平成18年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成18年第1回定例会本会議第3日(2月22日)
1.平成18年(2006年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
12番 きたごう 秀 文 13番 吉 原 宏
14番 高 橋 ちあき 15番 やながわ 妙 子
16番 平 島 好 人 17番 むとう 有 子
18番 はっとり 幸 子 19番 長 沢 和 彦
20番 か せ 次 郎 21番 山 崎 芳 夫
22番 小 串 まさのり 23番 若 林 ふくぞう
24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 昭 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(1名)
11番 伊 藤 正 信
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 内 田 司 郎
収 入 役 山 岸 隆 一 教 育 長 沼 口 昌 弘
区 長 室 長 寺 部 守 芳 総 務 部 長 石 神 正 義
総務担当参事 橋 本 美 文 区民生活部長 本 橋 一 夫
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 菅 野 泰 一
保 健 所 長 清 水 裕 幸 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 石 橋 隆 教育委員会事務局次長 金 野 晃
計画政策担当課長 川 崎 亨
本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 高 橋 信 一
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉
書 記 岩 浅 英 樹 書 記 菅 野 多身子
書 記 廣 地 毅 書 記 西 田 健
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 松 本 桂 治 書 記 吉 田 哲 郎
議事日程(平成18年(2006年)2月22日午後1時開議)
日程第1 第4号議案 平成18年度中野区一般会計予算
午後1時01分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 奥 田 けんじ
1 教育の質の確保について
2 財政について
3 人事制度について
4 その他
(1)生活弱者について
(2)その他
○議長(高橋ちあき) 最初に、奥田けんじ議員。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 第1回定例会に当たりまして、一般質問をさせていただきます。
まず教育の質の確保について御質問いたします。
ゆとり教育が始まりましたのが、1977年、小学校の6年生で1,085時間あったものが1,015時間、詰め込み教育の批判を受けて、初めて時間数削減という動きになりました。現在、1998年、学校5日制の完全導入、あるいは総合的な学習の時間の導入、学習時間3割削減といった形で、現在は小学校6年生時で945時間、こういったところまで、時間がかなり少なくなったということが話題には上っております。
しかし、本来は、この中で、子どもたちに生きる力をどのようにつけさせていくのか、この視点を大切にした取り組みであったものだろうと私は理解しております。
今日、各方面から、ゆとり教育については、かなりの批判が出ているところだと思います。学力低下、どのようにとめていくのか、こういった話題が各方面から持ち上げられている次第でございます。
こういった状況下で、現場を持っている中野区、私たち地方自治体を担う責任者として、どのように動いていくのか、やはりこれを考えていかなければならないと思っております。
2006年2月13日、中央教育審議会、初等中等教育分科会、教育課程部会審議報告書によりますと、「基礎的・基本的な知識・技能の育成、いわゆる習得型の教育と、みずから学び・みずから考える力の育成、いわゆる探究型の教育とは、対立的、あるいは二者択一的にとらえるものではなくて、その両方を統合的に育成することが必要である」としながらも、「基礎的・基本的な知識・技能を徹底して身につけさせるというねらいが必ずしも十分に達成できていない」とし、国の教育政策の失敗を認めております。
文科省の教育に求めている生きる力、この定義の中で、確かな学力、豊かな心、健やかな体、こういった三つの力を定義しております。おおむね私はこの方向性で進んでいくのが正しいだろう、このように判断しておりますが、まず冒頭で、基礎的な、あるいは基本的な内容を確実に身につけさせるというところを持ってきている、ここに基礎・基本の充実を重要視している姿勢が伺える、私はこのように考えております。
二項対立、つまり習得型か探究型かという対立ではなくて、結果、何をするのかではなくて、どのようにするのかという議論への転換は、私たち中野区も進めていく必要があるんだと私は思っております。
そうした視点を踏まえまして、学力の質を、中野区でどのように確保していくのか、質問をさせていただきたいと思います。
さきの定例会の中で、生きる力の基本は生命力である、そういった趣旨の質問をさせていただきました。早寝、早起き、朝御飯等が肝心と指摘させていただきました。基礎体力、生命力のアップの必要性を強く指摘させていただいたところです。体力向上プログラム策定、2006年度からモデル校の取り組みをスタートし、2008年度、全校実施の予定をされております。こういった事業の中で反映されていくことを期待しております。
そして、学力の基礎体力、私は、子どもたちの生命力とあわせて、学力についても基礎体力に当たる部分をやはり教育していく必要があるだろう、このように考えております。学力に関しても、基礎・基本は大切でございます。スポーツで例えれば、筋肉トレーニングや走り込みといったようなもの、だれにでもできる、しかし一方で、各人ごとに効果があらわれる、そういった種類のものでございます。
例えば、私がさきの議会で御紹介させていただきました土堂小学校、モジュール学習というものを実施しております。これは脳のウエイトトレーニングというような表現を校長先生はされておりましたけれども、学力の基礎体力づくりであります。火曜、水曜、木曜の1校時、つまり45分の15分を3コマという形に分けて、音読、あるいは計算、そしてもう一コマを学校の裁量という3コマに分けて、集中反復学習を45分間フルに行う、こういった実施でございます。この取り組みを受けて、土堂小学校では、校外テストにおいて、学校平均の偏差値が60に達するというような実績を出しております。
偏差値の偏重教育に戻るのか、そういった声がある、そういった御批判を受けている話も、ないではないですが、確かな学力があって、そこから探究型の学習が初めて実践される、そうしたことを踏まえれば、やはり基礎・基本をしっかりと踏まえていく、こういった事例を参考にしていく必要があるのではないか、私はこのように考えております。
こうした事例を踏まえて、モジュール学習等、学力の基礎体力づくりを検討されてはいかがかと思っております。所見をお伺いいたします。
続きまして、コミュニティ・スクール、学校運営協議会制度についてお伺いいたします。
先日、無所属の会で足立区の五反野小学校の視察を行いました。
2004年9月、法制度化されました新しい公立学校運営の仕組みでございます。このコミュニティ・スクールの実践を行っていく五反野小学校、目的は、もちろん、保護者の方、あるいは地域の方の声を学校運営に反映させていく、そのために、保護者、地域の方、学校、教育委員会が一体となってよりよい学校をつくっていく、そうしたことを目指したものでございます。開かれた学校づくりの理念、私は大変すばらしいものだと思っております。
しかし、一方で、どの地域でもこれが実施されるものではない、そうした多くの課題を感じ取ってまいりました。
新しい取り組みには、利害関係者の合意形成が重要ですが、コミュニティ・スクールの場合は、特に保護者の方々、地域の方々に相当の負担と責任が生ずることから、特に大切なことだと私は考えております。
開かれた学校づくりとして、中野区でも学校評議員制度をとっております。しかし、これはあくまでも校長先生が参考意見を聞くにとどまる程度のもので、組織的な意思決定の場とはなり得ないのが現状でございます。
足立区では、コミュニティ・スクール設置前から、開かれた学校づくり協議会、学校ごとの要綱で設置し、学校支援活動、授業診断、教育活動に関する業務を行っている、そうした合議体の組織でございます。各学校に設置されたものが、その中で学校運営の責任を担う準備をこの中で進めてきたのでございます。その中から、保護者、地域の方、学校の三者の合意のできたところからコミュニティ・スクールを設置していく、そうした段階的な流れをとっているのが足立区のやり方でございます。コミュニティ・スクールの制度、地域の環境次第では、大変有効なものだと私は考えております。一方で、その準備として利害関係者の発意を促す事前の体制がやはり不可欠だろうと私は考えております。
こうした開かれた学校づくりの中で、やはり準備段階として備えていくべきことが必要であろうと私は考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
続きまして、IT、最近はICTというふうにも申し上げるようですけれども、ITの導入で校務の軽減の検討というものをぜひしていただきたい、こういった内容の趣旨でございます。
今年度はe-Japan戦略の最終の年度に当たっております。PCで教育のできる教員の割合、普通教室のLAN整備率、おおむねこれらを100%目指しているところですが、実績としてはなかなか厳しい状況が伺えます。普通教室のLAN整備率、これは特に低くなっておりまして、全国では48.8%、東京都に至っては19.5%という状況です。足元の中野区を見てみますと、実に二中と七中のみ、つまりわずか4%という状況です。PCで教育のできる教員の割合、これは全国では把握がされているわけですけれども、中野区では現状、把握されておりません。
足立の五反野小学校、先日、視察してまいりました、この中でPCの普通教室の全面導入というものを今行っております。普通教室に校内LANを設置いたしまして、学校向けのグループ・ウエアの導入をいたして、情報の共有、業務の効率化、職員室の業務の効率化を行う、その中で職員室の朝礼で連絡事項をする、そういった必要がなくなる、あるいは生徒指導の記録が共有される、出席簿の管理がデジタル化され一元化される、そういったさまざまな業務の効率化、あるいは共有化を行うことで、何よりも子どもたちと接する時間が大幅に増加する、そういったメリットがある、そのような御報告を受けたところです。定量的に分析することは、なかなか難しい内容ではありますけれども、実感として大きな時間の確保ができたというような御意見をいただいたところでございます。
例えば、日野市では、来年度に1人1台、PCの全校配置というものを検討しているそうです。中野区で、PCの検討状況、ITの導入、校務への活用をどのように検討されているのか、御所見をお伺いいたします。
続きまして、教員の質の確保、向上についてお伺いいたします。
今、中野区では、教育マイスター制度、高い指導力と専門知識・技能を持つ教員を認定し、公開授業実施などを検討している、そうした制度だそうです。団塊の世代の教員の方が大量退職される、そうした影響もありまして、教員の不足、そして質の低下が懸念されているところでございます。来年度から国が優秀な教員を表彰する、そんな制度も実施される予定でございます。先行事例としては、ブレア政権下、イギリスで同じようにティーチャー・オブ・ザ・イヤーというような表彰制度をとっている、このように伺っております。
しかし、この趣旨は教員の優劣をつけるという趣旨のものではございません。さまざまな観点、多様な評価項目から、教員を動機付けしていく、新たな考え方、新たな取り組み方を見つけ出していく、そういった内容のものでございます。当然に各教科に関する表彰というものもあるわけですが、例えば生徒指導等、場合によってはドラマ部門というものもありまして、かなり多様な分野での表彰が行われているという実態がございます。
教育マイスター制度の実践も、同じように優劣をつけるという考え方に基づいて行われてはならない、そのように考えています。教員同士で学び合いが成立する、そんな制度を導入していく、当然、動機付けをしていくということもありますけれども、ぜひ、このマイスター制度の中で、教員同士、先生同士が学びあっていく、そんな姿が実現する制度にしていただきたい、このように考えているわけです。
例えば、富士市の岳陽中学校では、かつてこの学校は「荒れ」で有名だった学校でございますが、教員同士がお互いの授業を見合い、ビデオで記録する中で、お互いの授業の優劣をつけるのではなくて、子どもたちの学びがそこで成立しているかどうか、それを評価し合う、そしてお互いの授業の質を高め合う、こういった気づきの場を多く持つ、そんな中で公開授業を年間100回ぐらいやっている、会議等を極力減らしていく、そんな実践をする中で、不登校、非行、学級崩壊、そうした現状が大幅に軽減された、こうした御報告を受けております。
こういった事例を踏まえまして、優劣をつける、そうした方向性のものではなくて、せびマイスター制度を、教員同士の学び合い、つまり気づきの発生する、そういったことを促す制度としての設計を検討していただきたい、そのように考えております。御所見をお伺いいたします。
そして、もう1点、学力調査についてお伺いいたします。
調査開始から2年経過いたしまして、現状、試行段階から本格実施というところに入ってきていると私は考えておりますが、現状はどのようになっているでしょうか。
今、問題用紙、答案を含めて、同じような問題を来年度も使うという意味で回収をされていると伺っております。観点別の評価だけで、教員の方がそれぞれ個別の指導をするのは非常に難しいという現状が伺えます。できれば、せめて教員の方だけでも、問題や答案に関して見られるような形に改めていただきたい、これができないかどうか、お伺いいたします。
そして、結果を受けて、次のアクションを教員の方に任せておく、そうではなくて、ある一定程度、これぐらいできなかったときに、どういうアクションをとっていくのか、やはり組織として示していく、こういった方向性で検討していただきたい、そのような内容の御所見をお伺いいたします。
続きまして、事業の成果物を明確化する、そして事業プロセスを可視化することについてお伺いいたします。
当初、私は、財政、人事、項目を受けて二つの観点からお伺いする予定でございましたが、経営資源、人、物、金について、ベースとなる考え方を少し組み立て直す必要があるのではないか、そういった観点から、これを合わせて御質問させていただきたいと思っております。つまり、時代背景を考えますと、行政運営を取り巻きます背景の変化、これが大きくあると私は思っています。例えば、経済的には、高度経済成長が終わり低成長の時代が始まりました。そして人口は増加がとまり、減少がスタートする、そうした時代背景があります。自治の内容も、中央集権から大きく方向転換、自立・分散型、分権社会に入ってきております。そして情報は閉じられたものから、どんどんどんどん開かれたものへと変わろうとしている、まさに時代が変わっている、そういった認識を私は持っております。従来どおりの提携型の業務だけでは行政需要を満たせない、こんな時代になってきているんだろうと私は思っております。
学校の統廃合、あるいは各種民間活力を使っていく、パブリックコメント、さまざまな方法で先ほどの新しい行政需要にこたえていく、時代の変化に対応していく取り組みが始まっているわけですが、課題がございます。それは新しい取り組みを行っていく際に、事業ノウハウ、あるいは事業経験が大幅に不足してしまうということです。
従来どおりの提携業務、この場合、業務の定義、成果物があいまいなままでも、例えば予算プラス20%、こういった形で定めれば、経営資源をどのように使うのか、業務フローをどのようにするのか、ある程度は描けるんだろうと私は思っております。しかし、現在の経営管理手法、今はPDCAサイクルを回していく、そういった方法をとっておりますが、これだけではやはり限界がある、このように感じております。
新しい取り組み、そもそも比較対象がないわけです。あるいは比較対象は少ない、こういった状況の中で、そもそもその事業をやるかどうか、事業の定義、目的がはっきりとしないと、その中身が決まってまいりません。そして、何を、どこまで、いつまでにやるのか、成果物の定義というものが必要になってまいります。業務のプロセスにも抜け漏れが発生しやすい、事前の業務プロセスの明確化が必要になります。経験不足のために失敗の可能性が相対的に高くなってくる、こういったことも考えられるでしょう、リスクへの備えが必要になると思います。
例えば、事例として私が取り組ませていただいている例を申し上げます。私は現在、議員インターンシップという制度を利用しましてインターン生の受け入れを始めました。1年間ほどやらせていただいているわけですが、現在も6名ほど受け入れをさせていただいております。目的は、政治の参入障壁を下げていく、多くの方の政治の現場を見ていただきたい、そして、自分もやってみよう、そういった思いを持っていただく方がふえていただければ、そういった思いで始めたものでございます。そしてもう一つは、主体的な市民として具体的な活動ができる、そんな人材がふえてほしい、こういった思いから始めさせていただいたものです。
具体的にとっている方法がプロジェクト・マネジメントという手法でございます。エンジニアリングや建築の業界でこれは先行して進められた手法なんですが、私は、元日産自動車の開発担当者、新商品の開発の担当者のプロジェクト・マネージャーだった方のアドバイスを受けながら、PMBOKという国際標準企画にのっとりまして実践を行っている次第でございます。
その実践の中で、新しい取り組み、非定型型、つまり経験が少ない分野に関して適用するのになかなかふさわしいものではないのか、そういった実感を得ているところでございます。もともとがやはり非定型のプロジェクト型の建設であるとか、エンジニアリングの分野で発展した手法ですから、当然のことなんですが、事業をそもそも何のためにやるのか、事業の定義、あるいは結果として何が得られればいいのか、事業の成果物、事業のプロセスに抜け漏れがないのか、事業プロセスの明確化、見える化、そして事業の達成できないリスクはどうか、リスク管理でございます。そして進捗をどう管理していくのか、進捗の管理手法です。
例えば、この中野区で活用例を考えてみれば、区民との対話集会をひとつ取り上げてみたいと思います。区民参加の新しい取り組みとして、これは中野区長が公約にも掲げ、現在まで続いているものですが、例えば幹部職員が5名、7名かかわる、そういった事業です。しかし、参加者がだんだん減って、時にはゼロ名だったということもあると伺っております。事業の定義は、当然あるのだろう、私はそのように思いますが、事業の成果物は一体何なんだろうか、私は改めてこういった結果を受けて思うのであります。事業のプロセスに抜け漏れは果たしてないのでしょうか。
例えば、プロセスに広報活動のフローが不足しているのではないか、私はそのように考えてしまうわけです。成果物と比べまして経営資源のむだは生じていないか、求める成果物が、あるいは幹部職員の方がそれほどいなくても大丈夫なものかもしれない、あるいは、それだけの幹部職員の方がそろわなければならないのであれば、回数を減らして事前の広報活動の充実をする必要があるのかもしれない、こういった事業の目的に沿わない、あるいは達成できないリスクというものが果たして事前に検討されているのか、さまざまなことが、こうした一つの事業を取り上げても、分析対象として問題化が上がってくるわけです。
私は、何もプロジェクト・マネジメントという手法を丸ごと飲み込んでしまおう、そんなことを申し上げているのではありません。この中にあるエッセンス、非常に貴重な示唆がある、このように思っているわけでございます。特に業務の成果物は何なのか、期間、経営資源、品質、つまり、いつまでにやるのか、そして、どういった人を、どれぐらいのお金を、どういった物を投入するのか、そして品質です。どういったことが達成されていれば、その事業はよかったとするのか、それらをやはりしっかりと定義していく業務のあり方を定める。そしてもう一つ大切な要素が、経験の少ない、あるいはない分野に改めて挑戦するときに、ネットワーク図という手法をプロジェクト・マネジメントでは用いますけれども、抜け漏れがないかどうか、それを事前に予測する、そして不足があれば、それを補っていく、そういった業務フローをしっかりと見える化していくことが、私はプロジェクト・マネジメントのエッセンスだと思っております。
ぜひ、そうしたことを踏まえて、効果的な事業の業務フローがなければ、経営資源が遊んでしまう、さまざまな財務的にもむだが生じていく、そんな可能性があると思います。御所見をお伺いいたします。
あるいは、人事評価についても同じことが言えるでしょう。前年対比プラス何%、こういった比較はできない、こういった業務がますますふえてくる。こんな中で、目標管理シートを現在導入しておりますが、チャレンジの項目、もちろん、この中である程度掲げていく方法も可能かと思いますが、そもそもかかわる事業自体がチャレンジングなもの、そうした場合に、この目標管理シートだけではなかなか管理するのが難しい、評価するのが難しいと思っております。新しい取り組みの中で評価する手法も改めて検討される必要があると私は思っておりますが、御所見をお伺いいたします。
そして、さらに定型業務へもこうした視点を生かされる、このことを御提案申し上げて質問いたします。
事業の目的、成果物の定義、これは従来型のものは、あいまいであっても業務を進めることは可能でした。しかし、改めてここで、目的は何だったのか、何ができれば成果物ということができるのか、こうしたことを改めてとらえ直す、業務のプロセスに、抜け漏れ、あるいは改善ができないか、こうした見直し、達成できないリスク、それが、時代背景が変わればやはりリスクも変わってくる、こういった視点を踏まえて見直していく進捗管理も、ぜひそうした視点を含めて考えていただければと思います。御所見をお伺いいたします。
さて、その他の項で、生活弱者についての御質問を何点かさせていただきます。
まずは逆転現象ということについてでございます。
私が地域の声を伺っております中で、最近とみにふえてきたと感じているのが、生活保護受給者世帯と低所得であるが自立されている、あるいは国民年金で生活されている世帯との逆転現象が所得ベースで起きている、こういった現状がある、このことに関してでございます。ぜひ、これに関して自治体レベルでできることは何なのか、そういったことについて、もし検討が可能であれば、あるいは今現状、取り組んでいる内容があれば、お答えいただきたいと思います。
これについては、国の制度の見直しが進められることが肝要だと思いますので、なかなか自治体レベルでは難しいとは思いますが、御所見があればお伺いさせていただきたいと思います。
そして、生活弱者という視点で何よりも私が気になっておりますのが子育て世代の問題でございます。可処分所得ベースで実態を把握していくことが私は大切だということを申し上げたい次第でございます。
厚生労働省が出しております平成16年の国民生活基礎調査というものがございます。高齢者の世帯が291万円、これが平均の所得でございます。一方で、児童のいる世帯が703万円、世帯当たりの平均の年収でございます。高齢者の世帯、その所得に対してどのように感じているのか、苦しいとお感じになっている方が50%、当然、この世帯に対してのまだまだ十分な手当てがなされていない現状が見えるかもしれません。しかし、児童のいる世帯を見てみますと、実に63.1%の方が苦しい、このように答えていらっしゃる現状がございます。
さらに詳しく見てみますと、国立社会保障・人口問題研究所の統計によりますと、世帯主が20代の方の世帯の平均が312万円、3割以上の方が既婚というデータが出ておりますので、この金額、仮に全員が未婚であったということを考えて、その方々が全員結婚して所得が落ちなかったとしても624万円にしかならないという現状です。先ほど申し上げました児童のいる世帯703万円で非常に苦しいと感じている、そうした方が6割を超えている、こういった状況を考えれば、こうした未婚であるけれども、現在は生活に困っていない、そうした方が将来に対して大きな不安を覚えるのも当然ではないのだろうか、私はそのような印象を受けたわけです。結婚すれば、恐らくさまざまな障害がございます。そんな中で、624万円、純粋にふえることはないでしょう、500万円を切る、そんなケースもふえてくるのではないかと思います。生活が苦しい、そんな中でどのような子育て支援をしていくのか、私は抜本的な見直しをしていく必要があるだろう、このように思っております。
所得階層水準で政策を切り分ける、そうした時代が長く続いてまいりました。所得が多いから生活が豊かだ、そういった単純な切り分けでは今は難しい、このように感じております。統計にはあらわれてこない声、これにもっと声を傾けていく必要が私はあるんだろうと思います。名目では、あるいは703万円かもしれません。しかし、可処分所得のベースでは決してそうではございません。住宅ローンを抱えていたり、教育費が非常にかさんでくる、こういった現状の中で、声として苦しい、こういった声が出ているわけです。未婚化、晩婚化が少子化に拍車をかけている、そうした中で、子育て世代が、結婚、子どもを単にライフスタイルによる選択だけで選んでいるわけではない、そういったことをぜひ留意していただきたい、このように考える次第でございます。生活の困窮度を名目だけではなくて可処分ベースで実態をとらえていく、そんな必要性が私はあるんだろうと思います。御所見をお伺いいたします。
また、子育て支援に関して、少しずつふやしていく、そうしたスタンスではやはり厳しいといった現状があるんだろう、こうした統計のデータからも伺えます。国、都への積極的な働きかけを含めて、政策転換、総合的な取り組みをしていく必要があるんだろう、そのように考えておりますが、所見をお伺いいたします。
そして、その他のその他の項でもう1点、統廃合になる学校についてのことでございます。
私は、中野富士見中学校、統廃合の対象になっている学校ですが、こちらに、さまざまな行事に呼ばれる際に校歌を歌うことがございます。非常にいい歌だな、そういった印象を受けながら、来年もまた歌いたい、そういった気持ちを強く持つわけでございますが、残念ながら、行政需要が変わってくる、その中で統廃合も余儀なくされている現状がございます。ぜひ検討していただきたいのが、こうした学校の文化、歌であるとか、さまざまな歴史、そうしたものを形に残していく取り組みを検討していただきたい。
例えば、先ほど申し上げました校歌であれば、OBの方を含めて校歌を録音してCD等で残していく、そういった取り組みは、それほどの金額はかからない取り組みとして可能だと思います。私は、多くのOBの方からお声を受ける中で、何か形に残せるものがないのか、そして行政として支援できるものはないのか、考えてまいりました。ぜひひとつ検討していただきたい、そのように考えております。
以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 教育の質の確保についてお答えいたします。
まず基礎学力を培うためにモジュールの活用等をというお話でございました。
基礎学力の定着につきましては、みずから学ぶ意欲、あるいは思考力、判断力、表現力などの前提条件にもなるということで、極めて重要であると考えてございます。
中野区の半数以上の小学校では、15分のモジュールを活用いたしまして、計算や漢字の繰り返し練習、あるいは朝読書等に取り組んでいる実態がございます。基礎学力の定着を図る一つの方法として、今後も各学校の実態にあわせまして取り組んでまいりたいと思っております。
次に、コミュニティ・スクールに関してでございます。
中野区の区立学校では、これまでも教育活動を進んで保護者、あるいは地域に公開するとともに、全校で学校評議員制度を導入いたしまして、学校運営に地域の方々の意見を取り入れているところでございます。教育委員会といたしましては、学校と地域の連携を拡大しながら、各自治体で先行する事例についても、調査・研究を進めてまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、地域の学校を地域の力で運営していこうという機運の醸成というものがなければ、例えば法律に基づきます地域運営学校、そのようなものの実現はなかなか難しいと考えているところでございます。
次に、ITの導入に関しまして、教育委員会の考え方でございますが、学校でのITの導入につきましては、コンピュータを利用いたしました授業、あるいは教育の充実を図る、そのほかに校務事務、こうしたものの効率化のために推進していく必要があると思います。今後、コンピュータ教室以外にも、計画的に各教室にパソコンを配置いたしまして、校内LANを構築するとともに、教職員用のコンピュータも増設いたしまして、学習と指導の充実、あるいは校務事務の効率化を図ってまいりたいと考えてございます。
次に、教員の授業力向上に関しましてでございます。
新年度から予定しています教育マイスターでございますけれども、これは教員の優劣をつけるというのが目的ではございません。高い指導力や専門性を持つ教員を教育委員会が教育マイスターとして認定いたしまして、その教員が授業公開等を行いまして、他の教員の指導を行い、学級全体の経営の見本を見せるなどして、全体の授業力を高めることが目的でございます。
次に、学力調査結果への対処方法でございますが、調査結果につきましては、科目別、あるいは観点別の評価、あるいはコメントなどが示されたものを教師や子どもたちに返しているわけでございます。そしてその後の学習に生かすようにしてございますけれども、問題、それ自体につきましては、著作権の問題、あるいは経年調査を行うということから、同趣旨の問題が提出されることもありますので、それ自体の返還は行っていないということでございます。
また、学力にかかわる調査結果の対応につきましては、単に教師一人ひとりに任せているのではなく、学校としての授業改善プランを作成しているところでございまして、今後とも充実してまいりたいと考えてございます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の質問にお答えをいたします。
私の方からは、財政、人事などマネジメント手法に関連する御質問にお答えをさせていただきます。
中野区は、目標と成果による管理ということを掲げておりまして、PDCA、計画・実施・評価・改善の経営サイクルを確立するということを目指して、仕事の組み立て、組織の組み立てなどの改革をしてきたところであります。その中で、PDCAサイクルを確立するには、目標と成果というものがきちんと定義付けられていなければいけないということであります。そうした目標が何を目指しているのか、どれだけの出来高を上げるのかということではなく、どういう状態を目指してつくり出すことを目指しているのかという目標をきちんと定義付けるということ、その目標に対してどれだけ成果を上げられているのか、近づいているのかということを、可能な限り数値化をして成果を管理していく、目標と成果をきちんと定義付けをしていく。そのことを中心に、それを一番うまく動かしていくための組織をつくっていくということで、従来あった課や係といったものを廃止しながら、それぞれの仕事で目指す目標ごとに、きちんと仕事をする体制をつくり出してきた、それが組織のフラット化ということにもつながってきているわけであります。
そうした目標をきちんと定義付けて、それがどういうふうに成果を上げたかを評価して、これが行政評価なわけですけれども、行政評価の中では、目標が正しく定義付けられているんだろうか、あるいはこの評価のとらえ方はこれでいいのだろうかといったこと、そのものをも評価の対象としている、そうした形で経営サイクルをつくり出そうとしてきているわけであります。
そういう意味で、奥田議員が今提案されたような内容とかなり近いことを私どもは目指していると思っているところであります。
なかなか目標を定義付けるというところに難しい面がありまして、例えば区民対話集会の例を挙げていただきましたけれども、お話にあったような一般の区民対話集会は、幹部職員は、区長室の担当課長を除いて同行しておりません。計画をつくったりするときの意見交換会は、各部が細かに御説明する必要があるということで、行っていますけれども、基本的には私が一人でお話をしてくるという形です。
一人も参加者がなかったときがあったと言われたんですけれども、一人のときがあったんです。大して違わないと言われるかもしれないんですけれども、正確にお話ししておきますが、参加者が少ないから必ずしも成果が上がっていないということではないんだろうと思うんです。やはりある程度の時間的な経過を見て、区民対話集会での参加が区政の中で生かされて、それで区民にとってよりよい施策が生み出されてきているかどうかといったあたりが、評価をしていくメルクマールになるのではないかと思うわけでありまして、そうした意味での目標と成果の定義付けといったことにも、きちんと留意をしながら事業展開をしていきたいと思っているところであります。
そうした区政運営の進め方、マネジメントの進め方といったことについて、職員に習熟をしてもらう、職員がその中で生き生きとして働いてもらうという意味で、目標管理シートといったようなツール、素材を用いているわけですけれども、そうしたことを通じながら、職員がみずから自分の力をつけていく、組織自身が学習していけるといった組織をつくっていくことが重要であろうと思っております。
私からは以上であります。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 生活保護受給者と年金受給者の逆転現象についての区としての取り組みをということでございますが、年金制度と生活保護制度とは、その目的とするところが異なるため、経済的な面で比較するのは大変難しい問題であろうと思っております。区としてできることというのは、なかなか難しいと思いますけれども、現在、国では生活保護制度のあり方について検討しておりまして、区としても、こうした方向を受けまして、補足性の原理に基づく自立助長の強化など、適正な保護の実施に努めてまいりたいと思っております。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 子育て世帯の子育てへの負担感、経済的な負担感といったお尋ねでございました。
私どもが実施いたしました次世代育成支援行動計画策定のための子育て世帯を対象といたしましたアンケートの中でも、経済的な負担感のほか、孤独な子育てでありますとか、知識・経験の不足などといった実態のあることが明らかになっておりまして、こうしたことが子どもを持たない世帯がふえる要因になっているのではないかと考えております。
区は、10か年計画の中で、元気いっぱい子育て戦略ということで、さまざまな子育て支援施策をお示ししたところでございますが、引き続き、子育て世代、あるいはこれから子どもを持とうとする世帯の生活実態なども十分に踏まえまして、安心して産み育てられる効果的な施策を進めていきたいと考えております。
〔教育委員会事務局次長金野 晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野 晃) 新しい学校にこれまでの学校の文化・伝統を残すということについてお答えいたします。
学校の統合を行う場合は、新しい学校は現在の学校の歴史を引き継ぐことになると考えております。地域や保護者でつくる(仮称)学校統合委員会の検討を踏まえて具体的にどうするかを決めていくことになりますが、行事や特色など、それぞれの学校のよい点を残すとともに、新しい学校で記念になるものの保管や展示など、そうした手だてを講じていきたいと考えます。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 再質問させていただきます。
まず区長答弁の中で、今現在やっているところで、業務の定義付けとか、そういったところの部分、かなり重なる部分が多いんではないか、こういった御指摘があったと思うんですけれども、その中で、定義付けという流れは、恐らくPDCAサイクルの中に取り込まれていると思うんですが、新しい取り組みの中で、業務フローの抜け漏れが発生しやすいというところが、やはりプロジェクト・マネジメントのエッセンスの中で欠かせない視点だろうと私は思っています。そういったところの業務フローを把握する際に、ネットワーク図という概念があるんですけれども、それを使われてはどうかということを御質問させていただきましたので、そこのところの御答弁をいただきたいと思います。
それから教育の質に関してなんですけれども、教員同士の学び合い、気づきを促すような制度にしてほしいという趣旨で御質問させていただきましたので、学び合いが生まれるような場づくりについて、取り組まれることに関しての答弁をしていただきたいと思います。
それから子ども家庭部のところで、可処分ベースで実態をとらえていく必要があるのではないかという指摘をさせていただきました。これについて所見を改めてお伺いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 目標と成果の管理ということで仕事をしていくわけですけれども、その中で、どういった過程を踏んで仕事、成果を上げていくのかといった仕事の流れというものを、目に見える形で作成をしながら確認をしていくといった仕事の進め方というものも、それぞれの管理者、中野区では、分野のマネジメントをするのは統括管理者ですけれども、それぞれの管理者の段階において、さまざまに工夫をしていくという形で行っているところであります。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 教員同士の学び合いということでございますけれども、当然、教育マイスターの制度を活用しまして、そういう成果を生かしながら、各種の研修会、あるいは技術を磨き合うなど、区内全体の教師の指導力の向上に努めてまいります。
現在でも、いろいろな小学校、中学校、それぞれの教育研究会というのがございまして、そこで研究授業の成果をお互いに発表し合っています。また、教育委員会で、東京都、あるいは国からも、いろいろな研究指定が各学校で行われていますので、そういったものを通しながら、教員同士、授業をお互いに公開し合いながら授業力を高めているという現状もございます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 可処分ベースで生活実態をとらえることも必要ではないかという御質問でございました。
先ほど申し上げましたように、子育て困難な状況というのは、経済的なことだけではないと考えておりまして、さまざまな支援が必要だと思いますが、経済的な負担感の内容につきましては、十分にこれからも研究をしていきたいと思っております。
○議長(高橋ちあき) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 はっとり 幸 子
1 施政方針説明について
2 幼児教育振興について
3 心の健康づくり支援について
4 食を巡る課題について
5 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、はっとり幸子議員。
〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) 2006年、第1回定例会に当たり一般質問をいたします。
最初に、施政方針説明について伺います。
3年半前、区長が区民から付託された一番大きな仕事は財政再建でした。危機的状況の区財政を立て直し、次世代に負担を残さない持続可能な区政とするための財政基盤をつくることが大きく期待されていました。
毎年の施政方針説明で示されたさまざまな区政改革は、そのほとんどを実行されましたが、これは区民、議会、職員の方々の理解と協力を得てこその実現だったと思います。
議員の皆様は、もう既に御承知のことですが、事業の積極的な見直しによって、23区平均を大きく上回っていた区の借金である公債費比率は、2004年度、平成16年度決算で23区平均を下回るまで改善され、今回示された来年度の予算は、財源対策をしない13年ぶりの健全予算となりました。人件費比率が20%台になったのは、1994年度、平成6年度以来12年ぶりであり、財政調整基金の取り崩しをしなかったのは、1989年度、平成元年度以来17年ぶり、また三位一体改革などに対応するためとして、来年度起債をしていないのは、1968年度、昭和43年度以来38年ぶりとのことです。また、来年度末の基金残高は224億円が見込まれ、2001年度、平成13年度末の残高68億円から大きく伸びるなど、財政安定化への取り組みの一定の成果だと思います。
施政方針説明の中で、区長は「官から民へ」の流れにより、地域や社会を活性化する方向は変えるべきではないとのお考えのもとで、「中野区においても、公共サービスにさまざまな形で民の力を活用することは、これまで進めてきた改革の中で大きな成果を上げており、引き続き推進していく必要がある」と述べています。保育園、学校給食、学校警備、図書館、高齢者会館などの運営を、区民団体、NPO、企業などへ、委託、民営、指定管理者への移行と民間の力に委ねてきたことの成果は、財政面だけではなく、区直営の時代よりもサービスの質の向上にもつながっているところもあり、区民の評判もよく、これからも進めていくことが必要だと考えます。
区長は、こうした取り組みを積極的に進めるに当たって、「欠かせないのは、行政がサービスの質を監視したり、利用者からの苦情相談対応を確立する、第三者評価の仕組みをつくるなど、利用者の権利とサービスの向上を担保する、つまり行政にしかできない働きを的確に行うことだ」と、これまでの施政方針説明で述べています。今回もまた「今後さらにサービスを向上させていくためには、適正かつ公平な競争を確保する仕組みや利用者を守る仕組みなどを整備していくことが重要であり、そうした仕組みをより強化し、明確なものとしていくことで、民間活力の活用は一層進展することになり、改革は新たなステージに入ると考えている」と述べています。
基本構想で描かれた将来像、区民と行政による自治の未来をしっかりと見据え、行政の役割として区民の権利とサービスの向上を担保する仕組みづくりは不可欠だと考えます。どのような内容の仕組みをいつごろつくるお考えでしょうか、お尋ねいたします。
また、10か年計画の中で示されている四つの戦略は「まちの活性化」「地球温暖化防止」「元気いっぱい子育て」「健康・生きがい」で、日本の社会全体を取り巻く課題のうち、特に区民生活に大きな影響のあるもので、中野のまちからこれらの課題を解決し、日本の社会の流れを変えていくことを目指しておられるということですが、その戦略を進めるためのベースになるものは何だとお考えでしょうか、伺います。
以上でこの項の質問は終わります。
次に、幼児教育振興について伺います。
新聞報道によれば、政府は幼稚園と保育所の一元化に向け、双方の機能を備えた施設を(仮称)認定こども園として整備し、幼児の教育、保育を一体的に行うための新しい法案を開会中の今国会に提出し、成立すれば、ことし秋には開園という運びになるようです。
区は、新しい中野をつくる10か年計画で、幼児人口の減少などにより周辺需要は満たされた状態にあり、公立、私立、幼稚園、保育所を問わず、区内の幼児教育全体の質の向上を図る考えに立ち、やよい、みずのとうの区立幼稚園2園を幼児総合施設へと民間活力を活用して転換していく考えを示したところです。
文教委員会において時間をかけて議論をしてきた問題ですが、改めて2点についてお伺いいたします。
10か年計画では、質の高い幼児教育・保育の実現に向け、ステップによって取り組みを示しています。私は、(仮称)子育て幼児教育センターの開設、また幼児総合施設への転換などの施策転換を進めることに賛成の立場です。ただ、計画に書かれている「公立と私立、幼稚園・保育所の区別なく、すべての子どもが幼児期に適切な教育・保育を受けています」という10年後の目標とする姿を実現するためには、区として、幼児教育のあり方、方向性を明確に示し、幼児教育をどのように進めていくのか、具体的なプログラムをつくる必要があると考えています。23区の中でも先行して取り組みを進めている足立区、品川区だけではなく、世田谷区、中央区、大田区、千代田区など幾つもの区が、国の動向を見据えつつ、区の今後の幼児教育のあり方を示し、具体的プログラムの検討をしています。今からでも遅くはないと思いますので、改めてお考えを伺いたいと思います。
また、幼児総合施設の設置に当たっては、保護者を初めとする区民の意見を聞く場を設けることについては、昨日の御答弁もあったところです。幼児の新しい育ちの場として設置される幼児総合施設は、モデルになるものがない中で、中野区としてのモデルをつくっていかなければなりません。区の担当の職員の皆さんには、既に取り組みが進んでいる施設も参考にしながら、しっかりと検討をしていただきたいと思いますし、保護者を初め区民の意見をきちんと受けとめ、子どもの最善の育ちを保障する幼児総合施設にしていくことが求められています。また、これまで30年間にわたって行われてきた両区立幼稚園における幼児教育の実践の積み重ねを、ぜひ新しい施設に反映させていくことも要望されています。お考えを伺います。
保護者や地域住民の方々から提出された計画案についての陳情は、文教委員会で審議され、委員会での結論は出されました。陳情された保護者の方々から、各会派の文教委員を初めとする議員の皆さんとの懇談が連日のように申し込まれ、私だけでも延べ10数時間になりましたから、他の議員の皆さんの時間を合わせれば相当なものになると思われます。また、さらに教育委員会や区長との個別の懇談、対話集会など、何回もの意見交換が行われたと聞いています。最初は区の突然の2園の廃止発表と来年度の3歳児募集の停止に怒り心頭だった保護者の方々が、調査をしたり、議会の質疑の傍聴をする中で変わってきたと思います。最初は、懇談のときも、終わるとどっと疲れが出るような雰囲気でしたが、次第に和やかになってきました。
文教委員会の2回目の陳情審査の後、ある保護者の方からメールをいただきました。その一部を御紹介します。「実は、一番初めに10か年計画において幼稚園廃園と聞いたときには、目くじらを立てて絶対反対と豪語し続けておりました。しかし、意見交換会や先生方との懇談、区立私立幼稚園・区立認可無認可保育所などに子どもを通わせている多くの知人や未就園児を持つ知人との話、中野区を初め他区の幼児教育への取り組みの勉強など、いろいろと時間を経て、現在は、廃園だ、存続だということの域を越え、中野区の幼児教育を考えたいという思いが非常に強くなっています。極端に言えば、たとえ幼稚園が存続になったとしても、それだけでいいのだろうかとさえ思います」というものでした。
区の施策を新たな時代に対応したものに転換するとき、反対の起きることが多々ありますが、区政の情報を共有し、対話を重ねることで、お互いの歩み寄りはできると思います。今後の区の丁寧な区の対応を要望して、この項の質問を終わります。
次に、順番を変えさせていただきまして、食をめぐる課題について、中野区食品安全委員会と食育について質問いたします。
昨年11月、第4期の中野区食品安全委員会がスタートしました。第3期委員会終了からこれまでの3年間で、BSE、鳥インフルエンザなど、食をめぐる新たな問題が発生しています。また、この間、2003年度、平成15年度に、食品安全に関する国や自治体、事業者の責務や消費者の役割を規定した食品安全基本法が制定され、中野区と同じ名称の食品安全委員会が国に設置されました。
今回、4期の委員会に対し、区長は区が策定する予定の(仮称)中野区食品の安心・安全基本方針に盛り込むべき内容について諮問をされました。諮問の内容はどのようなものでしょうか。また、基本方針の策定は、新しい中野をつくる10か年計画の中にはありませんが、つくる時期については、どのようにお考えでしょうか、あわせて伺います。
今、朝食を食べない子どもたちや、孤食といわれる子どもだけで食事をする割合がふえ、今年度、中野区が実施した区立小・中学生対象の食に関する調査でも同じような結果が出ています。各家庭で伝えられてきた食文化が風前の灯火になっているといわれ、現状への危機感が広がっています。食事の前の「いただきます」のあいさつが、人の命が多くの生き物の命によって支えられているという命をいただくことへの感謝の気持ちを込めているのだと私たちは教えられてきました。しかし、今、命の連鎖ということが実感できなくなっています。
そうした中で、食をどう取り戻すのか、昨年7月の食育基本法施行を機に食育が注目され、学校や保育園などでの子どもを対象にした取り組みや親に対する働きかけも各地で行われ始めました。子ども自身が食を営む力を育てようと、食育の指導者向けの研修や小・中学生を対象にした泊まりがけで食事づくりを学ぶ食育セミナーを開いているNPOもあります。
食育基本法で位置付けられた食育とは、生きる上での基本であり、知育、徳育、体育の基礎となるべきもので、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることとしています。
イギリスとアメリカでは、既に朝食が給食として実施され、アメリカでは1975年から全州で学校朝食事業が始まり、希望者は学校で朝食をとることができるようになっているそうです。日本でも、もう家庭には期待できないと食育の社会化を主張する研究者もいて、文部科学省の中央教育審議会などで、朝食も給食化したらどうかという意見が出始めていると聞きました。しかし、家庭での食育の機能をしっかり維持できるようにしていくための方策を真剣に考えることが必要です。
食育基本法は、厚労省、農水省、文科省の三つの省庁にまたがる法であるため、国においては、内閣府に担当が置かれ、県レベルでの担当部局もさまざまです。東京都の場合は産業労働局が担当となっており、中野区とは産業振興課を通じたルートになっているようです。区は今後の食育推進に向けどこに担当を置き、どのような体制で取り組んでいくお考えでしょうか、お答えください。
法には、国や自治体、教育関係者、食品関連事業者、国民など、それぞれの責務や家庭、学校、保育所、地域などの基本的施策の推進、自治体の食育推進計画策定や食育推進会議設置について書かれていますが、具体的に何をしなければならないという記述はなく、各自治体の地域の状況に合わせた施策をつくることが求められているのだと思います。
そこでお伺いしますが、区は今後、食育推進に向けてどのような取り組みをされるお考えでしょうか。推進計画策定や推進会議設置についてのお考えも含めてお答えください。
最後に、心の健康づくり支援についてお聞きします。
この1月に区は、保健福祉総合推進計画2005の案を公表し、パブリックコメントの募集が終了したところだと思います。昨年、計画の改定に当たって実施された区民の健康意識調査によれば、この1カ月間にストレスを感じたことがあると回答した区民は69.2%に上っています。学校や職場でのストレスが引き金となってうつ病を発症し、休学や休職をするケースもふえているということです。また、区の40歳から64歳の自殺による死亡率は、人口10万人に対し1990年の29.8人から1998年には40人を超え、2004年には28.0人に減少していますが、経済不況や親の介護、自身の健康などの不安、悩みを抱えての区民の自殺率も高くなっているということです。
昨年度、区の教育委員会が開催した区民カレッジ講座は「うつ病を治す・支える社会へ」がテーマで、4回の講座には、担当職員も予想外の延べ200人を超える参加があったそうです。自殺の背景にはうつ病の増加があるとされ、社会からの理解が求められているという問題意識から、病気についての理解や、もし自分がなったら、また周りの人がなったらどうすればいいのかを学び、考えるという趣旨で開催されています。また、今年度、区の保健福祉センターが開催したうつに関する講演会にも60名近い区民の方々の参加があったということです。
警察庁が公表している平成16年中における自殺の概要によれば、一昨年1年間に全国で3万2,325人がみずから命を絶っており、7年連続で3万人を上回っています。欧米など先進国と比較すると日本の自殺死亡率は突出して高いそうです。さらに、自殺未遂者は30万人いて、それによって心に打撃を受ける家族や友人など周囲の人々は100万人いると言われ、自殺者3万人というのは、当事者だけではなく、実に年間100万人を超える人々が心に深い傷を負う深刻な事態となっています。
国は、2001年度、平成13年度から自殺防止対策費を予算化し、相談体制の整備や自殺防止の啓発、調査研究などに取り組み、2002年度、平成14年度には自殺防止対策有識者懇談会が自殺防止に向けての提言をまとめていますが、その施策が個人を対象とした対症療法的なものに偏っていたこともあって、その後も自殺者は高い水準のままとなっています。
現代の自殺の多くは、過労やリストラ、社会的孤立やいじめなど社会的な要因が背景にあって、自殺する個人の問題というよりも、追い込まれての死であり、社会的な問題として認識されるようになってきました。WHO世界保健機構が「自殺はその大半が防ぐことのできる社会的な問題」と明言していることを踏まえ、昨年7月、参議院厚生労働委員会は自殺防止関連施策が十分な効果を発揮していない現状の検証、自殺による死亡者数の減少と自殺死亡率の引き下げ、自殺した人の遺族や自殺未遂者に対するケアの充実など、自殺問題に関する総合的な対策を求めた決議を行い、政府に提出しています。フィンランドでは国を挙げて自殺防止対策に取り組み、30%以上も自殺率を下げたということです。
これまでタブー視され続けてきた自殺という問題を、日本社会における命のあり方の問題としてとらえ、新しいつながりが新しい解決力を生むと社会に広く呼びかけながら、自殺防止に取り組んでいるNPOがあることを先日、東京ボランティア・市民活動センターで開かれたフォーラムで知りました。民間の団体と行政のパートナーシップによる取り組みが求められています。自殺予防のための正しい理解の普及・啓発、自殺防止対策マニュアル作成、ライフステージ別相談体制の整備、また地域ぐるみで行う体制の仕組みづくりなど、今後考えられる取り組みはいろいろとあり、既に視察を進めている自治体もあります。
区は、保健福祉推進計画の中で、心の健康づくりを支援するために、自分に合ったストレス解消法などの情報提供、また本人や家族がいつでも気楽に相談できるよう相談体制の整備などを計画に示していますが、具体的にはどのように取り組むのでしょうか、お考えを伺い、私の質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えをいたします。
まず施政方針説明をめぐって、さまざまな形で民間から提供されるサービスに対する苦情の対応ですとか、サービスの質を保証する仕組み、そうしたものをどうつくっていくのかといったことがまず1点ありました。
これについては、これまで、例えば保育園の民営化や指定管理者制度の導入といったこと、またさまざまな場面で民間の力を利用してサービスを拡充していくといった場面で、その都度、区として苦情対応の仕組みやサービス利用者からの相談に対応するような仕組みを設けてきたところであります。介護保険のサービスについては、事業者の協議会に苦情対応の仕組みをつくっていただく、そうした仕組みを区が支援するといった形でも行ってきました。
こうした仕組みを集大成しながら、区民がこれからさまざまな形で、民が提供する公共サービスを利用する、そうした場合におけるサービスの質の確保のための公の仕組みといったものについて、18年度中に内容、あり方といったことを定めていきたいと考えているところであります。
それからもう1点、10か年計画、四つの戦略を進めていく上でベースとなるものは何なのかという御質問がありました。
私は、施政方針説明の中でも、これからの社会の豊かさというのは、人々の知恵でありますとか、人と人とのつながり、支え合いの中で生み出されてくるものであるといったことを申し述べているところであります。四つの戦略を展開していくに当たっても、やはり人の知恵、人と人とのつながり、支え合いといったものが十分に生かされていく、そうした中で新しい社会の展望が開けていくのではないかと考えているところであります。
それから中野区として、これからの幼児教育をどのようにしていくのか、そうした展望を持つべきだという御質問がありました。
区といたしましては、幼稚園、保育園、あるいは公私の別なく、すべての子どもたちが行き届いた十分な教育のサービス、保育のサービスを受けられる、あるいは教育・保育だけではないさまざまな支援のサービスを受けられるといった状況になっていくことが必要だと考えております。そういう意味では、これまでの幼稚園の役割、保育園の役割といったものをさらに発展させていくことも必要であるし、また幼児総合施設のような新しい施設をつくっていく、そうしたことも必要だと考えているところであります。
そういう意味で、幼児総合施設を含め、中野区の幼児教育・保育などの施設やサービスの全体構成でありますとか、今後の役割分担など、基本的な考え方について整理を行って、18年度の早い時期にまとめていきたいと考えているところであります。
それから幼児総合施設を検討していく中で、区民の意見をお聞きする方法についての御質問がありました。
御質問の中にもありましたように、こうした新しい考え方、新しい施策の展開に当たって、当事者の区民の皆さんと直接、さまざまな形でお話し合いをしていく中で、区民の皆さんの御理解もいただけたり、あるいは区民の皆さんの御意見をいただく中で、私どもの考えも進展を見たりといったことを検討してきたところです。そうした経験を踏まえながら、よりよい転換のあり方ということを検討していきたいと考えているところであります。
幼児総合施設の基本的な考え方をまとめた段階で、保護者や関係者への説明のほか、区民の皆さんとの意見交換の場などを設けていきたいと考えております。
それから心の健康づくりに関連しての御質問がありました。
うつと自殺にはやはり密接な関係があり、うつなどへの対策が自殺予防に一定の効果があると言われているところであります。区といたしましても、御質問にもありましたが、保健福祉センターでのうつ特設相談でありますとか、それから事業所の経営者や労働安全担当者などを主としたうつに関する講演会、そういったものの開催を行うなど対策に取り組んできたところであります。
今後、職員の相談スキルの向上でありますとか、地域の専門医療機関と連携をした相談体制の充実などを図っていきたいと考えているところであります。
私からは以上です。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 第4期食品安全委員会に対する区の諮問内容でございますけれども、中野区といたしまして、食品の安全に関する取り組みの基本方針を定めたいと考えておりまして、そのために、第1に、食育の前提となる子どもの食の安全策の推進、第2に、区民、事業者、行政の連携によるリスク・コミュニケーションの考え方、第3に、区民みずから食品の安全を守ることができる体制の確立、第4に、事業者みずからつくる食品の安全確保システムの充実につきまして、考え方を出していただきたいということで諮問しております。
食品の安全に関する取り組みの基本方針の策定でございますが、今定例会の御意見などを聞きながら、なるべく早く策定したいと考えております。
それから食育に関します区の対応でございます。
食育につきましては、教育、保健福祉、子ども家庭、区民生活など、さまざまな部門にわたります領域の課題でございまして、それぞれの担当がそれぞれの視点から検討を行い、取り組みの具体化を図っているところでございます。近く庁内に食育関連の連絡会を設置することとしておりまして、この中で区としての食育に関する取り組みの体制でありますとか考え方につきまして、明確化を図っていきたいと考えております。
それから区としての食育推進基本計画につきましては、現在、検討中の国等の計画を踏まえまして策定してまいりたいと考えております。
それから食育基本法33条にございます市町村食育推進会議につきましては、この計画の策定の中で検討したいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小 串 まさのり
1 新しい中野をつくる10か年計画より-中野福祉作業所について
2 新しい中野をつくる10か年計画より-(仮称)昭和、東中野区民活動センターについて
3 新しい中野をつくる10か年計画より-中野体育館について
4 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、小串まさのり議員。
〔小串まさのり議員登壇〕
○22番(小串まさのり) 平成18年第1回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブの一員として一般質問を行います。
質問項目は、新しい中野をつくる10か年計画の中の資料2に10年後の施設配置として具体的に記載がされた項目の中から「施設名、中野福祉作業所(民間)整備・活用方法、民間活力を活用して現地で建て替え、整備期間ステップ4」と記載されている中野区福祉作業所についてが一つ。
二つ目が「(仮称)昭和区民活動センター(移転)中野5-3の用地に民間活力を活用して整備する施設に移転。民間住宅を併設。(仮称)東中野区民活動センター(移転)東中野5-17の用地に民間活力を活用して整備する施設に移転。民間住宅を併設」、いずれもステップ4と記載をされている昭和・東中野区民活動センターについて。
三つ目が「施設名、中野体育館(移転)学校用途を廃止した第九中学校跡地に移転整備。(開設は10年後以降)現体育館は区役所等の移転用地として活用。ステップ4以降」と記載されている中野体育館についてであります。
これらの施設建設については、いずれもステップ4で10か年計画では後ろの方になるわけですが、いずれの施設も、区民、地域、利用者、関係者など、区民サイドから見れば大変重要な施設でありますけれども、区民サイドから見ると、先ほど述べた情報以上の情報を現段階では持っておらず、行政側が勝手に決めたというとオーバーになってしまいますけれども、現段階では、それぞれについて区民はどのようなイメージを持っていればいいのか、すなわち、それぞれの施設についての現段階での検討状況、今後の検討課題、スケジュールなどについて、可能な限り明らかにしていただきたいという思いを込めまして、質問をさせていただきたいと思っております。
なお、その他で紅葉山公園ともみじ山通りのJRのガード下の現況について、1点だけ質問をさせていただきたいと思っております。
それでは、中野福祉作業所についてからお尋ねをしてまいります。
ある区民の方から、中央区にすばらしい施設があるとの連絡をいただきまして、先日、視察に行って参りました。その施設は、中央区立知的障害者生活支援施設レインボーハウス明石という施設で、運営は社会福祉法人東京都知的障害者育成会が行っております。こぶし園もこちらの法人の運営と聞いておりますけれども、施設長に施設を御案内いただき説明を聞いてまいりました。それは、2年前にできたばかりとはいえ、まだ新しく、すばらしい入所型の施設でありました。
その翌週ですけれども、久しぶりに中野福祉作業所を訪ね、施設を見させてもらいましたけれども、職員みずからが張り替えたというタイルの跡を見ながら、余りにもギャップの大きさに愕然とさせられる思いをいたしました。
過去の質問の履歴を調べてみましたら、私は、一般質問では、平成11年、12年、13年のいずれも第3回定例会で中野福祉作業所について質問をしております。いずれも、中野区の施設でもっとも老朽化し、使い勝手の悪い施設である中野福作の全面改修を求めるものでありますが、平成11年の質問で、当時の区政5か年計画で、中野福祉作業所の建設計画でしっかりと位置付けるべきとの質問に対して、当時の内田福祉部長、今の助役さんです、がこう答えておられます。「現在地での改築は、建築基準法上の制約から必要な施設規模が確保できないことと財政状況から早期移転改築は難しい」、このように述べられております。平成12年の同趣旨の質問には、これは沼口福祉部長、今の教育長さんですけれども、が、「現状の財政状況のもとでは、施設の改築については、この5か年の間に着手することは難しい」、このようにあっさりと答弁をされておられます。平成13年の質問に対しては、本橋福祉部長が「今後の対策につきまして、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております」と答弁されておりますが、お三人ともたまたま全員おられるんですけれども、いずれにしましても、今回の新しい中野をつくる10か年計画で、中野福祉作業所がきっちりと位置付けがされたということに関しましては、大変喜ばしい限りであります。しかしながら、現在のところ、中野区内部だけの検討の結果、こうなったというだけでありまして、「施設名、中野福祉作業所(民間)、整備・活用方法、民間活力を活用して現地で建て替え、ステップ4」という情報以外、我々区議会を含め、区民から見ると情報を持っていないわけでありまして、そういう意味から、数点、具体的に質問をさせていただきたいと思いました。
まず1点目は、現在ここは野方保育園との併設施設ですけれども、建て替えは単独の施設になるという理解をしておってよろしいのでありましょうか。
2点目は、先ほど申し上げましたけれども、平成11年の質問に対する今の助役の答弁ですが、「現在地での改築は建築基準法上の制約から難しい」という点が引っかかるんですけれども、その点はその後クリアされたということで理解してよろしいのでしょうか。
3点目、民間活力の活用となっております。公設の民営ということなのでしょうか。あるいは、民設民営ということなのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
4点目は、障害者自立支援法との絡みで、ステップ4という時期では、制度もかわり、現在の中野福祉作業所と新しく生まれ変わる中野福祉作業所では大分イメージが変わるとも聞いておりますけれども、一体どのように変わってくるのでしょうか、御説明をいただきたいと思います。
最後に、5点目として、冒頭述べさせていただきましたレインボーハウス明石ではありませんけれども、新しい施設は当然、使い勝手のよいものでなければなりません。そのためには、利用される方々、関係者などの意見もよく聞いて、可能な限り時代に即したすばらしい施設にしていただきたいと思いますけれども、ステップ4ということでありますけれども、今後の検討課題、さらにはスケジュール等をお示しいただきたいと思っております。
次に、(仮称)昭和、東中野区民活動センターについてお尋ねをいたします。
10か年計画の施設配置では、(仮称)東中野区民センター(移転)東中野5-17の用地に民間活力を活用して整備する施設に移転。民間住宅を併設。(仮称)昭和区民活動センター(移転)中野5-3の用地に民間活力を活用して整備する施設に移転。民間住宅を併設。いずれもステップ4と位置付けられました。
昭和地域センターは、もともとは現在の位置での建て替えが検討され、拡張のための用地買収も一部行われておりましたが、バブルの崩壊、区の財政難とともに今日に至っております。東中野地域センターは、東中野5-17の用地に東中野地域センター、児童館、保育園からなる複合施設として建設することが地域住民の皆さんによる検討協議会で1年以上かけて検討され、基本計画が策定され、実施計画もなされ、さあ、いざスタートというときに財政難からストップをくらったという経過があります。昭和は計画を持つ前のストップでしたから、ある意味では逆によかったのかもしれませんけれども、東中野につきましては、計画がもう1年早ければ、もう既に施設ができていたということも考えられるわけで、関係された方々の失望ははかり知ることができないわけであります。
いずれにしても、10か年の中で、これにつきましても位置付けがされたわけで、地域センターも区民活動センターに変わるわけで、今のセンターとはまたイメージが違うのでしょうけれども、位置づけをされたということについては、ありがたく思っております。民間住宅を併設ということでありますけれども、民間マンションが建って、その中に活動センターがあるといったイメージになるのでありましょうか。だとすれば、それぞれの地で最大何階建のマンションが建つということになってくるのでありましょうか。特に東中野5-17の用地には、保育園がステップ2、早い段階で予定されておりますけれども、これらの関係などはどうなってくるのでありましょうか。保育園と一緒ということになりますと、民間活力でマンションを建てて、その中に区民活動センターを入れるということになりますと、さまざまな問題というのが起こってくる可能性があるわけで、そういうことについてどのように考えておられるのか、お聞きをしてまいりたいと思っております。
そこで、現段階での計画に我々はどのようなイメージを持っていればいいのか、さらには今後の検討課題は何なのか、さらには区の計画が現段階では示されたということに過ぎないわけでありますけれども、地域合意ということ、このこともこれからのことだと認識をいたしておりますけれども、地域合意の形成ということも含めて、今後の昭和と東中野の区民活動センターの建設に至るスケジュール等をお示しいただきたいと思います。
次に、中野体育館についてお尋ねをいたします。
中野体育館につきましては、中野体育館移転、学校用途を廃止した第九中学校跡地に移転整備。開設は10年後以降。現体育館は区役所等の移転用地として活用。ステップ4以降という位置付けであります。
私は、記憶が確かならば、この体育館の議論はこれまで余りされてこなかった。10か年が案になるころに、さりげなく、かつ大胆に九中の跡地にとなったように思いますが、どうでしょうか。つい最近までは、中野体育館は現在の位置で建て替えると多くの区民は思っていたのではないでしょうか。区役所内部での検討の結果、こうなったのでしょうが、九中跡地にという議論を議会内でも余りした記憶が私にはありません。私、個人的には、地域スポーツクラブの活動拠点に九中の跡地をとの質問を前回の一般質問のときにさせていただいていますので、紅葉山の地に文化施設とスポーツ施設が一体となって整備されることに反対というわけではありませんけれども、交通アクセス等を考えると、現在の地にという声は決して小さくないように思われます。
そこで何点か質問をさせていただきたいと思いますが、まず1点目は、交通アクセスについてどのように考えておられますでしょうか。徒歩では、現在地の方が中野駅からは近く、路線バスも、現在地は前にバス停がありますし、大型観光バス等の利用にも基本的には困らない状況だと思いますけれども、九中の方は路線バスは通っておりませんし、大型バスはもみじ山通りのJRガード下を高さ制限で通ることができませんので、現在のままでは早稲田通り側からのアクセスは不可能であります。このような点について、どのような考えをお持ちなのか、お尋ねをいたしておきます。
次に、面積的にはどのようになっておりますか。九中の方が今の場所より倍近く広いように聞いておりますけれども、当初は現在地で拡張してという話もあったわけでありまして、この点についてはどのような検討がされたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
3点目は、これは10年目以降ということでありますけれども、新しい体育館について、我々は現段階でどのようなイメージを持っていればいいのでありましょうか。体協関係者との懇談等の場では、50メートルプールがあったらいいねとか、スポーツの後のサウナとかがあって、ケアサービスの施設、そういうものがあったらいいななんていう夢のある話をしたこともありますけれども、現段階での施設建設についての考え方、今後の検討課題についてお聞かせをいただきたいと思います。
最後に、さらに施設の完成オープンは、ステップ4以降ということでありますけれども、オープンというものは、大体何年ごろを想定しているのでしょうか、それに向けてのスケジュール等もあわせて、現段階でのものをお聞かせいただければと思っております。
その他で1点、紅葉山公園ともみじ山通りのJRガード下の現状についての質問をさせていただきたいと思います。
けさもこちらに来るときに通ってきたんですけれども、この点については、何回かこういう場でも質問させていただいたことがあるんですけれども、紅葉山公園は今すごい状況になっております。パオが出現をしておりました。丸い円錐形、多分そこに住んでいるんでしょうけれども、モンゴルの方のパオみたいなものができておりまして、いや、すごいなと感動してここに参りましたけれども、あと家庭でごみなんかを入れる、島忠なんかへ行くと売っているコンテナが二、三十置いてありました。何をするか、そこにその辺で拾ってきた本だとか、週刊誌なんかをしまうストックヤードなんです。洗濯物が干してあるのは日常なんですけれども、きょうは布団が干してありました。非常に天気がいいからかなと思って見てまいりましたけれども、さっきのストックヤードの数は20以上、30近くも置いてあるんです。だから、寝るところと住むところと仕事をするところと全部一緒になっておりまして、私も、きょう質問する関係があったのであえてじっくり見てきたんですけれども、にらまれました、何かうさん臭いやつが来たと思って。多分、私がそう思うんですから、子どもたち、あるいはお年寄りなんかはもっとそう思うのではないでしょうか。したがって、なかなか一般の人が散歩、あるいは子どもさんが遊んで利用するということが今はできない状況になっている気がしてまいりました。もう何回か質問をさせていただくと、そのころはよくなるんですけれども、またほとぼりがさめると日に日にひどくなっていくという状況の中で、区は一体何をやってくれているのか。ここは紅葉山公園という名前ですけれども、むしろ紅葉山住宅ということで名前を変えたらどうかと思うぐらいの状況であります。こちらに対してどのような認識を持ち、あるいはどのような改善をされようと試みられているのか、あるいは何もしていないのか、現状についての意見をお聞かせいただきたいと思います。
同じようなことで、もう1点なんですけれども、もみじ山通りのJRの下についても、以前質問させていただいたことがありますけれども、ここも放置バイクと放置自転車が置かれておりまして、もうほとんどごみ状になったものも含めて、一方だけなら僕はやむを得ないのかと思うんですけれども、片方の歩道のところの両側にとめてあるんです。だから、歩いて通る、車いす、あるいは自転車で普通に通ろうとしたとき、非常に通りにくくなっている状況というのがもう以前からずっと続いていまして、こちらも日に日にひどくなってくるという状況です。ここは地域センターでいうと昭和地域センターと東部、桃園、その辺がぶつかるところなので、それぞれの地域センターの所長さん方で相談をしていただいて、何か花壇を置くとか、考えてほしいという質問をかつてさせていただいたこともあるんですけれども、どうしても、ついそのままになってしまうということであります。ここの現状というものは、やはり放置できない状況になってきておりますので、こちらもあわせて、現状について、どのような認識を持っているのか、ぜひ改善をしてもらいたいと思っておりますので、改善策を検討していただきたいという意味で質問をさせていただきたいと思います。
以上、その他で1点、質問させていただきまして、すべての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小串議員の御質問にお答えをいたします。
まず中野区福祉作業所の建て替えに関連してであります。
なかなか老朽化した建物の建て替えが進まないということで、私ども、大変心を痛めているところでございます。
これにつきまして、単独施設としての建て替えを現在考えているところであります。したがいまして、保育園との併設のままであれば、必要な面積は確保できないわけでありますが、単独施設として改築をするということになりますれば、必要な延べ床面積は確保できるだろうということで考えているところであります。
整備の方式といたしましては、区が敷地を貸与して、事業者が建築をし、運営するという民設民営の手法で整備するということを考えております。
こうした施設につきましては、実は障害者自立支援法によりまして施設サービスの体系がかなり変わっていくこととなっております。そうしたことから、新しい法の体系に沿いまして、就労移行支援、就労継続支援事業といった二つの種類のサービス、これらを中心としまして、それに生活介護などを必要に応じて組み合わせるといった新しい法体系による多機能型の施設になるものと考えているところであります。そうした、どういう施設のあり方がいいのか、自立支援法の施行の状況なども見ながら、内容をさらに検討していくことが必要ということであります。それらを踏まえて、今後の課題といたしまして、事業者を選んでいくこと、現地の建て替えということになりましたので、建て替え期間中の代替施設の確保といったことも課題になってくるだろうと考えております。23年から26年の間に、そうした課題を解決していきながら整備に向かっていきたいということであります。
それから昭和、東中野の区民活動センターの整備についてであります。
10か年計画で整備を予定しております、これらの(仮称)区民活動センターは、民間活力の活用による整備を考えているところでありまして、民間住宅との併設を想定しているということであります。そうでありますが、当然、施設として、ボランティアや地域活動の拠点、また地域の防災活動拠点としての機能については、十分なものを確保できるようにしていきたいと考えているところであります。
建物の高さや内部のレイアウトなどにつきましては、今申し上げましたように、民間住宅との併設ということでありますので、今後、住宅の整備主体等を絞り込んでいきながら、それらと協議をしながら具体化をしていきたいと考えているところであります。
東中野の方でありますが、現在、区が保有しております用地について、保育園の敷地と区民活動センターの敷地との分割をしまして、整備するということを考えているところであります。
整備の時期についてですけれども、昭和・東中野の区民活動センターとも、10か年計画のステップ4であります平成23年度以降の移転整備ということを予定しているわけであります。こうしたステップに向けて、地域の皆様への御説明やさまざまな形での合意形成といったことを図っていきたいと考えているところであります。
それから中野体育館の建て替えについてであります。
まず九中跡地の方に建て替えることになっているということについてであります。第九中学校の跡地は、中野駅に近く、ZEROホールを中心とした紅葉山文化の森ゾーンに位置しているわけでありまして、中野区の中で、文化・スポーツを一体的に整備するという場所としては、適しているのではないかと考えております。敷地につきましても、現在の体育館の倍以上の面積があるところから、建設につきましても、かなり計画がしやすい状況にあると考えております。
また、現地で建て替えをするということになった場合には、工事中、長期にわたって体育館が利用できないという問題が、もともと指摘をされていたということもありました。さまざまなそうした要素を勘案して変更してきたわけですけれども、警察大学校跡地に関連いたしましても、公共公益利用や統合新校をどういうふうにいい形でつくっていくかといったことの中で、第九中学校跡地に体育館を動かすことで、よりいい形がつくれるのではないかと総合的に判断をしたところであります。
交通アクセスの問題でありますが、あそこの場合、基本的に中野駅、あるいは大久保通りのバス停を利用していただくというのが主たるルートになろうかと考えております。JRガード下の大型バスの制約ということでありますが、大型バスのアクセスについては、もみじ山通りの拡幅整備の中で、JRガード下の状況、これの改善についても対応を検討していく予定としているところであります。
それから施設の内容についてでありますが、現在の時点では、まだ施設内容について、具体的にこのような考え方とお示しできるような検討をしている段階ではありませんけれども、敷地条件でありますとか、例えば温水プールで区民の皆さんに利用していただいているような、今のあそこの場所の状況でありますとか、そういったこともさまざまに勘案しながら検討をしていきたいと考えております。
それからスケジュールについてでありますが、統合新校の整備との関係がありまして、平成24年度以降の整備になるという日程で考えているところであります。
私からは以上であります。その他は都市整備部長の方からお答えいたします。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、その他の項で、紅葉山公園のホームレス対策につきまして、それからもう1点がもみじ山通りガード下の駐車バイク対策につきましての御質問にお答えをさせていただきます。
区といたしましては、18年度に公園の巡回パトロールを開始しまして、公園の適正利用の強化をしていきたいということとしてございます。また、都区共同の取り組みといたしまして、18年度、新たに路上生活者に対します巡回相談センター事業の創設が予定をされております。紅葉山公園につきましても、こうした福祉部門の地域生活移行や就労自立支援施策と連携をしながら対策に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、現状の改善に向けましても、これから対策を講じてまいるということを考えております。
それからもみじ山通りのガード下の駐車バイクの問題でございますが、バイクの違法駐車につきましては、警察に連絡をし、取り締まりを依頼しておるという現状でございます。区といたしましても、御指摘のありましたごみ状のバイク、あるいは自転車等につきましては、撤去をしておるところでございますが、今後さらに警察と連携をしながら対策を講じてまいりたいと考えてございます。
〔小串まさのり議員登壇〕
○22番(小串まさのり) 答弁漏れがありましたので、1点だけ、昭和と東中野の地域センターの手法、質問の中でさせていただいたのは、手法として、要するに民間住宅を建てて、その一部をそういう集会室等に充てていくというイメージですね。今、民間のマンションが建つということになれば、当然いろいろな近隣の問題からさまざまな問題が上がってくる、そういうことが想定されるわけで、だとすると、今の敷地の中で、建つとしたら最大で何階建のマンションが建つのかという趣旨の質問をさせていただいたんですけれども、それに対する答弁がなかったような気がしますので、その1点だけ追加でお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 何階建という具体的なところを現在、想定できる状況ではないだろうと思っております。もともと建築のできる条件というものは、区がつくっても、あるいは民間の住宅をつくっても、マンションをつくっても、同じ条件にあるわけでありますので、そうした条件の中で、法規制の中で、最大限に有効に活用しながらつくっていくということが私たちの出発点だと考えております。
〔小串まさのり議員登壇〕
○22番(小串まさのり) 私は別に区長さんに聞いているわけではないんです。建築基準上、そういう情報を持っておられるんでしょう。だから、石井部長の方かと思って、こっちを見ながら、こうやって言ったんですけれども。区長が答弁をすれば、そういうことで、それでいいんですけれども、区長さんに関しては、そういう質問の意味ではなくて、地域として情報を持っていたいという意味で、最大、だから可能性があるとすれば、そこに10階建のマンションができるのか、あるいは8階建が限度ですというような、容積率だとか、いろいろなものがありますね。そういう意味での質問をさせていただいていますので、そういう意味での答弁がなかったからお答えをいただきたい、そういう趣旨のことであって、別に深く追求するとかなんとかということではなく、客観的な事実関係だけを述べていただければ結構でありますので、石井部長、よろしくお願いします。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再々質問にお答えをさせていただきます。
現在、手元に用途規制関係の資料もございません。もちろん、お調べをして、これについては御報告をさせていただきたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で小串まさのり議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時55分休憩
午後3時17分開議
○副議長(江口済三郎) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 池 田 一 雄
1 障害者自立支援法の関連について
2 次世代育成支援事業について
(1)次世代育成子どもクーポン券等について
(2)妊婦タクシー補助券について
(3)アルバム、修学旅行補助について
(4)その他
3 耐震対策について
(1)ブロック塀建て替え助成について
(2)「ほどほど耐震補強事業」について
(3)家具固定金具代の無料化について
(4)その他
4 高齢者アパート廃止問題について
5 警察大学校等跡地利用問題について
6 中野3丁目大京マンションの「へび玉道路」問題について
7 税制改悪によって新たに生ずる区民負担の問題について
8 国民健康保険事業について
9 その他
○副議長(江口済三郎) 次に、池田一雄議員。
〔池田一雄議員登壇〕
○42番(池田一雄) 日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
通告順番を変えて、まず警察大学校等跡地利用についてお聞きします。
昨日の一般質問の答弁で、区長は、区の計画の重大な変更を一般質問への答弁という形で明らかにしました。
2003年8月以来、中野駅周辺まちづくり検討委員会から始まって、区民と区議会が大論議をして決められた中野駅周辺まちづくり計画の中心的課題である警察大学校等跡地の利用計画を全く転換させるとの答弁が昨日なされたのです。開発者負担で進めるという根本が変えられ、緑地空間など利用方針が大きく変わって、計画は全く破綻したといってよいのに、そのことには何一つ触れないで済まそうとしています。
中野区、杉並区、財務省、東京都の4者で構成された警大等跡地の有効活用を促進する4者協議会の作業部会は、2月10日に開かれ、その協議結果に基づく正式な4者協議会が2月16日に開催され、処分計画を定めています。にもかかわらず、その翌日の区長の施政方針説明では、この重大な計画の変更について一言も述べず、一般質問でやっと明らかにするといったやり方は、この計画変更がいかに大きなものであるかということを逆に証明しています。
さて、約2年と3,500万円の税金をかけて決めた開発者負担の方針と計画ががらがらと崩れ去ったわけです。
跡地の整備については開発者負担で行う、区も開発者の一員として負担する。そのため都市計画道路、区画街路1・2号分の用地取得分については、10か年計画で6億円の財政負担を見たというのが今までの説明ではなかったですか。区の財政負担を極力少なくするための計画であるというのが区長を初め担当理事者の一貫した主張ではなかったですか。それが都市計画道路も公園も区が取得し、整備するということでは、計画とは全く異なる状況になります。これでは計画のつくり直しをしなければならない状況です。警大等跡地整備は、10か年計画中の最大のプロジェクトであり、これが根本的に変わってしまったのですから、10か年計画も破綻をしたわけであります。区長は警大等跡地の利用計画を住民参加でつくり直し、改めて議会に提出すべきです。お答えください。
我が党や区民団体は、以前から杉並区がとった桃井三丁目日産工場跡地の再開発のように、都市再生機構の行う防災公園街区整備事業の方式を取り入れれば、区の負担が少なく、4ヘクタール以上の防災公園を中心とした緑のまちづくりが可能であると提案してきました。杉並区は、防災公園街区整備方式で、日産工場跡地10ヘクタールのうち4ヘクタールを防災公園として整備しますが、実質負担は約7億円と杉並区の財政担当者からつい最近も聞いてまいりました。こと、ここに至って、この事業方式の優位性が一層明らかになってきました。なぜ区長はこの現実的な提案をまともに検討しようとしなかったのですか、お答えください。
開発者負担はあきらめるが、横浜市が国有地での都市計画道路づくりでやった方式をみならって、「土地取得業者に土地利用状況を勘案し、応分の負担を求めるから大丈夫」というような意味の答弁を昨日していますが、これは区が今までに主張していた開発者負担とは全く異なるものです。
まず財務省は、今までの協議の中で、開発者に負担をもたらす開発者負担方式は、売却価格を引き下げ国の利益を損じる、国損を生じるから応じられないという態度で一貫して主張してきました。その財務省が国有地処分の条件に、あらかじめ中野区が土地取得業者に応分の負担を求めることを入れるはずがありません。
第2に、中野区が地区計画などにその条件を入れることも、土地所有者になる大手デベロッパーの事前了承なしにはまず不可能です。
第3に、大手デベロッパーが取得できる面積はかなり限られ、応分の負担が仮に可能としても、負担できる額はかなり限られます。我々が財務省から取材したところでは、大学等の用地としては、6校希望のうち3校に割り当て、その面積は合計約5ヘクタールとなると聞いています。計画の2.5倍になったわけです。もちろん、大学等が応分の負担をすることは、警察病院と同じようにあり得ません。南側の警察庁宿舎の移転で新たに加わった分を入れたとしても、警察病院を除く警大跡地で大手デベロッパーが取得できる面積はかなり限られてきます。したがって、そこから生み出せる応分の負担は極めて制限されることになります。
このように、中野区案は大きな変更がされ、元の姿とは全く変わってしまったのです。
既に財務省の要求に基づいて区が直接、都市計画道路及び防災公園を整備する場合の実質負担額について明らかにさせているわけですから、その額は幾らかお答えください。区画街路1・2号合わせて実質負担はおよそ幾ら見込まれますか。防災公園1.5ヘクタールではおおよそ幾らですか、お答えください。2月16日の4者協議会での都市計画道路、防災公園を除く中野区の取得する予定の公共用地要望面積は、おおよそのところ何平方メートルですか、お答えください。概算しても、従来区が計画した10か年計画の財政負担の数倍以上となるはずです。
区が施行者となって公園にする場合でも、最大限、国・都の補助金等を活用するのが特別区の知恵であります。杉並区では、柏の宮公園4ヘクタールを都市計画交付金や財調を活用し、実質6億8,000万円で取得しました。5年間で10ヘクタール以上の区立公園をつくった目黒区も、一般的な取得方式でありながら、土地価格の1割程度で取得する知恵を発揮しています。しかし、公園面積が1.5ヘクタールでは、区の財政負担を引き下げる制度を利用できません。少なくとも2ヘクタール以上を区で取得しなければ、都の補助金などを有効に引き出すことはできません。2ヘクタール以上であれば、都市計画交付金が活用でき、都区財調のいわゆる裏起債によって起債の区負担分が4年間にわたって交付され、区負担分は確実に減らすことができます。
さて、計画破綻によって防災公園1.5ヘクタールにプラス0.5ヘクタールとなるはずの公園と一体となった公開空地も難しくなってきました。大手デベロッパーが負担する空地は、法で決められた3%、あるいは最大でも6%であるべきだというのが財務省や東京都の主張です。開発者負担の方式が崩れたのですから、大手デベロッパーがみずから0.5ヘクタールもの土地を公開空地として防災公園として一体化して差し出すことなどは全く考えられません。
情報では、3月6日に国有地処分のための関東地方審議会が開かれ、警大等跡地処分の案が議題とされる予定と聞いています。もしそれが本当なら、区長は区民を裏切って、みずから計画したものとは異なるものを、議会と区民の了承を得ることなく、審議会にかけることを認めることになります。直ちに財務省に申し入れて3月決定をやめさせるべきです。お答えください。
事態は、4ヘクタール以上の防災公園をと主張してきた区民にとって重大な局面となっていますが、区が新しい事態の中で、改めて計画を変更し、4ヘクタール以上の公園実現を掲げれば、それは可能です。私たちは、その実現に向かって全力を挙げることを申し上げて、この項の質問とします。
次に、障害者自立支援法の関係についてお聞きします。
この法律は、障害者の自立を標題に掲げながら、実は障害者の自立の道をつぶすものと断言しても差し支えないほどの悪法であります。社会的にみずからの生活の糧を得ることが極めて困難な重度の障害者ほど負担が重くなるという仕組みは、先進資本主義国には見られない人権無視、生存権破壊の法律であります。それが構造改革の名で進められていることは、改革がいかに人間の力を削ぎ、社会的弱者をいじめるものであるかを浮き彫りとしてきたものといえます。この法案に反対し、身障団体の皆さんが連日、国会を包囲し、座り込みを続けるという激しい抗議活動を続けられた模様は、テレビでも報道されました。一時は廃案となったにもかかわらず、自公政権によって、選挙後すぐの特別国会において強行成立させられたのです。余りにも強行したために政府の準備は整わず、政令もいまだに具体化されないという中での実施です。利用料を決めるためのサービス単価さえも政府は決められないでいます。
そんな中で、4月から費用だけは取り上げるための準備が進められています。そのことが具体的になるにしたがって、これでは納得いかないという悲鳴にも似た声が巻き起こっています。
ある福祉作業所に子どもを通わせている保護者は「こんなにお金がかかるなら、子どもは家に置いておいた方がよい」とまで言っていました。知的障害者に作業所がなくてはならない施設であることを経験から十分知っていても、そう言わざるを得ないような新たな負担がのしかかってくることに大きな負担を持っているからです。また、水頭症の子どもを施設に通わせているある保護者は「何でもっとほかのむだな出費を割いて福祉に回してくれないのか」と御夫婦で怒りの声を上げられていました。障害者になってしまったということで、既に大きな負担を負わせられている上に、この大不況の中で、さらに厳しい生活を障害者世帯に強いる、この法律の実施は、認められないというのです。
新制度では、負担が加重にならないようにといろいろな軽減策が想定されているので、過度の負担は避けられる配慮がされているとしています。しかし、その実際は配慮とはほど遠いものです。
例えば、福祉サービスの利用者負担は原則1割ですが、所得に応じて月額上限額が設定されています。その額は、生活保護世帯はゼロ円、低所得1は1万5,000円、低所得2は2万4,600円、一般は3万7,200円となっています。低所得の場合、障害年金2級、月額約6万6,000円相当の収入のうち1万5,000円を負担せざるを得ません。収入の2割を利用料として支払わざるを得ないという状態は、配慮などとは到底いえるものではありません。しかも、利用料以外にも、食材費、調理員人件費の全額負担が課せられます。食費は、通所施設の場合、1食650円、入所施設の場合、月額4万8,000円、光熱水費1万円が標準額として示されています。
全国で、生活保護受給割合がトップレベルの足立区でも、生活保護世帯の利用が1割、低所得1が1割、低所得2が4割、一般4割という数字が予想され、8割が低所得2と一般で占める割合です。中野区では、もっと8割という数字がふえることも考えられ、圧倒的多数の障害者が多額の負担を強いられます。
異なる給付サービスを利用した場合、合算して負担上限が適用される負担額の上限管理があります。しかし、対象となるのは、介護給付と訓練給付の組み合わせだけです。自立支援医療、補装具、中野区が独自に行う地域生活支援事業は、別途それぞれ上限管理されることとなり、各制度を合わせて利用しなければ、今までどおりの支援が受けられない障害者の負担は非常に多額になります。
また、低所得1・2の世帯に対する激変緩和措置を設けることになっていますが、預貯金が制限されていたり、生活保護の申請が必要となったり、その仕組みは極めて複雑で、担当職員が戸惑うくらいですから、区民にはまず理解できない代物です。しかも、申請主義をとっていますから、わからなければ、適合していても、申請することもできません。
このような状況のもとで、京都市では独自の負担軽減策を4月から実施することを決定しました。低所得者を中心に自己負担の上限を国基準の50%に抑えるなどの制度を導入するものです。この軽減策は、所得区分を独自に6段階に設定し、年間所得が230万円以下の場合、負担額の上限がおおむね国の基準の50%となるようにするものです。低所得1の場合は、月1万5,000円の負担が半分の7,500円となります。また、福祉サービスや自立支援医療を併用する場合でも、負担上限額を7,500円から3万7,200円の間に設定して、それを超える負担分は利用者に償還する総合上限制度を設けて、複数の制度を利用しなければ、現在の利用状態を維持できない障害者の負担を軽減させるものとなっています。同様に、横浜市でも低所得世帯の利用者負担の全額を負担することを打ち出しています。
さらに、荒川区では、4月から在宅の障害者の全サービスの利用者負担10%を3%に、通所施設利用者の食事代を50%に軽減し、在宅のサービス利用料の多い重度障害者については、月額上限負担額を50%にするなどの施策を実施することを発表しました。東京都の訪問介護に限って、住民税非課税世帯の負担は3%にするという施策と比べても画期的なものです。荒川区当局は、独自施策の必要性として、在宅サービス利用者の利用者負担については、収入の認定範囲が本人から同一世帯に拡大されるが、家計の実態はこれまでと何ら変わらないこと、さらに現在ほとんど利用者負担が無料であることを踏まえると、国及び都の利用者負担軽減策のみでは家計に与える影響は極めて大きいと説明しています。
中野区においても、このような利用料軽減策をぜひ実施すべきと考えます。お答えください。
次に、支給決定後のサービス利用について、斡旋、調整し、施設等への要請などを区が責任を持って利用が可能となるよう対応することが求められます。また、ショートステイなどの緊急時の対応については、全都的な調整をもって即応できる体制をつくるべきです。検討状況をお聞かせください。
第3に、支援法実施のおくれから想定される現行支援費制度上の不足額について、国が補正予算を組んで補てんするよう国に対して要望し、サービス内容の低下が起きないよう配慮すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
次に、地域生活支援事業についてお聞きします。
「真の地域づくりを目指す」と称して10月から始めることになっている地域生活支援事業は、相談支援、ガイドヘルパー、手話通訳派遣制度、日常生活用具給付事業、小規模作業所補助金方式を3類型の事業に再編するなどの地域活動支援センター事業は必須事業となります。そのほか居住サポート事業、相談支援機能強化事業、生活サポート事業、成年後見制度利用支援事業など、多方面な事業の運営が区主体で行われることになります。
そこでお聞きします。
第1に、実施に当たっての施策の詳細を早急に明らかにすべきと思いますが、現在の取り組み状況を明らかにしてください。
第2に、現在行われているサービスが後退することのないようにすることとともに、利用者の負担が増大しないよう配慮をし、そのための予算措置を十分に行うことが求められます。お答えください。
第3に、地域生活支援事業実施までの間、ガイドヘルパーや相談支援事業、日常生活用具事業等に必要以上の負担が発生したり、サービス内容の低下が起こらないよう十分な配慮が必要であると思いますが、どのような検討をされているか、お聞きします。
次に、次世代育成支援に関して質問します。
先だって、ある会合の席で、保育園の父母会運動をやっている方の話を聞きました。「中野の保育がこんなに変わっていくと中野に住んでいられなくなってしまうね、と言っている人がいます」と集会で発言したら、その場にいたお母さん方が「そうだ、そうだ」と相づちを打つのだそうです。子育てと仕事が両立できる保育環境の整備が区民にとって極めて関心の高い課題であることを物語る一つの例であろうと思います。それとともに、保育の負担とも関連して、経済的支援の重要性は、私立幼稚園の保護者助成等に対する強い要求などからも伺えます。
日の出町では、子ども育成基本条例を定め、子どもの育成に係る経費の支払い等に使うことのできる次世代育成クーポン券を交付することになりました。月当たり1万円のこのクーポン券は、町が特定の業者や金融機関と協定を結び、町民が経費の支払いの際に使うことのできるものです。給食費、保育料、学用品代などの支払いに使うことができて、子育て費用の重さに悩む親たちに大変歓迎されているそうです。文京区でも、子育て支援券という名前で一人当たり5,000円のクーポンを交付することになったそうです。
また、出産予定者に5万円を支給するハッピーマザー助成を予算化したのは渋谷区です。港区も出産費用の自己負担分を区が助成する予算を組みました。
子育てを中野で続けていける環境づくりの一環として、出産費用助成や次世代育成クーポンのような施策を考えるべきではないか、お聞きします。
さらに、中央区では、区内に少なくなった産院に通院する妊婦へタクシー補助券一人3万円を出すことを公表しました。中野区の特殊出生率は0.75となり、出産可能年代の人口が多いにもかかわらず、23区のワーストスリーになっていることにかんがみ、この層への具体的援助が必要であります。中野区が妊婦タクシー事業に取り組めないか、お聞きします。
卒業の時期が近づくにつれ、アルバム代、あるいは修学旅行の費用捻出に保護者は頭を痛めています。中野らしい次世代育成対策であったアルバム代や修学旅行交通費助成は、行財政5か年計画で廃止されてしまいましたが、これらの小・中学生への助成は今こそ生きる制度です。アルバム代助成は1冊当たり5,700円として総額700万円余、中学修学旅行助成は一人当たり2万2,000円として2,000万円弱で可能です。新たな施策として検討していただきたいと思います。お答えください。
次に、耐震施策についてお聞きします。
2月12日付の中野区報は、耐震対策特集版として臨時号での発行となりました。耐震診断などが期待するほど進んでいない状況のもとでは有効な宣伝だと期待できます。
まずブロック塀の安全対策について伺います。
1978年の宮城県沖地震では、死者28名のほとんどがブロック塀の下敷きとなって亡くなられました。当時の震度は、現在の5強であろうと思われます。この震度は、今一番切迫している東海沖地震が発生したときの中野区一帯で予測される震度です。1971年改正の建築基準法にのっとってつくられているブロック塀は、基本的には安全といえますが、そうでなかったり、建築後、地盤等に大きな変化があったりしている場合には、震度5でも倒壊の危険があります。その実態を把握することが重要です。区報では、区民からの要請に基づき職員による検査を行うことを掲載しています。もちろん、そのような取り組みも大変重要ですが、私たちが宣伝ポスターを貼って歩いてきた経験からいうと、かなりの数、危険なブロック塀があるのではとの感じがあります。そこで、まず優先して、通学路に面するブロック塀の安全性を区としてチェックすべきではないでしょうか、お聞きします。
現在、ブロック塀を生け垣にする場合の助成制度が用意されていますが、維持管理も簡便なブロック塀の需要は今後も強いことが考えられます。そこで、ブロック塀を建て替える際の助成制度をつくって、危ないブロック塀をなくすために積極的に区が関与すべきであろうと思いますが、お答えください。
手間賃無料の家具固定の施策はとてもよい施策なのですが、対象者が、高齢者世帯、身体障害者のお宅など、比較的低所得の世帯が多いために、1世帯当たり平均約2,500円かかっている金具代の負担が重石となって、固定作業件数が思うように上がっていません。金具代を無料化すべきです。お聞きします。
さて、対象者に大きな負担がかかるのが耐震改修です。我が党は静岡市などの取り組みを参考に、ほどほど耐震補強とそれへの区の助成制度創設を提案してきました。区が耐震診断を精力的に進め、危ない家屋の件数を明らかにした上での最終目的は、区民に倒壊の危険のある家を建て替えてもらったり、あるいは適切な耐震補強をしてもらうことです。しかし、これにはかなりの費用を必要とするために、自治体として、その助成事業を全国に先駆けて進めてきた横浜市でさえも、耐震補強事業の実績は、予測したほどには進んでいないようです。そこで、横浜市は昨年、静岡市の耐震補強事業が進んでいることに着目し、我が議員団の施策と前後して静岡市の施策を研究したようです。
大地震が来て家が壊れても、住む人の命は何とか保障される程度に耐震補強工事を行っておく、通称「ほどほど耐震補強事業」の制度をぜひともつくるべきです。100万円までの費用で居間や寝室の補強ができると聞いています。必要な補強工事費に対する区の助成制度を設け、ほどほど耐震補強について精力的な啓発が行えば、必ずやこれにこたえる区民が多数出てくると思います。最近の区の調査においても、耐震診断した483件のうち90%もの家が危ないという数字が出ています。予測される東海地震、いつ来てもおかしくないと言われる東京直下地震を思えば、急いで検討すべき施策であると考えますが、お答えください。
次に、高齢者アパート等を廃止する問題についてお聞きします。
区は、高齢者アパートや身体障害者アパートが老朽化し、危険になったので、3カ年でこれらを廃止し、入居中の高齢者を転居させるために家賃助成費用や転居費用を助成しています。しかし、建設委員会の質疑の中で明らかになったように、居住者からの意見や要望で計画したわけではありません。オーナーの中には、区がこのような計画を提示した際に賛同した方はいたようですが、オーナーからの積極的な要望があったわけでもありません。もっぱら区からの一方的な提案によって進められている計画です。
居住する高齢者・障害者の方たちからは、転居したくないという切実な声が伝わってきます。80歳、90歳を越して、住み慣れた土地を離れ、長年診てもらっているホームドクターから離れ、親交を交わしてきた仲間から離れるのは忍びない、どうか、もうこの年なのだから、ここで天命を全うさせてほしいとの切ない声です。多くの大正生まれのお年寄りは、今ここで住まわせてもらっていることに感謝し、お上に文句は言いたくないといいます。しかし、できることなら移りたくないと遠慮がちにおっしゃるのです。
老朽化して、どうしても転居させなければならないなら、現在の場所の近くに代替えのアパートを借り上げて、そっくり転居してもらうなら、まだ話はわかりますが、一人ひとりをばらばらにして民間のあいているアパートに振り分けていくというのでは、余りにも居住権を無視したやり方ではありませんか。長い方では、アパート開設以来、30年もの間、お住まいになっています。民間の賃貸契約関係であれば、退去を求めることは、おいそれとはできないほどの生活権、居住権が生まれています。役所なら、そのようなことは配慮しなくてよいといえるのですか。
耐震診断を実施し、可能な耐震補強を行っても、なおかつ安全でないアパートがあれば、転居もやむを得ないでしょうが、その場合でも、近くのアパート借り上げ、あるいは都営住宅の優先入居などの対応で、希望する居住者がそろって転居できることなどをまず考えるべきです。阪神・淡路大震災では、隣近所付き合いや友達関係を断ち切る転居によって高齢者の孤独死が助長されたという悲惨な体験があって、それは中越地震の避難に当たって生かされました。住んでいる高齢者・障害者の皆さんの生活の平穏を壊すようなやり方は、ぜひ改めていただかなければなりません。この事業の慎重な検討を求めるものですが、お答えください。
次に、中野3丁目大京マンションのいわゆる「へび玉道路」問題についてお伺いします。
中野3丁目に建築中の大京マンションの確認処分の取り消しを求め、周辺住民の中野区建築審査会への審査請求は、審査の結果、確認処分は違法と結論され、その取り消しがなされました。それに対し、中野区はことし1月初め、東京都建築安全条例第4条第3項に定める区長が認める特例基準をつくり、区建築審査会によって取り消された大京マンションへの建築確認を生き返らせることにしました。しかも、この決定を建築審査会に審査請求を求めた住民に通知するのではなく、まず建築主の大京に対して行ったことから、その目的が伺えます。
新たに区長が定めた基準は、大京マンションが4階までで建築中止している床面積3,000平方メートルを超していることにあわせ、対象建築物の床面積を3,000平方メートル以上とし、大京マンションが6メートル幅の道路から235メートルの距離にあることにあわせて、審査対象建物位置は250メートル以内にあればよしとし、大京マンションの前面のみ道路幅が6メートルになっていることにあわせ、建物の敷地前面の道路の道路幅は6メートルとし、大京マンション外壁と隣地境界が、避難通路としては不正常なドライエリアではありますが、4メートルあることにあわせ、建物の隣地境界との距離を4メートルとしたのではないかと思われるほど各数値がぴったりと符合します。
また、我々が東京消防庁に確認したところでは、中野区から問い合わせがあったのは、はしご車の大きさ、はしごをいっぱいに伸ばしたときの長さ、はしご車が火災現場に到着するための道路の幅員だけで、消防署ははしご車の大きさやはしごの長さには答えたが、必要な道路の幅員に対しては、はしご車の車幅を伝えたのみとのことでした。4メートル道路で長さ11メートルのはしご車が曲がれるかどうか、これは大きなバスと同じ長さです、と聞いた我々の質問には、消防車の進入してきた道路が4メートル以上あるかどうかなど、具体的に当たらなければ返事ができないという厳しいものでした。これからうかがえることは、都安全条例第4条1項2項と同等以上で、安全性を総合的に規定するような安全基準を第3項として考えるというよりも、大京マンションの現況に合わせたと考えるのが自然です。
これでは、何と弁明しようと、桃園まちづくりを考える会が指摘しているように「それは大京の建設計画をごくわずかな修正を加えるだけで蘇らせることを目的としたものであるとしか考えられないものです」と言っていることを否定することはできません。これほど明確な状況証拠がありながら、区長は新基準をつくったことの理由をどう説明するのですか。この認定基準は、6メートル道路から250メートル以内にあれば、建物前面さえ6メートルの道路上にすれば大規模建設物を認めるというものです。区内中の4メートル未満の道路に接道するマンションなどを建てることができることにつながってしまいます。これでは東京都建築安全条例第4条の精神が踏みにじられることになってしまいます。このような基準は直ちに見直すことを求めます。お答えください。
また、昨年の第3回定例会一般質問、9月22日でありますけれども、この答弁で区長は、中野三丁目の大京マンションの建主側から行われた国への再審査請求、その結果を待つと答えているのに、なぜ待たずに新基準をつくったのですか、お答えください。
次に、税制改革についての区民負担の質問は、時間が足りませんので、総括質疑や分科会での質疑に回させていただきます。
最後に、国民健康保険事業についてお伺いします。
平成17年度「みんなの国保ガイド」の冒頭「国民健康保険のしくみ」の最初の部分に、国保の性格を相互扶助の制度と規定しています。しかし、国民健康保険法の第1条には「この法律は国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と規定しており、第4条では「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」とし、医療保険制度で唯一社会保障としての位置付けが明記されています。したがって、国保ガイドのこの部分では、国民健康保険は国が責任を持つ社会保障制度としての医療保険であることを書くべきです。この基本的立場を事業主体である中野区がしっかりと持ち、区民にも知らせることが大切なことではないでしょうか、お答えください。
保険証を事実上取り上げる制裁措置である短期保険証や資格証明書を発行する際の事務処理にもこのことが影響してきます。
中野区では、03年4月には242世帯であった被保険者資格証明書の発行数が05年9月には一挙に1,895世帯とふえました。本年1月現在でも1,670世帯となっています。それまでは、滞納している被保険者に個別に当たって事情を調査し、その結果に基づいて発行していたものを、1年の期限を過ぎて滞納しているものは、十分な調査で確認することなく資格証を交付する事務方式に変えたからと聞いています。資格証になったことにより、どれほどの区民が医療を受けることをみずから制限せざるを得なくなり、病気を重くしているかわかりません。新聞報道では治療が遅れて命を落とした事例も報道されているほどです。
資格証交付の特別の事情について定めた国民健康保険法第9条第3項及び施行令第1条の3における特別の事情の具体例示、並びに国会における政府答弁、資格証の交付については「法律の趣旨にのっとって地方自治体が判断する」という答弁があるのですから、十分に被保険者の状況を把握することが必要です。今後の資格証の発行に当たっては、法令の趣旨を地方自治体として十分に生かす立場で、入念な聞き取りや調査を行った上、判断をしていくべきだと思います。お伺いします。
国保料を滞納せざるを得ない原因の一つに、法に定められた申請減免の制度が活用されていないことがあります。01年から05年までの申請減免の措置数は平均年10.4件に過ぎません。中野区国保条例第24条第1項において、保険料の減免の項を設けています。収入基準などについては、要綱に示されています。しかし、46ページもある国保ガイドには、「保険料の減免と支払猶予」としてわずか7行しか説明がなく、法が定めている減免のための特別の基準は何かなどについて一切説明がありません。国保ガイドの説明では、減免の手続をしようとする区民はなかなか出てこないでしょう。国保ガイド及び区報において、要綱の内容がよくわかるような啓発を行うべきだと思います。一昨年までは、国保の窓口に申請用紙さえ置いていないという状況でした。窓口での対応を含めて検討をしていただきたいと思います。お答えください。
以上、私の質問をさせていただきます。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 池田議員の御質問にお答えをいたします。
まず警察大学校等移転跡地の利用問題についてという御質問であります。
警察大学校等跡地の開発については、民間の活力を導入してまちづくりを進めることとしているところでありまして、道路・公園等の都市基盤整備については、開発者負担の原則で実施をすることとしております。こうしたことを念頭に起きまして、想定される整備の手法の中で、諸状況等を勘案し、最もふさわしい方法を検討してきたところであります。その結果、事業主体としては、区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うこととし、開発者からそれぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求める方法が最も適切であると判断したところであります。
今後、警察大学校等跡地の開発に当たっては、中野駅周辺まちづくり計画や土地利用転換計画案の見直し案にそって、開発者負担の原則にのっとって整備を図っていきたいと考えているところであります。
また、防災公園・街区整備事業で整備するべきではないかという御意見でありました。
都市計画道路及び防災公園の整備については、先ほどもお答えをしたとおり、区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うこととして、開発者から負担を求める方法が適切であると考えたところであります。このため、防災公園の整備については、御提案の防災公園・街区整備事業で実施することは考えておりません。
財政負担の問題であります。都市計画道路1・2号、防災公園1.5ヘクタールのそれぞれの負担額はおよそ幾らかといったことであります。
都市計画道路でありますとか、防災公園の整備費については、土地価格が未定であること、開発者負担の割合も定めるに至っていないことなどから、今後大幅に変動することが見込まれるわけでありますので、現時点では算定はしておりません。
それから国有財産関東地方審議会に決定しないように主張するべきだということであります。
さきに開催をされました4者協議会では、跡地の大部分のゾーニングや公共施設の整備方針及び今後見込まれるスケジュール等が関係者で確認をされたところであります。跡地の一部については、用途が未確定のところもありますが、その内容については、中野区が策定をした土地利用転換計画案の見直しにおおむね沿ったものであります。また、その後、区議会への陳情の採択を受けて要望しました警察庁宿舎の移転も含めて、区の要望が受け入れられたものと考えているところであります。
御質問で、都市計画道路と防災公園以外で区の取得面積を国にどのぐらい要望したのかといったことに及ぶ御質問があったわけでありますが、区役所用地として現中野区体育館用地と隣接の南側部分、それから統合新校予定用地として現中央中学校敷地の一部である借地部分と隣接した南側部分を想定しているところであります。それぞれ全体の敷地面積が、区役所の場合はおよそ8,000から9,000平米、統合新校については1万1,000平米を想定しているところであります。 それから障害者自立支援法の関連についてであります。
利用者負担に独自の軽減策を実施すべきだという御質問でありました。
自立支援法におきましては、国と自治体が責任を持って費用負担するとともに、利用者の負担能力に配慮しつつ一定の負担をしていただき、だれもが地域の中で自立して暮らすことができる、そうした仕組みを社会全体で支えるということがポイントとなっているわけであります。
利用者の負担軽減策については、御質問の中でも御紹介があったようでありますが、国が政省令で定めているほか、東京都におきましても、負担軽減策、激減緩和策が考慮されているところであります。区独自の軽減策については、現時点では考えておりません。
中野区といたしましては、新しい体系の中で、利用者に必要なサービスを提供できるよう、基盤整備でありますとか、サービスの質の確保、また障害者の自立に向けた就労支援の充実、こうしたことを基本に考えていきたいと考えているところであります。
それからサービス利用に当たっては、利用者の意向を十分に尊重し、緊急時ショートステイなどは全都的利用調整で対応できるようにするべきだという御質問がありました。 障害者自立支援法のもとでは、サービス支給決定に、特に計画的な自立支援を必要とする区民に対しては、個別のサービス利用計画を作成することとなっているわけであります。その際は、必要な調整、施設等との相談・連携をとるなど、利用者の意向を十分に尊重しながら対応していくということで進めていきたいと考えております。
また、知的障害者への緊急時ショートステイなどの対応につきましては、東京都を中心に関連する自治体や施設間での利用調整を進めてきているというところでありまして、18年度についても、そうした機能は継続すると聞いております。
また、現行支援費の不足額について国に要望をという御質問でありました。
国の方では補正予算によって対応すると聞いているところであります。
それから地域生活支援事業の取り組みであります。
地域生活支援事業は、自治体が状況に応じて、創意工夫によって、障害者の相談や社会参加支援などに幅広く取り組んでいくものであります。自立支援給付に移行しない現行のサービスの変更の必要性、あるいはそれに追加して、どのような支援が必要となるか、現在、検討を行っているところであります。具体的な内容については、国から示される省令等を待って、さらに検討を深めた上でお示しをしていきたいと考えているところであります。
それから地域生活支援事業実施までの間、ガイドヘルパーや相談支援事業、日常生活用具等に必要以上の負担が生じたりサービスの低下が起こらないようにすべきだという御意見でありました。
10月から地域生活支援事業となります日常生活用具、ガイドヘルプ等の利用者負担等については、今後サービスのあり方などを具体的に検討する中で明らかにしていきたいと考えております。4月から9月までの間については、これらの事業について現在の負担を変更する考えはありません。ただし、ガイドヘルプについてでありますが、4月から9月までの間、自立支援給付に位置付けられることになりますために、この期間、原則1割負担となるということであります。
それから次世代育成支援のためのクーポン券や妊婦タクシー券などについての御質問がありました。
御提案のクーポン券や妊婦タクシー券、出産費用の助成などについては、手当、現金給付的な要素を持つものであります。これらについて、地域の実情に合わせた子育て支援策全体の中で考えるべきものと考えているところでありまして、現在のところ制度化は考えておりません。
それからブロック塀の建て替えについての助成をすべきだというところであります。
通学路のブロック塀の安全点検については、平成2年度、平成8年度に避難路も加えて調査を実施しました。その後、適宜、個別の調査・改善の指導を行ってきているところであります。地震などの災害に備えて、ブロック塀の安全点検などを、所有者の意識啓発のために区報などによって積極的にPRをしているところであります。ブロック塀の建て替えに当たりましては、生け垣化への誘導を積極的に働きかけているところであります。しかしながら、塀の再建を希望するという方に対しては、適切で安全な施工ができるよう相談を実施しているところであります。ブロック塀の建て替え助成など個人の判断、財産形成にかかわるものについては、木造住宅の耐震補強と同様に助成をするといったことは考えておりません。
家具固定金具代の無料化についてであります。
家具転倒防止器具の代金は個人負担の範囲と考えているところであります。
それから耐震改修工事費「ほどほど耐震補強」という御提案も含めて、耐震改修工事費の助成についての御提案もありました。
耐震補強などみずからの財産と命を守る対策、これは基本的にみずからの責任で対策をとるべきものと考えているところでありまして、中野区においては、公的に資金の助成を行うといったことは考えておりません。区では、資産活用型耐震改修助成を実施しているところでありまして、寝室や居間のみの耐震補強、御提案のあった「ほどほど耐震補強」も含まれていたと思いますが、寝室や居間のみの耐震補強であっても、資産活用型の耐震改修助成では助成できることになっているというわけであります。制度活用について積極的にPRを行っていきたいと考えております。
また、耐震相談の窓口におきましては、耐震改修事例集、また安価な耐震改修広報のメニュー、そうしたものを用意して御紹介に努めているところであります。
私からは以上であります。その他はそれぞれ担当の部長の方からお答えをいたします。
〔教育委員会事務局次長金野 晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野 晃) 学校の卒業アルバム、修学旅行補助制度についてお尋ねがございました。卒業アルバム代、修学旅行費につきましては、基本的に保護者が負担するべきものとして廃止をしたものでございます。現在、その見直しについては考えておりません。
なお、要保護世帯、準要保護世帯につきましては、これらの経費は就学援助として公費補助を行っているところでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、高齢者アパートの廃止についての御質問にまずお答えをさせていただきます。高齢者アパートは昭和50年度に開始をしたところでございますが、ほとんどの住宅が木造モルタル造で築20年を超えております。老朽化や設備等の面から廃止をするとしたところでございます。入居者につきましては、民間の賃貸住宅に個々に転居をしていただくということにしております。その際には、区内の宅地建物取引業協会などの協力も得ながら、できる限り入居者の意向に沿った住宅を確保できるように努めてまいりたいと考えてございます。
次に、東京都建築安全条例第4条第3項の認定基準についての御質問がございました。
東京都建築安全条例第4条第3項の規定に基づく認定でございますが、これにつきましては、敷地の形状、建築物の構造・規模に配慮するほか、敷地周囲の状況、周辺市街地の密集の度合い等を総合的に勘案して、安全上、支障がないと認められるか否かを判断するということでございます。こうした取り扱いをわかりやすく、かつ公正に実施をするという点から、区が認定基準を作成し、運用することとしたところでございます。建築主から認定についての建築計画が提出された場合には、この認定基準に基づき適正に判断をしてまいりたいと考えております。
また、東京都建築安全条例第4条2項に関する再審査請求につきましては、いまだ裁決が出ていないため、区はその経緯を見守るという考え方には変わりございません。認定申請は現在、提出されておりませんが、建築主の判断によりまして、東京都建築安全条例第4条3項の申請を提出することについては可能でございますし、区が拒むということはできないものと考えてございます。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 国保ガイドの国民健康保険制度の説明についてお答えします。
国保ガイドでは、国民健康保険制度を被保険者にわかりやすく説明するため、保険料を出し合い、医療を受ける国民健康保険制度を相互扶助の制度と説明しているところでございます。
次に、国民健康保険被保険者資格証明書の交付につきましてお答えいたします。
国民健康保険の被保険者資格証明書の交付に際しましては、保険料を納付できない特別な事情の有無を相談等で確認するとともに弁明の機会を設ける旨の通知を発送するなど、被保険者個々の事情を把握し、対応しているところでございます。
なお、資格証明書の交付後に保険料の納付相談があった場合には、事情を確認の上、分納納付等により短期被保険者証に切り替えているところでございます。
続きまして、保険料の減免制度の周知でございます。
保険料減免制度につきましては、国保ガイドや区報で周知いたしまして、減免基準など具体的な内容については、個別の相談の際に周知しているところであります。国保ガイド等による具体的内容のPRにつきましても今後検討してまいります。
○副議長(江口済三郎) 以上で池田一雄議員の質問は終わります。
中野区議会議員 こしみず 敏 明
1 商店街振興と連携した「子育て支援おむつクーポン制度」について
2 安全のまちづくりについて
3 高齢者等への住宅政策について
4 その他
(1)文化芸術振興条例制定について
(2)その他
○副議長(江口済三郎) 次に、こしみず敏明議員。
〔こしみず敏明議員登壇〕
○26番(こしみず敏明) 平成18年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から、区長並びに理事者の皆さんに質問をいたします。
初めに、商店街振興と連動した「子育て支援おむつクーポン制度」の創設を提案いたします。
このところ、連日のように23区での子育て支援や不妊治療にかかわる新規施策の記事が新聞紙上をにぎわせています。少子化・高齢化というよりも、少産多死という人口減少の時代を迎えて、今、日本はかつてない関心を子育て支援・少子化対策に向けようとしていることのあらわれだと考えられます。
先般、先進諸国における合計特殊出生率に関する記事が報道されておりました。先進諸国の中では、フランスのみが出生率の回復を見せておりますが、これは手厚い児童手当が要因の一つといわれているとの報道でした。
これまで、我が公明党の推進等により児童手当の対象拡大は着実に行われてきております。支給対象は拡大されておりますが、しかし額は依然として第一子5,000円、第二子5,000円、第三子が1万円というものであり、児童手当の額としては、現実には不十分であるとの声を聞くところであります。また、出産育児一時金で出産費のすべてが賄えるわけではありません。これも、出産費無料化への動きもあるようですが、現段階では不明確であります。
一方、日本は、現実の問題として人口減少社会に突入しましたが、東京は、しばらくは流入人口が増加して微増という予測もあります。しかし、三位一体改革、自治体の合併による再編の動きを考えると、これからは東京23区の中でも各区独自のまちづくりによる競争が本格化する時代になると思います。地域社会を継続するための活力は、その地域の中に求めていかなければならないと思っているところです。
そこに、各区での子育て支援メニュー展開のいわば第2章が始まろうとしています。この動きと地域の活力向上とを結びつけるとき、一つの方向が見えてまいります。
地域の独自なまちづくりと地域活力の向上が結び付いたとき、子育てを応援する商店街、子育て支援のまちづくりが大切な視点になってくると思います。
そこで、ゼロ歳、1歳の乳児を対象とした子育て世代、その多くは、若い20代後半から30代と考えられますが、支援にまちぐるみ、商店街として取り組む中核に、仮称「子育て支援おむつクーポン制度」を創設することを提案いたします。
仕組みとして、例えば出生届の際に申し込み手続をする、あるいは住基カードの普及に役立てる意味で、住基カードにクーポンのソフトをのせることも考えられますし、あるいは1年分のクーポンという形で受け取り、それを地元協力商店街に加盟している薬局等で利用するというものであります。商店街が協力するというのが味噌であり、加入している店以外には使用できません。そうすれば、中野区から移転をすることが仮にあっても、お金は中野区に還流します。
このクーポン利用の地元顧客に対して、商店街として付加価値をつけるのは自由であり、創意工夫があればどんどんとしてもらって拡大すればよいと思います。バギーやヘルメット、チャイルドシートなど、レンタルやリースをする仮称商店街「子育てプラザ」などとして、地元商店街で展開したりと、やる気があればさまざまな可能性が拡大されていきます。
このコラボレーションのよいところは、子育て関連財源だけでなく、産業振興、さらには住基カード関係の財源も組み合わせて活用が考えられるところです。
最近の各自治体の取り組み状況を少し紹介しますと、日の出町、江東区、板橋区、杉並区、文京区、北区等がありますが、日の出町では、ことし4月から町に住民登録があるゼロ歳から小学校6年生までの子どもがいる保護者に対して、子ども一人当たり月1万円の次世代育成クーポンを所得制限なしで支給します。このクーポン券は、町内の幼稚園や保育園の利用料金、学校給食費や学童保育費、町内のクーポン取扱店での商品購入等ができるとされています。
江東区では、第二子以降のお子さんを出産されたお母さんを対象に、江東区内共通商品券2万円分を支給し、共通商品券取扱店で利用できることになっているものです。
板橋区では、ヘルパーの派遣やベビーマッサージなど、育児サービスを無料で受けられる利用券「すくすくカード」の配布を6月から実施して、サービスは乳児のもく浴や産後の母親向けヒーリングコンサート、産後フィットネス講座、区立施設の無料入館など16種類となっております。
杉並区では、クーポン利用の同様な事業を実施することで、サービスの必要度や人気を図ることにつなげるもくろみがあるなどと新聞に紹介されております。
これらに比べて、中野区での実施を求めている提案のよいところは、おむつという乳児が必ず使用するものに限定されているというところであり、使用も地元限定というところです。
そこで伺います。地域振興と確実に結び付けていける方策と思われるこの制度をぜひとも実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。かねてから同僚議員とともに、歩いて暮らせるまちづくり等々、さまざまな質問や提案をしてまいりました。既に高齢者の「おやすみどころ」についても提案してきました。
この間、東出雲町のNPOがやっている「まちの駅」を視察してまいりました。
ここは、高齢者だけでなく、高校生や小・中学生も気軽に利用し、室内は冷暖房が設置されており、静かで、ワッフルと飲み物もあるので、子どもたちの勉強部屋としても使われていました。また、トイレは障害者対応で、おむつ替えシートも設置されておりました。
こうした幅広い「まちの駅」などのスポット、「シティルーム」などとも連携することも考えられます。財政は大変だと思いますが、活力を拡大させるためにも、東京都の基盤整備基金を初めさまざまな財源確保の努力をして、実施すべきであると思いますが、区の考えはどうか伺い、この項の質問を終わります。
次に、安全のまちづくりについて、2点質問をいたします。
初めに、子どもたちの安全に対して、地域の目を向けていく取り組みについて伺います。
昨年の暮れに同僚とともに三島市に視察に行ってまいりました。三島市では、小学生の低学年児童の下校時間に合わせて、「小学生が下校する時間になりました。市民の皆様、子どもたちの安全を見守っていきましょう」という放送を防災行政無線を活用して実施しています。下校時における子どもをねらった卑劣な犯罪が続いたこと、また子どもたちの安全には地域の目が大切との観点から、現地で放送の実態を見聞してきました。
最近では、23区でも品川区や杉並区で同様の取り組みが行われていると聞いております。中野区でも同僚の飯島議員が、地域の方々の要望署名を添えて、区長に防災行政無線を活用した地域の見守り放送の実施やお帰りチャイムの冬時間の設定などを要望しました。
中野区及び中野区教育委員会では、これを受けて、固定系の防災行政無線による地域での児童の安全・見守りの強化広報の放送を2月10日から実施しています。もっと早い取り組みが望ましいところではありましたが、実施されたことは歓迎です。私の地域でも喜ばれています。
しかし、期間限定で4月28日までとなっています。地域の関心と見守りの目が子どもたちにそそがれるのは、この期間だけの問題ではないと思います。今後も継続して、中野警察署の周辺など、聞こえないところへの対応や言葉だけではわからないなどの声もあり、それに対して工夫をして、安全・見守りの取り組みが風化しない努力が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
また、お帰りチャイムの冬時間についても、三島市では4時半だったものを4時に繰り上げています。冬期は5時ともなれば真っ暗ですが、子どもたちはお帰りチャイムが鳴るまでは帰らなくてもよいと考えているようでもあります。地域の要望でも冬時間の設定が挙げられていました。長年、5時の放送になれていることから、周知に時間を必要とするかもしれませんが、ぜひ冬時間の設定も実施すべきです。学校の校庭開放は、冬期は既に4時までになっています。こうしたこととも整合をとって冬時間の設定をすべきだと思います。今後の継続的取り組みと冬時間の設定についてお考えをお聞きいたします。
また、児童が参加してつくる地域安全マップへの取り組みについては、決算特別委員会で指導室長は「みずから体験的な活動を通じて地域安全マップを作成するということは、事故、犯罪の未然防止に極めて有効であるという認識を持っておりますので、今後、教育委員会としては、学校の実態に応じて作成が進むよう働きかけていきたいと思います」と答弁されております。
そこで伺います。その後、地域安全マップ作成の取り組みはどのようになっているのか、お聞きいたします。
安全のまちづくりの第2点は、防災情報の携帯メールでの配信についてであります。
平成16年度決算の総括質疑で、地震計に関する質問と提案がありました。18年度予算案によれば地震計の更新を予定しているようであります。そこで、この際、地震や水害の発生や発生のおそれがあるときに災害情報を電子メールで区民に迅速に伝達することで、生命・財産の安全確保に役立てるシステムを構築、実施してはいかがでしょうか。
港区では、平成18年4月から本庁舎に設置している計測震度計が震度4以上の地震を観測したときは、メールアドレスを登録している区民に対して、震度階級及び今後の行動に際しての注意等を伝達する電子メールを自動配信すること、また台風や集中豪雨の際に設置している水位計及び区内9カ所に設置している雨量計が注意・警報を要する数値を観測した場合に、水位・雨量情報の配信を希望する区民等に対し、注意・警報を要する旨を伝達する電子メールを自動配信するシステムを構築し、実施するとしています。また、外国人に適切に災害情報を伝達するため、英文による電子メールも配信するとしています。
そこで伺います。中野区でも、こうした取り組みを実施するべきと考えますが、いかがでしょうか。既に港区でシステムを構築しているとすれば、開発経費は格段に安くなると思います。取り組みへの意思について明確にお答えをいただきたいと思います。
次に、平成17年度第4回定例会で質問がありました高齢者等への住宅政策について伺います。
その質問に対して、区長は「区内の賃貸住宅情報をもとに入居者の意向に沿った住宅の確保、差額家賃や転居費用の助成が必要であると考えている。また、保証人にかかる新たな制度をつくり、支援していきたい。高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度を活用し、確保に努める。さらに区未利用地の活用、民間の土地所有者の協力を得ながら整備を進めていきたい」とお答えになっております。
内示されました平成18年度予算案では、この制度の導入が図られています。大変結構なことだと思います。しかし、この制度に登録している大家さんは、現在のところ62軒と聞いております。高齢者アパートからの転居という問題に対処するだけでも、これでは不十分です。10か年計画では今後10年間で500戸の登録を目標としています。21年度までの目標値は200戸の登録になっていますから、差し引き140戸の登録が4年間で必要になる計算です。1年間では35戸の登録が必要で、これは週に1戸程度の登録がなければ達成されません。この実現のための方策についてはどのようなものを考えているのでしょうか。
聞くところによると、大家さんを一軒一軒訪問するとのことですが、週に何戸ぐらいを訪問する予定なのか、伺います。
宅地建物取引業協会ともこの件で話し合いを持ったようですが、今後も業界との継続的な話し合いの場を設けていく必要があるのではないでしょうか、お考えを伺います。
さらに、現在の高齢者アパートの転居問題はスムーズに行きそうでしょうか、その見通しはどうか伺い、この項の質問を終わります。
その他の項で、文化・芸術についての振興条例制定について伺います。
平成16年の決算総括質疑で、江口議員が芸術文化振興条例の制定について質問をしました。生涯学習担当参事の答弁は「中野区でも文化芸術のあり方の中で、他の自治体の条例などを調べながら検討しなければならない問題だと思ってございます」とお答えになっています。
本年1月14日付の読売新聞に「江戸しぐさ」に関する記事とともに、千代田区の文化芸術基本条例に基づく取り組みが紹介されておりました。その具体的な取り組みは、「ちよだ江戸しぐさ」で区長さんが議会で理念を議員に語り、区民講座を開き、と活動を広げているとのことでした。
中野区では、先般、文教委員会で「中野区における文化芸術に関する実態調査の結果」と「文化芸術振興に関する懇談会報告書」についての報告がなされたと聞いております。
今後の文化芸術振興に関する取り組みと条例制定へのお考えを伺い、私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) こしみず議員の御質問にお答えをいたします。
まず地域商店街の振興と連携をした「子育て支援おむつクーポン制度」についての御質問であります。 御提案のおむつクーポン券については、これは手当・現金給付的な要素を持つものであるわけでありまして、子育て支援策全体の中で検討していくべきものと考えているところであります。地域や商店街などと連携をした身近な地域での子育て支援策といったことについて、これは今後研究し、何らかの方策ができるかどうか、検討をしていきたいと考えているところであります。
それから安全のまちづくりについてであります。
今回、地域の見守りを呼びかける放送というのを行っているところでありますが、これについては、昨今の社会状況を勘案いたしまして、緊急に子どもたちの安全確保を求めるべきだという状況にあるというところから、4月末まで実施をしているところであります。継続につきましては、その効果や地域での受けとめかたなどを参考にしながら判断をしていきたいと考えております。スピーカーに近いお宅からは、近いなりの反応があり、また遠いお宅からは遠くてよく聞こえないといった反応もあるといった中で、受けとめを十分にこちらとして判断をする時間も必要かと思っているところであります。
それからお帰りチャイムということでお話のあったチャイムでありますが、これについては、午後5時を知らせるものとして定着をしているところであります。そもそもこのチャイムを始めた目的そのものは、必ずしも子どもたちの帰宅を促すものという形で始めたものではないという理解をしているところであります。現在、先ほど言いました時限的に行っています見守り放送の効果でありますとか反響、そうしたものも踏まえながら、慎重に検討をしていきたいと考えております。
それから安全のまちづくりについての区民への伝達システムについてであります。
現在、運用しております昨年7月から開始しました携帯電話のメール機能によります災害情報の一斉配信システム、これを活用いたしまして、区民の方が自主的に情報収集できるような運用の拡大を検討していきたいと考えているところであります。英文メールについても、その中で外国人向けの英文メールの配信といったことも検討していきたいと考えております。
私からは以上であります。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 子どもの安全と文化・芸術に関する御質問にお答えいたします。
学校における地域安全マップの取り組みでございますけれども、子どもの安全につきましては、東京都の方も強い関心を寄せておりまして、本年1月に東京都が小学校教員対象の地域安全マップづくりの研修会を実施しましたので、それに区内すべての幼・小・中学校から教員を参加させたところでございます。現在は保護者や青少年健全育成地区委員会等の協力を得ながら、学校の実態に応じまして、子ども自身の手によります地域安全マップの作成を進めているところでございます。既に八つの小学校で作成済み、あるいは作成中でございます。年度内に作成する学校、あるいは来年度作成予定の学校を含めまして、全校で作成する予定でございます。
次に、今後の文化・芸術振興の取り組みでございますけれども、文化芸術振興に関する懇談会の報告を受けまして、今後、文化芸術振興プログラムの作成に向けまして、全庁的な検討体制で取り組むこととしてございます。このプログラムの策定過程の中で条例制定の必要性について検討してまいります。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、高齢者等のアパート廃止に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
区といたしましては、高齢者円滑入居賃貸住宅の登録戸数をふやしていくためには、オーナーの理解・協力が不可欠であるという認識から、これまで区報等で周知を図ってきたところでもございます。今月から宅地建物取引業協会中野支部からの情報をもとに、職員が直接オーナー宅を訪問し、登録のお願いをしてまいった結果、新たに円滑入居賃貸住宅として登録される見込みもついてきてございます。今後も早期に必要戸数を確保できるよう、オーナーに対しまして積極的に働きかけをしてまいりたいと考えてございます。
また、宅建業協会の会合におきましても、家賃債務保証制度の活用や訪問によります安否確認のサービスを行うといったことなども説明をさせていただき、オーナーに対する円滑入居賃貸住宅の登録の働きかけをお願いしているところでもございます。今後も宅建業協会とは、話し合いを継続し、協力関係を密にしながら、できる限りアパート入居者の意向に沿った賃貸住宅が確保できますよう努力をしてまいりたいと考えてございます。
〔こしみず敏明議員登壇〕
○26番(こしみず敏明) 2点にわたって再質問をさせていただきます。
1点目は、区長がお答えいただきました「おむつクーポン制度」に関してなんですが、区長の答弁のように、本年度は研究ということで承りましたけれども、来年度は検討とすべきということで受けとめてよろしいのか、そこら辺をもう1回、答弁をいただきたいと思います。
2点目は、文化・芸術についてなんですが、文化・芸術にかかわる条例制定については、議会からの提案を待っているということで理解してよろしいのか。
そこの点、2点にわたって答弁をいただきたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
「おむつクーポン券」を研究する、必ずしも、それだけの趣旨で申し上げたわけではなくて、地域振興と結び付いた子育て支援策ということで研究をしていきたいといったことであります。18年度が研究で、その次が検討になるのかという御質問でありますけれども、研究は研究でありますので、研究をしてみませんと、その後どうなっていくのかは、この場ではわからないということでございます。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 条例の提案は、当然議会もできると思いますけれども、先ほどの答弁の趣旨は、振興プログラムを全庁的に検討する中で、教育委員会と区全体で考えていきたいという趣旨でございます。
〔こしみず敏明議員登壇〕
○26番(こしみず敏明) 再度質問させていただきます。1点だけ。
区長からお答えをいただいたんですけれども、区長の答弁では、17年度については研究ということで、私が受けたのは、18年度、来年度は検討とすべきなのか、そういう意味で再質問させていただきました。もう1回、御答弁いただけますか。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ただいま御提案をいただいているということでありまして、私どももさまざまな立場から子育て支援策について研究を進めてきているということでありますので、ただいまから研究をさせていただくということであります。
○副議長(江口済三郎) 以上でこしみず敏明議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(江口済三郎) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時43分延会