兄ちゃんたちが言うには、結局現場に行っても危ないからそこで見ていてくださいと、そういった話を聞きます。別にその子たちが悪いわけじゃないんです。ただ、教育委員会として、それで職場体験だと言っているほうがいいのかなと。そのために事前に10時間もとって事後に6時間も報告書を書く。その職場体験というのは、本当に10年間やってきて検証してきたのかな。10年間やってきた成果がそれなのかなと思いますので、全く否定するわけではございませんけれども、ボランティアでやっても要はやることは同じだし、高校生になったら皆さんそのぐらいのアルバイトをやる子は大勢いらっしゃいますよ。別に中学校でやらなくてもいいし、家で商売やっている子は当然家の手伝いで、自分の家で職場体験毎日しているんですよね、当たり前に。それを無理やり地域の商店街に頼んでやるというのは、必ずしもあなたたちが言っているこの新しい指導要領に書かれている体験授業に結びつくのかなとちょっと疑問に思います。そこまでいつも力説されているほどのものではないのかなと思いますので、だめだと言うんじゃないんですよ。
 ただ、あんまり大上段に構えられて言われちゃうと、1個1個チェックしますよと、現場見に行きますよと、私たち。その上であなたたちも見たんですかということになりますので、ぜひ今後この件については、しっかりと職場体験やるんだったらやるということで、何もけがをするところまでやれとは言わないし、危ないことをやれと言っているわけじゃないですけれども、しっかり厳しい中で、ボランティアと職場体験は違うんだという意識を持ってやっていただきたいと思いますけれども、どうですか。
○川島教育委員会事務局指導室長 ボランティアと職場体験、おっしゃるように違いますので、子どもたちが体験した中身が充実するものであるように、学校とも連携をしながら進めていきたいと考えております。
○大内委員 そういったことで次にいきますけれども、話戻りますけれども、小学校の移動教室ですけれども、新しい体系になって軽井沢が5年生でいくんですか、あれは。6年生で選択になるんですか。選択になっていますよね。どちらでもいいのかな。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 小学校の選択制移動教室でございますが、5年生、6年生、基本的には6年生で選択制となっておりますけれども、5年生と2学年で選択制を選ばれるという学校もございます。
○大内委員 ということは、小学校では既に選択制というものが可能だということでやっている。そうした場合に、中学校、今1年生が軽井沢ということで決まっている。中学2年生に関して選択制にして宿泊体験事業というものを考えてもよろしいかと思いますけれども、いかがでしょう。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 中学生につきましては、1学年の移動教室におきまして季節、時期を選べます選択制の移動教室で、2学年につきましては職場体験を重視ということで進めておりますので、現状その実施状況を見きわめていきたいと考えてございます。
○大内委員 今、最後のよくわからなかったんだけれども、何て言ったの。
○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 申しわけございません。実施状況を見きわめてまいりたいというふうに考えてございます。
○大内委員 はっきり言って、臨海に関してはうちの会派で追及する人間がいますので、復活を強く求めるその方にお任せしますけれども、私はとりあえず中学2年生のほうのこの宿泊体験事業のほうを強く復活するよう求めているんですけれども、要は職場体験も一緒にやろうと思えばできる。だって、軽井沢も行って、軽井沢でそうすればいいじゃないですか、みんなで。中学生が行って、軽井沢の建物をきれいにして帰ってくる、それも職場体験の一つになるわけですよね、考え方によっては。だから、それは柔軟な発想を持って、何も浅間山見てくるだとか、あちこちこうやって見てくるだけじゃなくて、そういったことも必要だと思います。
 そこで、この中学2年の宿泊体験事業復活に向けて、簡単には戻らないのは承知で言っております。ただ、学校との調整は当然必要だし、先ほど予算担当副参事も言っていました。教育委員会が要望するのであれば、しっかりそういった予算をつける覚悟はあると。そのぐらい教育委員会で努力していただいたお金を全て教育委員会に回すということではないけれども、十分教育に還元しなければいけない、そういったことは考えていると。遠回しに言えばそういうことですよね――と言っているわけですよ。あとは教育委員会が、これだけ議会が言っている、あるいはPTAが言っている、生徒たちも言っている、何物にもかえがたいこの宿泊体験を求めたいと思いますけれども、まだ時間がありますので区長に、あるいは教育長、中学校のときの宿泊体験事業、覚えていますか。
○田中区長 我々の時代は、修学旅行というのが3年生で1回あっただけだったんじゃないですか、皆さん。(「小学校からありましたよ」と呼ぶ者あり)
○大内委員 区長の生まれたところによるんでしょうけれども、同年代と言ったら失礼かもしれませんけれども、高橋ちあき議員のころには……(「あったよ、仙石原」と呼ぶ者あり)私も軽井沢、仙石原、また中学になったらその同じ繰り返しなんですけれども、行ってまいりました。中野で育った私たちのときには、岩井はちょうど中止になった時期で、岩井はなかったんですけれども……(「何で中止になったの。俺は行っているよ」と呼ぶ者あり)私のときはなかったんです。(「私は行ったよ」と呼ぶ者あり)近藤議員のときもなかったかな。覚えていないということはないですよね、そういうことなんですけれども、教育長にもひとつ聞いておきたいんですけれども、こういった宿泊的体験事業、中学校のころ、小学校のころ、行った思い出ってありますか。
○田辺教育長 私は三多摩地区に住んでおりましたけれども、中学で移動教室、修学旅行は経験しております。
○大内委員 小学校で。(「中学で」と呼ぶ者あり)それしかないんですか、三多摩。多摩地区というのは校外施設ないんですか。
○田辺教育長 具体的に言いますと、小平市に住んでおりましたけれども、施設は持っていなかったと思います。
○大内委員 それはお気の毒に。近隣区で言うと、練馬区なんていうのは弓ヶ浜のほうだとか、あちこちに施設ありますよね。軽井沢も結構23区では、そう言うと、三多摩に比べて中野は財源裕福だからという話になってしまうと話が違うほうへ行ってしまうんですけれども、中野区は仙石原も売ってしまった、来宮も売ってしまった、そういったことで少ないんですけれども……(「白樺湖にもあったよ」と呼ぶ者あり)たくさんあった中野、財政が厳しくなってどんどん売り払っちゃったのかなと。
 最後に、今行った話を全部しっかりとよく考えていただいて、両輪だという意識がもしおありでしたら、来年お金のほうも何とかなりそうだし、教育委員会がもう一度、10年やってもまだ検証できないものがあるじゃないですか、検証するって。検証すると言っているけれども、やる気になればすぐできるし、復活するために汗をかけば、何とか子どもたちにとっていい教育環境が整うのかなと思いますので、中野で生まれ育った私からお願いしたいと思います。ぜひとも来年、復活に向けて一歩踏み出していただきたいと思いますけれども、どうでしょう。
○田辺教育長 中学生の宿泊行事につきましては、教育課程を編成する校長とのかかわりもございます。御提案の趣旨につきましては、校長会等の意見を聞きながら、教育委員会として検討していきたいというふうに思っております。
○大内委員 今、前向きに進めていきたいという言葉がちょっと抜けていた気がするんだけれども、ただ進めるんじゃなくて、教育委員会も先頭に立って、議会から言われているという言い方をするとあまりよくないので、教育委員会もぜひ、保護者から、あるいは生徒からそういった声が強く上がっているので、復活するための努力をしていきたいということでよろしいですね。違ったら手を挙げて言っていただきたいけれども、大丈夫ですね。そういうことでよろしいですね。
○田辺教育長 ただいま御答弁させていただきましたとおり、校長会等ともいろいろ意見交換しながら、教育委員会として御提案の趣旨について検討していきたいというふうに思っております。
○大内委員 ぜひ教育委員会で報告事項にしていただきたいなと。議論するんじゃなくて、復活するという報告をしていただきたいなと。皆さんと校長先生と話がまとまって、教育委員のほうには報告事項、議論するんじゃなくて、そういった方向で進めていきたいと。一応御意見は伺うけれども、進めていきたいという報告事項にしていただきたいなと、これは要望しておきますので、お願いいたします。
 そして、その他で1点、ねぶたについてお聞きをしたいと思います。
 先週の土曜日、桜新町で、サザエさん通りで青森のねぶた祭りが行われていました。私も子どもと一緒に行ってまいりましたし、ねぶた議連の会長であるやながわ議員もお見えになっておりました。また、青森市の市長の鹿内さんかな――も先頭になって踊っておりましたけれども、今回、11月に中野でも行われるわけですけれども、この間本会議でも答弁いただいたんですけれども、実際区民参加、区民に大勢参加してもらうと同時に、復興についての意識をしっかりと風化させないで今後の世代に強く取り次いでいく、そういった考えを持ってもらいたいということもおっしゃっていましたけれども、具体的にそれについて方策というんですか、方法はお考えになっているでしょうか。
○中井都市基盤部副参事(生活安全担当) 委員御質問のねぶたでございますが、一般質問の折に区長答弁といたしまして、多くの区民や在勤・在学者の参加によって盛り上がりを見せ、にぎわいが創出できるようにという御発言をさせていただいてございます。そういった中で今回、東北復興大祭典につきましては、中野駅北口お祭り広場におきまして、来場者よりねぶた、跳人を2日間で50名ずつ募集するとともに、東京青森県人会及び東京ねぶた連合会の各団体から50名ずついただいて、おのおの土曜100名、日曜100名の参加を予定しておりまして、これを区民参加型のイベントとしていきたいというふうに考えてございます。
○大内委員 言い忘れたんですけれども、区議会でもねぶた議連というものがありまして、そこで全員で跳人の衣装を自腹でそろえて参加することになっております。区長を先頭に、三役、五役は当たり前、参事とつく方はぜひ、5,000円ぐらいですから買っていただいて、将来私も参事になりたいなという人は副参事の方も買っていただいて、区民に参加して復興を一緒に盛り上げていこうと言うには、やはり職員の方も先頭に立ってやっていかない限り、だめだと思います。ポスター、垂れ幕に書いてあるだけじゃなくて、職員、特にきょうお集まりの区役所の中枢の先頭に立っていく方たちがそういった気持ちになっていただかなければいけない。多分教育長も買う気になっていると思うし、横に座っている髙橋次長も買う気になっているし、瀬田室長も笑っているけれども買う気になっているし、ぜひ30人、40人の仲間をつくって、復興のために、復興を忘れないために参加をしていただきたいと思いますけれども、区長、これは強制して買えとは言っていないけれども、区長は私と一緒に買うということはわかっていますけれども、ぜひとも職員の方、きょうお集まりの理事者だけじゃなくて、ほかの職員の多くの方にもこれをして参加をすることが気持ち的に、復興をやっていく気持ちにつながると思いますけれども、区長どうでしょう、最後に。
○田中区長 大内委員と一緒に青森で跳ねて、そのとき腰を痛くしましたので、自分としてはその辺のことはよく気をつけたいと思っていますけれども、参加したいと思っています。誰に強制ということは無理ですけれども、やっぱり復興を支援するという気持ちと、一緒に楽しむという、ただ単に復興、復興というお話ではなくて、みんなが楽しみながら日本の国を復興していこうということだと思っていますので、そういう機会にぜひしていきたいというふうに思っております。
○大内委員 にぎわいの一端にもなるし、ぜひともこれから中野が阿佐ヶ谷の七夕、高円寺の阿波踊り、それと匹敵するような一つの中野のイメージになっていけばいいのかなと思いますので、私たちもできる限り協力しますし、区議会でもねぶた議連に入っている方、入っていない方も、皆さん復興ということでは同じだと思います。ぜひともその辺、区長が先頭になって引っ張っていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○内川委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。
 委員会を休憩します。
午前11時52分休憩

午後1時00分開議
○内川委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 平成25年度第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
 質問は通告どおりでございますが、最後のその他で二つ項目を追加させていただきます。
 初めに、平成24年度決算について、基金運用について伺います。
 区財政が厳しい中、100万円単位での事業見直しによって、特定の区民にとっては大事な事業がなくなる状況を見て、少しでも歳入が確保できればと思い、質問をさせていただきます。
 先日の6月7日、総務委員会で平成24年度資金収支状況について報告がありました。昨年度は海外経済の低迷や円高、金融緩和政策の継続により、金利は低い水準で推移し、指定金融機関の2年定期預金金利は平均で0.04%、昨年度は0.05%まで下がった。その金利低下の影響があり、運用益は1億3,900万円、運用利回りは0.34%、前年度は運用費は1億5,500万円、運用利回りは0.39%となったということでした。これによって、3年連続で運用益、利回りとも下がっていることになり、昨年までデフレなどの影響を受けてきたことになります。積み立て基金の合計は404億円余であり、利回りが0.1%違うと4,000万円の差額が生じることになります。そこで伺います。平成24年度基金全体の利回りは0.34%でしたが、23区の他区と比較してどうでしょうか。また、最も利回りを出している区の利回りはどうなっているでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 平成24年度につきましては、中野を含め決算議会中の区もあり、数値が確定しておりませんので、平成23年のデータでお答えさせていただきたいと存じます。それによりますと、23区中第7位でございます。平成24年度も順位としましては、速報通知ではございますけれども、上位に入るといったような見込みでございます。
 次に、最上位の区の利回りについてでございますけれども、0.93%となってございます。
○木村委員 中野区は比較的上位ということですね。中野区は平成23年度の平均利回りというのが0.39%でしたので、最上位の区は0.93%ということですので、0.54%の差があったということになります。この最上位の区の基金総額、また運用益の額と、なぜそのように利回りが高いと分析されていますか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) こちらにつきましても平成23年度のデータになりますけれども、最上位の区の基金総額につきましては352億円で、運用益は3億300万円でございます。利回りが高い理由としては、運用総額に対する債券の割合が高いことであると考えてございます。
○木村委員 中野区の平成23年度基金総額は402億円、運用益は1億3,500万円となっておりますので、基金総額は最上位の区よりも中野区が50億円上回っていますが、運用益では1億6,800万円最上位の区が上回っているということになります。それぞれの基金の性格や取り崩し額の予定額が違うために、単純比較はできないと思います。中野区が比較的上位にあるということで、職員の皆さんの努力には敬意を表したいと思います。その上で、最上位の区が債券の割合が高いということは重要であると思います。
 中野区の基金について伺います。平成24年度の基金全体の運用利回りが0.34%ということでありましたが、運用している普通預金、また債券、定期預金のうち、定期預金と債券の利回りはどうなっているでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 定期性預金の利回りは0.38%、債券の利回りにつきましては0.45%となってございます。
○木村委員 やはり中野区においても債券が最も利回りがいいということになります。総務委員会報告では、平成24年度の基金全体では普通預金が56億円余、債券が114億円、また、定期預金が233億円で、構成比率は14%、28%、57%となっています。運用益は1億3,900万円とのことですが、このうち普通預金と債券、また定期預金の構成比率はどのようになっているでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 普通預金が0.4%、債券が36.7%、定期預金が62.9%となってございます。
○木村委員 債券は運用益の構成比率からして、全体の構成比率と比べても約1.3倍、定期預金が約1.1倍ということで、運用益の構成から見ても、債券が最も効率よく運用益を出しているということがわかります。通常債券はそれぞれの利回りが違いが大きいために、運用益を出せるかどうかというのはある意味では債券にかかっていると言えます。この債券のうち、運用期間別の割合、また金額がどのようになっているでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 短期運用の債券につきましては、204万8,202円で4.7%、3年以下の債券は305万24円で6.0%、5年以下の債券は4,331万4,753円で84.7%、10年以下の債券は238万円で4.7%でございます。
○木村委員 5年以下の債券が4,331万円余で、84.7%と最も大きいということがわかります。10年以下の債券がありますが、これはどのような債券でしょうか。また、いつごろから始まったのでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 平和基金を運用し、平成24年3月に購入した兵庫県債でございます。
○木村委員 平和基金ということで、運用益をそのまま使っている基金でございますので、10年以下の債券は特殊な事情ということになりますので、運用に係る意味では、最も長い債券というのは5年ということになるかと思います。その5年以下の債券のうち、今年度で終わる債券の割合、また金額、そしてまたその平均利回りはよかったかどうか伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 平成25年4月1日現在における5年以下の債券の運用額につきましては、31億4,691万3,000円でございます。このうち平成25年度で終期を迎える債券の運用額は18億4,910万5,000円であり、全体の58.8%を占めてございます。利回りは、低金利の現在と比較すると大変よい数字であるということが言えると思います。
○木村委員 ことしで終期を迎える債券が約6割を占めて、その運用益も非常にいい体系ということになります。そういう意味では、この5年以下の債券、ことしで終わる債券が今年度どのように別な運用をするかということが非常に今後の基金運用に大変重要になってくると思います。中野区の公的資産の管理運用に関する基準では、運用に当たって引き合い書等の書類の提出を求めることを原則とするとありますが、選定に当たって金融機関の競争性を引き出せるように引き合い書を求めていますでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 運用先の選択に当たりましては、同一の運用条件を複数の金融機関等にお示しをしまして、文書での回答に基づき有利なものを選択することを原則としてございます。
○木村委員 もちろん競争性をしっかり見ながら、この基金というのは安全第一というか確実に最優先すべきでありますので、それを踏まえた上で、そういう競争性を出すような引き合い書の提出というのをしっかりやっていただければと思います。今言いました基準の中では、外部の有識者に意見や助言を求めることができるとありますが、有識者をこれまで活用したことはあるでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) そのものではございませんけれども、安全かつ有利な基金運用や適切な資金管理の参考とするため、証券会社のアナリストを招き、意見を伺うといったようなことは行ったことがございます。
○木村委員 利回りの成績がいい他の区の中では、専門知識を持った公的資金アドバイザーの採用とか、第三者の立場からの専門知識を活用した資金管理運用を実施していると聞いております。先ほど指摘したように、今年度は利回りのいい5年債券が終期を迎えるというマイナス要因と、これから金融緩和や景気が上向いていくという中で、これまでの低金利状態から利回りのいいさまざまな債券が出る可能性があるというプラスの要因があります。そういった意味では専門的な判断が必要であり、区でも外部の有識者を活用してはいかがでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 現在の23区の中で、上位の運用利回りということで運用してございますけれども、他区の状況も研究しながら外部の有識者の活用なども研究してまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひ活用していただければと思います。これでこの項の質問を終わりますけれども、今回基金運用に限って質問させていただきましたが、本来区全体での債務とのバランスの中で基金というのは取り上げるべきかと思いますけれども、またそれは次の機会にさせていただければと思います。基金は取り崩しの予定とのバランスでもあり、運用だけでは専念できないと思いますけれども、今現在は上位のほうに運用益の利回りがあるということですので、今後しっかりと安定した運用益が出せるように、よろしくお願いいたします。
 次に、震災対策について伺います。閉塞を防ぐべき道路沿道建築物の耐震化について伺います。
 閉塞を防ぐべき道路は、区においては特定緊急輸送道路、緊急輸送道路、区指定道路の三つでございますが、首都直下型地震が発生すれば、区民の命を守る命のロードとなります。その重要性は一般の方にはなかなか説明をしなくては理解していただけない事業ではございますが、ある意味では行政の危機管理能力が問われる事業でもあると思います。今年度は特に、特定緊急輸送道路耐震診断の全額助成の終了を迎える時期でもありますので、しっかりと取り組んでいただければと思います。
 まず、平成24年度決算から確認していきますと、建築基盤費、建築費、建築安全安心費の中で、耐震化促進事業の執行率が43.2%と極めて低く、不用額が2億7,900万円余と、そのうち2億6,100万円余が緊急輸送道路沿道建築物耐震改修助成金の残であります。決特資料の総務69を見ますと、平成24年度一般会計決算においては、国民健康保険事業特別会計繰出金に次いで大きな不用額であり、その額も突出しております。震災時に区民の命を守る重要な事業でありながら、事業推進の困難さがこの不用額にあらわれていると言えます。緊急輸送道路沿道建築部の耐震化推進のためには、この耐震診断を確実に進めていくことが肝要でございます。そこで伺います。区内にある特定緊急輸送道路を含む緊急輸送道路沿道の耐震化対象建物の件数は何件でしょうか。また、そのうち耐震診断完了件数も一緒に伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 緊急輸送道路沿道の耐震化対象建築物としては360棟ございます。そのうち耐震診断が完了しているものは110棟でございます。
○木村委員 特定緊急輸送道路沿道に絞ると、対象の建築物及び耐震診断完了の件数はそれぞれ何件でしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急輸送道路沿道の耐震化対象建築物は176棟でございます。そのうち耐震診断が完了しているものは98棟でございます。
○木村委員 緊急輸送道路沿道の対象建物の耐震診断の診断済み件数が110件の中で、その中で特定緊急輸送道路の対象の建物の耐震診断済みが98件ということで、耐震診断が行われているのはほとんど特定緊急輸送道路の沿道ということであり、この事業の緊急性から考えると、比率としては望ましい結果となっております。その要因としては、特定緊急輸送道路については先ほど言いましたけれども、耐震診断の費用が今年度中には全額補助であること。また、平成27年度には耐震診断を行わない場合、都条例に基づいて罰則規定があるということも考えられますが、一番の要因は職員の皆様の取り組みの努力にあったのではないでしょうか。区は、特定緊急輸送道路の沿道の建築物の耐震診断及び耐震化を進めるために、対象建物についてこれまで2度全戸ローラーをかけたと聞きますが、その内容、具体的にどのようなものであったのか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急道路沿道の対象建築物の所有者に対して、平成22年度と23年度の2回にわたり、全戸に対して耐震診断の義務化と助成制度について周知を図ってきたところです。第1回目は東京都の職員の先導で区職員が帯同する形で説明に上がり、2回目につきましては東京都が委託した事業者と都と区の職員の三者で全戸に対し啓蒙周知活動を実施してきたところでございます。
○木村委員 その2度の全戸ローラーの成果について、どのように分析されているでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 2カ年にわたり全戸訪問を行った結果として、建物所有者の耐震診断に対する意向等をつかみつつ、診断助成制度の周知が一定程度図れたものと考えております。
○木村委員 特定緊急輸送道路については、先ほど対象建築物が176棟あり、耐震診断済みは98棟と答弁をいただきました。ということは、診断未実施建物は78棟となります。平成24年度はこの診断未実施建物についてどのような対応を行われたのか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 平成24年度につきましては区職員のみでの対応となりまして、診断未実施建築物の59棟について戸別訪問、もしくは文書送付という形で回らせていただきました。
○木村委員 では、今年度についてはいかがでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) ことしの7月、ひと月かけまして申請相談中の案件21件を除きまして、未実施の建物57件に対し37件は戸別訪問、不在所有者に対しては20件の文書を送付させていただきました。
○木村委員 訪問が37件で、不在者所有の20件については文書送付、残りは21件、訪問ができていないということになります。特定緊急輸送道路の沿道建築物については、診断完了目標が先ほど言いました平成27年度中となっており、診断が行われなかった建物については公表されるということになっております。また、診断に要する期間を考慮すると、ことしで言えば10月ぐらいですけれども、27年度までということになれば、平成27年度の10月までには診断申し込みを行う必要がございます。
 一方、耐震診断が進まない区の特有の事情として伺っているのがペンシル形、つまり、間口が狭くて高い建物が多いということや、診断結果による建物の評価が下がることへの不安、また、分譲マンションの場合、合意形成が難しいこと、また、鉄骨造建物の場合、設計図書がないことということを伺っております。事業の推進のためには、これまで以上に丁寧な個別対応が必要と思います。区は対象の176件について、所有者、建物の状況についての詳細な情報を記した台帳を作成されたと聞きますが、その台帳は更新されているのでしょうか。最新の更新はいつでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) おおむね2カ月に1回程度更新作業をしておりまして、最新では5月末に作業を終わらせたところです。
○木村委員 来年度にも都に協力を求めて診断未実施の78件についても戸別訪問実施を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。例えば所有者が遠方の場合があるかと思いますけれども、郵送ではなくて全戸訪問すべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 来年度につきましては、耐震診断の実施の有無等の個々の物件の状況に応じまして戸別訪問や電話、アンケートなどさまざまな手段を講じて、一歩先へ進めるような取り組みを図っていきたいというふうに考えております。
○木村委員 よろしくお願いします。区内の対象の建物で、専門家の派遣によって合意形成がうまくいった事例があるとも伺っております。ローラーの際に無料の専門家派遣や説明会の実施等、所有者の理解を求めるのに区の制度活用をわかりやすく伝えて実施してもらえるよう進めることも必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 専門家の派遣等につきましては、東京都防災建築まちづくりセンターが耐震化相談窓口を無料で開設しております。また、区としても実績はこれからですが、耐震化アドバイザー派遣制度を実施しており、今後有効に活用していただけるよう、広報紹介等の周知に取り組んでまいりたいと思っております。
○木村委員 区外を含めた成功例等をよく検証して、情報共有をしっかりして、1軒1軒診断につながるよう、よろしくお願いいたします。
 事業の進捗状況を鑑みると、今年度で終了予定となっております全額の助成制度の延期を都に要望すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 耐震診断の必要性を東京都に申し入れて、延期を考えていただくよう考えているところです。近々東京都は耐震改修条例の改正に向けた協議を市区町村と行うというような情報も入ってきておりますので、それに向けてきちんととりくんでいきたいなと思っております。
○木村委員 ぜひその中でしっかりと要望していただければと思います。
 区指定道路について伺いたいと思います。区は独自に閉塞を防ぐべき道路として16路線を指定しております。道路が狭い中野区だからこそ、他区にはない独自の取り組みを評価いたしますが、この沿道の耐震化も急務でございます。対象建築物は平成21年度末で350棟、そのうち耐震性が不十分な建築物は200棟と聞いておりますが、21年度以降の実態把握ができていないようであります。今年度に中野区耐震促進計画を改定する予定と聞いておりますが、その策定に当たりまして、最新の実態把握のためにもう一度再調査をすべきであると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 区指定の閉塞を防ぐべき道路については、現状で対象建築物のおおむねの棟数は把握しておりますが、さらに個々の建築物の具体的なデータを調査、整備をし、改定予定の耐震改修促進計画の内容に反映させていきたいというふうに考えております。
○木村委員 沿道建築物の耐震化を進めることはもちろんですけれども、これらの道路が震災によって陥没した場合にも避難や物資の輸送に支障を来します。区指定の16路線については、路面下の空洞調査を行い、道路陥没への対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 中野区地域防災計画で定めております道路障害物除去路線につきましては、都道が11路線、区道では委員御指摘のとおり16路線の指定がございます。震災によりましてこれらの道路が陥没した場合、多くの区民の皆様が避難するときやあるいは支援物資の輸送に支障を来す懸念がございます。道路障害物除去路線は、そのほとんどが主要幹線道路ということもございますので、道路陥没事故に対する予防保全の観点から、平成26年度に予定してございます道路ストック総点検の中で他の路線も含め、路面下空洞調査を実施してまいりたいというふうに考えてございます。
○木村委員 よろしくお願いします。対象の建物に住んでいる方にとっては、生活環境を変える大きな事業でありますし、また、先ほど述べたようになかなか理解をいただけない事業でもあると思いますので、担当の職員の方には大変御努力をいただくことになると思いますが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 次に、医薬品等の供給体制について伺います。
 まず、地域防災計画では、医薬品の供給体制についてどのように示しているのか伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野区地域防災計画では、発災から3日分を目途に医療救護所及び拠点医療救護所に必要な医療救援物資を備蓄して、その不足分または3日以降につきましては、中野区薬剤師会等からの調達や医薬品販売会社へ発注により調達することとしています。
○木村委員 先日の9月10日にテレビで放映されましたNHKのニュースの特集の「大規模災害時に医薬品を確保せよ」で次のようなコメントがありました。「東日本大震災から11日で2年半です。当時、医療現場で問題となったのが、薬の不足でした」から始まり「東日本大震災は、それまでの災害医療の想定を超える状況を引き起こしました。宮城県石巻市にある民間の病院です。津波を逃れ、多くの被災者がやってきましたが、思わぬ事態が起きました。けが人はほとんどおらず、高血圧や糖尿病など慢性疾患の薬を求める人が相次いだのです。こうした薬はあっと言う間に底を尽きました。しかし電話は通じず、支援を頼むことはできませんでした」
 齋藤病院看護部長の菊地里子さんは「薬がいつ入ってくるという不安ですよね。どこでもいいから早く持ってきてほしい。そういう気持ちで日々過ごしていました」と放映されておりました。こういった薬の備蓄ミスマッチが発生した状況を受けて、宮城県では外傷を中心とした想定を見直すため、震災の経験をもとに備蓄品目を精査し、慢性疾患の薬をふやしたと聞いております。中野区においては、発生時にこういった慢性疾患などの常備薬の備蓄についてはどのように考えているのか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東日本大震災の際の慢性疾患に対応する薬品の不足の状況というのは承知しているところでございます。区民自身の日ごろからの備えについてまずは周知するとともに、区としても何らかの形で確保できるよう検討していく必要があると考えているところでございます。
○木村委員 先ほど答弁いただいたように、地域防災計画では不足する医薬品は中野区薬剤師会等から調達する。また、発災時に開設される医薬品のストックセンターが卸売販売業者から調達するとされています。外傷を中心と想定する緊急の医薬品は一時的なものであって、慢性疾患等の常備薬となると長期化する可能性があり、今の状況で薬剤師会からの調達が迅速に、適切に確保できるのか。また、先ほど指摘したとおり、緊急輸送道路の確保さえ保障されていない中、卸売販売業者、いわゆる医薬品のメガセンターは湾岸地域や隣接県にあり、災害時の緊急配送は確実に保障されていると思うでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 慢性疾患に使用する常備薬についてですが、中野区薬剤師会の平時のランニングストックの中で一定の配備が可能であると聞いているところでございます。長期化する場合の対応につきましては、医師会、薬剤師会等の関係機関と確認して調整をしていきたいと考えております。
 また、輸送環境については、3日を目途に一定の回復があることを前提としているところですが、想定を上回る場合の対応等につきましても併せて検討していきたいと考えております。
○木村委員 よろしくお願いします。一方、横浜市はことし3月、災害の医薬品備蓄の見直しを発表しました。横浜市はこれまで、指定した小・中学校を地域医療救護拠点として医薬品を市内146カ所で備蓄してきました。しかし、期限切れの医薬品は廃棄処分され、処理費などを含め、年間1,200万円の負担がありました。今回の見直しで、薬剤師会の協力で市内約90の薬局で、それぞれの店で災害医薬品を在庫として扱う方式に変更し、日常的に薬剤師が薬を管理できるようになりました。薬局にある医薬品は循環備蓄という形で、医薬品備蓄を確保するということは大変に参考になると思います。そこで伺います。まずは慢性疾患などの常備薬の災害時における備蓄内容、どの医薬品にするか、またどれぐらい必要かというのを規定してみてはいかがでしょうか。備蓄内容が確定すれば、その供給についても計画を立てやすくなると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 医療救護活動につきましては、中野区地域防災計画におきまして、(仮称)中野区災害医療コーディネーターの医学的助言等に基づき新たな体制の構築を位置付けているところでございます。慢性疾患に使用します常備薬等につきましても、こうした体制の中で医師会、薬剤師会等の関係機関と連携しながら現行備蓄の確認、必要な医薬品の種類、流通備蓄も含めました医薬品の確保等につきまして内容について整理していきたいと考えております。
○木村委員 しっかり整理していただけることと思います。その上で、先ほど紹介しました横浜市の事例のように、薬局の医薬品を災害時の循環備蓄にすれば、廃棄物の処理をする必要もなく、購入、保管場所や費用という備蓄負担もなく、適切に備蓄として管理されて供給されやすくなると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時の医薬品の確保につきましても、費用対効果、あと、適正な管理等の観点が必要であるところでございます。横浜市の取り組みにつきましても、今後検討の中で十分に参考にしていきたいと思います。
○木村委員 また、災害発生時には区内で圏域ごとに15カ所の拠点医療救護所が開設されることになっておりますが、その拠点医療救護所周辺の薬局の在庫をもとに供給体制の計画も作成可能と思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これも今後の検討の中で薬局の在庫の取り扱い、あと、調達の方法等についても併せて検討して整理していきたいと考えております。
○木村委員 医療救急鞄について伺います。
 地域防災計画では、医療救急鞄二セットを避難所の小中学校の保健室に配備することとしております。その管理方法についてはどのように考え、指示をしているでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 医療救急鞄につきましては、主に軽症の方を対象に使用する医療資機材、薬品を保管しているところでございます。保健室で使用しております薬品棚の上部等に保管しておいていただいて、平常時には開封・使用しないようにお願いしているところでございます。
○木村委員 その地域防災計画の医療救急鞄のリストには、厳重に扱うべき劇薬も入っております。保健室は常時施錠されている状態でなくて、また児童も出入りする場所でもあり、その保管方法には保健室という形は問題があるのではないでしょうか。伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 医療救急鞄には劇薬が含まれております。管理規定に基づきまして、他の物とは区分して保健室にて保管しているところでございます。災害時に医療救護所として保健室が利用されることを想定して医療救急鞄を配備しているところです。保管場所については検討していきたいと考えています。
○木村委員 ぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。
 その他で地域防災計画について伺います。
 地域防災計画では、医療救護活動拠点を初動期以降、発災から72時間以降を目途に中野区保健所に設置とあります。東京都の地域防災計画では、保健所は食品衛生指導、また環境衛生指導、感染症、公衆浴場等の確保などを保健所の役割としていますが、保健所のそのような役割が中野区の地域防災計画では全く示されておりません。なぜでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野区の地域防災計画では、発災から3日以降において長引く避難生活の健康管理、在宅療養支援等の医療救護活動について検討する場として中野区保健所を医療拠点として位置付けているところです。このほか、関連した業務といたしまして健康相談、避難所の感染予防、衛生管理、メンタルヘルスケア、在宅難病患者支援、被災家屋の衛生管理、食品衛生の確保、動物の保護等についても記載しております。こうした業務は、中野区保健所を中心とした災害対策組織が対応することとなります。各業務の担当部署につきましては、職員を対象といたしています防災マニュアルに記載をしているところでございます。
○木村委員 そういう防災マニュアル等に明記されているというか、明確になっているのであれば、ぜひ地域防災計画においても明記していただければと思っております。その医療救護活動拠点に指定されております保健所の備蓄や設備に関しては、地域防災計画では明記をされておりませんが、どのような備蓄設備がされているのでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 医療救護活動拠点は、発災3日以降に医療救護所や在宅療養支援等の状況に関する情報交換、医療救護活動等について検討する場でありまして、災害対策に特化した備蓄等はされていないところでございます。今後必要な備蓄等につきまして災害医療体制の中で保健所が担う役割と機能を検討していく中で整備していきたいと考えております。
○木村委員 今、医療救護活用拠点として連絡、調整会議等の場所としてと言っていましたけれども、ある意味では設備として、例えば通信設備とか発電、停電の際の体制というのはどうなっているでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 通信設備といたしましては、移動系の無線が配備されております。非常電源等については設備として設置されていない状況でございます。
○木村委員 設備として取りつけられていないのであれば、情報の拠点としての大事な場所でございますので、最低限そういう設備はぜひ設置していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 設備等々につきましては、手軽に持っていけるポータブル等の発電機等で済むものなのか、それとも大型の常設型のものが必要なのかということも含めまして、一旦検討させていただきたいと思います。
○木村委員 よろしくお願いします。平成24年度に東京都は、医療救護体制に大幅な見直しを行いまして、これまでの医療救護所とは別に、なるべく災害拠点病院や連携病院となる病院に近い緊急医療避難所の設置を奨励しております。緊急医療避難所とは、重症者と中等症者の方をトリアージ(選別)を行いまして、連携協力する病院のほうに直ちに搬送するという救護所であり、災害拠点病院に重軽症者が殺到する中で、混乱を避けるようにしてより多くの命が救えるようにするということを目的としております。地域防災計画においてはこういうことは規定されておりませんが、計画には必要なものと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害拠点病院や連携病院におけますトリアージは、そうした機関に重症患者を集中させまして、より多くの命を助けるために非常に重要であると認識しています。東京都が示します緊急医療救護所と同等の役割といたしまして、中野区の地域防災計画では医療救護班による病院前トリアージが計画されております。今後医師会、医療機関等との関係機関と具体的な活動内容については協議をしていきたいと考えています。
○木村委員 今、さまざま震災の想定が変わっているというか新しくなっている中で、今後も地域防災計画というのはさまざま見直しがかかると思うんですけれども、そういう中でぜひそれを生かしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 次に、教育行政について伺います。
 初めに、いじめ対策について伺います。国がいじめ対策を本格化させてから初めてとなるいじめ防止の法律、いじめ防止対策推進法がことしの6月21日に成立し、今月末の9月28日に施行されることになりました。この法律では、いじめの定義を対象にされた児童・生徒が心身の苦痛を感じているもの(インターネットを通じた攻撃を含む)と規定をしております。その上で、重大ないじめがあった場合には、学校は速やかに事実確認や被害者への支援を行うことと定めております。いじめの対策をこのように法律で定めたこの推進法をどのように受けとめているのでしょうか、伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 いじめはその対象となった子どもに深刻な苦痛を与え、時には不登校、場合によっては自殺に追い込んでしまうということにもつながるなど、決して許されない行為であります。未然防止、早期発見、早期対応に努めていかなければいけないものと考えております。いじめの防止が法律によって今回規定されたということは、非常に重く受けとめてございます。
○木村委員 現在中野区では、いじめ対策についてまずどのように取り組まれているのか、伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 中野区では、平成20年にいじめ総合対策を策定いたしまして、アンケート調査、そしてその追跡調査を行うなど、早期発見とその対応に取り組んできました。昨年度、いじめの問題が大きく取り上げられましてこれらを見直しまして、臨床心理士による巡回訪問、それから、保護者啓発資料の作成と配付などを新たに加えて、いじめの未然防止、早期発見、早期対応のための取り組みを拡充しているところでございます。
○木村委員 この推進法では、法に定めるいじめ防止基本方針を参酌し、各学校で地域いじめ防止基本方針の策定、組織委員会の常設をすることとされています。各学校での基本方針の策定や組織委員会の常設をどのように推進されるのか伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 昨年度いじめ総合対策を拡充する中で、各学校にいじめ相談担当者の教員を位置付けるなど、組織の拡充も図っているところであります。今後いじめ防止対策推進法との整合性を図りながら、実施内容を確認してこれらを着実に進めていきたいというふうに考えております。
○木村委員 では、この推進法によって区のいじめ対策というのがどのような変化があると思われるでしょうか、伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 推進法が設置されたということよりも、既に各学校では担当組織をきちんとつくって、そして校長のほうは経営方針の中で人権教育を尊重することをうたっておりますので、この法律が施行されるというよりも、きちんと中野区ではその対応ができているというふうに考えております。
○木村委員 そういう意味では、大きく変化はないということかと思うんですけれども、この推進法が定められた、先ほど指導室長にお伺いしましたけれども、いじめを法律で定めなくてはいけないという、この現状自体が大変に問題であるかと思っております。そういう状況を一人ひとりがいかに重く受けとめるかという、そういうところで大きな変化をもたらしていただければというふうに思います。
 いじめ防止基本方針では、インターネットを使ったいじめに対する対策を行うことを必須としています。特に中学校からは携帯電話を所持するなど、ネット環境を持っている生徒は多く、保護者間でも例えばLINEなどのネットからの影響を受ける心配の声を数多く聞いております。教員には研修等を行っているということでありますが、例えば児童・生徒に対してどのような啓発活動を行っているのでしょうか、伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 情報モラルについての指導として、セーフティー教室などで警察ですとか専門機関の協力を得ながらインターネットや携帯電話を介したいじめ、それから非行の防止などを取り上げて指導しているところであります。
○木村委員 セーフティー教室だと恐らく年1回の実施になるかと思いますので、それで十分とはちょっと考えられないんですけれども、それで十分でないと思うので、ぜひ授業などで工夫して取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○川島教育委員会事務局指導室長 情報モラル教育はセーフティー教室だけではなくて、道徳ですとか特別活動、それから総合的な学習の時間などの中でも取り扱うことができます。各学校は年間指導計画を策定する中で、総合的な形で位置付けて指導しているところです。
○木村委員 平成24年10月に中野区教育委員会が作成しましたいじめ防止に向けてのホームページ版では、インターネット等によるいじめの項目で、保護者への啓発活動として携帯電話やパソコン等の使用における家庭のルールをつくるように啓発する。またその際、保護者やPTAと連携を図り、参加体験型の研修会を実施するなど、実効性のある活動を工夫すると明記されています。保護者への啓発活動を奨励しているというふうにうたっていますけれども、具体的にどのように取り組まれているのか。また、それは小・中学校全ての全校的な取り組みになっているのか伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 保護者への啓発についてですが、先ほど申し上げたセーフティー教室を保護者にも公開するなど、子どもと一緒に保護者が学べる機会を設けています。また、生活指導主任会、主に生徒指導を行う主任たちなんですが、家庭でのインターネット、それからゲームに関するルールづくりという、ファミリeルール事業というものがあるんですが、それをテーマとして研修を行って、学校から家庭へ情報発信をするようなことについても指導しております。
 それから、全校的な取り組みかというお尋ねなんですが、平成24年度のセーフティー教室の実施状況を見ますと、インターネットですとか携帯電話、サイバー犯罪防止をテーマに実施しているのが小学校では25校中21校、中学校では11校中8校ということで、毎年必ずということではないんですが、かなりの頻度でこのことをテーマに取り上げているということでございます。
○木村委員 その全校的に行われているセーフティー教室というのは保護者も、年に1回ですし、どれくらいの方が参加されているかというのはわからないですし、そういうふうに学校ごとで特別なというか、そういういい取り組みをしているのであれば、ぜひほかの学校にもさまざまな形で紹介するなり、奨励するなり、できる限り全校的な取り組みにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○川島教育委員会事務局指導室長 インターネットですとか携帯電話に潜むリスク、これについての指導は学校だけでなくて家庭での教育も大変大切だというふうに認識をしています。セーフティー教室ですとか、先ほど申し上げたファミリeルール事業などをPTAの協力も仰ぎながら確実に保護者に伝えていきたいなというふうに考えております。
○木村委員 よろしくお願いいたします。このようなネット環境というのは、教員、保護者が小さいころというか、児童の時代は全くなくて、大変に理解が難しい環境であると思いますけれども、こういった科学技術の進歩からくる問題といっても、根本は道徳教育になると思います。こういった道徳教育に照らし合わせて、例えばその中で具体的な事例として取り上げるなど、授業の中でもしっかり取り組んでいくと思いますが、いかがでしょうか。
○川島教育委員会事務局指導室長 先ほども申し上げましたが、いじめの話もそうですし、心の教育、それから携帯電話その他の指導についてもそうなんですが、学校の教育活動全体で子どもの心の教育の充実に努めていきたいと考えております。
○木村委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
 このインターネット対策とはちょっと別ですけれども、平成25年2月に教育再生実行会議の第1次提言におきまして、このいじめ問題の本質的な解決に向け、心と体の調和のとれた人間育成に取り組むという観点から、道徳教育の抜本的な充実を図るとともに、新たな枠組みにより教科化することが提言されました。この提言を踏まえ、道徳教育の具体的な成果や課題を検証しつつ「心のノート」の全面改訂や教員の指導力向上など、道徳教育の充実方針についての検討を行うとともに、これらの成果等を踏まえながら道徳の教科化の具体的なあり方についての検討を行うことを目的とした「道徳教育の充実に関する懇談会」が設置されたところであります。現在、中野区ではこの「心のノート」をどのように活用しているのか。また、道徳教育についてどう取り組んでいるのか伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 「心のノート」は道徳の時間だけでなくて、学級活動でも活用しております。その中は、自分の心を見つめ直したり、思いやりについて考えたりする項目がありまして、自分自身の思いや考えを書き込んで後に振り返るなどという形で活用しているところです。学校における道徳教育は、道徳の時間はもとより、例えば奉仕活動ですとか異年齢集団での活動など、学校の全教育活動を通じて行っており、豊かな心の育成に努めているところでございます。
○木村委員 また、教育要覧によれば、子ども家庭支援センターの平成24年度相談実績では、非行、いじめは54人とありますが、そのうちいじめに関する相談は何件あったのでしょうか、伺います。
○黒田子ども家庭支援センター所長 教育要覧のほうの54人と申しますのは、延べの相談の人数でございます。その中で、いじめの相談は実人員では4人で、相談件数としては延べで20件程度となっております。
○木村委員 このいじめの相談はどのように対応しているのでしょうか、伺います。
○黒田子ども家庭支援センター所長 いじめの相談につきましては、保護者からの訴えがほとんどでございます。まず、保護者の側に立った相談を続けながら、指導室や学校と連携をし、問題の解決を図るようにしております。
 また、今年度からはいじめの対応だけではございませんが、保護者の了解のもとに子どもの面接を行いながら心のケアや支援の見立てのできる非常勤職員を配置しておりまして、そういった方面からも支援を行っているところでございます。
○木村委員 さまざまな部署で、さまざまな角度でこういういじめに真摯に対応できていることはすばらしいことであると思います。いじめが起きないための対策を講じていくことは重要な課題でありますが、いじめにより傷ついた心のケアというのは非常に重要です。学校においてはスクールカウンセラーや心の教室相談員が子どもたちや保護者の悩みを受けとめていると思いますが、悪質ないじめに対してはケース会議等を開いて関係者機関が連携を図り、総合力で取り組んでいくべきと思います。体制整備はできているでしょうか、伺います。
○川島教育委員会事務局指導室長 学校においては、いじめに対しての対応の中で、担任だけではなくて学校の組織として対応するような取り組みをしています。ケースによっては、委員のおっしゃったような悪質なケースなどもありますので、その場合については例えば子ども家庭支援センターですとか警察などの関係機関と連携をしてその対応に努めていきたいと考えます。
○木村委員 ことしに入ってスクールカウンセラーが週1回全学校を回っているということ、非常にいい流れができていると思いますので、そういう意味ではそういう体制というものをしっかりと、いじめの解決に向けてしっかり努力していただけるよう、心よりお願いを申し上げます。ありがとうございます。
 次に、学校施設の耐震化について伺います。
 東日本大震災では、非構造部材で甚大な被害を生じて、学校の屋内運動場等の天井材が全面落下したなど、多数発生しました。公立学校施設は児童が1日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難場所となるなど重要な役割を担っており、構造体の耐震化や非構造部材の耐震対策が早急に進められる必要があることから、極めて重要かつ緊急な課題であります。文部科学省はその対策として、昨年9月に全国の学校設置者に対し、天井等の総点検及び対策を要請し、先月の8月7日にその結果である公立学校施設の耐震改修状況調査を公表しました。その実態調査の屋内運動場におけるつり天井の設置状況については、中野区はつり天井を有するところは5カ所であり、総点検や対策は全て実施されていないと報告されていました。この5カ所は全て学校施設でありますが、この総点検や対策実施をなぜ行わなかったのか伺います。
○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 文部科学省の指定する点検内容は、区が通常行っている点検項目の一部しか該当していないため、総点検を実施していないことになってございます。しかし、区では建築基準法や学校保健安全法に基づく定期的な調査、点検を実施しているところでございます。
○木村委員 国土交通省は、建築基準法に基づく天井脱落対策の規制強化として、来年度4月から関係法令を施行するとしております。従来より厳しい基準となっておりますが、ことしの4月に政令公布をされています。それはどういった内容でしょうか、伺います。
○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 6メートルを超える高さにある200平方メートルを超えるつり天井について、国が定めた安全な構造方法、または認定を受けたものを用いることとし、特に腐食や腐朽などの劣化のおそれのあるものは劣化防止措置をした材料を使用しなければならないと規定されてございます。
○木村委員 文部科学省は、新しいその関係法令の内容に沿った点検及び対策の実施に活用できるように、学校施設における天井等落下防止対策のための手引を作成しました。現状ではそこに定める安全基準を満たしている状態でしょうか、伺います。
○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) この7月に改正建築基準法施行令が交付されたところでございまして、この施行令に沿った学校施設における天井等落下防止対策のための手引について、現在確認をしているところでございます。
○木村委員 じゃあ、その安全基準を満たしているかどうかわからないという状態であると思います。そういった意味では、その手引に沿った点検が必要であると思います。また、文部科学省はつり天井だけではなくて、併せて施設の大規模な空間の照明器具やバスケットゴール等の高いところに配置されたもの、また、鉄筋、屋根定着部、コンクリート、水平ブレースの接合部関連も併せて点検するように奨励をしています。この3点をいつ点検する予定でしょうか、伺います。
○伊藤子ども教育部、教委委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 鉄骨屋根定着部コンクリートや水平ブレースの接合部の構造体は耐震化済みでございまして、また、照明器具は落下防止措置済みでございます。なお、つり天井、バスケットゴールやスピーカーなどの非構造部材の総点検については、学校施設における天井等落下防止対策のための手引に従って実施していきたいと考えております。
○木村委員 ぜひ実施していただければと思います。また、それで全てが避難所になると思いますので、そういう改修など、防災機能強化事業として国や都の補助が活用できると思います。どのような財源構成になるでしょうか、伺います。
○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 耐震化工事における対象経費の3分の1が学校施設環境改善交付金として国から交付されることとなります。また、対象経費の最大6分の1が都から補助されることとなっております。
○木村委員 ことしの6月に閣議決定された第2期の教育振興基本計画においては、つり天井やバスケットゴールなどの非構造部材は平成27年度までに対策の完了を目指すとしております。そういうことを受けて、改修はいつ行うことになるでしょうか、伺います。
○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) つり天井やバスケットゴールなどの非構造部材の総点検の調査結果を踏まえまして、対応が必要な場合には実施していくということを考えてございます。
○木村委員 じゃあ、点検終わりまして、問題があったら対応するということで、ぜひ問題があったらすぐに対応していただくようによろしくお願いします。ありがとうございます。
 次に、(仮称)本町五丁目公園整備について伺います。
 ことしの6月1日に広域避難場所にも指定されました(仮称)本町五丁目公園は、(仮称)南部防災公園とともに南部地域ではこれまでなかった大型公園であり、今後50年後、100年後まで続く南部地域の顔になると、地域待望の公園であると思います。基本計画が決まっている段階でもありますので、細かい確認などと思いますけれども、平成27年度開園に向けて地域の皆様が少しでも喜んでいただける公園になるよう、何点か伺います。
 先日の建設委員会では報告がありましたが、基本設計(案)について伺います。このもともとの基本計画では、運動施設の防球フェンスの高さは30メートルであったということでしたけれども、今回の報告では15メートルに改変をされていました。どういった実証実験を行って、また安全性は問題ないのでしょうか、伺います。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) (仮称)本町五丁目の運動広場ゾーンの利用の一つといたしまして、主に小学生による野球の試合ができることを想定しております。打球が近隣の住宅に飛び込まないなどの安全に配慮するために、打球の最大飛距離につきましては80メートルといたしました。また、この運動広場の形状寸法に基づきまして、再度打球のシミュレーションを行ったところでございます。その結果、ヒットゾーンの外野への打球はライト方向で最大14メートルの高さまで上がるということがわかりました。また、ファウルチップの打球につきましては、ホームベースの後方に約27メートルの高さまで上がるということがわかったんですが、ヒットゾーンの外野のフライについては15メートルのネットフェンスがあれば大丈夫である。また、バックネット方向につきましては、天井ネットと袖つきネットを整備することによってボールが広場の外に飛び出すようなことがないように、それが抑制できるようになることが実証されましたので、15メートルとしたところでございます。
○木村委員 この公園の地元の地域は最初に30メートルフェンスというインパクトが強過ぎまして、30メートルだと区役所より高くなっちゃいますので、そんな広くない公園にそういったものができるというので、もう地域の皆さんは運動施設というよりも野球場ができるということで、ほとんど反対の声がすごく強かったんですね。私も野球場ではないと、いろいろな運動ができるということはさまざまな形で説明はしたんですけれども、もちろん区にも見直すようにも要望しましたが、最初から15メートルというふうに言っていれば、恐らく無用な摩擦は起きなかったというふうに思っております。そういう意味では、改善できたということは大変に評価いたしますけれども、今後しっかりと取り組んでいかなければと思います。
 次に、この基本設計の(案)では、公園の中に運動広場ゾーンにしか駐輪場はありませんが、この駐輪場には何台駐輪できることになっているんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 基本設計(案)の段階では、少年野球の試合を想定いたしまして、おおむね20台程度のスペースを確保しております。
○木村委員 20台ということですけれども、少年野球、当然2チームぐらいは来ますので、明らかにこの野球場も当然近隣の野球場というか、運動施設、野球をやる場合は近隣だけじゃなくて、当然区というか、南部地域からいろいろな方が集まってくると思いますので、当然自転車の使用がほとんどかと思います。そういう意味では、ちょっと20台は明らかに少ないと思いますので、ぜひ工夫してより駐輪できるようにしてみてはいかがでしょうか。また、反対側の広場のゾーンにも駐輪場は現在計画では設置される予定にはなっていません。多くの子連れの親子が来ると想定され、整備前の今でも駐輪が多い状態であります。そういう反対側の広場ゾーンにも駐輪場を整備してはいかがでしょうか、伺います。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 基本設計(案)をもとに、これから地域におきまして意見交換会を開催していきますけれども、そして基本設計の取りまとめをしてまいりますが、その際にもう少し工夫をいたしまして、草地広場ゾーンと運動広場ゾーンの両方に駐輪スペースを一定程度確保できるようにしていきたいというふうに考えてございます。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 基本計画の中では、この草地広場というのは緑豊かで、ゆったりとくつろげる草地広場を整備するとあります。それはぜひお願いしたいところでございますが、地域の高齢者の方からは、できれば健康器具も整備してほしいという声もいただいております。健康器具に関しては、広場ではなくて例えば公園の周辺というか、際にある樹木の間に設置することも可能であると思いますが、この設置に関してはいかがでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 現在、この公園を利用しております皆様方が健康づくり教室などが開催されているということや、健康遊具を既に設置している公園、その他の公園でございますが、その利用頻度が低い、そういったところから、基本設計(案)では設置しないことといたしたところでございます。健康遊具の整備につきましては、来月開催いたします意見交換会の中でそういった御意見も踏まえまして検討していきたいというふうに考えています。
○木村委員 ぜひ検討をお願いします。現在も公園内をジョギングやウォーキングで利用する方も多く見られます。公園の中の道ですけれども、ウレタンの樹脂やゴムチップの舗装にするなど、足に負担のないようにして、また、距離の表示をするなど、ウォーキングしやすいようにしてはどうでしょうか、伺います。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 現在の園路につきましては、おおむね380メートルが想定されておりますけれども、ウォーキングですとかジョギングなどにも利用できるような方向で園路を整備していく予定でございます。その際に、ウレタン樹脂やゴムチップ舗装などのクッション性があり、かつ燃えにくい素材の舗装材の適用と併せて、距離表示につきましても検討していきたいというふうに考えております。
○木村委員 よろしくお願いします。ちょっとまだ先の話になりますけれども、この公園の正式名称を決める際に、例えば憩いとか安らぎとか、ただ本町五丁目という地名の名前だけじゃなくて、さまざま柔軟に公園の名前を考えていただければと思いますけれども、いかがでしょうか、伺います。
○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) これまでも大規模公園の名称につきましては、公募などによりまして決めてきたといった経緯がございます。この公園整備につきましては、平成26年、27年に実施を予定してございますけれども、公園名称の募集につきましては27年度に実施していきたいというふうに考えているところでございます。
○木村委員 地域の皆様が大変に楽しみにしている公園でございますので、ぜひしっかりと整備のほう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 その他で、一つ目は中野の映像資料館について伺います。
 中野区のホームページのトップページの中野区の魅力というところから「なかの映像資料館」というところに入りますと「いつか見た中野駅」また「なかの百年」、「光のなかに消えたレリーフ-中野刑務所-」など、中野の歴史や文化をとどめた貴重な映像が紹介されています。今では出会うことのできない中野の姿を見つけることのできる貴重な資料であり、これからの中野の未来を考える上でも重要な資料となると思います。まず、この映像は今から20年以上も前のものですけれども、この資料が作成された経緯はどういう経緯でしょうか、伺います。
○酒井政策室副参事(広報担当) この映像ですけれども、平成元年度まで1年間の区政の動きなどをまとめた16ミリの広報映画を制作していましたけれども、その後、平成2年度から6年度まではビデオに変わり、現在なかの映像資料館で配信しているようなテーマ性のあるビデオをこの期間に制作したものでございます。その後、平成7年度から平成12年度までは主に区政の普及啓発を目的としてJCN中野、当時はCTNですけれども――で放送する番組を制作していたものでございます。
○木村委員 現在開発が進みまして中野駅周辺も生まれ変わり、また、中野四季の都市の前身である警察大学校の映像も見ることができます。現在の中野駅北口、この中野四季の都市を中心とした新しい映像を歴史にぜひ残すべきではないでしょうか、伺います。
○酒井政策室副参事(広報担当) そのような映像の必要性について、検討していきたいと思います。
○木村委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
 最後に、風害対策について伺います。中野坂上の交差点風害対策について伺います。
 中野坂上のビル風害は、長年地域の方を悩ませている問題でございます。通常、ビル風害というのはオフィス街で発生しますけれども、オフィス街というのはサラリーマンなどのいわゆる健常者が多い状況です。一方、中野坂上交差点というのは三つの高層ビルがあり、そのすぐ近隣に住宅が広がっている、ある意味では生活空間となっております。小学校の通学路にもなっており、高齢者にとって大事な交通手段であるバス停も4カ所あります。まず、区はこの中野坂上交差点周辺の風害をどのようにとらえているのか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野坂上交差点付近で風が強く、特に山手通りにおきましては春先に南方向から強い風が吹くことが多いと認識をしております。
○木村委員 都は平成23年3月に地域の要望を受けまして、植栽を中心とした風害対策の整備を行ったと思いますけれども、具体的にはどのような対策をして、どのような効果があったのでしょうか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野坂上交差点付近の強風対策につきましては、東京都、中野区、首都高、再開発ビル関係者で平成11年に風対策会議を設置しまして、地下通路の設置ですとか警備員の巡回強化、山手通り街路樹の植栽の工夫等による対策を行ってまいりました。街路樹の成長段階により、一定の効果を上げるものと考えております。
○木村委員 今、街路樹の植栽の成長と言いましたけれども、まず、その植栽した樹木というのはどれぐらいの高さになったら終わりというか、完成ということを想定して整備したのでしょうか。また、現在の生育状況等、そういった先ほどの想定までにはあとどれくらいの期間が必要であると思いますか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、山手通りの歩道部分でございますけれども、ケヤキが植わっておりまして、現在の高さは5メートルから6メートルぐらいしかありませんが、最終的には20メートルから25メートル程度の高さになると考えております。それから、中央分離帯ですけれども、これはメタセコイアが現在植わっておりまして、現状では7メートルから8メートルぐらいの高さでございますけれども、これも最終的には25メートルから30メートル程度になるというふうな想定をしております。その間にヒイラギ、モクセイ等の生け垣ですとか、中央分離帯では間にシラカシ、マテバシイなどの中木を植えておりまして、これら成長の段階に伴いまして一定の効果があるものと考えております。
○木村委員 想定までどれくらいの期間がかかるかという質問も一応したんですけれども、併せて区役所とサンプラザの間に樹木がありますけれども、これもそのときの風害対策として植えたというふうに伺っておりますけれども、この樹木がどれぐらいかかって今の状態になったかというのを含めて、そういうふうに想定するまでどれくらいの期間が必要と考えるか伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 木の成長は状況によってかなり変わりますので、なかなか一定的な想定はできませんが、例えばケヤキにつきましては、かなり成長が早いということもあって、十数年程度で一定の高さになったという想定があります。それから、区役所とサンプラザの間の樹木、これも20年ぐらいかけてああいった姿になった、そういったことがあります。
○木村委員 20メートル、25メートルまで育たなくても風を防げばいい話ですから、それぐらいまで育てば、大分風害対策としてもいいことになりますし、自然に育つのを待つよりも、例えばちょっと土壌を改良して少しでも早く育つように頑張るとか、そういう取り組みもぜひしていただければと思います。
 併せて、その整備がされました山手通り沿いの京王バスのバス停にはバス停のシェルターに強化ガラスの側壁が設置されておりますけれども、青梅街道の都営バスのシェルターのほうにはそういう強化ガラスが設置されておりません。特に高齢者にとって大切な風害対策になると思いますので、都営バスですので、ぜひ東京都にガラスの設置を要望していただければと思うんですが、いかがでしょうか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員から御指摘をいただきました。この中野坂上付近に関しましては、街路樹の植栽は完成いたしまして、予定された風害対策の実施は完了したわけでございますが、今後は街路樹の成長による防風効果、これを見きわめながら、現段階でできる対応策については、委員御指摘の内容も含めまして、東京都及び関係機関と検討・調整をしてまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。
 以上で私の総括質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
○内川委員長 以上で木村広一委員の質疑を終了します。
 次に、佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。
○佐野委員 平成25年度決算特別委員会に際しまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきたいと思います。
 ここ数年にわたっていろいろな御質問がありましたけれども、私は特に24年度の中野区の財政白書についてお伺いをまず最初にさせていただきたいと思います。
 決算状況は、財政白書によってわかりやすく知らせてもらっておりますけれども、我々にとって中野区の財政状況はこの冊子を通してわかる、こういったものでしかありません。したがって、この冊子にはすごく重要な意味があるような気がするんです。中には難しい財政上の専門用語もあり、もっと一般にわかりやすくできないかということを常々思っておりました。所管としてはいろいろわかりやすくするための工夫をこれまでこらしてきていると思いますが、この白書を出すという意義、目的、そしてまた、内容的には1部、2部と分かれておりますが、どうして違うのか。さらに、それからどのような財政分析が可能なのかをまずお尋ねさせていただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) まず、中野区の財政白書でございます。平成17年度決算から毎年作成を行っておりまして、平成10年度の決算からは委員御説明ありましたとおり、決算説明資料として決算特別委員会前の9月に発行しているところでございます。平成21年度からは総務省方式改訂モデルに準拠した財務処理ということで、公営事業会計ですとか外郭団体も連結したものを作成しているところでございます。他の自治体の財政白書と比べて、特徴でございますけれども、図やグラフを多く取り入れているというのが特徴の一つだと思います。
 また、普通会計の基本項目の分析のほかに、納税者一人当たりの所得ですとか、税、国保の収納率、退職者の見込み数等を載せまして、決算に関連するさまざまな行政情報も盛り込んでいるというふうに考えております。他の自治体では決算認定後に発行している自治体もあるところでございますが、9月の発行ということで決算審議に活用いただける。また、区民にも公表するという意義があるというふうに考えております。
 1部につきましては、普通会計についての決算ということでございます。官庁会計、現金主義会計の調書であります各年度の現金の収支の状況を示すというものを、年度推移含めて説明をさせていただいております。2部につきましては、企業会計的手法による分析でございまして、現金収支だけでなく、資産、負債の状況、行政コストの状況等を示しまして、公営事業会計や外郭団体含めた連結した数値で全体の財政状況がわかるというものでございます。普通会計決算を官庁会計と企業会計という複数の視点で見ることができるというので、1部、2部ということで作成をしているところでございます。
○佐野委員 どのような財政分析が可能なのかということにつきましては、今の内容であります普通会計と官庁会計、企業会計という複数の視点での分析ができるんだというようなことでございますでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 同じ公債費支出をとっても、現金主義会計に見る単年度の状況と、長期で見る資産と負債という見方で、視点も変わって見ますと状況も変わってくるというものでございます。
○佐野委員 木村委員が質問したときに、基金のことについて質問しました。私は基金と公債費のこと、借金のことについてこれから御質問させていただくんですけれども、基金、いわゆる長金利と借金というのは両輪だと私は思っております。このものをどのようにやっていくか。一般家庭で鑑みても、どのぐらいの借金が一体あるんだろうか、そしてどのぐらいの収入があるんだろうか、そして、収入があったらば、どうやって運用していこうかというようなことを考えるのは当たり前だと思うんです。そういう意味で、今ここにございました公債費の推移と公債費比率の推移を過去5年間で見ますと、公債費は平成20年度から増減が交互になっていますけれども、公債費比率は毎年上昇傾向にあるというふうになっております。そしてまた、平成24年度は平成5年からの20年間で高い推移となっています。この原因と数値をどのように考えているのかをお答えいただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 口頭だけだと難しいので、財政白書のページで御説明させていただきたいと思います。財政白書の15ページ、公債費及び公債費比率について記載をさせていただいております。
 図17の公債費の推移でございますけれども、今、委員御指摘がございましたように、平成20年度から増減を繰り返しているという状況でございます。平成24年度につきましては、23年度に比べて減少しているという状況でございます。その下の図18でございます。こちら、公債費比率の推移を記載しておりますけれども、こちらにつきましては平成20年度以降、上昇傾向にあると。23年度、24年度とさらに上がっているという状況でございます。
 こちらの数字でございますけれども、申しわけございません、財政白書31ページの決算状況一覧をごらんいただきたいと思います。こちらの右側上にあります性質別の決算状況でございます。公債費という欄の隣にあります109億円というのが公債費の総額となっております。平成24年度109億円でございます。こちらは当該年度に支出しました公債費の総額ということになっております。先ほどの図で見ていただきましたけれども、平成23年度134億円ということでしたので、今年度は若干少なくなっているという状況でございます。
 その右に進んでいただきまして、経常一般財源というところがございます。こちらも109億円ということで、24年度はほぼ同様の数字が入っております。こちらの数字が平成23年度につきましては106億円ということで少なくなっております。これは公債費のうち、臨時的経費となります繰り上げ償還等の経費があったために差が出ているというものでございます。このために、公債費自体の数字は23年度のほうが大きかったわけですけれども、公債費比率になりますと、24年度のほうが大きくなっているという要因の一つでございます。
 また、この公債費比率が示す計算式の分母となります標準財政規模でございます。臨時財政対策債発行可能額というものがその中に含まれておりますけれども、そちらの算定方法が平成24年度から25年度にかけまして変更されております。これに基づきまして、標準財政規模が小さくなっているということも平成24年度が23年度に比べて公債費比率が上昇した原因の一つというふうに考えております。
○佐野委員 今の御説明はどこに書いてあるんでしょうか。というのは、15ページを見ました。そうしますと、この図だけを見ますと非常に高くなっています。公債費比率は24年度は16.2、そして23年度は5.3、非常にここから高くなっていますね。何と書いてあるかというと、公債費比率が上昇すると、一般財源を圧迫することにもつながってきますと言っている。一方では、行政として非常に危惧を持っているというあらわれを書かれております。しかし、今御説明いただいたことはどこに書いてあるのかをまずお尋ねしたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公債費比率の計算式につきましては、15ページの図の下に記載しているところでございますけれども、それぞれの経常一般財源の差につきましては、こちらの白書には記載をしておりません。
○佐野委員 これ、やっぱり配るのであれば、皆さんができるだけわかりやすくしなければならないと思います。今おっしゃっていたように、経常収支比率、ただ用地先行取得の分割償還ができる、22年度においても平均を上回ってきているとおっしゃっていましたけれども、確かにそのとおりだと私も思います。だけれども、今後この図だけを見ると、みんな不安になると思うんですよね、借金という頭がありますから。それを考えたときに、わかりやすく御説明をすることを来年度の財政白書では要望いたしますけれども、いかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 財政白書の記述につきましては、これまでも工夫を重ねてまいりましたけれども、委員御指摘のとおりさらにわかりやすく、区民の方を含めて御理解いただけるような記述について努めてまいりたいと考えております。
○佐野委員 続きまして、23年度に比べて0.9ポイント上昇しているということで、健全化判断比率についてお伺いをしたいと思います。実質公債費比率が24年度は23年度に比べて0.9ポイント上昇していると書いてありますけれども、この理由は何なんでしょうか。マイナスが昨年度大きくなっていますけれども、さらに25年度の見通しというものは、借金についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 実質公債費比率でございます。白書29ページに記述をさせていただいております。委員御指摘どおり、23年度から24年度にかけまして0.9ポイント上昇しているというものでございます。こちらの実質公債費比率でございますけれども、24年度決算の4.7という数字につきましては、平成22年、23年、24年度の3年間の決算の平均値ということになっております。そして、23年度、24年度に用先債の償還に基づく公債費の支出が多かったために、23年度に比べて高くなっているというものでございます。来年度、25年度の見通しということでしたけれども、25年度につきましては23年度、24年度、25年度の3年間の平均ということになります。このために用先債の影響を3年全て受けるという形になりますので、見込みでございますけれども、今年度と同程度上昇するのではないかというふうに見込んでおります。こちらの早期健全化基準という、今、25.0%という一定の比率がございますけれども、そこまでは問題ないというふうに考えてございます。
○佐野委員 そのとおりだと思います。25%だったら大変なことだと思いますよ、これは。問題ないというのは当たり前のことだと思いますので、ぜひそれはやっていただきたいと思います。
 それから、貸借対照表の分析の中で、将来の負担比率が下がっており、その面では借金が少ないほうが次世代の負担も少なくなって健全化してあると読み取ってもよいと思いますが、併せて平成24年度8.7%が現在適切なのかどうかをお尋ねさせていただきたいと思います。そして一方で、老朽化比率は年々高まってきております。これは他の議員も質疑があったかと思いますけれども、施設更新時に向けて負債、いわゆる借金の問題と併せて長期的な財政運営がより重要になると思っておりますけれども、併せてお答えをいただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 将来の負担比率でございます。こちらは48ページに記述をさせていただいているところでございます。将来の負担比率が下がっていること、資産がふえておりまして、借金が少なくなっているということから、委員御指摘のとおり健全化されているというふうに考えております。
 平成25年度の見込みでございますけれども、25年度予算におきましては、地方債残高は24年度末よりも減少するということが予定されておりますため、負債比率につきましては来年度さらに下がるんではないかというふうに見込んでおります。
 将来負担比率の8.7%が健全かどうかということでございます。実は、この財務書類で使っております資産の評価でございますけれども、各自治体で評価の方法が異なっておりまして、他区との比較が非常に困難という状況でございます。中野区の経年の中で見て適当であるということしか言えないという状況でございます。
 また、区有施設の更新についてでございます。区有施設の更新につきましては、積立金ですとか地方債の活用というのが見込まれるところでございます。まずその前に、区に必要な資産というものを見きわめを行いまして、更新経費を算定すると。長期の財政状況を踏まえた中で更新計画、保全計画等を算定することが重要であるというふうに考えております。
○佐野委員 今、るる説明がありました。私が最初に申し上げましたように、やはり見る側にとってどういう角度で見たらば納得性が出てくるし、理解性が出てくると、こういったものを目的として、意義としてつくらなければ、全くこの財政白書の意味がないと思うんです。そういう意味で、できれば単なる経年数値、経年的なものだけではなくて、今おっしゃっていた中身、質、この点を重要視して、この次からはこのようなものを配っていただきたいというふうなことをこの項で申し上げまして、もう1回その辺のお答えをいただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公会計改革ということで、今、区政経営に資するような分析を行うというのが私の役目と考えております。区政経営に役立てるとともに、議会の皆様、また区民の皆さんにもわかりやすい適切な分析を行い、公表してまいりたいというふうに考えております。
○佐野委員 ありがとうございます。次回からはそのような財政白書をつくっていただければというふうに思う次第でございます。やはり我々は素人であり、つくられる担当部署はプロだと思うんですよ。ですから、プロの方が素人の方によりわかりやすく説明する、こういった視点でつくっていただきたいということは私たちの要望だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、予算と決算との権限と責任について。これは私が人事のほうで何回も御質問させていただいた次第でございますけれども、予算と決算に限って権限と責任についてお伺いしたいと思います。
 私は以前から、予算と決算は双方不可分の関係にあるというふうに思っております。なぜかといいますと、決算があって、それを反省することによって予算を組む、そういうことが一番企業でも自治体でも私は大切なことではないかというふうに思っていたからです。その場合に、それぞれ予算を組む側と決算をする側と別な長、要するに総責任者が別である場合には、なかなかそこに連携とか申し送りとか、そういったものができにくいのではないかというふうに思います。
 そういう意味では、決算と予算が一つになることが、私は組織上大切ではないかというふうに常々思っておりました。別々に長がおるということは、それだけ分かれた所属というのが不思議でしようがなかった。これは組織の上でも、権限と責任上からも問題があるというふうに私自身は思っています。民間企業ではほとんどが財務部とか、あるいは予算部とかというものを組みまして、その部の中でほとんどの長が両方を担当して、最終的な問題が起きたときには責任をとるというようなことが多いと思います。
 したがって、今の中では鶏と卵の関係で非常に難しいかもしれませんけれども、私は組織上はこれは一つになるなるべきだというふうに思っていますけれども、御担当としていかがでありましょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 決算が予算の結果であり、それを分析、反省を行って次の予算に生かしているというのは企業でも自治体でも同様というふうに考えております。中野区ではPDCAサイクルに基づく区政運営を行っております。例えばPという部分を政策室が担当し、Cの部分を経営室が責任を持って担当しているところでございます。財政運営におきましても同様というふうに考えております。財政運営の考え方に基づきまして予算を策定し、執行、その後決算分析と行政評価等を受けまして事業を見直し、次年度の予算編成につなげているというものでございます。区長をトップといたしましたPDCAサイクルをとっておりますので、予算を作成する部門と決算と分析を担当する部門が異なっていても、それぞれが責任を持って業務を行っておりまして、問題はないというふうに考えております。
○佐野委員 今のお答えですと、確かに今まで問題は起きていませんから問題はないわけなんですけれども、仮にですね、プランは今政策室でお立てになっている、チェックは経営室で行っているということになると、経営室でその年のチェックをして、それでプランを、翌年の予算を立てるわけですから、そちらに送るということになりますと、どのような連携とかどのような、庁議を経てやるんでしょうけれども、どのようなものでお決めになっているんでしょうか、問題点があった場合。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 事務レベルでは、決算の分析の結果ですとか予算数値の情報は共有をしておりますので、担当者でもそれぞれの数字がわかっているというものであります。さらにその分析の結果、事業見直しですとか予算につきましては、それぞれ経営室、政策室が入った会議体の中で行っておりますので、それぞれの情報をお互い出しながら、結果として区長をトップとしたマネジメントが行われているというふうに考えております。
○佐野委員 今、ちょっと私言いましたように、鶏と卵の論理ですね。鶏が先なのか、卵が先なのか、これ、非常に難しい論理だと思うんですけれども、私はこの二つは不可分の関係にあって、絶対に二つがなければ次の世代は生まれてこないというふうに考えております。そういう意味からすると、今、区長をトップとしてとおっしゃっていましたけれども、トップはトップで最終的な判断をし、責任をとらなきゃいけないと思うんです。例えば民間だと社長ですよね、あるいは取締役。ところが、今のお話ですと、経営室長なり政策室長がそれぞれのトップに立っていて、それぞれが問題を出していくということになると思いますので、この辺について担当者の方、お答えにくいかもしれませんけれども、実態としてどのように考えているか。今、区長をトップとしての庁議を行っているから大丈夫なんだと言っていたんですけれども、そういう担当の上で組織というのは成り立っていくのかどうか、担当者としてどうお思いになりますか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 経営本部体制というところで政策室、経営室を含めました経営本部が中心となりまして、各事業部と一緒に支援をしながら中野区政を動かしていくというふうに考えておりますので、これまでも今後もお互いの連携をとることで問題はないというふうに考えております。
○佐野委員 問題は今ないからいいんですけれども、もし問題があったときにどうするかという質問なんですよね。これは幾ら私が言っても、これはそういう方針で、行政の方針ですから、自治体の方針ですから、これは詮方ないことだと思いますけれども、ただ、組織上こういった問題点はないのかという危惧を持つ人がいるんだということは頭の隅に置いておいていただきたいというふうに思う次第でございます。
 続きまして、久しぶりに公会計についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほどの財政白書の中にもいろいろ書いてございますけれども、たしか公会計については中野区では期半ばだと思いますけれども、東京都も既に導入し、他区でも導入、研究を進めていると聞いております。公会計にするには現金主義から発生主義に移行しなければならず、併せて各部署では複式簿記というものを導入しなければならないと聞いています。システム導入と併せて手間とコストがかかるのは十分承知しております。しかし、導入後はこれまでのように財政面では単に経年比較だけの判断ではなくて、根本から財務体質を見直すことができると私は信じております。現在のこれまでの中野区の動きと併せて、最近の他の地方自治体の公会計改革の動きについてまずお尋ねをさせていただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区では平成21年度決算から連結財務諸表4表を作成いたしまして、今年度、25年度中に固定資産台帳を完成させるべく取り組んでいるところでございます。全国的に見ますと、平成24年度末時点におきまして23年度決算の財務処理が作成されているところは68%程度、固定資産台帳が整備されているところは18%程度ということになっております。このような状況を踏まえまして、国では財務書類ですとか資産評価の新たな基準について検討を開始しておりまして、新基準に基づく複式簿記の導入ですとか固定資産台帳につきまして、来年度を目途に各地方自治体に新たに要請があるというふうに聞いております。
○佐野委員 もう1回確認、来年各自治体に何とおっしゃったんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 現在、国が新基準に基づく複式簿記の導入と固定資産台帳について、26年の7月ごろを目途に各地方自治体に要請を行うというふうに聞いております。
○佐野委員 そういう要請が国のほうから出てくれば、各自治体進めざるを得ない。ただ問題は、私はコストと意識だと思うんですよね。複式簿記にするには、それぞれの部署全てがそういったものを配置しなきゃならない、システムを導入しなきゃならない、そういったことが必要になってくると思いますので、複式簿記の導入やシステム導入が必要なものがありますけれども、この場合、コストはどれくらいと今現在見込んでいるんでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 複式簿記のシステムでございます。現在二通りのシステムがございまして、日々仕訳と言われております東京都が導入しているもの、あと、期末一括仕訳と申しまして、決算期にまとめて仕訳を行うという2種類のシステムがございます。東京都の発行しております資料によりますと、区市町村が東京都と同様のシステムを導入する場合には、初期経費として約1億円かかるというふうに聞いております。現在の基準に基づきます複式簿記を導入していくためには、いずれかのシステムの導入、財務会計システムの変更が不可欠であるというふうに考えております。
○佐野委員 やはりかなりのコストが必要だし、労力と手間が必要だということになろうと思いますけれども、各部署で意識の問題として、今まで単式の簿記でやっていたものが複式簿記になっていくわけですから、それぞれ手間が、前と併せて同じことを二重にやらなきゃいけないという点が出てくると思うんですけれども、それぞれの担当者がそんなもの冗談じゃない、できないわという感じになると、これは導入しても意味がないと思いますけれども、そういった意識面についてはどのようにやっていくおつもりなんでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 現在、東京都方式を導入しております自治体もございますけれども、そこの状況を見ますと、款、項、目、節というコード入力をして伝票を切っているわけですございますけれども、そのコードが複式簿記によって財務処理と連動するように、さらにコードの数がふえるというような実態がございます。もちろん職員の手間がふえていくということはございますので、逆に職員が複式簿記、発生主義会計が導入されることによりまして、どのような効果があるのかということを十分に周知していく必要があるというふうに考えてございます。
○佐野委員 先ほど固定資産税台帳のお話がございましたけれども、基準が見合わされた場合は、現在作成中の固定資産税台帳への影響というのはどの程度あるんでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 基準がどのように見直されるか明らかになっているところではございませんけれども、国の報告書等を見ますと、現在既に作成している自治体には負担がかからない基準を作成していくということになります。当初の基準で容易にできるような、評価できるようなものがつくられて、そこから詳細に変えていこうというようなものになるというふうに想定されますので、中野区が現在進めております固定資産台帳整理については、大きな影響はないというふうに考えております。
○佐野委員 国は来年度を目安に地方自治体に対してそういった要請が出てくる。それに対応するために、今固定資産税台帳の準備をしている。コストとか費用とかも別問題としてあるわけですけれども、あるいは意識の問題、こういった問題を整えていかなければいけないと思うんですけれども、予算的に大分厳しいと思うんですよね。
 そういう中で、これからの話ですけれども、やはり中野区はこれを導入する意思があるのか、ないかと非常に大切なことになると思いますので、財務上の問題やシステムの導入後、財政面から当初の予定どおりにいっていない面もあります、現在。一方では、連結財務処理の作成や固定資産税台帳の整備等も進めていることは承知しております。区として今後もさらに財務書類の分析をして区政への活用を図るべく努力をすべきであり、研究調査を加速する必要があると私は思っています。この項の最後になりますけれども、経営室長から、どういうふうにして今後この公会計を進めていくのか、あるいはそういった意思がおありなのかどうか、それについてもお話を伺えたらと思います。
○川崎経営室長 区はこれまで経営資源を最大限に生かし、区民サービスの向上を図るために経営改革というものを進めてきております。今、御質問のあります公会計改革もその大きな柱の一つとして取り組んできているところでございます。先ほどお答え申し上げましたように、今年度には固定資産台帳の整備を終えることになっています。これによりまして、区の資産をより的確に把握することができ、今後の施設改修計画などにも活用することができるようになってまいります。
 また、ただいま御指摘のありました公会計改革の残された課題についてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。ただいま決算分析に関しましてさまざま御意見をいただきました。御指摘のとおり、決算は単なる予算の執行結果ということでとらえるものではなく、十分にその分析を行い、さらには行政評価との連携も強化し、事業の見直し、改善や次年度以降の予算編成に生かしていく、そのことが大切であろうというふうに考えています。そのことによりまして、長期的な財政の安定性を確保して区民サービスのさらなる向上につなげていきたいというふうに考えております。
○佐野委員 ありがとうございました。力強い経営室長のお言葉をいただいて、中野区としても今のようなものは反省すべきは反省し、新しい改革を目指してさらに努力していきたいというふうにとらせていただきたいと思います。特に、公会計につきましては非常に未知の分野で、わからない部分がいっぱいあると思います。来年度はそういった国の指導が入ってまいります。そういう中で、中野区としての準備を怠りなく、実現に向けて努力をしていく意思というふうにとらせていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほどの質疑の中で、区長もいろいろお話ししたかったと思いますけれども、大変失礼なことも申し上げましたけれども、組織上の問題として、委員長、私、ちょうど区切りがここで終わるんですけれども、何かございましたら、5分ぐらい時間ありますので、もしよろしかったら先ほどの組織のことについて、改めてPDCAも含めてお願いしたいと思います。
○田中区長 あんまりしゃべりたい気持ちではなかったんですけれども。
 予算と決算を組織的に所管を分けていますのは、昔のことなんですけれども、一緒にやっていた時代もたしかあったように記憶しています。行政の予算担当というのは、どうしても区民の受けとか議会の受けとか、そういうほうを見ると、どうしても行け行けどんどんになりがちなんですね。どうしてもつけろ、つけろ、で予算の規模がどんどんふえていく、事業もやった、やった、でふえていく、結果として収支がすごく悪くなってしまうということが実際、中野区でもあったように私は感じていました。
 そういう意味で、行け行けどんどんの計画、予算部門よりも、今の計画、予算部門は全然そうじゃないんですけれども、全然そうじゃなくて怒られてばかりなんですけれども、行け行けどんどんになりがちな計画、予算部門と、それから決算をきちんと評価して反映させていく部門と、それぞれに責任を持ち合って牽制をするというようなことが、私はいわゆるPDCAという中ではいいのかなと、こんなふうに思っております。企業の場合、財務部門に監査役という役員の方が非常に重い責任を持っていますので、そういう意味では財務が行け行けどんどんで突っ走っちゃって経営を悪くするなんていうことにはなかなかならないんだろうと思うんですね。その辺の違いも多少あるのかなというふうに思いました。
○佐野委員 ありがとうございました。急に振って申しわけございませんでした。
 いずれにしましても見解の違いで、なかなか難しい問題だと思いますけれども、財務上中野区は財務の裏付けのない政策はないと言われていますので、財務上しっかりしたものをやっていかなければいけないと思いますので、ぜひそれは頭の隅に置いておいていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○内川委員長 佐野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。
午後2時49分休憩

午後3時10分開議
○内川委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。佐野委員、質疑をどうぞ。
○佐野委員 休憩前に引き続きまして、私のほうから再度質疑をさせていただきたいと思います。
 2番目としまして、空き家対策についてお伺いをさせていただきます。
 近年、空き家の増加が全国的にも、また中野区内においても問題となってきていると私は思っております。私も数人の空き家をお持ちの方、あるいは近隣の方から御相談を受けました。
 総住宅数に占める空き家の割合は、国土交通課が出している「調査と情報791号」によれば、平成20年時点で13.1%(全国平均)となっており、とくに老朽化したまま放置されたいわゆる空き家の存在は、倒壊や犯罪の誘発など、周辺の家々に悪影響を及ぼす。地方自治体は、空き家の所有者に対してその適切なる管理を求めていますが、いろいろな要因により取り組みが進まないところもあります。問題を重視する地方自治体は、空き家に関する条例の制定や撤去施策等の整備が行われております。また、これらの施策に対して国の支援事業も行われているという記載がございました。
 この問題につきましては、先日の一般質問で同僚議員のほうからも空き家の再利用についてNPO法人を利用したらどうだろうかというような御提案がございました。見方を変えれば、この問題は党派を超えてそれぞれがお持ちの問題ではないかというふうに思っております。改めて中野区における空き家及びその対策についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、登記簿上は持ち主がいますが、実態はいわゆる空き家となっている家が中野区内には幾つ程度あるんでしょうか。その中でも特に住居、老朽化した激しい空き家は何軒ぐらいあるというふうに御承認していらっしゃるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 平成25年8月末現在における、区が地域住民から相談を受けた延べ件数は83件となっております。その中で、特に老朽化が激しいものは23件あり、そのうち10件については既に除却済みであり、ほかにリフォーム、改修済みが2件ございます。
 また、条件が整い次第除却に応じると約束した件数が2件となっております。ただ、先週ですか、新たに除却された建物が1件追加されましたので、最新の情報では除却されたものは11件になります。おおよそ相談件数の約17%が何らかの改善がされている状況でございます。
○佐野委員 今、解決が済んでいるのが約17%弱であるというお話でございましたけれども、相談件数が83件に対して17%弱ということでとってよろしいんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 ということは、逆算しますと、14件から15件ぐらいが解決したけれども、まだまだ未解決である家が中野区内には68ぐらいあるといふうに考えてよろしいわけでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 申しわけありませんが、現実はそのとおりでございます。
○佐野委員 謝る必要はありません、担当として努力されていることは事実でしょうから。そう言われちゃうとこっちも質問しにくくなっちゃうんですけれども。
 いろいろなケースがあると思いますが、このままこうした空き家を放置しておくとどのような問題が生じるとして担当課は考えておられるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) まず第1に防災面でございます。災害等が生じた場合、住民の避難経路をふさぐばかりでなく、またもらい火等による二次災害のおそれが考えられます。
 第2に、公衆衛生上の問題もございます。敷地内には雑草が茂り、害虫が湧くなどして周辺への影響も大きいと考えております。
 そして、三つ目には防犯面の問題でございます。無人のためごみが不法投棄され、放火の対象ともなり、また、不審者が無断で住み着いて地域のトラブルの原因となっている場合もございます。
○佐野委員 今お話の中にありましたようなこと、私も写真を撮ってきたんですけれども、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと思いまして、パネルにしてまいりました。委員長の許可をもらっていますので、尾﨑部長等は見えますか。これはですね、前に電線があるんですね。電線までツタがいっちゃっているということ。要するにこれだけ激しく老朽化しちゃって、さらに夏の、これ撮ったのが7月末だったと思うんですけれども、この時点で既にこういったツタや草が生えちゃうんです。そのまま電線にまで伝ってしまっている。(「どこなの」と呼ぶ者あり)これ、中野区内でございます。もちろん中野区内でございます。それ以上は言いません。一応今担当副参事がおっしゃったように、件数の中にこの家も入っていると思います。そんなことでございます。
 それから今、火災のことを心配されましたけれども、実際に火事を出しました。そして、消火器で近隣の人が消しとめました。私は道玄町会なので、近くの町会でございます。一応そんなことで情報を入手しておりますので、どうぞごらんになっていただきたいと思います。こんなようなことがあるということが事実でございます。
 それからあと、私はほかのほうの相談も受けたんですけれども、先日相談に来た人も、その空き家は既に窓先が朽ちてきており、この夏で草やツタが絡まり、さらに先日の大雨で塗料が詰まり、水が垂れ流しになっている。大変に恐ろしい思いだったそうです。近隣の方は女性一人の方でございました。非常に恐ろしい思いをしたというふうに言っておりました。中野区としては一方で、安心安全なまちづくりをうたっていると思います。しかし、まずそうした安心安全なまちづくりをうたうのであれば、こういった家が実際にあるということを認識していただいて、どのように解決していくかということをまず考えなければ、安心安全なまちづくりなんかできない、私は思っております。そういうことで、こうした空き家に対して区はどのような対応をとっているでしょうか。現在をお聞きしたいと思います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 空き家対応につきましては、住民から相談を受けた場合、私どもが現地訪問をし、近隣の聞き込み調査等を行って不動産登記簿や戸籍住民記録などを調べ、家屋の所有者の特定に努めております。所有者が判明した場合は、是正を促す文書を発送し、除却や改修についてお願いをしているのが現状でございます。
○佐野委員 いろいろ工夫をされてやっておられると思いますけれども、持ち主が解体をしないという理由の問題について、私なりにいろいろ考えたことがございます。その一つが、空き地にした場合、上の建物を除去して更地にした場合、税金面で約6倍かかってしまうと。適用除外になってしまうと。固定資産税がふえてしまうという一つの問題点があります。さらに、建築基準法上建てかえができず、修繕のみしかできない木造建築であります。売るに売れず、新築もできず、持ち主自身も困ってしまうためであるというふうにも理解しております。こういった二つの問題点が大きく分けてあるんではないかと思いますが、所管の副参事としてどのようにお考えでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 委員御指摘のとおり、活用方法が見つかるまで現状のままにしておくほうが税制上有利だというふうにお考えの方、また、相続問題がこじれてしまって、それが解決するまで放置しておくというような方もいらっしゃいます。そしてさらには借地の場合、建物を除却してしまうと借地権を失ってしまうというおそれがあることから、そのまま放置してしまうというような原因も考えられると思っております。
 また、建築基準法上で考えれば、結局再建築不可と。いわゆる接道義務を果たしていないケースが多いものですから、そのために不動産価値がないものとして相続放棄をしてしまうというようなケースから空き家が残ってしまうということも考えられます。ただ、私どもとしてもこのまま放置しておくわけにはいかないというふうに考えておりまして、その土地と隣接地との共同化とか、また改修方法等につきましても法律のできる範囲内で御相談に応じていきたいというふうに考えておりますので、今後窓口等で適切な指導を行っていきたいというふうに考えております。
○佐野委員 いろいろ努力をされているということは今の御発言でよくわかりました。しかし、解決としては見ていない部分のほうが多いことも事実だと思います。したがって、中野区としてはいろいろなことでのあらゆる方策をとって、予算上の問題点なんかあると思うんです。しかし、そういった問題も含めて、あるいは条例等の制定も含めてどうしていくかということを今後検討していかなければ、一方で安心安全なまちづくりというきれいごとを言っておきながら、片方でそういうふうな家があるという事実、これだって十分に認識をしなければならないというふうに思うわけでございます。そういうことで、話飛びますけれども、自民党は近々国会で空き家対策に対する新法を出すというふうに聞いておりますが、これについては御承知でございましょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) この秋に自民党が空き家対策特別措置法、仮称でございますが、議員立法にて制定を目指されているということは大変有意義であるというふうに受けとめております。これまで空き家是正に関する法規がなく、憲法で保障された私有財産である空き家等について行政がアプローチする場合、民事不介入の壁に悩まされ続けてきたからです。立法後は、行政が状況に応じた対応ができるようになれば、空き家対策は大きな一歩を踏み出すものと考えております。
○佐野委員 この内容はまだ不確かな部分もいっぱいあると思いますけれども、いずれにしても国が動いてくると、自民党発で動いてくるということでございますね。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 また、中野区は先般、弥生町三丁目周辺で不燃化推進特化整備地区として都に指定されました。そして、大和町についても今後申請すると聞いておりますが、この地区の老朽化との関連性についてはどうなるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 大和町、弥生町三丁目周辺地区については、東京都より不燃化特区の指定がなされた場合、防災上危険な老朽住宅として認定され、除却後、更地として適正に管理されれば固定資産税等が減免されると聞いているので、老朽化した空き家の除却が進むものと期待しております。そして、空き家対策については、弥生町三丁目周辺地区や大和町地区で予定されている不燃建築物の建てかえ促進に併せてきちんと取り組んでまいりたいと思っております。そして、弥生町以外の地域における空き家対策については、新法に期待するところが大きいので、その辺も含めて総合的な施策を考えていきたいというふうに思っております。
○佐野委員 まさに今副参事がおっしゃったように、新法に期するところは非常に大きいと思うんですよ。ただ、どちらかというと今おっしゃったような固定資産税が減免になるとか、そういったことはこの不燃化推進整備地区だけはっきりしているわけで、それ以外のところにもあるということですね、朽ちた家とか空き家が。それをどうするかということを考えなければならない。この地区に指定された地区、弥生町三丁目とか大和町についてはそういった減免措置がとられても、それ以外の地区にこういった家が存在しているということについて、十分認識していかなければならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) いわゆる恩恵を受ける地域のことだけを考えるのではなく、私どもは区全体のことを考えながら空き家対策については進めていくべきだと考えております。今、現に認識しているのは83件でございますが、それ以外にもまだまだあるものと思われますので、そういったものの発見にも微力ながら努力していきたいというふうに思っております。
○佐野委員 次に進みます。除去に対して助成費用や修繕費の補助を行っている区もあると聞いておりますけれども、実態はどうなっておりますか。また、条例等を制定している区があると聞いていますが、それは罰則規定なんかも設けてやっておるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 全国的には空き家対策に関する条例を制定した市区町村は約40あると聞いております。条例の趣旨には大きく分けますと二つあると思われます。一つ目は、老朽化した空き家を防災、防犯面から除却すべきものととらえて助成しようとするもの。二つ目としましては、空き家を地域活性化の資源として再利用を図るというものでございます。この場合は、老朽家屋を改修して人が定住できる収益物件として蘇生させようとするものでございます。最近このような取り組みを行うNPO法人が各地で活動しているという話は聞いております。23区内で条例により解体助成を行っている区は2区ございます。足立区と荒川区でございます。今、条例を策定中なのは2区、墨田区、豊島区で準備をしているところでございます。区長による要項を作成したのが文京区1区でございます。ただし、これらの条例等の中で罰則規定ではなく、氏名の公表程度というものを用意しておりますが、これまでには公表されたという情報は入っておりません。
○佐野委員 そうすると、条例を制定しても罰則規定でないということは努力義務、あるいはあるべき条項であるということですね。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 罰則がいいかどうかは非常に難しい問題だと思います。しかし、現実にお困りであるという方がいらっしゃる、中野区内に。そのことを念頭に置いていただきたいと思うんです。その方法論はいろいろあると思います。NPOを使う、それから助成金を出す、あるいは罰則規定の条例を設ける、いろいろな方法があると思いますけれども、いずれにしましても、その近隣の方たちがお困りであるということを十分認識して今後活動していっていただきたいというふうに思う次第でございます。
 最後に、中野区としての対策、先ほど質問しましたけれども、最終的に中野区はどのような対策をもとにこの空き家問題を解決したいと考えているのか、最後に部長の御所見をお求めしたいと思います。これを見ていただいてどのような感想を持ったかも含めてお願いしたいと思います。
○尾﨑都市基盤部長 空き家対策の取り組みでございますけれども、空き家問題を解決するに当たっては、財産権の保障という私有財産に立ち入りができない問題、あるいは相続等の民事上の問題、また、更地にすると固定資産税が高くなるという税制上の問題など、対策を進めていく上で壁になっている課題が幾つかございます。現在、自民党内において検討が進められております対策法案、それにおきましては、そういった課題が解決できる方向で検討されているということでございまして、期待をしているところでございます。新法に期待をしつつ、区といたしましては管理が不十分な空き家については所有者、相続関係者の判明に努め、是正するよう粘り強く要請や説得を行ってまいります。
 また、都に対しましても、他区と協力して固定資産税の税情報を求めるなど、問題解決に向けた有効かつ効果的な方策を検討し、取り組みの強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○佐野委員 ありがとうございました。部長、これ目のテストではありませんから。見えましたか。こういうことで御認識をいただきたいというのが私の趣旨でございます。そういうことでございますので、新法との関係が大きいかなというふうに思っております。ということで、自民党発の新法が出次第どのように対応をとっていくか、また中野区としても御検討をさらにお願いしたいというふうに思う次第でございます。
 続きまして、3番目の問題に移らせていただきます。すこやか福祉センターのワンストップサービスについてお伺いしたいと思います。
 私は昨年の第4回定例一般質問において、区の組織戦略上の課題について、すこやか福祉センターにおける事業展開の事例を取り上げながら、さまざまな課題について質問させていただきました。そこで本日は、平成24年度決算に関連して、さらにすこやか福祉センターについて幾つかの質疑をさせていただきたいと思っております。
 1番目、中部すこやか福祉センターでは、民間活力を活用した相談支援事業所が開設されていますが、平成24年9月には北部すこやか福祉センターにも相談支援事業所が開設されました。それぞれの事業所における平成24年度の相談件数の実績は伸びているんでしょうか。また、区民ニーズを的確に掌握、きめ細かな対応をするためには相談支援事業の充実の取り組みが必要であると思いますが、その一方で難病医療費助成など、各種申請等の取り扱い件数が減少傾向にあると私は聞いておりますけれども、それについてはどのようになっているのかをお答えいただきたいと思います。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中部すこやか福祉センターの障害者相談支援事業所につきましては、平成24年9月から南部圏域も担当することとなりましたこともあり、相談支援の件数は平成22年度から一貫してふえているところでございます。北部すこやか福祉センターの障害者相談支援事業所は昨年9月の開設でございますが、今年度の対応件数は昨年度よりふえてきている状況でございます。
 それから、平成22年度から東京都の難病医療費助成、また、精神障害者の自立支援医療の申請受け付けを区役所1階の障害福祉分野で行うようになったことから、立地のよさなどから障害福祉での受け付け件数が平成24年度にかけて伸び、各すこやか福祉センターの受け付けの件数は減少いたしましたが、平成25年度につきましてはほぼ横ばいの状況でございます。
○佐野委員 そうすると、相談はふえている。しかし、難病に対する問題については横ばいになってきているということでございますね。これにつきまして、私は前回の一般質問の中で質問させていただきました。ワンストップサービスということをたしかすこやか福祉センターはうたっております。しかし、ワンストップサービスになっていないがためにこういった現象が起きているんじゃないかということを御質問させていただきましたけれども、ワンストップサービスというのは、少なくともそこの場にその本人が行ったとき、全てそこで解決できるのがワンストップサービスというふうに私は理解している。しかし、各種の課税証明書の交付手続がそこではできないから、本庁のほうへ行ってくださいよということで本庁のほうに来て課税証明書をとる。これにつきましては、前回この質問に対して、今後課税証明書の交付手続を簡略化するなど、方策を検討していきたいと考えているという答弁がございました。その後、所管としてどのように検討したかをまずお答えいただきたいと思います。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 東京都の難病医療費助成につきましては、申請をする区民が課税証明書を持参しなくても、区が税証明を行うということを検討いたしましたが、東京都の制度であり、都として各自治体とも同様な手続で進めたいとの意向もあり、現在手続方法の変更はまだ実施できていない状況でございます。
○佐野委員 それでは一体どうするんですか。片方ワンストップサービスとうたっていながら、前回の質問から今まで検討されて、東京都にも当たってみた。しかし、東京都は東京都事業であるので、それは区の事業じゃありませんよということなら、ハード面をどうやっていくかということをさらに検討していかなきゃいけないと私は思いますけれども、ワンストップサービスと言っておきながらこういう状況が生まれてきてしまうということに対して、どのように御担当としてお考えでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ワンストップを進めていくということで、さまざま検討は進めていかなければならないと思っています。また、マイナンバー制度の導入により、申請をする区民の方がいろいろ添付書類を持参しなくても区の内部で確認することができるようになる、そういった形も検討をしていかなければならないと思っています。マイナンバー制度の導入を契機に、すこやか福祉センターのワンストップサービスをより推進する方向で検討したいと考えております。
 また、マイナンバー制度導入までの間も、ワンストップサービスの推進を目指して検討していきたいというふうに思っております。
○佐野委員 今、マイナンバー制度というお言葉がございましたけれども、これはいつ、どういう形で発表があるとお考えになっているんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今現在、国のほうで想定していますのは、平成29年度の後半からそういった制度が運用されるというふうに区では把握しているところです。
○佐野委員 そうすると平成29年度、ということは、今25年、あと4年も今の現状でワンストップサービスをうたいながら、ワンストップサービスでないのが続いちゃうということですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) マイナンバー制度の導入は29年度に具体的な運用が始まるということになりますので、それまでの間についても区として検討しなければならないというふうに思っております。
○佐野委員 やはり事業としてうたっている以上は、マイナンバー制度があろうがなかろうが、区として、どうすべきかということを考えていかなければならないと私は思います。そういう意味で、マイナンバー制度が29年、28年、27年に入ろうが入るまいが、区として東京都の簡素化を求めたのがだめであれば、どのようにハード面を整備していくかということを考えるべきだと思うわけです。したがって、それを手助けするのがマイナンバー制度であって、あくまでも区として独自性を持ってやるということが大切ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) すこやか福祉センターのワンストップサービス化については、さらに検討していかなければならないと思っています。ハード面のみならず、総合的にワンストップが実現できる方法を考えていきたいというふうに考えております。
○佐野委員 ぜひそれをお願いしたいと思います。ワンストップサービスとうたっているわけですから、ワンストップサービスにより近づけるような努力をする、これが所管として大切ではないかというふうに私は思っています。
 次に、すこやか福祉センターの組織マネジメントについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 区報の9月5日号では、どなたか議員の方が御質問した自殺予防を特集しておりました。私は今回は組織という観点から伺いたいと思います。この記事の中では、保健予防担当、中野区の保健所と、相談先として4カ所のすこやか福祉センターが記載されております。これがその9月5日号でございます。そういう中で、私はすこやか福祉センターが担当していると理解していたんですけれども、実際には保健予防担当とここに書いてあるんですね。じゃあ、これを見た人はどっちに連絡して、相談はすこやか福祉センター、そして最終的な権限と責任は保健予防担当にある、そういうことでこれを発表されているのかどうか。権限と責任について、これはどういうことなのかをまずお伺いしたいと思います。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 精神保健・心の健康につきましては、保健予防担当が施策の調整担当と位置付けているところでございます。すこやか福祉センターは地域展開の事業を実施するとともに、地域の区民からの相談を受け、必要な支援を行っているということで、責任と権限も調整機能につきましては保健予防担当、区民の方の相談を受け、必要な支援を行うことにつきましてはすこやか福祉センターということになっております。
○佐野委員 そうしますと、これを見た方が保健予防担当のほうに電話をします。そうすると、その電話は相談ということですこやか福祉センターのほうに回されると、そういうことですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 保健予防分野のほうにお電話をいただいた場合、それが精神保健にかかわる政策的なことであれば、保健予防のほうが担当としてお答えをすることになるかと思いますが、実際に御自身のこと、御家族のことの御相談であれば、お近くのすこやか福祉センターを御案内して、そちらのほうに御相談に行くように御案内をするようになっております。
○佐野委員 いろいろわかりづらいと思うんですよね。相談、あるいは電話する側にとっては。一つの窓口であれば、そこへ電話すればいいわけですけれども、そこへ電話した。しかし、結果としてそこではありません、相談はすこやかでございますということですこやかに回されてしまうという懸念も出てくると思うんです。そういう意味で、やはり行政評価とか施策の目標で掲げられているのが、すこやかとしての組織としての目標体系、そういったことがどうなっているのかということが非常に大切になってくると思うんですけれども、そこで伺いたいんですけれども、組織と目標体系と予算は一体どうなっているんですか、この自殺予防に対しては。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 自殺予防を含む精神保健・心の健康につきまして、すこやか福祉センターでは地域ケア分野の中の保健福祉包括ケアという施策を設けまして、目標として心の健康への理解促進、それから精神障害者への相談支援を位置付けています。その目標につきまして行政評価もしているところでございます。
 また、予算につきましては、精神障害者へのデイケアの委託料など、すこやか福祉センターで実施している事業につきまして予算化をしているところでございます。
○佐野委員 予算は保健のほうでもお持ちになっているし、それからすこやか福祉センターでも持たれています。すみ分けというのはどういうふうになるんですか。例えば、どちらがどういうふうに費用がかかったという、そのすみ分けというのはどういうふうになるんですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 施策の責任に分けて予算を組んでおります。保健予防担当が施策の調整担当として必要な予算を持っております。また、すこやか福祉センターにおいては、すこやか福祉センターで実施する事業について予算を持っている、実施をしているというところでございます。
○佐野委員 私自身が逆の立場だったら非常にわかりづらいんですよね。多分、言っている御本人なり、統括の人なりはわかっておられるから、こうだというふうにはっきり言えますけれども、もし私が電話をかけてこういうことを御相談したりしたときに、多分ここは違いますからこっちへ電話してくださいという話になってしまう。それで、結果が出たときに予算が必要になる。その予算については、またこっちへ戻ってくださいという場合だってあり得るかもしれません。したがって、組織上非常に、オリンピックのリングの輪じゃありませんけれども、重なってしまう部分って確かにあるんですよ。あるんですけれども、そここそ組織上明確にしておかなければいけない部分ではないかなと思うんですけれども、この辺については担当というよりは区長のほうから最後にお伺いしたいと思うんですけれども。
 そういうことで、私は前回の質問のとき、保健所長が掌握される事務について、みずからの権限と責任を行使するためには、複数の事業部を超える形となってしまっていることから、こうした組織体制が事務に支障を来しているのではないかという指摘をさせていただいたわけです。それに対して区長は、今後ともPDCAサイクルの中で、目標体系や組織について不断に改善を図っていきたいというふうにお答えになりました。
 またその一方で、平成23年第4回定例会では、私がPDCAサイクルによる見直しにおのずと限界があるのではないかという質問に対しまして、区長は年々行っているPDCAサイクルは、それぞれの所管、担当ごとに積み上げてきているので、PDCAサイクルで評価改善をする中で、区そのもの、分野など大きな目標の枠を超えて見直すということはなかなか手がつけにくい面があるんだというふうにもお答えになっている。
 一方で、大きい分野については、なかなかPDCAサイクルだけでは手につきにくい問題があるとおっしゃっている。しかし、もう一方で改善、努力を今後さらにしていかなければいけないと。一見これは矛盾していないように見えますけれども、少なくとも改善、努力をしていかなければならないと言っている以上は、分野の大きな目標の枠を超えて見直すということにはなかなか手がつきにくいという表現はあってはならないと思います。大変にわかりにくいこのPDCAサイクルではないかなと思いますけれども、私が言いたいのは、組織と責任を持って仕事をやり遂げるという組織体制になっていないのではないかと。ひいては職員の意識低下というのはこういった組織づくりによってかなり大きく影響してきますので、組織をいかにつくっていくかということが大切ではないかというふうに思っております。区民サービスの低下を招いているのではないかというふうにも思っています。
 今後とも区民にわかりやすく、そして組織として一体性があって、一貫性を持った区民満足度を高めていく取り組みが必要ではないかと思いますけれども、最後に、すこやか福祉センターのうたい文句であるワンストップサービスと併せて、先ほどの課税証明諸手続がすこやかセンター内で完了していないことなども含めまして、どのように区長としてお考えになっているか、PDCAサイクルと併せてお答えいただければと思います。
○田中区長 たくさんの仕事を区全体の中で部の組織に分けて専門的に受け持ちをさせてしておりますので、専門化するということと、それから縦割りになってサービスを受けていただく区民の皆様から見ると、それこそたらい回しになってしまうとかというような不便というのは常にある懸念だということだと思っておりまして、そこで地域で包括的に、それこそワンストップでさまざまな相談支援ができるような組織としてすこやか福祉センターをつくったところなんですけれども、まだまだ地域で施策を総合化するというこの機能が十分に機能できるまでにはいっていないということがあるんだというふうに思っております。
 そこで、すこやか福祉センターが他の部と横並びの部の形でつくるとすると、なかなか縦割りの弊害から脱却できないということがあるので、経営本部の中に置いて、部を超えた課題を総合的に判断できるという立場で地域支えあい推進室が所管をするという形をとってきたところであります。そうすることによって、各部のPDCAサイクルと、区全体としてそれらを総合的に見て評価改善していくサイクルとをうまく連携させることができると、考え方としてはこんなふうに動いているところなんですけれども、やはりこれからもっとその改善を高めていかなければいけないということだと思っておりますし、今回事例で出ております課税証明の問題などにつきましても、これはやはり具体的にどう解決していくのか、もっと真剣に取り組んでいかなければならない、こんなふうに思っております。
 そういう意味で、それぞれの担当に任せるのではなく、経営本部にある地域支えあい推進室という立場で調整が図れるような、そうした改善を行っていきたいと、こう思っております。
○佐野委員 ありがとうございました。区長の心強い御発言に対して敬意を表します。特に最後におっしゃっていた今後のことにつきまして、経営の中にある支えあい推進室ということでございますので、その中でどうしていくかということは、1単位の支えあい推進室だけで考えることではないことになってしまいます。そういう意味で組織上、経営として、経営者としてどうやっていくかということが大切になってくると思いますので、ぜひ力を貸していただいて、みんなで知恵を出し合って、いい支えあい推進室にしていただきたいというふうに思う次第でございます。
 以上で私の総括質疑は全て終了させていただきます。ありがとうございました。
○内川委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。
 次に、市川みのる委員、質疑をどうぞ。
○市川委員 隔世の感がありますね。
 今、いろいろな総括質疑で決算の質疑を聞いていて、思い起こしたのは、かつて決算特別委員会は第4回定例会で開かれていましたね。4定で11月のおしまいから12月にかけて決算委員会を開いたのでは、決算の分析した内容が予算に反映できないということから、たしか議運協で提案があって、それで出納閉鎖があってから決算書作成するまでの時間で最短でどれぐらいでできるだろうかということで、9月の3定に前倒しになった。たしかあの当時までは、先ほど区長が答弁されたように予算と決算の担当の課長が一緒だったような気がしますね。たしかあのころ、保々さんか何かがやっていたのかな、そうだよな。そういったことを思い起こしながら質疑を聞いています。
 やっぱり皆さん方が、特に自民党の委員が、私ども自民党ですから自民党の委員の質問をよく聞いていますと、求めるもの、たくさんあります。その中でよく出てくる言葉が検証なんですね。検証、こういう言葉がよく出てきます。したがいまして、私もきょうは項目に区の経営とその成果の検証についてとうたいました。
 時間の関係がありますから、まず、自治体経営と人材の育成についてであります。それから、議会と首長の関係についてをやります。(2)の経営の基盤である財政体力については、ほかの自民党の委員がほとんど質問していますから、私はやりません。時間が81分あるけれども、もうちょっと早く終わると思うから、その点よろしくお願いします。それで、答弁をするときはゆっくりしゃべってくださいね。そうでないとわからないからね、聞いていて。
 それでは、質問に入ります。
 早速いきましょう。申し上げるまでもなく、自治体経営に携わるのは人間である、これは当然ですね。区政が今後も未来永劫発展するためには、区政の中枢を担う人材が欠かせないのであります。そうした人材を確保するために、中野区ではどのような方針や姿勢と方策で取り組んできましたか。これが1点目の質問になります。答弁をお願いします。
○角経営室副参事(人事担当) 一般の新規採用をはじめまして、専門性を有する任期つき職員の採用や技術職を中心とした経験者採用を行うなど、多様な人材確保を行ってきております。職員はみずから設定した目標を目指して、上司の指導、援助を受けながら問題解決や目標を達成する目標と成果による管理のもと、仕事の中で職員を育てることを基本姿勢に、各部が人材育成ビジョンに沿った人材育成計画をつくり、日々の業務遂行を通じて育成する方策をとっております。このため区では、平成23年度に中野区人材育成ビジョンを策定し、中野区コンピテンシーモデル(N'map)というものを作成し、人材マネジメントの中心に据えた人材育成を進めている状況でございます。
○市川委員 今答弁にあったように、中野区が進めている人材育成の基本には、コンピテンシーモデルの活用がありますというのは承知をしています。それを一覧表にしたN'mapなるものがつくられているのも聞いています。当然職種とか職層によって内容が異なって、数種類のものが必要になってくると思うんですよ。一つのスケールだけではいかんと思うんだけれども、どう思いますか。
○角経営室副参事(人事担当) N'mapでございますが、区職員が仕事を進める上で高い成果に結びついた実際の行動を区のさまざまな職種、職層の職員約100人から実際に聞き取り調査を行いまして、さまざまな職場及び職種、職層に共通する行動特性というものに整理をし、汎用性を持たせて作成してございます。このため、職種や職層が異なる場合であっても、内容はこのN'mapの中に網羅されていると考えておりまして、現在1種類での運用とさせていただいております。
○市川委員 このN'mapが一つの表で一般の職員にも管理職にも適用ができると考えるのはどうしてなの。
○角経営室副参事(人事担当) N'mapには、実はそれぞれの項目に第1段階の自立した職員の行動から、第3段階の継続的に成果を上げ続ける職員に見られる行動まで細かく七つのレベルというものが設定してございます。それぞれ一般職員から管理職まで、その職層に応じたレベルというものを検証できるような仕組みになってございます。
○市川委員 管理職一つとっても、神戸大学の経営学の先生が書いている本の中に、経営職と管理職、これは違うんだということを「戦略不全の論理」という本の中で書いているんです。ちょっとこの中の文章を引用しますけれども「経営職とは、オペレーションのパッケージ化に専心する、統合を担う、あすに立ち向かう、外部環境に働きかける、多くの人の上に立つが、皮肉にも直属の部下を持たない、不確実性に対処するというような役割を持ち、一方、管理職はオペレーションに対して責任を持つ、分業体制の頂点に立つ、今日を保証する、組織の内部に働きかける、職場のボスで人を動かして仕事する、複雑性に対処するというような役割だという。その根幹をなす考えは、経営職は管理職の延長線上にはないということである」と書いてあるのね。
 また別の先生の書いた本を読むと「経営センスの論理」という本があるんだけれども「経営に携わる人間に必須の資質はスキルではなく、センスである」と、こう書いてある。「センスは他者が育てるものではなく、当事者がセンスある人に育つしかない。そのために組織ができることは、センスが育つ土壌や環境を整えることであり、その第一歩はセンスのある人物をしっかりと見きわめることだ」というようなことを書いてある。
 言っていることわかる。区の行政組織の中核を担う人材は、中野区の場合はみんな一くくりで管理職と言われているのね。副区長から課長までが、いわゆる副参事までが管理職と言われているのかな――と一くくりにされているんだけれども、今紹介したような考えに立つと、区政の中枢を担う人材は、経営職と呼ぶことのできる人材にならなければならないし、その覚悟を担う特別なプログラムが必要になってくるはずなんだけれども、現在の方策と体制でそれが可能かということを聞きたい。どうですか。
○角経営室副参事(人事担当) 区の管理職は、施策の立案から事業の執行などさまざまな役割を担い、その立場において経営者の視点を持って能力を発するものであります。区政全般の経営職とは、区長、副区長をはじめ、今、委員のお話だと部長職というふうに認識してございます。区政の中枢を担う人材とは、部門の経営責任者であります部長職であり、部門の経営を行いつつ、区政全般の経営を担っているというふうに考えてございます。こういった人材の確保のためには、まず管理職から育てて、さまざまな体験を積ませることにより経営センスを磨かせ、その中から適任者を選別し、経営職を育てていくものと考えてございます。人材育成につきましては不断に進めていくべきものと考えており、今後ともさらに今言いましたような人材発掘から育成まで、区の中枢を担う人材の確保に努めていきたいと考えてございます。
○市川委員 経営職と管理職のすみ分けというのは、今の答弁である一定の理解はしていますよという答弁なんだけれども、コンピテンシーモデルで、N'map一覧で、その経営職と管理職のすみ分けというのはできるのかしらね。その一つのスケールという中に、それも全部はめられるのかな。例えば今紹介したように、経営職に必要なのはセンスですって、管理職に必要なのはスキルですって、はめられるかな。それ、どう思いますか。
○角経営室副参事(人事担当) コンピテンシーモデルにつきましては、実際の行動で判断ということになりますので、スキルというところに関しましては、スケールとしては見やすいものなのかなというふうに考えてございます。ただ、今委員の御指摘のありましたセンスについては、なかなか行動体系にどういうふうに反映させるかというような問題もありますので、コンピテンシーモデルがセンス、経営職に求められるセンスまであらわしているかどうかについては、今後検証等していきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 区政を支えるのは、こういった経営職と呼ばれるような人材ばかりでなく、さまざまな立場、さまざまなタイプの人材がもちろん必要だと。かつて私が質問の中でとり上げた、隣の新宿区で職員育成用の冊子を独自に作成したという紹介があったと思うんだけれども、定年退職をした経験豊富な幹部職員を活用してつくられたと聞いているんだけれども、それは我が区でもぜひ取り組んでみてはどうかと提案したんだけれども、これについては検討しましたか。
○角経営室副参事(人事担当) 新宿区には、そちらのほうに出向きまして調査をいたしましたところ、冊子の作成に当たりましては、庁内PTを設置しまして1年間仕上げているというようなお話をお伺いしました。実際に管理職OBの方のお話をお伺いしまして、部長職としての行政経験が豊富であり、かつ人材育成にも幅広い見識があるというふうに思ってございます。委員のお話ありましたこういった取り組みにつきましては、有用な取り組みであると考えており、区としても具体的な活用を検討していきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 質問で僕がとり上げて提案をしたでしょう、今答弁をした。その内容、僕が質問したのはいつだったかな。あれから今日まで、人事担当から僕のところに何も報告がないわけだよ。さっきからみんな言っているんだ。議会と執行機関側との共同作業というものが中野区政の根幹ですよと言っているわけだ。だからこういう場で質疑をして検証しているわけなんだけれども、そういったことをきちんと、今答弁で、公の場できちんと述べてくれたからわかったんだけれども、それは今こうですよと、実は調べてみたらこうだったんです、今後こういう取り組みをしてみようと思います、中野区はというようなことを議会側にきめ細かく、こういった質疑の場だとか本会議場での一般質問の内容だとかといったものに対しての答弁、ある一定の検討が必要な事項についての詳細な報告とか情報提供というのが必要だと思うんだけれども、ちょっと脱線するけれども、そういうことって必要だと思うでしょう。
○角経営室副参事(人事担当) 今お話のありました議会への報告につきましては、その進捗状況に応じて適宜適切にやっていく必要があるというふうに考えてございます。今後も委員から今この件について、それ以降の進捗状況について報告がなかったということにつきましては、申しわけなく思ってございます。今後そのようなことがないように、進捗状況に応じた適宜適切な報告に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○市川委員 この事項だけじゃなくて、ほかの委員が質問している内容についても、やっぱり議会へ足を運んでそういった状況を提供しなきゃだめだと僕は思いますよ。そうでないと、議会はこの場で、例えば委員会室で質疑をしたり、本会議場で質問して、はい、それでおしまいといって何もあとはなかったといったら、これはセレモニーですよ。やっぱり実際実のあるものにするには、そういったことを繰り返していかなきゃいかんと思いますね。これは提案ですから、要望ですから、聞き置いておいてください。
 中野区の職員ということで、中野区の中だけで通用すれば足りると考えがちなんだけれども、例えて言うと、自治体を一つの業界として見ましょうよ。自治体業界。そういったような世界で通用する人材、自治体業界というと、全国に1,800ぐらい自治体があるでしょう。それ全部を業界としましょう。その中の世界で通用する人材こそ求めるべきである。どこへ行っても通用する人材。現在の取り組みでは、質とか量ともに不十分だと思うんだよ、僕は。コンピテンシーモデルだけじゃない、足りないかもしれないな、さっきから言っているんだけれども――と思うんだけれども、どう思いますか。
○角経営室副参事(人事担当) これまで区は人材育成を推進してきておりますが、まだ道半ばというふうに認識してございます。社会状況の変化に伴います新たな課題だとか横断的な課題に対応するため、平成24年度からエキスパート職員認定制度というものを導入してございます。これは職種に着目したこれまでの人材育成では対応が難しい場面への対応ということで、多様な能力を持った職員がみずからの適性を生かせる柔軟な職員配置の実現ということと併せて、新たなキャリアパスを設けた職務意欲の向上というところも図ってございます。さらには、こういったエキスパート職員という職員が専門領域で長期間従事することによりまして専門性が発揮できれば、困難な区政を解決していくということにつながると思います。そういった人材を輩出することが、委員先ほどおっしゃいました自治体業界全体でも通用する人材というふうに考えてございます。そのような人材を1人でも多く輩出していきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 このことと関連して、職員体制の見直しとして、2,000人体制に向けて職員数の削減が今まで行われてきました。この2,000人という数字を導いた根拠と見通しは何なのか、この点について改めて伺います。
○角経営室副参事(人事担当) 職員2,000人体制に向けての方策では「新しい中野をつくる10か年計画」に掲げられました、区民満足度の高い小さな区役所の実現のために、民間活力を最大限に活用するという方針に基づいて平成20年1月に作成されたものでございます。このときに、民間活力の活用というものを削減の方策として掲げてございまして、その当時の主な項目としましては、例えば区立保育園の民営化や学校給食調理の委託化をはじめ、福祉作業所や図書館の指定管理化、学童クラブの委託化、また、文書集配など業務の委託化により活性の見通しを立ててございます。これまで着実に職員数の削減を進めてきておりまして、当初28年度達成予定を1年前倒しにした平成27年4月には達成できる見込みになってございます。
○市川委員 初めに数字ありきとは申しません。私たちもそれに対して協力をして推し進めてきた内容ですから、初めに数字ありきとは言いませんけれども、区の業務を、今民間活力の話をしたけれども、もっと多角的に分析して、それぞれにふさわしい実施体制を検討した上で導いた数字とは考えにくいんですよ、まだね。
 なぜかというと、これ、久保委員と森委員から9月3日付の都政新報の内容の紹介があったんだけれども、9月3日付の都政新報はもうお読みになっていらっしゃると思うんだけれども、足立区で数年前から他の自治体にも呼びかけて、数年前からというのはどうも去年かららしいんですよね――日本公共サービス研究会というものを立ち上げました。民間事業者の協力も得ながら、新しい業務の実施方式や体制を検討してきたそうであります。最近になって、ことしかな、研究事例としてとり上げた国保業務、何とこのメンバーの9割の人たちがこの業務の委託は可能でありますという結論を得ているという記事が紹介されている。
 私が非常に興味を引かれたのは、この検討結果はもちろんなんだけれども、研究会の取り組みを足立区1区に限らず、自治体全体の業界だな――の標準にまで高めようという意欲、そして雇用だよね。雇用の領域を生み出して、とりわけ若い世代の就業機会を拡大するきっかけにもしたという取り組みに、そういった姿勢に対して非常に興味を持ちました。そこで伺いますけれども、この研究会、公共サービス研究会について中野区にも参加の呼びかけがあったのか、またその際には区はどういう対応をしたのか、今後どういう対応をする考えなのか、それを聞かせてください。
○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 日本公共サービス研究会の設立に当たりまして、平成24年6月5日付で足立区から中野区にも参画のお誘いをいただいているところでございます。中野区も会員としてもちろん参加させていただいてございます。今後も積極的に研究会に参加をしてまいりまして、新たな行財政改革の推進方策に関する研究を進めていきまして、中野区の区政経営にフィードバックをしていきたい、このように考えてございます。
○市川委員 全部で何区これに参加しているか。何区参加していますか。
○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 自治体の数としましては、第1回、昨年度が100団体、23区のうち18区が出席してございます。また、今年度行われた第2回につきましては、団体数としましては全部で67、そのうち23区から出席したのが17区という状況でございます。
○市川委員 昨年、ことしと2回にわたって開かれているんだけれども、23区中18区昨年参加しました。ことしは23区中17区が参加しました、その18区と17区は課長級を出しているの、係長級を出しているの、一般職を出しているの。どういう方が、どういう職層の方が出席しているんですか。
○中谷政策室副参事(情報・改善担当) おおむね半分が課長級の管理職です。第1回が18区中9区。残りの人数なんですけれども、係長級が8区でおおむね半分、残り主任が1区でございます。今年度の第2回につきましては、17区中8区が課長級の管理職、約半分ちょっとですね。係長級が7区、主任が2区といった構成になってございます。
○市川委員 こういった研究会、勉強会といったものに参加する職員の職層を見ただけで、その区が取り組む姿勢というのはわかってくるんだよね。中野区というのは誰が出ているの。どの職層の方が出ているの。
○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 中野区からは担当の執行責任者、業務・改善担当の係長級が出席してございます。
○市川委員 中野区がもし、この9割の人たちが国保業務の委託は可能ですというような結論を導き始めているこの公共サービス研究会に対して、いわゆる係長級だな、執行責任者を出席させているというレベルじゃなくて、課長級が、副参事級が、副参事といったら中谷副参事が出席するぐらいの意欲が中野区としてはなきゃいかんと思います。これは要望ですがね。それぐらいの意欲で取り組んでくださいよ。
 同じ都政新報の中には、例えば江東区は自治体の窓口業務だな、中野区はたしか国民健康保険の窓口業務を業務委託していますよね。こういったことを、窓口業務の委託状況を調査しているようですよ。中野区でもこういうものを先進的に取り組んでいるわけだから、原点にさかのぼって業務の実施体制などをもっと多面的に、多角的に検討研究をして、それに基づいて区の組織とか職員の体制を再構築すれば、2,000人という数字も変わってくるはずだと僕は思うの。こうした突っ込んだ検討をする考えはないですか。
○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 区ではこれまでそれぞれの業務ごとに外部委託化の手法ですとか委託化した場合にかかる経費、それから職員数の削減といった効果、実施した場合に起こり得る法的な問題点の問題点の有無、こういったことを検討してきてございます。その中では専門提携業務も含めて検討を進めているというところでございます。委託化をすることによりまして業務の効率化が向上し、またコストの削減、さらにはその結果として職員の適正な配置、そういったことにもつながる、そういった業務につきましては、今後も積極的に委託化を進めていくという考えでございます。
○市川委員 中野区では、施策の成果については毎年行政評価という形で検証をしています。その内容や方法についてまだまだ課題があると感じていますが、この場では触れません。
 ところで、経営の成果についての検証はどのように行っているんでしょうか。ちょっと質問の角度を変えますが。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区では、PDCAサイクルに基づきます区政運営を行っているところでございます。区政経営の1年の流れということで、区政目標、予算、職員定数、事業執行、進行管理、行政評価、決算、事業見直しと継続して取り組んでいるところでございます。経営の成果につきましては、区が実施する施策の結果としてあらわれるというふうに考えておりまして、行政評価におきまして検証を行っているところでございます。
○市川委員 保育園をはじめ、区立の福祉施設について、福祉サービスの第三者評価を実施したということを聞いています。その理由とか狙い、実施した効果、これはどういうものがありましたか。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立保育園では、これまでに指定管理者園を含め、20園がこの福祉サービス第三者評価を実施してございます。第三者評価の狙いとしましては、区民の方が福祉サービスを利用する際に、自分の利用したい事業所の特徴やサービスの質など、サービスの内容を把握いたしまして福祉サービスを選択する際の目安にするためのものでございます。区にとりましても、客観的な視点でサービスの見直しができるといったことのほか、評価の内容を利用者の方に知ってもらえることで安心してサービスを利用してもらうことができるというふうに考えているものでございます。
○市川委員 さっきの話に通じるんだけれども、中野区が行う第三者評価というものと、また伺うところによりますと、この第三者評価というものなんだけれども、都道府県ごとにも取り組まれています。東京では、日本経営品質賞という一つの仕組みを基礎に組み立てられているそうであります。
 日本経営品質賞というのは、日本生産性本部が運営していて、企業の経営全体の品質を評価する表彰制度であるんだそうです。公表された基準に沿って自社の現状を自己評価し、特にその弱みを把握することで自己変革を進めるという考え方がもとになっているんだそうであります。書類審査の段階で500点以上を目安にした基準をクリアすると、3人の審査チームが3日間から4日間張りついて、基準を満たす経営が行われているかどうかを審査して、特に成果を上げていると認められた企業が表彰を受けるんだそうです。これが経営品質賞という表彰を受けるんだそうです。これには自治体部門を対象としたものがあることや、過去に賞を受けた自治体があったということなんだけれども、これは承知していますか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 日本経営品質賞は、経営革新を進めるモデルといたしまして、卓越したレベルに達していると認められる組織を表彰する制度ということを承知しております。大規模部門、中小規模部門の二つの民間企業の部門と地方自治体部門があると。いずれも同じ評価基準、項目で評価される仕組みとして承知をしております。2006年度に岩手県滝沢村が日本経営品質賞を受賞したというのは承知をしているところでございます。
 日本生産性本部におかれましては、経営品質協議会というところが事務局を行っておりますけれども、表彰されました自治体以外は公表されていない状況にございます。三鷹市ですとか三重県松阪市が過去に、表彰ではございませんけれども、審査を受けたということをそれぞれのホームページで掲載しているということで、その2市につきましてはやったということを承知しているところでございます。
○市川委員 行政評価、さっきも言ったように中野区がつくった仕組みで、中野区の取り組みだけを対象に行われているのが現状だと思いますよ。これはこれで大事なことなんだけれども、ほかの自治体との比較が難しいんです。できないんですよ。これに対して、今紹介した日本経営品質賞はオールジャパンの仕組みになっている。その基準で評価が行われている。競争相手の少ない自治体が、ほかの自治体と比較しながらみずからを省みるきっかけにするには有効な手だてではないかと僕は考えます。経費がかかるんだよね、これ。100万円か150万円か、それぐらいかかるのかな。かかるんだけれども、今現在やっている第三者評価ももちろん費用はかかるわね。これもかかるんだけれども、かかるし、事務的な労力も大きいだろうから、毎年というわけにいかない、そう思います。区がこれまで続けてきたさまざまな経営改革などの評価を振り返って、一層の向上を目指すきっかけとして定期的にこの評価を受けてはどうかと思うんだけれども、お考えを聞かせてください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 経営の成果につきましては、先ほども申しましたけれども、学識経験者を含めました外部評価委員会を設置しまして、客観性を担保しつつ検証を行っているところでございます。他の自治体との比較ということでございますけれども、ベンチマークの導入等、今後とも改善を図ってまいりたいと思います。
 日本経営品質賞でございますが、経営品質向上のためのリーダーシップですとか意思決定の仕組み、また、個人と組織の能力向上など、民間企業と同じ視点、基準で中野区の経営改革の状況を評価いただけるというものでございます。また、組織の強み等についてもさまざま指摘をいただけるということで、意義のあるものというふうに思っております。
 クライアント情報ということで事務局からの情報発信が非常に少なく、評価を受けた自治体みずからの公表を除けば、限られた情報しかつかめておりません。コストにつきましては、中野区の規模ですと150万円をベースにしましておおむね200万円程度かかるというふうに言われております。まずは他の自治体の実施結果、効果等、さまざま情報収集いたしまして、効果について研究を進めてまいりたいというふうに思っております。
○市川委員 大分前向きな答弁をいただきましたから、ぜひこれを研究して取り入れてくださいよ。オールジャパンなんだから、ほかとの比較ができるんだから。そういう中において、中野区が1人で独善的にならないようにするということが僕は大事だと思いますね。ということで、この項の質問はここまでにします。
 あと、議会と首長の関係について、この質問をやりますね。
 日本の自治体は二元代表制です。首長と議会は車の両輪という言われ方をよくします。これ、みんなが言っていました。先ほど来言っているよね。大内委員もさっき言っていましたね。私は長い議員生活を通じて、この二元代表制というもののとらえ方の違いによって、首長と議会の関係が具体的な場面では随分変わってくるように感じています。首長から提案された議案の審議や日々の行財政運営を監視する場面では、両者は緊張関係に立たざるを得ませんね。
 しかしながら、区の将来像や冒頭で触れた財政体力を高める方策など、長期的な政策課題を検討研究するような場面では、議会も政策研究や立案の機能を積極的に果たすべきなんだと思うんです。この両者はもっと力を寄せ合うことが可能だし、必要なのではないかと考えています。財政的な理由で短命に終わりましたけれども、自治体シンクタンクなどは両者が共通に関心を寄せることのできる長期的な政策課題などをテーマに据えることができれば、違った展開があったようにも思われます。両者の関係なんだから、議会の側も十分に考えていかなければいけませんけれども、それは別の機会や場面に譲ることとして、この場では区の考えを伺っておきたいと思うんです。議会との関係について、区はどんな基本認識を持って基本的な姿勢で臨んでいるのか、これをお尋ねします。
○戸辺経営室副参事(経営担当) 議会との関係ということについてでございます。議会と執行機関につきましては、地方自治法によって規定がされているわけでございます。議会は議決機関ということで、自治体の最終的な意思決定を行うとともに、執行機関の行財政や事務事業が住民全体の立場に立って公平、効率的に執行されているかどうか監視するものであり、一方、執行機関は議決されました条例や予算、それから事務や法令に基づく事務を誠実に管理し、執行する義務を負っている、そういう基本的な関係。執行機関については、こうした議会との基本的な関係を常に意識しながら、例えば条例提案等に当たっては十分に説明責任を果たす、そうした中で適切に議会に対応していくことが求められているということを認識しております。
○市川委員 今の答弁はね、執行機関側からだけの物の見方でしかないんだ。議会って立法機関だよね。そうでしょう。だから、議会って条例の提案権持っているんだよね。条例制定、改正、改廃については提案権を持っている、そうだよね。今、我々もこれからうんと努力して、自分たちのスキルアップをして、それからセンスを磨いて、みんなで共同して条例を改正したり、新しい条例をつくったり、区民生活の中に本当に真に必要なものは何かというものを見きわめて提案をしなければいけない。みずからが提案してそれを可決すれば、条例として条文が載っかるわけだよ。また、必要でないものは我々は切ることもできる。これを全て区長の手に委ねているのではなくて、我々の側も努力をしなきゃいかんということを言っているわけだ。
 それでだよ、さっきちょっと僕も触れたけれども、ここでのこういう委員会の場でのやりとり、議論、質疑、答弁、それから一般質問、本会議場でも行われている質問、答弁、こういったものの中のやりとりの中に、それは言っちゃいけないけれども、必要のないものもあるかもしれない。いや、必要なものもある。もう聞いていて、まさに今執行している事業よりも、こちらのほうがすばらしいというものもある。欠けているものもある。例えば臨海か。(「なくしちゃうものが多過ぎなの」と呼ぶ者あり)ああ、そうか。勝手になくしちゃう。そんなことはいろいろある。だけれども、それは議会の側でそういうものを我々の側が質問します。そうすると、それについては前向きに検討しますとかいろいろと答弁くれるんだよ。だけれども、それ以上突っ込んだところまではいかないの。
 さっきも人事担当の角副参事に僕言ったけれども、いかないのよ。そこまでいって高めていかないと、僕が言った自治体の経営の中での車の両輪というのがきちんとした機能を果たさないんじゃないのということが言いたいわけ。皆さんとっても立派な質問をしていますよ。この内容をどういう形でか政策に反映しましょうよという姿勢が見えてこないんだよ。見えてこないの。そこが残念でならないの、僕には。今ですよ。もちろん、自民党が言ったことは区長がいうことを聞いてくれる。ありがたい。だけれども、共産党が言ったことは区長はいうこと聞かない。これは当たり前。選挙のとき応援しないんだから、応援しないものは誰だっていうこと聞かないよね。(「予算も反対するしね」と呼ぶ者あり)それはそうだよね。これからもっと大事なことだよ。1年通じて執行する事業の予算に反対をするんだから。反対をする会派のいうことは聞けませんよ。(「でも、自分たちがやったって言うよ」と呼ぶ者あり)それぐらい我々が議決権を持っている。これを行使している。これを行使した中で、事業を執行していく中で、我々が議決をした予算を使って執行する事業、業務の中で、こうしたらどうだ、こうしたらどうだということに対して、もっと誠実に対応してほしいというのが実は希望なんです。望みなんです。それについてもう1回、どう思われますか。
○戸辺経営室副参事(経営担当) 今、市川委員の言われましたように、いろいろな場で、一般質問、それからこうした決算特別委員会、また常任委員会の場でいろいろな形で御意見やお考えをお聞きする。それに対しまして行政側として考え方をお示しする。いただいた御意見やお考えにつきましては、その後持ち帰って区で検討したその内容を、例えば御要望どおりに沿えない場合についてはこういう理由ですと。これこれこういう課題があって、今すぐには対応無理だというような形できちんと対応状況を議会に対してお返しすべきだと。そうした対応の積み重ねが議会と執行機関の適正な関係を維持するものにつながってくるというふうに考えています。
○市川委員 全ての会派、この42名の議員は区民から選ばれたわけです。いいですね。皆さんそれぞれ主義主張は違うから、思いはあります。先ほど話したように、区長の選挙のときには田中大輔区長を応援した会派、政党もあるし、応援をしない政党もあります。だけれども、それに限らず、さっきはちょっと過激な物の言い方をしたけれども、よい提案というのはあるんですよ。それはやっぱり議会と執行機関の共同作業だと僕は思う。そういうことをまずはしっかりと踏まえた上で、この自治体経営というものに臨んでほしいし、これを検証してほしいと思います。戸辺副参事、どうもありがとうございました。
 東京23区というのは、大都市東京を形づくっているという面ではパートナーであります。それぞれの地域を経営するという面では、みんなが競争相手になるんです。当然みんな誰もがトップランナー目指してそれぞれの区が取り組んでいるわけなんですね。成果を上げるためには、首長を頂点とする行政と議会の関係も問われてきます。私たちの役割は、最終的には区民の福祉向上、もうこれに尽きるんですよ。これに尽きるの。これ以外のものはないんです。区民の福祉向上。どれだけこれに役立てるかというのが我々に与えられた責務であり、使命なんです。とりわけ長期的な政策課題などは、先ほど来申し上げているように、首長だけが背負うという性格のものではない、僕はそう思うんです。議会という機関もそういうものを背負わなければいけないと思うんです。節度は当然必要。ある一定の節度とか規律というものは必要です。だけれども、私は両者が、いわゆる執行機関と議会が力を合わせて政策課題の研究などに取り組む場面がもっとふえてもいいように思うんです。我々も頑張らなきゃいけないんです。ただここで質問して、はいそうですかって答弁聞いているだけじゃだめなんだよ。こうしたことについて区長の見解、所見を伺いたいと思います。お願いします。
○田中区長 私は本当に市川委員のおっしゃること、全くそのとおりだと思いますし、本当にそうなっていかなければいけないなと、こんなふうに思っております。23区は協調と同時に競争もしているし、お互いに23区集まって物事を決める中では、決め方によっては中野区が割を食う決め方が出てきたりしますので、そういうときに区としてしっかりとした足腰を持っていかなければいけないと。そういうような意味からも、私ども首長側と議会の側との本当にしっかりした連携、議論は幾らでもあっていいだろうと思うんですね。議会の側にもいろいろな御意見あるのは当然そうだと思いますし、私は別にどこかの党だけ必ずいうこときくということではございませんので、たまたま考えた結果どうなるかというだけですから、きちんと議会と向き合っていかなければいけないということだと思っております。
○市川委員 ちょっと時間あるからね、最後に区長にもう一つ感想を聞かせてほしいんです。竹田恒泰さんという方が書いた「日本人はいつ日本が好きになったのか」という本があるんです。この中にこういうことが書いてある。「左寄りが日本社会の基準点」と書いてあるんです。これ、選挙前後に、選挙というのは去年の暮れの衆議院総選挙ね――の前後に、安倍晋三氏待望の空気について、この空気を読んでメディアだとか一般の大衆が、世論が「右傾化」という言葉、これをよく使いました。これに対抗して民主党は、自分のことを中道とか中庸と表現したよね。自民党と何とかして差別化を図ろうとした。だが、安倍さんの立ち位置は果たして右寄りで、それを支持する空気は右傾化したものなのだろうかと書いてあるんです、この本が。本来、安倍晋三氏の立ち位置こそ中道、中庸と呼ぶべきだと私は思う。領土を防衛し、若者が日本人としての誇りを持てるような教育を施し、金融緩和によって経済をてこ入れして日本を取り戻すということは、全て普通の国なら当たり前のことばかりであって、右寄りの政策ではないと、こう書いてある。これについてちょっと区長、感想を述べてくれますか。
○田中区長 全く言われたとおりだと思います。
○市川委員 森委員も「うちも全部否定していない」と言うから、別に右傾化じゃないと思うけれども、今、国政と都政と区政と、自民党は自民党なりにしっかりとしたチームで組んで、連携とって中野区発展のために力を尽くしています。我々議会の側もこれからうんと研修、研さんして、区政の一翼を担っていきたいという願いを込めて、私の質問はきょうは終わります。どうも皆さんありがとうございました。
○内川委員長 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は9月24日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭を持って通告します。
 以上で本日の決算特別委員会は散会します。
午後4時34分散会