平成20年10月01日中野区議会決算特別委員会 平成20年10月01日決算特別委員会(第3日) 1.平成20年(2008年)10月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        21番  吉  原     宏
 22番  大  内  しんご        23番  伊  藤  正  信
 24番  きたごう  秀  文       25番  久  保  り  か
 26番  やながわ  妙  子       27番  酒  井  たくや
 28番  佐  伯  利  昭       29番  むとう   有  子
 30番  長  沢  和  彦       31番  か  せ  次  郎
 32番  山  崎  芳  夫       33番  斉  藤  金  造
 34番  篠     国  昭       35番  市  川  みのる
 36番  岡  本  いさお        37番  飯  島  謹  一
 38番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 計画財務担当課長長田 久雄
 区民の声担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
 情報政策担当課長平田 祐子
 情報化推進担当課長           藤井 康弘
 政策室特命担当課長(基本計画担当課長) 髙橋 信一
 危機管理担当部長清水 流作
 経営担当参事  川崎 亨
 広報担当課長  戸辺 眞
 人事担当課長  合川 昭
 健康管理担当課長村田 宏
 財産管理担当課長安部 秀康
 用地・管財担当課長           冨永 清
 危機管理担当課長(防災担当課長)    志賀 聡
 経営室特命担当課長(契約担当課長)   篠原 文彦
 評価改善担当課長田中 政之
 経営分析担当課長相澤 明郎
 税務担当課長  中井 豊
 会計室長    榎本 良男
 区民生活部長  大沼 弘
 区民生活部経営担当課長(里・まち連携推進担当課長、地域活動担当課長) 遠藤 由紀夫
 南地域担当課長 波多江 貴代美
 中部地域担当課長吉村 恒治
 東地域担当課長 横山 俊
 北地域担当課長 伊藤 政子
 西地域担当課長 鳥井 文哉
 戸籍住民担当課長今 恵里
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 ごみ減量・清掃事業担当参事(環境と暮らし担当参事) 橋本 美文
 清掃事務所長  齊木 正雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長(育成活動支援担当課長、男女平等担当課長) 瀬田 敏幸
 子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長、地域子ども施設連携担当課長) 浅野 昭
 子ども健康担当課長           原田 美江子
 保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 白土 純
 地域子ども家庭支援センター担当課長   野村 建樹
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当参事         岩井 克英
 保健予防担当参事(結核予防担当参事)  本保 善樹
 生活衛生担当課長古屋 勉
 健康推進担当参事尾﨑 孝
 福祉推進担当課長伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長
 (中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 障害福祉担当課長辻本 将紀
 障害施設担当課長大橋 雄治
 生活援護担当課長黒田 玲子
 保険医療担当課長柿内 良之
 介護保険担当課長飯塚 太郎
 都市整備部長  石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長)    登 弘毅
 都市計画調整担当課長          田中 正弥
 南部地域まちづくり担当課長       角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長       上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長(西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 萩原 清志
 土木・交通担当課長           遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           石田 勝大
 建築担当課長  豊川 士朗
 拠点まちづくり推進室長         佐藤 幸一
 拠点まちづくり担当課長         松前 友香子
 中野駅周辺整備担当課長         秋元 順一
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 学校再編担当課長青山 敬一郎
 学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
 指導室長    入野 貴美子
 生涯学習担当参事村木 誠
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     荒井  勉
 書  記     永田 純一
 書  記     菅野 多身子
 書  記     松本 明彦
 書  記     丸尾 明美
 書  記     河村 孝雄
 書  記     鳥居  誠
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三
1.委員長署名


      午前9時59分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。

平成20年(2008年)10月1日
   決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
氏名・会派等 質   疑   項   目





 
篠 国昭
(自 民)



 
1 教育問題について
2 生活保護費について
3 子どもの医療対策について
4 10か年計画の改定について
5 上鷺宮のまちづくりについて
6 その他





 
平山 英明
(公 明)



 
1 ごみ問題について
2 子ども関連施設等について
3 教育行政について
4 防災対策について
5 消費者行政について
6 その他











 
長沢 和彦
(共 産)









 
1 2007年度決算と区政運営について
2 中野サンプラザ問題について
3 新しい中野をつくる10か年計画について
4 子育て支援について
(1)保育園について
(2)子どもの健康について
5 野方小と沼袋小の統合について
6 民間作業所への支援について
7 都市計画マスタープランについて
(1)都市計画マスタープランについて
(2)その他
8 その他






佐伯 利昭
(民主ク)




 
1 人事院勧告について
2 株式会社まちづくり中野21の運営状況等について
3 不当要求行為に対する職員の責務と危機管理について
4 中野駅北口広場について
5 その他
(1)旧区域外スポーツ施設用地の売却について
(2)その他




佐野 れいじ
(自 民)


 
1 平成19年度中野区財政指標上にみる健全性について
2 江古田の森保健福祉施設について
3 中野区立小中学校建物別の耐震改修計画について
4 区民健康マラソン大会の提案について
5 その他





小林 秀明
(公 明)



1 妙正寺川の河川激甚災害対策特別緊急事業について
2 動物と地域の共生について
3 子育て支援の拡充について
4 警察大学校等跡地の活用について
5 小中一貫校について
6 その他







 
かせ 次郎
(共 産)





1 水害対策について
2 警大等跡地、中野駅周辺再開発について
3 介護保険事業計画策定について
4 地域包括支援センターについて
5 健診について
6 小児救急医療について
7 (仮称)区民活動センターについて
8 その他







 
のづ 恵子
(民主ク)





1 施設改修について
(1)耐震改修について
(2)バリアフリー化について
2 人材育成について
3 幼児研究センターについて
4 (仮称)区民活動センターについて
5 文化財調査について
6 その他



 
伊東 しんじ
(自 民)

 
1 中野サンプラザについて
2 新学習指導要領について
3 施設白書について
4 その他
10











 
久保 りか
(公 明)










 
1 介護保険特別会計について
2 健康診査・がん検診について
3 エイズ等性感染症予防普及について
4 狂犬病の予防・動物の適正飼養について
5 災害対策について
(1)妙正寺川の水害対策について
(2)災害要援護者支援態勢の推進について
6 教育ビジョンについて
(1)幼児教育について
(2)文化芸術振興プログラムについて
(3)その他
7 児童館の耐震について
8 その他
11













 
ひぐち 和正
(自 民)












 
1 中野駅周辺のまちづくりと商店街について
(1)賑わいのある拠点整備について
(2)特徴ある街づくりについて
(3)交通機関の充実について
(4)防災協定について
2 住民税の納税について
(1)住民税の減収について
(2)中野区への寄付について
3 環境対策について
(1)環境に対する意識について
(2)その他
4 学校再編における避難施設のあり方について
5 中野区の建築確認申請と工事請負契約について
6 苦情やトラブル・悩み事の相談窓口について
7 その他
12








 
飯島 謹一
(公 明)







 
1 補正予算の諸問題について
2 緑のまちづくりについて
3 震災時事業継続計画の策定について
4 保育園入所待機児対策について
5 自然エネルギーの活用について
6 その他
(1)地デジ対応について
(2)新型インフルエンザ対策について
(3)パソコンの故障について
(4)その他
13



 
北原 ともあき
(自 民)


 
1 職員数と行政サービスについて
2 防災対策について
3 古紙の集団回収について
4 郷土資料の収蔵について
5 その他
14



 
佐藤 ひろこ
(無所属)


 
1 区財政について
(1)財政健全化指標について
(2)外郭団体と第3セクターについて
(3)その他
2 福祉避難所について
3 施設と道路のバリアフリー化について
4 その他
15


 
むとう 有子
(無所属)

1 情報提供と情報公開の徹底について
2 学校給食調理業務委託について
3 中央中学校体育館(耐震性能Dランク)の耐震補強について
4 その他
16

近藤 さえ子
(無所属)
1 上野原スポーツ学習施設について
2 その他
17

いながき じゅん子
(無所属)
1 第3期中野区廃棄物減量等推進審議会と家庭ごみの有料化について
2 その他
18

 
林 まさみ
(無所属)
1 環境への取り組みについて
2 学校施設跡地等のまちづくりについて
3 その他

○吉原委員長 本日は総括質疑の1日目となります。質疑の順番は、1番目に篠国昭委員、2番目に平山英明委員、3番目に長沢和彦委員、4番目に佐伯利昭委員の順序で4名の質疑を行います。
 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料293件すべての資料が提出されておりますので、御確認ください。
 資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
○吉原委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 それでは、質疑に入ります。篠国昭委員、お願いします。
○篠委員 総括の1番バッターとして、そして、自民党の1番バッターとして総括質疑をさせていただきます。
 お手元に配付のとおり、教育問題について、生活保護費について、子どもの医療費対策について、10か年計画の改定について、上鷺宮のまちづくりについて、その他という順序でやるつもりでございますが、厚生委員会に所属しておりますので、時間の関係で前後調整することもございますので、御了承願います。
 最初に、教育問題に入りたいと思います。
 質問は、かなり理事者側を強烈に追い込むという形で、わかりやすい質問をつくり上げるのが普通なんでございましょうけど、人間の位からいうと、あんまり人を追い込むのはランクが低いんだそうでございまして、やはり質問においても人の道を追求しながら、お互いにいい中野をつくっていきたい。そうじゃなくても、我々の仕事は追い込むのが上手な人ほど喝采を浴びて、どんどん地獄へ近づいていくと、大変罪深い仕事でございます。
 まず、教育問題についてでございますが、道徳教育についてでございますが、これは我が会派は毎回挙げないことはないんですが、ここに、私は講演会を聞きに行ったり、また本を読ませていただいたりした松井和さんという方の、皆さんもお読みになった方がいると思うんですが、本人はミュージシャンなんだそうですが、あとはプロデューサーだとか。奥さんも大変なミュージシャンだそうですが。ここに、幼児が教育の原点を皆教えてくれるというような内容で通しております。そして、図抜けた保育園長あるいは幼稚園長というのは、母親がまだ母親学を始めたころに、例えば幼稚園で10分間ぐらいでお子さんがかいた絵をお母さんに1カ月以内で刺しゅうしてくれというような課題を与えるんだそうです。すると、どこからクレパスを動かしたか、そういったものを睡眠時間を減らしてでもつくり上げるという作業、これがなかなか教育の原点なんだと。すばらしい思い出もつくる。そして、絵を、そして、1カ月でつくり上げた刺しゅうをと、両方張って感想も述べるんだそうです。お父さん、お母さんもそれぞれにやり上げた感激に浸れる。これこそ教育の原点だというくだりがあるんですが、やはり私は、今の教育にしろ、保育にしろ、サービスという形で、手を抜けば抜くほどみんなの喝采を浴びるという大きな流れに乗り過ぎてしまったと。やはり子どもでも小学校1年、2年の子は先生の声が神の声にも聞こえるという時代なんだそうですが、そういった意味では、やはり学校も優秀な担任を置くケースが多うございますね。
 そんな中で、人の道という道徳教育を形から入らせるという意味で、現在、大変中野の取り組みはすばらしいところまで来ているように思うわけですが、この具体的な取り組み、今述べましたように、家庭を巻き込んだような取り組みの具体例がありましたら、お教えください。
○入野指導室長 道徳教育におきましては、家庭を巻き込んでということでは、道徳地区公開講座等におきまして、家庭と地域とともに子どもの道徳性を考え、場合によっては授業の中にも参加していただいて、一緒に子どもの道徳性を考えていくという取り組みをしてございます。
○篠委員 それで、鷺宮小学校の校長先生は道徳学会の会長先生なんだそうで、鷺宮小学校と鷺宮体育館を使って1年先でしたか、全国大会を開くというお話も聞いております。そして、上鷺宮小学校の山本校長からも御案内いただいたんですが、ただ、24日ですので、重なっちゃいますので、我々参加できないんですが。道徳教育の公開講座というんでしょうか、その具体的なお話の中に、人物を中心とした展開というくだりが見えるんですが、学校ではこの道徳教育の流れの中で、具体的な人、人物、要するに中学生ぐらいまで伝記やなんかで大変影響を受ける年代なわけですが、人を通してというくだりでは、社会科では何人の方を教えるというようになっているか、あるいは国語では何人の人を教える形になっているか、総合的にいろいろある中で、人を通して道徳教育を追求しようという流れが出てきていると思うわけですが、そういったデータがあればお教えください。
○入野指導室長 小学校の社会科におきましては、学習指導要領上に42人の人物を取り上げて歴史の学習を展開するようにということで例示が挙がっております。国語でございますが、現在本区で使っております国語の教科書、小学校におきましても中学校におきましても、伝記という形で取り上げておりますものは合わせて10人ほどでございます。また、道徳のほうにおきましては、それぞれの副読本の中で、学年に応じた取り上げ方で人物が出てきております。さらに、現代的な方といいますか、今、活躍をしていらっしゃる地域の方ですとか、それから、地域から離れても、物語の作家ですとか、伝統文化の継承者ですとかという方の生き方を通じて人物に触れ合ってございます。
○篠委員 現代人という形の中ではイチロー選手が出てきたりというのは大変わかるんですが、中野の教育では読書指導に大変力を入れているわけで、かなり自信の持てるところまで読書指導は進んでいるように理解しています。そういった中で、小さいときからの生きざま、人間ですからとんでもない、人には言えないような悪い面もあるんだろうけれど、我々が小さいときに触れ合う伝記というのは大抵大変な親孝行であったりと、いい面しか見せてくれませんが、それはそれなりにすばらしい経験を得られる。そういった中で、一生を通しての対応をしているのか、それともそうじゃなく、ある一瞬だけを通して伝記と言っているのか、その辺はどうでしょう。
○入野指導室長 教材として取り上げますので、一生を通してという形ではございません。ですので、伝記という形よりかはその方の偉業ですとか、歴史上に残した足跡ですとかというところに焦点を置いて、その人の人生というんでしょうか、生きてきた年代についても学んでいくという形になっております。
○篠委員 文部科学省等で対応している教育の中で、人を通してというのは、そういった一生を通してといったところまで縛るというか、それのほうがより子どもに対してすばらしいんだというようなくだりがございますか。全然そういうことは一切ない。いかがですか。
○入野指導室長 特に縛りはございません。
○篠委員 具体的に人を通してというところだけ取り上げたわけですけど、公開講座を見る限りではやはりいろんな工夫がされている。一生懸命、1週間に1時間必ず小中あるわけですから、公教育の利点という面でも、やはり小学校は大変評価が高い。しかしながら、中学へ行くと、黙って地元の中学から離れていってしまう家庭が多くあるわけですけど、その一環から考えても、やはり教育がコンビニの前で全員が座っているというような姿としてしか具現化されないというような流れは、公教育が相当責任を負わなきゃいけない部分でもあると思うんです。学校がやり切れない大きな流れもあることは十分承知の上でございますが、やはりそれだけに前とは違う大変厳しい立場に学校は置かれているように思います。そういった総合力でぜひ今後とも道徳教育の面では取り組んでいただきたいと思います。
 教育ビジョンの改定についてお聞かせいただきたいと思います。教育ビジョンの改定というお話が本会議のやりとりの中で聞かれたんですが、これは現時点でどのような位置を占めていらっしゃるんでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 教育ビジョンの改定ということでございますが、教育委員会では、教育ビジョン策定後の中野区の教育を取り巻く環境の変化に的確に対応するため、現行のビジョンを改めて見直しまして、新たな課題への対応を図るために、第2次中野区教育ビジョンということでの策定を予定しているところでございます。
○篠委員 やはり10か年との関連もあるだろうと思います。そして、閣議決定された教育に関する内閣の縛り、日本の国の方向性の縛りといったものもあると思うんですが、それにも触れてお答えいただければと思います。
○小谷松教育経営担当課長 今、委員から御指摘がございましたとおり、区といたしましても、新しい中野をつくる10か年計画、これのこれから改正、改定に向けた取り組みが始まっているところでございます。当然教育ビジョンにつきましても、区全体としての10か年計画とのきちんとした整合性を図り、また、今、委員のほうからお話がございましたとおり、教育基本法が改正になりまして、新たに各自治体でも教育振興基本計画を定めるという努力義務が課せられたわけでございます。そういった意味で、教育振興基本計画という位置付けもあわせ持った形で、教育ビジョンの改定ということで取り組みをしていきたいと思っております。
○篠委員 要するに、今のお話のとおりだと思うんですが、やはり国においても努力義務といいましょうか、目標設定を定めたところ、各新聞社の社説の切り込みが大変厳しいと、それぞれの意見を言っていらっしゃいます。要するに、他の国に比べて予算が少ないというような切り込みもあるだろうし、いや、そうじゃないんだと、具体的な数値がどこにも見当たらないといったような指摘もございます。教育ビジョンにおいても現時点で計画がありますが、中野区の計画においても目標数値というんでしょうか、だれでもがわかる、学校の現場も緊張するような数値目標は見当たらない、これが現状だと思います。例えば、基本的なことは70%の子どもが完全に理解できる体制をつくるとかといった具体的な目標設定がどこにも見当たらない。方向性だけ、計画と言いながら全体が総論としか読み取れないように私は思うんですが、具体的目標設定という面については、現時点で事務局が決めるのでなく、教育委員会で議論するというものなのかもしれない。その後、文教委員会に報告してという種類のものかもしれない。しかしながら、目標設定について教育委員会は今まで何一つ数値目標を出した記憶を私は見ていませんけど、その辺についてはいかがですか。
○小谷松教育経営担当課長 今の教育ビジョンにつきましては、これは平成17年に策定したものでございますが、それはある意味、教育理念、目指す人間像、それからまた八つのライフステージに応じた目標というものを掲げてございます。そういった教育ビジョンに掲げました理念や目標を実現するために、教育ビジョン実行プログラムというものを定めてございます。その実行プログラムの中には具体的な数値目標、成果指標というものも掲げてございまして、先ほど委員がちょっと一例として御紹介いただきました、学力7割以上の達成した子どもの割合といったようなものも具体的な指標として掲げているところでございます。
○篠委員 あと、具体的な行動を通して、やはりその目標について、中野の教育現場全体が緊張感を持って取り組むという意味での目標設定ということは、学校現場と教育委員会というのはどういう関係になっているんですか。例えば今、小谷松課長がおっしゃった70%の子どもがといったときに、教育委員会では言う。学校現場は、もうそんなこと当たり前のことだととらえているのか、一丸となってその目標に向かおうととらえているのか、その辺の呼吸の関係について議会もぜひ知りたいところだと思うんですが、いかがですか。
○入野指導室長 学力のことに関してお話をいたしますと、学力調査における結果に出てくるものについての取り組みについては、教育委員会だけではなくて、それぞれの学校がさらに目標値を定めまして、区が持っている目標に沿うように、学校一丸となって努力をしている体制をつくっております。さらに、教育委員会と学校との関係は、今の学力にかかわる調査のみならず、生活の面においても同じ目標のもとに一丸となってやっていく体制でおります。
○篠委員 それと、今のお話との関連で、国の学力調査の結果ということがマスコミの中で大変にぎわしている。そんな中で、中野の現状は、たしか国のテストだけじゃない対応をしていると思うんですが、その辺に触れてお願いします。
○入野指導室長 中野区におきましては、国と都のテストは限られた学年での実施ということでございますので、本区におきます小学校2年生から中学校3年生までの悉皆に行われております区独自の調査とあわせて分析をして、学校のほうで授業改善に使っているという状況でございます。
○篠委員 地域の評価は、また公立中学校の信頼度アップというような面にも触れてお聞きしたいんですが、小学校では大体どのぐらいか、中学校では大体どのぐらいかというような部分についてお教えいただけますか。
○入野指導室長 公立学校の信頼度ということでお答えをいたしますと、外部評価で保護者、学校評議員のほうからいただいているものということの幾つかの項目の中で判断することになってくるかと思いますが、それにつきましては、ほぼ7割ぐらいの信頼度を得ているというふうに思っております。
○篠委員 それで、それをもとにしての対応ということでは、さらに学力を上げるという努力で、中野区は2学期制のほうがより切り込みがいいという対応をされた。選択制についてはペンディングにしている。あるいは具体的に習熟度別の対応をしている。大阪の橋下さんがおっしゃるようなことは既に中野区では全部やっているのか、あるいは現状はどうなのか、その辺に触れてお話しいただきたいと思います。
○入野指導室長 中野区におきましての具体的な取り組みとしましては、今、お話の算数、数学、今年度から理科、英語にも広げまして、学力向上アシスタントによる少人数指導、習熟度別指導の充実、さらに理科への関心度を高めるために、観察や実験に関する課題にもこたえるというようなところから、理科支援員の制度等を導入してきてございます。教員の研修とあわせて、中野区としては充実を図ってきているところでございます。
○篠委員 もっとわかりやすい例で、土曜日対応しているところがあるのか、放課後対応しているところがあるのか、夏休みは3日しかやっていないところもあれば10日もやっているところもあるのか、そういった具体的な流れの中でお話しいただければわかりやすいんですが。
○入野指導室長 土曜日に補習等の授業を行っているところは、今のところほとんどございません。一部、三中におきます帰国子女対象の、中心の土曜教室のようなものは行われておりますが、今のところほぼ行われておりません。夏休みの補習、補充教室につきましては、小中全校で今年度の夏休みから行われております。日数につきましては、委員のお話のように、3日から2週間までそれぞれの状況がございます。
○篠委員 それで、夏休みも今、先生は全部行っていらっしゃるんだそうですが、港区やなんかの情報が入ってくるんですね、土曜日だって頑張ってやってやるよというような。一生懸命なのはよくわかるんですが、大変効果があるんだというのであるのか、さらに、やはりこれは姿勢を見せるというところが大切なんです。成果が上がるかどうかは、1人か2人成果が上がれば、信頼というのは不思議なもので獲得できるんです。姿勢が問われている。何かを教えるときには、その人が野球がうまいかじゃない、卓球がうまいかじゃなくて、どのぐらい情熱を持っているかということが教育現場では問われているんです。ですから、わざは持っていないけど情熱は半端じゃないという指導者がいれば、必ず育つ。毎年東京都チャンピオンだって育つ可能性があるかもしれないというぐらいのものです。そこが大切なので、それを形から入れろという意味で申し上げている。今お聞きするところでは、形から大分入ろうとはしているけど、やはり教育委員会からおふれを回せる代物ではないんですというように受け取れるんですけど、どうでしょう。学校現場に任せているのか。教育委員会はその姿勢を問うことができない存在なのかどうか、その辺どうですか。
○入野指導室長 一人ひとりの学力の保障にかかわりましては、教育委員会の大きな重要施策の一つでございます。ですので、それを全部の小・中学校に課しているところでございます。ただ、そのやり方、取り組みは、子どもの実態、地域の実態、学校の実態がございますので、そこの部分は学校の主体性、自立性に任せて行っているという関係にございます。
○篠委員 そういうことだと思いますよ。ですけど、私立は司令塔の発信がすぐ問われる。下手をすると学校がつぶれちゃう。実績を残さなければつぶれちゃうという厳しい立場で頑張るんですね。それで、公立の場合はつぶれないんですよ、なかなか。これはつぶれそうでつぶれない。そこのところで、姿勢はいい校長がめぐってくるのを待つだけの状況じゃないやり方をつくり上げなきゃ私はいけないと思うわけ。要するに校長は学校経営だと。校長と教育委員会、あるいは校長と区長。全員から選挙で選ばれるという意味においては、校長先生と文教委員。議員全員というわけにもいかないでしょうから。そういった緊張感の中で、みんなでよくしていこうというようなやり方を編み出す、発明していかないことには、いい校長が来る、あるいは運動ならいい指導者が来るのをただ待っているという状況が公立学校の弱点ですから、それを払拭するやり方を我々も発信していきますけど、教育委員会からも発信しなければいけない、そのように思うんですけど、いかがですか。
○入野指導室長 子どもたちの成長につきましては、家庭、それから地域、そして学校、そういう意味では、区全体、議員の方々、教育委員会、保護者の方々、地域の方々が一丸となって取り組んでいくべきものであるかというふうに思っております。そして、教育委員会としましては、学校と一丸となった方法で取り組めるよう今後とも努力してまいりたいというふうに思います。
○篠委員 それで、いろいろな発明をして地域に呼びかけている教育委員会の一生懸命さ、学校の一生懸命さは伝わってくるんですけど、共働きだからいけませんじゃない方策というのも編み出さなくては私はいけないと思う。幼稚園、保育園だったら、全員が刺しゅうしてくるというのに参加、私は共働きですからなんていう人は1人もいやしない。そうじゃなくて、それを発明しなきゃいけないんですよ。そういう意味では、1学期に1回だけ弁当の日をつくりなさいと。弁当はコンビニはだめですよという形での、これは参加せざるを得ない。やはり教育なり保育なりの弱点は、手をかけないで済むサービス産業にシステムが流れたところに原因があるんですから、いかにして参加するかと、なおかつ全員が参加するかというものを発明しなければ、本当の地域、学校、家庭、だれでも覚えちゃうようなことをぺらぺら、話の中ではどこにも出てくるけど、現実何を生み出したかということが問われているんですから、そういった日を1日つくりなさいと言われたときに、つくれますか。
○入野指導室長 具体的なお弁当の日ということに関しましては、これは大きく議論をしていく必要があるかというふうに思います。そして、繰り返しになりますが、子どもたちの健全な育成ということに関しましては、保護者の役割が第一義であるかというふうに思います。それを支える学校としての方法、教育委員会としてのやり方ということは、今後とも相互の役割と責任を自覚しながらつくり上げていきたいというふうに思います。
○篠委員 子どもたちを守り切るかどうか、義理だろうが何だろうが全部捨てて子どもを守り切るということに徹すれば、何も怖がることはないということを述べさせていただきます。
 そして、小中連携という部分で、本会議のやりとりの中で大変研究されている、全区的な取り組み等もしたいというお話もある。そういった中で、具体的にどの辺まで進んでいるのか。例えば大学へ行っても分数がわからないというような学生を輩出してしまった現実があるわけです。だけど、中野の小中に関しては連携をする。小学校だけでは習熟度別というような頑張り方がある。それから、小中に関して、算数、数学の習熟度連携だけをとったとしても、これは大変なアドバルーンになる。この辺の切り込みについては、教育委員会は議論を進めていますか、資料を集めている段階ですか。
○入野指導室長 中野区における小中の連携教育のあり方について、システム的なことについては検討を進めております。それとあわせまして、内容的なもの、委員のお話のように、教科等の指導方法や指導内容について、つまり、カリキュラムの作成については、現在、特定の教科等において進めているところでございます。
○篠委員 一生懸命やっているんでしょう、恐らく。やらなきゃいけないし。ただ、具体的に事わかりやすい形でね。品川の例を内川委員が出されたかな。学校が小中近いというところでの取り組みありますね。そうじゃない、遠くたった構わない。中野方式というのを編み出さないことには、やはり具体的なものを何か出さないと。習熟度別だって大したものなんですよ。だけど、分析していきますと、習熟度、これは必ず公立学校の信頼アップに連携しますから、ぜひやっていただきたい。そして、ABCと分かれたとしたら、Aの人たち、先生が見ればわかる。さらに力を出す可能性のある人もいるはずです。みんな私立へ行っちゃっているからうちはいませんということもあるかもしれないけど、そうじゃない、必ずいるんです。遅く才能を発揮する子もいるわけですから、そういったところには一緒についていてあげなくても、やはり研修をして、こうやるともっと伸びるぞというような一言が事によるとその人の一生まで変えるぐらいの力があるんです。ですから、そういう意味において、小中連携というものをぜひ見える形にしていただきたい。これは要望しておきます。
 私立学校にどのようにして歯どめをかけるか。もう歯どめなんかかける準備は何もないんですとおっしゃるのか。いや、そうじゃない、やはり安いお金で小・中・高・大学と準備されている今のものを、昔はそれが機能していた、それを生き返らせる努力を中野区はこの辺でしているんだという具体例があったら、お教えください。
○入野指導室長 公立学校の信頼の回復ということでの一連の御質問かというふうに思いますが、教育委員会としましては、学力の向上、体力の向上、そして、子どもたちの一人ひとりの豊かな心の育成という部分を、しっかりとその子一人ひとりの実態に合わせての取り組みを強化するという意味で、一人ひとりに合った教育の推進というところで具体的に取り組んできております。
○篠委員 それじゃあ答えになりませんよじゃ追い込み過ぎちゃうので申し上げないですが、やはり本気なんだと。本気なんだというのは、例えば小中連携における算数というような具体的なものを通して発信できるんですよと。入野指導室長は優秀だからそれで済むかもしれない。だけど、そうじゃない。地域の信頼を得るためには本気の姿を――形しか見ていないの。まるっきりあそこへ行ってもだめだとかというようなうわさをすぐ立てられやすいように、近くにあるわけですから、遠くにあればともかく。ですから、ぜひ形の上での対応が可能なような道をぜひ今後探っていただきたいと、このように思います。
 教育問題だけやって終わりにしちゃいますと大変失礼になりますので、日教組については今回取り上げませんので。学校再編について、学校再編の中・後期の、どことどこ、どことどこという組み合わせだけまずお教えください。
○青山学校再編担当課長 お答えいたします。学校再編計画の中期及び後期の対象校及び組み合わせにつきましては、中野神明小学校、多田小学校、新山小学校の3校を統合し、2校の統合新校を設置する組み合わせがございます。また、桃園小学校、向台小学校の組み合わせ、それから、大和小学校、若宮小学校の組み合わせ、それから、鷺宮小学校、西中野小学校の組み合わせ、それから中学校でございますが、第三中学校、第五中学校、第十中学校の3校を統合し、2校の統合新校を設置する組み合わせでございます。それから、第四中学校と第八中学校の組み合わせ、以上でございます。
○篠委員 それがどこの場所に落ちつくかというのがまだ決まっていないのはよく存じ上げているんですが、これは最大の関心事だとは思います。しかしながら、10か年計画、平成17年から17、18、19、20、21と。中・後期というのは22年からですよね。22年から5年間なのか、10年間の中でこれだけのものをやり上げるのか。そして、この10年間の中で、この学校に関してはここの時点でやり上げるという計画はつくり上げているのか、それとも10年後にこれらが一気にでき上がるというようなとらえ方でもいいのか、その辺に触れてお答えください。
○青山学校再編担当課長 学校再編計画の今後の期間でございますが、中期が平成22年度から26年度までの5カ年、それから、後期が27年度から31年度までの5カ年ということになってございます。先ほど申し上げました各学校の組み合わせでございますが、これにつきまして、次の中期の5カ年で実施するのか、あるいはその後の後期の5カ年で実施するのかということについては、現在検討中でございまして、まだいずれの期間にどの組み合わせの再編を実施するかということは決まってございません。
○篠委員 地域では、中期でこことここだろう、いや、後期だとかといったものが決まっていないということを知らない状況になっています。ですから、これは間違いないんですということでお答えをいただいたというふうに受けとめますが、しかしながら、今年度中、平成20年度中に方針は打ち出しますというふうに言っているんですね。ただ、中・後期についてといいますと、22年ですから、20年度、21年度があるわけですね。20年度が半分あって、22年度がある。そういったことを考えると、今の、あと22年から後の10年のスパン、これを20年に方針を決めるといったのは地域で全部理解している。しかしながら、いつかということはだれも知らない状況にある。教育委員会も発表していないんですから。その状況をよく理解すると、やはり見事に学校再編をやり上げた後なんですが、やり上げたこの勢いを駆ってというのも確かにあるでしょう。しかしながら、やはり地域の声もしっかり聞くという、これは大切なことで、10か年であっても5年で変えようという流れ、世の中の変化というのがあるわけです。この世の中の変化の中に、学校再編については何が世の中の変化なんですか。
○青山学校再編担当課長 今後の学校再編計画の改定に当たりましては、学校再編の大きな目的が学校規模を適正にするということがございますので、現在及び将来の児童・生徒数というものの見込みといったものを現在私どものほうで推計の作業をしてございます。そういったことが一つ今後の計画を決めていくに当たっての大きな要因になるかというふうに考えてございます。
○篠委員 そういうことだと思います。ただ、これを提示するに当たりまして、校長先生にお聞きしても情報は一切入ってきていませんという状況です。それはわかります。議員たちも知らないぐらいですから。それで、その中で、進めていくプロセスというのがあると思うんです。地域に最初に提示するのか、教育委員会は。いや、議会に最初に提示するのかという、どちらが先ですか。
○青山学校再編担当課長 計画の改定に当たりましては、先ほども申し上げましたが、現在、児童・生徒数の推計及び、これまでに進めてまいりました学校再編の検証というのを行っているところでございます。今後、それらをもとに教育委員会の議論を経まして、そして、まずは議会に対して素案というものをお示しした上で、区民の皆さんの御意見を伺っていきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 まあ、そういうことでしょう。ですけど、それにしましても大変な作業というか、大変なお仕事でございますので、動き自体がやはり透明度をうんと保たなくてはいけない。どうもあの議員が強いからああなっちゃったというのでも困る。やはり本当にあくまで子どもを守り切るという視点。先ほど指導室長とのやりとりの中にあった、公教育に筋金を入れるという作業が連動しないことには、幾ら立派な方針を立てましても、やはりそれは見捨てられた公教育なんていう形で残ってしまえば、せっかくの再編が体をなさないということになるわけですから、再編はあくまで公教育の力の復活という視点。我々の弱点は、優しさが教育を破壊してしまう、要するに、全部高校に入れてやろうといった、小尾教育長がやったあのお考えが、そうじゃなく、結局は公教育、お金がなければ立派な教育を受けられないという流れをつくってしまった。優しい心が逆の反作用として返ってきてしまったと。これはあくまでバランスだと思いますので、学校再編はぜひとも公教育の連動において力強く進めていただきたいと思います。
 学校教育関係は以上で終わります。
 生活保護費と子どもの医療対策については、ごくごく簡単に触れる程度にさせていただきます。
 生活保護では、今年度一般的に減少したと保健福祉部長はおっしゃっていられたんですが、歳出額は109億円、区の歳出予算の1割を占めているわけです。こういった中で、毎年なんですが、この生活保護については、至った状況等についてかなり分析がされている、改革も要求されている。中野区の世帯の分布はどのような構成になっていますか。
○黒田生活援護担当課長 生活保護世帯の中野区の分布についてでございますが、これは平成19年度の月平均の分布といたしまして、高齢者世帯がおおむね半分、48.9%、傷病障害世帯、これは病気とか障害のある方ですけれども、こういった世帯については32.8%、母子世帯については5.1%となっておりまして、国とほぼ同様の分布になっております。
○篠委員 町会の人口統計を見ても、鷺宮三丁目町会も3,700世帯のうち2,000世帯は単身です。全部がお年寄りじゃないんですけど、ひとり住まい。それで、残った1,500のうち千四百数十件が町会に入っているといったような分布図になっています。こういったことを考えると、やはりお一人で高齢を迎えられたという方は、時代の流れとして今後もかなりふえるというふうに思われますので、そういう意味でも生活保護に向かう気持ちというのは大変問われていると思います。これで、自立のための支援は外部評価では大変評価されているんですが、プログラムについては中野区はどんな状況になっているのか、内容にも触れて簡単にお答えください。
○黒田生活援護担当課長 生活保護業務におきまして、生活保護の受給者のために支援を行っておりますプログラムについては、中野区において三つのプログラムを策定しております。一つは、経済的自立の支援を行うための就労支援プログラムでございます。次に、社会的な自立の支援のための精神保健福祉支援実施プログラムを持っております。もう一つ、長期入院・入所生活者の支援プログラムを持っております。
 これらの内容についてでございますが、経済的な支援の就労支援プログラムにつきましては、就労支援員を設置しておりまして、その支援員とハローワークからの人を派遣してもらいまして、中野区の区役所において面接を行っております。この面接においてはケースワーカーが同席することができますので、効果的な就労相談や就労に向けて結びつけるということができております。
 次に、精神保健福祉支援実施プログラムでございますが、これは精神的な病気をお持ちの方がおうちの中に閉じこもりがちになったりしますので、そういった方を医療につなげたり、医療につなげた後、服薬の管理の日常的なものを行うといったものを委託いたしまして実施しております。
 長期入院・入所者の支援プログラムにつきましては、入院している方を例えば特別養護老人ホーム等に効率的につなげて入所していただくといったようなプログラムを策定しております。
○篠委員 生活保護世帯の支援策、プログラムの完備は全国では1割、大変ひどい状況だということをお聞きしておりますので、今、その辺についても触れさせていただきました。そして、あと、我々が新聞で目にするのは、生活保護費の適正な支出という部分で、通院する交通費、これが1カ月3万円以上支給した全国1,086件、6,015万円についてチェックしたところ、80数%がいいかげんであったと。書類不備等で、正確に審査すると支給されないと。中野区の体制は万全ですか。
○黒田生活援護担当課長 委員の今、御質問のあった調査につきましては、平成19年12月の一月を対象とした調査でございます。この調査の結果につきましては、中野区におきましては、一月3万円以上通院の支給を行ったものが6件ございます。これにつきましては、通院の申請があった折に、その内容についてケースワーカー、担当係長が適正に審査を行いましてお支払いしております。内容につきましては、おおむね人工透析や脳挫傷のためにタクシー等でお出かけにならなければいけないような方についての内容になっております。
○篠委員 中野区では指摘されるようなところはないというふうに理解させていただきます。やはり生活保護というのは、100億円を過ぎる大きなお金、1割以上のお金、全予算のですね、出るわけですから、緊張感を持って、一番忙しい部署なのかもしれないですけど、ぜひ対応していただければと、このように要望しておきます。
 次に、子どもの医療費助成の救急医療の体制の充実についてお伺いします。現状はどうなっておりますか。
○原田子ども健康担当課長 お答えいたします。中野区では、準夜間小児初期救急医療としまして、午後7時から午後10時まで、年間を通じまして医師会の協力のもと、中野総合病院で小児初期救急診療を実施しております。中野区の実態はさようでございます。
○篠委員 準というんですから、準じゃないのは24時間なんだと思うんですが、警察病院に24時間についてお願いされた経緯はありますか。
○原田子ども健康担当課長 昨年、開設前に数回にわたりまして要望をいたしました。
○篠委員 答えは何でしょう。
○原田子ども健康担当課長 現状では、小児科医が全国的に不足しておりまして、受け入れは難しいという御返事をいただいております。
○篠委員 24時間対応するというのは大変なことなんですが、やはり後期の10か年計画も恐らく安心・安全を目指すという大きな方針を立てると思います。そういった中で、それであるなら、準じゃない24時間についてはどこが受け皿になっているんですか。
○原田子ども健康担当課長 24時間の小児二次救急診療につきましては、東京都区西部二次医療圏である新宿、中野、杉並の3区としての医療体制が組まれております。東京医科大学附属病院、慶應義塾大学医学部附属病院、東京女子医科大学附属病院、国立国際医療センターの4病院が小児二次救急対応医療機関として指定されております。
○篠委員 万一中野のお子さんが10時以降緊急を要した場合には、どのぐらいの時間でそこに到達できますか。
○原田子ども健康担当課長 交通事情によると思いますが、ラッシュアワーではございませんので、地域によりますが、15分程度かと存じます。
○篠委員 ありがとうございます。そして、やはり医師不足という、銚子市立病院というのも閉鎖とかといろいろ情報は入ってくるんですが、保健福祉部には原田課長ほかお医者さんがいっぱいいるんですけど、小児科医の足らないところにお手伝いに行くという気はございますか。
○原田子ども健康担当課長 確かに小児科医の経験は私もございますが、臨床としてきちんとした責任を果たすには、それなりの研修をきちんとやり直すということが必要かと存じます。すぐに私どもで対応は困難と存じますが、健診等に臨床の先生方がおいでになるよりは、私どもでそういったところで対応して、少しでもほかの方たち、ほかの臨床の小児科の先生方に御負担がかからないように努力していきたいと存じます。
○篠委員 はい、結構です。ありがとうございます。あとは厚生委員会でやりたいと思います。ありがとうございます。
 10か年計画の改定について少し触れさせていただきます。計画策定から現在まで、区をめぐる状況はどのように変化されたと思っていますか。それが改定の理由だと思うんですが、その辺についてお聞かせください。
○髙橋政策室特命担当課長 お答えいたします。状況の変化でございますが、中野区の周りを見ればわかるとおり、警察大学校跡地を含めます中野駅周辺や西武新宿線連続立体交差化の事業、また、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法など国の制度等も含めまして社会状況が大きく変化していると認識しております。
○篠委員 それが大きい変化なのはよくわかりますが、今後、改定を進めるにはどういう視点を持って取り組んでいこうとお考えですか。
○髙橋政策室特命担当課長 まずは現計画、前期5年についてでございますが、目標と現状、または到達度の分析・検証を行うこと、次にまた区民ニーズの変化、また医療制度等の改革など社会状況の変化を踏まえまして、新たな取り組みの展開を踏まえること。それと、さらには、今後の社会状況の変化を目線に入れながら、そういった視点を持っての改定を行いたいというふうに考えてございます。
○篠委員 そのとおりだと思うんですが、平成17、18年がステップ1、ステップ2は19と20が半分来たんですね。達成状況はおおむね良好なんですか。
○髙橋政策室特命担当課長 ステップにつきましては、施策の方向性を示すための手順でございます。先ほど申しましたように、現在おおむねステップ2まで来ている状況でございます。その部分につきまして、全体としては、平成19年度末におきましてはおおむね85%の達成もしくは着手の状況でございます。
○篠委員 総務委員会なんでしょうけど、ステップの達成状況、成果指標の達成状況等ある中で、目標設定があるわけですね。そして、この目標設定が間違っちゃったんじゃ、幾ら達成状況がよくても区民のためにはならない。そういった中で、区民ニーズという言葉がすぐ、マツモトキヨシの、あのお父様がすぐやる課というのをつくったんでしたか。一瞬にしてやってのけるというのは、本当に地域の活性化、朝来たらみんなで、中野区議会も、区議会と言わず、部課長は会議室に集まって「区民ニーズにこたえるぞ」と、こういうかけ声とともに「きょうも頑張りましょう」で別れるような、民間会社の力の恐ろしさを感じるところなんですが、ただ、民間の場合は、財政的利益を生めばいいとか、はっきりしているんです。それが目標である。その間に国会等では男女共同参画なんていうのもあるんですけど、そうじゃない、本気で会社に没頭している男性も女性も、いかにして会社をすばらしいものに持っていくかに徹しているわけです。男女共同参画も何もあったものじゃない。会社をというこの一念のすぐれた人たちがリーダーになっているわけですね。そういう意味で、たとえ会議室に集まって「区民ニーズにこたえるぞ」と、ニーズが間違っているのにこたえちゃったんじゃあ困っちゃう。
 これは、やっぱり欧米の失敗の大きな元凶は、ニーズにこたえ過ぎてしまった。子育て、教育において、ニーズにこたえ過ぎてしまったというところに、私が毎回総括でのやりとりで言う、やってくれと、要するに、保育の社会化なんてね。おまえがやれと、あなたがやれと、体を張って3歳まで守り切れという姿とニーズを比較したときに、保育園でも大変気を使っているんだそうです。きょう歩き出した。言っちゃだめですよと。お母さんに発見させなさい。きょう見つけちゃったと。見つけたのは絶対に口にしちゃいけませんよというようなほど、原点はやはり子どもなんです。ですけど、ニーズにこたえることだけをシステム化していきますと、保育園に置いて、平気かな、平気かなじゃなくて、当たり前にすっと行くような体制になっちゃう。そして、私の99で亡くなった母なんか見ても、一生懸命育てたんだけど、まさか養老院には入れないだろうななんて。今、養老院なんて言うと、いけない言葉になっちゃうかもしれない。特別養護老人ホーム、待っている、こういうシステム化すればするほど、何があっても育ててくれた親に報いようというんじゃなくて、核家族の怒濤の流れの中で、いたし方ない部分も工夫しなきゃいけないんですけど、うちはまだ3年待っちゃっている間に死んじゃいましたよとか、そういう話が一般的になってくる。
 ニーズにこたえればいいんじゃないかというかじ取りは、私は、議会がやらなくてはいけない、選挙で選ばれた区長がやらなくてはいけないと。やっぱりそういうものが私は少子化対策の原点だと思っているんです。そういう意味で、ただ区民にはニーズにこたえればいいというふうに伝わってくる。そして、今、髙橋課長もおっしゃったような言い方を通して、ただレールに乗った流れをつくる可能性が十分にある。この目標設定の大切さについて、区長は体を張って頑張るという面もあるんですけど、やはり国で閣議決定されちゃった流れの中で、男女共同参画基本計画なんかも改定した中で、安倍さんならやりそうだなというような流れを一たんつくった。その流れの中で、放課後の子どもたちというような着手したものはかなりある。そういった中で、母乳教育だとか具体的なものが出てきている。ですけど、見渡す限り、これが人の道の原点だと体を張った目標設定を見つけるのが大変難しい。言葉遣いが丁寧だから、どっちでもとれて大変よろしいんですが、やはりこれをやったら20年後に虐待が大発生するよといったような哲学的な危機意識は、議会と区長が持たなきゃいけないと思うんですが、区長はいかがお考えでございますか。
○田中区長 区民ニーズと、こういうふうに言いますけれども、区民の皆さんお一人お一人のお求めになるものというのは全くそれぞれなんだと思うんです。そのそれぞれに具体的にこたえていくということが妥当なのかどうかというか、公共政策として、公共としてそれにこたえていくことがどうあるべきなのかという妥当性を常に我々は判断しながらニーズをとらえていくということをしていくことが必要なんだろうと、こういうふうに思っております。
○篠委員 担当は合川課長だったころ、榎本課長、もうみんなそれぞれに偉くなって課長じゃないのかもしれないんですが、やはりこの問題で、育児の社会化、とりわけ低学年の育児の社会化は、安価な労働力を求める経済界や働きたい母親の都合ばかりが優先され、子どもの最善の利益の視点が欠けているが、乳幼児の健やかな発育にとって母親との恒常的な触れ合いがいかに大切か、不可欠であるかは、小児科医や脳科学者などが調査し、警笛を鳴らしている部分であるといったところについて、私は目標設定との絡みで常々議論をさせていただくんですが、改定に当たっては目標設定、我々がみんながそう思っているんだというので大変罪深い大きな流れをつくっている可能性があるかなというような視点もぜひ視点の中に入れて、今後、目標設定にはくれぐれも細心の注意を払っていただきたい。そして、男女共同参画基本計画の後期分については、プロジェクトチーム等でそういったものに触れた具体的な取り組みの例が書いてあります。子ども家庭部においても、それを見事に実践している部分もある。そういったところもしっかりと視点に入れて10か年計画の改定を進めていただくことを要望して、この項を終わります。
 上鷺宮のまちづくりについてお伺いいたします。
 これは、上鷺宮はやはり地域を挙げての議論が、中野区でここ二、三年ほど地域の人が本気になってまちをよくしようということで立ち上がったことはないように私は思います。昭和44年の区画整理以来、先輩たちが必死の努力をしてそれなりの道もつくった、それなりの努力もした。地域がもうこの話は二度としないという状況に何回もなった。そういった中の大きな歴史の一環であるとも理解するわけです。そんな中で、区画整理というのは大変外しづらい。住宅化がどんどん進んでいますのでね。その中で、あと一歩お手伝いすれば地区計画という手法で区画整理事業が外せますよという、平成14年3月の東京都のガイドラインというのがあるんですが、その平成14年になる前、昭和44年から今までにいわゆる区画整理事業と言われる地域は東京都でどのぐらいあったんでしょうか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 都内におけます区画整理を施行すべき区域は全部で8,993.7ヘクタールでございます。
○篠委員 それで、平成14年、もう一歩で頑張れそうですねというようなガイドラインが出た。私はあのガイドラインはまだまだハードルが高いと思うんですが、現実問題、平成14年以降、そのガイドラインにのっとって対応し切った地域は、約9,000ヘクタールのうちどのぐらいありましたか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドラインに定める整備水準を反映した地区計画に定められた地域は、都内におきまして足立区、江戸川区、板橋区、練馬区の4区で事例がございます。面積は約250ヘクタールが地区計画の整備計画により区画整理事業すべき区域の削除をしております。
○篠委員 先ほど言った昭和44年の9,000ヘクタール、それで、ガイドライン以降250ヘクタール、そうじゃない手法を使って区画整理事業というのを外した地域というのもあるんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 区画整理事業をすべき区域の中で、現在、そのほかの手法、要するに地区計画以外の手法ということでは確認はしておりません。
○篠委員 確認していないことは確認していないと言っていただいて結構です。問題自体が大変難しいわけですから。平成14年以降、9,000ヘクタールの中の250ヘクタール、上鷺宮は91ヘクタールぐらいの7割、65.4ヘクタールだと思いましたが、それの何倍でもない地域しか解除できない。大変ハードルが高いと言わざるを得ないと思います。それで、歴史的に見て、昭和44年以降、上鷺宮の地域の皆さんの努力の跡は現時点まで、今回の地域の頑張りというのを除きまして、どんな歴史を重ねてまいっていますか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 昭和44年に上鷺宮の地域が区画整理事業を施行すべき区域に決定して以降でございますけれども、同年、昭和44年に区が上鷺宮地区開発計画を策定いたしました。その後、昭和47年の6月に、地域の住民の意向を考慮いたしまして、この開発計画を全面的に見直すことといたしました。その後、昭和50年、上鷺宮環境整備計画を策定いたしまして、小学校の設置やアカシア通り、とちの木通りなどの道路、公園などを整備しております。その後、平成14年3月に都が周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドラインというものを策定いたしました。それに基づきまして、平成18年10月、区が地区整備計画素案、いわゆるたたき台でございますが、これを住民の皆さんに提案いたしましたが、地域での合意が難しいという判断をいたしまして、平成19年9月に全面的な見直しをするということを地域の住民の皆様に通知を差し上げたところでございます。
○篠委員 そして、よく上鷺宮中に反対のビラが張られたというような、行った方はびっくりしたと思うんですが、それはやはり地域挙げて一生懸命だということで、その一生懸命さが今後のまちづくりに生かされれば、それはそれは大変ありがたいことなんです。それで、19年9月に全面的見直しという文書を拝見する限り、その文書自体に細心の努力の跡を私は見てとるんです。といいますのは、平成14年3月のガイドラインがありましたが、16年8月3日から17年12月20日までの13回にわたって、上鷺宮住みよいまちづくりを考える会というのを立ち上げて議論をしていますね。地主の方々も最初のころはかなり多く入ってきている。まちがよくなるためなら道も提供するよというような見通しの明るい話も、私ども議員はオブザーバーでしたが、おっしゃっている場面も見させていただいたんですが、あれはやはり総論的な部分で、服部参事が担当でしたが、最後までやり切ったところまで見る限りは、見事なりと、よくぞここまで持ってきたという感じをしました。
 しかしながら、この四つの地域、三つというふうに読み取るのか、四つというのか、この最後のかわら版という中に挙げられている、この中の総論部分――総論部分というのは、ここは最低面積は70平米にしよう、ここは85平米にしよう、ここは100平米にしよう、それで、建ぺい率はここは40パーセントにしよう、ここは50パーセントにしようといった、そういったゾーニングというんでしょうか、そういった部分について等、総論の部分では、とんでもないという激しい意見を私は聞いていないんです。ただ、基盤整備が地区計画の避けて通れない道であると。これは利害関係が入るから、道を引くには区にお願いしようと。区だって、お願いされたって困っちゃうぐらいの難問なので、恐らく専門家の力もかりたんだと思う。こういった中で、あの1年半、13回の流れ自体は、私は今後も大切にしていかなければいけないと。そして、この部分は、だけど、明らかにおかしいよという具体的な指摘があった場合には、それはそれで対応していく。ベースのない話し合いを重ねても、今後の切り込みというのはなかなか難しい、そういうふうに考えるんですが、いかがですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 これまで地域の住民の皆様とともに約2年間にわたり検討をしてきました緑豊かで住みよいまちづくりの考え方、これにつきましては、先ほど委員の御説明にもありましたように、区が提案した道路計画の部分を除きまして、今後のまちづくりにおいて尊重されるべきものであるというふうに考えております。今後は、これまでの検討された経過を踏まえまして、地域で十分な議論を尽くし、地域の皆様とともにまちの課題やあるべき姿を共有した上で、必要な変更・修正等を行い、権利者や地域の皆様の合意に基づく計画を策定していかなければならないと、このように考えております。
○篠委員 それで、中野四丁目の再開発について、市川みのる委員のお父様が主導されたあの地域でも、やはり90数軒でしたかの方々にお力をいただくのに20年近くかかっている。大変難しいことはよくわかるんです。今回、何だかんだ道路について関係した人は700軒を過ぎると言われています。言ってみれば不可能な線を引いたととらえるのはよく理解できるんですが、しかしながら、事91ヘクタールの中の65.4ヘクタール、その中のここに全部外さなければ、基盤整備をつくり上げなければ地区計画は外せない、これもよく理解できます。この手法でいったからには、ほかの手法は使えないのもわかります。しかしながら、全体を外すんじゃなくて、この地域に限った場合はすべて幹線道路が抜けていると。この地域に限っては地区計画を立ち上げられるぞというような、素人ながらに私は思うんですが、それでも地区計画の定義自体が邪魔をする。いや、そうじゃないんだ。だれかが汗を流さなければ地区計画と言わないんだ。道を、十分に幹線道路1本抜けているんだけど、曲がるけど、6メートルつくらなきゃいけないんだとかと、何かネックになるところがあるんですか、地区計画の中で。地区計画とはこういうものだという、どういうものを決めることができるんだという幾つかの例をまず挙げてください。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 地区計画で定められるまちのルールということでございますけれども、まずこれは地区施設の配置及び規模ということで、地区の生活道路ですとか、地区内の公園等の配置や規模、これを地区計画のほうで定めます。また、建物の用途の制限、これは例えばこの中にゲームセンターですとかパチンコ屋を規制するとか、そういう建物の用途の制限。それから、建物の敷地面積の最低限度。壁面の位置の制限。それから、建物の高さの限度。それから、建物の意匠、要するに建物の外観のデザインと、こういうものが地区計画の中で定められていきます。
○篠委員 一番ネックは基盤整備といいましょうか、上鷺宮の皆さんも大変勉強家ですので、この算式に当てはめれば、道路率は区の言う道路率じゃないところにおさまっているじゃないかというような書類も私の手元にあります。それだけ地域が熱心だというのも理解できるんですが、全部充足していても、何か基盤整備で汗をかかなきゃ地区計画と言わないのが地区計画の定義なのか。もう北中野の西側には大きな道がずっとついている。少し曲がって武蔵丘から来た道を5差路に向かって完成していると。こっちはちょっと、それこそ汗を流してもらわなきゃいけない地区を持っちゃっているといったときに、もう幹線道路で1本通っているというのに、さらに道を抜けということが地区計画の定義の中にあって進められないのか。その辺は現時点でわかりませんならわかりませんでいいです。だけど、現時点でさらに何を基盤整備しなければ、地域を区切っても地区計画というのはやれるというふうに我々は簡単に理解する。そのときに、汗をかけというのはどこから汗をかくんですか、どこを汗かくのか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 地区計画の件でございますけれども、都のガイドラインの中では、地区計画については、その区画整理事業をすべき区域全体で地区計画というふうなことではなくて、地域取りをして、エリア取りをして地区計画をかけることはガイドライン上は可能ということになっております。
○篠委員 じゃ、やっちゃいますよ、こうやって。例えば練馬区はガイドラインを使って12ヘクタールを地区計画やり切ったと。そして、区画整理事業を外したというふうに情報をいただいています。どんな汗を流したんですかと言ったら、すぐ答えられる準備はもちろんないんだと思います。じゃあ、地区計画というのは最低面積どれだけ必要なんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 都市計画上では地区計画の設定規模等について制限はございませんけれども、地区計画の規模については一定のまとまりのある街区というのが最小単位ということでございまして、これまでの例では、設定規模は小さいものでおおむね0.5ヘクタールということでございます。
○篠委員 0.5ヘクタールで、私の聞きたいのは、地区計画というのは0.5ヘクタール、開発事業で対応している地主さんなんか相続のためにやりますよね。それをもって地区計画と言うのであるなら、ここだけはまとまれると。そのときに、絶対に必要なものとして道があるんだと。そんなところに公園なんか基盤整備として入ってくる余地ないんだから。道があるんだといった、そこをはっきりさせなければ、もともと、練馬の例で言う12ヘクタールは私は何か汗をかいたと思えない。幹線道路が四つあるところで、たまたまラッキーでやったとしか思えない。それなのに、事上鷺宮については、シャワーを浴びせるごとくのヒントが与えられていませんよ、これ。こういった狭い地域でも地区計画は可能なんですよと。現実問題、相続のときしか起こり得ないようなものなのか、そうじゃないものなのかというようなことも、明確に答えられる準備がやはり担当部局でなければ、何回話しに来たって無駄だからやめなさいになっちゃいますから。いや、小さいものを重ねていったら、やっぱりうちのほうも一緒になって頑張ろうというようなものをつくっていかなければいけないと私は思います。残念ながらお話のやりとりの中で、こんな小さい地域でも地区計画はできるんだと。しかしながら、区画整理を外すことについてとは別だけどねという。みんなまちをよくしようと思っているんです。ただ、上鷺宮には、もう絶対にあなたは地下はつくっちゃいけませんよ、2階建て以上つくっちゃいけませんよ、しっかりした建物は建てちゃいけませんよという網がかかっちゃっている。全体的には少数派意見なんですけど、そういう人たちを救うったって、一気に救おうと思うから、私は何回挑戦してもはじき返されちゃうんだと思う。次の方便を必ず見つける努力をしっかりしていただきたい。それで、私が質問したら、萩原課長がぱっとすぐに、怒濤のような答えが返ってくるというふうには到底見えない。東京都との相談においてというふうにしかどうしても受け取れない。ただし、地域がまとまれば、中野の都計審を動かしてというやり方があるんだというモデルを研究していただきたい、そのように思いますが、いかがですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 大変難しいお話ではございますけれども、やはり上鷺宮の地域を全体を一度にすべき区域を外すのではなく、部分部分でというようなお考えかと思いますけれども、それについても今後前向きに検討していかなければならないし、また、東京都に対しても、そういうことについてつい先週も相談に行ったところでございます。また、関連する同じような周辺区部で同じ問題を抱えている区の担当者とも情報交換をしながら、より具体的、適切な方法、また、ガイドラインの運用等について東京都に働きかけるなど努力をしてまいりたいと考えております。
○篠委員 担当部局が勉強不足じゃあ、地域に行ったってだめですよ、これは。勉強不足ったって、9,000ヘクタールもあるところの250ヘクタールしかクリアできないということ自体、東京都も何とかならないのかというような代物だと私は思いますし、違う行動のとり方も併用して考えなきゃいけない部分もあるんだと思います。
 それで、服部参事が仕切ったときの最初の第一声で215号線というのが挙げられたんですね。それで、今度は荻原課長もおっしゃるように、西武線の立体交差化というのは野方まで、野方から井荻までについては立体交差化も目標設定の中に入れていただけたと。ところが、野方までのいいところは、沼袋にしても、道路の都市計画決定が外されているんです。ところが、野方から井荻までについては215号線あり、そして、大和町から鷺宮、ウイルソンのあの踏切を通る227号線ありなんです。都市計画決定自体は、その間に133、中杉通りがある。あれは都が施行すればいいんですが、この227と215号については区が施行しなきゃいけない。そして、服部参事のときに地域で聞かされたのは、土地区画整理と今回の地区計画策定によっては215号は廃止できません。土地区画整理とは別な性格な都市計画制限だからです。ただし、将来的に地域の皆さんの要望を踏まえ、計画変更も含め、まちづくりの一環として東京都に働きかけていくことも可能ですと。これは状況が変わっちゃったですね。というのは、西武線の立体交差化によって道路の基盤整備というのは課せられています。恐らく誠実に対応いたしますと、地域の合意も誠実に対応いたしますということでとれましたということで、クリアできるとは思いますけど、じゃあ、227にしても215にしても、今の踏切を渡るところの距離は何メートルか、そして、何メートルにしろという都市計画決定なのか、それを教えてください。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 都市計画道路補助215号線並びに都市計画道路補助227号線の計画幅員は16メーターでございます。
○篠委員 じゃあ、きっと、前の答えはしないところを見ると、わからないんだろうね。現在は16メートルに対して何メートルありますか。わからないですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 すみません。詳細な現在の道路幅員はちょっとつかんでおりません。
○篠委員 私のほうで、大和町のみずほ銀行だったか歯医者さんだったか、あそこから実際どのようになっているかと思って、あそこから入ってきのうは帰ってきたんですけど、16メートルだとまちがなくなっちゃいますよ、あそこ、大和町。いや、そうじゃなくたって商店街は追い込まれているのに、ブルドーザーのように16メートルばあっとやっていったら、大和町死ねというようなものだ。そういう、誠実に対応いたします以外の答えが私はあるとはとても思えない。そういったところについて、その二つの道路は、133号と違って、133号ですら第3次までもつれ込んで、いまだに対応できていないんですけど、中野区が対応するのか、東京都が対応するのか、それすら地域は理解できていない。いかがですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 現在、都市計画道路補助215号線及び227号線については、第3次事業化路線になっておりませんので、明確な事業主体が都もしくは区というのは決定しておりません。そのために地域の住民の皆様は、どちらが施行者になるか認識していないというのは当然じゃないかというふうに思います。
○篠委員 そして、西武線の立体交差化の話はそれと連動において進めてくださいという条件つきであるわけですから、私はやはり誠実に対応いたしますという答え以外はないんだと思う。具体的に何かありますか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 連続立体交差事業につきましては、御存じのように、単に現存する踏切除却による道路渋滞の緩和にとどまらず、広域的な道路ネットワークの整備やまちづくりの課題の解決など総合的な事業効果が求められております。こうしたことから、補助215号線や補助227号線等の整備も視野に入れたまちづくり計画を策定していく必要があるというふうに認識をしております。
○篠委員 認識して、どうしたんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 補助215号線や227号線の整備も計画の中に盛り込むことを検討していくということでございます。
○篠委員 それ以上の答えは東京都にも申し上げられないんだと思うんですが、ただ、拠点まちづくり推進室の主要施策の成果を見る限りでは、都立家政駅・鷺ノ宮駅周辺まちづくり構想たたき台を策定しましたと19年度については書いてあるんですが、要するに中井から野方までのたたき台の構想と同じようなものが平成19年度の成果としてでき上がったという理解でいいんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 はい、そのとおりです。
○篠委員 ということは、227号、215号についても、要するに地域の腹は決まったということも含めてまちづくり構想は策定しましたと、こういう理解なんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 あくまでも構想、これはたたき台でございますので、これをもとに今後、地域の住民の皆様の御意見をお聞きしながらまちづくり計画を策定していきたいというふうに考えております。
○篠委員 じゃ、たたき台というのは、野方だとか沼袋だとか新井の地域の方々がやり切った、そして、地域挙げて、議会挙げて、中野の姿勢として評価されたというところまではまだいっていないというたたき台ですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 このたたき台につきましては、これまで区の検討、それから地域のまちづくり勉強会の皆様との意見、それから住民説明会等をした上で、たたき台として今、区として提示しているものでございます。
○篠委員 提示して、どうするんですか。いつまでにたたきが取れるんですか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 このたたき台をもとに、今年度計画素案、来年計画案、再来年度にはまちづくり計画ということで、西武新宿線沿線のまちづくりの上位計画として固めていきたいというふうに考えております。
○篠委員 上鷺宮の問題につきましては、今のやりとりを見てもおわかりのように、すぐに打てば響くようにお答えできない部分がある。担当部署自体がそういう状況に入っているわけですよ。ですから、私は従来から全部一遍じゃない方式を探れということも申し上げていますが、そういった中で、ぜひわかりやすいことを発信し、また、お話し合いをするのであれば、私は破壊的な話し合いをしているとは絶対思わないです。初めて行った人はびっくりしちゃうかもしれないですけど、地域を区切らないから、自分たちのことが怒濤のように質問として浴びせかけられるので、切り口を見つけづらいわけですから、事切り口を絞ったときにはしっかりと対応できるように、担当部署も頑張っていただきたいということを要望いたしておきます。
 その他で幾つか聞きたいんですが、人件費について、状況からお話しいただければと思います。
○合川人事担当課長 人件費の状況というのは、具体的にどういう形で。
○篠委員 人件費の状況ですよ。
○合川人事担当課長 今年度決算、人件費につきましては、総額267億4,000万円余の支出がございました。
○篠委員 主要施策の成果で言うと7ページ。今言った数字は……。
○合川人事担当課長 7ページの義務的経費の人件費の総額が267億4,168万2,000円ということでございます。
○篠委員 それで、現在、平成26年度を目標に2,000人体制という体制を組んでいるわけです。現在は、ここで言う人件費に入ってくる人数は何人ですか。
○合川人事担当課長 現在の人数でございますけれども、4月現在、2,496名の常勤職員ということでございます。
○篠委員 そして、その中に退職したばかりの方は入っていらっしゃいますか。
○合川人事担当課長 2,496名の中には入ってございません。
○篠委員 その方々は再任用とおっしゃるんだと思うんですが、何人ぐらいいらっしゃいますか。
○合川人事担当課長 4月現在、107名でございます。
○篠委員 それで、退職した後、退職する人というのはそんなに、500人退職しちゃったなんてことはあり得ないわけで、退職した人は何人ぐらいいらしたんですか。
○合川人事担当課長 19年度につきましては、定年退職者が79名、その他の退職者が50名程度でございます。
○篠委員 これで、退職した人の中で、中野区に残りたいという希望を出された方は何人ですか。
○合川人事担当課長 19年度につきましては、79名中49名ということでございます。
○篠委員 全員選考されましたか。
○合川人事担当課長 全員は選考されてございません。
○篠委員 賃金の体制なんですが、この方々は賃金体制はこの人件費の中に入っているんですか。
○合川人事担当課長 給与でございますので、人件費の中に入ってございます。
○篠委員 人数に入っていないで、何でお金だけ入っちゃうのか。
○合川人事担当課長 人件費の人数の中には、この退職者の再任用職員についても入ってございます。
○篠委員 じゃあ、その方々も入っている。現在は今までの、要するに更新というのがあると思うんですね。更新というのは、63までは黙っていても更新だよというのか、それとも毎年更新なのか。そして、63を過ぎた場合は、64までできるのか、65までいていいのか、そういったものにも触れてお答えください。
○合川人事担当課長 再任用職員につきましては、毎年度選考ということでございますので、選考の上、現在経過期間中でございますが、今年度退職者については64まで、経過期間が終わった21年度末退職者からは65までということで任用可能期間ということでございます。
○篠委員 2,496人の中で、もう一回聞きたいんですが、これで再任用の人も入っている、数字をもう一回教えてください。
○合川人事担当課長 2,496人プラス120人ということでございます。
○篠委員 じゃあ、結局2,616人ということね。
○合川人事担当課長 2,610人ということでございます。
○篠委員 何か数字が、ちょっと足し算が合っていないみたいですけど、大体合っている。そして、お金ですが、区の職員というのはかなり、大変いただいているという、平均的にするという、平均給与。されど、退職金も含めてそれはお話にのっているんだよという話があるんですが、この退職金も含めた平均給与というのは、中野区の場合はお幾らですか。
○合川人事担当課長 すみません。ちょっと数字を持ってございません。
○篠委員 そうしましたら、わかるようにしておいてください。それと、再任用の方は、1週間正規の職員の方とは違う勤務状況になっているのか。正規の職員の方自体でもそう長くは働いていないんですけど。再任用の方はそれに比べて1週間に1回しか来ていないよというのであるのか、いや、正規の人が月火水木金、5日来ていれば、4日来ているよと、ほぼ同じに来ているよというのか、その辺はどうですか。
○合川人事担当課長 再任用職員につきましては、32時間ということでございますので、正規の職員が週40時間ということでございますので、1日少ないということでございます。
○篠委員 1日少ないだけで、給料は何分の1ぐらいになるんですか。
○合川人事担当課長 再任用短時間勤務職員の給料につきましては、19万7,120円でございます。
○篠委員 半分ぐらいになっちゃうんですね。そして、そのほかに、人件費の中にアルバイト料は入っていますか。
○合川人事担当課長 アルバイト料につきましては、賃金でございますので、人件費の中には入ってございません。
○篠委員 それで、これ、平成26年を目標に2,000人体制、かなり厳しいと思いますよね。弾力的運営というのを考えていらっしゃるのか。そして、事2,000人体制ということについては、さほどこだわっていないということなのか、一、二年おくれてでもやってのけようと思っていらっしゃるのか、その辺に触れてお答えいただきたいと思います。
○合川人事担当課長 2,000人体制につきましては、新しい中野をつくる10か年計画の中で2,000人体制という形で目標を定めてございます。ことしの3月に策定をいたしました2,000人体制へ向けての方策の中でも具体的な道筋を示して、10年後には2,000人体制をつくるということで、これにつきましては、私ども誠心誠意努力をいたしまして実現をしたいというふうに考えてございます。
○篠委員 2,000人体制という形は、ほぼレールが敷かれたという流れの中でやっているんですが、あまりこだわり過ぎますと、地域とあつれきを生じるといったような部分が出てきたのでは、これは誠実な対応とは言えない。そういった意味で、理解を得ながら着実にという形でぜひ対応していただきたいと思います。
○合川人事担当課長 先ほどの常勤職員と、それから再任用職員合わせた数でございますけれども、2,603名ということでございます。訂正をさせていただき、おわびいたします。
○篠委員 あと、財政白書は相澤課長かな。ここで言う人件費は数字が違うんですが、これはどういうことですかと区民の方に質問されたら、どのようにお答えするんですか。財政白書の68ページでは237億何がし、30億数字が、これについては、区民の方が区の数字であって違うという簡単な疑問を投げかけられたときに、いや、それはこうなんだと、区民の方に易しくお答えできるような準備はありますか。
○相澤経営分析担当課長 お答えいたします。主要施策の成果に載っている最初の人件費の数値、これは現在の官庁関係の現金主義、つまり、現金の収支の数値でございます。人件費につきましては、実際に平成19年度に支払った金額を示しているものでございます。委員御指摘の財政白書は、行政コスト計算書、ここの人件費につきましては、発生主義に基づく企業会計的手法に基づいてコストを入れております。具体的に言いますと、違いは退職金の部分の把握のものでございます。官庁会計では、退職金につきましては、退職金を支払ったときに初めて全額費用と認識いたします。行政コスト計算書、発生主義会計では、勤務年数にわたって発生の費用を把握するという点で、そういう点から主に退職金の部分、そういった差額が出ているものというふうに御説明いただければと思っております。
○篠委員 わかりました。ちょうどお昼ですので、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了いたします。
 暫時休憩いたします。
      午前11時58分休憩

      午後0時59分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 平山英明委員、よろしくお願いします。
○平山委員 平成20年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。
 質問は、通告のとおり、1番目にごみの問題について、2番目に子ども関連施設等について、3番目に教育行政について、4番目、防災対策について、5番目、消費者行政についてです。6のその他はございません。初めての総括質疑となりますが、一生懸命やりますので、どうか理事者の皆様には誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 ごみの問題について、初めに、ごみの減量について伺います。最初に申し上げますけども、私はごみの減量自体には賛成でございます。方法の是非は別ですけども。
 平成19年度のごみ減量費は、予算現額38億3,893万円に対して執行額は37億3,950万6,877円となっています。これに東京23区の清掃一部事務組合の分担金が入っているのはなぜなんでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ごみ全体にかかわります経費、これにつきましては、収集・運搬、それから資源化にかかわる経費、それから清掃工場での焼却、これは23区でそれぞれ分担金を拠出するという形になってございます。中野区につきましては、それらトータルで大体50億強が執行額となってございます。一部事務組合の分担金につきましては、約12億というふうに認識してございます。
○平山委員 質問は、全体ではなくて、目のごみ減量費の中に入っているのはなぜかという質問なんですけど、もう一度御答弁よろしいですか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ごみ処理全体の組織上の問題として、ごみ減量担当のほうで一部事務組合分担金、それも所掌してございます。そうした意味から、こちらのほうに記載をさせていただきました。
○平山委員 分担金というのが実際にごみ減量費につながる経費なのかどうなのかと思ったものですから、質問させていただきました。
 区は今回、答申を受けまして、ごみの有料化ということについてどのようにお考えなのか、お考えを伺えますでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ごみゼロプラン06でもお示ししていますように、中野区としては積極的にごみ減量を進めていかなければならないというふうに考えてございます。そのために、発生抑制などにつきまして、3R運動、そういったものを積極的に進めるとともに、あわせて資源化を推進していかなければいけないということで、プラスチック製の容器包装、これを資源として回収する、あるいはペットボトルにつきましては、この10月1日から拠点で回収するという形で、中野区の立場として、清掃工場が所在しないという、そうした事情も含めまして、積極的にごみ減量に取り組んでいかなければいけない、そのように認識してございます。
○平山委員 すみません。質問に対して御答弁をいただきたいんですが、ごみの有料化について答申を受けて、どのように考えているかという質問なんですが。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 せんだって答申をいただきました。答申では、ごみを減量する大きな手だて、有効な方策として、家庭ごみの有料化、これがふさわしいと、そういう内容の答申でございます。中野区としてはこれまでも、10か年計画あるいはごみゼロプランの中で有料化につきましては掲げさせていただきました。この答申を受けながら、家庭ごみの有料化につきましては取り組んでいかなければいけない重要な課題だというふうに認識してございます。
○平山委員 有料化ということがごみの減量に本当に効果があるということが立証されていますか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 私どもが把握しているところでは、全国の市町村、そういったところで、有料化をすることによって大幅にごみ減量効果が生まれたというふうに認識してございます。したがいまして、私どもの考えとしては、有料化というのは一段とごみ減量を進める上での重要な方策かなというふうに考えてございます。
○平山委員 答申を見ても同じようなことが書いてあったんですが、具体的な事例があんまり挙がっていないようにも思ったんですが、全国で数多くの自治体が実施をして、大幅な減量効果が得られたというようなお答えだったと思うんですけど、もう少し具体的な、数値も含めて、根拠をいただけますか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 具体的に区としての検討はこれからでありますが、審議会の審議の経過の中での議論でございますが、多くの自治体で有料化をすることによってごみ減量が図られた。ただ、一時期は有料化によってごみの減量が図られましたけれども、いわゆるリバウンドという効果も無視できない。こういったことを回避するためにさまざまな工夫が必要だと、そういったことも審議会の中で議論をされてございます。答申の中でも、そういったものを回避するためには、手数料の問題あるいは併用策、こういったものを含めた、有料化を含めたトータルとしてのごみ減量施策が必要だと、そのように審議会でも答申でまとめられてございますので、私どももその答申を受けた上で、そういったことを念頭に置きながら、実施に向けた検討が必要だというふうに考えてございます。
○平山委員 多くの自治体で実施をされたという表記が載っていました。全国の自治体の何%が実施をしているという表記が載っていました。それに対して、ごみの減量化に成功したのは何%かという表記は載っていないんですね、私が答申を見る限りでは。そういうことをお聞きしていたんですけども、多分お答えになれないのかなというふうに思いますので、そういうことも含めて、この答申を見る限り、ごみの減量ということに対して、有料化というのが果たして効果があるのかどうかという実証がされているというふうには、今の答弁をお聞きしてもちょっと思いがたいのかなというふうに思います。
 区長は本会議におきまして、ごみの有料化についての質問が幾つかございましたけども、その中の答弁で、有料化はごみ減量につながるということと、もう一つは負担の公平性ということを挙げられていました。答申は、先ほど申し上げたとおり、有料化によりごみ減量が進むというふうにしていますけども、示されたデータを見ますと、そうではないような内容のものがあるようにも思えます。例えば不法投棄やフリーライドなどの問題もありますけども、先ほど話も出ました代表的な問題として、リバウンドの問題が指摘をされています。有料化のごみ導入直後はごみが減量しても、数年でリバウンドする、戻ってしまうという事例なんですが、これについて、これは答申の附属資料の25ページにある資料です。リバウンドを説明しつつも、結局はごみ減量につながるという根拠を示すグラフなんですが、詳しい数値は載っていませんけども、年々ごみ量がふえていく。それに対して、有料化を行うことによって一度減るんですが、そこからリバウンドをするという形になっています。しかしながら、同じ答申の附属資料の8ページにあります中野区のごみ排出量の推移を見ますと、事業系のごみを除いたごみの排出量は、平成11年から毎年減っているように見えるんですけども、実際にはこれ、家庭ごみの排出量というのはふえているんでしょうか、減っているんでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 区が収集しますごみは、家庭から排出されるごみ、それから事業所から排出されるいわゆる事業系ごみ、この2種類でございます。これらにつきましては、収集は一緒に収集をするということで、なかなか家庭から排出されるごみだけを抽出することは難しゅうございますが、区が収集するごみということで申し上げますと、年々減ってございます。
○平山委員 今の答弁のとおり減っているとした場合、答申の中には、実際に詳しいごみの数値が書いてありましたけども、本来であれば、同じ答申の附属資料なので、それをもとに表をつくられたらよろしいんじゃないかと思うんですけど、なかったもので、私はつくってまいりました。中野区のごみの排出量は平成11年から年々減っています。それをベースに考えると、一度有料化によって減って、リバウンドをすると戻っちゃうんですね。これは何年に戻るかというようなことは、このもとデータが、数値がありませんので、申し上げられないんですけども、この図についてどうお考えになりますか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 その図表のリバウンドの考え方でございますが、有料化の実施時には減量の傾向が大きく、その数年後、減量の寄与率が鈍化します。その後、その鈍化した寄与率の傾向は、ごみの有料化前と同傾向を示すということが予想されます。一たん減少した後の傾向なので、減量の効果はあるものと考えてございます。なお、中野区がこれまで右肩下がりでもって減少してきた、これは、これまでさまざま、3Rを中心とするごみ発生抑制の取り組み、先ほども申しましたが、資源化の取り組み、そうした積極的な取り組みの効果によるものということでございます。この10月から、御案内のとおり分別区分の変更、それからペットボトルの拠点回収、こういったことで一連の減量化施策が一応そこで大成するというか、でき上がる。その後、これが右肩下がりでずっと減少していくかということにつきましては、私どものこれからの努力にかかってくると思いますが、これまでみたいな形での減少というのはなかなか難しいのかなというふうに考えております。
○平山委員 表は、あくまでも数年前からずっと上昇しているという表記なんですね。その前には年々減少しているというグラフがあります。一つは、そもそも同じ答申の資料の中でつくられるのであれば、もちろん区が直接つくられた資料ではありませんから、お答えになりにくいとは思いますけども、どうしてああいうグラフになったのかなと。そういった意味で、この答申自体を読んでいくと、どうも有料化ということにつなげたいように読めなくもないということを一つちょっと指摘させていただきたいと思いますし、なかのごみゼロプランを考えますと、ごみに関する施策が一応終了したというふうに申し上げられていますけども、この後のごみの有料化を導入するだけでごみゼロプランというのは達成できるんですか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 家庭ごみの有料化をすることによって、一段のごみの発生抑制、減量化に結びつく、そのように考えてございます。
○平山委員 一たん終了したとおっしゃいまして、次の施策が家庭ごみの有料化というふうに検討されていると。ただ、中野区ごみゼロプランを読む限り、それだけでは達成できない目標だというふうに書いてあるというふうに思います。当然、区としても、ごみの有料化以外にもこれから施策を続けていかなきゃいけない、ごみ減量に対して。そうであるというふうに私は認識をしているんですけども、それでよろしいんでしょうか。そうなると、ごみが、先ほど、施策が一たん終わったので、これからごみが減るとは限らずというような御答弁がありましたけど、もう一度御答弁いただけますか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 家庭ごみの有料化は、ごみ減量施策の有力な一方策というふうに考えてございます。
○平山委員 もうあまり幾つもするのもあれですけども、要は、有料化以前に、ごみ減量のために区として取り組むことがあるのではないかというふうに思っています。今回やられる新しい分別方法もそうであると思いますし、また、現在行っていらっしゃる回収作業よりも、よりきめ細やかな回収、例えば戸別回収などを行う体制をつくることなどによって、ごみを出すことへの区民の皆様の自覚というのは深くなっていくんじゃないかというふうに思われます。区民の自覚があって、施策の効果につながるのだと思いますし、ごみ減量というのはそもそも区民の皆様の協力なくして実現できるものではありませんので、いわゆる負担を強いるようなやり方ではなくて、サービスを向上させることによって、まず、区民のごみ減量への意識向上を図るべきというふうに私は考えるんですが、今申し上げました戸別収集の回収を行う体制など、さらなるごみ回収に対する区の積極的な施策の必要性も含めて、御答弁いただけますでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 きめ細かな対応が必要だというふうに私どもも考えております。サービスを向上させ、それから、ごみに対する区民の認識を高めていく、そういった取り組みもこれまで以上に一生懸命やっていきたい、そのように考えております。
○平山委員 ぜひ、有料化ありきではなくて、そういう、区としての新しい取り組みを御検討いただきたいというふうに思います。
 次に、使用済みの注射針の回収についてお伺いをいたします。
 糖尿病の方々が自宅でインシュリンの注射を打つ際に発生する使用済みの注射針、これの回収について、区のホームページでは「お近くの薬局で使用済み注射針の回収をしています」というふうに掲載をされています。この使用済み注射針の回収に区は幾ら予算をつけて、どのような事業を行っていらっしゃいますか。
○齋木清掃事務所長 お答えします。予算措置の有無についてのお尋ねですが、特に予算措置はしておりません。
○平山委員 中野区の薬剤師会が自主的に行っている回収事業、こういう回収箱を患者さんにお渡しして、そこに使った針を入れていただいて、薬局に持ってきていただくというようなものでございますけども、これに対して区は幾ら補助を行っていらっしゃいますか。
○齋木清掃事務所長 費用補助のほうもしてございません。
○平山委員 この注射針、御家庭から出される場合は一般廃棄物として出される危険がございます。この一般廃棄物として出される危険がある使用済みの注射針の回収に対して、区はきちんと予算措置を行って、責任を持って医療廃棄物として回収すべきだと思いますけども、いかがでしょうか。
○齋木清掃事務所長 ほかにも危険物の収集は行っているところでございますが、注射針の特殊性を加味する必要性はあると認識してございます。区民や作業職員の事故、危険防止の観点から、薬剤師会等との協議をし、適正処理の確保と収集体制のあり方について検討してまいりたいと考えております。
○平山委員 今すぐにでも本来であればこの事業を行っていただきたいというふうに思うものなんですけど、この注射針によって、実際に清掃職員の方が事故に遭われているという事例がたくさんございますけど、恐らく御存じだと思いますけど、アメリカではこの使用済みの注射針によってエイズが感染して、死亡していらっしゃるような実例も出ています。いろいろ調べますと、この注射針から感染症にかかってしまうというような危険性もかなり指摘をされているところでございます。
 中野区の薬剤師会は、実は東京都からこれまで回収作業に対して補助が出ていたんですが、それが昨年なくなったことによって、これまで患者に渡していましたこちらの使用済み注射針の専用の保管容器、この費用の捻出が今、非常に難しくなっていて、飲んだ後のペットボトルに張るシールに変えて、今、事業を行うというふうになさっているというふうに聞いておりますけども、ペットボトルの種類によっては針が飛び出すような危険も当然ございますし、ペットボトルになるということは容器は自分で用意しなきゃいけないわけですから、当然回収効率も落ちてくるのではないかというふうに懸念をしております。区は、先ほど申されましたが、清掃職員や区民の生命・安全を守るために、まずは中野区薬剤師会が行う回収事業を支援して、その上で、最終的に区として責任を持って回収すべきと改めて申し上げますけども、いかがでしょうか。
○齋木清掃事務所長 答弁が重複するかと思いますが、そうした事例を踏まえまして、今後、薬剤師会等の関係機関との協議をして、適正処理の確保、そして、収集体制のあり方に万全を期したいと、このように思っております。
○平山委員 やるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○齋木清掃事務所長 当然、事故防止や危険防止というのを第一に考えなきゃいけないと、こういうことを思っておりますので、そのような方向に検討してまいりたいと、このように思っています。
○平山委員 本当に生命にかかわる問題でございますので、早急な対応を求めさせていただきまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、子ども関連施設等について伺います。
 初めに、児童館について伺います。
 子ども家庭部は平成19年度に子どもと家庭を支える地域づくり方針を作成して、今後の子育て支援と施設についての基本的な考え方を示しました。区内4カ所へ地域子ども家庭支援センターを設置し、その下に中学校区9カ所へのU18プラザの設置、さらに、学齢期の子どもたちのために小学校施設を活用したキッズ・プラザ事業、乳幼児期の子どもと父母のためには保育園や幼稚園などと連携した乳幼児親子の交流広場支援の場を計画されています。一方で、新しい中野区をつくる10か年計画では、児童館を学校再編とあわせて順次再編を進め、新しい児童館は、音楽や演劇、創作活動などの子どものニーズや地域の特性を生かした事業を行うとともに、育成者への研修や子育て相談の支援を行う児童館として新たな展開を進めますというふうにあります。また、中高生が利用しやすい児童館への機能拡充として、大和児童館を中高生館とすることが示されております。
 そこで伺います。この二つを見る限り、新しい児童館というものと中高生館というのがございますけども、これは別物のようにも思えますけども、10か年計画の中にある中高生館として設置をされるU18プラザというのは大和児童館のみでよろしいんでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 お答えいたします。中野区の10か年計画においては、中高生館として大和児童館というのを指定しておりました。昨年度、子どもと家庭を支える地域づくり方針というのを策定いたしました。その中で10か年計画の考え方を補強いたしまして、平成24年以降に南中野児童館と大和児童館を中高生館として整備するということにしてございます。
○平山委員 10か年計画が変わっちゃったという認識でよろしいんでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 いえ、10か年計画としてはそのままですから、それを補強したという形でございます。
○平山委員 もう一つ、それ以外のU18プラザというのは、これは10か年計画に書かれているところの新しい児童館として設置されると考えてよろしいんですよね。
○浅野子育て支援担当課長 10か年計画でお示ししてあります新しい児童館、これを具体化したものがU18プラザでございまして、子育て相談、あるいはまた地域活動の支援といった子育て支援の新たな展開を行っていくということで計画したものでございます。
○平山委員 ということは、U18プラザというものは区内9カ所、中学校区に設置をされる予定ですけども、そのうちの二つが10か年計画に言うところの中高生館で、残りは10か年計画で言うところの新しい児童館という認識でよろしいんでしょうか、改めてお尋ねします。
○浅野子育て支援担当課長 U18プラザ自体は広く、要するに児童館機能をさらに展開するということで、乳幼児から中高生を含めた形を展開しておりますので、10か年計画のほうで先ほどお示ししました中高生館を含めた形で、区内9カ所としてU18事業を展開していくものでございます。
○平山委員 先ほどの御答弁で、10か年計画で言うところの中高生館は大和児童館と、それで、もう一つつけ加えて南中野児童館ということをおっしゃっていたと思うんですが、それでよろしいんでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 そのとおりでございます。
○平山委員 U18プラザ事業を行うに当たって、児童館条例というのは変更されますか。
○浅野子育て支援担当課長 U18プラザといいますのは児童館事業の一つの形態として考えておりますので、児童館条例の改正は行いません。今後も児童福祉法上の児童館として位置付けをしていくものでございます。
○平山委員 ということは、U18プラザ事業を行う施設は児童館ですね。
○浅野子育て支援担当課長 そのとおりでございます。
○平山委員 最後になりますが、U18にそれでは展開されない児童館がどうなるのかと。ほかの施設への転用とか売却を考えるのではなくて、私は、中野区が安心して子育てができるまちであり続けるためにも、これらの児童館、これはこれまで以上に機能を充実して、乳幼児期、未就学児や母親の子育て支援と交流の場として活用すべきだというふうに思いますけども、いかがでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 先ほど委員からのお話のありました子育てひろば事業などの展開につきましては、きょうからオープンしております地域子ども家庭支援センター、そちらのほうが全体的な調整ですとか運営支援を地域で行っていくという予定でございます。また、いろんな形で児童館が廃止等された後でございますけども、事業展開につきましては、児童館跡も含めて社会資源の有効活用について検討していきたいというふうに考えております。
○平山委員 これまで区内で27カ所小学校区にあった児童館が、中学校区の9カ所にある意味その機能を集約するということで、中高生は非常にある意味行動範囲が広いですから、先ほどの御答弁によれば、区内の2カ所に中野区のいろんな場所から来るというのは可能かと思うんですが、乳幼児期のお母様方というのはベビーカーを押して行かれますので、そんなに行動範囲が広くないという中で、児童館というのは非常に、特に乳幼児期を抱えたお母様方にとっては交流の場として活用をされているというお話をよく聞きますし、あるお母さんが中野区に転入していらっしゃって、実は児童館で新しいお友達を、周りに知っている人がいないので、見つけようと思っているんですというような話もされていらっしゃいました。そういった意味でも、先ほど申し上げましたとおり、この残りの児童館につきまして、これまで以上に子育て支援の場として活用していただくことを重ねて申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、私立保育園と幼稚園の耐震化についてお伺いいたします。
 文部科学省は、私立学校施設の耐震化の推進は緊急の課題だとして、東京都も今回の補正予算の中に私立小・中学校の耐震診断への助成を盛り込んで、私立学校の耐震化促進に乗り出しました。そこで、お尋ねをいたしますが、区内の私立保育園・幼稚園の耐震化の状況というのはどういうふうになっていますか。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 2008年4月現在でございますが、区内の私立保育園、これは認可外を含めて全体で17園ございます。そのうち、既に耐震診断等はすべて終わってございまして、改修済み、そしてまた改修予定、改修が不要である、これにつきましては、建築基準法の改正によりまして、新耐震基準でございます昭和57年以降に建築した施設を含めて、これらが全体の約94%に当たる16園ございます。そして、今後改修が必要とされる園が1園ございます。Is値で0.6未満ということで、区立の診断で言うBランクに相当するものでございます。
 続きまして、私立の幼稚園の状況でございます。区内全体で21園ございます。そのうち、耐震診断を既に済ませまして改修が済んでいるところ、また改修が不要であるといったところが全体の約3割の7園、それから、今後改修が必要とされる園、Is値0.6未満ということで、これが5園、それから、今後耐震診断等を見込んでいる園が全体で9園ということでございます。
○平山委員 その耐震改修の際に財政支援というのはあるんでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 まず、私立保育園の耐震診断、それから、耐震化工事の設計、工事費用などの経費でございますけれども、これは国の交付金、それから補助金等がございますので、それらを活用しながら、法人の意向も踏まえながら、支援の方法や範囲について検討していきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 現在、中野区としては財政支援はあるんでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 現在、中野区では、中野区民間保育所施設整備費補助に関する要綱、これを定めておりまして、これにつきましては、次世代育成支援対策施設整備交付金、この交付を受けた事業につきまして、中野区としてそれに加えて補助をするという制度がございます。
○平山委員 中野区としてそれに加えて補助をする、その補助率というか、補助額というのを教えていただいてよろしいですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 これにつきましては、国のほうで定めます交付金の基礎点数というのがございますけれども、それに2,000を乗じて得た額、これを全体として補助するということでございまして、このうち1,000点分につきまして交付金ということでございます。これの500点分につきましては中野区の補助と。これを超えて補助する場合、都の補助が8分の1、それから、2,000点補助しますと、残りの250点、つまり、中野区の補助としましては8分の3の補助ということになります。
○平山委員 同じ区内の私立園に通う生徒さんと公立に通う生徒さんに対して、安全ということに対して公私の格差があっては絶対にならないというふうに思っておりますので、区としても、今後も耐震の改修に対して積極的な支援をより進めていただきたいなというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 中野区といたしましても、私立保育園に通うお子さんにつきまして、安全確保という点からできる限り支援をしていきたいというふうに思ってございます。
 それから、さっきちょっと答弁漏れがございました。私立幼稚園の施設整備の補助につきまして、これにつきましては、東京都の私学助成等の事業の中の私立学校安全対策促進事業費補助の対象になってございますので、区としての補助は考えてございません。
○平山委員 先ほど申し上げました子どもの遊び場事業に関連して、今後、私立保育園とか幼稚園が乳幼児親子の交流支援事業の場所として利用される計画になっているというふうに聞いています。その場所が耐震性に不安があってはいけないとも思いますし、ましてや区の事業を委託で行う形だというふうに聞いておりますけども、そういった場所でありますので、区としてはなおさら安全確保に責任を持つべきだというふうに考えます。今後、耐震も含めた安全の対応についてしっかりとした形での対応を求めさせていただいて、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、教育行政についてお尋ねをいたします。
 主要施策の成果によりますと、学力向上アシスタントを増員して、児童・生徒一人ひとりを学ぶ意欲と確かな学力の向上を図ったというふうにございます。一方で、全小・中学校の児童・生徒を対象にした学力調査が行われておりますけども、これが平成19年度で導入から4年を迎えまして、そのデータが蓄積されております。調査の結果を見ますと、国語は話す力、聞く力、書く力において、中学校1年生時に目標値に達した生徒の割合が急に少なくなっておりまして、また、数学と理科については、中学校に入って年々目標値に達した生徒の割合が減少しています。学力アシスタントの効果が調査の結果にはあらわれていないように思えますけども、この点について教育委員会はどのような分析をされていますでしょうか。
○入野指導室長 いわゆる小学校から中学校への学習等におけるギャップについては全国的な傾向でありますが、中野区においても同様の傾向が見られております。区独自で教員免許や教員免許取得を今図っている者を学力向上アシスタントとして配置するということにつきましては、18年度までの調査結果等をもとに、小学校の算数、中学校の数学というところの中で少人数指導の充実を図るために、19年度初めて配置を行ったものでございます。その成果につきましては、20年度の調査結果におきまして、目標に達した児童・生徒の増加、それから、目標に達していない児童・生徒におきましても、その分布が上に傾き始めていること、また、小学校から中学校への今お話にありました到達度といいますか、達成した生徒の割合の減少傾向というものが緩和されてきている様子が見られ始めておりまして、そのような結果になってきているというところが見えているところでございます。
 なお、20年度の結果につきましては、今定例会の文教委員会で御報告を申し上げる予定になってございます。
○平山委員 20年度の結果につきまして、教育だよりのほうで既に私の家にも届きまして、調査結果が出ております。これも踏まえて、もう一度御答弁をいただいてよろしいでしょうか。
○入野指導室長 今お話をいたしましたように、20年度の結果になりますと、前年度までの状況から比べますとやや状況が好転しておりまして、全体の項目からいいましても目標値に達している割合がふえてきております。
○平山委員 数字としてはそのように見られますけども、依然として特に理数の分野、学力向上アシスタントが一番やるべきというか、そういう分野が、中学校でどんどん理解ができている生徒の割合が減っているという状況もまだまだ見てとれるような状態ではございます。教育委員会はこの学力調査の結果を各教科の目標や内容に照らした学習の実施状況を把握し、区内小・中学校における教育課程の実施状況についての課題を明らかにし、施策及び事業に生かすとしていますけども、4年間でどのような施策に生かされて、その効果がどうだったのかというのをお尋ねいたします。
○入野指導室長 まず、児童・生徒一人ひとりを大切にして、個に応じた指導を充実させるということにおきまして、少人数指導と習熟度別学習を推進してきております。その一つとしまして、19年度から算数・数学におきまして学力向上アシスタントを配置するなどウエートを置いて取り組みをしてきておりますが、さらにそれを広げまして、小学校の理科におきましては、19年度から理科支援員を配置いたしました。中学校におきましては、理科と英語におきまして加配教員が配置されていない学校に学力向上アシスタントの配置を今年度から行っているところでございます。また、小・中学校の急激な格差という部分につきましては、滑らかな接続による教育を推進するために、小学校、中学校の教員の合同の研修を充実させまして、カリキュラムや指導法の改善を図っていること、さらに、授業内容の改善を図るために、教員の授業等資質向上を図る研修の充実を行っておりまして、特に1年目から4年目までの若手教員を重点に置きまして、指導法の研修を体系的に実施しているところでございます。その施策の成果等につきましては、先ほどもお話をしましたように、20年度の学力にかかわる調査の結果に総合的に徐々にあらわれ始めてきているのではないかというふうにとらえております。
○平山委員 この学力調査テストというのは中野区独自の取り組みとしてやられているテストでございまして、先ほども篠委員の質問に対して、全部で3種類のテストがあるけども、全生徒を、全学年を対象にしたテストというのは基本的にはこれだけということで、教育委員会はこれをベースにさまざまな施策の検討をしていらっしゃると思うんですが、一つの問題といたしまして、あくまでも区内の子どもたちだけの状況しか見ることができずに、じゃあ、他区と比べたときに、中野区の子どもたちのいわゆる目標達成度というのが、理解度というのがどのくらいなのかというのがなかなかわかりにくいというか、もともとほかではやっていませんので、比べようがないというようなことがございまして、ぜひとも他区とも比べられるような、そういう成果指標のあり方もしっかりと検討されていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○入野指導室長 国と都の学力にかかわる調査におきましては、限られた学年でございますけれども、都の他区・市との状況もつかめますし、国におきましては、国での状況もつかめる結果になっております。結果的には、児童・生徒一人ひとりには、国につきましても区につきましても、それから都につきましても、その成果は説明を学校から加えるということをしつつ返しておりますので、そのことにつきましては、それぞれの中では解消ができていくものかなというふうに思っております。区としては、それぞれの結果をしっかりと分析しまして、中野区のあり方についても検討していきたいと思っております。
○平山委員 ありがとうございました。
 じゃあ、次の質問に移らせていただきます。次に、防災対策についてお伺いをいたします。
 初めに、防災協定について伺います。
 平成19年度の第2回定例会2日目の9月21日に、我が会派の小林議員より、中野区薬剤師会との災害時の協定の見直しを求めたことに対しまして、区長は、薬剤師会と薬剤協同組合との協定の見直しを早急に行い、新たな協定書締結に向けて薬剤師会と協議を進めていきたいというふうに答弁をされています。当然、平成19年度中にその見直し、新たな協定の締結が行われたというふうに思っておったんですが、今定例会の一般質問で江口議員の質問に対しまして、区長は本年の9月に新たな協定を結んだという御答弁をなされまして、非常に驚いております。そこで伺いますけども、この中野区薬剤師会と災害時の協定の見直しについて協議を開始されたのはいつになりますか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。中野区薬剤師会との災害協定につきましては、他の案件も含めまして、協議を始めましたのがことしの1月でございます。具体的な協定の内容の調整に入りましたのがことしの6月、そして、見直しの協定締結をいたしましたのが9月1日となってございます。
○平山委員 具体的な見直しの内容に入ったのがことしの6月ということで、協議を始めたの自体が1月ということで、かなりの期間ほうっておかれたのかなというふうに思いますけども、実際に交わされた協定書の第7条細目で、この協定を実施するための必要な細目は別に定めるというふうにありますけども、別途定めた細目の内容について教えてください。
○志賀危機管理担当課長 中野区薬剤師会との協定第7条に規定する細目につきましては、定めてございません。今回の中野区薬剤師会との新たな協定につきましては、現時点において細目を定める必要がないということを双方で確認しているところでございます。また、中野区薬剤師会とは引き続き協議を行いまして、制定について検討を行うということを確認しているところでございます。
○平山委員 細目を定める必要がないと双方で判断をしたというふうにおっしゃっておりましたけども、薬剤師会の方からいろいろお話を伺いましたけども、協定は結んだけども、皆さん、実際に有事の際にどういうふうな具体的な行動をとればいいかというのはよく理解をされていなかったように思いますし、とてもこの協定書を見る限り、細目が必要ないというふうには思われないんですが、細目が必要ないというふうに判断をされたのはどのような理由なんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 これまで毎年災害医療救護訓練等を行っております。また、そういった中で、実際の有事の際の行動につきましても、4師会と協議を行いまして災害医療救護訓練を行っているところでございます。そういったところで、今回の協定を締結した後につきましては、引き続き協定細目について、内容については協議を進めましょうということで確認をしているところでございます。
○平山委員 細目は双方必要ないというふうに確認をされたのに、細目についてこれから協議をされるんですか。
○志賀危機管理担当課長 現時点においての細目を定める必要はないということでの今回の確認でございます。ただし、引き続き協議を行いまして、制定に向けて検討を行っていくということの確認をしているところでございます。
○平山委員 そういう御答弁だと、ほかの協定は細目はどうなっているのかなというのも非常に不安になってまいります。今、震災が起きたというふうに考えたときに、すぐそれに対応できる体制をつくるというのがこの防災協定を結んでいく一つの目的じゃないかというふうに私は考えておりまして、当初は細目は必要なかったけども、これから細目を協議していくというのに、答弁にあまり納得ができないんですが、危機管理というのはスピードが最優先されることでございますし、しっかりとした双方のコミュニケーションというのが重要になってまいります。早急にこれから別途細目については協議をされるということであれば、話し合いを持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 協定の細目につきまして、必要な事項につきまして、引き続き中野区薬剤師会の皆様方とお話し合いを持ちながら進めてまいりたいと思います。また、今後このような対応におくれがないように進めていきたいと思っております。
○平山委員 よろしくお願いをいたします。
 次に、中野区の防災情報メール、河川水位情報について伺います。
 先日、9月28日の16時10分に、神田川の河川水位が基準を超えたというふうにメールが私の携帯にもありました。さらに、同日の20時20分には、妙正寺川の河川水位が基準を超えたというメールがありました。雨はぱらぱらっと降っていた程度だというふうに思うんですが、やっぱりどちらも誤報だったようです。私の記憶するところによると、同じ日を1回というふうに考えますと、メールの誤配信というのは四度目になるんじゃないかというふうに思うんですが、現在のシステムで大丈夫なんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 9月28日の16時10分に神田川末広橋の危険水位、また、20時20分のところで江古田憩い橋のところで危険水位という誤った中野区防災情報メールの配信をしたところでございます。これにつきましては、河川情報システムのエラーによるものでございました。中野区の防災情報メールの配信につきましては、ウェザーニューズと中野区の河川情報をあわせて配信しているところでございますけれども、この河川情報システムにつきましては、区民の皆様方がいち早く情報を入手できる手段の一つでございますので、配信につきましては、十分なエラーチェックをいたしまして今後配信していきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 ということは、現行のシステムで問題がないという理解でよろしいんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 現行のシステムにつきましては、現在、中野区では河川情報システムの精度をより高めるために、更新の準備を進めているところでございます。来年3月にはその運用を開始するとしているところでございます。システムの更新後も、先ほど申し上げましたように、しっかりとしたエラーチェックをした上で誤配信のないようにしていきたいと、このように考えてございます。
○平山委員 この9月28日よりも前の、3回だったと記憶していますが、これはどういった原因だったんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 先ほどお話ししましたシステムエラーがございました。もう1点は、桃園川幹線のシステムが、東京都の下水道のシステムなんですけども、これがずっとエラーの状態でありました。これにつきまして、東京都のほうで調整をして操作をしていたときに、中野区の河川情報システムとバッティングさせているときに人的なエラーで1回、それから、沼袋で今、河川改修工事を行っておりますけれども、このときに機器等の移設をしたことによります人的なエラーが1回ございました。
○平山委員 3回ですかね。あと1回は。
○志賀危機管理担当課長 4回でございますけど、もう1回、その前はやはりシステムのエラーでございます。
○平山委員 そんなに長い期間ではない間に、要するに防災の情報メールというのは、非常に受け取る側にとっては重要なメールですし、あんまりそれが誤った情報が来るというふうに思わないようなものでございますので、遠くに行っていて、中野区の河川水位が基準値を超えたと。川沿いに暮らしていらっしゃる方に関しては確かめようがないですから、やっぱり非常に心配になって、ちょっとどうしたらいいのかなという形で思われるんじゃないかなと。それが誤配信だったということが後で来るので、そうだったのかというふうに思われるのかもしれませんけど、そのまんまでいくとオオカミ少年みたいな話になって、いざ、今、ゲリラ豪雨がいろんなところで続いている中で、また川がはんらん本当にしそうだというときに、中野区の防災からメールが来たけども、もうちょっと待っていれば「誤りでした」とまた来るんじゃないかなというようなことを区民の皆様に思わせてしまっては絶対にいけないことだというふうに思います。システムについて改めて伺いますけども、この際、システムの見直しをしっかりとされたほうがよろしいんじゃないかと思いますけども、いかがでございましょうか。
○志賀危機管理担当課長 先ほども御答弁差し上げましたが、現行のシステムにつきましては、より精度の高いシステムに移行するということで、更新後には、先ほど申しましたように、配信のエラーチェックを行いまして、誤配信のないように皆様方に情報の伝達に心がけていきたいというふうに考えてございます。
○平山委員 精度が高いというのは、エラーに対して精度が高いということなんですか。どういうふうに精度が高いんですか。
○遠山土木・交通担当課長 お答えいたします。ただいま防災担当課長のほうから、河川情報システムの今年度の精度を上げることにつきましてお答え申し上げました。具体的には、ただいま河川情報システムで使っている機器が、物によっては12年というかなり老朽した機器もあること、それから、17年の例の9月4日・5日の大雨で緊急対応的に付加したシステムもあること、そういったことで、情報の安定度といいますか、そういうところにかなり懸念があるということもありまして、機器の更新も含めまして、今回、本年度、システムのリプレースをするということで、機器も更新されますので、そういった原データといいますか、一次処理、一次受けデータの取り扱いにつきましては、かなり安定性といいますか、正確性、精度が上がるものと、このように考えてございます。
○平山委員 今回、河川水位のいわゆるメールの誤配信があって、私ども初めて気づいたわけでございますけども、そもそも河川水位の情報というのは本来区として必要な情報でございますよね。そういった意味で、どのようなシステムに変わるのかというのはまた具体的に改めて教えていただければと思うんですけど、とにかくこのようなシステム上の人的なミスはもちろんのことでございますけども、このようなシステム上のエラーも絶対に起きないような、そういう体制をしっかりと築いていっていただくことを要望しまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 この項の最後に、防火の対策について伺います。これは地元の問題でございますので、何点か質問させていただきたいと思います。
 大和町の住民の方から、狭隘道路がなかなか改善されない現状に危機感を感じる声をよく耳にします。建てかえに際してセットバックを行った方からは、区への不満も聞こえている状況でございます。そういった中で、一昨年と昨年、大和町で火災が起こりまして、私も現場に行きましたけども、どちらも消防車両が現場には入れないで、消火に非常に時間がかかって被害が広がっていく、そういった様子でございました。一つは木造の2階建てのアパートでしたけども、これが全焼。もう一つは1軒のお宅がほぼ全焼で、周囲のお宅も被害を受けられたと。幸いどちらも中に住んでいらっしゃった方々は無事でございましたけども。そういった状況もございまして、狭隘道路の拡幅事業というのはもちろん全区的な安全まちづくりのために必要なんですけども、特に事業推進を図るべき地区があるのではないかというふうに思っております。私は、大和町の地域は東京都の危険度の判定からいきましても、この事業を重点的に進めなければならない地域だというふうに感じていますけども、どう思われますでしょうか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 御指摘の大和町をはじめとする野方、新井、上高田、このエリアは東京都の防災都市づくり推進計画の整備エリアにも位置付けられ、さらに、国の重点的に改善すべき密集市街地、これにも位置付けられておりまして、防災対策の必要性の高い地域の一つであるということで、委員の御認識と同様でございます。
○平山委員 その重点的に進めてほしいということを進めるべきではないかということを申し上げましたけども、手法につきましては、地域限定や建築基準法の問題などもあるかと思いますけども、都市計画手法や住民主体のまちづくり協定など工夫をして、ぜひ推進をすべきではないでしょうか、お考えを伺います。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 現在改定中の都市計画マスタープランの中でも、防災対策についてしっかり位置付けを行い、有効な方策についても今後考えてまいりたいというふうに考えております。
○平山委員 ぜひ、先ほども申し上げましたとおり、住民主体の方向性も検討していただいて進めていただくようによろしくお願いをいたします。
 最後に、消費者行政についてお伺いをいたします。
 汚染米の問題や中国ギョーザなど後を絶たない相次ぐ食品偽装や偽装表示、そういったことがありまして、命の源でもある食の安全が脅かされております。また、振り込め詐欺や悪質リフォーム詐欺、耐震偽装など悪質商法、安全・安心を求める国民の生活の中に暗い影を落としております。国民からの強い期待が寄せられる中、今後の消費者行政のあり方に対して、政府・与党は来年度に消費者庁の開設を進めております。現在の案では、地方自治体においては、これまでの消費者センターの機能を大幅に充実させた総合窓口を設置して、悪質商法対応が主であった業務に食の安全表示も含めた消費者行政全般の窓口業務と景品表示法関係の窓口、その取り締まりの実働部隊としての業務が加わるというふうに聞いております。
 平成19年度の決算説明書の中で、消費者センターの運営は1,213万182円が執行されておりますけども、その大半が消費生活相談員の報酬というふうにされております。そこで伺います。相談日数243日、相談件数2,558件、日によって2人から3人の体制で対応されているそうですけども、主な相談内容というのはどういったものになりますでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 主な相談でございますが、やはり契約にかかわる相談が多うございます。
○平山委員 いわゆる悪質商法関連というふうに考えてよろしいんでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 悪質商法と言ったり、あるいは次々販売と言ったり、そういった形の販売形態でございます。
○平山委員 ということは、逆に考えますと、それ以外の専門家の方が現状はいらっしゃらない状態かなというふうに思います。さまざまな相談業務の対応として、専門家の手当や講習、取り締まりとしての実働部隊の拡充、これには大幅な予算拡充が伴います。現行の政府・与党の案の場合、国は地方自治体に対してセンター新設費用に年間1,000万円、PIO-NET、これの参加に年間500万円、相談員の増員や研修の充実に年間1,000万円を交付する計画というふうになっていますけども、中野区で考えますと、この中で、相談員の増員や研修の充実の1,000万円の支援しかないのかなというふうに考えられます。国や都に将来的に支援を求めていくということはさておきまして、消費者行政の一元化というのは時代の要請であり、区として独自の支援策を検討しなければならないと考えますけども、いかがでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 消費者庁が設置されますと、相談件数が大幅にふえる、また、相談内容も多岐にわたるということが想定されます。そのために、現在の体制はどうかということもありますけれども、組織的な強化を図りたいなと。また、設置後、これから臨時国会で関係法案が審議をされる予定のように聞いてございますけれども、設置後どういう運営がされるのか、そういったものを見きわめながら消費者センターの充実を図っていきたい、そのように考えてございます。
○平山委員 消費者行政の抜本的な拡充に向けまして、先ほどおっしゃったことも含めて臨まれることになると思いますけども、国の動向を見定めてという形ではなくて、とにかく早期の準備を図っていただいて、消費者行政の充実に向け取り組みをお願いしたいことを申し上げさせていただきまして、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で平山英明委員の質疑を終了いたします。
 次に、長沢和彦委員、お願いします。
○長沢委員 2007年度の決算総括質疑に当たりまして、日本共産党を代表しまして質疑を行わせていただきます。
 1番目に、2007年度決算と区政運営について。
 初めに、一般会計の歳入のところでお伺いをいたします。
 区民には増税と負担増、大企業・大資産家には減税という国の逆立ち税制の影響が色濃く出ているのが特徴であると思っております。定率減税の廃止、税源移譲による住民税のフラット化、そして、65歳以上の高齢者の老年者非課税措置の廃止、これは経過措置として3分の1減額後の額、そして、さらに住民税の増税に連動した国保や介護の保険料の負担増がこの年度も行われました。また、生活保護の削減、これ自身も看過できないものだというふうに思っております。国民への負担増とサービスの給付減は無慈悲に継続推進する内容であります。貧困と格差をさらに拡大するものと言えます。
 区民への影響はどうか。定率減税の廃止で幾らの増収か、また、老年者非課税措置廃止の経過措置、先ほど言いました3分の1減額後の額でありますが、これで幾らの増収か、さらに、住民税のフラット化による、これは単純に増税とは所得税とのあれがありますから言えませんが、これによる区としての増収は幾らかということをまず先にお伺いしたいと思います。
○中井税務担当課長 定率減税の廃止につきましては約10億5,000万円の増収でございます。また、老年者非課税措置廃止の経過につきましては約3,900万円。それから、税源移譲によります住民税のフラット化、これにつきましては約5億円の増収となってございます。
○長沢委員 特別区民税の現年課税分の収入済み額は約285億円です。これは一昨年度、06年度と比較すると約20億円の増収となっています。決算年度のこの07年度の増収分のおよそ55%がこれら庶民増税によるものであります。06年度の定率減税の半減、老年者控除の廃止と公的年金控除の縮小、老年者非課税措置廃止の経過措置、これらによって約15億円がやはり増収になりました。こう見ますと、05年度を起点として見ると、区民はこの決算年度と合わせると27億円も増税による被害をこうむったということになります。
 高齢者の年金収入は減っています。勤労世帯は給与・賃金は上がらず、下がり続けてもいます。若者の正規雇用の道は閉ざされ、ワーキングプア状態は放置されたまま。自営業者も消費不況と物価高騰が襲っています。また、きょうから電気・ガスなどの公共料金やあるいは食品など、こうした一斉値上げもされる。こうした社会経済情勢のもとでの増税・負担増が行われるということであります。区民の暮らしのこの厳しさをどのように見ているのか、お伺いします。
○長田計画財務担当課長 お答えをいたします。少子・高齢化の進展の中で、やはり区民の皆様にも不安感が強まっているというふうには感じてございます。年金、医療、介護などの社会保障制度の安定的な将来像の確立が欠かせないものというふうに考えてございます。社会全体の将来像を見据えた負担と給付の議論に基づきました持続可能で安心な制度づくりが求められているものというふうに認識を持っているところでございます。
○長沢委員 これら庶民増税については、昨年の3定の本会議の一般質問の際に、年金等への課税については世代間の負担の公平化、このように、また定率減税の廃止についても、景気対策として行われてきた暫定的な税負担の軽減措置の廃止だと、このように答弁をされています。今もこれにつきましてはそうした御認識なんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 認識に変更はございません。
○長沢委員 世代間の負担の公平論というのは、今、問題となっている後期高齢者医療についても同様の理屈で実施をされたものでありますけれども、これは特に世代間を対立分断し、財源の取り合いをさせるといった、そうした考えに基づいて行われています。この点では国の責任の放棄がある。また定率減税については、導入当時、政府も恒久的な減税との認識を示していました。しかも、景気がよくなったから廃止というのも、生活の実態や実感ともかけ離れています。法律改正によるものであるために、いち自治体行政がストップできるといった、そうしたたぐいの話でないことは私どもも重々承知をしています。しかし、この問題での認識がやはり政策立案と予算編成、個々の施策・事業と大いにかかわる、このことも明らかであります。
 もう1点、大資産家や大金持ちへの減税も見過ごせません。2003年に創設された証券優遇税制をこの決算年度1年間延長しました。株式配当所得と株式譲渡所得への課税を20%から10%に軽減する、これを1年間延長したわけであります。この決算年度の株式譲渡益課税による税収は幾らとなりますか。
○中井税務担当課長 株式譲渡益の税収につきましては約4億4,000万円になります。
○長沢委員 大変大きい額でありますけど、しかしながら、これは本則20%であればもっと増収になった、こうも見てとれるわけであります。
 次に、特別区交付金、財政調整交付金について伺いたいんですが、決算年度で約351億円、2006年度と比較して約20億円の増加です。区の配分割合が52%から55%になったことと市町村民税法人分の増収によるものでありますけれども、05年度と比較し06年度が約21億円の増であったことからも、ここでのこの間の増収はやはり歳入の大きな特徴とも言えます。この点では、大企業への減税を改めもとに戻せば、もっとふえたとも見られます。大企業への減税は温存、しかも、新たな大企業向けの減税、減価償却制度の見直しなどもこの年行われました。負担の公平を述べるのであれば、やはり庶民と大企業、大金持ちとのこの不公平こそ問題にすべきではありませんか。この点での御認識を伺います。
○長田計画財務担当課長 特別区交付金との関係の御質問でございます。減税によって企業活動の活性化が図られ、結果として収益増につながり、住民税法人分の税収増をもたらすものというふうに認識をしてございます。特別区交付金は、景気や企業収益の状況に影響されるものでございます。経済活動の活性化は特別区交付金増の大きな要因であるというふうに認識を持ってございます。
○長沢委員 実際には法人税で入ってくるお金自身は、企業が利益を上げながらも、やはり9年前、10年前と比べても横ばいといったのが状況ですから、そうした認識ではいかがかというふうに思っています。
 法人所得課税については、所得税や個人住民税のいずれも1988年の抜本的税制改正以降、急激に最高税率の引き下げと税率構造の簡素化の名による税率構造も見直しが進められ、応能負担、累進課税が否定され続けてきました。小泉内閣以前は、資産家・大金持ち減税は庶民への特別減税を組み合わせて実施をしていました。それが2001年の小泉内閣発足以降、庶民増税と大金持ち減税を同一年度で実施する、こうした形に変化をしています。特に1999年に恒久的減税として実施された減税3項目、所得税の最高税率引き下げと所得税・住民税の定率減税と法人税率引き下げのうち、所得税・住民税の定率減税の引き下げだけが廃止となりました。所得税最高税率の引き下げ、法人税率引き下げの2項目が本則とされた、ここに小泉構造改革の本質を象徴的に示していると思っております。やはりお金の集め方というところにおいては、そのことを承知した上での区政運営が必要であったというふうに思っておりますけど、いま一度所見を伺いたいと思います。
○長田計画財務担当課長 税制改正を踏まえまして、税収や交付金などの歳入の確保を図り、強固な財政基盤を確立することによって、持続可能な区政運営を行っていくべきものというふうに認識を持っているところでございます。
○長沢委員 改めれば、もっと増収となったということが実際のことじゃないかというふうに思っておりますけど。
 歳出のところで、基金の積み立てについて伺います。この間の剰余金と積立基金がどうなっているのか、これは05年度、06年度、そして、この決算の07年度についてそれぞれ伺いたいと思います。
○相澤経営分析担当課長 お答えいたします。2005年度、剰余金、つまり実質収支額でございます、42億1,300万円。2006年度、39億3,800万円、2007年度につきましては31億2,700万円でございます。各積立基金、これの合計積立額でございますが、一般会計ベースで2005年度は52億1,300万円、2006年度は105億2,900万円、2007年度は89億6,600万円でございます。
○長沢委員 昨年も指摘をさせていただきましたけど、剰余金と、そのもとでの基金積み立てというのは表裏の関係だというふうに思っています。一昨年、昨年度より余らせたという額は減っていますけども、それでもこの決算年度も少ない額とは言えません。やはり予算の編成等執行のあり方が厳しく問われていると、このように認識しています。それで、結果、年度末の積立基金はおよそ364億円と、これ自身は中野区政史上最高額になったというふうに思いますが、これは間違いございませんか。
○相澤経営分析担当課長 間違いございません。そのとおりでございます。
○長沢委員 特に財政調整積立基金について伺います。05年度に31億5,800万円、06年度はおよそ31億円、この2年度については繰入金はありません。決算年度は4億7,000万円を繰り入れましたが、それでもこの財調基金は53億8,800万円を積み立てました。その結果、年度末積立基金の現在高は187億2,000万円にもなっています。これは計画どおりの積立基金額と言えますか。
○長田計画財務担当課長 まず、繰入金でございますが、退職手当の不足分について基金から繰り入れを行ったものでございます。また、積立金につきましては、剰余金の2分の1以上を基金に積み立てることや臨時的な増収分を積み立てることとしてございまして、繰入額、それから積立額ともに計画に基づいたものでございます。
○長沢委員 計画としている根拠、その文書は何ですか。
○長田計画財務担当課長 平成19年1月にお示しをいたしました財政運営の考え方でございます。
○長沢委員 この財政運営の考え方、19年の1月に示したもので言いますと、財調の基金残高は128億円。しかし、実際の残高は約59億円も多かったということであります。この点はどのように説明されますか。
○長田計画財務担当課長 特別区交付金の臨時的な増収分を積み立てたことによりまして、基金計画よりも残高がふえたということでございます。
○長沢委員 この07年度の財調基金の積み立てそれ自身についてもお伺いします。この年、年度当初におよそ5億円、そして、先ほど御紹介いただきました07年3定の補正予算で基金の積み立ては06年度の決算剰余金39億円、2分の1を下らないというのが地財法での規定でありますけど、しかし、4分の3のお金、28億円、うち財調基金は25億円、これを積み立てております。補正予算にて暮らし応援の事業を予算すべきであったけども、やはりしませんでした。やはり矢継ぎ早の区民増税と負担増のこの時期に財調基金をふやしてきた、このことを私たちは指摘せざるを得ません。
 我が党は予算議会のときに、例えば区独自のヘルパー派遣や低所得者支援や児童手当の年齢引き上げ、あるいは出産祝い金などの子育て支援なども提案をしてきたところであります。住民福祉の充実を図るべきであったというふうに思っておりますが、御所見を伺います。
○長田計画財務担当課長 一時的、臨時的な増収により生まれました収入、収支差額を経常的な経費の増加に充てていくということ、こういったことを繰り返してまいりますと、最終的にはやはり財政破綻を招くということになるというふうに考えてございます。今日の世界的な経済動向を見ますれば、今後の歳入状況は大変厳しいものになってくるということは明らかでございます。もし年度間の調整の機能を持つ基金がなければ、こうした景気の変動や一時的な支出に対応することができないということが明らかでございます。健全な財政運営を行っていく上で基金活用が非常に重要であり、こうした財政運営を行うことによって区民の暮らしを守れる区政をつくっていけると考えてございます。
○長沢委員 先ほど増税と減税との関係において言いましたので、それはもう繰り返しません。しかし、実際に言っていた経年的にかかるということですけど、別にそれ自身はまたやる上での判断ということがあると思っています。もともと、先ほど言いました国によるやっぱりそういうのがあったということでありますので、そのこと自身をストップさせるということ自身は到底難しいのだが、しかし、やっぱりその認識をした上でどうかということであって、その意味では、例えば1年でも計画的に何年間だけそういうものを実行するということはこれまでの区政の中でもあったことであり、それをもっとやるべきだったのではないかと、そういうふうに思っています。
 歳出のところでもう1点伺います。都市整備費中、拠点まちづくり費の執行済み額が約134億7,400万円と約7割近くを占め、突出をしています。警察大学校等跡地の都市計画道路と都市計画公園用地の買収によるものであります。ことし1定の決算年度最終補正による増額で、当初予算額約86億円が約132億円にもなりました。およそ46億円も増額になったということでありますけど、この理由は何でしょうか。
○松前拠点まちづくり担当課長 警察大学校跡地、道路・公園用地の修復費についてでございます。当初の予定算定に当たりましては、直近の取引事例でございました東京警察病院、その用地の取引単価を参考に当初の予算を計上したものでございます。その後の地価の上昇等で増額となったものでございます。
○長沢委員 この点では、民間に土地を売却させた、そのことが地価の高騰を招いたと言えます。国や東京都からの補助金と起債を発行しての取得でありますけれども、これにつきましても区民の税金であることに違いはありません。それで伺いますけども、この道路と公園の整備にはおよそ幾らかかることになりますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 道路と公園の整備費用でございますが、まず街路、都市計画道路につきましては、今年度その設計に着手をするところでございます。したがいまして、具体の整備費用につきましては、そういった設計が定まっていく中で今後定まるものと認識をしてございます。
○長沢委員 総務の13の資料を出していただきました。その中で、20年度は今おっしゃられました設計とかですね。調査もありますか。21年度、22年度、道路で言いますと21年、22年、23年度とそれぞれ事業費として一応ここには落とし込んでいると。工事だけでどのぐらいになりますかね。道路で言えば7億3,000万余ですかね。公園のほうでいきますと2億1,300万ですか。こういったことが変更になると、そういう理解でいいですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 一定の想定見込みでこういったところは立てているわけでございます。ただ、具体的には今後の事業者の開発ボリューム等々によって定まっていくものというふうに考えてございます。
○長沢委員 これだけでも大変な額というふうに思っております。それで、都市計画道路の下に埋設をする共同溝は自治体の負担であるというふうに理解しておりますけど、これは地元の区が負担をすることになる、こういう理解でいいですか。また、費用自身はどれぐらいになるとお考えですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 都市計画道路、区画街路につきましては、中野区の負担で整備をするものでございます。また、その整備費用につきましては、先ほどと同じ答弁になりますが、今後定まっていくというふうにとらえてございます。
○長沢委員 当初、区は開発者負担行為で行うと説明をしてきました。このことで、都市計画道路と都市計画公園についての――このことでというのは起債とか補助金を使ってということですが、このことについては開発者、事業者の直接の負担はなくなったと、そういう理解でいいですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 事業者の皆様による開発協力金そのものが直接この整備にかかわるという形では、なくなってございます。
○長沢委員 中野駅周辺地区における都市基盤施設等整備にかかわる開発事業者の開発協力金は、これは何を根拠に出してもらうということになりますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 開発協力金の算定の考え方でございますが、こちらは警察大学校跡地内の都市計画道路及び都市計画公園の整備費用を根拠としてございます。具体的には、都市計画道路、その整備費用の半分に当たる額を各開発事業者の床面積案分で案分をした額、並びに事業者の利用する土地、その3%相当の土地を公園整備するものとした額を考え方としてございます。
○長沢委員 これは協力金という形でありますけど、これから、既に区のほうが要望して、その中で事業者の方々、SPCと二つの大学については要綱の第5条、協定締結、これには同意をしますよとおっしゃっているところであります。また先般、覚書というのも、これはまだ案の段階ですが、交わしていくということになりますけれども、この協力金という形であるけども、少なくとも今言われたことについてはしっかり守らせるという理解でいいですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 開発協力金につきましては、覚書の中でもしっかりお約束事項というふうにして遵守をしていただくというふうにとらえております。
○長沢委員 今出されている事業者には幾らを出してもらう、実際には協力金としては幾らぐらいになるというふうにお考えですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 金額等につきましては、考え方は先ほど述べたとおりでございます。こういった考え方をもとに、今後事業者と協議を進めていく中でその額等は定まっていくというふうに思っております。
○長沢委員 警察病院や杉並区においても開発協力金の対象であるというふうに理解しますけども、ここも同じように今はわからないということになりますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 杉並区等々につきましても、開発協力金は同じ考え方で働きかけていこうというふうに思っております。
○長沢委員 警察病院自身は実際に既に病院の経営をされています。でき上がっているものですけども、こういったところには協力金としては一定算出はできるのではないかと思いますけど、それはどうなんでしょうか。
○松前拠点まちづくり担当課長 警察病院につきましても、この考え方は同様にお示しをしているところでございます。
○長沢委員 ですから、それは向こうとしての回答としてはどういうふうになっているのかということなんですが、どうなんですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 働きかけを行っておりまして、まだ御回答としては正式にはちょうだいをしてございません。
○長沢委員 もう一つ、区も開発者であるというふうに思いますけど、区自身が幾ら払うというのはどうでしょうか。
○松前拠点まちづくり担当課長 区につきましても先ほどと同じ考え方を想定してございます。中野区も一開発者としまして、今後中野のまちづくり基金に積み立てていくという考えを持ってございます。
○長沢委員 金額については、これもわからないというふうに思っておりますけど、今の時点でわからないということで、これはいつごろにこの金額、こうした開発協力者たちの幾らということが定かになるということになりますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 事業者に対しましては、今後の協議を進めていく中で定まっていくというふうに思ってございます。区としてはなるべく早く定めてまいりたいと思っているところでございます。
○長沢委員 もうちょっと具体的に言っていただければと思うんですが、つまり、覚書をする、その後締結でしょうかね。そのときにはわかるということですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 覚書を取り交わしまして、この条項に基づいて開発協力金については協定を結んでいく。その結んで協議を進める中で額や時期が定まっていくと、そういうことでございます。
○長沢委員 定まって、その上での締結という理解でいいですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 締結をした中で定めていくということでございます。
○長沢委員 締結をした中で定めていくということで、そこでは、じゃあ、定める上ではまだ、そこで締結をしたけども、動きがあると。幾らだということで、その額は、お願いはするけれども、そこで払いますというのが締結ではなくて、締結をしたら、後もその金額についてはそこで動いていくと、そう理解していいんですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 まず、覚書を交わしてまいります。そして、その中で開発協力金の額、そして、その御協力いただく時期等を協議していって、最終的に締結が定まるというふうにとらえてございます。
○長沢委員 ありがとうございます。これからも警察大の跡地については、道路や公園の整備の費用でありますとか、あるいは共同溝の整備など、区の費用負担はこれからも続いていくというものであります。莫大な税金がこれからも投入をされるし、あるいは開発者に対する協力金というのも、今のところ定かにはなっていないというふうに理解をします。さらに、中野駅の周辺まちづくりにおいても、開発がやはりこういったところで、お金の使い方ということが優先になっていると、このことを指摘、強調しておきたい、このように思います。ありがとうございます。
 もう一つ、国民健康保険について伺いたいと思います。
 まず、国民健康保険料の滞納の件数、これは資料を出していただいております。厚生の64、滞納件数が3万204件と、世帯ということだと思いますが、これはやはりここだけ5年間のほうで見ても3万件台に出たということになります。実際に滞納率そのものは、この決算年度どれぐらいだったんでしょうか。まずそこを伺いたいんですが、いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 厚生60でございますように、厚生の資料でございますが……。
○長沢委員 ごめんなさい。すみませんね。厚生63でランク別のが出ています。この後お聞きしたいんですが、ここで出ている合計、いわゆる収納率の84.4、これは逆に、要するに16.幾つというのが滞納率ということに見ていいんですか。
○柿内保険医療担当課長 必ずしもそうではございませんけど、当たらずとも遠からずという形でございます。
○長沢委員 ランク別の収納率、これは今、私が言いました厚生63のランク別の収納率一覧、これを見ますと、2006年度の全体では収納率が85.1ですかね。それで、10万円未満、低所得者で76.4という数であります。これが19年度、この決算年度では全体が84.4で、10万円未満では76.0と。この年、国保料はこの年度も値上がりとなりました。その点ではやっぱり厳しい被保険者たちの実態が見てとることができます。
 もう一つ、厚生67の資料、ここで短期証、資格証明書の資料を出していただきました。17年度が一斉更新でありましたけど、この年においては、短期証、資格証も大変多かった。それで、当該決算年度におきまして一斉更新がやはりされています。短期証はやはりここでもふえております。資格証明書自身は減っているというわけでありますが、あわせて20年度、今年度についても出てきております。こうした傾向自身は、担当としてはどのように見ていらっしゃるんですか。
○柿内保険医療担当課長 これにつきましては、保険料の滞納が続く場合には短期証を発行いたしまして、さらに滞納が続きまして納付相談にも応じないような場合につきましては、資格証明書を発行することになってございます。したがいまして、国民健康保険での滞納状況によりまして、資格証明書等の発行件数は変わってくるものと考えてございます。
○長沢委員 今、課長のほうからも言われたように、一定そのときの件数ということでありますので、傾向としてはやはりふえてくることもあると、そういうことだと思っています。私はなぜこの資格証明書の発行の問題を重視するかということでありますけども、やはりこのことが医療の受診抑制から重症化、あるいは中には死亡と、命にかかわる問題であるから私どもこういった問題を取り上げさせていただいています。
 先般、広島市が資格証明書の発行をゼロにした、こうしたことが報道されました。ことし1月のNHKの「クローズアップ現代」で、昨年1年間64件の死亡事例が起きて、そのうち広島市で16件を占めるなどの報道が行われ、このことで市議会や国保運営協議会でも批判が広がった、そうした中でこうしたゼロにしたということだというふうに思っております。
 昨年、この場で我が党議員団が実態調査を求めました。区は、資格証明書が受診抑制の段階の目的として使われているわけではないので調査しないと、このように答弁されています。しかし、今、広島市の例を出したように、結果としてはこうした事態が起こるというものであります。制度の中には措置の対象外の規定があります。これは国民健康保険法の第9条第3項で、その他政令の定める特別な事情というものでありますけれども、その中で、「世帯主又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと」とあります。こうした方々を把握せずに資格証明書を発行してはいませんか。
○柿内保険医療担当課長 資格証明書を発行する前の対象者に対しまして相談の機会を設けまして、滞納者の事情の把握に努めるなど適切に対応しているものでございます。
○長沢委員 この点については、昨年のここでの質疑の中でも、あらかじめ弁明書も送っていると、その中で事情をいろいろ聞いていると、そういう御答弁でもありました。じゃあ、その弁明書は、この決算年度で何通受理をされたんですか。
○柿内保険医療担当課長 弁明書を持ってきた方につきましては、個々の事情に応じまして十分な納付相談を行っているわけでございます。その際には、実際の納付や分割納付の約束を行うなどによりまして、資格証明書の交付からは除外してございます。平成19年度は、弁明書を受理扱いとしましてそれに基づいた取り扱いはしていないものでございます。
○長沢委員 19年度は幾つだったんですか。
○柿内保険医療担当課長 19年度は、弁明書を受理扱いとして取り扱った件数はございません。
○長沢委員 いや、弁明書を持って、いわゆるそこでの相談活動、その中で納めてもらう、どういうふうに納めてもらうか、また幾ら納めてもらうかを受けていると、相談を聞いているということだと思いますけど、受理はしなかったけども、じゃあ、そういった方々はみんな弁明書をお持ちになるということなんですか。
○柿内保険医療担当課長 必ずしも弁明書をお持ちになるとは限りませんけど、弁明書をお持ちになった方につきましては、納付相談を行いまして、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、実際の保険料を納付していただいたり、分割納付によりまして改めて保険証を継続して発行するものでございます。
○長沢委員 この弁明書の扱いというのは、先ほども特別な事由というところで言いましたけど、やはり病気になり、または負傷しているというところについては、これは対象外にするということでありますから、そこのところは、当該所管としては、国民健康保険課としてはしっかりと実情を、実態把握はしていただきたいと思っています。
 それで、問題は、申告がなければ資格証明書を発行する、要するに、事情を把握するまでは発行しないと、このことを改めて求めたいと思いますが、いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 資格証明書でございますけども、対象、滞納者でございますけども、催告書などの通知を発送いたしまして納付相談を促すなど、滞納者の事情の把握には努めてございます。残念ながら相談にも応じず、また、支払い困難な状況をお示しいただけないような滞納者につきましては、資格証明書を発行することになるものでございます。
○長沢委員 やはりいずれにしても、先ほど、テレビでやっていたものではありますけれども、そうした事例を紹介させていただきました。実態把握はいずれにしてもやっぱり欠かせないというふうに思っています。
 もう1点、申請減免について伺います。
 これは区内の飲食業を営むAさんが、原油・原材料高騰の影響を受けて、仕入れ材料が昨年同時期と比べても30%から40%値上がりして1カ月5万円の負担増になり、高い国民健康保険料が払えなくなってしまったと。この内容を国保減免申請書に記入し提出をし、このほど減免通知が届いて、6カ月分で8万円が減額になったというものであります。こうした事例がこの区内においてもございました。原油・原材料高騰を受けている、こうした業者などに対して減免申請をきめ細かく周知することが必要ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 減免申請につきましては、区のホームページでの広報のほか、保険料の当初賦課の時期でございます毎年6月に国民健康保険の加入の全世帯に対しまして国保ガイドを送付いたしまして、保険料の減免も含めました国民健康保険制度の周知を図っているものでございます。国民健康保険の加入者の方にはさまざまな状況の方がいらっしゃいますので、納付相談等の機会をとらえまして減免申請の周知も図っていきたいと考えてございます。
○長沢委員 ありがとうございます。それで、今、国民健康保険の滞納というか、資格証なり、こういった問題を取り上げましたけど、やはり大もとにおいて、この点でも国の国庫負担の問題、つまり、この国の国庫負担が83年まで医療費に対して45%でありましたけど、84年から38.5%に切り下げられました。年々これは国保保険料がやはりどんどん上がっていると。その点では、前の水準にこの国庫負担を戻させること、国の負担をふやすことが必要ではないかと。そのようなことは考えられてはいませんか。
○柿内保険医療担当課長 中野区も全国市長会等を通じまして、保険料収納率の低下懸念に対応しました十分な財政措置を講じることなどを国に要望しているものでございます。
○長沢委員 ありがとうございます。要望されているということでありますので、やはり国の責任と負担をあいまいにして、そのことを区民に転嫁しては絶対にならないということを申し上げて、この項の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
 2番目に、サンプラザ問題について伺います。
 初めに、会計システム、リース契約の問題についてお聞きします。
 昨年5月に、当時の運営会社取締役から架空取引の疑いがあると問題が提起され、所有会社である株式会社まちづくり中野21に影響のあることから、区議会に報告がされてきたところであります。この問題が依然として解決をされていないわけでありますが、どのように解決をしていくのか、この点をまず最初に伺います。
○川崎経営室経営担当参事 お答えをいたします。本事業の代表企業でございます株式会社BBHから新たに運営会社に代表取締役が派遣をされることになりました。その上で、ただいま御質問がありましたリース契約問題につきまして、弁護士に再調査を行わせることとなりました。株式会社まちづくり中野21、所有会社と区といたしましては、その結果を待つこととしております。なお、その依頼をする弁護士につきましては、第三者性を持たせるということでございまして、このことについて問題提起をした元取締役側にもその説明をしているということでございます。
○長沢委員 今ので言うと、改めてということで弁護士などを入れて調査ということですが、BBHの取締役がかわったということで、そのことが必要と、そういう理解でいいですか。
○川崎経営室経営担当参事 この問題につきましては、当初から運営会社自身が問題についてしっかり説明をすべきだということで求めてきたわけですけれども、この間、これについて区としてもまだ納得いく答えがもらえなかったわけですが、今回改めて、代表企業であるBBHがその責任におきまして第三者性を持った弁護士を入れて調査をするということでございます。
○長沢委員 それと、9月の総務委員会では、新たにこれ以外に名義貸しの問題が発覚したことの、そうした報告がございました。8月8日付の株式会社NSP、中野サンプラザ、この回答を読んでも、出資会社間の紛争があることが見てとれます。7月31日付のまちづくり中野21から株式会社中野サンプラザへの照会状では、経営陣の度重なる変更や代表企業の株式会社BBHから取締役が派遣されていないことへの説明が求められています。この件については、NSP側の回答でも触れられているように、05年、06年、07年と3年前からこうした事態があったということであります。この点で、まちづくり中野21あるいは具体的に中野区として把握して改善要求をする、このことが遅かったのではないでしょうか、御認識を伺います。
○川崎経営室経営担当参事 役員の交代につきましては、当然のことながらその都度説明を受けてきたわけでございますが、これらにつきましては運営会社内部のことであるということ、また、サンプラザの運営自体が順調に推移していたということで、とりたてて今回のような理由を問いただすということはしてきませんでしたが、今回の一連の動きを踏まえまして、改めて所有会社として文書をもって確認をするということにしたものでございます。
○長沢委員 今、サンプラザの運営は順調に推移をされていたということだけど、それは、現在中野サンプラザが運営しているいろんなさまざまなことが順調に、例えば黒字であるということがこの間ずっと報告は受けている。だから、その運営自身が順調ということと、こうした出資者というか、経営陣たちがということの、そこはやっぱりきちんと峻別をしなくちゃいけないのかと思っています。私が言うのは、運営が順調というのはそういったことかと思っていますけど、その点ちょっともう一度御回答いただけますか。
○川崎経営室経営担当参事 今、委員がおっしゃいましたように、まず一つ、運営が順調というのは、サンプラザの経営が順調にいっていると。それは順調に収益を上げるということがありますけれども、一方で、経営が健全に行われているということもありますので、そういった意味では、役員にかかわることなどについても当然、まちづくり中野21あるいは区としても関心を払ってきているということでございます。
○長沢委員 それで、2007年の決算にて、株式会社まちづくり中野21運営等に係る各種調査費、これは経営費としてでしょうかね、892万5,000円を支出しています。年度末ぎりぎりの3月13日の総務委員会でこのことの報告がありました。経費については予備費を充用しているというものでありますけど、その理由は何でしょうか、改めてちょっと伺いたいんですが。
○川崎経営室経営担当参事 その理由というのは、予備費を充用した理由ということでよろしいでございましょうか。今回、リース問題あるいはサンプラザ事業をめぐりまして、専門家の意見、支援を求めるという必要が生じたわけでございますが、これにつきましては、当初予算で措置をしていなかったということ、また、経費の必要が生じた段階で補正予算をお願いするいとまがなかったということから、予備費で対応したものでございます。
○長沢委員 ここでは、今おっしゃられた弁護士費用、公認会計士費用、それは今おっしゃられたところだと思うんですね。それ以外に不動産鑑定費用、エンジニアリングレポート作成費用というのがございます。それぞれ262万5,000円、エンジニアリングレポート作成費用は210万円というものでありますが、これは何のための経費ですか。
○川崎経営室経営担当参事 今回、リース契約問題に端を発しまして、サンプラザ運営事業につきまして全体について弁護士と相談をしていく中で、所有会社の資産状況などについてもしっかり把握をしておくべきであるというようなアドバイスもいただきまして、不動産評価を行ったものでございます。また、エンジニアリングレポートにつきましては、不動産評価に先立ちまして建物の状況を調べたものでございます。
○長沢委員 これについてはそれぞれ、同じ時期だったら同じ時期ということでいいんですが、契約はいつされているんですか。
○川崎経営室経営担当参事 弁護士との契約は昨年の7月でございました。その後、弁護士との相談を経まして、昨年の10月にそのほかの契約をしたものでございます。
○長沢委員 このことについては、議会、総務委員会でありますけど、こうしたことについては報告はなかったというふうに記憶しているんですが、どうでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 委員会の御審議の中で、やはり区としても専門家のしっかり助言を受けるべきではないかという御意見もいただきまして、それに対しまして、区としても専門家との契約をいたしましたということで御報告はさせていただきましたが、そのほかの不動産鑑定評価でありますとかエンジニアリングレポート、これらにつきましては、検討の基礎素材を得るというようなねらいがございましたので、従来、そういった検討の基礎となるもの、これらの途中の段階では御報告をしてきた例があまりないというようなことから、途中での御報告は申し上げなかったわけですが、年度が切りかわるところで予備費を充用しているというようなこともございましたので、改めて3月の段階で、関連するものすべてについて御報告を申し上げたところでございます。
○長沢委員 今、いみじくも参事のほうがおっしゃられました。ですから、これが出てきたというところにおいては、再整備、まちづくりの方針というのは、不動産鑑定士やエンジニアリングレポート作成費用のこちらのほうですけども、こういったものがやはりにわかに出てきたと。唐突の感が否めないと思っています。これについてはどのように御説明されますか。
○川崎経営室経営担当参事 今、まちづくりの整備方針が唐突にというようなお話だったかと思いますが、確かに議会の予定、提出案件ということでは御説明をしてございますけれども、これはまだ正式に区議会に御提案をする前ですので、具体的な説明は控えさせていただきますが、まちづくりの整備方針につきましては、サンプラザ地区につきましての基本的な整備の考え方、これにつきまして、現時点の第1段階的なものについては現時点でお示しをすべきだろうということで、今回、議会のほうに御提案をしようということで考えているものでございます。
○長沢委員 議案の上程が予定をされていることであまりあれですけど、またそのときに具体的にお伺いしたいと思っていますけど。要するに、契約はこういう形でされていたということにおいて、先ほどもおっしゃられたように、それ自身は議会に対して報告がなかったというものであります。もともとサンプラザを取得するというところでは、極めて抽象的な言い方ではありますけれども、やはり中野駅の周辺のまちづくりとの関係においてもお話はありました。しかし、そこがやはり先行するということで、そのもとでのサンプラザの取得、いわゆる10年間は今のまま運営をするんだということでもありましたし。それにもかかわらず、区としてのサンプラザの今後ということにおいて判断が迫られると、こういう状況にあったという、こういうふうに理解していいですか。
○川崎経営室経営担当参事 当初の計画では2012年までに、あと4年後までに整備計画をつくることになっております。それに先立ちまして、区として整備方針、これは区議会の議決を経た上で区が示すということになっておりました。そういった意味では、この時期に基本的な方針は定めておくべきだろうというふうに考えております。また、事業の基本的な枠組みの見直しなども視野に入っているという点もございます。
○長沢委員 情報提供の仕方がやはり十分ではなかったということは、このことは指摘をしたいと思っております。また、区民にとって大変大きな問題であるこのサンプラザのありようがやはり早くも問われる、こうした事態になったというふうに認識しております。その点で区の姿勢が厳しく問われている、このことを指摘して、この項の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○吉原委員長 長沢委員の質疑の途中ですが、ここで3時休憩をとります。
      午後3時00分休憩

      午後3時21分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○長沢委員 3番目に、新しい中野をつくる10か年計画についてお伺いします。
 現在、10か年計画の改定に向けて作業が行われております。改めて改定の理由を伺います。
○髙橋政策室特命担当課長 現計画におきましては、計画当初、平成17年度からおおむね5年間、または区を取り巻く社会経済情勢が大きく変化した場合に、必要に応じて改定していくこととしてございます。計画策定当初から5年、制度の変更や社会状況の変化もありまして、前期5年の取り組みの総括やさまざまな制度の変更など社会状況の変化を踏まえつつ、今年度から来年度にかけまして見直しを行うものでございます。
○長沢委員 まず、やっぱり大事なのは、どんなに時代が変わっていても自治体行政が区民の福祉、暮らしを守る、この役割は変わらない、このように思っております。しかも、社会経済情勢の変化ということをおっしゃられましたけども、貧困と格差が広がり、10か年計画策定時とは状況が一変しました。少子化に歯止めがかからず、急速な高齢化が進む中、学校や区民施設を廃止・統合するのでは、行き届いた教育に背を向け、あるいは行政サービスの後退を招き、また、自治の発展をも阻害することになりかねないというふうに思っております。その点では、しっかりと検証をして計画の見直し、改定をすべきだ、このように思いますが、いかがですか。
○髙橋政策室特命担当課長 計画の策定当時から社会状況の変化などにつきましては、現状に合った形での取り組みが求められると認識しているところでございます。計画の改定に当たりましては、このような認識のもと、行政評価やPDCAサイクルによる事業見直しなどを踏まえつつ、施設のあり方も含めまして、区民にとってまさに必要なサービスの本質を見きわめながら改定を進めていきたいと、そのように考えてございます。
○長沢委員 10か年計画の策定、やはりこれを前後して起きた、あるいは表面化をした、こうした問題がどういったことで起きたのかというのを見ておくことが必要だと思っています。例えば耐震偽装やワーキングプア、偽装請負、違法派遣、食品の安全・偽装問題、また、介護保険事業者や認証保育所の不正などなど、このことが行き過ぎた規制緩和などの構造改革路線、こうしたもとでなった。つまり、国民の、区民の安心と安全、これを脅かすものとなったということであります。もはや破綻したこの路線を受け継ぐ計画、これは見直すことが必要である、このように思います。
 10か年計画を検証するとおっしゃいますけども、計画の中身は目標値や成果指標にとどまらず、きちんとした公の責任を計画に位置付けることを求めます。今のようにやみくもに民間にゆだねているのでは、区民の安心・安全や暮らしと人権を守ることはできない。また、区が直接サービスを行うことも否定してはならないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○髙橋政策室特命担当課長 民間の活力も活用することで、多様で質の高いサービスを提供することができている事業もあります。一方で、公共性・公平性などの観点から、区がみずから行うべき事業もあると考えてございます。このようなことを踏まえまして、官と民との役割については、区民サービス向上の観点から十分な検討を進め、10か年計画の改定に反映していきたい、そのように考えてございます。
○長沢委員 官と民の役割分担というお話でもあるんですが、そもそも一つひとつの自治体行政が行ってきた公共サービスというのは、やはりそれの意味、理由があるというふうに思っています。それは、民間事業者が営利目的で競い合うことによる弊害が自覚されて、その弊害を予防すると、そのために公共サービスとして行われてきたこと、裏を返せば、公共サービスについては、競争にゆだねることで損なわれてはならない守るべきものが、こうした質があるんだということが、これが社会的に認められていたからこそ行われていたというふうに思っています。このことについては、やはりどんな時代にあっても、冒頭に言いましたが、自治体行政が区民の福祉・暮らしを守ると、安心・安全をきちんと認識して守っていくということにおいては、欠かしてはならないことだと思っています。
 この項の最後に、この策定に当たってのことで、現行の10か年計画の策定に当たっては、並行して基本構想の改定が行われてきたわけであります。そのため、区民が多数参加したワークショップや、あるいは審議会などを重ねてきたというふうに記憶しております。今度の計画改定はそうしたことは考えていないようでありますけども、やはり大きく区民に呼びかけて参加をしてもらう、そうした中での改定を行うべきではないか、この点はいかがでしょうか。
○髙橋政策室特命担当課長 前回は、基本構想の策定においての区民ワークショップ等であったというふうに記憶してございます。今回の改定につきましては、自治基本条例に基づく意見交換会やパブリックコメントの手続はもとより、区報やホームページ等でお知らせを通じまして、区民からの意見を幅広く反映していくつもりでございます。
○長沢委員 自治基本条例自身は必ずしも手続だけを整備したものとは思っていません。しかし、実際には区民の参加や協働を確保するという、そういう活用のされ方というんでしょうかね、それについては極めて問題があるというふうに思っています。やはりこの改定に当たって、先ほど認識として述べさせていただきましたけれども、10か年計画の策定の以降といいますか、そのときとは状況が一変しているというふうに思っておりますので、そこではやはり本当に広く区民に呼びかけ、参加を確保しながらぜひ進めていただきたい、このことを強調しておきたいと思います。ありがとうございます。
 次に、4番目に子育て支援について伺います。
 初めに、保育園についてであります。ここでは初め、保育制度の改変の動きについて御認識を伺いたいと思っております。
 政府・厚生労働省は、年内に保育制度改変の結論を出すとして、社会保障審議会の少子化対策特別部会の場で検討を急いでいるようであります。日本保育協会、全国保育協議会、全国私立保育園連盟、全国保育士会の会長ら保育関係者を集めたヒアリングが先日開催されました。規制改革会議などが求めている保育所への直接契約、直接補助方式の導入、保育の最低基準の緩和・撤廃に対して、これらすべての関係者が断固反対を表明しております。保育制度改変についての区の御認識を伺いたいと思います。
○白土保育園・幼稚園担当課長 保育制度の改革について、政府内でいろいろな議論がなされているということは承知してございますけれども、具体的な方針がまだ出されている段階ではないということで、区としてこれに対してどのような認識を持つかという段階ではないというふうに思っております。
○長沢委員 当初、厚生労働省は、この点について極めて慎重な態度をとっていましたけど、しかし、昨年来、このことについて、今言ったように、規制改革会議など、そうしたところのこうした直接契約、直接補助方式、言ってみれば最低基準をなくしてしまうような、こうした方向に厚生労働省自身も動き始めています。そういうもとで、やはり公的保育制度でありますから、これを壊すようなこういう改変は認められないと、このことをしっかり国に要望していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 保育所の最低基準の緩和ということで報道が一部ございましたけれども、これについては、事実と異なるというところがあるというふうに厚生労働省のほうから連絡が来ております。また、現段階で保育制度改革の中身について具体的に示されたものはございませんので、要望を出す段階ではないというふうに考えてございますが、今後制度の内容が明らかになってくれば、特別区としてそれに対して要望していくということはあろうかと思います。
○長沢委員 次に、認可保育園の増設を求めてお聞きをしたいと思います。
 この定例会本会議で来住議員がこのことを質問いたしました。区立園の民営化や指定管理者制度の導入では、待機児の解消といった切実な区民の要求にこたえられなかったということであります。この点ではやはり区当局に反省を促し、また方針転換をすべきだ、このように思いますが、いかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 保育所全体の定員でございますが、区立保育園の一時的な募集停止などによりまして一時的に減少しておりますけれども、平成22年度以降、これにつきましては、区立保育園の民営化、それから認定こども園、認証保育所の開設、それから、家庭福祉員の増員などにより拡大していく見込みでございます。これにより、現在の待機児数のままであれば、平成22年度以降は解消していくものというふうに考えてございます。
○長沢委員 その一つが本郷保育園の廃止、その上での区立やよい幼稚園から転換する認定こども園でその地域の子どもを吸収すると、こういうことだというふうに思います。しかし、それだけではやはりふえ続ける待機児を解消することにはならないと思っています。
 厚生13の資料を出していただきました。この中で、待機児童数は――失礼しました。これは19年度ですから、この20年度、本年4月1日での現在待機児数は、旧定義で何名でしょうか。また、新定義では何名でしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 平成20年4月1日現在の待機児数でございますが、旧定義で259人、新定義で144人でございます。
○長沢委員 つまり、認可保育園に入りたいという方々ということでは259名ものこうした待機児がいらっしゃるということです。新定義、先ほど御説明があったように、認証保育でありますとか、あるいは家庭福祉員、こうした活用をされてということだと思います。しかし、もはやこうした対症療法では解決はできない。しかも、根本的には認証保育所の誘致や認定こども園の転換、あるいは家庭福祉員では子どもと保護者の要求にこたえたことにはならないのではないですか。希望されているのは、入所希望は認可保育園、この辺はどのように受けとめられていますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 認可保育園の御希望ということは十分把握しておりますけれども、今後の保育所全体の定員につきましては、待機児急増の背景などを分析いたしまして、今後の保育需要を見きわめた上で、幼稚園・保育園の認定こども園への転換、それから、幼稚園の預かり保育による保育の拡大などの動向を踏まえまして、中長期的な展望に立って需給のバランスを総合的に検討していきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 ですから、そもそも認可保育園と認証保育所や認定こども園というのは別物なんですね。児童福祉法の24条であります、1項。この中で、「保護者から申込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない」。保育に欠ける子どもを中野区がその実施責任があるということですね。その後にただし書きがあります。「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは」と、これを活用して認証保育園や家庭福祉員や、こうしたことを利用しているというふうに理解するんですが、違いますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 基本は認可保育園でございますけれども、中野区の状況において、例えば江東区におきますように、マンションがどんどん建って、保育所の絶対数が圧倒的に足りなくなるというような状況がない中で、待機児が急増しているという状況でございますので、今後の保育需要を見きわめた上で、中長期的な展望に立って待機児解消対策を進めていきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 今のね、これまで多分、中野区として人口動態とか、そういう形だけで見てきたんじゃないですか。これだけ、厚生13の資料で、4月時点だけでも、この近年100を超えて、先ほどで言えば旧基準259名ですよ。人口動態だけじゃないですよ。今の社会状況が、こうやって親が働き続けるということが、それがやっぱりこれだけふえているから、だから求められているんでしょう。そもそも先ほど言った認可保育園と認証は違いますから。保育料の負担が違うし、保育は託児ではありませんから。現に、認証保育所の保護者負担、この決算年度で、認可保育園を希望した人に対して補助をすると。これは執行率、補助月額最高2万円ですね。99.5%ですよ。いかに希望者が認可保育園に多いかということがあらわれているじゃないですか。
 認可園をふやす計画を持つことが必要だと思います。現在、東京都では、緊急3か年事業、これで、2010年度までに認可保育園の定員を6,500人ふやすことにしています。こうした東京都の事業なども活用して、認可保育園、これをふやしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 先ほどの繰り返しになりますけども、中長期的な展望に立って待機児童対策を進めていきたいと。それまでの間につきましては、認証保育所の誘致、あるいは家庭福祉員の増員、さらには、認可保育所の定員のさらなる弾力的運用などによって対応していきたいというふうに考えてございまして、認可保育園をふやす考え方は持ってございません。
○長沢委員 それはやっぱり子育て世代の願いに逆行しているというふうに言わざるを得ないと思っています。
 それで、保育園の民営化などの点で伺いたいと思っていますけど、今との関連もありますが、保護者の願いは保育の量だけを求めているんじゃありません。保育の質、これを求めております。保育の質の確保、これはどうあるべきだというふうにお考えですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 確かに委員御指摘のように、保育サービスの量の充実だけではなくて、保育サービスの質の確保、これは大変重要だというふうに考えてございます。区として乳幼児期の保育・教育は、その子の人格形成の基礎を培っていく上で大変重要であるというふうに考えてございます。したがいまして、幼児教育の質の向上のために保育サービスの質の確保は不可欠であるというふうに考えてございまして、また、民間の私立保育園・幼稚園の力も大変大きいと考えているところから、相互に連携・協力しながら進めていきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 そういうふうな御答弁だと、先ほどのとやっぱり矛盾するんですね。緊急避難的な形で活用ということは、これはあり得ると思います。しかし、やっぱり中長期的にというふうにおっしゃっていたから、そこできちんと、これは区立だけを言っているわけじゃないですよ。区立・私立問わず、やはり認可園をふやしていくということが、それこそ保育の質を確保すると、今の保育水準を確保するということにつながると思っています。これは現実に、実際に今の認証保育園が、保育料の問題もありますけれども、保育資格が6割程度でよしとされているということや、園庭がなかったりとか、そういうさまざまな問題、これでどうやって質を確保するのかと、こういうことが問われていると思っています。
 それで、この決算年度の中、民営化園に対する補助金を出されています。入所児童処遇改善費補助、これは2園に対して1,000万円を支出されておりますけれども、何のための補助金ですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 入所児童処遇改善費でございますが、これは民営化した私立保育園の運営の円滑化、それから、入所児童の処遇の安定及び向上、これに資することを目的としております。補助の対象となる経費については四つございまして、一つが施設及び設備の整備に要する経費、二つ目が物品の購入に要する経費、それから職員の人件費、この職員の人件費に関しましては、開設当初の円滑な運営のための職員の加配に係る人件費でございます。四つ目が、これ以外で児童の処遇改善のための経費で区長が認めたものということでございまして、例えば職員の研修費等児童の処遇改善のための経費でございます。
○長沢委員 区独自の補助や旧都加算と言っていいんでしょうかね、これの上乗せなどもやはりされています。2007年度で加算額、児童1人当たり月額は1万8,160円。23区中、これは上から15番目と。しかし、これには、今お話のあった入所児童処遇改善費、これは3カ年ですから、こういった時限的なものまで含んでいるわけであります。つまり、それらを除いた経年的なものは、他区と比較するとずっと少ないということになります。この点では、増額をする、そうしたお考えはありますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 今、委員御指摘の助成額の調査でございますけれども、これは東京都民間保育園協会が行った調査というふうに承知しております。この区市町村助成額でございますが、資料の一覧表の備考にもあるとおり、区部では次世代育成支援ソフト交付金が含まれている場合があると。また、内容を見ますと、旧都加算と言われる子育て推進交付金相当の助成金も含んでいるということで、中野区の単独助成額は他区と比べて低いように見えますけれども、単純な比較はできないだろうというふうに考えてございます。ちなみに、前年度の調査では、中野区は23区中、上から8番目でございました。
○長沢委員 ですから、それはそういう経過的なといいますか、時限的なものが入っているからというふうに、そのように先ほども指摘を言わせていただきました。やはり私立幼稚園の園長会などからも、直営区立園と同様の運営ができるように、総じてそのことが求められています。その点で、区立・私立問わず保育水準の確保、そして、保育環境の整備が必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 職員の構成、保育士の構成も含めて、安定的な保育環境というのは必要だというふうに思ってございます。私立保育園の保育士につきましては、区立保育園に比べて若い保育士が多いというのはそのとおりでございます。ただ、これは区立保育園・私立保育園を問わず、職員構成としては年齢的にも、あるいは経験的にもバランスがとれていることが望ましいというふうに考えてございます。
○長沢委員 今、バランスがとれているほうが望ましいというお話がありましたのでね。実際にやっぱり私立の保育士の年齢構成が、若い保育士が偏りがちになるという、そういう傾向があるんです。もちろんそれぞれの園によって努力をされているというのはあります。しかし、給与が頭打ちになったり、休暇もろくにとれないということで、退職者もそうしたことから多くなりがちです。継続した安定した保育を望みながら困難な状況にあるという、こういうふうだと思います。一方、区立園はどうか。保育士採用はこの間、退職不補充のまま来ました。現在、区立園の保育士で20代の方はいらっしゃいますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 区立保育園の保育士で20代の保育士はおりません。一番若くて、4月1日現在でございますが、30歳でございます。
○長沢委員 やはりこういった退職不補充でこうした福祉職、保育士を採用してこなかったというところが、こうしたゆがみを生んだというふうに思います。これはやはり放置できないという問題だと思いますけど、新規採用、これを行うべきだと思いますが、どうでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 保育士の新規採用につきましては、計画的に区立保育園の民営化、これを進めていく中で、区立保育園の運営上、保育士の欠員等が出て、運営に支障を来すということが予想される場合には、採用していかなくてはいけないというふうに考えてございます。ただ、その場合でも、保育士の職場を保育園、児童館などに限定するのではなく、保育園で培った経験や能力を地域子ども家庭支援センターなどの相談業務やケースワーク業務、これに積極的に活用したり、あるいは事務職場全体に配置するなども視野に入れながら、2,000人体制の実現に向けて人材の育成・活用を図っていきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 民営化の際に支障を来したらというお話ですけど、要するに、冒頭に言いました公的保育制度のかなめは、区直営の保育園を維持すると、このことがやっぱり大事だと思っています。それは保育の質の確保はもちろん、区民の子育て支援の要求を酌み取る上でやはり欠かせない。やはりそこの自治体行政での保育に対する姿勢と取り組みを見るとき、公立の保育園が基準となっている。ですから、区内の民営化園、民営化になった園からも全園の民営化は問題だ、公的保育の基盤を崩すことになるから、壊すことになるからだ、この指摘はもっともだというふうに思います。全園の民営化についてはやはり撤回すべきである、このことを強調して、保育園についての質問は終わりたいと思います。
 二つ目、子どもの健康について伺います。
 小児の流行性耳下腺炎、おたふく風邪や水痘、水ぼうそうの予防接種に対する公費助成については、本会議の一般質問で検討するとの御答弁がありました。大変結構なことでありまして、ぜひ実現に足を踏み出してほしいというふうに思っております。
 そこで、何点か確認をしたいと思うんですが、おたふく風邪と水ぼうそうは法的疾患と現在されていませんけども、国が認めていないのはどうしてなのか、また、これが見直しをされる、そうした見通しはあるんでしょうか、伺います。
○本保保健予防担当参事 お答えをいたします。予防接種に関しましては、国の検討会の中間報告が平成17年に示されております。これは行政が予防接種を行う一つの根拠になっているものでございます。この報告の中で、御質問の二つの予防接種について、一定の効果が認められるものの、定期接種化に当たっては医学的見地からも副反応などの報告もあり、なお問題があるとして慎重な考え方を持っております。具体的には、水ぼうそうのワクチンについて、流行の予防などの効果が認められる一方、ワクチンの接種後も水ぼうそうが10から15%の頻度で発生するということ、それから、接種率が高くなりますと、ワクチンの効果が減少する可能性があるというふうに報告をしてございます。もう一つのおたふく風邪についてでございますけれども、ワクチンの効果についてもやはり一定の効果が確認されている一方、副反応についても報告されており、無菌性髄膜炎の発生が1,000人から6,000人に1人発生するなど、安全性の点で懸念が残っているというふうに報告してございます。このようなことから、国は現時点では法定化に踏み込んでいないというふうに考えられます。
 今後のことでございますけれども、国の検討会につきましては、医学的あるいは医療経済的な見地からの検討は継続しております。ただ、今後どのような判断が示されるかは不明なところでございますけれども、先行する他自治体においての実績・評価なども見守りながら、検討を中野区内においても続けていきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 そうすると、検討という御答弁の御趣旨は、まだ医学的な見地、医学経済学的なという、そちらの側面もあるんだと。単純に財政面のことからではない、そういうふうに理解していいんですか。
○本保保健予防担当参事 そのとおりでございます。
○長沢委員 国自身は、そうすると、その結果といいますか、一定の検討報告はされているわけですけど、しかし、今もってまだ検討されているという、研究というんでしょうか、というお話でもありましたけど、それはいつごろにその結果が出るんですか。
○本保保健予防担当参事 前回の中間報告は17年の段階ですので、その検討が今、継続されているというふうに考えられますけれども、次の最終報告がいつ出されるかということについては、情報が今のところございません。
○長沢委員 現在、自己負担と言うんでしょうかね、自己負担でございますけど、これ自身をされている方はどれぐらいいらっしゃると承知されていますか。
○本保保健予防担当参事 この二つの予防接種につきましては、法定接種ではございませんので、中野区での接種率というのは把握されてございませんけれども、一般的に2割から3割というふうに推定されているところでございます。
○長沢委員 先ほどの医学的見地と、それら自身が報告を待ってからというお話かもしれませんけど、大変これは費用としては高いというふうに伺っています。今、子育て支援というところでは、経済的な支援自身を求める、これがやっぱりどの調査においても一番であります。そういう意味では、費用の負担額から接種を中止するとか見合わす、こうしたことがならないように、そういったことも含めて、しっかりと中野区としても検討していただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
 もう1点、現在、やむを得ない事情により法定接種を受けることができなかった子どもに区で行っているのは麻疹・風疹、MRと言われるものでありますけども、2年前よりワクチン2回接種法が実施され、今年度から5年間の時限措置でこれが中学1年生、高校3年生、第3期、4期、追加をされたわけであります。しかし、接種率は低調である。一方、区内の罹患者の報告が相次いでいると、こういうことを聞いております。現在の方式だと、中学2年生は5年後の第4期接種を待つことになり、これも1万円ほどということですから、かなり高額な自費で接種を受けざるを得ないわけであります。この辺についても公費による助成を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○本保保健予防担当参事 委員御指摘のように、今年度から開始されました麻疹・風疹の第3期、第4期の予防接種につきましては、接種率の向上が課題となっているところでございます。ただ、特に第3期の接種率向上につきましては、教育委員会と保健所で実態の把握と接種の効果的な勧奨方法につきまして現在検討しているところでございます。ですので、中学2年生から高校2年生までの公費助成につきましては、第3期、第4期の接種率の推移を踏まえて考えていきたいと思っているところでございます。
○長沢委員 昨年だったでしょうか、大変このMRがはやりました。そういったことから国もこうした動きになったというふうに思っておりますけれども。やはり検討されるということでありますけども、しっかりと検討した上で、この点についても足を踏み出していただきたい、このことを強調しておきたいと思います。どうもありがとうございます。
 次に、野方小と沼袋小の統合の問題について伺いたいと思います。
 まず初めに、法務省矯正東京支所の移転については、平成25年度までに完了すると、このように伺っておりますけど、本会議の他の議員さんの質問の答弁におきまして、法務省矯正東京支所の用地取得の話はまだと、このような答弁がございました。そういった不確定な状況のもとで、しかし、統合自身の準備は始めているんでしょうか、伺います。
○青山学校再編担当課長 お答えいたします。法務省矯正研修所につきましては、移転予定地である昭島市及び立川市、東京都の3者が当該施設を含む土地利用計画を国に提出したことから、移転がほぼ確実になったと考えております。野方小学校と沼袋小学校につきましては、平成23年4月に現在の野方小学校の校舎で統合し、その後、法務省矯正研修所の移転跡地に新校舎を建設して移転する計画でございます。
○長沢委員 今の計画、予定においては23年度に現在の野方小で統合し、そうすると、28年でよかったですかね、新しいところに移るというのは。確認しておきたいと思いますが、どうですか。
○青山学校再編担当課長 法務省の現在の計画では、平成25年度中に移転を完了するということになってございますので、現在のところ、私どもの想定としましては、平成28年度に新校舎を建設して移転をしたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 25年での完了ということが、これが大前提と。それで、2年間での建築、新しく新築をして、そこで建てて28年から。しかしながら、それも想定であるというお話です。今年度、野方小は13学級、そして、野方小に仮に平成23年度に統合すると、全学年の学級数は幾つになると、このように予測していますか。
○青山学校再編担当課長 野方小学校と沼袋小学校の統合新校につきましては、平成23年4月の統合時には全校で16学級と見込んでございます。
○長沢委員 そのはじいている算出の根拠というのは何ですか。
○青山学校再編担当課長 統合時の児童数につきましては、統合新校の通学区域内における現在の両校の児童数及び未就学児の数をもとに推計したものでございます。
○長沢委員 この点では、野方小は新井でありますけど、この新井、野方近辺、しかも、斜め前にファミリーマンションが現在建設をされています。来年にはできるというもの、104世帯でしょうか。それ以外にも近くでやはりマンション建設が進められている。あるいは野方一丁目・二丁目自身も、大変狭隘道路が多いところでありますけど、今、新しく新築の建物、一戸建てがふえて、セットバックする中で道路が広がっているということがありますけれども、そういった新しく新築もふえている。やはりファミリー層自身がふえている。こういった子どもがふえる要素、要因がありますけれども、その辺のところは加味しての想定なんでしょうか。
○青山学校再編担当課長 野方小学校の近隣の集合住宅の建設については、私どもも情報把握をしているところでございますが、学級数に大きく影響があるほどの児童数の増加はないものと考えてございます。
○長沢委員 16学級ですから、仮に23年度の4月で3学級がふえるということになります。あるいは、その後のことを見越しても、3から5学級がふえる。そうなると、どう学校内で教室を確保するのか、また関連する設備を確保するのかということになると思います。例えばこれが3学級なり、あるいは3から5ふえるとなると、生活科室やコンピュータ室や多目的ルームや資料室や備蓄倉庫など、これを普通教室に変えていかなければならなくなります。あるいは現在行われている少人数指導、習熟度別授業、これを行うとなると、ここでも教室が必要になる。既にこれで、野方小で16から18学級を確保する教室、部屋は足りないんじゃないですか、違いますか。
○青山学校再編担当課長 まず、統合時に必要な普通教室につきましては、現在、他の用途に使っております部屋を改修することで確保できるというふうに考えてございます。その他の部屋につきましては、現在、学校と相談しながら、新校の教育活動に必要な部屋がどういう部屋であるかということを精査しているところでございます。
○長沢委員 私が紹介させてもらったところ、普通学級以外のところで普通学級に転用して使うというお話だと思います。しかしながら、そういう中で教具や教材などを保管する、そういう資料室、どこをどうというのがありますけども、あるいは地域の備蓄倉庫がありますけども、どこに確保しなければならないのか。こういった新たな設備を整えることが必要になると思いますけど、一体どこにつくられるんですか。
○青山学校再編担当課長 倉庫など日常の教育活動に使用しない部屋につきましては、例えば屋外の邪魔にならない場所に移設することなども含めて、現在検討しているところでございます。
○長沢委員 文部科学省が示す学校施設基準において、野方小は今でさえ児童1人当たりの校庭面積が狭いです。沼袋小の児童が来たら、これはさらに狭くなる。校庭にこうした仮の施設、こうしたことを考えられているんですか、建てることを。
○青山学校再編担当課長 校庭の利用の妨げになる形での設置ということは考えてございません。現在の校舎等建物の間のスペースに倉庫等を設置するということで検討しているところでございます。
○長沢委員 校庭だけじゃなくて、野方小、私も存じ上げておりますけど、間の施設、体育館とかのそういう、横につけるんでしょうか、校庭の裏といいますか、そういったところにつくんでしょうか。非常にそういう意味では、先生方や子どもたちが非常に不便になる。そういうことまでして、やはり23年度のこういう統合なのか、このことを指摘せざるを得ないんですが。
 もう一つ、沼袋小に現在、2004年4月に開設された通級指導学級「のびのび教室」がございます。ことし4月時点で21名の子どもさんたちが在籍校から通級をされている。さらにこの秋、2名の児童が加わることになる予定だとお聞きをしています。この点は傾向として年々ふえているということでありました。学習する部屋や調理室、プレールーム、職員室など現在の沼袋小学校の3階スペースを活用しています。この沼袋小の児童は、野方小との統合により、平成23年度には野方小に移ることが予定されていますけど、それでは、のびのび教室の子どもさんたち、いや、この要するに施設は、行き場としてはどうされるんですか。
○青山学校再編担当課長 のびのび教室をどのようにするかについては、先ほど申し上げました教室の確保等とあわせまして、現在、さまざまな角度から検討しているところでございます。
○長沢委員 先ほど教室が足りなくなるのではないか、あるいは普通教室に転用した際に、物自身は別な形で設備をするというお話でありますけど、そうすると、こののびのび教室は野方小には場所としては移れない。今のスペースを野方小でどう確保するということになるんですか。
○青山学校再編担当課長 基本的には野方小の校舎本体との連携というものが十分に図れるような形で、さまざまな形で検討しているところでございます。
○長沢委員 現在、沼袋小でののびのび教室、この中で、やはりこれまで沼袋小の児童ともこののびのび教室の子らが同じ施設にいて、そういう中で理解をし合い、交流を深めることができた、このようにお聞きしています。やはりそれは大事な教育の観点だというふうに思っていますけど、こういった観点はお持ちではないんですか。
○青山学校再編担当課長 先ほど申し上げましたように、ほかの児童が通っている校舎との連携を十分図れるようにして、のびのび教室の子どもたちにも指導の妨げとならないような形でやっていきたいというふうに考えてございます。
○長沢委員 どこに行くのかというのが依然としてはっきりしないもとでありますけど、いずれにしても、平成23年度からの統合には無理がある、このように思います。これは見直すべきだと思いますが、いかがですか。
○青山学校再編担当課長 沼袋小学校は区内の小学校の中でも特に小規模化が著しく、なるべく早期に学校規模を適正にする必要があるため、統合時期は当初の計画どおり進めていく考えでございます。
○長沢委員 その適正とかいうあれ自身はきょうやりとりしませんけども、勝手に教育委員会が、区の教育自身が当てはめているもので、今だって、少人数で沼袋小の子どもたちは本当に元気で生き生きと学校に通って勉強していると思いますよ。周りの保護者や地域の方々だって、やっぱりそうだというふうに思っています。これは要するに28年度からの新校ができるわけですから、やはり統合するのであれば、それに合わせた、そういう方針に転換をすべきである、このことを指摘し、この項目の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
 6番目に、民間作業所への支援について伺いたいと思います。
 社会福祉法人中野愛育会は、来年度から新体系に移行するため準備をしていると伺っております。区も一緒に協議を重ねているというふうに聞いております。その際に生じる課題として何が挙げられているのか、お聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 愛育会が自立的で安定的な運営をできるような、そういう財政基盤を確立することが課題となっております。その中で、事業計画や収支のバランスが明確になること、また、施設の配置や環境整備が適切に進められる、そういうことが挙げられております。
○長沢委員 ちょっと確認したいんですが、安定的はいいですけど、自立的でというのは、自前でやってくださいという意味ではありませんよね。ちょっと確認したい。
○大橋障害施設担当課長 自立支援給付費を得て、また、利用者の自己負担も得て、そして、ほかに事業的な収入を確保できる方法を探りながら経営的にも自立的なという、そういうことを課題として今、愛育会と協議をしているところです。
○長沢委員 ちょっともう一回。要するに来年4月ですから、自立支援法のもとで、大変厳しくなっているもとで、今のことで区の支援自身はないということなんですか。そうしたものを含めて自立・安定ではないんですか。一応確認します。
○大橋障害施設担当課長 基本的な方向といたしまして、愛育会が自立的、そして、安定的な運営ができるようにということで協議を重ねております。
○長沢委員 じゃあ、質問を移ります。社会福祉法人中野愛育会からこの間ずっと区に要望している事項がございます。愛育会が運営している第1杉の子作業所の2階の部屋、旧宮園乳児室、これを貸してほしいというものであります。2年半待たされて、やっと貸してもらうことになったと伺っています。新体系移行に伴う事業、生活介護と就労継続B型を行うことにしていると伺っています。その際に改修等が必要になりますが、それへの支援が求められております。例えば1階の就労継続B型の中で調理・配食業務をと考えているというふうに伺っています。今の旧宮園乳児室の調理室のままでは使える面積が狭く、しかも動線が悪いと。また、2階で生活介護を行うとなると、物を運ぶのにリフトなどが必要となるというふうにおっしゃっております。こうした改修への支援が必要だというふうに思いますが、どうされますか。
○大橋障害施設担当課長 第1杉の子作業所の2階については、愛育会から要望を受けまして、その貸し出しについて今、協議をしているところです。そして、新法の事業のあり方につきましても、いろいろと愛育会から考えを示してもらっておりまして、いろいろと協議を進めていく、その中で、また改修の範囲や区の対応についても協議の中でいろいろと進め、そして検討していきたいと、そういうところでございます。
○長沢委員 愛育会としては、事業として生活介護、そして就労継続B型だけではなくて、就労移行支援、これをも展望しているというふうに伺っております。区からもその事業が期待をされていると、区は期待をしているということだと思っております。しかし、やはりやってほしいという、区からは、それだけでは事が進まないのではないか。法人の努力だけではやはりままならないのが実情だというふうに思います。ジョブコーチの配置が必要だが、しかし、今のままでは雇える状況、経営状態ではないということです。この点でも支援を求められておりますが、どのように思われますか。
○大橋障害施設担当課長 これまでの愛育会との話の中で、就労移行支援、就労に結びつくような事業をやっていただきたいというこちらからの話はしておりますけれども、それに向かっての愛育会としてジョブコーチを配置するということについては伺っておりません。障害者福祉事業団にジョブコーチがおりますので、その必要な支援をそこができると、そのように考えております。
○長沢委員 ジョブコーチをすぐ必要という意味ではなかったんですが、やはり就労移行支援をしていくというところでは、自前でジョブコーチを、これを配置ということも当然必要ではないかという御認識を愛育会の方がされていたということでありますけども。
 今年度新体系移行のための支援策を区として行ったと伺っていますが、それは具体的に何でしょうか。
○大橋障害施設担当課長 今年度の予算に計上いたしましたが、3点ございます。一つは、国民健康保険連合会への自立支援給付費の請求を行うための、そのために必要となるシステム初期導入費でございます。これはパソコンを使って自立支援給付を国民健康保険連合会へ請求すると、そういう事務が新しく発生いたします。その機器の予算計上です。2点目が、それを行う、請求事務を職員が行うに当たりまして、事前に研修等、または勉強等する期間が必要だと。その間、その職員が指導の時間から抜ける部分を臨時職員等でやっていただく、その人件費、1月から3月の3カ月間を計上しております。3点目が、新体系移行に伴い必要となる施設整備のための維持補修費用、それを計上しております。この3点です。
○長沢委員 ありがとうございます。第1だけではなくて、どこでも利用者がふえて施設が狭くなったために、運営に支障を来していると伺います。例えば沼袋三丁目にあります第4杉の子作業所、ここが移転希望をここ何年も前から区に出されておりますけども、既に今のところでは狭過ぎる。なるべく早く区の空き施設に移転をしたい。利用者の保護者からも繰り返し要望が出されていると伺っております。新体系に移行するとなりますと、第3事業所の今の第3杉の子の分場になる。事業としては生活介護と就労継続B型のサービスを行っていく。利用定員はそれぞれ6名と10名の16名。本来は生活介護と就労継続B型、このサービスを区切って二つの事業が円滑にできることが望ましいというふうにもおっしゃっています。この点はどうされますか。
○大橋障害施設担当課長 施設の条件や改善についての要望または御意見等については、愛育会から伺っております。そして、私ども区としても、今の施設については課題があると、そういう認識は持っております。この問題については、やはり総合的に障害者の福祉施設の全体の課題として受けとめて、今後この対応の検討をしていきたいと、そのように考えております。
○長沢委員 先ほども言いましたけども、どこでもやっぱり施設が狭いというところで、共通した悩みというんでしょうか、出されています。第5杉の子作業所、やはり場所が狭くて、自閉症の利用者の方が時々パニックを起こす。しかし、ワンルームのため、カーテンで仕切って落ちつかせるしかない。それでもだめなら踊り場にと。その辺では、近所から虐待に見られかねない、要らぬ誤解を受けると、こんなことまで心配されている。火事になったら逃げ場もない。やはり新体系事業の実施に適合した施設の整備・改善、このことが待たれている、このように思っております。
 もう1点、第3杉の子作業所というのが大和町三丁目にございます。これが移行後、第3事業所となりますけれども、ここの施設では耐震性に問題があると伺っております。この点はどうされますか。
○大橋障害施設担当課長 耐震性能の評価につきまして、Bランクの評価を受けている施設です。耐震の改修の計画上では、おおむね23年度までに耐震改修を完了すると、そういう計画となっております。
○長沢委員 同時に、移行後の円滑な運営を図るため、愛育会としても運転資金の助成、またこれにかわる措置を求められていますけど、この辺についてはいかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 運転資金のやはり課題につきましても愛育会のほうからお話をいただいておりまして、今後、愛育会と協議をしながら、区として何ができるかを考えていきたいと、そのように考えております。
○長沢委員 よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、精神障害者の共同作業所においても実情は同じであります。野方六丁目にある二つの作業所、両所とも利用者がふえ続け、狭くて息苦しいほどの劣悪な環境だというふうに伺います。その中で、利用者・職員ともども頑張っていると聞いています。見学や通所希望者も途絶えることがありませんけれども、スペースの狭さを理由に通所希望者の受け入れができず、適切な処遇ができないでいるとも伺います。速やかな作業所の移転支援を求めております。これについてはどのようにお答えされますか。
○大橋障害施設担当課長 御指摘の作業所につきましても作業所の環境改善の要望等がありまして、やはりその点では課題があると区としても認識しております。やはりこの問題につきましても、総合的に障害者施設の全体的な課題として受けとめて、その対応を考えていきたいと、そのように考えております。
○長沢委員 ここの両作業所については、現在のところからそう遠くない場所に候補地があったけども、結果的にそこでの契約がだめになったと聞いています。そのことについて詳細は伺いませんけども、やはりこうした作業所の移転場所を見つけるのは大変なことであります。仮に民間物件の移転を行うのであれば、やはり実態に見合った家賃等の助成も欠かせない。また、区有施設のあいているところなどの情報提供、当事者を交えての施設の利用検討なども、これも必要である、このことも求められておりますけども、いかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 今現在、この家賃について、2所の作業所についての助成を行っております。もし移転ということになれば、適切な家賃について検討していきたいと、そのように考えております。
○長沢委員 すみません。一緒に伺っちゃったんですけど、区有施設のあいているところの情報提供、あるいは当事者を交えての施設の利用検討、こうしたこと自身も一方では出されていると思っておりますけども、その点はいかがですか。
○大橋障害施設担当課長 今後、区有施設を提供できることになれば、それぞれの団体に情報提供として協議を行っていくことになると考えております。そして、現在、区有施設の活用については区全体で検討している状況にあり、事業者の方に施設を特定して情報提供する状況にはないと考えております。
○長沢委員 また、ここも当然、新しい法律のもとでの新体系移行というのが23年度中に移行しなければならないということであります。この精神障害者の共同作業所においても当然このことを視野に入れているわけでありますけども、それに対しても支援を求められていますけど、この点について区のお考えをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょう。
○大橋障害施設担当課長 これまでも区は、新体系移行を踏まえた協議を事業者と行ってまいりました。そして、移行のための支援策も用意したりしております。今後も引き続き、新体系移行を進めるようよく協議をしてまいりたいと、そのように考えております。
○長沢委員 ありがとうございます。民間作業所全体が障害者自立支援法のもとで厳しい運営状況、これにさらされるということにもなります。施設や運営のありようは、利用者へのサービス確保にも直結するものでございますので、支援を重ねて求めたいと思っております。
 もう1点、障害者の就労支援を促す立場から伺います。障害者会館が指定管理者の管理委託に移されようとしておりますけども、この障害者会館では長年にわたって障害者が清掃業務を行っておりました。仮に管理委託になったとしても、就労支援の立場から引き続き働けるように区に特段の努力を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 障害者福祉会館の事業は、清掃事業も含めて指定管理者の業務とする、そういうふうに考えて進めております。障害者雇用につきましては、指定管理者に対して一定の働きかけをしていきたいと、そのように考えております。
○長沢委員 どうもありがとうございました。
 この項目でもう1点、障害者の就労支援ネットワークについてお伺いします。
 就労支援ネットワークについては、中野区保健福祉総合推進計画2005の中で拡充をうたっております。現在の成果はどうなのか、また、障害者福祉事業団が事務局の役割を果たすとされていますが、具体的にはどのような役割を果たしているのか、伺いたいと思います。
○辻本障害福祉担当課長 お答えいたします。就労支援ネットワークでございますけども、区内の官民の授産施設あるいは共同作業所などが連携をいたしまして、仕事の受注管理あるいは就労機会の拡大などの活動を行っているところでございます。区といたしましては、着実に成果を上げていただいていると認識しているところでございます。また、障害者福祉事業団、これは事務局の機能を果たしているということでございまして、会議の運営のほか、中野就労支援ネットワークニュースの発行、さらには、最近行われましたところでは、特例子会社の職場見学会などを実施してございまして、ネットワークの活性化に努めているところでございます。
○長沢委員 どうもありがとうございました。これでこの項の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
 次に、都市計画マスタープランについてお伺いします。
 1番目に、都市計画マスタープランについてでありますが、都市計画マスタープランを改定するというものでございますけども、現行の都市計画マスタープランを説明会あるいは委員会等で基本とする、また踏襲する、このようにおっしゃっておりますが、これは具体的に何を指しておっしゃっているんでしょうか。
○田中都市計画調整担当課長 現在、都市計画マスタープランの改定の作業を進めております。現行の都市計画マスタープランにおきましては、将来目指す方向としまして、安全で快適なまち、それから、安心して暮らせる活気あるまち、もう一つ、ともにつくる中野のまち、この三つを柱として掲げております。これらの柱とともに、その柱に基づく基本的な方針につきまして、基本的に踏襲をしていくという考え方でございます。具体的なところがもしわかりにくいということでございましたら、反対に、どういうポイントで改定を進めていくかというのを御説明させていただくとわかりやすいと思うんですけれども、その用意はございます。
○長沢委員 今のは踏襲するということですが、そうですね。改めて何か、じゃあ、加えると、あるいは変更するという角度からお伺いしたいんですが、どうでしょうか。
○田中都市計画調整担当課長 都市計画マスタープランにつきまして、見直しを加えていくポイントとしては五つぐらいを考えております。それらについて必要な改定を加え、それら以外のところについては基本的に踏襲するというものでございます。
 まず、大きな一つ目でございますけれども、現在の都市計画マスタープランの達成状況を見たときに、必ずしも十分でないところがあります。その大きなところとして三つを挙げさせていただきたいと思っているんですけれども、その三つにつきましては、見直すというよりも、今までの記述以上に強調していく必要があるというふうに考えております。
 その1でありますけれども、災害に対するまちの安全性の確保でございます。これは災害に対しての安全性、脆弱性というのはまだまだ残されておりまして、今後とも、あるいはこれまで以上の施策を持ちながら、まちの安全性の確保を進めていく必要があると考えています。
 それからもう一つ、二つ目でありますけれども、小さな二つ目ですね。まちの活力の向上でございます。商店街や産業が活気にあふれる、あるいは人々が集い交流する魅力あるにぎわいがあるまちをつくる、あるいは商業業務地に拠点集約化を図る、そういったことが今の都市計画マスタープランで方向づけているところでございますけれども、現実を見ていきますと、まだ必ずしもそこのところは十分な取り組みが進んでいないと考えております。中野区には、実は区内に11万人の方々が働いていらっしゃいます。そういった、これは年々ふえてきている状況がございます。今後とも中野のまちの活力あるいは魅力を高めるために、中野駅周辺のまちづくりでありますとか、そういったことを通じながら、産業機能の活性化についての取り組みも一層強める必要があるかと思います。
 それから、現行都市計画マスタープランとの関係でいきますと、三つ目でありますけれども、まちづくりに向けての住民合意形成を十分にこれまで以上に図っていく必要があるということでございます。区民による主体的な取り組み、あるいは区民主体のまちづくりとして区民による地域づくりを進める、実践する、これが現行マスタープランに方向づけているところでありますけれども、現実的に地域の中でいろいろなルールづくり、あるいは具体的な事業を進めていくための合意形成、それがなかなか進まないために、いろいろな事業あるいは施策、そういったことが動いていない状況がございます。これにつきましては、さまざまな都市計画事業ですとか、あるいは地区計画ですとか、あるいは地域地区の変更など、都市計画の仕事の上での前提となりますので、住民間の合意形成ということがですね。これらについて、より促進を図るような手だても含めて検討していく必要があるかと思いますし、また、そういった身近な地区でのまちづくり活動を支援するといったことも強化する必要があるかと思います。
 それから、大きな二つ目でございます。地球環境問題の深刻化――すみません。時間をちょっといただきます。少子・高齢化の進展、これは全国的な、あるいは全世界的な課題だと思いますけれども、中野区としてもこれに取り組んでいく必要があるかと思います。これはあまりまだ触れていなかったんですね。ですから、触れる必要があると、付加する必要があると考えております。
 それから、都市計画の提案制度――まだ大きな二つ目です。都市計画の提案制度あるいは景観法もできました。法制度が変わったことにつきまして、今のマスタープランでは対応しておりませんので、触れます。
 それから、三つ目でございますけども、中野区の中に目を転じてみましたら、中野駅周辺のまちづくりでありますとか、西武新宿線の連立化、あるいはそれに伴う沿線まちづくり、あるいは国家公務員等宿舎あるいは小・中学校跡地の有効利用、そういった新しい都市整備の課題が出てきております。そういったことに対応していく必要があるということでございます。
 それから、四つ目としましては、中野区の個性の強化を図る必要がある。今のマスタープランでは必ずしもそういうことは全くうたっておりませんでした。個性を生かして、これは住みやすく、中野に住まいを選択していただく、また、働く人が中野に仕事場を選択していただく、商売・事業を行う方々が中野に選択していただく、働きやすくて暮らしやすい、そういった魅力を高めることを都市計画マスタープランの中でも打ち出していく必要があるかと思います。
 最後でありますけれども、都市計画マスタープランは基本構想と、それから都市計画区域マスタープランを上位計画として、それに即して定めることになっております。現在のマスタープランが策定された以降、基本構想を区として改定いたしました。また、東京都でも都市計画区域マスタープランを改定いたしました。その内容に整合するように改めていくということでございます。
 そういったところが大きな見直す点でございます。そのほかのところにつきましては、踏襲をしていくというところでございます。
○長沢委員 たくさん説明をしていただきまして、それ自身はありがとうございます。それで、ちょっと聞き方を変えるというか。委員会、議会にということですね、あと、住民説明会にということで、一度基本的な考え方ということを示されていますね。私も住民説明会のところを一度参加させていただきました。今、私が最初に質問した踏襲するとか基本とするとかで、そのことはそうですということなんだけど、今おっしゃられた改定のポイントみたいな、そういうお話というのはされていないんですよね。基本的な考え方についても、そういった書き方、記述はされていないですね。いや、いわゆる点在というか、入っているとは思いますよ。そのことはどういうふうに思われますか。
○田中都市計画調整担当課長 基本的考え方、これは7月末から8月上旬にかけて意見交換会で御紹介した資料でございますけれども、今申したところは、主なところは改定の目的という章のところに挙げてございます。今、ちょっと多く時間をいただき説明をさせていただきましたけれども、基本的なところはそこに記述をしておりまして、先日も説明をさせていただいたところでございます。
○長沢委員 それと、先ほど達成状況が十分でないということを強調したんだという、三つ目にまちづくりの住民合意形成ということもおっしゃいました。この点では、現行の都市マスの7章部分というのは非常によく書かれているなというふうに思っています、達成状況はどうあれね。どうあれというのは、結局、行政主導型を改めてこうしていくんだということが要するに現行都市マスでは書かれていることなんですけども。確かに基本的な考え方で、このことについては多くの方々から、中野のまちをともにつくるという、こういうサブタイトルといいますかね、これをどうするんですかということで、当然生かしますとかおっしゃっているんだけども、しかし、やはり考え方のところでは、協働という文字はありますけど、その点については触れ方が不十分かなと思っています。先ほどの五つの改定ポイントの中でそのことは強調はされているんだけど、強調するというよりは、7章の協働のまちづくり自身をどう生かしていくのか、なぜこれがいかなかったのかという、そういう分析と、要するに検証自身が必要じゃないかと思っています。あわせて、この7章の部分はどうしていくのか、お答えいただけますか。
○田中都市計画調整担当課長 4月末から8月にかけての改定の基本的な考え方の資料におきましては、将来の都市づくりの基本的な姿を記述して御説明した資料でございます。中身としましては、都市マスの位置付けでありますとか、基本理念、目標、都市整備の基本的考え方といった点をお示ししたところでございます。その後、地域別のまちづくりの方針並びに、第7章に当たりますそれをどう推進していくかということについても、都市計画マスタープランとしてはもちろん盛り込んでいくつもりでございました。これは次のまた素案をお示しする段階で考えて、お示ししていこうというふうに考えております。
○長沢委員 もう1点、進め方の問題として伺っておきます。建設委員会で一度、都市計画審議会に諮問する、こうした報告がされていますけど、これはしないということに変わりました。なぜ変更されたんですか。
○田中都市計画調整担当課長 委員の今の御紹介の旨は、たしか1年半、昨年の3月であったでしょうか。そのときに、おおむねの都市計画マスタープランの策定に向けた流れを区のほうから説明申し上げました。その中で、都市計画審議会への諮問といったことも想定しているというふうに確かにお答えを申したところでございますけれども、今の中野区の考え方といたしましては、これらにつきまして、諮問という形で都市計画審議会にお諮りをすることはせずに、その都度、策定状況あるいは案の中身、そういったことについて都市計画審議会に報告申し上げ、いろいろと御議論をいただき、意見をいただき、それを反映して改定を進めると、そういう考え方をとってございます。
○長沢委員 報告し、議論をしていただいて意見をもらう。意見具申ということでいいんですか。そういう位置付けがあるということですか。
○田中都市計画調整担当課長 はい、意見を伺うという考え方でございます。
○長沢委員 それともう一つ、先ほど、説明会があって、素案の段階でもう一度意見交換会があるということであります。手続的に伺いたいんですが、その後はどういう形になって、これがいつ決定という、そういうスケジュールになりますか。
○田中都市計画調整担当課長 意見交換会は10月末から11月の半ばにかけまして実施をする予定でございます。そこで、そのほかいろいろな手段をとりまして、資料の中身については広報する手だてを並行してとってまいります。そこでいただいた意見をもとに、素案というもので検討し、案として固めていきたいと思ってございます。それに基づきまして、その案をもってパブリックコメント手続に来年に入って入りたいと思っております。今後のスケジュールの予定としましては、年度内に改定を行いたいと考えております。
○長沢委員 計画の改定のやはり今の段階からしっかりと区民の参加と協働を貫く。つまり、意見交換会、パブリックコメントという、もうこれだけでおしまいですよと、やはり必要であれば意見交換会ももっとやるし、パブリックコメントについても双方向ということで、決定の段階にとどまらず、そういったこともぜひ検討していただきたいというふうに思っております。これは要望しておきます。ありがとうございます。
 その他の項で、上鷺宮まちづくりについて伺います。
 9月に2回、(仮称)まちづくりを語る会が地元にて開かれました。事前に上鷺宮地域の住民には上鷺宮のまちづくりについての中野区からのお知らせが配られましたけども、住民からは不安と不満の声が出されました。1年前に撤回、ところがまた出てきた。住民の皆さんが心配していたことが現実に起こってしまったというものであります。この語る会に私も一度参加をさせていただきましたが、事実上抗議集会と化したというふうに思っています。この点はどのように受けとめられていますか。
○萩原北部地域まちづくり担当課長 前回、地域の皆様にたたき台を提案させていただいた際に、道路の計画のところで住民の皆様から反対の意見が出されまして、まちの課題やあるべき姿、あるべき将来像について意見交換というところまで至りませんでした。今後はまず、地域の皆様がともに課題やあるべき姿を共有できる場をつくっていく必要があるというふうに考えておりまして、区はいつまでに何をするというような期限や方向性の与件を持たずに、地域の皆様がともに語り合える場を根気よく始めていきたいというふうに考えております。
○長沢委員 ぜひやっぱり住民を引き回すようなことだけはやめていただきたいと思っていますし、そういう意味では、今のやり方というのは時期尚早ではないかというふうに思っております。どうもありがとうございます。
 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上をもちまして長沢委員の質疑を終了いたします。
 次に、佐伯利昭委員、お願いします。
○佐伯委員 2008年第3回定例会決算特別委員会におきまして、民主クラブの立場から総括質疑を行わせていただきます。
 質問につきましては、人事院勧告について、株式会社まちづくり中野21の運営状況等について、不当要求行為に対する職員の責務と危機管理について、中野駅北口広場について、その他ということで、旧区域外スポーツ施設用地の売却については、これはいわゆる上野原スポーツ・学習施設用地についてでございますけども、この件は引退された近藤正二元議員の思いも込めて質問するというようなお話をしましたので、私のほうからは簡単に触れておきたいと考えているところでございます。2年ぶりの総括質疑ということで大変緊張しておりますので、ぜひよろしくお願いします。
 まず初めに、国家公務員の給与・勤務条件などを決めるための国の人事院勧告が8月に出されましたが、ことしの勧告には二つの大きなポイントがあったかと思います。それを挙げてください。
○合川人事担当課長 今回の人事院勧告につきましては、給与勧告では月例給・ボーナスともに水準の改定がなかったこと、また二つ目として、勤務時間について1日7時間45分、1週38時間45分に改定することが適当とする勧告がなされたということがポイントでございます。
○佐伯委員 東京都や23区の人事委員会の勧告もこの国の勧告を参考にすることが多いのでお聞きしているわけですけれども、1日の勤務時間が減らされるということは、役所の開庁時間・閉庁時間にも影響が出てくるんでしょうか。
○合川人事担当課長 特別区人事委員会が人事院勧告と同様に勤務時間に関する勧告をするのかどうか、現時点では明らかではございませんが、仮に1日7時間45分になった場合でも、開庁・閉庁時間に変更はないというふうに考えてございます。
○佐伯委員 それはどのようにして開庁時間・閉庁時間には影響ないようにするんでしょうか。それで、具体的に7時間45分にするということは、この15分というのはどこから出すんでしょうか。
○合川人事担当課長 現在、休憩時間ということで45分の休憩時間をとってございます。その休憩時間を1時間とし、その中で1日7時間45分という形で運用したいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 今、45分の休憩時間というのは何時から何時ですか、条例上は。
○合川人事担当課長 正午から午後0時45分ということでございます。
○佐伯委員 実際にチャイムが鳴るのは午後1時ですよね。この問題については、休憩時間、休息時間について前長田課長ともかなりやりとりをしました。そもそもこういった勧告が出る背景には、実体のない休息時間については見直せというところから始まってきたわけだと思うんですけども、現実問題として、今、1時間の休憩がとられているというのが実態じゃないですか。
○合川人事担当課長 休息時間、15分ずつの部分について割り当てているということでございます。
○佐伯委員 休息時間15分ずつの分というのは一体どういうことですか。
○合川人事担当課長 休息時間につきましては、午前10時15分から午前10時30分まで、午後3時から午後3時15分までということでございます。
○佐伯委員 それは職員の勤務時間、休憩時間に関する規程の中にあるわけですけども、休息時間というのは、じゃあ、一体どういう時間なんですか。
○合川人事担当課長 通常、手休めの時間というふうに認識をしてございます。
○佐伯委員 手休めというのは自席にいなくてもいいんですか。
○合川人事担当課長 通常、勤務がとれる状況ということでございます。
○佐伯委員 庁舎の外にいても勤務がとれるんですか。
○合川人事担当課長 勤務がとれる状況ということでございますので、そういった手休めの時間という形で運用してございます。
○佐伯委員 聞かれたことに答えてください。庁舎の外にいても勤務ができるんですか、勤務がとれるんですか。
○合川人事担当課長 そういった意味では、休息時間についてこの部分を割り当てているということでございます。
○佐伯委員 違います。庁舎の外にいても、ですから、12時45分になっても庁舎の外にいても勤務がとれるんですかということを聞いているんです。
○合川人事担当課長 そういった意味では、勤務のとれる状況ではないというふうに認識をしてございます。
○佐伯委員 別に1時間休むから悪いとか、そういったことを言っているんじゃないんですよ。実態として、45分までの休憩なのに、そこを休息時間だ何だかんだという理屈をつけて今までずっとやってきたわけじゃないですか。区民の方から見れば非常にこれはおかしな姿ですよ。それで、仮に15分間、ことしの、先ほど篠委員のときの質疑の際にもありましたけれども、平成19年度の人件費、職員給を見ますと184億5,577万6,000円です。これから退職金を30億円引いたとして、そして、15分間ですから480分の15分ですから、それを換算すると、その15分間に支払われるお金というのは4億8,299万3,000円になるんですよ。もちろん昼休み時間も休めないで仕事をしている方もいます。そして、我々も職員の方がいれば、昼休み中だって頼みますよ、仕事を。だけれども、こういううやむやなうちにやっているということがおかしいんじゃないですかということを言っているんですよ。しかも、休息時間について問題になって、本来であれば、じゃあ、勤務時間をどうしようかということが出たときに、勤務時間をふやすんじゃなくて、これを休憩時間にしちゃうというのは、非常にこれはお役人さん的なやり方だなと思います。
 そういったことで、これは指摘だけにしておきますけれども、今回の勧告の中で、1日の労働時間を7時間45分とすると、総裁の談話なんかもありましたけども、人事担当課長も公務員以外のお友達とか、そういった方がいると思いますけども、民間の実態と比較して7時間45分という勤務時間、これが本当に、民間の実態というのはそんなものだとお考えですか。
○合川人事担当課長 本年の人事院の勤務時間の調査結果につきましては、1日7時間45分、1週38時間49分、平成16年から本年までの調査結果の平均が1日7時間44分、1週38時間48分ということでありまして、調査結果としてはそのように受けとめておるところでございます。
○佐伯委員 調査結果ではなくて、今言いましたように、人事担当課長も恐らく公務員以外の方のお友達もいらっしゃるでしょうし、そういった中で、民間の実態というのを考えたときに、本当に7時間45分で、例えば地下鉄の東西線で行って竹橋でおりてください。丸紅の本社があります。丸紅の本社の前で、見ていてください。歩いていってください。東京海上の本社があります。そういったところに5時半になったらぞろぞろ社員が出てくるかということを考えたときに、この勧告というのはあまりにも民間の感覚からかけ離れたものではないでしょうかということを問いかけているので、本当にこれ、感想で結構ですから、人事担当課長、どうですか。
○合川人事担当課長 その感想を述べるという立場ではございませんので、回答についてはお控えさせていただきます。
○佐伯委員 7時間45分については後ほど出てくるところでお話が出てきますので、この場はこれにとどめておきます。
 次に、株式会社まちづくり21の運営状況についてお聞きします。
 この問題については、この後、今定例会において関連の補正予算も出されるということが9月26日の議会運営委員会で区長から明らかになりましたので、十分注意を払って質問をしたいと思います。そのため、9月12日の総務委員会の資料に沿ってお尋ねしますが、それによりますと、中野サンプラザ取得・運営事業者の出資者の代表企業である株式会社BBHからサンプラザ事業に影響を及ぼしかねない資料の提供が本年7月にあったとありました。その後、云々書いてあるわけですけれども、結論として、これに違反すれば、所有会社は融資について期限の利益を喪失すること、つまり、融資の一括返還を拒めないことになる、甚だ意味深刻な記載があるわけです。
 私もそういったことで、平成16年当時のこの問題についての総務委員会での質疑、先週の土曜・日曜日を通しましてずっと読み返してみました。そういった中では、区長自身からも、株は勝手に譲渡はできないんだから大丈夫だとか、最善の、最良のフレームであるとか、さんざん繰り返し述べられているわけです。繰り返しになりますけども、区はこれまで一貫してサンプラザの取得・運営については最善のフレームなんだ、最良のスキームなんだと議会にも区民にも説明したわけですけども、なぜこうしたことになってしまったのか、この事業者の選択に誤りはなかったか、お聞きします。
○川崎経営室経営担当参事 お答えをいたします。今、委員の質問の中で、なぜこういう状況になったかという、こういう状況の部分について、申しわけありません。ちょっと私のほうの受けとめ方が正しくなければ御指摘をいただきたいと思うんですが、先ほど、9月12日の委員会報告をもとにということでお話ですので、その報告の中で、代表企業のほうからも、このスキームの変更を示唆するような文書が出されたという、そういったような状況をとらまえてのお話ということでよろしいでしょうか。
 このスキームについて、区はこれまで最善だという、その当時考えた中では一番いい形をつくったという中で、なぜそのようなことかということに立ち戻ってお答えをしたいと思うんですけれども、区といたしまして、このスキームについては、区が3分の2の議決権を有している中で事業全体を主導していけるということでお話をしていきました。今回少し大きな動きが起きようとしていますのは、これは参加をした企業グループのそれぞれの事情の変更によるものというふうに考えております。
○佐伯委員 事情の変更によるものということなんですけれども、実際問題としてこれが、Aが保有する――Aというのは株式会社中野サンプラザの株式を借入金の担保としてBの名義に書きかえる旨の提案をした旨がうかがえる内容であったということが書いてあるんですけども、結局、さまざまな制約があって、株の売買、区の承諾がなければ売買もできないんだと、売買が禁止されているんだ、そういったことを再三区はこの問題が起きたときにお述べになっていたわけですけども、売買には至っておりませんけども、実質的にこうした担保として一つ事が進んでしまえば、名義が変わってしまうという状況になったということは、これは明らかにこれまでの区の認識が甘かった、そういったことに尽きるんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 9月12日に御報告をいたしましたのは、名義貸しを疑われるような情報が寄せられたということでございまして、その内容はまだ確定をしたというわけではございません。またなお、そういったことをすることがあってはならないということで、さまざまな協定が結ばれているわけでありまして、逆に、その協定によってそういうことが実際に行えないような仕組みにはなっておりました。
○佐伯委員 行えないのならば何も恐れることはないですよね、今。そういった中で、繰り返し区がおっしゃってきた3分の2の議決権があるんだから大丈夫なんだという話ですけども、これまで取得から3年たっているわけですけども、3分の2持っていたからよかったと、3分の2を持っていたから事を優位に運べたということは何かおありなんでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 3分の2の議決権、主導権を持っている、その真価が発揮をされるのは、これは将来のまちづくりを進める、そのときだと思いますけども、今、これまでに具体的なところでどういうことかという御質問でしたけれども、例えば昨年、このリース問題が提起をされた際に、まちづくり中野21、所有会社への区の主導権を強めるべきだというような御意見がある中で、役員の変更というのがございました。この役員の変更というのは、会社の運営にとって非常に重要な事項でございますが、これにつきましても、区が3分の2の議決権を持っているという中で、区が主導的に動くことができたということが言えるかと思います。
○佐伯委員 それで、先ほども中野区の平成16年度の決算の中で、長沢委員からもお話がありましたけれども、予備費から支出をしてサンプラザにかかわる問題について弁護士、公認会計士などに調査を依頼しているわけですけども、本来これはまちづくり中野21の会計から支出するべき問題なのではなかったんでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 確かにまちづくり中野21としてもこの問題については当初からしっかり取り組んでいるところでございますけれども、中野区といたしましては、まちづくり中野21の株主であるということ、それよりも何よりも、サンプラザ事業全体に責任を持つ立場といたしまして、これらの調査をしっかり区として行うべきだというふうに考えたところでございます。
○吉原委員長 委員会を暫時休憩いたします。
      午後5時00分休憩

      午後5時04分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
 理事会の報告をします。
 佐伯委員の質疑の途中ですが、本日の質疑は一たん終了し、あす引き続き佐伯委員の質疑から始めることを確認しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は、10月2日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の決算特別委員会を散会します。
      午後5時04分散会