1.令和8年(2026年)9月7日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 高 橋 ちあき 2番 山 内 あきひろ
3番 武 井 まさき 4番 日 野 たかし
5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた
7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か
9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい
11番 大 塚 けいじゅ 12番 いのつめ 正 太
13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な
15番 市 川 しんたろう 16番 加 藤 たくま
17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち
19番 白 井 ひでふみ 20番 立 石 り お
21番 小宮山 たかし 22番 内 野 大三郎
23番 広 川 まさのり 24番 い さ 哲 郎
25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り
27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆
29番 高 橋 かずちか 30番 大 内 しんご
31番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明
33番 南 かつひこ 34番 欠 員
35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子
37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ
39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子
41番 酒 井 たくや 42番 森 たかゆき
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 田 代 雅 規
企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求
防災危機管理担当部長 千 田 真 史 DX推進室長 中 谷 博
区民部長、窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 吉 沢 健 一
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克 久
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 滝 瀬 裕 之 健康福祉部長 杉 本 兼太郎
保 健 所 長 水 口 千 寿 環 境 部 長 石 井 大 輔
都市基盤部長 浅 川 靖 まちづくり推進部長 松 前 友香子
中野駅周辺まちづくり担当部長 小 幡 一 隆 企画部企画課長 神 谷 万 美
総務部総務課長 古 本 正 士
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 永 見 英 光 事 務 局 次 長 分 藤 憲
議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 田 村 優
書 記 森 園 悠 書 記 志 賀 優 一
書 記 村 松 紀 香 書 記 梅 田 絵里子
書 記 川 辺 翔 斗 書 記 竹 中 雅 人
書 記 堀 井 翔 平 書 記 稲 葉 悠 介
書 記 浅 見 航 輝 書 記 小 鮒 貴 仁
議事日程(令和8年(2026年)9月7日午後1時開議)
午後1時00分開会
○議長(森たかゆき) ただいまから令和8年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
2番山内あきひろ議員、22番内野大三郎議員にお願いをいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は、本日から10月16日までの40日間といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
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第63号議案 令和8年度中野区一般会計補正予算
○議長(森たかゆき) 日程第1、第63号議案、令和8年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長青山敬一郎登壇〕
○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第63号議案につきまして提案理由の説明をいたします。
第63号議案、令和8年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ1億9,012万4,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は、2,138億6,251万7,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。
まず総務費ですが、区有施設の樹木の緊急点検に係る経費766万6,000円を追加計上するものです。
次に、産業振興費ですが、中東情勢対応資金に係る経費の増額分1億8,245万8,000円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、繰入金1億9,012万4,000円を追加計上するものです。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(森たかゆき) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森たかゆき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、河合りな議員、伊藤正信議員、木村広一議員、いさ哲郎議員、内野大三郎議員、ひやま隆議員、高橋かずちか議員、甲田ゆり子議員、武田やよい議員、大沢ひろゆき議員、斉藤ゆり議員、山内あきひろ議員、平山英明議員、大塚けいじゅ議員、大内しんご議員、杉山司議員、武井まさき議員、いのつめ正太議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より、質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 河 合 り な
1 令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災について
(1)真夏の被災について
(2)安全な在宅避難について
(3)復興への道筋について
(4)避難所運営体制について
(5)ペット防災について
(6)その他
2 区の意思決定と計画行政について
3 自立するエリアマネジメントについて
4 障害児者の支援について
(1)医療的ケア児等及び重症心身障害者支援法について
(2)保育園・幼稚園について
(3)その他
5 地域での歩きたくなるまちづくりについて
6 その他
○議長(森たかゆき) 最初に、河合りな議員。
○14番(河合りな) 令和8年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。
冒頭、令和8年熊本地震及び千葉県、北陸地方の豪雨により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
相次ぐ自然災害を踏まえ、本区においても防災対策をさらに充実させ、地域の安全を守る取組をより一層強化していくことが求められます。
1、令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災について。
(1)真夏の被災について。
阪神・淡路大震災や東日本大震災、能登半島地震など、これまでの大規模災害は冬から春先に多く発生したため、従来の防災は寒さ対策に偏りがちでした。本区でも近年の猛暑を踏まえた夏の防災を進めてきましたが、本年7月の熊本地震では停電による避難行動の制限、避難所での体調悪化、酷暑下の復旧作業に伴う熱中症など、暑さに起因する新たな課題が浮き彫りとなりました。
避難所での暑さ対策を講じることは重要ですが、要介護者や障害者など福祉的支援の必要な方が集まる二次避難所での酷暑対策は、特に命に関わる最優先課題です。実際、同地震では二次避難所での熱中症による入院事例も発生しています。現在はエアコンの一時稼働が可能な大型ポータブル電源や拡張バッテリーなどの製品が充実しています。まずは二次避難所となる施設の電源状況を早期に確認し、大型ポータブル電源等の導入補助など、命を守る支援を検討してはいかがですか。また、酷暑下の復旧作業に備え、移動式クーリングシェルターや観光・路線バスなどをクーリングスポットとして活用した事例があります。さらに、江東区など水素で走る燃料電池バスを移動式電源車にする協定を結ぶ自治体もあります。本区でも電源やクーリングスポットの確保に向けたバスの利活用を検討し、関東バス株式会社との協定を見直してはいかがですか。
トイレ対策では、プッシュ型支援が広がり、一定の改善が見られました。加えて、環境省と内閣府は、し尿回収業者へトイレ清掃までを一体的に委託する旨を周知しています。従来、仮設トイレの清掃は自治体職員や避難者が担ってきましたが、猛暑下では雑菌の繁殖や悪臭も深刻化します。専門ノウハウを持つ業者への清掃委託は、避難者の負担軽減と衛生対策の強化に直結します。衛生管理の改善は不衛生なトイレを避けるための水分控えや排泄の我慢といった悪循環の解消にも有効です。本区でもトイレ清掃について、し尿回収業者との協定を見直してはいかがですか。
身体や健康に不安のある方々にとって、避難所におけるトイレ環境整備は極めて重要です。検討中の災害時トイレ計画では、単にバリアフリートイレと一くくりにするのではなく、ユニバーサルベッドやオストメイト対応など、多様な障害に応じたトイレを地域偏在なく配置する視点が不可欠です。その有効な解決策となり得るのがモバイルトイレです。車椅子が回転しやすい広さや手すり、ユニバーサルシートを備え、普通乗用車で牽引できる小型の移動式バリアフリートイレトレーラーです。道幅の狭い本区でも高い機動力を発揮し、平時は駐車場1台分のスペースで保管でき、区民イベントでも幅広く活用可能です。多様な障害に対応できるトイレの確保という視点を災害時トイレ計画へ盛り込むとともに、地域偏在への対策として、トイレトレーラーに加え、モバイルトイレの導入も検討してはいかがですか。
(2)安全な在宅避難について。
本区の推奨する在宅避難ですが、さきの熊本地震では避難所の電源不足などから在宅避難、車中泊、軒先避難が増加しました。余震による倒壊や外壁落下などの二次被害を防ぎ、安全な在宅避難につなげるには、速やかな応急危険度判定が不可欠です。大規模災害では広域的な被害が想定され、近隣区からの応援が期待できないため、区職員と登録ボランティアである応急危険度判定コーディネーターの役割が極めて重要となります。長野県松本市では、発災直後に市からの要請を待たず、危険度判定を開始できる協定を建築士会と締結しています。本区における応急危険度判定の現状と迅速化に向けた見解を伺います。併せて、迅速な判定の確立に向け、職員の判定スキル向上や体制整備、実働する職員同士の連携強化に取り組んではいかがですか。
また、水害後は約48時間でカビが急増するため、衛生面から早期復旧と罹災証明の迅速な発行が求められます。内閣府は本年6月、災害に係る住家の被害認定基準運用指針を改定し、水害における浸水深基準の明確化や適切な証明写真が残っていれば後から罹災証明が発行できる自己判定方式の適用範囲拡充などを示しました。これにより、被災者の実態に即した迅速かつ公平な支援が可能となり、さきの千葉県での豪雨災害でも効果を発揮しました。本区における罹災証明の発行に必要な人員体制の確保について伺います。また、水害被害に関する新基準や罹災証明書の発行を待たずに進められる復旧手順について、平時から区民への周知、丁寧な案内を進めてはいかがですか。
さらに、在宅避難者の増加に伴い、避難所へ物資だけを受け取りに行く「通い避難」が見られました。こうした避難者は避難所の収容者数に含まれず、「見えない被災者」と呼ばれました。自治体の備蓄物資は内閣府のガイドラインに基づき想定避難者数をもとに設定されているため、本区も同様に在宅避難者への物資が不足する可能性、懸念があります。これを防ぐには在宅避難者の状況の把握が不可欠です。他自治体では避難所で受付管理や在宅避難届のオンライン申請を準備する事例もあります。特に高齢者など要配慮者が在宅避難を選択した場合、重い物資を運べない問題が生じたと聞きました。要配慮者名簿を活用した安否確認・避難支援に加え、在宅避難を選択した場合の水や食料等の支援をどう継続していくのかは、大きな課題です。高知県では、「災害時は介護施設へ」など要配慮者の避難先を平時から個別指定し、その施設に専門物資の備蓄・配送計画を明確にしています。渋谷区では、公式LINEに被災者支援機能を組み込み、物資の民間連携を実施しています。今後、在宅避難者の把握を実施するのか、どのように把握していくのか、併せて要配慮者が在宅避難を選択した場合の支援の仕組みをどう構築するのか、区の見解を伺います。
発災直後から復旧・避難まで、必要とする情報が段階的に変化します。住宅被害や罹災証明書、災害救助法が適用された場合の住宅応急修理制度など、時期に応じた優先情報を分かりやすく届けることが重要です。同地震の被災自治体のウェブサイトでは、発災直後は緊急情報を最優先に掲載し、その後「被災された皆様へ」といった特設サイトへ移行するなど、多岐にわたる情報を時系列で整理し、発信していました。被災後の情報発信について、あらかじめタイムラインに沿って整理し、いざというときに迅速かつ的確に情報発信できる取組を研究してはいかがですか。
(3)復興への道筋について。
さきの熊本地震では、被災直後の初動対応が充実してきたと感じました。今後は発災直後から復興までを見据えた、さらなる取組が必要です。発災後の対応を充実させるためには、事前復興計画や職員のための中野区震災復興マニュアルなどを改定し、民間団体などとの協力体制を含めた対応フローやタイムラインを明確にする必要があります。他自治体では住民・事業者・行政が一体となった震災復興マニュアルの仕組みを構築している事例もあります。
本区でも多くの団体と災害協定を締結していますが、復興までの各段階で協定先がどう機能するのかをあらかじめ整理しておくことが有効です。例えば、中野土木防災協力会と中野区造園緑化業協会は、資機材や専門技術の提供など協定内容が近いものの、災害時の役割分担や連携体制が明確ではありません。本区でも協力事業者の災害時の役割をあらかじめ明確化し、協定内容が近い事業者同士が連携する防災の取組を検討してはいかがですか。併せて、中野区薬剤師会からも協定に基づく災害薬事コーディネーターの役割に不明確な部分があると伺っており、協定の詳細や役割の明確化を進めてはいかがですか。
また、発災から復興し、保育園や学校等が再開するまでの間、幼児・児童の避難生活が長期化することが想定されます。子どもが安心・安全に過ごせる居場所の確保については、会派としても、これまでその必要性を求め、確認してきました。熊本地震では八代市が被災した子どものための居場所を開設しました。地域住民に頼った避難所内の子どもスペース確保にとどまらず、区として主体的にできる具体策を検討すべきです。こども家庭庁では、災害時の子どもの居場所確保に向けて、平時から備えに関するハンドブックや研修資料、自治体が取り組むべき内容を示しています。被災後の児童館職員による避難所巡回や安全性が確認された児童館の早期開設などを検討し、復興期に至るまでの子どもの居場所確保を地域防災計画などに具体的に位置付けてはいかがですか。
(4)避難所運営体制について。
災害時、地域の活動拠点となるそれぞれの避難所では、各地域で避難所運営訓練が行われています。その避難所を取りまとめて支援をするのは区民活動センター単位であり、発災時には本庁勤務の区職員もそこへ参集することとなっています。会派の間議員の質疑を契機にプロジェクトチームが設置されたと聞いておりますが、具体的な訓練の実施状況や進捗が見えません。各避難所は、単身世帯やファミリー層の割合、水害リスクの有無など、地域特性が異なります。今後は、在宅避難者の動向なども踏まえ、避難所間の調整が求められます。また、本庁職員が実際に有事に参集可能かどうか、事前の確認も不可欠です。区内全体の防災体制に関わる課題であり、全庁を挙げて取り組むべきです。全庁職員が各区民活動センターに実際に集まり、参集職員を含めて顔を合わせる避難所運営訓練や現地確認を実施してはいかがですか。
(5)ペット防災について。
本区では避難所でのペット同行・同伴避難を進めてきましたが、ペット受入れスペースを設けるだけでは不十分です。熊本地震では同行避難が認められていても、避難所での理解不足やペットと離れて管理される不安から車中泊などを選ぶ飼い主が少なくなかったと聞きました。ペットを「家族」と大切にする飼い主を支える人道的な支援拡充も必要です。同地震では、熊本県獣医師会と熊本市が共同でペット救護本部を立ち上げ、被災ペットの体調不良やストレスに対応するペットの健康相談会や電話相談窓口を開設しました。避難所に身を寄せていない在宅避難者であっても、被災直後から相談先を確認できる仕組みです。本区でも、東京都獣医師会中野支部との協定を見直し、被災時におけるペット相談窓口の開設を検討してはいかがですか。
2、区の意思決定と計画行政について。
昨今、高校生の不登校対策など、基本計画などの長期計画に位置付けられていなかった政策の検討・決定が見られます。中東情勢対応資金など、迅速な緊急対応として区民に評価されているものもあり、機動的な政策決定の必要性は理解しております。一方で、より多角的な検討が必要と感じる事例も見受けられます。また、重点施策を議論する総合教育会議についても、本年7月にやや唐突に開催され、その背景や経緯を含め、より丁寧な説明が必要であったと考えます。本区の政策決定の在り方に変化が生じているように感じますが、区の政策決定と計画行政の在り方について、区政運営の原則としてはどのように考えているのか、改めて区の見解を伺います。併せて、基本計画に位置付けられていない取組を今後も実施していく想定があるのか伺います。
計画的な行政運営は、将来にわたる財政的、社会的な影響を幅広く検証することで、実効性の高い政策につながります。一方で、社会情勢の変化が早い現在、行政にも民間企業のような迅速な対応が求められる場面もあり、計画外の政策を機動的に実施せざるを得ない必要性も理解いたします。だからこそ、計画に位置付けられていない突発的な行政課題に対処する際にも、明確な根拠やエビデンスを示し、多角的な検討を重ねながら進めることが重要と考えますが、区の見解を伺います。
限られた財源の効率的な活用と持続可能で一貫した区政運営を通じて地域全体の最適解を目指すためにも、長期計画は極めて重要です。本区は現在、長期的な視点が必要となる中野駅新北口駅前エリアの再整備を抱える一方、AIなどデジタル技術の急速な発展、想定を上回る少子高齢化、価値観の多様化など、変化の激しい令和の時代に即した計画行政が求められます。基本構想・基本計画の在り方については、会派の森議員からも令和7年予算特別委員会にて総括質疑をいたしました。他自治体で基本構想や基本計画は理念を中心とし、具体的な事業は実施計画に位置付ける手法もあります。新宿区や大田区では複数年度の実施計画を基本としながら、毎年度の社会情勢や財政状況、事業の進捗等を踏まえて、柔軟にローリングをかけ見直しています。中長期的な視点で基本計画を着実に実施しながら、変化の激しい時代に柔軟に対応できるよう、基本構想・基本計画の体系など、計画行政の在り方を確立すべきです。基本計画に基づくPDCAサイクルを進める中で、中長期的な計画行政の在り方について研究・検討を進めてはいかがですか。
3、自立するエリアマネジメントについて。
2019年に中野駅周辺エリアマネジメント研究会が発足し、活動が続けられてきました。本年には中野駅周辺エリアプラットフォームが設立され、今後は事業推進主体として公益活動に取り組み、都市再生推進法人の指定を目指す予定とされています。都市再生推進法人化の成功には、公共空間を使って自ら収益を上げ、その利益をまちの維持管理や次の投資に回すという自立した仕組みが構築できるかが重要です。視察いたしました大阪・うめきたの一般社団法人グランフロント大阪TMOでは公道でのオープンカフェ等を展開、札幌駅前通まちづくり株式会社では公共空間の広告収入やレンタルスペース料などを自主財源とするなど、先進的な成功事例があります。事業推進主体が持続的に活動を展開するには、行政の補助や委託に依存せず、自らが収益を上げて地域へ再投資する経済循環をつくることが不可欠です。エリアの価値向上と収益創出を両立させる事業モデルをどのように描き、区として中野駅周辺でどのような収益事業を育て、自主財源を確保していくのか見解を伺います。
また、自立したエリアマネジメントには、公共空間の所有・管理者である自治体が、空間を積極的に活用させる発想を持つことが求められます。既存の条例や制度の中でできることだけを探すのではなく、事業推進主体からの新たな提案に対し、にぎわいの創出、地域課題の解決、収益の地域還元といった公益性を踏まえ、制度の柔軟な運用や新たなルールづくりまでを検討する姿勢が重要です。札幌市では地下道路空間の一部を条例で広場と位置付け、柔軟に活用できる空間を創出しています。例えば、カフェの収益を清掃活動等に還元するなど、公益的な目的を明確にすることで、禁止事項の解除や例外規定の適用につなげています。これは単なる規制緩和ではなく、公共空間の収益で行政だけでは担い切れないまちの維持管理を地域自身が支えるという発想です。こうした事例を収集し、今後の取組に備えるべきと考えます。区は単に許認可を行う立場にとどまらず、事業推進主体とともに地域の価値と収益を生み出し、必要な制度を共につくる伴走者の役割を担うべきです。民間の新たな提案に対し、既存の条例や制度の枠内で判断するのだけではなく、公益性や地域還元を踏まえた制度の柔軟な運用、特例の活用、新たなルールづくりまでを積極的に検討してはいかがですか。
本年12月の中野駅西改札の開設を皮切りに、中野駅周辺には西側南北通路や歩行者デッキ、桃園広場など、新たな公共空間が整備されます。こうした空間はイベント活用や広告・場所貸しなどにより、新たな自主財源を生み出す可能性があります。札幌市では指定管理団体が広告等の収益をまちづくりに活用しています。さらに広告のクオリティチェック等を担うことで、自治体の業務負担を軽減し、空間の価値向上と収益確保を両立しています。中野駅周辺の南北通路等は道路空間となるため、東京都屋外広告物条例の規制対象となります。しかし、同条例の第15条第1項第5号の知事の指定する歩行者専用道路等の特例を活用すれば、屋外広告等による収益化は可能です。実際に、新宿駅周辺地上デッキ、渋谷駅周辺の空中歩行者回廊デッキネットワーク、品川駅港南口の巨大ペデストリアンデッキなど、この特例を活用した実績があります。公共空間から得られる収益を単に区の歳入とするのではなく、事業推進主体の財源として還元し、清掃・美化、イベント、回遊性向上等に再投資する仕組みが必要と考えますが、区の見解を伺います。併せて、南北通路をはじめとする新たな公共空間における広告・場所貸し等による収益化の可能性を検討するとともに、その収益を事業推進主体に還元する仕組みづくりについても検討してはいかがですか。
4、障害児者の支援について。
(1)医療的ケア児等及び重症心身障害者支援法について。
本年7月に成立した改正医療的ケア児等及び重症心身障害者並びにそれらの家族に対する支援に関する法律により、今後は支援対象が大人になった当事者や重症心身障害児者まで拡大されます。いわゆる18歳の壁の打破や学校での付添い負担軽減、家族のレスパイトや相談窓口の充実、成人期の就労・住居支援など、さらなる支援の強化が必要です。障害福祉団体からも関連する要望が多く寄せられて、区長も障害福祉に力を入れていくと表明されていますが、地方自治体として早期に必要な支援体制を整備していく責務があります。当事者や家族のニーズを継続的に把握し、障害福祉・子育て・教育・保育・医療などの関係部署が連携して支援策を講じていくには、行政側の体制強化も不可欠です。2027年4月の法施行を見据え、区として検討体制を強化し、具体的な支援策につなげていく考えがあるのか、区の見解を伺います。
関連して、防災の項でも質問いたしましたが、障害のある方の外出を保障するユニバーサルトイレの設置は少しずつ進みつつあるものの、地域偏在が残り、まだ不足しています。引き続き、全区で取り組むべきです。特に中野駅南側エリアでは、なかのZEROなど障害のある方も利用する文化施設がある一方、ユニバーサルベッドが設置されていません。今年度の東京都予算における公共トイレの介助用ベッド設置促進事業では、地域の設置状況と最適な配置を踏まえることが要件となっています。区内のユニバーサルベッドの設置状況について、地域偏在を精査し、不足している地域へ優先的に配置していく考えがあるのか、区の見解を伺います。併せて、以前から会派として要望しているなかのZEROや改修予定の産業振興センターにおけるユニバーサルベッドの設置検討状況について伺います。
また、障害のある方の外出・社会参加を支える環境整備として、近年、カームダウンルームやカームダウンスペースの設置が広がっています。これは音や光、視線など、外部刺激を遮り、発達障害や感覚過敏のある方が心身を落ち着かせ、パニックを予防・回避するための空間です。区内では療育センターゆめなりあに設置され、登録制で活用されていますが、設置は区内南部1か所にとどまります。名古屋市では市民利用施設への設置を進め、港区や川崎市でも本庁舎に整備するなど、障害のある方が安心して公共施設を利用できる環境づくりが進んでいます。カームダウンルームやスペースについて障害のある方などが利用する公共施設への設置検討について、区の見解を伺います。まずは、本庁舎内にカームダウンスペースを整備してはいかがですか。
(2)保育園・幼稚園について。
障害のある未就学児が通える場の選択肢が少ないことは、大きな課題です。保護者の就労要件などにかかわらず、子どもを社会とのつながりの中で過ごさせたいと願う家庭は多いものの、各園の様々な現状と兼ね合いもあり、結果として地域に偏りがある区立幼稚園に利用が集中しています。保育所等を利用していない子どもを定期的に預けられるこども誰でも通園制度を充実させるなど、多様な手法を検討し、保護者の就労状況や利用理由を問わず、障害のある子どもの保育や集団生活を保障していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
こども誰でも通園制度は、保育園での一時保育事業と制度上の違いが分かりにくい状況です。近い仕組みでありながら、一時保育は有料、こども誰でも通園制度は保育料無償化の対象となります。私立保育園園長会からも、収益構造が分かりにくいこと、既存の一時保育との兼ね合いから両方の実施は難しいとの声が寄せられています。本制度の拡充は、先ほど申し上げた障害児を含め、家庭保育を選択している家庭の子どもに集団生活や多様な経験機会を確保するためにも重要であり、事業者の参入障壁を取り除く必要があります。分かりやすい収益例を示して、こども誰でも通園制度への参入を促すとともに、既に一時保育を実施している園の状況に応じ、どちらかの事業を展開するのかを選択できるようにしてはいかがですか。
また、既存の一時保育について、相変わらず予約が取れないとの要望が絶えません。ベビーシッター利用支援事業などを拡充しても需要が落ちないのは、現在の供給量が潜在的なニーズに応え切れていないと考えます。一時保育がどの地域で不足しているのか、本来の需要はどの程度なのか、従来の分析手法を見直し、真の需要量を見極めるべきです。併せて、こども誰でも通園制度と一時保育の課題を整理し、それぞれの利点を生かした事業の充実が必要です。例えば、多く要望を頂いている当日の突発的な一時預かりについては、本区ではいまだに実施されていません。適切な需要算出手法を確立し、ニーズに応じた一時保育の場の拡充と、これまで実現できていない予約なしでの当日一時保育の実現も検討してはいかがですか。
さらに、平和の森小学校跡地の複合施設には、区立野方保育園が移転する予定となっています。新施設は十分なスペースが見込まれるため、今後の区立保育園が担うべき役割や機能のモデルケースを示す絶好の機会です。将来の変化に対応できる柔軟な施設構造、医療的ケア児や障害児などの通いの場の保障、こども誰でも通園制度や一時保育など、未就園児の居場所に残された課題を解決できる施設を目指すべきです。新たに移転する野方保育園がこれからの区立保育園の先進的なモデル施設となるよう、行政需要に応じて柔軟に活用できる場として整備してはいかがですか。
5、地域での歩きたくなるまちづくりについて。
再開発などの大規模開発がない地域でも、地域の魅力を高め、歩きたくなるまちづくりを進める必要があり、会派としてこれまでも求めてまいりました。例えば、南台と弥生町の間を通る方南通りは、公共施設や公園も多く立地しています。南中野地域の交通結節点として歩行者の通行量も多く、都市計画道路としての拡張整備の方針も示され、歩きたくなるまちづくりを実現するポテンシャルが大いにあると考えます。このような地域においてこそ、道路、公共施設、公園をシームレスにつなぎ、歩きたくなるまちづくりを進めるべきです。現在策定中の歩きたくなるまちづくり構想に、今後新築・改修する公共施設にオープンスペースを設け、公共空間を活用して地域の回遊、滞在を生み出す考えを明記してはいかがですか。併せて、方南通りに面する栄町公園の再整備に当たっては、道路に対して開放的な構造とし、道路と公園の入り口が一体となる空間づくりを進めてはいかがですか。
新井地域には、平和の森公園、区立総合体育館に加え、新たな平和の森小学校跡地への中高生年代向けの拠点施設や男女共同参画センターなどを含む複合交流拠点の整備が計画されており、全区的な利用が見込まれています。しかし、区の南側地域からは中央線の線路を越えてアクセスすることが難しく、実質的に北側の施設になってしまう懸念があります。かねてより南側地域の方々から交通手段の確保を求める要望を頂いていますが、進展が見られません。区としてこの地域に全区対象の施設を整備するのであれば、南側地域からも出かけやすくなる交通政策の検討が不可欠です。複合施設に入る関係所管で連携し、どのような方がどのような手段で施設を利用するのか、不足している交通手段は何か、アクセスの保障を検討すべきです。区の見解を伺います。必要であれば、歩きたくなるまちづくりの中で検証されている中野駅周辺循環バスルートの選定において、早稲田通りを経由するなど、新施設へのアクセス向上策も検討してはいかがですか。
以上で、私の全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) 河合議員の御質問にお答えいたします。
私からはまず、区の意思決定と計画行政についての御質問です。
初めに、区の政策決定と計画行政の在り方についてです。基本構想で描くまちの姿の実現に向け、基本計画において区が取り組む基本的な方向性を政策・施策の体系として定めているところであります。区は、基本計画に掲げる政策・施策に基づき取組を実施していくとともに、その進捗や成果をPDCAサイクルによって検証し改善につなげていくことが区政運営の原則であると認識をしているところでございます。
次に、基本計画に位置付けられていない取組についてです。基本計画は区が取り組む政策・施策の基本的な方向性を示すものでありまして、区政運営に当たっては、その方向性に基づいて取組を進めていくことが基本であります。一方で、基本計画で掲げる取組以外にも、基本構想で描くまちの姿の実現に向け、社会経済や区民生活の状況などを踏まえ、政策・施策をより効果的に進めていくために必要な取組については実施していくことも必要であると考えております。
次に、エビデンスに基づく検討についてです。基本計画に位置付けられていない取組についても、基本計画に掲げる取組と同様に、その必要性や有効性、実施に当たっての課題などについて、根拠やエビデンスに基づき多角的かつ丁寧に検討し、その内容を示していくことが必要であると考えております。
次に、中長期的な計画行政の在り方についてです。区政運営に当たっては、基本構想及び基本計画に基づき、中長期的な視点で施策を推進するとともに、社会情勢や行政課題の変化を踏まえ、PDCAサイクルによる検証・改善を行いながら、計画の実効性を高めていくことが重要であると考えております。基本計画で方向性を示しつつ、状況に応じて的確に取組を検討・実施していくことができるよう、基本構想・基本計画を含めた計画行政の在り方について検討してまいります。
次に、自立するエリアマネジメントについての御質問で、初めに、事業推進主体の収益事業についてです。事業推進主体が継続的に活動を展開していくためには、収益事業による自律的な運営基盤の確立が重要であると考えております。現在、事業推進主体の収益事業につきましては、エリアの魅力や地域資源を活かした取組の方向性で検討が進められているところであります。区は関連法令等を踏まえ、他地区の事例を検証するなど、事業推進主体とともに収益事業の実現について検討してまいります。
次に、エリアマネジメントの区の関与についてです。エリアマネジメントにおきましては、事業推進主体による主体的な取組が重要であると考えておりますが、区として今後、関係者間の調整や情報提供を行うことなどによって、伴走者としての役割を担ってまいります。公共空間の活用などの新たな提案につきましては、公益性や地域への効果等を踏まえ、区としても関係機関と連携をしながら、社会実験としての実現可能性について検討してまいります。
次に、事業推進主体の再投資等についてです。事業推進主体が持続的にエリアマネジメント活動を行うためには、安定した収益の確保が重要であると考えておりまして、活動の一環として公共空間を管理している事例があることは承知しております。事業推進主体は、都市再生推進指定法人に指定された後に、関連法令による所定の手続を経ることによって公共空間の活用等による収益事業を実施することができます。区は、事業推進主体とともに、駅前広場などの公共空間の収益化や継続的なエリアマネジメント活動の仕組みの構築について、事例を参考にしながら引き続き検討してまいります。
次に、障害児者の支援についての御質問で、医療的ケア児支援法施行に向けた検討体制についてです。区は、医療的ケア児や重症心身障害者とその家族に対して、ライフステージを通じた切れ目のない支援が重要であると考えております。そのため、これまでも当事者やその家族の声を継続的に把握するとともに、中野区医療的ケア児等支援地域協議会を設置し、関係機関の連携を図りながら、在宅レスパイト・就労等支援サービス事業の拡充、相談支援体制の充実を図ってきたところであります。今後も当事者やその家族、関係機関等とのさらなる連携を図りながら、医療的ケア児等が地域において安心して生活を営むことができるよう、支援の在り方や必要な施策について検討を進めてまいります。
次に、ユニバーサルベッドの優先配置となかのZERO、産業振興センターの検討状況についてです。施設種別やスペース確保などの点から、各地域均一に配置を行うことは難しいと考えておりますが、地域ごとの設置状況を踏まえた配置の必要性については、区も重要であると認識しておりまして、配置の在り方について今後検討してまいります。なかのZEROにつきましては来年度、産業振興センターにつきましては今回の大規模改修を契機として、それぞれ配置をする方向で検討しております。
次に、カームダウンスペースの設置についてです。カームダウンスペースについては、施設の特性に応じて設置を検討すべきものと考えております。区本庁舎内のカームダウンスペースの整備につきましては、利用ニーズや施設面での課題を踏まえつつ、他自治体における整備事例も参考にしながら検討を進めます。
次に、こども誰でも通園制度の充実です。こども誰でも通園制度は、障害の有無にかかわらず、定期的・継続的に全ての子どもと家庭への支援を強化することを目的としております。今年度から本格的実施を開始しており、今後、施設数や受入枠の拡充を図っていく中で、障害のある子どもを安心して預けられる場所を増やしてまいります。
次に、こども誰でも通園制度と一時保育の比較です。それぞれの制度を実施した場合の収益については、事業者が選択する実施方式によって異なることから、一概に示すことが難しいと考えております。こども誰でも通園制度の実施事業者の公募に当たっては、実施方式やそれぞれの収支が想定できる資料を示すなど、丁寧に対応してまいります。既に一時保育を実施しております一部の園からは、こども誰でも通園制度への移行を検討したいとの相談を受けているところでありまして、一時保育の需給の状況等も踏まえながら対応してまいります。
次に、一時保育需要の把握等についてです。区全体の一時保育の需要につきましては、子ども・子育て支援事業計画において需要見込みと確保方策を定めております。一方で、一時保育の利用予約が取りづらい状況となっている地域、それから施設があることは認識しておりまして、今後は地域ごとの利用状況等に基づき、より精緻に需要を把握していくとともに、需要に応じた適切な定員の確保に努めてまいります。予約なしで当日でも一時保育を利用できるようにすることについては、当日利用のニーズの把握・分析から始めてまいります。
次に、野方保育園の整備です。野方保育園につきましては、これまで担ってきた機能・役割に加え、医療的ケア児の受入れも可能となるよう、必要な人的配置や専用の保育スペース、送迎用駐車場等も整備をしてまいります。また、複合交流拠点の特徴を活かして、他施設との連携や交流を図るとともに、地域の子育て支援の核となるような保育施設を目指してまいります。
次に、地域での歩きたくなるまちづくりについての御質問で、歩きたくなるまちづくり構想に示す公共空間活用の在り方についてです。歩きたくなるまちづくりは、道路・公園・公共施設などをつなぎながら、まちを巡り、心地よく過ごせる居場所を身近に増やしていくことが重要であると考えております。公共施設は区民にとって身近な公共空間であることから、検討中の歩きたくなるまちづくり構想では公共施設等の整備・改修等の機会を捉え、外構や敷地境界部において歩行空間のゆとりや滞留、休憩できる場所の確保など、道路と沿道空間が一体となったまちに開かれた空間づくりの方向性を盛り込む予定でございます。
次に、栄町公園の再整備についてです。栄町公園の再整備は、アンケート調査やワークショップ等における地域や子どもの意見を反映しながら、整備内容の具体化を図っております。現在、方南通り側は縁台やベンチ等が配置されたエントランス空間や交流休憩空間を確保するなど、歩きたくなるまちづくりを意識した開放的な公園となるよう設計を進めております。
次に、複合施設へのアクセスに係る検討についてです。平和の森小学校跡施設に計画している複合施設においては、特に配慮が必要となる医療的ケアや発達に課題のある子どもの通所に配慮した駐車場の配置を検討しております。一方、跡地前面の道路は北側からの一方通行でございます。中野駅からのアクセスについても一定の課題があると認識をしております。複合施設の検討に当たっては、利用者ごとの交通手段、周辺道路の状況や地理的状況を踏まえ、利用しやすい施設となるよう検討してまいります。
最後に、中野駅周辺における新たなモビリティの検討についてです。中野駅南口と北口をつなぐ動線の利便性や中野駅周辺エリア内の周遊性を高めることを目的に、中野駅周辺における新たなモビリティの取組を検討しております。現在、駅周辺まちづくりにおける駅前広場供用開始時期等を踏まえた停留可能な場所や時期の確認、交通管理者との意見交換等を進めております。ルート設定におきましては、様々な人が利用する施設へのアクセス性にも配慮しながら、様々な案を検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕
○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは、令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災についての御質問の幾つかについてお答えさせていただきます。
まず、真夏の被災についてのうち、二次避難所における命を守るための支援についてです。二次避難所は、避難場所の提供だけではなく、医療、福祉、生活支援に加え、心のケアなどを含めた包括的な支援を行う施設であり、特に要配慮者の生命と健康を守るためには、電源の確保が重要であると認識しております。このため、二次避難所となる施設の電源状況については、毎年実施している現況調査の中で確認をしております。非常用電源を備えていない施設につきましては、停電時に区からポータブル電源や冷房機器等を提供するなどの方策を検討してまいります。
次に、電源やクーリングスポットとしてのバス活用についてですが、災害時におけるバス利用等に関する協定では、区が協力を要請できる項目として臨時的な避難施設等としての活用があり、関東バスと電源やクーリングスポットとしての活用について協議をしているところです。
次に、災害時におけるトイレ環境の充実についてです。災害時のトイレ環境の確保は、被災者の健康維持や生活環境の改善に直結する極めて重要な課題であり、ユニバーサルトイレや多様な障害のある方が利用できるトイレの配置は重要であることから、今後のトイレ計画の策定において検討を進めてまいります。また、トイレトレーラーやモバイルトイレの導入についても、それぞれの特徴や課題を踏まえながら、併せて検討してまいります。
次に、安全な在宅避難のうち、在宅避難者及び要配慮者の在宅支援の仕組みについてです。在宅避難者の支援は、物資の支援を必要とする方が避難所で受付を行って受け取る仕組みとなっております。要配慮者を含めた在宅避難の把握については、自助による備えを基本としつつ、必要な支援を的確に行うために、デジタル技術の活用も視野に入れた仕組みを検討してまいります。
次に、災害対応段階に応じた効果的な情報発信についてです。災害時の情報提供は、人命の保護、被害の拡大防止、区民の不安軽減、デマや誤情報の拡散防止など、極めて重要な役割を担っているため、迅速かつ正確な情報を継続的に発信していくことが不可欠であると認識しております。このため、災害時には初動期をはじめ、応急対応期、復旧期、復興期といった各段階や被害状況に応じて、各時期に優先して提供すべき情報を的確に発信するとともに、区民に分かりやすく効果的な情報発信の在り方について引き続き研究してまいります。
次に、復興への道筋についてのうち、事業者合同による連携した取組についてです。協定締結事業者と区との役割分担や連絡体制、災害時等における具体的な協力内容について、平時から相互に確認し、明らかにしておくことが重要であると認識しております。既存の協定の運用状況や各事業者の意向を踏まえながら、事業者間の相互理解の促進や連携強化につながるための取組を検討し、総合防災訓練への参加の呼びかけなど、より実効性の高い協力体制の構築に努めてまいります。
次に、災害薬事コーディネーターの役割等の明確化についてです。薬剤師会から災害薬事コーディネーターの役割や位置付けが不明確であると聞いております。今後は薬剤師会と意見交換を重ねながら、災害医療コーディネーターと同様に、設置要綱を整備し、災害薬事コーディネーターの設置及び任命に関する手続等を明確にしてまいります。
次に、被災後の子どもの居場所確保についてです。避難所生活が長期化する場合、子どもたちが安心して過ごせる居場所の確保は非常に重要であると認識しております。被災状況や避難所の運営状況を踏まえ、児童館職員や地域団体による避難所巡回、児童館の早期再開など、復旧・復興期までを見据えた子どもの居場所確保について、地域防災計画や避難所運営マニュアルなどの位置付けも含めて検討してまいります。
最後に、被災時のペット相談窓口の開設についてです。災害時においては避難生活の長期化に伴い、ペットの健康管理や飼育環境に関する不安が生じることから、飼い主への適切な情報提供や相談対応は重要であると考えております。また、災害時のペット支援については、獣医師会と連携を図りながら、民間支援団体との連携強化にも取り組み、被災時における総合窓口の設置についても検討してまいります。
○環境部長(石井大輔) 私からは、令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災についての御質問のうち、し尿回収と清掃・衛生管理の一体的な取組についてお答えいたします。環境省は、令和8年熊本地震の発生を受けまして、包括的災害廃棄物対策プログラムを公表し、し尿回収業者の協力を得た仮設トイレ等の清掃管理の支援スキームを示しているところでございます。まずはそのスキームの詳細を把握するとともに、し尿収集に関する災害時の協定を締結している協会等に清掃業務を行うことが可能なのか確認してまいります。
〔都市基盤部長浅川靖登壇〕
○都市基盤部長(浅川靖) 私からは、令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災についての御質問のうち、まず、応急危険度判定についてお答えいたします。大規模地震発生時には、建築物等の被害状況を踏まえて、優先的に対応すべき区域を整理した上で応急危険度判定を実施いたします。東京都の防災ボランティアに登録している中野区在住の応急危険度判定員のみで対応が困難な場合には、東京都に派遣を要請し、判定活動を進めることとしております。今後も都との連携を密にし、応急危険度判定の迅速な実施に努めてまいります。
続きまして、応急危険度判定の迅速な実施に向けた取組についてでございます。応急危険度判定を迅速に実施するためには、建築職職員の判定能力の向上や職員間の連携強化が重要であると認識してございます。今後さらに、判定に必要な知識の共有や対応手順の確認等を通して職員の対応力向上や連携強化を図り、災害時に円滑な判定活動が行われるよう体制の強化に努めてまいります。
○地域支えあい推進部長(滝瀬裕之) 私からは、令和8年熊本地震と千葉豪雨を踏まえた防災についての御質問のうち、罹災証明書の発行体制と丁寧な周知についてお答え申し上げます。罹災証明書の発行に当たりましては、区民活動センターが住家の被害認定調査を行い、地域活動推進課が結果の登録や発行事務を行いますが、必要に応じて他のセンターなどから応援する体制を整えております。被害認定につきましては、引き続き国の運用指示に基づき、適切に対応してまいります。また、早期復旧についても、被災後の片づけや復旧に着手する前に被害状況を写真で記録しておくことなど、必要な事項を平時から分かりやすく周知してまいります。
続きまして、避難所支援についてでございます。避難所における支援活動を円滑に行うためには、区民活動センターに参集する職員を含む関係職員が平時から顔を合わせ、役割や行動手順、避難所内の動線を確認することが重要でございます。区では現在、避難支援班の動きや必要物品、要支援者の安否確認、避難支援の手順などのマニュアルを見直しております。また、避難所の受入人数を把握するシステムやロゴフォームなどを活用し、要支援者の安否情報を収集・共有する方法を検討してございます。今年度内に関係職員が参集し、現地確認、役割分担、必要物品及び情報共有の手順を確認する試行訓練を行いまして、その結果を要支援者支援マニュアルの改訂に反映する予定でございます。
○議長(森たかゆき) 以上で河合りな議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊 藤 正 信
1 今後の財政運営について
2 災害対策について
3 幼児教育について
4 歩きたくなるまちづくりについて
5 その他
○議長(森たかゆき) 次に、伊藤正信議員。
○31番(伊藤正信) 令和8年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問を行います。
さきに発生した令和8年熊本地震並びに8月に発生した千葉豪雨、また北陸地方や各地で発生している大雨により被害に遭われた、犠牲になられた方々へ御冥福をお祈り申し上げます。また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。そして、ネパールで発生した大規模な洪水・土石流で多くの犠牲者が出て、日本人5人を含む、いまだ5,000人近い方が行方不明となっております。心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
今後の財政運営について、伺います。
先般報告があった令和7年度各会計決算状況(速報値)を見ると、一般会計の歳入総額は約2,070億円、歳出総額は約2,010億円であります。金利上昇局面の中で、老朽化した施設更新やまちづくりを進める中においては、将来負担の拡大が大きな懸念事項であると考えております。今後の新規起債にあたっては、慎重に判断するべきであると考えます。近年、一般財源は増加傾向にありますが、歳入の増加分については新規起債の抑制等に積極的に活用する必要があると考えますが、区の見解を伺います。
今後、区債の償還における金利の上昇リスクへの対応は、自治体の財政運営にとって非常に重要な課題であると考えます。建設費の大幅な高騰が施設更新に支障をきたすことになっています。区は施設更新に当たる基金積立てについては、施設整備費の上昇分や取壊し費用などを加味し、目標額の増額見直しを行うことにしています。建設経費のさらなる高騰が生じた場合、積立目標額をさらに増額しなければならない状況となることも想定されますが、区の見解をお伺いいたします。
新規事業の経費は既存事業のスクラップ・アンド・ビルドで生み出すこととしていますが、事業見直しの実績が上がっているようには思えず、今までの見直しは財政効果の面で乏しかったと思います。明らかな将来負担増への対応策は、事業見直しによる経常経費の節減を進めるしかなく、不退転の決意で臨むべきであると考えます。財政効果を中心にした考え、事業見直しを進めるために、来年度予算に向けてどのような取組が行われているのかお伺いをいたします。
一般会計の繰越明許費翌年度繰越額を見ると、23件で総額34億円余りと、令和6年度の7件で17億余りから大幅に増加しています。事業が計画どおりに進んでいないことを示していると思いますが、この大きな要素としては何があったのかお伺いをいたします。
新たな整備計画を作成して施設の更新年度を先送りし、財政負担の軽減を図ろうとしていますが、将来世代の負担を拡大させるものになっています。改めて将来の予測を練り直して、堅実な財政フレームに組み直して財政運営を進めることを要望して、この項の質問を終わります。
次に、災害対策についてお伺いをいたします。
直近災害の教訓を中野区の防災にどう反映するかについて伺います。
先ほども冒頭で申し上げましたとおり、7月28日に発生した令和8年熊本地震では、マグニチュード7.1、最大震度7を観測し、熊本県熊本地方では長周期地震動階級4も観測されました。発災後は多数の建築物について応急危険度判定が行われ、避難生活が長期化する中で、車中泊避難者への健康支援、福祉施設等への介護職員の派遣など、発生直後だけではなく、その後の生活を支える体制も課題となりました。また、8月の千葉豪雨では、河川や道路の浸水だけではなく、下水道施設の排水能力の低下、停電による集合住宅のトイレ使用不能、受水槽ポンプの故障による給水停止、さらには鉄道等の交通障害に伴う多数の帰宅困難者への対応など、都市部で起こり得る複合的な課題が現実のものとなりました。
こうした課題は中野区にとって決して他人事ではありません。現在の地域防災計画や個別の対策が本当に機能するのか、直近災害を材料として検証する必要があると考えます。区は令和8年熊本地震及び千葉豪雨で明らかになった課題について、どのように情報収集・検証を行っているのでしょうか。また、その教訓を地域防災計画や今後の防災施策、訓練内容に具体的に反映していく考えをお伺いいたします。
次に、災害時のトイレと在宅避難者支援について伺います。
災害時には、水や食料と同じように、トイレの確保が発災直後から大きな問題になります。千葉豪雨では、停電により集合住宅のトイレそのものが使用できない事態も起きました。中野区は、自宅の安全が確保できる場合には、在宅避難を選択肢として示しています。在宅避難を推奨するのであれば、避難所に来ない区民も含めて、トイレ、水、食料、情報をどう確保し届けるかまで設計されていかなければなりません。区は、避難所避難者だけでなく在宅避難者を含めて便袋を備蓄していると聞いていますが、携帯トイレ、マンホールトイレ、仮設トイレといった各種災害用トイレに加え、千葉豪雨で実際に活用されたトイレカーについても機動的な応援・受援の観点から導入する考えはないのでしょうか。伺います。
区では、備蓄がなくなった在宅避難者は、避難所で在宅避難者名簿に登録し、食料などを受ける仕組みとしています。しかし、発災時に高齢者や障害者、乳幼児のいる家庭などが、避難所まで出向けるとは限りません。在宅避難者の状況や支援ニーズを把握し、必要な物資や情報を届ける仕組みを強化すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、避難生活の長期化と要配慮者への支援について伺います。
熊本地震では、発生から1か月が経過した時点でも車中泊避難者への健康相談が続けられ、福祉施設などでは介護職員などの応援派遣が行われています。災害対応は避難所を開設した時点で終わるものではありません。むしろ、1週間、2週間と避難生活が長引いたときに、行政の支援力が問われます。特に真夏の災害では、停電が発生すれば避難所の暑さ対策が重大な問題となります。高齢者・障害者・要介護者・乳幼児・妊産婦などへの支援、福祉避難所の運営人材、衛生・入浴、プライバシーの確保まで含めて検証する必要があります。区の避難所運営は、発災後1週間、2週間、さらに長期化した場合まで想定し、電源・空調・衛生・要配慮者支援などの体制を検討していると聞いていますが、福祉避難所や要配慮者支援について、施設だけを指定していても、実際に運営する介護・福祉人材が不足すれば、機能しません。熊本地震で介護職員などの応援派遣が必要となった事例も踏まえ、中野区として災害時の福祉人材の応援受援体制をあらかじめ整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
次に、豪雨・内水氾濫について伺います。
千葉豪雨では、下水道施設の排水能力が低下し、一部地域で下水道の使用自粛が求められました。都市型水害では、河川氾濫だけではなく、短時間に下水道の処理能力を超える雨が降ることで、道路冠水や内水氾濫が発生します。中野区では、神田川や妙正寺川の水害対策が重要であることは言うまでもありません。一方で、地下駐車場・地下店舗・地下室・駅施設・低地道路などでは、河川が越水する前でも内水によって被害を受ける可能性があります。今後は川の水位だけでなく、まちの中でどこから水があふれているのかを捉える必要があります。短時間の記録的豪雨が区内に発生した場合、河川氾濫とは別に、ハザードマップや浸水実績などを踏まえ、内水氾濫が生じやすいエリアなどを巡回すると聞いていますが、雨量、河川水位に加え、道路冠水などについてもリアルタイムに把握し、通行規制や避難情報へ迅速につなげる仕組みについて、冠水センサーや監視カメラなどの追加整備を含め、さらなる強化を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
また、水害時には区民活動センターが避難所として指定されていますが、一部の施設は浸水想定区域内に位置しています。区はこうした施設を避難所として指定している理由をどのように考えているのか、また、水害時における避難者の安全確保にどのように対応する考えなのか、区の見解を伺います。
地域防災計画は、想定を書き並べるだけでは意味がありません。実際に他地域で起きた災害を中野区に置き換え、今の備えで本当に対応できるのか一つずつ確認し、不足しているものを平時のうちに埋めていくことが重要です。直近災害の教訓を踏まえ、区として課題を整理し計画に反映することを要望して、この項の質問を終わります。
次に、幼児教育について伺います。
各私立幼稚園は、保護者の負担軽減並びに預かり保育などの子育て支援事業の拡充、さらに地域の子育て家庭への就園前親子支援事業にも取り組み、また子ども同士の育ち合いとともに、保護者同士のお互いの育ち合いにも尽力され、地域社会づくりに大きく貢献されていることは高く評価するものであります。
現在、私立幼稚園では、教職員の処遇改善の必要があり、保育料の増額も考えなくてはなりません。そのような声を聞いております。また、幼稚園の施設環境資金にもなる入園料は、区内の平均で約10万3,000円となっています。令和7年度から入園料補助金が6万円となっていますが、幼児教育の無償化のためにも、より一層の負担軽減策が必要です。こうした状況を鑑み、区として私立幼稚園等保護者向けの補助金について、さらなる拡充を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。伺います。
急速な少子化や人材不足が進む中、私立幼稚園では教育環境の改善を図りつつ、教職員の処遇改善と人員の確保が急務とされています。物価高騰の時代、教職員の処遇改善を各園で懸命に行っていると聞いています。保育園や認定こども園にはある処遇改善加算や宿舎借上げ支援制度は、幼稚園教諭にはありません。幼稚園にも保育園と同様の処遇を求められるべきと考えます。足立区や葛飾区では、私立幼稚園教諭等に保育園等と同等の家賃補助制度があると聞いております。区として幼稚園教諭等への家賃補助制度を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
区は、私立幼稚園に対して教職員研修費、行事費、災害共済給付掛金などを補助する教育環境整備補助金、物価高騰対策補助金などを交付しています。物価高騰対策補助金については、保育園と幼稚園とで子ども1人当たりの単価設定に差があり、幼稚園のほうが低くなっています。これを平等にするとともに、教育環境整備補助金の一層の充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
現在、私立幼稚園は17園あり、定数に対して5割を切る充足率で、大変厳しい状況にあります。各園は幼児の幸福を願い、幼児教育の公共性・普遍性・永続性を追求するとともに、各園の発展と幼児教育の充実のために努めています。区長はこれからの区内における幼児教育をどのように考えているのか伺います。
次に、歩きたくなるまちづくりについて伺います。
現在、区では歩きたくなるまちづくりの実現に向けた取組が進められています。ベンチの設置や公共空間活用の社会実験、関係団体への区民との意見交換なども行われていると伺っています。こうした取組は、まちのにぎわいや地域コミュニティの活性化につながるだけではなく、健康増進や外出機会の創出、誰もが安心して過ごせる環境づくりという観点から、重要な施策であると考えます。そこで、ベンチの設置や公共空間の活用など、現在どのような内容の社会実験に取り組んでいるのか、また、その利用状況や滞在の変化、回遊性への効果などについて、区としてどのような成果や課題を把握しているのか伺います。併せて、利用者などからはどのような意見が寄せられているのか、また、こうした声を今後の施策にどのように生かしていくのかお伺いいたします。
社会実験で得られた成果や課題を踏まえ、今後、公共空間の活用や道路・公園の整備、暑熱対策や休憩空間の確保、地域主体の活動との連携などについて、どのような視点で歩きたくなるまちづくりを進めていくのか伺います。
また、現在は中野駅周辺地区を中心に取組が進められておりますが、歩きたくなるまちづくりの考え方は区内全域に広げていくべきものであると考えます。来年度以降を見据え、中野駅周辺で得られた成果や知見をどのように区内各地域へ横展開し、区全体の魅力向上につなげていくのか、併せて、地域によっては区境を越えた人の移動や回遊も見られることから、近隣自治体との情報共有などに関する考え方についても伺って、私の全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えします。
私からは、初めに幼児教育についての御質問で、今後の幼児教育についての私の考えです。幼稚園で行っている幼児教育は、生きる力の基盤となる資質や能力を形成する大事なものであると考えております。我々としては、各家庭のライフスタイルや保護者の幼児教育への考え方に合わせて、多様な教育・保育環境の選択肢が確保されるように努めてまいります。
次に、歩きたくなるまちづくりについての御質問でございます。
初めに、歩きたくなるまちづくりの社会実験についてで、今年度は歩きたくなるまちづくりの社会実験として、ベンチや日よけなどを設置し、その利用状況等を確認する取組を進めております。現在は中野四季の森公園前に設置しておりまして、今後は中野駅北口広場などでも実施する予定であります。実験を開始して間もないため、現時点で成果や課題を評価する段階にはございませんが、ベンチを利用して休憩や会話をする姿が見受けられるなど、一定の利用が確認されております。また、アンケートでは利用しやすいベンチがあったほうがよいなどの意見が寄せられております。
次に、歩きたくなるまちづくりの今後の展開についてでございます。歩きたくなるまちづくりは、道路・公園、公共施設をつなぎ、まちをめぐり、心地よく過ごせる居場所を身近に増やすとともに、そのようなまちを地域とともに育てていくことが重要であると考えております。検討中の歩きたくなるまちづくり構想では、こうした視点も基本的な方針として示していく予定であります。また、社会実験等で得られた成果や課題を今後の取組に活かしながら、他地域への展開を進めていく考えであります。必要に応じて近隣自治体とも情報共有を図ってまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 私からは、今後の財政運営についての御質問にお答えをいたします。
初めに、増加した一般財源の活用についてでございます。一般財源の大半を占める特別区税及び特別区交付金につきましては、景気状況に大きく影響を受けることから、今後の伸びについては慎重に見込む必要があると考えております。一方で、物価高騰対策をはじめとした迅速に対応すべき行政課題もあるものの、監査委員から「将来の地方債残高をコントロールする視点を持って、起債発行等について慎重に検討する必要がある」との意見も頂いており、起債の抑制につきましては総合的に検討してまいります。
次に、基金の積立目標額についてでございます。区有施設の改築等の財源となる施設整備基金等につきましては、減価償却累計額相当額の25%を年度末の目標残高としております。この目標額には物価高騰分を反映させることとしており、今後の施設更新経費高騰分も追加で積立てを行うこととしているものでございます。
次に、令和9年度予算編成に向けた事業見直しについてでございます。令和8年度事業見直し方針では、新規・拡充事業を検討するに当たっては、関連する既存事業との見直しについて必ず検討することとしております。また、効果を検証して継続を判断する事業として終期を設定した事業につきましても、これまでの成果を評価・検証し、見直しに向けた検討を進めております。見直し方針に基づき見直された事業につきましては、令和9年度当初予算の概要等で公表する予定でございます。
最後に、令和7年度繰越明許費についてでございます。令和7年度はシステム標準化への対応が当初の計画より遅れたものが9件あったことや、年度内に終了しなかったまちづくり事業があったことなどから、繰越明許費の件数が前年度よりも増となっております。前年度予算を繰り越した事業につきましては、区民への影響が最小となるよう計画的に事業を進めてまいります。
〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕
○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは、災害対策に関する御質問の幾つかについてお答えさせていただきます。
まず、熊本地震及び千葉豪雨への対応についてですが、令和8年熊本地震及び千葉豪雨については、国や関係機関等による検証が進められている段階であると認識しております。区では、同様の災害が発生した場合を想定し、現在の災害対応体制や防災対策に照らして確認を行っております。
次に、トイレカーの導入についてですが、トイレカーは上下水道が使用できない地域に機動的に投入することができることに加え、快適性に優れているといった利点があると認識しております。導入に当たっては、運用体制や求められる機能の整理などが必要であることから、災害時のトイレ需要や災害用トイレの配備状況とコストを踏まえて、有効性について検討してまいります。
次に、在宅避難者への支援についてです。在宅避難者の支援は、物資の支援を必要とする方が避難所で受付を行って受け取る仕組みになっております。要配慮者を含めた在宅避難の把握については、自助による備えを基本としつつ、必要な支援を適切に行うためにデジタル技術の活用も視野に入れた仕組みについて検討してまいります。
次に、災害時の福祉人材の体制についてです。福祉避難所は区職員や施設職員が対応することとしておりますが、災害時に必要な人材が不足するケースも想定する必要があると認識しております。平時から施設職員と災害時における福祉人材の応援体制の仕組みや受入手順、連絡体制等について情報共有を図るとともに、今後、策定予定である受援計画においても要配慮者への支援体制の検討を行ってまいります。
最後に、一時避難所の開設と避難者の安全確保についてです。水害時の一時避難所は、避難指示等の避難情報が発令されていない状況でも自発的に避難する方を受け入れるために、区民にとって身近な区民活動センターを指定し、必要に応じて開設しております。水害時における避難者の安全確保については、気象情報や河川情報を基に早期避難を働きかけ、避難所への移動動線に危険がある場合は浸水の影響を受けない上層階への移動を促すなど、避難者の安全確保を最優先に対応してまいります。
〔都市基盤部長浅川靖登壇〕
○都市基盤部長(浅川靖) 私からは、災害対策についての御質問のうち、冠水センサーの設置等についてお答えいたします。冠水センサーについては、他自治体において導入事例があることは認識してございます。今後、冠水センサーを含む新たな技術の動向や他自治体の取組状況を注視するとともに、導入効果や運用面なども踏まえながら、活用の可能性について研究してまいります。道路冠水時の対応については、迅速な情報共有と適切な初動対応が図られるよう、関係部署との連携及び対応手順の整理に努めてまいります。
○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、幼児教育についての御質問のうち、初めに私立幼稚園等保護者向け補助金の拡充についてでございます。私立幼稚園等保護者向け補助金につきましては、保護者の経済的負担軽減のため、これまでも制度の拡充に取り組んできたところでございます。本年10月から施設等利用給付交付金の上限額の引上げに伴い、施設等利用費を含む補助金額も上がることから、保護者の負担が軽減されます。今後も私立幼稚園の保護者への必要な支援について検討してまいります。
次に、幼稚園教諭等への家賃補助制度の導入についてでございます。これまでも都へ私立幼稚園への宿舎借上げ補助についての要望を行ってきているところでございます。今後とも都への継続した要望を行っていきますとともに、区でもどのような支援ができるかについて考えてまいります。
最後に、物価高騰対策及び教育環境整備補助金についてでございます。保育園や幼稚園への物価高騰対策補助金につきましては、光熱費と食材費を対象としているところでございます。園児一人当たりの単価につきましては、保育園は都から示されており、幼稚園は保育園との光熱費の実績による割合に基づいて算出しているため、保育園児と幼稚園児の単価を同一にすることは難しいところでございます。教育環境整備補助金につきましては、今年度増額したところではございますが、今後の社会経済情勢や園からの要望などを踏まえ、引き続き必要な検討を行ってまいります。
○議長(森たかゆき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 木 村 広 一
1 震災対策について
2 水害対策について
3 若者・単身者支援について
4 アニメ政策について
5 病児保育について
6 食品ロス・食支援について
7 地域の見守りについて
8 その他
○議長(森たかゆき) 次に、木村広一議員。
○5番(木村広一) 令和8年第3回定例会におきまして、公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他で暑さ対策についてお伺いいたします。
初めに、令和8年熊本地震、令和8年8月千葉豪雨をはじめ、各地で相次いだ大雨・台風により犠牲となられた方々に慎んで哀悼の意を表します。また、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、救援や復旧・復興に尽力されている皆様に深く敬意を表します。被災地の一日も早い復旧・復興と、皆様が平穏な日常を取り戻されることを心よりお祈り申し上げます。
初めに、震災対策についてお伺いいたします。
8月10日から12日まで我が会派の白井議員と熊本地震で被害が大きかった宇城市、八代市、氷川町の災害ボランティア活動に参加いたしました。酷暑の中で、災害廃棄物の撤去が主な作業となりました。住宅や道路が大きく損壊し、復旧作業が続く現状を目の当たりにしました。被災された方々の声に耳を傾け、必要な支援を継続することとともに、平時から地域で防災に取り組む重要性を改めて認識をしました。これらの経験を踏まえて質問をいたします。
大規模災害では、区の職員だけで対応することができず、外部からの応援をどれだけ早く、必要な業務へつなげるかが重要です。区は受援計画を来年度策定とのことですが、完成前の発災にも備える必要があります。今年度取りまとめられる骨子の段階から、避難所運営、住家被害認定、罹災証明、災害廃棄物など、受援が必要となる業務を整理するとともに、応援要請、受入れ、配置、指揮命令などについて、現時点で具体化できる部分は前倒しして整理し、計画完成前に発災した場合でも活用できるものとしてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、在宅避難を支える長期断水対策です。
熊本の被災地で感じたのが、断水が被災者の生活継続に与える影響の大きさです。建物に大きな被害がなくても、水道や下水道、宅内配管が使えなければ、トイレや食事、衛生環境の維持が難しく、自宅での生活を続けることが困難になります。中野区でも避難所への集中を防ぎ、在宅避難を継続できる環境を確保するためには、給水だけでなく、生活用水、トイレ、宅内配管まで一体で備える必要があります。水を取りに行けない要配慮者への給水、協定井戸等を活用した生活用水の確保、断水・下水道停止時のトイレ対策、宅内配管が被災した世帯を修繕事業者につなぐ仕組みまで含め、在宅避難を継続するために必要な課題を洗い出し、長期断水対策として整理してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、災害廃棄物です。災害廃棄物の処理能力が、復旧や生活再建を進める上でボトルネックになることを実感しました。搬出したごみを受け入れ、処理する体制が追いつかなければ、その先の復旧作業も止まってしまいます。発災直後には大量のごみが一斉に発生する一方で、限られた人員、車両、仮置場、処理能力の中で、道路啓開や生活再建に直結する廃棄物から優先して処理していく必要があります。また、主に災害ボランティアの対象となりますが、自力で片づけることが困難な方への支援も課題です。国や東京都の方針を踏まえ、廃棄物の種類、緊急性、生活再建の影響等に応じて、何を優先して収集・搬出するかを発災直後から現場で使える具体的な判断基準や対応手順として整理してはいかがでしょうか。自力で片づけが困難な高齢者や障害者等に対しては、ごみ収集だけを切り離すのではなく、福祉部門、中野区社会福祉協議会、なかの災害ボランティアセンターが把握した生活支援ニーズを、片づけや廃棄物の搬出支援につなげる仕組みを具体化してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、災害ボランティアの受入れです。熊本での活動を通じ、人手が集まっても、被災者ニーズの把握と案件化が遅れれば支援につながらないことを実感しました。中野区でも発災前から運用を検証しておく必要があります。中野区社会福祉協議会と連携し、在宅被災者からの支援依頼について、受付からボランティア派遣までの具体的な運用手順を整理してはいかがでしょうか。全ての案件について現地確認を行うのではなく、写真や動画等を添付できるオンラインフォームなどを活用し、現地確認が必要な案件と画像等による確認で派遣判断が可能な案件を振り分ける基準をあらかじめ設けることで、安全性を確保しながら案件対応を迅速化する仕組みを検討すべきと考えます。災害ボランティアに関する訓練等において、こうした仕組みを想定し、被災者からのニーズ受付、案件判定、マッチング、ボランティア派遣までのシミュレーションを課題検証してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、感震ブレーカーです。中野区の地震被害想定では、火災による死者が大きな割合を占めています。地震火災を防ぐためには、感震ブレーカーを配布するだけではなく、実際に設置され、必要な世帯に確実に届くことが重要です。特に、自力での設置が難しい高齢者等への支援を一段進める必要があります。配布した感震ブレーカーについて設置状況や事業効果を検証するとともに、東京都の補助制度を活用し、自力での設置が難しい高齢者等を対象として、分電盤型の感震ブレーカーの取付け工事まで一体的に支援するモデル事業を小規模からでも実施してはいかがでしょうか。東京都の新たな地震被害想定や地域危険度測定調査の結果を踏まえ、対象地域についても検証し、必要に応じて対象地域を拡大してはいかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、水害対策についてお伺いいたします。
まず、道路冠水への対策についてです。今回の千葉豪雨では下水道などの排水能力を超える激しい雨によって道路冠水が短時間に進み、車両の立ち往生や水没が発生しました。この教訓を踏まえれば、冠水が発生してから対応するのではなく、異変を早期に把握し、人や車両を危険箇所へ入れない対策が重要です。杉並区では、阿佐ヶ谷駅南口などに5基冠水センサーを設置し、道路冠水の遠隔監視に活用しています。中野区も、浸水実績や地形を踏まえて重点箇所を絞り、冠水センサーを試験的に設置すべきではないでしょうか。センサーによる感知から警告表示、庁内の情報共有、警察や道路管理者による通行規制までの連絡・対応手順を平時から具体化すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、河川サイレンについてです。サイレンは危険を知らせる設備ですが、区民が意味や取るべき行動を知らなければ避難につながりません。平時から現地で行動を確認できる周知が必要です。橋や河川への侵入箇所などに「サイレンが鳴ったら河川に近づかない」と明示した看板を設置し、安全な場所から河川状況を確認できる河川監視カメラや水位情報への二次元コードを掲載すべきではないでしょうか。サイレンの発生時や危険な状態が続いている間は、区公式LINE、防災情報メール等で注意喚起すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
次に、ハザードマップについてです。本年7月に改訂されましたが、東京都がその前の今年の3月に公表した雨水出水浸水想定区域図は反映されていません。最新の内水氾濫情報や道路冠水の危険箇所情報を含めた更新と危険地域へ確実に届ける方法の両方が重要です。その改訂に併せて浸水予想区域への各戸配布を実施すべきです。一律配布が難しい場合には、浸水深が大きい区域、家屋倒壊等氾濫想定区域、過去に浸水被害が発生した地域など、危険性の高い地域から優先して配布すべきと考えますが、お伺いいたします。
次に、水害時に優先して支援する要支援者の把握です。個別避難計画は作成されていますが、浸水リスクの高い方を迅速に抽出できなければ、水害時の優先支援につなげにくい課題があります。要支援者名簿の住所情報と浸水想定区域のデータを照合し、水害リスクのある要支援者を抽出できる仕組みを整えるべきではないでしょうか。今年度に新規作成・更新する方だけでなく、既存の計画作成者にも最新のハザードマップ、マイ・タイムラインを届けるべきではないでしょうか。お伺いいたします。
個別避難計画作成者のうち、支援者が確保されている方は1万2,142人、74.9%です。その83.3%は親族であり、支援者の居住状況も、区外の都内が22.5%、都外等が9.7%となっています。支援者に法的義務はなく、自身や家族の安全確保が優先されるため、豪雨時に必ず駆けつけられるとは限りません。地域で新たな支援者を確保することが難しい状況を踏まえ、個別避難計画の作成・更新時に、支援者が豪雨時に到着できるかを確認すべきではないでしょうか。到着が難しい場合には、本人の身体状況や住居の状況に応じて、雨が激しくなる前の早期避難、上階への移動、緊急時の連絡先、支援要請先などの代替行動を計画に明記すべきです。支援の必要性が高い方について、本人や家族が避難経路と危険箇所を確認し、計画の更新に反映する取組を進めるべきと考えますが、お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、若者・単身者支援についてお伺いいたします。
中野区が初めて実施した若者実態調査は、若者の孤立や生活上の困難、支援ニーズを施策につなげるための重要な調査です。最終的な調査結果は、令和9年3月に公表する予定ですが、令和9年度施策に迅速に生かす視点が必要です。本年の子ども文教委員会において、令和9年度に予定されている若者フリースペース事業の更新や当初予算に調査結果を生かすためには、最終公表を待つのではなく、早い段階で分析し、施策に反映する必要があると指摘させていただきました。速報値等を他の部署とも共有し、対応が必要と認められる課題については、令和9年度予算に反映すべきと考えます。若者相談や若者フリースペースをはじめとする事業について、調査結果をどのように生かしていくのか、お伺いいたします。
一方、若者期に抱えた孤立や不安定な就労、経済的な困難は、40歳になったからといって解消するものではありません。若者実態調査の対象は39歳までですが、区は既存調査の分析を足がかりとして、40代、50代を含む単独世帯の実態を把握し、年代別の課題を整理していくとしています。そこで、30代の分析を活用し、ライフコースの連続性という視点から課題を把握すべきと考えます。子ども教育部、地域支えあい推進部など関連する部署が結果を共有し、年代によって相談や支援が途切れない仕組みを検討すべきではないでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、アニメ政策についてお伺いいたします。
中野区には多くのアニメ関連企業が集積をしております。この強みを産業振興やシティプロモーションにとどめず、区民、とりわけ子どもや若者の体験に還元することが重要です。まず、成果の捉え方についてお伺いいたします。今後、「アニメのまち中野」を区民に実感してもらうためには、こうした指標に加え、アニメ関連事業が区民に届き、区民の体験や参加につながっているのかという区民への還元の視点を持つことが重要ではないでしょうか。事業ごとの特性を踏まえながら、区民への還元度合いを把握できる成果の捉え方について、今後、検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、体験機会の地域展開です。アニメ文化を身近に感じてもらうには、特定会場への参加だけではなく、児童館や中高生の居場所など、日常的に利用する施設へ届ける発想が必要です。身近な地域でアニメに触れ、体験できる機会をさらに広げていく考えについてお伺いいたします。体験を一度限りで終わらせないことも重要です。興味を持った子どもが次の創作に挑戦し、その成果を発表できれば、地域資源としてのアニメの価値はさらに区民へ還元されます。アニメ関連事業を活用しながら、体験する、つくる、発表する、次の創作へつなげるという継続的な循環をつくり、単発の体験から継続的な創作・発表へ展開させてはいかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、病児保育についてお伺いいたします。
子どもの発熱は前日には予測できず、保護者は朝になって利用先を探すことがあります。区内4施設では、条件が整えば当日利用できる場合がありますが、その情報と手段が分かりやすく届くことが必要です。当日でも利用できる場合があることを区ホームページの分かりやすい場所に明記するとともに、事前登録、空き状況の確認と仮予約、医療機関の受診と医師連絡票の取得、施設利用までの流れや受付時間を図などを用いて分かりやすく案内すべきです。また、区公式LINEの子育てメニューから病児・病後児保育の案内ページや4施設の空き状況を掲載するページへ直接アクセスできる導線も設けるべきと考えます。発熱時に保護者が利用可能な施設と手順を確認できる情報提供についてお伺いいたします。
また、施設によって予約方法が異なり、子どもを看病しながら複数施設へ確認することは大きな負担です。東京都の補助制度がある今、利便性向上と潜在需要の把握を進める好機です。東京都の補助制度を活用し、病児・病後児保育4施設の空き状況の確認、仮予約、予約取消し、キャンセル待ちを一つの画面で行える共通のオンライン予約システムを令和9年度中に導入すべきです。導入に当たっては、空きが生じた際の通知機能を設けるとともに、区公式LINEの子育てメニューから予約システムへアクセスできる導線を整備すべきです。施設別・日別の申込件数、当日利用、キャンセル、満員等によって利用できなかった件数を把握し、予約方法や定員、受入れ体制の改善に活用すべきと考えます。共通予約システムの導入に向けた区の考えとスケジュールをお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、食品ロス・食支援についてお伺いいたします。
区のフードドライブ回収量と提供人数は減少しています。一方、家庭ではまだ食べられる食品が廃棄されています。寄付の意思を実際の行動につなげるには、日常生活の動線上に持込み先を増やすことが重要です。フードドライブの常設受付場所は限られています。スーパーやコンビニなど区民が日常的に利用する店舗や地域施設等に協力を働きかけ、家庭から未利用食品を持ち込める常設のフードドライブ拠点を区内各地域に広げてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、常設型フードパントリーです。我が会派は、これまでフードドライブの活用や生活に困難を抱える子育て世帯への継続的な食支援を要望してきました。このたびの開設を高く評価しています。年間を通じた食支援の拠点ができる意義は大きい一方、まず子育て世帯から始める事業を利用実績やニーズを検証しながら、今後の対象や拠点の在り方につなげることが重要です。開設後は登録世帯数、利用状況、食品提供量、食品寄付の状況などを継続的に検証し、生活援護部門や中野区社会福祉協議会等とも連携し、子育て世帯以外への対象拡大について検討してはいかがでしょうか。さらに、利用規模が想定を上回る場合や対象を拡大する場合には、1拠点だけでは受入れ能力に限界があります。食品の安定的な確保と併せて、2か所目を含む区内複数拠点への展開について検討していくべきと考えますが、お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、地域の見守りについて、ランニングを活用した「ながら見守り」について伺います。
私自身、日頃から区内を走る中で、早朝や夜間にも多くの区民がランニングやウォーキングをしていることを実感しています。こうした方々が、普段の運動の中で地域に目を配ることは防犯や子どもの見守りにつながり、区民の健康づくりと地域の安心を同時に進める取組にもなります。現在、中野区にはランニング等による見守り活動の登録実績がなく、既存の支援制度も原則10人以上の団体を対象としているため、個人や少人数のランナーは区の支援を受けにくい状況です。区は自主的な団体が立ち上がるのを待つだけではなく、防災危機管理課とスポーツ振興課が連携し、中野ランニングフェスタ等を通じた呼びかけ、個人や少人数での登録、警察による安全講習、反射材等の提供や保険などを組み合わせた「中野パトラン」のモデル実施に向け検討を始めてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
最後に、その他で暑さ対策についてお伺いいたします。
猛暑が常態化する中で、身近な公共施設で確実に水分補給できる環境は、熱中症予防の基盤です。区有のクーリングシェルターについて、ウォーターサーバーをはじめとする給水設備の設置状況や各施設所管の導入意向を把握し、令和9年度の東京都の3分の2補助を活用して、必要な施設の給水環境を充実させるべきと考えますが、お伺いいたします。
次に、公園の暑熱対策です。公園は、子どもから高齢者まで利用する一方、日陰が少なく高温となる場所もあります。限られた財源の中でも、必要性の高い公園から優先して整備する視点が必要です。猛暑が常態化することを考えれば、公園整備においても遊具や樹木を配置するだけでなく、夏でも利用できる公園という視点を重視する必要があります。区として、子どもや高齢者の利用が多い公園や日陰の少ない公園など、暑さ対策の必要性が高い公園を把握し、令和9年度に向けて東京都の3分の2補助を活用した日よけやミスト等の整備を検討すべきと考えますが、お伺いし、私の全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) 木村議員の御質問にお答えいたします。
初めに、震災対策についての御質問で、優先的に受援が必要となる業務の整理についてです。受援計画につきましては、今年度中に基本的な骨子を取りまとめ、次年度にかけて応援職員の受入手順や役割分担の明確化など、実際の運用を見据えながら計画の策定を進めております。受援計画の実効性を確保するためには、職員災害応急対策活動マニュアルの策定と併せて検討を進めていくこととしておりますが、受援が必要となる業務につきましては、骨子の段階から優先的に整理をし、計画の策定中に災害が起こった場合でも、検討成果を災害対策に活用できるよう取り組んでまいります。
次に、在宅避難継続のための長期断水対策についてです。大規模地震等による長期断水時においても住み慣れた自宅での生活を継続できる環境を整えることが重要で、要配慮者への対応も含め、在宅避難を支える取組は、関係機関等と連携しながら総合的に推進していく必要があると考えております。今後もインフラ施設の被害想定をしっかり見据えながら、在宅避難の継続に必要な対策の充実を図ってまいります。
次に、災害廃棄物の優先処理です。災害時には通常生活で家庭から排出される生活ごみに加えて、倒壊した建物等からの災害廃棄物の処理や避難所ごみの処理が必要となります。初動期には公衆衛生の観点から腐敗性の高いごみを優先処理し、その後は災害状況を踏まえて処理方針を決定し、順次実施をすることとしております。風水害では比較的早い段階で家具などの片付けごみの排出が始まるため、早期の状況把握や体制整備が必要でございます。また、地震災害では膨大な量の廃棄物が発生するため、輸送路や集積所の確保が必要となります。こうした災害状況に応じたシミュレーションや事例研究などを行い、対応力の強化を図ってまいります。
次に、自力で片付けが困難な方への支援の仕組みづくりについてです。災害時に自力で片付けや搬出を行うことが困難な高齢者や障害者等を支援するためには、そうした方々の生活状況や支援ニーズを的確に把握し、必要な支援につながる視点が重要でございます。今後、災害時において区や関係団体等が把握した支援ニーズを共有し、家財等の片付けが搬出支援につながるための連携の在り方について検討してまいります。
次に、ボランティア受付及び迅速な支援体制の構築についてです。大規模災害時において在宅被災者からの支援依頼に適切に対応するためには、区と中野区社会福祉協議会が連携し、受付から災害ボランティアの派遣までの流れを整理しておくことが重要であります。今後、写真等を添付できるオンラインフォームの活用を含め、効果的な受付方法を検討するとともに、訓練を通じて一連の対応を検証し、実効性のある支援体制の構築を図ってまいります。
次に、感震ブレーカーの設置支援についてです。区では昨年度に区民自らが取り付ける簡易型の感震ブレーカーを木造住宅密集地域等の約1万6,000世帯に配布をしたところであります。一方で、高齢者等の中には自ら取り付けることが難しい方もいるということで、東京都の補助制度を活用した設置工事を含めた支援について検討を行います。また、東京都が公表する各種調査結果も踏まえながら、地域危険度に応じた対策について検討を進めてまいります。
次に、水害対策についての御質問で、冠水センサーの設置です。冠水センサーについては、他自治体において導入事例があることは認識しております。今後、冠水センサーを含む新たな技術の動向や他自治体の取組状況を注視するとともに、導入効果や運用面なども踏まえながら活用の可能性について研究してまいります。道路冠水時の対応につきましては、迅速な情報共有と適切な初動対応が図られるよう、関係部署との連携及び対応手段のさらなる具体化に努めてまいります。
次に、河川サイレンに関する周知についてです。河川の警戒水位到達時に鳴るサイレンにつきましては、その意味や取るべき行動を区民に分かりやすく周知するとともに、サイレンが鳴った際には河川に近づかないことを徹底することが重要であります。今後も区民の適切な避難行動につながるよう、河川付近への看板の設置等を検討してまいります。
次に、ハザードマップの改訂についてです。東京都下水道局が公表した雨水出水浸水想定区域図は、内水氾濫のみを対象として作成されたものでありまして、現行ハザードマップに反映している内水氾濫による浸水想定と共通する部分がある一方、河川氾濫による浸水は考慮されていないということから、その取扱いについて整理が必要であると考えております。今後の改訂に当たっては、当該区域図の取扱いも含め、他自治体の事例等も参考にしながら、区民への周知の在り方について検討するとともに、浸水リスクの高い地域への情報提供の充実を図ります。
次に、水害時に優先して支援する要支援者の把握についてです。現行システムでは個別避難計画作成者のうち、浸水想定区域内に居住する方の人数は把握できませんが、計画作成時に居住地域のハザードマップを配付し、水害リスクの確認を促しております。計画作成者の居住地と浸水想定区域との照合は、水害リスクのある要支援者の把握や円滑な避難支援のため重要であるということで、東京都の浸水想定区域のデータ活用も含め検討してまいります。また、令和8年7月のハザードマップ改訂を踏まえ、今年度は個別避難計画の新規作成者及び更新者に対し、改訂内容を反映したマイ・タイムラインなどを配付する予定であります。既存の計画作成者に対しても、区ホームページ等を活用した周知を行うとともに、より効果的な情報提供の在り方について検討してまいります。
次に、支援者が来られない場合を想定した避難計画についてです。個別避難計画の作成に当たって、支援者に対しては避難支援に関する法的義務がないことを説明し、要支援者と支援者が避難場所や経路、支援方法などを事前に確認し計画を作成していただくこととしております。また、計画作成者にはハザードマップの簡易版を配付し、立ち退き避難や上階への垂直避難など、状況に応じた避難方法について周知を図っております。支援者の到着が難しい場合の対応や避難経路等における危険箇所を個別避難計画に反映することにつきましては、他自治体の取組事例も参考にしながら今後検討してまいります。
次に、若者・単身者支援についての御質問で、若者実態調査結果の活用についてです。この調査では区内の若者が抱える課題の状況や相談先の有無、区の若者施策の認知度、若者の居場所に求める機能、効果的な広報手法などを把握するところとしております。調査結果につきましては、速報値を含め全庁で共有をし、今後の若者施策の改善・充実に活かしていく考えでございます。特に若者相談における支援内容や若者フリースペースの運営内容などについては、速報値を踏まえた検討を行って令和9年度予算編成にもつなげてまいります。
次に、年代によって支援が途切れない仕組みについてです。単独世帯への支援に当たりましては、年代ごとの課題を捉えるとともに、年代の変化に伴って課題がどのように継続し、または変化するかという視点を持つことが重要であると考えております。このため、既存調査の分析に加え、若者実態調査における30代の生活実態や課題についても分析し、その後の年代における課題との関連性を把握してまいります。また、分析結果などについては、関係所管と共有し、孤独・孤立の予防や早期支援につなげるとともに、年代の違いによって相談や支援が途切れることのないよう、連携や支援の在り方の検討にも生かしてまいります。
続きまして、アニメ政策についての御質問で、区民還元の成果指標についてです。アニメ関連事業では、集客の成果だけでなく、どの年代や地域の区民に事業が届き、アニメに触れ、参加や創作の機会につながったか、また、アニメ文化や地域への関心がどう高まったかなど、区民への還元の視点から成果を捉えることも重要であると認識をしております。今後は各事業の目的や対象などの特性を踏まえ、参加者の年代や居住地域、参加後の意識の変化、継続参加の状況などを把握し、区民への広がりや還元の成果を図る指標を検討してまいります。こうした取組を通じて、事業効果を多面的に検証してまいります。
次に、身近な地域でのアニメ制作等の体験の充実についてです。アニメは自ら描き、演じ、創作することを通じて子どもの創造性や表現力を育む文化コンテンツであると認識をしております。また、家庭環境や居住地域にかかわらず、より多くの子どもが身近な場所でアニメ制作等を体験できる環境を整えることが子育て先進区の観点からも重要であると考えております。今後はアニメ関連企業や関係団体、地域施設などと連携し、作画やアフレコを体験できるワークショップのモデル実施を含め、身近な地域でアニメ制作をはじめとする体験機会の充実を検討してまいります。
最後に、創作・発表を次の活動につなげる取組です。子どもや若者が制作した作品を発表し、多くの人に見てもらうことは、創作への意欲を高め、次の活動につながる重要な機会であると考えております。また、体験から創作、発表へとつながる循環を生み出すことが、アニメ文化の裾野を広げ、将来の担い手を育てる上でも意義があると考えております。今後は、「つながるアニメラボ」の卒業生が引き続き活動に関われる仕組みを検討するとともに、区のイベントや公式媒体などを活用し、子どもや若者が継続して創作に取り組み、その成果を発表できる機会を広げてまいります。
○子ども家庭支援担当部長(森克久) 私からは、病児保育についての御質問で、まず、病児保育の案内についてにお答えをいたします。病児保育につきましては、当日であっても施設に空きがあれば利用可能となっております。また、施設の空き状況につきましては、区のホームページで公表し、毎日更新をしているところでございます。今後は病児保育を当日でも利用可能であることや、施設の空き状況、利用手続等を区民に対しより分かりやすく案内していくことにつきまして、区ホームページだけでなく、区公式LINEの機能を活用することも含め検討をしてまいります。
続きまして、病児・病後児保育施設の予約システムについてでございます。病児・病後児保育施設の利用予約につきましては、一部の施設を除き電話での手続となっておりまして、区民の利便性の向上を図るため、予約システムを導入したいと考えております。今後、必要な機能や導入スケジュールにつきまして検討を進めてまいります。
続きまして、食品ロス・食支援についての御質問のうち、常設型フードパントリーの利用対象拡大についてでございます。このたび計画をしております常設型フードパントリーにつきましては、生活に困窮している方の中でも、子どもの健康や成長の面から、より食の支援の必要性が高い子育て世帯を利用対象として始めることとしたものでございます。今後の利用対象拡大につきましては、フードパントリーや食品配布等その他の食の支援の利用状況等を分析し、区民のどういった層に対しどのような支援が必要なのか把握した上で検討していくことが必要と考えております。
最後に、フードパントリーの事業展開についてでございます。常設型フードパントリーは区内のどの地域からでも一定程度アクセスしやすい中野駅近くに開設をすることとしております。まずは、寄付食品により支援を行う本事業への賛同を広げ、安定した支援を行っていくことが重要と考えているところでございまして、開設後の事業展開につきましては利用状況等を踏まえ検討していく考えでございます。
○環境部長(石井大輔) 私からは、食品ロス・食支援についての御質問のうち、フードドライブの受付拠点の拡大についてお答えいたします。昨年度のフードドライブ事業では184人から約408キログラムの回収実績がございましたが、減少傾向にあることから、運営方法の見直しが必要であると考えております。これまでの回収状況の分析などを行い、受付拠点の配置も含め事業運営の在り方について検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕
○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは、地域の見守りについての御質問にお答えさせていただきます。
ランニングやウォーキングなどを通じた見守り活動は、日常生活の中で無理なく地域に目を配ることができる「ながら見守り」の一つとして、防犯や子どもの見守り等に寄与するものであると考えております。今後、先行して実施している自治体の事例を研究しながら、個人や少人数でも参加しやすい見守り活動の登録・支援制度について検討してまいります。
〔保健所長水口千寿登壇〕
○保健所長(水口千寿) 私からは、その他の御質問のうち、区有施設に設置するクーリングシェルターの充実についてです。クーリングシェルターは区民の熱中症による健康被害を防止するために、気候変動適応法に基づき設置する、利用者に広く開放した冷房施設などの要件を満たす施設です。今後、区有施設のクーリングシェルターについて給水設備の設置状況を調査し、補助制度を活用したウォーターサーバーの設置など、給水環境の充実について検討してまいります。
〔都市基盤部長浅川靖登壇〕
○都市基盤部長(浅川靖) 私からは、その他の御質問のうち、公園の暑熱対策における都補助金の活用についてお答えをいたします。公園の整備につきましては、公園ごとに日よけ施設等を必要に応じて設置してございますが、今後整備する公園においても適切に日よけ施設等の設置について検討してまいります。また、令和9年度に実施する公園の暑熱対策においては、東京都の補助制度の活用条件を確認した上で、最大限活用してまいります。
○議長(森たかゆき) 以上で木村広一議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時07分休憩
午後3時25分開議
○議長(森たかゆき) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 い さ 哲 郎
1 避難所について
2 住宅政策について
3 中野四丁目西地区の再開発について
4 公契約条例について
5 包括的性教育について
6 男性の孤独・孤立支援について
7 差別をゆるさない取り組みについて
8 その他
○議長(森たかゆき) いさ哲郎議員。
○24番(いさ哲郎) 2026年中野区議会第3回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。
冒頭に熊本市の震災、千葉県や福井県など全国で発生した豪雨災害でお亡くなりになられた方々に御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
最初に、避難所について伺います。
7月28日、熊本では10年ぶりの震度7の地震が発生し、9月3日までに死者38名、負傷者366名、住宅被害6万3,878棟と大きな被害となりました。この震災で開設された避難所の様子が報道されると、10年前とほとんど変わっていない避難所のありように多くの方から疑問の声が上がりました。災害の避難所についてはスフィア基準があります。区議会でも多くの同僚議員とともにスフィア基準に基づいた対応を求めてきたところです。現在、区は中野区内の避難所について、スフィア基準に近づけるべく、どのような物資の配備を検討してきたでしょうか。本年第1回定例会で避難所について質疑した際に、避難所の衛生環境を良好に保つために、避難所に簡易シャワーを設置することを求めました。区の答弁は、体を清拭するためのボディシートの配備と浴場組合と協定を結んで被災者の入浴を支援するというものでした。熊本の震災では広範囲に断水が発生しています。こうした事態を想定し、何らかの簡易シャワー設置について改めて検討すべきと考えます。この点についてお答えください。
外部からの水を必要とせず、施設内で水を循環させるタイプの災害時シャワー製品もあります。事業者の協力の下、水循環タイプのシャワーについても実証実験をすることができるのではないかと思っています。この点、要望もしておきます。
熊本地震ではまたもやデマが発生しました。今回はネットを中心に拡大する排外主義のデマです。災害時にデマや不正確な情報が出回ることは、平時よりも大きな問題です。私が昨年訪れた能登半島地震の避難所にはディスプレイが設置され、行政から発信する情報が繰り返し映し出されていました。視覚的な情報が必要な方のために、こうした情報ディスプレイのようなものを避難所に設置し、物資の支援場所や災害の状況などを知らせる仕組みについて検討するのはいかがでしょうか。
避難所では、残念なことに女性に対する性暴力事件などが発生することがあります。このことから、この地震においても被災された皆さんに対して熊本市が注意喚起をしていました。しかし、この内容は被害に遭う女性の側に対して、肌を露出し過ぎない、一人で行動しない、目立たない服装をするなどと呼びかけられたことで、大きな批判が起きました。性暴力を防ぐ対策は、女性に自衛を求めるのではなく、避難所を運営する各地の防災会の手で具体策が取れるよう、区として支援すべきと考えます。この支援の中で特に検討を要望したいのが、被災者の中にアクティブ・バイスタンダーをつくるということです。アクティブ・バイスタンダーとは、ハラスメントや暴力などの不適切な場面を目撃した際、傍観者にとどまらず、安全に配慮しながら積極的に介入や支援を行う第三者のことです。避難所で性暴力が発生するということそのものを共有し、見守りと未然防止の協力を依頼できる体制をつくり、避難所の開設運営に当たって対応ができるよう、避難所開設訓練でもメニューに入れる、これはぜひ検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。また、区で検討している対策などあれば、併せてそれもお答えください。
次に、住宅政策について伺います。
この間、会派として「住まいは人権」を掲げて、住宅問題に取り組んできました。家賃が上昇する中、子育て世帯や高齢者、困窮者にとっては住みにくいまちになっているということは、区とも認識を共有できているものと思っています。今年3月の閣議決定により、最低居住面積水準が国の計画から削除されました。これは、特に都心部で家賃が急騰する中、狭小であっても駅に至近な住宅が人気になってきたことから、ニーズの変化、ライフスタイルの変化に合わせたものであると説明されています。しかし、この狭小住宅の需要は、家賃上昇、物価高騰、上がらない手取りなど、今般の社会情勢がつくり出したものです。ライフスタイルの変化が起きているのは事実かもしれませんが、住まいの質を捨てて狭小な駅至近の住宅に住まうというのは、選んでいるというより選ばされている、選ばざるを得ないということではないでしょうか。最低居住面積水準は、数字の積み上げです。例えば独居の場合の最低居住面積は25平米ですが、この25平米の根拠について御説明ください。また、その面積基準は何のためにあるのでしょうか。これも併せてお答えください。
狭小な住宅の供給が拡大していることについて、ひとときのニーズの変化、ライフスタイルの変化に合わせて最低水準をなくすという国の方針は理解できません。本来は最低居住面積水準を維持し、狭小ではない住宅供給へと政策的に誘導すべきだったと考えます。最低居住面積水準の根拠は、日本国憲法第25条です。区は憲法を根拠とする最低居住面積水準を維持すべきです。伺います。
家賃が高い、住めないという課題の解決の具体的な手段として、家賃補助制度を実施することもこの間、会派で求めてきました。第1回定例会では質疑に対し、「住まいに係る負担軽減や定住促進に資する取組について、引き続き他自治体の先行事例を参考に検討していく」と答弁しています。この家賃補助制度の現在の検討についてはどうなっているでしょうか。伺います。
家賃補助制度以外の支援策についても伺います。
他自治体の事例を見ていくと、文京区と豊島区には似た制度がありました。民間賃貸住宅にお住まいの方が建て替えのために立ち退きを求められたり、住んでいられなくなった際の移転費用を助成する制度です。対象は、文京区が高齢者、障害者、ひとり親世帯、豊島区が高齢者世帯、障害者世帯、18歳未満の子どもを養育している方及び低所得者の方となっています。中野駅を中心に再開発が進む中野区でも、民間賃貸住宅の建て替えにより転宅を余儀なくされる事案が増えています。この制度の検討は中野区でも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、中野四丁目西地区の再開発について伺います。
この間の所管委員会において、中野四丁目西地区の市街地再開発事業計画の合意についての報告がありました。しかし、その合意の根拠は、法的な裏支えのない任意のアンケートによるものであったことも分かりました。この地区の再開発手法は組合施行であり、アンケートは地権者に対して行われたものです。再開発に賛成か反対か以外に、第三の選択肢として、再開発の検討を進めること自体は反対ではないというものが用意されていたことが地権者側の情報から分かりました。今反対している地権者の中にも、条件次第では賛成という方もいます。この三つ目の選択肢を選んだ方が18%いましたが、これが賛成のほうに加算され、賛成の53%と合わせて71%賛成という数字が出来上がった。ここまでは明らかになっています。しかし、現時点で明確に賛成しているのは、あくまで賛成と回答した53%です。このようなアンケートの集計をもって住民合意を得たとは言えないと思いますが、区の認識を伺います。
この地区においては、2020年に地権者が準備組合を相手取り裁判を起こしています。準備組合加入率を水増しし、合意があるような前提で都市計画決定を申請しようとしていたというのが主訴です。この裁判は2023年に地権者側敗訴となりました。しかし、その後この地区の合意が進んだのかというと、本年に至るまでこの地区について議会には何の報告もなく、何も動いていなかったと認識しています。また、この裁判に当たって、それまで準備組合に加入していた地権者数名がここから抜け、2020年の準備組合は加入率50%でした。現状は、25名いる準備組合員のうち、2名が反対であることが分かっていますので、今現在の準備組合員組織率は実質58.9%、少し増えはしたものの、この6年間の間に住民の合意が進んだとは判断できないと思います。準備組合は任意団体で、再開発の主体となるためには本組合を設立しなければいけません。この本組合設立に必要なのは、地権者3分の2の合意です。大抵の場合、それは準備組合3分の2と同じ意味です。住民合意は本来ここを基礎としなければいけないのではないでしょうか。伺います。
区の報告資料では、今年度末に都市計画決定をするとしています。これまでこの地区での合意が停滞している中、急いでいるようにも見えます。国土交通省は再開発における補助金の対象を来年度以降に絞っていくことを示しており、同時に、今年度末までに事業着手しているものについて、従前の例によることができるという補足をしています。つまり、来年度以降では補助金交付の条件が厳しくなる、今年度中に着手すれば、今までどおりの基準で補助金を出すということです。今年度中にどうしても都市計画決定をしたい意図がここにあるのではないでしょうか。区はこのことを否定していますが、それならば年度末の都市計画決定にこだわらず、合意を図ることに力を注ぐべきです。都市計画決定以後は、都市計画法などの法的な手続に入るということになり、この先で都市計画事業を取りやめることは原則的にはありません。都市計画決定をもって補助金が出るというのは、そういう意味です。現状のように何年も住民合意もままならない、市街地再開発の事業主体である本組合設立もめどが立たないという状況で、都市計画決定をすべきではありません。スケジュールを先に決めるのではなく、時間をかけて住民合意の努力を真摯に行うべきです。この点の区の認識を伺います。
次に、公契約条例について伺います。
まず夏の暑さと工期・納期について。区は公契約における納期については、所定の算出方法により夏の暑さ分を見込んでいるということです。しかし現実には、暑さはその日の気温や風の有無、風向き、工事箇所の状況など、天候や環境に大きく左右されます。算出方法に根拠があったとしても、実態がどうなっているか、本当に算出したとおりの休憩をしながら工期が守られているかなど、現場を確認する必要があると思っています。区内事業者からは、中野区は工期について相談に乗ってくれていて、改善したことはありがたいが、暑さ対策としてあと数日工期が欲しいという声も届いています。さらに現場の声を聞くことが求められているのではないでしょうか。この件について区の認識を伺います。
物価高騰が続く中、労働報酬下限額が今年度から1,510円に上がったことは評価します。しかし、その下限額どおりの賃金が本当に支払われていないと、制度の意味がありません。現状は、事業者側にチェックリストを渡し提出させることで、その額を支払ったとみなされています。事業者には、約束どおりに支払われていない場合に、中野区の公契約・労働報酬に関する窓口に連絡し、是正を求めることができる仕組みをつくっているものの、そうした契約違反の相談がないことから、きちんと契約どおりの賃金が支払われていると判断しているとのことでした。しかし、事業者と従業者の関係は対等ではありません。従業者は事業者から仕事をもらう側で、もともと立場が弱いものです。そうした関係性の中で、現場の従業者を守るためにできた制度が公契約条例だったはずです。この点で、区は事業者に負担がかからないように、書類が簡便に済むような仕組みにしているとのことですが、現状では契約どおりに支払いが完了したかどうか客観的に判断する書類がありません。また、公契約条例におけるチェックリストの提出対象は一次請けのみで、その事業者が下請けを使っている場合、チェックリストの提出範囲から出てしまいます。区は、その下請けに対しても、公契約の基準が守られているとみなしているとのことですが、客観的に証明する書類等の確認はしていません。公契約条例制定へ向かう議論の中では、労働報酬下限額は重層下請構造を抑制する効果が期待されていました。改めて本来の制度の趣旨に沿う運用が必要だと考えます。区は、現状の仕組みにどのような課題があると考えていますか。伺います。
次に、包括的性教育について伺います。
第2回定例会の冒頭の所信表明で、酒井区長から包括的性教育の実施について言及されました。これまで議会で包括的性教育の実現を求めてきた立場として、大いに歓迎し推進する立場で質問いたします。
先日、写真1枚から性的な動画を生成する無料サービスが拡大しているという問題について報道がありました。台湾や韓国では、本人の同意のない性的ディープフェイクの作成・所持・公開について法律で禁止しています。米国やEU諸国でも法整備が進んでいるとのことで、日本でも法整備が急がれます。しかし、問題の本質は、法的に罪に問えるかどうかではないと考えます。他人の写真を同意なく加工し、性的消費の対象とすることに躊躇がないとしたら、それは人権についての認識が欠如しているということです。そうした情報が拡散された場合、当人の尊厳が守られないばかりか、一生消えない心の傷を追いかねない、そのことをきっかけに自死を選んでしまうかもしれない、そうした想像力が欠けているということです。これは教育で解決すべき課題です。子どもの社会でそうした事態を招かないためにも、包括的性教育の推進が肝要です。
区としても、中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例の理念にも通ずる重要な取組であると認識し、学校・家庭・地域において知識や理念が浸透できる施策を進めるとしています。現在の中野区における性教育は、小学生では6年生で二次性徴について学ぶ、中学校では性感染症や避妊具について保健体育の時間に学ぶとなっています。これとは別に、毎年1校は東京都実施の性教育の授業を行っているということで、ここ3年は北中野中学校が手上げをし実施しているとのことです。東京都実施の授業とそれ以外の違いは、はどめ規定を越えて性教育を行えるかどうかです。はどめ規定は性交そのものを教えないことになっていますので、中野区において包括的性教育を実現するとなると、東京都の授業の内容に近づけていくことが求められているということです。
包括的性教育は、自身の身体、健康、人間関係、権利について、年齢に見合った科学的で文化的に適切な情報を提供することを旨としています。互いを尊重し合う人間関係を築くこと、科学的で正確な情報に基づいた選択を行い、自分自身、そして他者を尊重する規範を育むことも目的としています。その範囲は多岐に及ぶことから、これまでの性教育の枠組みの下でのコマ数では不十分であると考えます。この点についての認識と区としての対応について伺います。
また、都実施と区実施の違いは、教育を担当する専門家の存在です。今述べた包括的性教育の実施に向けた検討の中で、専門家の確保ということも課題になってくるかと思います。この点についても、併せてお聞きをします。
プレコンセプションケアとSRHRについても伺います。
第2回定例会における区長の所信表明でも、この推進が示されました。この間、秋田県や熊本県でプレコンセプションケアの啓発資料が炎上する事案がありました。産み育てることを強要するかのように捉えられる表現や、年齢と妊孕性の説明図に高齢女性の卵子をしわのある女性の顔で描いたり、そこへ向かっていく精子のキャラクターを熟女キラーと表現するなど、教育上も人権上もやってはいけない表現がありました。包括的性教育の推進にあっては、個人の意思の尊重、尊厳の尊重が要です。中野区でプレコンセプションケアを推進するに当たっては、SRHRの立場を基礎とすることを忘れてはいけないと思います。この点の区の認識を確認するとともに、こうした事業について政策立案し推進する部署において、職員のたゆまない学びが求められているのではないでしょうか。この点もお聞きをします。
次に、男性の孤立・孤独支援について伺います。
この間、孤独・孤立支援というテーマにおいて、とりわけミドル期シングル女性の問題がクローズアップされる機会が多くなりました。当事者からの訴えも増えてきており、課題の解決に向けて中野区が動き出したことは歓迎したいと思いますが、ここでは男性の側の孤独・孤立支援についてお聞きをします。男性の抱える困難・課題は女性のものとは様相が異なるということを区側も認識していることと思います。3月16日のスマートウェルネスシティ調査特別委員会の宮本みち子千葉大学名誉教授の講演でも、仕事への依存度の高さ、その裏返しとしての友好関係の希薄さ、そして地域社会との接点の少なさなど、高齢期に行き詰まっていく原因が、もっと若いうちから顕在していることなどの分析が示されています。ミドル期から地域とつながっていくことが課題の一つということだと認識しています。
中野区は、スマートウェルネスシティ中野構想を掲げ、身体的な健康とともに、地域のつながりづくりについても方針を示しています。この中で新たに始まった健幸ポイントを活用した健康づくりの推進のための実証事業では、募集に対して応募の人数が2倍、3倍となっており、人気の高い事業であることが報告されていました。40歳から64歳という年齢からの参加も、2026年度4割、男性の参加が4割以上とミドル期男性を地域で包括する取組として注目しています。この事業について、参加しやすい取組の工夫をしながら、さらに参加人数を増やすこと、また、対象年齢を引き下げていくことを求めます。お答えください。
単身世帯の中でも男性は、家事や地域とのつながり、相談行動などに課題を抱えやすく、高齢期に孤独が深刻化するリスクがあると考えています。また、こうした方々は支援や地域活動につながりにくい傾向もあるのではないでしょうか。こうした声は介護業界や地域団体などからも聞こえてきます。区としてはミドル期からの孤立予防の観点から、参加しやすい活動や居場所づくり、社会参加のきっかけづくりについて、様々な団体などと連携しながら検討していくことが重要と考えますが、区の見解を伺います。
この先、若い世代がますます結婚しないという選択をする、いろいろな調査からこのことも分かってきました。先日、こども家庭庁が15歳から39歳までの若者10万人を対象とした意識調査を公表したことがニュースになりましたが、未婚の若者の35%が結婚するつもりはないと回答したとのことです。その理由は、多くは経済状況によるもので、経済が行き詰まり、先が見えない中で当然の選択になるかと思います。宮本先生の講演でも、不安定な雇用、際立つ低賃金から、結婚・家族形成が困難となり、アンダークラス化する若者が増えていると報告されています。これは、社会の構造そのものに変容が迫られているということではないかと考えます。子どもを持ち、家族を形成して支え合うということを前提とした社会システムそのものを見直す必要に迫られていると考えます。未婚化や単身世帯の増加が今後も進むことが見込まれる中、これまで家族が担うことを前提としていた見守りや介護、入院時の支援、財産管理、葬儀や納骨、死後の手続等について、単身者自身が備える必要性が高まっていると考えます。特に、ミドル期の段階から将来の生活設計や終活、死後事務に関する情報を得て、必要な備えを進められるようにすることが重要ではないでしょうか。単身世代が増加する社会を見据え、区として終活や死後事務を含む将来への備えに関する普及啓発や情報提供の在り方についてどのように考えているのか見解を伺います。
最後に、差別をゆるさない取り組みについて伺います。
今年4月8日、つくろい東京ファンド、そしてヘイトスピーチをゆるさない中野という二つの団体から、さきの区長選挙・区議会議員補欠選挙に当たってヘイトスピーチが行われないよう中野区選挙管理委員会に対策を求める申入れがありました。選挙であってもヘイトスピーチは許されないのは当然のことです。国会においても、選挙中であってもヘイトスピーチは許さないということが質問の答弁とされています。にもかかわらず、選挙の自由を盾に取り、外国人への差別扇動が堂々と行われるということがこの間続いています。国連人種差別撤廃委員会は、ヘイトスピーチを放置せず、断固として戦うことを求めています。中野区選挙管理委員会は、立候補者に対しヘイトスピーチを行わないようアナウンスをしているとのことです。告知することそのものは重要ですが、その候補者が分かっていて、あえてヘイトスピーチをするような場合、有効な手立てとはなりません。そのような政党や候補者は少なからず存在すると認識しています。したがって、残念ながらこの先も選挙に乗じたヘイトスピーチは必ず表出します。ヘイトスピーチを止めるためには、市民的な力も必要です。ヘイトスピーチを見かけたら、速やかに通報し、確認の上、抑止する体制が求められています。そこでお聞きをします。区民が街頭宣伝などでヘイトスピーチを見かけた場合、その通報先はどこでしょうか。また、その通報先は区民に広く知らせるべきと考えます。周知について、区の考えをお示しください。
1年前の議会で、外国人差別の問題も取り上げてきました。区長からも外国人差別は許さないと力強い答弁がありました。デマに基づいた差別が横行する中で、改めて中野区の姿勢として発信を強める必要性を感じています。そこで伺います。中野区が独自に差別を許さないというポスターを制作してみるのはどうでしょうか。発信の主体が中野区であることに意味があると考えます。また、人権週間以外にも中野駅ガード下などに定期的にポスターを掲示することも検討されてはと思います。お答えください。
以上で、全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。
初めに、避難所についての御質問で、スフィア基準に近づけるための取組についてです。スフィア基準の考え方に基づき、区では、避難者が人間としての尊厳を保ちながら生活できるよう、簡易ベッドなどの備蓄物資の整備や要配慮者スペースの設置、二次避難所における障害特性に応じた居住区分、プライバシーへの配慮等の取組を進めているところでございます。引き続き、避難者一人ひとりが尊厳ある生活を営むことができるよう、避難生活環境のさらなる充実に努めてまいります。
次に、簡易シャワーの設置についてです。大規模災害時における避難生活では、断水が長期化した際の清潔な生活環境の維持が重要な課題でございます。今後、区有施設や防災井戸による水の確保、民間事業者との協定など、多様な手法を活用した衛生環境確保の向上について検討をしてまいります。
次に、デマや不正確な情報の防止についてです。災害時の情報提供は、人命の保護、被害の拡大防止、区民の不安軽減、デマや誤情報の拡散防止など、極めて重要な役割を担っているため、迅速かつ正確な情報を継続的に発信していくことが不可欠であると認識をしております。今後、避難者に対し正確な情報を迅速に届けられるよう、ディスプレイなどの学校備品を活用するなど、情報発信手段の充実や円滑な情報共有の仕組みづくりを進めてまいります。
次に、避難所における性暴力被害の防止についてです。災害時における性暴力や性犯罪は断じて許されるものではなく、避難所運営組織や避難者が共通認識を持ち、見守りや声かけなどによって被害を未然に防ぐ取組を進めるとともに、発生した場合には警察機関等と連携しながら適切に対応できる体制づくりが必要であると考えます。区ではプライバシーの確保に加え、更衣スペースやトイレ等の配置への配慮、防犯ブザーの活用、見回りの実施などによって性犯罪等の防止に取り組むこととしております。
次に、住宅政策についての御質問で、国の最低居住面積水準25平米の内訳についてです。独居用住戸の各機能の基準としては、居室が7.5平米、台所2.7平米、トイレ1.8平米、浴室2.3平米、洗濯0.9平米、収納2.0平米、その他出入りや動線空間5.6平米となっております。この合計面積に壁芯面積としての補正を施した数値が最低居住面積水準としての25平米というふうに認識をしております。
次に、最低居住面積水準の存在意義についてです。最低居住面積水準は、健康で文化的な住生活を営む上で必要不可欠な住宅の面積に関する基準として国が住生活基本計画において定めたものと認識をしております。
次に、健康で文化的な最低限度の住生活の保障についてです。中野区住生活の基本に関する条例では、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住戸規模を確保する努力義務が規定されておりまして、国の最低居住面積水準を準用しております。また、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律においても、セーフティネット住宅の各戸の床面積を25平米以上としていることから、当面現行水準を維持していく考えでございます。
次に、家賃補助制度の検討状況についてです。家賃補助制度につきましては、行政効果や財政負担、他の住宅施策との役割分担などを踏まえる必要があるものと考えておりまして、慎重に検討を行っています。引き続き、区民が安心して居住を継続できる環境の整備に向け、他自治体の事例等も参考にしながら住宅施策全般について幅広く検討してまいります。
最後に、民間賃貸住宅の建て替えに伴う居住者支援についてです。区では、居住支援協議会での取組も含め建て替えによって転居が必要な場合など、自身で住まいの確保が難しい方への支援を行っております。転居支援の拡充につきましては、区内ニーズ等を踏まえ、経済的な支援も含めその方法を検討してまいります。
○教育長(田代雅規) 私のほうからは、包括的性教育についての御質問にお答えいたします。
最初に、包括的性教育の指導時数についてでございます。各学校では学習指導要領に基づいて保健体育や特別活動、道徳科、総合的な学習の時間など、教育活動全体を通して児童・生徒が性に関する正しい知識を持ち、適切に行動できるよう指導するための必要な時間は確保できております。
次に、包括的性教育の実施に向けた専門家の確保についてでございます。包括的性教育の実施におきましては、産婦人科医や大学教授などの専門的な知見を活用することは有効であり、今後より多くの学校で実施できるように検討してまいります。
○中野駅周辺まちづくり担当部長(小幡一隆) 私からは中野四丁目西地区の再開発についての御質問のうち、まず地権者アンケートの集計についてお答えをいたします。中野四丁目西地区市街地再開発準備組合が実施をしたアンケートにおいては、再開発事業の検討を進めてほしいと回答した方に加え、再開発事業の検討を進めること自体には反対しないと回答した方についても、再開発事業の検討に対する一定の理解が得られているものと整理をしていると準備組合から聞いております。また、地権者の意向につきましては、アンケート調査のみならず、個別面談等を通じて確認した内容も踏まえながら把握を行ってきたと準備組合から報告を受けており、区としても確認してきたところでございます。
次に、準備組合加入を合意の基礎とすることについてでございます。一般的に市街地再開発準備組合の加入については任意であり、必ずしも準備組合の加入だけで事業への同意が判断されるものではないと認識をしております。そのため、中野四丁目西地区市街地再開発準備組合からの報告によると、当該アンケート調査は地区内の地権者を対象として実施をしており、準備組合に加入していない地権者も含めた結果であると聞いているところでございます。
最後に、合意形成に向けた努力についてでございます。地権者の合意形成については、中野四丁目西地区市街地再開発準備組合が主体となって進めるものであると認識をしております。区としては、地権者の理解を得るため、準備組合に対し丁寧な合意形成に努めるよう働きかけているところでございます。一方で、区は、当地区のまちづくりを推進する立場でもあることから、地域の状況を踏まえ、必要に応じて地権者との意見交換等を行うなどの支援を行い、都市計画決定を目指していく考えでございます。
○総務部長(濵口求) 私からは公契約条例に関する御質問にお答えします。
まず、猛暑を考慮した工期設定についてでございます。建設工事の工期設定に当たっては、近年の建設業における働き方改革への対応として、過去の気象データに基づき、猛暑による作業不能日数を見込んでおります。その上で、近年の猛暑の実態も踏まえ、工期への影響が当初の見込みと著しく乖離する場合には、受発注者間で協議を行い、工期変更等を含め適切に対応してまいります。
次に、公契約条例の運用についてでございます。労働報酬下限額の適用案件につきましては、あらかじめ対象であることを明示し、入札参加事業者は受注者だけではなく、下請け業者にも支払い義務が生じること等を承知した上で入札に参加し、契約を締結しております。受注者には実際に支払った報酬額を記載した報告書の提出を義務付けておりまして、事業者の負担を考慮した様式としております。労働報酬下限額以上の支払いが行われていない場合には、労働者から直接区へ申し出る手段を担保しており、公契約審議会におきましても特段課題として挙がっていないことから、現在の運用を継続しながら制度の周知徹底を図ってまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 初めに、包括的性教育についての御質問のうち、人権尊重に係る学びの継続についてお答えをいたします。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、誰もが自分の身体と人生に関する選択を自分らしく、安全に行える、人が生まれながらにして持つべき権利であり、プレコンセプションケアの推進においても基礎となるものと認識をしております。区のあらゆる政策が研修等を通じて人権・多様性の尊重を基礎として実施するよう、職員の理解促進をより一層図ってまいります。
次に、差別をゆるさない取り組みについての御質問で、ヘイトスピーチの窓口の周知でございます。ヘイトスピーチの相談窓口としては、法務省が開設しております、みんなの人権110番やインターネット人権相談受付窓口がございます。現在もホームページにて窓口を案内しているところでございますけれども、区民にとってより分かりやすい情報発信について工夫をしてまいります。
最後に、差別防止啓発ポスターの作成についてでございます。区独自のポスターの作成は予定しておりませんが、法務省作成のポスターを区役所内やパネル展等で活用しており、引き続き周知に努めてまいります。また、ホームページにおいても、差別防止に向けた啓発を行っているところでございまして、区民の目にとどまりやすい時期を捉えての効果的な情報発信を行うなど、より一層の普及啓発に取り組んでまいります。
○地域包括ケア推進担当部長(滝瀬裕之) 私からは男性の孤独・孤立対策についての御質問のうち、まず、男性の孤独・孤立対策としての健幸ポイント事業につきまして御回答申し上げます。健幸ポイント事業については、令和7年度から令和9年度までの3年間の実証事業として実施しておりまして、参加状況や参加者の意見などを把握しながら、より参加しやすい事業運営に努めてまいります。令和10年度以降につきましては、実証事業の結果を検証した上で、対象者や年齢なども含め、より多くの区民が楽しみながら健康づくりに取り組める仕組みを検討してまいります。
続きまして、ミドル期からの孤立予防についてでございます。区では、本年3月に策定した中野区重層的支援体制整備事業実施計画に基づきまして、中野区孤独・孤立対策官民連携プラットフォームを今年度設置する予定でございます。このプラットフォームでは、民間企業や地域団体などの多様な主体との情報共有や連携を進めることとしておりまして、ミドル期の方も参加しやすい活動や社会参加のきっかけづくりなど、孤独・孤立の予防に資する具体的な取組につなげてまいりたいと考えております。
○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは男性の孤独・孤立支援についての御質問のうち、高齢期を迎える前からの終活等の将来への備えについてお答えいたします。高齢期を迎える前から人生の最終段階について考え、必要な準備を進めることは、未来の不安を取り除き、現在の人生設計を明確にするために有効であると考えております。単身世帯の増加が進む中、終活や死後事務を含む人生後半期の備えについて様々な機会を通じて分かりやすく発信し、区民が将来への備えを自分自身の課題として考えることができるよう啓発してまいります。
○議長(森たかゆき) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎
1 中野駅周辺の再開発について
2 地域包括ケアシステムにおける薬局の役割について
3 その他
○議長(森たかゆき) 次に、内野大三郎議員。
〔内野大三郎議員登壇〕
○22番(内野大三郎) 令和8年第3回定例会において、都民ファーストの会中野区議団の立場から一般質問をいたします。質問は通告のとおりで、その他はございません。
質問に先立ち、今年発生した熊本地震、千葉県や北陸地方を襲った豪雨災害などにより被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、8月26日にはネパールの山岳地帯で大規模な洪水が発生し、甚大な被害が出ています。中野区には多くのネパール出身の方々が暮らしており、区においても明日9月8日から救援金の受付を開始する予定です。国内外を問わず、災害によりお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された皆様の生活が一日も早く平穏を取り戻されることをお祈り申し上げ、質問に入ります。
初めに、中野駅周辺の再開発について伺います。
中野駅周辺では中野駅西側南北通路、新たな橋上駅舎、新北口駅前エリアなど、今後の中野の都市構造を大きく変える事業が進められています。中野駅周辺のまちづくりを考えるに当たっては、駅前だけを見て議論するのではなく、そこで生み出される効果を中野区全体にどう波及させていくのかという視点が重要です。人口減少・高齢化が進む中、今後も行政サービスを維持していくためには、歳出の効率化だけではなく、区の財政を支える税源を将来にわたって確保していく必要があります。中野駅は区内最大の交通結節点です。駅周辺の都市機能が高まり、企業や店舗が集まり、新たな居住者や就業者、来街者が増えることは地域経済の活性化だけでなく、区の担税力を高めることにもつながります。特に、住宅の供給によって現役世代や子育て世代を含む新たな居住者が増えれば、特別区民税をはじめとした区の税収にもつながります。そこで生まれた財源は、中野駅周辺だけに使われるものではありません。子育てや教育、福祉、防災、道路・公園など区内全域の行政サービスを支える財源となります。そう考えれば、中野駅周辺のまちづくりは、駅前だけの問題ではなく、将来の中野区の財政基盤をどうつくっていくのかという問題でもあります。
また、都市基盤整備という点では、都市計画税についても触れておきたいと思います。23区では本来、市町村税である都市計画税を東京都が課税・徴収する仕組みとなっております。中野区民も長年にわたり都市計画税を負担してきましたが、中野区は既成市街地が広がっており、大規模な都市基盤整備を行う機会は決して多くありませんでした。その中で現在、中野駅周辺では、駅、道路、歩行者空間などの都市基盤整備がまとまって進められています。都市計画に関わる公的な投資が中野駅周辺に入り、中野のまちの更新につながっていることについては、私は評価すべきだと考えています。一方で、投資をすればよい、建物を建てればよいということではありません。限られた駅前の土地に住宅をどこまで入れるのか、商業・業務・文化・交流といった機能をどう組み合わせるのか、区有地を将来世代に残しながら、民間事業として本当に成立させることができるのか、今回の計画はこうした点を一つ一つ確認していく必要があります。そのような観点から、今回示された中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画改定の骨子について伺います。
初めに、ホールの規模について伺います。区は、今回の3,000人規模は、事業費等の事情による単なる規模縮小ではなく、中野サンプラザが培ってきた文化的価値、中野というまちの特性、現在のホールの市場のニーズなどを踏まえた戦略的な規模設定と考えているのでしょうか、区の見解を伺います。
次に、住宅です。骨子では住宅戸数1,100戸、住宅用途は延べ床面積の5割を上限の目安としています。駅前への住宅導入自体を否定するものではありませんが、約2.3ヘクタールの貴重な駅前空間です。特に懸念するのは、住宅が事業成立のための調整弁になってはいないかという点です。住宅床を増やすことで、業務・商業・文化・交流など、本来駅前に求める都市機能が後退しては本末転倒です。住宅1,100戸、延べ床面積5割を上限の目安とした根拠は何でしょうか。住宅需要だけでなく、事業採算性、業務・商業・文化・交流機能とのバランスをどのように検証した上でこの数字を適正と判断したのか伺います。また、今後、民間事業者からの提案を受ける中で、事業成立性を高めるために、住宅床がさらに拡大し、他の都市機能が圧迫されることがないよう、区としてどのように担保していく考えなのか伺います。
次に、事業手法です。骨子では、区有資産を将来世代へ引き継ぐ観点から、定期借地権を活用した市街地再開発事業を基本としています。土地を保有し続け、安定的な地代収入を得て、将来の行政需要に応じた見直しが可能になる考え方には理解できます。しかし、土地を売らないこと自体が目的化してはいけません。区の比較資料でも、定期借地権は事業採算性への影響や事業条件の整理が課題とされています。全計画の見直しを経験した今、再び事業不成立や長期停滞を招くことは避けなければなりません。定期借地権を活用するという条件の下でも、民間事業者が十分に参画できる事業採算性、市場性を確保できると区は判断しているのでしょうか。また、その判断に当たりどのような市場調査や事業性の検証を行っているのか伺います。
この項の最後の質問です。区有地を将来世代へ残すという公共的価値と民間事業として成立させる事業性、この二つを両立させることが今回の計画の成否を左右すると考えますが、区は定期借地権方式によって成立できるという確信を持っているのか、見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、地域包括ケアシステムにおける薬局の役割について伺います。
中野区では、在宅療養を必要とする方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、令和7年度から中野区在宅療養推進協議会を設置し、医療・介護・福祉等の多職種による支援体制の構築を進めています。現在は、在宅医療介護における連携体制の構築とケアラー支援をテーマに検討が行われ、中野区薬剤師会にも委員として参画いただいております。その上で地域包括ケアにおける薬局の役割をもう一段広げて考えてはどうかという観点から質問をします。
令和8年3月に帝京平成大学大学院薬学研究科博士課程を修了した杉浦伸哉氏は、博士論文において地域包括ケアシステムにおける薬局の役割について、単に調剤や医薬品を提供する場所としてではなく、住民の日常生活に近いところで健康や生活上の変化を捉え、必要な専門的支援へつなぐ中間支援機能を果たし得ると指摘しています。例えば、「高齢者がいつもの薬を取りに来なくなった」、「残薬が急に増え、薬の飲み方が分からなくなった」、「複数の医療機関から似た作用の薬が処方されている」、「以前よりも錠剤を飲みにくそうにしている」、こうした小さな変化は行政や医療機関よりも、継続して本人と接している地域の薬剤師が先に気づく場合があります。特に、高齢者ではポリファーマシーだけではなく、認知機能の低下、フレイル、低栄養、嚥下機能の低下などが服薬状況や日常の会話の中に現れることもあります。もちろん嚥下障害の診断や専門的な評価は医師・歯科医師をはじめとする専門職が担うことになりますが、薬剤師が服薬指導や日常的な関わりの中で変化に気づき、必要な専門職へつなぐことには大きな意味があります。杉浦氏の調査では、薬剤師の多くが嚥下障害と肺炎や低栄養との関連を認識している一方で、嚥下障害について研修や教育を受けた経験のある薬剤師は半数に達していません。だからこそ、薬局における気づきを個々の薬剤師の経験だけに委ねるのではなく、必要な専門職や地域の支援へ確実につなぐ仕組みを整えていくことが必要です。
そこで伺います。現在、在宅療養推進協議会では医療と介護の連携体制について検討を進めていますが、その中で薬剤師が服薬状況や残薬、嚥下状態などから把握した生活上、健康上の変化を医師、ケアマネージャー、地域包括支援センター等へつなぐ役割についても明確に位置付け、薬局を医療と介護の橋渡し役の一つとして積極的に活用してはいかがでしょうか。
もう1点、伺います。地域包括ケアは高齢者、要介護状態になった方だけの仕組みではありません。誰もが地域の中で支え、支えられる関係をつくることに意味があります。桃園地域ではみま~も桃園が町会・自治会、医療・介護関係者、企業、学生などをつなぎ、住民の日常の変化に地域全体で気づく活動を進めています。私はこうした住民主体の気づきのネットワークと薬局という専門職の拠点をつなぐことに大きな可能性があると考えます。全地域で同じ活動を行う必要はなく、それぞれの地域資源や担い手を活かすことが重要です。そこで、みま~も桃園のような取組を一つのモデルとして、各地域の町会・自治会、地域包括支援センター、医療・介護事業者、そして薬局等の顔の見える関係をつくる機会を区が後押しし、それぞれの地域に合った気づきと支え合いのネットワークを育ててはいかがでしょうか。区の見解を伺い、私の全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。
中野駅周辺の再開発についての御質問で、初めに、ホールの規模についてです。ヒアリングの内容によって、ホールの規模につきましては、都内の現在のホール整備状況からの市場ニーズを踏まえるとともに、優れた鑑賞環境や使いやすい運営環境を実現するものとして設定しております。中野サンプラザは、コンサートやライブ等を通じて中野の音楽・文化を象徴する施設であり、その役割や実績を継承するとともに、アニメ等の多彩な表現活動の発信拠点ともなる中野らしいホールとなるものと認識しているところでございます。
次に、住宅戸数等の上限の目安についてです。住宅につきましては、約1,100戸、延べ床面積の5割を上限の目安としておりまして、当地区においてホールを始めとした商業・滞在・交流機能と業務・居住機能との調和を図りながら、複合的な都市機能を導入することを目指しております。上限の目安につきましては、従前の施設計画や民間事業者のヒアリング結果等を踏まえ、当地区の市街地再開発事業の事業成立性も考慮して設定をしております。
次に、施設計画における住宅についてです。区として求める都市機能を着実に確保していく観点から、住宅については約1,100戸、延べ床面積の5割を上限の目安に示しておりまして、今後はこれを前提に事業者公募を進めることとなります。区としては、公募の審査の際に区の考え方に沿っているかどうかを採点の視点に入れるとともに、今後選定事業者が具体的な施設計画を作成していく際にもこの視点を踏まえ協議してまいります。
次に、定期借地権を活用した市街地再開発事業の成立性についてです。都市の再開発を取り巻く社会経済状況につきましては、他地区の事例からも極めて厳しい状況であることは認識をしております。定期借地権を活用した市街地再開発事業を基本とした事業手法の成立性については、再開発の専門家や事業コンサルタントからの知見を得ながら検討をしております。今後検討を進めるに当たって、様々な条件や課題があると認識をしておりますが、現時点で事業は成立し得るものと考えております。
最後に、定期借地権の活用に伴うメリットについてです。定期借地権の活用について、敷地の一部を区有地として保有することによって、将来のまちづくりにおける合意形成の円滑化に寄与し、次世代へ資産を継承できるとともに、借地期間満了後においても区が主体的にまちづくりに関与できる点にメリットがあるものと認識し、検討を進めております。一方で、定期借地権の活用は事業性に影響を及ぼす可能性もありますので、将来的なまちづくりへの効果を総合的に勘案し、事業の実現性を引き続き検証してまいります。
○地域包括ケア推進担当部長(滝瀬裕之) 私からは、地域包括ケアシステムにおける薬局の役割についての御質問で、まず、医療・介護連携における薬局の活用についてでございます。薬局は医薬品の提供などだけではなく、地域における身近な相談窓口、医療資源であり、医療・介護連携を担う地域包括ケアシステムにおける重要な機関と認識してございます。在宅療養推進協議会では、在宅医療・介護における連携体制の構築を検討テーマの一つとしておりまして、今後、薬局との連携についても協議をしてまいります。また、区民に対してもかかりつけ薬局や薬剤師を持つ大切さについて周知啓発を図っていく考えでございます。
続きまして、地域に合わせた気づきと支え合いのネットワークについてでございます。区ではすこやか地域ケア会議におきまして、町会・自治会、薬局を含む医療関係者、介護事業者、地域包括支援センターなどによる地域課題の共有と顔の見える関係づくりを進めてまいりました。御案内のモデルは、町会・自治会を中心に多様な主体が連携し、見守りや居場所づくりを通じて住民の変化への気づきを支援につなげる地域の特性を活かした取組の好事例と認識してございます。区としては、こうした取組を参考に、地域に合ったネットワークの形成を重層的支援体制における地域づくりとして捉え、薬局を含む多様な主体の参画と連携を進めてまいります。
○議長(森たかゆき) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 ひやま 隆
1 中野駅新北口駅前エリア再整備について
(1)事業手法について
(2)文化・集客機能(ホール)について
(3)その他
2 健康増進施策について
(1)成人歯科健診について
(2)スマイル歯科診療所の機能について
(3)その他
3 アスベスト対策について
(1)アスベスト飛散防止に係る普及啓発について
(2)アスベスト調査・除去に係る助成について
(3)その他
4 哲学堂公園再整備について
(1)妖怪が潜む公園づくりについて
(2)哲学堂運動施設について
(3)その他
5 その他
○議長(森たかゆき) 次に、ひやま隆議員。
○28番(ひやま隆) 令和8年第3回定例会に当たりまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から、一般質問を行います。質問は通告のとおりです。その他はございません。
初めに、1、中野駅新北口駅前エリア再整備について。
(1)事業手法について伺います。
先月開催された中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会において、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画改定(骨子)が報告されました。本骨子においては、事業手法について、区有資産に定期借地権を活用した市街地再開発事業を基本とする旨が示されております。定期借地権方式は、駅前の極めて高い資産価値を有する区有地を将来にわたり堅持し、次世代へと確実に継承できる点において区民に大きな便益をもたらす手法であると考えます。しかしながら、現在の事業費高騰などの厳しい社会経済情勢下において、本事業スキームの実現可能性が真に担保されるのか、この点が最優先の検討事項の一つです。この間、中野区は事業者と客観性、実効性についての継続的なヒアリング調査を実施してきたと伺っておりますが、これまでの一連の協議において今回示された定期借地権を活用した市街地再開発事業というスキームが、現在の情勢下において成立し得るという客観的かつ具体的な根拠は事業者から示されているのか、示されているのであればどのような根拠が示されているのか伺います。
現在、事業費高騰により、23区内の各所で再開発事業の延期や見直しが余儀なくされております。一般的な再開発でさえ成立が困難な現在の状況下において、事業者の収益機会が制約され、事業成立の難易度が増すであろう定期借地権方式を一部活用した再開発のスキームが本当に成立し得るのか、改めて区の認識を伺います。
事業費高騰を受け、従来の計画が頓挫し、事業の大幅な見直しを余儀なくされた教訓を踏まえれば、厳しい市場環境の下で真に成立し得る事業スキームを再構築することが、本事業における最重要課題の一つであると考えます。本来であれば、従来型の市街地再開発の手法と今回提示された定期借地権活用型の手法、あるいはそれ以外の事業スキームについても、事業の成立性やリスクの観点から、それらは多角的に比較検証され、その上で最適解が導き出されるべきです。しかしながら、今回の御報告や資料の中からは、そうした比較検討のプロセスを十分に読み取ることができませんでした。この点について、区としてどのような経緯で今回の手法を選定するに至ったのか伺います。
次に、(2)文化・集客機能(ホール)について伺います。
中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画改定(骨子)においては、新規ホールの規模について「3,000人規模を基本とし、2,500人~5,000人規模を想定」と示されております。まず、当初計画における7,000人規模から3,000人規模へと大幅な規模縮小を図った具体的な理由について、区の見解を伺います。
骨子の中では「2,500人~5,000人規模」と柔軟性を持たせた表記がなされている一方で、採算性の評価においては、3,000人前後に限定した検証にとどまっています。仮に3,000人を超える可変型構造や5,000人規模を目指す場合、建設費や事業採算性にはどのような影響を及ぼすのか、そうした多角的な試算やシミュレーションを行っているのか伺います。
さらに、3,000人規模のホール機能については、都内及び近郊において、例えば東京ドームシティホールや日比谷公園野外大音楽堂、立川ステージガーデンをはじめとする競合施設が既に多数稼働しており、今後も新設やリニューアルが相次ぐ競争が激しい市場です。なぜアーティストや観客が他の有名施設ではなく、あえて中野を選ぶのかという明確な差別化やポジショニング戦略が示されないままでは、稼働率の低迷や事業者の収支悪化を招くリスクが極めて高いと考えます。こうした中、本施設がどのような強みを持って優位性を確保し、どのようにして長期的な事業の持続可能性を確保されるのか、その根拠も併せて区の見解を伺います。
本事業において事業採算性や市場動向の観点から、最も不確実性が高いのがホール機能です。事業スキームをはじめとする再整備事業計画の根幹がいまだ確定していない骨子段階において、先行してホール規模を3,000人規模を基本とし、その形状を固定席と規定することは、民間事業者の創意工夫や多様なビジネスモデルの提案機会を阻害し、結果として民間活力の最大限の活用を阻む要因となりかねないと懸念いたします。近年のライブ・エンタメ界では、演出の自由度が高い平土間・可動型がトレンドであり、今回の可変性のない固定型ホールでは、主要なコンテンツ誘致で他施設に競合敗退するリスクが高いという指摘もあります。変化の著しい市場動向や厳しい建設コスト環境に柔軟に対応し、民間の優れたノウハウや提案力を最大限に引き出すためにも、ホールの規模や形状については現段階で条件を固定化せず、十分な幅を持たせた柔軟な枠組みとするべきであると考えますが、区の見解を伺います。
また、本来であれば民間事業者からのヒアリングに基づき、ホールの規模や形状については複数のパターンを立案し、収支性や稼働率の観点からそれぞれのメリット・デメリットを対比検証した上で適正規模を決定していくというプロセスが必要だと考えますが、区はこれまでどのような比較シミュレーションを実施されたのか伺います。伺って、この項の質問を終わります。
次に、2、健康増進施策について。
(1)成人歯科健診について伺います。
生涯にわたる健康維持及び増大する医療費抑制の観点から、乳幼児期から高齢期に至るまでのライフステージに応じた切れ目のない健康支援の重要性については、論を待たないところです。とりわけお口の健康は全身の健康維持や疾病予防、健康寿命の延伸と密接に関連しており、定期的な歯科健診を通じて、早期発見・早期治療を促進することは、将来的な重症化予防という観点からも極めて重要です。しかしながら、東京都の歯周疾患検診受診率が7.5%(令和3年度)であるのに対し、本区における令和7年度の受診率は3.1%と低い水準にとどまっております。本区における現在の歯科健診実施状況及び受診率低下の背景や原因について、区はどのように分析し現状を認識しているのか見解を伺います。
健康増進法に基づく事業として、自治体が実施するべき推奨年齢に、令和6年度より新たに20歳、30歳が追加されました。学齢期を終え社会人等へと変化するこの時期は、ライフスタイルや生活習慣の変化に伴い、虫歯や歯周病のリスクが急激に高まる年代です。しかしながら、現状における20代、30代の歯科健診受診率は、他世代と比較して低調な推移にとどまっており、受診機会の確保と定着が大きな課題となっております。若年期における歯科健診の受診体験は、自身の口腔環境への関心を高め、その後の自主的、継続的な定期受診や適切なセルフケアの定着へとつながる効果的な契機となります。ライフステージを通じた切れ目のない歯科健診体制の構築及び若年期からのお口の健康づくりの定着を図るため、本区においても20歳及び30歳を対象とした歯科健診を新たに導入するべきであると考えますが、区の見解を伺います。
次に、(2)スマイル歯科診療所の機能について伺います。
高齢化の進展に伴い、地域包括ケアシステムのさらなる深化が求められる中、口腔機能の維持・向上はオーラルフレイル予防や誤嚥性肺炎などの防止に重要な役割を果たします。現在のスマイル歯科診療所は、従来の障害児者歯科健診にとどまらず、高齢者、障害者施設での摂食指導や訪問診療など、歯と口の健康支援センターとして地域包括ケアにおける口腔歯科保健の拠点機能を担っています。現在の事実上の口腔管理センターとしての多角的な取組と貢献度を区として適正に評価するとともに、将来的には地域包括ケアにおけるお口の健康拠点としての口腔管理センターとして本格的な体制整備を検討するべきであると考えますが、見解を伺います。伺って、この項の質問を終わります。
次に、3、アスベスト対策について。
(1)アスベスト飛散防止に係る普及啓発について伺います。
我が国においては、1970年代から約20年間にわたり、年間約30万トン、累計1,000万トンもの大量のアスベストが輸入され、2006年9月1日のアスベスト全面禁止に至るまで、その多くが建築資材として使用されてきました。アスベストの吸入は、数十年という長い潜伏期間を経て中皮腫や肺がんといった重篤な健康被害を引き起こすことが知られています。現在、2006年以前に施工された既存建築物が解体・改修のピーク期を迎えており、飛散防止並びに区民の健康被害防止対策の徹底はまさに喫緊の課題です。本区においてアスベスト含有建築物の棟数やその実態を区としてどのように把握されているのか、また、区民からの健康被害に関する相談状況や課題についてどのように認識されているのか、現状を伺います。
こうした中、近年の大気汚染防止法等の改正により、レベル3の成形板等を含む事前調査結果の報告や資格者による調査が義務化されました。しかしながら、高額な処理費用や制度の認知不足から、現場では不適切処理や不法投棄による二次被害の発生が強く懸念されております。区民の生命と健康を守り、安全な住環境を確保するため、法改正による事前調査義務の周知徹底をはじめ、アスベストの健康リスクや適切な費用負担の必要性について、区民並びに事業者に対してさらなる普及啓発が必要であると考えますが、これまでの区の取組と併せて区の見解を伺います。
次に、(2)アスベスト調査・除去に係る助成について伺います。
アスベストに係る普及啓発にとどまらず、着実な適正処理を促すには、所有者等への直接的な支援策が不可欠です。国の補助制度として、社会資本整備総合交付金の住宅・建築物安全ストック形成事業がありますが、対象建材が吹きつけ材(レベル1)などに限定され、その補助金額も上限25万円などと極めて不十分です。また、アスベスト建材の多くが成形板(レベル3)という現状もあり、一般の建築物にはほぼ使用できません。これらの現状を踏まえ、レベル3建材等も対象に含めた事前調査や除去等に関する区独自の助成制度を新たに検討するべきであると考えます。併せて、一般住民が幅広く活用できる実効性のある支援に向け、国及び東京都に対して助成制度の拡充を主体的に働きかけていくべきであると考えますが、区の見解を伺います。伺って、この項の質問を終わります。
次に、4、哲学堂公園再整備について。
(1)妖怪が潜む公園づくりについて伺います。
哲学堂公園は創設者である井上円了博士の哲学思想を体現した唯一無二の名勝であり、現在、その再整備が進められております。私事ではございますが、今年の夏休みに小学1年生の息子が自由研究で選んだテーマが妖怪でした。身近な妖怪ゆかりの地を調べる中で、我が家からすぐそばにある哲学堂公園がまさにそれに該当することに気づき、息子とともに何度も足を運びました。園内に点在する妖怪や幽霊にまつわる文化資源を巡る中で、哲学堂公園が単なる哲学の場にとどまらず、井上円了が体系化した妖怪学の拠点という独自の歴史的文脈を持っていることを改めて実感いたしました。
妖怪というテーマは、老若男女問わず、幅広い世代の関心と知的好奇心を引きつける極めて強力なコンテンツです。水木しげるロードが有名な鳥取県境港市、日本民族学の父であり妖怪研究の祖でもある柳田國男の生誕地である兵庫県福崎町、子泣きじじいの故郷として知られる徳島県三好市など、妖怪を活用したまちおこしの事例は全国各地に見受けられます。今月には哲学堂公園についても妖怪学に関するイベントを開催すると伺っておりますが、今後の再整備に当たっては、歴史的、景観的価値の保全を図りつつ、この妖怪という魅力あふれるコンテンツを最大限に活かしながら、子どもから高齢者、観光客まで多様な人々が集う、さらなるにぎわいの創出と魅力あふれる公園づくりを目指してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。
最後に、(2)哲学堂運動施設について伺います。
哲学堂運動施設は、多くの区民がスポーツやレクリエーションにいそしみ、健康増進や地域コミュニティを支える重要な拠点です。しかし、施設・設備の経年劣化や消耗が顕著となっております。安全性及び機能性を維持するため、日常点検による不具合の早期発見に努めるとともに、計画的な改修整備の推進が不可欠です。現在の再整備計画では、運動施設周辺は最後期に当たる第4期工区に位置付けられ、運動施設管理棟の改修は令和13年度以降とされております。しかしながら、現在の運動施設管理棟は経年劣化が著しく、区内の利用者並びに関係団体の皆様からは早期の改修を求める声が上がっております。利用者の安全確保や利便性向上の観点から、改修時期の前倒しの検討を求めたいと思いますが、区の見解を伺います。
以上で、私の全ての質問を終わります。
○区長(酒井直人) ひやま議員の御質問にお答えいたします。
中野駅新北口駅前エリア再整備についての御質問で、初めに、定期借地権を活用した市街地再開発事業についてでございます。都市の再開発を取り巻く社会経済状況については、他地区の事例からも極めて厳しい状況であることは認識しております。区は、事業の実現性を高めるため、事業者とのヒアリングを重ねておりまして、定期借地権を活用した市街地再開発事業につきましては、事業者から保留床処分価格の低下などの事業成立性に関わる課題が示されているところであります。区としては、今後も事業者と定期的なヒアリングを継続しながら、事業実現性の向上に資する方策について引き続き検討を深めてまいります。
次に、定期借地権を活用した市街地再開発事業の成立性についてです。定期借地権を活用した市街地再開発事業を基本とした事業手法の成立性については、再開発の専門家や事業コンサルタントからの知見を得ながら検討しているところであります。今後、検討を進めるに当たって、様々な条件や課題があると認識しておりますが、現時点で事業は成立し得るものと考えております。
次に、定期借地権に至った経緯についてでございます。区では、事業環境が大きく変化したため、これまでに新区役所整備に係る区債償還や中野サンプラザの土地建物の区への寄付など、必要な対応を行ってまいりました。こうした状況の変化を踏まえ、区では定期借地権を活用した市街地再開発事業を基本とした事業手法の成立性について検討してきているところであります。当該手法は敷地の一部を区有地として保有することによって、将来のまちづくりにおける合意形成の円滑化に寄与し、次世代へ資産を継承できるとともに、借地期間満了後においても区が主体的にまちづくりに関与できる点にメリットがあるものと認識をしているところであります。
次に、ホールの規模についてでございます。ヒアリングの内容によって、ホールの規模については、都内の現在のホール整備状況からの市場ニーズを踏まえるとともに、優れた鑑賞環境や使いやすい運営環境を実現するものとして設定をしました。中野サンプラザはコンサートやライブ等を通じて中野の音楽文化を象徴する施設でございます。その役割や実績を検証するとともに、アニメ等の多彩な表現活動の発信拠点ともなる中野らしいホールとなるものと認識をしております。
次に、ホールの試算等についてです。再整備事業計画改定の骨子においては、事業者提案における自由度を確保する観点から規模の範囲を想定しております。一方で、5,000人を超えるホールについては、大規模公演による興行収入が期待できる反面、建設費も増大することから、事業性に与える影響を考慮する必要がある上、近年同規模ホールの整備が進んでいることから、市場ニーズに一定の課題があるものと認識をしております。区として規模感に応じて事業者にヒアリングをしてきておりまして、一定の幅を示して民間事業者らの提案を受けるものと考えております。
次に、ホールの持続可能性についてでございます。ホールについては、中野サンプラザはコンサートやライブを通じて中野の音楽文化を象徴する施設であり、その役割や実績を継承するとともに、アニメ等の多彩な表現活動の発信拠点ともなる中野らしいホールとなることを目指しております。また、心地よく楽しめる鑑賞空間として、演者と観客の一体感、良好な視認性を確保するとともに、施設計画として搬入動線や楽屋等の充実、主催者・出演者側にとっても使いやすい施設とすることで他施設との差別化を図り、競争力を確保できるものと考えております。
次に、ホールの比較検討についてでございます。ホールの規模や形状については、これまで複数のホール運営事業者やイベント主催者からヒアリングを行いながら検討を進めてきたところであります。平土間については、多様な用途への対応が可能である一方で、舞台興行における視認性の確保や利用需要の見通しなどに課題があると見解が示されております。ヒアリングの内容を踏まえ、中野サンプラザの価値の継承や利用者の観覧環境、施設の稼働性、運営面での実現性等を総合的に勘案し、現時点では固定席による段床型ホールを基本として整理をしております。
〔保健所長水口千寿登壇〕
○保健所長(水口千寿) 私からは、健康推進施策についての御質問のうち、成人歯科健診についてで、まず、健診の実施状況と現状認識についてですが、成人歯科健診については、35歳から75歳及び80歳の区民を対象に実施しており、5歳刻みの年齢時に受診券を送付するなど勧奨を行っておりますが、受診率は低下傾向であります。このため、歯科健診の意義や受診による効果、受診方法等についてより理解してもらう必要があると考えており、多くの方に受診していただけるよう、さらなる周知啓発に取り組んでまいります。
次に、20歳、30歳への成人歯科健診の実施についてですが、健康増進法に基づく健康増進事業としての歯周疾患検診に20歳、30歳が追加されたことは承知しており、若年期からの生涯を通じた歯・口腔の健康維持を推進するため、対象年齢の拡充を検討してまいります。
○地域包括ケア推進担当部長(滝瀬裕之) 私からは、健康増進施策についての御質問のうち、スマイル歯科診療所が担う機能についてお答え申し上げます。スマイル歯科診療所は、障害者歯科診療はもとより、高齢者や要介護者への訪問歯科診療、摂食・嚥下機能支援、口腔保健に関する相談指導など、重要な役割を果たしているものと認識してございます。今後も中野区歯科医師会などとの連携の下、区民の口腔機能の維持向上や在宅療養支援の充実に取り組みながら、他自治体の事例なども参考に、必要な機能について調査・研究をしてまいります。
〔都市基盤部長浅川靖登壇〕
○都市基盤部長(浅川靖) 私からは、まずアスベスト対策についての御質問のうち、飛散防止に係る普及啓発についてで、アスベスト含有建築物の実態把握についてお答えいたします。区では、平成17年度に民間建築物を対象といたしまして、飛散性の高い吹きつけアスベストの有無に関する実態調査を実施してございます。吹きつけアスベストが存在する可能性のある建築物は除却に伴い減少してございまして、令和8年9月当初の現在では440件となってございます。
続きまして、哲学堂公園再整備についての御質問で、妖怪が潜む公園づくりについてで、妖怪を活用した魅力ある公園づくりについてお答えいたします。哲学堂公園には別名妖怪門と呼ばれる哲理門があるなど、妖怪との親和性がございまして、活用の工夫次第では魅力的なコンテンツになり得ると認識しております。現在も哲学堂公園では妖怪を活用したイベント等を開催しているところでございますが、引き続き、指定管理者や関係機関と連携をしながら、妖怪に係るイベント等を企画することで、さらなるにぎわいの創出と魅力ある公園づくりにつなげてまいります。
続きまして、哲学堂運動施設ということでございまして、その管理棟の改修時期についてでございます。哲学堂公園管理棟の改修につきましては、令和9年度より着手することとしてございまして、仮設管理棟を設置した上で既存施設の解体を実施いたします。その後、解体範囲において埋蔵文化財調査を行い、新たな管理棟を建築する計画としてございまして、令和14年度ごろの完成を見込んでございますけれども、今後、設計を進める中で工期短縮等の可能性について検討してまいります。
○環境部長(石井大輔) 私からは、アスベスト対策の御質問のうち、アスベストに関する相談や区民等への普及啓発についてお答えいたします。建物の解体工事に関する相談や苦情は、振動・騒音に次いでアスベスト飛散による健康被害への不安が多く、当該物件に対しましては現場を確認の上、工事が適正に実施されるよう適宜指導を行っているところでございます。アスベストに関する相談は、建物施工や健康被害など多岐にわたるため、区公式ホームページには一覧で掲載しているほか、届出等の機会を通じた啓発も行っております。また、除去等の費用につきましては、建物所有者負担が原則となるため、事業者のみならず、所有者に対しても理解を促してまいります。
次に、アスベスト調査・除去に係る助成についてでございます。アスベストが飛散しにくいレベル3建材につきましては、令和2年以降、順次規制が強化され、現在では建物の解体・改修工事における事前調査や適正処理が法令により義務付けられているものでございます。これらは工事の一連の流れの中で行われるものであり、区独自の助成は考えておりませんが、国や東京都の動向については注視をしてまいります。
○議長(森たかゆき) 以上でひやま隆議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時47分延会
会議録署名員 議 長 森 たかゆき
議 員 山内あきひろ
議 員 内野 大三郎