平成18年09月27日中野区議会決算特別委員会 平成18年9月27日決算特別委員会(第3日) 1.平成18年(2006年)9月27日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  橋  ちあき
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 24番  市  川  みのる        25番  岡  本  いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席委員(1名)
 23番  若  林  ふくぞう
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 助役      内田 司郎
 収入役     山岸 隆一
 教育長     沼口 昌弘
 区長室長    寺部 守芳
 経営改革担当課長奈良 浩二
 経営改革推進担当課長          経営改革担当課長兼務
 政策担当課長  川崎 亨
 政策推進担当課長政策担当課長兼務
 調査研究担当課長政策担当課長兼務
 調査研究推進担当課長          政策担当課長兼務
 総務部長    石神 正義
 総務担当参事  橋本 美文
 広聴広報担当課長浅野 昭
 平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
 平和担当課長  広聴広報担当課長兼務
 人権担当課長  広聴広報担当課長兼務
 財務担当課長  篠原 文彦
 営繕担当課長  豊川 士朗
 人事担当課長  長田 久雄
 情報化推進担当課長           白土 純
 防災担当課長  中井 豊
 危機管理担当課長斎木 正雄
 税務担当課長  遠藤 由紀夫
 未収金対策担当参事           総務部長兼務
 区民生活部長  本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長         登 弘毅
 地域活動担当課長区民生活部経営担当課長兼務
 南中野地域センター所長         角 秀行
 弥生地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 東部地域センター所長          柿内 良之
 鍋横地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 桃園地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 昭和地域センター所長          横山 俊
 東中野地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 上高田地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 新井地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 江古田地域センター所長         戸辺 眞
 沼袋地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 野方地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 大和地域センター所長          鳥井 文哉
 鷺宮地域センター所長          大和地域センター所長兼務
 上鷺宮地域センター所長         大和地域センター所長兼務
 戸籍住民担当参事榎本 良男
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 環境と暮らし担当課長          納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事       服部 敏信
 ごみ減量担当参事ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
 清掃事務所長  市川 求
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長        合川 昭
 子育て支援担当課長           馬神 祥子
 子ども健康担当課長           大久保 仁恵
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        中部保健福祉センター所長兼務
 南部保健福祉センター所長        深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        嶋﨑 江美
 保育園・幼稚園担当課長         竹内 沖司
 幼児教育担当課長藤井 康弘
 子ども育成担当課長           大橋 雄治
 子ども家庭支援センター所長       子ども育成担当課長兼務
 男女平等担当課長子ども家庭部経営担当課長兼務
 保健福祉部長  菅野 泰一
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当課長         寺嶋 誠一郎
 保健予防担当参事深澤 啓治
 結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
 生活衛生担当課長飯塚 太郎
 健康・高齢担当課長           今 恵里
 地域ケア担当課長保健福祉部経営担当課長兼務
 中野包括地域支援センター担当課長    中部保健福祉センター所長兼務
 障害福祉担当課長田中 政之
 障害施設担当課長辻本 将紀
 生活援護担当課長瀬田 敏幸
 保険医療担当参事奥山 功
 介護保険担当課長冨永 清
 介護保険基盤整備担当課長        介護保険担当課長兼務
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部経営担当参事         尾﨑 孝
 都市計画担当参事都市整備部経営担当参事兼務
 土木担当課長  遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           野村 建樹
 建築担当参事  佐藤 幸一
 建築行政担当参事建築担当参事兼務
 住宅担当参事  岩井 克英
 地域まちづくり担当参事         住宅担当参事兼務
 拠点まちづくり推進室長         石橋 隆
 拠点まちづくり担当参事         秋元 順一
 警察大学校等跡地整備担当参事      拠点まちづくり担当参事兼務
 中野駅北口周辺整備担当課長       安部 秀康
 中野駅南口周辺整備担当課長       上村 晃一
 西武新宿線沿線まちづくり担当課長    中野駅南口周辺整備担当課長兼務
 副収入役    村田 宏
 教育委員会事務局次長          金野 晃
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 教育改革担当課長相澤 明郎
 学校教育担当参事大沼 弘
 指導室長    入野 貴美子
 教育センター所長指導室長兼務
 生涯学習担当参事村木 誠
 生涯学習推進担当参事          生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         柳澤 一平
 監査事務局長  石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    高橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井  勉
 書  記     岩浅 英樹
 書  記     菅野 多身子
 書  記     西田  健
 書  記     廣地  毅
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     松本 桂治

     午前10時00分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 それでは、本日の委員会運営を確認いたします。
 既に9月25日の理事会で協議し、全体会で御確認いただいておりますが、念のため、改めて確認させていただきます。
 本日は、統括質疑の1日目となります。1番目に佐野れいじ委員、2番目に岡本いさお委員、3番目にかせ次郎委員の順序で3名の質疑を行います。
 また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりですので、よろしくお願いをいたします。
 本日の運営は以上のとおりであります。
 なお、お手元に総括質疑一覧を配付してございますので、参考にしていただきたいと思います。
平成18年(2006年)9月27日
決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
氏名・会派等 質 疑 項 目
佐野 れいじ
(自・民)
1 中野区の財政について
 (1)実質収支比率
 (2)経常収支比率
 (3)公債費比率
2 公会計制度について
(発生主義会計と現金主義会計)
3 課税自主権について
4 中野区人材育成計画について
 (1)評価システム
 (2)管理職選考受験
 (3)超過勤務
 (4)その他
5 中野区掲示板について
6 その他
岡本 いさお
(公 明)
1 学校教育の環境整備の充実について
 (1)コンピューターを活用したわくわくする教育について
 (2)学校編成に伴いエコスクールを設置することについて
 (3)教員の資質向上について
 (4)特別支援教育の教員研修について
2 広告事業について
3 その他
かせ 次郎
(共 産)
1 05年度決算について
2 警大等跡地問題について
3 介護保険について
4 火災報知器の設置義務化について
5 中野駅の改善について
6 その他
藤本 やすたみ
(民主ク)
1 狭あい道路拡幅整備事業について
2 妙正寺川激甚災害対策特別緊急事業について
3 平和の森公園の利用と整備について
4 総合防災訓練について
5 学力向上に対する取り組みについて
6 児童の体力向上プランについて
7 選挙時の公約について
8 選挙の投票率をあげるための施策について
9 その他
佐藤 ひろこ
(市 民)
1 高齢者・障がい者の在宅生活の支援について
 (1)介護保険制度改正に伴う影響について
 (2)ヘルパーの確保について
 (3)社会参加の支援について
 (4)福祉教育について
 (5)その他
2 地球環境にやさしい地域づくりについて
 (1)環境教育の取り組みについて
 (2)警察大学校等跡地の環境保全型のまちづくりについて
3 受動喫煙防止の取り組みについて
4 自治体財政の自立について
5 その他
吉原 宏
(自・民)
1 公金の運用について
2 学校や区施設の室内空気環境について
3 中野区と都防災センターのかかわり方について
4 防災行政無線について
5 災害時の公衆浴場のあり方について
6 家屋における可燃物管理のあり方について
久保 りか
(公 明)
1 特別区税と江古田の森周辺まちづくりについて
2 バリアフリー整備構想の実行計画について
3 住宅マスタープランと建て替え予定の都営鷺の宮アパートについて
4 施設の再配置計画と鷺宮地域センターの耐震化について
5 地域交通整備、コミュニティバス「なかのん」について
6 地域災害情報システムについて
7 10か年計画と民間活力の導入について
8 高齢者情報データベースと情報一元化システムの導入について
9 奨学金について
10 その他
岩永 しほ子
(共 産)
1 子育て支援について
 (1)子ども医療費助成の拡充
 (2)小児救急医療の充実
 (3)保育料の軽減策
2 10か年計画について
 (1)児童館・学童クラブについて
 (2)学校統廃合と放課後子どもプランについて
 (3)認定子ども園について
3 指定管理者制度について
4 地域包括支援センターについて
5 図書館施策の拡充について
 (1)学校図書館の充実と中学生の居場所について
 (2)区立図書館について
6 地域課題について
 (1)中野坂上・中野新橋駅改善について
 (2)山手通り問題と水害対策について
 (3)本町2丁目の郵政公社社宅跡地について
7 その他
佐伯 利昭
(民主ク)
1 上鷺宮地域の地区計画策定によるまちづくりについて
10 伊東 しんじ
(自・民)
1 子育て支援と教育行政について
 (1)10か年計画の具体的展開について
 (2)次世代育成支援行動計画について
 (3)放課後子どもプランについて
 (4)教育ビジョンについて
 (5)区民公益活動の推進に関する条例について
2 その他
11 市川 みのる
(自・民)
1 まちづくりについて
2 医療行政について
3 学童クラブについて
4 産業振興について
5 区民のマナー啓発について
6 学校行事について
7 その他
12 篠 国昭
(自・民)
1 最重要問題としての「教育」について
2 家族や地域社会の絆を大切にする問題について
3 男女共同参画基本計画について
4 西武新宿線の連続立体交差事業について
5 生活保護受給者の自立支援について
6 平成17年度決算審査意見書について
7 その他
13 むとう 有子
(無所属)
1 子育てサービスの充実について
2 学力調査結果の活用について
3 中野サンプラザについて
4 その他
14 奥田 けんじ
(無所属)
1 耐震問題について
 (1)対耐震の優良賃貸物件認定の制度について
 (2)その他
2 区民の利害対立の解消支援について
 (1)現代版の世間の目、「匿名伝言制度」について
 (2)その他
3 区の広報戦略について
 (1)メールマガジンの戦略的利用について
 (2)読ませる区報の工夫について
4 区立図書館について
 (1)図書インターネット予約制度利用促進について
 (2)知的コミュニティー創造機能について
 (3)図書館ホームページについて
 (4)その他
5 商店街の夜間利用促進について
 (1)中野ブロードウェイの夜間利用について
 (2)その他
6 教育問題について
 (1)格差問題について
 (2)その他
7 その他   

○伊藤(正)委員長 次に、要求資料の配付について申し上げます。
 9月25日の委員会で要求した資料については、お手元に配付のとおり、要求した284件の資料のすべてが提出されておりますので、御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
 それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、理事者にお願いがあります。答弁される理事者におかれましては、委員長席から職名が判別できない場合がありますので、答弁前に大きな声で職名を述べていただくようお願いいたします。また、答弁はマイクに向かい、はっきりとお答えいただくようお願いいたします。
 それでは、質疑に入ります。初めに、佐野れいじ委員、お願いいたします。
○佐野委員 おはようございます。それでは、これから自民・民社クラブの立場から、平成18年度第3回定例会の総括質疑に移らせていただきます。
 質疑の前に、私今回1年生議員でございますけども、初先発ピッチャーということで任命を受けました。そういう意味で、自民・民社クラブの議員の諸先輩の方たちに、まずもって御礼を申し上げさせていただきたいと思います。と言うと同時に、初回に行政チームにホームランを打たれないように頑張りたいと思いますので、ぜひ御声援をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それではまず一番最初に、中野区の財政について伺わせていただきます。
 16年度、17年度、ずっとここのところ財政については非常にいい数字が出されていると私も見ております。しかし、その数字の裏に隠されたものというものの危険性が、やはり多く見られる部分があるんではないかというふうに思っております。例えば実質収支比率、経常収支比率、公債費比率、人件費比率等、数値的にはかなり改善がされてきておりますが、実態としてはその裏に隠されたものの危険性というものをやはりここで改めて認識する必要があるんではないか。そう思いまして、その観点から御質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、実質収支比率についてお伺いをさせていただきます。
 実質収支比率につきましては、御承知のように財政運営状況を判断する上で最も大切な数値であると一般的に言われております。御承知のように15年度は8億6,000万円、率としては1.4%、16年度が28億8,000万円、4.5%、急激によくなっております。と同時に、17年度は42億1,000万円、6.3%という数字になりました。この数字だけを見るとすばらしい数字だなというふうに思うわけでございますが、実質的にはこれは実質収支ポイントがかなり上がっているにもかかわらず、分母の標準財政規模との関係が大きくあろうかと思います。この分母である標準財政規模の関係というものを見る中で、やはりかなり17年度は特別区全体の平均値を上回っている。特別区平均が5.2%ですので、6.3%になったということはかなり上回っているわけです。その上回った中でということについて、まず一番最初にいろんな意味があるかと思いますけども、まずそれを御担当の課長からお聞きしたいと思います。
○篠原財務担当課長 お答え申し上げます。
 実質収支が多い、黒字が多いことが直ちに財政運営が良好であるというふうには考えておりません。比率が23区の平均を上回ったわけでございますが、それぞれの自治体の標準財政規模、これによりまして比率は微妙に異なりまして、単純に比較はできないというふうに考えてございます。
○佐野委員 今、担当課長から御発言がございました。黒字が多いことが直ちに財政運営が良好であるとは言えない。そしてまた、自治体の標準財政規模によってその比率は変わってくるんだということだと思います。確かにおっしゃるとおりだと思います。そうしたことを注意しないと、単純に23区平均を超えたということで、喜んでいてはいけないというふうに私も思っております。
それでは次にお伺いしますけれども、17年度決算において実質収支がこのように高くなった原因と理由についてお答えをいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 この高くなった原因、理由でございますが、都税であります法人住民税の大幅な増によりまして特別区交付金、都区財政調整交付金の伸び、こういったものが大きく影響したものだというふうに考えてございます。
○佐野委員 今のお話ですと、特別区交付金の伸びによる原因が大きいんだということですね。ということは自助努力といいますか、中野区全体の努力によってこういった結果がもたらされたことではなくして、特別区交付金の影響が大きいんだということをまず我々はしっかりと念頭に置かなければならないと。外部要因ですよね、そういった要因もあったんだということを、しっかりと念頭に置かなければならないんではないかなということだったと思います。
 続いて、お伺いをさせていただきます。
 そうした余剰金といいますか、今回実質収支は42億1,700万円となって、前年度に比べかなり多く出ました。いわゆる今黒字というふうにおっしゃった単年度収支については13億3,000万円ということだそうです。そうしますと、この余剰金の取り扱いですけども、私も前回のこの決特で質問させていただきました。もうそろそろ中野区はこういった赤字の体質の中から余剰金を徐々に積み立てていく体質に変わってきております。そうした中で、この余剰金をどういうふうに使っていくかということが、これからの中野区の財政の運営の中では大切になってくるんではないかというふうに思うわけです。私は前回のときにも質問させていただきましたけども、この余剰金について学校だとか公園だとか道路だとか、そういったものに使うべきものではないかというふうに考えておりますけど、その辺についてはいかがでしょうか。
○篠原財務担当課長 余剰金につきましては、今後は需要が予想されております小学校の耐震補強、こういった区の施設の整備、それから今御指摘の道路、公園、あとはまちづくりといったような基金、こういったものに積み立てていく考えでございます。
○佐野委員 今ちょっと申しましたように、そろそろ中野区はこうした余剰金をどう使うか。ためるばかりではなくしてこういったものを区民に還元していく、そういう時代に入ってきたんではないかなと思っておりますので、ぜひ道路とか公園とかまちづくりですね、この13億円のお金を回すようなことも考えて、こればっかりじゃありませんけども、考えていくということが必要ではないかなというふうに思っております。ぜひこの実質収支関係から来る危険性、さらにはそれをどう使っていくか、こういったことを財務として考えていただきたいというふうに思う次第でございます。
 次に、経常収支に移らせていただきます。
 経常収支も御承知のように、義務的経費など経常的な経費に特別区税だとか財政調整交付金の一般財源がどの程度充当されているかを示すものであって、これは一般的には財政構造の弾力性の度合いを判断する大変重要な指標の一つでもございます。15年度は88.3%、16年度が84.5%、17年度が80.1%と比率は徐々によくなっております。比率が高いほど財政の硬直化を示すことになり、一般的には70から80%が適正だというふうに言われております。中野区はようやく80.1%のところまで参っております。こういったことからすると、以前から経常収支比率は80%に抑えたいんだというふうに担当者も、中野区も言っておりましたけども、徐々にその数値に近づいていることは事実であります。しかし、この裏に隠された危険性といいますか、どうしていくかということを次の手として考えなきゃならない部分があるんではないかというふうに私は思っております。この辺につきましては、今回の一般質問で我が会派の斉藤金造先生が御質問をしております。その件につきましてちょっともう一回ご紹介させていただきたいと思います。
 「経常収支比率にしても、80%を超えている区は5区しかありません。ようやく中野区は80.1%になったわけです。景気回復による法人住民税の大幅な増収は特別区交付金に反映し、23区は収入増と全体的になりました。一般財源が予想以上に増収になれば、当然経常収支比率は下がります。」これは当然ですよね。「このため、各区の経常収支比率が下がるのは当たり前のことなんです。財政運営に知恵を絞った結果では決してありません。もしこの増収がなければ、このような決算分析はできなかったと考えます。耳ざわりのよい言葉を並べることは、そろそろ反省する時期に来ているんではないかと思います。また、基金の積み立てについても同様です」。かなり厳しい御指摘をしたと思っております。ですけども、ある一方ではこれは的を射ていることではないかなと私自身も思いました。そういった中で、危険性につきましてはいろいろな角度があろうかと思いますけども、今のような指摘の危険性とあわせて、私は義務的経費の割合についてのお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 一つは、義務的経費の割合がまだ相当に高いということでございます。総支出額は今回915億290万円、義務的経費はその中で535億8,100万円となっております。これは構成比率を見ますと58.6%を示しております。58.6%と言いますと、総予算の中の約6割近くが義務的経費に充てられているという現状があるわけです。そうしますと、何を物語るかと言いますと、少なくとも投資的経費に回す割合が少なくなるということですね。学校、病院、そして道路、こういったものに回す経費は少なくなってきております。やはり健全な自治体というのは、この義務的経費をどう抑えていくかということにかかってくるんではないかというふうに思っております。そういう意味で、義務的経費の割合が相当に高いことについて、まず財務担当としてどのようにお考えでしょうか。
○篠原財務担当課長 義務的経費の内訳でございますが、人件費、扶助費、公債費でございます。人件費につきましては、これまでの内部努力によりまして毎年減少をしてございますが、扶助費については毎年増加しております。こういったことから、財政の硬直化が懸念されるというふうに考えてございます。
○佐野委員 今、御発言の中に、こうしたことから財政の硬直化が懸念されるというふうにおっしゃいました。したがって、財務当局もこの義務的経費の高さをお認めになっているというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
○篠原財務担当課長 ただ、17年度につきましては、公債費は一時的な繰り上げ償還等がございましたので一時的には高くなりましたが、このままの推移で行きますと、やはり高くなっていくということはもう当然予測されるわけでございますので、それについては今後とも注視していきたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 今の発言は非常に大切なことだと思います。今後、義務的経費はますます高くなっていくだろうという発言です。これは私は中野区の一行政の中では解決し得ない問題もあろうかと思います。国の国策、そしてまたどうやってかじ取りをしていくかということが大きいと思います。
 しかし、各自治体においても、それなりの努力をしていかなければならないことは事実であります。例えば今の義務的経費を見ますと、その内訳は人件費比率が今年度は28.5%、前年度に比べて3.8%低くなっております。そして、扶助費は19.7%。プラス4.8%ふえております。そして、公債費については、これは10.5%と別要因がありますのであれですけども、この人件費を努力して削ってきた分が扶助費で食われていると。食われているという言い方は失礼ですけども、扶助費でそのまま埋め合わせをさせていただいているというのが現状ではないかというふうに思っております。私は扶助費の問題を義務的経費の中で今後どうしていくか。人件費はある程度方向性が見えてきたと思います。この扶助費の問題を今後どうしていくかということに、やはりこの財政当局は力点を置いていかなければならない問題の一つではないかと思っています。
 ポイントを言いますと、15年度は対前年度比10.7ポイントの増加、16年度は11.9ポイントの増加、17年度については4.8ポイントの増加ということで、毎年ポイントがふえております。これは要するに、私はその扶助費を何が何でも圧縮しろと言っているわけじゃありません。必要なものは使っていかなければなりません。どうしてもやはりそういった観点での見きわめといいますか、バランスといいますか、内容を検討しながらこれから進んでいかなければならないと思いますけども、財務担当として、まず年々この増加する扶助費についてどのように分析されておりますでしょうか。
○篠原財務担当課長 扶助費につきましては、例えば高齢福祉におきましては平成12年度からの介護保険サービス、この開始によって減ってございます。逆に保育にかかわる経費や児童手当、それから生活保護、障害者の方の支援費の増、こういったことによりまして、どこの自治体でも扶助費が増となっている傾向がございます。こうしたことから、現在19年度再編成に向けまして既存事業の効果、必要性を十分再検討するように各部に通知しているところでございます。
○佐野委員 今おっしゃいましたこういった重要性をかんがみて、担当部署としては各部にこの辺をしっかりと見きわめるようにという通達をお出しになっているということで間違いございませんか。
○篠原財務担当課長 今回の予算編成方針の中でも、そういったことにつきまして通知をしたところでございます。
○佐野委員 今、通知をしたところであるという御発言がございました。そうしますと、本来ならば各部長に御出席いただいていろいろ御意見を伺いたいんですけども、その中で特に扶助費の割合が高い保健福祉部と、それから子ども家庭部についてお伺いさせていただきたいと思います。
 決算の先日のお話の中では、保健福祉部については区の予算の36.5%を占めているというふうな数字を示されました。その中で扶助費が41%という御発言が部長からございました。まずこの辺について、保健福祉部長の方からこの扶助費をどのように考えていったらいいのか。今後どうしていったらいいのか。何回も言いますけど、私は必要なものは払っていかなければならないと思いますけども、この辺について保健福祉部長と子ども家庭部長の御意見を伺いたいと思います。
○菅野保健福祉部長 扶助費の増加に関する考え方ということでございます。
 17年度決算におきます保健福祉費の扶助費ですけども、総額が135億円余りございます。内訳でございますが、生活保護費は106億円、障害福祉費は22億円余り、その他が5億円余りとなっております。16年度に比べますと6億円余り、4.8%伸びてございますが、そのほとんどは生活保護費の伸びによるものでございます。
 扶助費でございますが、今申し上げました生活保護でございますとか障害者の福祉サービス費など区民の生命、それから生活に直結した経費でございまして、国の制度改正でございますとか景気の動向などの要因に左右されることから、これを意識して抑制するということは難しい経費だというふうに考えております。ただ、生活保護制度におきましても、被保護者の自立促進を図るため、就労支援プログラムなど支援を強める一方、不正受給の防止など、制度の適正な運営、実施に努めているところでございます。
保健福祉部といたしましては、事務事業全般にわたって民間への委託化でありますとか執行方法の見直しなどさまざまな工夫を行いまして、効率的で効果的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
○田辺子ども家庭部長 子ども家庭費におきます扶助費でございますが、御質問の中にもございましたように、大きなものといたしましては保育委託によります扶助費が大きな割合を示しております。これにつきましては、区立保育園の民営化によりまして、昨年度は2園を民営化しておりますが、この部分が実際の区立保育園の運営の経費が減になりましたものが、私立保育園の保育委託という形で、扶助費という形で性質別の費目が変わったというようなこともございます。民営化の進展に伴いまして、この分の扶助費につきましては伸びていくというふうには思っております。
 また、2点目の要素といたしまして児童手当の増がございます。これにつきましては、16年度の国の制度改正によりまして、就学前までのお子さんが対象だったものが小学校3年生まで対象になりまして、その制度改正の影響等がございました。少子化の対策の中で、保護者の経済的負担の軽減ということも重要な要素ではございます。民営化ですとか行財政運営の改革というのを進めながら、区民の生活、少子化対策にどれだけ寄与するかというようなことも考えながら、行財政運営を行っていく必要があるというふうに思っております。不断の事務事業の点検、見直し等を行いながら、適正な運営を図ってまいりたいというふうに考えております。
○佐野委員 何回も言って申しわけありませんけど、私が申し上げているのはあくまでも必要なものは支払っていかなければいけない。しかし、今2人の部長の御発言の中にありましたように、点検をしてさらにいろいろな工夫をしていくという一方では必要があるということを申し上げているのでございます。くしくも今、2人の部長から御発言の中に工夫をして、そして点検して今後の対応を図っていきたいという言葉がございましたけども、両部の占める割合は結構高いのですが、ぜひその辺については工夫しながら、今後の推移を見守っていっていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 何回も申しますけども、義務的経費というのは一般家庭で言いますと電気、ガス、水道、そして家賃であれば家賃、借金、こうした絶対に払わなければいけないお金なんです。それが約6割中野区は払っているという現状です。あとの4割で中野区の運営をしているという結論になります。そのことから考えると、やはりどこがどうではなくして、この義務的経費をどうして縮めていくか、ここがやはり私は中野区の財政運営の中の今後のキーポイントになっていくんではないかというふうに思っている次第でございます。今の御発言でよくわかりましたので、ぜひ工夫を凝らしながらお願いをしたいと思っております。
 続きまして、公債費比率についてお伺いをさせていただきます。
 公債費についてもかなりいい数字になってきております。公債費比率は15年度は8.8%、16年度は7.5%、17年度は7.4%ですから、かなりのいい数字になってきていることは事実でございます。20%を超えて財政破綻になった市もございます。しかし、こうした中からすると、かなりのポイントでよくなっているんではないかというふうに思っております。
そこでお伺いいたしますけども、10か年計画の139ページに記載があります活用計画ですね。今後の起債の活用計画について書いておりますけども、10か年計画の起債計画はいわば見込みという形で書いてございます。早急に長期的な資金運用を、とりわけ起債計画が今後ますます中野区では必要になってくると思いますが、予測できない事業や計画事業の変更など、1年置きに待ったなしに私は来ると思います。そうした中でこの見込みということについては、やはり毎年見直す必要があるんではないかというふうに思いますけども、その辺とあわせて、起債計画が毎年見直す必要があるのかどうか、財務担当としてお答えをいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 10か年計画の中で大型事業の実施想定年度、これによりまして起債の計画をお示しいたしました。現在、基金計画、それから起債計画、これについては見直しを行っておりまして、長期的な基金、起債計画につきましては19年度の予算編成の中でまたお示しをさせていただきたいというふうに考えております。なお、起債計画の見直しにつきましては、例えば小学校の耐震補強、それから10か年計画の実施時期の変更など、こういったことも想定をされますので、毎年少なくとも見直しは必要だというふうに考えてございます。
○佐野委員 今も大変重要な御発言だったと思います。起債については急激な変化に対応して、毎年いろんなものをやっていかなきゃいけない。そういう中で見直しを毎年やっていくということでございました。これは確かに必要なことだと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。
 次に、この毎年見直しを行うであろう公債費比率をどの程度に想定しているのか。そして、毎年の公債費比率についてもわかる範囲内でお示しいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 10か年計画の財政運営の中でもお示しをしましたが、一般財源の10%、これを公債費比率の上限として設定をしていきたいというふうに考えております。毎年の公債費比率につきましても、この範囲内でおさめることを基本としていきたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 今10%というお話がございましたけども、上限を10%にする根拠は何なんでしょうか。
○篠原財務担当課長 一般的にこれまでの財政運営の中で10%、これは毎年起債を借りた場合につきましては、10年満期一括償還で減債基金なんかに積み立てをしております。そういった部分につきましては、この公債費比率には現時点はカウントしてございません。結果的にはそういった減債基金の部分をカウントしますと、実質公債負担比率というような言葉を使いますが、そういった中で改めてそういった公債費に必要な財政運営ということになれば、10%程度が一番望ましいというふうに言われておりますので、10%という数値を目標値として掲げたわけでございます。
○佐野委員 10%が妥当か適切かというのは、その区の運営なり財政規模によっていろいろ判断されると思いますけども、いずれにしても10%という今数字をお示しになったわけですから、これを上限と心得ながら、公債費比率を確認していっていただきたいというふうに思う次第でございます。
 数値的に上がったから、各年度がよくなってきたからといって浮かれているときではないと思います。中野区はここ10年間、例えば人口は30から31万人と変わっておりません。そしてまた、予算も一般予算は900億円前後としか組めておりません。こうしたことからやっぱり脱却を図っていくことを中野区として考えなければ、まさしくその器の中での勝負でしかありません。こういったものを今後考えていく姿勢が、私はこの財政能力の中では大切なことではないかと思います。これから数年のうちに中野区は小・中学校の再編と改築や警察大学校等跡地の再開発、そしてサンプラザの再整備などビッグプロジェクトが動き出しております。財政基盤を強化するとともに、効果ある資金の活用に努力されるよう今後もお願いしまして、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、通告に従いまして公会計制度について御質問をさせていただきます。
 これは発生主義会計と現金主義会計というのがございまして、現金主義会計を現在ほとんどのところはおとりになっております。単式簿記でございます。こうした中で、区は本年3月に出されました中野区行政革新5か年プランの中で、発生主義会計の導入を掲げております。その部分を読ませていただきますと、「現在の区の会計制度はすべての収入と支出を計上して予算を編成し、それがどのように執行されたかを決算としてまとめています。この仕組みでは現金の流れはわかりやすい反面、資産と負債などストックを含めた全体の財務状況や行政活動に伴うコストの算出は困難です。これまで区は発生主義に基づく企業会計方式の財務諸表を作成し、公開してきましたが、現金情報以外の資産や負債についての正確な情報や、また事業についての費用対効果、施設コストをさらに明らかにし、--自治コストをさらに明らかにし--区の財務状況に関する情報を総合的に区民に提供します」というふうに記されております。
 また、ことし田中区長は2期目の当選をされて初めての議会、第2回定例会の施政方針演説の中でも、今後の行財政改革の一環として発生主義会計の導入を強くうたっております。不可欠であるというふうにうたっております。そのことから御質問をさせていただきたいと思います。
 発生主義会計と現在行っている現金主義会計との違いは何なんでしょうか。現金主義会計の問題点は、また発生主義会計のメリットはどこにあるんでしょうか。私自身もなかなかこの言葉は理解しがたい面があります。そういう意味で、皆さんとともにわかりやすい表現で御説明をしていただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 お答えします。
 まず、最初に現金主義会計でございますが、こちらは今、委員御紹介ありましたように、現金の収入、支出というような事実に基づいて記録をする会計でありまして、現金の増減のみに着目した会計であるというふうに考えております。また一方、発生主義会計でございますが、こちらにつきましては現金の収支にかかわらず、資産の移動や収益、費用の発生の事実に基づいて記録をする会計でございまして、財産や負債などを含むトータル的な財政状況を明らかにすることができるとともに、減価償却や退職引当金などの非現金情報、こういったようなことも行政評価コストとして把握がすることができるというふうに考えております。また、現金主義会計の問題点でございますが、現金の移動しか記録がされないといったことから、減価償却費や引当金などの非現金情報が計上がされない。こういったことから事業、行政サービスに要した正確なコストが把握ができないといったことが挙げられております。
 今、委員から詳しくわかりやすくというような御質問がありました。非常にわかりにくい制度でございまして、東京都もいろんなマニュアル本を出してこのPRをしてございます。その中の一つを引用させていただきますと、例えば現行の現金主義会計でございますが、テレビを10万円で購入したというような場合ですね。この場合につきましては10万円の支出のみを把握します。いわば現金の増減のみに着目した家計簿みたいなものというふうに御理解をいただければと考えております。一方、発生主義会計でございますが、テレビを10万円で購入したという、テレビというのは資産がふえたこと。それからまた、10万円の現金が、資産が減少したこと。こういったようなことを記録するということによりまして、年度末、期末におきます財産の残高、現金などの財産の増減の原因までわかるというようなものでございます。こういったことで、テレビの購入という事実によりまして、その原因と結果の両面からとらえまして、2面的に記録することによりまして、資産の動きと損益を把握するということができるということになります。こうした資産情報や金利、それから減価償却のコスト情報を総合的な財務情報といたしまして、公表することによりまして説明責任を果たせる、また正確なコスト分析による事業評価ができるというような利点があるというふうに考えてございます。
○佐野委員 わかったようなわからないような、非常に我々素人については、なかなかその公会計制度の中の発生主義会計と現金主義会計の違いはわかりにくいものだなというふうに今つくづく思った次第でございます。
 現金主義会計は今、中野区がおとりになっている方法ですよね。単式簿記でおやりになっているということで、今のお話の中では現金の収支のみに着目をしているのが現金主義会計だと。そして、複式簿記を使う発生主義会計は、例えば10万円の資産がふえた。例えば10万円で何かを購入したと。その場合に資産がふえたものを、10万円の資産がふえたということについては資産がふえるわけですけども、しかしその資産の中の減少面、10万円が減ったという事実は事実としてとらえると。そういうことで、資産の原因がはっきりとわかるシステムなんだという御発言だったと思います。そして、それじゃあ何なのかと言いますと、最終的には説明責任だとか責任が明確になるというふうなことであったと思いますけども、そういうことで素人としては理解をしてよろしいんでしょうか。
○篠原財務担当課長 そのとおりでございます。
○佐野委員 この件につきましては、今回の一般質問の中で公明党の大泉議員が触れられております。同じ会派の某議員さんが言うには、まだ時間がかかるだろうというような発言があったということを、大泉議員は一般質問で述べられました。それだけやはり各会派、いろいろなことで注目をしている。また、区長が責任のある施政方針の中でも述べられている。こうしたことからすれば、やはり区としても今後注意をしながら、導入に向けていかなければならないんではないかというふうに思っております。
 そこでお伺いしますけども、平成18年度から複式簿記、発生主義会計を都が導入したというふうに聞いておりますが、それがまず事実かどうか。そしてまた、23区の状況というのはどうなっているんでしょうか。改めて御確認の意味で御答弁をお願いいたします。
○篠原財務担当課長 まず、1点目の東京都でございますが、本年度、18年度からこの複式簿記会計を導入してございます。また、他の23区でございますが、バランスシートとか行政コスト計算書、こういったものは作成をしてございますが、発生主義会計、複式簿記会計を導入したというようなことは把握してございません。ただ、調査・研究といったものをしている区はあるということは承知してございます。
○佐野委員 じゃあ、既に東京都はもう導入をされていると。23区の中ではまだどこも導入されていないと、そういうことでよろしいんでしょうか。
○篠原財務担当課長 そのとおりでございます。
○佐野委員 としますと、今いろいろなメリットがあるというお話をいただいたわけで、23区の中で中野区も含めてまだどこも取り入れていない。いろんなことを努力しながら東京都は取り入れた。であれば、やはり中野区は中野区から発信する意味でも、これに対して研究・調査をして取り入れる姿勢を持つべきだというふうに思っております。
 もし取り入れる場合、こういったものにつきましては、石原知事も言っておりましたけども、発生主義会計の導入を発表したときに、会計制度改善に関する委員会を設けて、財務会計全体のシステムの再構築を進めたいという発言がございました。中野区でももしこういったものを進めるのであれば、そういった委員会を設けて公認会計士等の専門家や識者たちに入っていただきまして、導入に向けての研究・調査が必要だと思いますけども、いかがでしょうか。
○篠原財務担当課長 東京都におきましては東京都の会計制度改革に関する検討委員会、これを設置いたしまして、作業部会の中に公認会計士の協力を得て会計制度のあり方、それからシステムの再構築などの検討をしたというふうに聞いております。区の発生主義会計の導入に当たりましても、公会計改革という大きな視点で検討する必要がございますので、公認会計士や学識経験者、こういった方などの専門家の意見も聞きながら、幅広い角度の検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐野委員 そういったときには専門委員会を設けて、そういった識者等を設けながらやっていきたいという御発言でございました。
 それではお伺いしますけども、中野区行政革新5か年プランの中には、これからのスピードとして平成21年度完成というふうな目標の計画が出ております。この計画によれば、21年度ということになりますと、22年の春までということになろうかと思いますので、21年度の決算は22年度の秋に発表される運びになるということだと思いますけども、私はそれでは遅いような気がしてなりません。田中区長が先ほど申しました決意を述べられたスケジュールから見ても、遅いような気がします。そういう意味で、まずその辺のスケジュールについての御確認と区の検討とともに、こういった難しい問題を区民にどうアピールしていくか、その辺についても御発言をお願いしたいと思います。
○篠原財務担当課長 発生主義の導入につきましては、財務会計システムにより日々の会計処理から複式簿記の処理を行いまして、多様な財務諸表を迅速かつ正確に作成することが求められます。このためこれまでの改定基準の見直し、それから現行の財務会計システムの大幅な修正とあと再構築、こういったものが必要になります。システム開発も多大な経費がかかるということが予想されます。こうしましたことから、発生主義会計の導入につきましては十分な検討とシステムの開発の期間が必要であると考えておりまして、中野区行政革新5か年プランでは平成22年度以降の導入としたものでございます。東京都におきましても、検討から導入までに4年間の期間を費やしまして、企業会計での試行を行うなど慎重に作業を進めてきたというふうに聞いております。中野区におきましても積極的に検討を進め、導入時期の前倒し、これについても考えていきたいというふうに考えております。
 それから、区民の方のPRでございますが、発生主義会計の意義、わかりやすい説明、それから区の取り組み内容につきましても区報やホームページ、こういったもので広くPRしてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 今、また強い御発言がございました。そういうことで、いい方法であるということをお気づきなんですから、できるだけ、拙速はいけませんけども、その範囲内で導入を図っていただきたいというふうに思っております。
最後に、これについて区長もいろいろ施政方針で述べておりますので、区長のかたい決意をお聞きしたいんでございますけど、その前に東京都もいろいろ努力して導入を図っております。その中で都議会議員
      (発言取り消し)      が何回も何回もこれを質問しまして東京都に対してプッシュをしました。その中の議事録で、会計制度改革の基本的な考え方についてということで、東京都議会の財務委員会での発言をちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。
 この都議会議員は、真の財政構造改革のモデルを東京からつくるんだと、発信していくべきではないかというふうに質問をされております。その中で当時の      (発言取り消し)      財務局長がお答えになっております。「複式簿記、発生主義会計を導入することを主眼とします会計制度改革を実施するということは、明治以来100年以上にわたりまして続けられてきました我が国の官公庁会計の仕組み、あるいは事業運営の仕方、あるいは私どもの公務員の感覚、いわば大げさに言えば、文化そのものを基本的に改革するものであります。こういうことになりまして、いわば新たに行政風土をつくっていくというふうなことになろうかと思います。そういう意味で大変大きなテーマです。困難な課題でもございます。我が国で初めての取り組みということもありまして、コスト意識をつくり、行政の体質を変革するという我々都議会職員に求められている姿勢、こういったものを実現していくよすがになるものであるというふうに思っております。そういう意味で、大きな意味もございますので、東京からこの新たな公会計のモデルを全国に発信していきたい」というふうにお答えになっております。私はこれを見まして、まさに御努力の結果、東京都は導入されたんだなということがよくわかりました。ぜひ田中区長のかたい御決意をお願いしたいと思います。
○田中区長 お答えいたします。
 この官庁会計というのは、どんぶり勘定の大福帳のようなものだというふうに石原都知事はよく言うわけですけれども、毎年毎年の単年度主義の現金の出入りがどうなったかということだけを見ていくような性質のものでありまして、その年その年一喜一憂しておりますけれども、施設を建てればその補修や維持補修の経費がかかり、将来的には建てかえの経費がかかるという、そのライフサイクルでコストがかかっていくということについては、ほとんど見ることのできないのがこれまでの官庁会計でありまして、民間の企業ではそうした形で経営をやっていくということは考えられないと思います。そういう意味で、先ほど問題にしていただいていました起債の管理計画や基金の積み立て繰り入れ計画、そういったようなものも区が事業運営していく上で、それぞれの事業のライフサイクルコストをしっかりと把握して、将来的な財務見通しを立てて、財政運営を行うということがなければできないわけでありますから、そういうことをやっていく上ではこの発生主義会計による会計分析というものは不可欠であり、早急に行われなければならない、取り入れなければならない仕組みだというふうに認識をしているところであります。それに向けまして、しかるべき体制を整えて取り組みを強めてまいりたいと思っております。
○佐野委員 ありがとうございました。かたい御決意を述べていただきましたので、ぜひ中野区も23区の中で先行して、我が中野区がこれまでの行政の風土を抜本的に改革していくという強い信念と意識を持って、職員の方たちもこの制度の新しい導入に向けて頑張っていっていただきたいというふうに思います。
 この項の質問を終わります。どうもありがとうございました。
 続きまして、通告の3番目、課税自主権についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 通常経営を考えていく上で大切なものは、一般の企業ではやはり収入と支出のバランスというものを考えてきていると思います。経費を抑えてバランスを考える場合も必要です。そして、これは経営として当然であります。
 民間企業の経営には四つのパターンがあろうかと思います。一つは増収増益。これは一番いい結果です。売り上げも伸び、そして利益も出る。そして、2番目は減収増益。収入は減ったけども、経費節減によって益が出るということです。ここまでが民間企業でよしとされている形態でございます。3番目は増収減益。売り上げは伸びたけども利益は出ていない。コストがいっぱいかかっているということですね。そういったこと。そして、4番目が一番最悪のパターン、減収減益です。これは倒産を予測されることです。
 一方行政は決して倒産することはありませんが、利益を出すことではなくして、住民に対するサービスだとか効率等がうまくいっているかどうか、住民の満足度を財政とのバランスの上で図っていくのが大切になってくると思います。そういう意味で、民間も行政も共通して言えることは収入と支出のバランスを考える、ここが一つ大切になってくるんではないかというふうに思うわけでございます。特に昨今、財調だとか三位一体に見られるような国からの収入源は、今後さらに厳しさが予想される社会変動の中で、各自治体が未収金対策やまちづくり、人口の増加による区税の増収を図る必要があると思います。
 そこで今回財源の確保という観点から、地方自治体に対して法的にも認められている課税自主権についてお伺いをさせていただきたいと思います。この件につきましては、平成12年4月に施行されました地方分権一括法により、各種の行政サービスの提供に関連する受益者、または原因者に対する負担について、法定税目的以外の税源に着目して課税することが適当と考えられる場合には、法定税目的とは別に税目を起こして目的税を課すことができるというふうになっております。これは憲法及び地方税法上で法的な根拠に裏付けされていると思いますけども、まずその辺の法的な裏付けの根拠についてお尋ねを申し上げたいと思います。
○遠藤税務担当課長 自治体の課税権の法的根拠についてのお尋ねでございます。
 自治体は憲法第92条の地方自治の行使及び第94条の条例制定権を根拠に、課税権を有するとされております。地方税につきましては地方税法第2条で、この法律の定めるところによって賦課徴収することができると規定されております。また、同法の第3条で地方税の税目、賦課客体、課税標準、税率等については、条例によらなければならないとされております。
 法定外税につきましては、税目について地方税法第5条に区市町村が課すことのできる税目が規定されておりますけども、この法定外税につきましては、地方税法の第5条第3項で法定外普通税を、地方税法第5条第7項で法定外目的税を課することができると規定されております。
○佐野委員 今、御発言になりました、各法律によってしっかりとガードされていて、各自治体にはこうした課税権が与えられているというふうに解釈できると思います。
 そこでお伺いしますけど、各自治体がこの地方分権一括法が入ったときからいろいろ研究・調査をされて、既に話題となっております豊島区の自転車税、杉並区のレジ袋税等があろうかと思いますけども、これについて簡単にどういう経過でどうなっているかを御説明いただきたいと思います。簡単で結構です。
○遠藤税務担当課長 豊島区の自転車税、放置自転車等対策推進税というものでございますけども、これは放置自転車対策費にかかる費用の一部を税という形で鉄道事業者に求めるとともに、鉄道事業者がみずから自転車等駐車場を整備した場合には税を減免するということで、駅周辺の駐車場整備を促進し、放置の抑制を図るというものでございます。税率といたしましては、乗車人員1,000人につき740円ということで、納税義務者が鉄道事業者となっております。豊島区は鉄道事業者からこの条例に基づきまして税の徴収を予定しておりましたが、今後10年間で6,500台の駐輪場整備目標がございましたけれども、そのうちの4,000台分が鉄道事業者の協力により実現するということになりまして、放置自転車等対策推進税は実際に課税することなく、ことしの7月に廃止されております。
 続きまして、杉並区の杉並環境目的税、これはレジ袋税と言われております。これは環境に負荷を与えるレジ袋の使用抑制を図る目的で、平成14年3月に条例が制定されております。レジ袋1枚につき5円という税率で、納税義務者が杉並区内で買い物をする際に、レジ袋の譲渡を受ける消費者層となっております。実施時期につきましては景気の動向とレジ袋の削減状況などに配慮し、議会の同意を得ることなどの附帯決議案がつけられておりまして、施行については議会と協議し、総務省との同意協議が必要となっておるわけですけども、今のところ具体的な日程は定まっておらないという状況にあります。
○佐野委員 今、二つの事例を御紹介いただきました。現在のところ、活動的には中止された区もあるし、いろんなことが行われているということがわかりました。そうして、やはり私はこの税を課税するのが目的ではなくして、この税金を課すことによって社会に与える波及的効果といいますか、こういったものも考える必要があるんではないかなというふうに思っております。例えば杉並区のレジ袋税は環境目的があると。そしてまた豊島区の自転車税は、最終的には関係の機関が協力体制をとって駐輪場の場所を提供してくれた。そんなようなことがあって、ある意味ではその波及的効果が私は大きかったのではないかなというふうに理解をしているわけです。
 これについて、中野区でも法定外新税研究会というのが平成13年3月に行われております。ここに私も持っておりますけども、調査の研究結果というものが出されております。ゆっくり読ませていただきました。非常にいいことが書いてあります。すごい研究・調査をしております。そして、メンバーもそうそうたるメンバーでこの委員会をつくられております。当時、やはり他区がいろんなことをおやりになっている中で、中野区でもやる必要があると考えてこの委員会を発足させたんだと思っております。そういう意味で、私は研究・調査を中野区もしたんだなという記録を13年3月に出しておりますので、その辺についてその検討内容及びその後区としてどうして検討してきているのかをお聞かせいただきたいと思います。簡単で結構です。
○遠藤税務担当課長 法定外新税研究会でございますけども、地方分権一括法により自治体の自主課税権の整備拡大が図られたということから、平成12年9月に収入役を会長に、庁内にこの研究会が設けられました。その研究内容を平成13年3月に報告書に取りまとめております。
 この研究会では職員提案や他自治体で検討例のあった税目等につきまして、導入可能な税目があるか検討しております。具体的には自動販売機設置税、レジ袋税、ペットボトル税、放置自転車対策税など、七つの税目について課税の意義や目的、課税の内容について検討し、導入の可否について研究しております。
 この研究会の報告といたしましては、まとめとして独自の財源確保策としてさまざまな新税創設の可能性について研究してきたが、いずれも中野区単独で直ちに実現することは困難であるとの結論に達しております。その後、この研究会で法定外新税の研究を行って以降でございますけども、中野区としては具体的な検討はしてございません。
○佐野委員 今現在、中野区としては具体的な検討をやっていないという発言がございました。せっかくこの研究会でいろいろな調査をして、13年3月に出しております。すごい立派なものです。努力がかなりあったと思います。その後5年間、環境は刻々と変化をしていると思います。やはり中野区もこうした基礎調査資料があるわけですから、これを生かして新しい環境に沿うような、まして課税自主権という自治権が与えられているわけです。地方分権の中でこの課税自主権をどう研究・調査していったらいいか、あるいはどう使っていったらいいか、そういったものをすることによって職員の意識も変わってまいります。そういったことを図っていくべきではないかという私は持論を持っております。
 ここで、放置自転車税の豊島区についての、この記事は日経新聞に出ておりますので、ちょっと読ませていただきます。
 2003年12月に課税の実施を決めた条例が成立した直後は強く反発したことでもあった。同区との協議会を通じて態度を軟化。池袋や巣鴨など5駅では土地を無償提供するなど、4,000台分の駐輪場整備への努力を申し出てきていると。区長は目的は果たせたと、同じ悩みを抱える全国の自治体にもインパクトを与えられたことだと思っているというような談話を出されております。こういったことから新税を起こし、それを取りに行くということが目的ではなくて、それによっての波及効果、税に対する区民意識の向上と、杉並区のポリ袋に見られるような優しい環境づくりや豊島区の放置自転車に対するマナーの意識の喚起、駐車場整備の地域社会や事業者からの協力、税を課すこと以上に、結果として私は大きなものが引き出せたんじゃないかというふうに考える次第であります。そういったことから、改めてこういったものを、せっかくあるものを生かす中でどのように研究・調査をしていったらいいか。まして財政の中でこういった課税権があるものを生かす、そして工夫をする。こういったものの努力が私は職員の意識改革にもつながっていくんではないかと思いますので、その辺についての御見解を区長にお伺いできますでしょうか。申しわけございません。よろしくお願いします。
○田中区長 法定外新税の問題なんですけれども、前回検討した時点での検討の動機というようなものが、財源を確保したいといったような動機に基づくものでありました。本来、税というのは原因者負担を求めるというような性質とか、受益者負担を求めるような性質とか、あるいは所得の移転を行うといったような目的とか、いろんな性質を持っているわけですけれども、そういった性質を活用しながら施策を前進していく、サービスを拡充していくというために検討されるべきものだというふうに思っております。そういう意味で、財源確保のために今までの施策は今までの施策のまま何か新しい財源が生まれないかというような検討、その発想ではもう前に進まないというふうに思っております。今、委員の御指摘、御提案はやはり施策を前進させていくために、法定外新税という手段、方法も念頭に入れて検討していくべきだということだというふうに承りましたので、私としても同様の考えで進めていきたいと思っております。
○佐野委員 今、区長がおっしゃいましたように、5年前に研究・調査を行われた過去の資料はあります。その時代と今の5年後の時代とは大きく社会が変化しております。そういう中で今、区長がおっしゃっていた税を求める姿勢というよりは、この税を、課税自主権を手段として使うことによる波及効果、こういったものを求める時代に私は入ってきているんではないかなということでございます。施策を前進させていきながら、そのサービスを確認していくんだという区長の御発言でございましたので、ぜひそういった観点でこのあった研究・調査をもとにしまして、いろんなことの時代に合ったものを考えていっていただきたいというふうに思っております。いつかといってもなかなかすぐにはできない問題だと思いますけども、時代は刻々と変化しております。そういう中でせっかくある課税自主権をどのように使っていくか。手段としてどうやっていくかということは、自治体に課せられた私は責務だと思っております。そうした責務を放置することなく、区として活用していくことが、私はその精神が大切だということを申し上げております。そういう意味で、職員の意識改革の中にこういったものもやっぱり入れていく必要があるんではないかというふうに思っている次第でございます。そういう意味も込めまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、中野区の人材育成計画について御質問をさせていただきます。中野区は18年8月にこの人材育成計画というものを出しております。この8月に出されました中野区人材育成計画の中からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、一つ目として評価システムです。これは私が民間の企業に勤めているときに、自分としてこの職務におりましたので、自分なりの考え方が入ってくると思います。そうした中で、違う点があれば違うとはっきりと御指摘をいただきたいというふうに思っております。
 まず、評価システムについてお尋ねを申し上げます。
 田中区長は就任以来、目標と成果による区政運営を標榜し、外部評価システムや職員の目標管理シートを使い、上司と部下による面接を行い、いわゆるアウトカムですね、成果とか実績を重視して、それを給与面を含めた処遇に反映させるという、新しい時代の流れに沿った評価システムに取り組んではや2年たちます。まず、担当課長の方にこの2年の中での目標と成果による評価システム、このことについてどのような成果があったとお考えでしょうか。
○長田人事担当課長 お答えいたします。
 まず、一番大事なことは、職員一人ひとりがみずからの仕事に関して目標を持って仕事を進めていくと、こういう姿勢を持つことになったということでございます。それから、直接のお尋ねの評定、評価ということに関しましては、評定制度の基礎に目標管理を導入したことで客観性が確保できたというふうに考えてございます。目標管理の成果は処遇に反映するといったことを実践してまいりまして、公平でかつ納得性の高い制度を運営しているというふうに自負しております。
○佐野委員 今おっしゃった中で幾つか大切なことがあると思います。評価で大切なのは公平・公正で、できるだけオープンにすること。2番目として納得性、透明性が高くて、やる気の出る制度をつくること。3番目として、成果を出した人には必ず報いるという処遇をぴしっとすること。この三つが基礎要素であるというふうに私は理解しております。
 私はその評価システムで次に大切なことは、評価をする側とされる側が、なぜ評価をするのか、なぜ評価はされるのかということを本当に理解し合って評価制度ということが成り立っているのかどうか、ここが私は一番のポイントではないかと思っています。この区が掲げる目標と成果による管理の中で、個人評価の目的は何なのだとお考えでしょうか。簡潔にお答えいただきたいと思います。
○長田人事担当課長 職員個人の組織への貢献度を図るということがまず第一でございます。そのことによって個人の意欲を高め、能力向上を図ってまいります。
○佐野委員 簡単にはそうなのかな。能力向上を図るんだろうけども、実際にはやはりその中でやってはならないことが幾つかあるわけですよね。私は評価の最終的な目標というのは育成にあると思っております。評価と育成がしっかりしていないと、評価は相手をだめにするためにするんじゃありません。あくまでもその人のいい点を褒めて育成をする。そして、育成をしてその人がよくなった部分を成果に反映させる。そういったシステムを構築しなければいけないというふうに考えております。したがって、その反映となる高い処遇を求めるということほど単純ではなくて、人間の競争心をあおったり差をつける目的では決してないわけです。仕事上で短所を見つけてやるということではなくして、いい面を見つけ出してその環境を整える。さらにレベルアップするということが必要ではないかというふうに思っております。
 成果というのは結果です。そして、その目的は育成にあるわけです。なぜ育成をするかというと、育成は手段でありますけども、あくまでもその育成の中で評価を手段として育成に結びつけていくということが大切ではないかというふうに思っております。
 これは私ごとですけども、私の好きな言葉の中に、戦前に軍隊の中におりました山本司令長官の言葉があります。この方は部下に対して、右翼だと言われるかもしれませんけど、私はこの言葉を非常に部下を教育する上では大切な言葉だなと今もって思います。時代は変わっておりますけども、当時山本司令長官は部下に対して「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」ということを言っております。まさしく私は時代が変わってもそのとおりだなと思っております。まず、自分でみずからやってみる。上司が自分で見せる。そして、言って聞かせる。こういうふうにしなさい、ああいうふうにしなさいよ、こうした方がいいよ、こう思うよということをまず言って聞かせる。そして、本人にさせてみる。させてみれば欠点もあるし、うまくいく人もいるかもしれません。しかし、その欠点をつくんではなくして褒めてあげる。ここがいい点だよ、これを生かしてやっていったらどうか。この辺はちょっと悪いけども、ここは直したらどうか。そういったことでやらなければ人は動かじということでございます。これは歴史が変わっても私はいい言葉だなというふうに思っている次第でございます。また異論があれば言っていただきたいと思います。
 そういう意味で、人が一番大切だということですね。何ゆえ成果が上がらなかったかということを分析して、その原因を修正する。いわば今、安倍新首相が自民党から出ましたけども、再チャレンジする。そういったことを、1回だめだったらその人は敗者復活が絶対あり得ないということじゃなくして、必ず復活させる、再チャレンジさせるためにも、この評価というのは大切なんだということを認識していただきたいと思います。
 次に、目標管理シートについてお尋ねいたします。
 これは去年ですか、私はやっぱり質問をさせていただいておりますけども、目標管理シートというのは期のはじめに部下と上司とで、今期はこういう目標をつくってお互いにこうやろうねということを確認するシートでございます。これについて16年、17年、18年の全体の職員の占める割合はどれくらいだったかを御回答いただきたいと思います。
○長田人事担当課長 目標管理シートを一般職員に導入いたしましたのが平成16年でございます。そのうち、平成16年度から18年度までの提出状況のうち、未提出の状況についてお答えをさせていただきます。16年度は未提出、未提出に該当する場合は一つが病気休職、それから育児休業など、そういう状況で提出が不可能な場合、それからもう一つが提出の期日までに当初面接を設定してございますが、それまでに本人の意思によって提出が見られなかった場合、この大きく分けて2通りございます。
 平成16年度は未提出の総数が85人でございました。職員総数に占める割合が3.2%、うち病気休職等以外の本人の意思に係る部分につきましては18人で、0.7%でございました。平成17年度は91人で、職員総数に占める割合が3.5%、うち本人の意思に係るものが8人で、0.3%でございます。18年度、今年度でございますが、総数が82人でございまして3.1%、うち本人の意思に係るものが10人でございまして、0.4%となってございます。
○佐野委員 今の数字を見て、私は2年前に質問したときと比べると、やはりまだ出していない人がいるんだなというふうに思いました。本人の意思で出されていないのは16年度は18人だったのが17年度は8人、18年度は10人という今お話でございました。これについて、私はやはり守るべきものは守らせなければいけないという姿勢が必要ではないかと。なぜなら、区は目標と成果による区政運営というものをしっかりと掲げているわけです。その中で、数人の人たちがそれに従わないということはいかがなものかなというふうに思っている次第です。
 これについて2年前に私は質問をしております。議事録によりますと、「私はこういった未提出者がいること自体、ゆゆしき問題であると考えています。なぜなら、少なくとも田中区長は目標と成果による区政運営を掲げているわけです。しかし、その中でこの18名の職員がどういう意図かわかりませんが、少なくともそれに、区政に対して挑戦をしているというふうにとらざるを得ません。そういう意味からすれば、田中区長は少なくともこの人たちに対して、先ほど業務命令違反というような言葉もございましたけども、そういった中で強い姿勢、強い対応を図っていかなければ、少なくとも田中体制は存続はかなり厳しいものになると言わざるを得ません。そういう意味からすると、大変失礼な言い方かもしれませんけども、この18名の者に対してどのような姿勢で臨んでいくか、これをお答えいただきたい」というふうに言いました。区長はこのように答えております。「今後とも制度の検証を行いながら改善をし、時間がかかるといったようなお話の仕方を申し上げましたけれども、一日も早くしっかりとした制度になっていくように努めてまいりたいと思っております。そうした意味で、シートの未提出者が0.7%いるんだということについてでありますが、これについては先ほど申し上げましたように、目標管理シートを提出しないということは業務命令違反であるので、この職務命令が適正に実行されないということについては、まだそれに対応した手続、対応があるわけでありますので、そうした対応をきちっと今後とっていきたい」というふうに言っております。
2年前に未提出者は職務命令違反だと区長は言っております。しかし、2年後も病欠を除いて今言った数字が出ております。17年度は8名、18年度が10名。こういったことについて、まずこのまま行きますと、苦労して目標を定めて時間を割きながら上司と部下とでやっている人たち、まじめにやっている人たちがばかを見てしまいます。また、ことわざにもありますように、悪貨は良貨を駆逐するという表現がございます。せっかくいい制度もだんだんと朽ちて果ててしまいます。そういう意味で、田中区長がおっしゃいました未提出は業務命令違反ととらえて、今後適正な対応をとっていくというふうにおっしゃいましたけども、まず未提出者に対して毅然とした態度をとるべきだと思います。まず担当課長、いかがでございましょうか。
○長田人事担当課長 まず、目標管理制度の本質、意義に係ることでございますが、職員が自覚を持ってみずからの仕事について目標を立てて進めていくと。このことの意義を基本に、これを組織全体に徹底していくということが非常に大事だと思っております。この組織全体に徹底を図っていくということに関しては、私も強い意思を持ってこれに当たってまいりましたし、今後も当たっていく必要があると考えてございます。
 それから、個々の職員への管理者からの粘り強い指導といったものも、大変重要な手だてであると考えてございます。これに加えて研修等を利用いたしました職員の目標管理制度への理解、こういったものを促進していくといったこともあわせて実施しているところでございます。なお、平成18年度には目標の設定に関する当初面接の前に、職員全体に対して悉皆研修ということで、目標設定についての研修を実施しているところでございます。
○佐野委員 2年前におっしゃったこととほぼ同じことを今おっしゃっております。私はこの2年間、やはりそれなりの注意を払い、どうしていくかという努力が見られていないと、大変失礼だけど思っております。そういう意味で、この数値をできるだけ少なくしていく、そういった努力を今後も重ねていく必要があると思いますけど、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 重ねての御答弁になりますが、やはり先ほど申しましたように、個々の職員の状況といったものをきちんと把握して、それに対応した必要な指導こそ効果があると考えてございますので、今後ともそれぞれの事業部、それぞれの分野で管理者がきちんと職員を厳しく指導していくということで対応してまいりたいと考えております。
○佐野委員 この3年間の数値が減っていない。逆にふえている数字もある。こういったことから考え、今後厳しく、どのように対応するかは対応のやり方があろうと思います。それは人事担当としてしっかりとした信念を持ってやっていっていただきたいというふうに思います。もうこれ以上申してもこれは解決する問題ではありませんので、担当としてぜひこういったことに対応する姿勢をしっかりと持ってやっていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、通告は2番目に管理職の選考受験についてとなっておりますが、超過勤務、3番目にあるものを2番目に持ってこさせていただいておりますので、超過勤務についてお伺いをさせていただきます。
 これは職員の健康問題や効率等に含みがあります。人材育成の観点からも正視していかなければならない問題というふうに考えております。この問題も私は何回か取り上げさせていただきました。まず、この超勤が非常に伸びている。金額が、超勤が伸びているという事実、これについては15年度が4億9,300万円、16年度が5億200万円、17年度が5億8,800万円、昨年度比が8,600万円現在伸びております。この決算によると伸びております。そして、4年前から比べると1億2,100万円伸びております。こうしたこと、給与総額に占める割合がだんだん高くなっている。給与は全体的に減ってきている。しかし、こういった超過勤務のお代がだんだん伸びている。こういった現象が続いているということが現状にあるんではないかと思います。これは健康問題についても大きな関与をしていくと思いますので、まずこの辺についてどうお考えでしょうか。
○長田人事担当課長 まず、超過勤務が年々ふえているということについては、委員の御指摘のとおりでございます。このことのとらえ方でございますが、仕事の進め方の見直しや柔軟な職員配置など、業務改善が進んでいないということの結果としてあらわれている面が一つあろうかと思います。そういう観点からの問題のとらえ方をしなければならないというふうに考えます。
それから、委員も御指摘がありましたように、やはりこのことは職員の健康管理にも大きな影響を持ってくるものでございます。そういった観点から、この状況については対応していかなければならない問題だというふうに考えてございます。
○佐野委員 またこれも先ほどの問いと同じですけども、この答えも前のときにそういったお答えをしております。しかし、この3年間どんどんふえております。ですから、別に残業してはいけない、超過勤務をしてはいけないということを私は述べているんではありません。そうした中で費用対効果、そしてまた上司のこれは命令で行うことですから、上司がしっかりと把握して行わなければ、野放図にしていればどんどんふえていってしまうと思います。そうしたことから、しっかりとした管理を行っていただきたいというふうに思っているわけでございます。3年前と比べて、やはりどこかにそのブレーキがかかっていないということは何かの原因があると思います。確かに職員も減りました。いろんなことがあるかもしれない。高年齢化しています。したがって、基本給掛ける1.25倍ですから金額もふえていきます。それはあるかもしれません。しかし、あるからといってこの数値はあまりにも私は、全体の占める割合からすれば大き過ぎるんではないかというふうに思っております。したがって今後、この2年間、この3年間、かなりの勢いでふえているものをどうやっていくか。これは人事担当として大きな課題ではないか。先ほどの問題も含めて大きな課題ではないかと思っております。改めて御指摘をさせていただきますので、御検討を今後も重ねていっていただきたいというふうに思っております。
 そこでお伺いしますけども、それでは健康というものも管理しまして、超過勤務の手当の最高の支給額者は、お名前は結構ですから、時間と金額をお教えいただきたいと思います。
○長田人事担当課長 ちなみに、平成15年度から17年度の3カ年で状況を御説明させていただきます。
 平成15年度は職層としては係長級でございます。年間の支給額最高者ですが、支給実績としては約223万円になってございます。超過勤務の総時間数ですが、年間ですが559時間、1カ月平均に計算をし直しますと1カ月平均は46時間という状況になってございます。平成16年度でございますが、係長級でございますが、年間支給の総額が約254万円でございます。時間数が690時間、1カ月平均に直しますと57時間という状況になってございます。最後に、平成17年度でございますが、主任主事でございます。年間支給総額が約251万円になってございます。時間数が866時間、1カ月平均に直しますと72時間と、こういった状況でございます。
○佐野委員 改めて数字をお聞きしてびっくりしました。民間で言いますと労働基準監督署というのがございます。労働基準監督署というのは、かなりの高い数値になっている場合には、健康管理も含めてかなりの事情聴取を受けます。そういう中で、区はどういうシステムになっているかわかりませんけども、少なくとも担当部署としてこういった高い数値、例えば金額は別としましても、この残業は本人が悪いわけじゃないと思うんです。本当は喜んで残業する人はいないと思います。こういったものをせざるを得ない環境づくり、これは上司の責任であると私は思っております。そういう中で1人の人に偏ってしまう。例えば17年度は866時間、月にすると72時間という今御発言でございました。それを1日にしますと3.6時間、毎月20日間で割ると3時間半ぐらいをやっているわけですね。ということは、何時からだかわかりませんけども、6時からカウントですか5時半からカウントだかわかりませんけども、仮に6時からカウントしますと9時半まで、平均ですよ、これはあくまでも。そうはいきませんけども、ずっとやっているという計算上はなってしまいます。そうした場合に、こういったことをやっぱりしっかりと労働基準監督署の前に、やはり上司として分散させる。職員のところへ分散させるとか、いろんな方法論があろうかと思います。1人の人に偏ること自体が私は問題ではないかと思いますので、それについてはいかがでしょうか。
○長田人事担当課長 まず、時間外の勤務の命令の問題がございますが、その前提として私どもは区民のサービス、区民に対して高い価値を提供すると。成果を出していかなければならないというのが第一義的な使命としてございます。この問題に対応していくために、それぞれの管理者はやむなく超過勤務を命令しているという状況がございます。
 先ほど最高支給額として例示として御説明させていただいたそれぞれの職員も、それぞれの業務の特殊性からやむなくこういう状況に至ったという、そういう状況もございます。それから、中野区全体でも職員数の削減といったものを図ってきてございますので、それぞれの個々の事業部、分野の事業の組み立ての過程の中で、どうしてもある場面では個々の職員にその業務の負荷がかからざるを得ない状況もございます。ただ、こういったことを漫然と見過ごしてしまっては、先ほど委員が御指摘のように、仕事の進め方についての必要な改善が図れない。そのことによって職員の健康管理にも影響を及ぼすということがございますので、こういったことについてはきちんと実情を把握して、必要の度合いを見きわめながら超過勤務の命令をしていく。その前提として業務改善が必要だというふうに考えてございます。
○佐野委員 本来ならば各部長にも一応御意見を伺いたいんですけども、これ以上は申してもしようがないと思います。
 事業部制がとられております。そういう中で各部長は最終的には判断を負っていくわけですけども、こういう中で単に総務部の一部署である人事担当が先ほどの評価システムの問題や、そしてまた今の超過勤務の問題、これを取り上げて各部長に通達を出してもなかなか行動はとりにくい面があろうかと思います。そういう意味で組織上、やはり権限と責任が人事担当には少なくとももっとプッシュができる状況があることが必要ではないかと私自身思っておりますけども、そういう中でこの限界点をどう乗り越えて人事担当としてやっていくか。また、そうした意識を各部長は持っていただけるかどうかということを今後の課題としてお願いしたいと思います。これについていろいろありますけども、区長は先ほどお聞きしましたので、助役ですね。制度の管理者となる企業でいえばナンバーツー、副社長でございますので、ぜひそういった企業のナンバーツーとしてお答えをいただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○内田助役 お答えをいたします。
 区の経営資源を最も効率的に活用するということから、当区では事業部制を導入しております。この体制のもと、各部におきましては目標と成果による管理を実現するために、日々効率的な効果的な組織運営に取り組んでいるところでございます。今後とも各部の経営層がそれぞれ担当する業務につきまして、人事担当課長からも答弁いたしましたけれども、その業務の進め方、職員の働き方を含めてその実態をやっぱりきちっと把握すると。まずそのことが大事だと思いますが、その上でPDCAのマネジメントサイクル、これを通じて業務改善に着実に取り組んでいくといったようなことを中心に各部の経営力を強化していくと、このことが大事であるというふうに思っております。そのことによって超過勤務の削減にもつながっていく。そういう努力を続けていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○佐野委員 今、助役の方からお答えいただきました。いずれにしてもこういった問題は一担当部署だけでは解決し得ません。したがって、長い目で見ていってどう解決をしていっていいか。組織の問題でもあろうかと思います。この辺は助役も含めて再認識を持ってやっていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 この項の質問を終わります。
 続きまして、管理職選考受験についてお伺いをさせていただきます。
 7月7日の都政新報によれば、結構申し込みが出てきて、受験率が上がってきているということでございました。中野区も調べさせていただきましたが、受験率が上がっております。管理職というのは、やはりこれから職員を引っ張っていく重要なリーダーとなる人たちであり、クオリティーが問われます。そういう意味で、その管理職というものは非常に大切なポジションになっていくんではないかというふうに思うわけです。
 そこで、まず人材育成の計画の中にもこれは書いておりますけども、管理職の受験についてどう育てていくのか、所見をまず担当からお伺いしたいと思います。
○長田人事担当課長 管理職の受験の状況を好転させていくと、組織の中で昇任意欲を引き出していくということがまず第一でございます。そういう意味では、各事業部において管理職としての可能性を持った人材を日々の業務、指揮監督をする中で掘り起こしをしていくと、こういった地道な活動が必要だろうというふうに考えてございます。その上で選考ないしは管理職としても必要な知識を付与していくというような、具体的な支援策を各事業部の単位で行っていくと。こういった活動の積み重ねの中で中野区全体の質の向上、管理職を生み出していく、そういう職員集団の質の向上というものが図られていくと考えてございます。なお、合格後につきましても、計画的に職務経験を積ませて管理職としての必要な能力開発を図っていくと、このような構想を持っているところでございます。
○佐野委員 一般的なお答えだったと思います。そのとおりだと思います。私はやはり管理職の魅力というものは何なのかということをまず考えなければならないのではないか。先ほど言いましたように、処遇に反映させていかなければ管理職のなり手はないと思います。ただ、今の状態のポジション、処遇の中で、はい管理職になりましたと言っても、なかなか行動には伴うものがないと思います。そういう意味で、やはり前も聞きましたけども、まず私がちょっと調べさせていただいた中では37歳の新任管理職、これは昨年でしたけども基本給は36万6,300円、そしてそこには47歳の統括係長というのがおりました。これは42万9,200円でした。これは事実であります。そういう中で同じ職場で年齢の若い人が管理職試験に合格し、一生懸命努力して合格してその場を任せられるわけですね。しかし、基本給で差がある。要するに新任の管理職は36万6,300円、そして古手の係長は42万9,200円、こういった処遇の中で指揮命令権を与えられてやっていこうとする中で意欲が果たしてわくものなのでしょうか。私はこういった給与体系の見直し、そして処遇に反映できる評価の反映が正しく行われるものを考えていかなければいけないのではないか。そして、まして私が見る限りでは、今の基本給の中の給与ベースの中には年功的要素がまだまだすごく強いです。こうした中で、担当としてはまずどのようにこのことをお考えでしょうか。特に今のシステムでは基本給がこの新任課長と統括係長とではほぼ退職まで、47歳の統括係長を追い越すことができない制度になっております。ほぼできません。こういったことでいいんでしょうか。その辺も含めて御回答いただきたいと思います。
○長田人事担当課長 委員の御指摘の管理職の処遇を含めた管理職への魅力を増していくということについては、やはり人事の観点から非常に大事な重要な課題だというふうにとらえてございます。
 給与に関しての課題として、どのようにこのことについてとらえているかということでございますが、委員御指摘の点は、やはり給料表に基づく基本給そのものということでございますが、23区全体では、このことについては、管理職の処遇については管理職手当という手当も含めた形でこの問題について対処していきたいというふうに検討しているところでございます。昨年の平成17年の人事委員会勧告の中では、方向としては定額制といった方向で見直すことによって、管理職の処遇の改善というのが図られるのではないか。このことについては引き続き検討していくということになってございます。
○佐野委員 今ですと、手当を含めて反映させているというお答えでございました。そして、もう一つは23区でこれは共通認識としてとっていると。人事委員会ですか、おやりになったというお話でございました。手当を含めて考えていると、まさしく手当が入りますから、年収では生涯の中の賃金では逆転を起こします。しかし、基本給というものは生活そのものに密着するものであります。少なくても基本給掛けるボーナスの利率になります。基本給掛ける残業代の利率になります。手当には掛けません。そういうことからすれば、基本給というものがいかに大切かというのは認識の中に皆さんおありになると思います。私も、自分はサラリーマンとしてやってきました。基本給は生活給の一部ではありません。すべてであります。そういうことからすれば、基本給をどう改良していくかということは、私はやはりメインとして考えるのではないかと思います。企業の中では、非常に失礼な言い方かもしれませんけども、手当をふやして基本給を下げてしまう企業があります。これははっきり言って勤労意欲はわきません。なぜなら先ほど申しましたように、手当では、すべての手当をとったり外したりすることが給与体系でできます。基本給はなかなかできません。一たん基本給を決めてしまうと、それがすべて生涯の中の賃金のベースになります。そういうことからすると、やはり基本給で逆転現象が起きないということは、私はゆゆしき問題であるというふうに思っております。これは見解が違うんです。
 もう一つは、区の独自の判断でこれを変更することはできないというふうなことで、23区あるということでおありになるわけですけども、      (発言取り消し)      課長の方では前にその給与については共通事項であるから、23区の人事委員会があるから、その壁が破れないという御回答も前のときにいただきました。      (発言取り消し)      確かに給与体系は23区共通事項でありますが、しかし、人事委員会の勧告とは違う給与表を仮に中野区で作成      (発言取り消し)      しても法律的な問題についてはないと      (発言取り消し)      思います。(発言訂正)ただし、勧告の効力は法律上の強制力を伴わないけども、地方公共団体の議会及び長は最大限にこれを努力する、尊重する立場にあるということは事実であると思います。したがって、もし仮に中野区は独自の賃金表をおつくりになるということになると、こういった23区の足並みをそろえている人事委員会から一歩外れることになります。
 そういう意味ではいろんな影響が出てくると思います。人事だけじゃございません。財調も23区で歩調を合わせてやっております。そういうことからすれば、中野区だけ突出したことにはなり得ないことは事実あろうかと思うんです。しかし、私は人事担当課長に問いたいのは、少なくとも中野区の今の賃金表が要するに矛盾がある。例えば、年功序列的な要素があると。今言った逆転現象は手当でリカバリーできるけど、基本給でリカバリーできない矛盾点があると。そうすれば、やはり直していくのが自然の姿であり、状態ではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 給料表の構造を変えていくということにつきましては、昨年の17年の特別区人事委員会勧告の大きなテーマとなってございます。その中にもきちんと職責、それから能力、業績を的確に反映した給与制度に転換をしていくと。これはもう50年来の課題であったことが昨年度人事委員会勧告として結実したわけでございます。形になったわけでございます。このことを今後も23区全体で追求していく課題としてとらえているわけでございます。
 ちなみに、特別区の人事委員会の仕組みからの課題を申し上げさせていただくと、委員の御指摘の中にもございましたように、23区が連合して人事委員会を置いているということは、やはり職員の給与を含めた勤務条件等についての一体性を確保していくと。共通の基準で運営していくことを前提としてございます。その中で中野区だけが異なった給与構造をつくるということについては、やはり人事運営全体の中でさまざまな支障が出てくる。極めてそういったことは困難な状況にあるというふうに考えますので、やはり先ほど申し上げましたように、特別区人事委員会を中心として大きなテーマを掲げて職責に見合う、業績が反映する給与制度を実現していくという大きなテーマの中で、23区全体の中でやはり中野区の発意を働きかけていくべきだと、そのように考えてございます。
○佐野委員 残念な発言で悔しいなと思います。なぜなら、自民党の中の前総裁も言っておりました。古い体質、自民党でもぶっ壊す必要があると。やはりそういう23区の足並みの中で、少なくとも中野区が今ある賃金表について矛盾点があるとお考えになるならば、やはりそうした委員会でも中で歩調を合わせることは無理という判断の上で独自のものをつくる。これは法的に認められているということであれば違法ではないわけですから、その異端性はあるかもしれませんけども、そういった行動に出るべきであると。古い体質やなんかをぶっ壊すというようなことが私は必要ではないかなというふうに思っている考え方です。今の御発言の中では、あるそういう矛盾点は考えているけども、少なくとも23区の歩調の中で自分たちの考え方を言って、そこの中で改善を図っていきたいんだという御発言だったと思います。非常に残念だなと私思っておりますけども、今の現在の考え方がそうであればいたし方ないなというふうに思っております。これについて区長の御見解はいかがでしょうか。
○田中区長 日本の公務員制度は終身雇用が前提でありまして、みんなが同じように60歳なら60歳の定年まで勤めるということを基準に物事を見ております。そういう意味ではその年功制的な要素が、どうしても給与体系の中で色濃くなってしまうという経過があったんだろうというふうに思っております。ただ、その雇用構造もだんだん緩やかになってくる。変化をしてくる。また、経営という視点から自治体の運営についてもやはりもっと考えなければいけなくなってくるという状況の中にあって、職員の働き方もそうした給与構造を前提にしたものであるということであり続けるわけにはいかなくなってきたというふうに思っているわけであります。23区の中で、給料表そのものも少しずつ変わっております。級から級に行ってもまだかぶっている分、ダブって重なっている部分が非常に多いというところも、少しずつ改善をしてくるというようなことをやっていこうとしているわけでもありますし、また、管理職手当を定額制にして、管理職としての処遇を明確なものにしていくといったようなこともやろうと、進めようとしているわけでもあります。そういう中で、そういう方向がより明確になっていくように、必要に応じて中野区独自の対応なども含めながら、23区の中でしっかりと主張をしてまいりたいというふうに思っております。23区の枠組みを外れて、中野区が独自で公平委員会をつくるということを考えた場合にどうなるかといったようなことについても、絶対100%とらない方策だということではなく、きちんと中野区の自治というものを議会の皆さんと一緒に考えながら、こうした改革を進めていきたいというふうに思っております。
○佐野委員 私が発言した内容については確かに難しい面があると思います。今23区の中で地方自治権を与えている国ですら、やはりそういった縛りをつくっている問題があります。しかし、私は将来も含めて、まず中野区からすべていろんなものを発信していく、そういった姿勢こそが今まさに問われるときではないかなというふうに思っている次第です。そういう意味で、区長が今御発言になったそういう枠の中でやっていくけども、そういったことも、外れていくことも考えるということも、必要な場合があり得るということをおっしゃっていただきましたので、そういった強い決意で今後23区の中での歩調をそろえる分はそろえる。しかし、自分たちの主義主張が違う場合にははっきりと物を言う。こういった姿勢を貫いていっていただきたいというふうに思う次第でございます。
 時間の関係もありますので、次にそれでは移らせていただきたいと思います。この項の質問を終わります。人事担当、ありがとうございました。
 次に、中野区の掲示板について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、中野区の掲示板につきましては、情報伝達の一つの手段としてございます。そのほかにはホームページだとか集会だとかJCN、それからまたいろいろなお知らせ板等があるわけですけども、そういう意味で、区報と並んで活字伝達というのは非常に大切なものであるというふうにとらえております。そういうことからまずお伺いしたいのは、区民の広場とお知らせ板というのが区内にありますので、その数とどういう状況になっているか、その辺をちょっとお知らせいただきたいと思います。
○浅野広聴広報担当課長 それでは、御説明いたします。
 掲示板としましては2種類ございます。一つはお知らせ板というものでございまして、これは区の主催行事、また国や都などのポスターなどを掲示するものでございます。それから、もう一つは区民の広場というものがございます。これは区民の皆様の自主的な活動や日常生活の情報交換の場として活用しているものでございます。このお知らせ板につきましては区内のいろんなところに、380カ所に設置してございます。それから区民の広場、これは192カ所に設置してございます。
 お知らせ板につきましては、この利用については、現在私ども広聴広報分野の方で受け付けを行っておりまして、2週間を限度に掲示の許可をしてございます。それから、区民の広場につきましては1週間を限度といたしまして、区民の皆様の自主的な管理という形でゆだねてございます。なお、お知らせ板につきましては、これは運用でございますけども、各地域センター管内の町会や自治会などで公益的団体が行う活動につきまして、当該の地域センター所長の承認により掲示する場合もございます。
 以上でございます。
○佐野委員 今、地域センターでの承認を得るということですけども、15地域センターごとの数で、合計でお知らせ板が380、区民の広場が192ということでしたので572カ所あると。これは地域によっていろいろばらつきがあろうかと思います。そういうことからすると、私も先日ちょっとそのお知らせ板なるものを、あまり意識していなかったんですけど、見させていただきました。地域によって全然違うんですよね。例えば駅前なんかはすごくいっぱい張ってあるわけです。かといって、私の方の地域になりますと張っていないところもあるんですよね。そんなことからすると、非常にこの活用方法にばらつきがあるんではないかということを思わざるを得ない。もちろん、その地域性もあるでしょう。いろいろなことがあるかと思います。そういうことで、その空板というんですか、その率というものをやっぱり高めていく必要があるんではないかなと思うんですけども、そういう問題点といいますか、そういったことを含めた目的や期間の機能ということはわかったけども、問題点はどこかあるんではないかと思うんですけども、今、担当としてその今の掲示板についての問題点は何があるとお考えでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 今、委員御指摘がございましたように、地域によってのかなり利用頻度の差というのがまずございます。それから、もう一つは区のお知らせ板につきましては、最近区が主催する事業などが減少しておりますので、あまりそこを利用していないというのがある一方、区民の広場の方は区民の方々の公益活動とか趣味活動が非常に活発になってきておりますので、むしろそちらの方の利用頻度は非常に高くなっているという現状がございます。
 それからもう一つは、掲示板の場所によっては非常に老朽化が進んで、ちょっと使用するのに非常に難しいものが出てきたりとか、また落書きによる破損が目立つ状況もございまして、これは随時確認して修理できるものは修理してございますが、そういった状況で使われていないものがございます。それからあと近隣の土地利用関係、これは例えば建てかえとか増改築に伴いまして、やはりそこの場所の掲示板が、その住んでいる方たちの例えば車の出入りの支障になってしまうとか、そういったことで撤去を求められる場合が時々ございます。そういったまた掲示板自体の利用につきましても、掲示期間が過ぎても掲示されているものが見られたりとか、あるいはルール違反、例えば営業活動的なものは許可していないのですが、そういったものが張られたりして、地域の方からの苦情が来るといった状況もございます。
○佐野委員 ちょっと聞き取れなかった。一番最初に言った掲示板、お知らせ板には区が知らせることが少なくなってきているから減少しているということですか。ちょっともう一回お願いします。一番最初。
○浅野広聴広報担当課長 今まで区のお知らせ板の利用をしていたのは、例えばいろんな区が主催する事業などを地域の方にお知らせするということで使っている、利用する機会が多かったんですが、そういった事業自体がやや減少してきているということがございまして、そういったそこに張る機会が少なくなったというものでございます。
○佐野委員 わかりました。今、御指摘いただいた幾つかの問題点が現在この掲示板の中にはあろうかというふうに思っております。特に私なんかが見ますと、雨のときなんかはものすごく汚いですよね。もう紙自体が雨に対応する紙じゃありませんので、すごく汚くなってしまうということがあります。美化にも大きく影響しているんではないか。環境の整備という観点からも、やはり撤去が望ましい部分もあるんではないかなというふうに思っております。
 次の質問ですけど、昭和53年7月1日の訓令第15号によれば、中野区のお知らせ板等の管理規程第5条がございます。その中で、第5条はお知らせ板等への広報物の張るものとか投函及び除去に関するお知らせの整備だとか清掃については、団体または個人に委託することができるというふうになっておりますけども、この整備、環境、チェックについては、どこにどういう形で幾らの金額でお出しになっているんでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 現在、区の掲示板につきましては、この管理委託業務をシルバー人材センターの方に委託してございます。その内容につきましてはお知らせ板、区民の広場双方ですが、巡回清掃、それから違反掲示物の撤去といったものをやっております。お知らせ板につきましては月1回の巡回、それから区民の広場につきましては月2回の巡回を行っています。委託に要している費用は平成17年度の予算でいきますと216万円でございます。
○佐野委員 わかりました。そうすると、そういうところに委託をしてチェックだとか清掃だとか、整備を行っているというのが現状であるということだと思いますけども、実態としてはやはり月1回、2回では間に合わない分も出てきております。現在の管理規程というのは今申しましたように、昭和53年につくられておりますよね。したがって、大分環境も変わってきております。そこで、特に私どもみたいな団塊の世代の中で育った人間にはメールだとか、それからホームページ等を見に行くということが非常に困難な人もいると思います。私もそうですけども、そういう中でやっぱり活字というものを大切にしていかなきゃならない部分ということもあろうと思います。まして65歳の人が4人に1人、これから高齢化社会を迎えようとしています。そういう中で区民のためのお知らせ板でありますので、できる限りやはり整理整とんをする必要があるというふうに考えます。
 特に、例えば管理を今委託しているわけですけども、今ある町会の中では消防や警察からいろんな書類が回ってきて張る場所がない。町会の中でない。当然それは地域センターに行けば許可をもらって張ることができるわけですけども、そういったことからするとなかなかやりにくい部分もあるらしくて、できればそういった中でその管理運営まで任せて、町会の中でやるというのも一つの方法かなと思いますけども、そういうことも含めまして今後見直し、昭和53年と古い設置でございますので、見直しを考えていくことが必要と思いますけども、いかがでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 今、委員御指摘がございましたように、確かに掲示板利用につきましては、現状といたしましては地域間のアンバランス、あるいは区民の公益的活動が非常に活発になってきてございますので、そういった面に現状の管理規程がマッチしているかというと、それはマッチしていないというふうに認めざるを得ないと思います。何らかの私どもとしても改善が必要だというふうに考えておりまして、先ほど冒頭で申し上げましたが、従来の地域センター所長による区のお知らせ板の活用方法、これはわざわざ許可を区役所に行かなくても、ある程度の部分は対応できるといったことなんですが、やはりちょっとそこら辺につきましても、私どもの周知徹底が足りなかったかなというふうにもございます。また、それとあわせまして、お知らせ板というものの利用頻度というものがかなり一部低下してきているという現状もございますので、こういったものを区民の広場を使う形で転用できないか、そういったことなどについても検討していきたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 今、検討していきたいということで、ありがとうございます。そういうことですと、いつまでにという話になるわけですけども、早急には難しいと思いますけども、やはり規程も直さなければいけない。それから見直しもする。費用対効果も考える。こういったことを踏まえて、大体いつごろまでに見直しをする予定でございますか。
○浅野広聴広報担当課長 見直し自体は年度内に行っていきたいというふうに考えてございます。可能な改善につきましては、できるものから直ちに行っていくようなふうに考えてございます。
○佐野委員 ありがとうございました。我々の世代がなかなかそういった活字から離れることができない世代であります。それからすると、やはり掲示板というのはせっかく設置しているわけですから、できるだけ効率がよくて、そしてまた費用対効果が上がることを十分にお考えになっていただいて、今年度を目安にひとつ新しい改善を図っていっていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 あと、12分ぐらいございますので、その他のことで二つほどお伺いさせていただきたいと思います。
 まず一つは、区長室の方にお尋ねをさせていただきます。新しい中野をつくる10か年計画でございます。この10か年計画の中でとらえておりますけども、これは18年3月に発行しております。この発行の中でまず何部お刷りになって幾らで販売なさって、現状はどういう状況になっているかをちょっとお伺いしたいと思います。
○川崎政策担当課長 お答えをいたします。
 この新しい中野をつくる10か年計画につきましては、3月に1,000部印刷をいたしました。そのうち300部を有償頒布ということで予定しておりますが、この有償頒布分につきましては1冊710円でお買い求めいただいております。
○佐野委員 現在1,000部をやって何部売れたという言い方はおかしいですけど、処理されたんでしょうか。
○川崎政策担当課長 販売に回す予定のものは300でございますが、そのうち4月から販売を開始いたしまして、半年で39部販売しております。
○佐野委員 中野区は新しい10か年計画をおつくりになって、これを区民に周知徹底をさせたいというふうに思って、これをおつくりになったと思うんですけども、これ以外の方法がありますよね。例えばホームページを見に行けば全文が見られるとか、いろんなことがあります。これは私は非常に重要な冊子で重要な内容が書かれていると思います。そういう中で今約40部ですか--しか出ていないということになりますと、この辺はどういうふうにお考えでしょうか。なぜそれでまた、一番最初に刷られた部数が1,000部でしたっけ、という数字が出てきたんでしょうか。
○川崎政策担当課長 まず、その販売部数でございますけれども、半年で40部、数は少ないんですけども、この種の行政計画書の過去の売り上げ冊数と比べると、まずまずの売り上げということになるんですけども、その普及ということでございますが、この10か年計画ができたときに、直ちに区報で3ページを費やしまして、区民の皆様には10か年計画ができましたと、その内容についてはお知らせをしてきております。また、さらに詳しい内容をごらんになりたい方は、区のホームページをごらんいただくと全文がごらんいただけるというほか、なかなかホームページもごらんいただけないという方もいらっしゃるかと思いますので、地域センターなどに配本をしてありますので、どうぞこちらをごらんくださいということで御案内しているところでございます。
○佐野委員 今、40部処理できたということでして、それがまずまずという表現がありましたけども、私自身はこれがまずまずなのかどうかということを、例えばホームページやなんかで見に行くことはできますよ。ですけど、やはり先ほど私言いましたように、活字世代に育った者はそれができない人もいるわけですね。そうするとこれの周知徹底、区にこれがございますよということすら私は知りませんでした。失礼だけど知らなかった人もいたということですね。それから考えますと、私はいろいろ中野の区報を調べさせていただきました。まずこれに対するPR、これはいつですかね。2月19日の中野区報ですけども、「なお、10か年計画の全文でパブリックコメント手続でいただいた御意見の概要と区の考え方は、地域センター、図書館、区役所1階区政資料センター、同4階区長室計画担当、または区ホームページでごらんになれます」ということが書かれているんですね。こういう冊子をおつくりになったということは、どこにどういうふうに記載されたんでしょうか。
○川崎政策担当課長 ただいま委員が御紹介いただきました区報、これは計画策定後、直ちに発行いたしまして、この時点ではこの販売価格などについて決まっていなかったということで、その区報では閲覧、地域センターに置いてありますということにとどまったんですが、その後、この販売をしていますということについては、御指摘のとおり区報ではこの間載せておりませんので、なるべく近い機会に販売にも回しているということについてお知らせしていきたいと思っています。なお、区のホームページ上では販売をしておりますということで申し上げております。
 なお、先ほど販売数40部について数の問題を申し上げました。これはこれまでの同種の発行物と比べてということでございます。委員おっしゃるとおり、その40部という数が、もしそれをもって区民に普及するという意味では当然数としては少ないわけでございまして、その10か年計画を区民の皆様に御理解、存在を知っていただくという意味では、さまざまな機会を通じてこの計画の存在をお知らせしていきたいというふうに考えております。
○佐野委員 すると定価ですけども、710円ということでお聞きしておりますけども、これは区に行って買わないといけないんですか、区民が。
○川崎政策担当課長 御自身のお手元に置いておきたいという方には、お買い求めをいただいております。ごらんをいただきたいという方については、地域センターなどで貸し出しをさせていただいております。
○佐野委員 それは人それぞれでしょうけども、やはりこれは710円で買ってくださいということでも一つの方法かもしれませんけども、少なくとも区は今後この10年間、こういう方針で区政運営をしていきますよということをうたった内容ですよね。これを区民に税金をいただいて、さらに710円を徴収するというものがどうなのかということについてはいかがでしょうか。
○川崎政策担当課長 確かに区としてはこの10か年計画について幅広く区民の方にお知らせし、内容について御理解いただきたいというふうに思っておりますが、ただこの冊子を完全に無料で配布をするべきかどうかというのは、これはまた別の問題かというふうに考えております。お求めいただく方には一定の御負担をいただきたいというふうに考えております。
○佐野委員 確かに受益者負担といいますか、それは当たり前のことかもしれませんけども、でも少なくとも区はこういう10か年計画をやりますよ、これが大切ですよ、区はこの方針についてやるんですよということをPRしたいわけですよね。それで、ちゃんと善良に区税をお支払いになっている方に対して、少なくともこれは別ですよというのが、710円という金額に対してどうこうじゃなくて、どうなのかなと私思ったものですから、いろいろ方法論はあろうかと思います。いずれにしても、こういった問題をやっぱり謙虚に考えながら、40部はまずまずと考えられるかどうかはちょっとわかりませんけども、こういった問題を通して、いろんなことをやはり区民にアピールしていく姿勢が、私はこの10か年計画が成功する基本にあるんではないかというふうに思う次第ですので、ぜひその辺は今後配慮しながらやっていっていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 終わり終わりという声がございますので、12時になりましたので、ちょうど時間となりましたので、これで終わらせていただきたいと思います。いろいろ御声援いただきましてありがとうございました。
 この後、自由民主党・民社クラブの方につきましては4名の総括質疑を行う予定でございます。私は先発でしたけども、中継、中継ぎ、そして最後には押さえの最強ピッチャーもおります。これからまたいろいろと出てくると思いますので、理事者の側につきましてはよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了いたします。
 ここで休憩したいと思います。
      午前11時58分休憩

      午後1時00分開議
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 続きまして、岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 公明党の立場から総括質疑を行います。調べてみたら、総括は4年ぶりということで、多少おぼつかないかもしれませんが、質疑させていただきます。
一番目に、学校教育の環境整備の充実についてうかがいます。
初めに、コンピューターを活用したわくわくする教育についてうかがいます。
 先ず、インターネット等の情報を活用した授業について質問します。
 この夏、新宿区立牛込第二中学校で開催された、東京都中学校理科教育研究会の自主研修会の午前の部に参加してきました。特に、ITC、情報技術通信を授業に活用するコースに、都内の理科の先生方と一緒に研修を受けました。
 パソコンでインターネットから配信される情報、例えばJST科学技術振興機構がインターネットで配信している「理科ねっと」や、NHKの科学番組などを活用して、人間や動物の解剖図、魚や昆虫の生体、自然の姿などの情報を、リアルで鮮明な画像を取り入れ、またプリントアウトするなどして理科などの授業に活かすと言う情報活用法の研修でした。
 教科書などからは到底得られない鮮明なカラー画像や動画、また楽しく興味を持たせるために間違い探しなどのクイズも取り入れた模擬授業に、私自身もわくわくし、思わず真剣にじっと見つめてしまいました。
 教室で、その様な情報を子ども達が見たら、わくわくして、釘付けになり、大いに感心することは間違いないと思いながら参加して来ました。あらためて、インターネット等を活用した授業の素晴らしさを実感する研修会でした。
 そこで配布された資料に、JSTが選定し3年間支援する、理科と数学が大好きになる、「理数大好きモデル地域事業」が紹介されていました。平成17年度は東京で2か所、その中に中野区が入っています。
中野区の小学校は中野神明、本郷、鷺宮の3校、中学校は北中野の1校が選定されていますが、この事業がスタートして1年半が経過しますが、17年度の取り組みと、その後の取り組みを簡単にご紹介下さい。
○入野指導室長 理数大好きモデル地域事業は、国立私立を含めた12校で、平成17年度、教員の研修や研究機関・大学等との連携による教育資源の開発を中心に研究しております。今後は、これらのネットワークを生かした研究のいっそうの充実を図る方向であると聞いております。
○岡本委員 JSTが示したモデル事業内容に「地域内の小中学校教員の指導力向上を目的とした教員研修や、理科教育研究会・数学教育研究会の振興、さらに地域内の全小中学校に理数大好き事業が波及される仕組み」と示されていますが、その点に関して、何点かお尋ねしたいと思います。
児童生徒が理数大好きになるためには、先ず、先生が大好きにならなければならないと思います。川崎市も理数大好きモデル事業に選ばれ、事業を展開する狙いの一つに、「理科好きの先生方を増やす」として、まず教員に科学の楽しさを再認識してもらい、それを児童・生徒に還元するとしています。先生から理科大好きに変えようとする狙いは、分かり易く、要を得ていると思います。
 また、理数の好き嫌いは、理系出身の教員の数にも影響があるとの指摘もあり、近年理系の出身の先生が減少しているとも言われます。区立中学校の理科と数学の先生方の割合はどの様になっていますか、うかがいます。
○入野指導室長 区立小中学校の全教員のうち、理科・数学の教員の割合は約27パーセントでございます。
○岡本委員 このモデル事業を通して、4校の先生方が理数大好きになった、あるいは、そうなりつつあるという報告は聞いていますか。
○入野指導室長 モデル校の教員が教材研究や教材開発の研修により、自らの授業づくりやその改善に大変に役に立ったという声を聞いております。
○岡本委員 大変結構なことだと思います。肝心の児童・生徒はどうなるんでしょうか。
○入野指導室長 本事業は先ほどお話がありましたように、昨年度からの3年間にわたる事業でございまして、児童・生徒の成果につきましては今後検証をしていきたいというふうに聞いております。
○岡本委員 それから、区内のほかの小・中学校に理数大好きが波及する取り組みはどのようにされるでしょうか、伺います。
○入野指導室長 これらのモデル校では研究の概要をリーフレットにまとめまして、昨年末にも区内各学校へ周知、情報発信をしております。
○岡本委員 この理数大好きモデル事業は、先ほど言いましたJSTが選定しています。そのJSTが衆知を集めて研究し、教材としてインターネットで配信している理科ネットは、まさに理科を大好きにさせる格好の教材ではないかと思っています。4校とも理科ネットは活用しているのでしょうか、伺います。
○入野指導室長 理科ネットワークにつきましては、理科教育のために開発されたデジタル教材でありますので、こういうものの使用につきましては、区教委へ届け出を要する教材ではないということで、申しわけございません。活用状況は把握できていないというところでございます。
○岡本委員 JSTがバックアップをして理数大好きモデル事業を進めている。その中でこのすばらしい理科が大好きになる、そういうインターネット配信をしている同じ機構がやっていることについて、当然私はその理科ネットを活用して、そして授業に生かしているんではないかと思っておりましたが、そうでないことを聞いて少し残念に思うとともに、ただ北中野中学校はやっておられるんじゃないですか。
○入野指導室長 教材の中身によりまして活用しているという報告は聞いております。ただ、学習指導要領に準拠していたり教科書に準拠しているものではありませんので、一部の活用にとどまっているというふうに認識しております。
○岡本委員 次に、学校コンピュータの基盤整備について伺います。
 私は初めて区議会議員になった平成3年から平成9年まで、合計8回にわたって学校のコンピュータ教室の充実について一般質問や総括質疑を続けてまいりました。私がこういう演壇とかに立ちますと、またコンピュータかというやじが飛んだことをよく覚えております。インターネット接続やコンピュータ教室のLAN整備など強く要望しましたが、教育委員会はインターネットによる教育の弊害を盾に、それらの整備は必要ないとさえ答弁されていた時代がありました。
 コンピュータ教室のLANは中学校が平成10年に、小学校が11年に整備され、インターネット接続は12年にやっと実現しました。コンピュータについて、私は当初から通信による情報の活用をすべきだと訴えてきました。コンピュータ教室でのパソコン活用にとどまらず、どの教室でも情報活用の授業や活動ができなければ、コンピュータを導入した意味はないといっても過言ではないと思っています。
 10年ぶりに中野区の中学校の校長として戻ってきた先生が私のところへ来られて、中野区の学校コンピュータの基盤整備はどうなっているのでしょうかと。あまりにもおくれていると嘆いていました。私もしばらく学校コンピュータ教室の充実について質問をしなかったので、その間整備が遅々として進まず、進展しなかったのかと少なからず責任を感じています。中野区教育ビジョンに示されている教育情報環境の整備の項に校内LANの整備として、17年度は先行実施で中学校2校とありますが、この2校はいつ整備されたのでしょうか、伺います。
○小谷松教育経営担当課長 平成13年度に2校、二中と七中でございますが、この2校に校内LANを先行して整備いたしてございます。
○岡本委員 この教育ビジョンに示された17年度先行実施2校と書いてあるのを見れば、だれもが17年度に教育委員会がこれから計画している校内LAN整備を17年度に整備したという表現に聞こえるではないですか。だから、教育委員会として教育ビジョンに示されて、これから校内LANの整備やある意味ではゼロからスタートするようなものであると思うわけですが、こういう表現は何か非常に紛らわしいような感じがいたしますし、もう既に5年前に整備されているのであれば、実証もできているわけですから、後で詳しく質問しますが、こういう表現は適切な表現ではないと私たちは思っております。
 18年度から20年度までの取り組みとして、学校再編に伴う統合時に校内LANを整備、また計画的な校内LAN整備の検討と記載してあります。計画的な校内LAN整備の検討など、3年もかけてこれから一体何を検討するというのでしょうか。学校再編まで待つというのでしょうか。また、日進月歩のITの時代に、20年度までに新たに校内LANを整備する計画は小学校1校、中学校1校のたったのわずか2校だけです。このスピードで全校の校内LANを整備するには、決してそういう計画じゃないと思いますが、この数字から推測すると現在の43校で約60年、再編された後の30校でも40年もかかる計算になってしまいます。しかも、教育ビジョンには校内LANの期待される成果等として教育の情報化の推進、授業の改善による学力の向上を挙げています。そのような大きな成果を期待しているにもかかわらず、3年間でたったの2校のみを整備するというセンスが理解できません。このような整備のスピードでいいのでしょうか。教育委員会のお考えをお聞かせ願います。
○小谷松教育経営担当課長 教育委員会といたしましては、なるべく早期にこの整備をすべきであるというふうに考えてございますが、統合新校にまず整備をするという計画でございます。この3年間に校舎の改築工事に合わせることで、工事期間の短縮や、あるいは財政的に効率的に校内LANの敷設ができるといったようなことから、この再編計画に合わせた整備ということで計画をしているものでございます。
○岡本委員 少なくとも10年の計画を持っているわけですから、そこで数字を示せるようなそういう計画でないと、3年間だけで2校としか書いていませんと、だれもがこんな計画でずっと進むのかと思ってしまいますので、その辺は後で詳しく質問いたしますけど、表現の問題もあろうかと思います。
 先ほど紹介した理数大好きモデル地域事業に選出された中野区の四つの学校でも校内LANが構築されていません。校内LANが整備されていれば、この項の冒頭で紹介したように、どの教室でももっとITCを活用した理数大好きの授業の取り組みができるのではないかと思います。
 校内LANの整備は極めて単純な仕組みです。新たにサーバーを入れ、LANケーブルを各教室に引き込むだけの工事です。ただ、すべて有線で行う場合、各教室の天井などから配線し、モールでカバーし、LAN端末をボックスで受けるという工事が必要です。サーバー代や工事費だけで数百万円かかると言われていますが、大半は工事費ではないかと思います。さらにパソコンやソフト、周辺機器をそろえると、1校当たり数千万円かかるとも言われています。有線LANだけでなく無線LANを活用すれば費用はもっと軽減されるだけでなく、工事費がほとんどかかりませんから、校内LANを無線に変更してはいかがですか。
○小谷松教育経営担当課長 無線LANということでございますけれども、この無線LAN、有線LAN、それぞれにメリットというものがあろうかと思います。校内LANでは児童・生徒の個人情報のデータを取り扱うという場合も想定されてございます。現段階で無線LANのセキュリティーを考慮するということになりますと、無線LANの課題もきちんと整理した上でその活用を考えていくということが必要であろうというふうに思ってございます。
○岡本委員 私もよく承知していますし,大事なことだと思っておりますが、生徒の個人情報が交信される職員室、校長室などはクローズドした有線LANにしてセキュリティーを確実にかける。一方、教室で使うのは主にインターネット等から情報を受けて授業に生かすだけですから、学校から児童・生徒などの個人情報が外へ流れる心配はまずないと思います。目的によって有線、無線に分けて整備すれば費用だけでなく工事期間が大幅に短縮され、授業中でも校内LANの整備はできると思いますが、いかがですか。
○小谷松教育経営担当課長 普通教室や特別教室におきまして、パソコンでインターネットを活用した授業などの場合につきましては、これは個人情報を扱わないということもありますので、無線LANによる整備も可能であろうというふうには考えます。無線LANの活用について、どのようなことが可能であるかということにつきましては、今後十分検討してまいりたいと思います。
○岡本委員 この際、教育委員会としてもっと積極的に校内LANの整備が早急にできるように、検討すべきだと思います。子どもたちがわくわくし、楽しく学力もつく授業ができるように整備すべきです。私は平成20年度までに全校の校内LANを構築するように計画を変えるべきだと思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせ願います。
○小谷松教育経営担当課長 校内LANの必要性やその効果は、教育委員会としてもこれはもう本当に十分理解しているところでございますが、ただこの3年間ですべてを整備するということについては、やはり難しい部分もあろうかというふうに思います。今後の整備につきましては、できるだけ早い時期にこの計画、校内LANの整備計画をきちんと定めまして、その整備について進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○岡本委員 ネックは予算なんでしょうか。非常に効果があり、評価をしているけど、短期間にはできないというのは、どうも予算に絡むから、そういうその聞いていて大事なことだけど時間がかかるみたいなことになっているのかと思いますが、そこで区長にお尋ねしますが、こういう校内LANの整備については、区で学校施設の管理をしている関係もありまして、取り組み方、また予算執行の責任者として、この校内LANの整備についてどのようにお考えかお聞かせ願います。
○田中区長 使い方や使い勝手によりまして、工事にかかる経費とか設備を購入する経費とか、さまざまに違いがあるだろうというふうにも思っております。また、学校現場、教育現場でどのように活用していくのかといった、その教育現場での取り組み方といったようなことも影響してくるというふうには思います。しかしながら、そういったようなことを早急に整理をしながら、早く進められるものであればそういうふうに考えていくべきだというふうな立場でいるものであります。
○岡本委員 すべての校内LANを整備して、そこに周辺機器もセットで整備するとなると、1校当たり数千万円という、これも私に言わせればべらぼうに高い見積もりだなという感じはいたしますが、例えば校内LANだけをまず無線等で整備する費用は、これは大した費用じゃないと思います。あとは逐次パソコンでのインターネット活用や周辺機器という形の整備の仕方もありますので、どうか一刻も早く校内LANの整備ができるという、させたいという思いで検討していただきたいと思います。
 次に、授業の効果を上げるコンピュータの周辺機器の整備について伺います。
 教室での情報活用の効果を上げるには、パソコンと連動したプロジェクターやスマートボードの活用は欠かせないと思います。今各地で行われているセミナーや講演会は、ほとんどパソコン連動のプロジェクターやスマートボードを活用して行われています。
 ここでちょっと管理者の方にお伺いしたいんですが、今まで講演会、講習会、セミナー等に参加をして、スマートボードによる講演を見たり聞いたりした経験のある方、ちょっと挙手をお願いしたいと思います。意味がわかっていないのかな。スマートボードを使った講演やセミナーに参加したことのある方、ちょっと挙手をお願いします。だれもいない。(「スマートボードをわかっていないから」と呼ぶ者あり)わかっていないか。スマートボードはですね、イメージがわからない。この前、その話をしたらスマートボールですかなんて言う人がいましたけど。要するにイメージはNHKの天気予報で台風とか、あと低気圧とか雷とかとスティックを持ってやっている、ああいうイメージです。あれはスマートボードではありませんが、コンピュータの画面が黒板のようになっているので、そこで操作をして進めるということのできるのがスマートボードで、イメージがおわかりでしょうか。そこでもう一度、そのスマートボードを使っているのを見て、そういう講演会等に参加した方、ちょっと挙手をお願いします。1人、2人、わかりました。そういう実態ですので、少しスマートボードのことがわからないと、なかなか次が進まないんですけど、わかりました。
 ことしの6月に参加した読売新聞社主催の教育ルネッサンスセミナーでは、教育研究団体TOSSの模擬授業がスマートボードを見事に使いこなして行われていました。たくさんの教科があったんですが、1教科がわずか5分程度の授業でしたが、実に盛りだくさんの情報が整理され、興味をそそり、スピーディーにかつわかりやすく展開される様子を見て、身の震えるような感動の体験をしたのを覚えています。
 中野区にはスマートボードのセットを持っている学校が二つあると聞きました。先日はその一つの第七中学校へお邪魔し、5年前にモデル校となった二中と七中にあるわけです。七中にお邪魔し、どのように使われているかを見てまいりました。若い理科の先生がスマートボードを使って授業の様子を再現していただきました。今言いましたように、二中とともに七中も、校内LANは東京都のモデル校になった平成13年度の末に整備されていますので、コンピュータ教室ではなく、普通教室を使ってパソコン、スマートボード、さらに実物投影機を使って授業のデモをしてくれました。スマートボードでのパソコン操作によりインターネットから情報を入手するとともに、実物投影機というものがあるんですが、それを使って資料や画像を拡大し、わかりやすく、また興味を持つような工夫がされていると感じました。また、七中は全校生徒によるウェブページレポート作成と校内限定での閲覧と意見交換も行い、ITを活用して全生徒が個別に発表する仕組みができています。毎年3月には七中アカデミーと銘打ってクラスから代表が参加、さらに学年代表が出て全生徒が参加する発表会を行うなど、積極的にITやITCを活用しています。
 5年前に整備したスマートボードは85万円、プロジェクターは体育館等でも使える大型ので60万円、実物投影機は40万円したそうです。スマートボードは少し古いタイプなので、画面の位置合わせなど多少使いにくい点もありました。同じ中野区の中学校を出て、ITの設備とそれを使いこなして自分のオリジナルな作品をつくることができる学校とそうでない学校とで格差があまりにも大き過ぎます。このような著しい格差があることに、教育委員会はどう受けとめているのでしょうか。早急に解消すべきではないでしょうか、伺います。
○小谷松教育経営担当課長 現在ではすべての小・中学校にコンピュータルーム、これが整備され、一定の活用をされまして成果を上げているというところでございます。今後はさらにこの校内LANの整備を図っていく中でIT環境全体のレベルアップ、それをきちんと図ってまいりたいというふうに思ってございます。
○岡本委員 予算の面からいって、どこの学校にも七中のような設備をすぐに整備するわけにいかないのは現実です。しかし、工夫次第で今までの設備で代替ができると思います。今、課長もそういうことをおっしゃっていましたけど、例えば実物投影機は各学校平均して二、三台あるわけですが、その実物投影機のかわりに、学校に備えてあるビデオカメラを使って同様な効果を上げることもできます。プロジェクターやスクリーンのかわりに教室にあるテレビを使うことも可能です。パソコン画面をテレビに出すには、簡単なコンバーターを介すれば可能だからです。校内LANの整備は急務ですが、それまでの間でも工夫してITを活用した授業ができるのではないでしょうか。
 学校現場には技術やアイデアを持った教員がいます。また、区の職員にもおります。さらに民間のノウハウを生かせば、なお一層学校におけるIT活用が広がると思います。スマートボード等のパソコンの周辺機器の環境整備も含め、コンピュータ活用によるわくわくし、学力を向上する授業が行われるようにするため、それらの人のアイデアを生かし、学校IT活用教育検討会などを設置して、教員の研修も積極的に実施すべきだと思いますが、教育委員会の御意見を、御見解を伺います。
○小谷松教育経営担当課長 まず、検討会ということでございますが、現在小・中学校の情報化担当教員、それから情報化担当の指導主事、事務局職員によりまして校内LAN検討会というものを設けて、その中で校内LAN整備に向けた検討を進めているというところでございます。この検討会でパソコンなどの機器整備の方向性や、あるいは先ほど来委員の方からいろいろおっしゃっておりました周辺機器の必要性、その活用方法、またさらに区立学校におきますセキュリティーポリシーなどにつきまして協議・検討を進めているというところでございます。
 それからまた、ITを活用できます教員の養成のための、これは長期休業期間を中心に、その教員の研修というものにつきましてもこれは現在積極的に進め、教員の資質の向上を図っているというところでございます。
○岡本委員 大分時間が押しましたので、次に学校編成に伴い、エコスクールを設置することについて伺います。
 初めに、自然エネルギーの活用について伺います。  今月の5日に埼玉県東松山市立松山第一小学校の太陽光発電所を見てまいりました。東松山市は平成12年にISO14001を取得し、エコオフィスのさまざまな削減目標をつくり、実行してきたそうです。ほとんどの目標が着実にクリアされる中、庁舎側に大量にパソコンを導入したことなどもあり、電気使用量だけが11年度と比較して14年度は逆に5%も増加してしまったそうです。そこで省エネルギーの励行に加えて、自然エネルギーを使用した創造するエネルギー、創エネルギーの取り組みを始めました。市民に見える形にするため、市役所の隣にある市立松山第一小学校校舎3棟の屋根南斜面に出力160キロワット規模の太陽光発電設備を昨年10月に設置しました。設置に対しまして補助金は新エネルギー産業技術総合開発機構NEDOから6,000万円余、また広域関東圏産業活性化センターGIACから1,000万円でした。市の出費は8,300万円余でした。
この太陽光発電で学校全体で消費している電力量、夜間の学校開放の照明も含め、年間16万キロワットアワーを賄うことができます。これは国内の公立小学校では最大規模の発電量です。また、環境学習の素材としての活用を図るとともに、地球温暖化防止及び自然エネルギー活用のシンボル施設として市民一般への普及啓発を図っています。昼間は東電へ電気を売り、夜間は学校開放で照明を使用するときに電気を買っています。この太陽光発電で1年間の石油の削減量は約3万6,600リットル、ドラム缶で183本が削減されたことになるそうです。また、経済効果とは別にパネル表示などによって環境面に関心が高まり、エコの知識と大切さがより身近に感じた児童が多くなり、また同時に保護者の関心も高まってきたと言っていました。
 中野区は、現在環境マネジメントシステムISO14001の認証取得を進めていますが、現在どのような進捗状況でしょうか、伺います。
○豊川営繕担当課長 ISO14001の認証取得の状況でございますが、現在本庁舎における環境マネジメントシステムを構築中でありまして、11月をめどに環境マネジメントシステムの運用を開始したいという考えでおります。この運用状況につきましては審査登録機関の審査を受けまして、本年度末に認証取得する予定でおります。
○岡本委員 今お話がありましたように、区役所本庁舎としていますが、認証取得に伴って、私は本庁舎だけの環境の取り組みではなく、エコオフィス、エコタウン、エコスクールと区内のあらゆる分野、場所で具体的に環境に優しい施策、また省エネの取り組みが進められなければならないと思っていますが、学校を含めた中野区のエコタウンへの取り組みはどのように考えているのでしょうか、区長にお伺いいたします。
○田中区長 ISOの14001の認証取得は、対象としては区本庁舎を対象としているわけでありますけれども、本庁舎が行っている行政活動は中野区全域にわたるということでもあります。また、教育行政にも深くかかわるということであります。本庁舎への認証取得とその環境マネジメントサイクルをきちんと作動させていくといったような取り組みを通じて、幅広く中野区全体の環境に配慮したまちづくり、そういったようなことを広げてまいりたいと思っているわけであります。
○岡本委員 ありがとうございました。本当に私どもが目指していることと方向が同じかなと思っておりますが、広大な敷地と将来の人材を育てる学校現場で、環境教育を取り入れる意義は極めて大きいと思います。学校そのものが緑化やヒートアイランド対策、自然のエネルギーの活用、生物等の生態系を守る環境にいつも見て触れて体験することのできるエコスクールは、環境教育の最大の場となると思っていますが、教育委員会はどのようにお考えになっているでしょうか、伺います。
○小谷松教育経営担当課長 中野区の幾つかの学校では教材園、あるいはビオトープ、それからまた小動物の飼育などを活用いたしまして、自然との触れ合いを大切にしているというところでございます。全体としては子どもたちの自然体験というものはこの中野区の中では非常に限られたものということになってございますが、ただ子どもたちの身近に自然環境を充実させるとともに、校外での活動を通して子どものころから自然のすばらしさ、あるいは不思議さ、それからまた厳しさといったような感動とともに体験する機会を与えるということが、これは大変な貴重な子どもたちにとっての体験になるというふうに思ってございます。そういったことから、この環境を大切にしていくというその触れ合いというのは、非常に重要なものだというふうに思ってございます。
○岡本委員 次に、学校ビオトープについて伺います。
 やながわ議員などの議員からの議会からの質疑や提案もあって、ビオトープの設置も徐々にふえてきています。17年度までに設置している小学校は17校で全体の6割弱、中学校は3校で全体の2割強、18年度は小学校が3校、中学校が1校ふえますので、それぞれ全体の7割と3割となっています。中学校のビオトープが進んでいない理由は何でしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 小学校の方は比較的進んでいて中学校はおくれているということは、これは委員御指摘のとおりでございます。一般的にやはり小学生の方が自然を体験する機会といいますか、そういったことで学校側もこれを重視しながらやっているということから進んでおりますが、一方中学の方は学校全体としてやはりなかなかそういった機運といいますか、いまいちなのかなというふうには思ってございますが、これからのこの環境教育、先ほど御答弁申し上げましたけれども、非常に重要な役割を持っていると思います。そういった意味で、これからの中野区のこの環境教育を進める一助として、このビオトープの設置というものも非常に重要な役割を果たしているというふうに思ってございます。
○岡本委員 また、設置されている学校でも、ビオトープの取り組みに大きな温度差があるように感じます。沼袋小では屋上に環境に優しいエコガーデンやビオトープ、風力・太陽光発電装置を設置して、正面玄関の時計と水槽のポンプを動かすエネルギーにして環境教育に役立てています。中野の学校ビオトープに生物等の生態系が戻り、生息しているのはどのくらいあるのでしょうか。わかればお聞かせください。
○小谷松教育経営担当課長 具体的にこの生態系がどのぐらい学校に戻ってきているかということにつきましては、これは数値的な形で把握するということは非常に難しいとは思いますが、ただ限られた空間の中で自然を身近に感じることとしまして、子どもたちが生態系を実感できる貴重な空間であるというふうに思っております。また、学校にお聞きいたしますと、実際にヤゴやトンボなどが戻ってきたという実例なども聞いてございます。
○岡本委員 ビオトープを環境教育に生かすためには、よりすぐれたビオトープをつくる必要があります。他の学校での取り組みを参考にすることも必要ではないかと思います。そのために、区内で学校ビオトープコンテストやエコガーデンコンテストを開催してはどうでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 コンテストということでございます。各学校で校舎とのいろんな配置条件、そういった限られた条件の中でこのビオトープを設けて、各学校ともさまざまに工夫しながらやっているということもございますので、そういった各学校の参考になるようなものをいろいろ情報提供、あるいは情報交換をしていく中で相互に発表や、あるいは見学の機会などを設けながらやっていくということをまず取り組みたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 私は決して大きなビオトープをつけろと言っているんじゃなくて、小さなビオトープであってもそこで本当に環境を学ぶ、そういうすばらしさを発表する機会があれば、本当にこのビオトープの環境に生かす、そういう大きな教育素材になるかと思っているわけです。どの学校でも、誇りを持って個性豊かな取り組みができるようになり、その中から全国学校ビオトープコンテストなどに出られるような優秀な学校ビオトープが育ってほしいと願っていますが、中野区の学校ビオトープとして全国学校ビオトープを目指したいんだという、そういう思いは教育委員会にございますか。
○小谷松教育経営担当課長 各学校とも限られた条件、空間的に非常に限られた条件の中ではございますけれども、いろいろ創意工夫を凝らしながら、それぞれの学校に合ったビオトープというものをつくってきてございます。いろいろ各学校の中で情報交換とか、あるいはそういった他校の例などを参考にしながら、また子どもたちのいろんなその意見といいますか、そういったものも生かしながら、ぜひ各学校で工夫のある、そしてすぐれたビオトープづくりに励んでいただきたいというふうに思っております。
○岡本委員 今後、区は平成20年度までに小学校1校、中学校1校が統合新校として開校する予定です。学校再編に伴い、思い切って学校の環境を整備すべきではないかと思います。学校の特色や地域性を生かしながら、例えば緑のカーテン、屋上や壁面緑化、校庭緑化、ビオトープ、ガーデン、さらに太陽光発電等の設備、新設校で太陽光発電を設置する場合の費用は格段に安くできますので、自然エネルギーの活用を含めた学校の環境整備計画をこの際つくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 学校再編に伴いまして緑化や自然エネルギー、そういった発想を取り入れるなど、環境に配慮した対応というものを図ってまいりたいというふうに考えてございます。また、今後の学校施設のあり方を検討する小・中学校校舎のあり方検討会というものを設けまして、その中で今後の方向性というものを検討してまいりたいというふうに思ってございます。
○岡本委員 ある規模以上のビル建設については、公開空地を設けて公園にするように義務付けられていますが、今後はその公園を水辺の公園、ビオトープをつくるように指導することはできないでしょうか。
 2年前に大阪ビジネスパークOBPを視察しましたが、ビル街のわずかな公開空地にビオトープが見事につくられていました。環境中野を築くために、公開空地にビオトープをつくる施策を進めてはいかがでしょうか。区のお考えをお聞かせ願います。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
 3,000平米を超える開発行為につきましては、緑地広場を含めました公園の設置というものを求めてございます。当区におきましては、これまでに6カ所ほどこういった公園が設置されておりますが、ただ開発の規模は当区の場合あまり大きくないということがございまして、一つひとつの公園の面積が100平米を超えるといっても、200平米といったところの公園になっております。こういったところの公園につきましては今後、公開空地のその公園整備につきまして、ビオトープを義務付けする、こういったことは面積面、あるいはコスト負担の面でなかなか難しかろうというふうに思われますが、開発者から設置する公園についての御相談を受ける中で、ビオトープを含めまして助言指導、こういったものは可能かというふうに思っています。
○岡本委員 さらに北部防災公園にビオトープが整備される予定になっておりますが、学校のビオトープも一部の学校だけが積極的に取り組むのではなく、全校が取り組むようにすれば、ビオトープが点から点へとつながり、それがネットワークになってビオトープのネットワーク中野にすることも可能ではないかと思いますが、いかがですか。
○野村公園・道路担当課長 委員御指摘のとおりでございまして、当区の場合、緑が比較的小規模なものが点在をしているという配置状況、これが現状でございます。こういった場合におきましては、個々の緑を孤立させることではなくて、緑と緑、あるいはビオトープとビオトープを結んでいくといったことが極めて重要かというふうに思われます。また、そのビオトープを守り育てていらっしゃる方々、こういった方々の人的なネットワークというのも必要かと思いますので、そういった方向で進めてまいりたいと思います。
○岡本委員 ビオトープの整備が進められ、そこにカワニナが生息するようになれば、蛍がすめる環境へと発展していきます。蛍の里が実現するものと期待をしているところです。
 ビオトープの究極がホタルの生息だと思います。生態系を守り、持続可能になれば中野区は、これもやながわ議員が提案した環境保全都市へとつながっていくと思います。ISO14001取得を契機にして庁舎をはじめ、エコスクール、ビオトープのネットワーク、さらには蛍が生息する蛍の里へとつながっていく流れと目標を明確にした環境保全都市中野を目指すべきだと思いますが、区長のお考えを伺います。
○田中区長 地球環境問題の取り組みは地球温暖化防止戦略という形で、10か年計画の中の四つの戦略の中の一つというふうに位置付けて進めているところであります。そうした地球温暖化防止の取り組みの中で、水辺、緑、あるいは昆虫や小動物がすめるような自然環境の再生、創出といったテーマも一つあると思っておりますし、また、再生可能自然エネルギーの活用といった、利用促進といったようなテーマもあるというふうに思っております。また、省資源、省エネルギーといったようなテーマもあるというふうに思っております。こうした取り組みを有機的にきちんと組み合わせながら、環境目標をきちんと数値指標化して、それに向けてどのように戦略的に取り組んでいくかという、そうした区の取り組みを環境基本計画の中にまとめていくということで現在作業を行っているわけであります。環境保全都市中野に向けた着実な戦略をつくっていきたいと思っております。
○岡本委員 次に、教員の資質向上について伺います。
 初めに、指導室長にお伺いしますが、学校教育における最大の教育環境は何だと思いますか。お考えをお伺いします。
○入野指導室長 最大の教育環境は、次代を担う子どもたちを託すことができる高い志を持ち、さらに豊かな感性を持ち、そして高い実践力にすぐれた教員だというふうに考えております。
○岡本委員 最大の環境は先生でありますので、いい先生のことではなく、学校教育を受ける子どもの環境は教師だけ、とお答えになるかと思って私も聞いておるんですけど、御丁寧に御答弁いただきましたけど、教師の人格、人間性、資質、指導力等を総合した教師が児童・生徒にとって最大の教育環境です。学校のよしあしは教師のよしあしで決まるといっても過言ではありません。したがって、子どもの質を上げるには教師の質を上げることに尽きると考えています。教師の資質を向上させる施策が極めて重要だと思います。
 教育ビジョンにも教職員の資質向上という項目がありますが、私はかつてビジョン策定段階で、教員の資質向上は大項目として掲げて取り組むべき重要な課題ではないかと質問した経緯があります。平成16年第2回定例会で教員の資質と求められる人間像について質問した際、教育長は「教育に対する情熱と使命感を持つ教師、豊かな人間性と思いやりのある教師、実践的な指導力のある教師、こういう教師像を求めてございます。子どもに直接かかわる教職員が情熱を持って職務に携わることができるように教員の資質を高め、教員の指導力といいますか、授業力の向上を引き出すような研修を区独自で行っていきたいと考えています」と大変立派な御答弁をいただきました。区独自の研修を行うとおっしゃっていますが、これまでどのような研修を行ってきたのでしょうか、伺います。また、教育委員会として17年度に行った教職員の資質向上の具体的な事業をお聞かせ願います。
○入野指導室長 本区におきましては、区独自に授業力の向上を図るために初任者研修を終わってからの教員、経験年数に応じまして2年時研修、3年時研修、そして指導校研修等を新たに17年度は行ってまいりました。
○岡本委員 18年度の教育要覧には、18年度は教育マイスター研修会が示されていますが、この内容を簡単にお聞かせ願います。
○入野指導室長 教育マイスターの取り組みにつきましては、高い指導力と専門的知識、技能を有した教員を校長の推薦に基づき、教育委員会として候補者という形で決定いたします。その候補者を大学教授等の指導のもとに集中研修を受講してもらい、その後、中野区の教育マイスターとして認定していくというふうなものでございます。
○岡本委員 教育マイスターの認定の仕組みと、それから区としては何名まで認定する目標があるのでしょうか。さらに教育マイスターの役割はどのようなものでしょうか、伺います。
○入野指導室長 平成18年度、本年度は10名程度、来年度、19年度以降は30名程度を認定する予定でございます。さらにこのマイスターに認定された教員につきましては、区内の授業研究の指導者として、またみずからの授業を公開してもらいまして、その指導法や学級経営などの見本を見せていただきまして、そういう役割を果たすことによって、区としてはすぐれた授業実践の継承でありますとか、区内の教員の授業力の向上を図るということを担っていただくように考えております。
○岡本委員 少子化の流れの中で教師を目指す若者も少なくなってきています。かつては教員になるには実に狭き門をクリアしなければなりませんでした。最近は小学校教員採用試験の倍率が都市部では二、三倍に下がり、十分な選抜ができない状態となり、優秀な教員の確保が難しくなってきたと言われています。公立小・中学校の教員は都道府県で採用していますが、本年度から市区町村でも教員として採用できまるように法改正がされましたが、中野区として法改正に伴って何か対応されたのでしょうか、伺います。
○入野指導室長 教員を区が独自に任用する場合には、解決すべき課題がいろいろあるかというふうに考えております。現在、県費負担教職員の人事の移譲について検討がされていますので、このことについては区としても求めていきたいというふうに思っております。
○岡本委員 先日、杉並区の杉並師範館を視察してきました。この師範館は大学生や教員免許を持つ社会人を対象とした教員になるための人材育成、資質向上へ向け区独自に設置し、人材育成塾のような事業を行っています。ことしの4月の開校に向けて2年前から準備を進め、昨年7月に師範館を設立しました。ことしの3月には必ず法改正がされると決めて万全な準備をしてきたそうです。杉並区の関係者の先見の明に感心するばかりです。
 この杉並師範館は平成16年度、杉並区長が記者会見で区独自の小学校教員を養成したいと述べたことが発端となりました。その背景には、中学校の英語の先生が1年間一度も英語をしゃべらなかったことで、PTAや教育委員会などからもさまざま要請しましたか、都の採用教員という壁があり、改善されなかったことがあったそうです。
 師範館は定員が30名程度で、すべて公募によって塾生を受け入れています。公募資格は小学校教諭普通免許を有する者で、新年度卒から40歳までとなっています。沖縄県から北海道まで幅広く公募があり、書類で選考し、最終的には8倍の倍率となり、27名を決定したそうです。1年間、毎週土・日を中心に教える人間力を養うとともに、実践的指導力に重点を置いた杉並区独自のカリキュラムで実施しています。教授陣は教育界だけでなく、経済界や財界からも多数講師となって皆ボランティアで来てくださっています。会社経営におけるリーダーシップや自分自身のビジョンの持ち方、自信を持って取り組み方を学ぶ座学、教育現場で役立つ演習、また学校現場に出向いて特別教育実習、さらに区の清掃事業の作業や重度障害者の施設での実習もコースに入っています。来年4月には杉並区の小学校へ採用されます。また、既に来年度の応募がスタートしています。中野区としてこれから教員を目指す人に対して区独自の取り組みはあるのでしょうか、伺います。
○入野指導室長 教職課程を有する大学と連携しておりまして、教員を志望する学生を授業の中で、スタッフとして活用しながら将来へ向けての育成を行うという仕組みの学校スタッフというものを区独自に昨年度から実施しております。今年度は10名を小・中学校に配置しているところでございます。いずれここから育った学生が中野区の教員を志望してくれるものと考えております。
○岡本委員 私は、平成15年の第4回定例会で教職課程にある大学生のティーチャーインターンシップを提案いたしました。教育委員会事務局次長は区内の教職を目指す大学生、あるいは近隣の大学等と連携を図りまして、その能力を小・中学生の学習支援等に広く活用できる方策について検討したいと述べておりましたが、今、室長が述べたその取り組みが、私が提案したティーチャーインターンシップにかわるものととらえてよろしいですか。
○入野指導室長 この学校スタッフもそうでございますが、現在、近隣の大学と教育委員会独自に教育課程をとっている学生、大学2年生を中心に教育実習とは別に一定期間、各学校で授業や日常の教育活動の補助の実施を行うというような仕組みにつきまして、平成19年度実施を目途に検討中でございます。
○岡本委員 ありがとうございました。私は、これは持論ですが、将来の日本を担う人材を育てる教員、命を預かる医者、国民の血税で仕事をしている公務員、少なくともこの3者は一定期間ごとに適正な評価を行い、峻別し、資質向上を図るべきだと思っております。教職員は児童・生徒が我が子以上にかわいくて好きだ、また学校が好きだという大前提がない教員は学校にいては困ると思います。教員についてはインターンシップや師範館は、教員になる前に高き志と熱意のある教員を育成する仕組みで重要です。一方、現職の教員の資質を高めることも重要な課題です。
 9月23日の読売新聞に、2005年度に指導力不足と認定された公立小・中学校、高校などの教員は506人いたと文部科学省の報告が掲載されていました。指導力不足として認定された教員で40歳以上が8割、そのうち依願退職された数が103人です。この発表に該当する中野区の教職員はいましたか。
○入野指導室長 この報道発表に該当する教職員は中野区にはございません。
○岡本委員 安心をしましたが、現場ではいろいろ学校の先生に対するPTAの皆さんからたくさん声は聞いております。私も問題があるかなという先生のことを教育委員会にお話ししたことがありますが、承知していますなんていう答えをいただいている人もいれば、グレーゾーンの人もたくさんいるのではないかと思っています。
 指導力不足の教員については、都の教育委員会も独自の基準を設定し、第三者による判定委員会で認定しています。安倍晋三総理も、指導力不足の教員対策として免許更新制度の導入を提唱していることは御承知のことだと思います。高き志と熱意、ミッションとパッション、さらに人間性豊かで指導力のたけた教員を育てるために、教員の評価制度をつくってはいかがでしょうか。私が提案する評価制度は、形式的な型にはまった個性がなくなるような先生にするのではなく、未来を担う子どもたちのために、心ある愛情を持った人間性あふれる熱血青年になってもらうためのものです。その評価を第三者機関が行い、生徒の評価も入れるなどして効果を上げるべきだと思います。難しい面もあると思いますが、大事なのは子どもたちのためにとの視点から、区として独自の教員の評価制度を検討してみてはいかがでしょうか。教育委員会の御見解を伺います。
○入野指導室長 現在、中野区の学校におきましては、東京都の業績評価の評価基準に沿いまして、総合的に教員の評価を行っております。あわせて区独自の評価制度を導入することは二重の評価になることから、課題も多くなるかというふうに考えております。現在のところ、そのため導入は難しいかというふうに考えております。
○岡本委員 難しいのは承知をしているんですが、未来の日本、未来の社会を担う子どもたちにとって、本当に資質が高い教員を学校に配置し、また育成するというためにいろんな工夫をしながら進めていかなければ、東京都にこういう仕組みがあるから、それにまた別なのという考えではなくて、その東京都の仕組みは仕組みとして、それをさらに中身のある効果の上がる方法を工夫する、また東京都に申し入れて中野区はそこに独自の考え方を入れるなどの工夫はぜひともすべきだと思いますが、そうは思いませんか。
○入野指導室長 中野区といたしましては、今、人事権といいますか、があります東京都の方の評価に沿って評価を行っているところでございます。区独自といたしましては、いろいろな委員が御指摘のような生徒の評価でございますとかという部分につきましては、個々の教員の評価ということではなくて、学校全体の評価を受けるという形の外部評価制度を持って行っておりますので、今後それの充実を図る中でも考えてまいりたいというふうに思います。
○岡本委員 これでこの質問は終わりまして、この学校教育の環境整備の充実の最後の項で、特別支援教育の教員研修体制について伺います。
 17年度の主要施策の成果は、別冊の231ページには特別支援教育検討会を設置し、今後の特別支援教育のあり方について検討を行うとともに、18年度に特別支援モデル事業を実施とあります。17年度はどのような検討を行ったのでしょうか。
○大沼学校教育担当参事 検討会では平成19年4月の実施に向けまして、個別の支援教育計画の作成、特別支援教育の整備、校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーター、巡回相談指導の実施、教員の資質、専門性の向上、保護者、区民への理解・啓発の取り組みなどについてこの検討会では検討を行ったところです。
○岡本委員 18年度の支援モデル事業として桃園小学校と第三中、この2校がモデル校になりましたが、この2校がモデル校となった理由は何でしょうか。
○大沼学校教育担当参事 希望校をまず募りまして、障害学級のある学校とない学校、それから小・中からそれぞれ選ぶということで、ひまわり学級のある桃園小学校とない第三中学校を選定したところです。
○岡本委員 ある意味では正しいモデルの選定かなと思っております。中野区にはいろいろ障害者の学級がたくさんありますから、そこだけを選ぶというよりも、全くそういう学級がない三中がモデル校になったというのは意味があるかなと思っております。
 その二つの学校でのこれまでの取り組み及び進捗状況、さらに特別支援教育へ向けて何か課題が出てきておりますか。
○大沼学校教育担当参事 両校では既に校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名を行っています。全校体制で特別に支援が必要な児童・生徒の把握に努め、臨床心理士の巡回相談を活用しながら、一人ひとりのニーズに合った個別の指導計画の作成及び指導方法について研究をしているところです。
 課題としては、やはり特別支援教育についての理解や実際に支援できる力が大切であることから教員の資質・専門性の向上、また学校が組織として取り組むための、進めていくための校内委員会やコーディネーターに対する指導・助言が必要であります。また、学生スタッフなどの活用を含めた人的資源の確保、さらに児童・生徒や保護者の理解・啓発などが課題として挙げられているところであります。
○岡本委員 たくさんの課題があるということがよくわかりました。あと半年しかないわけですから、モデル校でさえそうなんですから、そうでない学校はさらにその課題をクリアするのは大変ではないかと思います。
 8月21日に区立第二中で行われた第42回東京都特別支援教育研究協議会に参加してきました。協議会の主題は、一人ひとりの子どものニーズに応じた指導実践の推進と充実でした。私は午前の講演の部に参加をいたしました。午後は10分科会があり、その中の3分科会で中野区から教育実践の報告がありました。桃園小のひまわり学級での一人ひとりが生き生きと参加する領域、教科をあわせた指導について、二中と中野養護学校からは自閉症などを含む障害学級での菜園、刺しゅう、調理の作業学習の活動と成果、そして九中からは通級指導学級での実践報告並びに特別支援教育を推進していくために、通常学級との連携の大切さなどが報告されたと伺いました。中野区で先行的に取り組まれ、障害者の一人ひとりのニーズに応じた実践教育が行われていることに心から敬意をしたい気持ちでいっぱいです。
 この報告にもあるように、障害学級などで取り組まれている活動やノウハウは特別支援教育に向けて大変参考になると思いますが、教育委員会として障害学級などと連携して特別支援教育へ向けて何か取り組みをされていますか。
○大沼学校教育担当参事 障害学級設置校においては、児童・生徒の相互理解を図るために、これまでも通常の学級との交流をさまざまな形で実施してございます。また、障害学級の教員に特別支援教育に関する研修講師を依頼するなど、障害学級のノウハウを各学校で活用しているところです。さらに教育委員会としても校内委員会運営マニュアルの作成を考えております。障害学級での活動やノウハウを生かすようにしていきたいと思っているところです。
○岡本委員 半年後には特別支援教育がスタートします。私は特別支援教育に向けて、まず中野区としてどの程度の対象児童・生徒がいるのか、小・中学校別に実態を把握する必要があると思います。17年度に非常勤職員が学校を訪問して、グレーゾーンの児童・生徒も含めた把握をしたと伺いました。人数は教育委員会としては出していないそうですが、私どもは17年度のそういう対象となる児童・生徒はこのくらいいるというのは伺ったところでございますが、まずその特別支援教育に向けて対象となる実体があいまいで、あるいは知らないで準備や検討をしても、焦点のぼけた取り組みになってしまうと思います。18年度は学校ごとに新たに把握されたのでしょうか、伺います。
○大沼学校教育担当参事 学校では17年度の訪問聞き取り調査の実態調査を踏まえまして、学校として特別な支援を要する児童・生徒の状況を把握しているところです。
○岡本委員 しているところということは、そういうその把握をして、19年度からの特別支援教育に臨むということととらえていいんですね。
○大沼学校教育担当参事 校長会の間でも、各学校において特別支援を要する子の状況を把握しています。ですから、それをとらえて19年度は実施に向けて取り組んでいきたいと思います。
○岡本委員 わかりました。
 次に、特別支援教育の啓発について伺います。
 特別支援教育の名前だけは浸透してきましたが、多くの区民も親御さんも一体何をどうされるのかわからないのではないかと思います。私自身も発達障害についての講習会、セミナーにたびたび参加していますが、特別支援教育についてはよくわかっていないと思います。特別支援教育は、学校だけの問題や課題として進められるものではないと思います。学校と家庭と地域とがよく理解し、協力していかなければ中途半端になってしまいます。その結果、障害者につらい悲しい思いをさせ、不幸な二次障害が起こらないとも限りません。区民や保護者に向けての啓発が必要ではないでしょうか。そのための特別支援教育ハンドブックなどを作成して周知し、理解してもらうようにすべきではないでしょうか。お考えをお聞かせ願います。
○大沼学校教育担当参事 教育委員会としては、特別支援教育を推進していくためには、区民、保護者、地域の理解や協力が不可欠であると考えています。したがいまして、計画資料を作成して啓発に努めていきたいと思っています。
○岡本委員 要するにマニュアル的なものではなくて、本当にわかりやすい、区民の方、親御さん、いろんな方がわかりやすい、なかなか今仕組みがよく、A、B、C型とこうあって複雑になっているからハンドブックもつくりにくいかとは思いますが、工夫をして、そしてこれでよくわかりますかということを全く特別支援教育のわからない方にも見てもらって、ハンドブック等を、マニュアルみたいなのではなくてハンドブックをつくるべきだと思いますが、もう一度、そのハンドブックという言葉がなかったので、よろしく。
○大沼学校教育担当参事 計画資料、あるいはPTAとの学習の場とか、そういった場を活用しまして、特別支援教育の取り組み、推進に取り組んでいきたいと思っています。
○岡本委員 次に、教員の研修について伺います。
 さきの第2回定例会で私は特別支援教育へ向けての取り組みについて質問をしました。教育委員会事務局次長は精力的にコーディネーターだけでなく、全教職員へ集中的に研修を実施すると述べられました。その件に関して基本的なことも含め、何点か確認しておきたいと思います。
 まず、コーディネーターはどのような先生がなるのでしょうか。何をするのですか。中野区は各学校に数名指名するのでしょうか。また、すべての学校で指名を終えたのでしょうか。あわせてお聞かせ願います。
○入野指導室長 コーディネーターは各学校の実情に応じて校長が指名するものでございまして、特別支援における理解と知識を有しまして、学校内外との連絡調整が円滑にできるという力を求められております。また、コーディネーターは校内委員会など、各学校における特別支援教育の推進者でありまして、担任への支援、それから保護者に対する学校の相談窓口というものを担当いたします。校長の指示のもとに学校内外との連絡調整を行うという役割を担うものでございます。
 平成19年4月までに全校でコーディネーターを指名することとなっておりますが、現在30校以上の学校で校長が指名しております。さらに本区といたしましてはコーディネーターの各学校における複数配置を考えているところでございます。
○岡本委員 そのコーディネーターは日常の業務と兼務をして行うわけですか。
○入野指導室長 このコーディネーターは教務主任や生活指導主任と同様に、日常の業務と兼ねてその役割を担うものでございます。特別支援教育はさらに全教職員でそのコーディネーターのもとに、組織的に取り組んでいくものでございます。
○岡本委員 今伺っただけでも、コーディネーターの役目は大変多岐にわたっているような感じがいたします。学校での日常業務と兼務しながら、主たる業務を行う用意ができるのか本当に心配です。むしろ忙しい、新たなコーディネーターになっていくのではないかと思うだけに、そういう余裕は本当にあるというか、それだけの兼務をできるんでしょうか。心配していますが。
○入野指導室長 先ほどもお答えをいたしましたように、区としては複数を指名していくこと、さらにコーディネーターを中心に組織として動いていくことが大事と考えておりまして、そういう面で1人への負担を軽減できるのではないかというふうにも考えております。
○岡本委員 複数であっても大変な激務になる。また、そういう激務をしなければ本来のコーディネーターの働き、役目が果たせないという、その裏腹になっておるだけに、その辺はよくコーディネーターの重労働にならないような工夫も教育委員会としてよろしくお願いしたいと思います。
 さらに校内委員会の設置も義務付けられていますが、構成メンバーと取り組みはどのようになっているんでしょうか。
○入野指導室長 この校内委員会につきましても、19年4月までに全校で組織することになっております。その構成は校長、副校長、教務主任、生活指導主任、障害学級担任、これは学校によりますけれども、さらに養護教諭や担任等が考えられておりまして、各学校の状況に応じて校長が構成するものというふうになっております。
○岡本委員 コーディネーターの任務があり、校内委員会があり、また全教職員がこの取り組みをするという、短期間でこういうことを一つひとつ理解とその対応の仕方を学んでいくことは大変なことですし、この半年間で形だけのものにならないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それから、障害者一人ひとりのニーズに応じた指導ができるようにするためには、教員の研修は欠かせません。答弁でもすべての教職員を対象とした研修を含め、集中的に研修を実施すると答弁されていますが、17年度までの研修、その後の研修内容についてお聞かせ願います。
○入野指導室長 これまで中野区といたしましては、19年度からの本格実施に向けまして各学校に特別支援教育担当を置き、年間3回の研修を行ってきております。また、校長研修や副校長研修、主幹研修、10年目経験者研修などにおきまして、特別支援教育をテーマとした研修会を実施してきているところでございます。
○岡本委員 研修や校内委員会等の取り組みは学校によって、また教員によって温度差があってはならないと思います。教育センター等にコーディネーターの取り組み、すべての教員の研修、校内委員会の活動を支援する支援室が必要だと思いますが、いかがですか。
○入野指導室長 区といたしましては各学校を訪問し、その相談に当たる専門家チームを立ち上げることを考えておりまして、そこが委員がおっしゃるような支援室に当たる活動ができるかというふうに思っております。
○岡本委員 その支援室等に注目して、中野区のすべての小・中学校の教員の研修の進捗状況がわかるように実施をするとか、特別支援教育に向けてプラン・ドゥー・チェック・アクションのマネジメントサイクルを確実に回すことが必要だと思っています。
 中野区は幸いなことに、区立二中が東京都特別支援教育研究会の事務局となっています。二中から特別支援教育に関するさまざまな情報が得られると思いますので、区の特別支援教育の取り組み等に生かせるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○入野指導室長 委員の御指摘のように、二中はその中心的役割を果たしているところでございますし、さらに桃園小学校におきましては都のコーディネーター研修を終了した教員もおりますことから、区のモデル校でもあるということ、それから三中もことしモデル校で行っているということもありまして、そのあたりを中心に、3校を中心に今後の特別支援教育については考えてまいりたいというふうに思います。
○岡本委員 よろしくその取り組み方をお願いしたいと思います。
 また、二中のその事務局から伺ったことですが、来年の8月に関東甲信越地区と東京大会が合同で、なかのZERO大ホールを使って特別支援教育研究協議会を開催されると伺いました。こういう情報は入っているかどうかはわかりませんが、中野区内で開催されるこのような機会に、多くの教員が積極的に参加されるようにしてはいかがでしょうか。
○入野指導室長 中野区内で行われます特別支援教育だけではなく、いろいろな研修会につきましては各学校に情報提供をする形をとってきております。この研修につきましても、同様に各学校に情報提供をしてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 次に、教員の研修機関について伺います。
 区内にある民間も含めた機関での研修を精力的に行うべきだと思います。既にいろいろ研修はされているという御答弁でしたが、区内にあるこういう資源を活用することも大事ではないかと思っています。第2回定例会で御紹介した中央一丁目の民間の翔和学園や都立の養護学校などは、教員の研修を行う用意があるとおっしゃっています。特に夏期に、夏の期間に集中的に研修をしたいと述べていましたが、これまで特別支援教育へ向けての教員研修はどのようにされたのでしょうか。
○入野指導室長 特別支援教育コーディネーターの養成研修につきましては、区独自にまた行っております。さらに中野養護学校と連携をいたしまして、共催してコーディネーターの養成研修を4年前から御協力いただくように研修会を行っております。
○岡本委員 今後も計画的に研修スケジュールをつくって進めていただきたいと思います。
 この特別支援教育へ向けての取り組みを契機として、教員の資質向上が大きく図られることを心から期待してこの質問を終わりますが、そのキーパーソンになるのが指導室長であると思いますので、どうか全力を挙げてこの教員の資質の問題から、それから特別支援教育等も含めて努力されて、そして本当に中野区の教育行政、学校教育の行政が本当に妙味あるように変わっていく、そういう立場にある指導室長であると期待しておりますので、その期待をしてこの項の質問は終わります。
 最後に、行政の広告事業について伺います。
 初めに、中野区の広告事業について基本的な方針や考え方を区長にお聞きしたいと思います。
○田中区長 各種の媒体などを活用しました広告の掲載についてでありますけれども、これらについて区の事業を阻害するといったようなことがない限りにおいて、区内の産業振興、あるいは区民への情報提供といった観点などからも、広告掲載は積極的に進めていくべきだと考えているわけであります。
○岡本委員 ありがとうございます。今の区長の御答弁と要綱のことについて、後で質問したいと思います。
 先日、横浜市と板橋区の広告事業について視察してきました。横浜市の広告事業は広報印刷物に限らず、ホームページ、公共の建物、横浜市のあらゆる資産を広告媒体として有効活用し、民間の各種事業者の広告を掲出して広告料収入を得る事業としています。また、公共施設でイベントを実施する権利と無形の資産も対象にして販売、または有償貸与することによって新たな財源を確保する事業としています。タイアップ事業やネーミングライツも守備範囲ととらえて進めています。
 横浜スタジアムが日産スタジアムに名前が変わったのは御承知だと思いますが、このネーミングの権利で、横浜市は5年間で23億円余の収入になるそうです。横浜市は職員提案を市長等にプレゼンテーションし、採用されれば人と予算をつけて事業化されるというアントレプレナーシップ事業があります。自治体として職員の提案を採用する際、人と予算をつけて新たなその市の事業を起こすという、こういう画期的な取り組みを行っています。これは市長の発案だそうです。この事業で生まれたのが横浜市の広告事業です。したがって、職員提案で広告事業がスタートしたということですね。平成16年には財源課に広告事業推進担当が新設され、広告の窓口が一本化され、業務を集約し、手続を簡略化しました。広告を載せることにより新たな財源確保だけでなく、行政を理解し、協働の仕組みができるそうです。
 17年度の主な広告媒体を挙げてみます。少し数が多いですが、ちょっと聞いていただきたいと思います。コンサートや映画をタイアップで実施する、プログラムに広告を載せる、区庁舎やセンターに、中野区役所とか地域センターのその建物に会社の宣伝を掲示する。地下連絡通路壁面広告、市の地下通路に広告を出している。広告玄関マット、役所の玄関に会社の広告が入っているマットが敷いてある。市営バスのホイルカバーに宣伝、バスの車輪のホイルにその会社の宣伝が載っている。それから、ウェブページバナー広告、広報印刷物や封筒はコラボレーションで作成。これは「経費削減」が打っているわけですが、図書館貸出票の裏面広告。図書館のいついつまでこの本を返してほしいというその伝票に、貸出票の裏に広告が載っている。広告つき窓口封筒の寄附、これは中野区でもやっているそうですが、広告つき郵送用の封筒の寄附、防災のしおりや地震の備えの冊子を企業会社が印刷、防災訓練でのタイアップ。忘れてしまいましたけど、ありました。中野区でもつくっているこういう「案ずるより備える」という防災の冊子ですね。それから防災のしおり、これは全部こういう裏に書いてある、これは森永ですけども、こういうところがつくって持ってきますから、区で印刷する必要は全くないという、こういう経費縮減のそういう広告媒体としても取り組んでいるわけです。それから、すごいのは給与明細書の用紙を寄附、給与明細書の裏に宣伝が載っているという、すごい。バス停をPIFで導入で建設する。バス停のこの屋根とかいうのを、そういうPIFからも、ちょっと広告とは違いますが、経費縮減のそういう広告事業ととらえているようです。それから、先ほど言いました日産スタジアムにネーミングライツの導入など、多岐にわたって広告事業が進められています。17年度の広告収入は経費縮減効果やネーミングライツを含めて6億1,000万円余になっています。これらの広告事業を聞いて、担当する課長の感想を伺いたいと思います。また、中野区の広告事業との違いはどこにありますか。
○浅野広聴広報担当課長 お答え申し上げます。
 横浜市は政令指定都市でございまして、中野区のように特別区と違い、やはり自治体としての規模、それからまた担当している業務の違いもございますが、今、委員からお話があったようなさまざまな広告関係の事業については私どもは大変興味を持っております。現在、来年度以降の中野区のしおりについて、横浜市が暮らしのガイドというのを作成しておりますが、これが民間の広告会社と提携して、しおりプラス情報紙的なものをつくっておりますが、そういったものが中野区でも採用できないか、今研究をしているところでございます。
○岡本委員 中野区の17年度の広告収入については、総務の資料95によれば約250万円ですが、目標は設定してあったのでしょうか。また、目標どおりの実績だったのでしょうか、伺います。また、18年度の取り組みについて今若干お話がありましたけど、改めてお聞かせください。
○浅野広聴広報担当課長 17年度の予算を立てる段階では、広告収入の見込みを約329万円というふうに設定いたしました。ですので、その決算額は予算額に対して76%ぐらいでございます。思ったほど伸びなかったんでございますが、その理由といたしましては、まず現在広告を載せておりますのが中野区報、それから中野区のしおり、生活マップの3種類でございます。中野区報につきましては、広告掲載の希望がちょっと時期的にかなりばらつきがございまして、非常に希望月数が多いときとほとんど希望がないときと、そういうところで平均した毎月の広告数がとれなかったというのがちょっと原因かなというふうに考えております。
 それから、しおりとマップにつきましては、一方では広告を希望する企業がある程度固定化してしまっていると。そういったところしか広告を希望してこないというところがありまして、そこが会社側のいろんな予算の都合で、こちらが期待したほど回数は載せていただけなかったと。そういったのが原因というふうに考えております。現在18年度、今広告関係で取り組んでおりますのは、先日の本会議でも答弁いたしましたが、ホームページのバナー広告を現在準備中でございます。
○岡本委員 17年度、中野区で広告収入が250万円ということですが、23区の中で比較してどのぐらいのところにありますか。
○浅野広聴広報担当課長 ちょっと申しわけありませんが、そういう比較はしておりません。
○岡本委員 じゃあ、私のところにある資料でお話しいたしますと、私が調べてもらったんですが、葛飾区が2,000万円余、それから次に多いところが板橋区の1,200万円、江戸川区が800万円等々と並んで、中野区はここに8区の中では7番目の収入になっているようです。ただ、年度によって、例えばいろんなしおりとかそういう冊子が2年、3年という単位で広告をとっている場合がありますので、年次が平均されているという意味ではないので、多いところも少ないとも、これが平年の収入だというふうにはとらえていませんが、17年度だけを見た限りは、広告を出している区としては下から2番目、8区中7番目だったということでございます。
横浜市は17年度から他の都市へ向けての広告事業講座を実施しています。18年度も8月に行われましたが、情報をお伝えしましたところ、どうしても参加したいというお話を聞いておりましたので、中野区からも参加される方を期待していましたが、諸般の理由で見送ったようです。大変残念に思っています。このような講座等に積極的に参加すべきだと思いますが、これまで広告事業に関する講座等に参加したことはございますか。
○浅野広聴広報担当課長 今、委員から御紹介ありました8月の横浜市が開催した講習会につきましては、どうしても日程の都合がつきませんで参加できませんでした。ただ7月に、これは自治体における広報づくりというテーマで、これは主催したのが民間の、先ほど横浜市と協働して市政ガイドをつくった広告会社なんですが、そちらが主催の懇談会がございました。そちらの方に当分野の職員が参加いたしまして、その中で自治体における広告導入のあり方についての講義を聞いたりとか、あるいは事例研究の中で横浜市の取り組みといったものを紹介していただきまして、大変刺激を受けて帰ってきております。現在、先ほどしおりの準備ということの中では、そのときの主催をしております広告会社と接触いたしまして、その中から民間側から見た自治体の広告のあり方とか、そういった考え方、つくり方についていろいろアドバイス、ノウハウを情報交換しております。そういったことを参考にして、今現在検討を進めているところでございます。
○岡本委員 どうかそういうチャンスを積極的にとらえて、区だけ、町内だけでの検討には及ばない、いろんなアイデアが聞ける場合が多いかと思いますので、積極的に参加をすべきだと思っています。
 一方、板橋区では印刷物に掲載する広告の扱いに関する要綱を平成13年度に作成し、非常に細かく掲載範囲や広告の位置などを規定しています。また、今後拡大に向けて積極的な検討をしていました。中野区も刊行物等にかかわる広告の掲載等に関する要綱があります。2002年、14年4月1日に施行されたものですが、私もこの資料を取り寄せていろいろ検討してみたんですが、ちょっとおかしいところがあるなと思って、再度また要求したら同じものが来て、これは質問しなきゃいけないと思ったらまた飛んできまして「古いものでした」ということがあって、どうか私どもが資料を要求するのは、今使える要綱を渡していただかないと非常に困りますので、その点は少し苦情を述べておきます。
 中野区の要綱も、おおむね板橋区と類似の要綱だと言えます。ただ、中野区は広告を掲載した封筒等の寄附を受けることができるとしていますが、このような封筒は中野区で何種類くらいありますか。
○浅野広聴広報担当課長 現在のところ、税務分野の封筒というふうに聞いております。
○岡本委員 先ほど区長が、横浜市の市長ではないかと思うようなすごい踏み込んだ、私にとっては踏み込んだその御答弁をされていましたので、どうかこの要綱ももう少し、必ずしもその収入がということだけにとらわれずに、先ほど言いましたように中野区と協働で、あるいは中野区の事業が理解される、そういうメリットもございますので、広告収入をふやすことはもちろんですが、そういう観点から要綱の見直しをもう一度行って、先ほども講習会等にも参加しているということですから、このまま私が要綱を見る限りは、要するにがんじがらめで、してはいけないことがずっと述べてあるような感じの受ける要綱ですので、先ほどの区長の答弁には大変ものすごい期待をしておりますので、そういう観点から要綱の見直しをすべきだと思いますが、いかがですか。
○浅野広聴広報担当課長 先ほど、現在バナー広告の導入の準備をしているというふうに申し上げました。現在の要綱の中にバナー広告ということは載っておりません。そういった中で今、横浜市の広告掲載要綱などを取り寄せまして、そういう先進自治体の例などを参考に、今要綱の見直しを行っているところでございます。
○岡本委員 よろしくお願いします。中野区の広告収入の担当は区報発行やインターネット作成にかかわっている関係で、担当が広聴広報分野になっていますが、広告を載せるという意味からいえば、産業振興分野もかかわりが深いと思いますので、連携・協力して広告事業を進めるべきだと思いますが、いかがですか。
○浅野広聴広報担当課長 広告掲載、一つには収入増加を図るという側面と、中野区の場合はやはり区内産業の振興という側面もあるというふうに考えております。今後いろんな形での広告ということを考えるに当たっては、やはり私どもだけのいろんな考えではなく、関連する分野と連携してさまざまな可能性について探っていきたいと考えています。
○岡本委員 ありがとうございます。
 また、区民や企業等に対して、中野区は広告事業をしているということをもっとアピールすべきだと思いますが、この辺はどういうふうに考えていますか。
○浅野広聴広報担当課長 やはりそういったPR不足というのも確かに考えられます。現在、広報伝達手段としては中野区報、それからホームページ等がございます。そういった中で、やはり広告の方針が一定決まりましたならば、そういった形で区民、あるいは区内事業者の方にもアピールしていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 さきの一般質問でも、飯島委員から区のホームページに広告掲載するというその質問に対して答弁がありましたが、バナー広告だけなのでしょうか。もう少し収入利益が上がると言われる、例えば契約等の複雑な手続の要らないグーグル社提供のアドセンスなんていうのも研究してみてはどうですか。要するに、そこをクリックするとクリックした分だけ乗っけた中野区に収入が入るという、そういう仕組みの広告もありますので、こういう行政になじむかどうかも含めて、バナー広告はどこでもやっていますが、工夫をして検討してみてはいかがでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 今すぐやるというのは、ちょっとバナー広告の準備をしている段階ですので、そちらの方までなかなか手が回らない状態ではございますが、いろいろな手段というのはこれからも考えられますし、ほかの自治体の例などもいろいろ見ながら、中野区にとってよりよい方法を考えていきたいと思います。
 それともう一つは、今、委員が御指摘のあったような広告のとり方ということになりますと、ホームページ自体をいろんな方にもっと見ていただくという、それによってアクセス数がふえないと、やはり収入増につながらないかなというふうに思っております。したがいまして、そこら辺の私どもがつくったホームページは本当に見やすいものか、検索しやすいものかということについても、あわせて検討していきたいというふうに考えております。
○岡本委員 ありがとうございました。横浜市では広告を掲載したその企業なり会社が、行政のお知らせを配布する作業も含めて広告事業としているのもあります。この費用の縮減を図る意味からも、このような広告のとり方も検討してみてはいかがでしょうか。つまり、印刷物を今いろんな形で費用をかけて配っていますが、そういう区報のようなこの区全域に対してそれを受ける会社はまずないと思いますが、いろんなそういうお知らせ、しおり等を限定し、配る場所が決まっていれば、それも広告の中に入れてしてもらうという、そういう仕組みもとっているようなんです。こんなやり方も検討してはいかがですか。
○浅野広聴広報担当課長 今、委員御指摘のあったようなさまざまなやり方は、本当に私どもも情報収集を常にしていきませんと、本当にいろんな日進月歩で広告のとり方もいろんな手段があります。まず、全体といたしましては要綱をきちっと見直しいたしまして、いろんな可能性ができるものを探れるような準備をまずしていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 先ほど区長もあらゆる媒体を、いわゆる要綱に反しない限りは広告事業を取り組んでいきたいということでありますので、その区長の意をよく酌んでいただいて、要綱の見直しをぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 さらに中野区は事業部制をとっていますので、事業部ごとに広告を契約し、収入を得た場合、その収益の半分はその事業部で事業推進のために活用できるような仕組みも考えて、広告事業が促進するようにしてはいかがでしょうか。お考えを伺います。
○浅野広聴広報担当課長 私どもの分野だけでどうこうというのはちょっとなかなか難しい問題でございますが、非常に貴重な提案として前向きに受けとめさせていただきたいと思います。
○岡本委員 私は広告要綱を守るのは当然として、もっと積極的に広告事業を行うべきだと考えています。行政改革のむだをなくすということの取り組みと同時に、これから新たなアピールを図る財源確保の努力を積極的に展開することが、やっぱり区民にとっても行政は本気になってやっているんだなという、そういう印象を与えることになると思いますが、こういう今後の積極的に取り組む見解について、先ほどもそういう旨の区長の答弁がありましたが、最後に区長のこの積極的な御答弁を再度求めておきたいと思います。
○田中区長 印刷物とか、それから建物の壁面とか、さまざまな広告掲載可能なスペースというのは、収入をもたらす可能性のあるいわば区民の財産とも言える資源でありますので、これを活用して収入を得て、区民のサービスに回していくということは大変意味が大きい、職員にとっても本来的な仕事の一つと考えるべき仕事だというふうに私は考えております。
 しかしながら、広告をとろうとろうというふうに旗を振っても、なかなか動かないというのが実態であります。それは、それぞれに本来の業務と思っている仕事を持っている中でそういうことになりますので、なかなか動かないという実態があるわけであります。冗談のように予算も直接お金で配当しないで、広告スペースで幾らというふうに配当したらどうかという議論もあるぐらいでありまして、本当に広告を積極的にとっていくという姿勢を全庁的に持てるような形になるべきだというふうに思っております。
○岡本委員 これで終わりますが、横浜市のようにそういう課があって、その課が積極的に広告をとったり、各事業部へ行ってはその広告のとり方を指導したりしている課とは違うので、難しい面があろうかと思いますが、今、区長がそういう積極的な広告のとり方を検討していくという旨の御答弁をいただきましたので、ぜひとも実りのある、また区民から見て拍手喝采が起こるような、そういう広告事業にぜひとも取り組んでいきたいことを最後に申し上げて、私のすべての質疑を終わります。ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で岡本いさお委員の質疑を終了いたします。
 ここで休憩にしたいと思います。
      午後2時48分休憩

      午後3時11分開議
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 続きまして、かせ次郎委員、お願いいたします。
○かせ委員 日本共産党議員団の立場から、決算議会における総括質疑をさせていただきます。
 まず初めに、2005年度前後しての社会経済情勢と区民の暮らし向きについての認識についてお聞きをいたします。
 決算説明では特別区税が伸びていない理由を、「景気は回復傾向にあるものの、その影響が家計に波及するのがおくれたことによる」、このように述べております。しかし、その認識でいいのでしょうか。区民の暮らし向きから見れば、厳しさはますます増すばかりであります。むしろこれからの方が大変だという不安が広がっているのではないでしょうか。決して波及のおくれなどとは言っていられないのが実情であります。
 まずは、景気回復の中身の問題です。
 大企業の経常利益の動向を見てみますと、2002年以降急速に増大しており、最近の水準はバブル絶頂期のほぼ2倍になっております。増税の最大要因は98年ごろから本格化した全産業でのリストラ、人減らしと賃金の切り下げによるコスト削減によるものです。また、90年と05年の大企業の経常利益と純利益の比率を比べてみても、経常利益が2.8倍なのに対し、純利益は3.8倍にもふえている。これは90年代以降に法人税率の引き下げをはじめ、さまざまな名目で企業減税を行ってきたためであります。区が言うところの予想外に特別区交付金が伸びたのは、こうした理由によって財調財源である住民税法人分が伸びたためだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○篠原財務担当課長 お答えします。
17年度につきましては、今の委員御指摘がありましたように、大企業を中心といたしました好調な企業収益、こういったものを反映いたしまして、法人住民税の大幅な増収があったということが主な原因となっております。
○かせ委員 一方、国民、区民生活の実態はどうなっているんでしょうか。賃金所得でいえば、労働者の現金給付総額の推移を見てみますと、98年以来7年連続して下降し続けており、04年の水準は97年と比べて約8%も下回っております。
 ここで私は資料をつくってきたんですが、この資料ですが、この資料はせんだって行われた予特の総務69を図示したものです。これを見てみますと、見えますでしょうか。雰囲気だけでもわかっていただきたいと思いますけれども、例えば上に黒い線があります。これは23区の平均の1人当たりの所得の推移です。それから、下の方の赤い線が中野区の1人当たりの所得の推移です。それで、この一番ピークのところが1998年です。ここですね。これがピークです。それで、そのときを見てみますと上の23区平均では1人当たりで433万円です。そのときの中野区は421万円です。下側ですね。それからずっとその後、99年、2000年と下がっていくわけですけれども、23区の場合には同列です。同レベルです。ところが、中野区はずっと下がりっ放しであります。そして、23区で次のピーク、第2ピークがありますけれども、このピークは2002年であります。2002年のとき23区では432万円、それで中野区はそのときは411万円です。23区では下がってまた昨年あたりから少し持ち直しているんですけれども、中野区の場合にはそれから一貫して下がりっ放しで、2005年には23区では425万円、中野区では398万円と、こういう状況です。これが中野区民の1人当たりの平均所得の推移だということで頭に入れておいてほしいと思います。
 それで、今説明いたしましたけれども、これを見てみますと雇用水準は回復していない。完全失業率は90年の2倍にはね上がったと、こういう社会条件がありますけれども、しかも雇用の形態というものはこれまでの予算特別委員会と、本会議の中でも議論されておりますけれども、正規職員は減らして、パート、契約、派遣、臨時などのさまざまな形態の低賃金、無権利状態の非正規雇用に切りかえられていると。こういうことの実態が今の表の中にあらわれているのではないかというふうに思います。
 そして、私たちは貧困と格差の広がりを指摘してきたわけですけれども、所得の格差だけでは決してありません。例えば、家賃でありますとか光熱水道費、保健医療費、教育費、そして交通・通信費など、いわゆる社会固定費と言われている所得が上がってしまいまして、それでさらに所得がふえても減っても固定的に支出に圧迫されているということで、持てる者と持てない者、こういった格差が非常に広がっていると。こういったことは今まで指摘したところであります。すなわち現在の景気回復の大きな特徴、これを概括的に言ってしまうと一握りの大企業の景気回復が進む。いわゆる史上空前のぼろもうけをしているという一方で、私たちの区民の立場、区民、それから中野区にある多くの企業というのは中小企業ですけれども、中小零細企業、それから労働者、国民にとっては景気回復があらわれていないし、景気回復というのはほど遠い状況だということであって、現実的に経営苦であるとか就職難であるとか家計の不安、こういったものがますます厳しくなっていると言わなければならないと思います。このように大企業と国民の二極化が一層広がっているというのが今日の状況だというふうに思います。
 こういう状況の中で言われているような区民生活への景気回復の波及のおくれ、こういったものが決して言えないだろうと思いますけれども、改めて御見解をお聞かせください。
○石神総務部長 お答えいたします。
 中野区の場合には、今、かせ委員が言いましたような、そういった部分はないとは言いませんが、実際には人口移動がありまして、やはり所得の高い人が移動して、その後に所得の低い人が入ってくる、こういったことが非常にはっきり見えています。これは納税世帯の年齢階層別の状況を見てみますと、20代、30代は非常にふえております。ただ、1人当たりの所得階層は低い状態になっていると、こういうのが顕著に出ている状況にあります。そういったことから、私どもでは中野区の状況というのは他区に比べてそういった人口移動、そういった部分が多いのではないかというふうに見ております。
○かせ委員 人口移動が多いとか若年層の比率が高いとかというのは、もちろんそういう事実もあるわけですけれども、それを置いてもあれですよ、厳しいと。商店街を見てみれば明らかなように、シャッター通りの状況というのはますますひどくなっていますし、特に本屋さん、そういったものがなくなってしまうとか、町から魚屋さんや八百屋さんがなくなってしまうとか、そういった実態があるわけですよ。それで、実際にそれぞれの家計を見てみると、所得だってどんどん減っているわけですよ。特に若年だけではない、中高年の人たちだって毎年毎年賃金が上がるところを下げられてしまう。一方では税金がどんどん上がってしまうということで、むしろ厳しくなっているというのが現状ではありませんか。そして、こういった区民生活が厳しいという、そういう状況であるならば、一番大事なことは区は区民に一番身近な最初の政府として区民の息遣いや生活実感を適切に受けとめて、区民施策を充実させていく。このことが最も重要なことではないかというふうに思います。ところが、中野区では財政難を理由にして、成人健診の有料化や介護保険の訪問介護利用料の軽減をやめてしまうとか、区民にさらに負担を押しつけるというような政策をこの間とり続けてきました。区は本当に財源がなかったのか。このことについても、これまでの議論の中で明らかになってきたと思います。
 05年度は基金に51億円ものお金を積み立てました。実質収支は約42億円だという報告もしました。まさに区政史上最大の剰余金を生み出しているということであります。しかも、03年度は基金と繰越金でおおよそ26億円、04年度は倍の51億円、そして本決算、つまり05年度ではさらにその倍近い93億円ものお金をため込んでいると、こういう状況であります。日本共産党区議団はこの間、区のため込み主義を批判してきましたが、この05年度決算のため込みと余らせ方は、まさに異常と言わなければならないと思います。区民が苦しんでいるときにこんなにもお金をため込む、こういったことに対して、どのような見解を持っているのかお聞かせください。
○篠原財務担当課長 基金の積み立てにつきましては、これからの行政需要、例えば学校とか区施設の整備、それから不透明な経済状況にありましても、着実に成果が上げられますような政策実行型の区政運営、こういうことを行うために積み立てをしたものでございます。ただ、これまでもさまざまいろんな部分で、場面で必要なものについてはちゃんと予算を使ってまいっておるところでございますので、その辺については御理解をいただきたいというふうに考えております。
○かせ委員 いわゆるこれだけのお金があれば、今もおっしゃいましたけれども、区民の施策云々と言いましたけれども、もっともっといろいろなことができたはずだというふうに私たちは思っています。そのために、この年も修正案を出して提案しました。その中でここで再度、こういうことに使うべきであったということで幾つかお聞きをしていきたいと思います。
 まずは耐震補強工事についてであります。
 阪神淡路大震災や新潟県中越地震の教訓は、家屋の倒壊による犠牲者を生まないということであります。そのためにはすぐにつぶれてしまうような住宅をなくすということではないでしょうか。そのためには耐震診断を進めることとあわせて、私たちが提案していますけれども、簡易な住宅改修を含む耐震改修をいかに進めるのか、ここが肝心だというふうに思います。中野区でも1981年以前に建てられた木造の戸建て住宅や共同住宅を対象にして、04年度から簡易耐震診断を実施してきました。まず、簡易診断の件数と判定結果で1.0以上のもの、1.0以下のもの、診断結果が補強工事に結びついた件数はどうだったのか、こういったことについて簡単に教えてください。
○佐藤建築担当参事 平成18年8月31日現在の実施状況でございますが、簡易耐震診断は985件ございました。そのうち、総合評点が1以上が102件、総合評点が1未満が883件でございます。この診断結果を受けまして、区民の方が補強工事を実施した件数は、建てかえを含めまして78件でございます。
○かせ委員 ただいまも御報告ありましたけれども、簡易耐震診断を実施したのが985件、そのうちの判定が1.0以下の住宅は883件、つまり89.6%の方は危険だと思われるような住宅に住み続けているということになります。ところが、補強工事を実施したのは、今もおっしゃいましたけれども78件だということで、危険性を指摘されている1.0未満の住宅883件のうちのわずか8.8%、1割に満たない状況です。つまり9割以上は危険と知りながら、さらにその住宅に住み続けているという状況になります。このような状況を放置していては、住宅倒壊から区民の命を守ることは到底できないと思います。住宅倒壊から区民の命を守るために肝心なことは、先ほども申しましたけれども、簡易耐震診断結果を耐震改修工事につなげることであります。
 我が党区議団はこれまで耐震診断だけでなくて、補強工事にも助成制度をつくるべきだということを繰り返し提案してまいりました。ところが田中区長は個人の財産に付加価値をつけることだとして、耐震改修工事に対する助成を拒んできたという経過があります。日本共産党はそういう状況の中で、中野区はこういう状況をとらえた中で、一歩進んだ耐震補強工事に進むべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○佐藤建築担当参事 耐震改修が進まない原因は幾つかあると思っております。まず、区民の方の意識の問題、費用の問題、それから世帯の生活状況、さまざまあるんではないかと思っております。耐震診断された方の相談窓口におきましては費用の安い耐震補強の実施例の紹介、それから寝室とか居間、避難通路などの部分的な補強方法についても助言しているところでございます。
 78件の補強事例の中にはこうした部分的な補強工事も多くございます。また、昭和56年以前の建物を耐震診断の対象にしておりますので、建築されてから既に25年から30年程度を経過しておりまして、老朽化が進んでおります。そういうこともありまして、診断結果を受けまして、補強ではなくて建てかえを検討されている区民もございます。町の安全性を高める意味からも、建てかえを進めるべきだと考えておりまして、今後予定している住宅まちづくり総合支援の取り組みの中で、建てかえについても促進していきたいと思っております。
○かせ委員 今もお話の中にあったと思いますけれども、やっぱり一番肝心なことは、こういう補強工事をする場合にお金がかかることだというふうに思うんです。それで、その点では既に補強工事に対してさまざまな区で助成制度をつくっています。御承知だと思いますけれども、新宿区や大田区、品川区、目黒区とずっとありまして、10区がもうことしから助成を開始して、それから昨年までに港区や世田谷区、杉並区、こういった区ではもう既に以前から実施しています。
 その実施の内容ですけれども、いろいろありますけれども、とにかく一番の問題であるその資金の問題、その辺については何とかしたいということでこういう制度をつくっているんですね。こういうことから見てやはりお金の問題、これを少しでも軽減させるということがないと難しいのではないか。特に全面的な建てかえ、これは一番理想的だというふうに思いますけれども、全面的な建てかえをするということになれば、それこそ何千万円単位のお金の出費になってしまいますよね。そうではなくて、今ある住宅を最小限の経費で補強することによって、そして一気に進められるというような状況をつくれないということであれば、これは金額的にも私たちもいろいろ調査してきましたけれども、100万円以下でできる。例えば他の地域では半分の助成をするとか3分の1の助成、いろいろあるんですけれども、そういった助成であるならば、本当に額としてはそんなに大きなものでなくても、安心感の持てる住宅をつくることができるわけですよ。こういった他の区のやり方についてどう考えますか。
○佐藤建築担当参事 中野区におきましても、現在資産活用型の耐震改修助成を実施しておりまして、その中では寝室と避難通路のみの部分補強につきましても助成することになっております。助成のあり方とか使いやすい制度への改善、こういったことを図りまして、制度の活用について積極的なPRを図ってまいりたいと思います。
 また、現在中野区の耐震改修の促進計画、この策定作業を進めておりますので、その中で避難路の安全確保、消火活動の円滑化など、地域の防災機能強化の観点から重点的に耐震化すべき整備区域をまず指定しまして、その区域内での建てかえ助成制度の導入、これも今検討しているところでございます。
○かせ委員 つまり考え方は変えないと、改修に対してですよ。それはもうお金、そういう支出はしないということでしょう。その状況の中で、例えばこれを見てみましても、危険だと思われるような人のうちの改修に結びつくというのは、1割にならない状況というのは、これは何とかしなければならないと思うんですよ。避難路の問題であるとかそういったことは、これはつぶれないからいいのであって、一気につぶれてしまったら避難路に出ることもできない。一気につぶれてしまうということですよ。阪神淡路大震災のときの死者も大多数が第一撃で家屋が倒壊して、それで亡くなってしまう。これは区長さんもよくこういうことは言われているわけですから、そういう状況をなくす。そのためにどうするかと。この視点がないと、避難路であるとか避難場所であるとか、それはその次の話なんですよ。だから、そこを何とかするということを考えなければならないと思います。
 それで、一つ例を申し上げたいと思うんですけれども、杉並区の例ですけれども、杉並区では耐震診断をしたのが794件、それで精密検査が234件で、改修助成、工事に結びついたのが33件ですよね。比率から言いますと、これはどのぐらいになるんでしょうか。四、五%ということになりますかね。これだけの改修助成になっています。ただ、その問題点もいろいろ指摘されているわけですけれども、例えばここの申し込みの方法に耐震診断結果報告書、これは当然でしょうけれども、所有を証明する書類であるとか住民税の納税証明であるとか、耐震改修工事の図面とか施行方法であるとか、とにかくさまざまな書き込みをしなければいけないとかということですよね。杉並区の場合には耐震改修工事に要した費用の2分の1だということで、5,000万円を限度とするということですけれども、なかなかその使い勝手の面ではまだまだ問題があるというような議論は聞いています。ですけれども、こういう制度をとることによって着実に改修工事に結びつくという実績があります。ほかにもいっぱいあるんですけれども、確かに急速に伸びている状況ではありません。まだまだ制度が発足したばかりだということもあるし、改善すべきこともあるでしょうけれども、少なくとも23区のうちの20区については、こういう状況を何とかしたいということで新たな制度に踏み出したと、こういうことであります。中野区においてもこういう先進事例をよく参考にして、安全なまちづくりに進むべきだと思いますが、再度お答えください。
○佐藤建築担当参事 今、杉並区の例を御紹介いただきましたけども、確かに簡易耐震診断は杉並区も中野区と同じレベルの件数まで達しましたけども、次の耐震診断は中野区の半分しか進んでいませんし、今、御紹介ありましたように、さらに耐震改修の助成を受けた件数は30件ということですから、中野区の半分でございます。なぜこうなっているかといいますと、ほかの区は評価を1以上にしないと助成をしないという、これは国とか都の制度なんですけど、これを活用していますので、どうしても件数はこういう少ない件数になります。中野区は助成しませんので、先ほど御紹介しましたけども、一部の補強でも改修という件数に入っていますので、そういう件数がカウントされていますから、補強という意味では件数は倍増しています。そういった制度についても、これからどういうふうに国等が考えるかはわかりませんけども、そういった改善等も、これから国とか都が見直すことも考えられると思います。確かに1にこだわっている限りはなかなか改修が進まないと考えておりますので、これについてもやはり国なり東京都の方には要望してまいりたいと思っております。
○かせ委員 そこは非常に重要なことだと思うんですよね。1以上でなければならないということですけど、私たちが言っているのは1に満たなくても第一撃から守ると。いわゆる私たちはほどほど耐震と言っているんですけれども、そういう方向に行かないとこれは進まないだろうというふうに思いますよ。
 それと、1という基準がないと補助金が出ないということですけども、それについては国に対して要望していくと。これはもうぜひ頑張っていただきたいと思います。しかし、今の状況を放置していたのでは危ないと。たくさんの人たちがいつ襲ってくるかわからない震災、これによって命を奪われかねないという状況だというふうに思うんです。そうした場合に、まだ実施しているところは少ないと思いますけれども、診断結果が1.0に満たない耐震工事について、区独自ででも改修工事を促進させる意味でも、助成金なり何なりというものを考えるべきだと私たちは思うんですが、いかがですか。そのことを強く要求いたしまして、じゃあ次の項に移ります。本当に大事なことなんですけれども、次に移ります。
 学校の施設改善について伺います。
 学校施設の施設補修費は、小・中学校合わせて10年前の15億円から毎年削減されて、今年度予算では7億4,200万円、10年前の半分でしかありません。そのために学校施設の不備が指摘されて、PTAなど学校関係者から切実な要望が寄せられ、膨らむばかりであります。
そこでお聞きいたしますけれども、毎年学校からの維持補修にかかる多くの要求が出ておりますけれども、こういった要求に対してどう対応しているんでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 学校の維持補修についてでございますけれども、例えば屋上防水、あるいは外壁の塗装といったような年次計画で実施するようなもの、それから毎年施設の状況、これを確認してございますけれども、そういった中では優先順位を定めて実施するといったようなもの、それらを総合して、毎年の維持補修というものを計画を立てて実行しているというところでございます。
○かせ委員 年次計画で実施をしているということですけれども、事実は毎年毎年維持補修費、これは決特の文教4、この資料の中に一般会計総額に占める小・中学校の維持補修費、施設整備の割合の推移というのが10年間分あります。詳細を申し述べるとこれは時間がかかってしまいますけれども、これを見てみましても毎年毎年その額が下がっているんです。そういう状況の中で、今の発言とはちょっと違うのではないか。もっともっとしっかりとした補修工事をすべきだったんだろうということは、この数字を見れば明らかだというふうに思います。
 そして、我が党の議員団は毎年維持補修の増額を要求して、2004年度には予算修正の議員提案を行うなど区の姿勢を質してまいりました。年度によって変化があるものの、いまだに10年前の状態にはほど遠い。今後、学校現場の切実な要求にどのようにこたえていくのか、今後どうしていくのか、そのことについて答えてください。
○小谷松教育経営担当課長 学校からも例年、この維持補修に関しましていろいろな希望をいただいてございます。ただ、実施するに当たっては当然制約条件等もございますので、そういったものを技術的な側面から例年それらの各学校すべてを回りまして、いろいろ実情等を調査いたします。そういった中で緊急性を要するものとか、そういった全体としての優先順位をきちんと定めて、その中で例年実施を図っているというものでございます。
○かせ委員 私は、平成18年度各校の要望事項というので、これは中P連がまとめたものを持っていますけれども、これを見てみますといろんなことが書かれております。そして、すべての中学校にわたって問題が指摘されています。その中で、今緊急に応じてということですけれども、改善されて、こういったことについてどういうふうな、緊急度を感じ、やられてきたのかということについて、ちょっと幾つかに分けてお聞きをしたいと思います。
 生徒に健康被害及び危険をもたらすおそれのある施設の改善ということで、まず三中ですけれども、カビが大量に発生している施設の改善が求められていると。こういったことも言われています。こういう危険性が指摘されるようなものについては、緊急度というのはどういう状況ですか。
○小谷松教育経営担当課長 個々の学校についてですけれども、そういった学校からの要請を受けまして、緊急に対応しなければいけないというものについてはそれぞれ例年やってございます。ただ、例えばカビ等々、日常の対応の中で換気をしっかりするとか、そういった部分の中で、ある程度防げるものについてはそういった形で学校側の方に励行をお願いしているといった部分もございます。いずれにいたしましても、一般論としてこういう対応だからこういうふうな実施というふうな形ではなくて、それぞれ個々の学校の実情を十分に把握した中で、その必要に応じてやっているというものでございます。
○かせ委員 カビ対策はやられましたか。
○小谷松教育経営担当課長 学校側とのいろいろ実情等の中で、できるだけ、例えばその部分ですと芹沢文庫とか、そういった部分があろうかと思うんですが、できるだけその換気扇等を活用する中でやっていただいて、管理をお願いしているところでございます。
○かせ委員 次に、漏水が相次いでいるということが指摘されています。これ以外に私たち議員団の調査でも、雨漏りに困っている学校が多数あります。雨漏りはそのまま放置しておきますと建物全体に影響を与えるということで、軽視することは決してできないと思います。それで、こういう雨漏り等漏水が指摘されているのが一中、二中、五中、九中、中野富士見中、こういった学校と、そのほかにも七つあるというふうな状況ですけれども、こういった雨漏り対策についてはどうしていますか。
○小谷松教育経営担当課長 これについても当然各学校の実情を調査いたしまして、例えば今年度であれば雨漏り対策ということで、今、委員の方から幾つか学校を御紹介いただきましたけども、一中や四中、七中、九中、北中野中とか、その他小学校でも何校か実施いたしましたけれども、応急的な形で対応する部分というものがございます。そのほかに先ほどちょっと年次計画ということでお話し申し上げましたが、抜本的な形で年数が経過した部分については、屋上防水の改修を行うといったようものもあわせてやっているというところでございます。
○かせ委員 応急的なことはやっているということですけれども、一向にそれが見えていないというのが実情だと思うんです。やってもやっても次から次に出てくる。結局それは応急処置で済ませているからじゃないんでしょうか。それで、床の問題でもたくさんのところで言われています。それから今もおっしゃいましたけれども、屋上のフェンスの問題であるとか非常階段であるとか、こういったところの赤さびも場合によってはその塗装がすっかり落ちてしまって、中の鉄材のしんが出ているというような状況だって見えているわけですよね。こういうことですと、躯体そのものに影響が出てしまうんですよ。また、そのままの状態で例えばペンキを塗ったとしても、すぐペンキがはがれてしまう。こういう状況ですからね。年次計画とおっしゃったけれども、年次計画だったらしっかりとした工事をしなければこれは生きてこないんですよ。そういう方針を持ってやるべきだと思いますが、どうですか。
○小谷松教育経営担当課長 外階段といいますか、非常階段などにつきましても、今年度は四中などでそういったことをやるということで計画してございますけれども、基本的にはやはり現場の状況を十分確認して、ただ単にさびが出ているから直ちにその階段も腐食しているというような状況でない場合もございます。やはりその状況というものを十分に勘案した中で、必要な部分については緊急性に応じてきちんと手当てをしていくということをやってございます。
○かせ委員 私はもちろん緊急性、これは何はともあれやらなきゃいけないことですけれども、基本的には教育条件を整理して、子どもと現場教職員の努力を支援するために、こういったその施設整備費を少なくとも10年前の水準に近づけると。こういうことで、現場の皆さんの要求を実現させる努力をしていただきたい。そのことを申し述べて、次に移りたいと思います。
 今年度、06年度の予算質疑の際に、我が党は特別区民税の大幅な増収について質しました。定率減税の半減と老年者控除の廃止や公的年金等控除の引き下げ、老年者非課税措置廃止でおよそ14億5,000万円を見込んでいるとのことでした。高齢者でいえばもらう年金は物価スライド制で、減ったにもかかわらず税金がふえた。さらに住民税の課税、増税に連動して国保料と介護保険料の負担増となった。区民の暮らしが一層厳しくなったという状況であります。実際にこの夏、税務分野をはじめ、国保料と介護保険料を扱う分野に多くの高齢者、区民から問い合わせ、苦情が殺到したというふうに聞いておりますけれども、状況はどうだったでしょうか。
○遠藤税務担当課長 今年度の納税通知書を6月に発送しておりまして、その後に区の窓口等においでになった方とお電話をいただいた方、この数ですけども、6月が窓口が800人、電話で1,600人、合計で約2,400人になっております。7月が約1,800人ということで、窓口が600人、電話が1,200人、8月は約1,500人ということで、窓口が500人、電話が1,000人というような数の方が窓口においでになり、また電話をいただきました。その内容といたしましては、今回の税制改正の老年者非課税措置の廃止と老年者控除の廃止、公的年金控除額の見直しなど、税制改正の内容についてのお問い合わせ、また前年度と比べて税額が高くなっているということについてのお尋ねでございました。また、どのような手続でこの税制改正がなされたのかというようなことであります。この件数につきましては、苦情を含む問い合わせ件数ということになっております。
○かせ委員 では、来年度には定率減税の廃止によって区民は増税となります。税源移譲による、いわゆる住民税のフラット化により、一律10%の納税となるというふうに聞いております。この問題について、区報では総務省・全国地方税務協議会が発行しているパンフレットの内容を紹介して、納税者の負担は変わりませんと、このように説明しております。しかし、住民税がふえることで国保料、介護保険料がはね上がって、保育料などでも課税ランクが上がるために、高齢者だけでなく、子育て中の世代も負担の影響を受けることになるのではないでしょうか。こういった負担増に対して何の痛みも感じませんか。
○遠藤税務担当課長 税源移譲による住民税のフラット化でございますけども、住民税の税率がこれまで5%だった階層が10%になるということでございます。一方で、所得税では10%の階層が5%になるということで、住民税と所得税を合わせた税率は同じで負担は変わらないということで、これらの内容につきましては区報、ホームページで詳細をお知らせしているところです。また、地域センターをはじめ、区内各施設にチラシを配布しております。また、今後は地域のお知らせ板へのポスターの掲示やシティテレビの文字放送、1月の申告書の送付や6月の納税通知書の際に説明書を同封して、御理解を求めていきたいというふうに考えております。
○かせ委員 ちょっと今の説明は不十分だと思うんですけれども、いわゆる住民税が上がるということは他のものにも影響していくわけですから、影響はないということは決して言えない。すべての問題にはね上がるわけですから、そのことをきっちりと説明する必要があると思います。ですから、相当の負担増だというふうに私たちは思っていますけれども、こういうときにこそ増税、高負担になる区民への痛みを和らげる、そういった施策を展開することが私は必要だというふうに思います。そして、来年度の予算を組む上では、文字通り区民の暮らしと福祉を支えるものを政策の第一に据えて編成すべきだというふうに私たちは指摘をしておきまして、次に移りたいと思います。
 次に、警察大学校等跡地の問題についてお聞きをします。
 9月20日夜、区役所7階で警察大学校等跡地の都市計画案の策定方針にかかわる説明会が開かれました。そのときに配付をされたのがこれであります。見えないと思いますけれども、建設委員であるとか駅周辺・交通特別委員会の皆さんには郵送されたというふうに思いますので、一応こうやって紹介しておきます。それで、この説明資料の中の土地利用計画というのは、実は3月6日、国有財産関東地方審議会に諮問・答申された利用計画図を焼き直したものであります。
 ちょっと見えないと思うんですけれども、この絵です。それで(「置いておけばいいじゃない」と呼ぶ者あり)ここへ置いておけばいい。これをやっていると時間がなくなってしまうので、ごめんなさい。何かいい方法があればいいんですけれども、この図面は05年、中野区は多数の区民の反対を押し切って、中野駅周辺まちづくり計画等をつくりました。そして、その後は東京都、中野区、杉並区の3者で合意した警大等移転跡地土地利用返還計画というものにまとめられました。これも持ってきたわけですけれども、こういうもので、見えないですね。それで、この資料ですけれども、中央中学校の南側ですね。これが学校です。この学校の前に国、警察庁、こういう赤いのがあるんですけど、中学校のすぐ南側に国有地が突如として割り込んできました。それと、そもそも1.5ヘクタールの防災公園と一体となった3から4ヘクタールの緑地空間を確保するということについては、もうかなめ中のかなめというところであります。このことは区民にとっては寝耳に水の出来事、私もこれを見てびっくりいたしました。そして、関東地方審議会の資料ではさっきもいいましたけれども、こういう用地になっていますけれども、もともとこの警察庁の宿舎というのは警察大学校等跡地用地の外側にあったものです。これは敷地と囲町との境、囲町地域に入るんですかね。そこにあったものなんですが、どうも聞く話ですと、真っすぐな区画道路をつくるために移転させるというのが、結局土地利用で一番肝心な場所を押さえられる結果になってしまった。警察庁宿舎は宿舎ですから、当然警備は非常に厳しいと。そしてまた、閉鎖的なところだと言わざるを得ないと思います。前回本会議で私このことについては触れました。その閉鎖的な施設が中学校の南側に来るということになればどういうことが起こるのか。この中学校というのは御承知のように一時避難場所に指定されています。震災のときにはたくさんの人たちがそこに集まる。そして、防災公園に、いわゆる広域避難場所に移動していくわけですけれども、そのときに避難経路であるべき南側にこういった閉鎖的な建物が来るということになれば、避難経路を遮断してしまうのではないかと私は思いますけれども、いかがですか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 お答えを申し上げます。
 中学校の位置が昨年5月に策定されました警察大学校等跡地土地利用転換計画の見直し、これと違うという御指摘、それからそのことによって一時避難場所としての機能、これが少し劣ってくるのではないか、そういった御指摘かと思います。
 昨年5月に策定をいたしました土地利用転換計画案の見直し、これはその策定以降、南側で隣接する囲町地区のまちづくり、こういったことを進める上で、その境に東西に走る区画道路、これが必要であると、望ましい、こういった考えがございまして、ちょうどそこにございました警察庁宿舎の移転、これについて国に要請してきたというところでございます。今、委員からお話のありましたような形で国の努力、こういったものもございまして、最終的に本年3月に土地処分方針が今の御指摘の内容で出たという状況でございます。
 中学校につきましては、災害時には一時避難場所になるわけでございますが、一時避難場所というのは、その施設単独でその機能を果たしていただくということが求められているわけでございます。したがいまして、必ずしも防災公園と隣接することを求めているものでもないということでございます。しかしながら、相互の連携というのは重要であるというふうに考えてございますので、今後その連携のあり方を含めて検討を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○かせ委員 再度この資料で説明しますけれども、これは土地利用更新図です。これは3者案でまとめたものですけれども、そのときにどういうことを言っているかといいますと、今の中央中学校のところは公共公益利用、区庁舎などというふうになっています。それから、その南側はどうなっているかというと、南側一帯のものでして、ここの地域に公共公益施設として統合新校などというふうに言っています。それから、特別委員会でも報告しておりましたけれども、ここの区画道路、区画街路1のこういうF字道路ですけれども、F字道路の南側にある防災公園、1.5ヘクタールですけれども、この防災公園はこの周辺の一体となった緑のオープンスペースとして確保するんだということを言っていました。それで、当然そのときの説明でも中学校というのは、中学校の校庭はこの公開された校庭であって、防災公園と一体となったものとしてつくりますよと、こういうふうにずっと説明していたんですよ。それが財務省の処分方針が決まるまでそれでやってきた。だから、これは違うんじゃないかというふうに言っているんです。それで、こちらの方の警察庁の問題については、その間何もなかったんですよ。特別委員会でも報告もなかったし何もなかった。そういう状況です。そして、もう一つお聞きしますけれども、この地域ですね、この説明書によりますと、この区域全体がここの体育館の南側の民有地も含めて、それから囲町の境から早稲田通りまで、この一帯のものとして再開発促進区として指定するというふうに言われています。間違いありませんね。
○秋元拠点まちづくり担当参事 説明会でもお話し申し上げましたが、現在その地区で考えている都市計画は地区計画と再開発等促進区を定めると、そういったようなことで御説明してございます。ただ、再開発等促進区につきましては一部区域が違っておりまして、その地図でいう北東の角の民地、ここは除かれております。
○かせ委員 大した違いじゃないですけれども、いわゆるここは除かれたと。それはわかりました。そうしますと、いわゆる再開発の地区になりますと、今までの高度制限が一切なくなるということになります。相当高度の、オープンスペースをとればとるほど高い建物になるということになります。そうしますと、この南側に展開する、いわゆる国有地となっていますけれど、警察庁の宿舎、それから警察署の方も建てかえる。また、こちらの今の計画ですと、何か体育館のところに区役所を持ってくるとかというような話もあるようですけれども、そうしますと、この3方が高い建物になってしまうじゃないですか。そうしますと、説明会でも多くの区民の皆さんが言っていましたけれども、まさに中央中学校というのは冬になれば日が差さない。そしてまた、少し風が吹けばビル風が吹き込む。したがって、そういうところでは大震災ともなれば火災旋風が巻き込んでくる。そういう危険性のあるところですよ。そしてまたそういう建物、そういうビルの陰の学校で例えばビル風が吹く中で、球技なんか、野球なんかをやったら、ボールを打ったらぶっ飛んじゃってどこへ行くかわからないという状況だってあり得る。バドミントンだってできないというようなことだってあり得る。そういうような状況にしていいんですか。まさに教育環境をも犠牲にするというまちづくりではないですか。いかがですか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 都市計画というものは、都市を健全に整備をしていくということでございます。そういったことから都市計画をかけていくということを申し上げているわけでございます。したがいまして、この地区につきましては、当然都市計画の中で一定の日照の確保等について定めていくなどの方法も十分考えられるわけでございます。中学校、学生の健全育成、あるいは近くには病院もあるわけでございますから、病院への患者さんへの配慮、こういったものを都市計画の中で日照確保等について一定の縛りをかけていく。そういったことが可能であるということから、十分環境は守られるのではないかと私どもは考えているものでございます。
○かせ委員 私たちはいろんなところを見て調べてもきました。それで、再開発等促進区を指定してしまうと、当初の計画からボリュームも高さも一気に大きくなってしまって、住民が思ってもいないようなとてつもないものができてしまうということはあまたあるわけです。したがいまして、このような計画については本当に私は同意することはできないし、今後とも住民の皆さんとさまざまな分野で新たな提案等をしていきたいということを指摘しておきます。
 そして、次の問題ですけれども、中野駅周辺まちづくりの推進委託についてであります。これは資料の中にもあるので、ぜひ見ていただければと思います。
 06年3月に三菱総合研究所から納品された中野駅周辺まちづくり推進委託報告書、これですね。それともう一つ、これについては、第3部は前年の新都市建設公社の支援業務報告書、この雑誌です。厚さが大分違いますけど、その中の第3部、おおよそこれが190ページぐらいだと思うんですけれども、第3部はそのうちの90ページ強あります。その中のほとんどがこの支援業務報告書と同じです。ちなみに総研の3の7ページは新都市のゼロの6ページと同じ、3の8は1と1と同じ、3の9は1と2と同じ、3の10は1と3と同じということで、ずっとほとんど同じ状況がありまして、どこが違うかというとわずか数ページです。それで、違いといってもどういうことかと言いますと、警察庁宿舎の割り込みなどの変更による図面の変更とか表の変更、こういったものだけであります。悪く言えば一つの卒業論文の結果が出ていて、それに合わせてずるをして研究報告書をつくるというような、そんな人はまずないだろうと思いますけれども、そういうようなことにも類することですよ。こんなことはあっちゃいけない。そういうような恣意的な結論を導き出すための資料ではなかったのかというふうに思わざるを得ない。できの悪い報告書だというふうに言わざるを得ないと思います。
 それで、このような代物を成果物と言えるかどうか、まずお答えください。
○秋元拠点まちづくり担当参事 昨年の報告書を御指摘でございますが、私どもは必要な手続にのっとり、委託契約を締結し、成果物についても確実に検査を行い、しっかりした報告書をいただいたという認識にあるわけでございます。
○かせ委員 成果物だと言いますけれども、これだけのほとんど半分ですよ。半分が同じなんですよ。それで、その中でいろんなことを言っているのは、じゃあ、支援業務報告書ですけれども、これが建設の15に入っています。委託契約書というのがあります。それじゃあ、この調査の目的は何だったんですか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 16年のものでございましょうか。15年、17年。
○かせ委員 これは17年です。
○秋元拠点まちづくり担当参事 17年でございますか。17年中野駅周辺まちづくり推進委託報告書でございますね。
○かせ委員 はい。
○秋元拠点まちづくり担当参事 これにつきましては、私どもの調査物としては初めての試みとなるわけでございますが、まちづくりと経済効果、いわゆる今までは都市計画という観点からの調査しかしてこなかったわけでございますが、平成17年度においては、初めて都市経営という観点から調査をしていただいたと、そういう報告でございます。
○かせ委員 この委託内訳を見てみますと、社会面からの検討A、それからBが中野区四丁目地区計画の推進、今言われたようなその社会経営的な面とかというのは、これはAに当たりますね。
○秋元拠点まちづくり担当参事 委託仕様書の中にはAとB、二つに分けて、Aが今、委員がおっしゃったような形の委託内容になっていると。Bが地区計画についての調査ということになっているわけでございます。今私が申し上げたのはAの部分、これが都市経営の観点から中野駅周辺のまちづくりを考えていただく調査報告、そしてBの方につきましては、立体的にとらえたまちづくりをどう都市計画的に実現できるのかということで、これはその前年度に都市計画の調査委託を出してございますので、その調査委託を検証する形で実現できるかどうかを実際に検証していただいた。それがBの調査報告であります。
○かせ委員 つまり、Aの部分についてはいわゆる前年の1部、2部のところに当たると思いますけれども、Bの部分についてはまるっきり同じということです。今の説明ですとAが主だというようなことにも聞こえるわけですけれども、じゃあ、この黒塗りにされた部分、この契約のときにどういう位置付けをしてきたか。それがあらわれることですけれども、黒塗りの部分はどうなっていますか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 黒塗りの部分については、情報公開できないということで黒く塗ってあるわけでございます。Bのところの御質問で1点つけ加えさせていただきますが、都市計画上の検証、それから交通量調査、これは当然都市計画を定める場合、建物のボリュームを定める場合、どういった交通量の増加が見込まれるのか。そういったものも改めてやっていただいているということが加わっております。それで、今の御指摘のところでございますが、契約内訳書でしょうか、これについては残念ながら企業秘密ということもございますので、これは公開することはできないということで黒塗りになっているわけでございます。
○かせ委員 今、企業秘密だと言うんですけれども、こんな理屈はないと思いますよ。これは単に委託項目ですよ。会社の内容についてとか会社の技術力についてとか、そういったものを求めているわけじゃないんですよ。どういう仕事を委託するのか、委託項目なんです。どうしてこれが企業秘密ですか。そして、同様にこれは前年度に行われた調査でして、新都市建設公社への委託契約書、これを見てみますとどうなっているか。これを見てみますといろいろ書いてありますよ、詳細にわたって。委託項目、工程種類、中野駅周辺まちづくり計画作成支援業務一式185万円とか地区計画検討支援業務、これが231万円であるとか、もういっぱい書いてあります。それで、これは単にそういうことなんですよ。どういう仕事の契約したのかということを書いてあることであって、これにはちゃんと出ている。全く今の答弁には整合性がない。何で企業秘密なんですか、こういうことが。一方では書いてある。その違いは何ですか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 今の御指摘は、恐らく契約内訳書の項目の書き方が違うという、そういったお話であろうと思いますが、これは今回の17年度の調査委託、これにつきましてはプロポーザルという形で新しい試みの中でまちづくりの調査委託を行ったということがございます。そういったことから、内容としてはそれぞれの調査項目が一式幾らと、そういうような契約内訳になっているというものでございます。
○かせ委員 本当に許せないと思いますよ。全然答えにもなっていないし、それで内容についても公表すべきことを公表しない。だから、幾らかかっているのかという、その判断ができないですよ。どれだけお金がかかっているのか。一番大事なものは、ひょっとしたら今後の計画を進めていく上では第3部が大事でしょう。だけども、答弁では前段の方が大事だ。じゃあ、大事だったらどれだけお金を使ったのかということが答えられない。評価と言えないですよ、これじゃ。したがって、こういう、私はもう時間がないのでこれ以上なかなかできないので、こういうような代物についてはもう成果物と言えない。そしてまた、1,300万円については、むだ遣いであったということを厳しく追及して、次の問題に移ります。
 介護保険についてお聞きします。
 介護報酬の改定によって、10月1日から要支援や要介護度1の、いわゆる軽度の方の車いすや特殊寝台といった福祉用具が貸与の対象から外されました。20日の本会議で我が党の小堤議員がこの問題で質問しましたが、区長は「軽度者をもって機械的に対象外にしない。また、厚生労働省の事務連絡は承知している」といった答弁をいただきました。では、具体的にはどういうことを言っているのかということについてお聞きします。
○冨永介護保険担当課長 事業者の指導を行ったということでございます。具体的には経過措置が30日に終わったわけですけども、自費で引き続きその福祉用具を貸与するというふうに希望する方々につきまして、継続利用が可能でありますので、事業者に対しては適正な価格設定を、あるいは安全性だとか衛生性に留意されたいという指導を行ったところでございます。
○かせ委員 実は私のところにも相談が来ておりまして、この方はひとり暮らしで81歳で、ヘルパーさんなどが来ていただいているわけですけれども、要支援の2だったんだけど1になってしまって、10月からもうこれは引きあげますよというふうに言われて、生活が厳しいんだけれどもベッドを買うことにした。それは6万円ぐらいするんだそうですよ。それで、お金がないからということで、10カ月の分割払いでお願いしたけれども、本当に生活が厳しいというふうに言っています。こういう状態であれば、それこそ高齢者の皆さんの生活が厳しいわけですから、さらに追い打ちをかけることだというのは当然です。ですから都内でも、例えば港区、新宿区、北区、中央区、千代田区、豊島区の6区と調布市がこういった方たちに対する補助制度をつくりました。
 一つ、具体的にこちらから言ってしまいますけれども、港区では要支援1と2、要介護1の高齢者を対象に自立支援型ベッド、これは立ち上がりができるような構造とか高さ調整ができるとかというような特殊寝台です。このレンタル費用の一部を助成するということになりました。10月1日からですね。そして、利用者の負担は月額で500円で済むんだそうです。先ほどの方は6万円でベッドを買った。これで年金生活で本当に厳しい中で6,000円ずつ毎月払わなければならない。こういうことからしますと、500円で利用できるということになれば、これは朗報だと思います。
 対象ですけれども、住民税非課税世帯で生活保護受給者の方は無料であり、同種のベッドを自費で借りようとする人は通常3,000円だけれども500円で済むと、こういうようなことなんだそうです。こういう制度を生み出すべきときだというふうに思いますが、いかがですか。
○冨永介護保険担当課長 今回の改正介護保険法でございますけども、軽度者、いわゆる介護度1以下の方につきましては、身体の状況に照らしまして、一定の条件に当てはまる場合を除きまして、介護保険の保険給付は行わないというふうな改正でございました。そもそも福祉用具貸与サービスにつきましては、もともと便利だから利用するというものではございませんで、あくまでも身体の状態に応じまして、必要と判断された方が利用できるサービスであります。制度改正はこうした趣旨を徹底するものでございますので、今後とも包括支援センター等々で、利用者には制度の趣旨を徹底してまいりたいというふうに考えてございます。他区のようなレンタルの助成については考えてございません。
○かせ委員 史上空前のため込みをしているわけですから、そういうようなお金のごく一部を回せば済む金額なんですよ。大した金額じゃないんですよ。ただ、本当に冷たいと。もっともっと困っている、今厳しい生活の人がいっぱいいるわけですから、そういった人たちに対して、少しでもささやかでもこれを支援する、応援するという姿勢があってもいいだろうというふうに私は思います。そのことを強く指摘して、次に移ります。
 次は、火災報知機設置の設置義務化について伺います。
 2004年に消防法及び石油コンビナート等災害防止法が改正されました。そのことによって自動火災報知設備等が設置されているものを除いて、戸建て住宅や共同住宅についても住宅用火災報知機等の設置が必要となりました。新築住宅についてはこの6月1日から実施されています。また、既存住宅については、これは都条例で定められるものだと思いますけれども、都条例の定めた日から適用されるというふうに言われています。
 実は、総務省の消防庁のそのホームページで拾ったんですけれども、17年版の消防白書というのが載っていました。それを開いてみますと、建物火災による死者が1,159人あるんだそうですけれども、そのうちの住宅火災による死者は1,038人、実に89.6%です。そのうちの62.2%は逃げおくれによる死者だというふうに言われています。そしてさらに、この逃げおくれた原因は何なのかということですけれども、それは眠っていたからだ。就寝中であるということです。死者が発生した火災を時間帯で見ると、ちょうど22時、午後10時から翌朝の6時だと。睡眠時間帯に集中しているわけです。その死者が44.9%ということがはっきりと記されています。つまり、火災の発生に気がつかないまま逃げおくれてしまって焼け死んでしまったと、こういう状況なんですね。しかもその中で65歳以上の高齢者についても記されていました。それにつきましては、調査以来一貫して65歳以上の高齢者がふえています。ですから、こういったこと、ここにポイントを置かないと大変なことになるなということのあらわれだというふうに思います。
 それで、この法律ですけれども、まず当然これからやっていかなきゃいけないんだけれども、幾つかについてはお聞きをしたいと思います。まず、公共施設、あるいは公共的といいますか、それから区民住宅や高齢者住宅など、こういった設置についてはどういう対応をとりますか。
○岩井住宅担当参事 公共住宅の件でございます。まず、区営住宅でございますけれども、区営住宅につきましては火災警報機が設置されている住宅はございません。そのために、これからすべての住宅につきまして設置していきたいというふうに考えております。また、今御質問にございました区民住宅でございますけれども、区民住宅につきましてはすべて借り上げ方式で行っております。そういう面では、この火災警報機の設置義務につきましては建物所有者でございますので、住宅のそのオーナーに対しまして火災警報機の設置について要請をしていきたいというふうに思っております。また、福祉住宅につきましては区が直接建設した住宅、また借り上げ住宅、いずれもすべて設置済みでございます。
 以上でございます。
○かせ委員 それから、もう少しお聞きしたいんですけど、公共施設は当然もう既に、ほとんどついていますよね。ないところはないですか。いわゆるZEROであるとかなんとかも当然ついていますよね。ついていないところがあるかどうか。ついているところはいいです。
○豊川営繕担当課長 すべて設置済みでございます。
○かせ委員 それでは、問題なのは民間ということになりますけれども、民間についてはどうですか。
共同住宅であるとか。
○佐藤建築担当参事 先ほど委員から御紹介ございましたように、建築基準法の改正がございまして、住宅用の火災警報機の設置につきましては建築関係基準の中で追加されまして、ことしの6月1日から施行されております。これはあくまで新築と改築を行う住宅について、確認申請のときに住宅用の火災報知機の位置、種類の明示をすると。また、完了検査の際に、未設置の場合には検査済み書の交付を留保するということでございます。
 しかし、既存の住宅につきましては、平成22年3月31日までこの警報機の設置が猶予されております。したがいまして、新築につきましては確認申請でチェックできますが、既存につきましてはチェックできませんので、これは先ほどございましたように、消防法の改正を受けて消防庁が管轄します東京都の火災予防条例の中で記されておりまして、消防署がこれについては対応するというふうに考えております。
○かせ委員 一番問題というか心配なのは、民間住宅がどうなるかということですけれども、これについては猶予期間があって、都の条例待ちだということですけれども、それは一つのそういう言い方もできるんでしょうけれども、その前に高齢者、障害者の方たち、こういった方たちがたくさんいるわけですから、これについてどうするのか。既に要綱等はありますけれども、この要綱についてどうなんですか。
○今健康・高齢担当課長 高齢者、それから障害者で防災上の必要のある方につきましては、火災報知機や通報機、自動消火器等の給付を行っております。これによって身体の虚弱や認知症等により、日常的に火の扱いに心配がある方の安全確保を図っているところでございます。
○かせ委員 実績はどうなっていますか。
○今健康・高齢担当課長 17年度で申し上げますと、火災報知機につきましては、高齢者が新規で7件、それから障害の方はゼロになっております。それから保守点検、これはもう既に設置したものについて保守点検を行っておりますけれども、これが既存のもので高齢者の方が48件、それから障害の方で2件というふうになっております。
○かせ委員 つまり、制度があってもなかなか利用できない、利用者が少ないというのがよくあらわれていると思うんですけれども、それはどういう理由かというふうに思いますか。
○今健康・高齢担当課長 これは高齢であるから、障害であるからということで自動的に設置するものではございません。あくまでもその中で、特に防災上の必要性のある方、このところについて、御本人の申請に基づいて居室を対象に設置させていただいているものでございます。したがいまして、全部ということではないということと、啓発というか、周知の面では銀のしおり等を通して周知を図っているところでございますので、それで御理解いただきたいと思います。
○かせ委員 今言われたように周知徹底の問題とか、それはもちろんあると思うんですけれども、実はその要件がきついとか、そういうこともあるんではないでしょうか。例えば障害者の場合には1級、あるいは2級とか、知的障害では1度あるいは2度という状況ですよね。それで、こういったことで障害1級、2級というのは相当重い方ですけれども、当然これもやっていかなきゃいけないですけれども、もっともっと軽い人だって厳しいわけですよ。特に火災ということになれば厳しい。それで、1人きりの高齢者についてだって本当に火災が起きたら逃げられないという事件がいっぱい起こっているわけですから、この辺について、これは東京都の要綱ということですから一気にということに行かないと思うんだけれども、こういったことについては、区の独自施策ででも少しでもこういった方たちの安全を確保するということはできると思うんですが、いかがですか。
○今健康・高齢担当課長 私どもは要綱で、高齢者の場合にはひとり暮らしの高齢者等々、それから障害の場合には今御指摘があったような1度、2度というようなことで進めさせていただいております。これは客観的にそういう方たちについては、こういう装置を持っていただくことが必要という考え方の中で進めさせていただいております。その他、あとは状況に応じて御相談という側面もあるかと思いますけれども、その他の方策も含めて進めていくことで、これがすべてということではないというふうにも思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○かせ委員 それと、私のところにもまた聴覚障害の方からお話を聞いているんですけれども、聴覚障害の方、これは程度の差はあるんですけれども、やっぱり聞こえないということが一番不安であって、この中に、東京都の条例でも音、あるいは光というふうに言われていますけれども、光る、フラッシュによる器具の普及というのは非常に弱いというふうに聞いているんですけれども、そういう貸与はどうですか。
○今健康・高齢担当課長 まず、これは光も出ます。光と音と両方でお知らせするということと、あともう一つは2器ありまして、一つは室内に、あとは室外の方に取りつけておりまして、御本人が気がつかなくても、それから気がついても、認知症の方なんかはなかなか対応ができないということがあろうかと思います。そういうときに外の方が気がついて、すぐ対応ができるようにということで設置させていただいております。
○かせ委員 いわゆるこういうその器具が普及するということが一番大事なことだと思いますので、ぜひ努力していただきたいと思います。
 それとこの関係で、いわゆるその危険な状態を知らせるということでは、前回の2定の本会議で私お聞きしましたけれども、文字による表示ですね。これが重要だというふうに私は思っています。ちなみに私も中国に行きました。区長さんと一緒に行ったんですけれども、そのときに役所に行きました。そうすると文字掲示板がいろいろ置いてあって、私たちが行ったときにも熱烈歓迎とか、それからいろんなことが文字で知らされているんです。ですから、我々は中国語を聞いてもわからないけども、漢字で書いてあると何なのかというのがわかるんですよ。これはぜひとも区政の中でも大事にしていただきたいということ。そして、特に災害時については警報が鳴っても聞こえない。それから、何カ所かあるランプでも見えない。そういう状況の中で、いろんなところにそういう掲示板があるということは本当に大事なことだというふうに思いますが、前回は検討するということでしたけれども、その後どうなっているかお聞きをしたいと思います。
○橋本総務担当参事 ただいま北京のお話もありまして、御紹介をいただきました。区といたしましては1階の窓口、そこに文字による表示、電光表示でもって、暗いときに区としてお知らせをしたい内容、あるいは注意を促したいような内容につきましては表示させていただいております。ただ、場所的にあそこが来庁者の目につく、また窓口で待たれている方が見やすいということで利用させていただいております。一般質問で御答弁させていただきましたが、引き続き検討させていただきたいと思います。
○かせ委員 趣旨は窓口の1カ所ということではなくて、いろんなところにあることが必要だということと、それから災害時には避難場所にもそれを持っていけるというような、そういった即使える、どこでも使える、こういったものが大事だということを提案しましたので、そういった点での検討をお願いします。
 次に移りたいと思いますけれども、中野駅の改善についてお伺いをします。
 中野駅北口改札口の階段を何とかしてほしいという声がますます強まっています。南口の改札口については昇降機がついているのを御承知だと思います。私はこの前行って段数を数えてきました。北口の階段は5段です。それで、昇降機がついている南口は6段なんです。1段の違いが雲泥の差になってしまったということですけれども、こういうことがあってはならないだろうと。ましてやこれまでの議論もいろいろありましたし、それからバリアフリー法との関係とか駅舎のいろいろな調査の中でも、あの中野駅がフラットでないということではいろいろ報告されているわけです。これは大規模な改修に至る前にでも、やる気になればすぐにできることだというふうに思います。ぜひともJRと交渉して、早急に改善していただきたいと思いますが、どうですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 中野駅北口の改札近くにある階段についての御質問でございます。
 確かに南口は昇降機がついておりまして、バリアフリー化されておりますけども、北口は階段がありまして、そのままの状態になっているというのが事実でございます。そこでJRから話を聞いておりますけども、北口についても南口と同様に階段昇降機を設置する、そういった検討をしているという話を聞いているところでございます。せっかく検討しておりますので、区としても早期に設置をしていただきたいということで要請していきたいと思っております。
○かせ委員 検討というのは、よくそのJRの関係ではお聞きをするわけですけれども、検討していても事は始まらない。すぐに、例えばこういう方もいました。昇降機というのは、特にその段差が少ないときにわざわざそれを使うこと自身が大変なんだと。それから、駅に行けば、例えば車いすを押してくださいということを言えば、だれでも最近は押してくれる人もいるというようなことも言われているんですよ。だから、昇降機と断るんではなくて、とにかくすぐにできることで改善をするということが大事だというふうに私は思うんです。だから、そういった面でもJRと本当に早急な改善ということでお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 五、六段の階段でございますから、別の方法も当然考えられるわけでございますけども、改札の近くにあるということがありまして、例えばスロープなどは、そのスロープの長さが十分にとれないといったような問題があります。いろいろ工夫をしていただいて、JRに早急に実現していただきたいということで要請してまいります。
○かせ委員 ぜひ頑張ってください。
 それでは、その他の項に移ります。その他の項として、中野駅南口の水たまりの問題について再度お聞きをします。
 第2回定例会本会議で、私は中野駅南口の横断歩道の水たまり問題についてお聞きをしました。そのときはすぐにJRに行ってこれを改善すると、検討するというようなお話だったので、さすがやることが早いなと感心をしたわけですけれども、一向に改善の動きがない状況なんです。どうなっているかお知らせください。
○遠山土木担当課長 中野駅南口の横断歩道の水たまりの件でございます。今、委員からお話しございましたように、私どももまずあの敷地が第三建設事務所に、ちょっとわからない不明なところがございましたので確認をいたしまして、JRの敷地であるという確認がとれましたので、早速JRの方に善処を求めてございます。JRの返事では、すぐに現場調査をいたしますということでございました。その後、一向に補修、その他工事がなされたような形跡がございませんので、私どもも何度かその後お話を伺ったのですが、現在対応については部内で検討しているということでございますので、私どもとしても早急に対処をお願いしたいと、引き続き求めていきたいと思ってございます。
○かせ委員 よろしくお願いします。先ほどとの関係もあるわけですけれども、検討だけでは事は始まらないわけですし、実際にこの間も雨が降り続きますと、あそこの横断歩道の約3分の1ぐらい、うっすらとした水たまりができてしまうという状況、これだと困るということで、ぜひお願いします。
 それと、次の問題に移らせていただきますけれども、中野駅南口自転車駐車場の安全策についてお聞きをします。
 中野南口自転車駐車場といってもおわかりにならない方は多いと思いますけれども、中野区医師会館のすぐ北側にある、うっそうとした森の中にある自転車駐車場です。そこの駐車場なんですが、ちょっとした小高いところにありまして、そこからおりてくる自転車がそのままとまらないで前の道路、狭い道路ですけど、そこに行く方が多い。それで、ここはうっそうとした森になっていますから、非常に見通しも悪いという状況です。私のところに、特にバイクを運転される方とか出前とかいろいろあるんですけど、そういった方たちが危ない思いをしたとか、何とかならないのかということで、しばしばそういう苦情が届いています。よく見てみますとスロープ、坂道なんだけれども、とまってくださいという白線と文字はあるんだけれども、そのほかの安全策がないんですよ。それではやっぱりどうしても自転車に乗っておりてしまうという方が出てくるのはわかるんです。本当にわかるんです。だけども、事故が起こったのじゃお互い大変なことになるわけですよね。ですから、あそこで一たんとまれる、そういうような仕組みを考えるべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
○遠山土木担当課長 ただいま委員の方から飛び出しによる危険性の指摘がございました。私も現場を見てそのように感じてございますので、これにつきましては早急に一時停止の掲示などを行うとともに、あそこには係員もございますので、注意の声かけなどをするように早急に対応したいと思ってございます。
○かせ委員 声かけだけで済むというふうに私は思っていないんですよね。例えば、そういう飛び出しを防止するために、車どめみたいなものを少し間隔を置いて交互にして、そこをゆっくりとおりていかなければでれないとか、さまざまな方法があると思うんですけれども、今言われたような声かけということだけでは不十分だろうと思うんです。そういう点での検討もすべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○遠山土木担当課長 今、一時停止の掲示と、それから係員の声かけと申しました。今、委員からの御提案もございましたので、あわせて検討し、早急に対応したいと思います。
○かせ委員 じゃあ、その点についてぜひよろしくお願いします。
 急ぎやってまいりました。それで飛ばしたところもあるんですけれども、いわゆる今の中野の区政というのは本当に区民の暮らし、営業を守っていくという上では非常に大事なポイント、大事な地点になっているんだろうと思います。それで、先ほどから触れておりますように、この間の区民の暮らしぶりというのは大変な思い、事態があります。いわゆる税制の改正によって税金がどんどん高くなり、そしてまたそれがさまざまな介護や福祉や国保や保育料や、あらゆる面で影響が出てきていると。さらに消費税の増税の話であるとか、さらなる負担増の計画が言われているわけですから、そういった中で区民の暮らしを守っていくためには、ため込めため込めということではなくて、その中でもしっかりと区民生活を守っていくと。そういうような施策に切りかえていかなければ、区民は本当に大変な事態になっていくと。そういう意味で、しっかりとした区政運営をしていただきたいということを要望して、私のすべての総括質疑を終わります。ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上でかせ委員の質疑を終了いたします。御協力ありがとうございました。
 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は9月28日、あす木曜日、午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様厳守をお願いいたします。
 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
      午後4時54分散会