1.平成20年(2008年)11月27日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(39名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 9番 せきと 進
10番 いでい 良 輔 11番 伊 東 しんじ
12番 佐 野 れいじ 13番 北 原 ともあき
14番 南 かつひこ 15番 小 林 秀 明
16番 の づ 恵 子 17番 奥 田 けんじ
18番 近 藤 さえ子 19番 牛 崎 のり子
20番 欠 員 21番 吉 原 宏
22番 大 内 しんご 23番 伊 藤 正 信
24番 きたごう 秀 文 25番 久 保 り か
26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや
28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子
30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎
32番 山 崎 芳 夫 33番 斉 藤 金 造
34番 篠 国 昭 35番 市 川 みのる
36番 岡 本 いさお 37番 飯 島 謹 一
38番 江 口 済三郎 39番 欠 員
40番 佐 藤 ひろこ 41番 来 住 和 行
42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員(1名)
8番 山 口 かおり
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 大 沼 弘
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 浦 山 京 子 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 佐 藤 幸 一 教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
計画財務担当課長 長 田 久 雄 経営担当参事 川 崎 亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 奈 良 浩 二
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 荒 井 勉
書 記 永 田 純 一 書 記 河 村 孝 雄
書 記 菅 野 多身子 書 記 松 本 明 彦
書 記 丸 尾 明 美 書 記 鳥 居 誠
書 記 土 屋 佳代子 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成20年(2008年)11月27日午後1時開議)
日程第1 第82号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
午後1時00分開会
○議長(市川みのる) ただいまから平成20年第4回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。9番せきと進議員、34番篠国昭議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は、本日から12月10日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、山崎芳夫議員、久保りか議員、長沢和彦議員、奥田けんじ議員、吉原宏議員、小林秀明議員、牛崎のり子議員、ひぐち和正議員、飯島謹一議員、きたごう秀文議員、大内しんご議員、佐藤ひろこ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員より、質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 山 崎 芳 夫
1 中野区緊急経済対策資金について
(1)融資状況について
(2)認定事務について
(3)財源について
(4)その他
2 区の業務と予算の執行管理について
(1)PDCAサイクルの機能について
(2)予算の執行管理について
(3)予算の流用について
(4)その他
3 保育行政について
(1)認証保育所の廃園について
(2)待機児対策について
(3)民間事業者の活用について
(4)その他
4 その他
○議長(市川みのる) 最初に、山崎芳夫議員。
〔山崎芳夫議員登壇〕
○32番(山崎芳夫) 平成20年第4回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の幹事長という立場で質問をさせていただきます。しっかりとした答弁をお願いいたします。
質問は通告の順番にさせていただきます。
まず初めに、1番の中野区緊急経済対策資金についてお尋ねいたします。
アメリカに端を発した金融危機のあおりを受けて、原油・原材料価格の高騰や仕入れ価格の高騰と相まって、中小企業の経営環境は激しさを増しています。この動向は年末にさらに加速し、資金の枯渇など逼迫した状況が危惧されています。
政府・自由民主党では、こうした状況への対応策として、新たな緊急保証制度を実施することとしております。この制度は、セーフティネット保証の対象業種を飲食業、不動産業、加工業、卸売業、小売業など、何と618業種まで大幅に拡大して、中小企業をほぼすべてカバーするものであります。また、金融機関への貸し渋りの対策といたしまして、融資額の100%を保証協会の保証とするなど、金融機関のリスクを解消し、中小企業者に円滑な資金供給を行おうという制度でございます。
また、都議会自由民主党は、10月30日に都民生活や中小企業を取り巻く厳しい経済環境への対応を求めて、都知事に緊急要望を提出いたしたところでございます。これを受けまして、東京都は9月補正予算に続く「東京緊急対策Ⅱ」を発表いたしました。聞くところによりますと、総額は2,000億円の事業規模であるようであります。
また、私たち区議会自由民主党といたしましても、この10月末に、これまで中野区で行ってきた経営支援特別資金が終了いたしますが、国や都のこうした新たな制度にあわせて、中小・小規模企業者向け緊急融資の融資制度を見直して、さらに充実させた上で、新たな緊急資金融資の制度を図り、早急に実施をされますように、10月29日、区長あてに要望書を書面で提出したところでございます。
そこで、お尋ねいたしますが、現在の融資状況はどうなっているのでしょうか。中野区のプレス発表によりますと、実行融資額は10億円となっています。貸付限度額が500万円でありますから、200口以上の申し込みがあれば、この制度は残念ながら終了してしまいます。そのようなことにならないようにお願いしておきます。よろしくお願いいたします。
次に、認定事務についてお伺いいたします。この制度は、年末を迎えた中小企業や商店主の皆さんにできるだけ年内に融資ができるということが課題の大きな一つと私どもは考えています。そのためには、認定事務をできるだけスムーズに実行できなければ意味がございません。土曜、日曜の認定事務をもっと積極的にふやしていただけないでしょうか。お答えください。
この項の最後に、財源についてお伺いいたします。
この制度は、本人負担利率が実行から2年間は無利子、その後は0.5%となっています。したがって、この利子補給金については、別途予算措置がいずれ必要になる時期が来ると私どもは考えています。その時期と財源についてお答えをいただきたいと思います。
ちなみに、自民党を中心とした会派が財政調整基金への積み立てを積極的に行ってきた結果、区民生活への安心を与えることが可能になったのではないかと少々自負をいたしております。基金への積み立てを反対している政党もあるように思いますが、今までどおりしっかりと将来を見据えて財政運営をしてほしいことをつけ加えておきたいと思います。
次に、区の業務と予算の執行管理についてお伺いいたします。
ここ数年、区の各種事業の業務執行は、PDCAサイクルの中で進められています。いわゆる計画はPlan、実行はDo、検証はCheck、改善はAction、の流れを次期の事業や計画に生かしていくというプロセスですが、この考え方を体系化したデミング博士の名前から、欧米ではデミングサイクルとも呼ばれているそうであります。
このPDCAサイクルは、区の組織全体にかかわる大きなPDCAから、事業部や分野、そして個々の職員の日々の業務単位にかかる小さなPDCAまで、さまざまなサイクルがあると言われています。例えば、事業部が年間の予算や執行計画を立案し、その計画に基づき、一定の期間、事業実施、さまざまな活動を行い、その間の事業執行上のミスや問題がないかを管理し、想定した結果が達成できたか、あるいは達成数値とそのコストを精査・分析をする。そして、事業執行上のミスや問題、達成数値の差が発生した場合は、その原因を改善し、引き続き次の事業活動に結びつけ、より少ないコストで事業を効果・効率的に継続していくことがこのPDCAサイクルの基本であると思います。
また、職員は、朝出勤しましたら、その日の作業の優先度を決めて業務を行い、業務の進行状況の確認や問題点が生じた原因を分析して、必要な改善を行った上でその日の業務を終え、次の日につなげるといった業務サイクルが同時に求められていると考えています。事業部や職員個人のどちらにも継続的な改善があり、仕事を行っていく上で非常に有効なプロセスと考えます。
区では、先進的にこのPDCAサイクルを区や職員の業務にいち早く導入し、多くの自治体から注目されていると考えているようですが、実際にこのサイクルが本当に機能しているのでしょうか。現実に一昨年の区民生活部のボタン電池問題、ことしの保健福祉部の生活援護分野の保護費行方不明問題、そして、公有車のたび重なる交通事故、また、定例会のたびに提案される補正予算や債務負担行為、繰越明許、さらには監査委員からの各会計歳入歳出審査意見書でも取り上げられた予算の流用の件数の増、予算の未執行など、どうひいき目に見てもPDCAサイクルが十分に機能しているとは思えません。
一例を挙げれば、ことし発覚した保健福祉部生活援護分野の保護費行方不明問題では、保護世帯に支払われる保護費を職員が私的に管理をしたことにより、その行方がわからなくなってしまったという事態になりました。当然あってはならないことですが、こうした事務処理については、当時の直属の課長や係長も何の疑問も持つことなく、2年近く見過ごしたことによって、生活保護費の支給について、区民の信頼を大きく損ねることになったわけであります。
こうしたルーチン的な業務は、やはり前例を踏襲する傾向があり、何ら問題がなければ見直すこともなく、次の担当者に引き継がれ、次年度以降も同様の手法で事務が行われることになります。今回の生活保護費の問題は、不明金が発覚したことによりまして、初めてPDCAサイクルのCとAが正常に機能し、状況の把握、改善に向けた取り組みが進められたことだと考えています。
私は、こうしたPDCAサイクルが十分に機能していれば、日常的に見直しが行われ、今回のような事態にはならなかったのではないかと考えますが、こうした組織的な課題解決、リスク管理の仕組みとしては、PDCAサイクルよりもPADSCサイクル、これはつまりPlan(計画)、Arrange(改善)、Do(実行)、See(状況把握)、Control(管理)といったきめの細やかなサイクルの中で行われることが望ましいのではないかと考えています。
二度とこうした事件や交通事故を未然に防止するためにも、日常的なきめ細やかなチェック、状況の把握、コントロール、そして進行管理が必要であると考えています。区長の御見解をお伺いしておきます。
次に、予算の流用についてお尋ねしておきます。
先ほども平成19年度決算に対する監査委員からの各会計歳入歳出審査意見書に盛り込まれた予算の流用状況について、少し触れさせていただきました。特に平成19年度の予算流用状況では、18年度と比較をいたしますと、件数で115件増の618件、金額では4億2,500万余の増、流用総額は9億9,000万円余にも達しているとなっています。この9億円余は、我々区議会議員が当初予算で可決した当初予算額の実に1%という金額が、区や事業の都合で議会が何ら関与できずに執行されたことになります。
各種事業の計画変更には、ある程度やむを得ない事情があることは理解ができまするけれども、この予算の流用は、平成16年及び平成17年の2年間では、何と毎年度10億円を超える金額が本来の目的以外に使われているのが事実であります。どうして毎年度、こうした流用が多いんだろうか、疑問に思うのは、私だけではなくて、この本会議場にいるほとんどの同僚議員も私と同じ疑問を抱いていると思っています。PDCAサイクルどころか、毎年度同じ轍を踏み、さまざまな課題や現状を検証もしないで当初予算を編成することが、この流用状況の増に顕著にあらわれているのではないでしょうか。
さらに言わせていただければ、予算の編成の仕方にも問題があると思います。予算編成時から、毎年度の予算執行の不備な部分の改善も検証もせずに、ただ単に各部に予算を配分し、進行管理もなされないという実態はあるのではないでしょうか。
区長は、これまでの前例踏襲型の区政運営を新たなサイクルの仕組みをいち早く導入し、行政システムの改革を推進してまいりましたが、現実はいかがなものなのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
また、予算の流用以外にも、予算の執行管理についても多くの課題があります。当初予算に計上された予算の執行が年度末になったり、昨年度も債務負担や繰越明許の提案がございました。現実に区立小・中学校の耐震補強工事のように、設計後、評価機関の評価に時間を費やしたといったやむを得ない事情は別といたしましても、年度当初に直ちに着手していれば、翌年度に工期や納期がずれ込むという事務処理は極端に減るのではないでしょうか。各部の予算の執行管理は事業部制のもと、それぞれの事業部が進行管理をすることになっていると思いますが、その進行管理自体が本当にうまく機能しているんでしょうか。私は、現在の状況を見る限り、各部の進行管理、特に部をまたがるような事業の進行調整は十分に機能しているとは言いがたい状態であると思っています。
区長は、一昨年から経営本部体制を敷き、政策室はP、経営室はD、管理会計室はCAという役割・機能を担わせてきたと聞いておりますけれども、各部の予算の執行管理はどの室が担っているのでしょうか。また、事業部の業務や予算の進行管理、進行調整といった総合調整機能の確立も急務であると考えますが、区長の率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
次に、保育行政について若干お尋ねします。
働く女性がふえる中で、保育園の需要は毎年増加の一途をたどっています。しかし、現在の就労環境を見てみますと、9時から5時までの勤務だけではなくて、パートタイムや自宅就労、就職後キャリアアップのための研修や勉強など、多様な就労形態がふえて、必ずしも区立の認可保育園で対応できるものばかりではないようです。こうした区民の多様な保育需要に対応しているのが民間の保育所であります。中野区がここ数年、保育所の民営化を進めてきたことによりまして、延長保育や休日保育、一時保育などさまざまな形態の保育サービスが実現してまいりました。また、全国に先駆けて東京都が制度化した認証保育所制度によって、通勤に便利な場所に開設された保育所で、柔軟な保育サービスが提供されるようになりました。
このように、民間事業者の参入により多様で区民の利便性の向上につながる保育所が展開されるようになったことは喜ばしいことであります。ところが、10月31日に区内の認証保育所が突然に閉鎖される事態が起きてしまいました。この保育所は9月に開設されたばかりで、園児はまだ8名とのことでありました。ここを運営している事業者は、埼玉県や神奈川県で多くの保育施設を運営しているばかりではなくて、他の事業も展開しているということで、経営実態は保育所経営の状況だけではなかなか把握しがたい状況であったと思います。
しかし、必死で子育てをしている利用者の方々にとっては、突然の廃園は青天のへきれきであります。一挙に不安のどん底に陥れられたのではないでしょうか。まずは利用されている区民の方々の救済が最優先されなければなりません。東中野の認証保育所の廃園という事態に際して、区はその前後でどのような対応をされたんでしょうか。
この保育所は、開設をされてまだ2カ月もたっておりません。廃園の連絡は、30日の夜に保育所職員から保護者に電話があり、翌日の31日に本日付で廃園するとの文書が配られたそうです。あまりにも突然です。せめて保護者にきちんと説明する時間や他の保育園などに転園先を見つける期間が必要であったと思います。この突然の閉園は避けられなかったのでしょうか。事業継続の可能性はなかったのでしょうか。東京都や区は、この事業者に対して、どのような指導をしたのでしょうか。
株式会社の経営破綻は、どんなに検査や監査を厳しくしても避けられない事態になることはあると思います。しかし、こうした事態になった場合に、行政として今回のように転園先を紹介するなど、子どもや親が不安にならないような仕組みや対応をしていくことが極めて重要であります。区として、どのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
先ほども申し述べましたけれども、近年、保育園に対する需要が多くなり、中野区でもここ数年、待機児がかなり出ている状況だと聞いています。この保育需要に対応していくためには、区だけの努力では解決できません。民間事業者の参入が保育サービスの拡充には不可欠であります。今後とも長期的な視点に立って、民間事業者が参入しやすい安全な環境を整備していく必要があると考えております。
しかし、短期的には、この認証保育所の廃園は、その園に入園している区民ばかりではなくて、今後、入園を予定している人たちにも影響を与えることになりました。この保育所は、定員30名だということですが、区内の待機児童が多い中で、30名の定員がなくなった影響はかなり大きいものがあると思います。この30名の定員を含めて、今後の待機児童対策を区はどのようにお考えになっているのでしょうか、お答えください。
民間事業者の参入によって多様な保育サービスが実現してきております。現在の核家族化の状況を見ていると、今後は働いている、あるいは働いていないにかかわらず、必要なときに子どもを預けられる施設や仕組みが必要だと思います。もちろん子育ての責任は家庭と保護者にあるのは基本でありますが、夫婦だけで子育てをしていくのには、限界がある場合があると思っています。
民間の力によって、子育てサービスや保育サービスの量的拡大を図ることによって、多くの民間事業者が参入して、サービスの内容も豊富になってきております。こうした多くの民間事業者が区内に参入しやすい環境を整備する中で、今回のような事態を含め、さまざまな状況を想定して、区民のセーフティネットを構築していくことが今後の大きな役割だと考えています。率直なお答えをいただきたいと思います。
その他の項はございませんので、これにて私の質問のすべてを終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山崎議員の御質問にお答えいたします。
まず、中野区の行っております緊急経済対策資金の融資状況についての御質問であります。
今日の大変厳しい経済状況を踏まえ、国の対策を受け、また、御要望いただきました内容を踏まえ、中野区としての緊急経済対策資金を運営しているところでございます。11月18日に受け付けを開始いたしました。1週間が経過した26日、きのうの夕方5時現在で申し込み件数は485件と、ほぼ500件に近づいているという状況であります。
この状況を見ますと、融資総額が10億円を想定していたものですけれども、しかし、現在既に2倍以上の申し込みがあるといったようなことでありまして、こうした対策が本当に求められている状況にあったんだなと、このような実感を持っているところであります。
そうした対策を実効あるものとするための事務のあり方についても御質問がありました。
認定事務ですけれども、これについては、指定する業種であるかどうか、また、指定事由に該当するか否かを区が審査、確認をする必要があるわけであります。この認定を受けた事業者が保証協会の保証を受けることによって融資を申し込むことが可能となります。国の緊急保証制度の対象業種が拡大した10月末から認定の申請を求める事業者が急増しているところであります。これまでも、11月8日、土曜日です。それから、16日、日曜日です。それから、先週末の22、23の土日、これも認定受付を行いまして、利用者への便宜を図ってきたところであります。必要に応じて業務日の拡大をさらに行うこととしております。
予算措置の問題も出てくるであろうという御質問でありました。御質問のとおりであります。先ほど申し上げましたように、融資総額10億円の想定でありまして、年度内の利子補給には当初予算で対応できる範囲として事業を組み立てたものでありますけれども、既に2倍以上の申し込みがあるということでありまして、最終的には年度内に予算の補正措置が必要となると考えております。なお、その際の財源につきましては、財政調整基金からの充当を想定しているところであります。100年に一度の経済危機とも言われるような現在の非常事態にあって、対応できるような基金が備えておけたといったようなことがよかったというふうに考えるところであります。
それから、区の業務と予算の執行管理等についての御質問がありました。
PDCAサイクルが実際に有効に機能しているのだろうか、こういう御質問でありました。
区民により高い価値を提供するという視点から、目標と成果による区政運営を進めてきたところであります。このことによって、従来の区政の限界を打破し、経営改革の方向を明らかにすることができたと考えているところであります。区政運営が目標の達成に向かって効率的に行われるためには、組織運営の不断の検証が必要であります。また、職員個人レベルから部全体のレベルまで、また、日々の業務から年間事業計画まで常に見直し、改善を徹底していく必要があるものであります。そうした意味で、まだまだ行き届かない点があるといったようなことは御指摘にあったとおりだと考えております。
PDCAサイクルについては、チェックからアクションにつなぐ、まさに統制や管理が必要でありまして、区政運営の責任者として、経営本部体制のもと、組織的に徹底してまいりたいと考えております。御質問の中では、PADSCサイクル、計画、改善、実行、状況把握、管理といったきめ細かなチェック、状況把握やコントロール、そうした進行管理が重要だという御指摘があったところでありまして、そうした点についても十分留意をしてまいりたいと考えております。
それから、予算の流用についての御質問もありました。
予算の流用については、事業計画の目的を実現させるため、また、さまざまに変化する状況に対応するために必要な場合もあるということでありまして、すべてを否定的にとらえるべきでないと考えているわけであります。このことは御質問にもあったとおりだと思っております。
しかしながら、昨今、予算の流用でありますとかいった対応がふえてきているということについては、予算編成段階で十分検討が尽くされていなかったというふうに考えられるものもあるところでありまして、この点については、十分に心して改善をしていかなければならない、こう思っております。予算の部枠配分によりまして、事業部制の目的が実現できるよう、部の経営機能というものを強化していくことがこうした予算編成での問題点の克服にもつながっていくと考えておりますので、この点も改善をしていきたいと考えております。
それから、各事業部の進行管理、特に部をまたがる課題についての進行管理が十分に機能していないのではないかという御質問もありました。
事業部の役割と機能を明確にして事業部制を強化するために、全体的な調整を行う体制として、経営本部体制を置いたものであります。各部は、区全体の経営戦略のもと、最も効果的な方法を選択して、みずから進行管理をしていくというのが事業部制の考え方であります。これを全体的に調整する場面として、各部の予算執行につきましては、政策室担任副区長の所管する予算執行方針に基づいて、各部が主体的に管理をするという仕組みとなっております。各部がそのように主体的に管理をしていくだけではなく、各部の目標達成上の課題、また、部をまたがる課題を前進させていくといった場面について、政策室、経営室、管理会計室がそれぞれの観点から検討し、適切に関与することで、経営本部として全体調整を行っていくという体制をとっているところであります。こうした経営本部の体制と各事業部の事業の執行管理がより適切に機能していくよう、さらに改善に努めていきたいと考えております。
それから、認証保育所の廃園について御質問がありました。東中野の認証保育所が10月31日に突然閉鎖されたといった案件であります。
まず、この経過でありますけれども、閉園の1週間ほど前に、区に対して従業員の給与が未払いであるとの報告がありました。これに対して、運営状況について社長に詳しい説明を求めようとしたところですが、社長とは会うことができなかったという状況でありました。そうした中、10月31日の朝、突然閉園との情報を得たところであります。直ちに緊急対応として、10月末時点での在園児8人全員の受け入れ先を調整し、当日中に確定をしたところであります。また、11月に入所予定だった6人の児童については、11月6日午後までに全員の受け入れ先を確保したところであります。また、並行いたしまして、社長等から事実関係等を調査するとともに、支払い済みの補助金の返還請求を行ったところであります。
こうした突然の閉園は避けることができなかったのか、あるいは事業継続の可能性はなかったのかといった御質問がありました。
東京都認証保育所の実施要綱では、事業継続が困難になるなどの事情がある場合には、相当の期間をもって都及び区に協議することになっておりまして、事業者に対しても、そのように指導してきたところであります。しかしながら、今回については、会社から何の連絡もない中で突然閉鎖されたものであります。会社の経営破綻の状況、こうしたものを伺うにつけ、事実上、事業継続は不可能であったと考えるところであります。
今後、こうしたことが起きないように、また、仮に経営破綻といったようなことが起きた場合でも、お子さんや親御さんが不安にならないような仕組みや対応が重要であるという御質問もありました。まことにそのとおりだと思っております。
今後、経営破綻を招くといった事業者が出てこないように、認証時の審査の厳格化や認証後の経営状況の把握の仕方などについて、都と協議をしていきたいと考えているところであります。また、今回の事態を踏まえて、経営破綻の際の事業継続の仕組みづくり、また、保育所相互間での緊急受け入れ対策の構築などについて、具体的なあり方をどのようにつくっていくのか、都とも協議をしながら検討してまいりたいと考えております。
今後、この認証保育所の閉園によりまして、30人の定員が減るというところであります。こうしたことに対して、待機児解消対策についてはどう考えるかといった御質問もありました。
認証保育所は、多様な就労形態や保育ニーズを持つ区民の皆様にとっても、利用しやすい施設であると考えております。また、区内の東部地域は保育施設が少なく、待機児解消のためには30人以上の保育施設の設置が必要であると考えているところでありまして、こうした多様な保育サービスや定員を確保するための方策を早急に検討していく考えであります。
保育サービスの量的な拡大を図るため、民間事業者の参入環境の整備と区としてしっかりと区民のセーフティネットを構築していく役割があるのではないかと、こういう御質問でありました。
保育サービスに多くの事業者が参入し、中野区の保育が量的にも質的にも向上してきたと認識しているところではあります。また、今後さらに多様な事業者が区内で良質な保育サービスを展開することを期待しているところであります。区といたしましては、指導体制の強化や事業者相互の連携などに努めて、区民が安心して質の高い保育サービスを利用することができる環境を責任を持って整えていく考えであります。
○議長(市川みのる) 以上で山崎芳夫議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 中野駅周辺まちづくりについて
2 小中学校再編計画について
3 西武新宿線沿線まちづくりについて
4 学校施設の災害対策について
5 保育事業の課題について
6 武蔵台児童館の建て替えについて
7 介護保険料の改定について
8 後期高齢者の健診について
9 その他
○議長(市川みのる) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 平成20年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。前向きで明快な御答弁をお願いいたします。
初めに、その他で一つお伺いいたします。
国の緊急経済対策として進められている「定額給付金」について、区長はどのようにお考えでしょうか。区長の率直な御見解を伺います。
次に、中野駅周辺のまちづくりについて伺います。
初めに、警察大学校等跡地のまちづくりにおける経済効果について伺います。
中野区の活性化という点で、中野駅周辺まちづくりの中でも先行して開発が進められる警察大学校跡地の担う役割は大きなものであることは言うまでもありません。21年度には具体的な建築計画が進んでいきます。新たな住宅や企業、商業施設、大学などにより昼間人口、夜間人口ともに増加が見込まれてまいります。警察大学校跡地のまちづくりには、具体的な経済効果、期待できる税収について、どのように予測をしているのか、伺います。
次に、警察大学校跡地の都市計画公園について伺います。
警察大学校跡地の都市計画公園は、約1.5ヘクタールの公園と公共空地約1.5ヘクタールを連続性に配慮して、緑地及び広場を整備することが整備方針に示されています。現在、景観検討委員会にて、跡地における景観の形成について検討がされています。検討事項のスケジュールによれば、年度内には民間施設及び公共施設にかかわる内容などが取りまとめられることになっています。具体的に区民が利用できる多目的広場についても、ここで示されることになるのか、伺います。
東京のゲートボールの中心拠点であった囲町公園を利用していたゲートボール愛好家の方たちからはゲートボール場として、若者からはフットサルやスリー・オン・スリーが気軽に楽しめるスペースとして利用がしたいなど、警大跡地には多様な区民の期待がかかっています。新たに整備される都市計画公園には、多くの区民が多目的に利用できる遊戯スペースを設置すべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。
また、囲町地区との境にある三角形の約1,000平米の緑地を三角広場として、ゲートボールやグラウンドゴルフ、ペタンクなどに利用できる遊戯場として活用できるよう検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、仮設広場の利用も年内で終了してしまいます。その後、都市計画公園が整備されるまでの間、利用できる広場はないのでしょうか。駅周辺で暫定利用できる施設を確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、警察大学校跡地のシンボル空間について伺います。
中野四丁目地区のにぎわいゾーンの機能的中核を担う区域である区域5のB-2棟に地区のシンボルとなるようなイメージを持たせてはいかがでしょうか。公園広場に面した施設にオープンカフェを設置し、地域FMスタジオなどを開設し、防災・防犯情報、地域情報を発信するパブリックな空間として整備してはいかがでしょうか。区民の集うにぎわいの中心となるだけではなく、防災公園としての役割を担う重要な広場であることを位置付けるべきであると考えます。お考えを伺います。
次に、桃丘小学校の跡地活用について伺います。
現在、跡地は桃が丘保育園の仮園舎などとして暫定利用されています。中野区区有施設耐震改修計画には、耐震性能Bランクの子ども・障害児関連施設は、おおむね平成23年度までに耐震改修を完了すると示されています。計画では、再編対象施設である野方保育園は平成24年度末廃止となっています。しかし、野方小学校・沼袋小学校の再編計画が変更された影響により、野方保育園の移転も延期されることになります。例えば、この野方保育園の耐震改修に跡地を活用することを検討すべきではないでしょうか。学校跡地をさらに活用し、周辺公共施設の建てかえや耐震改修のために活用すべきではないでしょうか、伺います。
さらに、桃丘小学校で予定されているインキュベーションオフィスなどを警察大学校跡地で展開してはいかがでしょうか。警察大学校等跡地のまちづくりに係る覚書に記された「賑わいに資する事業活用に利用できる約2,000から3,000平米のスペース」をインキュベーションオフィスや文化芸術拠点として活用することを検討されてはいかがでしょうか、伺います。
次に、サンプラザ地区の再整備について伺います。
第3回定例会の行政報告の中で、区長は、サンプラザ地区の再整備について、「これまでの予定では平成24年までに再整備の基本構想を定めることになっていますが、区がより主体的にかかわることにより、なるべく早い段階で具体的な将来像を描いていきたいと考えております」と述べられています。現在、「中野駅地区整備にかかわる構想」を策定中ですが、区役所・サンプラザエリアについては、再整備構想、再整備計画、事業計画、事業実施などの時期については示されておりません。中野サンプラザの土地・建物を区が間接的に所有することにもなり、将来のまちづくりを区が完全主導により行うことができることになったということですから、区役所及びサンプラザの再整備について、具体的なスケジュールや計画を示されるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、中野駅周辺のまちづくりにおいて、まちづくり中野21はどのような役割を担っていくことになるのか、伺います。
以上で、中野駅周辺まちづくりについての質問を終わります。
小中学校再編計画について伺います。
平成17年10月に策定された小中学校再編計画では、平成20年度より再編を進め、前期計画では平成24年度までに6事業、中後期もさらに6事業が計画されています。当初の計画では、野方、丸山、沼袋小学校の統合の時期は23年度、統合新校の位置は、野方小学校、丸山小学校の位置に予定がされていました。しかし、野方小学校に近接する法務省矯正研修所東京支所の移転に伴い、法務省の用地を野方小学校と沼袋小学校の統合校の新校とするために取得するという方針が示されました。開設時期は、平成28年度であり、前期計画は、開設時期についても、位置についても、いずれも変更されることになりました。さらに、第九中学校と中央中学校の統合新校も24年度の統合、その後の新校舎への移転は26年度を予定しています。この二つの統合新校の開校は、既に前期計画ではなく、中期計画の時期となっています。5カ年ごとの計画のため、前期、中期、後期としていますが、時期をまたがることで非常にわかりにくく、まずはこの表現を改めるべきではないかと思います。前期で決定された計画のうち、既に再編が完了した2事業と21年度開校の2事業を第1次再編計画、そして、現在計画段階にある2事業を第2次再編計画と整理し、計画を確定させていくべきではないかと考えます。
中野区にとって、新校舎の建設は実に30年ぶりのことであり、その建物についても、期待が高まるところです。特にこの第2次再編計画では、新校舎の建設に合わせた中野区の教育の可能性を広げる取り組みの柱を明確にすることが重要です。例えば、我が会派からたびたび提案させていただいております小中一体型の一貫校を法務省の用地に建設し、中野区初の小中一貫校の開校を計画の柱にすべきではないでしょうか。法務省の用地での新校の設置という好機を逃さず、恵まれた環境を生かし、中野区初の小中一貫校を開校という、今まで再編計画では選択できなかった教育課題を実現すべきと考えます。学校再編の目的である学校教育の充実を目指すという教育的視点からすれば、法務省用地に小中一貫校を開校するという発想の転換は当然のことではないでしょうか。
南部地域には、平成22年度に中野区の区立学校のライバルとも言える都立中野地区中高一貫6年制学校が開校されます。この際、新しい校舎で中野区が掲げる小中一貫教育のモデルとなる希望あふれる施設一体型の小中一貫校を開校するべきではないでしょうか。設置者である区長のお考えを伺います。
次に、この法務省用地に小中一貫校を開校した場合、緑野中学校の学区域であることや、統合新校が予定される中央中学校とも近接していることから、さまざまな影響があるかもしれません。仮に小中一体型新校を開校するとなると、新校を中心に広く通学区域を見直す必要があります。例えば、中央中、九中に加え、3校を統合し、2校の統合新校を設置することになっている三中、五中、十中を加え、広いエリアでの通学区域の見直しによる再編を行うことを考えられてはいかがでしょうか。東中野小学校と昭和小学校の統合で残された通学路の安全対策という課題を早期に解決し、中後期に示された統合の組み合わせに固執することなく、小中一貫校開設を中心とした学区域見直しによる第2次再編計画を策定するべきではないでしょうか。未来ある中野区の子どもたちのため、教育を充実させるという決意にあふれた意欲的な御答弁を求め、この項の質問を終わります。
次に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。
西武新宿線の連続立体交差事業については、中井-野方駅付近の区間が新規着工準備箇所として採択、それに続く事業候補区間に野方-井荻駅付近が選定され、この数年間で大きな進展を見せました。中野区としても、いよいよ沿線まちづくりの計画策定に本格的に取り組まなくてはなりません。連続立体交差事業は、交差する道路の問題でもあります。そこで、補助第133号線、中杉通りと沿線まちづくりについて伺います。
平成16年3月に中野区内第3次事業化計画優先整備路線として、中杉通り区内全区間が決定し、12年間に優先的に整備する路線として位置付けられました。既に杉並区内全域がほぼ完了していることや、このたび、練馬区内の千川通りから目白通りまでが開通したことにより、中野区内はいつ事業化が決定されるのかという関心が高まっています。特に沿道の住民や中杉通りで商売を営んでいる方々にとっては、死活問題とも言える大問題となっています。道路事業の先行きが見えず、住宅を建てかえる時期、店を閉める時期、土地を売る時期など直面する切実な問題の答えが出せずにいます。これから西武新宿線沿線まちづくりの具体的な計画を策定していく上で、交差する五つの都市計画道路の課題は避けては通れない重要な課題です。
連立事業も都市計画道路も東京都の事業などという他人事で済まされる問題ではありません。都市計画道路と連立事業の関係や連続立体交差事業の構造形式が決定した上で明らかになる沿線まちづくりの課題などを多くの沿道住民、沿線住民に周知し、説明責任を果たすことも区の役目であると思います。丁寧な説明を行い、沿線まちづくりに多くの賛同が得られるよう、区として最善を尽くすべきであると考えます。そのためにも、まずは道路や沿線沿いの現況調査を行い、沿線まちづくりの課題を明確にするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。その上で、実現可能な沿線まちづくりの計画を策定すべきではないかと考えます。区の具体的な取り組みと決意を伺います。
今年度、連続立体交差事業の構造形式を決定するための調査が行われております。この調査の結果により、最大の関心事である地下化か高架化という構造形式が明らかになります。ここが確定しなくては、沿線まちづくりを策定することは不可能です。東京都は、この構造形式をいつ決定される予定なのかを伺って、この項の質問を終わります。
次に、学校施設の災害対策について伺います。
平成21年度には、全小中学校に緊急地震速報が導入予定をされています。導入に当たっては、緊急地震速報対応の避難マニュアルを策定し、地震が起きるまでの数秒間で迅速に自分の身を守ることを身につける訓練を行う必要があります。具体的な避難マニュアルに即して校内を点検していくと、幾つかの課題が見えてきます。まずは安全な避難路の確保が重要な課題です。現在、学校校舎の窓ガラスは、校庭側についてはサッシの取りかえ、強化ガラスへの変更が行われていますが、教室内の廊下側の窓については、落下防止や窓ガラスの飛散防止がされていないところが多く見受けられます。教室内から外へ避難する場合には、必ずここを通過しなくてはなりません。避難路の安全性の確保と教室内での危険を回避するためには、廊下側の改善をするべきです。まずは窓ガラスや扉のガラスの改善をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、災害時に停電などにより放送システムが使用できなくなった場合の対応についても、各学校の放送システムは統一されていません。非常放送設備が設置されている学校は11校しかありません。すべての小・中学校が停電時にも電源の確保ができる放送システムへと改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、学校に設置されている備蓄倉庫も空き教室を利用して転用したため、学校によっては3階部分にあり、実際の避難所開設の際には利用が困難なのではないかと思われます。適切な位置に改善すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
学校施設の抱える課題は大きく、現場では対応し切れない事件が多々あります。教育委員会に教育施設分野の担当を再配置すべきではないでしょうか。この点について御見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、保育事業の課題について伺います。
ことしの9月1日に開園されたばかりの認証保育園「ハッピースマイル東中野駅前園」が10月、突然に閉園し、多くの関係者の間に激震が走りました。この保育園の在園児、入所予定児については、区としても受け入れ先の確保など迅速な対応を行ったことは、先ほどの山崎議員の質問への区長の御答弁にもありました。しかし、保育園に入園できずに待っている待機児童が区内には大勢いる中、認証保育園による30人の定員数を失ったことは、中野区にとって大きな損失です。この定員30人について、区として今後どうカバーされるおつもりなのでしょうか。21年度の入園希望の締め切り時期は1カ月半後に迫っています。どのような対策を検討されているのか、伺います。
次に、保育事業の課題として、緊急保育サポート事業について伺います。
平成20年10月23日、中野区社会福祉協議会から緊急保育サポート事業を利用している会員あてに緊急保育サポート事業を継続していくことが困難な状況になった旨のお知らせがありました。この事業は、東京都社会福祉協議会から委託を受け、平成18年11月より実施されたものです。お知らせには、「このたび、厚生労働省より、今年度をもって緊急保育サポート事業に対する補助を終了する予定との通知がありました」とありますが、そもそもこの事業は、国のモデル事業として3カ年の期間を限定した事業であったものです。ファミリーサポートセンター事業の中での対応を含め、今後、区と協議を行っていくと社会福祉協議会は説明していますが、今後、事業の継続はどうなっていくのでしょうか。
いずれにしても、利用者数も増え、働いている保護者にとって緊急時にはなくてはならない制度として定着しつつある事業です。利用者に不安を与えることのないよう、持続可能な制度として、緊急保育サポートを継続していくべきであることを要望するとともに、区のお考えをお聞かせください。
次に、武蔵台児童館の建てかえについて伺います。
平成21年度に鷺宮詰め所跡地を利用して武蔵台児童館の建てかえが予定されています。地域からも詰め所の跡地については、隣接する若葉公園と一体的に公園として整備をしてほしいとの要望も出ています。武蔵台児童館として建てかえが行われることで、地域要望にもこたえた施設となるのでしょうか。
武蔵台児童館の跡地については、どのような計画になっているのでしょうか。地域の状況を考えると、新たな施設についての選択肢は少ないのではないでしょうか。子どもたちが今までどおり利用できる児童遊園や広場に整備することが望ましいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、新しく武蔵台児童館が建設される予定の鷺宮五丁目には、耐震性能Bランクの西鷺保育園が、近隣には耐震性能Bランクの鷺宮児童館、西中野児童館があります。例えば、西中野児童館には隣接する元西中野保育園がありますが、ここを活用して耐震改修を行うことも検討すべきではないでしょうか。耐震改修計画には、施設を利用しながらの耐震改修、未利用の区有施設活用などの仮施設による耐震改修が示されています。それぞれどのような耐震改修を計画されているのでしょうか、伺います。
次に、介護保険料の改定について伺います。
介護従事者の報酬を上げることを目的に、国での補助金見直しが現在検討されています。中野区でも21年度からスタートする第4期介護保険制度について最終的な検討が進められていることと思います。介護保険料を引き上げるのではなく、介護保険料への公費の投入割合をふやしての介護従事者への報酬を増額することを国では検討しているようですが、中野区の介護保険料の改定にはどのような影響があるのでしょうか、伺います。
決算総括質疑でもお伺いしましたが、中野区においては、介護保険料の多段階設定、介護給付準備基金の取り崩しなどにより最大限の努力を図り、被保険者にとって負担の少ない保険料を検討すべきであると考えます。この点について、現在、介護保険の事業計画の検討はどのようになっているのでしょうか。多段階保険料導入を検討されることや、11億9,588万円の介護保険準備基金の一部取り崩し、さらには第1号被保険者の伸び率から考えると、負担軽減が十分可能のように思われます。厚生労働省の集計では、全国平均月額180円の引き上げ見通しという報道もありますが、中野区として、第4期介護保険制度については、保険料の据え置き・減額も視野に入れ、区民の負担を最小限に軽減すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。介護保険料の改定について区のお考えを伺い、この項の質問を終わります。
最後に、後期高齢者の長寿健診事業について伺います。
中野区では平成20年4月から、東京都後期高齢者医療広域連合の判断と連合の示す健診実施要綱に基づき、みずからの健康はみずからが守るという意識づけのためにも、500円の自己負担金は妥当であるとの考えから、受診時に自己負担金を徴収し、健診事業を行っています。しかし、今年度の健診事業の結果を検証し、受診項目や受診料など見直すべき点があれば、直ちに見直すべきと考えます。
後期高齢者の健診は、被保険者の生活習慣病等の早期発見と健康を保持・増進し、医療費の適正化につながることを目的に行う事業であり、実際に健診の受診者と未受診者の保険料を比較すると、健診を受診している方が保険料はかかっていないという統計も出ています。
後期高齢者の方にとって、長寿健診の有料化についての負担感や今までの健診事業で行っていたレントゲン検査や心電図検査がなくなっていることへの差別感が大きなものではないでしょうか。入院や寝たきり状態でないからこそ健診を受診することができます。特定健診から継続した健診項目により、後期高齢者の健康維持のための長寿健診に見直すべきではないでしょうか。健診の無料化、胸部レントゲン、心電図検査を検査項目に加えることを求め、あわせて区のお考えを伺い、この項の質問を終わります。
以上で、私のすべての質問を終わります。大変にありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えいたします。
まず、一番最初に定額給付金についての見解をという御質問がありました。
現在、政府・与党で検討されております定額給付金についてであります。家計への緊急支援や経済対策として一定の効果があるものと考えているところであります。さまざまな御意見や評論はあろうかと思いますけれども、まず効果のある対策を打つことが肝心であると考えているところであります。
現在、この定額給付金のあり方について、国から正式な通知はまだなく、制度の詳細は把握できていない状況であります。方針が決まれば、区民のために事業の趣旨が生かされるよう、適切に区として対応していきたいと考えております。
それから、警察大学校跡地のまちづくりに関連しての御質問がありました。経済効果をどう考えるかということであります。
大規模建設工事の投資については、一定の経済波及効果があることが知られているわけでありますが、中野区内での影響ということ、中野区内のみを取り上げての波及効果については、工事に関する投資ということでは試算することが難しいと考えております。こうした建設投資だけではなく、新たな企業や大学の立地は数万人単位で昼間人口を増加させ、これらの人々の消費行動は区の経済活動に大きなインパクトをもたらすものと考えております。また、来街者が相当数増加することが予想され、区内の商業への波及効果をもたらすと考えているところであります。さらに、地域内に立地する企業や大学等がもたらす雇用やさまざまな業務上の需要についても、区内で調達されるものも多くなると考えられ、また、できるだけこうした雇用増や需要増を区内で受けとめられるように、区としても対応を工夫していく考えであります。これらを通じて、結果として区の税収増にもつながるものと考えているところであります。
それから、跡地の都市計画公園についての御質問がありました。
整備する都市計画公園は、災害時には防災避難場所として利用でき、平時にはさまざまなレクリエーション的な活動も可能な多目的広場を設置するという方向で検討してまいりたいと考えているところであります。景観検討委員会の検討も踏まえながら、この広場の整備のあり方について検討していきたいと考えているところであります。
それから、三角形の緑地についてであります。これは計画上の位置付けが緑地とされているところでありまして、利用にはかなり制約が出てくるところであります。今後、その整備のあり方について、さらに検討してまいります。
また、仮設広場が利用できなくなった場合の代替地はどうなるかということであります。
現在、設置している仮設広場は、地域の要望にこたえ、都市計画公園等の整備着工までの間、暫定的に整備をしたものであります。したがって、暫定で提供してきた仮設広場のさらなる代替地というのは大変難しく、具体的には計画をしていないところであります。
それから、警察大学校等跡地区域5のB-2棟にこの地域のシンボルとなるようなイメージを持たせるべきだという御質問であります。
この区域5のB-2棟は、警大等跡地の大きなオープンスペースの性格を特徴付ける施設と考えているところでありまして、にぎわいや安全・安心のまちづくりを進める観点から、御提案の趣旨なども踏まえながら、今後とも事業者と協議を進めていきたいと考えております。
それから、旧桃丘小学校跡地の保育園仮園舎としての活用についていかがかという御質問でありました。
現在、桃丘小学校跡は保育園のほか、学童クラブや桃花小学校の仮施設として暫定的に活用を行っているところであります。この跡地は、将来的には新しい産業関連施設、文化芸術の活動拠点等としての活用計画となっているところであります。
文化産業インキュベーション機能は、警察大学校等跡地の東京建物の建築物内で活用すると覚書でされているスペースの中で展開してはいかがかという御質問もありました。
去る10月22日付で交わした「警察大学校跡地地区のまちづくりに関する覚書」で約束いたしました東京建物の建築物のスペースには、覚書に沿って東京建物と産業振興及び産業人材養成拠点の形成の実現に向けて、そのあり方の協議を進めることとしているところでありまして、区として具体的に踏み込んだ内容を想定するまでの段階にはないと考えております。
それから、サンプラザ地区の再整備について、また、まちづくり中野21の役割についての御質問がありました。
第3回定例会で議決をいただきましたサンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針に基づいて、サンプラザ地区はその立地条件を生かし、区役所敷地、また、北口広場及び中野駅地区と一体的な計画により整備を行うこととしているところであります。再整備の事業開始については、譲渡条件によりまして、早くても平成26年以降となるわけですが、再整備計画につきましては、なるべく早く具体案をまとめ、スケジュールをお示ししてまいりたいと考えております。そうしたまちづくりの中で、株式会社まちづくり中野21については、将来にわたって中野サンプラザの敷地を保有させ、中野駅周辺のまちづくりを牽引させていきたいと考えているところであります。
それから、小中学校の再編計画に関連して、法務省矯正研修所の跡地に施設一体型の小中一貫校を設置すべきではないかという御質問がありました。
法務省矯正研修所の位置に小中一貫校を設置するということについては、中期の再編計画への影響も大きく、また、教育委員会の一貫教育への取り組み方針が定まっていない中では、なかなか具体的な検討は難しいと考えているところであります。しかし、小中一貫教育を推進する中では、施設一体型の一貫校の設置についても十分視野に入れていくべきであると考えているところであります。
西武新宿線沿線まちづくりの取り組みについての御質問がありました。
連続立体交差事業は、踏切の除却によりまして、交通渋滞や踏切事故の解消をすることに加えて、分断されている市街地の一体化などによりまして、都市の再生や活性化が大きく期待される事業であります。中野区では、西武新宿線の連続立体交差事業を契機として、各駅の交通結節機能や南北交通の強化等、脆弱な都市基盤の整備を進め、あわせて周辺の密集市街地の改善や地域の活性化を図ることが重要であると考えているところであります。このため、現在策定中であります西武新宿線沿線まちづくり計画の中に都市計画道路や駅前広場等を位置付け、これらの整備計画を策定していくべく、さまざまな調査、検討を行っているところであります。西武新宿線の沿線では、住民の皆様とともにまちづくり勉強会も行っているところであります。今後とも沿線住民の声を聞きながらまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
それから、東京都が現在どのような調査検討を行っているのかといったことについてであります。
東京都は、今年度から西武新宿線中井-野方間の連続立体交差事業の着工に向けて、構造形式や施工方法についての調査検討を行っていると聞いているところであります。構造形式等につきましては、国と協議中とされておりまして、その決定時期については、いまだ未定であるというふうに東京都からは聞いているところであります。
それから、学校施設の災害対策に関連して、窓ガラスの安全対策を施すべきではないかという御質問がありました。
現在は、平成17年3月の国土交通省通知によりまして、ガラスのはめ殺し窓で網入りガラス等になっていないものについては、飛散防止フィルムを貼っているところであります。また、校庭側はボール等が当たったときの安全対策として、強化ガラスにしているところであります。この平成17年の通知では、廊下側の窓で可動式のものについては、ガラスとサッシ枠がゴムで固定されているものについては変形に強く、飛散の可能性が少ないため、飛散防止等の措置は求められていないところであります。
それから、停電時の放送システムについての御質問がありました。
学校においては、避難訓練などの際に放送設備が停電によって使えないということを想定した訓練も行っているところであります。しかし、避難所としての利用もありますので、今後避難所運営を円滑に行うという観点から、整備のあり方について検討していきたいと考えております。
それから、学校の備蓄倉庫の位置についての御質問もありました。
学校の備蓄倉庫の位置については、学校の施設上の制約によりまして、やむを得ず3階等の上層階に設置しているところもあるわけであります。この倉庫の位置の変更については、避難所運営会議等の中で御意見をお聞きし、改善に向けて学校と協議をしていきたいと考えているところであります。また、それでもなかなか移動ができないということもあり得るわけでありまして、3階からも備蓄物資の搬出が容易にできるような、そうした設備上の工夫などもしてまいりたいと考えております。
それから、教育委員会に教育施設の担当を設けるべく検討するべきではないかという御質問がありました。
区有施設の維持管理につきましては、施設の改築や大規模改修等を一体的、計画的に対応していくために、財産管理分野において技術系職員を集中配置し、施設の維持管理を行う体制としているところであります。また、教育施設におきます維持補修等については、教育経営分野における施策として、教育施設担当を設定しているところでありまして、教育施設の担当の執行責任者を配置し、この執行責任者が財産管理分野の技術系職員と連携をとって行うこととしているところであります。こうしたことから、現時点では教育施設担当を分野として独立させるということについては考えておらないところであります。
私からは以上であります。そのほかはそれぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小中学校再編計画につきまして、小中一貫校の開設を中心とした通学区域見直しによります再編計画を策定したらどうかという御質問でございます。
学校再編計画につきましては、さまざまな議論を経て策定したものでありまして、今後ともその計画を基本として進めていくこととしておりますけれども、現在、中期の再編計画の検討を行っているところでございまして、その中では一貫教育のあり方なども視野に入れて十分に検討してまいりたいと考えております。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 保育事業の課題についてお答えいたします。
認証保育所の閉鎖に伴う待機児対策につきまして、山崎議員にもお答えいたしましたが、認証保育所は多様な就労形態や保育ニーズを持つ区民にとっても利用しやすい施設でございます。また、区内東部地域には保育施設が少なく、待機児解消のためには30人以上の保育施設の設置が必要であると考えており、こうした多様な保育サービスや定員を確保するための方策を早急に検討してまいります。
次に、緊急サポート事業の継続につきまして、緊急サポート事業は制度発足当初、ファミリーサポートセンター事業を担うことができるモデル事業として、厚生労働省、東京都社会福祉協議会からの委託を受けまして、中野区社会福祉協議会が実施してきたものでございます。この9月に厚生労働省からファミリーサポートセンター事業の拡充策として、病児・病後児の預かり機能を付加し、緊急サポート事業を廃止する方向で検討しているという通知を受けました。これを踏まえまして、区は来年度以降、ファミリーサポートセンター事業の中で対応できるかどうか、両事業の実績も見ながら、現在検討を行っているところでございます。
次に、武蔵台児童館の建てかえにつきまして、跡地活用の地域要望について、隣接するわかば公園との関係などにつきましてお答えいたします。
鷺宮詰所跡への武蔵台児童館の移転に当たりましては、児童館の園庭部分と隣接するわかば公園を前提といたしまして、利用しやすい施設整備や地域の緑、防災面にも配慮した整備を予定しております。
次に、現武蔵台児童館跡地の活用、旧西中野保育園施設の活用につきましてお答えいたします。
移転する武蔵台児童館敷地の今後の活用につきましては、上鷺宮地域の状況を踏まえて検討してまいります。西中野児童館や西鷺宮保育園の耐震対策につきましては、今後、補強のための工法や工期などを詰めてまいります。一時的に施設利用を休止せざるを得ない場合は、近隣の公共施設、遊休施設の活用を含めて調整をしてまいります。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 介護保険料の改定についての質問にお答えいたします。
まず、国の介護報酬引き上げによる介護保険料への影響についてでございます。
国が検討しております介護報酬の改定に伴う影響については、その引き上げ幅や財源措置が確定していない状況でございます。来年度からの介護保険料の設定につきましては、今後示される国の基準を反映して、必要な調整を行って決めていきたいと考えております。
次に、介護保険料の設定のあり方、また、区民の負担を軽減すべきという御質問でございます。
介護保険料については、保険料の現在の段階設定を見直すほか、介護給付費準備基金の活用も検討して、保険料の増が大幅なものとならないようにしたいと考えております。
次に、後期高齢者の健診についての御質問でございます。後期高齢者健診の項目、また、無料化というお尋ねでございます。
後期高齢者の長寿健診におきましては、受診者が一定の自己負担をすることで制度がつくられてございます。現在の自己負担金は妥当な金額というように考えているところでございます。また、この健診は、区が東京都後期高齢者医療広域連合から委託を受けて実施しているものでございます。健診項目を追加する場合は、区が経費を負担することになりますので、区独自に健診項目を加える必要があるかどうか、検討を行っているところでございます。
〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 小中学校の再編計画についてお伺いいたします。
先ほど区長のほうからは、一貫教育においては一体型の施設というのも検討できるのではないかというふうな御答弁であったかと思います。十分視野に入れていくべきであるということでございました。また、教育長のほうからも、一貫教育のあり方については十分検討していくというようなことだと思うんですけれども、これは何度も議会で質問させていただいておりますが、一貫教育は区内では今、実行するという方向になっていますが、施設一体型について、その点では教育委員会としてどのように今まで御検討されてきたのか。これは議会でもたびたび質問がされているところです。小中一体型を野方につくるのかつくらないかということは、他の計画にもかかわってくることではないかと思いますので、きちっとした御答弁、前向きな御答弁をいただきたいと思っております。また、いつまでに再編計画を示されるのか、その点もまたあわせて伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小中一貫型の連携教育が必要だということについては、おっしゃるように、私どもも日々お話ししているところでございます。連携教育、一貫教育につきまして、どのような形で行うかにつきましては、いろんなやり方があると思うんですけども、施設一体型というものについて、どのように考えるかにつきまして、この場で今こうだということを申し上げるというのは、まだ早い段階でございまして、今検討中ということでございますので、なるべく早目にその辺については御説明したいと思いますけれども、基本的にはいろいろなやり方があって、一つには、中野区全体で連携教育が必要だということについては、やっていかなきゃならない。それから、連携教育、一貫教育をするに当たって、例えば学校単位で独立したままで連携していくというのもあるでしょうし、一体型の施設をつくって連携・一貫教育を行っていくというのもあると思います。その辺につきまして、我々といたしましては、区長も申し上げましたし、私も申し上げましたけれども、施設一体型の一貫教育、そうした場が今後検討する必要があるという認識でございまして、中野区の中でもそういうことについては十分検討してまいりたいと思っております。
○議長(市川みのる) 以上で、久保りか議員の質問は終わります。
議事の都合上、暫時休憩にします。
午後2時24分休憩
午後2時46分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 長 沢 和 彦
1 区長の政治姿勢について
(1)生活不安を和らげる施策について
(2)安定した雇用を保障することについて
(3)政府の追加経済対策について
(4)後期高齢者健診の充実と70歳以上の健診の無料化について
(5)憲法擁護の立場を堅持することについて
(6)その他
2 金融危機・物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについて
3 警察大学校等跡地と中野駅周辺まちづくりについて
4 第4期介護保険事業計画について
5 保育行政について
6 教育行政について
7 その他
○副議長(やながわ妙子) 長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
○30番(長沢和彦) 2008年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問します。
初めに、区長の政治姿勢について伺います。
最初に、政府の追加経済対策についてです。
政府は、追加経済対策を発表しましたが、その中心は大企業・大銀行、大資産家への救済措置です。国民向けには総額2兆円の「定額給付金」を目玉にしていますが、発表してから所得制限などをめぐり、右往左往する始末です。結果、その判断は自治体に投げ出す無責任さを露呈し、全国の自治体の長から批判と怨嗟の声が挙がっています。政府の迷走ぶりはあきれるばかりです。しかも、この「定額給付金」は、3年後の消費税増税とセットの代物です。「ばらまきは一瞬、増税は一生」といったもので、各種世論調査でも「定額給付金」は歓迎されていません。景気対策にも役立たないと言われています。
この間、雇用破壊や総額年間約13兆円もの負担増で内需を痛めつけてきた政府の責任は重大です。政府は、追加経済対策の中で「内需主導の持続的成長が可能となるよう、経済の体質転換を進めていく」と明言しました。外需依存型経済から内需主導型経済への転換は、もはや政府も認めざるを得ない共通認識です。ところが、内需主導を言いながら、個人消費対策はお寒い限りで、大企業優遇税制は一層拡充しようとするなど、景気低迷打開の処方せんが間違っています。
今、求められるのは、庶民の懐を温め、GDP55%を占める個人消費を伸ばす対策ではないでしょうか。景気対策を言うのであれば、雇用をふやし、1兆6,000億円も切り下げられてきた社会保障費をもとに戻すなど充実させること。2兆円ものお金を使うのであれば、消費を温め、生活不安を取り除くことに使うべきです。また、消費を冷やし、将来不安を拡大する消費税増税などはもってのほかと言うべきでしょう。区長の見解を伺います。
次に、生活不安を和らげる施策について伺います。
中野区が政府の失政や行き過ぎに物を申さず、構造改革、規制緩和を進めてきた責任はやはり重いと言えます。3定の我が党議員団の質問に区長は、「まだ改革や規制緩和は必要」との認識を示し、「その成果の社会全体への波及に配慮する必要がある」と述べられました。しかし、労働者や庶民、中小企業に負担を負わせて一部の大企業には恩恵を与える、これが「構造改革・規制緩和」の目的です。ですから、大企業が空前の利益を上げていても、労働者の賃金は10年連続して下がりっぱなし。中小企業の経営悪化と倒産は激増です。今では本家の政府も「構造改革」を推進することも修正することもできず、混迷状態と言えます。
区長、破綻した路線をこれ以上続けることなく、改めるべきです。そうでなければ、区民の生活不安は解消されません。当然持続可能な社会などほど遠いと言えます。後に触れる緊急経済対策資金などの積極的な施策は歓迎するものですが、経済的効果に首をかしげざるを得ない、また、区の膨大な負担にもなりかねない中野駅周辺の大規模開発は、この時期においても進めていく。これほど行き過ぎた規制緩和が問題になっているのに、事業の民営化、民間委託をさらに行い、公的責任の後退と区民不安を広げているのでは、一体何を見て区政運営をしているのか、その根本姿勢が問われます。
サンプラザには「当初の方針を変更することも積極的に判断できる」と、基金からぽんと約14億円も出しながら、景気悪化と相次ぐ社会保障改悪にあえぐ区民は置き去りでは、区民の理解は得られないでしょう。自治体としての使命を果たし、その役割を発揮すべきです。来年度予算編成に当たっては、思い切った財政支出が期待されます。ため込んだ基金を今こそ暮らしと福祉を守るために使うことを強く求めます。区長の見解を伺います。
次に、安定した雇用を保障することについて伺います。
労働法制の規制緩和で、低賃金で「使い捨て」ができる非正規雇用=「働く貧困層」を拡大させたことは、内需低迷の大きな原因です。しかも、今、景気悪化を理由に大企業が競い合って、大規模な労働者の「首切り」、「雇いどめ」を進めています。カジノ資本主義によってつくられた景気悪化のツケを国民に回すことは許されません。大企業の身勝手なリストラをやめさせることが必要です。
政府が労働者派遣法の改定案を国会に提出するなど、見直しが焦点となっています。問題となった日雇い派遣については、30日以内の短期派遣を禁止するだけです。しかし、30日を超えていれば、不安定な短期派遣は幾らでも可能といった内容です。日雇い派遣が急増したのは、雇用が不安定な「登録型派遣」を認め、対象業務についても、1999年に原則自由化したためです。それ以前に戻し、派遣労働は常用雇用を基本に、日雇い派遣は全面禁止とし、登録型派遣は例外として厳しく規制すべきです。
派遣労働者の待遇改善や不安定雇用の是正について、派遣先労働者との「均等待遇」は盛り込まれず、「考慮」するにすぎません。登録型派遣の常用雇用化も「努力義務」にとどまっています。期間の定めのない派遣労働者について、派遣先が労働者を特定・選別することを認め、直接雇用の申し込み義務から除外します。これは法の原則にそむく改悪です。改定をいうなら、「みなし雇用」の導入など、派遣労働者に対する派遣先の直接雇用責任を強化することが重要です。政府に派遣法の抜本改正を求めていただきたい、答弁を求めます。
官製ワーキングプアをつくってはならない、その立場から伺います。
区は、民営化・民間委託を推し進め、さらにことし1月に「職員2,000人体制に向けての方策」を出し、今後も2,000人体制に固執した区政運営を行おうとしています。ことし1定の質問への答弁で、「人事政策については、30年から40年のスパンの展望を持って進めるべき」だとし、「人口減少や高齢化がさらに進み、公的資源の減少は避けられない」、「それを見越した定数管理が必要」だと述べられました。人口減少や高齢化が進むことはそのとおりだとしても、公的資源は今の政治の枠内の話であって、固定的にとらえるものではないでしょう。区が直接の区民サービスを行わず、2,000人体制に固執するおおもとに、人件費の削減と安上がりな労働に切りかえる方針があることは、やはり問題です。民営化・民間委託を進めることは、働く貧困層を拡大しかねません。本来、安定的で安心できる区民サービスを維持することと、働く貧困層を生まないことが必要です。そのためにも、自治体行政が範となることが大事です。
同時に、指定管理者や業務委託、民営化した事業の事業所で働く労働者の実態把握も欠かせません。やはり区民サービスの維持とともに、適正な労働環境と職員待遇となっているかを把握し、改善すべきところは改善を図るべきです。
入札契約の不調が続いていますが、原因は原材料高騰だけではありません。まともに暮らせる賃金が保障できずにいます。事は、区民サービスに直結する事柄です。また、区のアルバイトやパートなどの臨時職員、非正規職員の待遇改善を図ることも大切です。
以上、3点について答弁を求めます。
次に、後期高齢者健診の充実と70歳以上の健診の無料化について伺います。
今月の19日から国会の衆院厚生労働委員会で、野党4党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案の質疑が行われています。我が党は民意にこたえて、この制度を廃止させるために引き続き力を尽くすことを述べておきます。
後期高齢者健診を含め、今月11月末までだった受診期間が来年1月まで延長されました。第3回定例会では、後期高齢者健診については、75歳未満の健診と同様の健診項目とすることを「検討する」旨の御答弁でした。「胸部レントゲンと心電図をやってもらえなかった。先生や看護師さんに尋ねると、『ことしからなくなったんですよ』と言われた。去年まではやってもらえたのに。帰りにはお金まで取られた」、健診を受けた何人もの方からこうした声が聞かれます。改めて健診項目の検討状況を伺います。
23区では中野区だけが取り残された75歳以上の後期高齢者健診の無料化についても伺います。
昨年度まで70歳以上は無料で行っていたものです。中野区の「本来は500円の負担をしてもらうもの」だといったかたくなな態度はどうしてでしょう。健診事業は、やはり多くの区民に受けてもらうことにこそ意義と、また効果があるのではありませんか。そのために受診機会の妨げとなることは極力除くことが必要です。現在の受診者数も決して多いとは伺っていません。だからこそ、期間の延長を図ったのだと理解しています。
区長、無料化に戻してください。答弁を求めます。
次に、憲法擁護の立場を堅持することについて伺います。
前航空幕僚長の田母神氏が、日本が侵略国家だったというのは「濡れ衣」だと戦前の日本のアジア侵略を否定する論文を発表したことで、日本とアジア諸国で批判が噴出しています。しかも、論文と同様の考えで職務権限を使い、自衛官に教え込んでいた実態が明るみになりました。
政府・防衛省は、イラクでの自衛隊の活動を違憲と断罪した名古屋高裁判決に田母神氏が「そんなの関係ねえ」と暴言をはいたときにもかばい立てし、今回も田母神氏を懲戒処分にできず、6,000万円もの退職金を渡しました。田母神氏自身の責任とともに、政府・防衛省の責任を明らかにすることが真相究明と再発防止に不可欠です。「偏った歴史観を持つ自衛隊幹部が量産される」とマスコミも危険性を指摘し、「自衛隊内幹部教育の実態究明」の必要性を述べています。
背景には、政府が自衛隊の増強を続け、海外派兵などの任務を与え、自衛隊の発言力の増大を認めてきたことがあります。政府は、自衛隊の給油活動を継続させる新テロ特措法の延長案の成立に執念を燃やしていますが、この戦争がテロをなくすどころか、さらに事態を悪化させています。その自衛隊のトップの人間が、憲法にも政府の公式見解にも反する行為を行ったのですから、事は重大です。
憲法擁護・非核都市の宣言を持つ中野区の長として、歴史をゆがめる逆流と憲法をないがしろにする動きに対しては、積極的に発言していくことを求めます。見解を伺います。
次に、金融危機・物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについて伺います。
初めに、融資制度の拡充と改善についてです。
三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクグループの中小企業向け貸し出しが1年間で約3兆3,200億円も減少したことが各グループの中間決算でわかりました。3メガバンクを先頭に貸し渋り・貸しはがしが激しさを増しています。そのため、中小企業の資金繰り悪化が深刻になり、倒産も増加しています。
我が党議員団は、10月23日に区長に「原材料高の影響から区民生活と営業を守るための緊急要望」を提出しました。景気悪化に苦しむ区民と中小業者に対する暮らしと営業の支援を求めたものです。今月11月18日より区の緊急経済対策資金の受付が始まりました。売上が一定以上減少している区内中小企業に期間限定で無利子の融資あっせんを行うというものです。区には約500人もの区内業者の方が相談申し込みに見えていると聞きます。このことは高く評価したいと思います。さらに一層の拡充と改善を求め、3点伺います。
一つは、10億円の規模としていますが、十分とは言えません。もっとふやすべきです。また、来年度においても行うことを求めます。
二つ目に、大銀行の貸し渋り・貸しはがしの実態は本当にひどいものです。この緊急対策を実施するに当たっても、みずほ銀行とりそな銀行は融資窓口になっていません。銀行窓口での相談も敬遠するなどの実態もあると聞きます。金融機関に対して、貸し渋り・貸しはがしを改めるよう強く働きかけを行ってください。
三つ目に、融資の借りかえについても行ってください。さらに区として一層の支援策を行ってほしいと思います。御答弁を求めます。
次に、民間の社会福祉施設への支援について伺います。
物価高騰によって民間の社会福祉施設の運営はとても厳しくなっています。区内の介護保険施設の事業者の方は、「介護報酬が引き下げられ、ヘルパーの確保が大変になった。そのため、不足分を自分がこなしている。ケアマネジャーと両方で身体が持たない。その上、物価が上がって、事業所の経営は大変。閉めようかと悩んでいる」と話します。介護や障害者など社会福祉施設などへの運営を支援することが求められていますが、検討すべきです。伺います。
「東京緊急対策Ⅱ」の活用について伺います。
東京都は、10月31日、金融危機と景気低迷を受けた「緊急対策Ⅱ」を2,000億円規模の事業費で実施することを発表しました。都民の生活応援施策を盛り込んでいるのが特徴です。区の積極的な活用を求め、伺います。
福祉施設における安心・安全対策の一つに、福祉施設の耐震化対策が挙げられています。大地震から入所者等を守るため、新たな補助制度により耐震化を促進するというものです。現在、区では区有施設の耐震化については、計画を策定して行っています。しかし、民間施設については、誘導や指導などが述べられているだけで、支援策らしきものはありません。関係者からは、費用の面で耐震補強工事に踏み出せないと聞いています。この対策事業を活用して、私立の保育園、幼稚園など、区内の民間施設の耐震化を図ることを求めます。お答えください。
都の「緊急対策Ⅱ」では、そのほかにも失業対策としての緊急雇用対策や生活困難者への緊急自立支援として、離職者支援緊急融資などが盛り込まれています。その中では、悪化する雇用環境への対応として、「50万人分の公的雇用を生み出す緊急雇用対策」を新規に実施するとし、区市町村との連携で延べ30万人分の雇用創出効果を期待しています。区として、例えば樹木剪定や自転車放置対策、通学安全指導員を増員するなど、積極的に活用されることを重ねて求めます。御答弁ください。
次に、警察大学校等跡地と中野駅周辺まちづくりについて伺います。
区は、明治大学と帝京平成大学及び中野駅前開発特定目的会社の開発を受託している東京建物株式会社の3事業者から、それぞれ中野四丁目地区計画の変更に関する企画提案書を受理し、その内容を確認の上、東京都に既に送付しています。今後は、2大学が整備する区域、東京建物が整備する区域の地区計画変更の手続に入ることになります。今回示された警察大学校等跡地の全体建設基本計画図は、東京警察病院と野方警察署は現状の建物、他の区域については、現時点で想定される建物を地権者の了解のもとで策定されています。
そこで、示された建設基本計画図をもとに伺います。
公園の南側に横幅140メートル、高さ100メートルの超高層ビル、東西には高さ50メートルを超える高層ビルに囲まれた公園では、安全で快適な公園にはなり得ないのではないですか。複合日影図は開発地域周辺への影響でしかありません。なぜ公園への影響線を書き込まなかったのでしょうか。100メートルの高い壁からの日影は大きく伸び、直近の北側の公園を覆い尽くすことになるのではないですか。また、風洞実験の結果についても詳細な報告はありません。答弁を求めます。
中学校の教育環境への影響も問題です。校庭の3分の1は、冬至の3時間以上は日影になります。教育環境の整備・改善を言いながら、こんな計画でいいのですか。また、公園への避難路についても確保できていません。答弁を求めます。
東京建物が整備する区域の特例について伺います。
この区域については、地域の活性化やまちのにぎわい創設など、建物施設の一部を公益性の高い利用に供する場合、容積率をさらに10%も上乗せしています。しかし、マンション、不動産不況の中で、このような計画で問題はないのでしょうか。他の再開発で見られるような、自治体が売れ残った余剰床を買い取り、不要な施設を整備するはめにならないと確約できるのか、伺います。
次に、地域住民との関係について伺います。
中野四丁目と高円寺北の住民からは、計画に関する問題提起がされています。ところが、区からはまともな回答がないと不満は増すばかりです。近隣住民と関係者を交えた話し合いの場を早急に持つべきではありませんか、伺います。
次に、中野駅地区整備構想について伺います。
2008年度中に南北通路の四つのパターンを一つに絞り込み、駅前広場の役割分担を再度検討し、中野駅地区整備構想素案を取りまとめることにしています。我が党議員団は、開発については必要最小限とすることを主張してきました。中野駅地区に関していえば、中野駅改築については、事業者のJRの負担と責任が明らかにならないうちから、区が突き進むのは時期尚早であることを述べてきました。周辺まちづくりについても、既存の商店街への影響や交通渋滞などの環境への影響、そして、区が支出する負担などを問題にしてきたところです。
区の負担は一体どれほどになるのか、南北通路の四つのパターンのどれをとっても、そして、重層構造の北口広場整備など、大規模開発にならざるを得ません。区の負担が大きくなるのは自明のことです。出されている「中野駅地区整備構想のたたき台」において、想定する区の負担責任と負担割合について伺います。
一つは、自由通路の建設費用と維持管理の負担はどうなるのでしょうか。二つ目に、駅舎改築で区の負担はあるのですか。三つ目に、重層構造の北口広場、駐車場、駐輪場の建設費用の総額と維持・管理の負担はどうですか。以上お答えください。
今日、景気悪化が進む中では、区の財政にも多大な影響を及ぼすことになります。そんなときに、こうした大規模開発事業が優先されてよいのかが厳しく問われています。また、「中野駅地区整備構想のたたき台」をもとに、住民説明会を4度行ったと伺っていますが、延べ67人しか参加していません。情報が行き届いていないのが現状です。地元商店会からは、商売に影響することから不安の声が挙げられています。住宅ビルから業務・商業ビルに変更になったことで心配は一層強まっていると言えます。立ちどまって検討し直すべきではないですか。答弁を求めます。
次に、第4期介護保険事業計画について伺います。
初めに、今日の段階で政府・厚生労働省に求めていただきたい事項について伺います。
1点目は、介護報酬の引き上げについてです。
政府・与党は、10月30日に来年4月からの介護報酬3%引き上げ方針を決定しました。しかし、まだ不十分との声が医療・介護関係団体や労働組合などから相次いで上がっています。介護報酬は3年に一度改定されますが、これまでは2003年にマイナス2.3%、2006年にマイナス2.4%と連続の引き下げでした。事業者の経営は圧迫され、賃金の低迷と過重労働から、介護労働者の離職が進行、人材不足が深刻化しました。日本医師会は3%の引き上げでは過去のマイナス分も取り戻せないと指摘、少なくとも5%以上の引き上げが必要だと訴えています。他の医療団体や組合からも4%から5%以上が必要、そうでなければ、2万円の賃上げはできないとも言います。また、利用者・高齢者の負担増につながらないよう、国庫負担をふやすことも要求しています。区内の事業者においても、介護ヘルパーが集まらない状況があります。利用者へのサービス低下になりかねません。介護報酬の引き上げと保険料・利用料に連動しない国の負担の増額を求めていただきたい。答弁を求めます。
2点目に、要介護調査認定の調査項目の削減です。
厚生労働省が「要介護認定」のための調査項目を削減する検討を進めています。現行の82項目のうち、14項目を削減する案を提示しました。現場からは「介護度が軽度に認定されるのではないか」、「特に認知症高齢者の認定が軽度となることが心配」など、不安の声が上がっています。削除される項目には、じょくそう、火の不始末など、ケアマネジャーから、命にかかわる内容であり、介護負担や介護量に影響を与えると指摘されるものが含まれています。項目がなくなれば、調査員が特記事項を記入する欄もなくなるため、認定審査会に重要な情報が伝わりにくくなります。今でも要介護2だった高齢者が要支援2になるなど、判定が軽くなり、必要なサービスが受けられなくなる事態が広がっています。調査項目の削減でますます高齢者の健康と生活の実態からかけ離れた認定結果が続出するおそれがあります。調査項目の削減をやめるよう要望すべきです。お答えください。
保険料と利用料について伺います。
この間、第4期計画の策定に当たって、保険料の負担軽減を求めてきました。保健福祉審議会の答申では、「おおむね12段階の設定を軸に保険料率を定める必要がある」と述べ、「介護保険部会の中での十分な審議を踏まえて、適切な決定が望まれる」としています。より負担能力に応じた保険料に改善することが必要です。また、介護給付費準備基金を取り崩して活用することも欠かせません。介護保険改定後の第3期計画では、2006年度に2億2,700万円余り、2007年度にはおよそ3億円を積み増ししました。2008年度においても積み増すことになるでしょう。介護サービスが利用できていないことと、介護保険料を取り過ぎたということです。保険料の引き下げを検討すべきです。
低所得者を対象とした区独自の減額制度について伺います。
第3回定例会本会議で現行の減額制度は「今後も必要」と答弁されています。ただ、活用している高齢者が少ないことは、要件の緩和などの改善が待たれていると考えます。介護保険料の普通徴収の収納状況を見ても、本制度の対象となる第2段階と第3段階は収納率が70%台、しかも第3期計画の平成18年度、19年度と連続した落ち込みです。収納の8割を占める特別徴収は年金からの天引きのため、数値にはあらわれませんが、老年者控除や非課税限度額の廃止など年金課税が強まったことで厳しい状況にあることは疑いのないことです。これまでにも資産要件の緩和などの改善を求めてきました。また、一般財源の投入も否定することなく行うことも要望してきたところです。減額制度の改善を改めて求めます。お答えください。
利用料の軽減策について伺います。
「高齢福祉・介護保険サービス意向調査報告書」を見ますと、「介護保険制度全体をよくするため、区が力を入れるべきこと」の設問に対し、サービス利用者も未利用者も「利用料を補助するなど、利用者の負担を軽減する」は23%強の数値です。しかし、サービス利用者で世帯収入別で見ると、80万円以下が40%強と高く、やはりここでも低所得者向けの対策が必要であることが見てとれます。ケアマネジャーへの「供給不足以外で必要なサービスが提供できない場合」の設問に、「経済的な事情により費用負担が困難」との回答が34.5%と2番目に多いことでも、軽減策が待たれていることがわかります。また、未利用者からは、「介護保険料を納めているが、利用料負担ができず、必要な介護サービスが使えない」との訴えも聞きます。都内の区市でも介護保険法改定後に軽減策の取り組みがふえています。第4期計画に当たっては、利用料の軽減策を検討すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、保育行政について伺います。
9月1日に東中野にオープンしたばかりの認証保育所「ハッピースマイル」が突如閉鎖する事態となりました。ハッピースマイルに子どもを預ける親や職員が閉園を知らされたのは前日の10月30日、同園を経営していたエムケイグループから送られてきた1枚のファクスによってです。理由は、経営難で会社が清算手続に入るというだけ、あまりにも無責任です。
東京都と中野区の責任も重いものです。保育の市場化を進めてきました。しかも、エムケイグループは情報産業に始まり、リフォーム業など、もうけのために業態変更を繰り返してきた会社です。そんなところに保育を投げ出しました。区は今年度ここに1,500万円の補助金を出しています。それがほかに流用された、子どもたちが借金の担保にされたということです。認証した都ばかりか、都から意見を求められる区も、態度を決めるに当たって、きちんとした調査が必要でした。区の責任も問われます。お答えください。
今回の事件で、「民間に任せればよくなる」という幻想が見事に打ち砕かれました。保育を企業にゆだねるとどうなるのか、保育の市場化の姿を鮮明にしたと言えます。このように、もうかると思って飛びついたが、もうからなければ撤退や倒産ということになる。今回のような企業による認証保育の不正や倒産は、この1年だけでも都内で3件目です。安定的な保育を営利企業に求めることは間違いです。
今や区内の待機児は、11月1日現在で305人にも上っています。2010年度までには解消すると抗弁されていますが、その保障はありません。しかも、認証保育所や家庭福祉員の活用などは、本来、保護者が望む保育とは違います。認可保育園の拡充ではない扱いでは、根本的に待機児解消を解決することにはなりません。事は、区が中野の子どもたちをどのように見ているのか、保育をどうとらえているのかにかかわる問題です。どの子にも安心して安定的な保育を実施することが区の義務であることを自覚し、公的保育制度を守る立場から、認可保育園の増設計画を持つべきです。答弁を求めます。
教育行政について伺います。
初めに、小中学校再編計画について伺います。
中・後期の小中学校の再編計画の改定作業が行われています。現在、前期の再編計画の実施中ですが、「仲町小を残して」、「東中野小を廃止しないで」と、児童・保護者だけでなく、地域挙げて存続を望む要求が出されたように、この間の教訓が生かされなければなりません。つまり、再編・統合廃止が先にありきの計画ではだめだということです。学校再編計画の改定において大事だと思われる点について伺います。
1点目に、子どもの教育への影響はどうかという点です。
通学区域が広がれば、通学が困難な児童が出てきます。事故多発の幹線道路を小学1年生が渡ることになり、長い距離の通学路は、犯罪から子どもたちを守る上でも心配です。さきの東中野小の廃校は、この心配を如実にあらわしました。教育上は、丁寧できめ細かい指導が難しくなります。勉強面もそうですが、学校と家庭との関係も希薄になりかねません。
教育委員会は、「適正規模」を強調するだけで、具体的に子どもの教育にとって何がプラスなのかを示せません。しかも、その「適正規模」も、子どもの教育にとって適正という意味ではなく、国と同様に財政効率の面で言っているに過ぎない。子どもの教育にとっていい規模とは、もっと小さいサイズだというのが世界の流れです。
地域の中で子どもたちが育ち、学校では一人ひとりの子どもに目が行き届いて、学ぶ喜びを実感し、教員と子どもとの人間的に温かい関係がつむがれる、そんなサイズが適正と言えます。
例えば、小規模校のデメリットとしてよく言われるのは、「単学級などにより固定化して切磋琢磨できない」というものです。学校教育での切磋琢磨は、多人数と勝負していくようなものとは違い、一人ひとりの子どもが学力を身につけたり、人間的な面で成長することが目的です。また、教員数を十分に確保できないとも言われます。確かに現行では、小規模であれば専科教員をはじめ教員の配置が限られます。しかし、それは国と東京都の政策の誤りから生じているもので、国は2010年までに「1万人の教員削減」を決めています。東京都は、今も全国でただ一つ少人数学級に背を向けたままです。教育委員会は、その解決にこそ力を注ぐべきであって、矛盾を子どもと保護者に押しつけるのはあんまりです。
しかも、小規模校のよさは、現在の中野区の学校においても十分発揮されています。教育委員会は、小規模校であることを再編・統合廃止の理由にしていますが、仲町小でも東中野小でも「小規模でいい」と児童や保護者、地域の関係者からは言われていたではありませんか。
1973年に当時の文部省が出した通達「公立小中学校の統合について」でも、「小規模校としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模校として存置し、充実するほうが好ましい場合もある」と、「小規模校の尊重」を述べています。教育委員会がこの通達をきちんと検討したのですか、伺います。さらに、計画の改定に当たっては、小規模校を否定することは改めるべきです。見解を伺います。
計画の改定では、相変わらず40人学級を前提に考えていることも問題です。「よりよい教育環境を目指す」と言いながら、学習面でも生活面でも既に成果が出ている少人数学級の取り組みは全く視野に入っていません。先ほど触れたように、少人数学級に取り組んでいないのは東京都だけです。しかし、その東京都下の自治体では、世田谷区や杉並区が独自に少人数学級の実施に踏み出し、足立区、品川区では区独自に教員を採用してクラスに配置するなどの取り組みが広がっています。中野区においても検討すべきではありませんか。伺います。
二つ目に、地域の核としての役割についてです。
子どもたちは、学校や家庭だけでなく、地域でも育てられ、成長していきます。それは、地域に子どもたちが見えているからです。また、学校は運動会やお祭り、文化祭などを含め、「地域の核」としての役割を担っています。そこに学校があるから、地域に残って子育てができるという点で、地域を維持するために欠かせない施設でもあります。子どもが少なくなったからといって、安易に統廃合を進めれば、地域の養育力やコミュニティの崩壊、地域社会の荒廃という取り返しのつかない事態を招きかねません。こうした不安や懸念は既に廃止された地域からも出ています。実際に、仲町小や東中野小に通っていた子どもたちも、統合校に集めたい教育委員会の意図に反して、指定校を選ぶ子どもは少ないと聞いています。旧仲町小の子どもたちは、同じ町に住みながら、通学路の坂道を上っている子、下っている子がいます。計画の改定に当たっては、こうしたことを繰り返してはなりません。答弁を求めます。
三つ目に、住民の合意が欠かせないという点です。
地域の子育て、地域の存続にも深くかかわることだけに、学校の再編・統合廃止は行政が一方的に進めてはならず、徹底した住民合意が欠かせません。前期の計画においても、これが一番教育委員会に欠落していた点です。
「区民との意見交換会など、適正な手続をとってきた」から問題はない、「既に決定している計画」だとする教育委員会の態度は、およそ学校教育をあずかるものとして感心しません。何か形式的なことではなく、どういう学校をつくるかは住民が決めていくという、教育における地方自治の本質的な問題としてとらえなければならないはずです。
教育委員会では、これまでの統合・廃止の検証を行っていると聞きます。しかし、区民には情報が出されない。これでは中・後期計画に生かされようもありません。前期の計画においては、住民参加の形骸化が問題となりました。そのことを繰り返さないためにも、住民参加を保障しなくてはなりません。その際、再編計画の検討であっても、現状維持も選択肢に残し、自由な議論を保障すべきです。また、子どもも住民であり、最大の当事者です。その子どもたちの意見表明権を大切にすることが求められます。
計画の改定については、住民参加の保障と住民合意の尊重、そして、子どもの権利条約と区民参加条例を生かすことを区民に約束しているのですから、きちんと果たすべきです。御答弁ください。
次に、学習指導要領の改訂について伺います。
文部科学大臣は、ことし3月に改悪した教育基本法と学校教育法に基づいて学習指導要領を改訂・告示しました。文部科学省は、学校教育法第33条の「教育課程に関する事項は…文部科学大臣が定める」の規定により学習指導要領を編成し、これを官報に告示することによって、その法的拘束力の根拠としています。そのため、これに従わない教員は処分を受けることになりました。実際に最近でも「国旗・国歌」の扱いや特定の授業にかかわって、少なくない教員が処分され、争いとなっています。
しかし、告示は本来的には法的拘束力が伴うものではありません。学習指導要領についていえば、教育が本来的に人間の内面的価値に関する文化的営みであることから、教育内容に対する国家の介入は極力抑制的であることが大原則です。したがって、日本国憲法のもとにあっては、国が一方的に指導助言の範囲を超えて強制することは不当です。最高裁も、学習指導要領について、教育の機会均等と全国的な一定の水準維持の目的のために、必要かつ合理的な範囲での大綱的基準ととらえており、さきの原則を前提に、実際に子どもの教育に具体的にかかわる教員の専門的知見を生かした創意工夫の余地を認めるべきである旨を判示しています。
そこで伺います。学習指導要領は「教師の手引き」、今もそうした位置付けだと理解しますが、教育委員会の見解を伺います。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。
政府の経済対策をめぐって、個人消費を伸ばす対策について等々の御意見があったところであります。
内需主導の持続的成長が可能となるような経済の体質転換を進めていくといった考え方に関連して、民にできることは民に任せるといった考え方についての御意見もあったところです。今後、こうした内需主導の経済の体質転換を進めていくというためにも、やはり民間にできることはしっかりと民間にゆだねていく。政府は、行政は行政にしかできない役割をしっかりと担って、市場が間違いを犯すといったようなことに対して適切に対策を講じていくといったような役割分担がこれからも重要であると、このように考えているところであります。
経済対策についてですが、雇用や金融資本市場の安定対策、また、中小企業の支援、住宅投資の促進など、経済対策は総合的に行う必要があると考えております。それぞれの政策の成果が結果として直接的あるいは間接的に個人消費の拡大、内需の拡大へとつながっていくべきと考えているところであります。
消費税についての御意見もあったところですけれども、個人の社会保障、福祉の充実ということが中長期的に見て、国民の生活に対する安心感を守るという上で欠かせないところであり、それがひいては経済の活性化にもつながっていくと考えております。一方、そのためには、行政の無駄を徹底的に排除するということを前提とした上で、御意見にもありましたような消費税も含む総合的かつ抜本的な税制の見直しの中で、一定の負担増を国民にお願いする、そうした議論をしていくことも欠かせないのではないか、私はそう考えております。
それから、ため込んだ基金を今こそ暮らしと福祉を守るために使うことを強く求めるという御質問がありました。これまで基金をためることを悪であるというような考え方に立っておられたお立場からの御意見であるということについて、いささか当惑をしているものであります。御意見のとおりに、仮に歳入をすべて歳出として使ってしまった、そういう過去があったとしたらば、現在このようなことが言えるのかどうか、十分に考えていただきたい、このように思うわけであります。
特定目的基金については、義務教育施設や社会福祉施設の整備、まちづくり、特別区債の償還財源など、それぞれの目的のために計画的に積み立てているものであり、目的外に使うことはできないのであります。また、基金をいたずらに取り崩し、事業を拡大することは、財政の悪化を招くことになるわけであります。区民サービスの維持、向上を図るため、民間の力を活用するなど、効果的、効率的な行政運営に努めることが自治体としての使命であり、区民生活を守ることであると考えているところです。しかし、昨今の国内外の経済状況を見ますと、100年に一度と言われるような大変な経済危機が訪れているというような状況でもあり、来年度の区の歳入見通しは大変に厳しいものとなるだろう、このことは明らかなわけであります。
財政調整基金については、こうした景気変動が区の財政に与える影響を抑える、そのために活用していくことと同時に、適切な施策を着実に打っていくために活用していくということも必要であると考えているところであります。
それから、労働者派遣法についての御質問がありました。
労働者派遣法の一部改正については、国会提出に向け、11月4日に閣議決定をして改正案が示されたところであります。今後も国会での論議を注視してまいりたいと思います。
それから、区の事業における委託先等の職員の処遇についての御質問がありました。
事業者が雇用する労働者の待遇については、基本的には使用者と労働者の問題であると考えております。区といたしましては、過度な価格競争が労働者の賃金へのしわ寄せやサービスの低下につながるということがないよう、内容と価格の両面から事業者を選定する総合評価方式の入札、あるいはプロポーザル方式の導入、また、最低制限価格の設定など、サービスの内容に見合った調達方法をとっているところであります。
また、区の非正規雇用職員--という表現をされたわけですけれども、非正規雇用職員の待遇の改善を図ることについてであります。
区において、いわゆる常勤の職員以外の職員の待遇に問題があるとは考えておりません。
それから、後期高齢者健診の充実と70歳以上の健診の無料化という御質問もありました。
後期高齢者健診、長寿健診ですけれども、これにつきましては、区が国民健康保険の保険者として行う特定健診とは異なりまして、東京都後期高齢者医療広域連合の委託を受けて行っているものでありまして、健診項目も異なっているところであります。区として独自に行う健診項目があるかどうか、検討しているところであります。特定健診や後期高齢者健診、長寿健診については、受診者が一定の自己負担をすることで制度がつくられているわけであります。現行の自己負担は妥当なものであり、みずからの健康づくりについて、みずから責任を持っていただくといった意識を持っていただくという上でも一定の意味がある、このように考えております。
それから、前航空幕僚長による発言についての御質問がありました。
政府見解と異なる主張を自衛隊の幹部の立場で発表したということにつきましては、既に政府としての対応が行われたところであります。このことに対して、中野区の区長として発言することはありません。
それから、融資制度の拡充と改善についてであります。
現時点、10億円規模ではもう不十分ではないかという御質問でありますが、さきの御質問にもお答えしておりますように、現時点で既に想定の2倍を超えているところであります。今後の融資実行額により不足額が見込まれる場合--恐らくそうなるわけでありますが、その場合には予算の補正措置を講じることを考えているところであります。財政調整基金の活用を行うわけであります。来年度に向けては、経済状況を十分踏まえながら、必要な見直しを行ってまいります。
今回の緊急経済対策資金のあっせんに当たっては、大銀行の貸し渋り・貸しはがしの実態といったようなことが御質問の中で触れられたわけですけれども、そうしたことにならないよう十分趣旨を踏まえ、指定金融機関の協力をお申し出いただいているところでもあります。円滑な融資が実行されるよう、引き続き協議・協力要請を行ってまいります。
融資の借りかえなどにも支援策をという御質問もありました。一定の条件の中で融資の借りかえにも対応しているところであります。
社会福祉施設等への支援についてであります。
区は、介護報酬の大都市の状況を考慮した引き上げや介護職員への報酬増などを要望してきたところであります。また、区といたしましても、研修等により介護サービスに従事する人材の育成・確保に努めているところであります。
それから、都の「緊急対策Ⅱ」の活用についての御質問がありました。
現在のところ、まだ東京都から「緊急対策Ⅱ」をもとにした区市町村への通知は届いておりません。したがって、具体的な内容については、まだ把握できていない状況であります。正式な通知を待って対応を検討してまいります。
それから、警察大学校跡地の都市計画公園についての御質問がありました。
区が報告をしてまいりました内容は、警大等跡地の事業者の建築基本計画について、区域外への複合日影等、ガイドラインで定めたところの地区全体で遵守するべき事項、これについての確認を行った結果であります。こうしたものを報告してまいりました。公園と事業者の建築物の関係でありますとか、風洞実験の結果等につきましては、今後、事業者からの説明を求め、協議をしていくことにしているところでありまして、協議の過程で適切に説明してまいりたい、こう考えております。
それから、中央中学校の教育環境への影響についてということであります。
中央中学校敷地の冬至日における日影の影響は、教育環境に悪影響を及ぼすというものではないと考えております。また、統合中学校敷地を含む区域におきましては、今後、歩行者通路等の地区施設を地区計画に定めてまいります。その中で避難路の確保について図ってまいりたいと考えております。
それから、区域4と5について、余剰な床が生じたら区が買い取って不要な施設を整備するのではないかという御質問でありますが、全くそのようなことは考えておりません。
それから、地域住民の皆さんとのお話し合いについてであります。区として必要な説明や意見交換の場を設定してまいりたいと考えております。
それから、中野駅地区の整備構想についてであります。
JR中野駅を中心とする直近の地区につきましては、その整備の方向を示す整備構想素案、これを今年度中には作成したいと考えているところです。交通結節点機能を高める上で不可欠な各施設の整備費用でありますとか、その負担割合、また、管理の方法等につきましては、その構想素案を踏まえて、今後、整備の内容を具体化する中で検討することになるわけであります。その検討に当たっては、区民の負担が最小となるような事業手法等を採用してまいりたいと考えております。
それから、景気悪化が進んでいる中で、区の財政にも影響を及ぼすことになる駅の整備のあり方、急ぐ必要はないのではないか、こういう御質問がありました。
中野駅周辺のまちづくりは、警察大学校等跡地のまちづくりを契機として、新たなにぎわいをつくり出し、その経済活動が中野区全域に波及効果を及ぼし、活性化を進めていくことを目的の一つとしているところであります。その実現に向けて、にぎわいと活力にあふれた中野駅周辺のまちづくりを推進する、そのためのまちづくりということであります。そのために必要となる中野駅の交通結節点機能の整備・向上は欠かせないものと考えております。また、このまちづくりは、30年あるいは50年といった長いスパンで効果を求めていく息の長い取り組みになるというものであります。したがいまして、目先の経済環境等もあるわけでありますけれども、そうしたことを踏まえながら、長期にわたる大規模な事業に今後とも着実に検討を進めてまいりたい、このように考えております。
私からは以上であります。そのほか、それぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育行政につきましてお答えいたします。
まず、学校再編と子どもの教育への影響についてでございます。
学校統合に関します1973年の国の通知について検討したかという問題、それから、小規模校を否定する考えは改めるべきだという御質問でございました。
御指摘の通達は35年前に出されたものでございますけれども、その後の児童・生徒数の一貫した減少傾向に対応して、児童・生徒の学習環境を維持・向上させ、学校の活力を高めていくために、文部科学省は本年6月に学校の規模や適正配置につきまして、中央教育審議会に審議を要請し、同審議会では作業部会を設置して検討を行っているところでございます。学校が一定規模の集団となることで多様な児童・生徒及び教職員相互の触れ合いが可能となりまして、教員配置数の増によって児童・生徒の習熟度に応じた複数のグループ分けによるきめ細かい指導が可能となることなど、利点があると考えております。学校再編は集団教育のよさを生かした教育環境の充実のために進めているものでございまして、学校再編計画の改定に当たりましても、小規模校を適正規模にすることを目的に行ってまいります。
それから、区独自でも少人数学級の実施をという御質問でございます。
これまでも少人数指導によって児童・生徒一人ひとりに応じたきめ細かな指導をしておりまして、学力の向上に結びついているところでございます。少人数学級よりも、教科の特性に応じて柔軟に対応できる習熟度別指導やチームティーチングなど少人数指導の充実に今後とも取り組んでまいりたいと思っております。
それから、2番目の学校再編と学校の役割についてでございます。
学校統合により地域社会の荒廃を招くことのないようにすべきだという御質問でございました。
学校が地域に支えられ、地域の核としての役割を果たすのは大切なことであると考えております。新校が統合によりまして広くなった地域全体の核となるよう、従来の学校と地域との関係を継承し、発展させながら、さらに連携を進めてまいりたいと思います。
それから、3番目に学校再編計画の改定と住民合意についてでございます。再編計画の改定に当たりまして、住民意見の表明をどう保障していくのかという御質問でございました。
再編計画の改定に当たりましては、適宜適切な方法で住民の意見を聞く機会を持ちたいと、このように考えております。
最後に、学習指導要領の改訂につきまして、御質問がございました。
学習指導要領は、学校教育法施行規則52条及び74条に基づき、文部科学大臣が公示する教育課程の国の基準でありまして、各学校は教育課程の基準として、これによらなければならないものでございます。判例におきましても、法規としての性格を有するものと認められております。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 第4期介護保険事業計画についての質問にお答えいたします。
まず、介護報酬の引き上げについて、国に求めるようにということでございますが、介護報酬の引き上げにつきましては、区としても、これまでも全国市長会等を通じて国に要望してきたところでございます。今回、国としては、こうした要望を受けとめ、介護報酬について引き上げを示したものと考えており、今後の動向を見きわめながら、必要があれば働きかけを行っていきたいと思います。
次に、要介護認定調査の調査項目の削減についてでございます。
国の案に従ってチェック項目に仮に変更があったといたしましても、認定申請者の問題状況を記載する欄や他の項目、あるいは主治医の意見書によって申請者の健康や生活実態の把握が可能であると考えております。国に調査項目削減をやめるよう要望することは考えておりません。
次に、介護保険料の設定についてでございます。
介護保険料につきましては、保険料の段階設定を見直すほか、介護給付費準備基金の活用も検討し、保険料の増が大幅なものとならないようにしたいと思います。
次に、介護保険料について、区独自の減額制度についてのお尋ねでございます。
区独自の減額制度につきましては、介護保険財政の枠内で第4期計画期間中も継続することとしております。この制度の利用要件につきましては、現在見直す考えは持っておりません。
次に、利用料の軽減策についての御質問でございます。
介護サービスの利用料について、区が一般財源を投じて独自の施策を講じるということは考えておりません。介護保険では、所得の低い方を対象に、介護保険施設利用の際の居住費や食費負担を軽減する制度や、生計困難者に対する利用者負担額減額制度がございます。低所得で利用者負担が困難な人に対しましては、こうした制度を紹介しているところでございます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 東中野の認証保育所につきましてのお尋ねでございます。認証に際して都から意見を求められる区の調査をきちんとすべきではなかったかという御質問でございます。
認証申請の際に都から地元の区市町村に対して意見照会がございますが、事業者の提出した事業計画書や地域の保育需要、利用者の利便性などを考慮して推薦をするかどうか判断をしています。今回の事態を踏まえまして、区として行うべき調査のあり方につきまして、東京都とも協議しているところでございます。
次に、認可保育園の増設計画を持つべきではないかというお尋ねでございます。
長期的に見ますと、乳幼児の人口が減少していく中で、待機児解消のために認可保育園を増設していくことは考えてございません。民間活力の活用により多様な保育需要にこたえていくという考え方は変わりませんが、認証保育所制度の諸課題について、東京都と十分協議をして必要な対策を講じることなど、安定的な保育を実現してまいります。
○副議長(やながわ妙子) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
中野区議会議員 奥 田 けんじ
1 中野サンプラザについて
2 地域の課題解決のあり方について
(1)地域人材について
(2)ガバナンスのあり方について
3 補助金のゼロベースの見直しについて
4 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、奥田けんじ議員。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○17番(奥田けんじ) 民主クラブの立場で一般質問をいたします。
まず、中野サンプラザについてであります。
11月15日に出されました、こちらの「行政報告」に基づきまして質疑をさせていただきたいと思います。
さきの第3回定例会において、中野区は中野サンプラザという民間事業に対し、約14億円の税金を使って株式投資を行うという方針を示しました。(発言取り消し)
行政報告の中では、「14億円近い財政支出により新たな資産としての株式を取得することになりますが、所有会社の資産、運営会社の経営状況を鑑みるに、この新たな資産を損なうことなく、将来のまちづくりに向けて有効に活用できる」とありますように、株式投資でありますから、当然に損得という話も出てくるわけでありますけれども、問われるべきは、そもそも行政が民間事業に株式投資をするべきか否かということでありまして、そもそも(発言取り消し)民主クラブは、現にこのことについては慎むべきだという立場をとっております。もしやるのであれば、少なくとも区民に対して十分納得できる説明責任が果たされるべきであると考えているわけでございます。
現在まで、不自然なほど、サンプラザに対しては追加出資に関する情報が出ておりません。なかの区報でも、対話集会についても、説明会あるいは、これについては事前事後、両方一切ないという状況でございます。ホームページの状況を見ましても、トップページにはありませんし、区長の部屋の中の区長発言の、先ほどお示ししました行政報告の本文の中にわずかにあるだけという状況でありまして、「中野サンプラザ」の表現の見出しは一切今のところないという状況であります。
まず、そういった状況の中から、「民間にできることは民間に」という区長の基本姿勢についてお伺いしたいというふうに思います。
まず、中野サンプラザ取得にかかわる経緯の確認をさせていただきますけれども、平成16年9月、所有会社、株式会社まちづくり中野21設立当初、資本金3億円、うち2億円のみを中野区が出資するという枠組みでありました。同11月に種類株を24億4,200万円増資するということを行いました。この間、議会報告がなされなかったということは既に御承知のとおりでございます。平成20年10月、(発言取り消し)さきの第3回定例会のことでございます。
そもそも、区は枠組み変更が生じれば、その際には取得を断念する、このような発言もしておりました。例えば平成16年3月23日総務委員会では、(発言取り消し)出資の前提を問う質疑に答え、田中区長みずから、運営の事業者があらわれるということを大前提に考えておりますけれども、最悪、どこも中野区の考えた枠組みでやり切れないということになった場合には、新会社--ここでは所有会社まちづくり中野21のことでありますけれども、新会社としての取得はあきらめなければならないというふうに思っております。このように、まちづくりのための計画ではあるものの、中野区の予定した枠組みがやり切れなければ取得をしないと明言していたわけであります。
また、同日の同委員会で同じく(発言取り消し)、今後少なくとも10年間にわたっては、中野としてはこれ以上--2億円のことですが、これ以上の税金、区の財源を持ち出すことはないと、そういうことですかとお尋ねになりまして、田中区長がみずから、そのようにとらえていただいて結構ですと、運営がうまくいかなくなって、運営のために増資をするということであれば、その考えはありませんと、これについても(発言取り消し)追加の増資を明確に否定したということでありました。
ところが、さきの行政報告の中では、区の財政状況とサンプラザの経営状況の好転を理由としまして、当初の方針を変更することも積極的に判断できる状況にあるというふうな見解を示し、(発言取り消し)追加の増資を肯定するという立場に変わったわけであります。
区財政の認識については、10月1日に区長は庁内放送でこのように発言しております。「アメリカの大手証券会社の経営危機や経営破綻が顕在化して以降、その影響が広がり続けています。日本国内でも株価が急落しています。景気の悪化が区財政にも影響することは避けられず、今後、この景気の悪化の影響がどのくらいの規模でどれだけ続くのか、読み切れないだけに、区の財政運営では注意が必要になると考えています」と、行政報告のわずか2週間前に区財政の見通しが厳しいという認識を示していたという状況もございました。
(発言取り消し)行政報告の中では、事業運営に「民間の力を生かす」というような表現を使っております。また、平成15年4月11日の総務委員会資料の中では、運営の方法については、民間活力の導入、運営ノウハウ確保の点で、土地・建物の所有と施設運営とは区分し、運営全般を民間会社などにゆだねることが適当という表現を使っておりました。つまり、民間にできることは民間に任せる、これは区長の基本方針に該当するというふうにとらえることができると思います。サンプラザの経営状況の改善は、この際理由にはならないということであります。
ここでお尋ねをさせていただきます。
「民間にできることは民間に」、これは今回、基本姿勢が区長の政治的な立場として転換されたというふうにとられかねない内容であるわけでございますが、今後、私たちは区民の立場で、あるいは議会の立場で、区長のとられる「民間にできることは民間に」というお立場、どのような基準でとらえたらいいのか、具体的に改めてお示しいただきたいと思います。
そして、一番大切なところでありますけれども、行政報告上の矛盾点についてであります。
行政報告の中では、「今回の事業再編については、運営会社側の代表企業から、早期の決着を求められております」との表現がございました。(発言取り消し)この場合は株主間のトラブルであったり、名義貸しの懸念の材料が出たということでございますけれども、(発言取り消し)問題を引き起こした当事者である運営会社の株主からの求めに応じて、早期の決着を図らなければならないとするのは、全く理由としては、でたらめな状況であると言わざるを得ません。仮に株式の名義貸しがデフォルト、つまり債務不履行の要件に抵触するのであれば、そもそも融資の主体である金融団からの求めがあってしかるべき、そうした内容が理由として示されるべきだったのではないでしょうか。この矛盾点について、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。
そして、説明責任の欠如という部分については、繰り返し問われるべきところだというふうに認識しておりますが、中野サンプラザに関しては、平成14年12月、ここで平成14年8月の雇用・能力開発機構からの譲渡打診後の経緯の報告という形で区報で報告がなされました。そして、平成15年2月には、取得についての協議継続方針決定に関する報告ということで、またしても区報で報告したということでございます。そして、15年3月3日から24日にかけて、ホームページ等、あるいは地域センターなどで意見募集を行った。内容としては、取得に関する区の考え方について区民の意見募集、つまり参加の機会を保障したということでございます。さらに、15年3月3日、11日、18日に、サンプラザの取得に関する中野区の考え方についてという、サンプラザをテーマとした対話集会を開催したということでありました。まさに区民参加と行政の説明責任の機会を設けてきたという経緯がございました。
その後、中野区は自治基本条例、平成17年でございましたけれども、つくりました。第2章には、参加と説明責任がうたわれておりまして、区民参加と区の説明責任が区の基本方針として改めて定められたということであります。しかし、残念ながら、この自治基本条例ができた以後の話になるわけでありますけれども、今般の追加出資の事前の段階では、区民に対して意見募集は行われず、説明会もなく、対話集会も一切ないという状況でありました。
ちなみに、対話集会の状況を見てみますと、追加出資に関して情報が出された以降では、10月20日に対話集会が行われておりますが、「スポーツ振興」をテーマに定例会中に行われたという事例がございます。そして、10月27日にサンプラザに追加出資を決定したわけでありますが、その後、10月31日、「まちづくり」について、11月6日、「健康づくり」について、11月21日、「まちづくり」について、12月22日、「自然エネルギーと緑」について、12月8日、「来年度予算」についてという形でありまして、サンプラザについては、今後の予定も含めて説明の機会、参加の機会を保障するという様子は一向に見られないという状況であります。
事後的な話についても、現在、民主クラブで確認できている範囲では、区報でもない、ホームページでもほとんどない、対話集会でもテーマ化をしないというような状況であります。
今回、区民の多額の血税を投入する内容でありまして、区民一人当たり約4,500円、合計14億円の税金の投入ということになりまして、極めて重要な案件と認識しております。説明責任は不可欠と考えますが、なぜ事前の説明責任が十分に果たされなかったのでしょうか。これは時間がなかったからという説明になるんでしょうか。あるいは区長の政治判断として今回の追加出資が軽いものという認識があったのか、御説明ください。
事後的な説明がなされなかったことについても御説明をいただきたいと思います。ぜひ今後、区民との対話集会のテーマとしてサンプラザの追加出資について取り上げていただきたい。強く要望をさせていただきまして、質問とさせていただきます。
そして、今後のあり方についても問いかけをさせていただく必要がございます。同じく行政報告の中で、「将来のまちづくりに向けて真に適切なパートナー(運営会社)を期間の制約がある中で新たに選考することは極めて困難」、このような表現を使いました。本来なら、事業安定化のための枠組みとして、事業に関する協定書というものを中野区は結んでいるわけでございまして、この中で予定した内容を粛々と進めるべきであったと考えております。まずは自主努力を求める、事業協定の中では3条の1項の1というところに所有会社に求めていく内容がまずあったわけでございます。これについては、中野区は所有会社を通じて自助努力を求めてきたということでありますが、残念ながら改善が見られなかったという状況がございました。そして、次にやるべきことが定められておりまして、金融団による事業参画というものでございます。事業協定の中には3条の1項の2というところにございまして、運営事業者が所有会社の株式放出の留保をさせること、こういった株式の放出を留保させる中で具体的な内容として、運営が悪化した場合には、金融団が事業参画し、代替事業者を手配する等実施するという内容であります。つまり、今回は本来、事業を安定化させるために結ばれた協定に対しても、粛々と行われるべき内容について、一切省みられなかったということでございまして、非常に残念な結果となっているわけでございます。
さらに行政報告の中では、本事業では土地・建物を公が管理する第三セクターが所有し、事業運営は民間が経営ノウハウを生かして行うという所有と運営の分離を特色としています。新たな枠組みにおいても、この基本は崩さないこととし、新運営会社には事業の運営そのものについては、現スタッフを中心に、あくまでも株式会社としての事業効率を求めてまいります。そして今後とも経営安定化に向け、あらゆる努力を行いながら、将来的にはより民間手法の生かせる運営形態への移行を追求していきたいと考えていますというような形で言われているわけですけれども、ここでの問題は、基本は崩さないという表現でありまして、結果的に所有会社の経営権100%、つまり議決株式を100%持つということになりますし、運営会社については、まさに完全子会社化であります。民間の経営陣を入れたとしても、行政の関与があまりに大きければ機能しないということは、東京都の新銀行東京の事例を見れば明らかであります。
現在の枠組みは極めて不健全だと言わざるを得ません。少なくとも運営に関しては、早急に民間の独立性を確保すべきだと考えますが、中野区の認識はいかがでしょうか。今後の方針を具体的にお示しください。
今後の方針はともかくといたしまして、当面の検討が必要であります。中野区は、責任範囲、リスクと表現を読みかえることもできますけれども、責任範囲が限定されなくなってしまったという、この状況をしっかりと認識しているのかどうか、非常に不透明な状況であります。追加的なリスクを幾らでもとることが可能になってしまったと読みかえることもできるわけであります。
行政報告の中では、中野サンプラザを取得する新会社の設立時の資本金は3億円とし、区は2億円を出資すること、新会社の資金調達に関し、民間が責任を持つこと、区は損失補償を行わないこととすることにより、区の資金面の責任範囲を限定しましたと表現しております。つまり2億円以上は出資しない、債務の損失補償をしない、これがまさに責任範囲、リスクの範囲を限定する方法であったはずであります。デフォルト、債務不履行の要件は、まさに出資責任が問われる事由であるべきでございます。
今回のデフォルト懸念については、追加出資の検討ではなく、デフォルト要件の回避を最優先すべきでありました。運営会社の株式の名義貸し懸念がデフォルト懸念となるならば、区の責任範囲の中で名義貸しという懸念材料の解消に尽力すべきでありました。ぜひこうした認識のもとで、区長にはこれ以上の追加の税金投入をしないと改めて明言していただきたいと思います。お答えください。
さて、この項の質疑は終わらせていただきます。
次に、地域の課題解決のあり方について、質問をさせていただきます。
地域の人材についてでありますけれども、現在は、事業部ごとに地域人材を期待した事業が増加しているという状況であります。現状を見てみますとどういう状況になっているかといいますと、中野区が区民に対して依頼している活動としては、現在は5事業部で7事業、主に行われているという状況であります。行政相談員あるいは人権擁護委員、防災対策連絡協議会員、次世代育成委員、そして、元気でねっと協力員、民生・児童委員、交通安全対策協議会の委員、そして、今後予定されているものとして、地域活動センターの運営委員、あるいは学校支援ボランティアといった形で、今後も含めますと6事業部9事業ということになるわけであります。さらに、地域の事情を考えますと、例えば町会・自治会の役員を務めていらっしゃったり、PTAの役員をやられている、あるいは友愛クラブの役員をされているというような状況もあるわけでございまして、事業がふえればふえるほど、それに伴い延べの地域人材は増加するという状況になるわけでありますが、地域の皆さんの声を聞いてみますと、なかなか芳しい状況ではない状況が見えてまいります。例えば、私の住んでおります弥生町あるいは南台の地域での声を聞いてみますと、既に地域人材として活躍されている方の何人かのお声を聞かせていただきますと、一様にこれ以上の事業の受け入れは無理だ、荷が重いので早く引退したいんだというような発言をされる方がかなりいらっしゃいます。さらに、これから活動を期待される方にお話を伺いますと、一たん仕事を受けてしまうと、あらゆる事業を受けることになってしまうのではないかと不安なので、一つぐらいなら受けてもいいんだけどというような発言をされる方も複数いらっしゃる状況であります。
他の地域の状況はどうかということでありますけれども、多少の濃淡は当然あるとは思いますけれども、同僚議員の方のお話を伺いますと、同じような状況が少なからずあるというような状況でございます。
この状況は、人材がふえていく状況とはまさに逆の方向性に動いているのではないかとの懸念がございます。逆に、人材が流出あるいは減少してしまう悪循環が懸念されると私は思いますけれども、中野区の受けとめはいかがでしょうか。
先般、区民委員会で岐阜市の中でアダプト制度、アダプトプログラム、公共空間の里親制度というものを視察いたしました。公立の公園を町内会等の地域人材が面倒を見る事業として、当初15人程度でスタートしたものでありました。公園の掃除や修繕が主な業務でありますが、活動後の団らんの時間が楽しみで参加の輪が広がっているというような状況でありました。現在は40人程度まで口コミで活動の輪が広がっているということでございます。派生的にイベントなどの活動への広がりも出てきておりまして、まさに市民が主体的に地域自治を行う状況と言えると思います。
地域人材の創出の視点では、好循環、よい循環が生まれていると言えるのではないでしょうか。この際のポイントとしては、やりたいという思いを持って自主的に参加できるということ、そして、ほかの事業に参加の意思がなければ、参加を強く要請される懸念がないこと、そして、行政はあくまで市民の思いを受けとめ、支援に徹するということでございます。
課題は、私はガバナンスのあり方、統治のあり方にあるのではないかと考えております。まずは地域人材の現状を把握することが必要であると考えております。現状では、事業部ごとに地域人材の把握をしております。まさに縦割りの状況になっておりますから、延べの人数としての把握、それは事業数をふやせばどんどんふえていくという状況でありますけれども、実際の実数としてはどのような状況になっているのか、いささか不安であります。まずは地域人材を事業部を超えた経営資源ととらえ、経営本部で一元的に把握すべき内容ではないでしょうか。その上で、少なくとも一部で発生していると思われます思いのベクトルが悪循環を生んでいる状況について、転換していくということが必要になってまいります。
少なくとも私たちの弥生町、南台の地域では、区民の方に対して、行政がやってほしいという思いで仕事を投げかけるというような構図になっておりまして、区民の立場からは、義務的に、あるいはやらされ感というのがどうしても出てくる状況が生まれております。それを好循環に持っていく、つまり区民がやりたいという思いを行政に向ける、行政は支援でこたえるという形に転換しなければなりません。現在は、地域人材を活用する事業、基本的に一律実施という形でございますが、現状を無視した要請につながりかねません。悪循環を生むもとだと考えております。地域人材活用の事業メニューの整理が必要なのではないでしょうか。最低保障の事業、あるいは付加的な事業、まずは峻別すべきです。そして、最低保障をすべき事業については、委託等を含め人的な保障をしっかりしていくことが必要であります。空白をつくれないという意味で、人的なものをしっかりと保障していく必要があります。そして、付加的な事業については、空白地区の発生を許容し、区は自発性の醸成、ニーズのくみ上げに徹するということが必要であります。まさにやりたいという思いの実現により、人材がふえていく好循環を生み出すことが必要であります。例えば、区民活動推進委員の復活も含めて、その情報の受け皿、あるいは発信を一元化するべき体制を整えることを検討されてはということを考えておりますが、区のお考えはいかがでしょうか。このことをお伺いしまして、2番目の質問については終わらせていただきます。
さて、3番目の補助金のゼロベースの見直しについてお伺いさせていただきます。
この項については、民主党のローカルマニフェストでも掲げさせていただいているものでございますけれども、公益活動、地域活動の支援につきましては、補助金が不可欠な存在となっていることは否定できません。しかし、補助金の特性というものは、ふやすのは簡単ですけれども、減らすのは容易ではないという性格を持っております。
例えば我孫子市では、この問題の解決のために、3年ごとに全補助金をゼロベースで見直すというようなことを行っております。こうした仕組み化をすることで積極的な見直しの機会をふやすというような制度をつくることは、中野区としても検討できるのではないでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
まず補助のあり方の整理が必要であります。基本的に中野区も団体補助から活動補助をしていくという考え方に変えつつあるわけでありますけれども、依然として団体補助の性格が強いものが残っている状況でありまして、今後は活動助成を基本に転換していく必要があると思いますけれども、まず御所見をお伺いいたします。
そして、さきの例で申し上げましたように、我孫子市の例では、補助金の基本的な考え方として、補助金がもらえなくなることが残念だという評価をするのではなくて、補助金が将来的に必要がなくなる、つまり卒業するのだ、自立をしていくのだというとらえ方をしていく、こんな考え方を行政としても市民の皆さんにも持っていただく、そんな働きかけをしているということでありました。自立を促す仕組みとあわせて、非常に大切なことだろうというふうに考えております。そして、仕組みとして、これを支えるためには、中野区が公益助成の中でやっているような取り組みを全体に広げていく必要があるというふうに考えるわけでありますが、まずその公益助成の枠組みの中では、基金助成というものを制度として持っておりまして、基本的に事業内容、新規性があるかどうかというのを見定めた上で、将来的に自立を促す仕組みとして、運用の中で融資の枠が少しずつ減額されていっているというような実績があります。つまり、この基金助成では、公益活動について自立を促す仕組みが一部取り入れられているという状況であります。
しかし、残念ながら、同時にこの公益活動については、政策助成というほぼ同趣旨の内容のものが存立しておりまして、これについては、継続の補助の制度設計になっておりまして、実績ベースで見ますと、ほぼ同額の、いずれも20万円程度を出しているという状況でございます。つまり、新規性を求めたという形で将来自立をする仕組みであった基金助成に対して、政策助成が存立していることで自立の仕組みとして十分機能しないということになっているのではないかと心配している次第であります。この公益助成の仕組みについては、再整理をして統合していくべきではないかと考えますが、区のお考えをお示しください。
そして、この考え方については、基本的に全補助金に対して自立を促すための仕組みが必要という認識のもとで、減額制度、つまりアメとムチという視点からすれば、ムチの制度ということになるわけでありますけれども、それだけでは不十分であろうというふうに考えております。例えば自立を促す、つまり減額したり、廃止という方向に向かっていく事業に対して、自立を正当に評価するアメの政策として、地域の自立を達成したということについて、賞を出していくような取り組みも可能ではないかというふうに考えております。いずれにしても、仕組み化をして、自立を促していくというような制度設計が必要と考えますが、中野区のお考えをお示しください。
以上でこの項の質問を終わります。
そして、最後に1点、その他で質問をさせていただきます。
中野区の緊急経済対策資金の実施についてであります。既に複数の議員の方から質問が出ております。上限500万円まで区内産業の状況を勘案した融資対象としておりまして、非常に評価できる点が多いわけでございます。地域産業の緊急支援のあり方として、民主クラブとしても評価しているところであります。
残念ながら、ただ、問題点がございまして、(発言取り消し)環境政策、あるいは地域力の活用の事業等、こういった全庁的な取り組みが必要なものについては、ぜひ経営本部の本来あるべき仕事としてとらえ直していただき、機能するような形にしていただきたいというふうに思うわけであります。
個別の事業部の意思決定に関しまして、全庁的に環境のかかわりがないか、地域人材などの経営資源の重複がないか、相乗効果を期待できる関連事業がないか判断するのがまさに経営本部の仕事ではないかというふうに考えております。そうであるとすれば、事業部横断的な意思決定に不可欠であるとの設置目的が十分に経営本部に対して果たせないというような認識を持たざるを得ないわけでございますが、この見解についての御認識をぜひお示しいただきたいと思います。
以上で、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えいたします。
まず、民間にゆだねる基準というのは何かというような御質問があったかと思います。
今回の中野サンプラザに関する対応で、民間にゆだねるべきことは民間にゆだねるという方針を変えたことはないというふうに考えております。新しい運営会社につきましても、あくまでも民間の企業として運営をしていただくということであります。
それから、2億円以上財政負担をしないと明言していたのだが、14億何がし近くを追加支出するということについての御質問でありました。
事業開始当時は、区の財政状況を勘案して2億円以上の支出をしないというふうにしていたところであります。今回の枠組みの変更については、パートナーとなる企業グループの中心企業が事業から離脱されると、こういう状況があったということであります。そのパートナーとなります事業者グループが存立し得ないという状況の中でどういう対応をするかということで、現在の財政状況も踏まえながら、新たな支出をするべきと判断をしたところであります。
枠組み変更が運営会社側に原因があるのに、相手の言い分を聞いて、早期に決着をしようとしたのは問題ではないかといったような御質問もあったかというふうに思います。
そもそも、おっしゃったような融資をめぐる事柄とか、そういったようなこと以前に、今回の枠組みの変更せざるを得ない原因というのは、相手方の事業グループの中心企業がこの事業から離脱されるという経営判断をされているということが主であります。その企業グループを形成されている企業の皆さんが、とにかく早く離脱したい、あるいは早く解決しなければならないといったような状況でのお話でありますので、そういう意味で、区といたしましても、できるだけ混乱をしないように、安定した枠組みをできるだけ維持、継続できるように、こういう考え方から、早期に決着をしたと、このようなことであります。
それから、説明責任についての御質問があったというふうに思っております。
今回の事案については、今申し上げましたように、企業の経営状況等々についての問題でありますとか、事業の評価等に関する問題など、さまざまな事業者、企業の内部事情にかかわる問題等がさまざまにあって交渉を行ってきたということであります。そうした相手方との交渉によって物事を進めていくということでありましたので、区議会に提案する直前まで交渉していたということであります。そういう意味で、今回は区民の代表である区議会の御審議をいただき、御判断いただくことが適切であると、このように考えたわけであります。そういう意味で行政報告を含めて、議会には十分に御説明をしたと、このように考えております。
また、自治基本条例では、何事も意思決定するに当たっては意見交換やパブリックコメントといったような手続があるではないかといったかのような御認識のような御質問に聞き取れたわけでありますが、原則として意見交換でありますとか、パブリックコメント手続でありますとか、そうした意思決定についての手続を定めているのは、基本構想であるとか、基本計画であるとか、区の行政の基本的な計画にかかわるもの、また、区民の権利や義務にかかわる条例等について定めているというものであります。随時の意思決定において、必ずしも同じような対応をいつも行っていくということではない、そのようなことも御理解いただきたいと、このように思っております。
(発言取り消しに伴い削除)これからもサンプラザの運営については、運営会社に民間会社として適切に運営していただくということであります。また、資金的に支援することも考えておりません。そういった考え方であります。
それから、地域人材についての御質問がありました。
地域人材について、区が区民に対して依頼しているということで例示があった幾つかの委員等についてですけれども、例えば、行政相談委員は総務省の委嘱、人権擁護委員は法務省の委嘱であります。それから、民生委員・児童委員は厚生労働大臣の委嘱であります。それぞれにさまざまな役割を負っている行政の関係の委員について、地域から御推薦をいただいたり、さまざまな形で区として選出させていただいたり、あるいはお願いさせていただいたりというような形になっているものであります。
事業の目的でありますとか、選考の基準でありますとか、それぞれ各部が責任を持って対応しているというところであります。その地域的にさまざまな御活躍いただいている皆さんについて、区が横断的に把握していないかというと、そういうことではないのでありまして、地域センターというものが15カ所あるわけでありまして、それぞれの地域センターが地域の皆さんの活動については十分に把握しているということであります。また、各部におきましても、それぞれさまざまに関連して活動していただいている区民の皆様の動向については把握をしているということであります。必要な調整があれば、経営本部において行うというところであります。
それから、補助金の関係の御質問がありました。
経年的に行っている補助金はありません。単年度ごとにそれぞれの事業の必要性や有効性の観点から、毎年評価を行っております。補助金の交付については、実現するべき区政目標への貢献度によって判断をしているところであります。
それから、政策助成と基金助成の関係についても御質問がありました。
基金助成は先駆性、創造性の高い活動に助成をするため、団体に財源的な自立を求めることから、減額交付を行っているところであります。一方、政策助成は区の政策目標の実現に貢献する事業に助成するものでありますので、先ほど言いましたように、単年度に評価をして、単年度単位で助成しているところであります。
それから、緊急経済対策の御質問の中で、(発言取り消しに伴い削除)緊急経済対策についての考え方と環境への取り組みを優遇する、融資制度の中で優遇するといった取り組みについては、あくまでも別の物の考え方ということで両立をしていると、このように御理解をいただきたいと思っております。
また、分野をまたぐ施策については、最前来何度か話題に出ておりますけれども、経営本部が全体の調整や進行管理を行っているというところであります。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○17番(奥田けんじ) 何点か再質問をさせていただきます。
まず、矛盾点の解消については、十分な説明になっていませんね。離脱をしたいという運営事業者側の都合であることには変わりないわけでありまして、それを受けて中野区が急がなければならないというふうにはやはりならないわけであります。そこについては、中野区として、なぜ行政が運営会社側から急がされるというような形での説明になるのかということをお伺いしたのでありますので、そこについて明確にお答えいただきたい。
それから、説明責任については、パブリックコメントについては、私、一切触れておりませんし、事前についてはともかくとして、事後的なものについて、ほとんど情報が出ていない状況は非常に不自然だということで、ぜひ今後、区民との対話集会のテーマとして取り上げてほしいということを強調させていただきましたので、この点についてだけで結構でございますので、お答えください。
それから、本来であれば幾つかございますけれども、先ほど税金の追加等についてはしないとお約束いただいたという理解をさせていただきましたので、これについては期待したいというふうに思っているわけでございます。
それから、先ほどおっしゃいましたISOの部分についてのお話がありましたけれども、(発言取り消し)そういったことを全庁的に把握するということが必要だということを申し上げたのであって、0.3%の上乗せが適正かどうかということを申し上げたのではないということは、改めて申し上げるまでもないわけでありますけれども、全体として把握しなければならないことについて、やはり十分な調整ができていない状況があるのであれば、その改善が必要ではないかということを質問としてさせていただいたわけでありますので、そのことについて改めて御質問をさせていただきます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) パートナーとして仕事をしてきたという相手方と交渉していく上で、相手側の事情を考えてはいけないというような認識は、私は違うんだろうと、こういうふうに思っております。お互いの事情をお互いに勘案し合うというところから交渉が始まるということでありますので、相手側の事情は一切無視しなければ区は交渉はできないということでは、区は何の交渉もできないことになってしまうと、こう思っております。
それから、自治基本条例の中でパブリックコメントという言葉を出したことについては、自治基本条例で考えている参加の手続ということについて申し上げたということであります。
それから、事後的な説明ということでありますが、これについては、1月を予定しているところですけれども、区報でこの間の内容についてお知らせをするという考え方であります。また、対話集会については、皆様から御意見をいただくということを趣旨としている場であります。これまでもサンプラザについて御意見をいただく機会は、今回の対応の後も十分にあったわけでありまして、これからもサンプラザについての御意見があれば、対話集会の場で十分お聞きし、また、私の考え方もお話ししていきたい、このように考えております。
それから、ISO、要するに企業の環境への取り組みを融資面で優遇している、そうした取り組みもあるんだから、庁内で各所管がそれぞれに連携できるように情報共有や、あるいは調整を行うべきだと、こういった御質問ということでありますので、経営本部を中心に全体的な連携、調整に努めていきたいということであります。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○17番(奥田けんじ) 経営本部体制については、積極的な御発言をいただきまして、ありがとうございます。最後に1点だけ改めて質問させていただきます。
今後、区民との対話集会でサンプラザの追加出資についてテーマとして取り上げていただきたいというふうに申し上げました。自由討議の場で発言があるということについては、当然どの機会でもあるということでありましょうけれども、やはり殊、サンプラザについては、この間ほとんど参加の機会が区民の立場ではなかなかなかったという状況がございますから、ぜひ対話集会のテーマとして取り上げていただきたいということでございますので、明確な御答弁をいただきたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 対話集会のテーマについては、私どもがその時々に必要なテーマということで設定しております。中野駅周辺のまちづくりなどについても、これからまた取り上げる機会もあろうかと、そのように思っております。そうした中では、中野サンプラザについての話題も出てくることもあるのかなと、そう思っております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時38分延会