1.平成21年(2009年)9月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 きたごう 秀 文 24番 伊 藤 正 信
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 市 川 みのる 34番 斉 藤 金 造
35番 篠 国 昭 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 欠 員 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 鈴 木 由美子
子ども家庭部長 竹 内 沖 司 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 田 原 なるみ 都市整備部長 石 井 正 行
まちづくり推進室長 川 崎 亨 教育委員会事務局次長 田 辺 裕 子
政策室副参事(企画調整担当) 田 中 政 之 経営室参事(経営担当) 長 田 久 雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 奈 良 浩 二
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 長 﨑 武 史
書 記 荒 井 勉 書 記 河 村 孝 雄
書 記 菅 野 多身子 書 記 丸 尾 明 美
書 記 土 屋 佳代子 書 記 鳥 居 誠
書 記 杉 本 兼太郎 書 記 鈴 木 均
書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成21年(2009年)9月24日午後1時開議)
日程第1 第54号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算
第55号議案 平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算
第57号議案 桃花小学校体育館等改築工事請負契約
第58号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約
第59号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約
第60号議案 仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約
日程第2 認定第1号 平成20年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成20年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成20年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成20年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成20年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第6号 平成20年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について
追加議事日程
日程第4 議員提出議案第12号 地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書
午後1時00分開議
○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
9月17日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 白 井 秀 史
1 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)と財政運営について
2 東中野駅前広場整備、東中野小跡地活用及び上落合2丁目交差点地下通路について
3 療養病床と介護病床(特別養護老人ホーム等)の増床施策について
4 区内の診療体制について
5 行政の事務経費の削減について
6 その他
○議長(伊藤正信) 最初に、白井秀史議員。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 平成21年第3回定例会に当たり、公明党の立場から質問をさせていただきます。
さきの衆議院選挙におきましては、公明党としてかつてない厳しい議席減の結果となりました。比例区において議席減を踏みとどめましたが、小選挙区は全敗の結果でありました。しかしながら、得票や得票率を子細に見ると、決して大幅な減少の上での議席減ではなく、むしろ増加している地域、また過去最高の得票をちょうだいした地域も多々ありました。ひとえに血のにじむような御支援をちょうだいいたしました党員の皆様、支持者の皆様の御尽力のおかげであると心よりの御礼を申し上げるとともに、お心を議席へとつなげることができなかった結果に対し、おわびを申し上げます。我々公明党議員団としても、この結果を真摯に受けとめ、次への出発を期し、何よりも頑張れとのお声をかけていただいた皆様におこたえするため、公明党の立党の精神である「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との原点に立ち返り、全力で働いてまいります。
その姿勢に立って質問に移ります。
初めに、10か年計画に関連して、区の予算の前提となる国の予算の動向に対する区長のお考えを伺います。既に可決成立している国の平成21年度本予算及び第1次補正予算について、新政府は一部を凍結し、予算執行の停止をさせる結果を行ったことが報じられています。地方自治体から反発の声を受け、地方自治体向け以外の基金2兆2,000億円の一部を対象とすることや、官庁、独立行政法人の施設整備費6,000億円、官庁が調達する環境対応車と地上デジタル放送整備費2,000億円の3分野が現段階では対象となりました。
新政府はこれらをもとに、子ども手当などの実現のため、財源にあて込みたい思惑がうかがえますが、必要な財源の確保には、なお数兆円の不足と言われています。国の各省は、10月2日をめどに所管予算の見直し案をまとめるとしていますが、依然不透明です。地方自治体の財源を混乱させるような国の動向に対し、区長として、また23区区長会等へ働きかけを行う必要があると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。また、既にそうした機敏な行動をとられているようなことがあれば、あわせてお伺いします。
次に、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)と財政運営についてお伺いします。
現在、中野区は、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」の素案の策定中でありますが、この施策を支える財源については、いまだに財政フレームが示されていません。社会経済状況からいっても、中野区の身の丈に合った財政力に裏付けされた計画となっているかどうかが、10か年計画(第2次)の評価のポイントであると考えます。
平成18年1月、区は、基本構想で描いた基本理念を実践するとともに、将来像と10年後の姿を実現するために、基本計画となる現在の「新しい中野をつくる10か年計画」を策定しました。計画期間は、平成17年度から平成26年度の10年間です。明年がその折り返しの5年目となるため、計画の見直しを進めてきましたが、計画の変更だけではなく基本構想の変更を行い、計画期間も平成31年度までの期間とする考えが示されています。計画と財源は車に例えて両輪と言われますが、第2次の10か年計画が示された中、第2次の財政フレームの提示がなぜおくれているのか。また、提示の時期について、来年度予算の示される前までに提示したいとは、具体的にいつごろになる見通しなのかを伺います。
次に、歳計現金等残高について伺います。歳計現金等残高とは、区の歳入歳出予算に属する現金の残高と歳計外現金の残高も加えた現金残高との意で用います。平成21年度の歳計現金等残高の推移について、一時的には支払いのための現金が不足し、平成17年度以降行われていない基金からの繰りかえ運用が行われる可能性があるのではないか。もしくは平成15年度以降行われていない一時借入金の実行が避けられないのではないかというシミュレーションがあるようです。その際、基金からの繰りかえ運用の利息と一時借り入れの支払い利息との考慮が必要とも考えますが、どのような判断をなされているのか、伺います。
また、今年度の歳計現金等残高の推移の見通しを考えると、歳計現金等残高の不足が想定される主たる要因として、用地取得のための起債と用地引き取りのタイミングのずれが考えられますが、区はどのようにお考えか、お尋ねいたします。
また、別の角度から伺います。用地特別会計による土地開発公社からの用地引き取りについての条件とはどのようなものでしょうか。その条件は現在のところ担保されているのでしょうか。また、事情の変化があった場合はいかに対応されるのかを伺います。
次に、警察大学校跡地における、いわゆるF字道路について伺います。区のホームページには、2008年9月5日付の更新で、「警察大学校等移転跡地・その周辺地区のまちづくり」には次のように掲載されています。「開発者負担の原則で都市計画道路(区画街路1号、2号)及び防災公園の整備を行うため、区が施行者となり用地取得や工事等を行うこととし、開発者からは土地利用状況を勘案しつつ応分の負担を求めることにしています」とあります。
また、これに先立ち、2006年11月12日付の「中野区まちづくり基金として積み立てる中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発者協力金の運用に関する要綱」には次のようにあります。第4条より抜粋、「特に著しい利益を受ける開発事業者等から開発協力金をまちづくり基金に積み立てる」とあり、同第5条抜粋には、「当該開発事業者等の開発前にあらかじめ協定を締結する」とあります。これを踏まえ、改めて、F字道路の着工はいつごろとなるのか、お尋ねします。また、工事費用の応分の負担である開発者協力金はどのような進捗状況にあるのか、伺います。
この費用の応分の負担である開発者協力金について、警察大学校跡地における土地利用状況を勘案される開発事業者等、または要綱の「特に著しい利益を受ける開発事業者等」とは、具体的にどのような事業者を指すのか、お尋ねします。
この開発事業者等よりの工事費用の応分の負担である開発者協力金は、一体いつまでにまちづくり基金へ積み立てが実行されるのかを伺います。
最後に、政権の交代、社会・経済事情等のさまざまな変化に対して、中野区の堅実健全な財政運営のため、適時適切な判断と対応を要望し、この項の質問を終わります。
次に、東中野駅前広場整備、東中野小跡地活用及び上落合2丁目交差点地下通路について、お伺いします。
これまで公明党として、東中野駅前広場整備事業計画、東中野小跡地活用や暫定利用計画及び上落合二丁目交差点地下通路設置計画について幾度か質疑で取り上げさせていただき、さまざまな提案や要望を申し上げ、事業計画に盛り込んでいただいたところです。本日は、東中野駅前広場整備、東中野小跡地活用については、個々の事業計画についてではなく、関連して生じた問題点や課題を取り上げさせていただきます。
初めに、JR東中野駅の西口駅前広場整備事業計画については、駅前広場と隣接地である58番街区との課題についてです。58番街区周辺には、これまでの長い経緯から近隣住民の方々には積もる思いがあります。この地域が接する前面道路は駅前のメイン道路であり、所により私有地でありながら、道路幅拡幅のためセットバックを求めてきた経緯があります。その後、計画の変更により、この道路が接道する環状6号山手通りとの道路の遮断がなされ、人の流れが大きく変わり、商店の様相も大きくさま変わりしました。さらに、新たなJRの改札口が設置されるに伴い、かつて拡幅を求めてきた道路へせり出す形となって設置されたこと等により、近隣の住民の方々には長期にわたる負担感があります。
区は、駅前広場整備事業を行うに際して、街区全体の共同化のため勉強会を立ち上げ、その費用のみを負担してきましたが、現在、頓挫した形となっています。近隣住民の機運の高まりを待って支援策を講じるとの受けの姿勢ではなく、この際、わだかまりの解消も含めた特段の支援・対応策が必要であると考えますが、区のお考えをお聞きします。
また、本年10月より設置される学識経験者、地元町会・自治会、商店街等の代表により構成される東中野地域まちづくり検討会について伺います。区は、これまで東中野地域における全体の調査をコンサルタント会社に委託・実施をしてきましたが、これからスタートする東中野地域まちづくり検討委員会の目的、コンサル会社との関連性について伺います。また、あわせて東中野まちづくり検討委員会の現在の進捗状況と、今後のスケジュール、検討内容についてお尋ねします。
次に、東中野小跡地活用について、現在、運動場や体育館、教室等の暫定利用がなされていますが、部分的にしか水道水が飲めなくなっている問題があります。本年3月、東中野小学校が閉校となり、その後、暫定利用が始まり、従前以上に利用されています。この利用者の方々から、水が飲めないで困っている。区に直接相談したが、所管の見解が分かれ、どこが担当窓口なのかわからないとの御相談を受けました。
まず、なぜ水道水が飲めない状態となっているのかについて、学校として利用していたときの水の使用量と比べると大幅に減少し、貯水槽に一たん蓄えられた水が長くそのまま滞留状態となり、結果として貯水槽を経由した水は衛生上問題が発生して、飲めなくなっているとお聞きしました。
現在は、水道管の水圧が高くなったことにより、貯水槽方式ではなく、多くの地域で直結給水方式が採用できるようになっています。直結給水方式を導入するメリットは、貯水槽等が不要になり、管理費等のコストダウン、これに伴う電気代の減少、CO2の削減、また、平成14年度より水道法の罰則強化がなされましたが、問題が排除できる、また、そもそも水の衛生面が向上します。
東京都においては、この直結給水方式を広く一般に推奨し、特に小学校においては学校フレッシュ水道としての取り組みを行い、モデル化を進めてきました。そこで、東中野小跡地へ飲める安全な水の供給のため、直結給水方式を採用すべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、責任の所在を明確にするため、所管はどこになるのかを改めてお伺いするとともに、今後の施設再編に伴う同様の問題が起きぬよう責任の所在を明確にしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。
さらに、水が飲めないとの御相談を受けた際、近くに飲料水等の自動販売機もないとのお話もありました。前定例会において、我が会派の小林秀明議員より、条例改正によって従前の施設の占有面積に応じた料金体系ではなく、新たな基準による入札によって飲料水等の自動販売機が設置できるかどうかの見解を伺い、可能であるとの答弁をいただいております。ぜひ占有面積比でない新たな基準による入札を行い、自動販売機の設置をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
加えて、自動販売機の設置の際の条件として、災害時の飲料水等の供給契約や売り上げに比例した還元策等の導入も検討していただきたいと考えますが、御見解をお伺いします。
次に、上落合2丁目交差点地下通路の設置について、お伺いします。
山手通りと早稲田通りの交差点、上落合二丁目交差点の地下に空間があり、公明党として、これを利用した地下横断通路の設置について提案させていただき、また、本年の第1回定例会において私も取り上げさせていただいたところです。この件につき、区長より、東京都に対して地下横断通路の整備の要望をしているところであるとの答弁をいただいておりますが、現在の進展、進捗状況をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、療養病床と介護病床(特別養護老人ホーム等)の増床施策について、お伺いします。
国における現在進行中の療養病床の再編成について、医療構造改革による一環として、療養病床の再編を行うこととなっています。療養病床の再編は、介護保険を適用する介護療養型医療施設(以下「介護療養病床」)の平成23年度末の廃止とともに、医療保険適用の療養病床(以下「医療療養病床」)も含めた再編成を行うものです。私の実感としては、実態に合った持続可能な介護サービスの基盤整備を考えたとき、果たして現実的な再編かどうか疑問が生じます。新厚労相におかれましては、ぜひとも実態を踏まえた見直しに取り組んでいただきたい課題だと考えます。
高齢化の進展とともに、自宅で療養生活を送る比較的重度な要介護認定者がふえることが見込まれます。東京都の療養病床には、急性期医療を終えた後も医学的管理が必要な患者だけでなく、住みなれた地域で生活する高齢者の容態が悪化した場合のセーフティネットとしての機能も大変重要です。
医療の必要度という一つの観点で分類し、それにより療養病床数を全国一律で算定しようとする国の医療費適正化基本方針における療養病床の病床数に関する数値目標の考え方は、東京都の地域特性に合わないとの指摘もあります。
療養病床の転換においては、国と東京都の動向では重視する施策に方向に違いが生じていると感じます。端的に言うと、国は介護療養病床の廃止に伴い、特別養護老人ホーム等の介護型施設への転換を促していて、東京都は医療療養病床への転換を促している感があります。いずれにしろ、東京都においては、医療病床も介護病床も大幅に不足している状況にあります。
そこで、伺います。区は、病院にかかわる動向がある場合など、機会をとらえて機動的に働きかけをする等、積極的に関与し、誘致や増床へ取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。
次に、在宅療養者緊急一時入院病床の確保床の拡充について伺います。自宅で療養生活を送る比較的重度な要介護認定者がふえ続けている現状は既に述べましたが、この方々の緊急時に対応できる入院病床は現在、区内にわずか1病床だけとなっています。稼働率は385%に上り、病院にての調整にお任せの状態です。
住みなれた地域で生活をする高齢者の容態が悪化した場合のセーフティネットとしての機能として、焼け石に水ととらえられるかもしれませんが、抜本改正に期待を寄せながら、区として在宅療養者緊急一時入院病床を100%の稼働率に近づけるため、確保数の増床に取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
次に、介護型療養病床について伺います。第4期中野区介護保険事業計画から、平成23年度に廃止される介護療養型医療施設の195床の転換について、現段階では、介護老人保健施設へと幾つかが転換と聞きますが、今後の動向によっては未定となります。もともと待機者が多く、不足状況にあり、今後さらにふえ続けるニーズに対し、介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホーム等や介護老人保健施設等の増床が必要です。
東京都が示す都道府県医療費適正化計画による平成23年度に療養病床の病床数に関する数値目標は、介護病床からの転換が含まれた上での増床計画となっているため、現有の介護型の療養病床の減とならないように、国と東京都を判断しながらになりますが、介護保険適用型の介護病床の増床を強く推し進める必要があると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。
次に、認知症高齢者等を身近な地域で支える地域密着型サービスの提供のため、整備を進める小規模多機能型居宅介護施設について伺います。想定される収入と費用との採算がとれないという事業者が多くあり、複数の誘致については滞っているのが現状です。区民優先の入所がかなう点は非常に魅力がありますが、事業者が見当たらなくては始まりません。さらなる地域密着型サービスの充実のため、地域特有のニーズを捉え、実情に応じた主体的な施策を展開できるように採算性ある経営の支援のため施策が必要であると考えますが、御見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、区内の診療体制について伺います。
中野区における新たな休日診療体制、区内病院の診察室を利用した固定式休日診療所の創設の提案になります。現行の中野区休日診療事業は、区民の健康を守るとりでとなっています。国民の祝日に関する法律である祝日法の改正や、ハッピーマンデー制度等により連休が多くなるように進められてきた背景や、大前提となる高齢化に伴い、休日の医療制度はなくてはならない体制となっています。
しかし、この制度を支える医療機関が平成17年度の140医療機関から、平成19年度には121医療機関と徐々に減少傾向にあり、現行制度の維持が困難になってきている状況があります。その理由として、スタッフの確保が困難、医師の健康問題、休日に建物が使用できない等の施設の都合等がありますが、他の施設に出向いての当番医なら対応可能であるとの数が多々あることが、平成19年医師会員アンケートより明らかとなっています。
既に近隣区では、同じ事情により、輪番制診療所のほかに、病院ではない固定式休日診療所方式を実施していますが、休日診療所に患者が殺到しているものの、レントゲン検査や緊急検査がほとんどできないことにより、費用対効果が悪いと聞きます。中野区において同様の制度を導入しようとすると、施設や医療設備の整備に多額の費用がかかるだけでなく、医師、看護師、事務員の確保のため、高額な人件費もかかります。
一方、区内病院を利用した場合、既にあるレントゲン機器や緊急検査機器、超音波装置等の利用が可能となるだけでなく、入院などの二次救急診療が必要な場合に、病院の当直医に診療を引き継ぐ対応がとれます。また、人件費についても抑えた対応がとれ、費用対効果の面においても評価できると思われます。区内病院の診療室を利用した固定式休日診療所の創設により、区民の健康を守るより大きなとりでへと拡充すべきであると考えます。
他の自治体においては、まだ前例はありませんが、中野区においては、これまで準夜間小児初期救急医療を実施してきた経験があります。新たな中野方式と呼ばれる休日診療方式をぜひとも創設すべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、行政の事務経費の削減について、お伺いします。
行政の事務経費の中の一つであるパソコンの調達費用、メンテナンスを中心とするランニングコストの削減についての提案になります。
時をさかのぼること2004年、麻生元総理がまだ総務大臣であったとき、参議院総務委員会にて、私が当時、秘書として仕え、大変お世話になった恩師である元郵政大臣日笠勝之元参議院議員が、国・地方の行政が使用するパソコンへオープンソース・ソフトウエアの導入をすることにより、ベンダー任せになっている情報システム、ベンダーロックイン状態のコストの透明化や削減を図るべきであるとの意で質疑に立ち、麻生元総務大臣より、導入について検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。
その後、2005年以降、オープンソース・ソフトウエアの導入について、経済産業省と総務省を中心に、関連するプロジェクトが進められました。両省から各種のガイドラインが出されているほか、情報処理推進機構(IPA)、地方自治情報センター(LASDEC)、全国地域情報化推進協会(APPLIC)などの団体により、実証実験や産業振興、共同開発が行われてきました。
情報処理推進機構の主導により、栃木県二宮町、北海道札幌市水道局、大分県津久見市、沖縄県浦添市の四つの導入実験が始まりました。2007年、情報処理振興機構は、導入実験の結果を取りまとめた報告書を公開しました。概要は、自治体でのオープンソース・ソフトウエアの導入は実用に耐え得るとの検証でありました。その後さまざまな地方自治体において導入、または導入の検討が広がってまいりました。
近年においては、本年、2009年1月、福島県会津若松市で導入されたオープンオフィス・ソフトの事例が注目されています。2012年までに全庁のパソコン840台が切りかわる予定で、M社のオフィスソフトからオープンオフィスの導入による経費削減効果は5年間で1,500万円と見込んでいます。中野区に最も適するソフトの検証の上、互換性あるオープンソース・ソフトウエアの導入をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、区としてオープンソース・ソフトウエアの導入について検討はなされているのかどうか。また、検討されているのであれば、その効果であるメリット、デメリットについての検証を伺い、私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新しい中野をつくる10か年計画と財政運営についてであります。
政権交代によってさまざまな変更が検討されているというふうに聞いているわけでありますけれども、自治体は政府との関係で、政府の予算、法律、制度に基づいて自治体運営を行っております。これもまた住民の意思を踏まえた行政運営ということでありますので、政権交代によってさまざまな変更があったとしても、自治体の行財政の運営に負の影響、支障があってはならない。このように私どもは考えております。
国の政策判断の変更によって区の財政に混乱が生じないように、必要に応じて特別区長会等を通して、国に対し対策と協議を求めていくところであります。既に全国市長会を通じまして、国のほうにもそうした要望をし、自治体に対し影響があることについては積極的に協議を行っていく旨の回答を得ているところです。
財政フレームがいつ提示できるのかといった御質問がありました。第2次10か年計画の財政フレームにつきましては、昨年後半以降続いております経済状況の悪化、この影響など、状況をしっかりと見きわめなければならないということであります。政権交代の影響も当然相当に大きいものになると、こう考えてもおるところであります。また、予算編成のスケジュールや編成方法、そういったことも政権の考え方によりまして、区として変更を余儀なくされる場合もあり得ると、このように思っております。それらの動向を見きわめながら、平成22年度の予算原案の策定までにお示しをしたいと、こう考えているところですが、国の予算の考え方等の成り行きによっては、かなり大きな影響を受けるものと、こう考えております。
それから、財政運営の中で歳計現金の資金が不足するようになるというようなことが生じないかという御質問がありました。歳計現金等の資金管理につきましては、常に歳入歳出の収支の予定、これを把握して、資金不足にならないように管理を行っているわけであります。やむを得ず、一時的に資金収支が不足するような場合には、財政調整基金等からの繰りかえ運用、一時的に使っておくと、こういうようなことですね。それとあわせて、一時借入金、これは金融機関等から借り入れるという借入金であります。その際、一般に、一時借入金の支払い利子は基金の運用利息よりも高いので、原則的には基金の繰りかえ運用で対応することとしているところであります。
なお、用地の取得などにつきまして、その支払いの時期と、一方で財源となる起債の収入の時期、この時期のずれが生じないように調整をしながら計画をしているところであります。
それから、土地開発公社からの用地特別会計による用地の引き取りについての御質問がありました。用地特別会計による土地開発公社からの用地の引き取りについては、二つのケースがあります。一つは、事業化に向けた用地の先行取得でありまして、公共用地先行取得等事業債、先行取得債と、こういうふうな言い方もしますけれども、公共用地先行取得等事業債の起債協議を経て、都知事の同意を経て、取得をしていくと、こういうやり方であります。
それからもう一つが、土地開発公社の経営健全化計画、これに基づく用地の引き取りでありまして、経営健全化計画に位置付けられた用地であれば、用地特別会計で引き取りができることになると、このような形であります。
また、こうした引き取りによらない、そういう事情の変化が生じるような場合には、これも一つの方法であるわけですけれども、一般会計によって直接一般会計の事業債、これで取得をすることになる。こういうことになります。
本町四丁目、本町四丁目というのは消防署跡地です。それから、五丁目、これはNTTの社宅跡地、用地の引き取りについては起債の協議を行っているところであります。本町二丁目、郵政宿舎の跡でありますけども、この用地については、この引き取りが難しいという状況になっております。起債の協議が難しいという状況になっております。ここについては事業計画を早期に策定をして、事業債で買い取ると。このようなことを考えているわけであります。
それから、F字道路の関連であります。警察大学校跡地に整備をいたします都市計画道路であります。この道路については、本年5月から樹木の移植の工事や下水道管の布設工事に着手をしているところであります。
それから、この開発協力金についてどのような進捗状況にあるかという御質問であります。先行して開発を進める事業者とは覚書を取り交わしております。この中で、区の中野区まちづくり基金として積み立てる「中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金の運用に関する要綱」、これに基づいて基金積み立てに協力をいただくこととなっているところです。
じゃあ、具体的にどのような事業者が相手かと。こういう御質問であります。開発協力金の対象となる当事者とは、警察大学校等跡地開発では民間、公共を問わず、財務省から土地を取得し、開発を行う事業者であります。警察大学校等跡地の対象事業者とは、建築工事に着手する前に協力の額や時期に関する協定を締結すると。こういう予定で協議を進めているところであります。
それから、別の項の質問になりますが、上落合二丁目交差点の地下横断通路についての御質問がありました。東京都からは、区がいたしました要望を踏まえまして、来年度に着工することを目指して、東京メトロなどとの調整を進めているところと、そういうふうに聞いております。区といたしましても、整備後に区が果たすべき役割、こうしたことについての協議を進めるとともに、早期の完成に向けて必要な協力を行っていきたいと、このように考えているところであります。
私からは以上です。
〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 私からは、行政の事務経費の削減のために互換ソフトウエアを導入してはどうかという御質問に対してお答えをいたします。
オープンソース・ソフトウエアを活用するメリットとしましては、一般的に経費の削減が図れることが期待されます。中野区では、職員共通事務用パソコンの調達はハード、ソフト、保守料が一体的に入札されておりますので、現時点で個別ソフトウエアを変更した場合の試算は困難でございますけども、一定程度の経費的なメリットはあるのではないかというふうに考えます。ただし、オープンソース・ソフトウエアには既存ソフトとの互換性の課題等、区が業務で使用しているシステムが動作しなくなる危険性がございます。また、使用ソフトウエアに発見された脆弱性や新規に発生するウイルス等に継続的かつ迅速に対応されるかどうか、問題が発生した場合のサポートなど、運用管理面での課題も予想されます。
職員共通事務パソコンについては、将来のシステムの構成についても幅広く情報収集して検討しており、オープンソース・ソフトウエアの今後の発展の状況によっては、事務用のパソコンの搭載ソフトにオープンソースの互換製品を導入する可能性も高まることが考えられるので、注目していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕
○まちづくり推進室長(川崎亨) 私からは、東中野の地域に関する御質問のうち3点についてお答えをいたします。
初めに、東中野駅前広場の隣接街区の対応についてでございます。新たに整備されます駅前広場に隣接をする58番街区につきましては、これまで区が支援をし、共同化を目指した権利者による勉強会を開催してきております。具体的な事業化を検討する段階で意見が分かれたため、昨年7月にこの勉強会は一たん中止となっているものでございます。区はこれまで区としてできる支援を行ってきたところでございますが、現在、駅前広場整備事業の進捗状況などにつきまして、権利者へ情報提供するなどの対応をしているところでございます。今後、権利者の主体的なまちづくりの機運が高まってきた場合には、必要な支援を行ってまいります。
次に、東中野地域まちづくり検討会の設置目的でございます。区は、東中野駅周辺における交通結節点機能の向上や活力ある地域づくりを目指し、まちの将来像やまちづくりの方針などを明らかにした東中野地域まちづくり計画の策定を目指しております。検討会では、この計画を策定するため、まちづくりの専門家や地域の方々にさまざまな視点から検討していただくこととしております。区はこれまで東中野駅周辺のまちの課題や現況の把握などの調査を行ってきたところでございますが、これらの成果を生かして次の検討に進めるため、この検討会を設置したものでございます。
次に、この検討会の進捗状況でございますが、現在、この検討会を構成する委員が定まったところでございます。検討会はことしの10月から平成23年、再来年3月までの設置を予定しておりますが、今年度は3回程度開催をし、年度末に検討会の中間まとめを作成する予定でございます。
主な検討項目といたしましては、次の4点を予定しております。1点目は、東中野地域のまちの将来像及びまちづくりの基本的な方針、2点目は、土地利用及び都市基盤のあり方とその整備イメージ、3点目は、まちづくりの景観形成、自然環境の保全や緑の創出、商店街の活性化でございます。最後4点目は、エリア別まちづくりの方針を予定しているところでございます。
私からは以上でございます。
〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私のほうから、東中野小跡地における飲用水と自動販売機の設置についてお答えいたします。
まず、東中野小跡地は暫定利用を開始するに当たりまして、旧来の受水槽給水から直結給水にする工事を行いました。そして、暫定利用に供する部分の3カ所で水が飲めるようになっているんですけれども、御質問にありました体育館は直結箇所から遠かったため、工事を行わないで受水槽による手洗いのみの給水になっている状況がございます。御利用者の声もお聞きしながら、現在、体育館の水道でも飲用ができるよう工事の準備を進めているところでございます。
この東中野小跡施設は、教育財産として教育委員会が所管しております。暫定利用に伴う実地の管理、それから使用許可にかかわる事務の一部に関しては区民生活部が補助執行しているところでございます。今後、こうした暫定利用の場合の所管がかぶさるということが出てくるわけでございますけれども、いずれにしましても、関係所管が十分に連携、調整をして、責任を持った対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
それからまた、自動販売機についての御提案もございましたが、現在この施設につきましては、おおむね3年間の暫定利用ということで、直ちに設置ということは考えてございません。暫定利用が終了後の施設の本格検討の中で、それらについても検討を進めてまいりたい。そのように考えてございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 私からは、療養病床と介護病床の増床施策についての御質問にお答えいたします。
まず、療養病床の増床等へ対応すべきであるという御質問でございますが、中野区を含む区西部医療圏で見ますと、療養病床と一般病床を合わせた病床数が際立って少ないということはないという状況でございます。今後、病院等から療養病床への転換等に関する相談などがあった場合は必要な対応をしてまいります。
次に、緊急一時入院の病床確保についてお尋ねがございました。この事業は、利用状況などを踏まえながら対応する必要がございます。ここ数年の実績を見ますと、年度によって30人台から120人あまりと利用者の人数が変動しております。このことから、増床の必要性につきましては今後の状況を見て考えてまいりたいと思います。
次に、介護病床の増床についてのお尋ねでございます。区内の介護療養型医療施設については、介護老人保健施設への転換について相談を受け、これに応じているところでございます。この問題につきましては、民主党の考えといたしまして、療養病床の削減計画の凍結が示されているということもございますので、今後の国の動きを踏まえて対応してまいりたいと思います。
次に、小規模多機能型居宅介護施設の誘致についてのお尋ねがございました。この小規模多機能型居宅介護施設については、なかなか事業者が参入しにくいという状況がございますので、補助金の活用などにより推進を図ってまいります。また、公有地について、可能なものがあれば提供したいとの考えを持っております。
次に、区内の診療体制について、休日診療についてのお尋ねがございました。中野区の医師会が病院の診療室を活用した固定式の休日診療施設の設置について検討しているということについては承知しております。この新しい仕組みが安定的に区民の医療ニーズにこたえられ、財政的にも持続できるなど、十分に機能するものが構築できるということでございますれば、医師会と協議して進めてまいりたいと思います。
〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 再質問をさせていただきます。
まず、区内の診療体制についてです。これについては検討していただいているものでありますけども、高齢者の方を含め、現在休日診療、この体制拡充のために、ぜひとも前向き、またさらに財政的なランニングコストがかかる等もありますけども、めり張りのついた財源を確保の上での支援策をお願いしたいと思います。
質問については、F字道路についてお伺いしたいと思います。このF字道路について、例えば財政フレームに幾らほど想定して、いわゆる開発者協力金を算定されておられるのか。また、いかほどの目標で開発者協力金、いわゆる負担についてお考えかをお伺いします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 開発者の協力金についての金額の算定等については、開発者との協議によるものでありますけれども、通常、開発を行った場合に開発事業者が負担をするといった計算方式もありますので、そういったことなども参考にしながら検討協議を進めてまいりたい。こういうふうに思っております。
○議長(伊藤正信) 以上で、白井秀史議員の質問は終わります。
中野区議会議員 牛 崎 のり子
1 地域包括支援センターの充実と高齢者福祉について
2 地域住民組織への支援のあり方について
3 中野区の男女共同参画基本計画について
4 学校の施設改善について
5 その他
○議長(伊藤正信) 次に、牛崎のり子議員。
〔牛崎のり子議員登壇〕
○19番(牛崎のり子) 2009年第3回定例会に当たり、日本共産党の立場で一般質問を行います。
地域包括支援センターの充実と高齢者福祉について伺います。
地域包括支援センターは、区民が住みなれた地域で暮らし続けるために、高齢者の心身の維持、生活の安定、保健、福祉、医療、介護予防の向上を増進させるために、社会福祉士、保健師または看護師、主任ケアマネジャーなどの保健福祉、介護の専門職員が各種相談と必要な援助、支援を包括的に行っています。
先日、中野北地域包括支援センターを訪問しました。地域包括支援センターに寄せられる相談は、区内8カ所全体で3万件を超えるまでにふえ、またその支援内容はますます複雑で困難な事例が多くなっています。一人ひとりに要する相談時間も長くなります。さらに虐待などの対応は深刻で、深夜に駆けつけることも珍しくないようです。これを3職種4人体制でこなさなければなりません。苦労をして運営している様子がうかがえました。
中野北地域包括支援センターは、利用者からは包括支援センターの職員がつかまりにくいといった苦情が寄せられています。窓口に相談に来られても電話中であったり、訪問で出かけていたり、さらにスキルアップのための研修の講習などが位置付けられているため、センターを休むこともあります。予防プランの作成は月平均270件から280件ですが、そのうち60件を委託に回し、残りの210件のプランを作成しているということです。また、予防プランには時間がかかり、記録の作業も時間内にこなせない。一人ひとりの多様なケースにきめ細かく対応できる体制が保障されなければなりません。にもかかわらず、こうしたことが常態化しています。
新宿区では、10カ所ある包括支援センターの職員体制、現在の4人から5人体制を来年度からは8から10人に増員し、抜本的に体制強化をする計画です。中野区も本年度、体制強化のために運営委託費を引き上げましたが、まだまだ十分とは言えません。委託費を抜本的にふやし、体制の強化を図るべきではありませんか、伺います。
介護保険が非該当の人の対策については、認知症などの初期段階での早期発見が重要です。速やかな解決策の対応ができるか、できないかで認知の進行度合いが決まると言われています。
また、在宅介護の実態も深刻で、大きな社会問題になっています。家族介護のためにやむなく仕事をやめる人もふえています。ことし3月3日付の毎日新聞の調査では、08年の介護殺人、無理心中事件が32件、そのうちの半数が介護保険の利用者であるといいます。今、家族介護の3割を息子や夫など男性が占めています。07年の厚生労働省の調査で、高齢者虐待の加害者は41%が息子、次いで夫が16%と深刻な実態が浮き彫りになっています。高齢者や家族への対応の不手際などにより、困難な状況に陥ることのないよう、地域のネットワークがしっかりできていることが大切です。
こうした課題に取り組み、解決するためには、地域包括支援センターが核となり、民生委員をはじめ、地域にある介護などの資源を生かすことが重要です。そのためのシステムづくりが欠かせません。こうした支援のための連携は果たして十分でしょうか、伺います。
中野北包括支援センターの対象者は約8,000人ということですが、地域包括支援センターエリアの高齢者人口に対する国の基準は3,000人から6,000人とされており、はるかに多い事態になっています。また、8カ所で地域も偏在しており、区民、利用者からもっと身近なところにあればいいという声が聞かれます。中野区の高齢者人口に対応するためには、地域包括支援センターを10カ所にして、直営を加えて、地域包括支援センターの体制強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
この項の最後に、季節性インフルエンザワクチン接種を無料にすることについて伺います。各区で10月から高齢者向けの季節性インフルエンザワクチンの接種が始まります。今年度は新型インフルエンザが大きな問題になっており、従来型インフルエンザの関心も高まり、ワクチンの接種率の上昇が見込まれます。ここで大事なことは費用負担の軽減です。現在、23区では、障害のある人や生活保護の受給者などは無料であり、中野区では65歳以上の方は助成されているとはいうものの無料ではありません。
ところで、接種率を向上させるため、千代田区と港区は65歳以上、渋谷区は75歳以上を無料にしていることをはじめ、ことしの10月から新宿区や墨田区、江東区も高齢者への接種費用の無料化に踏み出します。中野区でも季節性インフルエンザワクチン接種を無料にすべきです。答弁を求めます。
地域住民組織への支援のあり方について伺います。
10か年計画改定素案の中で、区民の公益活動の推進、その主な取り組みとして、町会・自治会活動の推進とあります。区内全域にわたり、地縁団体として地域で公共・公益活動を行っている町会・自治会の活動を一層推進するため、町会・自治会への加入促進を図る条例を制定し、組織力強化の支援を行おうとしています。
町会・自治会と区行政は、お互いが対等で自立した立場をとりつつ、住民の生活向上と地域の発展、よりよい地域環境をつくるために協力・協働の関係であることが必要です。そもそも区がみずから行うべき仕事まで町会・自治会に投げ出してきていることが問題です。(仮称)区民活動センターへの転換で、その運営の責任まで町会・自治会に負わせようとしていることは認められるものではありません。
町会・自治会への加入促進条例制定に対して、町会・自治会の自主性、自立性を損なわないかと危惧する声や、加入しないと不利益が生まれないかと不安がる声もあります。そうした中で条例をつくることになれば、地域の自治を推進するどころか、住民同士に不信や混乱が生まれ、苦労して築いてきた地域の和が損なわれてしまいかねません。このことは全区民にかかわることであり、民主主義の根幹にかかわる大事な問題であると考えます。会員をふやすためには、町会・自治会の自主的で自由な活動が保障され、魅力ある組織として向上できるような支援こそが必要です。区はあくまでそれを側面から支える。そのことに徹するべきではないでしょうか、伺います。
多くの町会・自治会が加入率の低下や働き手の高齢化などの悩みを抱えています。区の仕事が年々過重になっている。そのため独自の自主事業ができない。区の仕事をするだけが町会の仕事ではない。あまりにも町会・自治会に頼り過ぎているなど、不満を抱えています。今、多くの町会・自治会が実情を知ってほしいと言っています。問題解決のための支援を望んでいます。その声にこたえるべきではありませんか、お答えください。
中野区の男女共同参画基本計画について伺います。
区は、東京都の男女平等参画基本条例が2000年4月に施行された2年後の2002年に目黒区に続いて、中野区男女平等参画基本条例を制定しています。区の計画は、条例の第7条に規定される基本計画であり、かつ区の施策全体に男女平等の理念と目的を持った計画です。
ことしは、国連女性差別撤廃条約が採択されて30年になります。ことしの7月23日には、国連女子差別撤廃委員会で日本政府の第6回の取り組み状況の報告書審査が行われました。国連女子差別撤廃委員会は、日本の差別の現状について、男女の賃金差が大きいこと、雇用や政治、公的分野に女性の参画がおくれていること、夫婦同姓の強制や結婚最低年齢の男女差など、民法に差別的規定があることなどを指摘し、改善を求め、日本の差別の現状について48項目の懸念、勧告を含む総括所見を公表しました。また、前進面が7項目にとどまっていることも含め、これまでの国連女子差別撤廃委員会の是正勧告が実施されていないとし、日本政府の取り組みのおくれ、対応に不満を表明しているのが特徴です。
こうした国連女子差別撤廃委員会の日本政府に対する総括所見を中野の女性差別撤廃の取り組みの視点とあわせて、どのように受けとめているのでしょうか、伺います。
区の男女共同参画基本計画は2007年に見直しが行われ、2016年までの10年間に社会状況の変化等を考慮し、おおむね5年間で見直しを行うとしています。「新しい中野をつくる10か年計画」改定素案には男女共同参画基本計画の改定が記されていますが、今日の女性が置かれている経済的差別に絞って、以下のことを伺います。
異常な貧困と格差社会が広がる中で、ワーキングプアの問題が現代社会の貧困を浮き彫りにしています。中でも非正規化が激しく進んでいながら、女性の貧困はなぜか見えにくいと言われています。1997年から10年間で男性の非正規化が8.5%から17.8%と増加していることに対し、もともと多かった女性労働者の中の非正規率も42.6%から53.9%と2人に1人以上にまでふえています。額面年収では、同じ10年間で年収200万円未満の労働者の割合が女性労働者は51.5%から55.1%にふえています。配偶者や同居者のいる場合は別として、単身の女性勤労者世帯、母子世帯など、女性が家計の中心である世帯では、女性労働者の低賃金はそのまま貧困を意味することになります。年収200万円未満の母子世帯比率は、2007年で見ると55.7%で、単身女性勤労世帯の32.9%を大きく上回っていて、深刻です。
そこで伺いますが、母子家庭の母親の中で有業者と無業かつ求職者を加えると91.9%と、日本の母子世帯の勤労世帯率は世界でもトップクラスの高さです。しかし、その収入は極めて低く、生活保護水準に遠く及ばないものです。母子世帯は、日本のワーキングプア世帯の典型となっています。今後、母子世帯のこうした困難はさらに悪化すると考えられます。区として母子世帯への支援の拡充を行うべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
また、生活保護の母子加算の復活をするということを厚生労働大臣が年内の早い時期に実施する考えを表明しているのですから、区としても直ちに実施のための準備をしておく必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
自営業の女性の貧困について伺います。雇用労働の場合、ワーキングプアの原因は、同一労働・同一賃金を達成できないという労働法制のあり方にあります。しかし、自営業女性が究極のワーキングプアにされている原因は、所得税法56条にあります。さきに触れた国連女子差別撤廃委員会の日本政府に対する審査には、この所得税法56条が評価されない自営業の家族労働について、また、男女共同参画の精神から見ても見過ごされない問題であるとして、新しく問題提起されたことを重く受けとめる必要があります。
所得税法56条をめぐって、厚生労働省が、青色申告にすれば、家族従業員の給与を経費に認めると繰り返してきていますが、実際に行われた労働に対し、税務署長が青色だけを例外として、家族従業員の給与を経費に認めないなどと判断することは正されなければならないことです。例えば年間150万円の給与が得られる労働をしているのに、その実際に行われた人間の労働に対して当局が申告形式をもって、認めるとか認めないとか、勝手に判断することがそもそもおかしいことなのです。
2009年の国会で日本共産党の大門議員の質問に対し、4月23日、参議院財政金融委員会で加藤主税局長は、外国での取り扱いを含めてきちっと真摯に研究して、抜本的に税制改革の中で研究していくと答弁しています。国連の問題提起を受け、区としてこれらの問題を議論の俎上にのせ、また、自営業の女性労働者の実態を反映させ、その支援について次期基本計画に生かすべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
女性が置かれている経済的差別や貧困は、その子どもへの貧困にもつながっているという状況は深刻です。次代を担う子どもたちが生活苦に直面し、教育も十分に受けられないといった貧困の連鎖を生まないために、国や都、関連機関への働きかけを行うことも明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
最後に、改めて所得税法56条の撤廃を国に求めていただきたいということを要望して、この項の質問を終わります。
学校施設の改善について伺います。
2009年度の中野区立中学校の教育環境並びに施設、設備に対する改善要望が中野区中学校PTA連合会から出されています。当会が毎年恒例で行っている学校訪問の結果が報告されています。共通して多かった要望は、特別教室の冷房化、体育館の老朽化に伴う床の傷みの改善、トイレの悪臭、汚れの対策でした。
四つの中学校を訪問してお話を伺ってきました。体育館についてです。4校とも共通して、湿気による体育館床板の反りや変形が見られました。北中野中学は床板が黒ずんで、あちこちタケノコのように持ち上がり、その都度教師が張りかえているそうです。また、四中の体育館の照明が暗く、20個しかない照明器具のうち、五つ電球が切れていました。つけかえは業者に依頼しているそうです。はしご代として5万円の経費がかかるが、学校任せだそうです。五中の体育館は区内で最も老朽化が進んでいますが、耐震診断の結果はBです。天井は使用材料に原因があり、それがぼろぼろと落下してくるために、いたるところ縦に横に細いテープが張りめぐらされていました。天井の高さからいって、テープ張りは業者に依頼しているので、ここでも1回5万円の経費は学校負担ということです。
学校の体育館は、いつ地震が来てもおかしくないと言われているとき、避難所になる大切な施設です。子どもたちの教育上の支障を取り除き、地域への安全を確保するためにも体育館の改修を行うべきであると考えますが、お答えください。
トイレについては、北中野中のトイレの悪臭、壁やとびらの汚れは、顔を背けたくなるほどでした。排水トラップを改善し、換気扇をつけかえれば解消できるにもかかわらず、やられていません。また、男女のトイレの区別の壁がベニヤ板1枚でした。デリケートな世代への配慮が足りな過ぎます。また、500人の生徒に対応するにはトイレの数が少な過ぎます。本館の3階まで1階ごとに男女用のトイレが1カ所ずつあるだけです。冬場や試験の時期には、トイレの前に行列ができるそうです。洋式トイレが少ないのも共通していました。
2002年、中野区学校のトイレに関する児童・生徒のアンケート調査でも、要望の第1位はきれいなトイレ、第2位はにおわないトイレです。その次に擬音装置の設置、洋式トイレの順となっています。今、学習環境の快適さや健康な生活環境の充実が求められているときです。学校のトイレ改善要望が強いのは当然のことではないでしょうか。
区教育委員会は、かねてから出されているトイレの改修について本腰を入れて取り組むべきです。要望のあるトイレの改修を早急に行うことを求めます。お答えください。あわせて、改修の際は擬音器の設置を忘れずにお願いします。
特別教室の冷房化については、二中には家庭科料理室に冷房がないため、夏場の調理実習はコンロの熱で暑くて授業ができないそうです。美術室は最上階で、真夏の教室は温室のようになり、作品が汗で汚れて台無しになってしまう。理科室も火を使った実験ができないので、カリキュラムを変更して、涼しい季節に実施せざるを得ないそうです。子どもたちの学ぶ権利が侵されているこのような状態をこのまま放置しておいてよいはずがありません。
北中野中は、特別教室の冷房は校割予算で設置していました。その分、クラブ活動のほうが後回しになってしまうと嘆いていました。来年の夏には間に合うように特別教室の冷房化を実施すべきです。お答えください。
この項の最後に、学校間格差が生まれている事態について伺います。同じ中野区の子どもたちでありながら、統合新校は特別教室全部が冷房化されています。一方、統廃合されていない学校の施設改善は後回しにされ、ぼろぼろ状態というのでは、区教育委員会が子どもたちに学校格差を押しつけていることになります。保護者や子どもたちの間から、廃校になるかもしれない統廃合予定校には、むだになるので、予算はつけないということかとか、改修されたから統合新校になるのかなどの声が出ています。学校や地域に疑心暗鬼が生まれています。統合によってこのような格差が生まれ、不利益をこうむる子どもたちをつくってはならないと思います。今、現に学校に通っている子どもたちに最善の教育環境を整えることが教育委員会の仕事ではないでしょうか。中野区中学校PTA連合会から出されている「統合による学校間格差を生まないように」という要望に真摯にこたえるべきです。いかがでしょうか、お答えください。
その他について、西武新宿線新井薬師前駅の交通安全について伺います。
西武新宿線の中井・野方間が立体交差化事業の新規着工準備区間に採択され、地域の期待は高まっています。ところで、新井薬師前駅の踏切の混雑状態は相変わらずひどい状態です。私は、07年第3回区議会定例会で、新井薬師前駅利用者の会の皆さんの要望を踏まえ、踏切の安全対策について質問をしました。当時の都市整備部長は、踏切の拡幅については、遮断機、警報器、ケーブル等の移設に多大の費用を要するとし、西武が区に費用負担を求めている。区として最大限、西武鉄道側でも努力するように求めていきたいと答えています。西武は事業者の責任において、駅利用者の安全を確保すべきだとの声が上がるのは当然です。
その後、西武鉄道に対してどのような交渉を行ってきたのでしょうか。また、安全な踏切対策を一日も早く実現するよう西武鉄道に働きかけるべきです。答弁を求めます。
これで私のすべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 牛崎議員の御質問にお答えをいたします。
地域包括支援センターの充実と高齢者福祉についてという御質問がありました。
地域包括支援センターの委託費の充実をするべきではないかといったような御質問もありました。これについては、国基準の人員を満たした上で、区としての追加措置をとっているところでありまして、委託料については現在のところ適切なものであると、こう認識をしております。
地域との連携について、地域包括支援センターでは、町会・自治会や民生児童委員協議会をはじめ、地域のさまざまな団体等と連携をして、支援を要する高齢者についての情報収集を現在行っております。特定高齢者への介護予防事業参加についての働きかけも積極的に行っているところであります。
中野のような面積の地域においては、地域包括支援センターの設置箇所数は現行の8カ所が適当であると認識をしております。地域包括支援センターでは来所による相談だけではなく、職員による訪問相談も積極的に行っているところであります。
それから、高齢者向けの季節性インフルエンザについての御質問がありました。高齢者向けの季節性インフルエンザ予防接種につきましては、東京都、それから東京都医師会、特別区との三者で協議をして、費用の約半額2,200円の自己負担を定めたものであります。中野区としては無料化する考えはありません。
それから、地域住民組織への支援のあり方についてということであります。町会・自治会は地域に普遍的な地縁団体として、地域での区民の皆さんの活動の中心としてさまざまな役割を果たしてきていただいているところであります。この町会・自治会への参加を促し、その活動の基盤強化を図るということは、地域自治や地域活動を推進するため、また、区民の安心・安全を守る区政を推進する上でも大変重要なことと考えております。
さまざまにお話もありました町会・自治会の実情について、区としての把握も日々の活動支援の中で十分努めてきているところでもあります。今後とも町会・自治会と相談をしながら、基盤強化への支援も含めて的確な支援を行っていかなければならない。こんなふうに考えているところであります。
条例についての考え方であります。当然ながら、任意団体への参加を強制するような条例をつくることはできないわけであります。この町会・自治会への加入の促進を図るという趣旨については、地域の皆さんに地縁団体として地域の自治を担って、実際に地域の問題解決のための活動をしていただいている町会について十分理解をし、そして地域全体が、区民の皆さんが協力していただけるような、そうしたものになるように考えていかなければならない。このように考えているところであります。
私からは以上です。
〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 中野区の男女共同参画基本計画についてのうち、まず女子差別撤廃委員会の総括所見をどう受けとめるのかという御質問がございました。国においては、国連の女子差別撤廃委員会の最終見解ということで示されております。この中で指摘された事項や勧告は多岐にわたっておりますが、これを受けて、国として必要な対応を行うこととなるわけでございます。すなわち、国が対応を求められているわけでございます。区といたしましては、男女共同参画の取り組みを着実に進めてきているところでございまして、今後、国の対応をよく見きわめていきたいと考えております。
次に、母子世帯への支援の拡充についての御質問がございました。母子世帯の安定した就業につながるための支援として、今年度の第1次補正予算において国の緊急経済・雇用対策に基づき、母子家庭高等技能訓練促進費等支給事業について、全額就業期間を対象とするなどの拡充を行ったほか、区の独自施策として、母子家庭自立支援教育訓練給付金事業で入学料及び受講料20万円を上限に全額支給する拡充を行ったところでございます。さらに、現在建設中の母子生活支援施設において、区内のすべてのひとり親世帯を対象として、相談やハローワークへの同行など、就労活動の支援を行う事業を実施する予定でございます。
それから、次に、所得税法第56条についての御質問がございましたが、所得税法第56条をめぐる点につきましては、社会状況や税負担のあり方を見きわめつつ、国において対応していくべきものであると考えております。
最後に、国や都、関係機関への働きかけをとの御質問がございました。区では、母子世帯への経済的支援や就労支援などを行ってきているところでございます。また、子ども医療費の無料化なども講じてきているところでございます。今後必要な内容があれば、国や東京都への要望を行っていく考えでございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 私からは、生活保護の母子加算復活のための準備についてお答えいたします。
区といたしましては、母子加算について国の制度変更があれば、適切に対応してまいります。
〔教育委員会事務局次長田辺裕子登壇〕
○教育委員会事務局次長(田辺裕子) 学校の施設改善についてお答えをいたします。
改善要望につきまして、子どもたちが安心して快適な学校生活を送るためには、学校施設の安全確保が欠かせないというふうに考えております。施設整備や施設補修について全力を尽くしてまいりたいと思っております。施設の安全点検や各方面の要望を踏まえまして、計画的な維持補修や施設整備を行っていく考えでございます。
また、学校再編に伴います学校への対応についてでございます。中・後期の再編の対象となっている学校につきましても、子どもたちの安全で快適な学校生活を送るため、最善の努力をしていく考えでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、その他の御質問の中で、西武新宿線新井薬師前駅の交通安全対策についての御質問にお答えをしたいと思います。
踏切道、この拡幅については、鉄道用地の管理者である西武鉄道ですね、この協力が不可欠であるということでございまして、西武新宿線新井薬師前駅の踏切拡幅については、区といたしましても、これまで西武鉄道に対して踏切敷地内の遮断機、それから警報器等の移設に関する費用負担や拡幅整備に伴う一部西武鉄道用地の使用といったようなことなどについて協力を求めてきたところでございます。しかしながら、現在のところ踏切道路拡幅に伴います西武鉄道敷地の提供でございますとか、設備の移設経費の負担についての合意に至っていないという状況でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で、牛崎のり子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 ひぐち 和 正
1 ネーミングライツ(施設の命名権)について
2 南部高齢者会館行きのバスとコミュニティバスについて
3 公園の公衆トイレについて
4 その他
○議長(伊藤正信) 次に、ひぐち和正議員。
〔ひぐち和正議員登壇〕
○2番(ひぐち和正) 第3回定例会の一般質問におきまして、自民党の立場から質問させていただきます。前向きなわかりやすい御答弁をお願いいたします。
質問は通告どおりに、1番、ネーミングライツ(施設の命名権)について、2番、南部高齢者会館行きのバスとコミュニティバスについて、3番、公園の公衆トイレについて、4番、その他はございません。
まず初めに、ネーミングライツ(施設の命名権)について御質問いたします。
ネーミングライツとは命名権のことですが、本来、親が子どもに命名し、人の名前をつけることや、科学の世界では新発見の天体や元素の発見者が命名する権利のある習慣があります。最近、命名権は世界じゅうで活用され、アメリカでは、日本企業のトヨタ自動車がトヨタセンターと称してスポーツセンターの命名権を取得し、ホンダセンターやリコー・アリーナなど、数多くの命名権を取得しています。変わったおもしろい命名権では、公園の動物園で生まれたばかりのシマウマをネットオークションで命名権を与え、その落札金を世界自然保護基金と野生動物保護募金へ寄附するということです。
日本では、特にネーミングライツのことを施設の命名権として呼ばれているようです。それは公園や体育館、公衆トイレなどに企業名や商品名をつける命名の権利を与え、新たな財源を確保し、区民が快適にできるよう施設を維持管理するとともに、利用者サービスの向上と地域環境の改善に取り組むことです。
例えば、東京都が所有する東京スタジアムは、命名権の売却により、2003年3月1日から呼称を味の素スタジアムとして利用されています。また、味スタという略称も使用され、5年間で12億円の収入があります。味の素スタジアムは東京都府中市西町にあって、当初は多目的スタジアム、あるいは陸上競技場として建設されましたが、現在は主に球技場として使用され、JリーグFC東京と東京ヴェルディのホームスタジアムとなっています。施設は東京都が所有し、東京都、京王電鉄、みずほ銀行などの出資による第三セクター、株式会社東京スタジアムが運営管理を行っています。
命名権はそのほかにも、JCBホールは東京ドームシティホールからの命名権を取得され、シャネルルミエールは東京国際フォーラムガラス棟からの命名権を取得、サロンパスルーブル丸の内は映画施設での国内初の命名権を取得し、渋谷CCレモンホールはサントリーが渋谷公会堂の命名権を取得しています。そのほか、国内だけでも全国場所を問わず100施設以上の施設命名権が与えられています。
また、現在、渋谷区では、公衆トイレのネーミングライツスポンサーを募集しています。表参道公衆トイレや恵比寿駅西口公衆トイレなど、命名権を募集する公衆トイレは区内に14カ所に設置して、募集には地域貢献や文化事業などの社会貢献事業の実績及び今後の計画や法人税、法人事業税、法人住民税の納税証明書の提出があり、一定の基準を満たしていることが必要となっています。
契約は5年間とし、提案内容に基づき、応募企業と区で協議をして決定し、希望名称と具体的な金額を提示して決めます。その企業は、施設名称看板や広告が掲出することができるようになります。
最近では、渋谷区の宮下公園を大手スポーツ用品メーカーが宮下ナイキパークと命名し、使用期間は来年の4月から10年間の契約で、1年間の命名料は1,700万円で契約しました。工事費用もその企業が4億円ほどかける予定をしています。渋谷駅にも近い利点などから利用客も多いと思われ、これからの開発が期待されています。
そのほか、命名権を募集や検討しているところは、明治神宮球場や千葉マリンスタジアム、魚沼スカイライン道路など、数十カ所に及んでいます。また、公園のトイレ、バッジなどにも個別のネーミングを募集していると聞いています。
このように人の集まるところ、都市の特徴を有効に生かし、区の施設とはいえども民間企業との連携によって、区と企業がお互いの利点が生かせるように、財源の確保によって公園や公衆トイレ、体育館などをより充実した高い質の機能を持った公共施設にする考え方はいかがでしょうか。
これから中野区で工事が着手される警察大学跡地の防災公園や東京大学海洋研究所跡地の(仮称)南部防災公園、そしてNTT宿舎跡地の防災公園、さらに中野体育館の移転による新設体育館、公衆トイレなどにネーミングライツはいかがでしょうか。
中野サンプラザも命名権の対象にしてもいいと思います。過去にサンプラザ中野といった名前の紛らわしいコメディアンがいましたが、これも命名権の取得が必要ではなかったのでしょうか。あるいは、公園の噴水やベンチにも個別に名前をつけるのもお勧めです。中野区にはこのように個別のネーミングライツはあるのでしょうか。ないとすれば、なぜ今まで命名権を導入していなかったのでしょうか。
民間企業とお互いに設計に携わり、人が集まりやすい使いやすい斬新でユニークな公園ができて、まちの活性化と発展につながると思います。民間企業による工事の負担と維持管理によって、新しい発想と中野区の財源負担の軽減を図ってはいかがでしょうか、お答えください。
次に、南部高齢者会館行きのバスとコミュニティバスについてお尋ねします。
さきの定例会でも、中野駅から南部高齢者会館行きのバスの増発はできないものかと質問させていただきました。しかしながら、この路線は乗車人数が少ないことなどから、現時点ではバス会社の増発はできないとの回答でした。その後のバスの乗車人数はどうなっているのでしょうか。また、赤字はどのくらいでしょうか。また、「なかのん」についてもいかがでしょうか。
私がバスに乗車してみるところでは、利用者もふえている感じでした。京王バスに、このバスは1日に何人の乗車人数がいるのか尋ねると、教えてくれませんでした。乗車人数に運賃を掛ければ、その日の収入がわかります。だから、手探りで人数を数えて、ふえていればバスを増発する可能性があるのではないかと考えます。
本来、コミュニティバスは、今まで利用されていた一般路線バスの運行の採算がとれず、余儀なく廃止や撤退などでその地域の路線がなくなってしまわぬように自治体が経済的に支援するものだと聞いています。廃止された川島循環がその考え方のバス路線だと思います。また、公共施設、医療機関に行きやすくするために、地域住民の交通の利便性向上を目的として、地方公共団体が何らかの形で運行に関与するものだと考えます。
少子・高齢化社会になった今、御老人や幼い子どもを抱える親などの立場に立って、コミュニティバスの運行について考えていきたいと思います。渋谷区は「ハチ公バス」、葛飾区は「レインボーかつしか」、文京区は「Bーぐる」バス、台東区は「めぐりん」バス、足立区は「はるかぜ」バス、練馬区は「みどりバス」とあります。このように多くの区でコミュニティバスは運行されていて、決して珍しいことではありません。
また、新宿区は、新宿駅の東西を巡回するワンコインバスの導入をします。このバスは、新宿駅西口を起点に歌舞伎町、新宿三丁目、新宿駅南口を経て都庁周辺を周り、駅西口まで戻る約5キロを35分から40分で巡回するバスです。運行する事業者は京王バスで、バスの改造費や停留所周辺整備など、初期費用は約5,670万円を新宿区が負担し、赤字になっても補助はしない約束です。
新宿区は、西口にあるホテルの宿泊客や観光客、買い物客らの利用を想定して、1日900人から乗車し、十分採算がとれると見込んでいます。単純に考えても、中野区の「なかのん」でも1日の乗車人数はおおよそ500人の数字になっていることは、新宿区で100円に対し、中野区は200円にすれば採算がとれる計算です。新宿区のワンコインバスのように、中野区も中野駅を周遊するバスがこれから誘致される各大学や東京警察病院、サンプラザ、中野郵便局、中野区保健所、中野総合病院、さらには公共駐車場からの搬送、新井薬師などの史跡めぐり、商店街の活性化のために商店街の入り口までも考えてはいかがでしょうか。また、いろいろな商店街で買い物をしたときは、バスや駐車場の割引制度を考えてはいかがでしょうか。
先ほどもネーミングライツのお話をしましたが、企業によるネーミングライツの活用によって、中野区を走る「なかのん」にも命名権を与えて、バスの運行を支えてはいかがでしょうか。ラッピングバスやバス停の命名権などによって、そのバスを走らせてはいかがでしょうか。
また、1時間に1本の南部高齢者会館行きのバスは、地域住民の交通の利便性から考えても1時間に2本程度を運行する必要があります。また、中野駅に到着する時刻は6時とか7時とかのぴったりの時間なので、催し物の会場に集合する時間が6時とか7時なので、歩いてそこまで行くと間に合いません。時間を15分くらい早くしていただくともっと便利になります。いかがでしょうか。
このバス路線には、(仮称)南部防災公園が計画されています。今から準備を始めて、公園に気軽に行けるよう利用しやすい環境を整えるべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
バスの利用者がより便利に使えるようにしてほしいものです。今後の課題としていただきたいのですが、いかがでしょうか、お答えください。
次に、公園の公衆トイレについて御質問いたします。
中野区内の公園の数は160カ所で、緑地や広場、ポケットパークを入れますと168カ所あります。そして、公園に設置する公園トイレは99カ所あります。そのほか、ポケットパークなどの公園や広場を入れると100カ所からのトイレの設置があります。
公衆トイレがなぜ設置されたのか、なぜ必要なのか。ここで、お昼を後にしたのでありますが、少し具体的にトイレの歴史と文化を新型インフルエンザの予防や衛生面でのことなどを兼ねて、話をしたいと思います。
日本の平安時代には、貴族は寝殿造という宮殿に住んでいました。その寝殿造の宮殿の中にはトイレ用の部屋があり、貴族はその中で用を足しました。そこには「ひばこ」と言われる箱が置いてあって、その中に用を足しました。
(発言取り消し)
日本の公衆トイレの始まりは意外に古く、江戸時代には長屋といって、今のアパートがたくさんありました。長屋は1階建ての家が横にずっとつながっていて、隣の家とは壁一つを隔ててつながっています。トイレは長屋の突き当たりに1カ所だけです。男女一つずつが隣り合っていました。そのトイレには木の戸がついていましたが、それは半分しかついていません。つまり、近くに行けば見えてしまうということです。決して豊かな生活でない長屋に住む人たちの井戸端会議の楽しみと同時に、トイレを使う際のマナーが暗黙のもとにあって、それが隣近所のつき合いとルールを大切にする文化をはぐくんだと思われます。
それに、トイレの中身は大切な商品でした。田畑に入れる肥料として売られたのです。肥料を買い取る人が定期的に長屋のトイレの中身を買いに来ました。もちろん、この収入は大家さんの懐に入り、長屋の改修工事の費用にも使われたとの説も聞いています。
また、農家のトイレは外にありました。軒下あたりにただ穴を掘っただけといった形のトイレが農村地帯に行くと多くありました。農民にとってトイレの中身は大切な肥料です。さきに挙げた長屋の回収物と一緒に十分に熟成させ、肥料になったころ、「こえおけ」に入れて運び、畑などに散布したと思われます。
さて、現在のように行政が管理する公衆トイレは、明治初期に横浜で設置されたのが最初だとされています。横浜市の資料によりますと、開港場である横浜には大勢の外国人がやってきたため、明治政府は外国との対面上、路傍で放尿する習慣を日本人の最も恥ずべき習慣として厳しく取り締まったそうです。
1871年(明治4年)には放尿取締の布告が出され、立ち小便にはその場で罰金100文が科されました。そのため、警察官は立ち小便の取り締まりに走り回ったそうです。そこで、横浜は町会所の費用で83カ所の路傍便所を設けました。4斗ダルを地面に埋め込んで、板囲いをしただけの簡単なものでしたが、この路傍便所が最初の公衆トイレであったと言われています。
便所はもともと仏教から来た言葉で、「外ではなく室内で用を済ませることができる便利なところ」という意味合いがあります。日本で初めて洋式水洗トイレをつくったのは、三菱財閥創始者の長男岩崎久弥氏。現在では、東京都台東区の旧岩崎邸で実物を見ることができます。
さて、ヨーロッパでは、日本の歴史以前に6,000年前から既に水洗型のトイレが使われたと言われています。これは単に川を利用したとか穴を掘ったとかいう原始的なものではなく、便座があり、下水道があり、素材にレンガや石をふんだんに使った現在から見ても非常に精巧なものです。
イラク北部にあるシュメール時代の遺跡エシュヌンナからは、紀元前2200年ごろのものと思われる下水道に直結したタイプの水洗トイレが発掘されています。また、同じころ存在したと考えられるバビロニア(現在のトルコ)の都市ウルからも、毛細管現象を利用した非直結タイプのトイレが見つかっています。
ギリシャのクレタ島を中心としたミノア文明にも、下水道につながった木製の便座が見つかっておりますし、インダス文明の有名な遺跡モヘンジョダロからは、腰かけ式トイレと汚物の沈殿槽まで見つかっています。
古代ローマは、トイレ及び上下水道に関して高い技術を持っていたことで知られています。市内には現代に先駆けて公衆トイレが設置され、その数は紀元前315年の時点で144カ所、紀元前33年には1,000カ所以上にも及んだといいます。
この下水道は、公衆浴場や公衆便所の排水口のほか、一般庶民の共同住宅にも直結しており、そこから出る汚水は水道管を通ってテベル川へと流されました。この下水道は、2階以上の部屋には接続されていなかったので、高層階の住民はいちいち1階までやってきて、ためた汚水を流さなければなりませんでした。
(発言取り消し)
下水道網があったものの、人口が増加するに従って、需要に供給が追いつかなくなり、やがてマラリアやペストなどの疫病を蔓延させる要因にもなりました。これがきっかけとなって、ローマ帝国は滅んだという学者もいるほどです。
また、ギリシャはどうかといえば、意外なことにトイレはほとんど気を配らなかったようで、当時の有力都市アテネ市の遺跡からも下水施設は一切見つかっていませんし、当時の記録にも下水に関する記述はありません。当然まちは不潔きわまりなく、チフス、ペスト、天然痘といった疫病がたびたび猛威を振るいました。
(発言取り消し)
これらの都市に下水道らしいものがなかったわけでは決してありませんでした。しかし、そのほとんどは下水道として役割をほとんど果たさなかったのです。そもそも下水道の長さが絶対的に足りませんでした。フランスのパリを例にとれば、14世紀の中ごろでその総延長がわずか500メートル前後、17世紀になっても2,300メートル前後しかありませんでした。
(発言取り消し)
さて、本題に戻りまして、私は中野区内の公衆トイレを確認に行きましたところ、トイレのつくりはプレハブでつくられているトイレと、しっかりつくられたトイレがあり、プレハブつくりはもちろん仮設的トイレで、きゃしゃなつくりで、乱暴に使うとすぐに壊れそうです。そして、ほとんどのトイレの壁に落書きが書かれていたり、またはその形跡がありました。さらにひどいところでは便座が割れていて、使えないところもありました。また、公園のトイレにはひどいにおいはありませんでしたが、JR中野駅北口の公衆トイレはひどいにおいです。あれでは女性や子どもが利用するにはかわいそうな思いがしました。現在このトイレはどこが管理して、週に何回ぐらいの清掃をしているのでしょうか。また、公衆トイレの清掃・維持管理はどのようになっているのか、お聞きします。
公園にも公衆トイレのあるところと、ないところがありますけれども、トイレの設置基準は中野区としてあるのでしょうか。そして、公衆トイレの防犯面はどのような対策をとられているのでしょうか。トイレの整備計画はあるのでしょうか。
便利なトイレを設置し、きれいにすること、においを消すことが先進国での文明の流れで、常に前向きで、横浜の開港以来、文化のバロメーターと言えるほど、公衆トイレは欠かせないものです。
ことしの8月15日、沖縄で57歳の男性が新型インフルエンザで国内初の死者が出ました。その男性は熱が39度まで上がり、タミフルを投与しましたが、死亡したということです。また、9月15日にも同県で24歳の女性も死亡いたしました。さらに、9月17日も横浜の12歳の子どもが発熱し、死亡いたしました。おとといの22日も、滋賀県で国内最小年7歳の男の子が死亡しました。
ことし4月にメキシコで初確認された新型インフルエンザは、健康な若者にも感染者が多く、お年寄りや幼児、内臓や心臓、呼吸器系などに病気のある方だけでなく、健康な成人でも重症化するおそれがあるということがあって、ややもすれば国民の二人に一人が感染してしまうのかもと恐れられています。きょうも感染者の数はふえています。
アメリカのオバマ大統領みずから、「安全で効果的な新型インフルエンザのワクチンの開発を進めている」と演説し、フランスは無料接種を実施すると発表しているように、他国の事例を教訓に万全の対処を考えるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
排便後に流す洗浄機能、臭気を取り除く除臭機能、節水機能もあります。便器や洗面器の洗浄を器具にさわらずに手をかざすだけで自動的に洗浄してくれるなど、人間対人間の新型インフルエンザ感染を防ぐのに対応します。今日では、便器を洗い流す水をためるタンクのないタンクレス便器があります。これらの機能を生かしてウイルス感染の予防など、高齢化社会を迎えてお年寄りが外へ出やすい環境をつくり、そして子どもと親にとって安心して使えるトイレが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
また、洗面器においても手を洗うことだけでなく、うがいのできる洗面器を心がけてはいかがでしょうか。さらに、ポケットタイプのトイレットペーパーなどを自動販売機で購入できるようにすること。また、小児を抱える利用者には欠かせないベビーシートの設置はいかがお考えでしょうか。
障害者用のトイレもホームレスが占拠して、安心して利用できないことなどの話を聞きます。汚れていないか、壊されていないか。また、ホームレスが占拠しないように商店街や町会の協力をいただいて、監視体制も考慮していきたいと考えますが、いかがでしょうか。
そして、維持管理の費用について考案いたします。タクシーの運転手、トラックの運転手の利用など、頻繁に利用する企業からの助成金を募ることや、使用状態の確認を携帯電話で通報をしていただくなどのお願いをすることなど、協力体制を確立してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
このように企業との連携によった維持管理を考えてはいかがでしょうか。また、就労支援や経済対策の一環として、トイレの清掃・維持管理を高齢者の方々にお願いしてはいかがでしょうか。
最後に、汚いトイレはだれもが好みません。使いやすいトイレ、美しいトイレ、いつも清潔なトイレを目標に、何よりも使う人のマナーの教育を促したいものです。これが伝染病などの感染を防ぐことにもなるかと思います。いかがお考えでしょうか。
以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えをいたします。
まず、ネーミングライツの活用はいかがかと、こういう御質問でありました。
ネーミングライツ、いわゆる命名権を導入したこと。この実績は今のところ中野区ではまだございません。命名権そのものについて導入する自治体は最近になって出てきたというところであります。中野区におきましても、広告掲載基本方針及び広告掲載推進戦略、こういうものを策定したところでありまして、その中で命名権の積極的な活用を明らかにしたところであります。広告掲載の基本方針に沿いまして、命名権の導入についても他自治体での取り組み事例などを参考に、今後導入に向けて具体的な検討を進めてまいりたい、こう考えております。
それから、南部高齢者会館行きのバス、またコミュニティバスについての御質問がありました。
南部高齢者会館行きのバスについてでありますが、京王バスに確認をいたしましたところ、現時点では利用者がバスに乗り切れない状況が生じていないということでありまして、ルート変更や運行時刻の変更といったようなことについては、今のところ考えていないという回答でありました。増便等についてたびたび御要望をいただいているところでもありまして、引き続き事業者に対する働きかけを行っていきたいと、こう思っております。
それから、ルートについてですが、(仮称)南部防災公園が整備された後、利用状況等、状況を見まして、必要であればバス事業者と相談をしてまいりたいと、こう考えております。
それから、中野駅周辺をめぐる新たなコミュニティバスの運行は考えられないのかと、こういう御質問がありましたが、今のところ中野駅周辺についての、そこをめぐるというタイプのコミュニティバスの運行は考えておりません。むしろ、中野駅周辺整備後も既存のバス路線のスムーズな運行を着実に確保していくと。このことが重要な課題だと。こんな認識でいるところであります。
それから、コミュニティバスの「なかのん」については、平成20年11月以降、中野区として財政的な支援は行っておりませんが、利用情報のホームページ提供や利用者のチラシ、時刻表の配布などの支援を行っているところであります。ネーミングライツやラッピング、バス停の命名権など、さまざまな御提案はありましたけれども、こういったことについて関東バスに情報提供し、相談もしてみたい、こう考えております。
私からは以上です。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、公園の公衆トイレにつきましての御質問にお答えをしたいと思います。
まず、公園などのトイレの現状ということでございます。中野駅北口のトイレでございますが、この管理は公園・道路整備分野で管理をしてございまして、委託によりまして、1日3回の清掃を行っているところでございます。また、昨年の11月には大掃除といいますか、かなり大幅な清掃を行ったところでございまして、においはかなり改善をされているものというふうに考えております。さらに今後工夫をしてまいりたいと思います。
それから、公園トイレの清掃でございますが、これも事業者に委託をしてございます。1日1回行っておりまして、特に利用者の多いトイレについては複数回実施をしておるところでございます。
また、公園トイレの設置の基準というお尋ねでございました。公園を新設する際には、原則としてすべての公園に設置をするという方針で取り組んでおるところでございますが、地域での話し合いの中でどうしても設けられないというところも中にはございます。
それから、防犯対策として不正利用の多いトイレについてでございますが、公園の巡回警備委託によりまして、警備会社が現在見守りを行っているというところでございます。
それから、既存の公園トイレについてでございますが、大分老朽化が進んでいるものが多いということでございます。平成19年度から計画的に改築を進めております。今年度も4カ所の改築、これを行う予定にしてございます。今後の整備計画につきましては、今年度策定をいたします公園再生計画というものの中で明らかにしてまいりたいと考えてございます。
それから、公園トイレの整備と維持管理のあり方についての御質問がございました。御提案で直接手を触れずに使える機器類を設置することでございますけれども、これについては費用負担もふえるということから、費用対効果、この検証を行った上で判断をしてまいりたいなと考えてございます。
それから、ベビーシートでございますが、利用状況を勘案し、必要なところにはトイレの改築時に設置をしてまいりたいと考えてございます。
それから、うがいのできる洗面設備ですとか、トイレットペーパーの自動販売機の設置でございますが、費用や管理の負担がふえるということもございますので、これについては困難であるというふうに考えてございます。
それから、車いすの利用ですとか、だれでもトイレというものでございますが、現在でも地域の方々によって一定の監視はされているというところでございますけれども、さらなる監視をお願いできるかどうか検討をしていきたいと思っております。
それから、大きな通りに面しました公園トイレでございますが、御指摘のようにタクシーの運転手さんですとか、トラックの運転手の方々の利用が多いという事実がございます。そういうことからも、企業者からどのような協力がいただけるのか相談をしてみたいと考えてございます。
それから、トイレの清掃でございますが、事業者の委託によって行ってございまして、実際の従事者ですが、かなり御高齢の方も多いという中で、既に一定の就労支援になっているのではないかと考えてございます。
項目といたしましては、きれいなトイレとして維持管理することに努めるとともに、利用者のマナーを促す標語などを掲げまして、マナーの啓発をしてまいりたいと考えてございます。
私からは以上でございます。
〔保健所長田原なるみ登壇〕
○保健所長(田原なるみ) 新型インフルエンザワクチンの接種についての御質問にお答えいたします。
このことにつきましては、現在、国が低所得者への支援策を含め、実施方法につきまして検討中でございます。区といたしましても、区民の皆様への周知をはじめ、医師会や接種医療機関との連携、協力のもとに、円滑に接種が進むように取り組んでまいります。
○議長(伊藤正信) 以上で、ひぐち和正議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後3時20分開議
○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 介護保険における散歩の同行及び介護職員の質の向上について
2 清掃工場における労働災害事故について
3 その他
○議長(伊藤正信) むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の方から寄せられました御意見をもとに、豊かな老後を願って質問いたします。
介護保険における散歩の同行及び介護職員の質の向上について。
これまで厚生労働省は、介護保険施行直前に、訪問介護は要介護者の居宅以外で行われるものは算定できないとし、外出介助として認められるものは通院介助と乗降介助と買い物同行だけであると読み取れる通達を出しました。よって、散歩の同行介助は不適切との指示書などを作成した自治体も多数あり、介護支援専門員も散歩を訪問介護のサービスとして提供してはいけないと思っていました。しかし、介護現場や医療現場からは、心身の衰えにより引きこもりがちな高齢者の健康回復や介護予防に散歩が有効であるとの声が多数上げられていました。そこで、訪問介護の事業者は苦肉の策として、買い物先の店を上手に選び、実質的には散歩の成果が上げられるような買い物同行という方法をとらざるを得ませんでした。
ところが、昨年、2008年11月、厚生労働省が一転し、大河原雅子参議院議員の質問趣意書に対して、12月、国は、訪問介護員による散歩の同行については、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、現行制度においても介護報酬の算定は可能であるとの答弁を出しました。わかりにくいのですが、要するに散歩の同行が介助として認められたということです。
この答弁をもとに、ことし3月、東京都福祉保健局から各区市町村の担当課長に、さらに7月、厚生労働省老健局から各都道府県の担当課に、訪問介護費の支給対象となり得るとの事務連絡がなされました。
そこでお尋ねいたします。自立支援における散歩の意義について、及び散歩の同行が明確に算定可能となったことについて、保険者である中野区の見解をお聞かせください。
私が先日行った電話取材によれば、中央区と江戸川区は介護保険がスタートした2000年から散歩の同行を認めていたとのことでした。また、このたびの都の事務連絡により、散歩の同行を認めるとした区は8区、しかし、相変わらず、散歩とはぶらぶら歩くことという概念から抜けられず、散歩という表現を用いた場合には算定しないとする区が7区ありました。また、中野区のように適切なケアマネジメントを行い、個別に区に相談することとする区が6区ありました。中野区ではこのたびの通知が出されるまで散歩の同行を認めた実績はありませんでした。
この8月、ある介護支援専門員が散歩の同行について区に個別相談をしたところ、1カ月後の9月に認められたそうです。区が区民の介護ニーズにこたえ、認めたことは評価いたしますが、1カ月もたてば利用者の状況も変わってしまいますし、手おくれになることもあります。今後、迅速な判断が求められます。中野区が適切だとするケアマネジメントの基準及び、このたび初めて認めた具体的な例を御説明ください。
依然、区内の各事業所は、散歩の同行は認められないと思い込んでいます。区が認める基準と事例を各事業所にしっかり伝達すべきではないでしょうか、お答えください。
最近、ショートステイを利用した寝たきりの高齢者が家に帰ってきたら骨折していたとの話が聞こえてきました。寝たきりの高齢者がどうして骨折したのでしょうか。介護職員のレベルアップが急務です。中野区では、8月より事業者支援策として、介護福祉士受験費用と外部研修受講費用の助成を行っています。しかし、この支援策は施設事業者を対象とするもので、在宅介護事業者には責任者のみの介護福祉士受験費用の助成しかありません。施設、在宅を問わず、介護職員の質の向上を区民は求めています。在宅介護事業者への費用助成も行うべきと考えます。区の見解をお答えください。
また、厚生労働省は、介護職員の資格要件について介護福祉士を基本とする方針を示し、2006年度から介護職員の能力向上と標準化を目的とした介護職員基礎研修を導入しました。今後、およそ20万円のこの基礎研修受講が介護福祉士受験の要件になります。また、介護支援専門員登録証明書の有効期限を更新するためには、およそ3万円の研修を修了しなければなりません。お隣の練馬区、新宿区では、これらの研修費用の助成を行っています。有能な福祉人材の確保と介護の質の向上に向け、少なくとも介護職員基礎研修及び介護支援専門員更新研修受講費用の助成を検討すべきと考えます。区の見解をお答えください。
次に、清掃工場における労働災害事故についてお尋ねいたします。
去る9月5日、品川清掃工場灰溶融施設の密閉型灰搬送用コンベア内で死亡事故が発生しました。この施設は、東京23区清掃一部事務組合が日立造船株式会社に委託しています。お亡くなりになった従業員は、さらに下請の派遣労働者でした。派遣されてわずか11カ月の21歳の青年でした。一部事務組合と日立造船が交わしている安全衛生管理規則によれば、単独作業は禁止されています。しかし、一人での単独作業中の事故でした。民間委託による人件費削減及び運転技術研修指導の不十分さが招いた事故と言えるのではないでしょうか。
委託先の日立造船の問題だと切り捨てるわけにはいきません。なぜなら、ことし5月に成立し、7月に施行された公共サービス基本法の第11条には、「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする」と定められているからです。つまり、一部事務組合は、地方自治法上の特別地方公共団体であり、委託先のことは関係ないでは済まず、その責任は重いと考えます。清掃工場を安全に運転するには、高度な技術力と経験が必要であり、安易な民間委託は事故のもとであることを私はこれまでも再三指摘してまいりました。公共サービス基本法の趣旨を踏まえ、このたびの死亡事故について、及び技術の継承ができないなど、清掃工場民間委託の問題について、一部事務組合の副管理者である中野区長の見解を求めます。
このたびの事故は、本来は混入するはずのない焼却灰の中に金属片が混入し、灰を搬送するコンベアが停止し、その金属片を取り除く作業中に発生しました。昨年の10月からプラスチックを燃やすごみにしたことで分別区分があいまいになり、燃やすごみに金属類混入が増大したことが事故に結びついたと思います。また、これからガスボンベなどのスプレー缶がふえる時期です。陶器・ガラス・金属ごみに含まれるスプレー缶等による車両事故や中継所の火災も急増しています。陶器・ガラス・金属ごみの日にそれらのごみと分けて、ガスボンベを含むスプレー缶の明確な別回収を23区中13区が実施し、他の2区では飲料缶と一緒に資源回収をしています。中野区でも、中身を使い切り、表示し、別袋に入れることになっているはずですが、清掃事務所に電話で確認したところ、使い切っていれば他のごみと一緒でいいですよと言われました。唖然としました。未然に事故を防ぐために、陶器・ガラス・金属ごみと分けて、ガスボンベを含むスプレー缶の明確な分別、別回収の徹底を図るべきと考えます。区の見解をお答えください。
以上ですべての質問を終わります。誠意ある答弁を求めます。(拍手)
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 介護保険における散歩の同行及び介護職員の質の向上についての御質問にお答えいたします。
まず、介護保険のサービスにおける散歩の位置付けでございます。散歩については、日常生活上、生活の質の向上等からも必要なものと考えられますが、介護保険サービスの給付の対象として見た場合、自立支援や日常生活動作能力を向上させる上で不可欠であるかどうかが重要になると考えております。区としては、散歩について一律の取り扱いをするのではなくて、それぞれの状況を踏まえて個別具体的な判断によりまして、必要と認められるサービスについては保険給付の対象として認める考えでございます。
次に、散歩における適切なケアマネジメント及び具体例についての御質問でございます。区が給付を認める要件としては、まず散歩を計画する目的や通所介護等、他の代替手段活用の有無、具体的な実施方法等についてケアプランに明確に示されていることと考えております。また、具体例といたしましては、骨折後の回復期において散歩により脚力をつけ、一人で安心して移動できるようになるという目標を設定したものがございます。
次に、散歩に関する基準や事例の周知でございます。厚生労働省から散歩の同行についての保険給付の扱いについて情報提供がございましたので、ケアマネジャー対象の研修等でも事例を含め説明を行っているところでございます。
次に、介護職員の質の向上について、研修の助成についての御質問でございます。外部研修の受講費の助成につきましては、特に離職率が高い夜勤を伴う特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームなどの24時間365日運営施設を対象として、今年度から実施したものでございまして、当面対象の拡大は考えておりません。また、研修の助成範囲につきましては、助成の効果や目的を踏まえて行っておりまして、現在のところ御質問の研修に助成する考えはございません。
〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 清掃工場の事故等についてお答えいたします。
今回の事故は、委託した事業の中で安全作業マニュアル基準によらない作業の結果、発生した事故であることから、清掃一部事務組合は委託事業者である日立造船株式会社に対して安全作業マニュアルにのっとった作業の徹底を強く求めたところでございます。清掃一部事務組合では、現在も直営事業を多数保持しておりまして、その中で優秀な人材の育成、技術の継承に努めているというふうに認識してございます。
また、スプレー缶などによる火災発生についての御質問でございますけれども、ごみの資源と分け方、出し方については、リーフレットの各戸配布や地域説明会などで周知しているところです。この発火原因になるスプレー缶などについても、中身を使い切って、陶器・ガラス・金属ごみとは分けて、別袋で出してくださいというふうに繰り返しPRしているところなんですけれども、さらに事故が起こらないよう注意喚起と、それから御協力について強力に呼びかけてまいりたいというふうに考えてございます。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 再質問をいたします。
清掃工場の事故のことでございます。区民生活部長のほうから御答弁がございましたけれども、私は一部事務組合の副管理者である中野区長の見解をお尋ねしています。ぜひ副管理者である中野区長の答弁を求めます。よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 私は、中野区長としてこの議会に本会議参与として出席をさせていただいております。副管理者としての出席をお求めになるのであれば、一部事務組合のほうに議会としてお求めをいただいて、そこで判断をさせていただきます。
○議長(伊藤正信) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)について
(1)教員の確保について
(2)虐待防止について
(3)保育園待機児について
2 その他
○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)について。
7月の終わりから8月の終わりにかけて、次世代育成支援行動計画(後期計画)の策定に係る意見交換会が地区懇談会の委員向けに行われました。そのとき区民に向けて配られた中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)中間のまとめに向けた検討・協議用シートに基づき、3点質問させていただきます。
教員の確保について。日本教育新聞8月3日、8月10日に文部科学省がまとめた「新学習指導要領実施上の課題」の調査結果が掲載されました。この調査は、全国連合小学校長会、全日本中学校長会の共同で実施され、小学校404人、中学校391人の校長の回答によると、圧倒的に多かったのは教員の数が足りないことでした。中学校では、他の課題点の倍以上に当たる84.9%と圧倒的な多数の回答でした。小学校でも68.8%が「教員数の不足」が第1位の課題となっていました。
中野区の公立の小・中学校では、芝の校庭、防犯カメラ、グリーンカーテン、校内LAN、今後、電子黒板、太陽光発電など、環境・安全・IT化と、目に見える形でいろいろな新しい事業が学校に持ち込まれています。現場の教師は、それらの新規事業への対応に追われ、その他にも都や区に提出する報告書の作成、調査事項など、やるべきことがあまりにも多く、忙殺されています。
今、公立学校では、特別な支援を必要とする児童や生徒たちの増加、養育力に欠ける保護者の存在が目立ち、地域との連携、小・中学校の連携等もふえ、あらゆる児童や生徒に対しての課題が持ち込まれます。これらの課題に教師一人の仕事の許容範囲も超えたものとなってきていると感じます。教師の中には無理をして体を壊す者もあり、児童や生徒と向き合う時間が縮小傾向にあるのではないかと私は危惧しています。
中野区では、学習補助指導員から始まり、現在、学力向上アシスタントと呼ばれる先生は7名から38名とふえ、子どもたちの授業を支えていることは評価できます。また、学校経営補助員の存在も学校にとってありがたい存在だと思います。しかし、それでもなお教師の煩雑化する仕事をフォローし、児童や生徒の学力や体力向上を目指すにはまだまだ足りません。複雑化する学校のメニューを教師に要求するには、教師の数、レベル、学校としての環境が整っていないと感じます。
次世代育成支援行動計画は、ゼロ歳から18歳までの子どもたちを支援する行動計画です。その子どもたちが一番長い時間を過ごす学校に対する取り組みは、高い優先順位が位置付けられると思います。現在、区民の意見を聞きながら後期計画を策定中ですが、地区懇談会委員を対象に行われた意見交換会に子ども家庭部の職員が並ぶ中、教育委員会の職員は出席しませんでした。会場では、「なぜ教育委員会の職員は出席しないのですか」と保護者の声がありました。保護者たちは、次世代育成支援計画を考えるには学校の分野を欠かすことはできないと考えるからです。
そのような保護者の思いを受けて質問させていただきます。意見交換の資料として配られた中間のまとめに向けた検討・協議用シートの中には、教員養成大学との協定拡大による優秀な職員の育成・確保の計画があります。この育成の部分はわかりますが、教員の人事権は東京都にあり、杉並区や品川区のように区単独で採用を考えない限り、中野区が優秀な人材を確保するのは難しいと思いますが、どのように優秀な職員を育て、確保する予定なのでしょうか。
国に対して特別区長会で要望書を出されてはいますが、それはあくまでも要望であり、実効性のある優秀な教員の確保はどのようなものなのでしょうか。すぐれた教員との出会いは、児童や生徒にとって一生の宝物になります。熱意ある教師たちが児童・生徒と時間をかけて向き合い、子どもたちの学力・体力向上にかかわることができるような計画を希望します。
2、虐待について。平成15年に、次の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成を資することを目的として、次世代育成支援対策推進法がつくられ、自治体は行動計画を立て、社会全体が次世代を担う子どもたちを支えていくことになりました。中野区では、「子ども虐待防止マニュアル」という69ページに及ぶ緑色のパンフレットをつくり、虐待防止に取り組んできました。民生委員、学校長等によるケース会議なども行われるようになりました。子どもたちを取り巻くさまざまな人たちの中で具体的なケースが話し合われるようになったことは進歩だと思います。しかし、検討・協議用シートを見ると、虐待の件数は平成15年の80人から平成20年150人と倍近くふえています。それも表面化したものだけです。家庭内での子どもに対する虐待は表に出ることが難しい案件です。
私も実際に立ち会ったことがありますが、子どもが虐待されているかもしれないと感じた近隣の地域の人たちは対応に困ってしまう場合が多いことも事実です。明らかにひどいと思われる場合は警察に通報しますが、ただ子どもが激しく泣いているだけだった場合などもあり、逆にその後、保護者と気まずい関係になってしまうこともあります。また、実際に虐待までいってしまうと、親との信頼関係などが築かれていないところでは、虐待をやめさせることは難しいと感じます。児童館、学校に情報の提供などをしたりしていますが、虐待を早期に発見し、いち早く支援機関、地域、保育園、幼稚園、学校、児童館などが動ける環境づくりが必要と考えます。
9月22日の日経新聞には、全国の児童相談所が判断した昨年4月から6月の間の18歳未満の虐待を受けた子ども8,108人のうち、2%は大けがや衰弱など生命の危険にあったという記事が掲載されました。核家族化、家族の孤立化、地域の養育力の低下など、さまざまな要因が絡み合っていると考えられますが、明らかにふえ、深刻化していると思われる家庭内の虐待について取り組み、成果を出さなければならないと考えます。
虐待がふえている要因と、後期計画では実際に虐待をどのように防止する予定なのでしょうか。自治体としてのマニュアルはつくります。しかし、最も必要なのは、子どものことを親身に考え、動く人員の体制づくりであると考えますが、後期計画ではその部分が担保できるのでしょうか。
虐待を受けた子どもは、自分のつらく不幸な気持ちを解消できず、学校などで別の子どもをいじめるケースも多く耳にします。一つの家庭の問題ではおさまらなくなる虐待行為に対し、虐待防止と虐待を受けた子どもたちの育ちに対し、複数の大人がかかわり、長い目で支える体制を整えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
3番目に、保育園の待機児について。保育園の待機児の問題は、前回と今回の定例会でも複数の同僚議員から質問がありましたので、簡単に質問させていただきます。中野区では、平成21年度の待機児童は190名となっています。来年4月に向け、保育園の分園開園、定員増員、家庭福祉員の増員などの措置がとられ、待機児は大幅に解消される予定ですが、経済状況の悪化で共働きをする親たちの今には間に合いません。1歳児の需要の多さにも追いつかない状況です。
後期計画では、将来的に減少する乳幼児人口の推移を踏まえた直近の待機児解消策を課題として取り上げていますが、どのような策をお考えなのでしょうか。今後、子どもの数が減っていくこと。区の予算を待機児解消対策ばかりにも使えないことを十分考慮しても、次世代の子どもたちを支えるために早急な支援策の構築の必要性を感じます。
待機児童の解消にはどこの自治体も苦慮していますが、例えば町田市では期間を20年に限った認可保育所の新設を目指しています。また、杉並区では、2歳児以下には役所所有の会議室などを暫定利用するなど、苦肉の策を講じていると聞きます。中野区ではどのように次世代を担う子どもたちと保護者の生活を支えるのでしょうか。
その他で質問を通告してありましたが、時間がありませんので、別の機会にいたします。答弁を用意してくださった理事者におかれましては申しわけございませんでした。
私の質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 次世代育成支援行動計画につきまして、教員の確保、どのように優秀な教員を確保していくのかという御質問にお答えいたします。
中野区では、教育マイスター制度等、教員研修の充実でありますとか、学力向上アシスタントなどの教員を支援するための人材配置、あるいはICT環境の整備等々、教員が勤務しやすい環境でありますとか、あるいは教員の自己研修を支援する仕組みをつくっておりまして、これら中野区のよいところを教員の異動事務の際にアピールしてまいりたいと、このように考えております。
また、教員の人事権の委譲ということも必要だと思いますけれども、これは国に要望しているところでございます。
さらに、教員の定数でありますが、これは国及び東京都の基準で決まってございまして、教員定数をもしふやすとすれば、区独自で教員を採用しなければならないのですけれども、そうした場合には、やはり財政負担でありますとか、人事管理上のリスクが大変大きい。したがって、なかなか難しいと判断しているところでございます。区といたしましては、学力向上アシスタントを配置いたしまして、指導にかかわる人材の確保に努めておりまして、効果も出ていると、このように考えております。
〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 虐待の防止についてのうち、まず虐待増加の要因についての御質問がございました。
区内の虐待の件数はこれまで毎年80件程度でありましたが、平成19年度以降100件を超える状況にございます。これには、一つには、身近な区が通告機関となったことなどにより、区民の関心が高まり、また通告しやすくなっていることなどの影響もあるというふうに考えております。
また、虐待の要因について、ケース対応職員が把握しているところによりますれば、親が育ちの中で子育てについての知識を得たり、経験を積む機会が少ないことや、出産後も地域の中で孤立化していることなどから、さまざまな不安を抱えながら子育てを行っている、そういった保護者の方がふえていることなどが挙げられるというふうに考えてございます。
次に、今後の対応といたしましては、児童福祉法の改正によりまして、新たに制度化された養育支援訪問事業として、専門的相談とヘルパー等の派遣による支援の充実を図るほか、子育て支援システムの構築による関係機関におきます情報の共有化や専門的資格の取得等による職員の資質の向上などに取り組んでいく考えでございます。
次に、子どもの見守りについての御質問がございました。虐待を受けた子どもの支援に当たっては、心のケアや親子間のきずなの回復が重要で、子どもとかかわりのある組織や機関が連携して、保護者を含めた養育支援を行っているところでございます。乳児家庭全戸訪問事業や支援を要する家庭への訪問事業で把握した状況などを踏まえて、継続的、効果的な支援を行っていく考えでございます。
次に、保育園待機児についての御質問にお答えをいたします。
待機児童の解消につきましては、区立保育園の建てかえ、民営化による定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでございまして、来年の4月までにこれらの大幅な定員増を見込んでいるところでございます。こうした取り組みをしっかりと実施をしていくことが来年度以降についても抜本的な対策として必要であるというふうに考えております。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。
教員の確保のところで、この検討・協議用シートの中には教員の養成大学との協定拡大による優秀な教員の育成の確保が計画になっているんですけれど、そこのところのお答えがありませんでした。お願いいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 大変失礼いたしました。
教員の養成大学とも今後、協定などを結びまして、そういった優秀な教員の確保を図ってまいりたいと、このように考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 つぼい え み
1 桃丘小学校跡地の暫定利用について
2 乳幼児親子の遊び場所について
3 その他
○議長(伊藤正信) 次に、つぼいえみ議員。
〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 平成21年第3回定例会において一般質問をさせていただきますつぼいえみです。よろしくお願いいたします。
それでは、まず初めに、桃丘小学校跡地の暫定利用についてお伺いさせていただきます。
現在、桃丘小学校跡地は、平成22年から23年までは学童クラブ、保育園、特別支援学級として使用されています。「新しい中野をつくる10か年計画(素案)」のステップ2の活用方法として、区の文化・芸術振興施策を向上させ、本物の文化芸術を発信するための拠点として位置付け、演劇、お笑い、ダンス、芸術家などが広く世に出て活動することを支援するための拠点と位置付けると認識しております。
ここで、私も視察してきました他地区の事例を挙げて質問させていただきたいと思います。新宿区では、小学校の跡地に芸能花伝舎という演劇、音楽、舞踊、演芸など、さまざまな芸能分野の関係者が集い、交流する、まさに芸能文化の総合的な拠点として機能していくことを目指して、新宿区が社団法人に運営管理をしていて、活動推進していくことを目的とされています。ここでは、芸術体験広場、花伝舎芸能浴講座、つまり、落語・バレエ体験、落語家、音楽家によるコラボレーション、実演家向けのプログラムとしてのワークショップやセミナーや映画、ドラマ、CM、スチール撮影なども利用でき、本校舎、特別棟、体育館を含む13室のさまざまなスペースで午前10時から午後10時まで利用できるように2005年の春から行われております。
そのほかにも、京都にある京都芸術センターも芸術振興の拠点施設として2000年から運営されています。ジャンルを問わない若い世代の芸術家の制作活動の支援、さまざまなメディアを用いた芸術文化に関する情報の収集と発信、国内外から京都を訪れる芸術家を中心にした芸術家同士、また芸術家と市民の交流の場の提供として、日本舞踊や狂言、お花の展示会や茶室、図書室、カフェといった新しい世紀の都市文化の創造拠点を目指されて、運営されています。
このような事例を踏まえて、3点質問させていただきます。一つ目として、施設運営はどのようにお考えでしょうか。二つ目に、家賃収入を得ていく予定でしょうか。また、利用料はどのようにお考えでしょうか。三つ目として、地域貢献はどのようにお考えでしょうか。
私は、新宿とも京都とも違う中野らしいコミュニティを巻き込んだ拠点にしてほしいと考えます。中野区らしい近隣の方をはじめ区民の方の憩いの場としていくことが大切だと思います。
そして、この3点の質問に加えて、さらに3点提案させていただきたいと思います。また、桃丘小学校跡地は、第一種中高層住居専用の地域ですが、パン屋、菓子屋、洋服店、自転車店などの作業場面積が50平米以下であれば可能であると伺っております。中野区では、2008年から中野の逸品グランプリと称したグルメコンテストを開催されています。受賞者には表彰状と受賞記念パネル、記念品などの贈呈やホームページ、その他紙面等にて宣伝を兼ねた結果報告をされていました。
そこで、一つ目の提案は、逸品グランプリ受賞者には期間限定のコミュニティレストランの出店等を盛り込んでみるのはどうでしょうか。そこは地域の活性化や区民の方へ周知していく拠点になると考えます。
二つ目の提案です。中野区には多くの芸人さんをはじめ、アーティスト、タレント、役者さんなど、たくさんの方が暮らしています。また、小劇場もたくさんあり、お芝居のおけいこの場としての提供、ダンススタジオ、ボイストレーニングルーム、アトリエ、アクション、総合格闘技、剣道、新体操、ウォーキング、マナー教室、料理教室などの練習の場をつくり、そこを将来の夢や希望を持つ中野区の宝である子どもたちが学校の課外授業として見学に行き、体験ができるようなプログラムづくりを考えていくことはどうでしょうか。
また、コミュニティレストランだけではなく、高齢者、障害者、子育て奮闘中の方、若者から子どもたちなど、地域の方が結びついていくような芸術文化の場所にしていただきたいと考えますが、いかがお考えでしょうか。
例えばコミュニティレストランの一つに、「ふらっとなかの」のような障害者の方たちがおいしい手づくりパンや豆腐をコミュニティレストランでつくってみたり、販売してみるとか、障害のある人に対する社会的イメージを高め、価値観、障害者観といったものを変えていくためにブランドとのコラボレーションによるTシャツなどをつくり、展示や販売をされている障害のある方の芸術活動を広げるための活動をされているNPO団体も、地域で頑張っておられるたくさんの方がいらっしゃいます。こういった地域の団体との連携を図りながら、新しいものをさまざまな人たちと地域とでつくり上げていく。それを中野区の売りとしてはいかがでしょうか。
プロの力を生かして地域の人との結びつきを生かしていくような拠点づくり、また全国のモデル地区の原点となるような企画を打ち出していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。だれもが自然に立ち寄ることのできる地域の場となるように強く要望して、この項の質問を終わらさせていただきます。
次に、乳幼児親子の遊び場所についてお伺いさせていただきます。
子育て支援は、各制度やサービスとともに地域で支えることが重要ですが、現実的には地域のふれあいは減少し、子育ての充実感、達成感を見出せない親もいます。子育てを取り巻く環境の変化や雇用、あるいは社会環境の変化に対応した子育て支援事業に取り組む必要があると考えます。
現在、中野区内での乳幼児親子の遊び場所として、26カ所の児童館と不定期ではありますが、区立、私立の保育園、幼稚園や地域センター等で区民の方々が行っている場所があります。
「新しい中野をつくる10か年計画(素案)」では、子どもたちや乳幼児親子の遊び場所である26カ所の児童館をU18プラザ9館と、すべての小学校に設置するキッズ・プラザに再編するとなっています。
昨年度初めて塔山小学校に設置されたキッズ・プラザ塔山を見学しました。大勢の子どもたちでにぎわっていました。児童館のときの利用児童数は、昨年4月から9月の半年で約8,500人でしたが、キッズ・プラザでの利用児童者数は昨年10月から3月の半年で約1万2,500人と大幅にふえています。
また、小学校には入れない乳幼児親子の遊び場所として、地域の人たちが東部地域センターの元児童館の場所で始めたピヨピヨ広場というすばらしい乳幼児親子広場があります。昨年の10月から3月の児童館のときの乳幼児親子事業への参加者は2,192組でしたが、ピヨピヨ広場では、東京都の補助金制度を使って支援がされています。東部地域では、キッズ・プラザも子育て広場も成功していますが、ほかの地域の児童館の乳幼児親子の広場はどうなるのでしょうか。
U18プラザでは、中高生までを対象とした育成活動のほか、乳幼児親子の交流促進を図るといったことが書かれてあります。乳幼児親子の遊び場所としてほかに考えられているのが、(仮称)すこやか福祉センター内の4カ所、つまり、中野富士見中学校跡、仲町小学校跡、沼袋小学校跡、鷺宮です。また、そのほかの子育て広場事業として、民営化の保育園とも連携を図っていくということを伺っております。
2008年度の子育て広場事業の1年間の利用者数の利用率を見てみますと、仲町児童館では、大人、子どもを合わせて1万2,642人、大和児童館では合計9,205人、大和西では2,925人など、交通の利便性や部屋の広さが異なるので、地域によってばらつきはありますが、乳幼児親子の遊び場所は多くの親子に利用されています。利用者が増加傾向にある中、児童館がキッズ・プラザに転換するときに、乳幼児親子が遊べる場所の確保が必要だと考えますが、いかがお考えでしょうか。
ほかの地域の児童館でも活動されている方々がいますが、スタッフの数や資金も含め、なかなか御苦労されているといったお話も伺っております。区としても財政的に支援していくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
また、今後、子育て広場事業の実施場所についてのばらつきが出てくると考えられますが、どのように統一化を図っていくのか、お答えください。
また、以前にも質問させていただきましたが、区のホームページの子育て専用サイト内で各地域のボランティアスタッフの募集やイベント行事など、各地域の行事一覧を見ることができるように工夫をしてみてはいかがでしょうか。
子育てが楽しいまちづくりになるようにお願いをして、私からのすべての質問を終わらさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) つぼい議員の御質問にお答えいたします。
桃丘小学校跡地の暫定利用についてであります。
桃丘小学校の跡地については、現在の暫定利用から第2次の暫定利用ということになると考えております。その暫定利用は、今後の恒久的な利用につながるような、よりよい利用の仕方を考えていきたいということであります。御質問にありましたように、とりわけ若者の豊かで柔軟な創造性やエネルギーを生かした表現活動の拠点になるようにと考えております。
こうした目的を実現するために、さまざまなアイデアは御質問の中でもありましたように、いろんないいアイデアが出てくるものというふうに考えております。そうしたものをどのように整理をして、より現実的な施設運営として成功に導くことができるのかという考え方で、これから準備を進めていきたい、こう思っております。そういう意味で、施設運営については総合的なプロデュース能力の高い団体にかかわっていただきたいと、このように考えております。
そうした団体を選定し、運営のあり方を考えていく中で、施設の目的に見合った利用料の設定の仕方であるとか、あるいは運営方針など、考え方を整理をしてまとめていきたい、こう考えております。
〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 乳幼児親子の遊び場所についての御質問にお答えをいたします。
まず、児童館の乳幼児親子の広場はどうなるのか。また、キッズ・プラザへ転換するときに、乳幼児親子の遊び場所の確保が必要ではないかとの御質問がございました。U18プラザ以外の児童館は、キッズ・プラザ等の整備にあわせて順次廃止となるわけですが、乳幼児親子の遊びや交流の場は、御質問の中にもございましたが、区内4カ所に設置する(仮称)すこやか福祉センター及び区内9カ所のU18プラザの中に専用で常設の場所として整備をしてまいります。また、保育園や認定こども園でもその施設を活用して、事業として実施してまいります。さらに、常時開設ということではございませんが、区民の皆さんの活動として各地域で地域センターなどを利用して実施されていくことになります。全体として、こうしたことで乳幼児親子の遊び場については対応してまいりたいというふうに考えてございます。
次に、区民の活動への財政的支援をとのお尋ねがございました。乳幼児親子に遊びや交流の場を提供する区民の皆さんの活動に対しては、その活動内容が1日につき2時間以上、1年度に8回以上行うものに現在助成金を交付しております。こうした助成金を有効に活用して、区民の皆さんの活動がより一層活発になるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、乳幼児親子の遊び場所についての統一化という御質問がございました。すこやか福祉センターやU18プラザは地域に偏りなく配置をしてまいりますが、さまざまな場所で区民の皆さんの活動として、さまざまな乳幼児親子の遊び場づくりの活動が行われていくことにつきましては、統一化というようなことは考えてございません。
最後に、子育て情報の工夫についての御質問でございますが、乳幼児親子やボランティア活動を希望する区民の皆さんが情報を受けたり、また発信したりを容易に行えるよう、さまざまな広報手段について工夫を行っていきたいと考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、つぼいえみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 林 まさみ
1 中野の都市計画について
(1)災害に強いまちづくりの形成について
(2)都市計画の整備、実績、今後の方針について
(3)都市整備の課題を実現するための区の対応について
(ア)地域住民との合意形成について
(イ)その他
(4)その他
2 その他
○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 第3回定例会において、中野生活者ネットワークとして市民自治を広げる立場で一般質問をします。
今回は、中野の都市計画等のまちづくりについて伺います。まず1番目に災害に強いまちづくりについて、2番目に都市計画道路の整備と方針について、3番目に区民の意見を反映した合意形成を図る取り組みと、その他としてまちづくり条例について質問をいたします。その他の質問はありません。
まず、災害に強いまちづくりについて伺います。昨年、中野生活者ネットワークは、延べ100人余の区民の方と中野区の防災をテーマに連続学習会を行い、行政の防災担当者への聞き取り調査や木造密集地のまち歩きをしました。まち歩きでは、密集した木造建築、救急車や消防車などの通行が困難な道路、震災時倒壊が予想されるブロック塀、斜めに立つ多くの電信柱などの実態を目の当たりにしました。
学習会を行ったことで、自分の住んでいる家を耐震改修し、不燃化することや、震災に備えて3日間の備蓄を行うなどの自助努力の大切さを認識するとともに、行政による戦略的なまちづくりが重要であることも確認しました。
この夏も、中野生活者ネットワークでは、まちづくりに関するアンケートを行い、210人もの方から意見をいただき、そのうち約半数に当たる98人の方が防災面に不安を感じていることもわかりました。災害に対する安全性の確保は、中野区都市計画マスタープランに区の主要施策として書かれているように、区でも昭和56年以前に建築された木造住宅等に対して無料耐震診断を行っていますが、多くは耐震改修に結びついていません。
そんな中、火災危険度の高い南台一・二丁目地域では、不燃化の建てかえが進んでいます。その背景には、近くに広域避難所があり、かつ建物の条件が合えば440万円以上の助成を受けられる不燃化促進事業という施策がこの地域に適用されているからと考えられます。しかし、火災危険度の高い大和町や上高田、野方などには地域に即した不燃化の事業はなく、他の地域と同じように耐震診断等が行われているだけです。このような地域に対しては耐震診断だけを勧めるのではなく、不燃化を含めた耐震改修のアドバイスや助成を行うなどの区の対応が必要です。
そこで、一つ目の質問として、特に災害危険度の高い地域の課題に即した災害に強いまちづくりをどのように進めていくのか、区の考えを伺います。
次に、都市計画道路の整備について伺います。災害時の避難、救援、延焼防止の観点や、ユニバーサルデザインを実現するための歩行者空間の観点からも、一定の幅を持つ道路の整備が必要と考えます。また、道路整備時に電柱の地中化や道路の雨水浸透舗装が行われることで、地震時に電柱が倒れることや都市型水害を防ぐことができると考えられます。
中野区では、道路総延長のうち3.5メートル未満の道路の割合が23区で一番多く、都市計画道路整備が立ちおくれています。また、南北交通の道路整備がおくれているため、狭い道をバスが走る
ことが日常化され、高齢者や自転車利用者、子ども連れの方から、しばしば怖い思いをしたとの意見も寄せられています。
二つ目として、都市計画道路のうち、中野区所管の路線の整備率はどのくらいなのでしょうか。また、その実績について区はどのように考えているのでしょうか、お聞かせください。
さて、今後、区が優先的に整備すべき路線として、もみじ山通りと本郷通りが位置付けられていると伺っています。特にもみじ山通りは南北交通を強化する役割と西武新宿線の立体交差化と絡めて、地域の事情を考慮して整備することが必要と考えます。なぜなら、開かずの踏切が解消されることで交通量の増加が予想され、近隣の住宅街や商店街に少なからず影響を及ぼすと考えられるからです。
今年度、区はもみじ山通りのうち、大久保通りから早稲田通りまでの間について整備に向けた調査を始めたと聞いております。早稲田通りから北については現在、道のない区間が大半を占め、災害危険度の高い地域も含まれています。単に道路だけを整備するのではなく、沿道地域に即したまちづくりと連携した整備を進める必要があると考えます。したがって、西武新宿線の立体交差化とあわせた早稲田通りから北側のもみじ山通りの整備実現を図るためには、沿道地域との一体的まちづくりに向けた住民との話し合いなどの取り組みを早急に始めていく必要があると考えます。区の今後の方針と計画を伺います。
3番目に、都市整備の課題と地域住民の合意形成について伺います。本年4月に中野区都市計画マスタープランが改定されました。それまでの旧都市計画マスタープランを受けた地域まちづくりは、あまり活発に展開されてこなかったと感じています。今後は新しい中野区都市計画マスタープランの実現につながる具体的なまちづくりや整備が着実に進むことを強く期待していますが、都市計画道路に沿った地域のまちづくりの合意形成には多くの時間と労力を要することが予想されます。
ここで、住民との協働により道路整備を実現した練馬区小竹町付近の東京都道の例を紹介します。この都道は初め、行政側からの一方的な計画の提示に対し、住宅地域で反対運動が行われました。しかし、その後、都の理解もあり、住民と行政との話し合いの場が適時持たれることで、道路と歩道を緑地帯で分離することや、小学校校庭や地域コミュニティを分断する計画を回避すること。さらに歩道もレンガ色タイルに仕上げ、歩行者に優しいデザインとするなど、住民の意見を反映した都市整備が実現しました。また、沿道の緑は実をつける梅やカリン、カエデなど、四季折々の樹木や花が楽しめ、腰かけて休憩できる配慮もなされました。この結果、歩道の掃除や除草などの手入れを沿道住民が積極的に行っているそうです。
このように地域住民に歓迎される都市整備を行うには、二つの点を注意しなければなりません。1点目は、40年以上前に決められた交通処理のための道路整備の実現と位置付けるのではなく、今現在の、そして将来を見据えた沿道住民の生活環境を優先したまちづくりと考え、整備することです。
もう1点は、住民と行政とのパートナーシップによる継続的なまちづくり計画と環境監視の仕組みをつくることです。中野区でも組織改正が行われ、まちづくりの推進を強化するため、中野駅前開発だけを管理していた拠点まちづくりから、中野区全体を統括するまちづくり推進室ができたことは評価できます。今後、まちづくり推進室が中野のまちづくりを積極的に進めていくことを期待します。
そこで伺います。今後、区民ニーズに沿った都市計画道路整備を進める上で、低炭素を実現する環境や区が誇れる景観、いつまでも安心して住み続けたいまちを実現するために、まちづくり推進室では地域住民と合意形成を図る取り組みをどのように行うのか、お答えください。
また、合意形成を図るためには、例えば複数の戸建て住宅を共同化することや、建てかえ時の規制と緩和など、地域住民の課題を解決する技術を持った職員の確保や人材育成が重要と考えます。まちづくり推進室としての人材育成の方針もあわせてお答えください。
最後に、その他として、以前に質問したまちづくり条例について伺います。
まちづくり条例には、よりよいまちづくりを実現するため、地域住民と開発事業者との協働の仕組みや住民によるまちづくりの手続などを盛り込むことがふさわしいと考えます。中野区は、まちづくり条例を今後つくる方向ですが、住民の立場に立った参加の仕組みや住民の意見反映の実現のためにも、練馬区のようにまちづくり条例の案づくりから住民参加を図るべきと考えます。区の考えをお聞かせください。
今後進むと考えられる地方分権。地方分権とは、住民の視点と地域住民の意見を生かしたまちづくりを実現することが目的であり、そのために住民に近い身近な地方自治体に権限と財源を委譲することです。都が決めた都市計画道路の計画があるから道路をつくるのではなく、区民、地域住民の環境を考えたまちづくりを第一に考えた計画を区は推進しなければなりません。そのためにも地域住民との合意形成の取り組みや住民の意見を反映した条例の制定は重要です。
以上で一般質問を終わります。(拍手)
〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕
○まちづくり推進室長(川崎亨) 林議員の御質問にお答えをいたします。
初めに、災害に強いまちづくりをどう推進するかについてでございます。
区では現在、災害危険度の高い地域からの取り組みを進めており、南台一・二丁目と南台四丁目、そして平和の森周辺地区で重点的に防災まちづくりを進めているところでございます。このほか、区内全域で狭隘道路の拡幅整備でありますとか、建物の不燃化、耐震化の促進などを行っているところでございます。また、(仮称)中央部防災公園、(仮称)南部防災公園の整備を進めているほか、さらには本町二丁目と五丁目に防災機能を有した公園整備を予定するなど、都市基盤の整備もあわせて進めているところでございます。今後ともこうした取り組みを着実に進めることによりまして、災害に強いまちづくりを推進していきたいと考えております。
次に、もみじ山通りの整備にあわせた地域のまちづくりについてでございます。御指摘された地域、上高田二・三丁目地域に当たるかと思いますが、こちらは国も重点的に改善すべき密集市街地に位置付けており、防災まちづくりの必要性が高い地域でございます。中野区都市計画マスタープランや現在策定中の西武新宿線沿線まちづくり計画におきましても、もみじ山通りの整備にあわせて、この地域を災害に強い住宅地に改善することとしております。
また、平成15年からは、新井薬師前駅周辺まちづくりの会が沿線地域のまちづくりのほか、上高田地域の防災まちづくりの検討にも取り組んでいらっしゃるところでございます。区では、こうした活動を支援することにより防災意識の高揚を図り、都市基盤整備の重要性について地域住民の理解を求めていくこととしております。今後は、西武新宿線沿線のまちづくりにあわせまして、もみじ山通りなど都市基盤の整備を行うとともに、沿道や周辺地域の建物の不燃化、耐震化への誘導を促進するなど、地域の皆様との協働による防災まちづくりを進めていきたいと考えております。
次に、まちづくりの推進に関する職員の育成と地域の合意形成についてでございます。地域の合意形成を図るために職員に求められること、これは一つには、区民ニーズを的確に把握すること、そして異なる意見を調整する能力、そしてまちづくりに関する専門的知識などでございます。区が抱える多くの都市整備の課題に的確に対応していくためには、地域での合意形成や関係機関との協議、調整の積み重ねなどの経験を有した多くの職員が必要と考えております。あわせまして、育成強化を図るため、国や都との連携を強化するとともに、外部の専門機関や民間のノウハウを積極的に活用することが必要と考えております。こうしたことを進めながら職員を育てつつ、住民合意によるまちづくりを進めていきたいと考えております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、まず都市計画道路の整備状況についてお尋ねがございました。これについてお答えをしたいと思います。
中野区内の都所管と区所管の都市計画道路全体の完成率は39%でございます。そのうち、区所管の都市計画道路の完成率、これが45%という数字でございます。現在取り組んでおります警察大学校等跡地、この都市計画道路、いわゆるF字道路、この整備が完了いたしますと、区所管の完成率は53%という数字になる見込みでございます。
都市計画道路は、都市の骨格を形成する重要な都市基盤であるにもかかわらず、依然として不十分な整備状況というふうに中野の場合、考えているというところでございまして、これらもまちづくりの進展等にあわせながら着実な整備を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
次に、まちづくり条例についてのお尋ねがございました。このまちづくり条例は、身近な地区におけるまちづくりを進めるための仕組みであるとか、手続といったようなことを定めるというふうに考えておりまして、区の考え方を示しながら、区民の方々の意見を伺いながら、最終的な取りまとめをしていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で、林まさみ議員の質問は終わります。
以上をもって、質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第54号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算
第55号議案 平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算
第57号議案 桃花小学校体育館等改築工事請負契約
第58号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約
第59号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約
第60号議案 仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約
(委員会報告)
○議長(伊藤正信) 日程第1、第54号議案、第55号議案及び第57号議案から第60号議案までの計6件を一括議題に供します。
平成21年(2009年)9月16日
中野区議会議長 殿
総務委員長 いでい 良輔
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第54号 |
平成21年度中野区一般会計補正予算 |
9月16日 |
第55号 |
平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算 |
9月16日 |
第57号 |
桃花小学校体育館等改築工事請負契約 |
9月16日 |
第58号 |
桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約 |
9月16日 |
第59号 |
桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約 |
9月16日 |
第60号 |
仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約 |
9月16日 |
○議長(伊藤正信) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、これより第54号議案、第55号議案及び第60号議案の計3件と、第57号議案、第58号議案、第59号議案とに分けて採決いたします。
初めに、第54号議案、第55号議案及び第60号議案の計3件について採決いたします。
ただいまの議案計3件は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次に、第57号議案について起立により採決いたします。
上程中の第57号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊藤正信) 起立多数。よって、上程中の第57号議案は可決するに決しました。
次に、第58号議案について起立により採決いたします。
上程中の第58号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊藤正信) 起立多数。よって、上程中の第58号議案は可決するに決しました。
次に、第59号議案について起立により採決いたします。
上程中の第59号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊藤正信) 起立多数。よって、上程中の第59号議案は可決するに決しました。
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認定第1号 平成20年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成20年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成20年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成20年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成20年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第6号 平成20年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
○議長(伊藤正信) 日程第2、認定第1号から認定第6号までの計6件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました認定第1号、平成20年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成20年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成20年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成20年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成20年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第6号、平成20年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上6件につきまして、一括して説明いたします。
初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。
平成20年度一般会計の歳入総額は1,041億7,827万1,074円、歳出総額は962億7,737万1,056円で、前年度と比較しますと、歳入で5%の減、歳出で9.6%の減となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は79億90万18円となり、翌年度に繰り越すべき財源53億6,848万4,000円を差し引いた実質収支は25億3,241万6,018円となりました。
それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。
第1款特別区税は、総額315億6,200万円余で、前年度と比較して5億7,200万円余、1.8%の増となりました。これは納税義務者の増加などによるものです。
第2款特別区交付金は、総額352億8,000万円余で、前年度と比較して1億900万円余、0.3%の増となりました。これは、交付金の財源である調整三税等は減少したものの、特別交付金が増となったことによるものです。
第7款地方消費税交付金は、前年度と比較して2億2,200万円余、6.6%減の総額31億5,300万円余となりました。
第13款国庫支出金は、定額給付金に係る国庫補助金の増があったものの、まちづくり交付金の減などにより、前年度と比較して4億1,400万円余、2.5%減の総額161億4,800万円余となりました。
第14款都支出金は、都市計画交付金の減などにより、前年度と比較して17億9,700万円余、30.4%減の総額41億2,200万円余となりました。
第15款財産収入は、旧区域外スポーツ・学習施設の用地売払収入の増などにより、前年度と比較して1億9,800万円余、88%増の総額4億2,300万円余となりました。
第17款繰入金は、財政調整基金の繰り入れの増などにより、前年度と比較して26億4,100万円余、369.7%増の総額33億5,600万円余となりました。
第18款繰越金は、前年度と比較して7億7,500万円余、19.6%減の総額31億8,700万円余となりました。
第20款特別区債は、警察大学校等跡地整備に伴う都市整備債の減などにより、前年度と比較して51億6,600万円、87.1%減の総額7億6,200万円余となりました。
これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は98.5%となりました。
次に、歳出につきまして、大きな増減があった主な款について説明いたします。
第2款経営費は、総額112億7,500万円余で、前年度と比較して15億5,800万円余、16%の増となりました。これは、株式会社まちづくり中野21の株式の取得や退職手当の増などによるものです。
第3款区民生活費は、定額給付金の給付やプラスチック製容器包装及びペットボトルの回収経費の増などにより、前年度と比較して8億9,000万円余、10.9%増の90億3,000万円余となりました。
第4款子ども家庭費は、母子生活支援施設建てかえ用地の取得や子ども医療費助成の増などにより、前年度と比較して19億6,200万円余、13.5%増の総額164億5,800万円余となりました。
第6款都市整備費は、警察大学校等跡地整備に伴う道路・公園用地の取得経費の減などにより、前年度と比較して129億3,400万円余、66.7%減の総額64億6,400万円余となりました。
第9款諸支出金は、財政調整基金や義務教育施設整備基金への積立金の減などにより、前年度と比較して19億4,200万円余、21.6%減の総額70億4,600万円余となりました。
これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は91%となりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は532億9,800万円余で、前年度と比較して1.8%の増となりました。また、投資的経費は74億800万円余で、前年度と比較して59.7%の減となりました。
なお、平成20年度決算では、実質収支が25億3,200万円あまり生じ、前年度決算に比べ、5億9,400万円余の減となりました。
また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して、実質収支比率が0.9ポイント下がり3.2%、経常収支比率が1.3ポイント上がり81.2%、公債費比率が0.6ポイント上がり8.6%となっております。
これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が5.1ポイント、公債費比率が3.1ポイント、それぞれ上回っており、景気も依然として厳しい状況が続いている中、引き続き歳出構造の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。
一方、区は、「新しい中野をつくる10か年計画」に掲げる取り組みを着実に進めていくとともに、区政の新たな課題に積極的に取り組んでいくことが求められています。さらに、老朽化した区の施設の大規模な改修・改築などの財政需要にも適切に対応していかなければなりません。こうしたことから、区としては、財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。
以上が一般会計決算の説明です。
続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。
歳入歳出の決算額は同額で、13億4,432万6,265円、前年度と比較しますと、歳入歳出とも著しく増加しています。
歳出は、第1款公債費が9億8,600万円余で、前年度より9億6,200万円余の著増となりました。これは、母子生活支援施設建てかえ用地の売り払いに伴い、公共用地先行取得債を繰り上げ償還したことによるものです。
第2款用地費は、3億5,800万円余の皆増となりました。これは、本一高齢者会館用地を取得したことによるものです。
歳入の主なものは、第1款財産収入が9億5,300万円余の皆増、第3款特別区債が3億5,800万円の皆増となりました。
次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は304億2,889万2,170円、歳出総額は303億7,082万3,594円で、前年度と比較しますと、歳入歳出とも4.1%の減となりました。これは、後期高齢者医療制度の創設に伴い、被保険者が移行したことなどによるものです。
歳出の主なものは、第2款国保給付費が190億7,700万円余で、前年度より2億2,600万円余、1.2%の減、第3款後期高齢者支援金が38億8,600万円余の皆増、第7款共同事業拠出金が39億3,200万円余で、前年度より7億5,500万円余、23.8%の増となりました。
歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が83億7,000万円余で、前年度より18億2,900万円余、17.9%の減、第3款国庫支出金が67億3,000万円余で、前年度より6億100万円余、8.2%の減、第5款前期高齢者交付金が46億3,300万円余の皆増、第7款共同事業交付金が37億200万円余で、前年度より6億2,100万円余、20.2%の増、第8款繰入金が43億200万円余で、前年度より8億800万円余、15.8%の減となりました。
次に、中野区老人保健医療特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は22億4,087万2,779円、歳出総額は22億706万126円で、前年度と比較しますと、歳入で89.8%の減、歳出で90%の減となりました。これは、老人保健医療制度にかわり、平成20年4月から後期高齢者医療制度が創設されたことによるものです。
歳出の主なものは、第1款医療諸費が21億9,900万円余で、前年度より197億4,800万円余、90%の減となりました。
歳入の主なものは、第1款支払基金交付金が13億6,000万円余で、前年度より115億1,700万円余、89.4%の減、第2款国庫支出金が7億1,000万円余で、前年度より51億3,700万円余、87.8%の減、第3款都支出金が1億5,200万円余で、前年度より13億3,500万円余、89.8%の減となりました。
次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。
この特別会計は、後期高齢者医療制度の開始に伴い、平成20年度に新たに設置したものです。
歳入総額は46億7,274万9,245円、歳出総額は46億1,471万7,645円となりました。
歳出は、第1款広域連合納付金が46億1,400万円余となりました。
歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が26億9,600万円余、第2款繰入金が19億7,600万円余となりました。
最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は165億8,131万4,645円、歳出総額は161億3,779万5,466円で、前年度と比較しますと、歳入で3.9%の増、歳出で3.2%の増となりました。
歳出の主なものは、第2款保険給付費が143億4,600万円余で、前年度より3億4,600万円余、2.5%の増となりました。
歳入の主なものは、第1款介護保険料が31億1,000万円余で、前年度より5,000万円余、1.7%の増、第3款国庫支出金が38億1,000万円余で、前年度より3億9,400万円余、11.6%の増、第4款支払基金交付金が45億2,600万円余で、前年度より1億8,000万円余、4.2%の増、第5款都支出金が22億800万円余で、前年度より1,600万円余、0.8%の増、第7款繰入金が25億8,100万円余で、前年度より1,400万円余、0.6%の増となりました。
以上、平成20年度の各会計決算について説明いたしました。
なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして、御了承いただきたいと思います。
また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月22日から8月11日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。
最後になりましたが、ここに平成20年度の決算につきまして、議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第でございます。
以上、認定第1号から認定第6号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成20年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第4、議員提出議案第12号、地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第12号 地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書
○議長(伊藤正信) 日程第4、議員提出議案第12号、地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。山崎芳夫議員。
○32番(山崎芳夫) ただいま議題に供されました議員提出議案第12号、地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。
地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書
新政権の発足とともに、民主党のマニフェストに示された政策・制度への変更が進められることになります。
一方、前政権下において、平成21年度予算及び同年度第1次補正予算が可決成立しています。同補正予算は、現下の経済危機において、景気の底割れを防ぎ、国民生活の安心を確保し、未来の成長につなげるために、事業費で57兆円、財政出動で15兆円となる過去最大の「経済危機対策」を執行するためのものです。また、地域活性化・公共投資臨時交付金(1兆3790億円)、地域活性化・経済危機対策臨時交付金(1兆円)など、経済対策関連の自治体に交付される15の基金などの創設等が計上されており、各地方自治体は、当該基金などの活用を前提に、経済危機対策のための予算を編成し、議会の議決を経て執行段階に入っているところです。
それに対して、新政権においては、平成21年度予算及び同年度第1次補正予算の執行を停止し、不要と判断した事業は廃止する方針を示しています。
新政権によって、前述の経済危機対策事業についての予算執行が見直されることになれば、すでに関係事業を執行中あるいは、執行準備が完了し、当該事業の広報・周知が済んでいる地方自治体にとって、誠に憂慮すべき事態の発生が懸念されます。
万一、関係事業を中止せざるを得ない事態になれば、地方自治の混乱を招くだけでなく、地域雇用情勢にも深刻な打撃を与え、経済対策の効果によって、景気底入れから成長に転じる兆しの出てきた日本経済に悪影響を及ぼしかねない恐れがあります。
こうしたことから、今後進められる政策の見直し、税制の改革、制度の変更にあたって、平成21年度予算及び同年度第1次補正予算によって、地方自治体の進めてきた施策や事業について財源問題で執行に支障が生じることのないよう配慮することは、政府の果たすべき当然の責任です。
よって、中野区議会は、政府に対し、各地方自治体の経済対策が円滑に実施されるよう、平成21年度予算及び同年度第1次補正予算の適正な執行を図られることを強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
年 月 日
内閣総理大臣
総務大臣 あて
財務大臣
中野区議会議長名
以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
これより討論に入ります。
来住和行議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) ただいま上程されました議員提出議案第12号、地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書(案)に対し、日本共産党の立場から反対の討論を行います。
意見書案は、2009年度予算及び同年度第1次補正予算の適正な執行を国に求めるものです。反対する第1の理由は、そもそも総額15兆円という数字がどこから出てきたのか。政府はGDP(国内総生産)500兆円の3%で15兆円という決め方をしました。本来、経済対策というなら、国民の生活の実態から見て何が必要か、緊急の雇用対策や中小・下請企業に対する支援をどうするか、介護や医療、福祉の改善をどうするかなど、生活関連の事業をきちんと積み上げなければならなかったはずです。一方、経団連の幹部からは、「経済界の要望を幅広く取り入れてもらっており、改めて感謝申し上げる」「非常に強力な経済対策だ」といった声が相次ぎました。
補正の内容を見ると、港湾・空港インフラの強化2,086億円をはじめ、凍結されていた東京外環道の復活など、将来も財政負担が予測される不要不急の大規模公共工事が進められることになっています。また、自動車や電機業界からの強い要望があった車や電化製品の買いかえを勧める補助金など、大企業、ゼネコンには大盤振る舞いとなったことに批判が高まりました。
第2に、その財源を国債発行に多くを頼っていることです。2009年度の公債発行総額は44兆円を超えることになります。大企業中心の過大な減税措置や米軍への思いやり予算、グアムへの米軍基地建設への税金導入、不要不急の大規模開発や道路・港湾などの公共事業の点検もなく、消費税をはじめ、将来増税で庶民にそのツケを押しつけようというものです。
第3に、離職者への緊急支援や母子家庭高等技能訓練促進事業など、区民にとって必要とされる国の補正対応の予算措置もあるものの、当初予算、第1次補正予算の総体を見れば、問題が大き過ぎます。しかも、本意見書案には、臨時交付金の活用を言いつつも、施策の中身には触れられていません。およそ21年度予算、第1次補正予算の執行をそのまま求めるかのような意見書には賛同できないことを述べて、反対の討論といたします。
○議長(伊藤正信) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊藤正信) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
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中野区の財政の健全化判断比率について
○議長(伊藤正信) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について御報告いたします。
本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月16日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時53分散会