令和6年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会) 23.05.24 中野区議会第2回臨時会(第1号)

.令和6年(2024年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  2番  山  内  あきひろ        3番  武  井  まさき

  4番  日  野  たかし         5番  木  村  広  一

  6番  斉  藤  けいた         7番  井  関  源  二

  8番  黒  沢  ゆ  か        9番  大  沢  ひろゆき

 10番  武  田  やよい        11番  広  川  まさのり

 12番  いのつめ  正  太       13番  間     ひとみ

 14番  河  合  り  な       15番  市  川  しんたろう

 16番  加  藤  たくま        17番  甲  田  ゆり子

 18番  小  林  ぜんいち       19番  白  井  ひでふみ

 20番  吉  田  康一郎        21番  立  石  り  お

 22番  小宮山   たかし        23番  内  野  大三郎

 24番  い  さ  哲  郎       25番  細  野  かよこ

 26番  斉  藤  ゆ  り       27番  杉  山     司

 28番  ひやま      隆       29番  高  橋  かずちか

 30番  大  内  しんご        31番  伊 藤  正  信

 32番  平  山  英  明       33番  南     かつひこ

 34番  久  保  り  か       35番  石  坂  わたる

 36番  むとう   有  子       37番  羽  鳥  だいすけ

 38番  浦  野  さとみ        39番  山  本  たかし

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席議員(1名)

  1番  高  橋  ちあき

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一    DX推進室長  滝 瀬 裕 之

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    文化・産業振興担当部長  高 村 和 哉

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一    子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森   克 久

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔   健康福祉部長  杉 本 兼太郎

 保 健 所 長  水 口 千 寿      環 境 部 長  浅 川   靖

 都市基盤部長  松 前 友香子      まちづくり推進部長  角   秀 行

 中野駅周辺まちづくり担当部長  千 田 真 史    企画部企画課長  中 谷   博

 総務部総務課長  永 見 英 光

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  若 見 元 彦

 書     記  田 村   優      書     記  細 井 翔 太

 書     記  森 園   悠      書     記  梅 田 絵里子

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  志 賀 優 一

 書     記  早 尾 尚 也      書     記  堀 井 翔 平

 書     記  金 木 崇 太      書     記  砂 橋 琉 斗

 

 議事日程(令和6年(2024年)11月28日午後1時開議)

日程第1 第93号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 平和事業と国際交流について

  (1)平和事業について

  (2)国際交流について

  (3)その他

 2 住み続けられる快適なまちづくりについて

  (1)(仮称)SWC NAKANO構想について

  (2)新たなモビリティの推進について

  (3)自転車駐車場の確保について

  (4)その他

 3 地域支えあいについて

  (1)アウトリーチ活動とCSWについて

  (2)民生委員の活動支援について

  (3)その他

 4 子ども・若者支援について

  (1)中高生の居場所支援について

  (2)その他

 5 その他

 

○議長(酒井たくや) 最初に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○17番(甲田ゆり子) 令和6年第4回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問は通告のとおりで、その他はありません。

 初めに、1、平和事業と国際交流について。

 (1)平和事業について伺います。

 中野区は、令和5年度より、区内中学生の代表による広島平和旅事業をスタートいたしました。公募で選ばれた代表10名が8月に1泊2日で広島を訪れ、平和記念資料館などを視察し、戦争の悲惨さ、平和の大切さを実感することのできる取組です。今年8月に開催された平和のつどいで、参加した中学生の報告がありましたが、想像以上の深い思いを子どもたちから聞くことができ、感動するとともに、提案、推進してきた我が会派として誇らしく感じました。

 戦争体験者の大幅な減少が進む今、核兵器廃絶に向けた心を育てるため、一人でも多くの子どもたちへの平和学習の機会を推進すべきと考えます。これまで継続的に実施してきた平和のつどいの実施方法や告知方法にさらに工夫を加え、参加者を増やす取組を検討するとともに、戦後80年の節目である来年度こそ啓発活動により一層の注力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。例えば中学生の広島平和旅の事前学習、報告会のさらなる充実、新庁舎の1階など開かれた場所での平和資料展示を含めたイベントを企画し、啓発のための映画上映や講演会の開催なども考えてはいかがでしょうか。見解を伺います。

 次に、国際交流について伺います。

 これまで中野区は二つの海外都市と交流をしてきました。一つは、1986年に友好協力関係を結んだ北京市西城区、もう一つは、2010年に姉妹都市関係を締結したソウル市陽川区です。また、ニュージーランドのウエリントン市とは、1985年以来中学生の相互訪問で、ホームステイや学校への体験入学、地域での交流などを行ってきました。海外都市との国際交流は、国と国との様々な事情はあるものの、異なる文化や伝統、価値観を共有し、人間同士の理解を深める機会を通じて、新しい視点を得たり、信頼関係を構築することによって、対話外交を進める平和と安定の基盤をつくり、区民、国民の将来にとって大きないい影響を与えるものと確信しています。

 国際交流に関しては、一時的な効果に左右されず定期的な交流を続けていくことが大切と考えます。中野区基本計画においても、「多様な文化を受け入れるための意識の啓発」と題して、「区と友好関係、姉妹都市関係を締結している北京市西城区やソウル特別市陽川区との交流を引き続き行っていくとともに、台湾など新たな海外都市との交流を創出していきます」とあります。

 私たち議会側でも、今期、日中議連、日韓議連、台湾との交流を目指す日台議連がそれぞれ発足をしました。また、中野区日韓親善協会が、このたび、コロナ禍以来数年ぶりに訪問団が陽川区を訪れ、区庁長や区議会との友好を深めてこられました。先方では公式訪問並みの温かい歓迎をしてくださったと伺っています。その訪問団の一員として、今回区議会議員連盟を代表して石坂わたる議員が訪問していただきました。後ほど石坂議員から実感を込めた質問があると思いますが、私からは2点伺います。

 1点目に、国際交流は将来にわたる平和の礎を築く意義深いものであり、毎年しかるべき予算を計上し、交流事業を継続的に行うべきと考えます。区長御自身が自治体の国際交流、姉妹都市交流の大切さをどのようにお考えなのかお聞かせください。

 もう一点は、区民への理解を深めることについてです。どんな関係も相手の出方を待つのではなく、こちら側から歩み寄るという姿勢が大切ですが、海外友好都市への訪問は人数に限りがあるため、どうしても区長や区民の代表、また議員の代表などが現地に赴くこととなります。一方で、広く区民が日本にいながらにして、友好都市や諸外国の文化に触れる機会をつくったり、先方が来日した際には真心で迎える歓迎体制をつくるなど、そのような機会を活かすことでも、友好都市との関係、区民の国際理解を深めることができると考えます。積極的な国際交流の流れをつくり、さらなる多文化共生のまちづくりを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 2、住み続けられる快適なまちづくりについて。

 (1)(仮称)SWC NAKANO構想について伺います。

 私は、平成27年9月の本会議において、中野区がSWC、スマートウェルネスコミュニティ協議会に参加する目標についてただし、健康無関心層に働きかける官民連携したポイント制度などについて提案しました。当時区が進めようとしていたポイント制度の施策を取りやめる決断をした三、四年後のことで、持続可能なポイント制度について様々議論が行われていた経緯があります。今回、10月7日の厚生委員会で、中野区としてスマートウェルネスシティを目指し、健幸ポイントをインセンティブとした健康づくり事業を促進することや、ためたポイントをナカペイのポイントに交換する施策を展開するとの報告がありました。区は、デジタル地域通貨ナカペイの開始を契機として、この間忘れ去られていたスマートウェルネスシティを目指す構想を急浮上させたように見えますが、なぜスマートウェルネスシティを目指した施策を展開することとなったのか、改めて経緯を伺います。

 これまで質疑で述べてきましたが、健康づくりなどのインセンティブの要素には、参加する区民の努力と成果の両方が評価をされ、結果、区民の意識を高めることになるものにするとともに、実質的に医療費増大を抑えることができるもの、またステークホルダーとなる民間企業などの協賛が得られるなど、持続可能な区財政に寄与できる仕組みにすべきと考えます。SWCの実現に向けた体制づくりについては、地域や大学、医療機関、金融機関、民間企業なども協力関係を構築し、相互に連携、協働して施策を推進すると報告していますが、どのように連携を図っていくのか伺います。

 また、区はこれを機に高齢者会館をリニューアルし、SWCの理念を実現させる推進施設と位置付けるとしており、このたびの施策のターゲットは高齢者の方々が中心であるとうかがえますが、高齢世代の中には、スマートフォンを使いこなせない方や、高齢者会館に通うことができない方も多いと考えます。また、生活習慣病予防の効果が大きいのは、健康無関心層の多い中高年のほうであると考えます。例えばスポーツ施設や民間施設などの協力も得るなどして、参加できる方とできない方の格差が出ないようにすべきですが、そのためにどのような仕組みを考えているのか伺います。

 さらに、今回のSWCの施策展開に当たっての報告では、健康づくり施策に偏っているように思います。SWCの考え方にのっとるならば、出かけたくなる、歩きたくなるまちをつくることが大切であり、まちづくりの観点からどのような施策と絡めて行っていくのかが見えません。快適な空間の整備などについて、具体的な施策を構想に反映すべきではないでしょうか、伺います。

 その具体的な施策となり得る(2)新たなモビリティの推進について伺います。

 先日のなかのエコフェアにおいて、交通政策課が新交通システムの実証実験と次世代型モビリティシステムの紹介を行っており、興味深く拝見させていただきました。新たなモビリティ、電動シニアカーなどは、高齢者の運転免許返還後の安心な移動のためのツールとしても今後需要が高まるものと感じました。現在都内では、若者に人気の特定小型原動機付自転車、いわゆるキックボードが多くなってきていますが、区民が住みやすいまちにするためには、高齢者も含め誰もが乗ることのできる安全な新たなモビリティの普及が望まれます。

 区は、区民の日常生活を支える公共交通の維持・改善のため、中野区地域公共交通計画を推進していますが、この計画の中の目標には、「利便性の高いまちの拠点となる交通結節点の形成」とあり、「新たな交通結節点(モビリティ・ハブ)の整備を推進します」とあります。南北の交通や回遊性に乏しい中野区にとって、ぜひとも早く進めなければならない施策と考えます。

 そこで伺いますが、区が創出、整備しようとしている新たなモビリティ及びモビリティ・ハブとは、どのようなものをイメージしているのでしょうか、伺います。

 中野駅周辺は自転車を置くところも少なく、とても不便だという声を特に高齢者の方々からよく聞きます。バスに乗ったとしても、バス停からかなり歩かなければならないことがあります。例えば中野駅北側の住民が南口側の丸井などの商業施設や中野総合病院に行きたい場合、中野駅北側からのバス停から目的地までは結構歩かなければなりません。バスから電動シニアカーなど小型モビリティに乗り換えて、周辺の商業施設での買物や病院などを回って用事を済ませて戻り、少し休憩して帰ることもできる待合スペースのようなモビリティ・ハブがあれば、高齢者にとっても買物をしやすく便利なまちとなると考えます。区民の利便性向上のため、バス停に近い公共施設の一角などを利用して、中野駅周辺に可能な限り屋根つきベンチなどがあるモビリティ・ハブを区内に点在させてはいかがでしょうか。

 区は現在、居心地がよく歩きたくなるまちをつくろうと、国土交通省のまちなかウォーカブル推進事業の検討をしています。今後、再開発等でつくられる駅前広場や大規模公園、区有施設などがあればチャンスを逃さず、設計段階から高齢者にも優しいモビリティ・ハブをつくれるよう計画していくことを検討してはいかがでしょうか。

 また、まだ建て替え手法も決まっていない旧商工会館跡地も適していると考えます。新井交差点付近では、歩道の道幅が狭い上に、銀行などの商業施設が密集していることから、歩行者、自転車、バス停や信号で待つ人々が滞留し、常に混雑をしており、早急な改善が望まれています。歩道の安全通行にも資するよう、このような貴重な場所を活かして、モビリティ・ハブと休憩ができるカフェなどを併設させ、区民が憩える快適な公共空間をつくり出していくべきと考えます。活用できる土地や施設を見つけ、こうしたモビリティ・ハブと併せて、高齢者でも使いやすいモビリティシェアリングのシステムを導入していくことで、出かけたくなるまち、住み続けられる快適なまちとなると考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。

 次に、(3)自転車駐車場の確保について伺います。

 現在、区民の暮らしに自転車は欠かせません。通勤・通学だけでなく、足腰が少し弱って歩けない高齢の方々が自転車に頼っている姿もよく目にしますが、中野駅周辺は有料駐輪場も常に満杯状態で、店舗前にも自転車を止められないため買物がしづらいとの声をよく聞きます。区は駐輪場確保と放置自転車防止対策のため、昨年、アイキューソフィア株式会社という企業と協定を締結し、土地探しや交渉に協力をして駐輪場の台数確保に努めたことは大変に評価をいたします。

 そこで伺いますが、この協定締結後1年間の実績をお示しください。

 また、今後も駐輪ニーズの高い場所には、公民問わず少しでも駐輪場の台数確保と周知に努めるべきと考えますが、見解を伺い、この項の質問を終わります。

 3、地域支えあいについて。

 (1)アウトリーチ活動とコミュニティソーシャルワーカーについて伺います。

 私は、平成24年の9月、決算特別委員会にて、大阪府豊中市の事例を紹介し、コミュニティソーシャルワーカーの必要性を訴えました。コミュニティソーシャルワーカーとは、困難を抱えながら孤立している住民を行政サービスを駆使して支援しつつ地域につないでいく調整役となる専門職のことです。当時はまだそのような人材の存在すら知られておらず、区はすこやか福祉センターにおいてワンストップ相談の窓口をつくることを命題としていた時期でした。

 その後、区は地域包括ケアシステムを構築していく中で、区民活動センター圏域ごとにアウトリーチチームをつくりました。アウトリーチチームは、要支援者の発見や継続的な見守りから、地域の医療、介護、地域団体等への結びつけ、ネットワークづくりまで、幅広い役割を有していますが、実態はすこやか福祉センターの保健師や区民活動センターの事務職が兼務をして担うため、アウトリーチに割く物理的な時間が少ないことや人事異動があることから、継続した見守り支援が困難な現状があります。個別の支援に対するつなぎ役の要素が強く、民生委員にとっては、相談先として機能しているものの、なかなか伴走型の支援は難しいのではないかと感じてきました。そのため、私は、コミュニティソーシャルワークについては社会福祉協議会に委託をして、区の職員は現場課題を整理し政策に仕立てていく役割を色濃くしたほうがよいのではないかと度々訴えてきました。このたび区は限界を感じ、ようやく社会福祉協議会の専門人材の活用を図っていくと決断したことは一定評価をいたします。

 そこで、来年度からの具体的な体制強化と人材配置のための財源確保についてはどのように考えているのかお伺いをいたします。

 今後、75歳以上の人口は2050年を超えるまで増加し続ける超高齢化社会に入っていくとされており、早急に圏域ごとに専門人材を育てる仕組みを構築していく必要があると考えます。他自治体では早くから、区の出張所や生活圏域ごとに地域包括支援センターと社会福祉協議会のワーカーがセットで同じ場所に常駐して連携できる体制を組んでいるところもあります。中野区の社会福祉協議会が進めてきた地域団体の支援や地域づくりの活動を活かせる形で、可及的速やかに区内全域で、すこやか福祉センター、区民活動センター、地域包括支援センターのそれぞれの職員、そして社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーがワンチームになって地域の課題解決を行えるよう推進をしていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 次に、(2)民生委員の活動支援について伺います。

 困難を抱える要支援者の発見から見守り支援を行う最前線の民生委員さんは年々担い手が減少しています。中野区は一人暮らしの高齢者も多く、最前線の支援活動だけでなく、社会状況に応じた多種多様な課題への対応も余儀なくされています。区は、担い手不足を解消するためにも、民生委員の活動内容を整理し、他区と比較して決して高くない活動費を増額していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、活動に当たって様々な情報収集や報告などに使う電子端末機器やWi-Fiなどの支援が重要と考えます。東京都が民生委員・児童委員に現物支給をしたパソコンがあり、活動に使うために様々な工夫をされたと伺っています。しかし、東京都は次年度中にパソコンの運用を取りやめるとし、来年度からは各自治体への民生委員の電子端末機器活用支援として補助金を行う方向に切り替える検討をしていると聞いています。東京都がそのような制度を行う際には、区として民生委員活動が円滑に進むような施策を検討すべきと考えますが、区の見解を伺い、この項の質問を終わります。

 4番、子ども・若者支援について。

 この項では、(1)中高生の居場所支援について伺います。

 先日、少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会で、豊島区の中高生センター「ジャンプ東池袋」を視察させていただきました。この施設は、小学校区を基礎単位として、区内に26か所ある区民ひろばが1階にあります。年齢を問わず誰でも使えるホールやロビー、また、高齢者が通うフレイル対策活動センターや、ランチやお茶もできるカフェが併設をされており、複合施設となっていますが、2階の中高生センター・ジャンプは入り口も分けられており、完全に中高生専用の施設となっています。ハード面では、今年リニューアルしたばかりということもあり、中高生のニーズに応える設備が充実していることから、居心地がよく楽しい施設であるとの口コミが広がり、登録者数、利用者数も非常に高くなっていると伺いました。

 豊島区では、東池袋と長崎の東西2か所に中高生センター・ジャンプを開設しており、両方ともソフト面では、不登校や貧困など様々な困難を抱える中高生の支援、相談体制、包括的性教育、子どもの権利発信などに力を入れており、中高生が一人でも気軽にいられて、必要なときに支援機関に相談ができたり、学習支援や子ども食堂のネットワーク、居場所会議などの民間支援団体、望まない妊娠、性教育などの支援団体との連携や、本当に困ったときには子どもの権利擁護委員の弁護士とも話せるような機会も定期的に用意していることは大変すばらしいと感じました。また、おなかがすいている子に簡単な御飯も用意しているということでした。

 中野区の児童館や、子ども教育に関わる施設等でも、食事が取れていない子どもへの食事提供の仕組みづくりは、居場所支援と同時に検討していただきたいと思っています。以上を踏まえ、中野区が今後中高生の居場所支援を行っていく際には、中高生が伸び伸びといられる広さを確保すると同時に、特に孤独・孤立を感じている中高生の居場所となるような環境と機能を有した場を区内にバランスよくつくっていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 私は、中高生の居場所支援のためには、より多くの当事者である中高生の意見、声なき声を聞くことが重要であると述べてきましたが、多様な中高生の意見は聞けたのかどうか、そして、子ども教育部としての検討結果を全庁的に展開して検討できたのかどうか伺います。

 このことは9月の決算特別委員会でもただしましたが、その際に子ども教育部は、まだ20名程度の中高生とハイティーン会議の場でしか意見を聞いていないことや、今後子どもと子育て家庭の実態調査などの分析を踏まえて、必要な機能の検討を行い、子どもを含む区民の理解を得ながら検討していきたいとの答弁をしました。それを受けて、資産管理活用課は、次期区有施設整備計画の策定に当たり、各所管部での検討結果を踏まえた上で全庁的な調整を行い、策定内容を決定するとし、中高生年代向け施設についても、子ども教育部の検討結果を踏まえた上で全庁的な調整を行い、策定内容を示したいと答弁しました。

 その後1か月もしないうちに、10月7日の総務委員会において、旧商工会館跡地に複合交流拠点として、中高生の交流・活動支援の場を整備することについて検討するとの報告があり、当初予定していた現在の産業振興センターを改め、旧商工会館跡地に中高生の施設を整備するということでした。この点については非常に安易な決め方で、議会答弁に対しても不誠実であると言わざるを得ません。次期区有施設整備計画に当たりと言っていたにもかかわらず、中高生ニーズのエビデンスや分析がないままに旧商工会館の建て替え手法も決まらない状況での跡地整備内容の決定をするのはなぜなのか。区有施設整備計画と児童館整備計画との整合性も取れていない中でもあり、幾重にも理解に苦しみます。児童館を含めた中高生施設の在り方は、区民に納得のいく形で方針を示すべきであると考えます。旧商工会館に中高生施設をつくるメリット、デメリットが区民に知らされていない状況での決定は乱暴であると言わざるを得ません。

 中高生施設を整備する立地の検討について何点か挙げさせていただくと、旧商工会館は確かに利便性はよいですが、繁華街に隣接した場所でもあり、中高生の居場所としてはふさわしくないとの声もあります。また、新井や上高田、昭和地域は区民活動センターなどの利用率が高く、区民の交流活動スペースも不足している地域であり、新井地域には高齢者会館もありません。地域交流スペースをつくることがなければ地域の理解は得られないと考えます。

 さらに、中高生は自転車で来館することが予想されるため、駐輪施設もそんなに多くつくれるとは思えない中で、さきに述べたような交通結節拠点という活用も視野に入れなければならないエリアであること、そして、中高生がスポーツや音楽など伸び伸びと使える施設としては、コストの安いエリアで整備をしたほうが面積的にも広くなり、中高生が望んでいるような設備や人材に経費をかけることもできると考えます。

 さらに言うと、区立だけでなく私立の中高生にとっても、学校帰りの寄りやすさからにぎわう施設となることは必須であり、1人でふらっと行きたい中高生にとっては、目立たない場所であるほうが行きやすいということもあると考えます。様々な角度からの議論を重ねた上で、支援を必要とする中高生のよりよい居場所支援を行うことを求めますが、区の見解を伺います。

 中野駅周辺のまちづくりが暗礁に乗り上げているという中での懸案となります。将来の可能性を探る検討は当然進めるべきでありますが、区有施設の建て替えに当たっては、区民ニーズと目的を見定め、必要性のある施策の優先順位を見極めて、まちの課題など十分な調査をした上で進めていただくよう求めまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、平和事業と国際交流について。

 来年度の平和啓発事業についてでございます。戦争体験者が少なくなってきている今、これまでの語り継ぐという平和事業の趣旨を尊重しつつ、自ら考えてつくり出すことができるよう、次世代の参加を増やし、より一層の平和行政の推進に取り組んでいきたいと考えております。終戦から80年を迎える来年度において、終戦記念日に合わせて例年よりも拡大した形で区役所1階を活用した展示等の実施を検討しているところであります。

 次に、国際交流、姉妹都市交流に対する私の考えでございます。自治体による国際交流や姉妹都市との交流は、お互いの文化の理解を深めることを通じて、多文化共生意識の醸成、国際平和に寄与する意義があると認識をしております。さらに、次世代を担う子どもたちにとっては、交流事業に関わることで多様性の理解を促進するとともに、外国語への興味や関心を高めることのほか、国際的な視野を広げるきっかけになるものと考えております。

 次に、積極的な国際交流と多文化共生のまちづくりの推進の御質問です。友好都市との関係を深化するとともに、区民の国際理解を深めていくためには、日頃からの交流や取組を通じた関係性の構築と相互の理解が重要であると認識をしております。こうした交流や取組の具体策としては、相互の自治体を行き来するだけでなく、区民や子どもたちが参加できる交流や事業が有効であると考えております。相手先の自治体との情報共有や意見交換を進め、先方の意向も踏まえながら、姉妹都市ほかの関係自治体との関係を深化していくなど、多文化共生のまちづくりにつながる取組に努めてまいりたいと考えております。

 次に、スマートウェルネスシティ取組の経緯についてでございます。区では、この間、子育て先進区や地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいりましたが、ハイリスク層に対する体制整備、こちらを優先的な課題として施策展開してきたところであります。こうしたハイリスク層との関わりを通じ、これからの施策で必要なものは予防的な観点を持ったポピュレーションアプローチであると捉えておりまして、SWCの理念に基づく健康のまちづくりを進めていきたいと考えております。

 SWC実現に向けた民間等との連携についてでございます。今年1月に地域包括ケア推進パートナーシップ協定を創設し、現時点で12事業者と協定を締結しておりまして、事業者による主体的な取組の後方支援や地域包括ケア推進会議への参加などの連携を進めております。先週は、区役所1階で健幸どまんなか市を開催しまして、協定事業者によって健康測定やセミナーなどが行われ、多くの来場者に健康情報を届けることができました。今後は区の事業との連携、協働をさらに進めてまいります。

 次に、健康づくり事業の参加についてでございます。健幸ポイントの実証実験は、ためたポイントをナカペイのポイントと交換する方式でありまして、スマートフォンを使うことが要件となります。慣れない方向けには個別の操作説明などを行い、できる限り多くの方に参加してもらえるように配慮をしてまいります。

 また、SWCの取組としては、健康づくりや介護予防の講座、講習、健幸どまんなか市のようなイベントなど、出かけたくなるコンテンツを創出するとともに、在宅でもオンラインで参加できるよう仕組みも検討してまいります。

 次に、SWCのまちづくりについてです。SWCでは、心地よく歩きたくなる魅力あるユニバーサルデザインのまちづくりや、過ごしたくなる快適空間づくりの観点が重要でありまして、共通理解を持って施策形成していく必要があると認識をしております。それぞれの施策が人々の健康づくりにどのように寄与するかを考えながら、構想として取りまとめてまいります。

 次に、新たなモビリティ及びモビリティ・ハブのイメージについてです。新たなモビリティは、これまでの自転車、バイク、自動車とは異なり、環境に配慮され、個人または複数名で利用できる乗り物と捉えております。また、モビリティ・ハブは、地域内に路線バスや自転車、新たなモビリティ、徒歩等の交通モードを切り替えることができる交通機能が備わった拠点と捉えております。

 モビリティ・ハブの整備と新たなモビリティの導入についてです。モビリティ・ハブの整備検討に当たっては、交通機能のほか、人々が休憩や活動の場として利用する滞留機能、多様な人々が交流する交流機能、区内の周辺施設の案内誘導によりまちの回遊を促す誘導機能等も併せて導入することが考えられます。また、モビリティ・ハブには、バス停のほか、小型モビリティを設置するなど、複数の交通手段を導入することが考えられます。今後は、こうしたモビリティ・ハブの導入について、地域の特性に応じて検討し、区民が出かけたくなり、住み続けられるまちの実現を目指してまいります。

 次に、民間事業者との連携による自転車駐車場の確保についてでございます。令和5年11月の事業者との協定締結以降、令和6年9月に中野五丁目で1か所設置をしております。また、特に中野駅周辺の商店街や店舗等に事業者が説明や交渉を継続して行っているところであります。

 私から最後に、今後の自転車駐車場の確保と周知についてでございます。今後も区と事業者の役割分担の下、地域における買物等の短時間の駐輪需要を勘案しながら、自転車駐車場を設置できるよう努め、区のホームページ等で利用者に情報を提供していく考えでございます。

〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、アウトリーチ活動とCSWについての御質問にお答えします。

 まず、アウトリーチチームの体制強化と財源確保についてでございます。これまでのアウトリーチチームは、すこやか福祉センター及び区民活動センターの職員で構成しておりましたが、来年度からは社会福祉協議会の職員であるコミュニティソーシャルワーカーを加え、伴走型支援や地域づくりを強化してまいります。コミュニティソーシャルワーカーの配置に係る財源につきましては、重層的支援体制整備事業交付金の活用を検討しております。

 次に、地域の課題解決の進め方でございます。地域の課題解決に当たりましては、区と社会福祉協議会が情報やノウハウを持ち寄り、協働して担っていく体制づくりを進めたいと考えております。まず、一つのすこやか福祉センター圏域をモデルとして開始し、その後は段階的に区内全域に広げてまいります。

〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕

○地域支えあい推進部長(石井大輔) 次に、民生委員の活動支援についての御質問にお答えいたします。

 担い手不足の解消に向けた取組でございます。民生委員・児童委員の担い手不足につきましては、中野区だけでなく、全国的にも喫緊の課題と認識しております。担い手不足の解消に向けた対策を講じるため、民生委員・児童委員にアンケート調査を行い、活動内容等についての課題、意見を集約したところでございます。次年度の一斉改選に向けた担い手不足の解消策として、アンケートに基づき活動内容の見直し・改善を図るとともに、活動費につきましても、他自治体の状況も勘案し、増額について検討してまいります。

 次に、円滑な民生委員活動に向けてでございます。電子端末機器の今後の活用につきましては、民生委員・児童委員にアンケート調査を行ったところでございます。活動に効果的な電子端末機器の導入につきまして、アンケートの結果を踏まえ、民生委員・児童委員と検討してまいります。

〔子ども家庭支援担当部長森克久登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(森克久) 私からは、中高生の居場所支援につきましてお答えをいたします。

 まず、中高生の居場所の機能や配置についてでございます。中高生年代向け拠点施設につきましては、中高生年代の利用に限定した施設として、ニーズに応えられるよう広さを確保した、気軽に立ち寄れる居場所でありながら、より中高生の活動・交流・社会参加が促進される拠点となるよう、中高生のニーズに特化した機能を整備していく考えでございます。また、中高生の抱える悩みや課題を早期発見し、様々な関係機関につなぐことができるよう、日常的な関わりの中での相談支援の仕組みを検討してまいります。中高生年代向け拠点施設を中心といたしまして、区内の児童館や子ども関連施設などと連携をしながら中高生の居場所づくりを進めてまいります。

 続きまして、多様な中高生年代への意見聴取についてでございます。これまで、児童館運営・整備推進計画の策定過程における意見交換会での中高生年代からの意見聴取や、ハイティーン会議において参加者自身が居場所に関するアンケートを中高生向けに実施するなど、当事者からのニーズを捉えてきたところでございます。引き続き子どもと子育て家庭の実態調査の実施結果の分析や、中高生年代への意見聴取などを行いまして、中高生年代向け施設に必要な機能の検討を進めてまいります。

 最後に、よりよい中高生の居場所支援についてでございます。居場所がないことは、孤独・孤立と深く関連しておりまして、子どもが生きていく上で居場所があることは不可欠であると認識しております。中高生年代向け拠点施設につきましては、多様な価値観やニーズを持つ子ども自身が過ごしたいと思える機能を備えた居場所であるとともに、生きづらさや困難を抱える子どもにも過ごしやすい居場所となるよう必要な機能の検討を行ってまいりたいと考えております。

○議長(酒井たくや) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 広 川 まさのり

 1 子育て世帯への支援について

 2 多様な家族の在り方について

 3 外国籍妊婦の母子保健サービスについて

 4 マイナ保険証について

 5 感染症対策について

 6 すごしやすいまちづくりについて

  (1)ごみ箱の設置について

  (2)バス停の上屋・ベンチの設置について

  (3)新モビリティについて

  (4)その他

 7 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

○11番(広川まさのり) 2024年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 初めに、子育て世帯への支援について伺います。

 内閣府が行った国際調査によると、日本は、国民の過半数が自分の国は子どもを産み育てやすい国だとは思わないと答えた唯一の国でした。その理由の一つが、教育費が高過ぎるということです。教育費が完全無償のスウェーデンでは、国民の97%が、自分の国は子どもを産み育てやすい国だと思うと回答しています。子ども・子育ての予算を低水準のまま放置してきた政治の責任は重大です。そして今、物価高騰が子育て世帯の家計に深刻な影響を与えており、様々な面からの負担軽減が求められています。そこで、子育て世帯への支援策として3点伺います。

 まず、修学旅行費等について伺います。葛飾区は来年度から子育てに係る経済的負担を軽減し、ゆとりを持って子育てができる環境を整備するとし、その一つとして、修学旅行費及び移動教室費等の無償化を行います。中学3年生を対象とした修学旅行の保護者負担額約8万円と併せ、移動教室や林間学校等を無償とします。きっかけとなったのは修学旅行費の高騰です。物価高騰やインバウンドの増加などで宿泊費や交通費が上昇し、今後費用の増加が避けられなくなったことから、各家庭の経済状況にかかわらず全ての生徒が参加できるように公費で全額負担することにしたということです。

 中野区でも同様に費用の増加が見込まれます。今年度、中学3年生の修学旅行費は約6万9,000円となっています。生徒にとっては一生に1度の経験であり、仮に参加したくても経済的な理由で諦めざるを得ないケースがあるとすれば解消すべきと考えます。誰一人取り残さないを掲げる中野区としても、修学旅行費等の体験学習において、希望する全ての児童・生徒が参加できるよう無償化を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 次に、習い事を始められる、続けられるための支援について伺います。家庭の経済的格差が子どもたちの体験格差に直結することが様々な調査で浮き彫りになっています。中野区の2022年度子どもの生活実態調査でも、生活困難度によって、習い事や学習塾に通わせられるかどうかがくっきりと分かれました。さらに物価高騰の影響などで、それらの費用も過去最高と言われるほど上昇しています。そうした状況の下で、習い事、学習塾を始める、通うための支援が自治体独自で広がっています。中野区としても、家庭の経済的な理由で習い事を諦めざるを得ない家庭に対する支援を検討すべきではないでしょうか。認識を伺います。

 次に、給付型奨学金について伺います。これまでも繰り返し区独自の給付型奨学金制度の創設を求めてきました。実態調査においても、進学する予定のない子どものうち、3割程度が経済的制約を理由として挙げていることが明らかになっています。検討を進めるとしてきましたが、踏み出すべきではないでしょうか。品川区は、保護者の経済状況にかかわらず、子どもの大学進学を支援するため、所得制限のない給付型の奨学金制度を創設する方針を決めました。中野区でも給付型奨学金制度の創設を求めます。改めて区の認識を伺います。

 次に、多様な家族の在り方について伺います。

 今年10月29日、国連・女性差別撤廃委員会は、選択的夫婦別姓制度導入に向けた法改正を求める4度目の勧告を出しました。同委員会は、日本政府が何の措置も取っていないと厳しく指摘しています。共同通信が全国の都道府県知事と市区町村長に実施したアンケートによると、78%が選択的夫婦別姓を容認すると回答しました。さらに、都内の首長8割が制度導入容認とのことです。そこで、改めて選択的夫婦別姓について区長の考えを伺います。

 性的少数者のパートナー関係を公的に認める自治体のパートナーシップ制度で、異性の事実婚夫婦も対象に含める動きが広がっています。選択的夫婦別姓導入までの一時しのぎとして利用するケースも多く、パートナーシップの届出をすることによって、病院での面会や携帯電話の家族割引、住宅購入時のペアローンなど様々な手続がスムーズになるほか、家族を対象とした行政のサービスが受けられるようになります。墨田区のパートナーシップ宣誓制度では、性的マイノリティのカップルに限らず、事実婚の方なども利用できると明記されています。一方、中野区のパートナーシップ宣誓は、その対象を双方またはいずれか一方が性的マイノリティとしています。中野区でもパートナーシップ制度の対象を異性の事実婚にも拡大すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 パートナー2人の関係だけでなく、子どもや親等近親者まで含めた関係性を証明するファミリーシップ制度の導入も進んでいます。届出が受理されると、子育てや福祉、住宅など、利用できる行政サービスが増えます。豊島区も今月1日から制度を導入し、都内で3例目となりました。中野区としても、多様な家族の在り方を支えるファミリーシップ制度の導入を検討してはどうでしょうか。伺って、次の項の質問に移ります。

 外国籍妊婦の母子保健サービスについて伺います。

 入院助産は、保健上必要であるにもかかわらず、経済的な理由により病院または助産所に入院できない妊産婦を対象に、指定の病院等での出産に必要な経費を助成する制度です。児童福祉法第22条に基づいた制度で、中野区内の指定助産施設は松が丘助産院となっています。本制度を必要とする方がきちんと利用できるよう、以下確認も含めて伺います。

 入院助産を利用する場合には申請が必要ですが、中野区ではどこが窓口となり申請や相談を受け付けていますか。各窓口によって対応に差がないようにしていただきたいと思いますが、併せて答弁を求めます。

 入院助産は、国籍や在留資格の種類にかかわらず、収入等経済的条件を満たし、申請時点で中野区に居住していれば住民票の有無は関係なく適用されると認識しています。また、居住継続の意思は、御本人との面談などにて口頭での意思確認ができれば問題ないと認識していますが、いずれの認識にも間違いはないか伺います。

 妊娠健診券や産後ケア事業、ショートステイ、デイケア、アウトリーチも同様に、国籍や在留資格の種類にかかわらず居住実態があれば利用できると思いますが、確認の意味で伺います。

 言語保障について伺います。外国籍の方の中には、日本の出産、育児制度などが十分に伝わっていないことが考えられます。その点を考慮し、一連の関連資料には、やさしい日本語や外国語を併記することが必要と考えます。あわせて、各窓口で相談があった際の言語保障についても検討を深めることが重要と考えますが、区の認識を伺います。

 外国籍の方への現在の対応状況と課題、今後の改善策について見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、マイナ保険証について伺います。

 政府は、12月2日に健康保険証の新規発行を停止し、マイナ保険証の一本化を強行しようとしています。マイナンバー法では、第15条でマイナンバーカードを所持するかどうかは本人の自由で義務ではないとしていますが、マイナ保険証は事実上マイナンバーカードの取得を強要するものです。

 マイナ保険証をめぐっては、別人の情報が登録されるなど問題が多発し、医療現場ではいまだにトラブルが続いています。全国保険医団体連合会が10月に発表したアンケートでは、今年5月以降約7割の医療機関でマイナ保険証、オンライン資格確認に関するトラブルが発生していたことが明らかになりました。マイナ保険証が利用できず、一旦10割負担を患者に請求する事例も起こっています。また、カードリーダーのトラブルでその日の受診を諦めて帰宅し、急性心筋梗塞で亡くなる事例も起きました。マイナ保険証の利用率は1割余りであり、多くの国民がマイナ保険証によるトラブルや個人情報の流出に不安を感じていることを反映しています。国は、マイナ保険証への一体化のメリットばかりを強調していますが、現行の保険証廃止についてどこに問題があるのか、区の認識を伺います。

 愛知県保険医協会が行った子育て世代のマイナ保険証に関するウェブアンケートによると、子どものマイナンバーカードの取得率は32.9%と3人に1人、健康保険証をひも付けしている割合は16.1%でした。一方、子どもを受診させる際、97.3%が現行の保険証で受診していると回答しています。また、現行の健康保険証の新規発行を停止、最低1年後には廃止する予定としていることについて、86.3%が困ると回答しています。さらに、未成年のマイナンバーカードは5年で更新しなければならず、今後更新を忘れて医療機関を受診しトラブルとなることが懸念されています。

 政府は、マイナ保険証の登録をしていない人に対し、ほぼ保険証と同様の資格確認書を交付することにしました。当初は申請した人だけとしていましたが、後に申請不要に、さらにマイナ保険証を持っている75歳以上も対象にするなど対応が二転三転しています。区にとっては、マイナ保険証の登録をしていない人を抽出する作業が発生する事案です。この際、マイナ保険証保有の有無にかかわらず、全ての人に資格確認書を送付すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 マイナ保険証を利用した医療情報の共有にはタイムラグがあることが懸念されています。薬局の薬剤師は、処方箋に基づいて調剤をする際、現在服用している薬剤の情報を参考に、薬の飲み合わせや類似の薬を含む重複投与の有無を確認しています。しかし、現在のマイナ保険証の仕組みでは、集積されるデータが月単位のレセプトの情報となっており、処方された薬剤の情報が反映されるまで最長で6週間程度のタイムラグが発生します。患者さんが別の病気で異なる医療機関に受診した場合、マイナ保険証のみでは直近の情報を確認することができず、出すべきではない薬を処方してしまう可能性があり、命に関わる重大な問題であると考えます。そこで、区としてこうしたタイムラグが起こり得ることについて区民に注意喚起するとともに、現時点ではお薬手帳の利用を推奨すべきと考えます。認識を伺います。

 この項の最後に、短期証についても伺います。マイナ保険証一本化に伴い、滞納者への制裁措置として、保険証の有効期間を短くする短期被保険証の交付については、その仕組み自体が廃止されます。これまでの短期証扱いとされてきた被保険者の人たちへの対応が問われています。強引な取立て、差押えや一律に10割負担となる特別療養費へと回すことなく、滞納者には実態を踏まえた丁寧な対応を求めますが、区の見解を伺います。

 次に、感染症対策について伺います。

 11月22日に発行された直近の東京都新型コロナウイルス感染症情報第34号によると、定点医療機関当たり患者報告数は1.28人となり、5類に移行してから最も少なかった前の週から増加に転じました。過去の感染者数の推移に照らせば、これから第12波となる流行が始まることが想像されます。現在、新型コロナウイルス、オミクロン株の新たな変異株XECが世界的に広がりつつあり、現在主流のKP.3よりも広がりやすく、過去の感染で得られた免疫から逃れる能力も高い株だと言われています。

 まず伺います。新型コロナ感染の次の波が来る時期をどのように想定しているのでしょうか。

 想定される第12波は、これまでと違った特徴があると指摘されています。冬にかけて、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザと、そして統計を開始して以来過去最多の流行となっているマイコプラズマ肺炎の三つの感染症の流行時期が重なるトリプルデミックが警戒されています。さらに複数のウイルスに感染する同時感染も増えつつあります。これら三つの感染症は、前兆や症状こそ異なるものの、予防策は同じで、手洗い、うがい、換気、マスクの着用が大切とのことです。改めて区民に対し感染予防の周知に努めるとともに、再び感染者の増加によって治療薬等の不足が起きることのないよう医療機関と協定を結ぶなど、速やかに医療・検査の体制を立ち上げられるよう備えるべきと考えます。見解を伺います。

 新型コロナ感染症の回復後に続く後遺症については、倦怠感や息切れ、味覚・嗅覚障害、思考力や記憶力への影響など多岐にわたる症状が報告されており、入院した患者1,066例を対象とした追跡調査では、診断から12か月の後でも約30%、およそ3人に1人に後遺症が認められました。長引く症状により、日常生活や仕事、学業などに支障が出ている方も少なくありません。子どものコロナ後遺症も深刻です。全国コロナ後遺症患者と家族の会がウェブ上で行った子どものコロナ後遺症に関するアンケートでは、36.7%が通学できていないと回答、また留年したが7.8%、退学または別の選択肢を選んだが21.1%に上りました。子どもへの丁寧な対応や学びの保障が早急に求められています。

 東京都が「児童・生徒の支援のための新型コロナウイルス感染症後遺症ハンドブック(教職員向け)」を作成し、学校における必要な対応や配慮等を示しています。後遺症で苦しむ子どもたちが取り残されることがないよう、教育現場に周知・理解の徹底を行うべきと考えます。そこで、学校においてコロナ後遺症の症状を有する児童・生徒に対して、教育活動の実施に当たり適切な配慮が行われるよう取り組むこと、また差別、偏見等がないよう適切に指導・理解啓発に取り組むことを求めます。区の認識を伺います。

 新型コロナ感染症及び後遺症について、区としての情報提供・発信については、さらに工夫の余地があると考えます。患者や家族が必要な情報に簡単にアクセスができることが重要です。厚生労働省や東京都のサイトのリンクを貼ることも大切ですが、区独自での情報の発信に努めるようこれまでも求めてきました。その一つとして、区報、区ホームページで、区内で後遺症外来を実施している医療機関リストを掲載してはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、ごみ箱の設置について伺います。

 日本は先進国の中でも公共のごみ箱が少ないと言われています。実際に観光庁の2019年の調査では、日本を訪れる外国人旅行者の困り事の第1位がごみ箱の少なさという結果が出ました。現在、中野区の路上には公共のごみ箱は設置されていません。ごみ箱を設置することについて、ごみを呼んでしまう、増えてしまうという考えもありますが、近年、様々な研究や実証実験によって、ごみ箱を置くことでポイ捨てを減らすことができるということが分かってきました。一部の自治体では、公共のごみ箱数を増やしつつ、最新の技術を使った効率的なごみ管理システムが導入され、都市の清潔さを保つための先進的な取組が進められています。まず、区として、公共のごみ箱設置による効果をどのように認識しているのか伺います。

 IoTを活用したごみ箱、いわゆるスマートごみ箱が注目されています。あるスマートごみ箱は、ごみを自動で圧縮、必要な電力は上部のソーラーパネルの太陽光発電でまかない、外部電源を必要としないため、どこにでも設置でき、さらに搭載した通信機能によりごみの蓄積状況がリアルタイムで把握できるため、効率的な回収が可能となっています。現在、中野駅周辺では大規模な再開発が進行中であり、新しく生まれ変わるまちの景観を清潔に保つことは、区民にとっても、増加するインバウンドや国内旅行者にとっても求められる取組と考えます。区としても、こうした新しい技術を用いたスマートごみ箱の設置を検討してはいかがでしょうか。認識を伺います。

 次に、バス停の上屋・ベンチの設置について伺います。区内には上屋やベンチもなく、看板だけが立ったバス停が多く存在しています。一方、上屋やベンチ、風よけやそれを利用した広告、運行状況などを表示する電子パネルなどが設置されているバス停もあります。かねてからバス停において上屋やベンチの設置を求める声があり、過去に一般質問でも取り上げました。最近でも、特に区民の利用する施設に近いバス停には上屋やベンチの設置をとの要望が寄せられています。例えば南中野では、方南通りに面する南中野区民活動センターに最寄りの停留所では、北側に上屋があるもののベンチはなく、南側には上屋・ベンチはありません。中野通りの南部すこやか福祉センターや、鍋横区民活動センターに最寄りの停留所には上屋もベンチもありません。悪天候でも安心できる待合環境の整備が求められています。

 現在、様々な自治体がバス利用者のバス待ち環境向上やユニバーサルデザイン、バリアフリーを目的として、上屋・ベンチの設置に取り組んでいます。中野区においても、今年6月に策定された中野区地域公共交通計画で、バス・タクシーの待合環境の確保・整備が位置付けられました。条件が整う停留所においては、バス停の上屋とベンチの設置が進むよう関係機関と連携し取り組んでいくべきと考えますが、認識を伺います。

 最後に、新モビリティについて伺います。

 昨年、第3回定例会一般質問において、高齢者の移動支援策という観点で新モビリティの活用を求めました。今般策定された中野区地域公共交通計画において、新技術を活用した移動支援の活性化に取り組むことが示されたことは評価します。多くの自治体で実証実験や体験会など取組が広がっています。今後、区内での体験会など、広く区民に知ってもらう機会を設けてはいかがでしょうか。伺って、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 広川議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、子育て世帯への支援についてで、習い事への経済的な支援についてでございます。経済的な困難を抱えやすい家庭ほど、子どもを習い事に通わせることができない傾向があるということは区としても認識をしております。区は、家庭の経済状況の差が学校外における学習の差につながることのないよう学習支援事業を進めてきたところでありますが、さらなる学習や習い事への経済的な支援については、ニーズや他自治体の取組などを踏まえて研究をしてまいりたいと思います。

 次に、給付型奨学金の検討です。調査の分析においては、子どもの貧困対策に係る検討材料とするため、困窮層、周辺層、一般層の三つの生活困難度に分類をして分析を行ったところであります。生活困難度によって高校卒業後の進学先に関する親の進学期待や子ども本人の進学希望などに差が生じていること、進学する予定のない子どものうち8割が学力不安、3割程度が経済的制約を理由として挙げていることなど、進学や修学に関する現状を把握することができました。調査の分析結果を踏まえ、給付型奨学金制度を含め、進学や修学に向けた支援の在り方について検討を進めてまいります。

 次に、多様な家族の在り方についての中で、初めに、選択的夫婦別姓についてでございます。夫婦が希望すれば、結婚後もそれぞれの姓を名のれる選択的夫婦別姓制度に関しては、私は認めるべきだと考えております。別姓を強制するわけではないので、夫婦で同じ姓を名のりたい人にも不利益はなく、個人の生き方の選択肢が広がることは望ましいと考えております。

 次に、パートナーシップ宣誓制度の対象についてです。区のパートナーシップ宣誓制度は、双方またはいずれか一方が性的マイノリティであり、互いを人生のパートナーとして継続的に協力して日常生活を営むことを約束した2人の者を対象としております。現時点の区のパートナーシップ宣誓制度におきましては、異性の事実婚を対象としておりませんが、他自治体の動向等情報収集に努めてまいります。

 次に、ファミリーシップ制度の導入についてでございます。パートナー2人の関係だけではなく、子どもや親との家族関係を認めるファミリーシップ宣誓制度は、家族の定義が曖昧となっている等の課題がありまして、直ちに導入することは難しいと考えております。今後、利用者の声や国、他自治体の動向も踏まえ検討してまいります。

 次に、外国籍妊婦の母子保健サービスについてで、入院助産の申請窓口についてでございます。入院助産の申請及び相談は、子ども・若者支援センターの子ども・若者相談課が窓口となっております。各すこやか福祉センターや区役所の子ども総合窓口、生活相談窓口などに相談があった際は、各窓口から子ども・若者支援センターへつないで対応しているところであります。

 入院助産の実施要件についてです。入院助産の実施につきましては、妊産婦の属する世帯の経済的状況を満たし、国籍や在留資格の種類、住民登録の有無にかかわらず、申請時点で中野区に居住地があり、出産時点においても中野区に居住する見込みである場合に対象となります。また、居住継続の確認につきましては、妊産婦及び所属世帯の状況調査の際に、申請者からの聞き取りや賃貸借契約書等により確認をし、入院助産を実施しております。

 外国人に対する妊婦健診券の交付と産後ケア事業の利用についてです。妊婦が健診を受診する際に利用する健診券につきましては、妊娠の事実や区内の居住実態などを確認して、支援の必要性が認められれば交付をしております。また、産後ケア事業につきましては、区内に住所を有し、いわゆるかんがるー面接を受けた者を対象としておりますが、住所を有しない場合も、母子に対する支援充実の観点から、居住実態などを踏まえ対象者とする場合もございます。

 なお、健診券、産後ケア事業に共通し、居住実態につきましては、必要に応じて、居住地への訪問や生活状況の聞き取りなどによって事実関係を精査の上、総合的に判断をしております。

 外国人に対する言語の支援についてでございます。母子保健事業に関する各窓口では多言語対応のパンフレット等を備え、相談支援の際には通訳機器を使用するなど対応してまいりました。また、今年4月からは17言語に対応した通訳派遣を導入し、電話、面接、訪問の各形式で支援をしております。現在も希少言語への対応などが課題でございますが、できる限り外国人が必要なサービスを受けられるよう環境の整備に努めてまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 最初に、子育て世帯への支援についての御質問の中から、修学旅行等の無償化についてお答えいたします。修学旅行費は、物価高騰等の影響もあり保護者の負担が増加していることは承知しているところであります。財政的な負担も勘案し、修学旅行費等の保護者負担軽減の取組を検討していきたいと考えております。

 次に、感染症対策についてでございます。新型コロナウイルス感染症、後遺症に対する取組についてです。東京都発行の「児童・生徒の支援のための新型コロナウイルス感染症後遺症ハンドブック」につきましては、令和5年11月に各区立学校に周知しており、適切な対応を行っているところであります。後遺症に悩む児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、引き続き理解促進の取組を行ってまいります。

〔区民部長高橋昭彦登壇〕

○区民部長(高橋昭彦) マイナ保険証についての御質問のうち3点お答えいたします。

 初めに、一体化に際しての区民の不安解消に係る区の認識でございます。区としては、区民に正しい情報が十分に浸透していないことが最も大きい問題だと認識してございます。健康保険証のひも付け誤りの総点検の結果、中野区の国民健康保険や後期高齢者医療保険では誤りは見つかってございません。仮にシステムトラブルによって医療機関の窓口でマイナ保険証が認識できないような事象が発生した場合にも、別の確認手段によって10割負担とならないよう必要な対策を講じているところでございます。今後も、こうした安全確認、またトラブル防止対策が十分に取られていることについて、厚生労働省による広報などに合わせまして、分かりやすく周知に努めてまいります。

 続きまして、資格確認書の加入者全員への送付についてのお尋ねです。国民健康保険法におきまして、資格確認書の交付は電子的に資格確認を受けることができない被保険者のみが対象者とされていることから、マイナ保険証保有者を含めた被保険者全員に資格確認書を交付することは考えてございません。

 続きまして、短期被保険者証廃止後の滞納者への対応でございます。短期証の仕組みにつきましては、保険料滞納者との接触の機会を増やすことを目的として設けられたものでございますが、中野区におきましては、文書等による納付勧奨や相談機会の確保、また保険料の支払い能力に応じた滞納処分による対応を優先してございまして、現時点での短期証の発行は数件にとどまってございます。12月2日以降短期証は廃止されることになりますが、特別療養費の扱いになる場合には、対象者との接触が取れない場合にあっても、弁明の機会を与える文書を送付した上で事前通知を行うこととしてございます。滞納となっても、予告なく特別療養費に切り替えたり、強引な取立てや差押えをするものではございません。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、マイナ保険証についてのうち、医療情報の共有とお薬手帳の利用勧奨についてお答えいたします。マイナ保険証を利用した医療情報の共有にはタイムラグがあることは認識しております。今後、区ホームページ等により医療情報の共有についてタイムラグが生じることを区民に注意喚起するとともに、マイナ保険証への切替え後も引き続きお薬手帳の利用が有効であることについて啓発、広報に努めてまいります。

 続きまして、感染症対策のうち、新型コロナウイルス感染症の次の流行期についてですが、新型コロナウイルス感染症は冬季及び夏季に感染が拡大する傾向があることから、これまでの例に倣えば、今冬も新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する可能性は高いものと考えております。

 次に、感染症流行への備えですが、今後様々な感染症が流行することも考えられることから、マスクの着用や手洗い、ワクチン接種等の基本的な感染予防策を区ホームページやSNS等を活用し周知してまいります。また、感染症が増加した場合にも、治療薬等の不足がないよう、東京都感染症予防計画における医療提供体制整備に基づき、区は東京都と適切に連携し対応してまいります。

 最後に、後遺症外来のある医療機関リストの区ホームページへの掲載についてですが、現在区ホームページにおいて東京都の新型コロナ後遺症ポータルを案内しております。東京都新型コロナ後遺症ポータルは新型コロナ後遺症に関する総合的な情報が掲載されており、中野区以外の感染症後遺症対応医療機関も検索できるため、このシステムを活用することが有効であると認識しております。区ホームページに中野区の医療機関のみを掲載することに関しては、今後、近隣区の動向を見ながら考えてまいります。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) すごしやすいまちづくりについてお答えをいたします。

 まず、ごみ箱設置の効果について、公共のごみ箱の設置は、ごみを正しく捨てることでまちの清潔さを維持し、生活環境を守ることができると考えております。一方で、家庭ごみの投棄や無分別の廃棄、周辺にごみがあふれ出てしまい不衛生になってしまうことや、臭いの問題、また放火など防犯上の問題があるとも考えております。まちの美化につきましては、地域団体等と連携して、清掃美化活動や街頭でのマナーアップキャンペーンを行うとともに、たばこや空き缶等の散乱防止の看板やステッカーをまちの中に掲示をして周知啓発を行っているところでございます。

 続いて、バス停の上屋・ベンチの設置について、バス停の上屋やベンチの設置・管理について様々な手法を検討するとともに、バス事業者、広告つきバス停の設置を専門とする事業者などと協議をし、待合環境の確保に努めてまいります。

 最後に、新たなモビリティの周知について、新たなモビリティについては、シェアサイクル事業者等が様々な開発を進めており、環境への配慮や、高齢者の移動手段の代替等が期待されております。このため、区は協定を締結しているシェアサイクル事業者と連携し、なかのエコフェア等でのイベントを通じて区民に知っていただく機会を設けており、引き続き取り組んでまいります。

〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕

○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、中野駅周辺のごみ箱の設置についてお答えいたします。中野駅周辺では、空き缶やペットボトルの投棄が多いことが課題であると認識しております。まちの環境美化の向上を図るためには、ごみ箱などのハード整備だけではなく、官民連携でのソフト面の取組が重要です。中野駅周辺のまちづくりを契機として、既存の地域団体等と併せて新たな担い手とも連携し、まちの美化向上につなげていきたいと考えております。

○議長(酒井たくや) 以上で広川まさのり議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 沢 ひろゆき

 1 中野区デジタル地域通貨ナカペイの初動と今後について

  (1)ナカペイの初動への評価について

  (2)年度末利用者数見込みについて

  (3)来年度に向けた更なる加入促進施策について

  (4)来年度以降の決済手数料等加盟店向け施策について

  (5)カード型、紙ベースでのナカペイ発行について

  (6)その他

 2 3歳児眼科検診の視力検査方法の変更について

  (1)絵視力検査からランドルト環視力検査への変更について

  (2)その他

 3 路上喫煙禁止地区の拡大について

  (1)区内各駅周辺への速やかな拡大について

  (2)路上喫煙禁止に実効性をもたせるための方策について

  (3)その他

 4 災害時のペット同伴避難について

  (1)ペット同伴避難訓練の状況と課題について

  (2)今後のペット同伴避難訓練の継続的な実施について

  (3)その他

 5 区役所新庁舎のユニバーサルデザイン改善対応について

  (1)トイレの音声案内について

  (2)入口玄関でのチャイム音について

  (3)階段エッジングの色づかいの改善について

  (4)車いすにやさしい自動販売機の設置について

  (5)その他

 6 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、大沢ひろゆき議員。

〔大沢ひろゆき議員登壇〕

○9番(大沢ひろゆき) 令和6年第4回定例会に当たりまして、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問を行わせていただきます。

 質問は通告どおりの5点で、その他はありません。

 まず1点目、中野区デジタル地域通貨ナカペイの初動と今後について伺います。

 ナカペイについては11月1日からサービスが開始されました。当選したことが分かりにくい、支払い操作の手数が多く難しい、今年度はプレミアム付デジタル地域通貨抽選販売のみでチャージができないことが十分に浸透し切れていないなどというような課題はありましたが、システムトラブルなどは発生しなかったという意味合いにおいては、順調なサービス開始であったと評価をしております。今回、サービスを開始するに当たり、先着9万人まで500円を付与するダウンロードキャンペーンを、そして30%プレミアムつきの抽選販売を行いました。これらのキャンペーンのための予算は総額4億5,000万円でありました。

 また、中野区は、2024年8月28日付の文書、中野区デジタル地域通貨事業等についてにおいて、令和6年度の目標として利用者9万人以上、加盟店舗1,000店舗以上という目標を掲げています。加盟店舗は目標達成をしているように見えますが、今年度末のダウンロード数目標の9万人に対し、現時点での実績は4万人を超えた程度と、現状では半分程度の達成状況と聞いています。渋谷区のハチペイが9万人を達成したのは開始9か月後のことでしたので、中野区の状況が悪いというふうに決して言っているわけではないんですけれども、現時点で目標の半分程度のダウンロード数であるということも、これも一つの事実であります。このようなナカペイの初動について、中野区としてどのように評価されていますでしょうか、お答えください。

 11月15日の閉会中の区民委員会において、12月5日から25日までの期間でプレミアム率30%の追加販売を6セット上限、7,777人分実施。抽選となった場合には新規申込者を優先する、また新規ダウンロードの方には1,000円分のポイントを付与するとの追加販売による利用促進策が示されました。補正予算の計上はなされていないので、このキャンペーン内容から推測すると、当初予算であった4億5,000万円のうち、80%から90%を今既に使っていて、おおむね7、8,000万円程度の予算残があるものと推測されます。このキャンペーンが非常にうまくいったとしても、1万ダウンロード程度の上乗せが限度で、このままであると年度末のダウンロード数は5、6万人程度というふうになると私には想定されますが、この点についての区の見解をお示しください。

 また、今後、今年度末目標である9万人の達成のために、さらにどのような追加での加入促進施策を予定していますでしょうか。これは予算の問題もありますので、私は、年度内における追加キャンペーンに加えて、チャージによる利用が始まる来年4月からの追加施策を事前に公表、宣伝することで盛り上げて、来年3月までの事前ダウンロードを促進するなどの施策を行わないと、利用者数9万人の前提となるダウンロード数9万人の目標達成が厳しい状況ではないかというふうに思いますが、どのような御認識でしょうか。区の見解及び計画をお示しください。

 一方、今回加盟店舗数については、既に目標を達成しているものと思われます。これまで二次元コード、いわゆるQRコード決済を導入していなかった地域の個人店舗なども多く加入し、デジタル化促進に一定の効果があったと評価します。今回二次元コード決済そのものを初めて導入した店舗にお聞きすると、そのポイントとして決済手数料が無料であること、お店側がポップを置くだけで手間がかからないことを挙げるケースが多く、一方、それでも導入しないという店舗は、その理由として、入金スパンが2週間かかることを挙げるケースが多かった、こんな事実があります。せっかくの加盟店舗を確保し、さらに拡大するためには、少なくとも地域の小規模店舗、商店街加盟店舗等については、来年度以降も決済手数料の無料化が重要であること、また、入金スパンをより短縮することが有用であると考えますが、区の見解を伺います。

 続きまして、私が本年2月の予算特別委員会総括質疑の際において伺ったカード型、紙ベースでのナカペイの発行について伺います。カード型、紙ベースのナカペイの発行には二つの意味があると思っています。一つは、デジタルデバイドの解消という意味合いです。今回のナカペイの導入に当たっても、特に独居の方や高齢者世帯の方など、高齢者の方を中心にスマートフォンアプリでの利用は厳しいとの声が上がっています。スマートフォンをお持ちの方には私も行きつけのお店などで数多くのダウンロードの仕方をお伝えしたりしてきましたけれども、そもそもスマートフォンを持っていないという方も多くいました。

 私は、本年2月の予算特別委員会総括質疑の場において、総務省による令和4年通信利用動向調査によると、日本のスマートフォンの保有率は77.3%、全体で77.3%ですが、70歳代は60.6%、80歳以上は27.3%、70%以上の方が持っていないというふうになっているので、高齢者の方を中心に、まだまだ多くの方々がスマートフォンを保有していないのが実情であること、その中で自治体としてデジタル地域通貨を立ち上げるのであれば、デジタルデバイドをなくす方法での導入が望ましいこと、そして具体的には、カードや紙ベースでの二次元コードの発行によりシニア世代が使いやすい仕組みを導入することを提言いたしました。二次元コードの読み取りをお店がやらなければならない分お店の手数が増えるので、全ての店舗での導入は難しいと思いますが、少なくともスーパーやコンビニなどでは可能ではないかというふうに考えます。

 そして、もう一つの意味合いとしては、区が給付金などを支給する際に、カードや紙ベースでナカペイの二次元コードを発行し、利用者がこれをスマートフォンで読み取ることにより、ナカペイとして利用できる、こんな仕組みを導入することです。ナカペイで支給する際には一定のプレミアムをつける等のメリットを付与することによりナカペイの利用につながれば、結果、区内経済の活性化に寄与させることができるという側面もあると考えます。本年2月の予算特別委員会総括質疑で、カードの発行も可能としたプラットフォームを構築する予定でございますと答弁いただいて以降のカードや紙ベースでのデジタル地域通貨の発行についての検討状況をお答えください。

 続きまして2点目は、3歳児眼科検診の視力検査方法を変更することについてです。

 弱視は視力の発達障害であり、早期に発見し治療する必要があります。日本では、1991年から母子保健法の下で弱視等の早期発見を目的とした3歳児眼科検診が行われています。この3歳児眼科検診における検査方法としては、絵指標またはランドルト環が使用されていますが、医師会での研究によれば、ランドルト環視力検査の不合格者のうち、18%が弱視症例として確認されております。18%というかなり高い比率が確認されております。

 一方、中野区医師会が研究した結果として、精密検査が必要であった受診者の医療機関での疾患判断と判定において、絵視力検査合格群と不合格群との間では有意差がありませんでした。検査方法は区が指定できることとなっており、千代田区などは既に絵指標からランドルト環に移行しています。今回の中野区医師会の研究結果を踏まえ、中野区における3歳児眼科検診の方法を絵指標からランドルト環へ変更することにつき中野区として検討を行うべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 続きまして3点目は、路上喫煙禁止地区の拡大についてです。

 前定例会において、路上喫煙の禁止地区を現在の中野駅北口周辺だけでなく、区内鉄道各駅周辺に拡大することについての陳情が全会一致で可決されました。審査を行った建設委員会において調査いただいた東京23区の状況としては、9区が区内全域で路上喫煙を禁止しているのをはじめ、12区は複数地区で路上喫煙禁止地区を設定しています。1か所のみの設定である中野区は、区内に路上喫煙禁止地区を設定していない練馬区に次ぎ、23区で2番目に路上喫煙に関する禁止が緩い区であるというふうに言えます。今回の可決を受けて、屋外における受動喫煙防止対策について整理を行った上で、速やかに区として路上喫煙禁止区域を区内鉄道各駅周辺に拡大すべきであると考えますが、区の見解をお示しください。

 また、拡大に伴う課題があればお示しください。

 さらに、併せて実効性を担保するための民間喫煙所設置補助制度の制定、過料の制定などについての検討体制及び検討状況をお示しください。

 4点目は、災害時のペット同伴避難についてです。

 本年第2回定例会において、ペット同伴避難所の設置検討についての陳情が全会一致で可決されました。その際、私も賛成討論をさせていただきました。審査を行った危機管理対策等調査特別委員会において調査いただいた先進自治体の例を見ますと、同伴避難所については、いずれも一般の避難所とは独立した専用の避難所、または同一の施設であってもフロアが分かれているなど、動物アレルギーを持たれている方にも配慮された運用がなされていることが伺えました。久留米市の例で言うと、家族単位で10平米の独立したテントが配備されているような状況です。

 現在の中野区の避難所においては、東京都の最低基準である2人当たり3.3平米を満たすことを目指して避難所が整備され、現在は災害対策の強化等の成果もあり、最大避難想定の避難が生じた場合でも、1人当たり3平米の広さが確保できている状況となっていますが、1人3平米ということはすなわち1坪ということでございますので、床に布団を敷いて雑魚寝をして寝られる程度の広さでもあり、第2回定例会の一般質問においても質問申し上げ、今後検討する旨区長からも回答を頂いたように、寺社などの民間施設を避難所として活用することも含め、さらなる避難所の充実が必要な状況であると考えております。

 このような状況の中、今回、ちょうど4日前、今週の日曜日、11月24日の日に第七中学校で行われた中野区総合防災訓練において、初めて同伴避難試行訓練がエアーテントを用いて実施され、私も伺いました。スペースの課題を解決しながら、ペットにアレルギーのある方などと分離をして同伴避難を可能とする方法として、中野区のように人口密度が高く使用可能な土地が多くない地域においては有効な方法の一つであるとも思います。

 そこで伺います。今回の避難において、どれくらいの方が同伴避難者として参加されましたでしょうか。

 また、その方々の感想、そして一般の避難者の方々の感想、これはどのようなものでしたでしょうか。

 エアーテントを用いた同伴避難について、訓練で判明した課題がありましたらお答えください。

 さらに、今後の避難訓練においても同様の試行訓練を継続的に実施すべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 最後、5点目は、区役所新庁舎のユニバーサルデザイン改善の対応についてです。

 5月7日の新庁舎開設以降、外国人学校の生徒さんたちであったり、ユニバーサルデザインマップを作ってくださっている区民の皆様、視覚障害を持たれている当事者の皆様などを新庁舎に御案内してきました。これらの結果を受けて、7月に区役所新庁舎のユニバーサルデザインについて18点ほど改善事項を指摘させていただきました。その中には、表示の改善など工事を含むものもございましたので、比較的短期間での実現が可能と考えられる4点について、現在の進捗状況を伺います。

 まず1点目は、トイレの音声案内の音が小さく分かりづらいという点です。

 続きまして2点目は、入り口玄関でのチャイム音をつけること。これは旧庁舎ではあった機能です。

 さらに3点目は、階段のエッジングが黒やグレー系統の同系色で見にくいので、黄色のゴムを設置する等視力の弱い方への配慮です。

 そして4点目は、区役所内に車椅子に優しい自動販売機を設置することです。これについては、中野区内でもなかのZEROホールなどには設置されている状況ですので、ユニバーサルデザインの見本となるべき区役所に1台もないのは不自然であるように感じます。

 以上、新庁舎のユニバーサルデザインに関する課題のうち、大がかりな工事等を伴わずに実行できる事項4点についての現在の検討状況及び実施状況を伺います。

 以上で、私からの全ての一般質問を終えます。御清聴いただきありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大沢議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、中野区デジタル地域通貨ナカペイについて、まず初めに、ナカペイ初動期の評価でございます。区内中小事業者のキャッシュレス化の促進、ナカペイの認知度向上と利用者拡大を意図して、加盟店舗数と利用者数の目標を設定し公表したところであります。11月26日現在の加盟店申請数は1,180件、アプリの登録者は4万3,074人で、店舗や利用者に影響のあるシステム障害や不正利用などの大きなトラブルは生じておらず、初動としては評価できるものと考えております。

 ナカペイの年度末利用者数の見込みです。加盟店舗が増えている中で、プレミアム付ナカペイの追加販売やダウンロードキャンペーンのポイントアップ、広報の工夫などによって、年度末までに利用者数を6万人から7万人程度まで増やしたいと考えております。

 ナカペイのさらなる加入促進策でございます。来年度予算において、コミュニティポイントの導入やプレミアム付デジタル地域通貨の発行などを検討しております。プレミアム付ナカペイの追加販売やダウンロードキャンペーンのポイントアップと併せて、通常チャージの開始や来年度の取組について、運用状況を踏まえて効果的な時期を見極めながら広報するとともに、様々な取組を通じて、加盟店舗のさらなる拡大と利用者の増加に努めてまいります。

 来年度以降の決済手数料などの加盟店向け施策でございます。来年度については決済手数料は徴取しない方向で検討しております。入金スパンにつきましては、事業者等の意見を踏まえ、様々な点を考慮した上で2週間に設定したものであります。期間を短縮すると精算手数料等が純増となりまして区の財政負担が大きくなることから、当面見直すことは考えておりません。

 次に、カード型、紙ベースでのナカペイ発行です。二次元コードが記載されたカードで店舗で決済できる仕組みにつきましては、店舗側に二次元コードを読み取る機器を設置する必要があるため、中小事業者では費用負担が大きく、また異なるオペレーションとなることを懸念する声もあることから、導入していないものでございます。

 御高齢の利用者に対しては、コールセンターを常時設置することに加え、都度、購入・操作サポート窓口を開設するなど工夫しているところであります。ナカペイの運用としては、基本的にカード型や紙媒体の活用は考えておりません。

 一方で、近い将来を見据え、区の給付事業等でカードを発行し、そのカードに記載されている二次元コードを利用者がスマートフォンで読み取ることでナカペイとして利用できる仕組みについてはシステム上対応可能ということでございます。

〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、3歳児眼科検診の視力検査の方法の変更についての御質問にお答えいたします。国や医学会における3歳児眼科検診の指針等では、ランドルト環を基本とした検査方法が示されておりまして、今後医師会とも協議、検討を進めてまいります。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 路上喫煙禁止地区の拡大についてお答えをいたします。路上喫煙禁止地区の区内各駅への拡大について、区では、現在、人通りが多く周囲への歩行者へのやけど、衣類の焼け焦げなどの危険性が高い中野駅周辺を路上喫煙禁止地区に指定しているところでございます。今後は庁内関係部署と連携をしながら、受動喫煙防止の観点も含め路上喫煙禁止地区の指定について検討してまいります。

 続いて、路上喫煙禁止地区の拡大に伴う課題について、路上喫煙禁止地区では、歩行者の通行量や子どもへの配慮などが必要となる一方、喫煙者への対応も必要であると認識をしております。路上喫煙禁止地区の拡大に当たりましては、禁止地区の範囲や喫煙所の設置など様々な課題があると考えております。

 最後に、民間喫煙所設置補助と過料制定の検討について、現在庁内関係部署が連携しながら、民間喫煙所設置補助制度を含めた受動喫煙防止対策に対する方針を検討してございます。路上喫煙禁止地区での喫煙者に対しては、喫煙マナーの意識向上を図っていくことが重要であると考えているため、過料を科すことについては現在考えてございません。

〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕

○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、災害時のペット同伴避難についてお答えいたします。初めに、ペット同伴避難訓練で判明した課題についてでございます。今回のペット同行同伴避難訓練では、約40人、犬40頭の参加でございました。ペットを飼っている区民、飼っていない区民ともに、エアーテントが避難場所である体育館等と離れているため、ペットの臭いやアレルギー、鳴き声の心配がない、また、ペットはエアーテント内に避難できることも望ましいといった意見がある一方で、夏や冬など、季節によってはエアーテントの環境が心配という意見もございました。エアーテントを用いましたペットの同伴避難訓練で判明した課題につきましては、夏や冬の時期における温度等の環境面や、避難者数に応じたスペースの確保に課題があることが判明したところでございます。

 続きまして、今後のペット同伴避難訓練についてでございます。現在、区は、ペットの同伴避難所の設置につきまして検討しているところでございます。また、今回のペット同行同伴避難訓練における課題を踏まえまして、今後も引き続き獣医師会等と連携を図りながら、訓練の実施についても検討してまいります。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、区役所新庁舎のユニバーサルデザインに関する質問にお答えいたします。初めに、トイレの音声案内の音量についてでございます。音声案内の音量調整につきましては、障害者団体からの要望等もございましたので、聞き取りやすい大きさの音量まで上げることとし、既に対応したところでございます。

 次に、正面玄関のチャイム音についてでございます。新庁舎は、関連法令に基づき、音声案内装置により正面玄関を案内できているものと考えてございます。一方で、チャイムが必要という御要望もあったことから、チャイム音機能を設置する方向で検討を行っているところでございます。

 続いて、階段エッジングの色についてでございます。関連法令に照らし合わせ、安全性を確保できているものと考えてございますが、今後の利用状況を見極め、是正が必要と判断した場合は適切な対応を講じてまいります。

 最後に、車椅子利用者に配慮した自動販売機の設置についてでございます。新庁舎に設置している自動販売機は3年間の貸付契約により設置してございます。現在契約期間中であり、公募条件として示していないため、契約期間の途中で交換することは難しいと考えてございます。車椅子の方への配慮も必要であることから、次回の公募の際に検討してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で大沢ひろゆき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いのつめ 正 太

 1 高等教育の修学支援について

 2 DX推進について

 3 デジタル地域通貨事業について

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、いのつめ正太議員。

〔いのつめ正太議員登壇〕

○12番(いのつめ正太) 令和6年第4回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告どおりで、その他はありません。

 初めに、高等教育の修学支援について伺います。

 昨年も同様のテーマについて伺ったところですが、その際は令和4年度子どもの生活実態調査の分析結果を踏まえた上で検討していくとの御答弁を頂きましたので、まずは当該分析結果について確認いたします。

 本調査は、高校2年生年代の子どもとその保護者を対象に行われました。生活困難度を低所得、家計の逼迫、子どもの体験や所有物の欠如の3要素から捉え、中野区の16歳から17歳における生活困難層は、2要素以上該当する困窮層が5.9%、1要素のみ該当する周辺層が14.4%の計20.3%となります。生活困難度は年齢に比例して高くなる傾向がある一方、子育て支援や修学支援、学習支援は義務教育修了年齢までとなっているのが現状です。

 進学に関する項においては、子どもの進学希望、進学予定と保護者の進学期待から単純計算で算出される乖離が7.6%となり、進学を諦めている、もしくは不安に思っている子どもが一定数存在することが推察されています。その理由として、8割が学力不安、3割が経済的制約を上げていることから、学力面、経済面それぞれへ作用する修学支援の必要性を痛感しました。まず、当該分析結果を踏まえ、区としての課題認識を伺います。

 中野区では、令和6年度より高校入学支援金が始まりました。経済的な困難を抱える家庭に対して、進学に対する経済的な負担や不安を軽減する策として評価をいたします。一方で、対象や期間が限定的である点から、教育費支援としては不十分な側面もあるのではと懸念するところです。大和総研金融調査部主任研究員が発表した分析によると、都内子育て世帯の年収中央値は2017年の799万円から、2022年には986万円へと上昇しており、5年間で23.4%も上がっております。

 保育所の増設や共働きの割合が増えたから子育て世帯の働きやすさが改善されてきたというポジティブな分析がある一方で、一定以上の高収入でないと子どもを安心して育てられないという共通認識が広がりつつあると警鐘を鳴らす声もありました。後者の声には私も共感するところで、教育費や不動産コスト、生活費など支出の増加が特に顕著な東京23区においては、生活困難層のみならず、一般層の子育ても非常に厳しい状況にあると言わざるを得ません。

 子育て世帯を取り巻く状況を踏まえ、東京23区でも給付型奨学金をはじめとした独自の教育費支援制度を導入している自治体は年々増加をしており、品川区は令和6年度より100名を対象に、所得制限を設けない独自の給付型奨学金制度を新設しました。中野区では、子どもの貧困対策として生活困難層向けの制度が少しずつ充実してまいりましたが、中所得以上の世帯を含む一般層にその支援の輪は広がっていません。決して経済的余裕があるとは言えない中で、懸命に子育てに励みながらも制度からこぼれ落ちてきた層、特に中所得世帯に対して今こそ力強い支援が必要です。中所得世帯を含めたより多くの子どもたちに支援を届けるためにも、給付型奨学金制度など独自の教育費支援を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、既存の子育て支援や修学支援、学習支援における所得制限を撤廃するなど、支援の対象を広げてはいかがでしょうか。併せて伺います。

 中野区で実施している学習支援事業は、対象を義務教育修了年齢までとしており、高校生以上年代には現状リーチできていません。学力不安を抱える子どもは高校生年代以上にも多く、本調査においてもニーズの高さが示唆されています。学力面で不安を抱え進学を諦める子どもの可能性を広げるためにも、学習支援事業の高校生年代への拡充を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、居場所事業に関する子どもの回答の中では、「家で勉強できないとき、静かに勉強できる場所」が生活困難層、一般層のいずれでも最も高い割合で「使ってみたい」とされました。直接的な学習支援以外でも、そうした勉強場所を提供することで子どもの学習への後方支援になると考えます。高校生年代以上がアクセスしやすい勉強場所を含む居場所事業を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 ここまで取り上げた事業はいずれも現在の中野区では実施されていないものですが、平成20年に廃止されるまでは独自の奨学金制度がありました。当時の会議録を遡ると、都や国、民間の類似制度充実が廃止理由の一つとして挙げられておりますが、本調査における教育費支援に関する項では、生活困難層においても、約3分の1がそうした制度を利用できていないとされています。利用したいが条件を満たしていないといった回答が一定割合あることから、関心があるものの利用できない、現行制度からこぼれ落ちている層があることは明白です。

 先般述べた区独自の制度でそうした層をすくい上げるほか、進路相談や情報提供など子どもや保護者と制度をつなぐ橋渡しが必要と考えます。明確な目的がないまま、何となくではなく、就業など目的に至るまでの手段の一つとして高等教育を選択できるよう、子どもが気づきやきっかけを得る機会を増やすことが肝要です。進路相談を専門に扱う民間プラットフォームや、進路指導のノウハウやデータを蓄積している学習塾への協力要請を含め、相談やプッシュ型の情報提供ができる取組を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 まさに子どもから大人になろうとする過渡期にある高校生年代は、高等教育、就職と、まさに無限の可能性がある一方で、様々な要因によって選択肢が狭められてしまうことが往々にしてあります。そうしたボトルネックと一つひとつ向き合いながら、全ての子どもが教育機会を含むあらゆる可能性を自由につかみ取ることができる子育て先進区を引き続き目指していただくよう要望いたしまして、本項の質問を終わります。

 続いてDX推進について伺います。

 中野区では、第2次中野区地域情報化推進計画に沿って、DXを含むデジタル化を進めているところですが、計画期間が令和7年度までとなっていることから、来年度には改定が予定されております。デジタル技術の活用はあらゆる地方自治体において命題であり、今後さらに力強く推進していくことが必要と考える一方で、その先にある目的が希薄であることから、うまく進まなかった事例も多くありました。総務委員会で報告された改定に向けた考え方では、デジタル技術をなぜ活用するのかという点にはフォーカスされておりませんでしたが、明確な目的は今後改めて示す必要があると考えます。以上を踏まえて、まずはDX及びデジタル政策に関する区としての方針を伺います。

 また、地域情報化推進計画からDX推進計画に変わるに当たって、アップデートが必要な点も出てくるかと思いますが、現時点における区の見解を伺います。

 令和5年9月より事業を開始したGovTech東京は、システム開発やコンサルティング、プロジェクトマネジメント、人材シェアリングなど、包括的な支援を通じて、市区町村を含めた東京全体のDXを効果的に進めるための新たなプラットフォームとして設立をされました。市区町村DX以外にも、デジタル基盤の共通化やデジタル人材確保、データ利活用推進など、幅広いサービスが展開されており、利用自治体も増えてまいりました。GovTech東京について、中野区における現在の活用状況を伺います。

 また、今後の活用予定があれば併せてお示しください。

 GovTech東京が展開する事業のうち、人材紹介サービスとしてGovTech東京パートナーズがあります。実際に手を動かすプログラマーをはじめ、専門スキルを持つ人材から、上流工程まで精通したシステムエンジニア、マネジメントや立案に特化したキャリア経験者など幅広い人材が既に300人以上登録をしており、志向や求める役割などをヒアリングした上でマッチした求人情報を紹介するとのことで、市区町村のデジタル人材に大きく寄与するのではないかとニュース等でも取り上げられました。

 令和6年度11月時点での実績は、4自治体4名のマッチングということで余裕はありますが、いずれの自治体においてもデジタル人材確保は喫緊の課題であり、今後も求める人材が確保できるとは限りません。特に、立案や要件定義を含む上流工程に精通した人材は市場的にも需要が高く、民間含め常に不足している状況です。加えて、今後需要が高まると、活用したくてもできないという状況も想定されます。まずは相談からという使い方もできますので、GovTech東京パートナーズを活用したデジタル人材確保を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 また、デジタル人材育成においても東京デジタルアカデミーを展開しており、一般職員のデジタルリテラシー向上に利用できる初歩的なものから、組織におけるDX推進に資する専門的なナレッジがアクセスしやすくまとまっており、関係者向けのページでは、市区町村職員が互いに学び合うラーニングコミュニティが設置されています。リスキリングプログラムも充実しており、幅広いレベルの職員のデジタルスキル向上に資する内容であると考えます。庁内DXが進み、職員全体のデジタルスキル底上げが求められる中で、東京デジタルアカデミーの活用を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 令和6年度7月より、一部職員にライセンスを付与し活用してきた生成AI、Copilot for MS365について、2か月間の検証結果が報告されました。機能ごとに差はありますが、多くの利用者が生成AI活用による時間削減効果を実感しており、試行として一定の成果が出ている点を評価いたします。一方で、一部ライセンスを付与されていても活用できなかった職員がいるなど、一定の課題があると考えますが、当該検証結果を踏まえて区としての課題認識を伺います。

 Copilot for MS365は、Officeをはじめとした他のマイクロソフト製品との連動が強みとされていますが、全機能がリリースされているわけではなく、今後も大きなアップデートを控えております。日々更新される機能もある中で、効果検証に活用できるような正確で定数的なデータを収集するためには、多くの人的、金銭的、時間的コストがかかります。そこに重きを置くのではなく、短い時間と短い期間で試行と改善を繰り返すアジャイルマインドの下、生成AIの可能性を広げ、パフォーマンスを高めていくことが肝要と考えます。ライセンス数は据置き、利用者を入れ替えることで、さらなる有効活用を目指していくこととなりますが、今後進めるに当たって、ユースケースの作成など活用の幅や可能性を広げるための施策を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 自治体システムの共通化・標準化を控え、今後さらにDXの選択肢は広がってまいります。区民のためにその先に見据えるべき目標・目的は何かを決して見失うことなく、効果的かつ的確なDXを引き続き推し進めていただくよう要望し、本項の質問を終わります。

 最後に、デジタル地域通貨事業について伺います。

 令和6年11月に中野区デジタル地域通貨ナカペイがリリースをされ、1か月弱がたちました。令和7年度に通常チャージやコミュニティポイント事業の開始を控えて、まさに今がスタートラインに立ったところであります。分析をするほどの実績データはないとはいえ、実際に動き出して改めて見えてきた部分は少なからずあると推察いたしますが、区として現段階での状況認識を伺います。

 私の周りにもナカペイを使い始めた方が複数名いらっしゃり、使用者の生の声が届いております。プレミアムつきの抽選結果がメールやお知らせに来ないため、気づくのに時間がかかったという御意見には個人的にも共感するところで、常にアンテナを張っておかなければ、当選したことに気づかない方や忘れてしまう方もいるのではと感じました。また、一部店舗で併用払いでないと決済ができないという未確認のバグも幾つか報告されています。UI面では、使用時に使うボタンが分かりにくい、押下がしづらいといったお声もあることから、そうした細かな課題についても整理や対応が必要と考えます。

 これまでの報告の中では、機能追加等の発展的な内容については触れられている反面、システム面での改善については明確な記述がございません。利用者からのフィードバックに対応するためのシステム面での改善について、区の考えを伺います。

 ナカペイの利用店舗は、大型チェーンから中小店舗まで多岐にわたり、さらなる拡大を目指していくことと思います。一方、セルフレジ店舗では、利用の際に店員さんを呼んで金額を確認してもらう必要があるなど、セルフレジでの運用には課題が散見されました。セルフレジへの対応はシステム改修が必要で、導入する店舗側に負担が必要であることから、コストのかからないQRを読み込んで金額を手入力するユーザー読み取り方式で初期導入したことは理解するところです。反面、導入する店舗側でコストのかからないユーザー読み取り方式が利便性が高く、人のチェックを介さずにセルフレジで決済ができるユーザー表示方式かを選ぶことができれば、利用店舗の拡大に加え、利便性向上による利用者の開拓にもつながるのではないかと考えます。ナカペイの可能性を広げるためにも、ユーザー表示方式を導入時に店舗側で選択できるようにしてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、区内に実店舗を構えるお店が展開するECサイトで利用ができれば、現在とは異なる区内外の経済圏への波及が期待できます。利用店舗、利用者の拡大に向けた手段の一つとして、オンライン決済への対応を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 令和8年度以降の検討課題として、給付事業への活用に向けた個人情報の認証が挙げられていました。個人情報の認証が実装されることで新たに実現可能となることは給付事業以外にも多くあり、例えば送金機能はグループ間の金銭的やり取りで利用されるなど、ナカペイへの追加を望む声もありますので、そうした機能拡張についてはまた別の機会に質問をさせていただければと思います。

 デジタル地域通貨におけるプレミアム事業は、リリース直後の火つけ役として大きな効果が期待できますが、継続的に行うことは費用面、また効果面からも望ましくありません。強固なプラットフォーム構築のためには、さきに述べた利用店舗、利用者の開拓のほか、プレミアム事業がなくとも恒常的に利用したくなる動機付けが必要不可欠です。高いレベルの利便性は前提として、区内産業の応援やシビックプライドの醸成など、ナカペイ特有の魅力や意義について、広報・周知の強化を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 先般述べたように、プレミアム事業を継続的に行うことが難しい中で、ナカペイの一定程度の自走を図る意味では、事業内における歳入確保が肝要です。区内事業者、利用者のみならず、サービス自体も含めて、3者がウィン・ウィン・ウィンとなるような経済的好循環を生むことで、事業自体の持続可能性にもつながると考えます。これまでも議論されてきたことかと思いますが、事業内の歳入確保に資する取組について検討状況を伺い、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いのつめ議員の御質問にお答えいたします。

 まず、高等教育の修学支援についてで、調査の詳細分析を踏まえた課題認識についてです。調査の分析におきましては、子どもの貧困対策に係る検討材料とするため、困窮層、周辺層、一般層、この三つの生活困難度に分類して分析を行いました。生活困難度によって、高校卒業後の進学先に関する親の進学期待や子ども本人の進学希望などに差が生じていること、進学する予定のない子どものうち8割が学力不安、3割程度が経済的制約を理由として挙げていることなど、進学や修学に関する現状を把握することができました。子どもの生まれ育った環境によって進学を諦めることがないよう、進学や修学に向けた支援の在り方について検討を進めていく必要があると認識をしております。

 区独自の修学支援と支援制度の所得制限です。調査の分析結果を踏まえ、給付型奨学金制度を含め、進学や修学に向けた支援の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。また、調査においては、様々な項目に関し、困窮層のみでなく、周辺層においても生活困難な状況が生じている傾向が見られました。所得制限の撤廃など、中間所得層も含めた子育て支援の在り方については、区の財政負担も含めて検討を進めてまいります。

 学習支援事業の高校生年代への拡充についてです。学習支援事業の対象学年につきましては、令和5年度に小学5年生、令和6年度に小学4年生と段階的に拡大してきたところでありますが、さらなる拡大については、これまでの取組の効果やニーズを踏まえ、今後検討してまいります。

 次に、子どもの勉強場所についてです。区は、図書館や児童館などの区有施設の一部を活用して、子どもたちが静かな環境で集中して学習できる子ども専用の学習スペースの設置を進めているところであります。今後も、子どもに関する施設の新設や、区有施設の利用状況などを踏まえ、さらなる場所の拡充に向けて検討してまいります。

 次に、支援制度の情報提供についてです。高等教育に関する支援制度など、義務教育終了後の支援に関する情報を届ける仕組みをつくることは重要であると考えております。今後提供するべき情報の内容や提供の方法など情報提供の在り方について、地域の関係機関と情報交換を行いながら検討してまいります。

 次、DX推進についての項で、地域情報化推進計画の改定についてです。(仮称)DX推進計画として、区民サービスの向上、地域の活性化や行政運営の効率化に向けて全庁的なDXを推進するために、職員が共通で持つべき基本方針、理念を示すことを考えております。あわせて、区として取り組むべき重点取組事項をアクションプランとして示してまいります。改定に当たっては、アンケート調査等を実施し、区民、事業者、職員の意見を反映した計画としたいと考えております。

 GovTech東京の活用状況及び今後の活用予定についてでございます。現在電子申請サービスや電子調達サービス、電子契約サービスを活用しているほか、児童福祉司との緊急連絡用にチャットサービスを共同調達しております。このほか、デジタル技術を活用した業務効率化等について、随時相談可能なスポット相談も活用しております。来年度は新たに学童クラブの利用申請書を電子データ化するためのAI-OCRツール、これの共同調達に参加する予定でございます。

 次に、GovTech東京パートナーズを活用したデジタル人材の確保についての御質問です。DXの推進に向けたデジタル人材の確保は重要であると認識しておりまして、これまでもICT高度専門人材やICT職の採用を行ってまいりました。今後の区のDXを推進していくために必要な体制構築、人材確保については、本サービスの利用を含めて検討してまいります。

 東京デジタルアカデミーを活用したデジタル人材の育成についてです。当該アカデミーへの区職員の参加については、令和4年度のサービス開始当初から行ってきたところであります。当該アカデミーのアーカイブ動画視聴等によって職員のDXに関する知見の向上が見込まれることから、さらなる活用を検討してまいります。

 次に、Copilot for MS365の課題認識についてでございます。この間の検証では、積極的に活用を図る職員がいた一方、様々な理由から活用できなかった職員が一部いたことが明らかとなりました。こうしたことから、今後は活用に意欲的な職員を公募してライセンスを付与し、これらの職員で再検証を半年間程度実施し、結果を取りまとめてまいります。

 次に、Copilot for MS365の活用を広げるための施策についてでございます。今後実施する再検証においては、アンケート調査等により実際の活用事例を収集し、随時ユーザーに共有していく予定であります。また、活用事例は活用事例集として取りまとめ、継続的に内容を充実させるなどバージョンアップを図り、業務効率化に向け職員の利活用が活発化するよう内容にも工夫を凝らしていく考えでございます。

〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕

○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、デジタル通貨事業についてお答えいたします。

 まず、ナカペイの現況認識でございますが、11月26日現在の加盟店申請数は1,180件、アプリの登録者数は4万3,074人で、店舗や利用者に影響のあるシステム障害や不正利用など大きなトラブルは生じておらず、初動期としては評価できるものと考えております。一方で、アプリ内での操作方法や3Dセキュアに対応していないクレジットカードで決済する場合の問合せが多く寄せられており、コールセンターや購入・操作サポート窓口の開設などにより対応しているところでございます。

 次に、ナカペイのシステム改善の考え方でございます。民間の決済アプリと異なり、地域通貨アプリであることにより一定の制約はございますが、区に寄せられている意見や要望を踏まえながら、技術的に対応可能なものについては、費用対効果や優先順位を考慮した上で順次改善してまいります。

 次に、ナカペイの決済方式でございます。中野区のデジタル地域通貨事業は、区内の中小事業者のキャッシュレス化を進めることを目的の一つとしております。御提案の、人を介せずにセルフレジで決済できるユーザー表示方式を導入することは、多くの中小事業者では費用負担が大きく、また異なるオペレーションとなることを懸念する声もあることから、導入していないところでございます。また、現行のユーザー読み取り方式とユーザー表示方式を店舗が選択できるようにすることは、店舗ごとに決済方法が異なることとなり、御高齢の方など利用者に混乱を招く可能性があることから、当面は導入することは考えていないところでございます。

 次に、ナカペイによるオンライン決済でございます。ナカペイでオンライン決済をできるようにするためには、個人情報の認証やセキュリティの確保、システムの改修経費の負担をはじめ、様々な課題に対応する必要がございます。利用者や店舗の意見、ニーズを踏まえながら研究してまいりたいと考えてございます。

 ナカペイ特有の魅力の広報の強化についてでございます。ナカペイは、民間のキャッシュレス決済と異なり、SWCの推進を図り、行動変容を促すコミュニティポイントと連動している点が特徴でございます。コミュニティポイントをナカペイに変換して区内店舗で利用することができ、それが区内事業者の応援につながることは魅力であると考えております。

 ナカペイの愛称とロゴには、みんなでつくる、広がり続ける発展途上の中の「ナカ」という想いが込められており、ナカペイと連動したコミュニティポイントも区民をはじめ皆さんとともにつくり上げていくものであり、これも魅力の一つであると考えております。こういった中野区の地域通貨ならではの魅力を工夫して広報するとともに、様々な取組を通じて周知してまいります。

 最後に、歳入確保に資する取組についてでございます。歳入確保を図るため、令和7年度からはナカペイをふるさと納税の返礼品にするとともに、ふるさと納税の寄附の充当先とする予定でございます。また、ナカペイのアプリ内に実装されている店舗からのお知らせやクーポン発行機能を活用しまして広告収入を得ることを検討してございます。さらに後年度は、店舗に過度の負担にならないように配慮した上で手数料を徴収することについても検討してまいります。また、コミュニティポイントの導入に当たっては、国や都の補助金の確保に努めてまいります。

○議長(酒井たくや) 以上でいのつめ正太議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時06分休憩

 

午後3時25分開議

○副議長(木村広一) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 

 中野区議会議員 山 内 あきひろ

 1 東中野地域の区有施設について

  (1)旧東中野図書館跡地について

  (2)東京都立中野特別支援学校通学等の安全対策について

  (3)旧中野区立第三中学校跡地について

  (4)その他

 2 8050問題について

 3 虐待について

  (1)児童虐待について

  (2)高齢者虐待について

  (3)その他

 4 その他

 

○副議長(木村広一) 一般質問を続行いたします。山内あきひろ議員。

〔山内あきひろ議員登壇〕

○2番(山内あきひろ) 令和6年第4回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問項目3の(1)児童虐待については、取り下げて、時期を見て質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 1、東中野の区有施設について、まずは、旧東中野図書館跡地について伺います。

 昨年の第4回定例会一般質問におきましても同様の質問をさせていただきましたが、旧東中野図書館跡地においては、現在閉鎖管理されております。2階、3階の図書館部分に関しましては、昨年、地域の声を聞いての暫定利用を検討してはどうかと質疑させていただきましたが、残念ながら利用されておらず、閉館して以降未利用のままになっております。跡地に新たな施設を建築する場合、周辺の道路が狭いため、車の出入りが多い施設となると、道路を利用する区民の安全が危ぶまれます。地域住民からは、周辺は住宅密集地なので、施設より公園や広場にしてほしいとの声もあります。旧東中野図書館跡地については、区有施設整備計画では民間施設誘致を検討となっておりますが、具体的な活用方法は示されておりません。地域の声も踏まえ、防災広場として使用してはどうかと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、東京都立中野特別支援学校の通学などの安全対策について伺います。

 東京都立中野特別支援学校は、建て替えのため来年4月より旧中野区立第三中学校跡地に完成したさくら校舎に移転いたします。工事期間中は、地元町会が中心となり、学校に通う生徒たちとイベントを行うなど交流を深めており、東中野に来ていただくことを歓迎しております。そんな中、先日、地域住民よりバスが通ると聞いているが安全対策などは大丈夫かと問合せがございました。中野特別支援学校に係る安全対策については、東京都が行うべきとは承知しております。通学時、12台のバスが通行いたしますが、その道は狭く、また近隣には中野区立ひがしなかの幼稚園もあります。ひがしなかの幼稚園については、通りの反対側の第2園庭に駐輪場がありますので、通園時の園児及び保護者への安全について東京都に対して申入れを行っているかお聞かせください。

 また、誘導員や警備員の配置も必要だと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、この項の最後に、旧中野区立第三中学校跡地について伺います。

 旧第三中学校跡地については、中学校があったときには避難所となっておりました。新たに指定された避難所は遠く、急な坂道を越えなければならないので、幼い子どもを育てる保護者や高齢者の方々の避難が困難だと考えます。そのため、旧第三中学校跡地を中野特別支援学校への貸付け中は避難場所とするよう東京都と協議をしてはどうかと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 先ほど申し上げた中野特別支援学校のさくら校舎は仮校舎ですので、解体され、令和12年度末に貸付けが終了します。旧第三中学校跡地については、サンプラザ問題などもあり、売却をされてしまうのではないかと不安な声、売却しないでほしいとの要望もございます。区有施設整備計画では特別支援学校への貸付け後の方針が示されておりませんが、区は売却の予定があるのかお聞かせください。

 また、売却をしないのであれば、地域の区民は引き続き避難所機能を有したスポーツ施設、交流できる施設を求めていますので、そうした施設を検討してはどうか、区の考えをお聞かせください。

 次に、8050問題について伺います。

 8050問題とは、80代の親がひきこもり状態の50代の子どもの生活を支えるために、経済的にも精神的にも負担を負い、社会的に孤立してしまう問題です。また、8050問題が長期化、高齢化により9060問題に発展してしまい、より深刻な問題となることもあります。ひきこもりの要因はライフステージによって異なり、例えば妊娠期であれば産後鬱、幼年期であれば虐待、児童・青年期であれば不登校やヤングケアラー、壮年期、老年期であれば失業、介護、病気、貧困などが考えられます。そのため、ライフステージに合った施策の取組が必要であり、1人で悩まない、孤立をさせない、切れ目のない支援が求められます。

 また、国の調査によると、不登校児童・生徒が引き続きひきこもりになってしまうケースが約18.3%との結果もあります。令和6年に不登校児童・生徒が全国で34万人以上であり、中野区においても増加しておりますので、支援が遅れ長期化すれば、冒頭申し上げたとおり8050問題へと発展する可能性があります。そのようなことから、まずは現在中野区でひきこもり支援対策としてどのような施策を実施しているかお聞かせください。

 令和4年度、内閣府は、こども・若者の意識と生活に関する調査を行い、15歳から64歳の人口において、推計146万人、50人に1人がひきこもり状態であることが分かり、そのうち女性のひきこもり当事者が、15歳から39歳では45.1%、40歳から64歳では52.3%と、男性に多いイメージのひきこもり当事者が実際には半数近くが女性であることが分かりました。また、江戸川区では、令和元年に区民へのインターネット調査、区職員や関係機関の職員に対して郵送による調査を経て、令和3年度にひきこもり実態調査を行い、その結果を受けてひきこもり当事者へ個別支援をつなげていく施策を進めております。このような実態調査をこれまで中野区において行ってきたかお聞かせください。

 また、行っていないのであれば、先ほど申し上げたとおり、ひきこもりの要因はライフステージによって異なりますので、個別支援につなげていくためにも実態調査を行うべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 不登校児童・生徒が引き続きひきこもりにならないようにするためには、義務教育終了後の支援体制の構築と定期的なアプローチが必要です。令和3年にみらいステップなかのが開設され、40歳未満の若者と家族の相談体制はできておりますが、相談をされた区民が対象であり、プッシュ型のアプローチをしておりません。また、40歳以上が対象外となっており、8050問題の予防としては課題があります。今後は支援を必要とする区民が増加していくのが予想されること、また、集合住宅が多くなり、プッシュ型のアプローチが難しいのが現状だと思います。制度のはざまに置かれている区民に支援の輪を広げていくためにも、地域との連携を構築していくべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 ひきこもりは一般的にはマイナスのイメージを持たれているのが多いと思います。ですが、先ほどから申し上げているとおり、性別、年代関係なく、誰にでも起こり得ます。ひきこもりは誰にでも起こり得るという認識を中野区全体で広げていく必要があります。そのためにも産官学連携で普及啓発を進めていくべきだと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 また、当事者だけでなく御家族に対しても相談体制を構築し、少しでも相談のハードルを下げることも大切です。窓口相談、電話相談だけではなく、SNSを活用した相談体制も構築していくべきだと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、虐待について伺います。

 毎年11月は児童虐待防止推進月間として、オレンジリボン・児童虐待防止キャンペーンを全国的に開催しており、中野区でも全職員、全議員がオレンジリボンを着用し、児童虐待防止の意識向上、普及啓発に努めております。また、11月12日から25日までの2週間は内閣府男女共同参画推進本部が定めた女性に対する暴力をなくす運動期間であり、配偶者やパートナーからの暴力、性犯罪、ストーカー行為などの暴力防止のための知識、被害者支援の在り方を普及啓発していく運動です。中野区においては、区役所1階ナカニワでのパネル展、中央図書館での展示、また女性に対する暴力根絶のシンボルであるパープルリボンにちなんで、本庁舎でパープル・ライトアップを行い、区民への普及啓発を進めていく新たな取組を実施しております。

 しかしながら、高齢者虐待についてはこのような普及啓発をしておりません。平成18年4月1日に高齢者虐待防止法が施行以降、全国的にも高齢者虐待は増えており、国の令和4年度の調査によると、相談・通報件数が3万8,291件、虐待判断件数が1万6,669件と増えてきております。中野区におきましても、令和5年度は111件の通報・届出件数があり、令和6年度はさらに増加傾向と聞いております。

 2025年には日本の人口の約4人に1人が後期高齢者となり、2040年には高齢者の人口がピークになると言われており、今後高齢者虐待の被害者も増えていく可能性があります。高齢者虐待防止についても、児童虐待防止や、女性に対する暴力をなくす運動のように、防止推進週間や防止月間といった広く区民に周知する普及啓発活動を行うべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 一言で虐待といっても様々なケースがあり、暴力などの身体的虐待、どなる、罵るなどの心理的虐待、そのほかに性的虐待、経済的虐待などがあります。虐待は未然防止が大切であり、ケアラーや御家族だけではなく、若い方や無関心層の方々にも正しく虐待について知っていただき、区民の皆様が地域でネットワークを組み、高齢者を見守れるようにしていく必要があります。そのための普及啓発、広報活動として、大学などと連携した取組を進めていくべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 今回は時間の関係上質問いたしませんが、本来であれば、今申し上げた普及啓発事業だけではなく、児童虐待やセルフ・ネグレクトの問題、認知症対策、保護者や兄弟姉妹の家族支援、ケアラー支援、高齢者の権利擁護など問題は多岐にわたります。今後時期を見て質問させていただきますので、その際はよろしくお願いいたします。

 家族の問題だからと見逃さず、行政や関係機関と地域がいい意味でのおせっかいをして虐待防止を進めていくことを要望し、私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 山内議員の御質問にお答えいたします。

 まず、東中野地域の区有施設についてで、旧東中野図書館跡地の活用についてでございます。旧東中野図書館跡地につきましては、区有施設整備計画において民間施設誘致を検討することとしております。今後の財政状況や行政需要、地域の御意見等を踏まえながら、必要な機能など活用の方向性について、次期区有施設整備計画の策定と併せて検討してまいります。

 次に、中野特別支援学校への貸付け中の施設利用についてです。旧区立第三中学校を指定されていた地域防災会の避難所は、現在、明治大学付属中野中学校・高等学校と区立白桜小学校でございます。中野特別支援学校につきましては、現在、災害協定によって障害者及び障害児の2次避難所に指定しているところでありまして、旧中野区立第三中学校跡地を中野特別支援学校の仮校舎の敷地として貸付けをする期間についても引き続き2次避難所として指定していく考えでございます。

 次に、旧第三中学校跡地の活用方法等についてです。区有施設整備計画では、立地条件や規模などを考慮し、区有施設等用地としての活用のほか、民間への貸付け、売却を検討することとしておりますが、現時点で旧第三中学校跡地の売却は考えておりません。中野特別支援学校への貸付け終了後の具体的な活用方法については、地域の御意見等も踏まえながら検討してまいります。

 次に、ひきこもり支援の取組についてでございます。ひきこもり支援については、すこやか福祉センターでの相談支援に加え、令和4年度からは中野区社会福祉協議会に相談窓口を設置しておりまして、相談対応件数は増加傾向にございます。また、ひきこもり合同相談会やひきこもりサポーター養成講座の実施のほか、広報・啓発の取組として、昨年度はウェブ漫画や番組制作を行ったところでございます。

 ひきこもりの実態調査についてです。区では、令和2年度に暮らしの状況と意識に関する調査を行い、SOSを発信できないリスクが高い人の分析などによって、当事者や家族などの状況や傾向を把握したものであります。こうした調査を経てひきこもり支援事業を展開してきたところでございまして、今後は、相談支援の現場を通じて状況把握に努めてまいります。

 次に、8050問題についてで、地域との連携と支援体制の構築についてです。昨年度まで行っていたひきこもり支援部会は、家族会や支援団体等が参加し、ひきこもりに関する情報共有や連携の在り方を議論してまいりました。今年度からは孤独・孤立対策部会に統合し、ひきこもりだけでなく、不登校やその他の孤独・孤立に関する支援団体の参加を得て、それぞれの課題共有と連携を図るプラットフォームとして展開し、誰一人取り残さない地域社会づくりを目指してまいります。

 産官学連携による取組についてです。孤独・孤立対策部会には地域団体や関係機関、大学支援団体のほか、地域包括ケアパートナーシップ協定事業者も参加しておりまして、産学官連携を進めております。今後採択された内閣府の孤独・孤立対策モデル事業を活用し、啓発事業としてフォーラムを実施する予定でありまして、部会に参加している団体等の紹介パネルの展示なども検討しております。

 SNSを活用した相談体制についてです。より相談しやすくするツールの一つとして、SNS相談は有効であると考えております。令和6年8月から、ケアラー、ヤングケアラーのためのLINE相談を開始いたしました。事業の効果を検証し、ひきこもり相談への活用も検討してまいります。

 次に、虐待についてで、高齢者虐待に関する普及啓発についてでございます。区は、これまでに高齢者虐待対応マニュアルやリーフレットによって高齢者虐待について広く区民に啓発するとともに、養護施設や養護者に対して適切な対応を取るよう促してまいりました。また、区民の高齢者虐待についての理解を深めるための講演会を開催しているところであります。防止推進週間や防止月間といった活動は考えておりませんが、今後もより一層の普及啓発に努めてまいります。

 大学との連携についてです。どのような行為が高齢者虐待となるのかなど、若い世代にも関心を持っていただき、正しく理解していただく必要があると考えております。大学と連携した事業の実施等についても、より広く区民等に高齢者虐待に関する理解を広めていくという観点で検討してまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、東中野地域の区有施設についての御質問の中から、ひがしなかの幼稚園の安全対策についてお答えいたします。ひがしなかの幼稚園の道路については、令和7年4月から中野特別支援学校の送迎バスの経路となり、運行予定時間が幼稚園の通園・降園の時間と重なることが想定されております。ひがしなかの幼稚園では、中野特別支援学校に対して必要な安全対策を取るように要望しているところであります。その中で、誘導員等については配置されると聞いておりますが、実際に運行開始された後に安全上の課題が生じた場合には、さらなる安全対策を東京都に求めてまいります。

○副議長(木村広一) 以上で山内あきひろ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 防犯対策について

 2 がん検診について

 3 高齢者施策について

 4 物価高騰対策について

 5 公益通報制度とハラスメント対策について

 6 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○19番(白井ひでふみ) 令和6年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告順に行い、6のその他はありません。

 初めに、1、防犯対策についてお伺いいたします。

 秘匿性の高いメッセージ通信機能を通じて匿名による犯罪の実行役などを集める匿名・流動型犯罪グループ、略称トクリュウと呼ばれる犯罪が凶悪化しています。関東を中心に、住人がいても強引に住居に押し入り、荒っぽい暴行や身体拘束による金品を強奪する事件が相次いでいる状況です。従来とは異なる凶悪犯罪の報道に触れるたびに、区民の不安を払拭する取組が必要であると強く思います。

 区は、本年より3年間、期間を定めて、町会や自治会、商店街等の防犯カメラの設置助成の拡充に取り組んでいます。これまでも中野区は平成29年からの3年間、防犯カメラ設置の助成額を拡充し、防犯カメラ設置者の負担額を6分の1から12分の1に軽減、上限額を防犯カメラ1台につき60万円とする取組を進めてきました。この間の取組により、町会や自治会、商店街などが設置者となっている防犯カメラは増加してきましたが、改めて中野区内の防犯カメラの設置台数の変化をお伺いいたします。

 さらに、近隣区と比較しての防犯カメラの設置状況についてもお伺いいたします。

 防犯カメラの設置助成の今年度の当初予算額は、東京都の設置助成額が増加されるとの決定が遅かったこともあり、設置を希望する台数に対して区の予算が不足し、補正予算を組む対応となりました。昨今の治安に対する区民の不安を払拭し、防犯に対する区民意識の高まりに応えるためにも、来年度の防犯カメラの設置助成の予算規模をさらに拡充すべきであると考えますが、お伺いいたします。

 防犯カメラの設置台数は増加してきましたが、それでも防犯カメラがない地域、少ない地域である防犯カメラの空白地域が点在します。この防犯カメラの空白地域を補うために、平成31年、区内を網の目のネットワークのように区内主要交差点に防犯カメラを区が設置する取組を提案、推進してきたところです。現在、区内主要交差点79か所、116台の防犯カメラが設置されていますが、全国的にも珍しい取組であると聞きます。侵入強盗などの凶悪犯罪の多発状況下、中野区は積極的に防犯対策に取り組む姿勢を広く周知することにより、区民の安心・安全に寄与するとともに、犯罪の抑止効果にもつながると考えます。区の積極的な広報を求めますが、お伺いいたします。

 主要交差点に設置された防犯カメラは、設置より6年が経過しました。機器の更新時期もそろそろ迎えることとなります。改めて区内主要交差点に設置された防犯カメラの取組効果を伺うとともに、防犯カメラの機器の更新計画についても取り組むべきであると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 町会や自治会などの団体への防犯対策の助成制度だけではなく、個人住宅への防犯対策を対象とした個人への防犯助成を行う自治体が増えています。中でも足立区は、現在、区のトップページに「侵入強盗・窃盗緊急特別対策補助金」と題し、今月の11月18日から来年2月末まで緊急助成を行うと告知をしています。個人住宅への防犯カメラの設置助成のほか、個人的には特に有効と考える録画機能つきインターホンの設置助成を含む防犯対策16品目から成る助成を行うとしています。

 政府による新しい総合経済対策には、防犯カメラの設置や青色回転灯装備車、デジタル技術を活用した地域防犯力の強化、防犯性能の高い建築部品の設置といった防犯対策強化の取組が示されています。総合経済対策の活用も視野に、防犯対策の強化とともに区として個人住宅を対象とした防犯対策の助成制度を創設すべきと考えますが、お伺いいたします。

 区民の不安を払拭する防犯対策の充実を求め、この項の質問を終わります。

 次に、2、がん検診についてお伺いいたします。

 本年7月、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討会において、がん検診の在り方についての報告書の最新の改定版が取りまとめられました。昭和56年以降、悪性新生物であるがんは、我が国の死亡原因の第1位であり、疾病対策上の最重要課題です。平成19年にがん対策基本法が施行され、同法第10条に基づき、がん対策推進基本計画が策定、直近では、令和5年に第4期の基本計画が閣議決定されています。

 現在、国が科学的根拠に基づき推奨するがん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの五つのがん検診です。中野区は現在肺がん検診を実施していません。肺がん検診の在り方について見直される可能性が高くなった時期があり、他の自治体においても肺がん検診を廃止する動向がありましたが、結論として肺がん検診が継続となったことを受け、肺がん検診を復活させる動向となりました。国が推奨するがん検診を実施していない自治体は少なく、最重要課題と位置付けられているがん検診を実施しないことに正当な理由はないと考えます。肺がん検診を復活させ、区民の健康増進のための義務を果たすべきと考えますが、お伺いいたします。

 中野区では、全ての区民健診において胸部エックス線検査を実施しています。特定健診の検査項目が導入され、胸部エックス線検査などの検査項目を廃止する自治体が増えましたが、専門医の先生からのアドバイスを頂き、疾病疾患の早期発見につながる胸部エックス線など検査項目を引き続き実施すべきであると提案し、現在に至っています。

 肺がん検診の推奨年齢は40歳以上ですので、特定健診と長寿健診が該当します。肺がん検診と胸部エックス線検査の違いは、レントゲンを2人の医師が読影する二重読影にあると聞きます。区民健診のレントゲンを別の医師による読影を行えば、二重読影、肺がん検診の実施体制が整うと考えます。区民健診で実施している胸部エックス線検査を活用し、合理的かつ経済的な肺がん検診の在り方を検討、実施すべきと考えますが、お伺いをいたします。

 この項で、喫煙と肺がんの関係についても触れておきます。国立がん研究センター、がん対策研究所、予防関連プロジェクトの多目的コホート研究として、大規模なアンケートによる生活習慣とその後の追跡調査、その結果に基づき、喫煙と肺がんとの関係についての論文が発表されています。改めて拝見すると、膨大なデータの蓄積であることが伺えます。

 日本人において、たばこを吸わない人に比べて吸う人は、男性では4.5倍、女性では4.2倍肺がんになりやすく、また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では3.7倍高くなっていること、男性の肺がんの68%、女性の肺がんの18%はたばこが原因であり、肺がんの原因として最も影響の大きな因子であるとも明かされています。吸い始めからの年数が長いほど、1日に吸う本数が多いほど肺がんになりやすく、肺がん検診の問診時の喫煙指数が1200を超える人は吸わない人の6.4倍肺がんになりやすいとの結果も述べられています。

 さて、望まない受動喫煙の機会を減少させ区民の安全と健康を守ることを求める陳情に対し、審査を行い、議会において採択を行いました。中野駅周辺のみに指定されている路上喫煙禁止地区を区内鉄道各駅周辺へ拡大してほしいとの要望は、現行の区の根拠条例である吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例では、健康増進法に基づく分煙や都の受動喫煙防止条例の趣旨が反映されず、抜本的な見直しが必要であると指摘してきたところです。区として担当所管を明確にした上で根拠条例の整備を求めてきましたが、区の検討状況をお伺いいたします。

 胃がん検診についてお伺いいたします。胃部エックス線検査のみであった胃がん検査に、ピロリ菌の除菌治療が保険適用となったことを受け、胃がんハイリスク検査の導入や、精度の高い胃内視鏡検査の導入を提案、推進してきたところです。胃内視鏡検査については、50代、そして60代へと対象年齢の拡充を求め推進してきました。胃部エックス線検査は、バリウムを飲み、検査台上での回転動作を必要としますが、高齢者にとっては難しい検査となります。胃内視鏡検査の対象年齢をさらに70代まで拡充すべきと考えますが、お伺いいたします。

 乳がん検診についてお伺いいたします。前述のがん検診のあり方についての報告書には、乳がん検診について、問診及びマンモグラフィを推奨し、視診、触診は推奨しないと明記されています。「科学的根拠に基づいたがん検診の実施」「住民検診」の項には、「指針で推奨されていない検診は、検診による不利益が利益を上回る可能性があるため提供しないことが重要である」とまで述べられています。区が現在実施している推奨されていない乳がん検診の視触診は見直すべきと考えますが、お伺いいたします。

 この乳がん検診については、令和6年度の区の外部評価の4項目しかない評価項目の一つでした。乳がん検診の視触診の在り方についての指摘事項はなく、有識者による外部評価が有意義であったのか疑問を生じます。区は何のために乳がん検診を外部評価の評価項目としたのか、その理由を伺うとともに、そもそもの外部評価の在り方をよく検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 区民の健康を守るがん検診の充実を求め、この項の質問を終わります。

 次に、3、高齢者施策について、民間賃貸住宅への住み替え支援についてお伺いいたします。

 高齢者や障害者、低所得者、子育て世帯など、住宅確保要配慮者への支援を目的とした住宅セーフティネット法が本年3月に改正されました。主な改正点として、契約の更新がなく、賃借人の死亡をもって終了とする終身建物賃貸借の利用促進や、家賃債務保証業者の認定制度の創設、居住者の残置物処理の業務を居住支援法人が担える仕組みなどがありますが、提唱してきた区のあんしんすまいパックの取組が先駆的であったと再確認できました。高齢者等の入居を拒まない民間賃貸住宅を増やすために、区は不動産団体との連携や物件オーナーの了承を得るための取組を進めていると聞きます。高齢者等の入居を拒まない民間賃貸住宅の取組状況をお伺いいたします。

 前定例会の決算特別委員会、建設要求資料の19、住み替え支援の相談件数と区が仲介して成約できた件数には、令和5年度は相談件数年間29件、成約件数13件、令和4年度は相談件数年間28件、成約件数11件、令和3年度は相談件数年間26件、成約件数10件との報告がありました。日頃御相談をお受けしている感覚と、区が掌握している相談件数の少なさ、それに比しての成約率の高さに違和感を覚えます。改めて相談件数の実態の説明を求めるとともに、区全体の住まいの相談件数の全容把握が必要ではないかと考えますが、お伺いいたします。

 中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例の改正について、現在意見交換会を行い、明年6月の改正に向け区は取り組んでいます。今回の改正の一つに、集合住宅における一定数のファミリータイプの住戸の附置義務を高齢者等の住居に必要な配慮をした集合住宅に対してはファミリータイプの附置義務を除外としていたものを廃止し、新たに高齢者もしくは障害者の居住に配慮したバリアフリー住戸の設置を義務付けるというものがあります。

 廃止の理由としては、高齢者もしくは障害者の居住に必要な配慮をした特定集合住宅を対象にアンケートを行った結果、高齢者の居住を確認できたのは1住戸のみであったためとしています。この間の建築戸数の総数は、アンケートの回答4割で319戸とのことです。ですので、おおむね倍以上、600戸や700戸にはなると思われます。新しいバリアフリー住戸の義務化を行っても、高齢者の居住実態が伴わないものになるのではないかと思います。新しいバリアフリーに配慮した住戸の設置義務化に向けて、高齢者等の居住実態が伴うような支援を講じるべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、バリアフリー住戸に限らず、高齢者の入居を拒まない民間賃貸住宅への具体的入居支援を創設すべきと考えますが、見解を伺います。

 過日の厚生委員会において、SWC、スマートウェルネスシティを目指した施策展開についての報告がありました。健康の「健」に「幸」と書く健幸ポイントをインセンティブとして設け、日々の歩数や体重、食事、睡眠など、継続的な健康づくりに取り組めるようスマートフォンの健康管理アプリやウェアラブル機器を活動量計として導入して実証実験を行うとしています。SWCの取組におけるウェアラブル機器の導入については、活動量計としての活用だけではもったいないと考えます。高齢者等の見守りの観点をコンセプトに取り入れ、現行の自宅での見守りのみならず、いつでもどこでもの見守りを日常の健康管理に加え、緊急時の見守りを可能とすべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、身寄りのない方が亡くなった場合の葬祭について伺います。中野区あんしんすまいパックは、民間賃貸住宅に住む単身者の方へ継続的な安否確認と、亡くなった後の残存家具の片づけや物件の原状回復などの費用の補償がセットとなっているものです。この制度は、当初亡くなった賃借人の葬祭費を含めた制度でしたが、改定され葬祭費の補償がなくなった経緯があります。

 身寄りのない人が亡くなった場合、行政は戸籍などから親族を探し、御遺体の引取り、葬儀、埋葬を確認しますが、身寄りが全くない人や、御遺体や御遺骨の引取手がない場合は、自治体が火葬を行い、一定期間保管した後に合同で埋葬すると聞きます。また、火葬・埋葬費用は、故人に財産があればそこから充当されますが、全くない場合や不足する場合は自治体が負担することになります。物件オーナーに費用負担を求めることはないのか確認します。

 親族や知人が葬儀を行う場合には、葬祭費の支給制度や葬祭扶助制度が利用できると聞きます。このうち葬祭費の支給制度の条件と金額について伺うとともに、制度についての周知を図るべきと考えますが、お伺いをいたします。

 高齢者の入居を拒まない民間賃貸住宅が増加することを願い、この項の質問を終わります。

 次に、4、物価高騰対策についてお伺いいたします。

 ペットボトル回収事業等の東京都環境衛生事業協同組合との契約における雇上単価との関連について伺います。中野区においては、現年度の契約単価は前年度の雇上契約単価を基に算出していると聞きます。近隣区においては、現年度の契約単価は現年度の雇上契約単価を基に算出しており、中野区だけが前年度の単価を算出根拠としていると聞きます。さきの定例会において、我が会派の南かつひこ議員より、雇上契約についての質疑を行いました。現下の物価高騰下の厳しい折、来年度の予算編成においては、前年度ではなく現年度の単価で算出すべきと考えますが、お伺いをいたします。

 来年度の予算編成においては、原則スライド条項の適用がない委託や物販、リース契約等については、高騰した資材や人件費の積算をしっかりと反映させ、物価高騰のしわ寄せを事業者に押しつけることのないよう、区として適正な予算積算とすべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 少額随意契約の上限引上げについてお伺いいたします。上限価格の見直しには法改正が必要となります。過日の11月15日、財務省所管の公会計部会において、少額随意契約の基準額についての審議が行われました。昭和50年以降一度も改正されていない状況ですが、近年の物価上昇等を踏まえ、国において見直しの働きかけを行ってきました。ようやく兆しが見えてきたところです。今月の11月18日から年内の12月20日までの間、財務省は広く国民の皆様から少額随意契約の基準額等に関する御意見を募集すると公表しています。なかなか異例な取組だと思いますが、区内各種団体とも連携しながら、区としても少額随意契約の基準額を見直す必要があるとの現場の意見を財務省に申し送るべきと考えますが、お伺いをいたします。

 国の総合経済対策について伺います。物価高の影響を特に受ける低所得者世帯への支給が明示されました。住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を目安として給付金の支援を行う。また、住民税非課税世帯のうち子育て世帯については、世帯人数が多いことを考慮して、子ども1人当たり2万円を加算するとしています。報道を受け、中野区の給付時期はいつになるかとの問合せがありました。年内の補正予算の成立を目指すとのことですが、給付の見通し時期を伺うとともに、国の総合経済対策に合わせ、これまでも区独自の支援策を講じてきました。今回も区独自の支援策を講じるべきではないかと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、5、公益通報制度とハラスメント対策についてお伺いいたします。

 前定例会の9月11日、この場で公益通報制度とハラスメント対策について、告発される側の対象者や相談窓口体制などを見直す必要があるとの質疑を行いました。直後に中野区職員よりと記された匿名のお手紙を頂きました。区民の皆様からお寄せいただきました御意見を基にではありませんが、むとう議員、すみません。職員の方からのお手紙を基に質疑を行います。

 令和5年3月、中野区法令遵守審査会会長宛てに、文書による公益通報を行いましたが、対応されませんでした。中野区の公益通報制度は機能していませんとのお手紙で、日付は9月12日です。公益通報の内容自体をこの場で問うことは、制度をゆがめるおそれがあるため行いませんが、中野区の公益通報制度の解釈や運用はただしたいと思います。また、匿名のため連絡手段がありませんので、この質疑をもって返信に代えさせていただきたいと思います。

 当該通報を受けて区はどのような対応をしたのか確認したところ、氏名の明記がなく、職員等に当たるか結局不明のため、適正な公益通報として受理することはしないとの判断を行ったとのこと。また、当該通報を議会報告や令和4年度の運用報告として公表しなかった理由を確認したところ、公益通報として受理することはしないとしたため、議会報告や公表の対応としなかったとの理由で間違いないのか確認します。

 そもそも公益通報者保護法は匿名での通報を認めています。中野区は匿名の通報であっても職員等の身分確認を求め、確認できない場合は通報を受理しないとの判断をしています。身分確認を必要とする匿名はもはや匿名ではありません。また公益通報者保護法は、通報者ではなく、通報された内容に重きを置き、審査の対象として受理する必要があると解されています。通報を受理しない場合は公表もしないとの区の判断では、通報者はどのように取り扱われたのか全く分かりません。

 仮に正当な理由により公益通報を不受理とする判断となった場合は、不受理とした判断理由も含め、公表することが法の要求する義務であると考えます。通報の不受理は非公表、判断理由も非公表との運用では、もみ消されたも同然の運用であると私は思います。公益通報制度の勝手な解釈や運用、非公表は改めるべきではないか。法令を遵守した答えを求めます。職員が安心して働けないような区役所に良質な住民サービスは望めないと前定例会において述べましたが、本定例会も申し上げ、再質問に出るかもしれませんが、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 白井議員の御質問で、私からは防犯対策についてお答えいたします。

 区内の防犯カメラ設置台数・近隣区との比較についてであります。都と連携をした防犯カメラの設置助成は平成20年から実施をしておりまして、この助成によって設置された防犯カメラは昨年度までで800台を超えまして、本年度も30台以上の増加を予定しております。近隣区と比較してもかなり充実をしていると認識をしているところでございます。

 来年度の予算拡充についてでございます。来年度の防犯カメラの設置助成に関する予算につきましては、区民の要望に応えられるように努めてまいりたいと考えております。

 区の取組の広報についてでございます。区の防犯対策の広報につきましては、区内の犯罪抑止につながるように検討してまいりたいと考えております。

 次に、交差点防犯カメラの効果及び機器の更新計画についてでございます。区が交差点に防犯カメラを設置する以前に比べ、現在は犯罪の発生件数が減少しておりまして、5年間の警察からの照会につきましても、年間平均約100件、カメラの台数では延べ約200台もの依頼を受理しているところでございまして、犯罪の未然防止や事件発生時の早期解決に寄与していると考えております。区が設置している交差点の防犯カメラについて、現在は更新の時期や機器の選定等を検討しているところであります。

 個人の防犯対策への助成制度についてでございます。個人宅への防犯設備の助成につきましては、例えば防犯カメラは設置する向きによっては近隣トラブルとなるなどの課題もありまして、現在は区が助成を行っている町会・自治会等の街頭防犯カメラの設置を促進しているところであります。今後、個人宅への防犯設備の助成については、他区の取組を調査研究していくとともに、国や都の動向も注視してまいりたいと考えております。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、がん検診についてお答えいたします。

 肺がん検診の実施については、東京都肺がん検診の精度管理のための技術的指針に基づき関係機関と協議を進めたいと考えております。

 次に、胸部エックス線検査についてですが、議員御指摘のとおり、二重読影をすることにより肺がん検診実施に相当するものと認識しており、今後、読影の方法や実施体制等については関係機関と協議してまいります。

 続いて、受動喫煙防止対策ですが、関係部署が連携しながら各施策を進めていく必要があることから、保健所が中心となって庁内議論を進めており、今定例会において受動喫煙防止対策方針案の報告を予定しております。この方針案では、受動喫煙防止対策の基本方針の一つとして条例等の整備を掲げており、区議会の意見も伺いながら全庁的に検討してまいります。

 次に、胃内視鏡検査についてですが、国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針では、特に推奨する者を50歳以上69歳以下の者とすると示されているところから、区として現在の対象年齢を決定したところです。検査の対象年齢については、今後も中野区がん検診精度管理連絡会で専門家の意見を聞きながら協議してまいります。

 最後に、乳がん検診についてですが、視触診検査については令和3年度より省略可としており、今後の視触診検査の在り方については関係機関と検討してまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、初めに、がん検診についてのうち、乳がん検診の外部評価についてお答えをいたします。外部評価の対象事業は、政策的な見地から見直しや改善を要する事業等を選定しておりまして、乳がん検診は受診率が低迷し、実施方法を検証する必要があると判断したために選定をしたところでございます。今回の外部評価によりまして、乳がん検診のさらなる受診率の向上に向け、受診機会の確保や、年代別・地域別受診率の分析など、貴重な御意見を頂いたと認識をしております。今後も外部評価の実施に当たりましては、より効果的な評価が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、物価高騰対策についてでございます。

 物価高騰に対する適切な予算積算について、委託、物品購入などの契約につきましては、事業者からの見積りを徴取し、過度な負担を事業者に押しつけることがないよう、最近の物価高騰や人件費の上昇の状況を十分に踏まえて予算積算を行っているところでございます。

 次に、国の総合経済対策の低所得世帯を対象とする給付金と区独自の支援策についてでございます。長引く物価高騰の影響を踏まえ、現在国において住民税非課税世帯を対象とする給付金の支給に向けた検討が進められており、今後補正予算の審議も行われる予定となっております。国が検討しております給付金の内容や区のこれまでの対応状況、社会経済状況等を踏まえ、区独自の事業も含め、適切な時期に速やかに必要な支援が実施できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 高齢者施策についてお答えいたします。

 まず、高齢者等の民間賃貸住宅への入居支援について、高齢者等の住宅確保要配慮者が円滑に民間賃貸住宅へ入居できるよう、あんしんすまいパックなどの入居支援事業を実施しております。また、高齢者等の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録促進に向け、職員が不動産会社を訪問し、貸主側への理解促進の働きかけを行っております。居住支援協議会におきましても、民間を含めた住宅部門と福祉部門が連携し、学習会の開催や不動産オーナーへのセミナー実施など取組を行っているところでございます。

 次に、住まいの相談総数の実態把握についてでございます。住まいに係る相談は住宅部門と福祉部門に寄せられており、その総数の把握は居住支援を進める上で必要であると考えております。居住支援協議会では、民間を含め住宅部門と福祉部門の各窓口で相談を受け付けており、住み替え困難なケースにつきましては、住宅課との連携により支援を行っているところでございます。住宅課では、令和5年度は約470件の住まいの相談を受けており、そのうち29件は住宅確保要配慮者御本人だけでは住み替えが困難であり、区が協力不動産店に協力要請した件数でございます。住まいの相談総数の実態把握につきましては、居住支援協議会の各相談窓口における相談件数のデータ集計により把握に努めてまいります。

 続いて、集合住宅条例改正に伴う高齢者等の居住支援について、集合住宅条例の改正では、一部の住戸において、手すりまたは手すり下地の設置や、住戸内の床面を段差がない構造とするよう努めることなどについて義務化することを考えております。ハード的な整備だけではなく、バリアフリーに配慮した住戸に高齢者等が住めるようなセーフティネット住宅への誘導などの支援策についても、他区の取組等も参考にしながら検討してまいります。

 最後に、民間賃貸住宅への具体的支援制度の創設について、高齢者等の民間賃貸住宅入居支援の一環であるセーフティネット住宅への登録件数ですが、増加はしておりますが、さらなる登録促進が必要と考えております。高齢者等の住宅確保要配慮者へは、複数のメニューにより支援策を実施しているところではございますが、現行支援策のさらなる推進と併せ、新たな支援策についても研究をしてまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、高齢者施策についての御質問のうち、ウェアラブル機器の見守り機能についての御質問にお答えいたします。健幸ポイント事業の実証実験におけますウェアラブル機器導入の主たる目的でございますが、日々の歩数や健康状態の見える化でございまして、それによって行動変容を促すツールとして捉えております。ウェアラブル機器の機能拡張による見守りツールとしての活用も考えられますことから、関与する研究機関とも意見交換を進めてまいります。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、高齢者施策についての御質問のうち、身寄りのない方の火葬埋葬費用につきましてお答えいたします。亡くなった方に火葬費用に充てられる資産がない場合で、第三者が火葬の手配を行う場合は、生活保護の葬祭扶助を適用し、現物給付を行っています。また、葬儀を行う方がいない場合には、亡くなった方の火葬について区が行うこととなります。いずれの場合も、火葬埋葬等に要した費用につきましては遺留金を充当しまして、不足費用については自治体が負担するため、貸主等に費用負担は生じません。

〔区民部長高橋昭彦登壇〕

○区民部長(高橋昭彦) 高齢者施策についての御質問のうち、葬祭費の支給制度についてお答えいたします。葬祭費につきましては、国民健康保険や後期高齢者医療保険の被保険者が亡くなられたときに葬儀を行った方に対し、申請により支給されるものでございまして、支給額は、国民健康保険が7万円、後期高齢者医療保険が5万円となってございます。制度につきましては、各種広報物やホームページなどを通じて、引き続き丁寧な周知に努めてまいります。

〔環境部長浅川靖登壇〕

○環境部長(浅川靖) 私からは、物価高騰対策についての御質問のうち、ペットボトル回収事業等の契約単価についてお答えいたします。ペットボトル回収事業等の廃棄物処理業務委託は人件費や車両費が主な経費でございまして、中野区の場合、23区が統一して設定し、ごみ収集委託に適用している雇上単価の前年度分を参考に経費を見積もってきたところでございます。この単価設定の場合、特に物価高騰の著しい今般、契約単価と収集に係る経費とに乖離が生じるほか、労働人材の確保にも支障があると認識してございます。資源回収事業の継続性を確保するため、これらの状況に留意しながら、現在予算編成作業を進めているところでございます。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、物価高騰対策についての御質問のうち、少額随意契約の基準額の見直しについてお答えいたします。少額随意契約の基準額の引上げは、区及び受注者双方の契約事務の簡素化につながることから、これまで見直しを求めてきたものでございます。区内事業者からの意見等も踏まえ、区として財務省に意見を提出してまいりたいと考えてございます。

〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕

○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、公益通報制度とハラスメント対策についての項のうち2問お答えいたします。

 初めに、公益通報の取扱い及び運用についてでございます。令和4年度末に中野区法令遵守審査会会長宛てに直接公益通報があったものにつきまして、中野区法令遵守審査会委員におきまして協議をしまして、中野区職員倫理条例に基づく公益通報としては受理しないという判断に至ったものでございます。しかし、通報に記載された内容が実際に生じる可能性も考え、法令遵守審査会から区の関係所管へ通報者の指摘事項を伝えまして、しかるべき対応を行ったところであります。今後、公益通報制度の運用につきましては他の自治体を参考に検討してまいります。

 最後に、運営状況の報告及び公表についてでございます。公益通報制度の議会への報告につきましては、法令遵守審査会で受理をした案件につきまして、法令違反の有無や、区長が講じた措置等について公表してきたところでございます。公益通報制度として取り扱わなかった場合の報告内容につきましては、今後、他自治体を参考に検討してまいります。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○19番(白井ひでふみ) 再質問いたします。

 幾つもあるんですけれども、最後のところです。公益通報制度とハラスメント対策について、なぜそもそも受理をしないという判断をしたのか。先ほどは判断したというだけだったんですけれども、私が伺っているのは、氏名の明記がなく、職員等に当たるか結局不明なため、適正な公益通報として受理をすることはしないという判断をしたと聞いています。この理由が大事なんです。匿名の人の場合に、わざわざ中野区は、職員であるという身分の確認を要している、この判断がおかしいと言っているんです。

 匿名であったとしても、もはや職員として身分が確認できないというのであれば、それは、法が禁止している犯人探しと変わらないことになります。この判断の解釈として、運用している公益通報というのがおかしいんです。だから、結論として、他の自治体を参考にと言っているんですけれども、これはよく考えてもらいたい。こんな運用をしていたら駄目だと思いますけれども、その理由について明確にお答えください。

〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕

○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 再質問についてお答えいたします。

 中野区におきましても、匿名による公益通報も可とさせていただいております。中野区職員倫理条例施行規則第2条の中におきましては、職員等という記載がございます。今回、令和4年度末に公益通報として受け取った際には、その職員並びに関係者というものが判明できなかったために公益通報としては取り扱わなかったというところでございます。

○副議長(木村広一) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 斉 藤 ゆ り

 1 子育て先進区に向けた公教育について

 2 安全安心に暮らせるまちについて

  (1)防犯の取組みについて

  (2)犯罪被害者支援について

  (3)更生保護の取組みについて

  (4)その他

 3 多文化共生推進に向けた取組みについて

 4 鷺宮地区のまちづくりについて

 5 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○26番(斉藤ゆり) 令和6年中野区議会第4回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場で一般質問いたします。

 質問は通告のとおりで、その他はありません。

 1、子育て先進区に向けた公教育について。

 先日、11月7日の子ども文教委員会の所管事項の報告で、令和5年度末でのいじめの未解消件数は、小学校で477件、中学校で64件、小・中合わせた前年度比は21%増であり、現時点での重大事態の数も明らかにされました。不登校については、小学校228名で、全児童数における不登校の割合は2.1%、中学校は241人で6.8%、前年度比小・中合わせて9.6%増で、学校や学校外で指導を受けられていない児童・生徒が66人いるという課題も報告されました。

 先月末、文部科学省は、令和5年度における児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果を公表しましたが、全国的にも同じ傾向が見られます。決して無視できない人数の子どもたちが様々つらさを感じていることが分かります。中野区では、中野区いじめ防止等対策推進条例により、いじめ防止の基本理念や中野区いじめ防止基本方針が定められ、対応されています。いじめは決して許されるものではありません。しかし、いじめの御相談を頂くと、いじめを受けた側には、もちろん最大の配慮が必要ですが、いじめをした側の児童・生徒に支援が必要なケースが多いと感じます。いじめに関わる全ての当事者にとって配慮のある教育的対応を望みますが、いかがでしょうか。

 基本方針は、いじめ防止対策推進法に基づいており、教育委員会が決定しているため、その対象は中野区立小・中学校及び幼稚園となっています。幼児施設が様々ある中、区立幼稚園のみ基本方針の対象になっているのは疑問です。幼児期にもいじめやいじめにつながるような事案は発生しますので、基本方針を持つことは必要でしょう。とはいえ、発達の観点から、小・中学校と同様の扱いをするのは適切ではありません。全ての教員や保育士が幼児期に適した対応ができるよう、幼児施設対象の基本方針を策定し、全ての施設で共有できるようにすることが必要だと考えますが、いかがでしょう。

 いじめや不登校など学校で起きる様々な事案に対し、学校が法的なアドバイスをしようとするケースが多くなりました。そのため、子どもの最善の利益を念頭に置きつつ、法的観点から継続的に学校に助言を行う弁護士であるスクールロイヤーが中野区にも配置されています。現在、相談は主に電話やメールとなっています。速やかな相談が可能になるよう配置をより拡充されてはいかがでしょう。

 次世代育成委員を務めていたとき、放課後学習教室の見守りに入っていました。一緒に勉強したら分数が分かるようになった子や、鉛筆の持ち方から教える必要がある子もいました。国は通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する調査を10年ごとに実施しています。令和4年度の結果を見ると、知的発達に遅れはないものの、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童・生徒数の割合は8.8%。そして、この子たちが特別な教育的支援が必要と判断されているかという問いには、70.6%が判断されていないとの回答がありました。肌感覚として納得いく割合だと興味深く数字を見ました。

 一部境界知能と呼ばれる範囲にいる子がいるのだと推察されます。こうした子どもたちが取り残され適切な支援を受けないまま育ち、学習面での不安、生活の不安を抱え、不登校になったり、いじめの当事者になるようなことがあってはなりません。知的遅れがない発達障害や境界知能の子どもたちが特別支援につながっていない可能性があります。適切な指導や必要な支援が受けられるような体制づくりに今本気で取り組むべきです。教育委員会の見解を求めます。

 中野区の特別支援教育の体制としては、知的障害を持つ児童・生徒に対する特別支援学級、通級指導学級での「きこえとことばの教室」、情緒障害対象で巡回指導が行われる特別支援教室が設置されています。近年、情緒障害の枠組みの中で、固定級での自閉症・情緒障害学級の設置を進める自治体が増えてきました。こうした固定級の設置について区の検討状況を伺います。

 日本も締結している国連の障害者の権利に関する条約では、合理的配慮の下、障害のある子もない子も同じ場で共に教育を受けるというインクルーシブ教育の考え方が示されています。共生社会の形成に当たり、全ての人がそれぞれの能力や可能性を最大限に活かし、自立して社会参加を目指していくため、共に学んでいくことを基本にしています。しかしながら、今の日本では、一人ひとりに寄り添う特別支援教育の充実を目指せば目指すほど、分離型での学びの場を準備していくという真逆の方向に進んでしまっています。2022年には、分離された特別教育の永続に対して国連から勧告を受けています。今定例会でも昨日から何度となく使われているインクルーシブという言葉ですが、多くの人の理解とサポートをする制度や十分な人員がいないとインクルーシブ教育のハードルは高く、議論が必要です。区の今後のインクルーシブ教育に向けての考え方を伺います。

 10月に、子ども文教委員会では、広島県教育委員会が取り組んでいる個別最適な学びに関する実証研究について視察に行ってまいりました。福山市立福山中学校では、生徒一人ひとりの夢の実現をキャッチフレーズに、自ら考え問題を解決する方法を学んでおり、地域企業やNPO法人が一緒に取組を進めていました。地域の協力体制が印象的でした。

 中野区では、来年度からは全ての学校で学校運営協議会の設置と地域学校協働活動とを共に進めていく中野区コミュニティ・スクールがスタートします。これは区長が定められた多様性と地域のつながりを強みにした教育の実現という教育大綱の方針に合致するものであります。申し上げてきたように、生きづらさを抱えている子は多く、学校を取り巻く環境はとても厳しい。区長の掲げられている子育て先進区に向けた公教育の充実のため、中野区コミュニティ・スクールの在り方を区長部局と教育委員会とで協議されてはいかがでしょう。総合教育会議の開催を提案いたします。

 2、安全安心に暮らせるまちについて。

 まず、防犯の取組みについて伺います。

 闇バイトのニュースを聞かない日がないほど大きな社会問題になっています。匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウの犯罪については、昨年中野区内でも強盗傷害事件が発生したこともあり、区民に大きな不安を与えています。警察は実態解明と取締りの強化のほか様々な取組を進めていますが、区としても被害に遭わないための情報提供、若者たちが闇バイトに応募しないよう学校での啓発活動を実施するなど直接的な取組が必要です。現在の区の取組状況を伺います。

 安全なまちであるためには地域の目が大切です。区内では多くの町会等による防犯パトロールが実施されており、防犯パトロール団体の登録は150を超えています。また、子どもたちがまちなかで危険を感じた際の駆け込み先として、また地域防犯力の向上のために、子ども110番の家事業も実施されています。これまでこの事業は中野区立小学校PTA連合会が中心となり、学校単位PTAの協力の下運営されてきましたが、現在PTAのない学校もあることから、地域での実施状況に差が出ています。メンバーが流動的であるPTA組織に一括してこの事業を担っていただくには負担が大き過ぎるとも考えます。また、まちの協力者の状況も変化しています。子どもの安全確保に資する事業であるため、早急に在り方の検討をされたいと考えます。区の見解を求めます。

 今月初め、鷺宮地域で児童連れ去り未遂事件が発生しました。当日夜にネットニュースで知った方が多く、当日はメールけいしちょうからも配信がなかったため、中野区の児童であるかどうかが確認できず、混乱が起きました。その後、中野区の児童でないことは確認されたそうです。こうした事案は再発防止が大事だと考えます。防災危機管理課から、近隣の学校には情報が共有され、児童には指導があり、保護者にもお知らせが出されましたが、児童館や区民活動センター等、また見守りをしている地域団体にはタイムリーに情報が伝えられませんでした。事件は想定どおりに起こるとは限りません。区が情報を得たとき、どこに伝達するか判断し、区内でどのような対応がされているのか状況が集約されていることが大事です。区の情報管理体制の確認が必要です。区の見解を求めます。

 (2)犯罪被害者支援について。

 毎年11月25日から12月1日までの1週間は犯罪被害者週間で、ちょうど今日もその期間中となります。中野区は2008年に犯罪被害者相談窓口を設置し、2020年に中野区犯罪被害者等支援条例が制定されるなど、早くから犯罪被害者支援に取り組んできました。犯罪被害に遭われた直後から、身近なところで寄り添った支援が受けられることは大事なことです。以前、常勤の保健師の配置を要望して実現されましたが、相談対応には高いスキルが必要であり、持続可能な体制構築のため、人材育成と安定した職員配置が必要です。区の見解を伺います。

 殺人や性被害などの被害に遭われた方に対しては、警察から区の相談窓口の情報提供がされていると聞いていますが、詐欺、つまり、財産的被害に遭われた方に対しては必ずしもそうではなく、また被害者支援都民センターでは支援の対象ではありません。詐欺に遭われた方は精神的にも大きなダメージを受けるため、心理社会的支援が必要です。中野区としては、どのような被害者であっても、必要な支援につなげていくべきですが、いかがでしょう。

 また、犯罪被害者支援窓口のさらなる広報をすべきですが、いかがでしょうか。

 犯罪があるから、そこに被害者が存在します。犯罪被害者をなくすためには、犯罪予防と再犯防止推進の取組を川の源流として考えることが必要です。学校ではいじめに対する取組がされていますが、暴力を振るわれてもいい人、振ってもいい人もいないのだということを子どものうちから伝えることはとても大事です。被害に遭うことのつらさに寄り添える社会であるために、学校での授業や効果的なイベントなどを工夫されてはいかがでしょうか。

 (3)更生保護の取組みについて。

 令和4年の刑法犯検挙件数はおよそ17万件、この15年間減少傾向にあります。しかしながら、再犯者率は47.9%と、前年度よりは微減したものの増え続けています。再犯する人は貧困や本人の努力では解決できない発達や健康上の課題を抱えていることが多く、それを取り除かないとまた犯罪を犯すという負のスパイラルにはまっていきます。

 保護司は日本独特な制度で、そうした犯罪や非行をした人が再び罪を犯すことがないよう、その立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。保護司には担当している対象者についての守秘義務があるため、任務において孤立しがちであり、それに対する方策が必要とされています。一昨年より保護司がすこやか地域ケア会議に参加し、地域の支援者間の顔の見える関係づくりが進められていることは評価されます。この会議を通じて、さらに地域における更生保護活動の理解が深まることが望まれますが、いかがでしょう。

 他に、保護司の孤立を防ぐために区が取り組んでいることがあるのでしょうか、伺います。

 刑事施設からの出所後、区内にある更生保護施設敬和園に住居を移す対象者にとって、住民登録や国民健康保険の加入手続がスムーズにいかない場合が多いと聞いています。そうした対象者を理解しサポートできるよう、地域事務所と敬和園が連携した支援体制を構築していく必要があります。区の見解を求めます。

 犯罪や非行をした人に対しては、刑事司法手続終了後においても、1人の生きづらさを抱えた人として息の長い支援が必要です。地域社会の一員として立ち戻ることができるよう、居住や就労支援、医療につながる体制整備ほか、孤独・孤立を生まないような地域の体制づくりが必要です。現在取り組んでいる第二次再犯防止推進計画策定に当たっては、互いの役割を確認し進められるよう、保護観察所等、国や都の意見交換を実施してはいかがでしょうか。誰もが安心して暮らせる誰一人取り残されることのない地域共生社会を目指した計画となるように望みます。伺って、この項の質問を終わります。

 3、多文化共生推進に向けた取組みについて。

 中野区における外国人人口は着実に増えています。11月には2万4,559人で、前年度同月比17%増、また15歳以下も11月現在で1,299人となり、昨年同月比は13%増となっています。教育委員会は中野区国際交流協会による日本語指導員等派遣事業を実施していますが、その事業については、今年の第1回定例会の私の総括質疑において、個に応じた指導方法や指導時間の在り方、中学校2年生、3年生の受験期の対応等について検討していく必要がある。指導カリキュラムの共有を学校に呼びかけるとの御答弁がありました。あわせて、学習状況について、学校と指導者との成果共有も必要です。その後の対応についてお伺いします。

 外国籍の児童・生徒が、その後日本でも母国でも、語学力不足や学習機会の不足のために就労できないということになると、裏バイトに手を染めてしまうような可能性もあるのでしょう。また、外国籍の中野区在住・在勤の一般の方向けにも、個々のニーズに合った参加しやすい日本語指導の機会を拡充していく必要があります。区内で外国人居場所事業を行っているHATIJAPANさんによると、家族の中で奥さんだけ日本語が話せない事例が多いと伺っています。先日、東京都つながり創生財団と意見交換をいたしましたが、他自治体では、日本語を学ぶ機会としてオンラインも活用するなど工夫をしているようです。ニーズに合わせて取組を考えるべきですが、いかがでしょうか。

 4、最後に、鷺宮地区のまちづくりについてのうち、西中野小学校、鷺宮小学校両校の跡地活用について伺います。

 鷺宮小学校跡地は、令和10年度から、かみさぎ幼稚園建て替え機関の仮園舎として活用後、校舎解体工事が始まるというスケジュールが出されました。速やかな解体工事開始は評価いたしますが、できるだけ影響のない間は地域が跡地を活用できるよう配慮願います。現在、すこやか福祉センター、高齢者会館、地域包括支援センター、鷺宮図書館、区民活動センター、地域事務所と六つの機能が入る複合施設の整備方針が示されていますが、地域や地元同僚議員からの提案もあるように、子育て関連施設を加えていただきたい。近くの鷺宮児童館は間もなく築60年を迎えます。利便性の高いこの地へ移転することで来館もしやすくなり、新たな地域交流も生まれることと思いますが、いかがでしょうか。

 地元から要望書「シン・鷺宮」が提出されていますが、こうした複合施設をデザイン・設計していくに当たっては、持たせたい機能を効果的に配置するため、外部によるコンサルティングの力を借りてはいかがでしょうか。西中野小学校跡地活用については、区有施設整備計画にて民間施設誘致を検討としたまま進捗はありません。こちらも白鷺三丁目町会からの要望が出されています。以前より申し上げているように、地域の声が反映された跡地活用、まちづくりが進められるべきです。区民の要望を入れられるようにしていかなければなりません。区の計画の具体的な方針が決まるのはいつなのかお伺いして、私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤ゆり議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、子育て先進区に向けた公教育についてのうち、総合教育会議の開催についてでございます。総合教育会議は、教育大綱の改定や重点的な教育施策、緊急の場合に講ずべき措置等について、区長と教育委員会が協議・調整を行うための会議であります。直近の開催としては、令和4年度に3回、教育大綱の改定に向けて開催をしております。今後も教育環境の変化等を踏まえて、必要に応じて開催を検討してまいりたいと思います。

 次に、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪に対する区の取組についてです。区では、高齢者に対しては、防犯対策として警察と連携を図り、自動通話録音機の貸出しや在宅中の訪問者の対応要領等を啓発するとともに、青パトによるパトロールを行い、不審者の発見に努めるとともに、区民への注意喚起を行っております。若者たちへの啓発については、警察と共にキャンペーン等で啓発を行っており、警察が、犯罪実行者の募集、いわゆる闇バイトへ応募した者に対して相談するよう呼びかけていることから、区の若者相談窓口に相談があった際の連携についても検討していきたいと考えております。

 次に、安全安心に暮らせるまちについてで、犯罪発生時の対応についてです。区内で凶悪事件が発生し犯人が逃走しているなど、区民にさらに被害が及ぶおそれがある情報が警察から寄せられた際は、防災危機管理課で関係部署に情報を伝達するとともに対応状況を把握しているところであります。区内で発生した事件の全てが警察から情報提供されるものではないことから、区としても幅広く情報収集を行っているところであります。収集した情報が事実であるかの確認を徹底し、区民の安全に資する情報については、必要な場所に正確に届くよう努めてまいります。

 次に、支援を継続していく体制の構築についてです。区は、犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進するため、常勤の保健師及び専任の相談支援員を配置し、被害者等に必要な情報提供や関係機関との連携、裁判所や病院等への付添い支援等幅広い支援を行っております。今後も相談支援員と保健師の配置を継続し、専門知識の継承に努めていく考えであります。また、定期的に開催している区職員向けの犯罪被害に関する研修を継続し、庁内が連携して被害者に寄り添える体制としてまいります。

 犯罪被害者支援窓口のさらなる周知についてです。犯罪被害者等が迅速に必要とする支援を受けるためには、区の犯罪被害者支援事業を知っていただく必要があります。しかし、区に犯罪被害に関する相談窓口があることを知っている人の割合は4割を下回っております。このため相談窓口の認知度を上げていく取組として、区ホームページによる情報発信やリーフレットの配布、関係機関との連携の充実など様々な機会を捉えて周知を進めてまいります。

 犯罪被害者をなくすための取組について、区では犯罪被害者に対する正しい理解と二次被害防止の観点から、広く区民を対象に講演会やパネル展示、警察署と合同の相談会等の普及啓発活動を行っております。また、今年度は新たな取組として、大学と連携した講演会を開催したところであります。犯罪被害に遭うことのつらさや命の大切さをより広く伝えていけるよう、小学校や中学校の授業との連携についても検討してまいります。

 保護司の孤立を防ぐための取組みについてです。すこやか地域ケア会議では、保護司と地域で活動する様々な支援者との顔の見える関係づくりの場となっておりまして、保護司の更生保護活動と地域で支援を必要とする刑余者への理解促進にも寄与していると考えております。保護司が対象者と面談するに当たって、区役所の相談室を貸すことも始めましたが、区の職員とも顔を合わせるきっかけにもなっておりまして、孤立することを防ぐ取組の一つになると捉えております。

 地域事務所との連携についてです。窓口での手続において支援が必要な方への対応はこれまでも継続して行ってきております。地域事務所での手続の受付の際には、円滑な対応ができるように職員の知識を高めるとともに、施設と事前に連携するなど受付体制の整備を検討してまいります。

 第二次中野区再犯防止推進計画についてでございます。再犯防止は、対象者が社会的孤立の状態とならないよう関係者が連携し支援していくことが重要であります。立ち直りを見守り支えていく体制づくりに当たっては、意見交換の場を通じて、国や都の役割を確認し、区、保護司会、地域が一体となって進めていくことを次期の再犯防止推進計画に反映させてまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 子育て先進区に向けた公教育についての御質問からお答えいたします。

 まず最初に、いじめに関わる全ての当事者にとって配慮ある教育的対応についてでございます。いじめは、どの子どもも当事者になり得るという認識を持ち、未然防止、早期発見、早期対応を基本として、保護者、地域及び関係機関と連携して取り組んでいるところでございます。対応に当たっては、いじめの被害者を守ることを最優先に考えるとともに、いじめに至る背景にまで目を向け、全ての子どもが安心して過ごせるように努めてまいります。

 次に、幼児施設におけるいじめ対応の普及啓発についてでございます。幼児施設における対応については、子どもの年齢や発達段階に合わせて対応する必要があり、小・中学校とは違うと認識しております。今後は、有識者を交えて、幼児施設にふさわしい基本方針を策定できるように検討を進めてまいりたいと思っております。

 次に、スクールロイヤーの配置の拡充についてでございます。現在、スクールロイヤーが学校から主に電話やメール等での相談に乗れるように配置をしております。今後は、スクールロイヤーが学校に訪問して、問題の未然防止や早期解決に向けた相談がしやすいように、配置日数等の拡充を検討していきたいと考えております。

 次に、境界知能等の子どもたちへの支援についてでございます。境界知能や発達障害等の児童・生徒の特性には個人差があり、内容も様々であるため、各学校において必要な支援を検討し、必要に応じて個別の教育支援計画を作成しているところでございます。一人ひとりに応じた多様な学びを支援するために、関係機関が個別の教育支援計画等を活用して円滑に情報共有を行い、必要な支援を行っていきたいと考えております。

 次に、自閉症・情緒障害特別支援学級の設置検討状況についてでございます。区では、発達障害等がある児童・生徒が学習上または生活上の困難を改善・克服し、可能な限り多くの時間を在籍学級で他の児童・生徒と共に学校生活が送れるよう、全区立小・中学校に特別支援教室を設置し充実を図っております。自閉症・情緒障害特別支援学級の固定学級につきましては、他自治体の視察を行い、先進事例を学んでいきたいと考えております。

 インクルーシブ教育の方向性についてでございます。現在、全区立学校で児童・生徒の障害特性に応じた合理的配慮の共通理解を図るためにガイドラインの作成を進めているところであり、インクルーシブ教育の考え方についての理解促進を進めていきたいと考えております。

 次に、安全安心に暮らせるまちづくりについての御質問の中から、子ども110番の家事業についてでございます。地域の防災対策の一環として、PTAが主体となって行っている子ども110番の家事業について、協力家庭が年々減少するなど、まちの状況が変化していることは承知してございます。今後、民間事業者も含め、地域と連携して、子どもを犯罪被害から守る方策についてPTAと共に検討していきたいと考えております。

 最後に、多文化共生推進に向けた取組みについての御質問の中から、日本語指導のその後の対応についてでございます。日本語指導推進校の指定を受けている中学校では、一人ひとりの実態に応じた日本語指導の推進というテーマで、学校と国際交流協会のカリキュラムや対象生徒の学習状況の共有方法を含め研究しているところでございます。今後はこの研究成果を各学校で共有していきたいと思っております。

〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕

○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、一般向けの日本語学習機会の拡充についてお答えします。現在中野区国際交流協会で実施している日本語講座は、通学が困難な外国の方には対応できていない状況であると認識してございます。このことから、令和7年度は、試行的に区内在住・在勤・在学で日本語を初めて学ぶ外国の方を対象としたオンラインによる日本語教室を実施することを検討してございます。この試行後、参加人数や参加者の満足度、学習効果を検証し、それを踏まえて日本語学習機会のさらなる提供に向けて工夫してまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、鷺宮地区のまちづくりについてお答えいたします。

 初めに、鷺宮児童館の移転整備についてでございます。鷺宮小学校跡地は、鷺宮児童館から近距離にあることから、将来的な改築に当たっては、他の施設の複合化を図ることにより、利便性の向上や多世代交流につながる可能性もあると認識してございます。今後、鷺宮小学校跡地活用の検討を進めていく中で、総合的に判断をしてまいりたいと考えております。

 次に、鷺宮小学校跡地活用に係るコンサルティング委託についてでございます。鷺宮小学校跡地については、令和7年度から機能検討を開始することとしております。機能検討を進めていく中で、令和8年度以降に施設整備に係るコンサルティング業務を委託することにつきましても、併せて検討をしてまいります。

 最後に、西中野小学校跡地の活用方針でございます。西中野小学校跡地につきましては、区有施設整備計画におきまして、民間施設誘致を検討することとしており、具体的な方針について検討しているところでございます。令和7年6月にお示しをする予定の次期区有施設整備計画骨子において、西中野小学校跡地に係る具体的な方針についてもお示しができればというふうに考えております。

○副議長(木村広一) 以上で斉藤ゆり議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 武 井 まさき

 1 デジタル地域通貨「ナカペイ」について

 2 中野区の分煙施策について

 3 年度末の窓口対応について

 4 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、武井まさき議員。

〔武井まさき議員登壇〕

○3番(武井まさき) 令和6年第4回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問させていただきます。

 質問は通告どおりで、その他の質問はありません。

 初めに、デジタル地域通貨「ナカペイ」について伺います。

 いよいよ11月1日よりナカペイの運用がスタートいたしました。現在ナカペイが使える店舗は中野区内の店舗に限定されております。その中野区内の商店街の現状は、中野区産業振興方針の商店街の現状と課題にも記載されているとおり、商店街数、商店街に加盟している店舗、全て減少の一途をたどっております。それに伴って商店街を運営する役員も減少と厳しい状況が続く中、このナカペイのスタートは、商店街連合会、各商店街、各個店を営む方々の期待が大きいのは皆さんも御存じのとおりです。

 実際運用がスタートして、使う消費者側、使われる店舗側の意見を取り入れ、使いやすいものにしていただきたい。ナカペイの運用が始まり、既に利用者の方からは、このようになったら使いやすいなどの改良点についての意見を耳にすることが増えているところであります。例えばほかのキャッシュレスサービスなどでは、店舗で買物をされたときに、店舗側はすぐにメールで支払い完了の通知を受け取ることが多い。ナカペイはホームページにアクセスしないと支払い完了されたことが分からないなどの意見がございました。このような小さな修正で対応できることは、利用者の意見を取り入れすぐに対応することで、ナカペイに対する満足度を上げ、普及促進につながると考えますが、区として今後の方向性をお伺いいたします。

 また、ナカペイはクーポン機能や、特定の商店街だけで使用できる地域を限定する機能が検討されております。このような機能は商店街や店舗にとても有益な機能で、早期の利用化も求められているところです。ナカペイアプリの中にある行政・店舗からのお知らせの項目もうまく活用すれば、とても効果のある広告機能として使用することも想定されます。このようなナカペイの機能を使用手数料など商店街加盟店、非加盟店で差をつけ、商店街に加盟している店舗が有利に使えるようになれば、ナカペイが商店街への加盟促進のツールともなり、冒頭申し上げた中野区商店街連合会やその関係者の皆さんが抱えている会員数の減少などの課題解消に向けた対策にもなり得ると考えます。区の見解はいかがでしょうか、お伺いします。

 商店街加入促進のために、前回の一般質問でも、ナカペイの手数料負担は来年度から発生するのか、商店街加盟と非加盟店で決算手数料に差をつけるべきと質問させていただきましたが、その後の検討状況はどうなっているのか進捗状況を伺います。

 ナカペイを通して、区内商店街の活性化、商店街と地域との結びつきの強化が今後さらにされることを心より願って、次の項の質問に移ります。

 次に、中野区の分煙施策についてお伺いいたします。

 ここ数年、受動喫煙に対する対策が施されています。2018年に健康増進法の一部を改正する法律が成立、2020年4月1日より全面施行され、喫煙専用室など分煙設備を持たない飲食店などは全面禁煙となりました。喫煙については、ポイ捨ての問題もあります。中野区では、平成17年に施行された中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙防止等に関する条例に基づき、中野駅周辺は路上喫煙禁止地区に定められ、また中野区内の全域において歩きたばこをしないよう努めなければならないと条例で規定されているところです。

 このようにたばこのポイ捨てに対する対策は実施されていますが、たばこのポイ捨ての減少には十分とは言えません。去年、東中野駅近くで、たばこのポイ捨てが原因で路上の枯れ草が燃えるというぼや騒ぎもありました。私の東中野に住んでいる知人が駅近くに持っているテナントが空いたときに、地域のために受動喫煙防止の観点から喫煙所の設置を検討したそうです。初期費用の面で諦めたという話を耳にいたしました。

 近隣区において現状を調べてみると、杉並区では、屋内、屋外の設置費用で400万円、新宿区では、公衆喫煙所、屋内、屋外コンテナ型には1,000万円、屋外パーティションには600万円、板橋区では、屋内コンテナに1,000万円、維持管理費に年間60万円など、それぞれ助成制度が存在することが分かりました。中野区にもこういった助成制度が存在し、民間レベルでの喫煙場所の設置を行う制度整備が進んでいれば、東中野駅近くに喫煙スペースを設置することができ、受動喫煙やぼや騒ぎも防止することができたかもしれません。

 我が会派からは、以前より、再三中野区が新たに喫煙スペースを設置することを決断しなければ、民間で希望する方々が喫煙スペースを整備するための施策をと申し上げてきました。そういったことを促進するために助成制度の創設が急務であると考えます。結果、その制度創設で路上喫煙禁止地区の拡大も考えられると思いますが、区のお考えをお伺いいたします。

 また、先般の第3回定例会で扱われた陳情で、路上喫煙禁止エリア拡大を主旨としたものがございました。当然路上喫煙については、我が会派としても防止するために方策を講じることは賛成でありますが、ただ路上喫煙反対と叫んでいても、実際の路上喫煙を防止することにはつながりません。実際に中野駅周辺も路上喫煙禁止エリアが多いエリアとなっております。しかし、たばこのポイ捨てはひどい状況であります。すなわち中野駅周辺で路上喫煙を防止できていないばかりか、受動喫煙の解決にもなっていないと考えます。

 今後、西武新宿線沿線の連続立体交差化事業によって、新井薬師前駅や沼袋駅などの駅も大きく姿を変え、再整備されていきます。交通広場などが設置される予定になっており、周辺には新たににぎわいが生まれることと推測されます。にぎわいが増えることによって、店舗の増加や通行人の増加によって、中野駅北口のようにポイ捨てなどが増える可能性があると思いますが、そのようなことを区はどのように考えていますでしょうか、お伺いいたします。

 また、新井薬師前駅や沼袋駅などに路上喫煙禁止地区の指定や喫煙所の設置を行う場合には、直接影響を受ける各エリアのまちづくり検討会や地域の住人の方と路上喫煙禁止地区の指定や喫煙スペースの設置について意見交換をする機会をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。

 しかし、一方で、喫煙所を設置するスペースが不足している、確保できないといった事情も伺うことが多いのが現状であります。そこで伺いますが、我が会派の加藤たくま幹事長が、令和5年第1回定例会の予算特別委員会総括質疑において、民間が整備する大型建築物の中に喫煙スペースなどの公共貢献となる施設を設置すれば容積が緩和されるというような制度があれば、喫煙所などの公共貢献となる施設を誘導することも可能となる。中野区でも公共貢献を求めていくべきではないかという旨の質問をいたしました。そうした公共貢献制度等を活用するなど、中野区内に民間の喫煙所を増やす手法を様々な観点を持ち検討することが必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 この項の最後に、現在23区中の9区が民間事業者と包括連携協定を結び、環境美化、清潔な地域環境を確保することに取り組んでおります。この民間事業者との包括連携協定を結ぶことによって、官民協働でポイ捨て対策、受動喫煙対策に取り組むことが可能でありますが、今後区だけでたばこに関する方策を講じるのではなく、民間事業者との連携が必要と考えます。中野区としての見解はいかがでしょうか、伺って次の項に移ります。

 次に、年度末の窓口対応についてお伺いいたします。

 先日、区役所2階の窓口の様子を実際に見る機会がありました。時間やタイミングの問題もあるかと思いますが、待合スペースにはかなりの人が待っていて、椅子と椅子の間の通路にも人が立っている状況でした。こういった状況を目の当たりにすると心配になるのが、年度末にこの窓口が機能するかということです。3月は転勤や新社会人、入学など、引っ越しに係る手続で窓口がかなり混み合い、この時期の旧区役所1階は外にまで人があふれかえっている状況でした。区には引っ越しに係る窓口として地域事務所もあります。3月に鷺宮地域事務所に行ったことがありますが、同様に大変混雑していて、単純に地域事務所に人を誘導しても、今度は地域事務所が混雑するだけのように思います。

 第3回定例会において、2階のフロア混雑解消を目的とし案内モニターの追加などの提案がありましたが、たとえ案内モニターを追加したとしても、ふだんの窓口での案内はスムーズになるかもしれませんが、年度末の混雑解消につながるとは思えません。今年度初めてこの区役所で3月の引っ越しシーズンを迎えることになりますが、手続に来た人が快適に手続を行えるよう、あらかじめ想定される混雑を見据えたふだんとは異なる対応が必要であると考えます。引っ越しシーズンに向けた抜本的な対策の必要性について、区のお考えをお伺いいたします。

 年度末に窓口が混み合うのは中野区に限った話ではありません。ほかの自治体においても同様の状況であり、様々な取組を行っています。区役所が新しくなったこともあり、いろいろな場面で新しい取組を言われることが多いですが、ほかの自治体において具体的に成果のあった取組を取り入れることこそが即効性を持つと考えます。新聞記事などで見ましたが、幾つかの自治体において、コンビニでの証明書発行を10円にすることで、区役所の混雑解消とコンビニ交付に必要なマイナンバーカードの保有率向上を狙った取組を行っています。中野区のマイナンバーカード保有率は伸び悩んでいると聞いていますので、混雑解消とマイナンバーカード保有率の向上の起爆剤としてこうした取組を行ってみてはどうかと考えます。区の見解をお伺いいたします。

 また、地域のコンビニの経営者の方から、証明書のコンビニ交付に来た利用者に、証明書の交付方法はコンビニで教えてくれると言われたという方が多い、証明書の発行のために機械の操作を教えるのはコンビニ側の仕事ではないので困ったというような話も聞きました。そのようなことが起きないようにお願いを申し上げます。

 様々な対応を行ったとしても、区役所で行わなければいけない手続があり、3月は混み合います。ところが、区役所を利用した方からは、待合のスペースは夏は暑く、最近は寒くなってきたにもかかわらず、やはり暑いと聞きました。ただでさえ混み合っている中で長時間待つ際に、室温などは適正に保たれていないと、それだけでストレスになります。春先は特に暑くなったり寒くなったりと寒暖差も激しい時期になりますが、そういった中でも快適に待てるよう日々の状況に合わせた適切な環境管理が行えるのかお伺いをいたします。

 最後に、先日、葬祭費支給に関する手続の用紙についての相談を受けました。内容を聞いてみると、一般の紙に印刷されている様式にもかかわらず、地域事務所になく、区役所に取りにいけない場合は電話をして郵送で受け取らなければならないといった内容でした。区のホームページには申請書ダウンロードというページはありますが、様式の掲載は手続によってまちまちのようで、当該手続に関する様式の掲載はありませんでした。行かない窓口の実現に向けて、オンライン申請を区では推進していますが、オンライン申請するのが難しい手続も多いと聞いています。オンライン化が難しい手続であったとしても、様式を可能な限りホームページに掲載しダウンロードできるようにし、郵送で受け取る、事前に書いてきてもらうなどの区民の負担を減らすための取組が必要だと考えます。いかがでしょうか、お伺いをいたします。

 以上で質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 武井議員からの御質問に、私からはデジタル地域通貨ナカペイについてお答えいたします。

 まず初めに、店舗利用者からの意見への対応でございます。民間の決済アプリと異なって、地域通貨アプリであることによる一定の制約はございますけれども、区に寄せられている意見や要望を踏まえながら、技術的に対応困難なものについては、費用対効果、優先順位を考慮した上で順次改善をしてまいりたいと考えております。

 ナカペイを活用した商店街への加盟促進でございます。歳入の確保を図るため、令和7年度から、ナカペイのアプリ内に実装されている店舗からのお知らせやクーポン発行機能を活用して広告収入を得ることを検討しているところであります。また、中野区商店街連合会などへの加盟促進を図り、店舗からのお知らせやクーポン発行機能を利用する場合に、中野区商店街連合会加盟店などについては広告料を減額あるいは免除することを検討してまいりたいと考えております。

 次に、ナカペイの手数料負担の検討状況です。令和7年度については、決済手数料については徴取しない方向で検討しております。後年度については、商店街加盟店と非加盟店で決済手数料に差をつけることについて、商店街加入促進のインセンティブ付与の一環として引き続き検討してまいります。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 中野区の分煙施策についてお答えをいたします。

 まず、喫煙所設置助成制度と路上喫煙禁止地区の検討について、現在庁内関連部署が連携をしながら、民間喫煙所設置補助制度など、公民連携による公衆喫煙所設置促進や受動喫煙防止を踏まえた路上喫煙禁止地区の指定など、受動喫煙防止対策に対する区の方針を検討しているところでございます。

 次に、にぎわいの増加に伴うたばこの散乱防止について、区では、現在地域団体等と連携して、清掃美化活動や街頭でのマナーアップキャンペーンなどを行っております。まちづくりの進展によりにぎわいが増え活性化が進む際にもまちの美化を保っていけるよう、今後も引き続き吸い殻、空き缶等の散乱防止の啓発に努めてまいります。

 続きまして、路上喫煙禁止地区の指定等に際する意見交換についてです。今後新たに路上喫煙禁止地区を指定する際には、公衆喫煙所の設置も含め地域の方々の声を伺うとともに、人流、周辺状況等を踏まえて検討してまいります。

 続いて、民間喫煙所設置手法の検討について、公衆喫煙所につきましては、民間喫煙所設置補助制度など、公民連携で設置促進することを検討しております。民間喫煙所に係るその他施策につきましては、他区の事例や制度なども参考に、今後研究してまいりたいと考えております。

 最後に、民間事業者との包括連携協定について、区では、公衆喫煙所の設置に当たり民間事業者の協力も得ながら取り組んでいるところでございます。民間事業者との包括連携協定を締結した場合どのような取組が可能かなど、他の自治体の事例なども参考に研究をしてまいります。

〔区民部長高橋昭彦登壇〕

○区民部長(高橋昭彦) 私からは、年度末の窓口対応についての御質問のうち、2点お答えいたします。

 一つ目に、繁忙期対策についてでございます。2階フロアの混雑解消につきましては、補正予算により案内表示器の増設など追加対応してきているところでございますが、例年3月から4月にかけましては、住民異動届など引っ越しに伴う来庁者が顕著に多くなることから、さらなる取組の強化が必要であると捉えてございます。区役所に来庁しなくても手続できる方法をしっかりと広報し誘導を図るとともに、来庁者に対応するための引っ越し手続関連の窓口の増設、あるいは待合スペースの拡充、サポートの必要な来庁者に対する臨時会場の確保などについて現在検討を行っているところでございます。

 続きまして、コンビニ交付手数料の減額についてでございます。繁忙期対策として、コンビニ交付手数料の減額を行った先行自治体では、コンビニでの交付数が前年比10%近く増加した例もあると聞いてございます。混雑解消に向けた効果が大きい取組だと捉えてございます。併せてマイナンバーの取得を促す効果も期待できるため、その実施方法について検討を行っているところでございます。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、年度末の窓口対応についての御質問のうち、日々の状況に合わせた適切な環境の確保についてお答えいたします。空調等の温度管理につきましては、庁舎1階のビル管理室において委託事業者が中央監視装置により常に監視をしてございます。今後も適切な環境確保に向け、委託事業者と適宜調整してまいります。

〔DX推進室長滝瀬裕之登壇〕

○DX推進室長(滝瀬裕之) 私からは、年度末の窓口対応についてのうち、様式類の区ホームページの掲載についてお答え申し上げます。行かない窓口の実現におきましては、法令などの制約により直ちにオンライン化できない手続も存在してございます。こうした手続につきましては、引き続き法令等の緩和の状況を注視しながら、様式類の区ホームページへの掲載を含め、案内の改善により区民の負担をできるだけ減らす工夫をしてまいります。

○副議長(木村広一) 以上で武井まさき議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(木村広一) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時24分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       副議長 木村 広一

       議 員 大沢 ひろゆき

       議 員 南 かつひこ