平成20年09月26日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成20年第3回定例会本会議第3日(9月26日)
1.平成20年(2008年)9月26日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 欠 員 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 大 沼 弘
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 浦 山 京 子 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 佐 藤 幸 一 教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
計画財務担当課長 長 田 久 雄 経営担当参事 川 崎 亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 奈 良 浩 二
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 荒 井 勉
書 記 永 田 純 一 書 記 河 村 孝 雄
書 記 菅 野 多身子 書 記 松 本 明 彦
書 記 丸 尾 明 美 書 記 鳥 居 誠
書 記 土 屋 佳代子 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成20年(2008年)9月26日午後1時開議)
日程第1 第63号議案 平成20年度中野区一般会計補正予算
第64号議案 平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算
日程第2 第67号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
日程第3 認定第1号 平成19年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成19年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成19年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成19年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第4 中野区の財政の健全化判断比率について
追加議事日程
日程第5 議員提出議案第7号 中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例
午後1時00分開議
○議長(市川みのる) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続きまして、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 江 口 済三郎
1 旧中野刑務所の正門の保存について
2 教育行政について
(1)音楽鑑賞教室について
(2)新学習指導要領の保健体育について
(3)校庭の芝生化及び屋上緑化等について
(4)集団予防接種について
(5)小中学校体育館耐震補強工事の期間について
3 中野坂上周辺のまちづくりについて
(1)風害対策について
(2)歩道橋を撤去し横断歩道を設置することについて
4 諸団体との防災協定について
5 住宅貸付資金融資について
6 その他
(1)職員2000人体制について
(2)その他
○議長(市川みのる) 最初に、江口済三郎議員。
〔江口済三郎議員登壇〕
○38番(江口済三郎) 平成20年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で質問をさせていただきます。
初めに、旧中野刑務所の正門の保存について伺います。
中野刑務所は明治43年、市谷監獄が移転し、豊多摩監獄から豊多摩刑務所と改名され、戦後、米軍に接収されましたが、昭和31年に解除、翌年、中野刑務所として再開され、昭和58年3月に廃止になりました。この廃止までの歴史は、中野区議会史によりますと、昭和29年に区議会が区民福祉のため解放してほしいと決議されました。法務大臣に対しても、敷地解放を求めました。以降、区民、区議会、行政が一体となって、刑務所敷地の解放を求める運動が展開されました。
昭和46年には、公園や広場として使用し、震災など非常災害の場合は区民の避難場所として確保することに重点を置きかえて、一層強力な運動が展開され、同年11月に行われた刑務所移転促進区民大会後、都・区一体の運動となりました。翌47年には状況が大きく前進し、都議会予算特別委員会で当時の美濃部知事は、公明党の花曲勤議員の質問に、中野区から刑務所を全面移転し、この跡地を避難場所とする。平素は緑の公園として使うことを強く希望するところである。一日も早く実現して、中野区民の方々を安心させてあげたいと答え、区議会、区、解放同盟の活動によって、21年間に及ぶ運動が実り、昭和50年9月、中野刑務所の廃庁声明が出されました。
跡地は昭和55年、都・区によって下水処理場と公園用地として取得されました。昭和60年10月には、平和の森公園として部分開園いたしました。この公園の名称は一般公募で行われ、当時の新聞報道によりますと、応募数は178通あった中で、平和の森公園の名称が選ばれました。平和という言葉には二つの意味を込めて応募されたようです。それは、思想犯の人たちがいたことも知っていました。その人たちを含めて受刑者が悶々とした苦労を忘れてはいけないということと、非核宣言した区として、平和をメインテーマという意味と言われております。
一方、この場所は、戦前、戦中、軍部の支配に抵抗し、平和の実現に文字どおり献身した数多くの人々が、国家権力によって弾圧を受け、その身をとらわれていた場所なのであります。
刑務所が廃止されましたが、隣接していた法務省矯正研修所東京支所は残されました。刑務所の跡地を思わせるものは取り壊されましたが、日本の近代建築の方向を決定づけたという由緒ある建物として、また歴史を刻んできた刑務所として、正門が保存されました。98年前の建設工事は5年の歳月を要し、中野駅から敷かれたレールの上に、連日、赤れんががトロッコで運搬されたと言われております。
平成19年9月に法務省は、都内及び近郊に分散する法務省関連施設を立川基地跡地昭島地区内の国有地に集約し、(仮称)国際法務総合センターとして整備する計画が策定されました。この計画に矯正研究所東京支所も含まれました。本年7月にこの跡地を野方小学校と沼袋小学校の統合後の新校用地として関係機関に働きかけ、用地を取得する方針が区議会に報告されました。
そこで伺います。用地取得の進捗状況をお聞かせください。今後、保存されている旧刑務所の正門の取り扱いは、区としてはどのように考えているのか、私は残すべきと考えます。見解をお聞かせください。
次に、教育行政について伺います。
初めに、音楽鑑賞教室について伺います。
多様な可能性と豊かな体験の場として、小学校5年生、中学校全学年を対象に音楽鑑賞教室が毎年実施されてきました。平成5年7月からは区政50周年記念事業で建てかえられました、なかのZERO大ホールで鑑賞教室が行われております。このホールは当時、音響に最も力を入れた施設です。会場的には最も適した場所で、児童・生徒に交響楽団の演奏を聞く機会を提供してきました。音楽鑑賞教室は、文化、芸術、歴史、国際感覚を豊かにする教育の場でもあります。
しかし、本年度になって、なぜか来年度から教育委員会がこの事業を中止することを検討されているという声が届いております。なぜ今ごろと疑問に思います。私は継続が当然と考えています。もしもこのささやきが本当ならば、だれから、どのような理由で中止を指示されているのか、明確にお答えください。
次に、新学習指導要領の保健体育について伺います。
第2回定例会でも武道の必修化の質問がありました。設備や指導体制の検討を進めると答えております。平成24年4月からの実施ですが、決して簡単な取り組みとは思っておりません。
そこで伺います。柔道、剣道の武道は、学校において選択するとお聞きしております。いつごろまでに決定するのか。教員、外部指導員の研修や設備の整備等に準備期間はどのぐらい必要と考えているのか、指導者の確保をどうされるのか、お聞かせください。
次に、校庭の芝生化及び屋上緑化等について伺います。
平成17年、若宮小学校から校庭の芝生化がスタートしました。当初は学校側の手挙げ方式で実施する計画だったため、10年間で実施するにはほど遠い状況でした。公明党区議団としては、教育委員会より学校側に実施計画を示すことを提案しました。その後、5カ年で全校実施が打ち出されました。その計画に基づいて本年度は4校が実施されましたが、それぞれに特徴があります。芝生を校庭全面に行った啓明小学校、中庭に行った江古田小学校、第二校庭に行った中野神明小学校、校庭の外周りだけに行った中野本郷小学校と、芝生化の方法の違いが出ました。このことは学校環境の整備の一環だけなら何ら問題はないと思います。しかし、地球温暖化問題、ヒートアイランド対策の効果を考えたとき、果たして芝生化のイメージとしての本来の目標に達するのでしょうか。本年度実施の3校は部分的な芝生化です。このような場合、屋上緑化や壁面緑化を推進することが本来の目的ではなかったのでしょうか。クールルーフを進める自治体がふえる中、教育委員会の問題はもとより、区の姿勢の弱さがこのような結果になっていると考えます。
私は、昭和55年から当時の通産省工業技術院が打ち出したサンシャイン計画に注目し、世界がエネルギー危機に直面しながら、無公害社会の建設を目指そうとしているときに、中野区へ太陽エネルギー利用の促進を提案してきましたが、今日まで検討する様子もありませんでした。ようやく省エネルギーの推進と自然エネルギーの活用の戦略が出されました。しかし、始まったばかりの学校芝生化を見ても、形だけに終わってしまうことに危惧を感じます。この状況を区長はどのように考えているのか、見解をお聞かせください。
もちろん、学校、地域には今までの校庭利用からのメリット、デメリットも生ずるわけです。経験が乏しい学校には芝生のよさが伝わっていないことや、維持管理が大変と思われ、また、利用団体の要望等々の課題が残されていることも承知しております。本年度も屋上緑化の推進すら行われませんでした。建物の構造上無理な学校もあると思います。それならば、最近普及しております高反射率塗料を取り入れるなどして、公共施設が先駆的に行っていくところに、民間緑化等の推進も図ることができるのではないでしょうか。このような状態では民間に波及することもなくなってしまいます。高反射率塗装が都の補助対象でなければ、しっかりと要請していくこともしていかなければなりません。本気で取り組む姿勢を示していただきたいものです。
そこで伺います。今後の計画、学校名はいつ示すのか。校庭全面の芝生化が難しい状況が本年度でも明らかになりました。今後の計画の考え方をお聞かせください。本年度実施校のうち3校は、校庭の一部芝生化でした。屋上緑化は視野になかったのか、今後、屋上緑化、壁面緑化を進める考えはあるのか、構造等で行えない場合、先ほど申し上げました高反射率塗装を実施する考えはあるのか、見解をお聞かせください。
次に、学校での集団予防接種について伺います。
予防接種の目的は、感染症予防、発病予防、症状の軽減、病気の蔓延防止等で行われます。平成19年に大学、高校等ではしかが全国に流行しました。予防接種法が改正され、麻疹、風疹混合ワクチン予防接種が追加され、3期中学1年生に該当する時期に接種することになりました。この詳細はまた文教分科会で行いますが、新型インフルエンザの脅威を考えれば、今後、学校が場所の提供をすることで、児童・生徒の集団予防接種を行うことを考えていかなければならないと考えます。見解をお聞かせください。
この項の最後に、小・中学校体育館耐震補強工事の期間について伺う予定でしたが、昨日、一昨日の補正予算審議で文教委員会において審査をさせていただきました。委員会としても意見をつけて総務委員会に申し送りましたので、削除をさせていただきます。ただ、工事期間が決定次第、児童・生徒、そして保護者の方々に、さらに開放団体や地域の方々に丁寧に説明し、御理解と御協力を区一体となって行っていただくことを要望させていただき、この項の質問は終わります。
次に、中野坂上周辺のまちづくりについて伺います。
初めに、山手通りの中野区間の全面完成はいつになるのか、おくれてはいないのか、お聞かせください。
風害対策についてはたびたび質問をさせていただいております。対策をしますと言っても、都をはじめ関係団体は責任を持って行うつもりがあるのか、疑問に思えてなりません。樹木の生長には時間が必要です。再三申し上げていますが、今からでも決して早いとは言えません。完成時ではなお遅過ぎます。現在の状況の一例を紹介しますと、歩道が完成している青梅街道のサンブライトツイン側は約130メートル間に植栽は3本しか植えておりません。また、ハーモニータワー側はビル周辺の植栽がされていますが、サンブライトツイン、セントラルビル側には植栽をしていない状態です。再度、関係機関に要請し、区民と区議会に実施計画を示し、協議に入るべきです。区としての見解をお聞かせください。
次に、歩道橋を撤去し、横断歩道を設置することについて伺います。
地元住民から、東京メトロ中野坂上西口改札口開設に合わせて、青梅街道の歩道橋を撤去し、信号機と横断歩道設置の要望があります。区、都、警視庁には地元から要望書が提出されております。しかし、都は横断歩道の取り扱い基本方針の中で、この場所は利用実態が大幅に上回っているので、撤去は困難としています。利用する区民の状況も把握していない結論に全く納得がいきません。中野坂上交差点から宝仙寺前の間に渡るところがないので、歩道橋を利用せざるを得ないというのが現状です。シルバーカーや車いすの方、乳母車の方々の状況を全く無視していることや、歩道橋があるために歩道が極端に狭くなっていること、西口が開設されれば、中央側からの利用者がふえることは必定です。区は地元住民の意向と言われますが、現場の声はさきに紹介したように、関係者に届けられております。それでも地元の意向とか、西口が開設された後とか、難色を示すのであれば、区が直接、住民意識調査をすべきです。どのように対応されるのか、お答えください。
次に、諸団体との防災協定について伺います。
決算特別委員会で諸団体との協定の不備等を指摘させていただき、見直しをお願いいたしましたが、進捗状況をお聞かせください。その際、諸団体が活動する場合、その団体の名称がわかるベスト、腕章、ネームプレート等を支給すべきと提案いたしましたが、どのようになっていますか、お答えください。
さらに、団体との協定では、区が物資の提供を受けるため、運搬車両を確保する項目があります。中野区が車両を提供する団体が6団体、車両が必要な協定にもかかわらず、運搬が明確にされていない団体が1団体ありますが、現在の協定では具体的な出動計画にはなっていないと考えられます。事前に団体ごとに車両の振り分けをしておくなど、見直しの中で検討されているのか、お聞かせください。
次に、住宅貸付資金融資について伺います。
平成20年第1回定例会で頭金貸付制度の質問をいたしました。区の答弁は、事例としてフラット35を紹介し、一般的に10%の自己資金が必要となり、頭金の融資は、融資限度額を超えて、本人の返済能力を超えるため、制度化するのは適切でないとクールな答弁をされました。住宅ローンに関しては、職員の皆さんも経験者が多いと思われます。利用可能な年代の方々は、今の経済状況の中で、子育て等に必死なときに、自己資金の確保をすることが難しいことを理解できない区政ではないと思います。この世代の方々が中野に定着していただくことを最優先にしなければなりません。持ち家は庶民の願いです。再検討するお気持ちはないか、お聞かせください。
最後に、この項のその他の項で、職員2,000人体制についてと、契約に関する諸問題について伺います。
新しい中野をつくる10か年計画で、職員定数の削減を進め、10年後の職員2,000人体制の実現を図ることが示されました。平成17年度2,783人、本年度2,496人と推移しております。
今回は病気休職者について伺います。平成17年度の休職者数は27人、18年度32人、19年度33人、本年度24人となっています。平均すると29人になります。2,000人体制になった場合、このままの推移で見ていれば、現職の方の負担が増してまいります。その中で、職員は社会情勢の変化とともに、目まぐるしく変わっていく職場環境の中で、区民に奉仕するため心身の健康を保持しなければなりません。病気となったら休まなければならないことは当然です。
中野区は、過去に保健所長が産業医を兼務していたようですが、今では産業医を月4回、常駐させて、職員の健康管理、その他、厚生労働省令で定める事項を行わせています。産業医は、労働安全衛生法第13条3項で、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる権限を有し、4項では、事業者はこれを尊重しなければならないとなっています。しかし、産業医は診察ができません。診察ができない以上、診断書も書くことができないわけです。休職者はかかりつけ医師の診断書を人事担当に提出するだけで済むようです。
急病以外はともかく、いきなり休職されて仕事の引き継ぎもなく休むケースや、職場状況を把握できない医師の判断だけで休職を許可する現在のシステムでよいのでしょうか。厳しいと思われますが、区民に奉仕をしなければならない職員にとって、厳格に行うことが当然なことと思います。一日も早く復職をしていただかなければなりません。職場の配置も考えなければなりません。さらに現職の方々の負担も考えなければなりません。まして、区民サービスをとめるわけにはいきません。
そこで伺います。区が指定医を定め、産業医との連携を強化することによって、職員のための判定をしていくことが区の責務ではないでしょうか。また、診療項目も中野区独自の項目を入れた診断書を作成し、提出することによって、より正確な判断ができるのではないでしょうか、区の見解をお聞かせください。
その他の最後の項で、契約に関する諸問題について伺います。
公明党区議団では、来年度の予算編成に向けて、区内の各種団体や区民の皆さんから要望を聞いてまいりました。本年も長引く不況と物価高などに区の支援を求める要望事項が多く寄せられました。こうした要望の実現のために、本定例会での質疑や新年度の予算要望に反映してまいりたいと考えております。
そこで、区内の建築や土木事業者から寄せられた総合評価入札方式について伺います。
総合評価入札方式は、今年度から導入されました。これまで数件の工事契約において試行的に実施されています。所管にお聞きしましたら、本年度は前半に10件程度実施し、その結果、評価、検証し、年度の後半に再び試行実施し、再度、評価、検証して来年度からすべての工事契約に取り入れていくこととしているとのことでした。
業界からは、総合評価入札方式では区内業者に有利な評価点が設定されているが、入札は一般競争入札のため、結果としてダンピングした業者が落札し、そもそも品確法の趣旨が生かされていないという問題が提示されています。また、区内業者が有利といっても、区内に本店を構えている事業者には、評価点20点のうち2点のみの加点があるだけで、結果、価格で勝負をしなければ、区外業者に落札されてしまうという状況にあるそうです。国がこの総合評価入札方式を地方自治体に導入するよう通達が出された以上、地方自治体の義務として取り入れることは理解しなければなりませんが、区内業者にとっては死活問題でもあります。
そこで伺いますが、これまで区内業者育成のために、一定の額の工事契約は区内業者のみ指名競争入札を行い、区内業者にとってある程度の工事が受注できていましたが、現行の総合評価入札方式では大幅に受注の機会が減ることが予想されます。23区の多くの区で実施されている区内事業者向け工事案件の設定や、総合評価入札方式の区内事業者評価点の見直しを検討することができないのか、御見解を伺います。
次に、いわゆるプロポーザル型事業者選定の実施について伺います。本日は時間の関係で詳細にわたる質問は避けますが、今後、区が事業者選定の透明性を確保するため、だれにもわかりやすい明確な基準を定めていただくために質問いたします。
ことしの3月に中央電算システムの再構築、マイグレーションと呼ばれる構築手法の企画提案型の事業者募集がありました。この募集における事業者説明会では、第1次選考で3社程度に絞り、企画提案のヒアリングを行い、契約の交渉順位を定めるとの説明があり、応募したシステム会社は、社内にプロジェクトチームをつくり、プレゼンテーションの準備を行っていたそうです。しかしながら、実際、企画提案のヒアリングを受けたのは1社のみで、第1次選考で3社に絞ってヒアリングを行うはずであったのが、何ら応募事業者に説明がないまま、事業者が決定されました。
こうした重要な事項は、公募書類にも明確に書かれておりません。当然、公募に応じた事業者は、事業説明会での説明どおり、ヒアリングが行われるものと考えていました。しかし、企画提案書のヒアリングをせずに、提案書などの書類選考の結果、参考見積もりや手法などに他社との大きな開きがあるという理由のみで、門前払いをされてしまったようです。この公募に対して、区は特定の事業者のみで企画提案のヒアリングを行うことを決めていたという、あってはならないうわさが飛んでいます。
私は、こうした不透明なうわさを耳にし、担当副区長、課長に問い合わせをいたしましたが、選定は適正に行われ、問題はないとのことでした。しかし、この件は区長や議長にも公開質問や苦情が寄せられ、事業者は裁判をも視野に入れているとの情報もあります。
そこで伺います。第1次選考後に企画提案のヒアリングを1社のみで行い、他の2社からヒアリングをしないという決定は選考委員会で行ったそうですが、ヒアリングを受けないとした明確な理由と妥当性について、選考委員会の責任者から御説明願います。
こうした価格競争以外の事業者選定は、その選定の透明性の確保が必要です。このプロポーザル型の事業者選定については、最近では区のさまざまな事業部で行われていますが、それぞれ選考の方法や基準が異なるようです。もちろん、事業内容によっては選考方法や基準に違いがあることは一定の理解はできますが、区としての統一的かつ明確な考えを区民や議会に示すべきと思いますが、区の見解をお伺いし、すべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 江口議員の御質問にお答えいたします。
まず、法務省矯正研修所の用地取得の進捗状況についてでございます。
法務省からは、平成25年度中に矯正研修所の移転を完了する予定であると聞いているところであります。この移転スケジュールがまだ確定したものとなっていないことでありますとか、移転までまだ相当の年数があるということなどから、用地取得については具体的な話し合いまではまだ受けられないということでありますので、現状として御報告をさせていただきます。
それから、旧中野刑務所の正門についてであります。
旧中野刑務所の正門の建築的価値でありますとか、その経てきた歴史といったようなものについては、私どもも十分に認識をしているところであります。区といたしましては、施設を設置してきた国の責任において保存していただきたいと考えているわけですけれども、今後、区としてどのような対応ができるのか、検討していきたいと考えております。
それから、校庭の芝生化及び屋上緑化等についての中で御質問がありました。
まず、学校の緑化につきましては、将来的には、芝生、屋上緑化、壁面緑化、全校でこの3点に取り組むこととしているところであります。芝生化は現在進行しておりますけれども、屋上、壁面の緑化についても、各学校の実情を勘案しながら進めていきたいと考えております。
省エネルギーと自然エネルギーの活用についてということであります。
自然エネルギーの普及拡大については、地球温暖化対策の重要な柱でありまして、形だけでは終わらせないと考えております。区民参加により普及拡大のできる自然エネルギーの利用拡大に向けて、現在、風力や太陽光などの活用による事業モデルを検討しているところであります。また、区立施設等におきましても、太陽光や風力などの活用を検討していきたいと考えているところであります。
それから、学校での集団予防接種についての御質問がありました。
はしか、麻疹については、平成20年4月からの5年間にわたり、各年度の中学1年生が予防接種法に定める麻疹、風疹定期接種第3期の対象者に位置付けられ、無料で接種できるようになっているものであります。平成6年の予防接種法の改正によりまして、予防接種は被接種者の健康状態に応じた接種ができるように、原則として個別接種によってかかりつけ医にて実施することとされたところであります。麻疹については、集団接種は接種率の向上の点では有効と考えられますが、学校で安全な実施体制がとれるかなどについて検討を行っているところであります。
新型インフルエンザに関しましては、ワクチンの種類や扱いなどがまだ定まっていないところであります。国の専門家会議等の検討を踏まえて対処をしてまいりたいと考えております。
それから、諸団体との防災協定の内容についての御質問がありました。
この防災協定の内容の見直しにつきましては、中野区医師会をはじめ各団体と協議を行っているところであります。9月1日には中野区薬剤師会と新協定を締結したところです。他の協定団体につきましても、現在、調査を行っているところでありまして、協定内容の見直しが必要な場合には、協議を行って、修正を行ってまいりたいと考えております。
協定団体へのベスト等の配付についてであります。
医師会に対しては、医療救護活動等に着用するベストを全会員分購入し、配付をしたところであります。また、接骨師会や獣医師会に対しても、既にベストやジャンパーを配付しております。薬剤師会や歯科医師会に対しても、災害医療救護訓練の開催までに配付できるよう、準備を進めているところであります。他の協定団体に対する腕章、ネームプレート等の支給について検討をしていきたいと考えております。
それから、物資輸送に関する協定についての御質問もありました。
災害時に物資を提供していただくことになっている団体に対して、区は物資を輸送するための車両を供給することとなっております。この車両の供給については、東京都トラック協会などに対して、これも協定に基づいて依頼をするわけであります。その際には、災対総務部長の判断によって、輸送物資の内容、日時、場所等を示して、協力要請をすることになるわけであります。輸送物資ごとの輸送手段の振り分けなどにつきまして、あらかじめ状況を想定して定めておくことが必要でありまして、今後、協定団体と話し合いをしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。その他はそれぞれの担当のほうからお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育行政についてお答えいたします。
初めに、音楽鑑賞教室についてお答えいたします。
現在、オーケストラを招きまして鑑賞会を行い、成果を上げているところでございます。ただ、他に取り組みを充実していきたい教育課題も多いことから、見直しを行っているところでございます。限られた予算を有効に活用し、より高い成果を上げる視点から取り組んでまいりたいと思います。
続きまして、武道の必修化についてでございます。
平成22年度中には各学校が履修する武道について決定し、24年度には全校で実施いたします。中野区では平成21年度から保健体育科教員を対象といたしまして、武道の必修化に伴う研修を実施いたします。あわせまして、国や都の研修も活用してまいりたいと思っております。
外部指導者の協力が実施の前提となります。現在までに一部、外部団体から協力の申し出を受けておりますけれども、今後は教育委員会、学校から、他の団体へも協力を要請いたしまして、連携を図るとともに、共同研修などを通じまして指導を充実させるための協力体制を構築してまいりたいと考えております。
それから、今後の校庭芝生化の予定でございます。
来年度実施予定の校庭芝生化の学校につきましては、なるべく早くお示ししたいと考えております。全面芝生化に加えまして、第2校庭の活用や人工芝の使用など、これまで実施してきた経験を踏まえまして、また、校庭開放の利用実態、あるいは中学校の部活動の現状等も考慮いたしまして、学校の状況に応じた柔軟な対応を図ってまいりたいと思っております。
それから、屋上緑化、壁面緑化等についてでございます。
これまでは校庭芝生化を単独事業として進めてまいりましたけれども、今後は屋上緑化や壁面緑化につきましても、環境基本計画で平成21年度から実施することとしておりまして、あわせて取り組んでまいりたいと思います。学校の屋上につきましては、まず緑化を進めるとともに、太陽光発電機器の設置も行ってまいりたいと思っております。
お話のございました高反射塗装につきましては、今後の研究課題としたいと思います。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からはその他の項で3点ほどお答えさせていただきます。
まず、職員の健康管理についてでございます。
職員の健康管理体制の強化につきましては、産業医の導入ということで、外からの産業医を平成16年から行っております。それまでは、保健所長を中心とした連携をとっておりましたが、強化するということで、そういう体制にしました。その後、産業医との話し合いの中で、さまざまな対策で健康管理体制を強めてきております。安全衛生委員会等の強化であるとか、そういったことをしておりますが、今、委員が提案されました指定医を定めたらどうかということですが、指定医を区が決めることにつきましては、その指定方法、また産業医との連携のあり方、こういった課題がありまして、今後の検討とさせていただきたいというふうに思っております。
また、区独自の項目を入れた診断書の提出、これを職員に求めることにつきましては、医師がさまざまな診断書を作成しているという現状の中で、現在聞いている中では困難であるというふうに聞いております。
また、職員の症状についての正確な判断ということで、主治医の診断だけではなく、産業医との面談、また職場の状況等の総合的な見地から行っていきたいというふうに考えてございます。
次に、総合評価の見直しについてお答えさせていただきます。
総合評価につきましては、この4月から試行的に導入を行いました。半年間、前期が終わった段階でその試行を評価、検証しまして、一定の見直しを行った上で、さらに広範に試行実施をしようということで、現在、見直しを行っているところでございます。この試行の結果につきまして、事業者や評価委員会、総合評価試行基準に定める委員の意見を聞きまして、さらに見直しを行った上で、来年度から総合評価制度を本格的に導入したいというふうに考えてございます。
なお、区内事業者の評価点につきましても、総合評価の試行基準を見直す中で、加点のあり方については検討したいというふうに考えてございます。
それから、プロポーザル、いわゆる企画提案型事業者選定の見直しについてでございますが、この企画提案型の事業者選定につきましては、現在、価格だけでは決められない契約案件が多くなっていることから、各事業部で行われております。その選定の方法、基準については、統一されていない状況がございました。こうしたことから、各事業部が企画提案型事業者の選定を行う際の手続、また選定方法、こういったことにつきまして、基準を定めていきたいということでございます。早急にその基準を策定していきたいというふうに考えてございます。
〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 中央電算システムの再構築におけるプロポーザルについての御質問にお答えいたします。
当該選定は、応募業者からの提案書類に基づき1次選考を行い、次に第1次選考通過業者によるプレゼンテーションを実施した上で、総合評価による2次選考を行い、契約事業者を選定いたしたものでございます。1次選考では、事前に選定した配点を踏まえ、提案金額と技術的な要素をそれぞれ評価いたしました。2次選考は、これに加えてプレゼンテーションによる配点も加えた総合的な評価を行ったものです。
プレゼンテーションを1次選考の1位業者にしか実施しなかった理由は、1次選考終了時点において、1位業者と2位業者の得点に大差がつき、プレゼンテーションで仮に1位業者が0点で、2位以下の業者が満点となったとしても、逆転することが不可能な状況にあったからでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 中野坂上周辺まちづくりについての中で、中野坂上付近の風害対策、それから青梅街道の横断歩道橋の撤去についての御質問がございました。
まず風害対策についてでございますが、中野区内の山手通りの拡幅整備につきましては、平成22年度に完了するという予定と聞いているところでございます。中野坂上交差点付近の風害対策につきましては、東京都と首都高が山手通り拡幅整備事業の植栽の工夫で行うこととしているということでございます。また、植栽計画につきましては、御指摘の点も踏まえまして、適宜議会等に御報告をしてまいりたいというふうに考えてございます。
また、横断歩道橋の撤去でございますが、この横断歩道橋につきましては、東京都や中野警察署に打診をしているところでございます。東京都からはお話もございましたように、この歩道橋は利用者が多いということから、直ちに撤去するということについては難しいとの回答を得ておりますけれども、区といたしましては、地元の意向などを十分に把握してまいりたいと思っております。意向を把握した上で、引き続き関係機関と協議をしてまいりたいと考えてございます。
次に、持ち家取得の際の頭金の融資あっせんでございます。
確かに若い方々が持ち家を持つということの大変さ、これについては、区といたしましても十分理解をしているというところでございます。しかしながら、金融機関から融資を受ける場合、一定程度の自己資金を用意するということが一般的だろうというふうに考えております。頭金への融資につきましては、本人の返済能力を超えるということにもつながりかねないということから、区といたしましては、新たな融資制度について創設をするということは考えていないところでございます。
〔江口済三郎議員登壇〕
○38番(江口済三郎) 何点か時間の範囲で再質問させていただきます。
先ほど区長から旧中野刑務所の正門の保存についてのお答えをいただきました。もちろん国の財産ですから、国自身が保存してということで今日まで来ましたけれども、今回、そこの用地を区が購入するということになった場合に、国がそれを保存するのが基本というと同時に、もう一つ、区も考えるという話がありましたけども、あの場所、あの地域、中野にあることが大事なことで、国が保存してよそに持っていくというんじゃ意味がないことですから、そういう意味で、区としては早目に区の方針を打ち出して、国と協議するという形で、ぜひ中野の中に、旧中野刑務所の保存をお願いしたいということで、もう一度、お答えをいただければと思っています。
それから、教育行政については、私は文教委員ですので、さらに細かくやりますけれども、先ほどの音楽鑑賞教室については、別なことでと言っているのか、中止を考えて、ほかに考えているのかということが答弁の中でははっきりしておりません。私はそういう話があるんで、中止になるのか、それをだれが指示したのかということをお聞きしているので、中止になって、交響楽団の鑑賞を変えるのはどういうことがあるのか、私には見当がつかないので、その辺、もうちょっと細かく、この声はもうちまたに流れておりますので、ぜひこの本会議ではっきりさせていただきたいというのが2点ですね。
それから、先ほどの坂上の風害対策、都と首都高という言葉を言われましたけれども、もう相当たちますけど、私たちが地元の皆さんと要請したときには、都と首都高と開発事業者、再開発をされたところがやるという、その3者が協議して提案して、風害対策の責任をちゃんと果たすということを言っているので、そういう意味で、先ほど言ったように、ハーモニータワーのほうは周辺が植栽をちゃんとしているのに、逆に反対側はしていない。本町二丁目側ですね。ということもすると、多分もう風害対策の関係が都と首都高に行ってしまって、完全な風害対策というよりも道路整備というだけで終わっているんじゃないか。そういう心配で言ったものですから、その辺のことをもう一度、再度お聞きしたいということですね。
横断歩道のことに関しても、同じようなお答えをいただきました。私も先ほど申し上げたように、現地は区の職員もよくわかっているので、あそこに歩道橋があるので渡るんであって、もともと歩道橋があそこに欲しいという希望はないんですね。渡る場所がないので歩道橋にしたという形で、東京都としては歩道橋を設置した以上、外したくないというのはわかるんですけども、やはりバリアフリーの社会ということからすれば、もうあの歩道橋の時代はとうに過ぎ去っているので、ぜひあそこに横断歩道と信号機をということで、そういう考え方に立ってお願いしたいというふうに思います。
あと、教育関係に関していろいろまだ、屋上緑化なんかも--これ、1点あります。先ほど教育長の人工芝等というのは学校整備のことで、緑化の問題ではないので、こういう言葉がここに出てくるのはおかしい。例えば子どもたちが歩く通路を人工芝にしたいとか、芝生化をした横に、この間、江古田小学校みたいに日が差さない、そこは人工芝にしたいというのはわかるんですけれども、それは学校の整備の一環であって、あくまで緑化ではないし、環境問題ではないので、このことをあわせて、こういうことを考えてお答えになるようでは、やはり芝生化の問題というのは後退しているのかなと思いますので、再度お答え願います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
旧中野刑務所正門の保存についてであります。
こうした歴史等を考えますと、同じことを申し上げるようですけれども、基本的にやはりこれは設置をした国が保存していくべきものだと。要するに、第一義的に国に積極的に保存をしていただきたいというのが私どもの趣旨であろうかと思っております。それをそうとした上で、それに対して区がどのような対応をしていくのか、働きかけをどういうふうにしていくのか、あるいは協力をどのようにしていくのか、そういったことを検討していきたいと考えております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) まず音楽鑑賞教室でございますけれども、来年度の予算編成に向けて、課題の一つとして見直しの対象としているものでございます。そういう意味では、だれが指示したといえば、私だろうと思います。
内容につきましては、見直しでございますので、中止することもありますし、内容を変えることもありますし、いろいろ考えられると思います。これからその内容につきましては検討していきたいと思っております。
それから、人工芝の話ですけれども、これはあくまでも芝生化をするに当たって、全面的に芝生化ができない場合には、芝生を一部植えて、一部を人工芝一部にするというような併用を考えている、そういう中での人工芝でございますので、そのような形で申し上げました。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 風害対策でございますが、御指摘のように、開発事業者、東京都、首都高、この3者で十分調整をするよう、区からも要請を再度してまいりたいと思っておりますし、早目の対策がとれるよう努力をしてまいりたいと思っております。
それから、横断歩道橋でございますが、東京都がこの7月1日付で撤去の方針、これを大分緩和しております。一定の基準としましては、12時間当たり200人程度の通行ということを示しておりますが、ただ、この人数につきましては、地元の意向等を十分調整した上で、東京都のほうに相談をくださいと。東京都としては、できる限り調整がつき次第、撤去をしたいという意向でございますので、これについて区も努力をしてまいりたいと考えております。
○議長(市川みのる) 以上で、江口済三郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いでい 良 輔
1 区内産業活性化のための区施策の拡充について
(1)産業振興施策について
(2)産業情報システムについて
(3)契約制度の改革について
(4)その他
2 ごみ減量施策について
(1)家庭ごみの有料化について
(2)ごみの分別について
(3)その他
3 鳥インフルエンザ対策について
4 その他
○議長(市川みのる) 次に、いでい良輔議員。
〔いでい良輔議員登壇〕
○10番(いでい良輔) 平成20年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として一般質問をさせていただきます。
質問項目は通告のとおり、1番目、区内産業活性化のための区施策の拡充について、(1)産業振興施策について、(2)産業情報システムについて、(3)契約制度の改革について、質問項目2番目として、ごみ減量施策について、(1)家庭ごみの有料化について、(2)ごみの分別について、質問項目3番目、鳥インフルエンザ対策についてです。いつものとおり勇気と情熱を持って質問に臨みます。区長をはじめ理事者の皆様の御答弁に心から期待しつつ、質問に入らせていただきます。
まず1番目に、区内産業活性化のための区施策の拡充についてお伺いいたします。
この区内産業活性化に関する質問は、ことしの第1回定例会の予算特別委員会総括質疑の際に、区内産業の育成についてという項目で理事者の方々に質問をさせていただきました。その際、理事者の方々からは前向きな御答弁、また、どちらかというと否定的な答弁をいただきました。本日はそのときの御答弁について、改めて区内産業の活性化という視点で質問をさせていただきます。
ある部分、当時の質問を繰り返す場面があるかとは思いますが、未来への扉を開く4つの戦略の一つである「まち活性化戦略~キラリ中野 まちの魅力と新しい力」と位置付けられている重要な施策でありますので、ぜひ前向きな御答弁をお願い申し上げます。
初めに、1点目の産業振興施策についてお伺いいたします。
ここ数年の景気の足踏みや昨年からの原油高などの影響を受け、日本の経済はいまだ長いトンネルを完全に抜け切ってはいない状況と言えます。むしろ昨今のアメリカのサブプライムローンに端を発した大手証券会社、メリルリンチの買収やリーマン・ブラザーズの破綻など、今後の日本経済の先行きは想像もつかない状況にもなっております。
中野区内の事業者も世界経済の状況と決して無縁ではございません。下請や卸、小売の多い中野区は、原材料高や親企業のリストラ、取引先の吸収合併など、さまざまな経営不安に置かれているのも実情です。設備投資どころか、現状を維持することすら大変な状況になっていると言えます。
区は本年度に、中野区イメージアップ3カ年戦略、起創展街、中野で未来が動き出すというキャッチフレーズのもと、さまざまな施策を展開されているようです。その一つは、イメージアップ・プロモーションと称して、対外的な中野の認知度とイメージの向上を図ること。二つ目は、にぎわいネットワークを構築し、中野の新しい魅力や活力をつくり出すこと。三つ目には、中野の魅力再発見事業として、区民とともに中野の魅力を掘り起こし、再発見し、中野への愛着や誇りを培うことの三つの施策を柱として事業展開していくことが予定されています。
私は、こうした中野のイメージを高めることは必要なことであると思います。実際、応援していきたいとも考えていますが、今、区内の産業や商店街が直面している状況を直ちに打開する特効薬にはなり得ないと思います。
区ではさまざまな産業振興施策が進められておりますが、第1回定例会において、私の総括質疑では、毎年の施策の評価をPDCAで行っている。しかし、中野区として本当に産業振興という観点からどれだけの投資をしながら施策展開をしてきたのかということを改めて真摯に総括をする必要があると思っている。そして、世界的にも経済の枠組みが大きく変わっていく中で、そういった枠組みの変化とこういった地域の産業も無縁ではなく、そういう潮流をしっかりと見きわめながら、区としての施策展開の方向を示すと御答弁がありました。
各部においては、平成21年度の予算要求の時期を迎えておりますが、産業振興施策の充実を期待する立場から、しっかりと予算の裏づけを持つものにするため、産業振興施策の必要性と今後の施策展開の方法について、区長の御見解を伺います。
さて、私は第1回定例会の予算特別委員会の総括質疑の中で、お隣の新宿区が策定途上にあった新宿産業振興プランの紹介もさせていただきました。このプランは、ことしの2月5日から26日までパブリックコメントの手続が行われ、その後、3月にプランとして正式に決定されております。このプランは、平成14年5月に策定された新宿産業振興戦略プランという従来型の施策を総括し、新宿区が平成18年度に行った産業実態調査の結果から、見直す施策や課題を整理して、戦略化したもので、区内の産業の実態を反映したプランとなっています。
ここで、この産業実態調査の結果から把握できた六つの課題を紹介いたします。一つ目が、産業構造のさまざまな二極化現象。二つ目が、情報発信力強化の必要性。三つ目が、地場産業の停滞。四つ目が、小売・飲食・サービスなどのビジターズ産業や商店街の停滞。五つ目が、世代交代時期の到来、これは商店主などの事業継承の問題とあります。六つ目が、女性の事業への進出の必要性。以上6点を課題と把握し、それらを産業振興ビジョンを実現するための三つの戦略に位置付けています。
その戦略の一つが、文化と産業とを融合させる仕組みをつくり、産業や観光の振興により、創造的な人々や企業の交流する場をつくる。二つ目の戦略は、中小企業の革新性や技術力を引き出す環境をつくる。三つ目の戦略は、商店街の状況を踏まえ、地域特性を引き出し、持続可能なまちをつくるというものになっています。
一つ目と二つ目の戦略は、ある部分が中野区イメージアップ3カ年戦略、起創展街、中野で未来が動き出すと重なる面があり、どこの区も同様の施策イメージを持っているように感じております。しかしながら、三つ目の戦略は、あるべき姿を、だれもが訪れたくなる活気と魅力のある商店街づくりとして、具体的な事業として、商店街活性化支援、ステップアップフォーラムの開催、商店街ステップアップ支援事業、新宿区商店街連合会への事業助成、そして、生鮮三品小売店活性化事業などを事業化しています。当然、この事業の中には、中野区で既に取り組まれている商店街にぎわい支援であるとか、空き店舗活用支援といった事業も含まれておりますが、きちんとプランの中の戦略としての事業として位置付けられていることに、私は意味があると考えています。ぜひ中野区の産業振興施策も、こうした意味のあるものとなるよう期待しております。
さて、三つ目の戦略のように、商店街の状況を踏まえ、地域特性を引き出し、持続可能なまちをつくるという姿を実現するためには、現在の商店街や区内の産業が置かれている状況を十分に把握する必要があります。総括質疑の際にも御指摘しましたが、区では平成18年度に中野区産業環境基礎調査を実施しています。この調査では、中野区のセールスポイントの把握、営業ツールの整備、セールス対象の絞り込み、企業誘致に効果的な施策の立案などが主なものでしたが、現在の商店街や区内の産業が置かれている状況の把握はどうされているのでしょうか。
今後の施策の展開に当たり、これまでの施策の成果の検証、総括のほか、現在の区内産業の実態に即した施策の構築を行う必要があると思っています。我が会派が区内の各種団体から平成21年度の予算要求に向けたヒアリングを行っていますが、区内の各種団体の置かれている状況は大変厳しいものがあります。そこで、区としてもいま一度、区内産業・商店街実態調査を行い、さまざまな課題を把握した上で、これからの時代に即した新しい産業振興の戦略づくりに役立てるべきと考えます。区長の御決意をお伺いいたします。
次に、2点目の区内産業のネットワークの構築について伺います。
総括質疑でも御指摘いたしましたが、区では、区内産業の事業活動に役立つ産業支援情報や講座、セミナーのお知らせを、希望する事業所にメールで届けるメールマガジンを運営しています。しかし、この方式は区から発信する情報を一方的に得るだけで、区内企業相互のネットワークとはなっていないことから、産業ホームページを起点とした、インターネットを活用した効果的な産業情報のネットワークの形成の御提案もさせていただいたところです。
担当参事からは、メールマガジンはやはり一方的な情報提供であることから、就労・求人支援サイト「ぐっJOBなかの」をうまく活用しながら、経費的にも膨大にかからない工夫で、今、内部的には検討を進めているところであるとの御答弁をいただきました。ぜひ早期に具体的なシステム構成案をお示ししていただきたいと要望をしておきます。
さて、総括質疑の際に、品川区が産業振興課と図書館が連携し、区内中小企業のものづくりをサポートするナレッジセンター、また、企業交流の場となるよう、大崎図書館内にビジネス支援図書館を設置し、NPOなどの協力を得て、技術支援や経営支援を行っていることを御紹介し、産業振興施策を展開していく上で、図書館との連携を一層深めるべきと御指摘をさせていただきました。
産業振興からは、経営・学び座とか、創業セミナーの中で、データをうまく使うすべみたいなところで、図書館の持つ豊富なデータについてもPRをしていきたい、また、図書館からは、これからの図書館は、これまでの教養やレクリエーションのためだけではなく、区民の自立した生活を支えるために必要な資料情報を積極的に提供していくことが求められており、今後も産業振興分野との連携を一層深めつつ、図書館におけるビジネス支援の機能の充実を図ってまいりたいとのありがたい御答弁をいただきました。
さて、ことしの7月20日のメールマガジンには、「データは商売に活かしてこそ価値がある」という見出しで、中野区中小企業診断士会の方の記事がありました。その記事には、中小企業において、人手やIT投資の不足などにより、さまざまな経営データが収集・活用されていないことが多く見受けられます。しかし、売り上げをはじめとするさまざまなデータは刻々と変化する市場環境に適応していくための指標を提供してくれるものです。あたかも航海に乗り出す船にとっての海図のようなものですとして、実際にある企業の事例を挙げ、データの把握やその活用の必要性が述べられております。
このように企業の経営にはさまざまな情報やデータの収集、分析、活用が不可欠であり、そうした区内中小企業の経営などをサポートするナレッジセンター的機能の整備が必要であると考えます。
そこでお伺いいたします。現在の中央図書館や地域館に専用の産業情報コーナーを設置することが難しいのであれば、勤労者福祉会館内に産業情報のデータベースや各種情報を兼ね備えた産業情報センター機能を整備し、情報やデータの検索、発信といったシステムを構築するお考えがないか、区長の御見解をお聞きいたします。
この項の最後に、契約制度の改革について簡単にお伺いいたします。
先ほども御紹介をいたしましたが、我が会派ではこの9月になってから、さまざまな区内の団体からの予算要望をお聞きしています。それらの要望の中には、工事契約案件の総合評価方式の実施方法に関する要望や、区内事業者の育成のための区発注案件の拡充など、現在の区内産業の苦しい経営実態に基づく要望が数多くございました。
その中の一つに、庁舎や施設の管理、清掃業務を担っておられる団体から切実な要望があります。この庁舎や施設の管理、清掃業務は、その委託金額が前年度の落札額を参考に予算が組まれていることから、入札の不調が相次ぎ、結果、その金額で契約を締結せざるを得ないのが現状で、人件費や物価、特に原油の高騰などの配慮が全くなされていないという実態があることが指摘されています。
また、毎年、入札が行われるため、従業員の雇用が不安定であり、特に障害者を採用したくても、仕事を教え、ようやく仕事になれたときには次の契約がとれないことが想定され、思い切った採用ができないというお話をお聞きしています。
区長は、政策研究機構に障害者の就労に関する研究を行わせる一方、今般、特例子会社の誘致をするなど、障害者の雇用について大変前向きに取り組んでおられます。区内の企業経営者がせっかく障害者を雇用したくても、雇用の安定が確保できない状況では、民間事業者における区内の障害者の雇用は一向に進みません。
第1回定例会の総括質疑でも、業務委託などに長期継続契約を導入し、業務の安定性や効率性、コスト縮減を行うべきではという趣旨の質問をさせていただきました。その際、田中区長からも、契約については、適正な競争性の確保という点があり、単年度契約が原則だが、業務の性質などから、低いコストで安定的に質の高い業務を確保するというようなことから、継続契約がいいといったような場合があると思っている。どのような契約におきましても、適正な競争を確保しながら、よりよいサービスを安定的に、また低いコストで調達ができるように努めてまいりたいと御答弁をされております。
私も、そうした区長の考え方は正論であり、当然のことと思います。23区の多くの区で、清掃業務や学校給食業務などにおいて、長期継続契約を行い、業務や雇用の安定を図っております。ぜひ中野区としても長期継続契約ができる業務の範囲拡大について、御決断いただくことをお願いし、この項の質問を終わります。
次に、ごみ減量施策について伺います。
地球温暖化問題に対する関心の高まりを背景に、大量生産・大量消費型の生活を見直し、ごみを出さない生活スタイルへの転換が国民的な課題としてクローズアップされています。そうした中で、中野区は23区で最も早くプラスチック製の容器や包装の資源回収に着手しました。また、古紙についても、区が収集する行政回収から、町会、自治会をはじめとする地域のリサイクル実践団体による住民の自主的な、いわゆる集団回収へと移行することができました。地域の皆さんのごみ減量に向けた意欲的な取り組みが展開されているところです。また、地味ではありますが、学校や地域に出向いて、ごみの減量や分別の大切さを理解してもらう環境学習の取り組みなども着実な成果をもたらしていると思います。行政評価の結果を見ますと、区民1人当たりが排出するごみ量が、毎年、着実に減ってきていることがわかります。中野区のこうした先駆的な施策展開や地道な努力が相まって、成果を上げたのではないかと思います。
ごみを減らすための3R、ごみの発生を抑制するリデュース、再使用するリユース、資源として有効活用するリサイクルは、ひところから比べると、日常生活の中に相当浸透してきているのではないかと思います。中でもリユースやリサイクルについては、多くの区民が何らかの形で実践していると思いますが、なかなか難しいのがリデュースです。つまり、要らないものは買わない、断る、家に持ち込まないという、ごみを発生させないという生活スタイルではないでしょうか。
そこで、ごみの発生抑制と減量化に有効と言われる家庭ごみの有料化について伺います。
区長は先般の記者会見で、廃棄物減量等推進審議会からの答申を発表されました。答申では、家庭ごみの発生抑制や減量化の方策としての有料化の考え方、具体的な仕組みなどがまとめられています。有料化について、かなり踏み込んだ内容になっているのではないかとの印象を持ちました。
そこでお伺いします。家庭ごみ有料化の基本的な考え方について、区長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。また、記者会見で答申内容を公表した際、他の22区に先駆けて家庭ごみ有料化に取り組む姿勢が示されましたが、中野区が率先するのはどのような理由によるのでしょうか。お答えください。
次に、ごみの分別について伺います。
この10月に予定されているごみの分別方法の変更は、三十数年前にごみの種類が可燃ごみと不燃ごみとに区分されたとき以来の大がかりなものとなっています。区は、今回の分別方法の変更に合わせて、プラスチック製の容器や包装の資源回収を区内全域での実施とともに、区民要望の強かったペットボトルの回収がびん・缶集積所で開始することもあり、地域説明会では毎回、会場があふれるくらい多くの区民の皆さんが出席されたと聞いております。そうしたことからも、今回のごみの分別区分変更に寄せる区民の関心の高さがうかがえます。
そこでお伺いしますが、今回のごみの分別区分の変更により、区としてはどのような成果を期待しているのでしょうか。また、ごみの分別区分が混乱なくスムーズに実施されるためには、区民の理解と協力が欠かせません。そのためにはPRを徹底し、区民への十分な周知に努める必要があると思いますが、区はどのような取り組みを行っているのでしょうか。お聞かせください。
3番目の鳥インフルエンザ対策について質問します。
鳥インフルエンザとは、鳥類がインフルエンザウイルスに感染して起こる病気です。鳥類に感染しているインフルエンザウイルスは、A型インフルエンザウイルスです。鳥インフルエンザウイルスに感染して発病するのは、鶏や七面鳥などの家禽に限られ、野鳥はほとんど発病しません。また、鳥インフルエンザウイルスの中には、鶏などを死亡させる強毒な株、H5型、H7亜型などがあり、その感染による病気を高病原性鳥インフルエンザと呼んでいます。
現在、世界じゅうでこの鳥インフルエンザが変異し、新型インフルエンザになり、人から人への感染の症状があらわれて、大流行した場合、これをパンデミックと言いますが、これを想定し、その対策が急ピッチに進められています。
ダイヤモンド社発行の「週刊ダイヤモンド」7月26日号に特集として詳しく説明された記事を保健所長会議で資料として配られたということもお聞きしましたので、少し御紹介をさせていただきます。もしこの新型ウイルスが首都圏で発生した場合に、東京都では約30%の都民が罹患し、高い確率で死亡することを予想しています。石原東京都知事も、東京は日本の心臓部であり、頭脳部だ、これが麻痺してしまったら、この国は滅びると、ことし5月の記者会見で新型インフルエンザの予測される深刻な状況を語った上で、楽観的にとらえている政府や都民に対して意識改革を迫る強いメッセージを送られました。
現在はパンデミックアラート期といって、6段階あるフェーズの第3段階に位置付けられて、動物のインフルエンザが人に感染しているが、家族内など密接な接触者を除き、人から人への感染はないとされています。中野区でもこの深刻な事態を受けて、ホームページ上で新型インフルエンザの大流行に備える食料備蓄や発生時の外出自粛などについてと、食料備蓄の重要性や、学校や事業所の閉鎖、くしゃみの仕方まで細部にわたり、その対応を説明していますことは、他の自治体のホームページに比べても大変よくできていると評価しています。
もし新型インフルエンザが発生したときには、中野区は大きく分けて二つの対応が必要だと思います。一つは、社会的対応として、区民や企業の社会的活動の自粛を通し、新規罹患者の発生予防を図ることが重要です。社会的対応の例として、外出の自粛、学校、事業所の閉鎖などがありますが、区民の命にかかわることです。私は自治体として、危機管理という考え方に当てはめ、ガイドラインを作成することが急務だと考えています。電気、ガス、水道といったライフラインの安定した供給から、区が直接的な対応を迫られるごみの収集、区庁舎での窓口業務、地域センターでの対応など多岐にわたります。区はどのようにお考えになっているのか、そして、どういう対策をとるのかを明らかにしてください。
もう一つの対応として、医療対応という考え方があります。もし発生した場合に、区は保健所などの施設を発熱センターとして、患者さんの対応に当たることとしています。しかし、罹患者と直接接触する医療従事者への予防や二次感染を防ぐためには、どういった準備をされているのでしょうか。昨年の1月29日付読売新聞夕刊では、鳥取市は20万市民のために、20万枚のマスクを購入し、備蓄をしているという報道がありましたが、現在、自治体や民間企業でもマスクの備蓄に取り組んでいることは、区はもちろん御存じのことでしょう。中野区でも医療従事者や社会機能維持者に向けて、マスクを備蓄し、被害を最小限に抑え、区民の安心・安全を図る必要があると考えます。どのような対策をとっていかれるのか、お答えください。
以上で私の質問を全部終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えいたします。
まず産業振興施策についてであります。
御質問にありましたように、現在の経済状況は大変難しい時期にある。中野区内に限らず、日本の経済の将来というものが大変心配な状況というふうに言えると思っております。そういう中で、中野は産業の売上高というのでしょうか、23区の中でも大変低位の位置のままというような状況でありまして、産業振興を進めていくということを中野区の施策として大変重要なものと位置付けていくことが大切だと考えて取り組んでまいりました。
そういう意味で、産業振興のさまざまな課題を受けとめて、区としてできる施策、新たな産業施策を体系的に展開していく。そのための産業振興プログラムの策定を現在進めているところであります。これまで中野区内の産業が抱えているさまざまな課題でありますとか現状につきまして、把握に努めてきたところで、そうした結果を踏まえて、どう取り組んでいくのか、具体的な体系的なプログラムの策定が重要だと考えているところであります。そうした中で、新たな戦略的な産業振興施策についてお示しをしていきたいと思っております。
それから、情報の関係であります。
中小企業の経営などをサポートするナレッジセンター的機能の整備が必要ではないかと。確かにそういったナレッジセンター的な機能、情報にアクセスでき、それぞれの企業がそれぞれの立場で経営戦略を常に打ち出していけるというような環境をつくっていくということも重要なことだと考えております。
御質問の中にもありましたけれども、中央図書館のほうでビジネス支援機能の充実を検討しているところであります。図書館の機能、図書館は中央館も含めて中野区内に8館所在しているわけであります。そのうちの幾つかの館で、そうしたビジネス支援機能を拡充して、区内の産業振興に寄与していくというような取り組みをしていくということでありまして、産業振興分野と中央図書館とがこれから連携して、そうしたビジネス支援機能の充実の検討を行っていくということが必要だと思っております。区内事業者や区内への進出を検討している事業者、これらの皆さんにとって、どのような情報提供が効果的なのか、そうしたことの情報収集に努め、分析を行い、収集すべきデータや活用方法でありますとか、提供の仕方、こういったことについて具体的な検討を行っているところであります。
それから、長期継続契約の拡充についての御質問がありました。
御質問の中でも、既に以前にお答えいたしました内容の御紹介がありましたけれども、区といたしましても、適正な競争性を確保しつつ、長期継続契約を行えるように進めていくという考え方で取り組んでいるところであります。長期継続契約ということによりまして、安定的に質の高い業務を、しかも安価に調達することができるということが一つのメリットというふうに考えております。そういう意味で、総合評価方式などによりまして、適正な競争を確保しながら、よりよいサービスを安定的かつ効率的に調達できるよう、長期継続契約の拡充を進めてまいる所存であります。
家庭ごみの有料化についての御質問がありました。
ごみ発生の抑制や減量のためには、家庭ごみの有料化は効果的な施策であると考えております。中野区は集合住宅や若年の単身者世帯が多いといった特性があるわけであります。そうした区の特性を十分考慮しながら、区民の理解が得られるよう、議会の皆様とも御相談しながら取り組んでいかなければならない課題であると考えております。
有料化する理由は何かということであります。再三申し上げましたように、ごみゼロプランで掲げたごみの量の削減という目標を達成していくためには、ごみの発生抑制や減量化に努める必要があるわけであります。そのために有料化が効果的な施策だと考えているということが一つであります。
もう一つ、清掃工場が所在していない中野区といたしましては、清掃経費の節減と事業の効率化を図るとともに、ごみの減量に取り組んでいる人とそうでない方との負担の公平化も進める必要があるだろう。そうしたことを通じて、23区に率先してごみ減量を進めていくという姿勢を示していくことが肝要であると考えているわけであります。
それから、10月から区内全域でごみの分別の区分が変更されます。御質問の中にありましたように、これは大変重大な、重要な変更であると考えているところであります。これまで埋め立てていた不燃ごみから、プラスチック製の容器と包装を区内全域で資源として回収し、ゴム、皮革、革製品などを燃やすごみに分別変更することで、資源の有効活用が大幅に進むということと、埋め立てごみ量の大幅な減少によって、海面処分場の延命化が図れるといったようなことで、大きな成果が期待できると考えております。
そうした成果が期待できるとしても、この分別区分変更がスムーズに区民の皆様に御理解をいただき、御協力をいただけるということがなければ、決して成果にはつながらないわけでありまして、分別区分変更のPRにこれまでも努めてまいりました。分別区分変更のリーフレット等を全世帯に配付いたしますとともに、町会、自治会の御協力をいただきながら、チラシの回覧を行ったり、あるいは御質問の中でもありましたけれども、地域センターなどでの説明会を約60回開催をしてまいりました。そのほか、区報の特集号の発行でありますとか、ホームページの掲載、それから、ケーブルテレビによります、ごみ分別の変更についてのコマーシャルなども入れまして、さまざまな媒体を活用したPRに努めているところであります。ぜひとも御理解、御協力を賜りたいと思っております。
私からは以上でございます。
〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 新型インフルエンザ大流行期の社会的対応についてお答えいたします。
新型インフルエンザの流行が大規模、いわゆるパンデミック期になった場合には、危機管理の問題として対応する必要があることは認識しております。現在、国、都は対応策についてガイドライン及びマニュアルを定めておりまして、中野区といたしましては、国、東京都、民間事業者と協力し、区民の生活の維持のための役割を果たせるよう取り組んでまいりたいと考えております。
中野区役所の区民に直接携わる業務については、現在、保健所は経営室の危機管理分野と協力し、パンデミック期の計画の策定を準備しているところであります。あわせて、大流行期の対応に関する各部が参加する訓練及び研修を今年度も実施する予定でございます。
次に、医療器具の備蓄についてでございますが、新型インフルエンザの発生初期には、流行の防止を主眼とすることになり、対応する区内の医療機関の分も含めて、医療従事者に必要な防護具を備蓄することにしております。現在の防護資材備蓄は、発生の初期、いわゆる国内発生期から都内流行前期において、35人掛ける3週間分として計算し、防護服やN95マスクなどを約700セット備蓄しております。大規模流行のパンデミックになった場合には、国のガイドラインでは基本的には個々の医療機関、事業者にて自己防衛対応として防護資材を用意することになっておりますが、区内の医療機関で対応し切れない部分については、どういったことができるか検討しているところであります。
以上でございます。
〔いでい良輔議員登壇〕
○10番(いでい良輔) 何点か再質問させていただきます。
一番初めの質問項目でもありました区内産業活性化のための区施策の拡充について、区長から御答弁を賜りましたけれども、先ほど戦略的な産業振興プログラムの策定にこれから臨むということで御答弁をいただきましたが、私はことしの第1回定例会の予算特別委員会の総括質疑におきまして、この産業振興プログラムの策定を急いだほうがいいんじゃないかと。そうしたら、御答弁の中では、今年度中早い時期に策定し、お示しさせていただきたいという旨の御答弁がありましたから、2定になるのか、3定になるのか、はたまた次の4定になっていくのかというふうに期待をしておりましたが、第3回定例会におきましても、そういった報告もないようですし、補正予算でもそんなこともなさそうでしたし、また、今回の質問に当たって、理事者の皆さんから事細かに取材を受けるわけですけれども、産業振興プログラム、第1回定例会の予特ではそういった答弁をしましたけれども、まだちょっとできそうもないので、そのことは勘弁してほしい的な内容の理事者とのやりとりがありました。
そういったことがあったにもかかわらず、先ほど区長のほうから、産業振興プログラムを早急に策定していきたいという旨の御答弁がありました。これはどういったことなのか。区長のお考えは区長のお考えで、私も大変すばらしいと思いますけれども、産業振興分野とどういった意思の疎通ができているのか。今、私たち、中野区議会の第3回定例会をやっていますけれども、中野区民の皆さんあっての中野区であって、中野区議会だと私は思っていますし、そうではないと思っている方は一人もいないと思っています。長引く不況だとか、また世界的な経済の不安定状況が続いていく中で、中野区の産業振興を担っている商業店主の皆さんは、本当に危機的な状況に陥っていると思います。区のぶれるというか、そういった姿勢が区民を愚弄しているものじゃないかととられてもおかしくはないようなことかなと感じておりますので、もう一度その点、どうなっているのか、わかりやすく御説明をいただきたいなと思っています。
また次に、長期継続契約について、総合評価制度も導入しながら取り組んでいくという御決意をいただきましたけれども、これがいつになるのか、また来年度からになるのか、そういった具体的なスケジュールが決まっていたら、今ここでお示しいただきたいと思っています。
あと、鳥インフルエンザの新型インフルエンザ対応についてですけれども、マスクの備蓄、またはその数ということでお伺いいたしました。現在、区は国内発生の初期の段階で35人分掛ける20日間でしたっけ、N95というマスクを700枚備蓄しているということで伺ったんですけれども、35人掛ける20枚というその数ですね。鳥取市では、20万市民に対して20万枚備蓄しているという話がもう去年の早い段階で出ているわけですよ。中野区は30万人口がいて、30万枚というならわかりますけど、35枚掛ける20日間ということで700枚、これを備蓄して、または大流行したときには自己防衛ですから、それぞれ自分たちでどうぞという考えは、危機管理という考え方からも、保健福祉のトップである保健所長の御答弁としてはいかがなものかなと思います。
もしパンデミックになったときに発熱センターというものが設置されて、区内の保健所、あとは福祉センターなど4カ所、プラス民間も2カ所、合わせて約6カ所の発熱センターを設置するというお考えがあるそうですけれども、残りの二つの民間から、2センター、うちがやります、私がやりますという声が上がらないのは、そういった準備の足りなさから来るものなのかなという感じを受けましたけれども、もう一度、マスクの備蓄に対して、中野区民の人口や、またパンデミック期になれば、1日2回交換して、約8週間それが続いていくということを考えた中でも、700枚という御答弁はどうかと思うので、もう一度御答弁いただきたいと思っています。
以上です。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
まず産業振興プログラムですけれども、担当と私のきょうの答弁との間に温度差があるのではないかといったようなことであります。
区の方針でありますので、私が申し上げることが区の方針であるということでお受けとめいただきたいと思っております。担当といたしまして、直接担当する立場とすれば、具体的にどういうふうに戦略的な展開をしていくのか、具体的な方策等について、これだという自信を持って打ち出せるものを体系的につくり上げるのがなかなか難しい作業だといったようなことを認識しているということだと思っておりますけれども、対策の枠組みをまずつくることが大事だというふうに思っておりますので、この産業振興プログラムについて、できるだけ速やかにつくってまいりたいと思っております。
それから、長期契約の予定であります。
今回の第3回定例会の中で、方針についてお示しをさせていただきたい、このような予定をしておりました。第4回定例会におきまして、その結果を踏まえた、議会でもこれについて御議論いただいた結果を踏まえて、第4回定例会におきまして、規則改正を御報告させていただいた上で、来年1月には施行できるような運びにしてまいりたいと考えているところであります。御理解をいただきたいと思います。
〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 医療器具の備蓄について再度お答えいたします。
現在、備蓄しております防護服やN95マスクといいますのは、医療従事者に対する特殊な、いわゆる発生初期の封じ込め期における積極的疫学的調査でありますとか、とりあえずのための特殊な医療器具でございまして、いわゆる一般区民の方々の備蓄というところまでは、現在、用意していないところでありますが、国や都の対応を踏まえて、区としてもどのような備蓄をしていったらいいかということは今後検討していきたいと思っております。
〔いでい良輔議員登壇〕
○10番(いでい良輔) 鳥インフルエンザについて再々質問させていただきます。
特殊なマスク、防護服と言いましたけれども、中野区で備蓄しているN95というマスクはこれなんですね。特殊な防護服というようなほどのものかなと。また、特殊医療従事者の方が直接罹患者と接触する方じゃない、一般の方が使われるもの、サージカルマスクというんですが、これ。どっちが特殊で、どっちが特殊じゃないかというのも見分けがつかないぐらいのものだと思うんですけれども、これが700枚。(「つけてみて」と呼ぶ者あり)1回あけちゃうと、今後、僕が使うときに何かあるかなと思いますけれども、N95マスク、今、あけろという話でしたから、大体こういうものなんですね。鼻と口をこうして、息を吸うときにへこむ、結構息苦しいものということがあるんですけれども、これを35人分、だれとだれとだれがつけるんだという、今、リストがあったら教えていただきたいくらいですよね。じゃなくて、中野区内にある、もしパンデミックだ、新型インフルエンザが発生したときに罹患した方々が行かれるかもしれないところ、そこに、中野区がそのときには使ってください、備蓄しておいてください、何かのために区民の皆さんからそういった問い合わせがあったときにすぐに使えるよ、こういう体制が整っていますよと示すためにも、35人に20個ずつ、700枚、これ、特別な防護服という感じはしませんからね。70万枚ならまだわかりますけども、もう一度御答弁と、あと国と東京都からのガイドラインがなければ区は何もできないとかそういうことじゃなくて、現在、もう35人分、700枚用意してあるわけですから、これを段階的にどういう予算をつけてふやしていくのか、こういったことまで明らかにしていただかないと、もし起きたときに、あのときこう言ったじゃないか、保健所どうなんですかと言ったら、35人分しかありませんでしたということじゃ、何の危機管理にもなっちゃいないと思いますので、その点だけ、力強く御答弁いただきたいと思います。
以上です。
〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 現在の備蓄はN95のマスクだけではなくて、防護服といいまして、全身をカバーするものを700セット用意しております。パンデミック期における備蓄に関しましては、東京都も現在備蓄しておりまして、パンデミック期においてはある程度特別区のほうに流通されると聞いておりますし、こういう防護服だけではなく、タミフルでありますとか、パンデミック期を乗り切るためのさまざまな備蓄対応をしてまいりたいと考えております。
○議長(市川みのる) 以上で、いでい良輔議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時44分休憩
午後3時05分開議
○議長(市川みのる) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 内 川 和 久
1 中野駅周辺まちづくりについて
(1)産・学・公連携について
(2)中野駅南口地区におけるまちづくりについて
(3)自転車道について
2 小中一貫校について
3 (仮称)すこやか福祉センターについて
4 休日診療事業について
5 その他
(1)オンデマンド交通について
(2)その他
○議長(市川みのる) 内川和久議員。
〔内川和久議員登壇〕
○1番(内川和久) 自由民主党議員団の内川和久でございます。第3回定例会において、自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。
質問は通告どおり、1番、中野駅周辺まちづくりについて、(1)産・学・公連携について、(2)中野駅南口地区におけるまちづくりについて、(3)自転車道について、2番、小中一貫校について、3番、(仮称)すこやか福祉センターについて、4番、休日診療事業について、5番、その他、(1)としてオンデマンド交通、新しい交通機関について、(2)その他はございません。
中野駅周辺まちづくりについてお聞きします。
初めに、産・学・公連携についてお聞きします。
警察大学校跡地に明治大学、帝京平成大学、早稲田大学の開校が決まりました。今、大学は地域に開かれることが当たり前の時代となっています。図書館だけではなく、体育館やグラウンドなど、大学のさまざまな施設が市民に開放されています。また、一般向け講義の開設、環境や教育などのセミナー、体験学習に至るまで、地域社会を一緒に考える機会は実にふえています。
さまざまな試験研究、また、最新の情報やデータを持っている大学は、地域にとって大きな魅力を持ち合わせています。その大学が実に3校も新しく中野に開校することになりました。巨大な大学というシンクタンクをどう生かしていくのか、どう取り込んでいくのかは、職員2,000人体制を目指し、さまざまな部分で民間委託を行っている中野区にとっても、行政運営の上で一助となるのではないでしょうか。
例えば早稲田大学は、墨田区と地域振興を目的とした包括協定の締結を行っています。共同研究や技術移転の産業振興のみではなく、人材育成、まちづくり、教育活動等、大学が持つ資源をすべて投入しての幅広い地域振興を行うことを目的にしています。現在、年間30ものプロジェクトが進行しているそうです。
大田区のインキュベート施設には、中央大学、明治大学、日本大学等との直接的な連携を支援する大田ビジネス協議会、ものつくり大学が居を構えています。明治大学では、大学の持つエネルギーを大学内の教育、研究だけではなく、微力ながら可能な限り地域社会に提供できればと考え、さまざまな取り組みを始めていいます。例を挙げますと、千代田区との災害協力協定と災害救援ボランティア講座、杉並区との区内高等教育機関との連携協働、成田市では市民の生涯学習への意欲の高まりにこたえるため、市民カレッジを開設いたしました。
そこでお聞きします。8月7日に中野区と東京工芸大学は相互協力に関する基本協定を締結しました。警察大学校跡地に開校予定のこのような3校の大学では、どのような学部が開設され、区として具体的にどのような学・公連携を考えているのか、お聞かせください。
また、大学等が立地をした場合には、学校施設の活用による防災備蓄機能の確保や救急救援物資の供給などが可能となります。さらに、帰宅困難者の受け入れなど、災害時の救援体制について、区と大学等で日ごろから緊密な連携を図り、災害時の協力関係を築くとありますが、進捗状況をお聞かせください。
また、中野駅周辺まちづくりグランドデザインによりますと、大学と企業等、社会との連携・協力窓口となる共同センターを大学内に設置することを目指すとありますが、現在の進捗状況をお聞かせください。
最後に、インキュベーション施設を大学内敷地へ整備を目指すとありますが、進捗状況をお聞かせください。こちらは桃丘小学校跡地に予定されています新しい産業関連施設との連携・関連についてもお答えください。
次に、中野駅南口地区におけるまちづくりについてお聞きします。
区は中野駅周辺をにぎわいの心と位置付け、そのにぎわいづくりの大きな契機として、警察大学校跡地の開発がまさに始動したところであります。中野駅地区の整備を進め、その整備が北と南の回遊性を高め、それが南北、東西エリアの連携を図りながら、それぞれが相乗効果を持てるようなまちづくりを進めていくとあります。
警察大学校跡地整備が進むと、中野駅の1日の乗降客は3万人から4万人にふえると予測がされています。中野駅自体の整備は当然必要となり、また、駅周辺の商店や地域住民にとっても、駅を中心とした回遊性のある歩行者動線は非常に重要な問題となっています。現在、北口に比べ、1日の乗降客が2分の1と少ない南口にとっては、警察大学校跡地整備が進むと、ますますその差が大きくなり、まさに格差が広がると思えるわけです。北側は数々の公共工事が盛り込まれ、近代的なまちに生まれ変わろうとしています。駐輪場やバス停留場や駐車場の整備はほとんど北口に集中しており、南側はほとんど手つかず、このままでは警察大学校跡地整備の恩恵にあずかれないどころか、南口の火は消えてしまいます。南口の活性化のためには、きちんと駅地区との整備と連携すること、アクセス機能がきちんと強化されることが最も重要と区も認識しています。
条件的に不利な南口へより多くの人々が足を運ぶ、そういった施策が必要ではないでしょうか。南側の多くの住民は、北重視、南軽視と感じています。中野駅地区と中野駅南口の整備構想案の検討では、歩行者動線の概念図として、駅を中心として、中野二丁目、三丁目、四丁目、五丁目が見事に円を描かれ、どの地域にも駅から等しくアクセスできるように描かれています。また、先日、特別委員会の視察で訪れた大崎駅は、東西南北、公共施設、民間施設が見事に橋上デッキによってつながれており、どの地域も施設も等しく駅の恩恵にあずかれるようになっていました。
そこでお聞きします。現在の構想では、中野駅に新たに西口改札を整備し、南北通路でつなぐよう示されておりますが、中野三丁目地区へのアクセスはどのような形になるのでしょうか。将来的に丸井との間に駅前ゾーンを整備し、駅前空間をつくり、そこへ駅から直接アクセスできるよう構想がありますが、地権者との間で話し合いはできているのでしょうか。また、開発準備組合等ができるよう、区として積極的に働きかける予定はあるのでしょうか。お聞かせください。
また、それまでの暫定的な処置として、階段やエスカレーター、エレベーターの設置は不可欠と考えられますが、どの位置にどのような形で具現化されるのか、お答えください。
また、この4月に閉校となった桃丘小学校跡地には、現在、文化・芸術の拠点として整備が予定されておりますが、中野三丁目地区の駅前ゾーン整備のための代替地としての活用も考えられますが、区のお考えをお聞かせください。
次に、中野二丁目地区再開発についてお聞きします。
現在、準備組合ができ、着々と再開発に向けて進んでいると聞いております。この中野二丁目地区再開発は、北口の警察大学校跡地再開発と並び、南口側にとって非常に重要な開発となっています。南口へより多くの人々が足を運ぶには、中野二丁目地区再開発を成功させ、中野駅との高低差のないスムーズで直接的なアクセスが絶対不可欠と考えます。地元からも、西側橋上駅舎から現南口広場におりる通路、また、中野二丁目地区から中野五丁目地区への南北通路を設置していただきたいとの強い要望が出ております。現在、駅舎及び南北通路の整備について、ケース1-1からケース2までの四つの案が示されておりますが、南口の事情をよく考慮していただき、結論を出していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
次に、中野二丁目地区JR用地についてお聞きします。
現在、島忠が営業を継続しております。この用地は、公共公益施設ゾーンとして位置付けられ、もみじ山文化の森や第九中学校跡地に建設予定の新中野体育館とともに、将来、機能連携可能性を検討するとあります。また、開発が行われる場合には、隣接するこれら施設と極力一体的に整備し、より一層の機能拡充を図るともあります。近い将来、島忠の移転計画が出た場合、区として積極的にこのJR用地を取得する考えがあるのか、区のお考えをお聞かせください。また、その場合に医療関連機能の導入ともありますが、具体的な考えがあればお聞かせください。
次に、南口駅前広場についてお聞きします。
平成27年度より整備予定の南口駅前広場に、より多くの人々が足を運ぶような施策はないでしょうか。例えば渋谷駅のように、忠犬ハチ公やモヤイ像のようなモニュメントを設置するなどしたら、待ち合わせ場所の目印に、また話題にもなり、一石二鳥だと考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
最後に、南口地区の人々の思いを代読させていただきます。
大きくまちが変わろうとしているとき、ある地域では将来に希望を感じ、他の地域では絶望感、無力感を感じるような計画は好ましくないと考えます。地域差はある程度仕方のないこととしても、中野駅周辺の大多数の人々に希望の光が見えるような計画にすべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
この項の最後に、自転車道についてお聞きします。
昨今、自転車と歩行者のトラブル、事故が非常にふえています。中野区内では毎年500件を超える事故が報告されているそうです。この先、中野駅周辺再開発が進めば、より多くの自転車、歩行者が駅周辺に集中することとなり、トラブルや事故の増大が予測されます。第1回定例会総括質疑の答弁において、自転車道については、杉並区や世田谷区で行われている社会実験の結果や公表を踏まえて検証をすると同時に、中野駅周辺まちづくりの計画を進めていく中で、街路整備にあわせて自転車走行レーンの設置の可能性を検討するとありました。具体的方策の進捗状況をお聞かせください。
次に、小・中一貫校についてお伺いします。
第1回定例会総括質疑でお聞きした小・中の一貫教育についてお伺いします。
教育を一人ひとりの児童・生徒の人間としての成長発達を支援するものだと考えた場合、必然的に発達の連続に力点を置くようになります。ここに教育における垂直のつながり重視の基礎があります。小学校と中学校では、学習指導や生活指導において、学校間の接続が必ずしも円滑に行われているとは言えず、中学校進学に際して不安や戸惑いを感じている児童・生徒も少なくない状況があります。これは中1ギャップというそうです。また、小学校で認められた個性や能力、あるいは興味・関心を継続して伸ばしにくいなど、課題が指摘されています。
小中一貫教育全国連絡協議会によると、現在、全国多くの自治体、学校では、子どもたちの豊かな学びと育ちの実現を目指して、9年間を見通したカリキュラムの構築、英語教育の充実、小・中学校の教員交流や連携など、小・中一貫教育を柱とする新しい義務教育の創造に向けて、さまざまな取り組みが進められており、創意工夫を凝らしたカリキュラムの実践等による児童・生徒の変容、不登校者数の減少、小・中教員の積極的な交流や授業改善、教職員の意識変化等、数多くの成果も報告されています。
品川区においては、義務教育が抱える課題を打開する努力を小学校、中学校、それぞれの中で終わらせることなく、義務教育9年間に対する責任意識や教員の指導観や学力観を確実に変化させるために、18年度よりすべての小・中学校で一貫教育への本格的移行に入りました。また、渋谷区では、中学に入学後、授業についていけなくなったり、不登校になったりする生徒が少なくなく、9年間継続した教育の必要性を感じ、すべての小・中学校で一貫教育を目指しています。
半年で2,000人以上が視察をした品川区の日野学園では、6年生から7年生に進んだ生徒に不登校はいないといいます。また、教員のほとんどが小・中一貫教育の有効性について、肯定的にとらえているそうです。品川区の小・中一貫教育2年目の効果として、以下のことが報告されています。国語、算数においては、基礎・基本の学力定着度が高まっている。児童・生徒の集団行動をはじめ、基本的生活習慣の中で、規則の遵守、礼儀作法、公共、公徳にかかわる態度、意識については、全国平均よりも上回る顕著な効果があらわれている。とりわけ教員の意識や指導力の高揚については、施設分離型連携校より施設一体型一貫校のほうが高い傾向にあるなどなどです。東京都だけでも、足立区、渋谷区、三鷹市、町田市などが、また、京都府など他府県でも導入を計画しているなど、全国に広がる機運が発生しています。
また、中野区の目指す学校像では、集団の活力を生かし、コミュニケーション能力の基礎となる力を育成しますとあります。また、教育の連続性を見るということは非常に大事であり、教育課程とか教育の指導方法については、義務教育の9年間を見通して考えることが大切であると認識されております。
そこでお聞きします。今年度、教育委員会では、中後期の学校再編の見直しをすると聞いております。現在の再編計画が完了するのは平成31年度の予定であり、それから小・中一貫教育、一貫校を検討するには時間がかかり過ぎると考えます。現在の公立校離れ、私立志向の状況に早急に対応するべきと考えます。学校再編計画を進めている今こそ、一貫教育、一貫校の検討を視野に入れるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
この項の最後に、第1回定例会総括質疑において、区長より一貫教育のいい面、悪い面についても研究していく必要があるとの答弁をいただきました。帝京大学名誉教授、亀井浩明さんが小中一貫教育連絡協議会の会報に寄せた文章を紹介させていただき、改めて区長の小・中一貫教育、一貫校に対するお考えをお聞きしたいと思います。
読ませていただきます。今、人は自分らしさを大事にせよという論が世界的に一般化している。自分の生き方は自分でデザインすべきだという論が広がっている。この傾向に私は個人的には賛成する。でも不安がある。それは、各自がばらばらにならないかということである。人間としてのつながりが切れてしまわないか。電車の中で化粧をしている女性は、大勢の中で自分だけの小さな世界をつくって他と断絶している。小中一貫校日野学園の開校記念式で、まだ幼児のような1年生と、半分大人のような中学3年生(9年生)が一緒に校歌を歌っているのを見て、彼らがごく自然に人間としてつながっていると考えて感動した。今、治安の悪化に伴い、人には本心を見せず儀礼的に応対することを余儀なくされている。孤立化が大きな流れになっているのは極めて残念である。日野学園の児童・生徒を見て希望が持てた。以上です。
学校改革と言われるものは、従前の学校システムや形を大きく変える要素を含んでいます。小・中一貫校も同じであると考えます。いわば教育の多様化を生み出すわけです。私は、これからの時代、公立校といえども思い切った改革を行い、独自性を出すことが重要と考えます。区長のお考えをお聞かせください。
次に、(仮称)すこやか福祉センターについてお聞きします。
(仮称)すこやか福祉センターは、新しい中野をつくる10か年計画の中で、子どもの健やかな成長、高齢者や障害のある人たちが安心して生活できるよう、総合的、継続的に支援するための地域の拠点施設として設置するものです。区内四つに分けた日常生活圏にそれぞれ設置が予定されており、中部圏域には仲町小学校跡地に平成21年度中の開設を目指しています。機能としては、仲町すこやか福祉センター、地域スポーツクラブ、精神障害者社会復帰センターが整備される予定で、災害対策の地域拠点機能も備えます。
初めに、地域スポーツクラブについてお聞きします。
地域スポーツクラブは、文部科学省の政策として始められた事業で、21世紀においても活力ある社会を維持していくためには、国民だれもが主体的・継続的にスポーツに親しめる環境づくりが急務であるとの時代の要請にこたえるものであり、生涯スポーツ社会を実現する上で大きな役割を担うものとされています。また、地域スポーツクラブは、多様なスポーツニーズに対応できる多種目・多世代であり、子どもからお年寄りまでがスポーツを通して地域の人と交流し、相互に刺激し合う関係が生まれることや、地域のさまざまな人材の発掘、活動の場の提供につながる可能性を持つとも言われております。現在、全国各地で地域スポーツクラブが設立・運営されていますが、それぞれの地域特性や地域生活の上に育成されるものであり、その地域に合ったクラブでなければならないと思います。
こうした中、中野区の地域スポーツクラブ構想が策定され、再編後の学校跡施設を活用して、地域スポーツクラブの第1番目の活動拠点を仲町小学校跡施設に整備し、将来的には区内4カ所程度整備していくとの考えが示されました。私も、中野区にふさわしい地域スポーツクラブが誕生し、成長・発展していくことを願っている一員ですが、であるからこそ、地域との協力やかかわりの深いスポーツクラブを設立する必要があると考えています。こうした認識のもと、何点かにわたりお尋ねしたいと思いますので、現在の検討状況を踏まえお答えください。
区は、新たな公益法人を設置し、その法人が地域スポーツクラブの運営を担うことと計画をしています。冠に「地域」とつく以上、どのように設立や運営に地域が絡んでいくのか、また、地域からは設立の段階から地域の親たちがかかわれる仕組みがつくれないかという要望が出されていますが、お考えをお聞かせください。
次に、地域スポーツクラブとして各種事業を行うほか、小学生タイム、中学生タイムの時間を設けるとあります。青少年の居場所とすることも検討するとあります。近くには仲町児童館に設置予定のU18プラザが予定されており、機能がダブると考えられますが、U18プラザとの連携、差別化をどのように考えているのか、お聞かせください。
次に、地域スポーツクラブの機能についてお聞きします。
主な機能として、区民の健康づくりと体力づくりのための機能、学校運動部活動の支援、スポーツの指導力・競技力の向上の支援と、三つあります。学校運動部の支援については、例えば近くにある区立第九中学校では、仲町小学校も含め、近隣の小学校が再編でなくなったため、今までそこを使っていたスポーツ団体の目的外使用が九中に集中し、体育館は毎日埋まっています。しかも、平成24年度には九中と中央中の再編が計画されており、これ以上部活の数がふえると、学校内では活動ができなくなります。
そこで、学校と地域スポーツクラブとの新しい連携の検討を行うとありますが、具体的な内容をお聞かせください。また、原則として地域スポーツクラブの利用については、会員となり、会費を支払うとのことですが、こういった学校の部活で利用するような場合、また、先ほど述べた小学生タイム、中学生タイムでも有料となるのか、お考えをお聞かせください。また、地元住民の方々の利用について、気軽に利用できるよう範囲や利用料についてもお聞かせください。
次に、精神障害者社会復帰センターについてお聞きします。
区は、精神障害者の社会的自立を支援するため、さまざまな作業活動への参加や就労のための支援などを通じて、社会参加や社会復帰を促進し、また、障害者を支える家族に対する支援を行うとあります。現在、中野駅北口にある社会福祉会館スマイルなかのにあるものを移転し、開設する計画です。社会復帰センターは、社会福祉会館の6階に入っていますが、6階には同じく精神障害者を対象とした地域生活支援センターも入っており、施設を共有しています。このため、作業場所や事業の実施時間等に制約があることから、その手狭さを解消するとともに、それぞれの事業の充実を図るため、仲町小学校跡施設に社会復帰センターの移転を計画したことは承知しています。
その一方、社会復帰センターが移転してくることについて、地域で不安の声が上がっています。9月18日に仲町小学校で行われた2回目の近隣住民説明会に私も出席いたしましたが、そのときにも何人かの方から心配であるとの意見がありました。住民の方の不安や心配は、障害者の方に対する理解が必ずしも十分ではないこともその一因となっていると思います。区は、社会復帰センターの運営の状況などを、近隣の方に理解されるよう十分な説明責任を果たすべきです。あわせて、障害者の方々が安全でスムーズに仲町小学校跡施設まで通えるようなアクセス経路を考えるべきと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
この項の最後に、ビオトープについてお聞きします。
仲町小学校の時代に、子どもたちの自然環境教育の一貫として、敷地南側の通称仲町山脈に整備されたビオトープは、日ごろの管理が悪く、昆虫や小動物が近隣住居へ侵入するなどの被害が報告されております。区は引き続きこのビオトープを存続させる計画ですが、地域からは近隣住民への配慮が必要であるとの意見が出されております。今後の安全管理、日常の維持管理をどのように行っていくのか、お考えをお聞かせください。
次に、休日診療事業についてお伺いいたします。
休日診療事業については、医療機関が休診日となる日曜日や国民の祝日、年末年始などのときに、急病となられた区民に対して、応急診療事業を実施することにより、休日における診療を確保し、区民の健康を守ることを目的として、昭和47年から実施している事業です。診療業務は、区から中野区医師会に委託しており、医師会に加入の医療機関が当番制で診療を行っています。
先日、中野区医師会との懇談会で、医師会独自に行った中野区の小児医療・緊急医療についてのアンケートが示されました。295の医療機関で行われ、878名より回答をいただいております。その中の設問で、中野区休日診療事業は、休日ごとに4カ所の診療所、2カ所の病院が持ち回りで休日診療を行っています。この事業についてどのようにお考えになりますかとの問いに、休日診療しているところが少ないので、休日診療事業を継続してほしいという回答が約74%、656名から、また、他区で行われているセンター方式のように、1カ所で固定して診療してほしいという回答が約32%、283名より寄せられました。
医師会によりますと、休日診療事業は平成13年度から委託費が2分の1に減額されたため、事務職員、看護師、医師の確保が難しくなり、このままでは当番制を維持することが困難な状況にあることがわかりました。例えば中野区で休日診療事業にセンター方式を取り入れるとすると、区内4カ所にこれから展開するすこやか福祉センターの施設利用も一つの選択肢ではないかとのことですが、将来的に休日診療事業をどのように方向づけしていくのか、区のお考えをお聞かせください。
最後に、オンデマンド交通、新しい交通機関についてお伺いいたします。
オンデマンド交通というのは、地方での赤字路線バス廃止を受けて始まったシステムであります。都市部での成功例は少なく、高齢者のみが利用でき、ランニングコストも高いと聞いております。中野区は区内の移動制約者のために、オンデマンド交通、新しい交通機関を平成20年度検討、平成21年度導入との予定ですが、国の補助制度や料金設定等、現在の進捗状況をお聞かせください。
また、オンデマンド交通は通勤、通学には向かないと聞いておりますが、東京大学大学院新領域創成科学研究所では、幅広い利用者を目指し、独自の計算手法で、客が目的地への到着時間を指定でき、何人乗せてもおくれず運行できるシステムを開発したそうです。区として、高齢者だけではなく、だれもが利用できる新しい交通機関の導入が望ましいと考えますが、お考えをお聞かせください。
これで私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えいたします。
警察大学校跡地に開校予定の大学についての御質問がありました。
まず帝京平成大学は、薬学、看護など医療系の学部とお聞きしております。早稲田大学については、学生寮の機能を持たせた国際的な交流施設を計画しているところであります。明治大学につきましては、現在のところ具体的な学部等はまだ決まっていないというふうに聞いているところです。
こうした大学等とどのように学・公連携をしていくのかということでありますけれども、今回、警察大学校跡地に進出する大学のうち、明治大学、帝京平成大学、それから事業者--東京建物さんを中心とする事業者ということになりますけれども--と区の間で警察大学校跡地地区のまちづくりに関する覚書を取り交わすこととして協議をしているところであります。
学・公連携につきましては、大学の有する研究、教育の機能や資源を活用して、区と連携した事業の展開を行うこととし、大学はその計画を区に提案し、協議しながら実施するということを、その覚書の中に盛り込むということで合意をしているという段階であります。
それから、災害時の体制等についての連携や協力体制についての御質問もありました。
同じように覚書の協議の中で、区はこの一帯が防災拠点としての機能を果たせるよう、十分なオープンスペースを確保することに加えて、大学等の事業者と災害時に協力し合える関係の構築や、区の災害対策を補完する施設の設置等について、これも覚書の中に盛り込むということで合意をしてきたところです。
それから、産・学連携の共同センター等についての御質問がありました。
事業者、大学と締結する覚書の協議の中では、区内の産業界と協力し、中野における産業や人材の育成の具体化に向けた産・学・公連携を協議し、推進していくことに合意をしております。次の段階では、そうした連携の具体化について、さらに協議を進めてまいりたいと考えております。
また、同様に協議の中では、事業者とともにまちの魅力を高め、まちを活性化する取り組みを積極的に推進するものとしておりまして、区内の産業界と協力して、地域振興のための組織づくりを行うことについても合意をしているところです。こうした取り組みの中で、一定のスペースを使用した事業を実施するなど、インキュベーション機能についてのあり方も検討をしていきたいと考えております。
大学や、事業者、それぞれがそれぞれの立場から区とともに産・学・公連携にかかわっていただくということで、動きが始まっているというふうに御理解いただきたいと思っております。
それから、桃丘小学校の跡地の活用につきましては、こうした警察大学校跡地の動きだけではなく、中野二丁目、中野三丁目のまちづくりの動き等との関係もあります。中野駅周辺全体の活性化や、それぞれの地域の果たしていく役割、これらを検討していく中で具体化をしていきたいと考えております。
次に、中野駅南口地区におけるまちづくりについての幾つかの御質問があります。
まず、中野三丁目地区への働きかけについてということであります。
西口改札を含む駅整備に当たっては、中野三丁目地区への駅からのアクセスが欠かせないというふうに考えております。位置といたしましては、桃園通りと線路沿いの道路との交差点付近が想定されるわけでありますけれども、その形態でありますとか、事業手法でありますとかにつきましては、まだ具体的な検討をするまでには至っておりません。今後、検討を進める中で、中野三丁目地区をはじめといたします関係地権者の皆様とも協議をしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、中野駅南口の活性化につながるような積極的な働きかけを地元に行っていきたいと考えているところであります。
次に、中野三丁目地区への暫定的なおり口ということについての御質問もありました。
御質問にもありましたように、中野三丁目地区へのアクセスについて、三丁目側のほうにその受け皿となるスペースができるまでの間、まだできない間は、駅南側西口の南北通路を整備をしても、その必要最小限の暫定的な出入り口の整備が必要となるということであります。この暫定的な整備であったとしても、ユニバーサルデザインに基づく整備は不可欠でありまして、エレベーターやエスカレーター等を整備する中で、垂直方向の円滑な移動についても十分配慮していきたいと考えております。
それから、桃丘小学校の跡地の活用について、中野三丁目地区の駅前ゾーン整備のための代替地としての活用も考えられるのではないかという御質問がありました。旧桃丘小学校跡地の、現在行っている暫定利用後の計画については、御質問の中にもありました中野三丁目地区まちづくり事業での利用についても、可能性としては考慮しながら、中野駅周辺まちづくりに最大限に資する活用を考えていきたいというふうに考えております。
それから、駅舎等の整備案についての御質問がありました。南口の事情をよく考慮して整備構想をつくっていくべきだという御質問であります。
整備のあり方については、地元の住民の皆様や商店街の皆さんの御意向を十分伺いながら検討していく必要があると考えております。その上で、中野二丁目、三丁目、そして北側、四丁目及び五丁目の各地区がそれぞれに発展し、相互に影響し合って、中野駅周辺全体のまちに活力や集客力、あるいは回遊性の向上につながるような整備構想となるように検討をしていきたいと考えているところであります。
それから、JR用地等の活用についての御質問であります。
御指摘のありました商業施設につきましては、当面、移転する計画はないというふうに聞いております。そこを含みます電車区やJR用地等につきましての地区についても、可能となれば再整備を進めるべきであると考えておりまして、まちづくりの検討の中で対象としてきているところであります。しかしながら、この御質問の中でありましたような、この地区の中に区が取得をするかどうかということですけれども、しかしながら、この地区の中に区が積極的に用地取得をするということは考えておりません。
中学校統合後の九中跡地には、中野体育館が移転する計画があり、区民等の健康増進を図る関連施設として、医療関連企業について、そういった記述が昨年度のまちづくり勉強会で配付をいたしました資料に記載されておりました。このことについて、医療関係機能の導入ということについての考えをという御質問だったわけですけれども、これにつきましては、JR車庫が仮に跡地になった場合の導入機能例のあくまでも一例ということで考えているものでありまして、現時点では具体的な話として検討しているまでのことではありませんので、御理解をいただきたいと思います。
それから、南口駅前広場のにぎわいをもたらす施策についての御質問がありました。
南口駅前広場整備は、中野二丁目地区の再開発事業との連携が重要であると考えております。また、整備に当たっては、交通結節点としての機能を十分果たした上で、区民や来街者が集い、楽しみ、訪れたくなるようなまちのシンボルとなる広場としていきたいと考えております。具体的な中身については、今後、駅前整備の検討を進めていく中でさらに深めてまいりたいと考えております。
南口駅前広場整備に当たって、南口の方も含めて、中野駅周辺の大多数の人々に希望の光が見えるような計画にすべきである、こうした御質問がありました。
中野駅周辺のまちづくりを進めるに当たりましては、JRと中野通りで分断をされた東西南北、四つの地区がそれぞれの個性を生かして、多くの人がその地区をそれぞれに行き交える回遊性のあるまちづくりを推進して、それぞれの地区の個性を生かしながらも、また一体的に発展をしていく必要があると考えているところであります。そして、この四つの地区の中心に位置しております中野駅地区の整備構想については、これら四つの地区を結びつける大事な場所、地点ということでありますので、こうした視点で取り組み、将来のまちの発展にあわせて、さらに成長をリードできるような、そんな構想となるように検討を進めていきたいと思っております。
それから、自転車走行レーンの検討についてであります。
これだけ大きな、長期間にかかりますけれども、駅全体のまちづくり構想をしていくということであります。さまざまな自動車の動線や人の動線、あるいは自転車の動線といったようなことについても配慮をしながら、それぞれが安全に通行できる快適な空間をつくっていかなければならない、こう考えているわけでありまして、駅周辺の全体の構想を策定していく中で、自転車通行の安全確保につきましても検討をしていきたいと考えております。
それから、小・中一貫校についての御質問の中で、私の小・中一貫教育に対する考えを聞きたいといった御質問がありました。
教育委員会のほうで、すべての小・中学校において教育内容を連携していく形で連携教育を準備していく、そのこととあわせて、中野区の実態に合った連携教育を検討しているところであります。検討内容がある程度固まった段階では、私としては、施設一体型の一貫校を立ち上げることも効果があるのではないかと考えているわけでありますが、当面は教育委員会の検討結果を踏まえて、一貫教育を進めてまいりたいと思っております。
私からは以上です。そのほかはそれぞれの担当のほうからお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小・中一貫校につきましてお答えいたします。
小・中一貫教育、一貫校の検討を進めるべきであるということでございます。
小学校から中学校への接続の中で流れる生活面とか学習面の課題を解消するという視点から、9年間を通じて系統的な教育活動を実現する小・中連携教育をすべての区立小・中学校で行うことが重要であるというふうに考えております。区といたしましては、今、中野区の実態に合った連携教育のあり方を検討しているところでありまして、連携のあり方の具体的な形としての一貫校については、現時点では白紙となっております。
それから、(仮称)すこやか福祉センターについての質問にお答えいたします。
地域スポーツクラブ設立、運営への地域のかかわり方についてでございます。
地域スポーツクラブのあり方や組織などにつきましては、現在、検討しているところでございます。今後、例えば運営協議会というような場を設けまして、利用者や地域住民が運営にかかわれるようにしてまいりたいと思います。
それから、地域スポーツクラブとU18プラザとの連携についてという御質問でございます。
地域スポーツクラブは子どもから高齢者まで、さまざまなスポーツのニーズにこたえられるよう考えているところでございます。U18プラザにつきましては、地域のゼロ歳から18歳までの年齢層を対象に、さまざまな事業を展開すると同時に、子育てや健全育成の地域ネットワークの中心的機能を果たすものとなります。子どもや青少年を対象とする事業という点では、スポーツとのかかわりも出てくる可能性もございます。また、健全育成とスポーツ、健康づくりは密接な関係があると考えてございます。そうしたわけで、U18プラザとも協力できるところは協力しながら、相互によりよいものとなるようにしてまいりたいと思っております。
それから、地域スポーツクラブの学校運動部活動への支援についてでございます。
地域スポーツクラブからスタッフを学校に派遣したり、児童・生徒が地域スポーツクラブに来てもらう形で、学校運動部活動の支援を行いたいと考えております。具体的な内容につきましては、今後、十分詰めていきたいと思います。
それから、地域スポーツクラブの小・中学生対応の料金についてでございます。
小・中学生につきましても、年齢に応じました一定の負担をお願いする考えでございます。ただ、学校運動部活動の支援につきましては、区の委託事業としてまいりたいと考えております。
それから、地域スポーツクラブの地元住民の範囲、利用料につきましての御質問がございました。
地域スポーツクラブは現在、区内に4カ所の配置を考えてございまして、特に地元と区切ったようなエリアは想定してございません。なお、仲町小学校跡につきましては、従来、仲町小学校を使っていた町会や防災会の用意については一定の配慮を行う考えでございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) すこやか福祉センターに関する質問の幾つかにお答えいたします。
まず、併設する精神障害者社会復帰センターについて、区による理解を得る説明をという御質問でございます。
区としては、これまでも地元町会や地域説明会で理解を得るよう説明する機会を設けてきたところでございます。その中では、利用者の状況や日々の活動の内容についても御説明し、理解を深めていただけたものと思っております。今後も機会をとらえて理解を深める取り組みをしてまいります。
また、このセンターに通う利用者の通所についての御質問がございました。通所の経路、コースにつきましては、利用者と相談をして、通いやすくて安全なコースを決めるようにしていきたいと思います。
次に、すこやか福祉センターのビオトープについての御質問でございます。
(仮称)仲町すこやか福祉センターには、環境に優しいまちづくりへの取り組みの一貫として、水辺と緑の小空間を整備する予定でございます。整備に当たりましては、安全管理に十分配慮するとともに、御質問にありました小動物が近隣に迷惑をかけたりすることのないよう、地域の意見、要望等を踏まえながら、検討してまいりたいと思います。
次に、休日診療事業についての御質問でございます。
医師会に委託をして、区内医療機関が当番制で実施している休日診療事業につきましては、今後のあり方について、身近なところで診療が受けられ、安定した診療体制が継続できることを基本といたしまして、医療機関とも意見交換を行ってまいりたいと思います。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、オンデマンド交通の検討ということにつきまして御答弁させていただきます。
これにつきましては、本年度、オンデマンド交通導入可能性の調査検討を事業者に委託をしております。事業スキームといたしましては、民間主導ということで考えておりまして、区が直接担い手になるということは考えていないというところでございます。また、現在は料金などサービス水準の目標設定を行いまして、オンデマンド交通の担い手となる交通事業者へのヒアリングを委託調査の中で行っているという状況でございます。
また、オンデマンド交通は需要のある箇所を結ぶ交通システムでございまして、路線やダイヤが定められた路線バスと、それから自由に運行するタクシーの中間的な機能を持つ、比較的予想密度が低い地域に適した公共交通というふうに位置付けられているというところでございます。サービスの対象者といたしましては、現在のところ、主として移動制約者のうち乗り合い輸送になじむ、いわゆる元気な高齢者、これを対象として検討をしているところでございます。
以上でございます。
○議長(市川みのる) 以上で、内川和久議員の質問は終わります。
中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
1 医療的ケアを必要とする人への支援について
(1)地域ケアをすすめることについて
(2)実態の把握と組織体制について
(3)医療機関との連携について
(4)通所施設やショートステイ、一時保護の受け入れについて
(5)その他
○議長(市川みのる) 次に、佐藤ひろこ議員。
〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○40番(佐藤ひろこ) 第3回定例会に当たり一般質問いたします。
医療的ケアを必要とする人への支援について質問いたします。
「私は機械に助けられて呼吸をする。チューブを通じて食事をとる。それでも日々生きる楽しみがある」。けさの朝日新聞に紹介されていたALSの患者さんの言葉です。その生きる楽しみを支えているのが医療的ケアです。
医療的ケアは医療者が行う医療行為と区別するために生まれた言葉です。口から食べることができないので、体に管を入れて食事をとる経管栄養、呼吸をする力が弱いので、機械を使う呼吸器管理など、病気を治す治療とは違い、その人を継続的に支えていくための欠かせない行為です。
障害のある幼児の通所施設アポロ園や特別支援学校などにお子さんを通わせている保護者の方々から、ここ数年、医療的ケアに関する要望が多くなってきています。医療的ケアの担い手は、家族または医師、看護師が原則ですが、最近はALSの患者の方や、また養護学校の教員など、一定の条件のもとでヘルパーもできるようになってきました。しかし、まだまだ家族が片時も離れられない介護を担っております。レスパイトやショートステイが切実な要望となっていますが、受け皿はありません。
医療的ケアを必要とする人を受け入れているところを探して歩きました。名古屋市にあるAJU自立の家の福祉ホームで、8歳で病院に入って以来30年間病院にいて、昨年初めて地域で暮らし始めた38歳の青年に会いました。24時間人工呼吸器をつけ、経管栄養、病院にいるだけの生活、死にたいと思っていた青年は、思い切って病院を出て地域で暮らすことを選びました。今が最高に楽しいと人工呼吸器をつけた青年は言います。部屋には天井いっぱいにサッカー選手のポスターが張られ、ヘルパーさんと一緒にサッカー観戦に行くのが最高の楽しみだそうです。ヘルパー、訪問看護師、訪問診療の医者、福祉ホームの職員など、さまざまな職種の人たちが連携して、その青年の地域生活を支えています。青年も周りの人々に希望を与え、地域ケアとは何かを教えてくれています。
横浜市にある重度障害者の通所施設、訪問の家「朋」には、医療的ケアを必要とする人がたくさん通っています。年々ふえてきているそうです。医療的ケアを受けながらも、空き缶回収やジャムつくりなどの作業をしています。「朋」には診療所が併設されています。横浜市は、医療的ケアを必要とする人の受け入れを進めるため、診療所併設の通所施設に上乗せ補助を行っています。
その「朋」の職員から、出版されたばかりの「ケアが街にやってきた」、この本ですが、紹介されました。その本の帯に、「みんなで医療的ケア。家で、病院で、学校で、ホームヘルプで、福祉施設で、そして街で。みんなが暮らしやすい街ができると信じて」とありました。地域ケアの実践がこの本の中にはあふれておりました。ぜひお読みいただきたいと思います。
また、「朋」の職員から、中野区の職員さんたちがつくられたものを私たちはお手本にしたいと思っていますと、東京都障害者施設医療的ケア研究会がまとめた「医療的ケア導入のための基礎事項」という報告書を見せてもらいました。その研究会には、中野区の障害者施設の職員が4人も参加されていたのです。目の前のニーズにどうこたえようかと考えている職員の方々がいらっしゃることに心強く思いました。
医療的ケアを必要とする人が、ヘルパー制度とともに通所施設や一時保護などのサービスを利用し、地域でともに生きていけるように、地域のケア体制を充実していくことは、これからさらに必要な取り組みになってくると考えます。区長のお考えをお伺いいたします。
次に、実態の把握と組織体制についてです。
どこでお話を聞いても、医療的ケアを必要としている障害児者がふえているということです。中野区の状況はどうなのか調べてもらいました。保健福祉センターで把握しているのは、学齢前の乳幼児だけで12人、そのうちアポロ園でフォローしているのが6人だそうです。学齢期の子どもたちの状況は、障害福祉分野が問い合わせ、特別支援学校に8人、特別支援学級に4人いることがわかりました。18歳以上の障害者は、重度訪問介護の利用者から医療的ケアの必要な人をピックアップしたら18人いたそうです。そのうちALSの方は9人です。各通所施設には、医療的ケアを必要とする人は9人通所しているそうです。重度訪問介護を受けていない人や学校に通っていない子どもは把握できていないかもしれません。中野区では、医療的ケアが必要な人のみならず、重度の障害児者の人数をトータルに把握している部署がなく、傾向もわかりません。なぜ中野区では実態把握がトータルにできていない状況になっているのでしょうか。
横浜市では、児童相談所が在宅の重症心身障害児者数の数と推移を把握しています。年々増加の一途をたどっており、7年間で35.4%の増、現在、約800人となり、そのうち医療的ケアを必要とする人は、アンケートの結果から約300人近くということでした。横浜市では、こども青少年局に障害児福祉保健課があり、そこの障害児者医療調整担当係が医療的ケアが必要な人の状況を把握し、政策展開を行っています。昨年度は重症心身障害児者へのアンケート調査を実施し、実態調査を行い、今年度は医療連携の検討会を設置し、重症心身障害児者を診察したことがある医療機関すべてに訪問調査を行っているところだそうです。まず障害児者と医療に関する実態を把握するために、アンケート調査に取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。そのためにも、トータルに実態把握を行い、福祉と教育と医療の連携をコーディネートしていく組織が必要だと思います。どの組織がその役割を担うのでしょうか。新たな組織体制が必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
次に、医療機関との連携についてです。中野区の特別支援学級たんぽぽ学級では、医療的ケアを必要とする子どもは、入学時は受け入れていませんが、在学中に医療的ケアが必要になった子どもが5人もいます。また、医療的ケアには至っていませんが、たんが詰まったり、嚥下障害がある子どもが多く、通学してきた子どもたち全員にまず先生たちが行うのがたんを出させる行為で、給食の介助が一番緊張するそうです。たんを詰まらせたときに吸引などの医療的行為ができるのは看護師1人です。丸山小の校長先生も、看護師さんも、近くに連携できる病院が必要だと切実におっしゃっておりました。
アポロ園には嘱託医が複数いますが、医療的ケアの子どもたちに対応できる専門医はいないとのことです。障害者福祉会館の通所者にも、途中で医療的ケアが必要になった人が2名になり、今後、必要になる利用者がふえる予想で、医療機関との連携や看護師体制の充実が求められています。障害者福祉会館は、来年度、指定管理者が運営することになります。アポロ園は再来年度、民間委託になり、医療的ケアの子どもたちの受け入れを行える法人を募集しているところです。医療機関との連携に区がしっかりコーディネーターとして関与する必要があると考えます。何人かの小児科、内科医さんにお話を伺いましたが、区内には重度重複の障害児者に対応できる医療機関が余りないようです。区外の専門病院、区内の中核病院との連携体制ができれば、地域の開業医も協力しやすくなるという御意見もありました。
障害児者の重度化が進み、教育機関も福祉施設も新たな課題と対応が迫られています。アポロ園やたんぽぽ学級などの福祉施設や教育施設と医療機関との安心できる連携と協力体制をつくる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
そのためにも、医療機関がどのような協力ができるかなどの調査を行い、またその結果を必要とする区民や関係機関に情報提供する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、医療的ケアに関する施策や関係機関との連携などについて検討するために、医療機関や特別支援学級、障害者施設、区の関係分野などによる検討会の設置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
また、看護師、医師などを対象にした医療的ケアに関する研修会を医療関係団体などと協力して行ってはいかがでしょうか。
最後に、通所施設やショートステイ、一時保護の受け入れについてお伺いします。
医療的ケアを必要とする子どもたちの保護者の切実な要望は、緊急時や介護者が疲れたときのための区内でのレスパイト、一時保護の場所です。現在では2カ月前から予約しなければならない、板橋区や北区にある療育医療センターなどしか利用できるところはありません。アポロ園では緊急一時保護を実施していますが、医療的ケアを必要とする子どもは利用することができません。新アポロ園での医療的ケアを必要とする子どもたちの通園や一時保護については、実施できる方向で検討されているのかどうかをお伺いいたします。
学齢期の子どもたち、また18歳以上の人の区内での一時保護、ショートステイについては、どのように実現の方法を考えているのかお伺いいたします。
医療的ケアが必要な人を中野区内では唯一江古田の森施設で受け入れています。障害者施設における医療的ケアが必要な通所者は5名、入所者は6名です。ショートステイがようやく始まりましたが、医療的ケアを必要とする人の受け入れは、現在、看護師が2名しかいないので困難とのことです。福祉職がまだ十分に医療的ケアにタッチできない状況の中では、どこの福祉施設でも看護師の充実が必要になってきています。通所施設やショートステイなど、福祉施設での受け入れを広げるためには、看護師の配置を充実し、福祉職との連携を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
医療的ケアは、障害者児の問題だけではありません。高齢者が抱える医療的ケアの問題も大きくなっています。福祉と医療が連携した地域ケア体制づくりは、障害児者のみならず、超高齢化社会を迎える私たちにとっても見過ごしにできない問題だと思います。区としての前向きな御答弁をお願いしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。
医療的ケアの問題については、対象となる方がふえていく中で、十分な社会的な仕組みがまだでき上がっていない、大変重要な問題だと認識をしております。
区は、障害のある人もない人も等しく地域の中で、みずからの尊厳を守り、必要な支援を受けながら安心して暮らし続けることができる社会を実現させることを目標に、さまざまな施策を展開しております。医療的ケアが必要な障害者等につきましても、施設や在宅での体制づくりとともに、対応が進められてきたところではありますが、まだまだ不足をしていると考えているところです。必要なサービスの整備を進めるとともに、自助、共助、公助のバランスのとれた包括的な地域ケアのネットワークづくりを展望して進めていきたいと考えております。
実態把握と組織体制についてであります。
現時点では、区では障害者等の医療的ケアを必要とする状況については、それぞれの施策の所管ごとに把握をしているという状況でありまして、全体として取りまとめられる体制にはなっておりません。所属するそれぞれの所管が把握しているケースを集計するところから始めたいと思っております。その上で、それらの皆さんがどういう実態にあるのかの実態把握を進めていきたいと考えております。そして、医療的ケアの必要な方に対する課題を踏まえて、区としてどういった形でどういう部署が対応していくべきなのか、対応を定めてまいりたいと考えております。
医療機関との連携についてであります。
障害児者に適切な医療的ケアを行うには、医療機関と福祉施設等が連携、協力して対応する必要があります。この連携は、医療機関同士の相互の協力や施設と医療機関との協力関係など、多面的に構築していく必要があると思うので、施設関係者や医療機関と意見交換をしていきたいと思っております。
研修会の実施について御提案もありました。医療的ケアに関する研修会の実施について検討してまいりたいと思います。
それから、一時保護、ショートステイのことであります。
療育センターアポロ園は民間事業者に運営委託することとしているところであります。その中で、医療的ケアを必要とするお子さんの児童デイサービス及び緊急一時保護について対応する方向で準備を進めているところです。
それから、学齢児、18歳以上の方の一時保護、ショートステイについて、一時保護、ショートステイを行っている江古田の森保健福祉施設と医療的ケアの対応について協議し、実施を図っていきたいと考えております。
それから、通所施設やショートステイの受け入れ体制についてであります。
それぞれ制度の中で施設が新たに看護師を確保するのは、財源確保などの面で実現がなかなか難しいというふうに聞いているところであります。区の通所事業であります障害者福祉会館では、看護師を配置して医療的ケアを行っているところであります。
以上です。
○議長(市川みのる) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 学校給食について
2 生活保護を受けている方の医療受診について
3 その他
○議長(市川みのる) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の方から寄せられましたご意見をもとに質疑いたします。
1番目、学校給食についてお尋ねいたします。
1998年9月より、経費削減の名のもとに、学校給食調理業務の民間委託化が始まり、現在、小学校2校を除く38校で、17社が調理を行っています。さらに2004年度より、区の非常勤栄養士を廃止し、現在、小・中20校に民間委託の栄養士が、残りの20校には東京都の栄養士が配置されています。2007年度主要施策の成果、外部評価の結果には、「調理委託推進により、経費削減が行われ、高く評価できる」、「引き続き経費削減に努力していきたい」と記されています。
調理委託導入の際に削減できた金額は給食のために使うと区は区民に説明していましたが、およそ10年間で削減できた金額は幾らでしょうか。そして、それは給食のどの部分に使われたのでしょうか。具体的にお答えください。
経費削減だけに目を奪われ、より安全でおいしく、バランスのとれた質の高い給食の提供という視点が見過ごされてはなりません。委託導入の際に、区が区民に約束をした調理業務の質の維持はどのように検証され、確保されているのでしょうか。大変気がかりです。委託会社のパート募集のチラシをよく目にします。その内容は、安易に主婦が家庭料理の延長線上で働けるかのような印象を与えます。しかし、安全・衛生及び調理業務等作業基準及び仕様書では、高度な衛生管理に基づく専門性の高い調理技術が求められています。特に中野区の学校給食は質が高く、冷凍食品や加工品は使用せず、化学調味料なども使わず、天然の素材からだしをとるなど、安全で安心な調理と献立になっていますから、なおさらです。安全で安心な質の高い給食を求めるのであれば、経費削減を過度に追求するのではなくて、調理水準に見合う委託費を支払うべきであると考えます。
私は先日、元中野区の正規の調理員で、退職後、2007年度からパートで委託会社に雇われ、区内の小学校で調理業務に携わっている方のお話を聞くことができました。その方のお話によれば、委託会社のチーフと呼ばれている食品衛生責任者は、他区での学校給食調理業務の経験者であったため、作業基準を遵守し、パートで働く人たちにもきめ細かな調理指導及び衛生指導を行っていたそうです。しかし、そのチーフが退職して、今年度から新たなチーフに変わった途端、手抜き調理が始まり、仕様書及び作業基準が守られていないことがその方の指摘により発覚しました。
幾つかの例を挙げます。作業基準によれば、エプロンは最低限給食室内用と下処理室用とに分けて用いることになっていますが、同一エプロンのみで調理業務がなされていたそうです。また、野菜の洗浄は下処理室で下洗いを十二分にした後、給食室内の清潔な流水で3回以上水洗いをすることになっていますが、下処理室で2回洗っただけで済ませていたそうです。また、はし、スプーン、フォークはそれぞれに分けてこすり洗いをし、3槽流しですすぎ洗いを2回行い、回転釜で熱湯消毒を行った後に、さらに熱風保管庫で消毒をすることになっていますが、それぞれを分けてのこすり洗いと熱湯消毒が省略され、かごごと洗い、すすぎ、熱風保管庫にしまわれていたそうです。また、調理作業終了後、排水溝は毎日必ず清掃することになっていますが、パート労働者の時間短縮のためか、1週間に1~2回しか清掃していないそうです。
以上の内容は、元区調理員であった方が、委託現場の給食室で体験し、これでは安全で安心な給食は確保できないと悩みながらも、栄養士と学校長に報告をし、さらに7月に教育委員会に報告されたとする内容のほんの一部です。これらの報告は重大な委託契約違反にあたると私は思いますが、教育委員会はどのような認識をお持ちなのか、お答えください。
7月に学校長が、8月に教育委員会が委託会社に行ったとされる改善指導内容について、具体的にお答えください。さらに、その指導の結果としての現状確認を教育委員会の責任において、当該校に出向いてなされたのか、確認の方法を具体的にお答えください。
委託会社のチーフが替われば、業務の質も変わります。さらに、調理技術を習得できないうちにパートの人が頻繁に入れかわる現状では、常に検証を行い、指導しなければなりません。調理業務及び栄養業務がともに民間委託となっている学校には、教育委員会の学校健康推進担当者が最低月に1回は給食調理業務指導支援として巡回し、検証指導を行っていますが、都の栄養士が配置されている学校はその栄養士に任せており、教育委員会による仕様書及び作業基準に基づく業務確認はなされていません。先ほどの報告は、都の栄養士が配置されている学校での出来事です。都の栄養士といえども、調理室にずっといることはできないため、調理過程のすべてを把握することは困難です。よって、作業基準を委託会社に遵守させるために、都の栄養士が配置されている学校も含め、全校を対象に業務遂行確認を行い、教育委員会の責任において委託契約違反がないのか検証することを求めます。区の見解をお答えください。
今回のことは、たまたま元区の調理員が雇われていたことで発覚しましたが、現在の状態は、人件費を削減し、利益を生み出すために、調理業務の手抜きへと流れていく危険性を常にはらんでいるのではないでしょうか。未来を担う子どもたちのために、メラミンが添加されている加工品である卵焼きが学校給食に使われていたなど、相次ぐ命を脅かす食品問題を回避し、冷凍食品を解凍して出すだけの給食にならないよう、手作りにこだわる安全で安心な中野の給食水準を堅持していかなければなりません。そのためにも、次年度に向けてさらなる経費削減の追求路線を見直し、安全で安心な給食の確保ができるよう、その労働に見合う委託金額とすべきです。よって、次年度予算に反映できるよう、委託金額の検証を求めます。区の見解をお答えください。
次に、生活保護を受けている方の医療受診についてお尋ねいたします。
生活保護を受けている方が医療機関を受診する場合は、原則として事前に福祉事務所から渡される医療券を持参の上、生活保護法による指定医療機関で受診しなければなりません。ただし、急病、休日等、やむを得ない事情のある場合には、医療券を持たずに、生活保護を受けていることを証明するものを提示すれば、非指定の医療機関でも受診することができます。
当然のことですが、非指定医療機関であっても診療報酬は福祉事務所より支払われます。8月1日現在、東京都の調査によれば、中野区内の保険医のうち内科などの医科は100%が指定医療機関になっていますが、歯科は88%に留まっています。歯科医には指定医療機関となっていただけるよう協力を求めていかなければなりません。
実は8月のある日曜日に、生活保護を受けている区民の方が急な歯の痛みに襲われ、区報に掲載されている休日当番医に行かれたところ、非指定医療機関であることを理由に受診を断られ、他の遠方の医療機関を紹介されたという出来事が起こりました。これはあってはならないことです。そもそも休日当番医というのは、休日に突発した急病患者の診療のために設けた制度であり、1回の当番に対して5万3,600円が支払われています。東京都に確認したところ、非指定医療機関であることを理由に、休日の急病患者の受診を断ったという事例は聞いたことがないということでした。生活保護受給者が非指定医療機関に受診した場合の医療費支払い制度の周知徹底と、指定医療機関になっていただくよう協力要請をするよう、東京都から中野区に依頼がなされ、区は歯科医師会を通じて非指定医療機関に協力のお願いの通知を送付されたと伺っています。
そこでお尋ねいたします。本件の事実確認を区は行ったのかどうか、お答えください。そして、事実なら、今後、診察していただけるよう、その休日当番医にどのような働きかけを行ったのか、お答えください。
また、今回の通知により指定医療機関が増えたのかどうか、その成果をお答えください。今後は休日当番医が非指定医療機関であっても、急病の際は診療していただけるよう、再発防止策についてお答えください。
命や健康が大切にされる区政運営を求め、すべての質問を終わります。誠意ある答弁を求めます。(拍手)
〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 学校給食についてのご質問にお答えいたします。
まず、調理業務委託の節減効果についてでございます。
累計でおおよそ15億円と考えてございます。これは一般財源であることから、特に何のためにということではないわけですが、教育の充実のために充てているというふうに考えてございます。
次に、調理業務委託内容の確認に関して何点かご質問いただきました。
まず、基準に従った作業が行われていないことがあったというご指摘でございます。
調査の結果、仕様書と異なる取り扱いが一部見られましたが、全体としては良好に業務が遂行されており、重大な契約違反とは教育委員会としては考えてございません。
給食調理業務受託者に対しましては、仕様書の中の安全・衛生及び調理業務等作業基準にのっとって業務を行うよう、教育委員会としても十分に指導したところでございます。
指導後の改善の確認ということにつきましては、都費の栄養士の配置校では栄養職員の職務でございます。また、栄養業務の委託校では委託業務の内容としておりまして、適切に行っているところでございます。調理業務委託校で、なおかつ栄養業務の委託校につきましては、今、議員からお話のあったとおり、教育委員会事務局の担当職員が定期的に学校の給食室を巡回しております。このほか、すべての調理業務の委託校には、毎年、学校長及び栄養職員に対して、給食調理業務委託についての検証調査を行っているところでございます。こういったことによって、適切な対応に努めていきたいというふうに思っております。
最後に、調理委託金額の検証とのご質問でございます。
これまでも給食調理業務委託契約につきましては、適正な仕様書を作成し、入札により委託金額を決めているところでございまして、適正な価格というふうに考えております。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 生活保護受給者の休日医療についてのご質問にお答えいたします。
まず、事実確認をしたかということでございますが、東京都を通じてこの件につきまして連絡がありましたので、当該医師会に問い合わせを行いました。
次に、働きかけをしたのかということでございますが、当該医師会は生活保護の指定をとっていない医療機関でございましたので、そうした医療機関でも、後に診療費の支払いを実施できるということを区からご説明いたしました。
また、歯科医師会との連携等についてのご質問でございますが、生活保護の非指定医療機関が生活保護受給者の診療を行った際の診療報酬の請求事務等について、改めて案内を行ったところでございます。
次に、再発防止策についてどう考えるかということでございます。
生活保護の指定医は、区内の保険診療を行っている医療機関では、ご質問にございましたように、医科が100%、歯科88%となっております。非指定の医療機関におきましても受診は可能であり、対応の体制はあるというように考えております。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 再質問をいたします。
答弁に大変驚きました。学校給食の問題ですけれども、安全・衛生及び調理業務等作業基準及び仕様書どおりにやっていなくても、これは委託契約違反にあたらないというのが御答弁でよろしいでしょうか。今後、こういった会社が出てきたときにどういうことになるんでしょうか。もう一度答弁をお願いいたします。
〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 今回のご指摘の点でございますけれども、先ほどご答弁したとおり、仕様書と異なる取り扱いが一部見られましたが、全体としては調理業務について行われているということで確認をしてございます。
以上でございます。
○議長(市川みのる) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 副区長3人制について
2 中野区政策研究機構について
3 その他
○議長(市川みのる) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 中野区は新しい基本構想として、これまで行政が担ってきた仕事の一部を民間活力や高い自治意識を持った区民の力の活用で賄っていく方針を出しました。地域センターから(仮称)区民活動センターへの転換や、NPO等公益活動への支援などを通して、区は区民参加を呼びかけています。そして現在、2,000人体制の小さな政府構築を目指し、民営化や業務委託に取り組んでいるところです。
高齢化と少子化が進む社会の中で、これからだれが自分たちの生活を支えてくれるのか、行政は自分たちの生活に責任を持って対応してくれるのか、区民は不安を持っています。私はこれまで、きちんと区民と対応し、責任を持つ立場の人員を、区民に身近な生活の場からなくさないでほしいと指摘し、また、小さな政府を目指すのであれば、効率的で少数精鋭の行政でなければならない、区民の自治力を重んじるのであれば、政策決定の段階にもかかわっていけるものでなければならないと発言してきました。
中野区が目指す小さな政府、住民自治の改革に逆行すると思われる二つの政策について質問させていただきます。
副区長3人制について。
中野区は現在、副区長3人制をとっています。副区長が3人いるのは23区の中で中野区だけであり、はるかに区民人口や区の税収が多い地区でも副区長は1人から2人です。
平成18年5月に成立した地方自治法の一部を改正する法律により、収入役が廃止になり、助役制度が見直され、副区長職が誕生しました。この法律改定で、副知事及び副市長村長が設置されたのは、地方分権改革が進む中で、今後、地方公共団体の役割と責任が大きくなるため、組織運営の自主性・自立性やマネジメント機能の強化などにより、各地方公共団体が住民のニーズに適切に対応できる体制をつくることを主旨としています。つまり、それぞれの限られた財源の中で、その自治体の体力や力量に沿った、より効率的な、効果的なトップマネジメント体制づくりが求められていると考えられますが、中野区には3人の副区長体制が必要なのでしょうか。
職員2,000人体制の小さな政府を築こうとしている中で、また、公益活動にかかわる自治意識を持った区民のほとんどが無償であるのに対して、特別に高給である特別職が多いことに矛盾はないのでしょうか。特別大きな区でもなく、税収が豊かでもない中野区に、他区と比べて特別多い3人もの副区長がいる現実は多過ぎると感じますが、いかがでしょうか。
副区長が3人必要な理由として、経営本部体制の政策室、経営室及び管理会計室に部長を置かず、副区長が管理するということですが、部長がいないことに大きなメリットが感じられません。むしろ副区長が部長職をこなすために常に忙しく、決裁等が遅くなり、仕事がスピーディにはかどらないという複数の職員の声を聞きます。また、計画と契約が別の副区長であるため、1人の副区長では用件が済まない、初めにだれに持っていけばよい案件かがわからないときがあるなどという職員の声も聞きます。経営本部体制そのものがうまく機能していないのではないかと思われます。
また、東中野小学校で行われた学校再編の説明会では、本来出席すべき政策室の副区長ではなく、経営室の副区長が来て説明をしていました。これはほんの一例ですが、副区長の役割分担が明確になっていないと外から思われると危惧します。中野区の経営本部体制、副区長3人制は効率的に機能しているのでしょうか。
2,000人体制の中野区で、私たちの身近にいた職員が削減されていく中、3人もの副区長を設ける必要性を私は感じません。しかし、既に3人の副区長を置いた状況の中で考えると、地方自治法の一部を改正する法律では、区長の命を受け、副区長が区長に変わって必要な政策判断を行えることが明確化したのですから、副区長がその専門性を生かし、スピーディな政策判断ができるよう、地方自治法に基づき、区長の権限を副区長に委任し、副区長による速やかな政策決定が進むよう体制をつくるべきではないでしょうか。
次に、中野区政策研究機構について。
中野区は政策形成力を向上させるために、区の組織の中に中野区政策研究機構という組織を設立しました。区民の身近なサービスを提供する職員を削減している中で、あえてこの調査研究のために非常勤職員を採用しました。1年がたち、調査結果が上がってきています。それを見ると、既に各分野が調査されたものを引用している部分が多いと感じます。行政が各分野の調査をし、その上にさらにその調査結果が示すようにと二重の調査結果を、政策研究費、19年度予算1,416万7,000円、20年度予算1,446万5,000円を使って調査研究をする必要性があるのでしょうか。
しかし、この大金をかけた新しい研究機構の調査により、一つの分野だけではなく、各分野にまたがる現在の中野区の問題点や課題が浮き彫りになってきたという点では評価できます。
例えば、元気でねっとです。この高齢者を見守る仕組み、元気でねっとの設立前から、私は区民のボランティアに頼ることに重点を置いていることに無理があり、見守る側の数が少なく、成り立たないと意見してきました。実際にボランティアを募集してみましたが、やはり見守りをする人は集まらず、その後、民間業者などに幅広く構成員を広げたため、少しずつでありますが、見守りネットワークは広がってきました。しかし、この高齢者の見守りの内容の中には、異変があったときの対応や病院に行くときに付き添う人員の確保、その後のさまざまな対応の仕組みは整ってはいません。既に民生委員さんからは悲鳴の声が聞こえています。経済的に困窮するひとり暮らしのお年寄りを行政としてどのように支えるかなど、これからの高齢者問題は課題が山積しています。
この政策研究機構が調査した基礎調査研究「中野区の現状と課題の分析」により、中野区は23区の中でも75歳以上の高齢者のひとり暮らしの世帯が多い区であることがわかりました。そして、元気でねっとについては、今後、制度からインフラ整備に至る広範な分野の協力がさらに必要になるであろうと結論づけています。
また、中野区は23区で3番目の低就業率だということも明らかになりました。報告では、生活保護受給者の増加などを挙げ、経済生活や介護、防犯、防災などの問題が深刻化する可能性を示しています。
また、別の政策研究報告書「建替え促進等による中野区の住環境向上に関する研究」における「中野区の住環境とその課題」の項では、全体を通してコミュニティや共同性に対する意識が低くなっており、個人意識が非常に強いことが浮き彫りになってきたと記してあります。この政策研究機構の調査結果から、区民のボランティアによる助け合いのレベルではとても間に合わない現実が浮き彫りになってきているのです。
中野区政策研究機構は、高齢者の支援に制度とインフラ整備をしっかり整える必要性があると提言しています。地域で高齢者とともに生活している区民には既にわかりきったことでしたが、高齢化が進む中、高齢福祉施策は善意の区民のボランティアだけではとても間に合わないということが、今回の高額をかけた調査研究の結果としてさらに明確になり、文章化されたのです。
そこで大切なのは、この調査結果をどのように政策に反映させていくかという点です。調査結果を生かさなければ、調査をした意味がありません。区民の生活の価値と満足度を高める区政運営を実現するために、お金をかけて立ち上げた政策機構の提言に対する解決に向けて、具体的にどのように動き出すのでしょうか。
中野区はいつも調査はするが、実行が伴っていないように思えます。調査だけして何も動かずに終わってしまうことが多いように思えます。今回は新たに調査機関をつくり、調査結果が上がってきたのですから、こんな結果が出ましただけで終わらせないために、そこから出てきた課題や問題を速やかに解決していく策を考え実行する実行部隊をすぐに構成すべきです。今回の調査結果を踏まえ、区民の満足度を高めるための実行チームを立ち上げるべきだと思います。メンバーは各事業部の専門の分野と法規、財政、政策などの専門分野から集め、それぞれの課題に対応できる職員のプロジェクトチームをつくり、政策立案と実行に向けて取りかかることが急務です。
調査と実行部隊、この二つがペアになって動かなければ、幾ら調査をしても全くの無駄になってしまいます。これからも区民の生活の問題や課題が次々と浮き彫りになって出てきます。これらを解決していくには、これまでの専門の一分野による個別対応だけでは難しいものです。現在の職員の単純事務の部分をほかに委託しても、区の現状をきちんと理解した行政職員の仕事として、区民の生活をしっかり支える政策をつくり、それを実現するべきだと思います。
これで私の質問は終わります。ありがとうございます。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
副区長3人制についての御質問であります。
何度も申し上げてきておりますけれども、2人の特別職と2人の部長が行っていた仕事を3人の副区長が行っているということであります。経費的にはその分削減されているということであります。
それから、23区の中で総務部長とか政策担当部長という部長がいないのは中野区1区だけであります。その分、3人の副区長がいるのは中野区1区だということになっておりますので、全体的に見ていただきたいと思っております。
それで、地方自治法の定めによる委任は行っていないところですけれども、区長の職務の一部を副区長に担わせているところであります。3人の副区長は、計画、実行、改善の各サイクルにおきます全庁調整を行うほか、経営本部内の政策室、経営室、また管理会計室が分掌する事務をそれぞれが担任しているところであります。
また、経営室担任の副区長は、全庁及び複数部間の調整を要する緊急重要課題で、区長が随時指定する事務について、また、管理会計室担任の副区長は、使用料の減免・廃止と助成制度について、また、政策室担任の副区長は、産業振興及び中野駅周辺のまちづくりについてといったぐあいに、それぞれが機に応じて特命を持ち、責任を持って総合的な調整を行っているところであります。
このことによって、区の経営体制が効率的に、また意思決定の迅速化が行われてきていると考えているところであります。
私からは以上です。
〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 私からは、中野区政策研究機構の研究テーマについての御質問に対してお答えさせていただきます。
昨年度、研究機構で行いました研究内容につきましては、短期と長期の二つの大きな種類がございまして、短期については各種の施策の中で特に解決すべき課題、現場レベルではなかなか解決策、打開策が見つからないというものについて、特に専門的な体制をつくりまして、研究機構の中で取り組みました。
一つは、区内に多く存在します密集市街地における安全対策、もう一つは、障害者の雇用促進についてでございました。いま一つは、長期的な視野に基づいた研究でございまして、御質問の中にも引用されておりましたが、2008年3月に発行した基礎調査研究報告書としてまとめられた内容でございます。この研究につきましては、中野区2050年区民生活の展望において、中野区の現状を総括的に把握することを念頭に置いて、データの収集、分析を行ったものでございます。
本研究につきましては、事業部の施策や事業を構築するための参考資料としても意図しておりまして、現在、改定を行っております10か年計画の作業の基礎資料としても活用いたしております。御指摘を踏まえまして、研究機構の成果が施策に結びつくように、またそういった施策課題にこたえられるような研究になるように努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(市川みのる) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 つぼい え み
1 シックハウスについて
2 AEDについて
3 広告事業の取り組みについて
4 その他
○議長(市川みのる) 次に、つぼいえみ議員。
〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 平成20年第3回定例会において一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、シックハウスについて質問させていただきます。
シックハウスとは、住居内での室内空気汚染に由来するさまざまな健康障害を総称して、シックハウス症候群と呼んでいて、新築やリフォームをしたときだけの問題で、住宅を建てるときに使用される建材からの化学物質だけが原因と思われがちですが、建材以外にもカーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や日常生活用品、ダニ、カビなどさまざまな原因によって、室内の空気が汚染されています。そして、これらの原因から、シックハウス症候群として呼ばれる病気になってしまうおそれがあるのです。
そのシックハウス症候群の症状について、個人差が大きく、本人しか自覚できない症状が多く、自律神経失調症、更年期障害、風邪、精神疾患などと間違われてしまうこともあるようです。例えば、頭が痛い、ぼーっとする、偏頭痛、耳鳴り、平衡感覚の異常、足先のしびれ、こむら返り、肌荒れ、乾燥肌などなどたくさんあります。
ここでお伺いさせていただきます。中野区では、平成15年から現在に至るまで、学校、保育園、幼稚園、児童館では、毎年シックハウス検査を実施しており、療育センターアポロ園に関しては、それ以後、未実施と伺っております。学校に関しては、業者に委託してシックハウス検査を実施しておりますが、その委託費用は約170万円、幼稚園に関しては外部委託でどの程度費用がかかっているのかわかりません。また、保育園、児童館に関して、測定器を購入して職員3名体制で実施されていると伺っており、療育センターアポロ園に関しても、職員2名で実施されたそうですが、区民の方の安心・安全で暮らせる中野区であるために、学校、保育園、幼稚園、児童館、療育センターアポロ園、それにつけ加え、区民の方がたくさん利用される施設、区役所など、毎年、定期的にシックハウス検査の実施を義務化するのはいかがでしょうか。
また、シックハウス診断士1級、2級という資格試験を実施、認定、資格交付しているNPO法人シックハウス診断士協会という団体があり、教材費や受講料を入れても約5万円までで独学で取得できるそうです。
シックハウス診断士の役割として、大きく分けて四つあります。一つ目は、住宅の室内空気環境測定・診断。二つ目は、安全で快適な住宅の新築・建てかえ・リフォームをコーディネート、アドバイス。三つ目は、建築・医療・法律・化学など幅広い分野での情報提供。四つ目は、建材・家具・生活用品の評価や選択・利用法についてのアドバイスができます。
職員の方々が取得することで、年間約170万円の委託費用につけ加え、幼稚園の外部委託費用に関しても経費削減をすることができると考え、より一層区民の方々の安心で安全に暮らすことができるアドバイザーになるために、資格を取得し、職員が独自で検査を実施していくのはいかがでしょうか。区の考えをお聞かせください。
また、シックハウス検査を行った場所や家具などについて、だれが見ても安心できるように、検査済証のシールを張って啓発していくのはどうでしょうか。区の見解をお伺いします。
ちなみに、厚生労働省に認可されている検査機関で分析し、測定箇所の室内化学物質の濃度が厚生労働省の定める室内濃度指針値以下であった場合には、室内空気環境品質認証のシールが発行されていて、NPO法人シックハウス診断士協会で資格を取得した方々には格安でシールの提供もされています。
次に、AEDについて質問させていただきます。
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等、人が多く集まるところを中心に設置されています。
現在、中野区内には119カ所の至るところにAEDが設置されています。しかしながら、AEDについていろいろな方々に聞いてみると、耳にしたことがあるが、使用方法については知らないという方が多いようにうかがわれます。実際、機械を使ってみると、音声でガイダンスが流れて、動作方法を指示してくれますが、AEDをいざ使用するとなったときは、冷静にガイダンスを聞いて、実施することは非常に難しいものがあると思われます。日常生活において、また非常事態に備えて、自然と使いこなせるような環境づくりをしていくことが、区民の方々の安心・安全で暮らせることに結びつくと考えます。
そこで、一つ提案ですが、区内の公共施設119カ所にAEDが設置されていますが、使い方について区民の皆様が熟知しているというわけではありません。いざというときに適切に使用できるよう、区役所など来訪者が多い施設に操作方法などの映像を表示できる機器を設置することにより、AEDの使い方について、広く区民にPRすることが必要ではないかと考えますが、区の考えをお聞かせください。
また、救命・救急方法について、区民の理解が深まるよう、AEDの操作方法などを説明するDVDなどを用意し、町会、自治会など、地域の関係団体に貸し出すことも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
安心で安全に暮らせる中野区であるよう、誠意ある御答弁をお願いいたします。
次に、広告事業の取り組みについて質問させていただきます。
広告事業が提案された目的というのは、大きく三つあります。一つは財源確保、二つ目は資産活用、三つ目は産業振興・地域活性化という目標で、平成13年度中野区行財政5カ年計画の中で、新たな財源確保の一つとして、広告掲載による広告掲載料の徴収を検討課題とし、平成14年度なかの区報、中野区のしおりの広告募集を開始し、平成19年度には中野区のホームページのバナー広告掲載を開始しています。
なかの区報に関して、平成15年度は44万円から、平成18年度は200万円にアップしており、中野区のしおりに関して、平成14年度は68万2,500円から、平成18年度には81万600円とアップ、生活マップに関しても、平成16年度は12万8,000円から、平成18年度は16万円、そこにホームページが平成18年度のみで64万5,000円で、平成14年度の収入総額68万2,500円から、平成18年度は収入総額361万5,600円へと、約5倍近く収入をふやして、平成19年度には広告事業でなかの区報465万円、ホームページ450万円、わたしの便利帳210万円、生活マップ16万円、合計1,141万円、生涯学習分野では900万円、その他、中野まつり実行委員会パンフレット265万円、駅前提灯65万円と、財源確保が確実になされていると思いました。
しかしながら、まだ財源の確保は十分ではなく、また、地域の活性化にもさらなる努力は必要かと思われます。そこで、一つ提案ですが、区では区報や区ホームページなどで広告事業に取り組んでいますが、資産活用の一層の推進、区内産業の活性化などの観点から、区の掲示板や区設置の看板などを広告媒体として活用するなど、さらに進めていくべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
また、質問2項のAEDについて質問をさせていただきましたが、AEDの操作方法を映像で表示できる機器に、AEDの動画とその他として広告掲載を盛り込むこともできるかと思いますし、よりわかりやすく伝えることもできるかと思いますが、いかがでしょうか。区の考えをお示しください。
以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) つぼい議員の御質問にお答えいたします。
シックハウス症候群についてであります。
シックハウス症候群については、区としても大事な課題と認識をしているところであります。建物の新築、改築時には、厚生労働省の指針や建築基準法に基づいて、施工中、施工後の検査を行い、良好な環境の確保に努めているところです。既存建物については、測定義務はありませんけれども、特に子どもの使用する建物については、定期的な測定を行っているところであります。他の区有施設については、必要に応じて測定を行うようにしております。
シックハウス診断士ということでありましたが、診断士については、シックハウスの検査に必ず必要な資格というわけではなく、また、業務上必要な資格というわけではありませんので、区としては公費で職員に資格を取得させるということは考えておりません。しかし、職員には研修などで着実に必要な知識、技術を身につけさせていくこととしたいと考えております。
それから、検査済証につきましても、これが法制度的な仕組みとなっていないということでありまして、検査をしたということを示すような何かの方法があるか、検討していきたいと考えております。
それから、AEDなんですけれども、区の施設にAEDの使い方などを映像で表示できる機器を設置することは、区民が理解する上で一定の効果が期待できるということは確かでありますけれども、場所の問題、あるいは経費の問題から、なかなか難しいと考えているところであります。
中野区は、私も受講いたしましたけれども、AEDを一定操作できるレベルの救急救命講習というものを職員全員が計画的に受けてきました。今年度でそれが全部終わるという状況になっております。実際に講習を受けてみますと、こういうふうにやるものなんだなということが理解できてくるというようなこともありまして、そうした講習を、機会をとらえながら区民の皆様にもできるだけ受けていただくといったようなことも進めてまいりたいと思っております。
それから、AEDの操作方法について、区報やホームページに加えまして、今年度は新たに区の便利帳にも掲載を予定しているところであります。今後ともAEDの操作方法が理解される、より効果的なPRについて検討をしていきたいと思っております。
それから、広告事業の取り組みについてであります。
現在、定期刊行物や施設工作物など、広告可能媒体、広告できる媒体、これの調査を行ったところでありまして、今年度中に広告戦略としてまとめる予定になっております。
区設置の掲示板や看板等につきましても、広告戦略策定の中で、広告するどのぐらいの価値があるのかということ、また、法規制の問題もありますので、そうしたことについて十分に検討し、可能なものについては早期に広告事業を展開していきたいと考えております。
以上です。
○議長(市川みのる) 以上で、つぼいえみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 林 まさみ
1 家庭ごみの有料化について
2 その他
○議長(市川みのる) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 平成20年度第3回定例会におきまして、市民自治を広げる立場から質問いたします。
まず、家庭ごみの有料化についてと、関連しまして10月から変更するごみの分別収集等についてお聞きします。
平成16年7月から一部地域で開始したプラスチック製容器包装の資源ごみ等分別回収がことし10月から区内全域で実施されます。この分別により、今まで不燃ごみとされていた食品トレーやシャンプーなどのボトル等、プラスチック製容器包装は中身を洗い、汚れが落ちている場合のみ資源ごみとして回収されます。汚れの落ちないプラスチック製容器包装やゴム、皮革製品等は、燃やすごみとなります。
ごみの分け方、出し方が変わる最大の目的は、プラスチック製容器包装を収集し、資源化率を上げること、そのことで埋立地の延命を図ることです。「ごみゼロプラン06」の目標値の中にも、平成15年度には18.7%の資源化率を、平成26年度には51%とする高い目標が掲げられています。
しかし、分別の周知徹底、啓発がなされなければ、汚れたままのプラスチック製容器包装は可燃ごみとなり、「なかのごみゼロプラン06」に掲げているごみの排出量削減数値を達成することはできません。特に管理人が在駐していない集合住宅や、今現在も不法投棄がされている場所など、問題となることが予想されます。周知徹底なくして資源化は進みません。区が各家庭に配付している「資源・ごみの新しい分け方・出し方」を見ると、プラスチック製容器包装の説明のところには米印として、「汚れのあるものは回収できません」として、「燃やすごみへ」と書かれています。このような書き方をすると、汚れを落とせば資源となるプラスチック製容器包装を安易に燃やすごみに出してしまう人がふえ、本来の目的である徹底的に資源回収することに結びつかないのではないのかと心配の声が寄せられました。周知徹底がなされなければ、汚れたまま燃やすごみがふえることになります。
この項の一つの質問として、10月以降に考えられる分別区分を守らない、あるいは異物混入のある家庭ごみ、汚れたまま燃やすごみに出されているプラスチック製容器包装廃棄物に対して、区はどのように対応し、分別変更後、区で目標としている資源化率を達成するためにどのような対策を考えているのか、お聞かせください。
また、区は中野区廃棄物減量等推進審議会の答申を受けて、ごみ減量の目標を達成するために、より大きな効果を生み出す新たな施策として、家庭ごみの有料化の必要性を示しましたが、ごみの発生抑制に効果があるとの理由から、早急に有料化に向かうべきではありません。なぜなら、他の有料化実施自治体の全体の傾向として、導入直後は減量効果がありますが、その後は微増傾向が指摘されています。むしろ処理費用が負担化されることで正当化され、減量するという市民意識が低下することも言われています。リサイクルシステムの拡充や、ごみを減らした人が報われる報奨制度の導入により、市民の合意と理解など、行政の準備と工夫によって、ごみ減量の効果は左右されることは明らかです。市民とともに考え、進めていく姿勢があって初めて、ごみの減量効果が期待されると言えます。
以上のことを踏まえて、家庭ごみ有料化の前に区がすべきことは何か、また、そのことでどのような効果を期待しているのか、お聞かせください。
ごみの有料化も含め、ごみ行政に関して市民との問題の共有化と決定過程への市民参加の保証は不可欠です。市民啓発や市民参加での施策の展開など、市民と行政のパートナーシップが求められます。
他の自治体では、行政とともに市民参加、市民発意の環境活動の場を広げています。例えば多摩市では、たまごみ会議という会を定期的に行っているそうです。この会議は、だれでも参加でき、市民、事業者、行政が協働でごみ減量に取り組んでいます。この会では、参加した市民の人たちがごみ問題を共有し、さまざまな活動をしています。例えば個人的に会に参加している小学校の先生が、環境教育としてごみ問題を授業として取り上げたり、また、ごみの出し方に戸惑う転入者に対して、多摩市では市役所の転入届を出す窓口の横に、ごみ分別を説明する啓発の場を設けているそうです。市民参加の活動の場から提案が出され、行政の手助けで実現したものだそうです。
ごみ減量運動を持続可能とするためには、市民と事業者と行政とで協議の場を持ち、市民主導でごみ問題を解決するべきです。毎日ごみを出す現場の区民の意見を聞き、行政が参画して、区民発意のごみ施策に結びつけることがごみの啓発へとつながります。また、広がりを持つはずです。
そこで、区民がだれでも参加でき、事業者や区がともにごみの施策に取り組む、そのような場が中野区にあるのかお答えください。ないのであれば、ぜひともつくるべきと考えます。区の考えをお聞かせください。
最後に、行政は有料化による発生抑制だけではなく、多様なごみ問題に対して、市民運動から生まれるいわゆるごみの家計簿である廃棄物会計を採用し、ごみ処理に使われている費用内容の詳細を明快にして、今後のごみ施策の方向性を市民とともに示していくことが必要であるということを申し上げて、家庭ごみ有料化についての質問を終わります。
次にその他として、10か年計画改定を見据えた学校再編跡地活用について、2点質問いたします。
今年度、10か年計画の改定が行われます。この10か年計画には、本来示されるべき具体的な跡地活用計画、施設配置計画も十分に示されていません。その中に、学校再編による統廃合が平成20年度に決定している東中野小学校について、用途計画を示し、地域住民と跡地利用の協議の場を持つべきとの質問をしてきました。これに対し区長から、平成19年度内に必ず整備計画案を策定し、区民の方々に示す。区の案を持って地域と協議の場を持つ。学校跡地活用計画策定においては、中野区自治基本条例にのっとり、計画説明、情報提供、意見交換の場を設け、意見を伺う場を持っていきたいとの答弁がありました。
しかしその後、年度内に整備計画案が示されることなく、学校跡地は暫定利用となりました。また、3年間の暫定利用と示された後、本来用途に係る地域協議の場も持たれていません。
そのような状況の中で、9月に行われた東中野での地域説明会では、暫定利用中は地域センターの分室扱いで使用することが示され、団体登録しなければ学校の使用ができなくなりました。このことは、早稲田通りと山手通りを越えて帰ってきた子どもたちが、家の近くにある校庭で遊ぶためには、事前に地域センターから使用の承認を団体がもらっておかなければならないということになります。暫定利用には、子どもの遊び場としての機能は残すとありましたが、区の考えている機能と地域住民との間に隔たりがあると感じました。保護者の人たちからも大きな不安の声が上がっています。このように暫定利用の活用でさえさまざまな問題がある中、地域住民は本来用途がどうなるのか、不安を持っている現状にあります。
そこで伺います。今後の計画で、平成21年3月までに10か年計画の改定素案が示されると聞いています。当然、その素案の中には、東中野小学校跡地整備計画案が盛り込まれるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
また、前期の学校再編による跡地活用校9校のうち、東中野小学校だけではなく、桃丘小学校、第六中学校も暫定利用となっています。平成21年3月までに素案が示される予定になっている10か年計画改定において、未利用地も含め、学校跡地活用を決定し、10年後の中野の方向性を示すべきです。その素案から出される本来用途をもって、10か年の策定手順の中に、意見交換会やパブリックコメントだけではなく、地域住民の生活に合った地域との合意を得る場を、区民が参加できる検討委員会等をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
以上で、私のすべての質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 林議員の御質問にお答えいたします。
家庭ごみの有料化についての御質問であります。
分別区分変更後のルール違反への対応についてということであります。
新しい分別ルールが一日も早く地域に定着するように、PRの一環として、分別の不適切な排出物にはごみの分け方を記した注意書きを添付して、集積所に残すなどの対応も考えているところです。引き続き区報やホームページへの掲載、また、ケーブルテレビによるコマーシャルなど、さまざまな媒体を活用したPRに努めていきたいと考えております。
それから、資源化率の達成に向けた方策についてということであります。
区では、区政目標の中で資源化の目標を2015年までに50.6%とすることに設定しております。今回の施策の充実によりまして、資源化のための取り組みは大幅に充実することとなるわけであります。このごみの分別と資源回収を着実に普及促進することで、達成するべき目標に近づいていきたいと思っております。
それから、家庭ごみの有料化についてであります。
有料化の前にするべきことがあるのではないかということであります。
特に今回の分別ルールの徹底、新たな分別ルールの周知徹底というようなことは、まずやっていかなければならないということだと思っております。そうしたこととともに、ごみの発生抑制に向けた区民の皆様の意識を高めていただくということが、まず何よりも重要だと考えているところです。
また、資源化の仕組みにつきましても、これも十分周知をしていくことが大切ということでありますので、まず今回の区分の変更ということを徹底していきたいということであります。
また、有料化にはどのような効果を期待しているのかということであります。
有料化することによりまして、ごみ問題に対する区民の皆様の意識が高まる、コスト意識が芽生える、結果としてごみの減量化と資源の有効活用が進むものと考えているところであります。
ただ、有料化しさえすれば本当に減量化できるのかということについては、議員のご質問の中にもありましたように、有料化した当座はかなり減るけれども、少しずつふえていくという、いわゆるリバウンド現象というものも言われているということは、審議会の中でも話題になってきたところです。そうしたことを踏まえながら、有料化になった後の運用も注意深く適切に行っていくことが必要だと考えております。
それから、ごみに関しまして、だれもが参加できる場の設置ということでの御質問でした。
中野区には、町会、自治会や友愛クラブ、小・中のPTAの連合会、また、リサイクルの事業者さんなどによります組織として、区民横断的な組織として、中野区民ごみゼロ委員会というのが設けられておりまして、ごみゼロを推進するための活動をしていただいているわけであります。この委員会で、区との共催でごみ減量に向けたシンポジウムを開催するといったことなど、ごみ減量に積極的に取り組みをしていただいているということであります。
それから、東中野小学校跡地活用の活用案の示し方についてであります。
学校跡地の整備計画案につきましては、他の区有施設の状況や、区全体における施設機能の配置バランス、また、地域の実情を勘案しながら策定していくこととなっております。この前のほかの議員の方の御質問にもお答えしておりますけれども、東中野四、五丁目地域の中で、確保するべき機能として、屋外スペース機能、屋内スペース機能、災害時スペース機能、介護サービス機能、障害者の自立支援機能といったものを、四丁目、五丁目の地域全体の中で配置をしていくということでありますので、その配置の整理をしていきたいと考えております。
また、学校跡地活用を含めた10か年計画の改定に当たりましては、区は、区全体の課題、地域の課題、これらを総合的に検討していくことが必要でありまして、学校施設、学校跡地でまだ恒久利用が決まっていないものについても、そうした課題を検討していく中から位置付けてまいりたいと思っております。
区民の皆様の御意見や地域の実情は、意見交換会やパブリックコメントはもとより、区報やホームページでのお知らせや、地域担当との連絡などを通じてお聞きし、配慮してまいりたいと思っております。
以上です。
○議長(市川みのる) 以上で、林まさみ議員の質問は終わります。
以上をもって、質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第63号議案 平成20年度中野区一般会計補正予算
第64号議案 平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算
(委員長報告)
○議長(市川みのる) 日程第1、第63号議案及び第64号議案の計2件を一括議題に供します。
平成20年(2008年)9月25日
中野区議会議長 殿
総務委員長 吉 原 宏
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
|
第63号 |
平成20年度中野区一般会計補正予算 |
9月25日 |
|
第64号 |
平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算 |
9月25日 |
|
(第63号議案 付帯意見)
○ 教育費中、小・中学校の耐震補強工事にあたっては、卒業式及び入学式に影響を与えぬよう最大限努力されたい。
○議長(市川みのる) 総務委員会の審査の報告を求めます。吉原宏総務委員長。
〔吉原宏議員登壇〕
○21番(吉原宏) ただいま議題に供されました第63号議案、平成20年度中野区一般会計補正予算及び第64号議案、平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
第63号議案、平成20年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ25億2,912万5,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は999億9,175万6,000円となります。
この補正の歳出予算の主な内容としましては、政策費では、国際交流協会の事務所移転工事費等の経費、産業振興費では、商工会館の緊急改修工事費、障害福祉費では、重度身体障害者グループホームの整備等の経費、介護保険費では、認知症高齢者グループホームの整備に係る支援経費、都市計画費では、野方駅整備に係る工事の進捗見込みの変更に伴う減額、教育経営費では、小学校11校及び中学校4校の体育館の耐震補強工事に係る経費、積立金では、財政調整基金及びまちづくり基金を追加計上するものです。
この補正の歳入予算としましては、都支出金、繰入金及び繰越金を追加計上する一方、使用料及び手数料、国庫支出金及び特別区債を減額するものです。
このほか、繰越明許費、債務負担行為及び特別区債の補正を行うものです。
次に、第64号議案、平成20年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ2億1,948万8,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は168億348万8,000円となります。
歳出予算の内容は、介護給付費及び地域支援事業費として交付を受けた国庫支出金、都支出金及び支払基金交付金の超過額を返還する経費を計上するものです。
歳入予算としましては、平成19年度からの繰越金を計上するものです。
両議案は、9月24日の本会議において当委員会に付託され、当委員会では、9月24日と25日の2日間にわたり審査を行いました。
まず、審査の進め方として、両議案を一括して議題に供した後、理事者から補足説明を受け、質疑を行いました。その主な質疑の内容を紹介します。
初めに、第63号議案の教育費中、小・中学校体育館の耐震補強工事につきましては、予算積算の内訳について、工期設定の考え方について、工事の内容と進め方についてなどの質疑がありました。
次に、学校への影響とその対応策につきましては、卒業式、入学式に影響を受ける学校とその対応について、工事期間中における体育の授業などの対応について、契約や工事方法などの工夫による対応策についてなどの質疑がありました。
次に、議会対応と庁内の執行体制につきましては、議会への情報提供のあり方について、工事担当部署と教育委員会との連携についてなどの質疑がありました。
第64号議案につきましては、質疑はありませんでした。
以上が主な質疑の内容です。
その後、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
次に、意見の開陳を求めましたところ、第63号議案について、3名の委員が意見の開陳を行いましたので、紹介します。
初めに、「学校体育館の耐震補強工事については、課題や対応策、これまでの取り組みの経緯等についても、求められる前に明らかにすべきであった。今後、耐震改修を進めていくに当たっては、文教委員会から申し送られた意見を十分に踏まえ、児童・生徒や学校行事に影響のないよう十分に配慮してほしい」との意見がありました。
次に、「耐震補強工事を速やかに実施すること自体は賛成だが、卒業式や入学式などに影響が出ることについては、最大限の努力を求めたい。また、補足説明資料は、議案審査を行う当委員会にも提出してほしい。さらに、商工会館への特例子会社の誘致については、行政財産の貸し付けは行政目的に基づいて行われるべきであり、事業者との契約のあり方については、公平性の観点から指摘せざるを得ない。障害者雇用の拡大については、区内の障害者を優先的に雇用するよう努力してほしい」との意見がありました。
次に、「耐震改修工事は、早急に実施しなければならないものだが、卒業式や入学式に影響が出ないよう、計画的に行うべきである。教育の現場での子どもたちのことや、体育館を避難所としている地域の方々への対応など、十分に配慮して計画的に進めてほしい」との意見がありました。
さらに意見を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員が第63号議案に賛成する立場から、「耐震補強工事は、児童・生徒にも、学校行事にもかかわるものである。教育委員会と連携を密にして極力影響がないようにしてほしい。また、防災の面でも耐震補強工事は非常に重要であり、区の姿勢が問われる。今後、予算の執行に当たっては、細心の注意を払って取り組んでもらいたい」との討論を行いました。
さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。
そして、初めに第63号議案について簡易により採決を行ったところ、全会一致で本議案を可決すべきものと決しました。
続きまして、本議案に付された意見を申し上げます。
「教育費中、小・中学校の耐震補強工事に当たっては、卒業式及び入学式に影響を与えぬよう最大限努力されたい」。意見は以上でございます。
次に、第64号議案について簡易により採決を行ったところ、全会一致で本議案を可決すべきものと決した次第です。
以上で、第63号議案及び第64号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
○議長(市川みのる) ただいまの報告について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、これより議案ごとに分けて採決をいたします。
初めに、第63号議案について採決をいたします。
上程中の本議案を委員長報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次に、第64号議案について採決をいたします。
上程中の本議案を委員長報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第67号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
(委員会報告)
○議長(市川みのる) 日程第2、第67号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例を議題に供します。
平成20年(2008年)9月24日
中野区議会議長 殿
総務委員長 吉 原 宏
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
|
第67号 |
中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例 |
9月24日 |
|
○議長(市川みのる) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、委員長報告は省略をいたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、これより採決をいたします。
上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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認定第1号 平成19年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成19年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成19年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成19年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
○議長(市川みのる) 日程第3、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました認定第1号、平成19年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成19年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成19年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成19年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして、一括して説明いたします。
初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。
平成19年度一般会計の歳入総額は1,096億9,614万1,137円、歳出総額は1,065億912万6,778円で、前年度と比較しますと、歳入で14.4%、歳出で15.9%のそれぞれ大幅な増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は31億8,701万4,359円となり、翌年度に繰り越すべき財源5,998万8,000円を差し引いた実質収支は31億2,702万6,359円となりました。
それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。
第1款特別区税は、総額309億8,900万円余で、前年度と比較して19億6,800万円余、6.8%の増となりました。これは特別区民税の定率減税の廃止や三位一体改革による税源移譲、景気回復による影響が主な要因です。
第2款特別区交付金は、総額351億7,100万円余で、前年度と比較して19億9,800万円余、6%の増となりました。これは都区の配分割合の変更により、区の配分割合が52%から55%になったことのほか、交付金の財源である調整三税のうち、市町村民税法人分の増収によるものです。
第3款地方譲与税は、三位一体改革による税源移譲が本格的に実施されるまでの暫定措置である所得譲与税の廃止などにより、前年度と比較して13億7,500万円余、72%減の総額5億3,400万円余となりました。
第7款地方消費税交付金は、前年度と比較して1億200万円余、2.9%減の総額33億7,500万円余となりました。
第9款地方特例交付金は、定率減税の廃止により、前年度と比較して14億8,500万円余、81.4%減の総額3億4,000万円余となりました。
第13款国庫支出金は、まちづくり交付金の増などにより、前年度と比較して59億4,800万円余、56%増の総額165億6,300万円余となりました。
第14款都支出金は、都市計画交付金の増などにより、前年度と比較して13億5,300万円余、29.7%増の総額59億1,900万円余となりました。
第15款財産収入は、文化・スポーツ振興公社と勤労者サービスセンターの二つの財団法人の解散に伴う出資金の返還等の減により、前年度と比較して9億2,800万円余、80.5%減の総額2億2,500万円余となりました。
第17款繰入金は、財政調整基金の繰り入れの増などにより、前年度と比較して5億8,700万円余、463.1%増の総額7億1,400万円余となりました。
第18款繰越金は、前年度と比較して3億1,500万円余、7.4%減の総額39億6,200万円余となりました。
第20款特別区債は、警察大学校等跡地整備に伴う都市整備債の発行により、前年度と比較して59億2,800万円の皆増となりました。
これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は100.1%となりました。
次に、歳出につきまして、大きな増減のあった主な款について説明いたします。
第2款経営費は、総額97億1,600万円余で、前年度の総務費と比較して7億4,400万円余、8.3%の増となりました。これは選挙経費の増などによるものです。
第5款保健福祉費は、国民健康保険事業特別会計、老人保健医療特別会計への繰出金の増などにより、前年度と比較して12億1,900万円余、4.2%増の総額302億6,400万円余となりました。
第6款都市整備費は、警察大学校等跡地整備に伴う道路・公園用地の取得経費の増などにより、前年度と比較して127億7,200万円余、192.8%の大幅の増となり、総額193億9,800万円余となりました。
第7款教育費は、学校再編に伴う施設整備工事やスポーツ施設の改修工事経費などの増などにより、前年度と比較して8億200万円余、9.2%増の総額95億500万円余となりました。
第9款諸支出金は、財政調整基金への積立金は増となったものの、義務教育施設整備基金やまちづくり基金への積立金の減などにより、前年度と比較して15億4,800万円余、14.7%減の総額89億8,900万円余となりました。
これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は97.2%となりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は523億7,500万円余で、前年度と比較して1.7%の増となりました。また、投資的経費は183億7,700万円余で、前年度と比較して287.8%の大幅な増となっております。
なお、平成19年度決算では、実質収支が31億2,700万円余となり、前年度決算に比べ、8億1,300万円余の減となりました。また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して、実質収支比率が1.5ポイント下がり4.1%、経常収支比率が1.1ポイント上がり79.9%、公債費比率が0.3ポイント下がり8%となっております。
これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が4.6ポイント、公債費比率が1.6ポイント、それぞれ上回っており、既に景気が停滞局面にある中、区は引き続き歳出構造の見直しを進めていくことが必要な状況にあります。
一方、区は「新しい中野をつくる10か年計画」に掲げる取り組みを着実に進めていくとともに、区政の新たな課題に積極的に取り組んでいくことが求められています。さらに、老朽化した区の施設の大規模な改修・改築などの財政需要にも適切に対応していかなければなりません。こうしたことから、区としては、財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。
以上が一般会計決算の説明です。
続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。
歳入歳出の決算額は同額で、2,319万300円、前年度と比較いたしますと、歳入歳出とも182.2%の増となりました。
歳出は第1款公債費が2,300万円余で、前年度より1,400万円余、182.2%の増となりました。これは平成17年度に取得した福祉関連施設用地の公共用地先行取得等事業債の利子の償還が始まったことによるものです。
歳入は、第1款繰入金が2,300万円余で、前年度より1,400万円余、182.2%の増となりました。
次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は317億4,088万5,703円、歳出総額は316億6,030万9,445円で、前年度と比較しますと、歳入で7.9%の増、歳出で8.6%の増となりました。
歳出の主なものは、第2款国保給付費が193億300万円余で、前年度より10億1,900万円余、5.6%の増となりました。第3款老人保健拠出金は65億3,300万円余で、前年度より9,300万円余、1.5%の増となりました。第5款共同事業拠出金は31億7,700万円余で、前年度より13億8,400万円余、77.2%の増となりました。これは平成18年10月に創設した保険財政共同安定化事業が通年実施となったことによるものです。
歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が101億9,900万円余で、前年度より1億100万円余、1%の増、第3款国庫支出金が73億3,200万円余で、前年度より1億2,700万円余、1.8%の増、第4款療養給付費等交付金が42億900万円余で、前年度より8,300万円余、2%の増、第6款共同事業交付金が30億8,100万円余で、前年度より13億1,300万円余、74.3%の増、第7款繰入金が51億1,000万円余で、前年度より5億2,400万円余、11.4%の増となりました。
次に、中野区老人保健医療特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は219億9,664万6,927円、歳出総額は219億8,870万1,360円で、前年度と比較しますと、歳入で4%の減、歳出で3.4%の減となりました。
歳出の主なものは、第1款医療諸費が219億4,700万円余で、前年度より7億6,300万円余、3.4%の減となりました。これは、主に平成14年度の医療制度改正に伴い、老人保健制度の対象年齢が段階的に引き上げられていることによるものです。
歳入の主なものは、第1款支払基金交付金が128億7,700万円余で、前年度より10億3,400万円余、7.4%の減、第2款国庫支出金が58億4,800万円余で、前年度より1億8,200万円余、3%の減、第3款都支出金が14億8,700万円余で、前年度より3,700万円余、2.4%の減、第4款繰入金が16億500万円余で、前年度より2億1,800万円余、15.8%の増となりました。
最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は159億5,303万5,585円、歳出総額は156億3,548万6,750円で、前年度と比較しますと、歳入及び歳出ともに4.2%の増となりました。
歳出の主なものは、第2款保険給付費が140億円余で、前年度より3億3,900万円余、2.5%の増となりました。
歳入の主なものは、第1款介護保険料が30億5,900万円余で、前年度より9,300万円余、3.1%の増、第3款国庫支出金が34億1,500万円余で、前年度より1,300円余、0.4%の減、第4款支払基金交付金が43億4,600万円余で、前年度より1億1,700万円余、2.8%の増、第5款都支出金が21億9,100万円余で、前年度より1億7,600万円余、8.8%の増、第7款繰入金が25億6,600万円余で、前年度より2,700万円余、1.1%の増となりました。
以上、平成19年度の各会計決算について説明いたしました。
なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」をごらんいただきたいと思います。
また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月30日から8月11日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点につきましては、十分対処していく所存でございます。
最後になりましたが、ここに平成19年度の決算につきまして、議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第でございます。
以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、認定くださいますようお願い申し上げ、平成19年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。
○議長(市川みのる) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第5、議員提出議案第7号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第7号 中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第5、議員提出議案第7号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。斉藤金造議員。
○33番(斉藤金造) ただいま上程されました議員提出議案第7号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案者を代表いたしまして提案理由の説明を申し上げます。
本議案は、地方自治法の改正に伴い、条例第1条で引用している法律の項番号を繰り下げるものであります。
この条例の施行時期は、公布の日でございます。
以上でありますが、同僚議員におかれましては、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
○議長(市川みのる) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、これより採決をいたします。
上程中の議案は、原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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中野区の財政の健全化判断比率について
○議長(市川みのる) 日程第4、中野区の財政の健全化判断比率について報告をいたします。
本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月24日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時55分散会