平成21年12月01日中野区議会本会議(第4回定例会) 平成21年第4回定例会本会議第1日(12月1日)

.平成21年(2009年)12月1日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(40名)

  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正

  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明

  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子

  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり

  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔

 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ

 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ

 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子

 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子

 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員

 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご

 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信

 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子

 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭

 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦

 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫

 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造

 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお

 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎

 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義

 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治

 教  育  長  菅 野 泰 一       区民生活部長   鈴 木 由美子

 子ども家庭部長  竹 内 沖 司      保健福祉部長   金 野   晃

 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   石 井 正 行

 まちづくり推進室長 川 崎   亨     教育委員会事務局次長 田 辺 裕 子

 政策室副参事(企画調整担当) 田 中 政 之 経営室参事(経営担当) 長 田 久 雄

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    奈 良 浩 二

 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  長 﨑 武 史

 書     記  荒 井   勉      書     記  河 村 孝 雄

 書     記  菅 野 多身子      書     記  丸 尾 明 美

 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠

 書     記  杉 本 兼太郎      書     記  鈴 木   均

 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 

 議事日程(平成21年(2009年)12月1日午後1時開議)

日程第1 第79号議案 中野区基本構想の改定について

 

      午後1時15分開会

○議長(伊藤正信) ただいまから平成21年第4回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。17番奥田けんじ議員、26番やながわ妙子議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から12月14日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、山崎芳夫議員、飯島謹一議員、岩永しほ子議員、のづ恵子議員、大内しんご議員、岡本いさお議員、せきと進議員、奥田けんじ議員、いでい良輔議員、南かつひこ議員、長沢和彦議員、きたごう秀文議員、伊東しんじ議員、市川みのる議員、ひぐち和正議員、内川和久議員、佐藤ひろこ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 山 崎 芳 夫

 1 区長の政治姿勢について

  (1)平成22年度予算編成について

  (2)10か年計画の改定について

  (3)その他

 2 地方分権改革の推進について

  (1)地方分権改革推進委員会の勧告について

  (2)その他

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) 最初に、山崎芳夫議員。

      〔山崎芳夫議員登壇〕

○32番(山崎芳夫) 自由民主党議員団を代表いたしまして、一般質問を行います。

 質問は、1点目に、区長の政治姿勢について、内容といたしましては(1)平成22年度予算編成について、(2)10か年計画の改定についてでございます。2点目につきましては、地方分権改革の推進についてと題しまして、地方分権推進委員会の勧告についてお伺いをさせていただきます。その他の項目におきましては、警察大学校等跡地の中央中学校南側の公務員宿舎建設についてをお伺いさせていただきます。区長、理事者におかれましては、ぜひわかりやすく前向きな答弁をいただきますようにお願いを申し上げます。

 それでは、1点目の区長の政治姿勢についての1項目めの平成22年度予算編成について、質問をさせていただきます。

 めっきりこのところ寒くなり、本格的な冬といった季節に入ってまいりました。このような中で中野区の財政状況もまた、まさに今、厳しい冬の時期を迎えているようではないでしょうか。

 一昨年の世界同時不況の影響が今、ボクシングのボディブローのように日本経済に効いてきたようでございます。企業の業績不安が雇用に影響し、消費が減って、また企業の業績が悪化をするというデフレスパイラルの状況に日本経済は陥っているように思えてなりません。

 さらに追い打ちをかけるように、11月27日の日経新聞によりますと、東京市場の円相場が1ドル、何と86円台まで上昇し、14年4カ月ぶりの高値をつけたこととあわせて、何の構えも備えもない日本の政策運営にこそ真の危機が潜んでいると報じられておりました。また、きょうの読売新聞におきましても、「日本がつぶれる」と題して、政府内の司令塔の不在ぶりを大きく報じております。

 この影響は、既に税収入に如実にあらわれまして、今年度の東京都の法人2税の税収は大幅に落ち込み、08年度の2兆3,800億円から、何と1兆3,200億円も少ない1兆600億円程度に落ち込むとの予想でございます。住民税法人分を原資とする特別区交付金においても多大な影響を受けることが予想をされています。さらに個人収入の減少から、特別区民税までも減収となることがさまざまなメディアで取り上げられているのが現状であります。

 そこで、まずお尋ねをいたしますが、都税収入減少による中野区の特別区交付金の影響額はどのくらいなのでしょうか、お答えをください。さらに、この影響は来年度が底と言われ、その影響は少なくても23年度まで続くことが予想をされています。

 区は、こうした事態を予測いたしまして、年度間の財源を調整すべく財政調整基金の積み立てを我が党の主張を大きく取り入れて積極的に行ってまいりましたけれども、実際これからの3年間程度を乗り切れるのかどうか、極めて疑問が残ります。まずは平成21年度の決算見込みを早急に立てて、議会にお示しをいただけないものでしょうか。執行機関と議会の双方に財政に対しての共通の認識がなければ、到底22年度の当初予算の審議もうまくいくはずはありません。

 しかも、民主党が先般行った事業仕分けにより、国土交通省所管のまちづくり交付金などについては地方に任せて、地方交付税交付金などの中に潜り込ませて、なおかつ地方の裁量に任せるなどという、きれいごとで片付けようとしているのが現状であります。

 警察大学校等跡地や中野駅周辺整備の大切な原資であったまちづくり交付金が、中野区にとってはどこかに消えてしまうような事態になりつつある現状であります。

 そして、民主党の公約でもある子ども手当に関しても、今となって地方にも一定の負担を求めるなどの見解が示されまして、一体地方の財政をどうするのか、どれだけの負担を地方に転嫁させるつもりなのか、全く不透明です。無策の政府といっても過言ではないと思っています。

 そもそも事業仕分けの対象事業は、だれがどのように決めたのでしょうか。仕分け人と言われる人は、どんな資格とどんな識見をお持ちなのでしょうか。また、予算要求は、そもそも各省庁が政務三役の了承を得て、要求をした内容でございます。官僚依存をあれほど非難をしておきながら、肝心の仕分けの説明についてはお役人に矢面に立たせるのはちょっとずるいのではないかというような新聞記事も載っております。

 また、予算の廃止や見直しの決定は政治主導で行うと言っておりますが、声の大きな団体については政治主導の名のもとに選挙目当てで復活をする構え、まさに予算の試し打ちをしているような気がしてなりません。中国には「激流に馬を変えるな」ということわざがございます。このことわざが8月31日以降の日本を象徴しているように思えてならないのは私だけではないと考えています。このような政府の姿勢について、区長の率直な御見解をお伺いしておきます。

 さて、年も押し迫り、平成22年度予算編成もヤマ場を迎える時期ではないかと思っています。来年は区長選挙と区議会議員の補欠選挙が執行されますが、現職区長として来年度予算をどう編成するのか、重要な判断をしなければならないと心中お察しをしております。

 首長や議会の議員の改選が次年度の早い時期に控えている場合におきましては、1年度の行政活動のすべてにわたり予算を計上することが適当でないと判断した場合におきましては、新規・拡充の施策等の予算計上を見送り、あわせて政策的経費を極力抑制し、義務的な経費を中心に編成をした骨格予算を編成することができます。

 こうした場合、第2回定例会以降の定例会で補正予算として政策的な経費や骨格予算で計上できなかった経費を肉付けして、本予算として編成することになります。こうした予算編成は、最近では、山陽小野田市、米子市、川越市、匝瑳市、そして、長崎県で行われているとのことでございます。

 特に平成22年度予算に計上されるものの中に、当然改定する10か年計画事業費が計上されると考えておりますが、10か年計画については十分に議論が尽くされていない上に、財政状況が不安定な状況にあり、慎重な対応が不可欠であります。また、国の来年度予算の中には、国、都、区の負担割合が不透明な事業が多いほか、必要な国の交付金が確保できるかどうか見きわめる必要があると考えています。こうした区を取り巻く状況からも、来年度予算は骨格予算編成とすることが妥当であると私は考えておりますが、区長のお考えをお伺いいたします。

 ただ、私は、予算編成権は区長の専権事項でありまして、骨格予算を強制するものではございませんので、あらかじめ申し上げておきたいと思います。

 次に、10か年計画の改定についてお伺いをいたします。現田中区長は、平成14年の区長選挙で初当選をされまして、そして平成18年の区長選挙で再選をされ、現在2期8年目となっています。そして、残す任期は約半年となりました。

 私は先日、我が会派の同僚議員と、平成18年執行の区長選挙で配布をされた選挙公報、そして区長の確認団体が発行した「現職区長のマニフェスト」、副題は「開け!明日への扉」を拝見させていただきました。

 選挙公報では、1期目の公約でありました月2回の区長との直接対話、区長公用車の廃止、交際費の半減と使途の全面公開、上野原スポーツ・学習施設の廃止の実現のほか、財政の改善や区民参加のもとでの基本構想や自治基本条例の策定などの成果を訴えておられました。

 また、2期目に向けてのマニフェストでは、まち活性化、地球温暖化防止、元気いっぱい子育て、健康・生きがい、そして行政革新と、10か年計画の戦略ごとに細かな取り組みを示しておられました。

 そして、区長の確認団体が配布をした「現職区長のマニフェスト」も同様の内容で、一応目を通させていただきましたが、ほとんどの項目が何らかの形で達成をしておりまして、区長としてマニフェストの実現に向けて大変な努力をされたものと評価をさせていただいております。

 しかしながら、そのマニフェストを達成いたしたとしても、その内容や成果はどうだったんでしょうか。例えば私が所属をする厚生委員会の所管であります、いきいき中野、健康いきがいづくりのマニフェストでは、ICカードを利用した健診から健康づくり、介護予防システムに関しては、ICカードの普及は残念ながら達成しておりませんが、高齢者の健康づくりや介護予防はいろいろな意見はあろうと思いますが、私は一定の成果があったと思っております。

 また、医療、福祉、介護の拠点づくりにつきましては、地域包括支援センターの区内各所への配置や権利擁護の取り組みなどは達成していますが、地域のネットワークづくりや地域での出前相談につきましては、その成果が残念ながら見えておりません。私は、施設建設などの目に見える成果はもちろんのこと、それを利用する人の満足度など、ソフトの部分の目に見えない成果も重要であると考えています。

 その点を踏まえて、改めて区長にお伺いをいたします。10か年計画を含めて、この2期目における成果はどうだったのでしょうか。また、10か年計画での取り組みで成果が十分でなかったもの、国の政策変更で目標と課題がマッチしなくなったものもあるかと思われます。今回の改定素案は当然それらを踏まえたものであると思っておりますが、その前提となる成果等の検証は十分に行われたのでしょうか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

 今定例会には、基本構想の改定議案が提案をされることになっております。それに伴う改定10か年計画は、現在の社会状況を十分に見据えて、さまざまな施策と成果の検証について議論を尽くしてきたのだと思っておりますが、今回の政権交代に伴う国の予算編成のごたごたなど、国の方向性が定まらない状況下では、基本構想を実現する10か年計画は財政運営も含めてもう少し時間をかけて議論をすべきと考えておりますが、区長の御見解をお聞きいたします。

 この項の最後に、改めて区長にお伺いをいたします。リーマン・ショック以来の激しい社会状況の変化や厳しい財政状況の中、区民の生活を守ることは大変なことであり、そして同時に大変責任の重いことであると思います。この厳しい状況の中で、中野区30万人の自治体の長として、今後の区政運営についての区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、2点目の地方分権改革の推進についてお尋ねをします。

 去る11月16日、新政権発足後初めて、国と地方の協議の場の法制化に向けて、地方自治体の代表者と初会合が開かれ、鳩山総理、菅副総理、平野官房長官ほか、財務、総務の主要大臣も出席したとの報道を拝見させていただきました。

 鳩山総理からは、今後頻繁に国と地方の協議を行い、国と地方のあり方を見直したいとの発言があり、同時に地方六団体側からは、国と地方の信頼関係を築くことが必要で、そのためには地方交付税の復元・増額、子ども手当の全額国庫負担が重要になることや、地方交付税は事業仕分けの対象としないこと。法律に基づく国の補助事業につきましては、税源移譲を含めた総合的な検討が必要であること。また、後期高齢者医療制度の廃止問題は、将来に向かって国等による一元化の方向を明示することとセットで議論すべきとの発言があったと聞いております。

 最終的には、こうした諸課題を協議するため、協議の場の法制化の具体的な制度設計につきまして、国と地方の代表による作業チームを設けて検討することが確認をされたところでございます。いよいよ新政府も重い腰を上げ、国と地方の関係の重要性を認識したようで、ある意味、私は安心をいたしましたけれども、政府の行政刷新会議で今後どのようなものを地方に押しつけてくるのか、同時に注視をしていきたいと考えています。

 さて、地方分権改革推進委員会の第4次勧告が去る11月9日公表をされました。この勧告におきましては、地方交付税の総額の確保及び法定率の引き上げ、直轄事業負担金制度の改革、自治体への事務・権限の移譲と必要な財源確保、国庫補助負担金の一括交付金化への留意点、自動車関係諸税の暫定税率見直しに際しての留意点、国と地方の事実上の協議の早急な開始といった六つの当面の課題と、地方税制改革、国庫補助負担金の整理、地方交付税と地方債の見直し、財政規律の確保といった五つの中・長期の課題に整理をされております。

 この中で、当面の課題につきましては、先ほど御紹介をさせていただいた事実上の国と地方の協議の場で、今後も鋭意議論されていくものと私は思っておりますが、中・長期の課題のうち、地方税改革については相当な十分な議論が必要と考えております。特に望ましい地方税の体系の構築におきましては、地方の自己決定・自己責任には地方税の充実が最も重要である。そして、応益性を有し、薄く広く負担を分かち合うもので、地域的な偏在性が少なく、なおかつ税収の安定した税目が望ましいとしています。その場合の条件としては、もちろん国と地方の税配分を当初目標5対5、地方消費税の充実が中心などとして、あわせて地方の課税自主権の拡充の必要性を提言しています。

 そもそも民主党は、消費税に対しては4年間は議論もしないと明言をしており、こうした提言が無意味になりはしないかと私は大変心配をしております。23区の区長会副会長の区長のお考えをお聞きしておきます。

 この勧告を受けて、地方六団体は共同で声明を発表しています。この中では、国の三位一体改革で削減をされた地方交付税の復元・増額を求めること、地域主権の確立のため、国と地方の税配分を5対5とすることを要望するとともに、地方交付税制度の改革については、地方六団体が提唱した地方共有税構想を土台とした今後の政府の議論に期待すると明記されておりました。

 この地方共有税構想というのは、平成18年6月に地方六団体が発表した「地方分権の推進に関する意見書」によりますと、地方交付税が国から恩恵的に与えられるものではなくて、みずからの財源を他の自治体のために融通し合うことにより、すべての自治体が国に依存せずに、住民に対して一定水準の行政サービスを提供できるようにするものであるとの考え方に基づくセーフティーネットとしての性格を持つものです。その制度上明確にするために、地方交付税の名称を地方共有税に変更して、国の一般会計を通さずに、地方共有税及び譲与税特別会計に直接繰り入れまして、地方共有税調整金として自治体に分配すること、その地方共有税の法定率の引き上げ、特例加算・特別会計借り入れの廃止など、7項目の改革を一体的に行っていくという提案であるようでございます。

 そこで、区長にお伺いをいたします。この地方共有税構想について、一地方自治体の長として、また同時に、中野区長としての御見解をお伺いし、この項の質問は終わります。

 そして、その他の項で最後の1点お尋ねをします。警察大学校等跡地の中央中学校南側の公務員宿舎建設についてでございます。

 冒頭の質問で取り上げた政府の行政刷新会議の事業仕分けで、11月27日に公務員宿舎建設等に必要な経費等について評価・結論が出されたところでございます。

 その内容は、速やかに関係省庁間において検討を行い、宿舎の建てかえにつきましては、その検討を踏まえて実施することとし、それまでの間、継続案件や東京周辺以外の緊急建てかえを除き、凍結するというものでございます。中央中学校南側に建設予定の宿舎については、地元の皆さんの御要望を受けて、よりよいまちづくりを進めるために、囲町側からの移転を求めた結果、現在の予定地に整備をすることとなったわけでございます。

 国に御協力をいただいた経緯につきましては、十分尊重をしなければなりませんが、しかしながら、今後の検討で公務員宿舎の整備方針が変更されるようなことがございましたら、建設が予定をされている統合新校の教育環境をさらによいものとするために、区は改めて用地の取得を目指すべきと我が会派は考えております。お答えをいただきたいと思います。

 以上で私のすべての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、現在の大変な経済不況に伴う税収の特別区交付金への影響額についての御質問であります。

 法人2税の大幅な減収は、区の財政状況に大変大きな影響を及ぼすと考えております。法人2税のうちの市町村民税法人分につきましては、東京都の当初予算に比べ、おおむね1,600億円のマイナスとなると、このように考えております。中野区の影響額で計算をいたしますと、今年度の当初算定からいたしますと30億円程度、同じくマイナスになってしまう。このような想定を持っているところであります。

 22年度の予算編成を行うに当たって、21年度の決算見込みも、これは大変重要になってくるであろうと、こういう御質問でありました。そのとおりであります。区は、これまで経済状況が悪化した場合におきましても、持続可能な財政運営を行い、安定した区民サービスの提供ができるように財政調整基金の積み立てを行ってきたところであります。しかしながら、過去に例を見ない経済状況の悪化によりまして、積み立てた財政調整基金をいよいよ年度間調整のために繰り入れなければならない状況になったと、こう考えております。今後数年間は財政調整基金からの繰り入れを当てにした予算編成が必要になると。このことは確実だと考えております。そうした中で当初予算を編成する上においては、今年度の決算見込みというのも大変重要なデータとなってまいります。しかるべく早い時期に議会にもお示しをしてまいりたいと、こう思っております。

 それから、事業仕分けについての御質問がありました。事業仕分けにつきましては、統一的な基準があってやっているわけではないということでありますので、どのように予算に反映されるかというのは、現在はまだ不明だろうと、こう考えております。今後その推移を見守っていきたいと、このように考えているところであります。

 この事業仕分けですが、国民の目に見えるところで財政のむだを議論し、事業を評価するようになったと。このこと自体は、私は大きく歓迎をするべきだと、こう思っております。しかし、現在行われた仕分け、このあり方については、やり方やそのプロセスなどを含めて、かなり問題のあるやり方になってしまっていると、こんなふうに考えているところであります。

 そもそも単独の事業を取り上げて個別に仕分けをしていくということでは、行政活動の全体を改善する見直しにはならないのであります。中野区では、区政の目標体系を踏まえ、全事業を目標とその成果という観点から、効率性や事業の効果を評価する外部評価制度と、それを活用するPDCAサイクルを区政運営の基軸として充実させてまいりました。こうした取り組みと比べますと、国において行われている仕分けというのは、ほんの第一歩にすぎないと、こんなふうに考えております。中野区が進めてきた、こうした取り組みなども十分に参考にしていただきながら、国の運営を改善・改革していっていただきたいと、こう考えております。

 それから、地方分権が求められる中でありますけれども、権限や財源の移譲、これについても仕分けの中で地方が行うことというふうに幾つもの事業が仕分けられていたわけであります。そのことがどのように行われていくのか、権限や財源の移譲について十分な協議を国と地方の間で行っていかなければならない。こんなふうに考えているわけであります。

 まちづくり交付金についても挙げられておりますけれども、まちづくり交付金は自治体の自主的なまちづくりへの取り組みと国の政策意図を組み合わせて行っていく取り組みとして定着しつつあったものであります。仮にこれを地方の自主性のみにゆだねると、このようにした場合、財源の保障のあり方については、東京都のような不交付団体の存在をしっかりとした踏まえたものにしていっていただかなければならないと、このように考えております。

 22年度の予算編成について、骨格予算としての編成を考えるべきではないかと、こういった御質問がありました。骨格予算も予算を編成する上では一つの選択肢だと、こう考えているわけでありますが、現職の区長といたしまして、あらゆる状況下においても将来展望に立った行政運営が行われていく、そんな予算をつくっていかなければならない、こう考えておりますので、これまでどおり通常の予算編成を行ってまいりたいと考えているところであります。

 しかしながら、先ほど申し上げたように大変な経済環境の中にありますので、この歳入の著しい減少が見込まれる今後数年間については、複数年の財政運営を踏まえた計画的な予算編成が重要であると、このように考えております。そうしたことから、今後の区政運営を踏まえた着実な予算編成を22年度に向けて行っていくことが大変重要であると、このように考えているところです。

 2期目の成果についての御質問がありました。特にソフト部分、施設等のハードではなくて、ソフト部分の成果についてなども重要ではないかと、こういった御指摘でありました。施設建設に比べて満足度などの成果はなかなかわかりにくいため、10か年計画ではさまざまな施策に合わせたアウトカムの成果指標を掲げて、その達成度を検証することとしているところであります。

 昨年行いました10か年計画の達成状況調査におきまして、例えば成果指標のごみの資源化率というのは、平成17年度末18.7%でありましたものが、平成19年度末には24.4%に上がっております。また、大きな戸惑いを感じることなく子育てをしている保護者の割合、これが平成17年度末は77%でありましたものが、平成19年度末には82%に上がっていたわけであります。

 10か年計画全体の成果指標につきましては、平成19年度末時点で平成21年度目標値を達成しているものが26指標、目標値に近づいたものが24指標となっておりまして、全体73指標のうち、7割の指標が向上しているところであります。一定の成果を上げてきていると認識をしているところであります。

 しかしながら、こうした調査とか、こういったものだけではかり切れないことというのが国民の生活実感、あるいは議員の皆さんのさまざま把握されておられます実情からはあると、このように思うわけでありまして、区民の皆様の議論や、あるいは区議会での議論なども踏まえながら、成果も着実に見定め、今後のあり方を考えていくべきと、こう考えております。

 10か年計画の成果等の検証ということでありますが、今申し上げたように成果を確認しながら、毎年度、行政評価によります取り組みの見直し改善を進めてまいりました。主な取り組みのステップの達成状況なども検証し、また、時代の変化なども踏まえながら、第2次の10か年計画の策定作業を進めてきたところであります。

 国の政権交代があったとしても、区が目指す方向は大きく変わらないと、こう考えているわけでありまして、将来像を示すべき基本構想についても大きな影響はないと、このように考えているところであります。

 こうしたことを踏まえながら、計画案をお示しした時点で国の動向や区の財政見通しなど、さまざまな要素をさらに勘案して御議論をいただきたいと、このように考えております。

 それから、区民の暮らしを守っていく。そうした今後の区政運営における考え方といったようなことについての御質問がありました。これまで将来にわたって、持続可能で住んでよかったと誇りに思える中野区を目指して仕事に取り組んでまいりました。一定の成果を上げてきたことについて自分なりの自負もあるところです。一方、区政は歩みをとめることなく、常に将来に向かってビジョンを明確にしながら、区民の意見を確認しつつ区政運営を安定的に進めていかなければならないのであります。これまで取り組んできたこの成果と課題、10か年計画の中に取りまとめつつある今後の方向性など、みずからのなしてきた仕事にしっかりと責任を持っていかなければならないと、こう考えているところであります。

 それから、地方分権改革推進委員会の勧告をめぐって御質問がありました。地方消費税の充実についての御質問であります。地方分権改革推進委員会は、地方消費税の充実など地方税改革について社会的、経済的に安定した時節の課題として、今から議論を深め、準備を整えることを強く期待すると、こう勧告をしております。

 分権型社会にふさわしい地方政府の実現には、自治財政権の確立、地方税財源の充実確保は不可欠であります。しかしながら、3党連立政権合意書の中では、今回の選挙において付託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げ、これは消費税のという意味だと思いますが、税率引き上げは行わないと、こうしているわけであります。しかしながら、御指摘の地方税財源の課題のみならず、社会保障財源についての待ったなしの状況なども見ていけば、私たちの国にこの議論を4年間封印しているゆとりは全くないのではないかと私は考えるものであります。

 また、もしその間、財源不足の結果論を持ち出して、負担増の議論をすると。そういうふうにしたならば、それはだましの手口になりかねないというふうに思うわけであります。それなりの手続を踏んだ上で、しっかりと国民の判断を仰がなければならなくなると思うものであります。

 それから、地方共有税の構想についての御質問がありました。自治体間の財政調整について、財政民主主義を貫きつつ、対等な自治体相互で行うということは容易にできることではなく、制度づくりは難しい点が多いと思います。この地方共有税についてですね。しかし、地方分権改革のためには、地方の自治権、財政権の確立が必要でありまして、国による垂直調整の機能は可能な限り弱めていく必要があると、このように考えております。

 地方交付税の見直しについては、国と地方の抜本的な税制改正、税源移譲などとセットで議論をするべきであります。また、東京の膨大かつ切実な大都市需要が担えるような改革にするべきであると、このようにも考えているところであります。

 それから、警察大学校等跡地の公務員宿舎の計画についてであります。御質問の中にもありましたけれども、区民の皆さんの陳情などを踏まえ、また陳情採択した議会の御意向なども踏まえ、国に要望し、国の協力によってあの宿舎が移転されることになったわけであります。そのことによって、その時点でより望ましい形で警察大学校等跡地の基盤整備が可能となりました。このことは努力をしてきた私どもとしても認識をしなければならない、こう思っております。しかし、その経緯を踏まえつつも、今回新しい政権の中で新しい事態が生じてきていると、こういうことであります。今後、その事業仕分けの結果を受けて、公務員宿舎の整備方針が変わると、このような動きが出てくるとすれば、用地取得を含め、より望ましいスペースの確保につながる検討や関係省庁に対する働きかけなどを積極的に行ってまいりたい、こう考えております。

 以上です。

      〔山崎芳夫議員登壇〕

○32番(山崎芳夫) 1点だけ再質問をさせていただきます。

 都税収入の減少が中野区の特別区交付金に及ぼす影響ということで質問させていただいて、区長の答弁ですと30億円程度というような御答弁がございましたが、この財調の制度の中には、せんだって購入をした土地等々のいわゆる財産費というものも入ってございますし、退職金に充てる部分の費用も入ってございます。全体として交付金がそういうものを含めて30億円程度と踏まれたのか、そういうものは含まないということで、一般財源として自由に使えるお金の影響力として30億円程度と踏まれたのか、この点についてお伺いをします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 30億円と申し上げたのは、予想されている税収源の総額に対して、中野区の交付されている割合、シェア割を掛けて概算いたしました、ざっくりした概算ということでございますので、中の内訳等にまで踏み込んだ分析はまだできておりません。

○議長(伊藤正信) 以上で山崎芳夫議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 飯 島 謹 一

 1 当面する区政の課題について

  (1)新型インフルエンザ予防接種について

  (2)(仮称)中央部防災公園について

  (3)休日診療事業体制について

  (4)歳計現金と起債の時期について

  (5)区民風車事業の枠組みについて

  (6)その他

 2 ハイブリッド図書館について

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、飯島謹一議員。

      〔飯島謹一議員登壇〕

○37番(飯島謹一) 平成21年第4回中野区議会定例会に当たりまして、公明党議員の立場から一般質問をさせていただきます。区長並びに理事者の方々は簡潔明瞭なお答えを期待して、質問に入らせていただきます。

 初めに、当面する課題について、まず新型インフルエンザの予防接種について伺います。

 既に医療従事者を始めとして、優先接種対象者のうち最優先とされる妊婦、そして基礎疾患のある1歳から小学校3年生までの順で予防ワクチンの接種が始まっています。優先対象者、接種回数、副反応など、混乱や懸念すべきこともありますが、必要なことであり、さまざまな対応を工夫しながら進めなければならないと考えております。

 中野区では、低所得世帯に対する接種費用の全額助成のほかに、区独自で妊婦及び1歳から小学校6年生までのすべての接種者に2,000円の助成をしております。これは特に免疫力が低くなっている妊婦と、罹患すると重症化の可能性が高い小児の予防を図ろうとする政策判断であり、これについては評価をいたすところであります。

 しかし、せっかく財源を投入するのであれば、政策判断の一貫性と予防効果を高めるためにも、私は1歳未満児の保護者等も助成対象とすべきであると考えます。妊婦の免疫力が低くなっているのと同様、出産後の母体は免疫力の回復までに時間がかかり、免疫力の低い状態が続いていると考えられています。また、1歳未満児はそもそも接種ができないことから、乳児を取り巻く人的生活環境全体での予防体制をとる必要があります。したがって、区独自の助成策の目的からも、1歳未満児の保護者、特に母親に対する接種助成を現行、区の助成制度の中で行うべきと考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えを伺います。

 次に、(仮称)中央部防災公園について伺います。

 既に議会にも、また都市計画審議会にも基本計画案が示されたところであります。この公園の利活用については、公明党議員団として区民の皆様の要望を集約しまして、中野区に強く提案の申し入れを行ってきたところです。

 概略を申し上げれば、消防団の訓練、ゲートボール競技利用及びフットサルなど軽スポーツ利用であります。そのうち、フットサル等については、仲町小学校跡地や上高田公務員住宅跡地などの活用が区として考えられているようであります。

 そこで、消防団の訓練、ゲートボール競技の場としての利用については、再三にわたる要望でようやく口頭では可能とする理事者の答弁などがありましたが、書類上は明記がなく、そうした計画案を示されても不安の声が区民から寄せられているところであります。

 そこで、この際、区長から(仮称)中央部防災公園利活用の区民要望について、明快にこの場でお答えいただくことも必要と思い、お尋ねをする次第であります。(仮称)中央部防災公園の区民の利活用についての中野区としてのお考えをお答えください。

 次に、防災公園としての機能について伺います。(仮称)中央部防災公園の防災機能については、全体像が明らかにされていません。備蓄物資、災害時のトイレの数、避難誘導の経路など、明らかにされなければならないことは多数あると思いますが、中野区地域防災計画にも詳細が明らかにされていません。

 そこで伺います。(仮称)中央部防災公園としての機能はどのようなものでしょうか。検討が済んでいないのであれば、現在の検討状況と今後の見通しについてお答えください。

 次に、関連して、警察大学校跡地等の整備工事について、特に都市計画道路の整備を中心に入札のあり方について伺います。

 私は、平成21年第2回定例会で、今後行われる警察大学校等跡地の道路や公園整備に当たっては、区内事業者育成の観点から、大手事業者と区内事業者のジョイントベンチャー方式とすべきであると提案をいたしました。区長も、ジョイントベンチャー方式でありますが、適正な競争を確保しつつ、工事の質を高め、区内事業者の育成にもつなげられるような運用が図られるように検討すると、お答えになっております。

 今後想定される発注方式から建設共同企業体取扱要綱に定める対象工事、工事内容及び規模を満たすとすれば、ジョイントベンチャー方式とするに特段の障害はないと思われます。仮に充当しようと考える財源が緊急経済対策の性格を持っていたりすれば、なおのこと、区内事業者育成の観点が優先されなければならないと思います。また、いたずらに大手ゼネコンありきではないかとの憶測を払拭することにもなります。大規模工事の入札に当たっては、ジョイントベンチャー方式の実施で区内事業者の育成を図る考えにぶれはないと思いますが、大事な点ですので確認をいたします。

 警察大学校等跡地の都市計画道路等の工事については、ジョイントベンチャー方式を採用すべきと考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えを伺います。

 次に、休日診療事業の体制について伺います。

 地域医療の今後について懸念する声が全国的に高くなっております。一方では、さまざまな工夫が地域の医師会との連携で模索されております。中野区にあっても、私たちの会派で導入に尽力をした病院を使っての地元医師会からの医師の派遣による準夜間帯の小児救急医療体制などがそのよい事例であると思います。

 一方、地域医療の維持と充実は、区民の健康、生命を守る上で極めて重要ですが、しかし、休日診療体制については、地域医療の疲弊とでも言うべきものが中野区にも迫りつつあることを感じざるを得ません。

 先日、中野区医師会の方々から、休日診療事業の課題について伺う機会がありました。これについては、前定例会で同僚の白井議員からも質問したところでありますが、スタッフ確保の困難性や施設の都合により厳しい現実に直面していることについては区当局も認識されていることと思います。平成17年度には140医療機関が参加していたものが、平成19年度には121医療機関になり、減少傾向に歯止めがかからない状況があるようです。

 一方、自分の医院やクリニックでの休日診療は不可能だが、他の病院等に出向いての当番は可能とする医師会の会員の方は多数に上るということも、医師会会員の方へのアンケート結果を踏まえて話をされておりました。

 そこで、中野区医師会としては、こうした問題に対して、病院での固定式休日診療方式の実施の可能性を検討し、可能であるとの結論を得たとのことであります。

 成果に対する費用対効果が見込めること。地域医療の維持・充実につながることなどから、この際、中野区の休日診療体制について検討し、事業費の大枠を維持することに理解を得る努力をしながら病院での固定式休日診療事業を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、区長の御見解を伺います。

 次に、歳計現金と起債の時期の問題について伺います。

 深刻な景気状況から、本年度及び来年度以降の一般財源の落ち込みが懸念されております。一方、日々の支払いに充てる歳計現金の動向についても注意を払わなければならないような危険なシグナルが灯り始めているのではとの懸念が去りません。「あつものに懲りてなますを吹く」と言われても、むしろ「愚者は歴史から学ばない」との批判をこそ恥じるべきであります。

 平成11年度の財政危機に見られるような一時借入金の実行、あるいは基金からの繰り替え運用など、緊急対応が迫られることへの財政上の覚悟が必要であると考えます。

 第3回定例会での決算特別委員会総務分科会での答弁に次のようなくだりがありました。今後想定されるものといたしましては、12月から1月、2月、3月へと、この環境が我々にとって悪化をいたします。そうしますと、例えば一番大きな時点というのは3月25日前後で、現時点での想定では270億円を超える歳計現金等の支払い資金不足が発生するということになります、というものであります。

 補足的に申し上げれば、これは大規模用地の引き取りの時期とその財源に充てる特別区債の起債の時期がおおむね1カ月ほどずれ、出納閉鎖期間になることで発生するもので、これを回避する最も確実な方法は、引き取り対象用地を起債財源が100%カバーする範囲で絞り込むこと。また、用地引き取りと同時に、財源となる地方債を発行することであります。もちろん金利の発生は1年度早くなりますが、金利は遅かれ早かれ同じ額を払うことになっております。既に9月には、都知事と本年度の用地特別会計の起債について協議が行われ、10月には起債の発行が可能な体制になっていることが想定されます。そこで、この際、引き取り用地の絞り込みと地方債の年度内発行を決断してはいかがでしょうか、伺います。

 次に、財政調整交付金の減額は想定から、先ほどのお答えにもありましたように既定のものになりつつあるようであります。今や財政当局の関心は、その影響額の大きさに移りつつあるようです。現段階で、本年度及び次年度への影響額について、先ほどお答えがございましたけれども、来年度の影響の想定もあれば、お聞かせください。また、特別区民税の収入状況はいかがでしょうか、伺います。

 あわせて、財源対策に使える基金の額は最大でどのぐらいになるのでしょうか。特に財調基金からは、本年度の予算への繰入額、退職金当て込み額、今後の大規模改修財源などを考慮に入れると、どの程度が真水で財源対策に取り崩しができるのか。その見込みをお聞かせください。

 次に、区民風車事業の枠組みについて伺います。

 区民委員会及び環境対策特別委員会に中野区風力発電事業立地調査についての中間報告がありました。委員会の質疑の中で改めてその事業スキームが示されることになっております。また、具体的な立地の候補地の風況調査を行うための予算措置が22年度に必要なことも答えられております。

 2,000キロワットの出力の風車3基で行う事業という大枠が変わらないのにもかかわらず、想定事業費が15億円から22億円へと増額され、また一方、中野区としての初期投資額が7億5,000万円からおよそ13億円へとはね上がるものとなっていることなど、事業スキームとビジネスモデルの設計の不確実さは許容範囲を超える大き過ぎるものになっているように思われます。

 私は、現下及び今後の財政状況の見通しから、当面、区民風車事業は凍結し、ファイナンスや投資収益率を含めて全体の事業スキームを再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。あまり詳細に詰めることはいたしませんが、意のあるところをお汲み取りになり、英断を下すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 この項のその他で1点伺います。それは(仮称)区民活動センターについてであります。

 議会には、平成20年12月、平成21年4月、同7月、中野区の考え方についてそれぞれ修正案、再編方針案、再編方針が示されてまいりました。この間の変更点としては、一斉転換を平成21年7月から平成23年7月へとしたこと。事務局スタッフの雇用問題、運営委員会への委託事業の仕分けなど、重要な部分が対象となってまいりました。既に地域コーディネーターの研修も始まっているところでありますが、依然としてというよりは、ここに来てようやく一般の町会役員等の方々に転換の内容と責任の範囲が伝わり、私どもにも不安な声が以前にも増して聞こえてくるようになっています。

 また、委員会の報告資料についても、21年4月の再編方針案と7月の再編方針とでは、肝心の業務運営の分担について、1、施設の維持管理、2、集会室等の提供に関する業務の二つは区が実施となっていたものが、民間団体に委託し実施となり、さらには、あろうことか、括弧書きに、運営委員会が受託を希望する場合は運営委員会に委託し、実施となっております。

 実は、この間に議会では委員会の委員構成の変更があり、前期の区民委員は区が実施するものとの認識を持って他の委員会に移り、新たに委員になった者は前期の報告を承知していなければ、そういうものと受けとめてしまうという、いかがかと思われるタイミングで方針内容の変更報告が行われているのであります。

 私としては決してそうとは考えていませんが、まるでミスリーディングのタイミングをはかったかのようだとの声もあります。関連して、依然として続いている直接雇用にかかわる不安について、責任の問題など説明は足りているのでしょうか。

 等々、担当者の御苦労は多としながらも、その御苦労が報われるためにも、原則を揺るがすことなく、23年7月実施の線を動かさず、また運営委員会構成団体への人的支援策の方策を改めて検討するなど、拙速な取り組みは採用しないことが必要と考えますが、いかがでしょうか。今までの地域センターでなぜいけないのかという素朴な住民の疑問に正面からお答えしていただくこともあわせて期待して、質問をいたします。

 次に、ハイブリッド図書館について伺います。

 さきの決算特別委員会で同僚の小林議員から、視覚障害者に対応した図書館サービス、特にITを活用したデジタル録音図書サービスについて質問と提案がありました。私も感じるところがあり、同僚の何人かと千葉県立東部図書館にデジタル・アクセシブル・インフォメーション・システム、いわゆるDAISYの視察に行ってまいりました。視覚障害者へのサービスを超えた大きな可能性がそこには広がっている。そのことを感じて帰ってまいりました。

 インターネットを利用したデジタル図書配信サービスは、コンテンツの充実を図りながらも後戻りせず進んでいくと思われます。既に「らくらくホン」などという、ある通信事業者の電話を利用して、それと障害者手帳の組み合わせによる配信サービスが開始をされているところであります。

 また、11月4日には、日本書籍出版協会と日本文芸家協会などは、国立国会図書館が所蔵する和書を電子化してインターネットで配信することを目指すと発表いたしました。著作権問題などをクリアした上で、2010年度末には90万冊とも言われる和書データベースの一般開放を目指すということであります。

 さらに、千代田図書館では、音楽CDのかわりにインターネットを通じた音楽配信サービスのID貸し出しで、自宅のパソコンで楽しめるサービスを開始していると知り、館長さんにお話を伺いました。こちらでは既にビジネス支援を中心にしたウェブ図書館も運営しております。コンテンツの充実が今後の課題としつつ、窓口業務の手間と人手が省けること、音楽資料の購入費と保管場所、保守管理などが要らないこと、返却・督促の必要がなく、デジタル図書の貸し出しの場合は期間が過ぎると自動的に返却されるなど、メリットも大きいとのことでありました。何よりも、都市にあっては空間の活用向上と新たな図書館設置に用地の手当てが要らないなどは、特筆すべきことだと思います。費用も、千代田図書館では初期投資が25万円あまり、ランニングコストが3万円で、50万曲にアクセスできるとのことでありました。

 もちろん印刷媒体がなくなるとは思いませんと館長さんも言っておられました。私もそうだと思います。しかし、今この時点で、印刷媒体と電子媒体とを組み合わせたハイブリッド図書館の実現が進んでいるという実感を持ちました。同様の取り組みは、岐阜市立図書館などでも進められているところです。

 私はおよそ19年前、平成2年の予算特別委員会の総括質疑で、当時の図書館職員のプロジェクトチームが取りまとめた「中野図書館8館構想」というものを発見して、そこで提案をすることから図書館行政に関心を持って、今日までまいりました。しかし、今や「中小レポート」の衝撃をはるかに超える、図書館の歴史始まって以来のインターネットと電子化による、ある意味では図書館ビッグバンに直面していると思います。

 韓国では、国立デジタル図書館が運営を開始され、膨大な、一説には1億を超えるとも言われています、そういうコンテンツが利用可能とのことであります。中野区立中央図書館も、まずは音楽配信の利用からウェブ図書館の構築に進み、ハイブリッド図書館を実現すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 区立学校の校内LANが整備されれば、区立図書館とのネットワークもウェブ図書館の連携でいとも簡単に実現されます。デジタル図書館創成期に乗りおくれることなく、新政権のもとでは教育に危うさが感じられるときだけに、文化と教育の分野で充実した地域基盤を整備するべきと考えますが、いかがでしょうか。取り組みへの決意を伺い、この項の質問を終わります。

 その他の項で1点伺います。先日、AEDが作動せず、女性が死亡するという事故の報道がありました。当該機器は、日本では設置台数の半数程度に及ぶ大手のものでありました。販売した会社では、同様の不具合が発生するおそれのある10万7,309台を無料で改修するとしています。調べたところ、中野区の区有施設に設置されているものはすべて故障が発生したものと同じ機種のものであり、改修対象となっているものであるとのことですが、本当でしょうか。本日現在、中野区のAEDはどうなっているのでしょうか、伺います。

 さらに、改修に当たっている会社の動きについて十分に区側としては把握していなかったようなことも側聞しておりますけれども、危機管理機能は有効に働いていると言えるのでありましょうか、伺います。

 また、区有施設に設置されている台数は全部で121台とのことでありますけれども、本庁舎内の設置台数は何台でありましょうか。1階設置の1台のみとも言われておりますが、果たしてそれで足りるのでしょうか。私は、本庁舎には複数台の設置が必要と申し上げ、すべての質問を終わります。

 明快な御答弁をお願いし、場合によっては再質問をさせていただきます。御静聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 飯島議員の御質問にお答えをいたします。

 新型インフルエンザ予防接種についてであります。

 助成対象の拡大をという御質問でありました。今回の区の助成は、重症化した場合にリスクが高いという妊婦と子どもを対象に行ったところであります。1歳未満の保護者も優先接種の対象となっていますけれども、保護者の範囲も常時世話をしている同居家族とされているところでありまして、区の助成対象としての特定が難しいことなどから、今回は助成の対象外といたしました。御理解いただきたいと思います。

 それから、(仮称)中央部防災公園の利用についてであります。

 公園の園路と道路の一部を利用して、消防団の訓練ができる場所を確保する予定であります。また、公園内に設置する多目的広場では、ゲートボールや軽スポーツなどのイベントにも利用可能なように計画をしていきたい、こう考えております。

 それから、防災施設についての御質問です。公園は広域避難場所であります中野区役所一帯の中では中心的な空間となるものであります。防災用井戸、防災倉庫、災害時にも利用できるトイレ、マンホールトイレ、災害時に目印となるような太陽光発電による非常用照明などを設置する考えであります。

 それから、ジョイントベンチャー方式の契約についての御質問がありました。大規模工事においても区内事業所の参入の機会を確保し、区内事業者の育成にもつなげられるよう、建設共同体方式、ジョイントベンチャー方式による発注方式を活用していきたい、こう考えております。

 それから、病院を活用した固定式の休日診療事業の導入についての御質問がありました。安定した地域医療環境を確保する上で、固定式の休日診療事業の導入については検討することが必要だと、こう考えております。医師会からの御提案の内容につきまして協議を進めているところであります。今後の区の財政負担や事業効果なども勘案し、また固定式休日診療事業における医師会のほうでの当番体制づくりの状況なども踏まえながら、来年度導入が適当という判断が得られれば、そのような判断をしていきたいと、このように考えております。

 それから、歳計現金と起債の時期についての御質問がありまして、地方債の発行時期、これを検討するべきではないかと、このような御質問でありました。用地の取得の時期と地方債の発行の時期にずれが生じないように、年度内の発行に向けて借り入れ先となる金融機関と調整を進めているところであります。

 それから、財政調整交付金の今年度のマイナスと、それから次年度への影響ということについての御質問がありました。先ほどの質疑の中でお答えをいたしましたように、21年度については当初算定から30億円ほど下回ってしまうと、このような想定としているところであります。22年度の当初算定見込みにつきましては、12月末、今月末ですけれども、その時期にならないと具体的な数字をお示しすることはできないわけであります。しかしながら、想定、予想としては、今年度の減額幅以上に大変厳しい状況が予測をされると、このように感じているところであります。

 それから、特別区民税の調定、収入の状況はいかがであるかと、こういう御質問でありました。平成21年度、今年度の予算に対します10月末現在の特別区民税の進捗状況ですけれども、調定が約100.2%、それから収入のほうは54.4%でありました。これを前年同時期と比較をしてみますと、調定額は約0.6%の増、収入額については約1.3%の減となっております。収納額が減となっていますのは、本年10月から始まりました年金特別徴収の収納が10月の末の時点ではまだ反映されていないためと、このように考えております。最終的には、ここの部分では予算額を確保できると、こういう見込みを持っておりますが、引き続き歳入確保に向けて努力をしてまいりたいと、こう考えているところです。

 それから、財政調整基金の取り崩しについての御質問がありました。取り崩しの可能な額というのはどのぐらい考えられるのかと、こういうことであります。今後数年間、大変厳しい財政運営を行うことになると考えております。今まさにその状況下において22年度の予算編成作業を行っているところでもあります。財政調整基金の21年度末の現在高は、おおむね180億円程度であると、こう見込んでおりますけれども、22年度予算に年度間調整分の基金繰り入れ額がどの程度になるのかと。これについては、これからの予算編成作業の結果としてお示しをさせていただきたいと、このように考えております。

 それから、区民風車事業についての御質問がありました。凍結すべきではないかと、こういうことであります。この事業の実施時期等につきまして、他の10か年計画と同じように財政状況を踏まえた上で、最終的な判断をしていきたいと、こう考えております。

 (仮称)区民活動センターへの転換についての御質問もありました。(仮称)区民活動センターへの転換は、地域自治を推進し、安定的で効率的な行政運営を実現していく上で、真に豊かで持続可能な地域社会を築くと。こうしたことを実現していくために行うものであります。地域に住む住民の皆さんが直接運営をなさるということは、話し合いや行動をともに行う中で地域活動を活発にし、地域自治を発展させていくことができると、このように考えているところであります。

 この(仮称)区民活動センターの施設の維持管理と集会室の提供に関する業務を委託する民間団体の中に運営委員会が含まれる。このことについて支障はないと考えているところですが、運営委員会準備会等、地域の意見を踏まえながら、さらに検討をしていきたいと、こう考えております。

 先行実施の内容については、地域センター業務のうち、地域広報に関すること、市民活動の援助に関すること、地域事業の実施に関すること等の一部を委託する考えでありまして、平成22年2月から可能となった地域について実施をしていきたいと考えております。ぜひ御理解をいただきたいと、こう思っております。

 私からは以上です。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) ハイブリッド図書館についての御質問にお答えいたします。

 国会図書館での取り組みなどを見ますと、従来の紙媒体に加えまして、電子媒体を活用した図書サービスの動きは着実に始動していると考えております。また、民間事業者によります全著作物の有料閲覧サービスなども動き始めておりまして、これらの影響は極めて大きく、図書館という公共サービスのあり方そのものにもかかわってくるものと思います。

 御提案にありました音楽配信サービスなどにつきましては、民間事業者の創意工夫で多様に広がっていくものでありまして、無料でだれでも利用できる図書館が無制限に著作の配信を行うということは、作家の生活権にかかわることでもあり、文化そのものの域にもつながりかねないというふうに思います。こうした民間事業者の領域に行政がかかわることについては慎重であるべきというふうに考えておりまして、図書館サービスを導入することを現在のところは考えてございません。

    〔保健福祉部長金野晃登壇〕

○保健福祉部長(金野晃) AEDの不具合等の対応についてお答えいたします。

 まず、AED不具合への区の対応でございますが、中野区では11月20日に日本光電工業株式会社から同社取り扱いのAEDが条件によっては作動しない場合があるという連絡を受けております。この改修対象となる器具ですが、本庁舎の1階に設置するフィリップ社製のAED1台を除き、区施設に設置しているAEDはすべて改修対象となっているものでございます。

 日本光電工業社は、25日から当区の各施設への訪問点検を実施しております。この間の情報は、連絡を受けた当日から適宜、各施設に伝えておりまして、今後の改修についても適切に対処していきたいと考えております。

 次に、本庁舎のAEDの設置状況ですが、区役所本庁舎には1階に設置されているもののほか、6階の保健福祉部に貸し出し用としてAEDを保有しております。このことは庁内に周知済みでございます。

      〔飯島謹一議員登壇〕

○37番(飯島謹一) 区長から大変率直な御答弁をいただいて、感謝を申し上げるとともに、一部どうなのかなということもございますので、再質問させていただきます。

 新型インフルエンザ接種について、その対象が特定しにくいので今回外してあります。御理解をいただきたいと言われましたが、しかし、そもそも優先接種となっているわけでありまして、もう既に選別をされております。1歳未満の保護者の人というふうに枠があって、そういうふうになっているので、特に何かをする必要はない。そう言ってしまうと、優先接種する人を特定することは難しいということになってしまうので、そういうことよりもむしろ全体の枠組みを考えて、ぜひそういう意味ではもう一度お考えをお願いしたい。こういうことでございますので、改めてお答えをお願いします。

 それから、歳計現金、それから起債のことについては本当に率直な御答弁をいただきました。直面している課題がどんなに大変なことなのかはよく伝わってまいりました。対応方、お答えになったことはぜひお願いしたい。ただ、一つ、お答えを故意に漏らしたとは思いませんけれども、対象となっている用地の絞り込みについてはどうなんでしょうか。起債の時期についてはシンクロさせてやっていくことによって、歳計現金の不足が生じないようにするということですけれども、それでは、既に当初予算に予定をし、計上している大規模用地については、そのままこの21年度は実施をされることなのか、あるいは一部用特会計に残したほうがいいという判断をしなきゃいけないものがあるのかどうか。その点、改めてもう一度お答えをいただきたいと思います。

 あわせて、私は、来年幾ら入れるかということをお尋ねしようとしたわけではありません。今、財調基金は一体幾ら財源対策に使えるんですか。これはちょっと使いません、これは使いませんと仕分けしていって、180億円のうち、一体年度末の残高は百何十億ぐらいが想定されるんだと。つまり、これから当面する期間において、中野区としてはその財調基金の年度間財源の枠の中でものをまず第一義的に考えなきゃいけないわけですから、一体どれくらい中野区には余裕があるんだと。財政調整の。そういうハンドリングをする幅についてはどのくらいを想定されているのか。具体的な数字が語れないというのでありましたら、それはそれで結構ですが、あえて今は話すべきときではない、お答えする時期にない、あるいは詳細な計算ができていない。それぞれお答えの仕方はあると思いますけれども、ある程度の見通しをつかまれているのであれば、180億円より上にはなかなかいかないわけですから、どの程度の分が今後数年にわって財調基金から、いわゆる財源対策として繰り入れられるのか。その辺についての区長のお考え、可能であれば、お答えをいただきたいと思います。

 それから、区民風車につきまして、区長もなかなか思い切ったことをお答えになるのは難しいのかなと思います。いつになったらどうだという具体的なスケジュールはお尋ねしません。状況の認識、この区民風車事業をやる。それは時期が特定できない。既に本来であれば、来年度から調査費をつけて云々ということになっているわけですから。しかし、そういうことについても改めて再検討をしなければならない状況にあるという区長の認識があるのかどうか。そのことはあえてお尋ねをしておきますので、そういう認識に立ってのお答えかどうか、再度お尋ねをいたします。

 それから、ハイブリッド図書館でありますけれども、著作権にかかわることももちろんありますし、民間事業者がやっていることについて圧迫をしたくないというようなお答えの趣旨でしたが、民間事業者がやっていることを図書館が利用するんです。圧迫するんじゃないんです、これは。ですから、お答えの趣旨がほとんど違うので、そういうことを利用して、民間でやっているものを利用する。そのIDを図書館の登録した人に貸すと言っているんですから、図書館がその事業をやるんじゃないんです。ですから、その点どうか誤解のないように。私の質問の仕方が悪かったんでしょう。したがって、改めて申し上げましたので、もう一度お答えをお願いしたいと思います。

 最後にこのAEDですが、結局2台あることがわかりましたけれども、中野区は122台になるんですか、そうすると。AEDの改修というのは持っていくという意味ではありません。改めてそれを直すという意味ですから、これは改修というのは。何台が改修済みで、何台がまだ依然として事故が起きる可能性のまま放置されているんでしょうか。このことについて改めてお答えをいただきたいと思います。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。

 インフルエンザの助成対象の拡大についてということであります。特に母親に対する助成ということでのお答えをいたしました。保護者全般と、こういうふうに拡大をすれば、特定は難しくないのではないかと、こういった御趣旨でありましたけれども、やはり助成という形で公的な支出を行う以上、合理的な範囲に特定をするということも大事だと、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと、こう思っております。

 それから、用地の引き取りについてですが、対象用地の絞り込みも必要ではないかと、こういう御質問でありました。どのような事業手法を用いて事業をしていくかといったようなこととも関係をすることでもあります。そういった事業手法の絞り込みと、また、そこでの財源の当て込み等も勘案しながら検討していく必要があることでありまして、予定をしていた用地すべてが引き取れるということではない場合もあるだろう。このように考えております。

 それから、財政調整基金の取り崩しについて、対策に使える額はどの程度なのかということでありました。無理に言わなくてもいいよと、こういうことでもあったのかと思いますけれども、この基金の残高約180億円程度でありまして、年度間調整の分と、それから施設改修分とか退職手当の引当分とか、こういったようなことになってまいります。特に年度間調整でない施設改修、あるいは退職手当等について、政策的に期間的にどのように考えていくかといったようなことによっても多少金額が変わってくると、こういったようなこともありますので、10か年計画も含めながら、今後の財政計画を考えていく中で、この辺ぎりぎりの判断をしてまいらなければならないと、こんなふうに思っております。

 それから、風車事業についてでありますけれども、これは先ほどお答えいたしましたように10か年計画でさまざま挙げております事業についても、当初想定をしておりました実施時期、想定しているステップ、これについて変更というか、そういったようなこと、当初申し上げていたことにこだわらずに、計画のつくり方を見直していかなければいけないと。こんなふうな認識も持っているところでありますので、この風車につきましても、実施時期がどのような時期になるのか、現時点では財政状況等を踏まえた上で今後判断をしていきたい。早い話が、予定していた時期にできるかどうかはわからないと、こういうことだと思っております。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) 電子媒体、それから紙媒体を併用したウェブ図書館的なものを今後整備していくということについては、これは中野区としては進めていきたいというふうに考えております。問題は、そうした中でどういった資料を主にというか、優先的にそろえていくかということだと思いますけれども、音楽配信というものについて優先的にやっていくということについて、やはりこれは先ほど私が申し上げましたように民間の事業者においてもかなりやられておりますし、そういう意味では、公共の役割としてはもう少し優先度は低いのではないかと、このように考えているところでございます。

    〔保健福祉部長金野晃登壇〕

○保健福祉部長(金野晃) AEDの不具合についての再質問にお答えいたします。

 今回の不具合ですが、これは部品が故障した場合にセルフチェック、また点検により故障を検出するという仕組みがあるわけでございますが、まれに故障があっても検出できない場合があるというようなことでございます。ほとんど現在のセルフテストで検出できるとされておりまして、故障している場合はまれであるという連絡を受けておりますが、中野区内の現在設置のAEDのうち、故障が検出されてないものがあるかどうかといことについては、現在不明でございます。

 それで、この改修でございますが、この会社といたしましては、検知をするためのソフトウエアの改善によって対応するということで、そのソフトウエアが完成するのは22年の5月になってしまうということですので、その間、今月からそれにかわるチェック用具を配布して、チェック用具で不具合があるかどうか検出してもらいたいということでございます。12月からチェック用具の配布が始まるということでございますので、区のほうでも連絡を各施設と密にとって、チェックをして対応してまいりたいと思います。

○議長(伊藤正信) 以上で飯島謹一議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 岩 永 しほ子

 1 区政運営について

  (1)「貧困と格差」から区民を守る姿勢について

  (2) 保育の公的責任を果たすことについて

  (3) 公契約条例の実現について

 2 新年度予算編成と「10か年計画(第2次)」について

 3 図書館行政について

 4 その他

  (1)弥生町三丁目都営住宅跡について

  (2)補助金のあり方について

  (3)その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、岩永しほ子議員。

     〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2009年第4回定例区議会本会議におきまして、日本共産党を代表し、質問を行います。

 最初に、区政運営の「貧困と格差」から区民を守る姿勢についてお聞きします。

 国民の新自由主義的「構造改革」への怒りは政権を交代させました。ところが、区長は区民を幸福にするには構造改革が必要だとし、構造改革が深刻にした貧困の実態を、産業構造の転換の中では、成長する分野、後退する分野も出てくるのは当然と済ましています。

 しかし、構造改革は国際競争力強化を名目に各種の規制を緩和・撤廃し、市場競争原理を公共サービスにまで持ち込んで競争させた結果、大企業のますますの繁栄と中小・零細企業や農業などの衰退、雇用と社会保障破壊という結果をもたらしました。政府が公的資金の投入や税制、金融面での優遇などで幾重にも大企業を支援したため、日本経済は外需依存のいびつなものとなり、国民にとっては貧困と格差を拡大させることになりました。

 ことしも暮れには90万人以上が失業給付さえ打ち切られようとしています。生み出されたのは雇用と生活破壊だからこそ国民が否定したのです。改めて見解をお聞きします。

 雇用破壊は、正規雇用を非正規雇用に置きかえることから始まり、08年9月のリーマン・ショック後は、金融・経済危機を口実とした派遣切りなど、非正規労働者を使い捨てのように大量解雇し、それは正規労働者にも及びました。日本のように社会保障が不十分な上に削減してきた国では、雇用破壊は生活破壊に直結します。大企業は労働者を苦しめる一方で、深刻な不況下でも内部留保を依然増加させています。派遣労働が原則自由化された1999年から10年間で、実に218兆7,000億円もふやし、倍加させました。異常な内部留保のため込みは内需を縮小させます。

 この急増分を企業としての社会保障や雇用などに還元すれば、3%を超える経済成長が上積みとなり、また、税収増も国の補正予算の公債費発行額に匹敵すると試算されています。内部留保を還元し、内需を拡大するようにできるのは国の責任でもあります。その役割を果たすよう区長には国に求めていただきたい。見解をお聞きします。

 区長には、今こそ実効ある「憲法を生かそうくらしに中野のまちに」を実現し、25条「健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する立場で、「貧困と格差」のない社会に取り組む姿勢を求めたいと思います。

 特に女性の貧困問題の中でも母子家庭は深刻です。就業構造基本調査によると、女性労働者の非正規率は1997年から10年間で男性の9.3ポイントを大きく上回り、11.3ポイントにもふえています。国民運動で生保の母子加算復活が確実になろうとしているものの、子どもが希望する進路・進学がさせられるか、人並みに教育を受けさせられるかなどの不安にこたえるには、同一労働で男性の65%しかない賃金の同一化、各種福祉手当の充実、教育費の無料化など、セーフティーネットの充実が図られなければなりません。区として女性の就職相談、生活資金相談の実施などを含めた母子家庭支援のワンストップ対応が求められます。見解をお聞きします。

 政府は、12月までに失業給付が切れる人は90万人以上に達すると発表しました。雇用保険の失業給付期間を延長する全国延長給付は閣議決定で変えられます。所定日数を超えた給付措置を現行のすべての受給資格者を対象に最大90日延長となり、財源となる失業給付積立金は2010年度末で4兆4,000億円も見込まれています。その措置ができるよう国に求めてください。

 また、昨日の臨時区議会では離職者支援のための補正予算が組まれました。現在、週3回実施の離職者支援への相談は34日間で400人とのことですから、さらにきめ細かい対応ができることを期待します。この支援事業は年末年始の対応がありません。区として年末年始の対応をとることを求めます。お答えください。

 次に、保育の公的責任を果たすことについてお聞きします。

 経済状況を反映して、さらに入園希望がふえ、区の待機児は毎年ふえ続け、今年度も4月当初、旧定義で327人の待機児がいました。これは児童福祉法24条に基づいた保育実施責任を区が果たしていないことになります。

 先日、昨年の1月に出産し、4月からの保育園入園ができず、認証保育所も定員オーバー、育児休暇もなくなり、泣く泣く退職せざるを得なかった。最近、ベビーホテルに入園したが、月8万4,000円の支払いは大変。10月にやっと認証保育所に入園できたが、保育料が高く、自営業の手伝いに加え、パートも始めた。認可保育園に入園できるようにしてほしいなど、保護者からの訴えがありました。

 このたび、区は来年3月に本郷保育園を廃止した跡を、弥生保育園の分園として活用する提案をしました。これまで区立園での対策を拒否していたことに照らせば前進です。町田市は、保育所を新設する20年間期間限定認可保育所制度を創設しました。土地所有者が建物を建て、社会福祉法人が借りて運営します。市の補助金は、通常開設時の財政負担より5分の1で済むそうです。23区でも次々と認可園の増設が打ち出されています。区も、桃丘小学校跡の活用など、認可園の増設を急ぐべきです。あわせて、11月1日に旧定義で400人にもなる待機児が来年の4月には全員入園できるようにすべきです。あわせてお答えください。

 厚生労働省委託研究の「保育所の環境・空間に係る研究事業」では、現行の最低基準以上になるよう求めていますが、民主党政権は保育分野での構造改革をさらに進めようとしていることは問題です。

 内閣府の地方分権改革推進委員会は、保育所などの最低基準の義務付けを廃止することを提起しました。長妻厚生労働大臣は、保育園の2歳児以上1人当たり1.98平米以上という設置面積基準を東京都など待機児童の深刻な都市部の一部に限り、地方自治体に基準を定める権限を移譲すると打ち出しました。10月30日には、認可基準に達しなくても新たに指定保育所と認める改悪案も出されました。

 保育所の規制緩和が進んだ01年を境に、認可保育園での死亡事故がふえているとの調査報告が報道されています。面積基準の引き下げは待機児解消までの時限的措置とのことですが、子どもにとっては一日一日がかけがえのない生活の場です。区は、このような面積基準の引き下げで待機児対策を行うべきではありません。見解をお聞きします。

 国基準は、全国どこでも一定水準の福祉が受けられるよう最低レベルを定めたものですが、60年前のままです。現状でも極めて低く、3歳以上の面積比では、ストックホルムの4分の1、パリの半分以下です。これを廃止し、自治体裁量にと地方にゆだねることは、厳しい自治体の財政状況から見て、今より基準が下回ることが予測されます。その結果、保育所をふやして待機児を解消するのではなく、今でも狭い既存の保育園に子どもを詰め込み、安全確保の問題や子どもの成長・発達の権利を脅かし、一人ひとりの子どもの発達に応じた保育をさらに困難にしてしまいます。

 国は、保育水準のあり方を示しながら、自治体が地域性を踏まえながら国の水準を超える多様な保育、子育て支援を展開できるよう、財政援助などの環境整備に責任を持つべきです。区の見解をお聞きします。

 さらに、東京都が推進する認証保育所制度をモデルに、保育措置制度を廃止し、自治体の保育実施責任をなくし、保護者と保育園が直接入所契約を結び、応益負担の保育料制度にとの検討も問題です。認証保育所は、保育所認可の東京都の基準をなくして、企業に独自の財政的支援をする制度で始めたものです。所管の都福祉局は、この制度は待機児対策ではない。保育の市場化を推進していくものであり、現行の保育システムそのものを変えていくものと位置付けを明確にしているように、児童福祉法が適用されない託児施設です。

 07年12月、都は法人事業税の一部を国税とすることを容認するかわり、認証保育所制度を支援するよう国に約束させた経過があります。保育制度の改悪は、あすを担う子どもの育ちを保障することにはなりません。国に保育制度改悪中止を求めるべきです。見解をお聞きします。

 都福祉局は、認証保育所創設にあわせ、認可保育園の水準引き下げを進めました。あわせて、田中区長の、より快適で安全な保育環境を計画的に整えていくとの全園民営化方針で、指定管理者園や民営化園がふえました。現在、私立保育園10園ですが、その私立保育園園長会から、保育士レベルアップなど研修制度向上の補助金、一時預かり保育制度の見直しと園単独事業としての予算措置、園舎建てかえ時の用地あっせんや必要経費の補助などが要望されています。これらの要望は当然であり、区はこたえなければなりません。対応についてお答えください。

 次に、公契約条例の実現についてお聞きします。

 党議員団は繰り返し条例制定を求めてきましたが、区は業務委託などの事業者選定に当たり、事業実績、正規・非正規の割合などを評価し、選定し、区内の雇用をふやしているとの態度をとり続けています。その間に条例制定の自治体がふえています。

 千葉県野田市は、自治体の低入札価格が下請事業者や業務従事労働者の賃金低下を招く状況が起きていると、国に公契約に関する法律の整備と速やかに必要な措置を講ずることを求める一方、市の公契約条例では、公契約にかかわる労働者の賃金は、農水省や国交省の労務単価や市職員給与を勘案して決定。契約受注者には労働者のさらなる福祉の向上を求め、最低賃金額などを徹底すること、下請業者への支払い賃金が最低賃金を下回った場合、契約受注者が連帯して労働者に賃金を支払うことを義務付けています。

 ことし8月に区内小学校での工事を契約した会社が、その工事の下請業者に区の工事完了検査前に会社を整理すると通告しました。区の契約金の7割近い工事をした下請業者は約束どおりに契約金を払ってもらえず、困って区に相談しましたが、区は民民のことであり、区との契約者に支払いを済ませています。こうした区発注事業で起きた問題を救済できる何らかの仕組みとして、また、公契約事業従事者の労賃の保障など、公契約条例が必要です。お答えください。

 新年度予算編成と「10か年計画(第2次)」についてお聞きします。

 政府の行政刷新会議は、2010年度予算に向けた点検の事業仕分けを行いました。これはもともと小泉内閣時代の行政改革推進法によって規定されたものであり、民間の仕分け人には小泉構造改革を推進した人も多く含まれています。

 仕分けにより、最先端の研究などを含む国立大学運営費交付金削減に九つの大学長が連名で反対を表明。全国老人クラブ連合会理事は、無差別じゅうたん爆撃だと、一般病床への食費・居住費の新たな負担を批判。また、パート労働者の均等待遇推進等助成金の削減、延長保育事業の見直しなど、生活に直結するものまで削減の対象にした問題があります。聖域を設けないとしながらも、政党助成金や1,200億円もするヘリ空母などの軍事費を除外。思いやり予算は基地労働者の賃金水準を対象にし、グアム新基地建設予算は対象外。本当にただすべきむだな事業が対象になっていません。

 何がむだか見直しは必要ですが、効率性の観点ばかりで仕分けし、現場の意見を反映しない乱暴なやり方に批判が高まったのは当然です。今度の事業仕分けについての区長の見解をお聞きします。

 区の新年度予算編成方針では、第二次10か年計画の初年度に当たるため、計画の着実な推進を基本に経常的経費を抑制するとしています。とにかく新規事業はおろか、拡充事業も認めないという意気込みのようです。10か年計画の団体意見交換会では、計画実行の財源はすべて税金、計画を実行するための財源確保は難しいのではと問われ、国庫補助金など流動的な要素があり、現時点では盛り込めないと答弁しています。確かに新年度の財政状況は、税収の落ち込みや国の動向による財源確保など厳しさが十分予測されます。その中で駅周辺再開発などを進めれば、それだけ区民生活へのしわ寄せを受けるのは必至です。

 既に08年23区高齢者1人当たり老人福祉費では、中野区は119円、16位という結果です。区内事業者からは、区の発注が大幅に削減され、会社が成り立たなくなるのではないかとの不安が出ています。駅周辺のまちづくりはあるが、地域まちづくりが抜けているとか、北口開発に重きを置き過ぎている。まち活性化には既存のまちの発展が欠かせない。駅から離れた地域の施策が十分考えられていないとの批判も出されています。区民にこたえるためには、10か年計画で計画している駅周辺などの再開発をストップして、暮らし応援に努める予算編成を基本にすべきです。見解をお聞きします。

 区は、今年度中にサンプラザの再整備構想案をまとめ、それをもとに、まちづくり中野21が24年5月末までに再整備計画を作成するとしています。区長は箱物行政を否定して当選されましたが、区の身の丈に合った箱物は否定しないとの見解を示し、区民合意ができていた警大等跡地利用計画を一方的に転換し、今日のような大規模再開発を推進しています。この計画地の用地費が2倍に膨れ、民間主体であったサンプラザの出資が2億円から13億円に膨れ上がるなど、到底身の丈に合っているとは言えません。

 区に決定権があっても、金融団との協議がなければ、サンプラザ再整備計画も成り立ちません。計画立案を急ぐべきではありません。加えて、財政状況を勘案すれば、再開発を推進する10か年計画の改定は見送るべきです。見解をお聞きします。

 新年度の具体的な施策についてお聞きします。

 国民健康保険には、窓口負担を軽減する限度額適用認定証があります。このような減免制度は国保、住民税、介護保険など、事業ごとに紹介されています。区や都の減免制度がわかる手引き書の作成を求めます。

 次に、民主党が国民に約束した後期高齢者医療制度の廃止を先送りしたことに国民の不満が広がっています。加えて、来年度は後期高齢者医療制度の保険料改定に当たり、12%負担増との報道もあります。都にはオリンピック招致費用として積み立てた4,000億円があり、その活用方法が注目されています。そうした都に財政支出を求めることも含め、保険料の引き上げはやめるべきです。

 次に、65歳以上の死因の4番目が肺炎です。8,000円ほどかかる肺炎球菌ワクチン接種助成は、現在九つの区に広がっています。また、ヒブワクチンは区が実施すれば、都からの補助金があり、既に5区が実施し、実施決定や検討区もふえています。区の助成を求めます。

 さらに、区の保育園臨時職員の時給や税務事務アルバイト時給は830円、交通費別と募集しています。他区と比較しても低く、人材確保するためにもアルバイト賃金の引き上げを求めます。

 次に、図書館行政についてお聞きします。

 教育委員会は、図書館への指定管理者制度導入を10か年計画で突然打ち出しました。導入自治体がふえていると言いますが、図書館設置自治体の1割にもなっていません。一方、導入しないと表明しているところは35%以上に上ります。23区では、荒川区、豊島区、渋谷区など9区が導入しないことを明らかにしています。図書館長は導入しない理由として、自主事業で収益を上げることを想定したこの制度が公共図書館になじむのか。5年程度のサイクルで交代することで、選書やレファレンスに欠かせない事例や経験の蓄積が継続できるかなど、たくさんの懸念が出されています。参議院では全会派一致の「なじまない」との附帯決議を出していますが、導入を否定したものではないと区教育長は答弁しています。

 中野区教育委員会として、指定管理者制度を導入する場合の問題点をどのようにとらえておられるか、お聞きします。また、窓口の民間委託による図書購入費の増額などと言われてきましたが、いまだに区民要望にこたえたものになっていません。今度も同じようにサービス拡充を図れると説明します。

 2006年の毎日新聞に載った図書館受託事業者が、図書館法に無料貸し出しの原則があり、入館者がふえれば赤字になる。全くうまみのない事業だと言っています。これが民間企業の本質です。教育委員会は、この制度により一層区民サービスの向上に寄与すると言われますが、それは教育委員会の怠慢です。この制度でなければ、質の高い、区民に開放された図書館サービスが提供できないのでしょうか、お聞きします。

 さらに、図書館の設置は、区内どこでも図書館と位置付け、身近なところで触れるよう充実するとしながら、交通至便なところでの整備をとも言います。これは矛盾します。本当に身近なところに図書館を整備するならば、少なくとも現在の8館体制を維持すべきです。お答えください。

 その他についてお聞きします。まず弥生三丁目都営住宅跡の管理と活用についてです。

 弥生町三丁目にある都営川島町アパートは、ことしの3月末で廃止されました。跡地について、地域住民が利用できるよう区が購入することを求めた陳情が出された経過があります。あの密集地域にせっかくできた用地ですから、活用についてさまざまな期待があります。例えば区がいまだに具体化できない南部地域での特別養護老人ホーム建設と、すぐそばにある弥生福祉作業所保護者からは、親なき後に活用できる、そうした複合施設になどとの期待です。

 都が跡地利用を計画しなければ、売却ということになりますから、区として情報収集するなど、住民の切実な期待にこたえる努力を求めたいと思います。また、住民がいたときには、花が咲き、実がなる樹木などで区の緑化に貢献していましたが、現在はフェンスで囲まれて、雑草が生い茂り、町会などからの要請で都が草刈りをしました。街灯が残され、夜の暗さは解消されていますが、定期的な敷地の管理と安全対策を都に求めてください。あわせての御答弁を下さい。

 補助金のあり方についてお聞きします。

 区は、予算編成方針で、補助金・助成金の見直しを指示していますが、どのような視点で行うのかが肝心です。例えば前議会で問題にされた納税貯蓄組合は、毎年26万円程度が補助されています。区は、年1回提出される会報で事業を確認しているとのことです。06年度に会員名簿が作成されていますが、例年とほぼ同額の補助です。この組合への交付金条例は、申請内容の錯誤または虚偽があったときは返還させることができるとし、現在、補助金をめぐって住民監査請求が出されています。区は、組合員が4,000人と報告されましたが、その中には本人に承諾なしの人もいます。そうしたことが判明した場合、申告内容に錯誤または虚偽があるということになりませんか、お聞きします。

 現在、町会には、公益活動として、町会の加入・未加入にかかわらず、1世帯150円×世帯数を上限に補助が出ています。新たな事業委託をしようとする区に対し、町会への財政支援を考えるのかとの声もあります。区の補助金のあり方についての答申では、区当局は特定の区民や団体に特別の援助を行うことによって自由な批判を妨げるような結果を生じないようにしなければならない。補助金のあり方は、効果があること、重要性の優先、平衡を失わないこと、公平であること、範囲を限定することの5点が挙げられています。区はこの基準で補助金を実行してきたはずですが、見直しはこの基準を堅持して行われるものと思いますが、見解をお聞きします。

 以上で私の質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。

 いわゆる構造改革に対する見解についてという御質問がありました。構造改革ということが、大資本を支援して日本経済をいびつにさせたという、そういった御認識のようでありますけれども、グローバリズムという考え方があるのではなくて、私は世界がグローバル化している現状があると、こういうふうに認識をしています。お金も人も物も国境を越えて自由に動き回っている、そういう社会であります。そういう中にあって、日本の企業は、私たち日本人一人ひとりは、世界じゅうの人と、世界じゅうの国と競争を強いられる、そういう環境に生きているわけであります。そういう中で日本という国が将来にわたって安心して暮らしていくことができるような国にしていく。そのことが大切だというふうに考えております。そういう意味で、産業全体が強くなり、経済が強くなっていく。そのために改革をしていくことも必要だということがあると、こういうふうに考えているわけであります。そうした中で、経済が強くなっていくという中で、分野によって強くなっていくものがあったり、あるいは衰退をしていく。このこと、これもやむを得ないことだろう。こんなふうに思っております。

 そういうことの一方で、大切なのはやはりセーフティーネットをきちんと確立をすると、こういうことだと思っております。例えば同一労働・同一賃金といった労働賃金の仕組みをきちんとつくっていくであるとか、あるいは失業した方に対する給付、あるいは職業訓練の制度、そうしたものをきちんと機能するものにしていくと。そういったことも大変重要なことだと、こんなふうに考えているわけであります。

 それから、大企業がたくさん内部留保を現在持っているんだから、それを吐き出させるように国に求めるようにと、こういった御質問でありましたけれども、およそそういったことを国に要望することが区の役割とは到底考えておりません。少なくとも考えはということでいいますと、例えば企業の内部留保にいたしましても、一度に吐き出させれば企業の体力が失われて、新しい投資であるとか、あるいは企業運営の原資を損なうと、こういうことにもなっていくわけでありまして、そう簡単に、持っているんだから全部使っちゃいなさいと、こんなことを言って企業が強くなるとは思いませんし、企業が弱くなって企業が破綻すれば、またたくさんの失業者が出てくると、こういったようなことにもなるわけであります。

 それから、母子家庭支援のワンストップ対応についてという御質問がありました。区役所3階の子ども総合相談窓口では、母子家庭の相談窓口としてさまざまな相談を受けております。就職相談、生活資金相談などは関連分野や関連機関との連携を図り、相談内容の取り次ぎや紹介などを行って、母子家庭が必要な支援を受けられるように努めているところであります。

 それから、失業給付の期間の延長を国に要望するべきだと、こういったことであります。国が固有に持っている国の事務であります。そういう意味で国が現在の状況、また制度の目的等を十分に踏まえて判断をするべきだと、このように考えております。

 それから、年末年始の対応をということでの求めでありました。昨年の例も含めて年末年始の休業期間中の急迫保護、急迫する状態の方に対する保護ということですけれども、急迫の保護については、中野区の場合、多くの件数が出るとは、これまでのことなどを含めて考えられないというふうに考えております。例年どおり宿直等の対応や連絡体制をもって十分に対応していきたいと、このように考えております。

 それから、待機児解消対策についての御質問がありました。待機児童の解消につきましては、区立保育園の建てかえ・民営化による定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでありまして、来年の4月までに大幅な定員増を見込んでいるところです。

 本年4月時点での認証保育所等へ入園している児童を除いた待機児童数は190人でした。この規模への対応は十分できるようになると、こう考えております。

 それから、保育所の最低基準についての見解についての御質問がありました。地方分権改革推進委員会の第3次勧告に対して、公表された厚生労働省の対応方針では、施設等の基準についてはすべて条例に委任した上で、人員配置基準、居室面積基準及び人権に直結する運営基準に限り、全国一律の最低基準を維持することとされております。なお、東京等に限り、このうちの居室面積基準だけは待機児童解消までの一時的措置として自治体が合理的な内容を定めることができるとしているわけであります。こうした自治体の自主性と、また実情に応じた対応、自治体なりの工夫を凝らした対応をしていけるような形にしていくと。このことについては、私としては歓迎していきたいと、こういうふうに考えております。

 しかしながら、厚生労働省の対応方針は、まだ今のところ方針ということであります。この考え方は、子どもの成長や発達、人権の保障、そういったことに配慮したものであると考えているわけでもありますので、具体的に制度変更になった場合には、区として適切に対応していきたい、こう思っております。

 それから、保育制度の改悪を中止することを求めるようにと、こういうことであります。保育制度につきましては、地方分権改革推進委員会のほか、規制改革会議や社会保障審議会少子化対策特別部会などでそれぞれ議論されてきていたわけでありますけれども、現在、国として保育制度改革の内容の取りまとめが行われているわけではありませんので、中止を求める対象がないと、こう考えております。

 それから、私立保育園からの要望に当然対応していくべきだと、こういう御質問であります。私立保育園に対しましては、私立保育園側と十分な協議を行って、必要な支援を行っていきたいと、こう考えております。

 それから、公契約条例の実現についてという御質問がありました。契約は、区と元請会社が行うものであります。下請と元請との関係等については、民民の関係となります。直接区が立ち入ることはできません。しかし、下請業者に対して工事代金の支払いを遅延しないようにといった元請事業者に対して文書によって適切な指導を行っているところであります。こうした取り組みを具体的に行っておりますところから、公契約条例を制定していきたいという考えは現在は持っておりません。

 それから、事業仕分けについての考え方についてという御質問がありました。これは先ほど申し上げたとおりでありますけれども、現在のやり方を見ておりますと、これがどのように予算に反映されていくのかというのは不明なところだと思っておりますので、今後その推移を見守っていきたいと、こう思っております。

 国民の目に見えるところで財政のむだが議論され、評価されるようになった。このことは大変歓迎すべきことだと考えております。しかし、事業仕分け全体のあり方については、先ほど申し上げましたように個別の事業だけを取り上げて、そして、いいか悪いかといったような形で見ていくと。そういうやり方では行政活動の全体を改善する見直しにはつながっていかないのでありまして、先ほども言いましたように中野区の取り組みなどもぜひ勉強していただいて、PDCAサイクルを国の運営に取り入れていただきたいと、こう思う次第であります。

 それから、財政調整交付金の認識についてであります。過去に例を見ないほどの厳しい経済状況であります。そういう意味で緊縮財政を基本とせざるを得ない。このことはどなたも認識していただいていることだと思っております。そういった中でも事業の優先順位を明確にして、区民の暮らしを守るために必要な施策は着実に実行していきたいと、こう考えております。

 サンプラザ地区の再整備については、昨年区議会で議決をいただいたサンプラザ地区にかかわるまちづくり整備の方針の議決時における区議会の付帯意見も踏まえ、サンプラザ地区再整備構想案の策定に取り組んでいるところであります。

 中野駅周辺開発の優先をしている10か年計画の改定ならば、やめたほうがいいのではないかと、こういう御質問でありました。改定中の10か年計画も現行の10か年計画と同様、優先的に取り組む戦略としてまち活性化、地球温暖化防止、元気いっぱい子育て戦略、健康・生きがい戦略といったようなことを位置付けているところでありまして、10年後の中野に向けてバランスよく取り組みを進めていきたいと考えております。

 それから、さまざまな制度の減免制度がわかる手引をつくるべきだと、こういう御質問でありました。特別区民税及び国民健康保険料、介護保険料については、それぞれ法、条例によって減免の要件が定められております。対象者からの申請によって、個々の事情を判断して決定しているものでありまして、第1に直接窓口または電話で担当に相談してもらうことがスムーズな手続につながると考えております。

 それから、納税貯蓄組合に関連してであります。納税貯蓄組合連合会に対する補助金交付に当たっては、同連合会を構成する納税貯蓄組合の組合員数、これについては交付の要件とはなっておりません。

 それから、団体の補助金のあり方についてであります。現在、この補助金については、公益性の観点から行っているわけでありまして、町会・自治会活動について交付している助成についても、活動の実績を反映した内容となっておりまして、適切な補助であると、こう考えております。

 補助金については、対象事業の目的や成果等を勘案し、実情や評価も踏まえ、区民の多様な公益活動を生かし、地域で役立てていく上で適切な補助となるように実施をしているところであります。

 私からは以上です。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) アルバイト賃金の引き上げについてお答えいたします。

 アルバイト賃金につきましては、毎年、職員の給与及び他の自治体の賃金を考慮して決めているところでございます。来年度については現在、検討、調査をしているところでございます。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) 図書館行政につきまして、お答えいたします。

 まず、中野区として指定管理者制度の問題点はどう考えているかということでございます。現行の業務委託につきましても適切な運営が行われておりまして、指定管理者制度が導入された場合も、効率的、効果的な運営が適切になされるものと考えております。

 それから、指定管理者制度以外に、本当に区民サービスの向上はできないのかという御質問でございます。常に最小の経費で最大の効果を上げることを念頭に置かなければならないと思います。指定管理者制度におきましては、事業者によります主体的なマネジメントが可能となりまして、さまざまな経営や事業執行としての工夫改善が生かされ、区民サービの向上に資するものと考えております。

 次に、8館体制を維持すべきだという御質問でございます。さきに取りまとめました「図書館の新しいあり方」に示したとおり、今後、地域図書館の整備を図っていく場合、多くの区民にとって利用しやすい交通の利便性の高いところで、必要な施設規模、内容と機能を有するものとして整備を進めていく考えでございます。

     〔副区長西岡誠治登壇〕

○副区長(西岡誠治) 私からは、弥生町三丁目都営住宅に福祉施設等の整備を要望することについてお答えいたします。

 当該都営住宅跡の活用方針については、いまだ都から何ら方向性が示されていない段階でございます。都に要望することに意義がございますのは、都が公有地として保有をする場合でございます。都も私ども中野区と同様に財政状況が一層厳しくなっており、都が直接活用を行うことが可能かどうかについては、都の判断によるものでございます。今後の推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。

    〔保健福祉部長金野晃登壇〕

○保健福祉部長(金野晃) 後期高齢者医療における保険料の改定についての御質問にお答えいたします。

 現在、広域連合では、国の概算要求ベースで保険料改定の検討をしているところでございます。負担の軽減につきましては、今後、国の措置などの考え方が示されていくことになります。広域連合としても保険料の負担軽減について、国、都、関係機関に要望していく考えであると承知しているところでございます。

    〔保健所長田原なるみ登壇〕

○保健所長(田原なるみ) ワクチン接種の公費負担についてお答えいたします。

 まず、肺炎球菌ワクチンにつきましては、国の検討会が治験を収集しつつ、有効性・安全性等の研究を進め、国としての考え方が示されることとなりますので、その検討の推移を見守りたいと考えております。

 次に、ヒブワクチンにつきましては、区議会からも国に意見書を出していただいておりますが、予防接種法上の位置付けがなされていない状況でございます。財政状況が極めて厳しくなっていることを踏まえまして、助成の実施につきましては慎重に判断してまいります。

   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕

○区民生活部長(鈴木由美子) 弥生町三丁目都営住宅跡の管理についてお答えいたします。

 これまでも適切な管理について申し入れを行ってきたところですけれども、今後とも地域の声は適切に伝え、対応を求めてまいりたいと考えております。

○議長(伊藤正信) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後3時34分休憩

 

      午後3時55分開議

○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 の づ 恵 子

 1 事業仕分けの導入について

 2 地域との連携について

  (1)U18プラザの中高生事業について

  (2)学校との連携について

  (3)子どもの虐待について

  (4)その他

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) のづ恵子議員。

      〔のづ恵子議員登壇〕

○16番(のづ恵子) 平成21年第4回定例会におきまして、民主クラブとして一般質問させていただきます。通告順に質問いたします。

 初めに、事業仕分けの導入についてです。

 テレビで連日報道されていました国の予算のむだを削る行政刷新会議の事業仕分けが終わりました。会場になった造幣局の市ヶ谷の体育館には、毎日傍聴の方が大勢詰めかけていました。私も見学をしていて、状況の緊迫さを実感してまいりました。何より事業仕分けの会場の傍聴者やテレビの視聴者が税金の使われ方を自分の家計のお財布のように思って、興味を持ったり、見たりしているのは、これまでにないことだと思いました。

 事業仕分けを簡単に言うと、自治体や国が行っている仕事を本当に要るものか、要らないものか、一つずつ仕分けをしてみようとする作業です。そして、あくまで目的ではなく手段の一つだと思います。今まで事業そのものを要るか要らないかを直接国民が問うことはありませんでした。それについては賛否両論あるところですが、外部者の参加や公開の場での議論、そして担当の職員が仕事の中身を考えるようになることは大きなメリットに思われました。

 住民は、事業の内容や税金の使われ方を知ることができ、もちろんむだの削減にもつながります。何よりも、何の問題を解決するためにこの事業を実施するのか、その解決策としてこの手法が最良かという目的や手法の明確さが必要です。ともすれば、事業の実施が目的になっていることが多いからです。

 国の事業仕分けは、「なくてもいい」が論点になっている傾向がありましたが、地方の事業仕分けに行ってみると、必ずしもそうではありませんでした。しっかりとあるべき論で徹底議論をするほうが多かったように思います。そして、議論されたあるべき論を企画や実施事業に反映させるべきだと思いました。

 基礎自治体の事業仕分けは現場から見直し、国、都、市町村の役割を再検討したり、予算に生かすべく事業の再検討をする必要があると考えます。事業の目的や手段の妥当性について、行政批判ではなく、住民本位のサービスのあり方を一番に考え、そして勇気ある撤退、やめる勇気も必要だと思いました。ただ、テレビからは伝わらないことも多かったと思います。

 自治体によっては、1年目に事業仕分けを導入し、そして2年目から外部評価を導入したり、いろいろな形で行っております。適正な税財政の配分の根拠とするために外部評価資料として事業仕分けを活用していました。

 中野区の場合をお聞きします。中野区は行政評価を行っていますが、行政評価を導入した理由はどういうことにありましたでしょうか。また、区として行政評価をどうとらえているのか、課題点もあわせてお答えください。

 私は、評価が数値化されているものの、この行政評価が十分に展開されているとは思っていないところもあります。事業仕分けは、チェックすることをしながら考えていくことが求められています。お互いに思っていることをぶつける。議論を尽くす。このことから閉塞感が変わると思っています。区の外部評価はこの視点が反映されているかどうか、ちょっと私としては疑問に思っています。

 依存の体質から自立に向かう、これが事業仕分けの最大の効果です。事業仕分けは、要は本当に必要なことかどうか考えることが基本ですから、まずどうあるべきかについて既成の枠を取り払って考える意味は大きいと思います。

 中野区議会の中で、多少困難でも、決算審議のときに議会主導の仕分けをしたりも考えられると思いました。また、他自治体職員が仕分け人に入るなど、区でも思い切ったやり方で事業仕分けを導入してほしいと考えますが、いかがでしょうか。

 区は今、何をすべきか方向性を示して、「生活が第一」を踏まえて進んでほしいと思っています。

 2番目に、地域との連携についてです。

 U18プラザの中高生事業についてです。中学生が地域の行事に参加をしたり、地域の多くの人とかかわることは経験上必要なことと思っています。先月、第二中学校で行われた災害トリアージの体験は、地域の大勢の大人と中学生の接点があり、大変よい機会になっていました。

 参加の機会が用意されても、中高生の参加率が低いことも多い昨今です。地域での活動経験や思い出がない。そんな体験不足が影響してか、若者に地域という概念が薄いことを何度か話の中で私のほうが感じております。勤労体験やボランティア体験ばかりでなく、地域の中でのいろいろな接点が求められるところです。

 中高生の保育ボランティア講座という事業を地域の人がファシリテーターになり、地域にいる保育の専門家に子どもの発達と安全を学び、地域の乳幼児親子とふれあうという連携事業をすることで、地域の人材のネットワークを強めていくことにこだわっている自主グループがあります。

 「社会との結びつきの中で自分の将来設計をすることのできる子どもを育てます。」と10か年計画にありますから、地域の人材を活用して連携を強めてほしいものです。

 昨年度のU18プラザの中高生事業としては、城山ふれあいの家で「赤ちゃんと仲良くなろう」の1事業だけが行われたと伺いました。U18プラザにおいてどのように地域とかかわり、中高生を対象にした事業を今年度は実施しているのでしょうか。また、その実効性はどんなものでしょうか。事業をすることが目的ではありませんから、中高生が無理なく参加できる事業を進めてほしいと思っています。

 次に、学校との連携についてですが、二つ提案があります。一つは、中学校が行っている職場体験です。生徒を受け入れる条件がなかなか地域の店では難しい面もあると思っております。しかし、その中で受け入れ人数の多いところに保育園や児童館があります。体験に行く前に子どもと接するちょっとした心構えを持つことは大事かと思いますので、先ほど話しました中高生の保育ボランティア講座の簡易版を職場体験と結びつけて、U18プラザの中高生事業と考えたら、地域の子ども、地域の親子、地域の大人の連携が無理なくできると思うのですが、いかがでしょうか。

 二つ目は、文教委員会で新潟の聖籠中学校に視察に行ったときに思ったことです。ここは、コミュニティスクールとして見に行っているのですが、その中でちょっと気づいたことがあります。ここはコミュニティスクールという運営上の特殊な例かもしれませんが、校長室の横の廊下に本を紹介するコーナーがありました。中野区でいえば、区報や区政資料、区の刊行物、今までの区政のいろいろな冊子が並べて置いてありました。とてもいいアイデアだと思いました。中野では学校の掲示板に地域ニュースなどが張ってあるのは目にしたことがありますが、このような過去の区政資料が並べてあるところは見たことがありませんでした。このように学校側も生徒たちにまちのことを発信する努力も必要かと思います。生徒が地域を意識し、地域の一員としての自覚を育てるきっかけにもなると思いますが、いかがでしょうか。

 この聖籠中学校においては、いろいろな地域の人たちの出入りがありましたので、いつも子どもたちが地域の人の目を自然に感じている学校でした。

 次に、子どもの虐待についてです。

 虐待と呼ばれるものの中に育児放棄=ネグレクトがあります。親としては、子どもを衣食住を初め身体的にも精神的にも危険や害から守らなくてはなりませんが、それができないことをいいます。育児に関する知識不足で満足に子どもの面倒を見られないのも、子どもに食事の支度をできないのもネグレクトです。

 最近、地域の中でこの場面を目にすることがありましたが、本人が認めていない場合はどう対処していいものか迷いました。こういう傾向のある親子を見かけた場合、どこにどういうふうな連絡をとっていくのか、もっと周知されるように広報してほしいと思いました。

 また、歯科医師会の先生方との懇談で、学校の歯科検診でネグレクトを見つけやすいということを伺いました。特に低学年、歯が生えかわるまでの間に見つけるということがあるそうです。虫歯から食生活の乱れや生活の不安定さが見えてくるからです。こういう情報も子育て支援の団体、そして私たちも共有したいものです。

 子育てグループや学校などが関係機関とスムーズに連絡をとったり、活動内容を周知するためにはどのような方法があるのでしょうか、お伺いいたします。

 子どもの虐待の背景には、家族間の葛藤や子育てにおける孤立に加えて、社会的要因などがあると言われております。子どもの虐待はどこの家庭にも起こり得ることなのです。虐待をしている親自身が悩み、やめたいと望んでいる場合も多いのです。虐待をする親と子どもには、周囲の温かい支えと適切な支援が必要です。この周知をもっともっと皆さんに知らせていきたいと思っています。

 親への支援プログラムというのはあるのですが、子どもへの支援はどうでしょうか。子どもが小学校の低学年の場合、なかなか他人に訴えられないものです。高学年になると、自分のほうから訴えることができたり、逆に親へ今までの反抗の気持ちが出て、暴力になることもありますが、低学年の子どもにもっと自分の意思が人に伝えられるように、子どもから話の聞き方を学ぶというセミナーがあると聞きました。CAPという皆さんも多分御存じの子どもへの暴力防止プログラムというのがありますが、それと同じように虐待を受けた子ども自身が声を上げられるようなプログラムがあるのでしょうか。もしありましたら教えてください。

 (4)のその他はありませんが、大きい3のその他として、発達相談についてお聞きします。

 発達のおくれなどで子どもの心に関する問題で専門病院を訪れた保護者の6割が、どこに相談していいのか困ったと感じていたという記事を目にしました。人とうまくかかわれないなど、親が子どもの異変に気がついたというのは平均5歳を過ぎたときで、問題に気づきながらも専門の治療を受けるまでにさらに2年かかっていたとの報告もありました。幼稚園や保育園に入園すると保護者以外の目が加わるので、発見されやすくなるようです。

 平成17年に発達障害者支援法ができてから、早期支援の必要性が提起され、一貫した支援体制がつくられてきました。中野区においては、地域子ども家庭支援センターや保健福祉センター、アポロ園などで、気になる子どもがいる場合の支援体制が整い、1歳から3歳までの子どもたちの発見率が上がっているとお聞きしました。地域子ども家庭支援センターにいらっしゃる子育てアドバイザーの存在も相談しやすくなったことの一つだと思っています。

 しかし、まだ相談するという一歩を踏み出せない保護者のいることも事実です。「気にはなっていますが、もう少し状況を見よう。あした、あした。」と思う気持ちが親の気持ちです。子育てアドバイザー、そしてより身近な子育てのグループや関連団体に区の持っている最新の情報を提供して、相談があったときによりよい対処ができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、児童館は保護者への情報も多いのですが、カウンターがいっぱいになって、いろいろなチラシが置いてあります。資料がファイルにとじられていたりもします。発達相談は迷いながら訴えるという気持ちも大きいので、パンフレットなどはもっと目につきやすいところに、しかも、さりげなく、「気にかかっていることはありませんか」など案内の表示をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 これですべての質問を終わらせていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) のづ議員の御質問にお答えをいたします。

 事業仕分けの導入についてという御質問でありました。事業仕分けと、それに対する私の考え方については、先ほど来何度もお話をしているとおりでありますが、事業仕分けそのものについて、最初に申し上げておりますように国民の目の前で税金のむだを判断していくと。そういったようなことが始まったということ自体は評価をしているところであります。しかしながら、実際に行われていることは、先ほど来申し上げておりますようになかなか問題の多いことになっているなと、そんな感じを持っております。

 そこで、現在の区の行政評価制度についての御質問になったわけでありますけれども、行政評価に外部の評価委員を委嘱したのは平成14年度からであります。これは私が区長になりまして、区政の改善・改革について、区の運営にPDCAサイクルをしっかりと組み込んでいくことが大事だ。その評価・改善という最も重要な役割を担う部分が外部の評価によって行われるべきだと。そういう考え方から外部評価の委員を導入したと、こういうことであります。

 中野区の行政評価の制度についてですけれども、外部評価委員がすべての事業について分担をして評価をしております。評価に当たって担当するセクションの担当者からヒアリングを行っております。公開で行っております。そういう意味では、開かれた形で評価をしていただいていると、こういうことであります。

 評価の結果ですけれども、できるだけ早く評価の結果を出していただいて、それを議会における決算審査に資料として提出をしていただいて、決算の議論の中でその外部評価を生かしていただくと、このような形になっております。

 そこで、決算のところで議論していただいた内容、これを踏まえて予算の編成を行っております。予算編成した後に、予算審議の中でまた評価結果についてどのように反映したか、これを御報告させていただいて、審議の参考にしていただいていると、こういう形であります。

 そういう形で中野区の行政評価は外部の方に評価をしていただき、公開で評価をしてもらい、それを区の計画、議決、議決は議会がしていただくことですけれども、計画をしていくこと、また次の年の実施の中にきちんと生かしていくというPDCAサイクルの中心として機能ができていると、こういうような形であります。

 そういったことに比べて、ごく部分的な作業として、事業がいいか悪いかといったようなことを評価している事業仕分けについては、特段中野区として改めて導入するというようなことは全く必要がないと、このようなことを考えているところであります。

 それから、U18プラザの中高生事業と地域の連携についての御質問がありました。U18プラザでは、乳幼児親子の交流や中高生が中心の創作芸術活動やボランティア活動、また社会参画の機会の提供事業などを展開するほか、子どもと家庭をめぐる地域の課題や家庭、地域、学校の連携に関する課題の解決に向けて、子育て支援のネットワークづくりなどに取り組むこととしているところであります。

 中高生対象事業につきましては、地域のボランティアや自主グループの協力を得て、各種の講座や事業を実施しているところであります。これらの講座や事業に参加した中高生が参加して得た経験を生かして、地域の中で活動しているといった実績も少しずつ上がってきていると、こんなふうに考えております。

 U18プラザで行っている体験と中学生の職場体験等をきちんと連携をさせていくべきではないかと、こういう御提案もありました。U18プラザでも保育ボランティア講座など、職業体験で行っている内容と類似をしているというか、共通するような点がある事業を行っているところであります。中学校における職場体験とこうした事業とを整合性を図りながら、いずれもより成果が上がるような形で改善をしていきたいと、こんなふうに思っております。

 それから、子どもの虐待についてであります。子どもの虐待について、子ども家庭支援センター及び地域子ども家庭支援センターについて、ホームページや子育て支援関係のパンフレットの中で周知を行っているところであります。今後、自主グループが児童館を利用する際にパンフレットを手渡したり、自主グループの集まる場所に職員が出向いて説明をするなど、きめ細かに周知を図っていきたいと、このように考えております。また、学校、医師会、歯科医師会へは毎年パンフレットを送付して、周知を行っているところでありますけれども、さらに校長会や医師会、歯科医師会など、それぞれの地域の先生方にも個別に説明を行うことなどに努めていきたいと、このように考えております。

 また、子ども自身が声を上げるためのさまざまな手だてということでありますけれども、区では小学校4年生から中学校3年生までを対象に、子ども家庭支援センターのPRカードを配布し、相談を呼びかけております。虐待を受けている児童がみずから相談について話ができるということが大変大事だと考えております。先進的な実践、こうしたことも積極的に把握調査をしていきながら、参考にしていきたいと考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) 学校と地域との連携につきまして、お答えいたします。

 聖籠中学校の例を出しまして、中野区においてはもっと学校が地域情報を子どもたちに発信していく必要があるのではないかという御質問でございました。読み聞かせボランティアや学習支援ボランティアなど、学校は何らかの形で保護者や地域の協力を得て、成果を上げているところでございます。その際、地域の方々からも子どもたちに対しまして、地域の情報を伝えているというところでございます。

 また、学校から子どもたちへの情報発信といたしましては、地域情報コーナーをつくって、地域ニュースを掲示したり、地域行事のチラシを置いたりして、地域とのかかわりを深めている取り組みがございます。

 教育委員会といたしましても、これらの取り組みを紹介するなどをいたしまして、学校の地域情報発信を促進し、地域とともにある学校づくり、子どもたちの地域理解の地域貢献を図ってまいりたい。このように考えております。

   〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕

○子ども家庭部長(竹内沖司) 発達相談についての御質問にお答えをいたします。

 まず、相談案内の掲示についてでございますが、身近で気軽に相談できる場所として、4カ所の地域子ども家庭支援センターにおいて発達相談を実施し、ホームページやパンフレット等で周知を行っているところでございますが、わかりやすい館内掲示など、さらに周知方法を工夫したいと考えております。

 次に、子育て自主グループへの情報提供についてですが、発達相談について子育て自主グループだけを対象とした特段の周知ということについては現在行っておりませんが、児童館を利用する際にパンフレットを手渡したり、必要に応じて説明を行うなど、さらにきめ細やかな情報提供に努めていきたいというふうに考えております。

      〔のづ恵子議員登壇〕

○16番(のづ恵子) 3点お聞きしたいことがあります。

 まず、行政評価のところで課題点をお聞きしたんですが、課題点のことはおっしゃらなかったので、そのことについてお伺いいたします。

 それから、職場体験なんですけれども、職場体験が大体夏休みに行われるので、中高生の授業が秋とか冬ではなく、その夏の職場体験に合わせた時期に設定をしないと、同じことをやってもなかなか効果に結びつかないということがありますので、事業の内容というよりも期間的なものの御検討をお願いいたします。そして、それについてのお答えをお願いいたします。

 それともう一つ、聖籠中学ですけれども、地域の人の出入りというよりも、私がびっくりしたのは区政資料というのでした。例えば10か年計画とか警大の資料みたいな、ああいう私たちがいただく分厚い資料ですね。そういうものがありましたので、そういうのが子どもたちの目に触れるということはなかなかなかったので、もしそういうことに興味がある子どもたちがいれば、一つ自分の地域のことを知るきっかけにもなると思ったので、その辺の資料のこともあわせて置くことを考えていただきたいと思います。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 行政評価の課題点ということについての再質問でありました。行政評価については、外部評価の委員の皆さんが大体お一人2年くらいで変わっていただいているわけですけれども、人がそれぞれに評価をするわけでありますので、そのとき、そのときによって評価に多少のぶれが生じてくるというようなことはあるかと思っております。そうしたものを区として受けとめていく。正しく受けとめていって、正しく改善に結びつけていくというようなことが常に図られなければならないということだと思っております。

 また、行政評価を受ける担当の側の説明能力、あるいは外部からの評価を受けとめていく感受性というのでしょうか、そういったようなこともだんだん改善されてきてはおりますけれども、やはりもっともっと外部評価に対して率直に受けとめられる、あるいは創造的にその評価を生かして改善をしていけるような仕事の取り組み方、そういったようなことをより一層強めていくことが必要なのではないかといったようなことを考えております。

 それから、U18プラザでの体験と学校での職業体験、時期を整合させるべきだというような御質問でありました。可能な限り、そういった時期的なことについても、内容的なことについても連携、整合をとっていくということはよいことだと、こう考えております。しかしながら、学校が教育課程の一環として行っていきます学校の授業と、こういうものと、U18プラザのような地域で行っている事業と、こういうものでは、やはりおのずとその目的とするところも多少違ってくることもあるわけでありまして、全く同じことを両方の事業として行うと。こういうふうにはなかなかならないので、両者の適切な連携ということで行っていくべきであるというふうに考えております。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) 学校におきまして、区政資料等を置いておくべきではないかということにつきましては、一つは、子どもたちに対しましては、副読本というような形で中野区のさまざまな課題でありますとか、歴史でありますとか、そういうものにつきましては授業の中で教えているところでございますが、そのほかにさまざま、例えばおっしゃいました計画物でありますとか、そういったものの資料をそろえるということにつきましては、今後の課題として受けとめさせていただきます。

○議長(伊藤正信) 以上でのづ恵子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 (仮称)区民活動センターへの転換について

 2 鷺宮調節池の設置等について

 3 商店街の買い物時間について

 4 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、大内しんご議員。

     〔大内しんご議員登壇〕

○22番(大内しんご) 平成21年12月1日、第4回定例会におきまして、自民党の立場から質問させていただきます。

 最初に、(仮称)区民活動センターへの転換についてお伺いをいたします。

 区は、地域センターを(仮称)区民活動センターへ転換する方向を打ち出し、ここ数年間検討を続けておられます。この転換への考え方には、地域活動の拠点施設の運営を行政から地域住民の手にゆだね、そのことにより地域自治も推進していくという大変大きな変革の要素が含まれております。

 (仮称)区民活動センターを動かすエンジンとも言うべき運営の委託先については、町会・自治会を中心に組織された運営委員会にお願いをしたいという区の提案を受け、各地域の町会・自治会の皆さんは何年にもわたり真摯に検討されてこられました。

 検討の状況を伺うと、(仮称)区民活動センターの運営委員会の設立に向けては、地域に温度差や不安視する声もあることから、私は昨年の第4回定例会で、運営委員会の中核と考えている町会・自治会の十分な理解を得るために、平成21年7月という一斉転換の時期を延期すべきではないかという意見を述べました。

 これについて、区は昨年12月に策定した「(仮称)区民活動センターへの転換へ向けた運営の考え方(修正案)」の中で、一斉転換の時期を平成23年7月に延期するという考えを示されましたが、地域の実情を踏まえ、時期を先延ばししたことは正しい判断だと思っております。

 一方で、その修正案には、準備の整った地域には先行して業務を委託するという考えも示されておりましたので、引き続きことしの第1回定例会において、私は、運営委員会の支援策も含め、先行実施を中心に幾つか区にお尋ねをいたしました。

 区からは、平成23年7月の一斉転換に先立ち、先行実施として21年度中に(仮称)区民活動センターの準備業務を委託できる地域は少なくとも複数あると見込んでいること、委託する準備業務は地域センター業務の一部業務を委託する形態で行うもので、具体的には集会室の提供に関する業務や地域活動団体の連携促進に関する業務等を委託する考えであるとお答えをいただきました。また、準備業務の委託に伴う平成21年度の職員体制は現行どおりである。減らす考えはないということ。運営委員会による事務局スタッフ確保の支援策として、(仮称)地域活動コーディネーター登録制度を設け、事務局スタッフの質の確保や運営に当たっての知識、技量等の確保に区は責任を持って対処していくという考えであるといったお答えをいただきました。

 そこで、お伺いをいたします。以前こうした御答弁をいただきましたが、今年度どのような取り組みを行ってきたのでしょうか。まず、その状況についてお伺いをします。地域の中には、一斉転換に先行して準備業務の受託を決定した地域もあるように聞いておりますが、今年度中に区が準備業務を委託する地域は何地域あるのでしょうか。また、仮に準備業務の委託が始まるのであればなおのことですが、運営委員会の運営が円滑に行われ、さらに活動が活発に展開されるためには、区の適切な支援が重要になると思います。そうした支援を行うことは、区からの提案を受けとめ、(仮称)区民活動センターの運営を決断された地域への区の責務であると考えております。

 区の支援の重要性について、ここで重ねて申し上げたいと思いますが、区は委託する準備業務を通してどういった内容を考えておられるのでしょうか、お伺いをします。

 さらに、区は準備業務の委託に引き続き、平成23年7月に(仮称)区民活動センターに一斉転換したいというお考えをお持ちですが、この転換に向けて今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お伺いをいたします。

 私としては、(仮称)区民活動センターへの転換について、先行実施を行う地域でなく、広く一般区民への周知も含め、区として丁寧な対応をしていかなければならない。また、運営の委託をされる団体の意見を十分に聞き、その上で、移行するに当たっても慎重に対処していくべきだと考えております。こうした観点も踏まえ、御答弁をお願いいたします。

 次の質問、鷺宮調節池の設置等についてお伺いをいたします。

 現在、鷺宮調節池を新たに設置予定している都営鷺の宮アパートの建てかえが進められています。この都営鷺の宮アパートは中野区内ではかなり規模の大きい都営団地で、4階から5階建ての建物が19棟あり、戸数も418戸ありました。それが今回の建てかえで12階建ての5棟610戸の団地に生まれ変わることになります。今は新しい建物も大分建ち上がってきており、来年度には第1回目の入居が始まると聞いています。すべての建物が完成するまでにあと3年程度かかる見込みだそうです。

 さて、この団地建てかえに当たって、東京都はこの団地の敷地に環七以西、環七から上流域の妙正寺川の治水対策の一環として調節池の設置を計画しています。この調節池は、平成17年の妙正寺川の水害の後に中野区が東京都に治水対策の強化を要望したのを受け、都が計画したものであります。都営鷺の宮アパートから環七までの妙正寺川約1.5キロメートル区間の50ミリ対策の早期実現を図るために整備するもので、調節池の規模は、面積は約1ヘクタール、貯留水量は約3万5,000立方メートルというものだそうです。1ヘクタールというのはちょうど近隣の大和小学校の土地面積と同程度であります。また、貯留水量3万5,000立方メートルというのは、小学校のプール約150杯分の水の量となります。平成24年度の完成を目指しており、これができ上がると、特に若宮・大和町地域、また野方地域の治水対策に大きな効果があると、地元はもちろんのこと、私としても大いに期待しているところであります。

 さて、この都の計画に対しまして、平成18年10月に田中区長は石原都知事あてに、調節池の上をふたがけしてほしいという要望を出しましたが、このときの東京都の返事は、ふたがけについては現在のところ考えておりませんという冷たい返事で、実現はなかなか難しい状況にありました。しかし、中野区のような人口密集地域においては、この調節池のふたがけは安全な広域避難場所の確保のために、また地域のレクリエーションや憩いの場の確保としても重要なものと考え、中野区当局の粘り強い交渉や、また我が自由民主党の川井都議を中心に働きをかけた結果、東京都もようやく理解し、ふたがけについては協力していくというスタンスに変わりました。中野の北部地域に大和小学校とほぼ同じ大きさ、1ヘクタールの新たなオープンスペースが確保できることは、中野区政の大きな成果の一つと言ってよいと思います。

 そこで、この件については東京都とは調整中のことと思いますが、現時点での取り組みの到達状況についてお伺いを何点かいたします。

 まず、このふたがけの整備工事について、完成時期はいつごろになるのか。また、東京都と中野区ではどのような役割分担となっているのか、お伺いをいたします。

 次に、完成後のふたがけの上の広場についてどのような利用を考えているのか、お伺いをいたします。また、調節池のふたがけとともに、東京都に要望していた地域集会室の設置についても、都との調整がどのようになっているのか、あわせてお伺いをいたします。

 三つ目の質問、商店街の買い物時間についてお伺いをします。

 野方駅周辺の商店街は、野方駅を中心に、ときわ・本町・みつわ・駅前・北原通りの五つの通りが放射状に回廊を形づくり、およそ350の多彩な商店がそろっています。同業種間の競合も激しく、物価は伝統的に安く、かつては婦人雑誌にかっぽう着姿の買い物が似合うまちと紹介され、いわば山の手の下町といった気安さと親しみにあふれた商店街で、中野区内でも最も活気のある商店街の一つと発展してまいりました。昭和30年代、あるいは40年代には、夕方の買い物時間帯は地元だけでなく、遠方からわざわざ電車に乗って野方まで来る大勢の買い物客でにぎわい、商売も繁盛しておりました。

 商店街独自の取り組みも盛んであり、平成18年度より開始された野方商店街の隠れた逸品、味自慢を紹介する「こだわりの逸品コンテスト」を実施しています。平成20年度以降はその活動を活発化させ、現在は逸品を「オンリーワン」と定義し、プロジェクトを進行させています。さらに、平成21年度には区内商店街第1号として、東京都特定施策推進型商店街事業の補助金を活用し、既存の水銀街路灯をLED街路灯へいち早く交換し、地球温暖化防止に取り組んでいるところです。

 一方、新しい野方駅の南北自由通路と駅舎の整備については、平成22年3月には、まず北口と橋上の自由通路や駅舎が完成をいたします。平成22年秋には、南口を含む駅全体が完成する予定です。野方駅には新しい駅の大きな完成予想図も掲示され、地元の期待も大いに高まっております。ぜひ皆様も買い物にいらしていただきたいと思います。

 現在、野方商店街では、夕方の4時から6時まで買い物客専用ということで車両の乗り入れを禁止しています。私は、野方駅の駅舎完成に合わせ、その買い物時間帯を延ばし、地域の方がゆっくりと買い物できるようにして、まちのにぎわいや地元商店街の活性化につなげてはどうかと考えております。地元からも声が上がっていますが、私も実現に向け努力していく覚悟でございます。

 そこで、お伺いしますが、区内の商店街で買い物時間帯に車両規制を行っているところはどのぐらいあるのか。また、規制時間はどのようになっているのか、お伺いをします。また、そのための許可は警察署の裁量にゆだねられていますが、区として直接に関与する問題ではありません。一般的には地域の署名活動や町会からの要望書を警察署に持参するといった形をとるところが多いと思います。この歩行者天国といいますか、買い物時間の延長は、地域の活性化だけでなく、区内の商店街の活性化に大きく寄与すると思いますが、いかがお考えでしょうか、区長のお考えをお伺いいたします。

 その他で、契約について何点かお聞きをいたします。

 中野区では、今年度から総合評価落札方式一般競争入札を行っています。私は、適切な入札価格のもと、適正な入札が行われ、適正な価格競争が行われる仕組みであり、そのための手段だと説明を受けてまいりました。昨年の試行期間を経て今年度より本格実施しているわけでありますが、導入以降、半年以上たっているのに、今までの入札経過、入札金額、落札価格について、今のところ全く検証をしていないようにしか見受けられません。中野区民にとって適正な工事をより安い価格で行い、さらに区内業者の育成にも貢献していると言えるのでしょうか。

 9月の定例会の議案となった契約について幾つか紹介をさせていただきます。某自転車駐車場整備工事は6社で入札が行われておりますが、1回目では金額が高く、どこの会社も落札できませんでした。2回目に2億9,400万円で落札をしました。この金額は予定価格の100%の落札率であります。なお、辞退した会社が3社ほどありました。

 また、同じく議案となった小学校体育館等の改築工事では、JVを組んだ入札業者3業者での入札の結果、予定価格10億1,200万円余でしたが、落札金額は10億800万円、落札率99.5%です。

 また、同じく議案となった某小学校体育館等改築に伴う電気設備工事では、JVを組んだ入札業者4社が参加し、予定価格2億800万円余、落札金額1億5,700万円余、落札率は恐らく最低制限価格いっぱいの75%だと思います。

 さらに、某小学校体育館等改築に伴う機械設備工事については、予定価格2億1,900万円余、落札金額1億8,300万円余、落札率は83%でした。

 10月の総務委員会では5件の報告がありました。転落防止柵改良工事は2件あり、落札率はそれぞれ92.9%、93.4%でした。路面舗装並びに掘削復旧工事では、予定価格1億3,000万円余、契約金額は1億2,900万円余の落札率99.4%です。警察大学校跡地都市計画道路整備下水道施設設置等工事では、予定価格9,300万円余、契約金額9,200万円余、落札率98.5%でございます。

 また、かみさぎ特別養護老人ホーム外壁・サッシ改修工事では、予定価格9,200万円余、契約金額7,400万円余でございます。落札率は80.9%でした。この入札は10社が参加しましたが、区外業者が5社参加、その5社が最低制限価格を割り込み、失格となりました。区外業者の平均価格は約5,000万円、区内業者の平均は約8,400万円です。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。中野区の積算の算定基準がよくわかりません。東京都や他の区では、最低制限価格を下回った応札業者から細かな積算内訳を提出させ、工事が仕様書どおり行われると判断した場合は採用することもあると聞いております。

 財政難の折、公共工事はその品質が確保できれば、低価格で落札しても落札することが至当ではないでしょうか。ちなみに、中野区では最低制限価格を下回った業者や、あるいは最低価格を提示した業者の施工体制確認など、低入札価格調査制度は行っているのでしょうか。もし行っていないのなら理由もお伺いをいたします。

 次に、区内業者育成という観点からお聞きをしますが、他の区では一定の金額未満の工事については、政策的に区内業者のみで入札するよう指導していると聞いています。中野区では、総合評価落札方式を採用して、区内業者であれば加点をするということで満足をしているのではないでしょうか。さらに改良を加えていく必要があります。総合評価落札方式は手段であって目的ではありません。

 お伺いいたしますが、そもそもなぜ中野区は総合評価落札方式を採用したのでしょうか。他区での実施状況を踏まえ、どうなのかお伺いをいたします。

 また、これからの厳しい区の財政状況を想定する観点から申し上げるならば、例えば東京都は予定価格の事前公表を行っています。来年度以降も東京都は実施していくそうです。この事前公表にはさまざまな課題があることも承知していますが、区が今後、予定価格の公表の有効性の有無についてなど、検討する考えはないのでしょうか、お考えをお伺いいたします。

 また、国土交通省関東地方整備局が公表した入札監視委員会(9月16日開催)の審議の概要によると、建設コンサルタント業務では、プロポーザル方式によって業者を特定した後に随意契約で価格を決定する仕組みに疑問を投げかける意見があったそうです。あわせて区の見解をお聞きいたします。

 さらにまた、杉並区においては、経済環境の悪化に伴う緊急雇用・経済対策として、工事の施工に関して下請を予定している場合は、区内事業者を優先すること。また、区の発注案件に使用する資機材や物品の調達を区内事業者から調達すること、及びそれに雇用が伴う場合は区内に住所を有する者を優先するなど、事業者に強く要請をしています。本来、そのような縛りをかけることにより、区内の水は上から下に流れるのであって、区内の中小事業者の育成になると思います。中野区においてもいち早く実施した総合評価をより充実させていくために、こうした杉並区が要請している項目などを評価基準に加え、区内の中小企業の事業者の総合的な雇用・経済対策とするべきだと思いますが、区長の考えをお聞きいたします。

 以上で質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。

 (仮称)区民活動センターへの転換に向けた今年度の取り組みの状況ということであります。ことしは、(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編方針案を策定したところです。さらに、5月から6月にかけて、この再編方針案について、全地域で町会・自治会との意見交換会と区民との意見交換会、合わせて29回実施をいたしました。そこでの御意見等を反映して、7月に再編方針を確定したところです。現在、この再編方針に基づいて転換に向けて検討を進め、運営委員会や運営委員会準備会が雇用する事務局スタッフ確保のための支援策の一つとして、地域活動コーディネーター養成講座を実施しているところであります。

 その転換について先行的に実施をする地域というのはどういう状況かという御質問でありますが、21年11月末現在におきまして、要するに今ということですけれども、三ないし四つの地域が来年2月から先行実施する、そのことに向けて準備を進めていただいているところです。

 先行実施の内容としては、現在の区がやっております地域センター業務の一部であります地域広報に関すること、市民活動の援助に関すること、地域事業の実施に関することといった項目を委託するということになるわけでありますけれども、地域の中で行われるさまざまな動き等について、適切に連携をとったり、支援をしたりすることができるように、区としてこれまで保有をしております職員が行ってきたノウハウ、そういったものを適切に引き継げるような御支援をさせていただきたいと、こんなふうに思っております。

 それから、転換に向けた今後の取り組みということでありますが、(仮称)区民活動センターの機能、運営方法や先行実施をしていただいた場合ですけれども、先行実施の取り組み状況などを区報や地域ニュース、リーフレット等によってきめ細かに周知を図ってまいります。(仮称)区民活動センターが地域の拠点施設として多くの区民に活用されるものとなるように準備を進めていきたいと、こんなふうに思っております。今後とも運営委員会準備会設立の支援を行い、全地域で運営委員会準備会が円滑に設立できるように地域や関係団体の皆様との話し合いや説明会といったようなことを続けながら地域の理解を進め、平成23年7月の一斉転換を実現してまいりたいと、こう思っております。

 それから、鷺宮の調節池の設置についての御質問がありました。鷺宮の調節池については、東京都と協力をして、調節池の上部に人工地盤をつくって、面積約1ヘクタールの広場を整備することにしております。工程といたしましては、都が都の事業として行います調節池本体の整備は3カ年程度かかると、このように聞いております。さらに上部広場を含めたふたがけの整備、これについては調節池が完成してから後、また2カ年程度を見込まなければならないと、こう思っておりますので、完成は早くて平成27年度ごろというふうに考えております。

 費用負担についてでありますけれども、調節池本体整備については東京都、そして上部ふたがけ及び広場整備については区の負担とする方向で進めているところであります。現在、この費用負担でありますとか施設の管理などを含めて、年度内に協定を締結することができるように東京都と調整中でございます。

 それから、上部広場の利用についてであります。大変貴重な広場になるということでありますので、できるだけ区民の皆さんに幅広く活用していただける、生かしていただけるような利用をしなければいけないということであります。平常時には区民の憩いの場やスポーツ活動の場など、多目的に利用できる広場と、それから災害時には広域避難場所である白鷺一丁目地区の中心的な避難場所としての機能を想定しているところであります。

 地域集会室についてであります。中野区が要望してまいりました都営鷺の宮アパート建てかえに伴う地域集会室につきましては、東京都は区と協議をした上で、今後予定をしております第2期工事、この2期工事の中で建設を行うこととしているところであります。

 それから、商店街の買い物時間帯の車両の乗り入れ制限に関連する御質問であります。警察では、区内11商店街で買い物時間帯の交通規制を行っております。規制の時間帯ですが、これは地域ごとに違いがあります。都立家政商店街では午後3時30分から午後6時30分、東中野銀座商店街では午後3時から午後7時、川島の商店街では午後4時から午後7時と、規制時間が3時間を超えている商店街も中にはあると、こういったような状況になっております。

 この規制時間帯につきましては、商店街における必要な通行量や地域住民の利便性など、さまざまな観点から地域全体の調整が必要になると、こんなふうな認識を持っております。地域の声を十分に把握することとあわせて、そうしたお声を踏まえながら警察とも協議をしていきたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) 私からは、大内しんご議員の契約についての質問についてお答えさせていただきます。

 まずは低価格調査制度の導入についての質問でございました。中野区では現在、低価格調査制度については行っておりません。現在は最低制限価格を設定しまして、最低制限未満の低価格による入札に対しては、当該案件の内容に適合した履行がされないおそれがあるという判断から失格としているところでございます。しかし、東京都で現在行っています低入札価格制度など、これを参考にしまして、他区の実態等も検証して、今後導入について検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、総合評価制度でございますが、現在は入札監視委員会によりまして、総合評価制度の結果、これについては調査し、評価をしているところでございます。先ほど質問の中では、一定金額未満の工事について、政策的に区内業者のみで入札、こういったような指導も聞いているということでございますが、一般競争入札、総合評価落札方式によりまして、広くすぐれた事業者の参加、これを得ることが大切だというふうに考えてございます。入札参加資格等について、より制限等を加えることについてはあまり好ましくないんではないかというふうに考えてございますが、他の事例、こういったことを参考にしながら、常に改善はしていきたいというふうに考えてございます。

 また、総合評価制度を採用した理由は何かということでございました。これは2点ございまして、一つは、公共工事を取り巻く環境についてでございます。公共工事を取り巻く環境については近年大きく変化しておりまして、価格と品質、両面ですぐれた工事であるということと同時に、環境や省資源の配慮、維持管理の削減といった多様なニーズを満たした工事を求められているということがございます。

 また、もう1点でございますが、公共工事の品確法、これは平成17年の4月1日に施行されたわけでございますが、これが施行されたことによりまして、区におきましても総合評価制度による実施によりまして、発注者の責務の明確化、価格と品質ですぐれた調達への転換、これを図っていくこととしたわけでございます。現在の他区での実施状況ですが、中野区を除いて10区で試行している。また、検討している区はふえてきているというふうに聞いてございます。

 次に、予定価格の公表についてでございます。予定価格の公表につきましては、全国で相次いだ公共調達をめぐる不祥事の反省に立って、契約手続の透明性を確保するということから、平成10年に全国で導入され始めたものでございます。しかし、談合を助長するおそれがある。予定価格の事前公表は競争入札参加者の真剣な見積もり努力を喪失させる可能性がある。協定価格に利用されるおそれがある。こういったような弊害があるというような理由から、事前公表の取りやめ等の対応を行うように総務省、国土交通省連名の通知が出されてきているところでございます。区といたしましては、事前公表につきましては、このような理由から慎重に検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、プロポーザル方式による方法でございます。このプロポーザル方式によって価格を決めていく、随意契約をするというのは問題があるんではないかという意見もあったということでございますが、現在、中野区はプロポーザル方式、企画提案公募型の事業者選定方式を行っております。これは、価格競争になじまない企画提案によりまして、すぐれた事業者を選定する方式でございます。選定の方法に当たりましては、総合評価の落札方式に準じた評価基準を適用しまして、参加事業者の企画提案力、また事業者の技術力、社会性、信頼性による評価と参考見積もりを提出させまして、総合的に事業者の評価を行って、評価の高い事業者を交渉順位1位ということで交渉しているわけでございます。

 また、この評価を見積もりを行わずに、技術、それから企画がいい、そういった業者を選んで、そこで初めて競争させる、入札させるというやり方、これが言われているわけでございますが、そういったことについても改善点があって、そういった点がすぐれているということであれば、検討して導入も考えていきたい。いろんな方で今の総合評価制度、これがこれで終わりではなくて、常に改善をしながら、実態に応じながら進めていくことが大事かというふうに思っております。

     〔大内しんご議員登壇〕

○22番(大内しんご) 再質問させていただきます。ちょっと答弁がわかりづらかったので、もう一度明確にお願いしたいと思います。

 質問の内容は、もう一度ちょっと、杉並区においての雇用、あるいは経済対策として、要するに下請を予定している場合は区内の事業者を優先する。そういった要請をしていると。やはり区内のある程度大きな仕事については、中野区においてもそういった制度を盛り込むべきではないか。場合によっては総合評価の評価基準の中に加えてはどうかと。それがひいて言えば、区内の末端まで雇用対策、あるいは経済対策につながるのではないかということで質問させていただきました。

 例えば1億円の仕事を大きな区内業者がとっていただいても、そのうち8,000万円、9,000万円が区外の下請会社に流れるよりは、やはり半分は区内の下請会社に入るようなことをする。そういうことが総合評価において高い点数をとる。そういった基準を設けるべきではないかという質問をさせていただきましたので、改めて御答弁をお願いいたします。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) 今言われましたように下請業者について区内業者を優先することについてでございますが、下請業者の指定だとか、使用する資機材や物品の調達先を制限すること。これにつきましては、コストの抑制につながらないという懸念がございます。しかし、区内経済の活性化、現在のような社会経済環境の中での活性化ということであるとか、雇用の確保、これを実現するためには、契約の方法としてどのようなあり方があるのか、至急検討していきたいというふうに思います。

○議長(伊藤正信) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後5時02分延会