平成21年09月30日中野区議会決算特別委員会
平成21年09月30日決算特別委員会(第4日)
1.平成21年(2009年)9月30日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 21番 吉 原 宏
22番 大 内 しんご 23番 きたごう 秀 文
24番 伊 藤 正 信 25番 久 保 り か
26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや
28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子
30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎
32番 山 崎 芳 夫 33番 市 川 みのる
34番 斉 藤 金 造 35番 篠 国 昭
36番 岡 本 いさお 37番 飯 島 謹 一
38番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長(経営室)石神 正義
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
副区長(政策室) 西岡 誠治
教育長 菅野 泰一
政策室副参事(企画調整担当) 田中 政之
政策室副参事(基本計画担当) 髙橋 信一
政策室副参事(予算担当) 志賀 聡
政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
政策室副参事(情報化推進担当) 藤井 康弘
危機管理担当部長清水 流作
経営室参事(経営担当、契約担当) 長田 久雄
経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
経営室副参事(広報担当) 戸辺 眞
経営室参事(人事担当) 尾﨑 孝
経営室副参事(健康管理担当) 村田 宏
経営室副参事(財産管理担当) 安部 秀康
経営室副参事(用地・管財担当) 冨永 清
経営室副参事(危機管理担当) 石濱 良行
経営室副参事(防災担当) 鳥井 文哉
管理会計室副参事(評価改善担当) 篠原 文彦
管理会計室副参事(経営分析担当) 相澤 明郎
管理会計室副参事(税務担当) 青山 敬一郎
会計室長 村木 誠
区民生活部長 鈴木 由美子
区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
区民生活部副参事(南地域担当) 松原 弘宜
区民生活部副参事(中部地域担当) 小山 真実
区民生活部副参事(東地域担当) 辻本 将紀
区民生活部副参事(北地域担当) 伊藤 政子
区民生活部副参事(西地域担当) 中井 豊
区民生活部副参事(戸籍住民担当) 今 恵里
区民生活部副参事(産業振興担当) 高橋 昭彦
区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 横山 俊
区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
清掃事務所長 齋木 正雄
子ども家庭部長 竹内 沖司
子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
子ども家庭部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、
南部地域子ども家庭支援センター担当) 天野 秀幸
子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、
鷺宮地域子ども家庭支援センター担当)波多江 貴代美
子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 町田 睦子
子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 田原 なるみ
保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
保健福祉部副参事(保健予防担当) 山川 博之
保健福祉部副参事(生活衛生担当) 古屋 勉
保健福祉部参事(健康推進担当) 岩井 克英
保健福祉部副参事(福祉推進担当) 伊東 知秀
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長 大橋 雄治
南部保健福祉センター所長 高里 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ
保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子
保健福祉部副参事(保険医療担当) 柿内 良之
保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄
都市整備部長 石井 正行
都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
都市整備部副参事(都市計画調整担当) 田中 正弥
都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
都市整備部副参事(建築担当) 豊川 士朗
まちづくり推進室長 川崎 亨
まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
教育委員会事務局次長 田辺 裕子
教育委員会事務局参事(教育経営担当) 合川 昭
教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博
教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
教育委員会事務局中央図書館長 小谷松 弘市
選挙管理委員会事務局長 奥山 功
監査事務局長 服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 奈良 浩二
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 長﨑 武史
書 記 荒井 勉
書 記 河村 孝雄
書 記 菅野 多身子
書 記 丸尾 明美
書 記 土屋 佳代子
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 鈴木 均
書 記 岡田 浩二
書 記 竹内 賢三
1.委員長署名
午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
きのうの理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に、昨日に引き続き佐伯利昭委員、2番目に吉原宏委員、3番目に南かつひこ委員、4番目に山口かおり委員の順序で4名の質疑を行います。
次に、資料要求についてですが、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり、文教90の資料を取り下げ、新たに6件の資料要求について整理をしました。
また、要求資料厚生32について、理事者より誤りがあったため差しかえたいとの申し出があり、本日の委員会に配付することを確認しました。
お手元に配付してありますので、御確認ください。
平成21年(2009年)9月30日
決算特別委員会
決算特別委員会資料要求一覧(追加分)
取下げ分
◆文教分科会関係
90 区立小中学校での環境衛生検査の学校ごと、項目ごとの実施日(現年度までの5年間)
追加分
◆総務分科会関係
121 土地開発公社経営健全化計画に基づく保有地簿価・借入残高・指標の推移 <公>
122 調達ガイドライン取り扱い一覧(平成20(2008)年度から現年度) <公>
◆厚生分科会関係
51 国民健康保険事業特別会計への繰出金内訳の推移(予算額・決算額)(前年度までの5年間) <公>
52 服薬確認事業における財源構成別予算額・決算額(現年度までの3年間) <公>
◆文教分科会関係
98 区立小中学校における環境衛生検査での項目ごとの指摘件数と改善件数(現年度までの5年間) <公>
99 家庭福祉員数及び保育児童数の推移(現年度までの5年間) <公>
○いでい委員長 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
続いて、資料要求についてお諮りします。
お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、1件資料要求を取り下げ、6件の資料を要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。
佐伯利昭委員、質疑をどうぞ。
○佐伯委員 おはようございます。昨日に続きまして、総括質疑を続けさせていただきたいと思います。
続いて、10か年計画についてお伺いいたします。
地球温暖化防止戦略について。
鳩山総理大臣がニューヨークで行われた国連気候変動首脳会合で、日本の温室効果ガス削減の中期目標について2020年までに1990年比25%と表明し、さらに、途上国や新興国の温暖化を後押しするための日本の省エネ技術や資金を提供する鳩山イニシアチブ構想も提唱し、諸国から喝采を浴びました。これについて中野区の評価をお願いします。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) お答えいたします。
温室効果ガスの削減につきましては、世界的な枠組みの中で共通して取り組むべき重要な課題というふうに認識してございます。新政権が掲げました目標につきましてですけれども、主要国の参加が前提といったような条件つきであったかというふうに思いますけれども、こういったことから、12月に開催予定でございます国連気候変動枠組条約締約国会議(COP15)などの動向を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
また、特に目標を達成するための具体的な削減方法、これが非常に重要な課題であるというふうに受けとめておりまして、今後どのようなものが施策として示されてくるか、注目してまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 これにより、現在議論されている第2次10か年計画はもちろん、昨年5月に策定された中野区環境基本計画に修正の必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) CO2の削減ですけれども、中野区におきましては、家庭部門からの排出割合が半分を占めるなど特徴がございます。あるいは中小企業等が多いといったような特徴がございまして、こうした当区の実情に即した計画の策定あるいは取り組みを考えてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 一方で、今回の25%削減提案は、産業界からは批判が上がっています。中野区環境基本計画では、基本構想の基本理念を踏まえ、環境像を脱温暖化の取り組みが根付いたエコシティなかのを目指すべきまちの姿と定め、この環境像があらわす望ましい将来の中野の姿は、地球環境を守るため、経済優先ではなく、環境と経済が調和したシステムを通じて、日常生活や事業活動の中で私たち一人ひとりが環境に配慮した取り組みを行い、そのような行動がごく当たり前のこととして根付いているまちですとして、地球環境を守るため、経済優先ではないということをしっかりうたっています。この姿勢には揺るぎがないものでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいま委員が御引用いただきましたけれども、環境基本計画で掲げております環境像、エコシティなかの、この実現に当たりましては、環境と経済とが調和した取り組み、こういった観点が欠かせないというものと考えてございます。
○佐伯委員 確かに日経の社説などを読みますと、こういったことと逆に、先進技術を持った日本にとっては絶好のビジネスチャンスじゃないかというようなことも書いてありますので、この調和ということを私たちも大事に考えていきたいと思います。
さて、予算委員会の場で酒井議員が繰り返しお聞きしたのですが、環境基金について平成22年度から活用するというお答えがありました。酒井議員への答えでは、当時、事業モデルを検討しているということでしたが、その事業モデルというのは決まったのでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 現在、今年度当初にお示しをさせていただきました、担当委員会のほうにも御報告をさせていただきました自然エネルギーの活用事業モデルの考え方でございますけれども、現在、その具体化を図るためにいろいろ準備をしているところでございます。
○佐伯委員 また、基金の原資については風力発電の売電収入などを充てるとしていましたが、風力発電はまだまだ先のことです。当面の原資は区民や事業者からの寄附とされ、また、その運用益を当てにしているようですが、御存じのとおりの景気と低金利時代です。資金調達も容易ではないでしょうし、運用益の活用ということでは、ごく限られた事業しか行えないのではないかと思いますけども、その点についてはいかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) (仮称)環境基金でございますが、現在、この創設に向けまして検討中でございます。この基金の原資、積み立てのもとでございますけれども、委員御指摘の寄附以外に、区立施設におきまして太陽光発電や太陽熱利用設備等の設置、あるいは区内の街路灯のLED化、あるいは庁舎等の省エネ化等々によりまして節減いたしました光熱水費分相当額、こういったものも積み立てをしていきたいということなども今、検討しているところでございます。今後、予算の財源等も踏まえまして検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひ、新しい取り組みだと思いますので、進めていただきたいと思います。
今回の補正予算で、学校をはじめとする区有施設への太陽光発電設置が始まることになりました。当初、区では太陽光発電機器の設置件数について、平成29年度までに区立小・中学校は全校、しかし、区の施設については30施設と消極的なものでした。これにつきましても酒井議員のほうから、アクションプログラムの見直しの中でこの数字を大幅にふやす考えはないかということをお聞きさせていただきましたけれども、その後の検討状況はいかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 先般、第1次の補正予算で組ませていただきましたけれども、区立施設におきまして太陽光、太陽熱等の設備導入が可能かどうかといった調査を現在行ってございます。この調査結果を参考にしまして年次計画を定めて、計画的に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○佐伯委員 2020年に1990年比温室効果ガス25%削減という目標を達成するためには、中野においては、再三言われていますように、全体の45.4%を占める家庭からの二酸化炭素排出量を抑えることが重要であることは言うまでもありません。国が示した新しい方針をもとに、家庭へも高効率の給湯器の設置補助や太陽光への助成、こうしたものを再検討していただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 現在、中野区独自の地域エコポイント制度といったものの導入つきまして検討しているところでございます。このエコポイント制度におきましては、高効率給湯器あるいは太陽光、太陽熱といった設備機器などを含めたほか、区民の方々がCO2削減をしていただいた努力に応じて、その削減量に応じたポイントを付与するといったような仕組みにしてまいりたいというふうに考えてございます。こういった中で対応を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ポイント制で援助ということですね。はい、わかりました。
さて、環境基本計画の中では、(仮称)地球温暖化防止条例の制定、平成22年度からの運用のスケジュールが示されています。この地球温暖化防止条例の現在までの進捗状況についてお聞かせください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) (仮称)地球温暖化防止条例でございますけれども、こちらにつきましては、現在、区民の方々や事業者の責務を盛り込むほか、現在検討してございます環境基本計画の促進のためのさまざまな仕組みや制度、こういったものの根拠となるようなものにしたいということで検討を進めているところでございます。
○佐伯委員 22年度からの運用ということでしたけれども、この制定へのスケジュールというのはどのようになっているんでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 今年度に成案を見たいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 次に、地球温暖化対策地域協議会のこともお聞きする予定でしたけれども、昨日の小林委員への答弁の中で出てまいりましたので、これは割愛をさせていただきます。
環境基本計画にある取り組みはおくれがちなものが多いような気がします、この冊子を読んでいる限り。また、アクションのステップにある地域での例えば交通安全講習会の機会にエコドライブ、アイドリングストップに関する情報提供をしますとありますけれども、こうしたことについても積極的に取り組んでもらいたいと思います。
二酸化炭素排出量削減には何といっても啓発活動だと思います。ぜひ、環境基本計画にあるアクションプログラム、来年度からの見直しということですけれども、区民が地球温暖化というものにしっかりとした危機感を持ってその防止に取り組むよう、区としての姿勢を示していただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 来年度改定を予定してございます環境基本計画におきまして、さまざまな取り組みを進めていくような全体像を示していきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ありがとうございました。
次に、(仮称)すこやか福祉センターについて伺います。
区内4カ所に整備の予定の(仮称)すこやか福祉センターの鷺宮地域施設について、第2次の10か年計画で、鷺宮南自転車駐車場に整備されることが掲げられました。当初、再配置校の学校施設などを利用して地域スポーツクラブとの併設を想定した側からすれば唐突なことで、戸惑いを感じています。ここに至った経緯について御説明をお願いします。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) すこやか福祉センターの鷺宮地域についての整備計画へ至る経過という御質問でございますが、現行の10か年計画におきましては、(仮称)総合公共サービスセンターというような名称で、区内4カ所整備をすると。その際の整備地域につきまして、具体的に明示しておりましたのは仲町小学校跡施設、それから富士見中跡施設、沼袋小学校跡施設。鷺宮については、この段階ではどこにするということは明示をしてございませんでした。その後、私どもの検討の過程の中で、鷺宮地域につきましても学校跡施設の活用ということを検討してまいりまして、保健福祉部で定めました整備に関する基本方針の中で、学校跡を予定するということで御説明申し上げてきたところでございます。
今回、この10か年計画の改定に当たりまして、できるだけ早く区内四つの整備計画につきまして明示すべきものということで、活用可能な区有地について再度検討を行ったと。その結果、鷺宮南の駐輪場、駐車場用地についての活用が妥当ということでお示ししたところでございます。
○佐伯委員 私はかつて、上鷺宮五丁目の放置自転車の集積所が非常に場所がわかりにくく、足の便も悪いため、比較的スペースに余裕のある、今、予定をされています鷺宮南自転車駐車場の一部にその機能を移してみてはと本会議で質問をしたことがありました。その際には、鷺宮南自転車駐車場は道路づけが悪く――見たとおりの道路づけですけども、利用に制限があるのでという旨の答えがありました。用地の南側に道路を通したようですが、この道路づけとの問題では大丈夫なんでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 委員御指摘のとおり、従前、この用地につきましては、河川管理用通路、それから水路、これに囲まれた用地として道路づけの問題がございましたが、先ほど委員がおっしゃられたとおり、たしか平成19年度でございますけれども、用地の南東側に、中杉通りから直接アクセスできるような区道の新設、こういったものを行ってございますので、そういった問題は解消されているかというふうに存じてございます。
○佐伯委員 地域スポーツクラブとの併設の件については、後ほど地域スポーツクラブのほうでお聞きしますけども、この鷺宮のすこやか福祉センターに入る機能というのは何と何になるんでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 具体的な整備の内容につきましては、今後検討を進めていくということでございますが、御案内のとおり、すこやか福祉センターにつきましては、現行の保健福祉センターの機能、それから地域子ども家庭支援センターの機能、それと地域包括、あるいは障害者に関する相談支援、こういったような機能を入れるということで計画してございます。
○佐伯委員 これから機能がいろいろと考えられてくるんでしょうけれども、この施設について、学校の再編の動きいかんでは移動の可能性がある暫定的なものなのか、それとも永続的にこちらで維持されるものなのか、お考えをお聞かせください。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 私どもの今の考えとしましては、暫定整備というような考え方には立ってございません。永続的、恒久的な利用が可能な施設整備を図っていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 永続的なものになるわけですね。
今回予定されている場所は、上鷺宮地域からはかなりの距離があります。10か年計画の説明会でも、例えば武蔵台児童館の跡地などにつくれないかというような意見も出されたようです。住民にとっては、新青梅街道と西武新宿線をまたがなくてはいけないということで負担感があります。また、地域センターの機能も、鷺宮地域センターに開設予定の地域事務所へ移るということ、また、「なかのん」も新青梅街道までしか来ていないということで、さまざま地域からはそういった点では不満が上がっているわけですけれども、上鷺宮地域の皆さんにこの新しい施設をつくるに当たってどのように御説明をしていくか、最後にお聞きしたいと思います。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 上鷺地域についての施設配置ということについての御質問は、後ほど所管のほうからお答えをするかと思いますが、このすこやか福祉センターについてお答えをさせていただくというところでは、御案内のとおり、すこやか福祉センターは、これまで以上に職員側、センター側からのアウトリーチというようなところを重視していこうというふうに考えてございますので、例えば高齢者の方、障害者の方については、その利便性が低下をするというようなことはないかというふうに考えてございます。
また、乳幼児健診、こういったようなことで御利用になられる方々についても、徒歩で御利用になるということですと、上鷺宮地域の真南に整備をするということでございますので、そう支障はないのかなというふうに思ってございます。
いずれにいたしましても、この上鷺地域にお住まいの方々、この利便性を向上させるべく、新しい施設については、施設の内容、機能について整備を図っていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 あと、政策のほうからも答えをお願いします。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 上鷺地域の利便性の確保ということでございますけども、この利便性の確保につきましては、地域での行政サービスの展開をきめ細かに充実いたしまして整備をしていく予定でございます。具体的に申し上げますと、区民活動センターにも自動交付機を設置するとともに、利用時間の延長を図る。それから、地方税もコンビニで納めることができるように準備を進めているところでございます。
また、先ほど、すこやか福祉センターの設置に関しまして答弁させていただいたこともございますけども、サービスの内容といたしまして、訪問等のサービスを充実いたしまして、施設そのものの立地によらないサービスも拡充していく予定でございます。
以上でございます。
○佐伯委員 ぜひ、地域から不満の出ないようによろしくお願いしたいと思いますけども。
10か年計画の最後に、都市計画マスタープランとのかかわりについて伺います。
上鷺宮地域の土地区画整理を施行すべき地域について、都市計画マスタープランでは、住民、土地所有者による将来像についての話し合いを重ね、地区のまちづくりのルールなどについて合意形成を図り、良好なまちの創出、緑豊かな住環境の保全・育成や敷地細分化の防止などを進め、暮らしやすいまちを実現しますと書かれており、一方、10か年計画では、適正な住環境の向上を目指し、土地区画整理事業をすべき地域となっている既定の都市計画を見直すことを含めて、住民の合意形成を図りながら、地域の特性を生かしたまちづくりに取り組んでいきますと、既定の都市計画の見直しという言葉が入ってきております。この両者はどういう関係にあるのか、御説明をお願いします。
○萩原まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 新しい中野をつくる10か年計画は、中野区の基本構想に基づく中野区の基本計画として、中長期的な目標と戦略を明示したものでございます。一方、中野区都市計画マスタープランにつきましては、都市計画法に基づく中野区の都市計画に関する基本的な方針でございまして、中野区基本計画に即して定められておりまして、両者は整合性を持つものとなってございます。
ここで言っております既定の都市計画を見直すことを含めてというこの表現につきましては、地域住民の合意形成を進めていく中では、さまざまなまちづくりの可能性があり、その中には土地区画整理事業を施行すべき区域の都市計画を見直すこともあり得るということを示しております。
○佐伯委員 都市計画マスタープランに書かれた緑化の推進、土地の細分化の防止、そこにはまさに生産緑地の保全などが重要な役割を果たすと思います。そうした中で、かねてよりマスタープランには、生産緑地地区については、その継続が困難なときは、立地条件を踏まえつつ、必要に応じて公共施設用地としての取得に努めますとありますが、ここ数年、生産緑地を区が買い取った事例はありません。生産緑地自体が残り少ない状況の中、区はどこまでこの生産緑地の保全ということを本気で取り組むのか、本気であれば10か年計画の中にもしっかり掲げるべきではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 生産緑地につきましては、都市内における貴重な緑地オープンスペースとして重要でありますので、その継続を図っていきたいと考えておるところでございますけれども、中野区では特別区長会を通じまして、生産緑地を保全する土地所有者の方の負担軽減を図っていくこと、あるいはそれが不可能なときに、区が買い取りをするに対して財政支援を図っていくこと、こういったことを東京都と国に対して要望しているところでございます。
それからまた、先般ですけれども、市街化区域を抱えております8区と、それから多摩の市、現在38自治体になっておりますけれども、都市農地保全推進自治体協議会を昨年設立してございまして、都市農地、市街化区域内農地の保全に向けた取り組みについて活動を始めているところでございます。
今後、中野区としましては、こういった動向も踏まえながら、生産緑地地区の継続をまず図るということも念頭に置きつつ、もし仮にそれが不可能な場合には、中野区として公園用地などとして確保していくといったようなところを図りたいと考えているところでございます。
○佐伯委員 ちょっとまだまだこの部分、議論したいんですけれども、すみません、時間の都合で、またいずれかの機会にお話をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、スポーツ振興についてお伺いをしたいと思います。
これにつきましては、今回の議会でもさまざま要望が出されております。ぜひぜひ真剣に取り組んでいただきたい問題だと思いますけれども、まず、区内四つのスポーツクラブ構想では、鷺宮地域について、その場所を中期・後期の再編対象校とする、すこやか福祉センターとの併設としながらも、先ほども議論しましたように、すこやか福祉センターを鷺宮南自転車駐車場に整備するということが10か年計画で打ち出されました。これらについての整合性はどのようになっているんでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) お答えさせていただきます。
現在検討しておりますすこやか福祉センター、地域スポーツクラブと、例えば介護予防なり、あるいは糖尿病対策なりといったところで、密接に連携をしていくということが必要であろうというふうに考えてございます。鷺宮地域におきましても、そういった考え、同じような考えに基づきまして取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
○佐伯委員 違うんです。それじゃ答えにならないんです。クラブの事業展開、この設立基本計画のところで、第4番目は鷺宮圏域の中期・後期の学校再編対象校を予定しているとあって、すこやか福祉センターとの併設施設として設置する予定であると書いてあるにもかかわらず、すこやか福祉センターが先にそういう計画を打ち出したということは、そのあたりはどういうふうになっているんでしょうか、この地域スポーツクラブ、鷺宮圏域のものについてはどうなっているんでしょうかとお聞きしたところなんですけど。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) お答えいたします。
この整合性につきましては、10か年計画を検討する中で調整をしているということになると思います。
○佐伯委員 検討しても、場所というのは限られるわけですよね。検討してという前に、どのような検討をするのか、ちょっとそれを具体的にお話をしていただきたいんですけど。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 施設の配置等につきましては、全体を見ながら調整が必要だと考えておりますので、そのような経過を見ながら決めていくことになると思います。
○佐伯委員 なかなか、何とも言えないんですけども。その場所についても早急にどのような方向にするのかを、基本方針を打ち出してもらいたいと思います。既にあとの三つの地域スポーツクラブについてはきちんと場所も決められているわけですから、一方でこのような方針を打ち出しながら、併設すべき施設が先に、先行しているにもかかわらず、スポーツクラブについてはこれから検討ということでは、やはり地域としてはなかなか納得のできないところではないかなと思いますけども。
クラブの目指す姿として、クラブの自助努力により収益力が強化され、自立した運営を行っているとあります。まるでスポーツ振興を民間に丸投げしているように思えます。一方で、区の施設では到底既存の民間スポーツクラブに施設面で勝ち目はありません。収益力が強化されるということは、それなりの費用を会員に負担してもらう必要があるわけで、なかなか身近で気軽なスポーツ施設とはいかないのではないかと思います。しっかりと行政の役割としてのスポーツ振興の場とすべきと思いますけど、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 区は法人に社員の1人として参加するということを想定してございまして、地域スポーツクラブの運営には当然そういう形で責任を持つことになると、そのように考えてございます。法人は区民のニーズを把握しまして、地域にふさわしい運営方針を明確にした上で、必要な業務につきまして委託契約を結ぶというふうなことを考えておりますので、決して丸投げとは考えてございません。区は法人の主体的な運営、これを支援するために、経費、施設等の負担を行いまして、行政としてのスポーツ振興の責任をきちんと果たしていくと、そのように考えてございます。
○佐伯委員 スポーツクラブ自体は一般社団ということですが、事務局から運営まで民間業者任せということです。では、ここに入る法人というのは一体どういう仕事をするんでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) この法人ですが、経営は社員総会と理事会の決定によって行うということになります。理事会が運営方針、それから経営方針を決めまして、専用拠点施設の管理運営、それから、スポーツ事業のノウハウの提供等は事業者にゆだねると、そのような形を考えてございます。
○佐伯委員 理事会が運営方針等を決めると言っているにもかかわらず、この計画の第7ページではもう規則まで書かれている。すべてが、こういったものが盛り込まれているわけですけど、本来、こういった規則、そういったものは、新しくできた法人が考えるべきなのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 必要な規則等は社員総会、理事会等におきまして法人自身が決めることになるかと思います。ここにあるのは基本計画でございますので、こういったものも内容に盛り込む必要があるだろうという程度の話でございます。
○佐伯委員 内容に盛り込む必要があるだろうではなくて、もう既にここに掲げられてしまっているわけじゃないですか、法人ができる前に。
また、法人の構成としては、区及び区民団体等から選出された社員、個人・法人とありますけども、ここでまた町会、PTAという名前が挙げられています。理事や社員の皆さんは有給でこの役割を果たしてもらうということでよろしいんでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 現在のところは、社員や理事が社員総会、理事会に出席するような場合等、これは実費相当分はやはり出す必要はあるだろうというふうに考えてございます。
○佐伯委員 給料を出す必要があるということですか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 決まった給料というふうには考えてございません。
○佐伯委員 というと、給料ではないということは、どういうような形で処遇するんでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 会議等に出席するには当然時間をとっていただく、それから、交通機関を使うということがありますので、そういった実費相当分を今考えているということでございます。
○佐伯委員 結局は、そうしますと、区役所なんかで行われている審議会とか評議員会とか、そういった程度のものしか考えていないということでよろしいんでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 現在のところはそのように考えてございます。
○佐伯委員 学校部活動への支援もうたわれています。部活動支援については、これまでも民主クラブでは、世田谷区での取り組みなどを参考に大学との連携なども提案してきました。また、外部指導員の充実、こうしたことについても区からの予算では現在も不十分で、秋以降はボランティア化してしまっている現状についても指摘をしてまいりました。そうした中、区では、東京都の外部指導員補助事業への申請を行っているのでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 外部指導員の補助金の関係でございますけれども、当該補助金につきましては、本年度は補助申請を行っておりません。
○佐伯委員 いろいろな補助金が東京都から適用されていると思います。都政新報でも417の部活動指定へということが、こういったことが掲載されました。本当に、資料でも出していただきましたけれども、今、中野の中学校の部活、多くの外部指導員が入っています。にもかかわらず、その経費というのは限られていて、今も言いましたように、秋には資金が底をついて、それ以降はボランティアという状況になっているにもかかわらず、どうしてこういったものに積極的に手を挙げようとしないんでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 本補助制度の正式通知が出されましたのが4月24日付でございました。既に4月当初で各学校に一律に予算の配分をしていたこと、また、都の補助制度につきましては、教職員の異動等の学校事情により発生する部活動の休廃部を外部指導員の導入により防止しようとするものでございますけれども、中野区の制度は休廃部のおそれの有無にかかわらず、部活動に外部指導員を導入する場合にその経費を負担するものということで、制度の考え方に違いがあることなど、今年度につきましてはやむを得ず申請を断念したものということでございます。
○佐伯委員 外部指導員の人材確保に苦労しながら部活動に対応しているという現状があると、この地域スポーツクラブ構想の中にも書いてあります。苦労の原因は、今言いましたように金銭的問題です。地域スポーツクラブによる部活動支援もいいですけれども、まず、外部指導員などによる現在行われている身近なところからの地固め、こうした補助金をしっかり確保する、そして、その財源を確保していくということが先に求められることではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 今後、平成22年度予算編成に向けまして、どのような制度の工夫ができるかを検討し、補助金の確保に努力をしていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 ぜひお願いします。そのほか私が記憶している中でも、部活動推進校とか、そういった予算も東京都のほうからは今出されているんじゃないかなと思いますので、そういったものも含めて、ぜひ、せっかくついてくる補助金ですから、そういったものに対して積極的に手を挙げていっていただきたいと思います。
さらに、地域スポーツクラブから部活動に対して指導者を派遣するということが書かれております。これは年間を通して指導者を派遣するのか、また、どのくらいの予算を予定して、だれがこれを負担するのか、さらには、今言いました既存の部活動の外部指導員、この皆さんとの均衡というのをとれるとお考えなのかどうか、お聞かせください。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 学校運動部活動の指導者派遣ということを地域スポーツクラブでやるということを考えておるわけですが、これは指導者にふさわしい方、これを地域スポーツクラブ登録のような形でプールしておきまして、学校からの要望に応じて派遣するというような形を想定してございます。学校運動部活動支援ということにつきましては、区の事業委託を考えておりまして、その場合には委託料という形で区が負担するというようなことになるかと思います。
○佐伯委員 ですから、そうした場合の報酬などについて、現在、一生懸命外部指導員として試合にもついていってくれる、試合のときにも指導をしてくれる、そういった方と、ここで言う派遣する指導員、この待遇上の均衡というのは図ることができるんですか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 対応上の均衡あるいは報酬につきましては、これから検討ということになります。
○佐伯委員 そういったことをきっちりと考えていかないと、外部指導員なんかみんなやる気なくなっちゃいますよ。本当に一生懸命ボランティア半分でやっているのに、地域スポーツクラブから人が派遣されてきて、そっちの人が高い報酬をもらっていたなんていうことだったら、何のために自分たち――もちろん地域のために皆さん一生懸命やってくださっています。そういったあたりもきちっと考えた上で、こういった方針というのは打ち出していただかないと困るかなと思います。
さらに驚いたのは、トッププロとして活躍する選手、OBやオリンピック選手育成監督による指導、デモンストレーションの授業、元プロ選手の招聘などとありますけども、こういったことについても、昨日、芸能人のところでもお話をしましたけれども、やはりこういった皆さんに参加をしていただくということは、相当な金額を用意しなくてはいけないことだと考えております。そういったことについて、区が補助事業として資金を出していくのか、それとも法人が出すのか、どういった方向でこういったプロを呼んでとかということというのはお考えなんでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 指導力、競技力向上のための一つの手段として、こういった一流選手との交流というようなことを例に挙げたわけでございますが、実施するためにはさまざまな工夫が必要だろうというふうに考えてございます。具体的な経費につきましては、今後さまざまな人材派遣補助の制度の利用なども視野に入れまして、法人全体の運営を検討する中で考えていきたいと考えております。
○佐伯委員 こうやって聞いてきますと、報酬とかそういった面については、ほとんどまだ考えられていないというのが現状なのではないかなというような気がしております。
そういった点で、やはり人材を、一生懸命人材を、人脈を利用してということというのはこれから求められてくると思うんですけれども、例えばこれは11月22日、哲学堂で東洋大学の野球部が来て野球教室をやってくれるということが掲載されております。御存じの方も多いかと思いますけども、東洋大学の2年生、今、中野区の少年野球出身の子がきのうも代打で出てきました。そのほかいろいろな人脈をたどっていけば、この夏甲子園に出た帝京高校の子も中野の少年野球の出身です。さらには、楽天がことし3位ドラフト指名した彼は若宮小学校出身で、これも中野の少年野球出身です。そういった人脈というものをしっかりと押さえていけば、何も区がお金をいっぱいかけてということはなく、そういった人脈で押さえて、いろいろな指導、子どもたちがそういった姿を見て、自分も頑張ろうなというような気になってくるんじゃないかなと思います。
ちなみに、昨年は区長にも北中野中学校のラグビーの試合を見に行っていただきましたけれども、ことしのラグビーのアンダー20、世界選手権、ワールドカップが日本で行われました。日本の最初にトライを決めたのは、彼は北中野中学校のラグビー部の出身です。
さらには、学校が一生懸命努力してやっているという例もあります。ヤクルト球団が今、選手を学校に派遣して子どもたちとの交流、野球というのはやはり体質が古くて、こういったことをなかなかやってこなかったんですけども、サッカーが一生懸命やるから、今、ヤクルトなんかがそういったことを行っています。学校が、先生が直接そういったことに申し込んで、ヤクルト球団に来ていただいた学校もあるようです。さらには、ことしの2月、上鷺宮小学校でマラソン大会が行われました。そのときに、自分の教え子だという、6年生の担任の先生の教え子だという神奈川大学の駅伝クラブの選手が来ました。
そういった人脈というのをしっかりと押さえて、そういったことを常に区が、担当がアンテナを張っておいて、そういう人脈を使っていけば、何もこうやってプロを呼んでお金をいっぱいかけてということではなくて、子どもたちがトップアスリートとか一流選手と触れ合える機会は出てくるんです。ぜひそういったことを検討していただきたいと。そういったことで子どもたちが本当にスポーツを一生懸命やろうという気持ちを起こさせる、そういったことを考えていっていただきたいなと思うんですけど、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 先ほど申し上げましたさまざまな工夫というのはそういったことも含まれてございまして、そういったことを、できるものはみんなやってみようと考えてございます。
○佐伯委員 ぜひお願いしたいと思います。
次に、学校開放事業について伺います。
学校の校庭開放事業というものは、今、正直言って惨たんたるものです。ぜひ皆さんにこの現状を御理解いただきたいと思いまして、資料を用意していただきました。文教の資料96です。これは私たち現場にかかわっている者として、皆さんの資料には色がついていないと思いますけども、事前にインターネットでこういった抽せん枠が公表されます。抽せん枠Bというのは区内北部で、環七から西の8校が対象となります。その中で、番号が振ってあるところが実際に抽せんでくじを引いて、くじで早い順番を引いた人が場所をとっていくわけですけども、この10月、11月を見たときに、例えば鷺宮小学校、開放はするものの、下に注意書きがあります。体育館の耐震工事のため、一部制限あり。啓明小、10月は芝生養生のため使用不可。北原小、冬芝養生のため、11月8日までは使用不可。大和小、これは少年サッカー連盟が試合のために使用。若宮小、芝生養生のため、ほぼ使用は不可。武蔵台小、開放はするものの、10月中は芝生養生のため、校舎側の土の部分、本当に校庭で言えば4分の1ぐらいですよね。西中野小、少年野球連盟の試合で使用すると。
ということで、本当にまともにグラウンドを抽せんでとって使えるというのは、この8校の中で上鷺宮小学校だけなんです。こういった現状について御担当はどのようにお考えでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、特に10月、11月のとりわけ球技開放抽せん枠Bの北部のほうにつきましては、芝生養生校がふえてきたなどにより、昨年同時期と比較いたしましても枠が減っているというふうに考えてございます。
○佐伯委員 減っているというか、ほとんど活動ができないという状況に陥って、そういったことに近いと思います。そして、この抽せん、各団体の保護者の方が、人によっては仕事を休んで交代で来ますから、参加しているわけですけども、先日の抽せんには実際に何団体が参加したんでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 少年野球で6団体、サッカーで4団体、計10団体が参加していただきました。
○佐伯委員 6団体と4団体ですけど、実際にはその団体の中で、人数で何チームも来ますよね。ですから、実際に何人来ていたのかということをお聞きしたいんですけども。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) ちょっと計算があれですけど、四、五十人というところでございます。
○佐伯委員 そうでしょう。四、五十人の人がこれだけの枠しかないところを争うわけですよ。しかも、中には仕事を休んで来る方もいます。10月については冬芝の養生ということで使用はできないわけですけれども、これは芝生化前から想定されていたことなのでしょうか。また、今後は10月、11月というのはずっとこういう状況になってしまうんでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 芝生化するときの説明会でも御説明したところなんですが、冬芝の養生期間というのは毎年必要となってございます。したがいまして、今の技術では、今後もこういう状態は変わらないというふうに考えております。
○佐伯委員 そういう状況ですと、今後、スポーツの振興とか体力の向上というのは、とてもこの期間は望めないと思うんですけども、そういった点についてはスポーツ団体にはどのように説明をしているんでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校の芝生化を行う前に、PTAあるいは地元町会と同時に、その説明会では少年スポーツ団体の方にも参加していただき、説明しているところでございます。また、できてからは、芝生維持運営会議などにも参加していただいて、御協力をお願いしている状況というところでございます。
○佐伯委員 なかなかこういった厳しい現状であるということをぜひ踏まえていただいて、本会議でも新しいスポーツの場と、いろいろな質問が出ました。ぜひ、そういったことに積極的に取り組んでいただきたいと思うんですけども。
さらには、中野区は施設が少ないということは再三教育委員会の方も言っていらっしゃいます。この生涯学習スポーツガイドブックに、一番後ろのほうに学校施設についての開放状況が掲載されています。その中で、小学校の体育館で未開放の学校がありますけども、それはいかなる理由なんでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 未開放校は4校ございますが、体育館が校舎の中にあるなど、そういったような構造上の問題があるなどによって、一般開放をしていないという現状でございます。
○佐伯委員 校舎の中にある学校じゃないところも一般開放していないところがあるんじゃないですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) それにつきましては、近隣との関係で開放ができていないといったような状況でございます。
○佐伯委員 スポーツ施設が少ない、足りないということを再三言っているわけですから、近隣との関係、そういったものを積極的に改善して、そして、こういった施設の利用を拡大していく、これもやはり教育委員会の務めではないかと思いますけど、その点についてはいかがお考えですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校施設の利用状況あるいは近隣との状況を踏まえまして、利用枠の拡大の可能性については今後探っていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 どう聞いても積極的な答弁だとは思えません。ぜひ、限られた施設なんですから、そういったところに――学校の先生、校長先生、副校長先生はやっぱり地域とのあつれきというのを考えるから、なかなかそういったところにみずからは出ていこうとしませんよ。もちろん地域で我々は積極的な働きかけはします。そういったところではやはり教育委員会が主体となって、ぜひこういったことを進めていただきたいと思いますけれども、お願いします。
そこで、私は、そういった学校が閉鎖的になる、開放事業が進まないという背景には、この開放事業がもともと生涯学習担当にあったにもかかわらず、学校教育のほうに移ってしまったことが大きな原因だと思います。やはり学校教育分野は学校の側に立たなきゃいけない場面もあるのではないかと。一方、生涯学習は地域、区民のスポーツ振興ということで、積極的にそういった団体とのかかわりもあるし、いろいろな面で、学校がちょっと閉ざした部分でも、何とかしてくれないかというような要望を出すこともできると思うんですけども、そういった点で、なぜこの学校開放事業が生涯学習から移ってしまったのかをお答えください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 従来、目的外使用というものは、旧学務課と言うんでしょうか、学校教育分野が担当し、学校開放は生涯学習がやっていたというところがあります。その辺の窓口を一元化するために、学校開放事業も学校教育分野に移管したというふうに聞いてございます。
○佐伯委員 生涯学習分野に戻す、そういったおつもりはございませんか。
○田辺教育委員会事務局次長 学校開放につきまして学校教育分野で担当している理由は、今、副参事がお答えしたとおりでございます。学校の施設の開放状況ですとか、地域との関係ということを考えますと、学校教育担当で一元的に事務処理をしていくというほうがふさわしいというふうには存じておりますが、今、るる御質問がありました地域のスポーツ振興という点につきましては、私どもも今後も精いっぱい努力をしていきたいと思っておりますし、生涯学習との関係では、教育委員会の中で連携を密にしまして、これからもさまざまな努力をしていきたいというふうに思っております。
○佐伯委員 今、るる御答弁がありましたけども、やはり積極的にこういった開放を進めようと。そしてもう一つ、心のある、本当に地域で使う、使ってもらう、スポーツ振興をするという、そういう思いというのを持ってもらいたいんです。
先ほど皆さんに見ていただいたこの資料です。ここを見てください。西中野小学校の10月25日、少年野球で試合で使うということがここに掲載されています。にもかかわらず、下の工事のお知らせ、西中野小学校、平成21年10月25日、サッカーゴール使用不可と書いてあります。少年野球が使うとわかっているところで、何でサッカーゴール使用不可なんて、こういったことが書かれているのか。こういったところも今、事務的なこととか、いろんな、次長から答弁がありました。しかし、こういったことがだれも気がつかないで、少年野球から見てもサッカーのチームから見ても、何で少年野球が使うのにサッカーボール不可なんてことをわざわざ書いておく必要があるんだと。こういったところにやはり心が通っていない、私はそういうふうに思います。そういった点では、ぜひ、この開放事業をより積極的に進めていただくようにお願いをしたいと思います。
時間もなくなってまいりましたので、最後に、新しいスポーツ施設計画について伺います。
平成20年度は上野原スポーツ・学習施設の売却が行われました。記録を見直せば、平成2年から始まったこの話もついに終止符を打ったわけですが、だからといって区内の中野のスポーツ施設がふえたわけではありません。昨年の建設委員会で、妙正寺川公園運動場の本格整備が始まるという報告がありましたが、その後の進捗状況はいかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) お答えいたします。
妙正寺川公園は、新宿区と中野区が共同で整備していくことになっておりまして、現在、新宿区と改修の基本的方向性を確認しながら、協定書等を締結する協議を行っているところであります。早期に整備できるよう努力していきたいと考えているところでございます。
○佐伯委員 このグラウンドの早期整備については、中野区少年サッカー連盟から区長あてに要望が出されていると思います。10か年計画では、区内にサッカー場や少年野球場などの新たなスポーツ施設の整備を図るとともに、既存の施設については、安全性と利用機会の拡大を目的とした整備改修を行いますとありますが、現在、妙正寺川公園は、少年野球とサッカーで交互に利用しています。この二つのスポーツ施設をつくると、サッカー場と少年野球場をつくるという10か年計画に掲げられていることが、この妙正寺川公園1カ所でサッカーも野球もできる場所をつくるという意味ではないと私は信じたいんですけど、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) サッカーや少年野球が多目的に使用できる公園等の整備でございますが、妙正寺川公園の運動広場の整備とは別に、今後、南部地域で予定している大規模公園等との機能分担を考えながら、整備をする方向で検討しているところでございます。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
利用機会の拡大ということであれば、冬に雪が降れば長期閉鎖を余儀なくされる哲学堂グラウンドの人工芝化、こういったものも実現していただきたいと思いますけど、いかかでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 哲学堂公園の改修は、現在、10か年(第2次)の素案ではステップ3に位置付けられておりまして、野球場の人工芝化も視野に入れているところでございます。
○佐伯委員 ぜひお願いしたいと思います。
私ども最近、首都高速、中台から乗ることが多いんですけれども、ずっと東のほうに向かっていきますと、荒川沿いに一面グラウンドがあります。それを見るたんびに、私は車に乗っていて、うらやましいなと思います。いろいろ、例えば二子玉川の近くには、国土交通省との契約でしょうか、渋谷区のグラウンドがあります。区長は本会議で、新しいスポーツの場、可能性を探る、こういうことを御答弁がありましたけれども、河川敷とか、そういったものを利用した、ほかの区が国土交通省との約束でそういう場を確保している、そういったことも参考にしながら、新しいスポーツの場というものを考えていっていただきたいなと思うんですけども、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) お答えいたします。
区民の利便性等からも考えますと、区外にスポーツ施設を整備するというようなことは考えにくいかと思いますが、今後、改定されます10か年計画に基づきまして、順次スポーツ施設が整備できるように、さまざまな努力をしていきたいというふうに考えております。
○佐伯委員 利便性を考えるとといいましても、河川敷までなんていうのはすぐじゃないですか。スポーツをやる人は一生懸命行きますよ。そういったところで場所を確保していく。区内に確保するといったって、限りある中野区の面積ですから、なかなかそうはいかないと思います。ぜひ発想の転換を図って、そういうスポーツの場を確保することを努力していただきたいと思いますので、最後にそれをお願いいたしまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。
どうも長時間にわたりましてありがとうございました。
○いでい委員長 以上で佐伯利昭委員の質疑を終了します。
次に、吉原宏委員、質疑をどうぞ。
○吉原委員 平成20年度決算特別委員会総括質疑におきまして、自由民主党議員団の立場で総括質疑を行います。
まず、1番目、通告順どおりにいきます。1番、震災対策について。これは各担当にそれぞれお聞きするんですが、最後に区長に総括的な意味で御答弁をいただくつもりでございますので、よろしくお願いをいたします。
まず最初に、この3カ月ばかり地震が大変多くございました。7月最後の地震なんかは、明け方5時ですか、東京震度4、静岡に大被害をもたらした地震があります。私もあのとき布団の中におりまして、最初少し小揺れで、多分大丈夫だろうという感じでいたんですけども、揺れが強くなりまして慌てて飛び起きて、ああ、これが首都直下型だったら、今ごろがれきの下なのかななんて思ったりしたわけでございます。自分でも反省しなければいけないなと思うと同時に、やはり同じような気持ちを持たれた方々が多いんじゃないのかなと感じるわけですね。
自分ちの建物だけは大丈夫だとか、多分大丈夫だろうとか、自分だけは多分生き残るとか、そういうことを皆さんだれもが、区民が一人ひとり心の中でじっと思っていると、震災の話なんか全く進んでいかなくなっちゃうわけでして、どうしても防災・震災対策を考えるときには、ライフラインは全壊、建造物は全倒壊、そして、30万区民は30万被災者になるという、最悪の事態を想定して対応しなければいけないのかなとつくづく思うわけでございます。
それで、震災・防災対策の考え方として、今、大体、今現在から震災の瞬間までを前半としまして、震災の瞬間から復興にかけての道のり、これを後半としますと、やはり前半の部分の対策がかなり多いと思います。防災特区でもやはり前半なのかなと。やっぱり震災の瞬間から復興までの段取りとか、材料とか、そういうのがあまり話し合われた記憶もないし、庁内で話し合われているような感じもしないのが現状なんだと思います。
そこで、やはり今現在から震災の瞬間まで、防災に強いまちづくりという部分を一生懸命やるのも、これは大いに進めなきゃいけないものでありますし、後半、震災の瞬間から復興までの道のり、段取りというのを同時に、前半と後半両方バランスよく議論に呈して、特に後半はおくれがちな部分がありますから、重点的に話を進めなければいけないなと、こういうふうなことを思うわけでありますが、理事者の方におかれましてはどのような判断をしておられますでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員御指摘のとおり、委員が今おっしゃいました後半の部分、震災の発生以降の対応につきましては、重要な課題であるというふうに認識もしてございますし、区としても一定の取り組みをしてきているところでございます。
○吉原委員 阪神・淡路大震災の教訓というのが、首都直下型の地震として、東京が待ち受けるものがやっぱり首都直下型の大地震ということになります。そういう面では、非常に数少ない前例といいますか、この阪神・淡路の教訓を極力生かし切れるかどうかというのが、いざというときの明暗につながってくると思うわけであります。そこで、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた上で、震災発生後の対策、大きく分けて、わかりやすいものをピックアップして伺っていこうと思います。例えば飲料水、食料、生活用水、入浴、仮設住宅、自殺や孤独死がかなり多くあのときも発生しておりましたが、被災者のメンタル的な部分の関係ですね。
まず、飲料水と食料に関してお伺いするわけなんですが、阪神・淡路のときには、飲料水と食料というのはあんまり問題にならなかった記憶がございます。私たちも阪神・淡路が起きる前までは、まず最初に飲料水、食料、これが必要になるんじゃないかなと思って、バッグの中に詰め込んだり、乾パンをですね。そういうふうな準備をした経緯があるんですが、阪神・淡路のときには大丈夫だったような気がいたします。中野区、首都直下型の場合はどのような対応になるのか。規模も全然違うと思いますので、お聞きいたしたいと思います。まず、飲料水、食料別々に、飲料水のほうの確保はどうなっていますでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) まず、飲料水につきましては、断水ということがあったということが前提でございますけども、まず、家庭内の備蓄、これを啓発しているところでございます。3日分は確保してくださいというところでございます。私ども行政機関のほうの対応といたしましては、まず、小・中学校等の各避難所、50カ所ございますが、そちら、まず、受水槽に残っている水、これを飲料水として使いたいというふうに思ってございます。これ以外には、区内の3カ所に小規模の応急給水塔というものがございます。それからさらに、隣接区の給水拠点、これは東京都の水道局が管理をしているものでございますが、こういったところから取水をいたしまして、避難所50カ所におきまして飲料水の給水を行うということになってございます。
また、これでもさらに不足するという場合に備えまして、公衆浴場組合の中野支部と給水の協力に関する協定を結んでございます。またさらに、いざというときに備えまして、避難所には防災井戸がございますし、また、多くの小・中学校にはプールがございますが、この水も飲料水としても利用できるようにということで、避難所に浄水器、それから、水質検査の用品を配備しているというところでございます。
食料につきましては、もちろん各家庭内での備蓄もお願いをしているところでございますが、行政の役割といたしましては、まず、東京都と区の役割分担がございまして、区が震災発生当初の1日分を調達するという責任を負ってございます。2日目以降の食料の調達につきましては、東京都が広域的な見地から調達・備蓄をするということになってございます。以上でございます。
○吉原委員 国のほうの支援は、飲食に関しては特にございませんか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 食料品につきましては東京都がというふうになってございますが、東京都の調達先も国の東京食料事務所等で備蓄してあります多数の米、こういったものを想定しておりますので、当然、広域的な全国からの救援ということで国が一定の役割を果たす、その要請を行うのは東京都であるというような役割分担でございます。
○吉原委員 となりますと、今現在の段階では、ほぼセーフティーの枠の中にあるというふうに判断してよろしいでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 十分おいしい食事がたくさんあるかという点ではさまざまあるかとは思いますが、最低限の食料、必要なものは確保しているという状況であるというふうに考えてございます。
○吉原委員 実際経験したことがないものですから、実際にどうなるのかわからないんですが、いろいろ協議された上でのことだろうと思います。今現在では十分ということにしておいていいのかなという感じがいたします。
それで、次に生活用水の確保、これは私も一般質問で何回か取り上げまして、阪神・淡路大震災のときにやはりテレビで一番最初に報道していたもの、飲料水は大丈夫だったと、そして、生活用水が大変だったと。トイレの洗浄の水、洗濯の水、その関係ですね。それが非常に厳しかった。まず最初に被災者がぶつかるハードルだったというのは、だれもが記憶に新しいんじゃないかなと思います。それで、私も何回か生活用水の確保、まず最初は生活用水だということで質疑をさせていただいて、そして、防災拠点に関しましても、井戸を整備すると、たしか区長が御答弁いただいたのを覚えております。その辺も含めまして、生活用水の確保は今現在どのような準備といいますか、段取りになっていますか、改めてお答えください。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 生活用水につきましても、もちろん各御自宅での確保、これをお願いしているところでございます。具体的には、おふろの水はすぐには抜かないで、次のときまではためておいていただくと、これが水洗トイレ等にお使いいただけるということでございます。行政機関といたしましては、断水が前提でございますけども、断水した場合に備えまして、避難所となっております小・中学校や、あるいは防災広場に防災井戸を設置しているところでございます。これ以外には、民間、個人宅の中で井戸をお持ちの方がいらっしゃいますので、その方と協定を結びまして、手動ポンプを設置し、そういった災害時には御近所の方に生活用水を分けていただくということでお約束をいただいているところでございます。
○吉原委員 それでは、生活用水に関してもほぼ今、安全圏内にあるという考えでよろしいですか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 飲料水は1日1人3リットルを目途にということでございますが、生活用水は、水洗トイレ、おふろ、洗濯と考えますと、相当量の水が必要になるかと思いますので、生活用水につきまして、今申し上げたような用途ということを考えますと、全くもって大丈夫ですというところには至っていないとは認識しております。
○吉原委員 確かにおふろがやっぱり生活用水の中でも大量に使う湯水と。しかも、水だと話にならないという部分がありますので、生活用水の中から入浴の水は、お湯はちょっと別扱いで考えなければならないと考えております。
それで、次にその入浴なんですね。これも阪神・淡路大震災のときには、被災してから何日かたってヘリコプターがお湯とおふろを持ってきて、ようやく何日ぶりに被災者が入浴できたというのをテレビで放映していたのを覚えています。これが一番調達しにくい、難解なものなのかなという感じではいるんですが、入浴の機会の確保はどうなっているのでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 基本的には各御自宅でということでございますが、それはライフラインが復旧していることが前提でございます。ライフラインが十分復旧していない状況につきましては、まずは公衆浴場、これが一定優先的なライフラインの復旧でございますね。この場合は井戸水が確保されていることが前提、あるいは水道水の確保ということが前提でございますが、その公衆浴場の復旧状況につきましては、区民の皆様にお知らせする計画になってございます。
区としての具体的な入浴の機会の確保ということにつきましては、現在の地域防災計画の中では具体的なことは定めてございません。
○吉原委員 地域防災計画の中で具体的なことを定めていないというのが一番大きな問題点なのかなという感じがいたします。どこの自治体も大変にこれは苦しんでいることじゃないかなと思うんですが、100%ライフラインが崩壊している想定で物事を考えなければならないわけでして、阪神・淡路のときも、自衛隊がおふろとお湯を持ってきたというのも、おけと、そして、燃料セットですか。それで、ごくわずかな部分での対応だったと思います。これは非常に、今、調達できる部分が全く見えていないものでありまして、防災会議でそれだけ明確にされていないということは、手の打ちようがないものなんじゃないかなと思うわけでして、この件に関しましてはまた後ほど触れさせていただきます。
次に、仮設住宅の確保なんですが、これも阪神・淡路大震災のときに初めて仮設住宅というのを真新しく見たような感じがいたします。そして、これはライフラインが復興してから、しばらくしてから、安定したときから必要になってくるものなのかなという感じはするんですが、ただ、阪神・淡路の教訓からして、どこの地域に、例えばA地区、B地区、どのぐらいの規模の大きさのものを何棟建てるとか、その辺の確保の部分はいかがなっていますでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 仮設住宅につきましては、災害の規模によりますけども、災害救助法が適用された場合でございますが、区長が東京都知事に設置を要請するということになってございます。何戸建設するかにつきましては、そのときの災害の規模、家屋が倒壊した方の規模、そういったことに応じて決められるということでございます。なお、中野区内の建設予定地につきましては、広い区立公園等をあらかじめ指定しているというところでございます。
○吉原委員 そうなりますと、中野区で用意はしなくていいと。その都度、東京都のほうに要請して、東京都で用意していただけるものと、このように考えてよろしいんですか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 災害時の役割分担におきまして、区長の要請により東京都が設置をする責任を負っているということでございます。
○吉原委員 そうなりますと、これも阪神・淡路大震災の教訓として、一番最後に記憶に残っているといいますか、仮設住宅が設置されて、しばらくそこに住んでいて、復興のめどが全く立たない、職場も失い、家族も失い、自分が生きているだけ、仮設住宅の中という状況の中で、躁うつになられる方も多々いらっしゃったんだろうと思います。自殺していかれる方が続出したというのが非常に印象深く残っております。これが阪神・淡路の最後の教訓の部分で、何とかしなければ、防がなければならない部分なのかなという感じがするんですが、こういう、いざ発生したときの被災者たちの精神面、あと、心のケア、メンタル的な部分での体制は整っているのでしょうか。
○大石鷺宮保健福祉センター所長 震災後に一定の時間がたってからの被災者の孤独などの問題には、地域とのつながりを含め多方面からの取り組みが必要であると考えますが、専門的なケアといたしましては、保健福祉センターを拠点に精神保健相談を行うとともに、仮設住宅等での巡回精神保健相談を実施する予定としております。
○吉原委員 以上が阪神・淡路大震災のときの教訓的な部分の中でも非常にわかりやすい部分だけをピックアップしてちょっとお尋ねしまして、今、現状どうなっているのかなという部分をお聞きした次第でございます。早い話が、現状、今お聞きしたことで、首都直下型大地震を待ち構えるといいますか、待ち構える材料をお聞きしたということになると思います。
そして、今お聞きした中でやはりどうしても見えない部分もあります。やはり入浴の対応の温水の部分、これは全く明白になっていない部分がありまして、そういう部分を考えますと、今までの防災の考え方として、今現在から震災の瞬間までの前半に比べますと、震災発生時から復興に向けての段取りという部分が、やはりまだ十分な対策がなされていないんじゃないのかなという感じが現実問題としていたしておるわけでございますが、そのことに関して何か御答弁をお願いします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 震災後の対策につきましては、私どもの中野区の地域防災計画や中野区震災復興マニュアルの中で定めているところでございますが、ただいまいただきました委員の御指摘も踏まえまして、今後、さらに内容を深めてまいりたいというふうに考えてございます。
○吉原委員 この中でやはり明らかに欠いているものというのが入浴のときの温水なわけですね。これはやはり公衆衛生上非常に大きな問題となってくるわけでして、阪神・淡路のときも各地域でこれが大きな問題になったとインターネットでも出ておりました。自衛隊も入浴のお湯を初めて設置したのが震災の発生日から8日たってということでございます。こういう段取りになってきますと、やはり区民の人たちも現実問題、非常に厳しい公衆衛生上問題に立たされるわけでございまして、かといって、井戸水を使ったカラスの行水とか、週に1回程度の自衛隊のおふろで我慢してくれということは、区民は納得しないと思うんですが、その辺はどう考えますか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 大災害のときでございますので、私どもといたしましては、避難者の方への対応につきましては、まず、飲み水の確保、食料の確保、トイレの確保、寝る場所の確保などを優先して考えているところでございます。しかしながら、区民の方のおふろに入りたいというお気持ち、あるいは公衆衛生上の問題、これは当然理解をしなければならないところであるというふうに考えてございます。
○吉原委員 やはり思うのですが、入浴用の温水を区独自で確保することがもしできれば、復興までの年月、阪神・淡路がライフライン復興までに3カ月ぐらいかかったと、公衆浴場が使えるまで3カ月ですか、かかったという記録もあります。こちらの首都直下型大地震になった場合は、阪神・淡路の比じゃないと思いますね。被災者もやっぱりけたが一つ軽く飛んで、行き過ぎるぐらいな被災者が出る可能性が高いわけでして、そして、ライフラインの復興も阪神・淡路ほど簡単じゃないと思います。3カ月より早く終わるとは到底思えませんし、やはり長くかかるのではないかなと思うんですが、何とか区独自で入浴の温水を確保することに成功すれば、復興までの数カ月、3カ月なら3カ月、半年なら半年、被災者の人たちは人間らしい生活を最低限営めるんじゃないかなと思いますが、どう思いますか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員おっしゃるとおり、過去の阪神・淡路大震災等におきましても、自衛隊のおふろ、あるいは神戸近隣の有馬温泉や城崎温泉、そういったところの旅館組合が被災者の方を入浴ツアーにお招きしたというようなことで、被災者の方から非常に生き返った気分になったというようなお声があったということは多数聞いてございます。そういう意味では、入浴の機会をできる限り確保していくということは必要なことだというふうには認識はしてございます。
○吉原委員 それで、自衛隊の皆さん方の活躍、入浴支援という部分では非常に協力していただいて、ありがたいとは思います。そこで、自衛隊の方々もまず、それ以前にやることが多々あろうかと思います。例えばがれきの下に埋もれている、消防署、消防団では救出できない特殊な状況下の方々を人命救助したり、あと、復興に一日でも早い段取りをしていただかなければならないという部分もありますので、極力温水の調達は、その分区独自で取り組む姿勢が必要なのではないかなと思いますが、その点いかがでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 確かに委員おっしゃるとおり、自衛隊がおふろを持ってきたという事実はございますが、まずは人命救助や倒壊した建物等の復旧作業などが第一の任務であろうというふうに認識をしてございます。私ども現在の計画では、まずは公衆浴場を早く復旧させる、あるいはライフラインを復旧させるということが重要であるというふうに考えてございますが、何らか対応策があるのかということについては、研究はしてみたいというふうには思います。
○吉原委員 阪神・淡路大震災では、地震発生後8日目になって初めて自衛隊が入浴セットを用意されたということでございます。量的には十分でなかったという記録も載っております。自衛隊の入浴支援に関する記録があるんですけども、当時、全部で21カ所に24個セットの、自衛隊保有数の80%に上る入浴セットが被災者に提供されたと。その分、自衛隊の方々はおふろに入れずに、海上自衛艦艇のほうに入浴支援を受けていたという記録が出ております。
また、あるところではおふろセットが一つだけであったために、男女が交互に入浴するという事態で、非常に厳しい状態が発生したと。そして、ある小学校では、ある曜日は男性専用、ある曜日は女性専用で、ある曜日は男性でも女性でもなくて要介護の方々専用と決められて入浴支援が行われたという記録がございます。そういう意味では、浴槽は男女一つずつでいいのかなと思っていたんですが、要介護の方々専用の浴槽も必要になるのかなということが読み取れるわけでございます。
以上の関係で、なかなか数的にも非常に難しい部分があって、阪神・淡路のときの被災者の数と比べると、やはりけたが一つ軽く上回るという状況を考えますと、自衛隊の方々の御厚意に頼るのは限界があって、まず、非常に厳しい状況、希望どおりの入浴にありつけるといいますか、被災者に提供することはほぼ絶望に近いんじゃないかなと、こう思うわけでございますが、その辺はどう思いますか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 大震災発生の際には、中野区内でも50カ所の避難所を開設する想定でございますので、今、委員がおっしゃいました、阪神・淡路で21カ所自衛隊ということから考えますと、中野区だけで50カ所の避難所でございますので、なかなか十分な量とは言えないというふうには考えてございます。
○吉原委員 そこで、質問の角度が少し変わるんですが、提案型の質疑をさせていただこうと思います。非常に、代替案がどうしても見つからない以上は、やっぱり提案型で、うまくいくいかない、できるできない、全く別問題で、代案がない以上は、どのようなものでも検討して、検討材料として用意しなければいけないんじゃないのかなという思いから、提案型の質疑をさせていただきたいと思います。
角度は少し変わるんですが、箱根の保養施設の、同じ温泉であるというわけじゃないんですが、シェモア仙石は現在どうなっていて、今後どうなる予定ですか。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) シェモア仙石でございますけれども、この土地・建物につきましては、平成17年4月から民間事業者に宿泊事業を運営することを条件に貸し付けておりまして、現在、民間事業者が宿泊事業を行っているものでございます。昨年度、事業の見直しを行いまして、シェモア仙石の設備の老朽化に伴いまして、宿泊事業を今年度末で終了し、売却することとしております。現在、土地・建物の売却に必要な手続を進めておるところでございます。
○吉原委員 たしか今年度中に営業停止で、来年度以降売却という話は確かに伺っております。区民からもやっぱりなじみの深いものだっただけに、このことについて区民から何か意見などは寄せられておりますか。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) これにつきましては、平成21年度の予算に関連いたしまして、区民の方から1件意見が寄せられてございます。内容といたしましては、宿泊事業を廃止し、土地・建物を売却することに賛成の意見ということで、その他については特に意見は寄せられてございません。
○吉原委員 シェモア仙石売却後の代替措置というのは何か検討されているんでしょうか。ほかにシェモア仙石と同じようなものを予定しているとかですね。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) それについては特に検討はしてございません。
○吉原委員 そこで、先ほどの温水の確保という部分もあるんですが、今年度でシェモア仙石がなくなるわけでして、そうなりますと、中野区内、区民の皆さん方の憩いの場が今年度でなくなると同時に、あくまで提案なんですが、中野に(仮称)シェモア中野というような、早い話が、ライフラインに影響を受けない温泉を掘って、いざ有事のときにはその温水を中野区じゅうの被災地に搬送すると、そういう部分も、全く代替案がないわけですから、その辺も十分、代替案があればいいんですが、そういうものをやっぱり、あくまで提案です。やれるやれないは関係ないんです。できるできないがありますので。ただ、それを、もちろん中野区でやる必要はありません。委託、いろんな方法があると思います。中野浴場組合に委託を検討するもよし、三セクもよし、プロポーザルもよし。そういう形も検討せざるを得ないのかなと、代替案がない以上はですね、思うわけでございますが、そのことに関してはどのように思いますか。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) 御提案の温泉を掘りまして区民浴場を設けるとなりますと、やはり温泉の掘削費、施設建設費、施設維持費等が必要となることから、かなりの財政負担が生じるということがあるかなというふうに思いますので、採算性というものを見きわめる必要があるかなというふうに考えております。
○吉原委員 確かに現時点ではそう判断せざるを得ないと思います。あくまで提案という形の質疑でございますので、ぜひともそれはお考えいただいて。やれとかやるなとかいう性質のものではございません。ただ、代替案がない以上は、代替案があればお示しをいただきたいし、それがどう考えてもないわけでして、それはやっぱり材料としてどこかに置いておかなければ、いい材料悪い材料はありますが、料理はできないということになってきますので、その面をちょっとお話ししたかったわけです。
ただ、これが、どういう部分がまたほかに波及効果があるかといいますと、中野区に整備されれば入湯税が入ってくるんですね。入湯税がどういうものかというと、中野区の決算書にも一切書いてございませんし、今まで全く無縁だったものですね。これが入ってくるということになります。
ただ、この入湯税がどういうものかといいますと、練馬区が入湯税が入っているもので、その説明が書いてありますが、入湯税は、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設、消防施設などの整備や観光の振興に要する費用に充てるための目的税ですと。平成11年度までは都税として課税されていましたが、東京都と特別区の制度改革により、平成12年度から特別区税に変わりました。近年、健康志向の高まりもあり、各地で温泉施設ができています。練馬区では平成15年6月に、入湯税の対象となる温泉施設ができました。当区以外では12の区、これは私もびっくりしたんですが、23区の区の中で13の区が入湯税が入っているという事実ですね。ちなみに、どこが入っているかといいますと、この練馬と、中央区、港区、新宿区、文京区、墨田区、江東区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、板橋区、葛飾区の13の区であります。入湯税が入ってこない区は10と。入ってくる区に負け越しているという部分があります。
そして、この中野区の周りの状況を見ますと、中野区は四つの区で囲まれているんですが、まず、練馬区が入湯税、温泉があるということですね。新宿区もある。渋谷区もあるということなんです。杉並区だけが入湯税が入ってこない。ただし、入湯税は、1,200円以下の施設の利用料の場合は取らなくてもいいという明示になっていますので、杉並は高井戸に施設使用料800円の温泉があると。そういう面では、中野区を取り巻く四つの区が皆温泉があるにもかかわらず、中野区だけが今現在はないということになってきます。
そして、納める額なんですが、入湯税は1人1日につき150円ですと。12歳未満の子どもや共同浴場、一般の公衆浴場、施設の利用金額が1,200円以下の場合はかかりませんということになっております。ですから、中野区が入湯税をいただこうと考えた場合は、1,200円以上の金額設定の施設を検討する必要があるというのがポイントになってまいります。そして、納める時期と方法というのは、鉱泉浴場の経営者が入湯客から税金を預かり、1カ月分をまとめて翌月定日までに区役所に申告して納めるというものであります。
それで、ちなみに、入湯税ランキングというのがありまして、日本じゅうでどこが入湯税が一番入る市区町村かといいますと、箱根町、年間、平成19年度決算、7億559万4,000円。延べとしますと年間470万3,960人が、成人ですが、通ったと、入湯したということになります。
そして、23区の入湯税のランキングもありまして、ベスト3がどこかといいますと、まず、第3位が練馬区。これは平成18年の決算のデータなんですが、3,758万円で、年間25万人が訪れて、1日当たり685人というデータでございます、年中無休として。練馬区がどこに入湯税の対象になる施設があるかといいますと、多分、想定上、豊島園の庭の湯、私も行ったことがあります。温泉で、なかなか、非常にいいものであると思うわけですが、第2位が文京区。これは平成18年の入湯税6,968万円。年間46万4,573人が通って、1日平均、年中無休として1,273人が通ったというものであります。これは私も行ったことはないんですが、東京ドーム天然温泉ってありまして、JR水道橋です。これがあります。あと一つだけ言わせてください。第1位がどこか。これは江東区、9,276万円。それで、6,161万8,400人が通って、年中無休で1,694人が1日に通っているというものであります。これは私も行ったことがあるんですが、大江戸温泉、多分間違いないというところであります。
そういうもので、入湯税が入ってくるという部分があります。今まで中野区の中で縁がなかった部分、これが中野区に入ってくるという部分は、中野区にとって歓迎されることでしょうか、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。
先ほどから委員のほうでお話がございましたように、入湯税につきましては、目的税であり、地方税でございますので、公衆浴場の規模にもよるとは思いますけれども、一定程度の施設規模があれば歳入の確保につながるというふうには認識しているところでございます。
○吉原委員 それで、これは考え方によりますと、公衆浴場として中野浴場組合といいますか、公衆浴場が中野区に31カ所今現在ございます。そして、昨年度も皆さん方といろいろ面談させていただいたときに、ガス代が非常に高くなったと。要するに水ですから、15度ぐらいの水温から適温の40度まで温度を上げるために、ガスが安いところがまた高くなって、油代がまた非常に高くなったという話を聞きました。そういう部分で、非常に経営も圧迫されていて、昨年の話が、年2軒ずつ廃業せざるを得なくなっているという部分がございます。
私たちはやっぱり、公衆浴場というのは非常に社会的使命を持っていますので、これ以上の廃業というのは何とか食いとめていかなきゃいけない立場なのかなという部分はあるんですが、温泉がもし確保できたら、中野区の公衆浴場に温泉のお湯を安く提供して、そうすればガス代が非常に燃費としてけた違いに節約できると思います。そして、地域の方々はやっぱり内ぶろに入っている方々が多いと思うんですが、自分ちの近くの銭湯が温泉となりましたら、週1回、月1回ぐらいは通おうじゃないかと。新たな顧客層拡大にもつながってくるということも考えられるわけです。
これも提案です。実際どういうふうになるかもちろんわかりませんが、検討事項としてぜひとも御協議をいただければと思います。そうすれば、公衆浴場の廃業に歯どめがかかる効果も生まれてくる可能性もあるのではないかなと思うわけですが、これに関してはどう思いますか。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) 温泉水を利用できるということにつきましては、利用者の拡大につながる可能性があるかなというふうに考えますけども、しかしながら、温泉水の供給あるいは運搬、こういったことについてはコストがかかるということと、また、源泉の温度と湧出量にもよりますが、加温する、熱を加える必要があるということが予想されますので、そういったことから、一概に経費の削減につながるということは言いがたいかなというふうに考えております。
○吉原委員 確かに今言われたとおりの部分があります。温泉はこの辺の地域ですと、あまり湯温が高くないんじゃないかという話もありますね。ただ、私が申し上げたいのは、15度の水を40度の適温にするより、30度のぬるま湯を40度の適温にするほうがはるかにコスト、油代は安いわけですよ。そういうものも計算に入れてほしいなという部分がいたします。その辺どうなんですか。
○遠藤区民生活部参事(区民生活部経営担当) やはり委員御指摘のとおり、温泉につきましては、先ほどありました庭の湯の例でございますけども、26度程度ということでございますので、そういった点では熱を加える必要があるということで、そういった点からしますと、そういった燃料代、それと、それを各浴場に運搬する費用、そういったものがやはりかかりますので、そういった点からは難しいかなというふうに考えております。
○吉原委員 あくまで提案でございます。それで、自分で奇想天外と言うのもおかしいんですけども、そういうふうにちゃんと出し合っていかなきゃならない高き身分に伴う義務として、順次絞ってお聞きしたいところでございます。
それで、最後、区長にまとめて総括でお伺いをいたしたい部分がございます。確かにいろいろな提案をさせていただきました。さまざまな部位とか――いろんな部分もあると思います。ただ、うまく使うことができれば、中野駅駅前開発の部分で、非常に温泉というのは集客力があるものなんだと思いますよ。そして、動線の確保、それも可能ですし、先ほど申し上げました23区の入湯税ベスト3、どこよりも中野駅というのは非常に立地条件がいいところなんじゃないかなと思います。そう考えましたら、中野区が着手すれば、23区の入湯税ナンバーワンも夢ではないと、こう考える部分もあるわけです。そして、箱根をライバルとしてでも、何とか入湯税の争奪戦に半ば優位な立場で参戦する価値は大いにあると判断いたします。湯そのものが商品価値も出てくるという部分もあるんですが、あくまで検討という部分でお示しをさせていただきました。この辺のところを、いざというとき、震災時に対する有効な対策的に有効なお湯の適温も考えた上で、最後に区長の感想を伺ってみたいと思います。御答弁です。
○田中区長 最初のほうの震災のことですけれども、やはり震災が起きた以降の、どういう状況が起きていくのかということについて、現実に起きていくということを着実に想定しながら準備をしていくということが重要だと思っております。総合防災訓練におきましても、それぞれの地域で今、避難所の開設訓練ということで、地域の皆さんに避難所を開設していただくというようなことを、実際に即して訓練をさせていただいているという状況です。区でも、実際に起きたらどうなるのかということを想定した図上訓練というようなことも繰り返し行うというようなことも行っているところでありまして、実際に起きたときの対応ということについて具体的に想定しながら詰めていくという、そういった準備がこれからも必要であるというふうに考えております。
おふろの問題というのも、御質問の中で出てきましたように、大変大きな問題だというふうに思っております。必ずしも温泉がそれで使えるかというと、温泉は無理だと思いますけれども、ただ、出た中で、経済とか、そういう中で、中野駅周辺のまちづくりの中で温泉というお話もありましたけれども、温泉はあくまでも民間の営利事業だと思っておりますので、そういうところが、そういうものを運営しようというところが出てくれば、内容によって、区として応援するかしないかということを検討することになるだろうというふうに思っております。
○吉原委員 代替案がないばかりの部分もあるわけですね。それで、いろいろ提案させていただきました。それは、後、いろいろな流れの中においてお任せをいたしたいと、このように思います。提案はさせていただくということにとどめさせていただきたいと思います。
それで、質問が変わります。中野区選挙管理委員会のほうに質問が飛ぶわけです。
私もこの質問というのは、選挙管理委員会に関しては、以前ちょっといろんな部分がございまして、あんまり質問はしたくない部分もあるんですが、区民の方から、ちょっと今回の2回の選挙、都議会議員選挙の開票事務と衆議院選挙に関しての開票事務に関してちょっと疑問の声が、御苦情をいただきました。私以外の議員も同様の御苦情をいただいているわけでございますが、それでお伺いをさせていただくわけなんですけれども。
まず、東京都議会議員選挙のほうを最初伺わせていただきたいんですが、都議会議員選挙でも中野区は不足票が59票もあり、都の中でワーストでしたという記述がございます。このように言っておられたわけなんですが、これは事実はどうなんでしょうか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 都議会議員選挙の不足票でございますが、御質問のとおり、中野区が一番多かったということでございます。
○吉原委員 一番多いというのはあまりいい評価にはつながってきませんよね。それで、この59票の不足票というのはどの時点で判明したんですか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 開票の結果、投票所で投票された数と違いが生じていたということが判明しまして、開票の結果、59票不足していたということでございます。
○吉原委員 そうなりますと、どこで59票が紛失されたかというのは、全く見当もつけていないと、そういう感じなんですか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 どこで持ち帰り等があったかということについては、判明してございません。
○吉原委員 判明しないとなりますと、例えば投票所で持ち帰る方もいるのかなとは思います。ただ、判明しないとなると、開票所に持ってきて、開票を全部テーブルの上に並べてから、それから失われたということも考えられるんじゃないですか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 開票所を中野体育館を使ってございますが、ここにつきましては、床に落ちたものとか、そういったものはすべてチェックしてございますので、あと、投票箱の中もすべて空になっているということを点検してございますので、会場内で紛失したということは考えられません。
○吉原委員 例えば開票の従事者に当たって注意されますよね。ポケットに手を入れるような行為とか、非常に紛らわしい行為はやらないようにという部分がありますけども、現にやったり、見過ごしたり、そういう部分というのは想定されるんじゃないですか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 持ち帰り票につきましては、今回はかなり、都議選のときは多かったわけでございますが、毎回数件程度は発生します。そういったことで、持ち帰り等についてはないように、投票所の管理者、また立ち会いについて、そういった注意を申し上げているところでございます。
○吉原委員 やはり1票そのものというのは非常に厳しいものがあるわけで、この苦情を言ってこられた方も、再来年には区議会議員の選挙もありますので、その辺しっかりしていただきたいという、こういう御苦情をいただいております。全くもってそのとおりだと思いますし、今後の再発防止策、これに関して、何か検討されていますか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 都議会議員選挙の持ち帰り票が多かったということにつきましては、次の衆議院選挙の執行に当たりまして、投票管理者とか立会人の方、また事務の担当者、そういった投票所における管理の中で、十分注意してチェックをするようにということで周知したところでございます。
○吉原委員 それでは、衆議院選挙のときの問題に移りますが、毎日新聞によりますと、中野区は400票もの投票所からのカウントミスのため、投票率と投票者数を訂正されたと出たそうですが、その事実関係はどうでしょう。
○奥山選挙管理委員会事務局長 そのとおりでございます。
○吉原委員 となりますと、なぜ投票率が発表された後に訂正を行ったということが疑問になるんですが、どうしてでしょうか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 これにつきましては、投票所から報告された投票者数、これは投票録に書いてある数字でございますが、これの集計した数と、開票を進めていった中で、実際の投票された票数、これが400票少ないということが、実際の入場整理券における投票者数のカウント数、それと、残投票数ですね。これを確認した結果、開票作業中に判明いたしましたので、投票率については、すぐに確定を追って発表してございますが、少ないことが判明した時点で訂正をさせていただいたということでございます。
○吉原委員 そういうミスというのは、中野区選管では珍しいことですか、しょっちゅうあることですか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 こういったミスについては今回が初めてというふうに思います。
○吉原委員 もう再発絶対しないように、防止策をしっかりしていただきたいと、こういう要望をするしかないと思います。私も立ち会いとして、都議会のときと衆議院のとき、立会人として立ち会っていたんですけども、非常に事務作業が、何でおくれているのか状況がわからないまま、時間がかなりたっていた記憶があります。この委員の中にも一緒にいらっしゃった方がいると思うんですが。そのときの速やかな対応といいますか、たしか私も、なぜおくれているのかと事務局長に伺ったら、事務局長はその時点で、いや、実はこれこれこういうのがあってという話をされた覚えがあります。そういうものはやっぱり、私たちが聞く前に、発生した時点で私たちに説明すべきではないかと思うんですが、それはどう思いますか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 開票におきましては、疑問票の審査等、長時間に及ぶものもございます。そういったことで、確かに疑問票の審査に要する時間よりも長いなということで、私も途中でそういった情報収集に参りまして、立会人の方々にはその情報を提供させていただいて、お待ちいただいたということでございます。
○吉原委員 この区民の方が、立て続けに、2回も続けてそういう、今お話しされたような訂正が簡単にできてしまう部分に、選挙に信憑性を感じぬと、こう苦情が来ていると同時に、だれか責任をとらなければいけないんでしょうかということも言ってきておられるわけです。この辺に関してはどう思いますか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 今回のちょっとミスといいますか、トラブルの原因でございますが、これは、まず、投票所において投票者数の確認を複数の職員がやるというふうにしております。それとまた、投票所から開票所に投票箱と一緒に投票記録と、それと、残投票数の報告をするわけでございます。そのときもチェックをするというふうにしてございました。ところが、そのチェックが徹底されていなかったということで、こういった二つのチェックがすり抜けてしまったという結果でございました。これにおきましては、もとは単純な計数ミスでございますが、それが、2回チェックする仕組みをつくっていたわけでございますが、それが実施されなかったということについては、非常に遺憾なことと考えてございます。これは事務局として大変責任を感じているところでございます。
今後につきましては、選挙の従事というのは非常にたくさんの職員、1,000人近くの職員に従事してもらうわけでございますが、そういったことで、すべての職員にそういった取り決めどおりの正確な処理をしていただけるような周知徹底、これについて改めて全般的に見直して、周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○吉原委員 いずれにいたしましても、中野区選挙管理委員会がちょくちょく新聞ざたになるというのは非常によくないことですので、もう二度とこういうふうな形にならないように、皆さん方に今後のいろんな、今回の件以外でも再発防止策というのをとっていただきたいと思います。お約束いただけますか。
○奥山選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会の事務局としまして責任を持って対応させていただきたいと思います。
○吉原委員 じゃあ、そのようにお願いしまして、以上で私の総括質疑を終了します。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で吉原宏委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで委員会を休憩します。
午前11時53分休憩
午後 1時00分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
南かつひこ委員、質疑をどうぞ。
○南委員 平成21年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
今回の総括質疑では、安心・安全をキーワードにして質疑をさせていただきます。理事者の皆様におかれましては、簡潔で明確な御答弁をお願いいたします。
質問は、通告の順番に従いまして、最初に区内の公的住宅について、1としてバリアフリー化について、2としてアスベストの再分析調査について、3としてその他について、2番目に学校施設の安全対策について、1として蛍光灯器具破損に伴う安全点検について、2として揮発性有機化合物(VOC)対策について、3として防火シャッターについて、3番目に防災対策について、1として水害対策について、2として震災対策について、4番目に江古田の森公園の蛍の飼育について、最後にその他について、1として眼科検診についての順番で進めさせていただきたいと思います。なお、その他のその他はございません。
それでは初めに、区内の公的住宅について伺います。
最初に、バリアフリー化について伺います。
高齢者や障害者が増加傾向にある中野区において、快適で健康に、かつ安心して住み続けられるためにも、公的住宅のバリアフリー化は必要不可欠であります。中野区都市計画マスタープランには、公的住宅のバリアフリー化の推進が掲げられており、その一つに、都営住宅は周辺住環境や健康に配慮した建設を進めるとともに、だれもが自立した日常生活が送れるよう、ユニバーサルデザインによる改善、バリアフリー化を進めますと明記されております。
そこで伺います。区内の公的住宅におけるスロープの設置やエレベーターの設置は、現状ではどのようになっておりますか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 公的住宅のエレベーター等の設置でございますけども、エレベーターにつきましては、区営12団地ございますけども、そのうち1団地に設置しております。それから福祉住宅9棟、それから区民住宅9棟ございますけども、これらにつきましてはすべて設置しております。また、スロープにつきましては、区営住宅8団地に設置をしております。
○南委員 区営住宅の中に今、スロープが設置されていない団地が幾つかありますけれども、これはどういった理由で設置されていないのでしょうか。構造上の問題でもあるのでしょうか、その辺をちょっと伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) スロープにしてもエレベーターにしましても、構造上の問題もありまして、外廊下方式であれば可能なんでございますけども、各住戸の入り口が階段式の構造の場合はなかなか難しいというふうに思います。
○南委員 そうしますと、エレベーターの設置に関しまして、12団地内のうち、南台三丁目アパートの1カ所だけが現在整備をされております。この1カ所だけがエレベーターの設置がされておりますけれども、その経緯を伺いたいと思います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) エレベーターの設置でございますけども、中野区公営住宅ストック総合活用計画というのがございまして、主に区営住宅とか、そういったところのストックをどうするかということで、当面そこでは、4階建て以上の区営住宅につきましてはエレベーターを設置しようということで進めました。南台三丁目アパートにつきましては、外廊下方式であった上に5階建てだったということから、平成18年度にエレベーターを設置したというものでございます。
○南委員 現在、中野区の要支援1、要支援2を含めた要介護等の認定者数は、平成20年4月末現在では1万277人となっております。高齢者人口の増加に伴い、増加傾向にあります。区営住宅の入居者も例外ではないと思いますが、介護認定者についての把握はされていらっしゃるのでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 介護状況ですとか身体状況については、特に把握はしておりません。と申しますのは、入居者の個人情報にかかわることという点と、公営住宅の趣旨からしますと、介護状況等の報告まで求めるというのは、現状ではなかなか難しいかなというふうに思っております。
○南委員 ということは、区として介護認定者の実態調査を私はすべきだというふうに思っているんですけれども、なかなかそのあたりは難しいということでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 公営住宅の趣旨からしますと、そのような個人情報につきまして団地の管理者が収集するというのは、なかなか難しいかなというふうに考えております。
○南委員 将来的なことを考えれば、エレベーターの設置でバリアフリー化を図っていくことが必要であると考えます。区営住宅のエレベーターの設置に関する規定は、現状ではどのようになっておりますか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 先ほど申し上げましたように、区の計画、公営住宅に関する計画に基づきまして、当面、構造的に可能な4階建て以上の団地につきましては、エレベーターを設置するという考えでございます。
○南委員 先ほどの南台三丁目アパートだけがエレベーターが設置をされておりまして、そのほかの11団地のうち、ほとんどが3階建ての構造になっておりますけれども、区営住宅におけるエレベーターの設置基準を3階までに引き下げるべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) かなり入居者、特に公営住宅の場合、中野区に限らずなんですが、入居者の高齢化というのが進行しております。それらの点を踏まえると、3階建てについてもということにつきましては、今後考えていきたいというふうに思います。
○南委員 エレベーターを設置する場合の財源構成といいますかはどのようになりますでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 公営住宅にエレベーターを設置する場合は、国の地域住宅交付金というのがございます。それを充てるという考えでございます。補助率は45%になっております。先ほどの南台三丁目アパートにつきましても、この地域住宅交付金を活用しております。
○南委員 バリアフリー化のためにも、また、経済対策の一つとしても、11団地の1棟ごとに随時エレベーターの設置を推進していくべきというふうに考えますけれども、その辺いかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) エレベーターの設置につきましては、先ほど申し上げましたように、今後検討していきたいと思います。
○南委員 エレベーターを設置してバリアフリー化を図るには、時間的にも、また財源的にも、すぐにはなかなか実現できないというふうには思っております。区営住宅の入居者の中には、高齢化や要介護等認定者も増加してきております。2階より上に住まわれている方にとって、日々の階段の上りおりは苦痛を伴います。私の知り合いの方も部屋の中で転倒してしまい、大けがをしたことで、要介護認定を受けられました。退院をしてきたときに、日々の生活に大変不安を感じておられるところです。1階に空き部屋ができたときには、優先的に部屋の移動ができるようにしてほしいとの声がふえてきております。このようなケースでの部屋の移動は、現在の区営住宅には規定されておりません。
東京都営住宅条例によれば、公募の例外を定めており、第9条に「知事は、次の各号のいずれかに掲げる事由に該当する者に対しては、公募を行わないで一般都営住宅の使用を許可することができる。」とあり、その7号には、既存使用者――これは一般都営住宅を使用している者ということですが、もしくは同居者が加齢、病気等によって日常生活に身体の機能上の制限を受けるとなったことにより、知事が使用を募集しようとしている一般都営住宅に当該既存使用者が入居することが適切であることと定めており、部屋の移動が可能になっております。
中野区の区営住宅においても、入居者の高齢化や要介護認定等の理由による部屋の変更を認めることができるように、区営住宅条例または規程・要綱を定めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 現行の区営住宅条例の規定でも、区長は、特別の事由があれば、公営住宅法ですとか施行令の規定に基づきまして、使用者、つまり入居者を決定できるという規定がございます。それを使いまして、部屋の変更ですとか交換というのは条例上はできるというふうに考えております。ただ、現実問題としまして、区営住宅の場合、入居人数そのものが少ないという状況でございまして、空き部屋も、したがいまして、さほど発生していないということですので、規定上は可能であっても、実際はなかなか難しいのかなというふうに思っております。
○南委員 区営住宅のそういう空き部屋状況が厳しいということで、空き部屋ができれば、そういった条例を引用して、ぜひ入居者の希望がかなえられるようにしていただきたいというふうに思います。
その次に、部屋の中のバリアフリー化のことですが、部屋の中のバリアフリー化を考えた場合に、トイレや浴室に手すりを設置すべきであると考えますけれど、いかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 現在でも、トイレや浴室等に手すりを設置しているというケースがございます。この場合なんですけども、大体が介護保険を利用されていまして、入居者が設置しているという状況でございます。ただ、団地全体に一斉につけるということは、現在のところは、それぞれの入居者の考えもございますので、一斉にやるということにつきましては考えてはいません。
○南委員 それでは、次に行きたいと思います。次に、アスベストの再分析調査について伺います。
平成18年に厚生労働省が石綿障害予防規則の改正に伴い、アスベストの分析の方法が変わって、含有率の基準が1.0以下から0.1以下に変更されたことによって、区営住宅において分析調査が行われたわけです。この分析調査の対象となったところは区営住宅のどの部分でしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) いわゆる吹きつけ材を使用している部分ということで、居室ですとか台所でございます。
○南委員 それで、8団地18棟で、新しい基準に基づく再分析調査を平成20年の5月中旬から7月末にかけて行われましたけれども、1棟につき1戸しかサンプル調査されておりませんでした。全戸調査は無理にしても、間取りの違うタイプですとか、そういった部屋も調査すべきではなかったでしょうか。その点どうでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 現在、吹きつけ材の使用状況というのを把握しておりまして、特に問題はないと考えております。特に区営住宅の場合は、使用している建材はすべて同じでございまして、特段の問題はないのかなというふうに思っております。
○南委員 この分析調査についての調査結果はどういうふうになりましたでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 昨年実施しました再分析調査では、アスベストは検出はされませんでした。
○南委員 基準が厳しくなったということから再分析調査を行ったわけですけど、この調査結果、含有率がゼロだったのか、また、0.1以下だったから大丈夫なんだという結果で検出されなかったという、どういうことなんでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 申しわけございません。基準の含有量以下ということでございます。
○南委員 それでは、次に進みまして、野方六丁目アパートでは、前々回のアスベストの分析調査で、アスベストが使用されていることが判明しまして、アスベスト飛散防止策が行われたわけです。平成17年度には対象となるすべての部屋で囲い込み工事が、封じ込め工事ですかね、終了しております。しかしながら、アスベスト自体は残っているため、転居などの理由により空き部屋になったときにアスベストの除去工事をすることになっていますが、現在、除去工事が完了した戸数はどのぐらいあるのか、また、除去されずに残っている戸数はどれぐらいなのかですね。それからまた、ここにおいてはどの部分にアスベストが使用されていたのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 野方六丁目アパートにつきましては、平成17年の調査でアスベストが発見されたということでございます。最上階を除く部屋につきまして、アスベストが天井にあるということでございます。26戸になります。囲い込みといいますか、封じ込めにつきましてはすべて終了しておりまして、転居されたりした際に空き部屋になると、そのときに除去をするということで行っておりまして、現在のところ2戸のみ完了しているということです。したがいまして、残りの24戸につきましては、まだアスベストが残っているということでございます。使用されていたのは天井の部分でございます。
○南委員 囲い込み工事、封じ込め工事ですけれども、これが完了しているとはいえ、例えば最近地震とか、そういったことであったりとか、何らかの形で部屋の方が、封じ込めをしている部分が損傷などを起こして、それが原因によってアスベストが飛散する危険性があると思うんですね。健康被害を防ぐためにも、やはり定期的なアスベストの飛散状況の分析があると考えるんですけれども、定期的に気中分析ということを行っているんでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 気中分析につきましては、平成17年度に工事を行いまして、19年度に1回やっております。また、ことしも間もなく行うという予定でございます。2年ごとに行うという予定になっております。
○南委員 あとはやはり、まだ残っているということが一番の大きな問題であるかと思います。その部屋の中で暮らしていらっしゃる入居者の方々の頭の上には、封じ込めはしたとはいえアスベストが残っていると。そういったことを考えると、入居者の方々の了解を得て、例えば引っ越し、転居先を用意したりして、計画を作成して早急に除去工事を進めるべきと考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。
○登都市整備部副参事(住宅担当) なかなか入居者全員の了解というのは難しいのかなというふうに思っております。と申しますのは、除去工事を行うために1週間程度どこか別の場所に住んでいただかなければならないというのがございます。したがいまして、御本人の希望があれば、個別に実施をしていきたいというふうに思っております。
○南委員 それでは、次に進みます。この項の最後のその他について伺います。
区営住宅の全棟にAED(自動体外式除細動器)を設置する提案であります。
最近では民間のマンションでもAEDを設置しているところが少なくありません。AEDの設置が外からもわかるように、表にAED設置の表示がしてあるところもございます。現在、救急車の到着までに要する時間は約6分と言われております。救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、救急隊員や医師が駆けつけてからAEDを使用するよりも救命率が数倍高いことが明らかになっています。こうしたことから、AEDをなるべく多数配置するとともに、1人でも多くの住民がAEDに関する知識を有することが非常に重要だとされております。
そこで伺います。区営住宅の住民をはじめ、周辺の住民の安心の暮らしを守るためにも、区営住宅にAEDを設置するとともに、また、区内の都営住宅にもAEDを設置するよう東京都に働きかけをすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、各団地の自治会を中心に、周辺の地域の住民の方々と一緒にAEDの講習会を開催してみてはと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わります。
○登都市整備部副参事(住宅担当) AEDの講習会等につきましては、自治会等に呼びかけまして、できれば多くやっていただきたいというふうに思っております。AEDの設置場所なんですけども、中野区あるいは東京都もそうですけども、大勢の区民、都民の方が集まる場所には設置をしてきております。当面必要な場所については設置を行ってきたというふうに考えております。都営住宅、あるいは住宅供給公社の団地等につきましても、現在のところまだ設置をしていないという状況でございます。区営住宅への設置につきましては、今後のそういった展開の中で考えていきたいというふうに思います。
○南委員 ありがとうございました。
それでは次に、学校施設の安全対策について伺います。
初めに、蛍光灯器具破損に伴う安全点検について伺います。
本年9月8日の夕方に、松が丘保育園の調理室におきまして、流し台上部の蛍光灯がショートを起こして破損したときに、蛍光灯内部の安定器にPCBが使用されていることがわかりました。平成12年の5月と10月には八王子の市立小学校で2件の蛍光灯安定器の破損事故が相次いで発生して、5月の事故では破損した安定器から飛散したPCBが8名の児童に直接降りかかり、また、10月の事故では同様に4名の児童に降りかかってしまったことがかつてございました。
PCBは発がん性や催奇性を持つ毒性の強い物質であります。現在、法律でも厳格な保管や処分を行うように義務付けられております。にもかかわらず、PCBが使用されていた蛍光灯が交換されないまま放置されていたということは、区としての危機管理の意識に問題があったのではないかと思います。今回の事故に対する危機管理についてどのように考えられているのか、伺います。
○安部経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。
今、委員から御指摘のありましたPCBにつきましては、非常に電気絶縁性の高い化合物なものですから、昭和32年5月から昭和47年8月まで製造販売されておりまして、委員御指摘のとおり、人体への有害性があるということが発覚しまして、47年9月以降は製造販売が禁止されております。
松が丘保育園でこのような事故が起きたわけですけども、この事故についての詳細については、また関連する常任委員会の中で詳しく報告させていただきたいというふうに考えておりますが、中野区ではどういうふうに今まで対応していたかと申しますと、平成12年の八王子で事故があったときに、PCBを含む安定器を使っている蛍光灯の有無について調査を行いました。それで、平成13年にすべて取りかえる工事を実施したところでございます。
しかし、今回事故のあった松が丘保育園につきましては、平成6年に天井面の全面改修というのをやっておりました。そういうことで、平成6年に全面改修をやっているので、松が丘保育園にはもうPCBの入った照明器具はないだろうという判断をしまして、現地調査はしませんでした。そういうことから、ただ、ここの部分はちょっと事情が不明なんでございますが、調理室の当該1台にそのまま取りかえないで残ってしまったと、そういうことで今回の事故に至ったものでございます。
確かに危機管理意識が十分でなかったというふうに反省しております。今後は十分注意して仕事を進めていくというふうに考えております。大変申しわけございません。
○南委員 このような重大な事故が二度と起こらないように、他の保育園を含めて、小・中学校の学校施設につきましては、PCBを使用した蛍光灯が残っていないかどうか、再調査をすべきと考えますけど、いかがでしょうか、伺います。
○安部経営室副参事(財産管理担当) この平成12年のときに調査をしているわけですけども、同じような理由によって、改修工事をやっているからということで現地調査をしていない施設が4施設ございまして、仲町保育園、昭和保育園、東部福祉作業所、さつき寮の4カ所でございます。それで、この事故があって、すぐにこの4カ所を調査いたしました結果、PCBを使用している蛍光灯安定器は発見されておりません。また、学校施設につきましては、昭和62年から平成7年にかけて計画的に照明器具の取りかえ工事と、これはPCBという意味ではなくて、もう老朽化していて危険というか、蛍光管が落ちてきたとか、そんなような事故もあったり、老朽化しているというようなことがございまして、62年から平成7年にかけて取りかえ工事を実施したものでございます。したがいまして、小・中学校にもないものというふうに考えております。
○南委員 今、昭和62年から平成7年にかけまして、学校施設に関してはすべて取りかえ工事が完了したというふうに伺ったところなんですけれども、今回のように、松が丘保育園のような取りかえミスがあったわけですから、再度、小・中学校の学校施設については、特に松が丘保育園と同様の箇所の調理室を含めて再点検、再調査をすべきと考えますけど、もう一度答弁をお願いいたします。
○安部経営室副参事(財産管理担当) 学校施設につきましては、そういうことで取りかえを行っておりまして、このときに全数調査をして進めております。そのときにも、古いものを取りかえるということで、全数といいますか、この当時で新しいものですね。昭和62年ですので、当時で新しかったところについては残っているわけですけども、それはPCBを使わない蛍光灯になってからでございます。そういうことで、PCBを使っている時代のものはすべて取りかえておりますので、学校についてはもうないものというふうに考えております。
○南委員 ありがとうございました。
じゃあ、次に進みたいと思います。次に、揮発性有機化合物(VOC)対策について伺います。
中野区では毎年夏場に小・中学校室内空気環境検査を実施しております。これは、シックハウス、シックスクール症候群とかの原因物質であるとも言われておりますホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)の測定を行うものでございますけれども、測定結果では基準値を上回っている箇所も少なくございません。その都度、窓をあけるなどで換気を行っているようですけれども、毎年の測定検査で基準値を上回り、全く改善ができていないのが現状であります。
文部科学省の学校環境衛生基準によると、事後処置として、換気の励行、発生原因の究明、発生抑制措置を行うよう記載をされておりますが、区としてこういった事後処置等どのように対応されているのか、伺います。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。
このホルムアルデヒドの検査につきましては、毎年普通教室等で行っております。この検査を行うためには、一定期間、30分以上まず換気をして、その後5時間密閉してというようなことがございます。それも温度とか、そういったような環境によって、必ずしも正確な値が出ないということが多いというふうに聞いてございます。基準値を上回った場合も確かにございますが、きちんとしたもう少し環境を整えて再検査し、すべて基準値をクリアしているというところでございます。
○南委員 環境測定するときの条件によって測定値が違ってくると。それによって、きちっとした条件のもとであれば基準値が下がっているんだという御答弁でしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) さようでございます。
○南委員 それでも、いつも夏場でございますよね、測定をされているのが。当然、30分換気をして、5時間でしたっけ、閉め切って。当然、そのときには冷房などは使わないわけですから、かなり室温も上がってくるかと思うんですね。そういう中で、こういったホルムアルデヒドとかの数値がやはり当然基準値を上回ってくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 確かに、生徒がいないということが測定の条件ですので、夏休みということが多いかと思います。おっしゃるとおり、夏場に5時間閉め切りますと、かなり高温になりまして、必ずしも測定に適していない状態になろうかと思います。今後ともそういったような測定時期も含めて検討していきたいと考えております。
○南委員 毎回のようにこういう測定検査をやってはいて、条件によっては測定値が当然基準値より上回っているところも幾つかあるわけですよね。やっぱりそういった条件を、通常の条件であれば測定値が基準以下なんだけれども、条件がより高温の部屋になった場合には上がってしまうと、そういう条件の中で今行っているわけで、当然、基準値が上がっているというのも事実なわけですから、その辺の原因の究明とか、発生抑制の処置というのはどういうふうに考えているんでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 測定の誤差というか、正確性ということはございます。結果として基準値をクリアはしてございますが、そこに何らかの原因物質があるということは間違いないことでございます。そういったようなところで、十分に換気に努めるとか、そういったことを学校に助言、指導しているところでございます。
○南委員 それでは、この検査の仕様書によりますと、検査対象箇所が普通教室、音楽教室、図工教室、コンピュータ教室、それから体育館の5カ所となっております。例えば図書室とか理科教室、それから家庭科教室などを含めた、そういう全教室でやはり実施すべきというふうに考えるんですけども、その辺はいかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 現在、お尋ね、御指摘のような五つの場所について行っています。実質的には、前年度基準値の2分の1を超えないものについては行っていないということで、3カ所なり2カ所というようなことになっております。これは、この五つの場所というのは、文部科学省の学校保健安全法の所管するところでございますが、そこの省令、それから告示に基づきまして、この五つの場所というのが例示されているところでございます。したがいまして、そこについて検査をしているところでございますが、それ以外も検査してはいけないということではございません。その辺については今後検討させていただきます。
○南委員 基準値が上回っている箇所も条件によっては上がって、当然、そういった箇所がデータとして出てくる箇所もあるわけですので、そういったときに窓を開放したり、換気扇を回したりすることで対応するだけではなくて、子どもたちの健康を守るためにも踏み込んだ対策を講じるべきだというふうに考えるんですけども。普通教室をはじめ、特別教室や体育館などにホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)に対応型の空気清浄機というのがございます。こういった空気清浄機を設置すべきであるというふうに考えるんですけれども。
それからまた、普通教室をはじめ特別教室などに設置、一部の特別教室ですけれども、設置されている空調設備ですね、冷暖房の。それにホルムアルデヒド、揮発性有機化合物、これを吸着して分解させるという、そういう専用フィルターというのも市販されていますので、そういった取りつけを行うとか、また、理科教室や図工教室など冷暖房が完備されていない、そういう特別教室には、そういった専用フィルターを取りつけた空調設備を新たに完備して、環境改善を図るべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 御指摘の空気清浄機とか、あるいは特別教室を含めた空調設備の設置と専用フィルターというようなお話がございました。ここにつきましては、私どもまだ十分に承知してございませんので、そういったような種類について十分調査したいと思います。ただ、空調設備につきましては費用もかさむところでございますので、財政状況も考えながら、関係部署と方向性を検討していきたいと考えております。
○南委員 ありがとうございました。
では、次に進みます。次に、小・中学校の防火シャッターについて伺います。
平成18年の6月に、新潟県の小学校におきまして児童が防火シャッターに挟まれるという事故が発生しました。この事故を受けて、文部科学省より各都道府県の教育委員会等を通じて、学校の設置者等に対して、防火シャッター閉鎖作動時の危害防止のために適切な安全対策を講じるよう徹底がなされました。また、平成17年に改正されました建築基準法施行令では、防火シャッターについて閉鎖作動時の危険防止機構等の設置が義務付けられております。
現在、中野区の小・中学校での防火シャッターの自動停止装置の設置状況について、現状はどのようになっておりますでしょうか、伺います。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 現在、防火シャッターの自動停止装置につきましては、小学校6校、中学校4校の計10校に設置をしてございます。
○南委員 ということは、中野区、小・中学校合わせて38校あるうち10校ということは、まだ28校がそのままの状態で放置されているということになろうかと思います。子どもの安全にかかわることですので、防火シャッターの自動停止装置が設置されていないあと28校の小・中学校につきましては、早急に改善計画を作成して安全対策を講じるべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わりたいと思います。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 子どもの安全ということから、今後の大規模改修ですとか、統廃合によります施設改修の際には、計画的に改善を行っていくということで予定をしていきたいというふうに考えてございます。
○南委員 ありがとうございました。
続きまして、次に、防災対策について伺います。
初めに、水害対策について伺います。
近年のゲリラ豪雨では、全国各地で大変な被害を起こしております。神戸市・利賀川の水難事故や東京・豊島区の下水道事故などは、その象徴的な被害としてまだ記憶に新しいところであります。中野区でも例外ではありません。10分間で1メートル以上も水位が上がってしまう状況では、ライブとして提供される監視カメラの映像は大変重要であります。妙正寺川に4カ所のライブカメラが設置をされております。また、神田川には東京都で設置された監視カメラが2カ所ございます。
現在、中野区のホームページ上で妙正寺川の監視映像が配信されておりますけれども、東京都で管理をしております神田川の監視カメラの映像は配信をされておりません。その映像の配信について東京都は難色を示しているということでございますけれども、現在の要望状況はどのようになっているのか、伺います。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) お答えいたします。
神田川監視カメラの映像の配信でございますが、これまで区民への迅速な防災情報の提供のため、その所有者である東京都と協議を進めてきたところでございます。しかし、都のカメラの設置目的が河川管理施設の運用が主となっていること、それから、映像に含まれる可能性がある個人情報の対応などにより、区民向けの映像公開への合意には至っていないというところでございます。
○南委員 東京都が神田川の河川映像の配信に難色を示しているということですので、区として独自にライブカメラを設置すべきというふうに考えるんですけれども、昨年の7月29日と9月6日には、集中豪雨によりまして床上浸水や床下浸水の被害が実際に出ております。区民の水害に対する不安を安心に変えるためにも、ライブカメラは必要であると考えます。神田川の水位局の4カ所、さらにはまた、江古田川の水位の1カ所にライブカメラを区として設置すべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 区として独自にライブカメラを設置することについてでございますが、現在、東京都におきましては、河川監視のシステムの更新を検討していると聞いているところでございます。区といたしましては、引き続き東京都に対しまして、神田川及び江古田川の河川監視カメラの区民向け映像配信につきまして、新たなカメラの設置も含めまして協議をしていきたいというふうに考えてございます。
○南委員 現在、4カ所の妙正寺川のライブカメラの映像が中野区のホームページで見ることができます。パソコンがあれば、いつでも河川の映像がほぼリアルタイム的に配信されております。しかし、外出時にはパソコンがないため、河川の状況を知ることができません。特に遠方にいるときには、都内で大雨や洪水の注意報、警報が出たときには、妙正寺川の河川状況を知るすべがありません。そんなとき、携帯電話でライブカメラの映像が見られれば安心できます。
中野区では防災・気象情報の携帯電話版の取り組みをされておりますけれども、区民からは利用方法がよくわからないとの声があります。妙正寺川のライブカメラの映像が見られることや、また、携帯電話の機種によって見ることができないことなど、そういった情報をホームページや区報などで周知していくべきというふうに考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) ただいま委員御指摘のとおり、携帯電話の機種にもよりますが、携帯電話でライブカメラの映像を見ることは可能でございますので、ホームページや区報などで一層の周知を図りたいと存じます。
○南委員 それでは次に、震災対策について伺います。
初めに、防災士の活用について伺います。
ことしの初め、私は、中野区で行っております防災士養成講座を受講し、試験にも合格することができまして、防災士の登録もさせていただきました。日本防災士機構より、防災士の認証状と防災士証をいただいております。中野区では、平成20年度より3年間で300名の防災士の養成をすることになっております。平成20年度の防災士養成講座の実績はどのようになっているでしょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 昨年度の防災士養成講座でございますが、最終的には93名の方が受講されまして、中野区の防災リーダーとなってございます。その後、試験に全員が合格されまして、登録をされたということでございます。
○南委員 私が受講したときには、たしか名簿が102名だったんですね。93名ということは、先ほど全員合格されたということだったんですけれども、試験に不合格されたというような方がいるということなのか、何か別の事情があるんでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員おっしゃるとおりの人数で講座自体はスタートいたしましたが、途中、御本人様の事情で最終的に全部の受講ができなかったと。それは3日間の講座ということもございまして、かなり時間が長きにわたったということ、それから、かなりの予習を要する講座でございましたので、申し込まれた方の中で最終的に全課程を修了されたのが93名ということでございます。
○南委員 それで、ことしの9月13日には、中野区総合防災訓練が弥生地域センター管内と鷺宮地域センター管内の5会場で行われております。その際、防災士の制服を着用されて参加されていた方もいらっしゃったんですが、これは区として防災士機構などに依頼をされたので来られていたのか、その辺はどうなんでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 今回、9月13日に総合防災訓練を行わせていただきました。その際、防災士の方の参加はございましたが、区としてNPO法人防災士機構に参加を依頼したということではございません。参加があったということは、実は私ども、受講を修了されました93名の中から、区から何らかのお知らせを送ってよろしいかどうか、事前に確認をしておりまして、同意を得ていた方につきましては、総合防災訓練の御案内そのものは郵便でお送りをしてございます。私どもが受付で確認した限りでございますが、そのうち8名の方は参加をされていたということは確認してございます。
○南委員 こういった実地訓練というのは非常に、積み重ねていくことが防災士としての経験に生かされていくというふうに思いますけれども、防災士として訓練に参加することが防災士としての自覚を深めることになると考えますけれども、この総合防災訓練の際には、中野区で養成して資格を取得した防災士に、防災士として参加を呼びかけるべきではないかなというふうに考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) せっかく防災士の養成講座を受けていただきまして、地域防災リーダーということで御活躍をいただいておりますので、今後も必要に応じて総合防災訓練の御案内は差し上げたいと思います。ただ、実際には、地震は区内全域で起きて、被害がひどければ、50カ所の避難所が同時に開設ということになりますので、こういう防災士の資格を取られた方々、皆様につきましては、各地域での防災訓練等にもぜひ御参加いただいて、地域のリーダーとして御活躍いただきたいというふうに思ってございます。
○南委員 今後ますます自助・共助の精神のもと、防災士の役割の重要性が増してくると思われます。区として養成をした防災士が地域防災の中でどのように役割を果たしていくべきと考えられているのか、また、中野区地域防災計画の中でしっかりと位置付けを明記すべきというふうに考えますけれども、区としての見解を伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 私ども、震災を中心にいたしました災害の際には、自助・共助・公助、いずれも大切というふうに考えてございます。地域防災リーダーにつきましては、主に共助の位置付けになろうかと思いますが、私どもの現在持ってございます地域防災計画の中でも地域リーダーの養成というものを掲げてございまして、その一環としてこのような講座をさせていただいたところでございます。今後、地域防災計画を修正する際には、今、委員がおっしゃいましたようなことも含めて検討させていただきたいと思ってございます。
○南委員 それでは次に、災害時の要援護者名簿について伺います。
中野区では、災害時の要援護者支援のため、手挙げ方式による名簿を作成しております。登録対象者の条件として、一つ目が65歳以上の方、二つ目が身体に障害がある方及び知的障害のある方、3番目に難病の認定を受けている方、4番目に精神障害のある方のいずれかに該当すれば、登録ができるという仕組みであります。現在の登録者数及び登録対象者の条件の内訳をそれぞれ伺いたいと思います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 非常災害時救援希望者登録制度の登録者でございますが、現時点で全部で1,050名でございます。このうち、65歳以上の方という分類が429名、身体障害者、知的障害者という分類の方が590名、難病患者の方が18名、精神障害の方が13名という内訳でございます。
○南委員 やはりそういった身体障害の方とか知的障害のある方とかという数もかなり、比率的には非常に多いのかなというふうに感じます。それで、災害時の要援護者名簿の作成の取り組みについてはいつごろから始まったのかということと、登録者の中には転居された方や亡くなられた方とかいらっしゃると思いますが、名簿の更新等はどのようにされているのか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) この制度でございますが、平成元年度からモデル地区を設定いたしまして実施を開始してございます。全区的に実施をいたしましたのは平成6年度からということでございます。
それから、名簿につきましては、委員御指摘のとおり、区外に転出される方やいわゆるお亡くなりになる方がいらっしゃいますので、年に一度、そうした内容につきまして確認をいたしました上で更新をして、名簿を関係機関等にお渡しをしているということでございます。
○南委員 次に行きます。平成19年の7月16日に発生した新潟県中越沖地震では、各地で大きな被害が出ました。その際、高齢者の安否確認では、自治体によって大きな差が出たところです。柏崎市では、同年の3月にはひとり暮らしの高齢者をリストアップした災害時要援護者名簿を作成しておりましたけれども、安否確認や避難支援の仕方を決めていなかったために、ほとんど機能せず、台帳に登録された2,687人のうち、18日までに安否確認ができたのは2割強の629人でありました。一方、6月に災害時要援護者名簿を作成して、高齢者など3,236人を登録していました長岡市では、民生委員や自主防災組織のメンバーが確認先を決めていたために、地震発生当日のうちに全員の安否を確認することができました。
中野区でも災害時要援護者名簿の作成を推進されておりますけれども、地域での総合防災訓練などで要援護者名簿を使って安否確認や避難誘導の訓練を行うことが大切であるというふうに思いますけれども、区としての見解を伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員のおっしゃるとおりであるというふうに考えてございます。私ども、名簿を地域防災会の皆様方に新しくお渡しする際には、必要な範囲で御自宅の場所を確認していただくようにお願いをしているところでございますけども、今後、総合防災訓練あるいは避難所ごとの地域での防災訓練等で、そのような訓練を行っていただくようにお願いをしていきたいというふうに考えてございます。
○南委員 中野区の災害時要援護者名簿の登録者数、先ほど1,050人とお聞きをしましたけども、まだまだ数的には少ないというふうに思います。さらなる拡大を図るためには大胆な手法を用いる必要があるというふうに感じます。かつて我が会派の小林議員が一般質問で提案をいたしました災害時安心定期便を活用してはどうかと思います。9月の防災の日に、往復はがきで避難場所を明記して、安否確認や救援・救護の支援者は決まっているのかなどの内容を書いたものを郵送して、この登録制度に御理解をいただいた方に返信はがきで送っていただくという仕組みですけれども、65歳以上の方をはじめ、対象者に該当する方へこのような災害時安心定期便を実施してみるべきと私も考えますけれども、いかがでございましょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) PRの必要性は認識をしているところでございます。今後も、区報やホームページあるいは区の「わたしの便利帳」など、また、民生委員など関係機関の会合等でも十分周知を図りたいというふうに考えてございます。
○南委員 少し戻りましたけれど、先ほど、要援護者名簿の更新をされているということだったんですけれども、その中に、例えばこの高齢者の方にはだれが安否確認をするのかとか、避難誘導をだれがするのかという、そういう情報は入っているんですか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 災害時に実際にどなたが該当の方の救援・救出に向かわれるかということにつきましては、基本的には防災会のほうにゆだねているという状況でございます。
○南委員 私は、そういった防災会に任せっきりではなくて、区としてもしっかりとそのあたり、名簿のバックアップといいますか、吸い上げをして、どれだけの方がきちっとされて、安否確認とか、そういう、避難誘導の手法がきちっとできているのかということは、やはり区としてもしっかり押さえておくべきだというふうに思いますので、しっかり今後対応していただきたいなというふうに思いますけど、いかがでしょうか。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員おっしゃるとおり、対象者の方につきまして、実際の災害時にどういう方法で避難、安全を図るのかということは重要でございますので、防災会とも相談していきたいというふうに思っております。
○南委員 それでは次に、災害時の避難所における衛生管理や安全管理を行うには専門家の力が必要であります。トイレの清掃や残飯処理などの衛生管理を行い、清潔感を保ち、また、漏電測定などの安全管理をすることで、避難所の被災者の精神的安定を図ることで三次災害を防ぐことができます。災害時に避難所での衛生管理や安全管理を専門に行う業界としてシティビルメン協同組合がございますけれども、中野区と防災協定をいまだに結んでおりません。すぐにでもやはり防災協定を結ぶべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 災害時に避難所の運営その他につきましてさまざま業務がございます。ビルメンテナンス業界と災害時において実施可能な協力業務がどのようなものがあるかということにつきまして十分検討した上で、必要があれば進めたいというふうに考えてございます。
○南委員 次に、先ほど自民党の吉原議員も質問をされておりましたけれども、中野区の飲料水の備蓄というものはほとんどない状況でございます。災害時に飲料水の確保を区としてどのように対応されるのか、再度ちょっとお伺いをするような形になりますけれども。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 飲料水の確保につきましては、水道がなくなった場合という、断水した場合ということでございますが、避難所になっております各区立小・中学校等の屋上にございます受水槽の水、それから、区内3カ所の応急給水槽にございます水、また、隣接区の給水拠点の水、そこから取水をして、避難所において給水を行うこととなってございます。また、公衆浴場組合と給水の協力に関する協定を結んでございますので、そちらのほうからの供給も考えてございます。さらに、万が一の場合には、避難所等にございます防災井戸、それから、学校施設のプールの水も飲料水として利用できるようにということで、各避難所に浄水器と水質の検査用品を配備しているところでございます。
○南委員 災害時には少しでも多くの飲料水を確保するということは欠かすことができないと思います。千代田区では昨年8月に、自動販売機の管理者と災害時における清涼飲料水の提供協力を結び、3カ所の拠点から被災地に飲料水等を直接搬送するという防災協定を締結いたしました。災害時での飲料水の確保をするためにも、中野区でも自動販売機の管理者や飲料メーカーと防災協定を結ぶべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) ただいま委員からいただきました飲み物の自動販売機の管理者や飲料メーカーとの防災協定でございますが、どのような内容で協定締結が可能か、先行しております今の例も参考にさせていただきまして、研究させていただきたいというふうに存じます。
○南委員 次に、エレベーター内での閉じ込め事故対策について伺います。
震災発生時などによりエレベーター内に閉じ込められた際に、パニックを起こさずに安心して救助を待てるように、飲料水、懐中電灯、簡易トイレ、トイレットペーパーなどの備蓄品を配備してある三角コーナー型のキャビネットがございます。千代田区では民間のマンションに管理組合があることや町会に加入していることなどの条件を満たしたところに、このようなキャビネットを無料でマンションのエレベーター内に配備するよう取り組みをしております。
区としても、条件を満たした民間のマンションに三角コーナー型のキャビネットを無料で配備することを実施するとともに、広報的な意味からも、区庁舎や区有施設のエレベーターにこの三角コーナー型の防災キャビネットを配備してみてはどうかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 民間のマンションの配備につきまして、私のほうからお答えを申し上げます。
まず、今おっしゃったようなものにつきましては、基本的にはビル管理者の責任で災害対策を行うのが基本というふうに認識をしてございます。それを踏まえまして、区として何らかの助成等が必要かどうか、先行事例も踏まえまして研究いたしたいというふうに思ってございます。
○安部経営室副参事(財産管理担当) 本庁舎及び区有施設についてのキャビネットの設置について、私のほうからお答えいたします。
区の施設のエレベーターにつきましては、P波センサー付地震管制運転装置という、地震の初期微動を感知して、強制的に最寄り階にとまって、ドアが開いて運転を停止するという安全装置がついております。このP波センサーというのは、最近やっております緊急地震速報にも使われている、初期微動を感知して、できるだけ早く本震が来る前に対策をするというセンサーでございます。こういうセンサーがついた地震管制運転装置がついておりますので、区の施設のエレベーターで閉じ込め事故が起きるということはほとんどないというふうに考えております。ただ、御質問のとおり、広報的な意味ということもございますので、他区の状況等を調査してみたいというふうに思います。
○南委員 それでは次に、震災時にエレベーターが使用できないときに、マンションなどの高層住宅に居住する人々の安全を確保するために、けが人や高齢者を乗せて階段で助け出すための器具がありまして、階段避難車というのがあります。ぜひ、区庁舎や地域センターなどの区有施設に配備して、震災時にはいつでも貸し出しができる体制をとるべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わります。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員から今、御指摘をいただきました階段避難車につきまして、現在、区民の皆様といいますか、民間のマンション、ビル等に貸し出すものは配備をしてございません。これにつきましても、基本的には各施設の管理者の責任で配備していただくものだというふうには考えてございます。区民の皆様、ビル、マンション向けの貸出用の階段避難車について区が何らか関与するのかということにつきましては、その実効性や、あるいは、いざ大震災などの際に区民の方がお一人でお一人を運ぶというものだというふうに認識しておりますが、そういった操作がある程度容易に行えるのかといったことも含めまして、調査研究いたしたいというふうに思ってございます。
○南委員 ありがとうございました。
それでは次に、江古田の森公園の蛍の飼育について伺います。
中野区では20年度より江古田の森公園で蛍の飼育を開始して、江古田の森ホタルの会のボランティアの方々の協力を得ながら、3年計画で公園内のビオトープで自然羽化を目標に蛍事業を行っております。ことし2年目の蛍の飼育を行い、6月18日には蛍の飛翔が確認をされました。また、昨年は6月25日に蛍の飛翔が確認をされておりますので、ことしは1週間早く蛍の飛翔が確認されたことになります。中野区として、ことしの現状と、この2年間での蛍事業の成果をどのように分析され、評価されているのか、伺いたいと思います。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) お答えさせていただきます。
ことしの蛍の羽化でございますが、委員御指摘のとおり、6月18日ごろより始まりまして、1日最大で約50匹程度が確認されております。期間としましては10日間以上飛んでいることが確認されておりまして、確認された数でございますが、昨年度よりはおおむね1.5倍以上ふえておるということでございます。また、見学者につきましては、ことし特段PRをしなかったんですが、約500人の方々が現地をごらんになっていただいておるということでございます。
2点目のどのように評価しているかということでございますが、幼虫を放流して羽化したことは一定の評価をしているところでございますが、ただ、自然繁殖ということにはまだ至っておりませんので、今後の課題であるというふうに受けとめているところでございます。
○南委員 蛍事業を開始するに当たって、蛍の生育環境にとって大切な水質調査や土壌調査をされたと伺っておりますけれども、調査結果をお聞きするとともに、ことしも調査を行ったのかどうか、行ったのであれば、その調査結果もあわせて伺いたいと。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 昨年度、平成20年度から幼虫を放流しておるわけでございますが、その前年の19年度に、専門業者の方にお願いをしまして、水質でありますとか、土壌でありますとか、水路の状況でありますとか、約20項目について調査をいたしております。その結果を受けまして、水路の改良でありますとか、周辺の土壌の入れかえ等を行ったわけでございます。また、実際、水を採取して、幼虫が生育できる環境にあるかどうかということも含めて確認をしているわけでございます。そのように改良の結果、特段の問題がないというふうに判断しておるわけでございます。
ことしでございますが、ことしについては、昨年度水質調査等やっておりますので、放流の前に現地でのごみ清掃でありますとか、山ゴケの設置とか、そのような水路の環境整備を行っているわけでございます。
○南委員 区で飼育された蛍はヘイケボタルですけれども、環境に強い種類とはいえ、水質の管理は欠かせないというふうに思います。ビオトープの池に春から秋にかけてアオコが発生しているというのを聞いています。このアオコの発生というのは、池の水質の栄養素の過剰により起こり、アオコが原因で水中が酸欠状態になり、生態系に大きな影響を与えると思われます。この池の水が蛍の飼育小屋前の水路へ流れてきております。蛍の飼育には決してよい環境とは言えません。現在、地下水をくみ上げ、ビオトープの池に流しておりますけれども、水量があまりにも少ないために、池の水質の改善にはなっていないように思います。くみ上げる水量をもっと最大限にできないものかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) くみ上げるポンプの容量でございまして、ポンプの容量、1分当たり20リットルの容量があるというふうになっておりまして、くみ上げるポンプの能力もありますけれども、水質確保のために可能な限りポンプの活用をして、多く流したいと思っておるところでございます。また、今、委員御指摘のアオコ、ことしはこの場所だけではなくて、他区についてもいろんな情報で、やっぱりアオコが発生しているような状況も聞いておるわけでございます。したがって、上流側のビオトープの池も含めまして、アオコの除去対策に取り組んで、水辺全体の環境改善を行っていきたいと考えております。
○南委員 蛍の環境整備には専門家による総合的な整備が必要だというふうに私は考えるんですが、ビオトープ管理士や環境再生医などの専門家による本格的な整備を行うとともに、江古田の森ホタルの会のボランティアの方への例えば講習会を実施してみる、そういったことをやってみてはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 蛍の飼育は特殊なものでありまして、実際、蛍の飼育に詳しい専門業者の方々から昨年来アドバイスを受けてやってきておるわけでございます。今後とも、ビオトープ管理士ということでございましたけど、専門家の方々、専門業者の方々によりまして、ホタルの会のボランティアのメンバーの方々、さらには広く区民の方にも参加していただけるような講習会を行うなど、検討してまいりたいというふうに考えております。
○南委員 蛍事業の維持や管理、また、ビオトープの整備のために、蛍基金というのを創設してみてはどうかと思います。趣旨に賛同していただいた企業や区民の方々より基金を募集しまして、また、芝生公園内で蛍祭りを開催して、例えば出店者から会場使用料を徴収して、それを蛍基金に回す仕組みを実施してみてはどうかというふうに考えますけど、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 蛍の飼育、現時点でもまだいわゆる試行段階でございまして、今、委員御提案の基金の創設や蛍祭りという開催などは、ある程度自然繁殖などのめどが立った段階で考えていきたいというふうに思います。
○南委員 蛍事業はこの2年間、たくさんの区民の皆様から喜んでいただいております。きょう、先ほど、ことしは500人、昨年はたしか1,000人ほど区民の方がごらんになられたと思うんですけれども、毎回、蛍が飛翔する姿を一目見ようと非常に楽しみにされております。また、江古田の森ホタルの会のボランティアの方々が使命感にも似たような、献身的な活動に支えられてきております。この区民やボランティアの方々の思いを決して無駄にしてはならないというふうに思います。そのためにも、この蛍事業、3年と言わず、4年、5年とずっと続けていっていただく必要があるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 今も申しましたけど、現在の水量とか水質等の改善、環境改善に努めて、当分の間、地域のボランティアの方々に協力をしていただきながら、試行的に続けていきたいと思っております。その結果、ある程度の自然繁殖等の成果が得られれば、その時点で事業の継続性云々については考えていきたいと思います。
○南委員 それでは、公園・道路整備分野の職員の方の中で、ことし蛍を見に行かれた方は何人ぐらいいらっしゃるでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) ことし、公園・道路分野の職員で蛍を見に行ったのは約10名でございました。ちなみに、昨年度は20名です。
○南委員 ちなみに、副参事はどうですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 申しわけございません。ことしはちょっと見に行く時間を失してしまいました。申しわけございません。
○南委員 じゃあ、ぜひ来年は、公園・道路整備分野の責任者として、職員の方々をたくさん連れて、北口から江古田の森のバスが出ておりますので、ぜひ皆さんを引き連れて見に行っていただきたいというふうに思いますけれども。
最後に、蛍の事業は開始して2年足らずの事業でございます。一つの事業を成功に導くには並大抵のことではできません。そこには職員の方々の蛍事業への思いや情熱が必要であると私は考えます。区としての見解といいますか、副参事の見解でも結構でございますので、その点いかがでございましょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 公園・道路分野としましては、まさに、いわゆる蛍の飼育というのはまた初めての経験でもありまして、試行錯誤を繰り返しながら取り組んできているというのが実態であろうと思っております。今、委員御指摘の、今後とも職員の思いや情熱を喚起しながら取り組んでまいりたいと思っておる次第でございます。
○南委員 ありがとうございました。
それでは、続いて、最後にその他の項で眼科検診について伺います。
中野区での眼科検診は50歳から5歳ごとに65歳まで対象に実施をされておりますけれども、受診数及び受診率の実績について伺います。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) お答えいたします。
眼科検診の受診者数や受診率についてでございますけども、平成19年度は登録者数2,438人のうち1,770人の方が受診され、受診率は72.6%でございます。平成20年度については、登録者数7,875人の方のうち受診された方が5,592人、受診率は71.0%でございます。
○南委員 今お聞きしまして、20年度が19年度に比べてかなり受診者数がふえているというふうに思いますけど、これはどういった理由でございましょうか。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 区はこれまで、眼科検診につきましては、実施年度の年度当初に既に対象年齢に達している方を対象としておりました。国が示しました特定健診の対象者は、実施する年度中に対象年齢に達するということになっております。このため、眼科検診の年齢基準日につきましても、特定健診の年齢基準日に合わせることにいたしました。このように、年齢基準日の変更に伴いまして、眼科検診について対象から漏れる方が生じないようにするために、平成20年度につきましては、経過措置といたしまして、実施年度の年度当初に既に対象年齢に達している方、それから、実施年度中に対象年齢に達する方の両方を対象としたために、受診する方が大幅にふえたということでございます。
○南委員 日本緑内障学会が2000年から2001年にかけて1年間、岐阜県の多治見市で40歳以上対象に行った大規模調査では、緑内障と診断された人は約5.8%、大体20人に1人という形ですけれども、しかも、そのうちの6割が、眼圧が正常範囲にもかかわらず緑内障となる正常眼圧緑内障でありました。失明原因の1位とされる緑内障は、眼科専門医が眼底検査をしなければ診断は困難であります。金沢市では平成18年度より、40歳以上を対象とした緑内障検診を始めております。中野区でも眼科検診の際、対象年齢を40歳に引き下げるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 眼科検診の対象年齢を引き下げることにつきましては、その効果を十分見きわめることが必要だろうというふうに思っております。また、周辺区の実施状況を見ますと、40歳や45歳を対象としている区もございますけれども、中野区と同じ年齢の方を対象としていく、また、中野区より対象となる年齢を狭めている区、さらには、眼科検診それ自体を行っていない区などもございます。このようなことから、眼科検診の対象年齢を引き下げるという考えはございません。
○南委員 ありがとうございます。
では、以上で私のすべての質問は終わります。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。
午前中に要求した資料のうち5件の資料をお手元に配付してありますので、御確認ください。
次に、山口かおり委員、質疑をどうぞ。
○山口委員 第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から総括質疑をいたします。
質問は通告どおり行わせていただきます。
最初に、障害者施策についてお聞きしたいと思います。
まず、障害者自立支援法について伺います。
新政権のもとで、障害者自立支援法についても廃止する旨の発言が大臣からありました。応益負担については人権侵害ということで、全国各地で今、裁判で争われています。自立支援法の最大の欠陥である応益負担の廃止と、事業者に大変な減収をもたらしている日額払いのこの方式を月額払いに戻すこと、こういったことは、これから始まる臨時国会で速やかに決めていただきたいところですけれども、新事業体系への移行については現在進行中の課題でもあります。
決算書では民営福祉作業所に対して障害者自立支援法移行支援の補助金が支給されておりますし、個々の作業所施設でも現在移行準備中のところが少なからずあります。今後は障害者権利条約の批准を視野に入れた新法が制定されることになろうかと思いますけれども、どのような制度変更があろうとも、いずれにしても地方自治体として、障害のある方の働く場や暮らしの場が成り立っていくような行政支援が必要と考えます。
まだ新事業体系への移行が一つもされていない精神障害者共同作業所の移行支援についてお聞きいたします。第2回定例議会での私の質問に対して区は、東京都の助成制度の活用など、事業者が障害者自立支援法のもとで主体的に運営していけるよう支援をし、施設の確保については作業所が民間等の建物を借用して行うことを考えているというお答えでございました。その後どうなっておりますでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) その後、現在お示しをしております新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の素案の中で、民営の障害者自立支援施設などに御利用いただける場としまして、東中野小学校跡地、中野五丁目の用地などを計画化しております。精神共同作業所についても、機能強化のための移転先として御検討いただき、御活用いただければと考えております。
○山口委員 東中野にありますあとりえふぁんとむなどは、移行する上でメンバーをふやさなきゃいけない。そうなると、当然、今のスペース上は手狭になっていくために、やっぱり場所の確保が課題となっております。先ほど言われた自立支援施設も当然選択肢となってくるかというふうに思うんですけれども、一方で、地理的に、すばる作業所、工房なんかは野方にありまして、地域でこれまで地道に、地域に根差した運営をしてきたという実績もあるかというふうに思います。現在も、今既に狭いスペースで、作業する上で支障が出ているということなんですけれども、区有施設の提供がここで無理であるということであれば、新しい移転先で引き続き家賃の補助等も必要になってくるかと思いますが、その点についてどうでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) すべての施設が今回お示しをした中でやっていくということは無理でありまして、引き続き民間の建物を活用して作業所運営されるといった施設もあろうかと考えております。そういった場合の家賃の助成につきましては、自立支援法移行後の施設への助成制度全体の中で検討したいと考えております。
○山口委員 移転をして補助がなくなってしまったということになると、何のための移転かよくわからなくなってしまいますので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。
前回も質問させていただいたんですけれども、もう1点、唯一まだ区内で法人化されていない東部作業所の問題です。小規模作業所として、この作業所は特別に困難を抱えていると思うんですけれども、区としてはこの作業所に対してどうしていくべきであるというふうにお考えでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 東部福祉作業センターにつきましても、今回計画化をしました施設の活用、それからまた、都の助成制度の活用などによりまして、事業者の方が主体的に運営をしていけるような、そういった方向に基づきまして、引き続き相談と支援をさせていただきたいと考えております。
○山口委員 主体的にというお言葉だったんですけれども、どうも事業所の方とお話をしていると、新事業体系のイメージ自体があまり持てていらっしゃらないようにも見受けられます。区のほうでも同じくイメージが持てていないとなかなか事が前に進みませんので、ぜひ、十分に作業所の意向を聞きながらも、一定の方向性なりは示していただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 制度のことなどにつきまして、区のほうではきめ細かく情報提供するとともに、相談についてもさらに充実した相談というものをしていきたいというふうに考えております。
○山口委員 ぜひ、どういった事業体系が本当に可能であるのか、採算がとれるのかというようなことを、具体的な相談で支援のほうをお願いしたいというふうに思います。
東部作業所の利用者の方ですとか、知的の障害をお持ちの方でも重度重複の方など、ほかの施設の利用者の方からは、身体的な機能障害が時間の進行とともに成人期だんだん重くなってしまうということで、二次障害が生まれてしまうということをお聞きしています。そういう意味で、やはり区のほうでもリハビリ活動に対しての支援が必要となってくると思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 作業所に通所されている利用者さんの中でリハビリが必要な方への対応といたしましては、障害者福祉会館で行っています自立訓練、リハビリなどを相談支援の中で御紹介させていただくなど、個別の方々の状況に合わせた支援をしていきたいというふうに考えております。
○山口委員 こうした方たちは、現状ある障害者福祉会館でのサービスがなかなかちょっと時間の制限もあって不十分だというようなことなんです。現在、障害者福祉会館は送迎バスを出されておりますけれども、ここも定員の関係で利用できたりできなかったりということもあるそうなので、ぜひ実態のほうをよく把握していただいて、手を打っていただきたいというふうに思います。
また、東部作業所の移行支援に当たっては、そういったOTさん、PTさんの配置ですとか、プログラムを組めるような人材配置、スペースの確保も視野に入れた上での検討のほうをよろしくお願いしたいというふうに思います。
次に、所得保障の支援について伺います。
昨年行われた区の保健福祉サービス意向調査によりますと、就労による定期的な収入があるとする障害のある方が3割を切っている状況です。ほとんどの方が就労からはまともに所得を得ていないという状況が依然続いております。決算書では雇用促進事業委託費用、これは平成20年度、2,800万円余の支出と、19年度に比べますと400万円ほどふえているんですけれども、残念ながら就職者数を見ますと、39人が22人とかなり減っている状況がございます。これはどのような原因ととらえていらっしゃいますでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 平成20年度に障害者福祉事業団への委託料を増額いたしまして、就労支援員を1名増員しましたが、経済危機の影響から、全国的にも障害者の就職・雇用が減少いたしまして、中野区民の就職者数についても同様に減少したというふうに分析しております。
○山口委員 障害のある方の一般就労というところでは、昨今の雇用情勢の悪化でもろに影響を受けられていることであろうと思います。また、定着支援のためにも、生活支援の分野、異性の問題から金銭管理の分野からかなり労力を割かれてしまうということを担当者の方もお話しされておりました。今後、平成23年度の2年後には、昨年の倍以上の50人に一般就労者を伸ばすと福祉基本計画の中にあったかと思いますけれども、どのような方策をとるおつもりでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 引き続きまして民間企業への雇用の働きかけを強めますとともに、特例子会社の誘致、それから、作業所の方で就職のできる方へのきめ細かなそういった訓練ですとか支援を行いまして、多方面の取り組みによりましてぜひ目標を達成したいというふうに考えております。
○山口委員 今おっしゃられた民間企業への働きかけですけれども、牛崎議員のほうで昨年、企業の採用増に向けての取り組みを質問しましたところ、就職準備フェアですとか、企業への採用の相談会を実施していて、こういった事業をさらに拡充させていきたいというようなお答えがあったかと思います。その点で、現状、検討状況はどうなっておりますでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 経済団体との懇談会も開いておりますが、経済界といいますか、雇用する側にとっても、どういったことがあれば障害者の方の雇用がしやすいのか、そういったことも十分研究しながら進めていかなければならないと思っております。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の素案の中では、中小企業の障害者雇用を奨励する仕組みの創出というふうに掲げてございますが、何か区独自で新たな仕組みをつくることはできないか、そういったことも含めて検討しているところでございます。
○山口委員 経済団体との懇談会等を開かれていたら、もう十分御承知おきかと思いますけれども、やはり東京中小企業家同友会の調査でも、なかなか障害のある方との接点を持つことが難しいというような結果も出されています。そういった意味では、区が障害者雇用を一企業任せにせずに、フォロー体制、互いに理解を深め合う、そういった接点の場を持っていくこともやっぱり必要ではないかなというふうに思っております。
来年からは雇用納付金、法定雇用率の未達成企業の対象ですけれども、それが300人から200人と下がる、対象がふえることもございますから、そういった意味ではインセンティブが働いていくかとは思いますけれども、実際に昨今の経済情勢の中ではなかなか厳しいものがあると思います。
具体的にお聞きしますが、区は区内の障害者を雇用創出するという目的で、昨年、IT関連企業であるアイエスエフネットハーモニーという特例子会社を商工会館に誘致されたと思います。商工会館のトイレの改修費用などに2,000万円余支出したことに決算ではなっておりますけれども、その後、区民の障害者雇用はこの特例子会社において進んだんでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) ことし3月にその特例子会社を開設しておりますが、その後、区民の雇用というのはふえてはいない状況でございます。
○山口委員 まだふえていらっしゃらないということなんですけれども、区内の障害者の就労、雇用を進めていくということでの誘致をされたというふうに記憶をしております。せっかくお金をかけて、それまでの利用者の方にも一定移動してもらうといったことがあったかというふうに思っております。ほかの作業所施設や障害者福祉事業団とも連携を図りながら、ぜひ雇用のほうを進めていっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 当該の特例子会社につきましては、雇用自体をふやしていく予定だったところが、経済危機の影響からか、雇用をふやしておりません。そのため区民もふえていない状況でございますが、今後、雇用をふやすに当たりましては、区民の雇用をしていただくよう働きかけをしていきたいと考えております。
○山口委員 先ほどのお話の中で、やはり区として、行政として民間の事業所との接点を、障害のある方との接点をつくっていくべきではないかということを言わせていただいたんですけれども、体験実習というのも一つの方策であるというふうに思います。この特例子会社において、区内の障害のある方の実習の受け入れはどのようになっていますでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 実習の受け入れなどにつきましては、積極的に行われているところでございます。
○山口委員 東京コロニーでは、福祉系の事業所などに実習を受け入れられている経験がかなりあるということで、ほかの作業所や施設では区の体験実習だけというところがほとんどであります。こうした経験交流もぜひ自立支援協議会などで行っていただきたいというふうに思うんですけれども、区としても、区内にほかにも特例子会社があるかというふうに思います。ここでの体験実習の受け入れについて働きかけるということはできますでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 作業所などに行かれている方の就職に関しましては、事前に企業での実習を行われることが大変役に立つものとなっております。区内の他の特例子会社においても、そういった企業実習の受け入れを進めていただけるよう働きかけをしていきたいと思っております。
○山口委員 特例子会社に限らず、杉並や練馬といったところでは、区が業務委託している民間の事業所にも実際に働きかけを区がやって、体験実習の受け入れ先を毎年定期的に確保しているというようなことをお聞きしています。就労移行支援事業を行う事業所の数をさらにふやしていくことを区は障害者福祉計画の中で見込んでおりますし、そうした事業を展開していく環境を整える意味でも、ぜひ民間事業所への働きかけも積極的にお願いしたいというふうに思います。
次に、区の発注拡大について伺います。
障害のある方の就労の場としては区内の作業所が大きな役割を担っております。こうした福祉的就労の場での工賃は、皆さん十分御承知おきと思いますが、大変厳しいものがあります。中野区福祉作業所では5年前9,000円台であった月額の工賃が年々下がって、昨年は6,000円台にまで落ち込みました。ここから利用料負担としてまた1,500円何がし取られることになりますから、手元に残るのは本当にわずかです。
第2回定例会で私の質問、作業所に受注拡大をということに対しては、発注業務の拡大については、昨年度、区から障害者就労支援施設などへの物品及び器具の発注状況について調査を行った。この調査結果をもとにして、現在、区の発注業務の促進に向けて検討を行っているところというお答えをいただいています。現在、どのような状況になっているんでしょうか。
○長田経営室参事(契約担当) お答えを申し上げます。
ここ数年の傾向ということで、平成17年度から20年度にかけての4カ年についての実績を件数、契約金額、事業数によってお示しをさせていただきたいと思います。平成17年度15件、5,128万円余でございます。4事業者でございます。平成18年度12件、4,310万円余、3事業者でございます。平成19年度14件、7,305万円余、4事業者でございます。平成20年度15件、5,560万円余、5事業者、以上でございます。
○山口委員 事業所の数については、公園清掃などの仕事は障害者福祉事業団のほうで調整して、それぞれの作業所等に仕事を分配されていると思いますので、実際には事業所の数はそれよりも多いというふうに思いますけれども、それにしても、金額でありますとか件数などは、あまり経年で見ても変化がないというふうに言えるかというふうに思います。今後の発注増に向けて、区は具体的に優先発注の仕組みをつくっていくべきと考えますけれども、この点いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区は既に、発注可能なものについてはなるべく施設のほうに発注をするようにということで働きかけをしてございますが、今後さらにその方向を強めまして、施設への発注をふやして、施設の利用者の工賃アップにつなげていきたいというふうに考えております。
○山口委員 今年度に入りまして、公園清掃の委託事業が清掃回数1割カットされたというふうにお聞きしています。この件で、障害のある方の所得にかなり響いているということです。第2期中野区障害福祉計画では、今言われましたように、区の業務の委託増ですとか発注増を進めて、大幅な工賃アップを目指していくということがうたわれております。一方で、実際には既存の業務委託まで削減されるというのは、やはり矛盾したお話ではないかなというふうに思います。次年度の予算編成に向けては、既存の事業についても検討されることと思いますけれども、障害者の所得保障、あるいは直接区民の生活にかかわる部分がサービス低下することのないように、最低限維持していただきたいと思います。
次に、通所作業所への送迎補助の充実についてお聞きいたします。
障害の重い方たちが通所する生活介護事業所からは、送迎に対する補助を行ってほしいという声が寄せられています。江古田の森で行っている生活介護の事業では、国から通所サービス利用促進事業補助金300万円が支出されておりますけれども、区単独の補助はございません。これはすべて送迎のための費用として消えるということです。ほかに行き場がないため、本来入院するような医療ケアが必要な方も5人受け入れているため、特殊なケアが必要な車いす利用者も含めますと、送迎は4台、2往復、朝夕ピストン輸送で何とか回していると。入所の事業から補てんしてやりくりをしているということです。送迎でかなりの赤字が出ているようですけれども、採算がとれるだけの必要な送迎補助を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 現在のところ、江古田の森の生活介護の送迎事業につきましては、国の臨時特例交付金事業による補助があるところでございまして、区としてもその補助によって、事業者の努力と工夫によって運営をしていただきたいというふうに考えているところです。
○山口委員 努力と工夫はもう既にされていると思いますけれども、開所以来2年でさらに重度化が進んでいるということです。今後、送迎を手厚くしていただきたいという要望でございますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
あわせて、社会福祉法人あいいく会からも、高齢化に伴って歩行が困難になるといい、通所に支障を来しているという声をお聞きしています。新事業体系への移行に伴って、南中野にある第五杉の子作業所が第一に移転してきますので、ここでも送迎の問題が出てくるということです。ここも必要な補助は検討すべきではないでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区内の作業所などの障害者施設に通所する方のうち、移動の困難な方につきましては、障害者福祉会館を中心に運営しております送迎バスを区内各地のほうに運行いたしまして対応しています。今後、そういったバスへの需要の増加はあるというふうに考えておりますが、送迎バスの運行の工夫によりまして、今後も需要の増加については対応していきたいというふうに考えております。
○山口委員 こぶし園では送迎費用補助を含んだ委託料を出されていますし、障害者福祉会館の通所利用者についても7,000万円余の会館バス費用が出されているかというふうに思います。同じ生活介護事業者であるあいいく会さんですとか江古田の森については、区として送迎の補助はありません。障害者の通所を支援する体制を各事業所任せというのではなく、区として実態を把握して援助する方策を検討すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) それぞれの実態に合わせた、それぞれの利用者が通所できる仕組みを整えなければならないと思っております。それで、小さいあいいく会の一つひとつの作業所が通所バスを持つというのは事実上困難なところもございますので、障害者会館の送迎バスを区全体の送迎バスとして運用することによって対応していきたいというふうに考えております。
○山口委員 障害者福祉会館のバス、現在7台運行ということで、かなり今でもいっぱいだということですので、こちらの見直し自体が必要であるということであれば、それぞれの利用実態に見合った形で見直していただくようによろしくお願いしたいというふうに思います。
その他の項目はございません。
○いでい委員長 山口委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時52分休憩
午後3時14分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
山口委員、質疑をどうぞ。
○山口委員 保育施策についてお聞きいたします。
初めに、認可保育園の待機児解消についてお聞きいたします。
9月7日の厚生労働省の調査では、認可保育所に申し込みながら満員で入所できない待機児童がことし4月1日時点で2万5,000人余と1.3倍、昨年の3割増しに急増しているという報道がございました。中野区でも、ことしの4月時点で認可保育園に希望しても入れない子どもたちの数は327人でした。これだけ待機児が発生している原因としては、やはりこれまでの区の需要の見積もりが誤っていたと言わざるを得ません。
少子化を理由に保育園の増設は区は行ってきませんでした。平成19年度時点で認可保育園の待機児数は184人、平成20年度になると待機児童はさらにふえまして259人です。その解決策として区がとった手だての一つが区立保育園の民営化です。決算書では多額のお金が区立保育園の民営化に使われております。しかし、結果的に今年度また待機児童が旧基準で327人発生しております。区は、待機児解消の方策が果たして有効であったというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) お答えいたします。
本会議でも答弁してございますけれども、待機児童の解消については、区立保育園の建てかえ民営化による定員増や、認証保育所の開設誘致、それから家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでございます。特にゼロ歳児から2歳児までの待機児が多い状況の中では、今までの政策は基本的な方向性としては間違っていないというふうに考えてございます。
○山口委員 区としては頑張ってきたというような認識であろうかというふうに思います。10か年計画では既にゼロになっていることになっております。さまざまな経済情勢ですとか要因はあるかというふうに思いますけれども、結果できませんでしたというのでは、児童福祉法に照らしても、行政責任を果たしているとは言えません。
区は待機児解消の解決策として認証保育所も誘致しておりましたけれども、昨年10月、東中野に誘致したハッピースマイルが開設後2カ月して経営破綻を起こして廃園となりました。区は補助金1,300万円余を支出していたわけですけれども、このお金は今後返ってくる見込みはほとんどありません。全く無駄なお金の使い方と言えます。経営破綻したら、即刻子どもたちや保護者の方たちに影響があるようなリスクの高い認証保育所を認可保育園のかわりに待機児解消の施策とする区の考え方にそもそも無理があるのではないでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) ハッピースマイルの東中野駅前園の突然の閉鎖を踏まえまして、東京都の認証保育所の認証手続が厳格化されてございます。財務状況につきまして、区が都に推薦する段階で確認を行うとともに、東京都におきましても、会計の専門家が参加して認証審査会を行いまして、都と区で二重にチェックするように手続が改められてございます。また、区では、推薦に当たりまして現地調査を行うなど、事業者の運営能力や保育の実態の把握に努めてございます。したがって、事業の破綻のリスクについては、現在とり得る最善の努力が行われていると考えてございます。
○山口委員 地方自治体としてできる施策は限界があるかというふうにも思います。現在認証保育所に入られている方が現状に満足されているかということもあるかと思います。現在入所中の認証保育所の保護者の方で、認可保育園のほうに入所を希望されている方の数を教えていただけますか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本年の4月1日時点での数字でございますが、区内及び区外の認証保育所に入所している児童数は209人でございまして、そのうち認可保育所に入所申請していた児童数は58人でございます。
○山口委員 実際に認証保育所に入っていても、やはり認可保育園に希望されている方がこれだけいらっしゃるということです。ことし3月に発行した中野区子育て支援アンケート調査の中で、今後利用したい、または足りていないと思う保育サービスの1番に認可保育所33%とあります。区が対策としている認証保育所についてはわずか6.9%です。調査結果で明らかなように、保護者の利益は第一に認可保育園です。認可保育園を増設することが親の願いであり、また、子どもさんの利益を第一に考えたときにまず区がやるべき仕事のはずです。
東京都議会第3回定例議会では、待機児解消に向けて認可保育園の増設計画をつくるように求めた日本共産党議員の質問に対して東京都は、平成22年度移行の整備計画については、今年度策定する次世代育成支援後期行動計画の中で具体的に定めていくと答弁しております。東京都も計画的に増設していく方針を示しておりますけれども、中野区もこれを受けて必要な数を増設する計画を持つべきではないでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園の開設につきましては、基本的に10か年計画(第2次)の素案にお示しした計画に沿って建てかえ民営化を進めていく考えに変わりはございません。
○山口委員 今後の定員数のほうが年度ごとに資料で示されておりますけれども、それを見ますと、私立保育園への民営化ということで、大規模化するということでややふえてはおりますけれども、新規の建設はないように見受けられます。
児童福祉法24条には、保育所の入所申し込みに対しては、自治体が保育所に入所させる責務が明記されています。ただし書きに「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない」とありますけれども、あくまでやむを得ない場合です。区が責任を持って必要な認可園を増設し、定数分を確保すべきであることを申し上げておきます。
次に、待機児解消のための緊急避難的な施策として、空き施設の活用について伺います。
現状、直近の保育園の待機児童数、どうなっておりますでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 直近の8月時点でのデータでは、新定義で169人、旧定義では289人でございます。
○山口委員 区長は10か年計画の改定の意見交換会の中でも、待機児童は何年間もかけて解消するよりもすぐに解消すべき問題という趣旨の御発言をされておりました。また、担当者のほうからも、委員会の中で、待機児解消として空き施設の活用に努力していきたいという御発言もたびたび聞かれております。すぐできる手だてとして、旧桃丘小学校跡地の暫定活用を復活させるべきではないですか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これにつきましては、桃丘小学校の跡につきましては、本来事業の目的がございまして、これを害しない範囲ということでございますので、待機児対策として活用する考えはございません。
○山口委員 文化的な施設活用というのも大変結構でございますけれども、今、大変に困っている方がいるわけですから、優先順位を考えて利用のほうを御検討いただきたいというふうに思います。
南中野地域では南台児童館が10月中旬から空き施設となります。ここで暫定利用として保育園の分園としてでも活用できないでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 南台児童館につきましては、耐震性能や施設規模が十分でないことから、待機児対策としての活用は考えてございません。
○山口委員 耐震性能は改修すればいいかというふうに思うんですが、この地域には、通園できる距離に待機児童がことし4月時点で20名以上発生しております。ぜひ活用のほうを御検討していただくよう要望を申し上げておきます。
さて、来年度ですけれども、さらなる待機児が生まれないための方策が必要です。区が示している来年度の保育所の定員増について伺いたいと思います。来年度はどのように定員増を見込んでいるんでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 来年の4月1日時点でございますが、本年の4月1日と比較して265人の定員増を見込んでいるところでございます。内訳につきましては、認可保育園が、本年7月に開園した陽だまりの丘保育園の分園、それから新井保育園の開園、それから聖ピオ保育園の建てかえによる定員増、区立やよい幼稚園跡の認定こども園の認可保育園の開園、合計で229人の増となってございます。それから、認可外保育所でございますが、南台と東中野への認証保育所の開設、それから、龍の子保育室の認証保育所への転換、区立みずのとう幼稚園跡の認定こども園の認可外保育施設、合計で82人の増を見込んでございます。ただ、私立保育園の定員減と本郷保育園の廃園で46人の減がございますので、差し引き265人の増を見込んでいるところでございます。
○山口委員 旧基準ですと、認可保育所の定員増だけ見ることになりますので、認可保育園を希望する方たちの受け皿として、今年度の申込数で考えますと、来年度の定員ではまだ100人分は足りないということになります。例年夏を境にして、また待機児童、だんだんと数がふえていきます。現在の待機児童数、先ほどお答えいただきました289人ということですから、昨年の待機児童数、9月以降139人分ふえておりますので、単純計算で上乗せいたしますと、待機児童の数は来年400人を軽く超えることになります。来年度、この計画で本当に待機児解消ができるのか疑わしいと言えます。
9月25日付読売新聞の記事には、公立保育園の民営化が停滞しているという記事が掲載されていました。行革の一環として各地で進められてきた公立保育園の民営化をことしに入って延期、凍結する自治体が相次いでいる。民営化は保護者の反発が強く、運営を引き受ける民間事業者も不足している。保育園に入れない待機児が急増する中、時間がかかる民営化より、新規の保育園開設を優先したいという事情があるようだと記事にはあります。
中野区も、昨年夏に新しく委託先が決まった新井保育園は福岡県の社会福祉法人ですし、また、ことし1月に決まった南江古田保育園は大分県の社会福祉法人と、いずれも遠方を本拠地とする法人となっております。手を挙げる法人自体が少なくなっている中で、本当に保育の質を保つことができるのか、待機児解消に有効な手だてであるのかは疑問が残ります。
全国的にこうした民営化を見直す傾向がありますけれども、区の全園民営化という方針を見直すお考えのほうはおありでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これまでも区立保育園の民営化につきましては、保護者の理解を得ながら進めてきているところでございますので、確かに時間がかかるという点はございます。また、民営化の事業者の募集に関しても、全国から応募があったことも事実でございます。しかし、事業者が運営する認可保育園の視察を行いまして、また、財務診断も行って総合的に評価をしているところでございますので、保育の質や運営能力の高い事業者を選定できているというふうに考えてございます。したがって、多様な保育サービスを拡充するため、区立保育園の民営化を着実に進めていく区の方針に変更はございません。
○山口委員 今年度から開園している桃が丘さゆり保育園の園長さんも、地域に根付いていくのには長年かかる、時間が非常にかかる、保護者の不安は率直に感じているというふうにお話をされております。コスト削減のための民営化ですけれども、お認めになりましたように、大変時間がかかる。また、職員が全員入れかわることで、子どもたちにも一番やはり負担がいきます。乳幼児の生育環境はその後の人生に大きく影響いたします。この代償はあまりに高いと思います。立ちどまって見直すべきであることを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次に、本郷保育園について伺います。
決算では園舎のリース料に1,600万円余の支出がされております。現在、区は10か年計画のもとで、来年3月には本郷保育園を廃止するとしています。弥生町五丁目の仮園舎にいる子どもたちのうち、卒園する園児を除いて17名の子どもたちがおります。半年先のことですので、保護者の方たちは日々不安の中にあると園長先生もおっしゃっております。私自身も保護者の方から、一体どうなるんだろうかと不安の声を随分前からお聞きしております。保護者の方に説明会を開催し、アンケートをおとりしたと聞いておりますが、その結果はどうだったでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本郷保育園の園児の定員に関しましてアンケート調査を実施してございます。結果は、定員の対象となる現在2歳児クラスから4歳児クラスの園児のうち、本郷保育園が現在地に移転する以前から入所していた園児12人のうち、弥生保育園への転園を希望している園児が9人、それから、他の保育園への転園を希望している園児が5人という結果でございます。
○山口委員 本郷保育園については、保護者の方たちから昨年2月に保育園の存続を望む陳情のほうが出され、3月に区議会で採択がされております。弥生保育園への継続希望が9人というお話でした。定員の弾力化でも限界があるかというふうに思います。本郷保育園を廃止せず、継続して続けてほしいというのが親の願いでありますけれども、ぜひこの願いに沿う形で対応していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本郷保育園の廃止に関しては変更ございませんが、保護者の方の転園の希望につきましては、さまざまな工夫を行いまして、できる限り実現できるように努力してまいりたいと考えてございます。
○山口委員 陳情を議会として採択したことの重みや保護者の願いのほうをぜひぜひよく酌んでいただいて、御判断していただきたいと思います。要望にしておきます。
次に、私立保育園への支援について伺います。
私立保育園の中でも、新しく園舎を建てかえた保育園と違いまして、区立保育園の園舎をそのまま引き継ぎ民営化した園については、施設の老朽化が問題になっています。先日、その中の一つ、あけぼの保育園を見てきましたら、施設を利用する上で支障が出ておりました。ドアの取りつけ部分を紙やテープで補強しているような状況で、外壁塗装については20年来手がつけられていない、空調もメンテナンスが必要というふうな状況でした。施設から要望書も出されているとのことなんですが、どのように回答されておりますか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立保育園の園舎の譲渡を受けた私立保育園4園の施設については、老朽化が著しいという現状は把握してございます。建てかえあるいは耐震工事につきまして私立保育園の側から要望が出てございますけれども、それにつきましては、民間保育所の施設整備費補助要綱に基づきまして、経費の一部の補助等支援をしていきたいという回答をしてございます。
○山口委員 古い園舎を撤去し仮園舎を建設する費用となりますと、かなりの金額になってまいります。決算書では、旧桃が丘保育園の仮園舎に対して改修工事に3,700万円余、区立保育園営繕費用として支出がされておりました。桃が丘さゆりや陽だまりの丘保育園といった新しく民営化したところについては、区が古い園舎を撤去し仮園舎を建設する費用も負担している。園の自己負担は新しい園舎の建築のみで済みました。そういう意味では、同じ民間委託でもかなり不平等が生じております。必要な施設整備については区として助成すべきと思いますけれども、古い園舎を撤去する費用、あるいは建てかえの際の仮園舎の用地、建物の費用、これについて区の支援はどのようにお考えでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 古い園舎の撤去の費用につきましては、国の補助制度もございますので、その活用をしていきたいというふうに考えてございます。
それから、仮園舎を建てて建てかえ工事等行う場合につきましては、仮園舎の設置場所等につきまして、区として支援をしていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 園舎を建てかえるに当たっては、都の補助制度を活用しても自己負担が2億円近くなるというお話でした。準備資金を積み立てる期間もなく、本当に困っていらっしゃるということです。ぜひ区からの援助をよろしくお願いしたいというふうに思います。
その他で1点お聞きいたします。
ことし3月には「区民の声」に2件、認可保育園に申し込んだが不承諾となり困っている方のお声が届いております。どちらもかなり切実ですけれども、その一つに、ベビーホテルを利用しており、月額約9万円かかるが、4月から家族総出で働くことになり、約23万円の費用になっている。ベビーホテルの利用者は補助の対象外となっていて、これでは認可保育園や認証保育所を利用したいのにベビーホテルを利用しているというような、本当に困っている区民に対する制度にはなっていない。私たちは今、保育を必要としている。今回入園できなかった待機児への対応をどのように考えているのかということがあって、それに対して区は、認可保育所に入所できず、ベビーホテルを利用せざるを得ない方への補助などのあり方については、他自治体の情報を収集するなど対応を検討しているとあります。どのような検討状況になっているんでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 23区の状況を調査いたしました。ベビーホテルの利用者に対して保護者補助を実施しているのは杉並区のみでございました。杉並区の場合には、都などが定める認可外保育施設指導監督基準を満たすことが条件でございます。保護者の負担の公平性の問題については認識してございますけれども、財政状況が大変厳しい中、財政状況を踏まえて検討する必要があると考えてございます。また、ベビーホテルに関しましては、ほかにも難しい問題があるというふうに考えてございますので、十分検討したいと考えてございます。
○山口委員 保護者に対しての補助については、ぜひ、ひとしく保育を受ける権利を持っている御家庭に対して、公平性の観点から前向きに御検討いただきたいというふうに思います。
以上でこの項の質問は終わります。ありがとうございました。
次に、学校教育施設について質問いたします。
本会議で牛崎議員がお聞きした中学校の施設整備の件での質問です。
決算では、中学校の施設整備費に1億4,000万円余の支出がされており、そのほとんどが体育館、校舎の耐震補強に充てられています。施設維持補修に関しては1億5,000万円余となっておりました。
実際に見て回った学校施設についてなんですけれども、写真を撮ってまいりました。これは北中野中学校の女子トイレです。ドアが腐食し、ひび割れ、壁もかなり傷んでいます。そもそも生徒数に見合うだけのトイレの数になっておらなくて、生徒にかなり不便を強いているということでした。
二中のトイレは下水管のにおいが上がってきて、何年も悪臭がひどいということです。換気扇を回していると、そのすぐ隣の教室に風で悪臭が流れていって、生徒が気分が悪いと言って保健室に体調不良を訴えるということでございました。
これは北中野中学校の教室の窓枠、上の部分の窓枠なんですけれども、ガラスが外れやすくなっているため、「さわるな危険」と張り紙がしてありました。廊下も塗装がはげていて、体育館の裏手の階段は両端部分が崩れているような状況です。裏門なんですけれども、電気錠が壊れていて、手動での開閉となっていました。
体育館についてでございますが、第四中学校は照明が暗くて体育の授業に差しさわっている。
これは区内で最も古い第五中学校の体育館の天井ですけれども、資材の剥落があって、テープで継ぎはぎをしてパッチワーク状になっています。詳しく見るとわかるんですけど、何か穴があいたような、そういったような状況に、大分手を入れていらっしゃいます。床面も一部浮いたような状態になっておりました。
実際に4校だけ見てきたわけなんですけれども、これはほんの一部でございました。以上の施設整備は授業や生徒の安全上にも支障が出ていることですから、校割などではなく、早急に改善すべきかと思います。
牛崎議員が本会議で聞いておりましたけれども、計画的に施設整備を進めていくというお答えでした。どういう計画で、どういう手順で、順番で進めていくのでしょうか。まず、トイレについてお聞きしたいと思います。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 本会議で次長のほうから御答弁を申し上げましたとおり、施設改善につきましては、毎年実施をしてございます学校施設の安全点検等の結果を踏まえ、財産管理分野と連携をしながら、危険度、緊急度に応じて改善を進めていきたいというふうに考えてございます。トイレについても、その計画の中で進めていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 毎年同じ要望が出されているのに改善されていないというのはどういうことでしょうか。北中野中学校では1階の来客用トイレだけ工事がされていたんですけれども、ふだん生徒が使うところこそ優先してきれいにすべきではないかなというふうに思います。ぜひ来年度には整備をしていただきたいというふうに思います。
次に、体育館の施設整備についてはどうでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 体育館の施設整備につきましても、点検等を踏まえて計画的に、危険度、緊急度に応じて改善を進めていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 地域開放もされておりまして、非常に公共性の高い設備かと思います。耐震化とあわせて必要な整備をお願いしたいというふうに思います。
最後、特別教室の冷房化についてはいかがでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 特別教室の冷房化につきましては、統合の際の新校の施設整備等にあわせて今まで実施をしてきてございます。これにつきましても、施設整備全体の枠の中で考えていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 冷房化することの必要性についてはそもそもどのようにお考えでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 特別教室の中ではその必要性のあるところもあるというふうに考えてございますので、これからの施設整備の中で考えていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 必要性のあるところもあるというお答えなんですが、特別教室については、冷房がついていないところで、暑さのために夏の間その教室が使えないで、カリキュラムを変更したり、あるいは熱中症で倒れたりする先生もいるとお聞きしています。実際に授業を行う上で支障が出ていると言えます。教育環境を整えることが行政の一番の責任であるはずです。格差が出ないように早急な対応を求めたいというふうに思います。お言葉にもありましたように、統合新校には既に冷房がついております。学校統廃合の関係で冷房のついているところ、ついていないところと出てくるのは、やはりこれはあからさまに格差を生んでいると言わざるを得ません。
現在の維持補修の予算ですけれども、財政難の当時に抑制した低い額のままで配分がなされております。中学校について言いますと、維持補修の予算に、10年前の98年度までの額を見ますと、現在の倍の4億円以上の予算が立てられておりました。その後は大体この半分の額に落ち込んでおります。施設整備について言えば、98年度は3億円の予算規模であったのが、2000年から3,000万円台とその1割に落ち込み、ずっと抑えられておりましたけれども、08年度、ようやく耐震化により2億円台に戻っております。
一方で、08年の決算を見ますと、義務教育施設整備基金、ここに7億円以上が積み立てられております。統廃合計画を前提として予算を立てるのではなく、現在学んでいる生徒の教育環境を整えることをまずもって優先していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 何度も御答弁を申し上げておりますけれども、学校の施設整備につきましては、全体の施設整備の枠の中で計画的に実施をしていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 統廃合計画を前提としてということを申し上げましたけれども、やはり生徒の毎日使っている環境ですから、優先順位を考えて予算を立てていただきたいというふうに思います。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、心の相談室について伺います。
心の相談室は、小・中学校に配置されて以来、学校にとっては頼れる存在です。決算では生活指導相談事業となっています。南中野中学校では、開校後、昨年1年間で子どもの相談回数が660回、半年で電話相談は24件あったということです。第二中学校では、週に1回来るスクールカウンセラーへの相談に昨年1年間で757回子どもの相談があったということです。そのうちの8割、569回が単なる話し相手だったということですが、そのうち2割の約200件は不登校やいじめ、情緒不安定など悩み事の相談になっているということです。気軽に話せることで信頼関係ができ、悩み事を打ち明けることにつながっているということです。
保護者からの相談は、電話相談や不登校の子どもと保護者が一緒に来校して相談するケースも含めると、二中で昨年137回スクールカウンセラーが受けていたということでした。その前年には違うスクールカウンセラーの方がいらっしゃったそうなんですが、年間数十件しかなかったということで、その方の人柄に負うところがかなり大きいようです。
電話での相談については保護者からが一番多く、学校に来て相談はしにくいので、職場から保護者がかけてくるケースが多いということです。相談したことを子どもに聞かれたくない、授業中なので聞かれないので安心ということですが、現在、保護者や生徒が心の相談室に電話をかけますと、まず、学校の代表電話につながってから心の相談室につながる仕組みになっております。これでは、自分が相談することを先生など学校関係者には秘密にしておきたい方については、相談したくてもできません。学校とも相談して、心の相談室に直通でかかる電話を設置されてはいかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 お答えいたします。
教育相談室に改めて直通電話を敷設するということになりますと、新たな回線を引くということになります。この場合、当初の経費がかなり高額になるほか、後年度予算も相当額発生し続けることになりますので、このような状況から、新たな回線を敷設するということではなく、スクールカウンセラーが勤務している時間のうち一定時間を電話相談に充てるとか、スクールカウンセラーへの相談の際は匿名で取り次いだりするというような工夫をもちまして、既存の電話を活用する方法を考えてまいりたいと思います。
○山口委員 既にそういった工夫はされております。費用的に非常に厳しいということでしたら、携帯電話も検討していただきたいんですが、どうでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 その辺も検討しておりますけれども、実はスクールカウンセラーの第一義的なねらいは、子どもたちから直接話を聞くということでありますので、電話相談が主になってしまいますと、子どもたちがスクールカウンセラーの部屋に来たときに相談ができないというような状況になってしまうということもありますので、改めて、電話相談であれば教育センターの電話相談がございますので、そういうのも御活用いただきたいというふうに思います。
○山口委員 秘密にしておきたいという方の要望には、では、こたえられないということでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今お話ししましたように、例えば一定時間、この時間はスクールカウンセラーが電話をとるというような仕組みをつくるとか、もう既にやっておりますけれども、スクールカウンセラーの電話については匿名で取り次ぐとか、そういうことができますので、改めてその部分をやっていけば、匿名性は担保されるというふうに思います。
○山口委員 声でわかってしまうんですよね。それは本当にそのとおりなんですよ。わかってしまうので、匿名にしてもやっぱり……。携帯電話の検討については、学校のほうからも要望をお聞きしていますので、ぜひ前向きに御検討していただくようにお願いしまして、この項の質問は終わりたいというふうに思います。
次に、公共施設のバリアフリー化についてお聞きいたします。
まず、なかのZEROの件で伺います。
なかのZERO小ホールについては、年間の利用者も22万人と多く、公共性の高い施設です。年5回は利用するという老人大学の参加者からは、小ホールに至るまでの階段の上りおりがつらいということをお聞きいたしました。建物の横手の入り口から入るとエレベーターがありますが、この小ホールは中2階に位置しておりまして、エレベーターがとまりません。このエレベーターを利用しても、やはり階段を上るかおりるかしないといけません。小ホールに至るまでにエスカレーターかエレベーターをぜひ設置してほしいという要望が出されておるんですが、検討していただきたいですが、どうでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) お答えいたします。
小ホール内に新たにエレベーター、エスカレーター設置ということになりますと、本体、控室のスペース確保とか、非常に難しいと。それから、多額の工事費用が必要となると考えておりまして、非常に困難であろうと思います。今ちょっとお話がありました東側の入り口から入った正面のエレベーターでございますけれど、これは一たん階段で地下におりていただかなければならないんですけれど、数段おりましてエレベーターに乗ってしまえば、全く階段を上ることなく小ホールに入ることができるわけでございます。大変だという方については、こちらを利用していただくように御案内を申し上げていきたいと、そのように考えてございます。
○山口委員 東側の入り口からというお答えだったんですけれども、お年寄りの方たちにとってはかなり遠回りになるという苦情が出ております。技術的に費用的な問題はあるかと思いますけれども、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。要望です。
もう1点、放置自転車の問題についてお聞きいたします。
駐車場に人が配置されなくなってから、かなりの放置自転車がとめられるようになっております。駐輪場よりも放置されている台数のほうが日中は多いくらいで、目に余るものがございます。人を置くようにすべきではないでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 歩道上に自転車が放置されていることでございますけど、地下駐輪場に本来はとめていただくということになってございます。この地下駐輪場に誘導するための掲示物を数カ所に設置して、警備員を巡回させるなどしてきたわけなんですが、今後さらに対策を強化して、地下駐輪場のほうに誘導していきたいと考えています。
○山口委員 誘導するにしても人がいないと、誘導する方がいないので、なかなか進まないかというふうに思います。ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
その他で、方南町駅のバリアフリー化について伺います。
交通バリアフリー整備構想によりますと、2016年を最終目標年次としてバリアフリーを進めることになっておりますけれども、この達成状況はどのようになっていますでしょうか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) バリアフリーですけど、鉄道駅のバリアフリーということからしますと、区内に16駅ございますけども、バリアフリーに全く未対応なのが、きのう佐野委員から御質疑がありましたけども、中野新橋駅でございます。その他の駅につきましては、現在整備中または、十分とは言えないにしても一定の対応はなされているものというふうに考えております。
○山口委員 駅のバリアフリー化あるいは放置自転車対策も、ここ近年で整備のほうがかなり進められているかというふうに思います。未着手の早急な整備が必要な箇所については、重点的に整備のほうをお願いしたいというふうに思います。
この整備対象駅とはなっていないんですけれども、南台や弥生町にお住まいの方が杉並区にある方南町駅もよく利用されております。整備案の中では年間1万5,000人余りの方たちが利用されているということです。しかしながら、この方南町駅にはエレベーター、エスカレーター、多目的トイレ、いずれも設置がされておらず、安全対策もされておりません。
南台の都営住宅にお住まいの車いすを利用されている方は、方南町駅にはエレベーターが設置されていないので、中野富士見町駅まで行かなければならない。電動車いすでも20分から30分かかる。アップダウンも激しく、途中の道も障害物がたくさんあり、夜道は危ないし、ぜひ方南町駅に設置してほしいと話されています。丸の内沿線では、支線では中野新橋駅が現在工事中になっており、方南町駅だけがいまだに残されております。中野区としても杉並区と連携しながら、東京メトロにバリアフリー化を働きかけてはいかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 方南町駅は杉並区にございまして、杉並区側は現在、東京メトロに対し、再三エレベーターの設置等を要望しているというところでございます。中野区としても、必要があれば、メトロあるいは杉並区にはお伝えをしていきたいというふうに思っております。
○山口委員 ぜひ後押しをして、実現に至るようよろしくお願いしまして、この項の質問を終わりたいというふうに思います。
最後に、環境対策について伺います。
私たちは太陽光熱利用機器への設置助成を直ちに行うようにと繰り返し求めてまいりました。2005年度末で打ち切られた国の補助金制度ですけれども、2009年度には復活しておりますし、1世帯当たり約20万円の補助金を受けることができます。また、東京都も2009年度から1キロワット当たり10万円を助成する制度が始められております。
要求資料、区民分科会関係の29番、省エネ機器等設置助成制度の有無、23区の状況を見ますと、他区ではほとんど何らかの省エネ機器等設置助成制度を設けております。中でも一番左にあります太陽光発電システムについては、すべての区が助成を行っております。融資を行っている区が3区ございますけれども、個人に対しての融資助成を行っていないのは中野区だけというふうになっております。ほかの区では既にほとんどが始めている中で、早期に助成すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいまのお尋ねでございますけれども、これまで本特別委員会でもお答えしてまいりましたことの繰り返しになりますが、現在準備検討してございます中野地域エコポイント制度、こういった仕組みを構築する中で、お尋ねの件も含めまして考えてまいりたいというふうに考えてございます。
○山口委員 東京都の助成制度の期限が2011年度までと時限措置となっております。来年度その制度ができましても、実際に区民が助成制度を受けられるだけの原資を積み立てられるのか、見通しもまだ具体的に示されておりません。来年度から一般財源を使って太陽光機器設置への助成制度を開始すべきと考えますが、いかがですか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) これも既にお答えしてきたことにダブりますけれども、(仮称)環境基金、こういったものを創設いたしまして、そちらを原資としましてこういったポイント制度、助成制度の原資に充てていきたい、こういう考えでございます。
○山口委員 新政権のもとで、90年度比で温室効果ガスを25%削減すると宣言がされております。しかしながら、前政権のもとで、2007年には90年度比9%まで京都議定書の目標基準から逆にふやしている現状がございます。目標に対してどのように近づいていくのか、とれる手だてを尽くすことが各自治体レベルで求められていると思います。国内屈指の住宅都市である中野だけが23区の中で一般家庭用の太陽光熱設置の助成を実施していないのはおかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、中野エコポイント制度といったような助成、ポイント付与制度、こういったものを創設しまして対応していく考えでございます。
○山口委員 この資料にもありますように、既に中野区はおくれを他区と比べましてもとっております。ぜひ一歩前に踏み出していただきますようにお願いをいたしまして、私のすべての質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で山口かおり委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、10月1日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後4時00分散会