平成20年09月24日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成20年第3回定例会本会議第1日(9月24日)
1.平成20年(2008年)9月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 欠 員 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 大 沼 弘
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 浦 山 京 子 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 佐 藤 幸 一 教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
計画財務担当課長 長 田 久 雄 経営担当参事 川 崎 亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 奈 良 浩 二
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 荒 井 勉
書 記 永 田 純 一 書 記 河 村 孝 雄
書 記 菅 野 多身子 書 記 松 本 明 彦
書 記 丸 尾 明 美 書 記 鳥 居 誠
書 記 土 屋 佳代子 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成20年(2008年)9月24日午後1時開議)
日程第1 第63号議案 平成20年度中野区一般会計補正予算
第64号議案 平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算
第67号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
日程第2 認定第1号 平成19年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
追加議事日程
日程第3 議会運営委員の補欠選任
午後1時00分開会
○議長(市川みのる) ただいまから平成20年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。7番林まさみ議員、36番岡本いさお議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は、本日から10月24日までの31日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、申し上げます。平成20年6月30日付、7月1日付及び7月16日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
人 事 異 動 表
発令年月日 平成20年6月30日
兼務解除発令
【 課長級 】
区長発令 発令権者 中野区長 田中 大輔
兼務を解除する職 |
氏 名 |
兼務者の現職 |
備考 |
拠点まちづくり推進室中野駅周辺整備担当課長 |
松前 友香子 |
拠点まちづくり推進室拠点まちづくり担当課長 |
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発令年月日 平成20年7月1日
採用発令
【 課長級 】
区長発令 発令権者 中野区長 田中 大輔
発 令 |
氏 名 |
旧 |
備考 |
拠点まちづくり推進室中野駅周辺整備担当課長 |
秋元 順一 |
(再任用新規採用) |
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人 事 異 動 表
発令年月日 平成20年7月16日
【 課長級 】
区長発令 発令権者 中野区長 田中 大輔
発 令 |
氏 名 |
旧 |
備考 |
経営室財産管理担当課長 |
安部 秀康 |
都市整備部公園・道路担当課長 |
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都市整備部公園・道路担当課長 |
石田 勝大 |
(任期付新規採用) |
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備 考
1 前経営室財産管理担当参事 谷村 秀樹 は 東京都建設局南多摩西部建設事務所副所長兼工事課長になるため、平成20年7月15日をもって退職
○議長(市川みのる) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
一般質問は、議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
お諮りいたします。
この際、本日の日程を追加し、日程第3、議会運営委員の補欠選任を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議会運営委員の補欠選任
○議長(市川みのる) 日程第3、議会運営委員の補欠選任を行います。
お諮りいたします。
議会運営委員の補欠選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長から、佐伯利昭議員を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第63号議案 平成20年度中野区一般会計補正予算
第64号議案 平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算
第67号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第1、第63号議案、第64号議案及び第67号議案の計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第63号議案、第64号議案及び第67号議案の3議案につきまして、一括して提案の理由を説明いたします。
第63号議案、平成20年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ25億2,912万5,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は999億9,175万6,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。
まず、政策費ですが、国際交流協会の事務所が商工会館からもみじ山文化センター西館へ移転することに伴う整備工事費及び移転に係る支援経費1,419万9,000円を計上するものです。
次に、経営費ですが、現在もみじ山文化センター西館内にある職員用のOA研修室を中野区職員研修センターへ移設することに伴うLAN敷設工事費214万2,000円を計上するものです。
次に、管理会計費ですが、住民税の年金からの特別徴収の実施にあたり、社会保険庁等と区との年金情報の授受を電子的に行うためのシステムの導入及び運用に係る経費416万3,000円を計上するものです。
次に、産業振興費ですが、商工会館の緊急改修工事費2,142万5,000円を計上するものです。
次に、障害福祉費ですが、江原町三丁目に開設予定の重度身体障害者グループホームの整備及び運営に係る支援経費708万5,000円を計上するものです。
次に、介護保険費ですが、野方六丁目に開設予定の認知症高齢者グループホームの整備に係る支援経費3,000万円を計上するものです。
次に、都市計画費ですが、野方駅整備に係る工事の進捗見込みの変更に伴い、4億102万9,000円を減額するものです。
次に、教育経営費ですが、小学校11校及び中学校4校の体育館の耐震補強工事に係る経費7億2,411万4,000円を計上するものです。
最後に、積立金ですが、財政調整基金として18億2,702万6,000円及びまちづくり基金として3億円の積立金を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、都支出金3,086万2,000円、繰入金7億2,492万8,000円、繰越金21億2,702万6,000円を追加計上する一方、使用料及び手数料69万1,000円、国庫支出金1億2,500万円及び特別区債2億2,800万円を減額するものです。
次に、繰越明許費について説明いたします。これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである学校施設に係る経費7億2,334万8,000円について、翌年度に繰り越しを行うものです。
次に、債務負担行為の補正について説明いたします。これは、野方駅自由通路及び駅前広場の整備について、8億2,585万2,000円を債務負担行為として追加計上するものです。
次に、特別区債の補正について説明いたします。これは、野方駅自由通路及び駅前広場の整備を目的とした都市整備債を2億2,800万円減額するものです。
第64号議案、平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ2億1,948万8,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は168億348万8,000円となります。
歳出予算の内容は、介護給付費及び地域支援事業費として交付を受けた国庫支出金、都支出金及び支払基金交付金の超過額を返還する経費2億1,948万8,000円を計上するものです。
歳入予算といたしましては、平成19年度からの繰越金2億1,948万8,000円を計上するものです。
第67号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、10月1日から谷戸学童クラブの延長利用を開始することに伴い、同学童クラブの目的外使用に係る単位時間を変更するものです。
この条例の施行時期は、平成20年10月1日です。
以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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○議長(市川みのる) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、山崎芳夫議員、白井秀史議員、来住和行議員、酒井たくや議員、大内しんご議員、南かつひこ議員、せきと進議員、伊藤正信議員、江口済三郎議員、いでい良輔議員、内川和久議員、佐藤ひろこ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、つぼいえみ議員、林まさみ議員より、質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 山 崎 芳 夫
1 「健康福祉都市なかの」について
2 二輪車駐車場確保について
3 消費者行政の充実について
4 その他
○議長(市川みのる) 最初に、山崎芳夫議員。
〔山崎芳夫議員登壇〕
○32番(山崎芳夫) 平成20年第3回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の一員といたしまして一般質問をさせていただきたいと思います。
質問は、1番目に「健康福祉都市なかの」について、2番目に二輪車駐車場確保について、3番目に消費者行政の充実についてを順番に質問してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
初めに、「健康福祉都市なかの」の実現に向けて質問をいたします。
近年、健康づくりが話題に取り上げられることが多くなりました。今年度から健診事業についても大きく変わり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診と生活習慣の改善を支援する保健指導を行うことで、生活習慣病の有病者やその予備軍を減少させることとしております。これら健診事業をはじめ、区民の健康の維持・増進のために、「健康福祉都市なかの」を掲げる当区といたしましても、健康づくりにふさわしい施策の充実が望まれているところであります。そこで、区民の健康づくりの観点から幾つか質問をいたしたいと思います。
まず、統計資料から現状を見ていきたいと思います。御承知のとおり、我が国は世界に誇る長寿国となりました。総務省が9月15日の敬老の日を前に発表した統計によりますと、日本の70歳以上の人口は2,017万人となり、初めて2,000万人を突破したとのことであります。これは、総人口の15.8%を占めるそうです。また、WHOが発表した日本人の平均寿命は、男性が78.4歳、女性が85.3歳であり、ともに世界1位であります。
一方、GDP(国内総生産)に占める医療費の割合も出されています。日本は7.9%で、OECDの加盟国の中では18番目となっています。ちなみに、割合が最も高いのはアメリカで、GDPに占める医療費の割合は、何と15%に上っています。病床当たりの医師の数についても、100床当たりですが、アメリカは66.8人、日本では13.7人であり、約5倍の開きがあります。日本の医療界は、GDPに占める医療費も医師の数も、アメリカと比べて非常に少ないにもかかわらず、世界一の長寿国をつくることに成功したわけです。この事実は、医師や医療関係者の献身的な努力のおかげで、世界で最高レベルの医療が提供されていることの証ではないかと考えています。この点、区長はどのような御感想をお持ちなのか、まずお聞かせください。
ところで、医療費が世界と比べて多いだとか、あるいは少ないだとか論じても、実際に健康が維持されていなければ充実した生活を営むことができません。平均寿命は、長生きの物差しではありますが、もう一つの健康の状態からとらえた物差しとして健康寿命があります。この健康寿命というのは、介護や介助の必要がなく元気に暮らせる年齢をあらわしております。WHOによれば、これも日本が世界一を誇っているとのことであります。平均寿命が延びることは喜ばしいことですが、それとともに、今後健康寿命を延ばしていくことが大切であると考えますが、いかがでしょうか。区としての基本的なお考えがあれば、お聞かせください。
私は、健康寿命を延ばす方法として、健診事業が大きな役割を果たしていると思っています。そこで、次に健診事業について御質問をさせていただきます。
今年度の健診事業は、冒頭に申し上げたとおり、大幅な法改正が行われました。年齢別により幾つかの健診に区分されています。まず、40歳から74歳までの方は、加入している医療保険の保険者が健診事業「特定健診」を実施することになりました。区といたしましては、国民健康保険の被保険者を対象に健診を行うことになりました。また、75歳以上の方については、後期高齢者医療制度の創設によりまして、運営主体である広域連合から委託を受けて、「後期高齢者健診(長寿健診)」を区が実施しております。そのほかにも、昨年度までの区民健診では35歳から基本健診の対象にしてきたことから、区独自の健診として35歳から39歳までの方と医療保険に加入していない生活保護受給者の方々を対象とした「健康づくり健診」を今年度から実施しております。
しかし、今年度の区の健診につきましては、それぞれの健診で健診項目が微妙に異なっています。特に、健康づくり健診や後期高齢者健診につきましては、昨年度の区民健診と比較をいたしますと、心電図、貧血検査、眼底検査などが健診を必要とする特定の条件に当てはまらないと受診対象にならなかったり、あるいは全く健診項目から外されていたりしております。また、胸部X線のレントゲン撮影についても、中野区の国民健康保険加入者に対する「特定健診」以外は健診項目から除外をされています。そのかわり、75歳以上の方は、保健所で胸部X線の検査を受けられるようですけれども、健診とは別に受診しなければならず、受診される方も高齢であり、わざわざ保健所まで行くということは負担がかかっているのではないかと思われます。
今年度から始まった新たな健診事業であり、実施に当たってはさまざまな課題があったろうと思いますが、区民の健康維持や増進、疾病の早期発見、早期治療の上からも健診項目をさらに検討し、国が示した健診項目以外に区独自に項目を追加するなどして、「健康福祉都市なかの」により一層ふさわしい健診となりますように見直しをしてもらいたいと思いますが、区長の御見解をお伺いしておきます。
次に、同じく区の健診事業のうち、眼科検診についてお尋ねをします。
眼科検診は、緑内障・白内障の眼科疾患に関して早期発見・早期治療につながるために、平成3年度から実施をされている事業であります。いわゆる節目において検診を受ける方式で、中野区では症状が出やすい年代として50歳から開始をして、5歳区分で65歳まで受診できるようになっています。しかし、この症状が出やすい年代については、例えば岐阜県多治見市民を対象とした大規模調査では、40歳以上の成人を調査対象にしたところ、何と20人に1人の割合で緑内障が認められ、特に眼圧が正常範囲であったにもかかわらず緑内障になる、正常眼圧緑内障が多いことが判明したとの調査結果が出ているところであります。糖尿病性網膜症と並んで失明原因となっているのが緑内障であり、眼科専門医による眼底検査をしなければ診断は大変難しいと聞いています。多治見市民を対象としたこの調査結果を参考にして、40歳以上を眼科検診の対象にした自治体もあると聞いています。中野区でも、現在行っている対象年齢を前倒しにして、対象年齢を50歳から40歳に引き下げて、40歳、45歳を対象年齢に加えてはいかがかと考えます。区のお考えをお尋ねしておきます。
この項の最後に、成人歯科健診についてお伺いをしておきます。
健康な生活を送るには、しっかり物を食べて咀嚼することが大切です。幾つになっても健康な歯を維持することは、疾病の予防にもつながります。そこで、区民の健康維持・増進、疾病の早期発見・早期治療を推進するために、歯科についても区は健診を実施しています。生活習慣病対策の一環として、歯周病の予防などを目的に、35歳から65歳までと70歳を対象に、口腔内検査やブラッシング指導、入れ歯等に関する指導や相談などを行っています。8020運動のように、80歳で20本の歯を維持していくためには、定期的な健診を受けられる環境を整えることが私は大変重要だと考えています。
現在の健診は、残念ながら80歳は対象にしていません。65歳までで一たん対象から外れ、70歳の節目での健診が最後になります。歯周病等の早期発見・早期治療とともに、歯の健康チェックを行い健康な生活を送る意味からも、65歳で対象者を切らずに段階的に年齢を引き上げて、せめて80歳までは健診の対象者にしていただけないかどうか、区のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
以上、「健康福祉都市なかの」の実現に向けて、健診事業を中心に質問をしてまいりましたが、平成16年に健康福祉都市宣言を行ってから既に4年が経過しております。健康福祉都市の基本的な理念は、「だれもが住み慣れた地域で、安心して健やかに暮らし続けられるなかの」の実現であります。
健康福祉都市宣言を記念して当時企画された川柳募集の最優秀作品は、「健康は 我が人生の 宝なり」でありました。入選作品の中で、私が好きな川柳を二つだけ御紹介をしておきます。一つ目、「健診の前は慎む不摂生」であります。それからもう一つ、「「お若いですね」と言われるたんびに
腰がのび」でございます。
区民がいつまでも健康で生活できるように、健康づくり施策の充実を要望し、この項の質問を終わります。
次に、二輪車駐車場確保についてお伺いします。
原動機付自転車や自動二輪車などの二輪車は、非常に高い機動性、省資源、省エネルギー、省スペースなどの点で利便性の高い乗り物として広く普及をしております。私も高校1年から原動機付自転車の免許を取得して以来、愛用している一人であります。
二輪車の路上駐車に関しては、近年まで取り締まりの対象として大きく問題視されていませんでした。自動二輪車の駐停車違反取り締まり件数を見ますと、1980年代前半には全国で何と1,000件未満でありました。1980年代半ばから1990年代半ばまでは年間3,000件前後で推移をし、94年に4,000件を超えて増加傾向を強め、2002年に1万件を突破、2005年には4万1,000件へとふえています。
そして、2006年6月に新しい取り締まり制度が導入されてから1年が経過し、2007年5月までの1年間の取り締まり状況を見てみますと、放置違反の件数は原付と自動二輪車を合わせて41万3,417件と、急激に増加をいたしました。この数は、2000年の数字と比較をいたしますと14倍以上という増加になっておりまして、厳しい取り締まりの結果となっています。最新の情報では、2007年1年間の二輪車取り締まり件数は、法施行後1年間よりさらに10万件以上多い52万1,454件となり、2005年1年間と比べて4.8倍の増加となっているのが現状であります。
こうした近年の駐車違反取り締まりの強化によって、都市部では二輪車の駐車場不足が顕在化し、二輪車の利用が大きく制限されている事態になっています。二輪車ユーザーからは、「街中にバイクをとめる場所がないんだ」、「一体どこにバイクをとめればいいんだ」などと不満が非常に高まっているのが現実であります。「バイクに駐車スペースを!」とのスローガンを掲げた二輪車ユーザーの国への事態改善を求める署名数は、何と90万人にも及ぶと聞いています。
そこで、中野区における二輪車駐車場整備の現状についてお聞きをします。
中野区といたしまして、二輪車をどのような交通手段と認識しているのでしょうか。正直にお答えください。中野区の二輪車駐車場整備の現状はどうなっているのでしょうか。都市部で二輪車駐車場整備が進んでいない現状をどう考えるのか、以上の質問を踏まえて、区としても積極的に二輪車駐車場を整備すべきではないかと私は強く思っています。お答えをお聞かせください。
また、国や東京都に財政支援を求めていくべきではないかと考えていますが、お考えをお聞かせください。
以上でこの項の質問を終わります。
3番目、次に消費者行政の充実についてお伺いをいたします。
今、社会を騒がせています残留農薬などに汚染された事故米の不正転売をはじめ、輸入冷凍ギョーザへの毒物混入事件や食品の偽装表示事件など、食の安全を脅かす事件が残念ながら相次いでいます。製品の安全性に関しましても、ガス湯沸器による一酸化炭素中毒事件は記憶に新しいところで、消費者の不安は募るばかりであります。
また一方で、クレジットや多重債務による被害、投資詐欺商法、振り込め詐欺事件など、消費者の生活は危機的な状況にあると言っても過言ではないと思います。
こうした社会状況を背景に、政府は、消費者・生活者を大切に、安全・安心な社会を目指して、仮称でありますが、「消費者庁」創設のための取り組みを進めていると聞いています。
この消費者庁は、商取引や製品などの安全性、品質の表示などを幅広く所管し、一元的な消費者行政と窓口機能の充実、さらには自治体の消費者行政の強化とそのための支援に取り組むために設けられるものであります。まさに時流を得た構想であり、我々自民党といたしましても区民の健康と生活を守り、安全・安心な地域づくりのために、消費者庁の働きには大いに期待をしているところであります。
消費者行政の充実強化は、喫緊の課題といえます。この間、中野区における消費者行政、消費者センターの果たしている役割とか、取り組んでいる施策や事業などについて、少々調べさせていただきました。消費者センターにも、私、雨の中お伺いをして、消費生活専門相談員の皆さんからは、相談内容や具体的な対応についてお話を聞くことができました。
相談員の皆さんは、非常勤職員の身分で日々頑張っていらっしゃいましたが、国民生活センターが実施をします消費生活専門相談員資格認定試験に合格をされた専門職であるということもあわせて知ることができました。しかし、相談員の方々の待遇は、劣悪とまでは言いませんが、昇給、ボーナス、退職金は一切なし、もちろん保険、年金は御自分でかけています。決して優遇されているとは言いがたい状況にあります。にもかかわらず、笑顔で、昼休みまで交代で区民に対応している姿に私は頭が下がりました。
こうした相談員のところに、さまざまな相談が寄せられているそうであります。その中でも、「次々販売」という悪質な訪問販売にだまされる高齢者が少なくないそうであります。一人暮らしの高齢者をねらった訪問販売による悪質商法は後を絶ちません。判断力が必ずしも十分でない高齢者、それも身近に相談する相手のいない、いわば孤独な一人暮らしの高齢者の弱みにつけ込むような悪質な商法による被害の深刻さは驚くばかりであります。消費者センターが区民にとってより身近な相談窓口として機能することで、こうした悪質な商法による販売をはじめ、消費者を巻き込んださまざまなトラブルの解消が図られるのではないかと考えています。
そこで、幾つかお伺いをします。まず、高齢者が被害に遭われやすい「次々販売」とはどんなものなのでしょうか。御紹介をください。こうした被害は、未然に防ぐことが何よりも一番大切です。そのための対策は講じられているのでしょうか。
また、悪質商法による被害を救済するための手だてとして、例えば契約の解除(クーリング・オフ)や、不当請求などに対応するため身近な法律の専門家であります弁護士の先生方や行政書士の方々などの協力を得るなどの取り組みは考えられないのでしょうか。
消費者センターは、消費生活相談をはじめ、啓発事業や消費生活に関する情報の提供など幅広く消費者行政を担っていますが、こうしたサービスが区民に十分周知されていないのが実態のような気がしてなりません。区民が気軽に相談できるよう、消費者センターの役割とか区民生活の安全・安心を確保するさまざまな取り組みについて、もっと積極的にPRすべきと考えていますが、いかがでしょうか。
その他はございませんので、以上で私の質問はすべて終わらせていただきます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。
「健康福祉都市なかの」についてという御質問であります。
健康寿命というものが大事なのではないか、区もそういった考え方で健康づくりに取り組んでいるところでございます。
日本の医療についての御質問がありました。日本の医療は、国民皆保険によりまして安心して治療を受けられるという制度が安定的につくられてきたこと。また、国民の健康づくりへの関心が高いといったようなこともあるというふうにも考えております。また、何よりも医療レベルが高いといったようなこと。このようなことが要因となって世界一の長寿国になっているというふうに認識をしているわけであります。
さらに、こうした状況を健康寿命という点に着目をしながら、さらに国民の健康づくりを促進していくということが大事なのではないかと考えているところであります。健康寿命につきまして、区としては10か年計画の成果指標にも取り入れているところであります。健診や健康づくり事業の充実を図ることによって、区民みずからが健康の維持増進に取り組んで健康寿命の延伸に結びつくよう、区としても今後とも努めていきたいと考えております。
健診についての御質問がありました。御質問でもありましたように、今年度から健診につきましてはメタボリックシンドロームなどの健康リスクに着目をして、生活習慣病の予防を進めていくといった点に特に留意をするような健診制度となってきているところであります。
後期高齢者健診につきましては、広域連合からの委託を受けて実施をしているところであります。この健診について、国の特定健診の基準どおりの健診項目としているところであります。これに健診項目をふやすという場合には、区の財源で行うことになるわけであります。健診の項目について、さまざまな御意見もあるところでもあります。この項目について十分検討した上で、区独自に対応すべきことがあるか、検討していきたいと考えております。
また、健康づくり健診の件につきましても、健診項目について改めて検討していきたいと考えております。
さらに、眼科検診及び成人歯科健診の対象年齢の拡大ということにもついても御質問がありました。検診のあり方、必要性などを踏まえ、より効果的な実施方法について検討をしてまいりたいと考えております。
それから、二輪車について御質問がありました。
二輪車の利用が最近ふえているということであります。二輪車の利用がふえていく一方で、駐車に関するトラブルでありますとか、交通ルール、マナーの問題でありますとか、さまざまな問題も同時に起きているということもまた事実であると、このように考えているところであります。
二輪車は、自転車と異なりまして、目的地が遠距離であっても直接目的地まで到達ができる機動性の高い乗り物であると認識をしているところであります。そこで、二輪車での利用が想定される施設の設置者が、需要に見合った二輪車駐車場を設置すべきものと考えているところであります。中野区役所におきましても、来所者用に二輪車駐車場を設けているところであります。
区といたしましては、公共の二輪車駐車場として4カ所、146台分の二輪車駐車場を整備しているところであります。民間では、時間極の二輪車駐車場が4カ所、37台、月極のものが17カ所、100台ほどあるという状況であります。
二輪車の駐車場需要を満たすためには、四輪の駐車場と同じように二輪車駐車場もビジネスとして成立するということが必要だと考えております。現在、駐車場経営者が二輪車駐車場経営に魅力を感じていないことが、整備が進んでいない原因と考えております。
平成18年には、二輪車駐車場整備を促進するため、駐車場法が改正をされ、二輪車が自動車として位置付けられたことなどから、最近は区へ二輪車駐車場設置の相談件数がふえているところであります。今後は、そうした中から二輪車駐車場の整備が促進されると考えているところであります。
区といたしましては、時間貸しの二輪車駐車場は、先ほど申し上げましたような事情から民間がビジネスとして整備するのが妥当であり、これ以上中野区自体が二輪車駐車場を設置していくという考えはないわけでありますが、東京都道路整備保全公社の助成制度などもありますことのPRに努めていく、また二輪車駐車場の整備を進めるために規制、誘導など国の積極的な施策展開についても大いに求めていきたい、このように思っているところであります。
それから、消費者行政の充実についてということであります。
消費者問題につきましては、時代が変わるごとにさまざまな新たな問題が出てくるということであります。特に昨今、さまざまな問題事例が多発をしたり、高齢者の方が対象としてねらわれやすいといったようなことから、消費者行政を充実していくことの必要性ということは私どもも十分に認識をしているところであります。
悪質商法の未然防止に関して、「次々販売」ということについての御質問がありました。「次々販売」と言われているのは、訪問販売などで一度契約した人を何度も訪問して次々に契約をさせていくという悪質商法でありまして、被害は高齢者の方に多いというふうに認識をしております。
こうした訪問販売による悪徳商法などへの対応ということが大事だということでありまして、一人暮らしや高齢者のみの世帯などを訪問する機会のある民生児童委員や、町会自治会あるいは介護事業所などの方々が被害発見の担い手となって消費生活相談につなげていただくということが、悪質商法から高齢者を守るために有効だという認識を持っているところであります。
区といたしましては、悪質商法の事例などの情報を定期的に情報特急便といったような形で関係機関に提供して、協力を呼びかけているところであります。また、町会自治会、民生委員、社会福祉協議会など、関係機関と連携をとるなど積極的な情報提供に努めているところであり、こうした施策のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
消費者センターの役割の周知であります。消費者センターにつきましては、区といたしましてもさまざまな形で事例の御紹介でありますとか、さまざまな啓発に努めているところであります。この消費者センターに寄せられる相談について、法的な対応が必要なケースというものもあるわけであります。そうした場合について、より専門性を有する弁護士会や、従前の法律扶助協会というものが現在、法テラスといった形に拡充されているわけですが、これらを紹介して問題の解決につなげているところであります。
消費者相談につきまして、国や東京都、マスコミにおいても積極的にPRをしているところでありますが、これらの情報とあわせてさらにより多くの区民に消費者センターの取り組みが周知されるよう、今後とも一層PRに努めていきたいと考えているところであります。
以上であります。
○議長(市川みのる) 以上で山崎芳夫議員の質問は終わります。
中野区議会議員 白 井 秀 史
1 学校再編計画について
2 ごみ問題について
3 (仮称)区民活動センターについて
4 高齢者施策について
(1)長寿(後期高齢者)健診
(2)健康優良高齢者の顕彰
(3)老人クラブ運営費の助成
5 貸付制度等の生活援助について
6 一時保育等の子育て支援策について
7 その他
○議長(市川みのる) 次に、白井秀史議員。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 平成20年第3回定例会に当たり、公明党の立場から質問をさせていただきます。
初めに、学校再編計画についてお伺いします。
これまでの経緯として、中野区教育委員会は、学校とは一定規模の集団で活動することを通して、子どもたちに「確かな学力」、「豊かな心」、「健康・体力」などを確実に身につけさせ、自立した人間の育成を目指す教育の場であると定義しています。
しかし、近年の少子化の影響などから、中野区立の小・中学校は児童・生徒数の減少と、それに伴う学校の小規模化が続き、集団教育のよさが生かされにくくなっていること。また、学校の教職員などの配置数が減り、学校運営や児童・生徒の指導に困難が生じていると問題を提起してきました。
検討を重ね、平成9年10月に教育委員会の附属機関として「中野区立学校適正規模適正配置審議会」を設置。平成12年1月に答申を得て、学校再編は個々の学校について個別に検討するのではなく、区立学校全体の問題としてとらえること。さらに、老朽した校舎の改築時には多額の経費が見込まれるため、適正な学校数をもって対応し、よりよい教育環境を提供することを決定してきました。
平成16年10月に「素案」を発表し、意見交換会や対話集会などを行い、パブリック・コメントの手続を経て、平成17年10月に「中野区立小中学校再編計画」を決定してきました。具体的な再編計画については、平成18年度より前期5か年とその後の中・後期とに再編の枠組みを分け、前期計画の組み合わせとして、小学校3組、中学校3組の六つの組み合わせを進めてきました。
そして、現在、中・後期の六つの組み合わせとして、1、中野神明・多田・新山小学校の統合、2、桃園・向台小学校の統合、3、大和・若宮小学校の統合、4、鷺宮・西中野小学校の統合、5、第三・第五・第十中学校の統合、6、第四・第八中学校の統合としています。これらのうち、中期計画は、小学校・中学校が幾つの組み合わせとなるのか、またどの組み合わせとなるのか、そして統合新校がどこに設置となるのか、大詰めの検討がなされているところと聞きます。
そこで、現在の学校再編計画の中期の検討状況と今後の計画日程についてお伺いします。
「中野区立小中学校再編計画」の4.未来を見据えた学校、(2)一貫教育の検討との項目があります。教育委員会は、一貫教育として小中連携教育を進めてきたものの、大きな効果が得られていない現状があります。この際、連携教育から小中一貫校として、一貫一体教育の検討を進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
中期の再編計画、特に中学校の再編については、こうした転換を踏まえ、これまで築き上げてきた中野区の教育財産を未来に生かしていく視点を加える必要があると考えます。また、これまで推進してきた特色ある学校づくりを生かすためにも、凍結されてきた学校選択制の導入も再編に至る道筋として必要ではないでしょうか。
一方、「中野区立小中学校再編計画」の2.中野区の学校の現状、(4)学校と地域社会との関係についての項には、「学校と地域社会との多岐にわたる密接な結びつきに触れ、この結びつきをさらに発展させるためにも、地域コミュニティの核としていくことが期待される」とあります。また、「学校が小規模になり過ぎると、保護者の数も減少し、子どもたちを核とした地域コミュニティにも影響が生じる」とあります。
私も、学校と地域との結びつきの重要性や小規模化による地域コミュニティへの影響については同感ですが、では、学校そのものがなくなってしまうとなれば、その影響は比ではないと考えます。学校の地域立地の視点に立って、この検討も大事な課題であると考えます。同一地域の小学校・中学校がすべてなくなるとなれば、その影響は甚大なものになります。この点をよく検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。
また、前期再編計画と中期再編計画が折り重なる組み合わせとなった場合、小学校で統廃合を経験した子どもたちが中学校でまた友達や先生、なれ親しんだ学校と別れを繰り返すケースが出てきます。
中野区の学校教育の将来を豊かなものにしていくためにも、以上指摘した課題や方向性を踏まえ、十分な時間をかけ、経験に学びつつ、中期の再編計画を策定すべきであると考えますが、御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、ごみ問題についてお伺いします。
家庭ごみの有料化について、先月の8月22日に区長の定例記者会見が行われました。広報の会見資料によると、区は、平成19年1月、第3期中野区廃棄物減量等推進審議会に『「家庭ごみ」と「事業系ごみ」の発生抑制と減量化、資源の再利用をするための具体的なしくみの考え方について』諮問し、本年8月に答申を受けました。
現在、区は平成16年度比で、平成27年までにごみ量を半減する目標を掲げていますが、ごみは減少しているものの、このペースでは半減は困難であるとの判断から諮問を行いました。答申を受け、また、今後のごみ量の動向を見定めながら、平成27年までに目標を達成すべく、ごみ減量のための具体的な方策の検討を進めていきますと、このようにあります。
「具体的な方策の検討を進める」との表現はありますが、しかし、この会見を受けた新聞各紙の表現は異なります。8月22日、日経新聞夕刊では、「家庭ごみ有料化へ 中野区23区で初」との見出し、翌23日朝刊では、「家庭ゴミ回収 中野区、23区初の有料化へ」、同23日、読売新聞朝刊では、「中野区ごみ有料化方針」との文字が躍ります。
日経新聞の記事の表現に対し、区は抗議を申し入れ、28日に再掲載されたと聞きますが、その見出しは「ゴミ有料化 4区が検討」、しかし、同記事内の専門家の意見として、「中野区が踏み切ることで、各区の区長の意識も変わっていくかもしれない」とコメントが付されています。
現状は、まだ何も決まっておらず、あくまでもこれからの検討というのが真意であると考えますが、もし区の真意がこの新聞記事のとおりであるとするならば、公明党として家庭ごみの有料化は時期尚早であると申し上げておきます。
理由としては多々ありますが、幾つか挙げます。
審議会も指摘しておりますが、まず不法投棄への対策が不十分です。不法投棄・不適切排出の対策を厳重にとらなければ、かえって混乱を招くおそれがあります。
また、収集方式として、だれが出したごみなのかとの排出者責任を明確にするには戸別収集が望ましいでしょうが、中野区は狭隘道路が多く、収集車が入れず阻まれる地域があります。また、ごみ出しをすることが困難な高齢者への配慮としての戸別収集がままならない現状では、より細かな配慮を検討する必要もあります。
加えて、狭隘道路に対応して小型車両での回収やごみの積みかえには、公道上では道路交通法に反するため、積みかえ場所の選定や確保も必要となってくることが挙げられます。
また、来月の10月から、中野区内全域で資源とごみの分け方・出し方が変わります。これらの周知徹底がいまだ不十分な時期に新聞報道を受け、区民の間で不安が生じています。
家庭ごみの有料化について、真意はどこにあるのか、定例記者会見の広報資料とは別に、記者とのやりとりでどのようなものがあったのか、お尋ねします。
次に、資源ごみである使用済みペットボトルについてお伺いします。
個別物品の特性に応じた「容器包装リサイクル法」は1995年に制定され、その後対象が拡大、市町村など自治体による分別収集と事業者によるリサイクルが実施されてきました。2000年には「循環型社会形成推進基本法」が制定され、リサイクルよりもごみそのものの量を減らす排出抑制(リデュース)を優先すべきであるとの意が盛り込まれたことなどを受け、2006年6月に「改正容器包装リサイクル法」が成立しました。
近年、使用済みペットボトルを取り巻く状況は目まぐるしく変化をしています。端的に言うと、お金を払って使用済みペットボトルの処分をしてもらっていた時代から、わずか数年で使用済みペットボトルが売れる時代となってきているということです。
しかし、問題はあります。原油高、資源高、投機マネーの動向等により使用済みペットボトルの相場が高騰し、容器包装リサイクル法の指定業者を使わずに、海外などに流出している使用済みペットボトルの量は、我が国全体の約半分とも言われています。国内の資源、そしてリサイクルシステムのあり方を見きわめていかなければなりません。
現在、再生処理事業者は、お金を払ってでも使用済みペットボトルを欲しています。2006年度の入札から、再商品化事業者が日本容器包装リサイクル協会に料金を支払うマイナス入札「有償入札」を認めています。この再商品化事業者が使用済みペットボトルを再商品化するために協会に支払ったお金は、自治体に拠出され始めました。さらに、本年2008年度から、再商品化にかかる費用の見込み額よりも実際にかかった費用が少なければ、その差額の半分ではありますが、自治体へ拠出されるという新しい仕組みも始まっています。
しかしながら、全国の自治体の半数以上が日本容器包装リサイクル協会を通さず、回収した使用済みペットボトルを自治体独自のルートで売買し、収益を上げている現状があります。
ちなみに、23区の現状を調査いたしました。調査に際しまして、区議会事務局の職員の方々には大変御苦労をおかけしました。この場をおかりいたしまして御礼を申し上げます。
さて、詳細分についてはさらなる調査が必要ですが、19年度実績で回収した使用済みペットボトルのすべてを協会の指定業者と契約している区は、わずかに3区のみ、指定事業者と他の事業者とともに契約している区は10区、すべて他の事業者と契約している区は10区でした。また、使用済みペットボトルの売却により、費用ではなく収益が発生している自治体は15区ありました。
中野区は、粉砕機によるものは他の事業者と契約をしており、その他はすべて指定事業者との契約となっています。
今後の方針についてもアンケートをとりました。主な意見として、「協会からの拠出金が始まるので20年度より指定業者へ変更する」や、「現状維持」、「拠出金の状況と市場価格を見ながら判断する」との意見、また、「使用済みペットボトルをアルミ缶や紙等の4素材と同じように、再商品化義務の対象外とすべき法改正を要望していく」との意見もありました。今後、使用済みペットボトルの市場価値が維持されれば、再商品化の義務から除外される可能性は大いにありえます。
さて、来月の10月から、中野区のすべてでペットボトルの回収事業が始まります。年間おおよそ1,000トンの使用済みペットボトルが回収され、仮に売却すれば、市場価格で見積もると数千万円になろうかと思われます。
単に売却すればいいとの提案ではありません。多くの自治体が独自ルートで契約する中、中野区は現状のまま、費用をかけてでも正規のルートでの契約をする必要があると考えるのであれば、区民への説明責任と他の自治体への警鐘も必要ではないかと考えますが、この状況を踏まえ、区の方針と今後の対応についてお伺いします。
最後に、私は本年の予算総括質疑で携帯電話の「レアメタルの回収方法」について質問させていただきましたが、その後の進捗状況をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、(仮称)区民活動センターについてお伺いします。
現行の「新しい中野をつくる10か年計画」から大きく計画を発展変更させ、区は(仮称)区民活動センターの開設へ向け、検討を重ねていると聞きます。地域コミュニティの形成や、地域の課題を解決するための話し合いなど、区民の多様な地域自治活動の拠点を設け、地域自治の推進を支えること。また、地域住民の意思に基づいて運営される仕組みをつくるとともに、区は地域の自主活動の企画と運営が円滑に行えるように、支援・調整の役割を担うとの計画には大いに賛同いたします。
そもそも、地域センター構想は、他の区に先駆け、中野区は発展拡充させてきました。公明党としても力強く取り組んできた施策です。しかしながら、中途の検討状況であるとはいえ、(仮称)区民活動センターについては、何点かの疑問を抱かざるを得ません。
そこで、幾つかの問題点について質問をいたします。
まず、(仮称)区民活動センターで働くこととなる事務局スタッフの採用権・人事権を中野区ではなく、地域を代表する町会等の団体からなる運営委員会の裁量にするとの案があると聞きます。幾人かの事務局スタッフを採用することになり、スタッフの人件費の総額が1,000万円規模との話もあるようです。また、施設の維持管理運営業務の采配を、運営委員会に託すとの案も検討されていると聞きます。さらに、区有施設である施設利用料の料金収受業務を事務局スタッフの業務とする案があると聞きます。これらの業務などをお願いすることになれば、町会などの地域の団体に多大な労力と混乱を強いる結果となると考えられます。
また、例えば運営委員会がまとまらず、(仮称)区民活動センターの開設が難しくなった場合、この場合はどのようにされるのでしょうか。運営委員会以外の第三者へ委託となれば、(仮称)区民活動センターごとに差が生じることになります。そうであれば、最初から区が一律に業務委託を検討するほうが地域による差がなくなり、明快になると考えます。この点について区のお考えをお伺いします。
私は、むしろ、(仮称)区民活動センターの運営委員会は、事務作業等にかかわらず、地域の課題に専念できる体制とし、その支えを区が事業者に委託するべきだと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
また、(仮称)区民活動センターの開設時期についても、住民票等の自動交付機の導入時期とすべきだとも考えますが、あわせてお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、高齢者施策として、初めに長寿(後期高齢者)健診についてお伺いします。
国において、長寿医療制度の再検討がなされるかとの動向がありますが、現行制度の前提で質問をさせていただきます。
75歳以上または65歳以上で一定の障害により長寿医療障害の認定を受けた方が対象の長寿(後期高齢者)健診については、東京都後期高齢者医療広域連合が保険者となりますが、同広域連合が行う基本健診項目に加え、それぞれの自治体が独自で実施する、いわゆる「上乗せ健診」を行っている自治体が多くあります。東京都においては、全体の83.9%の52団体が上乗せ健診を行っています。上乗せ健診を実施していない自治体は、16.1%の10団体しかありません。中野区は、基本健診項目しか実施していない、この10団体に含まれています。
高齢者の健康を守る上で、優先して健診に加えるべき項目としては、まず胸部X線、そして心電図、さらに貧血検査が必要であると考えます。我が中野区も、高齢者の方々の健康への安心を与えるために、「上乗せ健診」を実施すべきであると望みますが、いかがでしょうか、お伺いします。
あわせて、公明党より、高齢者のインフルエンザの予防接種の全額助成、また肺炎球菌ワクチンの助成を提案させていただいておりますが、重ねて要望させていただき、御見解をお伺いします。
次に、健康優良高齢者の顕彰についてお伺いします。
先日、90歳をお超えになる、ある御婦人にお会いしました。このおばあちゃんは、もう20年ぐらい病院にかかったことがないとおっしゃいました。言語も明瞭で、かくしゃくたるお姿でした。それは表彰ものですねと応じたのですが、本当に表彰してもいいんじゃないかと考えました。
ある年齢から一定期間、健康保険の療養の給付や療養費の支給を受けていない場合、何らかの形で顕彰してはどうかとの提案です。全国において、地方の自治体では幾つか該当する制度がありました。23区においては目黒区が実施をしております。
技術的な問題として、高齢者個人の給付等の特定が可能かどうか、自治体によっては世帯単位で掌握し、健康世帯・健康家族として表彰の対象としているところもあります。また、すべての健康保険組合を対象にすることは困難でしょうから、区が保険者である国民健康保険が主になると思われます。
しかし、ぜひ75歳以上、または一定の要件の65歳以上について、東京都後期高齢者医療広域連合が所管する対象者も加えていただきたいと考えますが、療養の給付や療養費の確認が可能かどうかとの問題も生じます。
金銭的な品物に重きを置くというものではなくても、表彰に重きを置くことにより、受賞の際に区長との健康長寿の秘訣についてお話を伺うというような和やかな懇談、またぜひ議長にも懇談をしていただき、その模様を区報等を通じて披露するなど考えられないでしょうか。制度の導入に向け、検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、老人クラブの運営費の助成についてお伺いします。
現在、区は、生きがい対策の中で、老人クラブ運営費の助成を行っています。助成金制度の内訳としては、老人クラブの会員数により助成金額は変わります。会員100人以下の場合は1団体へ年23万1,600円の助成、101人から150人までの場合は25万800円、151人から200人以下の場合は27万円となっています。201人の以上の場合、現在これに該当する団体がないため、規定はないとのこと、したがって、人数の区分により3段階の助成制度となっています。
この現行制度についてお伺いします。
この制度では、100人をわずかに超えて百数人の団体への助成と、151人にわずかに満たない団体への助成が同じ金額になってしまいます。老人クラブ運営費の助成制度を、100人までの基本額を設定し、そこからは人単価で助成を行っていく制度へと改める必要があると考えます。そうすることにより、懸命に活動されている団体や高齢者の方々への支援策へとつながると考えるからです。新たな助成制度の導入について御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、貸付制度等の生活援助についてお伺いします。
本年、中野区は、福祉資金をより使いやすくするため、制度の見直し・改善を行い、従前あった生業資金、奨学金、高齢者及び障害者等入院資金、女性福祉資金、そして応急資金を、自立生活資金を主たる柱として整理統廃合を行いました。新しい自立生活資金の案内には、借りることができる場合として、限定的に五つ挙げられています。
しかし、中野区自立生活資金貸付条例の第2条の1項の(エ)には、貸付要件として、「区長が相当と認める理由」とあります。区長が相当と認めた事例は、もう10年以上も前とのこと、また、貸し付け自体の実績についても、災害時の応急資金で3年前、生業資金については5年前に貸し付けた以後、ありません。
この間、返済の審査に見合う方がいなかったのか、運用面が限定的であったのかはわかりませんが、少なくとも貸し付けを望む方はいます。折しも、現在は急激な物価高です。生活を立て直そうとする方々へ、漏れのない支援が必要と考えます。「区長が相当と認める理由」の具体化や要件緩和を図るべきです。御見解をお伺いします。
また、以前よりはよくなったと感じますが、資金貸し付けや生活保護などの一体となった生活応援の窓口がより相談しやすい体制となることも望みます。
一方、貸し付ければ当然に返済が生じます。また、回収の難しい場合も考えられます。そこで、未収金対策についてお伺いします。
福祉資金の未収金対策の担当として、4人の職員の方が対応されていると伺いました。御苦労に対して敬意を表します。税や保険料の民間回収については、地方自治法243条(私人の公金取扱いの制限)があり、さまざまな制約が存在しますが、貸付金については平成11年に施行された債権管理回収業に関する特別措置法、同施行令により、民間への委託が可能となっています。ちなみに、杉並区では奨学金の未収金対策として民間委託がなされています。
貸付金の未収金対策として、民間委託を検討してはどうかと考えますが、御見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、一時保育等の子育て支援策についてお伺いします。
本年の夏から、学童緊急一時保育事業がスタートしました。これまで乳幼児を対象とした緊急一時保育事業を、小学3年生までの学童に対象を拡大したものです。平時、家庭で子育てをされている親御さんが入院等の理由で一時保育を希望する声が多かったこと、また、特に要望の多かった長期休みに実施したことは大いに賛同いたします。
しかしながら、この対象には障害児の受け入れは入っていません。一時保育を望む声は、障害を抱えるお子さんを育てられている親御さんのお話を伺うにつけ、むしろ待望する声が強いのではないかとさえ感じます。学童緊急一時保育に限らず、障害児も対象とした一時保育の実施に向け、検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
また、現在の一時保育事業は、専用の一時保育室を持つ保育園以外は、園の空き状況によって受け入れを行うこととなっています。園に空きがあれば一時保育を受け入れるというのではなく、一定の受け入れを確保できる体制の検討や、また、障害児の受け入れとなれば人員の確保も課題となってきます。状況の異なる子育て家庭にも対応できる一時保育の推進のためには、人件費の補助の検討や、多岐にわたる保育事業を包括的に行う施設には事業に応じて補助をする必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
さらに、平時の障害児を受け入れた私立の保育園には区から補助があり、私立の幼稚園には都からのみ補助があると聞きます。この補助は、障害児の在園期間時に応じてのみ支給されていますが、年間を通じての補助とすることや、補助の増額、また私立の幼稚園には新設として、安定的な人材の確保を図るための補助を検討すべきであると考えますが、お伺いし、以上ですべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えいたします。
まず、家庭ごみの有料化についての御質問であります。
ごみ発生抑制や減量のためには、家庭ごみの有料化は効果的な施策と考えているところであります。こうした考えに基づいて、廃棄物減量等推進審議会にごみの有料化についてを含む諮問をし、その具体的な方策等を含む答申があったところであります。この答申を踏まえまして、区としてはこうした施策の実現に向けて検討準備を進めていく必要があると認識をしているところであります。
しかしながら、集合住宅や若年の単身者世帯が多いなど、中野区には中野区の特性というものがあるわけでありまして、区の特性を十分考慮し、区民の理解が得られるよう議会とも御相談をさせていただきながら取り組まなければならない課題であると認識をしているところであります。
記者会見でのやりとりについての御質問もありましたが、記者会見では、今申し上げましたような認識についてお話をしたところであります。有料化に向けての区の姿勢でありますとか、取り組まなければならない課題、隣接区との関係などについてやりとりがあったと記憶をしているところであります。
それから、ペットボトルの独自ルートでの売却についての御質問がありました。
容器包装リサイクル法では、容器包装や中身の商品を生産した事業者とか販売者が再商品化に要する経費を負担するという仕組みを規定しているわけであります。区といたしましては、社会状況、経済状況、さまざまに変化がこれからもしていく中で、継続して生産者に安定的にその責任を着実に果たしてもらうということが、リサイクルの定着を進める上で大事だと考えているところであります。そうした立場から、事業者責任を規定した、容器包装リサイクル法に基づく再資源化ルートが望ましいと考えているところであります。
それから、希少金属等のリサイクルについての御質問がありました。
この希少金属は、地上資源とも言われているわけでありまして、大変貴重な資源となっているわけであります。東京都は、希少金属等の資源リサイクル促進に向けて携帯電話の回収ボックスを都の施設や大学のキャンパスなどに設置をしているところであります。区といたしましては、現在こうした方策の効果を見定めながら、貴重な資源であるレアメタルが着実に循環利用できるような方策が今後進めていけるのかどうか、検討しているところということであります。
それから、(仮称)区民活動センターの委託方法についての御質問がありました。
(仮称)区民活動センターへの転換は、一斉に行うことを想定しているところであります。既に受託のための体制、運営委員会の設立に向けての体制がかなり進んできた地域もあるところであります。また、そうではない、なかなか進んでいないといったような地域もあるというような認識も持っております。進んできた地域の動きに水を差さないように、またなかなか進んでこないといったようなところへの配慮ということも慎重にしていかなければならないと、こう思っております。
少なくとも、開設時期までに運営委員会の設立が難しいという地域が生じないように、現在は十分説明を行い、理解が得られるよう努力をしてまいりたいと思っております。仮に、そうした設立がどうしてもというような事例があり得るというような場合についての対応も、今後検討しなければならないと考えているところであります。
事務作業の業務の委託についての御質問もありました。(仮称)区民活動センターの運営を運営委員会に委ねるという目的は、区民みずからが地域を拠点として行動しながら地域自治を推進していくことにあるわけであります。運営にかかわる業務につきましても、地域の皆さんが自治的に取り組み推進をしていくことで、地域活動のさまざまな可能性が広がっていくものと考えているところであります。
それから、(仮称)区民活動センターの開設時期についてであります。この開設時期は、窓口サービスの(仮称)地域事務所への集約とあわせて行う考え方であります。住民票等の業務とのかかわりにつきまして、区民サービスが低下したり、混乱がないよう配慮をしていかなければならないというふうに考え、検討を進めているところであります。
私からは以上であります。そのほかは、それぞれ担当の部長等からお答えをいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編計画につきましてお答えいたします。
中期以降の学校再編計画の検討状況と今後の見通しということ、また、計画の策定に当たっては、同一地域から学校がなくなるとか、それから小学校で経験した子どもたちが中学校でも経験するケースがあるから考えたらどうかというような、さまざまなことにつきまして検討すべきではないかということについてお答えいたします。
学校再編計画の改定につきましては、現在検討中でございまして、できる限り早い時期に案を示したいと考えております。計画の改定に当たりましては、さまざまな点について総合的に判断してまいりたいと考えております。
また、小中一貫校、それから学校選択制について、どう考えるかということでございます。
小学校から中学校への接続の中であらわれる生活面や学習面の課題を解消するという視点から、9年間を通して系統的な教育活動を実現する小中連携教育をすべての区立小・中学校で行うことが重要であるというふうに考えております。中野区の実態に合った連携教育のあり方を検討しているところでございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 後期高齢者健診の項目についての御質問にまずお答えいたします。
後期高齢者健診につきましては、広域連合からの委託を受けて実施しているものでございまして、国の特定健診の基準どおりの健診項目となっております。健診項目をふやす場合には、区の財源で行うことになります。この健診項目につきましては、十分検討した上で、区独自に対応すべきことがあるか検討していきたいと思います。
次に、健康優良高齢者の顕彰についての御質問でございます。
健康保険制度の趣旨から見て、受診しないことを奨励するというよりは、日ごろの健康づくりと必要に応じた積極的な受診によって健康を守ることが大切だと思いますので、医療保険を使わなかったということによる顕彰は考えていないところでございます。
次に、貸付制度についての御質問にお答えいたします。
まず、資金貸付の取り扱いについての御質問でございます。貸付相談につきましては、相談内容に応じて適切に対応しているところでございます。貸付要件の取り扱いにつきましても、その方の状況を丁寧に伺い、条件が整えば貸し付けを行っているところでございます。
また、次に貸付の窓口、相談の窓口を一元化するということについての御質問でございます。生活援護の窓口につきましては、生活安定応援事業の実施にあわせて、総合的な案内機能を強化したところでございます。生活相談と貸付相談につきましては、さらに窓口の総合化を図るようにしていきたいと考えております。
次に、貸付金の償還業務の委託に関する御質問がございました。償還業務について、民間委託できるものについては委託を検討したいと考えております。個人情報の保護の対応、委託できる範囲など、具体的な方法について調査を行いたいと考えます。
〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 高齢者インフルエンザ予防接種の助成の増額についてお答えします。
高齢者のインフルエンザ予防接種については、中野区では65歳以上の生活保護受給者は無料、他の65歳以上の対象者には接種費用の約半額、2,200円を実費負担していただいております。2,200円という料金は、東京都、東京都医師会、特別区との三者の三者協議会で協議し、比較的安価で受けやすい金額として設定したものでございます。自己負担のあり方につきましては、今後この三者協議会の協議の状況を見てまいりたいと考えております。
また、今後、インフルエンザ予防接種の接種率の向上のために、予防接種の効果の普及啓発や接種勧奨にさらに取り組んでいくつもりでございます。
次に、肺炎球菌ワクチン予防接種の助成についての御質問でございますが、肺炎球菌ワクチンは厚生科学研究の中で安全性、経済的有効性などについて研究が行われており、国の予防接種あり方検討会でもこれらの検証を確認してから導入の方向を検討するとしております。中野区におきましても、このような検討の推移を見守りたいと考えております。
以上でございます。
〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 老人クラブの助成の仕組みについてお答えいたします。
老人クラブ活動の支援については、必要と考えているところです。区としては、活動や成果に着目した支援のあり方を考えていきたいと思います。
以上です。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 一時保育等の子育て支援策についてお答えをいたします。
保育園の空き状況に左右されない一時保育事業につきましては、その必要性を認識しております。こうした状況を改善するため、今年度新たに開園した私立陽だまりの丘保育園において、9月より専門の保育室を確保して一時保育事業を開始しております。今後も、新たに開園する民間保育園等では専用の一時保育室を整備し、この事業を行えるよう区として支援をしていく考えでございます。
また、一時保育事業への障害のあるお子さんの受け入れでございます。この障害のあるお子さんの受け入れにつきましては、新たな職員の配置、施設の改修等が必要な場合がございまして、現時点では一時保育等を実施している保育園での受け入れは困難な状況でございます。また、現在療育センターアポロ園で障害のあるお子さんの緊急一時保護を実施しております。今後、建てかえを予定しておりますこのアポロ園などで事業の拡充ができないか、検討してまいりたいというふうに考えております。
また、一時保育事業の包括的な運営というお尋ねでございました。さまざまな需要に対応していくというような必要もございますが、今後、子育て家庭を支援するための拠点としてすこやか福祉センター、仮称でございますが--を整備していく予定でございます。こうした施設を活用しながら、私立の保育園とともに一時保育事業の拡充を図っていく考えでございます。
最後に、障害のある子どもを受け入れた保育園、幼稚園に対する補助でございます。障害のあるお子さんを受け入れた保育園に対する補助につきましては、障害児対応のために要する経費を補助しているということでございまして、在園しない期間に対して補助することは制度の趣旨が異なるというふうに考えておりまして、年間を通しての補助は考えてございません。
また、私立幼稚園に対する区の補助でございますが、幼稚園における受け入れの状況を踏まえまして、今後設置をされる予定でございます認定こども園も対象とすることも含めまして、検討していきたいというふうに考えております。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) それでは、2点ほど再質問をさせていただきたいと思います。
まず、連携教育についての検討というお話がありました。10か年計画では、既にステップ2の段階でモデル校が一つある、このような想定になっています。まさか体力向上プログラムだけということではないと思いますが、では、実際どのような検討をなさって、さらに10か年の中で進捗状況をお伺いしたいと思います。
さらに、そもそもの再編計画についてお伺いします。
先ほど、十分な時間をかけ、あえて経験に学びつつとお話をさせていただいたんですが、そもそも前期計画の再編、これについての検証はなれさているんでしょうか。少なくとも議会、また文教委員会でそのような報告があったとはお伺いしておりません。教育委員会の中でその前期計画についての検証をなさっているのか、であるならば、ぜひ議会への報告が必要だと思いますが、あえてその検討状況を教えていただければと思います。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小中連携教育につきましては、いろいろな連携のあり方があると思いますけれども、そのありようを学校がそのまま、小・中があったまま連携していくのか、あるいは一貫校でやるのかというようなことも含めまして、ありようについて検討しております。
その内容につきましては、なるべく早く、今年度中にはまとめて報告もしたいと思いますし、そうした中で、これからの中野区として、先ほど私が申し上げましたように小・中の連携したありようという、プログラムでありますとか、あるいは学校同士の連携でありますとか、教師同士の連携、さまざまなものにつきましてあるべき姿を踏まえた上で推進してまいりたいと、このように考えておりますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。
それから、前期計画の検証ということでございますけども、これにつきましても内容につきまして検証しております。今まで統合してまいりました学校についての結果でありますとか、効果でありますとか、そのようなことにつきましては調査等を行っておりまして、まとめていきたいというふうに考えております。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 時間の都合もありますので、1点だけ。検証なされているというのであれば、いつ議会へ、また委員会のほうへ御報告なさるんでしょうか。中・後期が決まってからでは、前期の検証とはなりません。その具体的なスケジュール等を教えていただければと思います。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 時期的なものにつきましては、今、この場でいつということはなかなか申し上げにくいんですけれども、なるべく早くまとめまして御報告したいと思います。
○議長(市川みのる) 以上で白井秀史議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時28分休憩
午後2時50分開議
○議長(市川みのる) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢と2007年度決算について
2 「区立小中学校再編計画」を中止し再検討することについて
3 認可保育所を増設し待機児をなくすことについて
4 環6(山手通り)の環境問題について
5 その他
○議長(市川みのる) 来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) 2008年第3回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して質問します。
まず、区長の政治姿勢と07年度決算に関連し、後期高齢者医療制度を廃止することなど、6項目を柱にお聞きします。
昨年8月のサブプライムローン破綻をもとに発生した金融混乱は、ついにアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザーズが破綻する事態となり、混乱はさらに大きく深刻なものとなっています。投機マネーによる物価高騰は、生活危機、食糧危機、資源危機となって、世界全体の国民を苦しめています。今、まさに、小泉・安倍・福田内閣と引き継がれた構造改革の破綻は明らかであり、「資本主義という社会制度の是非が問われる」状況が生まれています。
連日報道されている輸入汚染米問題。基準値を超える残留農薬やカビ毒米が、酒、菓子、おにぎり、給食にまで使用されていた事件です。本来、輸入は義務のないものです。国産米で需要は賄えるのに、アメリカへの配慮から大量の米を輸入したことにあります。構造改革と規制緩和の政治では、国民の食の安全は守れないと言わざるを得ません。
毎年3万人以上の自殺者、若者を非正規雇用でモノ扱い・使い捨てにし、年収200万円以下の給与所得者は1,000万人を超え、区内の若者・20~30代の55%が年収100万円台となっているのです。
この間、日本共産党議員団は、区長に構造改革と政治のあり方について問うてきました。これに対し、区長は、貧困や格差を固定化させないため、日本経済を立て直すために構造改革に取り組んで、その成果がようやくあらわれていると答弁されています。
そこで、お聞きします。世界と日本経済の深刻さ、貧困と格差の拡大、食の安全、区民生活の実態などに照らして、区長は弱者切り捨ての構造改革の成果は今日においても上がっているとの認識でしょうか。見解をお聞きします。
07年度決算は、特別区民税が定率減税の全廃等によって19億9,000万円の増となりました。区民への負担はこの年度だけではなく、この前々年から老年者控除の廃止と公的年金等控除引き下げが強行されており、前年度に非課税から新たに課税対象となった約8,800人など、区民は07年度以前から負担に次ぐ負担が負わされてきたのです。
子育て世代にとっても、この年度から区立幼稚園の保育料の値上げが行われました。特別区民税の区民1人当たりの負担増は、05年と比較して1万4,000円の増、1世帯当たりで2万2,000円ふえました。一方、収納率は前年より0.2ポイント低下し91.4%となるなど、区民負担は限界に来ていると言わざるを得ません。
日本共産党議員団は、少なくとも増税で増収となるその一部でも、困窮する区民の暮らしを支えるために、介護保険料の負担軽減や区独自のヘルパー派遣、青年の就労支援と家賃補助をすることなどを提案いたしました。しかし、区として新たな痛み和らげの手だてはとられませんでした。一方で、区民の願いに背を向け、中野駅周辺整備警大跡地の道路と公園用地の取得のために約132億円を投入し、私たちがこれまで指摘してきたとおり、今回発表となった「警察大学校等跡地まちづくり建築基本計画案」からも大規模再開発となったことは明白です。さらに、この07年度の積立基金は、前年度に比べ89億円もふやし、約364億円となったことがその特徴です。一言で言うならば、いよいよ大規模開発に乗り出す“助走"の1年となったといえるのではないでしょうか。
今、国民は、政治の争点として税金の使い方、取り方に高い関心を寄せています。私たちは、最大のむだは年間5兆円もの軍事費と、条約上で出す義務のないアメリカ駐留軍への「思いやり予算」2,500億円を削減すること、あわせて大企業・資産家への行き過ぎた減税をもとに戻すことで生み出す7兆円の財源を提案しています。ところが、自民・公明・民主党も、財源といえば消費税の増税を持ち出します。麻生太郎自民党新総裁は、2011年から毎年1%ずつ消費税を増税し、15年までに10%前後までに引き上げる姿勢を示しました。消費税こそ低所得者に最も重くのしかかる福祉破壊税です。国民の増税への批判も大きくなっています。
毎年、自・公政権のもとで社会保障費が削減されてきたことから、医療・介護が立ち行かないと、日本医師会も「社会保障費2,200億円の削減と断固戦う」と宣言しました。さらに、原油高騰と農産物自給率低下のもと、漁業・農業関係者も、営業と農政の転換を求めて立ち上がるなど、税金の使い方への怒りが広がっています。
区長は、むだを削り財源を生み出す政治はどうあるべきとお考えでしょうか。区政運営においても、家計に軸足を置いて、健康で文化的な生活を保障することが自治体の長としての役割であり、そのことが区民の願いです。見解を伺います。
次に、後期高齢者医療制度を廃止することについてお聞きします。
制度への国民・区民の怒りは、時がたつほど広がっています。75歳という年齢を重ねただけで別枠の医療制度に囲い込まれ、保険料でも医療でも差別を押しつけられるからです。こんな冷酷な制度は世界のどこにもありません。
4月、年金の天引きが始まると、全国で怒りが沸騰しました。政府・与党も「手直し」を余儀なくされ、その説明のために金額が判明したものだけでも8億2,000万円以上もの税金を投入しました。政府が巨費を投じて宣伝を繰り返さなければならないほど、この制度は国民が求める「安心な医療」とかけ離れているということではありませんか。
この10月15日には、4回目の年金からの天引きが行われます。中野区でも健保組合に加入するサラリーマンなどに扶養されている75歳以上の方が新たな対象になります。後期高齢者医療制度の問題で、中野区役所の窓口に直接あるいは電話での問い合わせや怒りの声を寄せられた数は1万件以上。地域センターにも地域の方々が声を持ち込んでいます。怒りを越えて、悲しい、情けない、とまで声を震わせる高齢者の方々。戦前・戦後を苦労して生き抜いてこられた方々が、あの暑い夏のさなかに区役所窓口に来られ、訴えられる生の声を、区長はどのように聞き、どのように受けとめられたのか、お答えください。
後期高齢者医療制度の廃止法案が参議院では可決されています。国民、区民の願いは、「こんな制度はやめてほしい」「廃止するしかない」、この1点です。20日、厚労相も、年齢で差別をする現制度にかわる新しい制度をつくると語るなど、現制度の根幹的な誤りを政府自身が認める新しい事態となりました。
日本共産党の岩永議員が、「医療費削減を目的として高齢者だけ別立てにする制度は廃止することを求めるべきだ」と区長に求めたことに対し、「改善すべき点は改善した上で、安定した医療制度を持続させていくこと」と答弁されましたが、現制度ではいくら改善・手直しをしても国民・区民にとって安心の制度とはなり得ないということではありませんか。今日の新たな状況を踏まえ、本制度に対する区長の見解を伺います。
次に、区民健康診断について伺います。
区民健康診断も、制度変更によって、35歳以上が健康づくり健診、40歳以上が特定健診、75歳以上が後期高齢者健診となりました。
今回、健診を受診した高齢者からの「500円の負担があるのに胸部レントゲンも心電図もない健診なんかとんでもない」という声がたくさんあります。これまで中野区は、70歳以上の方々の健診は無料でした。これまで有料だった他区の中でも、制度変更を機に高齢者への負担を軽減するために無料としたため、中野区だけが有料化となっているものです。東京日の出町では、来年4月から75歳以上の医療費と人間ドック検査料まで無料化するといいます。
高齢になればなるほど病気になりがちです。早期発見、早期治療にこそ本制度の趣旨があります。費用の負担なく、これまでと同じように70歳以上の方々が安心して健康診断を受診できるように、無料にすべきです。お答えください。
健診項目でも、75歳以上の後期高齢者健診には差別が持ち込まれています。健診項目に心電図、胸部レントゲン、尿酸などの血液検査を項目に入れるとともに、眼底検査も特定健診、後期高齢者健診でも実施すべきです。答弁を求めます。
次に、非正規雇用をなくし、若者に夢が持てるようにすることについてお聞きします。
労働のルールが壊され、派遣や請負、契約社員など低賃金の不安定雇用が広がり、働く人の3人に1人、若者や女性の2人に1人が非正規の労働者になっています。多くの人が、「明日の仕事もわからない」、「結婚もできない」という不安定な状態にあるといえます。財界・大企業の目先のもうけのために、政府が労働法制の規制緩和を続けてきたからです。特に1999年の労働者派遣法の大改悪によって、例外だった派遣労働が原則自由化され、雇用破壊が急速に広がったことです。
このような状態が放置されれば、中野区のこれからの将来を支えるべき基盤が失われていくことになりかねません。雇用のあり方を、雇用・労災保険等の社会保険と年金・医療制度が確保されるよう、改悪以前の労働法制に戻す抜本改正こそ急ぐべきと考えます。見解をお聞きします。
同時に、自治体に働く臨時職員の改善も必要です。中野区の労働条件は、社会保険・雇用保険はあるものの、時給は一般事務の23区平均が879円に対し830円、保育士は968円に対し920円と、低く抑えられています。ここでの労働条件の改善向上を求めます。同時に私たちは、若者の積極的な雇用を行い、職場の活性化と技能の継承を計画的に進めることを提案してきました。正規職員の新規雇用をふやすことを求めるものです。あわせてお答えください。
さらに、若者が多く住む中野区、人口の5人に1人が青年です。新宿区では、民間賃貸住宅家賃助成で区内への若者世代の定住化を促進しています。学生・勤労者向けで月額1万円、最長3年間。ファミリー世帯で月額3万円、最長5年間です。昨年は、募集に対し、倍率は3から6倍と大変好評です。中野区においても、まず18歳から29歳の学生及び勤労単身者に対し家賃助成の実施を行い、若者支援に乗り出してはいかがでしょうか。お答えください。
原油・原材料価格の高騰から暮らしを守ることについて伺います。
まず、中小業者への支援についてお聞きします。
原油・原材料高騰の悪影響は全業種に及び、業者の営業は深刻な状況にあります。政府のセーフティネット保障対策も実施されていますが、業種が運送業や建設業等に限定されているため、窓口への申請も土木と運送業が中心になっています。
中野区の経営支援特別資金の利用も、既に8月末で350件となっており、今年度から受付期間も長くなったこととあわせ、営業経営環境も厳しくなっていることから利用者は増加しています。この融資制度は、景気低迷により経営に支障を来していることが条件です。
同旨の融資で、中央区、練馬区では本人負担の利率を0.1%とし、江東区でも0.2%です。ところが、中野区は本人負担分の利率を0.4%としていたのを、07年度になって0.5%に引き上げています。景気低迷の中だからこそ、区内の事業者が継続して営業、経営ができるよう、本人負担率を引き下げるべきではありませんか。答弁を求めます。
中野区に対し、クリーニング生活衛生同業組合から「原油高騰に伴う補助金交付に関する陳情書」が提出されました。既に渋谷区では、クリーニング業者への支援として1店舗当たり年額20万円を助成します。
中野区は、原油・原材料費の高騰が中小業者を直撃している現状と実態を把握するとともに、例えば住民税の納税猶予・分納などの要望に真摯に対応すること、国保料、介護保険料の減免・猶予すること、また、都の制度融資借入先への返済凍結を求めるとともに、区融資について返済猶予などの対策を検討するとともに、相談窓口を開設するなど、個別・具体的な支援の対策を検討することを求め、答弁を求めます。
次に、学校・保育園給食への影響に対する対応についてお聞きします。
食料品を中心とした物価の値上がりにより、小・中学校及び保育園の給食に大きな影響が及んでいます。食材費の値上げを理由に、給食費の値上げを行った区市も出ています。現場ではさまざまな工夫と努力がされていますが、「食材選定に関し価格を最優先、質の低下はやむを得ない」、「国産小麦粉の使用をやめた」など、質や安全が二の次になりかねない事態も懸念されます。食育を推進するためにも、できるだけ国産の食材を使用したい。しかし、国産の食材は価格が割高との悩みも聞かれます。
そんな中、中央区は補正予算3,700万円を組み、給食食材費に投入を決めました。これ以上の安い食材のやりくりは、メニューの固定化と食育の推進に反する事態になりかねないとの判断からと聞きます。足立区も同様の対応を決めました。ほかに6区と2市で食材費への補助について、9月または12月議会に補正予算が予定されています。現場からは、せめて安全な米を直接まとめて学校・保育園に区から支援してほしいとの声が寄せられています。杉並区、狛江市では農産物の現物支給・支援も検討されています。
日本共産党の都議会議員団は、都知事に対し、給食費の保護者負担を抑え、給食の質を確保できるよう、区市町村に給食食材の補助を行うことを要求しています。現物での支給をはじめ、給食費の値上げで保護者負担とならないよう、区としての対応を強く求め、答弁を求めます。
ここまで提案してきたものは、いずれも緊急・切迫した区民の要望であり、07年度積み増しした基金の一部を回すことで実現可能なものです。このことを申し上げ、次の質問に入ります。
「区立小中学校再編計画」を中止し、再検討することについてお聞きします。
中野区は、2005年度から5年ごとに前期、中期、後期の3期に分けて、区立小・中学校の統廃合を進めてきました。来年度がこの5年ごとの改定年に当たることから、教育委員会は再編計画の改定作業に着手しました。
桃園第三、仲町、桃丘小に始まった統廃合計画は、来春が東中野、中野昭和小学校と続きます。中学校は、第六中と第十一中が統合され、中野富士見中と第一中が来春統廃合となります。廃校となった学校、されようとしている学校は、これまで地域で培われ、引き継がれた学校の歴史を地域から消し去られることになります。
この間、仲町小、中野富士見中、東中野小の保護者・地域から少なからぬ「学校を残して」の切実な声がどれだけ寄せられたことか。仲町小から統合の桃花小に通う保護者からは、大きな学校、30人超のクラスとなり、子どもが落ちつかない状態が続き、「仲町小がよかった」と子どもが言うなどの悩みが語られています。また、地域のお祭りでみこしをかつぐ子ども集団が崩れてしまったとの町会役員の嘆く声も聞かれます。
前期計画の最後となる丸山、野方、沼袋小学校の場合でも、統廃合の場所、時期に大きな変更が生じたこと、沼袋小学校に設置している情緒の障害学級も、当初の計画では野方小学校に設置することになっていたものを、この学級だけを沼袋小学校に残すなどの重大な変更が行われようとしていることに、「新校が建つまで統合するのを見合わせるべきだ」との意見が強く出されています。
9月18日の教育委員会に区教委により提供された「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等について」の外部評価結果の中でも、「保護者との間で合意形成がうまくいっているとは言えない」との指摘があります。前期計画強行の中でわき出た「学校を残して」の要求。さらに前期計画で起きているさまざまな矛盾からも、「再編計画」そのものに問題があったということではありませんか。見解を求めます。
中野区において学校統廃合、再編については、「区立学校適正化規模適正配置審議会」の設置に始まり、2年数カ月に及ぶ審議を経て、「小規模校を統廃合し望ましい学校規模を確保しなければならない緊急性は見当たらない」との結論を得ていたものです。
当時の文部省も「小規模校には教職員と児童・生徒の人間的ふれあいや個別指導の面で小規模としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模校として存置し充実するほうが好ましい場合もある」との通達を出しているのです。さらに通達は、住民合意について、「学校規模を重視するあまり、無理な学校統合を行い、地域住民等との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない」、「学校統合を計画する場合には、学校のもつ地域的意義等をも考えて、十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう努力すること」としているのです。
中野区教育委員会では、さきに紹介した審議会答申を根拠なく否定し、「全体として白紙から考えるべきである」として、05年小中学校「再編計画」を決定したのです。もともと学校の統廃合は、子どもたちや保護者、地域、学校から要望したものではなく、中野区の財政難を理由とした「10か年計画」の一貫の施策で進めたもので、教育的検証はされていないのです。「再編計画」が1学級の児童数を40人とする40人学級を前提条件としていることにもあらわれています。40人学級に固執しているのは、全国で東京都だけです。
中野区内の学校を30人学級にすることで、小学校で62学級、中学校で27学級がふえることになるのです。教育委員会が今やるべきことは、何より少人数学級、30人学級の実現を早急に図ることではありませんか。そして、中学校PTA連合会などから出されている67項目の施設改善要求に着手することです。学校統廃合について、中央教育審議会も来年6月ごろに報告を出し、09年には新たな通達が出されることにもなるといいます。
まず、これらの情勢を踏まえること、既に中・後期再編計画の対象校に挙げられている第三中学校関係地域からは、区長・教育長に対し「学校を残せ」の陳情が町会長をはじめ地域から提出されています。教育委員会と中野区には、これらにどうこたえるのかが問われています。中野区教育委員会と中野区は、「小中学校再編計画」を中止し、保護者、学校、住民の参加のもとに抜本的に再検討をすべきです。見解を求めます。
次に、認可保育園を増設し待機児をなくすことについて伺います。
保育を必要と認められながら認可保育園に入れないでいる子ども、保育所待機児は、0歳児から2歳児までの合計で218名にもなりました。新入園を迎える4月1日で見ても、0、1、2歳で06年までは50人から80人台であった待機児が、07年から180人台へと倍増したのが特徴です。4月1日に入所できなかった保護者の不安と怒りは大きく、区政そのものへの不信の声となっています。
3月に廃園となった東中野保育園、住吉保育園へ通園可能な地域で待機している数は、07年4月で東中野12名、中央17名、本町13名と、3町合計で42名にもなり、廃園した東中野保育園の定員規模数が待機児となっています。
中野区は、41園あった区立園を27園まで廃園し、公的責任を放棄し、もっぱら民営化と認証保育所、家庭福祉員などの民間頼みが、待機児増の結果となっているのではありませんか。見解を求めます。
計画の中身はどうか。区立園の東中野、住吉の廃園に続き、南江古田、野方保育園の廃園、そして区立園の建てかえに伴う民営化です。新たな認証保育所の誘導や認定こども園に期待するなど、ここでも民間頼みで、待機児を解消するための中野区としての抜本的なみずからの施策を持ち得ていません。
区が頼みにしている東中野駅前の日本閣超高層マンションの認証保育所も9月にオープンしました。待機児の保護者からは、保育料が高くてとても無理との声が寄せられています。30人の定員ながら、6人の入所にとどまっています。
「新しい中野をつくる10か年計画」の成果指標の数値目標では、来年の09年度には待機児率をゼロにすることになっていますが、目標達成の見通しと数値目標設定の根拠、未達成となる待機児率についてお答えください。
東京都も、都全体としての待機児が激増しているために、その対策に乗り出しています。その一つとして、都有地を認可園設置に積極的に提供することを明言しています。
中野区は、児童福祉法第24条「児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない」、この立場で「10か年計画」待機児対策を見直すべきです。区立園廃止と民間頼みの保育行政をきちんと転換し、施策として認可保育所の建設を位置付けて、待機児の解消を図るべきではありませんか。答弁を求めます。
待機児解消の一つとしている認定こども園は、区立みずのとう、やよい幼稚園が2010年4月から民間事業者によって開園となります。幼稚園と保育園の機能を持つとされています。ここでも、月々の幼稚園の保育料は事業者が設定することになっています。現在の区立幼稚園の保育料は、月額9,900円、入園料は2,400円となっています。配布された保護者への案内では、認定こども園となる、みずのとう幼稚園が月2万6,000円程度、教材費、給食費、設備費などを加えて、月額3万9,000円程度になります。やよい幼稚園が月額別途費用を入れて3万3,000円程度とされており、二つの園で月額7,000円もの違いが生まれることになります。さらに、幼稚園児が保育園的機能を利用する場合は、別途保育料を支払うことになります。
そこで、お聞きします。入園料はいくらになるのか、毎月の保育料でどのくらいになるのか、区立園との違いはどのくらいになると予測されるのか、幼稚園利用、保育園利用のモデルでお答えください。少なくとも区立園の負担を超えないようにすべきではありませんか。区としての新たな保護者補助を検討しているのか、お答えください。
次に、環6(山手通り)の環境対策についてお聞きします。
中央環状新宿線、山手トンネルが昨年12月に一部開通し、1日平均約3万5,000台が地下トンネルを走行しています。地下トンネルの車の排気ガス除去は、換気所において二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)ともに、1日の管理目標値としていた80~90%台の除去率をクリアしていると首都高は発表・公表しています。
中野区も、独自に環6の二酸化窒素汚染状況調査、交通量・騒音・振動調査を実施してきました。NO2調査は、20年前から山手通り換気所を中心に沿道及び後背地の12カ所を特定し、年2回実施してきたところです。地下トンネル開通後となる1月の測定では、昨年1月との比較で、全体的な濃度は下がったが、沿道から50メートルの後背地点で55ppmの高い濃度が測定される結果が出ています。
全面開通後には、地下、地上で8万台の車の走行が予測されるだけに、区としても独自の環境調査は重要なものとなります。住民団体が環6を中心に実施している年2回のNO2簡易測定は、本町60カ所、東中野65カ所、新宿150カ所で測定を実施しており、中野区の測定データとも照合して取り組まれてきているものです。
中野区は、この調査を環境調査に対応する職員減から、外部委託で実施してきました。ところが、今年度から予算が計上されず、調査を中止し、12カ所の測定採取器も撤去しました。この調査費用は、07年度決算で執行額は26万円でしかありません。環境に対する区民の要求・要望が高まっていることから、環6沿道の二酸化窒素汚染状況調査測定を再開することを求めます。お答えください。
東京都と首都高は、地下トンネル供用開始後に環境影響評価(アセスメント)を実施することを約束しています。本格アセスを前に、実測値調査を実施し、そのデータが本格アセスの基礎になるとも言われています。中野区は、東京都、首都高任せにすることなく、調査の範囲、データの公開などを要求していくことが大切です。実測値調査と本アセスメントの時期、規模についてどうなっているのか、お答えください。
この8月から、東京都大気汚染医療費助成制度が始まり、18歳以上のぜんそく治療が無料となりました。中野区への申請件数は8月で513件となっています。申請するには、医者の証明書提出が条件となります。申請時の費用負担を軽減してほしいとの声が聞かれます。東京全体での申請者は1万3,000人で、当初予測していた7万8,000人からすると約18%にとどまっています。
中野区は、独自のポスター、チラシをつくるなど、また区内医療機関への周知協力を依頼するなど、努力を行ってきました。引き続きこの制度を知らせていくことは大切と考えます。そもそもこの制度は、大気汚染でぜんそくで苦しんでこられた患者の方々が、車製造メーカー、首都高、東京都を被告として争ってきた裁判が和解してできた制度です。この方々が制度の周知のために独自に作成した立て看板などの利用も呼びかけられています。8月から、中野区大気汚染障害者認定審査会で認定審査が行われています。一層の周知の方法も工夫しつつ、取り組みを強めていただきたいと思いますが、答弁を求めます。
最後に、その他として、「中野区における『ペットとの共生』のための提言」に関連してお聞きします。
中野区「ペットとの共生を考える懇談会」は、ことし3月、半年に及ぶ論議を経て、区長への提言が行われました。それによると、中野区には登録されている犬は8,095頭、猫は06年度の都の調査で推計すると約2万頭、飼い主のいない猫は約3,000頭とされています。犬の運動場所の確保問題や、災害時におけるペットへの対応など、区として解決すべき課題はたくさんあります。
ここで、飼い主のいない猫を減らすという点について伺います。全都で約12万頭と言われる飼い主のいない猫、その対策として、既に19の区で不妊・去勢手術代助成の制度を実施しており、成果が報告されています。残されているのは、江東、江戸川、葛飾、そして中野区だけです。お隣の渋谷区でオス5,000円、メス7,000円、新宿区ではメス9,000円の助成をするとともに、飼い猫にも助成を行っています。隣接区間で助成実施区とそうでない区が長期に放置されていることは、施策の効果に影響が出てきます。現在、中野区では、個人やグループのボランティアに頼っているのが現状です。本提言でも、行政の役割の一つとして不妊・去勢手術への助成を挙げています。東京都もこの5月、「区市町村包括補助事業」を立ち上げ、「飼い主のいない猫対策」としても選択できる事業としてスタートさせています。これらの事業を活用するなどして早く制度化することが、飼い主のいない猫をこれ以上ふやさないこととなり、制度の効果をより高めることができます。
そこでお聞きします。急ぎ助成制度を確立し、実施を図るべきと考えますが、明快で具体的な御答弁を求めます。
これで私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。
まず、構造改革の成果についてという御質問でありました。
御質問の中で、今日の経済状況を指して資本主義の限界であると、このような御発言もあったわけでありますが、そうした御発言であるとすれば、私とは根本的に考え方が異なっているということであります。
資本主義というものをどのようにとらえておっしゃられているのか、わかりませんけれども、資本制と市場メカニズムに基づいて経済社会を運営していく。そして市場の暴走や失敗というものを政府が政策によって是正したり改善したりしながら、社会全体の構成、これを増大させていくという今日の私たちが普通に考えている社会システム、これが私どもは正しいというか、これに基づいて政府も動いていくべきであるし、私どももこれに基づいて動いていくべきだと、このように思っております。
仮にそれに対置するものが、生産手段の国有化等、政府の力に基づく市場の統制というのでしょうか、統制経済、計画経済というものを想定されているんだとすれば、歴史的にそのような取り組みがどこを見ても失敗をしている、悲惨な事例しか見られていないというのが現実であろうと、こう思っているわけであります。そういった意味で、根本的に考え方が違っているということからまずお答えをしていかなければならないかなと思ったので、申し上げたところです。
構造改革の成果についての御質問ということでありますけれども、格差の固定化を防ぎ、将来にわたってこの国がこれからも活力を持ち続けていくために、そのためには新たな経済の発展の方向性や発展し得る社会の活性化というものが欠かせないわけであります。そういう意味で、将来にわたって持続可能な国をつくり上げていくためには、まだまだ改革や規制緩和が必要であると、このように考えているところであります。
今日の経済状況というのは、米国の不動産市況の低迷に端を発して、サブプライムローンというようなものが破綻をする、そのことに基づいて金融危機が起きている、それに伴うさまざまな経済事象であるわけですけれども、私が申し上げたような日本の国の活性化を考えていく構造改革というものとは次元の違う問題であると、このように考えているわけであります。
それから、生活保障についての御質問がありました。国民が安心して生活設計していくためには、将来にわたって安定的な社会保障制度が確立される必要があるわけであります。そのために、行政のむだは徹底して排さなければならないと、このように考えております。見解の違うところは、やはり国防、防衛に関する経費を一切すべてむだであると、このように断じるお立場は、私はとれないということが違うのかというふうに思っております。まず、行政のむだは徹底して排さなければならない、このようなことであります。
さらに、さまざまな改革を進め、経済活動を活性化しながら、給付を支えられる負担のあり方などについても着実に議論をし、財源を確保していく、このことが必要だと考えております。
自治体といたしましては、地域の行政に責任を持ち、徹底してむだのない効果的な行政運営をするとともに、地域経済の活性化を図りつつ、住民サービスの維持、向上を図り、地域の発展や住民福祉の増進に努めていきたい、このように考えているところであります。
それから、後期高齢者医療制度の廃止という動きを受けての御質問ということであります。廃止という動きとは聞いておりません。区への御相談やお問い合わせについての状況は、私も把握をしているところであります。主なものは、制度の内容に対する疑問、御意見等に対する御説明、あるいは保険料の内容及び計算方法などについての御相談等であるわけであります。
長寿医療制度については、さまざまな御意見があるところですけれども、安定した医療制度を、保険制度を持続させていくことが区民の健康を維持するために最も大切なことであるという考えは、私も変わっておりません。今後、制度に変更があるような場合には、情報を適切に収集をして、的確に対応していきたい、こう思っております。
それから、70歳以上の方の健康診断、500円の自己負担を無料にすべきではないかという御質問であります。健診については、医療費と同様に受診者が一定の自己負担をすることで制度がつくられております。受診に際してお願いをしている現行の自己負担額は、妥当なものと考えております。
健診項目の充実については、後期高齢者健診、長寿健診の健診項目については項目をふやす場合には区の財源で行うこととなるわけであります。健診項目について、区独自に対応すべきことがあるか、検討していきたいと考えております。
それから、改悪以前の--改悪というのは議員の言葉でありますけれども、改悪以前の労働法制に戻す抜本的改正こそ急ぐべきだという御質問であります。国は、10月上旬を目途に労働者派遣法の改正案づくりを進めていると聞いております。区としては、その動きを注目してまいりたいと考えております。
それから、職員の採用に関する御質問もありました。23区の臨時職員の時間給については、その時間給の中に交通費相当分を含んでいる区があったり、別途支給をしている区があったりと、一概に比較することはできないのであります。中野区は、交通費を別途支給をしておりますので、低いとは考えておりません。今後も他区の状況等を踏まえながら、必要があれば見直しを行っていきたい、このように考えております。
それから、若者の正規職員の新規雇用をふやすべきだという御質問もありました。職員の採用については、本年1月に策定した職員2,000人体制に向けての方策においてその方針を示しているところであります。退職者等を考慮しながら、職務に必要となる職員については今後も計画的に採用をしてまいります。
それから、非正規雇用をなくし、若者が夢を持てるようにすることについてということであります。若年層への家賃補助をするべきだということであります。学生及び勤労単身者を対象とした区独自の家賃助成については、考えておりません。
それから、中小企業者の支援についての御質問で、経営支援特別資金に関する御質問がありました。平成19年度の経営支援特別資金の利率は、金融機関との協議によりまして2.0%から2.3%と0.3ポイント上がったわけであります。この上乗せ分を区と利用者で、区が2、利用者1、2対1の割合で負担するという考えで経営支援特別資金の本人負担率は0.5%としたところであります。これを引き下げる考えはありません。
それから、中小業者の支援についてという御質問がありました。経営相談につきましては、毎日専門相談員によります商工相談を実施しているところであります。そして、経営資金の支援については、毎年度、社会経済状況を踏まえながら融資のメニューを検討し、融資制度として用意をしているところであります。税や保険料などについては、それぞれの制度の中で御相談を受けているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。
それから、学校・保育園給食の対応であります。学校給食の最近の食材の値上がりに対しましては、国や都の栄養の基準を満たしつつ、献立を工夫して対応しているところでありまして、年度内の値上げはないと聞いているところであります。
なお、区立保育園の給食にかかわる経費は、保育料の中に含まれているわけでありまして、原油高騰に伴い給食の原材料価格が上昇しても、直ちに保護者の負担増になるといった仕組みとはなっていないものであります。
私からは以上であります。そのほか、それぞれの担当の部長等からお答えをいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編計画につきましてお答えいたします。
再編計画の中止と再検討という御質問でございました。
学校再編計画につきましては、適正規模の学校をつくり、今後の中野区全体の教育環境を整備するという観点から、区民との意見交換や区議会での審議などいろいろ議論を重ねまして、適正な手続に基づき策定したものでございます。今後もこれを着実に実施していく考えでございます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 認可保育園を常設し待機児をなくすことについて、区が区立保育園を廃止して公的責任を放棄した結果、待機児が民間頼みになってふえているのではないかという御質問でした。
保育所全体の定員は、区立保育園の一時的な募集停止などにより一時的に減少しましたが、平成22年度以降は区立保育園の民営化、認定こども園、認証保育所の開設、家庭福祉員の増員などにより拡大していく見込みでございます。したがいまして、区立保育園を廃止し、民営化したことによって待機児の増加の原因になったというふうには考えておりません。また、区が保育行政の責任を放棄したことになるというふうにも考えておりません。
民間の力が保育サービスの拡充には非常に重要というふうに考えておりまして、区は民間の力が大いに発揮できるよう民間事業者を支援するとともに、利用者に対しましては、不公平・不利益な取り扱いを受けることのないよう、相談や対応に努めてまいります。
次に、2009年度の待機児0%の目標達成の見込みと目標設定の根拠についてです。「新しい中野をつくる10か年計画」における2009年度の目標は、2005年度の0.88%という待機児の数値をもとに保育需要を予測して設定したものでございます。待機児が増加している現状では、2009年度の目標、保育園の待機児率0%の目標の達成は難しいと考えております。2009年度の待機児率につきましては、今年度開設された認証保育所や、来年4月に桃が丘保育園・児童館の跡に開設予定の私立保育園などの定員増加分の動向を十分見きわめてまいります。
また、区立保育園の建てかえ、民営化による認可保育所の開設につきましては、定員の拡大、延長保育の拡充、地域の子育て支援など多様なサービスが期待でき、待機児の解消も図れますので、引き続き推進してまいります。
最後に、認定こども園の入園料、保育料に対する補助制度等についての考え方についての御質問でございました。区立幼稚園から転換する、やよい、みずのとうの認定こども園におきましては、幼稚園機能だけを利用する場合は私立幼稚園と同程度の入園料や保育料となる予定でございます。保育園機能を利用する場合は、保育園の認可を受けますやよい認定こども園の場合は、認可保育園の保育料と同額になる予定でございます。一方、幼稚園型のみずのとうでは、認証保育所など認可外保育施設の入園料や保育料がおおよその目安となります。
認定こども園を利用した場合の保護者補助のあり方につきましては、保育園や認証保育所などそれぞれの施設を利用した場合の区の補助制度を適用していく考えでございます。
〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 環6の環境問題について、二酸化窒素汚染状況調査の再開についてお答えいたします。
区の測定採取器は、年に2度採取しているのみの簡易な測定ということもあり、より精度の高い都の観測システムの補完としては十分に機能し得ない現状などを勘案し、撤去したところでございます。東京都の観測装置により、時間単位での常時観測ができ、環6の環境状況は把握できるところであります。
以上です。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 山手通りの環境アセスメントの時期と規模についての御質問がございました。
この環境アセスメントにつきましては、東京都環境影響評価条例、これに基づいて実施をすることというふうになっておりまして、この首都高、中央環状新宿線の現在の開通区間について、この11月ごろに第1回目を開始する予定というふうに聞いております。また、中央環状新宿線の全区間、この完成後の平成22年度になりますが、その時期にさらに第2回目のアセスを実施する予定となってございます。
また、環境アセスの調査対象項目でございますが、大気汚染、騒音、振動などの11項目について実施をするということでございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 大気汚染医療費助成の質問にお答えいたします。
大気汚染医療費助成につきましては、これまで18歳未満を対象としていたわけですが、昨年の大気汚染訴訟の和解により、都は本年8月より気管支ぜんそくについて全年齢を対象に助成を開始し、区市町村が窓口となって事務処理を行っているところでございます。
この事業のPRにつきましては、区としても区報、ホームページで広報するほか、医療機関に依頼して対象者への周知を図るとともに、区独自のポスターを作成、掲示するなど、積極的にPRに取り組んできているところでございます。
〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用助成についてお答えいたします。
現在、懇談会の答申を踏まえ、区としてペットと共生する地域社会について総合的な施策のあり方を検討しているところであります。
○議長(市川みのる) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後3時50分延会