令和7年02月14日中野区議会本会議(第1回定例会) 23.05.24 中野区議会第2回臨時会(第1号)

.令和7年(2025年)2月14日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  2番  山  内  あきひろ        3番  武  井  まさき

  4番  日  野  たかし         5番  木  村  広  一

  6番  斉  藤  けいた         7番  井  関  源  二

  8番  黒  沢  ゆ  か        9番  大  沢  ひろゆき

 10番  武  田  やよい        11番  広  川  まさのり

 12番  いのつめ  正  太       13番  間     ひとみ

 14番  河  合  り  な       15番  市  川  しんたろう

 16番  加  藤  たくま        17番  甲  田  ゆり子

 18番  小  林  ぜんいち       19番  白  井  ひでふみ

 20番  吉  田  康一郎        21番  立  石  り  お

 22番  小宮山   たかし        23番  内  野  大三郎

 24番  い  さ  哲  郎       25番  細  野  かよこ

 26番  斉  藤  ゆ  り       27番  杉  山     司

 28番  ひやま      隆       29番  高  橋  かずちか

 30番  大  内  しんご        31番  伊 藤  正  信

 32番  平  山  英  明       33番  南     かつひこ

 34番  久  保  り  か       35番  石  坂  わたる

 36番  むとう   有  子       37番  羽  鳥  だいすけ

 38番  浦  野  さとみ        39番  山  本  たかし

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席議員(1名)

  1番  高  橋  ちあき

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一    区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦

 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉   子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森   克 久 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔

 健康福祉部長  杉 本 兼太郎      保 健 所 長  水 口 千 寿

 環 境 部 長  浅 川   靖      都市基盤部長  松 前 友香子

 まちづくり推進部長  角   秀 行    企画部企画課長  中 谷   博

 総務部総務課長  永 見 英 光

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  若 見 元 彦

 書     記  田 村   優      書     記  細 井 翔 太

 書     記  森 園   悠      書     記  梅 田 絵里子

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  志 賀 優 一

 書     記  早 尾 尚 也      書     記  堀 井 翔 平

 書     記  金 木 崇 太      書     記  砂 橋 琉 斗

 

 議事日程(令和7年(2025年)2月14日午後1時開議)

日程第1 第7号議案 令和7年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業の区の対応について

  (1)中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業の進捗・検討状況と今後の事業スケジュール

     について

  (2)中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業に関わる財政負担について

  (3)事業計画の見直しに係る専門職人材の採用と育成について

  (4)防災機能を有する一時避難施設の設置について

  (5)その他

 2 令和7年度予算と今後の財政運営について

  (1)令和7年度予算の特徴について

  (2)今後の財政について

  (3)中野区デジタル地域通貨ナカペイの今後の運用について

  (4)その他

 3 区民サービスと業務改善について

  (1)基本計画の改定について

  (2)新庁舎移転に関わる成果検証の実施について

  (3)新庁舎移転後の業務改善について

  (4)区窓口への軟骨伝導イヤホンの設置について

  (5)施設利用者の立場に立った区民サービスについて

  (6)災害時の特別行政相談について

  (7)その他

 4 その他

  (1)休日診療について

  (2)看護小規模多機能型居宅介護施設について

  (3)その他

 

○議長(酒井たくや) 初めに、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○18番(小林ぜんいち) 令和7年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおり、4番、その他で2問お伺いをいたします。

 1、中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業の区の対応について。

 (1)中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業の進捗・検討状況と今後の事業スケジュールについては、遅延の補償、インフラ整備、資産評価について質問をさせていただきます。

 1月、閉会中の総務委員会、建設委員会、中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で、中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業の進捗状況と区の対応について報告が行われました。昨年9月に計画の中断が示されてからここまで、検討中と報告に変化がなく進められてきました。1月の報告では、これまで建物が1棟案でしたが、2棟案へと大きく変更されたイメージ図が示され、3月に事業計画の見直し方針と今後のスケジュールを報告するとのことでした。示された2棟建て案は、プロポーザル提出当時の次点案であった東京建物グループの案に酷似していることや、事業計画や資金計画の全体像が不明のままで報告されたことは検討の余地もありません。

 当地区の再開発事業計画は、令和3年1月、当初に指摘されていた事業資金計画の改善の下、面積、容積率、階数などの規模や施設配置、都市計画変更手続などと大きく5回もの変更がなされ、区は事業費や補助金規模まで変更を認めてきました。区は予定施行者である野村グループの事業計画を信頼して事業者として定めたと考えますが、その結果が今回の事業計画の見直しであります。本当に今後も野村グループを信頼していけるのか疑問があり、同じ失敗の轍を踏むことにならないかとも思います。

 そこで、再開発事業の検討・進捗状況の中で、区は事業の遅れの負担を野村グループに求めることとしていますが、これは野村グループが継続して事業を行うことを前提にしているのでしょうか。仮に事業が野村グループでない場合でも、区はしっかりと野村グループに遅延の補償を求める意思はあるのでしょうか、伺います。

 新たに住宅部分を2割増す計画であるならば、これまで常々申し上げてきましたが、学校などの教育施設、病院、高齢者などのインフラにも影響が出ると考えます。住宅は何戸増えるのか、また、それに伴うインフラ整備をどのように考えているのか伺います。

 住宅は事務所、オフィスとは異なり高値での販売が期待できます。その結果、区の資産価値の上昇も考えられます。区は従前資産の上昇に対する影響をしっかりと監視していく必要があると考えます。区は従前資産評価や権利変換後の権利床面積に対してどのような影響が出るのか、シミュレーションは行っているのでしょうか、伺います。

 (2)中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業に関わる区の財政負担について伺います。当地区の再開発事業計画のスケジュールが不明な中、金利負担と経常経費、起債償還については、再開発の方針次第では、仮に権利変換の期日が大きく延期される可能性があります。その場合、サンプラザの金利負担や固定資産税を回避するために区の予算を執行することはあり得るのでしょうか、伺います。その場合、補正予算によって対応することとなるのか伺います。

 さらに、当地区の再開発事業計画スケジュールが見通せない中で、金利負担等の関連する経常経費を最小限に抑える必要があります。起債償還を先行して行うなどの対応を検討しているのでしょうか、伺います。

 (3)事業計画の見直しに係る専門職人材の採用と育成について伺います。区にとっては特殊なこの事業の確実性を担保するために、専門人材の採用と育成をすべきではないかとこれまで申し上げてまいりました。このような大規模な開発の新たな事業スキームを検討するに当たり、現在いる区の職員だけで対応可能でしょうか。経済状況の不透明さが増している中で事業成立の確実性を担保するために、ピンポイントの検討や審査だけではなく、区職員の立場で専門人材を確保し、その力を借りて方針を整理する必要があるのではないでしょうか、伺います。新年度に向けてどのように検討しているのか伺います。

 (4)防災機能を有する緊急一時避難施設の設置について伺います。中野駅新北口駅前地区の地区計画を見ると、災害時の一時滞留空間としての広場は中野通りに面する北東側に計画されている集いの広場のみしか盛り込まれていません。中野駅に近接し、中野の中心地域であるこの場所は、3.11東日本大震災の際にもそうであったように、災害時には地域住民をはじめ多くの帰宅困難者が避難する施設となることが求められています。国や都の新たな動向や補助の仕組みを注視しながら、国民保護計画に基づき都の避難施設指定に協力し、防災対策の一環として地下空間などを活用した防災機能を有する緊急一時避難施設を設けてはいかがでしょうか、伺います。

 2、令和7年度予算と今後の財政運営について。

 (1)令和7年度予算の特徴について伺います。区長は施政方針説明において、令和7年度予算案の概要について、予算規模は令和6年度と比較して減になっていると述べられています。これは区役所新庁舎の完成や、中断している中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業関連経費の減少によるためであり、必ずしも事業の見直し、スクラップによるものではないと考えます。区は子育て先進区を標榜し政策を進めていますが、実際にはむしろ他の自治体の事業を追随するものばかりです。一方で、高齢者支援等が置き去りにされている印象であり、バランスに欠けていると考えます。もっと政策にメリハリをつけるべきではないでしょうか。来年度予算の特徴は何と考えているのでしょうか、伺います。

 (2)今後の財政について伺います。当地区の再開発事業計画が昨年9月に行き詰まり、区の財政見通しは極めて不透明であると考えます。一方で、物価高騰による経常経費の増加が区の財政をさらに圧迫すると考えます。当地区の再開発事業計画の方向性が決まるまでは、守るものはしっかりと守り、方向性に応じた対応ができるよう区財政に準備しておく必要があるのではないでしょうか、伺います。

 区役所新庁舎においては、設備管理費や窓口案内委託経費、ランニングコストなどの経常経費が物価高騰により今まで以上に膨らんでいます。新しく経常経費化されたものと物価高騰による経費増を分けて今後は説明してはいかがでしょうか。このような財政状況の中では、業務改善による既存の経常経費の見直しを徹底し、今後のまちづくりや施設更新の財政需要に耐え得る基金の積立てや起債活用の見直しも求められます。区は令和7年度に区有施設整備計画を改定するに当たり、財源計画も併せて見直し、学校や保育園等の施設更新を円滑に進めるために急騰している建設費に対応できるよう基金を積み増しし、義務教育施設整備基金や社会福祉施設整備基金の計画に織り込む必要があると考えます。区の見解を伺います。

 区は現在、減価償却費の25%を積み立てることを想定しているとのことですが、区は本当に25%を積み立てる考えがあるのでしょうか。また、今後継続的に25%を積み立てることができるのでしょうか、伺います。

 学校や保育園等の改築に当たっては、建設費等の高騰により財政的に改築計画の先送り等が生じる可能性もあるのではないでしょうか。令和8年度以降それぞれの改築計画と基金などの長期的な財政計画を立てておくことが必要です。一方で、今後の金利上昇局面を考慮すると起債の活用も制限していくことが必要であると考えます。区は財政手法の見直しを行うと言っていますが、来年度予算においてどのように見直すのでしょうか、伺います。

 区は起債について、公債費負担比率が10%範囲内での活用を基準としています。この指標は単年度、当該年度の数値のみで示しており、将来の財政状況を反映しているわけではありません。分母である区の予算規模が大きくなれば分子の起債が増えても比率は低下するため、10%の意味が変わります。将来世代への負担について、将来負担比率など発生主義的な指標も活用し、起債発行を計画的に行うべきではないかと考え、区の見解を伺います。

 (3)中野区デジタル地域通貨ナカペイの今後の運用について伺います。中野区内のお店で買物などに使えるデジタル地域通貨アプリ、ナカペイが昨年9月から始まりました。ナカペイは区内の加盟店で1ポイント1円として利用でき、キャッシュレス決済サービスとして多くの区民をはじめ在勤・在学の方、来街者の方にも広く使われています。先月にはプレミアム率30%のキャンペーンも行われ、現在は新規アカウント登録者に500ポイントを付与するキャンペーンが行われています。中野区で導入した地域通貨ナカペイですが、今後も広く活用されるためには継続的に財源を投入し続ける必要があり、今後の財政負担の増加が懸念されます。費用対効果の高い政策にするために、年次を決め、政策効果を精査し、継続・見直しの判断を行うべきではないでしょうか。今後の運用についてどのように考えているのか伺います。

 3、区民サービスと業務改善について。

 (1)基本計画の改定について伺います。区長は施政方針説明で、今年は、基本構想に描く中野のまちの姿の実現に向けて、中野区基本計画に定める取組を着実に推進してまいりますと言っています。区は、令和7年度に基本計画の改定に着手する予定です。改定の前に酒井区政のこの7年間における基本構想、基本計画、重点プロジェクトの実施などの成果の総括を行うべきではないでしょうか、伺います。

 (2)新庁舎移転に関わる成果検証の実施について伺います。新庁舎への移転から間もなく1年が経過しますが、移転の際に区は、Micrоsoft365、フリーアドレス、クリアデスク、ペーパーレス、個別ブースの購入、打合せスペースのパーテーションなど新しい働き方、及び各階に発券機の導入とフロアマネジャーを配置するなど窓口サービスへ多大な投資を行いました。しかし、新庁舎への移転に伴う新しい働き方と窓口サービスの効果検証について正式に議会報告が行われていません。いつ、どのように報告するのか伺います。

 区は、業務改善と区民サービスの向上、コスト削減と効果について、一貫して、実績の把握は難しいと言っていますが、超過勤務の削減や、例えば内部事務、企画課や総務課等の職員を減らし、区民サービスに直接関わる職員を増員することで目に見える効果があると考えます。どのような成果があったのか伺います。

 多大な投資を行ったにもかかわらず今回のように効果が示せないのであれば、今後このような投資は認めることはできません。効果が把握できないのであれば縮小または廃止すべきだと思います。特に経常経費化するものについては、これまでの実績を踏まえ予算積算において見直すところは見直し、最適化を図り経常経費の圧縮に取り組むべきではないでしょうか。今後どのように見直し経費圧縮を進めるのでしょうか、伺います。

 これだけ大きな投資を行ったにもかかわらず区民サービスの向上につながらないのであれば、新しい区役所は職員優先の区役所と言わざるを得ません。今後新庁舎移転を契機に進めてきた窓口サービスや新しい働き方などの業務改善等の取組をどのような目的を持って進めていくつもりでしょうか、伺います。

 (3)新庁舎移転後の業務改善について伺います。これまで基本計画では、構造改革実行プログラムの内容も取り組み、決算や行政評価を受けて毎年のPDCAサイクルの中で業務改善を進めていくことになっていました。私は以前、業務改善の進め方について、経費削減の実績は極めて少なく、決算結果をどのように生かすのかと質問しました。今後も業務改善は、新しい計画はつくらず単年度のPDCAサイクルで進めていくのでしょうか、伺います。また、ここ数年の業務改善は名ばかりで、経費削減の実績はごく僅かと指摘をしました。これまでと同様の評価手法でPDCAを回しても改善が見られないのではないでしょうか。今後どのように進めていくのか伺います。

 決算結果をどのように生かすか質問したところ、区は、事業実績や目標を下回るもの、執行率が一定の水準に達していないものなどについては廃止、統合、縮小を検討し、歳出の抑制を図るとしています。検討の結果どのような抑制が図られるのでしょうか、伺います。

 過去には業務改善を担う専門部署がありましたが、現在は企画部企画課企画調整係に置かれ、位置付けが曖昧になっていると考えます。今後、これまで以上に経常経費の圧縮が重要になる中、業務改善を専門に扱う部署を再設置する必要があるのではないでしょうか、伺います。

 (4)区窓口への軟骨伝導イヤホンの設置について伺います。昨年第2回定例会で新庁舎1階の総合案内所と3階、障害福祉課の前などへイヤホンの設置について提案しました。奈良県立医科大学の細井裕司学長が発見した軟骨伝導聴覚メカニズムを活用したイヤホンは、頬などに当てても耳に軽く入れるだけの使用もでき、清潔で耳の病気などの心配もありません。改めて窓口用軟骨伝導イヤホンの設置検討状況について伺います。また、福祉・医療関連など区民サービスを直接提供する区の様々な窓口にも、老眼鏡と同じように使いやすい軟骨伝導イヤホンを設置してはいかがでしょうか、伺います。

 (5)施設利用者の立場に立った区民サービス、区有施設使用料の返還について伺います。区民活動センター等の区有施設を利用する際、予約時に使用料を支払う必要があります。しかし、やむを得ずその予約をキャンセルする場合、納付した使用料は即時に返還されず、一定期間後に手続を経て利用者に返還されます。また、返還の際に、金額の大小にかかわらず、区は一定の振込手数料を負担することになります。これは利用者にとって不便であるだけでなく、区財政にも負担を生じさせます。区は現在、施設予約システムの再構築を進めており、予約や使用料の支払い等をオンラインでできるようにするとしています。施設利用に係る手続の在り方そのものの最適化にも取り組んでいると聞いています。この際、未利用となった使用料の還付手続について、区民サービス、利用者の視点に立った合理的な手続となるよう仕組みを検討してはいかがでしょうか、伺います。

 (6)災害時の特別行政相談について伺います。能登地方に昨年発生した大地震や豪雨水害、2011年に発生した東日本大震災でも罹災証明の発行などを行う特別行政相談の開設時間と業務の連携が課題となりました。災害時などに区民の課題に寄り添うために、対応する総務省の東京行政評価事務所と連携し、災害時の被災者生活再建相談を区がワンストップで速やかに特別行政相談が行えるような仕組みづくりの検討が必要と考えます。被災者の相談所開設までに要する時間の短縮と、行政相談事務を中野区内の弁護士の法曹界、身近な行政書士をはじめ関係機関との連携で速やかに対応できるよう、総務省の規定などを盛り込み、地域防災計画の改定に合わせて定めてはいかがでしょうか、伺います。

 4、その他、(1)休日診療について伺います。この年末年始は、発熱による外来患者の急増により、休日診療を行った当番医の一部診療所では深夜まで診療が続きました。また、当番薬局でもそれに伴い遅くまで対応に迫られていたと聞いています。確かに年末年始、休日診療を行っていた医療機関の前では多くの方が屋外までも待つ光景がありました。中野区の休日診療事業は中野区医師会による輪番制で行われています。診療に要する医師、看護師、医療事務員の確保が難しく、さらに委託単価も21年前に半額となって以来、他区と比較しても非常に低い水準に設定されており、事業を継続していくために困難な状況にあります。他方、賃金は物価高騰などもあり、また中野区公契約による労働報酬の見直しも行われています。休日診療を円滑に実施できるよう、環境改善と対応策について区はどのように考えているのでしょうか、伺います。

 (2)看護小規模多機能型居宅介護施設について伺います。区内で医療介護を必要とする方から、高齢者の介護施設はあるものの医療的ケアの提供できる施設がなく、両親も介護するお子さんも住み慣れた地域でこれからも生活したい、介護したいとの御相談を頂きました。高齢者の中には、単なる通い・泊まり・訪問介護だけではなく、中度・重度の療養者として医療的ケアと一体的な看護の提供と支援を必要とする方が増えてきています。住み慣れた地域で最後まで在宅療養を受けたいという方がいる一方で、看護付きの小規模多機能型介護施設は中野区内は1施設しかありません。区内で入所を希望する方や事業展開を考えている事業者のニーズに対応するためにも、区は積極的に誘致を図ってはいかがでしょうか、区の見解を伺います。

 伺って、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小林議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、中野駅新北口駅前エリアの市街地再開事業の区の対応についてで、施行予定者に負担を求めることについての御質問です。施行予定者からの回答では、施行予定者として責任をもって協議、対応するとされておりまして、施行予定者が継続して事業を行うことを前提として対応するものと認識をしております。仮に施行予定者が変更となった場合には、弁護士とも相談の上、検討をしていきたいと思います。

 次に、住宅戸数の増に伴うインフラ整備についてでございます。住宅戸数につきましては、現在施行予定者で検討中であります。戸数増に伴う道路、学校や保育園等の周辺施設への影響についても現在確認中でございまして、施設計画がインフラに影響を及ぼさないように協議をしてまいります。

 次に、区資産の変動に係るシミュレーションについてでございます。事業計画の変更によって改めて従前資産評価を行うとともに床面積の見直しも含めて権利床の面積について再試算することになります。具体的な試算はこれからでありますが、従前の事業計画で予定していた転出補償金及び権利床の適切な面積が確保できるよう施行予定者と協議をしてまいります。

 次に、新たな支出が生じる場合の財政的な措置についてです。中野区が株式会社まちづくり中野21から中野サンプラザの土地・建物の寄附を受ける方向で現在検討しておりまして、寄附を受けるに当たっての課題整理を進めているところであります。今後財政的な措置を行うことも視野に入れて検討する必要があると認識しておりまして、補正予算を編成することも含めて必要な対応を講じていく考えでございます。

 次に、起債償還先行の検討についてです。転出補償金が見込めなくなったことに伴って、新庁舎整備費の起債分につきましては償還財源や方法を見直すこととしております。金利負担などの関連する経費は最小限に抑えたいと考えておりまして、今後の事業スキームや財政状況を踏まえ、起債の償還を早めることについても検討してまいります。

 事業計画の見直しに係る専門人材の活用についてです。市街地再開発事業などのまちづくりにおいて、これまでも他自治体等から経験豊富な派遣職員を受け入れ、その知見を活用するとともに区でも専門的な知見を有する人材を育成しているところであります。まちづくりの進捗に合わせて今後も必要な専門人材を区として確保できるよう、その最適な方策について検討を続けます。

 次に、防災機能を有する一時避難施設の設置についてでございます。集いの広場につきましては、防災機能を持った広場として位置付けられておりまして、また、これまでの施設計画ではアトリウムなどの一部は帰宅困難者の一時滞在施設として計画されておりました。中野駅新北口駅前エリアにおける緊急一時避難施設については、都や国の新たな動向も注視をしてまいります。

 次に、令和7年度予算と今後の財政運営についての質問の中で、初めに来年度予算の特徴についてでございます。令和7年度は、基本構想の実現に向けて策定した基本計画及び実施計画で示した事業の総括の年であると認識をしているところであります。令和7年度予算は計画に基づく政策及び施設整備、社会の情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組に重点を置いた予算でありまして、基本構想で示す四つの柱に沿って外国人のためのオンライン日本語教室事業や常設プレーパークの開設、健幸ポイントを活用した健康づくり促進のための実証事業や歩きたくなるまちづくりの推進など必要な事業を予算に計上したと考えております。

 状況に応じた柔軟な対応への準備についてでございます。中野駅周辺まちづくりに関することだけではなく、世界経済の懸念、先行きが見えない不透明な経済、物価動向、近年増加している地震や豪雨被害など様々な場面において今後新たな支出や収入減が生じる場合も想定されるところであります。持続可能な区政運営を確立するために財政面での準備も適切に行ってまいります。

 次に、建設費増を反映した基金計画についてでございます。今定例会でお示しする令和7年度予算案の財政フレームにおきましては、基金の繰入れ、積立てについて物価高騰も一定程度踏まえて作成しているところであります。今後も適切に経費を精査し、計画に反映してまいります。

 基金積立ての考え方についてです。基金の年度末残高について、これまでも減価償却累計額の25%の確保に努めてきたところでありまして、令和7年度当初予算においては、当該年度に発生する見込みの減価償却費の25%を積み立てております。今後も持続可能な財政運営を行うため計画的な積立てを行っていく考えでございます。

 財政手法の見直しについてです。財政手法につきましては、物価高騰といった社会情勢やこれまで頂いた様々な意見を踏まえて次期基本計画や区有施設整備計画の改定に合わせ、令和8年度予算編成に向けて見直すことを検討しているところであります。

 起債発行の考え方についてです。財政運営を行う上で、将来負担比率などの健全化判断比率について公表しておりまして、令和5年度決算においてはいずれの指標についても早期健全化基準を下回っておりまして、財政状況は健全であると考えております。今後も区民サービスに影響を及ぼさないよう、起債発行における指標や基準値を注視しながら適切な財政運営を行ってまいります。

 次に、ナカペイの今後の運用です。デジタル地域通貨事業は、持続可能性を担保するため事業費の抑制に努めるとともに、ナカペイポイントをふるさと納税の返礼品にすることをはじめ歳入確保も図ってまいります。また、令和7年度から開始するコミュニティポイントは、毎年度評価・検証を行い、それを踏まえて見直し・改善を行ってまいります。さらに、こうした取組全体について事業を一定期間運用した後、評価・検証することを想定しておりまして、その結果を踏まえ、見直し・改善を含めその後の事業展開を明らかにしていく考えでございます。

 私の区政7年間の成果の総括についての御質問です。10年後に目指すまちの姿を描いた基本構想の実現に向け基本計画を策定し、様々な政策や施策、事業等を定めて具体的な取組を計画的に進めてきたところであります。令和7年度は基本構想と基本計画を策定してから5年目の節目となる年でありまして、基本計画の最終年度となることから、年度末までに次期基本計画を策定する予定であります。基本計画の進捗状況については、これまでも年度ごとに議会へ報告してきたところでありますが、次期基本計画の策定に当たっては、令和6年度までの基本計画の実施状況等を総括した上で検討を進めていく考えであります。

 続きまして、区民サービスと業務改善についてで、新庁舎移転に関わる効果検証でございます。新庁舎移転に関わる窓口サービスの向上や職員の新しい働き方の取組状況については、昨年の11月に委員会で報告したところであります。この報告では、窓口来庁者の満足度が約82%であったほか、職員の新しい働き方では3割程度の職員がコミュニケーションの活性化の効果を実感したというアンケート結果をお示しいたしました。今後はエネルギー使用量やMicrоsoft365などについて、それぞれの取組ごとの効果をお示ししていきたいと考えております。

 業務改善等の成果についてです。行政ニーズが多様化し増大する中にあっても、新庁舎への移転に伴う業務効率化などによって、おおむね同規模程度の職員数を維持しつつ、区民サービスのさらなる充実に向け相談対応やケースワーク職員の増員を図る考えであります。庁舎移転後の初年度であること、また職員数の変動や新たな区政課題への対応などもあり、単純に年度間比較を行うことは困難でございますが、新庁舎移転を契機とした新しい働き方の推進は着実に進めているところでありまして、今後も成果については見定めてまいります。

 効果の把握と経費の圧縮についてです。新庁舎移転に向けては、新たな区民サービスとしてのなかのスマート窓口の導入や職員の業務効率化に向けたMicrоsoft365の導入等を行ってまいりました。これらは経常経費化するものでありまして、その効果については経年で見極めていく必要があると考えております。今後、効果検証の方法を検討し、その結果を踏まえて運用プロセス等の見直しや経費圧縮も考えてまいります。

 次に、窓口サービスや新しい働き方の今後の取組についてです。新庁舎移転においては発券機やフロア案内人等直接の窓口サービスの向上策に加え、様々な執務環境の整備やMicrоsoft365の導入など職員の働き方改革となる取組も併せて推進してまいりました。こうした取組の成果の一つである職員間のコミュニケーションの活性化などは、円滑な業務遂行が可能となり、業務効率化はもとより区民サービスの向上にもつながるものと捉えております。今後も引き続き区民サービスの向上、職員の業務効率化の両面から必要な取組を推進してまいります。

 今後の業務改善の取り組み方についてです。業務改善につきましては、基本計画に定める区政運営の基本方針に基づいてPDCAサイクルによって事業等の進行管理を行う中で取り組んでいるところでありまして、今後もこの考え方を基本として行政評価や決算も踏まえた事業見直しの検討結果を翌年度予算編成につなげていくように取り組んでいく考えであります。

 次に、業務改善の見直しについてです。業務改善につきましては、事業の廃止、縮小等による経費の削減だけでなく、事業の改善や執行方法の変更等によって区民サービスの向上や業務の効率化を図るという面もあります。行政評価や事業見直しの手法につきましてはより効果的なものとなるよう工夫しながら、事業の評価・検証を行い、事業の廃止・縮小、統合、新規・拡充によって区民ニーズに合った事業となるよう、今後も様々な改善に取り組んでまいります。

 歳出抑制の検討結果についてです。令和7年度の予算編成方針においては、過去の決算の状況等を十分に踏まえ、事業実績が目標を大きく下回るものや執行率が一定の水準に達していない事業などさらなる見直しが必要な事業につきましては、関連する既存事業等の廃止、統合、縮小についても検討や進捗状況を踏まえた予算要求を行うこととしております。この結果、令和7年度予算における主な見直し事業は15事業となりまして、令和6年度の3事業と比べ大きく増加することができました。今後とも事業の精査を徹底し、持続可能な区政運営を進めてまいります。

 次に、業務改善の推進体制についてです。現在は行政評価や事業見直しは企画課、改善運動は職員課、新庁舎移転に伴う業務改善は新区役所整備課で所掌するなど業務改善に関する取組を分担しているところでございます。次期基本計画の策定に合わせて、基本構想の実現を図るため、基本計画に定める施策や事業を効率的かつ着実に実施できる組織を検討していく中で業務改善を担う組織についても併せて検討してまいります。

 次に、区窓口への軟骨伝導イヤホンの設置についてでございます。既に導入している耳に当てて使用する助聴器に加え、使用時に両手が塞がれない軟骨伝導イヤホンを導入することで耳の聞こえの不自由な方の窓口での書類作成等が容易になるものと考えております。本庁舎3階、高齢者総合窓口への設置を考えているところでございます。

〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕

○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、区民サービスと業務改善の御質問のうち区民活動センター使用料の返還手続の見直しについてお答えいたします。新たな施設予約システムの構築に当たりまして、使用料の支払いにつきましては、システム上キャッシュレス決済やオンライン決済を可能とするとともに、支払い期限を利用日当日まで猶予できるように変更する予定でございます。この支払い手続のルール変更によりまして使用料支払いのタイミングを遅らせることが可能となり、キャンセルが生じたとしても使用料を返還する機会そのものが少なくなると考えているところでございます。

 次に、その他の質問のうち、看護小規模多機能型居宅介護施設についての質問にお答えいたします。看護小規模多機能型居宅介護は、第9期中野区介護保険事業計画におきまして区内2か所の整備を進める予定となっておりまして整備誘導に努めてきたところでございますが、令和6年度においては応募事業者はなかったものでございます。看護付き多機能型のニーズはあるものの、参入に当たっては土地や物件確保のハードル、採算性、人材の確保などの課題があると考えておりまして、事業者のヒアリングを行うなどによって課題分析をし、誘導方策の検討を進めてまいります。

〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕

○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、区民サービスと業務改善の質問のうち、災害時の特別行政相談についてお答えいたします。災害で被害を受けた方々を支援するため、総務省では行政相談などによる特別行政相談を設置し、被災地での支援措置や相談窓口などの情報を提供しております。身近な地域で災害時に速やかに生活再建などの相談にワンストップで対応できるよう、特別行政相談と連携した相談体制の構築に向けた総務省との協定締結、中野区地域防災計画の改定などにつきまして、総務省東京行政評価事務所や関係機関と連携を図りながら検討を進めてまいります。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、休日診療についてお答えいたします。年末年始多くの外来患者が受診したことで、休日診療に関係する医療機関や薬局、区民に御負担が生じたことは承知しております。区民が急病時でも安心して医療を受けられる休日診療は大変重要な事業と認識しており、今後も継続した医療提供が実施されるよう、休日診療実施の環境改善と対応策について他区状況を鑑みながら医師会等と協議・検討してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 い さ 哲 郎

 1 防災について

 2 感染症対策について

 3 子どもや若い世代を守る取り組みについて

  (1)アルバイト等で遭遇するトラブルについて

  (2)性教育の充実について

  (3)その他

 4 学校図書館について

 5 文化芸術施策の推進について

 6 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○24番(いさ哲郎) 2025年中野区議会第1回定例会におきまして一般質問を行います。

 最初に、防災対策について伺います。

 1月28日、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没が発生し、大きく報道されました。この道路陥没の原因は下水道の破損です。陥没した穴にはトラックが落下し、運転席部分が下水管の下流30メートルのところで発見されたとの報道がありましたが、運転手の安否はいまだ不明です。一日も早い救出が急がれます。同時に中野区がどう備えるのかが問われています。中野区の下水道については東京都下水道局の所管です。区内の下水道の安全確認や更新について確認したところ、安全確認は適宜行っており、更新については、国道や腐食のおそれが確認できている区間については5年ごと、都道については10年ごと、それ以外は30年ごとの更新だとのことです。道路の陥没という点では下水道の破損以外の原因も考えられるかと思います。区道の更新については、過去の質疑において50年で区内を一周する計画であることを確認しています。では、道路の下に空洞ができていないかなど、区道の安全確認についてはどのように行っているのか伺います。この八潮市の事故の当該箇所では、法定点検では早急な対応が必要ないとの評価で、耐用年数の50年を迎えていなかったとのことです。中野区においても点検や更新の頻度について東京都下水道局と協議し、見直しの検討をすることを要望いたします。

 次に、避難所の改善について伺います。昨年12月、政府は避難所の運営指針を改定しました。この改定に当たっては、国際基準であるスフィア基準を取り入れています。スフィア基準とは、人道憲章と人道対応に関する国際的な最低基準の通称です。非常時であっても被災者には尊厳ある生活を営む権利があり、支援を受ける権利があるということが示されています。このスフィア基準について区の認識を伺います。

 改定された指針では、トイレは災害発生当初は50人に1基、その後は20人に1基を配備、男女比を1対3とするよう推奨されています。また、入浴施設については50人に一つとの基準が示され、一人当たりの居住スペースについては最低3.5平米と明示されました。また、被災者に温かい食事を提供する必要性なども強調された内容となっています。このたびの避難所運営指針の改定を受け、現在の中野区地域防災計画で示された基準は見直し、改定が必要になってくるのではないでしょうか、伺います。

 次に、地域の防災について伺います。本町五丁目から六丁目にかけて東西におよそ1キロにわたり急傾斜地が存在します。この崖地の安全対策をこれまで何度か質疑してきました。2017年に東京都の土砂災害警戒地域の指定が更新されました。その指定された場所の一つが本町五丁目にある都営住宅の裏手の崖地です。この場所は2023年4月4日に崖崩れを起こし、工事中の重機が崖下に転落、重機の運転者がけがをする事故が発生しています。この事故により崖地の擁壁は今でも崩れたままになっており、崖下の都営住宅の自転車駐輪場は一部が使えない状況です。この事故において区はどんな対応をしてきたのでしょうか。最初に伺います。

 その崖地は土地の所有者が変わり、現在は新たな建築物の計画が記されています。この建築の安全性について区はどのように確認するのでしょうか。建築確認申請の書類をチェックするだけなのか、事業者に対し情報提供や指導を行うのか伺います。

 この都営住宅の居住者からは、工事そのものに対する不安の声が聞こえてきます。中野区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例には、高さ10メートルを超える建築物については事前に説明会を行うこととなっていますが、近年は説明会が行われず、トラブルになる事例も複数発生していました。工事説明会は基本的には事業者が行うべきものですが、説明会開催の要望が都営の住民や近隣住民から中野区に届いた場合は、事業者に対して説明会開催の指導をするべきではないでしょうか、伺います。

 前回の土砂災害警戒地域指定の更新では、この約1キロに及ぶ崖地で該当は2か所だけでした。急傾斜地法第2条で、急傾斜地とは斜度30度以上、高低差5メートル以上と規定されており、特に高低差が該当しない部分も多くあります。しかし法的に急傾斜地に該当しない箇所であっても、擁壁の傷み、ひび割れなどが目視で確認できる場所があり、そのこともこれまでの質疑で指摘をしてきたところです。地元の課題については、地元自治体による見回りで安全確認をするほかないと考えています。改めて、区独自の地域の見回りの必要性について伺います。

 2番、感染症対策について。

 昨年12月27日、厚生労働省はインフルエンザの感染拡大について警報を発出しました。全国に約5,000ある定点医療機関における12月16日から22日の週のインフルエンザの新規感染者数は21万1,049人で、定点当たり42.66人でした。前週が19.06人ですので倍以上の急増です。また、警報基準である定点当たり40.00人を超えるのは6年ぶりで、新型コロナウイルス発生以来初めてとのことでした。また、インフルエンザ以外にも新型コロナやマイコプラズマ肺炎など複数の感染症の流行と重なったことや、咳止めや解熱剤など薬が不足する事態となったことも報道されております。東京においては、12月23日からの最終週において定点当たり感染者数が56.52人と、警報基準40.00人を大きく上回っていることは注目すべきことです。改めて中野区におけるこの時期のインフルエンザ感染状況について伺います。昨年12月からのインフルエンザ流行については、現在はほとんどの都道府県で警報が解除となりましたが、新型コロナについては次の感染の波が来ているとの指摘もあります。今後の感染症拡大の見通しについてもお聞きをします。

 中野区の休日・夜間診療について伺います。この間御相談を受けた件について簡単に紹介します。その方は、年末にお子さんが熱を出し、その日空いている休日診療医を探したけれど1件しかなかった。午後に診察を受けに行ったけれど、受診できるまで7時間半も待たされ、受診できたのは22時半を回っていたとのことです。インフルエンザ流行のピークの時期であり、待合室には同じような症状の患者さんがあふれていて不安だったともお話しされています。区はこうした事態についてどのように受け止めていますか、伺います。

 中野区では、医師会を通じて休日の診療について御協力いただいているところですが、この休日診療については医師会などからはどのような意見、御要望を頂いているでしょうか、伺います。

 年末年始のような休みが多くなる期間を支える医療の体制づくりは喫緊の課題です。三重県松阪市では、休日・夜間診療における小児科医の不足に対し公募を行いました。この公募には10件以上の問合せがあり、2025年度分の診療分35日を賄える見通しが立ったとのことです。中野区でも、現状の休日の診療体制を維持するため、また推進するため、協力いただける医師を公募することは検討できないでしょうか。

 中野区での休日診療は輪番制で、当番の医療機関が順繰りに交代する仕組みです。23区の他の自治体を見てみると、決まった場所に休日急患診療所を設置する北区のような自治体や、この近くの練馬区、杉並区、豊島区などのように休日急患診療所と輪番制を併用しているところもあります。いずれも、区庁舎や保健医療センターなど公的施設内に休日急患診療所を設置しています。中野区でも固定的な休日急患診療所について設置の検討はできないでしょうか。

 年末年始のインフルエンザ感染拡大では、区内の医療機関に勤める医療従事者からは様々な声が届いています。インフルエンザと新型コロナなどの複合感染で高度な感染症対策を求められた、薬剤だけでなくインフルエンザと新型コロナを同時に検査できる抗原検査キットも不足していた、病棟でインフルエンザ感染のクラスターが発生し対応に苦慮したなど、いずれも深刻な内容です。もともと政府や行政による支援が足りていないことも以前から指摘されており、非常に厳しい運営を強いられているのではないかと懸念しています。地域の医療体制を守るため、広く医療機関に対して聞き取りをするなど状況確認に努めながら、区でできる対応の検討が必要ではないでしょうか、伺います。

 感染症予防にはワクチンの接種が有効です。また、感染を防ぐための基本的な備えは手洗いうがいとともにマスクの着用です。これらの感染症予防の基本が、新型コロナの5類化を契機に損なわれつつあることを懸念しています。先週金曜日には沖縄で百日咳の流行が始まったとの報道がされています。この先も複数の感染症の流行が続くことを前提に備える必要があります。そのためにも、感染症対策の基本に立ち返り、区民の命を守る立場で科学的で正確な周知をすることを求め、次の質問に進みます。

 3番、子どもや若い世代を守る取り組みについて。

 (1)アルバイト等で遭遇するトラブルについて。近年、手軽に登録や申込みができるスポットワーク、通称、即日バイトの利用が急増しています。こうした働き方は履歴書も面接も必要なく気軽である反面、労働者の権利が守られていない事例が報道されています。また、闇バイトの入り口となっていることも指摘されています。違法な働き方、働かせ方が社会問題となっている今、労働基準法を広く周知することが求められています。

 現在、中野区の中学校では、社会科の時間に1日8時間、週40時間労働など基本的な制度を学ぶことになっていると聞きました。大事なことですが、一般教養として制度を知っていても、いざというときに労働者の権利としてそれを行使することができるかどうかは別の話です。こういうときに役に立つのが東京都労働局が作成しているポケット労働法です。ポケット労働法には、労働基準法など働く上で関わる法律が網羅されていて、後段には「働く人たちのための窓口」という相談先の一覧もあります。中野区では産業振興センターに設置されていますが、台東区のように毎年継続的に新成人に配布している自治体もあります。中野区でも新成人に対して配布を検討すべきではないでしょうか。また、高校生からアルバイトをする子もいます。中学3年生には、東京都労働局のサイトに掲載されているポケット労働法のデータのリンクを知らせ、働く上で困ったらこれを見るようにと周知することはできないでしょうか、伺います。

 中野区は、闇バイトについては、昨年末に警察が作成した周知のビラを中学生全学年に配布したそうです。緊急性が高いことから大事な取組ですが、警察は労働法での違法行為は取り締まることができません。その権限を持っているのは労働基準監督局です。労働問題の解決には労働基準監督署や労働委員会などの専門分野の助けが必要です。大人になってもこうした知識は役に立ちます。ぜひ前向きな答弁をお願いします。

 (2)性教育の充実について。次に、性教育の充実について伺います。これまで会派として性教育のさらなる推進やリプロダクティブ・ヘルス/ライツの普及啓発について求めてきたところですが、2024年3月改定の中野区男女共同参画基本計画(第5次)に、「性に関する正しい知識の提供やリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する理解の普及・啓発のための取組について検討し、実施します」との記載がされたことは重要だと考えます。

 中野区での性教育は、中学校においては東京都の実施するモデル校事業を年1校で実施しています。モデル校以外では年間2コマは性教育に充てているとのことです。いずれも大事な取組ではありますが、全ての生徒に性教育を行き届かせるためにはさらなる努力が必要ではないでしょうか。ネットにあふれる誤った性の情報、世界の中でも遅れをとっているジェンダー平等、性的少数者への理解など、現実にそこにある課題を解決するには、性教育とリプロダクティブ・ヘルス/ライツの教育を質、量とも増進させていく必要があります。全ての中学校でモデル校と同等の性教育を行うことを検討できないでしょうか、伺います。

 学校の先生が多忙であることは言うまでもありません。先生の負担を増やさないためにも、性教育の実施そのものや現場での性暴力の事案の対応について先生個人に任せ切りにしない仕組みが必要ではないでしょうか。岐阜県可児市では、子育て支援課という部署に臨床心理士や助産師を性教育の専任者として配置し、保育園、幼稚園、小学校、中学校で性教育の実施をしています。保護者に対しても家庭での性教育について各成長段階でそれぞれ講座を開催し、広く性教育を行き渡らせる努力をしています。専門職なので、性暴力の事案が発生した場合でも保育士や教師が対応について頼ることができます。中野区でも性教育の専任者の配置を検討できないでしょうか、伺います。

 性教育を質疑で取り上げるに当たり、これまで何度も「寝た子を起こすな」という言葉に出会っています。性教育という言葉を、あたかも性行為の方法を教えるかのような誤解をされている方もおり、余計なことをするなというのがこの「寝た子を起こすな」の意味です。包括的性教育とは当然そうしたものではありません。科学に基づく体の仕組みや避妊、中絶の方法、多様なセクシャリティや文化的、社会的な規範、価値観とジェンダー、国際人権や性と生殖に関わる制度、人間関係の在り方など、性の問題に関わる広範な内容を文字どおり包括的に身につけることを目指しています。何よりそうした体系的な性教育の結果、子どもたちは性の問題を命や尊厳に関わる問題として理解し、むしろ性行為に対して慎重になるという複数の研究があります。今の画像は秋田県の事例ですが、画像右です。中学生、高校生と性教育を行って、その後数年で人工中絶の割合が減っている、下がっているのが見て取れます。つまり包括的性教育とは、寝た子を起こすことではなく子どもたちを守ることそのものです。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの教育では、自分の体を通して自己肯定感を高め、自分の尊厳も他者の尊厳も大事だと実感するといった効果が期待できます。タブレットに閲覧制限のフィルターを設けるのも大事ですが、性被害を生まない一番の歯止めは性教育とリプロダクティブ・ヘルス/ライツを浸透させることにかかっているのではないでしょうか。改めてこの点について認識を伺います。

 次に、4番、学校図書館について。

 一般的な図書館と学校図書館とでは根拠となる法律も違いますが、施設として一番の違いは、学校図書館が教育施設であるということ、児童・生徒の健全な育成を目的としているところにあります。区は学校図書館とはどのような施設であるべきと認識しているでしょうか、伺います。

 学校図書館指導員についてお聞きします。学校図書館において学校図書館指導員が果たす役割は小さくありません。図書の整理や企画図書のコーナー設置など生徒が書籍に関心を持つ取組も行っています。この学校図書館指導員については2024年から委託化しています。委託に当たり一般競争入札を行ったと聞きました。この入札の条件にも、入札後の委託先への仕様書にも児童・生徒の見守りという項目があります。区はこれを、生徒の安全を見守ることと定義しているとのことですが、この見守りという部分についてもう少し積極性を持たせることはできないでしょうか。学校図書館法第4条の4には「図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと。」とあります。これは学校図書館指導員にも当てはまるのではないでしょうか。具体的には、図書館に来た生徒とコミュニケーションを取ること、本を選び読む楽しさ、図書館そのものを楽しい場所にするという点でさらなる役割を果たしてもらうということです。そのために、現在の委託事業者に対し、学校図書館法に基づく事業の改善提案をすることはできないでしょうか。学校図書館の教育的な目的に鑑み、本来は学校図書館指導員は委託ではなく直接雇用が好ましいと考えます。次回契約更新に当たっては直接雇用も選択肢に入れながら検討することを求めます。

 最後に、5番、文化芸術施策の推進について。

 この間の区民委員会において、アーティストバンクの創設が報告されています。区の文化振興の上で大事な事業になっていくと考え、評価をします。アーティストバンクとは、その自治体に居住する様々な表現者をリスト化し、区民がイベントなどで活用する仕組みです。催しでピアノの伴奏をしてほしいとか、町会のにぎやかしでDJやお笑い芸人に来てほしいとか、地元の役に立ちたいという表現者とそうした表現者を必要としている区民や区内団体とのマッチングをするのがアーティストバンクです。画像は、左側がアーティストバンク板橋、登録アーティストが442名、右がアーティストバンク新宿で、登録は202名です。新宿のほうは写真がありませんが、右の板橋のように写真があったほうがインパクトがあるように思います。

 他の自治体で先行するこのアーティストバンクの仕組みでは、要綱に基づき表現者の側から登録する制度となっています。多くの自治体でプロとアマチュア両方を登録できるようになっていて、地域に住まい、地域貢献をしたいという表現者が参加しやすい仕組みとなっています。中野区の場合は、当面の方向性として、区のイベントなどで関わった表現者に限定し登録してもらうという方法を検討していると伺いました。事業のスタートとしてはそうした方法を取るとして、以後の事業展開においては表現者を広く登録できる仕組みを目指してもいいのではないでしょうか、伺います。

 実際に、これまでも町会のお祭りや区民の自主的なイベントにおいても、DJやバンド、司会者やマジシャンなど様々なスキルを持った表現者が登場しています。これは、地域にそうした表現者に来てほしいというニーズが広く存在していることを意味します。アーティストバンクには、そうしたニーズをさらに掘り起こし、同時に区内で活動する様々な表現者を可視化する役割があると考えます。多様性のまち中野区にふさわしい前向きな答弁を求め、全ての質疑を終了します。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。

 私から、まず防災についてで、区道の安全確認についてでございます。区が管理している全ての道路で道路路面下に生じている空洞については、令和元年度から令和5年度までの間で調査済みでありまして、空洞箇所については補修を行っているところであります。今後も空洞調査は継続して実施をしてまいります。

 次に、スフィア基準の区の認識についてです。スフィア基準は、避難生活の質を向上させるために政府の避難所運営指針に取り入れられた国際基準でありまして、被災者が安心して避難生活を送るために重要であると考えているところであります。

 次に、中野区地域防災計画の見直しと改定についてです。区としてもスフィア基準を取り入れた国の避難所運営指針に基づき避難所の環境改善を進める必要があると考えております。そのため、中野区地域防災計画第43次の改定時にこの基準を盛り込むことを検討してまいります。

 次に、事故後の対応についてということでございます。事故の発生直後に区の職員が現場へ赴き、負傷者や被害状況の確認を行い、施工者に対して当面の現場の安全確保や崖地の養生、関係機関等へ事故報告を行うことなどを指示しているところであります。その後も継続して現場の確認や施工者や設計者等に対して必要な措置を誘導しているところでございます。

 この崖地の建築の安全確認について、新たな建築物の計画につきましては、設計者より崖地や建築物の安全対策について情報提供を受け、区から設計者に対して助言を行っているところであります。

 工事説明会開催の要望についてです。本件土地は、以前より近隣住民から土地や新築される建築物について相談が寄せられていたため、区は設計者や工事管理者に対して近隣住民への丁寧な説明や周知を行うことなどを指導しております。新たに都営住宅の居住者や近隣住民から工事説明会開催の要望が区に届いた場合には、都営住宅の管理者である東京都と情報共有を行った上で事業者に対して要望を伝えてまいります。

 次に、崖地の見回りについてでございます。過去に確認や指導を行っている崖地につきましては、梅雨や台風の時期の前後に見回り等を行って状況を確認しているところであります。地域住民から情報提供があった場合は全てにおいて現地確認を行っておりまして、必要と判断すれば崖地の所有者に対して指導等を行っているところであります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、子どもや若い世代を守る取り組みについての御質問に対してお答えいたします。

 まず、最初にポケット労働法の活用についてでございます。中学生のうちから労働法に触れ、適切な労働条件等の理解を深めることは、その後の就業でのトラブルを防ぐ上で有効であると考えております。職場体験などの機会を捉えてポケット労働法を活用し啓発してまいります。

 次に、モデル校と同等の性教育の全校展開についてでございます。東京都教育委員会は、産婦人科医と連携して性教育の授業を実施しており、令和6年度は区内では北中野中学校において実施しております。全ての中学校で実施するためには、講師人材の確保、指導内容の精査、保護者の理解・了解等の課題を整理する必要があると考えております。

 次に、性教育の専任者の配置についてでございます。学習指導要領の範囲を超えた内容の性教育を実施するに当たっては、産婦人科医や助産師等の専門家と連携することが大切であると考えております。専任者の配置に当たっては人材確保やカリキュラムの確立など様々な課題を整理する必要があり、他地域の事例等を参考に研究してまいります。

 次に、性教育とリプロダクティブ・ヘルス/ライツの認識についてでございます。学校における性教育は、生命の尊重、人格の尊重、人権の尊重などの根底を貫く人間尊重の精神に基づいて行っております。児童・生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるように全教職員の共通認識の下、家庭・地域とも連携を図りながら適切な教育を実施することが重要であると考えております。

 次に、学校図書館の認識についてでございます。子どもたちの自由な読書活動の場である読書センター、自主的・自発的な学びを支える学習センター、探究的な学びを支える情報センターとしての機能を果たすべきだと考えております。また、子どもたちが安心して過ごすことのできる居場所としての役割を果たすべきだとも考えております。

 次に、学校図書館指導員の子どもへの関わりについてでございます。学校図書館指導員は、学校図書館がその機能を十分に果たせるよう子どもたちに本を紹介したり学習支援をしたりするなどしております。今後、学校図書館指導員を対象に子どもとの良好な関係構築をテーマとした研修を行うよう事業者に働きかけてまいります。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、インフルエンザの感染状況についてお答えいたします。区内の各定点医療機関における報告数は、令和6年11月初旬から増加を認め始め、12月初旬に注意報開始基準である1定点医療機関当たりの報告数10.0を超えました。その後、年末年始を頂点に減少に転じ、1月下旬に警報解除基準を下回ったところです。

 次に、今後の感染症の流行についてですが、季節性インフルエンザは冬期に流行が拡大しています。また、新型コロナウイルス感染症は冬季及び夏季に感染が拡大する傾向があります。これまでの例に倣えば、今後も夏季には新型コロナウイルス感染症の拡大が、冬季には季節性インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症が拡大する可能性は高いものと考えます。

 次に、年末年始の状況と医師会の声についてですが、この年末年始にインフルエンザの流行により、多くの外来患者が受診したことで区民が診察を受けるまでに多くの待ち時間が生じたこと及び休日診療に関係する医療機関や薬局の負担が大きくなったことは認識しております。中野区医師会からは、限られた医療資源の中で休日に区内で2病院、4診療所を開設する現行の体制を維持することが困難であるとして運営改善への要望、また継続的な区との検討が必要であるとの御意見を伺っているところです。

次に、医師の公募と今後の休日診療についてですが、中野区では松阪市の休日・夜間応急診療所とは異なり、区民が受診しやすい環境を整備するため区内6か所の医療機関において休日診療を実施しており、公募という制度になじまないものと考えています。休日診療については、各自治体において、中野区のような輪番制のほか、固定制など様々な方法で実施していることから、医療機関等の実態把握を含めて中野区医師会を中心に医療関係機関等との協議を進め、よりよい実施方法や対応を検討してまいります。

〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕

○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、二つの御質問にお答えします。

 まず、子どもや若い世代を守る取り組みについての御質問で、ポケット労働法の配布についてでございます。東京都が作成しているポケット労働法については、中野区産業振興センターで配布しているほか、区のホームページに電子版のリンク先を掲載しております。新成人に対しての一律の配布ではなく、わかもの就活応援フェアなどの就労イベントなどを通じて案内してまいります。

 最後に、文化芸術施策の推進についての御質問で、アーティストバンクの事業の展開についてでございます。アーティストバンクは、アーティストの活動の場を広げ、区民が文化芸術に触れる機会を増やすことを目的に創設するものでございます。そのため、信頼性を担保することが必要であると考えております。このことからシティプロモーション助成事業や子ども・若者文化芸術振興基金を活用した事業、文化施設の指定管理者の自主事業など区の事業に参画したアーティストや団体の情報を登録し発信することとしております。ナカノバやシェアノマをはじめ、区有施設を利用したアーティストや団体など区が把握している情報の登録と発信の在り方につきましては今後検討してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 沢 ひろゆき

 1 NAKANOサンプラザシティに関する計画の見直し内容を精査する仕組みの導入について

 2 電子図書館サービスの開始について

 3 プレーパーク事業の推進について

  (1)試行事業の評価について

  (2)常設型プレーパークの早期設置について

  (3)常設型プレーパークの開設時間について

  (4)移動型プレーパーク事業補助制度の創設について

  (5)その他

 4 80歳歯科健診の早期実施について

 5 犯罪被害者等緊急一時居住及び転居助成交付制度の拡充について

 6 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、大沢ひろゆき議員。

〔大沢ひろゆき議員登壇〕

○9番(大沢ひろゆき) 令和7年中野区議会第1回定例会に当たりまして、日々の活動の中で区民や区内団体の皆様から頂いた声を区政に反映していただきたいとの想いを込めて、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問を行わせていただきます。

 質問は通告どおりの5点で、その他はありません。

 まず1点目です。1点目は、NAKANOサンプラザシティに関する計画の見直し内容を精査する仕組みの導入についてでございます。

 NAKANOサンプラザシティ計画につきましては、昨年12月5日の建設委員会において2025年3月までに新たな設備計画及びスケジュールを示す旨が示されました。工事費の高騰を受けての計画の見直しを施行予定者が行っているということで、特に公共性の部分、すなわち区民がアクセスし、利用できる部分であるホール、展望フロア、コンベンションセンター、バンケット、子どもの遊び場、そして商業施設について従前の計画どおり進め、商業施設についてはより充実を図るとの考えが示されております。

 現在、施行予定者となっている野村不動産を中心とするジョイント・ベンチャーは、令和3年1月に6名の有識者からなる審査委員会を経て中野区に選定されました。令和3年1月付の中野区による中野区新北口駅前エリア拠点施設整備民間事業者募集選定結果、そして中野駅新北口駅前エリア拠点整備に係る民間事業者審査委員会による中野駅新北口駅前エリア拠点整備民間事業者募集に係る審査委員会講評、2021年2月4日付区長会見資料、中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備民間事業者募集の選定結果などを確認いたしますと、その中に、こちらにも投影させていただきましたけれども、審査委員会における重点項目の評価における選定理由として、公共公益性の向上につながる空間整備において歩行者ネットワークの構成や施設内通路、広場等の配置が明快であり利用者にとって分かりやすいこと、文化・芸術等発信拠点の形成において7,000人規模のホールを様々な演出に対応する舞台と視距離を抑えた客席により構成し、同様な競合ホールが多くないこと、そしてエリアマネジメントにおいて地域と密着した取組が具体的に提案されていること、これらが挙げられています。一方、今後さらなる検討を求める事項として書かれているのが、こちらにございますように、施設計画における中野通り側のにぎわいの形成や建物壁面の圧迫感の軽減、事業の推進計画における資金計画の確実性、これらが挙げられています。結果、次点との差、次点提案との差は155.75対143.75ということで12点差でということで提言され、そして区がこれを採用したという、こんな経緯がございます。

 そこで伺いたいのですが、私が昨年来一貫して主張していることでございますけれども、今後3月までに施行予定者から提案される新たな設備計画において、これら選定理由となった事項が実際に計画にちゃんと反映されているか、これを第三者の視点で確認、検証し、区民に示す必要性があると考えますが、確認、検証の必要性についての区の見解を伺います。具体的には、例えば先ほどのように事業者選定の際に審査を行った専門家の意見を再度聴取し、新たな設備計画を確認、評価する、このような仕組みを導入することなどが考えられると思いますが、区の考えはどのようなものでございましょうか。

 続きまして2点目、電子図書館サービスの開始についてでございます。

 令和7年度は、中野区立図書館につき次期指定管理者を選定する年となります。この際、自宅にいながらにして電子図書の貸出しが可能となる電子図書館サービスの開始を提案いたします。電子図書館サービスは、音声読み上げ、文字の拡大など障害をお持ちの方や高齢者の区民の皆様にも優しい仕組みであり、こちらにも投影させていただきましたが、東京23区の中でも既に19区において採用されている、自宅にいながらにしての電子図書の貸出しが実施されているというのが実態でございます。そして残っているのは北区、荒川区、杉並区、そして我が中野区の4区と、これだけだという状況となっております。

 そこで伺います。中野区としましても電子図書館サービスの必要性についてどのように認識しているかということ、そしてまた、来年度の指定管理者の選定において、電子図書館サービスの開始を含めた選定を行うべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 続きまして3点目はプレーパーク事業の推進についてです。

 2024年度において、中野区では、2025年度の常設型プレーパークの設置に向けた試行事業を江古田の森公園において、9月から11月にかけて計24日間にわたり実施してまいりました。多くの方々が参加し、参加された方の評判もよかったと聞いております。試行事業の中で利用者の方々のアンケートも取られているかと思います。

 そこで伺います。試行事業について、利用者数やアンケート結果の分析などを踏まえ、区としてはどのような評価をしているでしょうか。

 子どもの居場所づくりは急務であり、また、地域ではプレーパークを心待ちにしている方も多くいるかと思います。2月10日の区長の施政方針説明においても触れられておりますけれども、今回の試行事業の結果を踏まえ、常設型プレーパークの早期開設を目指して取組を進めるべきであると考えますがいかがでしょうか。

 また、常設型プレーパークについては、子どもの居場所という意味合いにおいて、試行事業においては16時ないしは16時30分までであった開設時間を、児童館などと同じく18時までの開設とするなど、居場所のない子どもがいることにも配慮をした開設時間にすべきであると考えますがいかがでしょうか。

 一方で、地域の方々が中心となってプレーパークを啓蒙する活動も活発になってきています。地域団体である「探求遊び場づくりの輪」は、2024年度において、東京都の委託事業の採択を受けて、移動型のプレーパークを江古田小学校、城山小学校、塔山小学校、旧鷺宮小学校で行うことによりプレーパークの啓蒙に努めてまいりました。こうした地域団体の活動は非常によい取組でありつつ、継続して事業を実施していくためには様々な課題があります。具体的に言うと、このようなことを支援してほしいと言われています。まず1点目は、ボランティアとしての活動が大半になって仕事を休んでの対応が必要となると。当日の従事だけではなくて、打合せや事前準備なども含めて一定の報酬を認めてほしいということです。2点目、プレーリーダー育成講座や新しく開始する地域型プレーパークへの出張手当や普及促進講座の費用などにも利用できるような制度が欲しいということです。3点目、プレーカーの購入や維持管理費用、駐車場の確保などにも利用できるような補助金が欲しい、このようなことが要望として挙げられます。移動型プレーパークの取組については、常設型プレーパークを補完するとともに、常設型の啓蒙を図ることにもつながるというふうに考えております。

 そこで伺います。先ほど列挙したような現状を踏まえて、2025年度において中野区として地域団体が行う移動型のプレーパーク事業に対する補助制度を創設するなどの支援を行ってはいかがでしょうか。

 そして4点目になります。4点目は、80歳歯科健診の早期実施についてでございます。

 歯の健康は高齢者のクオリティ・オブ・ライフ、QOL、生活の質ですね、こちらの維持にも非常に重要であるということで、実際に8020達成者表彰に、80歳で20本以上の歯がある方への表彰ですね、こちらについては区長も参加している、このような状況であります。一方、中野区の歯科健診では80歳が対象となっていない、75歳までになっている、これは矛盾しているというふうに私は考えます。これまで区の担当の皆様にずっと早期開始に向けたお願いを重ねてまいりましたが、システムでの健診履歴の管理が必要であり、令和7年度に予定されている国の仕様標準化の作業により区が採用しているベンダーが対応できない状況であるということでございました。一方、東京都の令和7年度予算案を見ると、都民ファーストの会都議団の求めもあり、後期高齢者歯科健診の東京都の補助率を従来の3分の1から3分の2に引き上げるということになってもおります。要は2回やっても今までの1回分の区の負担で済むということです。

 そこで伺います。これらの状況を踏まえ、中野区においても80歳歯科健診につき、令和7年度に予定されているシステム改修が完了し次第の最優先事項として実施すべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 最後、5点目は、犯罪被害者等緊急一時居住及び転居助成交付制度の拡充についてです。

 昨年の暮れにある中野区民の方が転居をして中野区を去りました。これは犯罪被害者になることをおそれてのものでございました。詳細はちょっと申し上げることはできないんですが、本人の話を伺う限りにおいては、このままその場所に住み続けると犯罪被害者になるリスクが非常に高い案件であるというふうに思いました。

 現在の中野区の犯罪被害者等緊急一時居住及び転居助成交付要綱におきましては、その第3条第1項において、「要綱の規定による助成を受けることができる者は、次の各号のいずれかに該当する区民で、従前の住居又はその付近において犯罪行為を受けたために精神的苦痛が生じていると認められる者又は二次被害若しくは再被害を受けるおそれがあることその他の理由により従前の住居に居住することが困難であると認められるものとする。」というふうに記載があります。そして、その対象として書かれているのが、遺族の方。そして犯罪被害者、本人ですね。その犯罪被害が重傷病である者及び性犯罪により犯罪被害を受けた者に限る。そして家族。このような規定となっています。すなわちこの規定は、犯罪被害を、既に発生した、受けたことが適用要件となっているものでございます。これは、受ける危険性というのは非常に判定が難しい、これは理解するんですけれども、警察との連携など認定プロセスの構築は必要ではありますけれども、予防のための転居、実際に犯罪が起きる前に防ぐことがより重要であると思いますので、予防のための転居などについても経済支援の対象とすることを検討すべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 以上で私からの全ての一般質問を終えます。御清聴いただきありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大沢議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、NAKANOサンプラザシティに関する計画の見直し内容を精査する仕組みの導入についてで、施設計画案の確認についての御質問です。区としては、施行予定者からの事業計画見直しの提案について、事業の成立性、当初提案内容や事業計画内容の継承性、手続の公平性・中立性といった観点から確認をし、事業計画見直し方針として採用できるものかどうかを判断してまいります。第三者視点での確認につきましては、施設計画の継承性と手続の公平性・中立性を確保するために必要であると考えております。

 施設計画案を評価する仕組みについてでございます。今後3月に区が示す事業計画見直しの方針の方向性を踏まえ、評価の手法についても検討してまいります。

 続きまして、プレーパーク事業の推進についてで、試行事業の評価についてです。常設プレーパーク設置に向けた試行事業について、24日間、合計で延べ3,695人の利用がありまして、利用者アンケートにおいては、子ども、大人ともに9割以上が満足と回答しており、好評でありました。また、試行事業において常設プレーパークに対する様々な意見を聞き運営内容等に反映することができ、有意義な試行事業を実施することができたと認識をしております。

 常設プレーパークの早期設置についてでございます。区として、子どもと子育て家庭を取り巻く現状として様々な課題が複雑かつ複合化していることから、早急かつ重点的に子どもの居場所づくりに取り組む必要があると認識をしております。また、試行事業において常設プレーパークの早期開設を望む多数の意見を頂いておりまして、来年度の開設に向けて着実に取組を進めてまいります。

 常設プレーパークの開設時期についてでございます。常設プレーパークは多様な交流や体験を得られる地域の居場所でありまして、様々な状況に置かれた子どもがいることに配慮した開設時間を設けていく必要があると考えております。このため試行事業より開設時間を延長し、冬季は9時半から17時まで、冬季以外は9時半から18時までの開設時間とすることを想定しております。

 移動型プレーパーク事業補助制度の創設についてです。常設プレーパークを補完するとともにプレーパークの普及啓発を図るためには、移動型のプレーパーク事業を実施していくことが効果的であると認識をしております。今後、国や都の補助制度の内容にも注視しながら移動型のプレーパーク事業に対する補助制度などを検討してまいります。

 続きまして、80歳歯科健診の早期実施についてです。歯の健康は高齢者にとって重要であると認識をしております。令和7年度は国の標準化・共通化の優先対応によりシステム改修が困難であるが、システムの標準化・共通化の完了以降、80歳の歯科健診を早期に実施をしたいと考えております。

 次に、犯罪予防のための転居等への支援についてです。犯罪被害者支援事業は、中野区犯罪被害者等支援条例に基づき実際に犯罪被害に遭った方を対象としております。犯罪予防もしくは防犯のために転居費用を助成する場合、転居しなければ今後犯罪被害が発生すること、それが謀略等ではないこと等が客観的に判断できなければなりません。この判断は警察等と連携しても非常に困難であるということから、現時点では犯罪予防のための転居費用助成は考えておりません。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私からは、電子図書館サービスの開始についての御質問の中から電子書籍の導入についてお答えいたします。電子書籍につきましては、特別区におきましても19区が既に導入している状況も踏まえますと、中野区においても導入すべきであると考えております。今後、指定管理者を選定する際には電子書籍の提供についても含めてまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で大沢ひろゆき議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時32分休憩

 

午後2時55分開議

○副議長(木村広一) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 いのつめ 正 太

 1 「103万円の壁」引き上げについて

 2 デジタル民主主義について

  (1)デジタル技術を用いた民意の可視化について

  (2)民意の政策反映について

  (3)代議制民主主義の課題について

  (4)その他

 3 旧新山小学校跡地について

  (1)閉鎖管理期間の取り扱いについて

  (2)代替校舎としての活用について

  (3)今後の活用検討と用地取得について

  (4)その他

 4 その他

 

○副議長(木村広一) いのつめ正太議員。

〔いのつめ正太議員登壇〕

○12番(いのつめ正太) 令和7年第1回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告どおりで、その他はありません。

 1、「103万円の壁」引き上げについて。

 1990年代初頭にバブルが崩壊した後、停滞を続ける日本経済を指す言葉が「失われた10年」から20年、30年と移り変わる中で、物価と賃金が上がらない日本は緩やかなデフレ状態にありました。近年その均衡は破られ、物価の上昇率はインフレの状態を示しています。一方で、雇用環境の改善や実質賃金の上昇率、個人消費の本格回復という観点ではデフレの完全脱却には至っておりません。そうしたデフレとインフレのはざまで国民は板挟みの状況です。私自身、失われたとされる28年間を生きてきた一人として、バブル期以前のような著しい経済成長を経験していないことも残念ではありますが、それ以上にこの板挟みの中で働いて、結婚して、子育てをする経済的ハードルが著しく上がっていることに強い危機感を覚えております。

 厚生労働省の賃金調査によると、令和6年の平均賃金の引上げ率は前年比0.9ポイント増の4.1%となり、比較可能な1999年以降で最高を更新しましたが、生活実感としてはむしろマイナスであるとの声が報道等で多く取り上げられました。その実、賃金上昇を上回る物価高騰によって、物価上昇を加味した実質賃金上昇率は低迷を続けており、ニッセイ基礎研究所の調査では、1999年1-3月期を基準としてマイナス2.0%、つまりは直近25年余り我が国の賃金は上がるどころかむしろ下がっているということになります。実感なき賃上げの中で今まさに異次元の経済政策による早急な改善が求められているのではないでしょうか。

 そうした現状を加味し、国民民主党は令和6年11月28日に所得税減税法案を衆議院に提出をしました。令和7年以後の所得税について地域別最低賃金の平均額の上昇等を考慮して、基礎控除、給与所得控除の合計額を178万円まで引き上げること、いわゆる103万円の壁引上げを含め、手取りを増やす経済政策の具体案となります。178万円という数字は現行の103万円、そして当時と現在の最低賃金水準の倍率1.73倍から導かれたもので、根拠、論理、そして意味があります。日本国憲法に示される健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要なお金には税金をかけない、そうした当たり前の状態に歪んだ現行の数字を戻す、それが至極当然であるということを、中野で唯一の国民民主党所属議員として一言申し上げます。

 地方自治体からは、103万円の壁引上げに際し、大規模で恒久的な税収減を懸念する声が上がっております。自公国の3党協議では国による補填を確認しているところですが、今後明らかになる具体的な対応方法については引き続き注視をし、必要に応じて求めていくべきと考えます。加えて、直接的な減収以外にも影響が及ぶ可能性はあり、その一つが住民税非課税世帯数の変動に伴う歳出の増加です。行政サービスの中には住民税非課税世帯は無償となるものも多く、さらには自治体ごとに提供しているサービスが異なるため、影響の大きさも様々となります。中野区も例外ではなく、一定の影響があると推察しますが、区の見解を伺います。

 地方財政という観点では減収をはじめとしたマイナスの影響を及ぼす可能性がある一方で、可処分所得の増加に伴ったプラスの効果も見込まれているところです。コロナ禍で実施された定額給付金や所得税・住民税減税によって生じた一時的な所得は貯蓄に回りやすく、所得増に対する消費増の割合である限界消費性向が平均2から3割となるのに対して、恒常的な可処分所得の消費に回る割合を示す平均消費性向は98.1%と、そのほとんどが消費に充てられています。控除の引上げによって可処分所得が増えることで、まさに減収分と同等の消費底上げが期待できるという見解も示されていますが、手取りを増やすことが区にもたらすプラスの効果についてどのように捉えているか、区の見解を伺います。

 全国知事会で、物価や賃金が上昇しているさなか基礎控除を上げることは理にかなっており、住民の手取りが増えることは歓迎するべきだとして、103万円の壁の引上げ自体には賛成の意見が出されました。103万円の壁引上げによって全ての人の手取りを増やすことは、働いて、結婚して、子育てをする経済的ハードルを下げ、消費を促し、企業の売上げを増やし、上向きの日本経済を取り戻すことにつながります。区長は施政方針説明の中で、国の経済政策に対し、区としても、区民が豊かさを実感できるよう、区民生活に機軸を置いた政策を進めると発言されていますが、手取りを増やす経済政策の必要性についてどのようにお考えでしょうか、伺います。

 また、さきに述べた区に及ぶマイナスの影響、プラスの効果を踏まえた上で、103万円の壁引上げについて見解を伺います。

 2、デジタル民主主義について。

 デジタル民主主義とは、デジタル技術を用いた新しい民主主義の形を指す言葉です。近年、AIをはじめとした技術革新によって人々の生活やビジネスは大きく変わってまいりました。政治についてはその限りではなく、今はまだ民主主義の在り方を変えるには至っておりませんが、影響が及ぶのも時間の問題と考えます。本項では、デジタル民主主義を題材として、現代の政治、民主主義の抱える課題を明らかにしつつ、デジタル技術でどのように解決できるのか、その新たな可能性を提起できればと思います。

 台湾の元デジタル大臣であるオードリー・タン氏は、デジタル民主主義を掲げ多くの取組を実践してきました。そのうちの一つであるマスク需給情報アプリ「マスクマップ」が新型コロナウイルス対策として国内外から評価されたことは記憶に新しいことと思います。本アプリは、マスクの品薄によって困っている人を助けるためにと、台南市の市民が発案したものです。提案を受けた政府は薬局へ在庫状況の提供を呼びかけ、リアルタイムに集約されたデータを一般技術者が利用できるようにしました。そして多くの一般技術者によって開発されたアプリが公開されることで、短時間であらゆる地域へサービスを届けることが可能となったわけであります。まさに民意の可視化と政策反映をデジタル技術によって実現したデジタル民主主義の成功例と言えるでしょう。本例を踏まえて、まずは民意の可視化、続いて民意の政策反映について、具体例を交えつつ質問をいたします。

 (1)デジタル技術を用いた民意の可視化について。民意の可視化に当たっては、前段として可視化する民意を集める必要があります。中野区が法令で定められたパブリック・コメントや説明会のほか、意見交換会、アンケートなど、オンライン・オフライン問わず様々な方法を駆使して意見募集に努めていることからも、行政が区民の声を聞くことの重要性を強く認識していることは言うまでもありません。まずは現状として、集めた意見をどのように活用しているのか、政策反映を含めて伺います。

 現行の意見募集方法には、対象が限られる、偏った情報に影響を受ける可能性があるなどの課題もあり、拾うことのできない声が多くあることもまた事実です。令和7年度より導入されるAIチャットボットをはじめ、SNS、各媒体のコメント欄など行政に対する区民の声が集まる場はほかにも多くあります。区民の声を幅広く集めることで、データとして母数を確保すべきと考えますが、現行の方法以外を含めたさらなるデータ収集に取り組まれてはいかがでしょうか、伺います。

 加えて、既存の意見募集で集まったデータや今後新たに集めていくデータを電子的にアーカイブし、恒久的に活用するために、データ集積の仕組みを検討してはいかがでしょうか、伺います。無論、データは集めるだけでは意味をなさず、それをどのように活用するか、ひいては活用しやすい形にするかが重要です。民間企業では、顧客より集めたデータを専門的に分析するデータサイエンティストを活用している事例も多く、分析の結果を改善や新たな取組に反映するなど有効に利用しています。自治体においてもデータを分析することで、より効果的な活用や課題解決につながるのではないかと考えますが、データ分析について、その必要性を含め区の見解を伺います。また、現状データ分析などを実施している取組がありましたら併せてお答えください。

 一方、近年そうした分析をデジタルに担わせる動きも見られます。前提として、同じネットワーク上の全員に同じ情報を届けるブロードキャストは、ラジオ、テレビ、インターネットと舞台を変えつつも、特定の発信者から多数の聴衆へ届けるという構造を維持し続けてきました。その構造を反転させ、多数の発信者から特定の聴衆が受け取るとしたものがブロードリスニングになります。令和6年に行われた東京都知事選で安野たかひろ氏が活用したことでも注目を集めましたが、言い換えるならば、集めたデータをデジタル技術で誰もが利用しやすい形に可視化するという概念です。当時、安野氏が実際に利用した「Talk to the City」をはじめとした大規模言語モデルは、生成AIの基幹を担う技術で、生成AIが会話形式で利用できることからも分かるとおり、コンピューターに人間の言葉を扱わせることができます。東京都知事選の例では、広く集めた都民の声、つまりテキストデータから意見や要望を抽出、変換、整理、そして解説や要約を生成することで、全体感を損なわず包括的で理解しやすく可視化された都民の声を政策づくりに活用しました。本例の都民の声を区民の声に置き換えると、中野区でも全く同じ枠組みで活用することができます。より多くの声を聞き、理解し、また反映するためにブロードリスニングの活用を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 (2)民意の政策反映について。デジタル民主主義に関する本年のトピックとしては、2030年にデジタル民主主義が当たり前になる社会を目指す「デジタル民主主義2030プロジェクト」の立ち上げが挙げられます。安野たかひろ氏をはじめ10名余りのメンバーで運営される本プロジェクトは幾つかの項目に分けられており、そのうちの一つが先ほど取り上げたブロードリスニング、そしてもう一つ着目をしたいのは民意の政策反映、その新たな形についてです。立ち上げの会見では、デジタル上で大規模な熟議が可能になるプラットフォームの構築と言い換えられておりましたが、具体的には、集められた人々の声から政策案に対しての賛否や意見を整理しながら立法のプロセスに乗せることで、政策実現までを包括的に支えるシステムを指します。

 台湾での事例を紹介しますと「Join」というシステムでは、誰でも自分自身のアイデアを提案することができます。興味深い点として、その提案が5,000人以上の賛同を得た場合、行政の関連部門が検討し、2か月以内に書面により回答することが義務化されているのです。加えて、提案がいつ行われたのか、どれだけ賛同者がいるのか、行政がどのような回答をしているのか等をリアルタイムで把握できるようになっています。既にこの10年で250件以上の政策が検討され、実際に法案として通ったものもありました。このように誰もが政策の議論に参加でき、実際に政策実現に結びつくプラットフォームを整備することは、区民の政治参加促進に大きく寄与すると考えます。さらには、意思決定プロセスの透明性が確保されることで、開かれた政治の実現、行政への信頼感にもつながります。また、本プロジェクトは国、地方、政党、自治体などの枠組みを超えた誰もが無料で、オープンソースのシステムを活用した実証実験を開始できる取組となっており、参加のハードルは非常に低くなっております。まずは相談、実証実験から区として参加を検討されてはいかがでしょうか、伺います。

 こうしたシステムを用意するのが行政の仕事とすると、それを積極的に利用することが国民、区民の仕事となります。これは利用者が一部に限られると民意が適切に捉えられず、システムを正しく機能させることができないためです。おおむね全ての人がそれを利用するという前提をクリアするには、身近にデジタルが存在し、それを当たり前に利用するという共通認識が必要になります。現状、デジタルデバイド等の課題もあることから、そうした区民意識はデジタル政策を地道に積み上げていくことでしか醸成できないと考えます。現在に至るまで区のデジタル政策は少しずつ前に進んできたところですが、こうしたデジタルに対する区民意識の変化を含め、区のデジタル政策の展望について伺います。

 (3)代議制民主主義の課題について。古代ギリシャの時代から現代に至るまで、民主主義のスタートラインは他者の意見に耳を傾けることにあります。その変わらぬ原理が忠実に守られてきたかというと決してそうではなく、意見を述べることができるのは常に少数でありました。現代日本における代議制民主主義も例外ではなく、選挙で選ばれた議員は有権者の声を解釈した上で自ら考える代表者であって、それをそのまま復唱する代弁者にはなり得ません。そして、代表者はどれだけの努力を重ねようとも全ての有権者の声を聞くことはできず、声を届けることのできない有権者は数年に一度の選挙を待つことしかできないのです。私はそうした課題をデジタル技術によって解決し、政治をよりよい形にアップデートすることがデジタル民主主義の大きな意義であると考えます。ここまでお示しをした取組や代議制民主主義の課題を踏まえて、デジタル技術を活用した新しい民主主義の実現について区の考えを伺います。

 3、旧新山小学校跡地について。

 (1)閉鎖管理期間の取り扱いについて。先般の子ども文教委員会における報告にて、南中野中学校の建て替えに伴い旧新山小学校を代替校舎として活用することが示されました。具体的なスケジュールは小学校・中学校施設整備計画の改定で明らかになることと思いますが、令和7年度以降しばらくは閉鎖管理となります。以前の一般質問で伺ったところ、令和7年度から具体的な活用が決まるまでの間は、避難所や投票所として引き続き使用することを想定しているとの御答弁でしたが、用途に変更はないでしょうか、伺います。

 また、これまで学校開放においてスポーツやお祭りなどのイベントで利用されていた地域の方々については、引き続き暫定的に使用できるよう検討を進めているとのことでしたが、検討状況を伺います。

 (2)代替校舎としての活用について。中学校の代替校舎として小学校校舎を活用する場合、教室など施設の規模や校庭の広さなど、年次が異なる学生が利用するに当たっての課題があると考えます。類似ケースとして第七中学校の建て替えを控えている状況ですが、現段階で把握している課題について、対応策と併せて伺います。

 (3)今後の活用検討と用地取得について。旧新山小学校跡地は91%が国有地であり、令和6年度までは南台小学校建て替えのため、学校用地として国から借り上げていました。令和4年10月の総務委員会での報告では令和7年度に取得する見込みとされていましたが、実際には取得はされず、引き続き国から借り上げる形で利用しているとのことです。まず、取得をしなかった経緯とその理由について活用の検討と併せて伺います。

 旧新山小学校跡地は南台の中心に位置し、8,000平方メートルを超える周辺にはなかなかない広い土地です。地域住民にとって避難所や投票所、地域活動の場として機能しており、私自身も南台に住む一人としてその存在を非常に大きなものとして認識をしています。将来的な活用を考える上でも、区としてこの土地を取得することはベターであり、今後は用地の取得を含めた検討を進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 今回、南中野中学校の代替校舎として活用されることが決まり、結果として跡地活用について検討する時間的余裕が生まれましたが、代替校舎としての活用が終わった後、閉鎖管理を挟まずに次に移れるよう早期に検討を進め、具体的な活用方針を定めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 地域の方々より多くの御意見、御要望を頂いているとおり、南台の住民が旧新山小学校跡地に寄せる期待は非常に大きいものです。長らく住民から愛され使われてきたこの土地が、今後も長く愛され使われるような夢のある活用を実現するためにも、検討を進める中で丁寧に地域への説明や意見交換を行い、ニーズを的確に捉えるべきだと考えますが、区の見解を伺います。

 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いのつめ議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、「103万円の壁」引き上げについてで、住民税非課税世帯数の変動に伴う歳出の増加についての御質問です。区としても住民税非課税世帯数の変動に伴って一定歳出が増加することについては認識をしております。今後、国の動向を注視し、影響額についても精査をしてまいります。

 103万円の壁引上げに伴うプラスの効果についてであります。103万円の壁引上げに伴う効果につきましては、一定の消費喚起につながることが期待されます。国も賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指しているということで認識をしているところでございます。区民が豊かさを実感できるようになり、区内経済の活性化につながることがプラスの効果だと考えております。

 次に、手取りを増やす経済政策の必要性及び103万円の壁引上げに対する区の考え方についてです。手取りを増やすことは区民に豊かさを感じてもらう手段の一つと考えております。一方で、地方の負担が増えることによる区民生活への影響も考えられるため、特別区長会も通じて国に要望するなど区としても必要な措置を講じていく必要があると思います。

 次に、デジタル民主主義について、区民の声の反映状況です。区民と区長のタウンミーティングをはじめ、中野区自治基本条例に基づく意見交換会やパブリック・コメント手続、その他区政に対する意見や要望などを区民の声として受け止めているところであります。これらの意見につきましては、区の考えを示すとともに区の施策への反映や事業の見直しにつなげております。

 次に、区民の声のデータ収集です。令和6年4月より、アクティブユーザーが多く拡張性の高い区公式LINEを活用した通報サービスを開始するなど、SNSを有効活用した広聴機能の強化に取り組んでおります。また、今年3月には区ホームページ内においてAIチャットボットの導入を予定しておりまして、こうしたデジタル技術も活用しながら、今後もより多くの意見の収集に努めてまいります。

 次に、デジタル技術を活用したデータ集約です。寄せられた区民の声につきましては、一元的に集約している一方でアナログ的な手法によって管理しているのが実態であります。デジタル技術の活用を今後視野に入れながら、より効果的で効率的な意見集約の在り方について検討してまいります。

 データ分析に関する取組についてです。政策や施策、事業等の検討に当たっては、EBPMの観点からデータ分析に基づいて企画・立案や改善等を図っていくことが重要であると考えております。現在も決算分析を踏まえた予算編成や各種計画策定、行政評価など様々な場面でデータ分析に基づいて検討を行っているところであります。

 次に、ブロードリスニングの活用についての御質問です。ブロードリスニングは、AI技術を用いて膨大な数の意見を収集・分析・可視化する手法でありまして、東京都も新たな長期戦略の策定を検討する過程においてブロードリスニングを活用して意見募集を行ったものと認識をしております。より多くの区民の声を拾い上げる手法として有益である可能性がある一方で、導入に当たっては一定の経験と知識を備え持つエンジニアが必要であるということで、都や他自治体の動向も踏まえ活用の可能性について検討してまいります。

 次に、デジタル民主主義2030プロジェクトへの参加です。最新の技術を活用して区民の意見を収集し政策へ反映させていく仕組みについては、区としても活用に向けた検討をする必要があると考えております。本プロジェクトへの参加につきまして、提供されるシステムの内容や導入の条件等も見極めて検討してまいります。

 次に、区のデジタル政策の展望です。区民が多様な行政サービスを簡便かつ迅速に御利用いただけるようデジタル化を強力に推進し、様々な便益を享受できる環境をデジタルサービスとして整備していくことが重要と考えております。現在、行かない窓口の推進として、法的な制約がある手続以外は電子申請が可能となるよう進めているほか、ナカペイなど区民生活に直結するサービスを展開しているところであります。また、スマホ講習会の実施回数の増などデジタルデバイド解消の取組も強化しておりまして、引き続きデジタル社会の趨勢を捉えつつ、区民生活の向上に資するデジタルサービスの質や量の拡充を図ってまいります。

 最後に、デジタル技術を活用した新しい民主主義の実現についての御質問です。デジタル技術を活用することによって多くの区民の意見を適切な時期に収集・分析し、新たな政策や施策の立案や見直しの検討に活かすことが求められていると考えております。そうしたデジタル技術を活用した新しい民主主義の実現に向けて、区としても検討を進めたいと考えております。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私からは、旧新山小学校跡地についての御質問の中から、小学校から中学校仕様への変更を伴う代替校舎改修についての御質問にお答えいたします。現在、旧令和小学校を第七中学校の代替校舎に改修することを計画しておりますが、中学生の使用を考慮し、手洗い流しの改修、また部活動に使用する防球ネット、バスケットゴールの改修などを検討しているところであります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、旧新山小学校跡地についての御質問のうち、初めに閉鎖管理期間の取り扱いについてお答えをいたします。令和7年度からの活用につきましては、南中野中学校の代替校舎として活用するまでの間、避難所や投票所、倉庫等として活用する予定でございます。

 次に、旧新山小学校跡地の暫定利用についてでございます。現在、南台小学校の学校開放で実施しておりますスポーツ利用等につきましては、校舎移転後は移転先でも引き続き実施することが可能であると考えております。旧新山小学校につきましても、区の活用する用途に影響の及ばない範囲におきまして御利用いただけるよう具体的な検討を進めているところでございます。

 次に、今後の活用検討と用地取得についてでございます。国有地を取得しなかった経緯等についてでございますが、区はこれまで旧新山小学校跡地の国有地の取得に向け国と交渉を続けてきたところでございます。その交渉の中で、これまで区が借地していた経緯が国の定める基準に該当しないことなどの理由から現時点で取得に至っていないというものでございます。

 次に、国有地の取得に向けた検討についてでございます。区有施設整備計画におきまして旧新山小学校跡地は代替校舎として活用した後、まちづくり用地として活用することとしております。今後、南中野中学校の代替校舎として活用した後の具体的な活用方法につきましては、引き続き検討を進めるとともに国有地の取得についても検討してまいります。

 活用方針を早期に定めることについてでございます。旧新山小学校跡地につきましては南中野中学校の代替校舎としての活用と並行してその後の活用方針を検討する予定でございます。代替校舎として活用後、早期に跡地活用に着手できるよう努めてまいりたいと考えております。

 跡地の活用検討における地域への説明についてでございます。旧新山小学校の跡地活用につきまして地域からの期待が大きいことは認識をしております。活用検討に当たりましては、丁寧に地域への説明を行うとともに、地域の方々の意見を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。

○副議長(木村広一) 以上でいのつめ正太議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 区画街路第4号線の進捗状況と街の活性化事業について

 2 西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)の進捗状況について

 3 学校施設等を活用した青少年のスポーツ機会の確保について

 4 新庁舎における携帯電話の電波不具合について

 5 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○30番(大内しんご) 自由民主党議員団の大内しんごでございます。一般質問をさせていただきます。

 最初に、区画街路第4号線の進捗状況と商店街の活性化について質問をいたします。

 この事業は、沼袋地区の妙正寺川北から新青梅街道までの現況幅員6メートルの道路を14メートルに拡幅し、沼袋駅前に交通広場を設ける計画です。平成23年8月に都市計画決定され、平成29年8月に事業認可を受けました。現在、1年後の令和8年3月の事業完了を目指し、用地取得が進められています。事業開始から約7年半が経過し、徐々に拡幅用地が増えている様子が見受けられますが、来年3月の事業認可期間までの事業完了は困難な状況と思えます。この事業は、地域の交通利便性の向上と防災性の強化を目指しており、地域の方にとって重要な事業です。そこで、改めて現在の区画街路第4号線に関する事業の進捗状況についてお伺いをいたします。

 次に、今後しばらくは用地取得が続いていくと思います。まちの活性化事業に関係して、事業期間中を含めた商店街のにぎわいの創出は重要な課題です。毎年実施されていますなかの里・まち連携を結んでいる群馬県みなかみ町との物産店と併せて、新しい試みとして昨年11月に拡幅用地においてキッチンカーを活用した社会実験を開催しましたが、その状況についてお伺いをいたします。

 また、大和町まちづくりにおいても、令和6年10月から毎週金曜日に大和町に移動スーパーがやってくると題して、期間限定で、「にぎわい・交流」と「買い物支援」を目的に移動スーパーを誘致した社会実験を行っています。さらに、大和町を東西に結ぶ八幡通り沿いにおいては、同じく10月に「大和町ふらっとデー」と題し、地域と協力して実験的に「空き地ひろば×遊び場×カフェ」を3日間行いました。地域とURが協力して、地域を限定したキッチンカー及びオープンカフェによる取組が行われています。これらは地域のにぎわい創出に向けて大変よい取組であり、区画街路第4号線で培われたノウハウも併せて活用し、同じ都市計画道路である大和町中央通り沿道において継続的に展開できないでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 2番目、西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)の進捗状況について質問いたします。

 西武新宿線連続立体交差事業は、東京都が事業主体となり、中野区と西武鉄道が連携して西武新宿線の中井駅付近から野方駅付近までの約2.4キロについて鉄道を地下化し、道路と鉄道を連続的に立体交差化するものです。平成23年8月に都市計画決定し、平成25年4月に事業認可を受け、当初は8年後の令和3年3月完成を目指し工事が進められました。その後、事業の遅れにより令和2年4月に事業認可の変更を行い事業期間の延長が行われ、事業期間を令和9年3月まで6年間の延伸がされ、事業期間はトータルで14年間に延びました。しかし、現在の連続立体交差事業の工事等の進捗を見ると事業期間内での完了見通しがつかない状況であると思います。中井駅~野方駅間の連続立体交差事業は東京都が事業主体ですが、区としても工事等の状況について都と共有し、進捗確認をしていく必要があると考えます。そこで現在の用地取得や工事実施を含めた事業の進捗状況について改めて伺います。

 連続立体交差事業の期間延長についてですが、事業主体の東京都は、事業の進捗状況を踏まえ、令和8年度末完了としている事業期間について適切に延伸手続を実施する必要があると考えます。そこで現時点での事業完了の見通しについて改めてお伺いをいたします。

 3番目、学校施設等を活用した青少年のスポーツ機会の確保について質問いたします。

 区内の小・中学校施設については、教育施設であると同時に区民の財産であります。学校開放事業を通じて青少年のスポーツの機会を提供する貴重な施設でもあります。これまで学校再編と学校の建て替えを区は同時に進めてきました。学校再編が行われると、例えば2校が1校になった場合、また現校舎の建て替えが行われる場合には一時的に代替校舎や学校跡地施設に移動となります。学校再編により、週末などを利用して青少年の健全育成のためこれまでスポーツを楽しんでいた団体の利用方法が複雑になりました。

 人工芝の校庭は、一足制の導入や雨の後の使用も早く可能であり便利と言われています。校庭の手入れ等の作業が減り、学校側の負担が減ることも承知しています。ただ、人工芝化により新しい制限を設けることなどをしたために、今まで可能だったスポーツが利用できなくなり、利用可能な施設に利用団体が集中してしまうなど様々な弊害が生じていることは御存じでしょうか。また、各学校によって新たに運動できるスポーツ種目を制限したりするなど、一般の区民では非常に分かりにくく、正確な使い方の情報が入ってきません。区民団体からは、当然のことですが子どもたちのスポーツする機会を従来どおり確保してほしいという声が強く聞かれます。現在の学校施設及び学校跡地施設における青少年のスポーツ団体などの利用ルールはどうなっているのでしょうか。区側の責任の所在はどこにあるのでしょうか。また、青少年のスポーツ団体など、学校施設の利用状況と利用団体からの意見についてどのように把握しているのか伺います。

 例えば、個別の学校の話になりますが、今年度開校した鷺の杜小学校は、旧第八中学校時代には中学の野球部、サッカー部など球技を使ったクラブ活動を当然行っていたようです。改築工事でもフェンスの高さは中学時代と同じ12メートルあります。しかし人工芝になったことが要因で、少年野球チームが利用することは現在は認めておりません。小学生の野球チームが使用すると、バットで打ったボールが線路に出てしまう危険がある、人工芝がスパイクで傷むなどを理由として貸出しを制限しているという話も聞いています。子ども文教委員会における人工芝に対する利用説明と違います。このような事例は本当でしょうか、お尋ねをいたします。

 学校施設の活用ということで、区は私立学校へ貸出しする場合があります。今回の場合は、西中野小学校がそのケースであり、私立学校に今年の5月から3年間ほど貸出しをする予定です。旧西中野小学校のグランドを引き続き借りる場合の相談の窓口は、区の担当部署が教育委員会事務局子ども教育施設課、健康福祉部に所属するスポーツ振興課、一般財源で持っている西中野小学校を私立学校に貸出しをするので、私立学校との交渉は企画部の資産管理活用課が行います。このように縦割りになっているため地域の方が誰に相談に行けばよいのか分からず、相談をしてもたらい回しにされています。今まで学校を利用していた地域のスポーツ団体は、引き続きその施設を借りる場合は誰に相談すれば利用することができるのか分かりません。私立学校に貸し出した後も週末などは地域団体に貸し出すことができるのでしょうか。地域の保護者は戸惑っています。検討状況についてお聞きをします。また、仮に利用できなくなった場合は代替地について情報を発信するなどしているのでしょうか、併せてお伺いをいたします。

 学校施設の活用ということでは、代替校舎として使用するまでの間であっても、1年、2年と空く場合があります。さらに、物品の廃棄作業があることや工事中であることを理由に貸出しを制限する場合もありますが、学校施設は中野区にとって貴重な空間であり、区民の財産です。本来もっと貸出しをできるよう工夫をすべきです。例えば、明和中学校の新校舎が4月に完成後、現明和中学校については令和9年から北原小学校の代替校舎として活用する予定です。代替校舎として活用するための改修工事までの間、あるいは改修工事期間中であっても、工事の工夫によって子どもたちにスポーツができるような環境を早急に整えるべきと考えますが、お考えを伺います。

 4番目の質問をいたします。新庁舎も開庁から10か月が経ちました。幾つかの課題が出てきましたが、大きな課題の一つであります新庁舎における携帯電話の電波不具合について質問いたします。

 さきの定例会で同僚議員からも指摘されていますが、改善の兆しが見られないので再度質問をいたします。現在、庁舎の地下は完成時から、特に地下1階、2階の駐車場は携帯電話の電波が全く入らない状態です。また地上階においても、窓口などでLINEにより登録したいがLINEがつながりにくい不具合な状態が続いています。これは危機管理上、大きな問題です。一般駐車場は地下1階にあり、駐車場から家族や仕事先に連絡が取れません。地下2階には庁有車、区長車、区議会議員の駐車場もあります。地下駐車場に降りてからは、職員の方も携帯電話がつながらないことは不便だと考えます。

 また、窓口においての問題ですが、先日、私は1階の会議室を利用するために、この映像の8階の窓口の文化振興・多文化共生推進課に出向き申込み方法について相談に伺いました。まずLINEでの会員登録をする必要がありました。その場で職員の方に申込み方法を指導してもらいましたが、その場では電波が届かないために申込み手続はできませんでした。仕方なくLINEの電波がつながる10階の議員室に戻り申込み手続をいたしました。しかし、同じように相談に来られる一般の区民の方はどうしているのでしょうか。窓口に来ても電波がつながらなく手続ができないときはどうしているのでしょうか。例えば電波のつながりやすい低層階まで下りて受付相談をしているのでしょうか、お伺いをいたします。このような事例は、他の階層の窓口や職員のワークスペースでも、同じような電波の支障によるトラブルは起きていると聞いています。職員のパソコンも、仮に携帯と連動されていても電波がつながらないでは意味がありません。少なくとも議会のある10階のエレベーター前周辺では電波が不安定であり、携帯電話の会社にもよりますが大変つながりにくい状態です。これは各フロアでも同じことだと思います。実態はどのような状況なのでしょうか。役所としては把握しているのでしょうか。また、そのようなときはどのような対応をしているのか。今後の対応も併せてお伺いいたします。

 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 区画街路第4号線の進捗状況と街の活性化事業について。最初に、進捗状況についてです。区画街路第4号線の1月末時点における用地取得の進捗率は、面積ベースで約43%、画地ベースで約40%となっており、物件等調査の進捗率は約82%となっております。

 事業期間中を含めたにぎわい形成についてです。11月24日に沼袋里・まちマルシェに合わせて、区画街路第4号線の事業用地を活用し、キッチンカーやワークショップ等の社会実験を実施いたしました。当日は約690人の来訪者がありまして、また、アンケート結果から、「想像以上にまちが盛り上がってよかった」、「もっとやってほしい」など好意的な意見が多数寄せられました。今後も引き続き地域のにぎわい形成に向けた事業用地の活用について検討を進めてまいります。

 続きまして、大和町中央通り沿道におけるにぎわい創出についてです。区は本年度、大和町中央通り拡幅用地に接する土地を活用し、ベンチの設置や移動スーパーを活用した社会実験を実施しています。また、拡幅中の八幡通り沿道においては、地域の自主的な取組として、キッチンカーやオープンカフェによるにぎわい形成や交流の場づくりに向けたイベントを行っているところであります。これらに加え、区画街路第4号線での取組例も参考にしながら、地域のにぎわい創出に向け継続的な展開ができないか検討を進めてまいります。

 続きまして、西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)の進捗状況についてでございます。事業主体の東京都によりますと、用地の取得率は令和7年1月時点で約99%と聞いております。工事の実施状況は、昨年度に引き続き、地下から地表への移行区間や新井薬師前駅部及び沼袋駅部において掘削工事等を行っております。また、シールドマシンによる掘削工事に向けて地盤改良等の準備工事を進めていると聞いております。

 連立事業、中井駅から野方駅間の事業期間についてです。事業主体の東京都によりますと、現行の事業期間は令和9年3月末まででありまして、現在、西武鉄道と事業工程の精査を実施していると聞いております。精査結果を踏まえて、必要に応じて事業期間の変更について国と調整を行っていくと聞いております。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私からは、学校施設等を活用した青少年のスポーツ機会の確保についての御質問の中から、現明和中学校の改修工事期間等に係るスポーツ利用の環境についてお答えいたします。現明和中学校が北原小学校の代替校舎として改修工事をするまでの間や工事期間中におきまして、改修工事や北原小学校の活用に影響のない範囲におきまして工事の工夫を行い、スポーツ利用のできる環境を用意できるよう検討してまいります。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、学校施設等を活用した青少年のスポーツ機会の確保についての御質問のうち、まず、学校施設等の利用ルールと施設利用状況の把握についてお答えいたします。現在、学校開放事業等における団体のスポーツ利用は、区及び区教育委員会がそれぞれの責任の下、標準的なルールを定め、開放校と調整の上で利用可能なスポーツ種目や学校ごとの制限などを決定しております。また、学校跡施設については、統合・移転前後に学校開放事業等として当該施設の利用承認を受けていた団体を対象として実施してございまして、利用可能時間や種目等につきましても、当該施設を学校として活用していた際の利用ルールにおおむね準じた形としてございます。施設の利用状況は利用申請により把握してございまして、団体からの意見につきましては、利用団体登録時等に主にスポーツ振興課で受けた上で必要な調整を行っているところでございます。

 次に、鷺の杜小学校の校庭球技開放種目についてでございます。鷺の杜小学校につきましては、施設外にボールが出てしまうなどの懸念が学校から示されたことから、校庭球技開放の開始当初におきましては少年野球の利用を不可とし、少年サッカーの練習のみの利用と定めたものでございます。しかしながら、利用者の声を受け、今後は少年野球の練習につきましても利用できるように学校と調整しているところでございます。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、西中野小学校跡地の代替地に係る情報提供についてお答えをいたします。西中野小学校跡地につきましては、令和7年5月から貸付先であります宝仙学園が施設改修を行う予定でございまして、工事が終了する8月までは地域開放は難しいと聞いております。9月以降のスポーツ利用につきましては、貸付け後も授業や部活動に支障のない範囲で継続できるよう協議をしているところでございます。現時点では代替地に係る情報提供は行っておりませんけれども、宝仙学園との協議を踏まえ、代替地に係る情報提供を行うことについて検討してまいります。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、新庁舎における携帯電話の電波不具合についてお答えいたします。電波の状況によって区民の一部の方に御不便をおかけしておることは承知しておりまして、改善すべき課題であると認識してございます。電波がつながりにくい場合には手続の内容などを承り個別に対応しているところでございます。こうした状況を解消するため改善検討を始めておりまして、特に区民の利用の多いフロアで各携帯会社の協力を得て電波調査を行い、電波環境を改善するため、庁舎の窓際の電波を引き込んで増幅させる装置を取り付けたところでございます。引き続き、携帯電話の電波状況につきましてはできるだけ早期に改善できるよう対応してまいります。

〔大内しんご議員登壇〕

○30番(大内しんご) 再質問いたします。

 まず最初に、答弁が、学校に関しては健康福祉部だったり、企画部だったり、教育長も答えている。それほどやはり誰が責任者なのかはっきりしていないんですけれども、誰が責任者なんですかと聞いたんですけれども、皆さんがそれぞれの担当の責任者というふうに理解をします。

 まず、①で、おおむね前の使用ルールと変わっていないと言ったけど、変わっているから質問しているんですよ。変わっているから質問している。僕、変わっていると言っているじゃん。何で変わっていないと言うのか、それが分からない。

 それと、あと代替地について、これは今度企画部長ですけれども、代替地についての情報発信をするなどはしているんですかと聞いているんだけど、それについて答えておりません。要するにその学校は使えない。だったら代替地はこういうところを用意していますとか、こういうところを使えますという発信はしているんですかと聞いているんですけど、それに答えていません。

 あと、総務部長、携帯電話の不具合なんですけども、地下1階、2階等が全く通じない。今後の対応も併せて聞いているんですけど、その部分については答弁がありませんでしたのでもう一度お聞きをいたします。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、学校跡施設のスポーツ利用についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、鷺の杜小学校のように一部の学校におきまして運用のルールが変更されている施設はございますが、各利用団体の声を聞きながら必要な調整を行っているところでございます。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 代替地の情報提供でございますけれども、現時点では代替地に係る情報提供は行っておりませんが、宝仙学園等を含めて協議中でございまして、それを踏まえて情報提供を行っていきたいと考えております。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 地下1階、2階の電波の不具合につきましては携帯会社等と協議を行っておりまして、有線で光回線を引き込み、アンテナを取り付けるといったことの検討を今進めております。こうしたことが実現いたしますと、地下におけます電波についても電波の不具合は解消できるものと想定してございます。

○副議長(木村広一) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 南 かつひこ

 1 西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)について

 2 沼袋駅周辺まちづくりについて

  (1)区画街路第4号線整備について

  (2)沼袋駅前の拠点空間の創出について

  (3)防災まちづくりについて

  (4)その他

 3 5歳児健診について

 4 児童発達支援事業について

 5 空き家対策について

 6 区立第七中学校の建替えに伴う通学支援について

 7 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、南かつひこ議員。

〔南かつひこ議員登壇〕

○33番(南かつひこ) 令和7年第1回定例会におきまして、公明党議員団の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。なお、質問の内容におきましては、自由民主党議員団の伊藤議員、大内議員と重なるところがございますが御容赦願いたいと思います。

 1番目に、西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)について伺います。

 現在の工事現場はフェンスに囲まれており、工事の進捗状況を把握するのは難しい状況です。工事の現状では、新宿方の取付部と所沢方の取付部及び沼袋駅、新井薬師前駅の駅部の地下化工事を進めているところです。駅部である沼袋駅及び新井薬師前駅の駅舎の整備状況を含めて連続立体交差事業の全体の進捗状況を数値化などで指標を示すようにすべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 次に、シールド工法の現状について伺います。現在シールドマシンの製作、組み立てが行われているようですが、シールドマシンを入れて始動させるためには、取付部及び沼袋駅と新井薬師前駅の駅部が完了した後になると理解をしているところですが、シールド工法の着手時期がいつ頃になるのか、また、沼袋駅周辺は軟弱地盤であることからシールド工法の工期についての検討状況はどのようになっているのか伺います。

 令和2年4月8日に東京都から事業の延伸が示されて、事業施行期間が平成25年4月1日から令和3年3月31日までを令和9年3月31日までの6年間の延伸となりました。現在の連続立体交差事業の進捗状況は詳しく推し量ることはできませんが、沿線住民や工事関係者からも令和8年度の完成は難しいだろうとの声も伝わってきているところです。連続立体交差事業は令和8年度完成予定ですが、事業の延伸は明白であります。中井駅~野方駅間の連続立体交差事業はいつまで延伸になるのか、延伸理由とともに東京都へ早急に示すよう求めるべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 令和5年12月1日の建設委員会の所管報告の中で、西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)の総事業費が、当初は約726億円であったのが493億円の増額で約1,219億円に変更になったと、東京都の試算が唐突な形で報告がありました。中野区負担額も50億円増の約123億円となりました。今後、事業費のさらなる増額の可能性が高いと考えられますが、資材価格や人件費の高騰、事業期間の延伸などによるさらなる増額はあるのか、東京都にその詳細を求めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 次に、鉄道上部空間活用計画の状況について伺います。令和6年第3回定例会の建設委員会で鉄道上部空間活用に関わる意向調査を行うため、沿線住民や区内住民へアンケートを実施するとありました。アンケートの実施期間は令和6年10月中旬から11月初旬ごろとなっておりました。今回のアンケートの実施結果と分析はどのような内容となったのか、また、アンケートの内容の分析結果を鉄道上部空間活用計画の策定にどのように活用するのか、区の見解を伺ってこの項の質問を終わります。

 2番目として、区画街路第4号線整備について伺います。

 区画街路第4号線整備は、沼袋駅南側の面積2,800平米の交通広場を含めて、事業延長562メートル、計画幅員は14メートルの区施行の都市計画道路です。現在、整備事業が進められていますが、どの程度進行しているのか外観ではよく分からないところです。事業延長562メートルの全体を便宜上四つの区間に分けて整備が進められていますが、整備区間のⅠ期からⅣ期区間の各区間での取得面積ベースと取得画地数ベースの進捗状況を伺います。

 次に、現在の沼袋商店街通りの活性化について伺います。現在、区画街路第4号線の整備が進められていることから、商店の建て替えが終了しているところといまだ現存のままの状態のところがあり、商店街通りに凹凸感があり、商店街のにぎわいに喪失感を感じるとの声を多くの方から聞いているところです。こうした商店街通り周辺の方々や利用者からの声を基に、私はこれまでにまちづくりの観点や産業振興の観点から商店街の活性化策を提案してきたところです。今年度予算には区画街路第4号線沿道にぎわい創出として2,599万円が計上されています。内容としては、事業用地を活用して、里・まち連携を活用した物産店での飲食スペースの提供やキッチンカーの導入などによる活性化策と遊休不動産を活用するためのリノベーションスクールの推進を行ってきています。区画街路第4号線整備を進めていくことは当然重要なことですが、そのことで商店街の活性化を損なうようなことがあってはなりません。中野区として、区画街路第4号線整備に合わせた商店街の活性化策のこれまでの成果の分析と評価をどのように考えているのか、また、商店街の活性化策の今後の展開をどのようにしていく考えなのか、区の見解を伺います。

 区画街路第4号線の整備は平成29年8月に事業認可となり、令和7年度の完成予定で事業が進められています。しかしながら、区画街路第4号線整備事業の進捗状況を肌身に感じる限りにおいては、令和7年度までに終了するとは到底思えません。沼袋商店街の沿道の方々も同様に感じているかと思います。区画街路第4号線整備は、さきの項目で述べました西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)と連動した事業であることから、連続立体交差事業を見据え、考慮して延伸時期を明示しなければなりません。沼袋商店街通り沿道の方々も延伸時期を明らかにするように考えているところです。区画街路第4号線整備の延伸についての区の見解を伺います。

 次に、沼袋駅前の拠点空間の創出について伺います。平成29年5月に示された西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(沼袋駅周辺地区編)では、新たな顔となる駅前の拠点空間の創出が明示されており、にぎわいの核となる中心的な商業地等とするため、建物の共同化や再開発等による街区の再編を推進するとあります。令和元年8月の建設委員会の報告では、沼袋駅北側街区の再編と経緯が示され、沼袋一丁目31番の一部、34番、36番から40番、面積にして約2.5ヘクタールの区域において権利者の方々を対象に勉強会を開催して丁寧な説明や意見交換を行いながら、街区再編に向けて機運醸成を図っていくとしています。現在の街区再編に向けた検討状況はどのようになっているのか、区の見解を伺います。

 次に、防災まちづくりについて伺います。令和元年12月の建設委員会では、(仮称)沼袋四丁目周辺地区における防災まちづくりについては、区画街路第4号線整備を第一義に促進するため、地元検討組織を立ち上げ検討していく予定であったが、区画街路第4号線整備の進捗が一定の軌道に乗るまで延期することになったと報告がなされました。(仮称)沼袋四丁目周辺地区における防災まちづくりは現在も延期状態のままに止まっています。区画街路第4号線整備により南北の延焼遮断帯が確保されますが、沼袋四丁目に限らず沼袋地区全体を考えたときには、東西の道路を防災の観点から整備の必要性を感じるところです。中野区は、新たな防火規制区域の拡大について令和5年6月の建設委員会で報告があり、その中で西武新宿線より北側の沼袋一丁目から二丁目、三丁目の一部及び四丁目を新たな防火規制区域と示されました。消防自動車などの緊急自動車が進入しづらいとされている沼袋地区全体の防災まちづくりを、沼袋四丁目に限らず検討を進めていくべきと考えますがいかがでしょうか。伺ってこの項の質問は終わります。

 3番目に、5歳児健診について伺います。

 5歳児健診の有効性と実施の必要性については、平成21年から一般質問や総括質疑で訴えてきました。それは3歳児健診から就学前健診までの期間の3年間は発達障害などの気づきの機会の空白期間となり、ここに健診の機会を入れることで、特に軽度発達障害の気づきにも効果があるからです。こども家庭庁では、来年度から発達障害を見極めるのに有効な5歳児健診の普及に乗り出す考えで、任意健診である5歳児健診の実施率は、2022年度では14.1%にとどまっており、2028年度に100%にすることを目指しています。こども家庭庁が全国的な普及に向けて5歳児健診を行っていない自治体に聞き取り調査をしたところ、「医師が確保できない」、「発達障害児の支援体制の整備が難しい」などの意見もあり、こども家庭庁として来年度から医師の派遣に必要な費用のほか、発達障害児をサポートする保健師、心理士向けの研修費を補助することとしています。また、5歳児健診を行う自治体への補助額についても、1人上限3,000円から上限5,000円に引上げられます。令和6年第1回の定例会での私の一般質問で、2023年11月に成立した2023年度補正予算において、5歳児健診の支援事業が新設され、財政的な支援が開始されるようになったことで、補正予算による支援の活用を視野に入れて5歳児健診の実施をすべきではとの質問に対して、区の答弁では、「国は、乳幼児への切れ目のない支援を拡充するため、5歳児健診の全国実施を目指しております。区においても適宜情報収集を行い、5歳児健診の方法や体制などの課題を整理しながら検討を進めてまいります。」とありました。5歳児健診の一人上限5,000円の補助金の要件として、3年以内に5歳児健診の全数実施をすることとなっていますが、区として5歳児健診の対象などの検討状況はどのようになっているのか、区の見解を伺います。

 また、5歳児健診の実施体制について、契約医療機関での実施またはすこやか福祉センターでの実施が考えられますが、発達障害の専門医がどの程度いるのかなど中野区医師会との協議が必要と考えますが、区の見解を伺います。

 23区で5歳児健診を実施している区は、現在のところ葛飾区、千代田区、板橋区、目黒区、今年度から実施している大田区など5区が実施していますが、各区の実施状況を5歳児健診後のフォロー体制などを含め詳しく調査すべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 また、先ほど述べました、国の来年度からの医師の派遣に必要な費用や発達障害児をサポートする保健師、心理士向けの研修費の補助金についても、5歳児健診の実施とともに活用を図るべきと考えますがいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 4番目に、児童発達支援事業について伺います。

 最近では保育園の空き定員を活用して児童発達支援事業を実施しようとする保育園の動きも出てきています。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部改正が行われ、保育園と児童発達支援事業が同一施設で併設できるようになっていますが、その際の設置基準はどのようになっているのか、区の見解を伺います。

 中野区内には民間の行っている児童発達支援事業が16施設ほどありますが、令和6年第4回定例会で示された令和7年度予算で検討中の主な取り組み(案)の中に、手挙げ方式で保育所等訪問支援を行う民間の児童発達支援事業所等に補助を行うとあります。こうした補助をする背景には、アポロ園やゆめなりあでの療育相談が2か月待ちの状況があります。各療育センターで心理士が4名体制で週2回の相談業務以外に、保育園等への巡回訪問やその他の業務などがあり、心理士の人材確保や育成が急がれる状況です。アポロ園やゆめなりあでの療育相談の待ち時間の短縮をするためには、補助事業とともに具体的な方策を考えるべきと思いますが、区の見解を伺います。

 東京都の令和6年度予算において区市町村発達検査体制充実緊急支援事業として2億1,000万円の予算が計上されていますが、これは区市町村における検査体制の充実を図るため、区市町村が実施する発達検査の人件費や外部委託費等に対して緊急支援を実施する予算です。中野区において東京都の区市町村発達検査体制充実緊急支援事業を今年度活用されているのか、現在の取組状況について区の見解を伺います。

 発達障害児の支援の観点から、保育ソーシャルワーク事業について伺います。保育ソーシャルワーク事業は、令和5年度末に受託事業者が基幹保育所を閉園することになったため、事業内容を見直して今年度4月から新たに事業を開始したところです。保育ソーシャルワーク事業の発達相談及び療育相談における令和5年度の1年間及び令和6年度の最新の事業実績を伺います。

 保育ソーシャルワーク事業は、各保育所の子どもや保護者の様々な課題に対して保育ソーシャルワーカーが訪問や電話などにより専門的な見地から支援をする重要な事業と考えます。保育ソーシャルワーク事業の分析と評価及び当事業を継続させていくための課題をどのように考えられているのか、区の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 5番目に、空き家対策について伺います。

 2015年に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法により、そのままの状態で放置しておくと倒壊等著しく保安上危険となる空き家については特定空家に指定され、固定資産税や都市計画税の優遇措置が受けられなくなりました。中野区では特定空家に指定された事例はないと聞きますが、特定空家に指定するまでの手続及び行政代執行に及ぶまでの手続はどのような流れを踏まなければならないのか伺います。

 中野区空家等対策基本計画が2018年に策定され、計画期間は2027年までの10年間としています。2016年には当計画策定に向けて空き家の現況を把握するため空家等実態調査を実施しています。その実態調査では、中野区内に852棟の空き家があると調査結果を公表しています。また、実態調査以外の手法では、令和元年度に563棟、令和2年度に584棟、令和3年度に631棟と空き家の棟数を把握していますが、まずは空家等実態調査ではどのような手法で空き家の棟数を把握したのか、また、空家等実態調査以外のときには、各年度の空き家棟数をどのような調査を基に算出したのか、その手法を伺います。

 国土交通省は2023年12月に、管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)を示しました。これにより各自治体で保安上危険な空き家を放置すれば管理不全空家として指導、勧告できるようになり、勧告に従わなければ管理不全空家にも固定資産税の特例が解除され、怠ると50万円以下の過料に課せられることになります。ガイドラインを基に中野区でも管理不全空家の基準策定を急ぐ必要がありますが、どのような観点から基準を定めるのか伺います。また、中野区では特定空家の判断基準も定まっていませんが、どのような基準を定めていく考えなのか、併せて区の見解を伺います。

 中野区では空き家を分析するに当たって、空き家をA、B、C、Dの四つのランクに分けて把握しています。ランクA、Bは比較的に管理状態がよいため不動産市場での売買が可能な物件であり、ランクC、Dは建物に損傷が見られ管理に問題がある物件となります。今後、特定空家や管理不全空家の基準を定めて指定するためには、建物の損傷が甚だしいランクC、Dの把握が必須であると考えます。そのためには空き家の実態調査で明らかにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 6番目に、区立第七中学校の建替えに伴う通学支援について伺います。

 私は、令和6年第1回定例会の一般質問で、区立第七中学校の建替えに伴う旧上高田小学校への代替校舎へのバス通学費の補助をすべきと質問いたしました。その際、前教育長は、「区内最長通学距離の中学校は明和中学校で、直線距離にして2.2キロ、歩く距離としては2.5キロであり、第七中学校の代替校舎となる旧上高田小学校までは区内最長通学距離を超えていないことから徒歩通学はできると認識しており、通学費の補助は考えていない。」との冷ややかな答弁でありました。明和中学校の代替校舎は通学区域内であり、第七中学校の代替校舎は通学区域外であるため区内最長通学距離を超えていないとする論理には整合性がないと考えます。バス通学が学校長により許可されれば、一番遠い江原町三丁目からだと、中41バス路線で新江古田駅停留所から旧上高田小学校の代替校舎に近い上高田中通り停留所まで利用することになります。その際の学割の1か月定期代は7,840円、6か月定期代で4万4,690円、1年定期代で8万440円となっています。バス通学の対象生徒数を100名とした場合でも、年間予算として1か月定期で940万円余、6か月定期で890万円余、1年定期で800万円余となります。現在、中野本郷小学校で生徒の安全対策と負担軽減のためにスクールバスを運行させており、必要で大切な委託業務であると認識していますが、年間予算としては1億円余が計上されています。一概に小学校と中学校を単純に比較できませんが、第七中学校の代替校舎までのバス通学の積算額は予算の観点からも適正な補助額になるかと思われます。また、昨今は気候の温暖化や予測のつかないゲリラ豪雨、台風、さらには昨年の夏は災害級の酷暑でもありました。代替校舎まで通学する生徒たちは重い勉強用具やクラブ活動の道具などを持って通学しなければなりません。生徒たちの体調面や徒歩通学での事故に遭うことなどへの配慮、また、バス通学費の予算額の適正、そして代替校舎が通学区域外にあることなど総合的に考えれば、区立第七中学校の建て替えに伴う代替校舎までのバス通学費の補助をすべきと考えますが、教育委員会の見解を伺って、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 南議員の御質問にお答えいたします。

 西武新宿線連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)について、進捗についてでございます。事業主体の東京都によると、用地の取得率は令和7年1月時点で約99%と聞いております。工事の実施状況は、地下から地表への移行区間や新井薬師前駅部及び沼袋駅部において掘削工事等を行っております。また、シールドマシンによる掘削工事に向けて地盤改良等の準備工事を進めていると聞いております。事業の進捗率については、用地取得率のほか事業費の執行率により把握をし、東京都からその都度提示をしているところであります。引き続き東京都と連携をし、区民が把握しやすい伝達方法、表現を検討してまいります。

 シールド工法についてです。事業主体の東京都によると、現在はシールドマシンによる掘削工事に向けた地盤改良等の準備工事を進めており、シールド工事の開始時期は、これら先行する他工種の施工状況を踏まえ現在検討中であると聞いております。シールド工事は、数々の実績から平均1日当たり七、八メートル程度の進捗が見込まれますが、現場条件により異なるため、本事業における傾向が判明するのはシールドマシンの発進後になると聞いております。

 次に、連続立体交差事業(中井駅~野方駅間)の事業期間についてです。事業主体の東京都によると、現行の事業期間は令和9年3月末まででありまして、現在、西武鉄道株式会社と事業工程の精査を実施していると聞いております。精査結果を踏まえ、必要に応じて事業期間の変更について国と調整を行っていくと聞いております。事業期間の延伸は区民の生活に多大な影響があるため、引き続き状況把握に努め、延伸となる場合には早期に変更時期、延伸期間を示すよう東京都に求めてまいります。

 次に、事業費についてです。令和5年度に変更した事業費は、当時の物価上昇率等を反映したものであります。一方、昨今のエネルギー価格や原材料費の高騰、事業期間の延伸による人件費の増加等に起因し事業費の増額が発生する場合には、事業主体の東京都と連携をし、変動要因について把握をしてまいります。

 鉄道上部空間活用についてです。区では昨年10月に区民向けのアンケートを行い、西武新宿線を日常的に利用している区民を中心に幅広い年代の方から約600件の回答が寄せられたところであります。主な回答結果でありますが、駅周辺と各駅の間の区間において回答の傾向が分かれておりまして、駅周辺ではにぎわいの空間、各駅間の区間では歩きやすい通路を求める意見が多い結果でありました。アンケート結果につきましては本定例会中に報告予定でありまして、今後、中野区鉄道上部空間活用方針を作成する際の検討資料として活用してまいります。

 区画街路第4号線の進捗状況についてです。区画街路第4号線の1月末時点における面積ベースの用地取得の進捗率は、Ⅰ期区間が約66%、Ⅱ期区間が約11%、Ⅲ期区間が約36%、Ⅳ期区間が約24%であります。また、1月末時点における画地数ベースの進捗率は、Ⅰ期区間が約59%、Ⅱ期区間が約30%、Ⅲ期区間が約47%、Ⅳ期区間が約27%となります。

 区画街路第4号線のにぎわい創出についてです。区は今年度作成支援を行いました沼袋駅前バス通りにぎわい創出プラン、こちらが完成しまして、その取組の一つである事業用地を活用したキッチンカーを活用した社会実験を行いました。社会実験において事業用地におけるキッチンカーの事業成立性が確認をできました。また、1月末から3日間のリノベーションスクールを開催し、沼袋の遊休不動産の活用検討を通して沼袋の将来の地域の担い手発掘を行いました。来年度以降も引き続き、沼袋駅前バス通りにぎわい創出プランに基づく地域の生活を支える活気ある商店街への取組、それから地域の人々のコミュニティ活動の充実への取組などを推進してまいります。

 区画街路第4号線の事業期間の延伸についてです。用地取得状況を踏まえ、現在事業期間を精査中であります。沼袋駅前の交通広場は連続立体交差事業において地下化が行われた後、整備することとしております。そのため、区画街路第4号線の事業期間の延伸については、連続立体交差事業の事業期間が密接に関係するため、引き続き東京都と協議を進めてまいります。事業期間が決まったら速やかに報告をし、地域への周知も図ってまいります。

 沼袋駅北側街区における街区再編についてです。沼袋駅前のまちづくりにつきましては、西武新宿線沿線まちづくり整備方針を基に、生活拠点にふさわしい機能を持つ新たな駅前拠点の創出を目指しております。沼袋駅北側街区については、地元地権者等により組成された勉強会において、区画街路第4号線沿道のにぎわい再生と連携した(仮称)沼袋駅北側地区まちづくり方針の作成を進めております。区として、同まちづくり方針の策定を受け、街区再編に向けた具体的な地区や整備の方向性、手法等について検討してまいります。

 沼袋地区の防災まちづくりについてです。沼袋地区は、区画街路第4号線両沿道における建築物の不燃化による延焼遮断帯の形成や新たな防火規制による不燃化促進を図るなど防災まちづくりを進めております。今後は、さらなる防災まちづくりの推進に向けて、区画街路第4号線沿道の地区計画を沼袋地区全域に拡大する検討をしてまいります。

 次に、5歳児健診の対象者についてです。5歳児健診について国は全数実施を推奨しておりますが、先行自治体ではスクリーニングにより対象者を限定して行っているところもありまして、実施体制も大きく変わることから、それぞれ比較をしながら検討を進めているところであります。

 医師会との協議についてです。5歳児健診の実施に当たっては、発達の専門医の確保、こちらが課題となっておりまして、専門医に協力いただけるかも含めて中野区医師会と協議をしていきたいと考えております。

 他区の実施状況の調査についてです。特別区母子保健担当課長会で5歳児健診の実施状況について情報交換を行っておりますが、さらに先行する区への現地視察やヒアリングによって詳細を把握してまいります。

 研修費の補助金についてでございます。5歳児健診の実施に当たり、健診の精度や質を確保するため、従事する医師、職員などの研修を充実させる必要がありまして、国の補助金を活用しながら体制を構築してまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 区立第七中学校の建替えに伴う通学支援についての御質問の中から、区立第七中学校の建て替えに伴う通学支援について回答させていただきます。区立中学校では徒歩通学を原則としているところであり、これまでも改築等により距離が遠くなる場合についても原則どおりの対応をしているところでございます。第七中学校についても、改築に伴い旧上高田小学校へ通学することになりますが、徒歩通学できるものと考えております。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、児童発達支援事業についての御質問のうち、まず施設整備の基準についてお答えいたします。保育所と児童発達支援事業所を同一施設に整備する場合は、各事業の実施に必要となる職員の配置や交流を行う保育室などの面積の確保、1日の活動の中で発達支援の時間が十分に確保できていることなどが設置基準として求められてございます。

 次に、療育相談までの期間の短縮についてでございます。療育相談の期間の短縮に向けましては、療育相談に対応できる人材を確保・育成した上で相談回数を増やしていく必要があるというふうに考えてございます。このため、心理職などの専門職のスキルアップや実践機会の確保、経験豊富な人材の採用策などについて、現在指定管理者と協議を行っているところでございます。

 次に、都補助の活用についてございます。東京都発達検査に係る人件費等の補助事業は既に活用してございまして、この補助事業によりまして、今年度指定管理施設であるアポロ園及びゆめなりあにおきまして各2名の心理職を採用したところでございます。

〔子ども教育部長石崎公一登壇〕

○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、児童発達支援事業についての御質問のうち、初めに保育ソーシャルワーク事業の実績についてお答えいたします。令和5年度の実績は、発達相談250件、養育相談22件、令和6年度の実績につきましては、1月までで発達相談219件、養育相談11件でございます。

 次に、保育ソーシャルワーク事業の評価等についてでございます。今年度実施したアンケートでは、本事業を利用した保育園から発達相談については96%、養育相談については93%の園から、満足、おおむね満足と回答を頂いており、高い評価を得ているものと認識してございます。本事業を継続していくためには高い専門的スキルや知識が必要であり、今後も質の高い実施事業者等を選定していくことが課題であると考えてございます。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 空き家対策についてお答えいたします。特定空家等の認定手続について、空き家の情報提供があった場合、現地調査により所有者等を特定し、文書による助言や注意喚起を行います。複数回行っても改善されない場合は、認定基準に即した現地調査を改めて行います。認定基準に該当した場合は空家等対策会議で、危険の切迫性、所有者の対応経緯等を踏まえた上で特定空家等に認定をいたします。認定後の助言または指導に従わない場合、勧告となり、勧告後相応の期間を経ても改善されない場合、命令、行政代執行となってまいります。

 次に、空き家棟数の把握方法についてです。平成28年度に実施した空家等実態調査におきましては、区内全域を対象に専門の調査員による外観目視調査を行い、852棟の空き家が存在することを確認しております。各年度の空き家棟数の更新につきましては、実態調査結果をベースに、区への建築物の解体に関する届出、職員の見回り、ほかの課などからの情報提供及び所有者等からの報告により空き家棟数の更新を行っております。

 特定空家等及び管理不全空家等の認定基準についてです。国土交通省から出された指針に基づき空き家の状態、周辺に及ぼす悪影響の程度、危険等の切迫性、所有者の状況等を総合的に考慮することにより特定空家等または管理不全空家等に該当するか否かを判断することを想定してございます。

 最後に、管理状態の悪い空き家の実態把握についてです。令和7年1月末現在において区が把握する空き家棟数は613棟となっておりまして、ランクAが117棟、ランクBが234棟、ランクCが195棟、ランクDが67棟でございます。令和7年度には区内全域を対象として、前回と同様に空き家ランク等の分析を含む実態調査を予定してございます。調査結果の検証により空き家の現状を把握するとともにデータベースを更新してまいります。

○副議長(木村広一) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 斉 藤 ゆ り

 1 みんなでつくる安全で魅力あるまちについて

  (1)私道管理について

  (2)区民参加のまちづくりについて

  (3)その他

 2 図書館について

 3 児童館職員について

 4 その他

 

○副議長(木村広一) 次に、斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○26番(斉藤ゆり) 令和7年中野区議会第1回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場で一般質問いたします。

 質問は通告のとおりで、その他はありません。

 1、みんなでつくる安全で魅力あるまちについて。

 最初に、私道管理の質問に関連して、道路管理について2点伺います。1月28日に埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生しました。事故に遭われた方が一日も早く救助されることをお祈りするとともに、難しい現場で捜索と復旧に当たっている方々に敬意を表します。また、排水制限により生活に影響が出ていた近隣住民の皆様にお見舞いを申し上げます。

 このたびの事故は、地下に埋設されていた下水道管に何らかの原因で穴が開いたことにより、そこに土砂が流れ込み空洞ができたことで地盤が重さに耐えられなくなり陥没に至ったのではないかとのことです。この下水道管は鉄筋コンクリート製であり、原因は老朽化により腐食が進んでいたためだとされています。足立区では事故を受け、レーダーを搭載した車両により、緊急に下水道主要幹線が埋設されている区道の調査を実施したそうです。どのような原因であれ道路の陥没は大きな事故につながります。事故が起きないよう事前に調査し、必要な場合は緊急に修繕しなければなりません。中野区において、区が管理する道路の空洞調査が適切に行われているのかお伺いします。

 東京23区内においては、各区が管理する道路の地下に埋設されている下水道施設は、通常東京都下水道局が管理しています。今回の事故を受け、東京都は下水道施設の緊急点検を行っているそうです。ただし、区が管理する道路であっても公共下水道管として都の基準を満たしていないものについては区が管理をしていると聞いています。中野区において、現在それらの下水道管の総延長はどのくらいあるのか伺います。また、この下水道管については、都の基準を満たすよう改修された後は順次区から下水道局に移管されるということで理解していてよろしいのでしょうか、伺います。

 多くの下水道施設は1960年代より一斉に整備され、初期に投資した施設は老朽化が進んでいます。近い将来これらの施設の更新が必要な時期が同時期にやってきます。今から様々な対策を考えていくことが必要です。

 私道管理についての質問に入ります。道を歩いていると、マンホールの蓋にはいろいろ種類があることが分かります。このうち、コンクリート製で何も模様がないものが私道の下水道マンホールとなります。参考まで、区道にある下水道局管理のものは下水道局の名称が入っています。東京都下水道局のホームページの東京都公共下水道台帳を見ると、都が管理する下水道管は確認することができますが、私道は着色がなく分かりません。

 中野区内の私道は道路総延長のおよそ22%にも及びます。私道は所有者の財産であり、当然その管理は所有者が行うことになるため、もし私道の下水道に不具合があった場合は所有者が修繕をしないとなりません。このたびの事故を受け私道を持つ方複数にお話を伺ったところ、公共性の高い私道の下水道管等の不具合は行政が修繕工事をすると認識している方が少なからずおいででした。管は自宅敷地から共有の私道を通り公共下水道管につながります。その後の下水処理は公的に行われることから、下水道料金は私道をお持ちの方も使用料に応じて支払っているため、そのような認識になると拝察されます。突然私道の下水道管に不具合が起きたとき、こうした工事費を所有者が捻出できないことが危惧されます。排水が適切にできない事態になると公衆衛生上大問題です。八王子市、横浜市などは私道への公共下水道設置の取組がありますが、それは両市が下水道管理をしている自治体であるため可能なのであり、東京都で管理している中野区ではそれができません。

 こうしたことが起きないように、東京23区の自治体には、各区により一定条件に違いがありますが、私道排水整備助成制度が整備されています。中野区では平成30年に、新規設置でも改修でも工事費の最大9割が助成される制度が使いやすく改正されました。ちなみに下水工事だけではなく、舗装工事を対象にした私道整備助成も整備されています。私道の劣化に起因した陥没事故被害が皆様の高い関心事である今、私道をお持ちの方が、不具合が生じる前に調査をして劣化の進んだ施設の修繕工事をすることは一つの判断であるともいえます。私道助成制度の啓発に取り組まれてはいかがでしょうか、伺います。

 中野区内では、私道が通学路として指定されていたり、鷺宮児童館前もそうですが公共施設へアクセスする唯一の道路だったり、両側が公道に接していたりと公共性の高い私道が多くあります。さきに述べたとおり、多くの道路はほぼ五、六十年前の同時期に整備されたことから、こうした道路の経年劣化による不具合が一斉に起きることが予想されます。私道は行政の管理下になく点検の対象外であるため、区が劣化を事前に把握することができない可能性があり、また、修繕が必要になった場合は所有者の責任で対応することから工事まで時間がかかることも考えられます。私道は個人の財産であり様々な考え方があることは理解しますが、公共性の高い私道は行政で管理したほうがよいと考えます。

 私道・道路敷地寄付の制度があります。こちらも一定の条件がありますが、区に私道を寄付すると、その後の道路の管理は区や、下水道に関しては都で行うことになります。私道寄付に当たっては、原則土地所有者全員の合意が必要なことと、もう一つが、財産の譲渡になるため土地の境界確定手続の必要があり、測量に数十万円の費用がかかるため躊躇されるケースが多く、昨年度は3件、今年度、現時点で4件の相談があったものの実際の寄付には至らなかったそうです。公共性のある私道は区が管理するよう考え方を変え、寄付に関しては費用助成など何らかの支援に取り組むことが必要と考えます。区の見解を伺います。

 区民参加のまちづくりについて。先日、都市計画課主催による「景観づくりの考え方」という中野区景観講演会がありました。道路の舗装を変えたり、ベンチを置くことで魅力ある風景が生まれるというアプローチはとても興味深く、学びの機会となりました。その中で、地域住民も共に参加して意見交換をしている姿が印象的でした。現在も中野区のまちづくりでは、計画の考え方、方針、素案、案と議会にも報告され、区民対象に説明会や意見交換会、オープンハウスなどで意見を聞くよう進められています。とはいえ、計画素案が定められてからでは区民の思いを反映することは難しいことが多いと感じています。

 暮らしが改善され、まちの魅力や活力を一層高めていくために、区民自身も自らまちづくりの方法を学んだり考えたりしていけるとよいと考えます。また、区民が共にまちづくりに取り組むことで、区にとっても住民目線を参考にして実際の計画に落とし込むことが可能となります。例えば、区民活動センター運営委員会ごとにまちの課題を共有するような機会をつくってはどうでしょう。まちづくりの早い段階で、まちの課題はどこにあるか、どのようなまちをつくっていきたいか、住民の意見を盛り込んでまちづくりの考え方をつくっていけるとよいと考えますがいかがでしょうか、区の見解を伺います。

 現在、野方以西西武新宿線沿線まちづくりにおけるまちづくり整備方針が改定中です。ちょうど今週区民活動センターや区役所1階のミーティングルームにてオープンハウスが実施されています。まずは丁寧に区民の意見を聞きながら改定作業に取り組んでいただきたいと考えます。この整備方針は、この地区の姿やまちづくりを具体的に進めていくための方針が示されるという位置付けですが、具体的な取組を今後区民にどう示していくのか伺います。

 鷺ノ宮駅周辺地区においては、西武新宿線の連続立体交差事業、都道133号線中杉通り、妙正寺川の改修など東京都の事業が複数あり、特に連続立体交差事業についてはその進捗が区のまちづくりに大きく影響することは否めません。また、駅前の交通ひろばの整備など区と都との役割がはっきりしていない部分もあります。このたび整備方針の素案が出されましたが、このような事情もあって住民が今後のまちの姿をイメージしにくい状況にあります。今後、連続立体交差事業に関連するもの、しないものを明らかにしながら、具体的なスケジュールについても区民に示していくべきだと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 景観まちづくりについても、広くまちの人と意見交換し、区民を巻き込んで魅力あるまちなみを形成していく道筋を描かれてはどうかと考えます。区は今、歩きたくなるまちづくりの推進を計画していますが、基盤整備と同時に、魅力ある風景があってこそ歩きたくなるまちが生まれると考えます。今後の区の取組についての見解を伺って、この項の質問を終わります。

 2、図書館について。

 子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものとされています。図書館は多くの本に触れることができる場であり、また主体的・対話的で深い学びを実現する探求学習を進めていくのに当たっても大いに活用が望まれます。しかしながら子どもたちにとって一番身近であるはずの学校図書館がよりよく活用できる環境にはなく、その点は長年課題となっていました。令和2年度の教育委員会の調査では、図書資料の出版10年以上が50%、20年以上は23%、30年以上は8%であり、蔵書数はあっても本の更新が計画的に行われていませんでした。そのため、令和4年度から新書購入予算を増やし、さらに令和6年度からは学校図書館指導員を安定的雇用のため委託化しました。効率的な管理のため蔵書管理システムの導入を進めました。長期休暇の際は学校図書館開放も行われました。こうした学校図書館に対する取組の成果を教育委員会として現時点でどう評価しているのか、最初に伺います。

 各学校図書館のみでは十分に子どもたちのニーズや学びに対応できるとはいえません。学校と学校図書館、地域図書館との連携を充実させていくことが必要です。今でも地域図書館には学校との様々な連携事業があります。授業関連図書団体貸出しや、地域によっては児童が地域図書館の本を紹介するような提携イベント、また、中高生図書館活性化事業などがありますが、区内全ての学校で効果的に進められているかは疑問です。

 さらに、図書館は探究的な学びのための場であることが一層求められてきます。「ネット情報におぼれない学び方」の著者である梅澤貴典氏は、某誌で、高度情報化社会においてこそ、ネットで検索して終わりではなく、自らが実際に調べるから知識体系が構築されたりアップデートされたりして知的成長につながると、図書館の活用の大切さを述べています。各学校・学校図書館と地域図書館とがよりよい学びの機会の創出を目指し協働していけるよう、司書教諭だけではなく、学校図書館指導員も含めて、地域図書館と定期的に情報共有や学びの場など交流活動を行っていくことが必要ではないでしょうか。現在の状況と今後の取組について伺います。

 図書館は社会教育施設として全ての世代が利用します。令和5年に、中野区の図書館サービス・配置のあり方の基本的な考え方が策定され、中野区の図書館の在り方は一定方向性が見えました。しかしながら、様々な課題や対応する今後のサービスの在り方の記載はあっても、その後それらの事業がどのように進められていくのかははっきり示されていません。区民が行きたい、利用したいと思える図書館になるように、区民の声を聞きながら着実に取組を進めていくことが必要です。実施に向けての次のステップに進んでいくために、今後の図書館の在り方についてはスケジュール感を持って具体的なプランを示していくべきです。区の考えを伺います。

 最後に2点だけ具体的取組について伺います。中野区は、自宅からおおむね1キロ圏内で図書館を配置することを基本的な考え方としていますが、現在、東中野・上鷺宮地域は図書館サービスが受けにくい地域となっています。東中野駅にはようやくブックポストが設置されましたが、貸出しもできるサービスポイントを設置することが必要だと考えます。しばらく懸案事項となっています。現在の検討状況を伺います。

 また、電子書籍は現在中野区の図書館では導入がありませんが、こうした地域事情の解決にもなり、また外出が難しい高齢者や障害のある方などに読書の機会をつくることもできます。電子書籍を早急に導入してはどうかと考えます。検討状況を伺います。

 3、児童館職員について。

 令和7年度から児童館は新たな体制でスタートします。区直営の基幹型児童館9館と、委託事業者が運営する乳幼児機能強化型児童館8館、同じく委託事業者が運営することになる中高生機能強化型の児童館1館の3類型となります。児童館は、地域における子どもと子育て家庭の居場所として重要な施設であり、児童館職員はこれまで長きにわたり、子どもとその保護者と直接関わる専門職として仕事をしてきました。

 乳幼児機能強化型児童館8館は令和10年度までに順次民間委託となる予定です。来年度の委託は2館で、残りの6館は基幹型児童館同様、区職員で運営することとなります。また、中高生機能強化型となる予定の若宮児童館は施設整備を終えてからの委託となるので、それまでは区職員による運営となります。

 前区政においては全児童館を廃止する計画でした。そのため平成7年度から児童厚生の採用を行わなかったことから、職員の年齢構成はバランスを欠いています。あと12年で児童厚生として採用された最後の職員は退職となり、このままでは児童館職員としてのノウハウの継承が危惧されます。今年度は館によっては職員が不足する事態が発生しました。繁忙期で人員が必要なときなどは、館同士で手伝いのやりくりをしていたと聞いています。ここ数年は再任用や再任用終了後も継続して会計年度任用職員として働く元職員の力を借りている状況です。人数はいても、子どもたちの対応においては新規に採用された職員には先輩職員のフォローが必要なことも多々起きます。職員定数が決まっている中、令和3年度に児童館廃止の条例が否決されたときからこのような事態が起きることは予想できていたはずです。児童館職員は現在福祉職採用となっています。職員は今後も安定的に配置されることが必要ですが、福祉職の配置の考えはどのようになっているのでしょうか、伺います。

 各累計ごとに詳細は異なりますが、来年度から開館日が拡充し、開館時間も延長するため勤務形態が変わります。職員は欠員がないように配置されるべきです。区職員配置の考え方を伺います。

 基幹型児童館に新たに配置される利用者支援専門員採用のめどはついているのでしょうか、伺います。

 また、新たに負担が大きくなる館長職への対応についても伺います。館長を補佐する主査級の職員の配置が望まれますがいかがでしょうか。来年度基幹型児童館となる上高田児童館の館長は、このままだと自館の館長職業務に加えて、キッズ・プラザ白桜、白桜学童クラブ、キッズ・プラザ令和、令和学童クラブ、乳幼児機能強化型新井薬師児童館、新井児童クラブの七つの職務を兼務することになります。

 来年度、子育て先進区を掲げた酒井区長の下で児童館は新たな一歩を踏み出すことになります。中野区児童館運営・整備計画には、「これまでの児童館の機能に加えて、虐待・貧困などの福祉的な課題への対応など、社会情勢の変化に合わせた機能強化が求められています。」と書かれています。職員の力量が大いに求められます。地域で必要とされ、来館者が増え、魅力ある児童館となるために、各館の情報共有を進め、新たな事業の企画に取り組むことも期待されます。人員体制の充実に加え、職員の質を高めていく方策が取られることが必要です。区の見解を伺います。

 子どもや子育て家庭、地域の方にとってよりよい児童館となるように、また職員にとっても思いを持って働きやすい児童館であるように、改めて今後の児童館運営についての区の決意を伺って、全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、みんなでつくる安全で魅力あるまちについてで、私道管理について、区が管理する道路の空洞調査についてでございます。区が管理している全ての道路で道路路面下に生じている空洞については、令和元年度から令和5年度までの間で調査済みでございまして、空洞箇所については補修を行っております。今後も空洞調査は継続して実施をしてまいります。

 次に、区が管理している下水道管の状況についてでございます。区が管理すべき下水道管につきましては総延長が約2キロメートル程度ありまして、令和5年度に管路内カメラ調査を実施したところであります。調査結果を踏まえて下水道施設改修工事を実施し、下水道局と協議の上、移管をする予定でございます。

 次に、私道助成制度の啓発についてです。私道助成制度につきましては、ホームページでの周知や私道助成制度のチラシを沿道の方へ配布しているところであります。今後は区報へも掲載をし、さらなる周知啓発を図ってまいります。

 次に、私道寄付の支援についてです。区では寄付の相談を受けた際、その手続方法や道路幅員等の受領要件の説明を行っております。また、寄付予定道路敷地の道路舗装や雨水排水施設状況等が区管理の道路に認定できるかどうかの調査も行っております。今後も寄付受領が円滑に進むよう、相談を受けた際には分かりやすく丁寧な対応に努めるとともに、寄付による公道化への支援については費用助成も含め研究してまいります。

 次に、地域住民の意見を盛り込んだまちづくりについて。これまで地区まちづくりを進めるに当たっては、地域住民をはじめ町会・自治会や商店街などの団体と、現在のまちの課題やまちの将来像等について意見交換を行いながらまちづくりの検討を進めてきております。今後も地域住民等が主体となるまちづくりのために、相談、情報提供、学習会支援等も必要に応じて行い、地域住民と協働しながら地域の課題解決に向けた取組を進めてまいります。

 続きまして、西武新宿線沿線まちづくり整備方針の改定についてでございます。今回の整備方針の改定に当たって、本年1月、まちづくり整備方針の改定素案を取りまとめました。改定素案では、道路・交通機能の向上、にぎわい・交流拠点の形成など四つの分野に分け各分野の具体的な施策を整理をしておりまして、現在改定素案に関するオープンハウスを開催し、区民との意見交換を進めております。

 また、まちづくりに関する各施策と連続立体交差事業などのスケジュールについては、概略スケジュールを改定素案に示しておりまして、引き続き各施策や事業の関係性を整理しながら関係機関との協議調整を進め、計画を具体化してまいります。

 次に、景観まちづくりの進め方についてです。良好な景観まちづくりを実現していくためには、区と区民等が一体となって取り組む必要があると認識をしております。区民向け講演会や意見交換会の機会を通じ区民の意見なども聞きながら景観まちづくりの検討を進め、魅力あるまちなみの形成及び歩きたくなるまちづくりを推進していきたいと考えております。

 私からは最後に、児童館職員についての項で、今後の児童館運営に向けての決意についてお答えします。児童館は、18歳以下の全ての子どもが自らの意思で来館をし、安心して過ごすことができるとともに、子育て支援活動を行う地域団体などの活動拠点として子どもの育ちを支える上で特に重要な役割を果たしているものであると考えております。児童館に配置される職員が児童館に求められる役割と使命を理解し適切に推進できるように、必要な職員の配置や育成に取り組み、子どもと子育て家庭にとって安心して利用できる居場所や交流の場を実現していく決意でございます。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私からは、図書館についての御質問についてお答えいたします。まず、最初に学校図書館の取組の成果についてでございます。令和4年度から図書購入費の増額や学校図書館指導員の民間委託等の取組を順次進めてまいりました。現在、全小・中学校の学校図書館において、文部科学省の示す蔵書の図書標準を満たしております。また、長期休業中を含めて学校図書館指導員が常駐し、いつでも子どもたちが読書に親しむ環境を整えることができました。令和5年度の学校図書館の1年間の貸出し冊数は、前年度と比べまして約4万3,000冊増加しており、一定の成果を上げたと考えております。

 続きまして、地域図書館との交流活動についてでございます。現在、司書教諭は地域図書館の司書とは合同研修会や意見交換会を通し交流を図っております。今後は学校図書館指導員を対象に実施する研修の中に、地域図書館との連携強化を入れられるか事業者と検討してまいります。

 図書館サービスの実施プランについてでございます。中野区立図書館のサービス・配置のあり方の基本的な考え方の内容は、蔵書の充実や閲覧席の増設、電子書籍、区民による図書館サービスの評価の拡充、サービスポイントの設置、図書館の改築の考え方などを明らかにしたものでございます。特に区立図書館の建て替えや閲覧席の増設につきましては、区民の皆様の意見を聞き、スケジュールを含めたプランを示しながら実施していきたいと考えております。

 サービスポイントの検討状況についてでございます。上鷺宮地域と東中野地域は図書館から半径1キロメートル以上離れている地域もあり、乳幼児親子や高齢者も利用しやすい場所に図書の貸出しや返却等のサービスを提供するサービスポイントの設置を検討しているところでございます。現在は区有施設や区有地の活用を検討しているところでありますが、具体的なサービス内容や場所については区民の皆様の意見を聞きながら検討していきたいと考えております。

 最後に、電子書籍の購入についてでございます。電子書籍については、特別区においても19区が既に導入しております。中野区においても導入したいと考えております。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、児童館職員についての御質問のうち、初めに福祉職の配置の考え方についてお答えいたします。福祉職の中には、児童館運営を担う職務、児童指導、主に保育園で勤務する職務、保育士、生活保護・児童相談所・相談対応などを担う職務、福祉がございます。各部の需要や本人希望、職務経歴、資格取得状況などを踏まえて配置を検討しているところでございます。

 次に、児童館の次年度人員配置の考え方についてです。次年度は児童館が子どもや子育て家庭にとってより身近な居場所、交流の場となるよう、基幹型児童館は新たに月曜日を開館し、水曜日、金曜日は19時までの開館となります。次年度の職員定数は各部の要望を踏まえ検討しているところでございますが、児童館については児童館運営・整備推進計画の内容を踏まえ、必要となる職員数を配置できるよう可能な限り配慮していく考えでございます。

〔子ども家庭支援担当部長森克久登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(森克久) 私からは、児童館職員についての御質問のうち、まず利用者支援専門員の採用についてお答えをいたします。基幹型児童館を地域子育て相談機関として位置付け、各館に利用者支援専門員を配置する予定でございます。利用者支援専門員の採用につきましては配置数を上回る応募がありまして、現在選考中でございます。

 次に、主査級の職員配置についてでございます。基幹型児童館は地域の子育て、子育ち支援の拠点として、中学校区内の関係機関と連携をし、福祉的課題への対応強化や地域連携の促進等を行う役割を担うこととしております。令和7年度の基幹型児童館への移行に伴いまして館長に求められる役割も増加するため、学童クラブ入所審査事務をはじめ館長の取り扱う事務を精査していく考えでございます。その上で、館長が兼務する職が多くなる基幹型児童館につきましては、必要に応じて主査の配置を検討してまいります。

 続きまして、児童館職員の質を高める方策についてでございます。児童館の機能強化に向け、現職員や新規採用職員、異動してきた職員が児童館に求められる役割・機能を理解し、よりよい児童館活動を展開できるよう児童館運営指針の改定を行っているところでございます。また、職員には研修の充実や専門資格の取得支援を行い、子どもと子育て家庭に寄り添う専門性の高い人材を育成してまいります。そのほか実践交流会や事例報告会などを通して知識を習得、蓄積することで、好事例を他館でも展開するなどの取組も行ってまいります。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○26番(斉藤ゆり) みんなでつくる安全で魅力あるまちの中の区民参加のまちづくりについて、ただいま西武新宿線沿線まちづくり整備方針というのが出されていますけれども、先ほど連続立体交差事業のスケジュール感を持って検討してほしいという質問に対しまして、スケジュールが記載されているという御答弁でございました。私は連続立体交差事業に関連するもの、しないものを明らかにしながら具体的なスケジュールについても区民に示していくべきだというふうにお伺いいたしまして、これには暗にまちの姿が分かりやすくなるような記載をしてほしいという、要望でございます。その点についてお伺いしたくて、もう一度御質問させていただきます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤議員の再質問にお答えします。

 西武新宿線沿線まちづくり整備方針の改定についてのほうで、スケジュールについて詳しくお答えするということで、先ほどの御答弁と同じことになりますけれども、まちづくりに関する各施策と連続立体交差事業などのスケジュールについては概略スケジュールを改定素案に示しておりまして、引き続き各施策や事業の関係性を整理しながら、関係機関とも協議し調整を進めて計画を具体化していくということで考えております。

○副議長(木村広一) 以上で斉藤ゆり議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会としたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(木村広一) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、2月17日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時07分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       副議長 木村 広一

       議 員 広川 まさのり

       議 員 伊藤 正信