1.令和7年(2025年)2月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
2番 山 内 あきひろ 3番 武 井 まさき
4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一
6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二
8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき
10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり
12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ
14番 河 合 り な 15番 市 川 しんたろう
16番 加 藤 たくま 17番 甲 田 ゆり子
18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ
20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お
22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎
24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ
26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司
28番 ひやま 隆 29番 高 橋 かずちか
30番 大 内 しんご 31番 伊 藤 正 信
32番 平 山 英 明 34番 久 保 り か
35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子
37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ
39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子
41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや
1.欠席委員(2名)
1番 高 橋 ちあき 33番 南 かつひこ
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 青山 敬一郎
副区長 栗田 泰正
教育長 田代 雅規
企画部長 岩浅 英樹
企画課長 中谷 博
ユニバーサルデザイン推進担当課長 大場 大輔
資産管理活用課長半田 浩之
財政課長 竹内 賢三
広聴・広報課長 矢澤 岳
総務部長 濵口 求
防災危機管理担当部長 吉沢 健一
DX推進室長 滝瀬 裕之
総務課長 永見 英光
防災危機管理課長永井 亨忠
職員課長 中村 洋
施設課長 大須賀 亮
生活・交通安全担当課長 久保 貴
デジタル政策課長、新区役所整備課長 瀬谷 泰祐
デジタル基盤整備担当課長 保積 武範
庁舎管理担当課長増子 英宏
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦
文化・産業振興担当部長 高村 和哉
新区役所窓口サービス担当課長 小堺 充
税務課長 滝浪 亜未
産業振興課長 国分 雄樹
文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当)、子ども教育部子ども・若者相談課長事務取扱、子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長事務取扱 森 克久
学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治
保育園・幼稚園課長 藤嶋 正彦
子ども教育施設課長 藤永 益次
子育て支援課長 分藤 憲
育成活動推進課長鈴木 康平
指導室長 井元 章二
学務課長 佐藤 貴之
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔
地域活動推進課長高橋 英昭
地域包括ケア推進課長 河村 陽子
医療・介護連携推進担当課長 高橋 かほる
すこやか福祉センター調整担当課長 河田 達彦
中部すこやか福祉センター担当課長 鈴木 宣広
鷺宮すこやか福祉センター担当課長 平田 祐子
介護保険課長 落合 麻理子
健康福祉部長 杉本 兼太郎
保健所長 水口 千寿
障害福祉課長 鳥井 文哉
障害福祉サービス担当課長 網野 和弥
生活援護課長 葉山 義彦
保健予防課長 宮下 奈緒
生活衛生課長 只野 孝子
環境部長 浅川 靖
環境課長 伊東 知秀
ごみゼロ推進課長鈴木 康正
都市基盤部長 松前 友香子
都市計画課長 塚本 剛史
公園課長 村田 賢佑
交通政策課長 宮澤 晋史
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史
まちづくり計画課長 近江 淳一
新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 青木 隆道
中野駅周辺地区担当課長 大南 隆司
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 堀越 恵美子
事務局次長 林 健
議事調査担当係長 鈴木 均
書 記 若見 元彦
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 森園 悠
書 記 梅田 絵里子
書 記 川辺 翔斗
書 記 志賀 優一
書 記 早尾 尚也
書 記 堀井 翔平
書 記 金木 崇太
書 記 砂橋 琉斗
1.委員長署名
午前10時00分開議
○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
第7号議案から第11号議案までの計5件を一括して議題に供します。
前回、2月21日(金曜日)の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に中村延子委員、2番目に武井まさき委員、3番目に日野たかし委員、4番目に武田やよい委員、5番目に黒沢ゆか委員、6番目にひやま隆委員の順に6名の総括質疑を行います。
以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。
中村延子委員、質疑をどうぞ。
○中村委員 おはようございます。それでは、令和7年第1回定例会予算特別委員会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおりで、その他はございません。なるべく時間内に終わらせたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、令和7年度予算についてのうち、(1)財政運営の考え方について伺わせていただきます。令和5年度から新たな財政運営の考え方を採用しています。それまでの基準となる一般財源規模から考え方を改め、予算編成開始時における歳入一般財源の見込額を一般財源充当事業費の目標額とした上で予算編成を行うとしています。さらに、基金の積立てについての考え方を整理いたしました。施設整備については、減価償却費相当の25%を積んでいくこととしています。今後長く続く施設の更新費用に充てるためですが、こうした考え方を整理したこと自体は評価をしています。一方で、現在のこの考え方だけでは今後の施設整備に係る累計を積めないこと、また、今後も物価高騰が続いていくことも予想される中で、余力を持って積立てをしていく必要性を感じています。25%で本当に足りるのかという懸念があります。まず、物価高騰等を鑑みた基金の積立てについては、次期基本計画の中でお示しいただけるという理解でよろしいですか。確認です。
○竹内財政課長 お答えいたします。物価高騰等を鑑みた基金積立ての目標額を求めた財政運営の考え方の整理につきましては、次期の基本計画や区有施設整備計画の策定スケジュールと併せて行っていく考えでございます。
○中村委員 今は減価償却費の25%という考え方ですが、今後それぞれの施設にどれぐらい費用がかかってくるのかある程度は見込んだ上で基金の積立てをしていく必要があると考えています。それぞれの施設の下限額というものは現状持っているのでしょうか。
○竹内財政課長 現在の財政運営の考え方におきましては、基金の積立ての下限額という基準値は設定していないものでございます。
○中村委員 ぜひ持っていただきたいなというふうに思っています。下限額を持つに当たっては、それぞれの施設の標準規模というのが必要になってくるかと思いますが、いかがでしょうか。
○半田資産管理活用課長 区有施設の整備に当たりましては、用途地域ですとか道路づけなどの条件や地域特性を踏まえて整備する必要があると考えてございます。一律に施設類型ごとの標準規模を設定するのは難しいと認識してございます。
○中村委員 これまでも各施設の標準規模を定めてほしいというふうに申し上げてきました。区有施設整備計画の改定に当たっては、考え方を持っていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○半田資産管理活用課長 区有施設整備計画におきましては、区有施設の総延べ床面積に係る考え方をお示ししているところでございます。施設類型ごとに一律の標準規模を設定することは難しいと考えてございますけれども、将来の施設更新に向けた準備ができるよう、総延べ床面積に係る考え方などについて改めて整理した上、お示ししたいと考えてございます。
○中村委員 何で標準規模を持ってほしいと言っているかというと、標準規模を持つことにより、ある程度施設の延べ床面積とかコントロールができるようになるということだと思うんですよ。施設整備の標準規模と基金計画を連動させることで安定した財政運営につながるというふうに考えております。そこについてはいかがでしょうか。
○半田資産管理活用課長 区有施設と基金計画の連動につきましては、区としても重要だと考えているところでございます。施設更新の経費につきましては、改めて次期区有施設整備計画のほうでお示ししたいというふうに考えてございます。
○中村委員 要は、標準規模を持つとかという考え方というのは、区有施設整備計画で延べ床をどうするのかというところに関わってくるというお話なんですよね。先ほど延べ床は示すみたいなことをおっしゃっていたんですけれども、そこをどうしていくのかというところが、先ほどの答弁だと、延べ床についてはどうしていくのかというところは持つということなんですかね。そこはどう考えているのか教えていただけますでしょうか。
○半田資産管理活用課長 施設類型ごとの標準規模を定めることにつきましては、床面積のコントロールにつながるものであると考えているところでございますけれども、立地条件や地域からの要望を踏まえた設計を行う必要があるというふうに考えてございます。安定的な財政運営を行うに当たりまして、将来の更新経費をより的確に見積もることは重要だと考えてございまして、その手段につきましては改めて次期区有施設整備計画の策定に合わせて検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○中村委員 じゃ、検討はしていただけるということなんですかね。ぜひそこはよろしくお願いいたします。ちょっと多分今、質問とかみ合っていなかったかなと思ったんですけど、区有施設整備計画で延べ床をどうしていくのかというのは、今、区としてどういうふうに考えているのか教えていただけますでしょうか。
○半田資産管理活用課長 総延べ床面積の考え方につきましては、今現在、区有施設整備計画のほうで将来的には縮減等に向けて取り組んでいくということでお示ししているところでございます。ただ一方で、バリアフリーとかそういった考え方の施設の整備に必要な面積等もあるところでございまして、そういったところの総体的な考え方につきましては、改めて次期区有施設整備計画のほうでお示ししたいというふうに考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。要は、なぜこの標準規模ということを言っているかというと、どうしても立地条件によってできるとなったときに、どんどん大きくなっていってしまうという傾向がこの間見られたからというところがあって、このままどんどん大きくなっていくと、そこのコントロールが効かなくなってしまうというところに懸念を持っているからなんですね。縮減をしていくという方針なのであればこそ、そこの標準規模というところも持っていっていただきたいなというふうに改めて申し上げますので、よろしくお願いいたします。
次に、財政調整基金のところを伺わせていただきます。中野サンプラザの影響については幹事長が触れたので、詳しくは触れませんが、基金計画にも影響を与えております。財政調整基金は令和15年段階で655億円、令和6年度当初予算では459億円だったので、100億円以上上振れをしております。令和16年度には737億円。先週の質疑で、今回の中野サンプラザに関わるもろもろの影響額のためという御答弁でしたので、すみません、ここの質問は飛ばします。
一方で、財政フレームのところの後年度では、基金の繰入金と特別区債が尻すぼみしている状況ですけれども、この要因はどう考えていらっしゃるんでしょうか。
○竹内財政課長 お答えいたします。財政フレーム上は、後年度になるほど事業費の積算の精度が低下していくために、こちらの規模のほうは縮小していっているというふうに認識してございます。
○中村委員 であるならば、後年度って財政フレームを出す意味があるのかなというふうに思ってしまうんですけれども、次期基本計画では財政フレームを10年で出すというところも検討したほうがいいんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 計画的に財政運営を行うためには、施設整備等に係る将来の基金、起債を把握することは重要と考えてございまして、将来の歳入歳出の予測の精度を上げる手法につきまして、検討していきたいと考えてございます。
○中村委員 なかなかその見通しが難しいからというところで申し上げているんですけども、ぜひそこは検討していただきたいなというふうに思います。財政調整基金は現在、年度間調整分、施設改修分、退職手当分の区分に分けて運用するとしています。年度間調整分は200億円を年度末までに確保すること、施設改修分としては先ほど来やり取りをしているように減価償却費相当額の25%を積み立てるよう努めること、また、退職手当分は従来と同様、基準額を設定し、それを超過する場合はその差額を繰り入れ、基準額に満たない場合はその差額の積立てを行う。ただし、令和5年度から始まる1年ごとの定年の引上げに伴い、定年を引き上げる年度の退職手当の額と基準額との差が大きくなることから、定年を引き上げる年度については積立てを行わないというふうにしています。令和6年度財政白書の退職金の推移を見ると、今後は、退職手当は令和6年の21億円を超えない見込みでおります。退職手当が今後上がっていくなら今後も積立てが必要ですが、そういう見込みではない状況なのかなというふうに思います。そこの考え方についても整理を検討してもいいのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○竹内財政課長 現在、退職手当分につきましては、定年を引き上げる年度につきましては積立てを行っていないところでありまして、今後、基準値を超えない見込みであることから、在り方については整理していきたいと考えてございます。
○中村委員 じゃ、次へ行きます。義務教育施設整備基金です。財政運営の考え方の中では、財政状況により、さらに一般財源の確保ができた場合は義務教育施設整備基金への積立てを行うというふうにしておりますけれども、現状そうなっておりません。令和6年度当初予算よりも積立てが少なくなっているんですけれども、どういった理由からなのか教えてください。
○竹内財政課長 令和7年度当初予算案の概要における基金積立・繰入計画におきましては、社会福祉施設整備基金及び財政調整基金の施設改修分の残高の減少幅が大きいため、積立ての増額を行い、義務教育施設整備基金への積立てが減少しているものでございます。
○中村委員 一方で、物価高騰の影響を大きく受けておりまして、これまで1校50億円程度としていたものが御答弁では72億円で、実際にはもっと増えている状況というふうになっています。こうしたことを鑑みても義務教育施設整備基金には着実な積立てが必要だと考えていますので、ここについても今後ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。
次に、社会福祉施設整備基金について伺います。ここは対象施設が多いと思うんですけれども、まず区有施設の中でどの施設が対象なのか伺います。
○竹内財政課長 こちらは保育園、児童館、高齢者会館、すこやか福祉センターなどが主な対象施設でございます。
○中村委員 多分もっと多いんですよね。介護施設とか障害者施設とかもっとあって、これほど多いんですけれども、本当に必要な積立てを行っているのかというところが若干見えてこないなというふうに思っているんですが、現在の社会福祉施設整備基金の積立計画にはどういう基準で今後の施設整備が反映されているのか教えてください。
○竹内財政課長 令和7年度予算におきましては、財政運営の考え方に基づき、当該年度に発生する減価償却費相当額の25%を積み立てていますが、年度末残高に対する減価償却累計相当額の積立ては行っていないものでございます。こちらの基金の積立計画におきましては、区有施設整備計画を踏まえつつ、施設整備が具体化した施設につきまして反映しているものでございます。
○中村委員 ということは、やっぱり具体化していないと積めていないということなんだと思うんですよ。となると、やっぱり対象施設が多いからこそ、すごく心配だなというふうに思っています。すこやか福祉センターは、区有施設整備計画の中では鷺宮小学校跡地に鷺宮すこやか福祉センターを、沼袋小学校跡地に北部すこやか福祉センターを建て替えの予定ですけれども、それらの建て替え費用についてはこの基金計画に反映されているのでしょうか伺います。
○高橋地域活動推進課長 お答えいたします。北部すこやか福祉センター及び鷺宮すこやか福祉センターの建て替え経費につきましては、基金計画に反映されてございます。
○中村委員 ありがとうございます。次に、児童館についてはいかがでしょうか。児童館運営整備推進計画には若宮児童館の中高生機能強化型施設への転換がありますが、そこは反映されているのでしょうか伺います。
○鈴木育成活動推進課長 中高生機能強化型児童館に移行する若宮児童館の施設更新に係る経費につきましては、財政フレームに反映しているところでございます。
○中村委員 逆に、ほかの児童館についてはいかがですか。建て替え等の費用は社会福祉施設整備基金に反映されていないという理解でよろしいでしょうか。
○鈴木育成活動推進課長 他の児童館につきましても、児童館運営整備推進計画の展開を踏まえて、大規模改修などの必要な更新経費は盛り込んでいるところでございます。今後、区有施設の建て替え目安に近づく施設につきましては、次期区有施設整備計画の見直しに合わせて必要な更新経費を盛り込んでいく考えでございます。
○中村委員 ありがとうございます。次に、保育園はいかがでしょうか。区立保育園として当分の間は10園、その先も6、7園の存続が決まっていますけれども、場所が決まっていない中では事業計画がないということで、基金の計画には反映されていないのでしょうか伺います。
○藤嶋保育園・幼稚園課長 改築の検討を進めております野方保育園につきましては、社会福祉施設整備基金への積立計画へ反映してございます。
○中村委員 逆に言うと、ほかは入っていないということですよね。ありがとうございます。今取り上げなかった施設も多く含まれます。先ほど高齢者会館とかっておっしゃいましたけれども、ほかにもたくさんあるので、そういった意味では社会福祉施設整備基金についても標準規模と下限額が定まれば、施設整備計画の策定と一緒に基金への積立計画の反映ができるのかなというふうに思います。だからこそ区として標準規模を定めるべきというふうに改めて申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。ありがとうございました。
次に、(2)予算編成方針について伺います。森幹事長が一般質問で問うた、それから、総括質疑でも問うたように、新北口再開発事業の遅れという財政的に大きな影響があることに対して、それに対応した新たな予算編成の考え方などは示されていない旨を指摘しました。一方で、少なからず実際の予算編成過程では各事業に影響も出ているのではないかなという懸念もしております。財政運営の考え方で伺ってきた基金の積み方もその一つです。過剰に影響を受けていないのかというところはかなり心配をしております。過剰に影響を受けることは避けるべきなんですけれども、一方で、日頃からの歳出を抑制する手法や事業評価、見直しなどは重要だというふうに考えております。予算編成方針の前文にも、適切な効果測定と継続的な評価・改善を行い、変化する状況に適応することが求められる。経常経費化した事業はもとより、これまでの計画に沿って進めてきた投資的事業等であっても十分な検証を実施した上で、区民と対話等を丁寧に行い、見直しを図っていくとしておりまして、効果的な事業評価、見直しや改善は必要であると考えています。
数年前から予算編成方針の中に入った以下の文言については評価をいたしています。新規拡充事業を立案する場合は既存事業の見直しを必須とし、既存事業の上限額を超えないように努めること。事業計画を立てる際は事業期間と目標達成の時期を見定める。終了時期を迎える事業については、エビデンスを基にそれまでの効果検証を行い、事業の有効性や実効性を踏まえて改めて事業計画を立てることというところです。
当初予算案の概要の12ページ、「効果を検証して継続を判断する事業」というのが掲載されております。まず、令和6年度は「終期を設定して計画した事業」としておりましたけれども、「効果を検証して継続を判断する事業」と名称を変えた意図を教えてください。
○竹内財政課長 名称の変更につきましては、終期を設定するということが、事業が必ず終了するという誤解を招くこともございまして、令和7年度におきましては「効果を検証して継続を判断する事業」と名称を変更したところでございます。継続的な事業につきましても検証は必要と考えておりまして、基本的な考えに変更はございません。
○中村委員 令和6年度当初予算では6件だったのが、令和7年度は15件。終期という言葉が強かったのか、表題を変えたからこそ増えたのかなというふうにも思います。一方で、まだまだ少ないなというふうにも感じております。予算編成方針には、新規・拡充事業では事業計画と目標達成の時期を見定めると明記をされていますが、今回、新規事業は何件あったのか伺います。
○竹内財政課長 主な取組における新規事業は24件ございました。
○中村委員 ごめんなさい。これは通告していないんですけど、拡充は分かりますか。
○竹内財政課長 こちらは31件でございます。
○中村委員 そうすると合計で55件あって、そのうちの15件しかここには載ってきていないということなんですけれども、対象がやっぱり限られちゃっているなというふうに思っておりまして、ここは今後増やしていく考えなのか教えてください。
○竹内財政課長 今後も予算編成方針に基づきまして、事業期間、目標達成の時期を見定めた上で計画策定することを徹底していきたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひお願いしたいんですけど、今、財政課長とやり取りしていて、財政課だけで考えていてもなかなか増えないんですよね。どう所管が取り組むのかが課題なのかなというふうに思っています。適切な効果測定と継続的な評価・改善と記載があるんですけれども、その時期も示せないのにどうやっていくのかなというふうに若干不安にはなっております。行政評価制度を予算編成過程に反映していく方策の一つとして、効果検証を判断する時期をもって公開していくことがあるのかなというふうに思っております。予算編成方針に書いてあるのだから、絵に描いた餅になってはいけないなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 例えば行政評価制度などを予算編成過程に取り入れるためには、新規・拡充事業につきまして期限を定めることが重要と認識してございます。今後も予算編成方針におきまして、事業期間と目標達成の時期を見定めるように記載しまして、可能な限り事業期間を明示して公開していくようにしていきたいと考えてございます。
○中村委員 昨年の予算特別委員会でひやま委員がこの質問をさせていただきまして、そのときにも申し上げましたけれども、東京都は事業の終期を定めています。ということは、その終期と合わせても、中には東京都の助成制度を使ってやっている事業もたくさんありますよね。なので、そこの終期と合わせてもいいのではないかというふうに申し上げてきました。どの事業費がなくなるかもしれないときに、区単独で事業を継続するかどうかも含めて検討しなきゃいけないわけじゃないですか。そこの点はいかがでしょうか。
○竹内財政課長 これまでも予算編成方針におきましては、国や都の補助金等の廃止や縮小がある際は新たな財源を調査し、見込めない場合はエビデンスを基に効果検証を行い、有効性や実効性を踏まえ、事業継続の可否の判断を行うこととしてございます。今後も国や都の政策動向を注視しながら情報収集に努めて、こういった事業の継続性のほうを判断していきたいと考えてございます。
○中村委員 なので、公開できるんじゃないかなと思っています。これまでこの事業期間について聞いてきたのは、行政評価がうまく働いていないのではないかという部分への懸念を解消できる方策の一つと考えているからです。一方で、ネガティブな側面としては、東京都が終期を定めることによって、自治体が事業へなかなか手を挙げづらくなっているということもあります。次期基本計画の中で行政評価制度の見直しについても御答弁いただいていますので、どういった形が最適なのかというところも含めて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中谷企画課長 次期基本計画の策定に向けた検討と併せて、来年度中に行政評価制度につきましても見直しに向けた検討を行う予定でございます。その中で行政評価の結果をより効果的に翌年度予算の編成に反映させていくことができるような仕組みを検討したいと考えてございます。
○中村委員 行政は、チェック機能が働かなければ漫然と何十年も同じことを続けてしまうきらいがあるのかなというふうに感じております。一旦立ち止まるきっかけにより、効果的な事業になっているのかチェック機能を働かせるという意味では重要だと考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、歳入について伺います。令和7年度予算一般会計については1,949億9,600万円で、前年度54億4,100万円の減でした。歳入については、この後のひやま委員が詳しく質問しますが、状況の確認をしていきます。基幹収入である特別区税は399億8,927万円余、10.3%の増となりました。内訳を見ると、特別区民税は377億663万円余、11.0%の増となっています。堅調な伸びを見込んでいます。どういう理由なのか教えてください。
○滝浪税務課長 特別区民税が伸びている主な要因といたしましては、令和6年度に実施した定額減税の大幅な縮小、一人当たりの総所得金額の増、所得割納税義務者数の増と考えてございます。
○中村委員 先週のやり取りの中で、定額減税のところを除いても堅調な伸びというところで御答弁されていたかと思うんですけれども、担当としてこの伸びはどのように分析をされているのか教えてください。
○滝浪税務課長 令和6年の東京都の賃金統計によりますと、前年よりも賃金は上昇しており、中野区民の一人当たりの総所得金額も増加するものと見込んでございます。また、令和6年度中の中野区の人口は増加しておりまして、所得割納税義務者数も増加すると見込んでございます。
○中村委員 次に、特別区財政調整交付金です。473億円となっておりまして、普通交付金は前年度から16億円の増となりました。特別交付金は15億円から18億円と3億円の増になっています。令和4年度から15億円だったものを今回増やしているのはどういった理由からなのか、まず伺います。
○竹内財政課長 特別区交付金につきましては、過去の実績を踏まえまして3億円の増となったものでございます。
○中村委員 分かりました。全体の話なんですけども、特別区財政調整交付金の割合は55.1%のままで、都議会の議決がまだのため、56%はまだこの予算案には反映をされておりません。今回それでも増となっている、この理由を教えてください。
○竹内財政課長 こちらは特別区交付金の原資でございます調整税等が伸びてございまして、固定資産税が前年度比で2.6%の増、市町村民税法人分が前年度比12.2%の増といった伸びになってございまして、財政調整交付金の増を見込んでいるものでございます。
○中村委員 配分割合の56%についてなんですけれども、都市計画交付金も今回200億円から300億円と大きく増額をされています。うちの議長が議長会で積極的に要望活動、勉強会を開いてきました。こうしたことも結果につながったのではないかなというふうに思っています。一方で、児童相談所分には到底足りておりません。今後どのように交渉していくのか教えてください。
○竹内財政課長 財政調整交付金協議におきましては一定の前進はあったものと考えてございますが、まだ区が考えている財政需要には至っていないものと考えてございます。今後も需要が適切に算定されるよう特別区長会を通じて提案していきたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひそこは継続的に頑張っていただきたいなというふうに思いますので、区長も含めてよろしくお願いいたします。
次に、不本意な税制改正の影響について伺います。ふるさと納税、地方消費税、それから法人住民税の一部国税化、これらの影響額を教えてください。
○竹内財政課長 特別区長会の試算でございますが、法人住民税の一部国税化につきましては約71億円、地方消費税精算基準の見直しにつきましては約13億円、ふるさと納税として約27億円、合わせまして約110億円の影響でございます。
○中村委員 110億円というかなり大きな額です。一方で、やっぱり堅調な財政状況でターゲットにされがちだなというふうに思っています。森幹事長の一般質問でも取り上げたように、石破総理になってこれまで以上に無理のある東京都から地方への税源移譲が進むことも可能性としてはあるのではないかというふうに考えております。しっかりと23区で足並みをそろえて要望していくことはもちろんのこと、トップが政治的に動く必要も出てくることもあると思いますので、そこは区長をはじめ考えていっていただきたいなというふうに思いますので、強く要望をさせていただきたいなというふうに思います。
令和7年度予算の歳入でこれまでと違う傾向があったところが、これまで国庫支出金と都支出金は増えるときは一緒に増えて、減るときは一緒に減っているケースが多かったなというふうに思っています。一方で、今回、令和7年度予算では国庫支出金が減っており、都支出金が増えています。この要因はどういったものなのか教えてください。
○竹内財政課長 国庫支出金につきましては、中野駅周辺地区の市街地再開発事業関連経費や学校施設整備等の減に伴いまして減少しているものでございます。一方、都支出金でございますが、地方創生臨時交付金や公立学校負担軽減事業に係る補助金等の増によりまして増加しているものでございます。
○中村委員 ここ、通告はしていなかったんですけど、今まで一緒に増えたり減ったりということが多かったというところから、それぞれ今回そういった事情があるというのは分かるんですけれども、今回は別の動きをしているというところの分析はどういうふうにされているのか。そこら辺はいかがでしょうか。
○竹内財政課長 経済状況が不透明な中、様々情勢等も変わってきているところでございます。今回、国と都、本来は連動するようなことが今まで多かった事例ですが、今回は逆の動きをしているところもございます。そういった国や都の政策動向というのは変わってくるものなので、引き続き注視をしていきまして、歳入の確保に努めるためにも情報収集というのを精緻に進めていきたいと考えてございます。
○中村委員 次に、繰越金についても伺います。令和6年度当初は4億円としていましたが、令和7年度は20億円としています。大幅増となっているわけですけれども、この理由を教えてください。
○竹内財政課長 こちらは、近年の区の実質収支額の状況を勘案しまして、20億円を計上したものでございます。
○中村委員 ごめんなさい。ここも通告していないんですけど、これ、決算見込みということなんですかね。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○中村委員 今後は決算見込みでやっていくということでいいんですか。
○竹内財政課長 今まで長い期間4億円という形でこちらは計上していたところでございますけども、先ほど特別交付金のほうでも申し上げましたが、過去の決算の状況であるとか、そういったところを勘案しながら、しっかりと予算のほうに盛り込んでいかなきゃいけないところはしっかりと盛り込んでいって、精緻な予算計上というものを努めていきたいと考えてございます。
○中村委員 特別区民税や財調交付金は予測を立てても毎年決算時には大きなずれが生じています。国・都の数字と計算式を用いて予測を出しているので、致し方ない部分もあります。一方で、特別交付金や繰越金についてはこれまでの実績を反映したということで、これまでの傾向に基づいて改善していくことで区民にも還元できる中、評価をしておりますので、ぜひ今後もこういった予測ができる部分については、そうしたものを予算にも反映していっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、歳出について伺います。すみません。時間がないので、物価高騰の影響のみ質問をさせていただきます。要求資料総務94を作成していただきました。物件費における100万円以上の増加がある事業の影響額というものです。部ごとにしていただきましたが、増額の合計額が7億円余となっています。物件費として作成いただいたので、委託の部分のみです。まず、委託費の増加の要因は人件費等が主立ったものなのか、もしくは事業が増えているのか、それとも物価高騰の影響なのか分析はできているのでしょうか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、業者から聴取しました見積書を基に予算計上しているところでございますが、見積書の記載様式につきましては様々であることから、人件費または物価高騰の影響かなどの詳細な分析はできていないところでございます。
○中村委員 委託費以外にも施設整備や、さらに細々したものでも積み上げると相当な影響額になると思いますけれども、合わせるとどれほど影響額があると見込んでいるのか。そこは分かるんでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 こちら、施設整備費等につきましては毎年規模の増減があったりすることなどから、全ての経費につきまして物価高騰分のみを算出するというのは困難と考えてございます。
○中村委員 その次に、ごめんなさい。令和5年度から令和6年度の影響額というふうに聞こうかなと思ったんですけど、ということはそれも出せないということなんですかね。
○竹内財政課長 はい。こちらのほうもちょっと算出のほうが困難と考えてございます。
○中村委員 そこをぜひ出していただくと、これまでの傾向というか、令和5年度から令和6年度の影響額というのが出せなかったとしても、今後この資料を見ていけば、どういう傾向なのかというのが分かるのかなというふうに思ったので、今回資料要求させていただきました。やっぱりどれだけ物価上昇が続いていくのかというのを見る上でも大事なのかなというふうに思っていますので、なかなか分析が難しいというふうに御答弁されましたけれども、そこは何とかできないものなのかなというふうに思っております。いつまで物価高騰が続くかは定かではありませんが、続いていくこともある中で、財政への影響というのは大きいなというふうに思っています。問題は、この物価高騰がこの先も続いていったときにどうなっていくのか。正のインフレというような状況になればいいんだけれども、果たして本当にそんなにうまくお給料が上がっていくのかなというところがとても心配なところです。トランプ大統領の関税の引上げだったり、いまだ続く世界各地の戦争の影響などの不安定な要素が多く見受けられています。こういったことを含めて考えたときに、今後の財政運営はやっぱり安心できるような状況ではないのかなというふうに思うんですけれども、その点について伺います。
○竹内財政課長 先行きが見えない不透明な経済・物価動向に加えまして、不安定な国際情勢に伴い、不確実性が増す世界経済の懸念や、近年増加している地震や豪雨被害、凶悪化する強盗詐欺被害による防災・治安対策への不安など、経済の下振れリスクを常に考えておく必要があると考えてございます。財政状況を楽観視することなく時代の変化を的確に捉え、区民ニーズに対応していくことに注力していきたい考えでございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、すみません。かなり駆け足で来たんですけども、ちゃんと順調に進んでいるので、多分最後まで行けるかなというふうに思います。(5)子どもの預かりについて伺います。令和7年度予算案には病児保育の拡充や子どものショートステイの拡充など、子どもの預かりに関するものも含まれています。これまでも一時保育や一時預かりの拡充、また、ベビーシッター利用支援事業など、子どもの預かりは年々拡充されており、それ自体は高く評価をしています。一方で、事業が提供されても使いやすいものでなければ本当に必要な方に届かないため、それぞれを改善していくことも求められます。そうした観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず病児保育について、令和7年度予算では、現在、区内北部地域1か所で実施している病児保育事業について、中部、南部地域で施設を開設する事業者を誘致し、地域偏在の解消を図り、保護者の子育てと就労の両立等を図るとしています。8月29日開催の子ども文教委員会で報告があり、昨年10月に公募、1月中旬に事業者決定、4月以降に事業開始というスケジュールになっていました。現状がどうなっているのか伺います。
○分藤子育て支援課長 病児保育事業の拡充については、当初想定したスケジュールよりも2週間ほど後ろ倒しになり、昨年11月に公募を開始し、1月下旬に契約締結候補者を選定いたしました。今後、委託契約の締結など準備を進め、新たな病児保育施設の開設は令和7年7月を予定しております。
○中村委員 募集要項には定員6名で9時から18時となっていましたが、こちらはどうなる予定でしょうか。
○分藤子育て支援課長 病児保育の定員は1日6名、実施時間は月曜から金曜の9時から18時までとなる予定でございます。
○中村委員 もともと施設型の病児保育は北部の総合東京病院のみでした。一方で、総合東京病院は、病児保育は医師のいる日、3日間ですね、しか新規の受入れができなかったという状況でした。この問題は解消されたのでしょうか伺います。
○分藤子育て支援課長 総合東京病院の病児保育において、小児科の医師が不在となる水曜と金曜を除く週3日間しか新規の受入れができない問題については、現在も解消されておりません。区としては、この問題の解消を引き続き総合東京病院に求めてまいります。
○中村委員 ここ、3名で、それも3日間しか受入れができなかったという状況から、今後7月には新しいところが開設をされて6名になるので、恐らく何日間というふうに限られてくるわけではないので、かなり拡充はされるのかなというふうに思っています。東京都のベビーシッター利用支援事業の病児保育も、結局ベビーシッターが手配されないケースもあるというふうに聞いています。東京都の要件が厳し過ぎて、そもそもやっていない事業者も多いです。ホームヘルプサービスも使い勝手が悪く、実績がない年もありました。これらの既存の制度の使いやすさを高めていく必要性もあると考えますけれども、いかがでしょうか。
○分藤子育て支援課長 既存のサービスについて、区民の方から登録や予約の手続が煩雑で使いにくい。利用要件が厳しくて使えないといったお声を頂くことがございます。これまでも利用手続の簡素化や利用要件の緩和を随時行ってきたところでございますけれども、引き続き利用者の御意見や他自治体の事例などを踏まえ、使いやすさを高める方策について検討してまいります。
○中村委員 こうした課題がある中で、区民の皆さんができるだけ使いやすい仕組みにしていく必要があるというふうに思っています。今回も9時から18時としていますけれども、9時からだと仕事によっては始業時間に間に合わず、使えない方もいらっしゃるというふうに聞いています。こうした課題も今後は解決をしていけるようにしていかなければいけないのかなというふうに思っているんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○分藤子育て支援課長 病児保育については、実施時間の拡充でより利用しやすいものになると考えられますが、運営事業者側の体制にも関わる内容でございますので、今後、事業者側と課題を共有し、検討を進めてまいります。
○中村委員 ぜひそこが課題だというところを認識していただいて、今後につなげていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。子どもの体調不良って突然起こります。いざというときに使える制度、仕組みにしていかないと、やっている意味がないなというふうに考えております。東京都も今回拡充をするというふうに聞いていますが、東京都福祉局の話を聞いただけでは本当に使えるのかなというふうには疑問が残りました。使いやすい制度になることを願っております。
次に、子どもショートステイについて伺います。ショートステイ実施場所を増やすとともに利用要件を緩和し、レスパイト利用を可能とする。また、ひとり親、経済的困窮者等が継続して利用できるよう利用料金の見直しを図るというふうになっていますが、まず内容を教えてください。
○森子ども教育部子ども・若者相談課長事務取扱 子どもショートステイ事業の拡充でございますが、まず実施場所の拡充につきましては、利便性のよい区中央部において、施設型ではなく一般の住居を活用できる事業者を1か所誘致いたしまして、定員は4人、対象児童は2歳から18歳とし、令和7年10月以降の事業開始を予定しております。
次に、利用要件につきましては、一般ショートステイにおきまして保護者の入院や出張等の場合に加え、保護者の休息のために利用することができるよう要件を緩和いたします。また、利用料金の見直しにつきましては、全体的に現行より低く設定をいたしまして、住民税非課税世帯及びひとり親世帯につきましては1日500円、住民税課税世帯につきましては1日1,500円とする予定でございます。
○中村委員 この拡充をすることにより、どういった効果を期待しているのか伺います。
○森子ども教育部子ども・若者相談課長事務取扱 これまでより利用しやすくなるというふうに考えておりまして、保護者の方が短期間の休息を取ることで、リフレッシュをして子育てすることができるようになりまして、子育て家庭の孤立予防や虐待の未然防止につながっていくと。そういった効果を期待しているところでございます。
○中村委員 こうやって事業を拡充していただくことはすごくいいことだなというふうに思いますが、必要な人に届く広報でなければいけないなというふうに思っていますけれども、その広報の在り方についてどうお考えか教えてください。
○森子ども教育部子ども・若者相談課長事務取扱 広報についてでございますが、区報や区ホームページ、受託事業者のホームページのほか、乳幼児健診や保育園等の入園相談の際のチラシの配布、子育て施設でのチラシ配布や掲示、区立小・中学校児童・生徒に配布しておりますタブレットを通した案内の送信などの広報を検討しているところでございます。また、すこやか福祉センターや児童館、保育園、幼稚園など、子育て家庭からの相談などを受け付ける区の施設におきましても、区の職員が適切に事業案内できるよう職員向けの周知についても進めてまいります。
○中村委員 そういった相談に来た際にお渡しするというのが一番効果的だなというふうに思っています。たくさんいろいろ考えていらっしゃるので、そこはきちんと必要な人に届くというところをぜひお願いしたいなというふうに思います。
次に、昨年10月から未就園児以外にもベビーシッター利用支援事業が拡充をされました。それまでは、都内では中野区だけ未就園児のみを対象としており、その制限がなくなったこと自体は歓迎するものです。さらに、令和7年度に東京都が事業の拡大をすることが示されています。これまでも私たち会派から、小学生への対象拡大についても検討してほしい旨、要望してきました。例えば小1の壁や長期休みの問題、保護者の働き方により土日の対応など、小学生の保護者でもまだまだ困っている方はいらっしゃいます。こうした課題を洗い出し、対象の拡大についても検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○分藤子育て支援課長 ベビーシッター利用支援事業については、都の補助制度の拡充内容について詳細を確認するとともに、人数や他区の実施状況等も踏まえ、利用上限時間や対象年齢の拡充について検討してまいります。
○中村委員 検討していただけるということなので、ぜひよろしくお願いいたします。個人的な話をさせていただきますと、このベビーシッター利用支援事業ですが、1月の日曜日にどうしても使う必要があったときに初めて利用させていただきました。事業者がたくさんあり過ぎて、どの事業者がいいのか全くよく分からない。事業者によっては入会金や年会費があるところもあって、頻繁に利用しなければ助成制度を使う意味がないところもありました。病児保育を対応しているかどうかも全て問合せをしたり、自ら探しに行かないと分からない状況です。病児保育をやっていると書いてあっても、東京都の要件が厳しいためにベビーシッターの手配ができないところもあります。複雑怪奇過ぎるんですね、これ。利用までにかなり大きなハードルがあるというふうに私は実感をいたしました。まず、ベビーシッターの事業者一覧に入会金や年会費があるのかの記述、またゲストでも利用ができるのかどうか、東京都の病児保育をやっているのか否か記載をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。使えるから自分で探してではなくて、必要な人が必要なときに利用できるように丁寧な対応が必要だと思いますが、伺います。
○分藤子育て支援課長 現在、東京都が定めるベビーシッター利用支援事業の認定事業者の情報は、都のホームページから各社のホームページにアクセスし、個別にサービス内容等を確認しなければならない状況でございます。利用者に分かりやすい情報提供について東京都に要望するとともに、区においてどのような対応ができるかについても検討してまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。こちらも政治側でもしっかりと要望はしていきたいというふうに思いますので、中野区だけでもできることがあれば、ぜひそこはやっていただきたいなというふうに思います。このベビーシッター利用支援事業、病児病後児保育、一時保育、一時預かり事業、子どもトワイライトやショートステイ、ホームヘルプサービス等々、これだけ使える制度が増えて、まずは情報の一元化が必要だなというふうに感じております。さらに将来的には利用申請までできる仕組みが必要だと考えます。産後ケアで検討中の母親保健DXとも相性がいいのではないかというふうに思っています。事業者が違うと、なかなかハードルがあるというふうに思いますけれども、区有施設で行っているものだけでも進めていただき、さらに事業者にも参加してもらえるように協力を要請していくことは可能ではないかというふうに考えております。こうした仕組みの構築を検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○分藤子育て支援課長 サービスによって利用要件や登録に必要な情報が異なるため、全てを一元化することは容易ではないと考えておりますけれども、今後の母子保健DXに係る検討に合わせて情報連携の可能性について検討してまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。以上で1番を終わります。
次に2番、科学的根拠に基づいた母乳育児支援についてを伺わせていただきます。大前提として、母親が母乳育児を選択するか否かは母親に決定権があり、その選択を否定するものではありません。様々な事情でミルクを選択せざるを得ない状況もあります。正解を見出すものではないということも付け加えさせていただきます。一方で、正しい知識の下で母乳育児を選択したいと考えた際に、最大限にそれを支援できる体制は社会としての責務であり、その一端を自治体として担わなければならないという考えの下、質問をさせていただきます。
タイトルに「科学的根拠に基づいた」というふうに入れたのは、母乳や子宮周りは非科学的な信仰も多く存在するためです。科学的根拠に基づき正しい知識の普及啓発がこの分野では非常に重要であり、子どもを産み育てる方が子どもの健康のために選択できることが大切だというふうに考えております。知識がなければ選択肢もなくなってしまうため、この場で取り上げさせていただきます。まず、母乳の赤ちゃんへのメリットについて区の見解を教えてください。
○鈴木中部すこやか福祉センター担当課長 お答えいたします。母乳は乳幼児等にとりまして貴重な栄養源であるとともに、免疫力の向上など多くの健康上のメリットがあると認識をしております。
○中村委員 スライドに書かせていただきました。赤ちゃんへのメリットというところで、ちょっと小さくてすみません。かなり多くあります。こういったメリットがあるということ。まず必要な栄養素、消化不良によるアレルギーを起こすことが少ない。それから、感染症対策、感染及び重症化を防ぐということですね。顎の発達、それから乳幼児突然死症候群のリスク減、衛生的、それからスキンシップによる安心感と信頼感というところが調べただけでも出てきております。
次に、母乳育児の母親へのメリットについて区の見解はいかがでしょうか。
○鈴木中部すこやか福祉センター担当課長 母乳による育児におきましては、産後の母体の回復を促進する効果があるとともに、母子の良好な関係の構築などのメリットがあると認識をしております。なお、区は、母親が育児用ミルクを選択する場合は、その決定を尊重しつつ必要な支援を行っているところでございます。
○中村委員 産後の回復だけではなくて、実は妊娠前の体重の回復を促す。それから、その後がすごくて、乳がん、子宮体がん、卵巣がんにかかるリスクの減、骨粗鬆症予防、2型糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームの発症の低下、アルツハイマーの発症のリスクの低下というのもあるんですよね。これ、科学的に出てきているものなので、こうしたメリットがあるということを、私自身もこの質問で調べていく上で知ったというところも、がんのところは知っていましたけど、というのもあって、かなりメリットが大きいなというふうに思いました。
一方で、母乳育児を続けていることの母親への負担もあります。長期授乳にはメリットがたくさんあるんですけれども、一番大切なのはママと赤ちゃんの心身の健康です。おっぱいトラブルを繰り返すことによる精神的な負担や、夜間の授乳による睡眠不足などにより育児がつらくなってしまう母親もいます。このような様々な理由で母乳育児の期間は変化をしてきます。だからこそ母親自身が知識を持って自分で選択できることが重要だというふうに思っています。
次に、WHOの母乳代用品のマーケティングに関する国際基準というのがあります。まず、産後ケアの担当はこの国際基準を知っているのか伺います。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 WHOの当該国際基準があることについて、産後ケア担当内での共通認識には至っておりませんでした。
○中村委員 そうなんですよ。これ、私も実は一昨年の11月に勉強会で初めて知ったんですけれども、読み上げさせていただきます。1、消費者一般に対して母乳代用品の宣伝広告をしてはいけない。2、母親に試供品を渡してはいけない。3、保健施設や医療機関を通じて製品を売り込んではならない。これには人工乳の無料提供もしくは低価格の販売も含まれる。4、企業はセールス員を通じて母親に直接売り込んではならない。5、保健医療従事者に贈り物をしたり、個人的に試供品を提供したりしてはならない。6、保健医療従事者は、母親に決して製品を手渡してはならない。7、赤ちゃんの絵や写真を含めて、製品のラベル表示には人工栄養法を理想化するような言葉、あるいは絵や写真を使用してはならない。8、保健医療従事者への情報は科学的で事実に基づくものであるべきである。9、人工栄養法に関する情報を提供するときには必ず母乳育児の利点を説明し、人工栄養法のコストや不適切な使用法によるリスクを説明しなければならない。10、母乳代用品の製造業者や流通業者は、その国が国際基準の国内法制を整備していないとしても国際基準を遵守した行動を取るべきである。こういった、これ、要旨なんですけれども、国際基準がWHOの1981年に発したものなんですけれども、あります。ほとんどの医療機関でこの国際基準が守られていません。私が2人目を出産した医療機関は、退院指導の後に液体ミルク業者からの営業を当たり前にやらせていました。試供品も頂きました。資本主義過ぎて笑ってしまうぐらい驚いたんですけれども、私、この国際基準を知った後に出産をしているので、びっくりしてしまって、これは明らかに国際基準には違反をしています。恐らくそういった医療機関がほとんどなんじゃないかなというふうに思います。この国際基準については区の施設、特にすこやか福祉センターでは改めて守られているかの精査をするべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターで実施している育児相談や授乳・離乳支援について、国際基準を踏まえた上で母子の状況や生活の実態に合わせた適切な支援に努めてまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。区有施設の授乳室の表示についても精査が必要だというふうに思っています。授乳室がない施設、授乳室があっても分かりやすいピクトグラムがない施設、ピクトグラムがあってもミルクのマークだけになっている施設、授乳を表現しているピクトグラムを採用している施設、ばらけている状況です。ちょっと見せますね。まず、授乳室がない施設はないですが、授乳室があるけれども、これはピクトグラムがない施設です。南中野区民活動センターです。授乳室とだけ書いてあります。南部すこやか福祉センターです。これはピクトグラムがあるんですけれども、ミルクのマーク、これは国際基準に違反しています。中野東図書館、ピクトグラムありですけど、ミルクのマークです。城山ふれあいの家は、ふだんの授乳室はピクトグラムありだが、ミルクのマークですが、ふらっとサンデーのときの職員さんが作った表示はちゃんとしたものになっているという状況です。区役所はピクトグラムありで授乳を表現している、こういうものになっています。区有施設の授乳室の表示について、人工乳が当たり前と思わせるマークになっていないか現状を把握すべきと考えております。今後の施設整備を行っていく際には、授乳室の分かりやすさと同時にピクトグラムの表現についても国際基準に沿ったものにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○大場ユニバーサルデザイン推進担当課長 お答えいたします。3月に策定予定の中野区区有施設のユニバーサルデザインガイドラインのチェックリストにおきまして、視覚情報に関してJIS規格に準拠するなど、誰でも分かるよう配慮する旨を記載しております。各所管へガイドライン策定の周知をする際に、ミルクマークを含め基準に合った表記となっているか点検するよう、併せて周知してまいりたいと考えております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。すぐに今ミルクマークになっているところを変えろというのは、なかなか難しいかなというふうに思うんですけれども、そこは現状を把握することが大事だなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
次に、軌道に乗るための支援ということで私自身の経験を少し話させていただきます。一人目は早産で出産をしました。さらに新型コロナの感染拡大で産後ケア事業が使えませんでした。また、当時は南部に産後ケア施設はなく、アウトリーチも対象ではありませんでした。NICUに入っていたため、子どもが退院するまで、こんにちは赤ちゃん訪問を含め、ほとんどの区の支援を受けることができませんでした。二人目は正期産で出産時に赤ちゃんにも母体にも特に問題もなく、通常のスケジュールで退院をしました。こんにちは赤ちゃん訪問は生後10日後、産後ケアのデイケアは初回を産後20日で利用することができました。支援を早期に受けることができ、一人で悩むことなく母乳育児も軌道に乗せることができました。私の体験から、やっぱり最初に早期にこういった支援を受けることが非常に重要だなというふうに私自身は考えております。
まず、令和7年度予算には、かんがるー面接を行っている事業者への研修等に対する予算が計上されていると思いますけれども、どういったものか教えてください。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 かんがるー面接は委託で行っておりますが、利用者からも様々な声を頂いておりまして、面接における質、専門性の確保が課題であると認識しております。当該研修では産後ケアや各種講座の実態等を学び、より適切な情報提供や妊産婦支援を行うための研修を実施するものでございます。
○中村委員 なかなか今の事業者さんでは、していらっしゃるとは思うんですけれども、十分ではないというところも声としては聞いていますので、ぜひそこは徹底をしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。先ほども申し上げましたけれども、産後すぐに支援を受けられることの重要性に関して、身をもって感じました。Umbilicusに私は20日後に行ったんですけれども、Umbilicusでも新生児の利用は非常にまれだというふうに言われました。新生児の時期に使えるということをもっと多くの人に知ってもらいたいなというふうに思います。かんがるー面接時なのか、もしくはこんにちは赤ちゃん訪問時なのか、適切な時期に案内をする必要性を感じるんですけれども、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケアについては、より多くの方に御利用いただきたいと考えておりまして、区報でも特集を組んで周知を行ったところでございます。これまで産後ケアについては、主にかんがるー面接の際に御案内をしておりましたが、令和7年度からは妊娠届の際にかんがるーブックをお渡しし、より早い段階で丁寧に御案内していきたいと考えております。また、かんがるー面接の際にも再度産後ケアについて周知し、利用促進につなげていきたいと考えております。
○中村委員 すごい。何か今まで求めてきたことをさらっと今、御答弁でおっしゃっていただいたんですけど、妊娠届出時にかんがるーブックを配布していただけるということで、今まではかんがるー面接時まで配られなかったのが大分早く配られることによって、皆さんに知っていただくきっかけになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
産後ケアは、NICUに子どもがいる母親でも一人で使えるんですけれども、一人でも使えるという広報はどうしているのか伺います。2月5日号、先ほどもおっしゃっていた区報の特集、それから、かんがるーブック、共に一人でも産後ケアを使えるという記述はありません。母親一人でも使えるという周知が必要と考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケアについては、お子さんが入院している場合も母親だけで利用することができます。区のホームページでは母親のみの利用が可能な施設を周知しておりますが、より分かりやすい御案内となるよう、ホームページ、かんがるーブックの内容について検討してまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
それから次に、搾乳できる環境の整備ということで伺わせていただきます。授乳室に一人ですごく入りづらいという問題です。仕事をしながら授乳を続ける方もいらっしゃいます。共働き家庭が増えれば、その選択をする母親も多くなってくるというふうに予測ができます。仕事をしながら授乳するには、日中保育園等に子どもを預けている間、特に生後2か月以降6か月未満で仕事に復帰した場合は、定期的な搾乳が必要になります。これがとても大変なんですけれども、区役所の職員の方からも何人か御苦労されたお話を私自身が搾乳をしているときに伺いました。上司に相談しにくいので、こういった問題って表面化していないんだというふうに思います。搾乳をする場所というのは決定的に少ないです。私自身は授乳室や応接室を使わせていただきまして搾乳をしていました。区職員も若い世代が増えて、早期に仕事復帰されている方もいらっしゃるのかなというふうに思います。会議室等を気軽に使えるようになってほしいなというふうに、ここは要望として入れさせていただいていたんですけれども、実は世田谷区では職員のために庁舎に搾乳室を設置することを先週の一般質問で区長が御答弁をされていました。やっぱりこういった働く環境というところでも、しっかりと整備をぜひ進めていっていただきたいなというふうに思います。職員だけではなくて区民の方にもそういう方はいらっしゃるのかなというふうに思っていますので、まず第一歩として授乳室を搾乳にも使えるという認識の共有、案内等にも記載すべきではないかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○大場ユニバーサルデザイン推進担当課長 庁内の授乳室を搾乳のためにも利用できるという認識の共有ができるよう、周知、案内方法につきまして関係所管と検討してまいりたいと考えております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、育休明け前の母乳ケアについて伺います。母乳を与える推奨期間は、日本と諸外国では違います。まず、WHO、ユニセフは、生後6か月は母乳だけで赤ちゃんを育て、離乳食を始めた後も2歳またはそれ以上まで母乳育児を続けることを勧めています。アメリカの小児科学会は、少なくとも12か月、それ以降は母と子が望む限り長く吸わせることを推奨するというふうにしています。一方で、厚生労働省は、いつまで母乳を続けるのが適切かに関しては、母親の考えを尊重して支援を進めていきたいとしています。おっぱいをやめる時期は1歳というイメージを持っている方が非常に多いなというふうに私自身も感じています。戦前の母乳育児はとても長く、第二次世界大戦中に行われた調査によると、子どもの乳離れ平均年齢は2歳、中には9歳まで飲んでいた子がいたとの記録もあります。しかし、戦後の高度経済成長により日本の女性の生活は大きく変わりました。産めよ増やせよの考えから、早く断乳して妊娠が推奨されました。核家族が増えたことで上の世代による育児の伝承が減り、専業主婦として育児や家事を一人でこなさなくてはならなくなりました。そのため、離乳食を食べるようになったら母乳は終わりと合理的に考えるようになった背景もあるようです。こうした社会的背景が要因で、1歳で断乳というイメージが出来上がったようです。決して1歳で断乳したほうがいいという何らかの科学的根拠はありません。
現在の産後ケアは、ショートステイ産後4か月、デイケア産後6か月、アウトリーチ産後1年となっています。国の産後の定義が1年となっていまして、その影響もあって、東京都の補助制度が産後1年というふうになっているのかなというふうに思います。復職、保育園入園が1歳4月の場合、産後1年以上経過しているケースもあります。復職の際に断乳することが多い中で、アウトリーチが使えることでスムーズになるのかなというふうに思っています。復職後におっぱいトラブルを経験する方も多いです。希望する方がその期間、母乳をあげ続けることができる支援につながるというふうに考えています。産後1年以降も母乳ケアについて利用できるように検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケアにつきましては、母子保健法の中で産後1年間と規定されており、国及び東京都の交付金もそれに沿った要件となってございます。すこやか福祉センターでは、産後1年間を経過した後も保健師や栄養士による継続的なフォローを行っておりまして、母乳についての相談も受け付けているところでございます。
○中村委員 とはいえ、実際におっぱいケアは受けられないわけですよね。相談はもちろん分かるんですけど。区単独でやっていくのも大変なのは理解しますが、ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。と同時に、東京都に対しても声を上げていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 東京都の担当部局に対して、産後ケアの利用期間について御要望があったことは伝えてまいりたいと考えております。
○中村委員 もちろんこちら、政治側でもしっかりと要望はしていきたいなというふうに思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次にというか最後になりますが、災害時の想定と対応について伺わせていただきます。災害発生時に母乳育児を続けたい方が続けられる支援が必要だと考えています。そのためにはミルクを自動的に配るのではなく、それぞれのニーズを把握する必要性があります。母乳育児を続けられることは、災害時に発生しやすい感染症のパンデミックから赤ちゃんを守ることにもつながります。この観点から、河合りな委員が昨年の予算特別委員会で授乳アセスメントシートを導入すべきと質問をさせていただきました。各避難所への配備について検討するとの御答弁でしたが、この件について検討状況をまず伺います。
○永井防災危機管理課長 授乳アセスメントシートを避難所へ配備することにつきましては、避難所運営マニュアルの改定と併せ実施予定でございます。
○中村委員 避難所運営は地域に任せられており、そこまで手が回らないことも予想がされます。今回、一般質問で避難所運営マニュアルの改定の中で具体的な記述をしていくべきと質問をさせていただきましたが、妊産婦をはじめとした要配慮者の具体的な支援について盛り込むことも検討していきたいと御答弁をされました。母乳育児を続けたい方が続けられる支援についてもマニュアルに落としていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○永井防災危機管理課長 現在、改定を進めております避難所運営マニュアルにおきまして、避難所内での妊産婦をはじめとした要配慮者に対する具体的な支援につきまして、避難所運営者が理解しやすい表記で記載してまいります。
○中村委員 そこは人のところも必要になってくるので、ぜひよろしくお願いいたします。母乳育児を続けたい人たちが続けられれば、粉ミルクや液体ミルク等を活用してミルク育児をしている人たちにそういった資源を優先配分できます。実際どれぐらいの割合の人が完母、いわゆる完全母乳育児か、完ミか、それとも混合かはなかなか予測しづらいことではありますが、限られた資源を有効活用する上では非常に有用だと考えますが、いかがでしょうか。
○永井防災危機管理課長 個々の状況に応じまして備蓄物資を有効活用することで、粉ミルク、液体ミルクなどをミルク育児をしている人たちに優先配分できると考えているところでございます。
○中村委員 少しでも母乳を続けてくれる親子が増えれば、子どもの命を守るだけでなく、間接的に避難所の感染対策にも有用だというふうに考えています。だからこそ日頃からの母乳育児支援というのが本当に大切だというふうに感じております。
関連して備蓄物資について伺います。赤ちゃんが清潔なミルクにありつけることはとても重要です。だからこそ母乳を続けられる方に続けていただくことが重要ですけれども、ミルク育児をしている場合もあります。ミルクと哺乳瓶の備蓄物資が現状どれだけか伺います。
○永井防災危機管理課長 ミルクと哺乳瓶の備蓄物資につきましては、乳児の避難所避難想定人数の3日分を備蓄しているところでございます。
○中村委員 1日当たりの必要数をどのように算定しているんでしょうか。
○永井防災危機管理課長 1日当たりの哺乳瓶の必要数につきましては、避難所避難想定の乳幼児一人につき1日1びん、3日分の備蓄のほうを計算してございます。
○中村委員 1日1びんだと、さすがに足りないですよね。生後2か月から3か月ぐらいで授乳は大体1日6回あります。その都度洗浄をして消毒をしなきゃいけないということになっております。災害時は衛生を保つのがとても難しいです。洗えない。洗ってから消毒して使うために必要な水の量は1回当たり2リットルです。清潔にミルク育児を続ける必要があるんですけれども、やっぱり1日1びんだとどうしても足りない状況です。ちょっとごめんなさい。これ、原稿に書いていなかったんですけど、栄養方法別の1週間分の必要物資というのを、本当は写真があるんですけど、著作権に関わってしまうので、文字化したものになっています。母乳育児をしている方だと、おむつとお尻拭きのみで大丈夫です。液体ミルクを利用した場合だと、おむつ、お尻拭きに加えて液体ミルクの必要本数分、哺乳瓶、それから哺乳瓶の洗浄用の水が84リットルです。消毒用品及び水が必要になってきます。さらに粉ミルクを利用した場合だと、それに加えてお湯をつくるための資材だったり、調乳用の水、さらに6リットルが必要になるということなんですけど、この量、84リットルプラス6リットルだから、90リットルですよ、1週間分と考えると。それをなかなか準備するというのは難しい。なので、哺乳瓶を備蓄しているということ自体がなかなかちょっと難しいんじゃないかなというふうに思っています。解決策として紙コップを使っての授乳方法があります。ミルク用に小さめのコップの備蓄をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○永井防災危機管理課長 現在、避難所には普通サイズの紙コップを備蓄しておりますが、哺乳瓶の代替として使いやすい小さい紙コップも有効であると認識しており、哺乳瓶の消毒が困難な場合に備え、小さい紙コップの導入を検討してまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。併せて、紙コップで飲ませたことがない場合は、飲ませ方について各ミルクメーカーや育児サイトに、災害時の授乳として飲ませ方のコツ等が載っていたりします。日本ラクテーション・コンサルタント協会等が作成している「災害時の授乳」というパンフレットもあります。こうしたものを参考に、図を用いた案内を作成するなどの準備も必要かなというふうに思いますので、併せてよろしくお願いいたします。
時間に間に合いました。以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。
次に、武井まさき委員、質疑をどうぞ。
○武井委員 おはようございます。令和7年第1回定例会につきまして、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告どおりで、その他の質問で区内地域公共交通についてと、地域活動の活性化における町会・自治会の役割についての2点を質問させていただきます。一部重複してしまう質問もあるかもしれませんが、私からも聞かせていただきます。
まず、令和7年度予算についてです。歳入ですが、所得の増加によって特別区税の区民税の増収が見込まれています。令和6年度の定額減税分の減少を除くと、特別区民税の増収分は幾らか教えてください。
○滝浪税務課長 定額減税の縮小による影響額は約10億円でございまして、これを除いた令和7年度の区民税現年度分の増収分は約23億円となってございます。
○武井委員 当初予算(案)の概要4ページに、ふるさと納税の減収額は3億円増のおよそ31億円になるとあります。ふるさと納税で中野区に入るはずの住民税の流出は年々増加しているのは認識しています。ふるさと納税による減収額の伸び率は増加しているのでしょうか、鈍化しているのでしょうか教えてください。
○滝浪税務課長 ふるさと納税を含む寄付金税額控除額につきましては、令和5年度の伸び率は令和4年度と比べて縮小し、令和6年度の伸び率はほぼ横ばいでございました。令和7年度につきましても伸び率をほぼ横ばいとして見込んでございまして、伸び率は鈍化していると考えてございます。
○武井委員 伸び率は鈍化しているということですが、ふるさと納税による減収額は伸び続けているということですよね。ふるさと納税によって出ていってしまった住民税は、中野区の様々な行政サービスの財源となっております。この状況が続くと区民の皆さんに提供する行政サービスに影響が出るおそれがあると思います。ふるさと納税による歳入減収についての状況を区民には十分伝えているのでしょうか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 区のホームページにおきまして、ふるさと納税について再考を求める内容を記載しておりまして、その中で当区に納められるはずだった住民税の流出額の推移をお示ししているところでございます。今後も中野区をはじめとした特別区のふるさと納税制度に対する姿勢のほか、ふるさと納税による歳入の減収状況など、区政へのふるさと納税による影響につきまして、都度発信していくことに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○武井委員 ふるさと納税での減収の対策としては、中野区に入ってくるふるさと納税額を増やすことが必要だと考えます。中野区にも様々な魅力はたくさんあると思いますが、ふるさと納税に対して歳入増についてどのような努力をしているか教えてください。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 中野区では、区や区内事業者の商品やサービスのアピールにつながるものを返礼品とする考え方に基づきまして、飲食店の利用をはじめアニメコンテンツ事業者が開発した商品、ビールの注ぎ分けや人間ドックの受診などの体験、区内限定で利用できる民間ペイ、今後はナカペイなど地元金融機関の協力も得ながら区特有の返礼品開発に努めているところでございます。
○武井委員 我が会派の加藤委員が総括質疑で取り上げておりましたが、練馬区、杉並区民がそれぞれ中野区に日々9,000人ずつ流入しているという状況です。そういった状況下において、歯医者のクーポンはかなりよいセンスだとおっしゃっておりました。そこで、中野区だけで考えるのではなく、23区でふるさと納税を確保し合えるような関係や協力はできないでしょうか。23区でふるさと納税の歳入を確保し合えば、最終的には都区財政調整交付金で調整することも可能になってくるのではと考えますが、いかがでしょうか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 特別区におきましては、不合理な税制であるふるさと納税に対しまして一貫して廃止を求め、抜本的な見直しを求めているところでございますが、その考えの下、特別区の住民に対して23区の自治体へのふるさと納税を促すメッセージを発信することですとか、あと特別区の複数の自治体で返礼品を共同開発するなど、特別区の他の自治体との連携について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○武井委員 次に、先ほど特別区民税の増収分はお聞きしましたが、物価高騰による経常経費の増加分は幾らか分かりますでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 お答えいたします。こちら、要求資料の総務94の資料でお示ししておりますが、物価高騰の影響が大きい性質別の物件費のうち、1,000万円以上の事業費における増額幅でいいますと、およそ7億円増と見込んでいるところでございます。
○武井委員 物価高騰ですが、来年、再来年度も続く見立てでいますが、その数値は見込んでいるのでしょうか。
○竹内財政課長 予算編成におきましては、事業者からの見積りを聴取しまして、最近の物価高騰の状況を十分に踏まえて積算を行っているところでございます。財政フレームにおきましては、国の経済財政諮問会議の資料における経済成長を見込んで作成しているところでございます。
○武井委員 経常経費がこのままならしばらく問題はないと思いますが、しかし、我が会派の加藤委員もおっしゃっておりましたが、持続可能な区政運営を進めるため経常経費の削減に努めていく必要があると思います。新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップによる事業展開を徹底し、限られた財源を有効にして使っていってください。
令和6年度歳入では、起債返済の財源としていた区役所の転出補償約45億円は計画凍結で歳入されませんでした。令和7年度予算では約71億円の起債の返済を一般財源で行うとしていますが、計画が動き出したら歳入は財政調整基金に積み立てることになるのでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 新区役所整備費用の起債償還につきましては、令和6年度及び令和7年度におきまして財源となる転出補償金が見込めなくなったことに伴いまして、一般財源により対応しているところでございます。今後、転出補償金の収入が見込まれる際、当初の計画どおり財政調整基金の施設改修分に積み立てることを現時点では予定しているところでございます。
○武井委員 当初予算(案)の概要5ページの繰越金ですが、令和5年度、令和6年度と今まで4億円でしたが、令和7年度から20億円に大幅に増やした理由はなぜでしょうか。
○竹内財政課長 繰越金につきましては、近年の区の実質収支額の状況を勘案しまして20億円を計上したところでございます。
○武井委員 先ほど中村委員の質問でも同じ質問をして、実質収支を見て変えたと回答がありましたけども、それでは、初めから20億円を余らすという不適切なことではないのかと感じました。初めから20億円をもっと有効に使う予算を組むべきではと思いましたが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 繰り返しになりますが、近年の区の実質収支状況を勘案して予算計上しているものでございまして、こちらのほうは適切な予算であると考えてございます。
○武井委員 中野三丁目自転車駐車場整備事業で用地取得となっていますが、ここは一旦URに売却した旧桃丘小学校用地を買い戻すことになるのでしょうか。なぜそのような手法を取ることになったのか。附置義務で対応できないものなのか。売却額と購入額に超過の負担はないのか教えてください。
○大南中野駅周辺地区担当課長 自転車駐車場用地取得については、御指摘のとおり旧桃丘小学校用地の一部を買い戻すことになります。次に、このような手法になった理由についてです。旧桃丘小学校用地を売却した平成27年当時は、令和2年の駅舎開業に合わせた駅前広場整備が急務でした。区は新たに駅直近の立地となる西口地区のにぎわいの創出や、建物の共同化を希望する権利者の受入れ先として拠点施設を整備する必要があると考えていました。拠点施設の整備についてはUR都市機構の土地有効利用事業が有効だと考え、この事業を活用することとし、この事業活用にはUR都市機構に用地を売却する必要があったためです。附置義務について対応することができるかということについてなんですけども、附置義務は拠点施設に必要な利用者の附置義務、駐輪場を設置するもので、今回の駐輪場用地取得については、西口改札に合わせて利用者が駐輪場を設置できるために区が必要と考えて設置するものですので、附置義務で対応するのは困難だというふうに考えております。最後に、超過負担についてですが、現在は売却時から土地の価格が上昇しているため、取得金額については今後、不動産鑑定士による鑑定を基に適正時価にてUR都市機構と協議し、決定することとなります。
○武井委員 次に、定年延長に伴って次年度は定年退職者が発生しないことから、退職手当額は前年度比で減少することが見込まれております。退職手当が基準額に満たない場合は、その差額を財政調整基金の退職手当分と積み立てることになっておりますが、令和7年度は定年退職が少ない年度となるので、積み立てるべきではないのでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政運営の考え方に基づきまして、定年を引き上げる年度につきましては積立てを行わないものとなっているものでございます。
○武井委員 財政調整基金の施設改修分や施設整備基金の積立てでは減価償却費相当額の25%を目標としていますが、令和7年度各基金の積立額はどのくらいか、今後もこの考え方を維持していくつもりなのか教えてください。
○竹内財政課長 令和7年度における積立額でございますが、財政調整基金の施設改修分は約7億円、義務教育施設整備基金は約7億円、社会福祉施設整備基金は約2億円となってございます。基金の積立てにつきましては、物価高騰や金利上昇などの社会情勢に加え、今後の施設整備計画や整備経費、基金残高を勘案しまして、改めて考え方を整理していきたいと考えてございます。
○武井委員 要求資料総務95、物価高騰を理由に補正予算で増額変更した工事請負契約を新規で作成していただきました。主に学校工事などの補正予算によって、令和4年度は5.1億円、令和5年度は5.5億円、令和6年度は約7億円が増加しています。このような補正予算の場合は、学校施設であれば基本的にその支払いに義務教育施設整備基金を活用することでよろしいのでしょうか。
○竹内財政課長 御指摘のとおり、学校施設であれば義務教育施設整備基金を活用することとしてございます。
○武井委員 令和6年度において積立て0円で、繰入れが69億円という基本計画であり、既にあり得ない計画でしたが、それに加え、補正予算で7億円近くが繰入れとなりました。社会情勢の変化、インフレスライド条項のメニューが拡充する中で、補正予算で増額しなければならないことになるのが容易に想定できたと思います。にもかかわらず、それが想定されていない基金計画というのは中長期的に財政運営が厳しいことになろうかと危惧しますが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 こちら、予算上で繰り入れる予定であっても実際に繰入れを行わない年度もございまして、基金残高はそういったところも勘案しながら持続可能な財政運営に努めていきたいと考えてございます。
○武井委員 財政運営の考え方では、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を当初予算編成時に積み立てるように努め、年度末残高は対象施設の減価償却累計額相当の25%の確保を努めますとしていますが、今年度予算では0円でできなかったため、確保に努めますという言葉ではなく、確保しますという言い回しをする決意も必要かと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 歳入状況が不透明な状況も鑑みまして、積立ての確保に努めるという表現にしているところでございまして、今後も着実な確保に努めていきたいと考えてございます。
○武井委員 そして、インフレに対応できていない状況を考えると25%では足りないと考えますが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 施設改修に用いる基金につきましては不足があるところも認識してございまして、長期的な財政フレームを考慮した上で基金全体の積立ての考え方を再考することは検討していきたいと考えてございます。
○武井委員 いつまでにやるのでしょうか。
○竹内財政課長 次期基本計画や区有施設整備計画と連動することを考えてございますので、そういった時期と合わせて行っていきたいと考えております。
○武井委員 まちづくり基金は一部一般財源からも積み立てるとしていますが、基本的には財政調整交付金の財産費で算定され、経費が賄えるのではないでしょうか。一般財源からはどのくらい拠出するのか。まちづくりの進捗が区の財政を圧迫することにはならないのでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 令和7年度当初予算におきましては、当該年度から10年間の基金活用計画額の平均額と財産費を財源として積立ての差額が発生しなかったため、一般会計からの積立ては行っていないものでございます。
○武井委員 公債費負担比率の10年間の計画を見ると、令和6年度当初の計画よりも全体的に数字が高くなっております。今後、建設費の高騰を計画に盛り込んだ場合、起債発行額がさらに増加し、公債費負担率が大幅に上昇するのではないでしょうか教えてください。
○竹内財政課長 財政フレームにおきましては、国の経済財政諮問会議の資料に基づく一定の歳出の伸びを見込み、公債費負担率を算出してございますが、今後、想定以上の建設費の高騰が起きた場合は公債費負担比率が上昇する可能性はあると考えてございます。
○武井委員 今後、物価高騰が進む中で基金と起債のバランスをどのように取っていくのかお聞かせください。
○竹内財政課長 基金と起債につきましては、物価高騰や金利上昇などの社会情勢に加え、今後の施設整備計画や整備経費、基金残高等を勘案しながらバランスを取っていきたいと考えてございます。
○武井委員 次に、鷺宮地域のまちづくりについてお伺いします。鷺宮小学校跡地の令和7年度、令和8年度の跡地活用はどのように予定しているか教えてください。
○半田資産管理活用課長 鷺宮小学校跡地の活用についてでございますけれども、令和7年度につきましては令和6年度と同様に、校庭、体育館についてスポーツや地域のイベント等で引き続き利用していただくことを予定してございます。また、令和8年度につきましては、かみさぎ幼稚園の仮園舎の整備を開始する予定でございます。
○武井委員 令和8年度にかみさぎ幼稚園の仮園舎設置工事をしている間、工事が完了して、鷺宮小学校跡地をかみさぎ幼稚園の仮園舎として使用する間、校庭、体育館のスポーツ利用、地域のイベントで使用はできるのでしょうか。
○藤嶋保育園・幼稚園課長 鷺宮小学校跡地で様々な地域イベントが行われるということは承知してございます。かみさぎ幼稚園が仮園舎として使用する期間につきましても、地域の方々と調整し、地域イベントに影響が少なくなるよう努めてまいります。
○武井委員 すみません。仮園舎工事をしている間はいかがでしょうか。
○藤嶋保育園・幼稚園課長 工事期間中につきましては、一定制限は出るものと考えてございますけども、その点につきましても、できるだけ影響の少なくなるように努めてまいります。
○武井委員 現在、鷺宮小学校跡地は、スポーツ利用や餅つき、地区まつり、盆踊りなどのイベントで利用されています。同じように新しくできた鷺の杜小学校をイベントで使わせていただく場合、人工芝などでいろいろと制限もあると思います。人工芝については、第3回定例会の子ども文教委員会で北原小学校の人工芝の件で議論がいろいろとありました。鷺の杜小学校の人工芝は、例えば盆踊りなどのやぐらを建てるなど、どこまでイベント利用が可能なのか教えてください。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 鷺の杜小学校のイベント利用につきましては、学校長とも協議しながら、できるだけ地域の意向に沿ったものができるようにしていきたいと考えてございます。人工芝の上にパネルなどを敷くことで、盆踊りのやぐらを設置することもできると考えてございます。
○武井委員 そのパネルを敷くのとかは、お幾らくらいかかるんでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 まだ具体的には算定しておりませんので、お答えすることはできません。
○武井委員 こちら、何か月前までに申請すれば可能かとかは現在あるのでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 現在、そちらのほうの利用につきましても検討中でございます。
○武井委員 下駄で入っても可能なのでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 詳細につきましては今後詰めていきたいと考えてございます。
○武井委員 鷺宮小学校跡地の用途地域は第一種低層住居専用地域なので、コーヒーチェーン店や本屋さんなどの店舗は入らないです。そして、建物の高さや整備できる建築物についても様々な制限があります。このようなことについてはどのように地域に説明しているのでしょうか。
○半田資産管理活用課長 令和7年2月5日に情報交換会がございまして、その際に鷺宮小学校跡地が第一種低層住居専用地域であることを御説明してございます。また、その情報交換会におきまして、用途地域について何件か御質問を頂いた関係で、2月17日に改めて用途地域に係る説明資料を配布したところでございます。また、3月には説明会のほうを予定してございまして、まちづくりの考え方と併せて地域に説明していく予定でございます。
○武井委員 鷺宮小学校跡地に整備を予定している複合施設については、地域の意見はどの程度反映されるのでしょうか。また、意見についてはいつ頃まで区へ伝えればよいのか教えてください。
○半田資産管理活用課長 地域からの御意見につきましては、可能な限り反映させたいというふうに考えてございます。地域の意見につきましては、基本構想ですとか基本設計など段階ごとにお聞きすることを予定してございますけれども、複合施設に整備する機能など基本的な方向性に係る意見につきましては、令和8年度予算編成が始まる前の令和7年6月頃までにお伝えいただくことをお願いしているところでございます。
○武井委員 大まかな方向性が今年の6月、つまり、あと4か月後に意見を出してほしいということですよね。基本構想、基本設計などの段階ごとに地域の意見を聞いてくださるとのことですが、基本構想はどのような内容の希望まで聞けるか。そして、基本構想、基本設計の意見は何年後までに欲しいなど、そういったことも地域の方に丁寧に教えていただけるようお願いを申し上げます。
鷺宮地域では、鷺宮小学校と西中野小学校が統合してできた鷺の杜小学校に通学するために、西中野小学校の生徒だった児童は鷺宮2号踏切という小さな開かずの踏切が通学路になってしまいました。現在は予算をかけて、この踏切の登下校時に4人の警備員を配置していただいております。しかし、小学生が登下校でこの踏切を渡るのは危険だという地域の意見がやっと形になり、西武新宿線を渡る跨線橋の考え方が示されました。鷺の杜小学校への通学のための跨線橋の整備スケジュールを教えてください。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 西武新宿線の跨線橋の整備スケジュールにつきましては、令和7年度に設計を行い、令和8年度から整備工事を行う予定でございます。
○武井委員 令和8年から工事をして、令和10年頃の完成ということですね。ここに地図を持ってきました。鷺の杜小学校への跨線橋というのは、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの西側から鷺の杜小学校へ校庭につなぐ、この位置にできるとなっております。その跨線橋の西側には中野区立鷺宮運動広場が広がり、さらにその西側には公社鷺宮西住宅が広がっております。そして、この公社鷺宮西住宅は、再整備スケジュールは出ていませんが、再整備をすることが決まっております。そして、今お聞きした跨線橋のスケジュールを聞くと、跨線橋が令和10年に完成して、やっと鷺の杜小学校の児童が安全に登校できるタイミングになり、もし鷺宮西住宅の解体工事が始まり、解体工事中は敷地内に入れなくて跨線橋を通れないということにならないとは信じていますが、心配にはなります。下校時の時間は工事中であれば、必ず工事をしているからだと思います。こういった区では跨線橋の計画をしているという話を、鷺宮西住宅を建て替える東京都住宅供給公社とはしているのでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 教育委員会といたしましては、現時点で跨線橋の整備について東京都住宅供給公社には話はしておりません。
○武井委員 これはとても重要な問題だと考えます。今、東京都住宅供給公社、JKK側は、児童の通学路を今までどおりの2号踏切だと思っているということですよね。早く東京都住宅供給公社に跨線橋の計画の話をする必要があると思いますが、話をする予定はあるのでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 今後、東京都住宅供給公社に対し、跨線橋の整備について話をしていきたいと考えてございます。
○武井委員 JKKから示された白鷺二・三丁目地区都市計画提案書の安全対策には、「工事期間中の通学路については、今後、学校、中野区、警察等の関係機関と打合せを行い、通学路の調整や交通誘導員の配置を行うなど、安全に配慮します」と書いてありました。鷺宮西住宅の工事中の跨線橋の利用、通学路の安全確保を区から強く訴えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 東京都住宅供給公社には、工事期間中の安全対策を徹底するよう要請していきたいと考えてございます。
○武井委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、中野区役所新庁舎について3点だけお伺いします。よろしくお願いいたします。
まず、1階のナカノのナカニワについてです。ナカノのナカニワは、1階エスカレーター奥のスペースを無駄にしない、よい取組だと思います。いろいろな区政相談やなかの里・まち連携をしている地域の展示などに活用されています。ただ、区政相談をしているスペースが、パーゴラのアートスペースと展示台の間に挟まってしまっていて、来庁者から何をしているか見えづらく、もったいないときもあります。何か対策はできないでしょうか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ナカノのナカニワにつきましては、パネル展コーナー、観光情報コーナー、相談コーナー、アート展示スペースのほか、庁舎を訪れた区民等が休憩ですとか交流するスペースとして、また、区民自身が情報を発信する場として活用できるよう整備したスペースでございます。今、委員御案内のとおり、エスカレーターが隣接していることで正面玄関側からの視認性が高くないため、今後、相談会などの開催時に当たっては、正面玄関側に案内を設けるなどの工夫を促してまいりたいというふうに考えてございます。
○武井委員 次に、駐車券のサービスについて質問いたします。現在は、車で来庁をしている区役所での手続や用事を済ませて窓口に駐車券を提示すれば、1時間の駐車割引サービスをもらえています。しかし、役所に来て、マイナンバーカードの手続や繁忙期の窓口、課をまたいだ手続などで用件を済ますまで1時間以上かかるケースがあります。しかし、現在の駐車券割引は1時間分しかありませんので、来庁して用件を済ますまでの間に1時間以上かかってしまった場合は、駐車券の2時間割引を発行するなどの来庁者サービスを検討できないかお伺いいたします。
○増子庁舎管理担当課長 現在、区役所に手続、届出、申請、相談等で来庁された方は、原則1時間の割引とする運用としてございます。2時間まで割引とした場合、窓口対応が完了した後も駐車可能となり、駐車場の満車時間が増え、区民の利用に影響が及ぶ懸念があるため、そのような運用としてございます。一方、窓口に時間を要するケースもあることから、今後の利用状況を見極め、慎重に判断してまいりたいと思います。
○武井委員 もし体が不自由で、車で連れてきてもらわないと来庁できないという方がいらした場合は、せめてそういう方のケースだけでも対応していただけたらとお願いを申し上げます。
次は、1階の駐輪場です。1階の駐輪場に自転車を止められた方はいると思いますが、あの駐輪場はスライド式自転車ラックという手法が採用されています。自転車は収容したラック自体が左右にスライドして動くため、出し入れの際に両脇のラックを動かし、スペースを確保でき、自転車の出し入れが容易になる。ラック自体を動かして隣との間隔を詰めることができるので、限られたスペースの中で最大限の自転車を収容できるといった、限られたスペースを有効に活用できる工夫がされています。しかし、そのスライド式ラックに自転車を止めるには、ある程度の腕力が要ります。最近、電動機付き自転車は25キロ前後の重さがあり、高齢者の方が歩くより楽だからと自転車で移動しているのをよくお見かけします。高齢者の方で来庁したときに、スライド式ラックに自転車を止めるのが難しい方もいると思います。実際、自転車の前輪だけラックに乗って、後輪がラックにはまっていない自転車を見かけることがあります。1階の駐輪場の一部でよいので、ラックとレールを外して、自転車ラックに止めるのに苦労する方のためにフラットに自転車を止められるスペースを作っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○増子庁舎管理担当課長 区民利用駐輪場のラックは、より多くの駐輪台数を確保するため、ラック式として整備したものでございます。レールが動くことにより、御高齢の方やチャイルドシート付き自転車を利用される方などから、止めにくいという御意見や通路が狭いという声を頂いていることは認識してございます。今後、通路幅の拡張と、ラックを取り外した平置きスペースの設置について検討していきます。
○武井委員 そういった区民からの声が届いていることであれば、ぜひ急いで設置していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
次に、その他で私の過去の質問の確認をさせていただきます。まず、区内地域公共交通についてお伺いいたします。鷺宮地域でバスを利用して中野に出ようとすると、現在は運行路線K01系統、旧なかのんが約1時間に1本通っています。鷺宮地域から中野へ出たい方にはとても貴重な路線となっております。しかし、もう少し鷺宮地域から中野へのアクセスをよくしたいと思っている方が多いのも事実であります。一方で、中杉通りを運行する路線の阿佐ヶ谷・荻窪行きのバスは多いときに1時間に16本あり、時刻表を確認しないでバス停に行っても、5分も待てばバスが来る状態です。しかし、中野へ直接行ける便はありません。したがって、鷺宮地域の方は多く阿佐ヶ谷へ買い物などに出てしまいます。阿佐ヶ谷方面に向かうバスが中杉通りの阿佐ヶ谷北六丁目の信号を左折し、早稲田通りに出れば中野行きの路線にもつながり、そういったコースの見直し、もしくは阿佐ヶ谷北に向かうバスと中野方面に向かう早稲田通りを運行するバスの乗り継ぎの工夫などで中野へのアクセスをよくするという提案を令和5年第3回定例会で行い、中野区交通政策推進協議会において関係者と協議を進め、具体的な取組について検討してまいりたいと考えておりますと御答弁を頂きましたが、その後、区の検討状況はいかがでしょうか教えてください。
○宮澤交通政策課長 路線バスの乗り継ぎ割引や路線バス網の検討に関しては、令和6年3月に策定した中野区地域公共交通計画の中で考え方を整理したところでございます。現在、区では、中野区交通政策推進協議会においてバス事業者等で構成される部会を設置するため、関係者と調整を進めております。部会が設置された際には、バス事業者等と協議しながら路線バスに関する具体的な取組の検討を進めていきたいと考えております。
○武井委員 ぜひ進めていっていただければと思います。
次に、地域活動の活性化における町会・自治会の役割についてお伺いいたします。先月の1月17日で阪神淡路大震災から丸30年を迎えました。私の令和6年第1回定例会での質問で、地域の力を高め、防災力を上げるという趣旨の質問をさせていただき、区はもっと多くの地域の団体同士のマッチングの手伝いなどを行い、合同防災訓練や合同のイベントを行ってはいかがと質問をいたしました。それに対し、団体支援体制においてマッチング支援も積極的に行っていきたいと御答弁いただきましたが、その後の状況をお伺いいたします。
○高橋地域活動推進課長 町会・自治会支援の一環といたしまして、2月10日に中野区つながり広場を開催いたしました。本事業は、中野区の町会・自治会のことを広く区民の皆さんに知っていただくとともに、町会・自治会の皆さんが地域の状況や課題に合わせて、それぞれ工夫されたユニークな取組を他の町会へ広く展開することを目的に実施しているものでございます。団体間の交流を通じまして情報共有や人材のマッチングが図られるよう、今後も継続して実施してまいりたいと考えております。
○武井委員 御答弁ありがとうございました。
以上で総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございます。
○杉山委員長 以上で武井まさき委員の質疑を終了します。
次に、日野たかし委員、質疑をどうぞ。
○日野委員 令和7年第1回定例会予算特別委員会に当たり、公明党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は、6の災害に備えた対策については質問を取り下げ、別の機会に質問させていただきます。それ以外は通告のとおりとなります。
初めに、1番、令和7年度予算案について伺います。令和7年度は、中野区基本計画の計画期間が終了することに伴い、次期中野区基本計画の改定が行われます。また、併せて次期区有施設整備計画も改定すると報告されてきました。次期区有施設整備計画については、物価高騰による建設費増の影響も踏まえた中長期的な財政を見定めて検証していくと伺いました。令和7年度予算については、行政課題に的確に対応する予算を編成したとされていますが、本予算が行政課題に的確に対応する予算となっているのか否か。ここでは予算のうち、財政調整基金の施設改修分、この1点に短く絞って伺います。
当初予算(案)の概要13ページには、財政調整基金残高の推移が示されています。財政調整基金の施設改修分とは、区有施設等施設改修経費への対応とされていますが、具体的にどのような施設になるか伺います。
○竹内財政課長 お答えいたします。主な対象施設でございますが、もみじ山文化センターや図書館、歴史民俗資料館、本庁舎、区民活動センターや清掃事務所が挙げられるものでございます。
○日野委員 令和6年度の施設改修分の年度末残高73億円は、減価償却分の25%を積んだ予定の額となっているのでしょうか伺います。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり積み立てたものでございます。
○日野委員 令和5年度から年度間調整分の増加に対し、施設改修分が減少しているのはなぜでしょうか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、令和6年度の積立額約7億円に対しまして、もみじ山文化センター本館大規模改修工事や昭和区民活動センター建て替え整備などに対する繰入れが約26億円となっておりまして、こちらが減となっていることから全体的に減少しているものでございます。
○日野委員 令和6年度の当初予算(案)の概要、主な基金の積立・繰入計画では、令和7年度の財政調整基金への積立額が156億円となっていました。これは、中野駅新北口駅前エリア再開発事業における転出補償金を見込んだはずですが、本来、令和7年度中に施設改修分に積み立てる予定であった転出補償金は幾らを想定していたでしょうか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、約143億円を想定してございました。
○日野委員 令和7年度の施設改修分からの繰入れは23億円としており、年度末残高は57億円まで減少しています。当初予算(案)の概要14ページに、10年間の主な基金の積立・繰入計画がありますが、財政調整基金年度末残高のうち施設改修分の推移をどのように見込んでいるのでしょうか。
○竹内財政課長 こちら、今後の5年間のものになりますけども、令和8年度が約47億円、令和9年度が約35億円、令和10年度が約41億円、令和11年度が約54億円、令和12年度が約56億円と想定しているものでございます。
○日野委員 これは、今おっしゃっていただいたのは、全ての年度において25%の減価償却額を積み立てた想定となっていることでしょうか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、全ての年度におきまして減価償却費の25%について積立てを行っているものでございます。
○日野委員 これまで多くの方から指摘されてきたように、25%の減価償却額の積立てだけでは、積立額より繰入額のほうが上回るという状況が続いています。令和5年度の予算編成から、持続可能な財政運営を確立するために財政運営の考え方を見直しされました。令和6年度の当初予算では、社会福祉施設整備基金と義務教育施設整備基金条例への基金積立てが共に積み立てられないなど、我が会派としても財政規律を守るように指摘をしてきました。今後、財政運営の考え方を見直す考えを示されております。財政運営の考え方を改められてから僅か3年での見直しということになり、短期間での変更を余儀なくされるものは規律とはなりません。次なる考え方は、状況変化によって簡単に変わるものであってはならないと考えますが、御見解を伺います。
○竹内財政課長 財政運営の考え方などの財政規律につきましては、本来普遍的なものでございまして、長期的な視点で策定されることが望ましいと考えてございます。一方で、基金積立てなどに代表される指標につきましては、議会からの御指摘も頂いているとおり、物価高騰などの状況の変化に対応することが求められておりまして、時代の変化を的確に捉え、対応することも重要と考えてございます。持続可能な財政運営を推進するために、財政規律の在り方につきましては引き続き検討していきたいと考えてございます。
○日野委員 昨今の物価高騰とか、それから、来年度予算においては転出補償金が入ってこないというような想定外の状況があったとは思いますが、25%の減価償却額の基金の積立てというところについては、財政運営の考え方を見直した当初から指摘をされてきたところであります。持続可能な財政運営が行えるよう十分な検討をお願いし、この項の質問を終わります。
次に、2番、新庁舎移転後の働き方について伺います。新庁舎移転に関わる成果検証の実施については、今定例会の一般質問において我が会派の小林幹事長が質問していますが、私からは働き方という点に絞って、これまでの委員会報告を基に質問してまいります。
令和6年5月に新庁舎への移転が完了し、その際、什器や窓口関連システムや移転費用等、約58億円が支出されました。移転計画を立てていたときはコロナ禍であり、構造改革実行プログラムが適用されていた時期でもありました。構造改革実行プログラムの取組には、業務のICT化の推進による労働時間の削減というものがあり、実際に人件費が削減されるわけではなく、仕事を効率化し、時間を生み出すというものでした。これは、新庁舎におけるDX推進にも引き継がれているとの認識です。昨年11月に、総務委員会と区民委員会で新庁舎整備事業の主な取組状況についての報告がありました。この報告の中に、職員の新しい働き方についてアンケート結果が示されており、執務環境や働き方の職員満足度は5点満点中、平均で3.4点とのことです。新庁舎の新しい環境で働き方改革を進めるという割には、決して高い数値とは言えないと思います。
ここから気になるところを順番に伺っていきます。アンケートでは、ディスプレイを用いた効率的な執務の実施という項目があり、三つの回答結果があります。一つ目は、ワークラウンジを利用したことがある職員のうち、約94%の職員がおおむねディスプレイを利用した会議を実施できているというもの。二つ目は、会議室を利用したことがある職員のうち、約95%の職員がおおむねディスプレイを利用した会議、研修等を実施できているというもの。この二つは、ディスプレイを使うことを前提に考慮された会議室と思いますので、当然の結果かと思います。そして三つ目には、約62%の職員が、自席にディスプレイが配置されたことで働きやすくなったと感じているというものです。現在、新庁舎で配置されているのは自席のディスプレイということで、これは全ディスプレイされているのでしょうか。
○保積デジタル基盤整備担当課長 本庁舎内の各職員の自席には、現在1,477台設置してございます。
○日野委員 当初、ディスプレイの配置は全ての座席に配置するということだったと思います。以前、委員会の場で全ての席に本当に必要なのかということを指摘させていただいたこともありました。それを全ての座席ではなく、全ての自席に設置というふうにしたのはどのような理由だったのでしょうか。
○保積デジタル基盤整備担当課長 令和4年度の秋頃までには、新庁舎における新しい働き方を踏まえ、予備席を含めた全ての座席にディスプレイを配置することを検討しておりました。しかしながら、経費削減など議会の御意見を踏まえまして数を精査し、現在では職員の自席にディスプレイを設置しております。
○杉山委員長 日野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午前11時59分休憩
午後1時00分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
日野委員、質疑をどうぞ。
○日野委員 それでは、午前中に引き続きまして、2番の新庁舎移転後の働き方について伺います。先ほどは、新庁舎に移転後、ディスプレイを1,447台配置されたという答弁がありました。当初は全ての席に置く想定だったが、経費の削減や議会の意見を踏まえて、全ての席ではなくて自席に配置したというような答弁がありました。アンケートでは約62%の職員が、自席にディスプレイが配置されたことで働きやすくなったと感じているという回答がありましたが、この62%以外の回答はどのようなものがあったのか伺います。
○瀬谷新区役所整備課長 自席へのディスプレイ設置により、ペーパーレスで働きやすくなったかどうかを聞いたところ、30%が変わらないと回答いたしまして、8%が働きにくくなったと回答しておりました。
○日野委員 次に、新たな執務環境でのコミュニケーションというところでは、グループアドレスの職場環境についてアンケート結果が出ています。新庁舎では、職員の席がフリーアドレス、正確には部署単位のグループアドレスになっています。まずは、そもそもグループアドレスにした目的を伺います。
○瀬谷新区役所整備課長 コミュニケーション活性化の効果を期待いたしまして、フリーアドレスの導入を検討したものです。実施範囲につきましては、課または係の範囲でフリーアドレスとするグループアドレスの運用を行うこととしております。
○日野委員 アンケート結果には、例えばデスクスペースにおいて部署間の間仕切りがなくなり、共用スペースが増えたことで他部署の職員とのコミュニケーションが増えたと感じている職員が28%、グループアドレスの運用によって自部署の職員とのコミュニケーションが取りやすくなったと感じている職員が37%という結果があり、働き方が向上したという報告になっています。それでは、28%、37%以外のアンケート結果はどのようなものだったんでしょうか。
○瀬谷新区役所整備課長 他部署の職員とのコミュニケーションでは、65%が変わらない、7%が減ったと回答しておりました。また、自部署の職員とのコミュニケーションでは、52%の職員が変わらない、11%が取りにくくなったと回答しておりました。
○日野委員 続けて伺います。グループアドレスの中で席を替えて執務を行っている職員が32%しかいないということは、68%の職員は毎回同じ席で執務を行っているという理解でいいでしょうか。
○瀬谷新区役所整備課長 移転後3か月が経過した時点の調査においては、そのような状況であったと認識しております。
○日野委員 グループアドレスについての主な意見では、毎日の準備とクリアデスクが非効率であり、PCや書類を置いたままにしたいという意見や、グループアドレスと言いながら固定化しているため、席替えを推進してほしいといった意見が主な意見として挙げられています。そもそもフリーアドレスやペーパーレスに伴うディスプレイの配置というのは、令和3年に旧庁舎においてモデルオフィスを整備して検証していたものだったと認識しています。モデルオフィスは令和3年から検証を実施していたと思いますが、正確な検証期間と費用の総額を教えてください。
○瀬谷新区役所整備課長 検証期間は、新しい什器等の使用を開始した令和3年6月14日(月曜日)から、移転作業当日の令和6年5月2日(木曜日)まででした。費用の総額は1,818万円でございました。
○日野委員 今年度、新庁舎に移転してアンケート結果と本来想定していた効果とでは乖離があったのでしょうか。
○瀬谷新区役所整備課長 新庁舎では、紙を用いない働き方による業務の効率化や、グループアドレスによるコミュニケーションの活性化などの効果を期待しておりました。新庁舎移転により職員の執務環境が大きく変化するとともに、グループアドレスの導入など働き方も大きく変化することから、これらの効果が出るまでには相当の期間を要すると想定していたものです。移転後3か月で実施したアンケート結果としては一定の効果が確認できたと考えておりまして、大きな乖離はなかったと認識しております。
○日野委員 大きな乖離はなかったということなんですが、アンケート結果を見る限り、働きやすくなったとはいえ、今までと変わっていないという部分も多く見られたというふうに感じています。そういった意味で、効果があまり上がっていないということであれば、改めて検証と見直しをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷新区役所整備課長 グループアドレスはコミュニケーションの活性化をもたらし、それにより円滑な業務遂行が促進されて、ひいては、業務効率化はもとより区民サービス向上にも資するものであると認識しております。今後も引き続き必要な改善を図っていきたいと考えております。
○日野委員 続けて、マイクロソフト365について伺います。マイクロソフト365は新庁舎移転前から導入を始めて、全職員分のライセンスを導入したものです。新庁舎移転を契機とした新しい働き方において最も大きく変わったのが、このマイクロソフト365の導入だったのかと思います。アンケートではおおむね良好の意見ですが、操作に慣れていないため使いにくいという結果が示されており、より詳細な導入の効果についてまだ判断がつきにくいかと思います。令和7年度予算では、マイクロソフト365のライセンス数はどの程度になるでしょうか。また、年間の経費は幾ら予算計上しているのか伺います。
○保積デジタル基盤整備担当課長 令和7年度の予算では3,500ライセンス、予算額については、おおむね今年度と同様の額を計上してございます。
○日野委員 マイクロソフト365は昨年4月に値上げされ、今年の1月にも個人向けのマイクロソフト365は値上げをされました。令和7年度に契約するライセンス料に影響はあるのでしょうか。
○保積デジタル基盤整備担当課長 令和7年度予算を計上するために見積りを取りましたところ、令和6年度とほぼ同じ金額であり、その金額で予算計上を行ってございます。
○日野委員 これまでの動向からも、今後マイクロソフト365のライセンス料は増額になると考えますが、これについて区はどのようにお考えでしょうか。
○保積デジタル基盤整備担当課長 来年度以降、GovTech東京が中心となり、ソフトウェアなどの共同調達を実施するという情報も得ております。そのほかの様々な情報も、今後、情報収集を行いながら、より安価に調達できる方法を検討してまいりたいと考えております。
○日野委員 都の共同調達ということでしっかり注視していただいて、費用が安く抑えられるのであれば、しっかりと検討していただきたいと思います。
続けて、生成AIについて伺います。令和6年度予算には、我が会派から付帯意見として、生成AIの導入に当たっては予算審査での指摘を踏まえ、必要最低数で効果の検証を実施した上、段階的に導入されたいとの意見を付して、この予算が成立しました。令和6年度では、最終的に生成AIのライセンスを幾つ導入したのでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 区が今年度有償で調達したライセンスにつきましては、108ライセンスでございます。このほか、庁内電子文書を職員がチャット上で参照、確認できるツールを調達しているところです。
○日野委員 予算説明補助資料の150ページ、事務事業1、デジタル政策には、生成AIの利活用として710万6,000円が計上されています。令和7年度は生成AIのライセンスを幾つ持つ予定なのでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 今年度と同じ内容、数量を予定しております。
○日野委員 区長の所信表明でも話されていたとおり、GovTech東京が都と都内の区市町村で利用可能な生成AIプラットフォームを構築するとのことで、この活用についても言及をされていました。こちらはいつ頃オープンになるのか。また、自治体の費用負担がどの程度発生するのか等の情報は得られているのでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 先日、2月18日に説明のあった東京都とGovTech東京の資料では、令和8年度以降、都内区市町村が本格的に活用可能な環境を提供するというふうに予定されておりまして、利用料については検討中とのことでございました。
○日野委員 施政方針では、今後構築される予定の生成AIプラットフォームも活用し、さらなる業務の効率化や住民サービスの向上につなげてまいりますとおっしゃっています。今、御答弁があったように詳細はまだ分からないと。金額等も分からないと。令和8年度以降という、そのような状況なんですが、現時点で既に活用する方針というのはいつ決まったのでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 プラットフォームの具体的な内容につきましては、現在明らかにされていないところでございます。引き続き情報収集を行っていきたいと考えております。
○日野委員 東京都の生成AIプラットフォームは自治体向けに構築されるということで、非常に期待するところではあるんですが、現時点でまだ詳細が出ていない上で活用するというのはちょっと拙速なのかなと思います。ただ、やはり今後、自治体として活用するには期待するところでもありますので、しっかり注視していただいて、また、費用対効果とか、それから今活用している生成AIと比較して、しっかりと検討を行った上で判断していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
続いて、在宅勤務の状況について伺います。テレワークの働き方、特に在宅勤務については、世間一般的にはコロナ禍を契機に進められてきましたが、庁内でも新庁舎移転前から行われてきました。その際は試行導入だったと認識していますが、現在はどのような運用状況でしょうか。試行導入時と現在の運用状況の違いがあれば、併せてお答えください。
○中村職員課長 区のテレワークにつきましては、中野区職員のテレワークガイドラインを制定しまして、令和6年10月1日から本格運用に移行してございます。試行実施からの主な変更点でございますが、柔軟に利用しやすくするため、職場勤務との併用を可能としたこと、時間単位で取得できる休暇等との併用を可能としたことなどでございます。
○日野委員 今年度の全庁における在宅勤務者数は現在まで延べ何名になるでしょうか。
○中村職員課長 1月末時点で延べ1,534名となってございます。
○日野委員 在宅勤務は、部や課によって、できるところとできないところは差があるかと思いますが、在宅勤務者数が最も多かった部と最も少なかった部を教えてください。
○中村職員課長 最も多かったのが総務部でございまして422名、最も少なかったのが行政委員会等を除きますと区民部の22名でございます。
○日野委員 在宅勤務も働き方改革の一つであることを考えれば、在宅勤務をすることによる働きやすさや、効率化がどうであったのかを判断する必要があると考えます。在宅勤務における効果はどう評価しているでしょうか。また、課題があるとすれば、それは何であるのか併せて伺います。
○中村職員課長 テレワークの実施によりまして、通勤時間を含めて柔軟な時間の使い方が可能となりまして、ワークライフバランスの実現に資することから職員のエンゲージメントの向上、業務の質の向上、人材確保など、働きやすい職場づくりに寄与するものと評価してございます。課題としましては、現場に出向く業務、窓口や相談業務を主とする職場など、業務の性質によりテレワークを実施しづらい職場があるものと認識してございます。今後、テレワークに適した業務の切り出し、研修や会議等も対面式でなければテレワークが可能であること、業務量が1日に満たない場合でも時間単位の休暇等と併用できることを周知し、制度の活用を図ってまいります。
○日野委員 この項の最後に、フロアマネージャーについて伺います。新庁舎では、2階から4階と7階から9階にフロアマネージャーが配置されています。フロアマネージャーの配置状況と活用状況について伺います。
○小堺新区役所窓口サービス担当課長 フロアマネージャーには、主に各階フロア案内に従事するものと、2階待合フロアにおける申請書等作成補助業務等に従事するものがございます。各階フロア案内に従事するフロア案内人は、総合案内に2人のほか、発券機に各1人ずつ配置することを原則といたしまして、2階に4人、3階3人、共用窓口の4階、7階、8階、9階には各1人で計4人の合計13人を配置してございます。発券機対応のほか、9階ではセルフサービス端末機器操作案内で2人、セミセルフレジ操作等で3人の計5人を加えて配置しておりまして、全庁総計で18人を配置してございます。御用件に応じまして発券機を活用して、各フロアにおける手続を案内してございます。主に転出入はライフイベントに関わる手続の多い2階、3階が庁舎における全対応数の約7割を占めてございます。
○日野委員 新庁舎に移転してからおよそ10か月になりますが、フロアマネージャーを配置したことによる効果について検証すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○小堺新区役所窓口サービス担当課長 窓口来庁者アンケートの実施や発券機の統計データの分析などにより、フロアマネージャー等の新しい窓口サービスの仕組みの来庁者の満足度向上に関する効果について継続的に検証してまいります。
○日野委員 継続的に検証と言われましたが、検証を行うということであれば、適正な配置、運用となるよう見直しも必要と考えますが、いかがでしょうか。
○小堺新区役所窓口サービス担当課長 これから初めて迎える年度末、年度初めの繁忙期の状況も踏まえ、窓口サービスのコンセプトである四つの「ない」、迷わない・動かない・待たない・書かない窓口の実現のために、来庁者の満足度のほか、来庁者の動線や待ち時間など多面的な視点により、フロアマネージャーの配置の適正化や運用としての案内方法の最適化についても検証の上、具体的な改善に向けて検討してまいります。
○日野委員 今、答弁で具体的な改善に向けて検討というふうにおっしゃっていただきましたので、大きなコストがかかっている業務でありますので、しっかりといい窓口になっていただくように、また、コストもしっかりと抑えていただくような、そういった改善、見直しをしていただきたいとお願いをしまして、この項の質問を終わります。
次に、3番、地域を支える取組について伺います。昨年12月の少子化特の報告では、地域包括ケアシステムの課題と今後の方向性についての報告において、全世代型の地域包括ケアシステムの在り方の方向性を変え、重層的支援体制整備事業、孤独・孤立対策、スマートウェルネスシティ、高齢者を中心とした地域包括ケアの四つに分類をして取り組むとされました。基本計画に掲げた全ての人を対象に地域包括ケア体制の構築というのは達成したと捉えてよいのでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 地域包括ケア体制の構築についてお答えをいたします。地域包括ケア体制は、誰もが住み慣れた地域で自分らしい生活を送ることができるよう、医療、介護、福祉の連携基盤を整備してきたところでございます。団塊の世代全員が後期高齢者となった2025年からさらなる強化が求められていることから、達成というよりは継続的に発展させていくものと捉えてございます。一方、この間、ヤングケアラーやひきこもり支援など、若年層も視野に入れながら取り組んできたところでございます。
○日野委員 四つに分類された取組のうち、重層的支援体制整備については、令和4年度より相談支援体制の強化を図ってきたものだと認識しています。これまでの重層的支援体制整備の取組について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 重層的支援体制整備事業は、複雑化、複合化する区民の生活課題に対応し、伴走的支援体制を強化するものでございますが、地域包括ケア体制と重複するため、地域包括ケア推進会議においてアウトリーチチームの在り方などを議論してきたところでございます。今年度からは推進会議にコミュニティソーシャルワーク部会を設置して議論しており、来年度からコミュニティソーシャルワーカーを配置する予定でございます。
○日野委員 重層的支援の取組の一例として、福岡県古賀市には地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、飼育動物を所管する環境課と市の登録ボランティアが連携して、ペットを飼育している飼い主にもしものことがあったときに備えた、ペットと暮らすシニアの備えサポート制度というのがあります。この制度は、環境課が高齢者宅の飼育環境を把握するために作成したチェックリストがあり、これにはペットの情報、かかりつけの動物病院、急な入院や施設への入所時にペットの預け先などが決まっているかなどのチェック項目があります。また、飼育状況を確認する項目もあり、多頭飼育崩壊につながりそうな状況の確認なども行われます。ケアマネージャーが要介護や要支援の高齢者宅を訪問する際、ペットを飼っていれば、このチェックリストに沿って聞き取りをし、支援が必要と判断されれば関係所管に連絡を取り、環境課と登録ボランティアが訪問し、預かり先や譲渡先の相談に乗るなどのサポートをするそうです。古賀市においては環境課がこのペットのところを所管する課となっておりますが、中野区においては生活衛生課が所管することになっております。私も高齢者のペットの飼育に関する御相談を受けることがあります。こうした課題に対して、古賀市のように関係所管が連携した取組を検討してはいかがでしょうか。
○只野生活衛生課長 ペットと暮らすシニアの方に関わる相談については、内容に応じて地域包括ケア推進課、生活援護課などの関係部署への案内や連携、情報共有などの個別対応を行っております。ペットが多くなった、飼えなくなった等の相談については、東京都動物愛護相談センターを案内して、譲渡先を見つけていただく等の対応を行っており、地域包括支援センター担当者会を通じて、ペットと暮らすシニアの方向けの啓発リーフレットも配布しております。今後は、ペットと暮らすシニアがかかりつけ動物病院や、飼えなくなったときの譲渡先等を自分で記入する方式のリーフレットを作成して配布するなど、現在行っている相談・案内・連携等の仕組みのさらなる充実を図れるよう検討していきたいと考えております。
○日野委員 これまでも様々な所管が連携してやっていたとは思うんですが、やはりこのペットのことは生活衛生課というふうに何かどうしても分かれていたようなイメージというか、そういった状況はあったと思います。しっかり各所管が連携できるような仕組みを構築していただいて、重層的な支援という部分を取り組んでいただければなというふうに思います。
次に、四つの取組の中にスマートウェルネスシティがありますが、中野区は平成26年にSWC首長研究会に加盟をしました。これまで区が行ってきたSWCの取組はどのようなものがあったのでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 スマートウェルネスシティの取組についてお答えをいたします。区では、スマートウェルネスシティ首長研究会に加盟以降、他自治体の取組を研究してきたところでございますが、昨年第1回定例会において区長の施政方針説明の中で、スマートウェルネスシティの理念を踏まえた取組を進める考え方を示したところでございます。まずは職員が考え方や取組を学ぶため、スマートウェルネスシティの第一人者である筑波大学の久野譜也先生をお招きし、昨年8月に研修を実施いたしました。また、昨スマートウェルネスシティェルネスシティの考え方を取りまとめ、今定例会中にはスマートウェルネスシティ構想案をお示ししたいと考えております。
○日野委スマートウェルネスシティ会に加盟をして、それからなかなか取組というのは見えてこなかったと思うんですが、昨年、取り組むということで今回、委員会報告でもSWCの今後の取組について報告をされてきたところです。今年度のSWCに関する取組実績について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 スマートウェルネスシティの今年度の実績についてでございます。来年度の健幸ポイント実証実験などに先駆け、今年度はスマートウェルネスシティのプロモーションの一環として中野健幸どまんなか市を開催しており、昨年6月には約300名、11月には約600名が来場し、この3月にも予定しており、ヘルスリテラシーの向上を図る取組を始めてございます。
○日野委員 今後のSWCを目指した施策展開として、区はSWCを推進する先導的取組について報告しています。一つには健幸ポイントをインセンティブとした健康づくり促進、もう一つは高齢者会館のリニューアルとしています。健幸ポイントをインセンティブとした健康づくり推進においては、継続的に健康づくりに取り組めるようスマートフォンの健康管理アプリやウェアラブル機器を導入し、実証実験を行うとしています。この実証実験の対象はどういった方々になるでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 健幸ポイント事業の対象者についてでございます。令和7年度は40歳以上の中野区民1,000人を募集し、令和8年度、令和9年度にそれぞれ追加で1,000人ずつ募集を予定してございます。参加者のうち、運動不足層の割合や75歳以上の割合が一定程度を占めるような募集の方法を検討しているところでございます。
○日野委員 インセンティブとして歩行、体組成計による計測、イベント参加、目標達成などによるポイントの付与とあります。この取組で重要なのは、ふだん健康に意識していない方を取り込んで参加してもらうということだと思います。実証実験の事業期間は3年間とされていますが、その間に40歳以下の世代も対象にするという考えはあるのでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 実証実験での対象者の年齢についてでございます。3年間での実証実験では、医療費と介護費の抑制効果を図ることを予定しているため、この実証実験の中では40歳以下を対象とすることは考えてございません。
○日野委員 医療費と介護費の抑制ということで、実際にしっかりしたデータを取って検証されるということで、これはいい取組というか、やり方としては当然なんだと思います。今後、40歳以下の幅広い世代の方々に拡充するとするならば、例えば川崎市で運用している事例として、健康ポイントかわさきTEKTEKでは、ためたポイントを小学校を選択して寄附することができ、さらに寄附したポイント数に応じて抽選への応募チケットが付与され、協賛企業からの提供商品や様々な体験ができる権利やチケットなどが当たる抽選に応募することができるということです。このような仕組みだと、例えば小学校や中学校の児童・生徒、保護者等を対象として健康関連のイベントに参加してもらい、各学校に寄附するような取組をすれば、まとまったポイントを活用して、例えば学校に図書を寄贈するなど分かりやすいインセンティブとすることができるのではないかと思います。今後拡充するとなった場合、幅広い世代に多く喜んでもらえる取組として、このような寄附の仕組みを取り入れてはいかがでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 インセンティブの活用についてお答えをいたします。健幸ポイントは1ポイント当たり1円として、中野区のデジタル地域通貨ナカペイとして利用することで地域経済の活性化にも寄与するものであると考えてございます。一方、区民にとって望ましいインセンティブにつきましては、産業振興課と連携しながら研究してまいりたいと考えてございます。
○日野委員 まずは実証実験でしっかりデータを取った上で、活用というのはその先になると思いますけども、しっかりと検討していただきたいと思います。
SWCの先導的取組の二つ目、高齢者会館のリニューアルについて伺います。現在の高齢者会館の課題として、平日夜間の利用が進まないなどの課題があるとしており、そのため、高齢者会館をSWCの理念を実現させる推進施設と位置付け、リニューアルをするとのことです。高齢者会館の平日の夜間と休日の利用が進まないというのは、区内にある高齢者会館16館全てで共通している課題なのでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者会館の平日の夜間と休日の施設利用状況についてお答えいたします。高齢者会館の平日の夜間と休日の施設利用は、会館による差はございますが、高齢者会館全体として日中に比べて利用が少ない状況でございます。
○日野委員 会館としては差がある。必ずしも全ての会館で同じような状況ではないけども、空いているところもあれば、そこまで空いていないところもあるというふうに理解しました。平日の夜間と休日の利用が進まないということですが、現在、高齢者会館の利用率はどの程度なのでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者会館の平日の夜間と休日の施設利用率についてお答えいたします。高齢者会館の平日の夜間と休日の施設利用の管理は管理事業者等に委託してございます。その委託費の執行率をもって利用状況の指標としてございます。令和5年度実績では、高齢者会館全体で53%となってございます。
○日野委員 今回、SWCの先導的目的として、他の区有施設ではなくて高齢者会館を健康のコミュニティづくりの推進施設と位置付けられたのはどのような理由でしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 健康コミュニティ推進施設に位置付けた理由でございます。これまでも高齢者会館は地域の高齢者の交流や自主活動、様々な介護予防の拠点として役割を担ってまいりました。これは、健康や生きがいを持ち、安心・安全で豊かな生活を営むというスマートウェルネスシティの理念につながるものであると考えてございます。高齢者会館のリニューアルを進め、高齢者会館をスマートウェルネスシティの理念を推進する施設と位置付け、健康コミュニティづくりの中心として機能させてまいりたいと考えてございます。
○日野委員 リニューアルは施設名称とバリアフリー化、施設予約システムの導入、それと健康チェック機器を導入するなど、利用促進をしていくとのことですが、このリニューアルによってどのような方々の利用を促進しようとしているのでしょうか。これまで利用している主に高齢者の方々にさらに利用してもらいたいのか、あるいはこれまで高齢者会館を使えなかった幅広い世代に使ってもらいたいということなのか、どちらでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者会館のリニューアルによる利用促進の対象についてお答えいたします。これまでの利用者の継続とともに、高齢者会館を御存じない人、活動に関心がない人、年代でいいますと、これまでの利用が少ない前期高齢者などの利用者層の促進を図ってまいります。団体利用におきましては、施設予約システムの導入や施設環境の利便性が進むことで、他世代を含む新規利用者の増加を図ってまいります。また、体組成計や血圧計を設置することから、日々の健康チェックのための来館者を見込んでいるところでございます。
○日野委員 先ほどの答弁でも、会館によって利用者が、あまりそれほど空きがないところと空いているところとあるとおっしゃっていました。そういったところも加味して、これまで使っていた方たちがしっかり使えるということと、新たな方たちが使いやすくする。これは両方やっていただきたいというところでお願いしたいと思います。健康のコミュニティづくりの推進施設と位置付けるのであれば、新たな高齢者会館で健康づくりに取り組む新規、既存の各活動団体に対してインセンティブや支援を行うことも考えてはいかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者会館の活動団体のインセンティブと支援につきましては、どのようなインセンティブがモチベーションを高めるのか、団体の立ち上げや継続の支援について、施設利用団体の活動内容やニーズを把握するとともに高齢者会館の施設利用の在り方について考えてまいります。
○日野委員 ここまでSWCの取組を踏まえた質問をさせていただいたんですが、現在の高齢者会館では会館事業や介護予防事業など多く行われており、これはこれからも続くと思いますけども、区の委託を受けてそれぞれ事業が行われています。利用される方は高齢者の皆さんであり、中には要支援の方もいるため、急に体調を崩して救急車を呼ぶこともあると聞きます。その際、区の委託で配置される人員は一人だけとか、そういう人がいない状況ということがほとんどであるため、いざというときでも病院に付き添うことができないというような状況を伺いました。健康づくりの推進施設というのであれば、高齢者の安全対策も必要と考えますが、今後実施される事業によっては人的配置も考慮すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者会館運営の人員配置につきましては、高齢者会館の安全対策は重要であると認識してございます。利用中に急な体調不良など緊急時の対応は、高齢者会館安全マニュアルに沿いまして委託事業者を中心に、すこやか福祉センターが後方支援を行いまして対応を行っているところでございます。高齢者会館で実施される事業につきましては安全対策を十分に考慮いたしまして、必要な人員の配置を検討してまいります。
○日野委員 SWCの取組によって、今後、高齢者会館、幅広い世代が使うことにはなりますが、やはり一番多く使われるのは高齢者の方々だと思いますので、今後さらに利用者を増やしていくということであれば、そういった安全対策の取組もしっかりと行っていただきたいと思います。
次に、4番、児童・生徒の支援について伺います。初めに、不登校児童・生徒の現状について伺います。昨年の11月7日に行われた子ども文教委員会では、令和5年度の不登校児童・生徒の状況として報告がありました。この中で、令和6年度新規事業の取組状況として中学校校内別室の利用状況が報告されています。令和6年度より各中学校において2名の不登校支援が常駐し、校内での別室利用がされています。令和6年9月30日の状況では、別室登校の登校者数が全体で98名となっていますが、実際に別室登校していた生徒は何名でしょうか。
○井元指導室長 令和6年度9月30日時点で登録のあった98名のうち、97名が毎日ではなくとも校内別室に登校しておりました。
○日野委員 98名中97名、ほとんどが登校されていたということですね。別室登校生徒のうち、欠席日数が30日以下の不登校には該当しない生徒はどの程度いたのでしょうか。
○井元指導室長 令和7年1月末時点で校内別室に登校している生徒のうち、欠席日数30日以下の生徒は17名でございます。
○日野委員 各中学校に不登校支援員2名配置されましたが、この配置した効果はどのように見ているでしょうか。
○井元指導室長 不登校支援員を配置したことで校内別室における一人ひとりの状況に応じた支援が充実をし、今まで登校できなかった生徒が登校できたり、支援員と一緒に教室で授業を受けられたり、スキー教室等の学校行事に参加できたりするなどの成果が出てございます。
○日野委員 中学校で不登校または別室登校の生徒の進学状況はどのように把握しているでしょうか。
○井元指導室長 中学校では、不登校や校内別室に通っている生徒についても丁寧に進路指導を行っており、ほぼ全ての生徒が都立のチャレンジスクールや私立のサポート校、広域通信制高校等も含めて進学をしてございます。
○日野委員 中学校では校内別室に支援員を常駐させたことで、今御答弁も頂きましたけども、一定の効果は出ていると思われます。一方で、小学校では今年度、不登校アドバイザーの配置と、来年度から不登校巡回支援員の配置を行うとしています。不登校支援員の常駐ではなく、巡回支援員とした理由を伺います。
○井元指導室長 小学校の場合は不登校児童数が少ない学校もあるため、不登校児童数が多い学校に支援員を配置する予定でございます。また、近隣で支援が必要な児童がいる学校にも巡回して、必要な支援を行ってまいります。
○日野委員 子ども文教委員会の報告の中には、令和5年度の不登校児童・生徒の状況として、小学校228名、中学校241名という数が出されています。現在、区が把握している不登校児童・生徒を学年ごとに教えてください。
○井元指導室長 令和6年12月末の時点で小学校は204名でございます。第1学年11名、第2学年17名、第3学年31名、第4学年35名、第5学年44名、第6学年66名となってございます。同じく中学校は203名でございます。第1学年51名、第2学年73名、第3学年79名となってございます。
○日野委員 小学校と中学校のまとめた数だけ見ると、中学生のほうが不登校の割合が多いので、私は当初、中1ギャップとかそういうものが中学生の不登校の要因にもなっているのかなというふうに思ったところなんですが、今、学年ごとの数字を伺うと、小学校1年生から学年が上がることに比例して増えているというのが分かりました。もちろん中学の場合は私立に行くとかそういうこともあるので、正確な数というところではまだ詳細は分からないんですが、比例して増えていると。ということは、できる限り低学年のうちに手厚い支援の手を入れることで効果的な不登校対策が図れるのではないかとも考えます。小学校においても校内別室への支援員常駐を検討されてはいかがでしょうか。
○井元指導室長 令和7年度から小学校不登校巡回支援員5名を拠点校に配置し、近隣の小学校の不登校児童の支援も行っていく予定でございます。今後その成果等を検証し、小学校校内別室支援員の配置についても検討してまいります。
○日野委員 この不登校対策として今、巡回支援員等々ありますけれども、不登校対策は必ずしも学校に登校させることを目標とはせず、支援していくという考えを国も区も示していますが、文部科学省からは「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」と題した通知が発出されています。この中で、法令改正により、義務教育段階の不登校児童・生徒が学校外で学習した成果を成績評価に反映できると規定しており、周知を求めています。当区においては、欠席中の学習の成績評価についてはどのように行っているのでしょうか。
○井元指導室長 文部科学省は、学校に通うことができなくても学校外の機関や自宅等で学習を続けている不登校児童・生徒の努力を評価し、社会的自立を後押しすることは重要であるとしてございます。各学校におきましては、教育課程と照らし学習活動の状況等を定期的、継続的に把握した上で成績評価を行うよう努めてございます。
○日野委員 分かりました。ありがとうございます。少し前のデータになりますが、文部科学省が2020年に行った令和2年度不登校児童・生徒の実態調査では、学校に最初に行きづらいと感じたきっかけに、先生のこと、体調の不調、生活リズムの乱れの理由が上位にあり、その次に、きっかけが何か分からないという回答が25%ほどあるという結果だったそうです。このことからも、低学年から児童の異変をしっかり見てあげることも重要なことと思っています。これまで議会質問で発達性読み書き障害、ディスレクシアについて度々、久保委員や私も質疑してきました。ディスレクシアは、小学校低学年ではクラスに平均二、三人いるとも言われており、本人や家族も気づきにくいケースが多いと言われています。しかしながら、早期に療育につなげたり、適切な支援を受けることで困難を軽減できるとされています。以前の答弁では、小学校低学年からディスレクシアに関する検査を利用している学校が複数あると言われていましたが、学校単位で行うよりも必要な児童に適切に検査が行われることが望ましいと考えます。現在はどのようになっているでしょうか。
○井元指導室長 現在、各学校において担任教員や特別支援教室担当教員、スクールカウンセラー等が児童・生徒の授業中の様子等を見守り、必要に応じて検査を行ってございます。必要な児童が適切に検査を受けられるようにするためには、教職員がディスレクシアに関する知識を深めることが重要であり、研修等を通じてさらなる普及啓発に努めてまいります。
○日野委員 ディスレクシアは、本人も家族も、また周りも気づきにくいと言われていまして、今、指導室長がおっしゃられたように先生方が知っていただくというのも一つ大きな取組であると思いますので、そこもしっかり進めていただきたいと思います。昨年の予算特別委員会の総括質疑での私の質疑で、都の予算を活用してインクルーシブ教育支援員の配置検討について質問しました。今年度よりインクルーシブ教育支援員配置補助金が活用されていると伺っていますが、支援員の配置は拡充されているのでしょうか。
○佐藤学務課長 特別支援学校への就学が適当であると判断されたものの、総合的な判断により区立小・中学校へ就学した児童・生徒が在籍している学校に対して、今年度の途中より支援員の配置定数を1名追加しているところです。
○日野委員 都の補助金が入った。かといって支援員を十分に確保するというのは、やはりなかなか難しいところもあるとは思います。ただ、補助金を活用して支援員を確保するというのは区としてしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、今後も必要なところに人員配置というのができるようにお願いできればと思います。
この項の最後に、中学生の経済的な支援について伺います。昨年の決算特別委員会総括質疑において我が会派の小林幹事長から、修学旅行の費用負担について保護者負担軽減のために保護者負担の全額補助の取組を実施すべきとの質疑を行い、区は財政的な負担も勘案し、保護者負担軽減の取組を検討するとの方針を示しました。品川区では、子育て世帯の経済的な負担軽減のため、令和7年度小学校卒業者から区立中学校に進学する全ての子どもを対象に、中学校の標準服を所得制限なく無償で支給するとの発表がありました。品川区では、ほかにも修学旅行の無償化や区立学校給食全ての野菜を有機栽培農産物にする予算、また、所得制限のない給付型大学奨学金の創設などが発表されています。中学校標準服、いわゆる制服については、例えば南中野中学校の場合、これまで採用していた制服の販売価格が上がってしまうことが分かり、家庭への経済的な負担を軽減するために制服をリニューアルして、少しでも家庭への負担が軽くなるような工夫をされています。また、中学生は体の成長速度によっては1年とたたずに制服が着られなくなってしまう場合もあるため、多くの区立中学校で制服のリサイクル活動をPTAなどが主体となって行うといったこともしています。経済的な負担で一番多く私が聞くのも制服の購入費用です。都では、高校生世代までの所得制限なしでの医療費無償化の助成事業を来年度予算に計上しており、区が独自で行ってきた所得制限なし分の費用負担分を都が持つことになります。都の助成が拡充され、東京都全体で子育て支援が底上げされています。施政方針において区長は区民ニーズの把握という言葉を使われており、区民が求める政策をしっかり進めるべきと考えます。当区においても独自に、区立中学校へ進学する生徒への制服支援を行ってはいかがでしょうか。
○佐藤学務課長 中野区で制服購入に対する補助を実施することを試算した場合、約4,200万円が必要であると想定してございます。財政的な負担も勘案し、保護者負担軽減の取組を研究していきたいと考えています。
○日野委員 先進的な取組は既に他の自治体が行っていて、先を越されている状況ですけど、区民ニーズに応えることというのは区長御自身がおっしゃられていますので、区民にお応えできるような、そういった取組をしていただくことを要望して、この項の質問を終わります。
次に、環境施策について伺います。中野区は、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティの実現に向け、2030年度には2013年度比46%の二酸化炭素削減を目指すとしています。昨年6月には中野区脱炭素ロードマップを策定し、全庁を挙げて取り組む方針を示しました。基本的な考え方には、区の率先行動として区有施設のZEB化、ZEH化、再生可能エネルギー電力への切替え、EV等への切替え等、脱炭素化の取組を区役所において率先して進めますとしています。また、区有施設としても新築、改築等に際し、ZEB化、ZEH化を原則とし、エネルギー消費性能の向上、再生可能エネルギー設備導入等を進めますとしています。既に今いるここの新庁舎は、都内自治体庁舎で初めてのZEBReadyの認証を取得した庁舎となっており、今後建て替え予定の区有施設は全て脱炭素化の施策にのっとり進められていくとの認識です。ここでいう建て替え予定の区有施設というのは、学校施設なども含め例外なく全ての区有施設が該当するということでよいのでしょうか念のため確認します。
○伊東環境課長 お答えいたします。委員お見込みのとおり、全ての区有施設における新築、改築等が対象となるものでございます。
○日野委員 今後、新設、建て替えの区有施設は全てZEBReady相当の施設にするということで、認証手続が必要になってきますが、手続に要する期間はどのぐらいでしょうか。
○伊東環境課長 ZEBの認証に係る手続につきましては、一般的に3か月程度かかるものと認識してございます。
○日野委員 実際に建て替え予定の鍋横区民活動センターは、ZEBReadyの認証手続に時間がかかることもあり、スケジュールが後ろ倒しになったと聞いています。認証手続による他の施設のスケジュールには、影響はないのでしょうか。
○伊東環境課長 脱炭素社会の実現に向けました区有施設整備方針につきましては、令和5年8月に策定したところでございます。この整備方針策定後に施設の基本構想や基本計画を策定している施設につきましては、施工スケジュールに影響は生じないものと認識してございます。
○日野委員 鍋横区民活動センターは基本設計が策定され、来年度実施設計に入ります。当初の予定では、省エネプラス再生可能エネルギーとして屋上にソーラーパネルが設置される予定となっていました。以前の厚生委員会の質疑において、日影による影響で十分な発電量が得られず、当初予定していたソーラーパネルが設置できないということが分かりました。脱炭素ロードマップにはZEB化、ZEH化を原則とし、再生可能エネルギー設備導入等を進めると定められていますが、ソーラーパネル以外に再生可能エネルギーの設備の設置は、鍋横区民活動センターでは予定しているのでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 新たな鍋横区民活動センターにおきましては、再生可能エネルギー設備の設置予定はございませんが、中野区電力調達方針に基づき、施設で使用する電気について再生可能エネルギー100%の電力調達を行うことで二酸化炭素排出量の削減を進めてまいりたいと考えております。
○日野委員 そうすると、設備としては、創エネという部分では設置されないということですね。新庁舎では壁面にソーラーパネルを設置していますが、鍋横区民活動センターでも同様のことは検討できないのでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 新たな鍋横区民活動センターは新庁舎と異なりまして、南側に大きな建物があることなどから十分な日照を得ることができないため、ソーラーパネルの設置につきましては考えてございません。
○日野委員 検討した上でということではいいんですが、無駄な設備とか効果のないものを設置してほしいということではなくて、環境施策として区が率先して区有施設にはこういった創エネも含めて設備をしていくというふうにおっしゃられていて、当初はこのソーラーパネルも入る予定にはなっていたので、今後の区有施設にはしっかりと事前にこの辺のソーラーパネルの設置も含めて環境施策が前に進められるように進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針には、区有施設の改修時については高断熱、高効率な設備の導入など、エネルギー消費性能の向上を図るための措置を講ずると記されています。改修時の高断熱、高効率な設備の導入とありますが、区有施設で具体的に施工された事例があれば教えてください。
○大須賀施設課長 エネルギー消費性能向上に係る改修工事の事例ですが、主に学校の工事では江古田小学校や第五中学校の体育館改修において、屋根、壁及び窓の断熱化、照明のLED化、空調機器等の効率化を実施しているところであります。
○日野委員 改修時の脱炭素施策も必要と考えますが、一方で、例えば断熱があまり施されていない施設において窓だけ高断熱化しても効果は限定的になり、費用対効果があまり得られないということもあり得るかと思います。そのような場合には、改修工事に合わせた創エネに特化した設備配備ということも考えられると思いますが、いかがでしょうか。
○伊東環境課長 改修時に創エネに特化した設備を配置することにつきましては、既存建物の躯体状況や設置スペース、それと施設の運営上の観点も踏まえた上で検討する必要があると考えてございますが、可能な場合は取り入れたいというふうに考えてございます。引き続き、施設の状況や費用対効果を見極めつつ効果的な手法について検討し、エネルギー消費性能の向上に努めてまいります。
○日野委員 脱炭素ロードマップの令和12年度の削減目標の達成に向けた区の取組にある、取組31にある環境マネジメントシステムの運用について伺います。取組内容には、エネルギーや紙の使用及び廃棄物の排出削減、グリーン購入等、エコオフィス活動を推進し、省資源及び環境負荷低減を進めますとあります。確認ですが、これら施設の更新、建て替え予定の施設には学校や区民活動センターなどもありますが、環境マネジメントシステムの運用の対象施設であり、廃棄物の処理についても適正に対応が行われるということでよいでしょうか。
○伊東環境課長 環境マネジメントシステム、EMSでございますが、この対象施設は本庁舎のほか、学校や区民活動センターなどの庁外施設も含まれるものでございます。このEMSの運用におきましては、職員に対して物品のあっせん等によるリサイクルの促進を促すなど、廃棄物の排出抑制に努めているところでございます。
○日野委員 昨年の予算特別委員会の総括質疑において、私は旧庁舎の廃棄物の処理について質疑をさせていただいて、区がしっかり取り組むべきということと、環境部環境課だけではなくて全庁的にしっかり取り組んでいただきたいという旨の質疑をしました。今後は、この脱炭素ロードマップに明記されたとおり取組を進めていただくことを要望して、この項の質問を終わります。
最後、その他の1番として、帯状疱疹ワクチンについて伺います。帯状疱疹ワクチンの接種費用助成については、我々公明党議員団として緊急要望を申し入れてきたものですが、当区では令和5年3月1日より区内在住の50歳以上の方を対象に帯状疱疹ワクチン接種費用の助成が行われるようになりました。この間、公明党として都議会や国会でも何度も議会質問で取り上げており、都においては令和5年4月より帯状疱疹ワクチン接種助成費用の2分の1を助成、国においては今年4月から65歳以上を対象とした定期接種が始まることとなり、国が公費助成することとなります。今回の定期接種の対象者は、65歳から100歳までの5歳年齢ごとの方と100歳以上の方、それと60歳から64歳までのヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方となっていますが、予診票の発送時期はそれぞれいつ頃になるのでしょうか。
○宮下保健予防課長 お答えいたします。帯状疱疹ワクチンの定期接種の予診票につきましては、全ての定期接種の対象者につきまして令和7年6月末までに送付する予定となってございます。
○日野委員 予診票は6月末までということですが、定期接種の開始が4月1日となっており、あと1か月と少ししかありません。対象が高齢者の方となりますので、分かりやすい周知が必要と考えます。周知はどのように行われるのでしょうか。
○宮下保健予防課長 帯状疱疹ワクチンの定期接種の対象者に対しまして、広報手段は区報が有効であると考えてございます。このため、区報及び区ホームページにより周知するほか、接種医療機関でのポスター掲示を依頼する予定となってございます。また、全ての対象者に対しまして予診票を送付することによりまして、分かりやすい周知を徹底してまいりたいと考えておるところでございます。
○日野委員 65歳以上の定期接種の方にはこのような広報をしていただけるという一方で、これまで区が行ってきた50歳以上の方への任意接種についても、これまでと同様の接種が行われると伺っています。帯状疱疹は50代から70代までの方が最も多く発症するというデータもあり、任意接種についても十分な周知が必要と考えます。これまで行ってきた任意接種の周知についても併せて周知を拡大する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○宮下保健予防課長 任意接種に関しましても区報及び区ホームページによる周知を実施するほか、接種医療機関におけるポスター掲示及び声かけ等により周知していく予定でございます。
○日野委員 50歳以上の任意接種では、例えばシングリックスの場合、1回の接種に1万円の補助が入ります。医療機関によって自己負担額は変わってきますが、定期接種では接種費用はどのようになるのでしょうか。
○宮下保健予防課長 定期接種の接種費用に関しましては、23区内で同一の接種単価及び自己負担額が三者協及び特別区長会にて決定されてございます。帯状疱疹ワクチンの定期接種につきましても、本年3月に開催予定の三者協及び特別区長会にて決定される見込みでございますので、現時点では接種単価は未定となってございます。一方で、定期接種につきましては、全ての医療機関において自己負担額は同額となっております。定期接種の自己負担額未定ではございますけれども、定期接種では接種単価のうち自治体が2分の1を負担することが多くなっておりまして、また、現在区では任意接種におきましても2分の1程度を負担していることから、定期接種と任意接種の自己負担額については、大きな差は生じないものと考えております。
○日野委員 金額についてはこれからということで詳細はまだなんですが、そういった情報も決まり次第なるべく早めに周知を行っていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
次に、その他の2番で、中野中学校の建て替えと新山小学校跡施設の活用についてを伺います。1月30日に子ども文教委員会で報告のあった区立小・中学校の学校改築時期の再検討についての中で、南中野中学校の改築時期について、旧新山小学校を仮校舎として中学校の建て替えを検討するとの方針が示されました。予算説明書補助資料の127ページ、事務事業1、資産管理活用の(1)用地・管財に借地料(鷺宮小学校跡施設・新山小学校跡施設)として、1,766万1,000円が計上されています。このうち新山小学校跡施設の借地料は幾らになるでしょうか。
○半田資産管理活用課長 新山小学校跡地の国有地部分の借地料につきましては、令和7年度当初予算では1,600万円余を計上しているところでございます。
○日野委員 新山小学校の土地は約9割が国有地となっており、これまでは財務省からは学校施設の用途として減額して借りられていたと思います。学校施設の用途として借りた場合、新山小学校跡地借地料はどの程度になるでしょうか。
○半田資産管理活用課長 令和6年度の新山小学校跡地を南台小学校の代替校舎として借り受けている間の賃借料につきましては、810万円余となってございます。新山小学校跡地の国有地部分について、改めて学校施設として借り受けた場合の借地料につきましては国と再協議をすることになります。
○日野委員 約半分程度ということですね。新山小学校跡地を代替校舎として南中野中学校の建て替え方針を報告されましたが、新山小学校跡地に中学校を建て替える。跡地にそのまま中学校を建て替えるというような検討はされなかったのでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 旧新山小学校敷地への南中野中学校移転の検討についてでございます。中学校は部活動もあり、小学校と比べ広い校庭面積が必要と考えております。現在、区内の中学校は全て敷地面積が9,000平米以上ございます。旧新山小学校敷地は8,374平米、一方、南中野中学校敷地は9,507平米でございます。旧新山小学校の敷地のほうが10%以上狭いという状況でございます。敷地面積の面から検討したところ、南中野中学校については現地建て替えが適切と判断したところでございます。
○日野委員 国から借りられる用地が学校用地として年間810万円ということであれば、学校用地として今後も借り続けられれば、そちらのほうが費用を安く抑えられると思ってこのような質問をしたんですが、検討していただいて、校舎として学校として中学校としてはやはり狭いということで現地建て替えになったということですね。小・中学校施設整備計画の策定は令和8年度と聞いていますので、現時点で南中野中学校の建て替え時期というのは明確にはなっていません。建て替えに伴い仮校舎として活用されるまでの間、地元の方が地域活性化のため等、有効に施設を使えるように検討していただきたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○半田資産管理活用課長 旧新山小学校が代替校舎として整備されるまでの間につきましては、区の活用する用途に影響の及ばない範囲において御利用いただけるよう、具体的な検討を進めているところでございます。
○日野委員 旧新山小学校が仮校舎として使われるまでの期間、それから仮校舎として使用が終わるまで、これを考えると、まだまだ数年はかかるんじゃないかなというふうに推察します。旧新山小学校の耐震については今のままで問題はないのでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 旧新山小学校に係る耐震補強工事の必要性についてでございます。旧新山小学校につきましては、校舎については平成10年、屋内運動場については平成20年に耐震補強工事を実施済みでございます。このため、改めて耐震補強工事をする必要性もなく、予定もございません。
○日野委員 ありがとうございました。
以上で私の全ての質問を終わります。
○杉山委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。
次に、武田やよい委員、質疑をどうぞ。
○武田委員 2025年第1回定例会予算特別委員会において日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。
まず、介護保険事業について伺います。2024年4月の国の介護報酬改定は、全体として介護1.59%増にとどまり、人材の確保、定着、育成が必要となる介護福祉業界が直面する切実な現状を踏まえた内容になっていません。特に訪問介護に係る報酬は2~3%引き下げられたことにより、介護保険事業所の倒産、休廃業、解散が昨年過去最多の529社となり、全体の7割近くを訪問介護事業者が占めたと東京商工リサーチが報告しています。同社情報本部情報部課長は、特に訪問介護事業者の苦境が浮き彫りになっている。以前からのコスト高や人材不足に加え、報酬のマイナス改定があり、事業継続が厳しくなっていると指摘しています。中野区の事業者の状況について、2024年4月以降の訪問介護事業所、居宅介護支援事業所の廃止、休止件数はそれぞれ何件か伺います。
○落合介護保険課長 2025年1月現在、2024年4月以降の訪問介護事業所の廃止は1か所であり、事業承継により別の事業所が開設されています。休止は0か所です。居宅介護支援事業所の廃止は6か所、休止が2か所となっておりますが、廃止された6か所には、2024年3月以前から休止している事業所2か所を含んでおります。
○武田委員 1月現在で訪問介護は廃止が1か所、ケアマネ事業所は廃止が6か所で休止が2か所ということですよね。前出の情報部課長は今後の動向について、今年はコロナ禍で介護事業者が借り入れた福祉医療貸付の返済が始まる。報酬減によるマイナスも積み上がり、経営はますます厳しい。倒産、休廃業、解散ともに増加し続けるだろうとしています。これは独立行政法人福祉医療機構が窓口である貸付事業の償還据置期間の5年が経過したため、返済が始まることを指摘したものですが、区内事業所の経営状況を区としてどのように把握しているのか伺います。
○落合介護保険課長 区では事業所の指定届出状況や、健康福祉審議会や事業所との意見交換、介護保険事業計画の各種調査などにより事業所の状況を把握しております。また、物価高騰の影響については、昨年11月に区内の介護事業者を対象としたアンケートを実施しております。
○武田委員 物価高騰のアンケートは実施したということですが、経営状況についてのアンケートはされていないのでしょうか。
○落合介護保健課長 はい。行っておりません。
○武田委員 現時点で休廃止している事業所の数、若干少ないという判断であるとか、廃止になった事業所の事業は継承されているのでよいということではないと思います。さきの指摘があるように今後、廃止、休止が増加すれば、介護サービスの担い手がいなくなっていきます。実際、事業を継承した事業者も廃止となる事例が出てきています。経営状況などを把握していないとのことですが、事業所がなくなる前に手だてを講じる必要があると思います。会派の浦野委員がさきの一般質問で取り上げていますが、日本共産党議員団として区内介護保険事業者に実施した介護報酬改定による影響を伺うアンケートでは、回答いただいた介護保険所事業所52か所のうち8割が、経営が苦しい、とても苦しいと回答しています。経営状況に関する自由記述では、介護報酬が下がり経営が苦しくなっている。法人全体の経常利益が赤字となっており、大変厳しい状況である。基本報酬が少ない上に処遇改善等の加算がないため、給与を上げることができない。何とか赤字は免れていますが、事業費、事務費が増加しており、賃金アップに回す余裕はありませんとの声が多く寄せられています。こうした事業所の声を把握しているのか伺います。
○落合介護保険課長 令和6年度の報酬改定では介護職員の処遇改善に係る加算が一本化され、加算率の引上げが図られております。新たな処遇改善加算により介護職員の処遇改善が図られ、人材確保や事業所の運営に資するものと認識しており、報酬改定により収益が上がったという声も聞いております。訪問介護サービスについては基本報酬が下がった一方、処遇改善加算については高い加算率が設定されており、区の指定事業所の処遇改善加算取得率は96.6%となってございます。
○武田委員 事業所の状況については、昨年の第2回定例会以降、同じ答弁なんですね。苦しい、とても苦しいという声について、区として把握していないんだなと感じます。物価高騰の影響もあると思いますが、介護保険事業所の経営が大変な理由はこれだけではありません。様々な大変さが積み重なってきているのだと思います。厚生労働省が発表した2023年の全産業平均有効求人倍率は1.31倍でした。2024年9月12日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会で厚生労働省が報告した2023年度介護職員の有効求人倍率は施設職員で3.24倍、ホームヘルパーは14.14倍という非常に厳しい数字となっています。また。同年12月25日には、2023年10月1日時点の介護サービス施設事業所調査の結果、制度開始以降、初めて介護職員の数が減少したと報告しています。2025年度予算の主な取組に、介護の仕事の魅力を発信する啓発事業としてパンフレットの作成が挙げられていますが、内容、配布対象などについて伺います。
○落合介護保険課長 介護の仕事のやりがいや魅力等を区民に広く理解してもらい、介護人材の裾野を広げるため、介護の仕事の魅力を分かりやすく伝える漫画と、区内の介護事業所で生き生きと働く職員のインタビューを掲載するパンフレットを作成するものでございます。区内中学校や区内の高校、近隣の大学、区民活動センターや図書館、介護事業所等で配布するとともに、介護の日のイベントなど、介護の仕事の魅力発信を行うイベントでの活用を想定しております。
○武田委員 このパンフレット自体、介護職の方の仕事の魅力を伝えて、裾野を広げていくということは大事なことだと思います。しかし、介護職の労働組合、日本介護クラフトユニオンが1月30日に公表した介護職員の2024年7月の基本給は平均26万5,711円、全産業平均の33万200円より6万4,489円低くなっています。他産業の賃上げに追いついていないとしています。人材不足の大きな要因となっていると思われます。実際に我々が行ったアンケートでも人材不足についての声が多くありました。仕事に魅力を感じても給料が安くて大変な仕事で終わってしまう。報酬にならない事務なども多く、無償奉仕となっている。募集しても人が集まらない。給料は安く、誰もケアマネになりたいと思えない状態です。若干単価を上げる代わりに算定要件を複雑化しているため、職員のデスク業務が増え、残業につながってしまいます。基本単位をもう少し上げていかないと介護業界に若い世代は魅力を感じないと思いますといった切実な声が寄せられています。介護職の魅力を伝える。配布対象は主に中高生とのことですが、それでは今現在起きている介護人材不足への対策として不十分ではないでしょうか。どのようにお考えですか。
○落合介護保険課長 パンフレットは年代や属性を問わず分かりやすく伝えることができ、自宅でも介護の仕事について話すきっかけにもつながるものと考えています。18歳以上に向けては、介護業務の未経験者が基本的な知識を学ぶことのできる介護に関する入門的研修を実施し、研修修了者と介護事業所等とのお仕事相談会を実施しております。令和5年度、令和6年度ともに修了者、参加者は50人を超えており、介護事業所とも協力し、生活援助サービスや通所・居住・施設系サービスの介護職員の雇用につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○武田委員 お仕事をつなげるようにというところもあったかと思うんですけれども、パンフレットについては、昨年12月3日に開催された厚生委員会で直接的に今、介護の仕事に就きましょうといったことよりは、中略します。少し将来的なことといいますか、長期的な目線での啓発を考えておりますと答弁されているので、やはり即時性は低いなと感じます。我々が行ったアンケートでは、人手不足により新規の依頼を断っている。人手不足で重度の介護が受けられない。利用者の要望する日程でサービスが提供できない。ヘルパーの高齢化により報酬の高い身体介護を受けられなくなっている。人員の確保ができなければ依頼を受け切れない状況があり、年々厳しい状況、危うくなっているといった声が多数寄せられました。第9期介護保険事業計画では、訪問介護をはじめ介護サービス供給量を第8期実績より増やして見込んでいますが、これらの声を踏まえても供給可能と考えているのか。即効性のある対策が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○落合介護保険課長 介護サービスの給付実績は、おおむね計画で見込んだ割合で増加しております。区内の介護サービス事業所は、入れ替わりはあるものの一定数保たれており、計画で見込んだサービスの供給は可能と考えております。
○武田委員 今、アンケートの回答で、新規を断っている、ヘルパーの高齢化などを訴えている事業者さんがいらっしゃるという点は、どうも受け止めていただけていないんだなと思います。供給量が見込みどおりとのことですが、人手不足で利用を断られている可能性も否定できないと思います。さらにアンケートでは中野区に対する要望として、国のほうを見て仕事をするのではなく、現場で働く人たちを見てほしい。時には区独自の支援策も検討してほしい。加算は大手の事業所しか取れないような要件ばかり。中小事業所向けの補助金や支援金があれば助かるとの意見も寄せられています。世田谷区では昨年、世田谷社会保障推進協議会が提出した介護人材確保のための実効性のある賃金引上げ策の実施を求める陳情が全会一致で趣旨採択されました。これを受け、介護職の処遇改善は国の責任として、区としての直接支援を行わない従来の方針を転換し、9月の補正予算で区内の高齢者・障害者施設へ総額8億7,000万円の緊急安定経営事業者支援給付金の支給を実施しています。支援の実施と併せて行ったアンケートの調査結果速報では、申請した法人の74%から回答があり、事業継続に大いに役立つが82%、ある程度役立つが16%で、合わせると98%の事業者が役に立つと回答しています。世田谷区で行った事業、アンケートの内容は御存じでしょうか。
○落合介護保険課長 世田谷区の事業については承知しており、アンケートについては事業の実施主体として世田谷区が実施したものと認識しております。
○武田委員 認識はしていただいていると。中野区議会は2024年第3回定例会で、訪問介護の基本報酬引上げ等を求める意見書を賛成多数で可決しています。国政では2024年6月5日、衆議院厚生労働委員会で介護・障害福祉事業者の処遇改善に関する決議が全会一致で議決されたほか、中央社会保障推進協議会の調べでは、2024年12月19日時点で訪問介護の報酬引上げや財政措置を求める地方議会による意見書の可決数は、10県議会を含め192件に上るとしています。介護報酬を引き上げなければ訪問介護事業が立ち行かなくなるとの懸念は全国的な認識となっています。区は日頃、他区の事例を参考にと答弁されます。即効性のある施策として第4回定例会以降求めている世田谷区が実施した事業者支援事業を中野区でも実施すべきと考えます。改めて求めますが、いかがでしょうか。
○落合介護保険課長 中野区では、社会状況に鑑み、物価高騰に関する支援を実施しているところでございますが、経営支援のための給付金を実施することは考えておりません。
○武田委員 物価高騰対策は確かに必要だと思いますが、やはり経営が不安定だという声をたくさん頂いています。区長は施政方針で、前例踏襲の考え方では十分な対応ができない課題が発生している状況にあります。そうした状況においても区民ニーズや課題を的確に捉え、適時に効果的な政策を打ち出すためと職員育成の重要性を述べています。このような姿勢を持つことが重要との認識であれば、効果的な政策を行うために介護保険事業所の実情を緊急に把握すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○落合介護保険課長 区は、健康福祉審議会や介護事業所との意見交換などにより、介護事業所の状況を把握しております。昨年11月には物価高騰の影響を把握するため、区内の介護サービス事業所を対象としたアンケートを実施し、影響を受けていると回答した事業所も少なくなかったことから、都の物価高騰対策と併せ地域密着型介護サービス事業所等への支援を行っております。今後も健康福祉審議会等における意見交換や介護保険事業計画の各種調査などにより、事業所の状況の把握を行ってまいります。
○武田委員 まず、計画策定のための審議会での意見聴取と事業者さんの実態を把握するということは全く別のものではないかと思います。先ほど物価高騰のお話の中で、物価高騰については把握をしているけれども、経営状況については把握をしていないとおっしゃっていました。事業所連絡会と意見交換をしているということですが、今回私たちが行ったアンケートの答えとかなりずれがあると感じます。本当に事業所からのお話をきちんと受け止めているのか疑問が残ります。繰り返しになりますが、介護保険事業所などが置かれている状況は、従来からの低賃金による人材不足に、物価高騰などの社会状況の急激な変化により経営状態に悩んでいる。加えて、介護報酬の改定率が、介護福祉業界が直面している切実な現状を踏まえた改定になっておらず、報酬が引き下げられた訪問介護を中心に倒産件数は制度施行以降最多となる危機的な状況であると思います。区議団で実施したアンケートでも危機感は十分に伝わってきますし、前出の世田谷区が行ったアンケートでも、現在の経営状況は前年と比較して悪くなったと回答した事業所が4割半ばを超え、今後も悪化する、事業継続が難しくなると回答した事業所が5割を超えていたと報告しています。事業所がなくなる前に対策を行う必要があります。今回の質疑を通して介護保険事業所の置かれている状況について改めて区の認識を伺います。
○落合介護保険課長 令和6年度の報酬改定における新たな処遇改善加算によりす介護職員の処遇改善が図られ、事業所の運営にも資するものであると認識しております。区内の介護サービス事業所は、入れ替わりはあるものの一定数保たれております。また、各事業所の経営状況はまちまちでありますけれども、人材確保が難しいとの声を聞くことが少なくないため、東京都や国の施策と併せて人材確保の支援に取り組んでいく必要があると認識しております。
○武田委員 また同じ答弁なんですよね。本当に事業所のことを見ていただいているのかと。今回質問では、区内の事業者さんにアンケートを行って、その声を中心にお伝えをしています。区には本当にこの声を真摯に受け止めていただいて、状況に応じた支援に早急に取り組んでいただくことを改めて求めたいと思います。
ちょっと視点を変えて産業振興課に伺います。介護保険事業所、障害者支援事業所などは報酬が定められていることや事業者指定の要件などから福祉事業としての要素が強く、経営相談、経営支援といった産業振興の分野での関わりは薄いと感じますが、産業振興課所管の経営力強化支援事業、人材確保支援事業など、相談できると捉えられるでしょうか。
○国分産業振興課長 経営力強化支援事業及び人材確保支援事業は、中小企業基本法に定める中小企業者で、主たる事務所の所在地が中野区の区域内にあるものを対象としてございます。これに該当する介護保険事業所や障害者支援事業所は当該支援事業の対象となります。
○武田委員 対象となるということで。再び世田谷区の事例ですが、緊急安定経営事業者支援事業を実施した際のアンケート結果から、2025年度に介護保険事業者を対象とした伴走型の経営改善支援事業を立ち上げ、経営状況の分析と経営改善策の立案、実行支援を行い、2026年度以降、成功事例の横展開を図るとしています。この事業は、中野区が来年度開始する予定の伴走型の経営支援と共通点が多いと思います。様々な分野の専門家によるコンサルティングチームと指定管理者と情報共有、意見交換をしながら区職員が関わり、経営支援だけではなく、必要な区の施策につなぐ視点を持った伴走型支援を行っていく事業と認識していますが、対象に介護保険事業者等を含めていくことは可能でしょうか。
○国分産業振興課長 介護保険事業者は経営支援の対象であり、産業振興センターで現在行っている中小企業診断士による経営相談を受けることが可能でございます。また、来年度から開始する伴走型の中小企業経営支援において、介護保険事業者をはじめ様々な業種の区内事業者に対して必要な支援を行うことに努めてまいりたいと考えております。
○武田委員 産業振興課のほうでは事業者支援ということで前向きに対応していただけるということでしたので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。介護、障害の報酬改定は3年に一度行われます。その都度加算の算定方法などが変わり、事務手続が煩雑になっていく。シャドーワークが増えているという声も寄せられています。ぜひ福祉サービスの事業者も産業振興の支援の対象であるとの周知も含めて事業を進めていただきたいと思います。介護保険をはじめ福祉サービスは、現在介護が必要な方たちだけのものではありません。その家族にとっても介護離職を防ぐなど、現役世代の生活を守るために必要なものです。福祉サービス事業者の事業継続を支えることは、区民に必要なサービス提供を守ることにつながります。報酬改定など国の縛りが大きい制度ではありますが、国が行うべきというだけではなく、国がやらないのであれば保険者として基礎自治体として積極的に事業者を守り、区民を守るという思いを持ち、介護を必要とする方が適切にサービスを受けられるように取り組むことを求め、次の項の質問に移ります。
続いて、不登校対策について伺います。一部日野委員の質問とかぶるかもしれないんですけれども、また私のほうからも聞かせていただきます。文部科学省が昨年10月に発表した不登校の小・中学生は過去最多の34万6,482人となり、前年度比4万7,000人余り、率にして15%ほど増加し、11年連続で過去最多となっているとのことです。昨年の第3回定例会で報告された中野区の不登校児童・生徒数は、2021年度から2023年度の状況では毎年増加しており、小学校においては国、都と比較して高い割合にあると分析されています。中野区では今年度より東京型不登校特例校、通称N組が設置され、学びの選択肢が広がったこと、開設直後でも新1年生の入学時までの支援など、運営上の課題について早い時点で改善に取り組まれていること、学校に行きづらい子どもの保護者会の回数も増やしていることなど、不登校対策に積極的に取り組まれていることを評価いたします。N組の取組なども始まりましたが、2024年度の中野区での不登校の状況はどうなっているのでしょうか伺います。
○井元指導室長 2024年度の不登校児童・生徒の状況でございますが、令和6年12月末時点で4月からの欠席日数が30日以上の児童・生徒は、小学校204人、中学校203人となってございます。
○武田委員 では、この数年間の傾向としてどのような分析をされているんでしょうか。
○井元指導室長 過去5年間の傾向としまして、令和2年度から令和5年度までは小・中学校ともに増加傾向にございましたが、令和6年度においては同時期の昨年度比で小学校は8人の増となってございますが、中学校につきましては27人の減となってございます。各中学校に設置した校内別室や中野中学校に設置した「チャレンジクラス」N組の取組の効果などが現れていると考えてございます。
○武田委員 小学生はちょっと増えてしまったということですが、中学校では減になっている、減っているということはいいことだなと思います。1月30日に開かれた子ども文教委員会では、(仮称)中野区不登校支援ガイドラインの策定について報告がありました。ガイドライン策定に向けての経緯をお伺いします。
○井元指導室長 (仮称)不登校支援ガイドラインにつきましては、令和6年11月の子ども文教委員会において総合的な不登校支援についてまとめることを報告いたしまして、その後、不登校対策アドバイザーも交えて現在策定を進めているところでございます。
○武田委員 現在策定を進めていらっしゃるということで、このガイドラインを策定するに当たって、学校に行きづらい子どもの保護者会で寄せられた意見などは、反映はされているのでしょうか。また、当事者である子どもの声は反映されているのでしょうか。
○井元指導室長 (仮称)不登校支援ガイドラインの策定に当たりましては、令和6年2月や5月、7月に実施いたしました学校に行きづらい子どもの保護者会で寄せられた意見も反映してまいります。また、8月に実施した夜の教育委員会で傍聴者から寄せられた意見や、今後実施を予定しております区立中学校卒業生で不登校経験のある方へのヒアリングで寄せられた意見も反映させていきたいと考えてございます。
○武田委員 ぜひ当事者の方、悩まれている保護者の方や当事者のお子さんたちの声を反映させたものにしていっていただきたいなと思います。このガイドラインの目標である学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すについては、よい目標であると思います。しかし、基本姿勢に学校側も変わる必要性があるのではないかという視点が欠けているのではないかと思います。この点についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○井元指導室長 教育委員会や学校としましては、不登校の要因は様々であり、誰にでも起こり得るものという認識を持ち、不登校の時期が休養や自分を見つめ直すなどの意味を持つこともあるという姿勢で、児童・生徒一人ひとりに寄り添うこととしてございます。また、学校の教育活動や指導方法、教育環境等が不登校の要因になることも踏まえ、多様なニーズに応じて改善する必要があることもガイドラインに盛り込む予定でございます。
○武田委員 ぜひ両方の視点からガイドラインのほうに盛り込んでいただければというふうに思います。基本姿勢にも書かれていますが、学校に行っていないお子さんの理由は様々であると思います。受皿もさらに重層的にしていく必要があると思いますが、現時点での区の施策について伺います。
○井元指導室長 現在、教育委員会と学校において不登校児童・生徒の居場所として3層の受皿を設けてございます。在籍学級で学ぶことが難しい児童・生徒に対して校内の別室で学べるようにしてございます。また、学校で学ぶことが難しい児童・生徒に対しては、教育センター及び教育センター分室の教育支援室フリーステップルームにおいて学べるようにしてございます。在籍中学校で学ぶことが難しい生徒に対しましては、中野中学校「チャレンジクラス」N組に在籍し、柔軟なカリキュラムで学べるようにしてございます。
○武田委員 今、中野区としては3層の受皿を用意されているということでした。その中でフリーステップルームのお話がありましたが、新年度の施策でフリーステップルームを改善し、居場所機能を持たせるとの取組が掲げられていますが、その改善を行う目的と改善点の詳細を伺います。
○井元指導室長 令和7年度から教育センターの教育支援室フリーステップルームの運営を民間事業者へ委託し、専門的な知見を生かして学習支援機能と居場所機能の一体的な充実を図ってまいります。主な改善点としましては、体験活動や探求活動、宿泊体験、レクリエーション、オンライン学習等を拡充させて、より多くの選択肢から児童・生徒が自分にふさわしい過ごし方を選択できるようにいたします。また、教育支援室内を目的ごとに大別して五つの活動スペースを設けることで、主体的に学んだり、自由に過ごしたりしやすい環境にしてまいります。
○武田委員 かなり大きく変えていくんだなというふうに思います。先日、世田谷区の不登校支援施策の一つであるほっとスクールの視察に行きました。教育支援センター機能であるほっとスクールの取組は30年ほど前から行われているとのことで、教科学習にとらわれず、自己表現をすることを中心に、体験を通して自己肯定感を高めること、コミュニケーションを図る取組が行われており、教室に飾られていた作品はどれも個性豊かで楽しい空間でした。区内3か所に開設されており、ほっとスクールに通うことで在籍校の出席と連携していることから、スクールに通い、卒業する生徒もいるとのことでした。来年度改善するフリーステップルームは、世田谷区のほっとスクールと同様の機能を持つ場所という認識でいいでしょうか。
○井元指導室長 委員お話しの世田谷区のほっとスクールでは、児童・生徒の自己肯定感を高めたり、コミュニケーションを活性化させたりする取組を行っております。また、通室した日は在籍校の出席扱いとしてございます。本区のフリーステップルームにおいても、各教科の学習に加えて、ものづくり等の体験活動や探究活動、レクリエーション等を通して、児童・生徒の自己肯定感を育むことや児童・生徒同士のコミュニケーションを活性化させてまいります。また、在籍校と連携して通室した日は出席した日とするとともに、進路支援を通じて全ての児童・生徒が見通しを持って卒業できるようにしてまいります。
○武田委員 この視察のときにDVDなどを見せていただいたんですけれども、本当に通っている皆さんも笑顔で楽しそうに活動をされていましたので、ぜひそういう取組になるように進めていただきたいと思います。このフリーステップルームの取組、N組の取組以降で検討している施策はどのようなものがあるでしょうか。
○井元指導室長 令和6年度から全中学校において不登校校内別室支援員を設置してまいりましたが、令和7年度からは小学校において校内別室を設置するための巡回支援員を配置する予定でございます。
○武田委員 先ほど中学校のほうで不登校のお子さんたち、生徒さんたちが減ったところの分析として、やはり校内別室の効果もあるのではないかというふうな分析をされていましたので、ぜひ充実をさせていただければと思います。世田谷区では、このほかに学びの多様化学校分教室型が開設されているほか、オンラインでの支援事業、居場所としての児童館、青少年センターの紹介など、重層的な体制が進められていることに加えて、閉校した小学校を活用した学びの多様化学校学校型を2026年4月に開設する予定となっています。学校型の開設は23区で初めてとなるとのことです。第4回定例会一般質問で学びの多様化学校学校型について、分教室型ではない学びの多様化学校設置についても他市区の事例の視察を行っており、今後さらに研究を続けてまいりますと答弁されています。区有施設整備計画策定に合わせて学校型の設置について前向きな検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○井元指導室長 現在、不登校児童・生徒のニーズに応じて校内別室の設置や都型の学びの多様化学校の設置、フリーステップルームの民間委託等の重層的な施策に取り組んでいるところでございます。一方、当区における学校型の学びの多様化学校の設置の必要性を含め考える必要があり、基本計画の改定に合わせて検討してまいります。
○武田委員 昨年の第4回定例会での一般質問よりもさらに前向きな御答弁を頂けたのかなと思っておりますので、ぜひこれは進めていただきたいと思います。大田区は令和12年度に開設をする予定というような報道も見ましたので、ぜひ中野区でも積極的に進めていただきたいと思います。全ての子どもたちの学びを保障する施策をさらに積極的に取り組むことを求めて、この項の質問を終わります。
次に、東中野駅東口周辺のまちづくりについて伺います。2024年8月に東中野まちづくりニュースVol.3、(仮称)まちづくり基本方針骨子特集が配布されて以降、具体的な説明会や意見交換が開かれていません。このため、地域の方からは、区が勝手に進めているのではないかとの声も寄せられます。今年度の状況について伺います。2024年度は4,030万円余の予算となっています。具体的な使途、事業の進捗状況はいかがでしょうか。
○近江まちづくり計画課長 今年度、東中野駅東口のまちづくりにつきましては、東中野駅周辺まちづくり基本方針の策定検討と東中野駅東口周辺の基盤整備に係る検討を行ってございます。その中で、まちづくり基本方針素案の作成を進めているとともに、鉄道事業者をはじめとする関係事業者と協議を行っているところでございます。
○武田委員 2025年度は2,464万円余の予算案となっていますが、今年度、2024年度の執行状況を踏まえて具体的にどのような事業としていく予定か伺います。
○近江まちづくり計画課長 令和7年度も引き続き、まちの将来図を示しますまちづくり基本方針の策定に向けた検討を進めていくとともに、方針の内容につきまして地域住民の方々と意見交換を行う予定としてございます。また、東口駅舎のバリアフリー化の具体的な整備の可能性についての検討を深度化し、鉄道事業者との協議も深めてまいります。
○武田委員 特に地域の方々への情報発信というのは本当に丁寧に行っていただきたいと思います。第4回定例会一般質問で、地域の方からまちづくりに関して区の姿が見えないという声が上がっていることを指摘しましたが、地域にはどのような形で関わっていくのか伺います。
○近江まちづくり計画課長 今年度作成を進めていますまちづくり基本方針素案の内容について、地域住民の方々とできるだけ早期に意見交換を行いたく考えているところでございます。
○武田委員 早期ということだったんですけれども、やはり今年度1年間ほとんど反応がないと、音沙汰がないというようなところは、地域の方々もこのエリアはどうなってしまっているんだろうかという不安をお持ちになっていると思います。少し視点を変えますが、本年度、まちづくり事業課と産業振興課が連携して実施したリノベーションスクール沼袋の事前講座、公開プレゼンテーションに参加しました。従来の再開発についての指摘や、まちの風景を生かす、とても共感できる内容で、とてもよい企画であったと思います。加えて、地域の方々が自分事としてまちづくりに関わることや、発表で終わりではなく現実に向けて取り組む点も画期的であると感じ、今後、他のまちづくりにも広げていただきたいと感じました。東中野駅東口周辺については、地域住民の方々からも画一的なまちに変えられてしまう高層建築物ありきの計画は不要であるとの意見が寄せられています。また、収束の兆しが見えない建設資材の高騰、人手不足などにより、全国的に大型施設の建設計画が中断する傾向の中では、リノベーションスクール東中野を行い、基本方針骨子で示されたゾーニングに合わせた展開の議論を地域の方々に参加してもらいながら進めてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。
○近江まちづくり計画課長 今年度、沼袋地域で地域の担い手発掘を目的にリノベーションスクールを開催し、その効果について検証しているところでございます。リノベーションスクールが地域の担い手発掘に資すると判断できた場合には、他地域の展開についても検討してまいります。
○武田委員 私もプレゼンテーションを拝見して、本当に様々な方たちがいらっしゃるんだなと。この地域の中にまちづくりに関心もあって、さらにそこに提案もできる方たちが自分たちのまちをさらにもっといいまちにしていこうということで熱心に関わっていらした姿というのは、本当にいい姿だなと思いました。かなりいい影響が出てくるのではないかなと思いますので、積極的に導入をする方向で検討していただければと思います。
次に、東中野駅については駅舎のバリアフリーを求める声と併せて、坂の多い地形からスローモビリティの導入など、駅までのアクセスの改善を求める声も寄せられています。昨年、エコフェアで試乗を行っていた電動モビリティの導入を検討できないでしょうか。
○宮澤交通政策課長 東中野駅周辺での電動モビリティの導入についてお答えします。なかのエコフェアで実施した試乗会において、出展された三輪の電動モビリティ等はサービスの提供方法、地域、対象等について事業者が検討している段階と認識しております。引き続き事業者等による取組状況を把握するとともに、交通安全等の課題や公民の役割分担を整理した上で、地域の特性を踏まえ適切な利用環境等を検討していきたいと考えております。
○武田委員 やはり大きく道路づけであるとか、都市基盤に関わるようなところも一緒に併せて考えていかなければいけないのかなというふうにも思いますので、東中野駅までのアクセスに電動モビリティの導入、それともう一点、既存バス路線の再編の検討を行ってもらいたいとも思っています。導入、再編について、まちづくり計画の中で検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○近江まちづくり計画課長 東中野駅周辺における電動モビリティ等の導入につきましては、まちづくり方針に位置付けるに当たりまして、交通安全上の課題だとか、あるいは公民の役割分担の検討、また地域のニーズ等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。
○武田委員 ぜひこのまちの地域の形状、あと、お住まいになっている方たちの年齢層なども考えて検討していただきたいというふうに思います。
まちづくりの視点でもう一点検討していただきたい内容があります。1月14日に庁舎1階で開催された景観づくりについての講演会も、実に興味深く示唆に富んだ内容でした。この講演会には職員の方も多数参加していたと思いますが、今後の都市計画や、まちづくりを考えていく中でどのように受け止めていらっしゃるか伺います。
○塚本都市計画課長 先日行いました講演会では、ベンチの配置や道路の舗装を少し工夫するだけで、人を誘う魅力ある町並みに変えていけることなどが紹介されました。講演会後のアンケートでは、区の職員からも基盤整備やまちづくりにおいて、よいヒントや考え方を学べたなどの感想が寄せられております。今回のような機会を通じまして得られた新しい気づき、そして認識を基にしまして、より魅力のある町並みの形成につなげていきたいと考えております。
○武田委員 ぜひ生かしていただきたいなと本当に思います。講演会の中で、今もちょっとお話にありましたが、丁寧に誘う形をつくるというお話と、人間の視野の話から、まちの景観を左右する6割は道であると。丁寧に誘う形の道にするには舗装とベンチの数とのお話があったと思います。東中野駅東口周辺のまちづくりには、この景観づくりの考え方を生かしていただきたいと思いますが、今どのようにお考えでしょうか。
○近江まちづくり計画課長 東中野駅東口周辺地区はオープンスペースが少ないなどの課題もございますが、今後、民間事業者等による面的整備等に伴いまして、広場やオープンスペースなどの滞留空間が創出される場合には、景観に配慮した舗装やベンチなどの設置を誘導することを検討しています。
○武田委員 ぜひ積極的に検討していただきたいと思います。ヨーロッパでは、1980年代から主流になっているというホスピタリティディベロップメント、丁寧に誘うという視点を大切にした道、舗装、それからベンチを東中野駅東口の中に方針として入っている神田川四季の道にもぜひ取り入れてもらいたいと考えていますが、いかがでしょうか。
○近江まちづくり計画課長 神田川沿道につきましては、東京都景観計画において景観基本軸に指定されていることなどから、デザイン性の高い舗装への更新や、ベンチなど休憩できるような場所の確保など、地域の人々が憩えるような空間づくりを検討してまいります。
○武田委員 この神田川四季の道の検討をされるに当たっては、今、東中野地区委員会を中心に、第三中学校の跡地を活用する三中プレイスミライ会議というものが数年前から定期的に開催をされています。その中では、まちの方たちが本当に大勢関わって様々な案を検討されているので、そちらの案と一緒に合わせて検討していただいて、地域の方の声を反映させていただければなというふうに思います。
東中野駅東口周辺ではありませんが、神田川につながる桃園川緑道についても、景観づくり講演会の視点を持って進めてもらいたいと考えています。先日、小宮山委員のほうから角刈りのツツジというお話があったかと思いますが、地元町会の方々からも、ほったらかしっぽい、地域で利用できる花壇が欲しい、ベンチを設置してほしい、散歩しやすい道にしてほしいなどの声を伺っています。歩きたくなるまちづくりの一つとして景観づくり講演会での視点を持ち、区政100周年に合わせて整備検討を始めてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○村田公園課長 桃園川緑道は中野区の東西を結ぶ移動経路や緑のある空間として寄与しておりまして、ベンチの設置や地域での花壇づくりによる景観性の高い歩きたくなる整備は効果的なものと認識してございます。中野区公園再整備計画に基づく中規模公園の再整備などが一定進んでいく中で、計画の見直し検討も行う予定でございますが、計画検討におきましては、居心地がよく歩きたくなるまちづくりや景観性の観点も持ちつつ、桃園川緑道も含めた全ての公園の状況等を踏まえ、次期に取り組むべき内容を検討してまいります。
○武田委員 ぜひ本当に積極的に検討をお願いしたいと思います。
この項の最後に、脱炭素ロードマップとの関わりについて伺います。2024年6月に策定された脱炭素ロードマップには区が取り組むまちづくりの全体方針として、1、エネルギーの効率的利用の促進、2、緑を生かしたゆとりある環境の形成、3、環境負荷の少ない交通環境の形成が挙げられています。項目1のまちづくり・都市計画には、取組1、地区計画、任意のまちづくり計画への脱炭素の取組の位置付けとあります。東中野駅東口周辺のまちづくりも該当するとの認識でよいでしょうか。また、項目2、都市基盤の取組5から7、道路・公園等における熱環境緩和、緑化の推進についても対象となるとの認識でよろしいでしょうか。
○伊東環境課長 お答えいたします。委員お見込みのとおり東中野駅東口周辺のまちづくりにつきましても、この脱炭素ロードマップの取組1及び取組5から取組7までは対象となってございます。
○武田委員 対象となるとのことでしたので、では、取組を進めるに当たって、環境所管とまちづくり所管とどのタイミングで関わっていくのか伺います。
○伊東環境課長 脱炭素ロードマップにおきましては、まちづくりの全体方針を示しまして、今後のまちづくりに関わるあらゆる取組を通じて環境配慮、脱炭素化の視点を加えまして、エネルギーの効率的利用の推進等の取組について検討し、合意形成を図りながら実行していくこととしております。このようなことから、東中野駅東口周辺のまちの将来図を示すまちづくり基本方針の策定に向けた検討におきまして、まちづくり所管課と環境配慮の政策誘導が図られるよう環境部環境課として調整していきたいというふうに考えてございます。
○武田委員 以前、昨年度ですか伺ったときは、脱炭素ロードマップはできましたと。実際にやるところから結果ですとか協議をしますという形で報告書を上げていただくだけだというふうに伺っていたので、積極的に検討していく、一緒にやっていくというようなお答えだったかと思いますので、それはぜひ進めていただきたいと思います。削減効果の見込みを達成するためには、どのような連携、進捗管理を図っていくのか改めてお尋ねします。
○伊東環境課長 脱炭素ロードマップの進捗管理でございますが、各年度の終了後におきまして、まず実績確認を行いまして、各取組において対象とした事業が予定どおり進捗しているかどうかを把握いたします。また、進捗が遅れているような場合には所管課と連携をしまして、その理由を分析するとともに必要に応じた対応策を検討してまいります。
○武田委員 今の御答弁というのは一般的なほかの施策に対しての御答弁だったのか、東中野のまちづくりに関しての御答弁だったのか。どちらでしょう。ちょっと確認で。
○伊東環境課長 この東中野駅東口周辺のまちづくりも含めまして、脱炭素ロードマップの進捗管理につきましては同様の実績確認を行いまして、遅れている場合には要因分析を行うというものでございますので、全体についてでございますので、当然東中野駅の東口周辺のまちづくりについても同様に行っていくというような内容でございます。
○武田委員 ちょっと先ほど伺った答弁と若干ずれるんではないかなと思うのですが、先ほどはまちづくりの中で脱炭素ロードマップを確実に進めていくために、一緒に入って検討されるというような御答弁だったというふうに受け止めたんですけれども、進捗管理で報告書を頂いてということではなくて、常時ある程度一緒に話合いをしていれば、進捗管理というのは改めて報告書を頂いて、遅れているようではということにはならないんじゃないかと思うんですが、その辺りはいかがなんでしょう。
○伊東環境課長 先ほどの答弁の中で、まちづくり所管課と環境配慮の政策誘導を図るように調整していくと。そういったことも行いながら、毎年度、年度が終わった後にも、しっかりほかの取組についても確認をしていくということでございますので、先ほどの答弁と矛盾しているという認識はございません。
○武田委員 ぜひ一緒にやっていきながら進捗管理という形で実績を確認していただければと思います。国土交通省も、まちづくりにおけるグリーン化、まちづくりGXを掲げて、都市に取組が求められる視点として、1番、気候変動の対応、2番、生物多様性の確保、3番、ウェルビーイングの向上の3点を挙げています。2025年の1月9日に国土交通省が開催したセミナーの資料として、国土交通省の説明資料のほか、国立環境研究所気候変動適応センターの方の資料が掲載されています。国でも環境の専門家と連携をしているのだと思います。まちづくりの中で脱炭素ロードマップに掲げた取組を進めるためには、やはりまちづくりの担当と気候問題の専門家が連携して検討する必要があるのではないかと思います。脱炭素ロードマップの進捗管理に気候問題の専門家に入っていただくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東環境課長 ロードマップに掲げました取組につきましては、まちづくり部門を含め、まずは全て各所管において着実に推進していくこととしてございます。環境課におけます進捗管理は適宜適切に行うこととしてございまして、まちづくりにおける取組の進捗管理の手段として専門家を入れるということは考えてございません。
○武田委員 今、専門家を入れることは考えていないということだったんですけれども、やはり気候問題って待ったなしの問題ですし、かなり専門性の高い分野になるのではないかと思います。特にまちづくりに関連して、きちんと脱炭素ロードマップにのっとった数字が出てくるのかどうか。そもそも脱炭素ロードマップを作成するときに委託をしているわけですから、その辺を考えて本当に職員で管理できるのかどうかというのは改めて考えていただきたいと思います。東中野駅東口周辺のまちづくりが地域の声を生かして、さらに歩きたくなるまちづくりの取組となることを求めて、次の項の質問に移ります。
○杉山委員長 武田委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時59分休憩
午後3時19分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
武田委員、質疑をどうぞ。
○武田委員 では、引き続きまして質問をさせていただきます。
次に、ごみゼロ推進の取組について伺います。環境政策のうち、ごみゼロ推進の取組、区民、事業者の行動促進について伺います。東中野区民活動センター運営委員会では地域循環コンポストに取り組んでいます。この取組は、新たな人間関係づくり、暮らしの中で自然を感じにくくなっている、ごみについて地域で楽しく考えるという思いから始まったと伺いました。ランチバッグほどの大きさのバッグにキノコ栽培で使用した菌床を細かくした基材が入っており、そのバッグに生ごみを入れるというもので、バッグがいっぱいになったら回収拠点にある回転式コンポストに移して堆肥にするという取組です。回収拠点があり、堆肥にして活用するところも運営委員会が中心に担っているため、手軽に始められる点もよい点であると思います。完成した堆肥は、地区の祭りで公園の花壇に堆肥として利用したり、必要な人がもらっていくことができるとのことです。地域の専門学校との連携、幼稚園、保育園、4月に仮校舎に移転してくる特別支援学校との交流で鉢植えに利用したりするなど、地域の中でのつながりも広がっているとのことでした。この取組について、ごみゼロ推進を進める視点からどのように思いますか伺います。
○鈴木ごみゼロ推進課長 東中野区民活動センター運営委員会のコンポストの取組についてお答えさせていただきます。東中野区民活動センター運営委員会で実施しているコンポストの取組については、実際現場に行き、伺ってきたところであります。この事業に参加した方からは、生ごみが減ったことはもちろん、子どもたちが回転式コンポストを回しに区民活動センターに行き、楽しんでいるという声があったと聞いています。この事業では、ごみ削減の意識が高まることや区民活動センターに訪れる機会が増え、交流が生まれるなど、ごみ減量の観点からも地域交流の観点からも効果的であると認識しています。
○武田委員 今、二つの視点から効果的であるという御答弁を頂いたと思います。このような取組を各地域で広げていくための支援を行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 コンポストによる生ごみの堆肥化の取組は、基材の経費や堆肥化する労力、完成した堆肥の活用方法など様々な課題があり、一連の流れを全て各個人や家庭で実施することについては負担に思う方も多いと認識しています。その点、今回の例のように地域の団体として協働して実施することで、地域の交流や一緒にごみの減量について考えるきっかけにもなると考えています。生ごみの堆肥化等を実践する団体に何らかの効果的な支援ができるか今後検討していきたいと考えております。
○武田委員 個人で実施するのはやはり大変なものだろうなというふうに思います。今示された懸念点を解消するため、それと、地域の団体に働きかけをするということのために、東中野区民活動センターの取組というのを先進的な事例として紹介をして、区内で取組の希望者を募ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 この事例は、地域の区民が一緒になって生ごみの減量に取り組んでいた好事例として、ほかの地域や団体にも参考にしていただけるよう、ごみゼロ推進課が発信している「ごみのん通信」などで紹介していきたいと考えています。
○武田委員 今の紹介の方法なんですけれども、「ごみのん通信」が今、ホームページから見られるだけになっているというようなことが区民委員会の中であったのかなというふうに思います。これは、わざわざ興味のある方がホームページのほうを見に行って、やっと分かるということではない形の啓発の方法というのは考えていただきたいというふうに思います。また、このコンポストについて東中野区民活動センターで伺ったときは、やはりこのことをきちんと広めていける、この仕組みをつくった方が一緒に関わっていて、運営をしているという点も強みかなというふうに思っています。このコンポストについて対応できる方を地域の中に増やしていくようなコンポストマスターの養成みたいなものに取り組んでみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 生ごみの堆肥化については、堆肥の状態や堆肥化しにくい生ごみの種類など、堆肥化に関する知識やスキルを要するため、一定程度の知識と経験があることが有用となります。そのため、地域で一体となってコンポスト事業を実施する際にも、そのような人材がいることは事業の立ち上げや継続性が確保できると考えています。知識やスキルを持った方の人材活用についても併せて検討していきたいと考えています。
○武田委員 私もこれを伺ったときに、実際にコンポストを使う中で生ごみの水分を切ることがごみの減量につながるということが分かった。また、毎日の生活の中で生ごみの水を切ることが習慣になったというお話があったと記憶しています。実際に体験をする中で行動を変えていってもらう取組として有効であると思っています。昨年の決算特別委員会区民分科会で、学校を対象とした出前講座の実績がゼロだったことについて、依頼を待つだけではなく、連携を求めていくべきではないかと指摘したと思います。学校での取組、地域での取組などを広げるために、ぜひ地域に飛び出していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 3Rの推進については、地域に出て広く区民に説明していくことを心がけています。区民分科会で申し上げた出前講座は座学中心のメニューであるため、学校や保育園では環境学習と題して実際の収集作業が興味深く学べるよう、スケルトン車を活用した啓発を実施しているところであります。そのほかにも今年度は町会等の出前講座をはじめ、リサイクル展示室で回収した古着の区役所に出張してのリユース古着の提供や、新渡戸文化学園の文化祭では「ごみのん」の着ぐるみを登場させ、啓発するなどの事業を実施してきました。来年度も引き続き学校や地域に赴き、効果的な3Rの推進の啓発に取り組んでいきたいと考えています。
○武田委員 ぜひ本当に積極的に関係をつくるということを含めて取り組んでいただきたいと思います。環境施策については、気候関連の学習会の開催ですとか、再エネ・省エネ機器の購入費助成の拡充など、前進してきたと思います。しかし、待ったなしの気候危機対策、ごみゼロ対策には、さらなるスピード感が求められると思います。より積極的な取組を求めて次の項の質問に移ります。
では最後に、生活再建型の債権管理について伺います。2024年第4回定例会一般質問では、区は、区民税や国民健康保険料等の滞納者の生活再建に向けた支援につきましては、それぞれ納付相談から中野くらしサポートの窓口に案内し、必要な支援を受けられるようにしてきているところでございますと答弁されていますが、現状について伺います。税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料に加えて未収金が増加しているその他債権について、納付相談から中野くらしサポートにつないでいる件数などは把握されているのでしょうか。
○中谷企画課長 区の債権につきまして、各窓口などで納付相談があった場合には、必要に応じて中野くらしサポートへつないでいるところでございますが、その件数までは記録をしてございませんので、把握をしてございません。
○武田委員 実際には、じゃ、どの程度つながれているかということは把握をされていないということです。では、現状の現在の対応について、区としてはどのように評価をされているんでしょうか。
○中谷企画課長 税や保険料のほか、区の債権につきまして、滞納する理由は個々の状況によって様々であるということから、相談内容に応じて生活の支援が必要な場合には中野くらしサポートにつないでいるところでありまして、各債権の所管において適切に対応しているというふうに認識をしてございます。
○武田委員 件数等の把握もされていないところで適切に対応しているかどうかというところは評価できないんではないかと思うんですけれども、くらしサポートで生活再建に係る相談を受けた際の相談内容、必要な施策への提案などを共有する仕組みというのはあるのでしょうか。
○葉山生活援護課長 中野くらしサポートは、生活困窮者一人ひとりの相談内容に合わせ活用可能な制度やサービスを提案し、実施機関と連携しながら相談者と一緒に課題の解決に向けた支援につなげる役割を持っています。これまでのところ、中野くらしサポートから納付相談窓口に相談内容や必要な施策の提案について共有する必要のある事案はありませんが、必要に応じて適切に対応してまいります。
○武田委員 今、提案に結びつくような話はないということだったんですが、それもどなたが判断して、ないのかというところは非常に疑問だなというふうに思います。第4回定例会の答弁では、さらに効果的に支援を実施できるような組織や体制につきましては、基本計画の検討に合わせて令和8年度の組織を検討する中で考えてまいりたいと考えておりますとのことでしたが、実績を把握はしていらっしゃらないと。相談を受けている当事者の方たちとの意見交換をする場もないという状況で、効果的な支援というのをどのように検討するおつもりなんでしょうか伺います。
○中谷企画課長 関係所管が行ってきた連携の内容や各窓口で伺った当事者の声に加え、議会で頂いた御意見を踏まえて効率的かつ効果的に生活困窮者の支援や未収金対策を実施できる組織や体制について検討してまいります。
○武田委員 1月14日に少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会の視察で愛知県岡崎市に伺いました。視察の主たるテーマは住宅施策と福祉部門の連携でしたが、連携して業務を進める中で、家賃滞納で強制退去になる前に、また、債務不履行で強制執行される前に予防的な居住支援が必要であるとの観点に立ち、生活再建型の債権管理事業を立ち上げたとの話がありました。租税公課の差押えをされて生活保護の相談に行く前に相談に行く。家賃滞納で明渡しを求められて、住まいがなくなるなどの状況に至る前に生活上の課題を整理し、支援に結びつけようとする行政の姿勢として、すばらしいと感じました。岡崎市はこの視点に立ち、2024年1月に検討を開始し、7か月後の8月には事業を開始しています。区長会調査研究機構で1年間研究をし、報告後3年経過しても形が見えない中野区と大きな違いを感じます。新年度の主な取組に、相談体制について、複雑化、複合化した課題を抱える家庭への支援を強化するとして、コミュニティソーシャルワーカーの配置が掲げてあります。基本的にすこやか福祉センターに配置されるのだと思いますが、令和8年度の組織検討の中で中野くらしサポート、社会福祉協議会の福祉何でも相談、すこやか福祉センターなどを含めて重層的支援整備事業を再整理し、総合的な相談を受け持つ福祉総合相談部門を設置してはいかがでしょうか。
○中谷企画課長 次期基本計画を着実に実行していくために、令和8年度以降の組織を検討する中で福祉に関する相談の在り方についても検討していきたいと考えてございます。
○武田委員 ここでまたちょっと岡崎市のお話をさせていただきます。岡崎市では、総合的な福祉相談の窓口として福祉相談課が設置されています。その業務の一つとして生活再建型の滞納整理を位置付け、支援会議や重層的支援会議で関係機関の調整を行い、必要な福祉制度に結びつけ、生活困窮状態からの脱却を図るとしています。中野区でも産業振興課では経営相談は総合相談であり、生活上の問題を含めた課題の棚卸しが必要という整理をしています。岡崎市の考え方と同じ方向であると感じます。岡崎市方式で相談窓口の一本化を図り、生活再建型債権管理を進めてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷企画課長 生活再建に向けた支援と債権管理の窓口の一元化につきましては、業務の効率性や効果の観点からメリットとデメリットがあると考えてございます。岡崎市方式の相談窓口の内容についても研究してみたいと考えてございます。
○武田委員 メリット、デメリットのお話があったかと思いますが、それは区長会調査研究機構の報告の中で1年間研究をしているかと思います。改めて検討をしていただきたいと思います。債権に関する相談支援を円滑に進めるためには、滞納情報を集約していく必要があると思います。岡崎市では税法上の個人情報に関する規定の対応として、相談者から同意書をもらうことで滞納情報を把握しているとのことです。福祉目線で相談者個々の現状把握という観点であれば、時効が異なる、債権の成り立ちが異なるという理由で、できない理由は該当しないと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷企画課長 区民税や国民健康保険料などの重複滞納者から納付相談を受けた場合には、共通のアセスメントシートを使用して聞き取った情報を各債権の所管で共有するようにしてございまして、相談者の視点に立って同じ話を何度も伺うことがないように努めているところでございます。
○武田委員 以前はアセスメントシートを断念されたとおっしゃっていたので、それができたところは進んだところなのかなと思うんですけれども、相談者目線の窓口設置というものを早急に目指してほしいと思います。また、窓口の設置に当たっては、産業振興課が伴走型中小企業経営支援体制の構築に向けた考え方などについてで示された、職員が経営相談の現場に直接携わり、現状や課題などを把握しやすくすることで効果的な施策や事業の検討につなげていくといった考え方を参照し、現状把握、効果的な施策や事業の検討のために職員が携わるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷企画課長 債権管理対策会議や未収金対策PTにおきまして、区民税や国民健康保険、自立支援などの実務に携わり、現場の課題や状況を把握した職員が納付相談から生活支援の連携について検討してきたところでございます。引き続き、相談者の立場に立った窓口の在り方について検討していきたいと考えてございます。
○武田委員 基本的にはやはり福祉の目線というものを持った形で、単に払ってくださいと。どうやったら払えますかというような納付相談ではなくて、この方がなぜ払えないのか、払えない状況に陥ってしまったのかというところに目を向けて支援ができるという体制を目指していただきたいと思います。
さきに審議された第7次補正予算で個人所得が増加をしている、納付義務者が増えているということで、住民税が大幅に上振れをしたと。その一方で、国民健康保険料を減額する保険者支援、中でも最も減額率の高い7割減額の被保険者が増加をしたとの説明がありました。所得の格差が一段と広がっているのだなと感じます。また、予算特別委員会の要求資料厚生29、中野くらしサポート新規相談事業では、2022年度から2023年度の新規相談件数は300件減少しています。その中で、税金、公共料金の支払いの相談は44件から70件に増加、債務の相談は27件から62件に増加をしています。生活再建型の債権管理の取組をスピード感を持って進めるべきであると思います。複雑で複合化した課題解決に寄り添う総合的な相談窓口の設置を早急に実現することを求めて、私の全ての質問を終わります。
○杉山委員長 以上で武田委員の質疑を終了します。
次に、黒沢ゆか委員、質疑をどうぞ。
○黒沢委員 令和7年度予算特別委員会において都民ファーストの会中野区議団の立場で総括質疑を行います。私からは、東京都の予算項目をしっかり注視し、区民によい施策は漏れなく実施していただきたいという点を踏まえて、区民の皆様目線に立ち、特に来年度さらなる検討や前進が必要と考えることについて所管へ伺わせていただきます。また、当委員会での発言を着座にて行わせていただきますこと、御配慮いただきましてありがとうございます。これから先の質疑につきまして、着座にて失礼をいたします。
それでは初めに、介護現場への支援について伺います。先ほど武田委員より熱い質問がございましたが、私も介護現場への支援について質問します。区は、介護サービスを支える人材の確保を図ることを目的に、介護の仕事の魅力を伝える漫画とインタビューを記載したパンフレットを作成するとしております。昨今の核家族化もあり、子どもたちが介護を受ける場面や制度を生活の中で知る機会は少なくなっていると感じております。こうしたきっかけから、介護が必要になったときには介護を受けることができるということや、介護に関わる仕事を選ぶことにもつながるという可能性があり、介護の魅力を発信する観点から歓迎をするところです。他方、区の目的である介護サービスを支える人材の確保を図ることにおいては、ほかにも考えるべき切り口があると考えます。現在、区ではどのような施策を用意していますでしょうか。区の考えをお聞かせください。
○落合介護保険課長 介護従事者の初任者研修、実務者研修等の受講費用や、介護福祉士資格の受験費用の助成による定着支援を行うとともに、介護の魅力発信事業として介護サービス事業所連絡会が行う広報事業等への補助を行っております。また、介護業務未経験者が基本的な知識を学ぶことができる介護に関する入門的研修を実施し、研修修了者と区内の介護事業所等とのお仕事相談会を実施しております。研修修了者やお仕事相談会の参加者は、令和5年度、令和6年度ともに50人を超えており、生活援助サービスや通所・居住・施設系サービスの介護職員の雇用につなげるように取り組んでおります。
○黒沢委員 これまでも同じような取組を継続して行ってきてくださっていると思います。それについては何年間も同じ施策を続けることで周知されまして、認知も広がってきたのかなというふうにも受け止めております。一方、今年度は国の報酬改定により、介護事業者にとって混乱の幕開けとなってしまいました。東京都は、これまで国が必要な見直しを講じるまでの間、特別の措置として介護職員、介護支援専門員に対し、1万円から2万円の報酬ベースアップや家賃補助支援制度をつくり、実施してきましたが、経営は厳しい状況でございます。都の来年度予算において介護保険制度における介護職員等の昇給の在り方検討調査事業を開始するとともに、報酬改定で特に厳しい状況であると言われている中小規模の訪問介護事業所に対して、昨年度私が区に検討を求めていました介護職の雇用の際に発生する経費や、支援先に向かうには欠かせない電動アシスト自転車購入に係る経費、EV車、EVバイクの導入を支援すると予算案で示しました。中野区の訪問介護事業者やケアマネジャーは、主に電動自転車で移動されていることがほとんどです。まさに今こそ中野の地域特性に合わせた介護職員への支援が必要と考えます。区としても情報の周知など、積極的な活用の後押しをしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○落合介護保険課長 東京都の来年度予算にある当該支援事業については、具体的な実施内容が示されましたら区内介護サービス事業所向けの専用サイトですとか。中野区介護事業所連絡会に対する情報提供等で周知を行ってまいります。
○黒沢委員 ぜひ周知をしていただきたいというふうに思います。また、中野区の独自の施策というところもぜひ検討が必要だというふうに思います。そこで防災危機管理課に伺いますが、区では自転車用ヘルメットの普及のため、購入費の一部助成や中野区または中野・野方消防署開催の講習会に参加した方にTSマークの貼付の助成券を発行しております。来年度も継続予定とのことですが、区民のお宅を訪問する訪問介護従事者や居宅介護事業所などに活用いただけるようにすることは普及の面でも効果的と考えますが、いかがでしょうか。
○久保生活・交通安全担当課長 自転車用ヘルメット等の普及啓発についてでございますが、東京都が介護事業者支援策を検討していることは報道等で承知しており、注視しているところでございます。区が行っている自転車用ヘルメットの普及啓発を目的とした購入費の一部助成は、区内在住者を対象としております。特定の事業者だけを対象にすることはできず、区内在勤の方まで拡大することについては、他区等の動向を研究させていただきたいと考えております。自転車を業務で利用する方への安全利用に関する啓発は必要と認識しておりまして、自転車安全利用講習会への参加は促してまいりたいと考えております。
○黒沢委員 ぜひ自転車用ヘルメットのほうも他区の状況を含めてなんですが、検討していただきたいというふうに思います。自転車講習会では自転車安全点検整備費用の助成券2,000円分を交付しておりまして、点検を受けると1年間の損害補償保険を附帯されます。自転車保険は義務化されているため、介護事業者連絡会などでぜひ周知をしていただきまして、有効活用いただけるようにしていただけたらというふうに思います。介護事業者への区独自の支援策については、このような防災危機管理課とのコラボレーションのように庁内横断の仕組みができると、介護保険課だけで取組を推進することで施策が小さく収まってしまいがちなところを広く展開できる可能性があると考えています。所管としては庁内外の連携体制をどのように評価し、今後どのように取り組みたいと考えているのか伺います。
○落合介護保険課長 庁内の連携につきましては、現在、介護サービス事業所向け研修の共催や、事業所向け専用サイトや介護サービス事業所連絡会を通じた情報提供などを行うとともに、防災については介護職員宿舎借上げ支援事業において災害時の協力協定を締結した事業所等に補助率を上乗せし、令和7年1月現在、協定締結事業所は24事業所となっております。日常の業務における情報共有や連携した対応とともに、定例的な会議や各種計画の検討など、施策や取組の推進に当たっては庁内外の連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
○黒沢委員 既に連携もあるかも、あるというところだと思うんですけれども、介護保険、国の制度と考えられがちですけれども、保険者は中野区ということで、先ほど武田委員からも産業振興との連携なんていうお話もありましたけれども、まだまだ連携の可能性はあると思っておりますので、介護保険課、そして今聞いてくださっている所管の皆様方におかれましては、課題を掛け合わせるなどをしてクリエイティブに介護現場を支える取組ができないか、ぜひ検討していただきたく要望し、次の項に移ります。
2、妊産婦、子育て支援について、(1)妊娠初期の支援について伺います。妊娠15週までの妊娠初期については、つわりによる就労困難や出産する病院の予約、出生前診断を医師に打診されて選択を迫られること、流産の確率の高い時期であることなど、心身の変化が著しい中で様々な意思決定があり、個人差はあるものの悩みが浮上しやすい期間になります。この期間に行政が関われるのは母子手帳を交付するときです。母子手帳交付時には妊婦さん御自身の状況についてアンケートを記載しますが、そのときは特に困難な状況でなくても日々体調の変化があるのが実情です。今後何か心配なことがあれば、すこやか福祉センターへ相談できますよとの御案内がありますが、働く女性にとっては平日の日中に相談予約を取ったり、電話をすることも難しい環境になっている場合も多くあります。平日の仕事後や土日に相談できる体制、SNSやメール、電話相談の案内も必要ではないでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターでは、夜間、休日しか時間をつくれない妊婦に対し、東京都の妊娠相談ほっとラインや助産師による相談など、夜間、休日も相談ができる窓口を御案内しております。今後は、妊娠届やかんがるー面接の際に、これらの相談窓口の周知も行ってまいります。
○黒沢委員 聞くと教えてくれるというところはあると思うんですけれども、その前にやっぱり相談できる場所というのを周知していただけると非常によいと思っておりまして、東京都では妊産婦向けの助産師相談ということで、土日を含んだオンライン相談や妊娠相談ほっとラインというところもあります。今お話がありました。こうした制度を最初から教えていただけたらというふうに思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、先ほど中村委員からもお話がありましたが、保健師等が妊婦と面談をするかんがるー面接というのが妊娠20週以降というふうになっておりまして、それまでの相談先や情報が取りづらくなっています。このスライドは中野区が作成したかんがるーブックで、この赤い丸で囲っている部分が妊娠20週前に使うことができるサービスになります。例えば産前家事支援事業を行っていますが、そうした制度を知ることのないまま期間が終わってしまったというような声も伺いました。妊娠20週までに起こり得る体の変化や想定し得る困難に対して、母子手帳をお渡しする際には特に丁寧に説明を行っていただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 妊娠届の際には母子健康手帳等の交付とともに、産前産後に利用できるサービスについても御案内をしているところでございます。令和7年度からは妊娠届の際にかんがるーブックをお渡しし、妊娠初期に受けられるサービスについて、より分かりやすく丁寧に御案内をしていきたいと考えております。
○黒沢委員 その少しの数週間のことで諦めて仕事を辞めましたというような方もいらっしゃいますので、そこはぜひお願いしたいというふうに思います。
次に、(2)の医療的ケア児の支援について伺います。予算案の主な事業において、障害児通所支援事業所の開設準備に係る費用の補助として、重症心身障害児を主たる対象とする放課後等デイサービス事業所及び保育所等訪問支援を行う事業について、開設準備に係る人件費の費用を補助するとされました。本日は事業所さんに許可を頂きまして、会社の主な施設の様子をスライドに投影させていただきました。こちらの事業所さんは昨年度開設された施設で、私もオープン前の物件探しのときから定期的にお話を伺ってまいりました。本当に想像以上にコストがかかるということを改めて思い知らされました。現在、子どもたちがこの写真のように笑って過ごされていますが、当時は中野区に開設準備補助がないということで、本当に工面が大変だったんじゃないかなというふうに思っております。ほかの区にはあるのにということの声を伺いまして、昨年より要望を重ねてまいりました。こちらの補助事業というのは東京都の財源を使った効果的な施策だと考えておりまして、今回の予算案に入ったということは本当によかったと思っております。医療的ケア児の施設を運営する経営者にもこういった予算案になったというところを共有したところ、事業の拡張を考えることができるかもしれないというようなうれしい会話も生まれておりまして、多様なサービスが立ち上がることで子どもたちの選択も増やすことができるというふうに思います。こうした障害福祉事業者に対してのフォローアップというところは、ぜひ区として力を入れていただきたいと考えております。
他方、医療的ケア児を育てる保護者の方からは、どんな支援制度があるのか十分に分からなかったり、制度があっても医療的ケア児の場合にはヘルパーが見つからなかったりするなどのお話も伺っております。そこで現状を確認させていただき、必要な対策について検討していただきたいというふうに思っております。まず、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、3年が経過いたしました。この3年間どのような取組を行い、来年度注力することは何か教えてください。
○網野障害福祉サービス担当課長 区では法の基本理念を踏まえ、医療的ケア児及びその家族に対する必要なサービスを提供するため、医療的ケア児等支援地域協議会を設置し、医療、福祉などの関係機関との情報共有や議論を深めるとともに、医療的ケア児等コーディネーターの養成、医療的ケアを必要とする児童が身近な地域で療育や保育が受けられるよう新たな体制整備などを進めてきたところでございます。令和7年度につきましても引き続き、身近な地域で相談や療育、保育が受けられるよう、医療的ケア児等コーディネーターの養成や医療的ケア児の受入れ体制の拡充を図っていく考えでございます。
○黒沢委員 3年間でいろいろと議論が進んだというところは議事録などでも傍聴でも伺っております。来年度というところも具体的に進めていただきたいなというふうに思っております。実際の医療的ケア児の支援というところでは、区はどの時点から介入し、初期の支援としてはどのようになっているのか伺います。
○平田鷺宮すこやか福祉センター担当課長 実際に妊産婦や乳幼児の支援を行っているすこやか福祉センターでございますが、妊娠中や出産後に病院等からの情報提供により、生まれたお子さんに医療的ケアが必要であるということが判明した場合、地区担当保健師がその情報により支援を開始しているところでございます。いずれの場合におきましても、すこやか福祉センターでは、お子さんが医療的ケア児であることを把握した時点で妊産婦に寄り添いまして、妊産婦の心理的サポートや退院後の在宅に必要なサービス導入に向けた支援を行っているところでございます。
○黒沢委員 基本的には病院のほうなどから区に連絡が入って、取りこぼすことなく、きちんと中野区が支援に結びつけることができる状況になっているという理解でよろしいですか。
○平田鷺宮すこやか福祉センター担当課長 ほぼ全てのケースにおいて病院から情報は頂いているところでございます。生まれたお子さんに医療的ケアが必要な場合、地域での支援が必要なので、そういった場合にはすこやか福祉センターの保健師のほうに連絡が来るという、そういう仕組みになってございます。
○黒沢委員 まずは、支援がきちんと入るというところができているということが確認できて安心をしました。また、医療的ケア児が在宅生活をする場合、制度が複雑であることから、相談する際には医療的ケア児コーディネーターの資格のある相談支援専門員が望ましいというふうに考えております。医療的ケア児に関する障害児支援利用計画について、セルフプランとなってしまってはいないでしょうか。また、今後、医療的ケア児コーディネーターを取得する相談員を増やすべきと考えますが、併せて見解を伺います。
○網野障害福祉サービス担当課長 医療的ケア児につきましては、全ての方が指定特定相談支援事業所により障害児支援利用計画を作成しており、セルフプランとなっている人はございません。しかしながら、医療的ケア児につきましては可能な限り医療的ケア児等コーディネーターとして登録している相談支援専門員による計画づくりが望ましいと考えておりまして、今後の医療的ケア児の増加や、より質を高めていくためにも計画的に相談員を養成していく考えでございます。
○黒沢委員 支援コーディネーターをしっかりと配置して、対応ができる体制をというところをぜひお願いしたいと思います。加えて、保護者がお子さんの暮らしにおいて利用できるサービスはどんなものがあるのかというところで、全体像が分かりづらいというお声も頂戴しております。江戸川区や江東区などでは医療的ケア児に特化したガイドブックを作成し、保育園、学校、療育、手当、防災、バリアフリーマップ、理美容など、分かりやすく将来を見通せる内容になっております。中野区においても複雑な制度を分かりやすく伝えることができるよう、中野区版のガイドブックの作成を求めますが、区としていかがでしょうか。
○網野障害福祉サービス担当課長 医療的ケア児を抱える保護者の多くは、介護による時間や行動の制約からサービスや情報の取得に課題を抱えているということは、区が行ったアンケート調査からも明らかになってございます。こうした状況を踏まえまして、必要なサービスや使用できる行政サービスが行き届くよう、他自治体の事例も参考にしつつ、ガイドブックの作成や区ホームページなどを活用した分かりやすく伝わりやすい広報について検討してまいります。
○黒沢委員 ぜひお願いしたいと思います。中野区においては「障害福祉のしおり」というものが1冊出ておりまして、この中から該当するものを探すというような仕組みになっております。医療的ケア児の保護者がどの制度を使うことができるのかというところを見つけるというところが困難であると。コーディネーターの方から教えてもらうということはあるんですけれども、抜け漏れですとか、後から必要になったりとか、そういったときに自ら使いたいなというふうに言えるということが大事だと思いますので、ぜひ対応していただきたいなというふうに思います。そして、現在この「障害福祉のしおり」というのは、区役所やすこやか福祉センターに取りに来て入手するというところが基本のようになっておりまして、医療的ケア児の保護者の方からは、子どもを連れて出かけることはハードルがあるというところで、入手できないというところで、何か送付をしたりですとか、そういう対応をしてほしいという声も伺っております。また、相談支援専門員、医療的ケア児コーディネーターの方々に協力を依頼することも一つだと思いますが、区としてお考えをお聞かせください。
○網野障害福祉サービス担当課長 まず郵送対応につきましては既に行っておりまして、障害福祉課に御連絡いただいた方に送料を負担していただき、個別に対応しているところでございます。また、「障害福祉のしおり」の配布につきましては、相談支援専門員や医療的ケア児等コーディネーターが集まる情報連絡会などで周知し、必要な方に届くように協力を依頼してまいりたいと考えてございます。
○黒沢委員 郵送対応も問合せがあればしているというところだというのは、ホームページ上では分からないことになりますので、ぜひそういったこともしっかりホームページに掲載をしていただきまして、サービスの向上を図っていただきたいと思います。
また、次に、医療的ケア児のいる御家庭向けの支援メニューについて伺わせていただきます。重症心身障害児(者)等在宅レスパイトサービスは、訪問看護ステーションの看護師等が自宅に出向き、介護を行う家族に代わって一定時間の医療的ケアを行うことにより、重症心身障害児(者)の健康の保持及びその介護を行う家族等の負担軽減や就労等支援を行う事業です。学校の校外学習で親の同行などが求められていることから、働くことができないなどのお声を伺っており、親の就労支援の観点からもぜひ導入を学校などへの支援というところにもお願いしたいというふうに思っております。会派の重点要望として、この制度を自宅外で利用できるよう拡充すべきというふうに要望してまいりましたけれども、現在の区の考えというところをお聞かせください。
○網野障害福祉サービス担当課長 在宅レスパイト事業につきましては、東京都の実施要項に基づき実施をしておりまして、中野区においては自宅外の看護師派遣を認めていない状況でございます。一方で、保護者の就労状況、就労等の事情から、学校でのレスパイト事業の拡大について一定の需要があることは把握しているところでございます。保護者のニーズ、他自治体の状況及び特別支援学校内におけるサービスの提供を踏まえ、今後、学校等関係機関とも協議を図りながら検討をしてまいります。
○黒沢委員 学校というところにおいては検討をぜひしていただけるという方向性なので、少し安心をしました。また、学校のみならず屋外での移動が困難な障害児(者)が社会生活を送る上で必要不可欠な外出、例えば役所や銀行、郵便局などですね。及び趣味やボランティア活動などの余暇活動、生活上、一般常識的に必要な外出、冠婚葬祭であったり、選挙の投票であったり、社会参加のための移動を支援するために、移動支援という事業を利用できるというふうにされております。区のホームページでも、買い物であったり、冠婚葬祭、介護者の疾病等による不在のときの通所及び義務教育等通学支援を除く通学、その他の外出時の付き添い可能というふうにしてありました。しかし、看護師は移動支援に従事はしておりません。そういったことから親の同行が求められているという場合を伺っております。
こちらの方ですね、本日は中野区にお住まいの高校生の方の事例について許可を頂き、投影させていただきました。放課後、ヘルパーさんと一緒に区民活動センターで歩行をしたりして過ごしているそうです。保護者の同伴を求められているという状況が続いております。高校3年生になりまして、来年から障害者になるというところもポイントです。この場合も親の就労が阻まれておりまして、本人が保護者の同伴を求めていなくても一緒に行動をしなければならない状態です。現行の移動支援制度には問題があるというふうに言わざるを得ないと思います。そのことから、看護師が従事する重症心身障害児(者)等在宅レスパイトサービスで自宅外に拡充をしていただく。本人の移動支援というニーズにも応えられるように制度を広げていくことを求めてきました。このような場合について対応できるように検討してほしいと改めて伺いますが、いかがでしょうか。
○網野障害福祉サービス担当課長 外出や余暇活動につきましては、屋外での移動が困難な障害者などに対して外出のための支援である移動支援事業の中でのみ対応しているところでございまして、現時点では在宅レスパイト事業の中で外出や余暇活動など移動支援ニーズまで制度を拡充する考えはございません。
○黒沢委員 そうした考えがないというところで非常に残念に思います。他区の事例とか、全国的にどういった事例があるのかというのを私のほうでも調査をいたしまして、金沢市のほうに医療的ケアが必要な児童が外出する際に、看護職員が医療的ケアを行う移動介護というものを行えるサービスとして、医療的ケア児移動介護支援事業というものを創設されたというものがありました。ぜひ中野区においても、この在宅レスパイトの拡充が難しい、検討しないということであるならば、こういった新たな制度というところで、18歳の壁も考慮して施策の検討をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○網野障害福祉サービス担当課長 委員御案内の事業につきましては、医療的ケア児の移動に当たり、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動など社会参加のための外出において、人工呼吸器管理など日常生活を営むために必要な医療を看護師が個別に支援するものと認識してございます。医療的ケア児を抱える保護者の中には、外出の際に既存の制度では対応が難しい事例も一部あることは認識しておりますが、こうした制度を創設する場合の課題として、医療職不足における看護師の確保、外出時に医療的ケアを行うに当たっての安全性や衛生面の確保なども踏まえる必要があると考えており、当事者ニーズや対応できる事業者の把握に努めながら慎重に検討してまいります。
○黒沢委員 今おっしゃっていた人の問題と安全性などの問題、その課題というところが見えてきていると思いますので、しっかりとその課題に対して何ができそうかということを考えていただきたいというふうに思います。要望をして次の質問に移ります。
(3)の計画相談支援体制及びサービスの整備について伺います。区は、計画相談支援等の体制整備について一義的な責任を果たすことが求められています。障害者計画においても、区は区立療育センター内指定相談支援事業の開設や、利用計画作成を実施する区内民間事業者への運営補助制度の創設など、体制整備を行ってきたというところですが、保護者等による障害児支援利用計画、いわゆるセルフプランは依然として2割を超えており、課題として挙げられています。厚生労働省は、安易に申請者をセルフプランに誘導することは慎むべきと通知をしています。一方で、利用者が希望する場合にセルフプランが利用できるとされているほか、障害者本人または保護者のエンパワーメントの観点からは望ましいものであるともされています。区は現状をどのように受け止め、課題に対して取り組んでいるのでしょうか伺います。
○鳥井障害福祉課長 セルフプランでございますが、利用者本人の意思に基づいたセルフプランであるべきと考えてございます。中野区におきましては、急増する障害児通所サービスの利用に対応する指定障害児相談支援事業所等の体制が不足している状況があるため、計画作成事業者を確保できない場合にはやむなくセルフプランの作成をお願いし、必要に応じてすこやか障害者相談支援事業所による作成支援を行いながら、セルフプラン作成を進めてまいりました。また、体制整備の取組といたしましては、区立の療育センターにおいて相談支援事業を実施するとともに、一定量の利用計画案を作成する事業者に対し、運営費を補助するなどの働きかけも行ってまいりました。今後も相談支援体制の整備に努めてまいります。
○黒沢委員 今後も支援を行っていくということで、例えば半年後、1年後にどの程度の件数が見込まれるのかなどの情報を適切に事業者側に提供して、事業者側が将来的な業務計画を立てられるということができる環境づくりを進めていくことが極めて重要と考えます。現在は、そうした事業所との密なやり取りというところは行われているのでしょうか。
○鳥井障害福祉課長 区に相談支援事業所の開設に係る御相談があった場合には、中野区におけます障害児相談支援の現状等について情報提供を行ってございまして、障害児相談支援を中心とした事業を展開していただくようにお願いをしております。令和4年度以降に区内に新規開設した事業者については、障害児相談支援を中心に事業展開をしていただいている状況でございます。このような状況でございますので、令和6年度の開設事業者は既に36人の障害児に対して新たに支援利用計画案の作成を行ってございまして、今後も適切な情報提供に努めてまいります。
○黒沢委員 障害児の支援というところが非常に課題だったと思いますので、区として働きかけてくださっているということなんですけれども、受け身ではなく、もっと積極的にそういった事業所さんに情報が伝わるように動いていただけたらというふうに思います。お子さんの障害や特性に応じた支援を総合的に判断して相談支援を行いながら、障害児支援利用計画の作成ができる障害児相談支援事業所の体制整備というところは、引き続き構築を進めていただきたいと要望いたします。さらには通所支援やグループホームの運営状況など、利用者数についても併せて考慮することが必要です。相談支援専門員は各サービス事業者へ連絡をして、医療、福祉、住まいなど様々なコーディネートをしていますが、区内のサービスが空いていない、そして断られるなどの場合もあって、コーディネートに苦慮する状況も伺っております。そうした場合、私などに連絡が来ることもあるんですけれども、現在、特定相談支援事業所等のバックアップ体制というのはどのように行われているのでしょうか。基幹相談支援センターの配置等を通じて研修の実施による人材育成や、特定相談支援事業所等からの困難事例に関する相談、当該事例について地域の関係機関へフィードバック等をする体制をつくることが望まれます。現在の取組状況はいかがでしょうか。
○鳥井障害福祉課長 まず、特定相談支援事業所におきまして支援を進める際に苦慮されている事案につきましては、個別に障害福祉課の基幹相談支援センターに御相談を頂いてございます。その中で区内の事業所で対応が難しい場合につきましては近隣区の事業所を検討するなど、特定相談支援事業所の相談支援専門員の方々とともに協力して、コーディネートを進めてございます。また、障害福祉課の基幹相談支援センターにおきましては、区内の特定相談支援事業所等の機能強化のため、障害福祉人材研修の充実を図ってまいりました。令和6年度からは、中野区障害者自立支援協議会内に設置されました相談支援専門員連絡会によりまして、事業所内の相談支援専門員の相談支援技術の向上や事業所間連携を目指した取組を実施しているところでございます。
○黒沢委員 この1年間で少し活性化してきたのかなというのは伝わってまいりました。相談支援事業所さんのほうには、かなりこういった必要なサービスをたくさん、これからこういうのができたらいいのにというようなものが集まっていると思いますので、これからぜひ密に連絡、連携を取っていただきながら、サービスというところを生み出すほうにもしっかりと対策、検討というところに結びつけていただけたらというふうに思います。区が積極的に介入することによって障害福祉サービスの全体像を把握し、不足が見込まれる事業に対して事業者から声を適切に把握した後手にならない施策展開ができるというふうに考えます。その中でも障害児の家族の就労継続の観点から、夕方から夜の支援を求める声というところは高まってきている状況と考えており、障害者総合支援法に基づく障害児のための福祉サービスにとどまらず、多様な社会資源を探っていく必要があります。
そこで、(4)の中高生における障害児の放課後及び長期休暇中の居場所について伺います。小学生については学童クラブという選択肢があります。小学校6年生まで障害児のお子さんは通われている方がいらっしゃいます。中学生になると放課後や長期休暇中の居場所は少なくなります。障害のあるお子さんを育てる保護者にとっては仕事を続けられるかの瀬戸際に立たされます。令和5年11月の一般質問において、育児と仕事が両立できる新たな居場所整備を求め、区は放課後等デイサービスの新規事業所の開設相談の際に時間延長の働きかけを行っていくとともに、長期休暇中の居場所に関する他自治体の調査研究や、事業所や利用者のニーズの把握を行った上で新たな居場所整備を検討していくと答弁をされております。あれから1年が経過いたしました。調査研究やニーズについてどのように捉え、来年度はどういった取組を行っていくのか確認させてください。
○網野障害福祉サービス担当課長 放課後等デイサービス事業所における時間延長につきましては、事業所研修や個別相談の中で働きかけを行っており、現在20事業所が延長加算を得ている状況にございます。一方、長期休業中の居場所に関しては、区内事業所との意見交換の中では、人員や労働条件の確保の問題など課題もあると伺ってございます。保護者の就労状況等を踏まえると一定の需要があることは推測されることから、保護者向けニーズ調査を実施するとともに、実施している事業所への視察や意見交換を行う機会を設けていきながら、引き続き検討してまいります。
○黒沢委員 昨年度よりもちょっと一歩進んで、調査研究というところが具体的に行われるような御答弁だったかと思いますので、期待をしております。
関連いたしまして、(5)のベビーシッター利用支援事業について子育て支援課に伺いたいというふうに思います。区は、都の補助制度を使って、現在0歳から小学校就学前までのお子さんを育児している保護者に対し、日常生活上の突発的な事情やリフレッシュの目的により、一時的に保育が必要となった保護者やベビーシッターを利用した共同保育を必要とする保護者に対して、ベビーシッターの派遣による保育サービスを受けた際の保育利用料の一部を補助し、経済的な負担軽減を図っています。会派の重点要望において、特に障害児を養育する家庭では、小学生になっても未就学児同様に支援を必要とする御家庭があることや、他害のあるお子さんや他の児童との相性により放課後等デイサービスに通所できないなどの御家庭へ支援が急がれることや、ひとり親家庭、多胎児の兄弟児、そして単身赴任など多様なニーズに対応できるように、ベビーシッター利用支援事業の対象年齢を小学校3年生まで拡充することを求めてきました。区の予算案において、その要望を反映していただけていないようなところがありまして、大変残念に思っております。その理由についてお聞かせください。
○分藤子育て支援課長 東京都によるベビーシッター利用支援事業の補助対象児童を小学3年生までとするには、区が学童クラブ待機児童対策計画を策定し、当該計画の中で本事業を待機児童解消のための対策に位置付ける必要がございます。しかしながら、区内学童クラブの待機児童は、他の対策によりほぼ解消される見込みであり、将来的に都の補助要件を満たさなくなるおそれがあることや、当該補助事業が時限的な取扱いであることから、対象年齢の拡充は慎重に対応する必要があると考え、ニーズや他区の実施状況、今後の都の補助制度の動向等を踏まえ、引き続き慎重に検討していくこととしたためでございます。
○黒沢委員 制度設計については、都が来年度予算案で明らかにしている東京都認証学童クラブ制度では、児童一人につき1.98平方メートル以上の専用区画を想定されておりまして、中野区が現在採用している国の基準とは異なっております。来年度の待機児童の考え方についても慎重に検証が必要になるのではないかというふうに考えます。そして、私も議会のほうと連携して改善できるように政治的にも時限的な措置にならないような制度となるように働きかけていきますが、ニーズについてというところでは、先ほど障害児の放課後の居場所のお話をいたしましたが、必要としている児童がいるということは事実ですので、ぜひ障害福祉課などと連携をし、施策を検討していただきたいとお願いしたいと思います。さらに東京都の令和7年度予算案においては、当事業の一時預かり利用支援について、障害児、ひとり親家庭の利用上限時間の引上げや障害児の利用対象年齢をさらに拡充することとなっております。中野区においては子育て先進区を掲げていることからも、ぜひ一番に取り入れていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
○分藤子育て支援課長 都の補助制度の拡充内容について詳細を確認するとともに、障害福祉担当など関係所管と連携をしまして、ニーズの把握を行い、利用上限時間や対象年齢の拡充について検討をしてまいります。
○黒沢委員 ぜひ検討していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
では次に、3、公園再整備について、(1)丸山塚公園について伺います。令和6年度は、第3期再整備公園として丸山塚公園においてワークショップやオープンハウス等により、公園利用者等の意見を聞きながら基本設計を行う方針が今年度6月の建設委員会で報告されていました。今はオープンハウス、小学校出張授業、ウェブアンケート、第1回から第3回目のワークショップが終わり、私もオープンハウスに伺わせていただきましたが、とてもよい取組であったと評価をしております。一方で、丸山塚公園を利用している乳幼児の保護者からは、ちょうど今年度は公園の工事が度々重なっていた時期で、ほかの公園に行くようにしていたため、ワークショップなどの試みの情報を取りこぼしてしまったという声を伺いました。公園課としては、公園を利用している子育て中の保護者の目線の意見聴取は十分に得られたとお考えでしょうか。実際にどれぐらいの声が集まったのか教えてください。
○村田公園課長 丸山塚公園再整備での意見聴取では、オープンハウスや小学校出張授業のほか、小学校や保育園を対象にアンケートを行うなど、子どもや子育て世代の声を聞くための取組を行っているところでございます。声といたしましては、オープンハウスでは様々な世代、27名の方から92件の意見を頂きました。ウェブアンケートでは、一般の方24件、小学生258件、保育園4件の意見を頂いているところでございます。今後も子育て世代をはじめといたしまして、多くの御意見等を頂けるよう創意工夫してまいりたいと考えてございます。
○黒沢委員 まだまだ件数は伸ばせるんじゃないのかなと感覚的には思うような数字であったと思います。子育て世代や若年層は、SNSだったり、LINEを通じて情報を得ていることが多く、私に声を寄せてくださった方も中野区公式LINEに登録しているということですが、こうした区が行っている地域への説明会やワークショップの情報は流れてこないということを伺っております。LINEの情報提供にはミスマッチがあるというお声も併せて頂戴してしまいました。乳幼児に関する情報というのはかなり来るというところはよかったというところは伺ったんですけれども、こういったまちづくりに関してまだまだできることがあるのではないかと考えております。そこで広聴・広報課に伺いたいのですが、渋谷区の渋谷マイポータルのように必要な情報やサービスをお届けする渋谷区公式パーソナライズドサイトや中野区公式LINEを用いて、まちづくり関係などの説明会、ワークショップ、ウェブアンケートなどをお住まいの地域や勤務地、近隣の公園について登録することで、プッシュ型で情報が得られる仕組みを検討してはいかがでしょうか。
○矢澤広聴・広報課長 区では区公式LINEを活用して、子ども・子育て、健康福祉、イベント情報など、区民のニーズに合った情報をお届けするセグメント配信を2023年7月から行っているところでございます。このセグメント配信は住所ごとに分けて情報を配信することも可能でございますので、今後はこの機能を周知し、必要な情報がピンポイントに届くようにしてまいります。
○黒沢委員 地域に特化した情報というところもシステム上可能ということなので、ぜひ今後の広がりを期待したいというふうに思います。ありがとうございます。
(2)のみずの塔公園についてに移ります。みずの塔公園は、中野区公園再整備計画におきまして、再整備を行う中核公園として位置付けられ、地元町会の盆踊りなどでも毎年にぎわう北東部において重要な公園の一つでございます。区は、補助第26号線の整備スケジュールに合わせて、地域の声も聞きながら再整備を進めていくと過去の議会でも答弁はされておりました。現在の進捗状況としましては、隣接する東京都下水道局の道路用地について今年度中に東京都へ移管されると伺っており、動きを見せております。また、昨年10月下旬より水道管耐震化工事のため、隣接する東京都水道局の土地において防音万能塀が設置されたこともありまして、地域の方から今後どうなるのかというような不安の声を頂戴しました。一般的に道路用地においても、管理の側面からフェンスなどが設置される可能性もあります。圧迫感を感じる景観となってしまうのではないかなど、地域からまた不安の声が上がってくる可能性もあります。そうした地域の声を聞きながら柔軟な対応ができないか、区から都へ要望をしていくべきではないでしょうか伺います。
○村田公園課長 みずの塔公園の補助第26号線用地の買収後につきましては、公園の出入りや見通しなどの配慮を東京都に求めていきたいと考えてございます。
○黒沢委員 また、再整備に当たっては、補助第26号線拡幅事業で減ってしまう面積を補い、増やしていただけるように水道局の工事期間を速やかに確認し、早期に公園用地の取得ができるよう東京都水道局に対して交渉を行い、区の再整備計画などで明記をしていくべきだと考えます。区の見解を伺います。
○村田公園課長 東京都水道局へは、隣接する水道局用地をみずの塔公園の拡張用地として活用する可能性について話合いをしていきたいと伝えておりまして、東京都水道局とは現在も定期的に情報共有を行っているところでございます。公園拡張に協力を頂けるよう、水道局の工事が終わる時期を見込んで区としての考えを整理、検討し、引き続き適切に連絡調整を図っていく考えでございます。
○黒沢委員 何年も前からというところがあります。工事の進捗というところが、動きが目に見えてあると、やはり地元の方々は、何か起きているなというところで心配や不安も広がりますので、ぜひしっかりと文言として明記できるようにお約束を取り付けていただきたいというふうに思いますので、要望として終わらせていただきます。
○杉山委員長 以上で黒沢ゆか委員の質疑を終了します。
次に、ひやま隆委員、質疑をどうぞ。
○ひやま委員 令和7年第1回定例会予算特別委員会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告のとおりです。時間も迫っておりますので、早速質疑に移ります。
それでは、まず新年度予算案について歳入から伺ってまいります。令和7年度予算案は、一般会計で1,949億9,600万円となりました。区の基幹収入であります特別区税、特別区交付金は、前年度に続き伸びています。まずは特別区税からその要因について伺います。
○滝浪税務課長 特別区税が増加した主な要因といたしましては、定額減税の大幅な縮小、一人当たりの総所得金額の増、所得割納税義務者数の増と考えてございます。
○ひやま委員 納税義務者数で考えれば、現在、区内では中野駅周辺、それから西武新宿線沿線を中心にまちづくりが進行しています。マンションを中心とした集合住宅もどんどん増えておりまして、特に中野駅周辺でいえば、今年度から駅周辺のマンションの入居も始まっております。こうした現在進められておりますまちづくりの進展が納税義務者数の増にどの程度寄与するのか。この点についてはどのように分析されておりますでしょうか。
○滝浪税務課長 まちづくりの進展により大規模の集合住宅が増えれば区外からの転入も増え、区民税の納税義務者が増える要因となるものと考えてございます。既に入居が始まっている新築の集合住宅の居住者数は中野区全体の人口に反映されるため、翌年度の区民税の納税義務者の増として見込んでございます。一方、個々の集合住宅の入居者数を把握することは困難であるため、分析までは至っておりません。
○ひやま委員 中野駅周辺の新築分譲マンションの価格も、少しお調べいたしましたけれども、押し並べていわゆる億ションと呼ばれるような高額物件がほとんどでありました。一般論として考えれば、そうした高額な集合住宅には所得の高い方がお住まいになる。そうしたケースが想定されるわけでありまして、そうした方々が増えれば税収も増えていく。このように考えられるわけですけれども、区内の高額納税義務者の増加、この点については今回の特別区税の増要因にどの程度寄与しているのか、近年の動向も併せて伺います。
○滝浪税務課長 特別区民税の課税標準額が1,000万円を超える納税義務者数は、令和4年度は7,682人、令和5年度は7,885人、令和6年度は8,344人と、ここ3年間増加してございます。その所得割額が全体に占める割合も、令和6年度は28.5%と前年度に比べまして1.7ポイント伸びてございます。令和7年度もこの傾向は続くと想定され、区税収入増の要因となるものと考えてございます。
○ひやま委員 そして、特別区税の増要因として所得の増という御答弁もありました。区長も施政方針説明におきまして、賃金上昇率の拡大傾向が鮮明になっているとの御認識を示されておりましたが、区民一人当たりの総所得金額について前年度との比較、また、近年の傾向と併せて伺います。
○滝浪税務課長 特別区民税所得割納税義務者の一人当たりの総所得金額の対前年度伸び率といたしましては、令和4年度が4%増、令和5年度が1.5%増、令和6年度が5.5%増となってございます。令和7年度予算では、一人当たりの総所得金額を455万3,000円と見込んでおりまして、令和6年度予算に比べて3.4%の増としてございます。
○ひやま委員 全体として所得が増加しているということであります。今回の特別区税の増要因としては、この定額減税に関わるものを除くと納税義務者数と所得の増ということでありました。それぞれの中身についてるる伺ってまいりましたけれども、まちづくりの進展に伴うこの納税義務者の増加、それから、区内の高額納税義務者数の増加、区民全体の所得の増加、こうした点も確認をさせていただきました。その上で、今回の特別区税の増の要因を考える上で、それぞれの寄与率といいますか、この点についてはどのように分析されておりますでしょうか。
○滝浪税務課長 令和7年度予算では、高額納税義務者の増による影響額の算定までは難しいところですが、高額納税義務者を含めた所得割納税義務者数の増による対令和6年度予算に対する増加額は、特別区税全体の増加額の約19%を占めます。一人当たりの総所得金額の増による対令和6年度予算に対する増加額は、特別区税全体の増加額の約38%を占めますので、定額減税の縮小による影響額を除けば、この二つが特別区税増額を見込んだ主な要因として考えてございます。
○ひやま委員 今後も中野区の区内のまちづくりは進展していくわけでありますので、この辺りについても今後さらなる分析を求めたいと思います。
次に、特別区交付金については前年度比4.2%の増を見込んでおりますが、その要因について伺います。
○竹内財政課長 特別区交付金の原資である調整税等のみが増要因でございまして、固定資産税が前年度比2.6%、市町村民税法人分が前年度比12.2%の伸びとなってございます。
○ひやま委員 一般論として、特別区交付金は景気の影響を受けやすいというふうに言われております。今年1月の内閣府の月例経済報告では、国内の個人消費、それから設備投資ともに回復の兆しを見せており、緩やかに回復と、このようにあります。一方で、今後の景気動向については、海外経済の動向、あるいは円安による企業業績への影響、それにリンクして物価上昇の再加速など、さらなるリスクも考えられます。これらは市町村民税法人分の収入状況、結果として特別区交付金にも影響してきますので、今後も注視する必要があると思いますが、担当としてはどのようにお考えでしょうか。
○竹内財政課長 不透明な経済、物価動向など、経済の下振れリスクを常に想定した財政運営に当たる必要があると考えてございまして、これらの状況は特別区交付金にも影響することから、時代の変化を的確に捉えるように注視していきたいと考えてございます。
○ひやま委員 それで、景気の影響を受けやすいという点において地方消費税交付金、ここについても前年度比9.8%の増、90億円を見込んでおりますけれども、その要因について伺います。
○竹内財政課長 地方消費税交付金は、都から示されたフレームを基に中野区のシェアを踏まえまして見込んでいるところでございます。増加要因につきましては、消費動向や物価高騰による価格転嫁などが影響しているものと考えてございます。
○ひやま委員 内閣府が先週の17日に発表した2024年のGDP速報値は、この物価変動を含む名目値が初めて600兆円を超えました。実質ベースの成長は横ばい圏にありますけれども、物価上昇の影響で名目値は大きくなっています。この間の資源や材料等の物価上昇によりまして、それが価格転嫁される状況が続いておりますけれども、それが消費税に反映されて、結果として地方消費税交付金の増につながっている。こうした見方もありますが、この点については、区はどのように分析されておりますでしょうか。
○竹内財政課長 東京区部の消費者物価指数は上昇傾向でございまして、結果として消費税交付金の増につながっていると、そのように分析してございます。
○ひやま委員 特別区交付金、それから地方消費税交付金、こうした特に景気動向に影響されやすいというところについては、この予算、あるいは決算特別委員会の際に、企業収益の伸びであったり、個人消費の伸びであったり、こうしたおなじみの答弁があるわけですけれども、ではなぜ企業収益、あるいは個人消費が伸びたのか。何が起因しているのか。この辺りについてはあまり説得力のある答弁をお聞きした記憶がありませんし、東京都の話を聞いていてもいまいちぴんときません。この辺りについてはさらなる分析を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 一般論の分析になりますが、区民税や特別区交付金などの一般財源が増加しておりまして、物価上昇に伴い経済も成長して、それが企業の収益が増えて、そして賃金の上昇までつながって、その結果、歳入増加につながっている。そういうようなところを担当としては分析しているところでございます。
○ひやま委員 ここ数年の決算におきましては、歳入の大幅な上振れ状態が続いてきました。現在、大きな懸案となっております中野サンプラザをめぐる市街地再開発事業では、当初の計画では転出補償金を財源に新区役所整備費の起債約116億円を償還する予定でしたけれども、それがかなわなくなりました。しかしながら、結果的に新区役所整備の起債を令和6年度に約45億円を一般財源、そして令和7年度に約71億円を公債費5年間償還に変更となりました。しかし、仮に歳入の落ち込みなどが続いている状態で、区の財政的な体力が乏しいケースにおいては、恐らく財政調整基金の取崩し、あるいは起債の償還期間のさらなる変更など、かなり苦しい状況が想定されるわけであります。第4回定例会におけます私の一般質問の際に、酒井区政におけるこの間の行財政運営は、こうした好調な歳入という、いわば受動的な環境因子によって支えられてきたという側面があるのではないか。このような指摘をさせていただきましたが、この点について区の認識を伺います。
○竹内財政課長 歳入におきましては好調である一方、不確実性を増しておりまして、また歳出におきましては物価が高止まりする中で、施設更新経費や扶助費を含めた社会保障費は今後も増加すると認識してございます。区民が安心して生活できる環境を充実させることが区の責務と考えてございまして、今後も基幹収入の確保に努めるとともに歳出抑制、削減を徹底し、計画的に基金の積立てを行うなど、好調な財政運営を継続させていくことが重要と、そのように考えてございます。
○ひやま委員 しかし、その上振れ額というのも年々減少傾向にあるわけであります。今年度末の財源更正において、当初予算に対して区の基幹収入である特別区税、それから特別区交付金の上振れ額、これはどのような見込みになるのか経年的な傾向と併せて伺います。
○竹内財政課長 令和6年度の特別区税は、第7次補正におきまして、当初予算363億円に対しまして17億円増の380億円を見込んでいるところでございます。ただ、特別区税、特別区交付金ともに上振れの幅は減少傾向であると、そのように分析してございます。
○ひやま委員 近年の歳入の上振れ額は減少傾向にあるということを確認させていただきましたが、この歳入の伸びがいよいよ鈍化してきたという事実というのは、酒井区政としても深刻な事態として受け止めなければならないと思います。景気循環というのは好況と不況の繰り返しでありますので、これまでの好調な歳入に支えられた行財政運営のマインドから歳入の持続的な下振れ、そうしたリスクを想定した緊張感のある行財政運営の考え方、これを持つことが今一番必要なのではないかというふうに考えますが、担当さんの御認識を伺います。
○竹内財政課長 不確実性が増す状況下におきましては、歳入歳出とも予算の的確な見込みを徹底することが重要と考えてございまして、区の財政の安定的な運営に資するための基金積立てを行うなど、経済の下振れリスクを常に想定した財政運営を行う必要があると考えてございます。
○ひやま委員 一方で、今後の歳出を見れば、いよいよ団塊の世代約800万人全員が75歳以上の後期高齢者となる、いわゆる2025年問題が到来をいたしました。それに伴い、扶助費をはじめとした歳出の増加が見込まれます。このほか、物価高騰対策や区有施設の更新やまちづくり、歳出についてはこれらのように多額の財政負担を要する政策課題が山積をしております。歳入の見通しは決して楽観視できる状況ではない中で、将来需要を見越した持続可能な財政運営の実現に向けての区長のお考えをこの項の最後に伺います。
○酒井区長 今後も投資的事業や扶助費を含めた社会保障費が増加をしていくことが想定されます。経済状況が不透明な中では可能な限り歳入を確保しつつ経常経費の削減に努めるとともに、真に必要であり、優先度の高い事業の精査を徹底することで、持続可能な財政運営を確立しなければならないと考えております。区民一人ひとりが安全・安心で豊かな暮らしを実現できるように、区政運営に全力を尽くしてまいります。
○ひやま委員 次に、歳出で2点伺います。まず予算説明書補助資料284ページ、事務事業3、まちづくり計画、この中で連続立体交差事業に関わる総合調整として当該事業に関わる予算が計上されております。中身につきましては後ほど詳細に質疑をさせていただきますが、これでは財政的な観点からお聞きをいたします。令和5年第4回定例会建設委員会において、西武新宿線中井駅・野方駅間の連続立体交差事業についての報告がございました。この中で全体の事業費が約500億円上昇し、中野区の負担額も当初の73億円から約50億円上昇するという旨の報告がありました。そこで、まず当該事業の当初における中野区負担額約73億円、この金額はこれまで区の財政フレームの中でどのように位置付けられてこられたのか確認をいたします。
○竹内財政課長 西武新宿線沿線まちづくりや中野駅周辺まちづくりの投資的経費につきましては、これまでも財政フレーム上では新規・拡充等事業として計上し、基金及び起債の活用を図ってきたところでございます。
○ひやま委員 それで、2023年末にこの中野区の負担額が約50億円増加するとの御報告があったわけなんですけれども、この約50億円という大きなお金ですが、この間の中野区の財政フレーム、それから当初予算の概要の基金・起債を活用する事業計画一覧、ここに連続立体交差事業のメニューもありますけれども、どこにもこの金額を見込んだ形跡が見られないんですね。一体この50億円という金額は、中野区の財政計画のどこに位置付けられているのか御答弁をお願いします。
○竹内財政課長 基金・起債計画及び財政フレームの事業費でございますが、こちらに関しましては東京都の通知を踏まえて事業費を反映しているところでございます。
○ひやま委員 いや、50億円という大変大きな金額です。これをなぜ中野区の財政フレームなり、しかるべき事業計画の中に位置付けられてこなかったんでしょうか。
○竹内財政課長 繰り返しになりますが、所管におきましては東京都通知に基づいて事業費を計上しているところでございまして、将来の負担金額が明らかになっていないため、財政フレーム等には反映していないところでございます。
○ひやま委員 いや、現在のこの西武新宿線連続立体交差事業の事業期間は、あと約2年1か月なんですね。それができる、できないの問題ではなくて、行政計画として事業期間を明確に定めてあるわけですので、当然事業費についてもきちんとした財源的な裏付けがあってしかるべきじゃないんですか。
○竹内財政課長 事業を実施するに当たりましては、国や都の補助なども踏まえまして財源の裏付けを持って進める必要がございまして、通知等、客観的な論拠に基づいて費用の精査を徹底しているところでございます。事業が未確定な状況におきましては、財政フレーム等、予算の資料に計上することは困難と考えますが、今後も所管と情報共有を行いながら費用の精査に努めていきたいと考えてございます。
○ひやま委員 いや、未確定とおっしゃいましたけれども、これまでこの期間内に頑張ります、やりますということをずっと御答弁されてきたわけですよね。それで、その事業期間が未確定というのは、私たちも議会側からも本当に大丈夫ですかというのをずっとこの間言ってきたわけなんです。大丈夫ですということで、やっぱりこの財源的な裏付けもなしに頑張りますというふうにこれまで御答弁をされてきて、事業期間が未確定なんですというふうな御答弁をされても、それはちょっといかがなものかと思いますし、本当にこの事業期間内に間に合わせるという行政のある意味本気度が問われるところだと思います。この中身につきましては後ほど詳細に質疑をさせていただきますので、ありがとうございました。
次に、予算説明書補助資料202ページ、事務事業5、学校・地域連携、この中で中野本郷小スクールバス運行等として1億3,417万9,000円が計上されております。関連して、第七中学校の今の新校舎整備も少しお伺いしたいと思います。一般質問でも公明党議員団の南委員が質疑されておりましたけれども、私も幾つかお伺いをさせていただきます。まず、この中身について簡単に御説明していただけますでしょうか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 中野本郷小スクールバス等運行経費の内訳でございますけれども、スクールバスの運行に係る経費といたしまして1億383万2,000円、それから、警備員の配置に係る経費といたしまして3,034万7,000円でございます。
○ひやま委員 この間、中野区におきましては区立小・中学校施設整備計画が進められてきました。その中で代替校舎への通学になってしまう。こういったケースもありましたが、代替校舎へのスクールバスの運行というのは前例がないというふうに思われます。当該事業を実施するに当たっての区の考え方を改めて伺います。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 中野本郷小学校につきましては、改築に伴う代替校舎であるとともに、本来の通学区域外に代替校舎があること、また、そのため、一番遠い児童の通学距離で2.2キロメートルの道のりとなり、小学生では45分程度かかるため、児童の体力面を考慮し、スクールバスを運行するものとしたものでございます。
○ひやま委員 代替校舎であること、それから学区外であること、距離が遠いこと、この3点を確認いたしました。それで、同じく学校施設整備計画の中で、現在、中野区立第七中学校においても新校舎整備が進められております。整備スケジュールは令和8年度に整備着手、令和11年度中の供用開始というスケジュールになっております。この整備期間中は、旧上高田小学校を代替校舎として利用することになっております。この第七中学校の代替校舎への通学は、先ほどの中野本郷小のスクールバス運行の際の区の考え方、これと照らし合わせた際どのようになりますか。
○渡邊学校再編・地域連携担当課長 まず、中学校につきましては徒歩通学を原則としてございます。また、第七中学校の代替校舎への通学につきましては、代替校舎から最も遠い通学距離が2.2キロメートルの道のりとなり、33分程度かかりますが、中野中学校など他校の最も遠い通学距離2.1キロメートルと同程度であることや、中学校に通う生徒の体力面を踏まえると、徒歩で通学できると考えてございます。
○ひやま委員 もちろん小学生と中学生ですので、一概に同列に考えることは、前提は違うというのは承知をしておりますが、中学生でも個人差はあると思いますし、加えてこれまでの議論の中で、代替校舎まで通う生徒さんで最も遠いのが江原町三丁目、そこから徒歩で通える距離とおっしゃいましたけれども、私ももともと江原町三丁目の住民でありまして、江原町三丁目も横に長いんですね。西側の江古田通りから東側の中野通りまで目白通り沿いを歩いても、およそ10分かかるんですよ、私の足では。ですので、実態としては区の想定よりも負担感は大きくなる。こうしたケースは出てくると思いますし、今回の第七中学校の代替校舎への通学の件で生徒の保護者の皆様からは通学の不安、あるいは心配の声が寄せられております。そうした声を区は把握しておりますでしょうか。
○佐藤学務課長 私も参加した第七中学校新校舎等整備基本計画設計案地域説明会等において、代替校舎への通学時にバス料金の公的補助はないか等の意見を現地で聞いているところです。
○ひやま委員 本当に切実な声だと思いますし、重く受け止めていただきたいと思います。他の自治体では、公共の交通機関を利用して通学する生徒さんへの補助、これを実施している自治体もあると聞いておりますが、そうした事例などは把握されておりますでしょうか。また、その自治体はどのような補助を行っているかも併せて伺います。
○佐藤学務課長 都内では、町田市において一定の要件を満たした方に対して通学費の補助を行っていることを把握してございます。町田市においては、通学距離、指定の学校、定期券を購入していることなどを要件として、通学定期券代金の3分の2を補助しているところでございます。
○ひやま委員 分かりました。最も距離が遠い江原町三丁目から通学する対象となる生徒さんは大体40人というふうに伺っております。仮定の話になりますけれども、今回の第七中学校の代替校舎への通学に対してバス代定期代への補助を仮にこの40人に対して実施した場合に、この費用の積算などはお答えできますでしょうか。
○佐藤学務課長 通学に当たりバス定期券を購入した場合、一人当たり年間で8万9,000円程度でございます。仮に40人で想定した場合は、全額補助だと約360万円、2分の1補助だと約180万円の公費負担となるところでございます。
○ひやま委員 第七中学校の代替校舎への通学支援については、保護者の皆さんからも御要望を頂いております。また、我々議会側からもこれまで多くの同僚委員から、このバス代補助の実施を求める声があったところです。そうした声を真摯に受け止めていただきまして、コスト面、他の自治体の事例などもよくよく参考にしていただきながら、バス通学を希望される生徒さんに対してのバス代の補助の実施、これについてぜひ検討を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤学務課長 現在、区立中学校は徒歩で通学を原則としているところです。第七中学校代替校舎通学に係るバス代の公費補助については、他自治体の事例を研究したいと考えているところではありますが、現時点では代替校舎の通学期間は徒歩通学できるものと認識してございます。
○ひやま委員 引き続きのぜひ御検討をお願いしたいと思います。
それで次に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺ってまいります。さきの総括質疑で公明党議員団の白井委員から既に質疑があったところであります。白井委員お優しいので、ひやまに残しておくよというふうにおっしゃってくださったんですけども、大分きれいに刈り取られまして、そうした意味で一部重複はありますけれども、ぜひ温かい目で見守っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
まず連続立体交差事業について、令和9年3月31日までの事業完了を目標に今、事業が進められておりますが、残りあと2年1か月ということで事業の進捗が大変気になるところであります。まずは、この事業の進捗について改めて現在の用地取得の状況、それから、現在行われている工事の状況をお伺いします。
○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 事業主体の東京都によりますと、用地の取得率は令和7年1月時点で約99%と聞いてございます。工事の実施状況につきましては、地下から地表への移行区間や新井薬師前駅部及び沼袋駅部において掘削工事等を進めておるところでございます。また、シールドマシンによる掘削工事に向けて地盤改良等の準備工事を進めているというふうに聞いてございます。
○ひやま委員 第1工区から第4工区にかけていまだ掘削作業を中心に行っておりまして、肝心のシールド工事には着手していないということを確認いたしました。では、実際にシールド工事に入るのはいつ頃の見込みになるのか伺います。
○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 現在は、シールドマシンによる掘削工事に向けた地盤改良工事等の準備工事を進めておりまして、シールド工事の開始時期につきましては、これら先行する他工種の施工状況を踏まえ、現在検討中であるというふうに聞いてございます。
○ひやま委員 それで今後の展開として、仮にシールド工事に着手できたとしても、実際に掘っていって躯体構築までの工事完了までに一体どれくらいかかるのか。ここの部分についても全く見えてこないところです。このシールド工事の期間についてはどの程度を見込んでいるのか伺います。
○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 具体的な進捗につきましては現場条件等により異なるため、正確な工事期間はシールドマシン発進後になるというふうに聞いてございます。
○ひやま委員 だから、シールド工事が完了しても、この駅舎の構築であったり、路線撤去であり、ここまで終えて事業完了ということでありますので、いまだ肝心のシールド工事に着手できない状況の中で、これらの工程を残り約2年1か月で完了できるのか。客観的に見てほぼ不可能であります。単刀直入に改めて確認します。現在の状況でこの事業期間内に終わりますか。
○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 事業主体の東京都によりますと、現行の事業期間は令和9年3月末まででありまして、現在、西武鉄道株式会社と事業工程の精査を実施しているというふうに聞いてございます。
○杉山委員長 ひやま委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。
委員会を暫時休憩します。
午後4時59分休憩
午後5時03分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
ただいまの理事会の報告をします。
ひやま委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、ひやま委員から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は2月26日(水曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後5時03分散会