平成25年03月01日中野区議会予算特別委員会
25.03.01 中野区議会予算特別委員会(第6日)
1.平成25年(2013年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久
11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 伊 東 しんじ 22番 佐 野 れいじ
23番 北 原 ともあき 24番 吉 原 宏
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 41番 来 住 和 行
42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員(1名)
40番 か せ 次 郎
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 金野 晃
教育長 田辺 裕子
政策室長 竹内 沖司
政策室副参事(企画担当) 野村 建樹
政策室副参事(予算担当) 奈良 浩二
政策室副参事(広報担当) 酒井 直人
経営室長 川崎 亨
危機管理担当部長荒牧 正伸
経営室副参事(経営担当) 戸辺 眞
経営室副参事(人事担当) 角 秀行
経営室副参事(施設担当) 小山内 秀樹
経営室副参事(行政監理担当) 岩浅 英樹
経営室副参事(経理担当、債権管理担当) 伊東 知秀
都市政策推進室長長田 久雄
都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊
都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 滝瀬 裕之
地域支えあい推進室長 瀬田 敏幸
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ
地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、中部すこやか福祉センター所長
遠藤 由紀夫
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宜
中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美
北部すこやか福祉センター所長 服部 敏信
北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 推治
南部すこやか福祉センター所長 橋本 美文
南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 和也
鷺宮すこやか福祉センター市長 村木 誠
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 齋藤 真紀子
区民サービス管理部長 登 弘毅
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 藤井 康弘
区民サービス管理部副参事(住民情報システム担当) 田中 謙一
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 浅野 昭
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙橋 信一
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当)
白土 純
子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当)
荒井 弘巳
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子
子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 海老沢 憲一
健康福祉部長 田中 政之
保健所長 山川 博之
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 小田 史子
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 永田 純一
健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 浅川 靖
環境部長 小谷松 弘市
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 上村 晃一
環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 志賀 聡
清掃事務所長 鳥井 文哉
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部副参事(都市計画担当) 相澤 明郎
会計室長 辻本 将紀
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 宇田川 直子
教育委員会事務局指導室長 川島 隆宏
監査事務局長 鈴木 郁也
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 篠原 文彦
事務局次長 青山 敬一郎
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 河村 孝雄
書 記 東 利司雄
書 記 丸尾 明美
書 記 土屋 佳代子
書 記 細川 道明
書 記 江口 誠人
書 記 鈴木 均
書 記 永見 英光
書 記 竹内 賢三
書 記 香月 俊介
午前10時00分開議
○佐野委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案まで、計5件をあわせて議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後の理事会の報告を行いたいと思います。
本日総括質疑4日目は、第1番目に高橋ちあき委員、2番目にむとう有子委員、3番目に奥田けんじ委員、4番目に近藤さえ子委員、5番目に林まさみ委員、6番目に石坂わたる委員、7番目に小宮山たかし委員の順序で、7名の質疑を行うことを確認いたしました。
次に、第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算の組み替えを求める動議を提出する旨の申し出がありました。資料については、後ほど委員会の席上に配付を行います。また、本日の総括質疑終了後に提案者から提案説明を受けることを確認いたしました。
以上が理事会の報告ですが、これにつきまして何か質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議ありませんので、そのように決定をさせていただきます。
それでは、前回に引き続きまして総括質疑を行います。
1番目、高橋ちあき委員、質疑をお願いします。
○高橋(ち)委員 おはようございます。総括質疑もきょうが4日目となりまして、4日間もやっていると大分お疲れになっている様子が、皆さんのお顔を見てわかるんですけれども、とりあえずきょうが最後でございまして、私、ありがたいことに優しい会派の皆様に97分も残していただきましたので、ゆっくりと総括をさせていただければと思います。その後、6名の皆様が控えているということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
きょうから3月になりまして、いよいよ平成24年度も年度末に入ってきたということで、11日になりますと、本当に大変だった東日本の震災から丸々2年がたってしまうということになっております。本当に、まだまだ復興に、私たちも一生懸命にお手伝いしながら、皆さんの力にならなくちゃいけないかなというふうに思っておりますけれども、質問に入る前に、2月23日から始まりました「遺体」という映画、皆さんごらんになった方もいらっしゃるかと思いますけれども、私は本を読みまして、やっぱり忘れてはいけないことなんだということを感じておりました。そこで、中野区においても、区長があれほど強くおっしゃっていたように、私たち議員も一丸となってできることを応援していかなくちゃいけないなというのを改めて感じまして、質問に入らせていただきたいと思います。
質問は通告のとおりでございますが、一つ、大変時間をいただいておりますので、ふえているところもあります。しかし、時間を見ながらですから、ふやしたにもかかわらず、ごめんなさいになってしまうこともあるかもしれませんけど、よろしくお願いいたします。
では、1番目でありますけれども、児童関係施設の所管と組織についてをお伺いいたします。
まず、今回の一般質問においても、伊藤正信議員、それから前回なら佐野れいじ議員、そしてうちの市川幹事長も触れていたように、私も折に触れて学校教育や子育て支援施策などについて報告を受けているとき、何だかいまだに納得がいかないことがございます。さまざまな疑問を持ち続けていることがありまして、いま一度ここで確認をさせていただきたいと思います。
まず、児童館というものはどういう目的で設置された施設で、その法的性格はどういうものなんでしょうか、確認をさせていただきます。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 児童館は、児童福祉法第40条に規定をする児童厚生施設の一つで、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設でございます。
○高橋(ち)委員 それでは、国が定める基準においては、どういう事業が行われることが想定されているんですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 国の設備や職員配置の基準から見まして、子どもたちの健全育成のための遊びを指導する施設であり、そのための事業を行うことが想定をされているものでございます。
○高橋(ち)委員 では、同様に学童クラブとはどういう目的で設置をされて、法律上はどのように規定をされているのですか。
○荒井子ども教育部副参事、教育委員会事務局(学校・地域連携担当) 学童クラブにつきましては、保護者の就労等によりまして放課後の保護に欠ける、おおむね小学校1学年から3学年の児童につきまして、適切な遊びや生活の場を与えるとともに、集団活動を通して児童の健全育成を図ることを目的に設置されているものでございます。
法律上は、児童福祉法の第6条の3に、放課後児童健全育成事業として規定されているものでございます。
○高橋(ち)委員 それでは、キッズプラザの設置目的も改めて確認をさせていただきます。あわせて、法的な性格もあるのかを教えてください。
○荒井子ども教育部副参事、教育委員会事務局(学校・地域連携担当) キッズプラザにつきましては、小学校の授業の終了後などにおきまして、小学校の施設を活用し、児童に安全な遊びを提供するとともに、児童を心身ともに健やかに育成することを目的に設置してございます。
法律上の規定はございませんが、文部科学省の事業でございます放課後子ども教室推進事業として実施しているものでございます。
○高橋(ち)委員 さらに、U18、このU18という名前も何か理解に苦しみますけど、U18プラザがありますけれども、仲町児童館と城山ふれあいの家が新たに加わるということで、今までのものを見る限り、その方向性というのが何なんだろうかというのがよく見えてきません。各施設と同様に、今後の方向性を含めまして、その設置目的や法的な根拠などを確認をさせていただきます。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) U18プラザにつきましては、18歳までに青少年を対象に特色ある事業を展開する施設として位置付けているものでございます。
現在は、中野区児童館条例の中に位置付けていますが、U18プラザの役割を明確化した上で、今後規定の整備もしていきたいと考えております。
○高橋(ち)委員 こうした施設の運営に関して、国とか都とかの支援というのはあるんでしょうかね。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) はい、U18プラザにつきましては、特に支援があるものではございません。
○高橋(ち)委員 今、U18は支援がないということでしたけれども、今お伺いしたいずれの施設機能も、年齢には幅があるものの、子どもたちの健全な発達・育成を目的として設置・運営されているものであると理解をしておりますけれども、その時々の区政の取り巻く環境の変化に応じて展開されていくのかなというふうに理解をしてよろしいんですか。
○白土子ども教育部副参事、教育委員会事務局、教育委員会事務局(子ども教育経営担当) 委員御指摘のとおり、児童館、学童クラブ、キッズプラザ、U18プラザは、いずれも広い意味では子どもたちの健全な発達・育成を図ることを目的とする施設でございます。また、これらの子ども関連施設は、子どもや家庭の状況、区政を取り巻く環境の変化に対応して展開していくべきものと考えております。
○高橋(ち)委員 都政新報に、2月19日なんですけれども、「児童館の役割に変化」というのが載っておりまして、今後、さまざま――児童館だけではないと思いますけれども、子どもたちを取り巻く環境が大分変わっていくのではないかなというふうには感じ取っております。じゃあ、それに関連してではありませんけれども、確認をさせていただきますけれども、区の組織の中で地域支えあい推進室はどういう目的をもって設けられたんでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域支えあい推進室は、地域における自治活動や支えあい活動を推進するとともに、乳幼児から高齢者まですべての区民の保健福祉に関する各種サービス提供や相談支援を行うことを目標として設置をされているものでございます。
○高橋(ち)委員 大変幅広い範囲だと思います。では、子ども教育部はどうでしょうかね。教育委員会事務局との2枚の看板を挙げていらっしゃいますけれども、こうした形態をとることになった経緯も含めて、改めて説明してください。
○白土子ども教育部副参事、教育委員会事務局(子ども教育経営担当) 子ども教育部、教育委員会事務局は、地域、家庭、学校、行政の連携により子どもの教育と子どもの成長に合わせた一貫した子育て支援をトータルに進めるため、平成22年度に行った目標体系の見直しによりまして、平成23年度から教育と子育て支援を一体的に担う部門として設置されたところでございます。
子ども教育部、教育委員会事務局では、区政目標と組織、予算の一体化を図っているところでございますが、教育委員会事務局につきましては、法律上設置が義務付けられているために、区長部局の組織と完全に一体化することはできません。しかし、執行体制上は職員が両方の事務を一体的に担うことによりまして、区政目標の実現に向けて積極的に取り組み、既に学校・地域連携や就学前教育連携、特別支援教育等、連携で成果を上げていると考えてございます。
○高橋(ち)委員 改めて伺いましたところ、子育ての支援の施策とか、それから関連施策の一元化をねらって設けたのかなとは思っておりますけれども、一方、地域支えあい推進室も子どもに対するきめ細やかな相談支援とか、子育てに対する対応ということで、子どもたちの健全育成という目的では一緒に見えると私は思いますけれども、なぜ、こういろいろと別々の組織になっているのでしょうか。
○野村政策室副参事(企画担当) 今、それぞれの所管から、それぞれの組織の目的について御説明申し上げたところでございます。子どもの健全育成という面では、子どもを対象としている地域支えあい推進室、教育、どちらも同様でございますが、地域支えあい推進室のほうはケアという面に着目をしてございます。地域でそれを展開する、地域包括ケアというところで、子どもについても児童館で、区民の方のより身近なところで相談支援をしていこうというところで考えてございます。
○高橋(ち)委員 ケアが中心だということですけれども、児童館でケアをしているというふうなお話でしたけど、私から見て、どこでいつやっているのかなというような疑問点もあります。
もう一つ、気になることがありますけれども、乳幼児親子への支援については地域支えあい推進室と子ども教育部の二つの所管で行っているようにも見えます。本来、このケアとか、乳幼児ということをうたっている地域支えあい推進室が責任を持って行っていくことなのかなというふうに思いますけれども、U18プラザやすこやか福祉センターの整備を含めて、その展開が全体的にうまく回っていないからよく見えないんじゃないかなというふうに感じるんですけれど、いかがですか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 乳幼児親子のケアにつきましては、地域支えあい推進室が中心となって行っているところでございます。乳幼児親子の活動支援、こういったものにつきましても地域支えあい推進室が中心となって行い、活動場所の確保につきましては、すこやか福祉センターや区民活動センターなどのほか、キッズプラザ、保育園など子ども教育部所管の施設についてもその対象としてきています。今後も、子ども教育部と連携をし、乳幼児親子への支援をしてきたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 連携をし、ということですけれども、連携が上手にできていないからいろいろな、きのうまでの皆さんの質問の中にも、ああでもない、こうでもないっていろいろな問題が出ていたと思いますけれども、U18プラザやすこやか福祉センターの整備がなかなか進んでいかない中、今回二つができるということですけれども、キッズプラザは受け入れ時間の制限などをしていますけれども、学校の理解を得ながら――ここも何かちょっと、学校の理解を得ないとだめなのかなと思ってしまいますけど、乳幼児親子の居場所として行っているところがあります。こういうのも、連携をしていくに当たっては場所探しとか大変でしょうから、さらにキッズプラザが受け入れに貢献していくという考え方はどうなんでしょうか。
○荒井子ども教育部副参事、教育委員会事務局(学校・地域連携担当) 乳幼児親子の居場所の提供につきましては、地域支えあい推進室ときちっと調整を図りながら、該当する小学校と相談の上、できる限り対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 地域支えあい推進室は、場所をきちんと、すこやか福祉センターとかおっしゃっておりましたけれども、子ども教育部のほうも調整をしながら、連携をとってふやしていきたいというお言葉をいただきましたから、連携をとっていただきたいなというふうには思います。
いろいろと、今るるお伺いしましたけれども、U18プラザ、児童館は地域支えあい推進室、キッズプラザ、学童クラブは子ども教育部が所管をしているという形態の中で、不都合や仕事のしにくさなどというのがあると私は思いますけど、どうなんですか。きちっと連携とってますというお話でしたけど。
○荒井子ども教育部副参事、教育委員会事務局(学校・地域連携担当) 例えばでございますけれども、館長が学童クラブの所長も兼ねているということもございます。そういった管理職と職員の、そういった話し合いも常に行われておりますし、かつ、それぞれの組織同士の話し合いも逐次行っているところでございまして、スムーズな形での調整がそれぞれ図られているというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 シンプル・イズ・ベストという言葉がありますように、区民の皆さんは単純でわかりやすい形を望んでいるんだと思うんですよ。今、館長が、学童クラブを兼務しているとおっしゃっいましたけれども、それこそ、それがわからないという現状があって、私たちからしてみても、児童館って、で、児童館の館長さんは地域を奔走して一生懸命お仕事されていますけれども、実際にそこですこやかの何があれなのって、別に区民の人はすこやかであろうと教育委員会であろうと関係ないんですけれども、何か事あるがごとに、それは違う、これは所管が違いますとか、ああでもないこうでもないって言われると、わけがわからなくなってくるというふうに感じております。ですので、今後、所管を子ども教育部に一元化するとかいう、そういう考え方はございますか。
○白土子ども教育部副参事、教育委員会事務局(子ども教育経営担当) 今、委員御指摘の点は、課題として認識しておりまして、子ども関連施設の今後のあり方については常に庁内の会議で検討を始めているところでございます。子ども健全育成機能は、子ども教育部に一元化していくべきであるというふうに考えてございますが、今後、これらの子ども教育施設全体をどうしていくのかという全体的な視点から、目指すべき姿や果たすべき機能について検討していきたいと考えてございます。
また、組織・機構体制につきましても、子ども教育部と地域支えあい推進室の役割を踏まえて、課題を整理いたしまして、区民にわかりやすいシンプルな形になるよう検討していきたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 検討してくださるということですから、検討するんであれば早めに結論を出していただきたいと思います。地域で活動している方々でさえ、これはどっちに行ったらいいんでしょう、これはどうしたらいいんでしょうという、今、そうやって悩みながらいろいろお仕事を、活動をしてくださって、ましてボランティアでいろいろやってくださっている方たちにとっても、やっぱりわかりやすいものが必要だと思いますので、これは要望としておきます。
それでは、この質問の最後になりますけれども、全体の話になりますけれども、組織のわかりにくさという面では毎年のように組織が組みかえられておりまして、名称が変わっていくという現実が今あります。また、部があって、課があって、係があるというのが多くの日本人の役所の組織に抱くイメージだというふうに私は思っております。中野区では、分野や副参事という、大変、うちだけのものかなと思いますけれども、聞きなれない言葉をお使いになっていらっしゃいます。こうしたことを改めてほしいという、我が会派からも何度もお願いをしてきておりましたけれども、一向に変えていただく様子が見られておりません。
以前、質問をしたときも、課が存在しないのだから課長という役職がないのは当然でありますというような御答弁をいただいたときは、大変ショックでありました。で、ただいまは分野というものがあるんだったら、じゃあ、副参事じゃなくて分野長だっていいんじゃないのなんていうふうな思いもしたことを思い出します。ぜひ、区の組織や事業の担当部署を単純でわかりやすいものに変えていただけないかと思うんですけれども、どうお考えになりますでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) ○○分野という組織名称につきましては、委員が御紹介いただきましたとおり、中野区独自の呼び名でございます。なお、区民にとってわかりやすい組織や担当部署の名称につきましては、その担っている業務をなるべくわかりやすく表記しているというものでございます。例えば、私ども人事であれば人事分野、それから中野駅周辺まちづくりに関することでしたら中野駅周辺まちづくり分野ということで表記をさせていただいているという状況がございます。
○高橋(ち)委員 だから、人事は人事でわかりますよ。だったら、人事課でいいと思うんですよ。それで、何ていうかな、これ以上しつこくは言いたくありませんけれども、やっぱり区民の方々は、役所に来て、私が何をしたいんだというのを見たときに、何々課とか何々係があれば、ああ、ここに行けばってわかると思うんですよ。まず、分野ということ自体が、「えっ、何」とか、それから、統括何とかとか、非常に区民にとってマッチしていない言葉が多過ぎると思うんです。わかりやすい分野の名称にしていると言いますけれども、わかりやすいのは、こうやってはっきり中野駅周辺とか人事とか、そういうのはもう読んで字のごとくですからわかりますよ。でも、わからないところがあります、やはり。ですので、分野を大事にしていきたいとおっしゃるんであれば、何ていうんですかね、もっとわかりやすい――組織表を持ってくればよかったと思うんですけれども、私たちでさえ、まず、この質問するときにどこに聞いたらいいんだろうなと思って、だから、昔だったら公園何とか課というのがあったんだけど、公園について、公園道路課だっけ、道路分野とか、何だとかって悩んじゃうわけですよ。なので、その悩みを解消するのは、私たちは独自に聞けばわかりますけれども、区民の人たちは一々役所に来て、「これ、何ですか」なんていうことは到底聞く勇気はございません。ですので、担当の副参事からそうやって一生懸命わかりやすくしているんですよというふうにお答えはいただきましたけれども、本来であれば、わかりました、じゃあ、もとに戻しますよと言っていただきたいけど、そうはいかないのかどうか、どうでしょうかね。
○角経営室副参事(人事担当) 今、委員、いろいろと御意見いただいております。例えば、今後も、先ほど児童館とか学童クラブの組織のあり方についても御答弁させていただいております。そういった組織の検討にあわせて、そういった検討を進めていく中でも改めてその呼び名については工夫をしていきたいというふうに考えてございますし、区民の方々からさまざま問い合わせがあれば、さらに丁寧な説明、周知に努めていきたいと思ってございます。今後、委員がおっしゃるようにシンプルな、区民にとってわかりやすい組織、それから仕事のあり方については目指していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 何か、いつまでやってくれるんだということでございますので、それを、いつまでやりますというのは、それは酷な話だと思いますよ。ですから、今お答えいただいたように、区民にとってシンプルでわかりやすいことを検討していっていただくということですから、それは強くお願いをしておきたいと思います。御答弁は大丈夫です。
それでは、次に行きます。次に、危機管理についてお伺いをいたします。
まず、危機管理とは、不測の事態に対して被害を最小限にとめるための方策だと思っておりますけれども、中野区ではどのような事態を想定して、そのためにどのような方策を講じられているんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区では、危機管理ガイドラインによりまして想定する危機を8種類に分けております。大地震、豪雨などの自然災害、大規模火災や鉄道事故などの重大事故、武力行為事態、緊急対処事態、暴動等の重大事件、食中毒等の健康被害、行政運営上の事件・事故、その他勤務時間外の職員の不祥事等を想定しているところでございます。
災害対策本部や健康危機管理対策本部など、危機の種類に応じた体制を定めているとともに、区民の安全と安心を脅かす事態を未然に防止し、災害や事件・事故が発生した際には被害をできる限り最小限にとどめるよう、平常時、緊急時、収束時におけます対応をガイドラインに示しているところでございます。
○高橋(ち)委員 8種類を想定しているということでありまして、さまざまな想定はしてくださっているんだと思います。この危機管理ガイドラインというのは、いつ作成したのでしょうか。また、状況の変化に応じて内容の見直しを適宜行っていらっしゃるんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 危機管理ガイドラインでございますけれども、平成16年11月に策定をしたものでございます。ガイドラインがより活用できるものとなりますよう、これまでも適宜見直しを行ってまいりました。今年度におきましても、より適切にリスクを評価、その対策につなげることができるよう、リスク期の分類ですとか、リスクの評価基準につきまして見直しを行ったところでございます。
○高橋(ち)委員 適宜やってくださっているという御答弁だとは思いますけれども、そして各部にもそれぞれ個別の対応マニュアルの作成を求めているそうでありますけれども、どのようなものが定められているんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 各部におきましては、毎年リスクをそれぞれ抽出をいたしまして、リスク管理評価シートを作成していただいております。危機の発生の可能性ですとか、被害の影響度、また現状の対策の有無等によりましてリスク分析と評価を実施しております。これに基づきまして、その未然防止や発生時の対応等を盛り込みましたマニュアルの作成、また随時見直しも行っているところでございます。
○高橋(ち)委員 それは、見直ししてくださっているのは結構なんですけれども、きちんとそれが機能されているかどうかということが大変気になるところではありますけれども、対策会議というものが開かれたことってあるんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政運営上の事件・事故が発生した際には、危機管理等対策会議というものを開催をしております。また、行政運営上の事故に関しまして、所管部で基本、対応することになっておりまして、部長が中心となりまして部の対策会議を開催しております。状況によりましては、所管部と経営室との調整の場を設けたりも行っておりますし、対処後、事後にですね、行政監理会議で各部の対応について検証も行っているところでございます。
○高橋(ち)委員 部が中心でやっているという話ですけれども、事が発生したときに対策会議を開くのは、それは当然のことだと思いますけれども、そうではなくて、部がそれぞれやっているのを統括して、経営室とかそういうところでやるんでしょうけど、発生したときじゃなくて、1年のうちに常時何回かはこういう会議って必要じゃないかなというふうに私は思います。
すべての職員が、いつも研ぎ澄まされた危機意識を持っていることが肝心だと思うんですよ。ですので、部でも常に常に危機管理のことを言っていかなくてはならないと思っていますけれども、そうやってやっていると疲れちゃうって言われるかもしれませんけど、そのために区では職員に対してどのような働きかけをしているんですか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 職員の危機管理意識を高めるために、事案発生時におけます対処方法を習得させるという意味もございまして、危機管理研修、あとコンプライアンス研修、不当要求防止責任者講習会等を実施しているところでございます。また、休日・夜間等も含めまして緊急時の連絡体制の確立ですとか、あと全庁に周知する必要のある事案が生じた場合には、適宜全庁に徹底をしているところでございます。
○高橋(ち)委員 さまざまな研修や訓練が行われているようでありますけれども、それが生かされるかどうかというのが、現実的に起こってはいけないことでありますけれども、何か起きたときに素早く対応できるというふうになっているのが成果といいましょうか、研修の成果だとは思います。それでも、職員は日々の仕事のなれといいましょうか、油断といいましょうか、緊張感がなくなってきてしまっているといいましょうか、そうした危惧を抱かざるを得ない場面に私は出くわすときがあります。例えば、夕方になると、職員の方が一人で手提げ金庫を重そうに持って、1階の通路を何気なく通って会計室の金庫に納めに行く姿をよく目にするんですよね。これは、どういう経緯でいつから行われていることなんでしょうかね。
○辻本会計室長 区が保管する現金並びに公印等につきましては、法令等によりまして厳格な管理が定められているところでございます。これを踏まえまして、区といたしましては本庁舎において勤務時間外に保管する必要のある現金等につきましては、保管庫を設置いたしまして適正な管理を図っているところでございます。
これにつきましては、古い時代の詳細な記録はございませんけれども、現在の庁舎に移転をいたしました昭和43年には保管庫を設置して管理をしているところでございます。
○高橋(ち)委員 そうすると、もう43年から現在まで、こういうことが続いているということでありますけれども、こういうときの安全管理というのは一体どうされているのですか。
○辻本会計室長 保管庫の適正な管理・運営を図ることを目的といたしまして、保管庫運営基準を設けてございます。使用の範囲でございますとか、責任者等について定めているほか、保管庫室の入室管理等につきましても詳細な規定をしてございます。また、実際の出入りの際には、庁舎警備員も配置しているところでございます。
さらに、各所管に対しましては、多額の現金等を取り扱う場合には複数の職員で金庫の持ち運びに当たるよう促すなど、安全管理に努めているところでございます。
○高橋(ち)委員 安全管理は本当に大事なことでありますけれども、でも、何か心配でありまして、これまでに事故とかは、あってはいけないことですけど、なかったのか。また、事故を防ぐための心構えといいましょうか、そういう研修とかはやっていらっしゃるんですか。
○辻本会計室長 これまで保管庫にかかわりまして事故は起きてございません。私どもとしましては、引き続き関係分野に対しまして、絶えず危機管理意識を持って金庫等の取り扱いを行うよう注意を喚起してまいりたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 心構えというのは、喚起をすることだと思いますけれども、事故がなかった、本当によかったと思いますけれども、この先、本当にどういうふうな方がいらっしゃるかどうかって、常にやっぱり危機管理の意識は必要だと思います。
さらに気になることが、まだあるんですね。夕方5時過ぎますと、庁舎の各フロアのエレベーターホールにテープ式のパーテーションポール、見たことありませんか、皆さん。置かれているんですけれども、これはどういう理由から置かれていて、どういう目的なんでしょうかね。
○小山内経営室副参事(施設担当) 平成16年当時、他の自治体で現金の盗難事件が発生したことを踏まえ、執務時間外の入退庁の管理のあり方について見直しを図った際に、区民が立ち入る必要のない各フロアのエレベーターや階段周辺に立ち入り禁止の表示のために設置したものでございます。
○高橋(ち)委員 やっぱり他区ではそういうふうな危険といいましょうか、あったということで、うちは本当、今のところないからいいようなものですけれども、そのポールを立てていても、執務室内にはさまざまな文書や資料、それから情報などが保管をされていらっしゃると思います。盗難とか漏洩とかいう事態にも備えなければならないと思いますし、パーテーションポールだけで十分に対応できているのかなという心配がありますけど、いかがですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 執務室内の管理の基本は、重要な書類や資料はかぎのかかるキャビネットに保管することが重要であると考えており、今後も引き続き徹底していきたいというふうに考えております。
また、夜間及び休日等には巡回警備を行っておりますし、その際には各分野ごとに在席者の有無をチェックし、名前等を把握し、翌日等に報告書として提出されて、異常の有無を庁舎管理者として確認をしているところでございます。
○高橋(ち)委員 一生懸命そうやって盗難がないようには配慮していらっしゃるということでありますけれども、私は文京区役所などに伺ったときに、あそこも大変開放的なつくりだと思うんですけれども、夕方5時過ぎると廊下に沿ってパイプ式のシャッターがおりているんですよ。一般区民はフロアの中に入れないようになっているんですね。当区はそういうことはないですので、入ろうと思えば入っちゃえなんていう感じの人もいるかもしれませんけど、こうした対応というのは実際必要になっていくのではないかなと思いますけど、どうですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 文京区役所の場合、都税事務所、あとホールですね、それとあと屋上に展望レストラン、そして地下鉄と、一体化された複合化したビルになっております。そうしたため、連続性のある通路があちこちで確保されているため、時間外では人の流れを変えるために区画が必要になっているとのことです。
中野区では、午後5時をもって警備員が正面玄関については施錠をし、それ以後の入退室については警備員室の前を通らなければならないような仕組みを今構築しており、夜間や休日でも同時に警備員室前で受け付けをした後、カードをもらって入るように人的な対応を行っております。
しかし、管理上難しい部分もあるため、今後セキュリティを高めるための設備等についても検討していきたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 お話を聞きまして、きちんと対応してくださっているというふうには理解はいたしました。数年前になりますけれども、区議会に面会を強要し、騒ぎを繰り返した不思議な団体がいらっしゃいまして、大騒ぎになった事件がありました。この事件が、知らない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、大変大騒ぎになりまして、この事件がきっかけとなり、庁舎全体の管理規定が見直され、議会側からの要請を受けて、議会棟には防犯カメラが設置されたと承知をしております。たまたまですね、たまたま議会が標的になったようでありますけれども、庁舎全体が標的にされてもおかしくない、まあ不思議な団体さんでありました。なぜ、そのときに庁舎全体に防犯カメラを設置しなかったのかなという思いがあります。
そして、私は事務局にお願いをしまして、23区の状況を確認いたしました。その資料によりますと、23区中、うちは議会棟に防犯カメラがありますけれども、庁舎に防犯カメラがないのは当区と江戸川だけであります。それで、一番セキュリティがすごいなと思いましたのが品川区でありまして、品川区はもちろん、庁舎に設定しているのは21区あるんですね。品川区は、生活保護担当には4月から設置をする予定と、それから常時現金を扱う部署にもあるんですよ。それから、もっとすごいのが、区長室にまであるというのがすごいと思いますね。区長室にあるのは、品川、港、江東、足立、葛飾であります。議会棟にあるのが江東と、うちと、それから大田区が25年度に設置予定していらっしゃるのかなというふうな感じになっておりますけれども、このように、やっぱり各部署、部署にやるということは、かなり大変なことかもしれませんけど、今や防犯カメラはそんなに値段が高くもないし――これは私だけが思っているかもしれませんけど、やっぱり庁舎と、それから人が出入りする玄関ぐらいには防犯カメラって必要じゃないかなというふうには思いました。
それで、もっとすごいところは、赤外線のセンサーをつけて監視装置があったり、それから電子錠をつけているとか、きちんと、そういう不思議な人たちはいないと思っていても、そのようにやっていらっしゃる区があるということに、調べて驚きました。どうお感じになりますか。
○小山内経営室副参事(施設担当) その事案を契機としまして、議会棟の管理規定が見直され、防犯カメラが設置されたというふうに承知しております。その際、庁舎警備委託業務の範囲を超えた緊急対応すべき事案に対処するための緊急マニュアルを庁舎のほうは定めました。その中に、暴力行為を受け、またはそのおそれのあるときはビデオ撮影を行うという項目を設けたため、防犯カメラの設置には至らなかったというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 そのときに、やっぱり一緒にやっておけばよかったのではないかなというふうには私は思っております。
スーパーなどでは、レジ打ちの際に、お客さんや店員さんの手元をカメラで映して、釣り銭の間違いなどのクレーム対応に一役買っているそうです。昔、よくスーパーとかコンビニで、お釣り、これだけしかもらってないぞとか言って、お釣りをだまし取っていたというような、そういう窃盗事件もあったので、今そうなっていると思いますけれども、区役所の中でもお金を扱う部署も多くあると思いますけれども、現在の対応はどのようになさっているんですか。
○小山内経営室副参事(施設担当) 原則、朝夕及び土日祝日は会計室の保管庫に格納しておりまして、執務時間中は施錠のできるキャビネット等に保管し、担当者が必要に応じて出し入れを行っているのが実情でございます。
○高橋(ち)委員 何というんですかね、キャビネット、かぎをかけても、そこにお金があるかどうかなんて知っている人は多分にいないでしょうから、心配はないと思いますけれども、どんな人がどういう感じで役所に来るかということは想定外ではいけないと思いますので、想定内で考えておかないといけないと私は思っております。
現在の庁舎は、昭和43年のときにできて、今のように世の中がぎすぎすしていなかった、おっとりした社会風潮の中で設計されたんだろうなというふうには思っておりますけれども、大変開放的で区民には親しみやすい建物になっているかもしれません。でも、一方、危機管理のところから見れば大変脆弱な構造ではないのかなというふうに心配になります。庁舎管理担当の率直な御所見をお伺いいたしますが、どうですか、安全ですか――と言ったら変でしょうけど。
○小山内経営室副参事(施設担当) 委員御指摘のとおり、出入りしやすい建物というのはセキュリティ上問題が起こりやすいというふうに認識しております。ただ、今後は有人警備の対応のよさを生かしつつ、防犯カメラなどの設置を進めるよう、セキュリティを高めていくということで考えております。
○高橋(ち)委員 担当副参事から防犯カメラも設置するよう検討していってくださるということでありますから、改めて、このことについて担当されている部長に御所見をお伺いしたいと思います。
○荒牧危機管理担当部長 私は、これまで警察官として長年にわたり生活安全あるいは警備部門、そういった分野に携わってまいりました。その経験を生かして、危機管理担当として事件・事故の対応や、その発生抑止に取り組んでおります。庁舎内の巡回も行っておりますし、施設面で気づいた点についても適宜助言はしているところであります。
具体的に助言の内容としては、今お話がありましたような防犯カメラ、これらの設置は危機管理上大変有効なものであるということから、本庁舎への防犯カメラの設置、そういった点について助言をしているところであります。
○高橋(ち)委員 担当部長にも助言を常にしていらっしゃるということでありまして、防犯カメラがいかに有効に活用ができるかというお答えをいただきました。大変ありがたい答弁だったと思います。ありがとうございます。
次に、危機管理を考える上では、常に最悪を想定する必要があると思われます。当然、想定外ですと軽々しく言いわけすることは許されていないわけでありますし、また、個人の日常感覚を基準にして対応を考えていくことも許されません。中野でも、この10年間を見れば、残念ながらさまざまな事件・事故が起こっていると認識をしております。常に危機と隣り合わせでお仕事をされているというふうに考えるべきだと思うんですけれども、職員一人ひとりの意識を高めていくことはもちろんのことですけれども、こうしたソフトの面だけではなくて、リスクを少しでも低減させる環境づくり、すなわちハードの面の整備も欠かせないのではないかと思っております。ガイドラインの策定にあわせて、庁舎や施設の環境を危機管理という切り口で検証や点検をされたことはあるのでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 施設につきましては、日々巡回、そして点検というものを行っているところでございます。ガイドラインの策定の時期ということではなくて、随時、必要に応じて見直してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 わかりました。随時見直していただくということですので、常にそういうことに取り組んでいただきたいと思います。
全区的に検証、点検を、今すぐ、随時やっていらっしゃるということだから理解しているとは思いますけれども、また、最低限、要所要所、今も担当部長のほうから御答弁をいただきましたけれども、防犯カメラや、それからパイプシャッターの設置などはもう早急に取り組んでいかないといけない課題だと考えますけど、どう思いますか。
○小山内経営室副参事(施設担当) パイプシャッターについては、建物の構造上、できる場所、できない場所等がございますので、これについてはまだ今後検討させていただきますが、防犯カメラについては現在資料等を集めて見積もり等もとって調整しているところでございますので、なるべく早い時期に設置したいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 ありがとうございます。ぜひとも早い時期につけていただきたいと思います。
構造上、なかなか難しいこともたくさんあるとは思いますけれども、やっぱり危機管理の意識を持って取り組んでいっていただきたいと思います。
そして……、(「商店街に補助金出してるんだからさ」と呼ぶ者あり)そういうことですね。補助金を出してつけなさいということもやっておりますから、やっぱり、まずはあるべき姿を見せることが大事だと思います。そして、業務執行上どうしても欠くことのできないための現金も保管することがあるというふうには思いますけれども、この盗難などに備えて十分な内容の損害保険に加入していらっしゃるのか、それから現金の保管について、きちんと注意をしている点がございますか。そして、保険対象や保険金額が妥当なものか検証・検討しているのかどうか、あわせてお伺いいたします。
○辻本会計室長 現在、官公庁向けの損害保険に加入しているところでございます。保険対象は、現金、小切手、有価証券及び郵便切手、預金通帳等々と幅広くなってございまして、戦争や内乱等を除く外的要因によって生じた一切の偶発的事故による損害としているところでございます。
また、保険金額につきましても、あらかじめ契約した範囲内で実損額を保障する内容ということでございまして、十分な内容と認識しておるところでございます。
現金につきまして、これは法令等を踏まえまして、金融機関に預金して安全に保管することを基本としているところでございます。ただし、業務の執行上必要な場合も、厳重な注意を行うよう義務付けているところでございます。
また、損害保険の契約でございます。これは年度ごとに手続を行ってございまして、その都度情報収集を行うとともに、行政運営上必要となる保険対象及び金額につきましても精査を行いまして、最適な条件で契約するよう努めているところでございます。
○高橋(ち)委員 本当に基本的なことでありますので、常に検証・検討を繰り返していっていただきたいと思います。今伺いまして、きちんとやっていらっしゃるということですから、それは安心をいたしました。
危機管理とは、災害だけのことではありません。日々の日常においても、職員の皆さんが一丸となって危機意識を高めていただきまして、不測の事態への備えを強めていくことが本当に大事なことだと思います。いわゆる、区民の大切な財産を預かって区政運営をしているわけでありますから、そういう意識をこれからも基本的に持っていただきたいと思っておりますけれども、これは要望ではなくて、もしこのことに対して御答弁があれば、どなたかお願いしたいと思います。
○川崎経営室長 ただいま危機管理対策についてさまざま貴重な御意見をいただきました。その中でもやはり一番大事なことは、職員一人ひとりがその意識を高く持つということだと思います。そのために、日常的な研修などに努めていきたいと思いますし、また、施設設備の工夫によりましてそのリスクを低減することもできますので、そういったことも含めて危機管理対策の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 ありがとうございます。ぜひお願いしたいと思います。私たち議会のほうも、行政サイドにばっかり言っていることではなくて、私たちもきちんと危機管理意識を持っていかなくてはいけないというふうには感じておりますので、私どもも努力をしてまいります。
では、3番目のごみ減量と清掃事業についてお伺いをさせていただきます。
平成12年4月に特別区制度改革の実現によりまして、基礎的自治体の役割の一つである清掃事業が東京都から区に移管されて、早いものでもう丸13年になろうとしております。収集・運搬業務を区が直接行いまして、収集されたごみの焼却処理については東京23区の清掃一部事務組合が行っているという現状であります。この清掃事業は、私たちが生活する上でなくてはならないもので、電気、ガス、水道と同様に必要不可欠なものであります。
そこで、お伺いをさせていただきますが、循環型社会形成推進基本法をはじめ、容器・包装、家電、食品などの一連のリサイクル関連法が制定をされ、この4月には新たに小型家電リサイクル法も制定される予定でいるそうでございます。中野区においてもさまざまなリサイクル、資源化の取り組みを行っており、ごみ量についても清掃事業が移管された当時と現在では大きく変化していると思いますけれども、区が収集しているごみ量の、都から移管されたときと、ごみの出し方が変更された後と、昨年度の推移についてお聞かせをください。また、念のために確認をいたしますが、清掃工場のない区もあわせて教えてください。
○鳥井清掃事務所長 区が収集してございますごみ量でございますが、清掃事業が移管されました平成12年度の量で8万5,588トンでございました。それから、平成20年度、ごみと資源の分け方を大きく変更した年度でございますが、6万8,328トンでございました。それから、昨年度、平成23年度で6万3,882トンでございます。
それから、清掃工場が立地していない区でございますが、6区ございます。具体的には、千代田区、新宿区、文京区、台東区、荒川区、そして中野区でございます。
○高橋(ち)委員 移管当初からすると、ごみの総量が約2万1,700トンぐらいですか、減少していることがわかりますが、ところが、ここ数年はごみ量にあまり変化がないんじゃないかなというふうに感じております。ごみの減量が鈍くなってきている原因は何なのでしょうか。どのように認識をされていらっしゃいますか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区は、平成20年10月に、不燃ごみと言われておりましたものをプラスチック製容器・包装、そして陶器・ガラス・金属ごみと分別変更をいたしました。また、新聞・雑誌・段ボールを行政回収から、町会・自治会が実施している集団回収に完全移行したものでございます。これによりまして、制度以降は、当初はごみ量が大幅に減少していましたけれども、今、議員が御指摘のとおり、ここ数年はごみ量の減少率が鈍化しているといったような状況にあります。
これは、分別変更してから今年度で4年半になりますけれども、転出入による分別排出の不徹底、未浸透層の増加といったところが考えられます。また、ごみの組成調査の結果を見てみましても、やはり小規模集合住宅の多いエリアにおきましては分別の徹底がされていないといったことがわかってございます。そういったことが鈍化の要因ではないかというふうに分析をしているところでございます。
○高橋(ち)委員 分別が徹底されないことが原因だということでありますけれども、私は新たな資源化に取り組んでいないということもごみの減少率が鈍くなっている原因ではないかと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 委員御指摘の点につきましても、一つの要因ではないかというふうに考えておりますので、現在も新たな資源化に向けてさまざまな検討を進めているところでございます。
○高橋(ち)委員 検討を進めていっているところでありますということですけど、早めに検討していただきたいと思います。
現在、区内にはごみ集積所の数というのはどの程度あって、また、集合住宅や戸建て住宅などの割合がどうなっているんでしょうか。さらに、区では小規模な店舗や事業所などのごみも集めていらっしゃると思いますが、その数をあわせて教えてください。
○鳥井清掃事務所長 まず、ごみ集積所の関係でございますが、今年度直近の数字で申し上げますと、ごみの集積所が区内で1万5,129カ所、これとは別に戸別収集にしている箇所が8,367カ所ございます。合計いたしますと、2万3,496カ所でございます。
それから、区内の住宅の割合でございますが、平成20年の総務省統計によりますと1戸建ては約3万4,000戸でございます。また、集合住宅の戸数は13万3,000戸となってございますので、全体といたしましては約75%の方が集合住宅に住んでいるということになろうかと思います。
それから、区が収集しております事業所の数でございます。まず、区内の全事業所の数でございますが、平成21年の統計調査によりますと、1万4,367事業所となってございます。事業所から出る事業系ごみでございますが、家庭ごみとは異なりまして自己処理が原則でございます。例外的に区が収集可能としているのは小規模事業所でございまして、具体的には従業員数が20名以下の事業所でございます。こうした小規模事業所は、全事業所数のおおむね9割の数でございますので、推測でございますが、区内には約1万2,900事業所の小規模事業所があるというふうに推測をしてございます。そのうち、実際に区の収集に出されて、区が収集している小規模の事業所数ということにつきましては、現在登録制等をとってございませんので、数の正確な把握はしてございません。
○高橋(ち)委員 すごい数だなというふうに思いますけれども、これ、後で聞きますけれども、登録制になっていないというのもちょっとどうかなというふうには感じておりますけれども、ごみの収集はたしか日曜日以外は収集していたと思いますけれども、年間の収集日数や収集体制というのはどうなっていますか。
○鳥井清掃事務所長 年間の収集日数でございますが、今年度、24年度で申し上げますと309日でございます。それから、ごみの収集体制でございますが、燃やすごみと陶器・ガラス・金属ごみで申し上げますと、まず車両の台数でございますが、清掃車両、毎日基本60台を稼働してございます。これらに乗ったりしています職員のほうの人数でございますが、60台のうち直営車が15台でございまして、区の職員である運転手15名がおります。それから、いわゆる雇上車、これが45台ございまして、これは民間の運転手が45名おります。それから、これらで収集作業に当たる区の職員が64名おります。これとは別に、狭隘路地の収集のみを行う軽貨物車が毎日5台稼働してございまして、運転と収集で10名の職員がついてございます。
○高橋(ち)委員 すごい日数だなと、ほぼ毎日、中野区内のごみの収集が行われているというふうに思いますけれども、このごろですね、夏の猛暑とか、今ごろの季節ですと雪が降って積もったりとかして大変なときもあったと思いますけれども、1日たりとも休むことができない事業であって、皆さんの御苦労は本当に大変だなというふうに思います。
それで、まさに生活ラインとして清掃事業も機能しているというふうに感じておりますけれども、私どもが区民の方々からいただく相談は、やはり小さな集合住宅、アパートやビルなどのごみの出し方が大変悪い、集積所でのトラブル、不法投棄についてあります。区では、このような問題に対してどのような対策を行っているんでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 ごみ出しやごみ集積での不法投棄の問題でございますが、まず、分別されていないごみでありますとか、あるいは曜日の違うごみなど、ごみ出しのルールに違反しているごみが実際に出されていた場合には、収集現場で職員がルール違反の内容を記載したステッカーをごみ袋に張り、収集せず、排出された方に出し直しをしていただくようにしてございます。また、そうした違反のごみが多い集積所がある場合には、啓発看板の設置なども行ってございます。状況によりましては、出されたごみの内容物を持ち帰りまして調べまして、排出者を特定いたしまして、御自宅を訪問するなどして直接の指導も行ってございます。
次に、ごみ集積所への不法投棄でございますが、収集の申し込みのされていない粗大ごみですとか、それから区ではもう収集してございませんテレビなどの家電リサイクル品が多いところでございます。これにつきましても、そうした処理をしてくださいということでお願いするステッカーを張りまして、ルールに沿った処理をお願いしているところでございます。
それから、よく管理人のいないアパートということが問題になってございまして、ごみ出しのルールを知らない方や、あるいは守らない方が多いといった声も多くいただいてございますので、これにつきましては、そうしたアパートのオーナーさんや管理会社を調べ、働きかけを行いまして、例えば専用のダストボックスを設置していただくとか、啓発看板を積極的に設置していただくなど、協力をお願いしているところでございます。
○高橋(ち)委員 さまざまな取り組みをされて対応されているんだなということが、今お話を伺ってわかりました。区内には、まだまだ管理会社の管理方式のアパートや、専用集積所も確保されていない共同住宅が数多くあると思うんですよね。また、私の住んでいる地域でも、最近では集積所でのトラブルケースが多くて、町会・自治会などにおいても問題解決するのにすごい努めているところなんですけれども、でも、残念なところ、集積所を管理されている人、または自宅前や敷地などを提供している方は、このごみの出し方の悪さとか不法投棄、そして清潔な状態を維持していくのに大変御苦労されています。最近では、もうこの場所を断りたいというケースもふえてきていると思うんですけれども、多くのその結果がごみ収集の増加にもつながっていっているのではないかなというふうには感じ取っています。
先ほど答弁していただきました事業系ごみについても、ちょっとお伺いをしたいと思います。事業所から出る事業系ごみは、家庭ごみとは異なっているということでありまして、自己処理が原則であるというふうにお話を伺いました、先ほど。そして、例外的に区が収集可能としているということでありますけれども、廃棄物処理法で事業者みずからの責任で適正に処理することが義務付けられ、事業主さんはこの例外的な措置によって有料のごみ処理券というのを張って集積所に出すことができると思いますけれども、区が回収している小規模な店舗や事業所から出たごみの量と有料ごみ券を使って出している小規模な店舗や事業所は何件ぐらいなのでしょうか。この有料シールの歳入というんですか、有料シールを買った分の歳入はどのぐらいになるのか、教えてください。
○鳥井清掃事務所長 区が収集してございます小規模事業所から排出されるごみの量でございますが、家庭ごみと同一の清掃車で収集・運搬してございます。また、家庭ごみと同一のごみの集積所で収集する現場がほとんどでございますので、事業系ごみとしての単独の量の把握ということはしてございません。
それから、有料ごみ券を張って出している事業所数につきましても、先ほど申し上げましたが、登録制ということではございませんので、1枚幾らのうちの幾らかということにつきましては、ちょっと把握はしてございません。
それから、お尋ねの事業系ごみ処理券の手数料の歳入でございますが、23年度で申し上げますと1億2,797万円余でございます。
○高橋(ち)委員 1億円も入ってくるということは、登録制も行っていなくて把握できていないということでありますけれども、登録制にすればもっと入ってくるかななんて思ったりもしました。
事業系ごみは収集を行っているのに、事業系ごみは把握していないということでありまして、有料ごみ券を使って出している事業者についても登録をしていないから把握していないということでありますけれども、本当にもったいないなというような気もしてなりません。有料シールを張らずに出している事業者数についても把握もしていないということでありましたよね。ですので、これは今後、把握するのはすごい課題、ハードだと思いますけれども、ぜひ把握していただきたいなというふうには思います。
シールを張らないで区の集積所にごみを出している事業者さんというのは、本当に普通の家庭ごみと一緒に出しちゃって、得しちゃっていると言ったら変ですけど、ずるいなというふうには感じ取りました。小規模な店舗や事業所さんから出されるごみの収集についても、もっと積極的に有料シールを張るように指導していかないといけないと思いますけれども、登録制でないということで、事業系のごみの量と有料ごみ券を張るべき事業所についても把握ができていないということの理解でいいのかな、そうでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 先ほど申し上げましたような状況がございますので、張っている事業所等の数を正確に把握しているわけではございません。また、張っていない事業所というものが幾らあるかというようなお尋ねかと思いますけれども、私ども収集現場で、これは事業系ごみだというふうに職員が判断いたしました場合には、やはり同じように、これを張ってくださいと、事業系ごみですから張ってくださいというシールを張って、出し直しをお願いしてございます。
○高橋(ち)委員 そうやって手間隙かけないとできないということでありますので、大変だなというふうには思います。でも、ある程度登録制ということを考えて今後検討していっていただきたいなと思います。じゃないと、普通に出しちゃって、シールを張っている人たちはちゃんとお金払っているのに、払わないで出した人たちは、何か、何というんですかね、こういうことを言っちゃいけないけど、得しているというか、ずるいなというふうに思いますので、事業者の方たちにも理解をしていただくような説明も必要かなというふうには感じ取っております。
それで、ごみの量が減らなくなって、ごみ集積所がふえて、家庭ごみも事業系ごみもともにルール違反があるわけでありまして、清掃事務所としてはごみの出し方やルール、マナーを守ってもらうためには、ルール違反に対する指導と、それから改善に取り組んでいるということはもう十分今のお話でわかりましたけれども、このような問題ケースの場合で、もっと指導体制とかを強化して構築していかなくてはいけないと考えていますが、どのように考えていらっしゃいますか。
○鳥井清掃事務所長 ごみ出しのルールを守っていただくための指導業務、これも大変重要と思ってございます。私どもの職員、先ほど体制を申し上げましたが、収集の現場におきましてもちろんルール違反のごみがありましたら、個別にそのシールを張るなどの指導はさせていただいてございますけれども、さらにごみを適正に処理する上、また、ごみ集積所を利用される区民の皆様、あるいは管理に貢献をしていただいております区民の皆様にとりましても、この指導業務は大変重要な業務だというふうに認識をしてございますので、必要な体制を組んでまいりたいというふうに思ってございます。
現在の体制で申し上げますと、指導業務、これに専門で当たっておりますのは10名の職員がおります。内訳は、指導班と言っておりますが、7名おりまして、これはごみ集積所のトラブルを中心に対応するチームでございます。それから、これとは別に、平成20年度から、特に管理人のいらっしゃらないアパートにつきまして、アパート専門チームを設けまして、今年度で申し上げますと3人で、アパートのオーナーさんや管理会社の面会等を行いまして、居住者の方のごみ出しマナー向上の働きかけをしているところでございます。
○高橋(ち)委員 指導に当たるのに、7人と3人というお答えでしたけれども、これは年に1回ぐらいしかないというわけではないから、すごい大変だと思うんですよ。その人数体制では、もう本当に、日々現場の仕事をしながら、また指導もしながらということで大変だと思います。現状の中において、ごみを減らさない限り、職員の皆さんもすごく大変じゃないかなと思うんですけれども、まずは私が思うには、人的対応も考えるべきだと思うし、もっと、いわゆる職員というか、携わる人がふえるのが普通じゃないかなと思います。今、その御答弁を聞いていると、このような人数で指導、または日常的な仕事をしていくのはすごく大変なことじゃないかなというふうに感じ取りました。
しかし、現状でやっていかなくちゃならないということになりますと、一層ごみの分別とかが重要になってくると思いますので、その重要なごみの分別について質問に入っていきたいと思います。ありがとうございます。
先ほど、るる、清掃事務所の話を聞きました。年間、毎日毎日収集しているような形で、指導にも当たらなくちゃいけないという、大変現場は厳しいところだと感じました。やっぱり、ごみが分別されて減っていかなくてはいけないということが大事だと思いますので、現在、中野区が行っている資源回収の仕組みというものは何種類あるんでしょうか。また、ごみの集積場所及び資源回収の場所が少ないように感じますけれども、何カ所なんですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 現在、再資源化をしております品目は、8品目となってございます。行政回収では、びん・缶・ペットボトル、それからプラスチック製容器・包装と乾電池を行っております。また、インクカートリッジにつきましては、生産者責任によるごみ減量を推進するために、純正プリンター用のインクメーカー6社が行っておりますインクカートリッジ里帰りプロジェクトに協力をさせていただいてございます。また、食品用の発泡スチロールのトレーですとか、牛乳パック、こういったものについても回収しておりますし、リサイクル展示室、それから一部集団回収などでも回収を行っているところでございます。
また一方、新聞・雑誌・段ボール・雑紙などの、区内全域で集団回収として町会・自治会をはじめ子ども会、それからマンションの管理団体、このような団体が223団体、協力団体として登録をされて回収を行っているところでございます。
また、びん・缶・ペットボトルの資源ごみの集積所ですけれども、約7,600カ所、そして町会・自治会等が定めた集団回収の集積場所につきましては、約7,000カ所となっているところでございます。
○高橋(ち)委員 何かゆっくりやっていたら、時間がどんどんたってきちゃったんですけど、ちょっと早口になりますけれども、今伺ったように、ごみの集積所のように資源回収の集積所でトラブルとか問題とか、ありますか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 先ほど委員御案内のとおり、やはりごみの集積所と同じように、びん・缶・ペットボトルの集積所を提供していただいている方、それから管理されている方、この方々については不適正排出や不法投棄、そして収集後の衛生管理を確保するための掃除、こういったところに大変御苦労されているというものです。また、これによりまして集積所の廃止、変更といったことが多くなっておりまして、集積所を廃止したことによる新たなトラブル、それから変更場所がまた定まらないといったようなことが問題となっております。
集団回収の集積所におきましては、やはり不法投棄の現場になってしまっていたり、持ち去りといったような問題が起こっているところでございます。
○高橋(ち)委員 こちらも、ごみと同じようにトラブルが絶えないというか、置き場所にも困っちゃうなというふうには思いますけれども、私どもが平成24年度の政策懇談会の中で容器・包装プラスチック製品の回収について区民へさらなる周知徹底をしてほしいというふうに要望をしておりました。そこで、この件について幾つか質問いたしますけれども、ごみの分別やごみの出し方などについて問い合わせがかなりあると思いますけれども、現在どのような状況ですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 私のところのごみゼロ推進担当のところでは、1日おおむね40件から50件、清掃事務所におきましては年間2万7,948件、土日も業務を行ってございます、310日でございますので、それで割りますと約1日90件といったところでございます。
○高橋(ち)委員 相当お問い合わせが来ているというので、あれをやったり、これをやったりと本当に大変なんだなと感じますけれども、先ほどの再資源化の品目についていろいろ聞きましたけれども、周知徹底をするために広報やホームページでこれを皆さんにお知らせすることはもちろんですけれども、そのほかにどのような方法で皆さんにお知らせをしているんですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区報等の周知の方法以外ということでございますが、リーフレットの配布ですとか、それから小学生向けの環境学習、出前講座、それから毎年3Rの推進月間におきまして、区役所1階のホールにおきまして展示物の展示により御案内をしているところでございます。また、先月27日まで、中野駅のガード下ギャラリーでも分別の御案内をしていたところでございます。
○高橋(ち)委員 私もギャラリーは見ましたけれども、今、そのようにるる、いろいろやっていらっしゃるということですけれども、特化しまして、リーフレットの件を伺いますが、この資源とごみの分け方・出し方を、このようにリーフレット、私も持っているんですけれども、これはここ数年、これはすごい昔のなんですけどね、21年、これしか私は持っていないんですけど、21年に配っていただいたこのリーフレット、もう色が変色しちゃっていて、きれいなものではありませんけど、どのように配布をしているんですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 配布の方法といたしましては、中野区に転入された方につきましてお配りをしてございます。それ以降、今、委員お話のとおり、21年度以降、全戸配布等は行ってございません。
○高橋(ち)委員 転入された方に配布をするのは当然ですけれども、配布されていません。本当に、いつごろから各家庭に配布しなくなっているのかなと思ったら、21年からは配布していないということで、じゃ、今後の予定はどうなっているんですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 21年度ということで、22年の3月に発行させていただきました。今後も、今のところ全戸配布する予定はございません。
○高橋(ち)委員 すばらしく強く、ございませんとか言っていただいちゃったんですけど、本当に、何かショックですね。すごいね、このようなリーフレット、これは転入者用のを私はいただいてきたんですけれども、最後、いわゆる21年に配布したごみの方法から変化があったと思うんですよ。それでも変更しないのというか、この新しくもらったところには、スプレー缶、カセットボンベ、ライターと書いてありますけど、ここには、古いのにはほんの少ししかないんですよ。それで、ぺらぺらの裏表で、こちらはすばらしく、こんな大きく、ちょっと張るのが大変かなと思いますけれど、こういうのがあるんですけど、どうですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 先ほど御答弁いたしましたように、このようなリーフレットにつきましては毎年発行するようなものではないという認識を持ってございます。新たな、全戸配布をするときには、ごみ収集の方法が変更になった、曜日変更になったとか、新たな資源化に取り組んだ、こういったときに全戸配布する必要があるかなと思っております。
今、委員、リーフレットをごらんになってお示ししていただきましたけれども、ライターですとかスプレー缶、こういった混入ごみによりまして清掃車両等が火災を起こすといった事件が多発していました。また、近年では水銀ごみ、こういったものの混入ごみで清掃工場が一時停止をすると、作業を停止するといったような事故もございましたので、そのときにホームページで御案内をさせていただいたり、関係事業者の方々にチラシをお配りさせていただいて、分別の徹底を図ってきたところでございます。
○高橋(ち)委員 毎年配布するようなものではないと、また、何か冷たい答弁でしたけれども、私の記憶では隔年配布というお約束だったんじゃないかなと思います。それで、ホームページに書いてあるといっても、私みたいにアナログな人は、ホームページからぴゅーっと見るというのも大変時間がかかっちゃって、やっているうちにわけがわからなくなってきたりします。そのうち、こういうのを必要とするのは、やっぱりお年寄り、それから主婦が大半なんですよ。皆さん、団地でこれ見て、ごみ出す人いますか。こういうのはアナログが必要なんですよ。
それで、いいですか、お隣の杉並ではこのようにカレンダー方式なんですよ。カレンダー方式。こうやって、1月、2月、3月ってこういうふうにめくっていくと、親切丁寧に、この日は何、この日は何と、こうやって書いたものを全戸配布しているんですよ。全戸配布、わかりますか。全戸配布ですよ。――笑ってくれちゃってありがとうございますけれども、しかもですね、これね、こうやって広告いただいているんですよ、広告。だから、きっと、杉並だけの予算じゃなくて、これだけ丁寧なものをつくるには広告代も入っていると思います。杉並区のことを御存じの人はわかるでしょうから、ちょっとこれ、回してみますから、どうぞごらんください。
それで、このようなわかりやすいカレンダー方式を私は案内すべきだと思います。これだって、必要なんですよ、本当はこれも必要、でも、私が必要と言ったとき、これはごみになると言われてお叱りを受けたこともありますけれども、このようなカレンダー方式で案内をしている区が、確認ですけど、23区の中ではどれだけあるのか。それから、中野区もどうやろうと思うか、私は中野区もこういうふうにしてほしいと思いますけど、どうですか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 杉並区がカレンダー方式で全戸配布を行ってやっているということは十分承知しているところでございます。中野区では、ホームページ上でカレンダー方式を一部導入しているところです。行政回収につきまして、一部、ホームページ上で導入しているといったものです。紙ベースでの御案内になりますと、古紙回収、先ほど集団回収で実施していると申し上げましたが、こういったところの集団回収につきましては、町丁目の単位で実施しておりますので、エリアが大変複雑でございます。そういった意味で、行政回収と合わせたカレンダー方式というのは大変複雑で困難なものだなというふうに考えております。また、地域別を毎年作成するといったようなものは、経費的にもちょっと大変かなというふうに考えております。
また、23区の状況でございますけれども、16区が冊子による御案内、それから中野区を含め4区がリーフレット方式、そして、この2点につきましては全戸配布の時期は不定期となってございます。カレンダー方式を採用しておりますのは、杉並区を含め3区、品川、葛飾でございます。それで、毎年の全戸配布というような状況になってございます。
○高橋(ち)委員 先ほど、品川が入っておりますけれども、危機管理でも品川はすばらしく対応しているところであって、このごみの件でも品川がカレンダー方式で全戸配布している。何か、うらやましいぐらいになりますけれども、やっぱり難しいとかいうことではなくて、経費的にも難しい、でも、さまざまな工夫をすれば可能じゃないかなというふうに思います。先ほど紹介したように、カレンダーに広告が載っているように、広告を募るとか、より一層の工夫をすればできると思うんですけれども、区民にもこういうふうにすると発信ができますし、より適正な分別方法ができて、理解が深まると思うんですよ。ただ、ごみ出しが悪いから注意して、ごみ出してくださいと言ったって、もとのものが古いものであったりとかしたら、ちっとも役に立たないと思いますけど、どう考えますか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 先ほどもお答えしましたけれども、カレンダー方式による方法につきましては、なかなか難しい面があろうかというふうに考えているところです。現在発行しておりますリーフレットなど、今までの御案内をはじめ、さまざまな工夫と取り組みによりまして、区民の皆様方に御理解と御協力をいただけるように引き続き取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
○高橋(ち)委員 なかなか難しいって、それは抑えられた予算の中でやらなくちゃならないという考えで難しいとおっしゃっているのかもしれませんけれども、本当にしつこいように言いますけれども、中途半端な対応をされていると、ごみの出し方もみんな中途半端になっちゃうと思うんですよね。それで、ぜひとも前向きに、私は考えていかないといけないと思います。区民の皆さんに理解をしてもらうためには、区がやっぱりそれなりのものを区民に提供してあげないとわかりません。そして、先ほども言ったように、ホームページではカレンダー方式やっていますと言っても、それも私みたいな年齢になってくるとなかなか理解ができません。そして、言っておきますけど、10か年計画においてもごみ半減、ごみゼロの道筋をとうたっているのに、できません。じゃあ、各家庭に配布するのもいつだかわかりませんというような中途半端な対応をされていると、本当に不安になってきてしまいます。いま一度、しつこいようですけれども、いま一度ですよ、時間のない中、しつこいように聞きますけれども、わかりやすいカレンダー方式による案内を、毎年じゃなくてもいい――毎年ないとだめなんだ、カレンダーだからね。毎年ですね、こんなに丁寧じゃなくてもいいですけれども、分別ごみがわかるようなカレンダー方式を配布するという、その意気込みはどうですか。もう一回聞きます。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 中野区で以前、カレンダー方式ではないんですけれども、1週間で、その地域ごとの、町丁目エリアで曜日を示してございまして、そこに曜日のシールを張っていただくと、それをめくりますと週でわかるようになっていると、そういったものを以前つくったことがございます。そういったことも含めまして、よりわかりやすい方向でのリーフレット、または冊子方式、そういったところでの工夫はできるのかな。カレンダー方式というのはちょっと、なかなか、先ほど申しました行政回収と集団回収合わせるのはちょっと難しいかなというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 担当副参事は、それ以上お答えはできないかもしれませんので、最後に、これ、しつこく聞きますけれども、担当部署の責任者から御答弁をいただきたいと思います。
○小谷松環境部長 いろいろ厳しい御指摘、ございました。その他につきましては、ただいま担当の副参事のほうから御答弁申し上げたとおりでございます。人、金、物など、活用できる、そういった経営資源には当然のことですが、それは限りがございます。そういったことからも、きちんとポイントを絞った形でやはりやっていく必要があるだろうというふうに思ってございます。
また、カレンダー方式につきましても、いろいろ工夫をして、ホームページ上等で掲載して、アナログの人という話はございましたけれども、いろいろな工夫をしながらやっていきたいというふうに思ってございます。
中野区の場合は、非常に人口の流動性が高い、また先ほどもちょっと答弁の中にございましたとおり、集合住宅の居住者や若年層が多いといったような地域の特性もございます。そういったものをしっかり踏まえて、中野区に合った形の中で、限られた資源を有効に活用しながら、しっかりとごみ減量、清掃事業に取り組んでまいりたいと思ってございます。
○高橋(ち)委員 やりますという答弁を聞きたかったんですけれども、いつになるかわかりませんみたいな感じでは困ります。ですので、一応、これ以上は言いませんけれども、私はぜひ、やっぱり区民に協力をしていただくためには、区民にとってわかりやすい資料を差し上げるのが区の責任ではないかなというのをお願いしておいて、今のところはしようがないかなという感じで終わりにします。
もう時間がどんどん迫っておりますので、もう一つ、区長が施政方針説明の中で地球温暖化防止戦略で述べておりました、ペットボトルの破砕回収機について伺いたいと思います。この回収機は、区内のどこに設置されて、また、このポイント制度というのがどういうものなのか、それから効率的な回収というのはどのように考えているのか、3点ほどお伺いします。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) まず、ペットボトルの破砕回収機の設置場所でございますが、区内10カ所にございますスーパーに設置をしてございます。ちょっと御案内させていただきます。サミットストアの江原店、それから中野南台店、こちらは4月1日からになります。それから、西友沼袋店、オーケーストア鷺宮店と中杉店、マルエツプチの大和町店と中野中央店、ライフ東中野店とキッチンコート東中野店、それから三徳新中野店でございます。
次に、ポイント制度でございますけれども、破砕回収機設置店にペットボトルを区民の皆様にお持ちいただくのですけれども、その際に、スイカ、パスモといった交通機関のカードをお持ちの方はこのカードを一緒にお持ちいただきたいんですけれども、お持ちでない方につきましては中野区エコ広場ポイントカード、こちらは中野区独自のカードになりますけど、ICカードになっております。このカードを各店舗で無料で発行させていただきます。お持ちいただいたカードを、カードリーダーにかざしていただいた後にペットボトルを機械に投入していただくと、そうしますと、投入していただいた本数分、1本当たり2ポイントのデータが集積されると。そして、このポイントが500ポイントたまりますと、店内設置のポイント交換端末で設置店舗のお買い物券50円相当と交換ができるといったような仕組みでございます。
次に、中野エコポイントとの一本化ということでございますけれども、中野エコポイント制度につきましては、家庭からのCO2排出量の削減を促進するもので、ポイントの交換は区の財源を活用しているといった仕組みでございます。一方、中野エコ広場ポイントも、輸送コストを削減し、CO2削減・排出抑制につなげるといった一つの仕組みではございますが、ポイントの経費が設置事業者の負担となっているものでございます。また、個人情報を必要としない無記名なカードによりましてポイントをためる、そしてポイント管理も設置事業者のシステムにより管理されるといったものでございます。このことから、現時点におきましては一本化は難しいというふうに考えているところでございます。
あと、効率的な回収ですけれども、この機械にペットボトルを投入いたしますと、この段階で選別と破砕処理をいたしますので、現在のペットボトルの容器が約8分の1に減容されてまいります。これによりまして、現在収集運搬しておりますけれども、中間処理施設に一度、集積所のやつは回収して中間処理施設に持っていっていると、そういった中間処理施設の必要がなくなるといったことで、フルボトル状での輸送よりも車両台数を減少させることができるということで、とても効率的で、また運搬のコストも削減することができる。また、結果的にCO2の削減にもつながりまして、地球温暖化防止にも貢献できるといったようなものでございます。
○高橋(ち)委員 るる、いろいろと説明していただきましたけれども、区内に10カ所あるということで、何か10カ所、今聞いたら、割と南のほうは少ないのかなというのがありますけれども、これは公平に、ふやしていっていただきたいなというふうに思いますけど、そこのところは後ほど御答弁いただければと思います。
それで、エコポイントとの一本化はできないとおっしゃっていました。その理解でいいわけですね。確認します。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 先ほど申し上げましたように、まずポイントの負担が、行政が負担するかということと、設置事業者が負担するかとの違い、それからポイントの管理が、行政が管理するのか、その設置事業者が管理するのか、そういった違いがございますので、現状は難しい、できないなというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 わかりました。今後ふやしていく御予定はあるかどうか、いま一度教えてください。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 今後の展開につきましても、随時展開を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○高橋(ち)委員 わかりました。ありがとうございました。今伺ったことも、区民の皆さんへ適切でわかりやすい周知をしなくてはいけません。そして、理解をしていただかなければ、もうこの破砕回収機なんて宝の持ち腐れになっちゃうというふうに私は思います。地球温暖化防止戦略を確実に進めていくためには、区民の皆さんへの、またしつこく言うようですけれども、分別ごみのお知らせ、カレンダー方式というのを希望しておきますけれども、新しい資源とごみの分け方・出し方を各家庭に配布していただきたい、そしてペットボトルの効率化で効果的な回収をさらにしていただきたい、この両方を充実させることが現在大変大事なことだというふうに私は感じます。
先ほど、取り組みを強化し、より充実を図るべきであるというふうに強く要望しましたとおり、しっかりと受けとめていただいて、今後もさらにこの周知徹底を図っていただきたいと思います。これは要望にしておきますので、ありがとうございます。
それで、もう残りが1分になってまいりまして、残っている質問がございますが、大変申しわけないんですけれども、質問をふやしたにもかかわらず、ごめんなさいということで、取材をしていただいた方々、本当にまことに申しわけございませんが、関連するのは分科会でやらせていただきます。そして、区歌と川柳においては、区歌はもうやっていただけるという安心感がありますので、川柳については次回にしたいと思います。
今、中野において大変皆さんに思っていただきたいのは、お金がなくても何か道がある、そしてそういう仮説において行動すれば素早く解決が見つけられる、予算があろうとなかろうと、すべて予算でやろうと思うから行き詰まってしまう、もっといい発想を出していただきたいということをお願いいたしまして、私の質疑を全部終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了いたします。
続きまして、2番目、むとう有子委員の質疑に移りたいと思います。
進行のことで委員会を暫時休憩をさせていただきます。
午前11時39分休憩
午前11時47分開議
○佐野委員長 委員会を再開いたします。
ただいまの理事会の報告をさせていただきます。
むとう委員の質疑時間につきましては、12時まで質疑をおこない、12時で休憩をしまして、その後、1時過ぎから継続というふうにさせていただきたいということで決まりましたので、御了承をいただきたいと思います。
それでは、むとう委員、質疑をどうぞ。
○むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭な答弁をお願いいたします。
1番目、施政方針説明についてお尋ねいたします。
予算規模は年々増加し、提案されました2013年度の予算案は、前年度に比べ5億6,300万円増の1,170億4,100万円となりました。庶民の私からすれば、未来に借金を残さぬよう、収入に見合った予算にしなければ心配で落ちつきません。
区長は、施政方針説明の中で、基金の取り崩しを見込んでいる、その基金には限りがある、さらに自治体の行政は主権者全員の共有物であり、主権者の負担のみによって成り立っている、基金は主権者の負担を一時蓄えたもの、負担を超える支出は自治体運営の担当者には許されていないと、大変健全なお考えを述べられました。そこで、お尋ねいたします。自治体運営の担当者には許されていない負担を超える支出とは、どのようなことなのか、具体的にお答えください。
○奈良政策室副参事(予算担当) 現在、歳入と歳出の不均衡を基金の繰り入れで賄わなければならないという状況が続いてございます。この基金を含む歳入、これを主権者の負担と言っているわけでございますが、この基金にも限りがあるということでございます。基金が枯渇した場合には、現年度の税収等で歳出を賄うことになりまして、歳入を超えた歳出予算を組むことというのはできないわけでございます。こうした事態になると、歳入に見合った額まで歳出を削減しなければならないということになりまして、歳入以上に支出をすることはできない、こうしたことを指して言っているものでございます。
このために、今後ますます求められますのが、歳入を増やすための取り組みでありまして、持続可能な行財政運営のために地域資源を有効に活用しまして、地域で資源、財源を生み出したり、財源となる資源を育てるといった施策展開が必要になるというふうに考えてございます。
○むとう委員 予算案の概要の54ページに、今後5年間に基金や起債を活用する事業一覧が載っていますが、基金繰り入れの合計額と起債の合計額はそれぞれ幾らになるのでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 起債につきましては396億円でございます。基金の繰り入れは90億円でございます。5年間の財政フレームのとおり、計画的な基金の積み立てと取り崩しを行い、財政調整基金の残高を確保しつつ、また、投資的事業に当たりましては世代間の負担の公平性に基づいた起債の活用、これは公債負担比率10%を目安に計画的に行ってまいります。こうしたことによりまして、歳入と歳出の均衡を図っていくというものでございます。
○むとう委員 割とすごい金額になりますね。次年度の単年度予算では、許されていない負担を超える支出には当たらないと言われるかもしれませんし、今後基金の積み増しや起債の返還も少しはなされるかもしれませんが、この予算案で進めていくことは自治体運営の担当者には許されない負担を超える支出に向かっている危機感を私は持ちます。身の丈に合った事業規模へと考え直すべきであると指摘し、次の質問に移ります。
次に、5歳児歯科健診についてお尋ねいたします。
新規事業として、全5歳児に歯科健診及びフッ素塗布を行うために、261万3,000円が予算計上されています。虫歯予防に健診は重要ですが、フッ素塗布は問題です。厚生労働省は、虫歯予防にフッ素が有効との立場から集団フッ素洗口と塗布を推奨しています。
歯とフッ素のかかわりの歴史は、1900年ごろ、斑状歯という、歯に斑点ができ、朽ちたようになる病気が報告され、1930年ごろ、それがフッ素と関係があることがわかり、1940年ごろ、さらに斑状歯の患者が多い地域の人に虫歯が少ないということが報告され、1969年にはWHOがフッ素による虫歯予防を宣言しました。
しかし、既に1968年に国際フッ素研究学会が、1980年には日本フッ素研究会が発足し、フッ素利用に批判的な研究が報告され、その後も歯科、医学、毒物、化学、環境等にかかわる科学者からもフッ素利用に反対する意見が多数発表されています。フッ素の曝露量、年齢、体質等によっては吐き気、腹痛、下痢、心不整脈、昏睡などの急性毒性、斑状歯と言われる歯のエナメル質形成不全、骨硬化症などの慢性中毒の危険性が否定できず、その上、骨の発達異常や骨折率の増加、ダウン症、発がん性や遺伝毒性、体の動きを調整する酵素などに悪影響を及ぼすということなど、さまざまな研究が年々ふえています。
これまでフッ素利用を推進してきたWHOも、1994年には6歳未満の子どもへのフッ素洗口は強く禁止する、8歳未満の子どもへのフッ素塗布は勧められない、6歳未満の子どもにフッ素配合歯磨き剤を使用させることは好ましくないという見解を発表しています。フッ素洗口を強力に推進してきたアメリカ歯科医師連盟も、6歳未満の子どもには勧められないとしています。
1997年、G8環境大臣会合のマイアミ宣言では、近年、多種多様な化学物質が環境中に拡散し、化学物質過敏症も増大しているが、化学的に毒性が証明された化学物質を個別に規制しても微量複合影響という現代型汚染に対処できず、毒性情報の蓄積を待つ間に健康被害が進むおそれがある。よって、因果関係が化学的に解明されていない場合も被害を未然に予防する措置を講ずるべきとする予防原則の考え方が国際的な原則になっており、とりわけ、解毒作用の十分発達していない子どもの健康保護のために適用されることが求められ、曝露の予防こそが子どもを環境の脅威から守る唯一かつ効果的な手段であると宣言されました。
日本の判断は世界からおくれをとっていると言わざるを得ません。2005年に厚生労働科学研究班が行った地方自治体におけるフッ化物利用に関する全国実態調査報告書でも、塗布による嘔吐とアレルギー症状が報告されています。日本弁護士連合会は、1981年に虫歯予防へのフッ素利用に関する意見書を、2011年には集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書を、2012年には歯科口腔保健の推進に関する基本的事項(案)についてのパブリック・コメントでフッ素洗口・塗布の反対意見を国に提出しています。いずれも、安全性、有効性、必要性、相当性への疑問、環境汚染への危険性を指摘し、化学的治験も踏まえた法律家の視点から、学校等での集団的に実施されているフッ素洗口・塗布の中止を強く求めています。このように、フッ素洗口・塗布については、虫歯予防への絶対的有効性も揺らぎ、体への有害性が問いただされています。
フッ素塗布をめぐるこのような状況を区は把握しているのでしょうか、お答えください。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 委員のお話、説明にありましたWHOの専門委員会の、子どもが小さいうちからフッ化物が配合された、うがい液などを使用するということについて、おそれがあるため、親の管理下で使用するといったような指摘は存じております。また、この指摘には、万一そういったうがい薬を全量飲むことを想定した指摘であるといったようなことについて認識をしております。
○むとう委員 ちょっと認識が違うのではないかと指摘いたします。フッ素洗口・塗布剤の医薬品添付文書には、副作用として嘔吐、腹痛、下痢、過敏症、口腔内部組織痛、口腔内感覚異常が明記されています。このようなフッ素塗布による副作用について、区は把握していますか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) フッ素につきまして、急性中毒実験を大学の歯学部でやりまして、そういった被害実例があったことは承知しておりますが、いずれもフッ化物を使用する上での指示が誤っている事例や、因果関係や発生率などの分析もございません。そういった状況の中では、参考になるものというふうには考えておりません。
○むとう委員 虫歯予防の第1は、規則正しく、栄養バランスのよい食生活、第2に正しい歯磨きだと考えますが、いかがでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 乳幼児の虫歯予防には、食事やおやつの時間を決める、保護者が歯の仕上げ磨きを行う等、また、フッ化物の塗布などが有効であるというふうに考えております。
○佐野委員長 むとう委員の質疑の途中ですが、ここで昼食休憩にしたいと思います。
1時まで委員会を暫時休憩いたします。
午前11時59分休憩
午後1時00分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開します。
昼食前に引き続きまして、むとう有子委員の質疑を続行させていただきます。
○むとう委員 5歳児にフッ素塗布を行うという判断は、8歳未満の子どもへのフッ素塗布の使用制限という世界の常識におくれをとり、いまだに推進している日本の、そして中野区の考えのみを根拠に提案されているのでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) WHOの専門委員会におきまして、6歳未満の子どもたちの歯磨き剤の使用などについては親の管理下のもとで行うといった意見や、フッ化物の有効性について国の見解などを総合的に判断しまして、歯科健診の際に保護者の判断のもとでフッ化物の塗布を実施する事業として判断したところでございます。
○むとう委員 日本の子どもの虫歯は減少傾向にあり、その上、虫歯は急性感染症ではありません。フッ素の有効性に賛否両論のある中、とはいえ、今や国際的には反対論が主流ですが、因果関係が化学的に解明されていない場合は被害を未然に予防する措置を講ずるべきとする予防原則に立ち、とりわけ、解毒作用の十分発達していない子どもの健康保護のために、リスク回避の上からも塗布をやめるべきではないでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 虫歯予防には、歯科健診の際、フッ化塗布は有効な一つの手だてと考えておりますので、25年度7月から行う予定でおります。
○むとう委員 大変残念です。また、良心的な歯科医師はフッ素塗布のメリットとデメリットを伝え、その子の歯や健康状況を踏まえ、安易にフッ素塗布をせず、歯磨きの仕方や食生活での虫歯予防を指導する医院もあります。せめて、そのようにフッ素塗布のメリット、デメリットを伝え、保護者が塗布の選択ができるようにするべきではないでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 健診を実施します医療機関に向けてマニュアル等を配布し、医療機関から保護者に向けて健診やフッ化塗布について説明を行っていただく予定でおります。
○むとう委員 では、親が選択できるということでよろしいでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) はい、保護者の選択の上でフッ化塗布について行っていただく予定でございます。
○むとう委員 区では、1歳6カ月と3歳児の歯科健診を行っていますが、その際に、やはり何の疑問も持たず、歯科衛生士が市販されているフッ素塗布の薬品を紹介し、フッ素塗布を勧めているとのことです。繰り返しますが、見解が違うようですけれども、WHOは6歳未満の子どもへのフッ素洗口は強く禁止する、8歳未満の子どもへのフッ素塗布は勧められない、6歳未満の子どもにフッ素配合歯磨き剤を使用させることは好ましくないという見解を発表しています。
(発言取り消し) 虫歯予防にフッ素を、安易に、歯が生えたばかりの子どもに公の場で勧めることは慎むべきではないでしょうか。せめて、1歳6カ月と3歳児の歯科健診の際にも、保護者にはWHOの見解を紹介するなど、メリット、デメリットの情報を伝え、安易にフッ素塗布ではなく、歯磨きの仕方や食生活での虫歯予防を指導するよう、健診のあり方を改めるべきではないでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) すこやか福祉センターにおきましては、健診時に正しい食生活や歯磨きなどについての指導を行っております。あわせて、フッ化物入り製品の使用方法の説明を行っております。今後も適切な指導を行っていきたいというふうに考えております。
○むとう委員 公の場で商品を見せて説明すれば、これはいいんだと親は思ってしまうんですよね。やはり、そういうことは慎んでいただきたいというふうに私は思います。予防原則に立ち、リスク回避の姿勢を持つことを強く求めて、この項の質問を終わります。見解の相違で大変残念でございました。
続きまして、疾患のある児童・生徒の学校生活管理についてお尋ねいたします。
昨年12月20日に、調布市の小学校で食物アレルギーを有する児童が、学校給食後、アナフィラキシーショックで死亡する事故が発生しました。それを受けて、12月21日に東京都から、12月26日には文科省から、遡ること2008年6月に通知した学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインと、アレルギー疾患対応の学校生活管理表による管理の徹底が改めて通知されました。本来であれば、2009年度から、学校現場において、学校生活管理指導表がガイドラインに沿って有効に活用されるはずでしたが、各教育委員会の対応がまちまちで活用の徹底が図られていなかったようです。
国の虫歯予防にフッ素はいただけない方針ですが、学校生活管理指導表は、疾患を抱えながらも学校生活を安全に送るために有効に活用すべきものであると私は評価します。しかし、中野区教育委員会は、医師である教育委員が、2008年ごろからこの指導表の活用を促していたにもかかわらず、2009年6月、医師会との調整がつかないことを理由にこの指導表の使用を控えるよう、各小・中学校長に通知していました。そして、このたびの死亡事故により、改めて国から指導表による管理徹底を求められて、次年度からの活用を目指して今準備しているところではないでしょうか。
そこでお尋ねいたしますが、そもそも学校生活管理指導表とはどのような目的で、どのように活用されるべきものなのか、簡潔に御説明ください。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校生活管理指導表につきましては、対象となる児童・生徒の主治医、または学校医が作成するというものです。心臓病疾患、それから腎臓疾患とアレルギーの疾患用の3種類がございます。学校において、こうした疾患で対応が必要な児童・生徒について、学校での体育の授業やクラブ活動、それから給食、校外活動など、さまざまな活動への参加の可否、それから参加の仕方、参加に際しての注意事項などを確認して、対象児童・生徒に合った適切な対応を行うという目的で、学校が保護者の方に提出を求めるというものでございます。
○むとう委員 アレルギー疾患用以外には、今御説明がありました腎臓病と心臓病等の学校生活管理指導表があり、1980年ごろから活用されていました。2009年度から活用すべきであったアレルギー用の指導表については、医師会と調整し、活用方針が決定したら通知するので、それまでは使用を控えるよう各小・中学校長に通知し、既に3年8カ月が経過しました。腎臓病と心臓病等の指導表は30年も前から活用されていたにもかかわらず、アレルギー用の指導表の活用はストップをかけたまま、のんきに3年8カ月もかけて一体何を検討していたのでしょうか。端的にお答えください。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) アレルギーの疾患につきましては、平成20年に学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが示され、その中で学校生活管理指導表の活用というのが提示されました。しかし、区としましてはそれ以前から、ほぼガイドラインに沿った方式で給食の除去食の対応ですとか、ぜん息の児童・生徒さんの対応など、アレルギー疾患のあるお子さんたちへの対応というのを実施してきておりました。こうした状況にあったため、新たに示された学校生活管理指導表をどう活用していくか、その活用に当たって学校が求める医師の診断書のあり方ですとか、そういったことを検討するということが必要でございました。また、医師会との協議というのも必要でございました。そのため、学校から保護者の方に、新たにこの学校生活管理指導表の提出を求めるということを控えるようにということで通知をしたものでございます。
学校生活管理指導表の活用につきましては、医師会との協議も調っておりますので、来年度から活用していくということを予定しております。
○むとう委員 今御説明ありましたけれども、アレルギー疾患とは今回問題となっている食物アレルギーだけではなくて、気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などもあり、それらを重複して発症している場合もありますので、総合的な把握と管理が必要でした。今の御説明にもあったように、各学校がそれぞれの判断でやっていたということでよろしいんでしょうか。統一の指導表を使わないで、各学校がおのおので、各学校の判断でアレルギーについてはやってきていたということになるのでしょうか。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員会としましては、各学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく対応をするということで周知徹底を図ってきております。これを踏まえて、各学校ではアレルギー疾患の特徴を把握して、対象児童・生徒の状況に合った対応というのを行ってきているところでございます。
○むとう委員 ここもなかなかかみ合わないところなんですけれども、各学校によって出していた、指導表を使っているところもあれば使わないところもあったりとか、独自の方法であったということは、私はそれは学校任せであったというふうに思うんですけれども、今後、具体的で確実な活用方法や方針を教育委員会が示して、活用実態を把握し、確認していくという方法もしっかりととっていくべきではないでしょうか。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) アレルギーの疾患につきましては、ガイドラインを踏まえて、教育委員会として生活管理指導表の取り扱い方法等を示しまして、学校や学校医、それから中野区医師会と連携を図りながら活用していくということを考えております。
また、腎臓、それから心臓疾患の学校生活管理指導表の活用につきましては、もう既に学校の中で定着しているため、今後とも適正な活用を図っていくということで考えております。
○むとう委員 ですから、今後はそうしていくということはよくわかりました。ということは、これまではそうはしていなかったというふうに聞こえてまいります。
次にいきますけれども、このたびの死亡事故では、アナフィラキシーショックで死亡するとの危機感の欠如と、エピペンを注射するためらいが課題となっています。中野区には、エピペンを保有する児童が9人います。保護者は常に不安と危機感を抱え、子どもを学校に送り出しています。事故に備え、保護者の側から担任や養護教諭に理解を求め、説明をしたり、DVDを持参して見ていただいたりと、保護者が働きかけなければならない状況にあったと区民の方から伺っています。保護者が働きかけなければ動かないという状況は、あきれるばかりです。
今年度、エピペン保有児童がいる学校の研修状況を伺うと、新年度、給食が始まる前に研修をするべきだと思いますが、9月になって実施した学校や、予定しながらいまだに実施していない学校があります。これまでアレルギー用指導表も活用せず、保護者から聞き取ることを研修と称する学校もあり、不十分な研修実態で、事故が起こらなかったことは不幸中の幸いと言えます。
このたびの死亡事故でやっと学校現場に危機意識が生まれたかと思いますが、研修の実施内容を各学校に任せていたため、内容にかなりのレベル差があるように感じます。エピペンについての各学校任せの研修実態を改善するべきだと思います。次年度からは学校任せではなく、教育委員会が管理をし、新年度給食が始まる前に確実な実技訓練も含めた研修内容へとレベルアップに取り組むべきではないでしょうか。お答えください。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) アナフィラキシー補助治療薬のエピペンなんですけれども、こちらを携帯する児童・生徒が在籍する学校においては、原則として毎年、このアナフィラキシー補助治療薬の使用実習、これも含めた形で対応の研修を実施しております。教育委員会として報告も受けているところでございます。
今後につきましては、学校医と連携をとり、それから中野区医師会の協力も得ながら、研修を実施してまいります。
なお、各学校では毎年度、年度当初に養護教諭が中心となってアレルギー疾患を含めて健康面で学校として対応が必要なお子さんについて、どういう配慮をしていくか、どういう対応をしていくかというようなことを校内で確認をするということを行っております。したがいまして、給食を実施する時期の前に研修をやるということにつきましては、現段階ではそういうことは考えておりません。
○むとう委員 今、御答弁を伺っていると、本当にしっかりやっているように、立派な御答弁に聞こえるんですけれども、私が今年度の学校の研修等の対応一覧というものを要求いたしまして出していただいたところ、実際に研修を行った日時も把握しておりませんし、聞いても答えが返ってきませんし、実施内容も各学校ばらつきで、保護者が講師であったりとか、もういろいろなんですね。エピペンの実施訓練についても、やっているところとやっていないところがありという、ばらつきがあるわけですよ。ですから、今後しっかりやっていただければいいんですけれども、こういう実態であったということをやっぱりしっかり反省していただきたいなと私は思います。
このような事故を教訓として、アレルギーだけではなくて、腎臓、心臓等疾患についてもより一層の学校生活管理指導表の活用と充実した研修が必要と考えますけれども、さらに、これらに関する新たな予算計上はあるんでしょうか。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これらの疾患への対応にかかる研修につきましては、各学校には養護教諭がおります。それから、学校医もおります。中野区医師会との連携・協力体制のもとで進めていくということを考えております。学校生活管理指導表の活用の徹底と、その研修というために、特に新たな予算が必要ということで考えてはおりません。
○むとう委員 じゃあ、新たな予算ではなくて、お金をかけないでしっかり内容を充実させていただきたいと思います。
食物アレルギーがあって、給食で対応が必要な場合は、除去食までは全校で対応し、代替食は可能な範囲で各校が工夫し行っているとのことですが、代替食をつくることよりも、完璧なアレルギー源の除去が先決だと私は思います。全学校で調理業務委託が進み、企画提案型の業者選定方法が導入され、調理業務委託業者も栄養士の委託業者も様変わりしました。癒着と思われるような同じ業者に長年にわたる委託がある程度解消されたことはよいことだと思いますが、ノウハウの蓄積がゼロになることなどのデメリットもあります。調布市の死亡事故の翌日に教育委員会が各小・中学校長あてにあてた事務連絡の中に、今年度に入り、中野区内の小・中学校でもアレルギー食の誤食事故が複数発生していると書かれておりますが、その事故について発生日時、校名も明らかにして簡潔に御説明ください。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 12月の事務連絡で学校に流しましたものにつきましては、調理事業者も含めて注意喚起を促すという目的で流したものでございます。このときに事例として認識して流しました例は3例でございます。
1例は、昨年4月の事例でございます。複数の除去食があるケースで、給食室から運び出す直前の段階で除去物があるということが判明して、除去食をつくり直したという例でございます。
もう1例は、アレルギー食材を除去したたれをつくっていたにもかかわらず、通常のたれをかけてしまったということが、これも給食室から運び出す直前で判明して、除去食をまたつくり直すといった事例でございます。これは昨年の9月にあった事例でございます。
それから、3例目は、除去食材が異なる除去食を複数つくっているという調理現場で、除去食の盛りつけを間違ってしまった、これに気づいて給食が開始する直前に差しかえを行ったというものでございます。いずれも大きな事故になりかねない事例ということで、注意喚起を行ったところでございます。
○むとう委員 校名は、公表は無理なんでしょうか。
○宇田川教育委員会事務局副参事(学校教育担当) こちらの事例につきましては、私どもが委託で実施しております学校調理業務、栄養業務の履行確認、それから安全性確認状況の一環として把握したものでございます。重大事故につながりかねないということで、事業者ですとか学校に確認して、確認体制などの改善を図りましたけれども、注意喚起も行いましたけれども、学校から保護者の皆さんに報告を行っているというような事例ではございません。したがいまして、この場で学校名までお答えするということは控えさせていただきたいと思っております。
○むとう委員 では、本当にこういうのをヒヤリハットっていうんですか。中野区がそんなことを前に言っていましたけれども、そういう事故かと思いますけれども、そういうことが起きないようにしっかり管理体制を整えていただきたいというふうに思います。
次年度からアレルギー疾患用の学校生活管理指導表を活用するので、それでよしとするわけにはいきません。私は、方針を決定して通知するまで使用するなとし、3年8カ月も放置し、今回の死亡事故で慌てて動く教育委員会の無責任な仕事ぶりについては深く反省し、改めていただきたいと思います。
時間がないので、幼稚園、保育園については伺いませんが、さまざまな病気を抱えながらも集団の中で健やかな成長ができるよう、そして病気による差別やいじめが起きないよう、みんなで病気を理解し、助け合う教育現場の実現を目指していただきたいということを願い、すべての質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了いたします。
それでは、続きまして、奥田けんじ委員の質疑を行いたいと思います。奥田委員。
○奥田委員 それでは、一般質問に続きまして統括質疑をさせていただきたいと思います。
まず最初に、財政の見通しの考え方についてお伺いをさせていただきたいと思います。
長期の財務戦略を間違えば、戦術の対応というのは何事においても困難になるものでありますけれども、まず、経済成長の考え方についてお伺いしたいと思います。これは簡単に一般質問でもお伺いしたところでありますけれども、長期の経済成長というものの原資は、基本的には供給サイド、労働とか資本とか、技術革新といったものもありますけれども、どれだけの供給ができるかといった規模で基本的には決まるものであります。特に労働力供給というのは、今後の労働人口の減少が大幅なものと見込まれるだけに、一人当たりのGDPというものは変わらないという予想が立っても、全体の規模自体は大幅に縮小していくものが予想されるわけであります。まさに、区長がおっしゃるような右肩下がりの経済環境だということができると思います。
一方で、前年度比のGDPの増減というものも、一般的には経済成長率というような表現がされまして、この長期の経済成長と前年度比と言ったときの経済成長率が混同されることが多いことから、景気の循環である波と、長期的な、上がっていくトレンドがあるのか、下がっていくトレンドがあるのかといった経済成長と混同される場合があります。この景気循環につきましては、実は全くメカニズムは逆でありまして、需要サイドが決めております。つまり、消費であるとか投資といった、使う側がこういったものを決めていくわけであります。例えば、設備投資をする、これが過剰投資になったときに投資抑制が起こって消費の回復を待つという形ですね。それが回復してきて、またさらに設備投資に回るというような形、こういった循環がされるというものであります。数年ごとにこれは必ず発生するものでありまして、これを長期の財政見通しに生かしていく必要があると私は考えているわけであります。
最初に申し上げました長期的なトレンドである経済成長と、短期的な数年ごとの循環である景気循環、これを私は盛り込んでいく必要があると思っているわけですが、区の考え方がどうなっているかということについて資料を出していただきました。総務の68によりますと、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の経済成長率予想というものですね。これを見ますと、10年間ですね、基本的には右肩上がりというような数字になっているわけであります。
まずお伺いしたいのは、見通しの根拠が、これはシンクタンクの予想というようなことになっているんですが、基本的にシンクタンクの予想というのはこんなに長期なものというのはあまり出ないわけでありますけれども、実際に、31年まで数字が出ていますが、シンクタンク予想というのに基づいて出されている数字というのはどこまであるんでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 多くのシンクタンクにおきましては、当該年度を含めまして二、三年間の予測値を公表しているところでございますが、中には5年間、10年間といった公表をしているシンクタンクもございます。ただし、年度によりまして中・長期の予測を公表しているシンクタンクや、予測期間が異なっているなど、さまざまというような認識でございます。
今回、10か年計画の策定時におきましては、10年間の予測値が公表されていたことから、これを参考にしたということでございます。
○奥田委員 具体的に複数のシンクタンクを参考にされる場合に、ほとんど長期予測に使えるものは 乏しくて、数年先の予想であっても、御承知のとおり、IMFが予想したものも、今回の景気変動によって大きく外れているというような状況もありまして、10年の予想については非常に困難というのを前提としてとらえるべきところだとは思います。
一方で、2番以降の財政運営の考え方に示されたものについては、これは基本的には循環をとらえたもの、シンクタンクも同じように循環をとらえて経済予想というものを発表しているというものでありますけれども、この5年式は共有できるものでありましょうか。シンクタンクというのは基本的に循環をとらえて景気予想しているものということだと私は把握していますが、いかがでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) シンクタンクの予測につきましては、詳細に承知しているところではございませんけれども、さまざまな経済変数に基づきまして予測を行って、内閣府が発表しますGDPの速報値による修正を加え予測値を出しているというふうに聞いてございます。
○奥田委員 1番目の10か年計画の2次の数字に戻りますが、平成27年から31年予想では、この数字、ゼロという形になっているんですが、理解の方法は二つあると思います。一つは、右肩上がりの経済状況の中で後退局面、後退の循環があってゼロ%となっているというふうに理解する、あるいは、右肩下がりのトレンドの中で長期間、改善の循環が来ているというふうにとらえる、二つあるわけですけれども、いずれにしても、この場合、とらえ方として、右肩上がりという理解でも楽観的過ぎますし、右肩下がりという理解であれば、10年もの長きにわたって改善が続くというのは、過去の事例からいっても非常に楽観的過ぎるのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) この10か年計画の財政見通しに当たりましては、それぞれの年度が景気の後退局面にあるのか、また拡大局面にあるのかという個々を具体的に想定したわけではございません。リーマンショック後の景気回復の過程におきまして、景気の大きな動向の一局面として想定したというものでございます。
○奥田委員 今のお答えですと、基本的な循環は想定していないということですから、トレンドを把握して書かれたということになると、右肩上がりの想定だったという理解になってしまうわけであります。
それで、平成30年、31年の数字がどうなっているかということになりますが、2%予想を想定して数字が立てられておりますので、区の直近の予想に出されているものと比較しますと、24年から29年の拡大を予想したものと比較しても、既にフレームベースで、10年で107億円の不足が出る予想になります。つまり、少なくとも10億円程度はフレームの縮小が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 10か年計画の財政フレームと、今回お出ししております25年度のフレーム、こういったものでは歳入歳出ともにそれぞれ変動要因というものが加わっているというふうに認識してございます。そういった意味から、両者の差を単純に比較しての議論をすることは難しいというふうに考えてございます。一般質問でもお答えをいたしましたが、一般財源の規模というのは長期的なスパンで見ますと650億円を基準に上下するということで、間違ってはいないと考えてございます。今後、こうしたことの見通しで行っていきたいというものでございます。
○奥田委員 このたび、基本的に循環をベースに数年間の予想を立てるということについては結構だと思うんですが、やはり長期の考え方を示す際には、トレンドをしっかりととらえた計画を立てていただきたいと思います。
次に、2番目を飛ばしまして、3番の各会計の方法についてお伺いをいたします。
財政は、可能な限りシンプルで、一元化されるべきものであります。会計が分かれていることで債務の把握が困難になったり、そういった問題が生じます。代表的な例が、土地開発公社であります。平成13年から17年にかけて第1次の、また18年から22年にかけて第2次の経営健全化計画が出され、1次計画では計画どおりに67億円まで順調に債務を減らすことができました。一方で、18年から22年につきましては、むしろ拡大が続きまして、平成20年には逆にふえまして、244億円まで債務が拡大するというような形になってございます。これは、どういった内容になっているのか、お伺いできればと思います。
まず、この健全化計画の目的、それから、第2次が特に伺いたいんですが、具体的な内容についてはどうなっているんでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) まず、経営健全化計画の内容でございますが、まず第1次の経営健全化計画でございます。議員御紹介のとおり、平成13年度から17年度までの5年間の計画でございました。当時、区の財政状況の悪化ですとか事業の見直し等により、公社から区が買い取りができなかった、そうした浮遊期間が長くなった土地が累積をしまして、金融機関からの借入金が返済できないということで、金利の支払いが増大するということで、公社の経営状況は厳しい状況となってございました。そのため、平成12年度中に策定しました行財政5か年計画の中で、土地開発公社の経営健全化を最優先課題の一つとして位置付けるとともに、経営健全化計画を策定しまして、国の土地開発公社経営健全化対策に基づきます団体の指定を受けまして、計画的な買い取りを進めてきたというものでございます。その結果、議員御紹介のとおり、5年間で目標の数値を達成したというものでございます。
第2次の計画でございますが、第1次の計画の最終年度、17年度におきまして、当時、平成18年1月に新しい中野をつくる10か年計画が策定されまして、その中でまた事業見直しを行ってございまして、公社のさらなる経営健全化についても重要課題と位置付けておりましたので、このことによりましてまた5か年の計画を、平成18年度から22年度までの5か年計画を策定しまして、こちらも国の指定を受けまして、引き続き健全化に取り組んできたというものでございます。こちらの第2次の計画の最終の22年度におきまして、国が示す数値目標を達成したというものでございます。
先ほど議員から御紹介のありました、第2次の内容でございますが、端的に言いますと、計画的に区が買い取りを進めてきたということでございますが、その中においても新たな用地を取得してございます。本町二丁目とかですね、これにつきましては、計画を着実に推進しながらも、この経営健全化の計画を着実に推進しながらも、行政目的達成のための事業に必要な土地を先行取得したというものでございまして、経営健全化とあわせて必要な土地を購入したということが経過でございます。
○奥田委員 1次については計画どおりされたということでありますけれども、2次についてはやっぱり、ちょっと理解ができないわけですね。基本的に、公社のスリム化を図っていくという目的で始めたものについて、毎年のように大型の購入をして、19年には本町二丁目の土地を買っていますし、20年には本町五丁目用地も買っております。22年には区役所を予定していたことでありまして、特にお伺いしたいのが本町二丁目用地でありますが、19年度に購入しております。公社の考え方では、5年以内に区が買い取るというのを前提にやるというものでありますが、健全化計画中に5年を超える期間を要するような土地の先行取得をされているのは趣旨に反するんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) あくまで計画期間中は、計画は平成18年度から22年度でございまして、本町二丁目というのは19年度に購入してございます。この計画期間との関係では、5年を超えるということではないというふうに認識してございます。
○奥田委員 5年を超えるものではないという御意見でありますけれども、計画期間中に5年を超える物件について購入しているということでありますので、問題ではないかということであります。
一方で、この5年を超えた二丁目の用地については、現在は標準財政規模10%に照らしてどういったものになるんでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 5年を超える区有地につきましては、現在、9%ということになっていまして、国の基準の10%を下回っているというところでございます。
○奥田委員 ぎりぎりおさまっているということでありますけれども、当初、60億円台まで減らした健全化の状況からすれば明らかに後退しているという状況であります。
公社のバランスシートを見ると、土地の利払いというものが資産計上されていく仕組みになっておりまして、これでは公社が金利を払えば払うほど土地の価値が上がっていくというような、こういう処理がされているわけであります。公社が土地を持つということは、すなわち不良資産のリスクを抱えるとほぼ同義と言ってもいいわけでありまして、本来であれば単年度で利払いをコスト、公債費としてしっかりと把握するべきものでありますが、せめて区が買い取るときに、地価を資産として、利払いを費用として分けて扱うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) この公社の経理、会計でございますけれども、国が示してございます土地開発公社の経理基準、国の基準でございますけれども、こちらによりますと、公社の貸借対照表に記載する資産の価格につきましては、当該資産の取得原価、これを基礎として計上しなければならないというふうに規定してございます。これは原価主義というふうに言ってございますが、この原価主義が、資産の取得に伴った費用をもって当該資産の価値とするものということでございます。この公有用地の取得原価には、用地を調達するに必要な資金調達、そのための利子、これも含まれるということでございますので、この資産が土地代だけではなく利息も含めて資産となるというものでございます。
○奥田委員 そのルール自体が問題を生んでいるということを指摘しているわけでございますが、例えばこの土地開発公社を廃止することを決めた、あるいは廃止を既にしている他の自治体複数から状況を電話取材させていただいたわけでありますが、今後の方針については、議決なき先行取得はしないというものがほとんどでありました。やり方としては、土地開発の基金を設ける、あるいは中野区がやっているような用地特別会計のような特別会計で先行取得をしていくというようなやり方をするということでありました。
やはり、こうしたものについては、議決をしっかりとして、借金については借金と利払いが把握できるような形でやっていくべきと思いますが、公社と用地特別会計の内容の違いについて御説明いただけますか。
○伊東経営室副参事(経理担当) いずれも、一般会計で購入することができない場合、具体的には事業化のスケジュールなどが決定しておらず、補助金申請ができないためということで、直接一般会計で購入できないと、そういった場合に、あくまで先行取得をするというものでございます。ただ、その事業が起債対象事業かどうか、また起債を行うタイミング等との関係で土地開発公社での取得とするのか、それとも用地特別会計で取得するのか、これは起債対象事業でございますけれども、また土地開発公社で先行取得した後に一般会計で買い戻しをするまでの間、用地特別会計で取得するか、そういったことを判断していくというものでございます。
○奥田委員 はっきり言って、その説明というのは本質的かどうかわかりません。なぜなら、公社で買ったものをその後用地特別会計で買うというような流れも散見されるわけでありまして、本来であれば議決をしてしっかりと説明責任を果たす、そして利払いといったリスクの把握をしっかりとするという観点から、先行取得については用地特別会計に一本化すべきではないかという考えを持っております。
しかし、これについては、区の考え方も一つあるかと思いますけれども、基本的には財政の把握というのはスリムなもので把握しておくべきだということであります。
もう一つ、まちづくり中野21についても同様でありますので、伺います。本来、スキームとしては、まちづくり中野21が小資本、2億円程度で所有して、サンプラザの運営については独立した企業でやっていくものとしたものでありました。しかし、今や、まちづくり中野21については60億の資産全体を区が所有している状況でありますし、サンプラザについては社長を民間人にすることによって、100%出資ではありますけれども、運営を分けたとしているものであります。今や、このまちづくり中野21の必然性はなく、別会計になることで区の財政把握を困難にするものというふうに私は理解しております。
そこで伺いますが、まちづくり中野21は解散して、資産、負債を区がしっかりと引き取るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(経営担当) サンプラザ事業でございます。現在は所有と運営を分離という形で、民間にゆだねるところにつきましては民間にゆだねるということで対応しているところでございまして、現在のスキーム変更は考えてございません。現実に、昨年6月末には民間のほうから代表取締役社長というものを招きまして、より一層民間手法に沿った経営をしているところでございます。
また、区で引き取ってというようなお話もございました。仮にサンプラザの土地・建物を区が一応引き取るということになりますと、現在まちづくり中野21の借受金、約48億円程度でございますが、区が一般財源から支出するということになりまして、現実的ではないというふうに考えてございます。
○奥田委員 まさにその現実的でない負債が、簿外にあるということが問題なのでありまして、本来であれば一体化するべき、できないのであれば一体的な分析ができるような指標なりを持つべきというふうに求めさせていただきたいと思います。答弁については結構でございます。
次に、新公会計制度の導入と管理会計手法の確立についてお伺いをさせていただきます。
財務運営上、会計のスリム化と同時に財務の健全性や年度の経営成績の的確な把握が重要でありますが、既存の会計では現金管理は非常に得意なものでありますけれども、発生ベースのもの、費用の把握とか負債の把握がどうしてもできないですね。そこで、中野区は新しい会計のあり方として、公会計についてもバランスシートや行政コスト計算書のようなものを作成しているわけでありますけれども、今のままでは十分に使えないわけであります。それぞれの改善方法について御提案を申し上げながら質問させていただきます。
例えば、バランスシートの改善については、現在のバランスシートを拝見しますと、土地を含めた大きな資産を計上しているわけですが、実際には売却を予定しない大きな資産、半分以上を占めるのが土地でありまして、これをバランスシートに入れてしまいますと、極めて財務が健全であるかのような数字になってしまうわけでありますが、本来はこれを控除した形で把握するべきであります。
一方、建物の把握については、直接法というふうに申し上げますけれども、年度ごとに古くなっていくと資産が縮んでいくような把握の仕方をしているわけであります。これをしますと、実際には古くなっていく建物について備えなければいけないわけですが、この把握ができません。
そこで御提案ですけれども、管理の方法ということで御提案しますが、土地を除いた形のバランスシート、そして建物については償却分を間接法で負債部分に乗せるという形にすると、自己資本につては970億円、資産については2,730億円という形で、十分分析可能な数字が出てくるわけであります。こうすれば、自己資本の比率については単体で言うと36%という数字を見ることができますし、公社等を入れた連結のベースで見ても29%という、現実的で分析可能な数字が出るわけであります。
一方で、1年で50億円の償却コストを見込む中野区の財政規模を考えれば、15年程度分の償却について自己資本で耐えるということを考えれば、30%をベンチマークとして置くというようなことも分析として可能になるわけでありますが、いかがでしょうか。こういった考えを、具体的にこれということではありませんけれども、こうした使えるものにしていくということについて御意見を伺えませんか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 委員御指摘ございました中野区財務書類でございますけれども、現在作成しております財務書類につきましては、総務省のほうが推進しております基準モデル、もしくは総務省方式改訂モデルという二つの方法のうち、総務省方式改訂モデルというものに準拠いたしまして公表しているものでございます。全国的にも多数使われている財務書類でございまして、現在のあらわし方というものは問題ないというふうに考えております。
○奥田委員 あらわし方については、これでも結構でございますが、分析のあり方について進めていく中で改善を進めていただければと思います。
また、PLの改善についても申し上げたいと思います。現在の行政コスト計算書には、入りの把握が不十分な形になっているわけであります。委員の皆さんも御承知のとおり、税等の把握については行政コスト計算書には今されておりません。されてないんですね。そこで、東京都の方式を参照しますと、こういう形になっています。税等のものと、手数料等のもの、含めたものを入りとして把握して、入りと出の差額についてどうかという把握をしているわけです。これは民間のPLと同じような発想でつくっているわけですが、こうした形で、基本的に税等のものを使用料、手数料と含めて経常収入という形で把握して、経常的な支出との差額で経営の健全性というのを図っていくべきだと思います。こういう把握をすると、平成23年度であれば約11%の経常収支率というものが出てまいりますし、平成22年度では6%程度というものになります。これはどういうことを意味するかといいますと、扶助費が年間で17億円ずつふえていっている状況を考えれば、これは2%ずつ数字が下がっていくような押し下げ要因を持っているわけでありまして、3年程度の余力を経営的に持つということを考えれば、6%程度の数字は持っておきたいものだということがベンチマークとしては出てくるというようなものであります。こういったPLについては、少なくとも税等を含めた、実際に入ってくるもの全体を把握した上で、それとコストの差額という形の理解をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 東京都の財務書類におきまして、現在中野区が使っておりますPLと違う形であらわしているということは承知してございます。東京都と大阪府とが国の基準に基づかない、別の、独自の財務書類をつくっているものでございます。中野区におきましても、税収等を含めまして、コストも含めて、このバランスシートという以外の、普通会計におきましても十分検証しているところでございまして、今、委員御指摘の指標につきましても、その中の分析の一つとして今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○奥田委員 こうした、実際に発生ベースでどう把握していくかということについて、ぜひ具体的に把握を進めていただければと思います。
この分析を進めて――既にされているというようなお答えもいただいたわけでありますけれども、この挙げていただいている指標にはさまざま問題がございます。例えば、中野区の財政白書、24年9月に出されたものにつきましても、例えば48ページの社会資本形成における負債比率については、土地を除く現預金を入れていないために全体の把握ができないとか、さまざまな問題を持ったままの状況でありまして、全体像の把握には使える指標が、残念ながら今の状況では十分とは言えないというふうに思っております。こうしたものを少しでも改善していくために、しっかりとこれを把握できるための改善として御提案申し上げたいと思います。御提案を含めて御質問をさせていただきたいと思います。
まず、バランスシートとPLの改善については、今申し上げましたようにしっかりとした前提の数字と、その指標が必要なわけでありますけれども、あくまで私が申し上げたのは、これは23年度版でありまして、現在の状況あるいは今後の状況の把握には使えません。重要なのは、今後の経営戦略上、施設をつくったとき、資産投資をしたときにどういうインパクトを持つのか、あるいは扶助費の増加が今後どう影響していくのか、あるいは利払いが今現在10億円発生しているわけですけれども、これは金利がふえたときにどういうインパクトを持つのか、経営の予想のために使っていくということが非常に重要なわけでありますが、現在は残念ながらこれは難しいわけであります。東京都が行っている新しい新公会計システムについては、これが実はできるわけであります。
町田市については、8,000万円で導入をいたしました。江戸川区は6,000万円での導入を検討しているというところでありますが、これは、トータルで財政の未来図を描けるようにするためには不可欠な投資でありまして、現在出納整理が5月31日まで、決算、閉まらないわけでありますね。そうすると、今回の予算の段階では未来図として今年度のバランスシートがどうなるか、あるいは来年度以降どうなっていくかということが把握困難なわけであります。こうしたことについては、やはり財政計画としてPLとBSが今後どうなっていくかということをしっかりと把握しながら、未来のための分析をしていく、使い方としてこうした新公会計システムを導入していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区におきましては、公会計改革基本方針というのを既に定めておりまして、その中で国が勧めております基準モデルによります財務書類の作成というのを考えております。これが、システム化が必要なわけでございますけれども、このシステムが導入された場合には、この基準モデルにおきましてもシミュレーション等は可能となるというふうに考えております。
東京都モデルも、現在、日々仕分けによります東京都モデル、大阪府等も導入しておりますけれども、3月末決算、システム上は可能ということになっておりますけれども、東京都、大阪府におきましても決算はあくまで最終的な結果を出すものということで、5月末で決算をすべきということで動いているところでございます。
○奥田委員 まさにそのとおりなんです。東京都も大阪も、導入自治体も決算の処理というところでとどまっていたら、これはもったいないわけですね。せっかく未来予測のために使える材料を手に入れたにもかかわらず、今までの会計処理に合わせて5月末まで決算を待ってやっている、そして未来予想のための財務書類は残念ながら出さないということでは、十分使えない、これは投資が回収できないと私は思います。こうしたことも含めて、しっかりと資産を把握した上で、長期の投資ができるかどうかということを考えた上での経営戦略を立てていただくためにも、今後の新公会計システムの導入を具体的に検討いただきながら、財政運営に臨んでいただければと思います。御所見があれば伺います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区におきましては、平成25年度、公会計をさらに推進するために固定資産台帳の整備を考えております。それを踏まえまして、今後、さらに公会計改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○佐野委員長 以上で奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
次に、近藤さえ子委員の質疑に移りたいと思います。
○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
産業振興についてお伺いします。総括質疑も4日目、何人もの方が産業振興に関する質問をされましたので、大分重複する部分もありますし、そして割愛させていただく部分もありますので、どうか御了承ください。
近年、中野区はさまざまな産業振興策に取り組んできました。今年度は、現勤労福祉会館を(仮称)中野区産業振興センターとして改修整備を行い、中野四季の都市地区に産業振興拠点を開設します。また、ライフサポートビジネスの支援などの産業振興を展開するということです。区民は、四季の都市がオープンし、公園ができ、大学の姿も見えてきて、これからの中野区のまちがどのようになっていくのか、とても楽しみにしています。その区民の声に少しでもこたえられるように、より成果のある産業振興策をとっていただきたいという思いから質問させていただきます。
区長は、施政方針説明で、区政運営に当たっては目標と成果による管理という考え方を徹底してきましたと述べていますが、絶えずPDCAサイクルを動かしているということですが、まず、今までの区が行ってきた産業振興の事業にどのようにPDCAサイクルが動いたのかについてお伺いします。区は、ICT産業、コンテンツ産業の集積を図り、区内産業全体の高付加価値を推進していくことを目指して、デジタルコンテンツにかかるビジネスプランを全国から募り、優れたプランを提案したベンチャー予備軍と事業者の区内への定着を図ることを目的とした、平成21年度にビジネスプランコンテストを実施してきたと認識していますが、これは21年度から毎年やってきたのでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 21年度で終わってございます。
○近藤委員 1年でやめた理由というのは、何なんでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) PR効果も含めまして、優れたビジネスプランを持つ事業者のインキュベーションを図るという目的で実施したものでございます。実際の成果といたしまして、三つのグランプリを選び、それぞれ区内で事業を展開していただいたり、成果に結びついたところでございました。その後、10か年計画(第2次)の検討過程を踏まえまして、新たに産業振興、特にICT・コンテンツの促進を図るための事業構築、これを検討していく中で改めて事業の体系を考え直すということから、これについては1回で終わらせたものでございます。
○近藤委員 今、ちょっとお話を伺ったら、成果はあったけれども、1回でやめてしまったというのはちょっと理解しがたいんですけれど、もう一度、どのような成果を上げているのか教えてください。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 直接の成果といたしましては、グランプリ、準グランプリ、三つを選んだわけでございますが、区内で事業を始めていただくということを要件として募集したものでございました。こういったICT・コンテンツ産業を集積させ、区内で事業展開を図らせるということが直接の目的であったわけでございまして、それについては成果が上がったというふうに思ってございます。それから、中野区といたしましてこういった産業の集積等を図っていくというPR効果も得られたという点を成果というふうに考えてございます。
○近藤委員 10か年計画2次では、ステップ2で区内ビジネスフェアの開催、ステップ3では推進となっていますが、今年度まで東京都のビジネスフェアに参加し、実行委員会に対して4万円の補助をしていたと伺いますけれど、この東京都のビジネスフェアというものの成果はどういったものがあったんでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 東京都のこの産業交流展、こちらのほうに参加するに当たって、参加希望者を募って実行委員会をつくり、そこに対しての補助を行ってまいってきたところでございます。実際のところ、上限として20社応募しているところでございまして、実際には20社弱が実際の出展をしてきたところでございます。実際に商談に至った件数、昨年度ですと63件、その前ですと157件、その前で99件といった形で、こういった商談につながる、具体的な成果が上がっているところでございます。
○近藤委員 区内ビジネスフェアは、10か年計画2次が示すように、今後も開催されるのでしょうか。今後のビジネスフェアというのはどういう形になるのでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) ビジネスフェアにつきましては、さまざまな主体がさまざまな目的ですとか規模で開いているところでございます。こういったものに広く参加していただいて、先ほど申し上げたような商談につなげていただく、こういった促進も今後も続けてまいる予定でございます。ビジネスフェアの出展補助は続けていくというのが1点でございます。
それから、10か年計画でございます、区内のビジネスフェアについては、開催の支援をしていくというふうに10か年計画上掲げているところでございまして、民間主催でやっているビジネスフェア、これを中野区版という形でどのように仕立てられるのか、こういったことにつきまして今、区内の主催団体等から有効な実施方法等についてお話を聞かせていただいているところでございます。
○近藤委員 今のお話を伺うと、東京都のはやめて、今度区内で独自の形を開いていくということでよろしいんですか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 昨年度までは、実行委員会形式を募って東京都、これが実行委員会をつくっているわけでございますが、産業交流展への出展という形で、その実行委員会の補助という形をとってまいりましたが、25年度は実行委員会形式での補助はやめることを考えてございます。個々の事業所が個々のそういったビジネスフェア、多々ございますが、そこへ参加する際の個別補助は継続するということでございます。
○近藤委員 形式が変わりますけれど、そのビジネスフェアに支援をしていくという考え方でいいと思うんですね。ほかにも、平成21年度には起創展街会社の設立準備ということで500万円、にぎわいネットワークの構築に1,266万円などと、少なくない金額を単年度で予算計上するなど、過去、フェスティバルなどを開いてきました。起創展街会社というのはどうなったんでしたっけ。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 平成21年度のときに、10か年計画(第2次)、これの素案について議会に報告をさせていただいたときに、まさに近藤委員とも質疑、答弁等させていただいた経緯があったかと思いますが、その10か年計画(第2次)の素案をつくる中で、起創展街会社については新しくサブマネジメント会社、サブマネジメントの組織というような形に転換、変更させて整備させていただいたという経緯になってございます。
○近藤委員 そうですね。この起創展街会社というのは、設立に準備金は用意したけれど、会社自体は成立しないで、それがエリアマネジメントとして広がったということで、今までビジネスフェアや、そういったいろいろな準備のことを伺ってきましたけれど、産業振興政策というのは区民にとってどうなっているか、とてもわかりにくいものが今までの産業振興策の形だったと思うんですね。唯一と言ってはあれですけど、区民にわかりやすいものとしては、中野の逸品グランプリがあります。楽しいイベントでもあり、成果指標の投票率は伸びてきましたが、これは売り上げは上がったのでしょうか。もし売り上げとしてわからなければ、商店街の活性化にどのように寄与しているんでしょうか。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 正確な売り上げアップの数字はつぶさに把握してございませんが、グランプリを受賞いたしました複数の店舗から来客数や売り上げが目に見えて上がったとの話を聞いているところでございます。ガイドブックといったものを区商連が発行いたしまして、区内商店街の情報でございますとか、グランプリにエントリーいたします会員店舗の掲載を行うと、そういったことを通じましてグランプリを効果的に活用しているという状況でございまして、商店街の活性化に寄与していると考えてございます。
○近藤委員 四季の都市に人が集まる今年度からは、中野の逸品が知りたいという人がまちにあふれます。中野区のおいしいものを知りたいという情報が届くような工夫がますます必要になってくると思いますけれど、いかがでしょうか。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 今後、どのように周知を図っていくのかという観点につきましては、新たに今年4月からオープンいたします中野区の都市観光ホームページでございますとか、さまざまな地域情報紙に掲載などを予定しているところでございます。また、実行委員会でございますとか、さまざま関係団体と連携を図りながら、さまざまな媒体を活用いたしまして効果的な周知を図っていくというふうに考えてございます。
○近藤委員 これで、本当ににぎわいが、活気が出るというようなこともあるので、かなり工夫をしていただきたいと思います。
8年前の平成17年の第3回産業懇談会では、委員が目的をしっかりと決めていくことが重要である、単に見本市のような産業展を行うだけでは成功しない、経費についても多額となるという、区が行う産業振興事業について、目標をしっかり持ち、成果と財政面を心配されています。さらに、平成22年度、3年前の外部評価でも、ICT・コンテンツネットワークの連絡会の立ち上げも具体的にわかりにくい、数値目標が明確でないと成果の達成度が出ないと指摘しています。このように、産業振興政策はなかなか成果が見えにくいのですけれど、いよいよ本年度からは中野区産業振興ビジョンにのっとって目標値を持ち、本格的に区民の期待にこたえていくことになると思うのですけれど、中野区産業振興ビジョンでは中小企業の振興など、売り上げ高が増加した事業所の割合を目標値としていますが、現時点で実績の把握もできていなく、当然目標値も定まっていません。産業振興に力を入れていくという割には、随分のんびりしている感じがします。今後は、政策の達成度がわかる明確な目標数値を持って進むと考えてよろしいのでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) お尋ねの産業振興ビジョンにつきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)、これを具体的に進展するために産業施策の体系をまとめさせていただいたものでございます。改めてこの中に成果指標を取り入れまして、実態調査などの数値を把握した上で、具体的な目標を持って進めていく、そのために策定したものでございます。
○近藤委員 スピード感と公平性など、いろいろな機能的なことも常に求められます。
次に、産学公連携についても伺います。
葛飾区は、東京理科大を誘致し、区内企業と協働の研究開発などをする拠点施設をつくる予定です。葛飾区はものづくりの中小企業が多く、先端研究をする理科大との交流を通して新製品や新技術の開発につなげたいと考えていると新聞に書かれていました。足立区も昨年、北千住に東京電機大が誘致され、地元企業に対して勉強会をするなど、理系の大学と連携し、地元の中小企業とのものづくりで連携している、そういった理系の大学と地元の中小企業の連携という構図は、ある意味、とてもわかりやすいのですが、中野区の産学公の取り組みは、産業振興ビジョンには学部の特徴を生かした産学公連携の推進、区は医療福祉系の学部などの教育研究関連を持つ知的財産を活用した産学公の取り組みを支援し、付加価値の高いサービス提供ができるよう、ライフサポート関連産業の振興を図りますとありますが、具体的にどこの学校とどのような付加価値の高いサービスをどのように提供するのでしょう。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 具体的には、区内の、これから進出してくる大学も含めまして、知的財産、これを有効に活用して産学公連携を進めてまいりたいと思ってございます。具体的なことにつきましては、これから話を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○近藤委員 具体的な取り組みがまだ決まっていないということですけれど、やはり、本当にスピード感を持って取り組んでいかないと、本当に産業振興に力を入れ出してからかなりの時間もたっていますので、中野区がおくれてしまうようなことがないようにお願いしたいと思います。
そういった取り組みが始まることによって、区民にはどんなメリットがあるんでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 実際に進出される大学などの話も伺っておりますと、地域連携、地域協力も進めていきたいということを一つ重要な経営方針として掲げていらっしゃるというふうに伺ってございます。区立学校など、教育面でございますとか、地域の取り組み、こういったものへの参加協力といったことをはじめといたしまして、大学等のお持ちの知的財産、これを活用した新たなサービスや製品など、こういったものが生まれていくことによりまして、付加価値のあるサービス等を区民の方々、消費者の方々も享受できる、こういった効果につながっていくものと考えてございます。
○近藤委員 (仮称)産業振興センターというのが、現勤労福祉会館にできて、その中でそういう学校の方たちなども対象に勉強会などをするという方針も伺ったんですけれども、そういったことも産業振興センターでは行われるんですよね。勉強会というか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 今般予定してございます(仮称)産業振興センターでございますが、今お尋ねの具体的な勉強会をするということまで決めているわけではございません。産業振興センター、こちらは現在の勤労福祉会館を転換して整備するものでございますが、区が行政目的を達成するための手段というものでございます。公の施設といたしまして、その目的にかなう利用に供するもの、施設の部屋貸しということになりますが、これのほか、必要な産業振興の施策、あるいは勤労者の福祉向上のための事業施策を行っていくための施設というものでございます。現在、区役所の中、9階の産業・都市振興分野で担ってございます、そういった事業も、この施設を通じて、実際には指定管理者を通して行っていくということを考えているものでございまして、指定管理者のほうから実際の提案を受けて事業を決めていく、こういう流れになってございます。
○近藤委員 そうしますと、今の(仮称)産業振興センター、現勤労福祉会館でいろいろな産業の拠点となって事業が始まっていくということですけれども、先ほど例を挙げました葛飾区の産学公の連携では、大学の中に企業が事務所として使えるインキュベーションルームがあり、そういった研究開発ができるような部屋などが安く借りられるとか、そういった施設があります。このような大学の中に起業家育成のインキュベーションルームを持つ大学はほかにもありますが、中野区は10か年計画2次ではステップ4で本町四丁目にインキュベーションオフィスの整備、開設となっています。四季の都市に産業振興拠点、現勤労福祉会館に(仮称)中野区産業振興センター、そして本町四丁目にインキュベーションオフィス、早稲田通り沿いの商工会館と産業振興関連のオフィスが点在することになりますけれど、これはかなり非効率ではないのでしょうか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 幾つか産業関係の施設についてのお尋ねでございました。先ほどの(仮称)産業振興センターの目的につきましては、行政が進めていくべき産業振興施策、これを具体的に行っていく場と、そのための施設であるというものでございました。その他の施設につきましても、それぞれ目的を整理しているところでございまして、早稲田通りの商工会館、これにつきましては区内産業界の横断的組織でございます、いわゆる商工3団体、こちらの活動拠点として使用いただいているところのものでございます。それから、四季の都市に開設予定でございます産業振興拠点、こちらにつきましても、これまで御報告させてきていただきましたが、こちらは区立施設、あるいは公の施設というものではございません。ICT・コンテンツを活用した産業振興を図るために区内の民間事業者のお力をかりて、それによって産業振興を図っていく、ある意味、民間活動拠点というような位置付けにしてございます。そのように、それぞれの目的は個別、別々に設定をしているという状況にございます。
お尋ねの第4ステップに載ってございますインキュベーション施設につきましても、これらの施策の構築、進捗の状況等踏まえながら、今後検討していく予定でございます。
○近藤委員 10か年計画に掲げていますので、計画の変更が求められますので、はい、検討しますというわけにはいかないとは思いますけれども、やっぱり四つの産業振興に関する拠点を、立地面、機能面、財政面を考えて、この分野でも施設のあり方の見直しや近隣施設との複合化というのを検討する必要があると思いますけれど、そこのところはいかがですか。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 先ほど御答弁させていただいたとおり、それぞれの施設の目的は変えて整備をしてきたところでございます。今後の施策展開の中でさまざま検討していく必要があるかもしれませんけれども、現在はこのように整理をさせていただいたところで、産業政策を進めていくというふうに考えてございます。
○近藤委員 新宿区のインキュベーションオフィスというのは、高田馬場の駅のそばにあって、消費者センターと一緒になっています。新たに起業する人たちと消費者の立場の人たちが同じビルに入り、交流が持てる仕組みになっていました。やはり、中野区の産業センターも、すぐには無理だと思いますけれど、やはり施設の複合化という方向にも考えていただきたいと思います。やはり男女共同参画センターの機能は、ワンストップサービスの観点から本庁に移していくというお考えなんですけれども、産業振興こそ、やっぱり高い効率性を求めるということが大事で、施設の効率性、事業の重複を避けて、やる気が起こる施設の整備で、そういった体制をとっていただきたいと思います。
今後、区が考える健康、医療、介護をはじめ、見守りや支え合い、あるいは日常生活の不便の解消など、地域での暮らしを支えるライフサポート事業が充実し、その事業を使いたいと望む区民が使うことができれば、それは大変ありがたいことだと思います。産業振興を進めるに当たって、常に目標と成果をもって取り組んでいただきたいと思います。
産業振興の質問を昨日まで皆さんがたくさんされて、大分割愛させていただいたので、少し時間が余りましたので、最後に、これから産業振興策が区民と来街者を笑顔をする施策になることを期待しまして、知り合いのキリングループの本社にお勤めの20代のOLの方の声をお伝えしたいと思います。
私たちは、中野区の方や中野区を利用される方と積極的にコミュニケーションをとっていきたいと思います。ビルの誰でも入れるエリアには、産業展示のスペースを設ける予定です。個人的には飲み会の幹事になることがあるので、自社のビールを扱っている、広い、おしゃれ、またはおじさんたちの居心地のよいお店、貸切りができるお店があるとうれしいです。せっかく中野に来たのですから、新宿まで飲みに行くなんてことにならなくてよいお店があるとうれしいと思います。社員食堂もなくなるので、近くでランチができるお店があることも願っています。大勢が移ってくるので、お店の混乱が心配です。今まで新宿から吉祥寺まで、電車で、中野を素通りしていましたが、どんなまちなのか楽しみです。よろしくお願いいたしますということです。産業振興、どうかよろしくお願いいたします。産業振興の質問、ありがとうございます。
次に、ごみ問題について伺います。午前中に高橋ちあき議員がごみの問題を細かく、よく調べられて、熱く質問されていましたので、質問がかぶるようなことがありましたら申しわけございません。私もごみの問題について伺います。私の地域でも、ごみの問題で多くの皆様が困られていらっしゃいますので、質問の重複があると思いますけれど、質問させていただきます。
区内の集積所を見てみますと、例えば燃やすごみの曜日でないのに燃やすごみが出ているところがあるなど、ルール違反がひどい集積所が見られます。中には、道まで広がってしまっているところもあり、とても不衛生な集積所があると思いますが、そうした声は区民から寄せられているのでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 ごみ集積所を利用または管理をいただいております区民の皆様方から、ごみ集積所のルール違反に関する声は多く寄せられてございます。清掃事務所に寄せられました電話の件数で申し上げますと、23年度でございますが、ごみに関する電話2万7,948件中、ごみ集積所におけるルール違反や不法投棄、あるいは集積所を廃止してほしいなど、そういった要望に関するものが3,920件ございました。
○近藤委員 そういったルール違反の影響で、今まで自分の家の壁を使っていた集積所を移動または廃止してほしいとの声を何件もお聞きしました。そうなると、周辺の家でも、自分の家の周りが不衛生になることは避けたいので、新たに集積所を確保することができません。その結果、ごみの集積所が分散したり、戸別収集になっていくところが多いと聞きます。この3年間の集積所の数の推移を教えてください。
○鳥井清掃事務所長 平成22年度から24年度の3年間のごみ集積所の推移でございますが、22年度はごみ集積所が1万4,359カ所、戸別収集が7,430カ所でございました。これが24年度には、ごみ集積所が1万5,129カ所、戸別収集が8,367カ所でございます。この2年間で、ごみ集積所でいいますと770カ所、5%の増、戸別収集で申し上げますと937カ所、12%の増でございます。
○近藤委員 ごみの集積所が分散したり、戸別収集がふえると、コスト増を招くのではないかと思いますけれど、いかがでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 集積所が分散化いたしましたり、戸別収集がふえますと、収集のポイント数、これがふえることになります。その結果として、仮に、これまで清掃車が入っていなかった道路に清掃車を入れるということになりますと、収集の時間がかかるということになります。また、その道路が狭く、通常の清掃車が入らないような道路である場合には、軽貨物車といったものを別途入れることになります。こうしたことが清掃車の台数増など、コスト増につながる可能性はございます。現在のところでは、全体の収集作業の中で何とか収集できている状況でございます。
○近藤委員 これから大学も開校し、学生が中野区に転入してきたり、春は異動の季節です。資源やごみの出し方のルールを守っていただくために、資源とごみの分け方・出し方を入居者に配る際には、本庁舎や地域事務所の窓口の職員から一声かけて、内容を説明するなどの対応はできないものなのでしょうか。
○浅野区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 転入時に冊子などを配る際に、資源とごみの分け方・出し方についてのしおり、これにつきまして、こういったものがあるのでよく読んでいただきたいというような声かけを徹底いたしまして、転入者の方に意識付けをしっかり行っていきたいと考えております。
○近藤委員 ありがとうございます。本当に皆さんが困っていて、何かできることはないかと思ってそれを考えたんですけれども、本当にそういうことをしていただくと意識付けにもなりますし、本当にありがとうございます。
共同住宅に転居してきた方には、管理組合などから地域のルールを守ることの指導や、そういったものの徹底を図る方策というのはないのでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 特に管理人のいらっしゃらないアパートなどの集合住宅にお住まいの方々にルールを知っていただくことは非常に重要だというふうに考えてございます。ごみ出しのルールは、本来はごみを出す方に直接お願いするものでございますが、こういったアパートにつきましては、そのオーナーや管理会社の方々とお会いするなどして、働きかけを行ってございます。
また、さらにオーナーや管理会社の団体のところへの働きかけも始めてございまして、例えば全日本不動産協会の中野杉並支部、あるいは東京都宅地建物取引業協会中野区支部などとの連携を進めてございまして、これらの団体と、テーマといたしましては、ごみ置き場がきれいな集合住宅には入居希望者が集まりますということで話し合いを持ちまして、その研修会への区の担当者の参加や、機関紙への啓発記事掲載、また区が作成したリーフレットを協会を通じて配っていただくなどの連携を進めてございます。
○近藤委員 ごみのルールの違反対応やごみの集積所の分散化などは、行政のコストが増していくことを区民はしっかり理解しなければいけないと思います。本当に区の清掃業務にかかわる皆様の大変な御苦労と、そして、先日むとう委員が質問されていましたが、清掃工場での痛ましい事故が発生し、尊い命が失われました。私たちが出すごみの行き先に危険を伴う仕事をされている方の存在があることも認識し、区民一人ひとりが自分の出すごみぐらいルールを本当に守ってもらいたいと思います。本当にありがとうございます。これで質問を終わります。
○佐野委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終わります。
続きまして、林まさみ委員の質疑に移りたいと思います。
○林委員 平成25年度当初予算案概要の財政運営の考え方に、歳入については新しい中野をつくる10か年計画2次を改定した平成22年度以降、基準となる一般財政規模を下回っており、歳出は扶助費の増加などによって基準を超えていますとあり、今後5年間、歳入で歳出を賄えず、財政調整基金を繰り入れ続けることになりますと想定され、25年度末には年度間調整分は95億円となり、29年度末には50億円とほぼ半減し、柔軟な財政運営が担保できない状況が生じますと、これに書かれてありました。年度間調整のための財政調整基金の残高を常に100億円と設定しているにもかかわらず、数年後には50億円となることが当初予算案の概要に示されているように、まさに財政非常事態に陥っている状況であり、歳出の抑制を強力に進めなければなりません。
しかし、一方で財政非常事態とは思えない計画が進行しています。その一つが、標準指標より9億円も高額な工事や、5,000万円、維持管理費増が想定される統合新校、中野中学校などの区有施設更新計画です。今回は、区内に4カ所設置する計画である複合施設、すこやか福祉センターの施設更新により、経常経費がどのようになっているのかについて、幾つか質問したいと思います。
すこやか福祉センターは、子どもや高齢者、障害のある人が、住みなれた地域で安心して自立して生活を送れるよう、地域の拠点施設として機能するという基本理念のもと、区内4カ所に設置されています。仲町小学校跡地に整備された中部すこやか福祉センターに続いて、富士見中学校跡地に南部すこやか福祉センターが25年度に移転整備するため、2億2,400万円余が25年度予算に計上されています。そして、施設内に地域スポーツクラブを併設し、地域住民のための集会室等を設けていく予定です。その第1号として、平成22年に開設された中部すこやか福祉センターは、仲町小学校施設を活用し、スーパーリフォームしたもので、保健福祉センターの機能を継承しながら、地域子ども家庭支援センターの機能や障害者支援関連事業が集約されました。しかし、学校の跡施設活用ありきで施設更新を推進したため、554平米だった中部保健所の7倍近い3,400平米の床面積となり、新規事業のための地域スポーツクラブ施設の1,300平米を含めれば4,756平米と、10倍近い床面積となりました。そして、その4カ所のすこやか福祉センターの25年度の光熱水費の予算額は1,348万円となっており、中部は670万円余、北部300万円余、南部230万円余、鷺宮130万円余と、中部すこやか福祉センターが半分以上を占めています。これは、中部すこやか福祉センターが学校跡施設をそのまま活用したため、普通の施設より廊下の面積が広く、全館冷暖房となっているため、光熱費がかかっていると考えられます。光熱水費のほかにも、多くの維持管理費が予算に計上されています。
そこで伺います。すこやか福祉センター4カ所にかかる施設管理委託料として2,291万円余がありますが、その内訳を教えてください。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 施設管理委託経費2,291万円の内訳でございますが、清掃や消防設備点検などにかかる経費といたしまして、中部すこやか福祉センター分が825万3,000円、北部すこやか福祉センターが188万7,000円、南部すこやか福祉センターが256万8,000円、鷺宮すこやか福祉センターが92万9,000円です。
なお、このほか、中部すこやか福祉センターにつきましては警備や集会室管理などのための施設維持管理委託が927万3,000円かかっているものでございます。
○林委員 施設管理委託費2,291万円のうち、中部すこやか福祉センターにかかる委託費は合計で1,862万円と、7割近く占めていることがわかります。今年度予算では、すこやか福祉センター全体の施設維持管理費等は4,800万円であり、そのうち中部すこやか福祉センターにかかる維持管理費は2,500万円と、半分以上が占められていることになります。今後、同規模の施設が4カ所となれば、維持管理費が2,500万円掛ける4となり、概算で1億円と想定されます。使用料などで相殺されるところもありますが、大部分は一般財源の負担になると考えられますが、区としてどのように試算しているでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中部すこやか福祉センター以外の施設整備も進むことになりますので、それぞれの施設規模が大きくなるため運営経費も多くなるというふうに想定をしていますが、具体的な試算はしていない状況でございます。
○林委員 予算編成方針には、事業を実施するに当たり、その経費の積算は決算状況をもとに実績を踏まえて行うとあります。長期事業であり、経常経費増加が想定されるものですので、しっかりと検証するべきです。試算せずに事業を推進することは予算編成方針に反します。目標と成果の中野区政において、施設更新における維持管理費についてコスト意識を持たないのは問題と考えます。
平成22年第3回定例会一般質問で以下のような質問をしました。平成20年に作成した中野区施設白書には、施設再整備時に維持管理経費等トータルコストの縮減を行うとあります。中部すこやか福祉センターの施設更新をする際、長期的視点に立って維持管理経費の検証を行ったのかとの問いに、設備関係の維持補修経費や光熱水費等の運営費につきましては、改修、建てかえとも整備の入れかえを行いますので、同等であると考えているとの回答を得ましたが、平成25年の維持管理費にかかる予算を見ますと、施設白書にあるトータルコストの縮減が行われているとは到底思えません。
ただ、施設更新により経費が増大していても、区民ニーズに沿った稼働率の高いものであればまだ理解できます。そこで、約1,000万円の受付業務委託を行っている集会室の利用状況について伺います。中部すこやか福祉センターに転換するとき、地域貢献として集会室5部屋を設置しましたが、現在の稼働率は何%でしょうか。
○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 中部すこやか福祉センターの集会室の稼働率ですけれども、直近の25年1月末までの利用率につきましては14.6%となっております。
○林委員 予算編成方針には、事業を実施するに当たり、その効果を検証するとありますが、集会室設置に当たってはどのような検証を行ったのでしょうか。
○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 集会室につきましては、すこやか福祉センターに必要な機能を満たすスペースを確保した上で、すこやか福祉センターの講座や、健康や福祉に関するさまざまな地域活動や会合等が展開できるように検討をいたしました。ただ、既存の建物であるために、ゾーニングをして整備をするというふうになりまして、総合相談支援、地域支えあい交流のゾーン、子育て支援ゾーン、会議室ゾーンというふうに分けて考えるというやり方で検討いたしました。
○林委員 行政側主導でそのような形をしているように今聞こえました。集会室貸し出しのための業務委託927万円や、光熱水費、ランニングコストは今後経常経費となります。しかし、地域貢献として設置した集会室の稼働率が14%、1割程度では、残念ながら税金のむだと言わざるを得ません。
また、地域支援の集会室貸し出しと同じように、施設の有効活用として新規拡充されたのが地域スポーツクラブです。さきの2,500万円の維持管理費には、地域スポーツクラブ事業のものは含まれていません。そこで伺います。中部地域スポーツクラブは、健康づくり、スポーツ推進モデル事業2年目として、平成24年度に970万円余であった運営にかかる予算が、平成25年度には3,900万円余と大幅に拡充されました。このモデル事業等の中に維持管理費が含まれているということなので、その内訳をお示しください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 平成25年度は、26年度の地域スポーツクラブ本格実施を見据えてモデル事業をさらに拡大することとしてございまして、その経費を見込んでいるものでございます。
このうち、維持管理的な経費といたしましては、1,854万円を計上してございます。その内訳でございますが、施設の管理全般や受付事務等を行う管理委託費として824万7,000円、定期的に行う清掃委託費520万6,000円、光熱水費478万7,000円、スポーツに使用するということで破損しやすいので、施設の補修費30万円といった内容になってございます。
○林委員 地域スポーツクラブ施設にかかる維持管理費は1,800万円余ということが予定されているということですね。この事業も、多くの区民の参加がなければならないものと考えます。そこで、平成24年度行った健康スポーツ教室第1期の参加人数を調べたところ、フットサル教室4回で延べ67人、バランスボール4回では延べ7人、ヨガ教室4回で延べ44人の参加であることがわかりました。
次に、健康スポーツ教室のほかに行われている体育館、グラウンドなどの場所貸しについて伺います。24年5月から25年2月まで、毎日行われたグラウンドと体育館の場所貸しの稼働率をお答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 7月までは、参加できる日とできない日を、ほぼ1日おきに設定してございました。体育館では、この期間、91枠中25枠の参加申し込みがあり、参加率は27.5%でございました。その後、参加団体や、問い合わせいただいた団体の意見を取り入れ、8月以降は原則どの日でも参加可能といたしました。この結果、枠数がふえたため、5月から2月まで全体を通した参加可能枠数は576、実際の参加申し込みが74、参加率は12.8%となってございます。
屋外運動広場は、同じく7月までは参加可能枠数91に対し、実際の参加枠数は38、参加率は41.8%でございました。8月以降は、体育館と同様、枠数をふやした結果、全体といたしましては参加可能枠数603、参加申し込みが89、参加率は14.8%となっております。
○林委員 では、結果、5月から2月まででグラウンドの稼働率が14.8%、体育館が12.8%ということだと思います。集会室も地域スポーツクラブも、すこやか福祉センター施設更新時に新規事業として併設されることとなりましたが、稼働率を見ると区民ニーズに沿ったものとは言えません。そして、そのための業務委託費に2,800万円もの予算が計上されています。さらに、中部地域スポーツクラブでの場所貸しなどの稼働率が1割程度であるならば、十分な検証、対策が行われないまま、地下温水プールを有する南部地域スポーツクラブの施設建設を推進していることに対し、今後、中部地域スポーツクラブとは比べ物にならないくらい工事費や維持管理費が見込まれます。
このような維持管理費が増大していますが、地域にスポーツする環境を整え、高齢者の方たちに日常的に運動するための場を提供すれば、将来的に医療費を抑制することになるので必要な事業であると、平成23年度決算特別委員会の総括質疑の際に区長が答弁されています。そこで、運動習慣のための支援を行っている他区の事例を調べてみました。
葛飾区では、区内のフィットネスクラブと協働して、65歳以上の高齢者に運動習慣を身につけてもらう取り組みを25年度予定しています。体力、興味に合わせて運動メニューを選んで、全12回のプログラムを利用するもので、区は1回当たり1,000円を補助、自己負担500円とするそうです。区内にあるプールとジムとスタジオを有する8カ所の民間フィットネスクラブを活用し、560人を対象に運動を習慣化することを目標としています。
葛飾区に問い合わせたところ、担当の所管では区内のフィットネスクラブから聞き取り調査を行い、フィットネスクラブに通う人の傾向などを調べたそうです。それによると、平日・日中のフィットネスクラブ利用者のほとんどは高齢者であるということ、また、フィットネスクラブに通っている高齢者は運動しなければいけないと考えている高齢者の2割程度であり、予備軍がもっといるのではないかと考え、動機付けとして事業を始めるそうです。また、葛飾区としては、フィットネスクラブに行くためだけの補助金を投入するのではなく、運動前後に効果測定を行い、さまざまな数値などを示すことで利用者に対して動機付けを深めること、そして、その効果測定数値などを区にデータ提供することになっており、今後区としてはそのデータを検証し、医療費抑制のための対策につなげていくということです。この事業のために、25年度750万円を予算計上しているそうです。プールなどのスポーツ施設を持たず、専門のインストラクターの人件費もかからず、対象者の運動効果測定のデータも提供してくれる、維持管理費等は民間フィットネスクラブがすべて持ってくる上に、中部地域スポーツクラブにかかる1,800万円の経費の半額以下の予算です。
そこで伺います。小さな区役所として、施設を持たずに民間のフィットネスクラブを活用する検証や、地域スポーツクラブ事業を行う際に、葛飾区のように民間フィットネスクラブ利用者の実態調査などを行いましたでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 先ほど稼働率の御質問の中では、いわゆる場所貸しと言いました、団体参加型のことだけでございましたが、中野区ではこのモデル事業の中に、それだけではなくて、教室事業を行っているところでございます。子どもから高齢者まで対象年齢を広げ、糖尿病予防教室であるとか、将来的な運動部活動の支援にもつながるスポーツ指導者養成講習を行うなど、今後の展開をより意識したメニューを実施いたしまして、現在では多数の方に参加していただいております。多くの区民に健康スポーツ体験をしていただけているという意味からも、成果があるものと考えております。
このように、中野区における地域スポーツクラブの目的は、幅広い区民の健康づくり、体力づくり、それから学校部活動の支援、地域スポーツの指導力と競技力の向上でございます。その実現のために、区内に4カ所の拠点を整備する予定でございます。これによりまして、例えば今まで全く運動習慣のなかった方が、身近な地域にできたスポーツクラブに足を運び、最適なメニューを選んで教室事業に参加する中から、新しい仲間がふえ、新たな地域のチームができ、その場所を活動拠点とした新たなスポーツが生まれ、個人が健康になるとともに、地域スポーツも盛んになる、そのような健康スポーツムーブメントの環境を目指しているものでございます。
したがいまして、民間のフィットネスクラブは、今後展開するこのような地域スポーツクラブの取り組みに全面的に取ってかわるということにはなり得ないと考えているものでございます。
○林委員 それは区側の考えであって、私が聞いたのは、民間フィットネスクラブなどに実態調査などをしっかり行ったのかと伺ったのです。葛飾区では、運動したいという人はもう2割やっていて、それ以外の人を掘り起こさなければいけないというような形になっています。きちんとした実態状況をつかまなければ、また参加率が低下するということが考えられます。その点についてお答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブの構想につきまして、検討の中に、今までも民間スポーツクラブの運営状況等々を検証いたしまして、検討しておりました。繰り返しになりますが、しかし、その民間スポーツクラブに行くことによって、この地域スポーツクラブは取ってかわるということではございません。
○林委員 調査していないということはわかりました。10か年計画に小さな区役所を目指すとあり、保全計画の基礎となる中野区施設白書には、施設再整備時には維持管理経費などのトータルコストの縮減を行うとあり、健全な財政運営のために施設規模の縮小が必須であるということがある中、すこやか福祉センター施設更新内容を検証すると、施設拡大、維持管理費激増となっています。おっしゃるように、お金があって、そして場所があればつくることは必要だとは思いますが、このように財政状況が悪化している中、施設を持たない方法もあると思います。例えば、民間のフィットネスクラブに区の人たちが入って、そのような場所を貸していただくというようなことも検討するべきではないかということも質問にしたのに、今お答えはいただいておりません。このように、10か年計画2次にあるすこやか福祉センターの整備計画を推進することと、保全計画の基本理念には大きな乖離が生じているというふうに考えられます。
そこで伺います。10か年計画2次推進と、区有施設更新のための長期保全計画に整合性はあるのでしょうか。
○野村政策室副参事(企画担当) これからお示しをする施設の保全計画、これは10か年計画(第2次)と整合があるものをつくる予定でございます。
○林委員 すこやか福祉センターの施設計画で大きくふえた分の施設の床面積を圧縮する施策が、ステップ3、また4のほうに書かれているのでしょうか。
○野村政策室副参事(企画担当) 平成20年にお示しをしました施設白書、あるいはこの10か年計画の中でお示しをしております小さな区役所を目指すというところにつきまして、今後お示しをする保全計画についても同様のものというふうに考えてございます。
施設総量を見直しを図って、適正化を図っていくということについては、委員がおっしゃられることに私も同意をしてございますが、ただ、区民にとって必要な施設、行政目的を達成するための施設、これらについても一方で整備を図っていくということは必要なことだというふうに感じてございます。
○林委員 そのことはこちらもわかっております。しかし、保全計画と10か年計画2次との整合性が見えないことは明らかです。そして、中部地域スポーツクラブの現在までの稼働率から、地域スポーツクラブ自体に需要があるのか不確定な状況であり、南部地域スポーツクラブ建設を推進することはまだ問題であると考えます。体育館のほかに地下温水プール整備を計画している南部地域スポーツクラブが開設され、区が計画している自立運営が成功しなければ、鷺宮体育館にかかる経費から想定して年間1億円近い施設管理費が新たに一般財源からの負担になると考えられます。中野富士見中学校跡施設整備基本計画を見ると、すこやか福祉センター3,100平米、地域スポーツクラブ2,800平米となっており、各種おのおの、標準的工事単価に床面積を掛けると、すこやか部分は9億円余、地域スポーツクラブ部分は11億円余の工事費と考えられます。今行われている基本設計から地域スポーツクラブの部分の整備を削除すれば、工事費11億円余、維持管理費年間1億円余の歳出が抑えられます。
現在、基本計画及び実施計画、業務委託契約を平成24年12月に締結しており、4月30日には基本計画が完了し、その後、25年度、既存建物解体工事が進められることになっています。そこで、基本設計の業務が執行されている状況で計画の変更を区側からできるのか調べたところ、過去にも業務委託途中で基本計画を設計した前例があり、そのときも事業者との話し合いをすることで区が負担を負うこともなく計画を見直すことが現時点で可能であることがわかりました。
そこで伺います。1,053億円かかる施設改修改築計画の費用を圧縮するための保全計画を策定するとしている中野区として、また、聖域なく経費圧縮・削減を図るとしているのであれば、中野富士見中学校跡施設整備基本計画の地域スポーツクラブ部分の建設を中止するよう、計画の変更を早急にするべきと考えます。区の見解を伺います。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) (仮称)南部地域スポーツ施設は、区民の健康づくり、体力づくりや地域のスポーツの向上を推進するための重要な拠点施設になるものでございます。中野富士見中学校跡地に整備を予定しています南部すこやか福祉センター、南中野地域事務所、そして(仮称)南部地域スポーツ施設につきましては、10か年計画の中で計画をしたもので、平成23年度に基本方針を策定し、区民の意見を反映させながら基本計画を策定し、現在基本設計へと進んできているものでございます。基本的なこの方針を見直すことは考えておりません。
○林委員 区民の願いとしてつくった中部すこやか福祉センターでの集会室の稼働率も、場所貸しも1割ということで、区民の望みということが本当であるのか疑わしいです。
1月28日、総務局が発表した東京都の人口推計の数字は衝撃的でした。12年中における東京都の人口の動きは、自然増減が2,025人減で、56年の調査以来、初めて死亡率が出生率を上回りました。人口が減り、少子・高齢化が進みます。この流れは地方で顕著でしたが、東京でもいよいよ数字になってあらわれてきました。国立社会保障人口問題研究所の調査では、東京都の65歳以上の人口は2005年を100%とすると、20年には143.7%、30年には155.2%、35年には167.6%にふえます。全国平均では35年に133.8%で、東京都の高齢化が深刻となることが想定され、そのための施設の取得が問題となることは明らかです。
今回、スポーツクラブ部分の建設を取りやめる計画に変更すれば、南部地域に10年後の高齢者増に対応する施設建設のための種地の確保ができ、工事費減による10億円と年1億円の維持管理費を保全計画のための現金に積めば、将来を見据えた新たな土地活用の可能性が見えてきます。行政として、施設更新時には維持管理費のトータルコストの縮減を図ることは当然であります。そして、今後経験したことのない少子・高齢化に対応するために、長期的視点に立った施設更新の計画が必要であり、その考えと整合性のない事業の見直しを行うことが、中野区の将来のためになることを申し上げます。
また、ずっと前から言っておりますが、学習スポーツのところに外部評価の指摘として、区民の方から厳しい財政下、スポーツや生涯学習に区がどれだけ人やお金を投入するのか、基準を明確にしてほしい、基準によっては撤去する事業が発生してもよいのではないのかということも書かれております。ぜひともきちんと将来のことを見据えた計画としてほしいと思います。以上で質問を終わります。
○佐野委員長 以上で林まさみ委員の質疑を終わらせていただきます。
続きまして、石坂わたる委員の質疑に移りたいと思います。
○石坂委員 質問いたします。まず最初に、区民住宅について伺います。
区民住宅は、民間賃貸住宅を区が借り上げ、家族世帯で住宅にお困りの中堅所得層に貸し出すものです。しかし、現在は空き室が多くなっています。先日の総括説明によると、空き室率の高い物件をオーナーとの協議で契約期間満了前に返還するそうですが、すべての物件の早期返還に応じてもらえるわけではないため、空き室対策が不可欠です。
なお、この区民住宅の家賃収入に関し、22年度と23年度について、当初予算額と調定額の差が1,700万円以上もあります。これは、空き室が埋まらず、決算が予算を大きく下回る状況が放置されていたためと思われますが、いかがでしょうか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 区民住宅の空き室対策につきましては、入居者要件の緩和、特定所得者層への低家賃制度の不適応等の対策を図ってまいりましたが、それでもなお、20%程度の空き室が発生し、御指摘のとおり、予算額と調定額の差が生じたものでございます。
予算額と調定額の差は、空き室の発生によるもののほかに、長引く景気低迷に伴う入居者の所得減による家賃額の変動、また平成23年度につきましては、年度途中に10戸、空き室をオーナーに返還いたしまして、その分、調定額の母数が減ったということもございます。
○石坂委員 そうした状況に対して、空き室に入居してもらう工夫が必要です。現状の空き室が解消し、区民住宅がすべて埋まると、どの程度の家賃収入の増につながりますでしょうか。
また、入居者募集に当たり、民間との協力なども含めた工夫も必要だと思われますが、いかがですか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 空き室が解消するとどの程度ということですけれども、空き室が1戸解消するとということで御回答させていただきます。年間の家賃収入が、およそ180万円入ることになります。
民間を活用した工夫が必要だという件につきましては、来年度は指定管理者に入居者募集を委託することを予定してございます。そのことによりまして、今までできなかった民間不動産店での入居者募集、民間賃貸物件の紹介サイトなどを活用した入居者募集を行い、空き室の解消を図っていきたいというふうに考えてございます。
○石坂委員 そうしますと、来年度に関しましては、今までとやり方を改めることで、予算に計上されているだけの家賃収入が得られるよう頑張っていただけるという理解でよろしいですね。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 空き室の解消のため、区民住宅条例を改正し、さらなる入居者要件の緩和も現在考えているところでございます。さまざまな手だてを講じまして、予定している家賃収入が得られるよう、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○石坂委員 今のお話のように、約180万円、1戸当たりですと、10戸の空き室が埋まりますと年間1,800万円の収入がふえます。財政的に厳しい状況が続く中、支出を絞るだけでなく、歳入をふやす工夫も求められています。区財政全体の中では小さい部分かもしれませんが、ぜひしっかりと続けていただけますようお願いいたします。
次に、障害福祉手当第2種について伺います。
現行の障害福祉手当は、65歳以降では、確かに申請を行うことができません。しかし、国民年金法では、住民税非課税世帯などの低所得者層や、障害を持ち、年間125万円以下の所得の個人は国民年金の保険料が免除となります。しかし、65歳以降の老齢基礎年金の受給額は3分の1から2分の1と減ってしまいます。障害者福祉手当第1種の方であれば、障害者基礎年金をもらえる可能性が高いのですが、障害者福祉手当第2種相当の軽度の障害者は、ほとんどの場合、障害者基礎年金をもらうことができません。つまり、65歳以上で障害者福祉手当第2種相当の障害のあった方は、月額5,000円の障害者福祉手当はもらえませんが、多くの方が月額6万5,000円ほどの老齢基礎年金を満額もらえます。
一方、19歳までに障害者になった方については、年間125万円以上の所得を得られる仕事につけないケースも多く、老齢基礎年金は月額3万3,000円未満しかもらえません。老齢基礎年金が低い方に対して、月額5,000円の障害者福祉手当第2種を出すことは、必ずしも不公平ではないと思われます。
なお、65歳以上の障害者福祉手当第2種の段階的廃止について、大きな影響を受ける226人の住民税非課税世帯への給付総額は1,356万円と推定されます。ちなみに、昨年11月21日の自立支援協議会において、見直しの財政効果はどのように生かされるのかとの質問に、削減分は必ずしも障害福祉分野の別事業に振り向けるのではなく、10か年計画全体を進めるために活用するとのやりとりがあったようです。障害者福祉手当第2種の一部廃止の理由が、区政全般でのお金のやりくりのためであるとするならば、先ほど指摘をしました区民住宅の空き室解消による1,800万円をはじめ、さまざまな工夫や努力でもっと収入をふやすようにしていくべきではないかと思われますが、いかがですか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 事業見直しは、持続可能な区政運営を実現するために行うものでございまして、障害者福祉手当第2種につきましては、障害福祉施策全体のあり方を見直す中で、その意義や必要性などの観点から見直しを行ったものでございます。
○石坂委員 そうしますと、もちろん財政が厳しい状況でありますけど、今回の廃止は短期的な理由というよりも、長期的な視点での施策の意義や継続の必要性というのを考えた結果ということでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 委員の御指摘のとおり、中・長期的な視点でより効果的な施策展開を図るものでございます。
○石坂委員 そうですか。では、この見直しに限らず、障害福祉分野では障害者が区政情報を知り、区に意見を伝える情報アクセス権をどのようにとらえていますか、確認させてください。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害のある方も、ない方も、同じ区民として区政に関する情報を得て、それに基づいて意見の表明や区政への参画を進めていくためには、区政情報へのアクセスは重要であると認識してございます。
○石坂委員 特に今回、給付廃止となる軽度の障害者は、障害者団体に所属をしていない方も多く、団体を通じた情報提供が困難です。また、視覚障害者で身体障害者手帳3級ですと、音声版の私の便利帳の提供対象であるにもかかわらず、今回の手当廃止の情報が掲載された声の中野区報の提供対象とはなっていません。また、区報で子ども、外国人など向けに掲載される情報は、漢字に仮名が振られ、軽易な表現の文章です。しかし、今回の手当廃止の記事は、愛の手帳4度の軽度の知的障害者にわかりやすい表記とはなっていません。情報弱者に対する配慮としては不十分です。実際に私も障害者の方から、現在の情報提供ではわかりにくい、案に対する意見を募集する段階から手当廃止の対象である障害者369人に情報提供すべきとの声を聞きました。肢体不自由特別支援学級の廃止について、23年度事業見直しで全児童・生徒の家庭に説明をすべく配慮していたのとは正反対の対応です。情報提供や意見表明が不十分な状況では、廃止対象者のアクセス権の保障が十分できていないと思われます。
なお、昨年の一般質問でもこの問題に触れた際、地域生活支援事業の利用者負担が原則無料、介護保険移行後も必要な支援が受けられるとの答弁がありました。しかし、その後、障害者福祉施設の職員と話をした際に、介護保険になってからも地域生活支援事業が使えるとは知らなかったという声を複数聞きました。当事者や施設職員がこうした仕組みを知らない現状をどのように受けとめますか。どのように改善をしていきますか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 65歳以上の障害者につきましては、介護保険制度が原則適用となりますため、65歳になる制度移行のタイミングで個別に制度の御案内をしておりますほか、地域包括支援センターの職員を対象とした研修などにおきまして、制度の説明を行っているところでございます。今後も、相談支援機関などを通して周知に努めてまいりたいと思います。
○佐野委員長 石坂委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
3時20分まで休憩とさせていただきます。
午後2時57分休憩
午後3時20分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、石坂委員の質疑を続行いたします。
○石坂委員 厚生委員会でも取り上げられていますが、改めて確認します。現在までに65歳以上の障害者福祉手当第2種の受給者の地域生活支援事業の利用状況はお調べになりましたでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 地域生活支援事業等各種障害福祉サービスの利用状況につきましては、サービスごとの支給決定の状況として把握しているところでございますが、障害者福祉手当第2種受給者のうち、65歳以上の方に限定する形での各種サービスの利用状況につきましては、データの精査を進めているところでございます。
○石坂委員 まだ調べ終わっていないようですね。また、手当の受給対象者、これは年々数が変わるはずですが、事業見直しの財政効果について、手当受給者の年齢ごと、あるいは年齢階級ごとの人数を調べて、将来の財政効果の予測をしたのでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 財政効果の算出基礎となる受給対象者数の推計につきましては、年齢別人数のほか、障害等級の変更、転出、死亡等の要因がありますことと、過去の推移がほぼ横ばいでありますことから、平成28年度までの4年間につきましては、平成24年度の人数を適用することとしたものでございます。
○石坂委員 詳しくは調べられていないようですね。なお、本来、この手当は所得保障が目的ではないようですが、障害者や施設職員の話では、受給者の多くが衣食その他日常生活費としている実態があるそうです。生活保護では、障害者福祉手当第2種程度の障害者ですと、生活扶助に1万7,890円の障害者加算があります。これは、衣食その他日常生活の需要を満たすために、健常者より多くの費用がかかるためです。つまり、生活保護受給者を除く非課税世帯で同額の収入だと、健常者よりも障害者のほうが家計は苦しくなります。また、先ほどの自立支援協議会でも、低収入の障害者が多く、この手当廃止によって生活保護に申請を出す方もいるのではと指摘がされています。この手当廃止で生活保護がふえる可能性について、何らかの予測は立てていますか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者福祉手当は、生活保護制度におきましては収入として認定しない扱いとなってございますので、手当の廃止が保護の決定にかかる収入に影響を与えることはないと考えてございます。
○石坂委員 自立支援協議会の指摘が生かされていないところが残念です。この手当の廃止で、受給者が受ける影響の大きさを考えれば、当事者や関係者の声を踏まえてしっかりとした将来予測をし、当事者が十分納得のできる説明や根拠を示すことが必要です。時間をかけて詳細な調査をし、十分なデータをそろえ、見通しを立てて検討すべきです。このままだと、アカウンタビリティ、説明責任も十分に果たされません。それでも来年度予算に間に合わせる理由があったということでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者福祉手当の開始当時と比べまして、さまざまな社会資源が充実し、サービスの内容も量も拡充が図られ、65歳以上の方につきましては介護保険サービスのほか、必要に応じて障害福祉サービスも御利用いただけるようになってございます。さらに中野区では、地域生活支援事業を実質的に無料で御利用いただいているところでございまして、こうした施策展開の中、現金給付という形で手当を支給することの必要性とその効果は薄れてきていると考えてございます。
一方で、65歳以上の方につきましては、手当の受給について不公平があることから、見直しを行うことが適当であると考えたものでございます。手当の廃止に当たりましては、激変緩和のために1年間の経過措置を設けておりまして、対象となる方々に対しましては今後丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○石坂委員 先ほども何度も指摘しましたが、やはり必要なサービスを提供していても、知られていなければある意味がありませんし、また、不公平と言いますけれども、実際に年金等の格差があるのが現状です。もし検討中の障害者福祉手当、これに関する、やはり検討をしっかりと進めていくことが現状必要だと思われますけれども、その際に、必要な資金が、来年度、予算から捻出できないということであれば、それこそ先ほど触れました、区民住宅の家賃収入等さまざまなお金を割り当てて、1年間は継続して検討を進めていくという方法もあるのではないかと思われますが、見解をお聞かせください。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者福祉手当第2種につきましては、事業見直しでお示しをした日程で進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○石坂委員 非常に残念な答弁で、納得できません。障害者の方のアクセス権、そうしたものをしっかりと考えていただけない状況で進んでいくことに対して、今後の障害者施策の不安を感じます。
障害者福祉手当第2種の廃止について、廃止そのものの問題だけじゃなく、今回質問させていただきまして、手当廃止に向けた見直しの過程にも問題があると言わざるを得ず、とても残念です。問題点として指摘させていただきまして、次の質問に移ります。
続きまして、ファミリーバイオレンスと多問題家族の支援について伺います。
1点目、児童虐待とマルトリートメントについて伺います。子ども家庭相談事業で、虐待を主訴とする相談が、平成20年から一貫して年間3,000件を超えています。児童相談所は都の所管ですけれども、現状、児童虐待対応は区の子ども家庭支援センターで担う部分が多いです。昨年11月20日付、都政新報の記事で、田中区長もこの二重行政の問題を指摘しています。保護者の了解が得られた場合、区独自の支援ができると思いますが、いかがでしょうか。また、児童相談所と連携をして、子ども家庭支援センターが児童を保護する仕組みがつくれませんか。
○黒田子ども家庭支援センター所長 児童相談所との連携でございますが、来年度より都の一時保護機能が満床で使えない場合に限り、中野区で虐待を受けた子どもの一時保護について、区内の施設を利用して保護することを予定しております。
○石坂委員 保護者の了解が得られた場合はどうでしょうか。
○黒田子ども家庭支援センター所長 保護者の了解があった場合には、支援を了承したケースにつきましては、子どものショートステイや学校の送り迎えなどを支援する養育ヘルパーの派遣を現在実施しているところでございます。
○石坂委員 ぜひしっかりとお願いいたします。
なお、虐待は常に外から見える形だけではありません。押さえつける、衝撃を与えつつもあざが残らないような柔らかいものでたたく、子どものものを破壊するなどの虐待もあり、子どもの情緒発達に影響を与えます。また、虐待には至らずとも、子どもへの対応が不適切であるマルトリートメントにも注意深く対応する考え方が広がっています。
なお、23年度まで、すこやか福祉センターでノーバディーズパーフェクトの講座がありました。この講座は終了しましたが、完璧な親や家族なんていないという観点での家庭支援は必要です。子育て不安などを原因としたマルトリートメント等のある家庭や保護者支援について、具体的な取り組みができませんか。
○黒田子ども家庭支援センター所長 子ども家庭支援センターやすこやか福祉センターにおきましては、カウンセリングや継続的な支援を必要とする保護者には個別の相談や支援を行っているところでございます。また、必要に応じて、親の子育て力向上などの講座も現在紹介しております。
○石坂委員 次に、障害者と高齢者の関係で聞きますけれども、まず障害者虐待防止法について伺います。
この法律は、昨年10月1日に施行されましたが、認知度がいま一つです。業務委託の施設を含め、障害者施設やその他公共施設における啓発のための掲示ですとか、福祉施設利用者への紙媒体の配布など、周知が必要ではないですか。また、障害者相談支援事業所の業務に虐待防止のための相談や虐待への対応を加えるべきではないでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者虐待防止法の施行に当たりましては、区報、ホームページのほか、ポスターの掲示、リーフレットの配布などによりまして周知を図ってございます。あわせて、相談支援機関や障害福祉サービス事業者、医師会、民生児童委員などに情報提供を行うとともに、障害者虐待についての理解を深めるための講演会を9月に開催し、2回目を3月に開催予定でございます。
障害者相談支援事業所は、虐待の防止及びその早期発見や権利擁護のための必要な援助を行うこととなっておりまして、平成25年度からは中部と北部のすこやか障害者相談支援事業所におきましては、障害者虐待の通報窓口としての機能も担うことを予定してございます。
○石坂委員 ぜひお願いいたします。
なお、在宅の障害児、障害者、障害高齢者への移行で途切れることがない支援が必要です。他部署との役割分担や連携、情報の共有や移行をどのように行っていきますでしょうか。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害児虐待ケースにつきましては、子ども家庭支援センターが主催いたします要保護児童サポート会議に障害福祉分野の地区担当ケースワーカーも出席をいたしまして情報の共有化を図るなど、連携して審議を行ってございます。
また、高齢障害者への支援につきましては、高齢者虐待と障害者虐待について一体的に取り組むための虐待対応連絡会を設置いたしまして、高齢者虐待担当とも連携、協力しながら、関係機関との連携強化を図っているところでございます。
○石坂委員 続いて、高齢者虐待防止についてです。担当者や議会事務局の調べでは、区内高齢者虐待の相談件数は、平成20年度の67件に対し、23年度は37件です。23区中22区の23年度の65歳以上高齢者1万人当たりの虐待相談件数は、中野区は平均の半分強の件数にとどまっています。しかし、社会的に高齢者虐待の深刻さが増す中、中野だけが大幅改善しているとは考えにくいです。高齢者虐待は近所から見えにくく、怪しいと感じても確信が持てずに通報しづらいことがあるようです。ネグレクトや経済的虐待も含め、確信が持てなくても、おやっと思ったら区に相談するようにと一層の啓発をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律におきまして、国及び地方公共団体は高齢者の虐待の防止、虐待を受けた高齢者の保護に資するため、高齢者虐待に係る通報義務等について必要な広報、その他啓発活動を行うものというふうに明記をされているところでございます。区では、介護の日のイベントでの広報活動ですとか、認知症サポーター養成講座におきまして虐待の防止及び虐待に関する相談、通報を呼びかけるなどの取り組みを行っているところでございますが、啓発活動につきましては今後さらに充実をしていきたいというふうに考えております。
○石坂委員 ぜひ多くの方に知っていただけるよう啓発をお願いいたします。
なお、区の虐待対応マニュアルによりますと、高齢者虐待は介護保険の認定済み、認知症あり、同居の未婚の息子による虐待が多い特徴があります。また、区内で高齢者福祉事業をしている社会福祉法人の職員から、男性介護者は仕事に取り組むように介護に取り組むが、高齢者は思うように行動しない、そして心理的、肉体的、経済的に追い詰められる、介護のために仕事ができない、親の年金にパラサイトしているなどという場合も虐待のリスクが高まると聞きました。また、児童の場合と同様に、虐待者が病気や障害を持っている場合も少なくないようです。
介護保険特別会計には、制度運営費や保険給付費のほかに、産官の地域支援事業費があります。虐待のリスクが高い家庭に対し、未然防止につながる啓発や働きかけができるよう、介護者同士が互いに悩みを吐き出せる場を設ける取り組みや、介護者が相談しやすくする工夫も必要ではないでしょうか。
また、地域包括支援センターなどにも高齢者虐待防止の役割を十分担ってもらうため、各職員の専門スキルの向上や十分な専門職員数の配置も不可欠です。どのように地域包括支援センターをはじめとする民間事業者への支援をしていきますか。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区では、四つのすこやか福祉センターエリアで、今年度は年4回、延べで16回、在宅で介護が必要な高齢者を抱える御家族の方を対象に家族介護教室を実施しているところでございます。家族介護教室では、介護者同士の交流と情報交換を行うほか、簡単な相談にも応じております。このような場を活用いたしまして、介護者同士が悩みを相談できるような雰囲気づくりや、また相談のきっかけとなるような工夫を図っていきたいというふうに考えております。
社会福祉法人に業務委託をしております、区内8カ所の地域包括支援センターには、専門職といたしまして社会福祉士、保健師、または経験のある看護師、主任介護支援専門員の3職種が置かれているところでございます。区では、地域包括支援センターの職員を対象といたしまして、職員のスキル向上のため、虐待などの困難事例を検討する研修を年1回実施をしております。また、区内の介護保険事業所を在宅系、施設系に分けた形で、その職員を対象といたしまして高齢者虐待の研修を行っているところでございます。このような取り組みを通じまして、高齢者にかかわります民間事業者の虐待に対する理解とスキルの向上を図っているところでございます。
○石坂委員 続きまして、多問題家族支援について伺います。
現京都女子大学教授で、京都家庭裁判所家事調停委員の井上真理子さんは、DVが存在する家族は子どもへの暴力も同時に存在することが多い、家庭の中の問題をファミリーバイオレンスという枠組みでとらえる必要があると述べています。また、こうした家庭は、暴力だけでなく、病気や障害、経済的困窮、自殺などのさまざまな問題を抱え、福祉的援助や社会から孤立をしている、多問題家族のケースが多いようです。
なお、児童虐待について、親が外国人のケース、経済的な困窮で生活保護を受けているケース、被虐待児が障害を持っているケース、加害家族が病気や障害を持っているケースでは、近隣とのコミュニケーションがとりにくく、周囲のコミュニティから孤立をしやすいため、虐待リスクが高くなるようです。また、子育て不安があるケースや、先ほど述べましたマルトリートメントのケースも虐待防止の観点から支援を要します。また、高齢者の場合は精神障害や発達障害を抱えた子が介護者となったときに、トラブルや虐待が発生することがあります。そして、障害者の場合、障害者虐待防止法施行後に内容を知った親で、自分も虐待をしているのかもしれないと不安に感じるケースも多いそうです。相談に行ったら大変なことになるのではないかと不安に感じて、誰にも相談ができなくなることや、家族を追い込むことがあってはなりません。ファミリーバイオレンスは、被害対象によって異なる部分もありますが、共通する部分もあります。ファミリーバイオレンスのある、あるいはあった家庭や、被虐待経験者がいる家庭、複数の問題を抱えた家族を多問題家族としてとらえた上で、すこやか福祉センターを中心とした支援が必要です。見解をお聞かせください。
○齋藤鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターにおきましては、すべての年代の区民の相談に対しまして、障害者相談支援事業所や地域包括支援センターなど、民間委託事業者及び関連する他分野と密に連携して、対象者・児とその御家族を全体としてとらえまして、総合的な視点での相談支援を行っております。
○石坂委員 家族支援について、児童虐待では児童相談所の治療指導課が家族再統合の援助事業として子どもとその養育者にグループや個別の心理療法を行い、親子の関係が再構築される結果が出ているそうです。すこやか福祉センターでも、雇い上げで子育て専門相談をしている心理相談員や、心のクリニックの精神科医などの専門家を生かし、家族へのアプローチにつながる啓発講座や集団心理療法的な効果が期待できるグループワークを含めた講座、そして個人だけでなく家族全体についてのアセスメントなども行っていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○齋藤鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターでは、非常勤の精神科医師によりまして、保健師などの関係職員が指導、助言を受けて、個人だけでなく家族についてのアセスメントも行って支援をしております。心理相談員は、主に個別相談などを通して家族のアセスメントを行っておりますが、今後、子育てグループ支援等での活用について検討していきたいと考えております。
○石坂委員 また、虐待に関して、件数の推移のみでとらえるだけではなく、事例検討を行いまして、どのような事例にどのような取り組みをして、どのように改善されたのか、課題は何かという質的な評価を積み重ね、4所のすこやか福祉センターや関連する部署と連携をして、情報を共有、整理し、それを今後の対応に生かしていく、いわば質的な評価に基づくPDCAにも取り組むべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○齋藤鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターに配置しております職員も参加する事例検討会の中で、関連する部署及び関係機関の職員とともに、虐待及び対応に関しまして評価、検証を行っており、今後の対応に生かしているところでございます。
○石坂委員 ありがとうございます。そして、各部署や関係事業所で、ファミリーバイオレンス、これにかかわる際のインテークとして、最初にかかわった人が責任を持って対応に当たる、家族全体のケアマネジメントをする、そしてアウトリーチを各部署と連携をして、すこやか福祉センターが担うことが必要です。すこやか福祉センターにおけるファミリーバイオレンスや多問題家族に対する今後の取り組みとインテーク、ケアマネジメント、アウトリーチに関するすこやか福祉センター、関連部署、業務委託先の民間の職員のスキルアップについて教えてください。
○齋藤鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 東京都や虐待防止センター機能を持つ分野が開催いたします虐待に関する研修に参加するとともに、日々の仕事の中で経験を積み、ケース会議、支援検討会議などを通しまして知識や対応力を身につけているところでございます。
○石坂委員 家庭の中の不安やストレスを軽減し、ファミリーバイオレンスを未然に食いとめる対応をしっかりとしていただけるように、今後ぜひ期待をしたいと思っております。
なお、今回の質問ですこやか福祉センターを取り上げましたけれども、子ども教育部や健康福祉部といった各部とは異なる経営本部の地域支えあい推進室にすこやか福祉センターは置かれています。各部の考える施策に対する待ちの姿勢ではなく、すこやか福祉センターの自主性を踏まえ、地域支えあい推進室が必要に応じてイニシアティブをとって、各部に働きかけていく、そうした気概を持っていただけますようお願いしたい。また、すこやか福祉センターを含む支えあい推進室が新たな縦割りになることがないようしていただきたいと思っています。
すこやか福祉センターは、田中区政の成果の一つと考えます。しかし、当初の区長の思いが一人ひとりの職員に伝わっていなければ、あるいはそうした形で施設が整わなければ、すぐ形骸化してしまいます。支えあいのまちづくりのために、しっかりと人と物の整理、形だけではない整理をしっかりとしていただきたいと考え、お願いしつつ、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了いたします。
それでは、続きまして、小宮山たかし委員の質疑に移りたいと思います。
○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。先日、インフルエンザで本会議を欠席した際に、関係各位に御迷惑をおかけし、さまざまな御配慮、御尽力いただきましたことを感謝しております。取り下げた一般質問や、提出した文書質問では言い尽くせなかったことを今回質問させていただきます。質問は、2と3を入れかえます。そのほかはございません。
中野区には、パブリック・コメントという制度があります。このパブリック・コメント、どのような理念に基づいて運営されているものでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) パブリック・コメントでございます。区民の意思を反映した区政運営及び区民の自治の活動を推進し、安心して生き生きと暮らせる地域社会を実現することを目的に制定いたしました中野区自治基本条例が示します、区民参加を実現する手続の一つとして運営しているものでございます。
○小宮山委員 私も、このパブリック・コメントの大事な側面の一つに、区民の行政への参加意識を高め、行政と区民のパートナーシップを強化するという側面があると思います。
区民の声を行政に反映するためには、さまざまな制度があります。例えば、我々区議会議員も、区民の代表として区民の声を代弁する、いわば代議士として議会に立たせていただいております。(「代議士じゃないよ」と呼ぶ者あり)いわば、いわば代議士として議会に立たせていただいております。しかし、区民の声を直接、ダイレクトに行政に反映させる仕組みは決して多くはありません。パブリック・コメントは、区民の声に直接耳を傾ける大きなチャンスであると私は認識しております。
今回出していただいた資料、総務69を見ますと、中野区のパブリック・コメントに寄せられた意見の各人数、そしてその意見を取り入れて修正された数がわかります。修正された部分の詳細を調べてみましたが、そのほとんどは言葉の定義や概念を追加したり、抜け落ちていたものを追加したりといった瑣末な変更にすぎず、計画案の大幅な変更や見直しに至るものは一つもありませんでした。区民の意見を施策等に反映させることにより、手ごたえのある区民参加を実現するというパブリック・コメントの理念が、どうもうまいこと実現されていないのではないかという気がしてなりません。区民としては、区政参画の手ごたえを感じるというよりも、のれんに腕押し、ぬかに釘を打っているような心境ではないでしょうか。
修正の質については、ただいま言及したとおりであります。一方、区民から寄せられた意見の量についてはいかがでしょうか。例えば、お隣の新宿区の例を挙げてみます。平成19年に行われた新宿区の最上位計画に当たる新宿区基本構想、新宿区第1次実行計画のパブコメでは、480件、116人、同じく平成23年に行われた新宿区第2次実行計画のパブコメでは、388件、267人の意見が寄せられました。一方、平成21年度中野区の10か年計画(第2次)に際しては、38件、12人の意見が寄せられました。新宿区は388件、中野区は38件、この差、この原因は一体どこにあるとお考えでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) パブリック・コメント手続に至ります仕組みが、新宿区と異なっているというのが最大の原因というふうに考えております。中野区では、パブリック・コメント手続の実施に当たりまして、事前に関係団体及び広く区民の方との意見交換会を実施しております。その意見を踏まえた案を作成いたしまして、パブリック・コメントに臨んでいるというところでございます。他区でも、パブリック・コメントを実施している区はございますけれども、事前に意見交換会を実施するという、それを制度化している区というのは、新宿区も含めまして近隣区にはございません。意見の量につきましては、単純に比較はできないというふうに考えております。
○小宮山委員 今年度を含めて過去3年間、件数にして16件連続して、中野区のパブリック・コメントに区民の意見が採用された実績はありません。おっしゃるように、理事者の皆さんがしっかりと仕事をして、我々区議会議員がしっかりとチェックをした結果に対してケチのつけようがないと、そう区民が判断されたのであれば、それはそれで喜ばしいことでありますが、果たして本当にそうなのか、私はパブリック・コメントが単なるセレモニーになってしまっているのではないかという気がしてなりません。パブリック・コメントを募集するタイミングや期間を改めて見直すように、これは要望をしておきます。
東京23区内には、区政モニター制度を導入している自治体が幾つかあります。具体的な運営状況はさまざまでありますが、区政モニターと検索しただけでも、品川、練馬、中央、北、江東、港、杉並、足立、世田谷などがヒットしますし、例えば板橋区のように、イーモニターとか、タウンモニターという独自の名称を使用している区もあります。制度の趣旨は各自治体さまざまでありますが、区政運営の参考のためであるとか、区民への情報公開、区民参加や区民とともに働く協働の精神をうたっている自治体などがあります。モニターが集う会合を持ったり、視察の機会を設けている自治体もあります。中野区でも、かつて区政モニター制度があったと聞いておりますが、それはどのようなもので、どうしてなくなってしまったのでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 区政モニター制度でございます。区民の自主的な活動によります区民参加の仕組みといたしまして、区の事業や施策に関して意見を述べ、提案を行うこと、また区が依頼する事項について、地域の状況などを調査、報告することを目的に、平成13年10月に開始をしました制度でございます。平成15年3月末をもちまして廃止をしておりますけれども、その理由といたしまして最も大きなものは、対話集会ですとか、区のホームページからの、区民のほうへの受付など、区民の誰もが等しく区政に対して意見を表明できる機会がふえてきた、新たな区民参加の仕組みが確立したということによりまして、あらかじめ登録をした特定の区民の方に継続的に御意見、提案を求めるというモニター制度を存続する意義が低くなったということで、廃止をしたものでございます。
○小宮山委員 中野区が区政モニターを廃止した当時とは、時代背景や区民の意識が大きく異なってきております。特にICTの発達やメールの普及により、区民の相互のやりとりが非常に簡単に、しかも低コストでできるような時代になりました。現在、おっしゃるようにたくさんのチャンネル、中野区にはございます。パブリック・コメント、意見交換会や説明会、区長との対話集会など、そういった機会に意見を寄せてくる区民の多くは、その課題に対する当事者であったり、利害関係者であることがほとんどです。当事者であるがゆえに、客観的な冷静さを欠いていることも全くないわけではありません。世の中には、あえて声を挙げることはないけれど、実は多数派を占めているという、サイレントマジョリティという言葉もありますが、一般区民の声なき声を聞くことは、今までと同じチャンネルではできません。熱い当事者の意見とは違う、第三者の冷静な声を広く聞くために、新しい時代のスタイルに見合った区政モニター制度を復活、もしくは新設してはいかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 対話集会ですとか、パブリック・コメントといいます、自主的な区民参加の仕組みのほかにも、無作為抽出いたしました2,000名の区民を対象にした区民意識調査等も実施をしております。区民参加には、先ほど申しましたようにさまざまな制度を現在中野区では用意しているということから、現時点で区政モニターを復活するということは考えていない状況でございます。
○小宮山委員 区民意識調査と区政モニター制度では、少し違う面もあると思います。特定の課題について、区政モニターだったら聞くこともできる、区政モニター制度をぜひ推進してほしいと私は要望をしておきます。ありがとうございます。
では、次の質問に移ります。かつて、日本の地域社会では、お互いにお互いを支え合う、きずな、つながりがありました。しかし、現在、社会や地域のつながりが薄れ、一人ひとりが孤立しがちな社会になってきています。とりわけ、中野区においては、単身者世帯の割合が60%と高く、扶助費の割合も年々増加し、単身者世帯や社会から孤立しがちな生活保護受給世帯の社会的な居場所や、社会参画のための基盤づくりが急務となっております。また、中野区においては、職員2,000人体制を目指し、今までよりも少ない職員で効率的な区民サービスを行うことが求められています。
こうした時代背景のもと、これまで行政が担ってきた公共サービスや、行政だけでは実施できなかった領域に、NPOやボランティア団体や企業などの民間組織が主体的に参画し、官民協働で公共的なサービスを担う仕組みや体制をつくり、活動を行っていくことが時代の要請となっております。
これまで官が行ってきた公共サービスを官と民が協働で行い、小さな区役所であっても、大きな市民社会を築いていくこと、この仕組みや考え方は新しい公共と呼ばれ、内閣府をはじめとする国の官庁のホームページなどでも大きく取り上げられていますが、中野区として、新しい公共に対してどのような姿勢で向き合っていくのか、まずは中野区の基本姿勢を伺いたいと思います。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 新しい公共とは、官だけではなく、市民の参加と選択のもとで、NPOや企業が積極的に公共的なサービスの提案及び提供主体となる仕組みや活動であるというふうに認識をしております。中野区では、国が平成21年に新しい公共を提唱するより以前、平成18年に中野区区民公益活動の推進に関する条例を制定し、その基本理念、「区民公益活動は、区民、区民公益活動団体、事業者及び区が、それぞれの役割の下に、責任をもって、自主性及び自律性を尊重しながら推進する」と定めています。そうした理念をもとに、政策助成、基金助成など行ってきているところでございます。
○小宮山委員 ありがとうございます。新しい公共という点においては、中野区は先進的な自治体であると私も認識しております。例えば、区民公益活動の推進に関する条例や、地域支えあいの推進に関する条例、自治基本条例などで区民の区政への参加の権利を保障したり、民間活力を活用して地域活動センターの運営主体を官から民に変更したことなど、田中区長の辣腕が振るわれていることに対して、私は一定の評価をしております。しかし、その一方で、近年、事業見直しによる公益活動に関する政策助成が減額されたり、区役所1階にあった公益活動情報コーナーが閉鎖されるなど、公益活動の支援に関する後退局面も見受けられるようになってきました。
今、団塊の世代が次々と退職をして、まだまだ元気だけれども、特にすることがない、これまで仕事人間として生きてきたけれども、これからは地域社会にデビューしたい、そういった潜在的な需要が発生しているものと思われます。こうした区民のマンパワーを上手に地域活動や公益活動に誘導し、地域社会の発展につなげていくことが新しい公共の促進、小さな区役所の実現のために必要な、まず第一歩であると私は考えています。
これから公益活動を始めたいという区民に情報を提供するためには、まず、情報の収集が必要ですが、現在、中野区では区内のNPOは把握していても、そのほかの任意団体に関してはあまり積極的には把握していないようです。公益活動団体の情報を把握、管理するために、類似の情報を扱っているすこやか福祉センターや社会福祉協議会とも連携をとりながら、公益活動団体の登録制度や審査制度をつくり、その審査をクリアした団体に対しては、例えば区のホームページでイベント情報を掲載できるなど、何らかのメリットを受けられるようにしてはどうでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 任意団体を含めました公益活動団体の情報収集につきましては、活動分野も多岐にわたり、また多様な形態の団体があるため、調査等は行っておりません。イベント情報などは、まなVIVAネットでも情報交換できるようになっております。公益活動団体を対象とした登録制度をつくることは、検討はしていない状況でございます。
○小宮山委員 そのように一括して管理している分野がないというところが問題であると、私は考えております。ここまで公益活動に関する情報の把握、管理と提供について質問してきましたが、この先、公益活動団体の支援についてお話をしたいと思います。
公益活動団体に対する助成金をふやしてはいかがでしょうか。――ということはとても簡単ですけれども、中野区の財政事情がそれを許さないということは私も承知しております。公益活動団体が助成金に頼ることなく、みずからの力で何かの方法で収益を上げ、その収益を活動資金としていくことのできる仕組みをつくることができれば、これまで各種の補助金か、または個人的な負担によって支えられていた公益活動に新たな展開が生まれるのではないかということを私は考えています。
現在、中野区の各種公共施設で収益を上げることを目的としたサービスの提供や物品の売買をすることは、基本的に禁じられています。しかし、例外的にPTA、町会、地区委員会などの活動においては、公園や区民活動センターや児童館などで物品や飲食物を売買し、収益を上げ、その収益を今後の活動資金に充てることが認められている場合があります。PTAも町会も地区委員会も任意団体ですが、任意団体が区有施設を使って収益を上げ、その収益を活動資金に充てることが認められている、そうしたことが可能なのであれば、そのハードルをもう少し下げて、一定の公益活動実績があり、厳しい基準をクリアした公益活動団体に対しても区有施設での収益活動を可能にしてあげることはできないでしょうか。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在、区民活動センターでバザーを行う場合ですけれども、収益の目的が公共の利益に資するものであり、団体の活動のみに与えられていないことを前提に、収支報告の提出を義務付け、収支の説明が誰にでもできることとしているほか、経理会計担当者が明確であること、社会福祉や地元にどれだけ還元しているかなど、総合的に判断をし、利用していただけるかどうかを決めております。公益活動団体がバザーなどで公共施設を利用するためには、団体の公益性の確認と事業収益の使途の明確化が必要であり、団体の性格によって判断をすることができない、そのことから、各事業の内容により、その都度判断をしていくこととしております。
○小宮山委員 そうした団体の確認が困難であるということですけれども、だからこそ、私が先ほど言った、登録制度や審査制度が必要ではないかと私は考えております。また、今は区民活動センターについて御答弁いただきましたが、児童館や公園などについても同じように、任意団体であっても、確実な間違いのない団体であれば収益活動を行えるように、区の見解を統一してほしいと要望をしておきます。
中野区では、新しい公共を推進します、公益活動を推進しますという一方で、お金はあまりたくさん出せません、自分で何とかしてくださいというのがこれまでの中野区の姿勢でありました。区有施設で金を稼ぐとは何事だという批判も当然あるでしょう。しかし、私も商売をしていますが、お客さんは結構シビアなものです。お金をいただくからには、それ相応の価値を提供しなければなりません。私が、例えば、絵本を1冊読むから100円くれと言っても、お金を出す人はいないでしょう。しかし、100冊読むから100円くださいと言えば、もしかしたらお金を出す人もいるかもしれない。金銭のやり取りを可能とすることでサービスの質が上がる可能性があります。また、今まで予算の都合でできなかったサービスも実現できるかもしれない。活動の幅が今まで以上に広がっていくことは間違いありません。公益活動団体に対する規制の緩和を訴えまして、次の質問に移ります。
私は、リサイクルショップを経営しておりまして、リサイクルに関しては一方ならぬ関心を持っております。中野区では、環境リサイクルプラザを中心に、リサイクルへの取り組みが行われていたと認識していますが、リサイクルプラザなき今、中野区のリサイクルへの取り組み、リデュース、リユース、リサイクルの3Rの取り組みが後退してしまうのではないかと危惧しております。環境リサイクルプラザで行われていた3Rの取り組みのうち、リサイクルプラザ廃止とともに行われなくなってしまった事業にはどんなものがあるのでしょうか。
○上村環境部副参事(地球温暖化対策担当) 環境リサイクルプラザの廃止と同時に行われなくなったリサイクル回収事業につきましては、本施設を拠点としていた古着・古布、紙パック、乾電池の回収でございます。
○小宮山委員 その中で、古着・古布の常時の回収については、現在区内の何カ所で行われているでしょうか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 現在、拠点として古着を常時回収しているのは、清掃事務所にございますリサイクル展示室となってございます。
○小宮山委員 1カ所ということで、少ないんじゃないかと考えております。時々、可燃ごみの集積所に古布の詰まったごみ袋が出ているのを見かけます。商売柄、そういうごみ袋を見るとついつい中身が気になってしまうんですけれども、可燃ごみとして出された古布は、焼却処分されてしまうと聞いております。古布に限った話ではありませんが、リサイクル活動の啓発と同時に、リサイクル品を常時回収できる場所を今まで以上にふやす取り組みが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○志賀環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 中野区は、町会・自治会をはじめとした147の協力団体が古着・古布を週1回、集団回収してございます。行政回収での拠点をふやす考えはございません。
また、区ではびん・缶をはじめとした8品目のリサイクル、再資源化に取り組んでございます。こちらにつきましても、回収拠点をふやす考えはございません。
○小宮山委員 そういったサービスをしていることはわかっておりますが、やはり常時回収できる拠点が少しでもあるといいかなと私は考えております。リサイクルプラザなき今、松が丘の清掃事務所に併設されているリサイクル展示室の機能充実を図り、有効活用するべきであると私は考えています。現在、リサイクル展示室では粗大ごみのリユース品を展示し、月に約50品目を無償で抽選提供しています。平均抽選倍率は6倍程度と高く、なかなか人気もあるようなんですが、あの場所まで足を運べる区民は限られている。松が丘周辺の賢い区民の中には、ヘビーユーザーみたいな人もいて、特定少数の人が大きな恩恵を受けているんじゃないかと邪推をする人もいるんじゃないかと思うんですが、利用実態について調査したことはありますか。
○鳥井清掃事務所長 松が丘一丁目にございますリサイクル展示室の粗大ごみ提供でございますが、毎月50点を20日間ほど展示をいたしまして、現物を見ていただいてから、一人2点までお申し込みをいただいてございます。ちなみに、ことし1月、2月の当選者の方々の住所をちょっと確認をいたしました。リサイクル展示室は松が丘にございますが、近隣といいますのが、松が丘、新井、上高田、沼袋かと思いますが、これらの四つの町で46%を占めてございました。残りの54%がほかの地域の方でございまして、例えば青梅街道より南側にございます南台、弥生町、本町で申し上げますと9%の方がいらっしゃいました。抽選も公開で行ってございますし、公平性は保たれていると考えてございます。
○小宮山委員 そのデータをどう判断するかは難しいところではありますけれども、もともと粗大ごみのリユース品なので、わざわざ展示するほどの見ごたえあるものではないんですが、あのスペースに1カ月展示することでどれだけの教育的、啓発的効果があるのか、広いスペースを使って1カ月に50品目を展示し続けることが、スペースの有効活用と言えるのかどうか、最終的に無償で譲り渡すのはいかがなものか、松が丘から離れた地域の住民にとっては、利用しづらく、不公平感を感じるのではないかなど、細かい質問にはしませんけれども、課題は多いと思います。
近隣の区を幾つか調べてみたところ、新宿、渋谷、杉並、練馬では、粗大ごみのリユース品や区民からの提供品を有償販売する、いわば区営のリサイクルショップの運営をしているそうです。中野区は、25年度予算でリサイクル展示室の委託費として477万円が計上されています。現在、無償提供しているリユース品を他区のように有償販売したり、オークション形式で入札にかけたりして、金額は微々たるものかもしれませんが、運営経費に充てることはできませんでしょうか。
○鳥井清掃事務所長 粗大ごみのリユース品でございますが、有料にするということは、現時点では考えてございません。その理由でございますが、この提供の目的が、粗大ごみとして処分されるもののリユースの促進、そのことを通じてのリサイクルの啓発にございます。有料にするということで希望者が減少するという可能性も高くございます。結果としてもらい手がいないというものがふえることで、リユースの促進という目的、これが減じるかと思います。また、有料にすることで、リユース品を見ようということで来場者がいらっしゃって、さまざまな展示物なども見ていただくということがございますので、その来場者が減少する可能性、こういったことも考慮する必要がございますので、現時点では考えてございません。
○小宮山委員 予定時間が少々余りましたので、もう一つ、要望をつけ加えさせていただきます。例えば、このなかの区報、資源とごみの関する特集をしたなかの区報の中を見ても、この松が丘の展示室でリサイクル品、粗大ごみを無償で提供しているという、そのお得情報だと思うんですけれども、そういったものが掲載されておりません。もう少し啓発や、広報の活用をしていただきたいと要望をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了いたします。
また、すべての総括質疑はこれで終わりました。
この際、申し上げます。お手元に配付の資料のとおり、第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算に対して、長沢和彦委員外5名から組み替えを求める動議が提出されております。
提案者の説明を求めたいと思います。長沢委員。
○長沢委員 ただいま提出しました第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算の組み替えを求める動議につきまして、日本共産党議員団提出者6名を代表して提案理由の説明を行います。
デフレ不況のもとで区民生活の厳しさは深刻です。第2次安倍内閣は、経済政策を掲げ、無制限の金融緩和や公共事業等の財政支出などを打ち出していますが、株が上がり、円安に振れても、実態経済は依然として厳しい状況です。賃金アップなど、国民の所得をふやし、家計消費を温めることが、デフレ不況からの脱却になると考えます。
さて、中野区の平成25年度の予算案ですが、今年度に続く事業見直しによるさまざまな区民サービスの廃止・削減、負担増が、それももっぱら障害者・高齢者・子どもたちにかかわる分野で行われようとしています。行革であれ、事業見直しであれ、何をどう見直すのかが大切であって、区民犠牲の上に成り立たせてはなりません。地方自治体としての役割と責任を投げ出してはならないと考えます。
したがって、区民サービスの切り捨てを許さない立場から、防災・環境・福祉・教育をはじめとした事業の維持・拡充と、不要不急の事業の見直しを求め、予算の組み替えを求める動議を提出するものです。
なお、見直しと改善、充実を求めたいことは多々ありますが、これだけは実施すべきという項目に絞り込み、組み替えを求めるものです。
第1は、防災・環境を支援することです。第2に、保健・福祉施策の充実を図ります。第3に、子育て・教育施策の充実を図ります。第4に、不要不急の歳出を見直します。最後に、不足する財源は財政調整基金からの繰り入れで賄います。
なお、組み替えの内容につきましては、提案した組み替えを求める動議をお読み取りいただきたいと思います。
以上でありますが、委員の皆様の御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明とします。
○佐野委員長 以上で提案説明を終了いたします。
念のため申し上げます。明日から行われる分科会での審査において、組み替え動議に対する質疑を行う場合は、①原案の該当部分で提案会派所属委員及び理事者に対して行うこと、②質疑の順序は原則大会派順に行うことが確認されております。また、全体会での質疑は3月8日(金曜日)の主査報告後に行うことになりますので、御了承をいただきたいと思います。
以上で本日の日程をすべて終了いたします。
3月4日(月曜日)から分科会が開会されますので、委員、理事者は資料等をお持ち帰りいただくようお願いを申し上げます。
次回の委員会は3月8日(金曜日)午後1時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後4時10分散会