平成20年03月13日中野区議会区民委員会(第1回定例会)
平成20年03月13日区民委員会
中野区議会区民委員会〔平成20年3月13日〕
区民委員会会議記録
○開会日 平成20年3月13日
○場所 中野区議会第2委員会室
○開会 午後1時00分
○閉会 午後3時20分
○出席委員(8名)
奥田 けんじ委員長
近藤 さえ子副委員長
内川 和久委員
つぼい えみ委員
佐野 れいじ委員
きたごう 秀文委員
岡本 いさお委員
岩永 しほ子委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
区民生活部長 大沼 弘
区民生活部経営担当参事 服部 敏信
南地域担当課長 波多江 貴代美
中部地域担当課長(地域活動担当課長) 遠藤 由紀夫
東地域担当課長 横山 俊
北地域担当課長 戸辺 眞
西地域担当課長 鳥井 文哉
戸籍住民担当参事 奥山 功
産業振興担当参事 鈴木 由美子
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 橋本 美文
清掃事務所長 齋木 正雄
○事務局職員
書記 丸尾 明美
書記 松本 桂治
○委員長署名
審査日程
○所管事項の報告
1 中野区環境基本計画(素案)について(環境と暮らし担当)
2 区民風車事業の考え方及びスケジュール(案)について(環境と暮らし担当)
3 議会の委任に基づく専決処分について(清掃事務所)
4 その他
(1)鷺宮地域センター仮事務所開設終了について(西地域担当)
(2)平成20年度当初予算区民生活部物件費内訳について(区民生活部経営担当)
(3)平成20年度区民生活部主要減額事業一覧について(区民生活部経営担当)
(4)「21世紀は地域自治活動の時代」講演会開催について(地域活動担当)
○所管事務継続調査について
○その他
委員長
定足数に達しましたので、ただいまから区民委員会を開会します。
(午後1時00分)
本日の審査日程についてお諮りいたします。
本日はお手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たりましては、午後5時を目途に進め、途中3時になりましたら休憩を入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、所管事項の報告を求めたいと思います。
1番、中野区環境基本計画(素案)についての報告を求めます。
納谷環境と暮らし担当課長
それでは、中野区環境基本計画(素案)について御報告します。この環境基本計画は平成13年度に策定いたしました。今回、環境基本計画を改定するため、計画の素案を取りまとめたので、報告させていただきます。
なお、環境基本計画の所掌は環境対策特別委員会でございます。既に特別委員会に報告済みですが、改めて区民委員会にも報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
では、お手元に中野区環境基本計画(素案)の概要と本冊をお配りしております。(資料2)きょうは、素案の概要でもって御説明をさせていただきたいと思います。
では、中野区環境基本計画(素案)概要をごらんいただきたいと思います。
第1章、計画の基本的な考え方でございます。
まず、計画改定の背景でございますが、地球温暖化の問題が緊急に取組むべき課題となる中、「新しい中野をつくる10か年計画」、この10か年計画におきます「地球温暖化防止戦略」、これをさらに発展させ、区民・事業者・区が共有する明確な目標に向かって取組みを進めるために今般改定を行います。
2番、基本計画改定の考え方でございます。地球温暖化対策を中心に、重点的に取り組むテーマを明確にする、新たな環境の創造に向けチャレンジする姿勢を掲げる、区民・事業者・区が一体となって取り組む施策としくみを構築する、また数値目標や指標を設け進行管理を行う、こういう考え方をもって改定を行います。
3番目、計画の位置付けでございます。基本計画は区政全体の環境に関する指針でございます。また、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく「地球温暖化対策地域推進計画」となるものでございます。
4番目、計画の期間でございます。この基本計画は平成20年度からの10カ年といたします。また、この計画の中に3年間の具体的取組みを明らかにしました「アクションプログラム」を示しております。このアクションプログラムは3年ごとに見直し改定を行います。また、このアクションプログラムの改定にあわせ、基本計画本体の見直しの必要性がある場合はあわせて必要な修正を行います。
第2章、環境の現状と課題でございます。
第1、中野区の二酸化炭素排出量でございます。中野区の二酸化炭素排出量――温室効果ガス全体のうちの98%が二酸化炭素でございます。中野区では、平成16年には94万4,000トンで、1990年、これは京都議定書の基準年でございますが、これより13%増加しているという状況でございます。その内訳は、家庭部門が45.4%、業務部門が28.2%、この両者で7割を超える二酸化炭素を排出し、なおかつ、電気の使用によるものがほとんどでございます。このようなことから、家庭やオフィスなどでの電気使用量の削減を中心とした取組みが重要だというふうに考えているところでございます。
2ページ目をお開きいただきたいと思います。
2番目といたしまして、地球温暖化の現状認識と主な課題でございます。
まず1点目、地球規模の温暖化の現状でございます。これは、IPCC、いわゆる気候変動に関する政府間パネル、これの第4次評価報告書が昨年出ました。この報告書に基づきます、人の活動が温暖化の原因であるとほぼ断定されたこと、また、今後二、三十年のうちの温室効果ガス削減の取組みが重要であること等々、IPCCのレポートの記述をここに記載させていただきました。
また、2番目、日本の二酸化炭素排出の現状と課題でございます。
日本では、平成17(2005)年度に12億9,300万トン排出されました。これも基準年の1990年度より13%増加しております。産業部門あるいは民生部門、そのあたりの増加の状況はごらんいただけたらと思います。
また、3番目、国、都における地球温暖化対策の動向でございます。
国の動向では、先ほど申し上げています「京都議定書目標達成計画」、これを立てまして取組みを現在推進しているところでございます。日本の温室効果ガス削減目標6%、現在のところ、この達成に向けた取組みを国全体で進めているところでございます。しかしながら、最近の国の発表によりますと、従来の京都議定書目標達成計画の達成は極めて困難と、また新たな目標達成計画を近々に策定するという動きがございます。
また、2番目、東京都の動向でございます。東京都では、平成18年に「東京都再生可能エネルギー戦略」、19年に「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」、あるいは20年度に向けては「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の改正、これらを策定あるいは今後の条例改正を踏まえて取組みを推進しているところでございます。
第3章、環境像と目標達成までの方策でございます。ここからが計画の本体でございます。
まず1点目といたしまして、中野区のめざす環境像、「脱温暖化の取組みが根付いた エコシティなかの」、これを環境像といたしました。その姿でございますが、「一人ひとりが地球的視野に立って環境を考え行動し、環境をより良くしながら、地域経済が健全に発展し、だれもがやすらぎを感じる真に豊かな持続可能な活力あるまち」、こういう姿を描きました。この環境像を実現するために、二酸化炭素の削減目標と四つのプロジェクトを定めたところでございます。
二酸化炭素の削減目標、このフレームの中でございますが、平成29年度――20年度の10年後でございますが、10年後に平成16年度の排出量と比較して10%、約9万トン削減することを目指すものでございます。それぞれ部門別の削減目標量は表のとおりでございます。
また、3ページの下段ですが、これらのプロジェクトにはそれぞれ重点的に取り組む事業、いわゆるアクションプログラムを定め、取り組みを進めることとしてございます。
4ページをごらんいただきたいと思います。
これは今般の計画の全体像でございます。「四つのプロジェクトと重点的に取り組む事業《アクションプログラム》」でございます。
一番左側が先ほど申し上げました「環境像」、次が「四つのプロジェクト」でございます。
1点目が「環境エネルギープロジェクト」、2点目が、下のほうに行きます、「みどりを守り、自然を活かすプロジェクト」、3点目が「環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクト」、4点目が「区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクト」でございます。
このプロジェクトに従ってそれぞれ取組みの方向を示してございます。例えば、1番目の環境エネルギープロジェクトですと、自然エネルギーの利用を進めること、2番目、エネルギー消費の少ない暮らしや事業活動を実現すること、3点目、環境に配慮した自動車利用や運転の普及を進めること。それぞれプロジェクトごとにこのように取組みの方向を示してございます。
また、この取組みの方向に従いまして、特に重点的に取り組む事業を、一番右側でございます、マル1からマル14まで掲げてございます。1番上が太陽光発電機器・太陽熱温水器の設置を進める、ここから始まりまして、マル14、一番下でございますが、中野区役所・二酸化炭素排出ゼロを目指す、こういうアクションプログラムを定めたところでございます。
なお、プロジェクトのフレームの中の数値はそれぞれプロジェクトごとの二酸化炭素の排出削減目標量でございます。
5ページをごらんいただきたいと思います。
この計画を進めるためのしくみづくり、「エコシティなかの」をつくるためのしくみづくりでございます。
まず1点目が、地球温暖化防止のための基本理念などを定めた条例の整備でございます。想定される主な内容でございますが、基本理念、長期的な目標、区民・事業者・区の責務、二酸化炭素削減計画書制度、あるいは建築物環境配慮計画書制度などでございます。
また、2点目といたしまして、連携・協働のしくみでございます。幅広い区民団体等によって組織されます、仮称でございますが、「なかの地球温暖化対策地域協議会」を設置し、取組みを推進する、そういう方向を示してございます。
4番目、計画の進行管理のしくみづくりでございます。区の組織横断的な推進体制を設置するということでございます。区長を本部長といたしました「エコシティなかの推進本部」を設置します。また、この計画は、PDCAサイクルにより進捗状況を管理し、結果を公表する、こういうこととしたいと思ってございます。
ここからが、5ページの中段からが、四つのプロジェクトと重点的に取り組む事業でございます。
まず、大きい1番、「環境エネルギープロジェクト」。このプロジェクトの目指す姿は、「環境負荷の少ないエネルギーの効率的な利用が進んだまち」、四角の中に書いてある目標とその姿を描かせていただいております。また、その下段には指標項目を、例えば太陽光発電機器の設置件数、これらを示してございます。
6ページをごらんいただきたいと思います。
このプロジェクトの取組みの方向でございます。先ほどと重複しますが、ここでは自然エネルギーの利用、あるいはエネルギー消費の少ない暮らしや事業活動を実現、また環境に配慮した自動車利用や運転の普及を掲げてございます。それぞれの取組みの方向に従いまして、「取組みの柱」。例えば、自然エネルギーの利用ですと、住宅・事業所への自然エネルギー設備の普及促進、あるいは区施設への自然エネルギー設備の設置の推進、また地方と連携した区民風車等、これらを取組みの柱として掲げております。また、以降同様に、それら、取組みの方向ごとに取組みの柱を示してございます。ごらんいただけたらと思います。
それで、この環境エネルギープロジェクトの中で特に重点的に取り組む事業として、6ページの中段でございますが、アクションプログラムを示してございます。
マル1の
、「太陽光発電機器・太陽熱温水器の設置を進めます」。これの目標達成の姿は、区内小・中学校全校、区有施設に太陽光発電機器が設置されていること、また住宅の10%以上に太陽光発電機器などが設置されている、こういう姿を目指したいと思っております。その下は3年間の数値目標。また、7ページの上段になります、主な取組みとスケジュールを掲げさせていただきました。
アクションプログラムのマル2、「里・まち連携で区民風車の建設を進めます」でございます。目標達成の姿は、10年後には、里・まち連携により区民風車が3基整備されている、こういう姿を目指したいと思っているところでございます。また、3年間の数値目標、主な取組みとスケジュールはごらんのとおりでございます。
マル3、「省エネ家電・高効率機器への買い替えを進めます」。これは10年後には省エネの家電製品あるいは事務機器、照明などの買い替えが区内全域で進んでいる姿を描いてございます。その下が3年間の数値目標。また、8ページをごらんいただきたいと思います。例えば、白熱球の一掃キャンペーン等、主な取組みとスケジュールを示してございます。
8ページの上のほう、マル4でございます、「エコドライブを広めクリーンエネルギー自動車の普及を進めます」でございます。この目標達成の姿は、区内自動車保有者の80%以上がエコドライブあるいはアイドリングストップを実践していること、またクリーンエネルギー自動車が広く普及していること、そういう姿を描いてございます。3年間の数値目標、また主な取組みとスケジュールを示してございます。
次は、大きなプロジェクトの2番目、「みどりを守り自然を活かすプロジェクト」でございます。ここでは、「みどり豊かで自然を活かす取組みが進んだまち」を目標としてございます。
9ページの上段でございますが、取組みの方向が、1点目が今あるみどりを守り育てること、2点目がみどりを増やしみどりをつなぐこと、3点目が自然を維持・再生する取組みを進めること、この三つの取組みの方向を示し、かつ、中に取組みの柱をそれぞれ記載してございます。
このみどりを守り自然を活かすプロジェクトの重点事業といたしまして、アクションプログラムとして、マル5――これは連番でございますので、マル5といたしました、「みどりのカーテンづくりを進めます」です。この目標達成の姿は、10年後には、家庭・事業所にみどりのカーテンの取組みが広まっていること。さらに、公共施設にもみどりのカーテンが普及している、こういう姿を描いているところでございます。3年間の数値目標、10ページには、その主な取組みとスケジュールを記載してございます。
マル6でございます、「屋上緑化を増やします」です。この目標達成の姿は、区内の住宅や事業所、あるいは全小・中学校で屋上緑化が行われている姿を描いてございます。それぞれの3年間の数値目標、また主な取組みとスケジュールはごらんのとおりでございます。
7番目、「小中学校の校庭芝生化を進めます」。ここでは、10年後には、全小・中学校の校庭が芝生化している姿を描いてございます。3年間の目標、また主な取組みとスケジュールはごらんいただけたらと思います。
次に、大きな3、11ページの上段のほうですが、「環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクト」でございます。ここでは、「環境に配慮した快適な暮らしが営まれているまち」を目標といたしました。その姿は、フレームの中に書いてある文章をお読み取りいただけたらと思います。
ここの取組みの方向が、まず1点目、11ページの中段でございますが、ごみの発生を抑制し資源化を推進すること。2点目、安全で楽しく歩け、公共交通の利用しやすいまちをつくること。12ページをごらんいただきたいと思います。3点目、環境に配慮した暮らしの輪を広げること。ここでは、環境情報並びに環境学習、あるいは環境を考え行動する人の輪を広げる、このような取組みの方向を示してございます。
それで、この重点事業、アクションプログラムでございますが、まず、マル8、「ごみの発生を抑制し、効率的な資源回収を進めます」でございます。目標達成の姿は、10年後には、区民一人あたりのごみの排出量が50%以上削減されている、また資源化率も50%以上となっている、こういう姿を描いてございます。また、このプログラムの3年間の数値目標並びに主な取組みとスケジュールはごらんいただけたらと思います。
次は、13ページ、マル9でございます。「公共交通の利用を促進します」でございます。
この目標達成の姿は、10年後には、区内自動車保有者の多くが、過度な自動車の利用を控えている、こういう姿を描いているところでございます。3年間の数値目標並びに主な取組みとスケジュールはごらんいただけたらと思います。
マル10でございます。「環境情報の提供と地域の環境教育・学習の輪を広げます」でございます。
この達成の姿は、環境情報のホームページなどを通じて、環境情報や環境教育、あるいは環境の学習プログラムの提供が行われている。これらを用いて、地域の様々な場面で地球温暖化防止の取組みや参加・体験型の環境教育・学習が行われている姿を描いているところでございます。この取組みのスケジュールは13ページの後段にございます。
次に、14ページをお開きいただきたいと思います。
マル11、「なかのエコチャレンジを進めます」でございます。ここでは、多くの区民や事業者がエコチャレンジを通じて省エネ型のライフスタイルを実践する姿を描いてございます。取組みのスケジュールはこの表のとおりでございます。
マル12、「環境配慮基金を創設します」でございます。この姿は、環境配慮基金をもとに、区民や事業者の地球温暖化防止に貢献する取組みが行われている、この取組みに対して支援が活発に行われ、基金の活用が進んでいる姿を描いてございます。この取組みのスケジュールは表のとおりでございます。
マル13、「環境配慮行動に対するエコポイントのしくみをつくります」でございます。この目標達成の姿は、省エネの取組みや環境活動への参加など、環境に配慮した行動を行った人が得たエコポイント、これらがさまざまな場面で活用され、環境配慮行動を促す動機付けになっている、こういう姿を描いてございます。
次に、15ページ、最後のプロジェクトでございます。区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクトでございます。
このプロジェクトの目指す目標は、中野区役所が率先して二酸化炭素排出ゼロを目指すということでございます。中野区は既にISOを導入しております。こういう環境マネジメントシステムの適切な運用、あるいは高効率機器、自然エネルギー、これらを導入するとともに、電力のグリーン購入等で区役所本庁舎の活動から排出される二酸化炭素をゼロにしたい、また区役所全体の活動から排出される二酸化炭素のゼロとすることを目指していく、こういう姿を描いているところでございます。
取組みの方向では、1点目がエネルギーの効率的な利用の徹底、2点目が自然エネルギーやみどりを積極的に区施設に導入する、この二つでございます。
この重点事業は1項目でございますが、マル14、「中野区役所・二酸化炭素排出ゼロをめざします」でございます。目標達成の姿は、10年後には本庁舎の二酸化炭素排出量をゼロにする。また、区役所全体の二酸化炭素排出量ゼロを目指した取組みが進んでいる姿を描いてございます。
16ページは、区役所の3年間の数値目標を示しました。前の自然エネルギーの利用、あるいはみどりの取組み等、再掲の部分が多くなってございますが、この3年間の区の取組みをここで示してございます。
その次からは用語集をつけてございます。
以上、雑駁でございますが、中野区環境基本計画(素案)の概要の報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
納谷環境と暮らし担当課長
報告漏れです。すみません。初めの表紙というんですか、A4の1枚をごらんいただきたいと思います。
この素案については、既に区民の意見交換会等を踏まえ、案への作成を行っております。3月下旬には計画案を公表いたしまして、3月下旬から4月中旬にはパブリックコメントを実施し、かつ、4月下旬にこの計画の決定を行いたい、以上のように考えているところでございます。大変失礼いたしました。
委員長
質疑があればお受けいたします。質疑はありませんか。
岩永委員
特別委員会のほうでも既にいろんな質疑が行われているんだろうと思うんですが、何点か教えていただければと思います。
まず、二酸化炭素削減目標、これは本会議などでも触れられていたかとも思うんですが、中野区の実績としては1990年よりも04年までで13%増加しているということが言われています。それで、実際には国全体でも削減目標が達成されていないという大きな課題がある中で、2017年度までには04年度よりも10%削減するということを目指すことになる計画ですが、10%という数値としては、今の増加してきているというような状況や、この先削減をするためのさまざまな取り組みがかなり緊急的な措置も必要になってきているという中では、少ないのではないかと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
京都議定書の目標達成計画の部分と、この計画自体の施策の両面があろうと思っています。
それで、ちょっと答弁にお時間が必要かと思うんですけど、京都議定書で6%という目標を掲げております。あの6%のうちのもうほとんどがいわゆる森林吸収源等によっているのが国の計画です。それで、国の現在の計画でも、例えば、中野で特性であらわれている家庭部門あるいは業務部門の伸びというんですか、いわゆる削減の目標でございますが、例えば、家庭部門では2010年度において6%の伸びはやむを得ないという表現はちょっと適切でありませんが、6%の伸びに抑える、あるいは業務部門では15%の伸びに抑えるというのが現行の計画です。逆に、マイナスにできない、伸びをいかに抑えるのかというのが現行の京都議定書の計画でございます。
また一方、私どもの計画は、国の施策あるいは都の施策、これをベースにしている部分もございます。ただ、私どもは、区が取り組みを進めることによって実現可能な二酸化炭素の削減量を積み上げてきております。ですから、過大な、いわゆるできないことを書いたのではなくて、極めて実現可能性の高い数字を積み上げていった。そういう結果、この10%という数字を私どもは見出しました。
それで、先ほど申し上げました京都議定書の現在の目標、あるいはこの計画の削減量の積み上げの仕方からいって、10%というのは少ないんじゃなくて、極めて現行の中では適切かなというふうに判断しております。それで、この10%の削減を達成することが、現在の私どもの中野区の施策に極めて大きな意義があるだろうというふうに考えてございます。
岩永委員
東京都などでは産業部門などでの排出量がふえてきているというようなことが指摘をされています。今お答えいただいた、これまでの取り組みなどの上に立って実現可能なものとしての10%ということでしたが、そうしますと、この数値の中――数値の中というよりも、10%の削減を目指すという区の取り組みの中には、増要素、例えば、先ほど言いました産業部門だとか、いろいろな中野区内での取り組みの中でふえていくという要素だって当然考えられて、そのプラスマイナスとして出していくということが必要なんだろうと思うんですが、その意味ではどのように検討されましたか。
納谷環境と暮らし担当課長
今、委員がおっしゃいました、中野区の産業部門の寄与というのは極めて低い状況にございます。中野区の産業部門、そのほかの建設業が排出源になっています。ですが、建設業の業態の特性、あるいは建設業のこれからのトレンドによって、産業部門は相当程度下がってくるというような推測を立ててございます。正直に申しまして、産業部門は特に私どもは施策として大きく打ち出しておりません。国の施策あるいは自然のトレンドで相当下がってくるというふうに考えてございます。その他の民生家庭、民生業務、あるいは運輸部門についても、私どもはこの10%の積み上げの中で一定程度それぞれの削減を目指しているという状況でございます。
岩永委員
そうしますと、例えば、中野区が目指す10か年計画の姿の中の具体的な問題としては、幾つか区内で大きなまちづくりなどを推進していくという計画が進められようとしていますね。例えば、中野駅周辺だとか西武線沿線だとか東中野だとか、そういう意味でいえば、そこの町がどういう町になるのかということがひとつ大きな問題になるんですが、今指摘をされております、大きな建物ができる、その建物の活動によって二酸化炭素の排出が問題になってくるというのはこれはどこでも言われていることなんですが、そういうことなども当然考えられた上での数値ということですか。
納谷環境と暮らし担当課長
今後の開発、どういう建物が建つかということまではここの計画には入ってございません。ただ、今後の事業活動あるいは再開発等における新たな建築物の出現、これによる二酸化炭素の抑制については、先ほどしくみづくりのところでも御報告しましたが、事業所の二酸化炭素削減計画書制度あるいは建築物環境配慮計画書制度、こういうもので省エネの促進あるいは自然エネルギーの利用によって二酸化炭素の抑制を図っていく、そういう方向性を区としては考えているところでございます。
それで、国のほうでも、現在、自主行動計画の強化、あるいは東京都でも二酸化炭素削減計画の制度等を検討しております。これらの制度と中野区も合わせまして、そういう新たな事業あるいは新たな建物の出現による二酸化炭素の抑制を図っていきたいというところでございます。
岩永委員
そうしますと、開発計画などによる影響というのは3年ごとに見直しをする中で、そういう数値なども含めて検討をするという中に入るわけですね。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほど申し上げましたように、アクションプログラムは基本的に3年ごとに見直します。なおかつ、計画全体も1年ごとのPDCAで回していく予定でございます。当然、先ほど御報告しました、国の新たな京都議定書の目標達成計画の策定、あるいは国の仕組み、東京都の仕組み等、そういう動きを見ながら、区の取り組みの方向も逐次見直し、改善を進めていくべきであろうというふうに考えているところでございます。
岩永委員
この計画を推進していく上で大変大きな役割を果たすことになりますのが「エコシティなかの推進本部」だと思うんですが、ここに区長を本部長としてというメンバーは書かれてありますが、全庁的な調整をとりながら、それぞれエコシティなかのをつくるための取り組みをしていくのかということが大変重要になってくると思うんですが、具体的には今の時点ではどのようなこと、どのような活動というのか行動というのか、どのような動きをするというのか、それはどのように考えられていますか。
納谷環境と暮らし担当課長
現在はまだ、詳細はこれから本部の設置に向かって詰めていくところでございますが、私どもがこの計画を進めるに当たって、環境部門がやるのではなくて中野区役所全体、つまり、区民・事業者とはまた別の視点で、中野区を挙げてこの施策の推進を図っていく、いわゆる関係部署がそれぞれ連携・協力して進めていくことが不可欠だと思っています。いわゆる環境を総合的にとらえて進めていくことが欠かせない、そういうことですべての各事業部が推進本部にかかわって、この計画をもとに着実な計画の推進を図っていくというふうに考えているところでございます。
岩永委員
拠点はどこになるんでしょうか、このエコシティなかの推進本部の拠点は。
納谷環境と暮らし担当課長
拠点という意味合いは、いわゆる事務局的な機能と考えれば、それは私ども、環境と暮らしが担うものというふうに考えてございます。
岩永委員
少し具体的なことになりますが、例えば、これまで中野区の中で取り組んできた実績のあるところとしては環境リサイクルプラザなどがありますが、そうしたいわゆる今まで取り組んできたようなところなどはこの計画の中ではどういう位置付けになるんですか。推進的な役割を果たすべきだろうとは私なんかは思うんですが、それはどうですか。
納谷環境と暮らし担当課長
エコシティなかの推進本部で環境と暮らし分野がまずどういう役割を果たすかといいますと、やはり区長のもと、司令塔的な役割を果たすものと思っています。まさに、この施策の全体調整あるいは総合化にあるというふうに考えてございます。
また、委員からちょっと個別な施設名が出ましたけども、それぞれのもと、環境リサイクルプラザは従来から担っています環境教育・環境学習あるいは環境計画、特に地球温暖化防止を重点に置いた一つの取り組みの場になるというふうに考えているところでございます。
岩永委員
やはりこういう計画をつくって推進していくということであれば、リサイクルプラザなどの体制などももう少し充実をしたものとして考えて、特に全庁的な取り組みをどう進めていくのかということと同時に、区民にどう働きかけていくのか、事業者にどう働きかけていくのかという、かなり広い部門でのかかわりの持てるところだろうというふうにして思うんですが、そのあたりの体制の強化と活動、ある部分というよりはそういう広く役割が果たせるような部門だろうと思うんですが、そういうことは考えませんか。
納谷環境と暮らし担当課長
中野区役所自身、施策を推進する中野区としてはエコシティなかの推進本部が中心となってということでございます。また、地域あるいは事業所、いろんなステージがございます。そういうところは、先ほど報告申し上げました、仮称でございますが、なかの地球温暖化対策地域協議会、さまざまな区民団体、事業団体、いわゆるオール中野としてのそういう組織が中核になってこの取り組みを進める、特に区民運動的な取り組みはこの組織が中核になって進めるだろうというふうに、そういう方向を持って進めていきたいと思っています。そういうときに、私ども、環境と暮らし分野が中心となってエコシティなかの推進本部を進めるわけですけれども、両者連携して、あるいは必要に応じて一体となって進める姿、そういう姿を描けるだろうというふうに考えてございます。
岩永委員
それから、自然エネルギーをどう取り込んでいくのかということがやはりこの計画の中の大きな柱になるんだろうと思うんですが、アクションプログラムのマル1、太陽光発電機器等の設置を進めますという中の目標達成の姿の中に「区有施設30施設に」と書かれてあります。区庁舎への太陽光発電機器の設置が考えられているのかどうか、そこはどうでしょう。
納谷環境と暮らし担当課長
区庁舎は、一応検討はしてございます。ただ、太陽光発電機器を整備する場合にはさまざまな要件がございますので、例えば、建物の構造とか日の当たりぐあいとか、それらを総合的に勘案して、十分効果のあるところにつけて整備をしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。
岩永委員
そうしますと、ここには具体的な名前は出ていないけれども、当然この計画を推進していく上では区庁舎にそういう対応ができるように考えていくと、そういうことになるんですね。
納谷環境と暮らし担当課長
区庁舎につけるかどうかという結論は出しておりません。ただ、検討施設の対象の一つにはなっております。
岩永委員
やはりこれだけ大きなものですし、ましてや行政の中心になるところなので、つける方向というのは当然必要になってくるのではないかと思いますから、そのあたりはそういう方向でぜひ検討していただきたい。
あと、昨日、経済産業融資のところで、エコの取り組みをするところには0.3の区の負担分の上乗せがあるという報告がありました。それは事業者にとっても区内業者にとっても大変負担が軽くなる。要するに、エコ活動にもつながるということで重要なことだと思うんですが、そういう区内事業者などへの働きかけをこの計画などをもとにしてどうしていくのかということは大変重要なことだと思うんですね。そういう区内事業者、産業界などへの取り組みを進めてもらうということについては具体的にはどんなふうな形になるんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
答弁が先ほどと重複しますが、私ども、この計画は区民・事業者・区が一体となって、また連携・協働して進めることにまさにポイントがあると思っています。そういう意味で、仮称ではございますが、なかの地球温暖化対策地域協議会、ここには区民団体から幅広い事業者団体、区民個人あるいは事業者、そういうものの参加を求めていきたいと思います。そういう組織的な取り組み、区民運動というんですか、あるいは事業者にしたら事業者運動というんですか、区民・事業者が主体的に取り組めるような流れをそういう協議会を通じてつくっていきたい。かつ、中野区自身の施策としても、例えば、事業者による環境マネジメントシステムのような取り組みの支援とか、そういうものに力を入れていくことによって事業者の省エネあるいは自然エネルギーの導入、そういうものを促進していきたいと考えてございます。
岩永委員
事業者が目標を持って取り組んでいくということは計画を進めていく上でもとても大事だし、3年ごとに見直すという上でも指標になると思うんですが、そういう目標を持っていく。要するに、区内の協議会の中で、事業者は事業者として、じゃあどれだけの目標を持っていこうかというようなことは当然話し合われるんですね。どうですか。
納谷環境と暮らし担当課長
私どもはそういう協議会をつくる際にも、当然他の場面でも、事業者団体、あるいは事業者単体でも構いませんが、十分話し合いをしながら進めていきたい。特に、仕組みづくりあるいは制度設計をする際には、意見交換あるいはそういう情報の共有というものは欠かせないと思っています。その辺はきちっと進めていきたいと思っております。
岩永委員
国のほうで今、一つ指摘をされているのは、結局、企業・経済界には数値を自主的に持っていくという、任せた形になっているということがなかなか国の目標を達成するところに行かないというようなことが指摘をされています。ですから、中野区として、中野区が取り組んでいこうとしている方向に対して区としても積極的に目標が達成できるような、そういう立場でかかわっていくということは大事ではないかと思うんですが、どうですか。
納谷環境と暮らし担当課長
特に事業者対策というんですか、事業者関係の御質問の流れで御答弁させていただくとしますと、事業者自身も単に二酸化炭素を削減するという目標だけじゃなくて、削減したことによるメリット、ある種経営上の利点とか、そういう効果的にまた継続して取り組みができるような情報提供とか、さまざまな支援が必要だと思っています。そういうところに十分留意して、事業者の方々がきちっと、例えば、二酸化炭素を削減することによって経済的なメリットが生まれてくるとか、そういうものをPRしながら一緒になって取り組んでいきたい、そういうふうに考えているところでございます。
岡本委員
総括質疑でも素案の中から絞って質問させていただきました。それで、改めてまたきょう報告を受けますと、この計画素案の私が受けた印象ですけど、何か目標が先にずっと並んで、達成しなきゃいけない目標だけが先行しているような印象がちょっと私は持ってしまったんですが、それで、具体的に私も総括質疑で質問させてもらいました。区役所の二酸化炭素排出ゼロ、3,000トンということになっていますけど、これはでも、大変な取り組みをしないと達成はできないだろうと思っていますが、ちょっと細かいことですけど、3,000トンとなると電力消費量で幾らになるんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
すみません、後ほどお答えさせていただきます。
岡本委員
つまり、大半は電力消費量が二酸化炭素排出量ですから、もう自動的に二酸化炭素排出3,000トンというのは電力量で幾らと出ないと、一人ひとり取り組みができないじゃないですか。あなたは何トン排出しましたとわけがわからなくなってしまうんですが、まず、そこはきちっと押さえなきゃならないと思いますが、まあ後で御答弁いただきたいと思うんですけど。
それで、いよいよこの4月からスタートするということになると思うんですが、職員が必死になって取り組みを進めるために、いろいろ排出削減のそういう委員会、協議会等々が設けられることも総括質疑の答弁で承知しておりますが、全職員が意識改革するために、まず、早い時期に何らかの講習会というのか、そういう研修等が先にないと進まないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
委員のおっしゃるとおり、中野区自身が区役所を挙げて区民・事業者とともに取り組むためには、やはり職員の意識というものは大変大事だと思っています。そのあたり、今具体的な計画は持っていませんが、職員の意識改革、あわせて、例えば中野区役所自身ISOを認証取得しています。そういう中で研修も実施しています。それにとどまらず、広く全職員が意識改革を進めるような、そういう取り組みは考えていきたいと思ってございます。
岡本委員
例えば、これは14年後の3,000トンですから、それをもう少し細かくひもといて、20年度は幾ら、21年度は幾らというふうに目標を掲げてやっていくんだろうと思うんですが、それで、二酸化炭素の排出量は、ほかにも書いてありますけれど、ほとんどが消費電力のことから換算されていると思うわけです。そうなると、各事業部、それから担当分野、もっと言えば個人としても目標を掲げないと達成できないんじゃないかと思うんですが、その辺の取り組みはどういうふうに考えているんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
中野区役所では、この基本計画の策定に基づきまして、中野区自身の「地球温暖化等に関する行動計画」、これを来年度策定する予定でございます。それで、今、委員から御指摘があったようなことも含めて、職員の意識改革、あるいは取り組みの方向、そういう中で明確にしていけるものというふうに考えてございます。
岡本委員
一人ひとりが電力消費量をどう減らすかということだけでも3,000トンは無理だと思うんですが、それを、先ほど話がありましたように、太陽光発電による自然エネルギーの活用等によって代替をした形のゼロを目指さなきゃならないと思う、それはもうぜひとも。当然庁舎の屋上等に太陽光発電はできるものと思っておったんですが、何か今聞いたらそういう検討をしたいというので、私が考えていたより随分トーンダウンしたような感じにしております。 そこで、いつになったら区の職員一人ひとりが、「私は、年間排出量を二酸化炭素でいえば何トン、消費電力量でいえば何ワット減らす」というような、具体的にそういう目標を持てるようになるのはいつごろになるんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほど御答弁いたしました、中野区役所自身の行動計画、これは現在経営室のほうで取り組んでいるところでございます。私のあくまで所管のほうから聞いた話として御答弁させていただきますと、来年度、その行動計画の中で当然、再来年度を初年度とした行動計画をつくっていく。そういう中の取り組みの一つとして、委員の御提案というものは十分配意して、その計画図を進めていかなくちゃいけないというのは私どもでは認識しております。
岡本委員
多分そうだと思うんですが、もっと具体的に、例えば、奥山課長は幾ら、鈴木参事は幾ら、橋本参事は幾らと、そういう目標まで掲げて、自分の電気量を減らす努力をしていかなきゃ絶対できないと思うんですよ。ですから、どこかでだれかがやるんだろうというような意識ではなくて、21年度ぐらいにはそこがはっきりするとしても、そこまできめ細かにやらないと。かといって、照明を落とすわけにいかないし、来庁者がいるのに暗くするわけにいかないということを考えると、大変な取り組み、どうすればいいかという発想の転換も含めた取り組みがないととてもこれはできる仕事じゃないと思うんですね。楽するなら仕事をやめたほうがいいという話になっちゃうくらいに大変な努力が要るかと思うんですが、その辺はまた随時、年度が変わってその取り組みが始まってからでもいろいろ質問させていただきますが、区民の皆さんとか事業者とかという、いろいろお願いする前に、まず区役所へ行ってみたら、大変すばらしい取り組みをしているんだというふうな、区民の方がわかるようにそういう取り組みをしていただきたい。そういう意味で、1階の多くの区民の方が来られるわかりやすいところに取り組みの大きなパネルをつけて、屋上に設置した太陽光発電は今何キロワットだとか、あるいはいずれ設置される風力発電の電力量は幾らであるとか、あるいは区の今取り組んでいる、そういう省エネ型の照明等も含めた取り組みがどうというようなことがわかるような、そういうふうにしてまず役所が、行ってみたら「自分たちも頑張らなきゃ」という、そういう先駆的にというか、お手本になるような取り組みをぜひともしないと、「役所はなかなかできませんけれど、皆さん頑張ってください」みたいなことになってはならないと私は思うんですが、ぜひともこれは要望にもしたいですけど、また御答弁があればお聞かせください。
大沼区民生活部長
二酸化炭素排出ゼロを目指す区役所というのは、本文にも78ページに記述してございますが、まず、徹底した省エネ、自然エネルギーを活用、さらにグリーン電力の活用、化石燃料でない、自然エネルギーに代替するということで、現実的に二酸化炭素を排出ゼロという趣旨ではなく、あくまでも、先ほど岡本委員が言った、そういった方向で取り組んでいこうという趣旨です。それで、当然そのときに職員一人ひとりのエコ的な活動は必要だと思います。ただ、我々は各事業で公共サービスの展開をしていますので、一人ひとりの目標、だれだれが幾らということはちょっと難しいのかなと思っています。区役所全体の事業所活動としてゼロを目指していくという趣旨で考えています。
それから、2点目の太陽光については、できるだけ区庁舎に設置していきたいという方向で考えていますけども、技術的なものもありますし、そういったものを十分検討して考えていきたいと思います。
それから、自然エネルギーの庁舎内の表示というんですか、そういったものはもし工夫ができたらそれは考えていきたいと思います。ただ、すぐというわけにはいきませんけれども、そういう方向で努力していきたいと思っています。
岡本委員
最後にしますけど、いろいろ努力をしたいが、もう難しいと。だから、自然エネルギーとか、ほかの排出ゼロに該当する代替措置で賄おうというような、安易なことにならないようにだけしてほしいと思いますし、事業所ごとにいろいろ目標があったにしても、個人の目標までつくらないと私は達成できないという思いでいますので、御答弁があれば。
大沼区民生活部長
今、岡本委員の言われた、我々一人ひとりがエコ活動をやるということは大変大事なもので、それは全力で取り組んでいきたいと思っています。特にエコ推進本部をつくります。それでこれは、先ほど担当課長から御説明したように、事務局は区民生活部が担います。それと、ほかの部、関連部がいろんな事業所などへの働きかけなどを含め、全庁的に取り組んでいきたいとは思っています。
内川委員
どうしても区民風車に目が行ってしまうものですから、ちょっと聞かせてください。
5ページのところの一番下段、「区民風車、平成29年度目標値、3基」と明記してあります。私の認識では、立地場所も含めて、設置台数も含めて、ゼロベースでこれからの調査というふうに、私は理解しておったんですが、いかがでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
一応私どもの計画の考え上は、10年間で3基程度は立てていきたいと思っています。ただ、実質的にこれからいろんな調査をかけて、風車の規模であるとか台数だとか、具体的なものはこれから決めていくようになるというふうに考えているところでございます。
内川委員
多分3基よりも4基のほうが、5基のほうが運用的には効率的なのかなと、そうは思うんですね。それで、ここを3基程度というふうに書き直すことはできますか。
納谷環境と暮らし担当課長
これは前の分科会の中でもお答えさせていただきましたが、中野区の自然エネルギーの導入量をどの程度にすべきかという場合に、2,000キロワットというものも2,000キロワットというふうに決めたわけじゃなくて、2,000キロワット程度を3基整備するとトータルで6,000キロワットの風車それを導入することによって、中野区内、中野区自身の自然エネルギーへの貢献が国の計画を上回ることができる。こういう目標で入れたもので、計算上、ここで4,100トンの削減というのは2,000キロワットの想定で3基の、あくまで想定でこれだけを削減しますというような目標の設定の仕方をさせていただいております。そういうふうに御理解をいただけたらと思います。
大沼区民生活部長
目標の設置の仕方に程度ということはありませんので、やっぱり具体的な数値が出てきます。それで、ここでは計画では3基ということであります。
内川委員
わかりました。
それと、7ページです。マル2番の「里・まち連携で区民風車の建設を進めます」と、点線の中に、「平成29年度には、里・まち連携により区民風車が3基整備されています。」と。この区民風車と里・まち連携はこれはもう切っても切れないと、そういうふうに考えてよろしいんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
「里・まち連携」という記述でございます。これは具体に言えば、地方都市の協力を得てと御理解をいただきたいと思います。いわゆる区民風車は両面を持っていると思っています。一つは自然エネルギー、地球温暖化防止の自然エネルギーの導入のひとつ大きな手だて、もう一つは区民風車を地方都市の協力を得て整備することによって、区民風車にとどまらず、例えば、里地・里山保全につながるとか、そういう波及効果も含めて「里・まち連携」という表現を使わせていただきました。
内川委員
それでは、風車はまたこの次にありますのでじっくりやります。
9ページの2-3、「自然を維持・再生する取組みを進めます。」。取組みの柱の中に「ビオトープづくりの推進」とあるんですが、これは主にどういった施設を考えていらっしゃいますでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
ビオトープづくりにつきましては、現在、公園・道路、みどりの担当のほうで、来年度みどりの基本計画の策定を進めようとしています。また、中野区としても、ビオトープづくりの指針の検討をしているというふうに聞いてございます。具体に言えば、小・中学校あるいは少し大きな公園、そういう中にビオトープづくりを進めていくという、そういう方向でもって示されているというふうに理解をしているところでございます。
内川委員
ビオトープなんですけれども、四、五年前ですか、一時期ちょっと、はやったときがありました。実際、私の住んでいる近くの仲町小学校にビオトープがつくられまして、できた当時は目新しさもあって、皆さん進んでその管理をしていたと。それが最近では全くだれも管理していない状況で、単なる草ぼうぼうの小山になっていまして、しかも、夏になるとカエルが異常発生して、そのカエルが近隣の家まで入り込んで非常に迷惑だと。そんな話も聞いておりまして、これはやっぱり管理が大事だと思うんですね。また校庭の芝生みたいに地域でやれなんていうことになると、これはこれで地域の仕事がまた一つふえるのかなと思いますが、その管理の部分はいかがなんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
いろいろみどりの問題、このビオトープを含めて維持管理の問題は大変テーマになっているところでございます。その維持管理、適正な維持管理を行うためには単に施設管理だけではなかなか難しいものもあると思うんです。一つは地域の協力とか、あるいは施設管理者を含めた地域の協力とか、いろんな形態が考えられております。校庭の芝生化を例にとれば、東京都でもサポーター制度というものを発足させようとしています。ですが、単に施設管理の維持管理上の問題だけではなかなか適正な維持管理は行われない、やはり地域が一体となったとかさまざまな形が考えられる、そういうものを十分これから工夫して取り組んでいく必要がある、そういうふうに認識しております。
内川委員
最後の質問です。一番最後のページ、16ページなんですが、区内小・中学校等への太陽光発電機器の設置件数と、下から二つ目の屋上緑化の小・中学校への設置件数。太陽光発電機というものはやはり屋上につけるんでしょうか。そうすると、屋上緑化との兼ね合いというんですか、屋上緑化をやるところは例えば太陽光発電をやらないとか、もしくは両方ともつけるとか、そこら辺はいかがなんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
この整備の件数、教育委員会との調整でこういう数字を出させていただきました。基本的には小・中学校には両方をつけるという、屋上緑化と太陽光発電、両方整備するという方向性を持ってございます。ですから、全小・中学校に屋上緑化並びに太陽光発電というふうに考えているところでございます。
佐野委員
二、三お伺いをさせていただきます。
まず、きょうここで中野区の環境基本計画概要が示されました、区民委員会で。その前に、今、環境特でお示しになったというお話でしたけれども、環境特でどのような質問が出されたんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
大きくは、やはりここの計画にございます削減目標の多くを担っています区民・事業者の取り組み、その実効性の問題等が出されました。例えば、省エネ家電の買いかえの促進策の問題、そういうものが大きなテーマとして出されておりました。また、そのほかに、カーボンオフセットの取り組みの方向とか、そういうものが御質問として出たところでございます。あと、現状と課題に関する質疑が幾つかあったところでございます。
佐野委員
ちょっと現状と課題について具体的にお話しいただけませんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
この基本計画につくるに当たってどういう現状認識でつくったのかということでございます。それで、私どもは現在の環境問題、特に緊急に対策を要する地球温暖化対策を中心にこの計画をつくった、そういうような方向の御答弁をさせてもらったところでございます。
佐野委員
課題は。
納谷環境と暮らし担当課長
特に地球温暖化対策については、先ほど御報告しましたように、民生部門・業務部門、いわゆる中野区は家庭とオフィスに占めるところが大きいわけでございます。そのあたりの取り組みについて、区としてどのような方向で臨むのかというような、そういう認識の御質問があったところでございます。
佐野委員
特別委員会と区民委員会との仕分けといいますか、今後の進め方なんですけれど、我々は、前回のときに風車を一例に挙げまして、前後しているじゃないかとか、それからあと遅いじゃないかとか、いろいろ質問させていただきました。予算はここだということでしたから。
そうしますと、今後の進め方として、今ある現状と課題という大きな問題、我々も質問したいことがあります。同じようなことをこれから説明されていくのか。特別委員会の位置付けとこの常任委員会の位置付けとがどういう位置付けでどういうふうに今後進めていくのか、ちょっと御意見というか、考え方を伺いたいと思うんですけども。
大沼区民生活部長
特別委員会ですから、環境に関する特別委員会ということで、基本計画素案、計画案づくりについて、現状と施策、方向性などを環境特別委員会で御論議して、基本計画を作成してもらうというのが所掌事務だと思っています。
それで、区民委員会でお話ししているのは、その計画が具体的に施策となった段階に予算が伴ってきますので、そこにおいて将来こういう予算が出てくるということで、今回、所掌事務は環境特別委員会ですけど、予算の関係が出てくるので区民委員会にも報告しているということで、基本計画にかかわるようなものはやっぱり環境特別委員会で御審議していただくというのが一定の線引きかなと思っています。
佐野委員
環境対策特別委員会とこちらの委員会のすみ分けについては議運協やらいろいろなところでおやりになることでしょうから、それはここでどうこう言う問題はないと思います。ただ、問題は、お互いによく知ってもらいたいという意味はわかりますけども、その辺の労力というか、進め方をしっかり交通整理しておかないと、それぞれの委員会でどういう不満が出たり、いろんなことが出ると思うんですよ。今、部長がおっしゃったように、予算絡みのものはこちらなんだと、それはわかりますよ。だけども、実際全部がはっきり言って予算が絡むものだと私は思っているわけですよ、このエネルギーを一つとっても。そうすると、どういうすみ分けをしていくかという問題が出てきますので。それで、担当課長も大変だと思うんですよ、いろいろおまとめになって。同じ質問が出たりして、それはそれで意義があると思いますよ。それはそれぞれの意義があると思いますけども、やはりその辺をうまくこれから交通整理をしていって、これは長い時間かかるわけですから。
それで、特別委員会というのは、調査・研究を含まれるという目的がありますから、調査できる。我々もそれじゃあ例えば一例ですけれども区民風車へ行ってみたいとか、いろいろ調査・研究してみたいという意見があるかもしれませんよね、。そういうことを考えると、進んでいく上に、関心が高いだけに非常に難しい問題は今後いっぱいあると思いますので、ぜひそれはしっかり交通整理していただいて、両委員会で不満が残ったり、あるいはそのままにしないようにしていただきたいというふうにまず1点思います。
それで、今、予算が伴うというふうにおっしゃいましたけども、私は今これを見させていただいて、ちょっと別なものの観点で行きます。
アクションプログラムのところに移らせていただきます。6ページ、7ページです。
私が今まで民間の中で育ってきた中で、こういう新しいものを立ち上げるのに一番大切なものは何かというと、生意気な言い方かもしれないけど、三つのSとMCというものが大切だと言われてきたんですよ。三つのSとは何かといいますと、こういうものを立ち上げている組織、組織をどうしていくかということがまず一番大切なんですよ、Sですね。それからあと、スケジュール、Sですね。スケジュールをどうしていくか。それからあと、数値目標のS。これを見ますと、ほぼ、組織は今言ったようにエコシティというところがトップに立ってコントロールタワーとしてやっていくんだというお話でしたから、これから、そのための人員、人をどうするかという問題が出てきますよね。それで、全庁的にやりたいとおっしゃるけども、今、公明党さんのほうから質問がありましたように、じゃあその意識をどうするかという問題があるから人の問題はすごく大切。だから、組織が大切だということですね。ここをどうするか。それからあと、スケジュールは今10年おきで、3年おきのスパンで見直しますとおっしゃっています。やっぱりここも大切なことなんですよね、最初があって終わりがあるわけですから。そして、その10年間のスパンの中で何が大切かというと、数値目標。今、3,000トンをします、それから10%削減しますというような数値がある程度示されてきました。風車でいえば3基ですとか、そういった数値が出されてきました。それで、そういうもののスリーSで大切なことはわかったんですけど、まず目標がMですよね。目標が何なのかということがもっと大切なんですよ。なぜかというと、我々が理解するとともに、区民の皆さんに理解してもらわなきゃならないんです、この運動を。区役所が全所を挙げてやっていきますと言ったって、区民の一人ひとりがやっぱりそういう意識を持ってもらってやっていかなければ中野区として達成は不可能なんですよ。今、たまたま職員の意識をしっかりしなきゃいけないという意識はありました。だけど、区民の意識をどうしていくかというところが、やっぱりここが大切なので、目標をはっきり認知してもらう。中野区はこういう取り組みをするんですよ。だから大切なんですよということを認知してもらうステップをひとつ考えなきゃいけないんじゃないかと。この説明は全くそれがなされていません、書かれていません。区民をどうしていくか、そういうことがまず大切じゃないかと。
それで、私は、それと同時にもっと大切なことが落ちていると思うんですよ。今言ったMCのCが落ちているんですよ。何かというと、Cというのはコストなんです。事業を新しく立ち上げるについては必ず費用が裏づけとしてあるわけですよ。その費用というのは区民の税金なんです。それを考えたときに、この中には全くそれが書かれていないんですよ。例えば、中野区の10か年計画、それも我々も何回も言って最後のほうにちゃんとコストが出ています。大体これぐらいかかってこうだと、年度予算が出ていました。それはアバウトですよ、確かに10年先のことを見るというのは。このスパンというのは大体3年から5年が私は適切だと思っていますけども、社会環境の変化だとか、特にこのエネルギーはいろいろ変化してくると思うので難しいなと、まあ10年でもいいですよ。その場合に、アクションプログラムで1から7までやっていったときに、それぞれ1からこのアクションについてはこれだけの費用がかかります、2のアクションについてはこれだけの費用がかかります、そういうことを全部お考えになって、区としての支出の費用をどのくらい持っているかということをお考えになっているんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
コスト、いわゆる財源のお話でございますが、平成20年度につきましては、20年度予算でこの財源を明らかにすることになります。ただ、21年度以降については、まだ十分検討する部分もあるということで細かいコスト計算はしていないところでございます。
佐野委員
計画を立てるときに1年間で立てていないでしょう、10年間でこれを立てたんでしょう。例えば、中野区の10か年計画だって、それぞれの、例えば人件費が幾らかかって、どういうものが支出されるだろうと予測されて立てるわけですよ。それはアバウトですよ、確かに。3年間ぐらいはシビアな数字が出るかもしれません。しかし、その先は確かに読めません。だけども、全体計画をやる中で、コスト費用がなくて組織ができるわけがないじゃないですか。ましてや税金を使うわけですよ。その場あたりで1年ごとに計画を立てて税金を投入していくなんてばかな話がありますか。やはりこういう大きな計画を立てて、それこそ全庁一丸となってやっていこうという中で、意識を高めるために、先ほど研修をしていきますとおっしゃった。簡単ですよ、研修をしていきますと言うのは。じゃあコストは幾らかかってどうするんですか、研修はただじゃできませんよ。こんな安易な組み方をしては全くできないと私は思うんですよ。そういうところの意識をまず担当として、あるいは中野区として変えていかないと、こういう組織を組むときの一番大切なことだと私は思うんです。したがって、今、1年の予算しかまだ組めていませんということについては、今後どうしていくかとはっきりお答えをいただきたいと思います。
大沼区民生活部長
素案の段階で10か年計画、さらに四つのプロジェクト、それから取組みの方向、さらにその中でアクションプログラムを14項目挙げています。それは3カ年間の年次スケジュールを持っています。それで、20年度については、全体的に仕組み、調査・研究とかということで、具体的な数字でできたのが20年度予算に今回お示ししたということです。それで、やっぱり21年度、22年度についても、どのようなコストがかかるのかというのは今後詰めていきたいと思っています。そして、確かに計画についてはコスト管理は大事なものですから、これについては素案の段階、それから案の段階、それでパブリックコメントをやって、計画策定をします。その後、21、22年度の構想についてはどのくらいかかるかというのは我々も数字を持たなきゃいけませんので、それについてはつくり上げていきたいとは思っています。
佐野委員
これは条例化するんですか。
大沼区民生活部長
これはあくまでも計画でございます。条例等については個別な、例えば仕組み、これを実現するための条例は別に、例えば事業者への計画書提出とか、そういったものは新たな条例をつくる。計画はあくまでも計画で、これはお示しする区の行政計画として作成するというものでございます。
佐野委員
すると、現在、条例化していって、これの徹底を図っていくというお考えはないと、そういうことですか。
大沼区民生活部長
あくまでもこれは中野区環境基本計画で、条例に基づいて計画をつくるということですから、計画であります。今後、具体的な区民への、例えば、義務付けとかあるいは啓発するとか、そういった個々の条例は考えていますけれども、計画そのものは計画であります。条例化する考えはございません。
佐野委員
よりそういった区民の方にアピールをしていってやっていきたい、いろんなアプローチがあると思いますよ。やっぱりそのときになって区民はコストを気にしますよ。これは私が異常かどうかわかりませんけれども、私はそういう中で育ってきたから、必ず財政の裏づけのない計画はないという信念に基づいています、すべてのことが。それを考えたときに絶対、「財政はどこから引っ張ってくるのか、どうするのか」ということを聞かれたときに、やはり区として責任ある者としてそれに答えるものをしっかり持っていないで、ただその姿だけを見せて、「3年間はこういうスパンで、こういう内容で行きます。それで10年間こうです」という話をしたって区民は納得しませんよ。そこはやっぱり部長、考えた上で、こういうものを出すときには少なくともコストは、例えば、「1年間のスパンでしか今考えていません。今後、例えば、何年ぐらいまでにある程度なアバウトな数字を出します」とか、そういうものをやっぱりはっきりさせていかないと、計画が幾ら立派であっても裏づけがない計画ほど惨めなものはありませんよ。進んでいったけど、お金が足りませんでしたからできませんでした。希望としてはこういうことを思っていたんですけど、できません。これじゃ全く絵にかいたもちになってしまいます。そういう意味からすると、ぜひ今後この大きな大きなものを、ねらいはいいわけですから、これを進めるに当たって、組織の充実、そしてスケジュール、数値目標、それから目的、最後にコスト、この辺をはっきりと明記できるようにしていっていただきたいと思います。いつということは言えないでしょうけれども、この次でもお話しするときにある程度そういったものを持った上でやって――これはわかりますよ。またがりますよ。例えば、芝生なんてというものは教育委員会の予算になってくるでしょう。だから、非常に難しいのはわかりますよ。でも、我々区民は、教育委員会、区民委員会、総務委員会と分かれていないんですよ。区民はみんな、我々のお財布は一緒なんですよ。そこをやっぱり考えなきゃだめですよ。だから、区民委員会がこれを、所管はそのエコ何とかというところがやるのかもしれませんけれども、やっぱりそういうことを立ち上げるということを一番最初に思ったものであれば、区民委員会の所管であればそれぐらいのものを考えてやっていかないと。財布は一つだとぜひ考えていただきたいんですよ。どうでしょうか。
大沼区民生活部長
確かに実現に当たっての説得力としてのコストというものは重要だと思っていますので、できるだけ作成し、理解が深まるようにしていきたいとは思っています。
近藤委員
まず、これは平成20年からの計画ですよね。ということは、これからパブリックコメントなどをして、今、素案の段階でこの計画はちょっと遅いということですよね。おくれていませんか。
納谷環境と暮らし担当課長
計画の策定が4月下旬、確かに年度はちょっと入ってしまいますけども、特段のおくれというような認識は持っておりません。
近藤委員
これは答申のときからややずれ込んできていると思うんですけれど、その原因というのはわかりますか。
納谷環境と暮らし担当課長
ずれ込んでいるということではなくて、ちょっと経緯をお話ししますと、本当は基本計画というものは基本的事項を示す、そういう計画を初めは想定していました。その上に立って、基本計画の策定の後に具体的な実施計画、実行計画であるアクションプログラムをお示しするというようなことで、目標としては年度内にできれば実行計画まで示すというような段取りで進めてきました。ただ、やはり基本計画の基本的事項とあわせて実行計画、実施計画の上をきちんとお示ししたほうが区民・事業者の方の理解を得やすいだろうということで、途中で方針を転換というんですか、方針を基本計画とあわせてこのようなアクションプログラム、いわゆる実行計画をあわせて策定するとしたもので、この計画の策定が延びたというよりも年度末に至ったということでございます。
近藤委員
基本計画でちょっとずれ込んでいるんだなと思いましたので。
そして、それが区民の皆さんにわかりやすいようにという今御意見があったんですけれど、私も岡本委員がおっしゃったように――目標が何トンというものになっているのに、目標達成指数というのは結局トンじゃなくて件数とかになっているんですよ。すると、区民の皆さんが見たときに、この何トンに近づくにはどのぐらいなのかということが全くわからない。小・中学校への芝生を導入するのでも、「4」と書いてあってもそれが何トンなのかもわからない。そして、PDCAサイクルで回したときでも、目標と達成の途中の指数が違えばどういうふうにチェックをするのかということも明らかではないし、やっぱり区民の方に目標が目に見える形でわからなければ、このすごく多いトン数がどのくらいかけ離れているかということも、実際自分の普通の区民の生活にすとんと落ちないわけですよ。すべてがそうなんですけれど、例えば風車が3基もそうですし、太陽光発電も目標が平成21年は1基、平成22年は4基、5基と言っても、それが5,200トンに近づくにはこれの一つひとつが大体何トンでということも出ていないと、これに向かうのはトン数で言ったらどうなんだということが全くこの表ではわからないので、区民が見たときにやっぱり、私たちでもわからないんですから、これはどういうふうな目標に向かっているんだということがとてもわかりにくいと思うんですけれど、いかがですか。
納谷環境と暮らし担当課長
私どもは二酸化炭素削減目標の数値目標を持つのは大事だと思っています。また、区民・事業者と共通の目標に向かって、この削減目標を示したところでございます。ただ、確かに削減の内容というんですか、どういうことをやれば何トンとか、そういうものはわかりにくい面も多少あろうかと思います。その辺は今後、区民・事業者へきちっとお伝えするときには工夫・検討をしていきたいと思っております。
近藤委員
検討をするんですけれども、例えば、太陽光発電のアクションプログラムのところで、平成18年度までに区内では290世帯に太陽光発電機が設置されている。じゃあこれがどのぐらいの二酸化炭素削減になったかとかいうものがなければ、やっぱり区民は、この間も私が発言しましたように、自分のところがつけてそれがどのぐらいの効果があるかということがわからなければ、「協力しよう」とか、「じゃあ私もエネルギーの消費の少ない暮らしをしよう」とか、そういうことに結びつかないと思うんですよ。
それで、区内施設を全部つけただけで175トンという数字が出ているんですよね。その目標からすれば、本当に5,000トンというのはけたがもう違う。区内の施設に全部つけたとしても、数字が並んでいればとってもそれは小さいものだということがわかるわけですよ。そう思ったとき、やっぱり日常生活の一つひとつが大事だなと区民が肌で感じて、できるような計画であって進め方であるべきだと思うんですけれど、その辺はいかがですか。
納谷環境と暮らし担当課長
まさに削減の効果が大きいものと小さいもの、さまざまでございます。区民あるいは事業者一人ひとりの取り組みにおいても、例えば、機器の買いかえ、あるいは一人ひとりの行動でどのぐらい削減するというのも、まさに行動内容あるいは機器の例えば更新内容によるところはあると思います。そういうものも含めて、私どもはなかのエコチャレンジ等で区民・事業者への取り組みの普及を進めたい、そういうものを中心に進めたいと思っておりますが、どういう行動がどういう削減、あるいはどういう取り組みはどのような削減効果につながるというものをきちっとわかりやすく説明あるいは御理解できるような方向でもって取り組みを進めていきたいと思っております。
近藤委員
それはわかりいいというのはもちろん、削減目標と数値目標が全く違う、片一方はトンで出ているのに、こっちは件数で出ていて、その件数の一つが何かもわからないという目標の立て方と比較が違うということもおかしいんですけれども、一番大事なことは、この取り組みをいろいろやっても本当に行政ができることというのは限りがあって、皆様が太陽光発電をおうちに設置していただいても、今までで290世帯しかないところをこのアクションプログラムのところには4万棟などにつけると書かれているんですけれど、それでも5,200という数字なんですよ。だから、本当にやることは皆さんの日常的なエコへの取り組みだということがこれで読み取れないと、これを出した意味というものがないように私は思うし、これを出すのは、行政でやることは、こうやって取り組んで二酸化炭素排出を削減しよう。それだけれど、こういう数値にしか出てこない。「だから、皆さん、毎日の生活を頑張ってくださいよ」というものがここから見えるものでないと、私はこの計画を出すということの一番大事な――それで、例えば、今度行政評価のときにPDCAサイクルで風車が3基建ったと言って、目標達成と、そういうことじゃなくて、やっぱりこの計画を立てたことでどんなに中野じゅうの二酸化炭素が削減されたかということが目標なんですから。それがきちっとこれで区民参加になるものにやっぱりしていただきたかったなと私は思うし、これからこれを進めるのに当たってはやっぱりそういう呼びかけが本当にセットで、数が見えて、皆さんに頑張っていただける目標が見える形にしていただきたいなと思うんですけれど、いかがですか。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほども御答弁いたしました、取り組みの一つひとつの重要性、また毎日の行動あるいは事業活動から、省エネ等の取り組む重要性、またその取り組みがどういう効果、どういう成果につながるかというものを、例えば絵で示すとか、数字のほうでわかりやすく示すとか、そういうものをきちっと考えていきたいと思ってございます。
近藤委員
それはそうなんですけれど、本当に数字的に、行政のできる仕組みというのは限りがあるんだということを示せる数字に、目標はすごく大きいものだし、みんなで頑張っていかなきゃならないけれど、行政が出せる数字というものはこういうものなんだよというところがすごく大事だと思うので、その辺を区民に本当に広げていけば、皆さんが一人ひとりが頑張れば、本当に環境問題というものはそこでしかないのできちっと示せるようによろしくお願いいたします。
大沼区民生活部長
確かに10か年では10%、約9トンを削減する。それで3年ごとに見直しする。例えば、件数を何トンと換算するというのは膨大な作業量が出てきますので、年度ごとのトン数にやるというよりも、やはり3年ごとにどのくらいの進捗状況で、どのくらいのトン数かというものは必要だと思うんですけれども、年度ごと、それから柱ごと、あるいはアクションプログラムごとに出していくというのはかなり困難な作業を伴うので、そこら辺はどういう形で件数からトンを出すかというのは研究してみたいと思います。おっしゃっている趣旨というのは、目標はトン数で出している。だけど、実際は件数じゃないかと。じゃあどのくらい、その件数が何トンに反映されている、そこら辺が見えないじゃないかということなので、それらを十分考えていきたいと思います。ただ、この数値が16年度の数値でやっているのはそれだけトン数の把握が難しいということの一方では現実的な面もありますので、そこら辺十分理解していただけたらと思います。
近藤委員
それはもちろん難しいのはすごくわかるんですよ。でも、設置件数というのはちゃんと出しているんですから、じゃあこの根拠は何なんだと思うじゃないですか。全然目標がない、難しいから出せないと言うんでしたら、じゃあこの30とか50というのはどういうところから出てきたんだと。やっぱりある程度の目標があって、それを掲げなければ区民は納得しないし、この30、50というものとトンという目標との違いは、「ああ、うちがつけたことによって、本当にわずかだけど、ここに貢献できたんだな」という目標値にならなければ意味がないと思うんです。
大沼区民生活部長
太陽光で、大体の標準のこれを入れたら何トンという計算はできているんですけど、おっしゃっている趣旨としては、現実に何件建った、じゃあ何件、何トンという正確な数値を出すのは、それはしんどい作業です。ただ、一般的に言われている目安として何トンというのはそれは考えられるので、そこら辺の工夫をしていきたいと、そういう考え方でございます。
近藤委員
そうですね。本当にそんなに正確じゃなくていいという言い方はおかしいですけれど、この目標に出している件数に数字はついていると思うので、それが目に見える形で区民にもわからなければやっぱり目標に向かえないと思うんですよね。そこのところをよろしくお願いします。
岩永委員
さっき1点聞き落としてしまったので。
どのくらい区が本気かということでちょっとお尋ねをしたいと思いながらうっかりしていましたが、例えば、本体のほうを見ますと、各主体の主な取り組み、区民・事業者・区というふうにあります。例えば、自然エネルギーをどう取り入れていくのかという、計画の柱になっているそのものを見ましても、区民はこういうことをやりますよ、事業者はこういうことをやりますよ、区はこういうことをやりますよということが書かれていますが、区民との関係でいえば、区民が自然エネルギーを今の暮らしの中からどう取り込んでいくのかということだけを見ても、なかなか自然発生的なことだけを待っていたのでは多分計画どおりにはいかないということは十分想定されるわけですね。そういうときに区としてそれをどう推進していくのか、区民がどう積極的に受けとめていくのかということを考える。そのための区の区民への対応はどうなのかというのは、そういうものがなかなかここの中に見えてきていないんですよね。例えば、太陽光発電機器の取り込みについてどうするのかということは、区民風車との関係でいえば、たしか何か基金を設けて、それで区民への助成をしていくというようなことも何年後かには考えているということもありますけれども、なかなかそういうものが見えてこない。そのことが1点、どういうふうにこの計画の中で反映をしてくるのかというのがすごく気になるところなんです。
もう1点は、たまたまいろいろ話題になっているものですから、校庭の芝生化のことについてのお金がどんなふうにつくのかをちょっと調べてみたんですね。そうしましたら、今あるのは、東京都の環境局でやっている公立小・中学校への補助金制度だということで、今、中野区が取り組んでいるのは、話題になっている地域との連携協議体みたいな、いわゆる維持管理推進体のようなものをつくって申請して10分の10の補助をもらっているということですが、その地域との連携協議体のようなものがなければその補助金は2分の1になるという状況もあると。ましてや、この環境局の補助金は時限立法でたしかあと2年か3年ぐらいで、継続される可能性はあるという話でしたけれども、それはまだ明確ではないということを考えると、この計画では全部の小・中学校の校庭芝生化ということを掲げていますよね。万が一そういう補助金がなくなったり、地域との協議体ができなかった場合は、区が持ち出してでもやるのかどうかとか。例えば、たまたまその校庭の芝生化のことについて、私はそういうふうにして今の状況がわかるわけなんですが、ほかのところでもいろんな補助金を当てにしたりとか、そういうものがこの中にあるんだろうと思うんですね。そういうことが向こう10年の間に今の時点と変わらないとも限らないという、そういう側面があるんだろうと思うんですが、そういうようなことも含めてどのように検討しているのか。要するに、3年ごとのローリングというものはあるというふうには言っていますけれども、そういうものをどんなふうに考えているのかという、その本気度ですね。この計画を推進していくのならいくための、そういう本気度というものがいま一つどんなふうに検討されているのか、お聞きしたいと思って、その2点。2点というか、ひっくるめてみたいな形になりますが、ちょっとお答えください。
納谷環境と暮らし担当課長
まず、太陽光発電等のほうでございます。私ども、前の分科会の御質問で御答弁したと思うんですけども、太陽光発電等あるいは太陽熱温水器を設置される方が十分情報を持っていない。どのように設置して、どういうところに設置できる、またメリットはどうだ、あるいはライフサイクルコストはどうだというような、いわゆる太陽光発電機を設置される側、区民側、事業者側が十分な情報がないということで、まず情報提供の推進に努めたいと思っています。
それとともに、環境配慮基金、環境基金のようなものを今後つくっていく予定でおります。そういう基金を活用して、太陽光発電機器の設置促進のための何か支援策、これは考えていきたいと思っています。
それで、もう1点、芝生化の例でお話が出ました。あくまで補助金があるからやるということでは、区の姿勢としてはございません。当然、例えば今ある補助金がなくなった場合は事業の再検討、再精査をする必要があるとは思っています。ただ、補助金ありきの事業をやるんじゃなくて、やはり区としてその必要性への高さから事業を推進する、こういうふうに考えています。また、芝生化に当たっては、地域との連携というものも当然大事ですけれども、補助金のことも含めて、そういう考えで取り組んでいくというような姿勢を持ってございます。
委員長
他にございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
さきほどの答弁保留ですね。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほど岡本委員の御質問ですぐ答えが出なくて大変申しわけございません。今後そういうことのないように、区民・事業者に対してもすぐ説明できるように努めたいと思います。
3,000トンで、電気の使用量でいきますと770万キロワットに相当します。
委員長
他に質疑がなければ、本報告を終了いたします。
次に、2番、区民風車事業の考え方及びスケジュール(案)(資料2)についての報告を求めます。
納谷環境と暮らし担当課長
では、区民風車事業の考え方及びスケジュール(案)について御報告いたします。
この件に関しては、いろいろ情報の提供、御説明に不十分な点があったことをまずおわび申し上げます。
では、説明に入らせていただきます。A4の1枚、両面でございます。
まず、事業の全体のイメージでございます。 私どもは、先ほど基本計画の中でもお示ししましたように、中野区としては地方都市の協力を得て風車を建設いたしまして、風力発電事業を推進したいと思っています。この建設に当たっては、国等から助成を受けて、この事業を実施していきたいと思っています。なおかつ、この風力発電によって得られた電気、これは電気事業者に売電をすることによって収益をそこで得るという仕組みを考えております。その収益は区内の太陽光発電等の整備のために活用していきたい。活用の方途としては、先ほど御質問がありました、環境基金を設けるなどし、区内の太陽光発電機器等の普及に資する考えを持っているところでございます。
それで、一応(1)と(2)の試算をしてございます。これはあくまで現在の想定というんですか、2,000キロワットと決めたところではございませんが、あくまで試算の前提として考えたものでございます。2,000キロワット1基が1年間稼働しますと、おおよそ350万キロワットアワーの電力が得られるものとして試算してございます。
(2)でございます。想定事業経費等でございます。1基当たりでございますが、イニシャルコスト、いわゆる建設経費でございますが、5億円でございます。助成金が約2分の1近く出るということでございます。これは一般的に、国等の資料によりますと、1キロワット当たり25万円と言われております。ですから、これが1,000キロワットになればその半分の2億5,000万円と、そういう数字になろうかと思ってございます。また、ランニングコスト、年間の維持管理経費でございます。これにつきましても、国等の既存資料あるいは他の先行の実例から、1,600万円と試算してございます。また、先ほど申し上げました、想定年間発電量350万キロワットの発電量に対する売電の収入でございますが、3,600万円となっています。この売電につきましても、電気事業者との契約によるもので、その単価は毎年変わってございます。例えば、平成17年、18年あたりは10円何十銭という単価でございましたが、平成19年は11円近い単価になっている。単価はその年によって若干動くものというふうに理解しているところでございます。
また、裏面をごらんいただきたいと思います。
スケジュールでございます。平成20年度、21年度についてお示しをさせていただきました。
まず、基本的に私どもは一応計画の中では10年間で3基という考え方を持っていますが、現在のところ、これから御説明します調査等を踏まえて、風車の規模、風車の基数あるいは設置地域等を決めさせていただきたいと思っております。
まず、来年度からは、来年度早々に基本プランの策定をする予定でございます。ここで改めて自然エネルギーの利用の目的あるいは風力発電事業の意義を明確にしていきたい。また、既存の風況データあるいはさまざまないわゆる自治体間交流を踏まえて、立地調査候補地を抽出していきたい。また、今後どのような調査が必要か、どのようにその調査を実施していくかということもあわせて検討したい。また、もうちょっと長期的な全体スケジュールの策定、あるいはどのような事業形態を目指すかというようなことも基本プランの策定の中で考え方をお示ししていきたいと思っております。
それで、幾つかの立地調査候補地の抽出を踏まえまして、6月から7月にかけまして立地調査に入りたいと思っています。ここでは、自然条件調査、社会条件調査、あるいは電力系統の調査、こういう調査を踏まえて風況観測候補地をまた改めて選び出したい、その上で風況観測に20年度の11月以降入っていきたいと思っているところでございます。
これらの基本プラン策定、立地調査あるいは風況観測、これらを踏まえまして、その都度きちっと議会に御報告し、また議会でも御審議、御議論いただいて、それらの意見を踏まえて策定調査を進めていきたい、このように考えているところでございます。
なおかつ、21年度の後半に、これらの調査を踏まえて、風車の導入規模の案の作成を行い、また議会での御議論を踏まえて、その後の進め方を見定めていきたい、このように考えているところでございます。
委員長
本報告に対し質疑はありませんか。
きたごう委員
確認の意味でちょっとお聞かせいただきたいなと思います。
さきの区民分科会におきましても各委員からの質疑、やりとりがありました。我が会派の佐野委員、そしてまた内川委員からも質疑をさせていただきました。いろいろ課長からも御答弁をいただいております。ですけれども、3基、これはもう何としても設置するんだというふうに聞こえています。
それで、2月7日でしたでしょうか、プレス発表ではもうあたかも3基と決めつけている。それと、今もいろいろこの環境基本計画の説明がありましても、これも29年には風車を3基設置する。ところが、たしか内川委員の質疑の中で、10年の間に一遍につけるんじゃなくて1基ずつつけていくのかな、そんなふうに聞いたんですけれども、その辺をもう一度ちょっと確認したいんですけれど。
納谷環境と暮らし担当課長
一応基本計画では、この10年間に3基ということを計画はしております。ただ、私どもの考え方といたしましては、今後行いますいろいろな候補地の抽出から調査を踏まえて、風車の規模、基数あるいは設置時期についてはこれから検討して決めていくものと、こういうふうに考えているところでございます。
きたごう委員
そうすると、これからいろいろと風況等調査、いろんなデータ、こういったことを調べて立地調査を進めていく。それによって、例えば、どうもこれは思ったようなふうにはいかないといった場合にはどうなんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
これも計画的に進めていくことも大事ですが、先ほどの計画の中でもいろいろ御質問がありました。常にきちっとPDCAでございませんが、調査をやってチェックをして、その後どう進めるべきか、その都度きちっと判断をして取り組んでいきたいと思っています。ですから、ケースによっては、規模、基数の変更というものは、可能性としてはあるというふうに考えているところでございます。
きたごう委員
ちょっとしつこいようですけど、とにかく今の区の考え方、取り組み、これを聞いていますと、やっぱり3基はつくらないと意味がないということなのかな。ちょっと教えてください。
納谷環境と暮らし担当課長
2,000キロワットを3基というのは、あくまで自然エネルギーの導入量から算出したものでございます。ですけれども、私どももそういう目標を持ってまずは計画を進めていきたいとは思っているところでございます。ただ、風車の事業はやはりその土地、特に風況、このあたりに大きく影響されます。ですから、きちっと風車が動くような状態で整備をしていかなくてはなりません。ですから、調査を踏まえて、そのデータでもって検証し、十分判断をした上で、先ほどと重複しますが、風車の規模あるいは基数、これを決定していくものというふうに考えているところでございます。
きたごう委員
あと、設置場所、これは環境基本計画の中にもしっかりとうたっていますけれども、里・まち連携、これで一応中野まつり、こんなところで茨城県の常陸太田市との連携があるので、ここに設置すると。そんなふうにもう決めたと、ここに確定だというふうに受け取れるんですけど、それをもう一度聞かせてもらえますか。
納谷環境と暮らし担当課長
常陸太田市という名前が出ております。あくまで常陸太田市も候補地のうちの一つというふうには考えておりますが、常陸太田市ということで決めたわけではございません。
きたごう委員
そうすると、里・まち連携の中で、きのうのこの委員会でもいろんな場所というか、自治体というようなお話がありました。そうすると、今もう一回聞きますけども、常陸太田市に決めたと、そういうことではないんですね。
納谷環境と暮らし担当課長
今後、やはり複数の調査候補地を出して、いろんな立地調査、風況観測、これらを踏まえて設置の規模、設置場所、こういうものを決めていくようになる。そのときに十分議会にも情報提供し、御議論、御意見をいただいて、私どもも判断をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
きたごう委員
もう1点聞きますけれども、これはたしか今年度の予算の中に調査費1,350万円、その50万円が調査費なんでしょう、あれはたしか。そうじゃないのか、ちょっとその辺聞かせてください。
納谷環境と暮らし担当課長
おおむねの概算でございますが、基本プランの策定から立地調査までが350万円から400万円、風況観測が900万円から1,000万円、このような仕訳になっているところでございます。
きたごう委員
そうですか。では、ちょっと私の理解不足だったのかな。ここであまりやりとりしても、もう予算も賛成しまして、また付帯意見もつけさせていただきました。ですけれども、やっぱりこれから、各委員からも質疑の中で大変心配している。例えば、補助金が半分出ると、そんなふうに聞いていますけれども、この新エネルギー開発機構というんですか、これとではそういうふうに返事はもうきちっといただいている。プレス発表でもそうですけれども、そういうことなんですね。
納谷環境と暮らし担当課長
ちょっと御説明します。
プレス発表でも、私どもは、そこから補助、いわゆる助成を受けるというふうに決まったようなことは一切申してございません。あくまで建設に当たってそういう補助の制度があるというふうな認識を持っているところでございます。
内川委員
しつこいようですけれども、聞かせてください。 昨年の12月に区長が現地に訪れて、先方の自治体の市長さんともお会いになっている。その後にプレス発表もありました。その後に、インターネットで「区民風車」を検索すると、茨城県の県会議員さんのホームページに「既に中野区は決定である」と、そんなことがうたってありました。こういった状況証拠をいろいろ見てくると、「これはもう決定なんだ」と私は思うんですよ。茨城県常陸太田市に29年度に3基できる、これはもう区のほうもそういうふうにはっきり言ってもらっちゃったほうが余計な調査費用をかけなくて済むのかなと思うんですけど、どうなんでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
1点、仮に常陸太田市に建てるにしてもきちっとした調査は必要でございます。なおかつ、私どもは常陸太田市も調査候補地の一つとは考えていますけれども、今後、先ほどきたごう委員の御質問に御答弁しましたように、これから複数の調査すべき候補地を抽出したいと思っています。その候補地の一つだとは考えておりますが、決めたところではございません。
内川委員
スケジュールを見させていただきますと、6月半ばぐらいから実際その立地調査に入るということで、今はどこを調査するかという選定をしている段階なんですか。今の段階でもし立地調査候補地がもう大体どのくらいと決まっていればちょっと教えてください。
納谷環境と暮らし担当課長
現在、この基本プランにあります立地調査候補地の抽出にはまだ入ってございません。ただ、きのう、里・まち連携の中でお話しいたしました。私どもとしては、やはり交流のある自治体が声をかけやすいし、調査もしやすいというふうに、それが望ましいだろうというふうに考えてございます。ですから、基本的には中野まつり等の交流のある自治体の実情を踏まえて調査候補地は抽出したいと思っていますが、またそれがすべてというふうには考えてございません。今後、本委員会あるいは議会の意見、御議論を踏まえて、基本プランの策定に入っていきたい、このように考えているところでございます。
内川委員
あと、立地調査が6月中旬から11月ということで4カ月半ですか。そうすると、期間も決まっているので、あまり多くの場所を調べられないと思うんですよね。この期間で最大調査できるコースとは何カ所ぐらいだと大体お考えですか。
納谷環境と暮らし担当課長
何カ所というのは具体的に難しいんですが、複数の地域を候補地としたい。3地域程度を候補地として考えたいと思っております。
内川委員
じゃあもう具体的にその3地域は出ているんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほど申し上げたように決めてございません。
大沼区民生活部長
基本プランの策定の中に「立地調査候補地の抽出」とありますので、この段階でどの程度の数字か出てくるので、今の段階で数字をここで言うとまたそれが歩きますので、この段階はやはり基本プランの策定に力を入れたいと考えているところであります。
内川委員
あくまでも常陸太田市は候補地の一つだということで理解します。
そうなると、もしほかに二、三カ所の候補地があるとして、最終的にやっぱり常陸太田市に決まったよと言ったときにはそれ相応のデータがないと納得はできないと思うんです。そこら辺のことはどうでしょうか。
大沼区民生活部長
この中にやはり節目の大事なところに議会報告ということを入れてございます。ですから、ステップごとに議会に御説明して、そして次の段階に進んでいきたいと思いますので、我々が決めるということじゃなくて、議会の論議を経た上で次のステップに上がっていって、実現に向けて努力していきたいと思っています。
つぼい委員
基本的なことをちょっとお伺いしたいんですが、まず、区民風車を建てるに当たって、すごく環境にいいことをするのはわかるんですが、区民風車を建てるに当てての環境負荷というものはどれぐらいあるのか、教えていただけますか。
納谷環境と暮らし担当課長
環境負荷というのは、一般的に言うライフサイクルコストみたいなそういうことでよろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)風車の製造から建設まで含めますと、いろんな規模とか財政で大変違うんですけども、いわゆるエネルギーペイバックと言いまして、1年程度あれば回収できる。つまり風車が動き始めて1年程度あれば、今までの例えばCO2の排出量を回収できるとか、そういうふうに御理解いただけたらと思います。
大沼区民生活部長
通常風力発電というのは、まず一つは風が適切に吹いているということ。それから、風力発電というのは、すごく機械が大きいものですから、風力発電機の陸揚げとか、それから運搬が可能なところとか、そういった要件も必要とします。それから、送電線との接続といったところを検討しなきゃなりませんので、電力系統の重要性もあります。さらに周辺の環境、例えば動物とか、あるいは人間社会の、例えば住宅が近いといろいろ問題があるとか、そういったものもやっぱり考えなきゃならないので、そういったことを基本プランあるいは立地調査の中できちんとやっていきたいと思っています。ですから、ここの中で言う、自然条件調査、社会条件調査、電力系統、搬入路というのは、こういう意味で書いているところでございます。
岩永委員
今のやりとりで候補地は複数になるということがわかりましたが、予算の審査のときに、たしかもう具体的に「里美牧場」だという名前まで私は言われたように思ったんですが、それはどういうふうにして受けとめたらいいのか、まずそこをちょっと教えてください。
納谷環境と暮らし担当課長
いろんな情報がちょっと交錯しまして、あたかも常陸太田市でやるというような御質問もありましたけども、常陸太田市で予算を使って常陸太田市で実施するというような御答弁はしたことはございません。ただ、常陸太田市を候補地として選んだ理由、そういうものの御質問等はあったというふうには認識してございます。
岩永委員
決定はしていないということはずっと言われていて、確かに決定の手続はとっていないので、それは重々承知しています。ただ、どういう理由で常陸太田市の名前が出たのかということは繰り返し御説明もいただきましたが、しかし、今日に至っては、要するに、3カ所程度の候補地を挙げて、その3カ所程度を調査しながら具体的に設置するところを決めていくということは今のやりとりでわかりました。
それで教えてほしいんですが、3地域程度を抽出するためにはどういう方法で抽出をするのかということをちょっと教えてください。
納谷環境と暮らし担当課長
答弁を若干訂正させていただきたいんですけども、3地域程度と、一応やっぱり複数の地域というふうに御確認をさせていただきたいと思います。
それで、なおかつどう抽出をするかと申しますと、一般的にアバウトな風況データの観測データというものが国から公表されています。これは本当にアバウトなデータです。風況が本当にいいか悪いかという程度がわかるぐらいの日本全国の地図と申しましょうか、そういうものと、先ほど申し上げました今まで交流のあるところ、そういうところで、先ほど申し上げましたアバウトでございますが、既存の風況データでもって風況がいいだろうと思われるようなところを候補地として抽出する要件かなというふうには考えているところでございます。このあたりは、先ほど部長が答弁しましたように、基本プランの策定の中で明らかにしていきたいと思っているところでございます。
岩永委員
そうしますと、複数の候補地はこういう形で調べに行きたいという報告が5月末から6月の間にある議会報告でなされると、こういうことですか。
納谷環境と暮らし担当課長
正確な期日は別にしまして、いわゆるこういう理由あるいはこういう条件で、まず立地調査をすべき候補地を選びました。それで、立地調査に入りますというような御報告と確認をさせていただきたい。それから、先ほど部長が答弁したように、一つひとつ手順を踏んで一歩一歩着実に進めていきたいと思っているところでございます。
岩永委員
そういうことがあるかどうかはわかりませんけれども、例えば、複数の候補地を選んでいくという、この5月から6月の議会前に、例えば、今言われた風況データや交流のある既成の風況データのあるところ以外でも、こういうところがありますよ、こういうところはどうですかというような働きかけがそれはそれで考えられると思うんですが、そういうことがあった場合はどうなるんですか。
納谷環境と暮らし担当課長
先ほど他の委員の御質問にも御答弁しました。私どもは、やはり交流のある自治体、全国的に公表されています風況データに基づいて抽出をしていきたいと思っていますが、それが絶対要件だと思っておりません。既に交流をしている以外の地域においても、今後の展開を考えれば、調査候補地である可能性としては考え得るかなというふうには思っております。
岩永委員
わかりました。そうしますと、この議会報告では、候補地をこういうふうにしていきたい、それに当たってはこれこれこういう理由ですと、さらに候補地にはならなかったけれども、こういうところも検討をしてみました、それはこれこれこういう理由で候補地にはなりませんでしたという、いわゆる私たちが判断できるような材料を全部提供していただけるということですか。
納谷環境と暮らし担当課長
私どもは、きちっと客観的に公正に、なおかつ透明性を確保した材料を提供し、また議会の意見を聞きながら、この事業は全体的に進めていきたい、このように考えているところでございます。
岩永委員
本当に情報だけが先に走ってしまって、私たちが一生懸命後を追いかけているみたいな、こんな状況になってしまっていて、今最後に課長が言われた、透明性と公正性の一番大事なところがなかなか回復するのに大変難しい状況になってきているんだろうというふうに思うんですが、多くは5月から6月にかけての議会報告ということになるんだろうと思うんです。
それで、1点、どんなふうに風力発電が進められていくのかというところでは、新エネルギー財団のホームページで導入シナリオというのがありましたが、私もよくわからなかったので、いわゆる新エネルギー財団の出している導入シナリオが通常行われる導入に向けてなんでしょうか。
ざっと紹介しますと、まず、基本構想があります。用地の確保などについての風況データですね、今問題になっている、収集がされます。それで、具体的な候補地にはNEDOの助成を受けるなど電力会社との事前協議をやります。そして、システムの設計をやっていきます。建設予算の措置をします。工事に着手をします。検査をします。運転開始、保守点検ということで、おおよそ稼働までには相当の日数がかかるというようなことが出されていますけれども、大体中野区でやろうとした場合の流れもこんなようなところですか。
納谷環境と暮らし担当課長
NEDOのホームページの表現を承知しているわけでございませんが、今、委員から御紹介のあったような流れで取り組んでいる方向を考えています。
岡本委員
分科会で、区民風車の先のスケジュールが見えないということで、質問させていただいたのに対して出していただいたんだろうと思って感謝しております。
それで、今、立地調査のこともお話に出ていますけど、日本の中で風力発電として条件に合う場所というのはそうたくさんあるわけではないと私は思っているんです。北海道とか山陰地方とか大量にやっているところもありますが、その中で中野区に比較的近いところで選定しようとするとそんなに数はないし、それから区民まつりに参加している、そういう地方のところで区民風車ができるところもそう数はないと思いますし、また、全くできていないところに区民風車をつくるとなると、これはまた大変な社会運動といいますか、そういうところまで発展することを考えますと、別に私は急げと言っているんじゃないんですが、この選定の仕方についてもきちっと段取りを踏んでやればおのずから絞られていくのではないかなと思っているわけです。そういう意味では、たまたま常陸太田市が手を挙げて先行的に言ったことについての、いわゆる手順の問題あるいは段取りの問題については、前に御指摘いたしましたが、かといって、ゼロから立地が可能な候補を探す必要は、私はそこまで探す必要があるのかなと。やっても結局、全く今まで1基も風力発電の設備がないところにつけるとなると、これはまたいろんな課題もふえてくるということを考えますと、その選定の仕方はきちっとやらなきゃいけないけど、初めからいろんなところに声をかけてやるという必要はないと私は思っているんですよ。その辺はどういうふうに考えているでしょうか。
納谷環境と暮らし担当課長
今の岡本委員の御質問、大変難しいところがあります。確かに、既に風力発電施設があるところには送電線の問題とか搬入路の問題とか、特に新たに取り組む必要のない、いわゆるインフラがございます。それで、まるっきり風力発電施設がない本当に山の中ですと、送電線もない、あるいは道もないということで新たなインフラの整備もやらないとそこにはつくれない。そうすると、コストが大きく増加します。そういうことも含めて、今後我々は基本プランの中で総合的に判断をしていくものと思っています。
ですから、山の中であればどこでもいいというわけではありません。委員の御紹介にありましたように、山の中でも安定的な風が得られなければ幾ら風が吹いてもこれは建てられません。そんなことも含めて、先ほど言いました電力系統とかそういう搬出入路とか、いろんな条件があります。細かいそういう調査は立地調査の中でやるわけですけども、そういうところも踏まえて基本プランの中で一定の抽出をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
岡本委員
最後にしますが、ここにありますように、議会報告がこの5月末から6月と、次は10月とかありますけど、区民委員会等は閉会中もございますから、そういうときに中間的な「今この方向です」というものはぜひとも細かい報告をしていただきたいということを要望しておきます。
大沼区民生活部長
今の岡本委員のことで、やはり我々がきちっと議会に報告して御審議を賜りたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
委員長
3時になりました。ちょっと休憩します。
(午後3時01分)
委員長
再開いたします。
(午後3時02分)
近藤委員
予算分科会のときも申し上げたんですけれども、本当にこの区民風車で、私は財政的に大丈夫かなということがあります。それで、先ほど佐野委員がおっしゃったんですけれど、財政的な裏づけがないまま進むということは本当に大変なことです。それで、風車のスケジュールを見ますと、やっぱり風力調査とか、そうやって財政的なものはこのスケジュールにはもちろん入っていないんですけれども、私は、政策室ですか、長田課長に「ちょっと区民風車は大丈夫なの。あなた、ちゃんとチェックしているんですか」と申し上げました。そうしたら、「事業部は事業部でやっていますから」と言うんです。
それで、先ほどの佐野委員の質問にもありましたけれど、やっぱりこういう計画を出すときでも、先ほどの計画でも財政的な裏づけが見えないわけですよ。この区民風車にしても、じゃあだれがこれをきちっと財政的な裏づけをもってやるかと。私は分科会でも申し上げたように、これを1基建てて、20年後2期目は必ず赤字になると思っています。ですから、それに踏み出すのはとても心配で、環境という面からは2期目を建てない理由はないわけですよ。環境にいいからやると言ってスタートするんですから、2期目を建てない理由というのは、それも検証しないで建て始めてしまうということはおかしいことであって、やるからには2期目を建てる。そうしましたら、区民委員会の区民生活部の予算、それは区民の大事な税金は2期目からはそこの風車に向かってつぎ込まれていくわけですよ。そして、「経営本部体制でそこをチェックしてくれているんだろうな。まさかこの区民委員会だけにそれを押しつけて、区長のマニフェストで押しつけていないでしょうね」と思ったら、「それは事業部制ですから事業部が全部責任です」と言われたら、もうやっぱりとっても心配で、組織改正でこの表をいただきましたけれど、経営担当課長というものが区民生活部にもいらっしゃるんですよ。ぜひ区民風車に対してどのような経営的に考えているか、そして、この事業は20年後の2期目は大丈夫なのかということをきちっと考えていただきたいと思うんですけれど、いかがですか。
大沼区民生活部長
まだ1基目の前の議論でありまして、2期目までの話というのは難しいお話なのでちょっと答えづらいんですけれども、一般的に施設があって、それについて我々は、その後の更新についてはいろいろな基金を積み立てて、その都度判断していくという形でございます。
近藤委員
きのうちょっと岩永委員とも話したんですけれど、この事業に関してだけは使っちゃうわけですよ。今までの流れはため込まなきゃいけないと言っていたのに、全部次があるからため込むと言っているんですけど、これは使っちゃうわけですよ。これはため込まないのかと言うわけですよ。やっぱりこれだって、次に2期目を建てると言ったら、ため込まなければ維持できないわけですよ、次の期に。それが中野区のサイクルとしてほかの事業はなっているのに、なぜこの風車だけ全部使ってしまって、それがよしとされているのかがとっても不思議なところであって、やっぱり環境に大事だというならため込んで次のところに、継続させる事業としていかなくてはならないし、その計画性が全く見えないというところに問題があるのではないでしょうか。
大沼区民生活部長
多分おっしゃっているのは、風車は固定資産なので減価償却分に相当するものは積み立てていくだろうという論法だと思います。ただ、中野区においては、いろいろな施設建設に当たっていろんな基金、例えば、社会福祉施設整備基金とかあるいはまちづくり基金とか、一定の目的においての基金を積んでいます。それで、これについては、いろいろ財調基金とかそういったものの活用で、その年次において財政が判断していく。更新時においては、そのときの財源としての判断をしていくわけなので、トータル的に財源の裏づけを確保して、それで更新していくという考えであります。
近藤委員
ですから、私は総括でも質問したんですけれども、これは財調から来ているわけですよ。それで、ほかの区では環境に基金を積んでいる区もあるわけですよ。ですから、区民委員会が強い主張を持って、これを基金として風車事業の積み立てをしようということだってありだと思うんですよ。区民委員会がやりたいと言ってやったのか。私は、区長のマニフェストというところから区民委員会におりてきたのではないかという想像をしているわけですけれど。ですけれど、そうしたら環境という基金という方向性はどうかとか、区民委員会としてやっぱりこれを継続する事業にするにはどうしたらいいかということを方向性を考えて、すぐにどれだということはわかりませんけれど、考えて、この事業が継続するにはどうしたらいいかという話し合いがあっていいし、やっぱりそこまでこの事業に責任を持つべきだと思いますが、いかがですか。
大沼区民生活部長
今回のスキーム、枠組みというのは、売電したものを環境基金の中に組み入れて、それで太陽光とか中野区民全体の自然エネルギーの活用に寄与していくと、そこに発展していくという考え方であります。それの話と、本体の固定資産としての減価償却に伴う更新については、それについてはいろんな基金を積み立てているのでその中で対応していくというのが通常の考え方だと思っています。
近藤委員
では、いろいろな資金を積み立てているので、区民委員会からこれに対して減価償却でかなりかぶっていくということはないと安心していいということですか。
大沼区民生活部長
そのためにいろいろな財政の見直しとか仕事の見直しを図って健全な財政を図っていく、そうした中で適切な基金を積み立てて将来負担には備えていくという考え方で財政運営はしていくべきものと考えております。
近藤委員
ですから、そこら辺のところをやっぱり区民はとっても不安に思っているので、明確にどういった財政の計画があるのかということも並行して考えて、区民に説明できるものは説明していくという形をとらないと、やっぱりこれは箱物の行政で、それをこの区民委員会から出してしまうということにとっても懸念があるので、ちゃんと区民に説明をしていただきたいと思います。
大沼区民生活部長
区民への説明についてはきちんとやっていきたいと思っております。
委員長
よろしいでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、ここで休憩に入らせていただきたいと思います。
(午後3時11分)
委員長
再開します。
(午後3時11分)
それでは、3番、議会の委任に基づく専決処分についての報告を求めます。
齋木清掃事務所長
お手元の資料(資料4)により、専決処分に係る御報告をいたします。
本件は、昨年10月5日午前8時57分、大和町四丁目地内の可燃ごみを積み込み作業中、清掃車の圧縮板を稼働したところ、荷箱内の汚水が飛散し、居合わせたタクシー運転手にかかり、着用していた制服を汚損させた事案でございます。
賠償額は、休車損害3,000円と制服購入費1万1,078円、計1万4,078円でございます。区に全責任があることから、同額を損害額と認め、12月8日に示談が成立いたしました。
事故後の対応といたしまして、事故原因の究明と関係職員への注意を行うとともに、再発防止のため可燃ごみの収集作業手順の確認を行いました。御迷惑をおわび申し上げ、御報告といたします。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告は終了いたします。
次に、その他です。
その他の中で1点目、鷺宮地域センターの仮事務所の開設終了についての報告を求めます。
鳥井西地域担当課長
鷺宮地域センターの仮事務所の開設終了につきまして、口頭で御報告をさせていただきます。
鷺宮地域センターにつきましては、耐震補強等の工事を行いますため、昨年の12月22日以来鷺宮体育館の中で仮事務所を設けて業務してございましたけれども、今回工事が完了するということで、あす、3月14日をもちまして仮事務所を終了いたします。来週の3月17日(月曜日)から元の地域センターに戻りまして業務を再開する予定となりましたので、御報告申し上げます。
委員長
本報告に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告は終了いたします。
その他で理事者からございませんか。
服部区民生活部経営担当参事
それでは、先般の予算審査は既に終わってございますが、参考として2件ばかり資料の要求がございましたので、きょうお配りしてございます。
平成20年度当初予算・区民生活部におけます物件費の内訳(資料5)でございます。これは表組を変えてございますので、節別の部分、それを縦に主要項目として挙げてございます。御参考までにということで、よろしくお願い申し上げます。
それからもう1点が、同じく、20年度当初予算の区民生活部主要減額の事業一覧(資料6)、従前ですと、総当たりの減額の総数は1億4,200万円でございますが、その内訳を各事務事業別に、右のほうにありますように、主要減額項目、なお、括弧内は増額部分もございますけども、一覧でございます。これもお読み取りいただき、全体として事業執行の工夫等々をやらせていただきまして所要の金額の減を生んでございます。
委員長
本報告に対し質疑はありませんか。
岩永委員
ありがとうございます。1点だけ教えてください。
役務費です。その他役務費、施設管理、人材派遣等ということでありますが、これは具体的には、人材派遣などというのはどういうことでしょうか。
服部区民生活部経営担当参事
私のほうからまとめてお答え申し上げます。
主要項目のところに、その他役務費として施設管理の役務の提供に対する対価、それから人材派遣、これは清掃業務の作業に関するところの、そういったところで人材派遣として民間の作業員を雇っているところでございます。そういう内容でございます。
岩永委員
それは、委託とはまた別に清掃だけの人材派遣をここでは雇っている。ごめんなさい、それはどういうことですか。清掃というのは清掃事務所のですか。
齋木清掃事務所長
そうです。清掃事務所の作業です。
岩永委員
施設の清掃かと思ったので。
齋木清掃事務所長
ということで、作業員を最初から不補充分の人材を派遣でやって作業を完成させていると、こういう内容でございます。
委員長
他にございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告は終了いたします。
他に、理事者からありますでしょうか。
遠藤中部地域担当課長
去る2月4日に開催いたしました「21世紀は地域自治活動の時代」と題しました青山先生の講演会の概要を取りまとめましたので、それを資料としてお配りしておりますので、ごらんいただきたいと思います。(資料7)
委員長
本報告に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
続きまして、所管事務継続調査についてお諮りいたします。
お手元の資料(資料8)に記載された事項について、引き続き閉会中も審査を要するものと決することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
ご異議ありませんので、そのように決定いたします。
それでは、次回の委員会日程について協議しますので、委員会を休憩いたします。
(午後3時17分)
委員長
委員会を再開します。
(午後3時19分)
休憩中に御協議いただきましたとおり、次回の委員会は、5月7日(水曜日)午後1時から、当委員会室で開会することでご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
以上で本日予定した日程は終了いたしますが、各委員、理事者から何か発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で本日の区民委員会を散会します。
(午後3時20分)